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143回国会衆議院1998/09/02

外務委員会 第2号

発言数
204
登壇者
16
会派数
6
開催日
1998/09/02

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  この際、高村外務大臣並びに町村外務政務次官及び武見外務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣高村正彦君。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 このたび外務大臣に就任いたしましたので、中馬委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつをさせていただきます。また、この場をおかりして、外務政務次官を務めておりました際に本委員会の皆様から賜りました御指導と御協力に深く感謝をいたします。  まず、今般の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、我が国の安全保障、北東アジアの平和と安定、大量破壊兵器の拡散防止という観点から極めて遺憾であり、厳重抗議の意を表明いたします。既に北朝鮮に対して直接申し入れを行ったところでありますが、今後も事態の推移を注視するとともに、厳しい対応をとることとしております。  外交においては、その継続性が重要であります。私は、外務政務次官としての経験、また、これまで築かれてきた日本外交の成果を十分踏まえながら、我が国の外交政策を預かる者として、使命を全うすべく全力を尽くす決意であります。  基本的な外交姿勢としては、引き続き、日米関係を基軸としつつ、ロシア、中国、韓国など近隣諸国との関係の強化に努めてまいります。また、アジア太平洋をめぐる地域協力や国連などにおける国際社会共通の課題への取り組みに積極的に参加し、アジア太平洋、ひいては国際社会全体の安定と繁栄の確保に向けて、より好ましい国際環境の醸成に貢献していきたいと考えております。  インドとパキスタンの核実験後、核不拡散及び核軍縮の推進が緊急かつ重要な課題となっております。我が国は、世界で唯一被爆経験を有し、核の悲惨さをだれよりも強く認識する者として、引き続き、核不拡散体制の維持強化、核軍縮の一層の進展に向け、積極的な外交努力を重ねてまいります。  また、昨年来のアジア各国の通貨・金融市場の混乱に対しては、我が国は、これまでもIMFを中心とする国際的な枠組みを基本としながら、真剣に対応してまいりました。今後とも、我が国経済の一日も早い回復を目指すとともに、アジア各国の経済回復のため、できる限りの支援を行い、主導的な役割を果たしてまいります。さらに、ロシアの金融市場の混乱を含む世界経済の動揺についても、関係各国と緊密に連携しつつ対応してまいります。  今日、国際社会はさまざまな困難と不透明感に覆われております。そのような中、我が国が担うべき責任はますます大きくなってきていると認識しております。日本の安全と繁栄を確保するためにも、我が国は、世界全体の平和と安定に向け、一層積極的かつ誠実な役割を果たしていかなければなりません。私は、小渕総理も訴えてこられた国民とともに歩む外交の基礎のもと、リーダーシップのある外交を進めていきたいと考えております。その際、国民の皆様の御理解と御支援を得ることが不可欠であり、その観点からも、本委員会での御議論は極めて重要であります。  何とぞ、委員の皆様の御指導と御協力を引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、外務政務次官町村信孝君。

町村信孝自由民主党外務政務次官

○町村政府委員 このたび外務政務次官に就任をいたしました町村でございます。衆議院外務委員会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。  冷戦構造の崩壊後、国際社会はそれにかわる新たな国際秩序の構築にはいまだ至っておりません。今、世界は、冷戦終結に伴う新たな挑戦として、地域紛争の頻発、大量破壊兵器の拡散、対人地雷、テロなど、人々の生命、安全を直接脅かす問題に直面いたしております。一昨日の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、こういった挑戦が我が国の身近で現実のものとなっていることを示していると考えております。政府といたしましては、本件を極めて重大に受けとめており、厳しい対応をとることとしております。  環境、人口など、人類の将来に深くかかわる地球規模の問題が以前にも増して深刻化していることも見過ごすことができません。その中で、地球環境に重大な影響を及ぼす気候変動の問題について申し上げれば、昨年の地球温暖化防止京都会議を受けて、今月半ばに東京で非公式閣僚会合が開催されることとなっております。この分野では、日本がこれまでさまざまなイニシアチブを発揮しており、このような会合の機会をとらえて引き続き責任ある役割を果たしていくために、私としても最大限の努力をしてまいる所存であります。  この新たな秩序を模索していく時代に、アジア太平洋地域、そして世界の安定と繁栄に多くを依存している我が国が、みずからの安全と繁栄を確保し、国民の豊かで安全な生活を実現していくためには、外交を一層多角的、重層的に進めていく必要があります。すなわち、日米関係を初めとする二国間関係の強化、各種地域協力の推進、先ほど述べました種々の問題を初めとするグローバルな課題への取り組み等を広い視野を持って実行していかなければなりません。  私は、これまでのみずからの経験も生かしつつ、高村大臣を補佐いたしまして、外務政務次官としての使命を全力で果たしてまいりますので、何とぞ本委員会の皆様方の一層の御指導と御協力をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、外務政務次官武見敬三君。

武見敬三自由民主党外務政務次官

○武見政府委員 このたび外務政務次官に就任いたしました武見でございます。  我が国外交政策についての私の考えは、ただいまの高村大臣及び町村次官のごあいさつと全く軌を一にするものでありますが、特に、北朝鮮による今般の弾道ミサイル発射については、我が国の安全保障、北東アジアの平和と安定等の観点から極めて遺憾であり、厳重抗議の意を表するものであります。  私からは、政務次官就任以来携わりました幾つかの件につき皆様方に御報告をさせていただき、あいさつとさせていただきます。  去る七月、秋野豊国連タジキスタン監視団政務官が殺害されるという痛ましい事件が起こりました。このような犯罪行為は絶対に許すわけにはまいりません。私は、先月同国に赴き、タジク政府首脳、反政府勢力関係者と会談をいたしましたが、双方が一致協力して犯人の逮捕、処罰を行う旨の決意が表明されました。政府としましては、タジキスタンの和平に尽力された秋野政務官の御遺志に報いるためにも、同国の和平プロセスの進展に向け可能な支援を行うとともに、国連要員等の安全確保に向け引き続き努力をしてまいる所存であります。  また、私は、南太平洋フォーラムとの域外国対話に出席するため、先月ミクロネシア連邦に赴き、太平洋島嶼国の首脳、閣僚との対話を行ってまいりました。太平洋島嶼地域は、我が国にとって国際社会での支持基盤として、また、資源の供給地として重要であり、引き続き同地域との関係を強化してまいります。  以上、簡単ではございますが、御報告申し上げ、私のあいさつにかえさせていただきます。私といたしましても、外務政務次官としての職務を全うすべく、引き続き力の限り取り組んでまいる所存であります。本委員会の皆様の御指導、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、前第百四十二回国会から継続になっております深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣高村正彦君。     ―――――――――――――  深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約の締結について承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 ただいま議題となりました深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成六年六月にパリで開催された国際会議において作成されたものであります。  この条約は、深刻な干ばつまたは砂漠化に直面する国が砂漠化に対処するために国家行動計画を作成し、実施すること、そのような取り組みを先進締約国、国際機関等が支援すること等について規定するものであります。  我が国がこの条約を締結することは、地球環境問題に関する国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。  よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますよう、お願いいたします。     ―――――――――――――

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、質疑に入るのでありますが、外務大臣から北朝鮮のミサイル発射問題に関して発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣高村正彦君。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 御承知のとおり、今般の北朝鮮のミサイル発射は、我が国上空を通過して三陸沖に弾着した可能性があるとの点で、我が国の安全保障に直接かかわる極めて憂慮すべき事態であります。また、本件は、北東アジアの平和と安定及び大量破壊兵器の不拡散の観点から極めて遺憾であると考えております。  このような観点から、政府としては、今般、対北朝鮮政策を再検討し、毅然とした厳しい対応をとる必要があると考え、今後、米韓両国とすり合わせを行いつつ、以下のとおり、米韓との協議の緊密化、国連における対応、日朝関係における対応、KEDO、我が国の体制整備のおのおのについて、以下の措置をとることといたしました。  まず、米韓両国との協議をより緊密に行います。この中では、日米間のハイレベルを含めたあらゆるレベルの意見、情報交換を実施することのほか、韓国との間で、昨日の千容宅国防部長官と私及び防衛庁長官との会談に続き、今後、明三日訪日予定の洪淳瑛外交通商部長官と私との間で意見、情報交換を行います。さらに、従来より実施している日米韓三者協議をレベルを上げつつ早急に開催することのほか、九月下旬の国連総会の機会に大臣レベルの日米韓三者協議の開催の可能性を探りたいと思います。  国連での対応については、安保理及び総会においてしかるべき形で問題を提起する可能性を探求いたします。  日朝関係における対応については、あらゆるレベルで北朝鮮側に遺憾の意を伝えて厳重抗議し、説明を求めると同時に、ミサイルの開発・輸出の中止を求めてまいります。国交正常化交渉にはこれまで無条件に応ずる用意があるとしてきておりますが、当面は交渉の開催に応ずることは見合わせる方針に変更いたします。対北朝鮮食糧支援は当面見合わせることといたします。北朝鮮の動向次第では、政府全体でさらなる措置につき検討することといたします。  KEDOについては、米韓両国と緊密に連携の上、当面進行を見合わせることといたします。  また、我が国の体制について、緊急時における情報会議の開催等関係省庁間の連絡体制の一層の強化を図り、また、画像衛星活用についての調査等我が国独自の情報収集能力を高める具体的方策を検討していきます。  我が国防衛政策との関連では、弾道ミサイルの防衛システムについては、その技術研究につき引き続き検討していくとともに、指針関連法案等についてはその早期の成立、承認を期待いたします。     ―――――――――――――

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉川貴盛君。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 ただいま委員長から御指名をいただきました自由民主党の吉川貴盛でございます。何分にも外務委員会初めてでございまして、特に外交関係に対しましては素人でございますので、言葉に語弊があったり、御迷惑をかける点があろうかと思いますが、お許しをいただきまして、質問をさせていただきたいと存じます。  砂漠化に対処するための国連条約の質問の前に、ただいま高村外務大臣からも御報告がございました北朝鮮によるミサイル発射の関係につきまして、幾つか外務大臣あるいは防衛庁に問いたいと存じております。  まず最初に、「北朝鮮から発射された弾道ミサイルが我が国土を飛び越え、三陸沖に着弾したことは、我が国の安全保障上、極めて由々しき事態であり、全国民とともに強い怒りをもって厳重に抗議する。この北朝鮮の行為は、北東アジアの平和と安定に重大な脅威を与え、国際社会全体に緊張をもたらす暴挙である。これによって国威を発揚しようとする狙いなら、実に愚かな行動というほかない。」これは、昨日我が党の幹事長が出された談話の一部でございます。  そこで、最初に大臣にお伺いをいたしたいのは、八月三十一日十二時七分ごろこの弾道ミサイルが発射をされたというふうに聞いているのでありまするけれども、今日までの日本政府がとってきた対応も含めて、さらにこの事実を、それぞれ国民の皆様に経緯を含めてメッセージを外務大臣から送っていただきたいと思うのであります。なぜならば、国民は大変な恐怖感を持っているものと思われます。ふんまんやる方ないという言葉はもう通り越えて、私は、この恐怖感に対して、外務大臣として国民に安心感を与えるためにも、この八月三十一日以降今日までの経緯や、あるいは今も報告がございましたけれども対応等々を、メッセージとしてぜひ外務大臣の言葉としてお送りをいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 委員が御指摘になったように、今般のミサイル発射、このことは、我が国自身の安全に大変な脅威を与えるとともに、北東アジアの安全保障、平和と安定に対して大変深刻な事態である、あるいは大量破壊兵器の非拡散ということに対する挑戦にもなりかねない、こういうことで、官房長官からこのことについて厳重抗議する意思表明をいたしましたが、外務省といたしましても、国連の代表部におきまして北朝鮮の方に直接抗議を申し入れているところであります。残念ながら、それに対する北朝鮮側の対応は、我が国の防衛政策についていろいろ非難するということで、このことについては何ら回答はなかった、こういうような状況であります。我が国としては、これからもアメリカ、韓国と緊密な連絡をとりながら、この問題に対して厳重な対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。  発射以降の種々の事実関係については、もし必要であれば政府委員からお答えをさせます。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 大臣から御答弁、概略ございましたけれども、三十一日に官房長官のコメントをとりあえず発出いたしまして、北朝鮮に対してもニューヨークで申し入れを行ったわけでございます。  また、とりあえずの措置として、たまたま同日調印の予定でございましたKEDOの経費負担の文書、その署名を見合わせるという措置をとりあえずとった次第でございまして、また昨日、総理のもとで、関係閣僚が集まられて、先ほど大臣から御説明のございましたような当面の対応策を決定した、こういうのが発射後の政府のとった主な措置でございます。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 外務大臣から国民にメッセージを発していただきたい、こういうふうに申し上げましたのは、もう一つには、きのう運輸大臣が閣議後の記者会見で、民間機が七機飛行中だった、こういうような発表をなさっているのですね。このことはまた後ほどお伺いをしたいと思いまするけれども、民間機が七機飛行中だったということは、私、新聞記事で知ったわけでありまするけれども、本当にそら恐ろしい気がいたしました。このミサイルの発射がよくもこの民間機に当たらなかったなという、その安堵感でいっぱいでありまするけれども、そのことについては後でお伺いいたしますけれども、そういったこともあるものでありますから、ここで外務大臣に、国民に対して安心感を与えるためのメッセージをということで、最初に質問させていただいたところであります。  次にお伺いをいたしますけれども、ミサイルの発射の意図と申しましょうか、ねらいは何だったのでしょうか。  私から幾つか申し上げさせていただきますけれども、九月五日の最高人民会議における金総書記の国家主席選出に向けた国威発揚なのかな。あるいは、軍中心体制下で、軍部の金総書記への祝賀と忠誠のあかしなのかな。あるいは、食糧危機など、北朝鮮国内の不満をそらすねらいもあったのかな。あるいは、外貨獲得の手段としてのミサイル開発の一環だったのかな。また、米朝高官協議等の対米交渉において交渉を有利にするための戦術の一環でもあったのかな。私なりに考えたことでありまするけれども、外務大臣としては、この北朝鮮の弾道ミサイル発射について、いかなるねらい、意図があったのか、どのようにとらえられていらっしゃいますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 委員が御指摘になったこういう意図ではないかという点は、いずれもそれなりの根拠はあるのだと思いますけれども、直ちに政府としてこうだと断定することは適当でないと現時点で思っていますし、北朝鮮側にこのことについて厳重に抗議するとともに、その意図も含めて説明を求めていきたい、こういうふうに思っております。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 なかなか大臣としては、私の指摘に対しましてそのとおりであるということは言えないのはよくわかりますが、これから外交ルートを通じて、ただいま答弁いただきましたように、これはもう厳重に、抗議というよりも、これをやらせないこと、もう二度とミサイルを発射させないことをやはり我々は考えるべきではないでしょうか。いつまでも切り札として北朝鮮にミサイルを使わせることは非常にまずいことではないかというふうに私は思いますし、未然に防ぐ環境をやはり整えていかなければならぬのではないかというふうに思います。  ミサイル発射によって明らかになった事実を申し上げます。北朝鮮が我が国の全土を射程圏内におさめるミサイルを開発したということでありましょう。さらにもう一つ、これは大変残念なことだと思いまするけれども、米軍の情報で我が国が対処したことや、予想される着弾点の明示がおくれたことなどから、極めて我が国のミサイル防衛の脆弱さを私は露呈したのではないかというふうに思っております。  きのうも安全保障委員会で論議になっておりましたけれども、米国が我が国に対して共同研究を求めている戦域ミサイル防衛、TMD構想の実現を求める声が強くなってきているのではないかと私は思うわけでありまして、この辺のことにつきまして、防衛庁、きょうおいでいただいておりますね、このTMD構想の実現について御意見、きのうの防衛庁長官の答弁も踏まえてお話をしていただければというふうに思います。  それと、私が今二つのことを申し上げました。射程圏内におさめたミサイルを開発したこと、それから着弾点の明示がおくれたことなどミサイル防衛の脆弱さを露呈した、それに対して防衛庁として何か御意見がありましたら、言っていただきたいと思います。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 今回の北朝鮮の弾道ミサイルの発射に関します情報の把握という点からまず御説明を申し上げたいと思います。  この北朝鮮の弾道ミサイルの発射に関しましては、三十一日十二時過ぎに、早期警戒情報によりまして、この発射の事実それから日本海中部に弾着の可能性、こういう情報に接しているわけでございまして、これを一般に公表する、こういう措置をとったところでございます。  その後、いろいろな情報から、太平洋側に弾着した可能性もあり得るという情報が入ってまいりまして、これにつきましては、我が方、八月中旬より、北朝鮮側でいろいろな動きがあり得るのではないか、こういう情報も踏まえまして、我が方の艦船あるいは航空機による監視体制を強化しておったところでございます。こういう我が方の情報も踏まえまして、この太平洋側、三陸沖に弾着した可能性ありということを我が方としても確認をいたしましたので、これをその日に発表させていただいた。  その後、昨日でございますが、そのほかさらに分析を進めました結果、昨日の夕刻、私どもから公表させていただきましたが、今回のミサイル発射に伴いまして、弾着が三点あり得るということが確認をされました。これはもちろん米国の情報もございますし、我が方のそういった艦船あるいは航空機による情報も総合いたしました結果、まず、日本海に落下したものは、このミサイルの第一段階のブースターが落下したのではないだろうか。それから、さらに太平洋側の落下も、実は一つではなくて二点あるのではないか。それで、まず最初の方は二段階目のブースターの落下、さらにその遠方に弾頭と考えられる部分の落下、こういうことが確認されましたので、これも昨日公表させていただいたところでございます。  こういうことで、今回の事態に際しまして、この日米安保体制、そういう中で、米国との情報の共有あるいは我が方の努力、こういうものも踏まえて対応をさせていただいてきたわけでございます。  それから、次にこのBMDの問題でございます。冷戦後、大量破壊兵器またそれの運搬手段となり得るこの弾道ミサイルに対してどういうふうに対処するかということは、世界的な課題でありますと同時に、我が国の防衛政策上極めて重要な問題だ、こういうふうに考えております。  現在のところ、今回のような射程のものに対しまして有効な対応手段を持っているところはないと私承知しておりますけれども、このために、いかにこれに対応するかということを我が方としても研究してきたところでございます。この点につきましては、アメリカにおきましてこういう弾道ミサイルに対する対処方法についても知見が豊富でございますので、米側の協力も得ながらやってきたということでございます。  そういうこれまで総合的調査研究でやってきましたことを踏まえますと、これからさらにもう少し具体的に技術研究というのをアメリカとの間で進める必要があるのではないか、かように考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、米側との調整、その他そういったものも踏まえましてこれから適切に対処していく必要がある、こういうふうに考えておるところでございます。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 最初の私の指摘に対しては、危機管理の面で十分だったのかなというふうに思うのですね。今局長からるる御説明をいただきましたけれども、この危機管理の面で防衛庁としては十分であったかどうか、何かそういう反省とか、そういうのはございますか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 今回の事態に際しまして、早期警戒情報の連絡等々、一定の手順に従いまして連絡等も行ったわけでございますが、必ずしもその他その対応について果たしてこれで十分であったかどうかというところは、いろいろ御異論もあるところでございますので、今後、我々は今回のこの事例も踏まえまして、さらに改善すべきところは改善するようにいたしたい、かように思います。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 ノドンが発射をされたのはたしか五年前、九三年だったと思います。今回はまだ確認はされてはいないのでしょうけれども、米国が命名いたしましたテポドン一号ということになるのでしょうか。こういうことを考えてみますと、もうこのミサイルは日本上空いつでも飛んでくるのだという認識に我々は立たなければならないのではないかと思うのです。いわゆるこの脅威の認識というものがいま少し国民にアピール度が低いと申しましょうか、私は甘いのではないかというふうに考えております。このたびのこの弾道ミサイル発射で、実にそういう考えを強く持たせていただきました。  そこで、自衛隊の装備上の優先度がこの時代に入って変わってきているのではないか、私はこういうふうに思うのです。限られた予算の中で時代に合った装備をするということは、防衛庁としても努力をされておりますでしょうし、大変なことだとは思いまするけれども、この装備上の優先度を少しくこれから変えていくべきだろう、私はこう思いますが、これに対しての防衛庁の認識をお聞かせいただきたいと思うのです。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 自衛隊の装備のあり方につきましては、先生も御承知のように、冷戦後の新たな国際情勢を踏まえまして、平成七年に新しい防衛計画の大綱というのを定め、その中で防衛力の役割、その中での整備上考慮すべき事項、こういったものを整理したところでございます。  その中で、自衛隊全体といたしましては、効率化あるいは合理化、コンパクト化を図るということで非常に努力をしながら、そういう中で、先生今御指摘の情報分野について重視をしていこう、こういう考え方で取り組んでいるところでございます。  そういう中で、この情報収集機能につきましても、非常に限られた予算のやりくりの中でございますけれども、少しずつその整備をさせていただいているということでございます。  なおまた、情報収集、分析という観点からしますと、昨年、我が方に情報本部というのを発足させていただきまして、その強化にも努めているわけでございますが、今度、十一年度予算要求におきましては、さらにこの情報本部の要員を八十五人増員するというような要求も出させていただいているところでございます。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 だんだん時間もなくなっていきますので、次に移らせていただきたいと思います。  国際法上の問題点で、いわゆる弾道ミサイルの国際法上の位置づけなわけでありますが、非常にあいまいなのが現状だ、こう思うわけであります。このことについてはお聞きはいたしませんけれども、今回のミサイル発射に対して、事前通告なく実施をされているわけでありますが、この点について国際法上触れることはないのでしょうか。

