内閣委員会 第3号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/09/09
会議録
○二田委員長 これより会議を開きます。 公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。 去る八月十二日の一般職の職員の給与等についての報告並びに給与の改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。中島人事院総裁。
○中島(忠)政府委員 人事院が、去る八月十二日、国会と内閣に対して行いました公務員の給与に関する報告及び勧告の概要について、御説明申し上げます。 まず、本年の勧告に当たっての人事院の基本認識を三点申し上げます。 第一に、近時、一般の職員の模範であるべき幹部職員の不祥事の発生について、厳しく受けとめ、国民の信頼が確保されるよう、報告において、そのための方策を提言いたしました。 第二に、民間では厳しい経営環境のもと、さまざまな経営合理化の取り組みがなされております。公務においても、一層の行政組織の整理合理化や定員の削減等効率化の推進が求められており、人事院としても、各種の人事管理面における施策を展開し、その円滑な実現が図られていくよう努力いたします。 第三に、社会経済システムの構造変化のもと、時代の変化に対応し得る弾力的な人事システムへの転換を図っていく所存です。 次に、以上の基本認識のもとで行いました職員の給与に関する報告及び勧告の内容について御説明いたします。 本年は、完全失業率が過去最悪になるなど、我が国の経済、雇用情勢が例年になく厳しいことを踏まえ、民間給与の精密な調査はもとより、民間企業においてとられている雇用調整等の実施状況について幅広く調査を行いました。 その結果、民間企業においては、極めて厳しい経営環境のもとで、雇用面を中心としてさまざまな措置がとられ、人員の縮減等により人件費の増加を極力抑制しながらも、大部分の事業所においては、低率ではあっても給与の引き上げが行われており、官民の給与の間には放置できない較差が生じていることが認められました。 人事院は、このような状況を初め、冒頭申し上げた公務における効率化等の取り組み、四現業の賃金改定の動向、各界、各地域からの御意見などの諸事情を総合的に勘案した結果、民間に見合う給与の改定を行うことが必要であると認め、勧告いたしました。 本年四月時点における官民給与の較差は、公務員一人当たり平均二千七百八十五円、率で〇・七六%となっており、年間で約五万円に相当します。 改定の具体的内容につきまして順次御説明いたします。 まず、俸給表につきましては、三十歳代を中心に、中堅層職員の改善を中心として、早期立ち上がり型への給与カーブの修正を進めつつ、全俸給表の改定を行うこととしています。改定に当たりましては、看護婦等に配慮するとともに、団結権をも禁止されている職員に適用されている公安職俸給表(一)について、特に被収容者の処遇を直接担当する刑務官等の職務の実態を考慮して、特二級を新設することとしています。 次に、昇給につきましては、民間企業の賃金体系の動向や公務における世代間の給与配分の適正化などの観点から、原則五十八歳となっている昇給停止年齢を原則五十五歳に引き下げることとしています。 また、手当につきましては、扶養手当や単身赴任手当に関して、民間の動向や職員の負担等の実情を考慮して改定を行うこととするとともに、新設の六年制中等教育学校の教員に対しても義務教育等教員特別手当が支給できるよう措置することとしています。 実施時期につきましては、本年四月一日としておりますが、昇給停止年齢の引き下げ等については平成十一年四月一日としております。 以上のほか、今後の給与制度の改善方向として、民間の賃金体系改革の動向や今後の公務員人事管理のあり方を踏まえ、職務や個人の能力と実績に応じた給与体系への転換を表明するとともに、福祉関係職員の処遇の確立や高度の専門職の処遇の枠組みの検討についても報告いたしました。 次に、人事院が人事行政の専門機関の見地から報告いたしました公務運営の改善について御説明いたします。 まず、弾力的な採用、昇進管理等につきまして、Ⅱ種、Ⅲ種等採用職員の幹部職員への登用を着実に推進していくため、各省庁における早期選抜と計画的育成を基本とした積極的な取り組みを促進、支援する立場から、平成十一年度からの実施を目途に、登用候補者の選抜方法の提示や登用候補者への研修の新設等を検討することとしています。また、高度の専門性を有する民間の人材を任期を限って採用し、その専門性にふさわしい給与等の適切な処遇を行うことができるシステムの整備について検討を進め、別途、国会及び内閣に意見の申し出を行いたいと考えています。さらに、平成十三年度から外務公務員採用Ⅰ種試験を廃止することとしています。 次に、退職管理につきましては、計画的な退職年齢の引き上げを政府全体として着実に進めることが重要であり、そのため幹部職員の勧奨退職についての目標を設定し、これを具体的に促進するための条件整備等を図る必要があると考えます。人事院としましても、能力、適性を重視した複線的な人事管理、スタッフ職等の整備と適切な処遇の確保等へ向けての取り組みを行うこととしています。 また、超過勤務につきましては、できる限り上限時間を設けて抑制することが望ましく、災害等避けることのできない事由に基づく場合を除き、年間三百六十時間が目安となると考えます。とりわけ、育児、介護責任を有する職員には、年間三百六十時間の上限規制を導入します。しかしながら、国会関係、予算折衝等の業務については、当面目安時間の設定は困難であり、業務の合理化に向け、行政部内全体での取り組みのほか、関係各方面の理解と協力を得る必要があります。 最後に、地方公共団体、特殊法人等へ辞職出向し、復職した職員の出向前の非違行為が復職後に判明した場合等に、懲戒処分をすることができるよう、所要の立法措置について別途意見の申し出を行う予定です。 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割、公務員が行政各部において真摯に職務に精励している実情、さらに人事院勧告が公務部門を中心に多くの雇用者等の給与等にも影響があることにも深い御理解を賜り、この勧告のとおり速やかに実施していただくよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。 ―――――――――――――
○二田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山元勉君。
○山元委員 民主党の山元でございます。 私は、長い間内閣委員会に所属していたのですけれども、久しぶりに質問をさせていただきます。よろしくお願いをしたいと思います。 今総裁から御説明のありました人事院勧告についてですが、一部、私どもから見て厳しい、例えば五十五歳の昇給停止の問題や、あるいは確かに民間の賃金がこういう状況ですから、史上最低、こういう内容になっております。しかし、私ども民主党も、この勧告が出ましたその日のうちに、やはりこれは早期に完全実施すべきだという立場を明確にいたしました。 人勧は、公務員の皆さんが、人勧の中でも総裁の談話で出ていますけれども、生活改善の唯一の機会、こういうふうに考えて待っているものですし、御承知のように、民間の賃金決定としっかりとリンクしておりまして、民間の皆さんにも大きな影響を与える、そういうものであります。とりわけ、今も申し上げましたように、低迷している景気の状況、こういう景気の対策ということからも、幾分不満はありますけれども、これは早期に実施すべきだ。これは、公務員連絡会の皆さんといいますか、働く公務員の皆さんもそういう気持ちをお持ちですし、私もそういうふうに思います。 一刻も早く早期に完全実施という立場を明確にしていただきたいというふうに思うのですが、そのことについて、まず官房長官と総務庁長官の見解をお伺いしたいと思います。
○野中国務大臣 お答えいたします。 今山元委員から御指摘ございましたように、人事院勧告が行われたわけでございますが、政府といたしましては、八月十二日に人事院の給与勧告を承りまして、同日、給与関係閣僚会議を開催をいたしまして、国家公務員の給与の取り扱いの検討に着手をいたしたところでございます。 今後、給与関係閣僚会議におきまして、人事院勧告制度を尊重するという基本的な姿勢のもとにおきまして、現在の我が国財政の事情を初めとする、また地方財政を含めた検討、さらには今委員が御指摘になりましたような経済不況、雇用不安の状況等、国民各層にわたる全般についてそれぞれ検討をいたしまして、そういう配慮の上に、誠意を持ってこの公務員の給与勧告の実施を適切に行えるような最大限の努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○太田国務大臣 私も、この人事院勧告の制度について改めて勉強をいたしまして、いかにこの制度が戦後の日本の社会の安定に寄与をしてきたか、そしてまた労働基本権の制約というものがどれだけの重みがあるのかということを改めて認識をいたしております。 そういう信頼関係を存続できるように、最大限の努力をいたしたいと思います。
○山元委員 先ほども申し上げましたように、長年この内閣委員会におりまして、今のお答えは何回もお聞きをしました。去年の速記録も見てみますと、同じように、憲法上の労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度を尊重するという政府の基本姿勢は不変であります、こういうふうにそのときの官房長官はお答えになっているわけです。 しかし、現に去年は指定職のところで一部不完全実施になっているわけです。基本的な姿勢、あるいは官房長官もおっしゃっていただいたように誠意を持ってというふうに考えても、去年は不完全実施であったわけで、大変残念なことです。 確かに今の状況でいいますと、現に勧告内容は〇・七六%という最低の勧告数値になっているわけですね。そういう今の民間の状況をしっかりと反映をした内容だということからも、もう一回、去年は残念だった、ことしは繰り返しては、基本的姿勢というのは二年も三年も続けばこれは崩れるわけですから、基本姿勢は不変だということであればこういうような不完全実施を二年も三年も続けてはならぬ、そういう決意を持っていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○野中国務大臣 御指摘のように、昨年は指定職等につきまして一定の制限を加えたわけでございまして、これが公務員の給与制度全体に与える影響等、私どもも承知をいたしておるつもりでございますので、今後、関係閣僚会議の議を経まして、先ほど申し上げましたように、この人事院勧告を誠意を持って尊重するという基本的立場に立ちながら、国政全般を十分注視をいたしまして、この勧告が実施をされるような方向で誠心誠意努力をいたしてまいりたいと存ずるところでございます。
○山元委員 誠意を持って御努力をしていただくとして、さて、勧告が八月十二日に出されました。そして年内にということを考えると、閣議決定、閣議はいつをめどにしていらっしゃいますか。 それでそのことが、例えば去年でいいますと、閣議決定まで勧告が三月ほどかかって、年末ぎりぎりになって差額精算されたわけですね。今までずっと、年々、この近年、五年も六年もですが、閣議決定を早めて早めて早めて努力をされてきました。そして去年、今申し上げましたような一部の不完全実施もありましたし、閣議決定が十一月にずれ込んだわけですね。 こういうことになっては、この今の臨時国会が十月七日までとすると、延長というのはどう考えていいのか、あるいは改めての臨時国会というのはどう考えていいのか、私は不確定要素が強過ぎると思うのですね。そういうことから考えると、年々早めてきた閣議決定を、やはり去年のような十一月十四日というようなことではなしに、ことしはうんと早く、この国会中に仕上げるんだということで閣議決定を急いでほしいと思うのですが、あるいは急ぐべきだと思うのですが、閣議決定のめどについてお伺いしたいのです。
○野中国務大臣 今具体的なスケジュールについてお答えできるような状況ではございませんけれども、私どもといたしましては、臨時国会は十月七日会期であるということを十分認識をして給与関係閣僚会議を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○山元委員 民間の賃金が低いと言っても、民間の皆さんは、五月、六月には新賃金がもう支給されているわけですね、手取りしているわけです。民間準拠という大きな原則が公務員給与にはあるとすれば、年を越して新賃金、この時分には民間の皆さんは次の春闘にかかっているわけですね。そうすると、公務員の皆さんの士気の問題もさることながら、民間の皆さんの元気に働こうという、春闘に与える影響というのは大きいわけです。 ですから、やはり正常な状況で賃金改定を行う、公務員の給与改定を行うということであれば、今官房長官がめどを申し上げる状況にない、こうおつしゃいましたけれども、私はやはりこれも、もう一遍重ねて官房長官にお聞きするよりも、責任を持たれるはずの総務庁長官、あるいは勧告をされた、先ほどもおっしゃいましたけれども、ぜひ尊重してほしいというふうにおっしゃった立場の人事院として、どういうふうに閣議決定を急いでもらうのか、お気持ち、見解を聞かせていただきたいと思います。
○太田国務大臣 総務庁といたしましては、早期完全実施ということで最大限の努力をいたす所存でございます。
○中島(忠)政府委員 私たちは、一刻も早い完全実施をお願いしたいと考えております。 勧告する際にも、官房長官、総務庁長官にもよく御説明を申し上げました。非常に深い理解を示していただいておりますので、私たちの期待のように事が運んでいただけるだろうというふうに思います。
○山元委員 私、資料を調べてみたら、あった資料では、昭和四十三年、一九六八年からずっと年内支給が行われているわけですね、三十年。この年、確かに厳しいけれども、小渕政権のときに年を越したんやというような歴史を残さぬように、それぞれの立場で努力をしていただきたいと重ねてお願いをしておきたいと思います。 事務局の皆さんにお願いをしておきたいのですが、これは公式の場で閣議決定がどっちを向くかわからぬのにということになるかもしれませんけれども、こういう十月七日というくくりがあるわけですから、今の人事院総裁、総務庁長官の御発言を受けて、事務局としては準備をしておいていただきたい。さあ、閣議決定がありましたから、あしたから頑張りますということにならぬように、このことについては答弁は難しいかもしれぬけれども、どうぞその準備をしていただきたいということなんですが、何か。
○中川(良)政府委員 事務方といたしましては、給与関係閣僚会議における検討を経まして、人勧の実施につきまして取り扱い方針が閣議決定として決定をされましたら、改正法案を速やかに国会に提出てきますよう努力をいたしますということでございますけれども、もちろん、そのための事前の勉強あるいは事務的に可能な準備作業ということには鋭意取り組ませていただきたいというふうに考えております。
○山元委員 お願いをしておきたいと思います。 ところで、先ほど報告の中にもありましたけれども、ことしの人勧の中で、人事管理の面で強く物を言っていらっしゃるという印象を受けます。例えば具体的には弾力的な採用、昇任について、いわゆるⅡ種、Ⅲ種の幹部職への任用の問題、あるいは早期退職慣行の見直しといいますか、在職期間を延長する、こういうことについて述べていらっしゃるわけです。 確かにそういうことは大事だと思いますが、例えばⅡ種、Ⅲ種の職員を幹部登用していくということは、単に口で言って特定の人を昇任していくというだけでは今の状況は解決をしないというふうに思います。 国民の皆さんが公務員に対して強く批判を持っている一つに、特権的な官僚制度、こういうものを批判しているというふうに思います。ですから、採用試験がⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種で、入り口できちっと決められて、そしてその採用になった時点で生涯の公務員生活が決まってしまうというような、そういう今のⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種の試験のありようというのはやはり根本的に考え直さなければいけないのだろうというふうに思います。 そういう昇進の問題、それから早期退職慣行を見直していくということについても、ただ年齢を上げていくというだけではどうしてもこれは解決をしない問題だというふうに思います。現に六十歳という定年制がありながら、あるいは次官は六十二歳という定年制はありながら、そこまで行かないで、五十歳を越すととりわけ幹部の皆さんはしりの下がこそばゆくなってくるという状況になっているわけですね。 これは、一口で言うと、天下りがはびこっているからという言い方は語弊があるかもわかりませんけれども、余りにもひどい状況になっているから、そこのところを変えなければ、長期に勤務する、早期退職慣行をやめるのだと言っても、天下りのところを切らなければどうにもならぬと思うのですが、その点については人事院としてはどうお考えですか。
○中島(忠)政府委員 御指摘の点は、公務員の人事管理全体にかかわる重要な問題だというふうに思います。五十年間新しい公務員制度を運用してまいりまして、その底にいろいろなひずみが出てきておる、それをどのように直していくかということの問題意識から、私たちは今回報告の中で幾つか重要な問題を指摘したわけでございますが、これに限らず、ますます多くの問題というものをこれから指摘し、取り組んでいかなければならないという認識でおります。 そこでまず、おっしゃいましたⅡ種、Ⅲ種の登用の問題ですが、これは公務員法を貫く能力主義、成績主義というものをより徹底していくために登用していこう、そして今までⅠ種採用職員のみがつくことができたポスト、そういうポストについてもⅡ種、Ⅲ種の職員を登用していこうではないか、そういう認識でございます。 特に、現下の不祥事の多発というものを考えますと、このⅡ種、Ⅲ種職員の登用というのは公務組織の中の民主化のためにも必要だというふうに私は考えております。したがいまして、各省庁によくお話を申し上げまして、平成十一年度の四月からこれが実施できるように現在努力をしているところでございます。ぜひとも、そういう方向での努力を実らせたいというふうに考えております。 それから、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種という採用試験区分というもののあり方が問題ではないかということでございますけれども、実はこれは大変難しい問題を含んでいると私は思います。 と申しますのは、もう先生方がよく御存じのように、現在、国際化が物すごいスピードで進んでおる、そして経済社会も非常に変わってきておる、こういう時代に行政として責任を果たしていくためには、政策面においてはスーパーエリートが必要だというふうに私は思います。そのスーパーエリートというものをきちっと採用して、きちっと育てていく、そのことによって政治のリーダーシップのもとに政策課題というものが設定できるし、政策課題に対する政策というものを政治が責任を持って決定していただくようになるだろうというふうに思います。 この政策面におけるスーパーエリートというものをどのように採用し、どのように育てていくかということについて、いい案というのが現在見つかりません。したがいまして、私たちは、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種という採用試験制度というものを持続しながら、なおその中において公務世界の民主化のためにどのような手だてをする必要があるかということを考えたわけでございます。別段、Ⅰ種試験、Ⅱ種試験、Ⅲ種試験というこの区分というものが永遠に不変のものであるというふうには考えておりませんけれども、やはり当分この制度というものは続けさせていただきたいというふうに考えております。 それから、早期退職慣行の是正の話ですが、この問題を考えるときに、私はいろいろな方面からの考察が必要だというふうに思います。 と申しますのは、例えて言いますと、情報公開の話が進んでおる、あるいはまた規制緩和の話が進んでおる、その他補助金の整理合理化の話が進んでおるということになりますと、公務の世界に民間が今までほど人材を求めなくなってくるだろうという背景があるのではないかというふうに思います。 片一方、公務の世界におきましても、先ほど申しましたような経済社会の変化というものを踏まえますと、やはり創造的な仕事、自発的に取り組むべき仕事というのがふえてきておる。今までのように公務組織に与件として政策課題が与えられているという時代ではないだろうというふうに思います。そうしますと、やはり公務の世界の中にも自然に変動する要因というものが含まれてくるだろうというふうに思います。 そういう状況を踏まえまして、関係各省によくお話を申し上げまして、早期退職慣行というものを直していくために少しお互いに知恵を絞って努力していこうではないか、そういう働きかけをしてまいりたいというような問題認識でございます。
