決算行政監視委員会 第2号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/09/29
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事一名が欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。 それでは、鴨下一郎君を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○原田委員長 この際、御報告いたします。 去る六月十七日、調査局長に命じました事務・事業の評価・監視システム導入に関する予備的調査につきまして、去る八月二十八日、報告書が提出されました。 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。 ――――◇―――――
○原田委員長 また、去る四月二十二日の本委員会において、歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件の調査に関し、公的宿泊施設の運営について、会計検査院に対し、会計検査を行いその結果を報告するよう求めることに決し、直ちに議長を経由して要請いたしました。 その結果、昨二十八日、会計検査院から検査結果の報告がありましたので、御報告いたします。 ――――◇―――――
○原田委員長 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。 まず、会計検査院長から公的宿泊施設の運営に関する会計検査及びその結果の概要について説明を聴取いたします。疋田会計検査院長。
○疋田会計検査院長 公的宿泊施設の運営に関する会計検査の結果につきまして、その概要を御説明いたします。 お手元に配付しておりますのは報告書全文とその要旨でありますが、そのうちの要旨に基づきまして御説明してまいりたいと存じます。 会計検査院は、平成十年四月二十二日、衆議院議長から、会計検査を行いその結果を報告するよう要請を受けました。その要請の内容は、厚生省(社会保険庁)、郵政省、雇用促進事業団、簡易保険福祉事業団及び年金福祉事業団が設置運営する宿泊施設を対象として、施設の設置状況、施設の運営状況及び運営のあり方についての調査検討に関する検査であります。 今回検査の対象とした公的宿泊施設は、厚生省(社会保険庁)、郵政省、雇用促進事業団、簡易保険福祉事業団及び年金福祉事業団が設置した、二ページの表に示しました三百七十施設であります。 検査の方法は、検査の対象とした公的宿泊施設につきまして、その設置者や施設の運営を受託しております公益法人から各種資料の提出を受けまして、説明の聴取等を行いました。そして、検査の対象とした三百七十施設の一七・五%に当たります六十五施設につきましては、現地に職員を派遣して実地検査を行いました。 次に、検査の結果について御説明いたします。 公的宿泊施設に関しましては、第二次臨時行政調査会の最終答申を受けまして、昭和五十八年から五十九年まで数次にわたりまして、郵政省、雇用促進事業団、簡易保険郵便年金福祉事業団及び年金福祉事業団の設置する会館、宿泊施設等の新設は原則として行わないことなどの閣議決定が行われております。 まず、設置状況について御説明いたします。 平成八年度末で、未開業の四施設を除きます三百六十六施設の規模は、客室数で計一万二千六百九十四室、宿泊定員で計四万一千百八十七人となっております。 公的宿泊施設の設置手続は、設置箇所の選定から基本構想、施設の設計、建設工事等の段階を経て行われることになっており、いずれも地方公共団体からの設置要望等及び地元の旅館組合等との調整が含まれております。土地取得費及び当初建設費の累計は、それぞれ二千百二十六億六千九百万円、五千七百五十六億七千八百万円に上っております。また、平成八年度の増改築費は五百五十五億二千三百万円となっております。これらは、基本的に被保険者等からの保険料等が財源となっている国の特別会計から支出されております。 次に、運営状況について御説明いたします。 多くの公的宿泊施設では、設置者が公益法人等に施設運営業務の全般を委託しております。 公的宿泊施設の八年度における総宿泊者数は約八百五十万人で、近年その数は横ばいとなっております。また、国内旅行の延べ宿泊者数に対する公的宿泊施設の総宿泊者数の割合は、一.四%程度となっております。公的宿泊施設の定員稼働率は、郵便貯金会館、簡易保険保養センター及び簡易保険会館が七〇%台から八〇%台と高稼働率となっているのに対しまして、他の施設種別ではおおむね四〇%台から六〇%台となっております。 公的宿泊施設の多くは、社会保険の被保険者、簡易保険の契約者等に対してはその他の一般の利用者に比べて安い料金を適用するなど、被保険者等の優先利用を図っております。しかし、被保険者等であることの確認状況について調査しましたところ、その確認方法等が十分でない施設が見受けられました。 八年度の実際の総宿泊者数に占める被保険者等の割合を利用者の区分を行っている施設について見ますと、全体では八三%となっておりますが、設置者、施設種別ごとにはかなりの差異が見られます。 八年度の一施設当たりの年間運営費用は平均五億九千七百万円で、近年はわずかに減少傾向にあります。また、別途、大規模な維持修繕費、固定資産税、土地借料の一部の費用について、国の各特別会計が直接または間接に負担しているものがあり、その合計は百六十九億円に上っております。 なお、今回の検査の対象とした公的宿泊施設の設置、運営に伴う総支出に占める国の各特別会計の直接または間接の負担額の割合は、本院の試算によりますと、過去五年間の平均で二八・三%となっております。 八年度の一施設当たりの収支は、収入が五億八千百万円、支出が五億九千七百万円となっております。運営に係る支出を収入で除した収支率が一〇〇%を超え、いわゆる赤字となっている施設は百八十施設となっております。 次に、運営のあり方についての調査検討について御説明いたします。 各省庁等では、各閣議決定の対象施設につきましては、閣議決定当時既に着工していたり計画が進行中であったなどの理由によりまして建設を続行した施設を除きまして、新設は行っていないとしております。また、厚生省では、昭和五十八年の行政監察を受けて、当時計画決定済みのものを除き新設は行っておりませんが、行政監察の対象とならなかった施設種別につきましてはその後も新設されております。 公的宿泊施設の運営における損益は、基本的には運営受託者の損益となりますので、運営上の損失が国の特別会計や各事業団の負担に直結する仕組みとはなっておりません。しかし、運営上の損失が著しく大きい施設につきましては、収益に及ぼす要因と費用に及ぼす要因を十分把握して、収支の改善見込みなどを適切に予測することが重要と考えます。 公的宿泊施設の稼働率は、全般的に見ますと、平均的な民間の旅館の水準を上回っておりますが、一部に稼働率の低い施設も見受けられます。 郵便貯金会館等を除く公的宿泊施設では、事業の目的を踏まえて、被保険者等を施設本来の利用者と位置づけ、それ以外の一般利用者と取り扱いを区別しております。特に利用料金では、一般利用者には被保険者等より高い料金を適用しておりますが、一般利用者の料金の設定に当たりましては、国の特別会計の負担状況を考慮することが必要と考えられます。 公的宿泊施設の設置、運営に係る国の特別会計の負担は、最終的には社会保険制度の被保険者や事業主、あるいは簡易生命保険の契約者の負担に帰着します。 したがいまして、貴重な保険料等の財源を使用していることを考慮しますと、施設事業の運営、とりわけ国の特別会計からの負担に関しましては、最終的な負担者の十分な合意を得ることが重要と思われます。 また、公的宿泊施設の事業の評価に当たりましては、事業の本来的な目的の達成度の測定基準や国の特別会計の負担状況等に関する評価指標についても開発を検討する意義は大きいのではないかと思われます。 最後にまとめて申し上げますと、被保険者等の支払い保険料などの限られた財源を用いて被保険者等の福祉の増進などの目的を有効かつ効率的に達成するためには、今後の公的宿泊施設の課題として次のような事項が考えられます。 すなわち、第一に、施設の稼働率や収支の状況は、それぞれの施設の設置、運営の有効性または健全性を示す重要な指標となりますので、設置者がこれらを十分把握しまして、稼働率が著しく低かったり収支が著しく悪い施設につきましては、その原因を十分究明した上、今後の事態の改善や事業継続の可能性あるいは統廃合の要否等を検討する必要があると考えます。 第二に、また、被保険者等は設置目的上施設の本来的な利用者であり、また、その多くは費用の最終的な負担者ですから、このことを十分念頭に置いた上で施設の運営を行う必要があると考えます。 第三に、事業運営に最終負担者の意見を反映させるためには、まず、現在の仕組みを積極的に活用することが重要であると考えます。 第四に、事業の評価を適切に行うためには、設置者におきまして業績評価制度の確立や内容の充実が望まれます。その際には、国の特別会計の負担状況と、事業の便益がだれにどれだけ及んでいるかなどについて把握する努力も必要であると考えます。 第五に、今後とも閣議決定等に沿った措置をとることはもとより、閣議決定等の対象とされていない施設につきましても、民間同種施設の充実、利用者のニーズ等公的宿泊施設を取り巻く状況や国の特別会計の財政見通しなどを十分考慮した上で設置、運営する必要があると考えます。 なお、雇用促進事業団及び年金福祉事業団につきましては、九年六月に廃止の方針が決定されておりますが、その設置施設につきましては、それぞれ今後の取り扱い方針の決定や関係者との合意形成が速やかに行われることが望まれます。 いずれの公的宿泊施設におきましても、施設の設置、運営にかかわる者、施設利用者及び財源の最終負担者だけでなく、地方公共団体、地域住民、さらには民間の同種事業者など多くの人々もさまざまな利害関係を持ち、相互に影響を及ぼしていること、また、公的宿泊施設の中には、宿泊機能のみならず、その他の機能をあわせ持つものが少なくないことから、公的宿泊施設のあり方について幅広く議論がなされることが肝要であると考えます。 以上をもって概要の説明を終わります。
○原田委員長 これにて会計検査院長の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○原田委員長 次に、資源エネルギー庁から、石油公団問題に関する調査報告について説明を聴取いたします。稲川資源エネルギー庁長官。
○稲川政府委員 石油公団再建検討委員会の報告書について御説明申し上げたいと存じます。 石油公団につきましては、昨年十二月、本委員会でも御審議いただき、また、堀内前通商産業大臣からも御指摘をいただきました。 通商産業省におきましては、この石油公団の問題について、堀内前大臣の指示により省内に設置した石油公団再建検討委員会において、石油公団と連携をとりつつ、公認会計士等の意見を踏まえながら徹底的な見直しを行い、報告書を取りまとめたものです。 お手元の資料「石油公団再建検討委員会報告書(概要)」に沿って説明させていただきます。 石油開発は、莫大な資金と長いリードタイムを要し、大きなリスクを伴う事業であります。一方で、我が国の石油開発会社は欧米石油会社に比べて資金、技術、経験の面で不十分な状況にあることから、自主開発について、石油公団の出資、融資及び債務保証による支援を行っています。 また、石油開発事業の持つリスクを踏まえ、プロジェクトが不成功となった場合には返済を期待しない成功払いの制度としており、プロジェクトの結果によっては回収不能による損失が発生し、それを成功したプロジェクトの株式売却益などで埋めることにより、資金を自己回転させることを想定したものとなっております。 こうした支援のもとで、平成九年度末における自主開発原油の輸入量は日量六十九万バーレル、石油公団設立時の約二・五倍に増加しました。 次に、石油公団の将来の損益見通しについては、石油公団は、これまで一兆一千七百七十七億円の政府出資により出融資及び債務保証を行っており、平成九年度末の石油公団の出資金及び債務保証などの残高は一兆三千八百二十億円であります。これが将来どの程度回収され、石油公団の最終的な損益がどのようなものとなるかについて、将来の原油価格、為替について幅を持った前提を置き、見通しを策定しました。 その結果、出融資及び債務保証のうち六千九十億円から七千八百三十億円程度の回収及び保証解除が見込まれ、五千百四十億円から六千八百七十億円程度が回収不能による損失となる見込みであります。一方で、利息収入、配当金、株の含み益などによる収益の合計が四千三百八十億円から八千九百億円程度と見込まれ、最終的な損益は、二千四百九十億円程度の損失から三千七百六十億円程度の利益と見込まれます。 この中で、いわゆるナショナルプロジェクト会社五社につきましては、回収不能額の約七〇ないし八〇%と大半を占めております。これらの会社は、第一次及び第二次石油危機前後の緊迫した情勢のもとで、我が国官民を挙げて設立したものであり、自主開発原油の確保の面では一定の成果を上げましたが、昭和六十一年からの原油価格の下落及び急激な円高の進行の影響を受け、経営面で困難に直面しています。 他方、剰余金を有している十五社からの利息や株式の配当、含み益などは、収益全体の約七〇ないし九〇%に達し、石油公団の損益を均衡させる方向に大きく寄与しています。 次に、こうした状況を踏まえた損失の処理など石油公団の財務処理のあり方について、石油公団では、今後十年程度の間にかなりの確実性を持って発生が見込まれる損失について引当金に計上することとしていることから、一時的に欠損金が生ずることが不可避であり、この欠損金をいかに処理して資金の自己回転を図るかが課題となっております。 欠損金の処理の方策としては、保有株式を売却し、その含み益を実現することにより処理することが適当と考えております。売却に当たっては、十年程度の中期的なスケジュールのもとに、株式市場の動向を踏まえつつ計画的に行う必要があります。 次に、石油公団の出融資先会社の整理については、基本的考え方として、生産中の会社のうち、事業の継続により資金回収が進み石油公団の損失が減少する見込みの会社は事業を継続をさせ、現状のまま事業を継続すると石油公団の回収不能による損失が増加する見込みの会社は解散する方向で関係者と調整を行うこととします。 探鉱中の会社で今後とも開発移行が見込めないものは、解散する方向で関係者と調整を行うこととしております。 この考え方に基づき、日中石油開発、北極石油、サハリン石油開発協力を初め十三社を整理する方向で関係者と調整を行うこととします。 これらのほか、既に事業終結を決めた会社が十四社あるので、平成九年度末に石油公団の支援の対象であった百二十三社は、二十七社減って九十六社に減少することとなります。 また、徹底した情報公開を行うとともに、一層適正な財務、会計処理に努めてまいります。 なお、石油公団の事業・財務内容については、平成九年度決算に際し、石油公団及び出融資先会社の事業・財務の状況について詳細な情報を公開しました。 次に、本年秋以降の石油審議会での議論を踏まえつつ、重点的戦略的運営を図るため事業運営方針の策定を行うとともに、欧米石油会社で用いられている経済性に関する新たな指標の導入など、効率性を重視した事業の運営に努めてまいります。 また、今回の検討も踏まえ、石油開発政策のあり方については、今秋以降、石油審議会でさらに議論することといたしております。 以上、御説明いたしました報告書に基づき、この報告書で提案をした事項が的確に実施され、石油公団のより一層の効果的・効率的な業務運営が確保されるよう全力を挙げて取り組んでまいる所存ですので、何とぞよろしく御指導のほど、お願い申し上げます。 以上でございます。
○原田委員長 これにて説明の聴取は終わりました。 ―――――――――――――
○原田委員長 この際、申し上げます。 本委員会は、去る九月九日、出入国管理法違反等の実情調査を目的として、東京入国管理局、警視庁新宿警察署及び新宿歌舞伎町地区の視察を行いました。 そこで、その結果を踏まえ、出入国管理法違反等に関し事態の改善に向けた取り組みが極めて重要と思われる課題について、理事会等の場で各党間で協議を重ねてまいりました。日本共産党から一部内容について異論がありましたが、本日の理事会において内容を取りまとめましたので、私からその概要を御報告いたします。 詳細についてはお手元に配付したとおりでありますが、主要な点を申し上げますと、 一、外交ルート等を通じた不法入国取り締まり強化等に関する海外への協力要請の強化 二、ビザ免除協定を一時停止する等のビザ発給の厳格化 三、水際での取り締まり体制の強化 四、蛇頭等国際犯罪組織や本邦内の暴力団等の密航支援組織の実体解明と摘発強化 五、外国人の不法就労の防止策の徹底 六、収容施設の増設等を含めた出入国管理体制の整備充実 七、外国人犯罪の取り締まり体制の充実強化 八、不法滞在、不法就労の防止策としての出入国管理法制の整備等について であります。 最近における外国人の不法滞在者による犯罪の増加は、国民生活の安全確保上、極めて憂慮すべき問題となってきております。 ついては、関係各省庁において、以上の指摘事項につきまして、その意図するところを十分尊重し、最大限努力されることを強く求めるものであります。 以上、御報告いたします。 ――――――――――――― 出入国管理法違反等に係る課題 1 海外への協力要請等 (1) 関係国に対する不法入国取締り強化の要請等 中国等の関係国に外交ルート等による要請も重 要であるが、実効を担保するため関係省庁を中 心に相手国との実務者レベルの情報交換・対策 会議の設置、国際シンポジウム・国際研修会の 開催等について検討を行う必要がある。 (2) 密入国者の生活実態の周知徹底 密入国者の就職困難、住宅状況、生活難、摘発 された場合の退去措置等の実態を相手国の国民 に周知徹底を図る必要がある。 2 出入国管理の厳格化 (1) ビザ免除協定の一時停止によるビザ発給の 厳格化 (2) 相手国への出国管理の厳格化要請 不法入国者の多い国に対する出国管理の厳格化 を要請する必要がある。 3 水際での取締り体制の強化 (1) 偽造・変造パスポートによる不法入国者の 摘発の徹底 (2) 集団密入国者の早期発見、摘発の強化 西日本等の重点地域を指定し、海岸線等の監視 体制(警備艇・巡視船艇等の確保、監視拠点の 設定、監視システムの整備、監視要員の確保 等)を強化する必要がある。 (3) 関係省庁の連携強化と総合対策の推進 国の不法入国者に対する基本方針を明確に策定 し、関係省庁間の連携強化と総合対策の樹立・ 推進が重要である。 (4) 不法入国等に係る広報・情報収集活動の充 実強化 地方公共団体、漁業・海事関係団体への周知徹 底並びに地域住民、漁業・海事関係者への協力 要請を徹底する必要がある。 4 密航支援組織の実体解明等 (1) 蛇頭等国際犯罪組織及び国内支援組織(暴 力団等)の実体解明と摘発の徹底 (2) 国際犯罪組織の資金源である「不正収益」 を規制するための法的整備 マネーロンダリング対策の強化が必要である。 (3) 外国の捜査機関との連携強化 関係国の捜査機関との情報交換、捜査協力体制 を確立する必要がある。 5 外国人の不法就労の防止 (1) 事業者に対する啓発指導の徹底 商工会議所、建設業界団体等を通じての事業者 への啓発活動、国民に対する不法就労防止の啓 蒙並びに事業者等に対する情報提供を積極的に 展開する必要がある。 (2) 外国人就労者に関する情報の把握の強化 外国人就労者の採用時のビザ・パスポート確認 の徹底、関係機関の情報把握、不法就労者の摘 発の強化を図る必要がある。 6 出入国管理体制の充実強化 (1) 収容施設の増設整備 (2) 密入国事件等への対応体制の整備 審査官・警備官等の増員、通訳の採用増等の事 件多発に対応するマンパワーの充実強化ととも に不法滞在者の摘発に対する民間の協力体制に ついての検討が必要である。 (3) なお、不法滞在者の摘発等に資するため、 入国審査のみならず、在留管理の面でも例え ば、宿泊や入居等の際にパスポート等をチェッ クするなど、人権に配慮しつつも適切に対処す る体制について検討を進める必要がある。 7 外国人犯罪の取締り体制の充実 (1) 外国人犯罪多発地区における重点対策の強 化 外国人犯罪の多発地区(新宿等)の取締り対策強 化のため現場警察官の増強、活動拠点(大型交 番、分署等)の設置、防犯カメラの設置等によ る総合的な対策が必要である。 (2) 麻薬等の取締り強化対策 水際対策の徹底、情報収集活動の強化、関係機 関の緊密な情報交換の実施など麻薬等の取締り について、内外の関係機関の協力体制を強化す る必要がある。 8 出入国管理法制の整備等 不法滞在、不法就労の防止を効果的に推進する ため、以下の事項に留意し、入管法等の改正に ついて検討する必要がある。 (1) 「不法滞在罪」の創設等 現在の不法入国の現状に、一層厳格かつ適切に 対応するためには、新たに「不法滞在罪」を創 設するなどの対策が必要であると考えられる が、外国法制との比較検討が必要である。 (2) 退去強制後再入国の期間の長期化 再入国できることになる期間を一年から、より 長期間に延長する必要がある。 (3) 退去強制費の負担者 退去強制費は本来犯罪を犯した本人の負担であ るべきであるが、現実には支払能力がない場合 には、本人の母国が引取り費用を負担すること とするしかない。この費用負担については、国 際的な慣例もあると考えられるので、この面か らの調査検討も必要である。 (4) 刑事事件の証人となる不法滞在者への適切 な対策 刑事事件の証人が不法滞在者である場合が少な くないが、捜査段階で強制退去をおそれて逃亡 してしまうことが多いことへの適切な対策が必 要である。 ―――――――――――――
○原田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として石油公団総裁鎌田吉郎君及び同理事新欣樹君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ―――――――――――――
○原田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井紘基君。
○石井(紘)委員 藤島官房長は、きょう付で今の職を解任になったそうですが、どういうわけですか。
○額賀国務大臣 今、石井先生のお尋ねでございますけれども、先ほどの閣議におきまして、本日付で藤島長官官房長につきまして同職を免ずる旨の人事が了解されたところであります。 藤島長官官房長は同職を免じ、伊藤参事官に長官官房長代理を命じたところであります。 今回の人事は、元調達実施本部長らの背任事件後のいわゆる証拠隠し疑惑に際しまして、内部部局及び調達実施本部において事実解明のため各部を指導監督すべき立場にある長官官房長らがこれまでに東京地検に事情聴取をされたという報道もこれあり、実質的に職務遂行に少しのおくれも許されない今日、業務を円滑に遂行していくための体制を早期に整えるべく人事を行ったものであります。
○石井(紘)委員 秋山次官も更迭をするのですか。
○額賀国務大臣 既に何回か申し上げておりますように、東通事件に関する文書管理の実態に対する内部調査委員会を設けておりまして、秋山次官には、その調査委員会の委員長として、今鋭意内部調査の実行をお願いしているところであります。
○石井(紘)委員 更迭するというのは再三報道されているわけですが、そうすると、次官としてその調査の陣頭指揮を今後ともとるのか、それとも、それはそれとして更迭はするのか、そこのところ、お答えがなかったのですが。
○額賀国務大臣 私どもは、東通案件に関する問題で、組織的に大量に証拠隠滅を図ったという報道が事実であるとすればまことに重大な案件であり、この事実関係を明らかにするために、調査委員会を設けて鋭意調査をしているところであります。その実態が明らかになった時点で厳正な措置を考えたいと思っております。
○石井(紘)委員 今の長官も、長官におなりになった最初の安全保障委員会で、これまでのこの背任事件に関する従来の防衛庁の答弁あるいは対処行動等々について責任を持たれるというお話でございましたが、防衛庁長官自身は責任をお感じになっているのかなっていないのか、そのあたりを聞きたいのです。そうやって担当者を次々に更迭して責任をとらせて、御自分はそのままおられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○額賀国務大臣 今回の一連の事件に関連をいたしまして、元調達本部の本部長、副本部長が逮捕され、起訴されるに至ったわけであります。しかも、なおかつ、防衛庁で二回も強制捜査が行われたということは、まことに国民の信頼関係を失墜させたわけでありまして、国民の皆さん方に心からおわびを申し上げている次第であります。 私といたしましては、これからも、捜査及び公判の過程で事実関係が明らかになっていくと思いますけれども、防衛庁の自浄能力を発揮していくためにも、我々の力で事実関係を明らかにしていくことが国民の信頼関係を確保していく第一歩であるというふうに思っているところであります。しかも、なおかつ、やはり現象面をこう薬張り的に補うことではなくて、なぜこういうことが起こったのかという原点に立ち返って、再びこういうことが起こることのないような措置をとっていかなければならない。 そのために、私は、就任直後即座に、防衛調達制度調査委員会の設置と自衛隊員の再就職の問題についての検討委員会の設置を指示をいたしまして、防衛調達制度調査委員会は既に第一回目の会合を開き、自衛隊員の再就職に関する検討委員会は、近々第一回目の会合を開くべく準備をしているところであります。 そうしたことを踏まえまして、私は、防衛庁の新しい進むべき道を示していくことが私の大きな責務であるというふうに思っているところであります。
○石井(紘)委員 長官の責任については後でもう一回議論をさせてもらいますが、今自衛隊員の再就職というお話が出ましたので、ちょっと横にそれますが、この問題は、自衛隊員の再就職の問題なんですか。長官におなりになってやられた行動がそういうことだとすれば、ちょっとずれているのではないでしょうか。 我々は一度も、自衛隊員の再就職が問題だと言っているのではないのですよ。自衛隊の皆さんというのはもう四十代そこそこでおやめになって、それは新たな就職先というのは必要なわけで、そういうものをだめだとかどうだとか言っているわけじゃない。そうじゃなくて、防衛庁の幹部の人たちのいわゆる天下りですよ。再就職と天下りは区別しなくてはいかぬ。この防衛装備品を調達する相手方の企業に、その契約と引きかえに偉い幹部たちが就職していく、交換条件にそういったものを押しつけていくというのが大問題なわけですよ。それを、自衛隊員の再就職の問題なんて、ずれたようなことをやっていたってだめなんです。 そのことは私の意見だけ言わせてもらいますが、そこで、再三この背任事件について聞き取り調査をやっていると言われておりますが、どのぐらいの聞き取り調査をやったのですか、内部で。
