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142回国会参議院1998/01/29

労働・社会政策委員会 第3号

発言数
167
登壇者
15
会派数
7
開催日
1998/01/29

会議録

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十七日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として都築譲君が選任されました。  また、昨二十八日、都築譲君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君が選任されました。     —————————————

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本NPOセンター常務理事・事務局長山岡義典君、弁護士福島瑞穂君、芸術文化振興連絡会議議長江見俊太郎君、経団連1%クラブ会長若原泰之君、日本民際交流センター代表秋尾晃正看及び株式会社電通総研研究主幹伊藤裕夫君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題といたします。  本日は、三案審査のため、参考人として、午前は日本NPOセンター常務理事・事務局長山岡義典君、弁護士福島瑞穂君、芸術文化振興連絡会議議長江見俊太郎君、以上の三名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、法案審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、山岡参考人、福島参考人、江見参考人の順にお一人十五分程度ずつ御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることになっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。  それでは、まず山岡参考人からお願いいたします。山岡参考人。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 日本NPOセンターの常務理事と事務局長をしております山岡でございます。きょうは、その立場というよりも、むしろ一個人の立場として発言させていただきたいと思います。と申しますのは、このセンターの会員にはさまざまな考えの方が参加しておられるということで、多くの人の全部の意見を私が集約するということはしてございませんので、私個人の立場での話とお聞きいただければ幸いです。  まず、日本NPOセンターを紹介させていただきますけれども、このセンターは一昨年の十一月に設立したものでございます。まだ一年とちょっとしかたっておりません。日本各地で各分野の民間非営利活動に携わっておられる方々や産業界の方々が新しい市民社会の創造を願い、熱い思いで設立したものでございます。  今、御一緒に参考人として出席しております江見さん、それから午後に出席予定の若原さんも私たちのセンターの評議員として御協力いただいております。あるいは、この六月の衆議院の公聴会で発言されて、きょうは江見さんの随員として来ておられます高比良さんも私どもの理事として一緒に運営しておりますし、さきの衆議院の公聴会で発言した山本正さんあるいは早瀬昇さんもそれぞれ代表理事、常務理事としてかかわっておる、そういう多くのNPO関係者によって運営されているセンターでございます。  このセンターの目的は、日本におけるNPOの基盤強化を図るとともに、企業や行政、との対等の、あるいは緊張あるパートナーシップを築き上げることにございます。そのことを通じて、企業も行政も市民社会型に変わっていくことを願っております。どこかの所属機関とか下請機関というようなそういう性格ではなくて、どことも対等に協同し、競争し、そして批判もできるという、そういう組織を目指しております。このような組織にふさわしい法人制度は現在ございませんので、まだ任意団体のままでございまして、大抵の預金通帳とか契約は私の、事務局長の個人名で行っております。もし現在出されております与党三党案が成立しましたら、修正によって加わりましたその別表の十二項目によりまして市民活動法人になりたいと考えでございます。同じようなNPOセンターが各地域に現在次々につくられております。そういうNPOセンターも恐らくこの十二項目ができたことによって法人になることができるだろうと思っております。  次に、私個人のことについて少し申し上げますと、今から二十年ばかり前に都市計画家をやめまして、助成財団の活動に携わり、そのころから日本社会に民間非営利セクターを確立させるための夢を描いてまいりました。そのための新しい非営利法人制度の必要性についてもいろいろと模索してまいりました。その成果の一つが、総合研究開発機構というところで、私、雨宮孝子さんたちと一緒にまとめたものでございまして、「市民公益活動の促進に関する法と制度のあり方」という報告がございます。これは現代の日本の非営利法人制度の問題点を体系的に整理し、民法改正の二つの試案と特別法による二つの要綱案を提示しております。これらの二十年にわたる経験と模索というものを背負って、きょうここにこうして発言させていただいているわけでございます。  さて、今回は新しい非営利法人制度の創設に関します三つの法案がこの委員会にかかっておりますけれども、このような社会の根幹にかかわる建設的な法案が議員立法として三つも提出され、そして議論を尽くされるということは、我が国の議会史上でも画期的なことではないかというふうに思っております。そして、私のような者までもが発言を許されるということに大きな感慨を抱くものでございます。これらの法案作成に日夜努力を尽くされた議員の皆様に、本当に一市民として心から敬意を表したいと思います。  法案についてですが、与党三党が提案し、民主党が修正に参加して衆議院を通過しました市民活動促進法案は、確かにまだまだ課題がありますけれども、市民活動団体の願いと現実社会での可能性をぎりぎりのところまで詰めてきて衆議院を通過したものでございます。  提案された当初の案には私はかなり疑念を抱き、そういう管理法案ではだめだという発言もしてまいりましたし、修正の要求をしてきましたけれども、その多くが改善されました。ぎりぎりの線のところで、私ども、これだったらいけるだろうというところまで修正されてまいりました。また、衆議院での議論を通じて多くの疑問点についても明らかにされてまいっております。施行三年後には見直しを図ると附則でも規定されておりますので、それに向けてのさらなる改善の努力を市民とともに進めていくということを確信して、その前提のもとにこの法案が早く成立することを強く願っております。  なお、与党内の合意として、法案の名称を特定非営利促進活動法とし、その法人名称も特定非営利法人とすることのようですが、私はこの変更を意図された方々とは別の観点から、すなわち市民活動という言葉を大事にしたいがゆえにこのことに賛成します。さきに紹介しましたこの報告書の中でも述べておりますように、市民という言葉を現段階で制度用語として固定することがこの言葉の持つ未来に向けての豊かな可能性を矮小化してしまいかねないということも懸念していたからでございます。  なお、定義として言えば、特定非営利活動イコール市民活動等と言えるかと思います。この「等」が大切でございます。芸術団体などもそうですが、市民活動としてみずからをアイデンティファイすることに何かぎこちなさを感じる団体もあると思うのですが、そのような団体にもこの制度が適用しやすくなると思います。  なお、合意された変更の中に、暴力団の参入を防止する観点から設立要件への加筆があったように思いますけれども、既に法案の中では理事の要件で定められていることがございますので、それが本当に必要かどうかということを疑問に思っております。余りに慎重になるがゆえに、みだりに警察権力のチェックが加わることなどの決してないよう十分な歯どめをお願いしたいと思います。  次に、共産党から提案されました非営利法人特例法案ですが、これは本来民法改正で行うものを特別の期間を定めて特別法で行おうとするもので、その工夫は評価したいと思います。私たちが目指す理想に近い姿をある意味で指し示しているように思います。しかし、同時並行で既存の多くの公益・非営利法人体系の再編成が必要になりますが、それができる現状にあるかどうかという点を若干疑問に思います。夢を指し示したという点で私はこの提案を高く評価します。私たちのこの報告書の民法改正試案の一つも非常にこれと同じ内容を持ってございます。  私は、現実社会との兼ね合いという点を考えますと、この施行にはかなり時間がかかるのではないかと懸念しておりますので、まず与党案を成立させた上で、この非営利一般法の実現への道筋を超党派で考えていくというふうになるとありがたいなと思っております。そのためにも私たちも大いに協力できるのではないかと思っております。  次に、旧新進党等からの市民公益活動法人法案です。  これはさきの通常国会で否決されました案に比べると格段に使いやすいものになっていることを認めたいと思います。これだけの案が出されるのになぜ前の案に二年間も固執されていたのかと、若干残念に思っております。もし早い時期にこの案が提出されて、市民団体とも論議を重ねて突き詰めた修正といいますか、具体的な点について議論していればさらに実現性の高いものになったように思います。今の案につきましては、いろいろな現場の団体との調整が必要な気がしております。こういう法案というものは現場の立場からのさまざまなシミュレーション、これを適用した場合に自分の団体はどうだろうというものがたくさん出てきて議論を詰めていくという過程が非常に必要と思っております。それがまだなされていないかなという感じを抱いております。  与党案をまず採択した上で、その後の改正に当たって大いに役立ててほしい案だということが言えます。もちろん超党派で速やかにこのいい点が取り入れられるようであればそれは願ってもないことだと思っております。ただし、これにこだわるがゆえに与党案の採択をおくらすようなことになることは私は望んでおりません。速やかに成立という点をまず申し上げたいと思います。  最後に一言申し上げておきたいことがございます。  日本の近代の産業発展を考える上で、株式会社という法人制度がもたらした影響ははかり知れないものがありますけれども、この株式会社制度も最初から今のように自由に設立されたわけではございません。  現在ではどの役所とも関係なく、一定の要件を備えれば準則主義で自由に設立てきますが、これは今から九十九年前の明治三十二年に施行された商法によって確立したものでございます。このいわゆる新商法と言うんだそうでございますけれども、これが施行される以前は、その六年前、明治二十六年に施行された旧商法によっていましたけれども、これによれば株式会社の設立は地方長官、すなわち現在で言いますと県知事でございますね、当時は任命制でございますけれども。その県知事を経由してそれぞれの活動内容に対応した主務官庁に出願し、その認可のもとに設立されるというものでございました。ほぼ今の社団法人や財団法人の設立と同じであったと考えてよいでしょう。これが六年後に大幅な規制緩和がなされ、今のような準則主義になったわけです。そして、株式会社は急速に普及し日本の産業社会がここまで至ったわけでございます。  ことしは民法の施行後ちょうど百年に当たります。昨日年表を調べましたら民法施行は七月十六日だそうです。ですから、ことしの七月十六日が民法施行百年という非常に記念すべきと言うべきか、憲法が変わっても民法が変わらなかったのはどうしてなのかという問題もございますけれども、そういう年に当たっております。営利法人が六年でたどった道を、非営利法人は百年たってもたどれないままでいるわけでございます。しかし、やがてその日も近いと思います。  今一気にとは言わないまでも、まず現実に可能なところから、それに向けての第一歩を踏み出すことが今の日本社会で緊急に求められています。現在の与党案はいろいろと課題はありますが、その第一歩には十分なものと判断します。まずこれを成立させることが重要です。そしてそれを運用し、その使いやすさのよしあしや反響なども確認しながら、それこそ超党派で今回提出された他の二案も大いに参考にしながらよりよい制度を育て、確立していっていただきたいと願っています。  社会的な対応とのダイナミズムの中で、順次よりよいものをつくっていくという姿勢こそが現実的なすぐれた方策と確信します。ぜひこの国会での与党案の早期成立をお願いするものです。  御清聴ありがとうございました。以上でございます。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) ありがとうございました。  次に、福島参考人にお願いいたします。福島参考人。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 本日ここに参考人としてお呼びいただきまして本当にありがとうございます。ここまで法案をまとめてこられました方々の御尽力に対し、特に深く敬意を表したいと思います。  私は、弁護士として、さまざまなNPOの方たちから、一体どうやって法人格がとれるのかという相談を実はよく受けてきました。現在は公益法人設立に所管庁の許可が必要ですし、許可を受けるには多額の資金が必要です。調べれば調べるほど、力になろうと思えば思うほど、非常に困難、あるいはほとんど不可能だという結論に達します。その旨伝えると、みんな肩を落としてがっくりなってしまうということが何度もありました。結局、民法が悪いのであって、今のところあきらめてくださいと言わざるを得ず、弁護士としては全く無力感を感じておりました。ですから、そういう立場から今回NPO法案が成立するということを非常に望んでおります。  法人格の取得を切望しているNPOは多数あります。これは釈迦に説法を申し上げますということで、皆さんも本当によく御存じだと思いますが、任意団体では団体の資産が個人の所有となってしまいますから、例えば個人が亡くなってしまった場合、法定相続人が登場する。つまり、相続が発生してしまうわけです。あるいは、例えば山岡さんがある団体の代表で、引っ越されたり会をやめたりしてしまうというふうなときがあった場合に、その所有権の移転登記をしますと、これは御存じのとおり贈与税の問題が発生します。つまり、団体としての資産維持ができず、団体が継続して活動できないということになります。  ですから、個人の方が非常に努力して、例えば筋ジストロフィーの子供たちのためにという形で頑張っても、その方が亡くなってしまうと団体としては相続が発生するということになかなか対抗できないという問題が起きます。地域の福祉施設を個人でつくっても、東京都なら基本基金として五億円なければ財団法人とすることができず、施設の維持が問題となっています。  それから、海外で活動する際にも大変問題があります。海外で正規の現地事務所を開くにも本国での法人格を要求される国がたくさんあります。正規の現地事務所が開けませんと派遣職員は観光ビザで働くしかない、現地職員を雇用しにくい、現地での資産登記ができないということがあります。また現在、国際的非営利団体の連合体に加盟するなどに際して法人格のあることが要件となっているということがある。ですから、日本のあるNPOが国際的に活躍したいと思って登録をしても、法人格がないということで拒否をされるということが今現実に生じております。  昨日、来日している国連人権高等弁務官であるメアリー・ロビンソンさんの講演を聞きました。彼女は、NPOの役割、NPOのネットワークを大変強調されていました。国際的な活動が必要とされる二十一世紀に、日本のNPOが海外から、あるいは国連から見えない、そして活動がしにくいということは本当に大きなマイナスだというふうに思います。  今まで、所管庁制でない、つまり行政がその活動内容を価値判断する立場にない非営利法人の制度は、マンションの管理組合と政党法人を除いてはなかったものです。これからは市民団体がみずから社会サービスをつくり出し、その価値を市民にダイレクトに問うていく、そして行政だけに頼らないでよりよい社会をつくっていくことが求められているというふうに考えます。そのためにも、市民活動促進法案は必要です。  市民団体が力を持ち、さまざまな活動をしようとする場合、契約社会においては法人格は不可欠の道具です。ただし、契約や所有をする必要のない団体には別に市民活動促進法案を使う必要はなくて、法人格を持ちたいと思う市民団体が、法人格を持つことができないということが現在の問題点だと考えます。  なお、市民活動促進法案は税制優遇策を盛り込んではおりません。法人制度というのは私法の領域に本来属するもので、行政の施設に基づく税制優遇策とは別物です。将来的には税制優遇策は論議にはすべきだとは思いますけれども、法人格を取得させる要件と税金の優遇策をする要件は異なって考えるべきですから、今回税制を同時に検討し、法人制度のハードルを高くするということはやめた方がいいと考えております。  海外のどの国でも税制優遇措置が使いやすくなっているわけではありません。イギリス、ドイツ、アメリカといった国では寄附の税制優遇が比較的利用しやすくなっておりますが、他方、オーストリア、フランスといった国では寄附の税制優遇措置がなかなか市民団体にとっては利用しにくいのが現状です。しかし、どの国でも法人制度は準則主義でできておりまして、すぐに法人格はとれます。そういう意味では、日本の今の現状は明らかに欠陥があります。  以上のような理由から、超党派でというふうにお願いしたいですけれども、与党・民主党案の市民活動促進法案を今国会でぜひ成立させていただきたいと思います。  ただ、これから市民活動促進法案で修正していただきたい点を述べたいというふうに考えております。  まず第一に、市民団体そして構成員のプライバシーなどを侵害するおそれのあるものをなくしていただきたいということです。設立の認証を規定した十条三号は、「社員のうち十人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面」を提出するということになっております。この条項は削除していただきたいというふうに思います。法人格を取得するためだけに名簿を提出しなくてはいけないということは非常に問題です。いただきました趣旨説明などでも、皆さんがおっしゃっているのは、できるだけ行政庁の監督を最小限度のものにとどめ、市民団体の活動を保障しようということが趣旨になっております。この点がやはり問題だと思います。  現在では、プライバシー権は憲法上、自己の情報をコントロールする権利と言われています。自分がどういう市民団体に属しているか公表したい人はすればいいと思います。しかし、したくない人、望まない人もおります。役員は三人以上、監事が一人おりますから、社員のうち十人以上の者の氏名を提出するということは、その市民団体のうち少なくとも十四名以上の人の氏名などを公表しなければ法人格が取得できないということです。  私は、役員の名前のみで十分ではないかと思います。小さな市民団体は十四人提出いたしますと、ほとんど主要メンバーということにもなるのではないでしょうか。十人だからいいではないかと思われるかもしれませんが、一万のNPOが法人格を取得すれば十万人分、十万のNPOが法人格を取得すれば百万人分の名簿が提出されることになります。それは果たしていいのだろうかという点があります。これは削除していただきたいと思います。  それから、二十条に役員の欠格事由が載っております。二十条の中の例えば禁治産、準禁治産あるいは破産者でない者は、他の商法の取締役、監査役でも欠格事由となっております。ただ、禁治産あるいは準禁治産というのは現在もうほとんど使われておりませんので、果たして一号から三号までは必要だろうかという疑問があります。  役員の欠格事由の二十条で最大の問題点は四号だと思います。これは、この法律もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に違反したことによって処罰されたかどうかというようなことが問題になっております。一号から三号までは、これは自治体でわかることです。所管庁である都道府県知事は、戸籍を見れば禁治産者か準禁治産者かということはわかります。ただ、四号は所管庁はわかり得ないことです。ある犯罪を犯したかどうかということは所管庁はわかりません。ですから、この情報は警察に提出をし、実際は調査をしてもらうということになると思います。それは、情報が流れるということですから問題だと思います。  それから、役員は十条二号のハで誓約書の提出をしなければいけません。欠格事由について、ないということを誓約書で提出しなければいけません。しかし、誓約書が条文に記載されている法律はほとんど見たことがありません。例えば地方自治法百六十九条は、出納長、収入役などの特別欠格事由を定めております。三項は「出納長又は収入役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、副出納長又は副収入役となることができない。」としております。しかし、誓約書は法律上要求されておりません。商法の取締役、監査役の欠格事由はありますけれども、このような誓約書を提出させるということは要件となっておりません。法人格の取得のときだけ、なぜこのような誓約書が法律上要求されるのか不可解です。  先ほどの社員名簿の提出のところもそうですが、現在、公益法人でも社員名簿の提出は要求しておりません。民法の規定よりも緩やかにしようとしているこのNPO法において社員名簿の提出をさせるということは、法律の均衡上からも妥当ではないというふうに考えます。  それから第二に、認証の要件として暴力団または暴力団の統制下にないこととして、これまた誓約書を出すというふうになっております。これも不要ではないでしょうか。  というのは、条文で見た場合、暴力団の統制下にないというのは非常に不明確な概念です。統制下にあるということをどう事実認定するかということが問題になります。本当にそうであるかどうかを判断するためには、全構成員及び周りの関係者、背後関係をすべて調査し、洗っていくということをしなければ、実際暴力団の統制下にあるかどうかということは判断ができません。これは、所管庁である都道府県知事ではなくて、実際上は警察しかできないというふうに考えております。リストを全部警察に渡して調査をしてもらうしかありません。認証の要件となっていることは、常にそのことが問題になるということです。  それから、今のこととも関係がありますが、第三に、行政が、法人が法令などに違反していると疑う相当な理由がある場合は立入検査、改善命令、認証の取り消しができるということになっております。私は、改善命令、認証の取り消しは必要だと思いますが、立入検査を条文に入れることはいかがかというふうに思います。例えば、暴力団の統制下にあるのではないかというふうに判断をし、その後にその事務所の立入検査をするということがあるわけです。これは、非常に市民団体に対する介入になる可能性があるというふうに思います。  あと一点だけ申し上げます。  定義、第二条二項二号ハで、「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」というものが入っております。三条の二項にありますように、「市民活動法人は、これを特定の政党のために利用してはならない。」ということはもちろん当然なことです。  しかし、国会議員の皆さん方は非常に思われると思うんですが、政党あるいは国会議員がちょっとでも絡むということで、市民団体からむしろ排除されていくということが非常にあると思います。私は、市民団体そのものが選挙活動をするというふうになれば、それは問題だとは思いますが、しかしこの境界線は非常に微妙でして、例えば夫婦別姓選択制を含む民法改正案を支持してくれる人たちは、民法改正ネットワークですと支持したいわけです。自分たちの活動の延長線上として国会議員さんを応援したいと思ったときに、果たしてこれはどうなるのかという点は問題となります。むしろ、国会議員さんたちは、自分たちの活動が常に縛られているという感覚を非常にお持ちになるのではないかというふうにも思います。  この二条のハは、むしろ三条の「市民活動法人は、これを特定の政党のために利用してはならない。」ということである程度解決するのではないかと考えております。  ですから、私は今国会でこの市民活動促進法を成立させていただきたいと切に望むものでありますが、法律家の立場から、これがいろんな問題点、副作用を生じないようにぜひ削除していただきたいところは率直に申し上げました。  よろしくお願いします。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) ありがとうございました。  次に、江見参考人にお願いいたします。江見参考人。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 芸術文化振興連絡会議、長いのでパフォーミング・アーツ・ネットワークを略称してPANと申しております。議長の江見俊太郎でございます。本日はお呼びいただいてありがとうございます。本業は俳優業でございまして、五十二年間ずっと続けてきましたが、中には悪代官を演ずることも間々ございます。しかし、最近は本物の悪代官の方がふえ過ぎちゃって、どうも役者の悪代官が顔負けするという、悪代官同士としては逆にいささかコンプレックスを感じているというようなところでございます。  PANという組織は、あらゆる芸術団体と市民の文化団体とが三千団体もネットワークを組んだ組織でございまして、こういう組織はかつてこの国では歴史上なかったんではないかと思います。私ども俳優連合も国際俳優連盟というところに加盟しておりますが、この大会のときに、活動報告の中でPANの話をしましたところ非常に驚かれました。どういうふうにやっているんだというようなことを盛んに質問を受けました。  まず、私どもが冒頭で申し上げておきたいのは、先日先生方にお渡しいたしましたNPO法案に関する緊急提案のことでございます。これは、私どもPAN単独ではなくて、NPO法の成立を期待する運動団体が一致して提案をいたしたところでございます。  その趣旨は、文章にもありますように、与野党から提出された三法案をもとに徹底した審議をしていただき、よりよいところを取り入れ合って、超党派議員立法として早期に成立するように御尽力いただきたいというものでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  PANは三千もおりますけれども、約六割は非営利の団体でございまして、他の営利団体といっても、その団体は自分たちが本当にとりたいと思う適当な法人格がないためにやむを得ず有限会社とか株式会社にしている劇団などもございます。また、鑑賞するような組織もございますが、鑑賞だけではなくて、市民みずからが創造とか表現活動に参加するいわゆる市民参加型の文化活動が非常に活発になっております。  私ども俳優のための組織である日本俳優連合というのがございます。森繁久彌が理事長でございまして、私も副理事長の一人を務めておりますが、これは事業協同組合でございます。やむを得ずそういう形をとったんでありますが、実態としては、最近は特に社会参加の会というような会をつくりまして、老人施設とか障害者の施設を慰問したりして車いすサポートボランティアというのをやったり、チャリティーウオーキング、市民と一緒に歩いて少しずつ、五百円でしたか、寄附していただいてそれをジョイセフに寄附するとか、あるいは献血運動とかそういうこともやっております。これはまさにもうNPOであります。ところが、俳優連合の会費は四〇%も税金が取られます。滞納者がいても、その人からも税金が取られるというようなことがございます。  PANとしての要望の第一点は、このNPO法は単にボランティア活動だけに重点を置かないで、芸術団体や市民文化団体も対象として、その特性を生かした法律にしていただきたいということでございます。特性とはどういうことかと申しますと、本来の芸術活動というのは非営利的な性質のものでありまして、営利を第一義としたのではよいものはできません。NPOであることが芸術団体の本業と言ってもいいくらいです。  私自身も昨年、悪代官ではございませんで、自分の戦争体験をもとにした一つの私なりの使命感を持って芝居をつくりました。これは、準備に一年以上もかかりまして、やった公演はたった四回でございます。多くの市民の協力も支援も得ましたけれども、結局は赤字でございました。しかし、私自身は俳優としての芸術的な喜びに浸ることができたわけでございます。  しかし問題は、そういう活動が永続的に続けられるかどうかということです。要するに、何らかの社会的な支援がなければ芸術は成り立たないというのが、これはもう国際的な常識でもございます。そのことは、一九九六年にPANが国会議員の皆様を対象に行ったNPO法に関するアンケートの中でも、非営利団体が継続的な活動をする上で何らかの社会的支援が必要かどうか。ぜひ必要というお答えをいただいたのが七七・八%もございました。また、税制優遇措置がぜひ必要だというお答えも七四・三%ございました。  非営利団体の特性の二つ目としまして、芸術や文化活動は、衣食住のように物質で人々を潤すというのとは違いまして、感性に訴えて人々の心を豊かにし、明日への活力を与えるものです。例えば、子供時代に感性が育てられると大人になってからの創造力が豊かになるそうです。感性が育たなければ創造力が育たない。逆に言えばそういうことになります。ですから、それは国全体の国力と申しますか、経済力にも結びつくことになると思っております。要するに、非営利の芸術・文化団体のそういう特性を生かした活動の支えとなるような制度になることを私どもは要望するのが第一点でございます。  第二点といたしましては、定義上の不特定多数の利益の増進について、いわゆる公益などの条件規定で対象範囲が狭められないようにお願いしたいということでございます。例えば、会員制の団体は不特定多数ではないじゃないかというようなことを言われますと、従来の公益法人における公益の概念と同じように解釈されますと、せっかくできる新しい法制度の意義が損なわれるのではないかと思います。  確かに、会員制の団体が幾つもございます。例えば、市民の文化団体の一つである子ども劇場というのは、これは鑑賞も含めておりますけれども、文化活動自体もやっているわけです。そして、地域全体の文化的環境の拡充を図っているわけで、最近では子供みずからがその表現活動、創造活動にも参加しております。また鑑賞の際には、それこそ不特定多数、会員でなくても見ていただくというような制度もとっているわけです。  それから、劇団とかオーケストラの支援組織というのがございます。特定の芸術団体を支援するための会員制ですけれども、このことは、結局は芸術ジャンル全体の発展を図っていることになります。東京都響とかそういう初めからスポンサードシップのオーケストラというのは非常に安定していますけれども、独立したオーケストラというのは非常に苦しいわけです。また、地方においては文化ホールによる会員組織というのもございますが、施設を活用した地域の文化振興を図っているわけでございます。  要望の第三番目としましては、税制上の措置のことでございます。財政基盤の中心が事業収入と補助金だけでは、ただでさえ文化予算の少ない日本では、恐らく芸術・文化団体はNPOの法人格をとっても余り意味がないことになるのではないかと思います。つまり、具体的に言えば民間からの寄附金を集めやすくなるような制度にしていただきたいわけでございます。  あのレーガン政権は、福祉予算とか教育予算を削減して大変批判をこうむりましたけれども、同時に税制改正をして寄附金控除というのをふやしたんです。個人は所得の五〇%まで全額控除、これは実際には一五兆円も集まったそうです。企業の場合は五%を一〇%にしました。結果的に、アメリカはNPOに福祉や教育サービスを肩がわりさせるような結果を生んだわけです。経済的にも八百万人という大勢の人が雇用されました。全体的な経済規模というのは全GNPの七%以上、金額にして十八兆円になりました。個人からの寄附は十五兆円を超えました。日本の大蔵省は、税制優遇しちゃったら税収はぱっと減っちゃうんじゃないかというふうにどうもお考えなんじゃないかと思うんです。  私たちが税制についてかねがね思っておることは、文化政策自体がきちんと実行されて、いい案が各党から出ておりますが、なかなか実行されません。NPO法といわず、文化芸術基本法というようなものが日本にはないわけですけれども、農業基本法とかスポーツ振興法とかいうのがございます。それと同じように芸術についても考えていただけないものだろうか。そして、文化予算もふやし、社会的な基盤整備もきちんとしていただくというふうにするか、NPOのように税金分をとりあえず市民の手に預けるような形で文化活動を活発にして社会還元する、そのどっちかじゃないかというふうに考えます。  税制優遇がされない限り、芸術・文化団体にとっては積極的なNPO法人格取得は考えられないのではないかと思います。