外務委員会 第7号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/10/14
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告いたします。 去る八月七日、調査局長に命じました中華人民共和国ベチューン医科大学病院に対する政府開発援助に関する予備的調査につきまして、去る六日、報告書が提出されましたので、御報告いたします。 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。 ————◇—————
○中馬委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田博之君。
○細田委員 自由民主党の細田博之でございます。 このところ、外交関係につきましてはさまざまな出来事が起こっております。朝鮮半島の問題にいたしましても、あるいは中国その他の諸国の大水害の問題、経済協力の見直しの問題、アジア諸国の経済危機、あるいは日米の問題、日ロの問題等々でございます。 また、政府においては、今、行政改革ということで、最後の省庁間の体制の問題の詰めが行われているわけでございまして、懸案事項が重なっておりますので、それらの問題を中心にお伺いするとともに、特に、私は島根県の選出でございます。日韓のこのたびの漁業交渉におきましては非常に大きな問題をはらんでおりますので、そういった問題について、外務大臣に質問をさせていただこうと思っております。 まず最初に、外交体制の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 長らく、ペルーの人質事件などもございましたし、その他、日本の外交、手薄である、欧米諸国に比べて外交官の数も足りない、情報の面でもいろいろ問題があるというような批判が行われてきたわけでございまして、その中において、今次行財政改革が進んでおるわけでございます。 省庁再編の骨子は一応できましたものの、個別の省庁の規定、何をなすべきか、そしてどのようにすべきかという点についてはこれからの詰めということになっておるわけでございますが、国家公務員の定員も減らしていくんだという基本的な方向が示されておりますし、また、省庁の合計の局の数も、局長の数を減らせというようなこともございまして、今の百二十強の局の数を九十前後にも減らそうということ、そして、一府十二省庁ということでわかりますように、数でいこう、国家公務員の定数、局の数、省庁の数というふうに、まず数が優先するような定量的なところから出てきておるわけでございますけれども、事外交に関して言えば、数だけで足りるのか。これではかえって、これまでいろいろ言われております外交というものを強化すべきであるということに対しまして、問題があるのではないか。 特に、二十一世紀を視野に入れますと、小渕総理も、外交というものを非常に大事な要素として、前外務大臣として強調しておられたわけでございます。むしろ、来年度予算におきましても、行政の改革、今後の二十一世紀の省庁体制のあり方についても、組織、定員、予算などについてはむしろ強化をすることが必要なのではないか。これはもう与党、野党挙げて、特にこの外務委員会の諸委員の方々はそう考えておられる方が多いと思うわけでございますけれども、この点、外務大臣の総括的な御所見を賜りたいと思います。
○高村国務大臣 内閣の一員としまして、また外交を担当する責任者といたしまして、二十一世紀の日本のあるべき姿、日本の国益を見据えて行政改革に取り組む所存でございます。 冷戦後の激動の時代を迎えて、またグローバリゼーションの急速な進展を迎えている今日、我が国全体としての対外関係の対応能力を大幅に強化し、国内政策と外交戦略をよりバランスのとれたものにすることが強く求められているわけであります。 こうした観点から、組織、定員、予算を含め、外務省の機能をさらに充実強化することが必要不可欠でありますし、これを実現できるよう私としても最大限の努力をする所存でございますので、どうか応援をよろしくお願い申し上げます。
○細田委員 そういった大臣の力強い御答弁があったわけでございますが、それでは、差し当たっての来年度要求、行革法、財革法というものがあるわけでございますけれども、この中で、どういうふうに考えておられるのか。事務方からの答弁で結構ですから、予算、機構、定員の要求でどういうものを考えているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○高村国務大臣 簡単に私から答弁いたします。あと、必要あれば、政府委員から答弁させます。 北朝鮮をめぐる情勢等に見られますように、ポスト冷戦期において、国際情勢はますます複雑化しているわけであります。 我が国としても、良好な国際環境の形成及び国際社会における国益の追求のため、一層主体的に取り組む必要があって、外交の重要性、一層増していると思うわけであります。 このような認識のもと、外務省といたしましては、厳しい財政事情のもとで、二国間援助の推進、平和、安全、軍縮のための協力、対ロ政策の推移等多くの課題に対応すべく、平成十一年度予算概算要求におきましては、定員増、機構拡充及び在外公館の機能強化を含む外交実施体制の強化並びに外交施策の充実強化のための予算、この二本を柱に据えているわけであります。 この中で、在ペルー日本大使公邸占拠事件の教訓を踏まえまして、在外公館警備要員の増員及び在外公館の危機管理体制強化のための物的措置等を要求しておりますし、また、平成十二年五月以降の国政選挙から在外での投票が行われることになったことを受けて、これに必要な体制整備のための要求も行っていく予定でございます。
○細田委員 また、予算についても、だんだん円安が進んでくる、そしてまた、このたび多少円高になっておりますけれども、これがどうなるかにもよりますけれども、円ベースでいうと、非常に経費もたくさんにかかるようになってきておりますし、拠出金もふえているわけですよ。 したがいまして、このたびは特別枠ということで予算要求が認められてはいるようでございますけれども、人並みにやっておったのではとても足りないという感じでございますので、その点も十分な対策を講じていただきたいと思います。 それから、関連して言えば、特にODA予算、ODA予算は財革法におきまして諸規定がございますけれども、特に、アジア諸国の経済的な困難に逢着いたし、また、中国初めさまざまな災害の発生、そういったこともございますので、十分なODA予算を確保していく必要があるのではないかと思いますけれども、この点についてどういう方針かをお答え願います。
○高村国務大臣 平成十一年度の外務省ODA予算概算要求につきましては、援助のより効率的、効果的な実施体制の構築に向けて改革努力を進めていきますとともに、アジア経済危機支援を初め、増大する援助ニーズに応じ、我が国の国際的責務を果たしていくことは極めて重要である、こういう認識のもとに、これらに対応するため、優先的政策課題について重点的な要求を行っているわけであります。 直面するアジア経済危機等の諸問題に適切に対応するため、概算要求に当たって設けられた、今委員御指摘の二つの特別枠を十分活用すべく要望しているところでありまして、平成十一年度の外務省ODA予算としては、昨年度比九十五億円、一・七%増の総額五千六百六十三億円を要求、要望しているわけであります。
○細田委員 財革法を一時凍結するということで、もちろん景気対策、公共事業を初めとする景気対策については非常にわかりがいいわけでございますけれども、ODAについては今までの方針どおりやれという声も一部あるかもしれません。しかし、そのODAの中も、アジアの緊急対策、支援という問題が起こっておる。各国からも、アジア一体として経済、景気対策を講じていかなければ大変なことになるぞという指摘があるわけで、そのリーダーとしての日本が予算的にも充実していく必要があるという実態にあると思いますので、強く要望しておきたいと思います。 さらに、江沢民主席が死者三千名以上に及ぶという洪水災害で訪日を延期していますけれども、被災者が二億人以上ということで、大変な被害が生じており、隣国の我が国がこれを看過することは適当でないと思いますが、特に、無償資金協力とか円借款を中心にどう対応する考えかということをお答え願いたいと思います。
○高村国務大臣 我が国政府といたしましては、中国における洪水災害の深刻な状況にかんがみ、七月、八月の二度にわたって、合計二億五千万円相当の緊急援助を実施いたしました。 九月以降、洪水はピークを超えたものと承知しておりますが、今後は疫病防止等の衛生対策、東北部越冬のための居住対策等が緊急の課題になるものと考えております。 我が国は、地方自治体、NGOより提供された毛布約一万枚の輸送支援事業を行い、また、九月末に発出された国連のアピールを踏まえて、先週、追加支援として、薬剤、資機材等購入のため二億五千万円の緊急無償資金の供与を決定したところでございます。 今後とも引き続き、緊急ニーズに留意しつつ、中国政府の要請を踏まえて、無償資金協力、円借款等を通じた適時適切な復旧復興支援を行ってまいりたいと考えております。
○細田委員 今おっしゃったようなことは大変大事だと思いますし、また、短期の救済的な意味の無償資金協力がもとより大事でございますけれども、長期にわたる、治水ですとか農業対策とかそういった面でも、円借款などを利用して大いに支援していかないと中国も大変ではないかと思いますので、その点の御配慮をお願いしておきます。 他方、インド、パキスタンの問題でござますが、核実験の関係でODAを停止しておりますが、パキスタンのシャリフ首相がCTBT条約署名の方針というものを本年九月二十三日、国連総会において表明しておりますけれども、これに関連して、ODAの停止措置についての政策変更を考えておられるかどうか、御答弁願います。
○高村国務大臣 我が国といたしましては、シャリフ首相が国連総会演説の際に、明年九月までにパキスタンがCTBTに従う用意がある旨表明したことは、我が国を含む国際社会の要請に応じた前向きの一歩と評価しているところであります。また、インドのバジパイ首相も署名に前向きと受け取れる発言を行いました。 我が国といたしましては、パキスタン及びインドに対しG8外相声明の全要求事項を実施するよう、まずはCTBTへの無条件の署名・批准、核兵器・ミサイル関連資機材・技術の輸出管理の厳格化のための国内法制化への着手等を早急に実施するよう、引き続き求めていく考えであります。 我が国といたしましては、現在停止している両国向けの新規ODAの緩和等につきましては、両国のCTBT署名に向けた作業の進捗状況及びその他の要求事項への対応ぶり等を注意深く見きわめつつ、二国間関係を含め種々の要素を考慮して総合的に判断してまいりたい、こういうふうに考えております。
○細田委員 先ほど来申しておりますように、中国にしても、インド、パキスタンにしても、ASEANの問題、韓国の問題アジアの諸国に関する仕事は大変多いわけですね。アジア局がアジア局長初め少人数で対応していますけれども、アジア局そのものが一局で対応するというのは非常に難しいような情勢だと思いますね。特に、やはり今後外務省の体制、最初の質問に関連しますけれども、地域局というものをもっと拡充していかなければならないということを真剣に考えていただきたいと思います。 次に、日米関係を申し上げますが、クリントン大統領が来月の十九日から二十日に訪日されるということでございますが、その訪日の意義について大臣はどのように考えられているのか、そして、何を協議することを主として期待しておられるのか、また、特にアジアに関する日米協議につきましては、いわゆる宮澤構想を含めて、大事なアジア対策でございますが、いかなる状況にあって、アメリカはどのような反応を示しておるのかという点をあわせてお答え願いたいと思います。
○高村国務大臣 先月の国連総会の際に、小渕総理はニューヨークでクリントン大統領と有意義な首脳会談を行い、日米関係の重要性を確認した上で、両首脳間で密接、緊密に協力していく信頼関係を構築したところであります。 この成功裏に終わった最初の首脳会談から二カ月を経ずして大統領が訪日されるということは日米間の緊密な協力協調関係のあらわれであり、この訪問を通じて日米関係がさらに強化されることを望んでいるわけであります。特に、日米関係は、アジア太平洋地域の平和と安定に不可欠な基盤を提供しており、現下のアジアにおける困難な政治経済情勢を背景に、日米両国首脳が親しく協議することは極めて有意義なことだと思っております。 十一月のクリントン大統領訪日の際に両首脳間で取り上げられる議題は、今後の情勢を踏まえて両政府間で調整していくわけでありますが、世界経済が直面する困難への日米両国の協調、北東アジアを含むアジア太平洋情勢等、日米二国間関係及び国際情勢につき幅広く協議を行い、日米間の政策協調をさらに深めることを期待しております。 米国は、いわゆる宮澤構想については評価していると承知しております。
○細田委員 アメリカという国は、従来そうでございますけれども、私は勝手に思うのですが、日本に対しては、アジアについては責任を持て、あるいは貿易についても日本の自粛を求めてまいったり、いわばアメリカを中心として考える、そしてアジアについては、防衛の問題は別として、経済の問題はできるだけ経済的負担もして、そしてあなたの責任でやりなさい、こういうようなことを言っているわけですね。 しかしながら、いろいろな、為替投機その他の責任はむしろ欧米に在住する人たち、金融資本等も含めて、そういう人が非常に、いわば自分の利益のために投機的な動きをやっているということはもう公知の事実なわけですね。そして、一部には、失敗をして倒産する会社が出てきたりするとまたそれを助けるというようなことがありますし、他方、マハティールさんなんかは、けしからぬということで、為替の制度なども自分たちで考えたようにしたいというような批判も出ているわけですね。 したがいまして、私は、クリントン訪日の際にも、外務大臣はもとより、総理初め皆さん方から、日本の事情、そしてアジアとの関係、アジアの事情、こういったものを世界じゅうが共同の責任を持ってやるように強く訴えていただきたいという気持ちがしておりますので、その点よろしくお願い申し上げます。 次に、朝鮮半島の関係について申し上げます。 まず、例のミサイル関連で大きくクローズアップされておりますのはKEDOの問題ですね。朝鮮半島エネルギー開発機構というのが正式名称でございますが、略称KEDOでございますけれども、先般の北朝鮮によるミサイル発射を踏まえまして、我が国としては軽水炉の建設経費分担に関する理事会決議への署名を当面見合わせていると承知しているわけでございます。 北朝鮮に対してはもちろん我が国が毅然たる態度で対処する必要はあるとは思いますけれども、ミサイルが飛んだだけじゃ大きな被害があるわけじゃないんです。飛行機に当たるかとか漁船に当たるかという問題はありますけれども、筋論、いろいろあります。しかし、問題は、頭に核弾頭を備える力が出ては困るわけです。それを出さないために、そういったものを持たせないために原子力発電所の建設があり、KEDOの多国間の協力という体制ができたわけでございますから、これも大事なんですね。 もちろん国民世論の中には、何を言っているんだ、こういうような頭の上を飛び越えられるようなことをして、今さら今ここでまたお金を出させられたり協力をさせられたりというのはいかにもおかしいじゃないかという批判があることも承知しておりますけれども、やはり一番大事なことは、我が国の国民の生命身体でございますので、KEDOについて、署名のタイミングを含めて、どのように長期的な立場から取り組んでいくつもりがあるのか、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○高村国務大臣 まず、アジアに関する日米協議について簡単に触れたいと思いますが、アジア地域の平和と安定に貢献するため、日米間におきましては、北朝鮮、カンボジア、アジア経済危機等の課題について、首脳、外相を初めさまざまなレベルで、機会をとらえ緊密に意見交換を実施してきているわけであります。先般宮澤蔵相がアジア経済支援策として発表した三百億ドル規模の包括支援スキームについては、アジア各国から歓迎の意が表されるとともに、米国からも建設的なものと評価されているわけであります。 いずれにいたしましても、アジアをめぐる諸課題については、米国と連携、協調しつつ対応することが重要と考えておりまして、今後とも密接な意見交換を行ってまいる所存でございます。 KEDOの話でありますが、おっしゃるように、我が国は、先般のミサイル発射を受けて、KEDOの進行を米韓等と協議の上で当面見合わせることとしているわけであります。軽水炉プロジェクトの経費負担に関するKEDO理事会決議への我が国代表による署名を含めて、今後の対応については、内外の種々の様子を総合的に検討して決めていく必要があると思います。今委員が御指摘になったように、冷静に真剣に検討していく時期に入ってきているのかなというふうに思っております。
○細田委員 冷静にというのは、どういうふうに冷静にかということは、私の今受け取った印象では、日本の長期の安全に何が一番大事なことかということを冷静に判断するという意味であるというふうに解釈いたしますので、その上で、外交上の筋は通しながら、しかし一番大事なことをしっかりやっていく。それは、この極東地域における核開発をできるだけ防止する、そしてその危険性を除去するということでございますから、そういった観点に立っていただきたいと思います。 それから次に、日韓漁業協定のことでございます。 漁業協定につきましてはさまざまな問題が発生しておるわけでございます。我が国からの前の協定の終了通告、これは当然のことでございましたし、その後の関係者の交渉、非常に御苦労いただいたわけでございますが、最後の段階に至りまして、非常に我々納得しかねるような合意の中身に今なりつつあるというふうに聞いているわけでございます。 それは、特に暫定水域の範囲の問題でございまして、日韓双方が旗国主義のもとで、操業に従事し得る暫定水域を設けることとして、その範囲が隠岐の島周辺、私の選挙区でございますけれども、隠岐の島周辺の一部で三十五海里、東限線は東経百三十五度三十分、北緯三十八度三十七分以北の水域において暫定水域に含めるというような、そのほかもございますけれども、そういう中身であるということでございます。 これは日本海側の、特に本州西部の漁業者にとって極めて大きな問題であるとともに、従来、旗国主義での管理というものが大変ずさんに、相手側によってずさんに行われてきたということがございます。したがいまして、暫定水域というものを定めるとしても、広過ぎるということが一つ。それから、違反操業を発見した場合の通報とか措置とか、そういったものについてどのように考えているのか。そして、今後の協定の有効期間等々、できる限り日本の漁業者に対する影響が少ないように。そして、かつ資源管理という意味でとり過ぎが行われないように。今いろいろな問題で、大分、東の方は韓国が操業できない海域がふえてきたわけでございますが、逆に言うと、大和堆西部というのは大変な漁獲競争になって資源管理上問題があるようなものになりかねないおそれがあるわけでございますけれども、そういった面でどういう配慮をしておられるのか、御答弁願います。
○高村国務大臣 韓国との間では、国際海洋法条約の趣旨を踏まえ、新たな漁業秩序を構築するための協議を進めてきたわけでありますが、今般、新たな日韓漁業協定について基本合意に至ったわけであります。今後、暫定水域における資源管理の問題、これが一番大切だと思いますが、そういった問題を含めてさらに作業を進めていきたい、こう思っております。 常に冷静で国益を考えておられる細田委員でもなかなか納得できない、こうおっしゃるわけでありますから、私どももきっちりと、国内対策等を含めて、少しでも納得いただけることに近づくためにこれからも努力をしながら、早期に新たな協定を署名、発効させるべく努力していく考えでございます。
○細田委員 その問題に加えて竹島の問題があるわけですね。 竹島は、古文書ではっきり証拠が残っておるわけでございますけれども、島根県隠岐郡五箇村の領有である、そこの領有権を持っておった人もいた、そして漁業等の操業の実績もあるということで、はっきり歴史的事実があるわけでございます。それを、だんだんに歴史を曲げたり、あるいは占拠したりという状態が生じておるのですが、このたびも残念ながら、交渉の過程では竹島の問題はいわば棚上げにするようなことになったわけでございます。従来もそうでございますけれども、極めて遺憾でありますので、その点を強く抗議しておきたいと思います。 竹島の領有権については、従来の考え方に変化はないということを明言していただきたいと思いますが、どうですか。
○高村国務大臣 竹島については日本の考え方は一貫しております。ただこれは、竹島の問題を片づけないと漁業交渉ができないということになりますと、何十年も、あるいは相当長い期間漁業協定自体ができないことになるということで、交渉に入る前に、竹島の問題については両方の主張、それぞれの立場を害さないということを前提にするということ、先生の言葉をかりれば棚上げということになるのかもしれませんが、ともかく、そういう中で漁業交渉が行われた、こういうことを御理解いただきたいと思います。
