労働・社会政策委員会 第5号
- 発言数
- 258 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/02/05
会議録
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三日、長谷川清君、今泉昭君及び阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君、勝木健司君及び都築譲君が選任されました。 また、昨四日、佐々木満君及び都築譲君が委員を辞任され、その補欠として阿部正俊君及び戸田邦司君が選任されました。 —————————————
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○海老原義彦君 本日は、衆議院から送付された法案の関係につきまして専らお尋ねいたしたいと思っております。 私がきょう伺いますのは、かなり細かい問題も含みまして、いわば立法趣旨、立法者意志を明確にするとかそれから、これは議員立法でございますから、役所側の解釈、運用方針などというものは恐らく出ないと思いますので、ここでできるだけ公定解釈的なものを固めていくということも必要かと思います。そういう意味で、かなり細かいことにわたって御質問をしていきたいと思うわけでございます。 さて、そうは言っても非常に大きい問題もございますので、第一問はその大きい問題だったんですが、まだ答弁者がおそろいにならないようでございますので、第一問は後にしまして、細かい問題から始めます。 これは、一昨日も猪熊先生から出た質問でございますけれども、第二条の第二項関係でございますが、市民活動団体というものの定義につきまして、柱書きには「市民活動を行うことを主たる目的とし、」と書いてあって、同時に二号のイあるいはロにおいて、こうこうこういうことを「主たる目的とするものでないこと。」と、こう書いてあるわけでございます。片方を主たる目的とすれば、もう一つは主たる目的となるはずがないというのが猪熊先生の質問の趣旨でございまして、私も全く法論理的にそのことを一度解明しておかにゃならぬなと思いますので、論理の問題でございますから、これは衆議院法制局から御答弁いただきたいと思います。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) まず、「目的」という用語についての問題になるわけでございますが、これはそのニュアンスも含めますと法律上さまざまな意味に用いられておるわけでございます。大別いたしまして、日常用語でも用いられる目標とか意図といったこと、あるいは得ようとする目当てといった意味に用いられる場合と、これは特に法人に関する特別の法律用語としての使い方でございますが、定款に定める目的というように、当該法人の行う事業活動の範囲という場合の二通りの意味で用いられることがあるわけでございます。 今御指摘の二条二項本文の「市民活動を行うことを主たる目的とし、」ということ、及び二条二項二号イ及びロの宗教上の教義を広めることを「主たる目的とするものでないこと。」とか、あるいは政治上の主義を推進し、支持し、反対することを「主たる目的とするものでないこと。」といった場合の「目的」は、今申しました後者の意味でございます。 したがいまして、御指摘の本法案の二条二項本文の「市民活動を行うことを主たる目的」とするということは、別表に掲げる十二項目の活動を当該法人の行う主たる事業活動とするという意味になるわけでございます。 この場合、そのような別表に掲げる活動である事業活動が、それ自体として同時に布教活動に当たる、または政治上の主義の推進に当たると評価されることが論理的にはあり得るわけでございます。 実際上は少ないと思われますけれども、例えばある団体が、特定の政治的イデオロギーを推進する「国際協力の活動」、別表第九号に掲げてございますが、これを主として行っている場合、これは主として政治上の主義を推進していると評価されると同時に、主として国際協力の活動を行っているとも評価されるわけでございまして、こういう例に見られますように、こういう団体は市民活動法人としてふさわしくないのではないかというのがこの二条二項二号イ及びロの規定でございます。 したがいまして、主たる目的を、先ほども申しました第一の意味の主たる意図といったような意味で用いる場合には、ある一つの主たる目的、すなわち主たる意図を持った活動が同時に同じレベルで別の主たる目的、主たる意図を持った活動であるということは考えられないわけでございますから、御指摘のように論理矛盾となるわけでございます。今御指摘の条項に言う「目的」というのは、異なったレベル、観点からとらえることができる事業活動を意味する法律用語であるということでございますので、論理矛盾となっているわけではないというふうに考えております。
○海老原義彦君 大変難解な説明でございますが、お話を伺っているうちに大体感覚的にはわかってまいりました。 例えて言えば、小さな子供に、ママとケーキとどっちが好きと聞くと子供は困ります。ママにかわいがってもらいたいという気持ち、それからケーキを食べたいという気持ち、どっちかに絞れというのは無理だと。全くそれと同じような話だなと、変な例え話で恐縮ですが、そんなふうか理解でよろしいんでございましょうか。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) 要するに、この目的を事業活動というふうに考えておりますものですから、異なったレベル、観点からとらえる、評価するということができるので、異なった観点から見るとその活動が主たるものになるし、別の観点から見ればそちらの方が主たる目的になるということがあり得るということでございます。
○海老原義彦君 幾つかの観点から見れば幾つかの主たる活動があり得る、主たる目的を一つに絞ることはできない。あたかも子供に好きなものを、ママかケーキかという無理な選択をさせるのと全く同じように、一つに絞れということはできないという意味で了解いたしました。 次の質問に移ります。 引き続き二条二項関係でございますが、二号のイにつきましては、これは宗教団体の反発は非常に強いんです。この法案では宗教の概念規定がない、行政に宗教の評価をゆだねることになるんじゃないか、憲法二十条に定める信教の自由に反する規定である、削除すべきだ、こういう意見があるんですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 先般の当委員会における質疑でもお答え申し上げましたように、本条項は憲法二十条の保障にかんがみまして、宗教法人という法人格取得の道が別途宗教法人法によって用意されておりますので、特に宗教というものを配慮して、宗教法人とのすみ分けという趣旨で規定をいたしたものでございます。 すなわち、宗教団体の持つ特性及び信教の自由を保障した憲法二十条にまさに配慮したものでございます。また同時に、これは主たる目的として行えないということでありまして、従たる目的で行っていただくことには一向に差し支えないわけでございます。 こういう観点から考えますと、今、宗教の概念規定がなくという御質問でございましたけれども、この表現は基本的に宗教法人法二条を踏まえたものでありまして、概念として明確になっていると思いますし、また認証に当たっては基本的に誓約書のみをもって判断いたしますので、行政庁の恣意的な運用がなされるということはないというふうに判断いたしております。
○海老原義彦君 今、非常に明確な御答弁をいただきました。要するに結論としては、憲法二十条に違反するというような問題は一切包含しないのだ、立法者としてはそのことは確信を持っておると、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘のとおりでございます。憲法二十条に違反するものは全くないというふうに判断いたしております。
○海老原義彦君 ロとハにつきましても、同じように憲法二十一条の政治上の思想、信条の自由であるとか表現の自由であるとか、そういったものに抵触するぞという話がございますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 本規定におきましても、憲法上の政治活動の自由というものが憲法二十一条で保障されており、大変重要な権利でありますから慎重に考慮すべき問題でございまして、非常に簡単な要件でもって法人格を取得できる種々雑多な市民活動を行う団体一般に関する規定をもって規律することにはなじまないという考えで私どもはこの条項を置いているものでございますし、またそのような政治団体によってこの法人格が利用されるというような事態も想定される場合もあるわけでございまして、こういうことは望ましくないという観点から設けておるものでございます。 すなわち、本条項は政治活動の持つ特性及び政治活動の自由を保障した憲法二十一条にまさに配慮したものであって、これらの団体について差別的な取り扱いをしようとしたものではございません。また同様に、主たる目的として活動する団体ではないということでございまして、従たる目的として行う団体としては市民活動法人の資格をとれるものでございます。
○海老原義彦君 このロとハを通じて憲法二十一条違反かという問題、殊にハについてはこれからもなかなか厳しくなるのかなという気がいたしますけれども、少なくとも立法者の意図は憲法二十一条に反するようなことではないと。 これは結局、運用の基準にもなっていくと思いますので、少し細かい運用の具体的な例について、この場で急にしっかりした御答弁をいただくのも困難かもしれませんけれども、できるだけ確かめていきたいなと思うわけでございます。 例えばハに関連いたしましては、演劇の関係者の方からこんな問題点が指摘されておるんです。 この法律で認証されて法人となった。今、劇団はなかなか法人格をとれないので苦労しておりますけれども、だから営利法人になったりいろいろと考えておるようでございますが、この法律ができれば喜んでこの法律の法人になりたいと。それは十二項目のいずれかにはまるということであれば、当然できるだろうと思います。 法人格をとった場合に、これは別表の四号に当たるんでしょうか。その公演活動の中で演劇の登場人物が政治の批判を行うというような場面があった、政治批判が出た。それは特定の政党に反対するとか特定の政治家に反対するとかいう運動が出たぞということで直ちに問題にするというようなことがあるのではないかという危惧を抱いているわけですが、その点はどうでございましょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 御指摘の点でございますが、そもそも第二条二項二号ハの趣旨というものが特定の公職の候補者等の当選を目指す、あるいは落選を目指す、そうした個人攻撃的なもの、いわゆる選挙運動あるいはそれに類似するような政治活動のために市民活動法人が利用されては望ましくない、こういう観点に立っておるわけであります。 このような政治活動といいますか、そういう活動というのは憲法上の政治的活動の自由の保障という中でさらに別個の法体系があるわけでありますから、この中に位置づけられていくべきものであろうと考えておるわけでありまして、これから市民活動法人を健全に育成していこうという点に立ちますと、市民活動法人の中にそういうものを加えるということは望ましくないという位置づけにあるわけであります。 今御指摘がございました市民活動法人をとった演劇団体等が劇の中で政治批判をしたというようなケースが、今申し上げたような個人攻撃に当たるか当たらないか、こういうことを考えていかなきゃいけないだろう、こういうふうに思うのでありますが、劇の中では往々にして世相を風刺する、政治批判をするということは現実にはある。政治家が推進している政治的施策を支持するとか反対するとかそういう政治的風潮に対する主張が出てくるということはあるわけでありますが、通常、本条項が制限しております個人攻撃に当たらないような場合、あくまでも演劇全体の趣旨を踏まえて、世相を風刺したというものであればこの法律に定めているものに該当しない、こう思うわけであります。 例えば、今行われている選挙に対して、その劇の中で直接それを指摘するとか、そういうようなことが起これば明らかにこれは個人攻撃になりますし、現職の政治の行われているそのものを批判するということになりますと、一般的な政治批判的風潮、世相を風刺するというものから出ておるんではないか、こういうふうに思われますので、この辺の活動がいわゆる選挙活動とかあるいはそれに類する政治運動に当たるかどうかということを判断することになるのではないか、このように思います。 そのような趣旨でこの立法はされておるわけであります。
○海老原義彦君 具体的な事例そのものではないという限界のもとで、できるだけの御答弁いただきましてありがとうございました。 今の御答弁の中で、選挙の際の政治活動に当たるようなもの、確かにこれはぎりぎり見ればわかる話でありまして、選挙のときにあいつを落とせ、あいつを通せというようなことが、たとえ演劇活動の中でも出てくるのはまずいだろうという御指摘もございました。それは、流れの中でどの程度のウエートを持って出てくるかということもまたかかってくるんだろうと思うんです。 さて、ただハは選挙に限定したものではないんです。ここら辺は政策の問題でございます。選挙に限定するのか、選挙に限定するといっても選挙の前、後の長い期間を通じて選挙とのかかわりはあるので、どういう限定の方法があるのかなんて大変難しい問題もあると思います。 いずれにせよ、今は政策の問題として、選挙に限定せずに考えておる、選挙に限定するもしないも政策の問題である、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○衆議院議員(河村建夫君) 今、委員御指摘の考え方で結構だと思います。
○海老原義彦君 さて、答弁者おそろいになりましたところで、一つ大きな問題をお聞きしたいと思うんです。御意見をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。 きょうは、細かい言葉の問題についていろいろと議論するつもりでございますけれども、その前に、まず一番大きな言葉について申し上げたい。 言葉というのは、非常に大事でございます。「初めに言葉ありき」と、聖書の言葉以来、西洋の哲学でも言葉というものをいろいろと考えておるようでございますが、このごろの流れの中では、どうも言葉というのは思想を表現する道具ではなくて、言葉そのものの中に思想が含まれておるというような流れがあるようでございます。我が国におきましても、昔から「言霊の幸わう国」と言われておりまして、言葉の持つ一つの力というもの、これは今でも否定できない。 そういった意味から、これは我が国だけじゃない、諸外国でもそうだと思います。例えば、フランス人がリベルテと言うときに、これは私どもが受け取る単なる自由という意味ではなくて、その背後にはやはり国民の血と汗に彩られた三色旗がひらめいておる、ラ・マルセイエーズの高い響きがうねっておる、そういうことだろうと思うんです。 それと同じようにといっては、多少違うかもしれませんけれども、市民活動というものが第三セクターとしての地歩を占めてきたこの長い歴史を踏まえて、市民活動という言葉自体も一つの思想をその中に包含しておる。ここで思想と申しますのは、政治的な主義主張とかいったものではありません。全くノンポリティカルであっても、ともかくそれなりの一つの思想を包含しておる。そういう意味で、もう立派な言葉になっておると思うんです。そういう立派な言葉であるだけに、この法律の中で市民活動という用語を使う場合にいろいろな問題を提起するのではないか。 今私が考えております問題点、二つばかりございますけれども、一つはそういうふうな市民活動の思想というものと全く別のところから動き出しておる同じようなNPO活動をやっておるものもある。そういうのは本来、市民活動の中に包摂すべきではないかという議論もございますけれども、それはあくまでも市民活動の側でなさるべきことでありまして、国が関与すべき話ではない。国がそういうものも市民活動に包摂する、国が法律でもってひっくくってしまうというのはいかがなものか。 それからいま一つは、この法律では民法三十四条の特別規定であるということから十二の活動に限定しておるわけでございますが、それを市民活動と定義することによって市民活動そのものが非常に矮小化された定義になって、市民活動自体にもそぐわないのではないか。 そういう二つの疑問が出てくるわけでございますけれども、その点についてどのようにお考えになりますでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の点、言葉の問題ということですが、この法案は市民活動促進法案という名前と、通称NPO法案という名前で親しまれております。どちらかといいますと、最近ではNPO法案という名前で呼ばれることが多いかと私は考えております。このNPOといいますのはノンプロフィット・オーガニゼーションということで、これは国際的にも非営利の活動全般を指すものと言われているところです。 そこで、今委員の御指摘の部分は、この言葉の問題は本当に私も大切にしなければいけないなと思いながら拝聴していたわけなんですが、実際にこのNPOという非営利の活動、非営利の概念というのは、余剰金をそれぞれの役員等に配分しないという原則にのっとっている団体であればすべてこのNPO、ノンプロフィット・オーガニゼーションに入るわけなんです。 ということになりますと、今度、市民活動というのはどういう定義であるかといいますと、これは市民による自発的な活動全般を指すものというようになります。そうしますと、このNPO活動といわゆる市民活動全般ということの関係になりますけれども、NPO活動はいわゆる市民活動に限定されるものではなく、NPO活動の方が広い概念ではないかというふうに言われております。 そういう意味では、この法律の名称等も含めましてこの委員会で一番ふさわしいもの、そして活動が活発になるものをぜひ皆さんで御審議いただく過程で考えていただければいいかと、私たち発議者の方では思っております。 また今、この法律の十二項目の列挙という御指摘もありました。これは、私たちがこの法律をつくる折に、いわゆる市民活動として行われているさまざまな団体へのアンケート調査やいろんな調査に基づきまして、実態を勘案して拾い出したものです。 ただ、この折に、先ほど委員も御指摘がありましたように、どうしても民法とのすみ分けという問題がありましたので、私たちの法案はこの活動内容についてということですみ分けを行わざるを得ませんでした。ただ、発議者としてこの法律をつくっていくに当たりまして、市民活動全般をカバーしたいということでほぼ拾い出したつもりであります。 ですから、今御指摘のような矮小化するものという意図でつくったものではなく、できるだけこの十二項目を活用していただきまして、あらゆる市民活動の方にこの法律を使っていただきたいという気持ちでつくりましたし、そのように配慮して拾い出してあると思いますので、矮小化するものではないというふうに私たちは考えておる次第です。
○海老原義彦君 前段についてありがたい御理解をいただいて、ありがとうございました。 最後の点の矮小化という問題につきましては、私も先生と全く同じ意見でございまして、矮小化する形式をとっておるので矮小化するものだという誤解があるけれども、それは恐らく誤解であろう。ほとんどすべてのNPO活動が実はこの十二項員で大体読めるはずなんじゃなかろうかな、全部読めると確言できないけれども読める。もしそれでどうしても読めないぞというものがあったら、それは今後また検討の機会もあることであるから、先生方の意図として別に矮小化しようという気がないことはもちろんでありますし、現実にもそんなに矮小化するようなものではないだろうということは私も全く同感でございます。 ただ、法律の用語として市民活動というものをこういうふうに定義すると、法律の便宜上の定義があたかも市民活動そのものの意味だというふうになって、せっかく積み上げてきた市民活動の思想を阻害するようになるかもしらぬなという危惧はあるわけでございまして、先生おっしゃいますように、NPO活動というのは本来非営利活動でございますから、それで十二項目ということを頭に置いて考えれば特定非営利活動とでも呼ぶのがいいのかかという気が私はするわけでございます。 さて、この問題はその程度にいたしまして、次に入ります。 逐条的に質問を進めていきたいと思います。まず九条でございます。 九条一項で、「市民活動法人の所轄庁は、その事務所の所在地を管轄する都道府県知事とする。」とございます。ここで「管轄」という言葉を使っております。この法律全体としては団体委任事務であるということが十条の規定とかそのほか各所に見受けられまして、そういった各所の規定から考えるに団体委任事務であるということは間違いないと私も理解しておりますが、九条はその辺が「管轄」という言葉でその理解がちょっと妨げられるような気がいたしますが、そこら辺はいかがお考えでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 海老原先生御指摘のとおり、この九条一項の所轄庁の事務は、第十条などにおきまして提出書類の書式等を都道府県の条例でもって定めることにいたしておりますので、団体委任事務でございます。これは地方分権の推進という考え方に基づいておるわけでございます。 こういったことから、私どもは本法案を作成いたしましたときに、「事務所の所在地を管轄する都道府県知事」という文言で、「管轄」というのは特別な意味があるというような誤解を受ける表現ではないと考えておりますけれども、ただこれは表現の問題でございますので、もっといい表現があればそれにこだわるものではございません。
○海老原義彦君 ありがとうございました。 次、十条関係へ移ります。 十条で、今、先生御指摘になりました総理府令、「前条第二項の市民活動法人以外の市民活動法人に係る場合にあっては、都道府県の条例。」。要するに、基本的には都道府県の条例で、二以上の都道府県に事務所があるものは総理府令で定めるところにより申請書を所轄庁に提出して認証を受けるという規定でございますけれども、この場合の総理府令なり条例の定めはどんなことを定めるのを予想しているんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 総理府令あるいは条例、これは経済企画庁の主任大臣であります内閣総理大臣あるいは議会が定めることになるわけでございますから、一般的なことで申し上げなければなりませんが、本法案の基本的な認識がその他の法人格付与法と異なっている。すなわち、できるだけお役所といいますか、それの恣意的な裁量を避けたいということもありまして、提出書類等についてもでき得る限り法律レベルで書き込んでいく、書き上げる、そういう姿勢で立案がされておるところでございます。 したがいまして、総理府令あるいは条例に委任されているのは、原則として提出書類の書式等細目的なことに限られるというふうに考えております。
○海老原義彦君 提出書類の書式等細目的なことというお答えでございました。つまり、申請書の書式であるとか、そのほか添付すべき書類、十条の一号から十一号までに記してあるようなこういった書類の書式であるとか、その程度のことでございますか。
○衆議院議員(河村建夫君) そうでございます。
○海老原義彦君 はい、よくわかりました。 さて、各号に入りまして、四号でございますが、「第二条第二項第二号に該当することを誓約する書面」とございます。 二条二項二号といいますと、先ほど伺いましたこのイ、ロ、ハに戻るわけでございまして、イは「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」、このことを誓約させるということにつきましては、これは宗教関係者は大変反発が強いんです。 それで、私はこの全体を見ておりますと、提出書類にほかに定款というのがございますね。この定款というのは次の十一条で定款には必ず目的を書けということが書いてあります。ですから、定款の目的には主たる目的は当然書かにゃならぬと思うんです。 先ほど法制局の説明で、主たる目的が複数あってもいいんだという御説明でしたけれども、複数ある主たる目的はすべて書くべきだ。教義を広めることも一つの目的であるし、また福祉活動をすることも目的である。福祉活動を行うことを通じて教義を広めるとか、もし主たる目的が宗教に係ることであるならば、そう書くのが当然の話であろう。そう書いてないのは、たとえ宗教団体が出したものであっても主たる目的には宗教関係は入っていない、少なくとも主たる目的には。主たる目的でないのは目的に書かないでやっているかもしれませんけれども、主たる目的であれば定款の中に書いてあるはずだとしたがって、ロについても同様ですけれども、このイ、ロというのは定款をとって、さらに誓約書をとるということはちょっととり過ぎではないかなという気がするんですが、その辺はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 委員のおっしゃっておられる誓約書といいますのは、御指摘のように政治活動や宗教活動が主たる目的ではないということを誓する書面でございます。これは、イとロを主たる事業活動とするか否かを問うているわけでありまして、精神、心の問題を束縛するというようなこととは全く違うものでございます。 また、確かに御指摘のように定款の目的に書かれるわけでございますけれども、その記載が、今委員がお話しありましたように、幾つかのものがある。これは、信教の自由あるいは政治活動、憲法上の保障の重要な問題でございますから、目的だけで判断するのではなくて、それが判断しにくいという場合も、実はふたをあけてみたら隠されたものがあってというようなことは困るわけでございまして、何かおかしいなというようなことがあったときに、所轄庁がその実態調査をしなくてはいけないというようなことになりますとこれは大変なことになりますので、そのために、原則として誓約書という書面のみで所轄庁が審査できるように、特に慎重を期して誓約書を求めているものでございます。
○海老原義彦君 書面のみで審査できるように書面をちゃんととるということ、これは非常に大事なことでございまして、そういう心配りがよく働いておって大変結構な法案を衆議院からいただいたと私も思っております。 ただ、誓約書をとり、さらに定款にも書いてないことを確認するという二重のチェックを、これは大事な問題だから二重のチェックをするんだということだと理解しますけれども、二重のチェックをするかそれとも一重のチェックでいいかというのは、これはあくまでも政策的な問題でございまして、二重チェックが論理上当然必要とされるという性質のものではないわけでございますね。
○衆議院議員(小川元君) 今、委員御指摘のように、これは政策的な判断でございまして、特に信教の自由、そして政治活動の自由というものは非常に重要なものであるから、政策的に考えて二重のチェックをする必要があるというふうに判断をしたものでございます。
