科学技術委員会 第2号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/09/11
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村建夫さん。
○河村(建)委員 おはようございます。自由民主党の河村建夫でございます。 私にとりまして、この科学技術委員会は初めてでございますが、お時間をいただきました。ありがとうございます。また、おくればせながら、竹山大臣には心から祝意を表します。おめでとうございます。 さて、質問に入らせていただきますが、御案内のように、現在の日本の経済あるいは社会情勢、社会全体が非常に厳しいといいますか、閉塞感にとらわれている、こういうものを感じております。特に、戦後五十年たって、バブル経済の後遺症というものが非常に大きいということで、今、経済再生をいかにして図るかということが最大の課題になっておるわけでございますが、それだけではなくて、いろいろな諸問題、少子社会の到来、あるいはグローバル化による地球環境問題等々、大きな問題が山積をいたしております。 このような情勢をこれから切り抜けていくためには、何といっても科学技術、これによって活力に満ちた豊かな日本を二十一世紀に向かって創造していかなければならぬ。そのことが強く求められておりますし、科学技術に対する期待、またそれを推進する政治の果たす役割、こういうものが非常に大きくなったというふうに思っておるわけでございます。 科学技術が、新産業の創出あるいは産業の空洞化、社会の活力の創出といった、そういう諸問題の解決にどのような役割を果たしていくか、そしてその期待が人類の未来にとって希望のある展望を開いていかなければいかぬ、こう言われておるわけでございます。そのような見地からこれから科学技術の振興に積極的に取り組んでいこうということで、竹山大臣を中心にして科学技術庁も大変力を入れていただいておると思いますが、特に、昨今、日本のこれからの生きる道としては科学技術創造立国である、こういう表題のもとに科学技術基本法もつくり、予算の問題についても科学技術だけは特別だということで近年進めてきたところでございます。 そこで、まず大臣に、科学技術創造立国の実現に向けてこれからどのような形で取り組まれようとしているか、まずその点からお伺いをいたしたい、こういうふうに思います。
○竹山国務大臣 過般はごあいさつのみで、委員会としては初めてでございます。新米長官でございますが、何分よろしくお願いをいたします。 河村理事からの御質問のとおりでございまして、我が日本列島、もとより物的資源が乏しいといいますか、環境的に恵まれていないということは歴史的にも言われてきたわけでありますが、一方で、先人たちが、人的資源でその足りない分を補ったらいいではないか、こういう発意のもとに今日まで人材の資源の増進ということを努力してまいりまして、それが科学技術の振興に大きく役立っているということは言うをまたない状態だと思います。戦後の半世紀を過ぎて、今日の日本のレベル、特に生活面での科学技術に負うところは多かろうと思います。その他多くの分野で、環境、エネルギー、世界的な規模で我が国の科学技術がそれらを補ってきている、こういう自負を持っているわけでございます。 その中で、平成七年、お話しのとおり科学技術基本法が制定されて、翌年の七月に同基本法に基づいての基本計画が閣議決定されたわけでございまして、今日までこの基本法にのっとって社会的、経済的なニーズに見合った研究開発をしてきているわけでございます。 けさほども閣議で、新しい時代へ向けてゆとりのある豊かな生活空間を目指そうではないかと。この中にも、やはり科学技術というテーマが絶えず出てくるようなことで、産業の再生と二本柱で話がありました。 産業の再生という意味では、新産業の創出という面で、今日までも多くのベンチャービジネスが躍進を遂げてきたわけでありますが、海の向こうのシリコンバレー、アメリカなどから比べますと、このベンチャービジネスの企業化、新しい産業としての育成、完成へ向けての手だてがいま一つうまくいっていないという御批判もあることを承知いたします。 今回、特に来年度の予算編成へ向けて、従来からあるいろいろな施策を見直すと同時に、新しい形で、ベンチャー企業の前段階というのでプレベンチャー促進事業と銘打たせていただいて取り組んでおりますのが、研究開発、発案者の、プランナー側の考えを募集いたしまして、それを、一つの場づくりをして、そこへ、そうした新しい産業へ向けて、また、ベンチャーキャピタルの方の経営に参画する意思のある方にお出かけをいただいて、なかなか科学技術の分野も高度化してまいりますから、その中身をよく精査し、あるいは国立試験研究所の学者、あるいは当人、発案者はもとよりでありますが、そういう技術的な面を十分にそしゃく、解説をして、ベンチャーキャピタル側の人たちに理解をいただく。 そうはいってもいろいろなリスクがあるわけでございますので、それらをいささかなりとも支援させていただく。科学技術振興事業団の場をかりて、そうしたプランナー側とベンチャーキャピタルの人の出会いの場をつくって、そこで大いに企業化への中身の精査をし、その場に予算措置を応援をさせていただくというようなことを考えながら取り組んでいければと、一例として新産業の創出を考えております。 もとより、基礎研究の重要性は十分認識をしておりまして、追いつけの状態から、何とか先を走ろうと努力してまいりましたが、基礎研究の分野ではどうも特にアメリカに見劣りをしているということはデータ的にも出ておりますので、この辺を含めて十分な対応をしていかなければならぬな。 いずれにしても、科学技術の分野というのは各省庁にまたがるテーマが多うございますので、そういう意味で、省庁ののりを越えると同時に、それらの連携強化を図っていくためにも、科学技術庁として十分な意を配っていきたい、そして科学技術創造立国を目指したい、こんな思いでございます。
○河村(建)委員 ただいま竹山長官から、より前向きな、意欲的なお取り組みについて決意をいただきました。ぜひその気持ちで大いにやっていただきたい、こう思うわけでありますが、確かに、科学技術創造立国という表題のもとにいろいろな研究をしていただくわけでありますが、これを今後いかに活用するかということが、大臣も先ほどちょっとお触れになりましたけれども、非常に重要になってくると思うのであります。 こういう非常に閉塞感あふれた暗いニュースの多い中で、もし青少年にも夢を与え、あるいは企業人をもひとつ奮い立たせるというものがあるとすれば、私はこの科学技術しかないのだという思いでございまして、特に長官もお触れになりましたベンチャービジネス、これの企業化、業を起こすといいますか、それを進めていかなければなりません。その点についての取り組みをもうちょっと、どのように考えておられるのか。特に産業の空洞化という問題があって、新技術、新産業の創出というのがこれまた一大課題になってきておるわけであります。 ただ、昨今、こういう経済情勢でありますから、企業家の方も企業精神をかなり失っているということも指摘をされておるわけであります。そういう方々を奮い立たせる意味においても、大学やいわゆる科学者や技術者がいろいろな形で研究成果をおつくりになります、それを具体的に企業として起こしていく、この促進の取り組みについてはどのようにお考えでしょうか。
○田中政府委員 お答え申し上げます。 御質問の研究成果の活用の問題でございます。大臣から先ほど新しい話が出てまいりました。私の方からは、現在取り組んでいることを中心に申し上げたいと思います。 研究成果の活用につきましては、科学技術基本計画でも、我が国の研究開発の活性化あるいは新産業の創出等の観点から重要というようにされております。当庁といたしましても、例えば共同研究の推進、あるいは、研究開発成果に関します情報の民間への提供、それから、今問題になっております研究成果について企業化開発あるいは民間へのあっせんということをやっております力 具体的に申しますと、科学技術振興事業団で、まず第一に、地域の研究ポテンシャルというものを活用いたしました産学官の大型の共同研究制度でございます、いわゆる地域結集型共同研究事業をやっております。 第二には、国などの研究開発成果の活用、あるいは研究開発活動に関しますデータベースを整備して、インターネットで提供していること。 三つ目としまして、革新的な技術に発展することが期待されるような研究成果に中堅・中小企業の方々の技術ポテンシャルを合わせまして、新技術コンセプトということで試作品を具体化する独創的研究成果育成事業というようなものをやっております。 このほか、委託開発事業、それから開発あっせん事業などいろいろ実施してきておりまして、本年度から、いわゆる特許化支援事業ということで、研究者の方が特許化をどのようにすればいいかという、いろいろ手続面まで含めまして、御相談に応じる施策を始めております。 また、理化学研究所でも研究成果の移転、活用のための施策をやっておりますし、やっていきたいと思っております。 今お話しのように、日本経済の再生のためにこういった新技術あるいは新規事業の創出が求められておりまして、それにこたえるためにも、今後とも、研究成果活用にかかわります施策の推進に鋭意努めてまいりたいと思います。これは、各省庁の分担あるいは協力、それから大臣からお話がありましたように、非常に新しい発想で進めてまいりたいと思っております。
○河村(建)委員 今御説明いただきましたように、いわゆる企業家、ベンチャービジネスへ乗り込もう、そういう人たちを積極的に支援をしていこうということでございますから、大変結構なことだというふうに思うわけであります。科学技術庁や科学技術振興事業団におきましても、そういうことをおやりになりている。特に資金繰りといいますか、工業所有権、特許等ですが、そういうものを担保にして新製品の開発に当たらせる、そういうことまで取り組みをされているような話も聞いているわけでありまして、産学官、また文部省との連携ということもありましょうが、この点まで含んでしっかりとした支援策を進めていただきたいというふうに思います。 それと、先ほど長官お触れになりました、やはり基礎研究の段階をもっと高める必要がある、欧米諸国との比較等もございました。そのためにはどうしても国民の理解、支持といいますか、そういうものが重要になってくるわけでありますし、特に最近懸念されるのは、青少年の科学技術離れといいますか、理科、数学との関連もあるそうでありますが、そうした問題。あるいは科学技術が非常に高度化になってきて、一般国民との乖離の問題等々が、一方では進めていこうとする、一方ではそういうものが底辺に心配される、この乖離を埋めていくということがこれから非常に大事な問題だと思うわけであります。 ぜひ、特に次代を担う青少年の人たちに、科学技術に関する関心と理解を増進していかなければいけない。この仕事も科技庁の一つの大きな仕事になろうと思います。これは文部省との連携、教育の面からもいろいろな角度で連携をとり合っていただくことが重要でございますが、このための施策をどのように進めていかれようとしているか、お聞きをしたいと思います。
○田中政府委員 お答え申し上げます。 日本が科学技術創造立国を実現するためには、何よりも、それを支えます国民の理解がなければいけないという認識は基本でございます。このために当庁といたしましては、例えば次のような取り組みをしておるところでございます。 一つ目は、科学技術に関しますトピックスあるいは興味深い科学実験の番組などを通信衛星を使いまして、全国のケーブルテレビ会社を通じて放送いたしますサイエンスチャンネルというものを始めたいということで、本年十月にその試験放送が開始されることになりました。 二つ目は、国際的なロボット競技会あるいは国際ロボットフォーラム、それからロボット展示等、この競技会などは既にいろいろやっているものもございますが、そういうものを総合的に行います、いわゆるロボリンピックと申しておりますが、ロボリンピックの二〇〇一年開催に向けて準備に入っているところでございます。 三点目は、モデルとなります幾つかの科学館を選びまして、大型映像設備あるいはパソコンなどのマルチメディアを利用いたします科学館活動を支援いたします。あるいは、国民が科学技術を体験できる機会の拡充を図ります科学館マルチメディア活用モデル、そういうものを事業として推進しております。 また、青少年を対象にいたしまして、目の前で研究者が科学実験を行ったり、あるいは興味深い講演を行いますサイエンスレンジャーというものを派遣いたします。あるいは、国立試験研究機関などの最先端の研究施設を見るために、合宿しながら研究生活を体験していただくような、サイエンスキャンプと申しておりますが、そういうものを実施したりしております。 これらの施策実施に当たりましては、お話しのように、関係省庁と連携をとりつつ行っているところでございます。これからもそういう施策充実に積極的に取り組んでまいりたいと思いますし、私ども、難しいことをできるだけわかりやすく説明していくような、そういう考え方で科学技術に対します国民の理解増進に努めてまいりたいと考えております。
○河村(建)委員 いずれにいたしましても、科学技術というものが我々人間の生活のあらゆる面にかかわってくるわけでありまして、高齢化対策を含めた福祉の問題もそうでありましょうし、いわゆる地球規模の環境問題、これも当然科学技術の力が必要になってまいります。経済活動、文化活動、あらゆる面で、日本の将来といいますか、世界の将来がかかっていると言ってもいいと思うのでありますが、そういう面で、日本が次の青少年に夢を与えるという意味で、科学技術の振興の基礎の段階で、皆さんの関心がここに高まってくるように努力をしていただく、そのことが非常に大事なことだというふうに考えております。 さて、若干個々の問題に入るわけでありますが、原子力の問題もこれから日本の経済の上においても大きな意味を持っております。これを着実に進めていかなければいけない。さきのCOP3におきましても、地球環境の面あるいは温暖化の面からも原子力産業も必要であるということが出ておるわけでありますが、特に、一連の事故によって、動燃の問題でありますが、かなり信頼を失ってきております。 この回復のために、これまで科学技術庁は全力を尽くしてそれを取り返すために頑張ってこられたと思うわけでありますが、さきの国会において動燃を核燃料サイクル開発機構に改組するための法律が成立をして、一つの改革の道筋が示されたわけでございます。 これを今から実際に実らせていく、実効性のあるものにしていただくという努力がなされておると思うわけでありますが、科学技術庁、動燃において、十月に予定をされております核燃料サイクル開発機構への改組、これが当面の一つの大きな課題になるわけであります。ここの取り組みについて、五月の法律成立後、いわゆる十月の核燃料サイクル開発機構への改組に向けて、動燃の改革はどういうふうに、どの程度進んでいるのか、お示しをいただきたいと思います。
○竹山国務大臣 お話のありましたように、動燃の一連の事故につきましては、国民の信頼を、まさに九仞の功を一簣に欠くといいますか、培ってきた原子力エネルギーへの期待なり、今日の国民の皆さん方の認識としては御理解をいただいてきたところでございますが、ああした事故によってその信頼が砕かれてしまった。これに対する対応というのは、一にかかって日々の国民の皆さん方への丁寧な説明をしていくと同時に、信頼をもとへ戻していかなければいけない難しさを痛感しているところでございます。 そういう意味で、動燃の事業のスリム化、そしてまた情報の徹底した公開、また地元の地域の住民の皆様方の御意向をしっかり聞いていく、こうしたことを今日まで積み上げてきたわけでございます。 お話しのとおり、核燃料サイクル開発機構としての新しい組織がこの十月一日から発足するわけで、もう既に、前の原子力安全委員長をやっておられた都甲さんが新理事長として意欲的にリーダーシップをとって今日まで努力をしてこられ、新しいスタッフ、理事も全部決まってきているわけでございます。 今後の新しい経営体制のもとで、安全総点検のフォローアップを徹底的に行うということと、情報公開の指針に基づいて積極的な開示をしていくということの努力をする。同時に、教育研修、人事交流などを通じて意識改革を図っていかなければならない。動燃の従来の職員も一生懸命やったわけでありますが、どうしても地元の住民の皆さん方との視点のずれといいますか、認識のずれがああしたことに結びついた。その辺を徹底的に注意を尽くしていきたい、こんなことでございます。 具体的な面では、本社機構の組織を東海村と福井の敦賀の方に移転をいたしまして、十月一日の発足に向けて、我が科学技術庁といたしましてもこれに全精力を傾けて支持をしていく。 私も、科学技術相を拝命したときに、小渕総理からも、原子力行政については意を配し過ぎて配し過ぎることはないから十分にやってくれ、こういう付言まであったわけでございます。 そうした背景の中で、意識の改革とそうしたものが定着していかなければ、国民の信頼、安心は求められないわけでございますので、河村理事御指摘のことを十分意を体して、今後とも十分に検討、努力をするように、現場との連携をとっていきたい、こんなふうに思っております。
○河村(建)委員 長官、大変御苦労でありますが、竹山先生のお人柄でありますから、ひとつ先頭に立って、原子力行政といいますか、その信頼回復に全力を尽くしてやっていただきたいというふうに思います。 さて、時間も迫ってまいりましたので、宇宙開発の問題についてちょっとお聞きをしたいと思っております。 宇宙に目を向けると、人間の生涯がどんなにちっぽけなものか、非常に夢を抱く、いろいろなつらいことが空を見ることによって忘れられる、こう言います。その開発、これは人間がかける一つの夢であるわけであります。 日本も、米国あるいはロシア、欧州のおくれを取り返すべく、全力をかけて今いろいろな面で開発が進んでおるわけでありまして、やっと日本の宇宙科学、通信・放送、あるいは気象観測等の衛星開発とかロケットの開発が順調に進んでおりまして、世界からも評価を受けるというところまで来ておるわけであります。 しかしながら、地球観測衛星「みどり」の太陽電池パネルのふぐあい、あるいは通信放送技術衛星「かけはし」の打ち上げ時の第二段ロケットのふぐあい、ああいうこともあるわけでありまして、各国とも失敗を重ねながらやってきたという経緯がありますが、こういう事故もあったものでありますから、本格的に取り組むために、宇宙開発委員会が宇宙開発基本問題懇談会を開いてこの問題を検討したと聞いておるわけでありますが、この検討状況、これからの進め方についてどのように把握をされておるか、お聞きをしたいということ。 あわせて、宇宙開発も一歩間違えますと大変なことになるわけでありまして、北朝鮮のミサイルの問題であります。あれはミサイルだったのか衛星だったのか、まだはっきりしない。ミサイルをもって衛星を上げようとして失敗したのではないかというのがきょうの新聞報道等でありますが、いずれにしても、やり方を一歩間違えますと大変なことになる。 日本は、宇宙開発は平和目的に限るということも、国民の総意といいますか、国会の総意として決議もいたしておるわけでありますが、しかし、さはさりながら、衛星を有効に使うためには、やはり多目的衛星ということが、最近、そういう観点から導入をしていかなければいかぬという積極的な議論も始まりました。我が自由民主党におきましても、党の政調会におきまして、情報衛星に関するプロジェクトチーム、中山太郎先生を中心に積極的な議論を始めたところであります。 そこで、多目的衛星の導入に関して科学技術庁はどのように取り組もうとしておられるのか、宇宙開発の問題とあわせてお聞きをいたしたいというふうに思います。
○竹山国務大臣 宇宙の問題につきましては、御指摘のとおり、近年、事故ないしはふぐあいが続いているということを重く受けとめております。一方、過般、七夕にランデブー・ドッキングをいたしました試験衛星七号「おりひめ」「ひこぼし」、大変御関心の向きには御心配をかけましたが、再度のチャレンジで、ちょうど月おくれの七夕になりましたが、めでたくドッキングができた、こういうことも御報告をさせていただきます。 そんなこともありまして、宇宙開発全般にわたる本質的な対応をしていこうということで宇宙開発基本問題懇談会を開催し、私も宇宙開発委員会の委員長として今後の対応をしっかりやっていかにゃならぬ。中身といたしましては、宇宙開発のそれぞれの専門家、機械工学、生産技術、経営組織論など、学者、先生方あるいは経営者の皆さん方の参加を得てこうした懇談会組織をつくりまして、月一回程度のテンポで、これは七月に発足したばかりでございまして、近々に第二回目を持ちたい、この場を通じて今後の宇宙開発利用について鋭意検討を進めていきたい、こんな思いでおります。 また、お話の多目的衛星と申しますか、今回、北朝鮮の問題から話題になってきております。我が科学技術庁として、こうした多目的衛星というものにつきましては、かねてから、地球観測、資源探査、そうした目的を持って人工衛星の開発をしてまいりまして、今、具体的にはALOSという衛星で、近い将来、そうした目的のものも打ち上げたい、こんなふうに思っております。 もとより、お話しのとおり、昭和四十四年の国会決議で、こうした衛星の平和利用ということは大前提でございますので、そうした中で、今後はその衛星の能力に合った災害対策あるいは地球環境の保全、都市計画の管理など、国民生活に幅広く活用できるような面も見込んだ多目的な衛星も開発をしていくことに大きな関心を持って、今後、現下の大変話題のあるテーマでございますので、科学技術庁としても主体的な研究を引き続き進めていきたい、こんな思いでございます。
○河村(建)委員 質疑時間が来たようでありますから、国際熱核融合実験炉、ITERの問題、あるいはクローンの問題についても取り組みについてお伺いをしたいと思いましたが、次の機会ということで、きょうは終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○大野委員長 辻一彦さん。
○辻(一)委員 竹山大臣、どうも就任おめでとうございます。 今まで随分と私は原子力を中心に論議をしてきたのですが、大臣、長官、閣僚は一年で大体交代されるので、大分頭に入ったと思うとやめられてしまうのですが、もう一遍また大事な問題はおさらいをする必要があるだろうと思っております。そういう意味で、きょうは一時間ですが、熱核融合、ITERの問題、プルサーマル、それから、使用済み燃料の中間貯蔵施設、情報の開示、原子力安全委員会の強化と防災問題等について、初めてでありますので、やはり長官の所信もただし、よくひとつ頭に入れていただいて、これからぜひひとつ取り組んでいただきたい、こういう意味で、若干今までとダブる論議もあろうと思いますが、御理解をいただきたいと思います。 そこで、いわゆる国際協力では熱核融合、ITERの四極協力が今までかなり進んできたわけでありますが、最近、アメリカの下院の科学委員会のセンセンブレナー委員長等が見えて、アメリカは、どうも予算やいろいろな考え方の点から、下院はなかなかこの協定延長についての署名ができない、こういうような意向をかなり明確に伝えてまいりました。これは、私は、今まで我々の国会等の取り組みからすると、また政府の取り組みからすると、大変大事な問題であるということで、少し論議をしておくことが大事ではないかと思います。そういう意味で、熱核融合、この ITERを中心とする四極協力の現状と、それからアメリカの動向について、要点をちょっと聞かせていただきたい。
○竹山国務大臣 辻理事からお話のありましたITERの問題につきましては、御指摘のとおりで、今日まで、三年間の延長の手続をとってまいりまして、日本、EU、ロシアはそれぞれ署名ができたわけでございますが、アメリカにおいて、特に下院においてのいろいろな論議がここへ来て行き詰まっている、こういうことで大変心配をしております。引き続きのアメリカ政府としての延長への取り組み、署名への対応、こういうことを私どもも熱望しているわけでございます。 御承知と思いますが、先月の中ごろにセンセンブレナー委員長本人じきじきに日本へ来られまして、私も新任早々でございましたがお会いをして、その後、かねてからこのITER問題について御見識の深い国会議員の先生方にもお会いをいただき、また現地へも行って、研究者、学者の意見も聞いた、こういうことでございます。 そのときの滞日、日本にいる間での、センセンブレナー委員長からの意向をいろいろ聞いていると、だんだんその懸念が増幅されるといいますか、いろいろアメリカ国内でのITERに対する、特にトカマク型の問題について疑義が出ている、こういうようなことでございますので、これでは困るということで、各方面から、引き続きアメリカ議会においてぜひぜひ引き続き四極での構成がなし遂げられますようにということで、一刻も早い署名を強く要請し、いろいろな手だてを尽くしているところが現況でございます。
○辻(一)委員 今までの国際協力、ITERの経緯からすると、やはりアメリカが抜けてはなかなかこれは実際的にはどうにもやれぬのだ、やれという意見もあろうとは思いますが、実質的にはなかなか難しいと思う。そういう意味で、アメリカの参加を、署名、協定の延長を強く求めていくのはやはり当然であろう、その努力をぜひやってもらいたいと思います。 そこで、この間センセンブレナー米下院科学委員長も見えて、大野委員長ほか、私ら理事も何人か参加をして論議をしましたが、予算の面で経費を縮減する、こういうねらいが一つあるし、してもらいたいということと、もう一つは、核融合の現在のトカマク方式について理論的な疑義というか疑問が科学者の中で、アメリカでも随分出ているということ、二つが非常に大きな問題だったように思うのですが、そこいらが解決されないと問題は前進しないと思います。 そこで第一に、その説明を聞くと、政府の方は、国際四極間で、ITERの建設費は大体一兆円かかるというのを、五千億、半分で切り詰めてやれるというのです。一兆円が簡単に半分になるというのは、できるのなら初めからそういう経費を節減すればいいではないかという見方もありますが、それはそれで、やれるという見通しのもとの内容であろうと思いますが、半分で、五千億でちゃんと所期の目的を達成し得るのかどうか、それについての考えを伺いたい。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 ITERの目的というのは、御案内のとおり、核融合反応の制御された点火ということと長時間燃焼ということを達成するということであったわけでございまして、六年間におきましてのITER・EDA、工学的設計活動の結果といたしまして、この目的というものは、最後の仕上げの、設計図面というものを仕上げたわけでございますけれども、それをもちまして、十分余裕を持って達成し得るというふうな評価に至ったわけでございます。 ところが、各極間の、各極ともどもでございますけれども、いわゆる財政事情等を背景にいたしました場合に、建設段階への移行というのは現実的な問題として大変難しいというふうな状況から、ITERの目的というものを変えることなく建設コストの削減というものを志向しようということでもちまして、その関係者、非常な努力を行ったということを聞いておりますが、いわゆる具体的な技術目標というものの見直しと、技術裕度というものをぎりぎりまで切り下げるということによりまして二分の一の削減というものが可能であろうということで、最新のプラズマ物理の進展等を踏まえまして、四極間の専門家によります見直しの結果といたしまして、五〇%削減をいたしましてもITERの目的が達成できるということを、技術的に確認を四極間においてされておるというふうに聞いております。
