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142回国会参議院1998/06/16

予算委員会 第20号

発言数
327
登壇者
36
会派数
8
開催日
1998/06/16

会議録

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成十年度補正予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日の総括質疑の割り当て時間は百四十分とすること、各会派への割り当て時間は、自由民主党六十分、民主党・新緑風会二十四分、公明十八分、社会民主党・護憲連合十三分、日本共産党十分、自由党七分、二院クラブ四分、新社会党・平和連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十年度補正予算三案の審査中、必要に応じ、日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 平成十年度一般会計補正予算(第1号)、平成十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣松永光君。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 平成十年度補正予算の大要につきましては、既に本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、その内容を申し上げます。  最初に、一般会計予算の補正について申し上げます。  まず、歳出の補正について申し上げます。  政府は、我が国経済を力強い回復軌道に乗せるとともに、二十一世紀における活力ある我が国経済社会を実現するため、去る四月二十四日、総事業規模十六兆円を上回る過去最大の総合経済対策を決定いたしました。  今回の補正予算におきましては、この総合経済対策における各般の施策を実施するため、歳出面において、二十一世紀を見据えた社会資本の整備の一環として、環境・新エネルギー特別対策費七千八百四十九億円、情報通信高度化・科学技術振興特別対策費八千二百六十五億円、福祉・医療・教育特別対策費五千二百三十八億円に加え、物流効率化特別対策費四千三百三十億円、緊急防災特別対策費四千三百十七億円、中心市街地活性化等民間投資誘発特別対策費四千三億円を計上するほか、災害復旧等事業費千七百二億円を計上することとしております。また、最近の経済・金融情勢等にかんがみ、土地流動化対策費四千百三十五億円、中小企業等特別対策費等二千九百七十二億円等を計上するとともに、経済的困難に直面しておるアジア諸国の経済安定化等に必要な経費三百億円を計上することとしております。  なお、今般の平成十年分所得税等の特別減税の追加実施等に関連して、臨時福祉特別給付金等二千七百二十九億円を計上しているほか、その税収の減少に伴う地方交付税交付金の減額四千七百十四億円に対し、同額の地方交付税交付金の追加を計上しております。  他方、歳入面においては、租税及び印紙収入について、今回の対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴う減収見込額一兆四千七百三十億円を減額するとともに、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として六兆千百八十億円の公債の追加発行を行うこととしております。なお、追加発行する公債のうち、四兆千八十億円が建設公債、二兆百億円が特例公債となっております。  以上によりまして、平成十年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し、四兆六千四百五十五億円増加し、八十二兆三千百四十六億円となります。  特別会計予算につきましては、一般会計予算補正等に関連して、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十七特別会計において、所要の補正を行うこととしております。  政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫等七政府関係機関について、所要の補正を行うこととしております。  財政投融資計画につきましては、総合経済対策を実施するため、日本輸出入銀行、中小企業金融公庫等に対し一兆千五百六十九億円、郵便貯金特別会計に対し四兆円、合計十五機関に対し総額五兆千五百六十九億円を追加することとしております。  以上、平成十年度の補正予算(第1号)につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で平成十年度補正予算三案の趣旨説明は終了いたしました。  なお、政府委員の補足説明は省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) それでは、これより質疑に入ります。小山峰男君。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 民主党・新緑風会の小山峰男でございます。よろしくお願いいたします。  まず最初に、不況長期化の要因等につきまして総理にお聞きしたいと思います。  今さら数え上げると切りがないわけでございますが、我が国経済は昨年後半以降急激に悪化し、今なお景気回復の兆しは一向に見えてこない状況でございます。また、九七年度の経済成長率はマイナス〇・七%と戦後最悪というような状況になっておるわけでございます。個人消費も依然として減少が続いておるわけでございますし、設備投資も十年度はマイナス計画のところが大半だというふうになっておるわけでございます。特に、雇用情勢は失業率が初めて四%台に上昇する、また有効求人倍率も〇・五五倍とほぼ二十年ぶりの低い水準となっておるわけでございます。  また、きのう、きょう、大変な円安等が生じているわけでございまして、これは後ほどまた触れたいと思いますが、いずれにしましても大変深刻な状況になってきているというふうに思うわけでございます。  十二日の衆議院の本会議におきましては、内閣不信任案は否決という形になったわけでございますが、十三日のマスコミ報道等を見ますと、いわゆる円、株式、債券がそれぞれ売られ、トリプル安というような状況で市場からは不信任を突きつけられたと、「市場は橋本政権「不信任」」という活字が躍っていたわけでございます。  そこで、この長引く不況について、どういう要因で長引いているのか、また景気の底はいつごろ打つのか、その辺につきまして、総理の御見解をお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御指摘を受けましたように、我が国の経済は極めて今厳しい状況にあります。そして、バブル崩壊後のプロセス、長い話は省略をいたしまして、昨年の秋以降、我が国の金融機関の経営破綻が相次いだこと、またアジア地域における通貨不安、そうした状況は家計においても企業におきましても景況感を非常に厳しいものにいたしましたし、個人消費や設備投資などに影響が及び、現在の状況に至っているわけであります。  その背景として考えてみましたとき、やはり何といいましても、金融機関や企業の抱えております不良債権問題、また日本的な経済システムというものが制度疲労を起こしている、さらに産業の空洞化などの問題がありまして、これが景気回復の妨げになっておると考えております。  また、議員がお触れになりました雇用の問題につきまして、特に高年齢層の問題とともに若い方々に対する求人というものが一・〇を割り込んでいる。ここまではえり好みをしなければ若い方に対しては求職者より求人の方が多かったわけでありますが、これが今一・〇を下回っている。この状況は極めて深刻に私どもは受けとめております。  こうした点を踏まえて、今回、総合経済対策を私どもは発表したわけでありますが、これは当面の景気回復のために、内需拡大と同時に、この景気回復の足かせになっている不良債権問題の本質的な処理を目指す、そして構造改革をやり遂げていこうという決意を強く持って、これに沿う方向のものをまとめてきた次第であります。  今日、私どもといたしましては、これを実施することによりまして、当面の景気回復とともに、基本的な部分における問題の解決をあわせ処理していくことによりまして景気回復への道のりを安定させたものにしていきたい、こうした点からもこの総合経済対策を実行に移していくことこそが大事でありまして、御審議をいただいております補正予算につきましても一刻も早い成立をとお願いを申し上げている次第であります。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 今、一連の金融機関の破綻あるいはアジアの経済危機等を主体にしてお話があったわけでございますが、私は基本的には政府の政策による需要不足、これが最大の原因だろうと。すべての基礎には、いわゆる消費が伸びないと申しますか、需要不足という問題があるだろうというふうに思っております。  昨年の春以降、消費税の引き上げ、所得税減税の廃止、あるいは医療費の値上げ等で約九兆円というふうに言われておるわけでございますし、また公共事業を初めとする事業の圧縮等で二兆から三兆円の圧縮がなされたと。これだけでも十二、三兆円の国民の懐が冷え込んだというふうになるわけでして、政府はその後減税の復活あるいは今回補正で出ております公共事業の追加というようなことで消費の拡大を図ろうとしているというふうに思います。  私は、明らかにこの段階で政府は路線を転換したわけでございまして、今回そういう形で補正予算が出てきたということは、従来型の路線から消費拡大型の路線に転換した、総理自身が公に認めたというふうに受け取っているわけですが、その辺いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はあえて議員に異論を唱えるつもりもありませんけれども、いたずらに対立軸をあおるような論議というものが果たして今の状況においてプラスになるんだろうか、率直にそういう思いを持っております。そして、今私自身御答弁で申し上げましたように、今の経済情勢というものを非常に深刻にとらえながら、それに対して本当に必要かつ十分という言葉をよく使わせていただきますが、そうした形容詞をつけるに恥ずかしくない総合経済対策というものを講じてまいりました。そして、そのための補正予算を提出させていただき、その前提として、財政構造改革法についても特例公債発行枠の弾力化など修正を加えさせていただきました。  ただ同時に、それではいつまでも例えば財政によらなければ日本の経済が前進しないということ、私はやはりそれであってはならないと思います。そして、財政構造改革の必要性というものは、これは御党もその問題そのものは認めていただいておりますが、その中でとるべき手段について論議が一致していないことは承知をいたしております。その上で、政府としてその時々の状況に応じていわば緊急避難的に対応をしていく、適切な対応をする、そうした仕組みというものは当然必要であり、同時に財政構造というものを改めていくための基本的な骨格も維持をいたしております。  従来から、内外の経済あるいは金融の情勢に応じて臨機応変の措置をとることも当然という言葉を使わせていただき、これも時々おしかりを受けましたが、実態に対し即応していくことは当然大事なことでありますし、他方、将来を見据えたとき、財政構造改革の必要性は御党もお認めをいただいていることでありまして、どちらの路線という対立軸をつくる、それがよいことかどうかというものについては私はちょっと疑問がございます。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 私も、いたずらに対立軸を求めているわけではないわけでして、素直に国民の皆さんにもこうやるんだということを総理みずからが訴えるということが大事だというふうに思っているところでございます。  次に、経企庁長官にお聞きしますが、今回の十六兆円の対策としまして、私はまだまだ不十分だろうというふうに思っております。それは、この対策を決定した直後のサミットにおいて早くも我が国の金融システムの強化とか、あるいは構造改革の促進というようなものが求められていることからももうはっきりしているというふうに思っております。  そこで、この景気対策十六兆円、今決めて進めているわけでございますが、経済効果はどの程度あるというふうに見込んでおられますか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 私ども、現在の経済の状況に対応いたしまして総合経済対策を取りまとめ、そのことによって経済を順調な回復軌道に乗せたいということで出したわけでございます。  この十六兆円ということでありますが、内容は十二兆円のいわゆる真水がございます。その十二兆円の真水のうち二兆円の減税分は来年回しということでございますので、私ども、経済効果を試算しますときに、約十兆円の真水を八兆円の社会資本の整備と二兆円の減税というふうに大きく分けて試算をしているわけでございますが、この両者を合わせて経済効果を試算いたしましたところ、GDP対比で約二%プラスの効果があるというふうに考えておりまして、これが向こう一年間に経済に確実にプラスの効果を及ぼすものと考えております。  これは社会資本の整備あるいは減税という項目でございますが、さらにその後、中長期にわたります日本経済の体質を改善強化するため、規制を緩和するとか、あるいは情報通信、科学技術分野のてこ入れをするとか、新しいベンチャーを育てるとか、金融ビッグバンを進めるとか、そういう経済の体質を改善強化して民間活力中心に経済を自律的に立ち上げていくという政策も同時にとっているところでございまして、計算外でございますがその効果も中長期的にはあらわれてくるというふうに考えております。  さらに、先ほど総理からもお話がございましたが、不良債権の処理という問題が非常に大事な課題になっておりまして、これにつきましてもトータルプランとしていろんな対策を講じ、できるだけ早く金融機関の持っている不良債権を抜本的に処理をして経済の足かせを取り除いていく、そういうことを進めているわけでございまして、これらを全体として推進することにより徐々に経済は順調な回復軌道に乗っていくものと考えている次第でございます。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 今二%の押し上げ効果があるというふうにおっしゃったわけでございますが、非常にこの見方は私は甘いのではないかなというふうに思っております。  民間の経済見通し等を見ましても、今回の対策を織り込んでなおかつ十年度はゼロ成長にとどまるというような予測をしているところが大変多いというふうに思っておるわけでございまして、本当にこれで今のような経済状態が続いた場合二%の達成が可能なのかどうか。政府はいつもどうも甘い見通しをしているというふうに思っておりまして、既にこの秋にも景気の追加策を講ずる必要があるというような意見も出始めているわけでございます。  その辺、もう一度経企庁長官、お願いします。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 経済効果につきましては、私どもいわゆる波及効果、乗数効果といいますか、そういうものも含めまして試算をしているわけでございますが、社会資本整備七兆、厳密に言いますと七・七兆円、それからいわゆる土地代等を五%程度差し引きまして、それに対して公共投資関係の乗数一・三二を掛けて計算して九・八兆円の効果があるというふうに試算をしております。  それから、減税等につきましても、これは二兆円の減税と臨時福祉特別給付金の効果、それも合わせまして二・二兆円、それに減税に関する乗数効果〇・四六を掛けまして約一兆円というふうに計算をしているわけでございまして、合計で十・八兆円の効果は、少なくとも過去の経済データによります乗数効果等を総合的に勘案して試算いたしますと、その部分だけでそれだけの効果が計算できるわけでございます。  さらに、先ほど申しましたかた目に見積もっているという意味は、例えば住宅投資とか設備投資の促進のための政策減税とか、あるいは用地の先行取得も一兆円ほど予定をしているわけでございますが、そういうものの効果を先ほど申しました数字には入れないで計算をしているわけでございますし、中長期にわたって経済の体質を改善強化するといういわゆる構造対策の効果も入れないでいるわけでございます。  そういう効果すべてが相まって、さらに経済対策によります心理的なプラス要因というものも考えられるわけでございまして、私どもといたしましては、この総合経済対策の景気に対する効果は二%以上はあるというふうに確信をしている次第でございます。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 そうすると、この部分については追加でさらに景気対策をやる必要はもうないというふうに判断していいのかどうか、もう一度経企庁長官、お願いします。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申し上げました対策の効果、もちろんこれを見守っていくわけでございますが、十年度政府見通しの一・九%はこの総合経済対策を進めることによりまして実現できるものというふうに考えております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 それでは、少し進めていきたいと思います。  総理にお聞きしますが、今回の景気対策、今も御説明いただきましたように、十六兆円のうち十二兆が減税プラス公共事業等の追加というふうになっているわけでございますが、今回の予算の中身を見ましても、どうも従来型のものが多いというふうに思っておるわけです。  減税につきましては、前に特別委員会で総理にもお聞きしたんですが、私は基本的に消費に回るような減税を大胆にやるべきだというふうに思っておりまして、教育減税だとか、あるいは今回もちょこっと出ております住宅減税、さらにベンチャー企業の減税等を長期的に恒久的に実施していくというのが必要だというふうに思っております。  これについては答弁は要りませんが、次にいわゆる公共事業等につきまして見ましても、今回の対策は依然として我が国の経済がいわゆる拡大型であるという前提に立った対策になっているのではないかというふうに思います。  現在、我が国ではもう大量生産、大量消費というような拡大型ではなくて、資源を再利用したりあるいは今あるものを更新していくといったような、いわば環境に配慮したような循環型社会を前提にして対策を講じていく必要があるのではないか。これからは一定の経済水準というものをある程度のところで、資源をいかに有効かつ効率よく使い豊かな社会を実現していくのか、これこそが私は経済構造改革だというふうに思っておりまして、今回の景気対策についてもこういう環境に配慮した循環型社会構築の発想で対応していくことが必要だというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般、他の委員会でも議員とこの問題をめぐり社会資本の整備の内容、新しいあるいは従来型、一体どういう定義があるだろうということで御論議をいただきました。そして、そのときも申し上げたことでありますけれども、私は今の議員が指摘をされた循環型の社会をつくっていくという基本的な考え方に全く異論はございません。  そして、例えば今回の補正予算、廃棄物処理施設という言葉、これは実は従来からありました用語として予算書にも同様に今回も載っているわけですけれども、実は今まで整備をしてまいりました廃棄物処理施設からダイオキシンが発生をした。となれば、ダイオキシンの発生というものを最小限に食いとめるべき、そうした施設整備を急がなければならない。今回の総合経済対策の中におきましても、そうした思想に基づき補正予算に計上したものは、従来とは全く異質なダイオキシン発生というものに目を向け、この発生を防ぐという視点からのものであり、新しく閉鎖状の最終処分場対策、こうしたものも廃棄物処理対策という意味では一つの言葉の中ですが、新たな考え方を取り込んでおります。  あるいは、下水道の整備一つをとりましても、上水水源として活用されているその上流において異臭味を発生させるような、そうした水系に集中して整備を行っていこう。  そうした意味では、議員から御指摘をいただいておりますような循環型社会というそのような考え方、基本的な考え方においては私はそれを全く否定するものではなく、むしろ同様の考え方から今回の社会資本整備を構想する上でも考えてまいりました。そして、そういう方向に向けていく努力を政府は既にスタートさせつつあります。御協力をこの点についてはぜひいただきたい、そのような思いを持っておりますことも申し添えたいと存じます。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 前の委員会のときに、総理と主計局長の間で意見が違ったわけでございます。ただ、私がこの予算の説明等を見ましても、いわゆる集約されている中では治山治水、道路整備、港湾漁港空港、住宅市街地というような形で集約がなされている。まさに大項目で確かに新しい項目になっているというふうに思いますが、そうなっているとすればもっと政府はその面を強調して、これには幾ら入っているんだという形で宣伝すべきである。どうも国民の目から見ると、これを見ても何を見てもやっぱり治山治水であったり道路整備であったりというようなものに集約されてしまっている。今言ったようなダイオキシン対策だとかあるいは環境に配慮した対策だとかというのがかなりの部分入っているとすれば、私はぜひその資料をいただきたい。こういう形で政府は今進めているんですよということを逆に宣伝してやりたいというふうにも思っているわけです。  先ほどの大蔵大臣の予算の説明でも、大項目だけ見れば非常にすばらしい中身になっているわけですが、実際のこの中を見るとこういう形だということでございまして、その辺の、本当にそういう対策がどの程度入っているのか、もし大蔵でわかるのなら教えてもらいたいと思います。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  今回の内容につきましては、一つはお手元にお配りしてあります「十年度補正予算等の説明」におきましてある程度、例えば環境・新エネルギー特別対策だとか情報通信高度化・科学技術振興特別対策等々の大きな柱立てに沿った説明を書いてあるところでございます。  さはさりながら、実際問題として、予算そのものは膨大なものでございますので、なかなかそれぞれの事業について十分説明し尽くし切れないところがあろうかと思います。そういう点につきましては、先生御指摘のとおり、さらに事業の内容について国民の皆様にわかりやすく説明するような工夫について検討し、努力してみたいと考えております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 本当によくわからないというのが現実です。  確かに、例えば環境・新エネルギー特別対策費として七千八百四十九億というふうになっていまして、その中身を見ますと、治山治水対策事業で五百九十九億ですか、そんな形で中身がなっている、確かに大くくりでは環境・新エネルギー特別対策費と位置づけることができると思いますが。  いずれにしても、この資料、私もぜひ欲しいというふうに思っておりますので、提出をいただきたいと思います。  それから、私は景気対策というのは国民の参加を得た事業というのが大変大事だろうと。個人消費というものも伴った形の景気対策にしていかなければならない。前の委員会でも挙げたんですが、雨水を貯留するというような施設を補助金を出してつくると、二分の一補助金でも倍の事業効果が出るんではないかというふうに思っておりますが、これは聞きません。  低公害車の導入促進とかあるいはいわゆる太陽光発電の導入促進というようなことについて、これも現在補助制度があるようでございますが、将来の環境等を考えるとこういう中で積極的にやっていくべきだと。  今の現状等について、通産大臣から御説明をお願いしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。  低公害車の普及促進策、これは委員の御指摘のとおり非常に重要な問題として取り組んでおります。平成十年度の当初予算におきまして電気自動車あるいは天然ガスの自動車の導入費用の補助、こういうものを出すことになっております。ちょうど同じようなガソリン車、同等のものは電気自動車の場合は価格に差がございます。例えば、電気自動車でまいりますと、車両価格が五百万円の車両だということになりますと、その差額が三百万なら三百万あるとしますと、その半分を補助する、助成するというようなことになっております。  低公害車の電気、ガス等の燃料供給施設、これもガソリンステーションのようなエコステーションを用意いたすのでありますが、その補助も事業用では電気自動車向けで三千万円、天然ガス自動車向けで九千万円、これは設置費をそのまま固定した額でございますが、こういう助成を盛り込んでおりまして、平成九年度に比べまして約三倍、約五十九億円増加して九十億円といたしておるところでございます。  