労働・社会政策委員会 第2号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1998/01/27
会議録
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十六日、長谷川清君、木庭健太郎君及び都築譲君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君、猪熊重二君及び阿曽田清君が選任されました。 —————————————
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石渡清元君 委員会再編後の初めての労働・社会政策委員会、ここにNPO法案が来ると思わなかったわけでございますけれども、総論的にお伺いをするならば、これからの日本社会、非常に今少子現象が加速度的に進んでおりまして、この分でいきますと百年後は日本人口は半分になっちゃうんじゃないかというほど今若い人の数が減っておりまして、日本の国力はどんどん落ちていっている状況、これは大変なことじゃないか。イランあたりは二十四歳以下の人口が六四%もあるというえらい違いなわけであります。日本では、少子化ということは高齢化がさらに進んでいるということでございまして、高齢化が進んでいるということはかなり成熟した社会に日本は今向かっているということに相なるわけでございます。 今回出されているNPO、いわゆる非営利法人、これが法案として誕生したときに日本社会におけるどのような役割を担っていくのか、あるいはどういう効果があるかということをまず経済企画庁にお伺いをいたします。
○政府委員(井出亜夫君) お答え申し上げます。 我が国におきましては、現在、高齢化あるいは国際化の進展の中で我が国経済社会を取り巻く環境というのが、先生御指摘のように大変大きく変わっておると思います。そういう中で、行財政改革でございますとかあるいは地方分権の流れがあるわけでございますけれども、民間の役割というものが大きく増大をするのではないかというふうに考えておりまして、そうした中で我が国がより活力があり、また豊かで安心できる社会というものをつくっていくためには、政府部門、企業部門に次ぐ第三の部門というべき民間の非営利部門の健全な発展というものがどうしても必要ではないかというふうに理解をしております。 ボランティア活動などの各種の市民活動というものはこうした自主、自律の民間非営利活動部門の中核をなす部分ではないかと考えておりまして、高齢化社会におきましては政府や企業では担いがたい重要な役割というものを果たしていくのではないかというふうに考えております。
○石渡清元君 与党案でありますけれども、経済構造改革とこの法案との関係、これをお願いいたします。
○政府委員(井出亜夫君) 経済構造改革は、来るべき二十一世紀に向けまして、活力ある豊かな経済社会を実現するということのために行われているものと認識をしております。 規制緩和を初めといたしますこの経済構造改革というのは、いずれにいたしましても民間部門の活力というものが十分に発揮されるということが必要ではないかという考え方に立っているのではないかと考えておりまして、こうした観点から、ボランティア活動を初めといたします民間非営利部門の活動が促進されるということは経済構造改革にも大変寄与するものではないかというふうに認識をしております。
○石渡清元君 それでは、具体的に与党案について御質問申し上げますけれども、民法第三十四条の公益法人の設立に関する規定がございますけれども、それとこの法案との関係、相違点、どういうふうにお考えになっているでしょうか。
○衆議院法制局参事(早川正徳君) 市民活動促進法案と民法第三十四条以下で定めております公益法人制度との関係につきまして御説明申し上げます。 民法は、公益に関する社団または財団で営利を目的としないものにつきまして主務官庁の許可を得て法人とすることができることとし、その設立、管理、監督及び解散の規定を置いております。他方、市民活動促進法案は、一定の立法政策のもとに、民法の対象としている団体のうち特定のものを対象とし、その設立、管理等につきまして特別の定めを置いているという意味で民法の特別法案であると考えられます。 具体的に申し上げますと、民法の第三十四条の対象は公益に関する社団または財団一般であるのに対しまして、本法案の対象とする団体は、別表に掲げる活動で不特定多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動、すなわち市民活動を行うことを主たる目的とする団体であるということ、それから社員の加入、脱退につきまして不当な条件を付さないこと、報酬を得る役員はその役員総数の一定割合以下であること等の要件に該当する団体であることとされております。 このような団体に対して、その行う市民に開かれた自由な社会貢献活動としての市民活動の健全な発展を図る観点から、都道府県の知事または経済企画庁長官の認証により、より簡易に法人格を付与するとともに、その管理の面で所轄庁の監督を厳格な要件により認めるほか、その法人の活動内容及び財産に関する書類を公開することにより、市民の監視による適正な運営を図るための規定を設けております。 おおむねこのような意味で、この法案は公益法人制度について定めます民法の特別法案であるというふうに理解しておるわけでございます。
○石渡清元君 確かに民法の特別法になると思いますけれども、ただ、営利を目的としないんですから民法の第三十四条の法人でも変わりがない。あえて特別法をつくる理由、積極的な根拠があるかどうかという点については、現在の三十四条の運用でできるんじゃないかという考え方もありますけれども、その辺のところはいかがでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 民法三十四条におきましては、非営利・公益活動を行う団体を対象としておりますから、御指摘の点はごもっともなことでございます。 しかしながら、現行の許可というものを見でみますと、例えば社団法人についても一定の資産要件を付されるとか、あるいは活動を評価されるとか非常に厳しい許可条件になっておりまして、現在行われているいわゆる市民活動、この活動を行っている諸団体にとっては非常にハードルが高いものになっております。また一方、民法三十四条は許可主義をとっておりますので、いわゆる官庁の裁量権限が非常に強くなってきておりまして、そういう意味でも、なかなか非営利・公益の要件を満たしていても官庁の裁量によって許可されないということも実態でございます。 そうしたことを考えますと、現行の民法の公益法人の運用によってその枠内で対応するということはかなり困難ではないかと考えるわけでございます。 民法を改正することによって要件を容易にするということが基本であろうかとは思いますけれども、それにはかなりの時間と作業を要すると思いますので、今回は民法の特別法という形でやらせていただきたい、そう考えておるところでございます。
○石渡清元君 共産党さん案でちょっとお伺いしますけれども、いわゆる営利を目的としない限りどんな活動であっても法人格を与えるというように法案を読めるわけでありますけれども、従来法律との整合性はどういうふうにお考えになっているのか。
○委員以外の議員(笠井亮君) お答えいたします。 営利を目的としない限りどのような活動であっても法人格を認める趣旨なのか、与える趣旨なのかという御質問でありますけれども、私どもの法案の中身はそのとおりのものになっております。活動分野のいかんにかかわらず、営利を目的としない団体一般が法人格を持てるようにすることを法律の立法の目的としております。 ただし、その際に、構成員一人につき一票の議決権の問題、あるいは、そういうことによって民主的に運営されている団体であること、さらに、法律の規定に従って情報公開を行うということ等を要件としておりますので、それに当てはまらないものにつきましては法人格を取得できないものというふうに考えております。 日本弁護士連合会が九五年十二月に発表いたしました市民活動団体に関する法制度改革に関する提言というのがございますが、それを見ますと、NPOやNGOについての普遍的な基準ということで三点言っておりまして、非政府性、それから第二番目に非営利性、三番目にボランタリー、この三点にあるということが指摘されております。 会員の自主的な参加によってつくられる、行政から独立をしました営利を目的としない団体がNPOであって、それを対象とする立法が今日求められているということだと思っております。我が党も、この日弁連の提言と共通する政策的な見地に立って立法作業を進めてきたところでございます。 それから、御質問の第二点だと思いますけれども、従来の法律との整合性の問題でございますが、私たちは従来から国民の要求に沿いました非営利法人制度の創設ということが本当に求められているというふうに考えておりまして、そのためには、いわば百年前にできました民法というものがございますが、これにつきましては、この問題に限りませんで、広くこのままでいいのかというさまざまなテーマにつきまして議論もあり、改正も含めたさまざまな議論が展開されていることはもう御承知のとおりだと思いますが、そういう流れも踏まえましてこの問題についても考えていく必要があるのではないかということを考えているところであります。 既に一昨年に発表いたしました私どもの非営利法人法案め要綱の段階から、今の日本の社会に何が求められているかということを基準にしながら、各方面の広範な方々の声を伺いながら作業を進めでまいりました。本法案は、将来的には民法改正を含む非営利法人制度の全般的な整備を展望しながら、それまでの当分の間という形で、その措置として新たな法人制度の創設を定めているところでありまして、これによりまして、民法の改正を待たずして、本法案によって非営利法人を設立できるということが明確になったという形で確信しているところであります。