東郷和彦外務省条約局長

○東郷政府委員 お答え申し上げます。  一般論としてまず申し上げますが、国際法上、公海自由の原則というのがございまして、これによりますれば、公海もしくは排他的経済水域においてミサイル発射実験を行うこと自体、これが禁止されているわけではございません。  しかしながら、このような公海自由の原則を活用するに当たりましては、公海の自由を行使するほかの国の利益、それから排他的経済水域における沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払って行使しなければいけない、これは国連海洋法条約の規定するところでございます。  したがって、このような妥当な考慮とは何かということになりますが、ミサイル実験の態様、それから実験海域における船舶の展開状況、それから先ほど先生の御指摘もございましたけれども、上空における航空機の航行等の状況、こういう事態に相応じまして事前通報を行うことが必要とされるということは十分あり得るところでございます。  今回、事前通報なしに行われました北朝鮮によるミサイル発射、これにつきましてはさらに事実関係の詳細を把握する点もございますけれども、このような妥当な考慮を払ったとは言いがたいというふうに考えております。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 私もそう思うわけであります。  先ほども申し上げましたように、民間機七機が飛行中だったと、運輸大臣もこうおっしゃっているわけでございまして、もしこれが事前通告というものがあれば、また感じる脅威も少しは違ったのかな、こういうふうに思うわけでありまして、この民間機七機の飛行中のことは、外務省あるいは防衛庁、確認をしているだろうと思います。このことは聞きませんけれども、事実をきちっと確認を後でされていただきたいな、こういうふうに思います。  この問題の最後に外務大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  ロシア・インタファクスによりますと、ロシアの戦略ロケット軍のヤコブレフ司令官、多分発射は失敗し、弾道がそれたためロシアの警戒システムのゾーンには入らなかった、こういうようなことを述べているのだそうであります。ミサイル発射は失敗したとの見解もあるということでありますし、さらには、この三十一日の弾道ミサイル発射はあらかじめ知らされていた、こう述べて、ロシア側に事前通告があったことを明らかにしているわけであります。  この事実は、私は大臣にはお伺いをいたしません。これからこういった事実をぜひ把握していただきたい、すなわち、情報をきちっと把握していただきたい、こういうふうに思うわけであります。  そして、最後にお伺いをしたいことは、昨日の官房長官のプレスの発表におきましても、あるいは先ほどの外務大臣の報告にもありましたように、我が国政府の対処方針を決定されたようであります。その中に、先ほど私が申し上げましたように、もう一つつけ加えるとすれば、いつまでも北朝鮮にこの弾道ミサイルを切り札として使わせない、要するに、未然に防ぐ環境を整える必要があるのではないかというふうに私は思うのです。  例を申し上げますと、例えば、この弾道ミサイルをつくるための、何といいましょうか、物品とでも申しましょうか、そういった物質的な供与の観点から、もっともっと世界の国々と連動しながら我が国としてもそういったことを強めていくべきだ、私はこういうふうに思うのです。生易しい対応ではもうあの国に通じない、私はこういうふうに今回感じました。この点に関しまして、外務大臣のお考えがございましたらお示しをいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 委員御指摘のとおりだと思いますし、米韓を中心とした国際的な話し合いの中で、北朝鮮がこういうことができないように厳しく対応していきたい、こういうふうに思っております。  このミサイルを発射したことによって、いやしくも北朝鮮が得をしたという結果に絶対にならないように、こういう国際的に許されないことをしたときは、その結果が自国にとって不利になるんだということをわかっていただけるような対応をとってまいりたい、こういうふうに思っております。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 断固たる態度でやっていただきたいというふうに思います。外務大臣に御期待を申し上げる次第であります。  時間でございますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。  日ロの関係もお伺いをしたがったのでありますが、時間がございませんので、これはまた別の機会に質問をさせていただきたいと思いますが、私は北海道でございまして、昨年、きょうも出席をされております河井委員とビザなし交流で択捉島に行ってまいりました。択捉の島民の方々といろいろなお話をホームステイをさせていただいてした中で強く感じましたことは、択捉島というのは北方四島の中で一番抵抗心が強い、こう言われておるわけでありまするけれども、要するに、領土返還後に自分たちの生活がいかになるかということ、日本の皆さんと一緒にこの島に住んで、そして共生できるのかというこの一点だけでございまして、これがきちっとできることになれば私たちは領土返還に対して何ら反対するものではない、そういった現地の、今、島民の方もいらっしゃるわけでありまして、私はその話を聞いて、領土問題の解決に少しく前進するなということで、大変喜ばしく思ったわけであります。  領土問題の解決は、道民のみならず、つい先日も東北、北海道の領土問題の大会等もございましたし、全国民のこれは悲願でもございます。ぜひとも二〇〇〇年までの平和条約締結に向けまして、外務大臣の御努力を切にお願いをする次第であります。これは答弁は要りません。  それでは、次に、砂漠化対処国連条約の質問をさせていただきたいと存じます。大変長い条約名でございまして、略称砂漠化に対処するための国連条約、こういうことでございます。  砂漠化に対処するための国連条約への加入は、地球環境問題を外交の主要課題の一つに位置づけ、これまでも砂漠化防止のために最大限の努力を払ってきている我が国が、名実ともに砂漠化防止のための国際協力の場に参加することとなることを意味するものでありまして、私は評価できるものであると存じております。  砂漠化に対する国際的なさまざまなこの取り組みは、昭和四十三年から四十八年にかけて発生したサハラ砂漠周辺部のサヘル地域での干ばつが契機となって開始をされたのでありますが、十分な効果を上げるには至らなかったために本条約が作成されたと承知をいたしております。  本条約は、平成八年十二月二十六日に発効して以来、およそ一年八カ月経過しているわけでありますが、この砂漠化への対処について、今日までの国際的な取り組みの経緯及び成果をまず一つ伺いたいと思います。  それから、我が国のこの取り組みでありまするけれども、条約が採決をされましてから四年二カ月、発効してから一年八カ月、なぜ我が国が締結しなかったのか、遅過ぎるのではないのかという声が、確かにこれはあると思うのです。しかしながら、この砂漠化に対処するための多数国間の取り組みにも、砂漠化の影響を受けている途上国との二国間の取り組みにつきましても、我が政府は、国内的にも国際的にも何ら恥じることはない、私はこういうふうに思っている一人であります。本条約に加入することは、いわば我が国政府が実施している砂漠化対処支援を国際的に裏づけることではないかと思うのであります。  この場で、砂漠化に対する我が国の取り組み、先ほども申し上げましたけれども、どんな支援を行ってきたのか、また、現在どのようなプロジェクトを行っているのか、御説明をいただきたいと思います。先ほどの経緯の説明も含めましてお伺いをさせていただきます。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○上田政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、一九六〇年代、七〇年代にアフリカのサヘル地域で発生した大干ばつを契機といたしまして、国連でこれへの対処ということが行われてまいりました。その後も、八〇年代にもまた大干ばつが起きております。この際は、国連環境計画、UNEPを中心といたしまして、国際協力による対処が行われたところでございます。  こういう対処が行われてまいりましたけれども、被害と申しますか、事態がなかなか改善しないということもございまして、一九九二年のいわゆる地球サミット、国連環境開発会議におきまして、国連に対して、国際的に取り組むための条約をつくるべきだという勧告がなされまして、その勧告を受けまして、一九九四年に、ただいま御審議をいただいております砂漠化に対処するための国連条約が採択されたわけでございます。  これらの動きと並行いたしまして、国連、国際機関におきましては、国連開発計画、国際農業開発基金、国連食糧農業機構、それから世界気象機関等々の機関におきまして、砂漠化への対処に関連してさまざまなプロジェクト、調査研究、モニタリング等が行われております。  また、こういうような多数国間の取り組みに加えまして、二国間援助といたしまして、干ばつ対策、植林、かんがい、農村開発などさまざまな分野において協力が行われてきております。  我が国の取り組みにつきましては、従来から政府開発援助、ODAを利用いたしまして、砂漠化地域の緑化推進プロジェクト、それから水資源の有効利用、それから砂漠化した土地の回復に関する調査研究等々、さまざまな協力を行ってきております。  このような協力措置は、二国間の支援プロジェクトを通じまして、また国内の諸機関におきます調査研究、さらにはNGOによります活動への支援等々を行っておりますし、先ほど御説明いたしました関係国連の諸機関への拠出金という形で協力を行ってきております。  いろいろなプロジェクトは多様な目的を有しておりますので、一概に砂漠化への対処のためのプロジェクトということでくくることがなかなか難しゅうございますけれども、現時点におきましても、アフリカのタンザニアでありますとかニジェールでありますとかガーナでありますとか、そういう国々で緑の推進プロジェクトを行っておりますし、また外務省、JICA、それから関係の省庁、農林水産省の研究所等におきまして砂漠化の土壌の回復技術等の研究等が行われているところでございます。  それから、御指摘がございましたように、砂漠化防止、この本件条約、署名以来日時を要しておりますけれども、この砂漠化対処条約は内容が多岐にわたります。それから条文も多うございまして、条文相互の関係等を明確化すべき問題も多かったわけでございます。そのために事務局あるいは各国への調査、照会等も行ってまいりました。それから、先進国によります支援促進のメカニズム、この具体的な内容が昨年十月の第一回締約国会議まで確定しなかったというようなこともございまして、我が国としての締結についての検討に時間を要してまいりました。  しかしながら、御指摘がございましたように、我が国といたしましては、条約の締結がややおくれておりましたけれども、砂漠化の問題については、御説明申し上げましたように、政府開発援助や国連関係機関への拠出金等を通じまして積極的に対応してまいっております。  今後とも、この条約を御承認いただいて締結の暁には、着実な実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 終わりに外務大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、アフリカは一年で九州と同じぐらいの森がなくなっていると言われております。南米アマゾンでは一年で九州の三つ分の森がなくなっていると言われております。大変ゆゆしき事態だ、こう思うわけであります。  この砂漠化に対処するための考え方といたしまして、人為的要因ですとかあるいは気候的な要因だとかいろいろなことが考えられまして、この対処の中で、内政干渉と非難されるかもしれませんけれども、やはり実効性のある砂漠化防止策をするためには、途上国がいかにこの砂漠化に真剣に取り組むのか、いわゆる途上国の自助努力もある面で私は必要だと思うのです。  それに対しての大臣の御見解と、それから昨年六月に国連環境開発特別総会の演説で橋本前総理は、地球環境問題を人類の安全保障の問題としてとらえるべきであるとの基本認識を表明されました。  そこで、お伺いをいたしますけれども、橋本前首相が提唱いたしました人類の安全保障政策の一環として、私は環境ODAの大幅増額を検討する必要があると考えているものでありまして、この点につきましての外務大臣の見解を伺わせていただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 まず、途上国の自主的努力も必要だ、こういうことでありますが、まさにそうなので、第一義的には途上国が自主的努力をしていただく、その自助努力に対して私たちも支援する、こういうことは、ODAの指針の新開発戦略、日本が従来からとっておる方針でありますので、この条約もそういったことにかなっているものだ、こういうふうに思っております。  それから、ODA予算、その年々によって違いますが、大体全体の予算の二〇%前後が環境予算ということになっていますが、そういった面にさらに力を入れていきたい、こういうふうに思っております。

吉川貴盛自由民主党北海道開発政務次官

○吉川委員 今ODAの環境予算、限られた予算の中でありますから、このODAに、予算の中でもめり張りをつけていくためにも、今申し上げましたように、環境の部分に対しましてもっと層を厚くしてもいいのではないか、私はこういう気もいたしますので、ぜひとも外務大臣の御配慮を賜るようにお願いもいたしながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、島聡君。

島聡民主党

○島委員 民主党の島聡でございます。  本日は、深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国において砂漠化に対処するための国際連合条約の審議でございます。ですが、今委員からもありましたように、今国際的に非常に重要な問題もございますので、最初にこの砂漠化条約に関して質問をさせていただきまして、その後、国際情勢について幾つか質問をさせていただきたいと思います。  この砂漠化条約も実は非常に重要な問題を含んでいると私は思っております。  今回、ただいま審議をしているわけでございますけれども、本条約は平成六年六月に作成されている。四年前であります。我が国は、平成六年十月に署名している。しかし、署名後、政府はこの条約を国会に提出しなかった。平成八年十二月の発効前には批准をすることはできなかったわけであります。そして、発効後一年五カ月たってやっと国会に提出するに至った。  その経緯につきまして幾つかいろいろな報道がありました。日本は一九九四年に署名後、条約の解釈確定や財政負担をめぐる調整作業に手間取っている、実に実務的な話なのでしょうか、手間取っていた。あるいは、これは自民党の幹部の発言という報道ですが、砂漠化対処条約の優先順位は高くなくて積極的に批准に持ち込もうという意識もなかった。  環境を重視する、世界の環境を守るということを外交にしていくということをたびたび主張しながら、このような状況になった。これに対して外務大臣はどのようにお考えか、まず御所見をいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 砂漠化対処条約でありますが、その内容が大変多岐にわたるとともに、条文相互の関係等明確化すべき問題が多かったため事務局あるいは各国への照会等が必要だった、あるいはさらに、先進国による支援促進のメカニズムの具体的な内容が昨年十月の第一回締約国会議まで確定しなかった、我が国としての締結についての検討に時間を要したということであります。決して環境を軽んじているわけではないということは、御理解をいただきたいと思います。  その上で、私がきょうも外務省の中で言ったのは、我が国の官僚組織というのは非常に優秀であって細部に非常にこだわる、そして細部まできちっとしなければいけない、こういう条約というのは各国の間でいろいろ妥協が図られてやるので細部まで詰めていくとどうしてもそこに矛盾があったりなんかするわけで、だから、そういう細部をきちっとするということは非常にいいことではあるけれども、そのことによっておくれることの弊害と細部をちょっとおろそかにすることの弊害とどっちが大きいかということもよく考えてやってほしいということは申し上げたのですが、決して環境をおろそかにしたということではないということは、御理解をいただきたいと思います。

島聡民主党

○島委員 この問題についてちょっと、憲法においては当然、条約の批准、批准前、批准後に国会で承認をされなくてはいけないとあるわけでありますが、これは例えば、平成六年六月にやって、今四年たっているわけですよ、批准に、国会にかかるまで。これは、外務大臣、私の感覚からすると随分時間がかかっていると思うのですが、どう思われますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私が先ほど申し上げたことは、私としても随分時間がかかっている、こういう認識のもとに役所の中で言った、ただ、これは環境を軽んじたためではない、こういうことであります。

島聡民主党

○島委員 この問題については、私は非常に興味を持っているところがありますので、また討論をさせていただきたいと思いますが、本日は、やはり北朝鮮のミサイル発射問題についてお尋ねをしていきたいと思っております。  特に今回、先ほどの話を聞いておりましても、ミサイルの発射を、我が領空かどうかは定かでないけれども、それを通った可能性も高く、事前通告もなかったというような状況ということは、非常に国際的にも許されることではないということは当然であります。  極めて厳しいところでございますが、先ほどいろいろな外交方針を変えると言われた。これは、まず、外交方針の大転換であると考えてよろしいわけですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 大転換かどうかという判断は、外務省自身、政府自身が必ずしもしなくて、先ほど申し上げたような転換をする、変える、こういうことでございます。