また、太陽光発電の普及促進策といたしましては、平成十年度の当初予算におきまして、住宅用の太陽光発電システムに対する導入補助、これは昼間は電力会社で購入することになっておりまして、これが約十五年間で三十五万二千円の購入費用になる、その費用を差し引いた額の二分の一を助成するということになっております。例えば、一キロワット当たり大体百万円の施設の費用がありますと、今の三十五万円を引いて六十五万円の二分の一を補助するというような状態になっております。  それからまた、産業用の試験的に設置する際の補助金といたしましては、設置費用の単純に二分の一を助成することになっておりまして、こういうものを盛り込みまして平成九年度に比べて五十八億円増の二百六十一億円の用意をいたしているところでございます。  今度の補正予算におきましても、さらに低公害車対策、先ほどのエコステーションなどの問題に十億円、太陽光発電につきましては、体育館だとかあるいは公民館などの災害時に避難所になるようなところに太陽光発電等の新エネルギー施設の整備をするようにいたしまして、その補助制度の費用を新しく自治体も含めて出すようになりまして、これに四十億円の補助を用意いたしております。さらなる施設の拡充と強化を図ってまいっているところであります。  こういうような問題について、今後も低公害車だとか太陽光発電の問題の一層の普及のために努力をしてまいりたいと考えております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 景気対策だけではなくて、いわゆる環境対策としても大変大事だというふうに思っておるわけでございまして、何か額を聞いているともっとふえないのかなというふうに思うわけでございます。  総理、景気対策としては、個人の皆さんに喜んで参加してもらって、個人の皆さんにもお金を出してもらうような形で景気対策というのは進めるべきだ。今三つの例を挙げたわけですが、このほかにも当然いろいろ考えられるわけです。ぜひそういうことで進めてほしいということを含めて、総理の御見解を聞きたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、通産大臣から幾つかのポイントについてのお尋ねに御答弁を申し上げました。  太陽光発電、一つの例として申し上げますなら、平成九年度から家庭向けについても住宅用太陽光発電の導入に対する補助というものをスタートさせたわけですが、本年度予算におきましても対前年度三十六億円増、相当大きく積み増しをいたしております。御指摘のとおり、こうしたものはただ単なる景気対策というだけではなく、将来の社会を考えましたときに、リサイクル社会という言葉がいいかどうかわかりません、しかし循環型の社会をつくっていこうとした場合に当然ながら必要になる、そうした方向でこれからも考えてみたいと存じます。  また、先ほど、先般の御質問の際、総理と主計局長の答弁が食い違ったという御指摘をいただき、大変恐縮をいたしました。  そして、私は大蔵大臣にも今申しましたけれども、私どもの手元において、例えば不適正な最終処分場に係る適正閉鎖対策、全くこれは新しいものでありますけれども、こうした事業についてダイオキシン一つを取り上げてみましても事項がございます。そうした線をどういうふうに整理し、お知らせをすれば一番皆さんにおわかりがいただけるか、当然のことながらもう少し工夫をさせていただきたいと存じます。  先ほど一つの例として、異臭味被害の発生している水道の水源上流部あるいは汚濁の著しい都市の河川など、水質保全の緊急性の高いところに下水道の整備を集約していくんだということも申し上げました。今、こうした水質保全の観点からの下水道整備、補正の状況を見ますと、全体の九割までがそうした目的に集約されております。そうした一つ一つをどう整理すればいいか、一番おわかりをいただきやすいか、より大蔵省の職員にも工夫をしてもらうように、議員の目の前で実は大臣に今その話をいたしておりました。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 ぜひそういうふうにわかりやすい資料をつくっていただきたいというふうに思っております。  自治大臣にお聞きしますが、今回の景気対策を受けた補正予算で、社会資本整備に国が三兆四千億円というふうになっておりますが、地方の負担は幾らぐらいになるのかということをまずお聞きしたい。  それから、当初予算ではかなり公共事業も含めて抑制しろ抑制しろというような指導が行われたわけでございますが、今回は緩めろ緩めろというような感じでございます。まさに国の都合によって地方がかなり振り回されているというふうに思っておりまして、そういう意味では、地方の自主性、あるいは今地方分権というような問題が大きくクローズアップされている中では、やっぱり国の対策は国の責任でやるというのが基本だというふうに思っておりまして、地方ももちろんある程度の協力というのはやぶさかでないというふうに思いますが、基本的に地方を余り巻き込まないような対応にすべきだというふうに思っております。  自治大臣、その辺の見解はいかがでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えをいたします。  委員御指摘の点を否定するつもりはございませんが、御案内のとおり、財政構造改革は私どもの世代でぜひともやり遂げなければならない重要な課題であることはたびたび申し上げておるとおりでございます。一方、内外の経済や金融情勢に臨機応変に対応するというのも、またその措置をとるということも重要な課題でございます。  予算編成に当たりましては、財政構造改革の基本線に沿って対応いたしたところでございますが、マクロの経済政策あるいは税制度、国民負担の水準のあり方等につきましては国の責任において対処すべきものであると認識しておりますが、一方で国の財政と地方の財政は車の両輪のような公経済の関係にあるわけでございます。これまでの経済対策におきましても、地方団体はそのような意味から協力をいたしてきたところでございます。平たく言えば、経済状況が非常に悪い、国の財政状況が決して豊かな状況ではございません。地方はもっと厳しいけれども、しかしこれを一体的にとり行うことといたしたわけでございます。  特に、今回の総合経済対策の決定に際しましては、非常に厳しい地方財政の状況にかんがみまして、事前に地方六団体の代表の皆さんと私の方から進んで求めてお会いをいたしまして直接率直な意見交換をいたしたところでございまして、地方の状況等については十分お聞きをし、また種々の機会も通じまして地方の状況も把握をいたしたところでございます。これらを踏まえて、総合経済対策に係る地方財政措置について、補正で追加される公共事業のみではなく、地方単独事業等の円滑な実施にも資しますように、特に地方交付税の四千億円の増額を図りますとともに、所要の地方債措置を行うことによりまして地方の財政運営に支障がないように適切に措置したつもりでございます。  また、負担はどれくらいか、こういう質問でございますが、今回の補正予算におきましては、社会資本整備に係る国費三兆四千億円に対応する地方負担額は二兆一千億円でございまして、このうち公共事業に係ります国費二兆三千億円に対しまして地方負担額は一兆九千億円であります。  地方団体の経済対策への対応については、それぞれの財政状況を地方団体においては十分踏まえていただきまして、自主的な判断で実施していただくものと考えておりますが、厳しい地域経済の状況にもかんがみ、できる限り協力をしていただきますように誠心誠意お願いをしてまいりたいと考えております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 少なくとも、財源の問題で地方が迷惑をこうむらないように頑張っていただきたいと思います。  次に、雇用問題についてお聞きしたいと思いますが、先ほど申し上げたとおり、大変厳しい状況だと。しかも、地方によってはもっと厳しい状況、先ほどのものは平均値でございますが、だというふうに聞いております。政府も雇用対策本部というようなものを発足させたんですが、その中でいろいろな方針が出てきております。労働省も大変頑張っておられるというふうに思うわけでございますが、そうはいってもそれほど画期的な対応が出てきているというふうには見えないわけでございます。  基本的に、最後の決め手というのは、新しい企業、ベンチャー企業等の育成というものがない限りなかなか失業者を吸収していくというのは難しいだろうというふうに思っております。  この政府の資料を見ますと、通産省関係でベンチャー企業の育成等でいろいろな制度創設だとかあるわけでございますが、額を見ると、ベンチャー企業への債務保証の拡充として百二十二億円、ベンチャー財団に対するものとして九十億円、それからものづくり試作開発支援で百四十億円というようなことになっておりまして、実際の中身を見ると何かこれで本当にベンチャー企業が育成されるのかなというような状況だというふうに思っております。  本当にベンチャー企業を育成するのならするらしく、予算も十分に配慮すべきだというふうに思いますが、通産大臣、どうですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。  委員の御指摘のとおり、今、開業率が閉業率を下回っているというような状態でございますので、こういう状態ではしっかりベンチャー企業などを育成しながら新しい企業として創設をしていくということが重要だと考えておりまして、ベンチャー企業の育成のために資金だとかあるいは人材及び技術、各側面からの総合的な支援策を立ててきているところであります。  今国会におきましても、年金基金等からのベンチャー企業への資金の供給というものを円滑にするために投資事業組合法を成立させていただきました。また、大学などから出てまいりました新しい研究の成果、こういうものを民間に移転を図るというための大学等技術移転促進法の成立もさせていただいたわけでございまして、こういうものを通じての大きな側面的な、また資金的にも応援をいたしまして、成果が上がるようになっております。  さらに、今般の総合経済対策におきましては、ベンチャー企業育成という柱を一本立てまして、ベンチャー企業に対する債務保証の拡充というもの、あるいはベンチャー財団、各県にございますが、これによる支援強化を含めまして、人材面だとか資金面だとか技術開発の促進というようなものを抜本的に講じることにいたしております。これらの対策費が、先ほど委員のおっしゃったとおり個々にまいりますと例が全部出ていないものでございますから、ちょっと少ないような印象がございましたが、抜本的に行うこれらの対策の総額は一千三十九億円になっておりまして、これは十年度の本予算が三百億円でございますから、それに対してこの補正予算において一千三十九億円というものは大変な額を乗っけたということになると思いまして、過去最大規模となっているわけでございます。  さらに、これをこれから通産省としては普及周知、これはよく皆さんにわかっていただけない面がありますから、これを図ることによってベンチャー企業の育成あるいは取り組みを容易にできるように頑張ってまいりたいと思っております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 ぜひ頑張っていただいて、新しい企業の育成等について御配慮いただければというふうに思います。  次に、税収の動向についてお聞きしたいわけでございますが、まず最近の税収動向、大変厳しいものがあるというふうに思っております。先日発表された四月の税収動向について、当月分が幾らで累計で幾らか、御説明をいただきたいと思いますが、大蔵大臣の方から。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。  去る六月二日に四月末の税収を発表させていただきました。補正後予算額は、九年度でございますが、五十六兆二千二百六十億円、こうなってございます。四月分といたしまして四兆六千五百十一億円を収納いたしまして、四月末累計は四十五兆七千億円となっているところでございます。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 政府は、九年度当初予算では、消費税率の引き上げなどから前年度に比べて五・七兆円増の五十七兆八千億円というように見込んでいたわけでございますが、昨年末に編成した補正予算では、一兆六千億の減少で五十六・二兆円に減額修正というふうにしたわけでございます。  しかし、実際の税収は四月末で四十五・七兆円ということでございまして、五月分徴収であと十・五兆円確保しないと予定した五十六・二兆円に達しないという状況かというふうに思っております。既に平成九年度の決算では一兆円ぐらいの歳入不足が出るというふうに言っているわけでございますが、九年度税収についてどのように見ているか、お答えをいただきたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 四月分までの税収の状況については、主税局長から今報告、答弁をさせていただきました。五月分の税収につきましては、それが最終的にわかるのはまだ来月にずれ込むと思うのでありますが、いずれにせよ、さような状況でありますので、現段階では具体的な数字については確たることは申し上げることができないところであります。  しかし、先日判明した確定申告の結果、あるいは主税局長が今申し上げました四月末の税収実績等々から考えますというと、残念ながら補正後予算額の達成はなかなか厳しい状況にある、こういうふうに認識しているところであります。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 五月分として十・五兆円が入らないといわゆる歳入が足りないという状況で、今確たる数字はわからないけれどもどうも危なそうだと。新聞等ではもう既に一兆円ぐらいのいわゆる歳入不足を生ずるというような報道が流れているわけでございます。この九年度の税収見積もりあるいは実績が違ってくるわけですが、十年度の当初予算あるいは補正も当然九年度の見積もりを基礎に置いて数字をはじいているというふうに思うわけでございまして、十年度の税収そのものをかなり過大に見積もり過ぎている部分があるのではないか、十年度も減額補正というようなものは当然もう目に見えているというふうに思うわけですが、過大見積もりになっているのではないかという点と、それから減額補正の必要性というようなものについて御答弁をいただきたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 九年度関係でいえば、先ほど申したとおり、五月分の税収を見きわめなきゃならぬわけでありますが、同時に不用額がどれほど立ったのか、税外収入がどれだけあるのかということもあるわけでございまして、それらが見通せる段階になってからの九年度の処置だろう、こういうふうに思っております。  十年度につきましては、まだ始まったばかりでございますので、その見通し等について申し述べることは現段階では差し控えさせていただきたいというふうに思います。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 確かに今始まったばかりではあるわけですが、当然予算を組むときには今年度の税収というものを見込んで立てているわけでして、今始まったばかりだから税収の見込みが立たないというのは理屈に合わないわけです。いずれにしても、大変税収が厳しい状況で、私は少なくとも減額補正という問題が出てくるだろうというふうに思っております。  それから、円安関係についてお聞きしたいと思います。  私が原稿をつくった先週は百四十円台というふうに申し上げていたんですが、きのう、きょうの状況では百四十六円というようなことで、もう二日か三日たつと原稿が使えなくなるような状況でございます。大変心配な状況が出てきているというふうに思っております。  今回の円安の原因は、日本の景気低迷や金融システムに対する不安など、経済のいわゆるファンダメンタルズの悪さが一点だろう。それから二つ目としては、日米間の経済情勢の違いを反映した金利差にあるというふうに思っているわけでございます。さらに、この円安の背景には、こうした状況に加えて、ビッグバンを迎えていよいよ我が国から資金の流出が始まったという状況が示されているんではないかなというふうに思っておるわけでございます。  きのう、たまたま新聞に載りました国際収支状況等でも、いわゆる貿易・サービスの黒字より海外の資本収支の赤字が大きくなっている、三兆六千億ぐらいになっているというような状況になってきているわけでございます。円安が進めば輸出産業に対してはメリットがあるというふうに思いますが、いずれまた貿易摩擦の再燃だとか、あるいは既に起こっているアジア通貨の低下とか、そういう問題につながっていくわけでございまして、過度の円安というのは大変問題だというふうに思っておるわけでございます。  きのうテレビを見ていましたら、大蔵も協調介入の必要性というようなことを言っておりましたが、けさ見ますと、ヨーロッパだとかアメリカだとか、あるいはアジア諸国が大変心配しているというようなことも言っています。  一体どの辺まで下がるというふうに見ているのか、あるいはこれに対する対応を政府としてどうするのか、総理にお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) この問題は大変微妙な問題点を含んでおりますので、直接の言及はお許しをいただきたいと思います。  その上で、確かに欧米の通貨に対して円は安値をつけておりますし、これには我が国の景気の現状と欧米の景気との落差、その他さまざまな影響があろうと思いますが、同時にアジア通貨に対しましては、一部を除きまして円は依然としてアジア通貨の水準から見ると高い位置にあるということも御承知のとおりでございます。そして同時に、我が国の輸出商品とアジア諸国の輸出商品は一部を除いてこれも競合する部分が余りありませんだけに、そういう議論からいきますならば影響がないという言い方もできないことはないのかもしれません。  しかし、私はそういうことよりも市場の動きというものを大変注意深く見続けておりますし、実態以上の悲観論というものが強まっております空気には非常な懸念も持っております。  これに対応する手法は、短期的なもの、長期的なものそれぞれいろいろございましょうけれども、やはり根本的には日本の景気を回復軌道に乗せていき、同時に日本の最大の問題点ともいうべき金融機関における不良債権の処理というものが明確な形で始まっているということを市場に見せ、信認を取り戻す努力をしていくことが必要であると私どもは考えており、その観点から、この総合経済対策そしてその具体化としての補正予算をぜひというお願いを申し上げているわけです。  この後、私どもがどうしても避けて通れません問題は、この不良債権の処理というものを、引き当てという形で帳簿上処理するのではなく、実態的に処理していく努力ということにかかる、そのように考えております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 日銀の総裁が来ておりますので、政府短期証券の問題、いわゆるFBと言われているものについて日銀の考え方を簡単にお話をいただきたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) ただいま、資金が海外に流出しているというお話が出ましたけれども、ビッグバンで日本に魅力的な東京国際金融市場ができれば、入ってくる金は、外から投資してくる金が必ず入ってくるはずなんですね。その花形ともなるべきものは、ほかのニューヨーク、ロンドン市場を見ましても、いわゆるトレジャリービル、日本で今ファイナンスビルと言っておりますが、そういう政府が出している短期証券というのが一番人気のある花形、その市場を早くつくっていくべきではないか。  今三十兆ぐらい、特に外為証券を中心に出ておりますけれども、ほとんどが日本銀行引き受けということになっておりまして、〇・三七五%で引き受けております。これを市場公募というふうに切りかえていただければ、これは私どもも一生懸命やればできること、必ず需要のある円の二カ月物の短期市場になりますし、これが自由にまた売買してオペの対象にもなり得るわけでございますし、特に円を使って貿易決済をするといったような人たちが、二日間、三日間という、期日までに余裕があって今手元に少し円があるといったような場合に、運用する対象としてはトレジャリービルというものにするのが普通のやり方だと思います。  日本は今これからビッグバンで金融市場をつくっていくについて、そういうものをぜひともつくって市場を創造してまいりたいというふうに考えております。  一国の通貨が国際的に使われるというためには、その国の経済が健全であること、それから通貨の価値が安定していること、このほかに海外から見てやはり使い勝手がいいというマーケットがないといけませんので、海外からも保有ニーズの高い短期の国債、FBの市場をぜひともこの機会につくっていただきたいというふうに思っております。かなり金額の大きいことでもありますし、日銀引き受けで全額持っているというのはもったいない話だというふうに考えております。  どうぞよろしくお願いいたします。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 今の問題について、大蔵大臣、どうでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、日銀総裁から政府短期証券の扱いの問題についての御答弁がございました。  現状ではほとんど日銀引き受けでお願いしておるわけでありますが、これをどうすべきかという点は、現在のところ支障はないと言われておるわけでありますけれども、しかしこの政府短期証券のあり方の問題、短期金融市場、それから国庫制度、財政制度、こういったこと等を踏まえた総合的な観点から検討しなきゃならぬ、こう思っておるところでありまして、大蔵省の中に円の国際化等を中心にしたプロジェクトチームをつくりまして、今勉強に入っているところであります。今、総理の話もございましたので、その勉強を速やかに進めて早く結論を出すように指示したい、こう思っております。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 もう一点だけ。  石油公団の不良債権問題が突然新聞に出たわけでございまして、国民の皆さんも含めてみんながびっくりしたわけでございます。いろいろあるわけでございますが、総理、こういう特殊法人のあり方というものもかなり問題だろうというふうに思っておりまして、ほかの公社公団等についてもこういう問題があるんではないかということを国民の皆さんも大変心配している。最後のツケは国民に来るみたいな話になるとすれば、このあり方をもう一度見直すべきだというふうに思っておりますが。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、日銀総裁から提起をされました問題は、大蔵大臣にも、むしろ積極的に検討すべきことではないのかということで、私は改めて指示をいたしました。  その上で、今回、石油公団の巨額の不良債権というものが突然明らかになったということで大変御心配をかけております。しかし同時に、エネルギーの輸入依存度が非常に高い日本、我々にとりましては石油の自主開発推進というものは、エネルギーの安定供給確保というために極めて大事な課題ということで長い間位置づけられてまいりました。同時に、その石油の自主開発というものが、とてもそのリスクが大きく民間企業だけでは負い切れないということから、石油公団による公的支援というものが組み立てられ、歴史を続けてきたわけでありましょう。  しかし、それは石油価格の低迷その他さまざまな要因があると存じますけれども、その石油公団の支援プロジェクトの中に収益性や採算性の問題で厳しい状況にあるプロジェクトが多数あるということは、先日通産大臣からも報告を受けまして、事実の問題であります。  私は、やはり基本的には情報開示の問題が一番ここに大きな問題として横たわっていると思います。そして、情報開示がきちんとなされておりました場合に、それだけのリスクを持って投資することについての可否という観点から、早い時期において論議が起こされたでありましょうし、同時に、それだけのリスクを負うてもこの探索にかけるという声も出たかもしれません。こうしたことを考えますと、私は今回の石油公団の問題の一番ベースにありますものは、やはり情報開示の徹底というところに行き着くと思っております。  そして、今後の進め方につきましては、効果的、効率的な実施あるいは広く国民の御理解を得るための情報公開、そうした面に向けて、現在通産大臣のもとで抜本的な再検討に取り組んでいただいております。  これは不良債権の問題にも共通することでありまして、より正確な情報開示というものがなされなければさまざまな批判を国民から受ける結果になる、必要な施策をとりましても理解がいただけないことが生ずる、議員の御指摘はどの特殊法人に対しても共通でありますけれども、それだけではなく、情報公開法を提案いたしております政府の立場におきましても同様の御指摘を受けるべき、そのように思います。