○石渡清元君 一般法人、いわゆる法人数についてちょっとお伺いをいたしますけれども、民法三十四条の公益法人あるいは宗教法人、学校法人、医療法人、社会福祉法人等々、どのくらいの法人数があるのか、そしてその中で休眠法人がどの程度あるのか、お答え願いたい。
○説明員(山崎日出男君) お答えいたします。 平成八年十月一日現在の公益法人数でございますけれども、社団法人が一万二千六百十八、財団法人が一万三千四百七十一となっておりまして、合計二万六千八十九法人となっているところでございます。 また、いわゆる休眠法人の数でございますけれども、これにつきましては各省庁におきましてただいま整理が進んでおりまして、昭和六十一年に六百七十七でありましたものが、平成八年には三百十九となっております。なお、この休眠法人につきましては、引き続き整理に努めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(前川喜平君) 宗教法人につきまして申し上げます。 全国の宗教法人の数でございますが、平成八年十二月三十一日現在で十八万三千八百八十六法人となっております。このうち、活動を停止しておりますいわゆる休眠宗教法人の数につきましては、これまで宗教法人につきまして定期的な書類の提出等、活動把握のための手段が法定されておりませんでしたものですから、その正確な数は承知しておりませんけれども、都道府県からの情報等に基づきまして推計いたしましたところ、約五千ほど存在するのではないかと考えられております。 なお、宗教法人法の改正によりましてこの実態の把握が容易になりましたものですから、今後、宗教法人のうちの不活動法人、休眠法人の整理に鋭意努めてまいりたいと考えているところでございます。
○説明員(上杉道世君) 続いて、学校法人について申し上げます。 学校法人の数は、平成九年四月一日現在で全国で七千六百十五法人でございます。そのうち、いわゆる休眠法人の数は七十三法人でございます。
○説明員(角田隆君) 医療法人でございますけれども、平成九年三月三十一日現在におきまして全国で二万七千三百二法人でございます。 休眠法人につきましては、医療法人の場合、その医療機関の廃止、休止ということが原因になるわけでございますけれども、これにつきましては医療法上届け出が義務づけられております。その数は限られておりまして、そういったことから正確な数は把握しておりませんけれども、少ないものと考えております。
○説明員(大泉博子君) 社会福祉法人の数でございます。平成九年三月三十一日現在、全国で一万五千五百九十一法人でございます。 活動をしていない休眠法人の数は把握してございませんが、社会福祉法人の場合は極めてまれでございます。
○石渡清元君 今、法人の数をそれぞれ挙げていただきましたが、それでは今回の市民活動法人になり得る団体についてお伺いをしますけれども、このようなNPO団体と言われているのはどのくらい全国にあるものか。
○政府委員(井出亜夫君) 平成八年度に経済企画庁におきまして全国の市民活動団体の数を調査いたしました。それによりますと約八万六千団体というのがあることになっております。 この調査でございますけれども、継続的、自発的に社会活動を行う営利を目的としない団体ということで、公益法人でございますとか社団法人でありますとか財団法人、そういうものでないものを全国的に調査した結果でございます。 この調査は特定の法人制度というものを前提にして調査しておりませんけれども、その際に、法人格の必要性を感じたことがあるかどうかということを問い合わせ、全体を推計いたしますと、全国で約一万団体が法人格の必要性というものを感じたことがあるというふうに答えておりまして、私どもはとりあえずそういう調査及び把握をしておるところでございます。
○石渡清元君 そして、そのうちで実際に法人格を取得しようという申請が出そうなと言うとあれですけれども、それは何団体ぐらい予想されるんでしょうか。
○政府委員(井出亜夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、調査自身が特定の法人制度を前提にしておりません。したがいまして、今回法人格がどういう要件及び形で決まるかということによって申請する申請しないということになってくるわけでございまして、現在のところは、先ほど申しました法人格の必要性を感ずるのが一万団体という以上のことは把握をしていない状況でございます。
○石渡清元君 それでは、具体的に与党案についてお伺いをいたしますけれども、先ほどもちょっと出ました「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」、こういうことが書かれておりますけれども、基本的な考え方、いわゆる公益性判断の基準、その辺のところについて御説明を願いたい。
○衆議院議員(河村建夫君) 今回のこの法律の一番の中心がいわゆる市民活動であって、そして「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする」と、こうなっておるわけであります。それで、この「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」ということはいわゆる公益という意味でありますが、社会全般の利益を意味すると、こういうことになっておるわけであります。 要するに特定の団体、いわゆる活動の受益者が特定されていないということが一番の中心でありまして、さらに言いますならば、その活動をしようとする団体のための相互の利益だけを目的とする活動でないということが「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」、こういうふうに考えておるところであります。
○石渡清元君 それでは、主たる目的を十二項目に限定しておりますけれども、限定して市民活動全般、あるいは市民活動という表現が適当かどうか、その十二項目に限定した理由、根拠を御説明ください。
○衆議院議員(小川元君) 十二項目に限定いたしましたのは、法制的には非営利・公益活動一般を対象とする民法三十四条とのすみ分けを明確にするために要件として採用したものでございます。 しかしながら、どのような項目を取り上げるか。十二項目にいたしましたのは政策判断によるものでございまして、不特定多数のものの利益の増進に寄与するものとして法人格を与えるのにふさわしいものを拾い出したものでございます。これによりまして、その活動上法人格を必要とするかなりの団体に対して法人格を付与することが可能となっていると考えております。 なお、市民活動という一般的な表現は不適当ではないかという御指摘がございましたが、十二項目に該当するものを市民活動と定義いたしたわけでございますけれども、市民ということにいたしましたのは、自発的な意志によって社会的な活動を行う人々の属性を端的に表現した言葉であるというふうに判断をいたしたからでございます。したがいまして、これらの活動を表現するのに適切な用語がほかにあれば、この市民活動という言葉にこだわっているものでは必ずしもございません。
○石渡清元君 それでは、具体的に「まちづくりの推進を図る活動」とか、あるいは「地域安全活動」等々、一般的なものが書いてありますけれども、それが余り好ましくない団体が入ってきたり、そういったようなおそれ等々についてはどういうふうに考えているのでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 今御指摘いただきましたように、好ましくない団体をどういうふうにして排除するかということもこの法人化の場合の要件になっていかなければいけないと考えておるわけであります。一般的には、「市民活動法人は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行ってはならない。」と、こうなっておるわけであります。 特に、御指摘のような暴力団関係者による乱用に対応するためには、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に違反したことによって罰金刑に処せられた者等については役員になることができない、第二十条四号にございますが、このように規定をいたしておるところでございます。もちろん、さらにこの要件では不十分であるというようなことで御提案でもいただければ、これは真摯に受けとめていかなければいけないというふうに考えております。
○石渡清元君 この辺のところは善意のものは可能な限り広く認めようという考え方と同時に、やはり悪用されないようにという歯どめ的な考え方も必要なんじゃないか。 ということは、今までの法律で法の網をくぐっていろんな不祥事が社会的に起こっておるわけでございまして、その辺のところを少し詰めていく必要があるのではないかなというふうに考えておりますけれども、それについて再度お答え願えますか。
○衆議院議員(河村建夫君) もっともな御指摘であるというふうに思います。 先ほど御答弁を申し上げたような感じもいたしますが、さらにこの第二十条四号等の規定では不十分であるということであれば、この規定にさらに加えて何かということで御提案をいただけるならば、それは真摯に受けとめなきゃいかぬと思いますが、衆議院でこの法案について審議いたしましたときに、この規定でということでこれを織り込んだ形で提案し、衆議院を通過させてきたものであることは間違いありません。
