金融安定化に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/09/07
会議録
○相沢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、不動産に関連する権利等の調整に関する臨時措置法案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律及び預金保険法の一部を改正する法律案並びに保岡興治君外三名提出、債権管理回収業に関する特別措置法案及び金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案並びに保岡興治君外四名提出、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案及び特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案並びに菅直人君外十二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案及び金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の各案を一括して議題といたします。 本日は、特に菅直人君外十二名提出の各案について審査を行います。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保岡興治君。
○保岡委員 いよいよ野党三党の共同提案になる金融安定化のための諸法案が提出されまして、きょうは審議が始まりますこと、大変意義の大きいことだと思います。 既に政府としては、この七月の二日に、金融安定化のための最終的な取りまとめをいたしまして、そうして、この七月の末には国会を召集して直ちに国会に出せるように鋭憲法案化を急いでまいりました。遺憾なことながら、政権が交代するというようなことがあって国会の開会がおくれまして、その関係で、我が政府あるいは我が党の法案というものもいささかおくれて提出に相なりました。 私が承知しているところによりますと、今度の三党合意になる金融安定化の諸法案の骨格である金融再生委員会なるものを中心とする野党の提案については、既に六月の末にいろいろ立案をされまして、そして、それが今日まで、三党の提案として国会に提出されるまで我が党以上に時間を要してまいりました。そういった野党の提出の法案の準備について、どれだけこの迅速性に対応するために、我が党の案に対する対案として努力されてきたか、まずその経緯を簡単にお伺いしたいと思います。
○池田(元)議員 保岡委員の御質問にお答えをいたします。 民主党、平和・改革、自由党、三会派が、総称して金融再生法案と言っておりますが、先週提出をいたしました。 もとより、我々野党三会派は、去年の十一月の大型破綻の直後から、特にこの問題について真剣に研究し、一月には金融二法に対する対案を提出いたしました。四月に例の優良銀行などに資本注入が行われましたが、大きな効果を上げず、我々も、日本の金融危機に、また世界の金融危機にいかに取り組むか、それを乗り切っていくか、真剣に三会派とも検討をしてまいりました。自民党は、土地の流動化等、いわばトータルではなくて、部分的といいますか、そういうものを一生懸命おやりになっておりました。 我々は、六月の二十三日、ブリッジバンク法案よりも早く、その三会派のうち民主党は既に立案をし、参議院選挙の後、鋭意、衆議院法制局といろいろ練り上げてまいりました。さらに、やはり三人寄れば文殊の知恵と申します。平和・改革、そして自由党の貴重な御意見、そして我々は、それに対してどのようにこの危機に対応するか、さらに精査し、十分なものにして、ここに提出を見たところです。
○保岡委員 今いろいろ、昨年の秋からの三党あるいは野党の皆様方の御努力について御披瀝がありましたが、こういった国家危機、あるいは世界のいろいろな金融や経済各分野に大きな影響を持つ我が国の金融危機あるいは経済危機に対処するには、やはり与野党が協力すべきところは協力していく、政争の具にしない、そういうことが非常に重要だ、そう思います。 私は、そういった意味で、今、池田提案者のお話を、これからの与野党の審議、あるいは修正案を得てそれを成果として、我が国の今の危機に、あるいは世界の危機的状況に対するのにしっかりした答えに、迅速的確な成案が得られますように、心から願うものでございます。 そこで、早速内容について質問をさせていただきますが、野党の提案の最も中核部分は、金融再生委員会に金融行政を統合して、そうして危機管理に、あるいは金融行政に当たらせるということが柱になっていると思います。それに対して、私は、大変ここはいろいろ議論をしなければならないところだと思う。 なぜならば、野党の提案にあっても、金融行政というのは、世界や国民あるいはいろいろな分野に重大な影響を及ぼす根幹的な行政であるから、政治の責任、行政の責任が明確であって、かつ迅速的確な対応をしていく大事な行政である、そういう認識には共通があると思うのですが、私たちいろいろ検討しましてどうしても疑問なのが、この金融再生委員会は国家行政組織法第三条に基づく独立委員会になっていて、従来こういった独立委員会というものは、政治的中立、内閣から、政治から距離を置く委員会という性格があると思いますが、その点についてまず、一番根幹の問題だと思いますので、お答えをいただければと思います。
○池田(元)議員 冒頭のといいますか、初めの保岡委員の御見解、私も同調いたします。まさに今金融危機のさなかにあって、我々がこれをいかに乗り切るか、そこに我々の責務があるという点では全く同じでございます。 野党三会派案の特徴といいますか、重要な点の一つであります金融再生委員会についてのお尋ねでございますが、金融再生委員会は、国家行政組織法第三条のいわゆる三条機関、独立行政委員会であります。 政府から離れたこの委員会が責任を負えるか等々、今のお尋ねの趣旨だと思いますが、まず、金融再生委員会は、国務大臣である金融再生委員長の主導のもとに運営をされる組織であります。また、委員も内閣総理大臣が任命することから、同様の組織であります国家公安委員会と同じように、十分責任が全うできるものと私は考えております。 それと同時に、三条機関にしたことについて申し上げますと、今、金融行政はビッグバンの時代に入りまして、長銀の合併劇のようなこれまでの密室行政、業者行政から市場中心の行政へと転換を迫られております。別の言葉で言えば、事前指導型から事後チェック型行政へ転換しなければならないということです。その場合、何よりもルールに基づいた公正さと透明さが求められると私は思っております。したがって、アームズ・レングス・ルールといいますか、政治家の介入を許さない、政府から一定の距離を置いた三条機関が最もふさわしいものと私は考えております。
○保岡委員 今、池田提案者が御答弁されましたことは、いささか矛盾しているのではないかな。 なぜならば、判断の公正、適正を得るという点で合議制にしてあって、従来の裁量行政の反省の上に立った、そういった観点は一応わからないわけでもありません。しかし、それが、政治から中立、政治から一歩距離を置くというような趣旨のことも最後に述べられましたが、先ほど私が申し上げたことは、金融行政というのは、すぐれて総理大臣の責任、すぐれて政治の責任、行政の責任という、例えば、世界の経済に重大な影響を及ぼす政策決定であれ、あるいはそれが地域の安定に影響するような、アジアの危機に対処するような我が国の金融行政の対応であれ、外交、あるいは地域の安定、あるいは世界の、人類の生活の基礎たる経済、こういったものに非常に重大な影響を及ぼすすぐれて政治的な側面があるのですが、なぜこれが政治から遠くなければいけないのでしょうか。
○池田(元)議員 金融行政を内閣が責任を負う、特にこの時代においてはそうだという趣旨だと思いますが、私たちのこの金融再生委員会は国務大臣を長とする委員会であります。しかも、今のこの政府といいますか、この国会審議もそうですが、大蔵省の金融企画局と預金保険機構の監督は大蔵大臣、金融監督庁は総理大臣、そして預金保険機構の中に例の金融危機管理審査委員会があるという、こういうばらばらなものではなく、まさに金融再生委員会に一元化するわけですから、いわばこの金融危機の司令塔として十分機能すると思われます。 そして同時に、さきに成立した中央省庁等改革基本法ではこう言っているのですよ。金融については、基本的に市場の自主性と自律性にゆだね、行政の関与は必要最小限のものに限る、こういうことをうたっているわけですね。まさに金融の一面といいますか、これからのビッグバン時代はまさに、お上がいろいろ指導するのではなくて、マーケットルールに基づいて動くそれぞれの当事者の間のルールを決めることが、そしてまたモニターをすることが中心であると思います。 私たちの提案を要約いたしますと、金融再生委員会は、この金融危機に当たり、金融行政に一元的に責任を負う組織、同時に行政の公正さを確保するという両者を兼ね備えた組織であることを申し上げたいと思います。
○保岡委員 今のお答えでもどうしてもよくわかりません。 というのは、裁量行政を排除してできるだけ事後チェックにとどめて、市場の活力を生かして、その中で強い、強靱な金融サービスをつくっていこうという、そういう基本はいいのですが、その枠組みを決める、あるいは場合によっては市場が荒れたり暴力的になったりして乱れたときの金融行政の対応の仕方というものもこれはなければいけない、そういったものはやはりすぐれて政治的なんだろうと私は思います。したがって、政治から遠いあるいは政治から中立というわけにいかない性質のものである、私はそう思います。 そこで、私は、総務庁にお尋ね申し上げますが、今出てまいりました国家行政組織法三条に基づいて設置されております国家公安委員会それから公正取引委員会などが最も三条委員会らしい委員会と言われておりますが、これが一体どういうふうな趣旨で設置されているのか、それと、政治責任あるいは行政責任との関係がどう位置づけられているのか、その点についてお答えをいただければと思います。
○瀧上政府委員 お答え申し上げます。 国家行政組織法第三条に定めます委員会は、合議制機関として特に合議により決定する必要のある行政事務を担当するものでございます。 御指摘のとおり、その所掌事務の掌理に当たりましては、政治的中立性あるいは専門技術性等、さらに準司法的機能等々を必要とされるため、府、省ないし内閣から独立的な地位にある合議制機関に行わせる必要がある場合に設置をされるものでございます。 議院内閣制のもとにおける内閣の政治的、行政的責任と行政委員会の職務の独立性との関連をどのように考えるかといったようなことでございますが、この行政委員会は、政治的中立性あるいは専門的技術性、合議制による決定を必要とする行政事務を遂行するために必要であるということで設置をされているものでございます。
○保岡委員 今お話がございましたとおり、やはり政治的中立性ということが非常に大きな理由でこういう組織がつくられておるということのようだと思います。 そこで、そのために、政治から中立公正のメンバーで合議制で決める。この合議制で決定した場合、先ほどから、国務大臣が委員長であるということをしきりに強調されて、政治責任をそこで国会や国民に対して負うんだ、民主的なコントロールが働くんだというような趣旨のお答えでありますが、その合議で、多数決か全会一致かわかりませんが、これが決まってしまいますと、政治責任を負うべき国務大臣あるいは内閣というものが国会にその責任をきちっと果たせないというか、国会に対して金融行政の責任を果たしていけないということになるんじゃないかと思いますが、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○池田(元)議員 今、総務庁の政府委員に答弁を求めて、お話を聞いておりましたが、この金融再生委員会というのは、例えば特別公的管理銀行に入るとか金融整理管財人を派遣するとか、そこのジャッジというか判定が大変重要です。これはやはり委員会というものが大変なじむのではないかと私は思います。 それから、再生委員会の意思決定でございますが、金融担当の国務大臣であります委員長と、衆参両院の同意を得た、経済、金融、法律に識見を有する四人の委員で構成されます。委員長は会務を統括して委員会を代表する。委員長は再生委員会を招集することにしております。再生委員会の議事は、金融危機管理審査委員会のように全会一致ではなく、出席者の過半数で決すること、つまり多数決ということになっております。可否同数のときには、委員長の決するところによるとしております。このように、再生委員会は、国家公安委員会のように、国務大臣である委員長の指導、主導のもとで運営されるものと我々は考えております。 それから、ちょっと一言申し上げますと、政府・自民党といいますか、自民党初め与党三党は、九六年九月ですか、三党合意で、この金融行政については、公正取引委員会のような国家行政組織法第三条委員会として独立した機構を設置する、それを基本にして具体化すると、まさに自民党の皆さんもこういったフェアな形がいいということで一たん取りまとめたわけです。それもぜひ念頭に置いていただきたいと思います。
○保岡委員 まず、合議制で多数決で決める、その多数決を委員長が政治的にリードするような運営を示唆されました。これはやはり、金融行政がすぐれて政治性があるということ、したがって、国務大臣を置いていること、その指導性が重要であって、単なる多数決ではないということを言われたように思いました。そしてまた、多数決で決まってしまったら、委員長がどう対応しようとも、その委員長の意向というもの、要するに、国会が選んだ内閣総理大臣の任命する国務大臣が金融行政に対して意見を持っていても、それが否定される。そういう立場にある者が本当に金融行政を、国会や国民に対して民主的なコントロールができる立場なのか、非常に危惧をかえって深めました。 そこで、もう一つでございますが、今お話がありました行政改革でございますね。金融行政の一元化ということについての我が党の九六年の三党合意ですか、与党合意というものを例に挙げられました。これは三党の連立時代の一つの結論でありまして、私たち自由民主党は、その当時は野党と政権を共有し、維持しなきゃならぬという制約がありましたので、池田提案者のおっしゃるような結論にやむを得ずなった。やむを得ずなった。しかしながら……(発言する者あり)いや、失礼ではありません。これは、意見のいろいろな違いを調整しながら、いろいろな政治的な配慮で結論を出していく連立政権の問題でもあり、限界でもあるわけです。そういった意味で、いい妥協はいいのですけれども、やはり無理な妥協は今御批判があるような結果につながる、私はそう思います。 そこで、我々は、行革基本法というのをこの春の国会で六月に成立させました。それによりますと、金融行政というのは、二〇〇三年には、金融の危機管理というのですか、破綻処理の企画立案だけは大蔵省に当分の間残して一元化するという方向を決めております。これは、与野党国会で十分論議した上成立したものですから大変重いものでありますし、私たちは、そういった一連の努力の中で、この六月の二十二日に金融監督庁を発足させて、大事な大事な金融再生への道の担当官庁として、今その充実強化、そして運営の適正について努力を促しているところでございます。 そこで、この行革でございますが、私は、このところ大蔵省や金融監督庁と接しておりまして、やはり、両方に役割が分かれているというのはなかなかやりにくいんだなということを非常に感じます。したがって、お互いにどちらに責任があるのかわからないというようなことで戸惑いがある。やはりそれは、大蔵大臣であり、金融監督庁長官に法定委任をしている総理とか、そういった方々が御相談をしながら総合調整というのを政治的にリードしていかなきゃならない仕組みになっています。 しかし、監督庁長官は政治家ではありません。国務大臣でもありません。そういったことなどにやはり問題がないわけではない、私はこう思っておりますので、いずれ金融庁ができますときには、それは、後に残すことになっておった危機管理の権限についても、もちろん金融企画局の、大蔵省にある部門も金融庁に統合するのも、一つの与野党の話し合いの方向性としてはあると私は思います。 ただ、こういう金融行政の根幹にかかわる仕組みを動かすということはなかなか大変なことでございまして、この金融監督庁を設置をする過程でも、決定から成立まで一年半を要しているのでございます。したがって、御提案の金融再生委員会なるものをきちっと機能するように立ち上げるまでに一体どういうプロセスを考えておられるか、どれだけの時間を要するものと考えて提案されているか、その点を伺いたいと思います。
○池田(元)議員 我々の金融再生委員会は、一元的な金融行政であり、同時に、公正さ、透明さが確保できる、そういう委員会でありますので、保岡先生に賛成していただけるものと思って冒頭聞いておりましたがどうもちょっと違って、今になって大変立派なことをおっしゃいました。そういう認識であれば、我々のこの金融再生委員会にぜひ賛成をしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。 それから、二〇〇一年一月を目標に金融監督庁を改組して、大蔵省にある国内金融の企画立案をあわせて金融庁に移行するということに中央省庁等改革基本法ではなっております。改革基本法は、国会でと言いましたが、我々は、これに対しては明確に反対の意思表示をしました。先ほどの与党三党の合意は、これは合意でございます。これは、妥協の範囲で、公取委員会のような三条委員会というものをぜひ考えていただきたいと思います。 それはそれとしまして、いずれにしても、金融再生委員会は、この金融庁を先取りにしたものです。それで、現状からいって、現在の金融危機に一元的に対処するために、一刻も早く金融再生委員会といった司令塔をつくる必要があると思います。しかしながら、お尋ねのように、官僚はそういうことを考えるかもしれませんが、この金融再生委員会といいますのは、既存の金融監督庁、大蔵省金融企画局、これは別に分割したり統合したりするものではございません。その上に統括組織として設けるものでございまして、佐々波委員会とはわけが違うかもしれませんが、これは迅速にこの組織を設立てきるものと私は考えております。
○保岡委員 今のお答えを聞いていても、明確にどういう作業が、こういった行政の改組、そして新しい組織が動き出すのに時間を要するか、それは人員の配置とか場所の移動、予算手当て、関係法律、政令、省令の書きかえ、膨大な作業が必要です。したがって、こんなものが数カ月でできるような離れわざはできません。どんなことがあっても一年は、どんなに縮めても一年はかかる。したがって、こういう危機にこういう組織がえをするなどということは、私は信じられないような結論だ、そういう気がいたします。 そこで、私は想起していただきたいのです。池田提案者に想起していただきたい。この金融監督庁が二十二日に発足するに当たって、六月の十九日に、実はその間隙を縫って長銀の株が売り浴びせをされました。一気に株価が暴落し、そうしてそれが今日の金融の大きな大問題になって、世界が注目するその処理に本当に適切を得なければ大変だという状況をつくり出している。 このように、ヘッジファンドとかその他の投機筋というのは、論理的に相手が対応できない難しい時期をねらって売り浴びせをしてくるというのは世界の常識であります。そういった意味で、この金融再生委員会に大変な時間と膨大な作業と役所や対応する人々のことを考えると、そういった組織がえは、私は今のこの危機管理状況にある日本にふさわしくないことではないかということを一番強く思います。 ただ、私は、池田提案者初め、野党の提案者の皆様方が、担当の国務大臣をそこに据えて一元的にやりたいという金融行政の願い、金融行政の政治性、行政の責任の直接重大なことを認識しておられる、そういう仕組みには関心を持ちます。 したがって、私たちは、一日も早く議論を進めていって、そういう問題の整理をきちっとして、この危機管理を乗り切っていく体制について、組織的にも対応できるものはきちっと対応するという協議を急ぐべきだと思いますので、そういうことで、この議論を、先ほど申し上げました金融庁の、二十一世紀に設立するときに大蔵省に権限を残すことになっているものについてもまたいろいろ行革の立場から、お互いこういう危機管理を通じての行政の対応から学んだものをそこに結びつけていく、結論につないでいくということも私は大事なことだと思います。 そこで、質問を次に移したいと思うのですが、三党の提案の中の一番大きな柱は、やはり破線金融機関の株を破綻と同時に即時全株取得して国有化するということが破綻処理の一つの大きな特色であり、基本になっているように思います。同時に清算を原則とするという、ごれもきちっと書かれているのであります。 私は、やはり市場原理というものがあって、そこで経営がおかしくなった人たちの経営や株主の責任は最終的には清算という形で対応する、したがって、市場原理が非常に緊張を持って働くということがやはり基本であるということはわからないわけでもありませんから、一応清算を基本とする物の考え方はいいと思います。 しかしながら、やはり破綻金融機関が大きければ大きいほど、破綻の実体経済に与える痛手、影響あるいはシステムに与える重大な脅威、こういったものがある。したがって、野党の提案にあるような国有管理銀行とか、あるいは我が党が主張している公的ブリッジバンクや、また一部減資によって国有化する、場合によっては一〇〇%減資して全株国有するという道も我が政府・与党の提案にもあるわけです。 そこでお伺いしたいのでございますが、私も、この即時国有という破綻処理のスキームというのは一体どこにメリットがあるのかな、この点については注目することが必要ではないかなという気がしております。 そういう観点から、野党の提案者の、全株国有化の意味、意義を簡潔に述べていただければと思います。
○枝野議員 お答えをさせていただきます。 即時株を取得させていただくというやり方については、幾つかのメリットが考えられております。 一つは、国が一〇〇%株主になる金融機関となります。それまで経営状態が非常に危ういということは、当然のことながらマーケットその他で伝わっているからこそこういったスキームに入らざるを得ない状況になっている金融機関でありますので、そこが、国が一〇〇%株主ということで、どの金融機関よりも一番高い信用、つまり、現在の例えば開銀とか輸銀のような国が、関与している公的金融機関と同じような信用を得ることができます。したがって、支払い停止などというような問題のぎりぎりのところにあったような金融機関が、その危機を当座乗り切ることができるということについて間違いない信用ということになります。 それから、こういった金融機関を整理をきちんとしていかなければならない場合に、さまざまな手続が考えられますが、国が一〇〇%株主という形で整理を行うという手続が、一番迅速に、しかもまさに一〇〇%株主でありますので、他に配慮することというと、債権者保護以外には基本的には配慮することなく自由に清算の手続を進めていくことができる、それだけ公的な縛りというものをしっかりとかけながら清算をしていくことができるといったメリットがあるというふうに考えております。
○保岡委員 今、枝野提案者がお話しのようなメリットは、確かに我々破綻処理に考えなければならない重要な要素を御指摘されているところがあります。私は、我が政府の提案になるものも、これはやはりおっしゃるように、国の管理という意味で金融監督庁が破綻と同時に金融管理人を選任して公的管理に入る、あるいは、引き受ける民間金融機関がいない、そういう場合には、一時、健全な、善良な借り主保護のために、一生懸命受け皿を探す間公的ブリッジバンクを用意する。こういった意味では、同じように公的な管理をする、国が管理をするという点では共通のものであり、先ほど申し上げたように、途中で金融管理人の判断で減資を行い国有化する道も我々用意しているのであります。 私は、こういうのはケース・バイ・ケースということで、どういうスキームが一番いいかという多様な選択肢の中からどれか一番適切な対応、スキームを選んで破綻処理に当たるという考え方もあるのではないかな、そういった意味で、野党の提案の特定公的管理銀行ですか、こういった構想というものをよく勉強してみました。 まず、全株を、破綻のときに流通している株を強制的に収用するやり方でございますね。これについては、株主権という関係で、その株主権にどういう配慮をするかということが極めて重要であります。そういった意味で、憲法二十九条三項にあるように、やはり強制的な取得には補償も必要だし、公共の福祉に適するという、そういった法理も働くわけで、我々は、そういった観点から、裁判所の許可による代替許可あるいは仮決議といって二度にわたって株主総会の決議を用意する、あるいは二分の一という定足数を取り除くというような、破綻の金融機関として許される限度で、一方で株主権に配慮したスキームを考えているんですが、いきなり株主権を全株強制収用する野党案はその辺をどのように考えておられるか、伺いたいと思います。
○枝野議員 今御指摘のとおり、憲法は二十九条一項で「財産権は、これを侵してはならない。」という規定を置いております。ただ、三項で、正当な補償のもとに公共のために用いることができるという規定も置いておりまして、絶対不可侵のものではないという趣旨を示しております。そうした中で、確かにこの正当な補償のもとであっても公共のために用いるという手段はできるだけ、とらなければとらない方がいいという趣旨は理解できないわけではございません。 ただ、私どものこの特別公的管理というスキームを採用するのは、私どもの条文の二十八条一項三号でも、この特別公的管理以外の方法によっては前号に掲げる事態を回避することができないという場合に限ってこの手段をとることになっております。そして、その前号に掲げる事態というのは、他の金融機関等の連鎖的な破綻を発生させることになる等、我が国における金融の機能に極めて重大な障害が生ずることになる事態、あるいは特定の地域や分野における経済活動に極めて重大な障害が生ずることになる事態、こういった事態を避けるために必要不可欠な場合に限って、この特別公的管理というスキームに入ることになっております。 また、確かに、株主総会等の手続を簡略化する、スピード化するというやり方というのは一つの考え方ではございますが、まさに金融が破綻直前のような状態に陥っている状況の場合を想定しましたときに、例えば株主総会の招集、しかも減資等の目的の株主総会の招集がかかったというニュース自体が当該金融機関の信用、マーケットに与える影響というのはどういうことかということを考えてみますと、理論上は、確かにそういったやり方で減資をするということはある面で可能性はあるかもしれませんが、実態としては、むしろそのことが管理されない破綻への引き金になりかねないというような場合も少なくないと考えておりますので、最後の手段としてこういったやり方を用意しておくことは憲法二十九条に反しないというふうに理解しております。
○保岡委員 いろいろお考えになってこのスキームをつくっておられることがよくわかります。そこで、私は、株主権を奪う取得対価、これをどう決めるかというのが一番難しいと思うんですね。これはずっとゴーイングコンサーンで、どこかで破綻させて清算するスキームがありませんから、どういう方式でこの株価というものを算定して、株主の最後の残余財産請求権というものを担保するか、適正に決めるかという、ここの工夫がとても大事だと思うんですが、まず、この補償時というのは取得時と理解していいのかどうか、そして、その取得価格というものはどういう点を考えて計算されようとしているのか、その点を伺いたいと思います。
○枝野議員 この対価は、私どもの法案で新しくつくります株価算定委員会で算定をすることになっておりますが、当然、この対価、収用対価の算定の時点というのは、収用があった時点の時価を算定して、ただ事後的になりますが、その時点での価格を事後的に算定をいたしまして、対価を支払うということになります。 この場合、まず当該金融機関が債務超過の金融機関になった場合、これはそれほど難しくないであろうというふうに思っております。この場合に、正当な補償ということの意味で、例えばゼロではなくて一にするのかしないのか、これは政策的な判断で、この辺の幅は憲法上認められる幅として、どちらを選択するかというのは株価算定委員会で判断をすればいいのではないかと思っております。 問題は、債務超過ということでないような場合については、確かに時価の算定というのは非常に困難があるのは事実であります。しかしながら、一般に収用という制度全般についても、正当な補償の価格を算定するということについては、基本的には諸般の事情を総合的に考慮して判断をするしかないという中で、例えば土地収用の制度等についても動いております。 基本的には、ゴーイングコンサーンの状況、つまりお店を閉めない状況の中で特別公的管理の金融機関は清算をしてまいりますので、いわゆる清算価格というものを、例えば破産宣告のときのような形で算定することは、同じようにはできませんが、しかし、そういった場合であったらどうなったかというようなことを、諸般の事情から株価算定委員会の専門家の皆さんに算定をしていただいて、時価を、しかも時価というよりも正当な補償の金額をきちんと算定していくことは不可能ではない、他の制度と比較をしても不可能ではないというふうに理解をしております。
○保岡委員 確かに価格算定は、それが憲法上許される、そしてそのためには要件を厳格にするなど、さらにいろいろ深く吟味してみる。そして、そういう中で交換価値、ゴーイングコンサーンですから、債務超過であれ若干の株価がついているケースもあります。そういったいろいろな株主の権利をどういうふうに公共の福祉の関係で調整するか。これは難しい問題だけれども、私は協議してみる値打ちがあるんじゃないかと。 それはあくまでも、そういうスキームも一つの選択肢。我が党のような株主権に対して慎重な対応を行うべきそういうスキームも、一つのスキームとして十分これは制度化するに値する。一方で、我が党の清算スキーム、公的ブリッジバンクをつくらないで済む状態の民間金融機関が金融管理人の管理のときにあらわれるスキームですね、あるいは清算を前提とする野党の提案のスキームとの違いなどもよく調整をして、そしていい形に工夫ができる可能性があるな、こう思っております。したがって、この公的管理をする銀行のあり方についても与野党で鋭意協議をしていかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。 そこで、もう一つお伺いをしたいと思いますが、それは、今日本の金融の置かれている状況というのは非常に、バブルの崩壊の後遺症を抱えたり、あるいは裁量行政から市場原理へという一つの過渡期の混乱というものを抱えております。そして、金融監督庁が新しく発足するなど、金融行政もそこに新しいあり方を求めて、まだ落ちついた状況じゃなくて、混乱をしながら、試行錯誤をしながら、あるべきものを求めて、懸命に我々の国会の審議などを受けて努力をしているところであります。 そういったことなどを考えますと、私は、金融が今肺炎になっているかもう病気になって大変であるか、中には長銀のようなケースもあれば、いろいろなケースがあると思うんです。こういった二十一世紀に世界に通用する強靱な金融サービスを手にして、私たちのすべての基礎になる経済というものの動脈、循環器系を立派なものに再生させていくということは、今世紀、構造改革をいろいろ進めながら二十一世紀に旅立っていく、発進していく日本にとってとても根幹的なテーマだと思います。 そこで、私は、せんだっての委員会でも、こういう病気というものはできるだけ早く手当てした方が、痛みも少ないし、治療費も少ないし、そうして実は回復も早いんだということを申し上げました。私は、急げば急ぐほど、こういったものは対応が早ければ早いほど成果が得られるものだと思います。 そういった意味では、私は、破綻してから公的ないろいろなお金をつぎ込むだけでなく、破綻前に適切な要件のもとに公的な資金を利用するということはとても大事な政策手段だと思うんです。あるいは、金融当局が、患者がいるときはお医者さんのような立場でございますから、そういうときは積極的にあれこれ治療の指示をして、場合によっては半ば強制的に手術台につけて、未然に死に至るようなことを防いでいくということがとても大事な局面があると思うんです。したがって、裁量行政は終わりだ、市場原理にゆだねるんだと言ってそういった監督庁の指導というものをおろそかにしては、この危機を切り抜けていけないんではないだろうか、そういうことを強く考えている者の一人でございます。 そういった点について提案者はどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○枝野議員 お答えをさせていただきます。 確かに、これからのビッグバンの時代を迎えまして、日本の金融機関が国際競争の中でしっかりと生きていくために早急にその体力を回復させなければならないという御指摘は、私どもも同感でございます。 ただ、その場合に考えなければならないのは、なぜ現在の日本の金融機関が国際社会の中で脆弱という評価を受けているのかということでございますが、言うまでもなく、従来から続いてきていた護送船団方式によってむしろ過保護の状態のもとで日本の金融機関が運営をされてきたということに大きな原因があることは、これは否定できないことであろうというふうに思っております。 そうした中で、今我が国の金融機関に必要なことは、そうした過保護のもとでの状況から、みずからの責任と判断、行動によって国際競争の中で生きていくたくましさをつけていくことが今最も重要なことであり、そのために、ある部分の金融機関は苦しみながら頑張っておられるのかなという理解をいたしております。 そうした中で、そういった金融機関に対して今政治、行政が行わなければならないことは、なかなかみずからの足で立ってみずから競争の中に自力で闘っていくということは厳しいことでございますので、従来から出てきております早期是正措置など、こういったことをしっかりとむしろ後ろから促していくというような形でみずからの体力をつけさせていくということこそが一番大切なことでありまして、逆に、そうした中で、また過保護な状態で、ちょっと風邪を引いたから栄養剤でも打ってあげようかというようなやり方をすれば、またもとの過保護なもとで保護に甘えるような体制になって、結果的に国際競争の中で我が国の金融機関は生き残っていけなくなるというふうに理解をいたしております。