○海老原義彦君 次に、この同じ十条の二項に縦覧の規定がございます。「申請書を受理した日から一月間、その指定した場所において公衆の縦覧に供しなければならない。」とございます。縦覧期間は一月という例も多数ございますし、長いものは二月という例もございます。通常、一月だろうということで一月に定めることとされたのだろうと思うんです。 これはやはり非常に重要な問題でございますから、他の先例で二月というのが宗教法人法とか商標法などにもございますけれども、そういう長期の例に倣うのもよろしいのかなとつらつら考えておるわけでございますが、その辺は立法者としての御意見はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 一月が短いか十分であるかというのは、これはいろいろ判断の問題があるかと思います。 それで、今、委員御指摘のように、他に一月という例もかなりあるわけでございます。また、短いのでは都市計画法十七条の都市計画の案の縦覧は二週間とか、あるいは一週間というものもあるわけでございまして、私どもが立法作業に当たりましたときには一月ということが妥当であろうと判断をいたしたわけでございます。 しかしながら、本法におきましては情報の公開というものが大変重要な要素を占めているわけでございまして、この縦覧期間の延長等新たな御提案があれば私どもとしてはそれは考慮させていただきたい、そう考えております。
○海老原義彦君 ありがとうございます。 次の設問に移ります。十二条関係でございます。 十二条一項一号の「設立の手続並びに申請書及び定款の内容が法令の規定に適合していること。」というのがあります。定款の内容については先ほど見ました十一条の規定がございますし、それから申請書は恐らく申請書の様式を定める規定を総理府令なり条例なりでつくれと、その条例だろうと思いますが、「設立の手続」というのはこれは何でございましょうか。設立の手続が法令の規定に適合しているというのはどういうチェックをするんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 例えば、設立の手続の際に、正規の所轄庁に認証を申請してあるかどうか、本法第九条、十条、特に事務所の所在地の問題が適正であるか。あるいは、添付書類が第十条に指摘されておりますが、それがきちっと正規のものであるかどうか、こういうことでございます。
○海老原義彦君 二号、三号とのバランスから考えると、二号、三号に重要なものだけ特掲して、それ以外のものは全部一号で読むんだということでございましょうね。 正規の手続がなされておるとすれば、今おっしゃった事務所の所在地などもはっきりわかりますよ、それから二十条、二十一条の規定に違反しないことも誓約書が出ておるからわかりますよと。重要なものだけ二号、三号に特掲して、その他のものは一号で拾おう、こういうことでございますね。そういう理解でよろしければ次へ進みます。 二号の「市民活動法人が第二条第二項に規定する団体に該当するものであること。」。この二条二項に規定する団体に該当するかどうかというのは、二条二項の項目ごとに違うのかもしれませんけれども、それぞれ何によって、どういう資料によって審査するんでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 御指摘のようにそれぞれ項目によって違うわけでありますが、まず第二項本文は、定款記載事項である「目的」、すなわち第十条一項第五号及び第十号、第十一条一項第一号及び第三号によって審査をいたします。 それから、第一号の柱書き、定款記載事項である「資産に関する事項」等につきましては、第十条第一項第五号、第十一条一項八号等によりまして審査をいたします。 それから、第一号のイ、定款記載事項である「社員の資格の得喪に関する事項」は第十一条一項第五号でございます。 それから、第一号のロ、「役員名簿」及び「役員のうち報酬を受ける者の氏名を記載した書面」、第十条第一項第二号イ及び同号ニ、第十一条一項第六号によります。 それから、第二号イ、ロ及びハにつきましては、「第二条第二項第二号に該当することを誓約する書面」、すなわち第十条第一項第四号によりまして審査をいたします。
○海老原義彦君 大変詳細な説明ありがとうございました。 先ほども申しましたように、これは解釈、運用方針にかわるものとして公定解釈をここでつくっておくという趣旨でございますので、細かいことをしばらくお許しいただきたいと思います。 今の御答弁からも十分わかるんでございますが、こういう審査は専ら提出書類によって行う。ただ、審問とか立入検査とか、そういうのを必要とする事態はないんだろうなと理解しておりますけれども、何か特定の、こういうケースのときにはもう少し深く踏み込んで検討しなきゃならぬのだというケースはあり得るんでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 基本的に提出書類によりまして審査をする、これは当然のことであります。したがいまして、私どもは極力政省令などに委任することを避けまして、第十条一項の各号などのようにこの法律で定めていくということを規範にしております。 したがいまして、基本的に法定の提出書類ベースで調べるわけでございますが、その提出された書類及びその他の既存の書類などから、真実性について合理的な疑いを生ずるという場合が全くないかと申しますと、そういう場合ももしかしたらあるのではないかなというふうに考えております。ただし、そのような場合であっても強制力を有するような報告徴収や立入検査をすることはできず、あくまでも任意に報告を求めたり、相手方の同意を得た上で検査をすることができるだけでございます。 以上のような意味で、本法案による設立認証の審査は基本的に法定の提出書類をベースに判断することを主体としております。
○海老原義彦君 今のお答えからもわかるんですが、そうすると、強制的な検査をしようとか、そういう権限もないし、またやる必要もない。なぜならば、まともな団体であれば書類でまず全部わかるし、仮にわからない部分があって、書類をいわば補正してもらう、補完するというようなときにはもちろん御協力いただけるというようなことを想定しておるわけであって、したがって、強制的な権限を持ってというようなことは予想もしていないし、法文上入っていないということでございますか。
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘のとおりでございます。
○海老原義彦君 次に、十九条から二十一条までの規定は当然設立時審査の対象となる。先ほどのお話から拝察すると、設立の手続が法令の規定に適合しているということに含まれると。十九条から二十一条までのことが達成されていることは、たしか何らかの資料を提出してもらうような規定になっているはずでございますから、十条の附属書類あるいは十一条の定款でわかるので、十二条の中ででは、設立の手続が「法令の規定に適合していること。」で読み込むんだろうという理解でよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) ここで言う法令には当然この市民活動促進法案自体が入っておるわけでございますので、今御指摘のように、設立の認証に当たっては第十二条で「設立の手続並びに申請書及び定款の内容が法令の規定に適合していること。」、こうなっておるわけでございますから、今御指摘の第十九条の「監事の兼職禁止」、あるいは二十条の「役員の欠格事由」、あるいは二十一条の「役員の親族等の排除」の各規定に違反していないかどうかということは、当然所轄庁の審査の対象になるわけであります。
○海老原義彦君 よくわかりました。 今の十九条から二十一条までの要件の中で、二十条四号というのがございます。暴力団の排除規定でございます。これは暴力団の者を役員から排除するという規定でございますけれども、さらにもう一歩踏み込んで、暴力団とかその構成員とか、あるいはそういったものの統制下にある団体というものは認めないということを認証基準に加えるというのはいかがなものでございましょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) この法律案では、御指摘のように第二十条第四号に該当する者は市民活動法人の役員になることはできないとされておるわけであります。 いわゆる市民活動促進法あるいは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定あるいは刑法の傷害罪等々の罪、それから暴力行為等処罰に関する法律を犯したことによって罰金刑に処せられ、「その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者」、こういうことで規定はされておるわけであります。 御提言はさらに一歩踏み込んで、暴力団もしくはその構成員の統制下にある団体でないということを規定し、そしてこれを行政庁の介入を極力避けるために誓約書をもって担保しようというお考えであろうかと思いますが、この法の精神からいって、それを求めるということは検討に値する御提言であると思いまして、真摯に受けとめさせていただきたいというふうに思います。
○海老原義彦君 前向きの御答弁、ありがとうございます。 さらに、二十条関係についてもう少し伺いたいんですが、役員が欠格事由に該当するか否かについて、今度は設立のときでなくて一般的に、所轄庁は設立後どんなときに審査していくのか、審査するときはどんな資料に基づいてやるのか、そこら辺をちょっとお示しいただきたいと思います。
○衆議院議員(河村建夫君) 今の御指摘の点でありますが、市民活動法人を認証する際には、これを設立しようとする者から提出書類が出されます。添付書類の一つの中に、各役員については第二十条各号に該当しないことを誓約する書面が出てくるわけでございます。基本的には、所轄庁はそれに基づいて各役員が欠格事由に該当するか否かを審査することになるわけであります。そして、その後も毎年一回市民活動法人から書類が出てくるわけでありますし、また役員名簿が出てくるわけであります。これによりまして所轄庁は役員が欠格事由に該当しないかどうか監視をするわけでありますし、また一般からそれを求める請求があったときには役員名簿を閲覧させることにもなっている、これは第二十九条にあるわけであります。 その結果、欠格事由に該当する疑いがあると認められる相当な理由があると判断したときには、当該の市民活動法人から報告を求め、あるいはまたその施設への立入審査を行うことができる、こうなっておるわけでありまして、そういう形で審査をする、こういうことになると思います。
○海老原義彦君 当初は提出される書類によって、それからその後は毎年提出される書類によって専ら書類審査を行う、こういうことでございますね。よくわかりました。 次に、二十一条の役員の親族関係、これもやはり書類審査を前提としていて、これは書類審査でできるんでしょうか。また、できるシステムになっているんだろうと思いますが、これはどういうルートで書類審査ができるのか。 そこら辺、大変細かい話になりますが、もし何だったら法制局の方で御回答いただけたらと思いますけれども。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) お答え申し上げます。 所轄庁は、基本的に市民活動法人の設立の認証をする際に、これを設立しようとする者が提出した添付書類の一つ、各役員について二十一条に規定しております親族関係の制限規定に反していないということにつきましての誓約する書面を出していただき、これを審査することになるわけでございます。
○海老原義彦君 そうすると、当初は出していただくけれども、その後は特に出していただかない。だから、一般的な書類審査は行わないということでございますか。ある意味では、当初だけはきっちりと守られるけれども、その後はこの二十一条は精神規定になる、こういうことでございますか。
○衆議院法制局参書(早川正徳君) 法人格を取得いたしました後につきましては、所轄庁は、市民活動法人から毎年一回提出を受ける役員名簿によりまして各役員の親族等の排除の規定に違反していないかどうかの監視をいたしますとともに、この役員名簿を一般人から請求があったときは閲覧をさせることになっております。 したがいまして、その結果、閲覧をした人からの申し出があるといったようなこともございましょう、それで当該規定に違反する疑いがあると認められる相当な理由があると判断したときは、当該市民活動法人から報告を求め、またその施設へ立入検査を行うといったようなことで確認をすることになると思います。
○海老原義彦君 二十一条関係についていろいろと細かくお聞きしましたけれども、この二十一条そのものについては、毎年御提出いただいている役員名簿は当然公開されるわけで、公開して市民がみんなで見て、あそこはあいつとあいつは親戚なのに何でいいんだという話も当然入ってくるだろうと。その場合には二十何条かに基づいて、ともかく一番最初にやる措置は報告を求めて、報告を求めたとき、ああしまったと、気がつかなかったんで早速役員を差しかえますという話で終わるというのが普通、報告を求めるというぐらいのところでとまる、そういうことでございましょうね。いかがでしょうか。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) お答えいたします。 認証の場合には、誓約書というきちっとしたいわゆる心理的ハードルを越えていただきますので、その点は御認識をいただいた上で申請していただくというふうに理解しております。
○海老原義彦君 入り口の審査はしっかりしておる。それで、その後に変更があった役員については当然役員名簿に記載されておりまして、報告も求めますから、報告を受けた際に聞いてみれば明らかになることだし、また市民公開ということもあるから明らかになって、訂正、補正を求めることもできる。いろいろなことができるということでございまして、二十八条の範囲内で大丈夫なんだ、四十何条までいかなくていいんだということでございますね。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) 通常のケースでございますと、そんなふうに理解していただいて結構だと思います。
○海老原義彦君 次に、二十七条に参ります。 会計の原則でございますが、二十七条の二号に、「会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。」とございます。「正規の簿記の原則」とは何かということは、私も幾つかの会計学の本に当たってみましたところ、本によって多少の差があるようでございます。 それで、当委員会としてこの「正規の簿記の原則」というものの公定解釈をつくっておかないと、後日、所轄庁が複式簿記でなければいけないとかそういううるさいことを言い出して、団体さんが非常にお困りになるということも出てくるかと思いますので、この「正規の簿記の原則」は何かということについての公定解釈となるべき答弁をお願いいたします。
○衆議院議員(小川元君) お答え申し上げます。 「正規の簿記の原則」とは、一般論で申しますれば、企業会計原則で確立した概念として用いられておりまして、会計記録の正確性を期する上に必要な基準となるべき記録計算方法についての原則であって、内容的に少なくとも次の三つが含まれているというふうに解されております。 その第一は、取引記録が客観的に証明可能な証拠によって作成されていること。第二は、記録計算が正確に行われ、かつ順序、区分などが体系的に整然と行われていること。第三は、取引記録の結果を総合することによって、簿記の目的に従いまして企業の財政状況及び経営成績あるいは財産管理の状態などを明らかにすることができる財務諸表が作成できること。以上の三つの内容を充足するものであれば、複式簿記はもちろんでありますが、単式簿記でも正規の簿記の原則にかなうものと解されるものでございます。 したがいまして、本法案では単式簿記を排除するものではございません。
○海老原義彦君 ありがとうございました。明確な公定解釈ができました。 次に、二十八条あるいは二十九条の関係でございますけれども、市民活動法人は事業報告書等の備え置きをする、常に閲覧させるというのが二十八条でございます。二十九条は、その種書類を、事業報告書、役員名簿、定款などを毎年一回所轄庁に提出するという規定と、あわせて、所轄庁は閲覧の請求があった場合は閲覧させなければならない、そういう形で公開するという規定でございますが、大変重要な規定でございます。 市民に開かれた市民団体行政ということになるんだろうと思うんですが、そういった中で、公開することが適当な必要な書類は大体書いてあると思って読んでおりましたところ、個人別報酬というのが、これは職員の個人別報酬なんてことを書いたら非常に人権にもかかわりますし問題だろうと思うんですけれども、役員の個人別報酬ぐらいは書いてもいいんじゃないかなという意見もございますが、このあたりはいかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 御指摘の役員の個人別報酬についてどうするかということは、基本的には政策判断であろうと思うわけでございます。 私どもは、この法人が多種多様かつ非常に小さなものも含まれておりまして、したがいまして、立法の際は、役員個人のプライバシーというものを保護するとともに、法人の事務量の点を考えまして必要最小限なものにとどめたいということから、全員の氏名を記載した書面のみを提出させることでいいのではないかと判断をいたしたわけでございます。 しかしながら、役員が多額の報酬を得ている場合には非営利性を弱めてしまうという懸念も確かに存在するわけでございまして、このプライバシーの問題よりも報酬の明示の方が非常に重要であるという政策判断に立てば、個人別報酬額に関しても含めるということも考えられるわけでありまして、この点につきましては十分に検討させていただきたい、そう考えております。
○海老原義彦君 御趣旨よくわかりました。 プライバシーという面、もとより重要でございます。そのプライバシーの面と片やこの法人の非営利性というものが乱されないかという点と両方を勘案して、役員の個人別報酬を公開するのかしないのか、公開するとしたらどの辺の線までするかということをさらに検討したいと思っております。 次に、少し飛びまして、四十一条に参ります。 まず、文言でございますが、四十一条の一項、一行目にございます「法令に基づいてする行政庁の処分」、これはどういうものかイメージがわかないので幾つか例示していただければと思います。
○衆議院議員(河村建夫君) この法令は、本法案を含むすべての法令を意味すると解釈しておるわけでありますが、そこで「法令に基づいてする行政庁の処分」は、本法第四十二条に規定する改善命令のほかに、市民活動法人が行う事業についての関係法令に基づく行政庁の処分が含まれることになるという解釈をいたしております。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) 市民活動法人はいろんな事業をやることになるかと思います。その中ではいろんな事業法の適用を受けることになるわけです。例えば道路運送事業を行って道路運送法上の命令などを受けているというような場合には、その道路運送法上の命令といったようなものが「法令に基づいてする行政庁の処分」の例になるかと思います。
○海老原義彦君 ちょっとよく聞き取れなかったのですが、どこの命令をおっしゃったのですか。何に基づくどこの命令か。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) 運送業というものを仮にやっていたといたします場合には、道路運送事業法の適用を受けるわけでございます。それによりまして、必ずしも適法でない事業を行っておりました場合に道路運送法上の命令を受けるということが考えられるわけでございますが、そういう法律に基づく命令がこの「法令に基づいてする行政庁の処分」の一つの例ではないかと思います。
○海老原義彦君 道路運送法に基づく道路運送法違反に対する処分としての運輸大臣あるいはその委任を受けた者からの命令、そういうのが例示としてお挙げになったと、こういうことでございますね。 例えば、労働条件等について問題があり、労働基準法に基づいて労働基準監督署から命令が出るとか、そういった他の所管庁の命令もすべて含むので、だからここは「行政庁」としてあると、そういうことでございますか。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) 補足させていただきます。 今、先生御指摘のとおりでございまして、NPOは団体でございますので、例えばいろんな事業を行うと、そうしますと、それぞれにつきましては許認可等、監督庁が業法の立場から指導監督をするという場面が出てくると思います。 したがいまして、御指摘がありました労働基準法の関係は労働省、食品提供事業等を行っておりますれば食品衛生の関係は厚生省。先ほどの例で申しますと、観光業もしくは宅建とかそういういろんな業法が出てくると思いますけれども、どの程度NPOの方の事業内容とバッティングするかは定かではございませんけれども、基本的にはそういう業法によるところの指導監督を受ける。そういう立場での処分、命令がかかってくるという理解でございます。
○海老原義彦君 同じ文章のすぐ下に「違反する疑いがあると認められる相当な理由がある」と書いてありますけれども、この「違反する疑い」の「疑い」というのはどのような資料によってそういう心証を抱くように、所轄庁が疑いを持つのはどのような資料によって提起されるものなんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 違反する疑いがあるかどうか、これについては第二十九条第一項に基づいて提出される資料があるわけであります。事業報告書それから財産目録あるいは貸借対照表及び収支計算書、あるいは役員名簿、さらに定款もあるわけでございますが、所管庁はそうした資料に基づいて調査し、判断していくというふうに考えられます。
○海老原義彦君 調査、資料の収集、もちろん毎年の報告というのが基本的な資料になる。初め、疑いというに至る前に、少し怪しいな、念のため調べてみようというので調査、資料の収集などを行って疑いを持つようになり、さらにもう少ししっかりと調べたら、その疑いが相当な理由があるという段階になるということでございますね、 ここに言う調査というのは、例えば他の官庁に聞いてみるとか、資料の収集もそうですね、調査、資料の収集というのは、それは新聞を調べるなどということも必要でしょう、また他の官庁の所管行政に係ることであればそういったところに聞いてみるということも必要でしょう、そういう手続のことでございましょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 委員御指摘のとおりでございます。
○海老原義彦君 さてそれで、相当な理由があるときは報告あるいは検査となっていくわけでございますけれども、相当な理由というのはそういった諸手続の中でだんだん疑いが深まっていって認定されるので、これはやはり所轄庁が相当な理由と認める段階というのは行政庁としての常識で考えていただくよりほかないということでございましょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 委員御指摘のように、行政庁の方があらゆる角度から調べて、これはそれに該当するという判断に基づくという委員御指摘の考え方、我々も同じ考え方であります。
○海老原義彦君 行政庁がそういった疑いを深めていって相当な理由ありと認める。そのときに、私といたしましては先ほど申しましたような宗教の自由、政治上の自由、この法律では一定の制約がありますけれども、その制約を過剰に解釈しないように行政上の節度を持って、しっかり言えば、この法律が予定している以上に信教の自由、思想、信条の自由などを侵すことがないようにということを所轄庁に要望したいと思っておりますので、これは委員長、記録にとどめていただきたいと思います。 さて、立入検査とまでいくのはかなり事態が重い心報告を求めて、大体その報告を聞いて了承するなりあるいは改善命令を出すなりするんだろうと思うんです。立入検査というのは非常に重い事態ですが、これは例えばどんな場合が想定されますか。
○衆議院議員(河村建夫君) 立入検査に至るまでには情報開示もあるわけでございます。第二十八条、第二十九条にあるわけでありますが、これらの方法、市民による相互監視が行われておるわけでございます。これだけでは対処できないといった場合、いわゆる最後の手段ということになろうかと思うわけでありまして、どうしても改善命令を出していかなきゃなりません。それも、さらに必要な情報が要るといった場合に、その報告を受け、さらにその情報を得るために立入検査を行う、こういうことになるんではないかと思います。
○海老原義彦君 立入検査についても全く相当な理由と同じでありまして、立入検査が必要な「相当な理由があるときは、」と、この「相当な理由」というのは、どの程度までの疑いが濃いのかというのはそれぞれの所轄庁が行政庁として積み重ねた常識があるわけでございます。 その際に、先ほども申しましたけれども、二条二項二号の規定と関連いたしまして信教の自由とか表現の自由が侵されることを懸念する方は非常に懸念しておるんで、この点について立案者の方からもそんな心配はないよということを一言言っていただきたいと思うんです。
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘のとおりでございまして、そういう心配はございません。と申しますのは、この二条二項二号の規定は先ほどから御答弁を申し上げておりますように、政治活動の自由あるいは信教の自由というものを尊重する観点からつくっております。 したがいまして、所轄庁は積極的にそういうものの監督を行うということではございませんで、当該法人に法人格を付与している本法に照らして適切か否かという観点からのみ監督を行うものでございます。 したがいまして、信教の自由が侵されるというようなことは全くないというふうに考えております。
○海老原義彦君 なお、言わずもがなのことと思いますけれども、この種の規定は公益法人についてはもっと厳しい規定すらある、各省によって違うんですけれども。 この四十一条さらに四十二条の改善命令を出す場合、四十三条の設立の認証の取り消しの手続とか、そういったことは公益法人と比べて、少なくとも特段に厳しいことはないし、むしろほとんど同じかあるいはどこか少し楽になっておるかぐらいかなと思うんですけれども、その辺は立案者として御説明いただけませんでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 私どもはこの法律のそれらの規定は民法に比べまして相当に抑制されたものになっていると考えております。 例えば、民法上の公益法人に対する監督規定あるいは立ち入り規定を見ますと、民法六十七条第三項におきまして、「主務官庁ハ何時ニテモ職権ヲ以テ法人ノ業務及ヒ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得」、こういう規定になっておりまして、実務面におきましてはこの規定に基づきまして事業報告書、財務諸表あるいは事業計画書、収支予算等の提出を義務づけ、その内容を審査して定期的な立入検査を行うというような方法がとられている場合が多いというふうに見ております。 これに対しまして、本法におきましては御承知のとおり、法人の活動を尊重いたしまして行政官庁の介入を極力排除するというために、四十一条一項の立入検査を例にとりますと、違反するという相当な理由があるときに限り、二項におきまして「相当の理由を記載した書面」を法人の役員等に提示または交付をするということを義務づけておりまして、厳しい要件を課しております。 したがいまして、繰り返しになりますが、非常に抑制的なものであるというふうに考えております。