○石渡清元君 報酬を受ける役員の制限というのは、ボランティア性を確保しようという意味だと思いますけれども、この法案の活動とボランティアの活動との関係はいかがお考えになるのか。
○衆議院議員(小川元君) 本法案の役員の無報酬制の要件でございますけれども、これは市民活動法人のボランティア性というものに着目をすると同時に、非営利という要件を実質的に満たすべく設けられたものでございます。 もちろん、ボランティアという言葉は語源的には必ずしも無報酬を意味するわけではないわけでございますが、日本ではボランティア活動といいますと一般に無報酬ということが広く認識されております。そうした意味で、報酬を受ける役員の数を制限して無報酬制の一つの根拠とさせていただきました。 と同時に、非営利という要件に対しましては、役員に対する賞与という形で余剰金の分配というようなものが実質的に行われるということを防ぐために役員の報酬について制限を設けたところでございます。
○石渡清元君 今の与党案の御答弁に対しまして旧平成会案は役員報酬については何も規定がされていないのでございますけれども、それでは役員全員が高額の報酬を受けられるというようにも解釈できますが、そういう団体でもよろしいのかどうか。
○山本保君 お答えします。 その前に、私どもの法案の全体の構造がやはり問題になってまいりますので、関係するところだけ申し上げます。 私どもの法案のまず一番、経営とか運営についての原則が公開をするということでございまして、役員報酬も含めて一般に公開されます。その場合、当然個別の役員の報酬まで公開いたします。こういう中で、今のおっしゃったことをまずお考えいただきたいと思うわけです。 つまり、私どもの方は財産についてといいますか、報酬について規定はございません。これはちょうどいいタイミングで当てていただきましたのでお話ししますが、今、小川先生の方から、非営利であるからこういう無報酬をやったんだというお話がありましたけれども、これは言いぶりとしても余り正確ではないと思うわけでして、非営利法人、NPOというものは報酬を当然持っております。ここはボランティアとの違いでございます。 私どもで言えば、例えば私立の保育園であるとか小さな学校を考えていただければいいわけでございまして、決して保育園の保母さんや園長さんはボランティアでやっているわけではありません。まさに公益活動を民間サービスとして行っているわけですから、それについての対価を取るのは当然であります。 ですから、私どもは、その役員報酬が何分の一を取ってはいけないというようなことは、これはまさにその法人の自主的な規定で決めればよろしいと。ただし、その報酬が適正かどうか、これについては公開で全体の市民の目が厳しく見ます。これはアメリカなどでも当然でございますが、何億円受けているというような例が報告されておりますけれども、それがいいのかどうか、これは厳しくチェックされ、もしそれがよろしくないとなればその団体は動きがなかなかとれなくなってくる、こういう形でチェックをしていけばよろしいということで今のお答えになるかと思います。
○石渡清元君 保母さんはボランティアでやっているわけじゃないと、こういう御答弁はちょっと本法案と違うんじゃないか。 例えば、法人化の条件について旧平成会案は、五十万円以上の基金の保有、第四条、百万円以上の設立寄附、第十三条、かなり経済的ハードルが高い条件をつけておりますけれども、これだとある程度そういう法人格を狭めるような、門戸を狭めるような、そういう結果になりはしないか、その辺についではどうですか。
○山本保君 お答えいたします。 先ほど、私どもの法案の全体構造と申し上げて、そのうちの一つの柱である公開原則について申し上げましたが、実はもう一つの方がこれにかかわるわけでございます。 それは、先ほど経済企画庁の方かどちらかからたしかお話があったかと思いますけれども、この法人の活動というのはまさに非政府でありまして、その内容については役所が関与しない、自主的に行うということが大事でございます。ですから、私どもは今の答えに関して申し上げますと、先ほどからお話がありますように、分野を限定したり、後からまた出てくるか、先ほど暴力関係が出できましたのでそれに絡めて言えば、その団体の性格づけについて条件を付しておりません。 こういう構造の中で、では一体、社会的な信用であるとか、その法人が社会的にどのように認められるかということについての唯一の条件がこの寄附金である、こういうことでございます。もちろん、寄附金があればその分狭まるというのはおっしゃるとおりでございます。 しかしながら、ここで何らかの形で民法とのすみ分けということがあり、制限または要件が必要であるという場合に、その団体の内容や活動の分野やその性格づけを規制するのがよろしいのか。または、こういう今の社会の中で、一体寄附金という形で市民の善意がどれだけ集まっているのかということを唯一の要件、客観的で裁量の余地なく恣意的判断が入り込まないこの要件でもってこの法人を見ていこうという我々の考え方がよろしいのか。こういうことを私どもは出しておるわけでございますので、先生、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○石渡清元君 その辺が非常に対照的な点ではないかと思いますけれども、与党案では第二条で、社員の資格の得喪について「不当な条件を付さない」というふうに明記をされております。旧平成会案ではその辺には何も触れていません。 ということになりますと、例えば入会資格としてある程度幾ら幾ら出さないと入会資格が得られませんよというようにもとれるんですけれども、その辺についではいかがでしょうか。
○山本保君 お答えいたします。 それも先ほどからの連続で考えていただければ明快だと思います。不当な条件を付さないということこそ、これが実は不当な条件であります。つまり、どのような条件を付すかというのが団体の自主性であります。例えば、今例に出されました入会のための会費でございますが、これなどもすべて公開をされその経理についても明確になっております。もし、例えば外国へ行くことが中心になってくるような団体であればそのための費用がかさむということで一般に比べれば大変高価な場合もありますでしょうし、そうでない、全く必要もない団体もあるでしょう。 また、せっかくですから申し上げますが、例えば不当な条件で、衆議院の方ではある一定の決まった大学の卒業生でなければならないとか、またある宗派の人でなければならないとか、こういうのが不当な条件であるというような議論がされているようでありますが、これなどもどうしてそういうことをもってそのことを条件にしてはならないのか。 まさにここで大事なことは、会員の制限をするということとサービスを不特定の方にするということとは別だということでございます。自分たちだけの利益を図るのであれば、先ほど答弁ありましたように、それはだめでありますけれども、一般の方に、自分たち以外の方の公益、利益のために活動するということが重要なのであります。 それを行う人間がどのようなグループであれ、それはその団体が自主的に決めなければ、不当な条件を付してはならないということで、もし何々宗の方だけではだめだというふうなことを言って、ほかの人を入れなさい。キリスト教の方たちが、例えばイスラムの方を入れたくないという、その気持ちはどういうふうに守られるんでしょうか。まさに、そういうことを決めること自体が、その団体の自主性を阻害するではないかということでございます。
○石渡清元君 特定の宗派とか団体とか、そういうことじゃなくて、経済的な、金銭的なことについてお伺いをしたわけでございます。 共産党さん案でお伺いするのは、設立について登記を中心に規定をされていますね。この登記主義についてはどういう考え方から出ているんですか。
○委員以外の議員(笠井亮君) 登記主義をとっている理由についてでございますが、非営利法人の自主性を最大限に尊重して確保するということが最大の理由でございます。 既存の公益法人制度では、許認可の権限を持つ官庁が、法人設立を準備する段階からいわば事細かに指導をして、定款の内容まで制約されるとか、あるいは省令によって必要以上に煩雑な報告事項が定められて、このことが団体の自主性を事実上奪って、よくありますが、外郭団体化というような形でのてことして作用する例がしばしば見られたと思うわけでございます。 団体の自主性を最大限尊重するということは、いわばこのNPO法の傘とも言うべきものと考えておりまして、法人設立の手続に行政庁を関与させたり、省令委任による行政の関与の余地をつくったりすべきではない、このように考えているところでございます。 そこで、本法案におきましては登記書の届け出のみで法人を設立できるようにいたしました。また、省令への委任という形でこれを一切行わず、必要最小限のことは法律そのものに書き込むという形をとりまして、細目は非営利法人委員会というものに権限をゆだねるということで、いわば自主的に解決できるようにしております。
○石渡清元君 それでは、与党案の所轄庁についてお伺いをいたします。 二県以上にまたがるところは経企庁というんですけれども、では経済企画庁を所管庁とした理由はどこにあるのか。