○山元委員 そのⅠ種、Ⅱ種の問題ですけれども、不変ではないけれども当分このままやっていくのだ、私はもうこの考え方を変えて、例えば大卒程度の試験、地方公務員はやっていますね。そういうような形でないと、今総裁もおっしゃるような、国際化をしていく、それに対応、あるいは労働、雇用状況が非常に激しく流動化しているわけですね。そういうときに、公務について開放性を持たせる、あるいは活力を持たせるという意味からいうと、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種という厳然たる垣根というのはやはりもう取り払わなければいかぬ。だから、大卒程度という試験で、そして人材をどんどん育てていく、任用していくのだ、そういう制度に改めるべきだというふうに私は思いますし、そういう論もあるわけですね。 ですから、人事院としても、そのことについては早急にそれぞれの立場の人たちの意見も聞かせていただいて、これからの公務員制度として早く取っ払わなければならぬという認識に立っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○中島(忠)政府委員 私たちの方でも研究会を設けまして、その問題について突っ込んだ議論をしてまいりました。議論は、やはり今先生がおっしゃるような議論もございましたし、私が先ほど答弁で申し上げましたように、これからの日本の経済社会の中で公務員というものが一定の役割をきちんと果たしていくためには政策のスーパーエリートをつくる必要があるというような意見もありまして、Ⅰ種試験存続論というのもございました。 これからも、いろいろな人の意見を聞いてまいって、私たちも勉強してまいりたいというふうに思います。
○山元委員 天下りの問題ですが、けさの新聞を見てまた驚いたのですが、毎日新聞の一面トップにがんと出ていましたね、会計検査院の天下りについて、逮捕された防衛庁の上野元副本部長があっせんをしていたのだと。その中のコメントで、会計検査院の幹部は再就職で毎年頭を痛めており、逮捕された上野さんの申し出はありがたかった、ほいほいと天下りの世話をしていただきました、こういうことが書いてあるわけです。 病が膏肓に入っているという感じがするわけですね。会計検査院の人たちがこういう悪いことをした人たちにあっせんをしてもらってせっせと天下りをしている。そして、同じ毎日新聞の別のページではやはり懐柔をされていたというふうに出ているのです。 ですから、やはり公務員への信頼を失っている、あるいは公務員自身にも、もう五十を越したら考えなければならぬというような悲しい思いをさせているという、天下りがすべての諸悪の根源だとは言わぬけれども、思い切って断ち切らないといかぬのだ。そうでないと、本当にまじめに働いている公務員の皆さんが気の毒です。こういう記事が出るたびに悲しい思いをするわけです。 ですから、思い切って、希望すれば定年まで働けるという条件をできるだけ早くつくっていく。今までにたくさん論議がありました。そうすると人件費が膨らんてしょうがないんだ、こういうこともありますけれども、やはり、今の国民の皆さんの公務員への信頼を回復する、あるいは公務員自身の働きがいをしっかりとつくるということから、天下りについてはより厳しく規制をする、廃止とは言いませんけれども、そういう勇気がなかったらいかぬと思うのですけれども、総務庁長官、どうですか。
○太田国務大臣 天下りの問題につきましては、公務員制度調査会においてただいま検討をしていただいております。もちろん、我々政治家の側も活発に議論をして方向づけをしていかなければいけないことだと思います。そこのところがきちんとしなければ、今言われておりますさまざまな問題は本当の解決はないというふうに私も思っております。
○山元委員 このような公務員の制度のあり方については、長くあった公務員制度審議会が廃止になって調査会に変わって、去年から発足をして、調べてみたら今まで二十三回論議をしていらっしゃる。そして、この間、論点整理を発表されました。これからどういうふうにされるのか。二十三回各界のメンバーを集めてこの公務員制度調査会を進めてこられた、論点整理ができた、これから一体どうされるのか。 インターネットで国民の皆さん意見を言ってくださいと出てはおりますけれども、しかし、そういう大事な今の公務員制度の根幹にかかわる部分についての論議が行われて、論点整理が行われて、やはり私は国会にきちっと報告をされて、国会の場での論議をされるべきだというふうに思うのですが、この点についてはどうですか。
○太田国務大臣 公務員制度調査会の論議の内容につきましては、御指示をいただければ、極力内容について御説明をさせていただく機会は持ちたいと思っております。 ただ、私は、それもそうでありますけれども、むしろ国会における活発な御論議が大切ではないかというふうに思っております。
○山元委員 委員長、お願いですけれども、やはりこの問題は、事あるごとに論議をするのではなしに、あの膨大な論点整理が出ましたから、ぜひそれを委員会においても報告を求めて論議をするというふうにしていただきたい、こういうふうにお願いをしておきたいと思います。 そこで、この論点整理を見て、私は大変努力していらっしゃるなと思いました。公務員の採用のあり方から勤務のあり方、それから処遇のあり方、ずっと書いてあるのですね。四十九ページあるのです。 それで、一番最後に来て私は驚きました。一番最後のページ、四十九ページの一番最後の三行、こう書いてあるのです。「労使関係の論点に関しては、専門的な調査審議が必要であり、別途、検討グループを設置し、国家公務員の労使関係の在り方をめぐる諸課題について検討することとしている。」と書いてあるわけです。 これだけ二十三回も論議をされて、勤務がどうだ、分限がどうだとずっとやってきて、やはりその基本のところには公務員といえども労使の信頼関係、民間でしたら労使の信頼関係がなければ、お互いに労使がこのやろうと思っていたらそれは会社はつぶれます。労使が言いたいことも言う、主張もするけれども、共通の信頼を持って仕事をするということでなければ、民間の企業であれば発展をしないだろうと思うのですね。ずっとこう書いてあるけれども、いろいろの注文と言ったらいかぬかもしれないけれども検討がしてあって、最後の三行に、専門的な審議が必要だからといってちょこちょこと書いてあるのです。これは一体何です。 ですから、やはりこのことをしっかりと、基礎部分にあるのだということで、少なくとも並行して論議をして、こういう問題については労使で理解をして一緒に働いてくださいよ、頑張ってくださいよという立場がないといけないと思うのですが、いかがですか。
○太田国務大臣 私の理解では、これは特に大切な問題なので検討チームをつくったのだというふうに思っております。これからの論議を見守ってまいりたいと思います。
○山元委員 長官、私は少し腹を立てて言っているわけです。今の、これから見守っていくとおっしゃる言葉だけでは、どうも私は、そうか、頑張ってくださいということになかなかならぬわけですよ。 今申し上げましたように、私は、待遇改善とかなんとかいうことを前に出して言っているのではなしに、分限だとかそういうことをずっと決めていくのには、信頼関係が基礎にあって、ちゃんとこういうふうに労使関係をつくるのですという論議が並行して精力的に行われなければ、これはこちらで決めますよということではいかぬということを言っているのですが、もう一遍どうぞ。
○太田国務大臣 今委員御指摘のように、労使間の信頼関係がすべての基礎にあるということはよく私も理解をいたしております。 審議会のことでございますし、また総理が諮問をしている中での審議でございますから、余り細かく口を挟むことはできないと思いますけれども、そういうことを踏まえて今後考えてまいりたいと思います。
○山元委員 もう一回もとへ戻りますけれども、私はこの委員会で何回か提起したことがあるのですけれども、勤務の条件もそうですし、とりわけ人勧については信頼関係をつくる必要があるだろうと思うのですね。 それで、先ほども申し上げましたように、ずっとこの三十年間、少なくとも年内支給というのは行われてきたわけですね。ですからことしも大事だということを今まで申し上げてきたので、勧告が行われて十一月に入ってもまだ閣議決定が行われなかった、年末ぎりぎりになって、地方公務員だったらそれを見てもう暮れの二十八日、二十九日に差額を受け取りに行くというような時代もありました。異常なそういう時代を通ってきてだんだんと早まってきたのですけれども、ことしの国会の状況を見ていると不安だというふうに申し上げたのです。 どうですか、一遍制度を考え直してみて、人事院総裁が先ほど早くこうやって調査をして勧告したのだから尊重してもらいたいとおっしゃいましたけれども、確かに私は尊重する値打ちがあるだろうと思うのです。 ほかの例を私は余り知らないのですけれども、一つのものを機関が仕上げて、そして政府なり国会に提出する、この場合には衆参両院議長と総理に勧告をするわけですね。それだけの権威を持つ勧告ですから、基礎がもちろんございます。ことしの場合でも七千六百の事業所、五十万人の賃金状態を調べて、四月からずっとそれに大変なエネルギーを使ってこられたわけでしょう。 七千六百の事業所、答える方も毎年大変だと思いますけれども、五十万人の実態調査を四月からしていて、そして春闘が解決がおくれたのはまたさかのぼって遡及だなどとかいうことまできちっとして、私は権威ある勧告だと。中身についてはいろいろの問題があるけれども、やはり人事院としてはそういう努力をして総理とそして国会に勧告をされるわけです。この勧告は、だから当然最大限尊重されなければならぬのですが、最大限尊重するというシステムができていないでしょう。そのときの政治の状況だ、ひどいときには政争の具に使われるというような事態まであるわけですね。 ですから、そういう権威ある勧告だということであれば、やはり、国会の状況がどうあろうとも勧告をして少なくとも二月たったら実施をします、措置をしますよと。その間に特段のクレームがどこかからつかなければ、二カ月進んだ、三カ月進んだらこれは自動的に措置されるべきものというような制度、これは給与法を改正しなければならぬのかもわかりませんけれども、そうしなければ、今申し上げましたように時の状況、あるいは政治の状況によって左右されてしまうような権威のない勧告になると思うのです。 そこのところ、今の公務員制度の改正とも絡むわけですけれども、人事院総裁にお聞きをしたら、それはそうしてほしいとおっしゃるかもしれませんけれども、長官、どうですか。
○太田国務大臣 この制度は、私は、人事院勧告がまずあって、そしてそれを給与法の改正という形でもって国会の審議にゆだねるというところは大切なところではないかと思っております。 そこで、御提案のようなことで、例えば二カ月とかいうことにいたしますと、逆に国会の方を縛ることになるのではないかというふうに思います。それは、言ってみれば立法権の問題ではないかというふうに思います。
○山元委員 それは考えようだというふうに思うのですよ。今申し上げましたような重みのある勧告です。ですから、年によっては、出たときには休会中の審査もやって、内閣委員会を開くことがしょっちゅうあるわけです。ですから、国会を軽視するとかなんとかいうことではない。そういう立場できちっとした、これはこのような最高の勧告なんです、単なる申し出とかそういうことではないわけですから、しっかりとしたそういう制度をつくる。 私は、勧告後のエネルギーというのは大変むだだというふうに思うのですね、むだだと。どうしてもことしはこういうことについて立法府として注文をつけなければならぬとか政府として注文をつけなければならないというときには、それはやはり内閣委員会に申し出たらいいわけですけれども、私は、いつまでたってもそういうものに振り回されて給与法が成立をしない、差額が支給をされないということでは、大変権威を落とすし、公務員の皆さんに不安を与えるだろうというふうに思うのですね。 とりわけ、いつ閣議決定されて、いつ法案が成立するかわからぬという状況というのは、日本の津々浦々までやはり影響するわけですよ。みんな見ているわけです。数年前に、その法が成立する前にある県が給与条例を変えたらえらい怒られたというのは幾つか近畿にもありました。ですから、やはり全国の地方自治体の皆さん、あるいはそこで働いている地方公務員の皆さんが、ことしはどうなるんだろう、あの党がこう言ってこの党がこう言ってこういう状況だからということで、大変むだなエネルギーを日本じゆうで使っているわけですね。それはやはり公務にプラスになるか、マイナスになるかといったら、大きなマイナスになるだろうと思うのです、津々浦々で。 ですから、ぜひそのことについては思い切って検討していただきたいと思いますし、そういう出発点、思い切って何とかしょうという出発に、ああ、あのときの太田長官、偉かったなということで頑張ってくださいよ。 官房長官、どうですか。そういうことではいかぬですか。
○野中国務大臣 人事院勧告制度の基本を私ども十分わきまえておるつもりでございます。委員が先ほど来るるおっしゃっております問題点をよく私どももわきまえまして、そして今、一つには勧告制度のあり方、そして国政全般のあり方を見きわめながら、できるだけ早く、誠心誠意取り組んでまいりたいと思うわけでございます。法案をまとめましたら、国会におきましても早期成立のために深い御理解と御審議を賜りたいとお願いを申し上げる次第でございます。
○山元委員 今官房長官の立場としてはそうかもしれませんけれども、ぜひ、これは公務員制度のありようの大事な問題だというふうに認識をしていただいて、公務員制度調査会でも論議をしていただくように、あるいは総務庁としても積極的に、とりわけ人事院にしてみれば、せっかくしたのにぐずぐずというのは言い方が語弊があるかもわかりませんけれども、そうならない仕組みというのは人事院としても望むところだと思いますから、御努力をお願いをしたいと思います。 最後にもう一点ですけれども、高齢者の雇用制度というのがずっと論議をされてきました。そして、再任用制度を導入するんだ、こういうことが人事院からも申し出がことしの春あったわけですが、一刻も早く、今の高齢化社会のことを考えてもあるいは雇用の状況から見ても、二〇〇一年という一つのめどがあるわけですが、ぜひ早期に実現をしていただきたい、確立をしていただきたいと思うのですが、今の準備の状況というのですか、審議の状況はどうなっていますか。
○中川(良)政府委員 公務部門におきます高齢者雇用につきましては、政府部内に関係省庁の局長クラスで構成いたします検討委員会を設けまして、ことしの六月にその検討委員会の最終報告を取りまとめました。また、その前には人事院からも同趣旨の意見の申し出をいただいておるところでございます。 現在、これらの最終報告等を踏まえまして政府部内で作業中でございまして、基本的には定年退職者などを任期を定めて再任用するという制度を設ける、そのために国家公務員法を初めとする関連法制の整備をするということでございますが、このための改正法律案につきましては、準備作業を急ぎまして、なるべく早い機会に国会で御審議いただけるように事務局としては努力してまいりたいというふうに考えております。
○山元委員 報告や申し出もあったわけです。時代の要請でもありますから、二〇〇一年にできるだけ準備を整えて図っていかないとこういうものはなかなか動かないものですから、ぜひ作業を進めていただきたいというふうにお願いをいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○二田委員長 次に、佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 民主党の佐々木ですが、山元委員に続きまして質問させていただきます。 人事院勧告の問題については、今山元委員から大変詳細に御主張も交えて質問がございまして、私も、両長官の御答弁を聞きながら、真摯な対応をしていただけるものだと期待をしております。 私からも、今回の人事院勧告については、さまざまな御苦労の中でいろいろな点での御配慮があった、そういう点では評価できる。ただし、これまでの人事院勧告の歴史の中では恐らく最低の給与水準だということ、しかしこれも、現在我が国を取り巻く経済状況だとかあるいは民間の雇用状況などからするとやむを得ないものがあるのかな、そんな思いであります。しかし、それに関連してさまざまな細かい点での御配慮もいただいているということについては、これは私も評価したいと思いますだけに、やはり一日も早くこれを内閣に付議していただいて、そして給与法の改定も含めて、何といっても閣議を経ないことには給与法の改定作業もできないわけですから、これにも早く着手をし、そして早期にこれが実施できるように、ぜひ政府としての最大限の御努力をお願いしたい。 その後のことについては、法律策定の作業については、私ども国会としても、これまた最大限の努力を払い、それこそ党派を超越してみんなで努力をして、そして公務員の皆さんに一生懸命働く意欲も持ってもらうことに資したいものだ、こんなふうに考えている次第でございますので、どうかひとつ、その点をよろしくお願いを申し上げたいと思います。 ただ、さまざまな点での改善があるのですが、今も山元委員から御指摘がありましたように、昇給停止年齢の引き下げ、これはやはり対象となる方々にとってはかなり衝撃的なことではないかと思います。これは現行五十八歳を五十五歳に下げるということですが、お聞きをするところによると、当初五十三歳まで引き下げというようなことも案として出ていたやに聞いておるのですけれども、それが五十五歳ということは一応の衝撃緩和ということになるのかなと思いながら、しかし、これが実施は平成十一年の四月一日からということになっている、対象になる人たちは大変な不安感をやはり持たれるんじゃないかと思うのですね。 そのことについて、その緩和の措置というかあるいはそれに対応するような策というか、そういうことは今度の勧告の中にどういう形で考えられているのか。それについてお聞きをしたいと思いますけれども、これは人事院の方からお願いした方がいいかもしれませんね。
○武政政府委員 先生御指摘のように、ことしの勧告で五十五歳昇給停止というのを勧告させていただいたわけですが、これのそもそもと申しますと、やはり近年民間におきまして、今まで年功型の人事管理あるいは賃金体系というものが、能力とか業績をより重視する方向への転換というのが急激に進んでおります。具体的に見ますと、高齢従業員の賃金上昇を抑制するというのが広く行われているというのが私どもの認識でございます。 今回、そのような状況を踏まえまして、そして公務部内における世代間の給与配分という状況もあわせ考えまして、公務におきましても高年齢職員の給与水準の上昇を適切にとにかく抑制する、そして若年中堅層の職員の給与配分をより厚くする、そういうことで行っているわけであります。それをまとめるにつきましては、先生御指摘のように、各省及び組合の皆さんの意見も十分聞いたつもりでございます。 実施のための制度改正についてですが、やはり今のような民間の状況に対応するためにはこれを速やかに行うべきと考えておりまして、平成十一年四月一日というふうに考え、他方、その影響といいますかその改正の効果を受ける個々の職員にとりましては御指摘のように急激な変化ということになりますので、これについては急激な変動を緩和する必要があるというふうには私どもも考えております。 したがいまして、一定の職員については、昇給停止年齢に達した後も従前どおり昇給できるというような経過措置を考えなくてはいけないのではないかということで検討を進めております。これにつきましても、職員団体あるいは各省庁当局の意見を踏まえながら、今後、諸般の状況を見つつ詳細については詰めてまいりたい、このように考えております。
○佐々木(秀)委員 事前に通告いたしました私の質問順序では、次は公務運営の改善の問題になっております。しかし、実はきょうのこの委員会質疑では、人事院勧告問題を中心にすることはもちろんなのですが、なお、きょうはせっかく官房長官、総務庁長官おいででございますので、この給与問題以外の問題についてもお尋ねをさせていただくことについて御了解をいただいております。 お聞きをいたしますと、官房長官、記者会見の御都合もおありになるということで途中で退席をされるということでございますので、大変恐縮ですけれども、質問の順序を少し変えさせていただいて、官房長官にお尋ねをしたいことがございます。 その一つの問題は、いわゆる北朝鮮のミサイル問題でございます。もう一つは、従軍慰安婦問題の処理の問題でございますけれども、この二つの問題について官房長官に、いらっしゃる間にまずお答えをいただきたいと思っております。 八月の三十一日に、北朝鮮がいわゆる弾道弾ミサイルを日本に向かってというか日本の方向に発射をした。報道によりますと、また防衛庁などからの御報告によりますと、どうもそれが二段式になっていて、第一段は日本海に落ちているのではないか、そしてさらに二段目は日本列島を通過をして三陸沖はるかなところにまで到達しているのではないかという報道があって、私ども日本人に、日本人だけではないと思いますけれども、大変大きな衝撃を与えたわけでございます。 しかしそれに対して、これまたこの二、三日中の報道によりますと、北朝鮮側では、これはミサイルではなくて人工衛星なんだ、そしてそれについては光明星一号というような名前までついているんだというようなことも言っている。ロシアではこれが衛星だということを確認したというような報道もあったり、いや、そうじゃないんだということも言われたり、あるいはまたアメリカ側でも、衛星の可能性は少ないけれども、一応それかどうかということも確かめるということも言っておられるというようなことなのですが、これについて、現在、内閣としてどのような認識を持っておられて、この北朝鮮側の衛星だという点についてはどういうように調査をされているのか。 また、お聞きをするところによると、三陸沖あるいは日本海で防衛庁が巡視船などを出してこの探索に当たったというようなことも聞いているのですが、それによっての成果はあったのかどうか、その辺のことについての御認識をまず伺いたいと思います。