どうか今回の審議で何らかの条文規定をするように考えていただきたいと思います。何が何でも今回の審議で入れろというようなことを考えているわけではございません。  附帯決議というのがございますけれども、私たちはこれについては何度も苦い思いをしておりまして、私は著作権法改正については三十五年間もやってきました。その間に十二回も附帯決議が衆参でつきましたけれども、全く実現しません。入場税のときもそうでした。文化予算が少ないので何とかしてくれという運動をやりまして、芸術文化振興基金というのができました。しかし、これも増額するという附帯決議は七年間実現しておりません。  最後に、この三つの要望とは別に、ここのところへ来て非常に私気になる法案上の規定があります。さっき福島さんがおっしゃったのと同じような点になりますが、与党案の定義の中の第二条にある政治、宗教上の制限規定でありまして、特に第二項のハのところでしたか、その後半に「若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」と。  つまり、推薦したり支持したりしても、それから批判してもいけない。それも、その前半のように「主たる目的とするものでないこと。」という文言がありませんから、例えば演劇団体が、時の大臣やお役人を褒めても批判しても、そういった芝居をした劇団はNPOの資格をとれなくなっちゃうんじゃないかなというような危惧を感じるわけでございます。宗教上のこともそうですが、憲法で言うところの表現の自由とか信教の自由は一体どうなるのか、大変気になるところでございます。  そろそろ時間のようですけれども、最後にちょっとした思いを申し上げますが、本当にこのNPO法がいいものができますと、日本の社会全体が市民の活力に満ちた文化国家になるというふうに思います。あの阪神大震災では、政府がびっくりするほどに市民が自発的な活力を発揮して、義援金は千七百八十七億円も集まったそうです。よいNPO法ができれば、市民はもっとパワーを発揮すると思います。  戦争中は大政翼賛会なるものがあって、国民は見事にマインドコントロールされました。私自身の青春は、お国のために特攻隊員となって死ぬことでした。全く自由というのはありませんでした。ところが敗戦で、突然自由の身になったときには、私は、長い間おりに閉じ込められた動物が、はい出ていけと言って一遍に解き放たれたときのように実は戸惑いまして、目ばかりぎょろぎょろして、一体おれはこれからどこにいればいいんだ、自分の進むべき道はどこなんだと必死で探しました。考えに考えたあげくで、国境がない芸術の道を選びました。負けた日本でも対等につき合えるというのは芸術だと思ったわけです。  それから五十二年間、俳優一筋でやってまいりました。つくづく思うのは、この国は確かに物質は豊かになったけれども、何と心貧しい国になってしまったのかなという感慨でございます。私自身の自分の非力も感じますから、こういうNPO法に期待する思いは人一倍でございます。  これからは市民の自発性と自主性を生かした多元的で多様な活力に満ちた日本の社会が築かれるように、現在提案されている三法案を超党派議員立法として立派なNPO法ができるように、早期に成立するように御尽力をお願い申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) ありがとうございました。  以上で参考人の意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 自由民主党の海老原義彦でございます。  本日は、参考人の先生方、お忙しい中をお繰り合わせいただきまして、今また大変有益なお話をいただきまして、ありがとうございました。お一人頭十五分という短い時間でございますので、十分意を尽くせなかったところもあるだろうと思いますので、この質疑の時間になるべくまたいろいろとお話を伺いたいと思うわけでございます。  まず、山岡さんに伺いたいと思いますけれども、山岡さんのお話の中にもございましたが、本当に今の公益法人制度というのは大変認可が難しい。私自身もいろいろと経験がございますけれども、これは何とか直さにゃならぬということで、今の民法の体系を根本的に手直しするということは、民法百年というお話もございましたけれども、これはやっていかにゃならない。なぜ今までこんなにおくれていたのか、よほど難しいことなんだろうなと、私は政治家の一人として実感しておるわけでございます。  もう十数年前から、この公益法人制度を直すという話は意識としては出ておりながら、しかし今までできなかった。その間に、NPO活動というものが非常に盛んになってきて、それで現実に、このNPOの法人格というものを何とかしなければ大変なことになるぞという気持ちがいろいろ各界各層に起こってきたわけでございます。  山岡さんに対する質問といたしましては、NPOに代表される市民活動というようなもの、これを特定非営利活動の一部ということで位置づけた方がよろしいと山岡さんはおっしゃっております。そこら辺の御説明をもう少し詳しくいただきたいことと、それから、NPOというものがこれから社会のセクターとして非常に重要になってきているんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺のお考えをもう少し御解説いただければと思います。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) ただいま、大変私のお話ししたい点について御質問いただいて感謝申し上げます。  市民活動という言葉でございますけれども、これは十年ぐらい前までは余り使われておりませんでした。私がトヨタ財団におりまして、新しい助成のプログラムを開発していく過程で、今起こっている新しい現象を何と呼ぼうかということでこういう言葉を当てはめたわけでございます。もちろん、それ以前から市民活動という言葉を用いた施設もあったようですし、そういう概念はあったようですけれども、一般には浸透していなかった。市民運動という言葉はあったように思います。  これは私ども、国際協力活動とか自然保護活動、芸術文化活動とか地域福祉活動、それぞれの分野を特定した活動の概念はあるんですけれども、それらを全部ひっくるめて何か一人一人の市民意識に基づいて支えられている活動、共通のものがあるんではないかという思いからこういう言葉で呼ぶようにして、新しいこういう活動を発展させるための資金助成のプログラムを開発したというのが十数年前だったと思います。  ちょうどそのころ、経済企画庁は社会参加活動という言葉を用いて、国民生活審議会でそれを発達させねばならないというような議論をしておりましたけれども、どうも社会参加活動だけでは新しい社会をダイナミックに変えていく力というようなものがちょっと感じられなかったものですから、私どもは市民活動という言葉を用いました。草の根の市民意識に支えられた活動ということでございます。  民間非営利活動は市民活動よりも幅広い概念だと思います。例えば、トヨタ財団の助成活動は市民活動とは言えませんけれども、非営利活動だと思います。それから、多くの芸術関係の団体、芝居をする、演劇をする、ダンスをする、あるいは絵画、そういうものも市民活動というふうにみずから意識しておられるものもございますけれども、市民活動というよりも、自分はやはりこれは創作、創造活動であって、もちろん市民性はあるにしろ、創造という点に重点を置きたいんだというものがございます。  あるいは、私が属している自治体学会という学会がございますけれども、学会なども今はほとんどが任意団体です。工学系は財団、社団ございますが、任意団体。これも今は法人格を必要としますけれども、市民活動と言われると学会活動とはちょっと違うんじゃないかなというイメージがします。そういう学会なんかも、特定非営利活動ということになりますと非常に速やかに入りやすいということが言えるかと思います。  それから次に、NPOの重要性ということでございます。  これから日本の社会は、私はやっぱり民間による社会サービスの提供というものを抜きにしてはもう成り立たない状況になっていると思います。規制緩和にしてもしかりです。規制緩和は市場に任せばいいという話だけではなくて、それは民間で監視するシステムがあって初めて市場に任すわけでございます。政府のコントロールではなく市民によるコントロール、そのためにはNPOは欠かせません。それから地方分権も、国家から都道府県に、都道府県から市町村にと、行政内部で権限を落とすということではなくて、これを民間に任すということによって初めて意味を持ってくる。私は、地方分権にしろ規制緩和にしろ、NPOの発展なくしては現実的な意味を持ち得ないだろうとすら思っております。  そういう点で、たくましい、力強い社会サービスを提供できるNPO、そして批判力を持ったNPOがしっかりと育つことが日本のためにも重要であり、それがひいては世界のためにも大きな意味を持つだろう。NPOの発達しない日本が大国になることは世界にとって不幸だろうというようなことすら考えでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 ありがとうございました。  おっしゃるとおり、行政に任せないで民間の手で、民間の活力でやっていく。ただここで、いわば行政の肩がわりとしての民間という考え方であってはならないと私は思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 全くそのとおりでございます。  NPOのエネルギーは自発性にございます。指示されてやるようなNPOはすぐ力がなえてまいります。そういう点でこの自発性こそが重要であり、そのためには多くの市民、企業、多くのさまざまな団体によって支え合うということが重要だと思います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 ありがとうございます。  このNPOの自発性という問題とも関連いたしまして、役所の制約はなるべく少ない方がいいということは確かに言えると思います。まず役所でいろいろな規定をつくって、普通、法律を施行するためには、その下に政令がある、省令がある。省令の下にさらにいろいろなルールがありまして、そういうものに縛られているために、例えば今の公益法人制度なんというのは認可一つとるのでも大変なことだという状況になっておるわけでございまして、限りなく準則主義に近いものを求めるという皆様方のお気持ちは私もよくわかるわけでございます。  これはだんだん福島さんに対する質問になってくるわけでございますが、一方、暴力団が入ってくるものでも何でも認める、そういうことになってはまた問題もある。それから、設立のときに、設立のことについては当然公開して国民の皆さんにも見ていただくわけでございますが、そういうときの書類というものはどの程度にしたらいいのかという問題、これはプライバシーの侵害の問題もございますけれども、いろいろと難しいバランスが必要であろうなと思うんです。  具体的に、暴力団排除条項ということのお話がちょうどございました。暴力団を排除するために警察が介入するなんというのはこの法律が予想している話ではございませんので、ともかくこういう条項を立てておけば、もし暴力団が介入していることが判明した場合には、そういう団体はもちろん認証を取り消すこともできる。法人一つ殺すのはなかなか大変なことでございますけれども、最終的にはそこまでいく可能性も含めておる。そういう排除条項がなかったならば、これはなかなか国民が認めるようなしっかりした制度にならないんじゃないか。  普通、今までの法律でございましたら、行政庁に権限委任するところが極めて大きいわけでございます。民法などはその代表でございまして、民法では何の制約規定もほとんど書いておりませんけれども、行政庁がやたらにうるさい制約をつけてくる。そういうことをさせないためには法律の方に詳しく書いて、行政庁はもう法律の言うとおりにやっておればよろしいということで、従来行政庁の権限でいろいろと制約条項をつけているもののうちから最小限必要なものだけ法律に上げて書くという考え方、これは一つの大事な考え方だろうと私は思うんですが、衆議院からいただいた法案も、それから参議院でお出しになった法案も、共産党案は余りそういう制約は書いてないんですけれども、大体法律上ある程度の制約をつけておる。  そういうことについて、法律の制約が少なくて役所の介入を大きくするのがいいのか、法律上はかなり細かく書き込んで、役所はもうその法律にあることだけしかやってはいかぬよということをはっきりさせておく方がいいのか。法律に書いただけじゃはっきりしない、役所がそれでも介入するんじゃないかという御心配の向きもあると思うんです。そこら辺は私ども審議の過程で、そういうことが絶対にないということを提案者にも十分これから聞かにゃならぬと思います。それからさらに、役所の方にも、今法案の提案者はそう言っておる、この法律の立法趣旨はそういうものであるけれども、それを拳々服膺するのだろうなということを言わにゃならぬと思うんです。  そういう前提のもとで、この程度のいろいろな規制を法律に盛り込むということは私はやむを得ないものと思うんですが、福島先生の御意見をいただきたいと思います。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) どうも御質問ありがとうございます。  どの程度情報を公開するかということはもちろん問題だとは思います。市民団体の方も、株式会社ではありませんが、情報公開をすることでむしろ市民の信頼をかち得ていくということはこれから必要なことだというふうに思います。  条文の中の二十八条、二十九条などに「事業報告書等の備置き等及び閲覧」という条文が入っております。その中には、例えば事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書、役員名簿などを備え置く及び閲覧することがかなり細かく規定をされております。私は、この閲覧によって見たい人は見れるわけですから、こういうふうな形でチェックをしていくということでかなり十分ではないかというふうに思います。  というのは、大きな市民団体、NPOは多分きちっとしていらっしゃると思うんですが、割と小さいところですと、小遣い帳的なものはある程度つけていても貸借対照表及び収支計算書は余りきちっとやっていないところも実は多いわけで、むしろこの法律ができることで財産関係などもきちっとしなくてはいけない、第三者がそれを見るんだからちゃんとしなくてはいけないということで、随分このあたりでも変わってくるだろうというふうに思っております。  それから、暴力団のことなんですが、私自身も暴力団がいい活動をしているとも思いませんし、さまざまな違法活動をしているということはもちろん熟知しております。ただ、法律家は性格が悪くて、実に申しわけないんですが、法律ができ上がったときにそれがどう使われるのかということがあると思います。それから、条文が明確かどうかということもあると思います。  今回、参議院の中で、先ほども自分のところで申し上げたんですが、例えば認証の要件として、暴力団または暴力団の統制下にないことが参議院の中でつけ加えられ、誓約書を出すということが言われております。この統制下にないという認定をどうするかということなんです。  日本の役所はある意味で極めて優秀ですから、この統制下にないことということのために、やはりこの条文があることでいろんな調査は必要になってくるのではないかというふうにも思っております。暴力団の構成員ではないこと、あるいはこれの誓約書を出すということは今まで他の条文では私は多分ないのではないかと思っております。  それともう一つは、所管庁が他のところの、例えば役員の欠格事由ですと、都道府県の知事は戸籍を調べることでできるんですが、この要件については所管庁独自ではできませんから、必ず関係の、特に警察だと思いますが、調査を依頼することになると思います。それはこのNPO法案が予定した以上のことが生じますので、その点については私の個人的な見解ですが削除していただきたいというふうに考えております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 福島先生、問題点の御指摘をどうもありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。  最後に、もう余り時間がなくなってしまいましたが、江見先生が非常に心配しておられる表現の自由の問題でございます。政治的な批判を芝居の中でやったらいかぬのかと。  私はこれも、まず恐らく提案者としてはそんな気持ちはない、絶対ないと言うだろうと思います。それを国会の場ではっきりさせる必要もあるかと思いますし、また江見先生のおっしゃった文化政策と申しますか、文化芸術の基本法みたいなものをつくっていくという努力、これも我々国会の中で必要だろうと思います。  時間の関係で江見先生の再発言をいただく時間はほんのわずかになってしまいましたけれども、何かもう一度御意見があれば承りたいと思います。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 今おっしゃった表現のところですけれども、私たちこれを読んではっきりわからないんです。これはいけないんだろうか、あるいは芝居でそういうことを目的に批判したりするオンブズマン的な内容でしょっちゅう芝居をやっていたら主たる目的じゃないかということにもなるんでしょうけれども、ここのところは主たる目的というのが抜けているから、一回でもそういうことをやると何か免許取り上げの対象になっちゃうとか、そういうおそれもあるんじゃないかということを感じたわけでございます。  大体、芝居というのは批判したりすることで市民は見てくれるし、またそこにおもしろさとか使命があるわけです。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 全くおっしゃるとおりでございまして、その辺は審議の中ではっきりと提案の意図を出してもらいまして、表現の自由は侵さないということをはっきりさせたいと思っております。  終わります。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 民友連の竹村泰子でございます。  きょうは大変御多忙の中、私どものために参考人としておいでいただきましたお三方の皆さん、ありがとうございます。  私どもはもうよくお互いに知っていることなのですけれども、阪神大震災でのボランティアの活動あるいは日本海重油流出事故などのボランティア団体の目覚ましい活動がきっかけになりまして、これまで私どももずっと望んでいましたこうした市民活動促進法案、NPO法案が国会で議論されるようになりました。本当に画期的なことだと思います。市民セクターの活性化こそ新しい社会を創造して民主主義を発展させる大きなきっかけになる、契機になると私どもは考えておりますゆえに、大変うれしいことでありますし、また大事なことである。慎重に審議をし、そして成立に向けて精力的に動いていきたいというふうに考えているわけであります。  最初出されました与党案には多くの問題点がありまして、与党と民主党の九項目の共同修正によって今回のこの市民活動促進法案ということになったわけです。この市民活動促進法案が成立いたしますと、恐らく市民という名のつく初めての法になるだろうと思います。そういうことで、私の周りでも本当に小さな運動体の中で苦労していろいろと頑張っておられる皆様方の顔が見えますので、とてもこの法案の成立が待たれるわけでございます。  欧米に比べて、我が国の市民団体は法人格がないために、事務所も個人契約で借りなければならない、口座も自分たちの個人名義でしなければならないと、先ほどから参考人の皆様の御意見にもございましたとおり多くの問題がございます。先日からこの委員会で審議が始まっているわけでございますが、きょう三人の参考人の皆様から、この法案に対するそれぞれ大切な部分、あるいはそこに流れます哲学と申しますか、そういった部分、それからとても心配だという部分、御指摘をいただきまして本当にありがとうございました。  私どもは、先ほど海老原先生もおっしゃいましたとおり、民法の考え方をまず改めなければならない、特に民法三十四条の改正がぜひ必要であると思いますことと、やはり法人格の付与は準則主義で行われるべきである、こういう基本的な考え方のもとにこの問題に取り組んでいるわけでございます。  まず山岡さんの方から、全国のNPOの皆さんが集まられて、ぜひこの法案の実現をということと、それから市民活動の活発な、本当に民主主義の草の根の市民活動という趣旨でお集まりになっていらっしゃると思います。その御熱意は十分承っているんですけれども、皆さんがなぜ今こうしたNPO法案を国会でどうしても通してほしいと思っておられるか、その切実な声を現実に即してもう少しお聞かせいただければうれしゅうございます。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) ありがとうございました。  最初に、福島参考人から大分出たと思いますけれども、私どもも周りの実に多くの団体から、この法案が通ったらどういうふうに設立したらいいのかという相談が参っておりますし、定款を既につくって、こういう定款で通るんだろうかというので見てくれというようなお話も来ております。そして、もしこの法案が通れば自分たちや団体はこういうふうに変えて、こういうことをやりたいんだという団体が随分ございます。  私は、この法案を考える場合、既存の団体がどうかということと同時に、この法案ができることによってどんな新しい団体が生まれてくるか、むしろ後者の方が影響は大きいかもしれないと思っております。切実な問題でないから困るという面と、ある種の仕組みができると、それによって何かをやってみようというインセンティブをわかす、そういう意味と両方あるんです。  困っていることで言いますと、まず私が困っております。日本NPOセンターは任意団体でございます。私どもいろんな省庁ともいろんな自治体ともいろんな団体とも対等な立場で均等なつき合いのできる組織というものを目指しておりますから、どこか一つの主務官庁制度のもとで公益法人になるというのは余り望ましいことじゃないわけです。たまたま私のもといましたトヨタ財団は総理府が主務官庁ということで、そういう点、割合そういうことができたわけでございますけれども、一般にはなかなか難しい。  そういう主務官庁制度の難しさゆえに法人がとれないということで、先ほどの印鑑、全部私の印鑑でやるわけですけれども、死なないでちょうだいよと家族から言われます、周りの人から言われます。本当に私が今死んだら、すべての契約は私個人ですからめちゃくちゃでございます。  例えば、NGO活動推進センターという海外協力を行う団体のグループがございます。そこなんかも同じでございます。主務官庁制度のもとで、外務省のごとくになりますと、国交のない国で活動している団体、あるいは場合によっては外務省の方針と違うような活動を行う団体に対してどうなのかということもございます。  そういう面で、私の周りにはもう本当にそういう声が来ています。全部言いますと三時間ぐらいかかるんですけれども、個人の心理的な負担というものは非常に大きいです、家族も含めて。  もう一つ言わせていただきますと、私は住民図書館という図書館の運営委員をやっておりますけれども、そこの館長さんが丸山さんとおっしゃるんですが、その方も二十数年間ずっとやってこられて、場所を持っております。会費で成り立っているんですけれども、いつも負債があるような団体でございます。本当にこれだけのものはやっぱり組織というもので抱えないと、特にそういう情報センター的なものは組織としてきちんとやっていかないと引き継げないなということを痛切に思っております。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 御苦労が本当にひしひしとよくわかって、責任が重くていらっしゃるなということを感じます。  福島参考人にお尋ねをいたします。  先ほどこの法案の問題点を幾つも的確に御指摘いただきました。私どももこの与党そして民主党修正案が決して一〇〇%完全だと思っているわけではありません。御指摘のところはまさに私も先日の審議の中でもどうなのかなと、非常に心配だと。この二条の二項のところは、先ほど江見先生からも信教の自由を奪うのではないかというお話がありました、表現の自由を奪うのではないかというお話もございました。  ここのところは本当に気になるところでございまして、「信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」ということで、多くのキリスト教団体や仏教の団体がたくさんのボランティア活動を世界に繰り広げておられますけれども、そういうことは主たる目的をすることではないからいいのですねという確認をとってございます。審議の中でとってございますけれども、しかし、さっき御指摘がありましたように団体としての規定、これは、組織、団体としては信者を教化育成することを主たる目的としている団体であるということになりますと、ここのところが非常に表現が難しいということもございます。  それから、さっき江見先生がおっしゃいました表現の自由ということで、政党や政界を風刺したり批判したり推薦したり、もしそういうことがあると、そこにチェックが入るとNPOの登録ができないのかという、もう本当にごく当然の御質問があると思います。これは議員立法ですので、私たち国会がちゃんと考えなければならないことなのですけれども、法律家の福島参考人にもう一度そこのところのお考えを、イ、ロ、ハについて伺わせていただけたらと思います。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 二条の二項のイ、ロ、ハについてですが、イの「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」というのは、先ほど江見さんと竹村先生の方から御指摘のあったことはあり得るとは思っております。  それから、私自身は宗教団体に属している方たちが大変熱心にいろんなレベルで、国内外でボランティア活動をしていらっしゃることももちろんよく知っております。ただ、イについては、私はこれは残してもいいのではないかと個人的には思っております。というのは、「主たる目的とするものでないこと。」というふうになっておりますので、ボランティア活動をする場合に、その宗教の教義を広めることを主たる目的というふうにしていなければボランティア活動ができるわけです。あともう一つ宗教の点で言いますと、宗教法人がありますので、そちらの方である程度いろんな活動ができるのではないかというふうに思っております。  「主たる目的とするものでないこと。」というのは若干不明確かもしれませんが、主たる目的とするしないというのはほかの法律でも使われている概念ですから、主たるかどうかということである程度区分けができるのではないかというふうに思っています。ですから、もし自分たちの教義を非常に広めたいと思っている場合は宗教法人法でやる。宗教的な団体なんだけれども、ボランティア活動をやるという場合はNPO法でやるということはあり得るというふうに考えております。  それと、ハについては、私はロでも十分ではないかと思っております。ロは「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」となっております。ですから、NPOの役割は超党派でというか、いろんな立場の人がそこで活動できることがやはりその市民団体の活力になるというふうに本当に思いますので、ロは入れるべき、あるいは入ってもこれは仕方がないのではないかというふうに思います。政治団体あるいは政党になればいいわけですから、ロはあってもいいと思います。  ただ、ロがあるわけですから、それ以上に「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」というのはロで十分で、ハは要らないのではないかと思います。先ほど江見参考人もおっしゃいましたけれども、「主たる目的とするものでないこと。」というのはイ、ロ、ハの中でハだけ入っておりません。  ある種の政治的な主張を主にやるのであれば別ですが、どうしても市民団体は自分たちの主義主張、先ほどちょっと民法改正の話をしましたが、例えば夫婦別姓選択制を支持してくれる人たちを呼んでシンポジウムをやるとか、ほかのいろんなのも全部そうでしょうが、国会議員さんを呼んで話をしてもらうとか、支持するということはあり得るとは思っております。私たちは超党派でもちろんやっております。  ですから、ハは削除し、ロで十分ではないかというふうに考えております。というのは、この団体は何々系であるというふうにもしなったら、もうこれはNPOというのにならないわけですから、例えば、構成員の大部分がそうではないかというふうな形で言われると、それはやっぱり困ると考えております。  ですから、イ、ロは残してハは削除というのはいかがでしょうか。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 ありがとうございます。  これは、これからの審議を十分していく中で、私どもがどういうふうにどこを修正していくことができるだろうかという問題にもかかってまいりますので、慎重な審議をさせていただきたいと思います。  江見参考人、衆議院のときにも高比良事務局長においでをいただきまして、大変貴重な御提起をいただきましてありがとうございます。  芸術・文化活動というのが日本ではまだ大変評価が低いと申しますか、国の予算の中でも文化予算が一%に満たないというふうな状況の中で、本当に皆さんが何とか大衆にいいものを伝えよう、プレゼントしようと思ってくださって活動していらっしゃることに心から敬意を表します。  この三点の御要望事項につきまして、公益ということで、私も高比良事務局長の公益という概念が変わってきているんだ、新しい概念で公益というものを考えるべきではないかというふうな御発言に本当に感銘を受けております。短い時間でございましたので、もし何かもう少しつけ加えたい御主張がありましたら、どうぞお願いいたします。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 本当に何をもって公益とするかというところは非常に判断が難しいと申しますか、例えば、私たちが考えるのは芸術活動そのものが実は公益的なものであって、これはお客さんがいなければしようがないわけです。自分一人で踊っていても歌っていてもしようがない。先ほど申しましたように、感性に訴えるものでございますから、とにかくそこからお客さんに何か感じていただくこと自体がもう一つの公益になっているんじゃないかというふうに思うわけです、一般論的でございますけれども。  特にこういう点はどうだというような、お尋ねになりたいことの視点が私はもう一つつかめないんですが。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 済みません。変な聞き方をして申しわけありません。  御要望の中にも、「「不特定かつ多数のものの利益」やいわゆる「公益」などの条件の規定によって、対象となる団体の範囲が著しくせばめられることがないようにして頂きたい。」とございますのでちょっとお尋ねをしたわけですが、例えばどんなことを危惧しておられるのでしょうか。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 例えば、会員制でやっていると不特定ではないということがすぐ対象になると思うんです。先ほどもちょっと申しましたように、子ども劇場の場合は会員制をとっていて会費も取っておりますけれども、それでお芝居を見たり音楽を鑑賞した場合に、それのための会費だけということではなくてやっているわけです。それも鑑賞活動の中の一つの分としてお金を使っているわけで、また違う、自分たちが自主的にやる文化活動にも充てていくというようなことがあります。しかも、見せる場合に、会員だけに限らないで、これはすばらしいからぜひ見てくださいよと言えばだれでもが参加できるというような形があります。  それから、オーケストラの会員制の場合でも、会員でなきゃ見せないよ、聞かせないよというようなことはないわけであります。会員制をやることによって会員さんも少し安く聞ける、定期的な演奏会には必ず御案内が来る。というようなことで、当然その周辺の方々にも参加していただくという期待を持って会員制度の維持をやっているわけです。  お芝居でもそうなんですが、いいものでも、やったから必ず人が来るとは限らないわけで、そういう意味ではいつも幅広くお客さんの層を広げていきたいということを考えているわけですから、そういうような会員制度の場合であっても不特定多数者を対象とした公益性は持っているというふうに考えております。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 ありがとうございました。  時間が来てしまいましたので、まだお聞きしたいことがございましたが、終わります。