島聡民主党

○島委員 今なぜそんなことを申し上げたかといいますと、今まで、例えば無条件に日朝国交正常化交渉には応じるとしてきた。私は転換だと、大をつけるかどうかは別として転換だと思っています。ということは、今まで北朝鮮の情勢に対する認識、これはもう高村大臣の前の小渕現総理、小渕外務大臣時代からの北朝鮮に対する外務省の認識というのが極めて誤っていた。  当然、よくこれは例として北風と太陽の例を出されますけれども、やはり太陽のように接していくのがいいのだというような話で恐らく組んでおられたのではないかと私は思っておるのですが、その間にも北朝鮮の対外的な強硬姿勢、日本一つだけをとりましても、日本人拉致疑惑に対しての対処、あるいは日本人妻里帰りの一方的打ち切りの対処等々見ても、かなり厳しい体制をとってきたわけであります。  日本は、例えば今大転換でないと言われましたが、北朝鮮がこのような形になるということを、やはり少し判断を誤っていたのではないかと思いますが、いかがですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私は、大転換ではないとかあるとか言わなかったつもりなのです。大転換でないとも言わなかったつもりなので、先ほど申し上げたような変更を行ったと、それを大転換だか小さな転換だか、転換とは言えない単なる変化だとかいうことは第三者の評価に任せたい、こういうふうに思っていますが、今委員がおっしゃったように、北朝鮮に対する見方を誤っていたのではないかということは、私たちはいろいろな可能性ということは見ておりましたので、必ずしも誤っていたとは思っておりません。

島聡民主党

○島委員 例えば、北朝鮮の弾道ミサイルの開発の状況等々について、このときに発射実験があるというようなことがあるならば、例えば、日本に届くミサイルの開発と配備の中止は今まで公式に要求していなかったと私は思っておりますが、まず質問は、日朝正常化の条件に関して、公式にこのミサイルの開発とか配備の中止を北朝鮮に伝えたことがあるかどうか、確認したいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 公式にということでございますが、これはもう申し上げるまでもなく、外交関係のない国でございますので、公式にきちんと国と国としてということではございませんが、このミサイルの発射につきましては八月中旬ごろからそういう準備が進んでいるという情報もございましたので、先週末でございますが、非公式の協議の際にも、そういうことは東アジアの安定、我が国の安全保障に非常に深刻にかかわる問題である、そういうことについてはやめるようにということを強く申し入れた経緯もございます。

島聡民主党

○島委員 これは平成十年六月に出ている防衛白書でございますが、ここに「アジア太平洋地域の軍事情勢」というのがあって、五十一ページに「ミサイル開発」というのがある。そこには、「北朝鮮は、八〇年代半ば以降、」云々とあって、「射程が約一千キロメートルともいわれるノドン一号を開発してきているとみられるが、北朝鮮が極めて閉鎖的な体制をとっていることもあり、その開発の詳細は明らかでない。」云々とありまして、「我が国の過半がその射程内に入る可能性がある。」ということが書いてあります。また、「北朝鮮は、ノドン一号よりも射程の長いミサイルの開発も目指しているとみられている。」とあります。  「開発も目指している」という言葉をそのままとると、開発を今目指しているのだな、二カ月先にもう実験というか、ここに飛んでくるのだということを思っていたのかどうか、考えられていたのかどうか。これは防衛白書でございますから言えなかったことがあるのかもしれませんが、これを見ると、どうもいろいろな意味で北朝鮮に対する見方が極めて甘かったのではないかと思うのですが、高村外務大臣、どう思われますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私は、繰り返すようでありますが、日本政府は北朝鮮に対してかなり厳しい見方をしていたと思いますし、甘かったとは思っておりません。

島聡民主党

○島委員 それではお尋ねします。  先ほど高村外務大臣は、これから北朝鮮に対してさらなる措置を検討するということを言われたと思います。さらなる措置というのは、今おっしゃった認識のもとで今検討されているという答えかもしれませんが、より具体的に、というのは、さらなる措置をした場合に、北朝鮮がいろいろな反応をすることが予測されます。厳しい反応も予測されます。したがって、その場でどんな検討をしているかということを、この外務委員会の場でお話を賜りたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 先ほどの大臣の御説明の中で、北朝鮮の動向次第では政府全体でさらなる措置につき検討することとしますということで、今回の発射の意図について、現在はいろいろな見方があるという状況で、これを北朝鮮から説明を求めるということにしておりますし、そういうことも踏まえて今後それに応じてどういう措置をとるかということで、現在、具体的にこういう措置を考えているということを申し上げる段階ではございません。

島聡民主党

○島委員 では、どういう段階になったらこの外務委員会でお答えをいただけるのですか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 北朝鮮側に、これは我が国自身の努力で今回の事態についての説明を求めるつもりでおります。友好国からの情報ということもあり得ると思いますが、そういうことで、どういう意図でやったのかということ、どういう状況かということを把握し、そういう時点で、具体的措置と言えばまさに具体的なこういうことをやるんだということでございますから、その検討を行いへ決定すればもちろん御説明するということでございます。

島聡民主党

○島委員 この問題、非常に極めて大いなる政治判断も必要とされることだと思います。つまり、今、高村外務大臣は、北朝鮮に対してきちんとした認識をしていらっしゃるとおっしゃった。それでもなおかつ、今、八月からは知っていたけれども、とりあえず六月の防衛白書では「開発も目指しているとみられている。」ぐらいの認識であると。そういうところにおいて、今後大いなる措置、具体的な措置を検討していく過程において、一体北朝鮮がどういうような動きをするかということは極めて重要な問題でありますから、そのたびごとにきちんと御説明を願いたいと思います。  ということで、今度五日に金総書記が国家主席に選出されると予想をされておりますが、あるいは九日の建国五十周年に向けて新たな事態が発生することも考えられると思いますけれども、この点については現時点でどのように予想されているか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 ただいま先生おっしゃいましたとおり、早ければ九月五日、そういうタイミングで、金正日、現在労働党総書記でございますが、国家主席の就任ということがほぼ確実と言われております。この金正日体制というものが固まっていくことが我が国並びに国際社会にとっていいことかどうかという判断は別にございますけれども、少なくとも、これまで国家主席が空席であったとか、政務院の総理が実質上不在であったとか、そういう体制が今回の体制固めできちんとしてくるだろうと思いますので、ある意味では国家としての体をなしてくる。  現在の北朝鮮に対応して私どもが痛感いたしますのは、いろいろなところで意思統一がなされていない。軍部は軍部で何か勝手に動いているようで、外交の正面ではまた別の論理で動いているというような、本当に国としてきちっとした統一、意思を持って動いているのかどうかわからないというところが非常に対応しにくいところでございますが、そういう面では国家としての体制が整ってくるだろうというふうに思っております。  その中で、今回のミサイル発射のような、我々から見ますと、もちろん可能性について情報は十分持っておりましたけれども、実際やるかどうかというところでいささか驚いたわけでございますが、そういうことが起こるのかどうか。これは、予測が難しいところでございますが、一つは、国としての体制が固まっていくということは、私ども注目して見ているところでございます。

島聡民主党

○島委員 要するに、今の時点では予測はできないという御判断であると考えてよろしいですか、今の御答弁は。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 御質問の御趣旨が、何が起こるかわからぬじゃないか、それを予測しているかという御質問であれば、それはなかなか予測は難しいということを申し上げたのでございます。  私からこういうことを申し上げるのは僭越かもしれませんが、先ほど先生の御質問で、北朝鮮に対する認識が甘いという、これは全体の御質問に通ずるお問いかけでございましたので一言申し上げますと、太陽政策と北風政策。それは、北風政策をとる方が認識が厳しいんだ、太陽政策をとっているのが認識が甘いんだということではもちろんないわけでございまして、韓国の金大中大統領もどちらかというと太陽政策をとっておられますが、これは決して北朝鮮に対する見方が甘くてやっているわけではない。ああいう現状を認識した上でどう変えていくかという方法論だということでございますので、その点、一言つけ加えさせていただきます。

島聡民主党

○島委員 せっかく言われましたので、私も。私もその認識ではおります。別に、厳しいから北風と言っているわけじゃありません。ただ、結果として、いろいろな手法をとったことによって、その結果阻止が、いわゆるミサイル発射という国際社会においては許されないようなことを北朝鮮にさせてしまったわけですよ。日本としては、例えばこの日朝正常化交渉をしようとするときに、日本に届くミサイルの開発なんというのを、公式に要請していったときには一体どうなったかとか、あるいはある程度きちんと言えたんじゃないかとか、そういうようなことを全くしないまま、飛んできましたということではおかしいんではないかということを申し上げているというのが一点であります。  それから、今聞きましたのは、先ほどから、八月初旬からは知っていた、予測はしていたという話でありましたけれども、先ほど自民党委員の質問にもありましたけれども、そこにいろいろな飛行機が飛んでいたり艦船があったりするときに、一体そのときにどういうところまで表現し、そしてまた国民に説明するのか。もちろんオオカミ少年とかになるかもしれないし、脅威をあおるのはいたずらにするのはいけないのではないかということがあると思います。それはまさしくいわゆる政治家の判断であると思いますが、この政治家に対しての情報というもの、例えば今回の八月上旬からこういうことをやっている、危ないということに関してはきちんと伝わっていたのかどうかということについて、そしてまた、今回の情報の流れについてこれから質問をしていきたいと思います。  これは先ほどからもたびたび言われている話でありますが、まず零時七分ぐらいにいわゆる発射されたんであろうと言われております。ひょっとしてこれは私、報道だけですから間違っているかもしれません。それで、零時五十分ぐらいにミサイル発射第一報というのが小渕総理に伝えられた、あるいは官房長官。小渕総理に伝えられたと聞いております。それで、午後三時に官房長官に、三陸沖に着弾した可能性ありというのがあると聞いております。  ここでお尋ねしたいのは、韓国国防省は、午後三時過ぎに、新型のテポドン一号が午後零時七分ごろ発射され、青森県三沢市の北東五百八十キロに当たる北緯四十度十一分、東経百四十七度五十分の太平洋公海上に落下したものと推定されるという詳細なデータを記者団に、非公式ではありますが明らかにしたというふうになっています。この韓国の情報と日本の情報との違いは一体どこから生じた、どういう原因で生じたわけでありますか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 事実関係でございますのでちょっと御説明させていただきたいと思いますが、まず、今お話がございましたように、八月三十一日の十二時過ぎに、私ども、日米安保体制の中で情報関係も米側と協力をしているわけでございますが、この中で米側から早期警戒情報ということで、そのシステムで、ミサイルが撃たれた、発射された、それの予想弾着地点は日本海中部というふうな情報が入ってまいりまして、私どもは、一定のマニュアルに従いまして一斉に所要のところに御連絡をしたということがまず第一でございます。  それから、その次の段階でございますが、各種の、もちろんこれもまた米軍の情報もございますし、我が方の情報もございますけれども、太平洋側に弾着した可能性があり得るということがその後、三時過ぎだと思いますけれども入ってまいりまして、このことにつきましても、我々としてまだ確認をしている話ではありませんけれども、こういう可能性があるということでこれも官邸等に通報をする、こういうことをしたわけでございます。  さらに、事柄が事柄だけに、単に通報するというだけではなくて、夕方に我が方の次官が官邸に参りまして今の状況につきまして御説明をした、こういう状況になってございます。  その後、我々としては、我が方が把握している情報も加えまして、この情報をさらに確認をいたしました。その結果、三陸沖に弾着したことはほぼ確実と申しましょうか、可能性は極めて高いということが我が方としても確認をいたしましたので、この点につきまして、八時ぐらいだったと思いますが、総理にも御報告をする、こういう手順を踏み、その後プレスにも公表したという流れでございます。

島聡民主党

○島委員 いわゆる韓国と日本との発表が、ちょっとおくれた点について、報道では、外務省幹部の発言として、「「米軍から『太平洋に着弾したらしい』と政府に連絡がきたのは、韓国と同時だった」とし、「日本の場合はそういう情報を公式に発表するまで、米軍との連絡など、さまざまな手続きが必要だった」と述べた。」という報道がありました。  これは、先ほどの砂漠化条約でも、何か手続が必要だといっておくれました。今回も手続が必要だといっておくれました。まずこの報道、こういうさまざまな手続が必要だったということをきちんと、どういう手続だったのか、もう少しきちんと教えていただくのと、それから、もっとこれを早く、韓国との差があるわけですから、これを早くする意思があるのか、それについてお尋ねしたいと思います。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 今引用された点につきましては、私ども承知しておりませんので直接のコメントは差し控えますけれども、我々としてやろうとしましたことは、それはいろいろな情報が入ってまいります。しかし、事柄が事柄でございますので、それは慎重に我が方としても確認をして、それで公表に踏み切った、こういうことでございます。我が方としては、そういった手順を踏んでこういうふうにしたということでございます。(「情報公開やれよ、ちゃんと」と呼ぶ者あり)

島聡民主党

○島委員 ありがとうございます。  今おっしゃった、私も本当にそう思うわけでありまして、これだと国民の方はなぜ遅いのだろうとまず素朴な疑問を持ちますよ。まず、いろいろな判断がある、まだ何かあるんじゃないか。さっきいろいろ聞いた、例えば、本土大丈夫ですかと言っても、もちろん答えられないというだけの話になってしまう。今きちんとしてほしいということを、先ほども言われた情報公開をきちんとしてほしい。  もう一つ、これもまた恐らく、この報道は意識してない、見ておりませんと言われるかもしれませんが、こういう報道もありました。「当初、官邸は「予定されていた発射実験で、緊急事態ではない」という空気」であった、首相官邸は。「内閣危機管理・安全保障室など防衛庁以外の関係部局は特別体制を即座に取らなかった。」とありますが、この事実はいかがなものでしょうか。質問を変えると、外務省は即座に緊急事態として態勢をとったのかどうかということです。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 第一報に接しましてからは、まさに確認を急ぐ情報収集、防衛庁の方との連絡態勢をとったわけでございます。

島聡民主党

○島委員 こういう質疑を続けていきますと、本当に、これを聞かれる人たち、国民が一体どう思うかということは重々考えて言っていただきたいと思います。  私も、この問題について、情報公開のやり方も含めまして今後きちんと検討して、また質問を深めていきたいと思っております。  今度、時間の流れの中において、先ほどねらいを明らかにするのが必要であると言われていたわけでございます。高村外務大臣が先ほど言われたことは、こういうミサイル発射をやったことが北朝鮮にとって得をした結果になるようなことにはならない、不利になるようにしなくてはいけないというふうに言われました。その前に自民党の委員が、この発射実験のねらいはどうかということを聞かれたことに対して、国として断定することはなかなか難しいというような発言をされたと思っております。  ただ、北朝鮮がこのような発射実験をやったことによって得をした結果になるということであるならば、そのねらいをある程度予想して、それを無にする外交努力が日本としては必要だと思いますが、まずそれについて、外務大臣、どうお考えになりますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 直接のねらいが何であるかということは断定できないと思うのです。ただ、こういったことをやったことによって、場合によったらこういう方面で放置しておくと得をしてしまうことがあるよ、こういう方面であるよということは、幾つかは考えられるだろうと思います。そういうことをできるだけないようにする。逆に、国際的に許されない行為をやったことでありますから、各国と連絡をとって、そのことが結果として、ああ、やらなければよかったなと思ってもらえるようなことをやっていきたい、こういうことであります。

島聡民主党

○島委員 いろいろなねらいがあると言われております。その一つが、やはり膠着状態であった日朝間の国交の正常化に揺さぶりをかけてやってみようというような話ではあったのではないかと思います。  これは、こういうミサイルを発射することによって日本に対して揺さぶりをかけようとしたというねらいがあると私は思っておりますが、それはないとしても、こういうねらいがあるという前提のもとでお尋ねします。こういう日本としてきちんとした態度、先ほどは、さらなる措置ということを聞くと、今から検討するとおっしゃいましたが、高村外務大臣は、今、日本がやろうとしている措置だけで、この北朝鮮が日本に揺さぶりをかけようとしたことに対して、これが先ほど言われた、ああ、こういうことをやって得をした結果不利になる、それについての成果が果たされたというように現段階の措置だけでできるとお考えですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 委員がさっきおっしゃった、正常化交渉がすんなりいかないからそれに揺さぶりをかけるためということがもしねらいであるとすれば、そういう交渉を当面見合わせるということでありますから、それはその限りにおいて、もしそれがねらいだったとすればですよ、北朝鮮は所期の目的を達しなかった、それだけでも言えるのではないでしょうか。

島聡民主党

○島委員 この北朝鮮の動きというものに対して、今度、「朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射実験を受けて、日米両国政府は、対北朝鮮政策やミサイル防衛について話し合うため、外交・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会を今月開催することになった。」という報道がありました。  恐らくこれは九月の下旬に開かれるだろうと言われております。これはまず事実関係を確認したいのですが、きょうの朝の共同のニュースでございますので、これが九月の下旬ぐらいに開かれるだろうというように予測されていると言われておりますが、これはどのような状況になっておりますか。

竹内行夫外務省北米局長

○竹内政府委員 委員御指摘の報道を私、読んでおりませんので、ちょっと勘違いするかもしれませんが、恐らくそれは日米間で開催について調整をするための話し合いを行っておりますいわゆる2プラス2のことだろうと思います。  それにつきましては、九月にでも開催できれば好都合であるという考え方を持っておりますが、まだ日程については確定したわけではございません。現在調整中でございます。九月にできない可能性もございます。  それから、2プラス2は、御承知のとおり、過去におきましても、従来開かれているものでございまして、特別にこのミサイル実験、ミサイルの発射を契機といたしまして開催するというようなことで話し合っているものではございません。  他方、きのう官房長官から発表がございましたとおり、このミサイルの発射の問題につきましては、日米間におきまして、ハイレベルを含めまして、あらゆるレベルでの意見交換、情報交換を行っていこうということはございまして、仮にそのような機会があれば当然話題になるということは考えられるわけでございますけれども、現在のところでは今申し上げたような状況でございます。