小山峰男民主党・新緑風会

○小山峰男君 どうもありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で小山峰男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、佐々木満君の質疑を行います。佐々木満君。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 私は、きょうは自民党の議員として、同僚の片山虎之助君、上吉原一天君、この三名でもって当面の諸問題につきまして、総理、関係閣僚にお尋ねを申し上げたいと思います。  そこで、外務大臣、大変駆け足のロンドン御出張で御苦労さまでございました。核問題につきまして小渕外務大臣は大変この緊急会議においてリーダーシップを発揮されまして、大変な成果をおさめられたというふうに伺っておるわけであります。ひとつこの際、この会議の意義また成果等につきまして御報告なり御説明をお願い申し上げたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 去る十二日に、ロンドンにおきましてG8の外相が緊急に集まりまして、核不拡散の問題につきまして、またインド、パキスタンの核実験につきまして緊急な会議を催すことができました。  二つの国が実験を強行いたしまして以来、既に核保有国五カ国いわゆるP5という国がジュネーブに集まりまして外相会談をいたしました。その後、日本のイニシアチブによりまして、国連におきましてスウェーデンとともに安保理におきましての決議を実行することができました。そうした意味では、国際社会でもこのインド、パキスタンの核実験に対する強い批判、こういうものは行われてきたわけでございますが、引き続いて念を入れてということでロンドンで行い、日本といたしましてもせっかくの出席の機会がございましたので、強く我が国の立場を主張いたしてきたところでございます。  そこで、この会合におきましては、まず、言うまでもありませんが、インド、パキスタンにつきまして、核実験、核兵器開発の中止を強く要求したところでございますが、従前、核の廃絶の問題につきましては、御案内のように五つの国を核保有国としてまずは認めて、それでその他の国は一切認めぬという、すなわちNPT体制というものでやってまいりました。と同時に、もう一つは、核実験はやってはいけないということでCTBTの条約を結んできておるところです。  それからもう一つは、核のいわゆる原料その他の製造あるいは移転等を行ってはいけないという意味でカットオフ条約の交渉を続けて、それを三つの形の中で何とか核を現状固定しつつ、将来においてはその核保有国も核の削減をしていく努力をしていく、そういう考え方で日本としてやってきたわけでありますが、突如といいますか、あるいはインド、パキスタン、みずからの安全保障上だと、こう主張しておりますが、二十四年ぶりにインドが行い、またパキスタンもこれに呼応してやるというような事態に対して、こうしたいわゆるNPT体制について大きな挑戦ではないか、こういうことで、この機会にいま一度この問題に真剣に取り組むべきだ、こういうことでございましたので、まずは印パの強いこの態勢に対して条約の批准を求めていこうということにいたしたわけでございます。  またしかし、このインド、パキスタンにつきまして、なぜこういうことが起こったかと言われますと、いわゆる両国の緊張というものが存在をしておる、したがって、これに対してどう対処したらいいかという問題も当然議論さるべきところであります。  日本は、実はインドもパキスタンも友好国でございます。特にインドにつきましては、いわゆる東京裁判のときのパル判事の問題や我が国に対しましてはいろんな意味でいい関係を持っておったわけでございますが、今般核実験を行うというような挙に出られたことに対して非常に残念に思っておるわけでございます。  したがって、この印パの問題について、もし必要があれば、東京に場所をおかししてでもこの二つの国が真剣な話をしていただきたいということを申し上げておったところでございます。  それから、さはさりながら、二つの国がそうした実験をした中には、旧来の五つの国が核を保有しておってなぜ自分たちはだめなんだと、こういう主張があることも事実でございます。そういう意味からいうと、この核保有国に対して核軍縮について積極的に取り組まなきゃならない。そういう意味で、日本としてもぜひこうした国々に対して積極的な核に対する削減の努力を強く申し上げてまいったわけでございます。  そういった点で、この核軍縮の推進につきましても、特に米ロが多くの核を保有しておると言われておるわけでございますから、両国が積極的に、現在STARTⅡというもので削減計画をいたしておりますが、ロシアの方はまだ批准しておらないということであります。さらに加えれば、次の軍縮についてSTARTⅢもしっかりやってほしいというようなことを、実はプリマコフ外務大臣とお話しした折にも私ども申し上げてきたところでございます。  と同時に、CTBT、先ほど申し上げましたこの条約につきましても、G8の中で批准をしておりますのは日本と英と仏、その他米、ロ、独、伊、加は実は未批准でございますので、そういった点もG8の中で早く批准をしてもらえるようなことをお願いしたわけでございます。  さらに、今度の会議の非常に意味のありましたことは、G8のメンバーに加えましてアルゼンチン、ブラジル、ウクライナ、南ア、中国、フィリピンに参加を求めました。中国、フィリピンは現地の大使でございましたが、四カ国が参られました。この国々が言われておりますことは、実は戦後核開発につきましてかなり積極的な熱意を持っておった。しかしながら、世界の大きな流れの中でみずからの国の政策として核開発は行わないという決意をした国でございます。日本としてはこうした国々と相協力して核軍縮についても努力をすべきではないか、こう思っておったところでございますが、幸いこうした国も出席をされましたので、こうした国々との話し合いもさせていただいた次第でございます。  さて、我が国といたしましてはしからばどういうことをということでありますが、今申し上げたようなことをいたしますと同時に、やはりこの両国がNPT締結を目標とした具体的な手順、段取りを検討する必要がある、そのためにG8の中にタスクフォースというものを設けたらどうかと提案をいたしました。幾らか議論がございましたけれども、我が国の提案についてこれを了承することに相なりました。  加えまして、これは橋本総理からも本院でもお考えを述べられておるところでございますけれども、世界の有識者に集まっていただきまして核軍縮・不拡散に関する緊急行動会議というものを我が日本で行いたい。特に、広島の平和研究所に前の国連事務次長の明石さんもその籍を得ておられるわけでございますので、我が国としてそうした会議を実行することによりまして世界に対するアピールを行ってまいりたい。そして、十一月には長崎におきまして軍縮会議でこの問題を取り上げるというようなことにつきまして主張をいたしてきたところでございます。  いずれにいたしましても、我が国は世界唯一の被爆国であるという立場でありまして、究極的な核廃絶を目指してこうした会議を通じまして我が国の主張をぜひ取り入れていただくよう努力をしていきたいと思っておりますし、来るべき国連総会もございます。あるいは核軍縮国連総会と言われるかもしれませんので、こういった点につきまして我が国として全力で努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 申すまでもないことでありますけれども、我が国は核開発のいわば潜在的能力は持っておる、つくろうと思えばつくれる。しかし、あえてこれをつくらないということで、核を保有しない、それを国是として、またそれを誇りにしておる国柄であるわけでありますが、さらに国民の努力、汗の結晶であります経済力を使って発展途上国とか国際紛争の原因をなします貧困の解消のためにいろんな経済援助もやっておる、いわば非核の大国とでも申せるだろうと思います。  こういう国柄、もちろん最初の被爆国でもある、こういうことからいたしまして、私は、こういう大変重要な危機的な状況の中では、我が国こそ主導権をとって核の廃絶の実現に向けて努力すべきだ、我が国こそこの資格があるしやらなきゃならない、こういうふうに思うわけでございます。  外務大臣のお話の中でもございましたが、いろいろこれまでそういう視点に立って努力をしてきておられるわけでありますが、また総理のこの御努力を十分評価しておりますけれども、ひとつこの際、力強く、我が国が具体的行動を起こすという御決意を改めて御表明いただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、外務大臣から大変細かくこれまでの動きを御報告いたしました。その中で、お気づきいただきましたようにカットオフ条約の専門家会合を日本が主宰したという報告がございます。実はこのカットオフ条約の会合にはインドを初め、例えばNPTあるいはCTBTに加盟をしていない国も日本の呼びかけに対して代表を派遣し、専門家会合が成立をいたしました。  私どもはこうした地道な努力を一方では続けながら、一方では我々自身の二国間、多国間の外交努力の中でぜひ核の、当面はインド、パキスタンの再度の実験に対し、また拡散の防止に対し努力をするわけでありますけれども、同時に、現在核を保有している国々を含め、核兵器の廃絶に向かってきちんとした努力を日本は愚直に続けていきたい、誠心誠意続けていきたいと考えております。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 次に、経済問題でございますが、先ほどもお話がございましたとおり、去る十二日の経企庁の発表、これは大変な数字でございまして、我が国の国内総生産がマイナスの〇・七だと、こういうことなのでございます。  そこで、私は経企庁長官にまずお聞きいたしたいと思いますが、先ほども若干お話がございましたが、政府見通し、当初見通しでなくて昨年末に設定した修正見通し、この〇・一%から比べましてもかなり大きく落ち込んでおる。そこに至った理由、原因、こういうものについて御説明を願いたいと思います。  なお、このたびは十六兆円を上回る総合経済対策を確定し、逐次実行に移しつつあるわけでありますが、私はこの総合対策はその規模の面からもまた内容から申しましても画期的なものであると思うわけでありまして、これを実行いたしますならばかなりの成果がある、こういうふうに私は思っておるわけでありますが、そういうことも踏まえて、先ほども若干お話がございましたが、平成十年度の見通し、これについても御説明をお願い申し上げたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 昨年暮れにつくりました政府のいわゆる修正見通しでございますが、九年度全体として〇・一%程度プラスという見通しを立てました。結果におきましては実績マイナス〇・七%ということになったわけでございます。  どうしてこういうことになったかということを振り返ってみますと、昨年の秋口から、相次ぐ金融機関の経営破綻あるいはアジアにおける通貨・金融市場の混乱等を背景といたしまして、家計及び企業の景況感といいますかマインドが非常に急速に悪化をいたしまして、消費性向も急速に下がったわけでございます。それからまた、四月一日の早期是正措置を控えまして民間金融機関の貸し出し態度が非常に慎重になりまして、企業の資金調達等がなかなか難しくなったという点もございます。  大きく分けてこれらの点から個人消費と設備投資が予想外に下がったということでございまして、九年度の見通し、消費につきましてはマイナス〇・四%から結果としてマイナス一・二%へ下がりました。設備投資につきましては、企業収益が改善に向かわず、また先ほどの金融機関の貸し出し態度等の問題もございまして、見通しプラス二・九%でございましたのがプラス〇・七%にとどまったということでございまして、結果として九年度全体としてマイナス〇・七%となったわけでございます。  しかしながら、極めて最近の状況を見ますと、三月、四月ごろの消費性向は、三月七一・七、四月七二・九ということで、昨年九月ごろの水準に戻ってやや正常化の兆しが見られるわけでございます。したがいまして、この一―三月の消費は、十―十二月の消費がマイナス一・〇%でありましたのに対しましてプラス〇・一%になり、いわゆる消費者のマインドは正常化の兆しが見られるという状況になっております。  そういう状況の中で、私どもこれから総合経済対策を補正予算を通していただいて実行に移すわけでございますが、総合経済対策の効果を受けやすい状況にこの経済の状況はなっているというふうに考えております。そして、減税及び社会資本の整備等の対策によりまして、私どもの計算では少なくとも十年度二%程度、今後一年間に二%程度は経済に対するプラスの影響があることは確実でございます。  そういう政策を全部ひっくるめまして、中長期にわたるベンチャーの育成あるいは科学技術の振興、情報通信の発展等々の政策も講じ、それから不良債権の処理を進めることによりまして、経済は順調な回復軌道に乗り、平成十年度の一・九%という政府の見通しは実現できるものと考えている次第でございます。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 よく言われますことでありますが、日本経済のファンダメンタルズというのは悪くない、悪くないというよりも大変よろしいということなのでありますけれども、しかし、国内には何とも言い知れない不安感というのが漂っておることもこれは事実であります。金融システムに対する不安、あるいは少子・高齢化の進展ということにより年金なんかはどうなるんだ、企業のリストラあるいは倒産に対する恐怖感、不安感、あるいは今の超低金利政策がいつまで続くんだ、こういう高齢者、年金生活者の不安、要するに先行きはどうなるんだ、こういう不安感が非常に強く漂っておるわけであります。  私は、こういう心理的な要素というものも経済に大変大きな影響を与えておると思うわけでありまして、いろんな対策を実行するのもこの不安を解消するためにやるわけでありましょうが、総理にぜひ一つ伺いたいのは、国民の不安感を解消するためにいろんな対策をやっているんだけれども、要するに、政府は責任を持ってやるんだ、先行きに対して責任を持つんだ、金融不安の解消もやるんだ、雇用不安の解消のためには政府挙げて万全を期するんだ、こういうことを私は気迫を込めて国民に訴えてもらう必要があるだろうと思うわけであります。  もちろん、気迫だけではいけませんで、対策が伴わなきゃなりませんけれども、せっかく十六兆を超える大変な政策をやるわけですから、政府は国民生活を守るんだ、だからひとつみんな一緒に頑張ろうじゃないかということを訴えてもらう、その気迫と具体の政策とが相まって私は初めて効果があらわれるものと、こう考えます。気迫だとか気力の面では、総理は剣道の達人ですからだれにも負けない方だと私は思います。  どうです、ひとつこの際、政府も一生懸命やる、国民生活は守るんだということを気迫を持って国民に訴えていただいて、そして具体の対策ももちろん進めていただくということで私はぜひ取り組んでいただきたい、こういうふうにお願いを申し上げますが、御所見なり御決意をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、激励を込めて、国民の中にある不安感というものに本当にどうこたえるんだ、それだけの責任を持って言うべきことを言え、そういう御指摘をいただきました。  私自身も、地方に出ましたりさまざまな機会にそうした思いを受けることがございます。それだけに、私はよく、日本国自身を信じていただきたい、対外資産においても外貨準備においても、国民の貯蓄という形で持たれている資産についてもずば抜けている国なんですよ、しかも潜在的な能力は非常に高い国です、そう申し上げてまいりました。  その上で、景気の回復を図る、そのための内需の思い切った創出、そのためには七兆七千億円に上る社会資本の整備と四兆円の特別減税という形で我々は対応しようといたしております。今、御審議をいただいている補正予算はその中心であります。また、不良債権問題の抜本的な処理と構造改革という三つの柱から成る総合経済対策を私たちは既に公表し、これに取り組んでいるさなかであります。  今、例えば金融について、年金について、あるいは雇用についてというお尋ねがありましたので、多少の時間をいただきたいと思うのであります。  三十兆円の金融安定化策、この中には預金者を保護するための十七兆円、そして金融機関の資本を充実するための十三兆円の柱がありますが、これは当然ながら、もう負債が超過して倒れてしまうような金融機関を救うために使うものではありません。そのかわりに、預金者の方々が御心配にならなくても済むように十七兆円というお金を用意したわけでありまして、こうした点についての不安というのは鎮静化をしてきたと思います。  そうした中でこれからやらなければならないことは、まさに金融機関自身の内部、それぞれの内容に即した適切な検査や監督をきちんと行っていく、そしてその中で不良債権を処理しながらシステムを立て直していく。これについては既にトータルプランといった形で党の方もお考えを示していただいていますが、政府もその方向を総合経済対策の中に盛り込んでおりまして、全力を挙げて取り組んでまいります。  また、年金もそうですが医療もそうです。社会保障はどうなるんだという不安は、特に先般の出生率一・三九という数字が出てから深刻になってきました。  高齢・少子社会ということになれば、実は年金や医療や福祉といったいわば家庭の安全網というような、セーフティーネットというような役割をする仕組みはますます要るんです。だからこそ、平成十一年、次期の制度改正、これは年金についてでありますけれども、経済成長率も低下している高齢・少子社会という中であっても、給付と負担のバランスをきちんと確保しながら将来にきちんと維持できる、次の世代の負担というものを余り過重にしないような仕組みを私たちは今きちんとつくろうとして論議を進めているわけです。当然ながら、将来にわたって安心して年金を受けられる仕組み、また医療の受けられる仕組みを引き続いて我々は用意してまいります。  また、六月二日、産業構造転換・雇用対策本部を開きまして、ただ単に漠然とした雇用対策ではなく、地域や業種や年齢層別の雇用失業情勢というものに即した対策をきちんと講じていくように方向を決定いたしました。この方針に基づいて雇用の安定にも全力を尽くしていきたい。しかし、そのためにも新しい業が立ち上がってくれることを、私どもは構造改革を進める中でその余地をどんどん大きくいたして、それだけの雇用が新たに生まれてくる土壌もつくっていく、そんな覚悟で取り組んでまいりますので、全力を挙げて進めていく政府に対しどうぞ御協力を賜りたいと心から願います。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 今も総理のお話の中にございますが、雇用失業情勢というのは大変厳しい状況であります。一々ここで数字は申し上げませんが、先般の総務庁、労働省の発表を見ますと国民は大変びっくりしたのではないか、こういうふうに私は思うわけでございます。  一家の世帯主の失業、こういうことを考えますときに、やはり政治家として大きな責任を感じざるを得ません。あるいは新規学卒者がこれから社会へ旅立とうというやさきに職がないということも深刻でございます。私から申し上げる必要はございませんが、総理も今おっしゃられましたけれども、どうぞひとつこの雇用問題に万全を期して取り組んでいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。  次に、行政改革の質問を二、三させていただきたいと思っております。  行革の基本法が先般成立をいたしました。これは総理が唱えてこられた六大改革のうちの最も重要な柱がいよいよスタートを切ったということでありまして、国政上画期的なことだ、こういうふうに思います。  総理もよく御引用なさる司馬遼太郎氏の著書の中で、国民国家というのは国民が自分と国家とを同一視できる、そういう国のことだ、こうございますが、私は、今のこの国内の状況を見ますと、なかなかそうはいっていないのでありまして、むしろ国民と国家との距離が離れつつあるんじゃないかという気がいたしてなりません。もろもろの公務員の不祥事だとかいろんなことがあると思いますけれども、国家と国民が離れたのでは、これは行政改革に限らず何事も仕事ができないわけなのでございまして、行政、政治を進める上で国民の信頼、こういうことを高めることが何よりも私は大事だ、こういうふうに思うわけでありまして、恐らくこれは総理も御同感だと思いますが、一言御所見をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 国民の行政に対する信頼を回復するためにも行政改革に対する決意をと、この御指摘は私は素直にそのとおりちょうだいいたしたいと思います。  そして、先般、院における御協力をいただき、中央省庁の方向づけを決める基本法を成立させていただきました。その前提には、当然のことながら地方分権の努力をしなければなりません。地方分権推進委員会からの四次にわたる勧告を土台に地方分権推進計画を取りまとめ、国会にも御報告をさせていただきました。そう遠くない将来において、この地方分権推進計画の中における法改正を必要とする部分について国会の御論議をいただかなければなりません。  また、官民の役割分担ということと同時に、規制の緩和、撤廃、見直しという作業を必要といたすわけですが、これにつきましては、本年の三月三十一日に三カ年計画が終了いたしましたのを受け、すぐに四月一日から新たな規制緩和の推進三カ年計画をスタートさせ、その中におきましては、例えば運輸行政における需給調整による規制を廃止する原則、これを他の分野にももちろんのことながら広げていくわけですけれども、そうした方向づけをきちんといたしております。  また、当然ながら情報公開というものが、先ほど他の御質問に対してもお答えをいたしたことですが、必要なことであり、政府としては、その法整備のために国会に法案を提出させていただきました。  そうした土台の上に、中央における行政機構の再編整備を行い、その中で、例えば局にいたしましても三分の一近くを減らしたい、あるいは室、課といったところにおいても現行から四分の一ぐらいは減らしたい。要員も、当然ながら行政改革を続けていく今日においても国家公務員の定員は縮減を続けておりますけれども、新たな体制でスタートするときになりましたら、その時点からまた一〇%くらいを減らしていけるような、そうした努力目標を既に基本法の形で国会からお許しをいただいておりますので、私どもできるだけ早く本当にそう遠くない日に推進本部をスタートさせ、これに向けて全力を傾けてまいりたい。  どうぞまた国会の御協力をよろしくお願いいたします。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 総理も言われておりますが、行革は基本法ができましたけれども、ベースキャンプにたどり着いた段階だ、問題はこれからだとおっしゃいますが、私も全くそうだと思います。越えなければならないハードルはもう山ほどあるというふうに思うわけでありますが、その最初の大きなハードルが各省の設置法をどうやってつくるか、こういうことだろうと思います。これは各省の仕事や権限を定める法律でありますから、行政改革が役所のスリム化を目指すものである限り、この設置法の制定というのは大変大事なものだ、こういうふうに私は思います。各省の権限を根底から見直しをして、新しい時代に向かってこれを再編をしていかなきゃならない、こういうことであります。  世間では官僚の抵抗ということをよく申しますが、私はこの言葉は適当じゃないとかねがね思っておるわけであります。私も若いころ若干の経験がございますが、役人というのは自分の与えられた仕事、これに愛情を持っておる、これに情熱を傾ける、どんな細かい仕事であってもこの仕事を伸ばすことが国のためだ、国民のためだと、みんなそう考えているんです。私は、この役人の気持ちが今日の立派な日本をつくった大きな一つの要因だと思うのでありまして、この気持ちを行革によってなくするようなことをさせたら私はこれは大変なことになる、こういうふうに思うわけであります。  私がここで皆さんに申し上げたいのは、ひとつ政治家、総理初め閣僚、この各省設置法の制定に当たってリーダーシップを発揮してもらいたい、こういうことなのであります。つまり、法律をつくれば、仕事を減らせば、役人を押さえつければそれで行革ができると私は思いません。むしろ、政治家がリーダーシップを発揮して役人を説得し、納得をさせて行革を進めていくということが私は大変大事だと思う。  あなたのやっているその仕事は大変大事だ、しかし世の中が変わったんだ、だから、あなたが公務員としてやるよりもこれは民間にやってもらった方があなたの愛するこの仕事は伸びるんじゃないか、あるいはその仕事を自治体にやらせたらいいじゃないか、その方があなたが愛するその仕事は伸びるんだよと、こういうことで官僚、役人を説得しなきゃならない。なるほどなということで、理解と納得のもとでこの設置法がつくられなければならない、私はこう思うわけであります。官僚の抵抗だということで片づけてこれを押さえつけるようなやり方では私は日本の将来が危ない、こういうふうに考えておるわけでありまして、それがゆえにこそ、我々政治家、特に設置法をおつくりになる各大臣の皆さん、総理のリーダーシップ、これが今こそ問われる、こういうふうに私は思っております。  本来なら、そういうことの御決意を各大臣からお聞きすべきでありますが、時間の関係もございますので、近く発足される推進本部の副本部長の総務庁長官と官房長官、それから本部長の総理、この三者にお尋ねをします。まず、小里さん、ひとつ力強く簡潔に御答弁を願いたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 大変貴重な教訓を力説いただいたと、そういう実感でございます。  先ほど総理の方からお話しございましたように、先刻国会の意思を確定いただきました。いよいよこれからまさに重大なる、国民から求められる中央省庁改革につきまして、不退転の決心で対処しなければならない時期が到来をいたしました。  一つ申し上げますが、ただいまやはり公務員とて信頼してやれと、そしてこれはまさに国民が求める行政改革、なかんずく中央省庁の再編を具体的に進めるその役割におきまして一衣帯水だというお話でございましたが、私もそのとおりと信じ、また高く評価をいたしております。  皆様方が国会で意思を決定いただきましてから、各省庁の幹部の皆さんと赤いじゅうたんの上で会う、あるいは議員会館等でお会いいたしますと、いや、やりますよ、本当にこの際私どもは謙虚に、そしてまた具体的情報等も提供して持ってまいりますから一体となってやりましょうと。そういう響き、雰囲気が出てきつつあることも実態でございまして、こういう職務、行政実務に携わる諸君とも提携をいたしまして、しかも先生お話がございましたように改革でございますから、やはり政治が勇気を出して一定の方針、信念のもとにきちんと整理をして大胆に進めていかなければならない、さように存じておるところでございます。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) 佐々木先生の先ほどの御意見に全く賛成でございます。私も副本部長という役目でございますが、実務面ではこの設置法は小里総務庁長官のもと、百数十名でなされると思います。大変な改革であります。  私の役目は、政治家の皆さんあるいは公務員からいろいろ御意見を聞きながら、そして国民に理解を求めながら新しい省の任務あるいは所掌事務、そして規制緩和あるいは地方分権等、いろいろなことに配慮しながらやっていかなきゃいけない。まさに公務員を説得し、そして理解を求めながら一生懸命リーダーシップを発揮してそれをやっていきたい、こう思っております。  以上であります。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、一番大事な問題を改めて議員から提起いただきましたことに敬意を表します。  行政改革というものの中で一番つらいこと、それは、現在行っている自分の仕事がむだであったのか、あるいは国家の利益に反したのかという思いを職員に持たせることであります。それは絶対に我々はやってはならないことです。各省設置法は事務局一体となりまして本部長、副本部長のもとで作業をしてまいりますけれども、その中では、今の仕組みの足し算、引き算ではなく、新たな目標に向かってそれぞれの省がどのような役割を持つべきかを土台から築いていかなければなりません。同時に、人一人一人の人生設計、公務員としての人生設計を変えることにつながる行政改革でありますから、その痛みは十分に受けとめた上で協力をしてもらい、この国の将来に備えていきたい、そのように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 行政改革の中で地方分権というのが一つの目玉になるわけでありますが、私は、地方分権を大いに進めてもらいたい、事務事業の地方への移譲、大いにやってもらわなきゃなりません。同時に、この財源の確保と申しますか充実、これが不離一体のものとして必要でありますので、どうも行革の論議の中でこの財源問題の論議が薄いように感ずるのは私だけかもしれませんが、ひとつぜひそういうことのないように地方財源の充実強化、こういう方向で頑張ってもらいたいということだけをお願い申し上げておきたいと思います。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十年度補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。佐々木満君。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 私は、先ほど政治、行政に対する国民の信頼が一番大事だということを申し上げたわけでありますが、国民と国家との距離を太く短くする、国民の声が政治や行政に敏感に反映するようにする、しなけりゃならない、こういうことが私は大事だと思います。  総理も御存じでありますが、我々参議院では、委員会のほかに参議院独自のものとして調査会というものを設置してございまして、活躍をいたしておるのであります。国民の目線に立って長期的な課題について専門性を生かしながら調査、審議をしようということでございまして、それぞれ今日まで成果を上げてまいりました。  その一つに行財政機構及び行政監察に関する調査会というのがございます。井上孝さんが会長をしておられますが、この調査会でいろいろ検討しました結果、やはり国民と行政、政治との間の距離を小さくするためには行政監視の仕事が大変大事じゃないかということで、先般答申をいたしました。我が参議院では常任委員会として行政監視委員会が設けられておりまして、そうしてオンブズマン機能を持つ、そういう苦情の処理あるいは請願の処理の充実、こういうことをやっておるわけであります。  小里総務庁長官にお願いいたしますが、この井上調査会では、もう一つ政策評価ということが大事だということで調査をいたしまして、先般、参議院議長に意見を提案申し上げたのであります。これは、行政を進めるに当たって具体の政策について評価をこれからはしていくことが大事だ、事前の評価あるいは途中の評価、特に事後評価というのが大変大事で、国民と行政をつなぐためには絶対にこれはひとつ充実をしなけりゃならない、こういう提案でございます。  この事業事務、これは国家国民のためになっているのかどうか、最少の経費で最大の効果を上げているかどうかということについてやはり事後に主としてチェックをして、それに基づいて次の計画を立てる、こういうふうにすべきじゃないだろうか、こう思っておるわけであります。  そういうことはないと思いますが、各省でよく五カ年計画等の長期計画がございます。これが終わりますとそれの何割増しということでまた新しい長期計画をつくりますが、そういう場合にもよくひとつ評価をして、そうしてやめるものはやめる、縮小するものは縮小する、伸ばすものは伸ばす、そういうことで次の計画をつくっていく、こういうことが大変大事だ、こういうふうに思うわけでございます。参議院が特に決算の審査を重視しておるというのもこれと同じ考えでございます。  総務庁長官にお尋ねしますが、この基本法の中に一条設けていただきまして、私は大変ありがたいと思っておりますが、なかなか政策評価の手法というのはまだ開発されておりませんので難しいと思いますが、今後ひとつぜひこれを進めていただきたい、こういうふうに思いますので、御所見をお願い申し上げます。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) お話にございましたように、従来、各種の施策の新設あるいは導入等につきましては、大変旺盛な意欲のもとにきちんと整備をしてやってきておるなと。しかしながら、一たんスタートをいたしました施策、それが歴年流れていくわけでございますが、その途中におきまして、いわゆるその効果分析、あるいは今お話がございましたように基本的に見直しを果敢にやるということも極めて大事ではないか。しかもそれで国民に十分行政の流れを理解いただけるし、そして行政の効率を上げることに通ずるんだという議員のお話でございますが、まさにそのとおりでございます。  今次の基本法におきましても、新しい各省庁内におきましても政策評価を行うべし、それから各省庁間におきましても政策評価を行うべし、三つ目にはそれらのいわゆる反省、点検、そして評価、見直しの情報を国民に向かって明朗に活発に行うべし、そういう趣旨が加えられておるところでございまして、議員の御発言の趣旨、全く同感でございます。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 二十一世紀というのはいろんな社会だと思いますが、とりわけ最近の数値から見まして大事なのは人口問題に対する取り組みではないだろうかな、こう思っております。  御案内のとおりの先般の人口動態統計、こういうものを見ますと、日本は間もなく人口減少国になる、生まれて初めて、経験したことのない、あるいは考えたこともない、そういう減少国になる。御案内のとおりの少子化、高齢化の進展、こういうことを考えますときに、この人口問題というのは国家、社会の基礎数値でありますから、私は本当にこれは大事なことだと思います。これは社会保障がどうだとか、そういうこともありますが、それだけではなくて、家庭の問題だとか、地域社会の問題だとか、教育制度の問題、あるいは企業、経済のあり方、人口問題というのはもう国政、国民生活万般に影響を与える私は大事な問題だと思います。  したがって、これは一厚生省や一労働省の問題でもございませんで、国政全般で取り組んでいかなきゃならない大変な課題だと私は思いますので、総理にはこの人口問題、御専門でいらっしゃいますけれども、どうぞひとつ重要性、私よりも御理解いただいていると思いますが、取り上げていただきまして、政府全体で取り組んでいただきたい、こう思ってお願いを申し上げたいと思います。  私は、最後に、参議院改革の問題について申し上げまして、御理解と御協力をいただきたいと思います。  参議院は、昨年、五十周年を迎えまして、記念行事として子ども国会とか女性国会とか、あるいは世界の上院議長さんにお集まりいただきまして上院議長会議等を行いまして大きな反響を呼んだわけであります。  我々は、日本国憲法のもとで二院制の一翼を担う者として、衆議院の抑制、補完、均衡、どうしてこの機能をうまく果たしていくかということで、組織運営等について改善を加えるべく努力をいたしておるのであります。  先ほど申し上げましたが、行政監視や政策評価、決算審査の充実、こういうこともその一つのあらわれであるわけであります。改革のテーマはたくさんあります。議員立法の充実もそうでありましょうし、いろんなテーマがございますが、我々はこれからひとつ大いに研究をいたしましてこの問題に取り組んでいきたい、こういうふうに思います。  先般、カーター元大統領を招きまして外交・防衛委員会で意見交換を行いました。また、先般は核問題について各党各会派の議員同士の意見交換を行いました。こういう議員同士の意見交換というものも、これは参議院のあるべき姿としてこれから積み重ねていかなきゃならぬと私は思います。議員同士で議論をしていますと、立場は違いますけれども、おのずからそこに共通の理解、そういうものが生まれるわけでありまして、これがまた議員立法にもつながるのではないか、こういうふうに思ったりいたしてございます。  我々自民党は、選挙が終わりましたら参議院の議員定数の削減問題に取り組みたい、こういうふうに思っております。そして、参議院を改革して日本の政治を変えるんだという決意で我が参議院自民党は取り組んでいきたい、こういうふうに思っておるわけであります。  参議院改革については、政府の皆さんにも御協力をいただきたいと思いますが、この際、もし御所見がございましたら、総理から一言伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 押しボタン制の採用を初め、各般の分野におきまして参議院が絶えず改善の努力をされ、そしてその中で国政における大きな責任を果たしておられるその御努力に対して敬意を表します。同時に、引き続き進められるであろう参議院の改革に、政府もおくれをとらないように全力を尽くしてまいります。