○辻(一)委員 目的が達成できなければ幾ら安くなったって意味がないので、その点は専門的に検討しているのですから大丈夫と思いますが、しっかりやってほしいと思います。 それからもう一つは、アメリカは、軍事的な観点からレーザー方式等の開発に前から取り組んでおりますが、今日、予算をかなりそっちに向けている。軍事予算を使っていくようになれば大規模な開発の研究ができるわけですから、そこらに非常に問題があるように感じます。トカマク方式がきちっと論理的に確認をされて進められなくてはならないと思いますが、それについての見解を、時間の点がありますから要点だけ聞かせてください。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 確かにアメリカにおきまして、センセンブレナーさんがおいでになりましたときのお話の中にもございましたけれども、アメリカのサイエンスのコミッティーの中にも、現実的にトカマク型というのがいわゆる一番最適な方式であるのかというような議論があるというふうな御指摘がございました。その辺の背景に今先生がおっしゃったようなことがあるのかないのか、その辺につきましては私どもの調査、分析というものがまだ十分に行き届いていないわけでございますが、その辺、もう少し勉強してみたいというふうに思ってございます。 一方、トカマク型というものに対する一つの評価でございますけれども、これは私ども、日本国内におきましても、原子力委員会のもとに設けられました核融合会議ということでもちまして関係サイエンティストが結集いたしまして、一定の評価というものを行っておるということと同時に、ITERというものを選択しまして持ってきたというのも、いわゆるトカマク方式というのが最も有望な現実的な方途であるという評価の上に立って進めておるところでございます。
○辻(一)委員 十一月に横浜で、熱核融合に関する国際シンポジウムを一週間ほど集中的にやるということを聞いていますが、そういうときに理論的な問題を十分論議をして、あれもこれも、どうしていいかというのでは進まないと思うので、せっかくの国際シンポジウムの機会を大いに生かして、国際的な論議をやって、方向を確認するという考えはないのですか。
○青江政府委員 現実問題としまして、アメリカの状況はそういう状況でございますので、確かにもう少し幅広くきちんとした検討というのが必要とされるというふうに認識をいたしております。私どもの関係者、いわゆる原研の関係者もそのような認識に立ってございます。 したがいまして、先生今御指摘の、そのような国際会議の場というのも一つの場と考えられますので、関係者と相談をさせていただきたいというふうに思ってございます。
○辻(一)委員 五年ほど前ですが、平成五年ですか、国会の派遣で欧州の方に行ったときに、EUの熱核融合の研究所、イギリスのオックスフォードのを見に行きまして、そこの所長はフランス人だったのですが、世界的に一番高い水準だ、日本も、当時の話ですが、今経費をかけて改造を相当やっているから、それが実現すれば日本も大体これに追いついてくるだろう、こういうことを言っていました。 その後、我が国の研究水準と方向はかなり進んだと思うのですが、時間の点から詳しくとは言わぬのですが、どこまでEU等に比べて進んでいるか、要点だけちょっと聞きたい。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 今先生が御指摘になられましたが、欧州のJETの装置でもちまして、エネルギー倍増率、いわゆる核融合反応によりますところの発生エネルギーとプラズマの加熱エネルギーの比率、これがその当時世界最高を達成しましたのがJETの装置でございまして、一・一四でございました。その後、我が国の原研のJT60でもちまして、平成十年六月でございますけれども、それを上回ります、世界最高の一・二五という数字を達成してございまして、現時点におきまして、そのJT60での数値というのが世界最高値ということになってございます。
○辻(一)委員 日本のは、EUに比べれば割と小さい型で、それで相当なレベルの研究成果を出しているということは大変結構だと思いますが、頑張ってほしいと思います。 そこで、そこに委員長から配付してもらいました資料がありますが、平成三年五月七日に、「国際熱核融合実験炉プロジェクトに関する件」というので決議をいたしております。ちょっと私、いろいろな関係で起草して、委員長提案でやっていただきましたが、昭和三十年代以来、全会一致の決議は三十数年ぶりだということであったと思います。この決議を踏まえれば、我々の方向、日本がどうとるかということは明確であろうと思いますが、この国会決議、委員会の決議を踏まえて、政府としては、熱核融合、ITERの推進に全力を挙げるということが必要と思いますが、ひとつ大臣の決意のほどをちょっとお伺いしたい。
○竹山国務大臣 ただいまお話のありました、平成三年五月の当委員会におけるITERプロジェクトの推進に関する全会一致の決議、これはもう十分に重く受けとめさせていただき、意義の深いものだと認識をしております。まさに、この決議にありますような「地上の太陽の実現」ということを目指して、究極のエネルギー源の確保ということで、人類共通の目的を達成するために、まさに世界の英知を結集して取り組んでいく重要なテーマであると思っております。 私といたしましても、この全会一致の決議を十分踏まえまして、今後のITERプロジェクトが、先ほどからお話しのとおり、アメリカの参加を得て、四極がこぞってこのプロジェクトに向かって進んでいけるよう、我が国が積極的に努力していくことを科学技術行政の責任者として誓っております。
○辻(一)委員 その決意を具体化するために、ぜひひとつ努力を願いたいと思います。 そこで、第二の問題として、プルサーマル計画の問題について若干お尋ねしたい。通産・エネ庁から長官も見えておりますので、科技庁長官から科技の場ではかなり意見を聞きましたが、再処理、それから中間貯蔵の設備施設、そういうものについての見解を、せっかくですから、エネ庁長官から二、三伺いたいと私は思うのです。 まず第一に、もう御承知のとおりですが、我が国は、原子力発電所の使用済み燃料は、イギリスやフランスと同様に再処理路線、使用済みの燃料は全部再処理をして、プルトニウムを取り出してそれをさらに活用していく、こういう路線をとっている。しかし、アメリカやロシアの場合、これは最終的に使い捨てにするか、あるいは、最後はどうするかはまだ未定の分野があるのですが、ともあれ、使用済み燃料は五十年間ぐらいは水につけて、プールに入れて様子を見ようと。その間に、本当にプルトニウムが、人類が制御して、ナトリウムと合わせて使えるのか、あるいは軍事的に全く転用ができない新しい道が出てくるのか、いろいろの中で、プルトニウムは将来のものとして水につけて様子を見てもいい、こういう考え方が一つ大きな流れであると思うのです。 我が国も再処理路線をとってはいますが、現状のいろいろな状況から考えて、再処理するのもありますが、同時に、湿式、水の中につけておく、あるいはこの間私も見てきましたが、東電の福島の原発では乾式貯蔵を既にやっているわけですから、そういう方法を併用して、全部を直ちに再処理でなくて、中間貯蔵施設に移して様子を見ていく、こういうことも少し柔軟に考えていいのではないかと思うのですが、エネ庁長官のそこらについての考え方をちょっと聞かせていただきたい。
○稲川政府委員 使用済み燃料の取り扱いにつきましては、各国それぞれの、御指摘のございましたような考え方の差がございます。これは、各国の置かれております資源の状況等々に基づいたものと考えてございますが、我が国は、昭和四十年代の初めから原子力発電を開始しまして、かなりの時間を既に経過してございますけれども、基本的な考え方は、エネルギー資源の大宗を輸入しております我が国としては、長期的なエネルギー安定供給の確保、さらには放射性廃棄物の適切な処理処分という観点から、使用済み燃料を再処理し回収する現在の核燃サイクルの方針をとっておるところでございます。 こうした方針は、累次の原子力委員会の長期計画でも確認をされ、また政府の方針としても確認をし続けてきているところでございますが、今後とも安全確保を大前提として、国民の理解を得つつ、この核燃サイクルを着実に推進していきたいというのが現在の考え方でございます。
○辻(一)委員 これは、科技庁長官に聞いても通産省に聞いても、政府の方針ですから変わりはないとは思いますが、一応念のために伺いました。 動燃法の改正案の論議等を通して、プルトニウムをどうするか、そういう中で、プルサーマル問題等も含めてかなりの政策論議をやったと思っておりますから、きょうは時間の点から、これは多くを触れないことにします。 ただ、私として一点申し上げたいのは、将来の資源ならば、何も今無理に再処理をして、全部分離をして早く使ってしまうということをしなくても、水の中につけて五十年ぐらい様子が見られるなら、慌てることはないではないか。そういう意味で、原子力長計、プルトニウム需給計画を含めて、これらの見直しをやるべきであるということは主張はしておきます。これは、答えは求めません。 そこで、現実にプルサーマルの問題として、今電力会社から、例えば福井県の高浜原発関連、あるいは東電では福島原発等でプルサーマルを使おうという計画がある。既に、通産に対して原子炉設置の変更申請が行われて、第一次の行政の手による安全審査は一応終わって、今原子力安全委員会のダブルチェックにこれがかけられようとしている、こういう状況にあるというように把握をしております。 そこで、プルサーマルの場合は、今まで一体や二体を実験をしておったという十年ほど前の例がありますが、二体と四体、六体ですが、今度は炉心、原子炉の三分の一を変えて、世界でまだやっていない、計画はあるにしても実際はほとんどやっていない大量の混合燃料、プルトニウムとウランのMOX燃料を使おうという。そういう意味で、基本的に私は、プルトニウムを燃料とする原子炉の安全審査においては、プルトニウム指針というのが既に出ているわけですから、これに基づいて審査を行うべきであると思うのです。 今回のエネ庁、通産によるところの第一次、行政の審査ではこれは免除されておるように見ますが、それは一体なぜなのか。時間の点から、余り詳しい、専門的なお話を聞いてもどうかと思いますが、ポイントをひとつ聞かせていただきたい。
○稲川政府委員 御指摘のありました高浜発電所の安全審査につきましては、原子炉設置変更許可申請が平成十年五月十一日に出されまして、先般、八月二十六日に、原子力安全委員会への諮問をさせていただいたところでございます。 原子力発電所の立地評価におきますプルトニウムの扱いにつきましては、平成七年五月の原子力安全委員会原子炉安全基準専門部会報告書におきまして「MOX燃料の装荷が離隔評価に影響を与えることはない」というふうにされております。また、平成十年七月に原子炉安全基準専門部会に報告され、実質的に取りまとめられたプルトニウム目安指針の適用方法などについての報告書におきましては、MOX燃料装荷率三分の一までのMOX燃料炉心については同指針の適用は免除できるというふうにされております。 当省といたしましては、本件の安全審査において、上記報告書等を参考とし、申請者が立地評価においてプルトニウム目安指針の適用を行わないとしていることは妥当であるというふうに判断をしたところでございます。
○辻(一)委員 問題は、原子力安全委員会が一定の基準というか、指針を示している、だからそれに基づいてやったのだということで、私はその基準に問題がありはしないかと思います。 そこで、そこに資料として配付したのですが、免除基準の判定結果というのが数字が出ておりますが、これは、原子力安全委員会が七月の末に出したこの指針の適用についての報告書から抜粋をしたのです。 これでちょっと、これは安全委員会の方に伺いたいのですが、私も余り詳しいことはわからないのですが、ごく大まかに言って、上のBWR、これは沸騰水型ですから、東電の福島原発、二千三百八十メガワットならば二百三十八万の熱出力で、三分の一の八十万キロ、上も下もそうですが、大体八十万キロぐらいの出力の発電所に適用した場合にどうなるかという数字が出ておるのですね。 ちょっとお伺いしたいのは、下は、PWR、これは高浜でしょうが、上は、BWR、東電の福島。そこで、この計算でいくと、三分の一の場合にはこの基準では確かに適用されないと思うのですが、炉心に全部MOX燃料を詰めた場合に、その量は、八十トンの四%、三トンぐらいのプルトニウムが含まれると思いますが、全部炉心にMOX燃料を詰めても、この計算でいくと免除規定で指針は適用されないということになるのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 まず、先ほどエネルギー庁長官も言及され、辻先生も言及されました、私どもの方の原子炉安全基準専門部会、これでは、まだただいまの報告書というのは審議中と申しますか、最終段階ではございますが、審議中でございまして、安全委員会にはまだ正式には報告がされてございません。ただ、だから知らないというようなことを申し上げるつもりは毛頭ございません。内容は私どもも大体把握しております。 そこで言っていることは、この立地の離隔の判断をするに当たってプルトニウムがその判断を左右するだろうかという問題を、大分長い、もう二年以上になると思いますが、基準部会で議論をしておりまして、現在それの最終的な取りまとめの段階にあると私理解しております。 もちろん、この原子炉の設置あるいはその重要な変更等に当たりましては、私ども、行政庁から審査の報告を受けまして、立地につきましても厳密な評価を行うところでございます。その趣旨は、高浜のプルサーマルといえどももちろん変わらない。特に、これは最初のMOX装荷でございますから、特に慎重に行っていく所存でございます。 ただ、お示しいただきましたこの表でございますが、これは一つの例として試算した結果でございまして、実際には、この部会ではさまざまの炉型について随分詳細な検討もしたようでございます。そこで、とりあえず三分の一まではというのが、技術的な内容としてはそういう結論に至ったようでございますけれども、それ以上の装荷に対しましては同様な手法で判断できるであろうということを、大体専門家の間では合意を得ているというふうに伺っておりますが、これはまだ正式な報告でございませんので、そういうふうに私どもは伺っておるというお答えにとどめさせていただきます。
○辻(一)委員 私の聞きたいのは、後に申し上げましたが、この基準が一つのいろいろな試算された結果ですが、この基準を適用するとMOX燃料を全部炉心に、三分の一じゃなしに三分の三、全部詰めて、その場合になおこの基準ではプルトニウム指針が適用されないのじゃないか、この数字からいえば、そこはどうなんだということを聞いておるのです。それはいかがですか。
○佐藤説明員 これは、安全委員会が承知している範囲でということでお答えを申し上げます。 私どもがその議論の内容等をいろいろ承っておりまして、そこでは、三分の一までは影響を与えませんという結論のようでございます。それ以上については同様な手法で判断できるということではないかと思います。 というのは、一口にMOX燃料と申しましても、これは現在考えられている仕様の燃料ということでございます。例えば、燃料集合体の中にプルトニウムを含んだ燃料棒が全部なのか一部なのかとか、あるいはプルトニウムを全体としてどれだけ、これは富化度と申しますが、富化度はどれだけなのかといったようなことも全部聞いてまいります。そういうことなので、それ以上のものについては同様な考えで判断できる、そういう結論ではないかというふうに承知しておりますが、これは、最終的な報告書はまだ我々のところに上がってきておりませんので、最終的な結論がどうなるかまでは、ちょっと今のところ明確なことは申し上げかねます。
○辻(一)委員 ちょっと聞きたいことが答えられていないのですが、この免除基準の判定結果というか、免除基準、これをもとにして恐らくエネ庁の第一次安全審査、行政審査は、この数字が小さいから心配ないやということにしたと思うのですが、その基準に問題はないかということを私は聞いておるのです。 なぜかというと、三分の一じゃなしに全部原子炉の中にプルトニウムとウランの混合燃料、MOX燃料を詰めたときに、それでもこの算式、この基準からいうと、プルトニウムを燃料とする原子炉に対する審査の指針は適用しなくていいということになるのは非常におかしいじゃないか。それはどうなんですか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 いわゆるプル指針、正確にはプルトニウムに係る目安線量でございますが、これは立地審査の際に、従来といいますか、例えば普通のと申しますか、これまでの軽水炉等では甲状腺線量と全身線量、この二つの線量で、そこにある目安値を示しまして、これで判断するということにしていたわけでございます。このいわゆる目安線量に関するものができましたのは随分前のことだったと思いますが、これは高速炉の登場というのを強く意識したものでございまして、高速炉については、先ほど申しました甲状腺と全身に加えてプルトニウムによる目安線量を示すべきではないかということから、目安線量が示されているということでございます。 したがって、問題は、その目安線量で判断するということにどれだけの意味があるのかということが問題として今この基準部会で議論されているということでございます。
○辻(一)委員 その目安線量の指針は、プルトニウムを燃料とする原子炉については、軽水炉の単なるウラン燃料の場合と違って、プルトニウムを使う「もんじゅ」と同じような指針によって安全審査をするということが原則になっていますね。ところが、免除の規定があって、幾つかの条件に該当すれば、ある値よりも小さければプルトニウム審査の指針を適用しなくてもいい、免除できる、こうなっておるのですね。 ところが、その免除の基準を見ると、この数字を見ると、原子炉の中に全部MOX燃料を入れれば、大体その三、四%でしょうから、八十トンを詰めれば三トンぐらいのプルトニウムが中に詰まるわけですよ。それだけの量が詰まるにかかわらず、原子炉の中の全部MOX燃料を使うにかかわらず、プルトニウムを燃料とする原子炉の安全審査に適用される指針が免除されるということは、全部詰めても免除というのはおかしいではないか、この基準自体に問題はないかということを聞いておるのです。これはいかがですか。これは私もゆうべちょっと読んで気がついたので、余り詳しくはないのだけれども。
○佐藤説明員 先生の言う基準というのはこれのことでございましょうか。 これは、先ほども申しましたように、安全委員会はこれから報告を受けて採否を決めるわけでございますが、技術的には十分詰まっているものと私どもは理解しております。 ここでは、どういう考えでいわゆる目安線量による判断をする必要があるかどうかという、まずその方法を論じているところがございます。その方法でやってみたところ、現在の燃料の仕様で三分の一ぐらいまでは目安と比較しても判断が左右されるようなことは余りないということのようでございますが、それ以上のものにつきましては同様な考えで判断できるでしょうというところにとどまっているものと私は理解しております。したがいまして、いわゆるフルMOXであれ何であれ、現在、具体的に専門部会で検討した範囲を超えるようなものにつきましては、これが認められればの話ですが、ここで提案されております方法を使って、それでやはりこれはやらなければならぬということになれば、その目安線量を適用することは当然でございます。 ただ、これはまだ将来のことでございますので、具体的な設計なりあるいは計画なりというものを拝見した上で、私ども別途検討することになろうかと思います。 〔委員長退席、斉藤(鉄)委員長代理着席〕
○辻(一)委員 ただ、通産省のエネ庁が行政レベルで第一次審査をやっていますね。そして、免除していいという結論を、それでまあよろしいと出したわけでしょう。その判定の基準にはこの数字、こういうものがもとになっておるのですよ。だから免除してよろしい、目安、プルトニウムの指針を適用しなくてもいいという判定をしたわけだ。基準がそれならそうなるのでしょうが、私はその基準に問題があるのではないかと。 なぜ問題があるかというと、三分の一のときには、これはこのとおりでしょう、これでわかりますね。だけれども、原子炉の中に全部MOX、プルトニウムとウランの混合燃料を詰めて、その中には三トンぐらいのプルトニウムが入るわけですよ。それでも、この数式、基準からいうと免除されてしまうのです。だから、この数字からいえばプルトニウムの目安指針は適用しなくていいとなりかねない。三トンも原子炉の中にプルトニウムを詰めて、そして、方針の中には、プルトニウムを燃料とするところの原子炉についてはプルトニウムの目安線量を適用しなくてはならぬとなって おるのに、それは数字としておかしいではないか。 だから、これを、今検討中であるならば、これから安全委員会はダブルチェックをするのですね、行政庁がやったことと同じことを後追いするのでは安全委員会の意味というのはほとんどないわけなのだから、安全委員会の権威を生かして、この問題について十分な検討をして、そしてこれについて厳しい、「もんじゅ」並みの安全審査をやるべきだ。これについてはどうなんですか。
○佐藤説明員 先生御主張の御趣旨はまことにそのとおりというふうに理解しております。これは、行政庁の一次審査が何がしかの結論を出したといたしましても、それが妥当なものであるかというのをちゃんと検討して結論を出すのが安全委員会の任務というふうに心得ております。 ただ、ちょっと御指摘のところで若干注釈をさせていただきますと、プルトニウムによる周辺あるいは立地の判断への影響というのは、単に炉心にプルトニウムが幾らあるかということだけで決まるわけではございません。 実は、例えば、高速炉のようなものと軽水炉のようなものとでは、格納容器の中での核分裂生成物ないしはTRUと申しますか、そういうものの振る舞いが非常に異なります。その結果といたしまして、高速炉の方では、これはあくまで相対的にという意味でございますが、例えば沃素とプルトニウムとを並べてみますと、プルトニウムの重要性が上がるのでございます。これに対しまして軽水炉では、むしろその逆の傾向が生ずる。そういうことも踏まえまして、部会ではそういう検討をしておるということでございます。 必ずしも、炉心に何トンあるからということだけで決まるわけではございません。もちろんそれは非常に重要な因子ではございますが、それだけで決まるわけではないということでございます。
○辻(一)委員 その論議を詳しくやる余裕は、今時間がないのですが、高速増殖炉はプルトニウムを中で燃やすための防護というか、十分な対策を当然講じてやっておるのです。ところが、軽水炉はもともとウランを燃やすものですね。その中にプルトニウムがなければ問題はないわけだ。だけれども、現に計算をすれば三トンぐらいのプルトニウムが、満杯ならば詰まるわけだから、それがあるという状況の中で、軽水炉と高速増殖炉の違いからして、十分に高速増殖炉並みの、「もんじゅ」並みの厳しい安全審査をやるべきだ。それでなければ、私は安全委員会自体の存在を問われると思うのですが、もう一遍、委員長からその辺の決意を聞きましょう。
○佐藤説明員 これは、「もんじゅ」並みというお話がございましたが、私どもは、軽水炉だから甘く見るといったようなことをするつもりは毛頭ございません。私ども、例えば安全専門審査会等にお願いしております専門家の方々が十分納得がいくまで御審査をいただくということでございます。 プルトニウムにつきましては、これは立地評価にだけ影響を及ぼすわけではございません。さまざまなところに影響を及ぼします。したがいまして、立地評価はプルトニウムに関します評価のごく一部でございまして、例えば炉心の特性が変わるとか、制御棒の効果が少し変化をするとか、そういったさまざまの問題は、これは十分慎重に、「もんじゅ」並みだというようなことをむしろ超えてやってまいらなければならぬというふうに考えております。 その意味では、私どもも、特に高浜のケース等につきましては、これがMOXを最初から入れるという意味では最初の事例でございます。そういう最初の事例等につきましては特に慎重に審議をするというのがこれまでのプラクティスと申しますか、当然のことでございますが、そういうことをやっております。本件につきましても、そのように十分に慎重に審査してまいりたいというふうに考えております。
○辻(一)委員 安全委員会がどう対応するか、それを見た上でまた論議したいと思います。 そこで、余り時間がなくなったのですが、三つ目に、私は情報開示の問題にちょっと触れたいと思うのです。 動燃のあの閉鎖性、いろいろな問題を起こしました閉鎖性は、やはり情報の公開、開示が極めて不十分であった、その閉鎖性に最大の要因があったということを、この春の国会論議を通しても特に痛感をしました。それから、地方公聴会というのを動燃の法の改正のときに水戸と敦賀でやりましたが、これも科学委員会としては初めての地方公聴会だったと思いますが、そこでも異口同音に全部の皆さんから出たのは、最大公約数は、情報開示、公開をきちっとやってほしいというのが最大の要望であったと思うのですね。それから、九日、おとつい私は、新円卓会議が東京で開かれまして、そこに三時間余り行って様子を聞いたのですが、勉強になりましたが、ここでも後半の論議のポイントは、情報開示を徹底してやれというところにあったと思うのですね。 そういう意味で、情報開示は原子力行政を進める上においても、また原子力に対する国民の支持や信頼を得る上においても、これは欠くことのできない最大、不可欠の要件であると思うのですが、これは非常に大事だと思いますが、情報開示についての大臣のひとつ考えをお伺いしたい。
○竹山国務大臣 辻理事におかれては、一昨日のサンシャインでの新円卓会議に御同席をされて御勉強だそうで、敬服しております。 まさに御指摘のとおり、原子力の開発、利用に当たっての国民の理解と信頼を得ることの大切さ、先ほども申し上げましたが、総理もその一語を私に指摘したぐらいでございますので、核物質防護等に係る一部の情報を除いて、原則としてすべての情報の開示をしていくということ、迅速かつわかりやすい情報提供、透明性を高めていくことが不可欠なテーマであるという認識は同じくするものでございます。 こういう観点から、原子力委員会において、委員会等の会議の原則公開、専門部会等で報告書を取りまとめる際に国民の意見を反映するなど、政策決定過程の透明性を高めるとともに、広く一般に情報を提供するための原子力公開資料センターの設置など、さまざまな取り組みをしているところでございます。 今後とも、このような努力を徹底するとともに、原子力関係者一同が情報開示の重要性を改めて肝に銘じて、原子力行政に対する信頼を確立するため、最大限の努力を図っていくということを申し上げておきます。 〔斉藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