○保岡委員 確かに、公的な支えあるいは指導というものに甘えが生まれてはいけません。しかし、かといって、病人に対して全く自由にしてよろしいという姿勢で医者が対処しても、病気が適切に治っていくとも思えません。そして、病気が重くなってから治療費が物すごくかかる。お互いの、破綻後の対応についての野党提案にしても政府提案にしても、公的なお金をかけざるを得なく、莫大なお金をかけてでもシステムを守ろう、善良の借り手を守ろうということは同じ結論になるんであります。そういった意味で、そういった公的なお金を破綻前に対応すれば、もっと少なくて済む工夫というものをお互い考えなくていいかということを申し上げているわけでございます。 そこで、その際に、例えば破綻後の問題についても、破綻の認定、あるいは第二分類と第三分類の仕分けの認定、あるいは、これは善良な借り手として融資すべき案件であるかどうかのつなぎ融資の認定の問題、あるいは、破綻の公的な管理をする期間をどう延長するかというその延長のときの認定、あるいは終了するときの認定、こういったものは与野党共通するものであって、それは常に支えが必要な公的な資金をつぎ込まなきゃならない。しかし、それに甘える関係者の態度が生まれてはならない。モラルハザードと公的資金の注入との調和という点で適正な基準を得ていかなきゃならないということは与野党共通の課題でございますから、どちらのスキームでも求められることですから、これはお互いに工夫してやっていけばいい。そこにも協議の可能性を、しっかり尽くさなきゃならぬ問題があると思うんです。 そしてまた、それと同じように、今、枝野提案者が言われた破綻前のことも、モラルハザードあるいは裁量行政の問題を克服するという課題は課題として、やはり破綻前に病気を治して、破綻に至る前で処理していく。そのために公的なお金をかけるが、それも、モラルハザードが起こらないようにとの調和の中でやるというのは当たり前の話であって、その点についても与野党で調整すればいい。調整すればいい課題をもって公的資金の注入を一切破綻前には必要としないという考え方にはならないんだと私は思いますが、いかがですか。
○枝野議員 まず、私どもの提案では、提案の条文の中に金融安定化特別措置法を廃止するという規定を盛り込んでおりまして、私どもの提案の趣旨は、この法律を廃止して、現在認められている資本注入はやめるべきであるという趣旨であることを最初に申し上げたいと思います。 そして、今のお話の中で破綻前処理という言葉が出てこられましたが、若干、破綻という言葉の使い方に、認識にずれがあるのかないのかということを確認しなければならないなというふうに思っております。 確かに、金融機関の支払い停止等が管理されない状況で起これば、そのときにかかるコストというものは大変大きなものになります。だからこそ、私どもは特別公的管理というスキームを用意いたしまして、しかもその開始の要件として、支払い停止だけではありませんで、財産の状況に照らし預金等の払い戻しを停止するおそれがあると認められる場合という要件を入れております。そしてこれは、特別公的管理銀行として当分営業を継続しながら清算をさせていく。つまり、支払い停止等を起こすことによって膨大なコストがかかってしまうことを直前で食いとめようというのが特別公的管理の趣旨であります。 そうした意味に限定して言えば、私どもの法案の中も、いわゆる俗の言葉で言う破綻というものの前にその膨大なコストを阻止するための手段を用意しておりまして、それと、実際に支払い停止などもしてしまった上で清算をした場合とのコストなども考慮しながら、どちらの選択肢を選ぶのかを考えていくというようなことになっております。 そして、今、病気の状態の金融機関というようなおっしゃり方がありましたが、公的資金で資本注入をしなければ破綻に陥ってしまうような金融機関というものを、逆にカンフル注射を打つこと によって本当に信用を回復させて立ち直らせることができるのであるのかどうか。むしろ、早期是正措置をきちんと前倒しをしていて、そうした死に至る病に立ち至る前にみずからの体力で回復していけるような、そのための早期是正措置の前倒しのしっかりとした実施というものの方がむしろ重要であるというふうに考えております。
○保岡委員 今のお話を聞いていると、破綻という認定についていろいろ述べられましたが、破綻は破綻です。この認定は、預金保険法の破綻の定義をいろいろ前提にしている、与野党共通のものです。 ですから、破綻前といえば、破綻直前のものもあれば、かなり破綻に至るにまだ時間のあるものも、いろいろなケース。これを早期是正措置、しかもそれは自己資本比率を基準にしていますから――今これだけ国民が議論し、そして国会が議論し、政府がいろいろな対応をしているのに、なぜ金融機関みずからがいろいろ再生の道を具体的に示さないんだ、こう聞きますと、自分のところだけ思い切ってリストラなどしたら、一気に取りつけになる危険性というものを考えながら左右を見ている、こういう状況だと。ましてや、早期是正措置を政府からやられると、なおさらそういうことになってしまうということで、必死で自己資本比率を上げてそういう早期是正措置を受けないように逃げ惑うている。これでは、やはり日本の金融再生の道筋は生まれないのである。 したがって、早期是正措置の弾力化というんでしょうか、あるいは銀行法二十六条一項の活用とか、もっと与野党がきちっとやらなきゃならないと同時に、破綻してから公的な資金をかけるというのじゃなくて、破綻前に、モラルハザードを考えながら、破綻に遠いものから直前に至る、危機に瀕するものまで、いろいろな政策手段を私たちは持つべきだ、そういうふうなことを申し上げているわけであります。 私は、金融二法をつくった、今枝野さんが言われた十三兆スキームをつくった責任者でございます。これはやはり、もしあのスキームが住専処理のときにあれば、あるいは拓銀の破綻の前にあれば、こういうことを思わざるを得ません。あの金融二法のスタートのときに、諸外国、特に欧米の、自由主義を基調とする、何よりも大事にする、その中でも最たるものがアメリカです、アメリカが健全な銀行に公的資金を入れてほしいと強く言ったんです。今度は、訪米された宮澤大蔵大臣に対してルービン財務長官が、三月期の資本注入は中途半端だった、これは思い切ってもっとあのときにやっておくべきだった、こういう意味でございます。 そして、長銀の処理についても、ぜひ過たないで、世界経済に脅威を与えないように。これはルーブルの破綻から、健全だった、唯一ひとり勝ちしていたアメリカの経済まで揺らいで、中南米まで連想されておかしくなろうとしている。これがアジアの昨年の夏の経済危機と同じような状況に発展したり、あるいは中国の元の切り下げの懸念がどうなるのか、世界は非常に緊迫した状況にあるのです。 こういう中で、やはり長銀の処理についても、とれは野党の方が、それは政府の責任でやれ、一緒に責任を持つのは困る、そういう立場もおありでしょう。あるいは経営者責任、株主の責任をどうするかを明確にしろ、あるいは公的資金を投入して不良債権を処理して、身ぎれいにして住信に合併して、あそこに残っている優秀なシステムだけを守って、金融不安やあるいは経済への重大な影響を避けて対応していけないかというようなこと。あるいは、その中で、いろいろ国民から問題にされるおどろおどろした融資の事実もバブル崩壊後にないわけじゃない。 そういったものに対して、一緒になってそれを批判する余り、処理を誤って、長銀と、そのスキャンダル債務と一緒になって日本経済から世界経済まで沈没させるわけにいかないのです、我々は。したがって、きちっと経営責任や株主責任はとると同時に、本当に民事や刑事の責任を負うものについては、徹底的にこれを解明する何らかの解明の委員会を、外部から人材を投入してでも解明していく仕組みを工夫するとか、それはそれできちっとやって、そうして債務は債務できちっと処理をしてシステムを守っていくという工夫があっていいんじゃないかと思います。 このように、破綻前処理については、長銀の処理を含めてやはり与野党で知恵を絞って、お互いに立場を支え合ってこの危機を乗り切るべきだと思いますが、最後にお伺いして、質問を終わります。
○枝野議員 まず最初に、アメリカの当局者の御発言を引用しておられましたが、諸外国の御意見というものは、十分に聞いた上で参考にするべきと思っておりますし、米国の当局の意見の中にもそうした部分はあると思いますが、我が国はアメリカの属国ではございませんので、だから、それが我々の判断を拘束するものではないということを申し上げたいと思っております。 第二点目に、先ほどから、破綻後の処理になるとコストがかかるというようなおっしゃり方が繰り返されておりますが、私どもは、むしろきちんとした清算の手続に入る、しかもその場合に、管理された清算の手続に入った場合には、必要となるコストは、基本的には、預金を払い戻すために必要な債務超過部分と、そして健全な借り手を保護するために必要な部分である。そうした意味で、破綻前処理ということが必要であるならば、むしろ信用保証等、健全な借り手を保護するための別途の方策というものを十分に配慮しておくことが必要であって、預金を払い戻すための債務超過部分のコストというものは、どの段階で処理しても同じであるというよりも、死に至る病に不幸にもなってしまっている金融機関については、むしろずるずると隠ぺい、先送りをすることの方が債務超過部分が膨らんでいくというふうな考え方もあるということを申し上げたいと思っております。 そして最後に、長銀の処理策の問題でありますが、従来、国会で答弁をいただいておりますよらな、政府がおっしゃっているような状況であるならば、それが本当であるならば、債務超過の状態でもないわけでありまして、民間企業同士の任意の合併は淡々と進めていただければいいのであって、そこに資本注入などという必要はそもそもないと私どもは思っております。 また、国民の皆さんにもかなり誤解があるようでございますが、長銀に公的資金を注入しようというスキームにつきましては、政府の主張では現行法の範囲内で実行可能ということでございます。 私どもは、我が国のために、そして世界経済のために、こうしたやり方は中長期的にはマイナスである、不幸であるということで反対をいたしておりますが、法律ができ上がっておりまして……
○相沢委員長 申し合わせの時間が終了しておりますので、御協力願います。
○枝野議員 はい。法律上の要件がそろっている処理策について、国会の中で我々には協力をする手段もございませんし、逆に我々は、国会で廃止法案が通過しない限りはとめようがないのでありますので、もし政府・自民党が自信と確信を持つてこうした手段が正しいということをお考えであるならば、淡々とお進めいただければいいのであって、これについて協議をするということ自体が、私は何を協議をしていいのか。どういう法律を通せというような御主張であるならば、国会で野党に対して御意見を聞いていただくということがありますが、行政が法律に基づいてやることでございますので、行政が淡々とお進めいただければと。私どもは反対であります。
○保岡委員 この十三兆スキームについては、野党提案では廃止になっているので質疑をしたわけでございます。 私は、市場が非常に正常で賢明な動きをする、その市場の動きを基本的には大事にするということはとても重要なことでありますが、しかしながら、市場が暴力的になったりあるいはおかしな動きをするときには、公的にこれを管理するスキーム、防衛手段も持っていなきゃならぬ、暴力によって翻弄される金融機関に対して、支える仕組みを持っていなきゃならぬという意味では、この十三兆スキームは極めて重要な政策手段だと思います。 そういったことで、与野党でいろいろ質疑を通じまして感じましたことは、私は、目的とするところは変わらない、基本的な考えにおいても一致するところがたくさんある、だけれども、提案はいろいろ形を変えている、その基本的な認識において一致するところで具体的な協議をしていけば必ず成案は得られるはずだ、そう思いますので、これは昭和恐慌のときのような、政争のいろいろな対立から不規則な発言を呼んで、日本じゅうが本当に生活苦に陥っていった、中小企業がばたばた倒れていった、ああいう歴史を繰り返さないためにも、与野党の賢明な協議を迅速的確に、できるだけ緊急性のあること、迅速性の必要のあること、世界がそれを注目していることに留意して協議の成果を得たいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○相沢委員長 これにて保岡君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○相沢委員長 この際、お諮りいたします。 最高裁判所石垣民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○相沢委員長 次に、石原伸晃君。
○石原委員 自由民主党の石原伸晃でございます。 きょうは、野党の皆様が御苦労されてまとめました金融関連法案につきまして質問をさせていただきたいと思います。 質問の冒頭、私は、先日の、同僚の渡辺喜美議員の話の中で、福島県あるいは栃木県を襲った集中豪雨、未曾有の集中豪雨、まさに今、日本の金融システムに襲いかかっている問題と非常に似ているような気がしてならないわけであります。だれもが予想しなかった雨が、一年間に降る雨の三分の二の量が三日間のうちに降ってしまう、このような危機が起こったとき、政治家はこれまで何をしていたかといいますと、大体まず視察に参ります。視察に行って、善後策、将来こういうことが起こっても大丈夫なように、では堤防を高くしましょう、あるいは河川を改修しましょう、こういうことが政治家のパターンであったと思います。 しかし、今のこの金融システムに対するアタックあるいは不安というものは、将来的に堤防を高くする、あるいは堤防を強化する、こういうものではなくて、まず水をくみ出す、そしてそこに暮らしている方々の家が水没していたら、その方々が暮らせるところにちゃんと食糧を持っていく、こういう緊急性を要する問題がこの金融の問題ではないかという認識を持っております。 先日、先週ですけれども、私の知り合いのFRBと財務省の人間から電話がかかってきまして、一体日本はどうなっているのだ、与党案、野党案出たということを聞いている、まあ与党案、野党案違いもあるけれども、公的に銀行を管理して破綻後その金融機関を整理するということでは同じではないか、アメリカには借り手保護という言葉はないけれども、借り手保護ということについても、方法は別にしても同じではないか、あるいは公的資金を投入するということでも一緒ではないか、どうでもいいから、どっちの案でもいいから早く通した方がいいぞ、これはちょっと非常に私はびっくりしました。 それほど海外の目というもの、そしてまた彼は非常におもしろいことを言っている。お隣の韓国あるいはタイ、インドネシア、ここには国際救助隊としてIMFがやってきて相場まで管理する、あるいはお金をつける、こういうことをやっている、日本は自分たちの力でこの問題を解決する能力、資源も物資もあるのに何をやっているのだ、こういう指摘を受けました。 そしてまた、土曜日、私の選挙区の杉並区でタウントークといって座談会をしましたら、石原さん、昔の政治家は違ったぞと。その方は河野一郎さんの話を出されたのですけれども、やはり災害に行ってかなりの被害があった、これは地方だったと聞いておりますけれども。それで、河野さんがリーダーシップを持って、これは激甚災害だと指定して、かなりの手当てをした。しかし、まだ栃木県あるいは福島県の方は激甚災害指定は受けていない。この決断の鈍さ、これは政府・与党にあるのかもしれませんけれども、金融の問題に関して言えば、私たち与党、野党の政治家がまさにこの問題を問われているのではないかという気がしてならないわけであります。 この基本的な認識について、どなたでも結構でございますから、率直な御意見を伺わせていただきたいと思います。
○枝野議員 我が国の経済、金融が大変危機的な状況にあるという認識は、全く一緒であります。したがいまして、これに対して早急な対応をとらなければならないということもこれまた重要なことで、そこまでは一致をしているのかなというふうに思っております。 ただ、もしかするとここで、今洪水の場合の例え話を使われましたので、私も個人的な認識としてですが同じような例えをさせていただきますと、残念ながら大きな洪水、川がはんらんをしかけて、既にある部分堤防が崩れるなどして水が流れ出している状況でございます。こうした状況のときに、その堤防をとりあえず今何とかふさぐのだという努力をするやり方が一つあろうかと思います。ある意味では政府・自民党の皆さんは、何とか土のうを積んで少し決壊をしているところをとめなければならないということで動かれているのかなというふうに理解をいたしております。 ただ、私どもは、今来ております洪水の規模というものは、例えば五メーターの堤防のところに十メーターの洪水が来ているというような状況であります。むしろ今早急にやらなければならないことは、避難勧告を出して、この大きな洪水で命は失わないようにしましょう、そのときにできるだけ早く避難をすることによって財産も少しでも失わないようにいたしましょう、そして避難をした先での生活は政治が、行政が何とかいたします、こういったことを私どもはしなければならないのではないか。 むしろ、どう考えても、五メーターの堤防を、例えば一時間、二時間で十メーターにすることは不可能だ。それを残念ながらこれまで政府の金融の対策というものは繰り返してきた挙げ句として、今の危機的な状況に陥っているのではないかというふうに私は認識をいたしております。
○石原委員 危機意識の認識ということでは共通のテーブルに着いているというふうに御理解をさせていただきますが、やはり私は、今まさに土のうを積んで水をかい出さなければならないもっと差し迫った問題が、もちろん過去の政策についての瑕疵というものは私は個人的には認めさせていただきますけれども、現実は差し迫った問題であるということを重ねて申し述べさせていただきたいと思います。 そこで、質問に移らせていただきますけれども、そもそも金融機関の破綻処理については、皆様方が案を出されているわけですけれども、議論の過程の中でいろいろなことがあったと思います。考え得ることのできる破綻処理の方法をどのように認識されているか、基本的な御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○谷口議員 お答えさせていただきます。 先ほど石原議員の方から質問がございましたが、冒頭、ちょっと私の考えることを申し述べたいというように思います。 御存じのとおり、今現下の金融状況は、これは与野党、我々政治家も十分認識しておるところでございまして、まさに共通の認識であると申し上げたいというように思っております。 一方で、その方法をめぐって、今与野党の間で見解、考え方が違うわけでございまして、今現下の状況の中で政府案が出てき、本日このように三野党共同のこの法案を出したところでございます。 実は、私は、今現下の状況の中でまず考えていかなければいけないのは、我が国の金融状況、まあこれは世界的に共通しているわけではないわけでございまして、我が国の金融状況を見ますと、この四月から実質的にビッグバンが始まったわけでございまして、戦後我が国の金融行政、護送船団行政と言われる行政が続いてきたわけでございますが、そのような状況の中で、金融業界は国際的競争力を失い、まさに今このような状況の中で、金融鎖国と言われるような状況を開放していこうというようなことでビッグバンが始まったわけでございます。 そういう状況の中で、オーバーキャパシティーと申しますか、金融業界全体の中で金融機関の数、またもろもろの状況を考えてまいりますと、このオーバーキャパシティーを是正する必要があるのではないか、こういう観点からも考えていかなければいけない。そういう意味において、我々は、この金融機関の処理については、救済をするというより、むしろ清算をしていかなければいけないという立場に立ってやっておるわけでございまして、冒頭石原委員のおっしゃった、政治家が引っ張っていかなければいけないという観点においては、私は全く変わっておらないということをまず冒頭申し上げたいというように思います。 それと、破綻処理については、アメリカの破綻処理の原則なんかに学ぶところがあるのではないかというように考えておるところでございまして、御存じのとおり、アメリカにおいてはもう既に我が国と同様な状況が起こっておるわけでございまして、状況を見ておりますと、不可欠性の原則というのがございました。 これは、地域においてこの金融機関が非常に重要であってつぶすことができないということがありまして、そういう状況の中で公的資金をつぎ込んでいった。ところが、ある意味においては金融機関はすべて地域においては非常に重要な立場を占めておるわけでございまして、そういうことから非常にむだな公的資金がつぎ込まれたという歴史がございます。そういう状況の中で、このような不可欠性の原則はだめだというような状況になったというようになっておるようでございます。 その次に出てまいりましたのが、ツービッグ・ツーフェール原則。これは御存じのとおり、コンチネンタル・イリノイという金融機関、大きな金融機関でございましたが、大き過ぎてつぶせない。こういう状況の中で公的資金をつぎ込んでいったわけでございますが、しかし、一方において大変なモラルハザードが起こったというような状況の中で、今アメリカにおいては、このようなツービッグ・ツーフェール原則も適用されておらない。 九一年に連邦保険法の改正がございまして、今はシステミックリスク原則、要するに、金融システム全体に大きな影響を及ぼすような経営破綻については対応しなければいけない、このように変わっておるような状況のように聞いておるわけでございますが、まさに我々三野党の考え方も、公的管理という観点においてはシステミックリスク原則を貫いておるというように考えておるところでございます。 現下の預金保険法については、アメリカにおいてもう既に適用されておらない不可欠性の原則、地域金融機関は大変重要だからつぶすわけにいかないというようなことさえ入れられておるわけでございまして、今まさにこのような観点でこの処理原則を考えていかなければいけない、このように考えております。
○石原委員 谷口委員の御指摘いただいたオーバーキャパシティーの問題については、まさに私も同感であります。戦後の資本市場というものが未発達な中で、日本は特有な、メーンバンクを中心とした、コーポレートファイナンスを中心とした融資を主体とするものが発展してきてしまった。 その中で、アメリカと比較してみますと、間接金融、日本のGDPの大体一・四倍間接金融があるわけですか、そしてアメリカはどうかというと、アメリカはGDPの四割しかない。こんなことはやはりかなり異常であるということはまさに同感でありますし、また、そのオーバーキャパシティー、オーバーバンキングの問題は、かなり高い金利でお金を借りてきた金融機関が薄い利ざやでお金を貸す、そしてその金融機関が実は資本が小さい、過少資本である、こういう銀行がたくさんあるということが、昨今のこの貸し渋りの大きな問題の根本にあると思います。 また、これをやはり一日も早く解消していくことがこの日本の金融問題の根本的な解決につながるという認識のもとに、私たちは案をつくらせていただいたわけであります。 その手法について若干の違いがある。クローズド・バンク・トランザクションというんでしょうか、閉鎖型の処理、これは破綻後の処理ですけれども、これは私たちのこのブリッジバンク、または皆様方が御提議いただいた、原則清算ですけれども国家管理を行うというものは、いわゆるオープン・バンク・アシスタンスに乗ったものである。 私はやはり、冒頭申しましたように、カテゴリーの違いはあるにしても、公的資金を入れて、公正、公平なルールをつくった上で、経済の血液と言われる金融に対して公的なお金、すなわち財政資金、税金でありますけれども、これを使うという認識では与党、野党とも変わりがないんじゃないかということを重ねて申し述べて、次の質問に移らせていただきます。 冒頭お聞かせ願いたいのは、いわゆるこのブリッジバンクの問題なんですけれども、私は、選択肢というものは、いろいろな危機の場合は多くていいと思うのです。その選択肢は多くて、では何でブリッジバンクを採用するんだ、何で管理人の方だけでいくのかということの採択した透明性が確保されれば、私はこれはあっていいと思います。 特に、皆様方のこの金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案で、二十六条を読ませていただきますと、金融整理管財人、いわゆる管理人が入っての処理の方法は、原則一年である。私どもは、ここがブリッジバンクでは原則二年となっている。私は、一年間のうちに引受金融機関が登場しない場合に、いわゆる善意かつ健全な借り手に対する債務も整理回収機構行きとなるということでは、この健全な借り手の保護は不十分だと思うのですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○谷口議員 まず、政府提出のブリッジバンクについては、御存じのとおり、第一段階で金融管理人が入って、第二段階で公的ブリッジバンクということでございます。一方、アメリカにおいて、先ほどもクローズドバンクまたオープンバンクというような話がございましたが、状況を見ておりますと、もう既に受け皿会社が決まっておる、その状況の中で資産、負債を承継しなければいけない、PアンドA、健全銀行に。そういうような、コストを考えた場合に若干長くなる可能性があるという場合にブリッジバンクを使っておるわけでございまして、現在政府提案のこのブリッジバンクについては、そういうことではなくて、受け皿銀行が見つからないというような状況の中でしばらく受け皿銀行で抱こうではないかというようなことのようでございますので、ここは明確に違うのではないか。 そこにおいて考えなければいけないのは、金融機関の経営破綻において考えなければいけない、留意しなければいけない三つの点があると私は思っておりまして、一つは、預金者の問題と借り手の問題と、もう一つは決済システムの保護、金融システムの保護、こういうことではないかというように考えております。現下、預金者については二〇〇一年三月まで全額これは保護されておる。また金融システムの問題については、与党の案にもございますが、政府また日銀が対応していく、これは全く我々も同様でございます。 借り手の問題については、我々は、信用保証協会法等の一部を改正する法律案を後日提出する予定になっております。これは、中小企業保険公庫に資金を拠出いたしまして、特別勘定をつくって資金を拠出し、都道府県の信用保証協会に、今まで破綻した金融機関の取引先の第二分類のところを円滑に他行に移すことができるというようなことにおいてこれは極めて有効であるということで、後日提出する予定になっておるわけでございます。 もう一つここで申し上げたいのですが、政府提出のブリッジバンクにつきましては、これはもう今よく議論をされておるところでございますが、ブリッジバンクと取引しておるということだけで、良質な取引先が、取引の相手方からどうも良質ではないというような烙印を押される可能性がある。そうしますと、このブリッジバンクが不良債権のたまり場と申しますか、不良債権がどんどんたまっていくのではないか、こういう危惧があるわけでございまして、そのような観点からも考えていかなければいけない。 そういう意味において、善良な借り手の保護のためには、この信用保証協会の融資によって他行に円滑に移動できる、移すことができるという我々の案が、これは実務的にも対応能力は高いのではないか、このように考えておるところでございます。
○石原委員 後日、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案というものをお出しになるということでございますが、政府・与党としても、もう既に中小企業貸し渋り対策大綱というものを八月二十八日に決定をさせていただきまして、これまでのこの補完枠というものを四十兆円に拡大する。それ以上のものをきっと出してこられるということでございますが、この信用保証協会、各都道府県ですね、このスキームだけで本当に足りるしワークするのかという問題、私は疑問だと思うのです。 というのは、信用保証協会の融資枠、保証枠というものを広げるには、やはりクレジットが要るわけですね。これもある意味では公的資金なわけであります。そして、信用保証協会も実は査定をしなければ、先ほどブリッジバンクが不良債権の吹きだまりになると言われましたけれども、信用保証協会も不良債権の吹きだまり、言葉が非常に悪いのですけれども、そういうものになる可能性がある。私はやはり、この信用保証のスキームだけでは本当に、足り得ることもできないし、審査能力ということを考えても、私どものこの公的なブリッジバンクの方がより機能するのではないかと思うわけでございます。 そして、もう一つだけ言わせていただくならば、私ども、この公的なブリッジバンクに行くのはレアケースである、そしてラストリゾートである、そのぐらいの感覚を持って、それまでにやはり、善意かつ健全な借り手であるならば、他の民間金融機関から新たなお金を借りてくることができるという、その点においては私も同感でありますが、この信用保証のスキームだけで本当に足りるのか、または、先ほど冒頭申しました審査能力、あるいは各都道府県にある、このような問題をどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○鈴木(淑)議員 石原委員御指摘のように、政府・自民党案の方でも信用保証協会の保証能力を強化して貸し渋り対策として使おう、能力四十兆円と言っておられることはよく承知しておりますが、私どもが考えております、後日提出したいと思っております法案との決定的な相違点が二つございます。 一つは、政府・自民党さんは貸し渋り対策として考えているのであって、破綻金融機関の借り手が他行に移れないで困っているのに対してどうするかというのは入っていないのですね。私どもは、破綻した金融機関から他行に移れない場合に信用保証をつけて移れるようにしてやろう。ここが違う。 それからもう一つは、政府・自民党案では、お金は全国に五十二ある信用保証協会の方につけようとしているわけですね。しかし、私どもは、破綻した金融機関の借り手は、どこに本社があるかわからぬ、全国に散らばっています。だから、保証協会に、ここに幾ら、ここに幾らというのを事前にやったんじゃ、むだ金を使っちゃうだろうな。それよりも、どんと再保険を受けとめる中小企業信用保険公庫のところに資金をつけて、破綻した金融機関の借り手でよそへ移れないで困っている中小企業が五十二の信用保証協会のどこかに来たら、これは再保険という形でつないできてくれれば中小企業信用保険公庫が受けるよ、こういう体制になっている。その二点が違うというふうに思います。 それで、私どもは、貸し渋り対策としてですと、確かに信用保証協会のレベルでの審査能力は大丈夫だろうかとかいう話が出てくると思うのですが、私どもの場合は、貸し渋り対策としても考えていますよ、だけれども基本は、政府・自民党案と違うところは、破綻した金融機関の他行に移れない借り手対策としてですから、そうしますと、破綻した場合には、第三分類、第四分類は整理回収銀行の方へ引き取ります。残りが第一と第二で、第一が本物の第一だったら移れるわけです。それから、第二の中でも移れるところはあるのだろうと思いますね。最後に移れないところが残ったら、これは原則として保証してあげましょうということですから、ずるずるそれが広がっていくということはないというふうに思っています。 また、保証の期間も一定の期間であって、その間に立て直しの努力をしてもらう、こういうふうに考えております。
○石原委員 鈴木委員にもう一点御質問なんですが、それでは、保険公庫へのクレジットの枠、金額的にはボリュームとしてどのぐらいのものをお考えになっているのか、そしてまた、やはりここの法律案が一緒に出てこないと、実は皆様方の四法案では大きな欠点があるのではないかと思いますが、その点についてお聞かせ願います。
○鈴木(淑)議員 私どもは、この破綻金融機関の借り手に保証協会が保証をした場合、これを保険公庫へつないでくる再保険の比率は、一般には七〇%のケースと八〇%のケースがありますが、これは九〇%以上に高めようというふうに思っております。 ところで、石原委員御存じだと思いますが、第二分類の回収不能比率というのは、過去の経験からいうと一〇%ちょっとです。それから、信用保証協会の、保証して返せなくなっちゃってかぶった比率というのは一〇%以下なんですね。ですから、仮に梶山構想のように第二分類は二割かぶると考えても、五兆円信用保険公庫に積めば、二割と考えると五倍の五、五、二十五兆円の保証機能を持ちます。 ところで、第二分類というのは、御承知のように、マネーセンターバンクで自己査定の結果では四十五兆円、全国銀行で六十五兆円、その他全部を入れて八十兆円ですから、二十五兆円の保証機能を持つというのはもう十二分だと思うのですね、場合によっては五兆円以上積んでもいいのですが。ですから、能力は十分にあると思います。 それから、まだ法案が出ていないじゃないかとおしかりをいただきました。早急に出したいと思っておりますが、法案要綱も法律案ももうできておりまして、細かい詰めをしているところでございます。