島聡民主党

○島委員 報道によるとでありますが、これはアメリカ側から早期開催を求めているというふうに報道をされております。  これは、朝鮮半島エネルギー開発機構の北朝鮮への軽水炉提供問題で、当面、進展を見合わせるという方針を表明したのは日本政府、アメリカ側の方は米朝協議を進展させたい、米政府との間でずれが生じ、高いレベルで政策調整する必要が生じたことも背景になっているというようになっておりますが、これに関しては、そしてまた会談では、このほか懸案である戦域ミサイル防衛、TMD構想に関する日米協力あるいはミサイル防衛の情報収集の問題も取り上げるという形になっております。  先ほど情報公開という言葉がございましたが、本当にこれはまだ全然そういう話になっていないわけですか。

竹内行夫外務省北米局長

○竹内政府委員 ただいま御指摘の会合がいわゆる2プラス2ということでありますれば、先ほど申しましたように、日程を含めまして、まだ結論が出ていないわけでございます。もちろん、2プラス2でございますので、安全保障、国際情勢に関しますいろいろな、その時々の話題について意見交換を行うというのは当然のことでございます。

島聡民主党

○島委員 今のような議題が話し合われるとすると、今からということでございますが、これからやるということで、例えば、日本政府は軽水炉提供問題で進展を見合わせるとの方針を表明している。アメリカの方とのずれが生じているというようなことがありましたら、これはきちんとやはり外務委員会等でも議論をしていく必要がある問題である、あるいはほかの予算委員会等でも議論をしていく必要があるのではないかと思っております。  それから、今、戦域ミサイル防衛、TMD構想に関する日米協力、ミサイル防衛の情報収集の問題というのが、特に自民党の皆さんから当然必要だ必要だという声が上がっておりますけれども、私ももちろんそれを否定するわけではありませんが、一つの事実、事件に対して、やみくもに今まで長年置いてあったものをとんとんと、一つがあったことによってすぐに余り無条件でやるというのもいかがなものかというふうに思っているわけであります。  十分にこれは検討をしていく必要があるものだと思いますので、この問題について、もしそういうような流れで今後開かれるとするならば、十分に各種委員会、予算委員会もありましょうし、あるいはもちろんこの外務委員会もありましょうし、そういうところできちんと議論をしていただくべきであるということを申し上げておきたいと思います。  幾つか今極めていろいろな問題が起きておりますので、あと十分しかございませんが、幾つかの問題をお尋ねしたいと思っております。  まず、クリントン、アメリカのスーダン及びアフガニスタンにおけるミサイル攻撃について、日本が理解するという表明を官房長官の談話で出したと聞いておりますが、そのアメリカのミサイル攻撃に対する現在の日本政府としての対応をまず御説明をお願いしたいと思います。表明をお願いします。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 テロに対する断固たる姿勢を理解する、十分理解する、こういうことでございます。

島聡民主党

○島委員 私も、そのテロに対する意見に対しては十分理解をするということは当然であると思っております。  ただ、ちょっと気になる情報がございました。先ほどいろいろ聞いていて、外務省の情報収集体制というのが難しい点も多々あるという前提でお話を聞いておったわけでございます。  例えば、これは英国の日曜紙オブザーバーでございますが、二十三日、米国がテロの報復と予防のために爆撃したスーダンの化学兵器施設は、これは誤爆であったというような報道をしておるわけであります。クリントン大統領は、毒ガス製造の兆候があるか偵察を命じ、何もそれらしい根拠がないという報告を受けていたと伝えたと。同大統領は民用施設と知りながら攻撃命令を出したという報道でありました。  また、同じく日曜紙、イギリスのメール・オン・サンデーも、ミサイル攻撃は誤爆だったと報じたわけであります。これを受けまして、英国外務省内部でも、自国の情報と米国の主張とが相反しているため、懸念が広がっている模様だというのがありました。  これは、たしかきのうもう外務省の方に報道の記事を伝えてあると思いますので、まず、これはどのように事実確認されたのか、この報道に対してどう今判断されているのか、これをきちんと判断された上で理解をしたということを表明されているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

竹内行夫外務省北米局長

○竹内政府委員 委員御指摘の、イギリスの日曜紙のオブザーバー、八月二十三日付でございますけれども、この報道については承知しております。  一言申し上げますと、イギリス政府としては、今度のアメリカの行動を支持するという立場をいち早く表明したところでございますが、いずれにしましても、このスーダンの製薬工場につきましては、いろいろな見方が国際的にあることは事実でございます。このオブザーバーの報道も一つでございますけれども、スーダン政府自身が化学兵器の工場であるということを否定したということも事実でございます。  日本政府の立場といたしましては、このスーダンの工場について直接的な情報を有しているわけではございませんし、それを確認するということもできない事情がございます。  他方、米側から我々はあらゆるレベルにおきまして事情の説明を受けました。クリントン大統領からの親書もございましたし、ピカリング国務次官から丹波外務審議官への説明、またオルブライト国務長官から高村外務大臣への電話連絡等、さらには安保理事会の非公式協議におきます米国の説明等もございました。  このような種々のチャネルによる説明を受けまして、米国としては、スーダンのその製薬工場ではいわゆるVXガスの前駆物質、これはEMPTAと言っておりますけれども、それを製造しているとの物証を有しているという説明を我が国としては受けたということでございます。  そのような説明により、米国があのような行動に至った事情に関しましては、我々としては米国の立場について認識を深めた、こういうことでございます。  そういうことに基づきまして、我が国の、先ほど大臣から申し上げましたような、テロリズムに対する断固たる姿勢を十分理解するという立場に至ったわけでございます。

島聡民主党

○島委員 今おっしゃったように、情報確認ができないという段階で、理解をする、まあテロに対する理解というふうに限定したと考えておきますが、同じように、今回このようにアメリカの行動がありました。  それによって、米国の政策に対してイスラム諸国がどう動くかということが非常に流動的、不透明になりつつあります。恐らく米国とイスラム諸国との対立が生まれることになりかねないのではないかということを今懸念しているわけでございますが、今回の米軍の攻撃が中東情勢にどんな影響を与えるかについて、政府は今の段階でどのように分析しているか、お尋ねをしたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 中東諸国の主な反応でありますが、中立的な声明を発表した国はエジプトだとかア首連だとか、こうあるわけでありまして、苦悩した結果、懸念や憂慮という声明を出した国がジョルダン、サウジ、不支持ないし反対、非難を表明した国がスーダン、イラク、それぞれこう分かれるわけでありますが、現時点でどのようにそれが影響していくかということは、定かなことは言えませんが、注意深く見守っていきたい、こういうふうに考えております。

島聡民主党

○島委員 幾つかございまして、何か総ざらいのようで恐縮でございますが、ロシアについてもぜひお尋ねしておきたいと思います。  八月十七日にロシアの通貨であるルーブルが切り下げられました。対外の支払い猶予が発表されて、二十三日にキリエンコ内閣が更迭とチェルノムイルジン前首相の首相代行就任という状況になっています。ルーブルの外貨取引を停止するという猶予措置がとられたりして、ロシアの金融危機は、ロシアの国内のみならず、世界の政治経済両面に非常に大きな影響を与えております。  ロシアの今後の展望について政府はどのような分析をしており、そしてまた、この状況が日ロ平和条約締結交渉にどのように影響が及ぼされるかということについてどういうふうに考えているか、見解を伺いたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 ロシアの内政のことですから、余り日本政府としてこうだということを言うことは適当ではないかと思いますが、今は首相指名について必死で調整が行われている、こういう状況だ、こう思っております。  いずれにしても、日本政府とすれば、首班指名が早く行われて、そしてその上でしっかりした内閣ができて、そして今までの改革努力をさらに続けていくということを希望しておりますし、そして国際社会とともにその改革努力は支持していきたい、こう考えているわけであります。  二〇〇〇年までに東京宣言に基づいて平和条約を締結する、こういうことになっているわけでありますが、そういうことに向けて、日本政府とすれば、例えば私が今月中に訪ロする、そして十一月には小渕総理が訪ロする、そういったことの準備は着々としていきたいと思いますし、幅広い交流を続けながら目的達成のために努力していきたい、こう思っております。  こういう状況でありますが、できるだけそういう悪い方の影響は少なくするように、できればない方がいいな、こういうふうに当然のことながら思っております。

島聡民主党

○島委員 今もロシアの内政のことですからと言われましたが、これも共同の速報ですが、クリントン米大統領は三十日、イギリスのブレア首相、ドイツのコール首相と相次いで電話会談し、ロシアが経済改革路線を前進させることが国際支援継続の前提になるとの認識で一致した。これに先立って、ブレア首相は日本やドイツ、フランス、イタリアなどの首脳との個別電話会談で同様の方針を確認したとあります。  ということは、これをこのまま読むと、経済改革路線をきちんと前進させない限り、国際支援継続ということは日本も含めてやめるというような話に読めるわけでありますが、この事実関係はどうなっておりますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 ほかの首脳同士の話の内容というのは確実にはとれないわけでありますが、ブレア首相と小渕首相との電話会談の中では、ロシアがこれからも改革努力を続けていくことの必要性、そして、そういう改革努力をロシアが続ける場合には国際社会がその改革努力を続けて支持していく、そういうことが話し合われたということであります。