○辻(一)委員 一般論は大変結構ですが、それはやってもらわなければ意味がないので、それをしっかりお願いしたい。 そこで、前もこの委員会で触れたことがありますが、私の若干の経験を申し上げて、容易に、企業機密という名のもとにやはり大事な点は皆隠される懸念があるので、そこをしっかりやってほしいと思います。 昭和四十八年か九年ごろに、高浜の隣の大飯原発、百七万キロワットの安全審査があったんです。資料公開を、私参議院におって、予算委員会で要求して、そして出されたのは、わら半紙に十枚ほどの大飯原発安全審査の資料というのが出されたんです。二十ページぐらい。 同時に私は国会図書館で、アメリカが一体どうやっているか随分調べてみました。マイクロフィルムの目次を出してもらって調べると、セコイアという、百五万キロワット、大飯の百七万とほぼ同じぐらいの発電所の審査資料がマイクロフィルムにおさめられている。それを取り寄せてみたら、これは大変な膨大な資料です。それで、政府にそれを委員会に出すように要求しました。一メーターぐらいあるんですよ、コピーしたのが。 こっちは十枚余りのわら半紙、二、三十ページ、片方は、コピーでありますが、一メーターぐらいの高さの資料です。それだけの情報の公開の違いが昭和四十八、九年ごろにはあったと思うのです。 科技庁も、さすがに、予算委員会に五十部これを出したら、一部五万円だけかかるので、もう一遍に破産するから、委員長と質問者二つにとどめてほしいというので、二部だけ、あとは出さないようになりましたが、出すということを了承しましたが、それに比べると、その当時に比べると今日の状況は、情報公開という点では、苦い経験を動燃等で随分なめてきましたから、それに基づいて公開はかなり進んだということは、これは私は認めます。わかります。 しかし、そういう論議をした後で、例えば日本の三菱はアメリカのウエスチングハウスと協定している、それから日立や東芝はGEと協定している。それらがずっと協定した中で、企業機密云々にかかわる資料が最終的に段ボールの箱にそれぞれ二箱、百二十点ほど段ボールの箱に入れて科技庁の金庫の中に入れている、それは見せるわけにはいかないというのを、一年かかってついに理事会まで持ってきたんですよ、その資料を。そして、理事だけで見てくれと。しかし、それを、中を見ても、難しい数式の類は専門外の我々にはわからぬですね。これは専門の学者が一緒に勉強して、その中身を我々が吸収しなければ意味がない、だから公開しろ、この論議をかなりやって、最終的には、学者の皆さんに見てもらうのは結構だけれども、特別のところだけを引用して都合のいいように使わないようにしてほしいということで、限定した中でひとつ勉強してもらうことは結構だというようにして、その中身は随分検討して我々も勉強になったんですね。 それでも、最後に二十点ほどは、GEとウエスチングハウスの関係で、企業間機密というので、これはアメリカの本社に聞き合わせなければ、了解がとれなければ公開できないというのが二十点ぐらいあったんですよ。それを全部一つずつ聞き合わせて報告しろと言って、私も予算委員からほかの、大蔵、当時の忙しい方に移って余裕がなくなって、そのままに残念ながらなったんですね。なったんですが、それぐらい資料の公開というのは本当は容易じゃないですね。 しかも、原子力は、軍事機密、核開発から出発したという尾をやはり引きずっていますね。だから、出発点が軍事機密から出発したからなかなか公開が難しかった。それが、時代は今日のようになって、動燃等の経験から随分と公開されるようになりました。 そこで、動燃の改革の報告書の中に明確に書いてあるのは、資料の公開や情報の開示は企業機密の名に隠れてこれを拒んではならないということが動燃の改革報告書の中に明確に示されておるんですね。これは私はなかなかいい提言だと思うのですが、それを実際やらないと。それは長官の御答弁は立派ではあるけれども、具体的に裏づけがなければ意義が薄くなるので、本当に資料の開示をやるにはなかなか大変であるということ、その難しさを超えてもぜひ、資料公開や情報の開示ということがなければ原子力行政は支えられないし、それから安全に対する信頼もない、この点をよく私は銘記していただきたい。 そういう点で、大臣、エネ庁長官とそれから安全委員長にも、三者にその決意のほどを改めて一遍お伺いしたい。
○竹山国務大臣 辻理事の高い御見識からの御提言でございますので、しっかりと受けとめさしていただき、重く認識いたします。
○稲川政府委員 情報開示、情報公開に対する重要性の考え方、姿勢は、先ほど大臣からお答えを申し上げた内容と通産省としても全く同様でございまして、今後過去の歴史もかんがみながら最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○佐藤説明員 私ども原子力安全委員会が今年六月末に出させていただきました原子力安全白書の中でも、先生御指摘の点は特に強調しているところでございます。 主要な点は三点ございます。それは、いわゆる情報の開示あるいは提供、それから意思決定過程の透明化、さらにその意思決定過程への国民の参加の促進、この三つを柱にしてやってまいる所存でございます。
○辻(一)委員 三万の決意は伺いましたが、具体的にはこれからの中で実施をされるわけですからしっかりお願いしたいと思います。 あと五分足らず、五分ほどになったんですが、中間貯蔵施設については、時間があれば触れますが、飛ばして、原子力安全委員会の強化という問題について一言伺いたいと思います。 それは、今度、行革の基本法の成立等によって、原子力委員会、原子力安全委員会は内閣府に移されるということに大体なっておりますね。それで、私も行革の委員会に出てこの問題について小里長官等の見解をただしたことがあるのですが、内閣府に移して、機能は維持しますというのですね。しかし、今日本の原子力安全行政に求められていることは、これだけの安全問題や規制問題があるのだから、もっとその内容を強化をして、本来ならば科技、通産、運輸等が持つ原子力の安全規制は一本化をしてやるべきだ、それだけの覚悟で強化をしなければいかぬので、維持するというようなことではだめだということを強く言っておきました。 アメリカのNRCは、もう言うまでもない。私も何回か行って随分、昭和四十九年代から調べてみましたら、当時でも三千人の規制要員、米原子力規制委員会で、推進と規制を全く分けて、三千人からの人員を擁して全部やっている。そういうものと、まあそれは行政委員会として強力なものですが、一緒にはなかなかできないと思いますが、内閣府に移すというそういう機会に、原子力安全委員会の強化を図るべきだ。原子力安全委員会のスタッフ、事務局は調査室の十九名から二十名で支えている。日本は独自の専門部会等によって、専門の学者の皆さんにいろいろな協力をいただくシステムが進んでいるということはわかりますが、本来のスタッフがそんな二十人ぐらいでは足りるはずがない。だから、原子力安全委員会の強化とスタッフの強化ということを本格的に行革の中で考えるべきではないか。 まあ行革は、スリム化、減らしてむだを省いていくということも大事でしょうが、しかし、大事なときには人員をより強化し、配置をして取り組むということも大事な点ではないかと思います。そういう点でひとつ、これからいろいろな具体的な政府機構の取り組みの中で科技庁が随分と力を入れてやってもらわないといかぬわけですが、大臣の方からその決意のほどをお伺いいたしたい。
○竹山国務大臣 原子力安全委員会につきましては、内閣総理大臣の尊重義務を初め、関係行政機関の長への勧告権など、通常の審議会よりも強い権限を有しているわけであります。また、専門審査会、専門部会では、お話しのとおり、二百名以上の専門家を擁しており、必要に応じて柔軟に活用する体制となっております。このような現在の体制は、原子力の安全確保に万全を期す上で十分な機能を発揮できるものとも考えております。 同委員会は、国会の中央省庁再編の中において、お話しのとおり、内閣府に設置されることになるわけでありまして、内閣府の中においてもその機能が十分発揮されるということを十分大事なこととして引き続き考えていくことを約束いたします。
○辻(一)委員 機能の維持でとどめたら強化にはならないと思うのですね。これは大臣、ひとつ腰を据えて政府の中で取り組んでもらいたいと思いますね、大事な点だと思いますから。 あと、使用済み燃料の中間貯蔵施設の問題、それから原子力防災の問題について少し所信をただしたかったのですが、大体時間が参ったようですから、またの機会にひとつその二点についてはお尋ねをしたいと思います。 御答弁はなかなか立派な内容がありましたが、問題は、それを具体的にやってもらわないと意味がない、このことをもう一度申し上げて、政府としてしっかり頑張ってもらうように期待をして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○大野委員長 吉田治さん。
○吉田(治)委員 民主党の吉田でございます。 科学技術というのは分野が広うございまして、今一番話題になっておりますのは、北朝鮮の、あれは人工衛星なのかはたまたミサイルだったのかというふうな部分、特に日本の衛星というふうなものについて最初に御質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、俗に言う偵察衛星というものと気象観測衛星というものは、これは何か違いがあるのでしょうか。
○池田政府委員 私どもは、偵察衛星については、これまで勉強する機会がございませんし、立場上責任あるお答えはできないかと思いますけれども、通常言われておりますのは、特定の地点について、その陸上での活動等を精密に観測する機能を持った衛星であって、そのために、地球の比較的大気に近いところを回る軌道に置かれた衛星である。 もう一つの気象観測衛星につきましては、その特定の地域、日本の上空でございましたらその上空の大気の動き等を常時観測するわけでございますから、そうした意味では、通常静止軌道に置かれるもの。そういう意味では、軌道の高さは比べものにならないほどはるかに高いところに置かれて、常時見るような、基本的に申しますと、そういう機能の違い。それから、当然ながら、積んでおりますセンサーのたぐい、こういったものにつきましても違いがあるというふうに理解しております。
○吉田(治)委員 私の理解が今のお話を聞いて間違いでなければ、基本的な機器等については共有というか、ほぼ同じようなもので、その精度であるとか高さであるとか耐用年数であるとかが違うという理解でよろしいのでしょうか。
○池田政府委員 先ほど申しましたように、例えばそれが地球を回るものであるか、あるいは静止軌道上と申しますか、地球の自転と同一ように、一点をにらみながら地球と同じに回っておるというような軌道に置かれるかによって、衛星そのものの軌道はやはり違います。ロケットで打ち上げますときもその高さが違いますから、打ち上げに伴います技術的な特徴があるものと理解しております。 もう一つは、これが、いわゆる地上における活動を事細かに見るようなカメラのたぐい、こういうものを積んでいる必要があるのか、あるいは、先ほど申しましたけれども、大気の流れ、温度、そうしたものをはかるような、それを感じるようなセンサーを積んでおるかどうか。これは、これまでももう気象衛星については既にかなり実用化もされてございますし、そうしたことからの知見から申しましても、やはり違いがあるのではないかなというふうに存じます。
○吉田(治)委員 私、いろいろな方にお話を聞かせていただくと、大体、局長も言われているように、細かなところは違うけれども大きなところ、機器というのですか、そういうふうな部分に本質的な差がない。局長も言われたように、地上からの高さ、その解析、分析というのですか、そういうふうな部分と、それから耐用年数の違いが出てくるというふうな中において、これは偵察衛星のみならずへ日本の衛星というふうなものを一つの産業と考えた場合に、やはり衛星の数というふうなものをふやしていく。そういうことが結果として規模の経済という形でコストを下げ、衛星自身の価格も下げ、またそれが衛星というふうなものの産業というか、そういう部分が広くなるというふうに考えられていますけれども、この辺についての政府としての需要見込み。 また、非常に大事なことは、我が民主党の方でも、菅代表の方が偵察衛星の必要性というのを訴えているのですけれども、そういう中においては、やはり偵察衛星というのは、今局長も言われたように低い高度で飛ぶということは、空気の抵抗が大きくて大体一年ぐらいで落下する、地上物体センチメーター単位の分解能が必要になってくるということになると、何発も打ち上げが必要になってくる。まさに、単に産業的な部分と同時に、日本の国家の安全保障上もこの衛星の需要というふうなものの拡大というのを図る必要があるのではないかと言われております。それについての見込みと、それから、各省庁間の諸政策の統合連携、例えば通産省さんは本年、来年度予算でSERVISというふうな形で民生部品の活用のための費用を概算要求で計上しております。また、各省庁自身のこういう企画の部分の強化、拡大というものも必要ではないか。その結果として、各省庁間ばらばらにするのではなくて、統合連携の強化というものも必要ではないかと強く考えております。 また、その結果として出てきたもの、例えば俗に言う知的財産権というものですか、今これは、結果として出てきたものは国有の知的財産となっていると思うのですけれども、この辺をどう民間に開放していくかということが、また、この衛星技術に関しては、民生部品の活用という中でコストを下げていくというふうな部分にも影響が大きいと思うのですけれども、その辺、時間の都合上一くくりにしましたけれども、今どういうふうに進められているのかお答えをいただきたいと思います。
○池田政府委員 まず最初に、衛星の需要をふやすという観点から政府としてどう取り組んでいるのかといった点についてのお尋ねがございました。 衛星の需要につきましては、現在、私ども知る限りでも、世界的にも多数の人工衛星を打ち上げようと。これは主として通信網をつくろうというものでございますけれども、これが移動体通信、日本でも携帯電話等にも使われるようになるわけでございますけれども、そうした意味から、今後十年間というものをとってみましたときにも、これまでの十年間は、実績から見ますと、私ども知る限り二百機ほどが打ち上げられているわけでございますが、それに比べても数倍の打ち上げが見込まれているというふうに理解してございます。 我が国におきましても、例えば地球環境の保全でございますとか災害対策、それから情報化の進展、こうしたことでこの宇宙開発に対するニーズはますます高まっていると考えてございます。こうしたニーズにこたえまして、政府としましても、この一層の拡大を図るというためには、これまで培いました技術の最大限の活用ということもございますし、さらなる技術開発も着実に進めていくということが重要だと思っております。 ちなみに、先ほど来偵察衛星ということで御指摘ございますけれども、私ども、むしろそういうとらえ方よりも、多目的の衛星、いろいろな目的を持って地上を観測する衛星ということにつきましては、平成十四年度に陸域観測技術衛星、ALOSと言っておりますが、これを打ち上げるべく開発を進めてございます。これによりまして得られる衛星の技術、それから、これには光学的なセンサー、分解能二・五メートルというようなセンサーも積んでおりますし、雲があっても見えるような合成開口レーダーといったものも積んでございますけれども、こういう技術が開発をされるわけでございますけれども、そうした技術が現在話題になってございます多目的衛星につきましても利用される可能性があるということを考えてございまして、そうしたことから、当庁としても当然のことながら関心を持ち、かつ先生がおっしゃったような需要の拡大というような観点も考えられるわけでございますし、積極的に取り組む必要があると考えているところでございます。 それから、もう一つ、各省の施策についてのお尋ねがございました。 今般の、今御紹介いたしました陸域観測技術衛星、これにつきましても、そのセンサーの一つは通産省と宇宙開発事業団が共同で開発したセンサーを搭載してございます。 それから、ことし私ども宇宙開発で新規に打ち出しておりますプロジェクトの一つが、月を周回してその一部が月面に着陸して探査をするといった衛星を、これは文部省と、文部省の科学的な目的とあわせて打ち上げるべくその開発に着手するわけでございますけれども、そうした例もございますし、これから技術試験衛星として打ち上げますような一連のものにつきましては、それぞれ、あるいは郵政省でございますとか環境庁、先ほどございましたが通産省、こうした各省のニーズにこたえるような機器、あるいはそれを目的とする技術内容を持った、ミッションを盛り込んだものが幾つもございます。 そうした意味では、今後、私ども宇宙開発の推進に当たりましては、さらにこれを効率的、効果的に進めるといったことから、各省と連携もしつかりととりまして、取り組んでまいりたいと思ってございます。 それから、もう一つは、開発の過程で得た国の財産権等はどういうふうに利用されているのかといった御質問がございました。 この点につきましては、我が国がこういう宇宙開発を進めますときに、その基本となります指針というような意味合いで宇宙開発政策大綱というものを、これは平成八年の一月に改訂してございますけれども、その中で、民間の宇宙開発活動の強化に資するといったことで、国の保有します技術情報の民間への移転の円滑化を図るといったことが打ち出されてございます。 これまでも、宇宙開発事業団が開発しました成果でございます太陽電池セル、こうしたものが宇宙関連の機器にございますけれども、これも民間に開示され、広く産業として海外にも販路を開くというようなことで利用されていると承知してございます。幾つもほかにも例があると承知しておりますが、これは省略させていただきます。 今後とも、こういったような考え方に基づきまして、国の技術開発の成果を社会へ還元するといったことから、こういう技術情報の移転につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 それからもう一つ、関連して、民生部品の活用ということもおっしゃいました。 これも私ども大事なことだと思っています。宇宙開発を進めます過程で、例えば地上でいわゆる民間用に開発されました部品、コンポーネント、これは厳しいマーケットにさらされて、いろいろな意味ですぐれたものも開発されているわけでございますし、それを宇宙開発に利用できないか、宇宙開発を効率的に進めるために利用できないかといった点は私ども大変重要な分野だと思っております。ただ、宇宙空間というのは、宇宙放射線による機器、コンポーネント等の劣化ですとかあるいは温度差、こういった難しい問題もございますから、開発課題もあると思っております。 そうした意味で、宇宙開発事業団におきましては、こういう民生用部品の宇宙空間への適応性の研究といったことも取り組んでおりますし、また、こういう内容をかなり大規模な形で、平成十二年度にはミッション実証衛星というような衛星を打ち上げて、その中には、この民生部品の、宇宙空間、例えば放射線との相関性ですとか、こうしたデータの取得等の内容を盛り込んだものも考えてございます。そうした意味で、私ども引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○吉田(治)委員 これは、次の質問は大臣なりまた局長がしっかり御答弁いただきたいのですけれども、私、こういう衛星というもの、多目的衛星と言われましたけれども、技術的には俗に言う偵察衛星的なものも含めてくるというのであれば、まさにこの技術は国産衛星でなければならない。海外のものがいいからとか、海外から言われてからということで買うことは決して私はしてはいけないと強く思いますけれども、その辺の、宇宙開発、特に多目的衛星と今お言葉を言われました、ここにおける日本製、もう全部、部品も含めて日本製にするということと、それからもう一点、これは大臣に御質問をさせていただきたいのは、そういうふうな物だけではなくて、広く、ソフトというのですか、システムというふうなものを考えたときに、独自衛星システムというものをこれは絶対持たなければならない。 例えば、他国による情報操作を受けない独立性、他国に情報が流出しない保全性、我が国独自の要求に適した適合性、これはもうまさに日本製、日本技術で、国産の力でやらなければ、日本にとって一番大事なところを海外に握られてしまうというふうな部分が非常に出てくると思うのですけれども、ここに対するお考えというもの、大臣なりまた責任答弁者の方からしっかりしたお答えをいただきたいと思います。
○竹山国務大臣 吉田委員から御指摘のありましたもろもろの人工衛星に係る問題につきましては、今研究開発局長からお話ししたような多岐にわたっているわけでありまして、通信・放送、気象観測、地球観測。もとより昭和四十四年の国会決議で平和利用という目的志向がしっかりしている見地に立っての前提でありまして、こうした分野での衛星の開発、また衛星の管理施設、データ受信等の地上局の整備、データ処理施設、お話しの、ソフトの面を含めた衛星システムの構築、運用に今後ともしっかり努めていかなければならぬ、こういうことは御指摘のとおりでございまして、国産志向、そのとおりだと思うのでありますが、前段で申し上げた、キャッチアップの時代からフロントランナーだ、心意気はそうでございますが、なかなかいま一つという面も実際面にはあるようでございます。 ロケットなどにおいては国産でしっかりと上げて、多くの成果を上げてきているわけでありますが、そうした面を含めて、今後とも宇宙開発利用の推進を図っていくためには、何といっても研究開発に多くの人材を投入するとともに、これはなかなかコストのかかる問題でもございますので、あわせ今後とも努力を続けていきたい、こんなふうに思っております。
○池田政府委員 ただいま大臣からお答えあったとおりでございますけれども、私ども事務方といたしましても、先ほど申しましたような、これまでの研究開発の成果というものがきちんと生かされるといったことは必要だと思っておりますし、また、宇宙開発に多額のお金を使わせていただいていることを考えましても、政策実施の立場からも、私どもは、御指摘の点は十分踏まえて取り組む必要があると考えております。 そうした意味で、今般の多目的の衛星といったものも、いろいろな意味合いでこれから政府部内でも議論がされると考えておりますけれども、先ほど申しましたように、開発中のもの、そうした成果がきちんと生かされるようなことは、私ども、しっかりと見据えながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
○吉田(治)委員 大臣の御答弁の確認になるんですけれども、要するに日本の技術、今の状況からするとすぐには無理だけれども、究極というか、最終的な目的はやはり国産衛星だと。多目的衛星、平成十四年のこの衛星については国産衛星ということを主体に考えるというふうに理解をしていいんでしょうか。答えられなかったら事務方で答えてください。
○池田政府委員 平成十四年に打ち上げの陸域観測技術衛星について言及させていただきました。この衛星は、もちろんほとんど国産でございます。そうした意味で、こういう衛星には幾つものセンサーも、開発したものが盛り込まれているということも御紹介申し上げました。こうした技術的な課題を克服しながら、私ども、宇宙開発のさらに商業化、そうしたことも念頭に置きながら取り組んでいるわけでございます。 その過程で、いろいろの技術的な問題も経験させていただいているところでございますが、それにこういう成果、民間における取り組み、こうしたものをうまく利用すれば、今般の多目的の衛星、そうしたシステムをつくろうといったときにも、そういう経験を生かしながら、あるいはコスト面あるいは納期の面、そうした意味でもかなり活用できる面があるのではないかとは思っているところでございます。 そうした意味合いも踏まえて、この成果の十分な活用といったことを念頭に置きながら、あるいは先生の御指摘も踏まえながら取り組んでまいりたいと思っております。
○吉田(治)委員 この問題はもっと質問したいところですけれども、地球温暖化防止法がこの間国会でも通りましたので、地球温暖化の視点から、やはりどうしても原子力エネルギーであるとか新エネルギーというふうなものが日本において、これから何基つくるかということについては議論があって、できるのかできないかという、そういう議論を私はするつもりはございません。 ただ、国の研究開発、原子力エネルギー、新エネルギーに関する研究開発に対する大臣としての基本的お考えを賜りたいということと、近未来のエネルギーとして核燃料サイクル研究の現状と今後の展開。 そして、動燃法が改正され、各委員もそれぞれ御質問されると思いますけれども、私はあのときの質問で、動燃に対する科学技術庁自身のあり方、人を入れたり、やれ何だということを事細かく質問させていただきましたけれども、科学技術庁から動燃の活動についての改善というふうなものがどういうふうになされたのかということ、それをお聞きしたい。 そして、未来のエネルギーとしての、日本は科学技術創造立国ということで行うという中で、先ほどの同僚議員の質問もございました核融合研究開発についての、これはアメリカ側の国内事情だと私は聞いているのですけれども、現状があり、そして課題がある。私は、その中で、大臣、核融合研究開発については、技術ナショナリストではございませんけれども、やはりそういうふうな、ほかの国とやったときに何か問題が起こるということもあるのであれば、この核融合開発について、独自の国内計画というのですか、日本独自の力でこれをつくっていこうじゃないか。これは、先ほど大臣も、キャッチアップからフロントランナーという意味で言うならば、まさに日本における科学技術にとって、非常に今後の展開についても有益なものではないかなと思うのですけれども、その辺の独自の国内計画策定というものが、お考えがあるのかどうかを含めて御答弁をお願いしたいと思います。
○青江政府委員 幾つかの御質問ございますので、細かい事実関係に属するようなことにつきまして、まず事務的に少し、大臣の答弁の前に御説明をさせていただきたいと存じます。 核燃料サイクルの研究、この辺の進捗の状況というか、今後の展開ということにつきましては、御案内のとおり、今度新たに十月一日、核燃料サイクル開発機構というものがスタートいたします。これまでの動燃事業団におきましての関連研究というものを引き継ぎまして、その中心となりましての増殖炉、それに関連します燃料サイクル関係、それから放射性廃棄物、高レベル放射性廃棄物の処分関係の研究、こういったところに重点を置きまして、所要の研究開発というものを進めていきたい、かように思ってございます。 それから、一点、動燃改革に当たりましての科学技術庁の責任ということに関しましてでございますけれども、そのときにもるる逐次御答弁を申し上げたところでございますけれども、その指導監督する立場にありました当庁の責任ということにつきまして、それは重大であるという認識もお示ししたところでございます。そのときに、こういう具体的な改革を進めていくんだということでもちまして、当庁の職員そのものの意識改革も含めまして、緊急時の対応体制の強化でございますとか、安全の監視の強化でございますとか、その監督の仕組みの問題でございますとか、地域との間の連携の仕組みの問題でございますとか、そういったことにつきましての体制整備を含めまして御説明を申し上げましたけれども、そういうラインに沿いまして、逐次措置をとっておるというところでございます。