佐々木満自由民主党

○佐々木満君 世紀末ということで、内外ともに重要課題が山積しております。そうした中にあって、総理はみずから率先してこの難局に立ち向かっておられるわけでありますが、先日は衆議院で内閣不信任案が大差でもって否決されました。橋本総理、あなたは信頼されたわけであります。どうぞひとつ胸を張って、信ぜられるところに従って大胆に政策を展開してもらって、国民、国家のためにひとつ頑張っていただきたい、そのことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。片山虎之助君。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。関連質問をさせていただきます。  せんだって行財政改革・税制等特別委員会でも総括質疑をさせていただきました。また、この補正予算審議の当予算委員会で重ねて総括質疑をさせていただけることを大変光栄に思っております。  総理初め閣僚の皆さん、大変御苦労さまでございます。私はいつも総括質疑を見ておりまして、本当に大変だと思います。とにかく質問があろうがなかろうが一日じゅう拘束されるわけでありますから、狭い委員会室で狭いいすで、それは居眠りもしたくなります、上手にされる方もおりますけれども。それから、行儀も悪くなるし私語もしたくなると思います。総括質疑のあり方というのは、今後与野党で国会改革の一環で私は少し考えるべきじゃなかろうか、こう思っております。  それにしても、総理はお見事なもので身じろぎもされない。やっぱり総理・総裁になる人は違いますね。ぜひひとつ総理・総裁を志す方は総理をまねていただいて、行儀正しくやっていただきたい、こういうふうに思います。大臣という中には総括質疑で辛抱するのも入っているんです。それは大臣の仕事の一部でございますので、ぜひそういうふうに御理解をいただきたいと思います。  さて、総理は、総理御在任がきょうで八百八十八日になったんです。きのうで故田中角栄総理を抜きまして歴代第六位になりました。まことに私は御同慶の至りだと思っております。  来月、我々参議院の選挙があります。私は三年前に改選された組でございますけれども、あの参議院選挙の後、我々は党内で有志を募りましてグループ横断的に橋本龍太郎を総裁にする会をつくりまして、総理に総裁選出馬をお願いして、総理は受けて、総裁になられた。それから、その三カ月半後に村山総理の後を継いで総理としてスタートされた。それが八百八十八で末広がりの八が三つも続くんですから、大変私はめでたいことだ、こう思っております。その総裁選出馬の際に、総理の公約は「元気を出せ!日本」だったんですよ。「元気を出せ!日本」、元気回復宣言だった。(「元気がなくなっているんじゃないか」と呼ぶ者あり)いやいや、そんなことはない。  そこで、私は、この機会に総理は初心に返っていただいて、内外の難問に果敢に挑戦していただいて、この国は、佐々木先生の質問にありましたように、やわな国じゃないんですよ、底力があるんです。こんな国が元気をなくしてずるずる行くことはない。ぜひ我が国に元気を与え、国民に先行きの見通しと明るさを与えていただきたい、初心に返っていただきたい。元気を出せ橋本龍太郎として、御所見をひとつ賜りたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員から御激励をいただきまして、改めてお礼を申し上げます。同時に、そんなに日数がたったのかなと、改めて緊張の連続を振り返っておりました。  ペルーの事件あるいは先日のインドネシアの事件のように、報道の皆さんが注目をされてつらい思いをするときもあります。逆に、日本のメディアの方々にはほとんど小さな記事にしか扱っていただけませんでしたけれども、先日、ギニアビサオという国で非常な危険な状態が生まれました。あと十七人という邦人を離脱させるまで随分冷や冷やしました。幸いにセネガルの派遣した船に全員乗せていただくことができまして邦人は皆無事でありましたけれども、そういう事件が起こりますたびに本当につらい思いがいたします。  しかし、今まさに景気回復を図りながら日本の経済をしっかりしたものにしていく、そして世界の中できちんとした位置づけを持った日本であり続けるためにも、さまざまな国との関係を一層きちんと友好裏に進めていかなければならない。そうした課題に全力をもって取り組んでいきますので、委員におかれましてもぜひ支えていただきたい。心からここまで支えていただいたことに対するお礼と同時に、これからも与えられる時間内全力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総理、よろしくお願いします。  それで、経済問題を冒頭に少しお話ししたいんですが、とにかくこの円安、加速的な円安状況です。しかも、それが株安に連動している。債券安。これはトリプル安と言われていますね。私は、これはどういうことなんだろうか、マーケットというのは正しいんだろうか、そういう気まで今しつつあるわけでありますが、総理、これには何か奇策がありますか、このトリプル安をとめる。  私は、奇策はないんじゃないか、正攻法しかないと。正攻法というのは何だと。不良債権を処理して金融システムを安定化させる、あるいはこの補正予算を中心に公共投資や減税で内需を拡大していく、国民の皆さんにも協力してもらって消費を喚起してもらう、そういうことを堂々と国民にも伝えて、みんなで力を合わせてこのトリプル安を乗り切るしかないと思いますけれども、どうでしょうか、奇策はありますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員から奇策という言い方でお尋ねをいただきましたけれども、私は魔法のような方法というものは本来あり得ないと思っております。  同時に、日本という国の持つ底力、国民の預貯金の形で積み上げられている資産、海外に持っている資産、外貨準備、さらに教育程度の高い質のよい労働力、それぞれの企業、いずれを見ても私は悲観論にくみするものではありません。そして、その意味では、少し世の中に必要以上の悲観論を流布されているのではないか、そういう思いは率直にいたします。  そして、議員が今指摘をされましたように、一つは特別減税や公共事業によって物の流れ、人の働き場所、資金の流れをつくる。しかし、本質的にやはり金融機関の持っている不良資産、不良債権というものを処理し、日本の金融に対する信頼性を取り戻していく、こうした地道な努力の積み重ねの中からきちんとした市場が生まれる。その意味では、議員が御指摘になりましたような一つ一つの仕事を誠心誠意やり上げていく以外に奇策はない、そう思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、不良債権処理で自民党内では調査会をつくりまして、例の土地・債権流動化トータルプランという長い名前の構想を検討中です。恐らく臨時国会か何かに法律の形をとるかということになると思いますけれども、権利調整委員会をつくるとか、サービサーを置くとか、あるいは場合によったら無税償却を広げるとか、そういうことを検討中ですが、政府もこれには今一体となって加わっておやりになっている。大蔵大臣、見通しどうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 総理がしばしばおっしゃっておるように、我が国の経済の中で金融機関の強さという点がアメリカ等に比べれば少し弱いのかな、そこで金融部門の強さを取り戻さなきゃならぬ。そのためには金融機関の抱えている不良債権の本格的な処理をスピーディーにやる必要がある。それをすれば我が国の銀行等も力強さがよみがえる。そうすれば、金融機関が本来の役割、すなわち必要な分野に必要な資金を供給するという役割をきちっと果たしてくれる。それが経済の活性化に非常に大きな役割を果たす。  その役割を果たすための方策として自民党、政府一体となって今協議会をつくって検討しているところでありますが、国会が終わった後も引き続きこの検討を進めて、選挙中も進めて、そして参議院選挙後の臨時国会に必要な法律案を提案できるように、そういうスピード感を持ってこれに対応していこうとしているところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣、早急に今から準備に入られて、臨時国会で立法化して断固としてやってください。これは必ず成功しますね。きょう国民の皆さんは見ていますから。不良債権処理は、数字合わせじゃなくて、今度はきちっとできて土地がマーケットに出てきますね。もう一度。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のように、スピーディーにやって、そして国民の期待にこたえなきゃならぬ、こう思っております。  いずれにせよ、不良債権には担保がついているわけです。その担保の土地が寝たままになっている、そういったものの活用も図らなきゃならぬ、そういったことにも資するものと、こう考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 ぜひお願いします。  そこで、この補正予算でございますが、補正予算は十六兆六千五百億円の経済対策を受けたものでございますから、柱は公共投資と減税ですね。そして公共投資は七兆七千億円です。地方が一兆五千億、災害復旧が二千億ありますけれども、六兆円国が出すと。その中は、新型と言われるのが一兆五千億。従来型は、この区分はなかなかややこしいんですけれども、今レッテルはちょっと変わっておりますからあれでございますが、四兆五千億。  それで私は、新型というのか新社会資本みたいなものを整備することは大変いいことだと思いますよ。今まで割に込みでやられておった。それが堂々と公共投資の中に入って社会資本として整備をされるということは私は大変いいと思うけれども、ただこれも民でやるものまで公がかぶるとか、地方との関係を整理するとか、そういう何か整理は必要だと思いますね。  それから、従来型の四兆五千億、これも私は結構です。とにかく高齢化社会になると、これはもうだんだん新規に社会資本をふやす、社会資本を整備するようなお金がなくなるわけですから。更新だとか補修だとか維持管理だとか、そういうことにお金をとられるわけですから。だから、今のうちに私は思い切ってインフラといいますか、基礎的な社会資本を整備するのはいいことだと思いますけれども、世の中に批判があるのはべたなんですよ。私は、これから従来型を選別してもらわなきゃいかぬと思う、本当に国民や地方が要請するものをちゃんとやってやる。べたでとにかく投資すればいいとか、事業が進めばいいとかいうことでは私はだめだと思うんです。  そこで何点か、私は地方ですけれども、今地方の皆さんが関心を持っていることについて関係の大臣に御答弁をいただきたいと思います。  今、私の県でも一番困っているのは産業廃棄物の処理なんです。しょっちゅう住民投票がある。必ず負けます、圧倒的な大差で。できませんよ。産廃を反対と言った町長さんが当選するんです。いい悪いじゃない。  そういう意味で、産業廃棄物処理は本気で取り組んでもらわないと日本じゅうふん詰まりになりますよ。厚生大臣、どうですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 私もそう思います。  一地域から出たごみを一地域内で処理する、なかなか難しいんです。東京なんかいい例です。同じ区内のごみを同じ区内で処理場をつくろうとしたら、これは高い土地、人口が密集した地域。やはりできるだけ地域の空いたところに処分場をつくってもらわないと、昼間の人口と夜の人口が十倍以上も開いているということを考えれば、同じ地域内で出たごみは同じ地域で処理してもらおうというのは当然なんですけれども、これについてはできるところとできないところがある。  最終処分場の施設がつくられるという場合、周辺の住民は必ず反対します。しかし、それを言っていたら成り立たない。そこで、環境保全とかを考えまして、地域の住民の理解を得ながら、ごみをできるだけ少なくしよう、リサイクルの循環型の社会をつくろうという点も必要でありますが、これから公共投資として最も重点配分するべきは最終処分場、産業廃棄物処理場、この面について公共投資をもっと私は重点化すべきだ、予算も十分使うべきだ。お金が足りないんだったらその分今までのを見直して、ほかの部分を削っても処理場、産廃処分場等については公共投資を重点的に進めるべきだと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 ぜひ大臣、厚生省の最重点課題としてお取り組みをいただきたい、環境庁になるのかもしれませんが、ぜひお願いいたしたいと思います。  それから、都市計画、都市整備で言うと、自民党が中心でまとめました中心市街地活性化法なんです。今地方都市でもみんな市の真ん中が空洞化しているんです。小中学校の統合をやらないと維持できないんです。私は、これはもう大々的にやってもらわなきゃいかぬと思う。そのためには、地方都市も容積率を緩和してげた履きのあれにして、上は住宅を置いてもらわなきゃいかぬ、地下には駐車場。空き店舗がずっと生きるんですから、それをどうやって有効に活用するか、総合的な対策をぜひお願いしたいと思いますが、建設大臣、お願いします。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) 中心市街地のお尋ねでございますが、面整備の面と、通産省と一体になって取り組む面、また自治省と協力し合わなきゃならぬ点、いろいろございますが、総合力を発揮しまして中心市街地の活性化、このことに全力を挙げたいと考えておりますし、さきに関係法律も通させていただきましたので、早速取り組んでまいりたい、かように考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それから、農村で言うと中山間地対策なんです。これはなかなか有効な方法はないんです。ないけれどもやらなきゃいけません。どうですか、農林水産大臣。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) まさに御指摘のとおりでありまして、我が国は、単に気象条件とかあるいは農地の狭さ等の劣悪な条件に加えて、中山間地域四割を抱えております。しかしながら、中山間地域に農業あるいは林業等が定着してくださっていることでこの国の自然や国土が保全されていることも事実でありまして、これらの多面的機能、公益機能を顧みますれば、十分それらに配慮すべきだ、そういうことでいろんな施策の展開を図っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それから、空港です。ハブ空港の大議論もありますけれども、私は地方空港もやっぱり整備をする必要があると思う。ただ、整備をして需要が出るのかという大変難しい問題がありますけれども、今後のハブ空港以下の空港についての整備の御方針を運輸大臣から。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(藤井孝男君) これからの国際化、また自由化がどんどん進みますと、航空業界も大変な競争時代になります。そして、我が国はそうした国際競争に対応するため、まず大都市圏を中心としたハブ空港を早急に整備しなきゃいけない。運輸省といたしましても、この点につきましては重点的にこれから整備推進をしてまいる所存であります。  つきましては、その国際ハブ空港に接続するアクセスとしての地方空港の役割というのも非常に大きいわけであります。また、整備新幹線もやはりこれから整備していかなきゃなりませんけれども、地方の特性、地域性を勘案し、また要望の強い地方空港、これからの高齢化あるいは少子化というものに対する、もちろんその費用対効果あるいは需要はどうあるのか、採算性はどうあるか、こういうものは厳しくチェックをして整備しなきゃなりませんけれども、いずれにいたしましても、地方空港の今後ともの整備は必要だと私どもは認識いたしております。  今申し上げましたとおり、また委員も御指摘のとおり、今後の採算性、需要、そして地域の要望等々、そういったことを十分踏まえながら整備を進めていきたい、このように考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、公共投資にいろんな期待があるんですが、一つは雇用創出で今の失業者を吸収する。  ところで、今度の公共投資で三十万人の雇用が創出されるとかという話ですが、それは経企庁長官、そうですか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 総合経済対策の経済効果、先ほどからお話を申し上げておりますが、全体としてGDPを向こう一年間で二%程度伸ばす効果があるというふうに計算をしているわけでございます。  そこで、GDPに対する雇用弾性値というのがございまして、これはGDPが一%上昇することに対します雇用者数の伸び率という意味でございますが、〇・三から〇・七というふうに見ているわけでございます。それで計算をいたしますと、GDP二%伸びますと、現在の雇用者数五千三百五十万人というベースでございますので約三十万人の雇用増加が期待できる、こういうことを見通しているわけであります。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 まあ紙の上の計算、砂上の楼閣風ですね。  そこで、建設業界というのは労働集約型だし、今まで比較的生産性が低いですから、私はある程度こういうことをふやせば吸収できると思うけれども、建設業自身が構造改革をやって効率を高めないといかぬわけです、不良債権も抱えていますし。そういうときに、公共事業だけにどっと雇用を吸収しろと。もう絶えず公共事業を伸ばさなきゃいかぬじゃないですか。  私は、この失業対策はもっと本質的に雇用基盤をきちっと整備する。それは何だと。新規産業の創出とかベンチャービジネスだということになるかもしれませんけれども、そこのところは要ると思いますよ。労働大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ただいま企画庁長官からもお答えがございましたが、公共事業とかあるいは減税によって有効需要を喚起して雇用を維持するというのはあくまでやはり短期的な痛みどめあるいはカンフル剤でありまして、それで時間を稼ぎながら構造改革を実現し、そして新規産業を創出しながら受け皿をつくっていく。しかし、これはかなり中長期のことでございますから、当面はやはり今お願いしている補正予算でつないでいくということだと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、新規産業創出、ベンチャー企業という話になるんですが、私は、今我が国のベンチャーに対する支援はやや不十分ではなかろうかと。  例えば、エンゼル税制というのをやりましたね。あれは個人投資家なんですよ。企業まで広げられるかどうか。あるいは今盛んに自民党内で議論しております確定拠出型年金制度。こういうものはハイリスク・ハイリターンでしょう、場合によってはベンチャーの方に資金を回してもいいんだから。そういうことを含めて、私はもう少しトータルとしてベンチャービジネスを奨励、支援することが必要だと思いますが、通産大臣、いかがですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) 御指摘のように、雇用の拡大をするという立場ではベンチャー企業の創出支援というのが一番重要だと思っております。  そういう意味で、通産省では資金だとか人材だとか技術に関する総合的なベンチャー支援を行ってきておりまして、中でも資金面で、委員の御指摘のように、資金調達の困難な創業期のベンチャー企業に対して豊富な民間資金を導入するため、昨年六月にエンゼル税制を創設したわけであります。これは他国に比べてまだちょっと魅力の点で劣っている点がございまして、余り大きな成果を上げておりませんが、それでも着々と実現をいたしてきております。そういう意味で、今積極的な説明会なども行いまして、これからさらにきめ細かな対策を行ってエンゼル税制に基づく成果を上げてまいりたいと思っておりますし、さらに、金融関係の面を含めて対策を練っております。  また、年金基金からベンチャー企業への資金の供給を円滑化するために、投資事業組合法を今国会でもってお通しをいただきました。これによって、今までいろいろの基金からの投資というものがとまっておりましたけれども、今度は有限責任になりましたので、相当大量な資金がベンチャーに流れていくことができるというふうに思っております。  また、大学などで研究した成果を民間へ移転をするための大学等技術移転促進法も成立をさせていただきましたので、これも新しい事業を起こすという意味で大変成果が上がるのではないかというふうに思っております。  同時に、今度の総合経済対策におきましても、ベンチャー企業の資金調達環境の改善、あるいは人材の育成、技術開発の促進というようなものを含めまして一千三十九億円に上る支援策を盛り込んできておりまして、これらの施策を普及しながら、先ほど委員の御指摘をいただきましたようなルートをいろいろとふやしまして、ベンチャー企業が活発に資金を得て活動ができるように、創業できるようにしてまいりたいと思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総合的な支援策をよろしくお願いいたします。  そこで、公共投資の問題点はいろいろあるんですけれども、縦割りで、シェア変更もやっているんですけれども、目につくほどの大きな変更にはならない。お役人には事務官と技官があるんで、技官の皆さんが縦割りで、佐々木先生ではありませんが、大変自分の仕事を愛されている、これが一番いい仕事だと、こう思われているんです。これを変えていく必要があるのではなかろうか。人によっては族技官だと言う。族議員というのがおりますが、族技官。  この族技官体制を直していくためには、例えば少数の職種の者はまとめて採るとか、あるいは思い切って横断的な交流をやるとか、例えば建設省と農水省、少々違ってもいいんですよ、専門が。そういうことをやることによってまた変わってくるのじゃなかろうか。また、技官さんにとってもその方が昇進できるんです。一つのことをずっとやるからポストが限られている。いろんなことができると、応用範囲が広がると昇進の機会もふえると思うんです。  そこで、そういう採用や研修や交流やいろんな仕組みを、人事院総裁、わざわざおいででございますので質問しないわけにいきません、どうか御回答を。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 片山先生よく御存じのように、セクショナリズムというのは日本の公務員制が戦前から抱えておる一つの大きな問題点でございます。この是正策につきましては今までいろいろ議論されています。  私たちは、まず最初に研修を充実しようじゃないかということで、昨年からⅠ種職員、これは事務官も技官も対象にしておりますけれども、それを対象に九週間の研修を行っております。  また、官民の人事交流ということによって、役人の頭というものを少し柔軟にしていただく必要がある、広い見地から物を考えるようにしていただく必要があるということで、官民の人事交流というものについて昨年の三月に意見の申し出をいたしました。総務庁の方で法案を作成しておられますので、すぐ出てくると思います。また、省庁間の人事交流というのも進めていく必要があるだろう。  そこで、一括採用、一括管理の問題でございますけれども、この問題につきましては、もう先生よく御存じのように、長短相半ばしておるということで、非常に公務員の世界では慎重でございます。ただ、慎重だということで、このままこういう場で議論をしておるということではいつまでたってもお互いに議論の言いっ放しだということでございますので、先生方の中でもこの問題について熱心な方がいらっしゃいますので、私たちの方ともう少しひざ詰めで御相談させていただいたらどうだろうという気がいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 人事院総裁、事務官の交流は相当進んでいるんですよ。私は技官を言っているんです。技官、職種の少ない者、少ししか採らない者を一括して採ったらどうかと言っているんです。総裁の答弁は広過ぎる。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 事務官の問題については申し上げたとおりですが、技官の問題につきましては、これはうかつに物は言えませんけれども、事務官の場合よりも少し私はやりやすいんじゃないかという感じは持っております。関係省庁の方にもそれぞれの意見がございますから、そういう省庁の意見も聞きながら、これからの検討課題だというふうに思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、公共事業の進め方なんですけれども、事業を採択するときに費用効果分析を今度やるんだ、それから事業がかなり進んだら再評価をやるんだと。ぜひやってください。それから、北海道かどこかで時のアセスメント、時間がたったら見直してやめるとか、こういうことも私はぜひやってもらいたいと思うんです。  今度、公共事業をやっていて、途中見直しがあってそれをやめたら、それまでの補助金は返さなくてもいいと大蔵省が言っているようですが、大蔵大臣、そうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) これは正確に申し上げたいと思います。  補助金適正化法第十条第一項において、各省庁の長は、補助金等の交付の決定をしたときは、当該交付の決定に係る事業等の執行が済んでいない部分に限って補助金の交付の決定を取り消すことができる、こういうふうに定められております。したがって、同項の適用がある場合には、地方公共団体等の補助金事業者等が既に事業等の執行が済んだ部分に係る補助金の返還を求められることはない、こういうふうになっておるわけであります。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いやいや、大蔵大臣、事業をやめるんですから、完結していないんだから、途中でやめちゃう。これまで補助金をもらっている、ここから先はもう要りませんと。事業は途中までしか進んでいないけれども、それについては返せと言うんですか。それじゃだめじゃないですか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) ただいま大臣から答弁がありましたように、事業等の執行が済んだ部分に係る補助金等の返還を求められることはないということでございまして、この点については、先生御承知のとおり、去る五月二十九日に閣議決定いたしました地方分権推進計画において記載しているところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 時間がかかるから、またあの人とやっても長くなるからもうやりませんが、とにかくそこのところを研究してくださいよ。そういうことをやらないとだめです。やり出したら最後までやらなきゃいかぬ、事情が変わっても。いろんなあれが変わっても、とにかくやり抜くということになる。それまでかかった補助金を返せと言われたらやった方がいいと、こうなる。ぜひ、そこのところはお考えを賜りたい。  そういうことなら補助事業をやめたらいいんですよ。あるいは、どうしても補助事業を残したければ、総合的な一括の交付金か何かにして、道路なら道路、下水道なら下水道、細かいことを言わないで地方に任せて、国が基準やルールはつくるんですよ、それでやらせて、あと妙なことをやったらそれこそ事後チェックして返させたらいい。  だから、私はいつも言っているんだけれども、国土交通省みたいなガリバーができるんだから、直轄事業と単独事業だけにしなさいと。補助事業は将来はもう全廃。ただ、一遍にいかなければ、今言ったように、総合化して、一括化して事後チェックする。事前にもう何度も役所に来させて、細かいことまで言う、ああいうことはやめてくださいよ。  総理、いかがお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般、中央省庁の改廃に関し基本法の御審議をいただいたときにも、この点は一つの大きな問題点でありました。  そして、企画立案の部門と実施部門を分けること、同時に国の直接行う業務は当然ながら基本的なものに限定をして、そしてできる限り地方のお仕事として統一した。どういう名称にするかまだ決めておりませんけれども、地方自治体にお任せをすると同時に、国の出先機関である支分部局、当然ながらそれもまた統合されるでしょうけれども、そこに一括して渡され、そこが行うものも国の直接行うものに関連した分野に限る、そのほかはできるだけまとめた形において地方に補助金としてお渡しをする、そう申し上げてきたわけでありまして、今の御議論と私はその方向は違っていないと思うんです。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 ぜひその方向でお願いします。  そこで、PFIという法案、継続になるのかな、この法案は、民間の活力を利用して公共事業をやるんですよ。ところが、民間の活力と言いながら、法律案の中身を見ると公的支援がいっぱいある。何が民間の活力かと、こういうことを言う人もおる。私はやり方だと思いますよ、運用だと。  経企庁長官が御所管だそうですが、ある程度の呼び水的な公的支援はいいですよ。しかし、やっぱり民間の活力を生かすことをやらないと、少し応援をしても口を出してというようなことでは民間活力になりません。いかがですか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) PFIにつきましては、民間の活力、技術、創意工夫等を生かして社会資本の整備を進めるというものでございまして、もとより民間企業から見た場合にはその事業そのものが採算に乗らなければいけません。しかしながら、純粋にその事業だけで見て何も国の補助、手当てをしないですべて採算に乗るかどうかということはかなり問題があるわけでございまして、必要に応じて国が負担すべきところは負担をし、採算に乗るような形で民間の活力を生かしていくということがPFIの手法の基本的な考え方であろうと考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 また参議院でも院としていろいろ議論をさせていただいて、方向はいいですから、きちっとしたものにぜひすべきだと、こういうふうに思っております。  そこで、減税なんですけれども、総理は遊説先でやや国会答弁より踏み込んだことをいろいろ言われたりなんかしておりますが、それは結構でございます。  そこで、今回は政策減税、福祉交付金まで入れると四兆六千億ですね。それにしては国民が沸かない。もう少し私はありがたみを感じていただいてもいいと思うんだけれども、どうもそういうあれもないので私はPRの不足かなと、こういうふうに思います。大変なことなんですから、四兆何千億の減税というのは。そこをよくわかっていただいて、しかも、できればそれを貯蓄じゃなくて消費に回してもらわにゃいけません。将来を見据えた消費に回してもらいたい。私は地元では冗談に、消費をふやすためにはおしゃれとぜいたくしてくださいと、本当にそういうことを言っているんですが、それは冗談にしましても、貯蓄されるんじゃ消費喚起にならないんだから。  そこで、そういうことについての御工夫やPRや何かを大蔵でされていますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のように、既に大部分を実施した二月、三月の分二兆円弱、それから今度実施する分、せっかくやっておるわけでありますけれども、減税がなされたんだ、自分の実質所得はこれだけふえたんだという実感が一〇〇%納税者に行っているかといえば、必ずしもそうでないということは残念ながらそうだと思います。  その原因の一つは、昔は月給袋でちゃんとお札をもらってそれを奥さんに渡しておったわけでありますが、今では振り込み方式なものですから、そこでこれは大いにPRが必要だということを考えまして、国民各層に理解していただけるようなわかりやすいPRに今一生懸命努めているところであります。  委員の仰せの趣旨に従って徹底するように努力をしていきたい、こう考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、今お言葉がありましたが、減税というと、国が減税する、地方もつき合えと。国が所得税をやるんだから住民税を減税しろ、国が法人税をやるんだから法人事業税をつき合えと。しかし、本当は地方分権からいうと、法律で一方的に地方団体の減税を強制するのは私はおかしいかなという感じがちょっとしている。しかし、国がおやりになるんなら我々も協力します、一緒にやりますと。これは結構です。それはそれぞれの地方団体が条例でおやりになればいい。そのときに、今言われましたように、減税のかわりに金券を交付する、商品券を出す、その地方団体がそれでいく、そこの市町村の商店街で使え、一年間だと。私は結構だと思いますよ。  国が全部やるとなると手間とコストが大変なんです。若干の計算をしてみました。そうしたら偽造の問題、チェックの問題、確認の問題、大変ですよ。国がといって公明さん初め幾つかの党が言われたのは、私は大変いいアイデアだと思うけれども、現実は大変問題がある、実施上は。だから、それを地方団体が自分の判断でやるということがあってもいい、こう思うんです。  国が減税をやると必ず地方もつき合わされる。国が法律で、一方的にでもないのかもしれぬが強制をする、これについては自治大臣、それからあとの金券交付については大蔵大臣、簡潔にお願いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。  事業税の問題のことについて、国、地方の税を考える場合に、税収中立を前提として検討されるものだ、こう思いますが、例えば……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 地方が国につき合わされるということ。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) そのことで申し上げますが、その前提を置いて申し上げますが、例えば事業税で国際的水準に合わぬから国の方が下げる、それで地方にしわ寄せする、こういうようなことの心配じゃないんですか。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 国が減税をしたら地方も同じように減税をするということ。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 減税については、これまでの二兆円の減税、昨年の暮れ、これからまたことしの二兆円、それから来年のまた二兆円、こういうふうになっておるわけです。これは地方の財政も大変苦しいわけでございますが、しかしこれは国と共同歩調でおつき合いをいたしておるわけでございます。  特に、国の減税をいたしますと、所得税でもそのはね返りの減収がございますし、例えば個人住民税、地方税を減税しますと、その穴のあきをどうするかという問題があるわけでございますが、これらのことについては交付税の額を増額したり地方債の措置をしたりして対応するようにして、地方財政にはその運営に支障を来さないように措置をいたしているところでございます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 所得税と、それから住民税を一緒につき合っていただいた形で実行したことについての御意見だと思うのでありますが、要するに景気対策上の効果を一挙に上げたいということが一つ。それがまた、今度納税者側からすれば、いずれも自分の所得に対する課税だと、所得税そして住民税の形で。そういう点がありますものですから、減税の効果を一挙にあらわしたいということで一緒にやることにしたわけであります。  それから、もう一つの金券で配れという話でございますが、小さい村あたりは可能かもしれませんけれども、大きなところはどなたが納税者か、減税でございますから、税を納めてくださっている人に対する税を減らすという話でございますから、どなたが納税者かということの確認が非常に難しい、大変な手間暇がかかるという問題が一つあります。  それからもう一つは、金券は流通性があると思われます。すぐお金の要る人がそれをやや財産のある人に割り引いて売ることがあるかもしれません。そうすると、比較的所得の少ない人は利用できずに、まあ多少の金は入りますけれども、今度は豊かな方の人が割引で買うんですから、そして使えるわけですから、そういう点の所得移転が行われますね。そういう問題もあるということでありますので、これは慎重に検討しなきゃならぬ難しい問題だ、こう思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 国税に地方税がつき合うというのは、今までも国税がやったら地方税が必ず全部減税したわけではないんです。これは時々なんです。つき合ったこともある、つき合わないこともある。このところはつき合っています。それは外国には一切例がありません。ドイツは州と連邦の共通税ですから、これは同時に減税になる。だから、私はこの辺は将来は御一考を賜りたい。  それから、今の問題は技術論がいろいろあるんです。ただ、やる気があればやれるという意見も確かにあるわけですが、総理、何かこの辺で御所見があれば。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、減税として還付される場合、あるいは金券として配付される場合、いずれの場合でも、これが、本来必要であって行われる消費以外の場所に使われなければ意味がない、この点は私は共通の問題として先ほど来の御議論で出ていなかったように思います。  ですから、ほっておいても買わなきゃならないものに対してその金券を充当した場合は消費の拡大にならない。同時に、減税がそのまま預金として、あるいはたんす預金として使用されないで残った場合には消費にならない。制度というのはそれぞれいろんな問題点を持っている、私はそう思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 時間がだんだんなくなってまいりました。  省庁再編なんですが、今度、本部の事務局というのが大変重要なんです。各省設置法や独立行政法人通則法その他は全部本部の事務局で一括してやるんだから、各省じゃないんです。そこで、そこには各省がチャンピオンを送り込んできますよ。省益のチャンピオン。だから、これをどうやってうまくコントロールするか、できれば洗脳するか、国益の方に。それはなかなか大変です。  それともう一つは、顧問会議や行革会議をお使いになるんでしょうが、私は、政のチェックという仕組みを必ずどこかに入れるということ、それから、できることはディスクローズする、ディスクロージャー。このことが必要だと思いますが、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘をいただいたポイントは非常に大事なポイントです。  ですから、私は、事務局長はやはり法律案づくりでありますから行政の経験者が要ると国会の答弁でも申し上げました。しかし、次長クラスを含め、この事務局に民間の方にどうしても入っていただかなきゃなりません。そして、そこで民間の目を持って全体を見ていただく必要があります。この事務局の中には、そういった意味で、事務局の幹部要員に民間からお人をぜひ拝借したい。協力していただけると信じておりますが、この点がまず第一です。  同時に、本部長の内閣総理大臣に対して、副本部長はもちろんございますけれども、ラインの上に副長官の協力を得たい。それは、当然ながら事務的な問題は事務の副長官が総括していただくわけですが、政務の官房副長官が今回増員を認められております。この二人の副長官に政治の目から、政という立場から絶えず事務局をチェックする役割を負っていただきたい、私はそのようなことを考えておりまして、ぜひそうした構成で目的が果たせるようにと。  もちろん、それは各省優秀な人材を送ってくると思います。その優秀な諸君に新しい役所を構築する仕事を頼むわけでありまして、過去を引きずって権益競争をやってもらうつもりはありません。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、今回の省庁再編、本当に明治以来大変なことなんですが、二十二を十三にするわけでしょう、一府十二省庁に。  ところが、どうも世間の受け取りは、リストラだとかスリム化というよりも、大きな役所をつくった、巨大官庁を大ぐくりでつくったという感じが大変あるんです。だから、スリム化はこれからですね、リストラはこれから。局の数、課の数、公務員の数、これはみんな減らしていくんですが、総理、仕事を減らさないとだめですよ。仕事を減らさないで局や課や公務員を減らしても無理です。それが一つ。  それからもう一つ、割に地味なんだけれども、地方出先機関というのがある。これが大変優雅なんです。中央の省庁は残業していないところはありません。みんな残業している、忙しいんです。地方出先機関で残業しているところはありませんよ。ほとんど定時にあれしている。もちろん、例外があったり季節によりますが、やっぱり各省庁の地方出先機関にはゆとりがあるんです。だから、この際思い切って地方出先機関の縮減をやることが、組織の上でも数の上でもお金の上でも大変な私は行政改革になると思います。ぜひこれをやっていただきたい。  そこで、できれば、地方出先機関は現業以外はもう全部やめる、事務や権限行使はできるだけ規制緩和で民に渡し、あるいは地方分権で地方に渡す。それでどうしてもというのは、今だって中央がやっているんですから、一次審査をやっているだけなんです、地方出先機関は。最終の決定権は東京にあるんです、だから東京に引き揚げたらいい、そんなことなら。ぜひ現業以外はもう全廃する覚悟でやっていただかないとリストラやスリム化の効果は上がりません。  これは、小里長官、いかがでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 地方支分部局の改廃についてあるべき姿をきちんと今要約いただいたと思っております。しかも、地方支分部局と私どもは単純に申し上げますけれども、本当に現状の地方支分部局の実態、これを各省庁ごとに一通り点検してみましたが、大変な数に及んでおります。  この機会に、ただいまお話がございますように、事務事業の合理化、そして定員等のことも当然あわせて出てくるわけでございますが、徹底的に整理をいたしまして、そして今次の行政改革の目的、趣旨に沿うように大きな汗をかかなけりゃいかぬなと、そういう感じを持っております。御指摘のとおりでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 公の仕事、国家機能というんでしょうか、税金でやることは何かということを総理は四つの分類でよく説明されますけれども、アダム・スミスの夜警国家なんというのはわかりいいんですよ、国家は夜警だけやればよろしいと。だから、そういうふうにどこまでどう限定するか、時代が違いますけれども、何かきちっとしていただいて、思い切って仕事の縮減、それが組織やお役人の数の縮減につながる、こういうふうに思います。  そこで、今、国務大臣が総理のほかに二十人以下になっている。今度は十五ないし十七人になっている。基本法はプログラム法だからということかもしれませんが、何で十七人以下にしないのか、十五というのは何でくっついているのか、何か御事情があったら、小里長官、御説明いただきたい。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 大臣の数はもう御承知のとおり現行二十でございますが、これを十五から十七程度にいたしたい。そういう一つの原則を決めていただきましたから、これから総理大臣、すなわち本部長を中心に検討いたしまして、そしてしかるべき数値を策定する、こういう仕組みになっております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 質問をお聞きになっていないのかもしれませんが、何で十五から十七にしたのか。もう結構です。  そこで、省が十です。官房長官が内閣府です。恐らく防衛庁は防衛庁長官という専任担当大臣ができる。金融庁は長官はお役人ですよ。それは担当大臣ができるのかもしれません。あるいは沖縄・北方の担当大臣ができるのかもしれない、あるいは特命大臣ができるかもしれない。特命大臣ができたときの事務局はどうされますか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 前段でございますが、いろいろ行政改革会議におきまして新しいいわば二十一世紀型の行政システムはいかにあるべきか、これを検討いたしました。そのような一つの検討の結果といたしまして大臣数は十五から十七程度に縮減できるのではないか、縮減するべきである。  そして、さらにこれから省庁設置法あるいは国家行政組織法、内閣法等々法整備を詰めてまいりますと、おのずからそのあるべき大臣の数というものも十七の限度内において集約できるだろう、しなければいかぬ。しかも、その事務局等は特命大臣等を含めまして、事務局の所在あるいは組織的位置づけ等は議論を並行して進めてまいる、そういう一つの仕組みになっております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それはまたの機会にいたします。  そこで、ネーミングなんですが、私はネーミングの問題は、たかがネーミング、されどネーミングだと思っております。そこで、いろんな経緯があって附則が入りました。省名を検討すること、検討した結果、基本法と異なる名称にすることも妨げない。この妨げないということがよくわからない、やりたいのかやりたくないのか、真ん中なんでしょう。  そこで、だれが検討して、妨げないことになった場合の名称をだれがお決めになるんでしょうか。長官、どうですか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 御承知のとおり、名称問題は予期以上の複雑な議論の経緯がございました。御承知のとおりでございます。  そして、行革会議におきましてはそれなりの集約をいたしたつもりでございましたけれども、たまたまそういう意見もございましたことに注目をいたしまして、基本法の制定前後に、また加えて世論を含め国会内外の意見もあるだろう、こういう必要性も感じましたから、法律といたしましては、許される限度内におきまして結果として決定的な具体的お話があったときにはその改名について対応できる一つのゆとりを置いたものと私は思っております。  今お話がございますように、では、だれがいつどういうふうにするのかというお話でございますが、一つだけこの機会にはっきり申し上げますことは、一府十二省庁名の中でおれたちは行革会議が取り決めてくれた基本法にうたってある既に決まった省名で結構だというところも相当数あるわけでございまして、それらを一つの基礎に置きまして、これからの国民論議もまちたいし、そしてできるだけ合理的に穏やかに整理しなければならぬなと、さように思っておるところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 審議会でもつくるんですか。だから、だれが検討して、だれが決めるのかということだけ。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 決して、独善で一方的に決められるべき性質のものではございませんから、これだけ国民公開の論議のテーマにもなっておりますから、皆様方のうなずきをいただける、納得をいただけるような方策もこれからよりよく検討しなけりゃいかぬ、さように思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私は、省名は的確で簡明で、できれば短い方がいい、長くても構いませんよ、そう思いますので、ひとつよろしくお願いします。  そこで、一番長い名前の省に関係する文部大臣、御所見があったら。