○野中国務大臣 お答えいたします。 現在、入手をいたしております諸情報を総合いたしまして、北朝鮮が言っておりますような人工衛星の打ち上げであったという可能性は非常に低いというように考えて、弾道ミサイルであったと私どもは考えておる次第であります。 例えて申し上げますと、米国の北米防空宇宙軍が諸データを鋭意今分析中と聞いておりますけれども、この分析の現在までの現状を通じても、人工衛星だという確認はされておらない。あるいは、我が国におきましても、防衛庁、郵政省等の関係各省が把握に努めておるところでございまして、今委員が御指摘になりましたように、衛星に積まれたという金日成主席の歌とか金正日総書記の歌とかこういうものを二十七メガヘルツで流しておるという話がありますけれども、現在まで北朝鮮のそういう周波数で電波による送信は確認をされておりません。また、ロシア、中国からも、これが人工衛星であったという正確な情報はないわけでございまして、北朝鮮のみが人工衛星だと言っておるだけでございまして、私どもはその確度はまことに低いというように考えております。
○佐々木(秀)委員 私の最後の質問のところでの探索、捜索といいますか、それの結果などについては御報告は受けておりましょうか。
○野中国務大臣 八月下旬に入りまして、米軍情報等を通じまして、北朝鮮がミサイルの発射台にミサイルを装てんしたとか給油をしたとかいろいろな情報がございましたので、防衛庁あるいは海上保安庁等を含めまして、それぞれその警戒態勢に当たっておったところでございます。 そういうものを総合いたしまして、また米軍の情報を総合いたしまして、当初は日本海に着弾したということでありましたけれども、その後、三陸沖に変更となったわけでございまして、ある意味においては、またその三陸沖からさらに弾頭は数百キロ先に飛んだのではないかということが言われておるわけでございます。今、先ほど申し上げましたようにさまざまな情報を精細に分析中でございまして、なかなかこれを完全に捕捉することが非常に困難なわけでございますが、後いかなることが起きるか、まだわからないわけでございますので、これに対する警戒態勢をも整えておるところでございます。
○佐々木(秀)委員 要は、探索したけれども、例えば弾頭の破片だとか、そういうものの収拾などには至っておらないということですね。 それとまた、伝えられるところによりますと、北朝鮮側では実は本日にも第二弾の発射をするのではないかというようなことも情報として入ってきておるやにも聞いておるのですけれども、その情報などについては政府としては入手しているのか。入手しているとすれば、それに対しての対応はどうされるおつもりなのか。 実は、この第一弾のときにも、お聞きをいたしますと、八月の初めぐらいに北朝鮮側が月内にもこういうミサイルを発射するのではないかという情報が寄せられ、それについて北京で日本側とそれから北朝鮮側との話し合いがあって、そこでそういうことをしないようにという申し入れをしたとか、あるいは米国からもそういう申し入れがしてあったとかいうようなことも伝えられているわけです。 何といっても、日本と北朝鮮とは正常な国交を持っていないだけに正規な外交ルートというのは乗せることができないのかもしれないけれども、やはり、そういうような情報があるとすれば、それに対して何らかの対応というのは必要になってくるのだろうと思うのですが、その二つの点でいかがでしょうか。
○野中国務大臣 お説のように、五日の日あるいは本日、第二弾が発射されるのではないかといったような情報が飛び交っておったことは事実でありますし、私どもも、昨夜からけさにかけましても非常に緊張感を持ってこれに対応してきたことも事実でございます。しかし、それぞれ米軍を初め関係者が点検をし情報を収集いたしましたところ、この第二弾につきまして差し迫った環境にはないというように現在認識をしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、先般のミサイルの発射というのは、我が国の安全保障に直接かかわる問題で、極めて憂慮すべき問題であるわけでございまして、政府といたしましては、引き続きまして、今委員御指摘のように、北朝鮮に対しましてあらゆるチャンネルを通じまして厳重に抗議をし、そしてこの遺憾な意を十分伝わるように今後も努力をしてまいりたいと存じますし、あわせて、ミサイルの開発や輸出を行わないようにも要請をしていきたいと存ずる次第でございます。 今後とも、我が国の安全保障や北東アジアの平和と安全という観点から、多量の破壊兵器の拡散防止という観点からも、米国、韓国等関係各国と緊密な連携をとりまして対処をいたしてまいりたいと存じておるところでございます。国民皆さんにもこの不安を増幅しないように、鋭意努めてまいりたいと存じておるところでございます。
○佐々木(秀)委員 官房長官のお答え、了解いたしました。 それと、こうした問題があると、必ずそれに対する反応というかいろいろな動きが出てまいります。現に、私は実は朝鮮総連の本部がございますすぐそばの九段の議員宿舎におるわけですけれども、この数日、この周りを右翼の車が例の大きな声を出して車を連ねて、付近の方々にも大変な騒擾を与えたりしておるわけです。また、そういうことだけではなしに、在日朝鮮人の方、特に子供たちですね、在日の学校に通っている、朝鮮学校に通っている子供たちに対する嫌がらせなどというのが、残念なことですけれども今までも何回も何回もあったわけですね。そういうことはやはり問題としては切り離していかなければならないだろうと思うのです。 これは、官房長官は元国家公安委員長もお務めいただいていますから、問題認識は十分におありと思いますけれども、そうしたことのないように御留意もいただきたいと思いますが、政府として何らかの御指示などお考えがございますか、どうでしょうか。
○野中国務大臣 北朝鮮がミサイルを発射したということによりまして、我が国において善良な市民生活を営んでおられます在日の皆さんの人権を侵すことがあってはならないと考えておるわけでございまして、その意味におきまして、私から警察庁あるいは文部省に対しまして、そういう人権が侵されたり、あるいは学校の教育の上で問題が児童に及ばないような十分な配慮を要請したところでございます。
○佐々木(秀)委員 この問題については警察庁もお見えだと思いますが、時間の関係がありますから、もう一つの質問の後で警察庁にお出ましいただきたいと思いますので、ちょっと御了解ください。 官房長官には、この問題についてはここまでにいたしまして、従軍慰安婦の問題についても、お時間の範囲内で結構ですのでお聞かせをいただきたいと思います。 実は、これもきょうの新聞報道によりますと、官房長官はこの従軍慰安婦問題についてのコメントを出されておられます。というのは、雑誌「世界」の十月号、これは発売になったばかりですけれども、この中に韓国の金大中大統領がこの従軍慰安婦の問題も戦後処理の問題として、あるいは日本と韓国間の問題として見解を出されておられることが掲載されておる、これに触れての官房長官のコメントが出されています。 実は、私は、去る九月の五日に第二十五回の日韓・韓日議員連盟の総会がソウルでございまして、竹下元総理大臣が会長をなさっておられて、竹下先生も率先これに参加をされて、私も総会と分科会に参加をいたしました。私の参加しました分科会の中でも、日本と韓国あるいは朝鮮半島との間の戦後処理問題がまだまだ未解決の問題が幾つもあるという御指摘が強く韓国議員から出された。その中にやはりこの従軍慰安婦問題がありまして、この「世界」のインタビューで金大中大統領が述べられていると同じようなことがその席でも韓国の議員から強く指摘をされました。 この慰安婦問題の解決策として、これは村山内閣時代に五十嵐官房長官が大変な御努力をされ、皆さんとの御協議の上で、いわゆる基金制度をつくって国民の皆さんの多くの参加のもとに、この基金を利用して、運用してといいますか、いわゆる従軍慰安婦と言われた諸国の御婦人の皆さんへの償いをしようということをしたわけですけれども、しかし、これについてなかなかに関係者の皆さん、特に被害側の方々あるいはその国からの御理解がいただけなかった。 それで、この「世界」のインタビューの中では、大統領は「「慰安婦」の問題で我々は、国民基金のお金をハルモニたちが受けとるのに反対しました。「慰安婦」問題は日本の政府の責任であって、日本の国民の責任ではない。だから、国民からお金をもらう筋合いかないのです。そういうものをもらうということは、事の本筋をすり替えることになります。」と言われております。そして、ことしの四月だったと思いますけれども、韓国の政府は独自に韓国内の慰安婦の方々に対する金銭的な支給もしているということを聞いております。 一方、金大中大統領は十月に来日をされますが、私ども、この間韓国に行きまして、大統領ともお目にかかってお話をしたときに、日韓間の懸案の問題について、解決しなければならないことがあるけれども、これを解決するために自分は努力をする、例えばその一つとして日韓漁業協定の問題もめどをつけたいということを積極的におっしゃっておられました。 官房長官は、こういうことも受けとめられた上できのうコメントをされておられるのだろうと思いますけれども、慰安婦問題の解決について、金大中大統領が来られるときにというか来られる前にその解決策を考えなければならないということは、いわゆる国民基金についても見直しをする、あるいはもっと積極的に政府が直接に責任を負うようなことについても踏み込んでいくというようなお考えをお持ちになっているのか。 私は、このことは決断、勇気が要りますけれども、もしもそういう方向に向かうのであれば、私どもとしてもそのことについては協力を惜しむものではない、積極的に御支持をしながら納得のいく解決を図るべきだと思っておるのですけれども、これについての官房長官の御見解をお伺いしたいと思います。
○野中国務大臣 従軍慰安婦問題につきまして御質問をいただいたわけでございますが、昨日、この「世界」の本に出ました金大中大統領の発言の問題について記者から質問を受けました。 私自身は、平成五年に当時の河野官房長官が過去の大戦のときに軍がかかわった実態を報告され、そしてこれを通じて女性の多数の皆さんの名誉と尊厳を傷つけた問題について深刻に受けとめた、その気持ちを私も今もって大きな民族的反省としなければならないという責任感に立っておる次第であります。 ただ、きのうの質問につきましては、金大中大統領の御発言についてどう思うかというお話がございましたので、十月には大統領が訪日をされるわけでございますので、我が国といたしましては、既に委員御承知のように、さきの大戦におきましてサンフランシスコ条約を初め日韓条約を含めまして、過去の大戦におきますいわゆる財産あるいは賠償の請求権の問題につきましては、それぞれ法的に解決をしておるという認識に立っておるわけでございます。 けれども、従軍慰安婦問題につきましては、先ほどお話もございましたように、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたという問題があるわけでございますので、村山内閣の五十嵐官房長官のもとで大変な御努力をいただきまして、この問題に対する日本国内の、国民としての償いを何とかしてあらわしたいということでアジア女性基金が設立をされたわけでございます。政府といたしましても、アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その事業に必要な資金を拠出するということで最大限の努力を行っておるところでございます。 政府といたしましては、このような日本政府の立場やアジア女性基金の性格につきまして、ぜひ大統領がお越しになる前に、そしてお越しになったときにそごを来さないように理解を深めていただく努力をやっていかなくてはならないと申し上げたのが私の真意でございます。 特にその中に、先ほどお話にありましたように、先般日韓議員連盟で多くの議員の皆さん方が訪問をされましたし、そのときの経過も十分お伺いをしながら、せっかく訪日をされる大統領に対して、できるだけそごのないようにいたしたいという気持ちを披瀝したものでございます。
○佐々木(秀)委員 今お話がありましたような日韓議連の総会では、分科会での討議を踏まえて、こういう問題について具体的に検討しょうという小委員会を設置することになっております。どうかひとつ、この小委員会の討議、協議なども参考にしていただいて、よい方向での解決に向かうようにぜひ御努力をお願いしたい、こんなふうに思っております。 お時間でございましょうから、どうぞ官房長官、御退席になって結構でございます。ありがとうございました。 では、警察庁、お待たせしました。 先ほどの官房長官の御答弁との関連で、在日朝鮮人の方々に対する嫌がらせだとかあるいは右翼などのいろいろな迷惑行為に対して具体的にどんな対処をされているか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○谷川説明員 ただいま先生御指摘のとおり、北朝鮮によるミサイル発射によりまして、右翼による街頭宣伝が活発となっていることは、これは事実でございます。ただ、御懸念の在日朝鮮人に対する危害事案は今のところ発生はしておりません。 警察といたしましては、こういったことも十分に視野に入れまして、右翼など国内各種団体に対する情報活動を強化するとともに、北朝鮮や朝鮮総連と関連する場所や行事、こういったものを含めまして、関係方面に対する所要の警戒を徹底いたしまして、不法事案を未然に防止ないし封圧をしてまいる所存でございます。 以上でございます。
○佐々木(秀)委員 問題は違いますけれども、ここのところの世相を見ておりますと、いわゆる毒物関連の事件などが発生すると、それに関連した同じようなことが相似的に、連鎖的に出てくるなどということがあって、非常に私どもとしては遺憾な思いをしているわけです。どうも残念ながらそういう傾向が日本人の中にはあるようでございますので、今の在日朝鮮人に対するいじめの問題も、一つ起きるとまたそれに連鎖してなんということが起こりかねませんので、その点はひとつ十分にこのミサイル問題と切り離して警察としては対処していただきたいと思います。 それからまた、目に余るような右翼団体の行動に対しても、いろいろな基準は確かにあるとは思いますけれども、あらゆる法律的な制度あるいは知識、そういうものを総合して、いやしくも市民一般の日常生活に迷惑をかけないように十分にひとつ対処していただきたいと思います。このことを要望しておきます。 時間が余りないものですから、お待たせいたしましたけれども、総務庁長官にどうしても御発言をいただきたい。 敬愛する太田長官、御就任おめでとうございます。長官の手腕に期待しております。 そこで、いろいろお聞きしたいことはあるのですが、それを要約いたしまして、当内閣委員会では、懸案の一番大きな課題としては情報公開の問題があると思います。長官のところでは行政改革、非常にこれから御苦労もあると思うけれども、相当な決意を持ってこの行政改革に当たるということを長官はおっしゃっておられる。そして、この行政改革をやはりいい形で完遂するためには、地方自治の問題、地方分権の問題と、それから情報公開の問題は切っても切り離せない車の両輪だと私は思っております。 そこで、情報公開法については、長官御就任のときのコメントで、大変意欲的に今国会での成立を期しておるということを言われている。そしてその中で、「与野党問わず国会議員の認識はそんなに違ってはいないと思う」ということを言われながら、法案修正の可能性については「今の政府案についても、微妙なバランスの上に提案されたと思っている。一か所でも壊すことによって、そのバランスを崩すことはよくない」という御発言のように新聞では書かれておるのですね。 ということは、どうも修正についてのお考えは余りお持ちになっていないようにも受け取られるのだけれども、あるいはこれは新聞の方の要約ですから間違っているかもしれないのでお尋ねをいたします。 今、私ども与野党委員、特に理事を中心にしながら、何とかよい形でこの情報公開法をこの国会で成立させたいと努力をしているところでございます。そのためには、政府案だけでは問題があるということは、さきの通常国会でも、あるいは参考人の方々をお呼びしての質疑の中でも大分出ております。問題点は明らかになっているのですが、与野党が一致しているわけではもちろんありませんで、相当大きな違いがあります。特に、私ども野党の方からは今二つの議員立法が出ておりまして、これは政府案とまた大分違うのですね、時間がありませんからどれがどれがということは言いませんけれども。 しかし、そうした中で成立を期すとすれば、政府案そのとおりというわけには私どもは納得できないし、そうかといって私どもの議員立法すべてをということにもならないのだとすれば、やはり与野党あるいは政府を交えて修正を図るということになっていかざるを得ないのだろうと思っておるのですが、この辺についてのお考えをひとつお聞かせください。
○太田国務大臣 この情報公開法につきましては、私も随分、従来の自民党といいますか、あるいは官界というか、その常識からすると清水の舞台から飛びおりたようなところがあると思っております。それは、こういう画期的な法案が出てきた背景には、委員も含め各党の、特に民主党、そして社民党、そして共産党、あるいは平和の皆様方の長い間の御努力もありましたし、また、多くの市民団体の活動も、息の長い、粘り強い活動があったことがまず底流にあると思います。 しかし、それだけではこのような形で法案は出てこないわけでありまして、それは、この数年間の間に著しく我が自由民主党もそれから官界の中の空気も変わってまいりまして、その変化というものが非常に鮮明に浮き上がってくるのだと思います。 佐々木先生とは別の委員会で長く御一緒いたしておりますけれども、二年前の民事訴訟法の改正の際にちょうど象徴的に起こったことでございますけれども、期せずして、当時の官界あるいは司法の当局の考え方というものと当時の与野党の議員の考え方が全く違っておって、そこで、与野党一致してその当時大幅な修正をして、差し戻しという表現を使いましたけれども、また出し直してくるということがあったわけでございます。 ですから、微妙なバランスの上に乗っておるというのはどういう意味かといいますと、それはそれで随分努力をして、あるいは随分発想を変えてここに至っているわけであって、ここが大事なんだ。そして、部分的にはいろいろなまだ足らざるところがおありだと思いますし、あるいはまた自由民主党やあるいは行政の世界ではちょっとやり過ぎじゃないかというふうなこともあって、民主主義というのはやはり異なった価値観を持つ者同士が互いに何とか歩み寄って一つの結論に達するわけでございますから、論理的に、整合的ですっきりしたものがそのまま出てくるということはない。要するに、どこかで折り合っているわけでございますから、すっきりしない点はあると思いますけれども、ここまで来たということを大いに評価をしていただいて、ぜひ早期に成立をお願いいたしたいと思っております。 修正の話につきましては、私もそちら側にいれば、それはやりましょうということになるのでございますけれども、それは、二年前のことを思い出しても、その当時の提案者側の政府はこれが最善のものでございますというふうに最後まで言い続けるのが立場でございまして、ただし、そうは言っても、それこそあのときに起こったようなことは、あるいはこちらの方で起きるかもしれないということもあろうかと思います。しかし、あくまでも我々は今のがベストだということでございますので、お許しをいただきたいと思います。