山本保公明

○山本保君 公明の山本保です。  きょうは私と猪熊先生が質問する予定でございましたけれども、猪熊先生は議運で、先ほどちょっとお話しございました今国会がいろいろ動いておりますので、私の方で一括して質問させていただきます。  最初に、いろいろ繰り返しになるかもしれませんけれども、こういう場合はお許しいただきたいと思います。  まず江見参考人に、ちょっと最後のお話とも関連することでございますけれども、この審議をしておりまして、私どもNPOというものとボランティア活動というものとの違いがなかなか御理解していただけないのではないか。御存じだと思いますけれども、実は私も法案をまとめまして出させていただいております。私どもの法案は割とNPOを、まさに永続的で報酬をもちろん取るものを、どうもそちらに偏した、これは自分で言っても変ですけれども、客観的に言えばそちらを重視した法案であったかなという気もいたしますが、与党案の方はどうもボランティア性が中心ではないか。その辺のところがきょう江見参考人が最初におっしゃったことかなという気もするわけでございます。  そこで、具体的にお話をお聞きする方がいいのでそれは最初のお言葉としておきまして、手元に「「NPO法案」に関する緊急提案」というものをいただきました。これについて少しだけまず確認をさせていただきたいんです。  昨年末、この委員会ではなく内閣委員会でこのNPO法案を審議しようということでやっておりましたときに、やはり同じようにたくさんの団体といいますか、たくさんの方から与党案を早く通してくださいというような意見をいただいたわけでございますが、何かまた今回も同じような趣旨かと思って見ておるんですけれども、違うところ、見ますと「超党派議員立法」という言い方があるような気もするんですが、この辺が違うんだというふうに確認してよろしいのかどうか、少しお話しいただけますでしょうか。この緊急提案の今回の趣旨でございます。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 特に変わったことが緊急提案としてあるかということですか。

山本保公明

○山本保君 そうでございます。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 私どもPANとしてはほとんど主張は変わっていないんですけれども、ここに山岡さんもいらっしゃるしということで、お配りしたのにいろんな団体が書いてございます。十八団体ぐらいあると思うんですけれども、シーズなんかもございます。いろんな市民団体が一緒になってこの緊急提案をこしらえたということで、周辺の団体にも呼びかけてこの提案に賛成していただこうと。そこに二千三百十八団体と書いてございますが、これはもう今どんどんふえ続けておりまして、数日中に三千を超えることが目に見えております。そういう意味では非常にたくさんの市民団体から協賛を得ているんです。  ここで言うところの趣旨は、一番最後にある「国会史上初めてといわれる与野党から提出された三法案をもとに、徹底した審議をして頂き、よい所をとり入れあって、超党派議員立法として早期に成立するようご尽力頂きたく、」というものでございます。  ですから、税制問題なんかになりますとここに書いてある団体同士の間でも多少のずれがあったり、税制はなくてもいいからとにかくつくっちゃう方がいいよという案もありますが、私どもは税制についてはやはり条文規定していただくとか附則につけていただくとかということをしていただかないと、一遍法律ができちゃうと附帯決議では空約束みたいになってなかなか実現しないという轍を、経験を持っておりますので、その辺をぜひ、先ほどちょっとこれは漏らしたかなという気もしますけれども、税制についてはPANとしては条文規定あるいは附則で明確にしていただきたいということが一つ要望としてはございます。

山本保公明

○山本保君 どうもありがとうございます。  私どもは実は与党案とは対抗するような法案を出しておるわけでありまして、これをぜひ通していただきたいというふうに先生方にお諮りしているところであります。ただ、このように超党派で修正し合えと、また先ほど福島先生からもそのような趣旨もあったのかなというふうに思っておりますので、その辺のお気持ちが強く民間の方から出されているということは重く受けとめていきたいと思っております。  それで、今税制のことをおっしゃいまして、本来はこの法案と税制は直接関係がないかもしれませんが、せっかくのことでございます、それについても少しお聞きしたいんです。  税制上の措置、さっき寄附金と補助金とあるとおっしゃったんですけれども、その場合やはり補助金ではだめで寄附金優遇の方がよろしいと、こういう主張だというふうに伺いますが、それでよろしいでしょうか。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 補助金というのは、要するに国が税金の中から文化予算等を組んで、それから芸術文化振興基金というのは第三セクター方式でございますから企業からも御協力いただいて基金ができた。その運用益で当初三十億ぐらいあったわけです。今、金利が減ったので二十億ぐらいになっているようでございます。  たった二十億ぐらいで非常に多くの団体が申請を出しても、芸術文化振興基金のうち私どもの関係ある音楽、舞踊、演劇の現代舞台芸術創造活動への交付金というのは全部合わせて七億六千九百万円しかないんです。応募件数は全体で四百八十八もあって、実際に交付されたのは四二%の二百三団体にしか出ておりません。音楽でいうとトータルが三億九千万円、舞踊でいうと六千万円、演劇でいうと三億一千九百万円、申請を一生懸命にやってふるい落とされて出た振興基金がこれだけです。  ですから、外国例でいうと、北欧なんかは消費税もたしか一五%以上という何か協定ができているみたいです。だからスウェーデンなんか三五%だと思いましたが、所得税が五〇%なんて、えっなんてびっくりするんですけれども、聞いてみると、医療費もただ、教育費もただ、活動する劇団なんかには年間総運営費の七〇%が補助されているというような補助金です。つまり、補助金というのは文化予算がふえないとどうにもならないんじゃないかということ。  NPOの場合はそうじゃなくて、補助金は補助金として別枠にあるけれども、それでは足りないから、結局いい活動をするものはそこに賛同する市民なり企業なり、行政の方でもそうですが、寄附をしていただくことができる。そうすると、アメリカじゃございませんけれども、個人の場合は五〇%という例があるわけです。企業の場合も損金算入が五%だったのが一〇%にふえたというようなことがございます。  結局、そうなっても、何だあんな芝居とか何だあんな音楽というつまらないものをつくっていれば、それはふるい落とされていくと思うんです。そこがNPOのおもしろいところというか、実質だろうというふうに考えております。

山本保公明

○山本保君 現場の方の御意見で納得できるわけでございますが、そうしますと、それに一つだけちょっとお聞きしたいんです。  私どもの法案では、公開条件の中に主な役員の報酬までも、言うなら個々の報酬までも公開するようにというのをつけておるんです。これは後でまた福島先生にもお聞きするのでございますけれども、こういうものについては、現場の団体としてはそこまで出しなさいというふうに私どもは考えておるんですけれども、それについてどうお考えでございますか。困るとかまたは困らないとかで結構でございます。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) これからできるNPOについてですか。——それ全然問題ないと思います。開示していいと思います。むしろしなければいけないんじゃないかと思います。

山本保公明

○山本保君 では、福島先生にも今のことと同じ御質問をちょっとしたいのでございます。  報酬公開について、私どもはもっと細かく、低額の方というのはあれですから、何らかの基準を設けまして、ある程度以上の報酬を受けている方については公開することが、やはりこれは市民に対する義務ではないかという気がしておるんですけれども、まず福島先生、これについて簡単で結構でございますが、どうお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 私は、報酬を公開しても構わないかもしれないけれども、額までこだわらなくてもいいし、この市民活動促進法案の二十八条、二十九条の限度で構わないというふうに思っております。

山本保公明

○山本保君 それでは次に、福島先生にお聞きいたしますけれども、先ほど宗教について話がありまして、これは実は宗教者でボランティアをやっている、またはNPOをつくりたいという方をお呼びして聞くことかなと思っておりまして、今回はそういう方がおられないようなので、先生にお聞きすることではないと思いますので、ちょっとこれは遠慮させていただきます。  時間のこともありますので、先ほど特にプライバシーであるとか、または役所の関与が問題になるのではないかと何点かお挙げになったわけです。総合的に申し上げまして、このようなものが削除もしくは変更なくても、先生はこの法案は通すべきであるとお考えなのか、これは大変重要なことなのでちょっとお聞きしたいんです。  といいますのは、実はそれが今一番私どもの課題でございまして、例えばハの条項でございます。常時政治活動といいますか、まさに国民が選んだ公職者を批判してはならないというような条文、これを許していいのかどうか、これは一体NPOの本質とかかわらないのかどうか。私どもも後ここで結論を出さなくちゃいかぬわけでございますので、先生はそこら辺についてはどうお考えでございますか。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 私は、きょう呼んでいただいたのは、この法案ができるだけいい形で成立するようにということで、やはり皆さんたちが議論を本当にしていただいて、いいものをつくっていただくために来ました。と同時に、私自身もいろんな方たちがNPO法案を待ち望んでいるということもまた非常にわかっておりますから、大枠のところでこの法案を通していただきたいというふうに思っております。  先ほどの宗教法人のことなんですが、私自身はこの二条の二のイでいいというふうに思っております。  ちょっと個人的なことで申しわけありませんが、私自身はキリスト教徒ではないんですが、あるキリスト教の団体のアジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所の協力弁護士、アドバイザー弁護士の一人を十年以上やっております。そこはキリスト教のプロテスタントの団体がもともとお金を出してつくっておりますが、カトリックの方も来られますし、当然ですが、タイの女性たちは仏教徒です。さまざまな宗教のアジアからの出稼ぎ女性がいらっしゃるわけで、もし宗教活動をしたいと思えばそれは宗教法人の方のコントロールの中でやればいいと。ボランティア活動をするときは、主たる目的が布教であれば、それはやはりNPO活動と相入れない部分が出てくるだろうと思っております。  この条項は「主たる目的とするものでないこと。」と入っておりますので、NPO団体、宗教団体が、例えばキリスト教や仏教やいろんな人たちが何かそういうボランティア活動をしようと思うときにも私はこれで十分できると思います。ですから、私は二条二項二号のイはこれでいいというふうに考えております。

山本保公明

○山本保君 この辺については私は、お話がありましたので、つまり宗教団体の性格によって何を主たる目的とするかというのは独自に決めることでありますから、先生のおっしゃるようなものが多いだろうという気はしますけれども、そうでないものもあるだろうという気がするということだけ、せっかくでございますので私の意見をちょっと二言だけ、こんなところで言うものじゃありませんが、言わしていただきます。  それで、時間のこともありますので、山岡参考人にお聞きしたいんですが、今の繰り返しになるかもしれません、もう一度確認したいんです。  課題はあるけれどもこの与党案でいいんだというふうにおっしゃって、その課題が何であるかお話なかったと思うんですが、何がこの与党案で課題として残されているのか、この辺について具体的にお話しいただけますか。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) ほぼ福島参考人のおっしゃったことは私は課題としてあるというふうに思っておりますけれども、この課題についてはこの衆議院での議論を通じて私はある程度クリアされたというふうに思っております。  一番大きい課題は認証の取り消しを所轄庁が行うということ、これが一番私は課題だと思っています。しかし、現実の従来の公益法人制度、さまざまな法人制度の枠の中ではすぐにはこの認証取り消しという権限を、所轄庁がこれを裁判所に任すということ、ということは現実的に無理があるのであれば、この執行について非常に慎重な手続をとればいいのではないかと思っております。

山本保公明

○山本保君 もう一度、ちょっと私の趣旨が伝わらなかったようなので具体的にお聞きしますけれども、先ほど福島参考人の方からいろいろ指摘がありました。例えば、暴力団を排除するためにその経歴を公安、警察の方がチェックする、しなければならない条文になるではないかというようなこと、また国民が、市民が選んだ公職者に対して批判ができないのではないかと、これはもちろん運用がどうであるというのではなくして、条文でそのように書いてあるということ。こういうようなものは大した問題ではないというふうにおっしゃったということでよろしいですか。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 課題として残るけれども、現時点でこれがないと通らないものであれば、私は政策提言について制限するものと考えておりませんので、これはきちっと議論した上でやむを得ないと思います。

山本保公明

○山本保君 まさにその辺が問題なところでありまして、ぜひ山岡参考人にお願いしたいことは、そのような個々の問題が今こそ課題になっているのであって、早く通す通さないとか、どちらがいいかというためにも、ぜひどのような問題があるのかということをお話しいただきたいなと思っておりました。  生意気なことを言って申しわけございません。きょうは第一歩で十分だというようなこと、ほかの先生方からいろいろ出ましたのに、一番専門のはずの山岡先生からそういう具体的な指摘がなかったものですから、少し確認をさせていただきました。  それで、少し時間がありますのでちょっと戻しますけれども、私どもは、ひとつ基本基金というようなものを設けた方が、具体的なその活動の性格、団体の性格に踏み込むよりも、有限会社や株式会社と同じように準則ということを考えますと、基本基金を設けるという形で五十万円程度の額でやれば、永続的、継続的にやっておるNPOの方にそれほど、この額はいろいろ問題があるかもしれませんのですが、もっと安くてもという話もあるかもしれませんけれども、そんな案を出しているんです。  江見先生、それから福島先生、山岡先生、もう時間がありませんので、一言ずつこの辺について御意見を、せっかくの機会でございますので、評価といいますか考え方をお示しいただけますでしょうか。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) もう言い尽くしておりまして、三法案が出ておりますから、どうぞ先生方で十分御審議いただいて、超党派でこれを立ち上げていただきたいということでございます。  その際に、税制についても何が何でもというようなこだわりではなくて、やはりきっちり条文規定なり附則なりで明記していただいて、近い将来にそれが実現するような方向で考えていただきたい、それだけでございます。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) どうも御質問ありがとうございました。  私は、今回のここまで煮詰まっておりますNPO法案に関しましては、財源の問題、税金の問題と法人格取得の問題を分離した方がいいというふうに考えております。つまり、財源、例えば五十万にしても、逆にそれが小さな団体からすれば金額を提示すれば足かぜで、むしろ一番初めの資金がないために立ち上げられないということもあり得るというふうに考えます。  それから税金の優遇策についても、税金の優遇策をするのであればかなりきつい要件で法人格をつくる必要が出てくる。NPOの人たちがいろんな議論がある中でも最大求めているのは、やっぱり法人格の取得がしたいと思う団体が法人格を取得したいというふうに大体煮詰まっておりますので、その点については将来の問題としてまた議論することはあったとしても、今回は財源や税制の問題とは切り難して、要件と効果が私は違うというふうに思いますので、やるのがいいと思います。  みんなが待ち望んでおりますので、そういう意味でもぜひ超党派で、参議院で市民に向けてきちっと現在の通常国会で成立させていただきたいというのが望みです。どうかよろしくお願いします。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 山本委員の御質問が五十万円の基金の問題だったように伺いましたので、私はこの辺こそ本当にみんなで議論してもらいたいと思うんです。  私はこの報告をつくったときに三百万円と言ったんです。私はこれは経済事業体としてせめて有限会社程度の信用性を持つものにすべきだというんで議論したんですけれども、随分NPO側から反対がありまして、私の案では百万円なんです。私は、法人格をとるというのは全部がとるのではなくて、ある一定の、市民活動団体のうち一割ぐらいはどうしても人を雇って事務所を持つと必要になると。活動を始めているわけです。始める前に法人格をとるわけはない。むしろこういうときこそ、法人化するからと募金すれば二、三百万集まるわけです。私の個人的な意見です。  だから私は、これはあっていいし、こういうことをやるのはいいと思います。ただ僕は、個々の団体の本当の気持ちをじっくり議論して、議論するとみんな、いや百万ぐらいいいんじゃないかとなるかもしれません。しかし、これだけばっと出されると、いやおれたちにとっては大変だと、しかし、本当に法人格を必要とする。今まで三億円要るのが百万円でできたら安い話です。そういう従来のさまざまな法人制度との比較の中で何がいいのかというとき、私個人としては三百万円ぐらい、私どもの周り皆有限会社をつくるとき三百万ぐらいかき集めてやるわけです。それぐらいの事業体としてのたくましさが私はあっていいと思います。  これは私個人の考えで、そこら辺を一年ぐらいかけてしっかりと議論するとおもしろいと思っていますけれども、今にわかに出されると多くの団体が反発をするだろうなという感触は持っております。