○額賀国務大臣 これまでにおよそ、防衛調達本部の職員を中心といたしまして、百九十人前後の職員の皆さん方からいろいろとお話を伺って事実解明を進めているところであります。
○石井(紘)委員 それをやり始めてから相当日時がたちましたけれども、それだけの聞き取り調査を長時間にわたってやっているのでしたら、証拠の隠滅というもの、書類を大量に昨年の夏から秋にかけて焼却をしたということは以前の委員会でも私は申し上げましたが、そういった事実、あるいは最近になってふろしき包みに包んで何度か調本から持ち出した、こういう事実が浮かび上がってきませんか。
○額賀国務大臣 これは石井先生から前回も御質問を受けたわけであります。鋭意我々は調査を進めてまいったのでありますけれども、この前も申し上げたところでありますが、これまでに申し上げられる点は、一つは、昨年九月ごろに調達実施本部の複数の課において東京地検への書類の任意提出等に備えてコピーを作成したことは、複数の職員からの聞き取り調査で明らかになっております。 その際に、書類の焼却処分を行ったかどうか、また行ったとして、その中に今回の元調本長らの背任容疑事件に関する重要書類が含まれていたかどうかについて目下調査中であります。 また、年度がわりの四、五月にほかの時期に比べて大量の書類焼却が発生するということは、聞き取り調査で明らかになっているわけでありますが、本年五月ごろに行われた書類整理以外に、本件に関する重要書類を大量に焼却したかどうかという点についても調査をしているところであります。 また、本年の直近の八月から九月にかけて種々の書類を自宅に保管をしたり他の建物へ持ち込んで保管をしたことがあるという聞き取り結果を得ているが、いかなる理由、状況下でそのようなことが行われたか、また背任容疑事件に関するものが含まれているかという点についても確認中であります。 ただ、石附調達実施本部副本部長より、調査委員会に対しまして、九月三日の調達実施本部の家宅捜索の前に執務室内の文書を自宅以外の場所にも移動して保管した旨、事後になって申し出があったために、今、事実関係の細部について調査をしているところであります。
○石井(紘)委員 その石附さんは、いつごろ、何回ぐらい運び出したと言っているのですか。
○額賀国務大臣 これは今細部にわたって調査中でございますので、全容が明らかになってから御報告をさせていただきたいと思うし、まだ、今のところきちっと明言できるまでには至っておりません。
○石井(紘)委員 調査中、調査中と言わないで、そういった百九十人を聴取をされた中で、やはり何らかの関与をしているという人はそう多くないわけですから、そういう方々の話を聞けばどういうことを言うかということがわかるだろうし、また、周辺でそれを目撃したという人もいらっしゃるわけですから、そういう人たちからも話を聞けば、そんなに時間のかかる問題ではないと思いますので、ひとつ次回、何かの機会があって聞くときには、明確にお答えをいただきたいと思います。 そこで、調達実施本部というのは、防衛庁の装備品、陸海空の自衛隊で使用する装備品を、調達実施本部という部局を設けてそこでもって一手に発注をする、契約もする。こういうシステムというかこういうあり方というものが、どうしてもそこでもって、たまたま例えば実権を振るうような人が来て、いい意味で一生懸命やるならいいけれども、権限がやはりこれは集中するし、お金が非常にたくさん絡む部局であるわけですから、この調達実施本部について改革をするというような考えはありませんか。あるいは、調達実施本部を廃止して、例えば陸海空にそうした装備の調達のルートを分散するというような考えはありませんか。
○額賀国務大臣 先般、二十四日に第一回目の防衛調達制度の調査委員会を開催させていただいたときに、私は、今の調達本部のチェック体制が不十分であったためにこういう事件が起こってきたであろうと。したがって、この現在の調達本部のあり方を含めていろいろと検討をしていただきた 昭和二十九年に防衛庁が発足して以来、四十四年間このシステムが続いてきたわけでありますけれども、そういう歴史的な経緯と、それから、アメリカを初め海外ではこういう調達システムはどういうふうになっているのか、チェック体制はどういうふうになっているのか、そういうことを総合的に点検した形で、再びこういうことが起こることがないようにつくっていくことが大事であるというふうに思っております。
○石井(紘)委員 防衛庁の組織体制を再整理して、調本というものをなくすという考えはないですか。
○額賀国務大臣 なくすとかそういうことではなくて、今、どこに問題があったのかということを追及することが大事であると。その意味、発想の上では、既にあったものを既存のものとして肯定する形ではなくて、それは解体するような気持ちで、原点に返って調達システムを考えることがいいではないか。発想としては、それくらいの思い切った考え方のもとで作業が進められていくことがよいというふうに思っております。 我が国においては、経済とかあらゆる面で構造的な改革が迫られているときでもあり、防衛庁そしてまた自衛隊のあり方も、あるいは行政のあり方も問われているときであるし、そういう、原点に返って考えることも大事ではないかというふうに思っております。
○石井(紘)委員 もう少し前向きの答弁を期待しているわけですが、それじゃ、防衛生産管理協会だとか装備協会だとかいう財団法人というのは、まさしくほとんど防衛庁のいわゆる幹部クラスがずっと天下っている団体でありまして、今回逮捕されている諸冨さんあるいは上野さんがそれぞれ理事長なり専務理事なりをやって牛耳ってきて、ある意味では彼らの都合によって相当その内容がゆがめられておる。 先日も申し上げましたように、公益法人としての事業というものはたかだかもう二千万円とか四千万円とかそんな程度のものであって、例えば装備品の機械をチェックするといったって、設備一つ何にも持たない、ただオフィスがあるだけというようなことで、何か、パンフレットなんかを見ていますと、ただ格好をつけているだけというような感じがいたしますが、公益法人としての事業はそんなもので、あとは何億円、何十億円という莫大なビジネスをやっているわけですね。 こういう協会というものは、非常に公益法人として問題が多い。これを廃止するように、認可を取り消すように、長官に前回安保委員会で申し上げました。検討するというようなお答えだったと思いますが、結論を伺いたいと思います。
○額賀国務大臣 同様の御質問、前もいただいたわけでありますが、私といたしましては、防衛装備協会の幹部及び防衛生産管理協会の元幹部が東京地検に起訴されましたことは、まことに残念なことであると思っております。 これらの協会については、必要性があったから設立されたのだと思いますが、昭和五十二年に防衛装備協会が設立されております。防衛生産管理協会は平成三年に設立をされたというふうに聞いております。この両協会の仕事は、今回の東通の過払い事件とは直接関係するものとは思っておりませんけれども、この前も言いましたように、事実関係が明らかになっていく中で、つまり公判を通して真相が明らかになっていく中で、この両協会がどういうかかわり合い方をしていたのかどうか、そういうことの実態を踏まえて考えていくことが適切ではないかというふうに思っております。必要に応じて判断をしていきたいというふうに思います。
○石井(紘)委員 いつも考えていく、考えていくばかりじゃ困るのでして、考えたら少し前進してもらわないと困ると思います。事あるごとに申し上げなければならぬということになりますので、時間のむだであります。 そこで、過払いがもっとあるのであればさらに追加で支払ってもいいという東洋通信機の方の見解、あるいは防衛庁の方ももっと過払い分を返納させる必要がありはしないかという検討をしておるということですが、その辺はどうなっておるのですか。
○額賀国務大臣 東京地検でこの一連の過払い事件について背任という容疑で起訴をされたという重い事実、それから、当時の調本の幹部の方が、当時返還額を算定した基準は適正なものではなかったというようなメッセージを与えていること等々を考えますと、過払い分があったことについては、その関係法令に基づいて必要な手続をし、返還をしてもらうことがよいのではないかというふうに思っております。
○石井(紘)委員 今、過払い分とおっしゃいましたけれども、例えば東洋通信機でいえば、既に決まっている八億七千四百万プラス、要するに地検で出ている、例えば二十九億であったとか二十四億であったとかいう数字がありますが、そのプラスアルファの分の過払いのことですね。もう一度。
○額賀国務大臣 そのとおりです。
○石井(紘)委員 どうもこの防衛庁の主張にはいまだにたくさんのうそがある。 幾つかこれから申し上げますが、その一つは、先日もかなり明らかになったと思うのですが、防衛庁は会計検査院に対して、これは原価差異の事案である、原価差異というのは、機械の更新だとか設備の更新だとか、そういったものから必然的に長い年月の間に出てくる計算のずれであるという見解を述べられた。ですから、これは過払いではなくて、そうした原価計算から生ずるずれであるということで検査院に言われておったというわけで、それをもう一回、明確に防衛庁に聞いておかなければならぬと思うのですが、防衛庁はそのことを肯定されますか、否定されますか。
○及川政府委員 お答え申し上げます。 原価差異という言葉につきましては、私ども、当時の責任者の方からは、いわゆる契約金額の見積原価と実績原価との差異を原価差異と一般的に称するというふうに聞いておりまして、本件もこの原価差異が生じた事案であるとの報告は受けていたわけでございます。 なお、同様の説明を会計検査院の方になされた、特に平成六年、当初上野副本部長の検査院への報告というのは、先生御指摘のとおり、必ずしも適切かつ十分であったとは思われないと認識しているところでございます。その後の折衝経緯等につきましては、資料等も残っておりませんので十分把握できないところでございますけれども、いずれにせよ、数回にわたって御報告はしたと伺っております。
○石井(紘)委員 要するに、従来は防衛庁は、会計検査院に対しても、あるいは国会に対しても、これは原価差異事案ということで出されましたね。この委員会に出されたわけです、昨年の十一月に。そういう経緯から見ても、これはそういう意味での、つまり、価格算定というものとそれから実際にかかったコスト等の価格、そのずれを言っているのだということです。 防衛庁が東京地検に出した上申書を見てみても、この上申書には一貫してそういう姿勢で述べられております。一貫してそう述べられているわけですが、幾つか申し上げますと、予定価格算定の訓令と原価差異算定との関係というのがございます。 予定価格算定というのは、例えば一般確定契約の場合、最初の段階で既に契約を確定して債権債務関係を終了させてしまうわけですね、契約の段階で。つまり、企業の方から見積価格が出て、それに対して計算価格というのを出していく、さらに予定価格というのを算出していく、この予定価格を業者との間で若干の調整を行って契約を行う。これを予定価格というふうに言うわけですね。その予定価格というのは最高の予定金額であるというふうにこの上申書には書かれております。それは上限であるということでしょう、この意味は。それに対して、実際に装備品の製造に要した費用、これは違うんだ、違ってくるんだということで、その差を原価差異というんだということで、これは一貫してこう書かれていますよ。どうですか。そうですが、そのとおりですか。
○及川政府委員 いわゆるその上申書の内容についてはコメントは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、原価差異というのは、先ほど申し上げましたとおり、予定の価格と最終的な実績価格との差異ということでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、会計検査院に防衛庁が説明をされたのは会計検査院の言うとおりということになります。いいですか。防衛庁は、今まで会計検査院とのそごがあるかのような、理解の相違があるかのような、そういう態度をとってこられたけれども、これは防衛庁がそういう姿勢で会計検査院に言ったのです。だから、会計検査院の方は、ああそうですが、過払いじゃない、そういうことであれば、とりたてて検査をし指摘をする、しかもこの資料が出されないということですから、それはできないということで引っ込んだのでしょう。そこで、しかしながらですよ、防衛庁のこれまでの答弁は、過払いであったという答弁が再三再四ありますね。ちょっと確認しましょう。
○及川政府委員 恐縮でございます。ちょっと手元にございませんので、確認をさせていただきたいと思います。
○石井(紘)委員 いや、これは全部ありますけれども、幾つもうその点がありますから続けて言いますと、企業側が出してきた工数計算、工数が間違っていたのだと、この問題は。そういう意味で、さっき言った原価計算のずれとは、価格の原価差異の問題とは違う。つまり、企業が出してきた工数がうそであったという答弁がありましたね。それも確認してください。
○及川政府委員 御指摘のとおり、見積資料等に疑義があったというふうにはお答えしております。
○石井(紘)委員 そうすると、企業がうその工数を出してきた、見積もりを出してきた。つまり、ある企業でもって、東洋通信機なら東洋通信機で、そこに働いている、勤めている社員が、あるいは下請も含めて全員が二十四時間フルに働いてもなおさらに不可能なぐらいの数字を出してきた、そういうふうにうその数字を出してきたのがこの問題の、過払いが生じた原因であるということは、再三防衛庁は言ってきているわけですよ。 それに対しては、告訴という手段もありましたよ、詐欺で訴えるという方法もありましたよ、しかし云々かんぬんで和解に持っていったんです、これは非常に不可解なんですが、そういう答弁をずっと繰り返してこられたわけです。いいですか。したがって、過払いであったので返納をさせた。返納も実際にはこれはさせていないわけですが、返納をさせたと。いいですか。そうすると、これは先ほどの定義の原価差異じゃないじゃないですか。どうですか。
○及川政府委員 御指摘のとおり、工数に疑義があるということで、その差を返させたいということで行ったわけでございますが、その疑義について、それが故意過失であるか、あるいはもしあったとしても過失相殺等の、要するに、当時としては一般確定契約でございますので、債権債務関係は解消していたという中で過失相殺等の問題を考えますと、これを直ちに不法行為なりなんなりとして回収ができるかということで対処した和解交渉の結果だったというふうに思っております。 したがいまして、原価差異という言葉が今の時点になって考えますと適切であったかどうかという御指摘、ごもっともでございますけれども、当時としては、そういう不法行為等によって解決するよりは、国損を一刻も早く回収するということで行った行為というふうに報告を受けていたわけでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、会計検査院に防衛庁が言った説明は間違いだったということですか。
○及川政府委員 当初、原価差異という言葉を中心に御説明をしたのではないかというふうに認識しておりまして、もしそうであれば、必ずしも適切ではなかったというふうに思っております。
○石井(紘)委員 それは、今ごろ適切じゃなかったと言うのだったら、この今までの答弁を訂正してください。
○及川政府委員 これまでの答弁、十分認識していなかった点があったかと思います。配慮が足りなかった点はおわび申し上げます。
○石井(紘)委員 いいですか、これはもうたくさん、あちこちにありますが、例えば、久間防衛庁長官が、「当時過払いした金額が幾らを過払いしているのか、それをきちっとした根拠に基づいて」云々、国に損害を与えているということも久問前長官は言っているわけです。これはもう枚挙にいとまがないぐらい防衛庁の今までの答弁はあるわけですが、そうすると、これは全部違っておったということになるわけですね。防衛庁長官、どうお思いですか。
○額賀国務大臣 今、石井委員御指摘のことでありますけれども、東洋通信機事案に関しまして、先ほども申し述べましたように、検察当局が起訴をしたという重い事実、それから当時の関係者が返還額を積算した根拠は適正なものではなかったというふうな見解を提示をしていること、そういうことから考えますと、これまでの見解の前提は覆ったものというふうに考えておりまして、東洋通信機の過大払いにつきましては、私どもはこれを、今までのことは撤回をいたしまして、そして新たな積算額をつくり上げて、そして国に返還をしていただきたいというふうに思っているところであります。
○石井(紘)委員 鴇田前装備局長は、いいですか、過払いがあったので、新たに契約関係、債権債務関係をつくって、それに基づいて国庫返納とか契約額の変更をしてもらうということにしたという答弁がありますが、これはこのとおりでよろしいのですか。
○及川政府委員 手元にございませんが、先生御指摘のとおりだろうと存じます。
○石井(紘)委員 それでは、新たな契約関係、債権債務関係をつくったというのは、どこでつくったのですか。どれをもってそう言うのですか。
○及川政府委員 いわゆる覚書という形で、防衛庁と東洋通信機の間で新しい契約を結んだということになります。
○石井(紘)委員 ちょっと待ってください。そうすると、覚書でそれを行ったということは、これは前の鴇田局長の答弁と同じです。そこで、今おっしゃられたのは、新たな契約関係をつくったと言われましたが、前回の安全保障委員会でも、長官は、新たな契約関係をつくった、こういう表現をされましたが、それはそれでよろしいのですか。
○及川政府委員 新たにつくったということでよろしいかと思いますが。
○石井(紘)委員 そうすると、現契約を変更したのではなくて、新たな契約にしたのですか。それはどうなんですか。
○及川政府委員 まさに工数の過大申告等によりまして東洋通信機に過払いが生じた結果、国に利得の返還の請求権が発生したということだろうと現在は思っております。ただ、当時といたしましては、その和解の覚書によって新たな債権債務関係が発生した、こういう形をとったものだというふうに思っております。
○石井(紘)委員 そうするとその覚書でもって、前の答弁とこれも違っていますから、これも先ほどの、長官が全部というか前提が覆った、撤回しなければならぬと、その中に入るのだろうと思いますが、そうすると、その覚書でもって新たな債権債務関係をつくったということは今初めて、先日のときは装備局長、法律に詳しくないのでと言って逃げられたけれども、今の答弁は前の鴨田答弁と同じです、その部分は。債権債務関係を新たにつくったということですね。そうすると、その覚書に従って、新たに防衛庁は債権を取得した、企業側は債務を負うことになった、こういうことになるわけですよ。 この覚書についてはまた後でちょっとやりますが、会計検査院に伺いたいと思います。 そうすると、会計検査院、この覚書によって新たな債権債務関係ができたというわけですから、そうするとそれは会計法によって、その新たな債権というものは過払いが原因で生じたものですから、これは国庫に項目を立てて収入に計上されなければならない、こういうものだと思いますが、検査院は、そうするとこれは、この返納の方法も含めて、会計法に違反する行為であったということですか。
○諸田会計検査院説明員 お答えいたします。 覚書に基づいて新たな債権債務が発生したかどうかについては、私どもとしては確認しておりませんけれども、債権が発生したということになれば、これは過年度に締結した契約におきまして過払いが生じたものでございますから、会計法令上、その返納額は現年度の歳入に計上すべきであります。今回の事案につきましても、そのような措置をすべきであったと考えております。
○石井(紘)委員 過去に生じた過払いは現年度の歳入に計上すべきであったと言っているのですが、防衛庁、どうですか。
○及川政府委員 検査院の御見解がただいまのような形で示されましたので――私どもは従来、直ちに違法ではないというふうな認識をいたしておりました。すなわち、返還金額を算定いたしました当時の責任者の方からは、いわゆる原価差異という事案であるということで、その見積原価と実績原価に差異が生じていた事案であるという報告を受けていたこともございますので、過払いが生じているだけの因果関係があったと断定できたかどうかといいますと、それにつきましては、従来の見解では、国に過払いの返還請求権が生じているという点が明確に認識できなかったわけでございます。いわゆる原価差異でございますと、実質的な和解交渉によって額を確定し、返還させることが許されるのではないかというようなことがございましたので、前回申し上げましたような、ちょっと不適切な御答弁を申し上げたのかと思います。現在は、まさに検査院がおっしゃいましたように、従来の見解が覆っているわけでございますので、国庫に一括して返還すべきであったというふうに思っております。
○石井(紘)委員 これは防衛庁長官も、従来の防衛庁の見解は踏襲していくのだ、これは行政の継続性ということで私が責任をとるということだったでしょう。今、先ほどの答弁では、過払いがあって、東通には八億七千、さらに追加の過払い分もあると。全然従来の姿勢と違うじゃないですか、答弁が。そんなに簡単に、この十数回、決算行政監視委員会でも安全保障委員会でも予算委員会でも、一年間続けられてきたこの議論をそう簡単に、違っておりました、全面撤回です、そういうことが許されますか。何のために議論をやってきたんですか。こういうことじゃちょっとまじめに審議ができないです。
○額賀国務大臣 これは、先ほど来申し上げておりますように、当時、強制捜査権のない防衛庁で一生懸命内部調査でこの問題に取り組んできたと思いますけれども、今回背任事件で起訴されたという事実、あるいは当時の防衛調達本部の幹部の方が既に当時のやり方には不適切さがあったということの見解を述べておりまして、その前提が崩れ去ったものでありますので、これまでの認識を改める必要があると考えているわけでございます。 したがって、委員御指摘のように、今後、まだ残存している国損額については、債権発生の通知を行って国に一括返還をさせるという形で取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。
○石井(紘)委員 どういう根拠をもって、それじゃ、今まで八億七千払った、それプラスアルファを請求することになるんですか。それは幾ら請求することになるんですか。ちょっとお答えください。
○及川政府委員 これにつきましては、新たな交渉を会社側と行いまして、何らかの形で新しい債権債務関係をきちっとすべきだと思っておりますが、その方法につきましては、現在法務省の当局と相談中でございます。
○石井(紘)委員 何でそれを法務省が突然相談相手になるのかわからないけれども。 いいですか。従来は何か公式に出されている損益計算書だとかそういう会計上の書類を見て、それに基づいて判断して決めた額だというような非常にあいまいな答弁であった。なぜそれがそういう金額になるのかということは、これは根拠がないということだった。そうしたら、今度請求すべき金額は幾らになるのかということは、どういう根拠でそういう数字が出せることになるのかということですよ。それは答弁ができないでしょう。 あなた方が出している上申書というのは、全然違うじゃないですか、これは。この上申書には弁明が書いてあるわけですよ。これは原価差異事案だ、しかも退職手当引当金繰入超過額だとかあるいは貸倒引当金だとか、こういうものを計上するとか、あるいは事業税も含めるとか広告宣伝費とか交際費を含めるとか、あるいは社内金融を認めるとか、こういうものの言いわけをずっとしてきているわけですよ。だからあれだけの金額に圧縮したのだ。これはみんな防衛庁の規定に違反しているものばかりじゃないですか。あるいは一般の商法にも違反している。規定に違反しているものばかりじゃないですか。この上申書を、そうすると今までの答弁からいうと、これはこのままで正しいというのですか、あるいは間違っていたから撤回するというのですか。どうですか。
○及川政府委員 いわゆる上申書の内容については明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、先生御指摘のような原価、非原価等の問題につきましては、当時は和解交渉の中で決せられるべきものという認識でおりましたけれども、先ほど大臣申し上げましたような現在の事実認識に立ちますれば、これは撤回すべきものだというふうに思っております。
○石井(紘)委員 大蔵大臣わざわざ来ていただいておりますので、ちょっと大蔵省に財政法についての見解を求めたいと思うのです。従来の過払い分についてこういうふうに処理をしましたというペーパーを私は防衛庁からいただいているのですが、それによりますと、平成六年の六月二十七日に、変更後の契約金額ということで契約を変更して、さっきの答弁ともまたちょっと違うのですけれども、さっきは新たな契約をしたというのですけれども、これは契約を変更したと出しているのです。これはそうすると、うその資料ですか。――まあ、それはいいですわ。 それによって、そうすると、六月二十七日、これはまさに東通と覚書を締結した日ですよ、覚書を締結したその当日に、いいですか、敵味方識別装置についての契約の変更を行って減額した、こういうふうに主張しているわけですね。こう言っているわけです。覚書で債権債務関係を生じさせて、即その場で、やればできないこともないだろうけれども、非常に不自然です。 まあそれはともかくとして、そしてこういうふうに減額した。しかし、どこにも予算に組み入れていないわけですよ。組み入れていない。したがって、これはもうやみに消したということでしかない。しかも、平成七年五月十日、つまり現年度の歳入に組み入れなければならないというやつを、にもかかわらず、翌年の五月十日に契約変更しているものもあるわけです。この点だけでいいですけれども、この点は防衛庁、どうですか、これは。