○海老原義彦君 所轄庁は、都道府県知事の場合は都道府県でも多数の公益法人を所轄しておるわけでございます。公益法人行政でやっておった頭でもってやられると、これはとんでもない行き過ぎになる。 今、先生お話のありましたとおり、年一回報告を徴収するということを公益法人ではやっているわけでございますし、さらに原則として年一回立入検査する、これは人手が足りないから二年に一回とか三年に一回とかしかできないわけでございますけれども、そういうこともやっておるというようなことでありまして、非常にそういう厳しい監督にさらされておる。 それから、改善命令、認証の取り消しなどについては、民法の規定をさらに敷衍いたしまして、これはなかなか消せないぞという制度になっておって、法人の権利が非常に守られておるわけでございますが、それでもこの四十三条と比べても恐らく同じかうちの方が少し緩いかぐらいだろうと思うんです。 そういうようなことで随分違うんだと、公益法人の管理、監督のつもりでやってはだめだぞということは所轄庁に十分徹底しておく必要があると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘のとおり、この点につきましては所管庁に十分徹底をさせていくことが必要だと考えております。
○海老原義彦君 最後に、四十四条がまだ残っておりますが、四十四条の総理府令というのはどういうものを予定しているんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) この法案におきましては、先ほど認証の際の手続でも御質問がございましたが、必要な事項はすべて法律で書き切るという基本姿勢をとっておりまして、この条項も当然包括的な委任規定ではなくて、手続上の細則についてどう実施するかを総理府令にゆだねた規定になっておるところでございます。 したがいまして、この規定に基づいて総理府令で定められることが想定されますのは、例えば提出書類の規格を日本工業規格A列4番にするといったような形式的な事項ではないかと思われるわけであります。 さらに、つけ加えますならば、ほかに必要な細則として考えられますのは、この法律の第十三条二項にあります設立登記の届出書の様式であるとか、あるいは法二十三条一項にあります役員変更の届け出の方法、あるいは法第二十五条四項及び法二十六条二項にございます定款変更の認証申請の書類の様式及び部数であるとか、さらに二十五条六項にございます軽微な事項に係る定款の変更の届け出の方法であるとか、法第三十一条三項にございます成功の不能による解散の認定の書式の様式であるとか、あるいは第三十一条四項及び法第四十条において準用する民法第七十七条二項にあります解散の届け出の方法であるとか、さらに法第三十二条二項の残余財産の処分の認証申請の方法、さらに法第四十条において準用する民法八十二条にあります清算結了の届け出の方法、あるいは法第三十四条四項にございます合併の認証の申請書の様式例、さらに法第三十五条一項にあります合併の場合の財産目録等の備え置きの方法であるとか、さらに法第三十九条一項にございます合併登記の届出書の様式であるとか、さらに法第四十一条三項にあります立入検査の際の身分証明書の様式、こういった極めて細部にわたる形式的な事項のみである、このように考えております。
○海老原義彦君 どうも細部にわたりまして、ありがとうございました。 この法律を受けてする総理府令なり条例の規定というのは、今の例示にもありますように極めて細部にわたるものであって、基本的にはこの法律を役所の解釈、運用によって大きくゆがめることは法律の構成上あり得ないと私は思いますし、これは特に確認しなくてもこの世界の常識でございます。 ただ、そうでなくて、役所がまことに恣意的にゆがめるおそれがあるんだという誤解がかなりびまんしておりますので、そういう誤解はここではっきり打ち消していただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○竹村泰子君 私どもは、過日、参考人の皆様から非常に貴重な御意見をちょうだいしました。 そこで、きょうは与党案に絞って、確認的な意味もありまして質問をさせていただきたいというふうに思います。 初めに、二条一項の不特定かつ多数のものの利益と会員制の団体というところで、音楽や演劇などを提供するNPOでは会費を徴収する会員制をとっていて受益者が特定されているため、本法律の対象にならないではないかという懸念が非常に大きかった。 それに対しまして、衆議院では、その場合でも容易に会員になることができるならば不特定かつ多数に当たる、具体例については会費の額などを考慮して常識的に判断されるというふうな旨の答弁がありました。 ちょっとこれは予告漏れだったかもしれないんですけれども、会員制の形態で事業を行って、どこまで不特定多数のものの利益と認められるか、あいまいなんです。例えば、学会などはどうでしょうか。もし法制局が後ろにいらっしゃるんでしたら法制局からお答えいただいても結構ですが、各種の学会などは認められるでしょうか、どうでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 会員制の団体がNPO法人として認められるかどうかという問題でございます。 私ども、この件については再三提出者としても議論を深めてきたところでございます。 まず、アメリカなどの例によりますと、非営利セクターが百十四万ある、こう言われておりまして、この非営利セクターを大別すると、会員奉仕団体が四十万団体、公益奉仕団体が七十四万団体、こう言われておるわけでございまして、会員奉仕団体と公益奉仕団体に大別されるということなんでございます。 私どもも、今提出している法律は、市民活動法人というのは公益奉仕団体を対象として法人格を付与するということでございます。 アメリカなどでは、会員奉仕団体の四十万団体の方は、例えば会員クラブであるとか互助団体であるとか、こういうものは会員奉仕団体の方に分類されて、公益奉仕団体ではない。したがって、税の優遇等も会員の方にはない。法人格は日本と違って、会員奉仕だろうが何だろうが、法人格はもう準則主義で取得はできるわけでございますけれども、税の優遇等はリンクされないということなんでございます。 そういう背景も踏まえながら検討させていただいたわけでございますけれども、御指摘のとおり、会費を徴収する場合であっても、その金額、手法等において不特定多数性の趣旨を失わせるものではない場合が一つ。この場合は、この法律の対象になるということでございます。もう一つは、不特定多数を対象とする市民活動を主たる活動とする団体が、特定の者に限定したサービスを従たる活動として行う場合、この二つの場合がいわゆる会員制であってもNPO法人の資格を取得できる、法人格を取得できる場合に該当するというふうに私どもは考えております。 御指摘の学会の場合でございますけれども、この基準に照らして御判断いただくことになろうと思うわけでございます。まずは、主たる目的等によってこの法律のどこに該当するかという申請が一つ。それともう一つは、今申し上げた会費の額、手法等ということに照らしてその実体を判断するということになろうかと思います。
○竹村泰子君 せっかくいらっしゃるので、ちょっと法制局の御見解を聞いておきたい。 突然の質問で申しわけございません。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) 基本的には、今の金田先生の方から御説明があったとおりでございます。 ただ、学会というような具体的な団体、具体的に活動しておるところを対象として考えますと、やはり先生がおっしゃられました十二分野のどこにスクリーニングされるかというところがまず非常に大きなところだと思います。 さらには、会員制といいますか、それについてある程度の関心をお持ちの方が入るというような、そういう意味での制限性はあるにしましても、一般的な、いわゆる不特定多数というものの方の利益のために活動しておる。 それからさらには、いわゆる社員の得喪に関して制限が置かれていない、こういうようなところを見て具体的には判断していくというふうに考えます。
○竹村泰子君 個別に判断をしていきたいということですね。 将来的に税制優遇されるようになりますと、こういったところからも多分申請が出てくるであろうと思われますので、お聞きしたんです。 そこで、都道府県知事の対応によって、ある県で認められある県では認められないといったばらばらの対応になるおそれがありますが、こうした懸念への対応はどう考えておられますか。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘の点でございますけれども、一つの都道府県の内部に主たる事務所を擁している場合は都道府県知事の判断ということになるわけでございますし、この事務につきましては団体委任事務ということでございます。したがって、国が統一的な解釈基準を示して、それに基づいて各都道府県が判断をするということではございませんで、それぞれがそれぞれの主体的な判断をするということになるわけでございます。 そういう意味からすると、類似したものであっても、御指摘のように、ある県では法人格が認められある県では認められないということも生ずる場合があるかもしれませんが、それは個別ごとの申請ということになりましょうから、それが全く同一なものなのかどうなのかということはまた別なものになろうかと思います。 いずれにしても、それぞれの都道府県の判断ということになろうかと思います。
○竹村泰子君 地方分権の精神でということで、それは仕方がないということですか。
○衆議院議員(金田誠一君) はい。
○竹村泰子君 宗教活動を制限する規定、二条二項二号イですが、これも先ほどの海老原先生の御質問にもありましたし、先日来いろいろと御意見が出ております。 定款に掲げる目的、設立趣旨に宗教的な記述が含まれていても、例えば定款などで、仏教の精神に基づいてとかキリスト教の博愛の精神に広く基づいて活動する団体であるというふうなことが含まれていても、主たる目的として行うのでなければよろしいのでしょうか。何回もあれですが、確認的にお伺いいたします。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございまして、単に宗教的な記述があるからといって、一律にこの条項に違反するものではないと考えております。あくまでもその活動の全体から見て、いわゆる宗教活動に該当するか否かが判断されるものでございまして、御指摘のとおりでございます。
○竹村泰子君 それでは、例えば宗教活動を制限する規定を置いたこととの関連では、社員を特定の信仰を持つ者に限るとか、仏教徒に限るとかクリスチャンに限るとかというふうな規定を持つものは、この二条二項一号イの「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」に違反しますか。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘の二条二項一号のイは、市民活動の特性である市民に開かれた自由な社会貢献活動であることを具体化した条文ですが、社員の資格得喪に関する一切の条件の付加を禁止しているものではなく、活動目的との関係での合理的な条件を付加することは許されるものでございます。 例えば、その合理的な条件とは、市民活動法人の連絡、助言を目的とする連合会的な市民活動法人であれば、その社員資格を市民活動をしている法人や団体にのみ限定することなどでございますけれども、そういう条件を付加することは許されるものでございます。 ただし、特定の信仰を持つ者に社員資格を限定することを合理的たらしめるような活動目的を持つ団体としてどのようなものが考えられるかということになりますと、そのような団体は多くの場合、二条二項二号イの「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること」、すなわちいわゆる宗教活動それ自体を主たる目的とする団体である場合が多いのではないか、こう思うわけでございます。その場合、この二号イの要件をクリアしないこととなるのではないか、こう思うわけでございます。
○竹村泰子君 この前も私はお聞きしまして少ししつこいかもしれないんですけれども、例えば宗教的な活動、つまりボランティア活動とか緊急の援助活動とかそういうものをする前にみんなで集まって、もしかしたら特定の信仰を持つ人たちがお祈りをしたりあるいは礼拝をしたりしてからそういった活動に入っていくということもあるかもしれない。でも、主たる目的ではないですね、主たる目的は違うところにあるわけですから。つまり布教目的ではなく、単なる従なる活動であるならばそれは差し支えないですか。 先ほど同僚議員の御質問に対して、主たる目的は幾つもあっても構わないというふうなお返事がありましたので私はちょっと混乱しておりますけれども、今の私が言ったところはそれでよろしゅうございますか。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございます。 二条二項二号イでは、「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること」、すなわちいわゆる宗教活動それ自体を行うことを禁止しているのではなく、あくまでも主たる目的とするものでないことを市民活動法人の要件としているわけでございますから、御指摘のとおり御心配の点はないものと思います。
○竹村泰子君 ありがとうございます。 次の質問ですが、二条二項二号ハ、選挙活動を制限するところ。 このハの規定による選挙活動の制限の規定は、第三条第二項「市民活動法人は、これを特定の政党のために利用してはならない。」というところにより、選挙運動のみを行う団体を排除できるので、このハは要らないのではないか。また、選挙活動については二条二項二号ロの中に含めて読むことも可能です。「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」というところもありますので、先日の委員会の質疑では与党の質疑者の中からもこのハは要らないのではないかという御意見が出ておりました。 私は、これは、ハは削除できたら非常にいいのではないかと思うんです。というのは、その前のイ、ロは「主たる目的とするものでない」ということで限定がかかっているから問題が少ないと言ってもいいんじゃないかと思いますし、政治資金規正法では政治団体の定義で「本来の」あるいは「主たる」ということで限定をかけた規定になっています。 第三条で、 この法律において「政治団体」とは、次に掲げる団体をいう。 一 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体 二 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体 三 前二号に掲げるもののほか、次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体 というふうにかなり限定して書かれているわけです。 しかし、民法の公益法人の規定にはハのような制限はないのではないでしょうか。民法の公益法人も本法律案による法人も、いずれも公益を推進するためのものであることを考えますと、民法の法人に許されて市民活動法人に許されないということはバランスがとれていないのではないでしょうか。 私の立場といたしましては、与党と一緒に修正をしてきた民主党の立場でありますので、このようなことを言っては大変失礼かと思いますけれども、先日、参考人との質疑の中で弁護士の福島さんがおっしゃっておりました。つまり、選挙活動を制限したことにより、政策提言NPOについて、その主張と同じ主張を持つ国会議員や候補者を選挙で推すことができない。国会議員等が出席することもできないのではないか。それから、その結果、NPOと国会議員との結びつきを切ってしまうおそれがある。市民から出てきた実り豊かな発想を政治に生かしていくことが難しくなる。あなた方自身の手足を縛ることにならないかと、参考人として御意見を述べられました。私もここのところは非常に重要なところであると思います。 こういった条項をどうしても入れなければならないかどうか、もう一度与党の皆様、お考えいただけないものでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘の点でございますけれども、ここも与党内部の修正協議の中では随分議論をし合った点でございます。私ども民主党の立場からすれば、これは削除できないかという立場で、竹村先生と同じ立場で協議に参加をしてきた。そして、最終的には合意に達して、これが仮に入っていたとしても実態としてはそう問題はないのではないか、何とか回避できるのではないかという判断で合意をしてきたという経過をまずは明らかにしておきたいなと思うわけでございます。 なぜこの条項があったままでも特に問題はないのかということにつきまして、今からお答えを申し上げたいと思うわけでございます。 まず、事例として出されました参考人の方からの御発言でございますけれども、これでは政策提言型のNPOが主張を同じくする国会議員などを推すことができなくなるのではないかという御指摘でございます。ここに記載のとおり、特定の候補者を「推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」ということでございますから、NPO法人として特定の候補者を推薦して当選のために選挙活動をするということは、この一点目は禁止をされているというふうに思います。 しかし、政策提言型のNPOがその政策をアピールする集会に国会議員を呼ぶこと、これはこの条項のどこにも該当しないわけでございますし、その結果、NPOと国会議員との結びつきを切ってしまって、市民の豊かな発想を政治に生かすことが難しくなるという指摘もどこにも該当しない、当たらない指摘ではないかなと思うわけでございます。 これをロでは「政治上の主義を推進し、」ということですから、施策の推進は除かれているわけでございますし、政治上の施策を主たる目的として推進することは何ら支障がないことでございますから、ロとハをあわせ御検討いただければ、直接その候補者などを推薦し、選挙運動に携わるというようなことを除けば、実態としては特別支障が出ることはないのではないか。 確かに、御指摘のような心配の向きがあるということはそのとおりだと思いますけれども、具体的な懸念ということになれば、禁止されているのは候補者の推薦等でございます。そこまでは一般的なNPO団体も、NPOとして直接候補者を推薦したり支持したりということは実態としてはおよそ考えにくいのではないかなというのが現実問題だとすれば、御懸念には及ばないのではないかというふうに判断をしたところでございます。
○竹村泰子君 つまり、特定の公職の候補者の唱える政策について、それを支持したり反対したりすることを禁止するようなものではなくて、あくまでも特定の公職の候補者等という、人あるいは政党それ自体について支持したり反対すること。 もっと端的に言えば、これらの者について選挙において当選を得せしめ、あるいはそれに反対するような、妨害するような活動を禁止していると限定的に解釈されるのが当然であるというふうに考えてよろしいんですか。
○衆議院議員(金田誠一君) 特定の候補者について、支持し、これに反対することも禁止されてございます。ですから、特定の候補者あるいは政党を支持したり推薦したり、それに伴う活動をしたりということはできないことになるわけでございます。 ただし、具体的な施策、それが特定の施策でもいいわけでございますけれども、政策なり施策を推進することは何の問題もない。それに関連してその候補者を呼んで話を聞くとか、そういうことも何ら差しさわりのないことであるということでございます。
○竹村泰子君 法律ができますと、ひとり歩きしますので、限定的に解釈してよろしいんですというふうなことがなかなか伝わらなくなってしまうおそれがある、所轄庁に権限が移ってしまいますから。 ですから、さっきも出ておりましたけれども、お芝居の中で批判したり攻撃をしたりということがあるかもしれない。それから、選挙と離れて、例えば住民訴訟により議員、首長などの行動を激しく批判する、そういうことももちろんあると思いますし、それは民主主義の基盤としては大変大事なことだと、住民投票も行われておりますし、大切なことだと思います。つまり、そういうことは禁止されていないのだと、はっきりお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(金田誠一君) 住民訴訟などは全く住民として保障された権利でございますし、それによってこの「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでない」という条項には当てはまらない、こう思ってございます。したがって、先生御指摘のとおりでございます。 ただし、首長や議員の解職請求、リコールでございますが、リコールは選挙運動そのものではないにしても、公職によって選ばれた者についてその身分を失わせるという意味において、この条項の対象になる選挙運動類似の活動であり、二条二項二号ハに反すると考えております。 申し添えますけれども、NPOの団体、法人として行うことは禁止をされているということでございまして、個人名あるいはNPOの有志が一定のグループをつくるとか、そういうことは一切制約されるものではないということでございます。
○竹村泰子君 個人が何をしようとそれは全く自由でございまして、それは当然のことなのですから。私は今、NPOの法人としてということをお聞きしているわけであります。 この辺は市民運動の人たちが非常にセンシティブになっているところでして、私たちは、そうではないのだとはっきりそれを審議の中で答弁をとり、そして、将来的に所轄庁が経企庁に移った後もそれをやっぱり国会が監視していくべきだというふうに思っておりますけれども、これは自民党の方にお伺いした方がいいのではないかと思いますが、通告してなくてごめんなさい、そういうマナー違反をしちゃいけないんですけれども、なぜ主たる目的という言葉が入れられなかったんでしょうね、ここだけ。イ、ロには入っているんですよ。
○衆議院議員(小川元君) このハの、特定の候補者あるいは政党を推薦し、支持し、またはこれに反対するということは、主として選挙運動でありますが、どこからどこまでが選挙運動かというのは非常に微妙なことでありまして、そういう選挙運動というふうに限定をしていないことは事実でございます。 私は市民運動というのは、やはり法人格を持った市民運動、しかしその中には誰でも入れるということを逆に要件にしているわけでありますし、個々の人たちがそれぞれの政党支持、あるいは特定の候補者の支持というものをお持ちであって、しかも、なおかつ主たる目的として政治活動をやらないことになっておるわけでございますから、その法人そのものが特定の候補者あるいは特定の政党を支持するということは、本来のこの法律の市民活動法人というものの趣旨に反するものだと思うわけでございます。 ですから、もしだれかれをやりたいと、だれかれはどうしても自分の趣旨に合致するから推したい、あるいはそういう政党を推したいということであれば、その法人の中の有志の方が集まっていただいて、それが例えば百人のうち九十九人であろうと構わないわけでありますから、実際的に推していただければそれで済むわけであるというふうに考えておりまして、やはりこの市民活動そのものが政党や特定の候補者を巻き込んだものにするということは極めて問題があるであろう、こう考えております。
○衆議院議員(河村建夫君) 補足説明いいですか。 この問題については自由民主党でもいろいろ協議をされたところであります。今御指摘のように、それじゃ主たる目的となぜ書かなかったかという質問であったわけでありますが、この新しい市民活動法人を育てていこうというこの時点、今小川議員の方から説明をいたしましたそういう法の精神に立った場合に、選挙運動あるいはこれに類似する行動については、これを主たる目的といいますか、主たる事業活動として行う場合であろうと、またその従たる事業活動として行う場合であるとにかかわらず、これは市民活動法人としてはふさわしくないという政策的判断に立ってこの規定が入っておるわけであります。
○竹村泰子君 なぜ主たる目的というのが入っていないのかということがちょっとよくわからないんです。 これはここで押し問答していても仕方がないんで、私はこれから修正案を出されるというふうに聞いておりますので、こういう与党の質疑者の中からも不要ではないかというふうなことが再三出ているようなところ、そしてこのまま歩いてしまうと非常に心配をなさる方が多い、こういった項目をもし削除することができたら大変ありがたいと思いますので、ぜひ御一考いただきたいと強く要望しておきます。 十条一項二号ハ及び同項四号の誓約書の提出です。これも先日来の審議の中で出てきておりましたが、誓約書の提出を条文で規定した法律はこれまで存在しないのではないでしょうか。私も法律にそう詳しいわけではありませんからあれですけれども、誓約書の提出を設けた趣旨は何なのでしょうか。法制局の方がいいでしょうか、どうですか。
○衆議院議員(金田誠一君) 誓約書の提出を条文で規定した法律はあるのかということがまず一点でございますが、立法例としては児童福祉法二十七条一項あるいは議院証言法、公職選挙法等々、あることはございます。 そこで、この誓約書の提出を設けた趣旨でございますけれども、団体の精神面、活動面における自由を拘束することではなくて、第二条第二項第二号各号に該当しているかどうか。すなわち、宗教活動を主目的としていないか、政治上の主義の推進等を主目的としていないか、特定の候補者等を推薦、支持、反対するものではないかを判断するためのもので、誓約書の提出をお願いをしているということでございます。
○竹村泰子君 私の質問がちょっと舌足らずだったのかもしれませんが、法人格を与えるときに誓約書によってその判断をするという法律はあるのでしょうか。法制局、どうですか。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) お答えします。 法人格を与える場合の、これは宣誓書という言葉を使っておりますけれども、政党助成法の五条、これが例になると思います。