○竹山国務大臣 地球温暖化対策の一環としての原子力エネルギー、あるいは新しいエネルギーの開発につきましては、もとより、今局長からも説明したように、国民の御理解、安全、安心のしっかりした回復、環境づくりが大前提になるわけでございまして、その中にあっての我々の対応として今後の努力は当然していくわけでありますが、新エネルギーの開発としてはまことに多様なものがあろうかと思いまして、つい一昨日も三重の沖で、波力エネルギーの利用技術、鯨の格好をした、まことに愛きょうのある機材でございますが、これらで努力を積み上げていこう、あるいは高温ガス炉を利用した水素製造システムの技術開発等々、新しい計画についても精力的に取り組んでいきたい、こんなふうに思っております。 エネルギーの研究開発につきましては、中長期的な需要の見通しをつけて、温暖化防止の観点から、平成七年七月の内閣総理大臣の決定、エネルギー研究開発基本計画に基づいて、関連省庁との連携のもとに、今後とも政府一体となって研究開発に努力をしていきたい、こんなふうに思っております。 また、ITER計画につきましては、お話しのような日本独自のものをと。もちろん、今日までの人的資源の有効活用という意味を含めて、一定の条件を具備すれば、我が国としてこうした核融合の実験炉を建設するという可能性は十分持てるものと考えてはおりますが、一方で、このITER計画というものについては、先ほど来話のありますとおり、アメリカを引き込んで四極での国際協力ということも今のところ大前提として、努力を引き続きやっていく、こういう状態でございます。
○吉田(治)委員 この核融合のことについてちょっとお聞きしたいのは、事実関係として、これ、アメリカの上院では予算が通って下院では予算が通らなくて、下院のお方がおいでになられて、こんなのできへんよと言って帰ったと。しかも、アメリカのエネルギー省というものの存在とアメリカ議会との国内問題、まさにそういうふうな一面があると聞いているのですけれども、その辺の事実関係の認識というのはどうなっておりますか。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 アメリカは、この六カ年の活動をさらに三カ年延長いたしましょうという協定は、これは行政取り決めてございますので、米国の行政府だけでできるわけでございます。 ただ、御案内のとおり、アメリカは、予算のアロケーションにつきまして議会とのかかわりというのが大変強いわけでございまして、行政取り決めに権限的にはDOEはサインができる、しかしながら、それをやっても、先行き、将来、予算が議会の方で承認が得られないと執行ができない。こういう問題がございますから、アメリカとしては、行政取り決めにサインするに当たりまして、事前に議会との間のきちんとした調整を図っておくというのが事実上必要とされるという状況でございます。 それで、まさにアメリカの国内問題ということでございますけれども、かなりな側面、そういうふうな要素があるというふうに思ってございます。一つは、DOEと議会との関係という面におきましてそうであると同時に、その議論の一つといたしまして、トカマクという方式だけが本当によろしいのですかと。もっと多様な可能性というものもきちんと議論しないといかぬのじゃないですかというふうなことも言ってございますけれども、その辺をめぐりましての、アメリカの、サイエンスコミュニティーといいますか、核融合関係の研究者、非常に多様に分かれておるわけでございますが、その辺の意向の反映とでも申しましょうか、そういったものもどうもちらほらするような感じがございまして、その意味でも一種の国内問題というふうな感じがいたしてございます。
○吉田(治)委員 ですから、先ほど大臣にお聞きしましたね。そういう中で、アメリカのサイエンスプログラムとエネルギープログラムという中の対立状況、それのとばっちりを受けているというのであるならば、これを機に一気に国内独自の計画案も、案として、これは現実にするかどうかというのは別にして、していく必要というものが――極端なことを言うたら、技術云々なんて先ほど申しました、エネルギーの安全保障という側面もあるかもしれません。二十一世紀ということを考えた場合に、日本としても四カ国で決めたからそれでいくという、負担金の部分もあるかもしれませんけれども、そこの部分というのは、かえって対案という形で、アメリカから通告されたらえらいことになったなというのではなくして、それだったらこっちもこういうふうにやるよというような部分というのは必要だと思うのですけれども、その辺はいかがなっておるでしょうか。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 先ほど大臣の方からもお答え申し上げましたとおり、この核融合の国際協力といいますものは、やはり人類の一種の共通の夢というものを実現するというところ。そういったところを勘案いたしますれば、やはり四極が力を合わせて国際協力でもってという一つの基本的な考え方が出てくるのではなかろうかと思うわけでございます。単にお金が大きい、そしてそれを一国だけで負担することができないということだけではないのではないかというふうに思ってございます。 先ほど御説明を申し上げましたとおり、九日から下院が招集されてございます。両院の協議会というのが九日以降どの段階でこの議題が取り上げられるかというのは、これはまだ見通しが立っていない状況でございますが、いずれにしましても十月の頭までの間に何らかの整理がなされるということでございますので、アメリカDOEはそれに向けまして果敢な努力をいたしておるという状況でございますから、もう少しそこのところを見守らせていただきたい。私どもも、そこへ向けての側面的な努力もいたしたい、かように思ってございます。
○吉田(治)委員 時間になりましたので終わりますけれども、この問題はやはり長期の問題ですので、引き続き取り上げていきたいと思います。 ありがとうございました。
○大野委員長 斉藤鉄夫さん。
○斉藤(鉄)委員 平和・改革の斉藤鉄夫でございます。 きょうは、新大臣への初めての質問でございますので、いろいろな重要問題についての基本認識をお伺いしたい、このように思っておりますが、先ほど吉田委員から偵察衛星の質問がございました。その連続性ということで、この偵察衛星、また、宇宙の平和利用という議論を先にさせていただきたいと思います。 先ほどから出ておりますが、昭和四十四年五月九日議決、第六十一回国会での決議がございます。「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」ということで、宇宙の開発及び利用については「平和の目的に限り」と明確に規定されております。 実は、このときの科学技術特別委員会の委員長が我が党の石田幸四郎常任顧問、それから、先頭に立ってこれをまとめたのが、今ここにいらっしゃる近江巳記夫先生ということもございまして、我々としては非常に思い入れのある国会決議でございます。 この「平和の目的に限り」ということをどのように解釈するか、いろいろ国会で、この科学技術委員会、予算委員会を中心に議論がされておりますが、そのときの木内科学技術庁長官は、ある委員のこういう質問、「平和利用――平和という文字は、世界的には「非侵略」という使い方が一つある。それから「非軍事」という考え方もあるわけです。しかし、日本の場合には、憲法といったてまえもあって、この平和という文字はあくまでも「非軍事」というようなものに理解されるのが常識になっておるわけです。」という質問に対して、長官は、「いまの非軍事という御解釈、大体私はそのとおりだと思っております。」このような答弁がございますが、この平和というものの概念で、非侵略的という狭い概念ではなく、それを大きく包み込む非軍事という概念だということについては、今でもこの解釈は変わっておりませんでしょうか。確認をいたしたいと思います。
○竹山国務大臣 ただいま過去にさかのぼっての国会決議、平和に限りという宇宙の平和利用についての御議論があったことは、私も承知しております。また、それが今日も生きていると考えております。
○斉藤(鉄)委員 非軍事という考え方は今でもそのまま生きているという御答弁でございました。 その決議の後、今度は安全保障特別委員会で偵察衛星について議論をしておりまして、この非軍事という考え方を敷衍して、法制局長官が、いわゆる偵察衛星、そういうものを上げることは宇宙開発事業団ではできない、偵察衛星は非軍事ではないというふうに答弁をされております。この認識は今でも変化はないのでしょうか。
○池田政府委員 当時は、いわゆる偵察衛星につきましては非常に軍事的な色彩が強い、そういう観点からそういう議論がされたというふうに承知しております。
○斉藤(鉄)委員 微妙なお答えでございましたが、一応議論を前に進めたいと思います。 その後、国会では平和利用についていろいろな議論がございました。読んでみたのですけれども、自衛隊というのは、そもそも平和を守るための自衛隊である、だから何をやってもいいんだ、何をやってもそれは平和目的なんだという極端な議論から、片一方では、例えば自衛隊が通信のために衛星を使う、例えば硫黄島に基地がある、その硫黄島と本土との間の通信に通信衛星を使う、これも宇宙の平和利用に抵触するのじゃないかという議論まで、本当に幅広い議論があったのですが、大体それが昭和六十年ごろ収束してまいりまして、いわゆる中曽根総理の汎用性の論理というものが出てまいります。 その汎用性の論理というのは、 国会決議の「平和の目的に限り」とは、自衛隊が衛星を直接、殺傷力、破壊力として利用することを認めないことは言うまでもないといたしまして、その利用が一般化しない段階における自衛隊による衛星の利用を制約する趣旨のものと考えます。 したがいまして、その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星につきましては、自衛隊による利用が認められるものと考えております。こういうことで、この中曽根元首相の汎用性の論理についてもいろいろな議論があったのですけれども、私自身ある一つの落ちつき方かなと思っておりますが、一般化された技術については、それが宇宙に関しても使えるというこの政府見解は今でも変わってないでしょうか。
○竹山国務大臣 御指摘の点につきましては、衛星を直接、殺傷力、破壊力として利用することを認めないということは言うまでもないことであり、その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星については自衛隊による利用が認められるという判断を持ってきたことと承知しておりますし、本件に関するこれまでの政府の認識及び政府としての統一見解も変更ないものであります。
○斉藤(鉄)委員 それでは、先ほどの汎用性の論理が今でも政府の基本認識であるということだと思います。 私もこの基本認識について大きく異を唱えるものではございません。例えば、今電話というのは一般に民生として使われておりますけれども、その電話が例えば宇宙空間を利用したからといって、自衛隊にだけ電話を使わせないということはちょっと常識的に考えてもおかしい、その点は認めるものでございます。 そうしますと、問題になってくるのが、今回の北朝鮮の問題から今論議が進められております、日本として偵察衛星を持つべきかどうかという議論になってくるわけですけれども、この偵察衛星というのが一般化された技術なのかどうかということになってくると思います。 偵察衛星は一般化された技術なのかどうか、科学技術庁の見解をお伺いします。
○竹山国務大臣 偵察衛星の実態を具体的に承知しているわけではありませんが、一般に衛星から地表面を精密に観測する機能を有する衛星であると承知した上で、現在のところ、偵察衛星の保有についての構想ないしは計画はないものと承知しております。 偵察衛星の機能が一般化しているかどうかについては、今後、具体的な構想ないしは計画が生じたところで、それに応じて検討していくものと考えております。
○斉藤(鉄)委員 今いろいろな党で議論されているようでございます。御党の自民党におきましても、中山太郎先生が我が国独自の偵察衛星を持つべきだという提言をされておりますけれども、その中でよく使われてくるのが、多目的衛星であればいい、こういう言い方がございます。偵察だけを目的にすればそれは軍事だけれども、多目的衛星だったらいいのじゃないかという論議があるわけです。私は、ちょっとここはまやかしなんじゃないかなという気がします。 先ほど吉田委員の議論の中にもありましたけれども、やはり偵察という目的を持ちますと、かなりその計測機器は、いわゆる一般の地球観測衛星または気象観測衛星などの機器とは明らかに異なります。また軌道も、先ほど御答弁がありましたように、いわゆる一般化された技術、我々が、気象情報であるとか通信であるとか、そういう民生に使われた一般化された技術を使うための衛星からはかなり違うものになります。したがって、明らかに偵察衛星は軍事目的だと私は思いますし、一般化された技術ではないと思います。 そういう意味で、そういう要素を持った多目的衛星だったら非軍事だというのはちょっとおかしいと私は思うのですが、大臣、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○竹山国務大臣 いわゆる多目的衛星、今話題になっておりますものの具体的な内容について、現段階でまだ判然としておりませんので、宇宙開発利用を進めてきた科学技術庁としても関心は持っているところでありますが、多目的衛星の内容について、偵察と言われるものが含まれているのかどうか、今後も検討されるべき課題であると認識をしております。 現在のところ、そんなことで、偵察衛星なる構想、計画が、十分な認識が至っておりませんので、我が庁としても、宇宙開発の担当役所でございますので大いな関心は引き続き持っていき、また国会での御論議にゆだねたいという面もございます。
○斉藤(鉄)委員 我が党もまだ議論を進めておりまして、この問題について党として正式な見解を出したわけではございませんが、私個人の考えでは、偵察衛星に使われる技術は一般化された技術ではないと思います。それは、繰り返しませんけれども、使われるセンサーでありますとかその軌道というものが明らかに民生技術とは異なるからでございます。そういうことからすれば、多目的衛星といえども、これは国会決議に抵触をする、このように思うわけでございまして、ここは慎重に議論をしていかなくてはならないと思っております。 先ほど科技庁の見解は長官からお答えがあったわけですが、きょう防衛庁の方にも来ていただいておりますので、防衛庁としてはどのような見解を持っていらっしゃるでしょうか。
○山内説明員 お答えいたします。 御質問の趣旨は、いわゆる偵察衛星あるいは多目的衛星の保有と国会決議との関係ということでよろしいでしょうか。 国会決議の有権解釈は言うまでもなく国会の場で御議論いただくことだと存じておりますが、いずれにいたしましても、今後何らかの偵察衛星あるいは多目的衛星を、多目的衛星の機能等について現時点では必ずしもまだ明確ではございませんけれども、具体的に保有あるいは整備するという計画になった段階で、御指摘の国会決議との関係については何らかの整理がされるべきものであると解釈をしております。
○斉藤(鉄)委員 政治が持つべきだという決断をすれば、その時点で国会決議との関係をもう一度慎重に見直さなければならないのではないか、こういう御趣旨、こういうふうに理解してよろしいのですか、今の御答弁は。わかりました。 北朝鮮のこういう問題がございました。ですから、世論としては我が国独自の情報収集網を持つべきではないかという議論が大きくなっておりますけれども、しかし、宇宙の平和利用というのと原子力の平和利用というのは、これは私は日本の科学技術行政の根本的な二つの柱だと思っております。お隣の中国が核実験をやった、核開発をした、だから日本も原子力の平和利用を見直して、持つとまでは言わなくても、核兵器の研究をしようとはなかなかならない。これは、原子力の平和利用というのが、それだけ重みがある国会決議でありますし、日本の民意だからだと思います。それと同じぐらいこの宇宙の平和利用というのは重要な柱だ、それをそう議論なく簡単に覆してはいけないと私は思っておりますが、長官の御認識はいかがでございましょうか。
○竹山国務大臣 斉藤委員御指摘のとおり、宇宙の平和利用そしてまた原子力の平和利用が科学技術行政の二本柱ではないか、私どももそう考え、またこの基本方針に従って宇宙開発を積極的に今後とも推進していくつもりでございます。
○斉藤(鉄)委員 どうかその御決意を本当に実行していただきたいと思います。 先ほど、一般化された技術であればいいのだという話がございました。ある意味で原子力というのは一般化された技術でございます。その原子力によって発電した電気を我々は民生として使っている。また、商用原子力船というのは今はなくなりましたけれども、昔は商用原子力船、原子力を動力に使うというふうなこともございました。ある意味では一般化された、民生に使われた技術。だけれども、原子力については軍事利用はしないのだという明確な線を我々は持っているわけでございます。 それと同じように、宇宙についても、宇宙空間を軍事利用しないというのは、たとえその宇宙空間利用がかなり一般化され民生化されたものであっても、うまく表現できませんが、やはり何らかの原子力と同じような思い入れが宇宙にあって、私たち日本国民は宇宙と原子力については平和利用に限るということを大切にしてきたわけでございます。 これを破るというのは、私は、国家として変質していく大変大きな一歩になるのではないかと思いますけれども、そこら辺の御認識について、ちょっと論理があっち行ったりこっち行ったりしておりますけれども、先ほどは一般化されたかどうかということで聞きましたが、一般化されたとしても、この宇宙と原子力についてはかなり大きな思い入れが日本国民としてある、それを軍事として使ってはいけないという大事な、何か踏み越えてはいけないものがあるという私の認識について、大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○竹山国務大臣 お話のことを踏まえまして、現段階で特段の見直しの必要を感じるところはございません。
○斉藤(鉄)委員 現実的には、私は、友好国、日本の友好国といいますとアメリカや韓国、そのアメリカや韓国との情報の共有化とか、情報を共有化する国際協力体制を確立することの方が日本の安全保障という面にとっても現実的であり重要である、そしてそれは日本の科学技術行政の根幹を変更させる必要もないということで大変重要だと思うのですが、その点についての大臣の御認識をお伺いします。
○竹山国務大臣 地球観測衛星の情報については、今までも各国の衛星から得られた観測データの相互利用を行うことで国際協力体制が整っておりますし、商業目的の地球観測衛星により得られた観測データについても国際的な流通経路がしっかり確立していると認識をしております。 科学技術庁としても、このような状況を踏まえて、多目的衛星について引き続き調査検討をしていく必要があると考えております。
○斉藤(鉄)委員 その調査検討は、先ほど大臣が御答弁になられたような基本的姿勢でお願いしたいと、ぜひお願いする次第でございます。 橋本政権以来、科学技術創造立国ということをおっしゃっております。そのことについては私も異議はございませんし、その点については一緒になって大いに頑張っていきたいと思っております。その科学技術創造立国というアイデンティティーの基本をなすのが、やはり技術の平和利用、何度も言いますが、原子力、宇宙の平和利用というところだと私は思います。そういう、ある意味で理念を持った科学技術政策を持っているからこそ、二十一世紀の世界の中で日本の科学技術が尊敬をされ、我々が科学技術で世界貢献をして、広い意味ではそれが安全保障につながっていくということだと思いますし、私は、日本はその基本的なスタンスは絶対変えてはいけないのじゃないかということを、蛇足になりますが、ここでもう一度述べさせていただきます。 それから、大臣の基本的な御認識をお伺いしたいのですが、質問通告していなくて急な質問で申しわけないのですが、KEDO支援でございます。 日本はKEDOに十億ドル出すということで、アメリカや韓国は早く調印しろと迫っているようですけれども、今の日本の現状としてはとても、ミサイルを我が国上空に打ち上げられて何で十億ドルも支援しなければいけないんだという国民感情になっておりまして、私も非常にそれはよくわかります。 しかし、ちょっと冷静に考えますと、そうすることによって、逆に北朝鮮の核開発、核兵器開発に口実を与えることにならないのかなという心配も実はしているわけでございます。もちろん、その他の北朝鮮に対する抗議の意思、例えば送金の停止でありますとか、航空、船舶、そういうものの交易の中止、こういうことで抗議の意思をあらわす、これは非常に大切だと思いますけれども、KEDOについては、そう感情的になると、かえって事態を悪化させてしまうのではないか。北朝鮮が核兵器開発を行わないというその約束の見返りに軽水炉技術供与、また資金供与することを日本としても決めたわけで、これは今大変微妙な問題だと思うのですけれども、大臣としてはどのようにお考えになっているか、お伺いします。
○竹山国務大臣 まさに斉藤委員御指摘のとおり、現下の状況は微妙な立場でございましょう。国民感情あり、あるいは国際的な問題もございますが、特にKEDOの理事会メンバー、アメリカ、韓国、EUとの綿密な連携をとりながら、今後の対応をしっかり日本国として考えていかなければならないことかと考えております。
○斉藤(鉄)委員 この議論にはぜひ我々も参加させてもらって、日本として方向は過たないようにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 宇宙の平和利用ということで時間の大半を過ごしてしまいました。実は、新大臣でございますので、基本的な、科学技術政策の根幹にかかわる諸問題について質問をしようと用意してきたのですが、ちょっとできませんけれども、それでは一つだけ。 実は、次回の科学技術委員会でいわゆるクローンについて議論をしようという、これはまだ決定はしておりませんが、そういう議論が出てきております。いわゆる科学技術と倫理の問題でございます。 アメリカでは、クリントン大統領が、人間のクローンということについては国としては研究をしないということを明確におっしゃいましたけれども、それでもあるアメリカの研究者は、自分の奥さんに協力してもらって自分のクローンをつくるというようなことを言っている人がいるそうでございます。 私も技術者出身でございまして、ある非常に有名な研究者の人とお酒を飲んだときに、こういう研究をさせてくれるのだったら、おれは悪魔とでも手を握っていい、そこまで言い切った。非常に正直な研究者でございますけれども、倫理ということよりも自分の興味となるのが科学者にありがちな、すべての科学者がそうというわけではありませんが、ありがちな性向でございます。 そういう意味で、科学技術と倫理というのは非常に二十一世紀に大きな問題になってくると思いますが、この問題に対する大臣の御認識と、それから具体的にクローン人間の研究についてはどのような御見識をお持ちかということをお伺いして、私の質問を終わります。
○竹山国務大臣 生命倫理、またクローン技術についての御質問でございますが、私事にわたりますが、私もかねて参議院の方で臓器移植に関する特別委員会の委員長という役を仰せつかったこともございまして、そのときに、こうしたある意味では神をも恐れないような分野に我々人間は立ち入っていくのかなという思いもあり、いろいろ勉強させていただいた経験もございますが、そうしたものを踏まえて、このクローン技術について、最近の技術的進展によりますと、人間の個体を生み出すことも可能な、視野に入りつつある、まさに人間の尊厳の問題を初めとする種々の観点から十分な議論が必要だと思っております。 今、おまえとしてどう考えるかということでございますが、こうした問題はまさに個人の価値観、倫理観あるいは家族観、多くの要素を踏まえた事柄でございますので、広く国民の衆知を集め十分な議論をしていただいて結論を出すべき問題かなと思っております。科学技術会議の場においても、議論を踏まえて、人のクローン個体の生み出しという問題について、人間との調和について今後とも十分な議論をしていきたい、こんな思いでございます。
○斉藤(鉄)委員 ちょっと時間がありますので、もう一問。 クローン人間についてですが、アメリカのクリントン大統領は、クローン人間の研究はさせない、このような明確な意思表示があったわけでございますが、クローン人間研究について議論をしていくという今御答弁だったのですが、個人の見解で結構でございます、大臣ですので個人の見解というのはないのかもしれませんが、クローン人間研究についてどのようなお考えを持っているかを最後にお伺いします。
○竹山国務大臣 やはり、これは先ほど神をも恐れないという表現を用いましたように、私としてはするべきではないという感覚を持っております。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。
○大野委員長 近江巳記夫さん。
○近江委員 まず、竹山先生、大臣御就任おめでとうございます。きょうは、非常に限られた時間でございますので、何点か御提案申し上げ御意見を賜りたい、このように思います。 御承知のように、科学技術基本法が平成七年十一月に成立をいたしました。昔、昭和四十三年当時だったと思いますが、一時出かけたことがございましたが、なかなか合意できないということで、残念な結果に終わったわけでございます。そういうことで、これは画期的なことでございまして、私も提案者の一人といたしまして、各党の皆さんの一致した中でこれが成立を見た、非常に意義あることであった、このように思うわけでございます。 たしか平成八年の六月二十四日であったと思いますが、科学技術会議が開かれ、七月二日に正式に閣議決定、科学技術基本計画が確定したわけであります。その中に十七兆円というものを、平成八年からスタートいたしまして組む、これは財政当局としても大変ないろいろな厳しい面もあったようでございますけれども、そういうことも盛り込まれたということ、これは今までなかったことだと思うわけでございます。 御承知のように、非常に経済情勢も、バブルの後遺症といいますか、悪化の一途をたどりまして、そういう中で財革法が成立をする。各省庁全部キャップがはめられたわけであり、そういう中で科学技術については五%伸び以下ということでございます。しかしながら、十七兆円ということからいきますと、最低、少なくとも年率一二%以上で伸ばしていかなければ達成ができない。私は、重大な危惧を持ちまして、ことしの三月十七日の予算委員会におきまして、当時の谷垣長官、町村文部大臣、それから松永大蔵大臣を中心としてその点を強く要望し、また問題につきまして指摘をしたわけです。 ちょうど質問の数日前に、今文部大臣をされております有馬先生が国立大学の施設等の調査、この主査をされておりまして、それを発表された。その実態というものは、まことに驚くべき状態でございまして、老朽化した校舎、さらにはまた研究設備等、目を覆うような状況でございまして、こういうことを充足し、充実していくためには最低これだけの、政府が閣議決定したことについては実現すべきであると強く要請をいたしました。その後関係者の、また各党の皆さんの御努力もございまして、補正予算で約六千億ついたわけでございます。 そういうことで、これまでの予算の状況を見てまいりますと、平成八年度当初予算が二兆八千億、補正予算で二千億、九年度が三兆、十年度が、当初予算が約三兆で補正予算が六千億、累計で今日まで、今年度で九兆六千億ということに相なったわけでございます。そうしますと、十七兆達成まであと七兆四千億、単年度でありますと三兆七千億ずつ積み上げていけば一応目標年度、平成十二年度で十七兆という数字が達成されるわけでございます。 そういうことで、財革法につきましては政府としても凍結というような方針ということも伺っておるわけでございますが、いずれにしても、二十一世紀、科学技術創造立国を目指す上におきましては、第一段階、このように腹を決めてやったことについては、これは全体として努力しなければならぬ、するのが当然である、このように思うわけでございます。 そういう点で、平成十一年度、十二年度にかけまして、少なくとも十七兆達成のことにつきましては、これはぜひ主管、一番この中心となるべき科学技術庁におかれまして、柱になってもらわなければならぬ、このように思うわけでございます。そのお考え、また御決意をお伺いしたいと思います。