○石原委員 今の問題につきましては、公的な支援をするということで、やはり健全な借り手を保護していこうということでは一致しておりますが、手段が違うという認識を持たせていただきますし、また重ねて、早急にやはりお出しいただかないとトータルのものとしては問題の解決には至らないということを指摘して、次の質問に移らせていただきたいと思います。 先ほど枝野委員の方からも御指摘がありまして、破綻の認定ですね。また、過去の特別委員会の質疑の中で、政府・与党の破綻認定はいいかげんじゃないか、また破綻認定をめぐって、同じなのか、同じじゃないのではないかというような枝野委員の御指摘があったわけでございますが、野党案の破綻認定基準の具体的な内容は、政府案と比べて何が明確化されているのか。 私、この金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案を読ませていただきますと、破綻認定について御指摘されているのは八条と二十八条ではないかと思います。八条の方を読ませていただきますと、「金融機関がその財産をもって債務を完済することができない場合その他金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は金融機関が預金等の払戻しを停止した場合であって、次に掲げる要件」云々というくだりがございますが、これは一体政府案とどこが違うのか、明確化されたのか。 先ほど債務超過の御言及がございましたが、債務超過については、もちろん我々も、破綻である、一番わかりやすい破綻であるということは重ねて申しておりますので、そこの御見解を聞かせていただきたいと思います。
○古川議員 お答えいたします。 ただいま石原委員から御指摘をいただきました破綻の認定でございますけれども、政府におかれましては、これは原則的に預金保険法の第二条の第四項にある規定の破綻金融機関の定義、すなわち「業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関」、それを破綻したというふうに明文では明示をしておるのじゃないか。 したがいまして、これはいわゆる資金繰り破綻のことでございまして、預金保険法を読みますと、今石原委員がおっしゃいましたような債務超過の場合というのは、明文上の定義はされていないのではないのか。しかも、私どもが理解をいたしておりますところでは、これまで政府が行ってきておりますいろいろな、長銀問題を含めての金融機関の危機管理でございますが、資金繰りがつきさえすれば、実質的に債務超過とみなされるようなものであっても、これは事実上破綻と認定しないで、資金繰りがついていればこれはまだ破綻前だというふうに認識をしている。そのような形で、これは事実上今までの金融機関について救ってきているのではないかというふうに思っております。 私どもは、そういった意味からも、債務超過というものが破綻した金融機関であるということを明確にするべきである。そのような考え方から、先ほど石原議員もお話しになられましたように、第八条と第二十八条のところで債務超過の場合等を基本的な破綻の定義とし、それに加えて資金ショートの場合も、これも実質的に債務超過に陥っている場合が多いですし、また、そうでない場合も、そうした資金ショートに陥っているような場合には、これは破綻した金融機関として管理をしていくべきである。そのように考えて定義をさせていただいております。
○石原委員 古川委員のお答えの中で一点ちょっと気にかかるところは、資金繰りがついていれば破綻ではないというのは、やはり当然破綻ではないのではないかというふうに私は考えます。 また、御丁寧に預金保険法の第二条第四項を御解説いただきましたが、ここの文言をちょっともう一度正確に読ませていただきますと、「「破綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関をいう。」皆様方の案では、「銀行がその財産をもって債務を完済することができない場合その他銀行がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は銀行が預金等の払戻しを停止した場合であって、次に掲げる」云々。 非常に、これまで恣意的だ、裁量的だと私どものことを御批判いただいてまいりましたけれども、法律案を読むと非常によく似ていて、これまでの皆様方の批判というのが当たらないのではないかということを率直に感じました。二点について、御感想がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○古川議員 その点に関しましては、私たち、金融再生委員会がしっかりとこれは規則を定めてやっていくわけでございまして、そもそもそこの金融再生委員会が定める規則の基準というものが、これは政府とは基本的に変わってくるのではないかというふうにも考えております。 と申しますのは、私どもは、金融機関に金融再生委員会が規則で定める期日において資産の査定を行わせて、そしてその査定結果を金融再生委員会に対して報告をさせることにしています。その自己査定した結果につきましては、これを公表させることとしておりますし、またその自己査定結果だけでなく、それに対しまして、金融再生委員会で、規則で基本的な引き当て率等、各分類についての引き当て率等の基本的な基準みたいなものも一応公表した上で、それぞれの各金融機関が現実にどれくらい引き当てしているか、それを公表させる。そのような形で客観的な基準でもって破綻というものは認定できる、その意味でこれは政府と異なるのではないか、そのように考えております。(石原委員「あと、資金繰りが続いているのは破綻ではないという点は間違いじゃありませんか」と呼ぶ) 資金繰りは、もちろんそこのところで資金繰り破綻については、当然私どもも資金繰り破綻も破綻だというふうには考えております。(石原委員「資金繰りが続いているときは破綻じゃないのですよね」と呼ぶ)ええ、資金繰りが続いているときはもちろん、資金繰りがつかないときに破綻ということです。失礼いたしました。
○石原委員 了解しました。要するに、皆様方の再生委員会が明確な基準を出されるということであって、まだ明確な基準はお示しになっていないということがわかったということでございます。ちょっと細かい話に移らせていただきたいと思います。 それと、先ほど鈴木委員との議論の先につきましては、もう少し議論したかったのですが、ちょっと時間の関係で、午後の山本委員が引き続いてその問題についてはお話をさせていただくということをつけ加えさせていただきます。 二十八条の第一項、先ほど私も読ませていただきました。皆様方の法律案の二十八条の第一項第二号をちょっと読ませていただきます。「当該銀行の業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、次に掲げるいずれかの事態を生じさせるおそれがあること。」これで、イとロというふうに御指摘がされているわけですが、ちょっとロの方が私気になるのですが、ちょっと読ませていただきます。「当該銀行が業務を行っている地域又は分野における融資比率が高率である等の理由により、他の金融機関による金融機能の代替が著しく困難であるため、当該地域又は分野における経済活動に極めて重大な障害が生ずることとなる事態」、ここのところでちょっと気になるのは、声を大きくした「融資比率が高率である」と書いてあるのですが、この融資比率が高率というのは一体どういう概念なのか、具体的にどの程度の比率を考えているのか。そしてまた、ここでまた具体的な数字が出てきてそれに合理的な根拠がないと、これがまさに裁量だという批判を招くのではないか、ここの点についてお話をお聞かせ願いたいと思います。
○枝野議員 ここの規定に言います「融資比率が高率である」というのは、例えば、特定の地域において、当該地域の地場産業の事業者に対する融資を特定の、その場合は特に地方銀行でしょうか、これは非常に高い地域、低い地域、いろいろ地域がございます。その比率が高ければ高いほど、つまり一つの銀行が当該地場産業の事業者を支えている比率が高ければ高いほど、当該金融機関が破綻をした場合の影響が、地域に限定的でありますが、地域特定ではありますが、深刻であるというような影響になります。こうした場合には、その際の混乱を回避するために、特別公的管理のスキームを利用する必要があるというふうな趣旨でこうした規定を置かせていただいております。 この比率を数字で示すということがいいことかどうかということでありますが、私どもは単純に数字で白黒つけられるような種類のものではないというふうに思っています。まさにその後にもついておりますが、「他の金融機関による金融機能の代替が著しく困難である」ということが認定できるかどうか。裁量的という御批判は出るかもしれませんが、裁量的であることが問題であるのは、本来、明確な基準のもとで白黒つけられるものについて裁量的であるということについては、これは回避をするべきであるというふうに思いますが、まさに地域に対してどれぐらいの影響があって、それがどれぐらい深刻であるのかということについてはある意味では裁量的になる部分は、これは当然こういったルールの中にも含まれることは私どもも否定をいたしません。
○石原委員 わからないでもないんですが、裁量行政をこれだけけしからぬ、けしからぬと言ってこられたわけですから、裁量があるのはいたし方ないと言われますと、どっちを信じていいのかなという気になりますし、やはり、合理的な根拠というのは、実はここが一番難しいところで、助け船を出すわけじゃないですけれども、パーセンテージを規定するということはできるようでできない、こういうふうに私も実は考えております。ちょっと意地悪な質問だったかなという気がします。 もう少し助け船を枝野議員に出させていただくと、例えば中南米問題がこの間ございましたね、中南米の金融危機。こんなときにブレイディ提案というものが出たわけですから、じゃ、十年間だれが一体損失を負担するかという議論があって、国ごとに微妙な違いがあって、結論を言いますと、裁量のない、明確なだけなルールじゃ世の中の経済活動というものはコントロールできないと私は考えております。ですから、これから皆さん、ぜひ裁量行政、恣意的行政はけしからぬと紋切り調に言うのはやめて、もう少し細かく議論をさせていただければと考えております。 今ちょっと同僚の議員から、やはり古川委員のお答えのところで、おかしいんじゃないか、また野党の席からもやはりおかしいと話が出まして、従来、大蔵省は、債務超過であっても資金繰りがついていれば破綻ではないとして手当てをしていたと思いますけれども、これがおかしいとおっしゃられたわけでございますが、資金繰りがついていても破綻と考えているのはなぜなのか、また、それが間違いならば、明確にそこのところはニュアンスの違いがあったと、お願い申し上げたいと思います。
○古川議員 そこのところ誤解があったようでしたらはっきり申し上げたいと思いますが、私どもは、例えば長銀問題などは、もう実質的に債務超過に陥っている、そういう銀行である、ですから、政府の方は、監督庁も含めて債務超過ではないというふうにおっしゃっておられるわけでありますが……石原委員「資金繰りがついている」と呼ぶ)ええ、ですから、今はもう長銀はもちろん資金繰りはついているわけでございまして、そういった意味では、資金繰りの面からいえば長銀は破綻しているとは言えないかもしれませんが、私どもは、この長銀などは実質的に債務超過の状況であって、その意味から破綻しているというふうに考えるべきではないか、そのように考えておるということでございます。
○石原委員 ちょっと微妙な問題なので発言を御注意願いたいのは、債務超過であるということを具体的な数値をもってだれも今知り得ない状況であるわけですから、そういう発言は非常にこれから委員会の中で慎重に取り扱っていただきたい。この部分はこのぐらいにさせておいていただきたいと思います。 ちょっと次の質問、やはり一時的公的管理についての質問を続けさせていただきたいのですが、先ほど同僚の保岡委員からも質問がありましたけれども、特別な公的な管理について、裁判所は二十四時間という短時間にシステミックリスクの発生のおそれ、有無等の難しい問題について判断を下さなければならない、そういうことになっております。実際問題としては、これは私は裁判官をやっていたわけじゃありませんからわかりませんけれども、知り合いの裁判官の方に聞きますと、何か裁判所にちょっと無理難題を押しつけられているのではないかと。これは本来行政処分は行政の責任においてなされるのが当然ではないか、また、司法に何でも押しつけるのは私は非常にちょっと問題があるような気がするのです。 それはなぜかと申しますと、行政権は、皆様御承知のように内閣に属しまして、行政処分というものは行政機関がその責任を持って行うべきものであり、司法権というのは、これはもう枝野さんが一番専門ですけれども、行政処分の適法性を事後的に判断するのが私は司法権だと思うのですね。 ですから、金融再生委員会という行政機関のする行政処分を裁判所の事前の認可にかからしめることは、ある意味で私は三権分立にこれは反するのではないかという気がいたします。また、そのシステミックリスクという問題を司法判断になじませるということは、金融行政を担当する行政機関において実は判断すべき問題であり、裁判所の司法判断になじまないのではないか。 また、さらに進めさせていただきますと、これは実は司法の二重関与ということになって非常な不合理が生じるのではないかと思います。裁判所の認可を受けてされた行政処分に対して、憲法上これによって不利益を受ける会社関係者の行政訴訟の提訴権を奪うことができない、場合によっては、これに対して裁判所が二重に関与することによりかなりの不合理がある。端的な例でいくと、ある裁判官が却下する、裁判官がわからないからこれは却下だというケースが必ず出てくる、また、私はそれが司法制度の持つ意味でもあるような気がしてならないわけであります。 そこで、これはちょっと最高裁にお話を聞かせていただきたいのですけれども、しつこいようですけれども、野党の皆様が提出されている金融再生法案では、いわゆるシステミックリスクの発生や特別公的管理以外の方法ではその発生を回避できないことについて、裁判所が申請のあった日及びその翌日に判断をすべきものとされている。これは、休日を挟んだときどうかということは書いていないのですけれども、司法手続においては、例えば、私は非現実的だと思うのですけれども、裁判所が更生事件についていろいろ判断されていると思うのですね。会社の更生手続の開始の要件である事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないこと、あるいは破産の原因である債務超過の事実の生ずるおそれ、更生の見込みの有無などなど、審理されていると思うのです、現実問題として。 これは非常に野党案に出てくるものと重なると思うのですけれども、現実問題として一体どのぐらいの日数がかかっているのか、ちょっと教えていただけませんか。
○石垣最高裁判所長官代理者 委員御案内のとおり、会社更生の申し立てがございますと、裁判所は、多くの場合はとりあえず申し立て直後に保全処分として保全管理人の選任等を行って、それから更生開始要件の審査に入る、こういう段取りになります。 その場合どの程度かかるかということでございますが、それぞれの要件を判断して会社更生の開始決定をするまでの期間でございますが、最近の状況で申し上げさせていただきますと、例えば平成九年に会社更生の申し立てがあった大型事件でございます東海興業、多田建設、大都工業、ヤオハンジャパン、これらにつきましては、申し立てから開始決定までに二カ月ないし三カ月かかっております。金融機関ではございますが、一応の数字としてはそういうところでございます。
○石原委員 どの程度の金融機関が破綻するかによって、大小はありますけれども、一日や二日で判断を裁判所に迫るというのはやはりどうしても無理があるのではないかと今感じましたが、御感想がございましたら。
○西川(知)議員 ちょっと誤解のないように申し上げておきますと、我々が裁判所の関与を法文の中で取り上げておりますのは、裁判所の認可ということでございます。 委員は、認可と許可の差を十二分に御存じだと思いますが、認可というのは、当然のことながら補完的な行為でございまして、あるものに対してその補完行為が認可という形でなされないと無効になるということで、一般的に禁止されていることを解除する許可とは全然違うということを一つまず申し上げたいと思います。 それから、この裁判所の関与ということについてちょっとお答えする前に御理解いただきたいことは、これは今行政に対して、特に金融監督庁のいろんな検査結果、これも長銀の審査のときで十二分に明確になっていないということで、行政に対するいわゆる不信感というものが特に国民の中にある。ですから、その意味で、チェック・アンド・バランスということで、またそういうふうな行政のその裁量行為をチェックするという意味で裁判所の関与ということを我々が申し上げているわけです。 そしてさらに、今最高裁の方からおっしゃったのは、今いろんな状況があると思うのですけれども、私もそういうことで弁護士として関与した経験は何回もございますが、債務超過とかそういうことはその日にわかるわけじゃなくて、前々からずっとそういう傾向があって、それがだんだん最後のところで出てくるということでございまして、実際は経験された方もたくさんいらっしゃると思うのですが、前からそういう下打ち合わせをして話を煮詰めていくというのが実際でございます。また、現在の体制ではそういうふうに日にちがかかるということもございましょうけれども、これは、例えば東京なんかはそういうことの専門家の専門の部がある。ですから、地方の方でも東京の方でもそういう部をもっと強化して、人員も強化してやれば、そういう能力、そしてそれに関するスペシャリティーというのは、皆さんが考えていらっしゃるよりもうんとお持ちの裁判官もたくさんいらっしゃいますから、そういうことは私は非常に可能であるというふうに思います。
○石原委員 西川委員のちょっと苦しかった答弁のような気がするのですけれども、これは、この両方を聞いた方が御判断されればよいわけでありまして、私は、これ以上、別に野党の法案のあらを探しているわけじゃなくて、問題があって、現実問題に今の話でそういう認可を、やたらめったら判を押さざるを得ない事態が起こりますし、裁判所によって判断が変わってしまうという問題を内包しているということを付言させていただいて、もう一問質問を進めさせていただきたいと思います。 四十五条をちょっと読ませていただきます。「金融再生委員会は、平成十三年三月三十一日までに、機構又は特別公的管理銀行に次に掲げる措置を行わせることにより、この章に定める特別公的管理を終えるものとする。」これはいわゆる野党案では、二〇〇一年三月ということで区切りを切ってございますので、例えば、二〇〇一年の三月は三十一日までありますから、三月三十日に問題が発生した、そういうときには、この法律を読ませていただくと、対応できないのではないかと思いますが、その点についてのお話をお聞かせ願いたいと思います。
○枝野議員 金融検査の進行を我々は急ぐべきであるということを考えています。そして、債務超過になった金融機関からきちんと処理をしていかなければならない、急がなければならない。 逆に、今既にペイオフの開始が決まっているわけであります。そういたしますと、それまでに現在の不良債権処理、そして金融再生というものを終わらせなければ大混乱になりますし、ペイオフが始まった瞬間に大変な事態が、大混乱が生じてしまいます。逆に言えば、これは、政治、行政の責任として、ペイオフが始まるまでにすべての処理を終わらせる、その段取りで検査、そして監督、そして破綻処理というものを進めていかなければならないということの趣旨を示しているということで御理解ください。
○石原委員 意気込みは了解させていただきまして、本当に誤解をしていただいたら困るのは、やはり慌ててつくられたというか、各党の案を持ち寄ってつくられておりますので、精査しなきゃいけないところがまだまだ実は条項ごとに私もあるということを言っているのであって、両方で理解をし合っていいものをつくっていこうということでは、気持ちは何の変わりもないということを御理解いただきたいと思います。 次は、どうしても対立する点を議論させていただきたいと思うのですが、先ほど同僚の保岡議員からも御質問のあったいわゆる金融安定特別措置法の廃止の問題ですね。これは、私も政府案に対する質問のときにお話をさせていただいたのですが、最終的には公的資金、税金を使うということにおいては何ら違いがない。あるいは、国有化、ブリッジバンクもある意味での国有化と考えれば、原則清算としても国有化をしていくということでは、方法論は違うけれども、また先ほどはカテゴリーが違うという話をさせていただきましたけれども、違いがないのですが、事前に資本注入を行うということは、やはり一国の金融問題だけではなくて世界全体に関する大きなシステミックリスクを守っていく上でも、事前の、破綻前の処理策というものを、先ほど枝野委員は、行政が粛々と進めれば我々は反対をするだけであるという話をされました。ここの点について、先ほど危機認識も大体一緒ですし、法案をつくっていく過程でオープンかクローズか谷口議員とも議論をさせていただきましたが、大体同じでありますが、ここの部分はどうしても相入れない部分なんですが、もう一度改めてここの部分についての基本的な考え方、危機認識と絡めて御答弁を願いたいと思います。
○枝野議員 現在の金融危機、そこについての認識は一緒でありますが、金融危機に対してやらなければならないことは何なのかということをきちんと整理いたしますと、一つは預金者の預金は守らなければならない、もう一つは健全な債務者を守らなければならない、そして金融機関の連鎖破綻等といった混乱を回避しなければならない、これが金融システムを守らなければならないということの趣旨であるということについては共通の認識を持てるのかなというふうに思っております。 そうした中で、債務超過ではない金融機関、健全だと言われている金融機関、破綻前に資本注入をしてそこを助けるということは、結果的に金融システム、今申し上げた三つの点につながる可能性もあるかもしれませんが、実態は金融機関そのものを守るというスキームであります。 では、今のようなやり方をしなければ最初に申し上げた三つができないのかといえば、むしろ預金者の保護につきましては、現在も預金保険法で保護されておりますので、これは問題になりません。二つ目の健全な債務者の保護というやり方につきましては、先ほど来お話が出ておりますような信用保証のやり方、それから、そもそもが現在の景気の状況について、この景気全体を立ち直らさなければ、むしろグレーゾーンといいますか、資金繰りが非常に苦しくなっている借り手の保護というものは実際には実は図られない、先送りができるだけであるというようなこともきちんと考えていかなければならないと思います。そしてもう一つ、一番システムという意味では根幹かもしれませんが、金融機関の連鎖破綻を阻止するという意味では、私どもは、特別公的管理というやり方で、これによって連鎖破綻はとめることができるというふうに考えております。 したがいまして、資本注入という、いわゆる破綻前処理というやり方をしなくても、システムを守るという意味で守らなければならない三つは守ることができる。例えば公的管理に入ればBIS規制の対象にならないので、むだな資本注入は必要になりません。 そして、残念ながら、従来までシステムを守るという言い方で資本注入をしてきたことが、これまでやってきたことが、結果的にプラスにつながっていないのではないかというようなことを考えましたときには、むしろこの法案を廃止してしまうことが、健全な金融機関と、そして本来破綻に陥っている、実際には破綻の状態に陥っているような金融機関にむだな税金を注ぎ込まない、淘汰されるべきところは、淘汰を推し進める必要はありませんが、むしろマーケットにゆだねるというやり方で我々はシステムを守れると思っております。
○石原委員 もう時間が来ましたのでやめさせていただきますけれども、今日の前に迫っている大手十九行の問題については、私ども政府・与党は、事前注入スキームを堅持させていただきたい、そして、実質的には銀行を、スクラップするという言い方を私させていただいたのですけれども、スクラップさせていただいて合併をしていただく。他への悪影響というものを最小限に最小のコストで守っていくには、手段としての方法、もちろん、運用方法については、公正、公平、そして透明性を保つということはもちろん必要でありますけれども、この部分については保っていきたいということを申し述べさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○相沢委員長 これにて石原君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○相沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。江渡聡徳君。
○江渡委員 自由民主党の江渡聡徳でございます。 今、世の中、世紀末というわけではございませんけれども、どうも東日本各地におきまして水害が多発しておりまして、未曾有の被害が出ているわけでございます。あるいはまた、岩手県の方におきましても大変な地震が起こってしまった。本当に、まさに天変地異ではないのかなと言えるような状況が各地で続いているわけでございます。 そしてまたさらに、過日北朝鮮からミサイルが日本に向けて飛んでまいりました。北朝鮮の方では、ミサイルではなくて人工衛星だというような言い方をしているわけではございますけれども、このミサイル、ちょうど私の選挙区の頭上を飛んでいきまして、それゆえに六ケ所のあの核燃サイクル基地やあるいは三沢の米軍の基地に落ちなくて本当によかったな、私はそのように思っているわけでございます。 それゆえに、まさに今、この時代におきまして、本当にこの日本の中におけるさまざまな分野においての危機管理システムというものをしっかりと確立しなければいけない、そのようなことが国民サイドにおきましても我々国会議員のサイドにおいても強く求められている、そういうような状況だと私は思っているわけでございます。 いよいよ、野党三党の皆様方から提案された法案が提出されまして、本日よりこの委員会で審議が始まったわけでございますけれども、これまでの本委員会におきまして、既に本当に多くの多くの議論が重ねられてきていると思っております。私自身、経済については素人ではございますけれども、どうも今までの委員会における審議というか議論というのは、個別の、しかも、ともすればミクロ的な視点での議論というものが中心になってきており、国民にとりまして本委員会の議論というのは本当にわかりにくい、そういうふうになっているのではないのかなというふうに私は思っているところでございます。やはりこの金融安定化特別委員会の名にふさわしい、もっとマクロ的な視点に立った議論というものを私は進めるべきであるというふうに思っているところでございます。 そこで、私の質問というものをできるだけ、極力マクロ的な視点に立ちまして、国民生活に関連の深い基本的な分野について質問をさせていただきたいと思っているわけでございます。 私は、この我が国日本の金融システムの安定化というものを図って、我が国の経済の早急な景気回復というものを実現する観点におきまして、政府提案であります金融再生関連法案の早期成立というものを強く望むものであります。そしてまた、現状におきまして、これらの法案の早期成立のためにも、目下大きな議論となっております長銀の問題、この長銀の問題の早急な解決というものが緊急な課題となっているというふうに私はとらえております。 ですからこそ、住友信託銀行との合併を前提といたしまして、七千五百億円にも上る不良債権というものを処理し、そしてまた株主の責任というものにもきちんと道筋をつけて、現在の経営陣は総退陣させる。そして、旧経営陣からは退蔵金の返還というものをしっかりと求める。あるいは、行員の方々の給与あるいは賞与の大幅なカットを行い、そして大幅な人員削減を行い、また海外業務からの全面撤退をさせる。そのほかに本店のビル等の売却等、これらのリストラを行った上において、長銀に対して公的資本注入を行うというこの手順、こういう手順で行うことに対しての評価というのは、私はやぶさかではないというふうに思っているわけでございます。 しかし、今の現状、日本におきましての現状は、なぜ長銀に対して公的資本を投入しようとしているのかという、その説明というものが十分ではないのかなというふうに私は思っています。そのために、まだ本当に多くの多くの国民の方々が、いわば長銀のその放漫経営によりまして自業自得的に経営状態が悪化してしまった、そういうような悪化してしまった長銀を国民の税金を使ってまでなぜ救済するのか、そういう点がわからないというような気持ちを持っているのではないのかなというふうに考えているところでございます。 それゆえに、ここで、本来であれば大蔵大臣に聞くのが一番よかったのかもしれませんけれども、金融監督庁の方にお尋ねしたいと思うわけでありますけれども、目下議論されております長銀に対しての公的資本注入というこの注入の構想、これは長銀という個別の銀行を救済するというミクロ的視点から検討されたものなのか、それとも、そうではない、マクロ的な視点から、我が国のこの金融システムに対しての不安というものを解消しなければならないのだ、そういう視点から検討されているのかという、この最もべーシックな部分についての説明というものをお伺いしたいと思います。
○日野政府委員 お答えいたします。 今回のこの金融システムの安定につきましては、小渕総理より、金融システム全体の危機的状況は絶対に起こさないというかたい決意のもとに、我が国金融システムの安定と内外の信認の向上に全力を挙げて取り組んでいくというお考え方が表明されているところでございまして、ただいまお話がありましたように、これは極めてマクロ的な視点からのお考えであるというふうに考えております。 今回のこの合併構想は、まさにこのような考え方に沿ったものでございまして、長銀に対する資本注入は、我が国における金融の機能全体に対する内外の信認の向上や信用秩序の維持等国民経済の円滑な運営の確保に資するものであって、個別行の救済のために行われるものではないということを申し上げさせていただきたいと思います。
○江渡委員 今お答えを聞きましたとおり、長銀をめぐる政府・与党の目下の議論というのは、ただ単に長銀を救おうというものではないんだ、我が自由民主党の同僚議員であります石原議員の言葉をかりますれば、長銀は住友信託との合併で来年の四月にはスクラップになるわけでございます。長銀というものを救うのではなくて、我が国の金融システムの安定化のために行うのだということに私は理解しておりますし、またそのとおりであろうと思っておるところでございます。 また、もっと易しく言うのであれば、昨年十一月に北拓、そして山一などが相次いで破綻して、国民の皆さん方や日本の企業が本当に大きな大きな不安を感じたところでございます。実際、北海道では、北拓の破綻後、大変大きなことが起こっているわけでござます。 昨年の十一月の北拓銀行の破綻におきまして、北海道地域に基盤を持ちます都市銀行が機能停止をしたわけでございますけれども、そのことによって、北海道企業の大型倒産や、雇用の情勢というのは本当に悪化してしまいました。地域経済への甚大な影響というものははかり知れないものと私は思っております。 ここに企業倒産の大幅増加の状況というものの資料があるわけでございますけれども、昨年十一月に北拓が破綻して以来、北海道におきまして負債が一千万以上の企業倒産というのは、昨年の十一月七十七件、十二月九十件、ことしの一月九十九件、二月は九十二件、三月九十九件、四月には百十四件、その後も九十件台がずっと続いております。 そしてまた、負債総額の全国比、北海道と全国の負債総額の比率で見ていきますと、昨年の十一月には二九・一%、全国のうち二九・一%は北海道であった。そして、三月においても一九・七%、五月においては二八・二%と大変な数字でございます。 そしてまた、雇用情勢の悪化ということを考えてみますと、昨年の十一月、十二月は〇・四九、わずか〇・四九ですよ。そしてまた、ことしの一月から三月においてはまた悪くなりまして〇・四七に下がった。そして、何とことしの六月には〇・四〇まで下がってしまった。本当に厳しい状況になったわけでございます。あるいは、完全失業率においても四・七%という状況です。 そしてまた、地域の経済を支えている、ある意味では建設業関係の方に関連するかもしれませんけれども、新設の住宅着工戸数ということを見ていきますと、昨年の十月から十二月におきまして北海道は二九・二%のマイナス、そして、ことしの一月から三月においては二二・九%のマイナス。全国平均では一三・九というマイナスですから、まさに倍以上の状況です。本当に、一つの銀行が破綻してしまったということだけでこれだけの影響があるということ、やはりそういうことをしっかりと我々国会議員というものは見詰めていかなければいけないのではないのかなというふうに思っているわけでございます。 そして、そういうようなことで、北拓が破綻してしまったあのあたりから、海外が日本を見る目ということもかなり私は厳しくなったのではないのかなと思います。そしてまた、日本の景気というものもさらに悪くなりました。ですからこそ、こういうことをまた繰り返すようなことを決してしてはならない、だからこそ早目に手を打たなければならない、このことが私はこの問題の本質ではないのかなというふうに思っております。 ですからこそ、私は、いわゆる長銀問題をめぐるという形でずっと議論してきたわけですけれども、野党の皆様方の議論というのは、何か先週の後半あたりから少しニュアンスに変化が出てきているのではないのかなというふうに感じております。私自身はその変化というものはいい変化だなというふうに思っているわけでございます。ですからこそ、できるだけ早急に建設的な議論というものを重ねるべきであろう。そして、国民の理解をしっかりと得て、この長銀問題に的確に対応することが私ども国会議員の重要な責務である、そのように私は思っております。 さらにはまた、先週ですけれども、我が自由民主党の古賀国対委員長が各会派を回りました。野党案についても私ども本当に真剣に考えます、ですからこそ政府案に対してもどうぞ大いに議論してほしい、そして、長銀問題とは別にいたしまして、いわゆる破綻前処理のルールづくりという問題もしっかりと議論していきましょう、そういうように古賀国対委員長が申し入れをしたわけでございます。 我々の協議、議論が今後どのような形で進んでいくのか、これを日本じゅうの国民、そしてまた世界というものがしっかりと注目していると私は思っております。もうこれは本当に時間との戦いなんです、勝負なんです。ですからこそ、我が自由民主党は本当に真剣であります。ですからこそ、どうぞ、野党の皆様方にも話し合う意思がしっかりとあるのかどうなのかということ、その辺のところをお伺いしたいと思うわけです。