○竹村泰子君 誓約書ですからそんなことがあってはならないんですが、もし虚偽であれば認証は取り消されるのでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 誓約する書面が虚偽であったということは、当該団体の行う活動が二条二項二号各号に該当していなかったということになるわけでございます。 この場合、原則として所轄庁はまずこの四十二条に基づく改善命令を出すことになろうと思います。一般的には、ここで改善をされればそれはそれで決着ということになりましょうが、この当該法人が改善命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないときは、所轄庁は当該市民活動法人の設立の認証を取り消すことができるというのが四十三条の一項でございます。 また、例外的に、所轄庁は当該法人が改善命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ他の方法により監督の目的を達することができないときは、改善命令を経ないでも当該法人の設立の認証を取り消すことができるというのが四十三条二項にございます。こういう手続に進む場合も想定はされるということでございます。
○衆議院法制局参事(高橋恂君) 失礼いたしました。先ほど、立法例、法律名をちょっと取り違えておりました。 一般に法人格付与法と言われておりますところの政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第五条がその例でございます。訂正させていただきます。
○竹村泰子君 はい、わかりました。 誓約書という言葉で私たちはちょっとどきんとしちゃうわけで、三年越してこの法案をつくってこられあるいは修正してこられた与党及び民主党の皆さんは。本当に大変な議論を重ねてこられて、私もその経過はよく知っております。その御苦労、本当に大変だったなと思うわけです。 先ほどの二条の二項のハのようなところとかあるいは誓約書とか、非常に市民たちの神経を逆なでするようなところが多々この法案にはあります。ですから、修正をなさるのでしたらやはりそういったことを考慮いただきたいというふうに考えております。 次に、プライバシー権のことですけれども、十条一項の三号ですか、民法や宗教法人法等では認証に際して役員氏名の提出は求めておりますけれども、団体を構成するメンバーの名簿提出は要求しておりません。あえて社員十名以上の名簿提出の規定を設けた理由は何なのでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) お答えいたします。 本法案においては、比較的簡易な方法により法人格を取得できるかわりに、法人格を取得するには構成員が十人以上存在しなければならないという要件を規定いたしてございます。それは十二条一項三号でございます。 御指摘の「社員のうち十人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面」を要求したのは、設立の認証の基準の一つである「当該申請に係る市民活動法人が十人以上の社員を有するものであること。」という要件の妥当性、すなわち十人以上の社員の実在性を担保しようということでございます。
○竹村泰子君 きょうは経済企画庁にもおいでいただいておりますけれども、経済企画庁あるいは都道府県知事がこうした情報を、多分これからはデータベース、電子化ということになっていくのではないかと思いますけれども、ほかの目的、例えば犯罪捜査に利用されるとか、少し極端な言い方かもしれませんけれども、ほかの目的に利用されることは心配していませんか、どうですか。
○政府委員(井出亜夫君) 私ども、もし二県以上にわたって事務所を持つ場合の所轄庁を仰せつかった場合には、もろもろの提出書類というふうなものにつきましては、判断をする際に基本的にこの提出の書類によって行うことというのがこの法の趣旨ではないかというふうに思っております。 それから、市民に開かれたということで縦覧でございますとかあるいは出された書類というものを公開しなきゃならないというふうな規定がございますけれども、その範囲を超えて、これを何か特定の目的のために利用するとかというふうなことは考えておりません。
○竹村泰子君 考えておられちゃ困るんです。そういうおそれもあるではないかということです。 第十条にはその社員十名の氏名及び居所というふうにありますけれども、どのような書面を想定しておられるのでしょうか。また、社員十名以上の名簿には社員たる役員が含まれていてもいいのですか。つまり、役員と社員合わせて十名であれば、役員が十名いれば役員だけでもいいのですね。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございます。社員が役員に就任することは差し支えないわけでございまして、したがって社員十人以上の名簿には役員たる社員と単なる社員、合わせて十人であれば足りるわけでございます。
○竹村泰子君 ここも大分誤解されておりまして、役員のほかに社員十名の名簿が必要だというふうに考えている人たちもいるようです。 経企庁の方は、今どのような書面を想定しているかという質問に何か答えられることがありますか。
○政府委員(井出亜夫君) 社員の場合には住所、氏名を書いていただくという趣旨ではないかと理解をしております。
○竹村泰子君 非常に簡単なお答えですけれども、それだけを考えているわけですか、今の項に対しては。
○政府委員(井出亜夫君) ここの規定に基づく記載といたしましては、そういう十名の住所と氏名を書いていただければよろしいんじゃないかというふうに判断をしております。
○竹村泰子君 次に、役員の欠格事由として、暴力団員不当行為防止法により罰せられた者の排除規定についてです。 経企庁にお尋ねいたしますが、所轄庁となるわけで、認証に当たって役員の欠格事由についての実態の審査はどのように行うのでしょうか。
○政府委員(井出亜夫君) 基本的には書面審査で認証の判断をするべきであるというのが本法の趣旨だと理解をしております。 したがいまして、書面審査によって行いまして、それ以外の個別のものにつきまして一つ一つチェックをするとかというふうなことは所轄庁に要請されていることではないと思っておりますし、そういうことはやるべきではないというのが法の趣旨かと理解しております。
○竹村泰子君 所轄庁は暴力団員不当行為防止法違反などの欠格事由について調査を行う能力を持っているのでしょうか。いないとすれば、警察に調査を依頼することもあり得るのでしょうか。
○政府委員(井出亜夫君) 誓約書の中で提出がされるわけでございますから、それで判断をしたいと思っております。
○竹村泰子君 私が聞いたのはそういうことじゃないですよ。調査体制を持っているのか、能力を持っているのかと、持っていなければ警察に依頼することもあるのかと聞いているんです。ちゃんと質問に答えてください。
○政府委員(井出亜夫君) 企画庁といたしまして、もしそういう調査をどうしてもすべきであるというふうなお話であれば調査をいたします。ただ、本法の趣旨は書面によりましてこれを処理するというのが基本でございますから、通常はそういうことは考えておりません。 しかし、もしそういう必要があれば、それは企画庁の体制の中で問い合わせをするなり、あるいは調査をするなりということを考えてまいりたいと思います。
○竹村泰子君 今のお答えですと、警察に調査を依頼するようなことはないというふうにとっていいのでしょうか。 この法が通れば庁内でどのような体制をとるつもりですか。
○政府委員(井出亜夫君) 企画庁といたしまして、今日まで市民活動につきまして国民生活審議会で御議論をいただいたことでございますとか、それからさまざまな問い合わせでございますとかというふうなものに対する体制は現在十分にできております。 しかし、新たに設立の認証でございますとか、あるいは報告書等の閲覧、あるいは必要な監督というふうな責務が与えられますれば、こうした責務を適切に遂行する体制を十分に整えてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 今国会冒頭でNPO法案は通すという国会の中の約束がありますから、これは間もなく成立すると思いますけれども、今のようなお答えですと、体制をどういうふうにとって、どんな調査班をつくってとか、あるいはどうやってこれに対処しようとか、そういう具体的なことはまだ考えていらっしゃらないような感じですね。
○政府委員(井出亜夫君) 具体的にどれだけの申請件数が出てくるかとかいうふうなことはまだ詳細を把握しておりませんものですから、そこまでの具体的体制は整えておりません。今日までの御議論の中でも、企画庁としてどういうふうな考えであるか等々いろいろ用意をする、準備をするというふうなことがございまして、今日におきましても体制を確保しておるわけでございますから、新しい法施行ということになれば、その延長で考えてまいりたいと思っております。
○竹村泰子君 では、時間がありませんので、次に移ります。 四十一条立入検査ですが、法令違反や行政処分違反については刑法や刑事訴訟法、各行政法規に基づいて措置を行えばよくて、この規定を特に設ける必要があるのかという指摘があります。 先ほども、「相当な理由」というのはどういうことだという御質問がありましたけれども、罰則を伴う行為ではないにもかかわらず、立入検査を認める必要性は何なのでしょうか。オウムのような事件があったということがあるのでしょうか。 民法には法人の業務及び財産の状況の検査の規定が置かれていますけれども、立入検査まで認めたものではないと解されると思います。先ほど定期的な立入検査をしている場合もあるというふうなお答えがありましたけれども、それは法人によってはあると思いますが、立入検査というようなことまでこの四十一条に書く必要があったのでしょうか。どのあたりから出てきたのでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 本法案では、所轄庁による設立の認証は基本的に法定の書面の審査を通じて行うものとして、比較的簡易な手続のもとで法人格を取得できるようになっている一方、法人が社会的存在であることにかんがみ、このような制度が悪用されることのないよう、市民による監視のための情報公開の規定を設けております。そして、これらの方法では対処できない事態に対する事後的な最後の手段の一つとして、第四十一条の規定により、立入検査の制度を用意しているということでございます。 しかし、この場合においても、所轄庁の恣意的な権限行使が行われないように、特に「相当な理由があるとき」と規定をし、かつ立入検査の際に相当の理由を記載した書面を市民活動法人の役員等に提示し、または交付する旨を規定していることから、市民活動法人の活動を不当に抑える等の萎縮効果をもたらすものではないと考えております。 この法律による市民活動法人としての要件を満たしているかどうか把握する手段として、本法の中にこの程度の立入検査規定を設けることは必要かつ妥当な措置でやむを得ないものと、こう思っているところでございます。 なお、御指摘の民法の関係でございますが、実務上は、前年度の事業報告書、財務諸表等及び当該年度の事業計画書、収支予算書等の提出を義務づけてその内容を審査し、定期的な立入検査を実施するなどの方法がとられることが多いようである、このように総務庁発行の公益法人の現状と問題点という解説書には説明をされているという状況でございます。
○竹村泰子君 解説書にはあるかもしれません。わかるんです、公益的な医療法人とか、そういうところにはもちろん立入検査は必要であるというふうに思いますけれども、これはやっぱりあくまでも市民運動団体、市民活動の団体であり、民間の団体でありますから、これはちょっと行き過ぎではないのかなと私は思うわけであります。オウムのような事件がありますとこういうところがどうしても厳しくなっていってしまう、そういう想定のもとにつくっておられるのかなと想像するわけであります。 これは、「相当の理由」という「相当の理由」とは何ぞやという哲学問答をしなきゃならなくなってしまってちょっと私のきょうの時間内ではおさまりませんのでやめますけれども、よほどのことがない限りこういうことはあり得ないというふうに解釈してよろしいかと思いますが、よろしいですね。うなずいておられますので。
○衆議院議員(金田誠一君) 御指摘のとおりでございます。 そのように解釈して何ら差し支えございません。そのとおりでございます。
○竹村泰子君 またこのところは後日に譲りたいと思います。 NPOの活動に対して税制上の優遇措置が持つ意義と必要性、これはもう私どもは大変重要に考えているわけで、法律案に税制上の優遇措置を盛り込めなかった理由を端的に伺いたいと思うのです。それと、将来可能とされているわけですから、今後の検討に当たっての具体的な構想を伺えたらありがたいんですが。
○衆議院議員(金田誠一君) 議論の経過の中ではこの問題も本当に大きな争点になったわけでございます。結果としては、現在の公益法人税制、これは課税の方もあるいは寄附金税制の方もかなりな特典といいますか優遇税制になっているわけでございますけれども、今の公益法人の認可を得ること自体が極めてハードルが高いという状況でございます。 そういう中で、審査を経て公益法人という認可をされてきた法人に比べて、今つくろうとしている法律は非常にハードルが低い。簡単な手続で法人格を取得できる。その場合、両方の課税面あるいは寄附金税制面の扱いをどのように設定をするのかといったことなどはなおその検討期間を要するのではないかということが、今同時にこの税制面もお示しし得なかった最大の理由である、こう思っております。 決して優遇税制が不必要であるとか、検討しないとかということではなくて、それは附則の三年の見直し条項の中に含まれているということを確認した上で、今にわかに結論を出し切れない状況にある。この法律が施行されてその状況を見なければということで、同時に提案をできなかったということで御理解いただければありがたいと思うわけでございます。 なお、今後の問題でございますけれども、これはそれぞれ与党と私どもの立場の違いはあるかもしれません。私どもとしては、課税をする面で公益法人との整合性をどうやってとっていくかということが一つの課題でしょうし、もう一つは寄附金税制の上で特に所得税、これが現在では所得控除になっておらないわけでございます。これは特増法人という制度にならなければ所得税の控除はないわけでございますけれども、この所得税の控除に何とか道を開きたいものだなという思いでございます。
○竹村泰子君 ありがとうございます。 将来的に議論を進めて、見直しの期間の間にしっかりと私どももこのことがぜひ入れられるように頑張りたいと思います。 時間が余りなくなってしまいました。 最後に、これはまだ修正案が出ていないので、仄聞するところによりますと、参議院の与党の修正案の中には認証の基準に暴力団等排除規定を追加するというふうに聞いております。第二十条第四号の役員欠格事由の中に暴力団員不当行為防止法等の違反者を排除する規定がありますね、既に。これにあえて排除規定を追加する趣旨を、与党の方、聞かせていただけますか。
○衆議院議員(小川元君) 私どもの衆議院の発議段階あるいは法案通過の段階におきましては今御指摘の条項は入れておりませんので、私どもがお答えする立場にはないというふうに思っております。
○竹村泰子君 参議院の与党修正案ですからちょっとお門違いだったのかもしれませんが、でも、同じ党内でいらっしゃいますからお聞きしたのですけれども。 私たちは、この市民活動促進法案といいますかNPO法案、非常に規制が多くて規制緩和に逆行するものだ、規制が実にがんじがらめにあり過ぎるというふうに考えておりますので、また新たな規定を追加されることについてはちょっとびっくりしているんです。 現行の有限会社や株式会社の中にも暴力団のもとにあると言えるものがあるのではないでしょうか。こうした規定を設けても暴力団をNPO法人から排除することは実際に困難ではないか、むしろ第二十八条の情報公開によってチェックしていけばよいのではないか、情報公開こそが主要な部分であるというふうな意見もありますが、いかがでしょうか。 お答えを聞いて、私の質問を終わります。
○衆議院議員(河村建夫君) どのような制度にも、反社会的組織がこの制度を悪用してもらっては困る、これができないようにする担保をどうするかということは、これは政策的判断だというふうに考えるわけでございます。規制をできるだけなくすという基本的な概念に立っていることは事実でありますが、この制度が悪用されない面から考えてさらに必要であるかどうか、参議院側の方としてもお考えがあるようでございますので、それを受けてできる限りの措置をしていくという観点、政策的判断に立ってこの問題には対応していきたいというふうに考えております。
○竹村泰子君 終わります。
○委員長(鹿熊安正君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本保君 公明の山本保でございます。 きょう初めて質問ということになりました。今まで答弁席でいろいろお話はさせていただきましたけれども、きょうは時間の都合もございますので、午前中非常に興味のある議論があり、参加したいところではありますが、順序ということもありますので、私はきょうは与党案の市民活動促進法案の第一条と第二条の一項までに限定いたしましてお聞きしたいと思っております。時間的にこれも全部行かないかもしれませんが、次の機会に、特に二項のいろんな要件、制限については次回必ずやらせていただこうと思っておりますので、御了承をお願いいたします。 最初に、その質問に入ります前に、実は前回の二月三日のときに、私はもちろん向こうにおったわけでございますが、そこで答弁する立場ではなかったんですけれども、私どもが出しております法案の核になっております要件、何度も申し上げますが、つまり私どもの法案の特別法たるゆえんといいますのは、対象を制限したり民法以上の難しい規則をつくることではなくして、本当に各地域で頑張っておられるNPOの方の取引等における信用を保証するという観点から、これは日本の他の法人がすべてそうであるようにある程度の、最低限度でいいけれどもある程度の財政規模のようなものを置いた方がいいのではないかということで基本基金五十万円と、当初のときにはいろいろ諸費用も要るということで百万円の設立寄附と、こういう要件を新たに設定しまして、このことによりまして、実は民法三十四条にあります財団法人でもないしまた社団法人でもないという、こういう新しい形式をつくるということをクリアしていくことによって、民法にあるのに民法を変えずにどうして新しい法人ができるの、それも対象領域を狭めずにできるのかという難問に答えたわけてあります。 前回の議論でこのことについて与党提案者が触れられまして、現実の今の各NPOの調査結果を引かれ、たしか四千団体以上の答えがあったのだが、そのうちで年間支出が十万円未満のものは三分の一を占める、特にこのNPOの中で主要な部門である社会福祉部門においては十万円未満の年間事業費の団体は五〇・四%である、こういうまず数字を挙げられまして、それにのっとり私どもの法案が現実に合っていないのではないかという旨の御発言がございました。 私、それにつきまして同じ資料、先日手元にありませんでしたので触れられませんでしたので、きょうそれについて少し皆様のこういう数字のイメージといいますか、誤った印象を持たれましても困りますので、時間のこともあり多分答弁者は触れられなかったんだろうと思いますので、補足的にその数字は関するものについて、私の質問時間でございますけれども、御説明させていただきます。 これがあのときもお示しになった調査結果でございます。確かに四千余団体からのものがあり、財政規模十万円未満の団体が三分の一を占めるというのが七ページに書いてございます。しかし、あのときに私もその後でもちょっと触れましたように、実は今この調査が対象としました四千団体といいましても、実際に法人格を必要とするような規模で仕事をしているものと、ボランティアというものが一緒になっておるわけでございます。どういう割合になっているのかということを見てみないと、この数字は実は全然違う数字であるということを申し上げます。 同じ本の調査の後の方にございますが、実はこの法人格の必要性を感じたことがある団体というのは非常に少ないわけでございまして、約一割でございます。法人格の必要性のある団体についてこの財政規模を調べた調査が同じ本にきちんと載っております。それを見ますと、確かに数字はちょっと補正しておりません。全体の法人で十万円未満の財政規模であるというのは、この前三四%、三分の一とおっしゃいましたが、それは正しい数字でございます。それは無回答のものを除いたものでありまして、この調査結果では無回答分を入れてありますので、その数字は二一・二%、これは正しいんでございますが、それで一応二一・二%の方が全体では十万円未満の規模にすぎないということでございますけれども、そのうちで法人格の必要性を感じたことがあるという団体としてこの調査結果は出ております。そうしますと、十万円未満の事業規模の団体は一二・七%にしかすぎません。一割ちょっとであります。 例えば、私どもが考えております五十万円以上の、常時お金が動いているという意味での五十万円以上の財政規模の団体はどれだけあるのかと見てみますと、十万円未満の団体が一二・七%ですが、五十万円から百万円までが六・五%、百万円から五百万円までが一三・一%、五百万円から一千万円の規模のものが五・一%、一千万円から五千万円までの規模が八・四%、五千万円以上が二・二%。全部足しますと三五・三%の団体が、この法人格の必要性があると言われている団体のうち三五・三%が五十万円以上の財政規模であるということを申し上げます。この本にははっきりとそのことが、法人格の必要性を感じたことがある団体の方が財政規模が百万円以上の団体の割合が高いということが書いてございます。 また、例えば法人格の必要性を感じたことがある団体の方が団体専用の事務所を借りている、または自己所有している割合が高いというようなこともきちんと出ておりまして、私どもはもちろんこのような現状に配慮いたしまして、まず五十万円ぐらいの基金であれば法人格を求めておられる方にそれほどの負担はないということであの法律を構成したということについて、どうぞ御理解をいただきたいと思っております。 では、次に質問に移らせていただきます。 最初は第一条関係でございますが、何度も議論になったことかもしれませんが、きょう海老原議員がおっしゃいましたように、この委員会できちんとこの辺を議論していくということが大事だと思いますので、やらせていただきます。 第一条には、「市民に開かれた自由な社会貢献活動」という言葉が出ておりますけれども、これは一体どういうものであるのか。そして、一緒にお聞きしますが、提案理由の中で、「団体の私的自治及び団体情報の開示による市民の判断」という言葉が実は与党提案理由、先回ここでお話があった中にございますが、これとの関連はどのように考えたらいいのかについてお答えをお願いいたします。
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の「市民に開かれた自由な社会貢献活動」というのは、この第一条の最初のどころとして「市民活動の健全な発展を促進し、」云々という言葉で出ております。そして、もう一つの御指摘の「団体の私的自治及び団体情報の開示による市民の判断」といいますのは、私たちが提案理由説明を行ったその中の文言から拾われたものだというふうに理解しておりますけれども、趣旨説明の中でこの法律案の内容の概要についての説明を四点いたしました。その第四番目に触れられている文言です。その前後を読みますと、「団体の私的自治及び団体情報の開示による市民の判断にゆだねることといたしております。」というふうなこの文言をお触れになったと思います。 まず、「市民に開かれた自由な社会貢献活動」とは、実際に市民が主体性を持って自由に参加できるような活動を指すと、これはこの審議の中でも随分議論されたことであるかと思います。それともう一つは、この「市民に開かれた」という意味は、「市民に開かれた存在としてみずからを開示していく」という、この二つが考えられるのではないかというふうに思います。 では、先ほど御指摘の二つの関連性ということになりますが、先ほど説明しました趣旨説明の前後はこうなっております。「その活動の是非は団体の私的自治及び団体情報の開示による市民の判断にゆだねることといたしております。」と。「市民活動法人は、まさに市民に開かれた存在としてみずからを開示していくことによりその信用を高めるものと考え、」というのが理由で、この文言を使っています。 さて、その中で、この法案において法人の自主性を尊重するということはもちろんですけれども、問題になりましたのは行政庁による市民活動への介入を極力排除していきたいということで、市民にそれぞれの情報を開示し、それによって市民の判断にゆだねるというような意味で「市民に開かれた」という言葉を使っております。市民活動が法人格を認められる以上、当該法人の構成員の社員による私的自治によりその活動の是非が判断されるべきなのは当然ですけれども、従来の民法上の公益法人は、実際に主務官庁による法人の活動への介入や監督などの形でかなり厳しいということにかんがみまして、その自治にゆだねるという意味において「私的自治及び団体情報の開示による市民の判断」という言葉を使いました。 これが「市民に開かれた」ということと、その市民に開かれたことを実際に運営していく際にこのような姿勢で行っていただきたいということで、このように趣旨説明しました。