○細田委員 若干誤解もおありのようですが、棚上げを当面されたということについては遺憾であるということですが、ずっと何年もかかるだろうという見通しを言われたのでは困るので、常に北方領土と同じく主張すべきことは主張するということで、実現をお願いしたいわけでございますから、その点をお願いしておきます。 そして、先ほどの暫定水域の問題でございますけれども、問題は、向こうにいろいろな不法操業あるいは漁業資源管理上の問題が生ずれば、暫定水域をだんだん狭めていく。それだけ大和堆西部という重要な地域において漁業資源が枯渇していくおそれがあるわけでございますから、協定を見直して地域を削減する等、ある程度そういう仕組みを内蔵するような取り決めというものを考えていただきたい、これが第一点。 それから第二点は、期間でございますが、見直しの期間というものをより短くして、実態に応じたものに対応していただきたい。これは新しい協定でございますので、日本近海全域を含んでさまざまな展開があり得ると思うのですね。これからの日韓両国の漁業の実態、あるいはその他の国もそうでございますけれども、ぜひ我が尊敬する高村外務大臣のリーダーシップによりましてそういう望ましい協定が結ばれますように、さらに一層の努力をお願いいたしたいと思いますので、その御決意のほどをお願いします。
○高村国務大臣 先ほどの竹島の話については、常にしかるべき主張をしてまいります。 それから、既に基本合意ができているわけでありますが、その中で、できるだけ細田委員がおっしゃったようなことに沿い得るように努力をしてまいりたい、こういうふうに思います。
○細田委員 まさに今、全国の漁業協同組合連合会がこの問題で大変な抗議を申し入れてきておりまして、また、私どもの島根県の漁業協同組合の人たちも、これでは二十一世紀まで、若い人にバトンタッチをして水産業をしっかりやることは難しいじゃないか、どうやったらいいのだろうかということで頭を痛めているような事態でございます。 この不況の中で水産業も大変な制約があるということになると、地域の問題にも大きな影響があるわけでございまして、すべからく外交交渉は、だんだん外交官の人も抽象的になってまいりまして、個別の地域の問題あるいは働いている人の実態の問題等々から遠くなってしまう。農業交渉においてもそうだし、あるいは林産物についてもそうだ、そしてこの漁業についてもそうだというふうに、交渉がどんどんひとり歩きしてまいりまして、この辺で中間線を引けばいいやというような安易な気持ちになる可能性があるわけでございますので、我が国外交の基本は、我が国民の福祉の増進であり発展、そして外国との協調ということでございますので、そういった面に十分配慮して外交を推進していただくように、そしてそのことでまた、この行政改革厳しい中で、日本の外務省が重要な役所である、まさに国際化時代の二十一世紀の日本をしょって立つのであるということで頑張っていただくことが本筋であろうと思いますので、外務大臣、さらに御努力のほどをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○中馬委員長 次に、玄葉光一郎君。
○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。 きょうは、周辺事態法案、ガイドラインと、KEDOの問題、そして関連して、時間があれば日韓の問題で質問をさせていただきたいと思います。 まず、周辺事態法案でありますけれども、きょう少し議論させていただいて整理しておきたいというふうに考えているのは、周辺事態法案と日米安保の問題、特に三条一項の二号、三号、後方地域捜索救助活動と船舶検査活動についてでございます。 まず、前置きで聞いておきたいと思いますけれども、新ガイドラインというのは日米安保条約の実効性を確保するために制定されたものであるという認識に立つかどうか、この点について、まずお伺いをいたします。
○高村国務大臣 基本的には、日米安保条約の実効性を確保するために制定されるものでございます。
○玄葉委員 それでは、周辺事態法案は日米安保条約の枠内にある法律であるというふうに考えてよいかどうか、この点についてはいかがでありますか。
○高村国務大臣 枠外、枠内という言葉が必ずしも正確にわかりませんが、日米安保体制と関係のある、日本独自にやることも含まれていますが、枠の外に出てしまう、外とか中とかいうこともまた誤解を招く言葉でありますのでなかなか難しいのですが、具体的な御質問の中でお互い明らかにしていきたい、こう思います。
○玄葉委員 じゃ、別の聞き方をしますけれども、日米安保条約の実施法だ、そういうふうに考えていいですか。北米局長でも結構です。
○竹内政府委員 周辺事態法案が対象とします。辺事態と申しますのは、もう委員御承知のとおり、日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす事態が生じている際にそれに対応するということでございます。 したがいまして、そういう事態と申しますのは、我が国が独自で対応する場合もあれば、日米安保がそもそも目的としております日本の安全ということと密接にかかわっておるわけでございますので、日米安保条約の目的の枠の中であるということが言えると思います。
○玄葉委員 四月十七日の安保委員会で久間長官は、日米安保の枠内の話だというふうに理解しているというふうな答弁をされていますけれども、それは今北米局長がおっしゃった実施法云々、確かに新ガイドラインは日米安保の実効性を確保するために制定、考えられたものであるけれども、実施法というわけではなくて、今の表現をかりれば、日米安保の目的という意味では枠内だ、そういう解釈でよろしいですか。
○竹内政府委員 お尋ねの、言葉の使い方によって誤解を生むと申しわけございませんですけれども、言い方によりましては、ガイドラインの考え方と申しますか、そこに述べられております効果的かつ信頼性のある日米協力を行うための基礎を構築するということがガイドラインの目的でございますが、周辺事態安全確保法というのは、こういうガイドラインに実効性を与えるための法律ということがある面では言えるかと思います。
○玄葉委員 ちょっとくどくて申しわけないのですけれども、もう一回確認したいのですけれども、実施法と考えてよいかどうかということだけもう一回答弁いただけますか。
○竹内政府委員 少し用語の点で慎重なお話をする必要がございますけれども、やはり日米協力のための基礎を構築するということ、それから日米両国の役割並びに協力及び調整のあり方について一般的な大枠及び方向性を示しましたのがガイドラインでございますので、その考え方に沿いまして日米安保条約の実効性を高める、充実させる、そういう法律であると理解しております。
○玄葉委員 周辺事態法案の一二条の一の二、三、先ほど申し上げたように、後方地域捜索救助活動と船舶検査活動が定義されているわけでありますけれども、この一号の後方支援の問題はまさに対米協力そのものでございまして、この場合の対象地域の概念については既に答弁があるというふうに認識をしておりますけれども、それでは、この後方地域捜索救助活動と船舶検査活動の対象地域の概念というのは一号の後方支援の場合と同じと考えてよいかどうか、その点についてお伺いをいたします。
○竹内政府委員 今先生お尋ねの後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動も、周辺事態において行われるということでございます。その点につきまして、後方地域支援と同様でございます。
○玄葉委員 ということは、繰り返すわけですけれども、後方支援、一号、そして二号、三号の捜索救助活動も船舶検査活動も、対象地域の概念、一種の、どこまで自衛隊は行けるのか、活動できるのかという、その問題については一号の後方支援と同じということだと思います。ここはある意味で整理できたかなというふうに思います。 改めて、そういう意味では、私なりに理解をしたのは、以前政府の方で答弁をしたわけでありますけれども、周辺事態というのは日本の平和と安全に重要な影響を与える事態で、すなわちそれは極東の平和と安全に係る事態だ、これははっきり答弁しているわけであります。そういうふうに周辺事態の定義を考えると、そもそも周辺事態の認定がないと捜索救助活動も船舶検査活動もできないわけでありますから、だから結局、そういう意味では、日米安保との関連も、この二号、三号はそういう対象地域の概念という意味ではかかわってくるというふうに私なりに理解したわけですけれども、そういう整理でいいのですか。既に同じ概念だという答弁はされているわけでありますけれども、それに至る整理の仕方として確認をしたいと思いますけれども、どうでしょう。
○高村国務大臣 いずれも周辺事態において行われるものでございます。(玄葉委員「それはもちろんわかります」と呼ぶ)ですから、委員の御指摘の言葉でちょっとわからないところがあるもので、我々が言うところでは、いずれも周辺事態の中で行われるものでありますから、こういう後方地域捜索救助活動が例えばペルシャ湾で行われるというようなことはありません。
○玄葉委員 わかりました。 いずれにしても、後方地域捜索救助活動と船舶検査活動における自衛隊、いわゆる主体的な活動である自衛隊の活動も、その対象地域、活動範囲というのは対米支援と同じ範囲までというか、同じ整理をしていい、そういうことなんだろうというふうに思いますけれども、それは違いますか、どうですか。
○高村国務大臣 同じ範囲という言葉の中に先生がどこまで含ませているかがよくわからないので私たちも慎重になるのですが、周辺地域というのが地理的概念でないということを前提にして、先生がおっしゃったことでいいのだろうと思います。
○玄葉委員 極東及び極東周辺を超えないという議論をし出すとまたいろいろありますけれども、結局同じ概念で整理すればいいのかな、そういうふうに率直に言えば尋ねたい、そういう趣旨でお聞きしたいという思いでいるわけであります。そういう意味で、私は今の御答弁は、同じ概念で、つまり対米協力である後方支援と同じ概念で整理していい、そういうふうに理解をしましたけれども、それでよいですかという意味であります。
○竹内政府委員 いずれの活動も、先ほど来申し上げておりますとおり、周辺事態においてとられるところでございます。この周辺事態の定義は、法の一条で定められているところでございます。 先生の御質問との関連で申しますと、この周辺事態の定義というものが、日本国の対応と具体的な活動内容によってその周辺事態の概念が変わるというようなことはない。すなわち、周辺事態の概念というのは常に我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態である、そういうことで御理解をいただければと思います。
○玄葉委員 ちょっと今のはよくわからない。私は、今はかなりかみ砕いて質問をしたつもりであったのでありますけれども、先ほど既に御答弁いただいたというふうに理解をした方がむしろいいのかなというふうにも思いました。 それでは、もう一つお聞きしたいのであります。 そうすると、これはある意味で、実態はなかなかそんなことはあり得ないと思いますが、論理の世界かもしれませんが、この後方捜索救助活動と船舶検査活動は、米軍の存在がどこかになくとも自衛隊が単独で活動するということは可能だというふうにお考えになられるのか、あくまで米軍がそのときにはどこかに存在しなきゃいけないというふうに考えるのか、どちらでありましょう。
○高村国務大臣 法理的には米軍の存在を前提にしなくても考えられると思います。実際問題は、そういう可能性というのはそんなに多くないかな、こう思っています。
○玄葉委員 そういう法律の立て方なのかなというふうに私も基本的には理解しているのですけれども、なかなかここが整理しにくいのですね。ですから、あえて少しここでも議論しているのですけれども。 もう一つちょっと別の聞き方をいたしますけれども、周辺事態の認定というのはそれぞれが主体的に判断するということでありますから、米国が周辺事態の認定をして日本がしない、対米拒否力というか、日本がしないという場合はあり得るという話でありますけれども、また、これは国会答弁でもいただいておりますが、その逆はいかがですか。念のためお聞きします。逆というのは、日本が、日本だけが周辺事態の認定をして米国側は周辺事態と認定しない、これはある意味で頭の体操かもしれませんけれども、そういうケースというのは論理的にどうなのか、実態としてどうなのか。
○竹内政府委員 周辺事態の定義からいたしまして、事実の問題としてそういうような状況が起こっているという場合には、日米間で緊密な協議が実態的には行われるわけでございます。これは、そういうことで意見のすり合わせ、情報の交換等行われますので、周辺事態についての認識というのは共通の認識が成立するということが基本的に想定されるわけでございます。 ただ、理論的にそういう共通の認識が到達されないような場合が全くないか、こういうお尋ねでございますれば、それはそうとは限らないということになろうかと思います。
○玄葉委員 そうすると、少し整理すると、米国が周辺事態と認定しないで日本だけが周辺事態と認定する、日本の自衛隊が単独で後方地域の捜索救助活動、あるいは国連決議に基づいて船舶検査活動を行うということはあるというふうにこれは整理していいということですね。もう一度だけ、済みません、確認をしたいのです。
○高村国務大臣 法理的にはそういうことです。現実問題としては余りありそうもない。
○玄葉委員 そうすると、やはり最初にお聞きをした問題に戻るのですけれども、日米安保の枠の中の、枠の中という言葉がまたどういう意味かという問題もありますけれども、厳密に言えば枠の中の法律というふうに考えていいということではないというふうになりますね。いかがですか。
○高村国務大臣 枠の中という言葉がよくわからないので、今まで私たちが言っていることから論理的に枠の中でないのだということであればそうでありますが、枠の中だ、中でないということがひとり歩きしてこうすると大変困る、こういうことであります。
○玄葉委員 きょう整理したかったのは、後方地域捜索救助活動と船舶検査活動の自衛隊の活動範囲と、米軍の存在が前提となるのかどうかという問題について整理したいと思ったのですが、後者については、法律の立て方はそういうふうに考えるべきなのかなと現時点では考えております。 前者については、重ねて申し上げて恐縮でありますが、対米支援である後方支援と同じ、前者というのは活動範囲のことでありますが、同じ概念で整理していい、そういうことだろうというふうに思いますが、これは違いますか。何か、三たび確認してもよろしいですか。何かもしおっしゃりたければおっしゃっていただいて、いや、おっしゃりたくないということであれば、このままこの問題は終わります。どうぞ。
○高村国務大臣 同じ概念で整理していいというのがよくわからないのですが……(玄葉委員「対象範囲です」と呼ぶ)だから、先ほど北米局長が答えられたように、目的からいえばその範囲内ということも言えるかもしれませんが、その実施法、実施法という言葉がこれもまたどういう意味だかよくわかりませんけれども、さっきから委員が御質問になっているように、米軍の存在を前提としなくとも自衛隊独自で動くことがあり得るかどうかということであれば、まさに法理的にはそういうことでありますと。そういうことを指して委員が枠外だというふうにおっしゃるのであれば、そう言ってもいいのかな、こう思います。
○玄葉委員 では、もう一回端的に聞けば、後方地域捜索救助活動と船舶検査活動における自衛隊の活動範囲は、極東及び極東周辺を超えることはあるのですか。そういうことです。
○東郷政府委員 委員の累次の御質問に対して、私なりにもう一度ちょっと整理して申し上げたいと思いますが、自衛隊が行います後方地域捜索救助活動それから船舶検査活動、これは法案にございますように、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態が生起している場合に、我が国の国益確保の観点から主体的に行う活動でございます。他方、このような事態が起きているときに、米軍もこのような事態に対応するため種々の活動を行いまして、後方地域支援を含む日米協力が行われることが想定されるわけでございます。 これらの双方の活動は、いずれも周辺事態に対応するための活動でございまして、したがって、これらの活動の範囲が大きく異なることは想定されないというふうに理解しております。
○玄葉委員 わかりましたが、結局、私申し上げたいのは、先ほど議論してきたように、つまり、米軍が存在しなくて、米国が周辺事態と認定しないで日本だけが周辺事態と認定して自衛隊が単独で極東及び極東周辺を超えて活動することがあり得るんですかという話なんですね。今は、想定し得ないということをはっきりおっしゃったというふうに理解してよろしいですか。そういう意味ですか。
○竹内政府委員 繰り返しになるかもしれませんけれども、周辺事態というのはあくまでも我が国の平和と安全という観点から着目した概念でございます。したがいまして、そういう周辺事態において、後方地域支援も、さらには先生が先ほど来御指摘のその他の二つの活動も行われるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○玄葉委員 さっきの条約局長の答弁を、きょうは了というと恐縮でありますが、きょうのところはその辺までにしておきたいと思います。 次に、KEDOの問題について、先ほどの質問者の方も聞かれておりましたが、私からも伺わせていただきたいと思います。 このところの外務大臣の御発言を聞いておりますと、ここにずっと一連の発言を書いてあるペーパーをいただいているのですけれども、どうも振り上げたこぶしをおろせないでいる、そういう印象を率直に受けるわけでありますが、この資金援助の凍結解除問題について、今のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
○高村国務大臣 今の考えというよりも、署名を見合わせたときから考えは全く変わっていないわけであります。このときは、毅然とした態度をとる、そういう戦術的な対応として今KEDOの署名を見合わせると。そのとき既に、同時に、KEDOの枠組みを壊すことは考えていない、こういうことを申し上げておるわけです。 逆に言えば、論理的に言えば、KEDOの枠組み自体が壊れるような事態になる前に署名はするということを最初から言っているわけでありまして、振り上げたこぶしというと、何か見境もなく感情的になってこうしたというふうに、日本語ではどうもそういうニュアンスがありますが、そういうことは全くないわけでありまして、最初から、KEDOの署名を見合わせる、そして、そのことはアメリカも韓国も理解をした、しかし同時に、そのときから、KEDOの枠組みを壊すつもりはないと。後から言い出したわけでも何でもないわけであります。ですから、最近どう考えるかじゃなくて、最初から一貫してそういうふうに考えているわけであります。
○玄葉委員 この外務委員会でもKEDOの議論がございました。そのときに大臣がおっしゃったのは、北朝鮮からの謝罪とか説明とかを絶対的な条件にするものではないということをおっしゃっているわけでありますが、それは当然今も変わらないということなのか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
○高村国務大臣 日本国民の国民感情として、当然、謝罪があってしかるべきだ、再発防止を約束すべきだと。私も、べき論であればそうだと思っていますけれども、一方で、先ほど言いましたように、KEDOの枠組みは維持するという大方針があるわけでありますから、そういうことがなくたって、その枠組みに悪い影響が出てくるような事態があれば、ほかの判断をしなければいけない。ですから、総合的に判断すべきことであって、何か特定のことを絶対的条件として外交の手足を縛るようなことはしない、こういうことであります。
○玄葉委員 枠が壊れるまでには解除する、そういうことでございますし、特定のものを条件にしないということでありますが、改めて今のことをお聞きしたがったし、また改めて聞きたいと思います。 じゃ、解除の要件というのは全くない、特定の要件というのは全くない。もう一回確認をしたいと思います。
○高村国務大臣 判断しなければいけないわけですから、判断に必要な要素というのはたくさんあるわけで、それを総合的に判断する。これだけが絶対的条件ということはありません。 それからもう一つ、枠が壊れる、壊れないといっても、何月何日を期してここから先は壊れるんだ、それまでは壊れないんだという絶対的な予測というのはできないわけでありますから、少しずつ悪い影響が出始めているとか、まだまだだとか、そういういろいろな判断もいたします。