町村信孝自由民主党文部大臣

○国務大臣(町村信孝君) 教育科学技術省という、今私は仮の名前だと思っております、変更あり得べしと、いささか六文字は長いなという気持ちがしております。  ただ、尊敬する科学技術庁長官とは大体意見が一致するのでありますが、本件に関してはなかなか意見が今のところ合っておりません。今後、今、小里長官言われたような形でさまざまな議論を経てよりよい省名ができ上がってくることを期待しております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 もう時間がなくなりましたが、郵政公社のことを少し聞きたかったんです。前の公社がだめで今度の郵政公社はいいという、どこが違うのか。何か郵政大臣、お考えがあったら簡潔に。

自見庄三郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(自見庄三郎君) 簡潔にということでございますから、簡潔に答えさせていただきます。  国営の新たな公社は、一言で言えば、今までの旧来の公社が事前統制型の公社であったわけでございますけれども、この事前統制あるいは事前管理から事後評価への転換をするというところが私は最も大きな今までの公社との違いだというふうに思っています。  その中で、独立採算制のもと、自律的、弾力的な経営を可能にし、現在二万四千六百ございます郵便局、そして三千三百すべてにございまして、国民に郵政事業のサービスを提供させていただいておるわけでございますから、全国あまねく広くユニバーサルサービスの原則を踏まえつつ、そういった自律的、弾力的な経営を可能にする新たな国営の公社にしたい、こういうふうに思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私の持ち時間がだんだんなくなってまいりました。  最後にデノミの話、日銀総裁に来ていただいておりますが、一年半前に国会で総理は今は考えていないということを答弁されています。  私は、一年半の間に大きく事情が変わったと思うんです。円の国際化が必至ですよ。そうしないと、マネーゲーム経済に日本のまじめな物づくり経済はのみ込まれてしまう。円を国際化してドルやユーロに並ぶ基軸通貨にせにゃいけません。そのときに三けたでいいのか。みんな一けた、向こうが。問題ありますよ、いろいろメリット、デメリットはある。しかし、私はそろそろ検討準備に入るべき時期じゃないか、こういうふうに思います。  景気対策云々じゃありませんけれども、今、党でもそういう委員会ですか調査会か何か知りませんが、つくってやっている。私はそろそろそうすることが景気にもいい刺激を与える。今は景気が底だから、やるのはもっと先ですよ、二、三年後になる。ユーロは二〇〇二年でしょう、スタートするのが。  ぜひ、円をドル、ユーロと並ぶ基軸通貨にする。少なくともアジアでは円決済圏、円経済圏だと。こういうことにするためには、いつまでも三けたにこだわっていちゃいかがかなと、私はこう思いますが、総理と日銀総裁の御所見を賜りたい。  それでは、日銀総裁。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) デノミにつきましては、これまでも随分議論があったわけでございますが、やはりかなりのコストがかかることは確かでございますし、各方面に影響するところも大きいわけでございまして、やはり慎重に検討さるべき問題かというふうに考えます。  委員のおっしゃる将来の基軸通貨という問題につきましては、私も、今後増加していく貿易量あるいは投資、信用供与、そういうものを考えて、ドルだけでそれが全部片づくものではないと思います。必ずユーロとか次いで円が基軸通貨、マルチ・キーカレンシー・システムというものが中長期的には必要になってくることは間違いないというふうに考えております。そういう意味でも、円を国際化して健全な経済運営、物価の安定、そういうものから、海外から見ても使い勝手のいい通貨にしておくことがぜひ必要であるというふうに考えております。  私ども、力いっぱい努力をいたしまして、風格のある通貨に育てていきたい。インテグリティー・オブ・カレンシーという言葉が中央銀行の間でよく使われておりますけれども、尊敬される、風格のある通貨に育て上げたいというふうに考えております。  デノミの問題については、今いいか悪いかという話は私はこの場では答えられません。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総裁、コストの問題は、例えばかかったコストは税をまけてやるとか、まあこれは税でいろんな議論があるかもしれぬ。あるいは公的な補助か何か別の形の支援をしてやれるか、私はいろんな知恵が出ると思うんですよ。  将来は必要だと、今は慎重にと。それがいつもツーレートなんですよ。私はそう思います。今から準備して、何が悪いでしょうか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) お答えいたします。  一般論としましては、デノミは、関連産業に対する需要増加が起こると同時に、一般企業のコストの増加ということは避けられないところだと思います。この両者のバランスをどう考えていくかということ。それと、将来、単位がどういうふうに変わっていくかということ。これらのことをやはり慎重に考えていく必要があるというふうに思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、日銀総裁の御意見は御意見として述べられたわけですけれども、私は前に、今のところデノミを実施する考えはないということを申し上げました。そして、その理由も申し上げてきました。  その上で、あと一点追加したいと思いますのは、いつの間にか、三けたの円対ドルという関係になれ親しんだ国民が全体の三分の二を占める時代になっている。そうした場合に、国民的な関心を果たしてこの問題に集中できるかどうか、そういう視点も実は一つあるのかな。  いろんな技術的な問題でどうこうということは別にいたしまして、私はこの前も、今行う考え方はないということを申し上げましたけれども、同時に、いわば対ドル三けた時代とでも言うべき世代が全体の三分の二を占める中で、果たして国民的な受けとめはどうなんだろう、そんな思いも現実に持っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私は、基軸通貨になるなら、やっぱりドル、円、ユーロはある程度似たような単位になるのがベターじゃなかろうか。イタリアが今度ユーロに入っちゃいますから、リラというのはなくなる。それでもうみんな三けたはないですね。  だから、今言われた総理の御意見もわかりますけれども、ぜひ前向きな御検討をお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。上吉原一天君。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 自民党の上吉原一天でございます。  本日は予算委員会で質問の機会をお与えいただきまして、まことに光栄に思っております。  私は、景気対策、地方財政、そして農業問題について御質問をさせていただきます。景気問題につきましてはもう既に議論が深まっておりますけれども、大変重要な問題でございますので、重複をいとわず質問をさせていただきます。  つい先ごろ、九七年度の国内総生産の数字が発表されました。対前年比〇・七%マイナスという大変厳しい数字でございまして、この数字は第一次オイルショック以来二十三年ぶりということでございます。このままの状況が続けばデフレ不況、さらには世界同時不況、こういったことも招きかねないという心配もあるわけでございまして、それだけ日本経済に対して世界の関心も高まっているわけでございます。  総理は、たびたび以前から日本発の世界恐慌は起こさないというかたい決意をお述べでございますけれども、現在のようなこういった景況、経済環境、どういう理由によりまして起こってきたのか、招来されたのか、この辺のお考えを述べていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 多少重複をお許しいただいて、改めて御答弁を申し上げたいと思います。  バブルが形成され、それが崩壊し、その後何回か厳しい経済情勢の中で私どもは累次の経済対策を行ってまいりました。それは、あるときは公共投資の増加であり、あるときは減税であったわけであります。そして、それはそれなりに景気の下支えの役割はしてきたと思いますけれども、本質的な回復に至っておりませんでした。  その中で、私どもが今本気で取り組まなければならない問題として、金融機関の不良債権の処理の問題を申し上げておりますけれども、これはそれぞれの金融機関なりに引き当てを行うということで帳簿上の処理はされてきたわけです。それなりの対応をしてきた。それで対応できると私どももしばらく前まで考えておりました。  しかし、今回新たなアメリカのSEC基準並みの決算を金融機関に求めてみますと、例えば主力行の場合で、昨年十六兆円余ありました不良債権が、同じルールであったなら十四兆円台に減っていなければなりません。帳簿上の処理としてはそういう結果なんですけれども、実は新たにSECの基準に合わせましたところ、これは七兆円ほどむしろふえて二十一兆円という巨額な不良債権の姿が見えてまいりました。それだけ現実に厳しい内容を持っておったわけであります。私どもは、これを帳簿から消さなければ、本当にその不良債権というものを実質的に処理しなければ、幾ら見合う引当金を積んでいきましてもこれは金融機関とすれば資金を固定するわけでありますし、それは貸し渋りの問題も起きますし、第一いつまでたっても不良債権というものを引きずっている。こういう状態は何とかしなければならない。今真剣に考えております。  これに加えまして、アジアの金融不安あるいは昨秋来の我が国における大型金融機関の破綻、さまざまな要件が重なってまいりました。そして、家計や企業の景況感が非常に厳しくなってまいりましたし、それは当然のことながら個人消費あるいは設備投資などに影響も与えているわけであり、それが我々の抱えている現実の厳しい状況の姿であります。それだけに、私どもはこの総合経済対策を発表し、これによっててこを入れ、逆に押し戻し、それは特別減税であり公共投資の追加でありますけれども、一方でこの不良債権問題というものに真正面から向き合い、これを解決しようと。その手法につきましては、片山委員の御質問にもありましたようなことでありまして、政府、与党一体となって今これに取り組もうと努力をいたしているところでございます。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 不良債権の問題が最重要だということはよく理解できます。しかし、実態として民間金融機関、政府の努力にもかかわらず貸し渋りということが非常に強く民間で言われておりまして、そのためにも企業の倒産の数がどんどんふえておるという実態にあることは否定できないというふうに思うわけでございます。  一方、日本の経済構造の改革ということが叫ばれまして、企業自体は自分の責任でリストラをするということでございますが、このリストラの中には職員数を減らすということも当然大きな項目に入っているわけでございます。そうしますと、失業問題が当然起こってまいりますし、現在の失業率の数字を見ますとどんどん高くなっている状況にあるわけでございまして、雇用問題の緊急な対策がまた打ち出されなければならないというふうに思っております。  政府も昨年来いろんな政策を打ち出してまいりました。昨年暮れには特別減税の措置も発表されたわけでございますけれども、そういった昨年来の経済対策の流れと今回の総合経済対策の打ち出し方、この整合性はとれているとは思いますが、その辺どうお考えなのか。また、今回の総合経済対策で景気対策は十分だというふうに胸を張れるのかどうか。その辺をお聞きいたしたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 昨年以来、先ほど総理から御答弁がございましたように、日本経済の構造的な問題、不良債権の処理がまだおくれていること、それから日本的な経済システムが制度疲労を起こしていること、あるいは産業の空洞化が進んでいるという問題意識は実は昨年の末から私ども持っておりまして、そういう点で昨年の十一月に「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」を取りまとめたところでございます。  その中には、不良債権の処理を進めるために、土地の譲渡益課税の重課制度を撤廃するとか、あるいは地価税の凍結を行うとかいうことで土地の有効利用、取引活性化を図るということもいたしましたし、それから法人税につきましても五〇%から四六・四%に実質税率を下げたというようなこともいたしました。有価証券取引税の改革についても行いました。  さらに、金融システムの問題に対しましては、三十兆円にも及ぶ金融システム安定化対策をとったところでございます。それから、二月には二兆円の特別減税を総理の御裁断で決定したという状況でございます。  したがいまして、そういう流れの中で、今回の対策につきましては、特別減税の追加、さらに社会資本──情報通信とか科学技術とか、あるいは物流効率化、福祉等についての社会資本の整備を進めて景気に対する刺激効果をもたらすということをいたしましたし、さらに経済構造改革、規制緩和も十一月のものをさらに進めるということもいたしました。新しいベンチャーの育成を図る、科学技術、情報通信等も構造改革の一環としてやることにいたしました。  土地の不良債権の処理の問題につきましては、特に今回はトータルプランとして各種の施策を総合的に進め、抜本的にこの問題を全部処理してしまおうということで、私どもとしては意欲的にこの問題の処理に進んでいるところでございます。そういう意味で、昨年の暮れからのいわゆる各種の対策と今回の総合経済対策の考え方は流れとしては統一しており、短期にわたる景気対策と同時に、二十一世紀に向かって日本経済の体質を強化、改善する、民間活力中心でやっていくという考え方で進めているところでございます。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 現在、景気低迷の一つの大きな理由として個人消費の低迷ということが言われております。これは、先ほどもお話がありましたけれども、先行き不安というのが非常に大きな要因だというふうに私は思っております。  現在、総理が一生懸命進めております六つの改革、これはぜひとも新しい世紀を迎えるに当たって我が国がなし遂げなければならない課題だと思います。しかし、それがようやく始まったばかり、いろんな制度が変わりつつあります。その中で、例えば年金の問題、介護保険の問題、医療の問題、着地点が国民になかなか見えてまいりません。したがいまして、どうしても先行き不安になって個人消費の刺激にならないというようなこともあるのではないかと思いますけれども、この辺の関連はいかがお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 本院だけではなく、衆議院の御議論のときにもしばしばその先行き不安という言葉が使われました。先行き不安と言われる中には、一つはまさに日本経済そのものについて不安を持っておられるというお話があります。それからもう一つは、個人個人の将来設計という意味での、例えば年金に代表されますような社会保障の仕組みや自分たちの暮らしとどうかかわるのかといった御意見もあります。  今、経済企画庁長官からも申し上げましたように、まず当面の、そしてこれからの経済ということに対しましては、私どもは先ほど来御説明をしてまいりましたように七兆七千億の公共投資と同時に特別減税を二兆円追加し、来年も二兆円の特別減税を行う。その意味での対応策は準備をいたしました。そして現在、その補正予算が御審議をいただいているわけでありまして、これが通過、成立をし、両院のお許しをいただきましたならすぐにこれは実行に移す。  しかも、その中には、先ほど来の御論議にもありましたけれども、例えば同じ廃棄物処理という言葉ではありましても、現在非常に社会的な不安をかき立てているダイオキシンというものを意識した施設整備を行おうとしている。これは、リサイクル型の社会になって、焼却という手法でなしに廃棄物の処理がある程度できる状況をつくり出すことに本来の努力目標はあるわけですけれども、現実に焼却という体制で廃棄物の処理をしている限りこういう対策は当然必要になります。  あるいは、海底を民間の力でそれこそ陸上近くまで持ってこられております光ファイバーケーブル、これを国がやはり同じところで仕事をしようとしているのなら、民間が行うのと国とが力を合わせて共同溝をつくっていけば両方とも助かるではないか、そんな発想もこの中には入っております。そして、当然ながらそれは仕事をつくり出すことにもなるわけであります。  同時に、これは年金だけではなく、医療保険制度、福祉全体に通じることでありますけれども、高齢・少子社会と言われる状態になればなるほど、お互いが支え合う仕組みというのは今まで以上にその存在、重要度は増していくんです。であればこそ、介護保険の仕組みをつくることにも大変御苦労をいただきました。これは既に法律案としてはお許しをいただき、十二年からこれが動き出すわけです。当然ながら、これは民間の力も拝借しながら、組み込みながら制度を運営していかなきゃなりません。    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕  そして、年金も、これだけの急速な少子化というものを私は予測していたとは自分では言えません。私自身、高齢・少子社会というものに関心を持っていたと自分では思っておりますが、それでも実はこれほどの出生率の低下は考えておりませんでした。それだけに、こういう状況が続きましても確実に年金が支払われ、受け取られる、しかもそれが減っていく若い働き手に必要以上の負担をかけないような仕組みをどうつくればいいかを我々は本気で考えなきゃなりません。  これは医療でも同じことでありまして、お互いが支え合う仕組みとしての年金、医療保険、各種の福祉施策というものは、循環型社会になりましても、高齢・少子社会であればあるほど国民の暮らしのいわば安全ネットとしてどんなことがあってもきちんと維持しなければならない。そのための制度設計に厚生省もまた幾つかの選択肢を国民にお示しし、努力をしてくれております。そういう意味では、私どもは安心を確実に感じていただけるような仕組みづくりにも全力を挙げておりますので、どうぞ御協力を心からお願いいたします。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 大変心強い御答弁を総理からいただきまして、さらに御努力をお願いいたしたいというふうに思います。  地方財政の方ですが、この経済対策の中で地方の方も単独事業、一兆五千億円が盛り込まれております。先ほどお聞きしましたけれども、この地方財政対策を盛り込むに当たりまして、大臣は六団体の方々とお話をし、十分ひざを交えて御協議なさったということでございまして、私も自治省の役人をやっておりましたが、こういうことは余り聞いたことがございません。大変敬意を表したいというふうに思います。  それで、この一兆五千億円でどういったことを地方の単独事業に期待いたしておるのか。また、この地方の単独事業、それぞれ補正予算を組まないといけないというふうに私は思いますけれども、これは時期的に見てどんな取り組みを各自治体に指導していくのか。この辺をお伺いいたしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。  私、地方団体の財政状況が厳しいことはよくわかっていますが、さらに率直に私の方から求めてお会いしまして、十分意見をお伺いしました。これを踏まえて私なりに、追加事業の地方負担分のすべてを地方債によって賄う、今までのあり方としては年度途中の公共事業あるいは地方単独事業についてはすべてを地方債によって賄っておったわけでございますが、余りにも厳しい地方財政を考えますとこれは適当ではない、そのように判断をいたしたわけでございます。一般財源措置を講ずる必要があると私なりの基本的な方針を出しまして、特に大蔵当局とも厳しい中にも相談をいたし、四千億円の地方交付税の増額を図ることとしたところでございます。  この増額分につきましては、各地方団体への一般財源を追加配分することによりまして財政の対応力がそれだけ高まる、こういうことになると思っております。また、追加公共事業のみでなく、単独事業の円滑な実施にも資するものであると考えておるわけでございます。  地方におきましては、既に六月議会、さらには九月議会、これは定例議会で補正を行っておるところでございまして、これらの議会との相談もありましょうが、それぞれの地方団体の自主的な判断によりまして円滑にこれらのものに取り組まれることを期待いたしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、地方団体の財政運営に支障がないように適切に対処しつつ、厳しい地方の経済状況等も十分考えながら御協力をいただくように誠心誠意お願いをしてまいりたいと考えております。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 現実に予算を組む場合の財源の措置がとられたということは理解できますが、この借金、地方債の償還の問題が将来起こってくるわけでございます。  今、財政構造改革路線ということで国、地方は取り組んでおるわけでございますが、この償還財源の問題はどのように措置をなされているのでしょうか、お伺いをいたします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 地方債の償還でございますが、これらの問題につきましては特に心配をされておるところでございまして、地方財政の運営に支障を来さないようにいたしたいと考えておるわけでございます。特に、今回の総合経済対策に伴い発行する地方債については、毎年度の地方財政対策においてその償還財源を確保し、地方財政の運営に支障がないように適切に対処してまいることといたしております。  また、御指摘のとおり、この交付税特別会計の借入金が累増いたしておるわけでございまして、平成十年度の見込みでは十九兆五千億円になるわけでございます。この借入金の中には、一つには国負担により償還されるものが二兆七千億円、それから税制改革に伴って償還財源が確保されているものが三兆三千億円ございますが、今後、国の一般会計からの法定加算が約五兆四千億円予定されておるわけでございます。  今後、経済対策の円滑な実施により我が国経済を力強い回復軌道に乗せることによりまして、地方の税収というものも大いに期待をいたしておるところでございますし、国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しや、地方団体における徹底した行財政改革を推進すること等によりまして財政の健全化を力強く進めていかなければならない、このように考えております。

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 ありがとうございました。  それでは、次にAPEC関係について御質問をいたしたいと思います。  去年の夏から始まりましたタイの通貨危機に端を発しました東南アジアにおける経済危機、これはつい最近までは世界経済成長のセンターだというような見方もされていたわけでございますけれども、逆に大変経済の不振の見本ということに今なっているような状況でございます。  このような中で、我が国としては国際通貨基金あるいは世界銀行などの国際機関を通じました協力を第一にやっておるわけでございますけれども、四月二十四日に策定されました総合経済対策におきましてもアジア支援ということが位置づけられまして、その総額は七千億程度というふうに承知をいたしておるところでございます。このようにアジアにおきまして我が国の去就が世界の注目を浴びる中でAPECの貿易大臣会合、これはアジア諸国ほとんどがメンバーになっているわけでございますけれども、このAPECの貿易大臣会合が六月二十二日、二十三日に開催されると聞いております。  本会合は、我が国のアジア諸国に対する支援を改めて表明する絶好の機会である一方、十五分野についての早期自主的自由化の措置が議論されておると聞いておりますけれども、この中には林産物など我が国にとって関税引き下げが困難な分野が含まれております。林産物分野について我が国の対応をお伺いいたしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  APECにおきましては、来週マレーシアで開催される貿易担当大臣会合において林産物など優先九分野の早期自主的自由化の措置の内容が合意されることになっております。  林産物分野につきましては、米国等四カ国から関税撤廃を含む各般の措置が提案されているところであります。また、我が国の対応といたしましては、我が国の林業、木材産業の置かれている厳しい状況や森林の有する公益的機能の維持の必要性を踏まえ、ウルグアイ・ラウンド合意を超える関税の引き下げや撤廃は困難であるとの立場で対応してまいりたい、こう考えております。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕

上吉原一天自由民主党

○上吉原一天君 ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で佐々木満君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、風間昶君の質疑を行います。風間昶君。

風間昶公明

○風間昶君 公明の風間です。  まず、先日の、通産省所管の特殊法人であります石油公団、一兆円を超す損失を出して、なおかつ担当者が自己都合で退職されて四千万円も退職金をいただいていると。このことに関して、おそれがあったときに、総理は記者団の御質問に、情報開示が必要だったかなというような、情報開示をしてこなかった点は疑問が残る、そのことが結果的には問題を大きくしたというふうにお答えになっていらっしゃいますけれども、今もそのお考えは変わりないですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょっと議員が引用されましたのは正確を欠いておるように思います。設問がありましたのに対して、今ほど詳細が報道されている時期ではございませんでしたので、担当役員の退職云々という話は私は存じませんでした。  その上で、エネルギーが国内において非常に資源として乏しい日本、自国開発の石油が欲しいということは本当に日本としての切実なものであった。しかし、石油開発という、これはガスもそうですけれども、仕事の性格上民間企業だけでリスクの負えるものではないことから石油公団ができた。そして、当然のことながらその中には掘削で成功するケースもありますが、失敗をするケースもある。そうした状況を自分の頭の中に置いておりましたときに、この問題についてその金額に着目した質問がありました。  そして私は、その金額の云々ということよりも、突然それがぽんと出てくるということ自体が実は本当は問題じゃなかろうかと。そのプロセスにおいての情報開示がなされていれば、例えばこのケースについて成功の確率が非常に乏しいから撤退をした方がいいとか、あるいは逆にもう一息ならば思い切ってそこでかけてみるとか、いろんな判断ができたんじゃないかという思いがございました。そして、やはり途中の情報開示というものの必要性があるということを私は申したつもりであります。  イメージとしてそのような思いで、私はこのケースについて途中における情報開示の必要性を申したことは確かでありますが、言葉として正確にどう申し上げたかちょっと今記憶がありませんけれども、プロセスとして非常に途中における情報開示が必要だったという点は私は確かに申しました。

風間昶公明

○風間昶君 それで、今現在も同じ認識でございますかということでございます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、個別の関連するそれぞれの融資まで報告を受けているわけではありません、むしろこれは通産大臣にお尋ねをいただきたいと存じます。トータルとしては、やはり私は、今後ともに我が国は自国開発のエネルギー資源を求めるということは必要なことであろうと思います。  その上で、その手法、対応、今回のケースからさまざま考えるべきことがあろうと思いますが、やはり情報の開示、これが商売に絡む部分は別です、お互いの利権の獲得のために各国が争っているというようなときはこれはちょっと別ですけれども、基本的な情報開示の必要性は私は変わらない、そのように思います。

風間昶公明

○風間昶君 これは通告してないんですが、去年の六月に特殊法人の情報公開について財務諸表の作成及び公開促進法案、いわゆる情報開示を義務づける法律が通りましたね。通ったにもかかわらず、またこういう問題が起こっているということは、昨年六月に通ったこの法律では情報公開は不十分だったというふうに思うわけですけれども、これについてのコメントはいかがですか、総理大臣。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成八年十二月の閣議決定でも実は財務諸表の概要などの官報へ掲載すること、あるいは事務所への備えつけなど、そうしたディスクロージャーへの努力を払っておった。その上で、平成九年、まさにその一層のディスクロージャーを進める見地から、特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律、国会で成立をさせていただきました。そして、民間のディスクロージャーの水準を基本としながら、特殊法人の業務内容、財務内容の両面にわたる公共性を加味したディスクローズを行ったということであります。  そして、石油公団も確かめてみますと、貸借対照表及び損益計算書、またはこれらの要旨の官報公告、あるいは財務諸表、附属明細書、事業報告書、決算報告書及び監事の意見書の事務所備え置き、一般への閲覧が法定されておりますからこれに従っていたんだと思うんですが、その上で、なぜ問題化するのにこれだけの時間がかかったかという点につきましては、申しわけありませんが私はそこまで承知をしておりません。

風間昶公明

○風間昶君 そこで、官房長官が六月十日に記者会見されましたね。特殊法人の情報開示の必要性を強調されて、なおかつ石油公団のこの経営状況を報告された通産省の幹部の方に情報公開せい、徹底しなさいと指示されたというふうに記者会見で、私もテレビを見させていただきましたけれども、どういうふうに指示されたんですか、具体的に、官房長官。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) 六月十日の記者会見だと思いますが、あの石油公団の一兆円の不良債権の内容の話が出たわけでございます。  そして、通産、エネルギー庁の方からお聞きをいたしました。すべて不良債権かどうかというようなところもございますけれども、その記者会見で聞かれましたので、やはり情報公開、今までもある程度はやってきたけれども、しっかりした情報公開をするべきだ、こういうことで、また通産関係の方々も説明に参りましたし、エネルギー庁の方も来ましたので、情報公開を徹底し、そしてあの記事があのとおりであるかどうか、新聞に書かれると一兆円の不良債権と。  もともと、この経理の仕方がどうも理解しがたい部面も一般の国民から見ればある、石油を掘るにはいろんな問題がある、この点もしっかり国民によく説明できるようなこともしなさいと、こういうふうに言ったところであります。これはもう通産大臣の分野でございますけれども、説明に来た省庁の方々にはそういうことを申し上げました。

風間昶公明

○風間昶君 今回のこの問題の背景には、私は特殊法人にしみついた欠陥があるというふうに思わざるを得ない。つまり天下りの問題です。  通産省からの天下り、これは石油公団だけじゃなくて個別の石油会社にも及んでいる。先輩方が全部本省をリタイアされてその先に行っているから、ある意味では監督、指導、コントロールをする通産省の幹部の方々にとってみれば大先輩を目の前にするから、これは要するに身内の中ではきちっとした監査というか、この報告もまた上がってきたとしてもやや甘くなる、こういうことが私は当然起こり得るわけでありまして、そこに国民は非常に不信感を持っていらっしゃる。つまり、税金が投入されているわけでありますから、特殊法人の効果的な情報公開をどうしたらいいと総理は考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思うんです。効果的な情報公開です。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これ、今すぱんとお答えができれば、本当はすごく楽なんです。  と申しますのは、これは行革委員会でも実は随分議論をしていただいたテーマの一つなんです。ところが、特殊法人の情報開示の必要性、そして特殊法人に対する、国と申しますか政府と申し上げましょうか、要するに今政府提出の情報公開法は御承知のように特殊法人を対象にいたしておりません。その上で、政府提出のこの情報公開法案の中に、別に特殊法人について法制上の措置を講ずべきであるということを明記いたしております。  これは大変極端なケースの例示で恐縮なのでありますが、どういう議論が行われたか、ちょっと行政改革委員会の当時の議論を出してみますと、一番問題になりますのは、公団、事業団、公庫あるいは特殊会社、ここまでは比較的幾つかの類型に分けられるんですが、その他に入る部分なんです。  例えば、現在、政府はJRの株式を保有いたしております。その意味では関連が極めて強い部分であります。しかし、これは民間企業と競争している立場があります。そういう場合に、競争関係を持つ民間法人より厳しい情報公開というものは一体どうなんだろう、これは一つの問題点として出たケースでありました。それから、例えば農林漁業団体職員共済組合、これはまさに相互扶助事業を行う法人です。こういう相互扶助事業を行う法人に国民に対する説明義務というものはあるのか、実はそういった議論が現実に出てまいりました。  そして、やはり特殊法人に対して情報公開を義務づけることは必要だ、必要だがそれは制度や実態というものを踏まえてきちんとした中身を確保しなければいけないのではないか。  行政改革委員会の本文そのままを拝借しますと、  特殊法人は、それぞれの法的性格、業務の内容、国との関係が様々である。このため、特殊法人を本要綱案で定めている開示請求権制度の対象機関とし、行政機関と一律に同じ取扱いをすることは適当ではない。   特殊法人の情報公開を進めるに当たっては、個々の特殊法人の性格、業務内容に的確に対応した制度の整備その他の施策を講ずべきである。 という答えをいただきました。  私どもは、この政府の情報公開法を提出いたします時点で、当時連立政権を構成しておりました三党の間においての合意では、本法が制定されましてから二年以内に所要の法案を国会に提出するようと言われておりまして、私どもが、今後の国会の御審議も踏まえながら、特殊法人に対する情報公開の制度、これを今申し上げましたような問題点を踏まえた上で整備しなければならない、その必要性を感じておることは先ほど来申し上げているとおりです。