○山本保君 丁寧に答えていただきましたが、申しわけございませんが、時間がないものですからお答えは簡単で結構でございます。ただ、丁寧だった割には何だかわからないことがありまして、私の頭が悪いのだと思いますが。 ここで一つだけその中で問題にしたいのは、開かれたということと私的自治ということでございます。これは前回、猪熊議員からもお話があったように、まさに結社の自由ということがあるわけでございますから、中で自治的なことというのは当然保障されなくてはならないわけですが、これはこの条文ではありませんけれども、後の方に要件というのが出てくる。 そこで、これは次回にまた問題にいたしますけれども、きょうも午前中お話がありましたが、例えばある大学を出た方だけで社員になってはいけないとか、こういう議論がされたようでございます。これはまた少し検討していただきまして、次回きちんとやらせていただきます。 それで、ちょっと今気がついたことなんですが、一般の傍聴の方もおられますが、社員という言葉と、きょう午前中に会員制をとる団体が云々ということがいろいろございました。この会員という言葉とどう違うのか。私、前回も申し上げたんだけれども、どうもその議論がかみ合わなかったのが実はここにあったのではないかなとさっき気がつい、たわけなんです。 つまり、私が社員の資格の得喪と言っております社員といいますのはまさに団体の構成員でありまして、団体の方向等について個人もしくは集団できちんと責任を持ち、その代表が運営をしていく、そういう決定権を持ったものを社員というのだと私は認識しておりまして、簡単に言えば、団体が行うさまざまのサービスを受ける人が、会員制というような形で幅広くほかの方よりもプライオリティーをもってサービスが受けられるかどうかということとは全く関係のない概念であると私は思って話しておったのです。 ところが、どうもお聞きしておりますと、開かれたというのが、何か社員になることが開かれなくてはならないというようなお答えがあったような気がして、ここがどうもおかしかったのじゃないかなという気がいたしますが、これをこれ以上お聞きすると時間がございませんので、次回やります。どうぞ提案者の方、少し御協議をお願いしておきたいと思います。 次に、具体的なことについてお聞きいたします。 第二条には、「不特定かつ多数のものの利益」というのがございます。不特定かつ多数のものの利益が公益である、こういうふうに考えられると思うわけですが、不特定かつ多数といいますと、少数でかつ特定されておったらだめなのかということであります。例えばエイズの被害に遭われた方でありますとか、また新宿等である地域にホームレスでおられる方、こういう方の福祉を考えようというような団体はどう見ましても特定でありかつ少数であるという気がするのですが、こういうものはこのNPOの法人にはなれないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(金田誠一君) 「不特定かつ多数のものの利益」ということについてお尋ねでございますが、第一条の「公益」と同じ概念であるということでございます。 ただ、市民活動法人の定義においてあえて公益という文言を用いなかったのは、従来この公益という文言が民法の公益法人制度との関係においてややもすると官益というイメージで社会的に用いられている場合もあり、新たな時代を担うべく期待される本法案による市民活動法人については、より価値中立的な「不特定かつ多数のものの利益」という文言がふさわしい、こう判断したところによるわけでございます。 そこで、特定の集団を対象にした活動がこれに含まれるかどうかということでございますけれども、例えば互助組織のようなもの、こういうものであればこれは公益、不特定多数の利益ということにはならないのではないかと思います。しかし、その行う具体的活動が別表十二項目のいずれかに該当する活動を通じたものであり、社会一般の利益の増進に寄与することを目的とするものであれば、たとえ少数者を対象とした活動であっても「不特定かつ多数」の要件を満たすものと、このように考えております。
○山本保君 結論のところについては私も同感でありまして、そういう意図であるということが出されたことは結構だと思います。しかし、それならばなぜ不特定多数というのですか。 今答弁者が言われましたように、「社会一般の利益」という言葉は、実はこれは私どもの法案で使っている公益の定義でございまして、そちらの法案では「不特定かつ多数」という定義を使われているんです。御自分の法案の説明をするときに私どもの法案の定義を使われて、こういう意味であると言うのであれば、心の中では私どもの法案がいいのだと思われているのかなと推測するわけでございますけれども、この「不特定かつ多数」というのは言葉だけを見れば余りいい言葉ではなかったなと思います。しかし、金田先生がそういう意味であるとおっしゃいましたので、答えについては了解いたします。 次に、きょうはたくさんおいでいただきまして本当に申しわけございません。私ども何も各省庁をぎりぎり何かやろうという気はございません。ただ、きょう午前中からもお話がありますように議員立法でございます。基本的にはこの中でいろいろ議論された提案者の意図、そして主務官庁のいろんな解釈が問題になってくるわけでございますので、その主務官庁の解釈などに非常に影響がございますのが現在十二項目でございます。これにかかわる行政を担当している省庁では、どのような言葉で、またどのような概念でこういう分野について行政を行われているのかということを押さえておかなくてはならないのではないかと思いました。実は全部きちんとぎりぎりやるべきだと私も思いますが、しかし今までもやっておりませんので、きょうは全部できないと思いますが、お聞きしたいと思っております。 それで、その前に提案者に、これは書いていなかったことで、今までも何度も出ておりますが、お聞きしたいんです。 これは、十二項目、事実上分野は十一ですが、この十一項目を列挙したということは限定列挙であって、それ以外のものはだめだという意味なのか。これは、ただ新しい法律を民法と並行してつくるために必要な作業なのであって、基本的にはすべて含まれるのだということなのか。今までの御答弁をお聞きしましても、両方の答えがどうも入りまじっておるような気がして仕方がありません。 最初に、この別表十二項目というものの性格をお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(金田誠一君) 再三取り上げられている点かと思うわけでございますが、別表の十二項目は、法制的には市民活動法人が公益法人の一種であるということから、民法の特別法としてのすみ分けのための要件の一つとして設けたものでございまして、限定列挙ということでございます。民法三十四条とのすみ分けのためには何らかの区分けを設けざるを得ないわけでございまして、私どもとしてはこの十二項目の限定列挙ということをすみ分けの根拠として採用させていただいたということでございます。 ただ意図は、この十二項目を狭く解釈してなるべく活動範囲を狭めようなどという立法の意図ではございませんで、あくまでもすみ分けのために要件が必要であるということから十二項目を挙げさせていただいた、そして政策判断ということで十二項目を挙げたわけでございます。実態としては、現在行われている市民活動の相当の部分はこれによって法人格を取得することができるだろうという想定をいたしているということでございます。
○山本保君 相当な部分と言われますけれども、逆に考えますと、との条文によって市民活動法人になれない団体にとっては、あなたのところは幾ら数が少ないよとか社会的影響力が少ないよと言われれば言われるだけ非常に失礼な話になります。しかも、それが行政官庁の恣意的な判断によってもしそういうことが行われたとなりますとこれは大変な問題になり、そしてひいては全国でそのことについての取り消し訴訟が起こるのではないか。そのとき裁判所がどのような判断を加えるのか。 この条文が、猪熊先生がきょうもおっしゃるかもしれませんが、前回きちんと整理されましたように非常に違憲の疑いが濃い条文であると、全国で違憲判決がもし出たりしたときに提案者はどう考えるのか。それはひいては私ども国会議員の責任でもあると、こういうことを私どもは非常に懸念しておるわけでございます。ただ。今のお話で意図はわかります。 では、具体的にこの中身についてお聞きしたいと思いますが、最初に「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」とございます。厚生省の方で、この保健、医療、福祉の増進を図る活動という概念で、これはつまりこの法律についてではございません。この法律とは関係なく、こういう保健、医療または福祉の増進を図るというような意味で、厚生省としてはどのような行政範囲を持っておられるのかということをお聞きしたい。
○説明員(辻哲夫君) 保健、医療または福祉という概念についてでございますけれども、保健、医療または福祉というような法令上の用語をちょっとよすがに考えてみますと、保健、医療または福祉サービスといったような法令上の用語が厚生省所管法でございます。 そういったことから推しはかってまいりますと、保健と申しますのは疾病の予防あるいは健康づくりといった概念、それから医療というのは傷病の治療、それから福祉と申しますのはいわゆる社会福祉というような意味での福祉ということで、高齢者や障害者などに対するさまざまな生活支援と、こういった行政分野に対応する概念と理解いたしております。 ただ、個々の用語についての定義規定があるわけではございませんので、それに対応するある程度幅の広い概念だというふうに理解いたしております。
○山本保君 ありがとうございます。 一つだけ追加でお聞きしたい。 そうしますと、例えばエイズ問題がありましたときに、医療機関または厚生省の対応などについて非常に問題があったのではないかと、全国的にさまざまな運動が起こりました。また、先回の法改正などにおいて薬剤のシステムについて問題があるのではないか。薬剤関係というようなものは今の御説明では入らないというふうに解されますが、いかがでございますか。
○説明員(辻哲夫君) 私、少し説明が不十分だったと存じますが、医療というのは傷病の治療というふうに御説明を申し上げましたが、その中にはそのために用いる医薬品という概念が入っておると思いますので、今御指摘の点につきましては医療という概念の中に含まれるものと考えております。
○山本保君 わかりました。医療の中に入れて読める。 もう一つ伺います。 例えば、最近問題になっております北朝鮮に行かれた日本人妻の問題、または中国残留孤児の問題、これは厚生省設置法では援護事業というふうに言われていると思いますけれども、こういうものはこの中に入るというふうに読んでよろしいのでしょうか。
○説明員(辻哲夫君) 私ども保健、医療、福祉と申しますときの福祉というのは、恐らく中心は社会福祉という概念ではないかと説明申し上げましたが、福祉という言葉、あえてここに社会福祉と書いておりませんので、もう少し広く読めば高齢者や障害者、さまざまな援助といいますか援護と申しますか、こういうものの必要な方々に対する生活支援という概念で、これは私どもあくまでも所管ではございませんので勝手なことは申せませんけれども、福祉という場合に援護という概念がございます。援護というのは高齢者や障害者の援護という概念がございますので、そのあたりはもとより所管でございませんが、幅広く読む余地もある概念かと考えております。
○山本保君 私は、ここで各委員の先生にも申し上げたいんですが、別に言葉がよくないとかいうわけではございません。必ずこれから経済企画庁なりを、経済企画庁にならない方がいいと思っていますけれども、この法律がいろんな形で具体的に運用されると、こういう場合に実際にこれを担当しておる各部局、部局というか省庁がどのような態度をとっていかれるかということが、これがまさに民間運動に対する姿勢でございますので、そのために今お聞きしておるわけであります。できる限り幅広く解釈をしていこうということはわかりました。 それでは次に、「社会教育の推進を図る活動」というのがございますが、文部省の方、これを今申し上げたようにこの法律ということは抜きにして、社会教育という概念は文部省ではどのように使われているのか、簡単に御説明をお願いします。
○説明員(銭谷眞美君) 文部省所管の法令におきまして、社会教育について定義をしているものが幾つかございますが、一つ御紹介をさせていただきますと、文部省設置法におきましては社会教育については、「公民教育、青少年教育、婦人教育、労働者教育等の社会人に対する教育、生活向上のための職業教育及び科学教育、運動競技、レクリエーション並びに図書館、博物館、公民館等の施設における活動をいう。」というふうに定義をされているところでございます。
○山本保君 社会教育に入らない活動というのは、どういう分野がございますか。
○説明員(銭谷眞美君) 一般的に行われている教育活動について、例えばただいま申し上げましたのは文部省設置法上の社会教育の定義でございましたが、社会教育法におきましては、「「社会教育」とは、学校教育法に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動」というふうに定義をされておりますので、いわゆる組織的な教育活動のうち学校教育活動というものが社会教育からは除かれるというふうに考えられるかと思います。
○山本保君 私、補足しますと、学校教育法といいますと、幼稚園から始まりまして大学、大学院まで、高等教育まで全部含むわけであります。でありますと、学術振興というようなもの、研究調査というようなもの、それからまさに学校に行っておられる方を助けるための奨学金制度でありますとか、こういうものはすべて学校教育の中に私は含まれると理解しておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
○説明員(銭谷眞美君) 教育というものを学校教育と社会教育というふうに二つに大別をして考えた場合には、その学校教育活動の中での先生御指摘のような活動はやはり学校教育活動の一環ということにはなろうかと思います。
○山本保君 今はっきり答えが出たようであります。この社会教育という概念は非常に狭い概念でありまして、なぜこういう狭い概念にして一般的な教育にしないのか、このことによって調査研究、その他学校教育にかかわるものが排除されるおそれが非常にある条文であるということを指摘しておきます。 時間がありませんので次へ移りますが、「まちづくりの推進」、これはいろんなところがあるようですが、建設省を代表してだと思いますけれども、まちづくりという概念は法律にあるのかどうか。ないとして、どういう概念で使われているのか、御説明をお願いします。
○説明員(中島正弘君) 建設省の所管法令でまちづくりという用語を用いている例はございません。私どもが調べました範囲では、恐らく法令でまちづくりというのは今まではなかったというふうに理解しております。 したがいまして、法令上どうかということをお答えするあれはないのでございますが、一般に、例えば通達でございますとか事業でこれはよく使っておりまして、その範囲で、したがいまして正確な定義ということにならないかもしれませんが、ニュアンスの問題として申し上げますと、通達の中で、例えば「まちづくりにおける高齢者、弱者等への配慮」と、こういう表現があります。これは同じ通達の中で、他の場所では都市の整備でありますとか都市づくりと言っている文脈に比べまして、ニュアンスとして、より生活に身近な施設整備でありますとか、きめの細かい配慮を行っていく都市整備というふうなニュアンスを持っているというふうに理解しています。 また、別の文脈ではこういう表現がございます。「住民のまちづくりへの理解と参加」というふうな言い方をしております。このような場合には、物をつくるとか規制するとかいうことだけではなくて、住民の意識、活動、運動といったニュアンスを含む、あるいはそのような言葉と一体として使うというような用語であると思っております。 事業制度でもたくさんございまして、街並み・まちづくり総合支援事業、身近なまちづくり支援街路事業、住民等のまちづくり活動支援事業、こういう使い方をしていまして、通達の例と同様でありますが、いずれも通常の施設整備だけでなくて、もう少し生活に身近な、あるいはきめの細かい、あるいは市民の意識とか活動、そういったものを意識した場合に用いられる用語ではないかと理解をしております。
○山本保君 私、もっとやりたいんですが、ここで終わりますけれども、一言、例えばまちづくりにしましても、前回のときに農村の振興についてもまちづくりであるという答弁があり、また今までの答弁を見ますと、シンクタンクというのもまちづくりに入るんだというような、法律にないからといってここまで読み込むなんというのは全くおかしな話であります。最初に立案者の方から幅広く読むんだと言われますけれども、このように概念規定がはっきりしておる言葉をそんないいかげんに幅広く読むことができるのかどうか、私は大変不思議に思います。 あと残りましたものについては、申しわけございません、せっかくきょうおいでいただきましたけれども、次回にまたお呼びいたしますので、そのときによろしくお願いいたします。
○猪熊重二君 質問を通告申し上げましたけれども、ちょっと時間の関係で順番を変えさせていただいて、与党案に対する立入調査権についてお伺いします。 与党案は、第四十一条で所轄庁の市民活動法人事務所に対する立入調査権を認めています。私が伺いたいのは、この立入調査権を認めるときに法人格付与の各種の法律をどの程度御検討になった上でこういうことを規定されたんだろうか。 時間の関係で私の方から申し上げてしまいますけれども、営利法人、要するにすべての株式会社等の会社に対する立入調査権はない、政党法人格付与法に基づく政党に対してもない、学校法人法に基づく学校法人にもない、各種協同組合法に基づく農業協同組合、中小企業等協同組合等にもない。労働組合に対しては立入調査権がありますが、これは労働組合に対する立入調査権ではなくして、事業者を監督する意味において工場、作業所に対する立入調査権はありますけれども、労働組合の事務所に対する立入調査権なんというのはない。宗教法人については、質問のための立入権は認めておりますけれども、立入調査権は認めていない。民法三十四条の公益法人の場合には、民法六十七条で業務監督及び検査権というのがあります。この検査権については、立入調査権まであるのかどうなのかというのがはっきりしておりませんが、実務的にはちょっと行って調べるぐらいのことはやっているらしい。 いずれにせよ、この市民活動法人に対して立入調査権を認める必要があるのかないのか、簡潔に答えてください。
○衆議院議員(金田誠一君) 本法案では、所轄庁による設立の認証は基本的に書面審査によるものとし、比較的簡易な手続のもとで法人格を取得できるようになっている一方、法人が社会的存在であることにかんがみ、このような制度が悪用されることのないよう市民相互の監視のための情報開示規定を設けているところでございます。 そして、これらの方法では対処できない事態に対する事後的な最後の手段として第四十一条から第四十三条の規定により報告徴取や立入検査、これに基づく改善命令や認証取り消しの制度を用意しているところでございます。 しかし、この場合においても、所轄庁の恣意的な権限行使が行われないように、特に相当な理由があるときと規定をし、かつ立入検査の際に相当の理由を記載した書面を市民活動法人の役員等に提示し、または交付する旨を規定しているわけでございまして、不当に抑える等の萎縮効果をもたらすものではない、このように考えております。
○猪熊重二君 今の御説明は、私が先ほど例示した各種法人との対比における合理的説明には全くなっていない。なぜか。書面審査だけなんだと言うんだったら、政党だって宗教法人だって全部書面審査だけなんです。要するに、今おっしゃったことは、市民活動法人は何を悪いことをやらかすかわからぬから立入調査するんだという観点に立たない限り出てこない結論だと私は思う。 時間がないので、特に与党の提出者に申し上げたいんですけれども、前回の質問のときにも私が申し上げたんです。なぜ世の中に多種多様ある市民諸活動の中から十一項目だけをピックアップする必要性があるのか。あるいは市民公益活動を主たる目的とする団体だと言っておきながら、さらに宗教活動を主としてやっちゃならぬ、政治活動を主としてやっちゃならぬ、選挙活動もやっちゃならぬというふうな限定をなぜするんだとか、あるいは今申し上げた立入調査の問題に関しても、与党案の提出者の言われることはすべて民法一般規定としての公益法人とのすみ分けが必要だからと、こうおっしゃる。 私は、なぜこの市民活動法が民法の特別法であるのかということについて理解できない。なぜかというと、民法は、「法人ハ本法其他ノ法律ノ規定ニ依ルニ非サレハ成立スルコトヲ得ス」と書いているだけなんです。民法が言っていることは、法人は民法その他の法律の規定によらなきゃだめだよと書いてあるだけで、民法が基本法でその他の法律がその派生法だとか、民法が一般法でその他の法律が特別法だとかなんということは何も書いてないんです。法人は民法という法律か何とかかんとかというその他の法律かによって成立することができると書いてあるんです。 だから、市民活動法人法という法律をつくれば、それで立派な法律で法人格が付与できるんです。何も民法の公益法人の社団法人、財団法人とのすみ分けが必要だとか必要でないとかなんということは、私は全く無意義な、ナンセンスな議論だと思うんです。そのナンセンスな議論をもとにして、先ほど申し上げたようなこんなにいろいろ制約をしなければならないというふうな結論を導き出してくることは非常におかしい。民法が一般法で、この市民活動促進法案がなぜ特別法なんですか、簡潔に答えてください。
○衆議院議員(小川元君) 民法の三十三条は、法人の設立が法律によらなくてはならないという法人法定主義を規定したものだというふうに思いまして、これは委員も認識のことと思います。 したがいまして、我々のこの市民活動法人はいわゆる公益法人ということで、しかもその中で役員の無報酬制その他の要件を課しておりまして、その対象が三十四条の公益法人よりは限定をされております。そういう意味から三十四条の特別法というふうにして構成されているわけでありまして、いわゆる三十三条の規定と本法の三十四条の特別法であるか否かということは私どもは別の問題であるということだろうと思います。 ただし、こうした公益非営利法人あるいは営利法人、社団以外の法人については、三十四条あるいは三十五条と関係なく、法律をもってすれば法人格が付与できるということは御指摘のとおりだと思います。
○猪熊重二君 例えば営利法人だって、何で営利法人に株式会社があって、合名会社があって、合資会社があって、有限会社があるんですか。何もあなた、営利法人が利益を目的とする、そしてまた公益を目的としているわけじゃない。そういう法人だって株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、法律で幾つでもつくっているじゃない。 要するに、公益を目的として非営利活動の法人を、民法はいろんな能書きをつけて、主務官庁の許可だどうだ、金一億だ、三億でなきゃだめだという、それも一つの国民に対する提示ですよ。今度皆さん方がおつくりになったのは、そんな主務官庁の許可も要らぬ、一億も三億も金も要らぬ、一生懸命頑張りなさいというのをつくっただけの話です。何も民法公益法人規定とすみ分けなきゃならぬなんて、だからすみ分けるためにはここをきつくしろ、ここをこういうふうにしろなんて言う必要は全くないと私は思うんです。これは意見ですから、しようがないんですけれども。 もう一つは、もう時間がありませんので、税の優遇措置について私の考えを申し上げて、与党案の提出者の方に考えてもらいたい。 この前も申し上げましたけれども、この国というのを国と個人と二つに分けて、全部国が処理するんだ、だから税金も全部国が取るんだと。これが今までの明治憲法下の、最近までの世の中にも合致した法律解釈だったわけです。しかし、国と個人の間に社会的に活動する諸団体がいろんな公益的な事業をやることによって世の中が動いている、その事実は認めなきゃならぬ。そうだとしたら、国が公租公課として取って、取った金を恩恵的に分けてやるんじゃなくて、市民団体のところへ税金になるべき部分が行って、この市民団体が諸活動をやることは国がやることのかわりであって、国だけがひとりで金を持って恩恵的にやるような仕組みでは、もう世の中が成り立っていかないということ。 そのことを前提にすれば、市民団体の諸活動に対する収益事業に対する課税の減免だとかあるいは寄付金の控除だとか、こういうことが当然に考えられなきゃならぬ。そうでなかったら市民活動諸団体は、一生懸命諸活動をするために事業をやったら、税金払えと。じゃ、やったってどれだけ得になるのかどうかわからない。自分たちでやってもしようがないから、何とか寄付もらってやっていこう、寄付金控除もないと。全く自分たちの金だけで、自分たちだけでやっていけということですか。もっと税法上の措置を講ずるというのは、国の恩恵でもない、世の中の仕組みにおける金の流れの動きにすぎぬと私は思うので、もう時間になりましたので終わりますけれども、その点もいろいろお考えいただいて法案を立派なものにつくっていっていただきたい。 共産党案と野党案の先生、質問時間がなくていろいろ伺えなくて申しわけありませんけれども、申し上げたことを御理解いただけたらと思います。 以上です。
○大脇雅子君 与党法案について、少し法律的な問題点についてお尋ねをしたいと思います。 先ほど猪熊議員も問題にされましたように、法案の第四十一条には、所轄庁は、市民活動法人が法令または法令に基づいてする行政処分または定款に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときには報告をさせたり、所轄庁の職員に事務所その他の施設に立ち入らせることができる、そして業務もしくは財産の状況もしくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができると書かれております。この立入権限についてはさまざまな議論がありますが、この立入権限の法的な性質について少しお尋ねをしておきたいと思います。 まず、行政庁の処分が何かということは先回いろいろな御答弁がありましたが、定款に違反する疑いがあると認められる場合とはどのような場合なのかということについてお尋ねします。
○衆議院議員(辻元清美君) 立入検査につきましては四十一条に規定してあります。定款に疑いがあると認められるときというのは、「相当な理由があるとき」ということもあわせて記載してあるわけなんですけれども、それぞれの活動の内容、それが活動後の報告と実態がかけ離れているというような相当な疑いがある場合や、もしくは書類の不備等がある場合、そういうときが具体的だと思われます。
○大脇雅子君 そうしますと、この立入権限はどういう内容のものか。強制的なものではない。というのは、この四十一条には罰則がかかっていないわけですから強制的なものとは言えないと思いますが、それはどのように解釈できるのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) この立入検査にもしも応じなかった場合、その場合は、この後にかかってくるんですが、改善命令が出るということになります。立入検査に応じなかった場合は、その改善のために必要な措置をとるべきことを所轄庁が改善命令として出すことになります。この改善命令に対しては速やかに対処していただきたいと思うわけですが、その改善命令に対して対処なされない場合は認証の取り消しに移行していく場合もあります。 ただ、この四十一条で申し添えておきたいのは、四十一条の四に規定しているんですが、「立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」というふうに入っていることを申し添えておきます。