○玄葉委員 もし北朝鮮からの謝罪とか説明がないまま資金援助の凍結を解除するということになれば、もともと最初からKEDOの資金援助について凍結という考え方を打ち出さない方がよかったのではないか、そう考えるわけでもありますが、その点についてはいかがでありますか。
○高村国務大臣 私はそういうふうに考えない、日本政府はそういうふうに考えない。アメリカ政府もそう考えていない、韓国政府もそう考えていない、理解をしていただいている。 この署名をするはずだった日というのはどういう日かといえば、まさにミサイルが飛んで、日本列島を飛び越えた日なんですよ。その日に署名をするということは、これは基本的には北朝鮮の核開発を阻止するという枠組みでありますが、その手段として北朝鮮に対する援助という面もあるので、北朝鮮はどんなことをやっても大丈夫だなという誤ったメッセージを受け取りかねないということで、当面それをやめるということについては、日本政府もそれが正しいと、アメリカそして韓国もそれを理解した、こういうことでございます。
○玄葉委員 抗議の意思を表明したり、誤ったメッセージを送りたくない、そういうことなのかなというふうに理解をいたしますけれども、先ほど申し上げたように、もし、謝罪とか説明、あるいは例えば米韓に働きかけて具体的にミサイルの開発を停止するとか、そういう何か我々に明確なメッセージがないまま資金援助を凍結解除するということになれば、失うものの方が大きいということになるだろうと私は思います。 それはつまり、例えば、先ほどの方もおっしゃっていましたけれども、我々の誇りというのも確かにそうでしょう。あるいは、アメリカに理解していただいている、理解していただいているという答弁もありますけれども、やはりアメリカだけを相手にしていればいいんだな、そういういわば外交カードのようなものも失われるんだろう、比較考量したらその方が大きいんだろう。 それだったら、最初からKEDOの問題については、その日だという話がありますが、二、三日おくらせてもいいわけですが、KEDOというのは援助じゃないんだ、これは防衛費だ、予防安全保障の防衛費だと。したがって、多国間の、KEDOの問題はおいでおいで、バイの、二国間の問題でもっと厳しい制裁をする。 例えば、日本からのいわば資金流入というのが北朝鮮にあるわけでありますが、それを完全に停止するとか、もし二発目を考えているというふうに思われたら、二発目のためにも二段階でそういうことを考えたらよかったかもしれませんし、あるいは船舶の入港を禁止するとか、そういう二国間での厳しい制裁によって対応する。そういう考え方もあると思いますけれども、その点についてはいかがでありますか。
○高村国務大臣 米国が理解している、米国が理解しているといって、米国がどう考えるかだけが大切だと。私はさっきから米国と韓国と言っているわけです。そして、KEDOというのは、まさに日本と米国と韓国、EUもほんのちょっと参加していますが、基本的には日本と米国と韓国の共同事業でありますから、その中の米国と韓国の理解ということを言うのは当たり前の話で、これを何か殊さらにアメリカサイドとか何だとかいうことは、それはちょっと違うのではないかな、こういうふうに思っております。 その他の、二国間だけの制裁ということは、それはもちろん考えられ得ないわけではないわけでありますが、その実効性だとか、そういったもろもろのことを考えて、私たちがとった措置が最善であったと今でも考えております。
○玄葉委員 私が申し上げたいのは、結局、凍結に踏み切った、踏み切った以上は、北朝鮮からの謝罪なり説明なり、我々が納得するメッセージがなければならないし、逆に言えば、そういうメッセージを得られるという見通しがなければ踏み切るべきではなかった、私はそう考えているわけであります。 あえてもう一つ申し上げれば、私は大臣の一連の発言を読ませていただきましたけれども、資金援助の凍結解除をにおわすような発言が凍結をしてから十日後ぐらいからある。それは、私は、北朝鮮とある意味で国益をかけた外交ゲームをやっていて、そういう激しい、核をある意味で持った駆け引きをやっている中ではいかがかな、凍結という決断をした以上はですよ。そういうふうに私は思いますが、いかがでありましょう。
○高村国務大臣 今まで、例えば北朝鮮と韓国のもろもろの出来事においても、こういうことで、北朝鮮が通常のことで謝るということはまず考えられないことであります。まず考えられない。ただし、謝るべきかどうかといったら当然謝るべきことでありますし、それから、再発防止を約束すべきことであります。 ただ、日本が、凍結といいますか、署名をすることを当面見送ったということは相当強いメッセージになっているわけで、かなり長期間それこそ滞ってきたミサイル協議が米朝の間で行われたということにも何らかの影響があったと私は思っていますし、それだけが決定的だということを言うつもりはありませんけれども、私は、北朝鮮に対する強いメッセージ、そして、北朝鮮だけでなくて、日本はこういうことをしたときには毅然とした対応をするんだということを、国際社会全体に対するメッセージとしても意義があった、こういうふうに思っています。
○玄葉委員 北朝鮮が謝ることは考えられない、そういうことであります。 私が申し上げたのは、もし謝ることは考えられないということであれば、最初から凍結という決断をしない方がよかったなと率直に言って思います。つまり、何もなく資金凍結を解除するということになれば、先ほど申し上げたように、失うものの方が大きい。 私、とても印象的だったので残しておいたのですけれども、慶応の島田晴雄教授が、九月五日の新聞でこういうことを書いていました。今回の北朝鮮のミサイル発射の問題で、本当の実害というのは、日本が他国にさげすまれ、私たちが誇りと名誉を失うことである、こういう文章を書いていて、とても印象深かったのであります。結局、そういう誇りとか、やはりアメリカだけ相手にしていればいいんだな、そういうことになるだろうというふうに私は思うのですね。いかがですか。
○高村国務大臣 そうはならないと思いますね。アメリカ、韓国からすれば、日本に対してもう少し早くKEDOの署名をしてもらいたいと思っていますが、少なくとも現時点でやっていないということはそれなりの判断でありますし、そして、どうやって署名をしてもらおうかということは、アメリカなり韓国なりもいろいろやっているわけであります。 そして、そういうことを通じて、米朝協議の中でアメリカが強く主張する。まさに、それまでだってミサイル協議というのは米朝間でしか行われてきていなかったわけでありますが、そして、その米朝協議すら滞っていたときに、日本の強い態度が少しでも米朝協議再開の役に立ったとすれば、それはそれなりのメッセージであった、私はそう思います。
○玄葉委員 私は、本当に説明も謝罪もメッセージも何もないまま解除したら、結局、周辺国は、日本という国は、いわば何をやっても構わない、日本に対してはですね。ある意味でそういう思いにさせるところがあるのではないかな。時々、日本政府は強硬論を言って、また引っ込める。ある意味で、場当たり的な対応しかできないのかなみたいな、私は、そういうとらえ方をされる可能性というのが今回の問題は非常に強いなと。だとしたら、だったら最初から凍結は踏み切らない方がよかったな、見通しがなければ、謝ることは考えられないということであれば、バイの制裁で、二国間の制裁で極めて厳しい制裁を科した方が日本の国益上よかったのではないかな、私はそうも思っているわけでございます。 少しその延長線上でお聞きしたいと思います。 そもそも北朝鮮の現状というのを、やや抽象的な質問でもありますが、質問通告しておきましたから答弁をしていただきたいと思います。現状をどう見て、なかなか先は読めないと思いますけれども、将来をどう見通して、日本はそれに対してどういう対応をしようとしているのか。いわば日本政府の北朝鮮に対する基本政策というか、そういうものについてお伺いをしたいと思います。
○高村国務大臣 この委員会で私何度も述べていますように、基本的には、第二次大戦後の不正常な関係を正すという観点、及び朝鮮半島の平和と安定に資するようにするという観点を踏まえて、韓米と密接に連携しながら対処していく、こういうものであります。 我が国は、先般の北朝鮮のミサイル発射を受けて、北朝鮮に対し毅然とした厳しい対応をとることとしており、国交正常化交渉の開催に応じることは当面見合わせるとの措置をとっております。この当面は、KEDOの署名を見合わせる当面とはまた違った意味の当面になってくるだろう、こういうふうに思っております。 今後の北朝鮮の動きを予測することは容易でないわけでありますが、我が国としては、北朝鮮が、金正日総書記、国防委員長のもとでより開放的かつ改革志向の外交をとり、我が国の関係においてより建設的な対応をとるよう引き続き粘り強く求めていく考えであります。
○玄葉委員 北朝鮮の経済改革というものにある意味で期待をしていくというか、改革・開放を粘り強く求めていく、そういう話であります。確かに、この外務委員会でも少し議論があったかもしれません。いわば一種の宥和政策というか、ソフトランディングの政策を採用しているということなのかなというふうに思います。 この問題、私自身の判断はおいでおいでも、なかなかソフトランディングの政策を北朝鮮に対して採用していく難しさというのも一方であるなということをつくづく、最近の北朝鮮の現状、特に今の軍依存体質を強めている現状を考えるとそういう思いに駆られるわけでありますけれども、今後ともそういう姿勢で粘り強くやっていくということなのでしょうか。もう一度、簡単で結構ですから御答弁いただければと思います。
○高村国務大臣 先ほど申し上げたように、当面は毅然とした対応をとっていく。国交正常化交渉も当面見合わすということでありますが、そんなことを言っても、未来永劫に不正常な関係が正されなくていいわけではないわけでありますから、相手が建設的な対応をしてくればそれに応じて我々も考えてまいりますし、あるいはそれ以前にも建設的な対応をするように粘り強くやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○玄葉委員 日韓の問題で一言、一言申し上げたいというか、お尋ねをしたいと思います。 今回の日韓共同宣言の成果を外務大臣としてどのようにお考えになっておられるか。特に、今回は共同宣言でいわば反省とおわびが文書化されました。そのことで、いわば過去の歴史への区切りがついたというふうに考えてよいのかどうか。その点について外務大臣にお伺いをいたします。
○高村国務大臣 日韓共同宣言では、過去に関する小渕総理大臣の認識の表明に対し、金大中大統領がこれを真摯に受けとめ、評価すると同時に、両国の過去の不幸な歴史を乗り越えて、和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係を発展させるため、お互いに努力することが時代の要請である旨表明したことが明確にされております。これによって両国間の歴史認識をめぐる問題には一つの区切りがついた、こう考えております。 韓国側としても、これによってこの問題に区切りをつけ、未来志向的な日韓関係を築くべく、我々とともに努力を重ねていく決意を示しているわけであります。
○玄葉委員 一つの区切り、そういう表現を使われたわけでありますが、そうすると、今後政府レベルで過去の問題について触れるということはないというふうに考えてよいのか、いや、それは今後もあるというふうに考えてよいのか。やや抽象的な質問ですが、御答弁いただきたいと思います。
○高村国務大臣 政府レベルで、かつてあったように、歴史認識をめぐってこうだああだと言い合うような形で触れられるようなことはもうないのだと認識しておりますし、金大中大統領も、政府レベルで韓国側から言うことはない、こういうふうに言っておられるわけであります。
○玄葉委員 今回、反省とおわびが文書化されたということで、一部には、新たな補償の問題が出てくるのではないかという懸念もあるわけでありますが、それは杞憂ですか。
○高村国務大臣 それは杞憂であります。 日韓間における財産請求権の問題は、一九六五年の日韓請求権・経済協力協定により、完全かつ最終的に解決済みであり、政府レベルにおいて新たに補償の問題が出てくることはないと考えております。
○玄葉委員 最後にもう一つだけ関連してお尋ねしたいのは、両国間の安保対話と防衛交流が今回うたわれました。 私、質問するということできのう取り寄せたんですけれども、一九八三年と八四年の日韓共同声明というのがあるのですね。何か、文書化されたのは三度目だそうでありまして、八三年と八四年、中曽根総理と前斗煥大統領の共同声明があって、なるほどなと思いましたけれども、あのときは、安保対話とか防衛交流という言葉が全くないのですね。全くないですね。そういう意味では、韓国との相互理解もかなり進んだのかなと思って、これは素直に、私はきのう文書を見て喜んだわけであります。 ただ、行動計画も読ませていただきましたけれども、まだまだ踏み込み不足だというふうに思う感も一方で実はあるのですね。行動計画には、年一回の局長級の対話であるとか、あるいは防衛長官と国防相の相互訪問であるとか、そういうことまで書いてございました。ただ、できれば日米のような、外務大臣とか防衛庁長官が韓国の国防相あるいは外務大臣と定期的に会合を持つというようなことまで本当は考えなければいけないんじゃないかな、そう思っているわけでありますが、その点について最後にお聞きをして、質問を終えたいと思います。
○高村国務大臣 私、防衛政務次官のときに国防長官のカールーチ氏とお会いしたときに、カールーチ氏の方から、日韓安保ということを考えてみたらどうか、安全保障条約という意味じゃないんだと思いますが、そういうことを考えたらどうかと。盧泰愚大統領に会ったときにそういうことを言ったら、盧泰愚大統領は否定しなかった、だけれども時期尚早だ、こう言った。その会談の後、相手方の人が追っかけてきて、今のことは表へ出さないでくれとわざわざ言った。そういう時期を見れば、感無量、随分進んだな、こういうふうに私自身思っているわけであります。 両国の位置する北東アジアを含めた国際社会における平和と安全を確保する上で、日韓両国が安全保障分野での協力を行っていくことは、日韓共同宣言の精神に沿ったものであります。この観点から、我が国としては、相互理解と信頼関係の増進を図ることを目的として日韓安全保障対話を本年六月に実施し、今後少なくとも年一回、継続して実施するとともに、両国の防衛交流につき、国防、防衛当局間の相互訪問等人的交流や対話チャンネルの拡充等を通じ拡大強化していく方針であるわけであります。 このように、日韓両国が安全保障対話や防衛交流を双方の努力により進めていくことにしたのは、隣国たる日韓両国の友好国としての協力のあらわれでありますが、日韓安保条約の締結といった特定の具体的目標を視野に入れるには、まだまだそういう時代ではない……(玄葉委員「日韓安保」と呼ぶ一日韓安全保障条約みたいなものを視野に入れるというようなところではない、こういうふうに思っております。
○玄葉委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
○中馬委員長 続いて、上原康助君。
○上原委員 私はまず、極めて限られた時間ですので、日米地位協定の問題についてお尋ねします。 また沖縄で米兵による大変痛ましい事件が起きていることはもう御案内かと思います。 そこで、まず警察庁にお尋ねいたしますが、この十月七日、午前四時三十分ごろ、四時過ぎ、未明ですね、酒気帯び運転で女子高校生をひき逃げした米海兵隊員による痛ましい事件ですが、この被疑者、容疑者が基地内に逃げ込んで、身柄は米海兵隊が一時拘束をしておった。沖縄県警、沖縄署かと思うのですが、八日に起訴前に身柄を引き渡してもらいたいという申し入れをしたと思うのですが、申し入れをした理由など、なぜ県警が起訴前でも身柄を引き渡すという要求をしたのか、そのいきさつを簡潔にお答え願いたいと存じます。
○玉造政府委員 お答えいたします。 事件につきましては、ただいま先生の方からお話があったような事案でございますが、これにつきまして、沖縄県警察が本件被疑者につきまして逮捕状の発付を受けたところから、捜査の一環として、刑事特別法第十条第一項に基づいて逮捕状の執行に関する同意を行ったものでございます。これに対しまして、現地米軍司令部は、既に米軍当局側において被疑者の身柄を拘禁しているとして、沖縄県警察の要請に応じなかったものでございます。
○上原委員 最近、官僚機構に対する極めて国民の不信や不満、頼りなさというか、そういう面を持たれていることは、これは各省庁とも強く、反省というか、胸に手を当てて国会答弁をやってもらわねばいかぬ。余りいいかげんな答弁してもらっては困るよ。 時間がないから地位協定の条文ごとの論議はいずれいたしますが、米側が県警の申し入れに対して身柄の引き渡しを拒否した理由は何だったのですか、はっきり答えて。
○玉造政府委員 お答えいたします。 現地米軍司令部の回答でございますけれども、既に米軍当局側において被疑者の身柄を拘禁しているということで、要請に応じなかったということでございます。
○上原委員 もう一点、警察庁に確かめておきますが、皆さんが身柄を引き渡してもらいたいということは、この事件の重要性というか、あるいは酒気帯び運転で、しかもひき逃げだ。相手は重体、意識不明。もし通常の警察権の行使なら、日本人とか国内での法適用なら、即時逮捕でしょうね、これは。それに値するから身柄を引き渡してもらいたい。捜査やそういう面に支障を来すであろうということがあったから申し入れしたんじゃないですか。その点は、あなた方が警察権を行使するにはどう当たらねばいかないかという純然たる立場で答えてくださいよ。後で僕は外務省に聞いてみるから。こんなの外務省に最初から聞いたって、もう答えは知れている、失礼だが。その点をはっきりしてください、はっきり。
○玉造政府委員 沖縄県警察において逮捕状の請求を行ったわけでございますから、その時点において請求を行ったということは、それだけの必要があるとその時点において認めたということでございます。
○上原委員 ですから、これだけの今私が指摘をしたようなことをどなたが聞いたって、こんな悪質なひき逃げ事件を起こして、相手が米兵だからということで、地位協定があるから即刻逮捕できない、そういう事態というのは、一体、日本の警察当局としてそれでいいと思っているの。地位協定とかそういうものは抜きにして、どう考えるの、これ。しかも、こういうことは日常茶飯事に起きているのですよ。今までもあった。 重ねて念を押すようで恐縮ですが、警察当局としては、やはりみずから警察が警察権を行使して、逮捕して、捜査もし、起訴もした方がよかった、こういう判断だったと理解していいですか。
○玉造政府委員 本件事件につきましては、既に米軍が身柄を拘束しておるという前提があるわけでございましたけれども、米軍の協力を得ながら、被疑者立ち会いのもとに実況見分を実施いたしまして、さらに被疑者及び同乗者の取り調べなど所要の捜査を行い、被疑者の送検に至ったものでございます。 その限りにおいて、起訴前において身柄がなかったわけでございますが、事件の捜査といたしましては、真相を究明した、そして検察庁に被疑者を送致したということでございます。
○上原委員 釈然としない、何か外務省や防衛庁に遠慮したような歯切れの悪い答弁なんですが。 そうしますと、この種の事件、交通事故、ひき逃げ事件というのは凶悪犯罪じゃないの。その認識はあるのですかないのですか。それは、あるかないか、はっきり答えて。
○玉造政府委員 酒気帯びで、ひき逃げでございますから、極めて悪質な犯罪だと考えております。
○上原委員 そこで、外務省にお尋ねします。 これは多くを議論するまでもないのですが、私もしばしば取り上げてきた経緯もありますので、刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意というのが九五年十月になされております。あのときにもいろいろ議論をいたしましたが、これは申し上げるまでもなく、九五年九月四日のあの少女暴行事件に端を発して、地位協定を大きく改正もしくは見直しをやるべきだという県民世論また国内世論が起きて出てきたことなんですが、そのときに、殺人または強姦という凶悪な犯罪は起訴前でも日本側の申し入れがあれば身柄引き渡しをする、こういうことに簡単に言えばなっているわけです。 今回の場合に、外務省は押しなべて、官邸筋、あるいはよくはわかりませんが、防衛施設庁なりも、やはり県民感情からしても、今、ああいう凶悪犯罪だ、悪質な犯罪だということは警察庁も認めた。そうであるとするならば、凶悪な犯罪という範囲 の、範囲というかそういう性格、性質のものであるということで、外務省が日本国の主権あるいは外交を預かる、人権を預かる、アメリカの人権だけを重く見ていかない、まずは我が国国民の人権をどうするかが最優先ですよ、これはある意味じゃ、国益という面からすると。だのに、このことについて外務省はそういう手続をとろうとしなかった。その理由を述べてください。