○池田(元)議員 江渡委員と私とは状況認識がちょっと違います。 我々こそ、現下の金融危機に対応して早くから危機対応策をまとめてきたわけです。そして、自民党のブリッジバンク法案のように部分的にしか適用できない、迅速にも適用できないものではなくて、迅速に、より包括的に適用できる金融再生案のできるだけ早い成立を私たちは願っているわけです。 私たちは、この委員会でもきょうこのように審議をやっております。あすも恐らく審議が行われるでありましょう。そしてその後、当然のことながら政府案と我々の案について審議が行われる。それこそまさに本格的なこの問題に対する審議になると私は思っております。拙速ではだめなのです。こういうとき、しっかりとした危機対応策をまとめなければならないと思っております。 私は、これは委員会ですから、自民党の国対委員長をここで直接は批判するつもりはございませんが、ようやくきょうから野党案の審議が始まった段階です。その野党案を提出する前から外部でいろいろ動きがありまして、国会の委員会の正式の場ではなくて非公式の場で協議しようという、このやり方こそ国対政治の手法ではないかと私は思っております。
○江渡委員 いろいろなお考え方があるでしょうけれども、それでもしっかりと話し合いはしていきたい、そして議論も尽くしていきたい、そういうような御趣旨の部分も含まれているのではないのかなと私は受け取らせていただきました。 続きまして、また、このたび提出されました野党案の中におきまして、長銀問題解決の前提となります金融安定化特別措置法の廃止、このことが盛り込まれているわけでありますけれども、私は、現下の日本の金融の不安定な状況ということ、このことに照らすならば、長銀問題に例を見るような金融危機につながりかねない問題を未然に防止するということは極めて重要なことではないのかなと思っているわけですけれども、その辺のところはいかがお考えでしょうか。
○枝野議員 私どもも、長銀が大手銀行であるのは紛れもない事実でございますので、それが無秩序に破綻をした場合に大きな混乱が生じるだろう、そのことは政治、行政の責任として避けなければならないという強い思いを持っております。ただ、そのことが公的資金の導入にどうして結びつくのか、理解ができないところでございます。 従来、先ほど北拓などの例もお挙げになっておられましたが、経営状態の非常に悪化した金融機関をいろいろな手段を使って吸収合併等をさせていきながら、それが十分な、いい方向での結果をもたらさなかった例は、ここで私があえて挙げるまでのことはないというふうに思っております。 そして、私どもの案でも、これは、この部分を使うかどうかということはある意味ではこれから議論をしなければならない部分かもしれません が、私どもの特別公的管理に入る要件は、支払い停止などが生じてしまって、いわゆるパニックが生じてしまってからでなければ使えないというものではございません。 本当に今、大蔵大臣みずからが公的資金を入れなければ破綻をすると言うような、長銀が本当にそういった状態であるならば、そしてそのことによる影響が、これまた日銀総裁以下非常に国民の不安感を意識的にあおるようなお話をしておられますが、もし本当にそんなに大変なことになるということであるならば、当然のことながら、特別公的管理にスムーズに入っていけるスキームは用意しております。 したがいまして、公的資金の導入という非常に不明瞭、あいまい、そして今までも効果を上げてきていない方法を削除しても、この問題で混乱を生じさせることはない、むしろ、私どもの法案を速やかにお通しをいただいて、万が一の場合にはいつでも特別公的管理に入れるということをつくることの方が、今の金融危機に対して必要な措置であるというふうに考えております。
○江渡委員 この辺のところは違いがあるわけでございますけれども、私は逆に、かえって、破綻させることが社会的コストを増大させてしまって、国民の負担というものをかなり大きくするような形になるのではないのかなというふうに思っております。 この辺のところを余り話していますと時間がなくなってしまいますので、次に、貸し渋りの問題に対して、お話を移らせていただきたいと思います。 貸し渋りの問題というのは、特にこれは実態の部分としてかなり関連してくるわけでございますけれども、野党案の金融機関に対する情報開示義務や罰則の強化の問題ということについてちょっと触れさせていただきたいと思います。 金融機関による貸し渋りがいかに大きな問題になっているかということに対しては、本委員会におきましてもたびたび取り上げられてまいりました。特に、現下の厳しい経済情勢の中におきまして、本当に額に汗してまじめに働いておられる中小零細企業にとりまして、この貸し渋り問題というのは本当に深刻な問題でございます。 私も、選挙区に帰るたびに支持者の皆さんから本当に切実な訴えがあります。今までずっときちんとおつき合いをしてくれていたメーンバンクが、突然のように、いや、なかなか思うようにいかないよ、貸せないよというような形になったというところ、至るところから聞いております。あるいは、そういうような話、私の選挙区だけじゃなくて、日本全国至るところであるわけでございますけれども、ですからこそこの問題、何としても対処しなければならないというふうに思っています。 そこで、我が自由民主党の強力な指導のもとにおきまして、政府は去る八月二十八日に、中小企業等の貸し渋り対策大綱というのを閣議決定いたしたわけでございます。信用保証協会及び中小企業信用保険公庫による信用保証につきまして特に二十兆円の信用規模を確保するなど、さまざまな対策を講じることとしたわけでございます。政府系金融機関におきましては、本年度は十三兆円の資金量というものを確保しているわけでありますけれども、来年度においても必要十分な資金量というものをしっかりと確保しようというふうに決定しているわけです。これらの対策によりまして、いわゆる貸し渋り問題に関しましては、資金規模ということにおいては総額四十兆円を超える対応が可能になったわけでございます。 そういうように、我々自由民主党、本当にこの貸し渋り問題に対しては真剣に取り組んでいるわけでございます。 一方、野党の皆様方も、貸し渋り対策につきましては、八月二十五日、三党合意で幾つか言及されております。その中身、先ほども鈴木議員の方からのお話も、多少触れましたけれども、具体化されたという形、これから法案が出てくるというふうになっていますけれども、中身というものはまだまだよくわからないところがございます。ですからこそ、ある意味においては、この辺、法案提出がおくれているというところをとやかく言うつもりはないわけですけれども、貸し渋り問題に対して、どうも我が自由民主党と野党の皆さん方において温度差があるんじゃないのかなというふうに考えておりますけれども、その辺の御見解はいかがでしょうか。
○谷口議員 お答えいたします。 委員おりしゃるように、私も全く同感でございまして、貸し渋りの問題は極めて重要な問題である。私、選挙区は大阪でございますが、大阪はもう大変な貸し渋り状態にあるわけでございます。 そういう状況の中で、この三月に、十三兆円の基金から、先日当委員会また本会議においても、宮澤大蔵大臣は、貸し渋りの対応ということで一兆八千億強の資本注入を行ったところでございますが、この効果が全くなかったというようにおっしゃったと申しますか、謝罪をされたわけであります。 我々が申し上げたいのは、貸し渋りという問題は、忘れてはならないのは景気の活性を図らなければならない、これを忘れて貸し渋り対策はない、このように言っておるところでございます。仮に株価が千円上がりますと、大手銀行の含み資産は二兆三千億ふえる。また同様に、為替が十円上がりますと、同じように二兆三千億の含みがふえるわけであります。ですから、今この貸し渋りの問題で考えていかなければいけないのは、このような景気の活性策を考えなければいけない。 当然、今議論になっております長銀問題においてもそうでございますが、不良債権処理を行うということになりますとより一層金融機関の財務状態が悪くなるわけでございますから、そういう状況の中ではより一層貸し渋りが進行するであろうということは十分予想されるわけでございます。そういう観点で申し上げますと、今議論の中で漏れておりますが、景気活性策について抜本的な景気対策をやっていかなければいけない、このようにまず申し上げたいというように思っております。 また、先ほど委員おっしゃいましたように、我々野党三党の間におきましては、今現在、信用保証協会法等の一部を改正する法律案を近々提出する方向で議論をいたしておるところでございますが、これは中小信用保険公庫に資金を注入し、都道府県の信用保証協会からいわゆる破綻金融機関の第二分類の相手先に対して円滑に他行に移行できるようなシステムをやろうというように考えておるところでございまして、政府案と異なるところは、我々は中小信用保険公庫のところに資金を注入する、これは都道府県の信用保証協会に直接注入することでない、このようなことでございます。このようなことで、現下の不良債権問題を抱えておると申しますか、第二分類の貸し手のところを守っていこうというような案を我々野党三党、考えておるところでございます。
○江渡委員 私もその御趣旨もわかるところはあるわけでございますけれども、しかし、なかなか経済というものはそう簡単によくなるものではないだろう、今の状況下におきますと。 その中におきまして、野党案におきまして、金融機関の情報開示に関して、個別行ごとの分類債権の状況と分類債権別の引き当て率の公表を法律で義務づけようというふうにしているわけですけれども、私もその問題の意識については、これはかなり理解できるものでございます。やはりディスクロージャーというのは必要であろうというふうに思っているわけでございます。 しかし、現在の我が国の金融を取り巻く状況においては、このような個別の公表の義務づけというのは、銀行におきまして、ジャーナリズムなどから危ない銀行であるというようなレッテルを張られてはたまらない、そうなってしまったら預金者が逃げてしまう、そのような銀行心理を引き起こすのではないのかなというふうに私は思います。そうなりますと、銀行は、第二分類債権の額というものを公表する前に圧縮しようと躍起になるのではないでしょうか。私は、ですからこそ、野党案というのは、結果として銀行の貸し渋りや債権回収の激化につながって、中小企業の倒産の増加など、そういうような形で実体経済の悪化というものを引き起こすことになるというふうに考えております。 かなりこういうディスクロージャーということに対して厳しいアメリカでさえ、この銀行のことに対しては義務づけていません。アメリカもやはり気をつけるところは気をつけているんだなというふうに思っているわけでございますけれども、この辺のところにつきまして、野党の御見解というのを聞かせていただきたいと思います。
○石井(啓)議員 お答えをいたしたいと思います。 まず、貸し渋りそのものにつきましては、先ほど御説明をいたしましたように、構造的な問題として景気対策をしっかりやる、これが大前提であろうかと思いますけれども、情報公開との関連で申し上げますれば、私どもは、今ある資産査定の区分でそのまま情報公開をせよということは考えておりません。特に第二分類につきましては、いわば非常に幅広い定義になっておりますし、またその引き当てについても、恐らく銀行によって大分違うのではないか、そういうことも予想されます。 私ども、この情報公開をやるに当たりましては、まず、現在の資産査定の区分を、特に第二分類等についてはより細分化する、あるいはその基準を明確化する。そういった上で、また今の自己査定も、各行それぞれの基準でやっているわけですが、これを金融再生委員会が統一基準をつくって、それを周知徹底させた上で自己査定を行い、公表する、こういうことを考えております。資産区分の意味合いをきちんと明確化をする、それを周知徹底させた上で情報公開をする、こういうことで考えておりますので、御懸念の心配は当たらないのではないかと考えております。
○江渡委員 同様の点につきまして、金融監督庁はいかがお考えでしょうか。
○日野政府委員 お答えいたします。 金融機関の財務内容の透明性を確保するということは、市場規律によりまして経営の自己規制を促す、あるいは預金者の自己責任原則の確立のための基盤となるものでございまして、極めて重要なものであるというふうに考えております。 しかしながら、各金融機関に対しまして自己査定による分類債権の状況等の公表を指導したりあるいは強制したりするということは、御指摘のとおり、個別行の分類債権の状況の公表が貸し渋りあるいは債権回収の激化につながるおそれがあるばかりではなくて、先ほど御指摘がございましたようにアメリカにおいても行われておりませんで、国際的にも整合性に欠けることになるといった問題がございますので、大変困難な問題であろうかと存じます。
○江渡委員 まだまだこの辺のところについては質問したいところですけれども、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○相沢委員長 これにて江渡君の質疑は終了いたしました。 次に、山本幸三君。
○山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三です。 時間が限られておりますのですぐ本題に入りたいと思いますが、私は、野党案を見て、不良債権問題の解決ということをちっとも考えていない、そういうふうに思っておりますけれども、この点についてどうですか。
○枝野議員 私ども、むしろ、不良債権処理をきちんと行わなければならないからこそ、今回のようにきちんと清算されるべき金融機関は清算をする。その清算の過程の中で、私どもは、従来の整理回収銀行では残念ながら効果が、成果が上がっていないという一般的な指摘の中で、むしろ住専機構の方がしっかりと仕事をしているではないか。強力な権限を持たせた日本版RTC、整理回収機構を設けまして、整理過程にあります金融機関から切り離した不良債権をそこでしっかりと回収をさせていく。そして、大きな不良債権を抱えて経営が立ち行かなくなっている金融機関について、それを隠ぺいして先送りをするようなことなくしっかりとディスクロージャーをした上で、そして管理された破綻スキームの中、管理された清算スキームの中で処理をしていく。 こういった哲学のもとでこの法案を出させていただいておりまして、私どもの法案で不良債権処理は迅速かつ強力に進んでいくというふうに理解しております。
○山本(幸)委員 ということは、破綻した銀行だけの不良債権を回収すれば、不良債権問題は解決したと思っているのですか。
○枝野議員 経営状況の悪化によって残念ながら債務超過等の事情になっている金融機関について、ディスクロージャーが不十分なために、そして隠ぺい、先送りのために不良債権処理の問題が長引いてしまっている部分については、こういったスキームを用意しております。 本来、民間金融機関として、体力のあります金融機関が、みずからの資本等を使いまして、みずからの責任において不良債権を処理していくのは、資本主義の当然のルールである。それについて、例えば早期是正措置などを推進させることによって強力に進めていくべきであるというふうに考えております。
○山本(幸)委員 そこのところがはっきりわかりません。 まず、それでは不良債権問題の解決というのは、どういうことをやったら解決するのですか。
○枝野議員 不良債権処理は、一つには、まず不良債権になっております、したがって回収ができていない部分について、本来支払いの能力、弁済の能力がありながら弁済がなされていない部分、あるいは担保権を実行すれば一定程度回収できるにもかかわらず回収ができていない部分について、これの回収を図ること、それによって不良債権部分の一定部分のところについては穴埋めがされるということであります。 そして、残った、どうやっても回収が不可能な部分は当然あります。そのどうやっても回収が不可能な部分については、当然のことながら、そこについての損金処理をしていく形において、したがって、それが出た場合には資本を減少するような形、体力のある金融機関ならばそういった形になると思いますが、そういった形で帳簿から、バランスシート上から外していくという処理をしていかなければならぬだろう、そのことによって金融機関としての経営内容が健全化していく、こういうふうに理解しています。 〔委員長退席、石原委員長代理着席〕
○山本(幸)委員 回収できるところは回収しなければいかぬ、そうですね。どういうふうにして回収するのですか。
○枝野議員 先ほど来申し上げましたとおり、私どもは、従来の整理回収銀行よりもさらに強い、強力な権限を持った日本版RTCを設立することをこの四法案の中で提言をいたしております。 みずからの力で回収をすることがあたわなかった金融機関について、つまり清算をせざるを得ないような状況になった金融機関についての不良債権の回収については、ここで行わせていただきます。
○山本(幸)委員 要するに、破綻した部分だけは日本版RTCでやりましょう、その部分は日本版RTCで回収できるからいいじゃないですか、そういうことですね。 そうすると、大半の、破綻してない銀行の不良債権というのは勝手にやれ、そう言っているわけですね。
○枝野議員 資本主義の国、まして自由民主党の皆さんはその資本主義を金科玉条で闘ってこられた皆さんでございますが、健全な金融機関がみずからの債権の回収をみずからの努力で行うことは、当然のことであります。 ただし、現在の、特に強制執行手続について十分でない部分について、これは自民党さんからも 議員立法が出ています。この強制執行の部分について、私どもは部分的には修正しなければならないと思っておりますが、強制執行を迅速化する部分について、私どもは反対をいたしておりません。
○山本(幸)委員 強制執行の部分はいいと。つまり皆さん方は、不良債権だったら、銀行が自分で強制執行かけろ、競売かけろ、そう言っているのですか。それだけですか。
○枝野議員 民主主義、資本主義の国でありますから、そういったことをみずからの責任でやるのは、むしろ当然のことであります。
○山本(幸)委員 それは当然だということですけれども、じゃ、なぜ今日本のシステムの中で、これは大半の、みんな破綻していませんよ、まだ。破綻してない銀行で大量に不良債権が滞って、これが景気回復に一番の支障になっているのじゃないですか。
○鈴木(淑)議員 山本委員にお答えいたしますが、今不良債権が大量に発生している、それは、単にバブル崩壊に伴って発生しただけではなくて、九一年から現在まで足かけ八年間も日本経済が停滞している中で、お客さんの企業業績がどんどん悪化していって、それで不良債権がさらにふえてきておるというのが現状なんですね。 つまり、現在の不良債権問題、それは山本委員のおっしゃるとおり、破綻した金融機関の不良債権問題が一つありますが、生きている金融機関の不良債権早期処理というのがもう一つあります。しかし、もうよく御存じのように、アメリカの例を引くまでもなく、経済が立ち直らなかったら、不良債権というものは処理し切れないですよ。アメリカだって、八〇年代後半ずっといろいろな手を打ったけれども、結局それがうまく好循環で動き出したのは九二年からですよね、経済が立ち直ってから。 ですから、今の山本委員の御質問に対する端的なお答えは、それはこの八年間日本経済を停滞させた政策の失敗だということであります。
○山本(幸)委員 不良債権問題というのは、簡単に考えると、こう考えているのです。 つまり、ある企業が、建設とか不動産業者が多いでしょう、百億の金を借りた、百億の土地を買った、これが資産が二十に落ちちゃった、そういう状況があるからにつちもさっちもいかなくなって、これが不良債権化したわけですね。経済が回復すれば問題が解決するというのは、簡単に言えば、そういう企業がちゃんと返せるようになるというのは、二十が百に戻るということですよ。つまり、二〇〇一年三月までにもう一回バブルの状況に戻すということがない限り、そんなことはできませんよ。その問題について、もうちょっと聞いてからします。それは後で結論的に言いますから。 債権を分類するということがこの法律に出ていますね。これは、分類して強制的に引き当てをさせるというところを含んでいるのですか。
○古川議員 私たちは、これを強制的に引き当てるということは考えておりません。
○山本(幸)委員 じゃ、引き当ては銀行が自由にやる、そういうことでいいのですね。
○古川議員 基本的にそれは各銀行に任せられることでありますが、その引き当て率につきましては、金融再生委員会がガイドラインを提示し、そして各銀行が各分類についてどれだけ自分で引き当てるか、そこの部分については公表させるということにしております。
○山本(幸)委員 再生委員会がガイドラインをつくって、それに大体従え、そういうことですね。 そのとき、その引き当ては有税でやりますか、無税でやりますか。
○古川議員 基本的には、その段階ではもちろん有税でやる。ただ、最終的にそれが本当に損になれば、その時点で、当然それは、今の制度の中でも一年に限っては繰り戻しなども含まれておりますから、そうした部分で、最終的に税の話と引き当てのところをどうするかということは、またこれは別の問題だというふうに認識しております。
○山本(幸)委員 最後の、税の話と引き当てが別だというのはちょっとよくわかりませんが、ガイドラインをつくって有税で引き当てさせる、それはそれでいいのですね。ほかの党の方も、後で違いますということは言わないでくださいよ。 そうすると、分類をして、そして再生委員会が基準をつくって有税で引き当てさせていく。ガイドラインをつくるということは、ある意味でもう、それに従わないとどういうことになるのか、罰則規定がちょっと今わかりませんけれども、どうなるのかわかりませんが、ガイドラインは守らなくてもいいと。しかし、有税でするというのは、銀行経営にとっては大変なんですね。コストとしては倍かかる。これは銀行経営の損益計算に大きな影響を与えると思いますけれども、その点についてはどう考えていますか。
○谷口議員 お答えをさせていただきます。 基本的な問題でございます。税務会計と企業会計は全く違うわけでございまして、仮に第二分類で二〇%引き当てるというようなことになりますと、それは税務上その分を損金処理するかどうかというのとはまた別の話でございますから、先ほど答弁をいたしましたが、これを一緒くたにして考えることはできないわけでございます。 本来なら企業会計は、委員、大変御存じだと思いますが、継続性の原則と申すわけでございますが、一たん決めた以上それを継続して適用していく。それがその期によってばらばらになってしまいますといわば粉飾ということになるわけでございます。 しかし、一方、その分が税務上すべて損金に認められておるかどうかということとは全く別でございまして、現行、この貸倒引当金の繰り入れについては、米国においても有税で積んでおるという例が極めて多いわけでございますから、確かに、繰り入れる方は無税処理ができますと税制上の恩典があるわけでございますので非常にいいわけでございますが、一方、税務処理と企業会計の態様は別であるということをまず念頭に置いていただきたいというように申し上げたいと思います。
○山本(幸)委員 基本的に、現状の税法に従って、引き当てを積むときは有税でやるんだということで理解しておきます。しかし、それは恐らく銀行経営に大きな影響を与えるだろうということも言っておきます。 回収を図るときに、破綻銀行の場合、日本版RTCでやるんだと言っておられますね。日本版RTC、整理回収機構がそういう債権を回収するときに、債権放棄はやりますか、やりませんか。
○枝野議員 ちょっと趣旨がわからないのですが、推測しながら申し上げますと、要するに回収機構でありますので、全額回収できるかどうかわからない不良債権について買い取るわけです、破綻金融機関から。そのときには、基本的には時価で買い取ります。したがって、一億円の債権であっても、例えば三割しか回収できそうもなければ三千万で買い取るということになります。ただし、債権としては一億円の債権を三千万で買い取るという形になります。物によっては、それが三千万きっちり買った金額で回収できることもあるでしょうし、物によっては、三千万で買ったけれども二千万しか回収できない場合もあるでしょうし、それから四千万回収できる場合もあるでありましょう。 基本的には、回収ができるかどうかというのは、そこでRTCがどれぐらい努力をしてどれぐらい回収できるかという結果でありまして、結果的に買い取りをした価格まで全額回収できるということに限るわけではありません。
○山本(幸)委員 つまり、RTCに移したときに時価分しか払いませんね、買い取るときに。時価で払っているのだけれども、債権としては、おっしゃったように丸々回収する権利を移譲するわけですね。そのときに、借り手の方から見て、それで回収にかかったときにうまくいくかどうか。 皆さん方の言っておられることを考えると、RTCの方でもそう、民間の銀行の健全なやつについてもそう、その人たちが、あなた、不良債権になりました、担保ありますねと、二十億担保がある、百貸して二十、二十の価値がある、それを早く返せと言って迫ったときに、借りている方はどう行動すると思いますか。もし、担保を処分しても二十億しか返せない。八十億はまだ依然として借金が残るわけですね。そのときに、皆さん方の議論をずっと聞いていると、いや、あくまでも返さなければいかぬだろう、八十億もそろえて。それでずっとやっていくと、これは突き詰めていくと、その企業はつぶれるしかないのですよ。 特に、日本の銀行の融資ルールというのは、銀行ひとり勝ちのルールなんです。その融資に社長の個人保証までつけている、第三者の保証も求めているケースが多い。それで債権放棄もなしにやろうといったら、徹底的に抵抗するか、つぶされるか、どっちかを選んで、その借りている方は任意売却に応じることなどないと思いますけれども、皆さん方の回収の、不良債権処理のメカニズムというのは、そういう最終的には競売、つぶすという方式しか見ていないように思いますが、いかがですか。
○枝野議員 まず、原則論とそれから実態の動かし方と両方あると思うのですが、原則論としては、借金をして返せない状態でありますから、その一部分を免除しますという話というのは基本的にはありません。担保権を実行してでも、とにかく可能な範囲で、可能な限り全部払っていただく、これが基本的にはルールであります。 それから、もちろん回収は実際の実を上げることが一番重要なのでありますし、それから債務者にもいろいろな種類があります。特に、今強力なRTCを必要としなければならないのは、いわゆるバブル紳士などというような言い方を俗に言われているように、個人の部分のところに資産を大きく移しておいて借金だけ大きく抱えておいてというような例は、あえて名前は挙げませんが、幾つも出てきているわけであります。 こういったところは、たとえ保証人になっていなかったとしても、損害賠償請求などを通じて個人の責任までとことん追い詰めていくことが必要でありますし、逆に、普通の実業をしていた、そうした中でたまたまちょっと返済が苦しくて不良債権ということになってきてしまったというところの回収の仕方とは、これは当然のことながら、日本版RTCの中でも状況に応じて、無節操な放棄ということは考えられませんが、しかしながら、そこのところは状況に応じて、一番回収の実が上がり、不公平感のないような回収をしていく、これは当然のことだと思います。
○山本(幸)委員 そうすると、それは日本版RTCでも債権放棄をやることは大いにあるということですね。 そのときに、RTCがそれをやるときに、税制上の取り扱いとかどうなるかというのは考えていますか。
○枝野議員 私どもの法案を通していただけるという前提でRTCをつくっていただけるのであれば、さらにきちんと精査をしなければいけないと思っておりますが、基本的には、この日本版RTCはいわゆる民間企業ではございませんので、そこのところについては、そもそも税の問題を発生させるか発生させないか、そのこと自体が、つまり債権者側の方にとっては十分にアローアンスを持てるため、債務者側にとっては基本的にはそもそも利益が上がっていない企業ということになりますので、税の問題は発生しないというふうに考えます。
○山本(幸)委員 そんなことはあり得ない。利益を与えておいて発生しないことなんてあり得ないので、そういうことが詰まっていないような法案を出さないでください。 それから、破綻のやつは日本版RTCでいいでしょう。私は、我が政府・与党の案は、本当は、破綻したところでRTCに持っていくのはほんのわずかなんです。大半の不良債権というのは健全な銀行のバランスシートにある。しかし、それはほっておいていいという、資本主義だからほっておけという立場ですが、今まで何も進んでいない、これからそういう処理が進むということも期待できない。 それは、なぜなら、債権放棄するというのは銀行にとっては得なことじゃないのですね。徳政令批判というのをやって、どこを応援しているかといったら、銀行を応援しているのですよ。銀行がいろいろ言いわけを言っている。自分はバランスシートに置いておいて、もう引き当てを積んでしまったから、もう八、九割進んでいますわな。そうすると、その部分についてはもういい。では、担保で残っている部分だけ保有コストを負担すればいいのだから、自由党さんがおっしゃっておられるように、将来いつか景気が回復してバブルの世に戻れば取れるのだから、そういうオプションとしては持っていた方がいいのだということでじっとしているのですよ。これは、銀行にその気にさせるというスキームをつくらない限り、動きませんよ。そして、皆さん方のやり方でやったら日本の中小企業は全部つぶれなければこの問題は解決しませんよ。 もし銀行にその気にさせて、そういう債権処理を、複雑な権利関係を処理するということをやろうとしたら、銀行が協力しなければいけないのだから、今の日本の法制では、銀行が一緒に合意するような法制といったら会社更生法しかありませんよ。調停だって、銀行が納得しなければ、そんな調停制度に乗るわけがない。そのほかのやつも、銀行側が参加しなければだめですね。 では、強制的に銀行を参加させるといったら、会社更生法しかありませんよ。ところが、会社更生法というのは、使い道がありますか、中小企業に。大手の、上場企業ぐらいのやつじゃないと使えない。(発言する者あり)和議も整理も、法律家のくせにわかっていない、銀行の方が協力しない限りそんなものはできない。和議だったら、担保がないとだめなんだ。これをやるためには、会社更生法にかわる、中小企業を対象にするようなやつしかできませんよ。 もしこのままいって、ずっと中小企業もつぶしていくといったら、皆さん方が嫌いな大手のゼネコンとかは会社更生法で逃げるでしょう。しかし、それ以外のところは全部つぶれるしかない。そして、その不良債権が銀行のバランスシートで滞っているから、銀行は、BIS規制、早期是正措置で自己資本が窮屈になるから、ほかのところから引き揚げざるを得ない、それが貸し渋りなんでしょう。 そうすると、そういう状況に銀行があるときに、時間がないのでちょっと話を進めますが、皆さん方の案では、破綻したときに中小公庫を使ってやれば移すことができますという議論をしておられるのですね。そのことが一つのポイントになっている。ところが、今申し上げたように、銀行は決してそれを望まない、バランスシートに依然としてその部分は残しておく。そういうことで進んでいる限り、新しい貸付先を引き受けましょうなんという銀行は出てきませんよ。 その点はどうですか。