島聡民主党

○島委員 このロシアの動きに関しましても、もう非常に世界的な株安という状況があります。日本政府としては、どのように対処していくかということは慎重に考えてやっていただきたいと思う次第であります。  なお、先ほど自民党議員の方からも情報公開という話がございましたけれども、私の方も以後、その記事は存じ上げておりませんという発言がないように、事前にちゃんと伝えるようにしますので、今後ともきちんと情報公開の中において議論を進めていきたいと思いますので、お願いを申し上げます。  終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、山中燁子君。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 本日は、北朝鮮のミサイル発射事件について、主に政府の姿勢を通して、発射までの過程、それから着弾してからの動き、そして今後の方針ということをお聞きしたいと思います。さらに、もちろん砂漠化防止条約についても質問をし、もし時間が許せばロシアについてというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず一番最初ですが、実は三十一日の夜の小渕総理大臣の談話でございますが、「政府として、今回の事態を的確に把握し、そうした事態が明らかになれば当然何らかの手段を講じて北朝鮮に抗議の意思を表明することになるだろう、政府として万全の措置を講じていくという決意を持って対処していきたい」というふうにございますが、三十一日の夜の時点でまだ事態は的確に把握されておりませんでしたでしょうか。総理大臣がおりませんので、高村外務大臣にお伺いしたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 事態を的確に把握するといっても、だんだん確実性が増していくわけだと思うのですね。私のところに来た紙にはまだ、三地点に着弾した可能性があると書いてある。先ほどは、可能性がかなり強い、こういうふうに防衛局長が言いましたが。その時点である程度こうではないかということは言えたのだろうと思いますが、さらに確認の必要はあったのではないか、こういうふうに思っています。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 同じ三十一日の防衛庁の発表でございますが、「本日十二時すぎに、在日米軍司令部より防衛庁に対し、早期警戒情報として、下記の連絡があった。」という連絡があったわけです。このときにイージス艦では既にレーダーで着弾を捕捉していたというのがきょうの報道にありますけれども、この時点ではまだ外務大臣のところには、日本の防衛庁としてどういう情報を把握したか、特にイージス艦によってレーダーで捕捉をしたのかどうか、そのことの情報は入っておりませんでしたでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 事実だけ申しますと、その時点でイージス艦が把握したという情報は私のもとに入っておりませんでした。それがいいことなのか悪いことなのかよくわかりませんけれども、その時点では入っていませんでした。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 八月三十一日のアメリカ国務省のマクレニー報道官が、「我々は、過去何度かにわたり今回のテポドン・ミサイルの実験はいつ起こってもおかしくないというふうに注意してきた。さらに、北朝鮮がテポドン・ミサイルを開発していることは以前から気がついていたので、この実験に驚いてはいない」というふうに発表しておりますが、どうも日本の政府の反応は驚いたと。国民はもっと驚いたわけですが。  もしこの私の資料で間違っているところがあれば言っていただきたいのですが、テポドン一号というもののミサイル発射は間近であるというような情報が入っておりまして、三十一日にミサイルに燃料が注入され発射台に載せられていたということ。それから、今月の一日からちょうど日本海側の方、危険水域を設定することに北朝鮮がしていた。それから、着弾地点は日本海側になるであろうというふうに防衛庁は予測していた。防衛庁は、日本海にレーダーによる探知システムを備えたイージス艦を派遣、長時間の滞在が可能な電子データ収集機EP3も出動をさせていた。そういう情報は全く入っていらっしゃいませんでしたでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 事実関係でありますから政府委員から答弁させたいと思いますが、私自身については、この発射の数日前に、もし北朝鮮がやろうと思えば二十四時間以内に発射できる態勢が整っているというような情報は入っておりました。  あとの事実関係については政府委員から答弁いたします。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 もう少しありますので、一緒に確認をしていただければと思います。  九月二日の報道によりますと、三十一日の午後一時半過ぎに在日、在韓の米軍に対して早期警戒情報、先ほどと同じようですけれども、着弾予想時刻と着弾地域についての連絡が入ったのでしょうか。  それから、午後三時ごろ、在日米軍から、ミサイルは日本列島を越えて、三陸沖に着弾したらしいという情報が入っておりますでしょうか。  それから、一日の報道ですが、ミサイルが密集空域をかすめて三沢沖の五百八十キロのところに落下したということを午後五時ごろに防衛庁に確認をとった報道関係者がいるようですが、そのときに防衛庁は、そんな情報は聞いていない、米軍から訂正、追加情報もありませんということを言われておりますか。  それからもう一つの報道は、日本を越えて太平洋に着弾したということについて、高村外務大臣は六時ちょっと前にそのことを聞いたというふうに情報では流れてきておりますが、この点について、もし違うところがあればその箇所だけ簡単に言っていただければありがたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私がいつ聞いたかということだけは、もちろんもっと早く、発射したということはかなり早い時点で聞いているわけであります。ただ、日本列島を飛び越えて太平洋側に着弾したというようなことは六時少し前であったのではないか、こういうふうに思っています。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 事実関係につきまして私の方から若干御説明をさせていただきたいと思います。  三十一日の件でございますけれども、まず一番最初に、十二時過ぎに米軍の方から、米軍の探知その他によると、北朝鮮からミサイルが発射されて、それの弾着可能地域は日本海の中部だという情報が入っておりました。その時点で弾着の時刻が十二時十二分、こんなふうな情報が入ってまいりまして、これは、日米安保体制のもとでこの情報を共有するということで米側からそういった情報を得たものですから、我が方としては、この早期警戒情報について一定のマニュアルといいましょうか、それに従いまして直ちに官邸等必要なところにすぐ御連絡を申し上げた、こういうのがまず第一段階でございます。そういうものを経て、もちろんその事実については公表をさせていただいたということでございます。  それで、二番目の段階でございますけれども、私の記憶ですと三時過ぎだったと思いますけれども、どうも太平洋側に弾着している可能性がある、そういう情報があるということが入ってまいりまして、この情報につきましては、まだもちろん確認をしているわけではございませんので、そういう可能性があるということにつきましては私どももちろん総理にも御一報する。その前に防衛庁長官にももちろん御報告をしているわけでございますが、そういうことをいたしております。  それで、その問題につきましては、事柄が非常に事柄でございますので、御連絡というだけでは済まない、こう思いまして、私どもの次官が、六時前だったと思いますけれども、総理のお時間をとっていただきまして、総理に直接その辺の御説明にお伺いしたということでございます。  その間、我が方といたしましては、こういう事実を、後先になりますけれども、先生がお話しになりましたように、八月の中旬以降、北朝鮮側にこの動きがあるということもございましたので、我が方は、艦艇なり航空機なり、情報収集に適したものと我々が考えるものを派遣いたしまして私どもなりに情報を収集しておりました。そういったものも兼ね合わせましてこの情報の確度といいましょうか、それも確認をしておったわけでございます。  そういうことで、いよいよ我が方のいろいろな収集したものも含めまして判断いたしますと、やはり三陸沖に弾着をした可能性があるというふうに我が方も考えるに至りまして、これが多分八時ぐらいだったと思いますけれども、そういう段階で、我が方として我が方の情報も含めてそういうふうに判断をした。その点につきましてはもちろん官邸にも御報告をし、その後公表に至った、こういうことでございます。  なお、つけ加えさせていただきますと、その後我が方もいろいろな分析作業を続けておりまして、その結果、昨日夕刻に至りまして、従来我々は考えておらなかったんですが、要するに弾着地点が三カ所あるということを我々としては確認するに至りまして、日本海側に一カ所、それから太平洋側に二カ所。それぞれについて、日本海側は多分第一段目のブースターの落下地点であろう、それから太平洋側は、一つは第二段階目のブースターの落下地点であろう、それから、その先にさらに予想されます着弾、それにつきましては弾頭部分がそこに弾着したのではないだろうか、こんなふうに私どもとして確認するに至りましたので、昨日夕刻さらに公表させていただいた、こういう経過をたどってございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 第三段目があったというのは後のことといたしまして、日本の上空を越えて、それが航空圏域を侵すかどうかというそういうことを超えてでも、日本の上をミサイルが飛んだという事実が三十一日の夕方にはほぼ確認されていたということでよろしいわけですよね。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 先ほど外務大臣からもお話ございましたように、結局、いろいろな情報を総合して判断してまいりますので、だんだんと確度が高まっていくと申しましょうか、認識が固まっていくということなものですから、截然とどうだということはなかなか言えないんですけれども、夕刻の段階では、そういった太平洋側に着弾した可能性があるということは私どもとしては認識するに至りました。それで、我が方の収集している情報も含めてそれを確度の高いものとして確認するに至ったのが八時ぐらい、そういうことだと思います。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 そうしますと、一番最初に私が読み上げました小渕総理大臣のこの談話、三十一日の夜、もしこの時点で、日本の上空を越えていったということがほぼ八時ごろ確認をされていて、そうであれば、そのほかの詳細はわからないとしても、国民の受けたショックは大きいわけですから、発表はまだしていないとしても大きいだろうというのは当然予想されますから、やはりもし総理大臣が談話を出されるのであれば、その八時の確認をもって、このたびの日本の国土の上空をミサイルが越えたというその事態、これは、非常に遺憾である、そしてなお調査をし、そして今後対応を厳しく考えるというような談話をお出しになるのと、それから、その上を越えたというのと、ある意味では同時並行的に出されたら国民のショックはもっと少なかったと思いますけれども、まだわからないといったようなことで、夜十一時ごろになって、そして夜の会見で防衛審議官が、太平洋に着弾したと。そういうような取り扱い方ということが今回は少しまずかったのではないかと私自身は感じております。  なお、これは報道でありますけれども、自分の国の情報なら発表するかどうか自分で判断できるが、他国の情報はそうはいかないという、外務省幹部というのが新聞に載っております。これはますます外交の政策としては好ましくないのではないか。つまり、こういうことを外に向かって言わなければいけない状況というのは少し考えなきゃいけないのではないかというふうに私は思います。  それでは、時間もありませんのでその次の質問に移らせていただきたいと思いますが、八月十四日、ワシントンでの日米外務大臣の会談で、米国側は高村外務大臣に、北朝鮮がミサイル発射を準備しているようだと伝えたというのは事実でしょうか。八月十四日というふうになっておりますが。高村外務大臣。  もう一度繰り返します。八月十四日、ワシントンでの日米の外相会談のときに、米国側は高村正彦外務大臣に、北朝鮮がミサイル発射を準備しているようだと伝えたというふうに報道されておりますが、これは事実でしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私の記憶では、そういう細かいところまで会談では出なかったのではないかと思っています。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 認識というのがどういうふうになっているかというのは私、今回も、少し失礼ながら感じさせていただきましたのは、多分外務大臣も御記憶にあると思いますけれども、二月二十五日のソウルでの日韓議員連盟に対する金大中大統領の話の中に、韓国との漁業問題について、韓国側と日本側の認識が非常にずれているということで私、三月十一日の外務委員会で質問いたしました。そのときも政務次官のお名前が出ていたのですけれども、話し合いの中で出たか出ないかというのは、その確認というか認識というのは非常に微妙なところなわけです。それはもう御本人しかわからないのですけれども、御記憶をたどってもそういうような、ミサイルを準備しているようだというような話はオルブライト国務長官の方からはありませんでしたでしょうか。もう一度確認させていただきます。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 当時、そのような情報には私は既に接していたわけであります。オルブライト国務長官からそういう話が出て知ったということはないと思います。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 それは記録がおありになりますよね、公式の会談の場合は。外務大臣会議というのは。もしお差し支えなければ、ぜひちょっと調べて、後でお返事いただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私の記憶が間違いであればお知らせいたします。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 お願いいたします。  では、今のお答えで、それより前に大体、北朝鮮のミサイルの実験が近づいているということがほぼ情報としては入っていたということで、八月二十九日ですか、北京で北朝鮮側に中止を要請しているというようなこともありますけれども、そのほかに、そういう情報が入った場合に、国内的にはどういうふうな、これはその時点で公表しないということは大いにあり得るわけですけれども、国内的にはどういう措置をとられていたのか、また国際的にはどういう動きをなさったのか、その辺のところを簡潔にお知らせいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 そのころの情報というのは、情報の確度がまずわからないわけであります、どの程度の確かな情報か。そして、情報が確実であったとしても、本当にそういう準備を整えた上で必ず北朝鮮がやるかやらないかというのは、直前の情報、例えば今の状況であれば、二十四時間以内にやろうと思えばいつでもできるよ、それはやろうと思えばという話で、直前の情報ですら本当にやるかやらないかわからない、こういう状況ではあったわけです。そういう中で、政府内部では情報を共有してそれなりの対応をしてきた、こういうふうに思っております。  さらに政府委員から説明させたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 ただいま外務大臣の御答弁にありましたように、八月中旬、このミサイル発射についての準備状況に関する情報というのは、その時点から日々と言っていいぐらい頻繁に入っていたわけでございます、進捗状況に応じてですね。それで、大臣もおっしゃいましたように、技術的には準備ができている、しかし、それをやるという決定があったというような情報はもちろんないわけであります。それは、防衛庁を初め国内関係省庁とも情報をシェアをして、必要な態勢を防衛庁の方もとられたと聞いております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 それでは、技術的な準備はできているけれども、それを実際に行うかどうかということはもちろん見通せていないので政治的判断はできないということですが、対応としては、例えば、その性能についてはもう広く知られているわけですよね。一千三百キロメートルぐらいは行くだろう。そういうものを想定して円を描いてみますと、発射地点もほぼ決まっているとすれば、大体日本は入ってしまう。  そういうことがわかっている上で、私でしたら、そういう情報があったとき、これは公開しなくても、例えば日本海に落ちる場合がまず想定される。これはある意味では非常に甘い見方だと私は思いますけれども、北朝鮮が配慮をすれば、一九九三年、実際にノドンのミサイルのときに、一千キロメートルぐらいの能力がありながら、発射の推進の力、出力を調整して五百キロのところに落ちるようにした。ですから日本には届いていない。また多分そういう程度の、ノドンのときのような実験をするのではないかというふうなことがあったとすれば、そういう認識でなくて、一体北朝鮮というのはどういう状況に置かれているのか、普通の対話が成り立つ国なのかどうか、そういうことも含めて考えていくとすれば、例えば日本海に落ちる場合、これはラッキーな場合、それから、ひょっとしたら日本の国土に失敗して落ちるかもしれない、いつになるかわからないけれども。その場合にはどういう声明を出して、どういう行動を政府としてするのか。これが役に立たない、つまり、むだな努力であれば幸いだ、そういう気持ちになるというふうに思います。  そして同時に、日本の国内にある、特に三沢の沖、今回はたまたまそうですけれども、米軍基地に落ちた場合に、ミサイルの拡散ということを米国は最大の防衛問題の位置づけ、世界の中では核よりもまだ力を入れているということを考えれば、また、この間のスーダンの、先ほど島先生のお話にありましたようなスーダンへの爆撃も考えれば、もし米軍基地に落ちた場合、あるいはかすった場合どういうことが起こるのか。米軍がもし反転攻撃に出たら、日本は何もしないうちに、ガイドラインも決まっていない、周辺事態の法律も決まっていない、そのりちに自然に戦争に巻き込まれるということがあり得る。なくて幸いですし、ない方がいいわけですけれども、もしくは越して太平洋側と。  そういう今開発をしている、専門家がだれでも掌握しているような、そういった情報に基づいて想定をする。私、やはり外交、政治というのは、一つの事態が起こってから決めるということももちろんあり得ますけれども、もし今のように二週間でもあるいは何日かでも前に可能性を入手していたら、万が一起こった場合どうなるだろうということで、その確認の上で出てくるその後の対処の仕方ということが、これがあるかないか、つまり準備をしているかいないかということで、日本の外交政策、それから国民に対していかに日本の政府が信頼性があるかとか、あるいはきちんとした対処をしているかという国民への安心感という両面含めて、私はそれは当たり前に準備をしておくことではなかったかと思うのです。そういった準備が、いつなのかわからないということで余りなされていないとすれば、私は非常に甘い対応で、今度はラッキーだったというふうに考える方がいいのではないかというふうに思います。  続けてもう一つ、言葉の問題をちょっとお聞きしたいのですが、外務大臣は、今回のミサイルの実射、これは実験というふうに認識していらっしゃいますでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 正確には、実験だか訓練だか、あるいは百万分の一ぐらいの確率で日本をねらって撃ったということは、私はそういうことはないと思いますが、それははっきり言ってわからないわけでありますが、新しい形のミサイルを第一回目に発射したとすれば、普通の考え方では実験ということが一番大きく考えられるのではないでしょうか。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 野村総合研究所の森本敏さんの記事でございますけれども、「一九九三年に北朝鮮が弾道ミサイル「ノドン」を日本海に向けて発射した時には、推進力をわざと抑えて、射程を本来の半分の五百キロにし、着弾地点には船を二隻派遣して、ミサイルの軌跡をモニターしていた。これが実験だ。今回は射程をほぼフルに飛ばした。実験というより、示威か威嚇ではないか」というような意見が述べられております。  ぜひ、実験という言葉を政府が余り簡単にお使いにならないでほしい。つまり、どういう根拠で実験なのだというふうに確証なさっているのか。それが説明できないのであれば、その言葉は使わない方がいい、使うべきではないというふうに私は思います。  北朝鮮から実験だというふうな承認も得ておりませんし、今現実をモニタリングしていましても、これが実験であるというふうな、そういう事前の通告ももちろんありませんし、そういう時点で日本が希望的観測で実験というような認識であるとすれば、私は、それもまた非常に甘い認識になってしまってその後の対応を間違えるのではないかというふうに思っています。  それで、そういう状態で着弾したわけですが、これは防衛庁の方にお聞きしたいのですが、昨日の安全保障委員協議会の中で、ロシアのインタファクスによればヤコブレフ戦略ロケット司令官がいろいろなことを言っているという報道がありました。  北朝鮮はミサイルを打ち上げることを事前通告していたとか、ミサイルは航路を外れていたのでロシアのミサイルの追跡システムでは観測できなかったとか、明らかにミサイルは誤射であったとか、軌道を変えたとか、エンジンの欠陥によるものであったとか、そういった情報が流れておりまして、昨日の安全保障委員協議会ですか、その委員会では、防衛庁長官のお答えは確認をしていないということでございましたが、これはきょうまでに確認されましたでしょうか。このロシアの情報でございます。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 ヤコブレフ総司令官のコメントにつきまして、大使館におきまして、一日でございますけれども、ロシア国防省プレスセンター及びロシアの戦略ロケット軍総司令部のプレスセンターに口頭によりまして確認をいたしましたところ、先方の回答は以下のとおりでございます。  ロシア国防省プレスセンターの当事者は、三十一日付のインタファクスにおけるヤコブレフ総司令官の発言は報道のとおりであるというふうに述べておりました。一方、ロシア戦略ロケット軍総司令部のプレスセンターは、コメントをできないというふうに述べております。  したがいまして、私どもといたしまして、最終的にどちらかであるというきちんとした確認は、いまだ現時点においてはできていないというのが状況でございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 そうしましたら、同じことに関しまして、アメリカの国防総省に確認はとられましたでしょうか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 今の御質問は、アメリカに事前通報があったかどうか確認したかということですか。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 いいえ。ロシアの報道について、今の認識ではどちらもあり得るというふうに外務省は解釈なさっている。その点について、米国の方に確認なさいましたかという質問でございます。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 それは、私の知っている限りでは、そういう確認はしておりません。今欧亜局長が御説明いたしましたように、ロシア側に直接聞いているということでございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 もちろん、発表したのはロシアですから、ロシアに聞くのは当たり前ですけれども、同時に、米国防省のリチャード・ブリィジス陸軍中佐が、日本上空へのミサイルの打ち上げが意図的か偶然なのか定かではないという、つまり、これはわからないということを国防省の方で言っております。また、改めてその後、米国の海軍の「オブザベーション・アイランド」が、実験海域でモニターをして確認をしていて、この実験は成功であるというふうに言っているわけですから、ロシアもそういうふうな意見があって、そしてアメリカの方は日本の上空へのこの打ち上げは意図的なのか偶然なのかわからないということであれば、その辺は確認がしょうがないということであるとすれば、両方の可能性をもって日本はこれからの対応を北朝鮮に対していきませんと、これはいきなり日本へのおどしであるか、あるいはそうではなくて、偶然に、もし間違って、あるいは失敗であって、たまたまここを越えてきたとしたら、たまたま失敗で、いっどこにどういうふうに、また先ほどのことですけれども、日本の国土の上、もしくは米軍基地あるいはそのほかのところにも飛んでいくかもしれないというくらいの不確実なものかもしれない。そういう認識でいないと、この確認の仕方も、私はやはりもっとアメリカと詰めるべきだと思います。  それで、時間もございませんので、これからのことで、昨日官邸で、小渕総理大臣、野中官房長官、高村外務大臣、額賀防衛庁長官らが協議して、高いレベルの日米韓の三者協議の問題ですとか、国連の安保理でどうするかとか、それから日朝正常化の交渉、それから食糧の支援を見合わせるとか、それから弾道ミサイル防衛システム、画像衛星の活用、そういったものを検討するということを出されました。  私は、このこと自体には大変賛成でございます。けれども、なぜこれが一日の夜だったのかというのが、私は大変疑問に思います。もし三十一日の八時ごろに、きちんと、大体日本の上を越えていったというのがわかっていれば、もうその日のうちにやはりそういった会議を開くべきではなかったか。そして一日も早く日本の態度をきちっと表明すべきでなかったかと申し上げたいのです。  きょう、防衛庁長官はちょうど時間の都合がつかないということでおいでになりませんが、昨日の安全保障委員協議会のお答えの中では、三十一日の夜、つまり防衛審議官が発表しているころ、高輪の宿舎で事態を見守っていらしたというお答えがありました。この日本の上空を、しかも不正確かもしれないし、また民主国として本当に対話ができるかどうかわからないという国からのこういった突然のミサイルの飛来があって、防衛問題というのが改めて問い直されるときに、きょういらっしゃらないから失礼になるかもしれませんけれども、防衛庁長官の認識も私は甘かったのではないかというふうに思わざるを得ません。  もう一つ、このことにつけ加えまして、これからやはり日本は両手の外交をしなければいけないというふうに思っています。先ほど北風か南風かとおっしゃっていたようですが、両方使うべきだと思うのですよ。外交というのはそういうものだと思います。  つまり、北朝鮮のあり方というのは、ある意味で旧時代の思考パターンですよね。力を示せば多分うまくいくだろう、KEDOのときのああいった経験も持っているということもあるとすれば、そこと話し合いをしてどのぐらい効果的に理解してもらえるかということを考えますと、これから、今二千二百キロの飛距離、あるいはもっと、アラスカも射程に入れた五千八百キロの開発も進めている。それから、五年前のときにはイランの調査団が来ていたし、今もそのイランその他の国から開発に対する援助が北朝鮮に流れているということになりますと、これは当然いろいろな方が指摘していますように、中東へも広がっていくという危険性もあります。  また、これはワシントン・ポストの二十六日のダナ・プリースト記者の記事でございますが、「以前寧辺にあった核研究所センターの近くの山に巨大な秘密の地下の施設をつくっている、約千五百名が地下で活動していて、それが原子炉もしくは核処理の施設の建設ではないか」というような懸念を表明しているという事態も考えますと、私どもは、やはり時間との闘いということを一つ考えて、十分で飛来するものを公表するのに、あるいは確認するのに五時間も六時間もかかっているのでは、日本の国の安全というものが保たれない、そういう強い懸念を感じますので、これがやはり時間との闘いであって、しかも、米議会の下院のアジア・太平洋小委員長のビライター氏が一日付で、北朝鮮は、ちょうど短距離ミサイルのノドンを一回の実験で配備したように、テポドン・ミサイルを警告なしで速やかに配備できる、我々はピョンヤンがミサイルの精度を上げるために何年もの時間を必要と考えていてはだめである、テポドンが開発されたスピードを見れば北朝鮮が長距離のICBMを開発するのは単なる時間の問題と考えるべきであるというふうに述べています。  ただ、私は、北朝鮮がこのまま敵対していっていいという考え方ではありませんので、両手を使うべきだというふうに申し上げたいと思います。両手を使うというのは、まず総合的な安全保障の対話を速やかに日本はアジア太平洋地域に関して、このたび、アメリカと韓国と協議するのはいいんですけれども、実際に自分たちの国土の上をミサイルが飛んだのは日本なんですから、日本がやはり主導権を握って、今まで、ある国に対して敵対して安全保障というのを考えていた時代から、冷戦後になって、すべてのその地域にある国をどうやってインボルブするか。インドもしかり、パキスタンもしかり、北朝鮮もそうです。  ですから、日本が主導でアメリカ、韓国そして中国にも働きかけて、この安全保障というのは、防衛の問題だけであったとしたら、今、これから二十一世紀の複雑系と言われている社会に、私たちの政策は適応できません。つまり、防衛問題もさることながら、経済問題、政治的なセキュリティー、それから社会的なセキュリティー、環境のセキュリティー、こういったものが入り組んで今の状態になってきているということをきちっと認識した上で、私は、改めて日本がアジア太平洋総合的安全保障対話を早急に開始するというのが一点と、トラックⅡでちょっと足踏みになっておりますけれども、予防外交という概念、これは中国も大変反対しておりましたが、七月二十日、二十一、二十二と北京の現代国際問題研究所の招聘で私もフォーラムに参加してまいりましたけれども、中国もやっと予防外交というものに対してのフォーラムを開くというところまで認識が進んでまいりました。  そういう意味で、第一段階の、信頼をいかに醸成するかという、これを右手として、きき腕だとしたら、左手として周辺事態法をどうするか、この内容については非常に問題がまだ含まれていると思いますけれども、全然議論しないでいいのか。あるいは、TMDは本当にコストエフェクティブなのかどうか、それだけの価値があるのかどうか。ストックホルム国際平和研究所で、それはすべて一〇〇%弾道ミサイルを防御する力はないというふうなコメントを出している学者もいますので、私は議論することは非常に大事だと思いす。  政府が出されたものに加えてそういう政策を打ち出していただきたいことと、もう一つ、北朝鮮に対しては、米(こめ)支援のときに私は申し上げました。国連あるいは国際赤十字の米(こめ)支援には日本は参加する、しかし二国間の場合には、まず第一が拉致問題、第二番目が日本人妻とその家族が自由に行き来できるようにする、それから第三番目は米(こめ)を含めて農業機構、農業のストラクチャーの改良をすることで日本が援助する。つまり、農業基盤を改革しないと北朝鮮のお米というのはできてこないわけですから、そういうものを条件にして出すべきだというふうに申しましたけれども、その当時の日本の政府は、全部出しました。そして次に国会で拉致事件が問題になると、全部ストップしました。  ですから私は、両手を使った外交をこれからぜひしていただきたいというふうに思っています。これからは予期せぬことがいろいろ起こるわけですから、今までこういう経験がなかったのでというのは、国際的にはもうエクスキューズは通用しません。どういう事態にでも対応できるような、そういったやわらかな発想で、しかし、このたびのように国家の主権にかかわるような問題が起こったときは、総理大臣も外務大臣も毅然とした態度でまず第一声を言っていただきたい。その後、両手でも、いろいろな手段でも使って、いい形で北朝鮮も含めて最終的な方向が見えるようにする、そういう両手の外交をぜひお願いしたいと思います。  砂漠化防止条約に関する時間がなくなりましたので、これに関してはきょうは私一つだけ申し上げたいのは、先国会で一期目の七名の連名で申し入れをしたのですけれども、今回の砂漠化防止条約とこのミサイルの問題とを同じ時間の中でするというのは、非常にやはりもったいないというか問題がありますので、ぜひ、例えば砂漠化防止の条約というのはほぼ皆さんが、私も二度ほど国会で、早く出してくれ、早く、十二月の会議に間に合うように、なぜこんなに遅いかと。先ほども出ていましたが、そういうところですから、そういうものは小委員会に付託するとか、少し外務委員会のあり方そのものも考えていただきたいと思います。  私は賛成でございますが、今までやってきたことに形をつけるために百三十六カ国目にサインをするというのは非常に情けない。ですから、見える形で、これを批准したから国際的に日本はどういうふうに貢献をするのかというのが、来年、再来年の政策の中に国内的にも国際的にもわかる形でやっていただきたいということをお願いして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。  もし最後に感想がありましたら、三十秒でも、大臣お願いいたします。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 先生のおっしゃるところの両手を使った外交、そういう言葉を我々が使うかどうかは別にして、何が一番効果的であるかということを考えてプラグマチックな外交をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 午後零時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ――――◇―――――     午後零時五十一分開議