○竹山国務大臣 近江先生から歴史的考察を踏まえた今日までの意義深い経緯をお聞かせをいただきまして、まさに今日の科学技術基本法の誕生があったな、またそれに引き続いての計画立案ということがなされたんだということを重く感じておりました。 予算のことにつきましては、御指摘のとおりでございまして、八年度から十二年度までの五カ年にわたっての十七兆円の途中経過、現在までの総額が、当庁の集計によりますと、お話しのとおりの九兆六千二百六億円、こういうことでございまして、来年度の概算要求の状況を考えましても、今、残りを二分割しても大変厳しい状況であるということは全く同じ認識でございまして、引き続き鋭意努力をしていかなければいかぬ。 特に、関係省庁との緊密な連携をもちまして、研究開発の適切な評価を行いながら、重点的かつ効率的な配分を図って、必要な予算の確保をすることはもとよりでございますが、この基本計画に挙げられた諸施策が推進していけるように努力をしていく所存でございます。 現在の基本計画の計画期間以後の取り組みにつきましても、まさに目前に迫りました二十一世紀、科学技術の発展、寄与なくして新世紀の日本はない、こういう認識で諸般の状況に取り組んでいきたいと思っております。
○近江委員 そのように努力をしていただきたいと思いますし、この経過を見ていきますと、一年、二年なんというのはすぐに経過するのですね。そういう点からいきますと、我が国の状況を見てみますと、政府負担額の対GDP比というのは、御承知のように、我が国の場合は先進国に比べまして非常に低いわけですね。フランスが一・〇三、アメリカが〇・八六、ドイツが〇・八四、我が国の対GDP比というのは〇・六七なのですね。GDPの一%というぐらいの目標は最小限達成しなければならない目標だと思うのですね。 今後長官を中心に努力していただいて十七兆達成したといえども、こうした中身の充実という点からいきますと、また政府の研究開発投資という実情を見ますと、まだまだおくれておることは確かでございます。したがいまして、引き続いて新たな五カ年計画で進んでいくのか。科学技術基本法というのは十年を見通して、五年を具体的な目標を立ててやっていくわけでございますから、今からそれを助走しなければならぬ、このように思うわけでございます。 その点、この十七兆を達成し、次への目標に向かってどういう構想をお持ちであるか、お伺いしたいと思います。
○竹山国務大臣 御指摘のとおりでありまして、まさに継続は力であり、新しい世紀へちょうど入る時期でございますので、こうした二十一世紀を踏まえての引き続きの基本計画についても各省庁ともに力を合わせて、御指摘の、まさにフロントランナーたるべきものを確保していくためにも、その裏づけをしっかりしていかなければならないわけでございまして、十分な議論を尽くして計画を立てていきたいと思っております。
○近江委員 ひとつ御努力をよろしくお願いしたいと思います。 科学技術基本法におきまして、第一条「目的」、そして第二条におきまして一番大事なことは何か、人材なんですね。人材をどのように育成し、また大いに活躍をしていただくか。十七兆という巨費を投じこの充実に向かっておるわけでございますけれども、尽きるところは、かぎは人だと思うのですね。どのような人を育成していくかということ、また活動の場ということ、非常に大事な問題でございます。 何事も、山に例えれば、すそから頂上まであるわけですね。そういう点で、今、科学技術庁あるいは通産省、文部省等が中心で、ポストドク一万人の計画等も進めていただいておるわけです。非常にこれは結構なことだと思います。さらに力を入れていただきたいと思います。 このすそを考えますと、小中学校、高等学校のレベルにおきましても、子供たちの理科離れという問題が非常に懸念されておるわけでございます。きょうは文部省もお見えでございますから、この理科離れということについてどういう対策をとろうとされているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○辻村政府委員 理科離れ、いろいろと角度によりまして評価があるわけでございますけれども、一番端的に申し上げますと、理科、算数、数学につきましては国際比較がございます。その国際比較をいたしますと、我が国の子供たちは、点数、成績の点では大変高い。小学校では一番か二番、中学校でも一番か二番か三番ぐらいということで、大変点数自体は高いわけでございます。つまり、成績は大変いいわけです。 しかし、同じ国際比較の調査の中で聞いてみますと、じゃ、そのことを本当に興味、関心を持って楽しく学んでいるかということになりますと、率直に言って大変順位が低い。あるいは、将来、そうして学んだことを生かして職業について、それを社会に還元するようなことについて、積極的にそういう気持ちがあるかということになりますと、これにつきましてもまた必ずしも高いわけではございません、順位としては大変低くなってしまいます。 ということで、学習のあり方として、子供たちが未知のものを発見することの喜びとか知的な探求心とか、あるいは課題を解決していく、みずからの頭で解決していくとか調べるとかというような、そういった面での意欲と申しましょうか、関心、興味あるいはそういった面での力、そういった面が、たくさんのことを知っているか知っていないかということに比べますと、弱いのではないか。それが理科、科学の面におきましては大変決定的な意味を持ちますので、そういう面をとらえまして、子供たちが理科離れを起こしているのではないかというように指摘されるというふうに私どもは認識いたしております。 このことは、私たち学校教育を考える際におきましては大変重要なことでございまして、ある意味では、大きく、真剣に学校教育のあり方自体もとらえ直すことが必要なのではないか、こんなふうに思っております。
○近江委員 このテーマ一つでいろいろ論議していけば、もうこれは何時間あっても足らぬわけでございます。きょうは限られた時間ですから、何点かに絞って皆さんの御努力をお願いしたいと思うわけです。 一つは理科離れ。 いろいろございますが、子供たちが触れる場といいますか、物づくりにしてもそうですし、そういうものがまだ非常に少ないし、弱いのですね。そういう点において、例えば科学博物館等、こうした中で子供たちの触れ合いということも非常に大事なことだと思うのです。これは一つの問題でございますけれども。 そこで、いろいろケースを見てまいりますと、私はかつてフランスのラビレットも行ったこともございます。米国のワシントンの国立航空宇宙博物館、シカゴの科学産業博物館等々ございますが、とにかく入場者数が全然違うのですね。ラビレットにおきましても四百万から五百万。子供たちは皆無料ですよ。アメリカのワシントンにございます国立航空宇宙博物館で八百万人。シカゴの科学産業博物館が二百二十万人。我が国の場合、国立科学博物館、上野にございますが、百十万。北の丸公園の科学技術館、これは大体五十四、五万。数字はそんなはっきり出るものではございませんけれども、大体そういう報告が出ております。 そういう点から見ますと、特にラビレットなどに行きますと、非常に感銘を受けたわけですね。中身というものが非常によく、子供たちが興味津々、本当に手を触れ、本当に触れ合いの第一歩という感じがするのです。我が国においても、それぞれ関係者は御努力いただいておることは私はわかるわけですけれども、もう一工夫二工夫あっていいのではないか。ですから、少なくとも中身の充実について、特別チーム等もつくって、どうするかということを、まさにポストドクなんかの活用も考え、やはりもっと充実したもの、あり方ということを考えなければいけないのではないか。その点は、公立のそういう展示というものはこんなものかなという感じがするわけです。 本当を言えば、もっとラビレット級のすばらしいそういう施設、中身も充実したものをつくるべきだ。これはぜひ一つ新しい構想として提案申し上げておきたいと思います。同時に、現在あるそれのいわゆる中身の充実、活用ということを真剣に考えなければいけない、このように思うわけでございます。これについてどうですか。
○竹山国務大臣 大変いい御指摘をいただきまして、私も実はこの間北の丸にも行ってまいりました。 若者の科学技術離れというのが、何かキャッチフレーズ的と申しますか、流布しておりまして、これへの懸念は、科学技術庁、関係者としては頭を痛めて、今お出かけの文部省初め、力を尽くしていかなければいけない、こんなことを思っております。 特に、科学技術館、そうしたミュージアムの活用。実は私もお許しを得て、IAEAの会議に出た帰りにパリに寄って、近江先生も既に御紹介のあったラビレットのアイデアを含めて目の当たりにして、早速にそうしたものの具現化へも取り組んでいきたい、こんなふうに思っております。
○近江委員 この問題ももっといろいろ論議したいと思いますが、時間がございませんので、どうぞひとつまた政府当局において、関係各省よく連携をおとりになって、充実したものにしていただきたいし、また青少年にしっかりしたPRもしていただき、触れ合いの機会をうんと拡充していただきたい、このように思います。また、入場料金等においても、子供たちについてはやはり格段の措置をする。こういうこともあわせて、きめ細かな対策をとっていただきたい。これを強く要望いたしておきます。 それから、中学、高校の段階でございますけれども、そういう子供たちの理科離れということもございまして、非常に心配されて、民間等におきましてもいろいろな動きがあるわけでございます。 日本工学会を中心に青少年科学技術フォーラム協議会というものがございまして、そこには今文部大臣をされております有馬先生が就任されておったわけですね。そして、専門高校、いわゆる工業高校初め高等専門学校等の皆さん方が寄っていろいろ協議をされ、そういう中から、有馬先生のいわゆる「スペシャリストヘの道」という提言が、これが正式に七年に出されたわけでございます。 今、偏差値教育が進む中で、いわゆる高校に入った子供たちに、自分は創造性がここで生まれるか、六割以上の子供たちがノーだ、こう言っているのですね。そういう点で、創造性をどのように育成をしていくかということが一番大事なことでございます。 そういう点で、実業界にいらっしゃる人、例えば島精機の社長の島さんが、これは「痛談快談」というので、新聞に出ておったのを私もたまたま見ておったのですが、 十二、十三歳から方向を決めて専門的にやれば、肌で感じ身について、そこから創造性が生まれてくる。工業高校でも入試があって、これが災いじゃないかな。中学も高校も大学入試のための勉強で、大学に入ると何をしていいかわからない。勉強は仕事の基で、仕事を通じて社会に貢献する。それを見失っている。 学校に入るためだけの勉強は個性を生かさず、画一的な人間をつくってしまう。記憶や計算はコンピューターがやってくれる。その代わり、創造性、感性、人間らしさ、いわゆる古い道徳ではない道徳を教える。そんなふうに教育を根本的に変えれば、最近のような少年犯罪も減るのではないか。ということもおっしゃっているのですね。 そういう点で、今の教育というのは、ただもう受験だけしていい学校に入ればいいんだというような、そういう風潮があるわけですね。そういう中で、忘れられた専門高校ということについて、有馬先生を中心として目をつけられ、そして提言をされたわけです。 その中には、今、有馬先生に続いて、東京工大の木村教授が、今後の専門高校における教育のあり方等について答申もされております。そういうことで、いろいろデータを見てまいりますと、例えば、専門高校で今後の進路を考えますと、全体で一三・二%が大学へ入っておる、専修学校が二二・四%、合わせまして三五・六%がいわゆる進学しているわけですね。 ところが、御承知のように、入学して専門科目があるということでやはりハンディがあるわけですね。そういう中で、共通一次にしろ何にしろ、全く普通高校と何ら差がない。ところが実際は、非常に優秀な人というのは確かにたくさんいるわけですね。例えば、そういう専門高校から大学へ進み、大学院へ進んでいく中で、非常に際立って優秀な人が専門高校から来ておる。各大学から私もそういう報告を聞いております。そういう点において、この提言というのは非常に画期的であったと思うんですね。そして、それに基づいて今各大学が入試等でいろいろな改善をしていただいておるわけでございます。それで、この有馬先生の中間答申が出ましたのが平成六年でございます。そして、七年にいわゆる「スペシャリストヘの道」というものが、三月の八日ですか、報告されたわけでございまして、実質は平成七年からこれ はスタートしているわけです。 そういうことでございますので、これで見てまいりますと、時間があったらもっとこれ厳しくやりたいんですけれども、大学が九十五、公立が五十七ですか。間違っておれば後で訂正してもらいたいと思いますが。そういう中でどれだけ推薦入学しておるかといいますど、平成七年では、国立大学では六百九十五名、公立大学で百一名、私立大学で二千七百三十名、合計三千五百二十六名ですね。これは推薦です。平成十年度において、国立が八百四十二名、公立が百二十四名、私立が四千二百九十三名、合計五千二百五十九名、学生全体の〇・九%、こういうことでございます。 それで、いわゆるここに提言されておりますのが推薦入学と特別選抜なんですね。その二つの制度がございます。文部省からもいろいろお聞きしまして、見てまいりますと、その中で推薦も特別枠も設けていない大学、正式には八年度からスタートして丸三年が経過しているんですねへところが全然設けていない大学が国立大学の中で四十七大学、公立大学で四十五大学あるんです。ですから、こういう認識というものがまだまだ大学当局にとって行き渡っていないんじゃないか、このように思うわけです。 時間があったら全部これ私は記録にとどめたいと思って、全部各大学名前を読もうと思っていましたけれども、もう時間がありませんからやめときますが、その点につきまして御答弁いただきたいと思います。
○佐々木政府委員 高等専門学校の生徒が進学を含めて多様な進路を求めて努力をされるということは極めて大事なことでございまして、さらに大学で学習を続けることを希望する場合に、できる限り広く大学進学の道を開くことは極めて重要であるというふうに考えておるわけでございます。 先生御指摘ございましたように、平成八年度大学入学者選抜から専門学校卒業者選抜という特別の枠を設けて入学者選抜を行っておるところでございまして、文部省としても、その拡充についてそれぞれの大学を指導をし、また要請を行っておるところでございます。 平成八年度から始まった制度であるということもございまして、平成十年度現在では国立大学十大学においてこの選抜を実施しておるわけでございますが、十一年度にはこれが十五大学に拡大をするというふうなこともございます。 引き続き、高等専門学校の卒業生を対象とした特別の入学者選抜が積極的に各大学で行われるように対応してまいりたいと思っておるところでございます。
○近江委員 徐々にそのように拡充されてきておるということはわかりますけれども、今数字を申し上げたように、三年たってですよ、文部当局がこれだけ協力してもらいたいと呼びかけをしながら、何ら推薦も特別選抜もしないということについては、これは青少年の道を閉ざしているんですよ。非常によくございません、これは。 したがいましてへこれはもう時間があったら徹底してやりたいんですけれども、お帰りになって、まだ実施していない各大学等につきましてさらに通達を出していただきたいし、また、実施しているところでもたった一名とか、極端な、そういっただ形だけやってますというところがあるんです。もっと中身をしっかり充実してもらいたい、広げてもらいたい。これは強く要望しておきます。 それから、きょうはポストドクにつきまして随分とお尋ねしたいと思っておったんですが、もう時間がなくなってきたんです。このポストドク一万人計画は、非常にこれは私は高く評価をいたしております。しかし、まだまだそういう希望者も多いわけでございますし、大体年限が三年ぐらいで打ち切りになっているんです。そうしますと、約二千名ぐらいの人が後をどうしていくかという問題もあります。これは、大きなキャリアとなっていろいろな部署でまた活躍もしていけるわけでございます。したがいまして、ポストドク一万人はほぼ来年度で達成されると思いますが、それをさらに拡充をしていく、さらにまた、若手の研究者の活躍の舞台というものをさらに拡大をしていただきたいと思うのです。 同時に、修士課程、博士課程等におきまして、やはりいい年齢に達しておる、同じように大学を卒業した者についてはもう既に社会人として立派に生活しておる、その中で、学生の中で皆頑張っているんですね。アメリカ等の状況を見ますと、きちっとした奨学金なり、そして、いろいろな諸制度においてそこそこの生活をしながらしっかり挑戦しているんですね。その点はまだ格段におくれておる。したがって私は、予算委員会におきましても、ポストドクの、特に育英会を初めとした奨学金ですね、その充実を強く各大臣に申し上げたわけでございます。 もう時間がございませんので、ポストドク、また、そういう有能な大学院在籍者の奨学金のあり方等につきましてまとめてお答えいただきたいと思います。
○田中政府委員 私の方から、いわゆるポストドク制度についてお答え申し上げます。 ポストドクター等一万人支援計画というのは科学技術基本計画の中でも取り上げられておりまして、平成十二年度までに一万人を達成するということでございまして、今御指摘のように、うまくまいりますれば十二年度、できますればその前ぐらいにも達成できればと思っております。 現在、実は並行してその評価について調査中でございまして、外部の調査機関にお願いしつつ、先日も一部結果が出たものもあるわけでございますけれども、これからまた来年にかけましていろいろ調査分析の上、今お話しのように、次にどのようにいたすかということを検討して、制度の確立に努めてまいりたいと思っております。
○竹山国務大臣 まさに、物的資源に恵まれない我が国にとってこの人的資源の重要さ、新世紀へ向けての人材の養成、先生御指摘のとおりでございまして、今後の目的達成のためにも、各省庁しっかりとこのポストドク一万人、若者対策、また、外国からの頭脳流入を含めまして対応していきたいと思っております。
○佐々木政府委員 育英奨学事業の関係でございますが、日本育英会については、平成十年度予算におきまして、大学院や私立大学等の貸与人員について一万人の増員を図ったところでございます。 また、平成十一年度概算要求におきましても、無利子貸与につきまして、貸与月額の増あるいは大学院貸与人員の増員を図ってまいりたいと考えております。 また、有利子貸与事業につきましては、今後、できる限りの貸与希望者に、全員にできれば貸与する、そういう方向に向けて、まず、十一年度の概算要求におきましては貸与人員の倍増を考えておるところでございます。また、貸与月額につきましても充実をし、選択制の導入を図りたいと考えております。その際、家計所得あるいは本人の所得等の大幅緩和を図ってまいりたいと考えておるところでございまして、引き続き、育英奨学事業の拡充に格段の努力をしてまいりたいと思っております。
○近江委員 終わります。
○大野委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十一分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。菅原喜重郎さん。
○菅原委員 平成十一年度の予算の、竹山大臣への所信の質問は後にいたしまして、高レベル放射性廃棄物についての質問に入りたいと思います。 高レベル放射性廃棄物の最終処分については、六月五日の委員会においても政府の取り組み等について質問したところでありますが、この問題は、我が国の原子力利用を便所のない家と表現いたしておりましたように、やはりバランスよく進めていく上で早急に解決しなければならない極めて重要な課題と考えております。 最終処分の技術的課題の解決のため、動燃事業団は、私の地元岩手県釜石で十年間にわたり試験研究を行ってきたところであり、去る八月三十一日に釜石での試験研究を終了し、現地の事務所も閉鎖されました。また、八月二十三日には、釜石での試験研究の成果について市民報告会が開かれ、私も現地で参加しましたが、まず、釜石での試験研究の成果について質問します。 釜石では、実際の岩盤を使った原位置試験が行われ、岩盤、地下水、地殻変動等についての研究成果が得られたのであります。それで、釜石での研究内容、成果についてこの委員会においても公表させておきたいので、このことについてまずお伺いしたいと思います。
○青江政府委員 御質問の釜石での研究のこれまでの内容、成果という状況につきまして御報告を申し上げたいと存じます。 動燃事業団におきましては、昭和六十三年から釜石鉱山を用いまして地下深部関連の研究というものを進めてきたわけでございますけれども、地元の皆様方の御理解と御協力というものを随分いただきまして、十年間にわたりましての活動というものを終えまして、本年の三月、無事完了いたしたというところでございます。 その間、釜石鉱山におきましては、地下の岩石や地下水の性質でございますとか、物質の移動の現象でございますとか、それから、坑道を掘削したときの周辺の岩盤への影響、こういったふうなことに関しましての知見を得るための研究、そして、これらの知見を得るための調査技術と申しましょうか、エンジニアリング的な側面でございますが、そういったことを行ってきたわけでございます。 その過程におきまして、種々のデータ、いい成果が得られておるわけでございますけれども、これらの成果につきましては、八月の段階におきまして、先生今御指摘のように、釜石市におきまして市民報告会とそれから国際シンポジウムというものを開催しまして、その中におきまして報告をさせていただいたというところでございます。 今後これらのデータは、我々二〇〇〇年レポートというふうに呼んでおるのでございますけれども、いわゆる地層処分の技術的信頼性というものを確立する、示していく、そういうための科学的、技術的なよりどころというものをきちんと示していくレポート、これに活用され反映されていくことになってくるというふうに思ってございます。
○菅原委員 釜石での動燃事務所の閉鎖については、いろいろな事情があった結果と考えますが、少なからず寂しい気がしているところであります。 ただ、動燃の行った地震に関する研究成果や試験研究に使った精密な地震計が東北大学に譲渡され、引き続き現地での研究が継続されることとなったのは喜ばしいことであり、三陸沖は御承知のように歴史的に大きな地震が周期的に発生していることからも、このような研究継続は非常に重要と考えております。今後とも、政府の支援を強くお願いしておきます。 それで、釜石での研究の成果は、岐阜県の東濃地科学センターに引き継がれ、研究が続けられると聞いております。そこで、東濃地科学センターについて次の二点を伺っておきたいと思います。 東濃地科学センターにおける地層科学研究の内容、現状、今後の計画、予算規模。それから、東濃地科学センターの中でも、釜石の成果を具体的に引き継ぐと聞いている瑞浪の超深地層研究所の研究計画、予算規模がどうなっているのかお聞きいたします。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 岐阜県に存在してございますけれども、動燃の東濃地科学センターにおきましては、高レベルの放射性廃棄物の地層処分に関係いたします研究開発、その基盤となります地層科学の非常にベーシックなサイドの研究を行っておるというところでございますが、より具体的に申し上げますと、地質環境特性に関する研究、それから地質環境の長期的安定性に関する研究、それから調査技術・機器の開発、この三つ、三本立てでもってその研究というものを展開をしておるという状況にございます。 一番最初の地質環境の特性に関する研究と申しますのは、いわゆる鉱山の坑道を利用いたしまして、物質が岩盤中でどう動いていくのか、その挙動でございますとか、ボーリング調査によりまして、地下水の流れというものがどういうふうに動いていくのか、その性質はどういうふうな性格を示すのか、こういったふうなたぐいの研究でございます。 それから、地質環境の長期的安定性に関する研究と申しますのは、地質環境というものに影響を及ぼす可能性がございます火山活動でございますとか地震活動、こういったものが長期的に見まして地質環境に将来どのような影響を与えるのか、それを予測するような技術といったものを対象にしまして研究をしてございます。 また、調査技術・機器関係の開発でございますけれども、これは、人工衛星とか飛行機、航空機を利用しましての上部から地下の地質構造というものを見るための技術でございますとか、超音波等を利用しての地下の構造というものを把握するための技術、それから、ボーリング等によりましての地下水の動きや性質などを測定するための機器の開発等々でございます。これらの研究のためには、平成十一年度概算要求におきましては三十四億円を要求させていただこうかというふうに思ってございます。 それからまた、動燃が瑞浪の方に計画をしてございます、今の地科学研究センターの一翼としまして超深地層研究所というものを整備すべく今準備を進めておるということでございますが、これは釜石と同じく、いわゆる結品質岩、花南岩的なものでございますけれども、それを研究対象としてございまして、地下深部についての学術的研究に大きく寄与することができるような、そういう開かれた研究の場として整備をして、内外の研究者の参画を得ていきたい、かように思ってございます。この関連の予算措置額につきましては、来年度で十四億五千万円の要求をいたしてございます。
○菅原委員 高レベル放射性廃棄物の処分の具体的な進め方については前の委員会でも質問したところでありますが、今後、計画を着実に進めていくためには、東濃地科学センターでの研究は重要な役割を担うものであると考えるので、ぜひともしっかりと進めてもらいたいと考えます。 それで、前回の委員会の答弁では、最終処分の具体化に向けて二〇〇〇年をめどとして事業主体を明確にするとされており、また、原子力委員会が原子力バックエンド対策専門部会及び高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告書を受けて決定した基本的な方針では、関係機関が一体となって処分の制度と体制の具体的な整備に鋭意取り組むことが重要であるとされております。 それで、この懇談会報告書や委員会決定を踏まえたその後の進捗状況がどうなっておりますか。