○衆議院議員(河村建夫君) 所轄庁の問題でございますが、二県以上にまたがる場合の扱いについてこれを経企庁にいたしておるわけでございます。それは、いわゆる国民生活全般に絡む市民活動であるというところから経企庁にということになっておるわけであります。 ただ、二県以上にまたがる場合は経企庁でありますが、どこをもって二県以上にするかというような問題があるわけであります。これはかってオウム真理教のああいう大問題が起きたときにいろいろな角度から考えて、一県だけで活動している、他県にまたがっているケースをどういうふうにして分けていくかという問題があったわけでありますが、これは活動の事務所を他県にまたがって置いている場合というふうに考えておるわけであります。事務所が一県だけでやっておる場合には、その所管の県知事に届けて認証をさせる、事務をさせるということにいたしておるわけであります。
○石渡清元君 そうすると、所轄の都道府県知事の任務は機関委任事務ではなくて団体委任事務、そういうことでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) お尋ねのとおり、本法案における都道府県知事の事務につきましては団体委任事務であって、いわゆる国の事務、機関委任事務ではないと考えておるわけであります。このことは、この法案の第十条第一項にも、都道府県で市民活動法人を設立しようとする場合にあっては、都道府県の条例で定める、こううたっておるわけでございまして、団体委任事務と考えておるわけであります。 特に、また地方分権の推進の観点もございまして、当該都道府県の地域的特性等を考えて権限行使等が望ましい、こういう政策的判断に根拠があるわけであります。
○石渡清元君 そうすると、自治事務に対して団体委任事務という言葉があるわけでありますので、団体委任事務にするならば、むしろ経企庁より自治省の方が地方団体にとってもなじみが深いような、そっちでもいいような気もするんですが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) 主務官庁の問題については、これはかなり広範なことでありますので、各省大臣という御意見も確かにあったわけでありますが、国民生活を所管する主務官庁というのは経済企画庁設置法等によりまして、いろいろな論議の中からこの法案の所轄庁としては、経企庁長官といいますか経済企画庁が望ましいというふうに考えておるわけであります。
○石渡清元君 次に、設立の認証についてお伺いをいたします。 認証という言葉を使っておりますけれども、この法案における認証あるいは宗教法人法における認証との違い、認可という意味の方が、そういう要素が強いんじゃないかと思いますが、その辺のところはいかがでしょうか。
○衆議院議員(河村建夫君) この法案における認証の意味、かなり専門的な話になろうかと思いますが、いわゆる法人を設立するために特別の法律の制定を必要とする特許主義、あるいはその設立を許可するか否かを主務官庁の自由裁量にゆだねる許可主義、あるいは法律の定める要件を具備して主務官庁に申請すれば必ず認可を与えなければいけないという認可主義、さらに法律の定める組織を備えて一定の手続によって講じたときに法人の成立が認められる準則主義、法人設立の場合の立法の考え方にはこういうものがあるわけであります。 ただ、今回の法律が立法主義をどういうふうにとっているか、認可か許可が、あるいは認証かという法律上の文言だけで決まるわけではなくて、法人格付与の際の手続から実質的に決まっていくものであろうと考えられるわけであります。 今回のこの法案においては、所轄庁が認証の基準に合致しているかどうかを判断して、これに合致すると認められるときに必ず認証しなければならない、今回の法案の第十二条第一項にそのことを規定しておるわけでありまして、そういう観点に立つならば、言葉上は認証という言葉を使っておりますが、認可主義に該当すると考えられるというふうに思うわけであります。 それから、宗教法人法における認証につきましては、これは宗教法人の規則が法令で定める要件を備えておるかどうかを審査して、これを備えている、そしてその適合性を公に確認する行為であると。こういうふうに認められたとき、この規則の認証に法人格付与の効果を付着せしめている、こういうことになっておるわけでありまして、この宗教法人法の認証という考え方は、法人格付与という観点からは認可に近い機能というふうに考えることができるんではないか、このように考えております。
○石渡清元君 結局、認証という言葉は、ある行為が法令に適しているかどうかということを審査し確認して、その判断を表示する行為ということになろうかと思います。 旧平成会さん案の認証の申請のところをちょっとお伺いいたします。 都道府県の条例で定めるところにより認証を申請し、また条例で定める書類の提出を義務づけられておりますけれども、都道府県によって厳しい認証条件とか、あるいはいろんな書類がまちまちになっていても構わないという趣旨なのか。都道府県によってばらばら、条例で定めるんでしょう、その辺はいかがでしょうか。
○委員以外の議員(戸田邦司君) 実際の認証に当たりましで都道府県が条例を定めるわけですが、その定める条例というのは必要な書類についての書式、提出の方法その他、そういったことをわかりやすく定めるという意味合いでありまして、基本的にはこの法律の中に要件がきちっと定められておりますので、それらの要件が満たされるといいますか、内容がはっきりわかる、そういうようなことが主眼点になってくるかと思います。 そういったことで、条例が不必要なところまで立ち入って書類を要求するというようなことは、実際上はあり得ないことであろうと思いますし、あってはいけないことではないかと思っております。
○石渡清元君 時間が迫ってまいりました。 あと、論点の一つとしては定款や事業計画書の縦覧期間、与党案では一カ月という規定でございますけれども、これはいささか短いのではないかなという感がございます。その点についてのコメントと、旧平成会さん案では申請書類の縦覧規定がない、置かない理由をお答えいただきたい。
○衆議院議員(小川元君) 他の立法例を参照しても一カ月という縦覧期間は特に短いというわけではないと思います。例えば、環境影響評価法七条の事業方法書の縦覧は一カ月になっております。あるいは地方自治法七十四条の二の二項、条例の制定または改廃の署名簿の縦覧七日間、また都市計画法十七条、都市計画の案の縦覧二週間等々あるわけでございます。 ただ、本法におきましては法人の情報公開が非常に重要な意味を持っていることでございますので、縦覧期間について新たな御提案があればこれを真摯に受けとめることはやぶさかでない、そう考えております。
○委員以外の議員(戸田邦司君) まず、縦覧という性格でありますが、一般的に言いまして、縦覧というのは関係者の利益を保護する、あるいはその利益が侵害される場合に異議申し立てをする、そのために縦覧される、そういうことではないかと考えております。例えば、都市計画それから特許、こういったことについては通常縦覧されている、そういうことではないかと思います。 我々が提案している法律では、そのような問題については法律の要件に従って都道府県が認証する、そういうような仕組みになっておりますので、特別縦覧を必要としないと考えております。 ただ、その団体が事業を行って、その内容がいかがなものであるかということについては必ず事業報告を出し、またその経理内容を明らかにし、それらについては公表されることになっております。
○石渡清元君 最後の質問になりますけれども、衆議院でもこれはちょっと議論があったところなんです。正規の簿記の原則、これについて簡単に御説明ください。
○衆議院議員(河村建夫君) 正規の簿記の原則、これは企業会計審議会が定めた企業会計原則に用いられている言葉でございますが、同原則は企業会計処理上の基準として理解をされておるところでありまして、その内容は定着しているというふうに考えております。したがって、この正規の簿記の原則は会計記録の正確性を期す上でどうしても必要な基準となるべき記録計算方法とされております。 内容的には少なくとも次の三つがあると解されております。第一点は、取引記録が客観的にして証明可能な証拠によって作成されるものであること。第二点は、記録、計算が明瞭。正確に行われ、かつ順序、区分など体系的に整然と行われること。第三点は、取引記録の結果を総合することによって簿記の目的に従い企業の財政状況及び経営成績あるいは財産管理の状態などを明らかにする財務諸表が作成できるということでありまして、もともと企業会計上の考え方でありますが、この三点をこの法人にも最低限事務処理に必要なものとしてこれに準拠してこれを行うことによって適正な会計が行える、このように考えてこの言葉を用いているものであります。
○石渡清元君 終わります。