○大脇雅子君 わかりました。 次は、その法案第四十二条に言う「改善命令」についてお尋ねをいたしたいと思います。 著しく適正を欠くと認めるときにはその改善命令が出される。これは「改善のために必要な措置」というふうに書かれておりますけれども、これはどのようなものとしてイメージしたらいいのでしょうか。とりわけ市民活動法人は団体自治に基づいて運営されなければいけませんので、その改善命令、「改善のために必要な措置」にはおのずと限界があると考えられますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 今、大脇委員が御指摘になりましたとおりで、それぞれの団体は、定款もそれぞれの団体によって定めることになりますし、団体内での市民活動の団体自治の制限にかかわるような介入は避けるべきだと思います。 ですから、先ほど申し上げましたように毎年事業報告書等の提出、これは義務になっておりますけれども、そのようなものに不備があったり、それから著しく公共の福祉を害すると認められるような、「著しく」とあえてつけておりますけれども、そういうものがあった折には改善命令を出していただく。ただ、この場合は団体委任事務になっておりますので、それぞれの所轄庁の判断にゆだねるということになります。
○大脇雅子君 したがって、私は、改善命令というか「改善のために必要な措置」は、団体の内部の構成とかあるいは活動の内容には入ることができないという原則を確認する必要があるのではないかというふうに考えます。 次に、法案の第四十三条で、法人の「設立の認証の取消し」という項目がありますが、これは具体的にどのような場合になされて、この認証の取り消しの意義がある場合にはどのように手続が保障されているのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 今御指摘の点は、四十三条の認証の取り消しはどのようなときかという御質問かと思いますが、四十三条の第一項に「市民活動法人が、前条の命令に違反した場合であって他の方法により監督の目的を達することができないとき又は三年以上にわたって」所轄庁に提出すべき書類を提出していないときというふうになっております。このときは認証を取り消すことができる。 そしてもう一つは、同条第二項に規定しているんですが、これは例外的ということも入っておりますが、例外的には「所轄庁は、市民活動法人が法令に違反した場合において、前条の命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ、他の方法により監督の目的を達することができないときは、同条の命令を経ないでも、当該市民活動法人の設立の認証を取り消すことができる。」。この二つによって規定しております。 ただ、三項に「設立の認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該市民活動法人から請求があったときは、」できるだけ公平に行わなければなりませんので「公開により行うよう努めなければならない。」と。万一公開ができない場合はその理由を書面で交付しなければいけないというふうに、できるだけ公平性を担保するようにこの部分は考えました。 そして、この認証の取り消しに対する異議申し立ては、通常ほかのものと同じように裁判によることになります。
○大脇雅子君 裁判によるということになりますと、法人の認証が取り消された場合は法人格なき社団としての活動はできるということになりまして、裁判で認証の取り消しに対する仮処分、取り消しの取り消しの仮処分というものが必要になるという一般原則によらざるを得ないということになるのだと思います。 この場合、認証に関係しまして、法案第二条に、営利を目的としない団体で、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」というのが第二条第二項第一号のイというところにあるわけですが、この「不当な条件」というのはどういうものでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 御指摘は二条二項一号のイだと思うんですけれども、これは、この条文を決めた折に、市民活動の特性である市民に開かれた自由な社会貢献活動であることを具体化する条文という趣旨であります。社員の資格得喪に関する一切の条件の付加を禁止しているのではなくて、活動の目的との関係で合理的な条件を付すことはできる、これは当然不当な条件ではないというふうに考えています。 例えば、市民活動法人の連絡とか助言、そういうものを目的とする連合的な市民活動法人というのが最近はたくさんできてきているんですけれども、であれば、その社員資格を市民活動をしている法人や団体にのみ限定することができるとか、それぞれの活動に応じて合理的な条件であればできるというふうになっております。 原則として申請者の判断を重視してなされるようにしておりますので、申請者の中でそれは御議論いただくことになります。
○大脇雅子君 そうしますと、例えば性別とか国籍とか社会的身分といったような条件は、憲法上、法のもとの平等に反するということで、不当な条件ということに当然なると思うんですが、例えば一定の収入がある者とか納税者であることとかあるいは年齢とか、そういったものの制限というのはそれぞれの団体の自由ということになるのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 年齢制限など、何歳から何歳までというふうに各団体がされるということは、ない方がいいかというふうには思いますが、それが先ほどの合理的な条件であるかというのは各団体によって判断されることかと思います。
○大脇雅子君 法案の第八条につきまして、民法第四十三条及び第四十四条を準用するというふうに書かれていて、この法案ではいろいろなところに民法の準用が書かれております。これによって民法による行政指導が行われるのではないかという危惧が市民団体からもいろいろ提起されておりますが、この四十三条、四十四条の準用する効果などというのはどのように解釈すべきでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 市民活動の権限を狭めたり、それからその自由を束縛していくという意味でこういう民法の準用を入れたのではないということをまず最初に申し上げたいと思います。 特に、御指摘の民法第四十三条は、これは「法人ハ法令ノ規定ニ従ヒ定款又ハ寄附行為ニ因リテ定マリタル目的ノ範囲内ニ於テ権利ヲ有シ義務ヲ負フ」旨を定めた条文であるかと思います。そして、もう一つ御指摘の民法の第四十四条は、「理事其他ノ代理人カ其職務ヲ行フニ付キ他人ニ加ヘタル損害」について法人が賠償責任を負うべき旨を定め、また法人が賠償責任を負うとしても、理事その他の代理人が不法行為をしたことに変わりはないんですから、機関、個人も連帯して不法行為責任を負うべきであるという旨を定めたのが四十四条であるのは委員御承知のとおりだと思います。 この民法の四十三条と四十四条の規定は、権利能力について制限のない自然人と違って、法人一般の権利能力に関する規定であるというふうに理解していますので、公益的な各種の法人などにも広く準用されているものであります。したがいまして、これは法人の活動を制限するものではないという観点から、この市民活動法人にも準用いたしました。
○大脇雅子君 では、法案の第十条についてお尋ねをいたします。 設立の認証の要件というものを書いてありまして、その中で第一項第二号の役員に関しては、二十条の役員の欠格事由、二十一条の役員の親族等の排除に違反しないことを誓約する書面を出すということになっております。この誓約書という言葉に私は大変アレルギーを感じて、やはり二十条に違反しない書面とか二十一条に違反しない書面というふうでいいのではないかと思うのですが、それはともあれ、その誓約書を出さなかった場合にはどのような取り扱いになるのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) この規定を決めた折は、全体的なこの法律の趣旨ともかかわってくるんですが、書類審査で簡便に法人格をとっていただきたいというのが根底にありました。 そういう意味で、この誓約書というのは提出していただく書類ということでありまして、所轄庁において実質的な審査をするまでもなく、基本的にその団体を信用し、誓約書のみをもって要件を満たしているかどうかを簡単に判断しようという趣旨からのものです。ですから、この誓約書を提出していただけなかった場合は、単に法定の添付書類の不備ということになるんです。 この法律は、規定している書類をすべて提出していただくということが条件になっておりますので、添付書類の不備、これは誓約書だけではございません、ほかの書類も不備がございましたら認証はされないということになります。
○大脇雅子君 そうすると、何か修正を議論されております暴力団の構成員がいないという点についても同じように解釈すればいいのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) そのとおりです。
○大脇雅子君 そうしますと、この認証の要件のうち、第一項十号でいわゆる事業計画書というものを毎年出していかなければならないということになりますが、この事業計画書に言う事業とは具体的には何を指すのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) これは、その市民活動団体がどういうふうな具体的なことを行っていらっしゃるのかというのをこの書面で見ようという目的です。 この事業の中には、市民活動にかかわる事業と、もう一つ収益事業というのを行ってもいいというふうにこの法案ではなっておりますので、まずその二種類が考えられると思います。この二種類は会計は別にしていただくという原則にのっとって成り立っているわけです。 環境保全を目的とする団体や国際協力を目的とする団体、それぞれさまざまな個別の事業を行っていると思いますが、一年間行うのを全部、いつどんなことをする、どんなことをする、そんなことは書き切れないと思いますので、その中でその目的に沿った主たる事業の内容を書いていただくということになります。
○大脇雅子君 例えば事業報告書の様式などを定めて、その様式に名をかりて所轄庁が監督できるような形が絶対にとられないように、準則主義の徹底とそれから団体自治、市民活動の活動の自由を保障するという点で、これは総理府令によるということになっておりますので、ぜひ御留意いただきたいというふうに思います。 それから次に、法案の第十四条についてお尋ねをいたします。 十四条はやはり民法五十一条第一項の準用が規定されてはいますが、第十四条に関する罰則規定の第四十八条二号に該当しますと二十万円以下の過料となっています。民法は五十一条の違反に対する罰則は八十四条で五十万円以下の過料というふうになっておりまして、過料の値段が二十万円以下、五十万円以下、こうなっておるわけですが、この相違についてはどのようにお考えなのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 過料の額については、この市民活動促進法案と同様に、民法の特別法である幾つかの法律、立法例に倣いました。その例としましては、社会福祉事業法第八十七条第二号、そしてもう一つ、更生保護事業法第六十九条第二号など、他の法人格付与法の立法例に倣って過料の額を決めました。
○大脇雅子君 わかりました。 それでは最後に、残余財産の処理についてお尋ねいたします。 とりわけ市民活動を目的とする法人としても、さまざまな法人が清算における残余財産の処理について紛争が生じてきているということは、私の弁護士としての経験でもさまざまあるわけです。 この場合に、この法案三十二条というのは、定款の定めがある場合を除いてはその残余財産の帰属が自治体あるいは国家ということになっておりますが、民法七十二条によりますと、定款によりその類似した目的の団体に残余財産を任せることができる云々と書いてありますけれども、これは差があると考えていいのか、どういうふうに考えてよろしいのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) それぞれの団体が残余財産をどこに処理したいかというのは、大脇委員が今御指摘になりましたようにそれぞれの定款によって定めていただいた順番で結構です。ですから、こういう団体同士ですと、非常に身近でよく一緒に連携して活動していた団体に帰属するようにするとか、そういうのが通常かと思いますが、この本法案によりますと、それらの定めがない場合は国庫に帰属するというふうにしております。 民法七十二条では、解散した法人の残余財産の帰属について規定しております。具体的には、定款または寄附行為に定めがある場合にはその指定したものに帰属する。そしてまた、定款または寄附行為に定めがない場合には理事が主務官庁の許可を得て当該法人の目的に類似する目的のために財産を処分することができ、さらに三番目としまして、この一、二により処分されない場合は国庫に帰属するというふうになっております。 ここでの違いは、定款等の定めのない場合に、本法案においては残余財産の帰属先を国または地方団体に限っておりますけれども、民法においては当該法人の目的に類似する目的のためであればその帰属先を何ら限定しておりませんが、実際には主務官庁の許可を得て帰属先を決めなければいけない。市民活動法人の場合はこれはございません。 ですから、それぞれの団体がどこに帰属させたいかということは自主的に考えていただきたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 そうしますと、結局、定款において残余財産の処理というものを規定することができるというふうに解釈していいんでしょうか。定款に定めさえすれば、民法七十二条の二項のような規定を置くことができるということでよろしいのでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) この十一条三項にこういうふうになっているんです。「第一項第十一号に掲げる事項中に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、市民活動法人その他次に掲げる者のうちから選定されるようにしなければならない。」となっております。 ですから、市民活動法人同士の残余財産の異動というのは、その団体がお決めになりましたらできるということになります。
○大脇雅子君 だから、必然的に七十二条二項と同じように、同じような目的を持ったものを、他の市民活動法人を指定することは十分できるということですね。 もう一つ、市民活動法人の活動などの運営原則についてちょっとお尋ねをしたいと思います。 この法律は、できる限り活動内容への所轄庁の監督と介入を排除し、団体の私的自治に任せる趣旨でつくられていると理解されるわけであります。その点で、定款の変更に際しては、理事会の決定などでは多数要件を定めてはいますが、定款に特別の定めのない限りといっただし書きをつけているということは、団体の私的自治の優先を確保しているものと推察できるわけであります。 この場合に、定款で特別に定める場合とか、あるいは通常総会での決議方法や通常総会での決定事項など特に法律で書かれていない問題、民法と違って、ここでは法人の管理に関する規定がなくて定款で定めるということが原則であるというふうに考えられますが、定款の定め方に関しては特別の制約を置いていないということは、団体の自治を尊重するということであると思います。 これは定款で、例えば理事会で出席した理事の過半数で決するというような形で、そうしたそれぞれの市民活動法人の活動に合った規定を置くということは最大限自由に保障されていると解釈していいと思われますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(辻元清美君) 今、大脇議員が解釈されましたとおりです。
○大脇雅子君 この市民活動法案で最も問題があってたくさんの議論がされました、別表が制限的であるかどうかとか、あるいは二条二項の二号ハの問題とか、余りにも多くの質疑がされて、大体ほとんどが論点として答弁されていると思われますので省略いたしまして、私の質問を終わります。
○吉川春子君 共産党の吉川春子です。質問をさせていただきます。 非営利の民間団体に法人格を付与しようという画期的なテーマで三法案が審議されておりまして、日本社会の多様性といいますか、民主主義のある側面での成熟ということを私としても実感しているわけです。 国会図書館の「調査と情報」の主要国のNPOによりますと、アメリカ合衆国において代表的な非営利組織の例として、ニューヨーク交響楽団、メトロポリタン美術館など、幅広い組織が例として載っております。確かに映画、演劇、音楽、舞踏など芸術、文化を豊かに発展させるために活動することはまさに社会全般の利益であると思います。 我が国においてもこのように考えられると思いますが、与党案の発議者にお伺いします。
○衆議院議員(金田誠一君) この件につきましても、先ほど来も御質問に出ておりましたし、あるいは私どもの修正協議を通じても非常に大きく問題になったところでございます。 芸術団体の場合、会費を集めて運営するという方式が一般的といいますか、そういうことになっているわけでございまして、その場合に、そうした団体が本法の適用になるかどうかという趣旨の御質問だと思うわけでございます。 会員制の団体における会員は、当該団体の定め方にもよりますけれども、サービスの受益者を意味しているものと思われます。本法案においては、受益者の不特定多数性が確保されていなければならないために、会員と名づけられていようといないとにかかわらず受益者が限定されていてはならない、こういうことになるわけでございます。したがって、一定の会費を納入した者をもって会員とし、さらに、受益者となるためには会員になることが必要とされている場合は受益者の範囲が限定されている、一般的にはこのようになろうかと思います。そしてその場合は、残念ながら本法の対象とはならないわけでございます。 しかし、会費を徴収する場合であっても、その金額、手法等において不特定多数性の趣旨を失わせるものでない場合、あるいは不特定多数を対象とする市民活動を主たる活動とする団体が、特定の者に限定したサービスを従たる活動として実施している場合等には、会員制あるいは一部会員制の団体であっても不特定多数性の趣旨を失わせるものでないため本法案の対象になると、こういう理解をいたしてございます。
○吉川春子君 次にそれを質問しようと思っていたんですけれども、不特定多数の利益ということを法案の文言に書き込んでいらっしゃるわけですが、まずその会員制の任意団体に入る前提というか、その前の質問なんですけれども、要するに、先ほど私が申し上げましたような活動がやっぱり社会全般の利益ということに一致するんじゃないか、その一般論としてのお考えはまずいかがですか。
○衆議院議員(金田誠一君) 活動そのものがそのような社会全般の利益に一致する場合は、この法案では別表の一から十二まで限定列挙ということで掲げられてございます。その中で四に、「文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」ということで記載をいたしてございまして、活動内容としては、この活動がいわゆる公益の増進に寄与するということになろうかと思います。
○吉川春子君 私は、「「市民活動」とは、」「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」というその解釈は、ボランティアということにとどまらない幅広い概念であって、芸術、文化を前進させる活動も社会の利益に合致するというふうに考えていいのではないかと思うわけですが、それはそうじゃないんだと、我々の与党案はそうじゃないんだという御答弁が繰り返しあったように受けとめました。非常に残念です。こんなに対象団体の幅を狭く解するというのは、これは残念なことだと思います。 それで、会員制の任意団体の要件なんですけれども、例えば芸術、文化を推進する団体の中で会員制をとっているものがあるんですが、だれでも自由に会員になれる、そしてそういう意味では開かれた組織であり、役員も不当に高い報酬を受け取っているということでは全然なくて、むしろ実費弁償程度、一般社会のサラリーマンの給料などに比べても相当低い、こういうような中でやっている団体というのは、これはどうですか、対象になりますか。
○衆議院議員(金田誠一君) 前段、大変残念であるという趣旨の御意見だと思いますが、述べられたわけでございます。 私ども、先ほど来御答弁申し上げていることがうまく伝わっておらないのかなと思いまして、前段の御指摘についてもちょっと申し上げることをお許しいただきたいと思うんですが、文化、芸術、スポーツという項目自体は、これは公益の増進に寄与することを目的とするその公益的な活動に該当するという立場でございます。 ただ問題は、いわゆる共益の団体か公益の団体かということの判断で、この市民活動促進法案は「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」という公益概念をとっておるわけでございまして、目的自体と、それがその不特定多数の利益の増進という両方の要件を必要としている、そういう法体系になっておるわけでございます。 そういうことから考えますと、ただいま具体的に御質問のあった件でございますが、公益ということは「不特定かつ多数のものの利益」、すなわち社会全体の利益を意味するわけでございます。 御指摘の会員制の任意団体の意味するところが、会員制であってもだれでも任意に会員になれる団体という意味であれば、その会員としての特定の趣旨が公益に該当するものであるか否かの判断は、実体的に受益者が限定されているかどうか。会費を徴収する場合であれば、その金額、手法等において不特定多数性の趣旨が失われていないということを具体的に判断するということになるわけでございます。
○吉川春子君 ぜひ幅広く対象団体を認めるという立法であってほしいと思うわけですが、いずれにしても法人格を取得できる団体とそうでない団体というのが出てくるわけです。民法の三十四条の特別法という位置づけでやっていますと、そういう団体が出てくる。それからまた、取得しようと思えばできるけれどもいろんな理由で取得を望まないという団体も出てくると思います。 そこで問題なのは、法人格を取得した団体とそうでない団体との間の差別的な取り扱いがあってはならないわけですが、それをどういうふうにするかという問題だと思うんです。現に、今みんな任意団体でやっているわけですが、地方自治体等で、施設の貸し出しや補助金の支出で民間団体が差別的に扱われて大変困っているんだと、こういう訴えも私のところに寄せられています。 今度の法案がもし成立すれば、こういう傾向が強まるのではないかという懸念を私は持っておりますが、前回の委員会で、ボランティア活動を例にして、国の補助金を法人格を取得しているところとそうでないところとを差別的に扱うのかと言ったら、いや絶対そういうことはしない、内容でもって補助金の支出を決めるんだということを政府も明言いたしました。 それで、与党案の発議者にお伺いしますけれども、こういう法人格を取得したところとそうでないところについての差別的な扱いが生じないようにしなくてはならないと思いますが、その点は何らかの方策をお考えですか。
○衆議院議員(小川元君) 御指摘の点、そういう法人格をとるとらないで差別というものがあってほしくないし、あってはならないというふうに私どもは考えておりますが、ただこれは本法が、各都道府県知事あるいは二つ以上にまたがるときには経済企画庁、こういうことになっておりまして、そういうところへ私どもの本日の答弁でとってほしくないと申し上げる以外には法律上の措置はとっておりません。
○吉川春子君 そういう差別的な扱いが生じないように、まずより多くの団体が取得を望めばできるということが必要だと思うし、そういうふうに差が生じた場合は差別的な扱いが行われないような措置をぜひとる必要があるのではないか。これはいろいろな方法で考えていかなくてはならない問題ではないかと思います。 それで、団体の政治活動の問題についてちょっとお伺いしたいんですが、二条二項二号ハ、きょう何遍も問題になりました。昨年のノーベル賞を受賞したNGOは、たしかこれは地雷の撤去に関して大きな働きがあったという理由であったと思うんですけれども、まさにこれは政治活動であるわけです。今回の与党の法案で、我が国においてもこういうNGOに法人格の付与が可能なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思うわけです。 それで、二条二項二号ハは、「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでない」というふうに書かれていますが、この意味はどういうことなんでしょうか。 例えば、団体がその活動の一環として政治的な見解を表明したり行動をとる場合は多々あることです。それが少しでも政治的な色彩を帯びた活動をすれば法人格が取り消されるとかいうことになったら、これはもう基本的人権の制約にもつながりかねない問題です。 そういう趣旨ではないと私は思うんですが、立法者の意志としてはいかがですか。
○衆議院議員(小川元君) そういうふうにとっていただくと困るわけでありまして、先ほど地雷の活動の例を委員は引かれましたけれども、これは政治上の施策でございますから、これはハには該当しないわけでございます。ハにつきましては、あくまで公職の候補者あるいは政党等々に対しまして選挙運動あるいはこれに類する活動を禁止している、対象にしているわけでございます。
○吉川春子君 それでは、その点について続いてお伺いしたいんですけれども、午前中の海老原委員の質問に対して、演劇の中で政治的な批判が行われた場合にどうなるんだということだったと思うんですけれども、それに対する答弁で、私がちょっとメモしたところによると、現在の政治そのものを批判したり、政治家そのものの批判はこの条文に触れるのではないかというような答弁だったと思います。 これは、演劇活動、文学作品の内容の干渉ではないのかと思います。特に、芸術表現においては、時の政府や社会を批判したり風刺したりすることは重要なテーマの一つなんです。その際、歴代の内閣総理大臣とかあるいは地方の首長を名指しで批判することもあり得るわけです。NPO法人格をとった劇団などが、この二条二項二号ハに抵触して法人格を奪われることを危惧して、表現内容を自主規制したりするようになることを私は大変恐れるわけなんです。法人格を付与されるということは、こういう表現の自由をかわりに差し出さなきゃならないことなのか、非常に重要な問題ですので、答弁をお願いしたいと思います。
○衆議院議員(河村建夫君) この第二条二項二号のハの件でありますが、これはその劇の中でいわゆる政治を批判する、物語の筋からいってそういうことはたくさんあるわけでありますが、現実の政治家個人をそこで誹謗中傷する、あるいは逆に政治家を特別に応援する、あるいはそれを落選させる意図、そういうものがその中にあるとすれば、やはり政治活動そのもの、そしてその類似活動の一環ということになるというのがこの法律の政策的判断から生まれたものでありますから、そこまでいくとこのハに該当するというふうに考えられると思います。