○高村国務大臣 今回の事件発生当日の七日、フォーリー駐日米国大使が私のところに参りまして、その際に私から、このような不幸な事件について遺憾の意を表明するとともに、在日米軍の綱紀粛正、事件の再発防止、日本側当局による捜査への協力を申し入れました。そして、もう一つ言えば、事態の推移によっては身柄引き渡しを求めることがあるかもしれないということまで私はその場で言ったわけであります。これに対して、大使からは、現地警察当局による捜査への全面的な協力を約束する旨の発言がありました。 そして、その事態の推移を見ていたわけでありますが、今回の事件については、米側から全面的な協力が得られ、そして、いろいろ報告を受けていますと、被疑者立ち会いのもとの実況見分もきっちり行われた、それから被疑者の取り調べも警察で、捜査当局で行われているという報告を受け、そして警察庁側も、地位協定に基づいて身柄引き渡しをどうしても求めてくれという要請もなかった。 そういう中で、現実に捜査が進行し、そしてこの処理がきっちりできるのであれば、地位協定上当然に相手が考慮を払うということに定められている件には残念ながら当たらないということで、引き渡しを求めなかった、こういう経緯でございます。
○上原委員 外務大臣、こういう事件など、いろいろ地位協定の運用、解釈をめぐっての議論の中でしばしば今のようなお答えが来るわけですが、しかし、それは犯罪の性質、内容をどう受けとめるかという政府の姿勢だと私は思うんだね、外務省の。姿勢の問題です。今のような外務省の地位協定の運用、解釈の仕方では、県民、国民は納得しませんよ、外務大臣。 確かに今度は、七日に起こってきのう、きょうこの委員会もあるということで、沖北委員会も午後ありますから、恐らくいろいろな政治性を加味して皆さんはスピード処理をしたかもしらない。これは相当、今、北中城村議会、沖縄市議会、名護市議会、宜野湾市議会が相次いで抗議決議をやっている。中身を見てくださいよ、みんな。異口同音にして、なぜ米兵ならこういう悪質な事件を犯しても基地内に逃げ込めば逮捕もできずに、不平等な扱いをするかということが県民の怒りじゃないですか。このことに対して皆さんがもう少し、主権行使という、日本の主権が一体侵されているのか侵されていないのかということを、本当に県民、国民の立場に立って地位協定や安保条約というものを運用してもらわぬと、いつまで日本はこんなことやっているの。 しかも、米側は、「好意的考慮を払う。」と。「好意的考慮を払う。」という、幾ら外交文書でもあれなんだ。先ほど私が申し上げた平成七年十月の改正合意には、「被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的考慮を払う。」ということが書いてある。だから、日本政府がその気になって要請をすればいかなる要請にも入るんだが、いかなる要請していないんじゃない、あなた方が。ここに問題があるんですよ、外務大臣。あなたお若いんだから、もう少ししゃきっとした、骨太な外交をやってくださいよ、本当に、失礼ですが。 改めて御答弁願います。このことを考慮に入れてこれからの運用の問題、場合によっては地位協定の全面的改正、見直しをやるぐらいの気概があるのかどうか、お答えください。
○高村国務大臣 地位協定は、その運用を含めて、NATO諸国と大体同じような感じになっているというふうに承知をしております。 それから、私も、この事件、極めて痛ましい事件であり、極めて遺憾な事件であり、極めて悪質な事件だ、こう思っております。ただ、合同委員会合意で右規定の運用の方針として、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に」今先生がおっしゃったような「いかなる要請に対しても好意的考慮を払う。」こういうことになっているわけでありまして、極めて悪質というのは、例えば極めて悪質という場合と凶悪ということは、もう法律的に意味が違うということは事実でありますから、私は、県民感情はそれは極めてよくわかりますが、ひき逃げという酒飲み、極めて悪質でありますが、いわゆる「殺人又は強姦という凶悪な犯罪」という場合の、ここに当てはめるのは法律的には無理だと思います。 無理でありますが、「日本国が考慮されるべきと信ずるその他の特定の場合について」「提示することがある特別の見解を十分に考慮する。」こういうことがありましたので、私は、場合によっては引き渡しを求めることがあるとその当日にフォーリー大使に言って、その後捜査の状況等を見ておりました。見ている中で、実際の捜査当局からもこの条項に基づいて身柄をどうしても引き渡してほしいという要請もありませんでしたし、そういう中で、私は、この事案については、きっちり米側の捜査協力が得られている、そういう中でこのような判断をしたわけであります。
○上原委員 もう時間がないという通告がありますので、続きはまたどっかでやりますけれども、極めて悪質か凶悪かという、殺人か強姦か、これ以外は身柄引き渡しはしないなんて書いていないよ、あなた。いかなる要請にも米側は応ずるんだよ、合同委員会を即刻開いてやれば。その姿勢があるかどうかを私は問うているの、いつも。 しかも、この協定改正のときに、折田北米局長は当時の国会答弁で、殺人及び強姦以外の事件については、個々の事件の態様、悪質性、捜査の必要性等を個別に判断した上で、拘禁の移転が適当と考えるものについては、日本側が提示をし、米側にこれを考慮してもらうというふうに答弁しているんだよ、あなた、国会で。 さっきの警察庁の答弁、今の外務大臣の御答弁からして、個々の事件の態様、悪質性からすると、これ以上の悪質性の事件がありますか、あなた。酒を飲んで女子高校生をひき逃げして、しかも自分は逃げ込んで、事故に遭った人は重体、ほったらかして。これは悪質だから、そういうのは身柄を日本側によこせということが外務省のやるべき仕事じゃないの。私はそう思うのだが、いかがですか。 そういう面で、外務大臣、ぜひ今度の事件を迅速に処理したという点の努力は評価したいです、私も率直に。外務省も、地元を含めていろいろおやりになったと。それには相当いろいろな政治的な判断が加味されたであろうということも指摘をしておかざるを得ない。 そういうことで、今こういうような処理の仕方では県民は納得しない、私たちも納得できない、運用上の問題からしても。ぜひ地位協定全般について、改めて御検討を願いたい、そのことはやっていただきたい。これは要望を含めてですが、強く求めておきたいのですが、いかがでしょう。
○高村国務大臣 折田局長の答弁、今初めて聞かせていただきましたが、その中に、捜査の必要性というようなことを言っておられたわけでありますが、本件については、先ほどから言っていますように、捜査の必要ということからすれば、現実に米側が身柄を拘束し、そして米側が捜査に全面的に協力をしている。そのことがはっきりした段階で、それほど捜査の必要性というのはなかったのだろうと思います。悪質だということについては、私は全く同じ考えですよ。同じ考えだからこそ、当日、場合によっては引き渡しを請求することあり得べしということをフォーリー大使に申し上げた。 ただ、その後の捜査に対するアメリカ側の協力ということは、これははっきり、きっちりしていた、こういうふうに思います。
○上原委員 もう終えますが、御迷惑をかけてもいけませんので。 地位協定の見直し、ないしは改正等の御検討については御返事がなかったのですが、私たちは、今の運用では納得しかねる面が多いですから、それは引き続き強く求めていきますので、政府としてもぜひ御検討を願いたいということを改めて求めて、質問を終わりたいと思います。
○中馬委員長 午後零時四十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後零時四十五分開議
○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。東順治君。
○東(順)委員 新党平和の東順治でございます。 新党平和という名前でこの外務委員会で質疑をさせていただくのは恐らくきょうが最後だろうと思います。その思いも込めまして、きょうは、ドミニカ移住問題というものを中、心にいろいろ質疑をさせていただきたいというふうに思います。 まず、ドミニカ移住問題ということでございますけれども、その概要についてまず確認をした上で質問をさせていただきます。 ドミニカ移民ということですけれども、日本で最初で最後の国策移民でございまして、昭和三十一年七月から昭和三十四年九月まで、十二回にわたってドミニカに移住をなさった経緯がございます。当時、カリブの楽園、こういうキャッチフレーズのもとに全国で移民を募集して、大変な、異常とも言えるようなブームを巻き起こして、十二次にわたって移民の方が海を渡られた。 しかし、現実は大変厳しくて、当初の約束と大きく食い違いが生じて、最終的に、移民の中から十人の自殺者も出てくる、あるいはまた、すべての移住者たちは現実には破産状態となって、結果的にこのドミニカ移民というものが失敗をしてしまう。そして、日本政府は一九六一年九月、閣議決定でもって、国援法に基づく集団帰国というものを決定いたしました。 そして、その翌年に百三十三家族が帰国され、その後七十家族がアルゼンチンやブラジルなどに転住をされて、結果として、四十七家族、二百七十六名の方たちが、現地の大使館の強い説得等もこれあり、ドミニカに残留をなさった、このように伺っております。 また、大変悲惨な状況であったそうで、食い詰めた移住者の皆さんの中には、移住地を離れて、まさに流民のような生活に追い込まれて、ドミニカ各地を転々とされた方、そしてまた、先ほども申し上げましたように、自殺にまで追い込まれた方たち。環境的にもまるで流刑地のような環境で、子供に教育を与える機会もなく、医療も受けられず、そして、常にコロニアの監督官の監視下にあって行動の自由もままならない。そしてまた、土地がなかったために、生活の基盤である土地を購入するために、JICAから返済する当てもない多額の借金をせざるを得なかった。そして借金地獄へと追い込まれていく。こういう悲惨な状況であったそうでございます。 なぜこんな状況になったか。端的に言って、三つの問題があるのだろう。 一つは、政府の移民募集要項の内容と移住地の現実というものが余りにもかけ離れておった。 それは具体的には、優良農地三百タレア、これを分譲するという約束が現実には守られていなかった。極めて少ないか、全く分譲されなかった移民の方もいらっしゃった。あるいは分譲された農地は、わずかの例外を除いて、およそ農業には不適の土地だった。石ころの山、塩の砂漠、ジャングル、乾燥した荒れ地、こういったぐあいで、募集要項の内容とは全く違っておった。 そしてまた、ドミニカの国内法によると、移民は分譲地の所有権を取得できないということに実はなっておった。それが、後から述べますけれども、募集要項ではいわゆる土地譲渡ということが約束されておった。この募集要項の内容と現実ドミニカでの国内法で分譲地は取得できないというこの食い違い、こういったことによってこの悲劇が生じた、このようなことであるようでございます。 私も、四十二年前から辛酸をなめてこられた方たちからその惨状というものを伺いました。正直、同情の涙を禁じ得ない、そういう厳しい厳しい状況の中を生き抜いてこられたのだなとつくづく思いました。 日本から持っていった財産というものを少しずつ食いつぶしていきながら、とうとう最後は流民というような状況になってしまった。まさに棄民ともいえるようなこのドミニカの移住問題でございます。 中では、十六歳で渡って、その後、現地で今日までたった二週間しか自分は学校に行った覚えはない、こうおっしゃる方もおられました。 あるいは、八十五歳の女性にも私はお会いをいたしました。この遠い日本に自費で渡ってこられて、必死になって皆様方の苦労というものを訴えておられて、このままでは死ぬに死ねません、悲痛な訴えでございました。 あるいは、私たちがその過酷な状況の中で土地というものを現実に所有できずに、そしてまた、いわゆる分譲されたと言われるその土地も大変に荒涼とした、さっき申し上げたような悲惨な状況で恐らく農耕にたえられないということで、みんなその土地を離れてドミニカの中を転々となさる。その中で、ある人は他人の土地を借りたり、あるいは小作のような状況の中で一生懸命ドミニカの農業というものを興されて、今やドミニカが農産物の純輸出国にまでなった。ここに至るまでの原動力というものは、私たちは、残されたこの五十家族の人たちの力というものが大変大きなものであると誇らしげに語っておられました。その方たちによりますと、私たちの力でドミニカは農産物の純輸出国となったのですよ、こう胸を張っておられました。 それに対して、私たちに対処してきた日本政府というのは一体何なんでしょうか、まさに棄民政策ではありませんか、祖国に対して恨みを抱かなければいけないというその胸の痛みがわかりますかということを切々と訴えておられました。 以上のような背景の中で、私は質問をさせていただきます。 その第一は、国営移民というのですか国策移民というのですか、この国営移民にもかかわらず、日本政府は、事前に移住地の農地としての適格性、現地の国内法、あるいは現地の移民受け入れの体制、そういったものをろくに調査をせずに、耕作もできない、しかも土地の所有権すら取得できないところに移民を実施した、そういう状況でございますけれども、これを行ったときの所管庁はどこにあったのでしょうか。まずここからお伺いいたします。
○内藤説明員 お答えいたします。 現地に調査に赴きましたのは、外務省及び農林水産省でございます。
○東(順)委員 この移住政策の所管はどこでしたかと伺っておるわけでございます。
○内藤説明員 外務省でございます。
○東(順)委員 農林省は入っていませんでしたか。この移民政策の当初の所管ですよ。
○内藤説明員 農林省は国内面で外務省とともに所管しておりました。
○東(順)委員 そこで、この最初の国策移民という政策をとった状況でございますけれども、むしろドミニカ側は今受け入れるのは無理であるという状況であったにもかかわらず、とにかく受け入れてくれということでかなり強引にこの移民政策というものを押し込んだ、こういう経緯があるようでございます。 それは、公文書という形で私の手元にございます。 これをちょっと読んでみますと、昭和三十一年七月から昭和三十四年までに、この期間十二次にわたって移住がされたわけでございますけれども、この直前に、昭和三十一年二月のときの公文書で、ドミニカの大規模移民推進委員会委員長でヘスス・マリア・トロンコソさん、こういう人がドミニカの外務大臣にあてた書簡の中でこういうものがございます。 「ドミニカ共和国政府が現実に負う責務を見ると入植者問題に関して、日本人移民のいかなる計画も、今は見合わせるべきである。」受けるべきではない、こう述べておるわけでございます。 そしてまた、その一カ月後の、やはりこれも移民が始まる前、その直前ですけれども、ドミニカの農務大臣ルイス・R・メルカードという大臣がやはり外務大臣にあてた書簡でこのように述べています。 「二月二十四日午前十時、私の事務室を」、私というのは農務大臣です。「私の事務室を日本国公使が秘書を同行して訪問。日本国公使は、日本政府ができるだけ短期間に計画の開始について、ドミニカ共和国政府の決定を知りたいといった。日本政府はその予算を決定する必要があるため。」とにかく早く移民を出したいのでということでこの日本国公使が言ってきた。 「公使は加えて以下のように述べた。ドミニカ共和国政府が受け入れを表明し次第、適当な入植地を決めるため代表者を送る。日本国公使にたいしていった見解によれば、」これは今度は農務大臣が日本国公使に対して言った見解によれば「水不足のためファン・カルボ用水路によって、その土地を早急に潅漑するのは不可能である。同様に、前述の土地の洪水を避けるための防波堤の建設も不可能である。」要するに、状況としては受け入れ体制にないということをこうやって重ねて言っているわけでございます。 しかし、「このことに関し日本国公使は、そのような状態であっても計画を実行していく上で問題はないと述べた。また、日本人技術者は前述のもっとも低い土地で、選ばれた日本人農民は乾燥地域耕作を経験しているので、容易に開拓していくことができることを示した。」日本人の技術は高いのだから、そんな厳しい状況だって容易に耕作できるよ、こう言っているのですね。そして、「つけ加えくおそらくドミニカ共和国政府は、風車のついた井戸をいくつか建設できるだろうと述べた。」こう言っているわけでございます。 要するに、ドミニカとしては今受け入れる状況ではないからと一生懸命に断っているのですけれども、いや入れたいのだということで必死になって押し込もうとしているさまが目に浮かんでくるようでございます。当時の所管である外務省、それと国内的には農林省、これが必死になってこの国策移民であるドミニカ移住ということを押し込んだわけでございます。これは、こういう状況の中で移民として送り込まれた人たちは大変なわけです。こういう大変な状況があるにもかかわらず強行したということでございます。 ここに写真がございます。この写真は、ちょっと遠くて、大臣なかなか見にくいと思うのですが、それぞれ一枚ずつになっております。すぐお持ちします。 ここにドベルエ、塩の浜ですね。この土地一面にもう塩が吹き上げてきて、とても農耕にかなうような土地ではない。あるいはネイバ、石の山。至るところ石だらけです。こういうところに現実は移民が送り込まれている。 そして、私は、カリブの楽園ということで、行け行けといってどんどん過大に宣伝をして移民の皆さん方を送り込む、その当時にあらわされた書籍というものを見てみました。これは著者が二人いらっしゃって、どちらも農水省の人なんですね。この人たちが、あたかも現地をルポしてというような形で、今私が言いましたドベルエあるいはネイバのことをこう書いている。 例えばネイバ、この石の山のところでございます。ちょっとこれを大臣に。 この本によりますとこう書いてあります。「政府の手によって一切の開拓開墾がなされ、住宅や水道設備が施され、かんがいの必要なところはその施設が出来て、入植翌日からでも播付けが可能な状態にしてから入植させるのであって、入植者は極めて好条件に恵まれている。」「ネイバの地区もそのとおりで、私が行った時には耕作用地三五〇〇タレア住宅用地一五〇〇タレアがきれいに開墾整地され農業開発機械公団の数台のブルドーザーが残った木の根などを寄せ焼きしているところであった。」こう書いてあるのですね。 ところが、現実に、最初に第一次の移民として行かれた、このネイバにまさに入られた小市仁司さんという方がおられる。私は、この方から直接お話を聞いた。この方はもう既に、絶望して、現地では生きていけずに日本に帰国されておられる方ですけれども、三十二年十月にこのネイバに入植をされた。まさに石の山ですね。そのときに三十二タレア分譲された。しかし、その中で実際に耕すことのできた、農耕地として使えたのはたった三タレアであった。これが現実なんですね。ところが、当時のこの本によりますと、宣伝のためにつくられたのでしょう、今のような美辞麗句が並んでいる。 そしてまた、ドベルエも同じようなことでございまして、ドベルエ地区についてはこのように書かれています。大臣、その手元にございます、今度は塩の浜のところですね。「すでに三〇〇万ドルを投じて二十数万タレアをかんがいするに足る水路が完成し、住宅設備も着々完成している。土壌は幾分塩分を含む外は組成よく、従って塩分を洗い流す期間一−二年は作物の不出来を予想して政府は生活補給金を出す予定であり、その後の生産力は相当大きいと思われる。」こういうことが書かれている。 しかし、現実は、その後の生産力どころか、全く死の土地である。したがって、もうその土地を離れざるを得なかった、生活できないということで、この方は、ドミニカの中を転々とされたのでしょう、やがて日本に帰ってこられた。こういう事実があったわけでございます。 したがって、移住者を募集する際に移住者に募集要項というものが示されておりますけれども、これは日本政府が作成したものであるかどうか、この辺についてもお伺いします。
○内藤説明員 募集要項は、当時の財団法人日本海外協会連合会及び特殊法人日本海外移住振興によって書かれました。
○東(順)委員 所管が外務省で、そして農林省で、国策、国の責任でもって送り出した移民。ということは、そこが書かれた募集要項でありますけれども、この募集要項というものを制作し、これを国民の中に配布をする、この責任というのは日本国政府にあったわけですね。
○内藤説明員 当時、外務省は、ドミニカ政府側の説明による資料をこの連合会及び日本海外移住振興に伝えまして、それをこの両機関が国内で公表したわけでございます。
○東(順)委員 私が聞いているのは、それについて日本国政府が責任を持っておったのかどうかということを聞いているのです。この募集要項に対して。
○内藤説明員 そういう意味での責任については、あったとは言えないと思います。
○東(順)委員 だって、国策移民なんでしょう。そして、皆さんにこの移住をどんどん勧められた。国策の名のもとで進められる移住政策で、そのときに出された当時の募集要項。私の手元にありますよ。これは、国が責任を持たないで、どこが責任を持つのですか。
○内藤説明員 国策とおっしゃいますのは今先生が表現されたことでございますけれども、当時の日本政府の立場は移住のあっせんということでございます。