○竹村泰子君 民主党の竹村泰子でございます。 これまで議員立法をつくり、そして練り、修正をし、審議に臨むという大変な御苦労を重ねてこられた三党の提出者、発議者の皆さんに心から敬意を表したいと思います。 いよいよ参議院の審議が始まったわけでありますけれども、初めに、近年ボランティア活動への関心が高まってきておりまして、社会的に弱い立場にいる人や障害を持った仲間たち、高齢者の方々に対するあらゆる角度からの助け合いが重要視されるようになってきました。私も毎日のようにボランティアに明け暮れていた時代がございますけれども、こうした中で阪神・淡路大震災や日本海重油流出事故で全国各地から多くの市民が駆けつけ、献身的に働いてきました。 しかし、我が国はこうした活動を支える法がないため、個人や任意団体として活動しており、財政基盤も弱く、事務所や電話の契約、銀行口座の開設、私どもの仲間たちも大変な苦労をしております。国際的にも信用度が低くて、世界で活動している多くのボランティアたちは非常に不自由を感じています。この間、国民世論もマスコミもこの市民活動の制度の改善を強く望んできたというふうに私は見ておりました。 衆議院の内閣委員会でも三つの法案の審議が重ねられて、私も議事録を拝見いたしましたが、十八時間の審議の内容を大体わかっているつもりでありますので、余り同じことが重ならないようにしたいと思います。 そこで最初に、この市民活動促進法、与党そして民主党が修正されたこの案につきまして、この法案が国会に提出され、そしてなぜ今こんなに長い時間をかけてNPO法案が審議されているというふうにお考えでございましょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 今、NPO法案がこのような審議をされるに至った経過といいますか、そういうことのお尋ねだと思うわけでございますけれども、一口に申し上げますと、一つは時代の要請ということが成熟をしてきたんだろうなという思いでございます。 竹村先生御指摘にございましたとおり、阪神・淡路の問題を含めて、ボランティア、市民の自主的な活動の必要性、こういうことが広く社会的認知を得るようになった。そして、財政基盤も含めて、より活動ができる法的整備がまさに社会的要請になったという時代の変化があろうかと思うわけでございます。 国際的にはさまざまなNGOが活躍しているわけでございますけれども、諸外国には法人格を取得するのが当然という法制度があるにもかかわらず、我が国では民法三十四条しかないわけでして、それがために法人格を取得できない、ビザの取得にも事を欠く。なぜ日本のNGOは法人格がないのかという国際的な信用にもかかわるわけでございます。そういう国際化の進展というものが一つはあろうかと思います。 それと、阪神・淡路に象徴されるような事態の中でのNPOの存在意義が極めて高く評価をされたということが一つ、あるいは介護保険法案、昨年末に成立をしたわけでございますが、この法律自体も非営利の介護サービスの提供ということを期待しているということもございます。 そういう社会的な、時代的な要請を受け入れる素地が国会の中にもできてきた。連立の時代と申しますか、大きく時代が変わったなという思いなのでございます。衆議院の審議の中でも、大変キャリアのおありの奥田敬和先生なども時代の変わりようということを言及しておられたわけでございますけれども、まさに今NPO法案がこのように審議をされているということ自体、社会的な時代の要請、そしてそれを受け入れる国会の変化、こういう大きな変革の中での出来事であろうと思っております。感慨深く審議に臨んでおります。
○竹村泰子君 ありがとうございます。 今お答えいただいたとおり、目的は市民活動促進のためでありますけれども、市民活動や市民団体がこれからの社会システムの中でどういう位置づけになるというふうにお考えでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) 今の時代の要請そのものが自律といいますか、あるいは分権といいますか、自己責任といいますか、そういうことを社会の基盤にするということが大きく変化をしておるわけでございます。その経済社会の変化の中で自主的な市民活動、自律的な市民活動というものは社会の一方の大きな柱にこれからなる、まさになりつつあるんだなという思いでございます。 今までは、一つは株式会社を中心とした営利セクター、もう一方には行政のセクターがあったわけでございますが、その両者だけでは担い切れない非常に極めて価値観が多様化して、そして自律、自己責任というものに基づく社会的ニーズが非常に大きい中で、諸外国で言うところの第三セクターとしてのNPOがこれからの社会を構成する、官と営利セクターのほかにもう一本の第三セクターとして大きな役割を果たしていくことになる、こう思っております。
○竹村泰子君 そこで、かなり広く私どもの周辺から心配をされている部分について確認をさせていただきたいと思います。 二条の二項にありますが、「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものではないこと。」とか、政治上の主義を主たる目的とするものではないものとか、特定の公職にある者、政党を推薦し支持するものではないこととか、そういうところがあります。 例えば、曹洞宗のボランティアの皆さんなどは大変有名でございますが、私どもの仲間にも非常に古くからその信ずるところによって世界に広くボランティアあるいはいろいろな相互援助の運動にかかわっている人たちがたくさんおります。そういう方たちに「主たる目的とするものでないこと。」というところで、たとえその母体が宗教団体であっても、その伝道あるいは宗教行事ということではない場合には許されるのである、というよりもむしろ大いにやっていただきたいということなのかどうか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(金田誠一君) 全く御指摘のとおりでございます。まずはそのことを明確に申し上げておきたいと思うわけでございます。 まず、第二条には、「この法律において「市民活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、」云々ということがございます。したがって、市民活動を行うことを主たる目的とする団体ということでございますから、主たる目的は市民活動、そのために法人を設立する、法人格を期待するというためにつくる立法でございます。それが第一点でございます。 そのときに、それでは宗教上、政治上の問題が懸念をされるということでございますけれども、主たる目的が市民活動を行う団体であれば、そのほかに従たる目的とでも申しますか、付随する活動とでも申しますか、さまざま派生してくるのはもう当然のことでございまして、そのことを規制する意図は全くございません。この条文上も、「儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」ということで明確に記載をされておるわけでございますから、主たる目的はあくまでも市民活動が主たる目的である、その他付随する目的、従たる目的等々はいろいろありましょうけれども、何ら規制するものではないということは明白でございます。 政治上の主義の推進等につきましても、これを主たる目的とするものではないということでございます。それもさらに、政策について云々ということではなくて、あくまでも政治上の主義を推進し、またはこれに反対することを主たる目的とするものではないということで、主義に限定して非常に絞り込んでおるということで御理解をいただきたいと思います。
○竹村泰子君 これが主たる目的ではないのだということをだれがどこで判断をするのかということが非常に重要になってくるというふうに思いますが、与党案の発議者はそのあたりのところは行政なり所管庁なりがそういったことをしっかりと監督といいますか、判断ができるというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) まず、法人を設立しようという方が、みずからその「宗教の教義を広め、」などを主たる目的とするという御自身の御判断から出発をするのだと思います。法人の設立に際して、「宗教の教義を広め、」云々を主たる目的にしようということで申請をされるとすれば、それはこの法律に該当をしないということになろうかと思います。あくまでも市民活動を目的とする、そのみずから行おうとする市民活動がこの別表の何に該当するのかというその申請者の意志が第一義的でございます。 だれが判断するかという場合に、まずは申請者御自身がみずからの意志をはっきりしていただくというところから出発をするというふうに思います。あとはそれを認証する各機関、経企庁であったり都道府県知事であったりということになろうかと思いますが、御指摘の件については、立法者の意図としては、設立の主体が宗教的な背景を持つとか宗教的な教義に裏づけをされているとか、そういうことは一切がかわりのないことでございまして、あくまでも主たる目的によって判断をされるということでございます。
○竹村泰子君 市民活動をまず信じようということから始まる、大変賛成でございますけれども、中には結構いろんなことを考えて申請してくる人もあるかもしれないので、ちょっと念のためお伺いをしておきました。 次に、第十条で、「社員のうち十人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面」とありますけれども、これは外国人でもよろしいでしょうか、具体的にどのような書面を想定しておられるでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) この部分も衆議院の審議の経過の中で修正になった部分でございまして、その意図は、御指摘のとおり、外国人の方であっても役員に当然なり得るという立場から修正が加えられたところでございます。 現実に、日本のNPO団体が海外でNGOとして活躍をする場合、現地法人をほとんどの場合取得しているという状況があるわけでございますが、逆に、外国の団体が日本では法人格を取得できないということは極めて不合理でございます。したがって、これにつきましては外国人の方が役員となっておる団体であっても当然のこととして法人格を取得できるということでございます。 具体的に提出する書類でございますが、住民基本台帳法の適用を受ける方については住民票に記載された住所、その証する書面ということになります。外国人登録法の適用を受ける方は外国人登録原票に登録された居住地を証する書面ということになろうかと思います。外国人の方も、主として外国に居住されている方についてはその旨を証する書面ということでございまして、当初の原案では住民票の抄本といったしか表現だったと思いますが、それを外国人を想定してこのように修正を加えたということでございます。