○吉川春子君 私たちは、そのNPOが政治活動すると、そういうことの質問を今しているんじゃないんですよ、政治活動を認めようという質問をしているんじゃないんです。 要するに、さっきの例でいうと、演劇ということはそういうことはあり得るでしょう、そしてそういう、特に抽象的なものを批判したってしようがないのであって、具体的な今の現実に起こっている問題についての批判というのはあり得るじゃないですか。それがこのハに抵触するんだということになると、これは戦前の弁士中止ですか、あれは政治活動ですけれども、そういうようなことにもつながりかねない。なぜここまでシビアに規制しないと法人格を与えることはできないのか、その理由はどこにあるんですか。
○衆議院議員(河村建夫君) 通常の場合でしたらまさにおっしゃるとおりでありまして、演劇等の中において現在の政治を批判し、あるいはアイロニーでもって風刺する、そういうことはいつもあることであります。 ただ、ここで言っているのは、その特定の公職の候補者、そういうものに該当する場合がもしあったとしたら、それはやはりこの法の精神からいって問題だというふうにここでは規定をしているということであります。 例えば、さきの海老原委員のときに私がお答えした中では、一般の演劇等では普通はないでありましょう、しかし、非常に政争が激しいある地域において、ある劇団が選挙の前にある特定の候補者を名指しで批判をするというふうなことは、そういうものはこれに抵触しますよと、こういう考え方だと。 補足いたしますと、その劇団の演劇がそういう目的のために行われたということが明らかである、明らかにそういう目的を持ってやっているということになれば、これはこれに該当するというふうに考えておるわけであります。
○吉川春子君 なぜそういうふうにしないと法人格が与えられないんですか。これはどういう法益とぶつかるんですか。要するに、そういうことは自由にやってもいいじゃないですか。それで余り行き過ぎた演劇なら観衆の方からもうそれは人気がなくなったり、そういうことでやればいいんであって、何か法律でもってそういうお芝居をやったら法人格を剥奪すると、これはちょっと行き過ぎじゃないかと思いますね。何のためにそういう規定が必要なのかということを説明していただきたいんです。
○衆議院議員(河村建夫君) もともとのこの法案の趣旨といいますか、そこに返ることになるわけでありますが、この市民活動法人が本来の主たる目的を達成するために、あるいはまたこれから市民活動法人を育てていく、その健全な発展をやっていこうという上で、いわゆる政治活動中の政治活動とも言うべき行動、そういうものは憲法上の政治的活動の自由の保障に十分配慮された別個の法体系というものがある、その中で位置づけられるものであって、この市民活動法人を利用して行われるということは望ましくないという考え方に立っておるわけであります。 すなわち、特定の公職の候補者等の当選あるいは落選を目的とした個人攻撃等々になってはならないという政策的判断で、この二条二項二号ハの条項になっておるわけであります。
○吉川春子君 私たちはこれで政治活動を団体にやらせようとか、そういう立場から言っているんじゃないので、そこをちょっと区別して聞いてください。 要するに、そういう演劇活動の中で内容がそのことに及んでもならないと、こういうふうにおっしゃるわけですか。それはそうじゃないんでしょうね。恐らく演劇活動は自由であり、その内容についてまで干渉するものじゃないんだと。少なくともそのことははっきり答弁していただきたいと思いますが、どうですか。
○衆議院議員(河村建夫君) 吉川委員おっしゃるとおりで、演劇活動が自由に行われるそのことはこの法律の中で抵触はしておりません。 ただ、その演劇活動の目的がそういうものである、あるいは明らかにそういうことが行われているというような訴えが起きたと、そういうような場合においてこの法律のところ、これが該当するかどうかということが問題になるわけで、そういうことをこの特定の公職の候補者あるいは公職にある者または政党を推薦する、支持する、そういうことであってはならないと、こう規定をしているわけであります。
○吉川春子君 ちょっと余り納得できないんで、演劇活動のシナリオ、文学作品、それを上映しているときにそういうことをやって、それで、そういうふうになるともう法人格も剥奪しますよという法律であるとすれば、それは非常におかしいと思うんですけれども、そういう法律じゃないんでしょう、どうなんですか。そういう法律なんですか。そういう法律じゃないんでしょう。違う方でもいいんですけれども。
○衆議院議員(河村建夫君) そういう法律とは思っておりません。 極めて例外的といいますか、常識を超えるそういうケースがあった場合にこれは当たるというわけで、普通の状況の中でそういうことはあり得ないものであろうと、そういうふうに思います。
○吉川春子君 ちょっとこれだけやつていることはできませんので先へ進みますが、要するに演劇活動の中でやっている表現の自由を制約するようなものでは、それは憲法に反するわけで、こんな法律は法制局をクリアするはずはないのであって、それはきちっと区別して答弁していただきたいというふうに思います。 それで、その次に、ですから私たちとしては、行政による立入調査、認証の取り消し、こういう団体の活動への介入を避けるべきであるし、この点についてやっぱり許可というか公益という概念でもって民法の三十四条の特別法ということで立法する、そういう点についても非常に無理があるのかなという感じはいたしますが、団体への政治的な介入、これは絶対に不当な介入をやらないでもらいたい。そういうことはもちろん立法者の意志でもありますね。
○衆議院議員(小川元君) 市民活動法人に対しての政治的な介入というのがどういう意味でおっしゃったかはっきりしない面もありますが、政治的な介入を行おうという意図は立法には全然ありません。
○吉川春子君 これはちょっとデリケートな問題なので、具体的にはまた次回もう一度お伺いしたいと思います。 それで、総理府お見えだと思うんですけれども、国と地方自治体の所管する公益法人に官庁出身の公務員がどの程度天下っているのか、その実態について数字を御報告いただきたいと思います。 〔委員長退席、理事狩野安君着席〕
○説明員(山崎日出男君) お答えいたします。 平成八年十月一日現在の数字でございますけれども、国所管の公益法人におきましては、所管省庁出身理事数五千四百二十二人、うち常勤理事数は千五百五十三人と承知しております。また、都道府県所管の公益法人につきましては、所管官庁出身理事数は一万二千三百三十八人、そのうち常勤理事は三千七十九人というふうに承知しております。
○吉川春子君 要するに、所管する官庁の出身者がその公益法人に天下りしている数を今報告していただきました。総理府、警察庁、総務庁、ずっと各省庁、労働省、自治省まで含めて今そのトータルの数がそういうことだったのと、四十七都道府県の数を合わせますと、一万八千人ぐらい主務官庁というところから公益法人に天下っているということです。 これは、公益法人の許認可あるいは検査等の権限のある主務官庁が、当該公益法人に対して大きな権限を持つわけです。それなのになぜ相手の公益法人にこんなに天下っているのか、しかもこの数は尋常な数ではないと思うんですけれども、どうしてこういうことが許されているのでしょうか、お伺いします。
○説明員(山崎日出男君) 元公務員の公益法人へのいわゆる天下りにつきましては、一昨年来大きな問題になったところでございまして、政府といたしましては、一昨年九月二十日の指導監督基準の閣議決定におきまして、その所管省庁出身者の割合は理事現在数の三分の一以下にするということを決定した次第でございます。 今後、この閣議決定に沿いまして、適切な指導監督に各省庁において努めているというところでございます。
○吉川春子君 そうすると、政府自身としても、所管する官庁の出身者が天下りするということは好ましくないことだと、こういう御認識には立っていらっしゃるわけですね。
○説明員(山崎日出男君) お答えいたします。 元公務員の公益法人への天下りにつきましては、数が多大になる等により所管省庁の影響力が強過ぎるのは好ましくない、こういう認識のもとにさきにお答えいたしました閣議決定をした次第でございます。
○吉川春子君 この数を見ると、影響が強過ぎますよ、現状は。それは本当に早急に是正されなくてはならない問題だと思います。公益法人を主務官庁の出身者たちが牛耳っていると言われても仕方がないような実態、これはやっぱり是正されなくてはなりません。私は、この問題についてはまたいずれ別の機会に取り上げて究明したいというふうに考えております。 それで、非営利法人についても、形は違っても起こり得ることではないか、あるいは行政の干渉を許してはならないということをさっきも申し上げましたけれども、そのためにも我が党は行政庁の権限にかからしめない準則主義をとっているわけです。それは法的にも可能だということなんです。 朝からの議論は、ともかく三十四条の特別法としてNPO法が出されているということの矛盾がもう延々と露呈しまして議論になっているというふうに思います。これ準則主義にすると本当にシンプルな問題になると思うのですけれども、そういう点で、まず参議院法制局に伺いたいんですが、現行法では非営利法人への法人格付与はどういう形で行っているのでしょうか。
○法制局参事(石橋忠雄君) 非営利法人への法人格の付与について現行法ではどうなっているかという御質問でございます。 〔理事狩野安君退席、委員長着席〕 現行法で非営利法人についての規定というのは、まず基本的には民法三十四条に公益法人の規定がございます。御承知のように、三十四条では「公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ」法人となることができる旨を定めておるわけでございます。 それから、この公益法人制度の延長といたしまして、公益法人でありながら別法に移行したものがございます。私立学校あるいは宗教法人とか、社会福祉法人といったものでございます。これらは、本来公益法人でございますが、行政等との関連で必要性がございますので特別法に移行しておるわけでございます。 私立学校法では、学校法人については所轄庁の許可による、それから宗教法人法では所轄庁の規則の認証による、それから社会福祉事業法では社会福祉法人について所轄庁の定款の認可によってそれぞれ法人格付与がなされておる状況でございます。 これは、公益法人あるいは公益法人であった、公益法人として本来は民法三十四条の対象であるものでございますが、それ以外につきまして、いわゆる一般に準公益法人あるいは公益性との関連で、公益性が非常に希薄あるいはほとんどないというような中間法人といわれるものが個別法で法人化が認められておるわけでございまして、例えば農業協同組合、消費生活協同組合、労働組合、こういったものがそれに該当するわけでございます。 それぞれの根拠法律によって法人格の取得の要件、手続が定められておるところでございます。
○吉川春子君 今、最後におっしゃられた公益性が余りないというか、ほとんどないものは三十三条で設立されているわけですか。
○法制局参事(石橋忠雄君) 三十三条に基づくことは基づきます。
○吉川春子君 それで、我が党が対象にしている民間非営利団体の概念には、民法に言うところの公益かつ非営利の法人も含まれることになります。そのため、NPO法の制定に当たって民法の条文との関係をどうするかということが問題になるわけです。 それで、このたびの非営利法人特例法案、我が党が出している立法では、附則において非営利法人制度についての全般的検討とそれに基づく必要な措置を行うと述べて、民法改正を含む非営利法人制度の本格的な整備をできるだけ近い将来に行うことを明らかにしています。そして、それまでの当分の間の措置として、この法律による法人格の付与を行うとしています。このように、当分の間ということの意味が明確であって、参議院法制局からも立法技術的な問題はないというふうに聞いております。 これによって、民法の改正を待たずして非営利法人一般を対象に、準則主義による法人格付与を実現できることが明確になったと思いますが、この点に関しての法制局の見解はいかがでしょうか。
○法制局参事(石橋忠雄君) 民法と非営利法人法案との関係についての御質問でございます。 共産党御提案の法案による非営利法人は、民法との関係で幾つか特色を持っていると存じます。 まず、民法の公益法人、さらに民法以外の個別法による非営利法人の領域を含む非営利の領域を広く対象としております。それから第二に、公益法人等と重なり合う領域についても、従来の許認可と異なみ準則主義による法人格付与をしていこうとするものであります。それから第三番目に、非営利法人は民法が規定する二つの法人類型のうち民法三十五条の営利法人の対極に位置すべきものであると考えられます。これらの諸点を考慮いたしますと、おっしゃるとおり、この非営利法人については本来民法等の抜本改正の中で取り組むべき問題ではないかというふうにも考えられます。 ところで、共産党御提案の非営利法人特例法案は、非営利法人制度について全般的な検討とその結果に基づく必要な措置がとられることを前提として、それまでの間の特例的措置を定めた法律となっております。 すなわち、NPOに対する法人格の付与が目下の急務であるという認識に立つとともに、この法案の成立後速やかに民法を初めとする法体系上の整備に着手するということでもあり、また法人格付与についての当分の間の措置を設けて、民法三十四条並びに個別法等と併存させてしばらくの間運用していこうというものでございますが、こういうふうにしても、実際上特別の不都合を生じることもないと考えられますので、このような形で立法をするという考え方も成り立ち得ると考えております。
○吉川春子君 今、法制局から答弁していただきましたけれども、私たちも民法全体の見直しは必要というふうには考えているわけです。しかし、それにはかなりたくさんの法律がありますのでその整備がNPOの法人格付与を求める早急な動きとの時間的な問題もあり、当分の間という暫定的なことでこの準則主義による立法ができる、そういう処理をいたしまして今の法律を提案しているところです。 ですから、私は、やっぱり行政の介入を排するというような問題も含めて、準則主義でこの立法が行われるということは非常に必要なんじゃないかということを強く考えているわけなんです。 そういう中で、きょういろいろ議論がありましたけれども、私は最後にもう一点お伺いしたいのは、団体の方々が強く求めているのは、一つは法人格の付与、もう一つは税制上の措置ということなんです。 これはもう一つの大きな問題なんですけれども、仮に税制の問題について何にも触れずにこの法案を通してしまうということはやっぱり不安がある。たしか前回は金田発議者の方から、三年後の見直しのときは税制も含めて見直すんだ、こういうふうにもおっしゃっていただいたわけで、少なくとも附則にでも税制上の優遇措置を含めた財政措置を入れるんだということをせめて一言書き込んでおくということが非常に将来に向かってプラスになるのではないかと私は考えるんです。 旧平成会案の発議者にお伺いいたしますけれども、この財政上の措置についてどのような御見解をお持ちでしょうか。今、もうこの時期に当たって、ぎりぎりどういうことをお求めになりますか。
○山本保君 先ほどの答弁の中で、市民活動促進法案の附則に、この法人制度については「三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられる」と、この中に税制改正が入るんだというような御返事があったわけです。 私どもは、そういうものでは不十分だと思っております。まず、これの中に税制が入るかどうかというのは非常に心配でありますし、それから税制といってもいろいろあるわけです。 ですから、私どもとしましては、このままでは何もありませんので、まず公益法人一般と同じような軽減税率であるとかみなし寄附等のものを当然つけるべきことと、それからこの前の参考人の意見にもありましたように、このようにもともと公益的な活動をやるものですから、これに対して税の優遇措置、しかも補助金体制ではだめだという声があり、市民の自由な活動を保障するためにもこの法人に対する寄附金の所得税の控除、これが本来とられるものであると思っております。 私どもは、それがまず目的でありますけれども、もちろん今回そこまで議論は進みませんので、ぜひおっしゃるように附則もしくは雑則等に税についても踏み込んだ形で書いていただきたい。我々は書いている。もし与党案でいかれるのであれば、そこはぜひ修正していただきたいと思っております。
○吉川春子君 税の問題となるとまた別の法律ということももちろんありますのでそういう反論も予測されるんですけれども、やはりNPOが本当に継続的に豊かな活動をするためには財政的な裏づけというのがもうどうしても避けて通れないわけで、それを緊急に具体化してほしいという強い要望があります。 私は、衆議院から送られてきた、この参議院の審議を経てそういうことも含めていろいろ修正の動きもあるようですのでぎりぎり各党の調整をして、参議院らしい審議をやった、参議院らしい修正をしたと、こういう形で衆議院の方へ送付できたらなというふうに思っておりますが、時間がなくなりましたのできょうはこの程度にして、質問を終わりたいと思います。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。 ちょっと午前中一時間ほど中座して大変申しわけありませんでした。ほかの議員立法関係法案にかかわっておりまして失礼いたしました。 この法案の審議につきましては、答案の提出者が非常に熱心に答えていただいているし、私自身、市民公益活動法人法案の発議者の一人でもありまして、この法案の内容、行方について非常に深い関心を持って見てきております。先日から傍聴の方も大変熱心に来ておられるようでして、私は一般的に言いましてこの法案に対する期待感というものが非常に大きいのではないかと思っております。 そもそも私がこの我々の法案の発議者に加わったといいますのは、私自身長いこと海外のNPO活動、こういうものを見てきておりますし、また私自身ある社団の会長をしておりまして、そういった意味でこういうような公益法人のあり方につきまして常日ごろからいろいろ疑問にも思っていたところもあります。 今までの審議の状況を見てまいりますと、きょう議論になっております市民活動促進法案につきましてもかなり指摘がされてきております。市民公益活動法人法案につきましても、私はこれで一〇〇%是とするわけではありませんが、きょうはそちらの方の問題は聞いてはいけないということだそうですので、市民活動促進法案とそれから共産党提出の法案について議論させていただきたいと思います。 私は、NPOという概念からとらえまして、今度の法案はかなり違ったものになってきているのではないかと思っております。先日来議論がありましたように、また先ほどから委員の先生方からも御指摘がありましたが、税制問題その他につきましても相当の問題を含んでいる。ただ、今の時点でこのNPO法案を何とか物にしないとこれからの市民活動の展開がスムーズにいかないというか、阻害される面があるのではないか、こうも思っております。 まず第一にお伺いしたいと思いますが、例えばアメリカのNPO活動などを考えた場合に、このNPO法案によってどこまでそういう活動が担保され、またどういう点で不都合か、その点についてどう考えておられるかお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(小川元君) 例えば、これはアメリカのNPO活動といいましても非常に幅広いものがございます。非常に国際的に活動している大きな団体というようなものを想定した場合には、日本にもそれに類した団体はあるわけでございますから、この法案によりまして法人格を取得できるということによって国際的に認められたリーガルステータスという意味ではイコールになるわけでありまして、後は、その経験あるいは能力等々の問題は、これは団体それぞれの問題であろうかと思いますが、そういう意味では非常に大きな意義があろうかと思っております。 したがいまして、これが与えられたからすぐにアメリカの超一流のNPOと伍していけるかというのは、これははっきりわかりませんけれども、やはり経験とかそういうものもあろうかと思いますが、少なくとも条件的にはそういうことでイコールのスタートラインに並べるんではないかな、こう期待をいたしているわけでございます。 問題点とおっしゃられますと、どうもこの場でこういう問題点があるということははっきり私としても指摘はできないわけであります。そのことにつきましては、今税制の問題をお触れになりましたが、税制といいましてもアメリカで法人格をとったものが全部税の恩典を受けているわけではないわけでございまして、受けているところと受けていないところの違いというようなものもあろうかと思います。 日本も将来どのような基準で税の恩典を受けるかというようなことがこの見直し条項の中で検討されることを期待しておるわけでございますが、やはり外国と伍していくためには、私は法律上の問題ではなくて、そういう出発点をイコールにした後は経験、活動の内容の問題、それはこれから大いに頑張っていただきたいな、こう期待をいたしているところでございます。
○戸田邦司君 大変大きな期待を持っていいような御答弁をいただきましたが、私はそういう評価をしております。 先日の参考人からもるる御指摘がありましたが、税制上の優遇措置のないNPOというのは単に団体の格を与える、そういうことにすぎない。ですから、そこから市民活動が始まるとしても、大変な苦労をしてこの活動を展開していかなければならないんじゃないかと思います。 そもそもNPOが日本で育ってこなかったというのは、民法三十四条の公益法人の認可に当たって非常にハードルを高くしてきた。しかも、ある一定の項目については一つの団体しか認めない、そういう限定的な運用がされている。基金の問題もそうですね、財団ですと何億円。そういった問題があって、それで自由な市民活動を保障できるようなNPOが設立できる、そういう仕組みをつくろうということであったかと思います。 税制上の問題は、今NPOの活動上さほど支障がないというようなお考えのように承りましたが、私はこの点は相当大きな問題であると思っております。 アメリカの団体でも税制上の優遇措置を受けている団体もあれば受けていない団体もあるというお話ですが、一般的に言って公益的な活動であると認められたものについては、その寄附金について所得税上では所得控除を認め、また法人税では損金算入を認めているというような状況になっておりますから、先ほど文化活動でオーケストラとかそういうような話も出ておりましたが、かなり大規模なものがNPOの仕組みによってアメリカでは支えられている。ですから、私は市民活動という点で、あるいはボランティア活動という点から考えて、この問題を少々矮小化し過ぎていないかなという危惧を持っております。 これからのNPOというのは、私は社会の中で自由な潤滑剤のような働きをして社会を活性化する、市民がいろいろな面で社会貢献していく、そういうような基礎をつくるものだと思っておりますから、この税制上の優遇措置もぜひ考えていかなければならないアイテムだと思っておりますが、この点については将来やる気があるのかないのかという点も含めてお考えをお伺いしておきたいと思います。
○衆議院議員(河村建夫君) さきの参考人の中で、経団連の1%クラブの若原さんがいろいろこのNPOの重要性についてお述べになった。その中で、これから企業の社会貢献活動のパートナーとして考えでいかなきゃいかぬ、また日本社会に活力を与え、企業にも活力を与えるものになるであろう、単なる社会貢献団体だけではなくて、新しい多様なサービスを行う事業体として期待をしているというような話がありました。 私も全く同感な思いで聞いておったわけでありますが、その中で、先ほど小川議員も触れましたように、社会的なステータスといいますか、リーガルステータス、法人格の付与をまず最優先にとって、そして社会の中である程度育った上でその次の段階を考えていくべきであろう。 日本は今からスタートするわけであります。アメリカのような既にそういうものを社会的に十分培養した社会と日本の社会はまだ違う、そういうことも考え合わせながら、そういう形でいかなきゃいかぬということでもありました。 したがいまして、今いろいろ御指摘ございましたが、特に税制の問題等についても、これを後ろ向きではなくて前向きにとらえていこうというので衆議院の審議におきましてもいろいろ議論があったところであります。これは、議員立法という形をとりまして、附帯決議等も、附帯決議の価値についていろいろ議論があるところでありますが、特に議員立法の立場からして重い附帯決議という形で、もう一歩踏み込んで、税制についても二年以内に検討する必要がある、こういう附帯決議がありました。 私は、経団連の1%クラブの若原さんがおっしゃったのもそういうところを評価されてのことではないかというふうに伺って聞いておったところであります。
○戸田邦司君 決意としてお話しいただいたということであればまことに望ましいことでありますが、これを何とかその法案の中に書くことができないかというような問題がありますが、決意を新たに、そういう努力をしていただけるようにひとつお願いしておきたいと思います。 この問題の難しさというのは、NPOでそういう減税をやると、NPOの活動規模にもよりますが、税に穴があく。その財源をどこに求めるかということがいつも問題になってしまう。ほかのところの減税とも同じような問題でありますが、これが社会の潤滑油になって、減税した分全く税が上がってこないということでもないし、それから、それだけいろいろな面で、例えば福祉の面で国の事業を補足するような形での活動というのがあるとすれば、その利益を十分に見なければならない。 だから、そういう面から考えても、これは単に税収の減だけでとらえることができない大きな問題ではないかと私は考えておりますし、我々経済・財政政策を考えるときに、常にそのことを検討の課題としてその中におさめて考えてきたということだけは申し上げておきたいと思います。 それで、もう一つ申し上げたいと思います。 これは私の感想といいますか、この法案を逐次眺めていくうちに何だろうなと思った点でありまして、次に幾つかお伺いする点は先ほど猪熊委員からも御指摘のあった点とも重なる点がありますが、私がこのNPO法案を受け入れるといいますか、まあしようがないかと思うに当たってどうにも腑に落ちない点であるというふうに受け取っていただきたいと思います。 全般的に言いまして、このNPO法案、NPOとしての法人格を取得し、活動していくという権利に比較して、義務が余りにもいろいろとかかり過ぎているなという感じがあります。法人格を与えるというだけで、普通の公益法人じゃなくて営利法人であれば全くそういう干渉はあり得ないはずだというような干渉があり過ぎる。先ほど、いや単に法人格を与えて出発するだけですという御答弁をいただいておりますが、単に法人格を与えるだけでなぜこれほどの規制が必要なのかなというのが私の素朴な疑問であります。 将来の問題として、税制上の優遇措置をあわせ考えていくということを前提にして、そういうようなことが必ず達成されるというのであるならこれぐらいの規制は仕方がない、当然ということではないかと思います。これは法のバランスの問題だと私は思っております。例えば、有限会社は準則で設立できるし、それほどうるさいことも言われない。こういういいことを社会活動としてやっていくというのに、何でここまで所轄官庁なりなんなりによって規制されなければならないかというのが私の単純な疑問であります。 まず第一に、この法人の欠格事項が書いてある。先ほどいろいろお伺いしましたから、なるほどそういうことで考えていたのかと思って納得したんじゃなくて考え方がわかったわけですが、宗教法人問題、これは先ほどの答弁を見ますと、宗教法人は宗教法人として法人格を与えられているからNPOのカテゴリーではそれは排除しても大丈夫だとおっしゃっておられます。これが将来の税制上の措置もちゃんとされたようなときに、この十一項目も問題ありですが、そういうような公益的な活動をするについてさる宗教法人が、我々はこういうNPO活動をしたいと言って申請してきた。その法人の活動の目的はそういうNPO活動をするということが主たる目的でそこには書いてあるに違いない。準則主義ということであるならそれで問題なくNPO活動ができるだろうと思うんです。 よくよく見てみると、その法人は宗教法人である。宗教法人というのはれっきとした宗教活動をやるためにできた法人でありますから、本当の主たる目的は宗教。宗教法人がこういう世のため人のためにNPO活動をやろうとした、福祉活動をやろうとした。NPO法人の資格を取りたいと言ってきたら、あなたの本当の目的はそうじゃないでしょう、第一の目的は布教ですね、あるいは檀家の人たちの面倒を見ることですね、それは宗教活動ですからだめですと言われる可能性が非常に大きい。大きいというかほとんど一〇〇%そうだろう、先ほどそうだとおっしゃられましたが、そうだろうと思います。 それから、ロに「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでない」と書いてある。民主主義を守る会、民主主義というのは政治上の主義ですが、これはだめですか。だめになる可能性がある。なぜですか。アメリカには幾らでもある。例えば、私は自由民主党の政策を研究する会、そういうのがあってもいいと思っていますよ。だめですか。そういう問題がある。お答えになられますか、どうですか。