山本保公明

○山本保君 ありがとうございました。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 社会民主党の大協でございます。  市民活動を担う民間非営利組織の法制化問題がようやくにして認知されたということをともに喜びたいと思います。私どもはこれは遅きに失したとすら思っております。  市民活動は、とりわけNPOの場合は自主的、自律的な活動であることと、活動の分野の深さと広がりにおいて地球規模の中で、私は、行政セクターと営利セクターの間を埋める、いわば民主主義のあり方を問い、創造する大きな契機になっていくということを心から祈るものであります。  NPOセンターの山岡さんにお尋ねをいたしたいと思います。  まず、これは第一歩ということ、私も全くそのとおり考えておりまして、法人格取得がなされた後、その運用は社会の中で個々柔軟に対応していくという積極的な御発言に私も力強いものを感じております。とりわけ、九条の団体委任事務というものが明確化しておりますので、その中で次のステップへ私どもができるだけ早く踏み出せるということを考えているわけであります。  お尋ねをいたしたいことは、この法案の次のステップをどのように考えておられるのか、何が必要と考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 長期的には民法改正ですけれども、民法改正の前の段階でやはり特別法の段階で改善していくべきことがたくさんあるだろうというふうに思っております。  法人制度で言いましたら、一つは今十二項目という限定列挙、これは特別法である限り何らかの限定が必要ということでございますけれども、これの枠を次々に、私はいろんな団体が、今気がつかないで声を上げてない団体がたくさんあるんじゃないかと思うんです。こういう団体だけれども、どうもうちにはなじまないという団体が多く声を上げてくることによって、私の直感では七割はこれで入っていると思いますけれども、三割ぐらいまだこれでは入りにくいのがあると思います。そういう枠を広げていく。これからは特に情報関係の団体がふえてくると私は思うんです。そういうものをまず枠に含めていく。ですから、この枠については毎年膨らませていってもいいと思います。そういうことです。  それから、制限項目が幾つかございました。福島参考人のおっしゃった政治的な活動の制限の意味内容はどういうことであるか、その意味内容が不十分であれば条文を変える、そういうことが必要になるかと思います。  それから、これはあり得ないと思うんですけれども、先ほどの認証取り消しというプロセスにおいて、経過措置で変なことが起こらないようにかなり慎重に決めておりますが、それでもなおやはり団体にとって非常に不愉快で問題のある出来事が起これば、そういう問題点を次々に、日本NPOセンターでもいいですけれども、どこかにこの扱い方はこういうことは困るというのを入れてやっていきたいというふうに思っております。  それから、別の話ですけれども、もちろん寄附金控除制度そのほか税制優遇については、これは抜本的な従来の特定公益増進法人そのものを大改造するのと並行しないとできないと思いますけれども、そういう取り組みも必要です。そして、その先にある民法改正による一般非営利法人制度の仕組みを構想する、これも同時並行で進める必要があるというふうに思っております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 ありがとうございました。  福島参考人にお伺いしたいと思います。  第二条二項二号イ、ロ、ハの問題については、貴重な御指摘をいただきましてありがとうございました。さらに、私も弁護士として大いに危惧を持つ条項がございます。  それは、第四十一条の立入検査の規定であります。相当な理由があるときは施設に立ち入ることができて、立入検査については身分を示す証明書を携帯して、そして「立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」というふうに書いてありますけれども、本来、犯罪捜査のための立ち入りですら非常に抑制的に、捜査指揮その他家宅捜索令状などが要る令状主義がしっかり規定してあるわけです。  この点について、先ほど一言御指摘がございましたけれども、もう少し詳しく御意見を例えるでしょうか。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) どうも御質問をありがとうございました。  実は、私もこの立入検査がどういう状態になるのか危惧を持っております。  例えば、労働基準監督官は労働基準法違反の事実があれば立入検査ができることはありますけれども、労働基準法というのは罰則つきの規定で、例えば労働災害のような実態が明白にあるとか具体的な労働基準法違反の問題があると思われるときに、罰則がついていることに関して労働基準監督官が立ち入る。しかし、それも余り行われていない。  大脇委員がおっしゃったように、やはり立ち入りというのはかなり受ける側にとってはプライバシー権の侵害やいろんなことが起こり得ますので、そういう立入検査を規定しているほかの法体系に比べれば、罰則つきの規定などが全然ないNPO法案であるにもかかわらず、立入検査を突然強い権限として四十一条に規定しているということはどうだろうかというふうに思っております。  例えば、改正されました雇用機会均等法でも、御存じのとおり禁止規定やいろんなものもありますし、セクシュアルハラスメントについては事業主は配慮義務があるという規定があります。差別の問題に関していろんな禁止があるわけですが、立入検査みたいなものはないわけです。  ですから、私は、やはり事実上の検査はヒアリングだとか改善命令という形で十分で、冒頭からこの立入検査を設けるのはほかの法律との均衡からいってもちょっと突出し過ぎている。しかも、受ける側の市民団体からしますと、実はこれは刑事訴訟法上の捜索と周りも思うと思います。そういう意味では、四十一条については委員さんたちの中で十分御議論していただきたいと考えます。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 もう一点、参考人が危惧を表明されました暴力団の統制のもとにおける団体でないということの誓約書に関してです。  私は、役員の資格も含めて誓約書を提出することによってこの条項をクリアしようという趣旨は、誓約書でいいんだということでなければいけないと思うんです。誓約書が反しているかどうかということを提出した時点で調査するということになれば、これはNPOの自由な自律性を損なうということにもなりますし、やはりそれを担保するのは行政官庁の権限が少なくとも抑制的でなければならないということになると思うので、さらに警察に調査を依頼するというようなことは実はあってはならない。  この点はまだ議論が深まっていないので、これはどのように理解をしたらいいのでしょうか、御意見を伺いたいと思います。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) どうも御質問をありがとうございます。  私は、意味のない形式的な誓約書であれば、そういうことを条文に載せることは有害無益だというふうに考えます。それは単なるペーパーである。とにかく紙に何か誓約書が書いてあれば引き受けますということであれば、全くそれは審査もしていないわけですし、むしろそれは有害無益だというふうに考えます。ペーパーさえ出せばいい、誓約書を出せばいいんだということであれば、実は全く謙抑的ではないということだと考えます。  先ほどもちょっと申し上げましたが、商法の例えば取締役や監査役、もちろん弁護士法もそうですが、欠格事由を規定している法律はたくさんあります。しかし、誓約書の提出というものを条文上規定しているものは私の知る限りではありません。ですから、要件を決めて、それで十分である。特に、暴力団の構成員であるかどうかについては、全くそれがもしも形式的なものであるのであればむしろ要らないと思います。  私は、犯罪行為が行われれば、それは刑法、刑事訴訟法にのっとって刑事罰の手続を進行させればいい。そういうことで、きちっと刑事手続にのっとって断固とした態度をとればいいというふうに思っておりまして、この判断が極めて不明確な、しかも誓約書を出すだけだからということでこの条文を載せることは有害無益だと考えます。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 ありがとうございました。  私も、この誓約書という言葉というか、響きにとても抵抗を覚えている一人であります。その点は、審議の中でどういう形になるのかということをしっかり詰めていきたいというふうに思っております。  それでは、江見参考人にお尋ねをいたしたいと思います。  我が国の文化政策というものが非常に貧困であり、そして予算の中のそうした芸術に対する補助の資金が非常に低い、世界的に比べても低いということは非常に私も痛感しております。とりわけ、多くの芸術は皆様方のそうしたNPOとしての芸術支援団体の活動によって支えられている。外に立ってみますと、日本の芸術の深さというもの、あるいはその特質というものはますます我々は自覚しなければいけないと常々思っているものであります。  この法案は法人格だけ認めまして税制の優遇制度というものが欠けているわけでありまして、私どももぜひ次のステップはこの税制の優遇制度を何としても実現したいと思っておりますが、もしこの税制優遇措置というものがとられた場合に日本の芸術活動というものはどのように変わっていくんだろうか、そんな点ほどのように考えていらっしゃるでしょうか。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 今おっしゃったのは、もし税制がなかったらですか。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 はい。今ないわけですね。今度の法案は法人格の取得だけでございますが、私はやっぱり次のステップは、どうしても税制優遇制度というものを導入してNPOの財政的な基盤をしっかりつくり上げることが私たちの次の課題だと思っておりますので、もし法案が通って、そういう皆さん方のあるべきNPOと税制の問題が実現したときに、その芸術、文化に及ぼす影響というもの、ですから私がお尋ねしたいのは、税制優遇制度が大変必要だとおっしゃったわけですから、なぜ必要かという間いかけでもあるわけです。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) もし税制優遇制というものが将来的にNPO法の中で考えられなかったら、やっぱりNPO法人をとろうとする団体は極めて少ないでしょう、余り実効がないというふうに考えるでしょう。非常に多種多様でありまして、小さな楽団とか劇団とかいろんな団体があるわけです。だから、そういうところは本当に法人格をとるというのはもう難しいわけで、NPOが準則主義でできるんだったらそれこそ喜んでとるわけですけれども、やってもやっぱり活動の財政基盤というものがなければどうしようもないわけですから、もしこれができるようになって、例えば寄附金控除があるとか非営利法人としての目的に従って活動して、そこに使っている分には税金は取らないよというんだったら、これは非常に有効になっていろんな団体の活動が活発化すると思います。  ただ、じゃもう雨後のタケノコみたいにばかばかいっぱいできちゃうんじゃないかといっても、芸術というのは厳しいものでございまして、お客さんがいて成り立つものでございますから、市民の方から逆に選ばれる、あそこはいいとか悪いとか。ですから、やたら法人がふえて困るというふうなことには恐らくならないでありましょう。いいものをつくるところにはやっぱり寄附する人も多い、活動も活発になる、お客さんも来ると、こういう循環だと思います。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 先ほど江見参考人から附帯決議が十二回ついたけれども全然実現しないではないかという御指摘をいただいたことは、実は私どもに対するおしかりだと思います。その附帯決議を実効化するのは国会の責任でございますので、そうした御意見を十分に受けとめまして、これからこの法案をより一歩でもよくするための努力をさせていただきたいと思います。  きょうはさまざまな御指摘国心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございます。三人の参考人の皆様には大変貴重な御意見をお述べいただきまして、私も本当に深く勉強をいたしました。ありがとうございます。  順次質問をさせていただきたいと思いますが、私はこの法人格の付与の運動が大きく盛り上がってNPO法案の成立の機運が高まったということは大変意義があると考えております。こうした草の根の運動こそが、日本の民主主義を守り発展させていく、そして憲法が規定する主権在民、国民こそ主人公、こういう日本をつくっていく大きな力になるものだということを実感しているわけです。  それで、まず山岡参考人に時間の関係でまとめて三点伺いたいと思います。  まず一点は、確認なんですけれども、先ほど資料として配られました「「NPO法案」に関する緊急提案」の中にお名前を連ねていらっしゃいます。ここに、超党派議員立法として各党案のよいところを取り合って徹底して審議して早期に成立するように御尽力いただきたいと書いてありました。それは参考人の御意向でもあると思いますが、確認をさせていただきたいと思います。  それから二点目は、日本共産党案を高く評価していただきまして、同時にこれは理想に近い案なんだと、こういうふうにおっしゃいました。それで、その理由として非営利法人の体質改善に時間がかかるという意味のことをおっしゃったわけですが、そこをちょっと具体的に説明をしていただきたい。これが二点です。  それから三点目は、我が党は実は予算を伴う法案を提出する二十一名という議員数がおりませんので、その点について、具体的に税法上の問題について法文として記しておりません。しかし、民間団体が活発に行動できるようにするためには、非営利法人として認められた団体が税法上の優遇措置、例えばその非営利法人の収益あるいはその団体に行った相手方に対しての非課税など、こういう措置が必要ではないでしょうか。そして、準則主義でいけば政府の介入は防げるのではないかと思います。  そういう公益法人に対して参考人は読売新聞で、「優遇はぜひ必要だが、法人格の議論とは切り離せという市民団体が多い。公益法人に対する税の優遇によって、民間の活動がどんなに制約されているか」レビューすべきであると、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、公益法人に対して行政がどんな介入を行っているのか、事例があればお示しいただきたいということなんです。これについての御見解を述べていただければ結構です。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 一番の質問の語尾がはっきり聞こえなかったんですけれども、それはそれについての意見ということだったですか。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 これは参考人の名前も連ねておりますので、そういう立場ですねということを確認いたしました。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 私はやっぱりすべての法案というのは超党派で審議を尽くしてやるのがいいという信念を持っております。これについてはもう震災直後から各党に超党派で取り組んでほしいという提案を随分行っておりますので、それについては一向に変わりません。  ただ、超党派と同時に、この議案は早期成立ということが重要でありますので、何年もかけて超党派でやるか、やはり基本的には僕は早期ということに重点を置いてこれには賛成いたしました。超党派であることにこしたことはない。ですから、この議論を通じて少しでも改善されればそれは超党派のものになると思いますので、私としては超党派が一番理想であるということでございますけれども、早期実現ということがあって、早期のために超党派にならないという結果があることは大いにあり得ると思います。  それから二番目、現実にどうかということですけれども、これは百年来にさまざまな法律ができて、これが現在の民法によって、基準にしてできておりますので、その体系を全部変えていかないといけないという矛盾が出てまいります。私もちょっとやりかけたんですけれども、とても手に及ばないのでやっておりません。これは革命をすればある程度簡単にできると思うんです。現在の政府の体系を全部チャラにしてやればできると思うんですけれども、そうじゃなくてやるとなると、既存の一つ一つの法律、民法に準拠して行われている社会福祉法人にしろ学校法人にしろ、そういうものとの兼ね合いを全部チェックしていくという作業、これを私はやりたいと思っているんです。数年かけてでもやるべきだと思うんですけれども、それが必要になってくるように思います。  それから三番目は、私は特定公益増進法人のことを言っているのでございます。これはお知りおきいただきたいんですけれども、現在の財団、社団で寄附金控除があるのは約三%です。百のうちの三つですね、現在の特定公益増進法人。そして、この特定公益増進法人になるのは物すごく大変なんです。主務官庁と大蔵省がやり合って、主務官庁が物すごく応援してくれないとできないんです。主務官庁に冷たい団体なんかはやってもらえないんです。ですから、実際に言うとトラック一杯と言われますけれども、三年ごとに書類を出して、主務官庁もこれはいいよいいよと大蔵省にかけ合ってくれて初めて、今百のうちの三つの財団、社団が寄附金控除を受けられる。そして受けたら、それは特定公益増進法人になるための条項が実にきめ細かく決まっているんです。  私、トヨタ財団に長年いました。トヨタ財団は特定公益増進法人をとっておりません。これは随分考えましたけれども、とったら自由な活動ができなくなるわけです。私たちがやりたいといういろんな活動がどうしてもできない。それを少し隅っこでやる分にはいいんですけれども、メーンなものは特増法人の枠の中でやらないといけない。これはもう特増をとっておられる方にお聞きいただくのが一番いいと思います。  ですから、仕組みとしてこの市民活動法人のようなものをやりますと、恐らく私は制度をつくるのは簡単だと思いますが、特増法人と同じものをつくりますと、二百か三百に一つが寄附金控除をとれる仕組みだと思います。それは税の公平からいいましたらそうだと思います。制度はできたけれども、三百に一つぐらいの団体が税制控除をとれるというのではしようがないわけです。それは特増法人制度そのものの大解体がないと、あれと同じ仕組みでパラレルに成立する寄附金控除制度というのは、やはり非常に行政が強く推す団体でないと難しいだろうというふうに思います。  それから寄附金も、私は一人が年間十万円以上寄附するぐらいの社会にならないと寄附金控除の本当の効果は出てこないと思っております。そのためには、寄附をする社会文化といいますか、そういうものを同時にづくっていく。と同時に、NPOが情報公開によって社会の信頼を得てくるというプロセスがないと、制度だけつくっても機能しないだろう。それこそ、三百のうち一つが税制優遇をとれるという制度の中では形だけの制度をつくっても意味がないというふうに思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 準則主義をとらない限り、いろいろ行政の介入ということは与党案でも私は避けられないと、そういうふうに感じております。  時間の関係で、福島参考人にお伺いしたいと思いますが、与党案について大変適切な法律上の指摘がありました。例えば二条二項ハの問題は、これは今回法律を成立させておいてその次にというような軽い内容ではないような御指摘でした。つまり、基本的人権の保障にかかわるようなそういう根本的な指摘であったと思います。  警察に対して、そういう名簿を調べてもらわなきゃならないとか、そういうことも含めて、削除のないままに与党案を成立させるということはとても好ましくないんじゃないかと私は思いますが、ちょっとそこがはっきりしませんでしたので、その点はどうお考えでしょうか。こういう規定があっても万一削除しなくても、とにかく与党案を成立させることが必要なんだということまで決してお考えではないと思いますが、その点御答弁いただきたいと思います。  それからもう一つは、税法上の措置と法人格取得とを分けて考えた方がいいとおっしゃいまして、税制措置を入れると法人格取得のハードルが高くなるんだと、こういうふうに言われましたけれども、どういうふうに高くなるんでしょうか。その二点について伺います。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 初めの方の質問ですが、実は非常に悩みの多いところです。先ほど申し上げましたように、私はこの法案にいろんな危惧は大変持っております。ただ、私は一方で、NPO法案ができない、つぶれてしまうよりは成立した方がいいというふうに思っております。  ですから、私は、削除がない限り成立させるかどうかということよりも、皆さんの中できよう、私自身あるいはほかの参考人が申された欠点をぜひ十分議論していただいて、でも法案がせっかく与党、民主党で大枠がかなり出てきて、かなり詰めてありますので、法案成立へ向けてぜひ御尽力をいただきたいというふうに思っております。ですから、私が申し上げたすべての点が必ず削除されなければというのとはちょっと違うんですが、極力きょう申し上げた点を考慮して議論していただきたいという趣旨です。  それから、二つ目の御質問なんですけれども、税金の優遇策についてはきょうもかなり出ておりますが、もっともっといろんな議論をすべきである。NPOについて税金の優遇策というものもあるでしょうし、補助金という問題もあるでしょう。どうやったらNPOを財源的に応援できるのかというのはいろんな考え方があるというふうに思っております。  先ほど大脇委員から質問があり、山岡参考人の方からもあったように、私たちもいろんなステップがあることは実はわかっております。ただ、今回、法人格取得と税金の優遇策をドッキングさせることで、私は事実上法人格取得の方の要件がどんどんきつくなる、あるいはハードルが高くなって、準則主義から非常に後退していくのではないかという危惧をちょっと持っております。  ですから、今回は法人格取得ということで準則主義をできるだけ貫くような形でつくる。税金の優遇策については次にきちっと、どういうところに優遇策をするのか、どういうふうにしたらもっとNPOが財源的にやっていけるのかという議論をぜひ国会でしていただきたいというふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 福島参考人がおっしゃった、すべての点をクリアしなければこの法律を成立させてほしくないというふうには私は受け取っていませんで、幾つが御指摘があったんだけれども、基本的人権にかかわるようなそういう問題についてはこのまま成立させてはならないという、その一点を取り出して質問したつもりなんです。  それで、続きまして江見参考人に伺いますけれども、音楽、演劇など非常に心を養うという点で大切な分野であると思います。そういう意味で私も非常に参考人の皆さんあるいは団体の皆さんの日本の文化、芸術を高める運動に対しては心から敬意を表しております。  しかし、御指摘のように日本の文化庁の予算というのはもう文部省の十分の一ぐらいの比重ですし、さらに補助金もない。あるいは、観劇等には税金もばっちりかかるというようなさまざまな御苦労をされていると思うんですけれども、そういう中で、税制上の優遇措置あるいは財源的な問題がなければ、このNPO法の重要な部分が欠落するという御指摘はそのとおりだと思います。  それで、その点についてもう少し突っ込んで伺いたいんですけれども、具体的にもし今お述べになることができれば、税制上の優遇措置、具体的にこういうものという点があればお示しいただきたいと思います。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) 芸能団体と申しましても、いわゆる協会のような組織もあるし、それから創造活動をやる劇団のような組織と、いろいろあるわけですけれども、今お尋ねの方は後者の方のことだろうと思います。  先ほどもちょっと申しましたように、一つの演劇を新しく立ち上げるというのは物すごく精力が要るんです。本をつくるところから、そのテーマを決めるところから、どういう表現にするか、どういうキャスティングにするかとか、裏方のことまで含めて大変な努力とお金がかかります。だけれども、それをやって果たしてその分回収できるかというと、そういう創造的な、実験的な劇団の活動というものは回収できないのがほとんどです。  ですから、私なんかでもテレビの仕事もやり何かもやりというようなことでやるわけです。テレビへ出たくても出られない人もいます。そういう方はみんなアルバイトをしているわけです。男も女もアルバイトをしながら何とか芝居のけいこを続けていく。ところが、芝居のけいこをやるときになるとアルバイトも休まなきゃならないというようなことで、非常に苦しい思いをしながらやっているわけです。ですから、それはもう本当に非営利でございまして、その芝居のギャラというようなものでは恐らく食べていけません。  ですから、そういう意味でやっぱりこの芸術活動というのは助成がないととても苦しいんです。ただ、何でもかんでも助成するということじゃなくて、助成してもいいものができなければ、先ほども申しましたように社会から批判をこうむりますから、自然におのずと淘汰されていくだろうと思います。  それからもう一つは、いわゆる芸能団体の法人ということについてちょっとだけ申し上げたいと思うんですが、例えば私どもの芸団協というのがあります。社団法人日本芸能実演家団体協議会という団体構成でございまして、六十団体。これはほとんどの芸能の協会が入っています。音楽、舞踊、演芸、演劇の六十団体が集まっているんですが、中の法人格がどうなっているかというのを見ますと、社団法人をとっているところと、それから財団も一、二ありました。それから任意団体、労働組合、それで私どもの日本俳優連合などというのは事業協同組合であります、ちょっとおかしいと思うんですが。これはみんな所轄官庁が違います。事業協同組合は通産省ですし、社団になると文部省ということで違ってきます。  だから、そういう意味でやっぱり芸能基本法みたいなものが欲しいな、何か芸能、芸術に関する憲法みたいなものがあれば、基本法に基づいた芸能法人というのがあってもいいんじゃないかというふうに思います。  その場合の芸能法人とNPO法人というのはまたちょっと違うような気もするんですが、例えば卑近な例で、何度も言うように、私ども日本俳優連合というのは事業協同組合ですけれども、事業協同組合ということは収益事業をすることもできるわけですけれども、実際にはそんな収益なんか、事業なんか何にもやれやしないです。本当はユニオン志向で、やっぱり権利を確立して社会的な地位をきちっとしていきたいということなんですけれども、最近定款改正をしまして、そこへ社会参加活動も非常に大きな柱だということで、もう目的の項目に社会参加活動まで入れました。ということになると、何か事業協同組合というのはおかしいです。  だから、そういった部分はNPOができれば、いいものができればそっちの法人をとるんじゃないかと私は思うんです。日俳連そのもの全体もNPOになってもいいんじゃないかなんて私なんか思うわけですけれども、この辺が法のでき方によって随分、特に税制問題にひっ絡んで現実的な対応が違ってくるんじゃないか。とにかくこのNPO法ができれば、やはり芸術団体にとっても市民団体にとっても大きな活性化になるだろうということだけははっきり言えると思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 終わります。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 きょうはお三方、大変忙しいところを時間を割いておいでいただきまして、先ほどから大変示唆に富むお話をお伺いできましたこと、深く感謝申し上げます。  私もNPOというのは、海外にいたりあるいはいろんなことで海外を訪問する機会が多かったりしまして、何とかこの日本でそういうような制度ができないものかということをかねがね思っておりました。ちょうどこういうような機会でもありましたので、いろいろ勉強させていただきました。時間も限られておりますので、簡単に幾つかお伺いしたいと思います。  まず最初に、福島参考人に二、三の特に法的な面といいますか、そういうところから考えてどうなんでしょうかというようなことをお伺いしたいと思います。  促進法の方は項目が十二項目に限られている。私、これをつらつら眺めてみまして、今の社会で人々の価値観ももう非常に広がってきている、また社会自身が目まぐるしく変化している、そういうときにこの十二項目だけでカバーできるんだろうか。先ほど山岡参考人の方からも七割は救えるが三割は落ちてしまう、毎年これは項目をつけ加えればという話もありました。法改正というのは本当に大変な手続と時間を要するものですから、これは最初から何か手当てしておくべきじゃないかという気がしております。  例えば、私がこれで大丈夫なのかと思った例を二つ挙げますと、一つは行政オンブズマン。宮城県で県の不祥事といいますか、そういったものがいろいろオンブズマンによって発見されていって、それで行政の姿勢を大きく変えることになった、これが日本全国に伝播していった、そういうようなことがあります。それから、行政オンブズマンのようなものがこの中でどういうふうに読むんだろうか。それからもう一項目、これは非常に重要な問題だと思いますが、科学技術の研究開発、これはアメリカあたりでは相当の研究所がNPOで支えられているという現実があります。  そういったことで、そういうものも包括的に入れることができないものかという点については、福島参考人はいかがお考えになっておられますでしょうか。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 御質問、どうもありがとうございます。  十二項目に関しましては、実は私もすべてこの中で解決できるのかどうか考えました。ただ、行政オンブズマンにつきましては「まちづくりの推進を図る活動」ということでカバーができるのではないか。あれは自治体の、要するに税金の使われ方についてのことですから、御本人たちにこれでいいですかというふうにまだ確認をしておりませんけれども、「まちづくりの推進を図る活動」ということでカバーできると考えております。  二つ目の科学技術の研究開発なんですが、それが何に当たるのかということもあると思います。ですから、それが「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」であればそちらの方に行くでしょうし、科学技術が環境の問題だったらそちらの方に行くでしょうし、「地域安全活動」だったらそっちに行く、人権の問題だったらそっちに行く。もしかしたらちょっと入りにくいことかもしれません。  ただ、私も当初は十二項目でカバーできるのかと思ったんですが、民法と特別法という関係がありますから、民法よりも広い範囲の無限定的なことを特別法で限定することは法律としてはやはりよくないというふうに考えます。ですから、先ほど山岡参考人もおっしゃいましたけれども、十二項目でカバーできると。今の時点でいろんな当てはめをみんなでやったら一応できるのではないかと言われておりますので、もしこれが、将来的にやはりNPOもこれからいろんな活動が出てくるでしょうから、こういうNPOはこれに当てはまらないということで拒否されたというような例を幾つかためて、三年後か五年後かにもう一回検討するということでいいと思います。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 確かに、このNPO法案というのは民法の特別法であるということはそのとおりであります。この三つの法案が出ておりますが、そのいずれの団体であっても民法三十三条の団体であることには間違いはない。そういうことで特別法ということになるかと思いますが、その範囲については私は三、四年見てからというのでは間に合わないような気がしております。特に科学技術の関係をお話ししますと、基礎科学分野なんというのはどこに当たるかわからないですね、これは。ですから、そういうものもできれば最初から包合できるような法案の書き方が可能ではないか。  もう一つ危惧しておりますのは、私も長いこと役人をやりましたのでよくわかるんですが、役所がこれを運用していく場合に、非常に限定的に考えがちである、そういう危険は私はあるんじゃないかと思っております。その点はそれぐらいにします。  それからもう一つの問題ですが、第二条の二のところで、宗教法人をNPO法人として認めないようなことが書かれておりますが、例えば宗教法人がNPO活動をしたい、これはアメリカあたり、外国ではもう極めて当たり前のことで、キリスト教の団体がどんどんNPO活動をやっている。それで、その宗教法人の主たる目的が、教義を広め、儀式行事を行い、いわゆる宗教法人である、それがNPO活動を行う。  それで、そのNPO活動を行うことについては、税制上の問題をとってみれば、恐らく区分経理をして、そこははっきりさせるということになるだろうと思うんですが、宗教法人が看板をかけかえて出てきたにしても、れっきとした宗教法人であることに間違いはない、どう書こうと。  ですから、そういうものを排除していいんだろうかという点についてはどういうふうにお考えになりますでしょうか。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 御質問、ありがとうございます。  ちょっと一つだけ付加させていただきますと、科学技術の研究開発、先ほど私はうまく答えられなかったんですが、これが入らないので問題であるという声は今のところ上がってきてはおりません。私は、科学技術の研究開発についてのNPOというのはちょっと今イメージしにくいんです。もし研究開発というかなり専門化されたものであれば公益の法大もとりやすいというふうにも思いますし、むしろ一般のNPOですと環境問題とかとなりますので、今すべてのことが十二項目の中に入っていないという抽象的な議論をしても、そのあらゆる問題を、ここに例えば百項目とかいうふうにはできないわけですから、余り実は現実的な議論ではないと考えます。  それから、二点目の宗教法人のことですが、私は宗教の布教をするのであれば、それは宗教法人法でやっていただきたい。  ちょっと先ほど例を挙げましたが、私自身も、プロテスタントのキリスト教の団体がアジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所を十年以上つくっておりまして、そこのアドバイザー弁護士の一人です。しかし、布教をそれでするのはやっぱり無理というか、つまりいろんな立場の人が来ますから、ボランティア活動を布教という形でやるのは、それはもうNPOの限度を超えている。  つまり、仏教徒もいれば無神論の人もいればカトリックの人もいればイスラムの人もいれば、いろんな方たちが来るわけですから、そこで折伏をしようというのであれば、それは宗教法人法の範囲内で宗教法人という形でやらない限りむしろおかしくなるというふうに考えます。  ですから、その場合は、宗教という形でやるのであれば、宗教法人法の中で税制の特典などもありますから、そちらで十分やる。ボランティア活動をするのも、これはいろんな形でするのはすばらしいことなわけですから、それはまた宗教活動とは別に、主に宗教活動をしない団体としてきちっとやることの方が、NPOが長い目で見て社会の中で尊敬される道だというふうに考えます。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 若干の誤解があるように私は思えてならないんですが、宗教法人が宗教活動をやるのであればそれはそうだろうと思うんです。そこは議論の余地のないところです。  その宗教法人が、ここに述べてあるような公益的な社会活動を行うことについて、そういう活動を行うためにNPO法人として認めてもらう。これは、将来税制上の優遇措置などが出てきますと、そういうことが必要になってくる場合があり得るだろうと思うんです。ですから、れっきとした宗教法人であるけれども、こういうようなことでNPO活動をやりたい、社会福祉をやりたいというようなことが出てきた場合に、それがNPO法人として認めてくれと言ったら、それが認められないおそれが出てこないかなということで質問したわけです。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 実は、私、日本基督教団の教会の責任役員をやってございます。会員でございます。これは宗教法人でございます。同時に、私どもの教会は附属幼稚園を持っているんです。その附属幼稚園についていいますと、宗教法人の附属でやることもできるんです。独立して学校法人にすることもできるんです。どちらを選ぶかというのは我々の選択の自由なんです。  教会では毎年クリスマスに募金をしまして、それをいろいろなところにやっています。私の近くに「望みの門」という婦人たちの更生施設がありますけれども、そこにもかなりの寄附をやっております。NPO活動を教会としてやっております。それも私は自由だと思います。ですから、教会の中に、あるいは宗教団体の中にNPO活動をやる部門を持つことは一向に構わないし、NPOにとって何の不安もありません。  しかし、教会ごとその事業体をNPO法人にするかどうか、するのであれば、やはりそういう事業を主にするという方がいいし、やっぱり私は、教会活動を中心にやるのであれば、日本基督教団の永福町教会でございますけれども、この教会をNPO法人にしたいとは思わないし、する必要もないし、こういうのがNPO法人に入ってくることはむしろ混乱を招くなという感じがしております。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 たくさんお伺いしたいことがありますから、それでは山岡参考人に一つお伺いしておきたいと思います。その前に、一言だけお断り申し上げておきたいと思います。  山岡参考人は、あちこちかどうかはわかりませんが、私が見た論文に、前回の臨時国会で平成会が審議拒否をした、こう書いております。そのような事実は全くないので、これははっきり申し上げておきたいと思います。  それから、先ほど山岡参考人は、旧平成会案は非常に使いやすいと言っておられましたが、その点についてどういうふうに評価されているか、もうちょっと具体的にお伺いしたいと思います。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 私は、前の案は非常にまずかったので、これじゃ使い物にならないよということをかなり主張しました。  それから、審議拒否については、私は現場に立ち会っていませんので、間違いであった、認識の違いであったということでお考えいただいていいかと思います。私、現場で立ち会ったこと以外について書いたのはちょっと勇み足だったかなと思います。  それから、今回の案でございますけれども、最終的に認証取り消しというのがある点では与党三党案と同じでございますが、分野は余り決めていないですね。そういう点では、次々にいろんな新しいものが入りたいときに入りやすいというふうには思います。  それから、政治活動そのほかについても、先ほど福島参考人がおっしゃったような危惧をする部分が少ない。しかし、それだけにいろいろな現実面での問題はあるかなと思いますけれども、危惧をするところは少ないというふうに思っております。  それから、最初に山本委員の方からあったように、私自身は基本基金とか、最初にこれくらいの寄附を集める覚悟でやろうよということについては、個人的には、こういうこともあり得るんだよということを一つのスタイルとして提示されたことは非常に大きな意味を持っているといいますか、そういう案も一つぐらいやっぱり欲しかったなという気がしております。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 時間もありませんので、最後に江見参考人に一点だけお伺いしたいと思います。税制上の優遇措置です。  今、文化団体は非常に苦労していて、各企業に献金をお願いするときに、例えば宣伝費などを使わせてもらうとか、それから通常の会員になってもらう、特別な会員になってもらうとか、そういうようなことをいろいろ工夫してやっておりますが、税制上の優遇措置がないと文化活動の面はなかなか活発化できないというのが現実ではないかと思います。  例えば、黒川能なんというのは財団になっております。あれは日本財団から少々の補助金をもらったりしてやっていますが、ああいったものも運営が非常に苦しい状況になっているわけで、もし税制上の優遇措置が受けられるようになれば、日本の市民ベースでの文化活動が今よりどれぐらい拡大するというか、盛んになると思っておられますか。

江見俊太郎芸術文化振興連絡会議議長

○参考人(江見俊太郎君) どのぐらいというところが非常に難しいと思いますけれども、非常に活発化することだけは事実です。  ただ、先ほども申しましたように、税制優遇されるからあそこの劇団に寄附しよう、こっちもしようよというようなことにはならない、それはする方もやはり選択いたしますから。それで、受けても結局それは淘汰されていくと思います。宣伝費などで、例えばパンフレットをつくるときの寄附というか、広告費として会社の方も出すというようなことは非常に日常的にやっていることでございます。  そういったあらゆる芸能団体の物すごい調査をいたしまして、「芸能白書」という非常に分厚いものを芸団協で今度出したばかりでございますから、もし何かのときにはぜひ御利用くださいませ。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 ありがとうございました。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 新党さきがけの堂本でございます。  きょうは、三人の参考人から大変示唆に富んだ御意見を伺いまして、ありがとうございました。  まず、山岡参考人に私は伺いとうございますが、先ほど最初に、市民という言葉の制度用語としての位置づけということに触れられました。私もこの法律の中で三年間かかわってきたわけですけれども、最も大事なことは、少なくとも民法が制定された明治三十一年にはなかった市民という新しい概念が入ってくるということだと思います。目的のところには、どんなにこれから改正されようと市民という言葉は残ります。  その場合に大事なことは、市民という言葉が民法の中でどのように位置づけられるかということだと思いますので、先ほどは制度の用語としてどう位置づけるかということだけにお触れになりましたが、具体的にどのような意味づけをお考えか、ぜひお答えいただきたい。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 大変難しいことでございまして、私は改正になっても市民という言葉を法律の中に残してほしい、それは切実に思っております。  それから、私は市民という言葉を今使わない方がいいだろうということを言いましたけれども、使ったらいけないとは思っておりませんでした。この二年の間に市民とか市民活動という言葉が非常に議論の対象になって、ある程度成熟した言葉になりつつあると思っておりましたので、私は市民活動促進法に市民活動を使うことに反対の気持ちは持っておりませんでした。ただ、どちらかというと使わないでいた方がより豊かな市民という言葉になるんだろうと思います。  私は市民というのを、社会に対して一人一人が個人で責任を持ってかかわる人々というふうに考えております。ですから、自己責任の社会なんです。その自己責任の社会が日本でどこまで今認められているか、そういう自己責任というものを感じて市民という言葉が使われているかどうかという点について、まだそういう時代ではないなということで、余り制度用語にして形骸化すると案外豊かな意味を持たなくなるんじゃないかということを言ったわけです。  市民活動という言葉について一つ申しますと、私、最初この総合研究開発機構の市民公益活動ということで市民団体の調査をやったときに、芸術団体について余りイメージがなかったんです。ところがファンの方から、あの報告を読んで、もしかしたら私たちも市民公益活動なんじゃないかということでレクチャーを求められた。私もはっと思った。私は芸術が好きですから見ているんですけれども、いろんな芸術団体を見ても市民団体と思ったことはなかったんです。  だけれども、そちらの方から、もしかしたら私たちもこの概念に入るのではないか。私の市民活動というものの概念は非常に広がりました。芸術団体を今まで自分が市民団体とか市民活動団体とか考えなかったんだけれども、そういうふうに位置づけてみるといろんなものが見えてきて、その中でいろんな団体との協同が可能になってくるわけです。  そういう意味で、次々に新しいものを含みながら、市民というもの、あるいは市民活動というものが豊かな内容を持つ、それを制度として固定した途端に一九九八年現在の市民活動で若干固定されるおそれがあるということをちょっと危惧したわけでございます。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 どうやって成熟させるかという問題ですけれども、まさにこれから活発に活動されようとしているNPOセンターもNPOの基盤をつくられるということであるとすれば、この法律の最も大きな眼目というのは行政の裁量を最小限度にとどめるということです。  そういたしますと、情報公開という中で市民がむしろ監督をしていくということです。そのためには、これから法律が運用される中で、センターとしてそれをどういうふうに、啓蒙という仕事も大事かと思いますが、何かビジョンをお持ちでしょうか。