○竹村泰子君 在日の外国人の方もいらっしゃるわけですけれども、当然そういうことの区別と申しますか、そういうことはございませんね。
○衆議院議員(金田誠一君) 在日の方につきましても御指摘のとおりでございまして、何ら区別、差別等はございません。
○竹村泰子君 第四十四条に、「この章に定めるもののほか、この章の規定の実施のための手続その他その執行に関し必要な細則は、総理府令で定める。」となっています。これは役所に広範な監督権を与える条項にはならないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○衆議院議員(金田誠一君) この法律は、極力政省令にゆだねる部分を少なくしようという意図で立法されてございます。したがって、その提出する書面なども可能な限りこの法律そのものにうたい込むということで法律ができ上がってございます。 そこで、この四十四条の総理府令でございますけれども、このような法律、立法の趣旨からして、包括的委任事項と解することは適当ではないと思います。したがって、この規定に基づいて定めることができるのは、例えば提出書類の規格を日本工業規格のA列4番とする等の形式的な事項についてのみここに委任をしてあるということで理解をいただければと思います。 この法律にうたい込めないさまざまな届け出の様式とか書式とか、そういうものが付随して出てくるわけでございますけれども、あくまでこの法律の趣旨に基づいて、限定的に必要な事務的なものを政省令にゆだねたということで御理解をいただきたいと思います。
○竹村泰子君 市民活動促進法案ですから、なるべく総理府令にゆだねるというようなところは少なくあるべきだと、今後の将来的な見直しのことも含めて一言申し上げておきたいと思います。 この法案が成立すれば各都道府県が条例をつくることになると思いますが、どのような手続を踏んでいつごろ施行されると、与党案でいらっしゃいますから、いつごろ施行される予定とお考えでありましょうか、与党の責任でお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(河村建夫君) 御指摘の点でございますが、この法案は附則の第一項において、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」と、こうなっておるわけでございます。この公布から施行までの期間はいわゆる法律施行のための周知期間ないしは準備期間ということになっておりまして、各都道府県においてもこの期間内に条例を制定する等の所要の準備を進めでいただくことになろうかと、このように思います。
○竹村泰子君 それでは、この市民活動法人制度が三年で見直しと附則にございますね。この実効性についてと申しますか、衆議院の議事録も大分拝見いたしましたけれども、熊代議員が、三年でやるためには二年以内に結論を出さないといけないとか、そのときには優遇措置は最も重要な施策の一つであるとか、いろいろお答えをしておられるわけですけれども、三年見直しの実効性及び積み残されてしまいそうな税制の優遇問題、こういうことについての見通しを与党案を発議された皆様はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(小川元君) 衆議院でも熊代代議士が答弁をしておりますが、三年以内にこれは必ず見直しを実行する規定になっておりますので、そのようにさせていただきたい。そうなりますと、その準備期間というものが必要でございますから、二年という期限を切るわけではありませんが、大体その辺のところでは見直し作業に着手しなければならないというふうに考えております。 なお、御指摘のございました税制の問題でございますが、大体二年あれば市民活動の実態というものをほぼ把握できるものと考えておりまして、その実態の把握に基づきまして税制の問題も当然見直しの一つの重要な項目として取り上げさせていただこうと考えております。
○竹村泰子君 それはしかと承りました。 私たちももうよく知っているように、現在日本の市民活動は個人の多大な犠牲の上に成り立っていると言っても決して過言ではないと思います。 ほんの一例なんですけれども、私の仲間たちが札幌でいわゆる女性の駆け込みシェルターをつくっております。五年前につくられましてからもう三組の人が新しいスタートをしておりますけれども、夫の暴力から逃げて、ほとんどの人が着のみ着のままで子供の手を引いて駆け込んでくる。 私たちが暮らすこの社会には、性暴力が女性の基本的人権を脅かす重大な犯罪行為であるというふうなことが余り認識がない。被害者の救済、自律へのサポートといった対応策が決定的に不足をしております。再出発のために必要なサポートを得る場所として、それは想像にかたくないのですけれども、暴力の遮断、安全の確保、心身のいやしと回復、行政サポート、離婚手続、それはそれはもう大変な行政関係諸機関との交渉、そういったことを何の助けもなく市民運動が全部こなさなければならない、もちろんお金もつくらなきゃならない。ほんの一例でありますけれども、こういう情けない現状と言ってはあれでしょうか。 私たちがこの議論を重ねてきた時の流れの中で、既に一部の地方自治体ではNPOを支援する条例や体制づくりに動き出しております。 私の地元北海道でも、NPO活動推進プロジェクトで昨年六月に中間報告を出しました。その方向として、行政にとって対等なパートナーとしてNPOを考えること、行政自体がNPOの提言などを政策化できる機能的な仕組みをつくること、多くの市民がNPO活動に参加できるための情報発信・受信機能を整備すること、NPOの独立や自律性を確保して活動しやすい基盤や土台づくりを担い、企業の積極的参加を促す環境づくりが必要であることを挙げ、その検討に入っております。 また神戸市では、先日の新聞ですが、この法案の成立後の早い時期に条例を改正すると、自治体としては全国初の取り組みである、被災者支援NPOに税優遇をするという、こういう非常にうれしいニュースが入ってきております。 立法府に籍を置く一人として、この法案の審議を進め、さらによりよいものとして成立させることが私たちの責任であるというふうに思うわけです。この国の輝かしい未来のために、市民活動促進の制度化の意義をもう一度再確認して、前向きな徹底的な議論をしようではありませんかと訴えかけたいと思います。 そこで、市民公益活動法人法案についてお尋ねをしたいと思います。 公明、平成外有志の皆さんでお出しになりました。この法案での争点の一つは、公益をだれがどう判断するかだったというふうに理解しております。公益ということをどのように考えておられますか。
○委員以外の議員(戸田邦司君) 実は公益ということにつきましては、民法三十四条の公益法人というのがありまして、あれが公益であるかと、こう考えられているかもしれませんが、私も民法三十四条の団体を二、三立ち上げたことがありますが、その民法三十四条の法人を立ち上げる欠点といいますか、これは先ほども指摘されておりましたが、例えばある省の管轄の問題であるのならその省が公益と認める、その場合に複数の団体は認めておりません。ですから、事業が重なるようなことについては単独でしか認めない、そういうようなことをやっておりまして、言うなれば、ここで言われている公益というのは官給品の公益と考えていいかなと私は思っております。 そこで、この公益の概念ですが、私も公益というのははっきり言いあらわすとどういうことになるのかと思いまして、広辞苑を引いてみました。広辞苑には「国家または社会公共の利益。広く世人を益すること。」、反対語として「私益」と書いてあります。それで、公益というのはそういう概念で、平たく言えば世のため人のためになる、そういうような事業を行うということであろうかと思います。 そういったことで、我々の法案では詳しく公益を項目立てては書いておりませんが、それはどうしてかといいますと、世の中の人々の価値観が非常に多様化している時代、さらに社会が目まぐるしく変化している時代、そういうような中で地域的に特色を持っている、そういったものもすべて公益という概念でとらえられるのであれば、この中でとらえていったらいいのではないかということで、我々は例示的に幾つかの項目を挙げ、さらに「その他の社会一般の利益の増進に寄与することを目的とする」と、そういうような表現でこの法律を書いているわけであります。 ですから、市民活動促進法案に書いてあります十二項目と言いますが、実は十一項目だと思いますが、それはすべで含んでいる。それから、民法三十四条で言っている公益としてとるえられる中身、これについてはほとんど網羅できるのではないか。さらに、先ほど申し上げましたように、「社会一般の利益の増進に寄与する」、そういうようなことでこれから新たに起こってくる問題についても対応できるのではないかと、そういうふうに考えております。 アメリカにブルッキングスという政治関係の研究所があります。ああいったものも含まれるだろうと思いますし、それから政治的にというようなことを言うのであればスウェーデンの平和研究所、こういった活動も中に入ってくるだろうと思います。政治的なものだけではなくて、その他非常に広い範囲で物をとらえてよろしいんじゃないかと思いますが、例えばスポーツの世界でいきますと、一般のスポーツとは若干性格が異なっておりますが、アメリカズ・カップというヨットレースがあります。これは主催者もNPO団体であり、かつアメリカチームはこのNPOの恩典に浴してチームを編成して出てきている、そういうようなことでもあります。 そういったことで、この中ではできるだけ広くその地域の人が公益と認められるようなことについては包含されるように包括的に表現しております。