○佐々木(秀)委員 ベストだと言われると困るので、私どもは私どもの議員立法がベストだと思っているものですから。ただ、いずれにしても、それは、ベストだ、ベストだと両方で言い合ったのじゃしょうがないのです。 それで、前の質疑のときに、参考人においでいただいた方々の多くの方から言われたのは、やはりつくる以上は使い勝手のいいものにしてもらいたいと御要望があって、前任の小里長官も、それは理解するという御趣旨の発言をなさっておられるわけですね。確かにそうなんです、つくって、かえって使い勝手が悪くなったりするようなものだったら意味がないものですから。そういう点で、正直に言って、政府案にはまだまだ使い勝手の悪さがある。 それからまた、それがそのまま通ることによって、かえってほかにマイナスの影響をもたらすのじゃないかなというような心配もないではないわけです。それもかなり質疑で明らかになっておりますので、お互いに問題点を確認させていただきながら、与野党間で知恵を出し合っていいものをつくっていきたいと思っておりますので、どうか、修正についても、かたくなに拒むのではなくて、大胆にこれを受け入れるという姿勢を政府としても持っていただきたいということを要請しておきます。 もう時間がなくなってしまいました。予定していた質問、公務運営の改善については、これははしょらざるを得ません。御了解いただきたいと思うのです。 ただ、もう一つ最後に、公務員の綱紀粛正の方策、これをうたっておられますけれども、ここのところ本当に目に余りますね。本当に残念ですね、特に幹部職員が多いのですから。私は、幹部でない方々、一生懸命頑張っている公務員の皆さん、こういう幹部職員の不祥事が出るたびに本当に情けない、悔しい思いをしておられるのだろうと思うのですよ。 この綱紀粛正の方策をどうされるのか、長官とそれから人事院と両方にお伺いしたいと思います。それをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○太田国務大臣 公務員の綱紀粛正のことについては、さまざまな議論がなされ、また、それに対する対応をする法的な努力もされておられるところでございます。 また、特に公務員倫理法については、さきの国会で与野党ともに提案をしておられる議員提案という形でもされておられるわけでございますし、もしそういう法案が日の目を見ることになれば、総務庁が恐らくその所管ということになるわけでございましょうから、そういう立法府の御努力と、我々、そういうことについてこの機会に今までとは違ってその辺をしっかりしていくということを決意をいたしているところでございます。 そちらの方の法案の方もひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 綱紀粛正ということを現時点で申し上げますと、汚職の防止と、そして国民に信頼される行政の確立ということになるのだと思います。 根底には、やはり公務員倫理をしっかり各職員に持っていただくということだと思います。 そのためにも、今総務庁長官がおっしゃいましたように、公務員倫理法の審議というものをぜひとも促進していただきまして、この施行というのをお願いしたいというふうに思います。 そこで、なぜ倫理観の欠如の公務員が出てくるかということでございますけれども、私たちが今回の報告で申し上げましたように、やはり閉鎖的な公務員の世界、あるいは特権的な公務員の世界、そういうところに倫理観の欠如の職員というものが出てくるであろう。そういう職員がどういうところで不祥事を起こすかということでございますけれども、やはり裁量権というものが自由にある、そして許認可権等の権限を持っておる、行政機関が集積した情報というものを自由にとにかく操っておる、そういう世界で不祥事というものが出てきているのだというふうに思います。 したがいまして、これをなくしていくためには、最初お願いいたしましたように公務員倫理法の実施というものをぜひともお願いしたいと思いますけれども、人事行政全般を改革いたしまして、そして閉鎖的な公務員の世界あるいはまた特権的な世界というものを改めていく必要があるだろう。そしてまた、それ以外にも、各省庁が持っておる許認可権等の行使につきまして、裁量権のあり方につきまして改めていかなければならないということで、いろいろな角度からの施策というものを講じなければこの問題というのは十分対応ができないというふうに認識しております。 とにかく、そういう方向での国会の審議もお願いしたい、議論をお願いしたいと思いますし、私たちもそういう認識を持って取り組んでまいりたいというふうに思います。
○佐々木(秀)委員 この問題は、今人事院総裁がおっしゃるように、特に最後のところが私は非常に大事だと思います。 もちろん、倫理法をつくることについても私どもやぶさかでないと思っておりますけれども、法律があればそれが全部すべて解消されるというものでないことは当然なわけでありますので、どうかひとつ、法律よりも前に、その法律が要らないような状況をつくっていくためにお互いに努力をしたいものだと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 その他の質問について、御答弁を用意されておったと思いますけれども、時間の関係で割愛せざるを得ません。御用意いただいた皆さんにおわび申し上げます。また機会を改めましてお聞きをすることになろうかと思いますので、御了解ください。 それでは、以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○二田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○二田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。倉田栄喜君。
○倉田委員 平和・改革の倉田でございます。 私は、まず、人事行政を中心に、本年度の人事院から出されました報告と勧告についてお伺いをしたいと思います。 報告にも触れておられますとおり、公務員制度が発足をいたしましてちょうど本年で五十年、本年の報告では、社会構造の変化と公務員の項で、いわゆる現行人事管理システムの問題意識が述べられているというふうに私は思いました。また、これを補足する形での「人事院勧告・報告についての説明」という文書には、「時代の変化に対応し得る弾力的な人事システムへの転換を図っていく」、こうございます。 これらは、報告の中にも散見できるわけでありますけれども、現在の状況が現下の社会経済システムに対応できる人事管理システムになっていないのではないのか、こういう認識をお示しになったものと思っておりますけれども、この人事システムの転換という部分における人事院の役割と権限は、今後の問題でありますけれども、どのようなものと人事院総裁はお考えになっておられるのか、そしてまた本来人事院はどのような役割、機能、権限を有するものとして設立されているのか、この点をまず御確認をしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 御答弁申し上げる前に感謝の言葉を申し上げたいと思います。 先生から質問通告をいただきまして、よく目を通させていただきました。公務員制度のあり方について本当に真剣にお考えになっていただいているなと、そしてまたこれからの公務員制度といいますか、そのことについて非常に心配もなさっておるということがよく読み取れます。これからも私たちをよく御指導いただきますようにお願い申し上げたいというふうに思います。 さて、答弁でございますけれども、一言だけ戦前のことについて申し上げさせていただきますと、戦前、権力を持っておったのは軍部と官僚と経済界だ、こういうふうに言われております。その官僚制というものを民主化するという意味におきまして戦後新しく国家公務員法が制定された、その民主的な公務員制度というものを実現していくために人事院というものが創設されたというふうに理解しております。また、それで間違いないと思います。したがいまして、この公務員制度というものを民主的につくりかえて、そして真に公務員が国民全体の奉仕者になるための役割を人事院は担っておるというふうに思います。 その公務員制度が発足するとともに労働基本権が制約されました。また、戦前の情実任用という弊害もございました。したがいまして、戦後の非常に生活の厳しいときには給与勧告制度というのが非常に前面に出てまいりました。また、任用における情実採用というものを排除するための試験制度というものも非常に重視されました。 そして、公務員制度ができましてそういう二つの機能というものが非常に重視され、人の目につくようになりましたので、ともすれば、人事院というものが労働基本権制約の代償機能を持っておる、また、公正な人事行政を担当する機関であるというふうに言われておりますけれども、誕生した経緯からいいますと、公務員が全体の奉仕者としてしっかり国民に奉仕できる人事行政制度というものをつくるのが人事院の非常に重要な機能だということは間違いないというふうに思います。 それで、先生がおっしゃいますように、私たちは今回の報告におきまして、公務員制度を眺めました場合に、長い間の経済社会の変遷というものを考えました。そうすると、現在の公務員制度、例えて言いますとピラミッド組織を前提とする年次式の人事管理というもの、あるいはまた、よく言われますように、採用から始まりまして、昇進、そして退職に至るまでの人事管理というものが時代に合わなくなっているというふうに言われます。 そういうようなものを全体として眺めまして、私たちは、各省庁の大臣が持っておられる人事権というものを当然前提としながら、それを尊重しながら、どのような制度をつくり、どのような枠組みを御提言申し上げるのがいいかということでいろいろ考えておるわけでございます。その一端が今度の報告の中に出てきておるということでございます。 これからも、そういうつもりで人事行政というものについていろいろ御提言申し上げていきたいというふうに思います。
○倉田委員 今、人事院総裁から、公務員が国民全体の奉仕者であるという点を踏まえて総裁の御所見を御披露いただきました。 考えてみますと、国民の側から見た場合、今の公務員制度、そして頻繁に起こってまいりますいわゆる幹部級公務員の不祥事、これを考えますと、それぞれ、人事院あるいは内閣、総務庁あるいは国会、本当に襟を正して二十一世紀の公務員制度というのはどうあるべきかということを考えなければならない、そう思います。 昨今も、防衛庁の幹部級職員のいわば不祥事、そしてもうこれは申し上げるまでもなく大蔵省、厚生省、最近幹部職員の不祥事件が頻発をいたしております。報告では、公務員の倫理の項で、これらの不祥事について厳しく受けとめて適切な対応を講ずるべきとして、その要因が述べられております。 ただ、私ちょっと見ましたときに、その要因が、午前中の質疑にもありましたけれども、いわゆる公務員の倫理、確かに倫理の問題はそのとおりだ。公務員の倫理、そしてそういうことを言われる前に公務員それぞれが自覚をしなければならないという問題もそのとおりでありますけれども、しかしこれは、政治家の場合でもそうでありましたけれども、倫理、倫理と言うだけで済む問題なのかどうか。 つまり、公務員制度システムそのものの中に一連の不祥事事件が頻発するような要因が潜んでいるのではないのか。あるいは、五十年続いてきた公務員制度、その疲労そのものに、これから迎える二十一世紀の状況、少子・高齢化社会と言われる、国際化と言われる、情報化と言われる、その時代に対応できなくなっているのではないのか。 報告の倫理の項の中には、人事システムの中の閉鎖的、特権的要素、あるいは公務員の政治との間における役割の確認、こう書いてございまして、総裁も午前中の答弁の中でその閉鎖的、特権的要素ということをお述べになりました。 しかし、これは言葉として確かにそうだなと思うんですけれども、もう少し詰めなければならない。その閉鎖的、特権的要素、あるいは公務員の政治における役割の確認とは具体的にどういうことなのか。また、これらは公務員倫理の問題のみならず、いわゆるシステムの問題としてこの要因というものを認識することができないのかどうか。この点、総裁はどのようにお考えになっておられるかお伺いしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 大部分の公務員は非常にまじめに、真摯に仕事をしておると思います。そういう大部分の公務員から見ました場合に、公務員倫理というものを持たずに汚職を起こす、そういう公務員というのは非常に憎い存在だ、いわゆる悪魔に見えるだろうというふうに思います。そういう悪魔が一体どこで育つのか、どこで生まれるのかというところがまさに人事システムにかかわる問題だというふうに思います。私たちは、閉鎖的な公務員世界というのがもし霞が関のどこかにあるとしたら、その底で生まれるだろうというふうに思います。 その閉鎖的な社会というのはどういう社会かといいますと、国民に対して閉鎖的な社会、したがって私たちは官民の交流というものを促進していく必要があるだろう。そうしますと、公務員の世界だけに存在する価値観というものが国民の価値観というものと同化していくだろうというふうに思います。 また、省庁間の人事交流というものも進めていく必要があるだろう。そういうことによって公務員社会というものは開放的になるだろう。また同じ省庁の中におきましても、特定のセクションにつきましては、ほとんど採用された職員がそのままそのセクションに在職し続けるというところもあるかもわかりません。そういうところについては、やはり省内の人事交流というのが重要になっていくだろうという意味において、私たちは閉鎖的なという言葉を使ったわけでございます。したがいまして、国民に対して、他の省庁に対して、同じ省庁の中におきましても、そういうことについて気をつけていかなければならないということでございます。 特権的なということは、育て方において特権的だということがよく言われますけれども、やはり私は、公務員が特権的な意識を今もし持っておるとするならば、それは政治との関係において非常に注意しなければならない公務員の特性だというふうに考えています。 結局、今までは政策の立案また政策課題の設定について、公務員はともすれば情報というものを握って、そして政治に対して親切なといいますか十分な情報の提供をしてこなかった、そして政策形成の中枢に座り続けてきた、その底に私は公務員の意識の特権性の根源があるというふうに思います。したがいまして、政治との関係について、公務員のあるべき役割そのものをはっきりさせなければならないという認識を持っておるわけでございます。 そういうようなことを考えますと、今回の不祥事というものは、今先生がおっしゃいましたように、人事システムそのものあるいはまた公務員制そのものにかかわる非常に重要な問題というものをそこに提起しているというふうに思います。したがいまして、根源的にこれを研究して検討して、問題というものを提起していかなければならないという気持ちでおります。
○倉田委員 今お答えをいただきましたように、その閉鎖的、特権的、あるいは政治とのかかわりの中における特権的意識、これを打破するためには、官民の交流であるとか、あるいは報告の中でも提言をされておると思いますけれども、Ⅱ種、Ⅲ種の方々の登用の問題であるとか、そういう御提言はなされております。それは今総裁が問題意識としてお持ちになったものから出ているものだ、こう思います。 ただ、今総裁も最後の方でおっしゃっておられましたけれども、システムそのものにこういう不祥事が起こる問題、根源が潜んでいないのかどうか、そのことを根源的に検討していかなければならない、こういうお答えでありました。 防衛庁、これは特別職という形で人事院の直接の所掌ということからは少し違うと思いますけれども、きょうの午前中も質疑がありましたけれども、毎日新聞の報道、会計検査院に対してまでもいわゆる天下り先というか再就職先をあっせんする、そして今回の防衛庁事件の背景は、要するに防衛庁OBの天下り先がどうなっているのだ、こういうところからも実は事件が起こっている。ほかにもあるのかもしれません。もちろん倫理の問題も含めてあるのかもしれませんけれども、しかし再就職の問題だとすれば、これは防衛庁のみならず大蔵省、厚生省、建設省、すべての省庁の中で実は問題提起をされて、報道されていないことも含めてさまざまな問題が起こっているのだ、こういうふうに思います。 そういう意味で、高齢者の再雇用の問題とか提案をされていることもあるわけでありますけれども、この再就職、天下り、こういう観点から人事システムというのはもう一度見直さなければならないのではないのか。今回の一連の不祥事の問題を含めて、倫理はもちろんだとして、倫理の問題だけにとどめておったとしては実はまだ根源的な解決にならないのではないのかという気がいたしますけれども、この点、総裁はどうお考えになられますか。
○中島(忠)政府委員 公務員の再就職といいますか、天下りというふうに俗に言われますけれども、この問題につきましては、退職管理の一環ということで今まで論じてきておるわけでございます。 ただ、この問題は非常に難しい問題を一面含んでいると思います。これは議論を深めていきますと、どうしても憲法で保障している職業選択の自由というものとぶち当たる問題でございます。したがいまして、その関係の理論的な整理をどうするかということと、公務員のライフステージといいますか、生涯の生活設計をどのように立てていくかということとも関連して考えていかなければならない問題であります。 そこで、私たちは、今回の報告におきまして、早期の退職慣行というものを是正していくことから始めようじゃないか。そのことによりまして、先生のおっしゃいます天下り問題というものも片づいていくのじゃないかというふうに思います。 ただ、この天下り問題につきましては、午前中も申し上げましたように、環境がいろいろ変わってきております。 なぜ民間企業が公務員というものの再就職の世話をするかといいますと、簡単に言いますと官庁が持っておる情報が欲しい、あるいは官庁が握っておる許認可権について優先的な取り扱いをしてほしい、あるいは官庁が持っておる補助金というものについて他に先駆けてたくさんもらいたい、この三つだと思います。 したがいまして、その三つにつきまして情報公開が進んできておる、あるいは規制緩和が進んでおる、補助金の整理合理化も進んでくるだろうということでございますので、非常に環境もまた変わりつつあるということをも考えながらこの問題をとらえていかなければ誤ることになるなというふうな感じをしております。 いずれにいたしましても、私たちは、早期退職慣行の是正というものを、各省庁と協力しながらできるだけこれを進めていく努力をしてまいらなければならないというふうな考えでおります。
○倉田委員 国家公務員法一条には「国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障する」、公務員制度の基本であろうかと思います。 私は、実はきょうの質疑は、人事院が果たされてこられた機能、役割、そして今後人事院が果たしていかれるであろう機能、役割ということに注視をしながらこの国家公務員法一条というのを読み返してみたわけでありますけれども、今までも少しお答えいただきましたけれども、この国家公務員法一条、人事院はこの一条の精神を実現するにどのような役割を有しているというふうにお考えでしょうか。
○中島(忠)政府委員 少し先ほども答弁いたしましたけれども、公務員制度の民主性、そして能率性というこの二つの要素というものを実現していくのが人事院の役割だということでございます。 その民主性というものを正確に理解するためには、やはり戦前からの歴史というものをしっかり把握しておかなければならないということでございます。その民主性というのは、やはりどういたしましても公務員が国民全体の奉仕者として仕事をしていくためになくてはならない要素だということでございますので、採用に当たりましても、また内部の昇進に当たりましても、この民主性の原則に基づく採用、昇進というものを貫いていかなければならないということだと思います。 そして能率性につきましては、もちろん公務というのは国民の税金で運営されているわけでございますから、この能率というものにつきましては、あらゆる側面から能率の発揮について人事院も心を砕いていかなければなりませんけれども、ひとり人事院だけではこの能率の発揮というものについてはとても手が及ばないという感じがいたしますので、総務庁を初め関係省庁の協力を得ながらこの能率の発揮については取り組んでいくことになるだろうというふうに思います。
○倉田委員 民主性そして一条に書いております中立性、そして今総裁はいわゆる戦前の歴史を踏まえた人事院設立の歴史というものを踏まえなければならない、こうお答えでありました。そして、その人事院設立の歴史というのか、そういうものを考えますと、人事行政の中立性あるいは公正性、この担保、それがひいては国家公務員が国民全体の奉仕者である、それを担保する機能というのは人事院がお持ちになっている、こう私は思っているわけであります。 この視点から見た場合に、近時の不祥事、まさに公務員が、一部職員、あるいは倫理観が薄いのかどうかわかりませんけれども、そういう見方はあるとしても、国民から見た場合、今回の防衛庁の事件を例にとってみれば、我々の税金は一体どうなっているんだ、もう自分たちで勝手に、本当にほしいままに使っているのではないのか、こういう疑念と不信感がますます増幅しているのではないのか、こう思えてなりません。 国家公務員法の十七条では、人事院にいわゆる調査権、つまり人事院の所掌する人事行政に関する事項について人事院は調査をすることができる、こう規定をしてございます。人事院勧告といいますと、いわゆる公務員のスト権の制限に対する代償措置として、いわゆる給与勧告のこの部分だけが従来からずっと議論の対象になってきました。近時、五十年たって、人事院の方でもいわゆる報告という形で公務員制度のあり方についてもお述べになっておられます。 しかし、私は、さらにもっと言えば、この十七条の調査権がある。公務員全体の信頼が国民の目から見たら損なわれているふうにも見える。もっと言えば、本当に能率的に中立的に公正にやっているのだろうかと見たら、もう防衛庁の事件を例にとってみれば、本当にとんでもないという状況に私は今あるのだろうと思います。 そうであれば、その国家公務員法一条そして十七条、そういうことを考えれば、これから報告、今まで勧告というのは給与勧告の方が主で、恐らく人事行政という観点からの勧告というのはまだ人事院は出されていないと思いますけれども、私は、根源的な問題にこの公務員制度があるとすれば、先ほど総裁がお示しになっておられる危機感とともに、この調査権の発動、ひいては人事院が懲罰権、懲戒権も持っておられるわけであります。 私は、国民の期待あるいは人事院が設立をされた経過、そういうことを踏まえるのであれば、この十七条の調査に基づく勧告あるいは懲戒権の発動ということもお考えになられながらその役割を果たしていただきたい、こういうふうな思いがしてならないわけでありますけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。人事院総裁にお尋ねします。