○鈴木(淑)議員 山本委員、今貸し渋りの問題まで話を進めてこられましたので、ここでちょっと総合的に山本委員にお答えしたいのでございますが、貸し渋りの原因は何か。これは、政府・自民党さんは、端的に言って資本が足りないから、自己資本比率が低いからだとお考えになったために、まずこの三月に一兆七、八千億は入れてみた。しかし、効果はほとんどなかったと私ども思いますし、宮澤大蔵大臣もほぼ同意見でございました。 なぜ自己資本比率を上げてやったのに、自己資本を公的に注入してやったのに貸し出しがふえ左かったか。それは、貸し渋りの原因は、単に自己資本比率が低い、あるいは早期是正措置で自己資本比率を一定以上にすることを強制されているからだけではないわけですね。今、山本委員がおっしゃっていたような、不良債権をそのまま資産の中に抱え込んでいかざるを得ないという問題もあります。 さらに、もう一つあるのですね。それは、言うまでもなく、ビッグバンを進め始めましたから、国際的な競争力をつけるためには、自己資本比率だけじゃなくて、自己資本の収益率、ROEを高めていかないと競争にならないわけですね。 そういうわけで、実は政府の金融行政というのは、お互いに矛盾する三つのことを一遍に銀行界に求めているのですよ。一つは、早期是正措置で自己資本比率を上げなさい。もう一つは、ビッグバンが来るから効率をよくしなさい、リストラをしなさい、ROEを高めなさい。三つ目には、今度は不良債権の早期処理だと。これが全部お互いに矛盾するということはおわかりになるでしょう。だから、銀行の対応として出てくるのが貸し渋りなんですよ。 例えば、自己資本比率を高め、しかもROEを高めようとしたら、自己資本をふやしたらだめなんですよ。分母の貸し出しの効率を高めなければ、ROEと自己資本比率の両方を上げることはできません。だから、貸し出しについて極めて厳しい審査をして、貸し渋りが起きているのですね。 我々が中小企業信用保険公庫を通じて、再保険機能を通じて信用保証で貸し渋りに対応しよう、あるいは破綻した金融機関の借り手で移れない中小企業を移そうと言っているときは、これは信用保証をつけますから、この融資というのは質がよくなるわけですね。だから、ROEと自己資本比率を両方高めようということを考えている銀行であっても、これなら応じる余地が出てくる。単に資本をふやしてやったのでは応じません、貸し渋りは解消しません。だけれども、信用保証をつけて貸し出しの質を高めれば、銀行は動いてくる。それが我々の、野党案の貸し渋り対策であります。
○山本(幸)委員 今、自己資本だけをふやしたって貸し渋り、上がらないのだとおっしゃった。でも、さっき谷口さんは、景気がよくなって株価が上がり、あるいは円高になれば、自己資本の数字が上がるからいいのじゃないかとおっしゃったばかりじゃないですか。自己資本をふやすということと同じことでしょう。それが一つ。 それから、ROEを上げるというのは同感します。では、それはどうしたらいいか。私のROEを上げる一番いいやり方は、バランスシートから回収可能な不良債権を落とせばいいのですよ。そうしたら、保有コストは消えるのです、その分。そうしたら、業務純益はぐっと上がるのだ。ROEは途端に上がりますよ。十倍ぐらい上がりますよ、今のような引き当てだけすることよりも。 だから、最大の不良債権対策、そして銀行の貸し渋り対策というのは、その不良債権を落とすようなスキームをどうしてっくるかということなんです、銀行に協力させて。それは、会社更生法みたいなものを別途つくらなければいかぬ。本当はチャプターイレブンみたいなものがあれば一番いいんです。だけれども、それは間に合わないんだ。その臨時的な措置として、不動産権利等調整委員会をつくったりしてやろうと言っているんです。それがなければ、これは全部解決しないんだ。 もし、そういうことをやらないで野党案のことでずっとやっていっていたら、企業はばたばたとつぶれていき、弱い銀行、多くの銀行が長銀みたいにどんどんなり、どんな景気対策を打ったってききませんよ。バブルをもとに戻すなんという、そういう狂気じみたことを言っておられるとは私は思いませんけれども、そういうことを考えると、本当に政府・与党案の、その基本のところを守っていかないと、それをとっていかないと決してこの問題は解決しないと私は思います。 時間が来ましたので、これでやめます。
○石原委員長代理 これにて山本君の質疑は終了いたしました。 次に、北村哲男君。
○北村(哲)委員 御苦労さまです。民主党の北村でございます。 三会派合同案を提出された皆様方、そして政調のスタッフの方々、ここにおられませんが、また法制局の皆様方、この間日夜を問わず行われた超人的な法案作成の作業、大変御苦労さまでございました。深く敬意を表したいと思います。 ところで、既に幾つかの重要な論点は、午前中また午後の自民党の委員の方々から質問されて、それに対して明快な答弁がなされ、法案自体の正当性あるいは妥当性は説明し尽くされていると思います。しかしながら、翻って一般の国民の立場に立ってみますと、また、国会を離れて外で市民の方々と金融問題について話し合ってみますと、今なお国会の議論と市民の間の議論に開きがあるような気がしております。素朴な質問にはなると思いますけれども、幾つかお伺いしたいと思います。 まず、現在の深刻な不況の原因は、バブルの崩壊に対して適切な対処ができなかったということが言われておりますけれども、そのバブルをつくり、その後その後遺症を抱えているのは、銀行はもちろんですけれども、不動産あるいはゼネコンあるいは一般企業すべてにわたります。 それで、その中でも、採算性が極端に悪い業界がたくさんある中で、なぜ金融業界の問題だけがこのように議論されるのか。我々の中だけの議論ではなくて、国民向けのわかりやすい議論をひとつお願いしたいと思います。
○池田(元)議員 北村委員の質問にお答えいたします。 金融は経済の動脈とか血液と申します。なぜ金融業界の問題だけがこのように議論されるのかというお尋ねでございますが、まず、日本の場合は、多くの取引先が資金繰りの面でメーンバンクに依存をしております。経営危機に陥った銀行が取引先に与える影響は、ほかの業界との比較にはならないと思います。北海道拓殖銀行の破綻が北海道経済に影響を与えたように、資金の調達ができないために、会社が収益を上げているにもかかわらず黒字倒産などが相次ぐことが考えられます。 次に、石炭、繊維、鉄費、造船、海運などの、いわゆるこれまでの業界再編と異なりまして、政策的に保護しようといたしますと、税金等の投入が大変巨額に膨れ上がる可能性がございます。 さらに、銀行が一度信用を失ってしまいますと、預金者や取引先が急減する可能性が高く、収益基盤を回復するのがほかに比べて極めて難しいと言えます。兵庫銀行を引き継いで誕生したみどり銀行が早くも経営破綻に陥った例を見ればおわかりいただけると思います。 したがって、市場が危険と判断している銀行は、公的管理のもとに置いた方が回復が早いと考えております。
○北村(哲)委員 ちょっと関連してですけれども、そうしますと、今後、バブルの元凶であった不動産業とかゼネコンだとかそういうものの不良債権処理というのは、どのような形で処理をされていくことになるんでしょう。簡単で結構ですけれども。
○池田(元)議員 バブルに踊ったゼネコンや不動産の不良債権の処理ですね。北村先生がこの委員会でも質問されたように、権利調整委員会といったあの法律のようなやり方でなく、まずマーケットの中でそれぞれが対処をしてやっていかなければならないと基本的には思います。
○北村(哲)委員 それでは、金融機関の危機回避が第一に必要であるということは、今力説されましてよくわかりました。 しかしながら、不良な金融機関あるいは不健全な金融機関は消滅させるというのが新しい社会体制のもとでは必要であると言われております。ところで、長銀とか日債銀あるいは興銀などのいわゆる長信銀は、日本の基幹産業に長期の設備投資資金を貸し付けるなど、かつての産業構造を強化する目的で設立された、こういう銀行でございます。しかし、その長信銀の役割は既に二十年前に終わったというふうに言われております。その役割が終わったのであれば、自然死させるのが政策担当者の責任であると思います。 なぜ長銀を救うことが、あるいはそういう救うスキームが大事だというふうなことが今言われているんでしょうか。この間の、きのうの新聞とかあるいはテレビでは、まさに長銀を念頭に置いて、破綻前の公的資金の投入スキームの是非が、必要であるというふうに論じられているわけですけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。
○池田(元)議員 いわゆる長信銀の役割は、北村委員が指摘されたように、戦後経済の中で、特に重厚長大産業を初めとするそういった戦後の復興の中で、資金の調達の面で大きな役割を果たしたことは確かでございます。しかし、金融の市場といいますか、それが、いわゆる直接金融、そういったところからも資金がとれる、このような時代に入りまして、この長期信用銀行のあり方については、例えばインベストメントバンクになるとか、まさに転換が迫られているのではないかと思います。 そして、なぜ長銀を救うスキームを重要視するのか、いろいろそういう一部の論調もございますが、私たちのこの法案では、長銀ばかりではなくて、銀行を直接救済するスキームは用意してはおりません。銀行の突然の破綻によるパニックを避けるために、公的な介入で静かに退場をさせるための仕組みとして提案をしているものでございます。
○北村(哲)委員 わかりました。その点については、世間の誤解というか、あるいはその論調はかなり違った方向で論じられているという点もあるかと思います。 ところで、この三会派案で非常に特徴的なのは、いわゆる株を強制的に取得して公的管理に入るというかなり思い切ったスキームを用意しております。その裏には、金融危機に対する厳しい認識と並々ならぬ覚悟があるというふうに思いますが、提案者は、金融危機の現状をどのようにとらえているんだろうかと。 私の見解を簡単に若干申しますと、マクロ的に見て、現在の日本の金融システムの状況は、九〇年代の初頭のアメリカと比べると、ちょっと違うという点もあると思います。当時のアメリカには、金融システム全体を覆う不良債権とかあるいは金融デフレというふうなことはなかったと言われておりまして、したがって、九〇年代にアメリカで実施された不良債権処理策、すなわちRTC方式だけでは、これは今の日本では通用しないのじゃないかという場面が出てくるのじゃないかと私は思います。そこから、先ほど、今でも論じられているように、破綻前というあいまいな概念が出てくるのじゃないかというふうに思っております。 むしろ、現在の日本と比べることができるのは、アメリカの大恐慌の時代を見るべきではないかと思うのですけれども、しからば、そのアメリカに範をとるのであれば、RTC方式はもちろんいいとしまして、復興金融公社、すなわちRFC方式をとるべきではないかという有力な説もあるわけですね。 そういうことから、この公的管理銀行、RFCというのは、すなわち破綻回避のための実質国有化策なわけですね。だから、そういう面から、その両方をとっているような形で、特別公的管理銀行ですか、そういうものを想定に置いたような気もするのですけれども、その点についてはどのようなお考えでしょうか。
○池田(元)議員 まず、現在の金融危機についてのお尋ねだったと思うのですが、これはもう北村委員もお感じになっているとおり、昨年から北海道拓殖銀行、山一の自主廃業と大型破綻が起きてまいりまして、ことし四月にいわゆる資本注入をやっても、マネーセンターバンクの一角である長期信用銀行が大変な危機に陥っているという状況でございます。同時に、アジアの通貨危機から発生して、それがまたアジアへ波及する。さらには、ルーブルの危機によってヨーロッパへ波及する。さらに、中南米へ波及する。私たちは大変憂慮をしております。それでこそ私たちはここで日本の金融危機の対応策を立てなければならないと思います。 九二年以来、もう既に六、七年間これを放置してきた金融行政のツケが、まさに今回ってきたのではないかと私は考えております。そういった意味で、この不良債権を抜本的に処理し、また、市場、国民から信認される金融行政の姿を示すことが当面の喫緊の課題であると私は思っております。 エコノミストの議論や我々の試算でも、大手銀行の中には債務超過に陥っている可能性がかなり高いと見られております。このような状況の中で、大手銀行がもし仮に次々とつぶれていったとしますと、信用不安が不必要に拡大し、日本経済全体が崩壊してしまう可能性すらあると思います。ソフトランディングということを宮澤さんは就任直後におっしゃいましたが、もはやソフトランディングはおろかハードランディングの機会を逸してしまったのではないか、ネバーランディングだということを言う人もおります。 我々の法案は、こうした危機的状況の中で、経済、金融の有事といいますか、非常事態宣言とも呼べるものでありまして、最悪の事態にも対応できるようにいたしました。 まず、一斉に金融機関に検査に入り、まとめて一気に処理する仕組みを用意しておくことで連鎖的なパニックを引き起こさないで済むとの安心感をもたらすのがねらいであります。政府・与党案のように大手銀行への適用の難しいスキームでは、信用不安はおさまらないと考えております。
○北村(哲)委員 よくわかりました。 次に、特別公的管理機構、まあ特別公的管理銀行ですけれども、それに移行させること自体が一つの破綻認定であると思います。 システミックリスクのある場合、公的管理機構に移行する前に何らかのルール、新ルールをつくる必要があるのではないかという議論が先ほども、私、ちょっと重複するかもしれませんけれども、やはり同じ論調が新聞なんかでも出ておりますけれども、その破綻前のルールづくりという考え方に対して、この三党案はどう考え、どう対処しようとしているのか、わかりやすく説明を、再度となるかもしれませんが、お願いしたいと思います。
○枝野議員 お答えをさせていただきます。 午前中の質疑以来、このいわゆる破綻前処理というような話について議論が出ておりますが、一点は、先ほど来申し上げておりますとおり、ある程度の体力のある金融機関については、破綻前処理ということであるならば、従来の早期是正措置、これがむしろあいまいになってきております。情報公開をしっかりと進めながら、みずからの責任で経営の健全性を高めていくという努力をしていくこと、これは資本主義社会における企業の当然の原則であります。従来までこうした処理が進んでこなかったのは、隠ぺい、先送り、護送船団による行政が銀行業界を覆っていたことが原因でありまして、これは、私どもの金融再生委員会を軸にいたしました透明性、迅速性、そして厳しい検査というような中で早期是正措置をしっかり進めていただく。このことによって、健全な金融機関は体力を高め、自己資本比率なども高まっていくというふうに考えております。 一方、残念ながら、現在既に金融機関として体力を失っていってしまっている、このまま放置をすれば破綻をしてしまう、某銀行については大蔵大臣がお認めになっているような状況になっている銀行もあるようでございます。私どもも、さまざまな関係者その他から徴した情報によりますと、今の経済、金融の状況は相当深刻に受けとめなければならないだろう。そうしたところに従来やってきたような公的資金を導入するというやり方で一時的にカンフル剤を打ったとしても、残念ながら、事態の先送りにはなるかもしれませんが、解決にはなりません。むしろ傷を深くする。 さらに、健全ではない金融機関相互の合併等というスキーム自体、これもまたここ数年来繰り返されてきていますが、これまたうまくいってきてはおりません。残念ながら、金融という信用を軸にした世界の中では、一度落ちてしまった信用をびほう策で回復をさせるということは不可能なのだという認識を持つべきだというふうに思っております。 そうした中では、こういった金融機関につきましても、原則として、市場の原則に任せまして、経営に失敗した金融機関は市場から退場していただくという原則というものをまずは貫くという考え方を持つべきだろうと思っております。 ただ、確かに、金融機関が突然に破綻をする、つまり支払い停止になるというふうな状況になりますと大きな混乱を生じることは、これは歴史が物語っていることであります。あるいはまた、破綻のさせ方によっては、現に今北海道で拓銀の破綻によって大変深刻な状況を迎えているように、地域経済、そしてひいては、大きな銀行では日本経済、国際経済に関する大きな影響を与えることになってまいります。 したがいまして、マーケットから退場していただくにいたしましても、そのときには、混乱を生じさせない、影響を最小限にとどめる、そのための管理、管理された清算の手続、管理された破綻の手続というものが必要であるというふうに考えまして、私どもは、一つには金融整理管財人という手法、そして、その影響が大きい、深刻なことが予想される場合には特別公的管理というスキームを用意いたしました。 そして、この特別公的管理に入る条件は、支払い停止等が現に生じてしまった場合に限っているものではありません。現に支払い停止などが生じてしまった場合には、もはや引き返すことができませんので、特別公的管理に入るということはむしろ想定されないだろうというふうに考えております。 むしろ、支払い停止の直前といいますか、このまま放置をしたら支払い停止に間違いなくなってしまう、そうした状況に立ち至ってしまった金融機関が、影響が深刻で他に手段がないという場合には、その段階で特別公的管理の宣言をして、そして国の信用によって、混乱なく管理された清算の手続に入っていっていただく。これによって影響を小さくすることができるし、しかも、金融再生委員会は、当然、そういった検査、あるいは当該金融機関からの申し出に基づく調査というものは、これは行政機関ですので密行的に行うことができますので、マーケットに影響を与えないまま。 そして、裁判所の認可という手続を加えましたが、これも申請の翌日までに決定を下していただくという形で短期間にいたしました。これは、申請から決定までの間にまさに大混乱、システミックリスクを生じさせないためにこうした手続を用意いたしました。 したがいまして、私どものスキーム全体で、破綻の前の状況、そして破綻に至る状況という中で、混乱を生じさせることなく現在の金融の危機を回避できるというふうに確信を持っている次第であります。
○北村(哲)委員 破綻前の問題、いろいろと誤解も生じていると思いますけれども、今の説明でよく理解できたと思います。(発言する者あり)それはよく聞いていないからじゃないかと思いますが。 ちょっと数字に移りますが、ことし三月期の大手十九行の第二分類以下の債権は五十兆二千三百四十億円になると言われています。これだけの問題債権を抱えている上で、さらに最近の株価急落で、大手十九行の株式の含み損は二兆六千六百億円に膨らんだという試算があります。業務純益が九七年度は三兆五千六百六十億円らしいんですが、その業務純益だけで不良債権処理を進めるのはとても無理だという計算になります。 本当の意味での金融安定化には、金融機関の収益基盤の強化が必要であるということは当然のことですけれども、そのためにはどうすればよいかというか、その点についての提出者の先生方のわかりやすい説明をお願いしたいと存じます。 〔石原委員長代理退席、委員長着席〕
○池田(元)議員 北村委員にお答えをいたします。 本当の意味での金融安定化には金融機関の収益基盤の強化が必要ではないかというお尋ねでございます。その前段で指摘された点はそのとおりであります。 ここ数年、特に昨年来の政府・自民党の誤った経済運営、経済政策のブレーキとアクセルを踏み間違えたことによって、大変実体経済が悪化をしております。今回、この状況の中で金融危機対応策を今論議をしているわけでありますが、私どもの今回の法案は、大手銀行等の破綻による連鎖的パニックを回避するための緊急措置であることは言うまでもありません。 まず銀行の収益を上げるためには、リストラクチャリング等の経営合理化も必要ですが、収益の根源は貸出金利と預金金利との利ざや、大きな利ざやを稼ぐためには、預金金利が低いだけではだめでありまして、貸出金利が上昇する必要がある。これを逆に借り手の側から見れば、高い借入金利息を払うだけの高収益事業の存在が必要です。つまり、日本全体の投資収益率が向上して、金利上昇が容認されるような状況にならないと、銀行業界が今以上の収益を稼ぎ出すのは難しいと思います。 本当の意味での金融安定化を得るためには、経済構造の改革が必要だという結論になると思います。そのためには、規制緩和や起業奨励による新規産業の育成、生活、福祉、環境、エネルギー、情報通信など未来へつながる公共投資、労働能力開発の支援などの対策が必要であると思います。
○北村(哲)委員 その点については今の説明でよくわかりました。 それでは、最後の質問になりますけれども、金融再生委員会の設置法案では、金融監督庁設置法を廃止して、金融再生委員会のもとに金融監督庁を設置し、所掌事務を定めている。しかし、金融再生委員会が廃止された後はどういうふうになるんだろうかという点についてははっきりしておりませんけれども、このあたりについてどのような形になっていくんだろうか。一部再生委員会の仕事が残っている場合もあるわけですよね。そういう場合は金融庁との関係はどうなるんだろうかという点について御説明いただきたいと思います。
○池田(元)議員 法律案には、金融再生委員会は二〇〇一年三月で廃止する、お説のようになっております。 一方、さきに成立した中央省庁等改革基本法では、二〇〇一年一月を目標に、できれば目標にということですから必ずしもやるわけじゃありませんが、金融監督庁を改組して、大蔵省にある国内金融の企画立案をあわせて金融庁に移行することになっているわけです。 我々の考えでは、金融庁は市場中心の行政ですから、むしろ三条委員会の金融監督委員会とか金融監視委員会とかそういった形がいいと思うのですが、いずれにしても、時限的な金融再生委員会はこの金融庁を先取りしたもので、金融庁に引き継がれることになると私は思います。 先ほど二〇〇一年三月までと。これは、とにかく、今必要なのは、先送りすればするほど資産が劣化してそれだけコストがかかりますから、私はこのタイムリミットというのは大変重要であると認識しております。
○北村(哲)委員 若干時間が余りましたけれども、次の質問者に譲りたいと思います。私の質問は終わります。どうもありがとうございました。
○相沢委員長 これにて北村君の質疑は終了いたしました。 次に、海江田万里君。
○海江田委員 午前中の保岡委員の発言で、ルービン財務省長官が宮澤大蔵大臣と会談をしまして、その席上、長銀への資本注入はいいことですから早くやれとか、あるいはこの三月の横並びの資本注入は額が少な過ぎたからこれをもっとやれ、もっと額が大きければよかったんだというような発言があったやに保岡委員が発言をいたしましたが、果たして本当にそうだったんだろうかどうなんだろうか、いずれ当委員会で宮澤大蔵大臣にこのルービン財務長官との話の中身についてお尋ねをしなければならないことになると思います。 ただ、実は私は、この七月でございますが、衆議院の決算行政監視委員会の委員派遣で、自民党の原田昇左右先生、これは決算行政監視委員会の委員長でございますが、それから平和・改革の大口委員、それから自由党の一回委員、こういう方々とアメリカへ行ってまいりました。そして、日本でも最近すっかり有名になりました、シードマンさんと言われる、これはRTCの初代の総裁でございます。それからアメリカで日本の金融監督庁に当たる財務省の通貨監督局というのがございます、OCCでございますが、ここの担当者とも会いましていろいろな意見交換をさせてもらいました。 ここで、シードマンさんですとかあるいはOCCの担当者などが、まあ当時はまだ長銀の資本注入の問題は出ておりませんでしたけれども、長銀とそれから住友信託銀行の合併の話はもう既に新聞等に出ておりました。それから、もちろん三月の資本注入の話は、これはもう大変有名なところでございましたけれども、これらの点についてどう考えるのかということを聞きましたところ、先ほど保岡委員から御紹介のありましたルービン財務長官の言うことと随分違うんじゃないだろうかという印象を受けましたので、改めてその一部を紹介させていただきます。 詳しくは、決算行政監視委員会の充実した報告書が出ておりますから、それを見ていただければいいわけでございますが、まず、シードマンさんがこうおっしゃっています。アメリカでも以前は不良銀行を優良銀行と合併させることにより救済していたが、それは結果としてより大きな不良銀行をつくり出しただけだったということがわかったため、ブリッジバンク制度ができたということでございました。ただ、アメリカのブリッジバンクは日本のブリッジバンクとは若干違いますが、ここで、アメリカでいうところのブリッジバンク制度ができたという歴史がある。 SアンドLのケースでも不良銀行を優良銀行と合併させるということを数多く試みたが、大抵の場合、存続銀行はより弱体になるか破綻してしまうという結果に終わった。したがって、米国のこのような経験を踏まえれば、日本長期信用銀行を住友信託銀行と合併させることには疑問があると非常にはっきり言っておるわけですね。 それから、OCCのコメントでございますけれども、これはこういうことになっております。 米国では、不良債権の処理をする過程で破綻銀行をつぶさずに資本注入をして救済すること、これをオープン・バンク・アシスタンスと説明をしておりますが、これを行ったところ強く非難された。日本でも既に資本注入のため二兆円が使われた、正確には一兆八千億でございますが、二兆円が使われた十三兆円の公的支援がこれに相当すると考えている。これは、つまりオープン・バンク・アシスタンスだとアメリカで非難をされた。 しかし、米国では破綻銀行の経営陣を更迭すること、日本ではこの時点ではやっておりません。それから、破綻銀行の株主にもリスクをとらせたこと、これも日本ではやっておりません、むしろ配当を受けたという事実があるわけでございますが。それから、自己資本を充実させる等の自助努力を銀行にも行わせたこと、これも我が国ではやっておりません、あの時点では。それから、銀行のリストラを進めたこと、これは若干やったようでございますが、こうすることにより、オープン・バンク・アシスタンスについての国民の教育が進むにつれ、国民の批判は徐々になくなっていったということを言っております。 押しなべてこのアメリカの、とりわけ八〇年代の後半から九〇年代前半の不良債権の処理に携わってきた人たちは、自分たちの経験も踏まえて、我が国で今行われようとしているこの金融機関の破綻処理の問題については、やはり我が国のやり方ではいろいろ問題があるんじゃないだろうかと。わけても、今御紹介をしましたように、三月の資本注入については大きな問題があるということを指摘しているわけでございます。 きょうそちらにお座りの皆様方は、三党共同で、公的資金による資本注入を認めます金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律については、これを直ちに廃止するという合意になっておるわけでございますが、改めまして、この問題での決意でございますね、これを、確認でございますから、御披瀝いただきたいと思います。
○枝野議員 お答えさせていただきます。 今御指摘をいただきましたとおり、この公的資金の導入というやり方は、そのことが金融再生に向けた効果が乏しいということ、そして、特に三月のやり方が、銀行経営者、株主等に対するモラルハザードの問題を生じさせるというような問題等もございまして、私どもは、こうしたやり方は一刻も早く廃止をするべきであるとかたく決意をいたしております。
○海江田委員 本委員会では特に与党の皆様方に、私どものこの法案の優位な点でございますね、メリットでございますが、これを御説明をして、そして御理解をいただきたいわけでございます。与党の皆様方も、野党案のいいところはこれを大いに取り入れていくという姿勢はお持ちのようでございますから、改めまして、この野党案のいいところ、とりわけ与党案は大手の金融機関の破綻については適用することができないんじゃないだろうかということが再三言われておる。これは、もちろん私どもも指摘をしておりますが、専門家も指摘をしておる。 それから、私も当委員会でずっと議論を聞いておりますが、日銀の総裁もそのような発言があった。それから宮澤大蔵大臣自身、例えばこのブリッジバンクの制度を説明をするときに、わざわざ地方の銀行が破綻したときこういうふうになります、ああいうふうになりますということを言って、例に引かれるのは、地方の銀行の例を引かれるわけですね。いわゆるマネーセンターバンクの大手の銀行が破綻したときのことについては具体的な説明がないということで、私は、この点から見ましても、この自民党の案がそういう意味では大手の金融機関の破綻というものに対応できないんじゃないだろうかというふうに考えておりますが、与党の皆様方に、何でこの自民党の案は大手の金融機関の破綻に適用ができなくて、野党の案はそれに対応ができるということをわかりやすく、これはどなたでもよろしゅうございますが、改めてお尋ねをしたいと思います。
○古川議員 お答えをさせていただきたいと思います。 ただいま政府・与党から出されております案におきましては、金融機関が破綻した場合には金融管理人というものを置きまして、そのもとでまず営業譲渡ができるかどうか、そういうことを考えるわけでございますが、大手の銀行の場合、この金融管理人が入るその瞬間において、いろいろ大手銀行を破綻させることができる、できないという議論の中で、よく言われておりますようなインターバンク取引であるとかあるいはデリバティブ取引、そういった問題がまさにここの時点で大きな混乱を生ずるおそれがまずあるということを一点申し上げたいと思います。 そして、その第一段階で営業譲渡先が見つからなかった場合に、まさにこの法案、いわゆるブリッジバンク法案と言われているブリッジバンクに移行していくというわけでございますが、大手銀行の場合には大体周囲に多くの競合金融機関があるわけでございまして、そういう場合には、現実にもし破綻した大手金融機関がブリッジバンクに移行するということになりますと、現実的には預金者とか優良な債務者というものは他の金融機関に逃げていくことになるのではないかというふうに考えられます。 したがいまして、そうなりますと、その大手の破綻した銀行、金融機関を引き継ぐブリッジバンクには、いわば優良とは言えない債務者が残ることになるということになります。このブリッジバンクにおきまして善良かつ健全な債務者に対する融資を継続するというふうに言われておるわけでございますが、果たして今のような状況の中でそういった善良かつ健全な債務者が残ることになるのか、むしろそうではない人たちがこのブリッジバンクにいわばたまってくるような形になってしまうのではないか。 しかも、このブリッジバンクは、そもそも期間がアメリカなどは数カ月ということでありますが、日本は何年もこのブリッジバンクを続けるなんてことを言っておりますが、その場合に、そのブリッジバンクは最終的にはこれはどこかに営業譲渡か何かして消滅しなければいけない。そういったときに、そのような債務者、不良な債務者を抱え込むような形で果たしてその後に営業譲渡先があるのか、そのようなことも大変に疑念がある。結局は、これは問題を先送りするだけにすぎないではないか、私たちはそのように考えておるわけでございます。
○海江田委員 今のお話、要点は二つあったと思います。 一つは、大手の銀行でございますから、世界的な取引をやっている。とりわけデリバティブなどの問題がいろいろ議論をされたところでありますが、この問題につきましては、野党の案では少なくとも法人格が同一でございますから、与党の案のようにそこで法人格が変わる、あるいは管財人が派遣をされた時点でデフォルトですぐに手じまいをしなければいけないというような混乱がないということで、これは大変よくわかりました。 それから、もう一つの問題であります、これも確かに都市の銀行であれば競合する銀行もたくさんあるわけでございますから、この場合、いわゆるブリッジバンクに、いい借り手というのは全部ほかの銀行に行ってしまって、余りよくない、健全でない借り手がそこにしがみついていってしまう。それがブリッジバンクの財務の内容そのものも劣化をさせるというようなことだろうと思いますが、我が方の公的管理を行った場合、まあ国有銀行でもいいわけでございますが、公的管理を行った場合、いわゆる健全な借り手がそのまま借り手でい続けてくれて、そういうところが逃げていってしまわないという保証は、これはあるものでしょうか、どうなんでしょうか。
○古川議員 お答えいたします。 私どもが、今委員御指摘のような大手の、破綻をすると大変に影響が大きい、そして、清算をさせるようなことでは、これは周りに与える影響、そしてシステミックリスク、そのような観点から、やはり特別公的管理に入る方がふさわしい、そういうように判断したものにつきましては、私どもの案で御提案させていただいておりますように、金融再生委員会は裁判所の認可を得て全株式を買い取るという形をとることにしております。 したがいまして、これは国がいわば、まあこれは国有民営銀行というふうに言ってもよろしいかと思いますが、JRやあるいはNTTが国有、国営から民営化されたときにやりましたように、株式は国が持つけれども経営は民営的な手法で行う、そういうような形になろうかと思います。 その際には、最終的にその銀行の信用というものは国の信用で担保されるということになりますので、名前はいろいろな銀行の名前が、表面は、先ほども委員御指摘のとおり、法人格として暫定的には残りますのでそのまま残りますが、実質的には郵便局と同じように、最終的にはそこの信用は国家によって担保されるということになりますから、そういった意味では、預金者や債務者なども、むしろ安心をしてその銀行との取引を継続できるものというふうに考えております。