○及川政府委員 まず、いわゆる過払いについての債権は、覚書というものによって確定をした。その返還の方法につきまして、平成六年から七年にかけて防衛庁と東洋通信機の間で結びました売買契約の中の契約から、言ってみれば相殺的な形でございますけれども、金額を差し引いて、そしてそれを債権の回収に充てた、こういうことでございます。 御指摘のとおり、平成六年の六月から平成七年の五月にかけまして、都合五回にわたってそういう措置をとったということでございます。
○石井(紘)委員 それじゃ、その翌年にわたっているのはどういうことですか。
○及川政府委員 平成七年の五月にわたっております。これは一種の継続中の契約から差っ引くということでございましたので、契約が来るたびにそういう措置をとったということでございます。
○石井(紘)委員 それはおかしいのじゃないですか。現年度の歳入に計上しなければならないということですよ。しかも、継続中の契約から差っ引くと言っているけれども、これは本当なんですか。じゃ、覚書を締結した六月二十七日に行ったのは、これは契約変更じゃないのですか。これは支払いだったのですか。
○及川政府委員 契約の変更でございます。
○石井(紘)委員 そうすると、翌年の五月十日にやっているのも、これも契約の変更じゃないですか。ここから現に差し引いているわけじゃないでしょう。ここは契約の変更をしただけでしょう。そうすると、それはどっちにしても国庫に、いずれにしても二重、三重の意味で入っていないのじゃないですか。
○及川政府委員 変更して減額したものでございます。したがいまして、その入るはず、入るはずというか、企業に払うべきものを減額したということだというふうに思います。
○石井(紘)委員 大変とんちんかんでありまして、これはもともとおかしなことの中にまた積み重なる、そういうところから全部みんなおかしくなつちゃっているわけなんで、答弁も明快にできないと思います。 これを国庫の歳入に計上してないということの言いわけに、防衛庁は、予算上の項目の目の中でこれはやりくりをしたんだ、こういうことを言っているわけです。そのとおりですか。
○及川政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、財政法三十三条には、「各省各庁の長は、各目の経費の金額については、大蔵大臣の承認を経なければ、目の間において、彼此流用することができない。」こういうことになっているわけですが、目と目の間で、例えば武器車両等購入費の中には、目として武器購入費と、味方識別機というふうに、これは防衛庁書いてきてくれているわけですが、ありますね。これはちょっと、非常におかしいのだけれども、時間の関係で――一体この金は何に使ったのか。過払いした分を契約から差っ引いた、こういうふうに主張しているわけですが、一体何に使ったのか、これは全然わからない。 大蔵大臣に伺います。こういう処理の仕方を御存じでしょうか、御存じないでしょうか。担当の方からこういうふうに防衛庁が処理したんだと。これについての見解を伺いたい、こう申しておるのですが、それじゃ、先に大蔵省の方から、担当の方から聞きましょう。
○坂政府委員 お答え申し上げます。 先ほど先生から財政法の話というのがございまして、御承知のように財政法の第十四条は、「歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。」というふうに規定しております。また、それをやや具体的に、会計法の第二条というのがございまして、「各省各庁の長は、その所掌に属する収入を国庫に納めなければならない。直ちにこれを使用することはできない。」というふうになっておりまして、つまり、歳入と歳出をまぜてはいかぬということがいわば決まっているわけでございます。またさらに、会計法の第九条、先ほど先生が御引用になりましたが、「出納の完結した年度に属する収入その他予算外の収入は、すべて現年度の歳入に組み入れなければならない。」というふうに定められております。 したがいまして、こうした規定からいたしますと、本事案に関しましては、返納金というものは歳入に組み入れる手続をとるべきものだったというふうに、私ども考えているところでございます。
○石井(紘)委員 ということですが、大蔵大臣も、そうすると、防衛庁のとった行為というものは国の会計法、財政法に違反した行為である、このようにお考えですか。そうじやありませんか。
○宮澤国務大臣 私自身会計法に余り詳しくございませんが、ただいま政府委員が申し上げたとおりと思います。
○石井(紘)委員 これは大蔵省としても、所管の役所としては防衛庁に対して何か物を言わなければいけないんじゃないですか。
○宮澤国務大臣 ただいまいろいろ質疑応答を私伺っておりましたので、検討をいたしまして、善処をいたしたいと思います。
○石井(紘)委員 大蔵大臣、この防衛庁の背任事件、経過をお聞きになって、あるいはごらんになっていて、どのようにお思いですか。
○宮澤国務大臣 非常に詳細なことは存じませんが、ただいま質疑応答を伺っておりましたので、よくその点、検討をいたします。
○石井(紘)委員 防衛庁長官、長官就任のときには、何という表現でしたか、すべてオープンに、すべて包み隠さずと。きょうは、全部違っていたということじゃないですか。これはどういうことですか。これは重大な責任があるのじゃないですか。これだけのものを、委員会を一年間続けてきて、引き継ぎもきちっと行いました、前長官からもこのことについてはいろいろと経過を説明を受けました、総理大臣からもやってくれと言われた、この調本背任事件について。就任されてからもう一カ月半以上たった。そういう中で、今までおっしゃっていることは全然違う。これはどうするんですか。こういう、一々委員会審議をして、そして答弁がくるくる変わっていたのでは、これは大臣としても、国会に対して責任を持つ態度とはとても言えないんじゃないですか。いかがですか。
○額賀国務大臣 これまでの経過につきましては、先ほども述べましたように、東京地検が背任容疑で起訴をしたという事実、あるいはまた、返還金額を算定をした当時の責任者から、本件は一般的に原価差異と称していた事実である、換言すれば、契約金額の見積原価と実績原価に差異が生じていた事案であるとの報告を受けていたこともあって、東通側提出資料に適切さを欠く面があったとしても、それがゆえに過払いが生じたと言えるだけの因果関係があったと断定できず、従来の見解では、国に過払いの返還請求権が生じているという点を明確に認識をしておらなかったということがあったかと思います。したがって、従来は、かかる前提のもとに、債権管理法によらずに、実質的な和解交渉によって額を確定し返還させたことが許されないものではないというふうに考えていたものと思われます。 ところが、今般、新たに以下のような事実が明らかになりました。それは、一つは、東通への過払いは東通側の工数の過大申告等により生じたもので、両者の間には因果関係があり、その結果として、国に、不法行為による損害賠償請求権ないしは不当利得返還請求権という債権が発生をしたということ、もう一つは、当時の関係者の一部もその点を認識しておりまして、返還額の算定等は、法令の適用に問題があるのを認識しながら、行われなかったということ、こういうことから、従来の見解の前提は覆ったというふうに思っているわけであります。 そもそも国に返還請求権が発生をしておったということの前提に立てば、債権管理法等関連法令に従って処理されるべきであって、返還金額や方法について当時の処理は適正ではなかったということでございます。誤りがあったことについて、速やかにこれを是正し、適正な形に直していくことも私の責務の一つであります。 今後、公判の成り行き、そしてまた関係省庁とよく綿密に相談をして、この処理基準をどうするかとかルールづくりを進めていくことによって、再びこういうことが起こることがないようにしなければならないというふうに思っております。
○石井(紘)委員 大蔵省も、財政法違反であったと言っている。会計検査院も、違反であったと言っている。今、大臣みずから、全面的に覆った、全部違っておった、こう言っている。こういうときには、重大な責任が生ずるのですよね。このことを深刻にやはり受けとめるべきであるということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○原田委員長 次に、上田清司君。
○上田(清)委員 法務省の方おいでですか。――まず法務省から。 私は、今回の防衛庁の調達本部をめぐる事件は背任事件という視点から事件になっておりますが、むしろ、地位提供、天下りを条件に過大請求を暗黙に認めていく、あるいは返納額を減額する、そういう視点は贈収賄の立件条件に当たるのではなかろうかというふうに考えておりますが、ずばりこの点について御答弁をお願いしたいと思います。
○松尾政府委員 具体的事案に言及しましてそれが何罪に該当するかということについては、お答えいたしかねるところでございます。 ただ、一般論で申し上げますと、刑法の贈収賄は三つの要件が充足するかどうかがまず問われるわけですが、公務員であること、二番目には職務に関して、三番目はわいろを収受した、こういうことになっております。 そのわいろの対象としてどういうものがそれに当たるのかというのが常々よく議論されておりますし、いろいろな贈収賄事件で問題になってきているところでございますが、わいろの概念はかなり広いものでございます。一般的な言い方で言いますと、刑法上のわいろとは、金銭や財物等の財産上の利益のほか、およそ人の需要、欲望を満足させるに足りるものを意味していると一般に解されております。 若干申し上げますと、例えば一定の地位を供与するということがわいろの約束になるのかどうかということも、具体的な事件で問題になったことがございます。これは、大正時代、大変古い時代の判例にも、一定の地位の供与の約束がわいろ罪のわいろに該当する場合があるという判示になっておるところでございます。 以上でございます。
○上田(清)委員 一般論の御回答でありますが、そうした視点から、検察の指揮についても見方を変えていっていただきたいということを要望しておきます。 それから、関連になりますが、いわゆる防衛庁内での再就職のあっせんが調達本部総務課の扱いになっているという問題であります。各省庁においては各官房で扱われているというふうに思いますが、調達本部でさまざまな、武器の購入あるいは査定、こうした認識をしていく過程の中で、今申し上げた再就職の過程の中で、地位の提供、あるいはまた、先ほど申し上げました今回の事件に見られます過大請求の暗黙の了解と思われるような事象、こういうことから考えていくと、調達本部の総務課で再就職の扱いをしているということは不見識ではないか、こんなふうに私は思っておりますが、長官、これは改める気はありませんか。
○額賀国務大臣 上田委員の質問にお答えをいたします。 一般に、退職される方の再就職につきましては、個々人が現職時代に培った能力とか経験等を買われてその道に進んでいかれるのが常識的であるというふうに思っております。企業側からいろいろな問い合わせとかがあった場合、適宜、情報提供や紹介をしていくことが当然あり得ると思っております。 御指摘の調達実施本部は、業務上、民間企業と接することが多いわけでございますけれども、いずれにいたしましても、会社と個人の問題である再就職と装備品調達は別の問題でもあるけれども、まあ、御指摘のように、やはり再就職を念頭に置いて、日ごろからの仕事を通した情念に絡んでそういうことが行われるようなことはあってはならないというふうに考えるのは当然であります。防衛庁調達本部の中で、今私は検討委員会をつくっておりますので、そういうことも含めたチェック体制をきちっとさせていきたいというふうに思っております。
○上田(清)委員 長官、私はできるだけ委員会は質問通告をしない努力をしております。これは、本人の能力も、質疑者の能力も問われることであります。しかし、同時に答弁者の能力も問われます。あえて真剣に委員会の審議をやるために、できるだけそういうふうにしたいと思っておりますから、少し先駆けてやっているつもりですが、今の答弁だといけないんですよ。 調達本部の総務課で取り扱いを行っているということは異例なんですよ、各省庁と比べると。癒着の原因でしょう。だから、これは長官の政治的リーダーシップで、改めると、一言で済んでしまうのですよ。そのことを私は申し上げているんですよ。検討委員会にかけなきやわからないような話でも何でもないんですよ。あしき慣習ですよ。
○額賀国務大臣 これまでの実態をよく調査をした上で、委員御指摘のようなことがないようにさせます。
○上田(清)委員 やや納得しがたいお話であります。 それでは、少し角度を変えて。これは、「国民に信頼される開かれた調達システムの構築のために-21世紀における防衛調達の在り方-(前期テーマ)」でありますが、十年七月に、有識者による調本の21世紀プロジェクト委員会という形で、有識者に今後の防衛調達のあり方を審議していただいているという報告書の前期分であります。 この中でも、いろいろ調達のあり方について述べておられます。まあ、正直言って、大変失礼な言い方ですが、全然反省に立っていません。事件が起きたのは去年の話ですから。一言も触れておりません、不祥事事件について。それを踏まえて云々というようなことは、一言も触れていません。環境変化と言っているんです。環境変化というのは事件のことじゃないんでしょう、当然。 やはり事件のことを踏まえて、何が問題なのかという指摘をきちっとしなきゃならないのに、そういう指摘の議論ができていないんですよ。それと同じですよ、検討委員会の話も。長官自身の判断で、おかしいことをおかしいと言われればいいじゃないですか。私はそんなふうに思います。 これを御存じでしょうか、ちなみに。
○額賀国務大臣 21世紀委員会が開かれて、報告書があるということは承知しております。
○上田(清)委員 前期テーマについての提言書というのは御存じですか。この提言書の中身は、報告を受けて、吟味されたかとは言いませんが、大枠は御存じでしょうか。
○額賀国務大臣 制度調査を行うとか、あるいは供給ソースを拡大するとか、監視委員会を制度をつくったらどうだとか、そういった中身であるというふうに承知しております。
○上田(清)委員 この中でも非常に重大な項目が出てまいりました。プロジェクト委員会のメンバーの座長に、元会計検査院の院長が入っておられます。これも防衛庁の取り込みでしょうか。いろいろな形で会計検査院の取り込みがあっているように思われますが、これはどういう視点から選任されたのでしょうか。
○及川政府委員 当然、経理等に知見の深い方ということで選ばれたのではないかと存じます。
○上田(清)委員 今回の問題について会計検査院にお伺いいたしますが、会計検査院が防衛庁の監査について、九月五日の産経新聞の記事の中に、いきさつというのでしょうか、平成三年のことでございますが、都内の大手電機メーカーの潜水艦ソナーなどを納入しているところの検査の実例が記事になっております。 この中でも、検査院は、監査システムがずさんだと判断して、同年十月に防衛庁に対して監査官の教育の徹底を求める照会状を出したこともあります、こういう記事がありますし、それから、検査院で、そのソナーをつくっている、納入している企業の作業日報の記録の方法などについて不審な点があることも防衛庁に対してきちっと物を言ったり、そういうことをやっておるのですね。そういうことについていろいろな指摘も出ているのです。このことについても出ているのですが、いろいろなところで、会計検査院の子弟の就職の世話をしているとか、そういう記事も出ておりました。 とかく、会計検査院の公正さ、そういうものを期待している国民が多い。この中であえて会計検査院の院長を座長にお願いするというのは、防衛庁の調達の新しいあり方、これからのあり方について考える委員会として本当に適切だろうかというふうに私は思います。むしろ、会計検査院の院長まで務めた方がおめおめ座長になってどういう働きをされようとしているのか、非常に私は疑問を持っております。 長官、局長は会計の監査のあり方、そういう視点からの見方でしょうが、しかし、会計検査院はさまざまな問題をチェックするのが役目でありまして、防衛庁の監査のあり方についてどうあるべきかということを考えていく機関ではないというふうに私は思っておりますが、長官はどうでしょうか。
○額賀国務大臣 調達制度あるいはまたいろいろな会計問題のチェック体制を今後どういうふうにしていくかということの委員会であります。だから、会計検査院としての経験とか実績とかそういうものを踏まえて、この調達システムの透明性、公正性を確保するためにそういうメンバーが選ばれているのではないかというふうに推測をいたします。
○上田(清)委員 ここで議論を突き詰めていきたいと思っておりませんが、それでも、必ずしもいいあり方じゃないということだけ私は言っておきます。 それでは、防衛庁の中で背任事件が起きた、あるいはこれは贈収賄の可能性もあるのではなかろうかという議論以上に、今一番我々が関心を持っているところは、組織ぐるみの隠ぺい工作を行ったのではなかろうかというところにむしろ行政庁としてその責任を問われているという、そういう視点を私は実は持っているわけであります。 そこで、確認いたしますが、昨年の九月とことしの五月に資料を焼却し、九月三日の強制捜査直前に関係資料を持ち出したということでありますが、この件について、そもそもなぜ焼却をし、そしてなぜ持ち出したのか、そしてだれの指示で行ったのか、また資料の内容についてどういう内容だったのか、この点について長官はどのような把握をされているか。 三点お尋ねします。隠ぺい工作はなぜされたのか、だれの指示で行ったのか、そして焼却資料の内容はいかがなものだったのか。
○額賀国務大臣 新聞報道で東通事件をめぐって組織的に大量に証拠隠滅が図られたということが報道されましてから、私どもは、これが事実とすれば大変なことであり、そのために調査委員会をつくって今日までいろいろと内部調査を行っているところであります。昨日までに約百九十人の職員からお話を聞いて、事実関係のフォローをしているわけであります。 今までに判明しているところを申し上げますと、昨年九月ごろに、調達実施本部の複数の課において東京地検への書類の任意提出等に備えてコピーを作成したことは、複数の職員から聞き取り調査として明らかになっております。その際に、書類の焼却処分を行ったかどうか、また、行ったとして、その中に今回の背任容疑事件に関する重要書類が含まれているかどうかについて、目下確認中であります。 また、ことし四、五月に、他の時期に比べて大量の焼却書類が発生したとの聞き取り調査はありました。本年五月ごろに、通常行われている書類整理以外に本件に関する重要書類があるかどうかについても、今確認中であります また、直近の八月から九月におきまして、種々の書類を自宅保管したり他の建物へ持ち込んで保管したことがあるという聞き取り調査は得ているわけでございます。 いかなる理由、状況下においてそのようなことが行われているか、また、背任容疑事件に関する書類が含まれているかどうかということについても確認をしているところでございます。 また、これまでの調査によれば、九月一日に調達実施本部内で、予想される家宅捜索を受けるための注意事項等について伝達するための会議が開かれたということも明らかになっております。これはどういう会議かと申しますと、これまでのヒアリングによりますと、強制捜査に際し、各課の責任者を決めておいたらどうかということ、あるいは押収により業務遂行に支障が出るようなものはコピーをとらせてもらったらどうだというようなこと、あるいは私のものも捜査の対象になるというようなことを伝達するための会議であったというふうに聞いておりまして、今のところ、資料を処分しろというような指示があったかどうかということについてはまだ確認をされておりません。 また、石附調達実施本部副本部長が調査委員会に対しまして、九月三日の調達実施本部の家宅捜索の前に執務室内の文書を自宅以外の場所にも移動して保管していた旨が事後になって申し出があったということも明らかになっているわけでございます。 今上田委員御指摘のことについて、それぞれ百九十人もの方々から意見を聞いておりまして、これを体系づけ、しかも、なおかつ、さまざまな意見があるわけでありますから、その事実関係をフォローして整理していくために、まだ発表する段階には至っておらないわけでございまして、できるだけ、これは土、日、休日も含んで精力的に作業を進めているということも御理解をいただいて、ぜひ、私どもが一生懸命やっていることを御認識いただければありがたいと思います。
○上田(清)委員 少し時間がなくなって残念なんですが、一点。 北朝鮮のミサイル、そのさまざまな部品が実は日本製であったという記事が「アエラ」という週刊誌に出ております。実は二週間ぐらい前、コリア研究で名高い佐藤所長からもそのお話を承って驚いていたことが取材で明らかになっているわけでございますが、中身は、要するに、中国と日本のメーカーが中国で合弁会社をつくって、日本のメーカーから中国の合弁会社に輸出する。そして、上海や天津の保税倉庫に置いておいて、中国を経由しながら、北朝鮮にミサイルの主要部品、例えば誘導装置的なものであるとか、溶接のためのレーザー溶接機だとか、あるいはまた特殊燃料、こうしたものが運び出されているという実態がある。しかも、その代金は、日本のメーカーなどに商社を通じながらマカオから出ていく。大半がパチンコか何かでもうけた金じゃなかろうかと。 とことんばかにされた話でありまして、こういう実態について防衛庁はどのような把握をされておられるのか。
○及川政府委員 先生御承知のとおりだろうと存じますけれども、いわゆる国際平和及び安全の維持を妨げることとなると認められます特定の種類の貨物の特定の地域に対します輸出でございますとか、当該特定貨物の設計、製造または仕様にかかわる技術を特定地域において提供することを目的といたします取引は、外為法に基づく許可制にかかわらしめるところでございまして、通産省等において厳格な管理が行われているところだというふうに承知しております。本件報道内容につきましても、現在、輸出管理当局において事実関係を確認中と聞いております。 また、御指摘のございましたミサイルの誘導装置等々につきましては、輸出または役務提供があったとされる時点がいつか、または仕様がどのようなものであったかによって外為法の規制対象であったか否かも左右されるかと存じますので、かかる点も含めて、現在、輸出管理当局において事実関係を確認中だというふうに承知いたしております。
○額賀国務大臣 御指摘の報道については承知をしておりますけれども、防衛庁としてまだ確認をしておりません。通産省でも確認中というふうに聞いております。
○上田(清)委員 ぜひ関係当局の力を結集して確認し、こうしたことができないような仕組みを早急に整えていただきたいというふうに思います。 もう一点でありますが、今回のテポドン一号がもし敦賀の原子力発電所に着弾した場合にどのような影響があるかということについての御検討は、防衛庁でなされましたか。
○佐藤(謙)政府委員 我々といたしましては、いろいろな事態に対応いたしまして、どういう事態が生じ得るか、またそれに対してどういうことを検討しなければならないかというのは検討しているところでございますけれども、今回の事例に即して具体的に、今回どうであったとか、そういう検討はしているところでございません。一般的にこれまでいろいろな事例について研究はしているということでございます。
○額賀国務大臣 これは、九四年の北朝鮮の核開発の疑惑が起こったときにさまざまな問題が起こりました。場合によっては、経済制裁を行うか行わないかというところまで緊張関係が達したときがあります。そういうときに、大量の難民が来るのではないか、あるいはまた日本海側に林立している原子力施設はどうなるのか、そういう問題意識は当然防衛庁長官として持っておりまして、上田委員御指摘のように、あらゆることを想定をして、状況に応じて対応をしていくのは当然であるというふうに思っております。
○上田(清)委員 最後になりますが、少なくとも私が確認した時点では、科学技術庁の原子力安全局に対する御下命というのはなかったように思われます。やはり科技庁レベルでも、原子炉の安全性のためにさまざまな研究むしております。アメリカとのタイアップした研究もしております。どの程度のものがどの程度着弾すればどの程度の損傷率かというようなデータも用意しております。 やはりそういうことをきちんと、各省庁の総合力を結集しながら国民に対して不安を与えないようにしていく、確たるそういう防御の姿勢も見せながらきちっとした外交防衛をやっていくという意味において、やや答弁に飽き足らぬものを私は感じましたので、それを申し上げまして、終わらせていただきます。きょうはありがとうございました。
○原田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十二分開議
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。若松謙維君。
○若松委員 新党平和の若松謙維です。 平和・改革を代表して、最近大変な話題になっております防衛庁調達問題について、引き続き質問させていただきます。 まず、この場をおかりしまして、今回のこの質問並びに平素我が西山政策秘書には大変頑張っていただいておりまして、我が若松事務所として、この調達問題は、昨年十一月におきましてもこの場で、いわゆる今回の調達本部が行いましたさまざまな裁量、それに対する故意性または会計法上の違法性、それについて指摘したところでございます。 つきましては、まず、質問に入らせていただく前に、これは質問通告していなくて大変恐縮なのですけれども、ちょっとぜひ委員長にお伺いしたいと思っております。 といいますのも、実は前の委員長、ちょうど野党の委員長のときに、我が野党の委員もかなり委員長をいじめました。きょうはいじめるつもりはございませんけれども、ひとつ私は、決算行政監視委員会というところで――この防衛庁のいわゆる調査が入ったというところで、当然、安保委員会も開かれました。ところが、やはりこの大きな問題点のいわゆる火つけ役はまさに決算委員会でありまして、この間、決算委員会が何もされていなかったということに対して、私自身、これでいいのかな、そう思っておるわけです。それにつきまして、委員長の御所見をお聞かせいただければありがたいのですけれども。