○東(順)委員 あっせんということは、ドミニカ政府と移民の皆さんが直接契約を結んで、そのもとに移住をされた、こういう意味ですか。
○内藤説明員 契約関係はございませんが、私どもはその間をあっせんしたという関係でございます。
○東(順)委員 では、ドミニカ政府と移民の間に契約関係がなくて、そして外務省、農林省が所管をして、そして行った移住政策ということで、これはあっせんとかいうことじゃなくて、責任は明確に当時の日本国政府にある。だからこそ閣議決定で、移住が失敗であるということで、集団引き揚げということを決めたのでしょう。 国に責任がなかったら、どうして閣議決定でこれを決めるのですか。その辺はいかがですか。
○内藤説明員 現地におられた移住の方は、日本国民として、現地の大使館もいろいろお世話はいたしました。ただ、その結果、皆様方の御苦難については現地の対応では必ずしも満足いく措置がとれないということでこの措置をとったわけでございます。
○東(順)委員 実態的には、日本国の政府の責任であるということは明らかだと思いますよ。責任回避ですよ、そういう言い方は。 この募集要項というものを見てみますと、「一世帯当三百タレアの土地が無償譲渡される。」こういうふうに書かれています、当時の募集要項の中に。ところが、現実は、現地に行きました、その行ったところの実態と募集要項の中身が大幅に食い違っておる。この無償譲渡するという土地が実際に現地になかった。その場合、これに対してだれが責任を負うのでしょうか。いかがですか。
○内藤説明員 土地がなかったわけではなくて、その土地の性状、サイズの問題が期待されたものと違っていたということはございました。それに対しては、現地において日本国大使館も、できるだけ相手国政府がその期待に沿えるように措置をとることを要請した次第でございます。
○東(順)委員 私が今言いました土地がなかったという意味合いは、要するに、一つは今部長おっしゃいましたようにサイズが違っていたという、つまり三百タレアというのが現実にはその三百タレアに満たない、その半分あるいは三分の一というのが現実だった、ほとんどであったという、それはそのとおりだと思います。 そのほかに、いわゆるドミニカの国内法に照らし合わせたときに、要するに無償譲渡ということはそもそもドミニカの国内法にない。それはその移住された移民の人に個人所有としてこの土地を譲渡する乏いうこと自体がドミニカの国内法に違法であるという意味合いで、無償譲渡というそのうたい文句で、自分の手に入ると思って行ったところが現実に自分の手に入らなかった、これはそういう意味で土地がなかった、こういうふうに言っておるわけでございまして、そういう意味合いなのです。これはいかがですか。
○内藤説明員 移住者が入植された地区はドミニカ共和国政府が設定した国営入植地でありました。移住者は、そこにおいて一定の制約を受けたにせよ、基本的には自分の意思、責任で作物を栽培し、販売することができ、実質的には自営開拓農として入植されたものと承知しております。 さて、その土地の所有につきましては、その後、現地での努力の結果、現在は区画確定前本地権が未取得であるのは三件のみという状況に至っております。
○東(順)委員 答弁が少し食い違っているのじゃないかと。 いわゆるドミニカの国内法では土地の譲渡、つまり所有というものが認められていない。ところが、募集要項では無償譲渡ということをうたって移民の皆さんを送り込んだ。したがって、ドミニカの国内法に違反をしておるわけだから、現実に所有ができなかったのでしょう。僕はこういうふうに聞いておるわけでございまして、これに対してどうですか。
○内藤説明員 所有権につきましてはドミニカには種々の制約はございます。 一方で、募集要項、その表現につきましては、日本政府が直接書いたものではないという意味においては、仮に誤解が生じたとすれば、その日本政府の伝達した情報が募集要項に書かれた際に不十分な解釈が行われたと考えます。
○東(順)委員 それはもう一回確認したいのですけれども、募集要項については日本国政府は一切責任がなかった、こういうことなのですね、今の答弁は。
○内藤説明員 日本政府は情報提供をしたわけでございます。
○東(順)委員 だから、情報提供の責任があるのでしょうが、日本国政府として。
○内藤説明員 あっせんをするという立場で、この情報はドミニカ共和国政府から得た情報でございます。それを伝達したわけでございます。
○東(順)委員 だから、先ほどから言っているように、ドミニカ共和国の国内法では土地を譲渡できない、所有させられない、こうなっているのに、募集要項では「無償譲渡」と書いている。これは明らかに乖離じゃありませんか。しかも、その情報を提供した日本国政府の責任があるということであれば、間違った情報を勝手に日本がこの募集要項という形で提供したことによって、移民の皆さんが四十二年間、大変な苦しい塗炭の状況に追い込まれた、こういうことじゃありませんか。すごく僕は普通のことを自然に言っているつもりなのですけれども、いかがですか。
○内藤説明員 現地には法律がございます。ただ、法律の適用につきましてはすべてが自動的に行われるわけではない。そこで、現地の政府から日本政府に対して移住民を招くという行為が行われまして、そういう制約ができるだけ外されるように努めたわけでございます。
○東(順)委員 時間がどんどんたちまして、それの先の質問をちょっとしてみたいと思いますけれども、この移民が実施されて五年後の昭和三十六年に、先ほど言いましたように、閣議決定で移民計画の失敗を認めて帰国決定をした。それで、当初移住した二百四十九家族の人たちの、そのことによって受けた財産的損害、精神的損害、これに対して、先ほどから答弁がございます政府の責任の名においてどのように償おうとされているのでしょうか。これはいかがですか。
○内藤説明員 三十六年の閣議決定で行った措置は次のとおりでございます。 集団帰国の百二十世帯五百九十五名に対しては、国援法の適用による旅費の貸し付け、帰国後の各種援護。南米諸国転住者七十世帯三百七十六名に対しては、ブラジル、パラグアイ及びアルゼンチンへの渡航費貸し付け、営農資金融資等、他の移住者と同様に各種支援を実施。残留者約百世帯五百名に対しては、長期低利の融資、生活環境整備、教育支援等各種支援を実施いたしました。
○東(順)委員 残った残留の皆さんに長期融資、こういう言葉が今ございましたけれども、先ほど私が申し上げましたように、行ったところがその土地は自分のものにはならない。自分のものにならないということは、その土地を売ってお金を得ることもできない。それで、耕作地としては極めて悪質で程度の悪い土地であるということであれば、全く一文なし。そこに長期の融資ということになれば、そのお金を返す当てもない。つまり担保がない。そうなってくると、やはりだんだん借金地獄というところに追い込まれていってしまう。そのことで苦しんでおられる。 日本の価格の約十分の一と言われるドミニカにおいて、一千万、二千万の借金をJICAからしている人たちがたくさんいるというふうにも聞いています。こういうことが本当に救済ということになるのか、逆に苦しめるということになったのではないか。むしろ、そういう小手先のことよりも、抜本的に、このドミニカ移住政策は国の責任において間違ったのだから、やはりそれ相当の施策というものをきちんとしていかなければいけない、このように私は思います。 それでまた、最近、ドミニカ政府から移住者に土地を無償譲渡する、こういう話があったというふうに伺っておりますけれども、外務省は承知されておられますでしょうか。
○内藤説明員 本年七月、ドミニカ共和国政府より、日本人移住者に対し、七百五十ヘクタールの土地の無償譲渡の用意がある旨の発表がありました。
○東(順)委員 そのドミニカ共和国が示した土地について外務省はお調べになられましたか。
○内藤説明員 はい。
○東(順)委員 土地の状況はいかがでしたか。
○内藤説明員 ドミニカ政府の農地庁長官の説明は、土地の質の問題につきましては、耕作地としての適性に加え、首都圏に近いところから、付加価値は高い。現地の土地の質は粘土質で良好であり、河川も近くにあり、降雨量が多く、地下水も豊富で農地として適性であり、サトウキビ、バナナ、パイナップル、芋類、カボチャ等が栽培できる土地ということでございます。
○東(順)委員 御自分で調べたのですね。外務省としてお調べになった。 日本政府としても全く同じ見解なのですか。
○内藤説明員 私どもは、第三者機関にさらに調査を依頼する予定でございます。
○東(順)委員 さらに調査を依頼する。 これは現地で、ドミニカがこの土地を提供しますと言われて、その提供対象になっていらっしゃる方たちが現実にこの土地を見られた。みんな、農業従事者として移民された人たちですから、農業はだれよりも詳しい。だれよりも詳しいということは、一目見れば、その土地が良好か程度の悪いものなのか、どの程度のものなのか、これはわかるわけで、その人たちの意見を集約していったときに、これは、ドミニカ共和国が言っているような良質の土地でも何でもない、水利あるいは土質、そういうものから見たときに、とてもとてもそれは受けられるものではない、こういうふうにおっしゃっているのですね。 それで、僕は伺いたいのですけれども、今、これから調査をさせますとおっしゃいましたね。調査させますということは、日本国政府としてその調査結果というものを明確につかんでいないということになるわけですね。そういうことでしょう。違いますか。
○内藤説明員 調査もいろいろな種類がございます。大使館員が現地を見る、さらには現地の派遣専門家が見る、調査をする。その種の調査は既に行っております。さらに、ほかの機関の調査も農地庁の評価とほぼ同じということでございますし、農地庁そのものがドミニカにおける農業の最大の権威でございます。その評価、それを合わせ、さらに念には念を入れてもう一つの調査を行う予定でおります。
○東(順)委員 ということは、ドミニカ政府のこの提案に対して、日本政府として応諾をした、いいですよ、こういう判断を既にしたということですか。その上で、念には念を入れて調査をする、こういうことですか。
○内藤説明員 これは日本政府に対する提案ではございません。当初入られた七十二家族に対する提案でございます。私どもは、その内容を十分把握しておきたいということで調査するわけでございます。
○東(順)委員 そういう何か他人行儀な言い方をなさっておられますが、現地で日本国大使館が、日本人の移住者の皆さんを大使館に呼び集めて、そしてドミニカ政府からのこの提案というものを皆さんに伝えて、積極的にこの問題をあっせんしているではありませんか。ということは、日本国がこの問題に対してしっかりとした責任を持っているがゆえに日本国大使館がそうやって現地で動いているということではありませんか。その上で、ドミニカがこういう提案をしたのだけれども、果たしてその土地はいい土地かどうか。そしてもっと大事なことは、さっきから出ています国内法に則して、本当にその土地をもらえるのかどうか、自分の自由になる土地なのかどうかという問題がある。そういうことも含めて、応諾したのかどうかと聞いておるわけでございます。
○内藤説明員 このドミニカ政府の提案は、ドミニカ政府自身が言っておりますように、かつて十分な土地の提供ができなかった、そういう負い目に対して、ようやく今回果たすことができるということで、移住者に対し直接出されたものでございます。 そこで、私どもは、それはドミニカ政府の大英断であるという評価を基本的にはしております。 ただ、今先生御指摘のようないろいろな懸念も移住者の中にはあります。ですから、現地大使館としても、そういう懸念は基本的には農地庁が解消するよう説明してくれるものと思いますが、そういう農地庁の大英断はできるだけ前向きに検討したらいかがですかということはもちろん言っているわけです。 それにつけ加えまして、いろいろ先生御指摘の懸念につきましても、例えば法律の問題でございますけれども、先ほど来御指摘あったコロニア法、これは既に一九六二年に変更されまして農地改革法になりまして、さらに昨年三月七日には新しい法律もできております。これによりまして、農地が完全な所有権を持つ土地になることができると法律上書いてございます。さらに、農地庁長官がこの点を責任を持って言明しております。
○東(順)委員 では、法改正によって、土地所有は合法である、このように言明されるのですね。もう一回確認しておきます。
○内藤説明員 そのとおりでございます。
○東(順)委員 それでは、提供したいと言っているこの土地に先住権みたいなものを事実上持っている、いわゆる土地を持たないドミニカの貧農の人たちがいる。このニュースを聞いた途端、物すごいブーイングというか、批判のあらしが起こっている。反対のあらしが起こっている。農業四団体が、早速これに対して、冗談じゃないという声を上げておられますね。日本人移住者会に対してこういう文面が来ています。 いろいろ書いておられますけれども、その最後に、「なお、以下に署名する農民組織は日本人移住者が農地庁から土地を譲渡されることになった場合、その対象となる移住者にふりかかる災難などにつき、一切責任を負わない事をはっきり申し上げます。」つまり、自分たちが既得権益を事実上持っているこの土地に日本人の移住者が入ってくるならば、しかもその土地を所有するということならば、どんな災難が起こっても一切責任持たないよ。これは農業四団体、土地なし農民、貧農の皆さんでしょう。農業四団体が物すごい脅迫めいたこういう書類を送りつけてきている。しかも、これは日本大使館にも送っているというではありませんか。 こういう非常に不安定な状況の中で、いいですよというようなことは言えるのでしょうか。ここに住んで、現実に、もし移住者の人がこんな大変な災難に遭ったら、これはどうするのですか。大変な責任問題ですよ。これはどうですか。
○内藤説明員 当該七百五十ヘクタールの土地は、移住者の方もごらんになっているし、大使館も、大使以下みんな見ています。そこにはだれも住んでいません。現にこれは砂糖公社が所有している土地でございます。それを農地庁が譲り受けて、日本人移住者に渡すというものでございます。 さらに、現地の政府の評価としまして、日本人移住者は常に労働のかがみと評価され、尊敬されてきている。ドミニカ国民は、今回の措置が解消をねらった過去の負い目が何であるかよく知っており、この点、理解を得ることは可能であると申しております。 さらに、この十月十二日、例のハリケーンがあの国に被害を与えましたので、この土地を大使館員が視察に参りました。そのときに、その地域に住んでいる農民にこの件を聞きましたら、日本人移住者によるプロジェクトの早期実施を望むとして、日本人の入植につき、特に批判の声は聞こえなかったと。 さらに、先生御指摘の農民団体からの書類でございますが、これはハラバコア市発ということになっておりまして、この土地とははるかに離れた場所でございます。また、農地庁も、この四団体については聞いたことがないということでございます。
○東(順)委員 今の答弁の中に、若干の間違いがありますね。この土地の中に、小屋が建っている。これは農作業の小屋か何か知りません。既に、事実上この土地を使っている土地なし農民の人たちが、芋なんかをここで栽培しているという話も聞いている。それからまた、現地ではマスコミからも大変な反対の声なんかが寄せられている、こういうふうにも聞いております。いずれにしても、大変不安定な状況であることは間違いない。 私が申し上げたいのは、では、外務省は、この農業団体、反対の声を上げている、何が起こるかわかりませんよというようなおどしまで添えて送り込んでくるような、こういう農業団体の人たちに直接会われて、現実はどうなのか、この目で、日本国政府の責任の名のもとにきちっと確認をしたのかどうなのかということ。時間が来ましたから、これ以上述べませんけれども。それから、マスコミの論調なんかをしっかり分析をしたのかどうなのか、そこだけ最後にお答えください。
○内藤説明員 マスコミも、一時ローカルに、しかもそこの場所でないところで記事が出たことはございますが、その後、反響もございません。 それから、農地庁は、問題とするに足らないという評価でございます。 それから、この四団体は、農地庁もわからない四団体ということで、こちらから連絡はとてもとれない団体でございます。
○東(順)委員 いずれにしても、他人行儀な、何だか冷ややかな、我が国の国民が現地に赴いて大変な思いをなさっているわけですから、その熱い、温かい思いと申しますか、人権というものをもう少ししっかり踏まえて、血の通った政策というものをやっていっていただきたいな、今の一連の答弁を聞いておりまして、私はますますその感を深くしました。 時間があったら大臣に、このやりとりを聞かれながらどのように思われたか、しかも大臣は次官のときに、昨年このドミニカ移民の皆様と懇談をされて、これからの善後策をみんなで協力し合っていこうというような意味の発言もなさっておられます、これはぜひ伺いたかったのですけれども、これでやめますが、いずれにしても、この問題はこれからもまた取り組まさせていただきたい、このように思います。 以上でございます。
○中馬委員長 続いて、東祥三君。
○東(祥)委員 続きまして、約四十分間にわたりまして、時間の許される限り、米朝協議の状況、日本の対北朝鮮政策、KEDO支援見合わせの状況、TMD構想、コソボ問題、そして外国人の地方参政権問題等について質問させていただきたいと思います。 初めに、コソボ問題について、政府の認識、そしてまた立場についてお伺いしたいと思います。 時間を省略させるために、背景を説明させていただきたい。昨晩からいろいろな動きが出ているみたいですので、そのことも踏まえた上で、日本政府の立場、そしてまたこの問題に対する認識をお伺いしたい、このように思います。 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州の民族紛争激化に伴って、北大西洋条約機構、NATOは、先月末から軍事介入に向けて臨戦態勢を固めた。米軍を主力に、加盟国は空爆のため数百機の空軍機を欧州各地の基地に続々と集結させて、今月四日までに空爆に必要な部隊配置を完了した。 報道によれば、米国はアドリア海にF14戦闘機など約五十機を搭載した空母アイゼンハワーを派遣、イタリア、ドイツ、トルコなどの欧州各地の米軍基地に配備されている米軍機百機以上に待機命令を出した。アメリカの兵力に加えて、欧州からは、フランスが軍用機約四十機、ドイツがトルネード戦闘爆撃機十四機、英国が戦闘機、ハリアー攻撃機各四機を軍事作戦に参加させる方針を表明した。そして、デンマーク、スペイン、ノルウェー、オランダ、ポルトガルなどNATO加盟国も、戦闘機などを提供する方針を示している。このように報道されているわけでございます。 そして、NATOのソラナ事務総長は、十三日未明、ブリュッセルの本部で開かれた大使級理事会後の記者会見で次のように述べた。ユーゴは九月二十三日に出された国連安保理の決議を遵守していないため、出動命令に踏み切った。このように語り、NATO理事会は、ユーゴスラビア連邦に対する空爆に向けた事実上の最後通告に当たる出動命令、アクトオーダーというのでしょうか、これを発令したと発表した。また、話し合いによる解決の可能性を残すため、十三日朝から九十六時間、四日間の攻撃開始までの猶予時間を付与したが、NATOは、この間にユーゴ側が譲歩しなかった場合、軍事介入に踏み切ることを決めた。発令によって、これまで事務総長にあったNATO軍の指揮権は実戦部隊である欧州連合軍最高司令部に移り、今後は米国のクラーク最高司令官の判断で、理事会での新たな承認を要することなく攻撃開始に移れることになったという報道もあります。つまり、空爆などNATOの軍事行動は秒読み段階に入った。 しかし、昨日から事態が急変しつつある。クリントン大統領は、その後、緊急記者会見を開いて、コソボ紛争に関する声明を発表した。ミロシェビッチ・ユーゴ大統領が、同日までに、一、コソボ地域からの軍、治安部隊の即時撤退を求めた国連安保理決議の完全実施、二、実施状況監視のための国連査察の受け入れ、三、コソボのアルバニア系住民の暫定自治に関する協議の開始に同意したことを明らかにした。つまり、NATOの空爆が迫る中、ミロシェビッチ氏が土壇場で大幅に譲歩した。そしてまた、クリントン大統領は、ミロシェビッチ大統領の約束が最終的に履行されるかどうかには大きな疑問が残ると述べた上、実際にユーゴ連邦軍、セルビア治安警察部隊が完全撤退するまでは厳しい監視を続けていくとして、引き続いて軍事行動をとる態勢を維持する方針を強調した。 また、守られない場合には、直ちにNATOがセルビア治安部隊への空爆を開始すると警告した。九十六時間の猶予期間が設定され、この間にユーゴが即時停戦などを求めた国連安保理決議一一九九を遵守しなければ、即時に空爆に踏み切る可能性が依然として残っている、こういう状況が報道されているわけです。 現段階における状況認識において、何か進展がありますか。今私が申し上げた事実認識でよろしいでしょうか。