○青江政府委員 高レベル放射性廃棄物の処分対策ということにつきましては、先生今御指摘のとおり、本年五月のいわゆる処分懇の取りまとめ、それから六月のそれを受けての原子力委員会の決定というものを受けて、その具体的な各般におきましての取り組みが進められつつあるという状況にございます。 まず、事業の具体化に向けた取り組みにつきましての状況でございますけれども、この六月の十二日に高レベル放射性廃棄物対策推進協議会というものが持たれまして、当庁それから資源エネルギー庁、動燃事業団それから電気事業連合会、この四者によりまして処分事業具体化に向けて一体となって取り組んでいくということにつきましての確認をしたところでございます。 また、実施主体のあり方、事業資金の確保の具体的な方策といったことにつきましては、現在、通産大臣の諮問機関でございます総合エネルギー調査会の原子力部会におきましての審議が開始をされたというところでございます。 一方、研究開発というところにつきましての問題でございますけれども、二〇〇〇年前までに地層処分の技術的信頼性というものを明らかにしていく、そして、その処分予定地の選定、安全基準策定の技術的なよりどころというものを提示をしていくということを目的といたします、先ほどちょっと触れました二〇〇〇年レポートというもの、これを策定すべく所要の研究開発というものを進めていく。これは、動燃が中心になりまして、地調でございますとか大学等の協力を得てということでございますけれども、その二〇〇〇年レポートの第二次取りまとめ、これにつきましての第一ドラフトが今月二日にとりあえずまとまりました。それを今関係機関の、関係者の意見をお聞きしておるという段階にまで来ておるところでございます。 それから、安全規制の方の問題でございますけれども、これは、六月の二十五日の段階でもちまして、原子力安全委員会におきまして安全規制の基本的な考え方についての審議が開始されたというところまで来てございまして、その後引き続き検討が進められるというふうなことになってこようかということでございます。 今後とも、原子力委員会で示されました方針に基づきまして、いわゆる関係者一体となりまして着実に取り組んでまいりたい、かように考えてございます。
○菅原委員 これまでも何回か指摘してきましたように、我が国の原子力政策は便所のない家であってはならないものであります。試験研究を進め、技術的課題を解決し、事業主体を明確にしていくこと等が必要でありますが、一番大きな問題は最終処分地の選定であると考えます。 この処分地の選定は、国民、地元住民の理解を得つつ進める必要がありますが、このためには、何よりも情報を公開し、開かれた形での候補地選びを行っていく必要があります。 ついては、情報を公開し、国民、地元住民の理解を得つつ、着実、強力に処分地の選定を行っていく。いや、むしろディスクロージャーによる安全性への理解を得て、自治体側から誘致要請を受けるくらいの体制で選定を行っていく必要があると思うわけでございますので、これに取り組む大臣のまず決意をお伺いしたいと思います。
○竹山国務大臣 菅原委員御指摘の問題につきまして、最終処分地の選定、重要な問題でございます。 高レベル放射性廃棄物の処理処分につきまして、そうした重要課題とした認識の中で、処分地の選定につきましては二〇〇〇年を目途に設置されます実施主体が行うことになるわけでありまして、ことし五月に取りまとめられました原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書においてもそのとおり述べられて、この間のプロセスについては先ほど来局長の話にもあるとおりでございまして、なかんずく情報公開を徹底する、透明性の確保という意味で、関係自治体、特に地元住民の皆さんの意見の反映に努めて、立地地域の理解と信頼を得ることが何にもまさるものであるという認識をしているわけでございます。 また、当庁といたしましては、二〇三〇年代から、遅くとも二〇四〇年代半ばまでの処分場の操業開始に向けて、二〇〇〇年を目途とする実施主体の設立など事業の具体化について、これまた言うをまたないわけでありますが、国民的な幅広い理解と、関係者が一丸となった対応をしっかり組んでいかなければこの取り組みは望めない、こんなふうに考えております。
○菅原委員 この最終処分地に対する予算は数兆円にもなっていくのじゃないかと私は想定しております。こういう大きな事業につきましては、政府から自治体にお願いしていくのじゃなくして、本当にディスクロージャーのもとに信頼感を得て、むしろ自治体の方から要請される、本当にそういう体制を組んで進めていっていただきたいことを再度お願いいたしまして、次の質問に移ります。 深海掘削船のことについてですが、平成十一年度予算に深海掘削船、地球深部探査船の建造費を概算要求していると聞いております。この深海掘削船の目的、予算、建造スケジュール等について質問します。 また、地球深部の観測は、プレートの調査を通しての地殻変動の理解、海底海流の調査を通じての地球気候変動の理解等を進めていく上で欠かせないものと考えます。そこで、米国では同様の深海掘削船が活躍中と聞いておりますが、諸外国の状況についてどうなっているか、教えていただきたい。 さらに、深海観測は、海に囲まれた我が国こそ世界をリードして積極的に進めていくべきものと思っております。今後の対応に期待する次第です。 ところで、この掘削船が活動するには当然母港が必要となってくるわけであり、去る三月の委員会で、地元釜石に母港を誘致したいとの意見があることを申し上げたところであります。 そこで、深海掘削船の母港についての考え方及び今後どのように候補地選定をするのかについて、以上三点質問いたします。
○池田政府委員 先生から地球深部探査船についてのお尋ねがございました。 この目的でございますけれども、深海、海洋底を掘削いたしまして、地球深部の堆積物ですとか岩石、これを採取いたします。そして、太古からの地球環境の変動ですとか、地震の原因となります地殻の変動、こういったものの解明を行うことが目的でございます。 平成十年度既に、今年度でございますけれども、海底を掘削するシステムの試験機の製作に着手をさせていただいております。これに引き続きまして、十一年度におきましては、いよいよ船体の建造に着手したいということで、情報通信・科学技術・環境等二十一世紀発展基盤整備特別枠というのがございまして、この枠の中で五十億円の要望をさせていただいているところでございます。 なお、この地球深部探査船の建造の総額といたしましては、現在約六百億円を見込んでございます。そして、平成十五年度の運航開始を目指している次第でございます。 なお、この地球深部の研究につきましての諸外国の状況ということについてもお尋ねがございました。 現在、こうした科学的な目的を持った掘削を行っております船でございますけれども、これは米国が保有するジョィデス・レゾリューションという名前の船一隻でございます。この船は、米国を中心とします国際協力体制によって運航されておりまして、一九八五年以来就航しておりますが、ちなみにこの運航の経費につきましては、六割強を米国が負担しておりまして、日本を含め欧米各国はこれの残りを分担をしているといった格好で、各国はこの船を使わせていただいているという状況にございます。 これまでに、一九八五年以来の就航、運航によりまして、恐竜の絶滅の原因とされました、小さな天体がぶつかったと言われますような六千五百万年前にさかのぼる環境激変の立証でございますとか、それから、数万年前の氷河期において急激な温暖化、寒冷化といった、過去地球環境に変化があった、こういったことを見出すなど、数々の成果を上げてきてございます。 現在、科学技術庁で考えさせていただいております地球深部の探査船につきましては、既存の船ではできなかった、技術的に困難でございました軟弱地盤のところを深く掘削することでございますとか、海底には石油、天然ガス等の炭化水素が存在する地層もございます、こういったところの掘削はできませんでした。そういったことがこの新しい掘削技術を使用します深部探査船ではできるようになりますし、また、さらに深く掘ることによって、世界で初めていわゆるマントルまで達するような大深度の掘削が可能になる、こうした意味で地球科学技術の飛躍的な発展に資するものと期待をしておるところでございます。 それからもう一つ、あわせまして、この深部探査船の母港についてお尋ねがございました。地元の釜石に御誘致いただいている、非常にありがたい点についても御指摘がございました。 この地球深部探査船につきましては、平成十一年度に建造に着手いたしたいということで予算を要望させていただいておりますけれども、建造に着手できるということになりますと、このプロジェクトの進展に合わせまして、運航の形態でございますとか国際協力のあり方など、さまざまな問題について検討を始めることとなります。それに合わせまして、母港についての検討もあわせて行うことになろうと考えております。 ただ、ここで付言させていただきますと、この地球深部の探査船につきましては、これまでの米国の船の運航に基づいて考えますと、かなり長い期間の航海というものが必要になります。一地点で所を定めて地球深部まで掘り進むということになりますと、六カ月を超すような滞在、それに伴う航海ということになります。そうした意味では、資材の補給ですとか人員交代といった、そういういわゆる母港に期待するような仕組みのあり方といったものも、通常のかなり頻繁に帰港するような意味合いでの母港のあり方とはよほど違ったものになるというふうに考えてございます。 これに国際的な観点から協力を展開しながら運航されるということになりますと、特定のところでどれほどいわゆる母港としての係留が必要なのかなというのは、今後こういう実際の運航のあり方といったものとあわせて検討させていただく必要があろうかと思っております。 この点、あわせて付言させていただきます。
○菅原委員 一応、母港問題は私の地元の方からも要望のあることだけは記録にとどめておいていただきたい、こう思っております。 それでは次に、海洋無人探査機「かいこう」についてお伺いします。 先ほども申し上げましたが、海洋の観測、海底の観測は、海に囲まれた我が国が世界をリードして進めていくべき分野だと考えております。それで、一昨年竣工した深海調査研究船「かいれい」と、これを支援母船とする一万メートル級無人探査機「かいこう」については、無人の探査ができることから今後も幅広い活用が期待できると考えますが、本年五月には巻き上げウインチにトラブルが生じ、七月にも位置測定制御部にトラブルが生じたと聞いています。 これらについて、トラブルの概要、対応の状況等についてお伺いいたします。
○池田政府委員 ただいま、一万メートル級無人探査機「かいこう」につきまして、トラブルを経験してございますが、その概要についてのお尋ねがございました。 本年五月の二十三日には、「かいこう」とその母船の「かいれい」をつなぎますケーブルを巻き上げる速度が低下するといったトラブルが発生した、これは御紹介のとおりでございます。この点につきましては、既に、その巻き上げの設備でございますウインチの改善を行ってございます。 また、本年の七月三十日には、「かいこう」の海底面からの高さを検知します高度計の制御部が停止するというトラブルが発生した次第でございます。この点につきましては、原因となりました制御部の部品を交換するといったことを行ってございますし、あわせて当該部品の点検ですとか交換頻度の妥当性、こうした内容についての技術的な検討を行っているところでございます。 海洋科学技術センターのこうした深海調査機器につきましては、今後とも細心の注意を払いまして、深海調査に支障を来すことのないように、海洋科学技術センターとも十分連絡を密にしまして、我が方でも取り組んでまいりたいと考えております。
○菅原委員 次に、去る九月三日に岩手県内陸北部では震度六の地震が発生し、負傷者九名、道路の寸断二十カ所余りの被害が生じております。この付近では、今年の春から岩手山の火山活動が活発になってきており、これらがマスコミに報道され、旅館等は予約取り消し等があり、地元経済に大きな打撃が与えられました。 特に、今回の地震は火山活動との関連で地元の不安も高まっているわけでありますので、今回の地震と岩手山の火山活動の関連性の有無を含め、地震調査委員会では今回の地震をどのように評価しているのか、質問させていただきます。
○池田政府委員 科学技術庁におきましては、こういう地震の動きがございますと、その大きさが一定以上の場合には地震調査委員会を速やかに開催することにしてございます。御指摘の岩手山につきましては、この地震が発生いたしました翌日、九月四日に臨時に会合を開催したところでございますし、九日にも、定例の会合におきまして今回の地震の評価を行ってございます。 今回の地震につきましては、岩手山の南西約十キロメートル地点の深さ約五キロメートルという地点で発生したものでございまして、この地震に伴います活動域は、マグニチュードで申しますと六・一、この地震を中心に東西約十キロメートル、南北約十キロメートルに分布してございます。 この地震によって出現しました地震断層の場所それから向きなどから、この地震につきましては、雫石盆地、その西のへりでございますけれども、西根断層群というのがございまして、これの北端部の活動によるものと評価した次第でございます。 御指摘のとおり、岩手山につきましては、ことしの春、四月ごろから、火山活動に関係すると考えられます地震活動も活発化してございます。今回の地震活動につきまして、この調査委員会の結論といたしますと、これは活断層によるものでございまして、今回の地震と岩手山の活動との直接的な関連は見出されていないということでございます。しかしながら、余震の発生している地域は岩手山と隣接してございますので、今後とも岩手山周辺の地震活動にはしっかりと注目してまいりたいと考えているところでございます。
○菅原委員 これらのことで、住民の不安にこたえるためにも、火山活動について厳重な監視、観測が必要と考えます。また、新しく断層も生じたりしておりますので、地震や火山の観測、研究については、大学、気象庁、国土地理院、地質調査所、防災科学技術研究所等々、多くの機関で行われていくものではありますが、国としては総合的、横断的な取り組みが必要と考えるのです。 この岩手山の火山についても科学技術庁の総合的、横断的な対応を期待している私の立場から、こういう観点でのこれまでの取り組みについて、どうなっているのかお伺いいたします。
○池田政府委員 岩手山につきましては、気象庁それから大学、こうした機関によりまして、地震の観測、それから地殻変動の観測などの観測体制がしかれてございます。火山活動につきましてのこういう把握を行っているところでございますけれども、地下のマグマですとか熱水の挙動を詳細に把握して活動の推移を推定してまいりますためには、さらなる観測研究が必要だと考えたところでございます。 そうした意味で、ことしの七月からでございますけれども、岩手山の火山活動に関しましては、科学技術振興調整費を使わせていただきまして、いわゆる緊急研究を立ち上げております。科学技術庁それから通産省、気象庁、建設省、こうした関係の研究機関が一体となりまして、その横断的、総合的な観測研究を行っております。 この緊急研究の実施に当たりましては、大学を初めとしまして、国土庁、それから地元岩手県との連携を十分に図っているところでございます。 観測データにつきましては、気象庁の火山噴火予知連絡会という組織にも報告をさせていただいておりますし、火山活動につきましての総合的な判断に活用されている次第でございます。 今後とも、この岩手山の火山活動に関しましては、こうした国の研究機関の総力を挙げて取り組みを推進してまいることとしてございますし、岩手山のこういう火山活動の監視、それから火山情報へのこの研究成果の有効な活用といった面から取り組んでまいりたいと考えております。
○菅原委員 次に、私もクローン問題について質問いたします。 クローン技術については、昨年の二月に英国ロスリン研究所での研究グループがクローン羊ドリーの産生に成功したと発表して以来、昨年七月にはヒトの遺伝子を組み込んだ羊ポリーの産生に、今年の七月には我が国において世界初の体細胞クローン牛の産生に成功するなど、世界各国で動物のクローン個体作製に関する研究が急速に進んでいます。 クローン技術は、基礎的な生命現象の解明やすぐれた品質の畜産動物、たんぱく性医薬品を母乳等に大量に産生する動物、絶滅直前の希少動物等の産生に寄与するなど、学術面、応用面での有用性が非常に高いと考えます。 しかし、一方で、クローン技術のヒトヘの適用については、クローン人間を生み出す技術的な可能性が示唆され、その実施の是非について世界的に議論が巻き起こっているのも現実でございます。このことは、生命倫理上、人間の尊厳にもかかわる重大な問題でありますから、十分な論議を尽くした上で、規制等を含め必要な措置を講じていくことが必要であると考えます。 それで、クローン技術のヒトヘの応用の問題について、これまで政府によりとられた対応がどうなっておりますか、まず伺います。
○池田政府委員 お尋ねのクローン技術に関しましては、政府といたしましては、昨年の八月でございますけれども、内閣総理大臣決定によります「ライフサイエンスに関する研究開発基本計画」におきまして、ヒトのクローン個体の産生は行うべきではないという旨を決定しております。そして、こうした研究に対します政府資金の配分を差し控える旨の措置を講じたところでございます。 また、昨年の九月には、クローン問題を含みます生命倫理問題に対しまして、我が国としての方針を幅広い観点から検討していただきますために、科学技術会議に生命倫理委員会を設置しております。この委員会のもとに、本年の一月でございますが、クローン技術に関する考え方をさらに深く検討していただくためにクローン小委員会を設置してございます。 この小委員会におきましては、これまでの審議におきまして、ヒトのクローン個体の産生につきましては国による公的な、公の規制が必要である、そのために、法律による規制または国のガイドラインによる規制のいずれかが必要であるという考え方を、本年の六月でございますけれども、中間的に取りまとめていただいております。 この中間的な取りまとめの考え方につきましては、現在、これに対します国民一般の意見を幅広く把握することが必要だと考えておりまして、法律、倫理、哲学、医学、生物学、こういった専門家の意見を聴取しているところでございます。今後、こうした御意見を踏まえまして、最終的な結論を出そうと考えている次第でございます。
○菅原委員 それで、六月十五日に科学技術会議クローン小委員会は、中間報告「クローン技術に関する基本的考え方について」を公表し、その報告書をもとに国民各般から意見聴取を行っていると聞いています。 一方、八月三十一日、文部省は、「大学等におけるヒトのクローン個体の作製についての研究に関する指針」を告示し、大学における研究についてガイドラインによる規制措置が講じられたと聞いています。 そこで、この問題に対する規制のあり方についての見解と、今後の取り組みについてどうなっていくのか、お伺いします。
○竹山国務大臣 先ほどから菅原委員お話しの、まさに生命倫理の分野での大変多面的な課題を含めたクローン技術の問題でございます。多くの国民の皆さんの意見、まさに個人の価値観、倫理観、家族観、こういうものがもとにあるわけでございまして、私も、実は過般の臓器移植に関する特別委員会の委員長を務めさせていただいたときにも、こうした神をも恐れないといいましょうか、そういうテーマにつきましては多くの意見をまとめ、結論を出していくことだと考えておりますが、人間に関するクローン技術につきましては、私としては生み出すべきではないというような認識も持っていることを申し添えさせていただきます。
○菅原委員 どうもありがとうございました。 それでは次に、核融合についてお伺いします。 人類の恒久的なエネルギーとして、世界のエネルギー問題の解決に大きく貢献するものとして期待されているのがこのITER計画でございます。しかし一方、巨大な新技術の研究開発には膨大な費用を要するため、先進国が協力して研究を推進することが必要であります。このため、日、米、EU、ロシアが協力してITER計画が進められてきたところであります。 しかしながら、これまで六年間にわたり行われたITERの工学設計活動の延長協定の署名については、米国の下院に反対があり、米国政府は延長協定に署名していない事情にあります。米下院のセンセンブレナー科学委員会委員長が来日したときには、私たちの大野委員長等からITERの重要性、必要性と米国の引き続いての参加について強く要請していただいたところでありますが、科学技術庁を初め政府は、米国に対して強力な働きかけをするべきであると私は考えております。 そこで、科学技術庁は、今回の事態に対してどのような対応をとってきたのか。九月には米国で上院、下院の両院協議会があるということですが、そこで前向きな結論が出されるように最大限の努力をすべきではないかと思います。米国の状況及び我が国の対応方針について質問させていただきます。
○竹山国務大臣 ITER工学設計活動の三年間延長についての手続につきましては、菅原委員御指摘のとおり、かねてから日、米、EU、ロシア四極で手を携えて国際協力でやってきたわけでありますが、ここへ参りまして、米国議会の上院は承認したわけでありますが、下院で否認された。 こういう環境の中で、お話しのとおり、先月半ばに下院の科学委員会委員長センセンブレナーさんじきじきに日本を訪れまして、私もお会いをし、その間の状況をつぶさに伺い、また、当委員会委員長初め関係の御関心の深い、見識を持った我が国の国会議員、また現地へも行って学者、研究者の意向もセンセンブレナー委員長は聴取して帰られました。 現下のところ、なかなか米国議会においては思うに任せないような状態でございますので、私からはリチャードソン米国エネルギー省長官へ書簡をもって、また、日本の大使館を通じて米国国務省あるいはエネルギー省に働きかけをしているところでございまして、日本の事情を十分聴取して帰ったわけでありますので、これらをもとに、私どもからの多くの熱心な働きかけを米国政府としてどう受けとめているかということを十分注視しながら、今後とも一層の努力をしていきたい。 九月中旬でございますので、間もなくでございましょう、上下院両院協議会が開催されることで今大詰めを迎えているという感じでございまして、引き続き四極がそろってこの大きなITERプロジェクトに参加できるように、アメリカに引き続き協力要請をしているところでございます。
○菅原委員 協力要請を一層進めていただきたいことをお願いいたします。 先ほども質問のあった問題でございますが、衆議院では北朝鮮のミサイル問題について本会議で抗議の決議を行い、その中で、国民の安全確保のためのあらゆる措置をとることの一つの措置として、偵察衛星あるいは多目的情報衛星なるものの保有について積極的な意見が出ています。我が国の宇宙開発については、昭和四十四年の国会決議において、宇宙利用は平和の目的に限るとした原則が示されており、偵察衛星導入にはこの決議との関係が問題になると思われますが、今回は、この件は別として、我が国の宇宙開発技術の水準について質問したいと思います。 地球上の諸現象を宇宙から観測することを目的とした地球観測衛星、海洋観測衛星等は、我が国もこれまでに打ち上げてきたところでありますが、我が国及び諸外国が現在活用している地球観測衛星の解像度についてどうなっているのか。 さらに、地球環境の観測、資源探査等の目的から考えてみても、必要となる解像度はさらなる向上が求められるものと考えております。現在、我が国では解像度二メートル程度の地球観測衛星の開発計画があると聞いていますが、その事実関係及び利用の立場から見たとき、将来どの程度までの解像度が求められるのか、また求めていこうとしているのかをお伺いします。
○池田政府委員 地球観測の衛星として現在我が国それから諸外国が活用しております衛星についてのお尋ねがございました。 現在活用されているものと申しますと、我が国が九二年の二月に打ち上げました地球資源衛星一号、「ふよう一号」と名づけてございますけれども、これの解像度ないしは分解能と申しますと、これが十八メートルでございます。それから、フランスが運用しております、打ち上げました衛星、SPOT二号というのがございますが、これが十メートルの分解能を持っております。それから、米国のランドサット五号というのが三十メートル、それから、欧州のERS二号という衛星が三十メートルといったことを承知してございます。 なお、我が国では、先生御指摘のとおりに、分解能につきましては二・五メートルというセンサーを持っております陸域観測技術衛星の開発を進めております。これは、これまでに打ち上げました地球資源衛星でございますとか地球観測プラットホーム技術衛星、こうした先行した衛星の陸域観測技術をさらに高度化をする。これによりまして、地図の作成ですとか地域の観測、それから災害状況の把握ないしは資源探査、こうした目的に対しましての貢献を図ることをねらいとしていますけれども、この陸域観測技術衛星、これを平成十四年度の冬期に打ち上げを目指して開発を進めているところでございます。 この衛星につきましては、三種類のセンサーを搭載しておりますけれども、そのうちの一つが、分解能から申しますと一番高い二・五メートルという性能を有しております。そのほかにも、例えば雲があっても観測できるようなレーダー方式のセンサーなどもつけてございますけれども、これは、分解能から申しますとこれほど高くはございません。 なお、今後どの程度の分解能その他についての開発を考えているのかといったことについて御質問がございましたけれども、私ども、この陸域観測技術衛星以降の観測衛星になりますと今後の検討課題と考えておりまして、これを開発いたします際には、その観測データの利用につきましてのさまざまな要望といったことを積極的に考えながら取り組んでまいりたいと思っております。 そうした意味で、今般の多目的の観測衛星といったものにつきましても、こういった開発成果の活用といった面から大変私ども関心を持ち、むしろ積極的に取り組む必要があると考えているところでございます。
○菅原委員 まだ質問がありましたが、時間が終了いたしましたので、次回に回しまして、今回はこれにて終わります。 どうもありがとうございました。
○大野委員長 吉井英勝さん。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 きょうは、初めに、科学技術の振興に当たってその土台となる基礎研究の問題について最初に伺っていきたいというふうに思います。 九八年度予算では、財政構造改革法の縛りなどもありまして、特に科学技術の発展にとって大事な土台をなしている部分の一つに大学がありますけれども、国立学校特別会計への一般会計からの繰り入れが制限されまして、大学等の研究は非常に厳しい状況に置かれております。特に、大学の共同利用研究の基礎的経費では、最大一五%の削減という事態となりました。 これについては、日本学術会議の方も、ことしの五月七日ですが、吉川会長の方から会長談話というのが示されました。一予算積算上最大一五%にも及ぶ大幅かつ突然の削減がなされ、関係研究機関における研究推進上、大きな混乱と支障が生じることが強く危惧されている。しそして「一律の削減が行われたことは、科学技術基本法の趣旨を踏まえ、真摯にその使命を果たそうと努力している科学者の熱意に水をさすばかりでなく、上記機関が現在、国際的な共同研究を多数遂行している状況を考えると、国際信用をも大きく失墜させる怖れがあると言わざるをえない。」こういう会長の談話が出されて、本当に、日本の学者、研究者の皆さん方も随分大変な思いをしていらっしゃるところです。 ですから、私たちは、七月の下旬から八月の上旬にかけて、高エネルギー加速器研究機構と東大宇宙線研究所のスーパーカミオカンデの二つの施設について、現地に行って、実際に現場の研究者の話を聞いてまいりました。本当に深刻なお話をたくさん伺いましたが、スーパーカミオカンデといいますと、ニュートリノに質量があるということをはっきりさせた観測結果を発表した実験がなされたところで、ノーベル賞級と言われている成果なんです。 そういう重要な成果を上げているところでやはり一五%のカットが行われているのですが、まず、そういう重要な成果を上げているところなんだ、そういう認識をお持ちなのかどうか、これを最初に文部省の方に伺っておきたいと思います。