○竹村泰子君 ありがとうございました。 あと、衆議院の公聴会のときに、ある一人の方がこんなことをおっしゃっております。 私たちNPOが社会的な公共の利益のために活動するというのは当然のことです。一般的な公益活動を否定しているわけではありません。問題はその解釈にあるというふうに考えております。 これまで、不特定多数の利益は、多くの場合、行政の公益判断として使われてきました。その中で、いろいろ言っていらっしゃるんですけれども、 だれでも自由に参加できる形態はすべて保障しているわけです。アメリカのNPOにおける公益概念の、対象となるクラスを差別化しないというとらえ方は、私たちにとって大変わかりやすい考え方だと思っております。 そこで、不特定多数の利益によって著しく対象が狭められることのないように、従来の公益概念ではなく、新しい考え方で柔軟な解釈をしていただきたいというのが第一点であります と、従来の概念ではない公益のとらえ方というか、そういうことをここで陳述をしておられるのですけれども、まずは今の概念のとらえ方についてどうお考えか、あるいは今後どのようなものとして成長していくとお考えでしょうか。
○委員以外の議員(戸田邦司君) 市民活動促進法案の中で我々が危惧しておりますのは、私も役人を長いことやりましたのでよくわかることでありますが、項目が書いてありますと、それに厳密に合致するかどうかというようなことでその活動を判断していく、そういうようなことになりはしないかと思います。特に、税制上の優遇措置などもあわせ考えますと、相当限定的に運用される危険性があるということではないかと思います。 私は先ほどいろんな例を挙げましたが、さらに一つつけ加えさせていただくのであれば、例えば小澤征爾氏が音楽監督をやっているボストン・シンフォニー、これも明らかにNPOで運営されている。そういうようなことでありまして、その地域の市民にとってこういうことは我々も望んでいる、こういうことこそ公益なんだと思うことを地元の人々が盛り立てて、それで公益法人をつくり、公益活動をしていく、そういうような時代に入ってきていると思いますから、私も竹村先生から御指摘いただきましたような時代に入ってきているということで、我々の法案をつくってまいりました。
○竹村泰子君 また、これは別の日の公聴会、その二の方でありますけれども、別の方がこんなことも言っておられます。公益というのは、「公益の概念からいきますと、公が行うこと、そのことが公益であって、市民が市民自立でやるものは公益でないというのが今までずっとあったというふうに思うのですね。」、「補助金の問題もそうです。」というふうに言っていらっしゃいます。その後で、「現在の公益の概念というのは、やはり市民が市民の力で、自分がつくっていくことだというふうに思うのですね。だから、公に供するというか、いわゆる行政とか国とかの利益と一致しないと公益ではないよということではない」と、これは劇作家の方でありますけれども、そんなふうに言っておられます。 それについて。済みません、このところちょっと予告しておりませんが、申しわけありません。
○委員以外の議員(戸田邦司君) まさしくそういうことではないかと思います。 今までの民法三十四条の公益法人といいますと、これは役所にとってプラスになるかどうかという一つの物差しが背後にあって公益法人をつくってきた。ですから、業界団体のように、公益と言いながら対外的にそういうような活動をするのではなくて、自分たちのための利益、共通の利益を求めて、いわば共益というようなことを追求してつくられた団体が民法三十四条の団体には多数あります。 そういったことではなくて、先ほども申し上げましたが、役所にとって公益であるかどうかという判断ではなくて、市民の皆さんがこういうようなことをやってほしい、あるいはこういう活動をしたい、それが共通の利益になる、世のため人のためになるということであるのなら、そういうようなものをすべて認めていっていい時代になってきているのではないかと思います。 これは社会活動の中で、一つの社会が活性化するかどうかという問題とも深くかかわり合っておりますし、また税法上の問題も解決できるということであるなら、そこからの経済に対する波及効果もこれは見逃していいほどの小さいものではなく、相当の規模と考えてよろしいんじゃないかと思っております。
○委員以外の議員(都築譲君) 補足発言よろしいですか。 先ほど来、竹村先生のお話を聞いておりまして、戸田発議者の方から回答があったわけですが、今回このNPO法案がこういう形で三案もこの労働・社会政策委員会で審議されていること自体大変画期的なことでございますし、今日のNPOという活動に対する社会全体の認識が大変強まってきているのではないかな、こんなふうに考えております。 私自身、戸田先生と同様に実は行政の経験を持っております。行政の立場からいえば、やはり明治憲法が制定されて、各省が設置をされて、その中で結局国家管理型の国づくりをあの明治の時代は急ぐためにやってきただろうと思います。戦後も、新しく憲法が制定されて国民の自由といったものが幅広く認められる。当然のこととして認められることになったわけでございますけれども、政府の仕組みは、やはり戦後の荒廃からどう立ち上がるかということで、例えば郵便事業であるとかあるいは運輸の関係とか通産とか、そういうふうな形で産業振興とかあるいはまた社会政策とかいった観点から、それぞれ国民全体を国全体が後見的な立場で見ていくという枠組みになっておったと思います。 このNPO法案自体が実は省の枠組みにとらわれないというか、はざまに落ちてしまう省際分野も相当広がってきているのが現実ではないかなと、こんなふうに思うわけでございまして、だからこそ、このNPO法案の問題について経済企画庁さんがなぜやられるのかというふうなことも大変疑問に思いますし、社会生活ということであれば、むしろ労働省とか厚生省とかいろんな分野、あるいはまた学校関係ということであればそういったところもあるけれども、省際分野として今までの省の枠組みにはとらわれないところが入ってきているのではないか、こんな印象も持っておるわけでございます。 そういった意味で、大変世の中の価値観が多様化しておりますし、高度化しておりますし、さらにまた市民の自由な発意に基づく活動で社会一般の利益を増進するという活動が大変重要な意味を持ってきております。そのことは今回の旧平成会案と申しますか、その案をつくるに当たって、先ほども議論があったかもしれませんが、いわゆる小さな政府というふうな形で、国家が何事にも干渉するのではなくて、むしろもっと市民分野にゆだねるところはゆだねて、国家自身がその分野を限定していくことによって大きな構造改革のまた端緒にもなっていくのではないか、そんなふうに理解をしておりますので、ちょっと補足して説明させていただきました。
○竹村泰子君 このNPO法案が成立すれば状況は随分変わってくると私も大いに期待しているんです。 現実には、もとお役所におられた方もおられますし、与党の方々もおられますから申し上げますが、今、私も非常に大きな世界的な一つの団体の公益法人に向けての認証をしていただきたいということでずっとかかわっておりますけれども、二つの省の間で、あっちならいいよ、こっちならいいよと、お互い自分の迷惑にならないようなそういうなすり合いというふうなことで長いこと、もう一年、もっとかかっているんです。 ですから、今、戸田先生からも都築先生からも大変いいお答えをちょうだいいたしましたけれども、どうか願わくは、公益というのは一体国のためなのか市民のためなのか、だれのための公益なのかということを判断できるようなNPO法案の成立であってほしいなと思うわけで、一言お伺いいたしました。 それで、もう一つだけこの市民公益活動法人法について。 さっきもちょっと出ておりましたが、私、山本先生の御説明がよくわからなかったのですけれども、百万円以上の寄附、それから「五十万円以上の財産を基本基金として保有すること。」、この根拠は何なのでしょうか。なぜ百万円の寄附を集めなければならないのか、それから五十万円というのはなぜ五十万円なのか。これ、債務保証にもならない中途半端な額ではないでしょうか、根拠は何でしょうか。