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。東祥三君。

東祥三自由党

○東(祥)委員 自由党の東祥三でございます。  高村外務大臣、大臣御就任おめでとうございます。初めて直接、委員会での質疑をさせていただきます。  最初に、新しく就任された外務大臣の外交に対する基本的な考え方をお伺いしたい。  外交政策において、継続性も極めて重要なことだと思いますけれども、外務大臣によって力を入れたい分野が違っていても当然いいと思います。そういう視点から考えますと、前外相との考え方に違いがあるとは思われませんけれども、高村外務大臣が、任期中にこれだけやっておきたい、そういう何らかのものをひっ提げて外務大臣に就任されたと私は推察いたします。  とりわけ、アメリカの元安全保障担当官でありましたブレジンスキーさんというのが、一九九三年にアウト・オブ・コントロールという、事態収拾不可能、まさに二十一世紀に向かって大変な状況になりつつある。そういう流れの中で、日本の外交の最高責任者として今回外務大臣におつきになられた。任期中にぜひこれだけはやりたい、そういう思いで私は外務大臣になったんだということがあれば、その辺から開陳していただければと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 外交において継続性も必要であるがと、こう先生おっしゃいましたが、継続性が極めて必要だ、こういうふうに思っております。でありますから、日米基軸、その上に立って、近隣諸国との友好関係、そしてアジア太平洋地域協力、そして国連を中心としたグローバルなもろもろのことについての取り組み、そういったことをきっちりやっていきたい、こう思います。  当時の小渕外務大臣が、国民とともに歩む外交ということを言っておりまして、これは極めて大切なことでありますから、その上に立って、さらにリーダーシップのある外交というものを展開していこう、こう思っています。  それで、リーダーシップのある外交というのは二つ意味がありまして、一つは、日本が国家として国際社会においてリーダーシップをどう発揮していくかということと、もう一つは、日本の外交を展開していく中で政治家がいかにリーダーシップをとっていくか、その二つのことを意識して、やるべきことをやってまいりたい、こういうふうに思っております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 リーダーシップのある外交をやり遂げたい、そういう決意だと伺いました。  その上で、本日の一つの案件であります砂漠化防止条約に関連して、先ほど外務大臣が言われたとおり、継続性が大事であることは、私もそのとおりだと思います。ただ、日本のこれまでの外交の継続性をずっと続けていれば、何が何だかさっぱりわからない外交になってしまう、これもまた一つの事実なのではないのか。  一つの分野であります環境問題を取り上げたとしても、政府高官、外務大臣もどこかで言われているかわかりませんけれども、軍事的な貢献には制約のある我が国が国際貢献をアピールするのにふさわしい分野だと位置づけられると思います。環境問題への積極的な貢献をさまざまな場で繰り返し表明してきていることもまた事実だと思います。そして、我が国から支出された環境ODAの額は、五年間で、九二年から九六年の間で何と一兆四千四百億円、まさに想像を絶する莫大な金額に達している。しかし、その一方で、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、オゾン層破壊など、多種多様かつそれぞれが複雑に絡み合う環境問題に取り組むに際して、政府全体としてどのようなビジョンを持っているのかさっぱりわからない。また、国民の税金から成る巨額の環境ODAをどう使っていこうとしているのか、COP3などのさまざまな環境に関する国際会議の場面でどのような外交を繰り広げていくのかという、いわば基本戦略が全く見えてこないのも事実なのではないのか。  この砂漠化防止条約に関しても、差し迫っている第二回締約国会議に入るから、何とかしてフルレンジでもって参加できるようにと、そういう角度でのいろいろな要請はあります。しかし、締約国会議のフルレンジメンバーとして入らなくても、日本というのは最大のドナー国としてもう既に三百万ドル近い資金を提供してきている。締約国会議に何をやるのかということが全然指し示されていない。そういう意味においては、基本戦略、これが不明確なのではないのかというふうに思わざるを得ません。今回審議中の砂漠化防止条約にしても、砂漠化防止が我が国の、あるならば、いわゆる基本戦略の中でどう位置づけられて、砂漠化防止条約の批准がどのような意味を持つのか、これをまず明らかにすべきなのではないのか、このように思うわけでございます。  この点について、いかがでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 地球環境というのは相互に密接なかかわりを有しているわけでありまして、この砂漠化対処条約の前文でも気候変動枠組条約及び生物多様性条約に言及している。砂漠化に対処することがこれらの環境に関する条約の目的の達成に寄与できる、こううたわれているわけでありますが、そういう観点に立って、我が国としても、砂漠化の問題は地球環境に脅威を及ぼす問題であると受けとめておりますし、また、多くの開発途上国における持続可能な開発にかかわる問題でもあると認識しております。  そういう観点から、我が国は、砂漠化への対処は国際社会が一致協力して対策を進める必要がある、そういう観点に立って、二国間援助、この条約の作成を含む国際機関での協力等、国際的な砂漠化への対処に積極的に取り組んできたわけでありますし、これからも引き続いて力を注いでまいりたい、こういうふうに思っております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 砂漠化防止が極めて重要なものであるということも私は認識を共有いたします。  ただ、あれもこれもというわけにはいかないのじゃないのかということを僕は申し上げています。地球環境問題というふうに言ったとしても、地球温暖化問題に対して一生懸命日本政府というのは取り組みますよと言っていながら、あのCOP3において、議長国でありながら、それなりのちゃんとした責任を、また世界から期待されているそういう評価を出せなかった。じゃ、地球温暖化というのが最優先順位にあるのか。それとの兼ね合いの中でその他の問題を考えているのか。それとも、そういうものとはまた別個のものとして、全体の中でそれぞれみんな大事なんですよと。どういうふうにとらえているのかということを僕はお聞きいたしているのです。  地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、オゾン層、みんなどれを取り上げたとしても重要だと思います。砂漠化防止という、アフリカにおいて、極めて大変な状況に直面している国々にとって、日本がそこに貢献し、また寄与していくことは、地球全体の環境にとっても極めて僕は重要だと思います。しかし、それぞれの担当の方々はその分野において一生懸命みんな頑張っているわけです。しかし、政府として、基本戦略としてそれはどのように位置づけられるのかということを明確にしなければ、それぞれの分野で働いている人たちが、一番大事なんだと言うことになってしまって、政府の大方針なり基本戦略というのはないのじゃないですか。すべて大事だということは、何もないというのとある意味で同じ意味になってしまうのじゃないのか、そういうふうに僕は思っているのですが、いかがですか。ないならないでいいのです。これからつくっていくということであるならば、それはそれでいいのです。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 今申し上げたように、環境問題というのはそれぞれ入り組んでいて、密接な関係がありますから、こっちは大切だ、こっちは大切でないということはなかなか言いにくい、こう思っております。ただ、それぞれの場において我が国が今どういう力を注ぐべきかということは、それぞれの時点で検討してまいりたい。  例えば、昨年でありますれば、COP3を我が国で引き受けて、そしてそれについては、当初はとてもまとまらないのではないかというようなことも言われたものを曲がりなりにも議長国としてまとめ上げることができた。ちょっと先生の評価とは違うかもしれませんが、それは国際社会からそれなりの評価を受けている、私はそう思っております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 また高村外務大臣とはいろいろな場でいろいろな議論ができるような感じがいたします。  次の質問に進みます。  北朝鮮による弾道ミサイル発射問題について、残された時間費やしたいと思います。  まず初めに、今回のこの事態に関する政府の危機意識を問いたい、このように思います。  我が国の安全保障にとって深刻な脅威であります大量兵器を持っている国、あるいは大量兵器を開発する能力があると思われる国が、我が国の政治経済の中枢、つまり東京初め大阪、北海道、福岡、さらにまた県庁所在地、すべての日本の政治経済の中枢、さらに自衛隊あるいは在日米軍の拠点すべてを射程に入れたミサイルの発射が行われたことは、我が国の安全保障にとって今までなかった脅威をまさにもたらしているのではないのか、このように私はまず認識いたします。政府はこの脅威をどういうふうに認識するのか。この脅威がどの程度切迫しているものなのかという意味において、政府の危機意識をまず問いたいと思います。いかがでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私の危機意識は、貴委員の危機意識を共有するものだと思っております。具体的に防衛庁から答弁……(東(祥)委員「いや、外務大臣で結構です」と呼ぶ)いいですか。

東祥三自由党

○東(祥)委員 それじゃ、危機意識を共有すると言っているのですが、日米関係に与える影響はどのように外務大臣分析されますか。  つまり、在日米軍基地というのは、在日米軍基地のその治安状況なりその安全性というのは、日本が担保する必要がありますね。もし在日米軍基地にこの弾道ミサイルが当たるとする、着弾するとする。その瞬間、日本は当然攻撃用のミサイルを持っていませんから、アメリカは当然巡航ミサイルを持っています、巡航ミサイルで、その自衛権の名のもとに北朝鮮に対して反撃する。その瞬間、日本はそのときからまさに防衛出動態勢に入るわけですね。しかし、現実にこのような状況はいまだかつて予想されていなかった。しかし、そういう予想がひょっとして起こる可能性が出てきた。しかし、日本はその状況に対してまだ正確なる情報を持たないと同時に、それに対してどのように対処したらいいかわからない、そういう状況なんじゃないのかというふうに思います。  まず第一段階として、今外務大臣は、政府の危機意識、私の危機意識と同じだとおっしゃいました。じゃ、この意識というのは日米関係にどのようにはね返ると外務大臣はお考えになりますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 まず、委員が冒頭おっしゃった、米軍基地の安全は日本が保障しなければいけない、この点は、ちょっとそうなのかな。国内の治安の問題で、日本人に限らず、国内でだれかが乱入するような場合については、それは日本国の治安の責任を持っている者はきっちりそれに対処しなければいけないという意味ではそのとおりでありますが、外国からミサイルが飛んできて、その安全を日本が保障するという立場にあるのかどうか、私は直ちにそのとおりですと言うだけの知識を持っておりません。

東祥三自由党

○東(祥)委員 北米局長、どうですか。

竹内行夫外務省北米局長

○竹内政府委員 先生御指摘の状況、仮定の状況でございますが、それはまさしく、日本の防衛政策というものが専守防衛であり、かつ日米安保体制によって我が国の安全を守るということの根幹にかかわるものであろうと思います。  御承知の、釈迦に説法というわけではございませんが、安保条約の第五条において、日本の施政のもとにある領域における、いずれか一方に対する武力の攻撃が云々とございまして、先生のおっしゃいましたような事態というのは、そのような事態に当たることがあり得る、こういうふうなことだろうと思います。これはあくまで安保条約の建前でございますが、法律上の問題でございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 外務大臣、まさに今まで私たちが想像していた以上の日本の安全保障にとって危機的な状況になっている。そういう認識であるとすれば、なぜ国家安全保障会議というのを開かないのでしょう。国家安全保障会議は開きましたか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 事実から申し上げますと、国家安全保障会議は開いておりません。国家安全保障閣僚懇談会というのを開きました。  そして、私の理解するところでは、安全保障会議は、安全保障上の脅威があって、それに対する対応を定めるということに主たる目的があって、その対応といっても、もちろん今度の場合でもいろいろな対応をしているわけでありますけれども、例えば防衛出動、そういったたぐいの対応をするような場合に開かれるものだ。もう少し正確なことは政府委員から答弁させます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 いいです。  いや、それは今まではそうかもわかりませんけれども、かつてアメリカの前国防大臣が来られたときに、日米安保体制というのは今まで発揮されたことがないと。別の言葉で言えば、防衛出動というのはないんですよ、戦後。  そういう状況の中で、先ほど申し上げましたとおり、今までなかった脅威を現出させているんですね、この北朝鮮の弾道ミサイル発射というのは。じゃ、それに対して、まさに国民の生命と財産を預からなければならない閣僚の方々が、ただ単にその対応をどうするかというより、どういう脅威なのか、そういうものを認識するための場としても使ったらいいじゃないですか。しかし、残念ながら国家安全保障会議というのは開かれていない。  この脅威、外務大臣と私は認識を共有するかわかりませんけれども、その脅威を日本の国政を預かるまさにそれぞれの分野の担当大臣が共有していないとなれば、ある大臣にとってみれば大したものではない、そういうことになってしまうんじゃないですか。こういうとき以外、どういうときに国家安全保障会議というのは行われるのですか。  それぞれ、今まで全く機能していないだとか、あるいはまた、それを準備するに当たって、役人の皆さん方が各大臣にどういう発言をしてもらうかというのを全部書かなくちゃいけないだとか、フリートーキングができないだとか、いろいろなそういう制約があるというのも私よく存じ上げています。しかし、一国の宰相を中心として、今までなかった脅威が差し迫っている、そういう認識を持った上で、そういうフリートーキングがなされていないというところに、日本政府の危機意識が全く欠如しているんじゃないのかというふうに私は思わざるを得ません。これは感想でございますが。  その上で質問させていただきますが、今までなかった脅威に対して我が国は安全保障上の手段を持っているのかどうなのかという質問に移らさせていただきます。  先ほど既に質問が出ておりますけれども、まず第一に、情報の問題でございます。  アーリーウオーニングシステム、早期警戒情報を含めて、情報を得る手段というのは、米国から得ているものとまた日本独自で得るものと照合しなければ、すべての情報分析ができない状況なのではないのか。まず、この点についていかがですか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 今の御質問にお答えする前に、先ほどの安保会議につきまして若干補足をさせていただきたいと思います。  この安保会議につきましては、これは内閣の方で所掌されておりますので、私の方から御説明するのはあれでございますが、まさにきのう閣議の後に開かれましたのは安保会議の議員懇談会ということで、メンバーはこの安保会議と同じメンバーの閣僚等で、意見交換が行われた、こういうことでございます。事実として、そういった状況になってございます。  それからもう一つ、情報の関係でございますが、情報につきましては、この日米安保体制のこういう関係の中で、我が方、米国とも必要な情報の共有をしているわけでございますけれども、そのほかに、我が方独自のいろいろな収集手段も持ちまして我が方としての情報も収集している。それで、そういうものをまた重ね合わせまして、我が方として判断をしていく、こういうことになろうかと思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 我が国の安全保障上の手段の一つとして、情報というのは極めて重要なことだと思うのですが、その得た情報の発表のタイミングだとか内容というのは、これは日本独自でできるものですか、どうですか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 情報の取り扱いと申しましょうか、情報に基づいたいろいろな判断につきましては、それは我が国の政府の立場、国益を考えて対応していくということだと思います。また、その際には、どういう形でその情報を入手しているのか、こういうことも勘案しながら、全体、日本の立場でもって判断をする、こういうことになろうかと思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 もう一つの安全保障上の手段ということで、日本は専守防衛ですから、攻撃用の武器というのを持つことができない。ただ、今回の北朝鮮の弾道ミサイルというのは、まさに相手はやりを持っているわけですね。そして、先ほど申し上げましたとおり、日本の政治経済の中枢すべてをカバーする、そこまで到達できるミサイルを開発してしまっている。そういう状況の中で、日本は何をもって、もし万が一最悪の事態になったときに、何でもって防ぐのか、その手段というのは日本にあるのかという問題です。  既に何人かの議員の方々から質問が出ておりますけれども、いわゆるミサイル防衛システムあるいは戦域ミサイル防衛という、TMDなのかはわかりませんけれども、これは政府としてどうされるのですか。推進されるのですか、どうされるのですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 推進することを検討する価値があるものだと思っております。  非常に費用もかかるものでありますし、どのくらい効果があるのか、費用効果等も含めて十分検討する価値があるものだと思っております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 来年度には予算計上されるのですか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 弾道弾ミサイルに対します対応手段というのは、現在これに対する対応措置というのはどこの国もまだ開発されていないわけで、ところが、今先生お話しのように、弾道弾ミサイルにどう対処するかというのは、まさに我が国の防衛にとって重要な課題であるということでございます。  そのために、この点について知見を豊富に有するアメリカの協力を得ながら、そもそも弾道弾の脅威というのはどういう特徴があるのか、あるいはそれに対抗するにはどういうことが必要なのか、またそれを実現するにはどういう技術が必要か、それがまた今の一般技術水準でもって実現可能なのかというようなことをこれまで勉強してきているわけでございます。これからさらに研究を進めるためには、もう少し具体的に技術研究ということをする必要があるのではないか、かように考えております。  ただ、そのためには、米側との間でさらに具体的な調整ということも必要でございますし、その他の調整も経た上で、十一年度予算にどういうふうに対応していくか、こういうことを考えているわけでございまして、そういう意味で、十一年度の概算要求にはこの技術協力の関係の概算要求を計上するには至っていない、こういう状況にございます。  ただ、一方、従来からやっております弾道弾ミサイルについての総合的調査研究ということにつきましては、概算要求に一千九百万円の調査費を計上している、こういう状況にございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 一昨日の八月三十一日付のワシントン・ポストでは、現在日本はミサイル防衛システムの共同開発のための予算を拡大している、来年度予算には、一千数百万じゃなくて、三百六十万ドル、百三十五円換算で四億八千六百万円を確保していると伝えている。これはどういうことなのか。アメリカ側が具体的な数字を出しているというのは、日本政府からは何かを聞いているということになるんじゃないですか。この事実関係についてまず答弁していただけますか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 今の報道につきましては、私よく存じませんので申し上げられませんが、まさに今の政府の立場、概算要求の内容につきましては、先ほど私がここで御説明したとおりでございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 ワシントン・ポストがありますから、これはちゃんとクレーム出しますか。「Japan is currently boosting its budget for joint development of a missile defense system with the United States, and has reportedly earmarked $3.6 million for the project next year.」ちゃんと書いてある。もし事実に反するならば、ちゃんとクレームして、クレームしたということを後で御報告してください。  前向きな形でもって検討していくという御答弁を得ましたので、その上で、先ほどの高村大臣は、今回の事態を踏まえた上で、北朝鮮に対して毅然とした態度で臨む、このように書かれているわけでございますが、具体的に何をするのか。KEDOに対しても、アメリカ及び韓国との間の協議を踏まえた上で、当面推進しないというふうにおっしゃっている。ということは、米朝の枠組み合意、つまり軽水炉を供与する、重油を供与する、経済制裁緩和の見返りとして核開発計画の凍結、査察の受け入れなどの互助というのですかね、それを決めたものでございますが、この米朝枠組み合意を根本的に変えようとする、そういう視点なんですか、どうですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 米朝枠組み合意を根本的に変えるということではありません。少なくとも現時点で、直ちに、重油についてもあるいは軽水炉、特に軽水炉の話でありますが、そういった負担をきっちり決めてどんどん進めていくことは、北朝鮮に誤ったメッセージを与えることになる可能性があるので、それは当面見合わせる、それ以上でも以下でもないということであります。