○工藤政府委員 先生御指摘のとおり、スーパーカミオカンデ、なかなかすばらしい観測業績を上げているわけでございますが、平成十年度の私どもの予算の編成に当たりまして、特に、スーパーカミオカンデを含めまして、国立大学関係は特別会計になっているのでございますが、先年国会で成立いたしました財革法に基づきまして、特別会計への一般会計からの繰り入れが前年度同額以下というスキームでの予算編成となったわけでございます。したがいまして、その同額以下の中には人件費もあれば物件費もあるわけでございますけれども、特に人はふやさなくても定期昇給は若干ございますので、その人件費のアップ分をのみ込んで前年度同額以下という中で、やむを得ず物件費を削減せざるを得なかった。 今一五%というお話がございましたけれども、附属施設の実験経費について一五%のほかに、例えば研究設備の関係では三五%減でございますとか、基盤的な研究費でございます教官当校費について二%減でございますとか、非常に苦しい予算編成をせざるを得なかったということでございまして、大変先生にも御心配をおかけし、また研究者の方々にも御不自由をおかけしているところでございます。 ただ、来年度の概算要求に当たりましては、この人件費分について別途繰り入れが認められてございますので、少なくとも来年度はこういう削減がないようにということも含めて、この実験の遂行に支障がないように努めてまいりたいと存じます。
○吉井委員 来年度は今年度より削減がないようにということで、つまり、ことし既に削減されているんです。そこからさらに下がらないけれども、昨年より削減されたままだというお話なんです。これは、実際に宇宙線研の予算の中の実験経費が、率でいうと一五・九%なんですね、ことしの削減が。 それで、スーパーカミオカンデというのは、太陽ニュートリノや超新星爆発のニュートリノの観測などを行っている、そういうところです。そして、ニュートリノの性質などを明らかにして、物理学の基本法則を探求するという非常に大切な観測施設なんですよ。そのためには、太陽ニュートリノもそうですし、超新星爆発というのは、あらかじめこの日爆発があったとわかって観測するのだったら、それまで機械を少し眠らせておいてということもあり得るかもしれないけれども、いつやってくるかわからないものを、一五%カットされたからといって、それに見合った分機械をとめておいたら、その間に超新星爆発があったときには、さっぱり意味をなさないのです。 施設の建設には物すごくお金をかけておいて、ですから、それは施設の建設を請け負ったゼネコンなりそういうところはこれで結構おいしかったかもしれないけれども、施設ができた後のこの観測経費、実験経費にこそ実はこういう施設は意味があるのです。そういうところが打撃を受けているわけです。 もう一遍文部省に聞いておきたいのですけれども、これはやはり継続的な観測が最も必要だ、こういう御認識はお持ちなんでしょうね。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、以前のマゼラン星雲での大爆発での観測というのは世界に先駆けてここでやるとか、かなり世界的に画期的な業績を上げているわけでございまして、私どもも、この事業の充実、拡充、継続につきましては、その必要性を十分認めているところでございますが、先生、予算の編成に当たりましては、何分全体が相当厳しい制約の中で措置しなければいけないという部分がございます。 ただ、若干補足いたしますと、実験経費については減らさないようにということで来年予定してございますけれども、そのほかに、新たに、つくばにございます高エネルギー加速器研究機構との共同研究で、ニュートリノに質量があるのかないのか、あるとすればどれぐらいなのか、もう少し踏み込んだ実験を共同で行おうということが計画されてございまして、そのための実験経費として、このスーパーカミオカンデにつきまして、今のところ、概算要求ベースでございますけれども、約三千万円ほどの増額を予定しているところでございます。 関係者の御意見を承りながら、実験の継続発展について支障がないように努めてまいりたいと存じております。
○吉井委員 今の、つくばの高エネ研の方の話も、それはいわば当たり前なんですよ。高エネ研からニュートリノを打ち出さなきゃいけないのです。その予算をつけるのは当たり前であって、これに予算をつけなかったら、片方のスーパーカミオカンデ、これは観測施設なんです。そこへつくばから打ち出すのですよ、ニュートリノを。ニュートリノを打ち出す経費をつけましたからというのでは、これは当たり前の話であって、それをつくばでこれだけつけましたという話では、実は大臣、そういうところをよく聞いておいてほしいのですよ。本当にいかに現場が大変なことになっているか。そういう事態なんです。 それで、高エネ研のお話が出ましたけれども、実験運転経費が、ことしは一三・四%から部門によっては一七%削減なんですよ。宇宙線研のスーパーカミオカンデの実験経費は、さっき言った一五・九%の削減なのですが、国際共同研究経費も同様に削減されております。ですから、このために、共同利用の研究者が来られたときにできるだけ便宜を払うとかすると、行かれたらよくおわかりになりますが、かつての神岡鉱山の坑道をずっと入っていった中ですから、電気を消したら全く真っ暗なんです。その中で、随分照明等を消したり、とにかく経費を削られてしまったんだから、歩いていったら研究者が真っ暗な中でひっくり返ってしまうような、大変な思いをしながら頑張っているのですよ。しかも、そこの研究成果というのはノーベル賞級のものだということを国際的にも高く評価されているのです。 ですから、そういうところでこういう状況が続いたら、実はつくばの方の高エネ研にしたって、やはり同じ施設を毎年使ってやっておればいいというものじゃないのです。研究者がいろいろ考え出して、工夫して、グレードアップしていくのです。それによって、世界水準の施設を維持しながら、研究のレベルも上げていくということができるわけなんですが、そういうところが今逆に削られて、大変になっているのです。 スーパーカミオカンデですと、観測装置の命と言えるのが、純水製造装置というのがあそこにもありますが、純度のうんと高い水が必要なんです。チェレンコフ効果というものがかかわってくるわけですから。そのときに、純水製造装置の供給を、動力費がかかるから半分にしようかと、それはいろいろだましだまし機械を運転して、成果がそれでも上がるようにという苦労はしていらっしゃるのですよ。それはそれで貴重なんだけれども、そういう事態は私はやはり至急に改善する必要があると思うのですよ。 まず、文部省の方では、その点どういうふうに検討しておられますか。
○工藤政府委員 研究は、御承知のようにいろいろなフェーズがございまして、スーパーカミオカンデにつきましても、ニュートリノの観測でこれまで高い実績を誇っているわけでございますが、学会で発表されて、次のフェーズとして質量の判定という段階に移っているわけでございます。 そのために、高エネルギー加速器研究機構との共同で先生御指摘のような実験をしようという新しいフェーズが加わってまいったわけでございまして、そのための実験に必要な経費も含めて、スーパーカミオカンデの実績をさらに発展させていこうということで、私どもバックアップをさせていただくつもりでございます。 全体の、スーパーカミオカンデも含め、各大学等で行われております基礎研究のバックアップにつきましては、特別会計の状況の厳しさはあるわけでございますが、他方で、一般会計で科学研究費補助金というのがございますが、それは先端的な研究についてのサポートでございまして、それは、ことしもそうでございますし、来年度の概算要求におきましても相当大幅な拡充を図っておりまして、その活用によりまして、アクティブな各研究組織のバックアップをさせていただいているということでございます。 研究資金、いろいろ多元的な資金を活用しながら、各研究者のサポートに努めているというふうに御理解いただきたいと思います。
○吉井委員 いろいろな研究のフェーズに応じてという、そこはよくわかっているのですよ。 高エネ研でニュートリノを打ち出してという、そのときですと、今から打ち出すよということで連絡して、それでカミオカンデの方でその前ぐらいからウオーミングアップもしてしっかり動かしておけば観測できるのですよ。しかし、太陽ニュートリノとか超新星爆発の方はそういうふうにいかないのです。 しかも、これは一度いい成果を上げて学会で国際的にも発表したから、もうあとは測定はいいよというものじゃないのです。やはりずっとこれは生かしていってこそ値打ちがあるわけで、またそうしてこそ国際的にも日本が大きな学問的貢献もできるわけなんです。 ですから、遠慮しいしい局長さん言っていらっしゃるのかもしれないけれども、しかし私は、そこは文部省としても思い切って、この分野で、日本の科学技術の発展の基礎をなしているのが大学であり、また大学の研究機関なんですから、そこの取り組みというのは本当に強めてもらう必要があるというふうに思うのです。 あわせて、共同利用で行かれる方の場合、共同利用の研究費というのは、なるほどある程度使われることはあるのですけれども、しかし、スーパーカミオカンデで共同研究をやる場合、そこで必要な動力費、あるいは高エネ研だってそうなんですが、その共同研究で来られた方たちの必要とする動力費その他の経費は出ないわけですから、結局は経常研究費の中で賄っていくわけですよ。ますますそれが、そこの研究所の研究員の研究にとって、財政的に非常に厳しいという状況が生ま れてくる。 だから、共同利用研究施設の場合ですから、当然いわばサービス部門としての役割はあるわけです。それをちゃんと果たしていく意欲もみんな持っていらっしゃるのだけれども、しかし同時に、そこの研究者の学問的成果が十分上がっていくような、そういう点では、経常研究費というものはやはりきちっと増額していくということを考えないとだめだということをあわせて申し上げておきたいと思うのです。 ことしよりもスーパーカミオカンデなどで削減をしない。本当はこれは復活してもらわないと私は大変な事態になっていると思うのですが、その場合に、今度は、スーパーカミオカンデの方は少し面倒見たのだけれども、ほかの研究所の方でより予算が削減されるということになったら大変なんですよ。 そこのところも、これは日本の研究者の皆さん方、全体としてやはり心配していらっしゃるところなのですね。そこはどういうふうにされるのですか。
○工藤政府委員 先ほど申し上げましたように、国立大学の関係につきましては特別会計が編成されておりまして、その特別会計の概算要求のスキームというのが、来年度概算要求では人件費を除いて前年度同額というスキームでございます。したがいまして、必要な経費を確保するために、ある程度ふやす、どうしてもふやさざるを得ない部分、前年同額に抑えざるを得ない部分、それから、今し方先生おっしゃいましたように、でこぼこがあるわけでございまして、ある程度減らさざるを得ない部分というのがございます。 私ども、概算要求の取りまとめに当たりまして一番気を使いましたのが、そこの経常的な研究費でございまして、一度減りますとなかなか復活が難しい、しかも日常の研究の遂行が難しい状況に立ち入りますので、残念ながら、施設費あるいは設備費のようなハード面について、余り緊急性のない、もう少し我慢いただけるものについて若干先送りするとかいう形での縮減をさせていただきながら、実験経費についてはせめて対前年度同額の水準を維持し、かつ、それ以上に必要な分については他の多元的な研究経費を活用していただくということで、今取り組みをさせていただいているところでございます。 なお、先ほど共同研究の関係のお話がございました。各大学等からの共同研究もさることながら、学外の産業界等からの共同研究の申し込みにつきましてはその歳入がございますので、それに見合う歳出増も図りまして、研究者の研究需要にこたえてまいりたいと思っているところでございます。
○吉井委員 産業界の負担される分が十分か不十分かは別として、それがあるにしても、共同利用機関の場合は、特に大学その他はそうなんですが、科研費などのプロジェクト研究で利用されることがあるのですね。そうすると、利用に伴って必要となる経常運転費が研究機関に上乗せされていないということもありまして、これがさらに経常経費を圧迫していっているというのが実態なんです。 それで、科学技術の振興のために、九八年度も九九年度も、一般会計中の科学技術振興費は前年度比五%の伸びなんです。そういう状況なんですが、来年度もそれをやろうということですが、大学等の経費は、今もおっしゃった国立学校特別会計で賄っているわけですが、それが基礎研究を支えているわけなんです。国立学校特別会計、この予算の部分でも科学技術振興費と同程度の伸び、やはりそこが認められないと、大学共同利用機関の経常研究費を本当に確保して技術水準を高めていく、それが、科学技術庁の国研なども含めて国立研究機関の研究、結局はその土台をなしているわけですから、産業界の研究開発といったって、そこがやはり土台をなしているわけですから、そこをやはり進めていかないとへこれは大変な問題だというふうに私は思っているのです。 そこで、大臣、これは今のこの部分だけですと文部省の議論という感じになります。しかし、これは文部省か科学技術庁かという話ではなくて、これは日本の内閣、政府が一体となって本当にその部分に真剣に取り組むという姿勢をもって臨まないと、科学技術振興費の方は伸びていますから大学はひとつ我慢してもらって、そういうふうなものでは進まないと思うのですね。そういう点で、これはひとつ内閣として、省庁の違いということにこだわらないで、やはりそこを前進させるという考えというものを持っていただく必要があると思うのですが、この点、大臣どうですか。
○田中政府委員 私が、先生今御指摘の、研究者が実質的に基盤的な研究活動を着実、効果的に推進できるような経常的な研究資金の点でございまして、国立試験研究機関等を見ております私どもから、その点先にお答え申し上げたいと思います。 この点につきまして、御議論ずっと承知しております。その重要性ということはこれまでも認識しておりまして、いろいろな工夫で、例えば研究員当積算庁費、人当研究費のようなものでございますが、これを各省と相談いたしまして統一的な要求をしていくというようなこと、あるいは科学技術振興調整費の重点基礎研究制度というのが六十年度からございますけれども、これに工夫しながらふやしていく、そういうことをしております。 それからさらには、この点はいろいろ御議論あろうかと思いますけれども、最近では、いわゆる競争的資金あるいは重点的資金ということで、戦略的基礎研究推進事業でありますとか、あるいは創造科学技術推進事業でありますとか、そういうようなことで各研究機関の研究費というのを確保していくということを行っておりまして、それらをあわせまして我が国におきます科学技術の振興、そういうことに資してまいりたいというように考えております。
○竹山国務大臣 吉井委員の御専門のお立場からのをるる承っておりました。 基礎研究は、いわゆる応用研究に比べて直ちに成果の実用化に結びつきにくいものがある、しかし、そこから生み出される新たな研究成果は、既存の技術体系に革新的な変化を与えると同時に、全く新しい技術体系の出現ももたらす。そういう意味では社会的に大きな波及効果を持っている、可能性を秘めた問題であるということも、私も認識させていただいております。 このようなもとで、科学技術振興調整費や戦略的基礎研究推進事業の充実等により基礎研究を強力に推進してまいる所存であります。また、御説のような基盤的あるいは経常的な研究については、その重要性はしかと認識させていただいておりまして、当庁といたしましても、科学技術振興費の活用等工夫を凝らしまして、その研究費の確保に引き続き努力をさせていただきます。 他方、こうした研究活動に加えて、最近では、より競争的、重点的な研究資金の配分が要請されてきているところと認識しておりまして、今後とも、科学技術基本計画の趣旨をしっかり踏まえまして、このような多様な資金を適切に組み合わせながら、総合的に基礎研究の充実に引き続き努力をしてまいる所存であります。
○吉井委員 それで、最後にこの点でもう一言御紹介しておきますと、宇宙線研のスーパーカミオカンデのところで各国の研究者の方たちも参加して本当にいい成果をたくさん上げているわけです。 その中で、私驚いたのですが、これは日本の研究者が中心になって共同研究をやってきて、その成果を国際学会で発表してくれ、発表してくれとどんどん招待が来ているのですよ。お聞きしますと、月に二、三回は招待を受けているのです。ところが、海外出張の旅費が十分でないということで、どういうことをやっているかというと、例えばアメリカの学会ですと、アメリカから来ている共同研究者に一度アメリカの国費で戻ってもらって、里帰りしてもらって、クリスマス休暇か何か知りませんが、そういう休暇をとって帰られて、そうすると旅費の心記は要りませんね、それでアメリカ人にアメリカの学会で発表してもらう。日本の頑張ってきた研究者は、共同研究者の中で、確かに論文に共同研究者で名前は並ぶのですけれども、しかしメーンじゃない感じになってしまうのですよ。ノーベル賞級の研究成果が上がっていると言われているところで、これが実態なんですよ。 ですから私は、本当に日本の研究者がどんどん成果を持って海外へ行って、学会で発表できる、共同研究者にアメリカの方も並べばドイツの方も並ぶ、それが当たり前だと思うのですね。今そういう実態になっているというのを、実際神岡へ行きまして研究者の人たちから、本当に優秀な研究者の方たちで、神岡鉱山の坑道の奥深くで頑張っていらっしゃって、そういう方たちからお話を聞いたんですよ。 私はそういう点で、科学技術庁の今年度の当初予算でいいますと七千四百一億円、原子力関係が三千三百七十二億、宇宙関係は千八百三十二億で、大体、原子力と宇宙で七割なんですよ。国研の経費は五百四十七億にすぎないんですが、そういう点では、科学技術の振興のために土台となる基礎研究というものをもっとしっかりとらえるべきだということで、実はことしの三月にも、国研のいろいろな実例を御紹介しながらお話をして、当時の谷垣長官も、やはり経常的な研究費もできるだけ今後ふやすように努力することは必要だという答弁をされました。 この三月の議論も踏まえて、新しく長官になられた竹山大臣に、科学技術庁の国研についてはもちろんなんですが、大学等の予算についても、本当に、科学技術の振興に責任を持つ大臣として、やはりこれは――競争的な資金だ何だというのも、こういう議論はこれまでやっていますからよくわかっているんです。今本当に基礎をなす部分で、この経常研究の予算の拡充という点では、とにかく、八〇年代はずっと横ばいで伸びていないんですから。それで、九〇年代に入ってわずかにふえたぐらいのところで実態と全然合わないわけですから。 やはりこれは、今、この五年間で十七兆という、科学技術基本法をつくったときに目標を掲げましたけれども、五年で十七兆はいかなくても、せめて経常研究費はきちんと伸ばす。さっき文部省の局長さんが、本当に御苦労いただいているのがわかるし、本当は腹の中はもっと言いたいんでしょうけれども、立場として言いづらいところはやはり大臣に、ここは、経常研究費の充実に努めるということは、政治家としての決断が今求められているときだと私は思うんです。そのことを一言伺っておきたいと思います。
○竹山国務大臣 ただいま、谷垣前大臣のときの、吉井委員からの資料も篤と拝見しながらお話を聞いておりました。 基盤的あるいは経常的な研究の重要性は新大臣といたしましてもしっかりと認識させていただいて、当庁としての今後の努力をしていくことをお約束いたします。
○吉井委員 次に、プルサーマルの問題について伺いたいと思います。 プルサーマルを実施している諸外国での、MOX燃料を装荷したときの最高燃焼度での試験の結果はどういうものであるかとか、そういうことなどについてお聞きしたいと思って、いろいろ届けていただいた資料などに目を通していくと、フランスですと、原子力施設安全局の方は最高四十ギガワット・デー・パー・トンに規制をする。別の文献によると、三十三ギガワット・デー・パー・トンというのも目にしております。それから商業炉の実績では、平均的に見れば三十七・五ギガワット・デー・パー・トンだ。フランスの電力公社の方で四十五ギガワット・デー・パー・トン以上の高燃焼度運転の認可を申請中だが、まだ認可されていない。ただ、グラプリーヌ原発四号機では、最高で四十四・五ギガワット・デー・パー・トンの試験もやって、一部燃料集合体でのみですが実施した例もあるということもお聞きをしました。 それから、原子力安全防護研究所で高燃焼度試験の事故時の安全性確認実験をやって、実験炉で試験を実施したんですが、核燃料の破裂等もあって再試験が必要であるということもあるとか、いろいろな状況がフランスその他外国でもあるようですが、今改めて、各国での最高燃焼度での試験をどういうふうに進めていて、どういう結果というものが出ているのかということを最初に伺っておきたいと思います。
○間宮政府委員 試験の状況まで調べてはおりませんが、これまで当庁が集めました情報によりますと、各国の使用実績のうち、トン当たりの四十ギガワット・デー以上の比較的燃焼度の高い例としては、アメリカのクォドシティズ一号原子炉のトン当たり四十ギガワット・デー、オランダのドーデバルト原子炉のトン当たり六十二ギガワット・デー、フランスのグラブリーヌ四号原子炉のトン当たり四十四・五ギガワット・デー、それとスイスのベツナウ一号原子炉のトン当たり四十五ギガワット・デーの燃焼度がございます。
○吉井委員 日本で申請が出されているMOXの三分の一炉心、つまり三三%ですね。ですから、炉心の中の三〇%を超えるMOX燃料で運転したものというので見ていけば、四十ギガを超えてというのは、今お話があったのは四十ギガを超えているわけですが、これはたしか四例だと思うのですね。 それで、今おっしゃった八例の中には、過去やっていて今停止中のものもありますから、現役は六例ということになりますか。いずれにしても、四十基の使用実績中、MOXの率が三〇%を超えて使用したという実績としては六例ということになろうかと思うのです。 また、通常、それ以外のものは、四十ギガを超えてのものは四例ということになりますが、燃焼度の高いものでも四十ギガワット・デー・パー・トン以下で、大体そういう点で見ていきますと、日本の申請として出ている関電高浜の四十五ギガワット・デー・パー・トンは、これまで軽水炉でのMOXの使用実績は海外で多数見られるんだというお話だったんですが、炉心の三三%MOXで燃焼度四十五ギガワット・デー・パー・トンの連続そして長期にわたる運転によってこれが実証されたという例は、実のところ余り見当たらないというのが、これは科学技術庁の方でもつかんでいらっしゃる実態じゃありませんか。
○間宮政府委員 我々といたしましては、先ほど申し上げたような実例があるということで承知しております。
○吉井委員 お互い食い違いがあってはいけないから、私もあなたのお手元にあるものをちゃんといただいておいて、そしてそれ以外のデータなどとも突き合わせながらの話なんです。 だから結局、これまでよく、MOXは海外でいっぱい例があるんだ、もう大丈夫なんですというお話はずっと私たち聞かせていただきました。しかし、よくよく見てみると、三三%MOXで燃焼度四十ギガワット・デー・パー・トンという例は、その実績というのはほとんどないに等しいという状況に置かれているというのが実態だというふうに私は思うのです。 そこで、八八年から九一年の美浜一号での実験というのは、実は三体ですから、これは三三%じゃなくて約一%ぐらいのものなんですよ。そこで二十三ギガワット・デー・パー・トンという実験であったわけですから、結局、日本でも最高燃焼度四十五ギガワット・デー・パー・トンの実証試験、ましてそれを三三%MOXでという実証試験というのは、これまで全くやっていないんじゃないですか。
○間宮政府委員 我が国においてはそのとおりでございます。
○吉井委員 それで、最高燃焼度運転を行ったときに懸念される問題の一つは、いろいろな問題がありますけれども、きょうは時間もあれですから絞って申し上げますと、やはり被覆管の損傷という問題、これはいろいろな専門家からお話の出て いるところです。燃料ペレットの膨張、被覆管との接触、ペレットから放出される放射性ガスで内圧が上昇する、被覆管の温度上昇と内圧による膨張、そして破損へという、一番心配な場合はこういう問題があるわけですよ。 フランスの原子力安全防護研究所の実験炉による高燃焼度燃料の事故時の安全性確認試験では、一部の核燃料が破裂したということも伝えられておりますが、こういう状況についてはつかんでいらっしゃいますか。
○間宮政府委員 我々が承知しておりますのは、過去の例でMOX燃料特有でそういう事例があったということは承知しておりません。
○吉井委員 原子炉内で燃料にピンホールがあくような事故でもこれは大変なんですよ。ですから、それはそれで、それ自体が要注意ということなんですが、燃料被覆管の破裂など、破損事故などはあってはならないわけで、それは、他のやり方でとにかく閉じ込めましたから大丈夫ですとか、その話で成り立つものじゃないわけです。 次に、炉心溶融などの過酷な事故が発生した場合、原子炉内に蓄積された放射性物質が大量に大気中に放出されるというときに、揮発性希ガス、沃素、セシウム、アクチニドの放出が問題になるわけですが、ウラン燃料のときとMOX燃料のときでは、アクチニドの放射性レベルはMOXの方が高くなりますし、アクチニドの炉心内内蔵量も多くなる。だから、過酷事故についての検討というのは一層厳しく考える必要があるというふうに思うわけです。 その点で、これも資料をいただいたのですが、炉心内のピーク時のプルトニウム量を、持ってきていただいた原子炉安全基準専門部会で検討をされたそのための資料の中にありますが、BWR八十万キロワット級で千九百兆ベクレル、「もんじゅ」が二千百兆ベクレルで、PWRで二千四百兆ベクレル。つまり、「もんじゅ」並みのプルトニウムの蓄積ということがあるわけです。 八一年七月二十日の原子力安全委員会の決定によると、プルトニウム燃料を使った場合の原子炉の立地評価上必要なプルトニウムに関する目安線量という中では、原子炉立地審査に際してある適当な距離を判断する際の目安線量をとる、これを考えるということになっているわけですが、私は、これは非常に大事なことであって、やはりここで問題があったときに、原子力災害に対処する地域防災計画を考えるときにも、それからそれに先立つ立地の段階ででもこの点は非常に大事であって、ですから、「もんじゅ」並みのプルトニウムの蓄積があるということは、これはやはりプルトニウムを扱う施設としてのものとして検討をしていく。 この点では、大分時間がたってまいりましたから、ここで原子力安全委員長にお聞きしておきたいのですが、これまでの動燃の相次ぐ事故の中で、審査がずさんであったり不十分であったり追認するだけだったということで、随分、原子力安全委員会に批判が厳しいときです。これはもうよくお聞き及びのことと思いますから、私、繰り返しませんが、国民は原子力安全委員会はちゃんと審査してくれると思っているのです。期待もあるわけです。安全委員会の姿勢が崩れてしまったら何を信じたらいいのかということになるわけです。ですから、今回のプルサーマル問題で動燃のときのようなことにならないように対処するべきだ。 そうすると、今回出ている話は、今後、次々プルサーマルを国内で十五基ぐらい実施しようとか、いろいろな話が今出ているときですから、やはり実証試験を行って、過酷事故の想定と防災対策などについても深い検討を行って、やはり安全審査という、少なくともそこは一つのよりどころになるわけですから、国民の皆さんのその期待にやはりこたえるというその姿勢が今一番大事じゃないかと思うのですが、この点、委員長にお聞きしたいと思います。