○中島(忠)政府委員 国家公務員法に目を通しますと、人事院にはいろいろな権限が与えられております。今おっしゃいますような十七条とか八十四条、あるいは二十二条とか二十三条とか二十四条というのにも非常に重要な権限が書いてございます。 こういうような勧告権とかあるいはまた調査権とか懲戒権というような権限を直ちに行使するのがいいのかどうかというのは、行政権限を持っている人間としては非常に慎重に考えなければならないという気がいたします、いざという場合になれば。それよりも、やはり事前にできるだけいろいろな措置を講じて、そういう強制権というものを行使しないような行政を進めていく方が、むしろ民主社会では私はベターじゃないかという気がいたしております。 そこで、私たちは、報告でいろいろな人事行政上の改善について提言を申し上げ、そして各省庁にそれを話しかけ、各省庁の理解のもとにそういう方向の人事行政をしていただく。そのことによりまして、法律で書いてある勧告権とか調査権とか懲戒権というものを行使しなくてもいいような状況をつくっていくのが民主社会における行政のあり方だという認識を持っております。 ただ、先生もいろいろな角度からお考えでそういう御発言をなさっているのだと思いますから、私たちはまた先生の御意見というものも十分聞かせていただいて、これからの仕事の参考にはさせていただきたいというふうに思います。
○倉田委員 要は、国会もそうでありますけれども、主権者たる国民の信頼をいかに得られるか。今、不信がいっぱい充満しているのであるとすれば、それをどう解消していくのか。人事行政という観点からしても、それがいわゆる役所間の話し合いの中で、国民の側から見た場合にどうなっているのか見えないということでは困るわけであります。 そこで、総務庁長官にもお伺いをいたしたいと思います。 総務庁のもとに、いわゆる公務員制度改革等についての議論がずっと鋭意進められてきております。行政改革会議の中間報告等々、いろいろな議論がなされてきているわけであります。 この公務員制度調査会についてお伺いをいたしますけれども、公務員制度調査会が昨年の十一月十一日、中央人事行政機関の機能分担、そして人材の一括管理システム、さらに内閣官房等の人材確保システムについて意見を取りまとめておられます。 この意見が出たのは昨年の十一月十一日。それで、この意見はその後どういうふうになっているのか。その後の状況、進展をまず総務庁長官にお伺いしたい、こう思います。
○太田国務大臣 公務員制度調査会で、今御指摘のありました行革会議の中間報告を受けて、昨年の五月十九日に橋本総理から諮問が出され、そして半年後の十一月十一日にその答申が出たわけであります。 したがって、これはあくまでも行政改革の中央省庁等再編成にかかわる中間報告を受けて、それに諮問を受けて答申を出し、そしてそれはさきの国会で成立をいたしました中央省庁等再編の基本法の中に盛り込まれたということでございます。
○倉田委員 この意見の中には非常に重要なことがございまして、先般成立をいたしました中央省庁基本法の中に大綱というか方針は盛り込まれておる。同時に、残された問題、これから具体的に詰めなければならない問題というのはまだ残っているわけでありまして、この意見の中にも、最終的に全部が全部意見集約ができているところだけではない。 私は、この意見をつい最近になってちょっと読ませていただいたわけでありますけれども、人事院のあり方、役割、機能という観点から見ますと、この公務員制度調査会の中で出された意見というのは、実は非常に重要な問題提起をされ、あるいは意見の集約をされ、今後のいわゆる省庁再編も含めて人事行政全般のあり方にかかわってくる問題だと思いましたので、改めてこの場で質問をさせていただこう、こう思ったわけであります。 それは、いわゆる公務員制度調査会が総務庁のもとに置かれて、そして、いろいろ人事院とも打ち合わせをされてこられたのだろうと思いますけれども、正式メンバーに入ることはいろいろ難しい面があったとしても、国民の側から見た場合、形の上では公務員制度調査会で取りまとめられた、集約された意見の中に、いわゆる人事院側の立場あるいは意見というのが本当にどの程度反映をしてこういう結論になったのだろうかということは、私は、その意見を読ませていただきながら少し疑問に思ったわけであります。 この点、この意見の中に、いわゆる人事院側との意見交換、意見の調整、これはどういうことを踏まえてああいう意見の集約になっているのか。この点は長官はどう御認識ですか。
○太田国務大臣 まず前段の、公務員制度調査会の昨年の十一月十一日の行革会議の中間報告に対する諮問そして答申という部分でありますが、これは専ら内閣機能の強化ということに対して公務員制度の従来の考え方との整合性をどう図るかということであったと思います。 ということは、内閣官房の強化というようなことになりますと、いわゆるポリティカルアポインティーということになるわけであります。ポリティカルアポインディーは、例えば、今、私やあるいは政務次官、みんなポリティカルアポインティーでございますが、我々は幸いにして議員と兼職でございますから余り人生の中で大きな問題にならないわけでありますが、それ以外の民間の方がそこに登用されるということになりますと、当然それはポリティカルアポインティーというのは言ってみればその総理大臣あるいはその大臣一代で終わるというのが一つの自然な成り行きでございますので、一般の公務員の方々に適用されるルールはなかなか適用しにくいということになるのだろうと思います。その部分について手直しをしたということだと思います。 そして、そのことを議論をした公務員制度調査会の顔ぶれはどうであるかというと、例えば、お一人、人事院の幹部であられた方が入っておられたわけでございますし、また現職の人事院の例えば総裁とか、それがお入りになるということは、それは政府のいろいろな審議会によってはまさにその諮問をしておる役所自体が委員で入ったりする例もございますけれども、ここの場合は諮問をしておる総務庁の人事局からだれも入っておりませんし、そしてまた現職の人事院からもどなたも入っておられないわけでございますので、構成として何か偏ったものであるということはないと思うのでございます。 そして、これは私、まだそのときいなかったわけでございますから後でお聞きをした話でございますけれども、しばしば人事院の方からはこの調査会の御議論には参加をしていただいて、充実したやりとりがあったというふうにお聞きをいたしております。
○倉田委員 今長官からも御答弁いただきましたけれども、内閣官房の機能強化ということは、我々もずっと議論をさせていただいておりましたし、一つの大きな課題でありました。 内閣官房の機能強化という面からすれば、内閣官房における人材の確保とかそういう意味で、今長官がお答えになった部分だと思いますけれども、冒頭申し上げましたように、いわゆるこの調査会の意見では、中央人事行政の機能分担、人材の一括管理システム、この点についても意見の集約がなされているわけであります。つまり、中央人事行政機関の機能分担、役割分担、人事院がありますよ、内閣官房があって、内閣総理大臣のリーダーシップに基づくものもありますよ、そして、各省庁のトップだと思いますけれども、人事任命権者がありますよ、こういう問題をずっと整理をされながら議論をしてこられたのだと思うのです。 私も説明を聞きまして、大枠、基準、枠組みづくりというのは人事院にやってもらって、あるいは内閣官房の機能強化という意味で内閣総理大臣がリーダーシップを発揮しなければならない部分がある、任命権者が適時適切に弾力的に対応しなければならない部分がある、そういうこともあってのこの意見だと思うのです。 今長官からは、人事院とも十分意見の交換をしながらやってきております、表面的な構成メンバーの問題はともかくとして、意思の疎通をしながらこの意見の集約をしてきたということでありますけれども、国民の側から見た場合に、ちょっとやはりいまだによく見えていないな、こういう気がしてならないわけであります。 昨年の七月ごろの、いわゆるマスコミあるいはいろいろなこの問題に関心を持っておられる論調、論文の中には、人事院の持っておられる権限、役割、機能というものが削られて、それぞれ役割分担、機能分担という形で総務庁なりあるいはこれからできるであろう総務省という形のところに持っていかれてしまっているのではないのか。あるいは、内閣府というのか、内閣機能の強化という視点から、人事院の機能、役割というのがそがれてしまうのではないのか、こういう懸念があったということは御承知だと思うのです。 私ももちろん、総裁の前ですけれども、今までの人事院が給与勧告という側面を重視をされて、公務員全体の制度という問題について、近時は別として、余り意見を言ってこられなかった経過はあるのだと思うのです。そういう意味で、総裁は非常に問題意識を持っておられるというふうに私はお聞きいたしました。 そういう問題意識から考えた場合に、この公務員制度調査会、しかも総務庁のもとに置かれた公務員制度調査会の意見のとおりになった場合に、従来人事院が持っている機能、役割あるいは権限というのは、役割分担、機能分担という形の中で削られてしまってきているのではないのか、それで実は先ほど人事院総裁がお答えになった、人事院を設立した歴史、経過、そのことの役割を本当にこれから人事院が果たしていけるのだろうかという心配も一部起こっているのだと思うのです。 そこで、総裁にまた改めてお聞きするわけでありますけれども、この公務員制度調査会の意見、これに基づいて基本法の中に集約されている、さまざま細部の問題あるいは意見が集約されていない部分は今からさらに詰めなければいけない部分も残っているでしょうし、あるいは大方合意ができているのだろうと思いますけれども、この意見に基づいた場合、人事院の機能、役割というのはどうなっているか。先ほど長官がお述べになった人事院の役割、国民に対して果たさなければいけない責務というのはお果たしになることができるのかどうか。その点、まずちょっと総裁に御確認をしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 私自身は、行政改革会議とか公務員制度調査会のいろいろな議論というものによりまして、あるいはその結論によりまして、人事院が今まで果たしてきた役割、権限というものが変更するというような話は聞いておりませんし、またそういうような必要もないだろうというふうに思います。
○太田国務大臣 私の理解では、いや、先生の方があるいはよく御存じかもしれませんけれども、今回の中央省庁再編に係る基本法案で従来の考え方から変わった部分というのは、具体的に言うと任免とかあるいは評価に類することでありますけれども、それについて従来人事院で基準をつくっておった、それに加えて、基準をつくるという権限のほかに、個別の任免や服務について何か現場の第一線の方で判断をしようとした場合に、それについての承認を人事院に求めなければいけない、その個別の承認という部分について、それはもう人事院ではなくて現場の方にお任せをしようというふうなことであったかと思うわけでございます。 ですから、今御心配の点は、もちろん心配をしなくてはいけない。心配をしなくてはいけないのだけれども、このぐらいのことであれば、従来の人事院の役割そのものが本質的に変質をするということにはならないのではないかと思います。 ただ、これは将来の展望の話でございますから、歴史的な経過をたどれば、人事院がこれまで果たしてきた役割というのは、特に給与に関する勧告というのは、大変歴史的に意味のある役割を果たしてきたと思います。 しかしながら、その当時、GHQから招請をされて調査団がやってきて、その調査団がこのような人事院のような中立的な機関をつくるべしということでスタートした制度でございますけれども、一方、そのときに勧告をしたアメリカの制度はその後変わったりいたしておりますので、その役割は、人事院の果たしてきた役割は重視し尊重するということは今後も続けなければなりませんけれども、そこについては、いろいろな幅広い議論がこれからも国会においてもなされるであろうということは予見できるところでございます。
○倉田委員 国家公務員法一条にございます民主的な、そして能率的な、そういう公務員制度、そしてそういう公務員のあり方、それを五十年の経験と歴史ということを踏まえながら、二十一世紀どうあるべきかということは、いろいろなところから私も議論をしなければならないだろうと思いますし、それぞれ人事院の方で果たしていただかなければならない機能というのは、もっと重大に発揮していただかなければならないと思いますし、また内閣の機能あるいは人事任命権者が弾力的に対応できなければどうも国民の期待にこたえられないというのであれば、それは大いに議論をしてしかるべきだろう、こう思います。 しかし、今回のこの公務員制度調査会の意見の中に、例えば行政運営の首脳部の号俸格付、これはいわゆる規制緩和という大義の中で、人事院規則から、任命者が決定できるようにしたらいいのではないか。あるいは、級別定数、各級別の定数がどれくらいの割合なのか。これは、俸給表等の割合の中で、従来から人事院がずっとやってこられた。これも実は意見の中には両論併記をされているわけであります。今のままでいいよ、しかしやはりこの問題は、いわゆる人事権者というかあるいは内閣というのか、そちらの方に移したらいいのではないのか、意見の中は両論併記になっているわけであります。 その後の展開で、これは一つの方向性が見えているのかもしれませんけれども、実はその級別定数の設定だとか、あるいは後でも、そのほかにも課長級以上の審査権の問題だとか、従来、昨年の七月ごろからこの問題は今まで人事院がやっていた仕事、ある意味では権限、それが違うところに行ってしまうのではないのというふうに非常に問題提起はされていたわけですね。 そういう面から見たら、やはり少し人事院の機能というのはなくなってきたのじゃないの、これは少し問題なんではないのという見方をされる国民の方も多いのだろうと思います。それはそれでいいのかどうか。 今長官がお答えになったように、これはあくまでも人事院の、先ほど総裁は機能、本質、役割はいささかも変わりなしと、いささかとはおっしゃらない、変わりはなし。そして長官も、変質があってはならない、こうおっしゃっておられましたけれども、この規制緩和という項目で、そういう項目が人事院になくなっているということについては、長官、どうですか、どうお考えになりますか。
○太田国務大臣 今言われましたように、級別管理については、従来、人事院がそれを決めるという考え方に対して、その当時、今御指摘の場合には、内閣総理大臣がそれをやるという意見も出て、両論併記で終わったわけでございますので、従来どおりということになっているわけでございます。ですから、当然今でも両論あるわけでありまして、それを必要最小限度にとどめて基本法に盛り込んだということだと思いますので、今後、今御提起された問題については議論が続くものと思いますし、その端緒がここに見られると思うのでございます。 ですから、それはやや基本法に関して、この部分を詳細に議論をしたわけではないというふうに私は理解しておりますので、ぜひきょうのようなことをきっかけにしてこの議論がきちんと行われることが望ましいというふうに思っております。
○倉田委員 総裁にお尋ねしたいと思いますが、今のこの質疑を踏まえていただいて、いわゆる行政運営の首脳部の号俸格付の問題、それから級別定数の問題は両論併記ということは現状のままだとしても、本省課長等の官職への任用に関する審査、選考については、人事院は一般的な基準の設定とし、具体的な選考は各任命権者がする、意見にはこのようになっているわけであります。 先ほど総裁は、人事院がこれからも果たすべき役割、機能というのは変わらない、こうお答えをいただいたわけでありますけれども、これらの点については総裁はどうお考えになっておられますか。
○中島(忠)政府委員 課長に昇任する場合の審査の話、あるいは幹部公務員の給与の号俸決定というものは、長い間の運用によりまして、それぞれ一つのルールといいますか慣行ができ上がっております。したがいまして、そういうものにつきましては人事院の方で一々チェックする必要ないじゃないかという御指摘がございました。これはまことにごもっともな御指摘でございまして、現行の規制緩和という考え方でいきますと、そういう方向で人事院としても事務を簡素化して、各任命権者側に自由におやりいただきたいというのが基本的な考え方でございます。 ただ、課長級への昇任に当たりましては、もともと人事院にその審査権があるというのは、情実任用というものをチェックしていこうというのがそもそもの発端でございましたから、外部の方を課長として任用される場合には事前に人事院の方にひとつ御相談くださいというような形、あるいはまた不祥事を起こして懲戒処分を受けて間もなく昇任というのでは国民は承知しないだろう、そういう場合にはやはり人事院の方でチェックをいたします、そういう権限は持ち続けますけれども、部内の職員を課長に昇任する場合、あるいは審議官に昇任する場合、そういうのは一つのルールがもうでき上がっておりますので、それは事務を簡素化していこうということで、私は指摘はごもっともだというふうに思います。 それから、級別定数の話は、これは専門家でないと実はわからない話でございますけれども、この級別定数という仕事を我々がさせていただいておるために、官民の給与比較というものが正確にできる、人事院の給与勧告の基礎になる仕事でございますので、人事院としては公務員制度調査会にそのことをよく御説明いたしましたけれども、両論併記ということで終わっております。これは、私たちの給与勧告の仕事というものが続く限りにおいては、ぜひとも私たちにやらせていただきたいというふうになお考えでおります。
○倉田委員 さて、官房長官、今の議論を踏まえていただきながら、実は官房長官にもお答えを願いたいわけであります。 きょうの新聞には「内閣府に総合調整権」、こういうふうな新聞記事も出ておりました。いわゆる官邸の機能強化あるいは内閣総理大臣のリーダーシップが発揮できるような体制にならなければならない。いわゆる官邸というのか内閣にもっと機能強化をしなければならないという意見も、これは従前から議論をされてきたところであります。 この機能強化という側面から人事行政のあり方を見た場合、それはもっと内閣総理大臣のもとに人事権も持ってきた方がすごいリーダーシップが発揮できて機能強化になるね、こういう議論もあるのだ、こう思うのですね。 例えば、内閣機能の強化という観点から、人事院の権限を公務員試験の実施とスト権の代償機能たる給与の勧告に限定し、級別定数の決定、課長人事の承認、行政研修、退職管理、天下りの規制などの権限を新たにつくられる総務省に集約しようとする見解、これは行革会議の中でも議論されてきた見解だと承知をしておるわけですけれども、この見解を官房長官はどうお考えになられるのか。 官邸を預かられる官房長官として、これからいわゆる総務省という役所ができる、そして内閣府という新たな機能ができる、そこに人事行政のどういう機能を持ってきた方がいいのか、あるいは人事院の役割というのをどう考えられるか。その点を知る上では、今私が申し上げた見解というのは、実は非常に重大な問題提起をしているわけであります。 こういうのもあるわけです。人事院が中立性の名のもとに大幅な権限を独立して行使していることが行政として行うべき人事管理を阻害し、内閣のリーダーシップによる政策遂行に支障を生じている、人事院は本来、給与勧告や公平管理、試験と人事行政の公正の確保及び職員の利益保護の機関であるから、これ以外の業務は内閣へ移転すべきだ、こういう見解も述べられているわけです。 これらの見解について、官房長官はどうお考えになられますか。