○原田委員長 決算委員会として早急に取り上げる課題であろうということは、あなたと全く意見が同じであります。しかしながら、委員会を開くに当たりまして、いろいろ準備もありますし、皆さんの御都合もありますので、これは与野党の理事間において御協議をいただき、本日、開会の至りになったという経緯でございます。
○若松委員 ぜひ再度、今、この問題が起きてからの一カ月余りの対応が適切であったのか、委員長、そして与野党理事の方々、果たして緊張を持ってこの期間を迎えていたのか、ぜひ理事会等で御議論いただき、それに何らかの一つの声明なりを出していただきたいと思いますけれども、委員長、御検討いただけますか。
○原田委員長 理事会において、よく御趣旨を伝えて検討いたします。
○若松委員 それでは、質問させていただきます。 いろいろな観点からのかなりの質問が出ましたので、私は改めて、なぜ今回の事件が起きたのかというそもそも論についてお聞きしたいと思います。 いわゆる今回の調達実施本部、これに対する庁内のチェック機能が全くなかった。本来、内部牽制制度があるわけですけれども、今回の逮捕者二人、いわゆるトップが主導したような今回の事件では全く無意味というのは、これは私も監査の経験から、内部牽制上いわゆる上下の、トップの不正に対して全く内部チェックがきかない、そういう経験も持っております。ですから、今回の防衛庁は、まさに厚生省のあの岡光事件、それに匹敵するものでありまして、そういった観点からちょっと質問を続けたいと思います。 まず、調達実施本部の防衛庁内における位置づけですけれども、防衛庁の組織図を見ますと、調達実施本部というのは防衛庁長官直轄になっております。ですから、いわゆる事務次官とか内局の責任範囲ではないわけでありまして、直接この問題に関しては、調達本部の問題に関しては長官が責任をとる、そういう組織図になっております。その点について、長官、どのようにお考えですか。
○伊藤(康)政府委員 まず、組織の仕組みでございますので、申しわけございませんが、私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。 調達実施本部というのは、防衛庁の中の特別の機関ということで位置づけられているわけでございますが、今先生おっしゃいましたような次官あるいは内局から全く独立ということではございませんで、防衛庁の総括的な責任を負います事務次官の指揮監督のもとに入ることも当然でございますし、また、装備局におきまして、調達実施本部に関することということで一般的な事務を見ておるところでございます。そういう位置づけであるということを私の方からまず御説明させていただきたいと存じます。
○若松委員 防衛庁長官は、よろしいですか。
○額賀国務大臣 今伊藤参事官が申し上げましたように、内部局の装備局とかとの関係もございますが、組織図的には、長官の直接の配下になっていることになっております。
○若松委員 責任の面では明確ですね。 それでは、これは予算執行職員等の責任に関する法律というのがございまして、この第三条二項に、「予算執行職員は、故意又は重大な過失に因り前項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたときは、弁償の責に任じなければならない。」そういう法律があるわけです。いわゆる職員の弁償義務があるわけですけれども、今回、この調達問題に関してやはりこの条文に適合するのではないかと思います。長官にお伺いしますけれども、万が一、今回のいわゆる事実の確定等がありましたら、この法律の執行を行うお考えですか。
○及川政府委員 お答えいたします。 今後、公判等でその事実等が明らかになる中で、本件についても処置すべきものかというふうに思っております。
○若松委員 ということは、執行されるということですね。そういうことですね。
○及川政府委員 公判等の推移を見て考えるということではないかと思います。
○若松委員 長官、何かあの方の日本語はよくわからないのですけれども、要は、そういう事実がわかって、判明して、国に損害を与えたということが法的に確定すれば、当然弁償の責を要求する、そういう理解でよろしいわけですよね。
○額賀国務大臣 そういうことであります。
○若松委員 ぜひ、法律に基づいた執行をよろしくお願いいたします。 それでは、防衛庁としての調本に対するチェック機能ですか、これはどうなっているかということですけれども、今回の予責法上の責任者、先ほどの予算執行職員等の責任に関する法律ですね、略して予責法、この予責法上の責任者が調本の本部長または副本部長でありました。この二人が共謀して本件の事件となった場合、当然チェックできないのが一つの限界であります。 そこで、私は、この「調達実施本部の概況」という、一つの調本の内容を説明したものです、これを読みましたところ、本部の各室課が相互に牽制する、これが一点。二点目として、経理局、調達本部が相互に牽制して、公正でバランスのとれた調達システムを構成していると。いわゆる調本に対する内部牽制機能を言っているわけですけれども、実際これは機能していなかったわけですね。結局、本部長、副本部長の独走を全く抑えることができなかった。これに対して、長官、何か、言い分か何かございますか。
○額賀国務大臣 若松委員御指摘のとおり、調達本部における調達業務は、各室課が、相互牽制制度に基づいて、横割り組織によって業務運営のバランスを保っている仕組みになっております。 また、防衛庁全体としては、各幕僚幹部等からの要求に基づく調達を担当する会計機関としての調本、予算を主管する経理局及び要求元の各幕僚幹部、こういう鼎立制になっておって、チェック体制を補強する形になっているわけでありますけれども、委員御指摘のとおり、こういう事件が出たということは、それが十分に機能しておらなかったということがはっきりしたわけでございます。
○若松委員 この調本がつくったいわゆる内部牽制制度、発揮しなかったと今はっきりおっしゃいました。 では、今後どうしていくのか、どう改善していくのかということですけれども、これが九月二十四日ですか、第一回会合を開催した防衛調達制度調査検討会というところで、これも私が何度か指摘させていただきましたけれども、いわゆる部外有識者による監視制度の導入というところが議論されております。これは非常に大事な点だと思いますので、かつ先ほどの、防衛庁長官みずからがおっしゃったように、調本に対するチェック機能がなかった、そういうことですので、これはぜひ導入すべきであるということで、これをいつまでに結論を出すのか、これは早急にしていただきたいわけですけれども、その日程の見込みについてお願いいたします。
○額賀国務大臣 外部からの監視チェック体制の導入ということについては、若松委員の御指摘等もありまして、私どもも大変見識のある御意見であるというふうに思っておりまして、先般第一回の会合を開いた際にも、そういう考え方をお示しをしたわけでございます。 これからの日程でございますけれども、私は先ほども言ったわけでありますが 昭和二十九年に防衛庁が発足すると同時にこの調達実施本部も発足しているわけでありますが、この四十四年の歴史の経過というものをちょっと点検をする必要がある。また、海外の防衛調達システムというのはどういうふうになっているのか。そういうことを考えながら、二十一世紀に通用する、透明性のある、しっかりしたものをつくりたいということで、まだ具体的に何月ごろまでというふうには思っておりませんが、私は、全部まとまらなければ出さないということではなくて、例えば監視チェック体制については早急に提言をするとか、そういう考え方もあるのではないかというふうに思いながら、今検討会をしているということで御了承いただきたいと思います。
○若松委員 これはぜひ、この部外有識者、委員が決まっているわけですから、これは次回はいつごろで、大体今後どのくらいの頻度で行われますか。それによってこれがまた全くパフォーマンスなのか本気でやる気なのかわかると思うのですけれども、それについて答えてください。
○額賀国務大臣 原則的に月に一回ぐらいでありますけれども、その前に豊富な資料を収集して、十分に議論をするという形をとりたいというふうに思っておりまして、少なくとも一つのめどは年内、もう一つは年度末、さらに半年とか、これは中長期的な問題もありますから、そういう形で考えていくことが適切ではないかというふうに思っております。
○若松委員 年内、年度末、半年後、そうおっしゃいました。ぜひこの年内を、出せるものからどんどん出していただいて、それで、先ほどの本質的な牽制機能が働いていないところを、今のところは社会的な監視がありますからいいのですけれども、これがちょっと忘れ去られてしまうと一兆何千億の大きな金額がまた牽制のない世界に入るわけですから、これは早急にやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、今回のこの調本の問題に、これも私も三度にわたって指摘させていただいたのですけれども、自衛隊法六十二条、ここにいわゆる天下りの禁止、天下り規制の対象があるわけですけれども、いわゆる通常の国家公務員法ですと顧問、評議員も天下り規制の対象になっているのですね。ところが防衛庁はなっていない。これは六十二条をぜひ改正して、これをやるべきではないかと思うのですね。 といいますのも、長官は、公務員制度調査会との関連や省内に再就職の検討会を設けて検討する、先ほどこう答弁しておりますけれども、先ほど石井議員でしたか、石井委員からこういう問題の本質ではないという指摘もございました。ですから、今回この六十二条がいわゆる抜け穴になりまして、今回の上野の私腹を肥やしたという結果になったわけですから、これはぜひ、長官、政治決断をして、早くこの六十二条を改正して、顧問、評議員、これを天下り規制の対象に加えていただきたい。全体の問題とは切り離して先に決断していただきたいと思います。それがまさに防衛庁の信頼回復の第一歩であって、そして自浄能力の自己証明ということになると思います。長官、いかがでしょうか。
○額賀国務大臣 若松委員御指摘の点はよく承知をしております。ただ、自衛隊員の場合、再就職の問題というのはなかなか一般公務員とはまた違った特徴もございまして、そういう総合的な観点からどうするかということを考えることも大事な視点ではあるというふうに思っております。こう薬張り的に目先のことの穴をふさいだだけではなかなか基本的な解決にはならないという考え方をしておりまして、そういう原点からまず見直してみる必要があるのではないかというふうに思っているところであります。 ただ、従来、この決算委員会とかさまざまの委員会で御議論が出ておりますように、再就職をして汗をかかないで給料をもらっているとか、安易に在職中から再就職の道を探すことが先になるとか、そういうことがあってはならない。そこのところのけじめをどうするかということについては、若松委員御指摘のことも踏まえて勉強させていただきたいというふうに思います。
○若松委員 ぜひ検討していただきたいわけですけれども、全体の話と絡めて考えなくてはいけない。確かに、雇用の問題ですから重要だと思います。特に、制服組ではなくて、どちらかというと、背広組というんですか、私服組ですよね、そういった人たちは結局個別承認という方法があるわけですから、それをしっかり導入して、顧問、評議員、このループホールは早急にふさぐべきではないかと思うのですね。さっき長官が、検討会ですかで、第三者機関なりのその検討について、一挙に出すのではなくて、部分的に可能なものから出していく、そうおっしゃったわけですから、この問題、結局は法律のループホールを活用されたわけですので、私は、これを埋めるのが今回のこの問題解決の第一歩ではないかと思いますけれども、長官、改めてお聞きします。
○額賀国務大臣 今、自衛隊員の再就職の問題については、防衛調達の仕組みの検討委員会と同じように、近々検討会を発足させまして、若松委員御指摘の点も含めまして検討をさせていただきたいというふうに思っておりまして、これもまた、だらだらとやっているのではなくて、問題点を、すぐやること、あるいは中長期的に何をするのか、そういうことを整理しながら議事を進めていくことが適切かなというふうに思っております。
○若松委員 私の提言をいろいろと前向きに検討していただけるというお話ですけれども、だらだらはやらないということもおっしゃいました。 では、そこまでせっかく言っていただけるわけですから、いずれにしてもこの天下り問題というのは非常に、金融再生関連法案に準ずるぐらいに今重要事項だと思うのですね。ですから、ぜひ、改善の見通しというのをもっと具体的に言っていただけますか。やはり日程的に、年内とか何らか言っていただかないと、今の気持ちでは、私は額賀長官の政治家としてのすばらしさは表現されていないと理解しますけれども、いかがでしょうか。 〔委員長退席、村田(吉)委員長代理着席〕
○額賀国務大臣 私も国会議員として、国民の審判を受けて十五年間国会に出させていただいております。そして、この神聖な場所で議論をさせていただいております。行政の長であると同時に、国民的な視点も持ち合わせているというふうに自負をしておりますので、若松委員とのこの質疑は極めて重要なものと思っておりますし、また受けとめて、これから、防衛庁のあり方が問われているという認識のもとに、自衛隊員の再就職の問題についても誠心誠意取り組んでいき、そして、今言いましたように、中長期的な課題あるいは短期的な課題等々に分けて精力的に議論をして、国民の期待にこたえていくようにしますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
○若松委員 私は率直に言って、前回の安保委員会で長官に大変つらい質問をいたしました、いわゆる責任問題ということで。私個人は、長官を政治家としていい方の部類だとはっきり認識しております。だからこそ、期待したいのです。だからこそ、期待しているのです。 今これだけ、あるいは日本全体が甘えの構造になってしまった、責任転嫁の構造になってしまった。ここで、これからますます大事になる防衛庁というところでの規律の粛正、これは非常に大事だと思うのです。それを本当にやってくれる政治家はいるのかな、私はそういう意味で額賀長官に期待するのです。ですから、余りその後ろに控えていらっしゃる方々のことばかり考えていないで、本当にこれは、確かに雇用問題は大事ですけれども、それ以上に大事なのは防衛なんですよ、防衛の信頼性なんですよ、制服組の信頼性なんですよ、国民に対する。であれば、もうちょっと、長官はやはり国民にメッセージを訴えるべきではないのですか。再三聞きます。
○額賀国務大臣 ですから、この天下り問題、再就職問題につきましても、私はこの事件が起こったときに、この事件の問題あるいは調達の仕組みをどういうふうに透明性を持った形にするかということと同時に、中長期的にはこの自衛隊員の再就職の問題が解決しなければならない課題であるというふうに認識をいたしまして、この問題に果敢に取り組んでいくこと、これが将来の二十一世紀においても我が国の、国民、国家を守ろうという青年の士気を高めていくことにつながっていく、そういう考え方のもとにこの検討委員会をつくらせていただいたと。当然、この当面の問題についても議論をし、そして、この委員会や各種委員会で議論になったことも踏まえながら解決をしていきたいというふうに思っております。 若松委員の御指摘のとおり、いろいろと六十二条の問題等も視野に入れながら考えさせていただくことをお約束して、またぜひ御理解を得たいというふうに思います。
○若松委員 再四まではやりません。ぜひ、政治家としての額賀長官への期待を伝えまして、次の質問に移らざるを得ないわけです。 次に、証拠隠滅問題、これについて今内部調査を行っているということですけれども、これは私が、九月十八日、安保委員会で質問させていただきまして、長官は、事実関係をみずからの自浄能力を示す形で明らかにしていく、かつ鋭意努力していく、このように答弁されました。鋭意努力しているのですけれども、まだ発表されておりません。自浄能力、早く示していただきたいのですけれども、今、どういう状況になって、どういうことがわかっているのですか。断片的に事務次官が今会見等でいろいろとやっておりますけれども、何か新事実というか、ぜひおっしゃっていただきたいのです。 さらに言いますと、九月中の発表ですか、もうあと二日しかありませんけれども、昨日事務次官が言った、九月中の発表は撤回されたのですよね。今度いつなんですか。二十一世紀ですか。これはちょっと長官、本当にまじめに決意のメッセージを言ってくださいよ。
○額賀国務大臣 十四日に新聞報道で、この東通事件をめぐって防衛庁が組織的に大量に証拠隠滅を図ったということが伝えられましてから、私どもこれを重大に受けとめて、自浄能力を発揮する意味でもみずからの力で事実関係を明らかにしていこうというふうに立ち上がったわけでございます。もちろん、検察当局も真相を明らかにしていくことになると信じております。 その中で、これまでに百九十人の職員からいろいろ意見を聞いたり事情を聞いたりしてきました。若干時間がかかっておりますのは、いろいろ聞き取りを進める中で、Aという人はこう言った、Bという人がこう言った、そうすると矛盾が起こってくる場合もある。そういうときに、このつじつま、真相は何なのかということについていろいろと裏づけをとっていかなければならない、あるいはまた矛盾を解消していかなければならない。新しい聞き取りが行われた場合も、それは事実として本当のことなのかどうかということも裏づけていかなければならない。 そういうものを整合性あるものにしていくためには、若干、強制捜査権があるわけではないので、内部的に真剣に防衛庁の立て直しを図るのだという情熱のもとにやっているわけでございますから、私は、九月中にでも中間報告ができるように精力的にやれということで、土、日も出てきてやってきたわけでございますから、そこはぜひ若松委員にも御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。 それからもう一つは、やはり事情聴取したことをそのまま横流し的に発表することがいいのかどうか。やはりきちっと裏づけられた正確なこともしなければ、これはいろいろな人に迷惑をかけることにもなりかねないので、そういうことも私どもは注意しなければならないということもあろうかと思っております。 いずれにいたしましても、先般若松委員にお答えした段階から、さらに多くの方々から事情を聞いて進めておりますので、できるだけ早くやるように引き続いて叱咤激励をしておるところであります。 新しい問題としては、石附調達実施本部副本部長が、調査委員会に対しまして、九月三日の調達実施本部の家宅捜索の前に執務室内の文書を自宅以外の場所にも移動して保管していた旨が、後で申し出があってわかったというようなこともありまして、今詳細についてこれもお聞きしているということであります。 もう一つつけ加えますと、一方で捜査も行われているわけでございますから、この捜査に支障がないようにということも考えながら内部調査も行われているということも御理解をいただきたいというふうに思います。
○若松委員 今、捜査の前に、後になってわかったと、いわゆるある人の陳述の話をされました。それはいつの話ですか。
○伊藤(康)政府委員 恐れ入ります。ちょっとただいま手元にございませんが、たしか十五日を過ぎてからだったというふうに承知しております。申しわけございません。
○若松委員 ということは、九月十五日以前もこういう話がありましたから、やはりそういった具体的な証言というか陳述ですね、そういうものが出てきているということを今長官がおっしゃったと思います。 自浄能力ということは、結局司法の調査以前に、以前というか一つの司法の判断が出る以前に出していくのがまさに自浄能力であって、司法の一つの結論を待って、それに合わせるように防衛庁の一つの結果を出しても何ら意味がないと思うのです。それは自浄能力じゃないと思います。 ですから、そういう意味で、まさに自浄能力を本当に真剣に考えられるのでしたら、早急にやっていただきたい。九月中の発表を現場の事務次官ができなかったら、この人は能力がないのですよ。それをしっかりと人事で管理してやるのが政治家の仕事じゃないですか。だんだん上田さんの言い方になってきちゃったな。長官、聞きます、本当にいつまでに出してくれるのですか
○額賀国務大臣 九月いっぱいをめどにできるだけ叱咤激励をしてまいったのでありますが、今申し上げたような背景の中で、まだ中間報告をまとめ切るまでに至っていないというのが実情でございまして、若松委員の御指摘もよくわかりますので、私といたしましては、できるだけ早く、叱咤激励をさらにして、中間報告ができるようにしたいというふうに思っております。
○若松委員 額賀長官、非常に、優し過ぎますね。優し過ぎます。いい人です。私も好きなタイプです、別に私はあれじゃありませんけれどもね。 でも、やはり政治家として厳しさが必要なのですよ、特に長官という立場は。ぜひそれを認識してください。いついつまでにやると。一つのけじめというか、何というのですか、きちっとやるというのがまさに自衛隊の仕事じゃないですか。そういうふうに、いつやるかわからない、規律がどうなっているかわからない、こんなのでは自衛隊はぐちゃぐちゃになつちゃいますよ。それを何度も言っているのです。ぜひ早急にやってください。日程も本当は言ってほしいのですけれども、繰り返しになりますから。 ちょっと法務省の方に聞きたいのですけれども、先ほど上田議員が、この問題は収賄罪じゃないか、そういう話がありましたけれども、今回の証拠隠滅、これは証拠隠滅罪とか公文書遺棄罪というのですか、これに当たると思うのですけれども、それについての考え方はいかがですか。
○松尾政府委員 一般論としてお聞きいただくことになると思いますが、刑法第百四条では、証拠隠滅等の罪でございますが、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、もしくは変造し、または偽造もしくは変造の証拠を使用することを構成要件としております。また、刑法第二百五十八条でございますが、公用文書等質棄罪でございます。公務所の用に供する文書または電磁的記録を毀棄することを構成要件としております。 これらのしずれの犯罪も 主体が公務員であるか否かは問わないものとされております。 以上でございます。
○若松委員 これは、一般的で結構ですけれども、どのくらいの刑罰なのですか。
○松尾政府委員 前の証拠隠滅罪でございますが、二年以下の懲役または二十万円以下の罰金でございます。 刑法二百五十八条の公用文書等毀棄罪でございますが、三月以上七年以下の懲役でございます。
○若松委員 七年以下、なるほど。では、公文書毀棄罪はかなり重いわけですね。過去において公務員で証拠隠滅もしくは公文書毀棄罪で問われた事例があったらちょっと紹介してください。
○松尾政府委員 あらかじめ質問通告いただきましたので調べてまいりましたが、公用文書毀棄罪の事例は一件ございます。 これは、選挙管理委員長らが他人により不正に行われた不在者投票を隠ぺいしようとして、その不在者投票及び関係書類等を抜き取り毀棄するなどした行為に対して、公用文書毀棄罪に問われた例がございます。 なお、公務員による証拠隠滅罪の事例でございますが、公刊物等を検索いたしましたが、発見することができませんでした。 以上でございます。
○若松委員 ぜひこういった点からの検討もしっかりしてください。 それでは、バッジシステム資料漏えい問題、これについてお聞きします。 まず、報道によりますと、航空自衛隊の防空警戒システム、バッジシステムですね、これに関しまして、秘密文書がNEC府中工場から流出してフィリピンで売却されそうになったということです。これに対して、防衛庁が、NECを二カ月間の取引停止、軽い処分と私は思いますけれども、実際の担当者には口頭注意、こんなのでNEC関係者も、上野容疑者のおかげで表ざたにはならず軽い処分で済んだ、こんな答えを東京地検に言っているという情報も伝わっております 軍事の専門家から言わせますと、これは一種のスパイ事件だ、スパイ行為だ、官僚の論理で事件を矮小化した、こういう批評もあります。 まず、これは防衛庁に聞きますけれども、この秘密資料漏えい問題、これは事実ですか。事実としたら、この二カ月処分は妥当だったのですか。それについて答えてください。
○佐藤(謙)政府委員 本件につきましては、平成二年の六月にこういった事案が発覚をいたしまして、それで、防衛庁といたしましては、平成二年の七月にその資料の分析を行いました。その結果、これはバッジシステムの技術指令書関連文書だということで、その中に、当庁におきます秘に相当するもの一点を含むことが判明をいたしました。そして、このバッジシステムの本機製造請負契約を受注したNECが業務過程で作成した内部資料であるということが認められたわけでございます。 それで、我が方といたしましては、内部調査を実施するとともに、同年の八月にNECに対しまして、社内調査の実施を指示いたしました。その調査の結果、平成三年の三月に、当該資料はNECにおいて作成されたものであること、NECから漏えいしたことが判明をいたしたわけでございます。 これを踏まえまして我が方といたしましては、平成三年の四月に、NECに対しまして文書で厳重に注意するとともに、一つは再発防止にかかわる誓約書の提出、それから具体的な再発防止対策の提出、それから再発防止策が実施されるまでの間の取引の停止ということで、今お話しの四月一日から五月二十日までの間取引が停止された、こういう経緯になってございます。
○若松委員 それで、そのときに、二カ月間の取引停止、これは事実ですね。ということで、今の状況にかんがみて、当時のニカ月間の取引停止というのはどうお考えなんですか。
○佐藤(謙)政府委員 当時の判断といたしましては、具体的な再発防止対策を提出させ、それで、その再発防止策が実施されるまでの間取引の停止をするということが適切であろう、こういうふうに判断をしてこういう措置をとったもの、こういうふうに思っております。
○若松委員 実務の方に聞いてもこれ以上答えませんので、長官、この二カ月間の取引停止、大変重要な資料漏えい問題、私は軽いと思っています。長官のお考えはどうですか。