○佐藤説明員 安全委員会の姿勢という点につきましては、ただいま御質問のあったところ、そのとおりであると考えておりまして、そういう、国民の安全を守り、また期待にこたえるべく、私ども、毅然たる姿勢で審査に当たってまいりたい、かようにまず考えます。 それに関連いたしまして、若干技術的な点についても御質問がございました。 まず、先ほどお触れになった、これは実は午前中にも辻先生の方からも御質問のあったところでございますが、いわゆるプルトニウムに係る目安線量というもので、立地の、いわゆる離隔距離と私ども申しておりますが、離隔距離の判断をするという点でございます。 これは午前中も申し上げたところでございますが、現在、私どものところの原子炉安全基準専門部会におきまして、かなり長期間にわたりましたが、調査審議中でございます。調査審議はもう大分大詰めに来ておりますけれども、その報告を受けまして、さらにまたそれに対する意見公募等も行った上で私どもの態度を決めてまいりたいというふうに考えております。 それから、過酷事故関連でございます。 これは、軽水炉というものの特徴を踏まえますと、過酷事故と呼ばれております一連の事象がございますが、その事象の状況が基本的に変わるというところまではいかないというふうに考えております。ただし、当然のことでありますが、そこに介在いたします放射性物質の組成と申しますか、そういうもの等はもちろん十分に勘案してまいるということになろうかと思います。 それから、実証試験という点でございます。 これは私の極めて個人的な考えでございますが、海外に実例がないと実証されていないというのはいささかいかがなものかというふうに考えます。これだといつまでたっても日本は海外の後追いということしかできなくなります。(吉井委員「いや、国内でやればいい」と呼ぶ)はい。 そこで、しからば我々がみずから、日本の国民を守るために、そういう判断をするために何が必要かということを我々みずからが判断しなければいけないということかと思います。 どういうふうな科学技術的な情報を集めてそれを判断するか。これはそのものずばりというものである必要は必ずしもないと思います。さまざまな情報から十分な確信を持って判断できることであれば、それはそれで十分かと思っております。 余り具体的なお答えになっておらないかもしれませんが、現在申請されておりますMOXにつきましては、私ども、特にこれが日本で実用規模では初めてということでございますので、特段の注意を払って厳重な審査をしてまいりたい、かように考えております。
○吉井委員 時間が参りましたので、大臣には、最後、体制についてお聞きしたがったのですが、またの機会にしたいと思います。 ―――――――――――――
○大野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事中野啓昌さんの出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○大野委員長 辻元清美さん。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。 本日は、新しい大臣をお迎えいたしまして、今まで私が本委員会で取り組んでまいりました幾つかの問題につきまして、確認や質問を引き続きさせていただきたいと思います。 三つのテーマをしつこくこの委員会で質問しておるわけなんですが、まず最初には動燃の新法人への移行について、二つ目がプルサーマル計画について、そして三つ目が核物質の輸送に伴います地域防災対策について、時間が許す限りお聞きしたいと思います。 さて、一番最初に動燃問題なんですけれども、いよいよ新法人に移行するということで、前々回も私は質問しているのですが、やはりこの際、今まで動燃が持っていた負の遺産をきっぱりと解消していただきまして前に進んでいただきたいという強い希望を持ちまして質問をさせていただきたいんですが、人形峠のウラン残土問題なんですね。これは、私は四月十日に橋本前総理の方にも質問させていただきまして、地元の理解を前提に解決していきたいという前向きなお答えをいただいていました。 その後、事態が地元では進展しているようです。まず、問題になっています東郷町の議会で、六月十九日の本会議で、動燃が方面地区に放置しているウラン残土の方面地区保管は困難という結論を下したというふうに聞いているんですが、これはそのとおりでいいんでしょうか。中野さん、いかがでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 本件の問題につきましては、本当に、この十年、地元の皆様を初め、大変御迷惑をおかけしております。 おかげさまで、今先生御指摘のように、六月十九日、東郷町の町議会が、方面での処置が困難ということで、それを受けた形で、東郷町内での保管を受け入れるということもあわせて決議しておられるというふうに伺っております。
○辻元委員 ずっとこの問題を議論してまいりました。ところが、この町議会、四月二十七日ではまた当地区での保管を拒否し、地区外撤去を求めたのを受けて、最終的には、六月十九日に方面では困難と。これは今動燃の方も御確認いただいたところなんです。 ところが、この後それ以外の地区に保管場所を探すというような話になっているようなんですけれども、実際に地元の理解を得て保管場所を探すとなりますと非常にまだまだ時間がかかって解決が困難であるのではないかというようなことが予測されるんですが、動燃としてはどのような努力をなさっているのか。 これは、もとからただしますと、何回も私この委員会でも申し上げていることですけれども、一九五八年にウランの探鉱作業が開始されて、五九年に人形峠のウラン探鉱が始まり、十年間にわたり残土がたまりました。これは私が生まれる前からの問題なんですね。それで延々と解決されてこなかったというような問題です。 さてそこで、町議会に任せてしまう。もとは、一九九〇年には動燃側が撤去するというような取り決めというか約束もしていることです。そして今回も町議会側にげたを預けるような方向で、それで解決に向かったと果たして言えるのかというところを私は疑問を持っているわけです。その点について、動燃としてはどういう努力をなさっているんでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、この問題、私も先ほど申し上げましたが、十年来我々の問題として持ち続けてきたわけでございますが、動燃としましても、その間さまざまな努力をしてきたつもりでございます。 まずは、一義的には私どもの人形峠事業所にこれを運び込むために、岡山県の方にも何度かお願いをいたしております。私自身も、私も岡山の方にお願いに伺ったこともございます。 それから、先生も御案内かと存じますが、平成八年でございますが、私が役員としてこれを担当するようになりまして直ちにでございますけれども、この捨て石を、一時保管場所として、私どもの事業所の近くでございます、しかも鳥取県の中でございますけれども、三朝町にこれを運び出そうかという計画を立て、そして地元の皆様方にその御理解を求めるべく努力をしたこともございます。残念ながら、この二つともうまくいきませんでした。 その際に、三朝町の場所というのが県有地であったというようなことから、鳥取県にも御協力をお願いをし、そして鳥取県も、これは一緒になって解決していかなければいかぬなというふうに御理解を示され、そしてその後県が東郷町に何か東郷町として方法はないかということで御相談をなさり、最終的には、多少飛ばしますが、今先生がおっしゃいましたように、六月十九日に東郷町が、それでは我々の中で考えようという決議をしてくだすったものと思っております。 もちろん我々は、我々の手から問題が離れたんだということは決して思っておりません。ただ、現在のところ、東郷町がまず調整をするからその調整の結果に従って動燃はきちんと始末してほしいというふうに言われておりますので、それを待っておるところでございます。
○辻元委員 それでは、一番最初の御答弁の中で、実際に方面地区での保管は困難であるということをお認めになったと思うんですが、新法人になってしっかりと動燃が引き続きこの問題に積極的に解決に向けて取り組んでいくのかどうか、この地区の皆さんを中心にして、文書での取り決めをしたいというような申し入れもしているようなんですけれども、その件についていかがでしょうか。
○中野参考人 大変申しわけないのですが、私、文書で取り決めをしたいというのはちょっと承知しておりませんけれども、地区の方から、私が出席をしお互いに公開の場で討論をさせていただいた際に、この問題について、新法人になった場合にはどういうふうに対処するのかという御質問をいただき、その際も明快に私どもは、この事項につきましてはそのまま新しい法人に引き継がれ、この解決に努力していくつもりであるということを申し上げ、翌日の新聞にも大きく報道されているところでございます。
○辻元委員 そうしましたら、今そういうふうな取り組みをなさっているのであれば、今までは動燃とこの問題についての解決に向けての約束事は文書でございましたので、一九九〇年に結ばれておりますが、新法人になりましたら、私はやはりしっかりとした約束事を結び直した方がいいと思いますけれども、いかがですかね。新しくなるわけですから、新しい法人に。
○中野参考人 お答えいたします。 先生御存じのように、新法人の法律には動燃事業団法の負債その他をすべて引き継ぐと明記してございます。そういう意味で、法的にといいましょうか、それはきちっとした形になっております。 いずれにしろ、先生からそういう御提案がございましたので、監督官庁とも相談をいたした上でまた対応を考えていきたいと思います。
○辻元委員 私は、ぜひその方向で取り組んでいただきたいと思います。これはまた現地の動きがありましたら引き続き取り上げさせていただきます。 さて、二つ目はプルサーマル計画に関連して幾つか確認させていただきます。 インド、パキスタンの核実験以降、私も何回か核不拡散、プルトニウムの管理という点について質問させていただきましたが、きょうも幾つか具体的なことをこの際お聞きしておきたいと思います。 まず最初に、九カ国によって合意されましたプルトニウム管理ガイドライン、私も取り寄せさせていただいたのですけれども、それについて御質問したいと思います。 これについては幾つかの報道がなされておりまして、六月十七日の電気新聞報道、鈴木達治郎さんの報道なんですけれども、これによりますと、九カ国による民生用プルトニウムの国際管理のガイドライン十三条には、考慮すべき要素として、プルトニウムの資源としての価値、コスト、ベネフィットや予算枠、需給バランス、必要な在庫レベルなどが列挙されています。また、透明性向上の一環として、プルトニウム管理、利用政策、在庫量、使用済み燃料に含まれるプルトニウム量などを毎年公表することとする、これは十四条、というふうに報道されているんです。 ここでちょっと確認しておきたいんですけれども、これは報道ですので、この合意されましたプルトニウム管理ガイドラインの内容には、需給計画やバランス、それからまた、必要な在庫レベルと毎年の在庫量を公表するということになっているんでしょうか、いかがでしょうか。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘のIAEAのプルトニウムの管理のガイドラインにつきましては、具体的には今十三条とおっしゃいましたが、ちょっとそのあたりを少し詳しく敷衍させていただきたいのでございますけれども、その十三条におきまして、いわゆる加盟各国でございますけれども、各国はプルトニウムの管理を実施することについて一定のコミットメントをきちんと行う、そういったことを行うに際しましては以下の点を考慮をするということでもちまして、今先生がおっしゃいましたようなことをもう少し具体的に申し上げますと、「需要(合理的作業在庫の需要を含む)と供給を実施可能な限り速やかにバランスさせることの重要性」、これを考慮してということが書かれてございます。 それから、先ほどおっしゃいました、当該物質の資源的価値、費用、利益並びに所要予算、こういったことも書かれてございます。
○辻元委員 ということは、特に需給バランスというか、需給計画というのは非常に重要視されているということですね。 その中で、さらにちょっと幾つか具体的な点をお聞きしたいのですが、一九九七年、昨年の末で日本の所有する核分裂性プルトニウムは、イギリスに二・五トン、フランスに十・三トンの合計十二・八トンということになっているかと思うのですが、今回MOX燃料加工に使用する核分裂性プルトニウムということで、これは東京電力、関西電力、それぞれ何キログラムずつなんでしょうか。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 まず、東電の方でございますけれども、東電の方の福島第一の三号機用につきましては百四十五キログラム、プルトニウムのフィサイルの量でございます。それから、同じく東電の柏崎の方の三号機用につきましては百三十七キログラム。 それから、関西電力の方でございますけれども、高浜四号機用約二百キログラム。それから、高浜の三号機用につきましては未定でございます。
○辻元委員 そうしますと、引き続きこのプルトニウム量について質問したいのですけれども、長計、長期計画に基づく二〇一〇年までのプルトニウムの需給バランスが公表されておりますけれども、二〇〇〇年までは、今回の東京電力、関西電力、合計しますと四基になりますね、MOX燃料を利用していくことが計画されています。この中で、東京電力、関西電力四基分のMOX燃料加工に使用する核分裂性プルトニウム量は、今度は二〇〇〇年までに累積でそれぞれ何キログラムになっているのでしょうか。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 二〇〇〇年までということでの累積ということにつきましては、今のところ、実を申しますとはっきりいたしてございません。 先ほど申し上げました、いわゆる初装荷といいましょうか、一番最初の燃料、それの今加工に入っているわけでございますが、そのときのプルトニウムの量というのははっきりしておるわけでございます。それ以降、一九九九年に入れたものの、その次をどういうふうにするのか、どのくらいの量でいくのかということにつきましては、現時点におきましてはそのはっきりした数字を確定し得る段階にはございません。
○辻元委員 今、二〇〇〇年までの件についてははっきりしていない、この四基分についての現在のことについてはわかるということなんです。そうしますと、この後、プルサーマル計画、そしてプルトニウムの管理ということの中で需給バランスをどうとっていくのか、そして、需給計画をどのように日本は持っているのかということを国際社会の中で明らかにしていかなければいけないという合意もございますし、そこが一番重要であるというような指摘も先ほどなされた中で、どのような方針をとっていかれるおつもりなのでしょうか。
○青江政府委員 まず、一九九五年八月に出しました、私どもが発表いたしましたプルトニウムの需給見通しがございますが、これにつきましては、御案内のとおり、その後の事情、いわゆる「もんじゅ」のトラブルでございますとか、動燃再処理工場のトラブル、こういった諸事情がございまして、今のところ、大変申しわけないのでございますけれども、それをリプレースするような段階にございませんで、どうにか先行きの見通し、所要のいろいろなエレメントがございますので、そういったものがある程度見通しが立つ段階でもちまして、私どもとしましてはきちっとしたものをつくっていきたいというふうに考えてございます。それが、今の段階では十分な確たる見通しを持ち得ないというのが一つございます。 それからもう一つ、今先生数字をちょっとお挙げになりましておっしゃいました。いわゆるヨーロッパに十数トン、プル総量で十九トン今あるわけでございますが、どのような形でそのプルトニウムを使っていくのかということ自体につきましては、これはプルサーマルでもちまして順次使っていくということ自体につきましてははっきりいたしておるわけでございまして、そのような形でいわばその量というものを使用していこうという考えに立ってございます。
○辻元委員 その方針は何回もお聞かせいただいたのですが、そこのところで具体性を持って、どのようにこのプルトニウムを処理していくのかというところが大事だと思うのですね。 先ほど、ヨーロッパには、実際には、私が先ほど示しました数字ですと一万二千八百キログラム。このうち東電、関電の使うと言われている量、今お聞きしましたのを計算しますと四百八十二キロなんですね。随分たくさん残っていますね。 実際にこの四基でということで二〇〇〇年の計画もいまだ未定である、どれぐらい使えるかわからないという御答弁だったのですけれども、それでは、このプルサーマル計画によってプルトニウムを消費していくということはおっしゃるわけなんですが、具体的なプランがないということは明らかなんじゃないでしょうかね。そのように思うのですけれども。
○青江政府委員 お答え申し上げます。 先ほどプル量で、ヨーロッパに十二・八トン今あるということを先生おっしゃいましたが、実は一番最初に申し上げました百四十五キログラム、これが今ベルギーにございますので、プラスしなければなりません。ということで、先生のあれからすると、もっと多くなるわけでございます。それをどのように使っていくのかということにつきましては、プルサーマルというものでもって使用していくのだということをお答え申し上げました。 それにつきましては、御案内のとおり、昨年の二月の閣議了解でもちまして、プルサーマルというものを順次展開していくのだという政府の基本方針がある。それを受けまして、電気事業者が二〇〇〇年まで、二〇〇〇年初頭、二〇一〇年まで、それぞれどういうふうな基数でもちましてプルサーマルを展開していくかということにつきましての具体的な計画をおつくりいただいてございます。これをベースにいたしまして、具体的には確かに、数値そのもの、初装荷燃料は百四十五ですよ、その次は何キログラムですかという、その数値そのものは今の段階ではまだお示しできる段階にはございませんけれども、それをそのような形で順次プルサーマルでもって展開をしていくんだということ、そのものにつきましては、そういう形で方向づけといいましょうか、方向というのは明確になっておるのだというふうに理解をいたしてございます。
○辻元委員 今、ベルギーのプルトニウムのお話も出ましたけれども、これも前のとき私質問いたしまして、これは日本との間では取り決めしがなくて、これは前のときにちょっと問題で指摘させていただいた点なんです。 このベルギーにある、移動されたプルトニウム量、これは原子力白書でしたか、あそこにベルギーという項目はないのですよね。これもまた後で指摘しようと思っていたのですけれども、フランス、イギリスについてはあるわけですが、イギリス等々から移動されたものに対しての公表がなされていないのですね。ですから、これもちょっと後でまた詳しく申し上げたいと思いますので、きょうの質問の中ではこれはちょっと取り上げずに、別で、それは後でまた指摘させていただきたいと思います。 ということで、私は、前回もこの件について、需給バランス、それから需給計画、何回聞いても理解できないのですね、どのようなことになっているか。という中で、このプルサーマル計画が見切り発車であるとよく報道もされますけれども、果たしてそれを否定することができるのかというふうな疑問を持たざるを得ないし、そういう点については、きょうまたこのキログラムを聞きましたので、これを前提に、また次の回で質問したいと思うのですね。 さて、もう一つ、同じプルサーマル計画につきましてお伺いしたい点があります。 それは、先ほどから出ておりますけれども、安全審査の件です。実際に、先ほどから立地審査等についても御答弁がありました。この立地審査、安全審査、本当に大事だと思うのです。 といいますのは、前の動燃のアスファルト固化施設の爆発事故のときにも、どのような安全審査が行われたのかということが当委員会で非常に問題になりました。このときの御答弁の中に、このような事故は想定されていなかったのではないかというような話もあったわけです。まさか爆発するとは思っていなかったというようなことが出てまいりました。 さて、その中で、今度実際には、報道では、先ほどからも何人かの方が取り上げていらっしゃいます、「関電高浜原発 審査「もんじゅ」並みに」という文字が躍っておりますけれども、そうしましたら、この立地審査を行う場合に想定される事故はどのようなものを想定して立地審査を行うのか一ここのところは非常に大事になるかと思うのですけれども、お答えいただけますでしょうか。
○間宮政府委員 お答え申し上げます。 事故につきましては、いわゆる設計上考え得る最大のものといたしまして、重大事故というものと仮想事故というものがございますが、この二つにつきましては、今回の立地審査におきましても審査をするということでございます。
○辻元委員 そうしましたら、重大事故、仮想事故というのはどのようなものなんでしょうか。
○間宮政府委員 お答えいたします。 重大事故と申しますのは、事故の中から技術的に最大と考え得る放射性物質の放出量を想定いたしまして、例えば原子炉の冷却材喪失であるとか、あるいは蒸気発生器の伝熱管破損であるとか、そういうタイプの事故でございます。 仮想事故と申しますのは、この重大事故よりもより多くの放射性物質の放出量を仮想した事故でございまして、原子炉の冷却材喪失のほかに、主蒸気管の破断であるとか、そういうものでございますが、レベル的には重大事故と仮想事故はほとんど同じでございます。放射性物質の放出量を想定するかどうかの違いでございます。
○辻元委員 この件は、先ほどから何人かの委員の方が既に質問しておりますので、これだけにとどめさせていただきます。今のその事故の点は確認したかったのですね、どういうふうにしているかということは。 それからもう一つ、核物質の輸送に伴います地域防災対策についてお聞きしたいと思います。 実際に輸送中に事故が起こった場合は、事故対策を行うのは、これは一々国が霞が関から走っていくわけではなくて、事故現場が属する地方自治体の警察もしくは消防であるということになるかと思います。 そこで、まず最初にお聞きしたいのは、輸送情報の公開については、現状ではどのようになっているのでしょうか。自治体との関係でお聞きしたいのですけれども。
○間宮政府委員 お答え申し上げます。 核物質輸送の情報の件でございますが、輸送時に事業者が、原子炉等規制法に基づきまして都道府県公安委員会に届け出を行うということになってございまして、自治体に対する輸送情報の提供はこういう形でなされるということになっております。 なお、都道府県の公安委員会は、日時、経路等につきまして指示を行うことができるということになってございます。
○辻元委員 そうしましたら、次に、輸送沿線の各自治体に対しまして、この核物質の輸送事故時の対策を立てておくようにというか、国としてはそのような、一緒に対策を立てるとかガイドラインを決めるとかする必要が、これはもう当然生じてくると思いますが、現状ではどのようになっているのでしょうか。
○間宮政府委員 お答えいたします。 輸送にかかわる情報につきましては、これは、対象が核物質でございますので、核物質防護の観点から、その取り扱いについて慎重を期する必要がございます。もちろん必要最小限の範囲ということでございますが、非公開扱いということがございます。したがいまして、沿線の方には必ずしもあらかじめ情報が行くということになってございません。 しかしながら、核物質の輸送に当たりましては、原子炉等規制法に基づきまして安全確保の十分な措置が講じられている、かつ、万一事故が起きた場合にも、必要に応じまして消防機関を初め関係機関へ通報が行くということになっておりますので、十分対応ができると考えております。 以上でございます。
○辻元委員 そうしますと、今の通報が行くというのは、どこから通報が行くのでしょうか。
○間宮政府委員 輸送をやっております事業者でございます。
○辻元委員 ということは、確かに核物質防護の観点から、一般にばっとオープンになってしまうのもいかがなものかと思いますが、その自治体で万一事故が起こったときに速やかに対応できるような、それぞれの自治体ではそのような対策をしっかりしているということを国が確認しているのかどうかということを先ほど私は質問したのですけれども、それはいかがなんでしょうか。 そうでないと、万一起こったときにその対策が講じられていなかったら、これは大変なことになりますが、いかがですか。
○間宮政府委員 先ほど申し上げましたように、まず法令に基づきまして十分な安全性が確保されてございます。もちろん、万一のことで事故が起きるということは想定はしてございます。 その場合には、事業者は、直ちに放射線障害の防止のために必要な措置を講ずるとともに、最寄りの警察機関、消防機関等に通報しなければならないということになってございます。それと同時に、この事業者の措置が不十分な場合につきましては、科学技術庁、運輸省は、法令に基づきまして、事業者に対し災害防止のために必要な措置を講ずることを命ずることができるということになってございます。さらに、事故時には、関係省庁によって構成される事故対策会議を開催して、専門家を事故現場に派遣するなど、関係省庁が密接な協力をするということになってございます。 こういうことで、万一の事故に対しても迅速に対応し、所要の措置をとることができる、こう考えております。
○辻元委員 最後に長官にお聞きしたいと思います。 安全性の問題、非常に重要になってくるかと思うのですが、私の今三つ目の最後の質問に関しまして、自治体との関係ですね。自治体にとってはどのような対策を講じたらいいのかというのは、国がしっかりイニシアチブをとっていかないとな かなかできないと思うのですけれども、自治体の方から事故時の対策の立案について相談があった場合、国は積極的に協力していくべきであると私は考えているのですが、長官、いかがでしょうか。
○竹山国務大臣 辻元委員の御熱心な考察に基づいた御意見を先ほどから拝聴しておりまして、今の御懸念につきましても、基本的には、余剰のプルトニウムを持たないという我が国の従来からの原則のもとでの核燃料のリサイクル計画を進めてきているわけでございまして、あらゆる面でこの原則を堅持することはもとよりでありますし、地元住民、国民の皆さん方の心配がないように、自治体との連携も当然十分にとっていかなければいけないと考えております。
○間宮政府委員 今大臣の方からお答えいただきましたが、本件につきましては、冒頭申し上げましたように核物質防護という観点がございまして、もちろん我々としては非公開というのは最小限にとどめたい、これは原則でございまして、地方自治体から御要望がございました場合、もちろん前向きに対応はいたしますが、これは国際条約から来るいろいろな制約がございまして、最後の一点のところだけはお聞きできないかもしれません。 以上です。
○辻元委員 それでは、時間が参りましたので、これで終わります。 ありがとうございました。
○大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会