○野中国務大臣 行革会議の中におきまして、今委員が御指摘になりましたように、中立性の名のもとにおいて人事院が大幅な権限を独立して行使することが適切ではない、給与勧告等に限定する方がいいという意見が、私はたしかお一人だったと思いますが、あったということは事実であります。 けれども、行革会議そのものの最終報告におきましては、内閣総理大臣及び人事院の機能については、中立第三者機関としての人事院の役割が重要であるということが述べられまして、両者の性格にふさわしい機能分担の整理、見直しを行うべきであるという基本的な認識が示されておるわけでございます。 公務員制度調査会のこの意見に従いまして、政府といたしましても具体的な検討を進めてまいらなくてはならないと考えておるわけでございます。 今総務省の今後についてお触れになりましたけれども、人事行政の公正の確保及び職員の利益保護というのは非常に重要なことでありまして、私も先国会において、党で公務員の倫理について法を定めました。やはり、この公務員倫理のあり方についても、人事院に審査会を設けてやるべきであるというように集約して、法律をまとめた責任者の一人でございますけれども、第三者中立機関としての人事院の機能、役割分担というのは、より公務員の今日的多くの問題を考えるときに重要な存在であるということを認識をしておるわけでございまして、今後、内閣官房の充実とは別な視点で、公正かつ中立的な人事院のあり方というのは、委員御指摘のように、私どももさらに努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○倉田委員 長官も重々おわかりをいただけたことだと思いますけれども、公務員の方々の利益確保、こういう側面も確かにそのとおりでございます。しかし、それも重要でありますけれども、私が今問題にしている問題は、最近起こっている一連の不祥事問題にも見られるように、国民の側から見た場合、いかに民主的、能率的、そして全体の奉仕者である公務員、そういうシステムになっていけるのかどうか。そして、そういうシステムにするために今足らざるところがあればそれを直さなければいけない、そういうシステムにするために二十一世紀のあり方を今検討する。 そこで、人事院が歴史の経過、設立の趣旨を考えるならば、今官房長官にもお答えいただきましたように、その第三者機関性、中立性、公正性、これなくして語れない公務員制度の改革、人事行政というのがあるんだ、こう思うのです。 先ほど、総務庁の中に置かれている公務員制度調査会、これで、いわゆる人事行政全般にわたって意見という形で取りまとめられて、人事院の意見も十分反映をしているということでありましたけれども、国民の側から見た場合、役所の中で役所同士がやって、何か指弾を受けることがないように、何か文句が言われることがないように、そういう観点からもしやられるようなことがあれば、これは公務員制度改革が役所の役所による役所のための公務員制度改革になってしまうのではないのか。自分たちの都合のいいように、できるだけ国民からは、目を隠して、指弾を、批判を受けなければいいのではないか、臭いものが見えないようにすればいいのではないのか、そういう議論になってしまうと、国民が心配するのではないか。また、そういう疑念、懸念を持たれるのではないのか。 そうであってはならないから、今官房長官も最後の方で御答弁いただきましたけれども、人事院が果たすべき役割、機能というのは、非常に重大である。この点はぜひお踏まえいただいて、これからできる省庁改革の中に生かしていただきたい、こう思うわけであります。 繰り返しというか、少しくどいようでありますけれども、国民の心配の中に、いわゆる新設の総務省、非常に巨大官庁だ、この新設の総務省の中にいわゆる公務員制度の人事権まで持っていかれたのではとてもたまらないね、こんなのはどんな省庁になってしまうのだろう、こういう心配は私はあるんだと思うのですね。 私が申すまでもなく、組織というのは人事権と、そしてお金というか財源の配分権。だから、人事権のあり方がどこにあるかということは非常に重要なんです。だから私は、その点が民主的に、そして能率性がきちんと担保されて、公正中立にという形で人事院が設立されたんだろう、こう思っているわけです。 官房長官、今私が申し上げた点について、何か御所見がございましたら、お答えいただければと思います。
○野中国務大臣 先ほど人事院総裁もお触れになりましたけれども、戦後五十年公務員制度が歩まれてきまして、今日私ども、国民の皆さんには申しわけのないような、一部非常に指弾を受けるべき官僚が出ておって、全体にまじめに真剣に国家の政策に努力しておる官僚諸君の意気を消沈さすような不祥事件が相次いでおることを申しわけなく思っておるわけでございます。 それだけに、今たどってきた五十年の公務員制度全体を見直して、そのあり方を考えていかなければならない時期に来ておると思うのであります。それは一省庁の問題だけでなく、いかに公正で中立て、そして国民の側に立って、役人の役人のための組織がえではなく、真にこれからの困難な時代を担い得る国家の政策システムとしての公務員のあり方というものを求めていかなくてはなりません。 今日、ややもすれば四十数歳を過ぎれば肩をたたかれて、そして特殊法人や公益法人に天下っていって、最後はその省庁の事務次官一人残っていく。それまでにすべての人がやめていく。その受け皿として特殊法人や公益法人をつくらなくてはならない。 そしてそれが、自分たちの持つ権限を広げることによって民間への天下りあるいは補助金行政へのつながりということになってまいったことを考えますときに、公務員がそれぞれ六十歳定年であるならば、六十歳まで働いて、そしてやれるような、そういう仕組みというものをつくっていかなくては、我々はいかに改めましょうとも、途中で肩たたきをやられるような状態では、公務員制度そのものをゆがめてしまうことになると思うのでありまして、そこに徹底したメスを入れてやっていかなくては、この公務員制度のあり方というのは改善をされないと私は思いますし、今その重要なときに差しかかっておると思いますだけに、人事院の存在はより重要であると私ども位置づけましてこれから取り組んでまいり、委員のお考えのあるところを十分酌み取っていきたい、生かしていきたいと存じておるところであります。
○倉田委員 今官房長官に非常に重要なお答えをいただいた、こう思っております。 午前中、総務庁長官も、この人事行政のあり方ということは国会の中でもあるいは国民間でもさらに議論を深めることが重要である、こういうお話もありました。公務員の皆さん方が国民全体の奉仕者である、国民の信頼にどうこたえられるか、そしてどう能率的な行政運営をやっていけるかどうか、非常に重要な問題でございますので、これからも引き続き私どもも議論をさせていただきたいと思います。 時間がなくなってしまいました。実は給与勧告の問題につきましては、私は、五十五歳のいわゆる昇給停止問題というのは、これは例えば六十歳定年であるとしても五年間は基本的に年間のベースアップはないということで、果たして五年間、士気の問題としてやる気が出てくるのだろうか、休まず働かずになってしまうのではないだろうか、そこをどう考えておられるのかという問題意識も持っております。 先ほど人事院総裁が、いわゆる閉鎖的な人事行政をなくすために官民の交流という問題も御答弁いただきました。人事院の方からはいわゆる官民交流法という意見の申し出をされて、これも出ているわけでありますけれども、まだ国会審議の中に入っておりません。 こういう問題を含めて、私は、人事院にいわゆる調査権、勧告権、懲戒権も含めてもっと積極的にやってもらいたいという思いもありましたけれども、さらに言えば、もうずっと古い議論の中では人事院の法案提出権の議論もあったわけであります。こういうことも実はきょうは御質問をさせていただこうと思ったわけでありますけれども、今後の議論にまたさせていただくとして、私の質問は以上で終わりたいと思います。
○二田委員長 次に、三沢淳君。
○三沢委員 自由党の三沢淳です。 本日は、野中官房長官、太田総務庁長官、中島人事院総裁、大変朝から御苦労さまです。 午前中、佐々木議員からミサイルのことについてちょっと触れられましたので、私もちょっと本題から外れて、一つ官房長官、総務庁長官にお伺いしたいと思います。 今、北朝鮮がミサイルを八月三十一日に飛ばしまして、実はこの問題は安全保障でかかっているのですけれども、内閣委員会の危機管理体制ということにも本当はかかってきますので、一つ質問をしておきたいと思います。 今、金融の危機管理、今回のミサイルに対しての防衛の危機管理、そして災害や事故に対する危機管理体制というのが随分問われてきている、そういうふうに思っております。これも縦割り行政の弊害が出ているのではないかと一般の方が認識を少しずつされるようになりました。 平和ぼけしておると言われる中で、ミサイルが飛んできて、少し国民の方もびっくりされて目が覚めてきたのではないか。特に、二十一世紀に向かって、今までは平穏で波風もない日本丸が進んでまいりましたけれども、今は本当に荒波の中で、ミサイルは飛んでくる、災害は起きる、金融不安があるということで、将来的に日本民族は生命、財産、安全を守っていけるのかどうか。 その辺のところで、このミサイル問題にいたしましても、額賀防衛庁長官がこの三十一日に、実はミサイルが飛んできた時点で防衛庁に行かれてあの大金でつくられましたオペレーションセンターで素早く緊急会議を開くのが本当の危機に関する認識があるのではないか、本当はそうしなければいけない。それが、宿舎に帰られて陳情を受けていたとこの前本会議のときに言われましたけれども、日本民族の存亡がかかわる大問題のときに陳情を行っていた、これは諸外国から見ましたら、日本の危機管理はなっていないのじゃないか、そういうところをさらけ出したのじゃないか、そういうふうに思っております。 そこで、官房長官も大変御苦労されていると思いますけれども、この日本の危機管理、内閣ではこの四月一日から官房長官のもとで危機管理体制を強化するために内閣危機管理監が新設されまして、施行されて、今回の水害では機能したということを災害特別委員の質問のときにお聞きしましたけれども、この危機管理ということに関しまして、官房長官はどのように意識を持っておられるのか、お答えしていただきたいと思います。
○野中国務大臣 内閣の危機管理につきまして御質問をいただいたわけでございますけれども、今委員御指摘のように、内閣に内閣危機管理監を設置をいたしまして、危機の管理に関する内閣機能の強化充実に努めておるところでございます。 しかし、災害につきましては、福島、栃木、新潟、秋田等、あるいは岩手を襲った地震災害等、この内閣危機管理室が阪神・淡路大震災の教訓に学びまして危機管理室として十分な機能を果たし対応を行った、現地で自分自身もこの管理室に入りまして、そういう実感を持ちました。 しかし、今また委員が御指摘になりましたように、今回の北朝鮮のミサイルの発射に伴います危機管理というのが万全であったかどうかと言われたときに、私は率直に反省するところが多々あったと考えておるところでございます。反省する点も多数ございましたけれども、いかに我が国がああいうミサイル発射に対する情報収集に欠くるところが多かったかということにむしろ国家の危機感を感ずるような状態でございました。 私も、三十一日十二時二十五分ぐらいにミサイルの発射の情報を受けたわけでございますけれども、当初は日本海側に着弾したということでございました。午後三時半ごろになりまして、これはそうじやなしに我が国の上を越えて三陸沖のようであるという話を受けましたけれども、それをどのようにして事実確認をするのだ、日本海側の公海に落ちたということと日本の上空を越えて三陸沖に落ちたということは問題が違う、したがって、情報をきちっとしろと言いましたけれども、なかなか確認することが困難でありまして、総合的な情報を判断して、三陸沖に着弾した模様である。あるいは夜になりましたら、これがもう一つ、弾頭は数百キロ向こうに飛んだのではないか。こういう我が国のいわゆる総合的な情報といいながら米軍の情報に頼らざるを得なかった実態を思い起こしまして、ある意味において国家の危機について漂然としたのは率直な思いでございます。 今、そういう中から、国会決議等を踏まえながら、我々は総合的な情報をどのようにしてこれから得ていくのかということに、事務の官房副長官を中心にいたしまして検討をさせておるところでございまして、多くの学び取るところがございましたが、今後、こういう情報の欠落が国家の危機に及ばないようにさらに一層努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○三沢委員 もう一つ官房長官に聞きたいのですけれども、日本にとりましてこれは主権を侵害した、何の通達もなしに了解も得ないでミサイルを撃ったということに対して、やはり日本領域内にある、さっき言いました個人の生命、財産、安全というのは憲法上守る義務がある、そういうふうに思っておりますので、ぜひもっと憲法上の要請で強い態度で、日本の危機管理はしっかりしているのだと、言葉は悪いですけれども、なめたらいかぬよ、おどしをかけても日本はそんなものにはびくともしない、そんなことをやっていたらあなたの国は本当になくなりますよというような強い態度を示していかなければいけないのじゃないか。 北朝鮮も、この情報、これを飛ばして、日本はどういう状況か、もうわかっていると思うのですけれども、その辺の態度のあいまいさがあったり厳しさがなかったりしますと図に乗ってくるんじゃないか、言葉はちょっと過ぎるかもわかりませんけれども図に乗ってくるんじゃないかというおそれがあるのですけれども、その辺のところの認識は、官房長官どうでしょうか。
○野中国務大臣 私は、一日の記者会見を通じまして、彼らがこのような、事前通告もなく、そして時にはその海上では漁船が操業をしており、上空は民間航空を初めとする飛行機の通行航路に当たっております、このようなところに、ミサイルといえ、たとえ北朝鮮が人工衛星と後ほど言っておりますけれども、人工衛星の確度は非常に低いと私ども認識をしておりますけれども、いずれにいたしましても、危険な、しかも射程距離の長い発射物を打ち上げたというのは許すべきことではございません。 したがいまして、我が国の安全にとりまして重要な脅威でありますし、座して我々は彼らの横暴を認めておるわけではない、我が国にとって当然あるべき対応をしてまいるということを強く申しておりますし、今後また、いろいろな情報が寄せられておりますけれども、私どもは毅然たる態度を持って臨んで、日本民族の安全を、そして国家の安全保障を守っていかなくてはならないと存じておるところでございます。
○三沢委員 ありがとうございます。 太田総務庁長官は、小渕内閣の閣僚のお一人として、この危機管理に関しましてどういうふうに認識を持っておられますか。一言お願いいたしたいと思います。
○太田国務大臣 初めてこういう趣旨の御質問に答えるので、あるいはちょっと言い過ぎることがあるかもしれませんが、要は、こういう北朝鮮のミサイルのようなことを日ごろからあり得ることとして議論をしていなかったのではないか、もちろん世間、社会、日本の社会全体がですね。そこで、そういうことを想定してはいけないというような空気も、最近はだんだんなくなってきましたが、あったということが、むしろこういう機会に、現にあったことですから、それを想定してさまざまな、少なくとも意思決定に参加をするべき人たちに瞬時に伝わるようなことだけは、これはしておかなければいけないというふうに思う次第でございます。
○三沢委員 太田総務庁長官じゃなしに防衛庁長官をやられたらいいんじゃないかというような感じがいたしますけれども、ぜひその辺のところは、省は違いましても同じ小渕内閣なのですから、すばらしい意見を伝えてあげていただきたい、そういうふうに思います。 さて、本題に入りまして、人事院は八月十二日に、一般国家公務員の平成十年度の給与を四月にさかのぼり平均〇・七%、月額にしましたら二千七百八十五円引き上げるように国会と内閣に勧告して、これは本当に戦後最低の引き上げ率とはいえ、今民間がリストラに遭い、家族を養うのにどうしようか、会社が存続できるのかどうか、まして今経済成長率がマイナス成長率というこの厳しい状況に、給料が上がるということは、一般の人にとりましたら、公務員は本当に何をやっているんだと。公務員の方、皆さんおられて本当に申しわけないのですけれども、一般の認識からしますと、私も普通の、ボーナスをもらったことは今回国会議員になりまして初めてそういう生活をさせてもらいましたけれども、一般の人から見ますと国家公務員も地方公務員もありません、みんな公務員だと思っておりますので、その辺のところで、この中で上げるということを皆さんは本当に納得できない、その分もっと仕事をしてほしい。 特に行革も、給料は民間並みにということで上げられるのに、実際、中の改革は何もやっていないのじゃないか。民間は血と汗と本当に流しながら頑張っているのに、その辺のところはやっておるのかどうか。行革の実行とともに、不祥事が今たくさん起きております、この辺のところも起きないような、やはり制度を見直していくべきじゃないか、そういうふうに思います。 その中で一番言われておりますのがやはり行革で、公務員の皆さんのスリム化という点でどういうふうに対応されているのか。橋本内閣の六つの改革の中にも行政改革をうたっておられましたけれども、小渕内閣は、方針はそのまま引き継いでおられるのか、それとも新しく本当に取り組むのか。 今、省庁再編がもう二〇〇一年に実施されるのですけれども、ただ人を減らせばいいものでもありませんし、仕事の量にしたっていろいろ考えなければいけないことですし、ここの新聞を見ますと、一律に削減はしているのですけれども、これが皆同じようにどの省庁も削減していますので、これまで以上に若い官僚の方が過重労働を相変わらず強いられてしまっているような省庁もあると聞きましたので、その辺のところを加味しながら、この行革という問題点で総務庁長官はどのようにやっていかれるか。
○太田国務大臣 中央省庁等の再編に関連をしてスリム化を進めていくということは、橋本内閣のときにも強い決意が示されたわけでございますけれども、小渕内閣になりましても、総理御自身が閣議においてそのスタートからそれぞれの閣僚が狭い所管範囲にとらわれずと、私はこれは省益にとらわれずと、このスリム化に取り組むべしということをたびたび我々にも言っておられるわけでございまして、いよいよその決意はかたいというふうに思うのでございます。 そこで、今の定員削減の話でございますが、やや私は言葉の使い方が適切ではなかったというふうに思います、削減という言葉はいかにもどんどん減っていくように見えるので何か公務員の方々の数自体がそのように二〇%本当に減ってしまうというふうな印象を与えるものですから。事実は、一方で定員削減をやりながら、他方で新規の増員は臨機応変に認めているわけでございますから、実際の純減というのはそんなにないわけですね。 ですから、全体としてスリム化をし、純減が続くようにするという一つの目標がございます。それは確かに目標としてありますけれども、それでは、これだけが目標であって、こっちの従来の削減と言っている方のことは意味がないのかというとそうではなくて、これはいわゆる組織の新陳代謝という意味があるわけでありまして、私などは、削減率という言葉を使わずに新陳代謝率とかいう言葉を使えばやろうとしておることがわかる。そして、一般的には網をかけてどんどん減らしていく、つまり古い皮が落ちていく。しかし、それと同時に必要なところには新規増員が一方ではきちんと認められていくということの意義をもっと認識を広めるべきかなというふうに思っております。
○三沢委員 いろいろと御苦労なさっておるようでして、ぜひ今の公務員の方を、生身の方を首切れというのではありませんので、その辺のところを一般の方が納得できるような、本当に今民間はあしたどうやって食べていこうかといって、自殺する方もおられますし、もう家のローンも払えなくなっているというような方もたくさんおられる中で、やはり公務員のあり方というものが今問われているのではないか。 昔は本当に、少年よ大志を抱けといいまして、クラーク博士の言葉ですけれども、やはり僕らは夢を持って頑張りました。みんなパイロットになりたいとか野球選手になりたいとか夢を持ってまいりましたけれども、今、子供たちはどちらかというと、これは国家、地方、どちらかわかりませんけれども、やはり一生安定したレールを引かれたそういう公務員になって自分は頑張りたいというような、私なんか波乱方丈の人生を歩んでまいりましたけれども何となく寂しい、そういう子供たちがたくさんふえて、この日本を果たして守っていけるのかどうか。 やはり大志を抱いて、本当に日本のために働いて、そして税金を納めるような、そういう若い人たちをつくっていかなきゃいけないのですけれども、公務員の方も、魅力ある組織づくりというか、公務員になって本当に日本のために、この国の発展のために頑張るんだ、そういう魅力あるシステムをつくっていかないといけないのじゃないか、僕はそういうふうに思っております。 今回の国家公務員のⅠ種の採用が何か減っているそうで、理由が、行革の見通しが立たない、入ったけれどもやめさせられるんじゃないかというようなことと、やはり不祥事のイメージダウンがつながっていますけれども、僕は、公務員の方の本当の姿はこういう姿じゃないと思っております。すばらしい頭脳を持っておられますので、日本のためにすばらしい力が発揮できていけると思うのです。 今、民間は横並び式、年功序列がなくなってきております。年俸制になっております。そういう意味でも、官僚の方たちも行政も横並びや年功序列を廃止して、頑張った人が物心ともに報われるような魅力のあるシステム、私は野球をやってまいりましたけれども、頑張れば十倍でも二十倍でもお金は稼げます。そのかわり、だめな場合は給料が下がります。それが続けば首になるという非常に厳しい世界で生きてまいりましたけれども、やはり夢があります。官僚の人たちもすばらしい頭脳を発揮するためにも、能力に合わせたシステム、働いたらその分自分が報酬を得るんだというような、そういうシステムに民間も変わりつつありますので、行政も変わっていってもいいのじゃないかと思いますけれども、その辺の見解はどうでしょうか。
○太田国務大臣 今委員がおっしゃいますことが、まさに今回の中央省庁等再編成の中で、特に独立行政法人化という大テーマがございますけれども、これは今おっしゃったように、従来、公務員の仕事というふうに思われていたことでも、独立して自分の自己責任でやった方がいいという部分が相当あるのではないか。そういう部分については勇気を持って独立法人化していただいて、努力の成果というものがきちんとまた一般の公務員とは違った扱いになるように、また怠惰であればそれに対するペナルティーもあるというような仕組みをどしどし導入していきたいというふうに考えております。