○額賀国務大臣 防衛秘密が企業側から漏えいしたということは、これは、日本の安全を考える場合に、大変重大な案件であるというふうに受けとめなければならないというふうに思っております。NEC側で、これが防衛庁側にとっては秘事項が一つだけということと、NEC側に依頼してそういうバッジシステムをつくった案件であるから企業側の責任という形で見ていたのかもしれませんけれども、防衛庁としても、やはりこれは厳しく受けとめて、厳重に対処しなければならないというふうに思っております。 既にこれは終わったことでありますから、再びこういうことがないようにしていくことが大事であるというふうに思っておりまして、二度とこういうことがないように、厳重に企業の秘密保持について徹底した指導を行ってまいりたいというふうに思っております。
○若松委員 終わったことと。 いよいよ終わりですから最後の質問をしますけれども、今回のNEC事件というのは、かなり事件としては重要ですね。いわゆる五年間で百億円ですか、NECの水増し疑惑も浮上しております。そういう意味で、NECに対して非常に疑惑というか、果たして終わったということで済ませていいのかどうか。私は、防衛庁として、NECに対してしっかりとした対処をすべきではないか、この新たな事態におきまして、すべきではないか。そうしないと企業は甘える。いまだにNECの幹部は、何で私たちが罪を犯さなくちゃいけないんだと。やはり国民から見れば税金泥棒ですよ、NECは。 それに対しては、ぜひ長官から、今後、NECに対してどういうふうにしていくのか、過去だからということで何ら問わないのか、ぜひ防衛庁としての対応についてお聞きしたいと思います。
○額賀国務大臣 終わったということは、平成二年の事件であり、防衛庁としては、この事件を教訓として、厳しく企業秘密の保持に取り組んでいかなければならないということでございます。 こういう企業秘密あるいは防衛秘密の漏えいの問題に加えて、水増し請求等々の疑惑も出ておるわけでございますけれども、防衛庁といたしましては、平成八年度から調達本部との契約企業に対して制度調査というのを行っているわけでございますけれども、NECにつきましても、平成九年度から同調査に着手しております。また、十年三月に府中営業所、十年八月に横浜営業所についてそれぞれ実地調査を行っているところでございます。 また、NECに対しましては、十月一日付をもって取引の停止を行っているところであります。必要やむを得ざるもの以外については取引を停止するという措置をとったところであります。
○若松委員 残念ですけれども、時間ですね。ありがとうございました。
○村田(吉)委員長代理 これにて若松謙維君の質疑は終了いたしました。 次に、石垣一夫君。
○石垣委員 自由党の石垣でございます。 まず最初に、防衛庁関係についてお伺いしたいと思うのですけれども、今回、防衛庁の質問に関連して、防衛庁幹部がある国会議員を通じて私に、質問をしないように、こういう働きかけがあったわけであります。その防衛庁の幹部がだれであるのか、私はこの際その事実を明らかにしていただきたい、このように思うのですけれども、事実関係はこうです。 東洋通信機、それからNECをめぐる防衛庁の幹部の背任問題があって、逮捕されるという事件がありました。そのときに、その数日前、八月三十一日午後四時ごろ、防衛庁の職員から一連の説明を受けたわけであります。その翌々日、九月二日午後三時四十五分ごろ、某国会議員の秘書を通じて、要約いたしますと、昨年十一月決算委員会で某国会議員が質問したような、これは相手の話ですよ、下手な質問はしないでほしい、こういう国会議員の質問を侮辱したような発言なんですね。こういう陰湿な働きかけがあった、こういうことなんです。 こういうことについて、防衛庁長官としてはどう感じられますか。
○額賀国務大臣 国会は言論の府であり、日本の方向性、内外の問題あるいはそれぞれの地域の問題、さまざまのことについて議論をし、討論をし、そして政策決定をしていく場であるというふうに、石垣先生同様に思っております。今御指摘のようなことがあってはならないというふうに思っております。
○石垣委員 あってはならないことがあったわけでありますね。したがって、これは防衛庁長官、調査をして報告してください。できますか。
○額賀国務大臣 その文言のやりとりがどういうふうになっているか定かではありませんから今答えることはできませんけれども、そういうことがあったのかどうかについては調べさせていただきます。
○石垣委員 時間の関係上、細かい文言は省きまして、これは後日お話しいたします。したがって、責任を持ってひとつ調査していただきたいと要望しておきます。 それから、ここに防衛庁が東京地検に出した上申書があるのですけれども、この上申書はどの部門で作成し、そしていつ検察庁に出して、現在これはどうなっているのか。
○及川政府委員 本件は、防衛庁で作成いたしまして、七月十四日付で検察庁の方にお出しし、そして現在、九月二十五日付で事実上撤回をさせていただいているところでございます。
○石垣委員 防衛庁が自信を持って出した上申書がですよ、七月十四日に出して九月二十五日に撤回したと。全くこれは主体性がないですね。このどこが撤回される論点になったのですか。
○及川政府委員 上申書の内容につきましては差し控えさせていただきたいと存じますけれども、八億七千万という私どものこれまで申し上げてまいりました返還額というものの算定というものが適切でなかった、そういうことを踏まえた撤回をしたということでございます。
○石垣委員 時間がありませんので中身については省きたいと思うのですけれども、いわゆる「事案処理についての当時の考え方と評価」ということで四項目にわたって書かれておりますね。あるいはまた、「原価差異の算定についての当時の考え方と評価」ということで書かれておりますけれども、要は、自衛隊法や会計法令に照らして分任官の裁量の範囲である、これが一番大きな結論ですね。それと、いわゆる防衛調達は安全保障上いろいろ問題がある、これは外部に託すことができない、こういうふうに絞られるのですけれども、そういうふうにその時点で防衛庁が責任を持って出したものが、これがなぜ撤回されたのですか。
○及川政府委員 強制調査権がない中で、私どもの調査が今思えば大変不十分だったわけでございますけれども、出した当時、それまでの調査を前提に、その時点における考え方、評価等を取りまとめたものでございます。しかしながら、今般の起訴事実及び当時の一部関係者からの見解の提示によりまして、私どもの見解の前提になっておりました事実が覆ったというふうに考えざるを得なくなったわけでございまして、この点を公にすることによりまして従来の見解は撤回させていただきたい、こういうふうに思ったところでございます。
○石垣委員 では、この責任はだれがとるのですか。
○及川政府委員 本件につきましては、防衛庁として作成をいたしたものでございますので従来の見解、申し述べてきたことにつきましては、大変配慮に欠けた点がありました。申しわけないというふうに思っております。
○石垣委員 いや、だから、だれが責任をとるのだと聞いているわけですよ。 では、藤島官房長が解任されましたね。それなら、藤島官房長が全部責任とって、これは全部ひっくるめて責任をとる、こういうことですか。
○及川政府委員 どのように責任をとるかということにつきましては、私からは答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○石垣委員 防衛庁長官、どうですか。
○額賀国務大臣 今お話を聞いておりまして、また、七月十四日に出された防衛庁の考え方あるいは評価につきまして、当時の防衛庁内の調査については、強制調査権がなかったとはいえ不十分な状態であったということが明らかになったわけでございます。なぜ明らかになったかと申しますと、それは、東京地検で背任容疑で起訴されたという重い事実、あるいはまた当時の調達本部の幹部の方々が返還額八億七千万円の根拠については正しいものではなかったというふうに見解を述べている等々から、それまでの考え方の根底が崩されたというふうに認識をしているわけであります。 したがって、これを撤回し、私どもは国民の皆さん方に対し、大変配慮に欠けた点があり、不十分な調査で一つの考え方をまとめてしまったことについて遺憾の意を表し、申しわけないという思いを表明したところであります。 今後は、裁判の結果あるいは真相究明等々によりまして、あるいはまた私どもが今、調達委員会、検討委員会の中で、今後こういう問題が起こったときにどういう基準で物事を整理をしていくかという一つのルールをつくって、再びこういうことが起こることがないようにしていく、あるいはまた調達制度をチェック体制があって透明性のあるものにしていく、そういうことがなされていくことが責任を果たすことになるものと私は考えております。
○石垣委員 今後の対応としては長官の御趣旨はよく理解できるのですけれども、やはり一つの大きな、防衛庁が自信を持って出した上申書が撤回されざるを得ないというのは、こんなぶざまなことはないわけですわ。したがって、やはり私は、すべて物事には必ず責任を伴うということを、はっきりこれは庁内規律としてこの際示すべきだと思うのですよ。今直ちに責任をとれというのじゃないのですよ。やはり責任の所在は明確にする、こういう答弁、どうですか。
○額賀国務大臣 今、防衛庁は内部調査委員会をつくっていろいろと調査をしております。そして、事実関係を明らかにした上で、厳正な措置をしていきたいというふうに思っております。
○石垣委員 次に、防衛庁の天下り問題についてお伺いしたいと思うのです。 いわゆる民間企業の天下りについては随分論議をされてきました。その中で、防衛庁所管の財団法人について、天下りの実態について私はひとつ述べてみたいと思うのですけれども、その数は二十三法人あります。防衛庁の幹部の天下りの数は、合計で百八十五人であります。その中で、特に防衛衛生協会、これは理事数が十五名でその中に九人が天下っておりますね。それから安全保障懇話会、十一人のうちに九人。全国自衛隊父兄会、二十九人の十二人。それから防衛弘済会、十人のうち九人。防衛施設周辺整備協会、十八人の十人。防衛医学振興会、十一人のうち八人。防衛技術協会、十五人のうち九人。 これは非常に目立った数を挙げましたけれども、これは公益法人のいわゆる役員の運用基準からいってどうですか。
○伊藤(康)政府委員 防衛庁で所管しております、二十三法人でございますか、ございますが、今先生がお挙げになりましたのは若干前の方の数字でございます。 それで、これは閣議で、十一年度でございましたか、までに三分の一以下にするようにということでございまして、現在、逐次OBの数を減らしておるという状況でございます。 今私どもの手元で持っております中で三分の一を超えておりますのは四法人、防衛衛生協会、隊友会、三笠保存会、駐留軍労働福祉財団でございますが、これらにつきましても、閣議の決定に示されました期限までに改めていく所存でございます。
○石垣委員 いわゆる公益法人の設立許可及び指導監督基準が閣議決定されておりますね。この中で、「特定の企業の関係者、所管する官庁の出身者が占める割合は、それぞれ理事現在数の三分の一以下とする」、こういう指導基準があるのですね。既にこの基準からも逸脱をしております。 その中でも、今から具体的に申し上げますけれども、この二十三法人の中で、元防衛施設庁長官の友藤一隆氏、これは五つのいわゆる理事を兼職しております。この事実、御存じですか。
○伊藤(康)政府委員 申しわけございません。ちょっと私も、今五つかどうかまで確認しておりませんが、幾つか兼務していることは承知しております。 なお、先ほどの閣議決定の中で、確かにOB三分の一ということでございますが、退職後十年を経過した者については認めるということでございますので、その点、つけ加えさせていただきます。
○石垣委員 この友藤一隆元防衛施設庁長官は、日本防衛装備工業会の専務理事、それから防衛施設周辺整備協会の理事、それから防衛装備協会の理事、それから防衛技術協会の理事、さらに自衛隊援護協会の理事、この五つをやはり兼務されておる。また、志摩篤元陸上幕僚長は三つの理事を兼務されておる。これは、ほか九名の方が、各二施設の理事を兼務されておる。合計十一人ですね、複数の理事を兼務されておる。こういう実態があるのですけれども、これは御存じですか。
○伊藤(康)政府委員 個々のお名前を挙げられま して申されましたが、その個々の人方がどうかということは、私実は今手元に資料持っておりませんけれども、御指摘のように、同一人物が幾つかの協会等の理事を兼ねているということは事実でございます。そのうちの、恐らく、恐らくと申しますか、ある一つにつきましては常勤、その他については非常勤理事、あるいはすべてが非常勤理事といったようなケースかというふうに承知しております。
○石垣委員 では、この常勤理事の方は給与を幾らもらっているのですか。具体的に今、一つ、二つの例を挙げましたけれども、それなら一体、この友藤氏はどうなっているのですか。
○伊藤(康)政府委員 大変申しわけございませんが、今手元にその資料がございませんし、また、個別の方についての報酬額等につきましての御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○石垣委員 では、結局、こういう公益法人の理事とか役職は無給ですか、原則として。給与はいただいているのか。どちらですか。
○伊藤(康)政府委員 二十三の所管法人がございますが、それらの中で、それぞれの中で決めておることでございまして、一律には申し上げることはできないと存じます。
○石垣委員 いや、その実態は後で報告してくださいよ。 たとえ無給であったにしても、三つも五つも兼務されている実態は、これはどうお考えですか。
○伊藤(康)政府委員 それぞれの法人でそれぞれの方と個別に交渉してと申しますか、個別に選ばれているというふうに私ども承知しておりまして、いろいろ見方はあろうかと存じますけれども、現状はそうなっているということかと存じます。
○石垣委員 こういう兼務の実態について防衛庁としてどうお考えなのかと聞いているわけですよ。原則を聞いている、原則。基本的な考え方を聞いておるわけです。
○伊藤(康)政府委員 先ほども申しましたように、それぞれ常勤、非常勤、あるいはその非常勤の場合でもいろいろなケースがあろうかと思いますので、私どもの方で一律にこうという基準を設けるということはなかなか難しいかと存じます。
○石垣委員 社会通念上、公益法人の役職を五つも兼ねるということは、これは異例のことですわ。それについて防衛庁として見解はないのですか。
○伊藤(康)政府委員 それぞれ法人と申しましてもいろいろ性格があるわけでございまして、大変、何と申しますか、活発なところあるいは若干そうではないところ、いろいろあろうかと思いますし、一概に多く兼ねているからいかがということはなかなか申しにくいのではないかと思いますが、よく実態は私どもも把握してみたいと存じます。
○石垣委員 いや、それは実態把握しなければ答弁できないと思うのですが、実態把握された上で、その原則を聞いているのです。兼務がいいのか悪いのか、どっちなんですか、許すのですか。
○伊藤(康)政府委員 兼務しておることが直ちにいけないということはなかなか申しにくいのではないかと存じます。
○石垣委員 これはやっておっても時間がありませんので、社会通念上私は好ましくない、こう思いますよ。したがって、そういう方向で善処されることを希望しておきます。 最後に、ちょっと委員長、お手元に御配付したのですけれども、いわゆる防衛庁関係に対する資料請求をしたいと思うのですけれども、「防衛庁が過去十年間に契約した契約高順位三十社の国内企業との契約高及び契約内容。」以下九項目、合計十項目にわたる資料請求を自由党としてしたいと思うのですけれども、お取り計らいをひとつ。
○村田(吉)委員長代理 ただいまの石垣一夫君の資料要求に関しましては、理事会で協議することといたします。
○石垣委員 ありがとうございます。 続きまして、石油公団に関連してお伺いしたいと思うのですけれども、石油公団がいわゆる再建検討委員会をつくられてから今日まで、鋭意いろいろと御努力いただいて、報告書が出てまいりました。 その報告書に関連して御質問申し上げたいと思うのですけれども、この発端は、昨年十二月の決算委員会、あるいはまたその後の、当時の所管大臣である堀内通産大臣が我々の質問を謙虚に受けとめていただいて、国家という立場から石油公団の将来についていろいろ提言された、これが一つの突破口になったんですけれども、今日、こういう立派な報告書ができ上がりました。その労を私は多といたします。 そこで、まず会計検査院にお聞きしたいと思うのですけれども、会計検査院は昭和五十一年に石油公団を検査されて、いわゆる特記事項として、このままでは公団が保有する不良資産が増大すると、問題の本質を指摘されておりますね。その後毎年調査されて、最近では、平成七年四つの会社、それから平成八年三会社、平成九年十会社、平成十年六会社、それぞれ検査をやられておりますね。この事実、間違いありませんか。
○小川会計検査院説明員 会計検査院としては、毎年幾つかの会社について検査を実施しております。
○石垣委員 今私は具体的に何社か数字を挙げて聞いたわけですよ。それに対するきちっとした答弁をしてくださいよ。
○小川会計検査院説明員 失礼いたしました。 平成十年度は、石油公団本部……(石垣委員「そんな中身はいいよ、時間がないから。数を今言って、それで間違いないかと聞いているわけです」と呼ぶ)十年度は、そのほか六つの会社について七十三人目で検査しております。
○石垣委員 そこで、後ほど出てまいりますけれども、今回の報告に出てまいりますけれども、いわゆる北極石油、ジャパン石油開発、日中石油開発、これについて会計検査院としてはそれぞれ今日まで検査をされておりますね。平成七年度には北極石油、平成九年度において同じく北極石油、ジャパン石油開発、日中石油開発と、それぞれ会計検査院みずから検査されておるわけですね。 では、その時点でこの三社についてはどういう結論を出されたんですか、これが一つ。 それで、会計検査院の検査手法に問題があったのか、あるいはまた検査機能に限界があるのか、これを答弁してください。
○小川会計検査院説明員 石油探鉱事業につきましては、その特性から、エネルギー供給という国の基本政策にかかわることでございます。それからまた、試掘に成功し商業生産に至るものはわずかで、それに伴うリスクが高いこと、外国の政府や企業と連携し、しかも国外で実施されること、原油価格や為替相場の変動を受けることなど、検査に当たりまして考慮しなければならないことが多々あるわけでございます。しかしながら、検査院としましては、多額の国費が投資されているわけでございますから、その投融資が適切に行われているかどうか、そういうことを検査してまいっているわけでございます。 先生御指摘の幾つかの会社についての話でございますけれども、五十一年度に、休眠会社につきまして、休眠状態が継続すれば不良資産が増加するという旨の検査報告を掲記しております。したがって、その検査報告の延長線上で、今回いろいろと先生の御指摘のような事態が生じてきているというふうに思うわけでございます。それで、その五十一年度の検査報告の効果が継続しているというふうに我々は認識しておりまして、その検査報告の効果を期待して我々は検査してまいっているところでございます。
○石垣委員 そんな答弁したらだめですよ。五十一年の特記事項の検査報告、それがきちっと生かされている、こういう答弁でしょう。生かされていないから今回大きな保証債務が出たのと違うんですか。そのときに、このままではだめだよと、手を打てと言っているわけでしょう。手を打っていないから今回こういうふうな、通産省がいわゆる石油公団再建検討委員会をつくって報告書をまとめたわけでしょう。その間に、これは毎年それぞれチェックされているんでしょう。だから、少なくとも五十一年の検査報告に連動して、例えば五年、十年単位でそれをフォローした検査報告を出さなきゃだめじゃないですか。ただ決算報告、数字だけ並べて報告しただけじゃないですか、これ。 それなら、検査院、これは一体何を検査したんですか。今回ナショナルプロジェクトの三つはっぷすと言っているんですよ。そこまで時代は来ているわけです。その間、会計検査院は何の動きもないじゃないか、これ。それなら一体何を検査しているんだと僕は思いますよ。これは、だれも皆そう思っていますよ。会計検査院自体が存在が問われますよ、これは実際。 国民は、会計検査院を非常に信頼しておるわけです。その信頼を裏切るような事実関係が出てくると、やはり我々も、これは会計検査院はもうおかしいんと違うかと、こうなるわけですよ。今の答弁は全く答弁になっていませんよ、気の毒ですけれども。
○小川会計検査院説明員 会計検査院としましては、石油探鉱の成功、不成功あるいは支出の適正、不適正、そういうところに重点を置いて近年は検査してきたわけでございます。したがいまして、資産が不良化することにつきましては、先ほども申し上げましたように、五十一年の検査報告の効果を期待して推移を見てきたということでございます。 したがいまして、今回、しかし、こういうことがございました。ございましたので、我々としても、また当初の五十一年のときの状況なんかを踏まえまして、今後は、今先生おっしゃるような不良資産の問題についてもターゲットを当てて検査していかなきゃならないというふうに思っております。
○石垣委員 せっかくですけれども、これは答弁になっていないです。院長、責任者が答弁してください。
○疋田会計検査院長 お答え申し上げます。 昭和五十一年度に特記事項として会計検査院としては問題提起をしたわけでございますが、その問題を提起しました同じ考え方で、その後も、先ほど委員がおっしゃったように、毎年数社、実際に検査してまいったわけでございます。 その検査の結果につきましては、必ずしも会社の経営が十分に行われていないというようなものも一部見受けられたわけでございますけれども、その原因をいろいろ検討いたしましたところ、原油価格が下落しておりますとか、それから為替レートが変動したとか、その年その年によりましていろいろな要因がございまして、会計検査院といたしましては、直ちにこれが不適切であるということで指摘するには至らなかったということを、私、そういう報告を聞いているところでございまして、そういった意味で今後ともに諸般の情勢を十分に勘案しながら厳正な検査をやってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○石垣委員 石油産業というのは、やはりこれは宿命ですね。為替それから原油価格、その当時のレートによって大きく利益が上下する、これはもうおっしゃるとおりです。 しかし、そこらを踏まえてもっと本質的なものを検査院としてやはり指摘をし、その是正に向かって適時適切な指摘をするというのが報告時に見えてこなかったのですよ、今日まで。せっかく五十一年にいち早くこのことを指摘しながら、今日、言うたらまあ検査が通ったけれども、さらに突っ込んでその是正方について方針が示されなかったということについて、私は遺憾に思います。 今後、この問題については十分反省をしていただいて、やはり厳しくチェックしていただきたい、こういうことを要望しておきます。 そこで、今回の報告書を読みますと、いわゆる不採算で将来見込みがないということで二十七社を整理解散する、こういう結論を出しておられますけれども、これに伴う損失は幾らなのですか。
○今井(康)政府委員 お答え申し上げます。 現在整理を予定しております探鉱中の会社は十八社ございますが、その十八社を整理いたしますと、それに対します石油公団の出資金、貸付金、求償権、保証債務等の合計は千九百億円でございます。この十八社をすべて整理してまいりました場合には、その債権のうち、この会社が保有している債権を石油公団が引き継ぐものがございますので、そこから回収される債権が七百億円でございます。したがいまして、千二百億円の損失が生じることになります。 また、生産中の会社としまして、今般整理いたしますことを予定しております日中石油開発がございます。これにつきましては、九年度末の出資等の残高が千三百八十九億ございます。それを合わせた数字が、十九社全部で、先ほど申しました千二百億と日中の千三百八十九億を足しまして、合計が二千六百億円の損失になります。 以上でございます。
○石垣委員 では、二十七社で二千六百億ですか、これは間違いないですか。
○今井(康)政府委員 二十七社では二千七百億円でございます。
○石垣委員 では、この解散に伴う二千七百億のいわゆる赤字をどういうふうに補てんされますか。
○今井(康)政府委員 石油公団におきましては、もともとこの制度が、探鉱の失敗などによりまして損失が出ました場合には、一方で利益を上げている、当たって利益を稼いでいる会社がございます、その利益からその損失を埋めるというのが制度の本来の趣旨でございますので、今般出ます損失見込みにつきましては、おっしゃるように全プロジェクトを入れますとこれ以外にも損がたくさん出ますけれども、それも含めまして、成功している会社の株式の売却、保有株の売却で対応したい、このように考えております。
○石垣委員 では、全プロジェクトの赤字はどうですか。
○今井(康)政府委員 お答え申し上げます。 現在、私どもの検討によりますと、これから石油公団で回収不能が見込まれる金額が、それぞれ為替と石油の価格がいかほどになるかによって変わりますけれども、厳しく見た場合に六千八百七十億円から、少し条件を緩めますと五千百四十億円までの回収不能が出る見込みでございます。 一方、利益の上がっている会社などからの配当金でございますとか含み益とか利息収入とか、そういう収益が、これも四千三百八十億から、条件が全体が緩くなりますと八千九百億。申し上げましたのは、このもうかっている、利益の上がっている会社の株式の公開売却等によりましてこの大きな回収不能な部分を埋めていきたい、このように考えておるところでございます。 〔村田(吉)委員長代理退席、委員長着席〕
○石垣委員 株式のいわゆる公開売却という話が出ましたけれども、これはどういうふうなスパンを考えておられるのですか。
○今井(康)政府委員 私ども今考えておりますのは、今申し上げました回収不能を石油公団の財務上にどういうふうに反映するかでございますけれども、これも累次指摘されておりますけれども、引当金を積むということをまず行いたいと思っています。 その場合に、引当金は、石油の場合は、御指摘のように、油の値段それから為替、それから生産量等々で非常に大きく動きますものですから、十年間ぐらいを引当金に積んだらいかがかと思っております。今の試算でいいますと、十年間で約四千億の引当金を積む必要がございます。十年間に回収不能になる金額が四千億程度でございますが、現在持っておる引当金が約九百三十六億円ございますので、差し引きしますと三千億ぐらいの欠損が出ます。その欠損について、十年程度の計画で、そのちょうど引き当て期間と合わせて十年計画で株式の上場等を図ってこれを売却していきたい、このように思っております。