○海江田委員 これは一たん国家の管理に入ってから、もちろん、これは一日も早く民間に対する譲渡というものを考えなければいけないわけですから、余りこの期間を長くしてはいけないわけですが、ただ、その中で、やはりこれはあくまでも危機管理の一つの形態ですから、国が責任を持って、借り手に対しても従来どおりの信用供与をしていくんだ、あるいは仲介機能を維持していくんだということをはっきり、それはまさに有能な金融整理管財人がそのことを明らかにして、そして、やはりそういう借り手にもこれまでどおりのつき合いをお願いする、こういうことになるわけでございますね。 そこで、法案の中身に入りますが、金融機能の再生のための緊急措置に関する法案で、これは大変、皆様方三党の中で話をして、そして一致点を見出していこうということで努力をされたたまものでございますが、一つ、「金融機関の破綻の処理」という、「金融機関の破綻処理の原則」というのがございます。これはこの法案の第三条で出てまいりまして、私たちはこういう方針で破綻の処理をやるんだということを国民に対して明らかにするということで、私は大変意味のある条項だろうと思うのですが、ちょっと一つ疑問に思う点、疑問というか、まだ私の理解が足りませんので、ぜひそれはわかりやすく教えていただきたいのです。 この破綻処理の原則で、「一 破結した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること。」これはもう情報公開で、これまでの政府のやってまいりました破綻処理というのは、まさにこの情報公開の点で大変大きな瑕疵があった、大変大きな不透明さの中で物事を進めようとしているということで、それに対して、私どもがまず真っ先に情報公開ということを挙げたということ、これはよくわかります。 それから、二番目に「経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること。」私はちょっとここがわかりにくいのです、正直申し上げまして。 ですから、ここは質問をするとして飛ばしまして、三番目が「破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にする」こと。これも先ほどの資本注入の場合、こういう株主責任というものがあいまいであった、あるいは経営者の責任があいまいであったということもあります。そういう反省の上に立って、これもよろしゅうございましょう。ただ、この株主の責任の問題でございますが、反対側に株主の権利もございますので、その点は後でやはり若干質問をさせていただきます。 それから、「預金者等を保護するものとすること。」このことは先ほど答弁もありまして、非常にはっきりしております。 それから、「金融機関の金融仲介機能を維持するもの」、これもはっきりしております。 それから、「金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすること。」費用最小限の原則でございますが、これらの六つの原則があるということでございますが、この二番目の「経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること。」というのは、これはどういうことを言っておるんだろうかと。 破綻処理の原則でございますから、破綻した金融機関を存続させないということはもう明らかだろうと思うのですが、「経営の健全性の確保が困難な」という文言が入っておりまして、ここの「経営の健全性の確保が困難な」というのは、例えばこれが実は今の長銀のようなことを意味するのか、あるいは長銀の問題を切り離してもよろしゅうございますが、一体どういうことをイメージすればいいんだろうかということをお教えいただきたいと思います。
○池田(元)議員 海江田委員の御質問でございますが、その部分を含めて、当初から立法に携わった者として申し上げますと、非常に法律としては穏やかな表現になっておりますが、立法の趣旨は、不健全な経営の悪化した銀行は淘汰されるという、その一般原則をそこで規定したものでございます。
○海江田委員 不健全な金融機関は淘汰をするということでございますから、これは破綻をしてしまえば当然のことで、一度死んだものをまた生き返らせるなんということはやるはずもないし、それから、脳死状態のものをどうするのかというところが実は難しい状況でございますが、ただ、今立法の精神というものは池田提出者からお話がございましたので、ここのところをやはり私はある程度、どういうような基準を設けたらばいいのかというようなことも当委員会の議論などを通じて深めていただきたいと思います。 それから、もう一つ、この三番目の「破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にする」これも株主の責任ということは非常によくわかります、これまでに欠けていたものでございますから。 もう一つは、これは私が両方の案をよく読んでみまして、与党の案の場合は、株主の権利ということに随分、どちらかといえば、ちょっと極端な言い方をさせていただきますが、株主の責任ということについては、どちらかといえば、極端な言い方でございますが、若干認識が薄いということに対して、株主の権利ということについては特例を今回設けてありますね、これは。 御案内だろうと思いますが、例えば、営業譲渡などをするときに、従来でしたらこれは特別決議ということになりますから、まず過半数の出席を得て、しかも過半数の三分の二でこれは特別決議をしなければいけないという商法の決まりがあるわけでございますが、まず、政府・与党の案では、過半数の、二分の一を落としてしまっている。それで、三分の二の決議で一回決議ができますよと。だけれども、これは最初の決議ですから、もう一回、やはりこの場合も過半数の条項は抜きにして、そしてやはり三分の二の決議でもって、これでそういう意味では特別決議ができるよというような配慮がなされているわけですね。 野党の案の中には、株主の権利という方が希薄ではないだろうかということが感じられるわけでございますが、これについては、これからいろいろまた与党の方たちの意見も聞きながら、若干議論をしていこうということであるのか、それはもう全く無視をしていいことなのかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
○枝野議員 御指摘のように、株主の権利、貴重な財産権でありますので、当然のことながら、尊重するべきであるというふうに考えております。したがいまして、私どもの案の中でも、金融整理管財人を置いた処理の中では、政府提出の法案の処理の仕方と似たような形で、株主の権利について一定の制限をかけるというようなやり方で処理をしていくという部分も含まれております。 ただ、私どもの特別公的管理のスキームは、まさに、このまま管理されない形で支払い停止等の事態を生じさせてしまった場合には日本経済あるいは地域経済などに大混乱を生じさせるというようなおそれがある場合に限って、限定的に使われる手法であります。したがいまして、例えば、株主総会を招集する、あるいは株主総会で決議が得られるかどうかあいまいであるというような状況の期間を設けることが不可能な破綻というものは、十分あり得るわけであります。そうしたときは、午前中の質疑でも御答弁申し上げましたが、憲法二十九条三項の規定で、正当な補償があれば、公共の利益、つまり今回の場合は、日本経済あるいは特定の地域に対する深刻な打撃を与えるというようなことを回避するために、正当な補償のもとで株を一〇〇%いただいてしまうということは十分許されるということになります。 考え方によっては、何の補償もなしに株主の権利の大きな部分である議決権等を制約することよりも、私どものスキームであります、正当な補償のもとで、株主権、これは財産権でございますのでお金に換算できるものでありますので、お金に換算をした正当な補償のもとでそれを収用するということの方が保護としては厚いという考え方すらあるというふうにも考えております。 しかし、それにしても、いずれにしても、限定的な場面に限ってとる手段でありますし、また、こういった形で国の信用で危機を回避する、大きな金融機関の深刻な危機を直前で回避するというための、まさに私どもの目玉でありますので、この点については自民党の皆さんにも御理解をいただけるものというふうに考えております。
○海江田委員 今ので非常に明快になったと思いますが、与党の皆様方の案では、まさに国が一〇〇%株を買い取るという、そこのところはすっぽりと抜け落ちていますから、そうすると、やはり株主の権利というものをかなり後まで引きずってしまうわけですね。 そういう意味では、今回私どもは、かなり早い段階でまさに国が一〇〇%株を、まさに国有でございますから、買い取りをする。そうすると、今度は国が株主になるわけですから、その場合、新しく一〇〇%の株を持った国がそういう意味では株主で、この国の株主というのは、片一方で、まさに強制的な買い取りというものを、一円なら一円とか、これは株価算定委員会が出した価格でもって買い上げをするわけですから、そこで株主たる国の権利をずっと最後まで引っ張る必要はない、こういうような基本的な考え方にのっとっておるということでございますね。それはよくわかりました。 そしてもう一つ、細かな点でございますが、預金保険法の一部を改正する法律案の中で、これは整理回収機構というものを新たに設けるということでございますが、この整理回収機構に、「役員として理事長一人、副理事長一人、理事十人以内及び監事三人を置く。」ということがございます。 この第六条の十八の一項で、「政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。」これが第一項。第二項で「次に掲げる者は、理事長又は副理事長となることができない。」とありまして、一つ、「金融機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者」、二番目、「大蔵省の職員(非常勤の者を除く。)であった者」、三、「日本銀行の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者」とありますが、このうち、「金融機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者」ということになりますと、いっときでも金融機関に勤めていたという経歴があると、実はこの整理回収機構の理事長または副理事長になることができないのですね。今答弁席に座っておられます鈴木答弁者などは、とてもじゃないけれども、この理事長または副理事長になることができないわけでございますが、この「日本銀行の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者」というのは、これも項目として入っておりますが、この整理回収機構、もちろん、どちらかというとこれは法律の専門家を念頭に置かれてのことであると思いますが、やはり法律の専門家だけでなくて、私は、金融の専門家という者もおってもいいのではないだろうかというので、ここはそういう意味ではかなり厳しい方針で臨んでおるなというような印象を受けるものですから、こういう条文になりました経緯等を御説明いただきたいと思います。
○池田(元)議員 民主党の海江田委員にお答えをいたします。 金融業界と大蔵省との癒着というのは大変深いものがございます。新宿での何とかしゃぶしゃぶ事件に象徴されるように、大変問題でございます。そして、もっと問題なのは、ある意味では、日銀の汚職等でも、民間金融機関が情報を不正な手段でとって、それをマーケットで取引の材料にした。これはまさにマーケットを汚す行為でございまして、日本の金融機関に対する不信感が大変強いことは、海江田委員御存じのとおりでございます。 そういった意味で、現在及び過去の金融業界にかかわった者は排除するぐらいのけじめは必要であると考えるところでございます。
○海江田委員 時間が来ましたので終わります。どうもありがとうございました。
○相沢委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。 次に、若松謙維君。
○若松委員 新党平和の若松謙維でございます。 平和・改革を代表して、野党三党共同案について質問をいたします。 その前に、まず、三党さまざまな相違点がありましたけれども、それぞれの長所を生かしてしっかりまとめられたことに対しまして、まず敬意を表します。 そして、まず質問をさせていただくに当たって、やはり日本の、特に銀行ですか、今、世界十大銀行という言葉が言われておりますけれども、特にシティコープとか、あとはバークレーズとかモルガン・スタンレーとかUBSとか、いわゆる二十一世紀初頭にはこのくらいしか残らないのではないかと。その中に、残念ながら日本の十九大手銀行が入っていないのですね。こんな状況で、どう考えても、日本に十九行いわゆる国際業務をやっている銀行があるというのはおかしい、これは私は認識していると思いますし、委員各位もそうだと思います。 そんな観点から、そういう認識から、野党三党案について質問したいと思いますけれども、これは、さまざま部分的に各委員からも質問がありましたけれども、それでは、野党案の政府案と比べて優位な点、これをぜひわかりやすく国民にめり張りのある形で御説明していただきたいと思います。
○西川(知)議員 では、わかりやすく御説明を申し上げます。 幾つかございますけれども、まず第一に、政府案は、ブリッジバンクという一つの方式だけを法案の中に掲げております。これはいろいろと議論がありまして、果たして大手銀行に適用ができるのかどうかというような疑問が、この委員会でも多くの議員から出されております。 それに対して、三会派案といいますのは、金融整理管財人による方法、また国有化による方法、その破綻した金融機関の状況に応じて処理方法を選択できる。すなわち、これからどういうふうな金融破綻が起こるかということがまだ我々経験したこともない部分もありますので、それに対しての状況に応じた処理方法を掲げているということで、これはまず第一に挙げられる政府案と比べて優位な点でございます。 二番目は、裁判所の関与というところ、また三条機関の関与というところでもあらわれておりますように、チェック・アンド・バランスというものが機能するというところでございます。 もう金融監督庁初め大蔵省、大蔵行政に対するいろいろな国民の批判というもの、また行政機関に対して果たして裁量的な機能というものをチェックなしに認めていいんだろうか、そういうことが大きく国民から疑問視され、取り上げられておられます。 そこで、こういうときに関しては、金融監督庁が確かに銀行の検査をし、その中身を一番よく知ってはいるんでしょうけれども、それをそのまま国民が情報開示も十分にないまま信用して、そして何のチェックもなく公的資金を導入したり、またいろいろな方法で国民負担にかけるというようなことは、これは決してできないというふうに思われます。 そこで、先ほど自民党の議員から、裁判所の関与のことについて時間がかかり過ぎるんじゃないかというような発言がございました。しかしながら、これは先ほども少し説明いたしましたが、倒産法制において会社更生法、また破産法においても、例えば営業の大きな一部の譲渡等については裁判所の許可を受けないといけないということになっております。また、東京等におきましては特別の破産に関する部がありまして、その裁判官は非常にその分野については有能で、また経験を豊富に持っております。 また、今度は、三条機関としての金融再生委員会というものが、果たしてこの破綻の要件に該当するのかどうかということの資料を十二分に検査して、それを持ってくるということによって、これはその裁判所における機能の十分な発揮ということは十分にできるんじゃないかと考えております。 したがいまして、当然のことながら、もっと裁判所の機能の拡充、特別部の創設等々が必要かとは思いますが、これは可能であり、しかも国民から見て、公正さ、公平さ、これを十分に確保する点から見まして、こういうチェック・アンド・バランスの機能をつくる、こういう点は極めて重要ではないかと思います。 この今の二つに加えまして、先ほどからいろいろな委員が説明しておりますように、情報公開の徹底というものが、我が会派案では具体的に書かれております。また、一元的な処理、すなわち三会派案では、主に金融再生委員会が一元的に取り組む、そういうふうな機動的なことが我が会派案には含まれております。 また、経営者の責任の追及ということに関しましても、政府案では、金融管理人が入った場合における経営者の扱いが極めて不明でございます。責任追及もあやふやでございますが、三会派案では、金融整理管財人による管理及び公的管理のいずれの場合でも、旧経営陣、これに対しての解任権も付与しております。また刑事上、民事上の責任追及、これも政府案よりもより強く義務づけております。 ほかにもいろいろと政府案よりも優位な点はございますが、今申し上げましたような点が政府案よりも野党三会派案において極めて優位な点であるというふうに御説明申し上げたいと思います。
○若松委員 ありがとうございます。 御説明、もっともだと思います。特に、私も午前中、一部自民党委員の質問を聞いておりましたけれども、野党案が非常に責任が不明確だ、こう言っておりますけれども、先ほど一元的な処理ということで、いわゆる今の与党案、大蔵省、金融監督庁、預金保険機構、それぞれがばらばらに責任をとる。結局、責任の分散化。これはもう戦後一貫しての政府の、そして政治も含めた無責任体制そのままの法案だと私は思っております。 そういう意味で、現在の大蔵省、金融監督庁、預金保険機構、こういったところの現在の責任が金融再生委員会に一極集中するわけです。そこに、委員長、いわゆる大臣格、これはまさに政治の責任ですので、私は、国民に対しての責任という面から、大変この野党の案というのははっきりしているのではないか、そのように評価いたします。 それでは続きまして、破綻前処理が今議論となっておりますけれども、じゃ、破綻とは何なのか。この定義がはっきりしないと次の議論には移れないと思います。それについての御説明をぜひお願いいたしたいと思います。
○石井(啓)議員 今の破綻の定義を御説明する前に、政府案に比較して優位な点について、若干私の方から補足して申し上げたいと思います。 処理に要する時間といいますか、政府案では、原則二年としておりますが、最長五年まで可能ということで、実質的にこの処理の先送りをしかねない、こういう内容でございますけれども、私ども野党案では、金融整理管財人は原則一年、最長二年まで、また特別公的管理については平成十三年三月末までにその管理を終了するということで、短期間の迅速な処理を図っている、こういうことも大きな違いではなかろうかと思います。 またさらに、私ども野党案では、いわゆる大手銀行の連鎖破綻といったような大変危機的な状況にも対応できる、そういう内容になっているところが違いではなかろうかと思います。 今の破綻の定義でございますが、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案第八条及び第二十八条に記載をしてございますけれども、金融機関が「その財産をもって債務を完済することができない場合その他金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は金融機関が預金等の払戻しを停止した場合」、これが破綻と考えております。
○若松委員 それで、破綻というのは、今おっしゃったように、いわゆる債務を完済できないこと、債務超過というような形で認定されておりますけれども、債務超過と資金繰りとはちょっと別の概念で、これについてはもっと明確にする必要があるかと思うんですけれども、あくまでも、当然債務超過が一つのベースになっての、結果としての資金繰りが滞って、それが破綻、そういう理解でよろしいですか。
○石井(啓)議員 そのとおりでございまして、債務超過は資金繰り破綻をするおそれがある、その原因になる、こういうことでございます。
○若松委員 私も、谷口議員と同じ会計士で、債務超過になっている会社がしっかりと資金繰りを滞りなくやっている会社も見ておりますので、ぜひ債務超過という言葉に惑わされずに、あくまでも資金繰りと。 ところが、金融機関の場合には、これも認識をぜひ聞きたいんですけれども、特にアメリカにしろスウェーデンにしろ、実質、自己資本が二%切ったらもう破綻ということで、もう危険区域になっちゃって、営業を停止させちゃうんですよ。私は、債務超過以上にもっとマーケットは厳しいんじゃないかと思っております。それについての認識はいかがですか。
○石井(啓)議員 今委員御指摘のとおり、アメリカの場合は、自己資本比率二%以下になりますと自主的に監督庁が破綻処理に移行するということになっております。我が国の場合、早期是正措置を見ますと、自己資本比率ゼロ、債務超過になった状況でもまだ猶予措置を与えている。こういうことを比較しますと、我が国の場合は、そういう意味で非常に金融機関に対しては甘い基準になっているのではないか、こういう認識でございます。
○若松委員 ぜひ、そこまで言っていただけるなら、甘いということで当然厳しくやっていただきたい。その方が与野党ともにいいのではないかと思っております。 続きまして――では、せっかくですから、そういう認識でよろしいですね。はいですね。ちょっと鈴木先生、ひとつコメントを、追加コメントをいかがですか。結構ですか。
○相沢委員長 鈴木さんに質問されますか。よろしゅうございますか。
○若松委員 大丈夫です。 それでは、今度はちょっと長銀について質問させていただきます。 これは日銀総裁がかなり不適切な発言をして、いわゆるデリバティブですね、大手銀行が破綻するとマーケットが混乱になる、こういう話でしたけれども、最近マーケットには、デフォルトデリバティブという、破綻銀行が契約しているデリバティブ、それをヘッジしてリスクをとって稼ぐというデフォルトデリバティブができているのですね。その結果、長銀も六十兆円くらいのオフバランスが半分ぐらいになってきました。マーケットが速いのですよ、処理が。ですから、こんな言い方は失礼ですけれども、もう長銀の処理は、私は市場では終わっていると思います。これが実態なんですよ。ですから、それで長銀で破綻前どうのこうのという議論は、もうマーケットの関係者からすればちゃんちゃらおかしい、私はこういう認識だと思います。 恐らくそうだと思うのですけれども、その上で、この長銀につきまして、先ほどデリバティブ取引の関係で破綻はできないと政府は何度も言っていますけれども、野党三党の皆様はどのようなお考えなのか。これも国民にわかりやすく、確信を持って言ってください。
○石井(啓)議員 私どもも、長銀につきましては、デリバティブ取引をやっているから破綻させられないという論理は正当性に乏しい、このように考えております。 まず現実に、今委員御指摘のとおり、長銀のデリバティブ取引、取引高自体が急速に縮小しております。九七年三月末時点での取引高は八十六兆二千億でございましたが、ことしの三月末では五十一兆五千億ということで、この一年間で三十四兆七千億ほど取引が縮小をしております。このデリバティブ取引では、相手方の経営状態が悪くなりますと、取引を途中で一括清算する等急速に取引が縮小してまいりますので、現時点においてはこの三月末時点よりかなり小さくなっている、このように想定をされます。 また、この取引高自体を見ますと、大変、兆単位で大きく見えますが、実際の信用リスクは小さい。今申し上げました取引高はいわゆる想定元本でございまして、仮に一方が支払い不能の状況になったといたしましても、この金額のすべてが貸し倒れにならないことは御承知のとおりでございます。 例えば、金利スワップで申し上げるならば、その金利差がリスクということでございまして、実際の損失につながる信用リスク額は小さい。しかも、この信用リスク額も、一方的にデリバティブは、当方が負けた場合でございますから、勝ち負けがあるわけでございますから、実際の損失というのは信用リスク額よりもっと小さいということでございますので、取引高が何十兆ということで大変だ、こういう御懸念には当たらないと私どもは考えております。 また、通常、例えばスワップ取引等では、相手方が破綻をしたケースを想定して担保を積ませる、こういうふうにしております。また、担保を組むことができないような信用不安のある銀行とはそもそも契約を結ばない、こういうことになっております。 以上申し上げました理由によりまして、仮に長銀が破綻をしたとしましても、デリバティブ取引を通じて信用リスクが他の銀行に連鎖をする、こういうような可能性は極めて少ない、このように考えております。
○西川(知)議員 ちょっと補足させていただきます。 御存じかと思いますが、例えばアービトラージというような裁定取引とか、そういういろいろなデリバティブの取引というのは期間が短くて、短期勝負ということでございまして、したがって、もう長銀のようにこれは危ないなというようなものについては早く手じまいをしてしまう、これが現実でございます。
○若松委員 せっかく金融監督庁にも来ていただいていますので。 私もちょっと銀行を監査した経験がございまして、やはりこのデリバティブ取引で、いわゆる期末の、何十兆とかという取引があるわけですけれども、最終的にリスクポジションというと本当に何千万円とかという、これが現実なんですね。ですから、金額ですごく議論するというのは余りにも愚かなことだと思います。 ところが、いわゆるリスクは間違いなくあるわけでありまして、今西川委員がおっしゃったように、まさにスペキュレーション的な、そういったリスク取りがあってポジションが一挙に大きくなるという可能性がありますので、金融監督庁において今十九行調査、全部とは言いませんけれども今進んでおりますけれども、やはりこれについてかなり重要な注意を払って調査が行われる必要があると思います。その点に関して、今どういう状況か、説明できる範囲で御説明いただけますか。――ちょっと質問通告していなかったのですけれども、難しくないと思うのです。やはり前総理は人事を間違えられたのではないですかね。ちょっと時間を差し上げますから、五、六分。次の質問に移りますので、その間に考えておいてくださいね。考える質問ではないのですけれども。よろしいですか。では続けますね。 それでは、私も八月末に北海道拓殖銀行、特に業務監査委員会、まさに生の大手銀行の破綻処理を見てまいりました。御本人たちが言っておりました、私たちに与えられたあのスキームというのは最悪だと。特に、自分たちが経営者として破綻認定されていながら、いわゆる整理、処理もしている、非常につらい。貸付先を選別する、大変つらい。この情が結果的に破綻の期間を延ばしてしまう。非常に切実なことを言っておられました。 ですから、その方たちが言っていたのは、私たちがこの北拓銀行の整理をするのではなくて、経営者を、整理する人を外から連れてきてください、なぜそれを大蔵省はやってくれないのですか、そう私たちに訴えておりました。 ですから、これがポイントなんですね。野党の案は、金融整理管財人、これは当然大手銀行にも適用する。そうではなくて、大手銀行だから私はそれを適用しなくてはいけないと思っているのです。それについては人材がいないとかと異論、議論がありますけれども、金融整理管財人、私は、大手銀行に十分適用できる、これでなければいけない、そう思っておりますけれども、これについていかがですか。
○石井(啓)議員 私も若松委員と一緒に八月十一日に札幌まで参りまして、北海道拓殖銀行の本店で、実際の拓銀の解体経緯といいますか、今の破綻後の業務の状況につきまして、実際にお話を伺ってきたところでございます。そこで、確かに今委員が指摘されますように、経営者はやはりかえた方がいい、といいますか役員は退任させた方がいい、こういう指摘がございました。私どもの法案の中では、金融整理管財人が入るケースでは旧経営者の解任権を持っておりますし、また特別公的管理に入る場合には新しく経営者を送り込む、こういうスキームになっておりますので、そういった点の問題点は解消ができるかと存じます。 今委員の御質問、金融整理管財人が大手行に適用できないのか、こういう御質問かと存じますが、本法案の中では、金融機関が破綻して直ちに受け皿銀行があらわれない場合で、なおかつ他の金融機関の連鎖倒産等が予想されて、我が国の金融界に大変危機的な状況をもたらす、あるいは当該銀行が業務を行っている地域または分野において融資比率等で非常に高い比率を持っておって、他の金融機関では代替ができない、こういったケースで、特別公的管理以外の手段によってはこういった事態を回避できない場合には、この特別公的管理に入る、実施する、こういうスキームでございますが、それ以外のケースの場合では、たとえ大手行であったとしても、この金融整理管財人による管理を行うことができるとしております。 今委員がおっしゃった人材の点でございますけれども、私ども、通常の銀行経営で、いわゆる経営戦略まで持たせて銀行を経営するということであれば、これは能力のあるベテランの方を持ってこなければいけない。なかなか人材が厳しいとは存じますけれども、今回の場合は、いわば通常の銀行業務を継続しながら、債権を分類し、そして最終的に民間金融機関等に営業譲渡等をする、こういうことでございますから、いわば銀行の部課長クラスがしっかり仕事をすれば銀行の通常業務はできる、それを指揮する金融整理管財人というのは、十分それは人材はいる、私どもはこのように考えているところでございます。
○若松委員 それでは、この金融整理管財人の役割ですけれども、破綻銀行ということにしますと、破綻銀行のいわゆる取引先とか預金先も含めて全部なくしちゃう、どうしてもそう理解しやすいわけですけれども、アメリカのいわゆる破綻処理は、ブリッジバンクはたしか二割もいっていないと思いますね、どっちかというとPアンドAという営業譲渡。買い手を見つけやすいマーケットで不良債権処理を早期化して、生き残れる営業をしっかりまとめてそれを譲渡する、これが金融整理管財人に与えられている使命だと思うんですね。 じゃ、そのときに、先ほどちょっと質問が漏れてしまったんですけれども、破綻した金融機関、いわゆる先ほどの破綻の定義から、破綻になりまして、そこから営業譲渡まで、当然大手銀行であればかなり時間がかかると思うんです。その間の資金繰りというのは、だれがどうやってつなぐんですか。それは大変重要だと思うので、お答えください。
○石井(啓)議員 二つのケースがございますけれども、金融整理管財人が入る場合、いわゆる銀行の業務を継続するための資金繰りは、日銀からの融資等によって行うことを考えております。これは、最終的に引き受け手となる民間金融機関が営業譲渡等を行う場合に、これは預金保険機構から資金贈与等が行われるわけでございますから、これで返済をされる、こういうことになるわけでございます。 また、特別公的管理の場合は、これは預金保険機構が、金融再生委員会の承認を得て特別公的管理銀行に対して業務に必要な資金を貸し付ける。この経理のために、預金保険機構に金融再生勘定を設けて、政令で定める金額の範囲内において、金融再生委員会の認可を受けて、日本銀行その他から資金の借り入れを行う。政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、この借り入れに対して債務保証をする、こういう枠組みで考えております。
○若松委員 案外、日銀というのは、特に与党の先生方は知らないんですね。日銀特融という大変強力な権限、だからこそ中央銀行であって、だからこそ金融システムを大きく救済する能力と、そしてその権限を与えられている。日銀特融がありますから、大手銀行十九行全部とは言いませんけれども、私は、数行同時に破綻になっても、これは日銀特融で当面の資金繰りは十分できると思いますよ。(発言する者あり)そうですよ。それはそれでいいんですよ。最後は公的資金です。 ただ、いつになったら不良債権処理をしてくれるんですか、与党さんは。それになると黙っちゃって、不良債権処理がつかないと、この金融再生処理だってできないんですよ。 金融監督庁、日野さん、どうですか、答えは出ましたか。
○日野政府委員 突然の御質問でしたので、御答弁がおくれたことを申しわけないと思っております。 デリバティブ取引をどういうふうに把握しているかというお尋ねだったと理解いたしますが、これは委員御承知のとおり、金融の自由化、国際化の進展に伴いまして、デリバティブ取引を含むオフバランス取引が急速に増加しておりますので、金融監督庁におきましても、リスク管理体制の実態把握に鋭意努めているところでございます。 特に、今回のこの十九行の検査におきましては、資産の査定ということを中心にやっておりますので、当然のことながら、資産査定の一環としてデリバティブ取引の内容の実態把握に努めておりますが、こういう金融の派生商品につきましては、極めて専門的、高度化、複雑化しておりますので、今後、検査部内におきましても組織整備を図りまして、市場リスク検査室を中心に、より一層検査技術も向上させたいと考えているところでございます。
○若松委員 済みません、何かよく頭に残らなかったんですけれども。要は、ちゃんとやっているということですか。そういうことですか。また今週質問しますから、よく考えておいてください。 それと、どうも私も納得していないのが、長銀が破綻していないかどうか、債務超過という一つのメルクマールがありますけれども、これについてちょっと、認識を再度聞かせていただけますか。これは石井議員がたしか長銀の集中質疑で最初に質問しましたけれども、私は、どうもこれ、決算がおかしいと思うんですよね。どうですか。
○石井(啓)議員 現在の長銀の資産内容、財務内容につきましては、金融監督庁がその検査結果を発表しませんので、私どもも正確な実態を把握できないのが実情でございます。そのことが、逆に言えばこの問題に対する処理をおくらせているといいますか、国民に対して十分な説明をできない、していない最大のネックになっているんではないかと認識をしております。 私もこの委員会で質問させていただきましたが、そもそもことしの三月期の決算内容、不良債権の実態等を見ますと、あの決算内容から、なぜ半年もたたないうちに七千五百億ものこの不良信頼の償却ができるのかは到底納得ができないところでございまして、私も、委員が指摘されますように、この三月期の決算の内容がおかしかったのではないかと認識をしているものでございます。