○三沢委員 私もぜひ、能力給といいますか、今民間は年俸制度、これは判断する人が大変難しいのですけれども、そういうものを取り入れていくと大変やる気も出てくるのじゃないか、国のために働こうという意欲も出てくるのじゃないか。やはりどうしてもつき合いも要りますので、一杯飲んだり御飯を食べたりするときはお金も要ります。そのときに給料が低くても、能力がある人が給料を稼いでそのお金を幾らでも自分で使えるとなれば不祥事も起こってこないのじゃないかというような形もあります。 民間、我々はプロ野球なんかでもフリーエージェント制といいまして、ある年数がたちましたら自分が好きなところに行って仕事を発揮できる。一つのチームにおる必要はないというより、一つのチームにいたくてもトレードだと言われるとすぐ出ていかなきゃいけないのですけれども、そういう意味で、どちらかといいますと、私まだ勉強不足かもわかりませんけれども、官僚の方々の職場は事前にコースが決まっていて、選択肢が少なくなっているのじゃないか。そういう中で行き詰まってしまう。もっともっと、一つの省庁の中だけじゃなしに、ほかの省でその人が能力を発揮できるかもわからない。やはりⅠ種試験を受けて、国家試験を受けて通ってこられるすばらしい方々ばかりですので、どこでも能力は発揮できる。 昔、読売ジャイアンツは、一塁と三塁手は十年間ほとんど選手が出てきませんでした。なぜかというと、王、長島、この二人のスーパースターがいまして、ここに入った選手はどれだけいい選手でもだめでした。でも、ほかのチームに行けば能力を発揮できる、そういう選手も何人かいたのですけれども、球団がそのときに今みたいなフリーエージェント制度があれば、そういう選手も生きた道が、スターになったかもわからない。 公務員の方でも、一つの省庁でずっと行くのじゃなしに、できれば自分はあの省庁へ行ってもやってみたい、そこで力を発揮できる人がたくさんおられるのじゃないか。中でここしかないという選択肢の狭さというのがいろいろ窮屈になってくる面が官僚の人たちにもあるのじゃないか。 ですから、頑張れば能力給でも物心ともに、お金はもらえるんだ、そして自分の国のためには自分はこっちの省庁で働く、自分はこっちの省庁が合っているんじゃないか、そういう人的な省と省の交流をこれからいろいろシステム化させていかなきゃいけないのじゃないかと思われますけれども、その辺のことはお考えでしょうか。
○太田国務大臣 大変いいポイントをつかれたと思いますが、その議論は、ひそかにというか、別にまだ大っぴらに言っているわけじゃありませんけれども、省間交流というのはしっかりやらなくちやいかぬ、そして特に昇進などのときに、省間交流の経験のある人とない人とは、やはり省間交流の経験のある人、あるいは長いほど高く評価をするというふうにした方がいいのではないかということを内部では話をしているところでございます。今後、表に出てくる話だと思います。
○三沢委員 ぜひ実行していただきたいと思います。総裁にお聞きいたしますけれども、今、官民の較差の是正の観点からこの給与勧告が行われているのですけれども、これの調査対象が大企業とか中小企業ということを聞きまして、今本当に苦しい民間の中小零細企業の方々の所得がその調査の中に組み込まれていないのじゃないか、どちらかというと、いいところの会社だけとらえて平均値を出しておられるのじゃないかというのがあるのですけれども、その辺のところはどうなのでしょうか。
○武政政府委員 公務員の給与決定に際しましては、民間準拠ということで民間を調査しているわけですが、その際に、現在のシステムとしましては、企業規模百人以上かつ事業所規模五十人以上ということでやってございます。これは、基本的考え方としましては、公務と民間と同種の仕事についている職員の給与を直接比較する、こういう考え方でございます。 現在の百人、五十人ということですが、これは、昭和三十九年に公共企業体労働委員会が仲裁裁定を出す際に、当時のトップ会談、総理と総評議長でございましたが、新たに百人以上ということで取り入れたわけであります。同じ公務員ということでございますので、私ども非現業もそれ以来この方式によっておるわけであります。 もう一つ、会社組織の民間企業の常雇従業員の過半数をカバーしているというのも一つの根拠というふうに考えております。 御指摘のあった調査対象規模のあり方についてですけれども、これにつきましては、先生御指摘のように、もっと小規模企業を含めて調査をすべきであるという意見、他方には公務の専門性というか組織構成あるいは人員構成から見てより大企業と比較すべきという意見がございますが、先ほど申し上げましたように、現行の方式につきましては、長年の経緯を経て定着しているのではないか、大方の国民の理解を得られているものではないかというふうに現在考えているわけであります。 ただ、ともかく、ことしの給与勧告に当たりましては、先生再三御指摘のように、我が国の経済、雇用情勢というのは厳しい状況にありますから、私どもとしましては、現在のシステムの中で、民間の雇用調整等の状況を詳細に行って、そして民間では人員の縮減初めさまざまな取り組みの中で賃金を上げているということでございますので、公務におきましても、組織・定員あるいは事務事業の一層の効率化の推進が必要である、そういった認識に立って勧告を行わせていただいております。
○三沢委員 どうもありがとうございます。 次に、先ほど倉田先生が少しお話しになったのですけれども、五十五歳以上になると昇給はしないということに関しましてちょっとお尋ねしたいのです。 今、定年が延びるんじゃないかと言われているときでして、下手をすると六十五歳が定年になってくるんじゃないか。そういうふうになった場合に、五十五歳から六十五歳、十年間昇給なしたと、これはもうやる気がなくなってくるんじゃないか。それと同時に、第Ⅲ種採用の方々は、やはり五十五歳、だんだん給料が上がっていかれるみたいなんですけれども、五十五でとまってしまうとなりますと、これも本当にやる気がなくなってくるんじゃないか。その辺のところで生涯賃金が随分変わってくるんじゃないかと思われますけれども、その辺のところはどういうふうにお考えでしょうか。
○武政政府委員 私どもが今回昇給停止年齢の引き下げを行いましたのは、民間企業はどういう対応をしているかといいますと、高齢従業員の賃金を抑制しているというのが多くなっており、また、公務内における世代管理、若中堅層により多く配分する必要がある、そういうことで取り上げたわけでございます。 ただ、今回の昇給停止につきましては、普通昇給をやめるということでございますから、特別昇給、あるいは昇格した場合、あるいはベアというのは引き続き行われますし、士気に影響してはいかぬということでそういう対応があるのではないか。また、別の観点からしますと、五十五歳ぐらいの方々になりますとそれなりの給与をもらっておりますので、士気の影響はあってはならないというふうに考えております。 なお、Ⅲ種採用職員が特に影響を受けるんじゃないかということでございますが、私ども、試験のそういった種別にとらわれずに、職務級ということで給与の処遇体系をつくっておりますから、特にⅢ種が影響を受けるということはないというふうに考えております。
○三沢委員 時間が参りましたので、これで終わります。 ぜひ、すばらしい行政改革をしていかれまして、やはり、公務員の方が本当に国の発展のために頑張るんだと意欲があるような、そういう組織づくりをしていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○二田委員長 次に、瀬古由起子君。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 まず第一点目は、特権官僚の汚職腐敗、不祥事件の原因であり温床になっております天下り問題について質問させていただきます。 大蔵省、防衛庁を初め、特権官僚、幹部公務員の汚職腐敗、不祥事というものが、国民の厳しい官僚批判、公務員批判を呼びまして、国家公務員労働者の賃金改善、労働条件改善の障害、妨害物にもなっていると私は思います。 人事院総裁の談話の中でも、この問題は避けて通れない課題として次のように語られております。 国民に密接に関連する重要な行政課題に対する公務員の取組に関して厳しい批判や指摘がなされる中、他の職員の模範であるべき幹部公務員の不祥事によって、国民の公務に対する信頼が損なわれるに至ったことについては、人事院としても厳しく受け止めています。このように語られております。 そこで、人事院総裁にお聞きしたいわけですけれども、国家公務員法第百三条の天下り規制、この趣旨ですけれども、これは、所属していた行政機関、省庁と、そして監督関係や契約関係の企業との癒着を避ける、遮断する、ここに本来の目的があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中島(忠)政府委員 百三条第二項というのはそういう趣旨でございます。
○瀬古委員 そういう趣旨だというようになっておりますが、百三条の第三項なんですね。ここでは、離職後二年間は、その離職前五年間の在職中の国の機関と密接に関係がある営利企業の地位につくことをこの百三条では禁止しているにもかかわらず、その三項なんですけれども、人事院の承認を得た場合は除外をしております。これはなぜでしょうか。
○中島(忠)政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように、憲法で職業選択の自由というのが保障されております。その職業選択の自由と、先ほど二項で申し上げました趣旨と、どこで調和させるかということの根拠規定でございます。
○瀬古委員 では、もう一つお聞きしたいのですけれども、百三条の中で、先ほど言いました中で二年間という期間が設けられていますけれども、この期間は短過ぎる。実は、先ほどお話もありましたように、その間に、特殊法人とか許可法人、それから外郭団体、業界団体、こういうところに天下る、経ることによって二年間の期間をくぐり抜けるといいますか、そういう抜け道があるわけですね。この二年間という設定の根拠は一体何でしょうか。
○中島(忠)政府委員 この二年間というのも、私が先ほど申し上げました、やはり職業選択の自由というものを考えた上での規定だというふうに私たちは理解しております。
○瀬古委員 職業選択の自由という問題でいいますと、憲法の条項の問題だと思うのですね。しかし、現在、国家公務員法百三条には、先ほど私が言いましたように、所属する省庁と、それから監督、契約期間にある企業との遮断、再就職の制限が明確に規定されているわけですね。そういう意味では、職業選択の自由との関係でいうと、この規定は憲法違反かというと、そうではありませんよね。あくまでも、この制限規定によって公益とか公共の利益、こういうものとのバランス、こういう問題が問われているというふうに思うわけですね。 その点で、後で問題にしますけれども、現実の状況が本当にバランスが保たれているのかという問題が、今天下り問題をめぐって幾つかの汚職腐敗事件が起きている、ここは多分総裁も認識していらっしゃると思うのですけれども、この現状をきちっと踏まえて、この百三条の第三項と二年間の期間というのが、今までの延長線上で、職業選択の自由というところだけでとどまらない問題はあるというふうに思いませんか。いかがでしょう。
○中島(忠)政府委員 現実の運用におきましては、私たちは、いろいろな方々の御意見とか、もちろん国会の議論もそうですけれども、そういうものを踏まえまして随分厳しく運用しているつもりでございます。 ただ、制度として、どういう制度というものが本当に職業選択の自由との関係でたえ得るのかという議論はやはり別にあるんだと思います。そういう建前の議論というのを先ほどから瀬古委員がなさっておりますので、私は、やはり建前上の議論としては私が答弁申し上げたように言わざるを得ない、そういうことだと思います。
○瀬古委員 建前は建前、制度としての制度論というのはあるのですけれども、しかし、やはり生きた現実をどうするかということも制度を生かす上でも大変大事だというふうに思うわけですね。 もう一点お聞きしたいと思うのですけれども、これは人事院の管轄ではありませんが、これだけ国民の批判が強いのに特殊法人などが天下りの制限の対象になっていかない。本当にあらゆる根源みたいになっているわけですよね。この点は、どうして特殊法人などが天下りの対象にできないのか。その根拠は一体何でしょうか。
○中島(忠)政府委員 その問題は私に直接聞かれても実は困るわけでございますけれども、私自身が想像いたしますに、特殊法人とか公益法人というのは、もともとは、国の政策の一部をかわって行うとか、あるいは公益的な目的で設立された法人でございますので、それ自身に対して、就職することについて特別な規制の必要がなかったという発足当初の理論があったと思います。 ただ、現在時々新聞報道等でなされますように、特殊法人や公益法人の中には、その業務の一部として、民間法人と競合関係に立つような業務も担当しておるようになってきている。したがいまして、今瀬古委員が言われるような議論も出てくるのだと思います。 私たちは所管外でございますので、そういう議論というものがどのように展開していくのかということを今注意深く見守っておる、そういう状況でございます。
○瀬古委員 人事院総裁は所管外と言われましたので、憶測、感想等をお話しいただきましたが、具体的には、発足した当初の想定とは違った今の現実の問題がある。 そういう点で、ぜひ官房長官にお聞きしたいんですけれども、そういう発足当初と今と違って、そして今特殊法人等が天下りで、ある意味ではそこを経由してかなりいろいろな問題が起きている、その点ではどのようにお考えでしょうか。
○野中国務大臣 先ほど人事院総裁が言われましたように、特殊法人の最初のスタートは、総裁が言われたようなスタートであったと思います。けれども、私先ほども答弁を申し上げましたように、五十年に及ぶ我が国の戦後の公務員制度のあり方の中から、公務員が最後に事務次官に一人残るまでに、四十数歳からそれぞれ肩たたきをされて、そして関係のところに天下っていく、そういう受け皿として特殊法人あるいは公益法人等が存在をしてきたことは否めないと思うのでございます。 したがいまして、こういう特殊法人の役員の選考につきましては、登用先の多様化が累次に改善されなくてはならないということから、国家公務員の出身者の縮減に努めてきたところでございまして、この努力は昭和五十四年からやられてまいりまして、閣議了解事項で、全特殊法人の常勤役員のうち、国家公務員の就任の割合をその半数以内にとどめるようにということになって、本年の四月現在では、その割合は四一・五%の目標を達成することができたわけでございます。 またさらに、平成七年二月の特殊法人の整理合理化に関する閣議決定を踏まえまして、国が役員大事に関与している法人について、その全常勤役員に対しまして国家公務員の占める割合を総じて五割以内にとどめることを目標としたわけでございまして、本年四月現在、その割合は五〇・六%になってきたわけであります。 昨年の十二月にも閣議決定をいたしまして、その目標に加えて、省庁ごとに主管の特殊法人全体の常勤役員に占めるその省庁の出身者を半数以内にとどめるようにしたところでございまして、小渕内閣発足の日の七月三十一日の初閣議におきまして、小渕総理みずから発言をされまして、特殊法人の中に天下った幹部が自分がその省庁におったときの給与以上の給与を受けておるところが多数見受けられる、こういうものについて早期に改善を行うようにという総理発言が行われまして、今その作業を進めておるところでございます。 今後も、こういう特殊法人のあり方につきまして、私どもは、今申し上げたような方向、それから公務員全体像のあり方、こういうものを考えながら特殊法人、公益法人のあり方を考えてまいりたいと存じておるところでございます。
○瀬古委員 今、現行法、国家公務員法の規制がなかなかかからないけれども、それぞれ閣議決定などしながら特殊法人のあり方について努力をしていただいたというのは、それはよくわかります。私も、今までの特殊法人のさまざま努力をされた閣議の中身、ずっと見せていただいたんですね。そういうふうに努力されている経過があります。 しかし、この中でずっと閣議決定など見てみまして、さらにつけ加えていただきたいと思うのは、国家公務員の出身者の割合など常勤職員のあり方、そういうものは書かれているんですが、例えば今問題になっています特定のポストに特定の官職の人が順送りで天下っている、こういう状況ですね。こういうものは閣議決定できちんと見ていくというものは、実はずっと見せていただいてもないわけですね。 ですから、さらに割合なども努力しながら見ていただいているわけですが、もう一度、二年間でどこかの特殊法人、業界団体へ行きながらまた天下っていく、こういう内容だとか、そして同じポストの人をどんどん役所から送り込んでいく、こういうものについても、やはり今後の問題としては法改正も含めて考えていただきたいと私は思うわけです。しかし当面、閣議決定の中でもこういう努力をされて具体的な改善もあるわけで、その辺はこういう天下りの具体的な、何といいますか、しり抜けになっているこういうものについての改善というのはいかがでしょうか。
○野中国務大臣 お話しのように、特殊法人の中でそれぞれポストが順送りになっておったり、あるいはわたりと言われる、次々法人を渡っていく、そしてまた民間会社にも同じようなルール化がされておるということが大きな腐敗事件にも影響をしてまいった経過を思いますときに、私ども、省庁再編、行革を含めて、そして先ほど申し上げましたように憲法とのかかわり、さらにはいわゆる公務員全体像のあり方、こういうものを一つに見きわめながら、今後改善し、民営化するものは民営化し、廃止するものは整理統合をしてまいるように一層努力をしてまいりたいと存じております。
○瀬古委員 憲法との関係、それから国家公務員のあり方の問題、それはそれで論議していただくわけですけれども、例えば、最後に一人が残ってあとはみんな肩たたきで出ていく、そういう今のあり方の問題を出されましたね。それをまずなくして、天下る受け皿をなくしていく、そういうやり方もあるでしょう。しかし、今国民の注目といいますか、国民が直ちにやはり解決してほしいという問題でいえば、そして今現実に腐敗問題が次々と噴き出ているということでいえば、まず天下りを禁止する、特殊法人に行って迂回するようなやり方を禁止していく、こういう中であり方をどうするか、こういう考え方もあると思うのですね。 その辺はやはり逆といいますか、今官房長官が言われたのは、まず全体像を見てから、天下りをそれからどうするかということじゃなくて、まずやるべきものをやった上で、そうすると、どういう公務員像でなければならないか、そういう発想が出てくるんじゃないかというのが一点目です。 それから、憲法との関係でいいますと、確かに憲法上職業の選択という問題もあるんですが、今の現状でいうと、ともかく天下りの弊害が頻発して国民の厳しい批判を受けている。それで、現状では、今の制限ではとても国民の期待、全体の奉仕者としての国家公務員というのがあるわけですから、それが明白にそこから逸脱している、こういう場合には、やはり今の水準をきちんと規制するという問題は大変大事ではないかというふうに思うのです。 そういう意味では、国家公務員法の百三条三項の規定、それから二年以内の規定、それから特殊法人等のこういう天下りの禁止、こういうものを全体の国家公務員像のあり方と同時にそこにまずメスを入れる。それから、法律を改正するまで待つんじゃなくて、閣議決定などで当面の措置もする。この点でも、発想というか、急がなければならないのは何かというところへぜひお考えいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 お話の趣旨はよくわかるわけでございますけれども、公務員を目指した者が安心して、そして国家国民のために一生懸命働いていく、希望を失わないためには、その職場が確保されなくてはならないわけでございます。その意味では、六十歳定年といたしますならば、五十歳や四十数歳では、自分の子供を教育にかけておるような、そんな年齢のときに既に退職勧奨をされて、そして現在では、特殊法人や公益法人、時には民間会社に就職をしていくわけでございます。 そういうことのないように、まず自分たちの職場の確保ができるようにすることが私はやはり第一だ。先にそういう天下りを努力をして、先ほど申し上げましたように、今五割以下に抑えるように努力をしておりますものの、やはりこの人たちが安心して、安んじて公務員として仕事ができるような、そういう環境をまず整えることが第一だ。その条件整備を我々はやってまいりたいと考えておる次第であります。