東祥三自由党

○東(祥)委員 高村大臣、難しいと思いますが、当面というのはどういう意味でしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 当面というのは、一般的に日本語として通用する言葉だ、こう思いますので、必ずしも一定の期間という意味じゃなくて、状況が変化するかしないか、そういったいろいろな要素を含めて当面でございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 米朝枠組みの状況が破綻しかかっているという認識はありますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 破綻しかかっているという認識はありません。

東祥三自由党

○東(祥)委員 KEDOを当面推進しないということは、当然北朝鮮側からもそれなりの反応が出てくると推察しますね。米朝の枠組み合意があったではないのか、これに基づいてどうしてやらないのだと。しかし、北朝鮮は、まさに今までの想像を絶する形で日本の安全保障に脅威を与えている。したがって、ミサイルを破棄するかあるいはミサイル開発を中止するか、そういうことをしない限り、KEDOというのは推進できなくなる、こういうことじゃないのですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 ミサイル開発を中止しない、我々は中止してもらわなければ困るわけでありますが、中止しないからといって全部枠組みを壊して核開発までしてしまう、こういう状況を選ぶわけにはいかないということが一方にある。だから、核開発をとめるという意味でKEDOという枠組みは大変現実的でもあるし、効果的でもあるという面もあるということと、もう一方で、ミサイルの点についてはきっちり対応しなければいけないという二つの問題がある。片方がだめだから片方まで壊してしまえということにはならないのだろう、こういうふうに思っています。

東祥三自由党

○東(祥)委員 そこがまさに外交の難しさだと思うのですが、外務大臣はどのようにブレークスルーしょうとされているのですか。きょうの御説明の中にはミサイルの開発・輸出中止を求めていくと書いてあります。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 開発中止を求めてまいりますが、我が国は国交を持っておりませんので、今米朝の話し合いが続けられている中で、私たちはそれはアメリカにも働きかけ、あるいは日本独自としてもさまざまなチャンネルを通じて努力をしてまいりたい、こういうふうに思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 北朝鮮においては、ミサイルと並んで核施設問題が現在取りざたされております。先般、ニューヨーク・タイムズが公にしました、寧辺北方の山中に穴を掘って大工事をしていると伝えられている。その施設には北朝鮮軍がかかわっている、そのように米国は説明しているところでございますが、その問題の施設は核施設なのではないのか、こういう疑いが持たれているわけです。もし核施設であるとすれば、それはまさにNPTあるいはまたIAEAにも違反するものであり、米朝合意の枠組みからも反するわけですね。  そういう疑いが持たれている間、つまりそれが核施設ではないか、そういうふうに言われるところまで、対朝関係というのは抜本的に見直すべきじゃないのかと私は思うのですが、いかがですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 今そういうことも含めて米朝の話し合いが続いておりますので、私たちも、アメリカに対して、日本の主張はこうであるということは北朝鮮に伝えてほしい、そういうようなことをやりながら、そのチャンネルが一番現時点では大きなチャンネルでありますが、その他もろもろのチャンネルを通じて目的を達成するように努力してまいりたいと思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 今回の弾道ミサイルの発射というのは、まさに日本ののど元に何かを突き刺されているわけですね。アメリカから見れば、アメリカはまだ彼岸なわけですね。アメリカまで行くテポドン2が開発されればアラスカまで行く、そういうふうに言われているわけですけれども。そういう意味からすると、日本にとっての安全保障上の極めて高い脅威である。さらにまた、北東アジアにおける安定とそして平和にとっても脅威である。グローバルから見るならば、まさにミサイルの拡散体制に火をつけるかもわからない大変な事態なわけですね。  ただ、先ほど高村大臣がおっしゃられているとおり、この対朝関係というのは基本的には日本独自ではどうすることもできない。ある意味でアメリカにおんぶにだっこしなくてはいけない。とするならば、当然アメリカとの間における協議をやはり日本の立場で明確に伝えなくてはいけないし、だからといって、アメリカから孤立しようもないですし、してはいけませんし、また韓国との間の関係も密にしておかなくてはいけない。非常に僕は難しいかじ取りを高村大臣は今やらなくてはいけない、そういうふうに思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。ただ、毅然とした態度で接していくというふうに言っている以上、その言葉をちゃんと忠実に実行していただきたい、このように思います。  最後になりますけれども、条約局長、さきの米国軍のアフガニスタン及びスーダンのいわゆるテロ拠点に対しての武力攻撃の問題ですが、国際法上の観点から一つお聞きいたします。  それは、テロ組織という、国家ではありません、一つの集団であるわけですが、人類の共通であるテロ、そのテロリストたちを構成する組織に対して、国連憲章で言うところの第五十一条の自衛権というのは行使することができるのかできないのか、日本政府としての解釈はどういうふうになっているのか。

東郷和彦外務省条約局長

○東郷政府委員 お答え申し上げます。  まず、今回の事件に関しましては、私どもは、米国からの累次の情報の提供を受けまして米国の行動についての認識を深めてきておりますけれども、我が国は本件の当事国ではなく、本件をめぐる個々の具体的な事実について確認することはできませんので、我が国としての確定的な、法的な評価については申し上げられないということでございます。  しかしながら、委員御質問の国連憲章五十一条との関係において本件をどういうふうに考え得るかという点について、一般論として補足させていただきたいと思いますが、テロ活動が行われた場合に、特定の国の支援等を得まして、ある国及びその国民を標的としまして、計画的、組織的そして継続的にテロ活動が行われている際に、これを総じて急迫不正の侵害と位置づけるということはあり得るということは従来から御説明しているとおりでございます。そして、この急迫不正の侵害に対しまして、これを除去するために、ほかに代替手段がない状況で、侵害に均衡した必要最小限の措置として自衛権を行使するということはあり得るというふうに考えております。  特に、御質問の一テロ組織という点に関しましては、ある特定の国がそのテロ組織とどういう関係にあったかということを含めて判断するということになるのではないかと思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 時間が来ましたので、終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 最初に、砂漠化防止の条約について一、二点お尋ねいたします。  深刻な砂漠化の進行を防止することが、地球的な規模においても人類的な立場からも緊急の課題であることは申すまでもございません。ところで、政府は、日本も、発展途上国の森林の乱伐あるいは膨大な排気ガスの放出等によって、今日の砂漠化に責任の一端を担っておるという認識がおありかどうか、大臣からお伺いしたい。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 木材の乱伐や排気ガスの増大は、我が国を含む先進国の経済活動に起因する面がありまして、これにより巻き起こされる森林減少や気候変動が砂漠化の進行に影響を及ぼしている可能性はある、こう考えております。したがって、国内外で環境に配慮した経済活動が行われることが何よりも重要と考えております。  いずれにしても、世界第二位の経済規模を持つ我が国は、先進国として環境問題に積極的に取り組む責任を有しておりますし、従来より、ODA等を通じた協力を行うとともに、砂漠化対処条約の作成等においても積極的に貢献を行ってきたところであります。今後とも、従来からの貢献に加え、この条約の目的に沿った形での国際協力を一層推進していきたいと考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 おっしゃった内容は、日本にもその責任の一端があるという立場を踏まえての内容になっております。したがって、条約を誠実に実施するとともに、具体的には、発展途上国の植林、育成に力を注ぐことはもちろんでありますが、車の排気ガスも、京都会議で約束した六%削減、少なくともその完全達成をする、あるいはそれ以上を目指すということでなければならないというふうに考えます。担当者でいらっしゃる大臣のその点についての御決意を承りたい。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 京都会議におきましては、各国が協調して地球温暖化防止への取り組みを進めるために、二十一世紀以降の先進国及び市場経済移行国のための法的拘束力のある目標を定めた京都議定書が採択され、この中で、我が国については、二〇〇八年から二〇一二年までの期間中に温室効果ガスの排出量を一九九〇年の水準より六%削減するとの目標が設定されました。  京都議定書は、二十一世紀以降の地球温暖化防止への国際的取り組みの第一歩となるものであり、我が国としては、昨年十二月に内閣総理大臣を本部長として内閣に設置された地球温暖化対策推進本部を中心として、六%削減目標の実施に向けて政府一丸となって取り組んでいく考えであります。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 次に、沖縄の米軍基地で問題になっておりますPCB問題についてお尋ねしたいと思います。  嘉手納基地で日常的にPCBをため池に垂れ流していた、そういうことが基地関係者の証言で発覚いたしまして、沖縄で大きな問題になっております。そのことについて米軍側は日本政府にどのような事実を報告してきているか、その点を説明してください。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 一九六〇年代より七〇年代にかけて、嘉手納飛行場内のある地点にPCBが投棄されていたとの報道については、報道を受けて直ちに、日米合同委員会のもとに設置されている環境分科委員会の枠組み及び外務省より在京米大を通じて米側に対し事実関係を照会したのを初め、適切な対応を行うよう申し入れを行っているわけであります。  それに対して、現時点ではまだ米側から的確な返事が来ていないので、二度三度申し入れを行っているところでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 嘉手納基地のPCB汚染については、一九九二年にも大きな問題になりました。政府は、当時、PCB汚染は幅広くアメリカに照会しているとして、例えば、同年四月二十二日の当外務委員会で佐藤北米局長が私の質問に答えられて、米軍が「調査は約束いたしておりますので、当然わかり次第報告がある」と言っておりました。結果的には、米軍はすべてを報告したのではなかったということになっております。九五年十一月に返還した恩納通信所跡地のPCBも全くそのとおりです。これを許している日本政府の責任も問題です。  大臣は、次から次にPCB汚染の事実がこのように発覚してくる、そういう事態についてどうお考えですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 環境庁において、昭和五十一年から平成九年まで、嘉手納飛行場の排水溝や嘉手納マリーナ等問題とされている場所の近辺の地点を含め、沖縄県に委託して水質調査を行っておりますが、これまで基準値を超えるPCB等の有害物質は検出されてこなかったということでございます。  いずれにせよ、政府としては、米側に対し、これからも機会あるごとに、環境保全を含め我が国の公共の安全や国民生活に十分な配慮が払われるよう求めていきたいと思いますが、御指摘の報道内容に対する地元の方々の不安解消のためにも、今後ともしかるべき対処をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 今おっしゃるような、調査の結果PCBの検出はなかったというふうなことでひっくるめられますというと、PCB問題が起こっているという私が今指摘していること自体が、何かおかしいことを言っているような感じさえするのですね。実際に今嘉手納でそういうことが起こっていますよ。前にはみんな照会してきちっと答えると言ったのだが、そういうこともしていない。三年前に返還された恩納通信所跡、そこからも出てきたじゃないか。次から次とそういうようにして出てきておるじゃないかという事実があるわけですから、環境庁が調査をしたから、出なかったからどうもないというふうなことにはならない問題を今問題にしているわけだ。嘉手納の問題について、それだけ大きな問題になっているわけですから、御存じのように。  政府が米軍とも交渉してその事実関係を究明するとともに、それに必要なその対処策を急いで講じていく、そこが大事じゃないか。先ほども、直ちに日米合同委員会を通じて照会したのだが適切な回答はまだないというふうな程度になっている。その状況のもとで直ちに政府が事実関係を積極的に究明する、そして出ていくということが大事だと思うのですが、どうですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 環境庁における調査を先ほど申し述べたのは、それだから全く問題ないと言ったわけではなくて、やはり情報はそれぞれの情報が公平に流れる必要があると思いますので、こういう点もありますよということを指摘したわけで、これだから全体が問題ないのだ、政府は知らないよ、こう言っているわけではないということは御理解をいただきたい、こう思うわけであります。  先ほどから申し述べておりますように、現在米側に照会中でありますけれども、その結果PCBの管理、処分について問題が見出されるようであれば、米側に対して必要な対応を求める等しかるべく対処をしていきたい、こういうふうに考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 米軍基地とはいえ日本の領土です。そもそも地位協定第四条で不当にも返還時の原状回復義務を免除していること自体が、今のような米軍の横暴を許すことになっているもとだというふうに申せます。そうさせた政府の責任は大きいですよ。であるからこそ、一層、今回明らかになってきたPCB投棄問題については、政府みずからが速やかに県民の不安除去を図るように積極的に対応すべき問題だというふうに考えるわけです。  そこで、日本政府が嘉手納基地に立入調査をしていただく、そのときに沖縄県当局や嘉手納基地を抱えている嘉手納町、そこからもその検査に参加させる。そういうことなどを通じて実態を明らかにしていき不安を除去していく、そういうことが今緊急に現地からも強く要望されている方向だと思うのですが、いかがですか。

竹内行夫外務省北米局長

○竹内政府委員 政府により米国に提供された施設・区域への立ち入り許可手続のことかと存じますが、これについては、御承知のとおり日米合同委員会において手続が決められておるところでございます。  そこで、御指摘の嘉手納基地のPCB問題の関連も含めまして、施設・区域に立ち入りを行う場合には、この手続に基づいて当然米側の許可を得る必要がある仕組みになっているわけでございますが、今後この問題との関連で嘉手納飛行場への立ち入りの要請が寄せられる場合には、政府としましては、また外務省といたしまして許可申請の提出等可能な限りの対応を行いたいというふうに考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 嘉手納町議会は、この問題を重視して臨時議会まで開きました。八月二十六日の臨時議会で、PCB投棄の真相究明を求める決議、それを全会一致で採択をし、政府や軍当局に要請しています。一方、この問題を抱える沖縄県当局は八月二十四日、知事名の公文書で米軍当局や政府の現地出先機関への要請行動を展開いたしました。  今申し上げた基地の立入調査、そういうことなどを含めてこの要望の中に入っている、そういう要請に沿うようにきちっとしたことを、現地の沖縄県や嘉手納町を含めて、県民の納得いくような方向に努力する、そういうことでやはり大臣の決意もあってしかるべきだと思うのですが、大臣、いかがですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 地元の方々の不安を解消できるように、できるだけの努力をしてまいります。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 ぜひ要望に沿う形で、速やかに積極的な御努力を強く要望しておきたいと思います。  最後は、北朝鮮のミサイル問題についての質問です。日本共産党は、北朝鮮の弾道ミサイル発射問題について、きのう、志位書記局長が厳しい抗議談話を発表いたしました。我が党のその立場から、私も改めて厳重な抗議を表明し、以下若干の質問をさせていただきます。  この問題で重要なことは、事実関係がまだ不明なことが多く、北朝鮮に全容を説明させる、そのことがどうしても大事な重要なことだというふうに考えております。それが今度のような乱暴な行為を繰り返させないための前提になるというふうに考えるからであります。その立場から、若干の事実関係を先にお尋ねいたします。  まず、北朝鮮は、計画的に弾道ミサイルを日本上空を通過するようにして発射したのかどうかについてであります。その点、外務省、防衛庁はどういう情報を得、感触を持っておられるか、その点をお聞かせください。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 この北朝鮮の意図等につきましては、私ども具体的に確認できているところではございません。  その事実の問題として、その発射を確認し、またその弾着等について一定の可能性を確認するに至っている、こういう状況でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 報道によりますというと、ある政府高官は、我々に情報が入って警戒を始めたのは三、四日前、ミサイルが発射台に装てんされて、外国人の往来が激しいとも情報があった、まさか本当にやるとは云々というふうに述べたとあります。ミサイルが日本に向いていたのかどうか、アメリカからの提供された情報にそういうことがなかったかどうか、そこらあたりはいかがですか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、八月の中旬から、北朝鮮側でいろいろなミサイルに関連する動きが見られる、こういう情報に接し、だんだんとそれの活動内容等もそれぞれ情報がもたらされた、こういう状況でございます。その中におきまして、ミサイルの発射の可能性というのがだんだんと高まってきたということでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 報道によりますというと、自衛隊は日本海海域の警戒監視に当たったとのことであります。なぜ日本海周辺となったのか。日本にミサイルが向いているという情報があって自衛隊が日本海周辺を警戒監視に当たったということではないのですか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 我が方といたしましては、先ほど申し上げましたような情報を踏まえまして、我が方として可能な範囲内で情報を収集するという観点から、必要な海域等で艦艇、航空機で情報収集をした、こういうことに尽きると思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 二段目のブースターは三陸沖に落ちたと言われますが、それは日本の排他的経済水域ということもあり得ますか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、各種の情報それから私どもの把握した情報、こういったものを踏まえまして、昨日夕刻、弾着が三点にわたるという事実を公表し、その中で、おっしゃいましたように、その第二段階目につきまして三陸沖に弾着をしている可能性ありということまで確認をさせていただいたわけでございますが、さらに詳しい内容につきましては、まだ確認ができておりません。私どもとしては、要するに、三点の弾着があった、また、その三点のうち二点については太平洋側であって、この太平洋側については北緯三十九度から四十一度前後の幅であって、この三陸沖から東方五百キロまでの間、こういうところに弾着しているであろうというところまでは私どもは確認をしておりますけれども、さらにそれから先の詳しい内容につきましては、まだ確認できておりません。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 いずれにしましても、大臣、このミサイルは初めから日本上空を通過する計画で発射されたのかどうか、そういうことなどを含めて北朝鮮の側からきちっとした説明をさせる、これがどうしても必要だというふうに思います。その点について、今後の対策にもかかわりますが、いかがですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 再三申し上げておりますように、さまざまなチャンネルを通じて北朝鮮側に抗議するとともに、このミサイル発射についての全容、その意図等も含めて説明するように求めてまいります。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 次に、事前通告がなかったことについてでありますが、日本海側も三陸沖海域も、日本ばかりではなく外国の漁船も操業しておりますし、民間機も飛行するところであります。実際に七機が飛行していたと言われているわけで、大惨事につながる危険性がありました。上空のどれだけ高いところであったかその高度は別として、実際にブースターも日本近くに落ちているわけですし、公海であっても事前通告をするのは当然だというふうに思います。  条約局長にお答えをいただきたいのですけれども、事前通告をしなかったことは国際法上重大な問題とはなりませんか。