○西村(六)政府委員 ただいま先生がお述べになられました現時点におきます事実認識に、おおよそ相違はないと思います。 今先生がおっしゃられましたような段取りを経まして、ミロシェビッチ大統領が一定の決断をした、その結果といたしまして、直ちにNATO軍による攻撃が行われる、そのプロセスが不可逆的に進行するというような事態には至っていないというのが現状でございまして、全体的な動きとしましては、今先生がおっしゃられたようなことであると私どもも認識をいたしております。
○東(祥)委員 そこで、外務大臣に質問です。 ミロシェビッチ大統領はなぜ土壇場で譲歩したと思われますか。
○高村国務大臣 いろいろな要素があると思いますが、一つは、NATOの空爆があるかもしれない、それを避けたいということが一つの大きな要素であったことは間違いないと思います。
○東(祥)委員 外務委員会でもこの問題を取り上げるのは初めてだと思うのですが、どうも国際政治の現状を見るにつけ、とりわけ冷戦構造が崩壊した後、多くの方々はやはり理想的な方向に行くのではないのか、他方においては、十九世紀的世界に戻ってしまうのではないのか。その冷戦構造崩壊後の状況をどのように認識し、どのように分析し、それをどのように現状を深く把握していくかということにおいて、まだまだ議論が足りないのかもわかりませんが、こういう状況を見ている限りにおいて、国際政治の現実というのはやはり私たちが理想としている方向とはまだまだ違う状況にあるのかな。 ある意味で、国際政治における武力行使を通して問題を解決していってはいけないという動きがある一方、他方、問題を解決していくためには武力行使を背景にした上での解決策を求めていかなくてはいけない。パラドキシカルに見えるわけですが、この点については、外務大臣、どのように認識されていますか。
○高村国務大臣 現実問題とすれば、武力を背景としたことによって物事がいい方向に解決していくということはあるということは事実だと思います。
○東(祥)委員 報道から散見できることですけれども、また類推できることだと思うのですが、米国はユーゴ大統領に対する根深い不信を引き続いて抱いておって、ミロシェビッチ大統領が今回の合意を守ろうとしなかった場合に、空爆を認可する部隊編成命令についてNATOの承認を求めております。アメリカの当局者は、我々はミロシェビッチ大統領を信頼していない、銃に弾を込めておくことが大切だ、このようにロイター通信によって述べられております。 日本政府はこの動きに対してどのような立場をとられているのか、どのような認識をとっているのか。この点について、外務大臣、いかがですか。
○高村国務大臣 日本国自体は、日本国自体が武力の行使もしくは武力による威嚇、そういったものを通じて国際紛争を解決することはないという、これは憲法で、これは我が国自体がやるということでありますが、そういうことはないということは憲法で宣言をしているところであります。 そういう国がこういう問題にどう対応するのかというのは、現実的に最も有効なことがどういうことであるかという、そういったことの中で、大変難しいことでもあるわけでありますが、現時点で日本政府として言えることは、ミロシェピッチ大統領がまさに国連決議をきっちり守って、そして平和的に解決することが一番望ましい。現時点で言えることはそういうことであります。
○東(祥)委員 ロシアは、セルビア人の民族感情を刺激してバルカン半島全体を不安定にするという立場をとって、空爆には明確に反対しております。この見方に対して日本政府はどのような意見をお持ちですか。もしできることならば、外務大臣にお願いします。
○高村国務大臣 日本国政府とすれば、あくまでボールはミロシェビッチ大統領の方にあるので、その国連決議を完全に履行してほしいと現時点で願っている、こういうことでございます。
○東(祥)委員 外務大臣がアメリカの高官と、国会でいろいろ手足を縛られてしまっていますから、なかなかアメリカの高官とすぐさま会うということは想定しにくいわけですが、いろいろな会合で当然アメリカの高官とお話をされる、そういう場合がある。当然、アメリカにおいて、そのときに、コソボの問題に関して関心が高いとするならば、そこで外務大臣の見識を多分問われるのではないのか。そのときに、外務大臣としてどういう発言をされるかという角度で私は聞いているのです。 日本政府の立場というふうに言いますが、これは何が何だかさっぱりわからない。ロシアが、もし米英を中心とする空爆をしようとするならば、彼らは明確に反対だと言っているわけです。外務大臣ならば、それに対してどういうふうにお答えになるのですかと僕は聞いているのです。答えられないということですか。答えられるか、答えられないのか。答えられないならば、理由はどういうことなのかということなのだろうと思うのです。
○高村国務大臣 アメリカ側からわざわざ私の見解を聞くかどうかということは非常にそういう可能性はないのだろうと思いますが、むしろロシアが言っているように、いかなる場合でも空爆はないということをこちら側から申し上げることもない、こういうふうに思っております。
○東(祥)委員 ロシアの反対で国連安保理で新たな決議の採択が難しいことから、米英両国は即時停戦とそれが実現されない場合の追加的措置を促した九月二十三日の国連安保理決議一一九九を根拠にして空爆を実施すべきとの判断に至っていると僕は推察します。日本政府は、この決議は武力行使の根拠になると見ているのかどうなのか、いかがですか。
○西村(六)政府委員 今先生が御質問になられました点につきましてお答えすることは若干難しいのでございます。 なぜ難しいかと申しますと、空爆が現に行われていない状況であるからでございます。仮に空爆が行われたとしまして、現にどういう状況で行われたのかということを承知しない時点におきまして、その軍事的な行動がどういう法律的な意味づけを持つのかということを議論することはなかなか難しいのでございます。この点はぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。 したがいまして、今先生が御質問になられました安保理決議との関係におきましても、現にその状況が起こっていない時点において、これが根拠になるのかどうかということについて確かなお答えをすることはできないことを御理解いただきたいというふうに思います。
○東(祥)委員 お立場をよく理解するので、聞き分けがいいので、僕はすぐ引き下がりますけれども、コソボ問題に関して日本政府は何か具体的にやりましたか。
○西村(六)政府委員 コンポの問題の非常に深刻なことは私ども非常によく承知しているつもりでございまして、我が国としてコソボの平和、和平を実現するためにできることは何であるかということは、私どもの部内で非常に検討した次第でございます。 その結果、少なくとも経済的な側面におきまして、難民の支援、難民に対する救援活動といったようなことができるのではないかというふうに考えまして、外務省の審議官を派遣いたしまして調査をさせたところでございます。その結果に基づきまして、具体的に何らかの形で和平が実現し、ないしはそういう展望が開かれる状況におきましては、難民を支援するという形で行動をとりたいというふうに思っております。 それから全体としまして、我が国は、国際社会の一員といたしまして、この問題が国連の決議に基づいて平和的に解決されるべきであるということは累次の機会におきまして述べておりまして、私どもの国の意見としましてそのことを公表してきている次第でございますので、そういう面におきまして、政治的な役割といいましょうか、国がやれる政治的な立場を表明することによりまして和平の解決に協力しているということは、もう一つ申し上げることができるのではないかと思います。
○東(祥)委員 外務大臣、いつの場合でも日本政府というのはそうです。今欧亜局長が言われた視点、何か問題があると、問題が平和的に解決されることを期待していると。これは意見でも何でもないのですね。 すべての人は、関係者も含めた上ですべての国は、武力でもって問題を解決しょうと思っている人ってだれもいないんじゃないでしょうか。問題を平和裏に武力行使なく解決するようにとみんな思っているんじゃないでしようか。それは意見なんでしょうか。いかがですか。
○高村国務大臣 みんなが思っていても、意見は意見だと思います。
○東(祥)委員 外務大臣がそのような意見を持っているわけですが、僕はそれを意見とは言えないと思います。 それでは、基本的に日本のありさまといいますかありようが、まさに外務大臣、日本政府の発言を通してあらわれていて、結局何が何だかわからない。結局その場しのぎでもって、どこに目を向けているのかよくわかりませんけれども、常にこういう形でもって進んでいかざるを得ないのかなと、じくじたるものを感ぜざるを得ません。 ところで、米朝協議の現状についてお伺いしたいと思うのですが、今、米朝協議の状況はどういう段階にあるのでしょうか。
○高村国務大臣 八月二十一日から九月五日まで米朝間で協議が実施されて、十日合意に至ったことが発表されたわけであります。この合意の結果、さらに一連の米朝協議が行われているわけであります。 米朝テロ協議においては、米国は、米国のテロ支援国家リストから北朝鮮を削除するために北朝鮮がとらなければならない措置を説明しております。その中で、テロ防止関連条約への加盟問題や、あるいは日本人拉致問題を取り上げたと承知をしております。 米朝ミサイル協議におきましては、米国は、ミサイルのさらなる発射、開発及び輸出などのミサイル活動が米朝関係改善に極めて否定的な影響を与えるということを述べたと承知しております。また、近く四者会合の第三回本会談が予定されております。来月初旬には、米国が懸念を有している北朝鮮の特定の地下建設物について米朝協議が検討されているというふうに承知をしております。 我が国としては、これら一連の米朝協議において、米国が我が国の意向をも踏まえ、しっかりと北朝鮮側の建設的対応を要求していくものと考えておりますが、我が国としても、このような米国の努力を支持しつつ、引き続き北朝鮮に対して前向きの対応を求めていく考えであります。
○東(祥)委員 ミサイル協議において、北朝鮮の代表は、自国の置かれた特別な状況を考えればミサイルの開発や配備は必要だと。そしてテポドンの発射についても、宇宙の平和利用は長年の政策であって人工衛星の開発もそのためだ、今後も衛星の打ち上げは続けると。 彼らが言う衛星、我々が言ういわゆるテポドン発射、それが弾道ミサイルだということですけれども、これはずっと続けるというふうに言っているということは、情報としては入っているのですか。
○高村国務大臣 おおむねそのように言っていると承知しております。
○東(祥)委員 そうすると、次のいわゆる北朝鮮へのKEDOの問題と、また僕はリンクして話をせざるを得ないわけです。 きょう外務大臣と玄葉議員のお話をじっくり聞かさせていただいておりました。そのときに外務大臣は、あくまでもKEDOの枠組みを崩さないということが前提の上で、戦術的な対応をとって当面見合わせることにしたのだと、戦術的というお言葉を使いました。そして、その戦術的な対応は韓国にも理解していただいている、米国にも理解していただいていると。 でも、戦術的な対応をとったのは、米国に理解してもらうためにとったのでなくて、韓国に理解してもらうためにとったのではなくて、あのKEDO見合わせというのは北朝鮮に対してとったんじゃないですか。私はその話を聞いていてこんがらかってしまいました。もう一度整理してお話ししてくださいますか。
○高村国務大臣 第一義的には強いメッセージを北朝鮮に出すためであります。そして、それと同時に国際社会にも、日本はこういうときには強い毅然とした態度をとるよというメッセージを出しました。そして、戦術的対応をとったことを国際的に理解されないような戦術的対応を日本はとるべきでない、こう思っているわけでありますが、そういうことを理解してもらうということは極めて大切なことだと思っております。
○東(祥)委員 前の委員会でも外務大臣に申し上げました、あくまでもKEDOというのは手段だ、北朝鮮に核開発をやめさせる手段だと。これは理解していただいていると思うのです。 その手段であるKEDO、これを米国、日本、韓国、そして一部をまたヨーロッパの国々に参加していただいて、KEDOの枠組みを担保していけば、当初の目的である北朝鮮の核開発を除去することができるということですよね。そうであるとするならば、本来この弾道ミサイルが飛んでこようが飛んでこまいが、関係ありませんね。 しかし、現実にはまさに核開発と密接不可分なのかもわかりませんけれども、まさに長距離の、日本の全主要都市を包含する、射程距離内にある弾道ミサイルを開発してしまった。これは日本の安全保障上極めて脅威ですよね。したがって、北朝鮮に対して明確に日本の意思を表示したんじゃないですか。その時点で、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するということは、今までなかったシナリオにプラスアルファされたんじゃないですか。その結果として、そもそもKEDOの枠組みに合意していく前提が崩れたんじゃないですか。この点についてどうですか。 戦術があれば戦略があるはずですから、戦略は何なんですか。
○高村国務大臣 短期的にとめることがKEDOの枠組み自体を崩したというふうには考えておりません。
○東(祥)委員 そうではなくて、短期的だとか中長期的だとかいうことではなくて、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して、日本は、極めて安全保障上脅威なものを北朝鮮がしかけた、北朝鮮は、日本から伝わってくる情報をもとにして、何ら自分たちの耳に入り得るような貴重な意見を吐いている人たちはだれもいない、このように言われているのでしょう。まさに、日本が戦術的な対応をとったとしても、北朝鮮に対して何ら私たちが望む方向には行っていない。北朝鮮の思惑どおり、日本の足元を見られた上で、日本は何を言っていたとしてもKEDOの枠組みは崩さないよ、このように、彼らは戦略上ちゃんと日本の対応を頭に描いて、高村外務大臣の思考形態をよく理解した上で反応しているのじゃないですか。いかがですか。
○高村国務大臣 私は極めて単純でありますから、だれにでも簡単に思考形態が理解されるだろう、こう思っていますけれども。 ただ、日本の対応、そのことによって北朝鮮がミサイルを発射した後にさらに日米安保条約のコミットメントがきっちり再確認されるとか、あるいは日米韓の結束がきちっと固まるとか、そういう進展もあり、そして、ミサイル協議がずっと行われてきていなかったわけでありますが、そういう中でミサイル協議が、その中にもちろんいい返答、我々が評価すべき返答はなかったわけでありますけれども、ミサイル協議が曲がりなりにも行われ、そして、それが打ち切りにならないで次もまた行うということは、日本が強い態度をとったことも一因となってそういうことが起こっているかと思います。 我々に一番大切なことは北朝鮮がミサイルを持たないことでありますが、万々が一ミサイルを持って、そして戦略配備されても、日本列島に絶対攻撃は加えられないということでありまして、そういうことのためには、やはり日米安保ということをきっちりしていく、そこが揺らぐようなことになっては絶対いけないということはまずある。そういうことについては、日本が強い態度をとったことが、また日米安保をきっちりさせているということにも一つつながっている、こういうふうにも思っております。 そしてまた、アメリカがミサイル協議できっちりと、日本の主張も踏まえた上で、現時点では北朝鮮から何にもいい答えは引き出しておりませんが、強く要求をしている。それは、ミサイル協議だけではなくてテロ協議などについても同様のことが最近起こっているということはあるだろうと思います。
○東(祥)委員 高村外務大臣、日本の厳しい態度が、北朝鮮をして、今後も衛星の打ち上げを続けますよという言葉を引き出しているということですか。僕は全く理解できませんけれども。
○高村国務大臣 今後も北朝鮮が衛星の打ち上げを続けますよということを引き出したなどということを私は言った覚えは全くありません。やめるという答えは引き出せなかったものの、それまで途絶えていたミサイル協議が行われるようになった、さらに引き続いて行いましょうという約束はできましたねと。それが日本が厳しい態度をとったからだけでそうなったなんということを言うつもりはありませんけれども、そういう状況も一因になっているということは考えられるところであります。
○東(祥)委員 外務大臣、外務大臣の基本的な認識を僕はお伺いしますが、KEDOの枠組みというのは九四年に始まっているのですよ。九四年のときに、北朝鮮は核開発をあきらめるということで出発したのですよね。もしそういうことができるならばということで出発したのですよ。そして、その間、まだ核の施設疑惑、これだってありますよね。解明されていませんよ。そのときはテポドンの話というのはまだなかった。テポドンはそれにプラスアルファされた要素なんですよ。枠組みの前提が変わっているのじゃないですか。 高村大臣は、KEDOの枠組みを続行していけば北朝鮮の核開発を本当に防げると断言できるのですか。絶対にという言葉を先ほどおっしゃっていましたけれども、安全保障に絶対になんというのはないじゃないですか。
○高村国務大臣 安全保障に絶対ということはありません。断言できるのですかと聞くのは、絶対になどということは安全保障にないということを理解している人の言葉とは思えない。
○東(祥)委員 僕の申し上げているのは、KEDOの枠組みを維持していくことによって、今の段階でですよ、北朝鮮から核開発を断念させることができるという確信があるのですかということを、認識を問うているのですよ。 九四年当時と今の時点というのは、いい方向に行っているのですか。核開発に対して北朝鮮は、日本には言わないにしてもアメリカに対して明確に、クリントン大統領をして、北朝鮮は当初言っていたとおり、当初自分たちが考えていたとおり、核開発の疑惑を払拭できる状況になりつつあるという方向に前進しているのですかということを聞いているのですよ。それにプラスアルファ、弾道ミサイルが飛んできているではありませんか。したがって、枠組み合意の前提それ自体が覆っているのではありませんか。それを克服する、そうではないと言える論理を僕に教えてくれますかということを言っているのです。
○高村国務大臣 ミサイルの話、それはプラスアルファだとおっしゃいますが、ミサイルの話よりも核疑惑施設の方がKEDOの枠組み自体に関連する話でありますから、ミサイルの話はプラスアルファだということは、こっちの方が重いということは先生と私は同じ意見だろうと思います。核疑惑施設の建設というものは確かにあるのです。それについては、日本も心配しているし、韓国も心配しているし、アメリカも心配しているのです。心配していることによって、アメリカは十一月初旬早々にもそのことの査察に入る、そのことの協議をしよう、こういうことを言っているわけです。 ですから、これをやっていけば一〇〇%核開発を阻止できる確信があるかといえば、まさに委員がおっしゃったように、安全保障に絶対はないのです。絶対はないのだけれども、今、日本がとり得る唯一の手段は、核開発を抑えるですよ、それはKEDOなんでしょう。KEDO以外ないのです。アメリカにはあるかもしれません。アメリカにはほかのもう一つの手段があるかもしれないけれども、日本自身がとり得る手段というのは当面KEDOしかないのです。絶対ではないかもしれません。これしかないとすれば、このKEDOの枠組みの中でやはりその疑惑を解消してやっていくという方針をとらざるを得ないのではないかというのが私の考えでございます。
○東(祥)委員 九四年当時の論理であるならばそれで説得できたかもしれませんということを僕は申し上げているのです。九四年から四年以上の歳月がたち、今おっしゃっているKEDOの枠組みしかないというその考え方が正しいと思われますかということです。 別の言葉で言えば、玄葉委員とお話をされていた質疑応答の中で僕ははっと驚いたことは、あくまでもKEDO支援、資金提供当面見合わせは戦術的対応だ、したがって、KEDOの枠組みそれ自体は崩さないということを前提にして戦術的に対応した、このように高村大臣は明言されていましたよ。ということは、北朝鮮から見るならば、日本というのはKEDOの枠組みをがんじがらめに押さえているのだ、したがって、どんな挑発をしたとしても何をやったとしてもそれはその場限りで、日本は頭にきてかっとしてくるかわからないけれどもじき忘れるよ、したがって、心配することないよ、そういうふうに見るのじゃないですかということを僕は申し上げているのですよ。 そうじゃないのじゃないですか。高村大臣が戦術的対応と言ったその瞬間、まさにKEDOの枠組みそれ自体の前提が崩れ去ってしまっているのじゃないですか。日本が何をやろうとしたとしても、北朝鮮は、アメリカさえ押さえておけば必ず日本はそれに同調してくる。今くしくもおっしゃいました、日本だけでは何もできません。本当ですか。KEDOの枠組みが崩れているのではないのか。アメリカとお話をして、その上でどうすればいいのか。 今、当分の間、KEDO支援見合わせを解除するなんということは、僕はできるはずがないと思いますよ、何回も言っているとおり、諸条件が全然変わっていないのですから。北朝鮮は、明確に、米朝ミサイル協議においても、弾道ミサイルを発射し続けると言っているじゃないですか。その発射によってKEDOの資金提供を見合わせたのですから、彼らがやり続けるということを言っている限り、資金提供見合わせの解除をするということは、できる根拠は全くないのじゃないですか、いかがですか。