山岡義典日本NPOセンター常務理事・事務局長

○参考人(山岡義典君) 私の陳述の中で触れ忘れたんですけれども、この法案の一番の特徴は僕は情報公開だと思います。本来ですと、情報公開によって市民が監視すれば行政の監督は要らないわけです。従来の法律で初めてでございます。  そして、既にこの財団、社団、公益法人について情報公開をするという閣議決定が十二月になされました。私は、この法案が通る前に情報公開の規定が入ったことによって、既存の公益法人体系に新しい窓が開けたと思っております。そういう点で、私はこの法人名は情報公開法人というふうにして、ほかは何でもいいけれども、とにかく情報公開されている法人の一つのスタイルだというふうに思っております。  この情報公開された情報がどれだけ市民の中に行き渡るか、これは役所に行かないとわからぬじゃ困るんです。民間の団体、各地にNPOセンターができております。東京にも地方にもいろんな団体が出て、そういう情報公開の窓口が民間団体の中にできると思います。NPOセンターもその一つになると思います。NPOセンターに行くと公開されたすべての情報がわかるようにしないといけないと思います。そういうのがたくさん各地にできるということが物すごい市民社会をつくる意味だと思います。なお、民法というのはシビルコードですから、もともとは市民法なんです。ですから、民法が本来の市民法というものになれば、これはなっていく、僕は十年、二十年の過程が要ると思いますけれども、そのために私どもできることは何でもやるというつもりでおります。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 そういった情報公開のあり方を行政が指導したり、ガイドラインを経企庁でつくるという話もございます。行政に対してのガイドラインは経企庁でつくっていただいてもいいわけなんですが、情報公開のあり方、それの活用の仕方、それをすることによって市民社会が、あるいはNGOが、あえて私はNGOと申しますけれども、NGO、NPOが活発に、そして成熟していくということのためには、むしろNPOセンターなり今おっしゃったようなたくさんの市民組織がそういったことを自分の責任としてやっていくことが大事だと思うので、これから期待をさせていただきたいし、ぜひその役を担っていただきたいというお願いをさせていただいて、次に福島さんへの質問に行きたいと思います。  福島参考人は、先ほど二条二項二号のイ、ロ、ハについて大変鋭い指摘をされたわけですが、私どもも特にハの項については大変懸念を持っております。私も二つの帽子をかぶっておりまして、議員もやっておりますが、同時にもう長いこと市民活動もやってきているものですから、議員はこの二条二項二号のハの項目ですと「特定の公職」、これは選挙で選ばれた国会議員にしろほかの県会議員や何かも入ると思いますが、そういう支持、または反対してはいけないということになっております。  これから市民団体から幾らでも政治家になる人が出てくると思う。そういったときに、そこで何か糸が切れるようなことがあっては本当に市民を主体とした政治が実現できない、二十一世紀に向かないということになりますので、この点についてもう一度確認をさせていただきたい。法律家としてその点をどういうふうにお考えか、ぜひよろしくお願いいたします。

福島瑞穂弁護士・日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員

○参考人(福島瑞穂君) 御質問、どうもありがとうございます。  先ほど大協委員、吉川委員の方からもこの点の御指摘はあったとは思います。私がこの条文で問題があると思いますのは、推薦ということははっきりわかるわけです。要するに、推薦人として団体が名前を連ねるかどうかということで一義的に理解ができますけれども、この条文で問題なのは、「支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」というふうになっているということがあると思います。支持というのは何をもって支持と言うのかということもあると思います。  それから、反対ということで先ほど江見参考人の方からもあったと思うんですが、表現の自由や批判精神がやはり社会や政治を豊かにするというふうに思っています。ですから、このハというのが定義の中に入ることで、「反対するものでないこと。」というのが入ることで自由な表現やそういうものがチリングエフェクト、萎縮的効果を生むのではないかというふうな懸念を大変持ちます。  それから、市民団体はもちろんいろんな立場の人が参加しているわけですし、参加するものである方がもちろんいいわけです。でも同時に、私たちはいろんな政党に働きかけ、超党派でいろんな運動をやろうというふうに思っているわけです。そのときに、ハがあることでむしろ国会議員さんたちとの関係が全部切れてしまう。あるいは国会議員さんがいろんなNGO、NPOといろんなコンタクトをとろうと思ったときに、済みません、ハがあるのでちょっとシンポジウムなどの出席は控えてくださいというような形で排除していく。  すると奇妙なことに、国会議員さんたちは、皆さんも御経験があると思うんですが、行政が主催するいろんな行事や研修会から排除されてしまうんです。つまり、国会議員になって政治を変えようと思った途端に、むしろ政治的活動から遠ざけられてしまうというパラドックスが起きるわけで、やはりこのハは、ロに「主たる目的」というものが入っておりますから削除してもいいのではないか。国会議員さんたちの間で、むしろこれは自分たちの活動を非常に縛るものだというぐらい言っていただいてもいいというふうに思います。  それから、このハの問題との関連で言いますと、私はNPO、NGOの情報公開は必要だと思います。ただ、ここでまた、「反対するものでないこと。」というハの条文との関係なんですが、NPO、NGOはいろんなものがあります。世の中がいいんだというよりも、むしろこの社会をよくしようと思っている人たちが多く活動しているわけですから、批判をしたり反対をしたりということももちろん出てくるわけです。ですから、情報公開の中身で、私が先ほど社員名簿のことなどを言ったこともそことの関係です。  例えば、ちょっと例は悪いかもしれませんが、専売公社は嫌煙権をやっている団体の情報はとても欲しいというふうに思うでしょう。どういう人たちがいるんだろうか、やっぱり欲しいというふうに思うと思うんですね。ですから、やはりNPO、NGOは危ういところで頑張っていろんな活動をしているという部分もありますので、そういういろんな表現や活動が害される。  あるいは、会社員の人たちでも、例えば環境問題にかかわろうという方もいらして、別にまずいことをやっているわけではありませんけれども日本の社会はまだまだおくれていますから、自分がそういう活動に参加していることを会社にはむしろ隠しているというか、言わないという方も多いわけです。としますと、その情報公開をどの限度でやるのか。社員名簿の公開までもいいのかという議論は出てくる。  逆に、NPO法案が社員を十名以上、名前と住所を明らかにすることで、公益法人をやっている人たちからはむしろクレームが出ている。今まで社員名簿を出さなくてよかったのに、これで出さなくちゃいけなくなると本当に困るというふうな議論も出ています。  NPOの自由な活動が社会を活性化するという意味で、きょう申し上げた基本的人権に関するところはぜひ御議論いただいた上で、三党と民主党の修正案、ほかにも議員立法という形で出ているわけですから、ぜひ早期に珍しくみんなが待っているいい法案をというふうに思います。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 ありがとうございました。  情報公開の問題、認証の取り消しの問題、それから立入検査の問題、そして今の二条の二項イ、ロ、ハ、みんな関係あると思いますが、こういった点はできることなら行政がその裁量で何らかの結論なりアクションを起こす前に、やはり市民自体が、この担い手であるNGO、NPO自体が、一体これはどう運用されるのかということを主体的に見もし、行動もし、それから次にどう改正していくかということを主張していただく必要があると思います。  そうすれば、明治二十六年から明治三十二年の六年で営利の方は改正されたのに非営利の方は百年も改正されずに来たそれを、今度は三年にでも二年にでも一年にでも縮めていただくという、これはまさにNGOの側の力、市民の側の力ではないかと思いますので、そのことを参考人の方、それから傍聴の方にもお願いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。  本日は長時間にわたり、大変貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午後一時六分休憩      —————・—————    午後二時開会

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、戸田邦司君が委員を辞任され、その補欠として都築譲君が選任されました。     —————————————