○若松委員 私も、そういうことで先ほどの日本リースとかの三社の決算書、恐らく、負債二百億 円以上ですから、商法による大会社の認定で監査を受けなくちゃいけないのですね。監査を受けているかもしれないです、受けていないかもしれないです。特に住専の貸付先の、いろいろありましたよね、あれはほとんど監査を受けていません。ちょっとまだそういったところで不備で、資料も得られないのですけれども、まず資料を入手できるように、少なくとも監査を受けている商法の大会社、これは登記所にしろ、すぐ私たち一般人も入手できるようにしてもらいたいのですけれども、ちょっと法務省、この際はっきり言ってください。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律、いわゆる商法の特例法でございますが、これにつきましては、貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益処分案等の決算書類、監査役の作成した監査報告書、会計監査人の作成した監査報告書を五年間本店に備え置いて、株主及び債権者の縦覧に供し、または貸借対照表及び損益計算書またはその要旨を公告するということになっておるわけでございます。これは先生御承知だと思います。 それから、上場会社につきましては、一般の投資家の保護をするために、証券取引法により有価証券届出書、有価証券報告書等を一般に縦覧いたしまして、開示は図られているというふうに考えておりますので、私どもとしては、これに上回る開示が必要かどうか、今後さらに検討してまいりたいと思っております。
○若松委員 ぜひ、この大会社ぐらいは絶対に一般に閲覧できるようにしてくださいよ。 じゃないと、今回の例えば日本リース、エッセンスだけもらいました。この委員会の権威を使ってですよ。それで、実際日本リースを見たら、いわゆる純資産ですか、自己資本ですよね、二百三十七億円。実際に、今回貸付金の債権放棄で二千五百億円要求しております。十倍ですよ。それで、恐らくこれに対しては適正意見でしょう。それで、かつこういった事態に至ったというのは、六月五日の現代七月号、これが出て急速に資金繰りが悪化した。 大蔵大臣もいらっしゃいますけれども、これは監査上、後発事象というんですよ。後発事象といいまして、決算が終わってから監査報告書を発行するまで、これは六月のたしか二十七か八です、この期間まで重要な事実があれば、これは財務諸表に記載する。それがされてなければ監査上は不適正なんですよ。これは六月五日ですよ。十分にこれは重要事象ですよ。 恐らく会計士側も何か理由があると思います。過去においていろいろな係争がありましたけれども、一度も、会計士はやはり責任追及を回避するためのちゃんと証拠を、ドキュメンテーションをやっていますから、その結果、会計士が負けたことは日本においてありません。今一生懸命注意してやっているでしょう。 いずれにしても、まだ矛盾があるんですよ。これはどう考えたって債務超過ですよ。これは後で、私もちょっと質問する機会がなかったので、十分やらせていただきますけれども、こういう状況で、破綻前、破綻前、公的資金投入、不透明、私は、全くこれじゃ国民の理解を得られない、十九行は多過ぎる、デリバティブは何ら問題ない、これを明言して、質問を終わらせていただきます。 以上です。
○相沢委員長 これにて若松君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○相沢委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 各案審査のため、本日、参考人として金融危機管理審査委員会委員長佐々波楊子君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○相沢委員長 次に、西田猛君。
○西田(猛)委員 自由党の西田猛でございます。 きょうは、野党三会派提出の法案に対する質疑とともに、その法案の内容をよく吟味するために、政府案、それから今政府が考えておられるいろいろな破綻前処理の方策等についても、あわせて質問をさせていただきたいと思っております。 以前より議論がありますけれども、今の日本の経済危機それから金融危機の状態につきまして、我々は長らく以前から警鐘を鳴らし続けてきたところでございます。それにもかかわらず、従来の橋本内閣それから小渕内閣におきましても、当面、まず財政赤字を解消するのだと、そして財政構造改革法その他、いわゆるデフレ予算をとって我が国の経済をこのような状態におとしめたということがございます。 したがって、国民の皆様から厳しいおしかりの声を受けているのは、この経済危機の中で一体国会ではどういう審議をしているのだ、なぜこのように時間がかかっているのだという声をよく聞きますけれども、それについて私たちは、一刻も早く経済の回復をなさしめて日本の危機を救っていかなければならないということを従前から申し上げているわけでございます。そのあたりの危機認識、それから必要な政策についての提言については、我々の方こそがもう従前から鋭くいち早く認知をしてきたところでありまして、政府・自民党におかれては、このことをよく銘記して今後の対応を早くつけていただきたい。 問題は、破綻後の法案がどうかということではございません。破綻前のことだけでもございません。全体的な日本の危機管理、経済の回復をどのように図っていくのかという骨太な議論を、それこそ経済回復特別委員会というふうなものをつくってやらなければならないのだと我々は思っております。 ところが、そのような中で大変奇妙な記事を私は目にいたしまして、それは八月十八日付の英国のファイナンシャル・タイムズですね。宮澤蔵相もよく毎日お読みになっておられると思いますけれども、俗にイエローペーパーと呼ばれるやつですけれども、その八月十八日付のファイナンシャル・タイムズで、小渕総理大臣の副報道官とでも訳しましょうか、の方がこのように言っておられる。すなわち、日本語に訳せば、一日審議が長引けば、それだけ日本の、そして地域の経済にとって大変なことになるんだということを野党も思い知るべきだというふうなことを書いてあるわけですね。 とんでもない意見だと思うのです。我々はこのことをいち早く前々から言っているわけです。前の総選挙のときも言っております。ましてや、きょうは本当は小渕総理大臣に出てきていただいてお聞きをしたがったのですけれども、副報道官といえば、これは一般職の国家公務員でございます。その一般職の国家公務員がこのような公平さを欠いた発言を外国のプレスに対して公然として行うということについて、大変な問題があるのではないかなと私は思っております。 この副報道官と称する方、デピュティー プレスセクレタリー ツー ミスター オブチと書いてありますけれども、これはきょう官房長官に来ていただいております。事前に通告はしておりませんけれども、そのような発言を一般職の国家公務員の方が、まるで野党に対するミスリードするような発言をしておられるということについてどのようにお考えになられますでしょうか。
○野中国務大臣 外国プレスに対しまして専門的な報道官が正確に広報活動ができるようには内閣として取り組んだところでございます。 しかし、今委員御指摘のような外電がどのように報道したか、私は承知をいたしておりませんし、公務員たる報道官がそのように一方の政党のあり方を批判することはあり得ないことだと信じております。
○西田(猛)委員 今、官房長官はあり得ないことだとおっしゃいました。ここにその記事がございます、これは事前にお配りしておりませんけれども。 この記事を、委員長、理事会で協議していただいて、この記事のもととなっている発言をしたというその副報道官、それを参考人として招致することをこの委員会で御検討いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○相沢委員長 後刻理事会で協議いたします。
○西田(猛)委員 よろしくお願いいたします。 それでは、続きまして官房長官にお聞きしたいのですけれども、今金融監督庁は、総理大臣、官房長官のもとに、総理府のもとに置かれているわけです。 そこで、本年二月の大蔵委員会でですが、当時、いわゆる金融機能安定化緊急措置法の審議をしておるときに、当時大蔵省が所管庁でしたけれども、当時の大蔵省の銀行局長が、吸収合併されるような銀行には十三兆円の運用としては対象としませんというふうに発言をしておられるんです。今回の、今委員会でも議論になっている長期信用銀行、もう宮澤蔵相もその他の方たちも、まるでその住友信託銀行と申しましょうか、吸収合併されるということを前提にお話をしておられるのですけれども、二月の大蔵委員会の政府委員の答弁と全くそごを来しますが、いかがでございましょう。
○伏屋政府委員 お答えいたします。 本年二月の大蔵委員会で当時の銀行局長がお答え申し上げましたのは、当時の議事録でいいますと「破綻がすぐ見込まれるようなものは対象にしていないということでございます」と、要するに、十三兆円の運用といたしましては、破綻がすぐ「見込まれるようなものは相手にはするべきではないという考え方で御提案申し上げているわけでございます。」と述べておりまして、これはあくまで、破綻する蓋然性が高いと認められる銀行につきましては十三兆円の適用がないことを確認的に答弁したものと思います。 なお、その趣旨は、法律の二十三条第二項二号のロに、当該金融機関が「破綻する蓋然性が高いと認められる場合でないこと。」と明記してございまして、またそれが審査基準に入っておる、またその審査基準がクリアされないと十三兆円の適用がない、そういうことだと思います。
○西田(猛)委員 私は責任大臣としてきょう出席していただいている官房長官にお聞きしたんですけれども、今、大蔵省の金融企画局長の方から御答弁がありました。確かに、二月の当時の銀行局長の答弁では、破綻することを前提とはしていない、だから吸収合併されるような銀行には資金注入をすることを予定していない、こう言っておられるわけですけれども、私自身もこの間るる大蔵大臣にお聞きいたしました。長期信用銀行は資金注入をしなければ破綻してしまうという認識を大蔵大臣も示しておられます。あるいは、いずれなくなってしまうんだ、スピリットだけが残るんだというふうな話をしておられます。そういうことは、この立法の意思からすれば、対象としていないことなんですね。 私たちは、何も長期信用銀行一行のことをあげつらっているのではありません。あるいは、マーケットからはじき出された銀行は絶えて死ぬべしということを言っているわけでもございません。ただ、原理原則は、市場の原理、マーケットの規則というものを守った上で、それで我々は日本の信用秩序、全世界的なシステミックリスクをどのように考えていくのかということを真剣に議論しなければいけないときに、この特別委員会でも、何やら長期信用銀行だけが問題かのごとくの議論がるるなされている、ここが私は問題だと思うんです。 なぜならば、今、金融機能安定化緊急措置法があるわけですから、もしも、どうしても政府において長銀に十三兆円からの勘定で資金注入をしなければ日本の金融秩序が大変だと思われれば、速やかに長銀から申請をさせて、政府は国会の議論などなくても注入できるじゃないですか。すぐにでもやったらいいんじゃないでしょうか。ただし、政府の権限と責任においてですよ。大切なのはそこだと思います。 マクロ経済政策についても、橋本内閣から小渕内閣に移るときに大きな転換が行われました。その橋本内閣の責任を一体自民党、与党内閣はどのようにとったのですか。全く責任を明らかにされないままにかわってきてしまっております。今この国会で議論しなくてもよいことを議論しているのは政府・自民党の方ですよ。資金注入したいんだったら今でもしたらいいんじゃないでしょうか、私はそう思いますけれども。
○宮澤国務大臣 それは、私は違う意見です。政府の責任と権限において資本注入することはできません。私企業に対してそんなことができるはずがない。申請があったときに検討するのであります。それで、長期信用銀行はそういう申請はしていないんです。
○西田(猛)委員 大臣、まことに大先輩に対して、お言葉ではございますけれども、私の議論の趣旨はそんなところにありませんよね。それはもう大臣が一番よく御存じだと思うのです。私は、申請があったらとか申請がないから資金注入できない、そういう議論をしているのではありません。もしも長銀が申請をして、政府が必要だと思ったらできるわけでございましょう。何も、私たちがここで反対をしているからだとか、国民の七割が反対していたって、政府が、いや、これは絶対必要なんだ、国民の七割の方はよくわかっておられない、我々がやらなければいけないんだと思ったら、どんな反対を押し切ってもやったらいいじゃないですか。もちろん申請があればですよ、大臣。ただし、政府の責任においてということを私は申し上げているわけです。
○宮澤国務大臣 私どもの理解では、長銀は、住友信託と合併の話がありまして、そしてリストラ計画を立てて、ある段階で政府に申請をしたいと言っておるのでありまして、長銀の考えでおることは、合併ということを前提にして考えておる、これを申し上げているんです。
○西田(猛)委員 官房長官が四十五分からお時間が、ほかの用事がおありだそうですので退席されるとのことですから、一つお聞きしたいと思います。 官房長官、もしもこういうふうな形で資金注入を長銀が要請して、そして政府がどうしても必要だということで資金注入をしたとします。そしてその後、実は法的要件を欠いていた、すなわち長期信用銀行の検査の結果が債務超過に陥っているということがわかったというふうな場合、内閣のかなめとして、官房長官、内閣の責任はどのようになりますでしょうか。
○野中国務大臣 純粋に法律の問題でございますので、事務当局からお答えをさせていただきます。
○西田(猛)委員 いえ、違います。法律の問題ではありません。内閣の責任を問うているのであります。
○日野政府委員 御指名いただきましたので御答弁させていただきたいと思いますが……(西田(猛)委員「いや、私、指名していないですよ」と呼ぶ)いや、委員長から御指名を。
○相沢委員長 私が指名しています。
○日野政府委員 ただいまの委員の御質問は、もし債務超過であったならばという仮定での御質問でございましたので、これはちょっとお答えはできないのではないかと思います。
○西田(猛)委員 金融監督庁長官からはそれで結構ですよ。しかし、私は、今申し上げたように、長銀からの申請があれば政府は、今法律もあるわけですから、十三兆円の勘定もあるわけですから、どうしても必要だ、日本国民、わかってくださいということであればおやりになったらいいじゃないですか。しかし、その後、法的要件を欠いているということが、我々が今批判しているように、それが明らかになったときの内閣の責任はどうなるのでしょうかということを閣僚に聞いているのであります。官房長官、どうでしょう。
○宮澤国務大臣 私が思いますのに、内閣の責任とおっしゃる以上は、何かそこに法律的な誤りがあったとかいうことでないといけませんので、それで、これは法律問題だというふうに申し上げているんです。
○西田(猛)委員 官房長官、もしお時間があれでしたらどうぞ、よろしゅうございますけれども、実は、次の質問も後でよく議事録を読んでいただいて、認識していただきたいと思う質問でございます。 そこで、今大蔵大臣は法的な問題だというふうにおっしゃいました。そこで私は、この議論を、これだけを取り出してすることは余り好ましくないことかもしれませんけれども、やはりここできっちりと、はっきりとした法的な問題を指摘しておかなければならないと思います。 長期信用銀行が提出した書類あるいは決算書類等が真実のものではないということを知りつつ、その後、日本長期信用銀行の書類を金融監督庁内あるいは預金保険機構内あるいは金融危機管理審査委員会内でその後のプロセスに付して、そして長銀に十三兆円の勘定から劣後債なり優先株なりを買い取る、あるいは引き受けるということを行って資金注入をしてしまった場合ですね。しかし、その長銀が提出した書類は真実ではないということを知りつつ、その公務員もしくはみなし公務員とされる人たち、それは総理大臣も大蔵大臣も金融監督庁長官も含まれます。それから日銀総裁、それから預金保険機構の理事、理事長、それから金融危機審査委員会の審査委員、これ、全部含まれます。その方たちの刑法上の責任というものはどのようにあるか、法務大臣、お聞かせ願えますか。
○中村国務大臣 お答えいたします。 極めて大胆な組織的な犯罪があったという想定のもとにお聞きになっていらっしゃるので、これもなかなか答えがたいところだと思いますが、大体、資本の注入、優先株等の注入をやるには、まず整理回収銀行だとか預金保険機構、それから佐々波委員長いらっしゃいますが佐々波委員会、そういったものの審査を経て、そして大蔵省、そして閣議決定となるわけでありますから、そういうことの中で、何が起こったかというのを想定してお答えするのは、これは困難だと思います。 ただ、何か不正があってそれによって国家に損害を与えたということがあれば、これは極めて一般論でありますが、一般的な件としてはそれは背任罪というのはあるかもしれませんが、今のような壮大な仮定のもとに立って責任ある回答というのは難しいと思います。
○西田(猛)委員 今、法務大臣からお答えがありましたように、背任罪の構成要件に該当してまいります。現に……(発言する者あり)いいですか、私はまだ質問していません、質問を終えていないです。 しかも、私は、この質問通告を金曜日に出しましたけれども、何と、偶然でしょうけれども、土曜日に、これは金曜日に始まったのだと思いますけれども、防衛庁の調達実施本部の副本部長、それからその後、元本部長の方も背任の容疑で逮捕されたわけでございます。したがって、公権力の行使に当たっても背任ということを該当せしめることは大いにあり得るわけです。しかも、今、何やらこちらの方から目的罪だということがありました。しかし、その目的の認定というのは、これはできるわけですね。 この調達実施本部のときの事実関係等、我々はつまびらかにはわかりません。しかし、私が今言ったのは、その長銀が提出した書類あるいは決算書類等々が真実でないことを知りながらやる。しかも、それが自分の保身でもいいわけですよ。例えば、ボスである金融監督庁長官が資金注入しろ、あるいは内閣総理大臣がしろと言ったけれども、いや、私は嫌です、書類を見たらこれはできる法的要件にないから嫌だと言ったら非常に危うい、だから知りつつやってしまうということだって保身であり、それは目的を満足するものなんです。そういう判例がございます。そのことを私は聞いているのであります。
○中村国務大臣 私のお答えの仕方が悪かったのか、意図が通じていないと思いますが、大きな想定のもとに、こういう幾段階にもいろいろな行政の手続を経てやることを想像して、それが何の罪に当たるとかということを言うのは困難であると申し上げているわけです。そして、最終的にどういう罪がこの犯罪に対して当たるのだということは裁判所が決定することでありますから。 ただ、一般論として、だれかに、政府のやったことで国に損害を与えたというようなことがあればそれは背任罪なんでしょうけれどもと申し上げただけで、それは一般論で損害を与えた場合のことを言ったので、今回の件を全く想定して申し上げたことではございません。この幾段階にも審査を経てきたことを、いろいろな行政段階の手続を経て閣議決定されることを、私どもが一概に何の罪に当たるというようなことを申し上げることは到底できません。
○西田(猛)委員 想定、想定とおっしゃいますけれども、なぜ今この特別委員会で、長期信用銀行に対する資金注入をするのかしないのか、あるいはそれが当、不当なのかということの議論をしているかといえば、それは、私冒頭申し上げました、もし長銀から申請があって、政府がどうしてもやりたいのだったら、やればいいわけですよ、国会の議論なんかなくても。 だけれども、それをするというのは、国民の皆さんに理解してもらいたいからだときっと政府・自民党はお答えになるでしょう。もしも、政府・自民党が国民の皆さんにやはりわかってもらいたいから国会でこのことを議論しているんだということをおっしゃるのであれば、丁寧に説明しなければいけないのじゃないでしょうか。そのことを我々は、各党、野党会派、全部聞いているわけですよ。 しかし、今の金融監督庁長官のお答えなんかでもそうでしょう。いつも、お呼びもしないのに出てこられて、それはお答えしかねますなんて、そんなふざけた答弁ないですよ。本当に丁寧に、わかってもらいたいんだからここで議論している。もしも、そんなもの要らない、我々の判断は正しいんだからやるんだと言えば、長銀から申請があればおやりになったらいいですよ。ただし、それはそれなりの責任を持っての決断だと我々もある意味では高く評価し、それを見守らせていただきます、そういうお話を私はしているのでありまして、細かな法律の議論を、重箱の隅をつつくような議論をしているのではございません。 それともう一つ、背任の可能性もあります。それから刑法には、第百五十六条、「虚偽公文書作成等」というのがございまして、真実じゃないということを知りながら、例えば行政部内の文書をつくる、そして、それをその後の行政過程にのせるということになると、これも十年以下の懲役という罪もございます。それから、刑法第百五十八条では、その虚偽公文書の行使ということも定められております。 この百五十六条それから百五十八条、これはどういう構成要件に該当するのか。また、今申し上げたような、もしも真実じゃないことを、行政部内で書類をつくって、それをその後のプロセスにのせれば、これは該当するのかどうか。法務大臣、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 お答えいたします。 具体的な件につきましてはお答えいたしかねることは、先ほど法務大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、一般論として申し上げるならば、今議員御指摘の刑法百五十六条でございますが、虚偽公文書作成罪ということでございます。百五十八条がその行使罪ということでございます。 この虚偽公文書作成罪でございますけれども、公務員が、その職務に関しまして、行使の目的で虚偽の公文書を作成しまたは文書を変造したことが要件ということになっております。 二人以上共同して犯罪を実行した場合には共同正犯とされる等の規定は、刑法の一般の、総則等にあります。 以上でございます。
○西田(猛)委員 今、法律の説明がありました。 これはまさに、真実でないことを、それを職務に関して虚偽の文書もしくは図画を作成して、あるいはそれを変造したりする場合には当たるわけでありまして、もしも、例えば長期信用銀行が債務超過に陥っているにもかかわらず、債務超過でないかのごときの書類を部内でつくって、それをその後の行政過程のプロセスにのせたらば、これは本罪に該当し得るということでございます。 それから、今申し上げた十三兆円の方の勘定ですけれども、この議論に戻ります。今、官房長官が退席されるということで、ちょっと中をはしょりましたけれども。 十三兆円というのは、この二月の大蔵委員会、新しい十三兆円の勘定をつくるときの議論をよくよく読んでみますと、「特定の銀行を想定して考えているわけではないということでございます。」「法律にも書いてございますように、システミックリスクが生じるような場合でございますので、」こういうことを当時の銀行局長は言っているわけですね。 ですから、ことしの三月は、二十一行に横並びで十三兆円の金融危機管理勘定から資金注入をされたわけですね。これは我々賛成したということではないですよ。しかし、そういうことがこの法律をつくったときの立法者の、立法者というか政府の意思だったのですよ。 要するに、システムが危ない、だから、どこの銀行は経営状況がいいから入れないけれどもどこの銀行は悪いから入れるとか、そういうことじゃないと言っているのですよ、当時の銀行局長は。なぜならば、そんなことをしたら、資金注入を申請した銀行は大変なことになると言っているわけですね。ですから、どこが悪い、どこがいいということじゃない、システミックリスクを回避するために、いわば押しなべて資金注入してシステミックリスクを回避するんだということを銀行局長は言っているのですね。それが何でこんなふうに変容してきたのか。長銀については、何やら長銀を救うためにこれは入れることの議論になっているわけです。 ですから、破綻前の処理については、あるいは破綻後の処理についても、今野党三会派がまとめて提出したこの法律案、これで万全を期していけると私は考えているのであります。 そこで、一つ提案者にお聞きしたいのですけれども、金融機関の破綻前処理についてどう考えているか。 もちろん、金融安定化措置法の廃止、これを我々の法律案の中には明記してあります。その理由は、今私がるる申し上げたようなことでもございます。 それでは、その金融安定化特別措置法を廃止した場合、破綻前処理について、三会派の法案ではどのように考えられますでしょうか。
○鈴木(淑)議員 西田委員御指摘のように、私どもの法案には、十三兆円の注入を内容とする金融安定化特別措置法の廃止を定めております。 では、破綻前はどうするのか。これは、基本的には、破綻前の金融機関に対する金融行政の対応というのは、例の早期是正措置であるわけですね。我々は、とにかく自主的に資産査定をして財務状況をちゃんとディスクローズしなさいよということを言っています。これは、きちっとディスクローズすればするほど市場の信用を得ることができるのですね。だから我々は、これは要望、命令じゃなくて要望ですね、でも、市場の信用を得るために、自信のある金融機関はちゃんとディスクローズしなさい。 もう一つは、検査、考査が入るわけですから、自己査定の結果と照らし合わせて、自己資本比率が本当のところどのくらいなんだろうというのを見る。そして、早期是正措置にあるように、自己資本比率が非常に低ければ業務改善命令を出すし、極めて低ければ、場合によっては業務停止命令を出す。そのとき整々と整理に入っていく、その手続をきちっと決めているのが我が野党案であります。 整々と整理に入っていくときには、申すまでもないことですが、この整理は、本当に清算してしまうのか、あるいは手を挙げる受け皿金融機関があればそこにPアンドAで渡すのかという選択があるわけであります。その一連の手続。それで、一番極端なケースとして、日銀特融が入って整々と整理していってもまだシステミックリスクがあるというような場合に限り公的管理に入るという二段構えでいるわけですね。 こういうふうに、破綻前処理の考え方から一貫して整理、清算の手続に至るまで考えておるのが我々野党三会派の法案でございます。
○西田(猛)委員 私は、そのような処理策をとっていくのが一番いいのだと思います。透明かつわかりやすい。しかも、二十一世紀に向けて、二〇○一年四月からはもうペイオフですから、そうなりますと、ペイオフになるので預金者は銀行選別をしてきますよね。そうすると、銀行は預金者から逃げられるのが嫌ですから、自分がとっている担保、土地を安い値段でも何でもいいからとにかく売っていくはずですよ。そして不良債権の処理をしていくはずですよ。そうなりますと、またまた土地は暴落するし、大変なデフレの時代になってくると思います。そういう二〇〇一年三月三十一日がもう目の前にあるということですから、私は、前に申し上げた、今のグレースピリオドの中において、何とか日本は体質の改善、構造的改革を図っていかなければならないという大変な時期に今来ているのだと思います。 したがって、この法のあり方が、個別の銀行に資金注入をしていく、しかもその銀行はもう破綻するのだ、そして吸収合併されるのだというふうな資金注入の仕方というのはそもそも予定していないわけですから、我々はこのことをもう一度議論をしっかりとしなければならないと思います。もしもそうでないのならば、今のまま本当に、今の政府・自民党が金融機能安定化措置法の十三兆円勘定で、これを長銀に資金注入するというのであれば、さらなる情報開示が必要だと思います。 そこで、最後に、きょうはお忙しい中を佐々波金融危機管理審査委員長にも来ていただいておりますので、一つだけお聞きしたいのですけれども、お体の不調を訴えておられますが、いかがでございましょうか。 以前、委員長は、私の質問に対して、金融監督庁の検査結果は必ずしも審査委員会の議の前提条件ではないというふうに言っておられるのですけれども、それはお考えは変わりないですか。もしそうであるとすれば、一体、金融監督庁の検査結果を待たないのであれば、金融審査委員会はそんな審査機能をお持ちなんですか。
○佐々波参考人 いろいろお心遣いありがとうございました。 先日のお答え、言葉を尽くしませんかもしれませんでしたので、加えてお答えしたいと思います。 審査委員会といたしましては、いかなる申請につきましても、金融システムの安定化の重要性を念頭に置きつつ、厳正に審査を行う所存でございます。一般論としてお答えいたしますと、資本注入の審査に当たりまして、申請銀行の実態を踏まえ、審査基準を満たしているかどうかを審査するのが基本と承知しております。 制度上は、監督庁の検査結果を踏まえることは資本注入の審査、承認を行うための条件とはなされておりませんが、極めて重要な情報であることは十分承知しております。したがいまして、委員会といたしましては、でき得る限り監督庁の検査結果を踏まえて審査を行うように配慮してまいりたいと存じております。 特に、今回の長銀のケースにつきましては、正式な申請が行われる時点までに金融監督庁の検査が終了しているものと期待しております。 以上でございます。
○西田(猛)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○相沢委員長 これにて西田君の質疑は終了いたしました。 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。 野党三党に御質問させていただく予定でございましたが、日米蔵相会談に関して、大変看過できない報道がされておりますので、大蔵大臣に事実を確認させていただきたいと思います。 まず、ルービン財務長官が、資本注入のための公的資金は十三兆円で足りるのかという、金融危機管理勘定の十三兆円の資金枠、この拡大を促す発言があったのように報じられております。まず、これは事実かどうかを大蔵大臣、お答えください。
○宮澤国務大臣 私とルービン長官の会談が始まります前、両国事務当局で一時間半ほどフリーディスカッションをいたしております。それには、ルービンも私も出ていないわけですけれども、事務当局のフリーディスカッションの中で、十三兆円を使っていって事情によってこの十三兆円が足りなくなることはないのかというやりとりがあったそうです。アメリカ側がそういう疑問を出した。我が方の事務当局は、まあそういうことはないと思う、こういう答えをしておるそうでありますから、アメリカ側に、もし足りないときはどうするのだという質問があったことはそのとおりのようでございます。 私とルービンとの間にそういうやりとりは一切ございません。
○春名委員 では、その事務当局はどなたですか。
○宮澤国務大臣 こっちを申せば向こうも申さなければなりませんから、申し上げられません。
○春名委員 これは大変大事な問題でして、足りなくなった場合はどうするのですかということを聞かれて、そして、そのことも検討しなければいけない、そういう議論が一定の時間やられたのでしょう、大蔵大臣との間ではそうではないと言われても。ですから、そういう議論がされて、それが国際的に公約的になっていけば大変なことになりますからね。だから、だれがそういうことに対応してお話をしたのか、明確にお答えいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 第一、意見の交換というのは、自由に幾らでもいたします。だから会う意味があるのでして、おまけに、そのことがそうなったら出しますなんて、その辺の役人が言えるはずがない。
○春名委員 出しますなんて言えるはずがないのは当然であります。 ところが、六日のテレビ朝日の番組ですけれども、与党の最高責任者の一人の森幹事長が、必要であれば当然その用意、つまり十三兆円の枠の拡大、これはしなければならないということをテレビ討論会の場で発言したと報道もされております。もう既成事実のような走り方で、十三兆円以上の枠組みをつくっていく、こういうふうな議論がされているわけでありまして、新聞も一斉に、こういう重大なことが議論されてきたと言われているわけじゃありませんか。こんなことになっているのですよ。明確に否定されているのであれば、なぜ森幹事長がこんなことを発言するのですか。こんな大問題じゃないですか。与党の最高責任者のお一人ですからね。 さらに、きょうの朝日新聞には、政府・自民党は、「金融システム安定化の観点から、現在の金融機関の資本増強のための公的資金投入枠である十三兆円を超える投入の必要が生じればこの枠の拡大に前向きに対応する方針を固めた。」こういう報道すら既にされているのであります。とんでもない話だと思います。 皆さん、野党三党の皆さんも私たちも、この枠組み自身が今大変な問題だと言って廃止を主張している、そういう議論をしているときに、こういうことがひとり歩きをして進んでいくようなことが行われているんですよ。大問題だと思いませんか。 明確に、この会談の中身、蔵相会談の中でそういう議論がもし出ていないとしても、その議論の前段の議論がどのようなことがされたのか、当委員会に明らかにしていただきたい、このことを要求したいと思いますが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 最初におっしゃいましたことは、サンフランシスコでどういう話があったかというお話であった、それはお答えしました。 今度は与党の幹事長が何か言ったとお話しだから、それは別の話で、与党の幹事長はそういうことを言う権利もあるでしょうし、資格もあるでしょう。