○高村国務大臣 多分委員も同じだと思いますが、私は、北朝鮮という国が、核を持った北朝鮮、ミサイルもそうですけれども、ミサイルと核を持った北朝鮮と近くに同居していることは極めて嫌だと思っています。嫌だとすれば、核についてはこれはやめてもらわなければならないのです。やめさせる手段というのは、やはり交渉によってやめてもらうか、そこをぶったたいてやめさせてしまうかしかないわけです。ぶったたいてやめさせてしまうという手段は日本は持ってないのです。少なくとも日本自体がやるという力はないのです。そうだとすれば、話し合いでやめてもらう以外にない。話し合いでやるということの一つの枠組みがKEDOという一つの枠組みなのです。これに今日本とすれば期待をかける以外にない。 委員が言っているみたいに、断言できるかとか言われても、それは安全保障に一〇〇%はないかもしれないけれども、できるだけ確率を高めるように、核施設の査察とか何だとか、そういうこともやれるような条件を整えながら、そして確率を高めていって、ともかく北朝鮮に核開発をさせない、そういうことが何よりも大切なことだと思います。 それは、そこが同じように確保できるのであれば、私は委員の言っていることはよくわかるのですよ。そんなの日本人ならだれだって、謝りもしない、あるいは再発防止も約束しないのに何でお金出すのだというのは、それはよくわかった感情でありますから、私も感情がありますから、そういう感情を持ってないことはない。だけれども、そのことによって核を持っている北朝鮮と一緒に住まなければいけない確率が少しでもふえるのであれば、そういうことはやめた方がいいのではないかというのが私の考えであります。
○東(祥)委員 交渉しか問題の解決の道はないのはおっしゃるとおりですよ。しかし、交渉のその手口を高村大臣言っているのですよ、戦術的対応だと。枠組みを変更する、そういうつもりは全然ないと言っているのですよ。これは交渉じゃないじゃないですか。 さらにまた、ぶったたくという、そういう選択肢はない、僕の言葉ですけれども、済みません、それは本当にないのですか。こちらから攻撃はしかけられませんよ。しかし、まさに自衛権の定義によれば、急迫不正の侵害を受けたならば、それに対して攻撃することできるじゃないですか。問題は、前に安全保障委員会において議論しているとおり、その能力さえ日本は持ってないのですよ。でも、やられたらやり返すことはできるのですよ。おまえやるならば必ずやるよ、そういう状況をちゃんと整えておけば、それは相手はびくつきますよ。その選択肢をどうして高村外務大臣は排除しているのですかということを僕は聞いているのですよ。 その選択肢はないのですか。あるのですよ、ちゃんと。もし政府の高官が、外交官、外務大臣が、防衛庁長官がちゃんと詰めて議論をしていけば、必ずその選択肢というのはあるはずですよ。それがなければ、北朝鮮はやりたい放題ですよ。違いますか。
○高村国務大臣 委員がこの委員会で自主防衛の方向を目指して極めて論争的な質問を行っていることを、私はそれなりに評価をするわけであります。 ただ、法理的に、座して死を待つことなく、我々はたたかれたら基地をたたき返すことができますよということと、現実問題として今の自衛隊にそんな能力はありますかということと、それではどのくらい時間をかけて、どのくらいお金をかけて、そして国民を説得して、それができるかどうか、やるべきかどうかという、それは大きな問題ですが、少なくとも今の政府は、そんなお金をかけて相手をぶったたく、北朝鮮がおっかなくて核開発をやめるほどの自主防衛力を持とうということは、今の政府は考えておりません。
○東(祥)委員 高村外務大臣、僕は自主防衛だとか言ったことは一つもありませんよ。 日米安保体制のもとでしか機能できないということは基本的に同じなのじゃないですか。ただ、基本的な考え方として、日本が何かあったときに日本独自でちゃんと対応できるというものをアメリカに見せておかなければ、アメリカは絶対日本を助けてくれませんよということを僕は常に外務大臣に申し上げているのですよ。テポドンが飛んできたときに防衛庁長官はどこかへ行ってしまっている。安全保障の最高責任者が、日本の国民と生命財産を預かる人間がどこかへ行ってしまっているわけですよ。こういう国を助けると思いますかということを僕は言っているわけですよ。それはまさにこの間議論したとおり、ないのですよ、長い足が。 しかし、そのときに、もしやられたならばちゃんとやり返す、したがって、F15あるいはF2に空中給油機をちゃんと配置するということを言われているじゃないですか。その覚悟がない限り、どこの国だって助けてくれるはずないでしょうと。 もしアメリカが日本を助けてくれるとするならば、アメリカの世界戦略上、日本がまだ使えるという段階においては助けてくれますよ。しかし、自分たちの国を守るために自国の国民が本当にすべてをなげうって戦うという意思を表明しない国に対して、どこの国が守ってくれますか。それが同盟関係でしょう。そのことを僕は言っているのですよ。高村外務大臣が言われていることには誤解が物すごくあると思いますけれども、僕は、自主防衛で中国やアメリカと同じように武装せよだとかいうことは一度も言ったことはありませんよ。 時間が来ましたから、これ以上言うと中馬委員長に怒られますので、これでやめさせていただきますが、また同盟関係について次は質問させていただきます。よろしくお願いします。
○中馬委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 外務大臣に、前回の委員会の終わり際の質問にちょっと結末をつけておきたいのですが、米軍の低空飛行について、米軍とどのような交渉をしているのかどうか。特に早明浦ダムでの事故報告書で確認をされました百五十メートル以下の飛行について、政府はこれを抗議したのかどうか、それに対して米軍はどのような意思を表明したのかということが一つです。 それからもう一つは、伊豆沼の上空を低空飛行した、当時の小渕外務大臣の言葉で言えば、F16とおぼしき軍用機の飛行についてですね。これは防衛庁も外務省も米軍に確かめて、米軍は飛んでいないと。しかし、写真を見ればもうF16に間違いがありません。それから写真も撮られております。米軍でなければ国籍不明機だということで、我が国にとっては重大な事態だと思いますが、これについて外務省はどう考えているか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 何点かあったので、ちょっと落とすかもしれませんが、とりあえず御答弁いたします。 米軍の低空飛行問題の日米交渉の経過がどうかということでありますが、政府といたしましては、米軍が飛行訓練を行う場合において最も重要なことは安全対策であると認識しており、飛行に際しては安全対策に万全が期される必要があると考えているわけであります。 こういう観点から、本年二月の日米合同委員会での話し合いを受けて、五月より実務者会合をこれまで五回開催いたしました。低空飛行訓練の安全性確保のための種々の具体的方策について協議を行っております。また、九月にニューヨークで行われた日米安全保障協議委員会、2プラス2でありますが、において私から、在日米軍と地域社会がよき隣人関係を構築することの重要性を指摘した際、低空飛行訓練を含む個別事項における着実な前進が重要である旨述べたところであります。 この低空飛行問題について、できるだけ早く両方で見解がまとまりますように、米軍との話し合いの作業を加速させたい、こう考えております。 それから、早明浦ダムの事故報告書を受領後に、平成九年五月八日、当時の北米局審議官から在日米軍副司令官に対し、本件事故を指摘の上で、最低安全高度を守り事故の再発防止に万全を期するように申し入れたわけであります。 これに対して米側は、かかる事故を繰り返してはならないとの日本側の認識を共有する旨述べているわけであります。また、我が国の公共の安全に最大限の考慮を払い、国際基準を遵守し、また、我が国の航空法に言う最低安全高度を尊重し、規定された高度以上で飛行している旨種々の機会に表明しているわけであります。 右は、在日米軍が本年四月に発出したプレスリリースでも明らかにされているところであります。 それと、F16とおぼしき飛行機による低空飛行の事実をどう考えているかということでありますが、宮城県伊豆沼での未確認飛行機による低空飛行事実の確認については、防衛施設庁仙台防衛施設局から在日米軍三沢基地に対し米軍機の飛行事実の有無の照会を行って、同基地から仙台防衛施設局に対し米軍機は伊豆沼上空は飛行していない旨の回答がなされたわけであります。 この点について、既に、政府の機関である防衛施設庁仙台防衛施設局より在日米軍三沢基地に照会の上、回答を得ていることにかんがみ、改めて外務省から調査ないし米側に確認することは考えていないわけであります。この点、三月十一日の衆議院外務委員会において、当時の小渕外務大臣から、既にこの問題は決着を見ている旨答弁しており、十月二日の衆議院外務委員会においても、私から、これ以上調査することは考えていない旨述べたとおりであります。 以上であります。
○松本(善)委員 米軍の低空飛行の問題は、アメリカでもそれからイタリアでも飛行ルートは明らかになっているし、高度は何メートル以下は飛んではいけないということになっている。そのことを要求するということが問題です。そのことが決められていないということが、日本が植民地と同じではないかという批判を受けているところなんですね。 今の外務大臣の答弁では、その点については何ら要求していないということになるのではないか。確認だけしたいと思います。その二点は要求していないのですね。飛行ルートとそれから高度を決めろ、これ以下は飛んではいけないということをちゃんと決めろということを米軍に要求していないんですね。
○高村国務大臣 飛行ルートを明らかにしろということは要求をしておりません。 高度については、日米地位協定第十六条において、在日米軍の我が国の法令尊重義務が定められているわけでありまして、在日米軍はこのような一般的義務に従って、低空飛行訓練の際、国際基準を遵守し、我が国法令を尊重している旨累次の機会に述べており、実際にも最低飛行高度に対する規則を含め、これは、人口密集地は三百メートル、その他の地域百五十メートルでありますが、我が国法令に自発的に従っている等、安全面に最大限の配慮を払っている、こういうことでございます。 これはNATOの地位協定も全く同じでありまして、在日米軍は我が国の法令尊重義務、これをきっちり定められているわけでありますから、これを尊重する義務がある、こういうことであります。
○松本(善)委員 この問題では、飛行ルートを公表するということを求めていないとか、尊重義務はありますけれども、やはり我が国として、これ以下を飛んではならないということを、米軍を拘束するものをつくるべきだ、その点が植民地的だ、こういうふうに言われている点で、私はそれが何ら解決していないと。先ほど来も日本の主権の問題が言われておりますけれども、その一つだと思うんです。私は、こういうことが当たり前だということになっている日本の事態というのを本当に遺憾に思います。 これだけをやるわけにいきませんので、もう一つF16の問題。これは私は米軍の飛行機だと思いますよ、軍用機だと。だけれども、米軍は否定をしておる。米軍の否定しているのは事実に反すると思います。しかし、そのとおりだとするならば、国籍不明機が日本の上空を飛んでいるということなんです。それを黙っていていいということなのか。 私は、外務省はこれについてこれ以上はやらないと言うけれども、これは本当ならば総理大臣に聞いてもいい、日本の国の安全の問題としてどう考えるのかという問題です。外務大臣、答えることがあれば答えてほしいが、直接のこの問題についての当事者は防衛庁ではないかと思います。防衛庁から答弁を求めたいと思います。外務大臣、あればやってください、なければ防衛庁。
○高村国務大臣 今の問題に特にないんですが、駐留軍と接受国の関係で、日本が植民地的であるとすれば、少なくともこの高度の問題に関する限りはNATOの諸国すべて植民地だ、こういうことだと私は思っています。
○大越政府委員 お答えをいたします。 防衛庁は国籍不明機を識別していないのかという御質問でございますけれども、防衛庁は、外国の航空機が、国際法規あるいは航空法その他の法令の規定に違反しまして我が国の領空に外から侵入したときにこれに対して必要な措置をとるということでございまして、領空内を飛行しているすべての飛行機について、その国籍等について確認をしているわけではございません。
○松本(善)委員 この問題について、やはり私は日本政府の態度というものが、本当に日本の主権を守るという態度に立っていないから、これはもうあいまいなままで平気でいるのですよ。私はF16の問題にしても、この低空飛行の問題にしても、そういう問題だと思います。外務大臣、日本は別にほかの国と比べて大したことはないと言うけれども、イタリアは六百メートル以下は飛んではいけないということになっているのですよ。少なくもイタリアよりも以下であります。 私は、これをまた改めて何かの機会にやることがあると思いますが、きょうは那覇軍港の問題を少しやりたいと思います。 その前に、沖縄の女子高校生のひき逃げ事件、先ほども問題になりましたが、これは沖特で古堅議員がまた後からやるので指摘だけのことにとどめますが、ひき逃げは殺人未遂、場合によっては殺人になる理論的可能性があり、そして実際上そういう判例もあるのです。決して軽々に扱うべきものではないです。私は、この問題はどうしても地位協定を変える、改定をするということを本気で考えなければならぬ問題だという指摘だけをして、那覇軍港の移設問題を聞きたいと思います。 一昨々年の五月十一日の日米合同委員会で、那覇港湾施設特別作業班の勧告が承認をされましたが、その内容についてお聞きをしていきたいのです。 那覇軍港の面積五十六・八ヘクタールに比べて移設先は三十五・三ヘクタールと面積が少なくなるということを言っておりますけれども、新たな桟橋の機能は牧港の補給基地と一体になるわけだから、大変基地としては強化をされる、補給基地のすぐそばに軍港ができるわけですから、補給基地としては非常に強化をされるということになると思いますが、その点についてはどのように考えていますか。 お答えになる方が出てこないようですけれども、日米合同委員会でこういうことを決めるときに、一体、基地機能はどうなるかということを考えもしないでやっているのですか。私はまことに不思議でたまらないですよ。これはどうなるのかということが即答できなければならぬはずですよ。お答えいただきたい。そんな無責任なことをやっているのかね。
○竹内政府委員 先生、まことに恐縮でございますが、私ども質問の内容について、この点について承知しておりませんでしたので、調べて御返答差し上げたいと思います。
○松本(善)委員 こういうことは、ちゃんと外務省と防衛施設庁が「那覇港湾施設の移設について」という文書を発表しているわけですよ。そして図もちゃんとできているのですよ。図は、牧港の補給基地のすぐそばに移設するということになっている。これを決めておいて、一体、基地はどういうふうになるのかということを答えられない、即答できないというのは、私はもう本当に信じられないような無責任なことが日米合同委員会で行われているというふうに思わざるを得ないです。調べて答えると言うなら、後から聞きます。 新たなバースにはどんな施設が考えられるのか。例えばコンテナでの輸送が米軍の主力になっておりますが、現在、那覇軍港にはありません。新たな施設にはコンテナの積みおろしができるクレーンなどの設備をつくることになるのではないか。お聞きしたいと思います。
○新貝政府委員 突然の御質問でございますので、担当者が来ておりません。後から調べまして回答したいと思います。
○松本(善)委員 こんなことを細かく質問事項が出なければ答えられないという態度でこの日米合同委員会に臨んでいるということ自体が、私はもう大問題だと思うのですよ。それはもう許されないことですよ。これは、質問でもこの那覇軍港の移設は基地の強化になるのではないかということを聞くよとはっきり言っているのです。そのことを、何も一つ一つ質問の中身は一問一答で聞かれなければ答えられないなんて、そんなばかなことはないですよ。一体、何のための外務省なんだ、何のための防衛庁なんだ。私は、もう本当に日本の政府はどうなっているんだと思います。これも答えられないということなんだ。 那覇軍港の水深は九・七メートルあるということが、ここに持っていますが、アメリカの太平洋艦隊情報センターの港湾調査資料でそうなっております、九・七メートル。今度移設されたところは水深が十五メートルある、自然に。そうだとすれば、大型艦船が接岸できる施設ということになります。例えば、空母でいえば、横須賀を母港にしたキティーホークの喫水は十一メートルであります。これも米軍の資料で明らかです。十一・三メートルぐらいですかな。これは那覇軍港には入れなかった。しかし、新たな施設では接岸できる、こういうことになるのではありませんか。
○新貝政府委員 先生、大変申しわけありませんが、そういった問題についてきょう質問があるということを我々全く知りませんで、担当の者が来ておりません。したがって、後日お答えしたいと思います。
○松本(善)委員 私は、だから先ほど来言っているように、こういうことが、一つ一つちゃんと聞かなければ準備ができないということでこういうような協定がなされている、日米合同委員会に日本政府は出ていっているということの証明なんですよ。こんなことは絶対許されないと私は思います。これはもう明らかに基地機能は強化をされます。 それじゃ、もう一つ。この外務省や防衛施設庁が出している文書にもありますが、新たな施設には隣接する約五十メートルの制限水域をつくるようになっています。これはアメリカの艦船の専用を保障するための措置なのかどうか。これは文書にちゃんと書いてあるんだから、今度は答えられるでしょう。
○新貝政府委員 繰り返して大変申しわけありませんが、担当の者が来ておりませんので、また、そういう質問が出るということを我々承知しておりませんでしたので、また後日にお願いいたしたいと思います。
○松本(善)委員 防衛施設庁の総務部長ならそのぐらい知っていなければいけないね。これはちゃんと書いてあるのですよ。防衛施設庁や外務省の共同の署名で出している文書にちゃんと書いてある。それが米軍の専用なのかどうなのか、それを防衛施設庁がわからないと。本当に驚くべきことですよ、これは。この中身を知らないでやっているのかということなのですよ。 それでは聞きますが、これは共同使用があり得るのか、米軍専用ではなくて共同使用があり得るのか。それも答えられないか。外務大臣、どうです。
○高村国務大臣 それは、これから要望等を聞いて決めていくことでありまして、現時点でまだ答えられることではありません。
○松本(善)委員 外務大臣、これをお読みになりましたか。日米合同委員会、五月十一日付の外務省と防衛施設庁の出している文書は読んでおられますか。
○高村国務大臣 読んでおりません。
○松本(善)委員 そういうことでしょう。これを聞くということになっているのですよ、きょうは。五月十一日の日米合同委員会の合意について聞くということをはっきり知らせているのです。それは制限水域があるということを含むと書いてあるのです。それはこれから決めることだなんということ、そんな無責任なことありますか。何のためのこの日米合同委員会。もうアメリカの言うとおり、はいはいと言ってやってきたということですか、これは。私はまさかこんなことになるとは思わなかった、きょうの質問が。驚くべきことですよ。あなた方にこれをさらに突っ込んで聞いてもしょうがないみたいですから、さらに聞きます。 先ほど言いましたように、新たなバースは水深も深いし近代設備も施すことができる。そうすると、アメリカの艦船のバース利用はふえていくと思うのですよ。それで、今までの那覇軍港の使用頻度をはるかに上回るということになると私は思うのですけれども、いかがでしょうか。それも答えられませんか。
○竹内政府委員 那覇港湾施設の移設の問題につきましては、かねてからの懸案でございまして、いろいろな話し合いが行われているところでございますので、今後の取り扱い、見通しということについては、今ここで申し上げることは困難だろうと思います。