風間昶公明

○風間昶君 今の総理のお答えからしますと、特殊法人にもきちっと情報開示を求めていく、しかし今国会で継続になっていくであろう情報公開法案の中には入れていかない。なおかつ、特殊法人にも共通した改善策というよりはむしろ個々の、ある意味では差別的なことになるかもしらぬけれども、具体的に個々の部分で考えていきたい、こういうふうにとらえていいですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私、本当にお答えするのが適切かどうかわかりませんけれども、行政機関の保有する情報の公開に関する法律案の第四十一条、特殊法人の情報公開の条文は、「政府は、法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人」、これを以下特殊法人と呼ぶとなっておりますが、「について、その性格及び業務内容に応じ、特殊法人の保有する情報の開示及び提供が推進されるよう、情報の公開に関する法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。」。  政府が提案いたしました情報公開法の中の四十一条に、特殊法人について「法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。」と条文として明示をいたしておりますのが政府の現時点における対応であり、特殊法人に対する情報開示の必要性を無視しているものではありませんが、うまい組み立てがまだできていないと率直に申し上げる方が正確だと思います。

風間昶公明

○風間昶君 これは一つ一つ洗い出せばかなり大きな問題になりますから、またの機会に譲るとしまして、次に経済対策、午前中からも議論されておりますけれども、消費もかなり減少して低迷している、デフレに陥っているということがもう数字の上で明らかであります。  歴史をひもとけば、明治時代に松方大蔵大臣がインフレを静めるために当時緊縮財政をしいて、松方デフレと呼ばれていますが、今回のデフレも土地バブルに伴うインフレ懸念からきた施策の間違いなく失敗だというふうに私は思うわけです。そういう意味では松永デフレという名前がつくかもしれない、そのぐらい深刻なデフレに陥っているという認識が大蔵大臣におありなのかどうかを伺いたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答えいたします。  現在の状況でありますが、最終需要の停滞が生産や雇用等実体経済全体に及んでおりまして景気は停滞しておる、そして厳しい状況にあるというふうに認識しております。

風間昶公明

○風間昶君 そんなのは私でも答えられます、大臣をやっていなくても。じゃ、それに対してどうするのかということはどうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 厳しい情勢でありますから、これに対して速やかな対策を打たなきゃならぬということで、特別減税を実施することにし、かつ総事業費十六兆を超す今回の経済対策を実行させていただく。そのために、今御審議を願っておる補正予算を速やかに成立させていただきましたならば、直ちにこれを実行に移して、この厳しい状況を乗り越えていきたい、こう考えているところでございます。

風間昶公明

○風間昶君 トータル八十二兆円ですか、今回で。それで、どうして昨年の暮れもしくは一月ぐらいのときにそれが出てこなかったのか、あなたはそのときは大蔵大臣でなかったかもしれないけれども、どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) この点につきましては、これは別の委員でございましたけれども前にもお答えしたことがございましたが、要するに昨年の秋以降、大きな金融機関の破綻あるいはアジアの金融危機、通貨危機、こういったものがことしになりまして具体的な数字としてあらわれてきた。  そういうことで、これではいかぬというわけで、先ほど申したような新たな経済対策を策定して、それを実行するための補正予算を編成し、成立をさせていただいて、直ちに実行に移して、この厳しい状況を乗り越えていかなきゃならぬ、こう思って審議をお願いしているところでございます。

風間昶公明

○風間昶君 それにしても、為替一つとってみても、思い出すのは、平成七年の三月でしたか、当時、村山内閣のときにこの予算委員会で、東京相場が九十二円三十八銭、四十五銭だったか、ずっと最高値を更新するというような日が続いて、たしか九十円台を割り込んだらどうしますかと私そのとき聞いたんです。そうしたら、大臣の間にメモが入ってきて、八十九円になった。何か騒然としたのを覚えているわけです。  今度は円安でありますから、経済を含めてだれが日本の政治のかじ取りをするにしても非常に難しい局面ではある。今いろいろ大蔵大臣もおっしゃったけれども、政府が出している方針あるいはその施策に対して市場がある意味では絶望感を示しているというぐらい反応していない。このことに対して先ほどツーレートとおっしゃった方がおられるけれども、まさにそうではないかと思うわけであります。  大蔵大臣、全く先が見えないかもしれないけれども、見えないだけにリーダーシップが問われているわけでありますから、市場が反応しないことに対してどうしたらいいのかということの明確な決意を伺いたいと思う。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 為替レートの問題でありますが、今、委員御指摘のとおり、二年半前あるいは三年前当時は、円高に対してどう対応するかということで大変な苦労、努力を政府はしてきたわけであります。  今度は、急激な円安に対してどう対応するかということで今苦慮しているところでありますが、為替相場の変動というのはいろんな条件によって変動してくるということ、これは委員も御承知のとおりであります。  ただ、これがG7、四月に行われた蔵相・中央銀行総裁会議で合意されたところでありますけれども、要するに為替レートというものは経済のファンダメンタルズを反映したものであるべきだと。したがって、これと著しく乖離することは望ましくないし、また過度の変動もよくない。したがって、G7参加国はそれを前提にして為替市場の動向を監視し、適切に協力していくということが申し合わせられて、それで蔵相・中央銀行総裁会議の声明として発表をされたのが四月十五日でございます。  この趣旨にのっとって、政府としては、我々としては適切に対応していかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。

風間昶公明

○風間昶君 今、四月十五日の時点じゃないんです。もう六月の十六日でございまして、それはそれでいいんですけれども、二カ月前の話はいいんです。  では、さらに円安になっていく危険性があるという中において、大蔵大臣はどうされますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) さらに円安が進むとか直るとか、そういったことをこの場で私が言うことは適切でありませんので、具体的な相場についての発言は控えさせていただきますが、いずれにせよ為替レートの急激な変動、その国の経済ファンダメンタルズと乖離したような動き、こういったものは好ましくないということで、G7参加国がそれぞれ協力していこうという趣旨、これは生きているわけでありますから、それを前提にしながら、我々としては現在の動きに強い懸念を持ちながら対応を考えているところでございます。

風間昶公明

○風間昶君 堂々めぐりのようなんだけれども、要するに、このような事態にどういう手を打っていくのかということが伝わってこないから市場が反応しないんですよ。あなたは常識がないんです。どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 午前中にもこの問題については御議論がありました。要するに奇策はない、あるいはあるという話がありましたが、結論からいえば奇策はなかなかないのが事実でありますが、我が国の経済の底力は決してそう弱いものではないわけであります。  現在は、景気の状況は大変厳しゅうございます。あるいは我が国の財政赤字が先進国の中では非常に大きいというのも事実であります。こういう点は、言えば我が国経済の弱点であるかもしれませんけれども、それを除けば、我が国の生産性の高さ、あるいは我が国民、我が国の技術力、総理の言葉で言えば高い教育を受けた労働力があるということ、あるいはまた、我が国の対外純資産は八千億ドルを超える資産を持っているということ、外貨準備も二千億ドル以上を持っておるということ等々の基礎的な条件、これは決してやわなものじゃないわけでありまして、それにふさわしいような為替レートであるべきだというのが前提であります。  そして、現在弱いと言われるのが先ほど申し上げましたように景気が低迷しているということでありまして、それに的確に対応するための施策を正々堂々と速やかに実行していくことが本格的な対応策だというふうに思います。

風間昶公明

○風間昶君 先ほど常識ということで、病理現象に対する御認識はという、その間を抜かしちゃったものですから、ごめんなさい。  日銀総裁がおいでになっていらっしゃいますので、同じことを、市場が反応していないということに対して総裁にも一言コメントをお願いしたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私の立場からも為替相場の動きにつきまして具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、為替相場は経済の実態を反映して安定的に推移することが望ましいわけでございます。特に、最近の為替相場の動きを見ておりますと、日本の国内の景気動向、そしてまた金融システムの不安な受けとめ方、この二つが相互に影響し合って、それが外から見て為替相場あるいは株価の弱化、低下をもたらしているという感じがいたしております。  景気は秋口あるいは夏の終わりごろから少しずつよくなっていくと思いますし、金融の安定化というのはまだまだ時間はかかると思いますけれども、私ども日本銀行といたしましても、よく見ながらできるだけのことをやってまいりたいというふうに考えております。しばらく効果が出てくるまでは、はかばかしい相場の上昇というものはちょっと無理かなという感じはいたします。

風間昶公明

○風間昶君 ありがとうございます。  次に、ダイオキシン対策は総理も先ほどから御答弁いただいておりまして、今回の補正予算案のこの部分についても相当、一千億規模の予算を計上してくださいまして、公明としては一歩前進というふうに評価したいんですが、それでも、またぞろWHOも耐容一日摂取量の値も検討しなきゃならないということも出しておりまして、日本の体重一キロ当たり十ピコグラムにのっとった形での対策がまた見直しを迫られるような状況に今なっております。  そういう意味で、少なくとも九五年に我が国として制定したTDI、いわゆる耐容一日摂取量、この部分も、実は当時のWHOの基準に照らして日本もそれに乗っかっていったわけであります。今回、WHOの欧州事務局が出した四ないし一ピコグラムの部分について望ましい値だ、目標値だというふうに言っているわけですから、ここはもう政治決断で日本も大変かもしれないけれども、また踏み込んでやらなきゃならないというふうに思うわけです。厚生大臣の見解を伺いたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) このWHOの体重一キログラム当たり一日一ピコグラムから四ピコグラムという耐容一日摂取量、これがなぜ一ピコから四ピコという幅で設定されたのかとか、そしてこの一日摂取量の位置づけ等まだ不明の点があります。この点を詳細に報告を聞いて、また専門家の間で議論してもらう。  ヨーロッパでやっていますけれども、ヨーロッパでも日本と同じように、イギリスやオランダやカナダ等は十ピコグラムです。そういう点もありますので、この点は詳細な報告を聞いて、それを専門家の間でしっかりと議論していただいて、そしてWHOの基準、世界の基準に変えなきゃならないのならば変える、その点も含めて適切な対応をしていきたいと思います。

風間昶公明

○風間昶君 今、厚生大臣から御答弁いただいたんだけれども、日本はダイオキシンの問題についてコプラナーPCBは入っていないんですね。これを対象に入れるべきだと思うんですけれども、厚生大臣の認識、またお考えを伺いたいと思いますが、考えられていますか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 含めるべきかそうでないか、それも含めて専門家の間で議論していただきたいと。  そして、望ましい範囲内と実際に規制しなきゃいけない範囲、この前も申しましたけれども、たばこは吸わないのが望ましいんです。しかし、厚生省が規制ということを言いますと流通、販売を禁止しなきゃならない。そういう点もありますので、この点は専門家の間できっちりと議論していただいて、どういう影響があるか、その影響がもし健康面にあったならばしかるべく規制をしなきゃいけない。その点も含めて専門家の間で議論していただきまして、適切な措置を講じたいと思います。

風間昶公明

○風間昶君 新聞報道でありますけれども、茨城県の新利根町では、摂南大学薬学部のメンバーにより、ごみ焼却施設周辺住民の血清中のダイオキシンが最高四百六十三ピコグラム、平均でも男性が八十一、女性が百四十九と、こういう値が出ております。要するに人数は少ない、なおかつ国がきちっとやっているわけではないけれども、そういうデータが出ているわけです。あるいはまた、福岡県の保健環境研究所と九大医療短期大学部の合同チームが平成六年から九年までの妊産婦の母乳中のダイオキシン濃度を調べて、これもまた十倍以上のデータが出ている。  この間の本予算の予算委員会で環境庁長官も厚生大臣も、これは一部のところでしかないからまだ全体として、国として十分認識するに至っていないというお話というか答弁をされたのを記憶しているわけですけれども、であるならば、国がもっとそこをきちっとやっていく方針と具体的な指示を出さないと、個人のレベルで一生懸命やったって国が認めない以上は、これはどんどん不安と健康被害が広がっていくことははっきりしているわけでありますから、そういう意味で、私はまず、ごみ焼却施設の安全基準を超えているところの周辺住民の方々の血液や母乳等の濃度の検査を実施すべきだと思いますが、厚生大臣、どうでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 人体への健康影響がどの程度のものか、この調査研究を進めるということについては同じ認識を持っております。そして、現に厚生省では母乳とか血液等の人体汚染に関する調査研究を実施しております。  しかしながら、現在、ダイオキシンに関する健康診断に関して、血中濃度の測定等も含め、どのような内容の調査を行えばいいのかまだわかっていない。また、調査結果から健康への影響をどう評価するか、これが科学的に確立されていない状況だと。この点も含めて、ダイオキシンによる人体汚染状況の把握と健康影響の評価、これについては調査研究を進める必要がありますので、現に母体とか血液等は調査をしておりますけれども、平成十年度においても引き続きこの調査研究を推進していきたい。  そして、この問題について国民的な関心も高まっております。ダイオキシン問題、あるいはごみの焼却、産廃処理等、多くの国民の関心が盛り上がっておりますので、政治の面からも環境保全、健康に対する影響というものに多くの関心を持っていただきまして、国全体で取り組んでよりよい環境に配慮するような政治を行っていきたいと思います。

風間昶公明

○風間昶君 そういう意味でも、この補正予算の中でちりばめられているダイオキシン関係予算、厚生省分が一番多いわけです。一千二十七億のうち六百七十六億円ぐらいになっているようでありますけれども、具体的な項目の部分については書いてないんですね、今、大臣がおっしゃったようなことが。それはどうなんですか。

小野昭雄厚生省生活衛生局長

○政府委員(小野昭雄君) 調査研究に関しましては、私ども、比較的長期にわたってやっていく必要があるということで、調査研究費に関しては当初予算に計上いたしているところでございます。  今回の補正予算におきますダイオキシン対策費は、本年の三月にごみの最終処分場の調査等が取りまとめられまして、それによりますと、不適切な最終処分場等がございますので、これらに対応するための所要の予算等を計上いたしているところでございます。

風間昶公明

○風間昶君 それは開発庁とか国土庁とかの部分じゃないんですか。

小野昭雄厚生省生活衛生局長

○政府委員(小野昭雄君) 一般廃棄物の最終処分場に関しましては、一般廃棄物に関します最終的な責任を持っておりますのは市町村でございます。この市町村が施設整備をいたします際には、私ども厚生省といたしまして施設整備費の一部を補助いたしているわけでございまして、それに対応する予算ということでございます。

風間昶公明

○風間昶君 もう一つは、周辺住民だけじゃなくて、その施設の事業に従事している方々もこれはかなり私はシビアだと思います。厚生大臣、一回行かれたことはあると思いますが、これは物すごいですよ。もう本当に立っていられないぐらい。  それで、労働者の健康管理の面からいっても施設従事者にきちっと健康調査をすべきだと思いますが、労働大臣、どうですか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 御承知のように、安全衛生法上は、一般の労働者は年一回、そして清掃事業従事者は年二回、特定項目についての健康診断を義務づけられております。しかし、ただいま厚生大臣から御答弁を申し上げましたように、ダイオキシンというものがどの程度の濃度でどの程度人体に影響を与えるかという知見がまだ完全にはございません。  したがって、厚生大臣も今御答弁を申し上げたように、労働省としてもその点は十分注視をしながら、その知見がある程度明確になることとあわせて、おっしゃっているような項目をつけ加える必要があればそのようにしたいと思っております。

風間昶公明

○風間昶君 いや、違うんです。知見が出てからだったら遅いから、まず従事している人たちの健康調査をすればそれが即知見になるんですよ。それを私は言っているんです。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) だから、申しておりますように、年二度は特定項目について健康診断をしておるわけです。その際にもいろいろ知見が当然とれます。それは厚生省の方にも政府ですから当然お渡しすることになり、そういう中から知見というものは確立されてくるわけだと思います。

風間昶公明

○風間昶君 ダイオキシンに関する血液の検査はやっていないじゃないですか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、先ほどから申し上げているように、ダイオキシンというものがどの程度の濃度でどの程度人体に影響を与えるか、今の段階では知見を持っておりません。それは血液調査をすればいいのか、何の調査をし、どういう影響を人体に与えるのか、そういうことがわかればそういう項目を入れねばならないということを申し上げているんです。

風間昶公明

○風間昶君 大臣、その知見は施設従事者を調べればおのずと出てくるんですよ。何の知見が得られればと今おっしゃっているけれども、ごみ施設周辺で従事されている労働従事者の血清中、あるいは尿中のさまざまなものをとればデータは出るんです。そうすると、知見を与える一つの指針を出すヒントになるんです。だから、それをやってくださいよと言っているんです。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来申し上げておりますように、血中濃度がどの程度の濃度になれば、今度はどういう健康上の影響があるかということの方がわかればいいわけです。血中にどの程度あるかということだけを調べても仕方がないんじゃないですか。

風間昶公明

○風間昶君 極めて非科学的な大臣ですよ。そのデータがわかったことで、それから知見というのがどんどん調べられるんです。それは科学的な手法として当たり前の話なんだよ。どう思いますか、今のやりとり、総理大臣。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来申し上げておりますように、安全衛生法上の健康的なチェックというのは、例えば血液内のダイオキシンというものは今どの程度の濃度にあれば健康上どういう影響を与えるかということがまだわからないわけですね。しかし、おっしゃるように、調べれば血液中の濃度がどれだけかということはわかります。それは先生がおっしゃるとおりです。  しかし、例えばレントゲンを撮るという項目があります。レントゲンを撮った結果、肺に陰影があるということによってこの人は肺に疾患があるんだということはわかるから、健康上の意味合いがあってその調査を安全衛生法上はしておるわけです。  だから、血中濃度がどの程度の状態であるかについて知見の一助として調べろという御提案であれば、それは安衛法上の問題ではないけれども、厚生省と連携してやっていくというのは一つの御提案だと思います。

風間昶公明

○風間昶君 ですから、そのデータが知見上の指針になるかどうか結果としてはわからない、後の問題だから、だからそのことをおやりになっていただけないかというふうに私は大臣にお願いしているんですよ。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、それは先ほども申し上げておりますように、もうよくお互いに主張していることは、先生のおっしゃっていることも私は理解しておりますし、私の申し上げていることも理解していただいておると思いますから、ある程度血中濃度がこの程度になれば危ないとかどうだというその症状の方ですね、今度は。血中濃度に伴う人体への影響の方、それとあわせながら政府としてやろうという方針の一環を労働省が担うということは、私は一向差し支えないし結構なことだと思います。  しかし、先ほど来申し上げているように、例えばレントゲンを仮に撮って、陰影が出たということがどういう健康上の問題かという因果関係がもしわからない状態でレントゲンばかり撮るということはやや難しいんじゃないかということを申し上げておったわけです。

風間昶公明

○風間昶君 大臣、年一回健康診断を御自身受けているんでしょう。所見がなくてもそれはそれで正常な所見だとわかるんですよ、何も異常陰影がなくたって。そのことを私は言っているんです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 近いうちにダイオキシンの調査研究に関して地方自治体と連絡会議を開催する予定で今いるんです。今お話を聞きましていい御意見だと思いました。いい機会だと思いますので、地方自治体のみならず、労働省とも連絡をとって、この調査研究の実施に当たっては被験者の協力が必要不可欠なんです、協力も求めてこの調査研究を進めていきたいと思います。

風間昶公明

○風間昶君 ありがとうございます。  そこで、今、日本の青年層を中心にしてかなり政治に関しての不安感、不満、怒り、このことがいわば政治的無関心というふうな層でくくられている感じがしますけれども、青年層の方々にお話を伺うと、要はこれからもう高齢社会に向かっていって自分の親の面倒と自分自身の年金がもらえるかもらえないかについて極めて大きな不安がある。そういう青年層が将来に向けてせっせせっせと貯蓄しているのも事実あるわけであります。  これは一面すばらしいことなんだけれども、国民経済の観点からすればやっぱり個人消費の牽引力になってもらわなきゃならない青年層に対してどうしていくのかということで、私ども公明は、パソコン購入のときには、例えば本体価格五十万だったらマックス五万円ぐらい、その領収証を年末調整のときに出せば還付するといういわゆるパソコン購入減税、あるいは自動車の諸費用が、重量税、取得税、自賠責の保険料率、極めて高いですから、そういう部分で税率を軽減させていければ、もっと青年層を中心に消費の個人喚起が得られるのではないかというふうに考えております。  具体的には、まだ総理にちゃんとしたものをお届けしていないのであれなんですが、いずれにしても、青年層に対する消費喚起もこれは一つの大きな政治、それから経済、日本を担っていく方々に大変大事なものだと私は思っておりまして、雑駁な言い方ですけれども、こういった青年層に対する施策、この部分について総理の御所見を伺いたいと思います。  今、総理、首をかしげられていますけれども、もう一回首をかしげたところをテレビに映してあげたらいいと思うんだけれども、それはそれとして、ごめんなさい。  青年層に伺ったもう一つは、実態上、不況で土曜も休めない、連続した休暇が欲しいという声もありまして、私たち今考えているのは、成人の日の一月十五日、それから七月二十日の海の日、そして九月十五日の敬老の日と十月十日の体育の日の四つの今の休日を月曜日に持っていって三連休に、土、日、月としていくような、名前はハッピーマンデーという言い方しているんです。  このことに関して言えば、観光の点から運輸省も試算されていらっしゃると思うんですけれども、この部分についてまず運輸大臣から一言いただいて、総理大臣にこの私どもの考え方に対しての御認識とまた評価をいただいた上で質問を終わりたいと思います。

土井勝二運輸省運輸政策局長

○政府委員(土井勝二君) お答え申し上げます。  今、先生お話しになりました祝日を三連休化した場合の経済波及効果というお尋ねだと思いますが、これにつきましてはさきに財団法人の余暇開発センターが試算したものがございまして、これはアンケート調査を基本として、そこから消費額がどのぐらいその三連休化によってふえるか、またふえた消費額が産業連関を通じてどういうような直接効果、間接効果があるか、そういう推計を行ってございます。  この試算によりますと、ただいま先生お話しになりましたような四つの祝日を月曜日に指定した場合の経済効果でございますが、これは日によって効果が違いまして、成人の日が約二千七百億円、海の日が約三千六百億円、敬老の日が約三千四百億円、体育の日が約五千五百億円と、それぞれの日がそういう効果があるという推計がございます。  ただ、この四日間を月曜指定した場合に、仮に指定した場合でございますが、その暦のぐあいによって必ず毎年四回三連休がふえるというわけでございませんので、平均すると一年間に約七千億円ぐらいの経済効果があるのではないかという推計になっております。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど首をひねっていると言われて大変恐縮いたしました。  ただ、実質的に、パソコンあるいは自動車、今本当に考えたのは、殊に若い方々の場合、パソコンを購入される方が所得税を負担していらっしゃるんだろうか、実は率直にそういう感じがしたんです。それだけに、自動車でありましてもパソコンでありましても、実は所得税を負担していらっしゃればそれは減税効果は出るわけですけれども、それと見合っての手間が非常にかかるだろうなということと、むしろ若い方々の場合にはまだ所得税負担前の所得の方が多いんじゃないだろうか。しかし、むしろ趣味でありましたり現実の仕事の上でありましたり、パソコンなどを本当に購入される方はうんとふえているわけです。自分の子供たちを振り返ってみてもそういう傾向があります。  そうすると、それを所得税の減税の対象としてとらえるということではないんじゃないかなと。ただ若い方々に、消費してくれという言い方もおかしいんですけれども、むしろ必要な投資をしてほしいという考え方、これは共有できる考え方であり、また必要なことだなと。その上で、実は首をかしげておりましたのは、まさに自分の子供を振り返ってみましても、所得税を払っていないけれども、あいつパソコン持っているなという、そういう実際上の感じがあったものですから、大変失礼をいたしました。  それから、私は、実は三連休をと言われる御主張を理解できないのではありません。そして、一つの考え方としてあり得る考え方であると。同時に、今、議員が挙げられましたそれぞれの日、ある意味では伝統的に我が国に定着をしてきた祝祭日ではない日もあります。また、伝統的な祝祭日ではありますけれども、第二次世界大戦後において位置づけの変わっておるものもあります。そういう意味では、私は大変微妙な日を選ばれたと思うんです。  もともと日本人に祝日を移動するという民族的な慣習がございません。その点は、実は国によってそうした日にちではなくて、例えば何月の第何曜日という決め方で祝祭日を祝う習慣が定着している国があります。そういう国の場合と、固定した日に意義を見出し、それを祝日あるいは祭日としてきた。これはまさに民族的な習慣の問題なんですけれども、果たして曜日によって移動するという考え方が社会的にすらりと受けられるのかなと。むしろ、地域社会において活動するとか、あるいは議員が述べられましたように、あるいは運輸省が先ほど試算をいたしましたように、家族での触れ合いの時間をふやして旅行するとか、そういう意味では私はこれはできれば活用されると思います、それなりに。その上で、習慣の問題として意識に定着するだろうか、率直にそういう感じは受けました。