○山本保君 先ほどは言葉足らずだったと思いますので、せっかくの機会ですから御説明させていただきます。 まず額でございますが、設立時の設立寄附金としまして、以上ではございません、百万円でございます。通常持っている基本基金として五十万円ということにしておりまして、それも現金以外のものでもいいというようなことにしております。寄附金につきましては、一人一万円以上の寄附を十人以上から集めるという形をとっております。先ほど石渡先生からも御質問があったわけでございます。 ここだけ見ますと、何か経済的な条件を付しているというふうに見られると思いますが、先ほど御説明しましたように、実は私どもは、このことを唯一の要件、客観的要件によって活動内容が入るか入らないかとか、またはその活動が政治性を帯びているか、宗教性を帯びているかというようなことを役所が判断しなくていいようにこの唯一の条件を課したということでございます。 その根拠は何かということでございますが、実は考えてみますと、私どもの社会にはいろんな営利活動、自分でお店を持っているような個人事業者がたくさんございます。この方たちがある社会的な信用性をとるために一番簡便にとれます法人格が有限会社でございます。有限会社は、先ほど御説明があったようにまさに準則主義で、三百万円という基金を積みますと、その証明があれば基本的には有限会社ができることになっております。逆に言えば、それは株式会社等と比べますと、その程度の社会的な信用であるということを明示するわけでございますから、社会的にもそれなりの位置を与えられているわけでございます。 私ども考えますのに、例えば年に一回か二回ボランティアをやりたいというようなものと、さっき竹村先生がおっしゃったように、本来であるならばもう既に国際的な法人格もとっていいような、一生懸命やっておられるが、しかし、金額であったりまたは役所の恣意的な理由でなかなか認可されないというような活動をやっているという方と同列に論ずるのはどうであろうかと思うわけであります。 つまり、法人格を与えるということは、それは社会的な信用または取引の安全ということをお役所が保証するということでございますので、それが何もなしでただ単に活動をやっておりますというだけで法人格になったのでは、逆に社会に混乱を与える。一生懸命まじめにやっている人にとっては、こんな法人格をとればとるだけ何も意味がないということにならないかということであります。 ですから、ここで法律的なある仕組みというものを持って何か社会的な信用を保証する、こうなりますと、先ほど申し上げたように、実は有限会社という形で三百万円を積めばよろしい、これが社会的な信用である。これをもとにしまして、私ども、市民の皆さんの善意が活動に結集したということであれば、善意ということ、署名活動とかいろんな形がありますけれども、やはり今の取引関係で信用となりますと寄附金というのがまさに善意の一つの形であると考えたわけであります。ですから、寄附金をある一定額以上積んでいる、そのことをもってこの団体が法人格を有する唯一の要件にしたわけです。 額については、実は三百万円というものよりは少なくてはならないということから、実際にやっておられる方からなるべく少なくしてほしいというお話もありましたので、団体の意見なども聞きながら、現在の社会で、一たん百万円程度集めることは永続的に頑張っておるNPOであれば可能ではないか。しかも、この百万円はすぐに五十万円使って、残った五十万円だけ保管しておけばいいということでありますので、実際に事務所を借りたり人を置いたりというような活動をする場合にこの程度のことは皆さんやっておられるのではないかということで五十万円と百万円ということを設定したということであります。 もしこの額がもっと低い方がいいという考え方があったとすれば、これはもともと法律的な意味を持たせるためのものでございますので、五十万でなければならない、百万でなければならないという意味ではございません。
○竹村泰子君 小さな団体が、志のある人が集まって五、六人で最初はスタートというふうな場合が多いと思いますので、百万円集めるのもなかなか大変なことがよくあります。なぜ五十万なのか、なぜ百万なのか、ちょっとその根拠を不思議に思いましたのでお伺いをいたしました。でも、必ずしもそれにコンクリートにされているわけではないというお答えでございましたので、わかりました。 それでは、共産党案についてお伺いいたします。 その目的に「当分の間の措置」とありますけれども、趣旨説明では「民法の改正を待たずとも、準則主義による法人格付与が可能」となっておりますが、「当分の間」というのはどういう意味でしょうか。
○委員以外の議員(笠井亮君) お答えいたします。 実は、この問題は参議院段階で私どもが提案いたしますときに一番苦労した問題の一つでございまして、私たちが衆議院段階で提出をいたしました非営利団体への法人格の付与等に関する法律案におきましては、法律を非営利法人制度の基本法として制定するという立場をとっておりました。そのために必要となる民法等の条文の整備を別法によって行うという規定を置いていたことから、質疑の中あるいはその他でも、民法の改正には時間がかかるんではないかという御意見や疑問もいただいたところであります。 そういうことも踏まえましていろいろ検討をさせていただきまして、今回提出をいたしました法案におきましては、附則の第二項におきまして、「営利を目的としない法人に関する制度については、その全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとする。」ということで明記をしております。つまり、このことは、この法律を成立させていただきますならば、民法の改正を含む非営利法人制度の全般的な整備を必ず行うということになってくる、「当分の間」ということはそれが行われるまでという意味でございます。
○竹村泰子君 お考えはわかりましたが、この方法で「当分の間の措置」とさえすれば、すべての法律は改正せずに特例法がつくられるということになりませんか。とりわけこのことが必要とされる基準、判断は何でしょうか。
○委員以外の議員(笠井亮君) この法律は、特例法ということで臨時的な性格を持つものでありますけれども、非営利団体一般の法人制度を創設するというものでありまして、非営利かつ公益についての法人制度を規定しました民塗二十四条に対する特別法ではないというふうに考えております。 「当分の間」というのは、私ども無限定に使っているわけではございませんで、附則にあります非営利法人制度についての全般的な検討とそれに基づく必要な措置が行われるまでという意味でございます。そういう措置が行われれば、それによって整備される非営利法人制度の全体的な体系という中にこの法律による法人も位置づけられるということになっていく、つまり、この法律自体が民法の規定に取ってかわるものではないということで整理をさせていただいているところでございます。
○竹村泰子君 いろいろお聞きをしてまいりましたが、時間が大分迫ってまいりました。 私もさまざまな方々から御意見をいただいておりますし、地元でも、NPO法案を一日も早く制定してほしいという団体、勉強会を持っておられる皆さん、あるいはこのNPO法案を通してはならないというふうに反対する申し入れ書というのもいただいたりしております。憲法違反の疑いが濃厚だとかさまざまな御意見をちょうだいしているわけでございますけれども、やはり私個人としては、この法案が国会で審議されるようになったということについては、非常に時代の流れを思うというか変遷を感じるというか、私も市民運動にかかわっていた者の一人として大変うれしく思っているわけです。 最後に、私は、アメリカやイギリスやドイツのように公益性が認められれば、すべて税の優遇が受けられるようにすれば市民の自発的、自律的な活動が飛躍的に活発化するだろう、また活動の透明性を確保するために情報公開を義務づけた上で届け出るだけで法人格が取得できるようにすればいいのだけれどもなというふうに考えております。 市民活動に対して、これはだめ、あれはだめ、これはよくないというふうな懐疑の姿勢ではなくて、市民活動をまず信頼すること、このことが大切ではないでしょうか。そして、違反に対してはもちろん厳しく対処するということが重要ではないかというふうに思います。 これらの市民活動にどれだけ多くの国民が参加するようになるか、いわばこれからの日本のよりよい方向転換を可能にするかぎだと思います。この閉塞感のあふれる現在の社会の転換のキーワードという考えで、委員長も委員の皆様もともどもこのNPO法案の早期成立に向けて努力していただきたいというふうに思うわけでございます。
○委員以外の議員(笠井亮君) 竹村委員から、「当分の間」ということでやることが必要とされる基準、判断ということにつきましてあわせて御質問がありました。私、落としましたので補足をさせていただきたいと思います。 私ども、こういう形で「当分の間」という措置でやっていくということが必要とされる判断、基準という問題についてですけれども、これは立法政策の観点からのものであるというふうに考えておりまして、三つを考えております。 一つは、民法改正を含むこうした抜本的な非営利法人制度の全般的整備がいずれは避けられないという認識でございます。それから二つ目に、同時にそれが一朝一夕に実現はしがたいという認識もある。そして三つ目に、当面そういう中で法人格を待望している自主的な民間団体の声にこたえることが急がれているという三つの認識から、「当分の間の措置」としての法人格付与が現実的でいいのではないかということで考えたところであります。 この点につきましては、答弁側におられます民友連の金田議員も、昨年五月二十九日の衆議院内閣委員会でこういう形で発言をされていると思うんです。本来であれば民法改正を伴う非営利法人一般法が必要なのだということを痛感しているというふうに述べられまして、さらに抜本的な非営利法人一般法なりについては、そう短兵急にできるものではないが、NPO法に対する市民の要望が強い、だから必要最低限の法整備をするという趣旨で発言をされているのを私注目させていただきました。 当面の立法政策につきましては、もちろん考えはさまざまでございますが、少なくともこの「当分の間の措置」ということが必要になっている現状につきましては、かなりそういう意味では共通の認識を持たせていただいているのかなということも感じておりますので、そのこともあわせて補足答弁をさせていただきます。ありがとうございました。
○竹村泰子君 皆さん、ありがとうございました。
○委員長(鹿熊安正君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