○衆議院議員(河村建夫君) 民主主義を研究する会ということであれば、これはいわゆる政治上の主義主張というものを推進したり、あるいはそれを否定するということではないわけでありますから、私はこの十二項目の中で、その民主主義を研究する会で民主主義を研究して、その目的が国際協力あるいは人権、平和、そういうものに合致するものであればこの法に触れるものではない、当然認められるものだというふうに考えました。
○戸田邦司君 一般的にはそんなふうには考えられないんじゃないかと思いますよ、民主主義を推進する、あるいは自由民主党の政策を研究する会。研究するだけじゃないですから。 アメリカのワシントンDCに行きますと、たくさんのそういうような研究所があります。これは全部NPOです。なぜそういうような制約を置かなきゃならないか、これが非常に疑問であります。これは憲法違反じゃないかと私は思っております、宗教法人とこの点、それからさらに特定の公職云々。 先ほど劇団の話がありました。私は劇団だけじゃないだろうと思いますよ。今までの民法三十四条の法人だっていろんな人を推薦したりしている。悪口は言っていないかもしらぬ。そういうのはNPO法人ではだめになる、そういうことだ。これはもう確かにそうですね、そこは。だから、そこは一歩譲ってもいいです。しかし、行政オンブズマンというのはどうしてだめなんですか、これは。行政オンブズマンで、あの知事はけしからぬ、何とか知事はけしからぬ、一体何をやっているんだ。だから、宮城県の行政オンブズマンが予算の不正使用をつついてああいうことが明るみに出てきた。こういうことはNPOではやっちゃいけません、そういうことに相なるとしか読めない。これはもう答弁要りません、時間をだんだん食ってきますから。 それから、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さない」。これは社員はだれでも入りたいと言ったら入れなければならない、そういうふうに御答弁をいただいてまいりましたが、私はそんなことはどうでもいい。女性だけの団体があってもいい、女性だけの団体。性別で差別しちゃいけないとさっきそんな話を言っていましたけれども、女性だけでいろんな活動をする、これだめですか。慶応大学のOBだけで福祉活動をしたいんです、だめですか。そういうふうにこれは解釈される。どこどこに住んでいる人だけとか、公益的な活動をするんですから、それは志を同じくする人がそういう団体をつくってきちっと活動をしていく、これは認められてしかるべきじゃないかと思っております。 さらに、私はこの前から十二項目、実は十一項目ですが、これは三十四条とすみ分けるためにこういうものに限定したと言っていながら、いや実は限定していないんです、行政オンブズマンはまちづくりです、この間参考人からそういうお話をお伺いしました。猪熊委員がこの前指摘しました、農業の保護、育成、発展を図る活動とか交通安全、交通事故。交通事故なんてこれは大変なことでして、年間一万人以上亡くなっている、交通事故で。これをなくすというのは非常に大きな課題。これをまともに真っ正面からなぜ書けないんだろう。 法律というのはわかりやすく、だれが読んでもわかりやすくその項目を適切に表現しなければならない。アメリカの法律に、およそ公文書というのは短くてそれで簡単でだれでもわかるように書かなければならないという法律があります。これからの、特に議員立法のNPO法案でわかりやすく書かないのは、裏の裏を読んで、どこかでひっかかっているからこれはこれで読むんですなんて、これは昔よく役所がやっていた手法であります。ですから、この十二項目に該当しない非常に大事な項目が多々ある。この間も参考人が、七割は救えるでしょうけれども三割は救えないと。これはもう明らかな差別になりはしないか、そういうふうに思っております。いかがですか。
○衆議院議員(辻元清美君) 今の十二項目の点は、先ほどからも、数日前の委員会でもここの提案者が皆答弁しているところです。 すみ分けの問題、もう聞き飽きたと思うんですけれども、それが唯一の理由でした。そして、私たちはこの十二項目というのを決めましたけれども、これは本当に活動している皆さんに御活用いただきたいという意図で決めております。ですから、この法律を使っていただく場合は、御自身の活動につきましてこれはどこに当たるかというようなことを御判断いただくというふうにしたいと思っております。
○戸田邦司君 この間からもう聞き飽きた思いますがと言われて今またお伺いしたわけですが、私聞き飽きていないんです。この点は非常に大事なところでありまして、すみ分けといったって、どうすみ分けたんですか。だって、交通安全なんというのは三十四条にも書いてある。非常に大事だ。ここからは落ちている。それじゃこの十二項目は三十四条とは重なっていないとでもおっしゃるんですか。そんなことはありませんよ。全部重なっている、公益的活動。 先ほどからすみ分け、すみ分け、三十四条ですみ分けているんですと。すみ分けというのは、まあ日本語ですみ分けといいますか、これは英語で言うとディマーケーションと言っていますが、はっきりと仕切りをする、そっちとこっちは違うんだと。仕切りは何だというと、法人のつくり方が違うだけなんです。分野までそんなにすみ分けなんてうまくいくわけがないし、両方重なってやって当たり前なんです。片方は官給品の三十四条法人、片方は市民が主体になってやる活動のNPO法人、こういうような考え方をしなければならないと、私はそう思っております。ですから、再々御答弁いただいていますが、私はいまだに腑に落ちない、これは指摘申し上げておきます。 それから、もう時間もありませんから答弁要りません。この法律がバランスが悪いと言った点を二点だけ具体的に指摘しておきましょう。 先ほど猪熊委員から指摘のあった立ち入り。立ち入りって何で要るんですか。ほかの法人でも立ち入りって、よっぽどのことがなければ立ち入りなんて書いたやつないんです。 それからもう一つ。申請書を縦覧するんです。縦覧についてこの間私質問を受けたからこれは答えておりますが、なぜ縦覧するかといえば、パテントとかそれから現存しているだれかの権限、権利、これを侵害するおそれのあるときには縦覧して皆さんに見せる、あるいは官報なり広報をして、それで皆さん大丈夫ですね、文句ありませんねというのがこの縦覧の本来の目的です。何でここで皆さんといって、見せてどうするんですか。これ縦覧して、縦覧したらあとはどうするとも何も書いてない。縦覧するだけ。 つまり、見せびらかしている、こういう団体がこれからできますといって見せびらかしている。市民はああ今度はいい団体ができたなと思うかもしれない。それは新聞で知ればいい。なぜ公的に縦覧しなければならないか。そこにはやはり国民の権利、義務がかかわっているからそういうことをやらせているんです。違いますか。そういうことだと私は思っておりまして、私はNPO法案をつぶしたくない、しかしいかにもそういう点は腑に落ちないということを申し上げておきます。もう時間もありませんからこれで終わりますが、そういう点を十分御検討いただいた上で結論を出していただきたいと思っております。 以上です。
○堂本暁子君 今、戸田先生が官給法人と市民法人という表現をお使いになりました。 それで、この法律、九五年の春からつくり始めてちょうど三年になるわけですが、そしてこの委員会で審議が行われた二日間、それから参考人の御意見を伺った一日、それを全部総じて考えて私思いますのに、民法改正をしなければやはりだめなのではないか。なぜならば、今、民法三十四条で定められているいわゆる民法法人と言われる法人が官給であってはいけないのではないか。それが官給であるところにそもそも間違いがあって、官給法人と市民法人という形の分けられ方がなされるべきではなくて、民法で定める非営利の法人はすべからく市民法人、民間の法人であるという位置づけにならなければいけないのではないかというふうに考えております。 ここに市民活動促進法案が衆議院を通ったときにつくられた一つの冊子があるんですけれども、これは市民活動を支える制度をつくる会がつくった冊子なんです。丁寧にできています。そして同時に、この百二十の団体が入っている市民活動を支える制度をつくる会、通称シーズと言っていますけれども、そのNGOは、この法律をつくることだけのためにできている一九九四年の十一月に設立されたNGOです、NPOとも言えると思いますけれども。 ということは、いろんな三つの法案がつくられるそのプロセスをずっと市民がウォッチングしてきた、監視してきたというふうに私ども考えますので、今出されている三つの法案は、議員が立法のプロセスは踏みましたけれども、実際は、自分たちはこういう法案が欲しいんだという声が非常に多く組み込まれているというふうに私は思います。今この委員会で議論されているようなもろもろの問題点、それは、いわゆるNGO、NPOを実際にやっている方たちから、そこは反対ですという声がさんざん上げられ、議員は陳情もされてまいりました。 私が何より残念に思うのは、いわゆる民法三十四条でつくられている法人、宗教法人そして学校法人、いろいろな法人がありますけれども、その中で余りにも多くの不正が実は行われたがゆえに、今までずっとなぜそんな規制をしなきゃならないのですかというお声が多々ありましたけれども、そのことができなかった。社会福祉法人にしてもそうです。私たちの記憶に古くない、新しい出来事が多々ございました。そういった中で、規制をどうしても入れなければならないという事態があったことを大変残念に思います。 それがゆえに、これから実際にこの法律が活用される中で、今の官給法人の方はそういうことがあったとしても、天下りがあったとしても、市民団体はそういうことはしないのだということを堂々と世に示していくことが非常に大事だということを痛感しています。 この冊子は大変全国に出回って、多くの市民団体が参考にもしていも冊子だと思いますけれども、ここの中にこういうふうに書かれているところがあるんです。 この法案は、立法過程において、なるだけ行政の恣意性を排除し、立法者の意図が法律として実現できるように、可能な限り政令や総理府令への委任をなくし、法文に書き込むという作業が行われました。この法律の運用・解釈、総理府令(条例)の作成などにあたっては、基本的に法案に書かれている以上のものを、市民活動法人に要求すべきではないでしょう。 というふうに書かれています。 と同時に、この立法の意志というもの、この委員会での審議、質問、答弁がこの法案の私は一つの精神となって、また運用の指針となって使っていただく法律としてでき上がるのではないかというふうに思いますので、この参議院における審議は大変重要だというふうに認識しております。 幾つか細かい点を答弁者に確認させてください。 まず第一の質問は、第二条です。法人化の要件で。「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」と書いてあります。 例えばHIVの患者さん、それからごくまれな難病の方、こういった方たち、エイズの方は随分ふえてきてはしまいましたけれども、多数とはなかなか理解しがたい。こういった方を支援する団体はありとあらゆる形で支援を展開しています。これは公的にはなかなかできない仕事をまさにNGO、NPOの方たちが担っているところがあります。こういった場合には要件を満たしていると考えていいのかどうかということ。 それから、構成員相互の個人的な、私的な利益を目的とする活動ではなく社会全般の利益の増進に寄与する、いわば潜在的な多数性が認められることから不特定多数の要件を満たしていると定義していいかどうかを伺いたいと思います。お願いいたします。
○衆議院議員(金田誠一君) 堂本委員から前段感想が述べられたわけでございますけれども、お聞きをしておりまして全く同感でございます。 率直な私なりの感想を申し上げれば、民法三十四条、すべて公益法人の設立は役所の許可制であるという法律がよくもここまで生きてきたものだなというのが率直な思いでございまして、今回、非常に不十分な法律ではありますけれども、そこをようやくクリアすることができる、大きく一歩踏み出すことができる。 これは登山に例えれば頂上にはまだほど遠い、私は四合目くらいかなというふうに思っているんですけれども、それでもそこにベースキャンプをきちっと張って、市民活動法人がこの法律を利用して実績を積み重ねる中から民法そのものを改正していく、準則主義によって諸外国と同じように法人格を取得していく、そういうものに近づく大きな一歩になるだろうという思いで、不十分なものとはいえども何としても通さなければという思いは委員と同じでございまして、感慨深く聞かせていただきました。 具体的にお答えを申し上げますが、まず「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」ということでございますけれども、いわゆる社会全般の利益を意味するものであり、公益と同義である、このように解してございます。 すなわち、当該団体の活動の受益者が特定されていないこと、より端的に言えば、構成員相互の利益、すなわち共益を目的とする活動ではないということでございます。 したがって、この要件によって除かれるのは同窓会や会員のみをその対象とした相互扶助的な活動であって、御指摘のような団体の活動は、個人を特定しているものでない限り社会全般の利益の増進に寄与するものであって、委員御指摘のとおり、一般にこのような場合にはいわば潜在的な多数性が認められていることから、全体として不特定かつ多数の利益と言い得るもの、このように解しております。 ただ、申し添えますけれども、共益団体、いわゆる会員制等の団体につきましては先ほど来さまざま質問もございました。単なる会員制であるからということで、直ちに共益ということには当てはまらない、その会費なり会員の実態によって判断をするということでございます。
○堂本暁子君 二つ目の質問です。 市民活動に当たる別表の十二項目がございますけれども、「地域安全活動」、この活動は何をイメージしているのか、例示をしていただきたいと存じます。
○衆議院議員(辻元清美君) この「地域安全活動」のイメージとおっしゃいました。実際には地域における住民相互の連絡その他の活動だと思いますが、具体的には、その地域の犯罪関係、被害者の救済とか交通安全活動、または火災の予防や風水害とかに遭ったときの、最近ですとネットワーク活動というんでしょうか、地震があったときにはこのように対処しましょうとか、それぞれの地域地域でネットワーク活動も盛んになってきていると思いますけれども、そのような予防活動をイメージしております。 しかし、このときに、これに限るものではないというふうに思います。というのは、いろんなことで対処している地域や、それから地域の特性を生かして安全活動をしている方々もいらっしゃいますので、今幾つか例示したにすぎないと思いますが、そのようなものをイメージしました。
○堂本暁子君 三番目の質問をさせていただきます。 第九条によりますと、所轄庁は、その事務所の所在地を管轄する都道府県知事、それから二つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置した場合には経済企画庁長官となっています。 都道府県知事と経済企画庁長官との関係について伺います。 団体委任事務という位置づけは最初からこれは方針でございました。である以上は、上下の関係ではないと理解してよろしいのでしょうか。そして、経済企画庁は都道府県知事を指導、監督する立場ではなく、いわゆる通達などを出す立場にもないというふうに考えてよろしいのでしょうか。お願いいたします。
○衆議院議員(河村建夫君) 委員御指摘のとおりであります。 私の方からも再確認をいたしますが、本法案におきます市民活動法人の第一義的な所轄庁は都道府県知事であります。その知事の事務は団体委任事務ということでありまして、都道府県知事と経済企画庁長官の関係は上下の関係に立つものではなく、経企庁が都道府県知事に指導、監督するという立場ではありません。したがって当然、いわゆる通達を出す立場にもないということであります。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 次に、四つ目の質問ですが、団体によって構成されている連合体のような市民活動団体、今御紹介したシーズもその一つだと思います。目的との整合性があれば社員の資格を団体に限定することは可能だと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 委員御指摘のとおり、この法律案によります市民活動の社員は法人その他の団体もなることができるものと解しております。ただ、その社員資格を団体に限定することが市民に開かれたという本法の趣旨に反するものでないということでございまして、御指摘のように反するものであるかどうかにつきましては、当該法人の目的との関係において所轄庁が社会的通念に従って判断をすることになります。 したがいまして、委員の御指摘の目的との整合性があると判断されれば、社員の資格を団体に限定することは当然可能でございます。例えば別表第十二号、「前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動」を行う団体につきましては、社員の資格を市民活動をしている法人や団体に限定しているものも許容されるというふうに考えております。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 その場合、団体の定款によって判断されるんだろうと思いますけれども、必ずしも法人ではなく、今、人格なき社団という形での団体もありますし、それから任意団体もたくさんあります。そうした団体も含まれると理解してよろしいでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 今お答え申しましたように、自然人のみならず団体もなることができるのでありまして、これは当該団体が法人格を有するかどうかということには関係ございません。したがいまして、社員には法人のみならず人格なき社団としての任意団体も含まれております。
○堂本暁子君 市民公益活動法人法案に関して伺います。 先ほどいわゆる与党案に質問したのと同じようなことですけれども、四十五条の五項、四十六条の六項には、所轄庁でない都道府県知事が当該都道府県の区域内において事業を行う法人の当該事業や業務に関して立入検査をしたり改善命令を出したり業務の停止をすることができるとありますけれども、このような形で手続が踏まれておりますと、定款などで違反していないかどうかチェックされるということがないでしょうか、いかがでしょうか。
○戸田邦司君 お答え申し上げます。 これはそもそも四十五条のところで、五項と一項の関係になりますが、我々の仕組みでいきますと、主たる事務所があるところにその法人を設立することになっておりますが、全国組織などでいろんなところで活動をしている、しかしそこの県がその活動が適正かどうかを見ることができないような仕組みでは、その全体の活動を把握して、地元で何かおかしなことをしているのを黙って見ているしかないというようなことになりますので、こういうような条項を置いて、四十五条、四十六条でその所轄庁でない都道府県以外の区域内で活動をしているものについてチェックしていこうというような趣旨で取り入れた規定であります。 もちろん、私が先ほど申し上げましたように、立ち入りその他というのは余りにも過大ではないかという考え方に変わりはありません。
○堂本暁子君 先ほどの御質問の中で立入検査というのは過大だ、それから行政の裁量は減らすべきだというふうにおっしゃっていたので、おつくりになっている法律との間でちょっと矛盾があるんじゃないかという感想も持ちました。それは恐らくどちらの法案にしても、共産党案は少し違うと思いますけれども、やはり今の日本社会の両面性を反映しているところが残念な部分かなというふうな感想を持たざるを得ません。 前回の質問のときに、NGO、NPOは、個人の立場から、市民の立場から申しますと、やはり責任と義務を担うことである、これはもう大前提だというふうに私は思っておりますし、そのことを申し上げました。自己責任による情報の公開、そしてそのことによる市民の相互のチェックということによって、こういった行政による監督ができるだけなくなるようなときが早く来ることを望むというか、願っているというふうなことを申し上げました。将来的にはやはり行政の監督の枠外に堂々と位置づけられる市民セクターが、あの当時はと思えるような、そういった市民セクターの活発な活動が日本でも具体化することが非常に望ましいと思っております。 そのことと、二番目に、先日も申しましたけれども、やはり個人の生き方、自己選択の可能性、それは自由ということでもありますけれども、みずからが望む生きがいの追求の場、それから自己主張の場、そして自己実現、それは市民の希望を実現する場としてのNGO、NPOが、この法律ができることをきっかけに本当に活発に活動できる、そういうことを望んでいます。 しかし同時に、これは国際的、あるいは社会全体、時代性と言ってもいいかもしれませんが、個人の自己実現というような視点、あるいは市民の自己実現というような視点からだけではなく、むしろ時代なり国際的な立場からも今NGO、NPOの活動は求められていると思っております。 アメリカのジョン・ホプキンズ大学のレスター・サラモン教授はこの領域で国際的な調査をされ、そして比較をされた大変著名な方ですが、国際的に通用するNPOの共通の定義というのをうたっています。 第一は、会則や代表者を有する正式な組織であること、これは当たり前のことだと思います。それから二番目に、これがとても大事なことですが、政府機構の一部でないこと、三番目に、利潤の追求や利益配分を行わないこと、四番目に、独立の意思決定を行っていること、五番目に、ボランタリーな要素を一定程度持っていることということを国際的に通用するNPOの共通の定義というふうに位置づけているわけなんです。 日本の公益法人についてもこのジョン・ホプキンズ大学は調査をいたしました。そして、日本の公益法人はこの五つの要件を満たしているが、しかし結果としてすべて、すべてというか、位置づけは政府の一部になっているというふうに報告書に書いてあります。先ほど官給法人という言い方をされましたけれども、国際的にもそのような位置づけになっています。それが先ほどるる質問の中にも出てきた公益法人への天下りとか出向者の問題にもなってきていますし、年次予算やそれから活動計画の監督、そういったものも天下りをした元官僚や出向者によってなされているということを、事もあろうにアメリカの大学教授が研究をして、報告書にそういうことが書かれている。これは国際的に通用することではないんではないかというふうに思います。 やはり独立の意志決定ということをもう少し厳密に、レスター教授はどういうふうに言っているかというと、自発的な意志を持って他人や社会に貢献するというふうに位置づけています。自発的な意志、それは上から強制されたり監督されるものではない。ところが、日本の公益法人は行政によってこういうのをつくりなさいと命令されてつくっているものもたくさんある。それはいわゆるノンガバメント・オーガニゼーションでもノンプロフィット・オーガニゼーションでも本質的にはないのだということの結論を得ておられます。 やはり私たちは、主体性あるいは自主性、社会性あるいは連帯性といったような形で今国際的に通用する定義に見合うような、NGO、NPOが活動しやすい、そういった法律を日本の国会でもつくるべきだと思いますし、特に、議員立法ですから可能な限りそういった要件に見合う法律をつくるということが私たち議員に課せられた義務ではないかというふうに思っております。 これからまた参議院において修正の作業が始まるんだとしたならば、その修正は国際的なこういう共通の定義に可能な限り近づくような方向での修正が実現できればうれしいというふうに思います。 それから同時に、いつも申し上げますが、大勢の傍聴の方も、恐らく全国の市民団体を代表してここに集まっている方たちだと思いますけれども、そういった方たちの側から、市民の側からやはり自由でそして義務と責任を守る立場で、今までと違う新しいありよう、それを二十一世紀に向けて実現する場としての団体なりいろんなグループが、北海道から沖縄まで活発に活動しやすい方向に向けて修正案をつくるということがこれから参議院に課せられた責務ではないか。 そして、私は委員長にもぜひお願いをしたいんですけれども、そういう作業を実現することによって、参議院の独自性とよく言われますけれども、本当に参議院らしい、そして女性も男性も大勢いるこの委員会ですし。発議者も全部議員ですし、傍聴の方もいらっしゃる、そういった本当に日本を代表する場としていい法律を送り出すような、そういった審議がこれからも堂々と展開されることを願っております。 ありがとうございました。終わります。
○委員長(鹿熊安正君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時二十七分散会