○石垣委員 では、株式の公開という話が出たのですけれども、それにはある程度の対象会社があると思うのですね。いわゆる超優良会社といいますか、そのリストはありますか。
○今井(康)政府委員 現在生産中の会社が四十七社ございます。きょうの資料にも御報告しておりますが、そのうち一つつぶれて四十六になるわけでございますが、それを今度の分析で、二〇二〇年ぐらいまで分析いたしますと、剰余金が出てくる、もうかってくるという会社が十九社になろうかと思います。現在十一社でございますが、これがふえてまいりまして、十九社になると思います。 ただ、先生御指摘のように、会社によりましては、割と大きくて上場にたえる会社と申しますか、それに適する会社と、そうでない会社がございます。今具体的な名前、どれを上場したらいいということをここで申し上げるのはいかがかと思いますけれども、ある一定の規模になって上場にたえるものになりましたら、国家財産の管理の観点からも、公開した上で売るというのが一番好ましいと思っておりますので、ある一定の規模、上場基準に達すればそういう形で売っていきたい、このように思っております。
○石垣委員 では、観点をかえて、この石油公団に対して、いわゆる天下りの実態についてお聞きしたいと思うのですけれども、役員が十一の中で、通産官僚が四名、石油公団関係の、これは内部からですね、これは四人、大蔵省二人、会計検査院一人。結局、石油公団の役員退職者を含めると、十一人全員が官僚出身者なんですね、これは。しかも、その中に会計検査院が入っている。ちょっとこれは、国民感情として非常に納得しがたいのですね。今回の石油公団の再建検討委員会にこの人事問題は何も入っていないのですね、天下り問題については。こういう点も私は抜けておると思うのですよ。 せっかく石油公団総裁がきょうはお越しになったわけでありますから、今回の検討委員会の報告書を含めて、今後の石油公団の運営のあり方、と同時に、今の天下り問題については、失礼ですけれども、総裁自体もこれは天下りのお方でございますからお答えしにくいと思うのですけれども、全体の組織として、この天下りの実態については、非常な今国民的な感情として批判が厳しい、こういう中で、今後の運営方針と人事問題についてどのようにお考えですか。
○鎌田参考人 お答え申し上げます。 今回の通産省の報告書につきましては、私ども石油公団といたしましても、公団内部に通産省に設置されましたと同様な委員会をつくりまして、私が陣頭指揮に立ちまして、いろいろ検討し、通産省の作業に協力してまいりました。今回のこの報告書でございますけれども、大変広範な分野にわたりまして今後石油公団として取り組むべき重要な課題が示されております。そういったことで、近く私自身が本部長になりまして推進本部を設置いたしまして、石油公団、組織全体を挙げて、この課題の実施に向かって取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、天下りの問題でございますけれども、通産省四人というお話ございましたけれども、実はそのうちの一人は、非常に若いうちに通産省から石油公団に転籍された方でございます。実は、石油公団は設立されまして三十年になるわけでございまして、プロパーの方は、若い段階で民間企業から転出される、あるいは、今ちょっと申し上げましたように、役所から転出される、こういった方でございます。こういった方が現在五人、役員として登用されているわけでございます。これは、公団としては、内部登用というふうに考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、石油公団といたしましては、従来から適材適所ということで役員の任命を行ってきたというふうに認識いたしております。石油公団の仕事自体、石油開発事業あるいは石油開発の技術、こういったものにつきまして専門的な知識が必要でございますが、それと同時に、石油情勢とか国際情勢あるいは金融関係等々、非常に幅広い知見が必要とされる仕事でございます。そういった意味で、適材適所ということで役員が選任されてきたというふうに認識いたしております。
○石垣委員 最後になりましたが、同じく石油備蓄会社、これは国家備蓄、共同備蓄会社も含めてですけれども、十二社に対して、通産省OBが役員十九名、石油公団OBが役員六名、それから石油資源開発、これに対して、二十二人の役員の中で、通産省四名、大蔵省一名、顧問八人の中で、通産省二名、公団一名、こういう実態があるのですね。 やはり私は、石油公団を取り巻く大事についても、天下りの実態について、今いろいろ理由をおっしゃいましたけれども、よく精査して、国民の批判を受けないような、そういう人事体制を築かれていくべきだと思うのですけれども、最後に総裁の答弁。
○鎌田参考人 先生御指摘のとおり、これからも適材適所ということで厳正な人事を貫いてまいりたいと思います。 また、今回、報告書に盛られておりますけれども、やはり民間事業者の発想とか知見とか、こういったものを公団としても活用していく必要があるということで、石油公団の中に経営諮問委員会というのを設置することにいたしております。ここで、国際的な経営とか金融とかに精通いたしました有識者を集めまして、いろいろ御意見を伺っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○稲川政府委員 今回の検討、非常に短期間に経理の面で集中をいたしましたが、先ほど公団総裁も申し上げましたように、今後、経営諮問委員会、長期運営方針等々の検討の過程で、御趣旨をまた念頭に入れた検討をしたいと思います。
○石垣委員 終わります。
○原田委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 私は、防衛庁調達実施本部をめぐる背任事件に関連してお伺いをしたいと思います。 刑事局長、出席してもらっていますか。――はい、わかりました。 去る九月二十二日と二十五日、二回にわたって、東京地検は、防衛庁調達本部をめぐる背任事件について、元調達本部長及び副本部長を被告人とする背任事件の起訴をいたしました。この起訴による公訴事実の要旨によりますと、要するに、諸冨それから上野、この両氏は共謀して、NEC関係者とも共謀をした上で、東通の過払いの返還をするについては、返還額の決定については、法律の上で、及び防衛庁の訓令三十五号、価格決定についての訓令に従ってちゃんとその差額を計算する任務があるのに、それに背いて価格を決定して、本来損害額が二十九億九千万にも達するものを八億七千万余に決定をして、その行為が背任罪に当たる、こういうことで起訴されたのであります。起訴状によりますと、この二人の個人が被告人になって、その刑事責任を追及しているわけです。 しかし、この八億七千四百万という決定をやったのは、この本部長及び副本部長などが指示をし、命令をして、この本部自体が、調達実施本部自体がその関係職員に対して指示をして、命令して、そしてこういう結論、処理をしたということであります。だから、二人の個人的な行為じゃなくて、二人を頂点にして、その実施本部の皆さんが調達業務としてその決定作業に参加をしたということは、これは明白な事実であります。 それで、こういう場合、本部長と副本部長の指示、命令に従って公務員が公務としてやったことが背任罪に問われるということになった場合、その命令を受けその作業をした公務員、調達本部職員はやはり背任罪の共犯者になるんじゃないかというふうに思うのですが、その点、刑事局長、いかがでございましょうか。
○松尾政府委員 刑法における共犯の問題がどのように扱われているかということを、一般論として申し上げることが適当かと思いますのでこれから申し上げますが、二人以上の者が加功して犯行を行うということについてはいろいろな場合が想定されるわけでございます。 一つは、二人以上の者が共同して犯罪を実行した場合ということがあります。それからあるいは、二人以上の者がある犯罪の実行を共謀いたしまして、その一部の者がその犯行を実行したという場合も考えられると思います。それからまた他の場合には、他人をいわゆる教唆しまして犯罪を実行させた場合、あるいは犯罪を実行する正犯を助けるといいますか幇助した場合ということで、いろいろな場合が想定されるわけです。 今申し上げました四つのうち、最初の二つはいわゆる共同正犯ということでございまして、後の、三番目は刑法上では教唆犯、それから四番目に申し上げた例では幇助犯が成立するものとされております。 以上でございます。
○東中委員 私が言っているのは、この二人の背任行為をやったといって起訴されている人たちが、その人たち二人で国に返還すべき額を決定したんではなくて、それを決定するについては、調達実施本部の職員に指示を与え、その組織体としてやった。だから、その決定をした行為、背任行為という評価を受ける行為をやったのはこの二人じゃなくてほかの人たちもいるという場合は、そのほかの人たちも共同してそういう行動をやったということになれば、刑事責任を追及をされるということになるんではありませんかということを聞いているわけです。
○松尾政府委員 先ほど大変抽象的に申し上げたわけでございますが、現在進行中の防衛庁関連の事件について具体的に申し上げるのは差し支えがありますので、一般論として申し上げます。 ある犯罪を考える場合、それに数人が加担しているというケースでございますが、それぞれが共同して犯罪を実行しているという事実関係でございますと、先ほど言いました共謀共同正犯あるいは共同正犯としていずれも同じ刑責を負うということになろうかと思います。 ただ、なかなかそういう事実関係まではいかないまでも、実行行為者に対してそれを唆すといいますか、そういった程度にとどまっている場合は、先ほど言いました今度は教唆犯というような範疇で考えるべきものと思います。 またさらに、犯行を助けるといいますか、容易たらしめるというような関係にその者があるという位置づけになりますと、それは先ほど言いました幇助犯ということで処断されることになるんだろう、このように考えます。 以上でございます。
○東中委員 本件の場合についての判断を言っているんじゃないです。本件の場合はこういうことだということを私は言っているわけです。 この被告人二人は、国に返還すべき金額を利息等込みで八億七千四百三十三万六千円と過小に確定させ、当該金額の返還方法についても一括じゃなくて順次やるというふうにすること、そういう契約を結んだことが背任罪だと言っているわけです。その契約を結んだということの仕事をやったのは、この二人じゃないんです、この二人を含む調達実施本部の職員がやっているわけですから。だから、その職員は明白に共犯者になるんじゃありませんか。それはだれかとかそういうことを具体的に聞いているんではないんです。言っている趣旨、わかるでしょう。だから、それは共犯になるんじゃないですか。それを起訴するかせぬかはまた別の話ですね。どうですか。
○松尾政府委員 今委員お尋ねの内容は、まさに今捜査中の事件に密接に関連する事項でございますので、そのものについての判断を私から申し上げるのは適当でないと思いますが、一般論として申し上げれば、ある犯罪が複数の者によって行われたという場合に、その加功の程度といいますか、その犯罪に対して加わった程度はいろいろ考えられます。 全く事情を知らずに事務的にお手伝いしたということになりますと、犯意を欠くということでいわゆる正犯にはならないわけであります。しかし、事情は知りながらもその犯行に加わったといたしましても、先ほど申し上げましたように、一体としてその犯行を行ったという証拠関係があれば、先ほど申し上げたように共謀共同正犯あるいは共同正犯として同じ罪を負うことになります。 すべて具体的事案における証拠関係で、その者がどの程度加担しているか、あるいはその中には外形的な事実だけではなくて犯意の問題等もございますので、そうしたことを総合的に考えてその犯罪の実行行為の中での位置づけが決まってくる。それによりまして正犯か教唆犯か幇助犯かという認定が変わってくるということになりますので、すべて証拠によってどのように認定されるかということに尽きるかと思います。
○東中委員 一体となって組織体としてやった場合は、そういう証拠があればそれは共犯になるということを言われたと思うのですが、本件はまさに調達実施本部としての措置なんですから。本部の構成メンバーが一体となって組織体としてやったんですから。そういう性質、特徴なんですから、この事件は。だから防衛庁は、この二人が悪かったということでは済まないんだ。防衛庁の、調本の組織体がやったこと自体が証拠関係からいえば犯罪になるんだ、そういう性質のものなんだ。 公務員は背任罪だということを、こんなもの少なくするのはおかしいと言って、そういう意見を言うたという人もおるということを防衛庁の中でも認めていますわな、最新の見解では。だから、反対していたけれどもついにそれに従ってしまったということになっているわけですから、これはそういう性質のものなんだ。防衛庁が組織として、調本が組織として犯罪を犯した。ただ、起訴されていないだけのことなんです。特定の二人が悪かったという問題じゃないんだ。 もう一つ聞きたいんですが、こういう方法、要するに、訓令等に従って処理せい、それを処理しないで任務に反したといって背任罪になっているんです。ところが、この調本、調達本部長あるいは副本部長の組織的にいえば上司に当たる人たちですね、それは装備局長、経理局長、官房長あるいは次官、それから、防衛庁長官は上司に当たりますわね。その上司からこの本部長に、訓令等に従ってやれという、そういう責務を負うている本部長に、それに従わないでやってよろしい、やるのが妥当だということをもし言うたとすれば、そしてこういうことになったとすれば、これは上司が、長官まで含めて犯罪の対象になってき得るわけですよ。 そこで、私、防衛庁のこの事件についての見解というのは非常に重要だと思うのです。防衛庁はあのいわゆる上申書によりますと、こういうことが書いてあります。 東通事件の処理をする場合は、予定価格算定の訓令を当てはめることは本来的に無理があると言っています。それから、日本工機の例は別として、すべてのケース、要するにこの東通の場合ですね、東通のケースに当てはめることは適切でないと考えるというふうに書いています。 それから、訓令によっては客観的事案の処理は不可能だ、企業会計原則を入れて、相手方企業、要するに相手方との交渉によって決定するのが妥当であると。訓令によるんじゃないんだ、訓令以外に、企業会計原則にのっとった、そういう方法を入れてやるのが妥当である。 それから、訓令三十五号で、調達契約金額の中に入れてはならない、算入してはならないということを決めている訓令に、具体的に「非原価項目」という項目があります。入れてはならないと書いてある部分を、企業存続のために必要な場合は企業の原価計算基準にのっとって計上するようにするのが妥当だという趣旨のことを書いています。 これは、防衛庁長官までその内容を了承して出したものなんです。だから、起訴状でははっきりと、訓令等に従い処理すべき任務があったのにそうしないで大きな損害を与えた。そうしないようにしろということを、それが妥当だということが、長官が認めたものに入っているわけです。こういう場合は、実行行為者である本部長以下だけでなしに、それをやることに従うな、従わぬでやるのが妥当だということを、官房長なり次官も目を通し、そして久間長官にまでその内容の了承を得たと言っている文書に書いてあるわけですから、こうなると、これは一調達本部だけではないんです。防衛庁全体の行為になる、そう思うのですが、防衛庁長官、どう思われますか。
○額賀国務大臣 今、東中先生御指摘の件につきましては、当時、この過剰請求、過大払いの案件につきましては、どういうふうにこの問題を解消していくかという目安として、一つは予定原価あるいは実績原価の差をどうやって埋めるのか、あるいは東中先生がおっしゃるように、予定価格の訓令に基づいて算定をしていく考え方等々あったと思いますが、今回、東京地検で我々の調達本部の元本部長、副本部長を起訴されたという重い事実、それから、当時の本部の幹部の方が、当時の返還額の算定基準のやり方は誤っておったという見解を示されていること等々から、当時の考え方は覆っているものと認識をしておるわけであります。 防衛庁といたしましては、強制捜査権がない中で一生懸命調査をしたと思いますけれども、今から考えると大変配慮に欠けた点があり、国民の皆さん方にも不信を招いたということで残念に思っているわけであります。 したがって、これからはきちっと、新しい国の債権が発生したことになっておりますので、関係法令に基づいて手続をして、速やかに返還をしてもらうようにしていくことが防衛庁の仕事であるというふうに思っているところであります。
○東中委員 今、当時の見解ですね、訓令等によらなくてもいい、これは企業会計原則を適用してもいい、それが妥当だというふうに言ったことは間違いだったと言われました。だから今後はそういうことはしたらあかんと。 ところが、間違いの見解を、防衛庁長官まで了承して出されたわけでしょう。しかも、検察庁に出されているのです。その見解に従ってこの事件は起こったんですよ。そうではなくて、ちゃんと規則に従ってやらなければいけないのだということの見解を、官房長なり装備局長なり、あるいは次官、長官までちゃんと持っておって、それが徹底しておれば、そういうことはできないのです。ところが、そうではない。今言えば間違っておったということ、そういう見解に従って、だからこの行為が諸富氏によって、あるいは上野氏、もっとそのほかにいろいろな要素はあるでしょう、しかし、だめだということがちゃんとしておれば、そんなことにならないのです。 そこに問題があるぞ、だから、この事件については防衛庁全体の問題なんだということを防衛庁自身が認めなければだめです。それを認めて、あのときの見解は間違っておった、そういうことをやったことによってこの事件が起こったんだ、その責任をちゃんとしなければいかぬ、私はそう思うのですが、どうです。
○額賀国務大臣 東京地検で捜査、あるいは公判の過程で真相が明らかになっていくと思いますけれども、私どもも、自浄能力を発揮する意味で内部調査を進めておりまして、全体につきまして事実関係を明らかにし、そして、こういうことがはっきりしていった中で厳正な処置を考えていきたいというふうに思っております。
○東中委員 人ごとのように言われていますが、防衛庁、これは久間長官の時期でありますけれども、そういう指示をされたということを、あの見解を了承された、ということを、その見解に従って本件が起こったんだ、これは、だから二人の問題ではないのだ、防衛庁全体の責任だということを、これはもうはっきりそこを自覚しない限りは直らない。この事件の詳細がどうのこうのというような問題ではないのです。現に明らかになっていることだけで言っているのだからということを指摘しておきたい。 それから、もう一つ申し上げますが、その当時は、今あなたが言われたように、過剰請求過払い事案と今言われましたね。しかし、ついこの間まで、少なくとも七月、八月段階まではそうは言わなかったですね。原価差異事案、こう言うたでしょう。東通は原価差異事案として見ているんだ、それは水増し要求というような問題ではないんだしと、久間さんはそういうふうに答弁していますよ。そこから、過払いというような問題じゃないんだ、それは原価差異なんだと。原価差異といったら何か。上申書に書いていますよ。訓令に基づいてやった価格と実際に企業側が要ったと言っている価格との差なんだ、こう言っているのです。実際に企業側が要ったと言っていることがインチキかどうかということを抜きにして、それをそのまま聞いてきた。だから、これは全部返還する問題と違うんだ、企業の立場で防衛せねばいかぬのだ、こういう論理を展開しているでしょう。ついこの間までそう言っていたじゃないですか。 本件は、防衛庁全体として原価差異事案だという立場で、これは長官以下全部です、そういう方向で処理してきたのは実は間違いで、そして、水増し請求、過剰請求と言われましたね。それから、過払い事案というふうに見なければいけないんだというふうに転換されたわけですね。明白に変わったわけでしょう。その点、はっきりしてください。
○額賀国務大臣 私もこの案件について報告を聞いたときに、余り会計なんというのは詳しくないものですから、原価差異案件と聞いたときには何が何だかさっぱりわからなかったわけでございますが、実態的には過剰請求、過大払いということであろうと。私はもともと新聞記者育ちでありますから、物事を非常にわかりやすく、単純明快にすることがいいのではないかというふうに思っておりまして、参議院の外交・防衛委員会でしたかで、これは水増し請求事件であるというふうに述べました。言ってみれば、わかりやすく言った方かいいという思いであります
○東中委員 それは違うのですよ。あなたの個人的な見解じゃないのです。防衛庁として、原価差異事案などという、原価差異なんということの定義をわざわざやって、そして訓令に従わないということをやっておったことが、それはだめだということで変えたんでしょう。はっきりしなさいよ。
○額賀国務大臣 原価差異を根拠にすることではなく、予定価格を根拠にしてはじき出すのが適切ではないかという考え方に変えたわけであります。
○東中委員 だから、今までのやつは適切ではなかったと。そういうわけのわからぬ、聞いたって何のことかわからぬようなことを言って、そしてついに大変な事件が起こった、こういうことです。 もう時間がありませんので……。 東通関係は二十九億九千万ぐらいの過払いがあったということを、今検察庁で言っていますね。それは平成元年、八九年から一九九四年までの五年間でしょう。その前はこういう過払いはなかったのかあったのか。何も調べていないのです。なぜ五年にしたのかということについて言えば、商事時効が五年だから、こういうふうにこの前答弁していましたね。東通と随意契約でやってきたのは昭和二十九年、防衛庁ができたときからだそうです。私、そういうふうに聞きました。一九五〇年代からやっているのです。そして、全部随意契約で、こういう形でやってきた。今度たまたま初めて発覚したら、これは五年間だけさかのぼると。その前はどうだったんだと、調べないと。 検察庁は、時効の関係があってそれは調べないかもしれない。しかし、行政のあり方としては、こんな過剰請求を認め、過払いをして、国民に、国に損害を与えるようなことを組織としてやった。いつからやっているんだということをちゃんと調べるべきだと思うのです、決算としては。それをしなければ 防衛庁の立場は私は許されないと思います。資料がないからということじゃいけません、同じ方式でやってきたんだから。今は、今度は方式を変えたわけだから。 その点、二十九億に限らない。なぜ平成元年、八九年以後だけにしたのか。以前はどうなのかということについて調べるか、もうそれはええと、調べないか。その点どうでしょう。
○額賀国務大臣 聞くところによりますと、商法によりますと、決算書類の保存というのは五年間で、それ以上のことには遡及できないという建前になっているようであります。そういうことでこの五年間ということになったのではないかというふうに思っております。
○東中委員 そんなこと言っているのじゃない。それはあなた方はそう言ってきた。しかし、過剰要求を受けて国に過払いをさせた。その原因は、あんな原価差異なんというようなへんちくりんな言葉を使ったり、訓令に必ずしも従う必要はないんだ、従わない方が妥当なんだということを言っている中で起こっているのです。そういう事態はいつから起こっておったのかということは、行政のあり方として、調べるのが当たり前じゃないですか。それはもう一度んな悪いことをしておっても五年前なんだからということでは済まないと思うのですよ。五年間で二十九億円だから、そしたら、三十年間だったら六倍になりますよ、何百億になりますよ。むしろ前の方が調達額が多かったということもあるのですから。 調べますか、調べませんか。適正にやられていたと言えるようにやるかやらないか。やらないならやらないでいいですよ。そういう姿勢は許されないと思うのですが、いかがですか。
○額賀国務大臣 防衛庁としては、国の損失が発生したわけでありますから、国の損失をできるだけ早く返してもらうことを前提に、まず調査をしたというふうに考えます。
○東中委員 国の損失が発生したのではなくて、防衛庁の調達業務の中で発生させたのです、防衛庁は。だから、それについてちゃんと調べなさいということを私は言っているわけであります。 質問を終わります。
○原田委員長 次に、保坂展人君。
○保坂委員 社民党の保坂展人です。 今回の防衛庁の背任事件について、まず法務省の方に伺いたいのですが、国に対する背任という容疑で、過去、中央省庁に捜索が入ったり、あるいは逮捕者が出るという事例があったでしょうか。
○松尾政府委員 当局で把握している限りでは、そのような事例はございません。
○保坂委員 それでは、中央省庁の汚職事件で、つまり捜索があるということを事前に予測して組織的に証拠隠滅が行われたと認定されるケース、あるいはまた、その件で立件された事例が過去におありでしょうか。
○松尾政府委員 そのようなケースも承知しておりません。
○保坂委員 今回、政府機関内による証拠隠滅の疑いが濃厚であるというのはもう大変重大な事態で、しかもこれは、これまでの事例だとなかなか立件されなかったという事態なんですけれども、公用文書毀棄罪では立件された事例はございますか。いかがでしょうか。
○松尾政府委員 中央省庁のかかわりでそういう公用文書毀棄罪が立件されたというケースは、承知してございません。
○保坂委員 かつて金丸氏の事件のときに、上申書で罰金二十万円ということが猛烈な世論の反発、ひいては検察批判を呼んだということを思い返していただいて、この組織的証拠隠滅ということに対して厳しい措置をぜひ考えるように要請をしておきたいと思います。 続けて防衛庁に伺いますが、私、六月にこの委員会で、短い時間でしたけれども、いわゆる四社の返納の金利がそれぞれ違うということについて質問をいたしました。金利の相違についていろいろ説明を受けたのですが、これはずばり、NEC系列会社への優遇措置だったのじゃないでしょうか。この点について。
○額賀国務大臣 先生のお尋ねの件でございますけれども、返納にかかわる金利につきましては、正当な和解交渉の結果、過去五年の標準実績金利の平均率が使用されていたものと認識しておりまして、その旨を説明してきたと思っておりますが、今般、検察当局の起訴事実等により明らかになった事実を踏まえますと、かかる事案にかかわる返納額の金利としてどのような水準が適切であるか、今後検討していかなければならないというふうに思います。