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 休憩前に引き続き、市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題といたします。  三案審査のため、参考人として、午後は経団連1%クラブ会長若原泰之君、日本民際交流センター代表秋尾晃正君、株式会社電通総研研究主幹伊藤裕夫君、以上三名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、法案審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、若原参考人、秋尾参考人、伊藤参考人の順にお一人十五分程度ずつ御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることになっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。  それでは、まず若原参考人からお願いいたします。若原参考人。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 委員長、ありがとうございます。ただいま御指名をいただきました経団連1%クラブ会長の若原泰之でございます。  本日は、このような機会を与えていただき、まことにありがとうございます。また、これまで議員立法としてよりよいNPO法案の成立に向けて努力を傾けてこられました議員各位の御尽力に対し、改めて深く敬意を表する次第でございます。  私は、本日、与党三党外提出の市民活動促進法案の成立を強く望む立場から意見を述べさせていただきます。  あらかじめ申し上げますと、私ども経団連は、いわゆるNPOの自律的な発展を側面から支援する、いわばNPOの応援団という立場でございます。企業の社会貢献活動のパートナーとして一緒に活動を行っている多くの団体がNPO法案の成立を今強く望んでおります。  そこで、まずは経団連、特に私が関与しております経団連1%クラブのNPOとの関係、あるいはNPO法案に対する取り組みについてこれから御説明を申し上げたいと存じます。  経団連では、経団連1%久ラブを初め社会貢献推進委員会あるいは経団連自然保護基金などの組織を中心に、企業の社会貢献活動を推進してまいっております。私が会長を務めます経団連1%クラブは、一九九〇年に経団連の正式な組織として設立されたのでございます。  簡単に御説明いたしますと、1%クラブには社会貢献活動の志のある法人や個人の有志にお集まりいただいておりまして、それぞれの経常利益や可処分所得の一%以上を金銭や時間あるいはサービスという形で社会貢献のために役立てていただくようお願いいたしております。ただし、入会金や会費は全くいただいておりません。現在、法人の会員数は二百八十一社、個人の会員数は千二百七十九名となっております。  その活動といたしましては、例えば講演会やシンポジウムを開催いたしまして社会貢献活動の重要性について普及啓発活動を行っております。また、法人会員や個人会員が社会貢献活動を進める際のお手伝いをするため、情報提供を中心とした活動を行っております。  具体的な情報提供の一例を申し上げますと、1%クラブでは社会的に有意義な活動を行っております団体のリストを作成しております。企業や個人の社会貢献活動の相手先としてこれを積極的に御紹介いたしております。必要な場合には私どもが仲介いたしまして企業と団体を結びつけ、小規模なプロジェクトとして実現を図ったりいたしております。  さて、このような活動を進める中におきまして、1%クラブが会員に積極的に紹介する団体の中には、いわゆる草の根団体が非常にふえてまいっております。この草の根団体とは、法人格を取得していない任意団体として社会に存在している団体であり、現在議論されております、いわゆるNPO、民間非営利組織でございます。私どもは、1%クラブの活動を通じ、以前から草の根団体を初めとするNPOとの接触を図り、次第に連携する体制を整えてまいりました。  また、企業の社会貢献担当者の間では、企業が社会貢献を進める際にNPOと連携した活動が必要であるという認識が一方で高まってまいりました。一九九四年ごろからはさまざまな場においてNPOについての理解を深めつつ、企業とNPOの連携のあり方あるいはNPOが望む制度のあり方などについて現場の意見を収集してまいってきたのであります。  各企業の担当者は、当時からNPOとのパイプを徐々に開拓するとともに、日ごろからの連携した活動を通じまして、NPOの組織、活動内容、人材、また活動の強みについて認知し、あるいは任意団体としてNPOが抱える制度的な問題についても理解するようになっていたわけでございます。  企業とNPOのパートナーシップが具体的な形をとりましたのは、九五年一月の例の不幸な阪神・淡路大震災における救援活動でございます。1%クラブでは、それまで接触をしておりましたNPOとのパイプを生かしまして、約二十の民間団体と対等な関係で被災地の人々を応援する市民の会という名称の会を即座に結成いたしまして、現地での活動を行ったのでございます。  一月十七日でございましたので、ちょうど一週間後、私も現地を視察いたしました。経団連が関与いたしておりましたボランティア活動の拠点を巡回、視察いたしたわけでございますが、現場では数知れぬニーズが吹き出ておりました。例えば、それは高齢者や子供たちへの世話はもちろん、車いすの被災者への支援、日本語にふなれな外国人居住者への情報提供、あるいは子供に多く見られておりましたアトピー症の方々への食事療法の実施等、非常に種々雑多なニーズ、問題点が吹き出ておりました。それは総じて政府、行政にはノウハウのない部分、あるいはみずから被災した自治体関係者ではとても手が足りない部分でございます。  私も被災地において実際にこの目で見た限りにおきましては、行政は点と点には非常に力が及んでおります。しかし、点と点を線でつないだだけではこの大きな災害には対応できなかったと思います。面をどのようにカバーしていくかということが非常に重要であったと思います。より多くの被災者に毛布を届け、食料を届ける。延べで百三十万人ともあるいは百五十万人とも言われましたNPO、ボランティア活動の人々がこの面を担っているのをつぶさに目にしたわけでございます。  被災地においてそのような特定の問題に果敢に取り組んだのがNPOでございます。また、それを積極的に支援したのが企業であります。企業は、資金、物品、それから従業員を一部現地に派遣したわけでございます。1%クラブは、現地で活動するNPOへの支援を行うとともに、その後は現地で自発的に組織されました市民グループの立ち上げにも協力いたしたわけでございます。  私、朝日生命の会長も務めておりますが、私どもの卑近な例で申し上げますと、芦屋その他、NPO、ボランティア団体が活動する拠点の場所がその後ないわけでございまして、私どもの営業所を提供いたしましてその拠点に使ったという事例がございます。  阪神・淡路大震災は大変不幸な出来事でございましたが、私たちはその現場において、多種多様なニーズに自発的に取り組むグループが専門のノウハウで課題に対応することの必要性に改めて気がついたわけであります。そして、このことは日常の市民生活においても特定の課題に対して自発的に取り組む非営利組織が根づく必要があるということを認識したわけでございます。そのためには、NPOの社会的基盤の整備が早急に行われることが肝要ではなかろうかと思っております。  経団連では、震災後もNPOに関する検討を重ねまして、経団連が取りまとめました長期ビジョン「魅力ある日本の創造」におきましては、NPOの社会的基盤整備の重要性を打ち出しております。また、私が団長を務めまして一九九六年九月、ちょうど一年半ほど前でございますが、経団連NPO調査ミッションを派遣いたしまして、これにおきましては、米国の多くのNPOを訪ねその社会的意義や役割について知るとともに、米国には政府、企業と並ぶ社会勢力あるいはパートナーとしてのNPOセクターが存在していることなどについても見聞してまいった次第でございます。  そして震災後には、国会議員の先生方の間で、単なるボランティア活動支援ではなく、より広い概念としてのNPOを議員立法で支援しようとする動きが出てまいったことを私は大変うれしく感動した次第でございます。  経団連では、このような議員立法の動きを支援するとともに、あらゆる機会を通じまして有識者や一緒に活動を行っている現場NPOから意見を聞き、また時に応じてNPO法案御担当の先生方からお話を伺ってまいりました。  なぜ与党案である市民活動促進法案を支持するかということでございますが、その際、私どもはNPO法案の議論に際しまして以下のような認識を持って臨んだ次第でございます。  第一に、NPOは企業の社会貢献活動の重要なパートナーであるという点でございます。企業にとりましてはパートナーであるということでございます。第二に、私どもは、NPOの多様な価値観や多様な活動が日本社会に活力をもたらし、ひいてはそれが企業活力を維持発展させることにつながると考えております。さらには、NPOは単なる社会奉仕団体ではなく、新しい多様なサービスを担う可能性を持った事業体であるというふうにも感じております。これはいわゆる官から民への流れにも合致しているのではなかろうかと推量いたします。  そこで、私どもが考えますに、NPOの社会的な基盤を整備しNPOの組織力を強化するためには、まずは自己責任原則に基づいて多様な活動を行う組織であるNPOの社会的位置づけがはっきりする法案が必要であります。さらに、企業がパートナーとして組みやすい、幅広い活動が認められる法案が必要であろうかと思います。  私どもはこのような基本認識でNPO法案の検討に取り組みましたが、NPO法案に関する議論については二つの相反する考え方があったかと思います。一つは、NPOの自由、自律、独立性をできるだけ担保し、新しい発想に基づいた法律を望む考え方であります。これは我々のパートナーであるNPOが希望した考え方であり、すなわち私どもの考え方であります。一方、それに対し、そのような法律は悪用されたり秩序に混乱を起こすおそれがあるという議論、つまりある程度は行政庁による管理が必要であるという考え方でございます。NPO法案の検討、審議過程においては、両者の考え方の間に激しいせめぎ合いがあったように思います。  そして、特に市民活動促進法案は、約三年間にわたってあらゆる場面で国会議員の先生方と現場のNPO関係者あるいは先生方同士による意見交換があり、さらには国会の場で論戦が行われ、時には激しい対立をはらみつつ内容が吟味されてきた法案であると私は感じております。何度かの継続審議を経て、まさに論点は出尽くしつつあると聞いておりますが、その意味でこの法案は、現在の社会一般のNPOに対する認識をかなり反映した内容になっているのではなかろうかという気がいたしております。  経団連では、先ほど申し上げました基本的認識を各党案に照らすとともに、多くのNPO関係者の声を踏まえて検討いたしましたが、NPOからは、与党案の市民活動促進法案は他の非営利法人制度との比較も含め最低限NPOの自主性が確保されたという意見が多数出ているように思います。  また、経団連としては税制上の優遇措置が講じられるのが望ましいと考えておりますが、その検討はまず法人格の付与によってNPOの実体が社会の中に育ってからという意見にもうなずける面がございます。何よりも当事者であるNPOの多くは法人格の付与による法的、社会的な認知を強く望んでいるという点、あるいは多数の世論がNPOに対する法人格付与の必要性を訴えている状況にかんがみまして、与党案である市民活動促進法案の一日も早い成立をお願いする次第です。  まずは、実際にNPO法をスタートさせ、NPOの実体と意義を社会に示すことによって今後の展望はおのずと開けてくると信じております。  経団連では、今後とも企業とNPOの連携強化に努めるとともに、NPO関係者並びに議員各位にはよりよい制度づくりに向けて不断の御努力を行われることをお願いしつつ、私の意見陳述を終了させていただきます。  ありがとうございました。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 若原参考人、ありがとうございました。  次に、秋尾参考人にお願いいたします。秋尾参考人。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 私は、本案に関しての研究者でもなく、評論家でもございません。また、本法案の運動家でもございません。市民活動の実践者でございます。よって、まず最初に私の活動について御説明申し上げたいと存じます。  お手元の資料にございますように、私は国際協力の分野と国際教育の分野で活動を実践しております。  国際協力の分野において、本部である日本民際交流センターは任意団体で、当然税控除団体には認定されておりません。財団化の調査をいたしましたが、東京都認可の場合でも基本財産が四億円必要と言われ、現実的に四億円もの多額の財を募金することは不可能と判断いたしましたので、法人化をあきらめて任意団体で今日に至っております。  海外には三カ所事務所があり、タイ事務所は財団法人地域開発教育基金と称し、財団であり税控除団体に認定されております。元外務大臣、元タイ銀行頭取、元内務省副大臣等著名な方々が諮問委員になり、名実ともにタイでは社会的に認知されております。ラオス事務所では、民際ラオスと称し、法が整備されておらず、政府が許可した団体の位置づけでございます。米国事務所のアジアメリカ基金は、法に準じて州に非営利法人として登録し、同時に税控除指定を申請し、許可されました。  国際教育の分野では、日本に任意団体、北米大学教育交流委員会があり、米国には非営利法人で税控除団体であるエクスチェンジ・ジャパンがございます。  以上御説明いたしましたとおり、民法もないラオスを除きますと、海外の事務所はすべて法人格を得、税控除団体となっております。すべての運動の源である本部のある東京事務所が税控除団体の認定も受けられず、まして法人格も取得できないのが現状でございます。  私は、自分の団体以外にNGO活動推進センター、略称JANICの理事をしております。JANICの規約には、「ボランティア精神に基づき、市民の自発的なイニシアティブにより創設された団体で、人道的立場から国際的に人権、環境、貧困、ジェンダー等の課題に取り組む」と規定しております。JANICの役目は、日本のNGOの総体的レベルの向上を図っております。ですから、私も日本全体の開発協力団体の向上に努めております。よって、改めて参考人として召喚していただきましたことを深く感謝申し上げます。  次に、活動内容の説明に移りたいと思います。  開発協力の活動は、第一にダルニー奨学金が挙げられます。年一万円、三年継続し、一人の子供の基礎教育を支援する活動です。一九九七年には約七千人の方々がタイの一万四千五百四十五名に対し教育支援をいたしました。十九県の県知事が名誉会長になり、県教育委員会の初等中等課の職員が私たちの県の選考委員になり、千三百の中学校にダルニー奨学金の担当者がおり、奨学金の選考からいろいろな事務処理をしております。  ある会議の折、中学校の女性の教師が突然マイクをとって私たちの話を聞いてくださいますかと尋ねました。彼女は、ある日の夕方、教え子の女生徒が私の宿舎に来ました、その生徒は、先生、私は売られてあす村を出るのです、今晩泊めてくださいと言いました。村の最後の晩、親の家で過ごしたくなかったのでしょう。朝方までいろいろ話をいたしました。そして明け方、朝もやの中に彼女は消えていったそうです。最後の彼女の言葉は、先生、来世生まれてきたらお金持ちの家庭に生まれたい、そして中学校できちんと勉強したいと言ったそうです。それから彼女の音さたはないそうです。私たちは、この先生にもう一口の奨学金の枠があればと思い、一万円の重さをかみしめました。  次に挙げますのは、そろばん事業です。タイで最も貧しい東北地方の人々が自立するためには教育が重要です。暗算力だけでなく情緒教育にも役立つ日本の伝統的なそろばんは、彼らの多くが苦手としております計算力、論理的思考の面の充実を図るために非常に有効な教材で、発展途上国の教育向上に役立ちます。私たちの活動により、タイの教育省は国家そろばん委員会を設立、初等中等教育のカリキュラムにそろばんの導入を決定いたしました。  次に挙げますのは、南南協力で、日本が音頭をとり、財政的支援をし、発展途上国が低開発国を支援する活動です。ラオスでは小学校卒業の人が小学校の先生をしております。タイと国境を面するラオスの県の小学校の校長先生をタイの小学校で一定期間研修する活動です。国境を接する国々はとかくいろいろな感情のもつれがあり、それを解決するのが日本のNGOの役目かと思っております。  新しいプロジェクトですが、地方自治体の国際協力の推進を行っております。タイの内務省の地域開発局と協同して、日本の市町村で蓄積された地域おこしのノウハウをタイの地方の地域おこしに役立たせる事業です。日本の市町村の地域おこしには市民、町民、村民の参加が行われております。そして、既に多くの市民団体が存在いたします。行政と地域の住民によって形成された市民団体が参加し、日本の地域とタイの地域の国際協力を推進する事業です。  また、私たちは、昨年新憲法の中で地方自治が条項の中に制定されたタイの地方自治に対して、地方自治権確立の協力を行っております。  このように私たちは、現場を持ち、待ったなしで日々着実に海外で人道的立場に立ち、開発途上国の援助を実施しております。  国際教育の分野においては、米国大学の日本語講座の普及を実施しております。千八百余の四年制大学には、ドイツ語、フランス語、スペイン語は必ずあります。日本語講座を持っている大学は、それらの言語と比較いたしますと非常に少ないです。私たちは、お手元にある資料の裏に記載した大学に日本語講師を送り、その大学の百余校は私たちのプログラムで新規に日本語講座を開設いたしました。しかし、バブル経済崩壊後は日本語講座の閉鎖が続き、かわって中国語講座がふえております。  私たちは、将来の日米関係を考慮すると、この観点からも憂いがあります。調査の結果、平均すると六十万円の助成金があれば日本語講座の開設が可能な大学があることがわかりました。そこで、私たちの大きな役目は、それらの大学に助成金を出すべく募金活動が重要な活動になりました。  開発協力においても、国際教育においても、日本の団体が果たす大きな役割は募金活動であることが明白でございます。その理由は、第一に、団体の目的を達成するためには財源が必要であること。第二に、本部のみならず、海外の団体の運営には管理費が必要であること。  私は、国際協力、国際教育の実践者といたしまして、税優遇措置の必要性を強く訴えます。本法案がただ単なる法人格の取得制度の確立だけのためならば、この十年間の経験から申しますと、あえて特別に時間を割いて参考人になったことを後悔いたします。本法案で税控除に関して詳細な条項を加えることは可能かと思いますが、あえてそこまでは申しません。せめて条文の中で期日を決めて税控除の実施を検討することを明文化していただくことを強く諸先生方に訴えたいと思います。  なぜ税控除が必要なのでしょうか。団体の管理費の捻出は、弊団体だけでなく、多くのNGOが抱える最大の課題でございます。私たちの団体は、管理費捻出の基本理念といたしまして、寄附があった日から海外へ送金するまでの金利収益を管理費に充当する概念を採用してまいりました。現在の日本の低い金利ではそれは不可能です。私は決して金融史の専門家ではありませんが、長い歴史の中でこのような状況は異常な時期だと思います。正常化されたときには、やはり金利運営で管理費を捻出する概念を維持継続したいと思っております。その折には税優遇措置がありませんと二〇%の税金を支払うわけです。非常に大きな金額になります。現実的に、社会的に常識的な給料を出さなければ、日本、海外事務所を問わずよい人材が集まりません。管理費の捻出のための募金活動は非常に難しいものです。  また、NGOに対する行政からの補助金、多くの助成財団の助成金は管理費に充当できない仕組みになっておりますので、助成金、補助金を受ければ、その事業推進のため管理費がかかり、団体の首を絞める方向に進みます。ですから、金利に対しての税優遇措置は、管理費捻出のため私たちにとって非常に重要な課題です。  次は、日本におけるNGOの主たる活動は募金活動です。決して海外の現場での活動ではありません。海外では、その国の有能な人材を採用することで十分に所期の目的を達することができるのです。ですから、日本での主たる活動は募金活動であります。その折に、寄附者が損金算入になるような税優遇措置があれば、より多くの寄附が期待できます。  ODA一〇%の削減に伴い、日本としての国際協力は、これからNGOが担うことにより世界の平和と安寧に寄与することができると思っております。それには、NGOのみならず、国内で活躍する多くの市民団体と連携しなければなりません。よって、多くの市民団体、NPO、NGOが税控除を受けられるよう法整備が必要だと思います。  国民は日本の将来に不安を感じていると思います。国の財政再建に国民が参加し、みずから信ずる社会的に必要な活動に財を提供できる者は財を提供し、知識を提供する者は知識を提供し、時間を提供できる者は活動に参加する、その国民の意識は十分に熟していると私は信じます。  税控除を含めた市民団体に対する法整備を整えることが日本国家の再生であり急務であると私は信じます。  御清聴ありがとうございました。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 秋尾参考人ありがとうございました。  次に、伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 本日はこの場にお呼びいただきまして、まことにありがとうございます。  ちょっと私、本日風邪を引いておりまして、途中でせき込むかもしれませんが、お許し願いたいと思います。  私は、この数年間にわたりまして、国内、海外におきます市民活動、市民の非営利活動に関しまして調査、研究を行ってまいりました。そういった立場から、また、私自身も個人的にNPO推進フォーラムを初め幾つかのNPO団体でかかわり活動している立場からきょうは発言させていただきたいと思っております。  私のきょうの発言は、研究者の立場から、なぜ今日NPOが必要なのか、そのNPOの意義について少し述べさせていただきまして、その上で、現在上程されております法案に関して私としての意見を述べさせていただきたいと思っております。  まず、NPO法人の意義でございますが、二言で申しますと、NPOというものは、私はこれから先の新しい日本の社会を運営していく社会システムを築き上げるための非常に大きな可能性を持ったものと考えております。すなわち、今NPOに限らずさまざまな形で論じられております官民の役割の再編成、あるいは市民がもっと自由に活動することによって新しいエネルギーを生み出していく、そうすることによって活力ある社会をつくっていく、こういった課題に向けてNPOというものはなくてはならないものじゃないかと考えております。  まず、新しい社会システムに向けての側面から申し上げていきたいと思います。  これまでの日本の社会は、さまざまな方が御指摘のように、官がいわば中心になって社会を運営してきた。言ってみればパブリック、公という言葉がイコールそのまま官になる、このような社会であったのではないかと思うわけです。このような社会を少しでも変えていく、そして、市民が身の回りのことあるいは自分自身がこれは重要だと思った問題に関して自己決定ができる、あるいは自分自身がその解決に向けて努力ができる、そのような社会に一歩一歩近づけていく、このようなことが求められてくるんじゃないかと思うわけです。  したがいまして、NPO法人に託されてくる役割としましては、第一に、今国会でも議論されております一連の改革法案との連携というものが必要じゃないかと思います。すなわち、行政改革あるいは規制緩和、地方分権、情報公開、このような動きの中にNPOの位置づけも置くべきではないかと思いますし、まさに行政改革、規制緩和が動いていった中において、そういった流れを吸収し市民のエネルギーに変えていくものとしてNPOは期待されるんじゃないかと思うわけです。  第二に、これまでの民法におきましては、財団、社団をつくるに当たりましてはさまざまな問題がございますが、特に管轄官庁による許認可という問題がございます。こういう立場から民間の活動に対して行政がいわば恣意的に干渉してきた。あるいは、最近におきましては地方自治体が政策を実施するために財団、社団をつくるということが非常にふえております。このような形で行政が活動に干渉したりコントロールをする可能性をなくす努力が必要じゃないかと思います。  第三に、結論的な問題でございますけれども、このような市民活動を活発にしていくためには自主的な財源を確保できるような仕組みが必要になってくる。収益事業を行っていく、あるいは寄附税制等々さまざまな仕組みがなければ、どうしてもそれらは補助金等々に頼る傾向に走りがちになってまいります。  また、社会システムだけではなくて私たちの生活の中におきましてもNPOは大きな意味を持ちます。私たちの生活、特に今日の生活といいますのは働くことには喜びがなく、どちらかというとお金を稼いで、そのお金を消費することによって楽しみを購入する、このような生活に浸ってきたのではないかと思うわけです。  しかし、この数年来、ボランティアといった形でさまざまな人たちが、言ってみれば働くこと、社会に役立つことに喜びを感じるようになってきている、このような生き方というものが実は労働の本来の意味ではなかったかと思うわけです。このように価値を実現するような労働というものをこれから先もっともっと認めていく。すなわち、非営利活動あるいは市民活動をすることによって食べていくこともできるような人たちが出てくる、このようなことも大きな課題ではないかと考えるわけです。  このような観点から、今現在上程されています法案に関しまして、基本的には皆様方の御努力の上で非常にすばらしい法案ができ上がりつつあるのではないかと評価しておりますが、特に衆議院を通りました与党案、市民活動促進法案に関しまして二、三懸念の面を持っております。それについて説明させていただきたいと思っております。  第一は、市民活動促進法案におきましては十二項目の活動内容が項目列挙されております。そして、それは行政の認証と非常に結びついた形をとっております。このような形をとったときに、私自身さまざまな団体を調査していく中で感じますのは、非営利活動というのはなかなか分類しがたい活動が多い。  実際に市民活動を見てまいりますと、大きく二つのタイプがございまして、第一のタイプは、従来行政が余りかかわってこなかった、あるいはかかわることが難しかった分野、すなわち環境とか人権とか芸術、文化、あるいは価値感にかかわるような活動、このようなものは非常に行政がかかわりにくいという特徴を持っております。  それからもう一点は、コミュニティーの中で生まれてくる非常に複合したジャンルをまたぐような活動がございます。例えば、障害を持った人あるいは高齢者のノーマライゼーション、市民として地域で普通の人として生きていくための活動を支援していこうと考えますと、それは福祉であり人権であり町づくりであるといった形の複合性を持つわけです。  このように、NPOの活動というのは、従来行政の活動では落ちていた部分、そこからスタートしているものが非常に多いわけでございます。このような活動を従来の行政的な区分けのもとに項目列挙していくということ、そしてそういった活動を認証していくということ自体かなり問題があるのではないか、このように考える次第でございます。  また、聞くところによりますと、名前が特定非営利といった形で特定という言葉がつくという話も聞いております。このようになってまいりますとますます活動自体が特定化されていくというニュアンスを持ち、懸念する次第でございます。  第二は、先ほど秋尾参考人も述べられた問題でございますが、NPOの自律性の問題、財政の問題といった側面からでございます。NPO自体が市民社会の中で自由に新しい活動を生み出していくためには、基本的には自己責任とそれから自己財政というものが必要になってくると思います。そういった仕組みに向けての取り組みが市民活動促進法案には若干欠けているのではないかという気がしております。  このように自主的な財政がないと、実は一番大きな問題は、どうしても活動自体を補助金に頼るという傾向を生み出すわけです。実際に今現在、民法法人あるいは社会福祉法人といったものも、つくられたときの理念というものは非常に立派であり、社会を変えていく、そしてさまざまな人たちの参加を求めていくという形をとっているわけでございますが、市民からの寄附が少なく、自主事業が制限されていく中で、行政からの委託金、補助金というものにどんどん依存していく、そうすることによっていつの間にかNPOらしい特徴を失い、形骸化していくといったことを歩んでまいりました。  このような点から考えてまいりますと、新しくできる法人は、さまざまな形で自主的な財政をつくる、そのような措置を講じる必要があるのではないかと思います。具体的には、寄附金税制あるいは自主事業を行っていく。あるいは、先ほど秋尾参考人が申されましたように、管理費等々に関してはなかなか支援が集めにくいといった問題がございますので、それに向けての可能性、幾つかの考え方が必要になってまいります。会員制という形をとって経営を安定化させようとしている団体もございますが、会員制が行き過ぎますとどうしても不特定多数の人とのかかわりが減っていくということがございまして、こういった問題も現在の法案の中では非常にあいまいにされているような気がしております。このようなことをぜひ考慮していかなければならないのではないだろうか。  ただし、税制の問題は非常に悪用される可能性もございますので、一概にこうしたらいいということはなかなか提案しにくいこともございますので、今回におきましては次に向けての何らかの検討を約束できるような項目、こういったものをぜひつけ加えていただきたいと考える次第でございます。  以上、そういった問題をまとめまして、結論でございますが、二つの点をお願いしたいと思っております。  第一は、この参議院におきまして今上程されております三つの法案のいいところを取り入れてぜひよりよい案をつくっていただきたい、このようにお願いしたいと思っております。  第二に、基本的に非営利活動というものはかなり普遍的であり、ジャンルが決めにくいという活動をとっておる以上、一般非営利法人といったものに今後は発展させていく必要があるのではないかと思っております。しかし、そのためには民法の改正といった問題が当然起こってまいります。したがいまして、今回できる法案というものは、ぜひつくっていただきたいわけでございますが、その法案というものは、ある面では過渡的なものであり、次のステップとして民法三十四条の改正をベースにした一般非営利法人といったものに発展させていただきたい、この二点をぜひお願いしたいと思っております。  以上でございます。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 伊藤参考人、ありがとうございました。  以上で参考人の意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 自民党の海老原義彦でございます。  参考人の先生方には、本日は、お忙しいところをおいでいただき大変貴重な御意見をお寄せいただきましてありがとうございます。短い時間の御発言でございましたので、私どもがこれから順次質問する中で御発言を補っていっていただきたいと存ずる次第でございます。  初めに、若原会長に伺います。  若原会長のお話、特にNPOの基盤整備という問題、最近NPOが基盤的にも非常に発展してきて、阪神大震災のときにも若原会長も加わって大変な御尽力をされたということを感激を持って伺っておりましたけれども、今後この基盤整備を進めていくためにはどういうふうな方策が必要なのか、また、そのことと税制上の優遇策との関係、これについてどのようにお考えになるのか、まず概括的にお話しいただきたいと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 企業の立場から申し上げますと、先ほども発言いたしましたが、企業が仮に金銭的に支援するときも、その支援する非営利組織というものが余り姿がはっきり見えないということは非常に困るわけでございます。例えば寄附をする場合にも、やはり信頼の置ける団体、組織というものには非常に寄附しやすい。甚だ残念ですが、今すべての企業が社会貢献に取り組んでいるわけではございません。  これからは、先ほどお二人の参考人の方がお話しなさっておりましたように、やはりNPOの財政的な基盤ということは非常に重要なことであろうかと思います。そういう意味で、そこに法人格というものをこれから付与して、そして企業サイドからの寄附が行われやすいような形にしたい。それによってやはり基盤整備というものを進める必要があろうかと思います。そして同時に、NPO側は自律責任体制というものを原則的に持つ必要があろうかと思います。  それにはNPOの全体の組織を、アメリカにおいてはインターメディアリーオーガニゼーションあるいはインフラストラクチャーオーガニゼーションというような基盤整備を進めるNPOがございます。つまり、NPOのためのNPO、このちょうど限定列挙になっております十二番目の組織でございます。こういう組織が縦横に、やはりNPOというもののネットワークづくりが全国的にきちんと行われるということが、今後も我々企業サイドから取り組むNPOとしての基盤強化が必要ではなかろうかと、そのように考えております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 NPOの基盤整備のお話も非常に重要なこととして承りました。もちろん、我々が今審議しておりますNPOの三法案、これを早く国会を通して、姿が見えないと困るというお話でございましたけれども、NPOが法人格を持った目に見える姿にしていくということ、これがまず基盤整備の一番肝要なことかと思いまして、これは我々国会議員の責任として一生懸命進めてまいりたいと思います。  いま一つ、税制上の優遇策をどうお考えになるかということについては今お答えをいただけませんでしたが、これはこういう難しい時期に具体的な話を言ってもということかもしれませんけれども、将来のあるべき寄附税制のあり方というか、そういうものについてお考えがおありでございましたらちょっとお願いしたいと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) もう先生のおっしゃるとおりでございます。  我々の方から見て、今の国の財政からいってなかなか難しい問題だということは私個人も認識しておりまして、これに頭を突っ込みますと法人格の付与が進まないという点がございまして、実は発言をちゅうちょいたしたわけでございますが、まずは法人格の付与と申し上げたのはそういう意味でございます。  先生おっしゃったように、諸外国等を見まして、例えばアメリカの場合は内国歳入法五百一条のCの三項ということですが、内国歳入法によって非課税扱いを受けているNPOの団体というのは六十万団体と言われております。それから、その他関連の法令によって税制優遇を受けているものを入れると、全米で百万から百二十万団体あると言われております。  やはり、企業がNPOに寄附をし支出をしていく上において、法人税制の面あるいは個人所得税制の面で税優遇措置を図ることは、将来は非常に重要な課題であろうという認識を持っております。これは先生がおっしゃるとおりだと思います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 税制上寄附金をどうするかというのはなかなか難しい問題、非常に長期的な検討を要する問題ということでお話しにならないということかと思いますけれども、時間の関係もございますので、次の秋尾さんに移らせていただきます。  秋尾さんのお話では、税の問題はかなり詳しく問題意識を伺いました。ただ、その中で寄附の損金算入というお話がございましたけれども、これはどういうふうにお考えになっておるのか。NPOの皆さんは損金算入という問題について非常に意識が強いんですけれども、その割にどうすればいいかという具体的なお話がなかなか伺えないものですから、もう少し具体的なお話を伺いたいと思います。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 私自身、税の専門家でございませんので、現在考えられますのは、財団法人が受けられる税制度を想定して私は損金算入という言葉を使いました。  そして今、若原参考人もおっしゃいましたとおり、税優遇措置ということは非常に大事だと思います。そういうわけで、与党案の中でもきちんと税優遇措置をするということが、期目的に例えば二年かかるのか三年かかるのかわかりません。でも、それを訴えることで私はこの法案というものは相当生きてくるのではなかろうかと思います。  そういう意味で、なぜ税優遇措置というものを将来きちんと制定するということを言えないのかというのが不思議でございまして、それがないというのは意思がないというふうに見受けられるのかなと思うわけでございます。  そういうわけで、私が申し上げました損金算入は、財団法人における現在の形での損金算入という形で申し上げました。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 御趣旨、明確に伺いました。  今財団法人で行われている損金算入、これは公益法人でも二種類ございまして、二万六千の財団法人、社団法人がある中で、特に寄附金税制上優遇されておるのが八百ぐらい、三%なんです。そういったものを目指すという御趣旨かもしれませんし、あるいは財団法人のそれ以外でも寄附金がある程度考えられるわけでございまして、そちらを目指す。いずれにせよ財団法人並みにという御趣旨はよくわかりました。  次に、伊藤さんに伺いますけれども、伊藤さんのお話、非常に哲学的な部分も含めまして感心して伺っておりました。殊に、民法の現在の許認可システムの中でどうしても行政の介入があるぞ、自律的なNPOを妨げないような新しい法案が必要だぞという御趣旨もよくわかります。ただ、行政が介入しないためにはいろいろな方法があるということもちょっと一言申し上げておきたいと思うんです。  法律の上であたかも何も介入がないように書いて、詳細は政令以下に委任するというような書き方でありますと、これは政府の施策でいかようにでも介入できる。法律の中でこことここはきっちりとやらにゃいけませんよ、そのかわり政府はそれ以外は一切介入しませんということできっちりと書くという行き方もあるわけでございます。  さて、お話の中で、一般非営利法人制度への過渡的なものとしてこのNPO法案を位置づけるということ、これは私も全くそのとおりだと思います。そういう意味で、民法の改正といっても、これは明治以来百年続いておるものを、皆問題意識を持っていながらなかなか改正が進まない。とりあえず過渡的ではあっても、今出ておるNPO法案を何とか通していく。三案出ておりますけれども、三案いずれがいいかということも、私の立場で申しますれば与党案ですけれども、そういうことよりも何よりも、ともかく通していくということが非常に大事でございまして、伊藤さんのおっしゃるような過渡的なものという考え方は私も全く賛成でございます。  それから、あと伊藤さんにお伺いしたいところは、もう少し具体的になりますと、先ほどからほかのお二人にも伺ったんですが、税制というものは、殊に寄附金の問題についてはどういうふうにお考えなのか、これをちょっと御解説いただきたいと思います。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 海老原先生、どうもありがとうございます。  寄附金の問題につきまして私の意見を述べさせていただきたいと思います。  先ほど秋尾参考人が申されましたように、財団並みのというのは若干あいまいかもしれません。海老原先生が御指摘ございましたように、特定公益増進法人という八百余の団体と、その他の財団法人、社団法人におきましては非常に大きな差があるというのが現状でございます。  私は、やはり基本的には特定公益増進法人に当たるような寄附控除というものが必要になってくるんじゃないかと思っておりますが、その一番大きな要素は個人による寄附というものに対しての考え方だと思っております。今現在、特定公益増進法人あるいは指定寄附以外におきましては、個人はすべて寄附は所得控除を受けられないというふうになっております。しかし、さまざまな形で一人一人の市民が社会の活動に対してかかわっていくときに、まず寄附に対する何らかの意味での控除というものが必要になってくるのじゃないだろうか。これは活動に向けての大きなインセンティブになるんじゃないかと思っております。これはかなり重要な問題ではないかと思っております。  基本的に、NPO自体の財源を見てまいりますと、会費収入というものが極めて高いです。日本のNPOはアメリカのNPOのように寄附という項目では少ないんですが、会費という形で金を集めているのが多いです。会費の中には、もちろん企業の会員と同じようにサービスの享受者が会員になっているケースがございます。この会費はサービスのいわば対価に当たりますので、寄附には当たらないわけですが、いわゆる協賛会員だとか支持会員、賛助会員と言われている人たちというのは、基本的には対価を求めずに活動のニュース等々を受け取るだけで応援をしている人たちです。この人たちの会費というのはいわば寄附に当たるわけでございます。  このように見てまいりますと、日本のNPOにおきましてもかなりの収入の部分が市民の寄附によっているわけでございますが、その寄附が全く控除の対象になっていないというのが私自身は問題じゃないかと思っております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 大変参考になるお話、どうもありがとうございました。  きょうは私の時間はもう終わりのようでございます。これからまたほかの先生方からじっくりと伺うことになります。お礼を申し述べます。どうもありがとうございました。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 民友連の竹村泰子でございます。  きょうは御多忙の中、この委員会に参考人としてお出ましをいただき、本当にありがとうございます。  初めに、若原さんの方にお伺いしたいと思います。  私は実は大変感動を持って先ほどのお話をお伺いしておりました。1%クラブというのは、たしか私の知っている限りでは、企業がそれぞれ収益の一%を拠出してボランティア活動やいろいろな社会事業のために使おうじゃないかという社会還元の運動であると。経団連さんもいいことを始めてくださったなという認識を持っておりましたが、今お話をお伺いしておりまして、若原さんのお言葉で本当に実感しましてとても驚きもし、またうれしく思いました。  阪神大震災のときに実際に行かれてNGO、NPOの人たちと一緒にボランティア活動をやってくださった。しかもその中で、点と点をつなぐだけではなく、面としていく仕事をしていたのはまさにNPOであった、重要なパートナーと考える、そういうふうにおっしゃってくださいました。私は、もし日本じゅうの企業が若原さんのように考えていてくだされば、世の中大きく変わるだろう、これはもう世界で有数の国になるだろうと思うんです。  そこで、ちょっと意地悪質問かもしれませんけれども、経団連の中で着原さんのように考えている、あるいは1%クラブに所属していらっしゃる方たちはそういうふうにお考えなのかもしれませんが、経団連の中でどのくらいの割合の方がNPOを重要なパートナーと考えて一緒に仕事をしようとしているのか。  なぜ私がこういうことを聞くかと申しますと、必ずしも経団連の皆様と政策や意図が一致しないNPO、NGOがたくさんいるわけです。むしろ衝突してしまう。それから非営利ですから、営利事業を営んでおられます企業の方たちとは、環境問題にしろ人権問題にしろあるいは女性の労働にしろ、どうしてもぶつかるところがあるかもしれない、大ありだと思うんです。そういうときに、いやそういうところとは協力しないから、パートナーにならないからいいんだよということなのか、あるいはどんなふうにそこのところをうまくパートナーとしてやってくださるのだろうか、ちょっと最初にお尋ねしたいと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) なかなか答えにくい御質問もございましたけれども、先生おっしゃるとおり、先ほど申し上げましたとおり、1%クラブ加盟企業は二百八十一社でございます。経団連は約千社ございます。1%クラブを支持する世話人会というのがございまして、この世話人会は二十の大企業のお方に世話人になっていただいております。その方々も含めて今我々が取り組んでいるのは、企業サイドにこの社会貢献の必要な認識も説いているわけでございます。  それから、お話し申し上げたように、各地域に出向いてそのシンポジウムを開いております。これは各地域の企業の方がお見えになっております。そういう意味で、社会貢献の認識が今まだ日本においては必ずしも十分な定着をしていない、だからそこに認識の深まりを求めていくという動きも実は1%クラブの大きな目的になっているわけです。  それからもう一つは、私がなぜNPOということを言っているかと申しますと、そういう社会貢献を尽くすいい企業とそうでない企業とを認識、判別をし、評価をする健全な市民社会がやはり必要ではないか。それで両々相まって、日本の社会というのはよりよい方向に発展するのではなかろうかというような考えを持っておるわけです。  ですから、先生が御質問なさったように、みんなほかの企業はどうなんだとおっしゃいますが、それはそういう意味では1%クラブの大きな仕事でもあるということです。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 大変失礼なことを申し上げたかもしれないですが、お許しいただきたいと思います。  経団連がそういうふうに、一昔前二昔前までですと事業の発展、経済の論理ということで動いておられたと思いますけれども、まさにこのNPO法案が国会で審議をされるようになったことと同じ時代の流れを感じるものですから、これからも大いに頑張っていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。  それで、限られた時間ですので、お聞きしたいこともあるのですが、秋尾参考人にお伺いしたいと思います。  海外で大きく事業をいろいろ展開しておられまして、私もJANICの皆さんとはいろいろ交流がございますけれども、そういう中で、本当に御苦労をしておられ、やはりNPO法案が成立されなければという実感からきょうは参考人としておいでくださったと思います。  先ほどちょっとお触れになりましたが、私どももこんなことあんなことというふうにいろんな例を聞いておりますが、秋尾参考人の方からもう少し具体的に、例えばこういうときにタイではこんなことがあったとか、あるいはラオスではこういうことでもう本当にピンチに立たされたとか、何かそんな実際のことがございましたらお話をお伺いしたいのです。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) ほとんどの問題点は事前に察知し解決をするという方法をとっているんですが、やはり一番恐れることは法人格がないということで、言うなれば個人の運動であると。しかし、タイにおいてはそれなりの大きな責任と社会的インパクトを持っております。日本の方では、例えば私が事故に遭って活動ができないというような状況になりますと、そういう点では非常に困る。いわゆる個人としてでなく、やはり法人としてこの運動が続けられるということが必要かと思います。  ただし、よくラオス、タイ等で向こうの行政府と話し合いますときに、日本民際交流センターはどういう団体ですかということはもう必ず聞かれます。日本には法整備がないんです、株式会社にするわけにいきませんし、有限会社にするわけにいきませんから、財団法人あるいは社団法人しかない。私たちにはそれだけのお金がございません。ですから任意団体でやっていますということをその都度説明しなければならないという非常に不便さは感じております。そういうことでよろしいでしょうか。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 ありがとうございます。  本当に日本の善意として海外に大きく進出してくださっている皆様に御苦労をかけていること、国内でも同じなんですけれども、私たちも心を痛めておりました。  今回、この審議がようやく始まりまして、三年がかりでこの法案が成立することを心から願っているわけでございます。しかし、かといって全く一〇〇%完全な法案ではないと考えておりますので、どういうふうに私どもが国会の中で審議を尽くし、そしてよりよきものにしていけるかを問われているという気がしております。  それで、伊藤さんにお伺いいたしますが、寄附金税制のうちで、「(民間による資源の循環のためのインセンティブ)の次姉」というふうにお書きになっておりますが、ここのところはもう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) ちょっと理屈っぽい話になりますが、非営利団体と言いましても非常にさまざまなタイプがございますので一板には言いにくいところがございます。  しかし、多くの非営利団体といいますのは、企業と違いましてさまざまなサービスを行っているわけですが、サービスを享受した人からその対価を必ずしも一〇〇%もらわないという形で活動しております。すなわち、高齢者の介護をしている人たちは高齢者から多少の謝礼等々をいただいたりするケースはございますが、無償であったり、あるいは給食等々に関しましては非常に安いお金で配付をしたりしております。その補うための資源というものは、多くは仲間たちのボランティアあるいは寄附で賄ったりしているわけでございます。  しかし、その活動が非常にふえてまいりますと、仲間とか自分たち自身でできるボランティア活動では継続していくのが非常に困難になってくるということが起こります。そういったときに多くの非営利団体は、そのいわば差額に当たる、赤字分になってきますけれども、そういった費用というものをより多くの人たちからお金を集めなければ活動が維持できません。  そのときに、従来ですと、例えば政府に補助金を出してほしい、政府の方にも幾つかの基金があり、そういう基金に申請するケースがございます。これも、今現在日本に豊富にあるとは決して言えないところもあります。特に、基金のようにある程度客観的に水準を満たしてお金を出せるシステムがあるのであれば、これは公的なものであっても全然構わないと思うのですが、そういったものが意外に少ないときに、例えば措置費に当たるお金をもらったり、あるいはもっと違った形の補助金をもらう形で、それも余りオープンになっていないものをもらうような形が出てきたりするケースもなきにしもあらずです。  そのときに、公的な基金もいいんですが、私自身は、なるべくならばもっとさまざまな財源というものを社会の中に求めていくことが必要になってくるのじゃないだろうか。その中には、企業に対して、1%クラブに入っている企業等々とネットワークをつくり支援していただく、あるいはさまざまな個人に呼びかけて支援会員になってもらう、あるいはコミュニティー財団だとかさまざまな財団等々からの援助をもらう、言ってみればこのような形で活動を継続していくための資源を獲得していく必要がある。そのときに、今現在の仕組みでいきますと、民間サイドから集める部分と公的な部門から集める部分においてはかなりのハンディがあるのじゃないかなという気がしているわけです。  私自身は、多くの非営利団体がこれから先、安定した活動、そして行政とは違った仕組みで新しいサービスを開発していったり、より多くの人たちのニーズを満たす活動をしていくためには、それを支援するより多くの人たちの支援がバックにあった方がいいのじゃないかと思っています。これが第一点でございます。  それから第二点は、市民の側の方も、自分自身がもっと非営利活動をしたくても、仕事が忙しいあるいはほかの仕事で公職についていたりさまざまなことがあってなかなかできないといった方もいます。あるいは体が不自由で応援はできないだとか、そういう人たちにとっての参加の仕組みというものがあっていいのじゃないだろうか。  その参加の仕組みの中には、例えばお金を持っている方はお金を出していくというのも非常に大きな参加ではないかと思っています。そういった意味では、寄附をするという行為自体が既にボランティア活動であり、非営利活動ではないかと思っています。このような人たちにとってもよりやりやすい、活動をしやすくしていくような仕組みというものがあっていいのじゃないだろうか。もちろん、寄附をするときにどういった団体に寄附するのがいいのかという情報の問題もございます。  このようなことを考えてまいりますと、NPO法人というものは一つの情報の信用根拠にもなってまいりますし、あるいはその団体が活動内容を公開していくならば、自分の目でチェックすることもできるようになってまいります。  このような形で、市民社会の中にいわばお金をベースに人々の善意が交流していく、このような循環が生まれていくことを期待しているということでございます。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 まだお聞きしたいことがあったのですが、時間でございます。本当によくおいでいただきました。ありがとうございました。