○春名委員 そんなことは通用しませんよ。与党と政権、政府は一体にやっているわけでありますからね、そうでしょう。森幹事長がそんなことを言って雰囲気づくり。そうしたら、もし、これは全く無視して、だめだ、そうではない、事実はないということなのであれば、こういう報道をさせておいて、今長銀への公的資金投入の世論づくりに使うというふうに言われても仕方がないですよ。それぐらいの問題なんですよ、これは。それであるならば、この新聞、全部間違いでしたということで訂正させてください。それぐらいの問題だと私は思いますよ。
○宮澤国務大臣 今度は新聞の話でございます。それはどうも何とも申し上げられません。
○春名委員 余りにも私たちをばかにしている話だと私は思いますよ。だれが読んだって、あの新聞を、すべての新聞に書いてあるんですからね、そういうふうに。そうでしょう。それは全然違うというのであればそれでいいでしょう。 それでは、改めてこの蔵相会談の、実務者レベルの会談も含めました中身を当委員会に御報告いただきたいということを委員長に私は要請したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○宮澤国務大臣 それは私の方からお願いがございますが、委員会で御決定なさることはもう私の申し上げる限りではございませんが、このようなインフォーマルな会談の中身をお出しすることになりますと、今後こういう会談はできないことになりますので、どうぞ委員会としてもその点御配慮をお願いいたします。
○相沢委員長 強いておっしゃれば、理事会において協議いたします、取り扱いを。
○春名委員 それでは、改めて正式に御検討をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。 こちらも気合いが入ってまいりました。 続きまして、次に金融監督庁長官にお伺いをしたいと思います。(発言する者あり)野党にも後で聞きます。 金融監督庁は、長銀について七月十三日より検査を行っていることまでは明らかにされました。しかし、幾ら野党が質問しても、終了予定日を明らかにしません。債務超過かそうでないのかという根本的な問題すらやみの中で、ひたすら公的資金投入が推進されようとしております。これは重大であります。 まずお聞きしたいと思いますが、金融監督庁の検査というのはそもそも何のために行っているのか、非常に根本的な問題で恐縮ですが、長官、お答えください。
○五味政府委員 お答えいたします。 金融監督庁によります銀行、預金受け入れ金融機関の検査は、各金融機関の資産の健全性、それからこうした金融機関のルール、いわゆるさまざまな預金受け入れ金融機関に課されておりますルールがございますので、こうしたルールの遵守状況、こういったものを検査をするというのがその内容でございます。
○春名委員 健全性、そしてルールをしっかりと調べていく、維持していくというお答えだったと思います。 大蔵省大臣官房金融検査部長の名前で、原口さんの名前で、新しい金融検査に関する基本事項というのが三月三十一日に発行されておりまして、これを読んでみますと、最初にやはり、明確なルールを前提とした透明性の高い行政に転換することが必要不可欠しになってきている、これが第一。そして、「最近の一連の不祥事により大きく損なわれた金融検査・監督に対する信頼を」「回復するためにも、真に厳正で実効性ある金融検査を早急に確立し、実施する」ことが必要である、このように三月三十一日に発表されております。まさにそのとおりだと私は思います。 そこで、そういうふうに考えますと、その検査も終了していないのに公的資金を長銀に導入する、そのような態度をとることは絶対にできないと私は考えます。改めて、その検査がいつ終わるのか、そしてその結果によって検討する、そういうふうに私は認識しておりますが、長官、それでいいですね。
○日野政府委員 お答えいたします。 いつもお答えしていることでございますが、いつ終わるかということは、今やっている最中でございますので確たることは申し上げられませんが、先ほど佐々波委員長がお話しになりましたように、金融監督庁の検査をできたら参考にしたいというお話もございました。 本来、その検査というのは、別に長銀に対する資本注入が是か非かという目的でやっているわけではございません。あくまでもその十九行に対する検査の一環、ルーチンなワークなわけでございます。長銀のケースというのは、これは恐らく十年に一度かあるいは二十年に一度かあるいは百年に一度かあるかないかのケースでございます。これに対して、ルーチンで行っているこの検査は、そのためにやっているわけではございません。ございませんが、委員会の委員長が先ほどお話しになりましたように、審査委員会としては、長銀の金融監督庁の検査の結果を参考にしたいというお話もございますので、もしも金融危機管理審査委員会で審査が行われる際に、金融監督庁、長銀の検査の結果はどうだったんだと聞かれれば、それに対してはお答えはせざるを得ないのかなというふうに考えている次第でございます。
○春名委員 参考にするというようなあいまいなことじゃ絶対だめだと思いますよ、私は。前提ですよ、これは。 しかも、九月の三日の岩國哲人議員が質問したときに、五味さんがお答えになっておりますけれども、なぜ、七月十三日から調査に入ってこんな時間がかかっているのかという問いに対して、「今回、住友信託銀行との合併に関連いたしまして、公的資金の導入を要請する予定であるという発表がございました。そうなりますと、三月時点での資産の自己査定の正確性のチェックをしつつも、その後、起こりましたもろもろの事象について、やはりできる限りの実態把握をあわせてする必要がございます。」だから時間がかかりますと言っているんですよ。つまり、これをやらなかったら、一体公的資金投入ができるのかできないのかわからないからやっているんだと言っているんですよ、これは。そういう問題なんですよ。 参考にするというような話じゃないんです。前提なんです、これは。そういう問題として私は問うているのでありまして、そんないいかげんな検査であれば必要ないと私は思いますけれども、いいですか、いかがですか、それは。
○日野政府委員 お答えいたします。 金融危機管理審査委員会でどういう審査をされるかということは、具体的な事案が金融危機管理審査委員会に上程されませんと私はわからないと思うんです。それは、金融危機管理委員会でどういう資料を出せというふうに言われるかということは審査委員会でお決めになることでございますので、私どもの方からあらかじめこういうものを出すとか出さないとかということはやはりちょっと申し上げられないんじゃないだろうかというふうに考えているということを申し上げた次第でございます。
○春名委員 九月の三日の岩國議員の質問に、長官はこういうふうに答えています。「私どもの検査の終了を待つか待たないかと関係なしに、合併そのものの手続は進行させていただいて一向に差し支え」ありません、こういうふうに発言をしております。 私は、これを横で聞いていて重大だと思いました。公的資金を投入して自己資本を増強する、そのことが合併の前提条件となっている、つまり合併計画の重要な構成要素が公的資金投入であります。その公的資金投入ができるかできないかという大前提の問題が、債務超過になっているのかいないのか、検査での実態の解明と直結しているのであります。そういう問題があいまいなままで過ぎていって、私どもの検査終了を別に待たなくても合併そのものはどんどんやってください。合併そのものの中身のその構成要素に公的資金投入が入っているのです、そんな無責任な答弁は許せますか。私は、検査結果が出ていないのに公的資金投入の結論は絶対に出せないはずだ、そうですね、長官、そのことを改めて御答弁を願いたい。
○日野政府委員 お答えいたします。 公的資金を入れるか入れないかということは、私どもの方で決めるわけじゃなくて、あくまでも金融危機管理審査委員会で決められることだと思います。それで、例えばきょう、それでは、その審査委員会があって、入れられるかというお話になったとしても、例えば長銀の方で、今の定款では、恐らく既にかなり定款がもう満杯近くなっておりますので、定款も変更しなければならない、そういった手続もあるのではないかというふうに私は思っておりますので、よく御理解をその辺は賜りたいというふうに思っております。
○春名委員 決定するのは審査委員会でやるというのぐらいは当然ですよ、そんなことは。その前提の検査をどういう中身でどうなったのかということが議論されるわけであって、その前提がないのですよ、今は。それを問題にしているのであります。 なぜ、八月二十一日の金融監督庁長官の談話で、申請があれば適切に対応する予定であるとすぐ言っているじゃないですか、検査の結果もわからないのに。申請があればすぐに適切に対応する、すぐ公的資金を入れる用意があるとあなたは言っているのですよ。その責任があります。私は、そのことを厳しく指摘をしておきたいと思うのです。 それで、今の議論もお聞きになって、野党三党にお聞きをしたいと思います。 検査の結果もわからないで、ただ申請があれば公的資金導入に突き進む、私は、こんな姿勢は国民を愚弄するものだと思うのですけれども、野党三党の皆さん、どうお考えでしょうか。 また、あなた方の法案では、金融機関に資産査定の義務を課したりそれを公表させる、あるいは虚偽報告に対する罰則規定など積極的な内容も盛り込まれております。この法案の情報開示の考え方、あわせてその点をお聞きをさせていただきたいと思います。
○古川議員 まさに、今委員と監督庁長官とのやりとりを聞いておりまして、この辺が我々野党も危惧をしているところでございまして、まさに今この委員会で審議をしております問題について、要は監督庁を初めとする行政の行っている検査が信用されていない、まさにクレジビリティークライシスとも言えるような、そういう信頼がされていないということがこの金融の大変な不安の状況を引き起こしているのではないか。 そういった意味からいたしますと、この長銀について公的資金を導入する、しないを議論するには、やはり適切な情報開示をしていただかないと、しかも監督庁長官はまさに佐々波委員会の委員でもあられるわけですから、そういった委員が今のような非常にまさに他人事とも言えるような御発言をされるというところに、私は、これは与党の議員も聞いておられて、本当に危機感というものを与党の議員と同じように政府が共有しているのかどうかという疑問を持たれてもおかしくないのではないかというふうに思います。 私たちは、まさにこうしたいわゆる責任が一体どこにあるのかわからない、本来であれば集中して危機管理体制をとっていかなければならない、そういう権限とか責任というものを一カ所に集中 していかなければいけない、そういった発想から金融再生委員会というものをつくって、そこで一元的にチェックをしていこう、そこで金融機関についてもしっかりと自己査定をさせ、金融再生委員会のつくります規則に従って自己査定をさせ、それを公表し、そしてまたそれに付随して引き当て率等も公表させていく。その中でではどう対応していくべきか、そういうことを検討していくべきであるというふうに我々は主張しておるわけであります。 その中で、長銀の検査につきましても、まさに今般の長銀から発表されました経営再建計画で行うことになりました七千五百億円の引き当てにつきましては、本来三月以前に行われなければならなかったものである可能性が極めて高いというふうに我々考えております。それで、このような債権がこれまで非分類債権とされましたり、あるいは第二分類債権とされてほとんど引き当てられてこなかったことが、これが大きな問題である、そしてまた、そういうことを見逃してきた検査というのは一体では何の検査をやっていたのか、そういうことになるのではないかと思います。 現在進行中の検査に関して言えば、長銀が言う七千五百億円で不良債権が本当にすべてきれいになるのかどうか、必要な償却が終わるのかもこれでははっきりしておりません。それ次第で、これは長銀が果たして資産超過であるかどうかの判断も変わってくるわけでありまして、そうしたところをやはり明らかにしていただかないと、これは次のところに話が進めないのじゃないか、私たちはそのように考えております。 先ほども最初に申し上げましたが、とにかく国民も市場も、今回の金融監督庁の検査結果をもって同庁に対する信頼性を判断しようとしておるわけでありまして、かつて大蔵省が検査をしておった、そのことがマーケットの信頼を失い、そのような形で金融監督庁ができたにもかかわらず、その監督庁の検査が、この委員会での長官の答弁などを聞いておりますと、私は、残念ながら、だんだんともう発足当初から信頼が失われていってしまっているのではないか、そういう状況になって、果たして検査したこと、政府がしたことについてだれも信用してくれない、そういう状況があっては、ますますこれは日本の金融市場に混乱を引き起こすのではないかというふうに考えております。したがいまして、一刻も早く、やはりここは信頼の置ける、そして権限も責任もちゃんととれる金融再生委員会という、そういう危機管理体制を構築することが必要ではないかというふうに考えております。
○春名委員 それでは、続いて野党三党にお伺いしますが、この法案は、今の情報開示の前提になる問題なんですけれども、この目的は、当然、破綻銀行への対応とともに、不良債権の処理という問題が主要な目的になってくると思うのですね。 それで、その前提問題として、その不良債権がなぜつくられたのか、一体責任がどこにあるのか、これをまず明らかにすることが私は何よりも大事じゃないかと思うのです。その点で、不良債権の根本的な原因、責任がどこにあるというお考えか、どなたかお聞かせいただけませんでしょうか。
○谷口議員 お答えいたします。 今おっしゃいました不良債権問題の原因と責任ということでございますが、私は、約三点にまとめられるのではないかというように思っております。 まず第一点は、先日、本会議で宮澤大蔵大臣もお認めになりましたが、あの一九八五年のプラザ合意の折に、当時のドル高から一転、ドル安・円高というようになったわけでございますが、その折に政府は金融緩和策をとり、その結果、過剰流動性が発生し、それが土地、株に回った、こういうことを考えますと、まさにこの政策の失敗、経済政策の失敗があったというように考えております。 二点目は、我が国の構造上の問題でございますが、我が国は、御存じのとおり、欧米に比較いたしまして間接金融制度が極めて比率が高いわけでございます。そういう状況の中で、あのバブル期にどんどん企業がエクイティーファイナンスを行った、転換社債であるとかワラント債であるとか、そういう状況の中で金融機関はこの間接金融制度を前提としてビッグバンに入ったわけでございますが、極めてオーバーキャパシティーの状況にあるわけでございますが、そういう状況の中で金融機関の中に一種の焦りがありオーバーローンになった、それが不良債権の一つの原因になったのではないか。 また、そのオーバーローンは、御存じのとおり、あのバブルの時期に、経済成長率は六%、七%、極めて高い成長率であったわけでありますが、それを超える融資の割合、十数%の融資の増加率があったわけでございまして、そのような極めて急激な融資の増加が乱脈経営につながり、不良債権の発生した大きな原因になった、このように考える次第でございます。
○春名委員 ありがとうございました。 今お話が出ましたけれども、そういう原因と責任が明確になりますと、私は銀行業界自身の自己責任というものが非常に問われてくると思うのですね。 それで、日本共産党が国民の血税投入に一貫して反対してまいりましたのは、主に二つの理由からでございます。一つは、不良債権や銀行の破綻問題は国民には一切責任がない、今政策の失敗だというお話も出ましたけれども、むしろバブルの犠牲者に国民はなっている、その国民に負担を強いることは、私は全く道理がない、これが第一点。第二点は、金融機関の自己責任や自己負担の原則をきちんと貫いてこそ、初めて、不良債権問題などの日本の金融業界が抱えている問題を解決して、本当の意味で金融システムの安定と信頼を回復することができる、こういうふうに考えるからです。 そこで最後に、鈴木議員にお聞きするのがいいでしょうか。銀行業界の自己責任、自己規律という問題についてどのように提案者はお考えか、鈴木議員にお答えいただきたいと思います。
○鈴木(淑)議員 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、それぞれの個々の銀行の責任、今日の事態を引き起こしたことについての責任は非常に重大だというふうに思うのですね。したがって、個々の銀行が自己責任に基づいて自分で努力してリストラをする、あるいは償却の努力をする、そして、それでもだめだ、債務超過だというときは、これは当然破綻をして、責任者は責任をとって、整理していくのが当たり前だと思うのですね。 ただ、委員は銀行業界という言葉をお使いになりましたのですが、業界という話になりますとこれはちょっと微妙な問題で、やはり市場経済ですから個々の金融機関の自己規律というものが厳しく問われますが、業界という話になってくると、これは一つ間違えると護送船団方式、奉加帳方式になりかねないわけですね。つまり、業界でさらに預金保険の料率を上げてそれで何とかせい、預金者保護は最後の手段は十七兆円の例の公的資金に来るわけですが、その負担を減らすために業界でもう少し持てよということになってくると、私はちょっと違うかなというふうに思います。 それは、もう既にビッグバンということで国際的な競争をしているわけですが、日本の預金保険の料率というのはかなり高くなってきている。アメリカなんかでは、御承知のとおり、いい銀行の料率は低いのですね。預金保険の変動料率を使っているのです。それがやはり自己規律であって、業界として何か求めるとちょっと護送船団的になるかな、その点がひょっとしたら委員と御見解は違うのかもしれません。
○春名委員 では、終了しましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○相沢委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉委員 本日は、野党三会派の提案が出ておりますので、その野党三会派の案をきちんと理解をするために、政府側には質問をいたしません。 それで、何点か伺いたいと思いますけれども、実は、これは順序が少し変わってくると思いますけれども、今、春名議員がお聞きになった答えの中で、銀行業界としては個々の銀行とは態度がちょっと違うんだという御発言が、提案者の鈴木委員の方からございました。それに関連して、私は、実はこれは政府案の場合の方がより適切なんですけれども、野党三党案に関連しても、最終的には、例えば公的な管理に入るというような可能性も指摘されているわけですから、公的な措置をとるに当たって、金融機関の責任、または金融業界、銀行業界全体の責任というものをやはり問わなくてはいけないというふうに考えております。 特に私たちが問題にしたいと思っているのは、銀行業界あるいは個々の銀行等からの政党に対する政治資金の提供です。 この点に関しては、銀行業界としてまとまった資金提供をしております。まさに、先ほど鈴木委員が言及されました奉加帳方式によって、銀行業界は明確に自民党に対しては政治資金の提供をしている。これは各銀行もしているでしょうし、それから自民党に対してではなく、自民党に所属する各議員、すべてではないかもしれませんが、多くの資金提供を受けている。銀行そのもの、金融業界そのもののお金の使い方というところが非常に不透明であるという点も問題にされ、そういった経営責任を放棄して金を使ってきたような銀行業界に税金を投入していいのかということが議論になっているわけですから、当然政治資金の提供ということも問題にされなくてはならないと思います。 政府案における例えば公的資金の注入の前に、あるいは野党案の公的管理等といったある程度税金を使う措置をとる前の段階として、例えば私は、銀行業界全体として、さらには個々の銀行が、特に自民党に対してこれまで提供してきた、十年ぐらいさかのぼって当然だと思いますけれども、政治資金の返却を求めて、これを国庫に一たん入れた上でそれも公的資金の一環として使うということであれば、これは国民的な納得も当然得られるというふうに思います。 この政治資金の問題をやはり前面に取り上げた上で、最低限、現在提供されている政治資金は即時に中止をすること、過去十年間遡及して返却を求め、それを公的資金を使うかわりに、税金はその分使わないで、自民党に行った分でこれは埋め合わせるということぐらいはやるべきだと思いますけれども、野党の提案者の皆さん、これについてはどうお考えになっていますでしょうか。
○枝野議員 公的資金を注入をされなければ継続できないような、そういった金融機関が政治献金を行うというのは、国民の税金が政党等に還流をしているようなものでございまして、言語道断であると考えております。 自由民主党さんは、金融機関からの政治献金を受け取るのをやめると言いながら、過去の借金の返済分は別だという理屈にならない理屈をつけて献金を受けておられますが、あるいはまた自民党の金融対策立案に関与している議員の方が、例えば株価浮揚策を発表する傍らでその株を買っていた、証券取引にかかわって不当な利益を受けていたというような話も出ておりまして、こういったことは許されるものではないと考えております。当然のことながら、こうした金融機関からの政治献金はとめるべきでありますし、またさらには、野党三会派として、これらの点を含めた新たな政治倫理立法の提案に向けて鋭意協議を進めているところでもございます。 また、既に献金をされたお金の返還の問題でございますが、これは当事者間の問題であり、法律で強制する部分はなかなか難しい部分があろうかなと思っておりますが、道義的な責任は一方であろうと思いますし、さらにはまた、損害賠償請求あるいは不当利得返還請求などの成立する余地も検討すべきではないだろうか、そういった形で可能な限り回収を図るべきであるというふうに思っています。
○秋葉委員 政治資金の方の立法化、こういった政治資金、業界からの政治献金は禁止するといった点については、既に社民党の方で立法を提案したものがございますので、ぜひそれも御検討の上、御協力いただければ大変ありがたいと思います。 ところが、過去に遡及する話になると、今ちょっと歯切れが悪くなってしまったのですが、自民党の問題だけを言いますと、これはもう明々白々、自民党は金融業界から金をもらっているということを公言しているわけですから、よく恥ずかしげなくこういうことが今の時点で言えるという点はあるにしろ、公開はしております。野党三党の方も、現時点では銀行業界あるいは金融業界から政治献金をもらっていない、あるいは過去十年に遡及するということを申し上げましたけれども、過去十年、これまで自民党から移られた方は当然もらっていらしたでしょうから、そういう点も明白にした上で、あるいは党としてももらっているところが当然あると思います。そういったところも含めて、これは自民党だけの問題ではなくて、野党各党、すべてこういった点を公開した上で事に当たらないと、税金を投入する、あるいは経営者の責任を問うといった点において、説得力がないのじゃないかと思います。 過去にさかのぼっての野党各党の皆さんの銀行業界からの献金についてきちんと情報公開を、今伺って、幾らあるとすぐ言っていただけないと思いますから、きちんと情報公開をした上で経営責任を問うんだという姿勢を明確に示していただけますでしょうか。
○枝野議員 私どもの党はゼロベースで二年前の秋にできましたので、それより以前、それぞれ所属していた党はばらばらでございますので、そのあたりのところをどうするかというのはなかなか難しいところがございますが、民主党として、そこから先は、ことしの四月の統一のときも法人格が継続しておりますので、一昨年の秋以降の政治資金の収支につきましては既に公表しているのではないかなと思いますが、ちょっと確認できませんので、当然のことながら、そういったことはきちんと公表していくつもりでおります。
○西川(知)議員 私は平和・改革を代表しておりますので、改革クラブは少なくとももらっておりません。新党平和についても、その旨を伝えて、明確にされることと思います。
○谷口議員 自由党でございます。 本年一月に結党いたしまして、それ以降、全くございません。 以上でございます。
○秋葉委員 名前を変えれば責任が消えるというつもりでおっしゃっているのではないと思いますが、現在問題になっている不良債権処理の問題はまさにそこのところにかかっているわけじゃないですか。名前を変えれば責任がなくなってしまうというレベルでの答えを、私は野党の皆さんからは期待しておりません。 今ということは無理だと思いますから、少なくとも十年間については、皆さんが所属されていた政党についてきちんとした情報公開を行った上で、しかしながら現在の野党はこういう方針できちんとやるんだということを、けじめとしてしっかりと示す必要があると思います。そのことをぜひお願いしたいと思います。 それで、野党案をよりよく理解するために、何点か伺いたいと思います。 この不良債権問題の理解が非常に難しい理由の一つというのは、問題の総体がなかなか、ごく普通の感覚を持って、たまにテレビを見る、新聞も見出しぐらいしか読む暇がない、一生懸命働いている我々の感覚から考えると、なかなか総体がわからない。ということで、不良債権の総額、総体というのは大体どのくらいというふうに野党の皆さんは考え、そしてその処理には、さまざまな形でのいわゆる公的資金ということがありますけれども、一体どのくらいのお金があればその不良債権の処理に間に合うというふうに考えてこの案が出てきたのか。大まかなところで結構ですから、大体その全体図をどう把握されているのか、御説明ください。
○池田(元)議員 大変残念ながら、秋葉委員の御質問には解答がないと言っていいと思います。つまり、不良債権の総額は正確にわからないわけです。 大蔵省などが不良債権の実態を隠ぺいしてきていることは、皆さん御存じのとおりです。しかし、銀行が自主的に公表しておりますいわゆる公表不良債権、大手十九行の九八年三月期リスク管理債権は二十二兆、金融監督庁が発表した自己査定結果、大手十九行で九八年三月期分類債権五十兆円、こういった数字はマーケットでは余り信用されておりません。先日、ニューヨーク・タイムズの一面に日本の価格にして百四十兆円というのも出ましたが、要するにわからない。 したがって、不良債権の処理に要する費用、公的資金の必要額も正確には把握できないといったのが実情です。問題の解決には、もうこの委員会でも何度も繰り返して指摘されておりますように、情報の開示が不可欠であるということを重ねて申し上げたいと思います。
○秋葉委員 その点は賛成なんですけれども、大体、大ざっぱな、例えば何けたの数字なのか、何けたの処理なのかというあたりは最低限、現実の問題として目の前にあるわけですから、ある程度詰めた議論が必要な点ではないかと思います。 質問時間が余りありませんので、それはまた皆さんといろいろな面で、先ほど宮澤大蔵大臣がおっしゃいましたように、自由な議論ができるような場でぜひ詰めさせていただきたいと思います。 次の問題なんですが、野党三会派案では二つの方法が破綻金融機関に対してとられることになっております。一つは金融整理管財人を任命する方法、それからもう一つは特別公的管理に移すという方法ですが、この間の関係が我々にはよくわかりません。 つまり、破綻金融機関の方で選べるのか、それとも、これは特別の基準があって、その上で基準を厳格に当てはめればいい問題なのか、あるいは時と場合によって裁判所が決めるのか、その基準は何なのか、そのあたりがはっきりしないのです。単純に考えれば一つの方法でいいんじゃないかと考えられますけれども、あえてこの二つの制度を並立、並列した理由というのを御説明いただけますでしょうか。
○古川議員 お答えいたします。 委員御承知のとおり、私どもの提案させていただいております法案では、金融機関の破綻処理の大原則の一つといたしまして、経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させない、それを大原則にしております。ですから、その意味では、私どもは、原則としては金融整理管財人のもとで破綻した金融機関については清算をしていく、それが大原則であるというふうに考えております。 ただ、特別公的管理というのも置いておりますが、これは、そうした清算するような手続では不慮の、不要な混乱などを起こすような場合、いわば非常手段として、具体的には大手銀行の連鎖破産等を想定したスキームとして私たちは考えております。 具体的に、ではどういう場合に特別公的管理に入るかというふうに申し上げますと、他の金融機関等の連鎖的な破綻を発生させることになるなどによりまして、我が国における金融の機能に極めて重大な障害が生ずることになる事態か、あるいは、当該銀行が業務を行っている地域または分野における融資比率が高率であるなどの理由により、他の金融機関による金融機能の代替が著しく困難であるため、当該地域または分野における経済活動に極めて重大な障害が生ずることとなる事態のいずれかの事態を生じさせるおそれがある場合には、特別公的管理に入ることとしております。 ただし、その場合でも、他の方法によってはこの事態を防ぐことができない、そういった意味では、いわば特別公的管理は、破綻した金融機関の処理方法としてラストリゾートというふうに考えていただいていいのじゃないかと思います。 金融整理管財人の方法で清算に進むか、あるいは特別公的管理に入るか、それは金融再生委員会が実質的に決定をし、そして裁判所の認可を受けて最終的には決定されるということになっております。
○秋葉委員 先日の本会議でも質問をいたしましたけれども、今のお答えにあったような仕組みですと、裁判所が、非常に高度に政治的で、その基礎には高度に経済的な問題が横たわっているわけですけれども、その判断を裁判所が二日間で行わなくてはいけないという事態になります。お答えとしては、これは要件を備えているかどうかという形式的な問題だから裁判所で大丈夫なんだといったような趣旨のお答えだったと思います。 しかし、今の御説明にもありましたように、要件を満たすといったことだけではなくて、事柄のその内容に立ち入った判断が必要とされています。 例えば、特別公的管理以外の方法によって二のイまたはロに掲げる事態を回避することができないこと。これは、回避できるかどうかいろいろな可能性がある、その可能性についての十分な知識があり、そのおのおのについて手段があった場合に、そのおのおのについての有効性、あるいは緊急に対応できる能力、あるいはそういった対策を具体的に施行する人材の問題、コストの問題等々、高度に経済的かつ経営的、政治的な判断を必要とする問題だと思います。これは決して、要件にかなっているかどうか、法的な手続上の問題ではなくて、本当に内容についての十分な理解がある上での判断だと思います。 その点について、私は、それだからだめなんだと言っているのではなくて、そうであるならばやはりきちんとした措置が必要なんだから、その措置のところはまだ不十分であれば一緒に考えるなり、あるいは皆さん既にお答えをお持ちであればきちんと説明をしていただいた上で、安心できるシステムをつくり上げるべきだというふうに考えているのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○西川(知)議員 お答えいたします。 事業の内容とかそういうことについて、経営の内容まで裁判所が関知をするということは、確かにおっしゃること、そのとおりだと思いますが、御存じのように、破産法また会社更生法のもとにおいても、例えばこの財産を処分していいものかどうか、またこの更生計画が大丈夫なのかどうか、そういうことについては裁判所の許可というものが必要になっております。 それで、許可と、我々が今度三会派で出しました法案の中は、これは裁判所の認可というふうになっておりまして、これは先ほども御説明いたしましたけれども、ある公的な行為を補充する、補完する、そういう意味での認可でございます。したがいまして、今まで、まずその裁判所、これで果たしてそんなことができるかどうかという事実上の疑問がある、また経営内容にも入るのじゃないかという御疑問に対しては、まあそれは今までの経験からしても、そういうことはできるというふうに思いますが、もしまた、そちらの方からでもこういうふうにした方がいいのじゃないかという御意見があれば、それはぜひ拝聴させていただきたいと思います。 またこれは、三条委員会である金融再生委員会というものは、我が国の金融行政の企画立案から検査監督まで金融行政全般を一元的に行う機関でございまして、裁判所がみずから自分の手で調査をして、そして果たして、例えば金融整理管財人の方に行った方がいいのか、また国有化した方がいいのかということを一時的にまた一元的にやるわけではございません。 この点については、金融再生委員会が裁判所の判断を的確にできるために、その申請に当たっては必要な処理そして事実、こういうものを明確に出すということが必要であるというふうに考えま すので、我々の今現在の見解では、現在の裁判所の構成を強化することによってできるのではないかと思いますが、先ほど申し上げましたように、また何か特にいい知恵があれば拝聴したいと思います。
○秋葉委員 その点についてぜひ議論を続けさせていただきたいと思います。 質問時間が終わりましたので、これで終わります。
○相沢委員長 これにて秋葉君の質疑は終了いたしました。 次回は、明八日火曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会