○保坂委員 それでは、重ねて長官にお尋ねしますけれども、一括で返した企業が高い八・二五%という金利、そして新規契約でそこから引いていきますよという、企業にとっては非常に楽な返し方、これがいわゆる市中金利で行われた。これだけで、やはり普通はあり得ないことなんですね。ですから、こういうことについてやはり重大な問題意識を持っていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○額賀国務大臣 これは常識的に考えましても、今度の背任事件としての事実関係にも直接響く問題ではないかというふうに思っております。したがって、公判の過程で明らかになっていくのであろうというふうに思っております。
○保坂委員 それでは、きょう朝からの質疑の中で、額賀長官の答弁からも例えば不十分であったとか、あるいは政府委員からも不適切であったとか、あるいは前提としていたことが覆ってしまったとか、あるいは配慮に欠けて申しわけないという幾多のお話がありました。 そして、特に調本幹部が八億七千万円というのはきちっと根拠があるのだというふうに、そこを前提に置いていたことが、それはどうも違うということになってきたときに前提が崩れたということになると思うのですが、国会における審議のあり方ということを踏まえる意味でも、額賀長官の答弁あるいは前任の久間防衛庁長官の答弁も含めて、精査してみると、どうも事実と大分違うのじゃないかということが幾つか浮かび上がっているように思います。 そういうことを、もちろん捜査当局が刑事責任を追及するのですけれども、防衛庁の長官として、不適切あるいは不十分、あるいはこれは明らかに違うという答弁があったときに、それをきっちり調べて、国会に向けて、国民に向けて報告するという義務が生じると思うのですが、その準備はされているでしょうか。
○額賀国務大臣 今、一連の問題につきまして、私は就任と同時に、この問題は防衛庁と自衛隊のあり方、防衛庁と自衛隊についての行政のあり方が問われている問題であるという意識を持ちまして、この問題については、防衛調達の検討委員会、それから中長期的には自衛隊員の再就職の問題についての検討委員会等々を考えながら、将来の自衛隊に対する夢と希望を持ち続けなければならないという思いでそういう検討委員会を発足させたわけでございます。 したがって、そういう中で、こういうことが再び起こることがないようにしていかなければならないということだと思っております。 もう一つは、そういう調達システムのチェックをどういうふうにするかということ等々、あわせて、御指摘のあります、いわゆる組織的、大量的な証拠隠滅があったのかなかったのかということについてでありますが、この点についても内部調査をして、今聞き取り調査を行っているところでございます。 したがって、これまでの防衛庁の行政のあり方につきまして点検をいたしまして、そしてどこが間違っていたのか、そして、今後こういうことが起こらないようにどういうふうにすべきかということについては明らかにする必要があるというふうに思っております。
○保坂委員 本会議でも質問させていただいたのですが、上申書の問題もたびたびきょうの質疑で出てきました。 もう一つ、ほかの委員の方も触れられたのですが、調本の内部文書で、今回の行為が背任なら次も背任であるとか、あるいは検察の便宜主義、起訴見送りの制度自体が背任じゃないか、あるいは調本職員がもし背任なら報告を受けた会計検査院も同罪だというような中身の内部文書というのは存在したと複数のジャーナリズムの紙面に出ているのですが、これは本当に存在したのでしょうか。もし存在したのなら、これをやはり明らかにして、こういう認識をしていたこと自体が間違えていたと情報公開をきちっと行って、けじめをつけるべきじゃないでしょうか。
○額賀国務大臣 今保坂委員御指摘の件は、これまでの調査によりますと、調達実施本部の職員が東洋通信機事案等について個人的な考えを整理するために作成をしておったというふうに聞いております。したがって、あくまでも個人用のさまざまなメモをつくったことになっておりまして、これは外部にも限られた人だけにしか見せてはいないというふうに聞いておりまして、防衛庁としてこのメモをつくったということではないことを理解していただきたいと思います。
○保坂委員 私の方からも、あわせてこの上申書と内部メモを当委員会へ提出していただけるように、委員長に後でお取り計らいいただきたいと思いますけれども。
○原田委員長 今のお申し出については、理事会で協議します。
○保坂委員 もう一つ、長官に伺いたいのですけれども、この総務担当の副本部長は大変な経歴で、警察庁捜査二課長、長崎県警本部長を経て、まさに警察庁のキャリア官僚としての道を歩かれてきた方がこういった疑いをかけられている、あるいはどうも証拠隠滅のまさにその現場におられたということは大変重大な事態だと思います。ひょっとすると、防衛の分野あるいは装備品調達の分野は聖域である、実際のところ法の及ぶところではないのだというおごりがあったのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○額賀国務大臣 少なくとも私の感覚には、そういう聖域という言葉がとても浮かんできません。 私も戦後教育で育ってきましたけれども、政治の場というのはオープンで開放されなければならないというふうに思っておりますし、防衛庁は秘密性のある、機密性のある分野が多いところでありますけれども、この前もお話ししましたけれども、やはり国民の信頼と信任がなければ防衛の基盤はないわけでありますから、これは原則をオープンにしていくのが我々の考え方でなければならないということで、防衛が必ずしも先生のおっしゃるような聖域とは思っておりません。
○保坂委員 それでは、総務庁の太田長官に来ていただいていますので、当委員会で、十一月に、当時の防衛庁長官が中途確定契約のことをあえて出さずに一般確定契約であるというふうに答弁をしたり、あるいは六月三日でしたけれども、その前の安保委員会で、その原価資料は会社にないので決算資料で判定したということを事実上修正、六月三日にはそういった資料はあったかもしれないというふうに修正されたり、要するに、防衛庁の問題ももちろん問題なのですけれども、たくさんの時間と、そしてもちろん予算も、そして多くの国民の注目もある国会での審議を、行政改革という意味からも、そしてまた本当にスピーディーに国民の関心、そして意見を直ちに反映させる場でなければならないと思うのですね、国会の場は。 しかしながら、どうでしょう、国会の場で虚偽の答弁ということがもし行われたとしたら、それが故意であったかどうかという問題もまた残ると思いますけれども、事実ではない答弁があるのだとしたら、いかに審議時間を重ねても、これは解決の道は見えてこないと思います。そういう問題意識を恐らく長官はお持ちだと思いますので、あえて伺いたいと思います。
○太田国務大臣 国権の最高機関である国会において虚偽の答弁をするということがもしあったとすれば、まことに許しがたいことであるというふうに思います。 そして、それに対して、そういうことがあるとした場合にどういうことであるのかと言えば、これは、第一義的には、国家行政組織法で各大臣が公務員の服務に関する責任を負っているわけでありますから、それをどう判断するか。そして、刑事罰というのではないわけですね。議院証言法、証人ではありませんので、ないわけでありますけれども、それは国家公務員法、あるいはこの場合は自衛隊法であろうかと思いますけれども、その中で品位を汚す行為というふうなことにあるいはなるかもしれない。この場合には、防衛庁長官がその事実があったと判断をし、それがまことに重大な行為であるというふうに考えれば、そこで何らかの懲戒処分ということがあり得るということだろうと思います。 総務庁としてはどういうふうにこの話にかかわってくるのかといいますと、それは、総務庁設置法の中で各省庁の人事管理について、その計画やあるいは方針について、政府全体の統一保持上調整役をするということが総務庁の役目になっておりますので、消極的に解釈すれば、そのような省庁によってばらつきがあるということについて何らかの意見を言うというふうなことになってこようかと思います。 ただ、全体として公務員の服務については、服務管理という点では総務庁に責任がありますので、先般の閣議においても綱紀の粛正ということを申し上げたところであります。 今後とも、例えば、保坂委員や私もいたわけでございますけれども、公務員倫理法のようなものが明確に制定をされれば、その適正な運用の中でやるということが考えられると思います。
○保坂委員 今の答弁は大変前向きだと思いますけれども、アメリカの公務員倫理法制を調べていったときに、政府事項における欺瞞または虚偽の陳述の禁止というはっきりした罰則も含めた規定がございまして、日本の場合には、もちろん証人喚問、議院証言法に基づく偽証罪は別ですけれども、そういった罰則がない。しかし、国会の場で堂々と虚偽の陳述をするということは一応ないことになっているわけですね。しかし、現実には、微調整とは言えないぐらい答弁が変わっていったりするということに関して、我々も早急に、各党の皆さんと相談しながら公務員倫理法をぜひこの機会に議員立法で仕上げるということを考えたいと思うのですが、一方で、総務庁としても、国会審議において厳粛に事実をもってきちっと答える、そしてまた、その事実が間違ったときには答弁を訂正し、それを明らかにする、そういう真摯な姿勢を官僚の皆さんにはぜひ貫いていただきたいというのが国民の声だと思いますが、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 まず、虚偽答弁であったかどうかということについて私は知り得る立場にないものですから、虚偽答弁だという前提でもって私が答えるわけにはいかないということを御運解いただきたいと思います。 それから、国会答弁の誠実さということが求められる、あるいは努力を必要とするということは、私もそう思っておりますし、例えば情報公開法のようなものが今、今国会にも審議に入っていただこうとしておりますけれども、そういうものが一つ一つが積み重なって、国会答弁において、なるべくオープンに、誠実に答えるような土壌を我々は努力してつくっていかなくてはいけないというふうに考えております。
○保坂委員 それでは、防衛庁長官に再度伺いますけれども、長官はジャーナリズムの出身ということで、わかりやすく答えるのがポリシーだというふうにおっしゃったので、わかりやすく答えていただきたいのです。 先ほど、今回の問題の総括的な防衛庁の姿勢についてお話しいただいたと思うのですが、私が聞いた点は、今国会も含めて、ここ一年間、昨年秋以降、この問題がこの委員会で始まり、そして安保でも重ねられているわけですね。こういったことをきちっと振り返り、精査をして、そして間違いがあったなら、ここが間違っていたということを、防衛庁としていわば国会に対して誠実な姿勢を見せていただくという作業がどうしても必要になるかと思うのですが、その点に絞って伺いたいと思います。
○額賀国務大臣 お答えをいたします。 この東通案件につきましては、先ほどから申し述べておりますように、八億七千万円の算定根拠は非常に適正を欠いたものであったということについては、当時の幹部であった方もそういう見解を述べておるし、また背任事件で東京地検が起訴をされたという重い事実等も考えると、この点については私どもも撤回をして、そして新たな、これまでの根拠ではない予定価格の訓令等に基づく算定根拠によって国の損失を返していただくようにしなければならない。その手続を早急に、速やかに踏んでいかなければならないということで、一連の東通案件についての経過については撤回をさせていただいた次第であります。そこを御理解をいただいて、また、もちろんこれまでにさまざまな議論があったと思いますので、それはまたよく見て、反省すべきところがあれば反省をするということにさせていただきたいというふうに思います。
○保坂委員 時間が来たので終わりますけれども、ぜひ議事録を精査していただいて、違ったこと、明らかに不適当な答弁があったら、その答弁作成過程も検証して、行政上のけじめもぜひつけていただきたいということを要請して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○原田委員長 次に、鴨下一郎君。
○鴨下委員 長官、長時間でさぞかしお疲れだろうと思いますが、さらにまたこの後に参議院の方で委員会があるということでございますので、本来ならば、質問がすべて終わった段階で長官にもいろいろと伺いたかったのですが、まず先に伺っておきたいと思います。 そもそも、今回の東通を含めた一連の背任事件の発端といいますか端緒といいますか、このことにつきまして長官はいかにお考えになっているかということを率直に伺いたいと思います。
○額賀国務大臣 鴨下委員の御質問にお答えをさせていただきます。 この案件は、平成六年の二月、東洋通信機から提出された契約に関する原価計算の見積資料等に疑問がありましたことから、特別調査をいたしましたところ、加工費の工数計算に問題があることが判明をしたのがきっかけでございます。 その結果、調達実施本部におきましては、過去五年間にさかのぼり、過払い額約八億七千四百万円を返還させることとし、実施中、履行中の契約から減額補正を行ったというのが次第であります。 しかし、その後、今般の東京地検による、東洋通信機事案に関して起訴されたという事実、及び当時の一部関係者の返還額の算定は適正なものではないとの認識の提示等を踏まえて、事案発生当時の返還金額の算定は適切なものとは言えず、依然として国に損失が生じていると考えられ、この国の損失分については、東洋通信機に対しその返還を求めていきたいというふうに考えているところであります。 また、今月十二日以降、防衛庁において組織的に東洋通信機事案にかかわる証拠書類が大量に処分されたとの報道があったわけでありますが、これが仮に事実であれば大変な重大な問題と考えておりまして、検察当局による捜査の進展を見守るとともに、事務次官を中心として、この四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設けて、事実関係の徹底究明を行っているところであります。 本件問題は、防衛庁、自衛隊の行政のあり方を問われているというふうに認識しておりまして、私は今後、綱紀の粛正を図ると同時に、防衛調達制度検討委員会あるいは自衛隊員の再就職に関する検討委員会等を開いて、再びこういうことが起こることのないようにすると同時に、防衛庁にあるいは自衛隊に、夢と希望のある、そういう展望を開いていかなければならないというふうに思っているところであります。
○鴨下委員 私は最後に申し上げたかったのですが、たまたま先ほど若松議員が発言なさって、その中でまさしく私と同じような考えを述べておられたのですが、こうしてずっと答弁席の方のお顔を拝見していますと、長官だけが、言ってみれば国民から選ばれた人間でありまして、それ以外は、皆さん役所の方であります。 そうしますと、国民が今回この問題について一番、言ってみればフラストレーションのある問題は、真相がどういうことだったのか、そしてさらにそれについての責任をどういうふうにだれが追及するのかというような問題につきましては、私は、長官は国民に向けてといいますか、国民と同じ視線で防衛庁の問題に当たるべきだ、こういうふうに思っておりまして、まさに鬼ケ島に乗り込んだ桃太郎なんだろうというふうに思っておるのですね。 ですから、そういう意味で今回の話というのは、先ほどから非常に誠実にお答えになっておりますけれども、私は、今の答弁の中だけじゃなくて、もっとさかのぼって問題があるような気がしているのです。 それは、先ほどの答弁の中にもあったのですが、フィリピンで明らかになった防衛秘密文書が流出した事件で、バッジシステムの問題がございましたけれども、このときに一番立て役者だったのが、ある意味で上野被告。この後に防衛庁は、資料流出事件を契機に防衛関連の秘密資料などの管理強化に乗り出し、九一年八月に財団法人防衛生産管理協会をつくった、こういうような経緯があるというふうに承っているのです。このあたりのところで、言ってみれば、調本の中で上野被告が重要な役割を演じ、なおかつさまざまな関連企業との間の関係が強化されていったのではないか、こういうふうに私は解釈しているのです。 長官のお立場でお答えになれない部分もあるかもわかりませんけれども、このあたりのところに私は今回の事件の最も根源的な始まりがあるのだろうというふうに考えるのですが、それについていかがでしょうか。
○額賀国務大臣 個人的な名前はともかく、背任事件ともかかわる部分については東京地検で明らかにされていくと思うし、公判でも明らかになっていくと思っております。それから、それに関連する防衛庁内の内部調査によっても事実関係を明らかにしていくことが、国民の信頼を回復する第一歩というふうに私は思っておりまして、各種の委員会でも言っていることでございます。 今、鴨下委員が御指摘のように、防衛調達本部の企業関係のあり方については、これは、昭和二十九年に防衛庁が発足して以来、今日まで四十四年間続いてきたわけでありますけれども、先ほども説明しましたが、調達本部の横割り的なチェック体制が余り十分に機能していなかったというようなことも考えなければならないし、今後ここをきちっとしていく、チェック体制をきちっとして、信頼性を持って透明性を確保していくことがまず大事であろうというふうに思っておりまして、鴨下先生の御指摘の点をよく踏まえて考えてまいりたいというふうに思います。
○鴨下委員 それじゃ長官、次がおありでしょうから、もうこの辺で結構ですから、どうぞ。 それでは、防衛庁にお伺いしたいのですが、この財団法人防衛生産管理協会、これの設立の意図といいますか、そのことについて伺いたいと思います。
○及川政府委員 お答え申し上げます。 生産管理協会の設立の目的は、防衛装備品の生産等に関します技術情報管理の重要性についての認識を高めるとともに、安全保障に関します幅広い知識と国際情勢の正しい認識のもとに、防衛装備品の技術情報管理に対する正しい理解と知識を広め、さらに、防衛装備品の技術情報管理の向上について奨励、助成し、もって防衛基盤の育成強化に寄与するということになっております。
○鴨下委員 それが九一年の八月に設立されたということについての経緯はいかがでしょうか。
○及川政府委員 昭和六十二年にいわゆるココム事件、東芝ココム規制事件というのがございまして、そのとき以降、非常に防衛装備品等に関します技術情報の管理あるいは保全というものの重要性が認識されたわけでございます。こういった背景を受けて、主要な防衛産業の方々が発起人となって設立されたというふうに聞いております。
○鴨下委員 先ほど指摘しましたフィリピンでの防衛秘密文書の流出事件は、直接の動機にはなっていないのですか。
○及川政府委員 確認できておりません。
○鴨下委員 今は確認ができないのでしたら、確認をして後日お答えをいただきたいというふうに思います。 今委員長をなさっている原田委員長が去る平成九年十一月十二日に本委員会で質問をしたことにもかかわるのですが、一つは、FMS関連の輸送を請け負っていたエム・ティ・エスは、防衛生産管理協会と丸紅が出資してできた会社であるというふうに承っています。同社が防衛庁のFMS関連の輸送業務及び管理業務を随意契約で独占して受託していた、さらに、管理業務を防衛生産管理協会に丸投げしていた、こういうような話が当時議論されていたのですが、ほぼ一年たちまして、これが実際に事実だったのか。それから、なぜこういうような事態になっていたのか。それからさらに、その後のこの一年の経緯を経て、今後の対処方針についてどうなっているのかを伺いたいと思います。
○及川政府委員 調本におきましては、御指摘のFMSにより調達されました装備品のアメリカからの輸送役務につきまして、昭和三十一年度から昭和五十五年度までは、輸送の実施能力等を有します商社等による見積もり合わせ、随意契約または指名競争契約により実施してきたところでございますが、昭和五十六年度以降は、丸紅以外に当該競争に参加し得る企業がございませんでした。したがいまして、丸紅と随意契約を実施してきたところでございます。平成七年度の途中から平成九年度までは、丸紅からFMS輸送役務の譲渡を受けましたエム・ティ・エスと随意契約を結んで実施してきたところでございます。 なお、調本におきましては、近年の輸送業務が発達している状況等におきまして、経済性及び透明性を確保するという観点から随契を廃しまして競争契約に移行するための調査を行いました結果、五社が指名競争契約が可能であるということが判明いたしましたので、平成十年度の後半、十月から三月までの間でございますけれども、この契約につきましては、本年七月、当該五社による指名競争を実施したところでございます。その入札の結果、郵船航空サービスという会社が落札し、契約相手方となっております。
○鴨下委員 防衛生産管理協会に管理業務をすべて任せていたということについては、事実なのですか。
○及川政府委員 輸送の業務ではなくて、FMSの受託業務のうち……
○原田委員長 ちょっと聞きにくいから、もうちょっと大きい声で答弁してください。
○及川政府委員 FMSの受託業務につきましては、エム・ティ・エス社から生産管理協会にデータベースの作成について下請をさせていたというふうに聞いております。
○鴨下委員 データベースだけが、一〇〇%全面的にということだったということで理解していいのですね。
○及川政府委員 さようでございます。
○鴨下委員 もう一つの件なのですが、航空機保険の代理業を行っているヒユウも防衛生産管理協会が出資してできた会社だ、防衛庁の試験飛行の際に機体メーカーが損保会社と結ぶ保険契約については、すべてヒユウを代理店として契約をすることになっていた、こういうふうに聞いておりますけれども、それでよろしいのでしょうか。
○及川政府委員 御指摘のヒユウは、平成六年度予算において航空機の保険が充実されたことを契機といたしまして、同年の五月に、航空機製造修理会社の系列の保険会社並びに生産管理協会等により設立された会社でございます。 生産管理協会につきましては、その設立の際、賛同いたしまして出資をいたしましたけれども、現在は、保有しておりました株式の処分を行ったと聞いております。 なお、ヒユウの設立以降、その製造修理会社は航空機保険の代理店の一つとして当該会社を使用していると承知しておりますけれども、防衛庁としては、ヒユウと直接契約いたしたことはございません。
○鴨下委員 そのヒユウが設立される以前は、この保険契約についてはどういうふうになっていましたか。
○及川政府委員 細かい資料を持っておりませんけれども、恐らくそれぞれの会社の系列の保険会社等を通じて行っていたのではないかというふうに思っております。
○鴨下委員 言ってみれば防衛庁OBの天下りの財団が、保険契約をその後に独占していったというようなことについての経緯と、それから、そもそもそれは不適切なことなのだろうと思いますが、どうしてそういう事態になっていったのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
○及川政府委員 ヒユウというものは民間の方々が設立したものでございますので、その詳細について承知しているわけではございません。 発起人及び設立時の役員にはいずれも防衛庁の退職者が就任をいたしていることは事実でございまして、その範囲では、防衛庁の退職者に関する方々たちがこれに関与したということは事実でございます。 いずれにいたしましても、ヒユウの設立につきましては、防衛庁としては、豊富な経験を有します退職者の情報というものが提供されたのではないかというふうに思っております。
○鴨下委員 いや、聞いているのは、要するにそこに一元化されていったという経緯について教えてくださいと言っているのです、それ以前はそれぞれ随意に各保険会社と契約していたという話を今おっしゃっていたものですから。その後に全面的にヒユウが扱うようになったということについての経緯を教えてください。
○及川政府委員 先ほど申し上げましたように、平成六年に航空機にかかわります保険の予算等が拡大充実をいたしたわけでございます。それに伴いまして、例えば実際に航空機事故が生起したような場合に、これらの会社と防衛庁との間で、損害の調査、損害額の算定を初めといたしました種々の調整等の業務が必要になると思いますが、それらを効率的かつ適切に行うという点で退職者等の知見を受けるのが適切ではないか、こういうことだったのではないかと思っております。
○鴨下委員 余りすとんと胸に落ちない答弁でありますけれども……。 続きまして、もう一つは、先ほどの、防衛秘密文書がフィリピンで売られそうになった、この事件にまつわる話の中で、私は、それが一つの契機となって防衛生産管理協会ができていったのではなかろうかというふうに私ながらに考えているのですけれども、これはうわさの話で、事実はどうなのかというのを伺いたいのです。 例えば、その後に、民間企業に対して、防衛関連の秘密資料などを管理していくために防衛庁からそれぞれの警備会社等に再就職していった、こういうような話が聞こえてきているのですが、これは事実、ありますか。それとも、そうでないのですか。
○坂野政府委員 お答えいたします。 防衛庁OBの警備を専業とする会社への再就職ということについてお答え申し上げますと、売上高が上位のものについて見れば、過去五年間、平成五年度から平成九年度までに離職した一佐以上の自衛官及び行政職(一)十級相当以上の事務官等で離職後二年以内に就職した者は、綜合警備保障会社十名、セノン六名、セントラル警備保障七名でございます。
○鴨下委員 ここから先は憶測なのできょうは余り議論しませんけれども、そういうような会社と防衛関連企業との間での、言ってみれば契約を、例えば防衛生産管理協会が口をきいたり、それからそれを受託して丸投げする、こういうようなことがもしあったとすれば非常に問題があるのだろうと思いますが、もしそういう事実がなければ、明確に否定をしていただきたいと思います。
○及川政府委員 大変恐縮でございます、生産管理協会と警備会社の関係ということでございますか、先生の御指摘は。(鴨下委員「そういうことです」と呼ぶ)私どもとしては、今、その両者の関係等については聞いておりません。