○瀬古委員 私も、条件整備そのものについては当然考えていかなきゃいかぬというふうに思うんですよ。しかし、今の公務員というのは、公務員全般の問題で国民が批判しているわけじゃないんです。一部の特権官僚がまさにやりたい放題のことをやっている。これは本当に急がなければならない問題で、全体の職場の状況と言っている事態ではないという認識はぜひ持っていただきたいと思うんです。 そういう中で、では安心して公務員が働けるという状態にするためにはどうするかという問題で、私はもう一つ人事院勧告の内容についてお聞きしたいと思うんですね。 なかなか特権官僚ではまだちょっと時間がかかるぞみたいな感じなんですが、一般の国家公務員については、今回勧告で出てまいりました五十五歳の昇給停止の問題なんですね。これは、団塊の世代の怒り爆発というように書かれていましたけれども、直接ストップされる当事者はもちろん、今関係の労働組合も猛烈に反対をしています。 五十五歳から昇給ストップするという、自分の人生設計がある意味では狂ってしまうわけですよね。こういうものについて、これほどの強い反対を押し切って強行するという公益性、今官房長官が言われたように、安定した将来像とどういう関係があるのかというように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○武政政府委員 私どもが今回昇給停止の年齢引き下げにつきまして勧告させていただいたのは、概括すれば二点でございます。一つは、民間賃金の動向への対処であります。もう一つは、公務部内における世代間の給与の配分をより進めるということであります。 民間賃金の動向への対処ということですが、民間はここのところ急速に、能力、実績あるいは職務といいますか、そういったものを重視する方向への転換が進められております。その中で、中高年齢従業員につきまして、賃金の上昇が停止しまたは賃金が減少する事業所というのが、私どもの調査によりますれば、定期昇給制度がある事業所の五二・六%に当たりますものが給与水準の抑制をとっているということであり、これへの対応をするということ。 もう一つは、公務部内の給与配分であります。高齢層職員の給与水準でありますが、毎年の給与改定によりまして、あるいは数年前の一号上位改善というようなことによりまして、着実に改善をされておる。若中堅層の給与水準が民間に比較して相対的に低いのではないか。そういう意味で、早期立ち上がりということで俸給表をつくる際に給与配分を行っておりますが、今日的なようなベアが小さい状況によりますと、限度があります。よりなるべく早い段階で若中堅層に配分をしたいということであります。 どんなメリットがあるか、こういうことでありますが、これは公務に人材が確保しやすくなる、そしてあるいは公務員の賃金体系への国民の理解が進められるといったようなこと、ひいては公務の能率的な運営というのが一層図られるというようなことが言えるのではないかと思っております。また、職員にとりましては、これは制度としては、世代間の給与配分ということが行われますと、早期に一定の水準の給与がいただけるようになるということができるんではないか。 ただ、実際にその年齢に該当していく方々、これは確かに生活設計に影響という気持ちもわからないではない。したがいまして、これを直ちにあしたから適用するというふうには考えておりません。必要な経過措置というのは取り入れる必要があるのではないかというふうに考えて、そのように勧告もさせていただいております。
○瀬古委員 一点目の民間の動向への対処どいう問題なんですけれども、定期昇給制度が五二・六%民間が実施している。しかし、民間の職場と公務員の職場というのはこういう昇給制度の問題はかなり大きな違いがあるわけですよ。 例えば民間の場合には、今年齢によって直接賃金をダウンするとかストップするというのは、裁判なんかもありまして、なかなかそう簡単にいかないんです。そうしますと、例えば出向していただいて賃金を下げていくとか、それから職種を変更してやるとか、いろいろ民間の場合はあるわけですね。ところが、公務員の場合はなかなかそういう形にならない。 そうしますと、実際には今回の、民間準拠と言っているけれども、調べられたのは定期昇給制度があるかないかというだけなんですね。これは私は今回の民間の動向への対処という点では比較にならない、根拠にはならないというふうに思うんですね。 もう一点、人材が確保しやすい、早期の立ち上がりを厚くするという問題なんですが、公務員像というふうに考えた場合に、当面は少しはお金はふえるぞ、しかし将来はストップするというので、ともかく当面たくさんもらえるから人材が確保できるかというと、それはまた難しい話なんですよね。ですから、余り私は今お話しされた根拠はないというふうに思うんです。 それよりも、公務の職場の特殊性というのは私あると思うんです。やはり長期間、そしていろいろな経験を積みながら、そして一人だけで仕事をするんじゃなくて集団で、そして受付の人も政策をつくる人も一体となって仕事をやる、こういう特殊性といいますか、集団で執務体制をとっている、こういう問題もあります。それから、継続的なサービスを公平に国民に提供していく。こういう問題でいいますと、やはり安定した一定の公務員の職場というのは必要だと思うんですね。 そういう意味では、今回の昇給停止というのはかなり乱暴なやり方ではないか、やはり公務員の仕事のあり方という点では私はもっと検討する余地があると思うんです。 それで、今回の事態でいうと、現場、当面それは今すぐあしたから減額されるわけではないけれども、しかし、何年か先はもう必ずストップするということははっきりするわけですよ。そうすると、やはり当面、本人たちやそれにかかわる労働組合でよく話し合ってやるということが必要です。 ところが、この問題は、人事院は、当事者の不利益の対象にならない、だから労使の交渉の対象にならないという御見解をとっているというように聞いているのですが、それはそうでしょうか。
○武政政府委員 先生、年齢でもってそういうことはできない、あるいは裁判の例もあるということでございますが、現に、私どもも今、昇給停止とか延伸とかやっていますし、定年制の問題もそうですし、やはり合理的な理由があるかどうかということじゃないだろうか。多分先生の御指摘の判例も、定年制に絡む就業規則の関係の問題ではないか。 そういう意味におきまして、私ども、今回の措置は何ら問題にされるようなことはない。現に、民間におきましては、六四・五%というところで五十五歳以前に昇給を停止をしているということがございます。もちろん、公務員が安定的な職場である、そういった配慮は別途必要かとは思いますけれども、少なくとも賃金体系、昇給体系につきましては、合理的な理由があるのではないかというふうに思っております。 組合との関係でございますが、この問題につきましては、私も含め相当回数、職員団体の理解を求めるべく、とことん、私の言葉からすれば話し合ったつもりでございます。民間の状況をよく説明をしたつもりであります。今回の措置について、職員団体にとって受けとめ方というのはいろいろあろうかと思います。したがいまして、率直に申し上げて、職員団体が全部完全な納得をしたというところまでは至っていないかと思いますが、大方は一定の理解は得られているのではないかというふうに思っています。 いずれにしろ、勤務条件に当たると思いますから、職員団体の意見というのは、あるいは各省当局の意見も含めて、今後もよく伺ってまいりたい、意見交換してまいりたいと思っております。
○瀬古委員 もう時間がありませんので終わりますので。 これ、全法務労働組合が出してきた資料なんですけれども、これで改悪されることによって、モデルケースで、退職手当それから定年時までの所得を入れますと、少ない人でも百六十七万、多い人だと二百三十一万のマイナス、やはりこれは大きいと思うのですね。今言われたように、ぜひ、話し合ったつもりじゃなくて、労働組合の皆さんとも、当事者の関係者の皆さんとも、よく理解をしていただくということで御努力いただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○二田委員長 次に、畠山健治郎君。
○畠山委員 私は、社会民主党を代表いたしまして、人事院勧告並びに公務員制度にかかわる幾つかの問題についてお尋ねを申し上げたいというふうに思っております。 午前の山元委員の御質問に対して、官房長官、八月十二日の勧告を受けて関係閣僚会議を招集いたしましたというふうな御報告をいただきましたが、具体的な中身は何も見えてまいりませんでした。それに対する心配やら不満も率直に言ってございます。 そこで、人事院総裁にお尋ねいたしたいというふうに思いますが、確かに、八月十二日の勧告からすれば、直接かかわり合いのある部分というのは五十数万の国家公務員だけということになろうかと思いますが、地方公務員並びに特殊法人あるいは公益法人あるいは私立学校教職員あるいは商業団体、農業団体等々のその広がりはかなり大きなものがあると思うのです。それだけに勧告の影響というのは大変大きいというふうに思うのです。 大体推計で結構でございますが、どれぐらいの広がりがあるとお考えでありましょうか。 〔委員長退席、萩野委員長代理着席〕
○中島(忠)政府委員 勧告前後から社民党の方からそういう話をいただきまして、私たち早急にいろいろ当たってみました。当たってみましたところが、今おっしゃいますように、地方公務員、そして特殊法人、公益法人、農業団体とか商工団体とか、あるいは社会福祉施設で働く職員とかございます。また、年金生活者の中で恩給生活者というのはこのベアに連動して恩給額が改定されるということでございますので、そういう者を含めますと、これは確たる自信を持って申し上げられませんけれども、かたいところで恐らく七百万人くらいの労働者というのが影響を直接間接に受けるんじゃないかというふうに思います。
○畠山委員 今の総裁の答弁から、官房長官並びに総務庁長官にお尋ねをいたしたいというふうに思います。 御案内のとおり、今の不況、消費不況、まあそれだけじゃないのですが、消費不況というふうに言われても間違いないというふうに言ってよろしいかと思います。それもこれも、言ってみれば、年金がどうなる、医療がどうなる、あるいは福祉がどうなるというライフワークに対する展望がなかなか見えてこないということに対する、消費のあらわれだというふうに言ってよろしいかと思うのです。 そういう点からすれば、今度の勧告〇・七六%、年間五万円といいますけれども、これが早期に支給になるならぬというようなことは景気対策上極めて大きいというふうに受け取らざるを得ないというふうに思うのです。 午前の答弁で、官房長官、今国会を、十月の七日を意識してというふうなお話もございました。ぜひひとつ、そういう意味も含めて、できるだけ早い閣議決定をしていただいて、閣議決定していただければ、法改正に向けての事務方の仕事も進んでいくということになろうかと思います。 ぜひひとつ、その間の事情を、官房長官並びに総務庁長官のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○野中国務大臣 重ねて申し上げますように、人事院勧告を尊重するという基本的立場に立ちまして、誠実に取り組んでまいりたいと考えております。 先ほど、佐々木委員初め皆さんに御答弁を申し上げましたように、会期も私ども十分承知をした上で、誠心誠意取り組んでまいりたいと存じておるところでございます。
○太田国務大臣 午前中も申しましたけれども、早期完全実施ということを本気で取り組んでいきたいと思っております。
○畠山委員 再度、では、人事院総裁にお尋ねいたしたいと思います。 今度の勧告、給与の部分よりもそれ以外、とりわけ、何度かいろいろな御質問がございましたが、昇給停止年齢の五十五歳化というようなこと、大変大きな問題点をはらんでおりますことは、私も同じように受けとめております。 確かに、勧告は民間準拠となっておりますから、実態はそうかもしれませんが、片や労働三権とのかかわりからすれば、既得権の侵害であるというふうに言われても仕方がないというふうに思うのです。職員にとっては生活設計に狂いが生じかねない大変な問題だというふうに思います。 そうした勧告が行われたこと自体問題がありますが、職員の置かれた状況を考えれば、相当の経過措置を設ける必要があろうかと思います。 この点について、人事院はどのような措置をお考えなのか、具体的にひとつお願いをいたしたいと思います。
○武政政府委員 今回の改正におきまして、それの該当する職員というのは、五十五歳、五十六歳、約三万人弱、六%ぐらいの職員になります。こういった個々の職員にとりましては、昇給年齢を引き下げるというのは職員の生活設計の実際上の影響というのは大変大きいものがあろうかと思います。 そういう意味におきまして、急激な変動を緩和する観点ということで、一定の職員につきましては、昇給停止年齢に達した後におきましても従前どおり昇給できる措置といったようなことを講じなくてはならないのではないかというふうに思っております。この点につきましては、職員団体あるいは各省庁当局も含めまして意見を伺いながら、あるいは諸般の状況をも含めまして、詳細については詰めてまいりたい。現在のところでは、具体的な案をお示しするような段階にないというふうに考えております。
○畠山委員 最近、経済官庁の方々からすれば、公務員に優秀な人材が集まりにくい環境になりつつある。あるいは、マスコミでもそんなことが報じられるようになってまいりました。今の環境からすれば、あるいはごもっともかなというような気がしないでもございません。そこで、人事院としては何か有効な対策を考えていらっしゃるのかどうか、その点についてお尋ねを申し上げたいと思います。 〔萩野委員長代理退席、委員長着席〕
○中島(忠)政府委員 公務員の世界に優秀な人材を採用したい、そして国民に対して良質な行政サービスを提供したいというふうに考えることは当然でございますけれども、優秀な人材を公務員の世界に引き入れるために、まずとりあえずは、やはり何といいましても公務員に対する非常に厳しい批判がございます。そのもとになっております不祥事というものの発生というものを防止していくために、公務員倫理の徹底というものを図っていかなければならない。これは、民間企業におきましても一贈賄側に立ちましてたたかれますと必ずといっていいほど応募者が少なくなっておりますが、公務員の世界もやはりこの影響を非常に受けているというふうに思います。 もう一つは、やはり公務員がどのような仕事をしてどのように国民のお役に立っているのかということをもっともっと大学生にあるいは高校生にPRしていく必要がある、広報活動の徹底ということをいろいろな手段を用いてやっていきたいというふうに考えております。 中長期的には、やはり何といいましても、最近いろいろな関係で、公務員というのが本当に将来いい仕事というか、役に立つ仕事というものができるのかという不安を若い学生が持っておるようでございます。したがいまして、政治との関係におきましても、あるいはまた国民との関係におきましても、あるいは経済界との関係におきましても、公務員というのはこういう役割を担って国民のお役に立つのだということをきっちり整理して、これを説明していかなければならないだろうというふうに思います。 そういうことを通じまして、公務員というものにいい学生が応募してくれるという状況というものを整えていかなければならないというふうに思います。
○畠山委員 余りこんなことを申し上げたくないのですが、防衛庁の調達実施本部の今回の背任、汚職等について、公務員倫理法制定に当たり、特別職は所管外ということでよいのかどうか考えざるを得ないというふうに思っています。この点、天下り審査のノウハウを持つ人事院として何か有効な対策を持っていらっしゃるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 あの報道を新聞で見まして、私たちは早速防衛庁の担当局長に連絡いたしまして、私たちの方では非常に長い間民間企業への再就職についての審査をしてきた、したがって審査についてのノウハウもございますし、それについての人材もございます、したがいまして、おたくの方から責任者をひとつ人事院の方によこしてください、いろいろお話をいたしましょうということで、第一回目のお話をいたしました。 防衛庁の方では、早速それを有効に活用してくださるだろうというふうに思いますけれども、やはり基本的には、私もあの報道がされましてから幾つかのマスコミの方から盛んに責められたのですけれども、防衛庁の職員というのは特別職で、それがまるっきり人事院の対象外でいいのか。特に、六本木におる本庁の職員というのは人事院の対象であっても何も不思議ではないのではないか。倫理の問題とかあるいは再就職の問題というものはそれに対する法理といいますか、物の考え方というのは共通しているのではないかということを盛んにマスコミの方から責められました。責められたときには一生懸命に言いわけをしておったわけですけれども、後でよく考えてみると、やはりその底の法理というのは共通しているだろうという気がいたします。 ただ、この問題につきましては、長い経緯がございまして現在のような法制になっておりますので、これからいろいろな場で御議論いただきたいというふうに思います。当委員会におきましても御議論いただきまして、何らかの方向性が見えてくれば、私としては、その方向で物の考え方を整理いたしたいというふうに思います。
○畠山委員 総務庁長官にお尋ねいたしたいと思いますが、総務庁は、昨年の二月に官民交流の制度化に向けた意見の申し入れを受けておったはずでございます。それから随分時間が経過をしておりますが、どうして法案が提出されておらないのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○太田国務大臣 大分時間がたっておることは事実でございますが、官民癒着というふうなことが大変ひところ話題になりまして、今その意義についてはいささかも衰えているということはないと思いますけれども、ちょっと素直にそういうふうにその意義を受け取っていただけるかどうかというようなためらいもあったかと思いますが、おくれておることは間違いございません。なるべく早く制度を共通にできるような、医療あるいは年金についての制度について移行ができるような整備を今いたしているというところでございます。
○畠山委員 我が党内の問題でありますが、党として国家公務員法について、この間、条文ごとに研究をいたしております。これに関して資料の提出をお願いしておりますが、どうも提出がおくれがちになっているように思っております。十分対応をしていただきたいというふうに思いますが、人事院のお考えをいただきたいというふうに思います。
○中島(忠)政府委員 できるだけ早く十分な資料を提供するように努力いたしたいというふうに思います。御要求がありました資料は、非常に古い資料でございましたので少し時間がかかりましたけれども、一昨日でしたか、お届けをさせていただいたというふうに思います。 これからもいろいろな資料の要求がありましたら、できるだけ迅速に対応いたしたいというふうに思います。
○畠山委員 国家公務員の合格者に占める女性の割合と実際の採用比率は大分開きがあるように思われます。男女共同参画社会の推進が求められておる今日であり、女性の合格者の採用と働きがいのある事務への積極的登用は重要な課題であろうかと存じます。この点、政府を挙げて積極的な推進が必要かと考えますが、官房長官、総裁、総務庁長官の見解を承りたいと思います。
○野中国務大臣 女性の登用につきましては、委員御指摘のとおり、私どもも逐次改善してその実績が生まれつつあるわけでございますけれども、いまだ十分とは言えないわけでございまして、一層努力をしてまいりたいと存じておるところでございます。
○太田国務大臣 女性のことにつきましては、官房長官が専門家でございますので、うっかりしたことを言うといけないのでございますが、私は、もちろんそういうことが大事なことであると思っております。 ただこれは、要は、女性が自分の力で自分の道を切り開いていくということの中で、その妨げになっているものを我々が積極的に取り除いていくということが大切ではないかと思います。例えば、深夜まで勤務に至るというようなことが公務員の世界では当たり前だということであれば、女性はどうしても不利になるわけでございますから、そういう勤務時間を女性も対等にできるような設定の仕方をするというようなことが大事ではないかというふうに思っております。よくまた勉強させていただきます。
○中島(忠)政府委員 女性の合格者比率、採用者比率というのを少し整理してみたところでございますけれども、平成十年度採用、平成九年度採用というふうに年を追って過去三年間見ましたところが、合格者比率と採用者比率というのはほぼ同じ比率でございますので、採用面における問題というのはそれほどないかというふうに思います。 あとは、採用後の、やはり登用の問題といいますか昇進の問題だろうというふうに思います。その昇進というものに当たりましては、能力主義というのですか、成績主義といいますか、それが平等取り扱い原則のもとで徹底されていく必要があるだろうというふうに思います。 そういう意味におきまして、私たちも、人事管理の担当の課長を集めましたときにはそういう趣旨の徹底をしておるわけでございますけれども、せっかくの御指摘でございますので、そういう徹底をしてまいりたいと思います。 そして、先ほど総務庁長官が答弁されましたように、勤務環境といいますか、そういう女性の方が働きやすい勤務環境の整備ということにつきましては、総務庁と協力しながら、また進めてまいりたいというふうに思います。 以上でございます。
○畠山委員 さっき倉田委員の質問とのやりとりをお聞きいたしまして、最後に私も一言だけ申し上げておきたいというふうに思いますが、公務員制度調査会でのやりとりでございます。言うなれば、人事行政のあり方ということで、内閣機能の強化と本来あるべき人事院の仕事とのかかわり合いで、確かに網引きがあるというようなことは、存在しているというようなことは疑いのない事実だというふうに言ってよろしいかと思います。 そこで問題なことは、さっき総裁もお話しのように、官民賃金較差を、いわゆる権威のある人事院勧告ができる仕組みからすると、等級別人事管理というのは、定数管理というのは避けて通ることのできない人事院の仕事なんです。これを取ってしまったら正確な勧告ができないわけですね。だから、このことは、このことで無用の綱引きはぜひやめていただきたい。人事院の権威のためにもこのことを強く申し入れをして、時間になりましたので終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○二田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十三分散会