風間昶公明

○風間昶君 これは政府の財政出動を伴わない私は消費喚起策だと思っておるものですから、ぜひ御検討いただきたいと思います。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で風間昶君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 政治家は公選によって国民、住民の信託を受け、国民全体のための利益、公共の福祉のために奉仕する責務を有しております。  ところが、我が国では政官業の癒着により公正な行政運営が阻害されています。大蔵省の不祥事に見られるように、行政の裁量権が広過ぎる状況のもとで、政治家の口ききにより特定の者に不公正、不公平な利益が与えられ、その見返りに政治家が金品や利益を受け取るという構造があります。公務員に対しては公務員倫理法を制定し、政治家みずからが国会議員等のあっせん利得行為等の処罰に関する法律を制定する必要があります。  四月一日、自社さ三党首会談で、あっせん利得を禁止とする政治腐敗防止法を今国会に提出し、会期中に成立させるということが合意されていました。にもかかわらず、できなかった原因はどこにあると総理はお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から三党首で合意した内容についてというお話でありますが、当時連立与党を結成しておりました三党の党首は、確かに間違いなくこの問題について論議をすること、そして結論を出すようにお互いに努力することを約束し、その上で与党政治改革協議会等で議論を積み重ねていただいたと私は記憶をいたしております。  そして、その中で御党から国会議員が公務員に対してあっせん行為をすることの報酬として利益を受けることなどを処罰する罪の新設を含む立法措置について御提起があったこともそのとおりであります。この部分を除いて合意をいたしましたものは合意としてその後の手続を踏んで議員立法化されておると承知をいたしておりますが、社民党として六月九日、参議院に国会議員等のあっせん利得行為等の処罰に関する法律案を提出されたことを存じております。  与党政治改革協議会においてはこの論議は煮詰まらなかった、合意に至らなかったと私は記憶をいたしております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 今、総理が言われたように、社会民主党は六月九日、国会議員等のあっせん利得行為等の処罰に関する法律案を参議院に提出いたしました。これは、かつての与党政治改革プロジェクトの二十回を超える議論を踏まえ、国会議員、地方議員、首長が第三者からの依頼を受け、国や地方自治体の許認可その他の処分、請負等の契約にかかわる公務員にあっせんをして、対価として自己または第三者が財産上の利益を得ることを禁止し、違反した場合は五年以下の懲役に処するという法文であります。  この法文は、国会議員が実質的に大きな影響力を持ちながら職務権限の立証が難しく、政治献金という逃げ道のため不明朗な金品の授受が行われても罪に問われなかったことをなくし、政治家みずからが信頼を取り戻し、国民の政治不信を払拭することにその立法目的があります。  合意が成立しなかったと総理は言われましたが、この法律制定に向けてのこれからの総理の御決意をお伺いいたします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 当時連立を形成しておりました三党のお話し合いにつきましては、先ほど申し上げましたように、党首間で合意し議論を進めました結果、合意が成立しなかったということであったと、これは議員よく御承知のとおりでありますが、その上で社会民主党が議員立法として今読み上げられました法律案を提案されたことを政府としては承知いたしております。  政府としては、これからの各党各会派の御論議の結論を見守りながら適切に対応してまいります。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 私はこうした政治を示すことが国民の政治不信を払拭する大きな中核となると考えます。でき得る限り、私どもは真摯にこうした法律を制定することによって国民の信を得なければならないと考えます。  なお、政治資金規正法附則九条は、「会社、労働組合その他の団体の資金管理団体に対してする寄附については、この法律の施行後五年を経過した場合において、これを禁止する措置を講ずるものとする。」とされております。これは政党助成金の交付がなされたとき、政治家の資金管理団体への企業・団体献金を年間五十万に限って認めるけれども、平成十二年一月一日限り禁止する措置を講じなければならないと考えますが、総理は禁止する措置をとられるかどうか、お尋ねいたします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御承知のように、企業あるいは労働組合などの団体献金につきまして、平成六年の政治改革における政治資金規正法の改正によって規制が強化をされ、さらに改正法の附則によりまして、施行後五年を経過した場合には団体献金のうち資金管理団体に対するものについては禁止する措置を講ずるとともに、政党及び政治資金団体に対するものにつきましては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案し、そのあり方の見直しを行うとされておることでございます。  そして、この問題につきましても与党政治改革協議会で真剣な検討を重ねていただいてまいりましたが、結論が得られなかったことは議員御承知のとおりであります。各党各会派において十分御論議をいただくべき問題だと、さように考えております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 平成六年一月二十八日の総理・総裁合意が政治家への企業・団体献金を五年間に限って五十万に限り認めた経過、それから附則十条の見直し規定との対比から、禁止する措置をとらないで放置するということは法違反になると考えるものでありますが、十分御検討をいただきたいと思います。  次に、一九九七年度の厚生省の調査によりますと、合計特殊出生率、つまり女性が生涯に産む子供の数は一・三九で、この変動は国際的に見ても例がないほどに急激であります。置きかえ水準二・〇八への回復も困難と見通されています。変動が余りにも急激なので、社会の意識も政策もついていけない状況が生まれています。雇用慣行や社会保障の抜本的見直しが必要と考えます。子供を産むか産まないかは女性の自己決定であり、子育てをしながら働き続ける環境整備が急務であると考えます。  私はこれと対置して二つの統計に注意を喚起したいと思います。  一つは、経済協力開発機構、OECDの女性の働きやすさの指標です。二十九カ国中十九位、平均五〇として日本は四四・〇五です。十五年前の十六位より後退しています。合計特殊出生率と働きやすさとの相関関係は、働きやすさが一〇ポイント高いと出生率は〇・三五多く、男女の賃金格差が小さいほど出生率が高いという結論が出されています。  二つ目の指標は、経済企画庁が六月に発表したもので、働きづらいと女性の過半数が考えていて、八年間にこの不満が一・七倍となっています。日本では出産、育児で仕事を中断すると正社員として復職できない点が不利に働いていると考えられます。働きやすさの指標を高めることが重要と考えます。  今回の予算によりますと、家庭と職業の両立支援は情報提供等わずかに限られています。  厚生大臣にお尋ねいたします。  厚生白書は、子供を産み育てることに夢を持てる社会、それについての展望を述べられております。児童館などの学童保育の充実が最重要と考えますが、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 少子化の問題、今いろいろ御意見をいただきましたけれども、私も厚生白書を読んでみまして、時代は変わったなと。単に家庭だけじゃない、学校も職場も、そして地域も、社会全体で取り組まなきゃならない問題だなと考えております。  今御指摘の児童館につきましても、今までの考えでありますと、保育所というのは学校に上がる前の方々を預かってお世話する場所であった。ところが、今重要なのは、むしろ学校に上がってからの放課後児童健全育成事業ということの重要性が指摘されております。私も感じております。でありますから、平成十年度予算におきましても、対象箇所を一千カ所大幅増加いたしました。  今後ともその重要性を認識しながら対策を練っていきたいと思います。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 仕事と家庭生活の両立を保障するための具体的施策として、子育て期間中の男女労働者に対する深夜労働の免除請求権、時間外・休日労働の免除請求権、育児休業の男性に対する一定期間の強制休暇制度が必要と考えますが、労働大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生既に御承知のとおり、育児休業あるいはまた介護休業等については既に法律上の手当てがなされていたり、また今後、十一年の四月から、例えば育児休業、介護休業については法律上の手当てがなされるということになっております。もちろん、その内容について十分でないとか、あるいはもっとこういう方がいいという御意見があることは十分承知いたしておりますが、法律上の手当ては一応なされております。  そして、例えば父親が強制的に休暇をとるかどうかということよりも、私は今の日本の場合には、ここは先生と同じ御意見だと思いますが、女性にその負担が非常に重くかかっているという現実はよくわかります。したがって、これはお互いに、男も女も国民すべてが従来の生き方、役割分担についてもう一度新しい時代に合うように考えていくという、生き方を変えていく中で自制的に変えていくべきものであって、法律上男性が強制的に休暇をとるというやり方は私は少しなじまないのじゃないかと思います。  労働省としては、仕事と家庭を考える月間等を通じて、今御指摘のございましたような趣旨に沿うような生き方を男女の皆さんに選択していただけるようにできるだけのPRに努めていきたいと考えております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 時間外・休日労働免除請求権についてはどうですか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これも率直なところ、請求権という形は、将来もしそれを可能にするような経済になれば、またなるようにみんなが努力をして、そういうことがやっていけるということであれば私は大いに結構なことだと思いますが、現時点においては、そういうことを強制するということが果たして長い目で見て働く人たちの雇用の維持や何かからプラスになるかどうかということも総合的に考えていかねばならないのではないかという気がいたしておりますので、方向としては先生のおっしゃっていることには私は賛同いたしますが、そのペース、やり方についてもう少し現実的にやらせていただけないかと思っております。

大脇雅子社会民主党・護憲連合

○大脇雅子君 もう少し積極的に進めていただきたいと思います。  次に、ことし四月の完全失業率は四・一%、約二百九十万人で、求職活動をしている人を除いた仕事をしている人とそれらを除いた非労働力人口もまた急激に増加しておりまして、失業率は既に五%近いと推定されています。失業は若年と高齢者に多く、経済的理由による自殺の急増もあります。公共職業安定所の求職窓口には連日求職者があふれ、一方、求人窓口は閑古鳥が鳴いています。  高度経済成長の中で、我が国は失業率を経済成長率の中に組み込まなかった、組み込むことを忘れていたのではないでしょうか。雇用不安が今や消費を確実に冷え込ませています。我が国がかつて経験したことのない状況が起ころうとしていますが、この点に総理は危機感をお持ちでしょうか。雇用調整助成金のアップ等、守りの政策を超えて積極的な政策は何か総理に伺って、質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 本日も何回か繰り返し御答弁を申し上げてまいりましたが、私どもはこの雇用情勢というものを非常に心配いたしております。殊に、議員も今指摘をされましたけれども、高齢者が新たな職を求めるという点には従来からさまざまな問題がございました。しかし、ついしばらく前までは、若い方々に対しては求人数の方が求職者数を上回っておりましたから、どこでもいいという気持ちを持っておられれば職はあるという数字が示されておりました。  今、その若い方々に対する求人数が求職者の数を下回っております。この状況は大変深刻でありますし、しかも地域差もございます。本部を開きましたときにも、それぞれの地域、業種、年齢層別の状況把握の上で具体的な対応をとるように指示をしたところでありますけれども、今そうした視点を持ちながら労働省初め関係当局に努力を促しておりまして、ぜひそうした意味でのきめの細かい努力に御協力を賜りますようにこの場をかりてお願いを申し上げます。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。志苫裕君。  御着席のままどうぞ。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 失礼ですが、体調不十分のため座ったままで発言させてもらいます。  総理初め閣僚の皆さん御苦労さまです。社民党の志苫です。  税制改正に関しまして順次お伺いさせていただきます。  まず、総理は本院での御答弁や遊説先等での記者会見におきまして、しばしば、我が国の個人所得税は累次の所得減税によって所得控除すなわち課税最低限が引き上げられている、その結果、国民の負担水準が国際的に最も低くなったと発言されておられます。税負担水準が低い、すなわち税金が安いということは国民にとってはうれしいことでありまして、納税者の代表である議会人としては誇りにできることなんですけれども、なぜか総理はそれを嘆かわしいことのように言うんです。なぜでしょうね。六月七日の浜松市の遊説先では、日本では所得の低い方にどれだけ手厚くしているかを考えてほしいと訴えております。  総理、私がなぜこんなことを尋ねるのかといいますと、総理の一連の御発言は実は増税の論理なんです。世界で一番低い税負担水準だからどうしろと言っているわけではないんだけれども、その脈絡で言葉を続けるとすれば、だからもっと水準を上げたい、言いかえれば増税したいと言うとるのと同じことなんです。そうだとしますと、景気対策のために減税しようと異例の補正予算まで出しているときに、景気を冷やす増税を念頭に入れるとは一体どういう神経だと言わざるを得ません。  今景気がよくないから、役に立つことなら何でもしようという心境で減税という政策手法を採用しているのでありますけれども、少子・高齢化の進展等、財政事情の急激な悪化を視野に入れれば、減税すなわち歳入の減少どころの話ではない、税で実現すべき公益は経済の調整だけではなくて財政資金の調達にもあるわけでありますから、二つの公益を両立させようとすれば財政の確保という選択があっても不思議ではない。それならそうで率直に国民に語るべきなんだ。今選挙だから猫をかぶっておって、選挙が終わったら豹変をするんじゃ困るんです。国民には中曽根売上税で猫をかぶられた苦い経験があるんです。  総理、念を押しますが、目下論じられている税制改正には増税という選択肢は全くない、こう理解してよろしいでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず最初に私は申し上げておきたいと思うんですが、二年前の衆議院選で、私は正直に消費税率を二%引き上げさせていただきたいと全国を遊説して回りました。そうして、そのうちの一%は地方の財源になるんですということまで申し上げてまいりました。まず、その事実はどうぞ思い出していただきたいと思うんです。  その上で、静岡での遊説の話が衆議院でも実はいろいろお問い合わせがございました。正確を欠いた報道がなされたことは、それぞれの報道機関によっていろんなニュアンスの報道がされていたことでおわかりがいただけると思うのでありますが、このとき私が申し上げましたことは、特別減税そして政策減税、これとは別に我々は税制改革というものは進めていきます、例えば法人課税について三年以内に国際水準並みに持っていきます、同時に所得課税についても額に汗して働いた方が報われるような税体系を目指しますと。  そしてその中で、だけど現実いろんな御議論がありますねと。課税最低限はと、幾つかの国と日本の数字を挙げ、事実問題をそのとおりに申し上げ、その上で所得税をほかの国だったら負担していただいている方にも日本は負担をお願いしていませんという事実関係は確かに私は言ったんです。それ以上の内容でも以下のものでもありませんで、あと国会でも答弁で申し上げてまいりましたように、所得課税を見直す場合、資産性所得の扱い、あるいは年金課税の問題、各種の控除の仕組みなどいろんな検討をすべき点が既に議論の上に出されています、これをきちんと議論して額に汗する方が報いられるような形をつくりますということを申し上げた以上の何らのことを申し上げておりません。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 いや、目先の減税で喜んだすぐ後に消費税値上げという後門のオオカミが待っておられたんじゃ目も当てられないから、私は念のために増税という選択肢はございませんねという確認をしているんです。あなたがうそを言っているとかなんとか言っていないですよ。前の選挙でそうおっしゃったのは結構でしょう。最近おかしくなっているわけですから、前のことを言っているんじゃないんです。  では、今なぜ減税かということをお聞きしましょう。  言うまでもありませんが、少子・高齢化という経済社会事情からいえば減税はノーです。景気対策という当面の目的からすればイエスです。双方の公益を実現しようとすれば、中長期的に見て成長の果実を増収の財源に充てるという予定調和路線をとることも不可能ではない。  この不景気で税収の落ち込みが大きくて歳入欠損は相当の額に上ると言われておりますけれども、その実情と欠損処理の方法をこの際述べてくれますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) この前も申し上げたことなのでありますが、ここの委員会の少し前の時間帯に。  四月分ははっきりわかったわけでありますが、これから五月分に期待をしておるところでありますけれども、しかし趨勢からいって、残念なことでありますけれども、補正後の予定しておる税収の額が確実に入ることが非常に厳しい情勢になっておるということは厳しく受けとめておるわけであります。  しかし、最終的には、五月分が入った後、かつ不用額がどれだけあるか、あるいは税外収入がどれだけあるか、こういったことで七月以降にならないと決められぬことでありますけれども、いずれにせよ決算調整法に基づいて適切に対応しなきゃならぬと思うわけであります。決算調整資金がゼロであるという状況でありますから、恐らく国債整理基金の方から決算調整資金の方に移し、それでまた一般会計に移して処理するということになると思うのでありますが、それはいずれも十一年度までにその繰り戻しはするという結果になると思うのであります。  いずれにせよ、定められた法律に基づいて適切に対応していかなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 総理はまた、公平、透明で国民の意欲を引き出せるような税制、これがまた非常に抽象的でわかりにくい。現行税制のどこが不公平でどこが不透明なんでしょうか。それから、洋の東西を問わず、税金ほど嫌われている代物はないんです、二千年前の旧約聖書の中にも税金を取る人は罪人だと書いてあるくらいですから。その税金を取られて愉快になってもりもりと働こうというような人がどこかにおりますか。(「いるよ」と呼ぶ者あり)ああ、そうですか。どこかの社長で恐らく最高税率が所得の五割以上取られて気に食わぬということをおっしゃる方がいると。これは床屋政談とか横町の隠居の話には出ますが、科学的に実証できる話ではない。ですから……

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 時間です。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 はい、わかりました。  だから、そういう話を引き合いに出すのは私はいかがなものかと思います。  時間ですから終わります。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。  まさに補正予算が審議されているわけですが、今日の深刻な不況、これを本当に打開する決め手は消費税の減税、そして庶民に手厚い恒久減税をする、今これが国民の声になっていると思うわけであります。  ところが、総理は消費税減税をあくまでも拒まれる、そして所得税の減税も一時のものにするということであります。それどころか、今経済界や政府税調の議論の中には、一連の税制改革の中で、最低生活費に食い込む所得には税金をかけないで控除するという、まさに今言いました課税最低限を見直して増税しようという動きがある。これは景気対策としてまさに逆行するものだと私は思います。  そこで、総理に伺いますが、この間繰り返し課税最低限の問題に総理は言及をされております。認識の問題なんですが、現在はそれが諸外国と比べて高い、既に低所得者には配慮しているという認識でいらっしゃるのかどうか。どういうふうに高いと思っていらっしゃるか、具体的にお答え願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 標準世帯において対比をいたしますと、私は今数字をちょっと手元に持っておりませんけれども、たしかイギリスの場合は百五万何千円かから上の皆さんが所得税を負担しておられるはずであります。アメリカも二百四十五万円ぐらいから上の方々が所得税を負担しておられます。我が国の場合、特別減税を除きましても所得税を御負担いただきます方々は年収三百六十一万円以上の所得のある方でありまして、それ以下の方々に所得税の負担をしていただいておらない。これは事実の問題として数字で申し上げられることではないでしょうか。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 国際比較を挙げられて、事実の問題と言われましたが、私はそれ自体にごまかしがあると思うんです。  私、ここへ表を持ってまいりました。課税最低限の問題です。(資料を示す)  今言われるのは為替レートで比較されていると思うんですが、時々激しく変動する。それを例えばアメリカのニューヨークで一ドルのものを買うのに対して、日本では何円あれば買えるかという購買力平価で換算してみますとどうなるか。日本は三百六十一万と言われました。アメリカ三百五十二万、イギリスは低いです、百三十七万、ドイツ四百六十八万、フランス四百十七万ということであります。  こういう問題で見れば、まさに世界と比べても決して高くないんじゃないですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私がちょっと計算の能力がないのかもしれませんが、為替レートをどれぐらいにごらんになっているんだろうということ、同時に通常課税最低限を対比するときのルールと違ったルール、購買力平価という違った視点の数字を組み合わせて意味がある数字のごとくにおつくりになったと、そのような感じがいたしました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 一ドル八十円だったときと今百四十円、ではそれに応じて物価が日本で変動するかといえば違うわけでありまして、国が税金を取るときに、まさにどれくらいの水準ならば最低生活を脅かさないかということを比較するわけです。ですから、購買力平価の方が実態に近いということがはっきり言えると私は思うんです。  そういうことで、総理が国際的に比べて高いということを繰り返し強調される、それは結局、日本の課税最低限が高過ぎるから下げたいと、現在所得税を納めていない人たちからもいただく方向で検討すべきだということなんじゃないんですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に想像力豊かな方だと申し上げたいと思います。  事実問題として、先ほど申し上げましたように、イギリスの場合に百五万何千円かから上の所得のある方は所得税を負担しておられます。アメリカの場合に二百四十五万ぐらいから上の所得の方は所得税を負担しておられます。しかし、日本は三百六十一万円以下の所得の方々には所得税を負担していただいておりませんという事実を申し上げている。  その上で、私は繰り返し国会でも同じことを申し上げておりますけれども、所得税の論議をいたしますときに提起されている問題はいろいろな視点のものがございます。資産性所得に対する課税のあり方、年金課税のあり方、各種の控除のあり方、問題はいろいろな角度から出されております。  より公平な税、そうしたものを考える上で考えるべき論点が出ておりますから、それを税制調査会でも議論していただきますと申し上げている、それ以上でも以下でもないのでありますから、特定の方向に決めつけて御批判をいただくことは心外です。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私は決めつけているんじゃなくて、事実関係ということで今そういう形でおっしゃることの意味について言っているわけであります。  まず、その実態の問題について、比べ方についてごまかしがある。そして、事実問題ということで事実を言っただけだ、高いんだと。そして、その上でいろいろな意味で検討したいんだとおっしゃるならば、事実は高いということで認識しているけれども、総理としては課税最低限を引き下げるつもりはないと断言なさいますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) なぜ御自分の土俵の中だけで議論をされるのでしょうか。  先ほど来申し上げておりますのにあえてつけ加えるならば、所得税について二度にわたる抜本的な税制改革によりまして大半のサラリーマンの方が生涯一〇から二〇%の税率が適用されるのならば、最高税率の問題を除けばフラット化は進んでいるんです。  同時に、先ほどから申し上げておりますように、累次にわたる減税の結果として課税最低限は諸外国に比して高い。これは議員が幾らおっしゃっても、事実アメリカは百五万円以上のところから所得税を取っておられる、イギリスも二百四十五万円以上の所得があれば──ごめんなさい、アメリカとイギリスを逆さに言ってしまいました。  とにかく現実に日本が三百六十一万円以下の標準世帯に所得税の負担をしていただいていないということは、これは事実なんです。それをあえて御議論されますから、私は今までも申し上げてきたように、現実に所得課税負担全体としては先進国最低の我が国の税でありますと。しかし、税制についての議論はあるわけですから、各種の控除のあり方や資産性の所得課税あるいは年金課税のあり方など、個人所得課税についていろいろな議論が現実に存在していますから、税制調査会で議論していただきます、そう申し上げているわけであります。  イギリスとアメリカを逆さに申し上げたそうで、それはおわびをいたしますが、事実問題はそのとおりに受けとめていただきたいと私は思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 事実問題について比較の仕方に問題があるということを、私は先ほどから繰り返しこの問題を出して具体的に言っているわけです。そして今、総理のお答えを伺っていますと、あくまで課税最低限については引き下げないということはおっしゃりたくないようでありますが、私はこの課税最低限の問題というのは非常に大事な問題だと思うんです。そして、さまざまなことで検討していくということでありますから、では実際にこれを引き上げたり引き下げたらどう国民生活に影響があるかということをちょっと見てみたいと思うんです。  そこで、大蔵省にまず聞きたいんですが、現在の日本の課税最低限、先ほど標準世帯三百六十一万円ということを言われましたけれども、この標準世帯というのはどういう世帯なんですか。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 所得税の標準世帯モデルでございますが、夫婦子供二人のサラリーマン世帯で、子供二人のうち一人が特定扶養親族、つまり年齢十六歳から二十二歳までに該当する場合を標準世帯としているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 年収が三百六十一万円で、夫婦に子供が二人いて、一人は高校生か大学生ということになるわけですね。そうしますと、教育費を考えただけでも大変な負担であります。それなのに、妻の方は専業主婦という形がモデルになっていますからパートにも出られない状況にある。家計は大赤字で火の車だと思うんですよ、三百六十一万でそれだけやりますと。  課税最低限は家族の構成によって適用される控除が違いますから、政府が外国よりも高いというふうに例を挙げるモデル家族が一体どれだけ実在するかということはもちろん問題としてありますけれども、それでも子供のために生活費を切り詰めて、あるいは教育ローン等の借金をして大変に苦しんでいる姿が大蔵省の三百六十一万という標準世帯のモデルでも浮かんでくると思うんです。  課税最低限が三百六十一万でも高いということは、つまりそういう家庭にも何らかの負担を考えてもらわなきゃいけないということなんじゃないんですか、大蔵省自身がそういうモデルを挙げているわけですから。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 税の仕組みは、特別減税を除けば、標準世帯で三百六十一万以上の所得のある人については所得税がかかります。その場合に、日本の場合は一〇%でございます。アメリカの場合は、先ほど総理から話がありましたけれども、二百四十五万からかかりますが、一五%です。英国の場合は百五万からかかりますが、それは二〇%です。そういう仕組みになっているようであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 今のはちゃんと答えになっていないんです。つまり、そういう家庭についても、三百六十一万、標準世帯、大蔵省自身がつくったモデルですから、しかしそれでも諸外国と比べて総理がおっしゃるのは高いと。そこは高いという認識、事実問題だ、それをどうするかは今後検討したいというわけです。  しかし、高いということは、そういう人たちにも何らかの負担をと、先ほど公平な負担と言われました、何らかの負担をお願いしたいと。つまり、そういう大変な、苦しんでいる世帯でも課税最低限を下げて新しい税負担をお願いしたいということなんじゃないですかと聞いているんです。(「なぜ大変だと決めつけるんだ。差別だよ、それは」と呼ぶ者あり)違います。大変でしょう、三百六十一万。考えてごらんなさいよ。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 新しい税負担をお願いするというんじゃなくして、先ほどお話し申し上げたとおり、特別減税分を除けば今私が申し上げたような仕組みになっております、こう申し上げておるわけであります。  なお、税というのは国民に対するサービスを提供する国の大切な財源でありますから、それによって国が維持されるという面もあるわけでありますから、所得の高さに応じて定められた率の税をお願いする、そしてまた別の言い方をすれば、生活が特別に困窮している、所得がうんと少ない人の場合には別途社会保障の仕組みとして、所得が特別低いような人の場合には生活保護という仕組みもあるわけでありまして、いろいろな仕組みを通じて国民の最低生活は守っていこうというのが今の仕組みの基本だろうというふうに思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私が先ほどから言っているモデルというのは、私が勝手につくったモデルじゃないんです。大蔵省が国際的に比較するときに最低限としているモデルなんです。高校生、大学生、学費だけでも国立に行ったら七十万とか、私学に行っていたら百万とかかるわけです。収入が三百六十一万ですよ。その人たちは今は税金を払わないで済んでいる、今のモデルでいえば。しかし、三百六十一万でも高過ぎるということになれば、これを引き下げればそういう家庭やもっと収入の少ない人たちにも税負担をお願いする、こういう仕組みになっているという事実問題は認めるべきですよ。しかも、今おっしゃいましたが、税を払ってサービスを受けている、そんな実感ないですよ、税金を払ったってまともな社会保障一つやっていないんだから。そういう点をしっかり見る必要が私はあると思うんです。  さらに伺いたいと思うんですけれども、課税最低限を下げる、下げるんじゃなくて上げてもいいですが、変えるということになれば、これまで税金を払っていなかった人が払うようになるか払わないで済むかという問題だけじゃなくて、課税最低限というのを見直せば、これまで税金を払っていた人にも今度はさらに控除が減って税金を余計に払うようなことが起こる、あるいは控除がふえて税金が減るということもあり得るということは、仕組みは一応はそうですね、大蔵省。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 課税最低限は各種の控除、社会保険料控除等々から計算されるものでございます。したがいまして、その数字が変わればそれはもとより税が変わるものでございますが、先ほどから大臣よりお話がございますように、今税制調査会で議論しておりますのは、特定の方向を目指して議論をしているものではございません。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 特定の方向で考えているんですよ。高過ぎるという、これを前提にして事実問題として総理は言われました。しかし、高過ぎるということを前提にしながらどうするかということになれば、これは方向というのは一つ見えてくるのかなということになるわけであります。  しかも、その課税最低限が国際的に高いと言われました。では、総理のおっしゃる国際水準に合わせてみましょう。どうなるか。例えばアメリカ並みに今度下げてみたら、高いんだから下げたらどうなるかといえば百十六万円、イギリス並みにすれば二百五十五万円分の控除が今度減っちゃいます。高いんだから、アメリカ、イギリス並みにしたらですよ。そうしますと、単純計算すれば、その分膨大に新たに納税者がふえるだけじゃなくて、今税金を納めている方々も控除が減りますから新たに税を負担しなきゃいけなくなる、こういうことになると思うんです。  総理はよもや、特別減税に続いて恒久減税をやるんじゃなくて、課税最低限を動かして、そして新たな恒久増税をしようなどとは考えていないんでしょうね。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、先ほどからどうも議員の御議論が理解できないんです。  まず、理解できない最初は……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 しようとしていないんですよ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、理解できない最大の理由は、税の論議、国際比較の議論をいたしますときに、給与収入階級別の数字で私どもは申し上げました。これは収入ですから、収入に対する税の割合として私は給与収入階級別の所得税あるいは住民税負担額の国際比較というのはルールだと思います。収入にかかわりなく、議員は購買力平価という独特の見地からの数字を持ち込まれまして、その上で御自分の議論をしておられます。  ですから、私は、これは国民に誤解を生じてはいけませんので改めて申し上げたいと思いますけれども、特別減税を抜きにいたしまして標準世帯における課税最低限は我が国は三百六十一万六千円でありますから、三百六十一万円以下の年収の方々に所得税の負担をしていただいてはおりません。しかも、それを超えまして最初に所得税を負担していただくことになりましたときも、その税率は一〇%であります、所得税の税率は一〇%です。  アメリカは、先ほど私はイギリスと間違えて大変失礼をいたしましたけれども、標準世帯は二百四十四万八千円が最低限でありまして、これ以上の所得があれば所得税を負担されることになります。そして、そのスタートの税率は一五%です。イギリスは年収百五万六千円が課税最低限でありますから、それを超える方は所得税を負担されるわけですし、その税率は二〇%です。  課税最低限三百六十一万円という標準世帯の数字そのもの、そしてそれを超えてかかる所得に対して最初の税率は一〇%であるという数字、ここまで申し上げたのは、議員がお尋ねになり、その上で自問自答をされ、いかに……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 全くひどいですよ。何ということをおっしゃるんですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、自問自答です。先ほど来の御論議は自問自答であります。  その上で、所得課税を議論するその議論について、資産性の所得もありますし、年金課税の論議もありますし、各種控除の問題もあり、所得課税全体はそうしたものを議論していく中で、税制調査会で議論していただきますという以上に私は何も申し上げていないんです。  議員はそれを課税最低限を変更するという前提で持論を述べられましたから私は自問自答と申し上げましたが、自問自答と申し上げたのが礼を失するなら、さまざまな引例をおつくりになりましたがと申しかえます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 テレビの前だからとおっしゃいました。私もそれはきちっと事実関係をはっきりさせたいと思うんです。  私は購買力平価と言いました。ニューヨークで一ドルで買えるものが日本で何円で買えるか、この方が実態に即していると。政府の言われている数字をそれに換算しただけです。そういう問題で一方でやりながら、最高税率、先ほど触れられましたが、引き下げるという議論もある。今、財界や税調の中でも議論があります。そして、最高税率が高いということは総理も言っていらっしゃる。高いということはどうするか。その先の議論、高いからどうするんだ。ではもっと高くするのか。違うと思うんですね。  そうしますと、今その最高税率適用者というのは、給与所得者で言っても年収三千五百六十五万ぐらいですから、相当高い人、事業所得者を入れたって数万人です。ほんのわずかの人たちの税率を下げてあげる。その一方で、今の議論は多くの人たちに増税をする、課税最低限を下げて。ということになりますと、一体今どこにこの政治が向いたのか。逆さまじゃないかということになるわけであります。  今、政府が高過ぎるという事実認識を持って提起をしている問題というのは、結局は景気対策からも道理がないような、まさに国民生活への新しい増税を求めていくような方向での、大変に重大な挑戦だと私は思うわけであります。そういう見直しをやるのではなくて、直ちに中止をして、景気対策のために消費税を三%に下げる、そして恒久減税というならば、人的な控除、基礎控除とか配偶者控除など……