○鴨下委員 それぞれマスコミの中にはいろいろな、ヒユウの問題、それからエム・ティ・エスの問題、そしてそれに深くかかわっている防衛生産管理協会の問題がありますけれども、いずれにしても、今回の調本の上野副本部長が関連していた、専務理事をしていたわけですから、防衛生産管理協会そのものが果たして必要なのかどうか、こういうようなことについて私は疑問を感ずる部分があるのですが、防衛庁の見解を伺いたいと思います。
○及川政府委員 生産管理協会は幅広い仕事をしておりますけれども、一つ大きな役割が防衛に関します情報の管理でございまして、それにつきましては、それなりの公益性というのを現在もなお持っているのではないか。 いずれにいたしましても、それに関する啓蒙普及等々の公益性のある仕事というのは、どこかの機関で行わなければいかぬのではないかというふうに思っているところでございます。
○鴨下委員 それが当該協会でされるべきかどうかということについて、もう一度考え直さなければいけない時期なのかなというふうに思うのですが、検討する余地はありますか。
○及川政府委員 先ほど大臣もお答え申し上げましたとおり、生産管理協会の元専務理事でありました上野被告が逮捕されるというようなことにもなったわけでございまして、そういう点で、直接の関係はないかもしれませんけれども、生産管理協会というものがなお今後とも重要な役割を担うべきであるかどうかというのは、公判等も見ながら考えていきたいというふうに思っております。
○鴨下委員 ぜひ、そのあたりは言ってみれば国民が一番疑問に感じている部分でもありますから、防衛庁の信頼回復というような意味も含めて、再度、最も透明に、なお機密をきちんと管理できる、そういうシステムは一体どういうことなのかということを御検討いただきたいというふうに思います。 次に、会計検査院に来ていただいておりますけれども、新聞の見出しで恐縮なのですけれども、毎日新聞の九月二十四日付「調本に再三だまされる」、こういうような大見出しがあるのです。 私は、会計検査院はそれなりの権威を持ってきちんと仕事をしているのだろうというふうに思いますけれども、こういうような見出しが実際にちまたで躍るということは、残念ながら、会計検査院そのものの調査能力もしくは権威にかかわる問題だろうというふうに思います。今回の防衛庁の調達をめぐる事件においても、会計検査院そのものに、構造的な問題だとか、それから検査が多少甘かったというようなことについての問題点があるのではなかろうかというふうに思います。 今回、検察先行でこういう事実が表に出ていったわけでありますけれども、会計検査院そのものの問題点について、どういう問題があるということがもしあれば、お聞かせいただきたいと思います。
○疋田会計検査院長 お答えいたします。 私ども会計検査院といたしましては、防衛庁はその予算規模などにかんがみまして非常に重要な検査対象であるというように位置づけまして、従来から鋭意検査に取り組んできているところでございます。これまでに、正面装備を含めましてさまざまな問題について指摘をいたしまして、当局に改善を求めてきたところでございます。 今回の事案につきましては、平成六年二月ごろ、調達実施本部の方が独自の調査の結果事態を発見したものでございます。そして、同年の六月に私どもが報告を受けました際に、生産方式、技術新法、こういったものにより生じた見積価格と実績価格との原価差異を補正するものであり、防衛庁として適切な措置をとったという説明を受けたものでございます。 私どもといたしましても、その報告内容について必要な検査を行うなどして、可能な限り事態の解明に努めてきたところでございますけれども、原始伝票あるいは作業日誌、こういったような原資料の保存が義務づけられていなかったなどのために、契約別の工数チェックができませんで具体的な金額の検証が困難であったということについて、御理解をいただきたいと思います。
○鴨下委員 半分ぐらいは理解しますけれども、とにかく今回のは事件そのものが国に対する背任というようなことでありますから、それをきちんと明らかにできなかった会計検査院の責任というのは非常に重いのだろうというふうに思います。 そのような反省を踏まえて、今後の措置についてどのようにお考えになっているか、このことについてお伺いいたします。
○疋田会計検査院長 今回、本件装備品の調達にかかわります事案が司法当局による強制捜査の対象となったことにつきましては、まことに遺憾でございまして、このような事案が生じましたことにつきまして、私ども会計検査院といたしましても強い衝撃を受けているところでございます。 今後は、今回の事態を踏まえまして、司法当局による事態の解明を見守りながら、本院といたしましても、これまでの検査の方法に改善すべきところはないかどうか、早急に点検いたしたいと考えております。 例えば、今後は、事態の解明に有効と思われるような場合には会社検査、従来は、会社の協力を得まして防衛庁職員立ち会いのもと、いわゆる肩越し検査という形で検査を行ってまいりましたけれども、私どもの活動の基本となっております会計検査院法上では、第二十三条という規定がございまして、会社に対して直接検査を行うということもできることになっておりますので、必要に応じてこういった権限を行使いたしまして、検査の実施に最善を尽くしてまいりたいと考えております。 それからまた、さらに現在防衛庁の方で装備品の調達システムについて抜本的な見直しを行われるということを承っておりますので、私どもといたしましても、気がついたところにつきましては忌憚のない意見を申し上げまして、より適正な調達システムとなるよう私どもなりに御協力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○鴨下委員 きょうの午前中からの議論の中にも出ていますけれども、会計検査院から検査の対象になるようなところに天下りがあったり、防衛庁関連でいいますと公益法人、特に、例えば防衛生産管理協会への会計検査院からの天下りのようなものがあったのか、もしくはそれ以外の防衛関連企業への天下り等があれば、これはもう、最初の毎日新聞の中での「調本に再三だまされる」なんという問題じゃなくて、いわば意図してだまされているようなことだって疑われても仕方がないのだろうと思いますが、この会計検査院の天下りの件について、どうお考えになって、どう対応しようとしているのか、お聞かせください。
○疋田会計検査院長 本院職員あるいはかって本院の職員であった者の再就職、再々就職につきましては、基本的に次のような考え方で対応することにいたしております。 まず、外部から、組織としてその経理業務等の適正を期すために、かつて会計検査院職員であった者の豊富な検査経験を活用させてもらいたい旨の要請がございました場合に、本院といたしましても、適任と考えられる人材を選定いたしまして、その人材を推薦するなどして要請に応じてきているところでございます。 今後とも、職員の再就職の推薦に当たりましては、本院の公正な検査にいやしくも疑念を持たれることのないよう心して事に当たってまいりたい、このように考えております。
○鴨下委員 我々だけではなかなかうまくいかない部分がありますので、ぜひ会計検査院に頑張っていただかなければいけないわけでありますけれども、微妙な利害関係が生じないように、くれぐれも御注意いただきたいというふうに思います。 それから、防衛庁の方に再度伺いますけれども、今いろいろな事実究明についての議論がなされているわけでありますけれども、それと同時に進めていかなければいけないのは、今後、再発防止のための構造的な改革というのを進めないといけないのだろうと思います。防衛調達制度調査検討会というものができて、そしてその中で、さまざまな問題点、そして改善すべき点についていろいろと議論がなされているというふうに聞いておりますけれども、そのことについてお答えをください。
○及川政府委員 御指摘の防衛調達制度調査検討会は、第一回の会合を先週の二十四日に開催をさせていただきました。 その場で委員の諸先生方にお示しいたしました検討課題は大きく六つございまして、供給ソースの多様化を追求すること、それから、第三者の有識者の方々によります調達契約及び履行に関する監視制度の導入、言ってみれば、仮称でございますが、契約監視委員会といったものが設置できないかという問題、さらに、問題になりました原価計算方式等の今日的な妥当性といったものの検討を踏まえました訓令等の見直しの必要性、さらに、過払い事案業務処理に関します統一的かつ明確な基準の策定、さらには、企業側に提出を求めます資料の信頼性を確保するための契約条項の検討、そして最後に、各機関、私ども調達機関がたくさんございますけれども、それらの契約を取りまとめましてマクロ的に一元的にチェックするための体制の整備等々を検討したいということで、御了承を得たところでございます。
○鴨下委員 同時進行という意味は、真相究明、まだまだすべてが明らかになったというふうには我々も思いませんし、国民もそういうふうに考えているのだろうと思います。 そのことで今防衛庁の中でいろいろと内部調査を進めているのだろうと思いますけれども、結果的にはなかなか、人員的にも、それから時間的にも非常に窮屈だという話を聞いております。そして、それとは別に、今度はマスコミの方から新事実がどんどんどんどんこういうふうにわき上がってくる。 こういうようなことで、集約してきちんと国民に納得できるような形での真相究明というものをさらに進めていただきたいという意味で、長官、お出になりましたけれども、長官にも後ほど申し上げておきたいと思いますが、長官が先頭に立ってこの問題については取り組んでいただきたいということと、それから、防衛庁はさらに、今お話しになったような問題点について、今後とも、二度とこういう問題を起こさないために一体どういうふうな組織の改革が必要なのか、このことについて、ぜひ国民にわかるようなオープンな議論の中で結論に至っていただきたい、このことをお願いを申し上げたいというふうに思います。 いずれにしましても、防衛庁の本来の業務というのは国民の生命財産を守る上でも非常に重要な役割を担っているわけですし、それが国民の信頼が損なわれる、もしくはそういうことによってさまざまな疑いを受けるというようなことは大変残念なことでありますし、中でそれこそ使命感を持って活躍している方々だってたくさんいるわけでありますから、そういう人たちの士気にもかかわる問題であります。とにかく早く、出すべきうみはすべて出して、新たな気持ちでもう一度やっていけるような、こういう体制を整えていただきたい、このことを最後にお願いを申し上げたいと思います。 どうもありがとうございました。
○原田委員長 次に、栗本慎一郎君。
○栗本委員 防衛庁長官も御不在になられましたし、本日の決算行政監視委員会は一般質疑でございますので、お許しをいただきまして、非常に短い時間でございますけれども、総理府所管の日本学術会議に関しまして御質問申し上げたいと思います。 本日は、十五分の時間しかございませんので、ぜひてきぱきとお答えいただきたい。また、問題自身は大変大きゅうございますので、引き続いて取り上げていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、総理府から佐藤官房審議官がおいででございますが、日本学術会議といいますと、予算は、平成十年度予算額で十三億円であります。この八十兆円になんなんとする日本国政府の予算の中で、いかにも比率的に少ないように思いますけれども、これに関して、まずどのように総理府としてお考えになっているか。これで目いっぱいなのか、あるいは文部省の私学予算のように非常に、ふやしたいのだけれども財政当局とのかかわりにおいて少ないというふうになっているのか、その辺について御意見をまず賜りたいと思います。
○佐藤(正)政府委員 日本学術会議の平成十年度一般会計歳出予算、今先生おっしゃったように、十三億六百万円でございます。 その内訳につきましては、第一に、総会、部会、それから委員会、研究連絡委員会等を開催するための審議関係費として二億九千六百万円、それから第二に、国際学術団体への加入分担金、学術国際会議の開催経費等の国際学術交流関係費として三億六百万円を計上いたしております。それから、会員の推薦関係費として二千三百万円、それから学術会議の事務局職員の人件費等一般事務処理経費として六億八千百万円という内訳でございます。 主として会議を開催する経費であるということで、文部省に計上されているような予算と若干質が違うということで、これでとりあえずは足りていると当方としては考えております。
○栗本委員 特段に何倍にせいという要求をこの間されていないということでございますが、十三億円の中身。 この学術会議の性格は、例えば、研究所あるいは大学と同一でございませんが、比較的類似のものだと考えております。そういたしますと、例えば公立大学で、一学部二百人、二百五十人ぐらいで、年間事務経費全部まとめて十億円、それは人件費を含めてです。ですから、会議費等に関しましては、実は何千万円とかいうふうなケースのところが多々ございます。 そういう意味で、今の十三億の中で、審議関係費で約三億、国際学術交流関係で三億、会員推薦関係で二千三百万、合わせて六億を超すというのは、実は一つの大学、小さい研究所において、そういう関係の経費の大ざっぱに見て十倍以上あると考えてもいい。絶対額は少ないのですが、日本の貧しい学術研究に対する予算の中では、ある意味で膨大な経費であるというふうに、もっと膨大にしなければいけないという立場もありますけれども、というふうにお考えいただきたいというふうに思うわけであります。 したがって、これが、科学者の国会と言われます学術会議の会員によって使われるということは構わないと思いますが、これを行政の立場から見ますと、今PFIというふうに言われております、ある意味で民間から、それは東大の先生もいる一これは公務員ですけれども。慶応の先生もいれば、民間からその予算の配分をどう使うかということを決める。ある意味で理想的な形になっているというふうにも言えると思うわけですね、大蔵省の職員が大蔵省で働いて大蔵省の予算を、あるいは通産省の職員がそれを使うのと違って。そういうところからぜひお考えいただきたいのです。 ここで、時間がございませんから、後ほど理事 会に御提出いただきたい。 実は、ある意味で非常に潤沢とも言えるその審議関係費それから推薦関係費というのは、一体どのように使われているのか。二億、三億というのは、私は大学に長い経験がございましたが、どのように使われているのかということについてすぐにその見当がつかないような額であるというふうに言えると思います。 恐らくこのことは、日本の政府と学問、科学との関係においては、相対的に大きな、絶対的には少ないのですが相対的に大きな額であるために、かなりの関心を持って――突然私の質問の前に傍聴の方がふえましたから、御関心だろうと思います。そのことも、決して小さな問題ではないということを逆に傍証していると思います。 したがって、この会員になる、これは科学者の国会でありますから、かつては選挙で選ばれていたわけですね。私も投票したことがございますが、公職選挙法に基づかないために意外にも不明朗だったり不適切な選挙行為が一部特定の学術政治勢力によって行われているということが非常な問題になりまして、そしてこれは現在は、何制といっていいかわかりませんが、いわば推薦制といいましょうか、実績制といいましょうか、そういうものになってきているわけであります。そこの部分が、会員をだれにするかということを決定したり、つまり議員を議員が選ぶのですね、一言で言いますと。決定したり、それから科学者でない者も入れるようになっているというふうな、中の実績、学会運営の実績が考慮されているとか、私はおかしいと思うのですが、しかし、そうなっています。 それで、これは議員の国会、議員個人の方でありますが、もう一つ、政党に当たると言うとおかしいですけれども、学術研究団体、登録された学術研究団体というのがある。これは学会であります、現実には。 この学会が、やはりこれに登録されませんと、この予算の配分といいますか、使用ももちろんでありますけれども、もう一つは、日本国政府がこの学術会議を、いわば公認といいますか、総理府の機関としても認めているわけですから、日本国政府として、ここの国会で認められた学者は偉い、学問は偉いということになる。別にそんなことを我々が、私も学者でありましたが、政府が偉いと言っているから偉い、そんなもの偉くないのだと言えば終わりのようなのですが、実は、審議官もおわかりだと思いますが、文部省の予算にも関係する。 科学研究費というのが、これは文部省の予算でございますが、そちらの配分は、現実にはこの学術会議の会員を中心として、あるいは推薦によってほぼ決定されてくるというようなことがございます。つまり、十三億以外にかなりのオーソライゼーションが行われている。 そしてまた国際的には、これは私の知人の学者で現実にあったことですが、国際的に非常に高く評価されている業績であるにもかかわらず、文部省の科研費がカットされるということがあって、その研究には民間からもかなりの支援があるから、少し減るけれども実際にはある程度やれるのだけれども、しかし、日本国としてこの研究を認めないのかというふうな問題が発生しまして、文部省が苦慮いたしまして、別個の予算をつけたという例もございます。 実は、非常に大きな問題としてこの学術会議のことが長年、ある意味で不明朗だと言われる部分も含めて問題になってきている。ところが今回、今比喩で申し上げましたいわば政党に当たる、政党に当たると言うとやや語弊がありますけれども、わかりやすく申し上げます。学術研究団体が登録を申請したところ、門前払いをされるという事件があった。門前払いというのは、学会としてちゃんとしているかもしれないけれども、うちにはこの分野は関係ないよということを、推薦管理会、推管、推管と言っているところがそういった判断をしたわけであります。 このような、今訴訟になっている。こういったことで訴訟になるというのは極めて異例な事態であり、一般的に言いますと、訴訟する者あるいは団体が異常であるか、あるいは起こさせる方が異常であるか、どちらかだと思いますけれども、このことについては、審議官、御承知でありましょうか。
○佐藤(正)政府委員 今訴訟になっているのを知っておるかということでございましたが、日本学術会議の会員選出につきましては、学術研究団体を基盤とした推薦制度によっております。これは、先生おっしゃいましたように、昔は選挙制度でございましたが、昭和五十八年の改正で推薦制に改まっております。会員の候補者の選定手続に参加することを希望する各分野の学術研究団体、学会でございますが、これは、学術会議に対して登録の申請を行うことができます。学術研究団体が所定の要件を満たすものであるときは、登録学術研究団体となりますが、先生御指摘の団体につきましては、研究連絡委員会と申しますが、学会の分野ごとにいろいろ窓口をつくっておりますが、そこに関係があると指定された委員会につきましては、推薦管理会の中で、関連が希薄であるという判定が下されたということは承知いたしております。その結果、ことしの四月に訴訟が提起されたということも承知をいたしております。
○栗本委員 今の具体的な問題にとりあえずちょっとだけ入らせていただきます。 システム監査学会というのがございます。システム監査というのは、監査とついておりますから、非常に会計学に近いような感じを一般的に受けますけれども、現在、経営では、コンピューターを使ってさまざまなデータ処理をして、それをどのように経営に生かすか、使っていくかという形になっておりまして、これは、いわば意思決定論というのが他方である。やや専門に立ち入りますが、意思決定論というのは、完全に経営学として考えられている。監査学会だから監査だということじゃなくて、システムでありコンピューターであるところの問題がございます。 実はこの件、やや先走りますが、参議院の決算行政委員会ですか、参議院の方に、この問題に関して質問主意書が山口哲夫議員より昨年の十月に提出されておりまして、いわばこのシステム監査学会が経営学に当たるか当たらないか、分野の関連が希薄かということについてですが、何と内閣総理大臣の答弁書が九七年の十月におりております。 これは経営学等に非常に関係のある分野であって、政府も重用している、通産省ではそのことを、これは経営にかかわるものだ、単なる、単なるとは申しわけございません、この点に関しては会計学だけではないんだ、そうですよというような、何と、これに関しては随分丁寧な、総理大臣からの答弁書がおりているということがございます。 これについては、今裁判になっておりますからとりあえず立ち入りません。しかし、恐らく裁判所も答えを出さなければ――門前払い、そういうことは我々は考えたくないというのであればともかく、何らかの答えを出すのであれば、その分野の関係が希薄だとか、まず常識的に言えないだろう、そういうものなのですが、昨年の五月に、このシステム監査学会が書式一式完全に整理いたしまして、形式要件は全部クリアしております、それで申請をいたしましたところ、推薦管理会によって却下された。 理由は、関連が希薄である。当然、びっくりいたしましてなぜ希薄なのかということを出しましたら、答えは、我々は却下する権利があるんだと。そうなのですよ。却下する権利はあるのですよ。しかし、なぜ希薄なのかというのは、これはほぼ常識にもとるものでありますから、私はちょっと先走って申し上げれば、推薦管理会がきちんとした学者によって構成されていないために、監査という言葉にだまされたのかなと思ったりいたします。 私はこんなようなことを言っておりますが、たまたま決算行政委員会の委員であると同時に、一般の学者といたしましては、各大学及び各学問の内部には立ち入りません。しかし、この学問がどのような位置にあるのか、どういう関係になっているのかということを評価したり発表したりしている、そういう立場でございまして、一般の常識以上に詳しい、専門家であると思っているのですが、これは理解できない。それに対する答えは、我々は却下する権利があるからいいんだと。それは、却下する権利はある、決定する権利もある。しかし、中身について答えなければならないだろう。それはなかった。全く木で鼻をくくるような答えであったわけです。 それだけではございません。その後、このシステム監査学会の主張するところによりますと、訴訟を取り下げろという運動といいますか、圧力があった。 ごく端的に申し上げれば、学会の現金長は一橋大学名誉教授の宮川公男先生であり、現麗澤大学教授でありますけれども、前システム監査学会をリードされてまいりました東工大の名誉教授である松田武彦先生というのがおられる。この方からの私信で、いわば、訴訟は穏やかではないからやめた方がいいのではないかというような私信が来たのだけれども、実は松田先生は、もう自分で署名されたり電話に出たりすることもできない。だから、奥様が自分で書くか、奥様が手を添えて書くのでないと、だからお手紙は書いていないわけですけれども、それは学術会議事務局がワープロでつくった文書を持っていって、これにこうやって書いてくれないかというのではないかというような、断定はいたしません、疑惑も発生いたしまして、いわばこじれてといいますか、訴訟に至ったわけでありますが、今日に至ってもこの問題は決着はついておりません。 最終的にきようの段階で一つ御質問申し上げます。また、その過程で、つまり、会員を決めるべき推薦管理会のメンバーが公表されていない。だから問題は、最初、この決定に関して、まさに意思決定論の専門家でありまして、どういう意思決定がだれによってなされたのかが問題になったのですが、そのりちに、どういうというよりも、だれによってかがわからないという話になった。だれによってかわからないというのは、実は、かつては選挙でやっていた会員を決める非常に重要な委員会が、だれが構成して、どういう形になっているかわからない。意思決定の過程が明確ではないという形になったわけであります。 このことについて、私は、訴訟のいかんにかかわらず、せっかく選挙をやめておかしなことのないようにしたはずなのに、よりおかしなことになっているではないか。そのことによって先ほどの金額、相変わらず、相対的には小さいけれども絶対的に大きい、あるいは絶対的に小さいけれども相対的には大きいというような、日本の学術風土の中では大きなものであるのは間違いございません。その辺に関して、官房審議官、この学術会議の運営、意思決定のあり方というのは、我が国が政府としてお金を出しているにもかかわらず、非常に問題があるのではないかということでございますが、ぜひお答えいただきたいと思います。
○佐藤(正)政府委員 推薦管理会の構成でございますが、役所の事務方にはそういう学問的な問題を判断する能力がないということで、しかるべき方々にお願いをするということで、中身といたしましては、学士院の会員、それから公立、国立の大学の研究者、それから私立大学の研究者、それから各部会に関係ある先生方ということで、各部会七名ずつ、トータル四十九名の学者の方々によりまして推薦管理会を構成いたしております。 学術会議につきましては、日本の科学者を内外に代表する組織でございますので、そこの会員につきましては、そういう学者の方々の自主的な判断にゆだねるべきだということで、そういうような構成をとっているということを御理解いただきたいと思います。
○栗本委員 時間がございませんので、最後に要望だけ申し上げて終わることにいたしますが、今審議官がおっしゃったのは、事実と違う。現実に、当該の問題において決定を下した推薦管理委員会のメンバーは、いよいよ訴訟せざるを得ないなとシステム監査学会が判断する直前まで明らかにされなかったのですよ。そんな世に、世界に恥ずかしくないようなメンバーであるのに、明らかにすればいいのだけれども、明らかにされてなくて、それが、おまえのところは全然関係ないよと。だから、政党として認めないよという決定をしていた。それでまた、そのチラシがお金を結局動かす。別にその十三億だけのことではありません、十三億では大して土地も買えないけれども。 何遍も申し上げますけれども、今は非常に大きな権威を持ったお金であります。その辺に関して、ぜひとも改めて再調査をしていただきたいということと、それからその十三億の、審議関係費三億、国際学術交流関係費等、どのように使われているかということについて改めて、理事会に対してで結構でございますが、資料を提出していただきたい。 この問題は、金額だけではございません。大変大きなことだと思いますので、また改めて取り上げさせていただくことを申し上げて、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十人分散会