山本保公明

○山本保君 公明の山本保です。  きょうは、若原さん、それから秋尾さん、伊藤さん、本当にお忙しいところをありがとうございます。  実は、せっかくのお話でございますのに、委員会の方、ちょっと人数が少ないのでございますが、これは今予算委員会をやっておりまして、一昨日以来のいろんなことがあり、私どもとしてもこういう日を避けた方がという考えもあったのでございますけれども、しかし、この法案の重要性ということで、きょう早くということで開かせていただきました。そういうことで、私どもの同僚もおりませんけれども、お許しいただきたいと思います。  今お話を伺いまして、お三方とも分野は違いますけれども、非常にNPOについては造詣が深いというふうに思いましたので、失礼かと思いますが、お話しにならなかったことについてもちょっとお聞きしたいと思います。もちろん、これは法案の審議の場ではございませんので、大ざっぱなことで私もお聞きしますし、また大ざっぱにお答えいただければいいです。また、本当に失礼なことですが、それについては今ここで答える用意がないということであれば、それでも結構でございます。非常にいろんな点で御存じだということからお聞きしたいと思いますので、その辺をお許しください。  まず、若原さんにお聞きします。  私も、今竹村先生からお話が出ましたように、お聞きしていまして非常に感動いたしました。また、私、実は個人的には朝日生命厚生事業団には非常に深く、一緒に仕事をしてきまして、その財団のいろんな動かし方とかそのときの本社の応援の仕方などについてもいろいろ知っております。そういうことでは、このクラブの会長というのとは別に、これまで個人的にも非常に熱心にそういう子供たちのための活動に参加、協力されているということを知っておりましたので、こんな場ではございますけれども、当然それについても敬意を奏させていただきます。  それで、この辺は三人の方とも同じかと思ったのは、微妙にニュアンスは違いますけれども、今共通してお話に出ましたのが税控除なりまたは税制上の優遇でございます。  まず若原さんに、もう一度確認でございますけれども、私どもとしましては、やはり何らかの形でこの法律で税の最低限検討について条文化すべきではないかと思っているんですけれども、その辺についてはどうお考えでございますか。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 今まで申し述べてまいりましたように、今の国の財政等から考えましても、よほど慎重な審議を、つまりこれによってもし法人格を付与されたら、NPO、どれだけの数がこれからできてくるのか、そしてそれに対してどの程度の枠の税控除を行っていくのか、それからその総額は大体どの程度になるのか、やはりそのような審議が十分行われる必要があるのではないかと思います。  したがって、今この問題で議論をいたしますと、先ほどから申し上げているように、やはり今NPOの団体が必要としていることは、早く法人格を取得して、そして社会から認められた市民活動を行いたいというところが多々あるわけでございます。その声を非常に多く耳にしているわけでございます。  そういう意味で、今あわせてこれをやりますと、今通常国会でこれまた継続審議になると困るという意味で申し上げているわけです。

山本保公明

○山本保君 よくわかりました。  私どもも、決して今ここで税制の中身について検討しようと申し上げているわけではなく、最低限次に大至急その検討に全党挙げて入ろうではないか、そのための何か約束事をきちんとしておいた方がいいのではないかという意味で申し上げているんですが、時間がございませんので、その辺だけできれば腹に入れておいていただければと思います。  次に、これはちょっとお話になかったことでございますが、アメリカの例など今までのを御存じであれば。といいますのは、きょう午前中にいろいろお話が出たことなんでございます。これも大ざっぱな言い方をいたします。  例えば、法人が会員を決めるときに、これはきょうこれまで出なかったかもしれませんが、同じ大学の卒業生でクラブ、会をつくってはならないとか、またはある宗派の方だけでつくってはならないとか、会費の額やその他、私なりの言い方をすれば、経営の状況であるとか社会的なステータスのようなもので、例えばライオンズクラブなどを考えればよろしいわけですが、こういう条件を付すということは、これはよろしくないのだという考えが一つある方からあるわけでございますが、それについてはどのようにお考えでございますか。  こういう条件は要らないのか、またはそういうことをつくってはならないというふうに規定すべきなのか、いや、それはその団体に任せておけばよろしいということなのか、御意見をいただきたいんです。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) あらかじめ申し上げておきたいんですが、私の立場はNPOではございません。NPOとパートナーを組む企業の立場でございますので、今のNPO法案の内容についてどうこうという法的な解釈の技術も持ち合わせてもおりません。  下手なお答えをしてもいかがかと思いますけれども、個人的にあえて申しますならば、やはり余り条件というものはつけない方がいいと思います。ただし、法律自体が余り緩やかになっても、法人格をとったNPOの社会的な評価、認知というものがやはり低くなるんじゃなかろうかと思います。  そういう意味では、両方あわせてみますと、私、冒頭陳述の折に立場を明らかにしましたけれども、与党のこの市民活動促進法案は、かなりもう議論され尽くして、ほどほどのいい法案ではなかろうかという感じを個人としては持っております。

山本保公明

○山本保君 失礼なことをお聞きしたかもしれません。ただ、先ほどから申し上げておりますように、特にアメリカなどの御経験、また見識というものに私もすがりまして御意見を伺いたかったわけでございます。  もう一つだけ。これは午前中に非常に議論になったことなんですが、例えば政治家でありますとか首長や大臣、総理大臣などについて、これは選挙のときだけではなく一般的にいつでもそういうことについて批判をしたり、逆に、非常に立派だというふうに言うことも含みますけれども、こういうことを何か制限するような項目が与党案にあるのではないかと、はっきり申し上げて私どもは考えておるんですけれども、この辺についてはいかがでございますか。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 余り具体的にNPOの立場でそういう批判を、個人批判をするということはいかがかと思いますけれども、しかし、いわゆる政策提言的なものをNPOが今後活動の中でしていくということは必要なことではないだろうかというふうに思っております。  ついでに、私の考え方を申し上げますが、その点に関連しまして、やはり二十一世紀の我が国の社会というのは、アメリカで見てきたのを参考にいたしますと、第一セクターは政府、国、第二セクターが企業であります。アメリカにおいては、第三セクターと言われるものはいわゆるこのNPO、非営利組織でございます。日本の場合は第三セクターの解釈は若干それとは違っておりますが、この三つのセクターがそれぞれパワーバランスして、お互いに適度のセクター間の緊張が必要ではなかろうかというふうに思っています。  そして、その三つのセクターの真ん中にあるのが市民であり、生活者であり、消費者であり、そういう国民が真ん中にあるという姿が二十一世紀には私は理想的な社会の構成の姿ではないだろうかというふうに思っておりますので、先ほどのお答えをいたしたわけであります。

山本保公明

○山本保君 大変ありがとうございます。  若原さんには結構でございますが、最後に一つだけ。まさに私どもの法案の方こそ多元的な価値観とか多様な活動ということをうたっており、それを最初の理念にしておりますので、もう一度この辺については御検討いただければというお願いをしておきます。  次に、二点ほどお聞きしたいんですが、これはたしか秋尾さんだったと思うんですが、ひょっとすると間違えておるかもしれません、若原さんだったかもしれませんが、アメリカなどでも財政援助をするような団体が非常に重要であると。これに関連してちょっとお聞きしたいんです。つまらないことかもしれません。  具体的なことですけれども、NPOをチェックするようなNPOというようなものが非常に発達しているというふうにも聞いておるんです。こういうものについては今度の項目では読めないんじゃないかという気もするんですが、この辺について、その重要性とこの法案の位置づけについて、もしよろしければ御意見、御感想をいただきたいんです。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 基本的に、市民の自発的な意識により、市民のイニシアチブで市民活動を推進するということが非常に大事でございまして、行政側から市民の活動を指導あるいはチェックするということでなくて、やはり市民間においてお互いに調整し合う、そういう社会が必要かと思うんです。  ですから、これはアメリカのある事例でございますが、サンフランシスコにおいて、行政側からの補助金というものに対して第三の組織がございまして、行政側が一遍そこの団体にすべての補助金を出します。そして、そこで申請する人たちが、必ず複数の市民団体が一緒になって、その中で今時代においてどういうプロジェクトを推進することが必要か討議されます。そして、その幹事団体が補助金を受けますと、そのうちの五%を第三の団体に上納いたしまして、その団体が補助金をすべて管理するわけです。そういうような民間サイドの主体的な組織があってこそ、やはり日本もNPOの個々の団体の発展と自律ができるのではなかろうかと思います。

山本保公明

○山本保君 ありがとうございました。  私は、わざと税についてはこれ以上お聞きしないことにしまして、もう一つお教えいただきたいんです。  といいますのは、外国で活動している場合に、この与党案でいきますとどこが、経済企画庁長官がやるのかどうかがどうも不明でございます。実は、私どもまだ一度も審議に、この間ちょっと国会の不正常がありまして、確かめてもおりませんのでルール違反かもしれませんが、せっかくでございますので、特に国際関係についてお詳しいということからお聞きします。  諸外国で主に活動する場合の管轄といいますか所管というようなものは、基本的にそんなものは要らないんだ、もうその団体もしくはその県に任せておけばよろしいのだという考え方もあるかと思いますし、しかし、外務省を中心にやっている今までのものとの整合性ということもこれありという気もするんですが、この辺についてはいかがお考えでございますか。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) やはり特に開発協力、国際協力に携わる場合は、外務省が主務官庁になると私たちにとっては非常にありがたいと思っております。

山本保公明

○山本保君 この逆もほとんど今まで議論されていないと思いますので、今後きちんと議論していかなければならないのかなと思っております。  最後に、時間がまだ少しありますので、伊藤さんにお聞きしたいのでございます。  きょうは基本的に税のことをたくさんおっしゃいましたけれども、この分類とあと自主性のことでございます。いろいろこれまでおっしゃっておられるところからちょっと関係ない話を一つお聞きしたいんですが、午前中にもあったんですけれども、暴力団の人を排除するような規定を置くべきであるということを、実は私も本文をまだ見ておりませんが、何かそういう修正を与党の方でお考えだということになっておるんです。  私どもとしましては、その趣旨だけですと、それだけをとってという気もしないでもないんですが、ただ問題点が二つありまして、一つは、そのために暴力団であるかどうかということを非常に細かくチェックしなければならないんじゃないか。このことは小さな、普通は大きいかもしれませんが、一般に言えば小さな市民団体がやるときに全部警察がチェックするというようなことはいかがなものかということ。  もう一つは、理念として、まさに人皆人に忍びざるの心あり、惻隠の心ありというわけでございまして、たとえ暴力団の方であれ、どんな方であれ、もしそれをもって何か自分たちのプラスになるようなことをすればともかく、実際そうなのかもしれませんが、しかし、暴力団員であるがゆえにということでこういう活動を禁止するというのは今まで例がないんじゃないかという気もします。  二点でございます。二つの見方でございますけれども、この辺についてもしお考えがございましたらお聞きしたいんです。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 私もその辺の細かい修正の文書を見ていませんのではっきりしたお答えはできないのですが、暴力団という言葉を聞きますと、私もやはりそういうのが入っていくことはまずいなという気持ちを正直言って持つことは事実でございます。しかし、暴力団か暴力団ではないかということの区別というのはやはりかなり難しいということも事実です。  今山本先生がおっしゃったような要素、私もよくわかりませんが、例えば日本の暴力団と言われている組織の中には、伝統的なお祭り関係の仕事だとかあるいは港湾関係の仕事だとか、そういったものとも非常に結びついたこともあるわけでございまして、そういった団体が何か地域において活動することもないことはないだろうなというようなことを想定していきますと、殊さら暴力団のことを入れること自体がやはりちょっと腑に落ちかねるという感じは持っております。  私、ここでちょっと半分違った見方なんですが、もしそのような形で細かい規定を入れていくならば、もっともっと逆に入れて欲しいなということもあります。私なんか一番入れて欲しいと思いますのは、民法法人を地方自治体がかなりお金を出してつくるというケースが非常にふえておりますので、行政の支配下にある団体ではないということをきっちり入れてもらう。これはかなり重要じゃないかなという気がしているぐらいでございます。

山本保公明

○山本保君 私も実はそういう気がするわけでございます。考えてみますと、清水の次郎長さんなんというのもありまして、今で言うと暴力団なのかもしれませんが、しかし社会的にもいろいろいいことをされた。これは冗談のような話でございますけれども、なかなかこの辺も一度またこれからきちんと議論をしなければと思っております。  時間が参りました。ありがとうございました。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 社会民主党の大協でございます。  きょうは三人の参考人の方々が非常に刺激的な論点を御提示いただきまして、大変大きな啓発を受けさせていただきました。ありがとうございました。  私は、まず最初に若原参考人にお尋ねをさせていただきます。  社会貢献をする企業ということで、今までの営利のための、効率追求という企業のイメージが私たちの中で大きく変わっていくということは、日本の企業社会の中でとても大切なことではないかというふうに思いました。特にメセナでさまざまな文化活動を展開されましたけれども、バブルの崩壊後企業がどのような形でそうした社会への貢献ということをなさるのかなというふうに考えておりましたところで、一つの指標をいただいたような気がいたしました。  それで、先ほどパートナーとして組みやすいNGOをつくっていきたい、そして活動していきたいとおっしゃったわけですけれども、例えばその活動はどういう展開をされるというふうに私どもがイメージしたらいいのかということについてお尋ねいたしたいと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 組みしやすいNPOとなりますと、何か企業が勝手にNPOをコントロールするという意味ではなく、信頼の置けるパートナーとしてと、そういう意味で申し上げたつもりでおります。  もう少し私の理念を申し上げますが、企業は企業活動を行うことによって適正な利益を上げることはこれからも変わりないと思います。これは経営の基盤であります。私は三角形を描いていただきたいんですが、一番下は業績、適正な利益を上げるための経営責任であります。その上に法的責任があろうかと思います。実は最近、この法的責任に抵触するような不祥事等が起きておるわけでございます。その上に私は社会的責任があると言っております。そして、三角形の一番上が社会貢献であります。  今経営が責任を問われるのは法的責任、社会的責任、それから一番下の経営を巧みにやらない経営者の責任。これは株主等ステークホルダーズから責められる責任であります。実は、一番上の社会貢献はしてもしなくてもどこからも批判は受けません。そこに一つの問題点があろうかと思うわけです。  先ほど申し上げたのは、市民社会もきちんとした市民社会、パートナーである企業も社会貢献という認識を非常に強く持って今後経営を進めていく必要があると申し上げたのは、実は、社会貢献をする企業もしない企業も何ら社会から評価を受けないというような市民社会ではなく、きちんとそこのところはやはり整理をして、市民社会の方からも評価を受けるということがこれからは大切ではなかろうか。そのことが私は市民社会から企業に対するソーシャルテンションだと思っているんです。  ソーシャルテンションは政治についても同様だろうと思います。国民からやはり社会的な緊張が政治に向かって行われることも必要なことで、先ほど私が三つのセクターの中で適度の緊張と申し上げたのはそのことであります。ソーシャルテンションが必要だろうと思います。  ですから企業は、今後はやはり利益の中から一%以上を社会貢献のために使おうではないかという申し合わせ、これを企業の経営者の団体である経団連の中にみずからが持っている趣旨はそこにあるわけでございます。  以上です。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 ありがとうございました。  魅力ある二十一世紀というふうに今言われましたので、これからそうした貴団体の御活動に心から期待をさせていただきたいと思います。  私は、NGOが大変広範囲でしかも私心のない社会活動をするという点で、もう一つの民主主義の社会であるというふうに常々思っておりまして、私もいろいろなNGOの活動に今まで参画をさせていただいております。その中で、やはり社会の変革のエネルギーというのは、そうした自主的な草の根の運動の中から実は生まれてくるんだということをずっと私の確信とさせていただいておりまして、この法案の一日も早い成立をと願っているわけであります。  私も、ODAで海外でさまざまな活動をする場合に、例えばインフラを建てるだけのODAではなくて、むしろこれからのODAはそうした人的な資源あるいはNGOの活動というものを中心にして、その地域に最も適合した援助活動というものが必要だと常々考えているものでございます。  秋尾参考人にお尋ねしたいわけですけれども、法人格が取得できなくて海外での活動というのは大変不便だということは私も非常によくわかるわけであります。法人格を取得した場合、そして海外で運動を展開する場合、次の段階、いわゆるセカンドステージで何が一番必要だというふうにお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 先ほど申し上げたとおり、日本のNGOとしての一番大きな役割というのは、やはり資金力だと思うんです。  そういうことで、いかにして日本国内で募金しやすいかという制度の整備ができませんと、非常に私たちのこれからの運動展開に対して支障を来すというのが現状でございます。  例えば、率直に申しまして、今郵便局に行きまして郵振でもって寄附金を出す、これが相当多くのNGOがとっている方法でございますが、法人格がございますと、まず一つにクレジットカードで入金が可能であるという状況もございます。  そういたしますと、現在の場合は私たちにはございませんので、反対にアメリカの法人の方が日本国内に住むポテンシャルドナーに対して寄附をお願いいたしまして、そしてUSドルでアメリカのうちの事務所の方に寄附してもらうというような方向も近い将来具体的に考えなければならないかと思っています。  そういたしますと、アメリカの方に入りました寄附金は、一応税控除団体でございますので、寄附した方に対しての税控除はございませんけれども、当団体にとっての金利に対する税控除がございますので、管理費の捻出が可能かと思います。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 次は、伊藤参考人にお尋ねをしたいと思います。  伊藤参考人が私どもに配られましたペーパーを読ませていただきますと、先ほど御説明があったのかどうかちょっと私もはっきりしないんですが、「価値を実現できる労働の復権」ということで、「ボランティアを超えて(有償スタッフ 価値実現のための職業の保証)」ということが書かれてあります。  これから新しい労働分野として私どもが注目しているのは福祉の分野における働き方であります。今までは、女性を中心としたボランティアの人たちによって高齢化社会への一つの道が描かれているように思うんです。イギリスの労働党の政策なんか見ますと、失業が非常に重い中で、このボランティアの有償というものを一つ政策に掲げて戦ったということもありまして、私ども社民党としては随分ここら辺の労働の復権のイメージみたいなものを常々議論しているものですから、ここのところをちょっとどういうふうに描いていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) ここに述べたかったことは二つございます。  一つは、価値以前に、今までシャドーワークという形で社会の陰に隠れていた働きというものがいっぱいあったんじゃないかと思います。例えば、シャドーワークの代表的なものとして女性の家事労働というものはあったわけでございますし、あるいは家族の介護の問題等々もあったと思います。こういった問題というものが、本来社会的に非常に重要な人間の生活にとってみて欠かせない仕事であるということを認めていく、こういったことが第一でございます。  それから第二に、福祉の問題あるいは環境の問題、さまざまな問題におきまして、特に、義務的にお年寄りあるいは障害を持った方の介護をしていくんじゃなく、例えば自分の親しい人、近しい人、あるいはこのような状況にある人はまずいんじゃないかというような価値観を含んだ活動。私が一つ念頭に置いておりましたのは、一番典型的な例といたしましては芸術家たちの活動なんかもそうでございます。芸術家の活動というものは非常に極めて個人的な価値だという部分はあるわけでございますが、しかしそのすばらしいものはより多くの人たちに心の安らぎを与え、感動を与えるものです。  このようなものをつくっていく人たちの活動というものが、単に絵を売って生きていくだとか、あるいはお芝居で入場料を得て食べていくというんじゃない、非常に不安定な活動に陥りがちなそういう活動ではないような生活というものをもっともっと考えていく必要があるんじゃないだろうか。  このときに、特に大陸ヨーロッパのように、そういったものを例えば国、地方自治体の公立劇場に雇うというのは決して健全だと私は思いません。むしろ、もっともっと民間で、劇場だとかさまざまな活動の中でそういう人たちの活動が安定できるように、そしてすばらしい芸術をつくれるような事業体をつくっていく必要があるんじゃないだろうか。このような活動を想定しましても、非営利事業体といいますか、このようなものが必要になってくるんじゃないかと思っております。  これは、芸術だけじゃなく、福祉の問題あるいは環境の問題、町づくりの問題、子供の問題、各方面において出てくるんじゃないかと考えております。  この二点でございます。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 今まで労働というのは、時間を決めて労働力を売って賃金を得るという表の労働と、それからシャドーワークと言われるところの労働、いわばそこに回路を見出すような活動が一つNGOの活動でもあるのかなというふうに考えておりまして、とても重要なこれからの論点ではないかというふうに私なりに思うわけです。  それから、もう一つ伊藤参考人にお尋ねしたいのは、行政の補助金にNGOが依存し過ぎるということに対して警鐘を鳴らされました。今まで補助金行政というものがたくさんの腐敗を生んできたわけでございまして、特に福祉の分野においてすらそういうことは例外でなかったわけであります。伊藤参考人は、税制上の優遇措置というのは悪用の可能性もあるので、どういうのがNGOあるいはNPOの自律を確保するインセンティブだと考えていらっしゃるんでしょうか。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 私、税制上の優遇措置が悪用される可能性があることは指摘しておりますが、だからよくないと言っているわけではございません。  そういう問題があるので、かなりきちんとした議論が必要だということが第一前提でございますが、大枠的な考え方といたしまして、我が国の場合には悪用されることを前提に事前規制を高めていくというやり方が多くの分野であったんじゃないかと思います。それが行政からの統制だとか行政指導が行われていく背景にさまざまな形であったんじゃないかと思うわけですが、これから先は、むしろ事後的な罰則をベースにしていくような考え方に切りかわっていくべきではないだろうか。  しかも、その罰則はどちらかというと行政処分ではなく司法処分でいくべきじゃないかなという気がしているわけです。このような形でチェックをしていく、コントロールをしていくという方が市民社会の方から見れば健全ではないだろうか、このように考えております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 どうもありがとうございました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございます。  いろいろ貴重な御意見を承りまして、大変勉強になりました。NPOが参議院では労働・社会政策委員会の管轄となりまして、私も民間団体について系統的につかまなければならないということで勉強しているわけですけれども、多くの任意団体の皆さんの活動を見ておりますと、日本社会のある種の成熟というようなものを私は感ずるわけです。  そこで、具体的にいろいろお伺いしていきたいと思うんですけれども、まず秋尾参考人にお伺いいたします。  奨学金とかそろばん事業とか国際協力、国際貢献、こういう分野で大きな役割を果たしていらっしゃることに敬意を表します。国際貢献というと何かちょっと筋違いの国際貢献を日本の政府はやろうとしている面もありまして、しかしこういう子供の教育とか現地の人たちの経済的な自立に関する支援、これは侵略戦争での日本のイメージとまた全く違った日本の好もしい面をアジアの人たちあるいはその他の地域の人たちに植えつけるのではないかというふうに思います。  そういう活動をされているわけですけれども、例えば日本のNGOも積極的に働いているんですけれども、今おっしゃったようなさまざまな困難がある。地雷撤去で奮闘してノーベル賞を受賞したNGOも外国にはある。こういうNGOの活動が注目を集めているわけですけれども、もっと日本のNGOが積極的に海外、国内で活動していくためには何が求められているのかということが第一点です。  それから、外務省はODAの中からボランティア活動の支援を微々たるものですけれどもやっています。もし、これを受けることについての問題点、非営利団体の方々が受けるについての問題点があれば指摘をしていただきたいと思います。  第三点目は、与党案について、午前中も不十分な点がある、基本的人権にも触れるような問題があるとかいろんな指摘もありましたが、参考人の中には、ともかく早くやってもらいたいんだ、そこに意味があるんだというようなことを強調された参考人もいらっしゃいました。こういうとにかく早く成立させてほしいという見解に対して参考人はどのようにお考えでしょうか。  以上、三点お伺いします。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 国際的に活躍しているNGOの予算規模と申しますと、日本円にいたしますと二百億円から四百億円というのが名の知れた団体でございます。日本で生まれた日本の団体での上位数団体ですと、四億円から六億円というのが現状でございます。  しかし、そこには何があるのかと。日本全国におきまして、これはDACの統計でございますが、たしか九七年度ですか、日本から海外に百八十億援助したわけなんでございますが、そのうちの約六〇%は海外の団体が日本で法人格を取得し、あるいは税控除団体になり、日本で募金をし、そして海外に援助した。受益国は、果たしてそれは日本からの援助であるかということに対していろいろ議論がなされるところでございます。  では、どうして欧米の団体が日本で募金し活動しやすいかと申しますと、本国において税優遇措置がなされているから、そして日本に上陸したときに基本財産としての数億円を持ってくることができる。そういうわけで、私たち日本のNGOといたしましては、せめて欧米の団体と同じスタート地点に立てばきっと何年か後には欧米の団体と肩を並べるような団体に成長ができるのではなかろうかと思っております。  そして、第二番目のODAの支援に関してなんでございますが、基本的には、私たちといたしましては、直接市民が私たちにお金を出してくださる、一度行政を通って私たちの団体にお金が来るというシステムではなくて、直接という方が望ましいわけでございますが、あえてODAの支援策に対して申しますれば、やはり現在の形ですと補助金が半額なんでございます。ですから、当方で五百万の予算がございますれば二百五十万の補助金がつく。そういたしまして、七百五十万のトータルプロジェクト費が出るというわけでございます。ですから、この五百万を集めるのが非常に大変であるということが一点。  もう一つは、事後、いわゆる事業が終わってからODAの補助金がもらえるということで、ランニングコストも賄わなければならない。そういたしますと、それだけの事業規模のある団体でなければ補助金を申請することができないというのが欠点でございます。  それから、第三番目の何が何でも早く法人格取得の法律をという件でございますが、団体を設立いたしまして今日まで法人格のない形でやってまいりました。ですから、もちろん来年度においても再来年度においても維持継続は可能でございます。  今、やはり歴史的にすばらしい法案をつくる形でやっていただきたい。私たちといたしましては、本当に税優遇措置があれば必ずや欧米の団体と肩を並べて国際的な活躍をすることができることと確信しております。そういうわけで、すぐ税優遇措置をつくれということでなくて、近い将来に必ず税優遇措置のことを検討するという条項を法案の中で入れていただければ本当に幸いだと思っています。  それがあってこそ初めて、先ほど若原参考人が申された第一セクター、第二セクター、第三セクターの緊張感が生まれるのではなかろうか。第一セクターは税金という形で収入を得ることができる。第二セクターは営業活動で収入を得ることができる。第三セクターの収入源は寄附だけでございます。あるいは、もちろん事業活動をすることも可能でございますが、それだけの才能を持っていないのが現状の日本のNGOでございます。  そういうわけで、せめて税優遇措置ができれば必ずや第三セクターとしてのテンションになるような市民活動が日本で発達するのではなかろうかと思います。そのための前提として、やはり税優遇措置と今回の法案はワンセットとなったものだと私は信じております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 伊藤参考人に続いてお伺いいたしますが、最後の質問なんですけれども、いろいろな不十分な点はあるけれども、ともかく早く法人格の付与についてだけでいいんだ、上げてもらいたいという考え方についてどうお考えになるかという点を一点お伺いいたします。  それからもう一つは、行政の介入をさせない、不当な介入をさせないという、これを制度上どういうふうに担保していくかという点で言えば準則主義が一番いいであろう。私たちは準則主義の立場に立った法案を提案しているわけです。それで、今度の各発議者が出された法案の中にも、行政の関与というのがほかの党の案にはやっぱり色濃く出ていると思います。それから立入検査であるとかあるいは罰金とかいう形、こういうようなことは私はちょっと問題ではないかと思うのですが、その点についてのお考えを二点目にお伺いいたします。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) まず第一の方でございますが、基本的には早くNPO法案が通ることを私自身は期待しております。  と申しますのは、今現在進められている諸改革の中に、例えば行政改革が政府内だけの改革に終わってしまうならば何の意味もない、もっと多くの市民がそこに関与できるような改革にならないと今日の日本の改革は進まないのではないかと考えるところでございます。そういった意味では、当初申し上げましたように、一連の改革とNPOというものは密接な関係にあるというのがそこの背景にございます。  そういった目で見ますと、早くNPO法案ができてほしいということは事実でございますが、しかし、実際に行政の介入を許すような法案であったり、あるいはそれが名前だけのものになってしまうのであれば、またこれは問題です。そういった意味では、何が何でも絶対に今ということに対しては疑問を感じるという立場でございます。  第二の方でございますが、そのためには第二の問題が関連いたします。基本的に行政の介入がなるべく少ない方がいいということは考えておりますが、しかしそのためにはある面、最初の海老原先生がおっしゃったように、余りあいまいであれば逆に、特に認証の形態をとっているならば認証する役所が恣意的ないわば介入をする可能性があります。そういった意味では、原則はきちんと法案の中に描くべきであろうと思っています。  しかし、準則主義という立場がとれれば私は最高にすばらしいということは考えております。その問題は、私はむしろ第二ステップの民法改正というような問題の中で発展させていただいて、より広い意味で今ございます民法系のさまざまな公益法人制度も含めた再検討につなげていきたい、このように考えているところでございます。  それから、次と関連する形で、罰則関係に関しましては法案の中にある程度盛り込む必要はあるとは思っておりますが、先ほど申しましたように、行政による罰則というよりはむしろ問題があった場合には司法に訴えていく、そして裁判所で決着をつけるというやり方をぜひとっていただきたい、このように考えている次第でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 若原参考人にお伺いいたします。  二点お伺いいたしますが、一つは経団連がボランティア活動を積極的に支援するというお話がありまして、その点について、日本社会の活力を増す、官から民への流れに合致するというふうに最初おっしゃられました。その意味を伺いたいんですが、今まで官が行っていたものを民間に移す、あるいは規制緩和、こういう方向と合致するんだと、こういう意味なんでしょうか。その点についてお伺いいたします。  それからもう一点は、事前に調査室からもらった資料の中に九七年六月十七日付の毎日新聞がありまして、参考人は、国会で「継続審議となったNPO法案は、たとえ拙速であっても、早期成立を目指すべきだ。」と語っておられます。報道なので違うとおっしゃられればそれまでなんですが、参考人が拙速と思われる与党案について、拙速と思われる点を御指摘いただければと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) やはり民主主義社会が定着あるいは成熟化していきますと、市民の価値観というのは多様化をしてきます。多様な価値観を持ってくるわけで、恐らく今後グローバリゼーション、国際化が企業のみならず社会のあらゆる面においても進んでいくだろうと思います。そのことは、実は市民の価値観をさらに一層多様化していく動機になるであろうと考えております。NPOは多種多様な社会ニーズに自発的に取り組む存在でございます。NPOが活躍すれば、硬直化したシステムに多様性や柔軟性をもたらすことになるのではなかろうかと考えているわけです。  また、これまですべて行政が行っていた公平な社会サービスに一定の多様性というものを持ち込むことがこれからの時代の流れになるのではないかと思います。行政はやはり公平性、平等を旨とするわけでございますが、価値観は多様なものでございますから、官の行政、つまり官から民へ、やはり多様化した価値観の充足を図るためには民に流れていった方がいい面があると、そういう意味で申し上げたわけでございます。あるいは、NPOがいわゆる仲人役になって政府や企業あるいは市民の強みを引き出して社会を活性化することができるんじゃなかろうかという意味で、冒頭陳述したわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 二点目をお願いします。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 二点目、何だったですか、もう一つは。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 六月十七日付の毎日新聞で言われていた……