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 時間です。時間でございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そういうものについてきちっとやるという形での恒久減税こそやるべきだ、私はこのことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、先ほど来御論議をいただきまして、議員はもう一度購買力平価で見た所得税という議論をされました。しかし、所得課税というものは所得に対して行われる課税でありますから、やはりそのルールで御論議をいただきたいと私は思います。  その上で、課税最低限を上げるとか下げるとか私は申し上げていない、客観的に見て事実問題、二百四十五万あるいは百五万と説明を申し上げただけのことであります。事実を申し上げております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 非常に重大な問題です。  終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、泉信也君の質疑を行います。泉信也君。

泉信也自由党

○泉信也君 自由党の泉信也でございます。  去る二月二十日の総理の施政方針演説に対する質疑の際に、私は補正予算の必要性をお尋ねいたしました。    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕  そのとき総理は、本予算は最善のものであるとした上で、補正予算については財政法二十九条の趣旨を厳正に判断して対処するというお答えをいただきました。  そこで、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、財政法二十九条を御説明いただけますでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今御審議を願っておる補正予算、当然のことでありますが財政法二十九条第一号の規定を厳正に判断し適用して編成をさせていただき、それで現在我が国が置かれておる経済状況を考えますと、一日も早く審議を遂げて成立をさせていただいて、そして速やかに実行することが極めて重要であるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

泉信也自由党

○泉信也君 本予算のときも一日も早くというお言葉がございました。  そこで、今回の補正予算の中には義務的経費は計上されていますか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  今回の補正予算におきましては、義務的経費の計上はございません。

泉信也自由党

○泉信也君 そういたしますと、二十九条の一号で「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費」、これが今回の補正予算そのものであるというふうに理解をしてよろしゅうございましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) そのとおりでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 緊要な事態の発生ということがこの補正予算の目玉だといたしますと、財政演説を大蔵大臣がなさいまして約一月間時間がたっておりますが、その一月間審議がおくれた理由はどういうことでございましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 国会に提出させていただきました案件の審議、これは国会でお決めになることでございますから、政府の私からあれこれ言うわけにはまいりません。

泉信也自由党

○泉信也君 想像されたお答えでございます。  しかし、総理というお立場は総裁というお立場でもあるわけでございまして、その間で総理と総裁というお立場でどのような自問自答があり、そして党のしかるべき方にどのような指示をなさったんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が御指摘のとおり、私は自由民主党総裁でもありますが、この場で御答弁を申し上げている立場は内閣総理大臣としての立場であります。そしてその上で、私は党の皆さんに対し、例えばこの補正予算もそうでありますし、国会の中で今国会中に成立をさせていただきたいと思う案件につきましてはランダムにお願いを申し上げ、その上で各党のお話し合いにその後はゆだねてきたという事実であろうと存じます。

泉信也自由党

○泉信也君 そういうお答えをいただきますと、景気がいかに悪いか、そして中小企業の皆さん方がいかに苦しんでおられるかということを与党側は認識していなかった、一カ月おくれてもいい、そういう認識であったと理解せざるを得ないと私は思います。  そこで、一般会計における追加項目の中には、中小企業対策でありますとか雇用対策でありますとか、確かに緊急に対応しなけりゃならないものがあることは認めます。けさほど来議論がありましたように、それでは情報通信、物流、中心市街地といったそれぞれの項目が本当に緊急事態の対策費用として組まれておるかどうかということを見てみますと、必ずしもそうではないと思いますが、こういう項目についてなぜ緊急的に組まなきゃならなかったかについて御説明いただけますか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  まず、その大前提といたしまして、極めて深刻な経済情勢に対して、政府としてやはり我が国経済を力強い回復軌道に乗せるために総合経済対策を講じる必要がある、そういう考え方のもとに今回の補正予算を決めているわけでございます。  そして、その考え方は、二十一世紀を見据えて豊かで活力ある経済社会の構築に向けて真に必要となる社会資本を重点的に整備する、そういう考え方のもとに必要な公共事業の追加等を行っているということでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 確かに二十一世紀における活力ある社会の実現のためにと、こういうふうに文言はございますけれども、本来これは十年度本予算に計上すべきものだったとしか思えない代物ばかりであります。  一般公共事業関係費の比率を見ますと、例えば中心市街地では一〇〇%公共事業だと言われておりますし、土地流動化九一%、環境・新エネルギー九四%、物流九五%なんですね。これほど一般公共事業の占める率が高いということは、今の局長の御説明の話とは違って、補正というところに名をかりた本予算の後始末をしておるだけではないかと思いますが、いかがでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほど主計局長も申し上げましたけれども、現在の厳しいこの経済情勢を一日も早く克服して日本の経済を順調に景気回復軌道に乗せるために総合経済対策を決定したわけでありますが、その中で六兆円を超える社会資本の整備、公共事業の追加、それと特別減税、こうなったわけでありますが、それがすなわち緊急を要する事業全体なわけであります。  今、中身の議論をしていらっしゃいますけれども、その公共事業の中で、将来を展望して日本の経済構造改革に資するものとか、あるいは物流効率化に資するものとか、あるいは環境の改善に資するものとか、中身をそういうふうに定めたところであります。全体として、こういう公共事業をやることが現在の厳しい経済状況を克服するために極めて急いでやらなきゃならぬという公共事業としての予算の編成をした、こういうことでありますので、御理解願いたいと思います。

泉信也自由党

○泉信也君 物流対策で道路をつくらなきゃならない、これはもっとつくる必要があると思います。しかし、それは本来の本予算でやるべきことであって、なぜ補正予算でやらなきゃならぬかという説明は恐らく大蔵大臣はおできにならないと思うんですね。  そこで、財革法がある限り、一部修正をされましたけれども、来年度の本予算、十一年度の本予算というのはどういう状況になりますか。恐らく法律どおりにいけば、補正予算を含めると二四%ぐらいの大幅減額を強いられることになると思いますが、どのような対応をされますか、来年度の本予算では。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 十一年度の予算の編成の問題は、具体的な編成作業は八月以降暮れまでの間に入るわけでありますが、その状態における我が国の経済の状況、あらゆる事情をよく審査いたしまして、そして財政構造改革法の規定を守った上で編成していく、こういうことになるわけであります。  その場合に、総理も言われたことでありますけれども、日本の経済を順調な状態にしていくために、いつも財政支出の拡大に頼るというやり方ではなくして、民間主導型の安定した経済成長、そういう路線に乗せていくことが大事なことだというふうに思うわけであります。  したがって、来年度の公共事業費につきまして、補正後に比べると約二四%近い減額というのは、これは十年度の当初予算と同じ程度ということになるわけでありますが、そうしなければ日本の景気が順調にならないということではいけないわけでありまして、民間主導型の景気回復というのに力を入れて、そういう路線に乗ることが望ましい姿だ、こう私は思っております。

泉信也自由党

○泉信也君 望ましい姿ということはわかりますが、論理的には二四%以上やらなければ来年度の公共事業が内需拡大に寄与するということはできないわけでありますので、こういう膨らませたり縮めたりするというやり方は早くやめるように御努力をいただきたいと思います。  さて次に、将来日本政府に大きな財政負担を持ち込むのではないかと思われます中国にある化学兵器の問題についてお尋ねいたします。  この経緯と日本国の今日までの対処の仕方について国民にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 本件は一九九〇年、中国側より提起をされまして、それ以来中国側と緊密に協議をしてきております。  経緯を詳細に御説明申し上げますと大変時間がかかりますので要点だけ申し上げますと、お尋ねのと申しますか、どういう交渉をしてきたかという点につきましては、特に一九九三年一月に化学兵器禁止条約というものが成立をいたしました。我が国は中国に残された旧日本軍の化学兵器が同条約が規定するところの領域国の同意を得ずして遺棄された化学兵器に当たるか否かという点に関して累次中国側と協議を重ね、それと同時に我が国に残された資料の検討を行ってきた経緯がございます。  この間、中国側は一貫して問題となっている兵器は日本が条約上廃棄の義務を負う遺棄化学兵器であるとして、残置について中国側の同意がなかったという立場をとっております。  こういう交渉、協議、さらには現地調査の結果から、我が国といたしましては、旧日本軍が所有していた化学兵器が中国国内に残置されていることは厳然たる事実として認めざるを得ないという認識を持っているわけでございます。また、先方の同意という点につきましては、中国側はこれは同意なくして遺棄されたものとしておりまして、また我が国の国内の調査によりましても中国側が同意を与えたという明らかな証拠はこれまで見出されなかった、こういう交渉、それから調査の経緯でございます。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕

泉信也自由党

○泉信也君 中国側の言い分はわかりましたが、日本側の具体的な主張を個々に教えてください。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) ただいま申し上げましたような経緯でございますが、我が国といたしましては、中国側から本件が提起され、一九九〇年でございましたが、それ以来まず実態を把握する必要があると現地調査を何遍もやってきております。また、化学兵器禁止条約上問題になっております中国側の同意があったかどうかという点、そういう点も含めまして我が方の立場を中国側に主張し、中国側と累次協議を行ってきたところでございます。  中国側は一貫して化学兵器の残置について同意を与えた事実はないという主張をしておりまして、その点につきまして先ほども申し上げましたが、我が国国内の調査等を通じて中国側の同意があったことを示す資料は見当たらない、こういうことを申し上げたわけでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 中国側というのは蒋介石側ですか、それとも今の中国側ですか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 中国側から本件が提起されましたのは一九九〇年でございまして、相手にしておりますのは中華人民共和国政府でございます。

泉信也自由党

○泉信也君 敗戦時の我々の相手は現在の中国ではなかったということでありますが、その経緯からして、かつての蒋介石政府との交渉事はどのようになっていますか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 今のお尋ねに関しましてはいろいろな観点があると思いますが、現在私どもは化学兵器禁止条約、そういう規定のもとで、中国もこれの締約国でございますので、そういう条約の当事者同士という立場から話をしているという面もございますし、また御案内のように、現在の台湾とは政府チャネルでこういう話をする、そういう状況にございません。現に遺棄化学兵器というものは中国本土に存在しておりますので、当然その相手は中華人民共和国の政府と、こういうふうに考えております。

泉信也自由党

○泉信也君 同意を与えたかどうかが最大の問題点であるわけですから。先ほどから局長の御答弁は、そのことについては直接言っていない。中国が同意を与えていないと言っているから同意がなかったんだと。これじゃ説明にならないじゃないですか。もっとちゃんと説明しなさい。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) これまでの中国側との協議を通じまして、中国側は同意を与えたということはないと言っております。したがいまして、もし中国側が同意したということを日本側が主張するのであれば、日本側の資料等でこういう経緯があったんだということを言わざるを得ない。それを、先ほど来申し上げておりますように、日本側の国内の調査等でそういう記録等は見当たらないということを申し上げているわけでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 第十一軍司令部の資料の中にこういう資料がありますけれども、外務省はこの資料があることを承知しておられますか。  十一軍司令部が報告をした「武装譲渡」という書類がありまして、その中の第六表というものがあります。御承知でしょうか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) そういう記録が戦史室にあるということは伺っておりますが、具体的な記録自体については防衛庁の方で把握をしておられると承知しております。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○政府委員(佐藤謙君) 私どもの防衛研究所戦史室において保管されている資料の中で、第十一軍司令部の「状況報告」という資料がございます。その中におきましては、昭和二十年の九月から十一月にかけまして同司令部が武装譲渡を完了した旨の記載が行われていると、こういう資料でございます。

泉信也自由党

○泉信也君 銃剣、軍刀から事細かにありまして、歩兵砲弾、野砲弾が何発あるということまで書いてある。通常、軍事の専門家によりますと、こういう歩兵砲弾の中には百発あるいは五百発に一発化学砲弾があるというふうに言われておりますが、そのことは承知しておられますか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○政府委員(佐藤謙君) 譲渡した軍需品の中身といたしまして、小銃三万九百三十八丁であるとか、あるいは野砲あるいは山砲七十五門等が記載されているところでございますけれども、その内容につきましては、この記載事項以外は私どもは承知していないところでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 そういうことも承知しないで、化学砲弾をこれは日本が渡したという証拠ですよ。受け取っていないとか受け取っているとか、理屈にならないでしょう、論理に。もう一回答弁してください。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○政府委員(佐藤謙君) 私が申し上げましたのは、私どもの防衛研究所の戦史室において保管されている資料で、これに関係いたしますどういう記載、記録があるかということを申し上げたわけでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 外務省にお尋ねしますけれども、野砲弾というのは七万数千発あるという記録があるわけですね。この中には、先ほど申し上げましたような百発に一発とか五百発に一発の化学砲弾があるということを軍事専門家は言っているわけです。これを渡したと言ったんだったら中国は受け取っているんですよ。なぜ同意していないということが言えますか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 先ほど来の委員の御質問は、化学兵器禁止条約に言いますところの同意というものを中国が与えていたかということに要約されると思います。その場合の同意と申しますのは、この条約におきましてかかる条項が置かれました趣旨から申しまして、この場合は中国でございますけれども、領域国がこれは化学兵器であるということを承知した上でそれを残すということを同意したということであると解釈することが必要なことだろうと思います。  すなわち、先ほど来アジア局長が申しておりますような特定の化学兵器を残置することを認めるとの明示的な意思表示が中国側にあったかどうかということでございます。その点につきましては、野砲とか砲弾とかいろいろおっしゃいましたけれども、我々の承知しております防衛庁に残された記録からいたしましても、化学兵器を残置するということに関しまして中国側に同意があったというような明示的な証拠、資料というものは存在しない、今まで見つかっていない、そういうことでございます。

泉信也自由党

○泉信也君 中国側に資料がなくても日本側にあるじゃないですか。あなた方は日本政府を代表して交渉しているんでしょう。  時間が参りました。  非常にあいまいな状態でこの話は進んでおりまして、国民に一兆円の負担をかけるかもしれないというような大きな問題であります。  私は、七月十二日の参議院選挙で改選期を迎えます。再びこの立場に立ってお尋ねすることはできないかもしれません。しかし、教科書問題、靖国神社問題、そしてまた南京虐殺事件、領土問題、幾つもの中国側からの難問が日本側に寄せられております。私はいわれなき負担を国民に押しつけることはまことに許しがたいことだと思っております。  総理に最後にこの問題について御発言を求めたいと思いますが、かつて総理は、九六年の三月一日に、条約上の義務を誠実に履行する、こういうふうな発言を日中会談でなさっておられます。これは条約上に日本が本当の義務を負うかどうかという一番根本のところがあいまいなまま進められておるというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 総理、簡潔に御答弁願います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に委員の質問時間が切れておりますので、お許しをいただいて簡潔にお答えを申し上げます。  何回かの調査団の派遣等によりまして、中国側が指摘しているものが果たして旧日本軍が遺棄した化学兵器であるかどうか、そうした点は慎重に確認をし、実態の正確な把握に努めてまいりました。そして、これらを受けまして、政府としては、化学兵器禁止条約の規定に従ってこの問題の処理に向けて責任を持って誠実に取り組んでいくという方針でありまして、この点は私からも中国側の首脳に伝えております。

泉信也自由党

○泉信也君 終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で泉信也君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。  先日は税制特別委員会でございまして、法律、制度、そのすき間に生じる声、声なき声、小さな声を政治や行政を行う上でどのようにすれば届くようにできるのかということをテーマに質問をさせていただきました。  その後、心臓病の子供さんを育てていらっしゃる御父兄の方からテレビを見ましたというお電話をいただきました、励みになりましたと。総理から、言いにくい、お話をしたくないけれどもというお父様のお話もお伺いいたしました。小さな声を国政にという言葉に勇気づけられましたというお便りもいただきました。  こんな問題についても届けてもらいたいという新たなお便りをきょうはいただきました。ある視覚障害者の方からの声でございますが、「今一番差し迫った問題として、選挙における立候補者、政党の声が私たち視力障害者には届かないのです。私は独居なので新聞をとりません。そうすると、公報も届きません。一応選挙権は与えられてはいますが、選択の余地は保護されているのでしょうか。障害を補う何らかの手段をお願いします。」というお便りでございます。  今回のこの補正予算の明細書を細かく拝見いたしました。そして、この大きい目玉でしっかりと見せていただきまして、この四兆を超える予算の中でわずかでございますけれども、四億円計上されております。これを見せていただいて実はほっといたしました。視覚障害者情報提供システムの整備費が計上されておりました。金額は別にいたしましても、視覚に障害がある方々に対する情報提供のあり方に対して真摯にお取り組みいただいたことを感謝したいと思います。  今回の補正予算を編成するに当たりまして、障害者対策については総理大臣といたしましてはどのような思いがこもっておられるのか、お伺いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 膨大な予算の中から、視覚障害者情報システムに目をとめていただいたことを私は最初にお礼を申し上げたいと思います。そして、こうして取り上げていただいたことで、もしその方が音を聞いていていただければこうした情報も伝わることが期待できる、それだけでもありがたいと思うんです。  国の立場からいたしますと、今までにもさまざまなプランをつくり、例えば平成七年に障害者プランを策定しましたようにいろんな施策を進めてきました。しかし、議員からもかつて、いわゆる施策のすき間、国としてはいいことをやったつもりだけれどもその間に結果としてはうまくいかない問題が生じると。これは、たしか下垂体性小人症の患者の親御さんの声として出されたんじゃなかったでしょうか。高額療養費、制度としてよかれと思ったものがむしろ裏目に出たという一つのケースを教えられたことがあります。そういうことがないように気をつけながらしていますけれども、そういった声というのは大変ありがたいと思います。  今回、議員にそうした御意見が来るということは全然存じませんでしたが、例えば長野パラリンピックのときにも障害を持っておられる方々のそういう声が現にありました。そして、自分たちと同じようなハンディあるいは違ったハンディを負っている人たちが活躍している、それを知りたいと。そうしたこともありまして、円滑な情報提供というための一つのシステムを構築したいと考えたものがございます。同時に、この長野パラリンピックを契機とした障害者スポーツ、これを一層充実していきたいということからそうした意味での施策も入れました。あるいはバリアフリーと言われる、いわゆるさまざまな障害の除去、そのための努力のための予算も組んでおります。  今、視覚障害者情報システム整備費を目にとめていただいたことのお礼とともに、でき得る限り我々としては施策と施策のすき間をつくらない、これからも努力をしていきたいと思います。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。  そこで、次に選挙に際してでございます。  視覚障害者への情報提供において、現状においても選挙管理委員会によって例えば各党政策の要約を点字にしたものを配布するとか、いろいろ行われているわけですが、このお便りも含めまして、今後さらなる研究をお願いしたいわけですけれども、自治大臣にお考えをお伺いいたします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。  点字によります選挙公報の制度化につきましては、各選挙管理委員会が限られた期間内に誤りなく点字訳を調製することができるのか、また調製したものを視覚障害者の方に対し公平に配布することが可能なのかなどの技術上の問題点があるために、現時点では難しいものと考えております。  しかしながら、できるだけ視覚障害者の方々の便宜を図るため、都道府県選挙管理委員会におきましては、候補者名簿を作成し各投票所に備えておいたり、各候補者の氏名や経歴等を掲載した文書を点字によりまして選挙のお知らせ版として配布している状況にございます。  いずれにいたしましても、障害者の方々の貴重な選挙権の行使にかかわる課題でございますので、選挙の公正さを確保しながらどのような工夫ができるのか、今後ともさらに研究をしてまいりたいと考えております。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 今回のお便りも含めまして、さまざまな問題があることはもう承知の上で私も質問をしておるわけですけれども、本当に声なき声に我々がここで頑張らなければいけない、こういうふうに思う次第でございまして、細かいことをと御立腹なさらないで御答弁いただきたいと思います。  来月の参院選では、投票時間の二時間の延長もございますし、投票環境が改善されるわけですけれども、それらの情報の提供については視覚障害者にはどのような配慮が行われているのか、もう一度自治大臣にお伺いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。  視覚障害者に対してどういう対応をしているかということですが、昨年十二月の投票環境の向上のための公選法改正の内容につきましては、これまでも新聞広告及びパンフレット、リーフレットの配布等によりまして周知徹底を図ってまいったところでございます。参議院の通常選挙に際しましても、投票期日の周知とあわせまして、さまざまな媒体を通じて周知徹底を図ることといたしております。  お尋ねの視覚障害者に対する配慮といたしましては、ヘレン・ケラー協会にお願いをいたしまして、投票時間の二時間延長、不在者投票の事由緩和等、公選法の内容を含めました投票方法等についての点字のパンフレットを作成しておりまして、都道府県選挙管理委員会等を通じまして視覚障害者の方々に配布してまいりたいと考えております。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 冒頭でも触れましたが、今回の補正予算案の四億円の計上ということですけれども、今後の視覚障害者に対する情報提供のシステム、今後に向けて厚生大臣に一言御答弁をお願いいたしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろ今お話しのように、今回の補正予算でも四億円計上しまして、厚生省としては今まで点字図書とか点訳、録音図書、この普及に努めてきましたけれども、今度はデジタル、CDですね、あれでやりますと情報量もたくさん入りますから、デジタル等の新しいシステムで録音図書等の普及に努めていきたい。そして、点訳のボランティアの方とかあるいは朗読のボランティアの方、こういう方々の協力を得て、そのような人材もこれから確保していかなきゃならない。  いずれにしても、視覚障害者にどのような情報を提供するか、いろいろな工夫をしてその方々の便宜を図っていきたいと思います。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 ぜひよろしくお願い申し上げます。  総理、このお便りは全盲の方がお書きになっておられるわけですけれども、本当にお一人でお住まいということで、また厚生大臣には明日は僕はダイオキシンについて御質問したいと思うんですが、本当にこの中継をラジオで、テレビで声だけでも毎回お聞きになっているそうでございます。今国会の中でも総理から僕は公平なチャレンジの場というお言葉を何度かお伺いいたしました。その言葉は大変勇気づけられるというお便りやお電話もたくさんいただきました。この公平なチャレンジの場というお言葉をいただいて、我々質問する側も本当に勇気を与えられる思いです。  今後の予算編成においてもぜひともそうした基本姿勢でお取り組みをいただきたいのですが、ぜひ最後にこれに対して御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは必ずしもハンディキャップを持っておられる、目に見えるハンディだけの問題では本質的にはないと思うんです。議員は今、視覚障害の方の手紙を取り上げられて、障害を持っている方々について私がかつて申し上げた言葉を使われました。  私は、障害を持っておられるその事実を事実として皆認めた上で、残る部分においては公平な競争のチャンスというものは与えられるべきもの、それはまたチャレンジすべきもの、そう思っています。  それだけに、これから先も障害保健福祉サービスの充実、あるいは働く場の確保、これに今一番いろいろ問題があります。そして、さまざまな目に見えるあるいは目に見えない壁を取り除いていく、そうしたことに必要な予算の確保にも全力を尽くしたいと思いますし、また予算では対応のできない目に見えない壁をお互いの心の中から少しでも取り除いていくためにできること、ともに力を合わせていきたいと思います。

西川きよし二院クラブ

○西川きよし君 よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で西川きよし君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、栗原君子君の質疑を行います。栗原君子君。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 新社会党の栗原君子でございます。 ━━━━━━━━━━  さて、それでは質問に入らせていただきます。  けさの……(発言する者あり)お静かにしてくださいませ。  中国の人民日報におきましては、内外に信用がない日本、このように書いておりますけれども、このままでは日本発の世界恐慌を起こすのではなかろうか、こうした専門家の声もあるわけでございます。  橋本総理は日本発の世界恐慌は絶対に起こさないと以前御答弁をされておりますけれども、このことについての決意をもう一度最初にお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かにそういう決意を述べましたし、今もその決意に変わりはございません。そして、今御審議をいただいております補正予算もそのための総合経済対策の重要な柱でございます。よろしくお願いをいたします。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 四月八日の報道によりますと、アメリカのルービン財務長官は八兆円から十兆円規模の減税を日本に求めたと、このように報道しております。その内訳といたしまして、三%の消費税を迫ったとも言われております。今までアメリカ政府の要求に対して日本政府は大体いつでもイエスとこれを受けてきたのでありますけれども、今回、私は財務長官のそうした提言に対してまさにこれをまじめに受けていくべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 速記を起こして。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答えいたします。  ルービン米財務長官から委員が今申されたようなことを大蔵省あるいは日本政府が要請を受けたという事実は全くございません。  日本の税制その他につきましては、我々が、日本政府が自主的に決めていくことでありまして、よその国の人たちの要請とか要望とか、それは我々の判断には全く関係ございません。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 私は、地元でさまざまな方から、今消費税が五%になったことによって大変景気が悪くなっている、とりわけ商店街の皆さんからもそうした声を聞くのでございますけれども、今国会においても、財政・金融委員会の付託請願一覧表を見ましても、消費税の三%への税率引き下げを求める請願書もたくさん出ております。それから、日本生活協同組合連合会の調査でも消費税の負担というのが大変重いということを言っております。消費税を三%に戻すことの方がよほど今日は景気回復になる、このように考えるものでございますけれども、いかがでございましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 消費税を三%に引き下げるべしという話でございますが、消費税を二%上げたときのいきさつは御存じと思いますけれども、少子・高齢化社会を考え、かつその前に先行した所得税減税等、それに見合うものでもあるから二%上げたわけであります。なお、そのうちの一%は地方の財源になる、こういうことでありますが、結局二%をどうするかということは、わかりやすく言えば今まで一〇三であったものが一〇五となることでございまして、二%だけ実は価格が上がるということなんです、純粋に数学的に言えば。  したがって、二%下げたということがどれほど消費の拡大に貢献するのか、ちょっと大きな効果があるとは考えられませんし、それからもう一つは、特別減税ということで可処分所得をふやすこと、こちらの方が消費拡大にはむしろ力があるというふうに思います。

栗原君子新社会党・平和連合

○栗原君子君 昨年の四月一日から税率がアップしたことによりまして景気は本当に落ち込んできたわけでございますから、私は、まず三%に戻すことがよほど世界に対しても政府のやる気を見せることにつながっていくのではないか、このように思います。ぜひ本格的な恒久減税と消費税の減税をあわせてお願いして、最後にもう一度御答弁をお願いします。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 私どもと委員とは考え方が違うようであります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ただいまの栗原君の冒頭発言の部分につきましては、後刻、速記録を調査の上、理事会においてその取り扱いを協議いたします。  以上で栗原君子君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会

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