東郷和彦外務省条約局長

○東郷政府委員 お答え申し上げます。  既に申し上げましたように、国連海洋法条約におきまして、公海の自由というものを行使するに当たっては、ほかの国の公海の自由を行使する利益、それから排他的経済水域における沿岸国の権利及び義務、こういうものに妥当な考慮を払うということになっているわけでございます。  したがいまして、事前通報なしにこのような実験を行うということは、今申し上げたような意味での他国の利益に妥当な考慮を払ったとは言いがたいのではないかというふうに考えているわけでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 そういう面からも重大問題ですね。  報道では、北朝鮮は、ロシアには事前通告したということであります。きのうの安保委員会では、政府はロシアに事前通告内容を確認もしなかったという答弁となっております。大臣、事実関係を究明する上で一つの手がかりになるのではないかというふうに思いますが、ロシアへの通告内容について、発射前に日本政府は知っておられたのですか、通告内容について。ロシアには通告があったと言われている。その通告の内容を日本政府は発射前に知っておったのですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 その通告の内容は知っておりませんし、恐らくそういう通告はロシアにもなかったのではないかと認識しております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 じゃ、新聞報道にロシアにはその通告があったという報道があるのですが、それは、間違いではないかという大臣の御認識ですか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 ロシアのテレビニュースの番組でありますから、これも報道でありますから、わかりませんが、ラフマーニン局長がこういうことを発言しているということであります。それは、ロシアと北朝鮮との間には、ミサイル発射につき相互に事前通報するとの合意は存在しない、にもかかわらず、隣国間で右につき事前通報を行うことは国際的な慣例である、しかし、北朝鮮側から外交ルートで何ら事前の通報はなされなかった、こういうことがロシアのテレビで流れているそうでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 きのうの安保委員会で、大臣は、北朝鮮とは課長級協議の場で発射中止を一度ではなく複数回にわたって行ったというふうに答弁されましたが、その複数回というのが、いつで、どういうメンバーで、そういうものをおっしゃっていただけますか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 課長級協議の場でそういうことを言ったのは一回だ、こういうふうに思っています。そのほかにも、前にもそういう懸念を相手方に伝えたことがあるということでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 わかりました。私たちがちょっときのう来聞いておったものを、正確に聞いていなかったかどうかにかかわる問題でもありますが、課長クラスの会議では複数回そういうことを言ったというふうに思っていたのでそういうような質問になりましたが。  質疑をこれまで、きのう来聞いておりましても非常に痛感するのですけれども、北朝鮮に全容を説明させることが本当に重要だというふうに思います。この問題をすぐに、新ガイドラインの推進とか、あるいはTMD、軍事力強化に結びつけるという方向ではなくて、まずやるべきことは、こういう事実関係を明らかにし、両方の外交的ないろいろな仕組みの中で、やはり大事な、求められる方向を切り開いていくということでなければならぬと思うのですよ。  きのう大臣は、北朝鮮はあったともなかったとも言わず日本の安保政策を批判するばかりだというふうに言われたのですが、例えば、課長クラスではなくて局長あるいは審議官とか、あるいは国連で国連大使を通じて説明を求めるとか、他にもいろいろと方法が考えられるというふうに思います。その方向について、どういう考えで御努力をされようとしているか、そこらあたりをお聞かせください。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 相手方が日本の防衛政策を批判するばかりだったというのは、課長級の話し合いの中ではなくて、このミサイル発射が行われた後の国連代表部における相手方に対する抗議の際の反応でございます。  それと別にまた、実は南アで非同盟会議が開かれておりまして、日本の小和田大使も南アにいることから、北朝鮮の外務大臣が来ているということで面会を申し入れたのですが、現時点まで会えていない、こういう状況もあります。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 終わりますが、確かに北朝鮮の態度は明らかにいろいろと簡単ではない難しい問題を抱えています。だからといって、その問題、それを切り開いていくという努力が弱いのでは、思わぬ深刻なところに発展する危険性につながりかねません。やはりあくまでも平和的にこの問題をどう解決していくかという立場を踏まえて、事実関係を解明するなど、ぜひ御努力を強めてほしいということを申し上げて、終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、伊藤茂君。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 北朝鮮のミサイル発射に関連する問題を先にお伺いいたします。  まず第一は、この事態の認識の問題でございます。  先ほど大臣の午前中の御答弁の中で、国家主席就任へのデモンストレーションとか、対米交渉とかいろいろな交渉を有利にしようとか、あるいは外国への売却の問題とか、いろいろなことが言われているということに対しまして、いずれもそれなりの根拠があると思うが断定できない、きちんとした説明を求めたいという御答弁がございました。私は、日本の外交当局の態度としては妥当な態度だというふうに思っております。ただ、しかし、それでとどまっているわけにはまいりませんので、先ほど来同僚議員から話がありましたように、何でこうなるのだということをきちんとしてやらなければなりません。  実は、それについて、この事態につきまして、私も私の党も、強く抗議をし打開を求める、あるいは反省を求めるという態度につきましては、全く同じ気持ちであります。特に、私は特段の思いが、実はこの事件に対して思うわけでありまして、去年の十一月に与党三党でピョンヤンを訪問いたしました。与党を代表しての訪問であります。そして、何とかこの日朝関係を打開しようではないか、いわゆる拉致問題などの激論もございましたが、さまざまな議論を直接やったわけであります。あのときには、参りましたら最初の歓迎の夕食会ございまして、そのときに、北朝鮮側の代表が乾杯の音頭をとって、敬愛する橋本龍太郎総理大臣の万年長寿のために乾杯と言うので、あれっと思いましたが、いわゆる日本人妻里帰りの問題の実現とか局面があったわけでありまして、昨年暮れのことでございます。あれから半年余りの間にこのような事態が実は発生をしているというふうなわけでございまして、戦後五十年、朝鮮戦争のときは特別ですが、朝鮮半島との関係というのは本当に難しい局面だなということを改めて痛感をいたします。  私は、大臣に伺いたいのは、私なりにいろいろとこの間のことは思うことがございますし、それから、向こうと申しましょうか北朝鮮の皆さんが通信その他でおっしゃっていることもいろいろと聞いてはおります。やはり、去年の秋から暮れの段階、そして約半年の間になぜ非常に難しいこういう段階になっているのかという事態の認識をどうお考えになっているのか、簡単で結構ですから、気持ちをお伺いしたいと思いますし、また、これは打開しなければなりませんし、我々の国民的な気持ちをきちんと毅然と伝えなければならぬというわけでございまして、先ほど大臣もさまざまのチャネルを通じてというお話がございました。外交ルールと今私どもの国との関係からいいまして、チャネルをどうということは確かに難しい面がございますが、異常な状態ですから、とにかく通常ではないチャネルももって、がちんと、がちんという言い方は悪いですが、国民の気持ちをきちんと伝える、そしてやはり国際社会の正常な一員として行動するように求める、そうしてもらうということが大事ではないかと思いますが、いかがでしょう。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 委員おっしゃるように、既に我が方の考えはきっちり伝えているつもりでありますが、それが上に行かないとか、いろいろ、絶対ないとは言えませんから、さらにいろいろなチャンネルを通じて我が方の考えがきっちり伝わるように何度でも努力してまいりたい、こういうふうに思います。  それから、何でこういうふうになったかという最初の御質問については、やはり相手方の意図を断定することはちょっとできないし、それから、もしその御質問の中に、旧朝関係の中で日本側の対応にも問題があったのじゃないかというような意味であるとすれば、私はそうだとは考えておりません。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 なぜということにつきましては、またゆっくりした議論をさせていただきたいと思います。  また、政府にあらゆるチャネルと努力をするようにと求めるだけとは私は思っておりません。やはり政治家としても、また政党としても、さまざまな歴史の経過、おつき合いの経過がございます。私どもは私どもができる努力を、日本の国民の率直な気持ちをどう伝えるのか、そしてまともな国際社会の一員になってもらうのかという努力はすることは言うまでもございません。  二つ目、お伺いしたいのですが、当面対応の問題でございます。  政府の、また先ほど冒頭大臣がおっしゃいました中にもございましたでしょうか、国連それから安保理で話題にしていただくというようなことが報道をされているわけであります。私も一つの有力な方法だと思います。国際社会で話題にしていただくということは大事なことだと思います。  ただ、そういう場合に、やはり国際的な共鳴ですね、今ここで起こっていること自体は、気持ちは多くの国が我々国民の気持ちと共通だろうと思います。ただ、それに対してどう対応するのかということにつきましては、それぞれの国のまた外交の立場があるだろうというふうにも思うわけであります。大きな目標か気持ちでは共通、同時に、さまざまのおつき合いの仕方があるのも現実。特に、やはりアジアの有力な、例えば中国とか韓国とかという国々と、アメリカは当然ですね、という方々との連携とか、いろいろな意思統一と申しましょうか、御相談とかいうものの上にやはり効果ある対応をする必要があるのではないだろうか。  ちょっと懸念をしますのは、何か新聞の見出しだけですが見ておりますと、どこかの方は慎重であるとか、どこかの国は冷静であるとか書いてありまして、私はこういうことがあってはならぬという気持ちは全く共通だと思うのですが、それぞれの立場があるでありましょう。そうなりますと、国際舞台でより効果ある努力をどうしていくのかというためにも、我が国が、また我が国政府がさまざまなやはり配慮ある努力などをしながら提起をするということが必要だと思います。単純にぽんと出せばいいというだけではない外交の努力が必要だろうというふうにも思うわけでございまして、前に、インド、パキスタンの核実験のときの問題でも思ったのですが、日本の場合には、どうしてもマスメディアの報道というのは非常に感情的と申しましょうか、非難の大合唱となる。感性的な面と感情的な面と含めて、総理がおっしゃったような、国民とともに進む外交、あるいは世界とともに進む外交ということが求められているという時代ではないかと思いますが、そういうふうな配慮をどうしていくのか、非常に重要な問題であるだけにまた大事なことではないかと思いますが、いかがでしょう。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 この問題につきましては、米国、韓国と密接な協議をしていくことが最も大切なことでありますし、それと同時に、中国、ロシアその他の国々とも二国間の話し合いを通じて、そういう中から、どういう形でこの問題を国際場裏に出していったらいいかということを検討しながら、最も適切な方法をとってまいりたい、こういうふうに考えております。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 よろしくお願いしたいと思います。  当面そういう問題もございますけれども、これからは対応姿勢の問題でありまして、これは同僚議員も含めまして日本じゅうそうだと思いますが、何とかやはりこういう局面をより危機が深まる方向でないように打開をする。あるいは、今日、残念ながら、ポスト冷戦の時代とはいいながら、北東アジアで、また朝鮮半島とのかかわりでこういうことが起こっている、そういう危機をどうやってレベルダウンできるのか。危機をどうレベルダウンできるのか。そういう意味での、戦略性のあるといいますか冷静な努力というのが求められているというのが今日の状況ではないだろうかというふうに思うわけであります。  ここには、TMD構想への対応とか安保のガイドラインの対応の問題とか、あるいは偵察衛星使用などの是非の問題とか、さまざま具体的な議論はございます。ただ、やはり全体としては、いかにして危機をどうレベルダウンするのかという意味での戦略性というものが非常に大事なのではないかというふうに思うわけであります。  今、長距離ミサイルの問題で、今まで私どもが知ってまいりました北朝鮮のミサイル開発というものよりも随分と射程距離の長い新しい形の発射が行われたということでございまして、私などももちろん衝撃を感じているわけであります。例えば核の問題につきましても、インド、パキスタンのことがございました後、今までの核管理システムあるいは核廃絶に向かう努力のシステムというものについてやはり問い直される核抑止論とか、今までのシステムをどうしていくのかとか、さまざまな議論が国際的にもまた専門家の間でも行われているというふうな状況がございます。  もちろん、今度のミサイルの問題と、北朝鮮の核開発をやめてもらうという意味での国際的な、今積み上げてまいりました努力等含めまして、直結して考えるわけではありませんが、やはり危機をレベルダウンする努力という方向でやっていくということが必要なのではないだろうかというふうな気持ちがいたしますが、お考えはいかがでしょう。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 危機をレベルダウンするということはもちろん必要なことでありますが、いわゆる一般的な予防外交とかあるいは信頼醸成措置、こういうようなことを言う場合には、その前提として何らかの信頼関係がないと、そこからそういう信頼醸成措置を図るのにもなかなか難しいわけでありますが、今、北朝鮮との関係でどういうことができるのかなと、それはそれ、一生懸命考えてみたい、こう思っています。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 私が申し上げましたのは、戦後五十数年というだけではありませんけれども、戦前の長い歴史がそうなんですが、アジアの問題といえば朝鮮半島、極めていつも重要な焦点になるということでございまして、その構造は変わっておりませんし、また別の意味からいいますと、ヨーロッパでもアジアでも新しい方向への動きがどんどん広がっている。歴史の流れだという中で、やはり最後は北東アジアがアジア全体の構造の一つの重要なかぎになっている。その中でも朝鮮半島、しかも、難しい問題といいますか、打開の大きなめどはついていないというのが今日の状況になっているわけでありまして、大臣おっしゃるように、お互いに信頼関係がある、お互いにいいアジアを築いていきましょうという共通の認識、土俵ができる、あるいは民主主義という共通の土壌ができるということでなければできないということは私もよくわかります。  ただ、そういう方向への戦略性が求められているという意味で申し上げたわけでございまして、そういう意味から申しますと、さまざまな努力をしなくちゃなりませんが、例えば、これから年末までというのは、外交活動、我が国にとっても非常に重要な時期になるわけでありまして、首脳外交が展開をされます。いらっしゃる国、あるいは共通にも、金融、経済、そのほかの問題、あるいは最近の水害の問題など含めまして、それぞれの国が大変な難しい事情に、一月前、三カ月前に思ったこと以上に難しい問題にぶつかっているというだけに、やはりこれが、アジア全体にとりましても、世界にとりましても非常に大事な、成果のあることをしなければならない、東京を舞台に、ということでないかなと。野党になりました私どもでも本当にそう思うわけでありまして、また、そういう方向への成功を心から期待をしていきたいというふうに思います。  こういう今起こっている流れなどについても当然やはりそういう首脳外交などで話題にしながら、何かやはり次の打開に向けて、あるいは北朝鮮に向けてお互いにどうするのか、正式の国交あるいは話し合いのパイプあるいはさまざまの交渉関係を持っている国もいろいろあるわけですから、というようなことも当然一つ話題となるであろう、またなって、いい結論、成果が東京でできるような秋の首脳外交であってほしいというふうにも思いますが、外務大臣としていかがでしょう。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 今月六日から予定されていた江沢民中国国家主席の訪日については、中国の深刻な洪水災害のため延期となったわけでありますが、できるだけ早い機会に、外交ルート等を通じて訪問を実現していきたい、こう思っております。  我が国としては、江主席の訪日の際に、二十一世紀に向けて日中両国が国際社会でどう協力していくのかというようなことを大きなテーマとして取り上げたい、こう考えているわけでありまして、そういう中にまた北朝鮮の問題なども話し合っていきたい、こういうふうに思っております。  それから、金大中韓国大統領の訪日については、十月上旬を念頭に置いて調整中のところでありますが、韓国との友好、協力関係の増進を基本方針として、二十一世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築すべく努力していきたいと考えていますが、北朝鮮との関係でいえば、それは米国とともに韓国と最もよく話し合っていかなければいけない点でありますから、こういう点もきっちりしてまいりたい、こう思います。  また、十一月に小渕総理がロシアに訪ロされる。ロシアの中でいろいろな問題があるわけでありますが、我が国とすれば、このときに訪ロするという前提のもとに準備を進めているところでございます。そして、日ロ間の間断なき対話は維持されるべきであると考え、そのように期待しておりますが、また、こういう中でも、ロシアとの間でも、北朝鮮の問題、ミサイルの問題、そういったことも当然話題になっていくことだろうと思います。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 砂漠化防止条約につきまして、一つだけお伺いしたいと思います。  私も不勉強で、この条約を通じまして、いろいろと、アフリカの状態の一端とか、それから世界じゅうで、中央アジアなどなど含めまして、砂漠化の進行、また地球環境の問題のそういうアングルでの重要性を改めて痛感をさせられました。こういう事業が進みますように、この条約の批准につきましてはもちろん賛成しながら、努力をしなければならないというふうに考えております。  そういう中で、この十月には第二回アフリカ開発会議が東京で開催されるという予定になっているようでございまして、この条約の批准も急いでやらなければならないというふうに伺っているわけであります。  考えますと、さまざま困難な、しかも長期にわたる、また資金面その他を含めまして技術的に難しいいろいろな問題について、やはりチャレンジをしながらやらなければならないし、また日本も、資金面その他でも格段の支援体制下参加をしているという現実もあるわけでありますが、そういう立場と、東京で開かれるという機会に、またこの条約を批准するということをバックにもしながら、特段にどのようなイニシアチブを発揮したいとか発揮しようとか、お気持ちが外務省、大臣にございましたら、その点のお気持ちを伺っておきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 十月の十九日から二十一日に東京で開催される第二回アフリカ開発会議でありますけれども、二十一世紀に向けてアフリカ開発を推進するための行動計画を採択する予定であります。  この行動計画では、教育、保健等を通じた人づくり、女性の社会参画、農業、民間セクター支援等と並んで、アフリカの環境保全が全体に共通する重要問題の一つとして取り上げられており、緊急に解決を要する環境問題の一つとして、アフリカにおける砂漠化の問題も指摘されているわけであります。  この会議では、国連砂漠化対処条約をも念頭に置きつつ、引き続き、アフリカ開発における砂漠化防止に関し、いかなる方途があるかを議論していく、こういうような考えでございます。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これにて質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十四分散会      ――――◇―――――

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