○松本(善)委員 日本の国民に責任を持っている政府ならば、これはどういうことになるのかということを考えて、そして、これは日米合同委員会で取り決めをするべきですよ。それは、一言も答えちれない。そんなばかなことはないですよ。そして、日米安保共同宣言では、米軍のプレゼンスの強化を期待したような表現がいっぱい出てきます。実際はそういうことになるのですよ。今私が具体的に言いましたような事実はそのことを証明しています。 これが、新ガイドラインで、いわゆる周辺事態でということになりますと、これは那覇港の中に軍用施設ができて、一緒に使うわけですから、それはもう民間港湾まで使用することになる。那覇新港の拡大の一部分にされている。周辺事態になると、アメリカの艦船がいっぱい入ってきてバースを使用する、そうするとアメリカの艦船が港湾全体を事実上占拠するようになる。これは、港湾管理者は民間船舶の利用を確保するためにアメリカの艦船の入港を拒否したり制限したりすることができなくなるのじゃないかと思うのですが、どうですか、できますか。
○竹内政府委員 お尋ねは、いわゆる周辺事態が起きた場合の特定の施設・区域の機能がどうなるか、民間の港湾施設の利用がどうなるかというお尋ねであろうかと思いますが、その点は、まさに、いかなる事態が生じ、またいかなる運用上のニーズが生ずるかという将来の問題でございまして、御質問のような仮定の状況について今ここでお答えするということはできないと思います。
○松本(善)委員 冗談じゃないですよ。周辺事態になったら日本の国民はどうなるかということは、日本の政府が責任を持って、いや、こうですということが言えなければならぬのですよ。あなたは、それはわかりませんと。そんなばかなことは私はあり得ないと思います。もう本当に無責任な政府だということを言わざるを得ない。聞いてもむだ。もう何というか、むなしい気がしますね、これ。 周辺事態法九条で協力を求めたりしたら、民間船は、民間の港としてはもう一切使えないですよ。これはもうそういう事態になるのじゃないか。本当に重大なことだと思います。私は、こんな状態はもう絶対許されることではないと思う。 外務大臣、きょう全体を聞いておられて、どう思われますか、あなた。私は、子供に聞くみたいな、一つずつの質問をレクするなんということはしませんよ、そんなことは。だけれども、この文書について聞くのだ、これは基地機能の強化になるのじゃないかという観点で聞くのだということははっきり伝えている。それを、一言も答えられない。防衛庁には、だれが答えるのか、関係の者が来るようにということを言ってあります。私は、そういう態度で日本の安全の問題を、むしろ安全ではないよ、そういう態度で処理をしているのは本当に驚くべきことだと思います。 外務大臣、何とお考えです、きょうのやりとりを聞いて。あなたは総責任者です。直接の細かい点は、それは政府委員にやらせてもいいかもしれませんけれども、少なくも、那覇港湾施設の移設についてということは、外務省が責任を持って決めているのですよ。あなたのときではないかもしれないけれども、決めているのです。その問題について国会で質問をされるということについて、この文書も読んでいないというのはどういうことですか。あなた、どう思っています。
○高村国務大臣 私が文書を読んでいないことについて、正直申し上げて、文書を読むだけの時間が全くありませんでした。睡眠時間を三十分ぐらいにすれば読む時間もあったかもしれませんが、申しわけございません。
○松本(善)委員 国会というのは国権の最高機関ですよ。外務大臣にせよ、外務省の政府委員にせよ、これは最大の仕事の一つです。それについては綿密に準備をしなければならぬはずです。今のこんな態度で那覇施設の移転を決めているというのは、もうとんでもない話だ。 厳しい抗議をして、私は質問を終わります。
○中馬委員長 防衛庁、外務省は、今の松本委員の質問に十分に答えておりません。再度、よく質問の内容等をもう一度精査して、改めてお答えするように申し入れておきます。 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 大臣、朝からの長い議論でございまして、また、激しいやりとりも随分ございました力お疲れかと思いますが、私で最後でございますし、今国会の最後の委員会でございますので、しばらくお尋ねをさせていただきます。 まず伺いたいのは、同僚議員からも質問ございましたが、沖縄における少女ひき逃げ事件、海兵隊員によるひき逃げ事件の問題でございます。私は、この問題の知らせを聞きましてから、さまざまの東京あるいは沖縄の報道を注意深く見ておりますけれども、本当に胸が痛くなる思いがいたします。 というのは、九五年の夏から秋にかけましたあの大変な不幸な事態がございました。村山内閣の当時でございまして、もちろん連立与党の当時でございました。いろいろな議論を与党間でも交わしまして、そして御推挙をいただきまして、急速沖縄問題についての与党のプロジェクトチームを設置しようということになりまして、不勉強ですが私が座長を務めまして、自民党の中山太郎さんとかいろいろな方々と御協議いただきまして、本当に真剣にやった思いがございます。夜遅くそういう関係者で総理公邸を訪れまして、外務大臣や防衛庁長官や官房長官にお集まりを願って、夜中まで議論して、そんな結果として、設置をされている、沖縄県知事を含めました沖縄協議会を設置するとか、さまざまな努力を懸命にやりましたし、また、モンデールさんとかまたペリー長官とかいろいろな緊密なやりとりなどもあった経過でございます。 また起こったのかというふうな思いでございまして、胸が痛くなる思いがいたしますし、またこういう問題はないように、沖縄の将来のためにも、我が国の将来のためにも、アジアの将来のためにも努力をしなくちゃならぬという思いを深くいたします。そういう気持ちも込めながら、そういう気持ちは御同席の沖縄の同僚議員とも同じ気持ちでございますけれども、そういう気持ちを持ちながら二、三お伺いしたいと思います。 まず第一は、なぜ起訴前に身柄引き渡しができなかったのかという問題であります。 先ほど来、大臣のさまざまな御説明を承りました。そういう事実経過があったと思います。それから官邸の方でも、官房長官の翌日からの御発言などでも、身柄引き渡しを早期に求めるのかどうかということに関連したさまざまな御発言もございましたし、いろいろな御相談もあったことだと思います。 ただ、私は、九五年十月二十五日の日米合同委員会の合意、それから、あそこに至る日米間の協議、それを受けとめるみんなの気持ち、あるいは国会におけるあの内容についての御説明などの経過からいたしますと、当然国内ならば即身柄拘束の事件ですから、と同じようになされるというのが筋であろうというのが、あの経過と合意文書の気持ちであり、あるいは日米でなされるべき迅速な対応ということではなかったのか。 七日の早朝に起きた不幸な事件であります。昨日、十三日の夕方になり起訴があり、身柄引き渡しが行われました。この間の経過を考えますと、沖縄、現地の新聞をずっと、けさも読んでおりましたら、差別だというふうな言葉遣いもございましたが、やはりこの経過というのを振り返ってみて、これでよかったのかという思いをするわけでございまして、事実の経過の御説明ではなくて、やはり迅速に国内で発生する事件と同じような処理がとられるというのが私どもが今なすべき気持ちではないだろうかと思うのです。ここまで、もう身柄拘束しておりますが、気持ちとしてはどうお考えになりますか。
○高村国務大臣 大変痛ましい事件でありますし、遺憾なことであるという感じは全く同じでありますし、それから沖縄県民の人たち、あるいは日本国民全体と言ってもいいと思いますが、そういう感じ方を持っているというのは、それは当然のことなのだろう、こういうふうに思います。 ただ、地位協定でアメリカ人であったから身柄拘束されなかったかというと、これは米軍によって拘束されて、どっちによって拘束されるかという、特殊の立場にいる日本に駐留している米国人、米軍の軍人、そういった被疑者をどちらが身柄を確保するかということにおいて、日本に裁判権がある事件については起訴前と起訴後で分けて、原則的には起訴前は米軍ということにして、しかし、一定の場合においてこちらで身柄引き渡し要求ができるということで処理されているわけでありますが、今度の場合において、我々は当初、身柄引き渡し要求することあり得べしということで、そういう態勢で検討に入ったところ、相手方が、米軍側が極めて捜査に協力的であって、しかも捜査が極めて迅速に行われて相当早く起訴が行われて、その結果、日本側に身柄が引き渡されるという見通しもあったわけでありますから、そういう中で今度のようなことになった、こういうふうなことであります。
○伊藤(茂)委員 それならば、重ねてお伺いしましょう。 八日の段階、翌日ですね。報道を見ておりますと、沖縄警察がその海兵隊員の身柄を拘束している米憲兵隊に引き渡しを求めた、憲兵隊の方は、それは日米合同委員会で協議する問題であるという回答であった。二、三紙、同じ内容が報道されておりますから、ほぼ事実ではないだろうかというふうに思いますが、それでは、なぜ、日米合同委員会あるいはかわる緊急な日米協議という中でその行動を起こされなかったのかどうか。これは、沖縄県やあるいは沖縄警察ではなくて、まさに外務省の問題であろうというふうに思いますが、いかがでしょうか。 私は、それらを見ましても、何か、九五年の亡きには、政府も、与党、あるいはモンデール前大使もスリーアニマルズという言葉をお使いになりましたね。アメリカ社会では大変な言葉だったと思いますが、本当に真剣にこういうことがない時代をつくらなくちゃならぬ、そういう気持ちでいたなということを振り返ってみても思うわけでございますけれども、冷めているのじゃないかと思わざるを得ない。この合同委員会についてのアクションというのはどうしてやらなかったのでしょう。
○高村国務大臣 警察側がこの種の事案について、逮捕状をとり、そしてそれを執行しょうとするのは当然のことであります。その行為がいわゆる地位協定上の身柄引き渡し要求ということではないのだろうと思うのです。 そして、さらに、そのことによって捜査ができにくいとかいう状況があれば、今までの例であっても、警察庁側から外務省に対して、地位協定に従って身柄の引き渡し要求をしてくれ、こういうことを言ってきているわけで、そうしてやった場合もあるわけでありますが、今度は、外務省の方に警察庁からもそういう要求があったということは承知しておりませんし、それは、現実の問題として、アメリカ側が捜査に協力をして、そして被疑者立ち会わせて実況見分もできた、それから被疑者の取り調べもできた、そして被疑者は一貫して自白をしていた、そういうことで、警察当局においてもその時点で身柄引き渡し要求をする必要がないと考えたのだろう、これは私の推測でありますが、そう考えております。
○伊藤(茂)委員 米側の協力ということはある意味では当然のことでございまして、それをしなかったら大変なことですから、さまざまな意味で沖縄警察の捜査に対し協力をするというのは、これはやはりどこの国でも当然のことだろうと私は思います。 それ以上に、やはりルールの問題というわけでありまして、今の大臣の言葉からしますと、私はどうしても地位協定の問題、先ほど大臣の御答弁の中で、NATOのケース、ドイツのケースなどと同じ内容で日米地位協定がつくられている、また運用されているというふうな趣旨の御答弁が二回、何か私、耳に聞こえました。私は愕然としました。 NATOの地位協定の場合と日本の場合と、さまざまな差があるんですね。さまざま前から議論のある問題であります。同じなんというのはとんでもない話でありまして、この問題につきましては、先ほど申し上げました、不肖私が座長も務めさせていただきましたプロジェクトチームでも、地位協定の問題が当時大議論になりました。 それでは、NATOの場合、ドイツの場合、韓国の場合、どうなんだろうかということを一生懸命みんなで勉強いたしまして、与党のチームとしてドイツにみんなで勉強に行こう、いろいろな事情も聞こうというようなこともやり、どうしても私の都合がつきませんでしたので、中山さんが何人かで勉強にいらっしゃったという経緯がございます。 与党のプロジェクトチームとしての、日本の場合と、NATO、ドイツの場合の違いについての詳細な一覧表の資料もつくってございます。ですから、同じだという解釈というのは、これは全然事実と違う。もちろんそれについては、NATOとドイツとのかかわり、それから日米安保の運用などにおける日本のかかわりなど、いろいろな違いの面もあるわけですが、事地位協定に関しましてはさまざまな議論が長年続いている。その違いをどう考えるのかということは、これは議論としても、認識としても、国際法学者の定説になっているわけでございまして、その点は、先ほどの御答弁が同じだとすれば、私は違うと思いますが、いかがでしょう。
○高村国務大臣 私は全く同じだと言ったつもりはないので、もしそのようにお聞きになったとすれば、私の言い方が悪かったんだと思います。 例えば日米地位協定とボン協定の比較、ドイツの場合でありますが、一概に論ずることは困難でありますけれども、被疑者の拘禁の移転に関しては、日米地位協定がボン協定に比べて我が国にとり不利な取り扱いになっているということはない、むしろ逆だろうと私は思っております。 というのは、ボン協定では、米軍当局が被疑者の身柄を取り押さえた場合、米軍当局が行う被疑者の拘禁は判決の執行のときまで、こういうことになっています。我が国では、公訴の提起のときまでということでありますから、そういった点では、我が国の方が有利だということも言えるわけであります。 また、米軍当局がドイツ当局からの拘禁移転の要請に対して、特定の場合には好意的配慮を払う旨の規定がありますけれども、この特定の場合とは、スパイ活動だとかテロ活動だとか国家の存立を脅かし得る場合と理解されていて、非常に狭く解釈されているという点でも、日本の方が、その特別の場合は広いのではないかな、こういう感じを持っております。 私が言いたかったことは、独立国だから、その国の駐留軍人であっても、全部それを日本がすべて拘禁するのが当たり前だということには世界的になっていませんということを申し上げたかったので、みんな同じだと言ったということではありません。
○伊藤(茂)委員 大臣、そこは、私どもも、自分の党としても、また与党のときにも、今野党としても、いろいろなさまざまな勉強は絶え間なく勉強しているつもりでございます。 文章上のこともあります。文章上のことでいうならば、例えば十七条関連の問題にいたしましても、文章にはこう書いてあります、全然その精神になっておりませんという問題もございます。それから、例えば火事が起きた場合とか郵便の場合とか、あるいは立ち入りの場合とか、先ほど出ました低空飛行のケースもそうなんですが、いろいろなことについても非常に違った、演習などの地域の使用についての規定なんというのは、えらく違います。 いろいろなことがあるわけでありまして、この点は、あの九五年以来の経過、それから、専門ですから、前々から外務省担当の局、課は御承知のとおりでありますから、やはり前向きの検討をずっと続けるようにしていただきたいと思います。 そこでお願いしたいのは、九五年の問題の後、沖縄県から幾つかの要望がございました。そして、閣僚を含めました協議をするとかいう形もつくりまして、その形だけは残っているということになっているわけであります。その中の幾つかの長期の展望などの問題がございますが、その中の一つに、沖縄県から地位協定の改定についての具体的な要望が出されております。その中身について、当時与党間で詳しく話も聞きまして、いろいろな意見交換なり議論もいたしまして、また、政府、外務省の方とも、こういうことをどう考えたらいいんだろうかというふうな議論もいろいろとやった覚えがございます。何か最近は、沖縄との関係も非常に難しくなって、大変これも頭の痛い、胸の痛い問題なんですが、そういうことも全然何か念頭から去っているんじゃないかというふうな気持ちがいたします。 私の持論なんですが、那覇、東京、ワシントンと申しましょうか、あるいはさらにアジアと申しましょうか、どういういい時代を将来つくれるのかということを常に念頭に置きながら国としての外交努力をしなくちゃならぬという前提で考えるわけであります。そういうことも念頭に置きながら、沖縄から出されている地位協定の具体的な要望、まさかロッカーに入っちゃってかぎをかけておしまいではないと思いますけれども、やはり、絶え間なくそういうことも真剣に検討して努力をするということをやるべきではないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○竹内政府委員 今御指摘の点につきましては、一つは、SACOの作業として、地位協定の運用の改善ということで、事故報告の点でありますとか、日米合同委員会合意の公表とか、米軍施設・区域への立ち入り手続の点であるとか、それから米軍公用車両の表示、ナンバープレートの問題であるとか、それから任意自動車保険への加入等々、いろいろなことで具体的な改善策を努力しているところでございますけれども、今後とも、そういう努力は続けていくべきものと思います。
○伊藤(茂)委員 そういう姿勢でやっていく、もう忘却のかなたでもないし、ロッカーに入れて終わりというわけでもないし、そういう勉強なり議論なり意見交換をやはり真剣にやりながらやっていく。大臣、よろしいですね。
○高村国務大臣 そのようにやってまいります。
○伊藤(茂)委員 この問題でもう一つだけ要望がございます。 やはり、こういうことを繰り返さない保証、大臣、米国大使と即お会いになったことも伺いましたが、また、フォーリー大使からも意思表示があったことを伺いましたが、やはり、繰り返さない、ないように努力しますということが何遍か繰り返されながら、復帰後だけでも数千件にわたりこれは繰り返されている。九五年のときにも、大田知事にお会いしましたら、一番最初に、また起こったかという気持ちでしたということでございましたが、起こさないための現実の押さえと担保の方法は何かということをもっと真剣に考える。2プラス2がいいのかどこがいいのか知りませんが、努力をなさるということだと思いますし、日本側の方からの真剣なそういう努力に対してはやはり、米側も必ず私は誠実に応ずるであろうというふうに思うわけであります。 それから、そういうことを含めまして、やはり、当面と申しましょうか今後のことを考えますと、司法への対応は司法が中心になっておやりになるということになるでありましょうし、この間に日米間でこういう問題をどうするのかという議論もやはり誠実にまた真剣になされなければならないという問題もありましょうし、やがてはお元気になられるように、その高校生の娘さんのことを本当に私も思いますけれども、補償の問題とかいろいろな問題もございます。最大限の誠意ある努力をなさるということが必要ではないかと思いますが、最後にいかがでしょう。
○竹内政府委員 御指摘の点について最大限の努力をすることは当然だと思います。
○伊藤(茂)委員 時間になりましたから、終わります。
○中馬委員長 先ほどの松本委員の質疑に関し、答弁不十分な点がありました。政府より再度発言を求められておりますので、これを許します。防衛施設庁守屋施設部長。
○守屋政府委員 防衛施設庁の施設部長でございます。 先ほど先生から那覇港湾の移設の問題について質問がありました際に、私が不在いたしましてお答えできませんでしたこと、大変申しわけなく思っております。 それで、那覇港湾の移設先としまして、平成七年五月十一日、日米合同委員会におきまして、那覇港湾施設特別作業班の勧告を承認したということでございますが、その勧告の内容は、先生よく御承知のとおり、現在の那覇港湾施設が約五十六・八ヘクタールございますけれども、これを三十五・三ヘクタールに縮小しまして、那覇港湾計画浦添埠頭地区内に移設されることを条件としているということでございます。それから、牧港補給地区と新しい港湾施設とを結ぶ進入道路が提供される。それから、新しい港湾施設には、隣接する約五十メートルの制限水域を含む。これは、現在那覇港湾におきましてもやはり五十メートルの制限水域が米側に提供されておりまして、同じ考え方で提供しようということでございます。 それ以外の細部につきましては、日米間で合意していることは何もございません。 以上でございます。
○中馬委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 委員長並びに同僚委員の各位がこういう機会をつくられたことは適切だったと思いますし、私は感謝をいたします。 しかしながら、今の答弁はお話にならないのですよ。これは全部五月十一日の日米合同委員会の「那覇港湾施設の移設について」という文書を読んだだけです。もう全く、委員長のせっかくの配慮に何にもこたえていない。 今は、防衛庁の政府委員室に、私の聞いたことはこういうことだがと改めてちゃんと言っているのですよ。それがこういう事態。私は、今の答弁のみならず、根本問題は、外務省と防衛庁が日米合同委員会に出ていって、このことについて本気で考えないでこのことをやったのだということを、この合意が基地強化になるという問題についての検討その他全くなしにこういう合意をしていたのじゃないか、それが何ら答えられないという形で証明されたのじゃないか。私はもう極めて遺憾で、これはもう話にならないです、もう一回ちゃんと準備し直して、改めて機会をつくって質問したいと思います。
○中馬委員長 本日の質疑はこれにて終局いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十四分散会