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 拙速ですか。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうです。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 毎日新聞にしゃべったかどうか記憶にございませんが、もし新聞記者がそれを書いていたとしますと、つまり早くこの法整備をしてあげて、NPOというのは実は法人格を付与したからもううまくいくんだということじゃないわけです。実は、さらに高度にそのNPOの経営を進めていかなきゃいかぬわけです。アメリカでは、御承知のようにドラッカーがNPOの経営についてもう既に本を著しております。だから、これから適正なNPOの運営、経営に習熟していかなきゃいかぬわけです。  だから、入り口のいわゆる法整備のところで時間をかけるんではなく、日本の市民社会を早く確立するため、もう二十一世紀は三年後に来るわけです。だから、諸外国の社会とインターフェースしたときには、やはりそれに応ずる見識を持ったNPOというものもたくさん育てておく必要があるんじゃないかという意味で、入り口の部分はなるべく早く認めるような法整備をしてあげるべきではないか。  そういう意味で、恐らく拙速という言葉があるいは出たのかどうか、私は記憶にはございませんが、そういう意味だと今自分の頭ではそう信じておりますから、そういう言葉になったかもしれません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 終わります。

都築譲自由党

○都築譲君 自由党の都築譲でございます。  きょうは、三人の参考人の方々には大変貴重な示唆に富む御意見を拝聴させていただきまして本当にありがとうございました。時間が限られておりますので手短にまいりたいと思います。  今の質問と答弁に関連してでございますが、先ほど伊藤参考人は行政の介入といった問題に触れて、余り過剰な介入を許すようなものであれば、絶対に今ということは疑問に思うというふうに言われたわけでございますが、この点について若原参考人とそれから秋尾参考人にお伺いをしたいと思います。  私ども、旧新進党と申しますか平成会で法案を一つ出させていただいておりまして、その与党案との対比ということでいきますと、例えば団体をつくるときの基本要件の問題、あるいはまた認定したり監督するときの問題、あるいは改善命令なり取り消し命令の問題、さらにまたその活動分野が十二分野に限定をされているという形で、与党案は意外と行政介入型というか、国家管理型の法案ではないのかなという印象を正直言って持っております。だからこそ、私どもの対案を出す意味があると、こんなふうに考えておったんです。  若原参考人にお伺いをしたいんですが、そういう行政の過剰介入を許すようなものであっても、それでもやはり今入り口をあける方が必要だとお考えになるのかどうか。  それから、秋尾参考人には、人格なき社団という形で動いているところが相当多いと思いますけれども、先ほど法人格を持つことによって、例えば寄附が郵便振替からクレジットカードという形で移しやすくなるというような例を一つ挙げておられました。そういう程度のものであれば、行政介入が強くなるような形で法人格を得るよりは、むしろもう少ししっかり議論したものにした方がいいんではないかとお考えになるのか、それでも今入り口をあける方が必要だとお考えになるのか、お聞かせください。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 与党案の市民活動促進法案には行政が行うべきことが一応詳細に法文としては盛り込まれている。だから、そういう意味では問題ないと私は考えております。  本来は制限のない非常に自由な法人設立をしたいわけですけれども、残念ながら現実的にはすぐ自由な設立にはいかないわけでございまして、まずは制度をスタートさせ、そして問題点を今後検討していくべきではなかろうか。将来この法律をアメンドしていく場合に、厳しくするということは非常に難しいと思います。むしろ、今この程度からスタートして、それを緩やかにアメンドしていくというのが現実的ではないかと思います。  そういう意味では、本来は税制優遇措置も欲しいわけですけれども、まずは法人格の付与、あるいは実態を見てから後で検討してもいいんじゃないかということを先ほどから申し上げているわけです。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 税優遇措置に関しましては、相当多くの国々にいろんな事例があると思うわけでございます。日本が初めて市民団体に対する税優遇措置をつくり上げるという時代ではないと思うわけでございます。ですから、率直に申しまして、今の日本の行政能力ですと、やはり世界各国の市民団体に対する税制がどうなっているかということを情報として収集することは可能だと思っております。そして、私自身、本当に早期にこの法案が税優遇措置とともに成立することを期待しております。  つまり、税優遇措置について即細かいことを決めるということを私は申しているのでは全くなくて、やはり数年皆さんでお考えになって、例えば二年かかる、三年かかる、二十一世紀の初期にはきちんとそれをつくりましょうというような約束事をきちんと条文の中に入れてくだされば、私はすぐにでもこの法案は通るのではなかろうかと思うわけです。決して難しい課題ではなくて、ただ条文で、皆さん各政党間でお話しになって、じゃ三年後までに答案を出しましょう、そういうような形でその期日等を税控除に対して明文化するということを期待したいと思います。それがない場合においてはやはり課題が大きいものだと思います。

都築譲自由党

○都築譲君 どうもありがとうございました。大変貴重な御指摘であった、こういうふうに思います。  それでは次に、伊藤参考人にお伺いしたいんですが、先ほど来、問題があるNPOのチェックについては、行政判断よりむしろ裁判所の判断によるべきである、こういうふうな話になっておりました。  それで、与党案とこれまた旧平成会案とを比較しますと、与党案の方は、基本的にはいろんなNPOの活動状況については監督庁ということで県とかあるいは企画庁の方に行くことになっていますが、旧平成会案の方は、情報公開の徹底というふうな形でむしろ市民によるチェックあるいは会員によるチェック、また寄附をした人によるチェック、こういったものでその運営とそれから経理の使い方といったものをチェックしていってはどうか。  おっしゃられたような裁判所の判断ということになれば、そういう情報公開が単に行政を通じて縦覧、閲覧されるということではなくて、そういうふうな形で毎年必ず義務づけるということがむしろ重要だと思いますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 今御指摘のとおりだと思います。解散命令等々に関する司法の立場を記入することは必要じゃないかと思いますが、個々のチェックについて裁判所がすべてチェックするということを書く必要はないわけです。むしろ、情報公開によりまして、不利益をこうむった人間さらにはその活動に対して疑問を持った人間等々が、マスコミないし司法の場でそれを論証し、不利益をこうむった場合には損害賠償を獲得していく、あるいは何らかの罰則を要求していくという民事上で解決していく形が原則ではないかと思っております。

都築譲自由党

○都築譲君 どうもありがとうございました。  それから、これは若原参考人にお伺いをしたいんですが、これまた与党案と旧新進党案の比較ということで恐縮ですが、旧新進党案では、その設立に当たって一応百万円以上の寄附を必要とする、百万円のうち五十万円は基本基金として保有する、財産上のいろんな取引対象等もあるわけですから、そういったものを設立の要件に加えておるわけですが、与党案の方では基金なしの法人が認められるという形になっております。  その点について、パートナーとしていろんなNPOの皆さん方とおつき合いされる立場で、どういうふうに今までおつき合いをされて、そしてまたどういうお感じを持っておられるのか、お伺いできればと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) 非常に微に入った点でございますので、答えにくい点もありますが、百万、五十万、ゼロ、同じじゃないでしょうか。

都築譲自由党

○都築譲君 大変参考になりました。  それでは次に、これはお三方にちょっとお聞きしたいんですが、私の持ち時間は三十一分までということになっておりますので、ちょっと恐縮ですが、端的にお答えをいただければと思います。  これはNPOの役員とか職員の報酬のあり方でございまして、NPOというと何かボランティアの団体で無報酬でやるのが当然のような形になっています。与党案の方では、役員で報酬をもらう者はその三分の一以下でなくてはいけないというふうな形になっておりますが、旧平成会案の方ではそういったものは必要ない。むしろ先ほどの情報公開で、役員にたくさんの報酬を出しているようなところでは、本当にそれは社会貢献をやっているのか、社会活動をやっているのか、こういう形でチェックできるから、それは市民のチェックに任せればいい、こういう判断をとっております。  そのNPOの役員とか職員の報酬のあり方、特にそういう割合の問題もありますけれども、例えば、非常に優秀なNPOを経営する人がいるとしたら、その人の給与水準が総理大臣より上のものをもらって、もっと世界的な貢献ができるということであれば、それは認めるとお考えになるのか、いや、それはやっぱりボランティアの性格だからというふうにお考えになるのか。その点をお聞かせください。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) ボランティアに携わる役員あるいは職員が総理大臣以上の給与をもらうということはまず考えられないと思いますが、非営利組織というのは収益事業をやってはいけないというわけではございません。ボランティアだから無償でということはない。やはりこれは人間が行動するわけですから、人間がすみを食って生きていくわけにいかないわけです。  先ほど申し上げましたように、よりよいNPOをこれからつくっていくには、今先生もおっしゃったように、むしろいい人材を、実は私はこの問題、もう学校教育の中でこのNPOについて、あるいは社会貢献についての科目を入れるべきだと言っておりますけれども、やはりNPOを運営する立派なマネージャーが必要だと思います。そういう人には収益の中からきちんとやはりしかるべき報酬を払うことは当然だと思います。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 今の中でボランティアという言葉でございますが、ボランティアと申しますと個人あるいは奉仕という言葉になるんですが、ボランティア団体とボランティアとは違うということで、ボランティア団体に所属する職員あるいは役員等はきちんと給料が取得できるような環境をつくることが大事だと思います。そして、それに対して寄附金等が集まる集まらないは情報公開をきちんとすることによって皆さんが考えることでございますので、あえてそこに条文で云々する必要はないと思います。  そして、私たちの団体に、ボランティアで活動する方たちがどうやって気持ちよく効率的に働けるかという形で、フルタイムの職員がおります。これはきちんとボランティアを有効に使うということが一つの職務でもございますので、これは本当にプロの職場でございます。  そういう意味で、ボランティアで働いてくださる方あるいはボランティアで協力してくださる方と、ボランティア団体で働く職員とは異質なものであることをちょっと明言したいと思います。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 私の立場は、非営利団体というのは新しい価値を実現できる職場という点で、給料をもらうということは当然だと思っております。  しかし、職員と役員というのは違うと思っております。役員と職員というものをもう少しきちんと役割分担をすべきではないだろうか。役員というのは言ってみればむしろ全体をガバナンスしていく立場であり、あるいはチェックマンでもあります。そういった意味では、私自身は役員の過半数は無償であるべきだと思います。その部分に関しましては与党案の方にどちらかというと賛成です。  そうでないと、実際に職員と役員がごっちゃになり、なれ合いの形で経営が進んでいくという可能性があるんじゃないかと思います。そういう意味で、役員というものが、特に給料をもらう役員については、今は一定の職員を兼任で働いているという形を設け、そして給料をもらわない無償の役員が過半数を占めることによって社会的にそれをチェックしていくシステムをしくべきじゃないかと思います。

都築譲自由党

○都築譲君 ありがとうございました。  終わります。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 いよいよ大詰めになりました。きょう一日ずっと参考人の方々のお話を伺いながらつくづく思ったんですけれども、国民から選ばれた議員が三つの法律を出し、その法律について参考人の皆様も全員民間で、いつもだったら大臣と局長たちが座っている席にきょうは民間の参考人の方がお座りでいらっしゃいますし、それから、いつも記者だけしかいないような傍聴席も市民団体の代表の方が、まさにどうなっていくかということを一生懸命御熱心に傍聴してくださった。私は、大変フランクな議論がこの委員会室で展開されたように思っております。  いつもの委員会と違いますのは、やはり官製の法律の議論ではない、それから純粋に市民なり民間セクターのための法律の議論であるという点、そしてその議論の視点がすべて民間、市民の視点からの議論がきょうは一日展開されたということで、いつもの委員会と大変異質な感想を持っておりまして、二言で申しますとやはりダイナミズムがあったというふうに思います。  それから、秋尾参考人がるるおっしゃってくださった国際的なおくれというもの、そして伊藤参考人が言われた新しい労働の場と申しますか、単にボランティアという非常に狭義な考え方ではなくて、これからのNPO、NGOというのは、もっとそういった大きな役割というか、二十一世紀に向かっての社会のあり方を提示している意味で、行政改革、規制緩和、地方分権等もそうでしょうが、それらと並んで大きな変革の一つの柱としての法律という位置づけを参考人の皆様がお示しくださったということに深く敬意を表したいというふうに思っております。  若原参考人は、私は大変興味深く伺ったんですが、第一セクター、第二セクター、第三セクターのその中央に市民がいるソーシャルテンションとおっしゃった。本当にその緊張関係が今までなかったんじゃないかと思うんです。第一セクターと言われる官に第二セクターがあり、そしてほとんど第三セクターがなかったのが日本だったんじゃないか。  私は、一言言わせていただければ、これからは第一セクターが今の大きさでいえば営利企業であり、第二セクターが非営利であり、そしてもう行政は第三セクターでいいのではないか、それが二十一世紀に向かっての変換だろうというふうに思うのです。  そして、これからの景気というのも、そういった私の言葉で言う第一セクター、第二セクター、いわゆる営利企業、非営利の団体、そういったものの中で新しい事業の下支えというようなものがなおかつなされていくのではないかというふうに思いますが、若原参考人がボランティアだけではないというふうにお考えだとおっしゃったそのNPOに関してのお考えを最後に伺いたいと思います。

若原泰之経団連1%クラブ会長

○参考人(若原泰之君) NPOというのは民間非営利組織のことでございますけれども、その場合の非営利というのは利益を構成員の間で分配しないということ、これは当然なことだと思います。職員給与等は、先ほどもいろいろお話がございましたが、必要な経費は使って構わないわけでございます。  個人的には、NPOは社会の多様な問題解決に自発的に取り組むような組織でございまして、社会の閉塞感というものを打破してくれるものだと先ほどから期待しておるということを申し上げました。特に、NPOはあくまで民間でありまして、企業のパートナーであるという点を強調しておきたいと思います。  ボランティアというのは、基本的にはあくまで個人が行う社会奉仕活動であります。NPOという概念のごく一部の概念だろうと一応私は思っております。  以上でございます。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 秋尾参考人に伺いたいと思います。  先ほどからるる国際的な場で外国における日本のNGOのリーガルステータスと申しますか、法的な位置づけのなさの不便さを御指摘くださいましたけれども、同時に、やはり二十一世紀に向けて国境を越えて、地球市民というような言葉もございますけれども、グローバライゼーションの中で市民の役割というのは非常に大きくなってきていると思います。  確かに政府間で交換される情報もあるんですけれども、それと同時に、例えば難民の問題あるいは環境の問題にしても、NGOのネットワーキング、NGOの情報構築の方がより緻密に細かくできるというような事態もあると思いますし、そういったことがある種の予防外交にもつながっていくというような時代に入ってきていると思うんです。  そういった視点から申しますと、これから日本のNGOは相当追いつき、追い越していかなければならないんではないかというふうに思っておりますが、どのようにお考えでしょうか。

秋尾晃正日本民際交流センター代表

○参考人(秋尾晃正君) 先ほど日本の団体の財政規模を少々申し上げたんですが、率直に申しまして、現在はやはり財政規模は本当に欧米の団体に太刀打ちできない。欧米の団体で日本で活躍しているところの大手ですと四十億を超える。日本で生まれた日本の団体はそこまでいきません。  そして、これからどうやって日本のNGOが海外でもっともっと活躍できるか。その原点と申しますのは、日本の今まで蓄積された数多くの市民団体と連携することにおいて可能だと思います。例えばブラインドパーソンに対する点字のことでございますけれども、NGO自身はそのノウハウを持っておりません。しかし、日本はもう三十年、四十年やっているすばらしいノウハウを持っているわけです。そうすると、その中で熟年層の方たちが我々にそれを教えてくださることによって、三十年前に日本でやったことが例えばタイだとかラオスで有効に生かされるわけです。  そういうような形で、これから日本のNGOと申しますのは日本国内のいろいろな団体との連携、それと同時に、各市町村で持っております。その蓄積された地域おこしのノウハウ、地域おこしと申しますのは雇用の拡大につながっていると思うわけです。ですから、途上国の大きな課題というのは都市と農村の課題でございます。日本が今日まで非常に都市と農村との格差を是正して来たというのは、やはり各市町村の官民一体となった自助努力があると思うわけでございます。そういうようなノウハウが途上国でこれから非常に有効になると思いますので、そういうような観点から、日本のNGOは日本の市民団体あるいは地方自治体と連携して世界の貧しい国々への援助をやっていけたら幸いだと思います。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 最後に伊藤参考人に、今秋尾参考人がおっしゃったことは日本国内にも言えることだと思うんです、中央と地方というようなこと。地方分権とそれからこのNPO法案もつながっていく問題だと思いますので、その辺のところをまさにボランティアを超えてという視点からどのようにお考えでしょうか。

伊藤裕夫株式会社電通総研研究主幹

○参考人(伊藤裕夫君) 今のお話の件でございますが、ボランティアを超えてということ、それからまた、非営利団体自体もっともっと事業をふやしていくべきだ、経済基盤をつくるべきだということを述べてはおりますが、私自身は非営利活動自体は企業のように大きく大きくなることが目的の団体ではないと思っております。  基本的には、今まですべてがお金で解決する、そうすることによって社会を成り立たせていこうとしていた考え方自体の転換にある活動じゃないかと思っているわけです。お金にかわるものとして、知恵であったり、あるいは先ほど秋尾さんがおっしゃっていましたように他の市民団体とのネットワーク、そういったものの交流の中からいわば低コスト社会を実現していく、そのような仕組みではないかと思っているわけです。  このように考えてまいりますと、例えば税制上の優遇にしましても、正直言いまして優遇したところで大した額にならないと私は思っているわけです。アメリカは非常にNPOが盛んだと言いましてもGDPに占めるパーセンテージは六%か七%です。むしろ日本の公益法人、特殊法人が占める比率の方がはるかに高いというのが現状です。二割近く日本は占めています。そのような状況で考えていきますと、NPOを優遇したからといって税収が減ることはほとんどないと思いますし、むしろ低コスト社会が実現できるという意味において大きなプラスがあるんじゃないだろうか、このように考えている次第です。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 大変貴重な御意見だというふうに思います。  確かにおっしゃるように、今気がついたことですが、公益法人が二割を占めるというようなこと、これはジョン・ホプキンズ大学が日本の民法三十四条並びにNGOの調査をした中の報告書に書いてあることですけれども、日本の今までの公益法人は、言ってみれば政府の一部である、純粋な意味での独立したNGOではないというレポートをアメリカとドイツと、どこでしたかもう一つの大学が報告をしています。  そういった意味で申しますと、やはり純粋な意味でのNPO、NGOというのはまさにこれから日本で羽ばたいていこうとしているのだ。いろいろ皆さん努力してもう随分やっていらっしゃいますけれども、社会的な、法的な地位が確立してもっとやりやすくなるというか、もっとアイデンティティーがあるやり方ができるというか、本当に遅きに失したと思いますが、そういう時代をやっと迎えられたというふうに私も思います。  そして、大蔵省が税収が減ると言っても、その使われ方を考えますと、むしろ直接寄附という形で民間から民間へ、経団連さんをパートナーとしてとおっしゃっているあたりで、民間から民間へという形でそこに本当に免税措置が早くできるといいというふうに私も思います。  お隣の旧新進党案はそのことをずっと主張しておられて、私どももそういうことで御一緒できたらそれにこしたことはないというふうに思いますけれども、今、日本の制度の中でなかなかそこまで一気に踏み込めないのが実情でございまして、三年間私どももそういうことをいろいろ主張しましたけれども、与党税調とかそういうところへ行くとなかなか通ることは難しくて、やはりできるだけ早くそういった意味で税制の問題。  それから、先ほどからるる議論になっています行政の裁量、情報公開は与党案も私は担保していると思うし、実際に運用する市民団体が逆に行政の裁量をはね返すぐらい堂々と情報公開をして、市民運動の何たるかを世に示すという形で法律をよく運用することによって、逆にいい形の法律へと改正していけるんではないか。  旧新進党案をお持ちの方たちとはなかなかそこの税制のところでは合意できずにおりますが、極力近い将来そういった方向に全部が一致して持っていけるような、そういった形で国会の中で合意できたらいいという願いを込めまして終わりたいと思います。  本当にきょうは大変貴重な御意見を伺わせていただきましてありがとうございました。

鹿熊安正自由民主党

○委員長(鹿熊安正君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。  本日は長時間にわたり、大変貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  三案に対する本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十五分散会

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