予算委員会 第12号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1998/03/27
会議録
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度総予算三案審査のため、来る四月二日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。平野貞夫君。
○平野貞夫君 自由党の平野でございます。 私、今ここで思い出しますのは、昭和二十九年十二月、橋本総理のお父さん龍伍先生が大変慕われていました吉田茂総理が退陣するときのお話を、郷党の大先輩、林譲治先生から聞かされたことを思い出します。 林譲治先生は、あの政局で吉田首相の退陣を進言しに行くわけでございますが、その後こういう俳句をつくったそうです。「嫌なこと言って席立つ寒さかな」。十二月の寒いときだったそうですが、私もきょう尊敬する橋本首相に相当嫌なことを言わなきゃならぬことになっておりますが、どうかひとつ御理解をいただきたいと思います。 まず最初に、あなたはこのままの日本でよいとお思いでしょうか。率直に御所信をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 尊敬するという形容詞は多分不必要なんだと思うんですが、率直な御質問をちょうだいすることは光栄です。 そして、このままでよいかと言われる点については、二つの点でこのままでよいと思っておりません。 なぜなら、今この国は、ほかの理由を全部外しましても、高齢・少子社会というものが現実になり、その一点からだけでもあらゆるシステムが変わらざるを得ない状況にあります。 そして、国際的にも大きな変化の中において日本としての姿をきちんと位置づけていかなければなりません。この点でも我々は変化を必要としております。 国内の短期的な問題としての例えば経済、景気という面をとらえました場合にも、バブルの後遺症をまだ処理し切れていない状況の中で、今従来のシステムを変革せざるを得ないという問題を抱えております。さらに、行政に対しましても、地方分権を進め、規制の撤廃、緩和等の見直しによりまして中央省庁の業務のスリム化を図りますとともに、今の省庁編成を次の時代に合ったものに変えてもいかなければなりません。 その意味では、どの部分をとりましても今のままでよいという答えを申し上げる、そうした状況にはないと思います。
○平野貞夫君 今のお話ならば、私の思いとほぼ一致していると安心しております。 そこで、内閣総理大臣の最大の責務は何だとお思いでしょうか。どういうところにあると御認識なさっているでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、憲法上あるいは内閣法上といったお答えをすべきことではないでしょう。そして、今申し上げましたような法的な責任、権限のもとにおいて、変わらざるを得ないという、また変わらなければならないという問題に、長期的な方向づけとともに、日々の問題にも誠心誠意取り組んでいく、私はそう受けとめております。
○平野貞夫君 内閣総理大臣の責務を法律論的にここで議論するつもりはございませんが、私は、国家の責務である国民の生命と財産の安全を守ること、こういうことがやはり統治の最高責任者である内閣総理大臣の最大の課題だと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうした形から申しますならば、一つの責務は間違いなしに、憲法によってこの国の平和、安定というものを国際社会の中においても確保していくこと、同時に、国際社会における役割を果たしていく、そのための努力をしていくこと、そして内にあって国民の生活の安定、安寧を維持するように努めること、当然のことながらそうした責務があります。
○平野貞夫君 ここのところも意見は同じだというふうに私は思います。 そこで、一般論で結構でございますが、政治責任という言葉がございますが、これを橋本総理はどのように御認識なさっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 言葉どおり、これは政治家としての責任をどう果たしていくかということに尽きると思いますが、そのあらわれはさまざまなケースがあると思います。 自分自身、その政治家としての責任というものを痛感いたしましたもの、例えばスモンの患者さんたちとの和解の中で、患者さん方となかなかそれまで対話が通じませんでした中に、私は自分の責任で入り、お目にかかり、おしかりもいただきましたが、職を辞する前に和解にこぎつけることができました。あるいは、証券・金融不祥事が大蔵大臣在任中に起こりましたときに、世論ではすぐやめろという声をたくさんいただきました。原因を解明し、証取法改正によりその第一段の対応を一応形づくって、国際会議の議長の役割を終えて、その上で私は辞任をいたしました。 いろいろな私はその局面によって政治家の責任というもののあらわし方というものはあると思います。
○平野貞夫君 この問題になりますと少し私と意見の差が出てくると思いますが、私は、政治責任は結果責任と。国民の生命、財産を喪失させたり、あるいは政治生命をかけてやろうとした政策を転換させたりするときには、政治家が責任をとることによって政治に信頼を回復させる、そして活力を与える。民主政治にとってはこの政治責任というものは重大な命だと思います。責任をとらない政治は脊椎を抜いた脊椎動物のようなものではないかと私は思います。 そこで、本論に入りますが、昨日、政府・与党では総合経済対策の基本方針というものを発表されております。政策の転換路線は明確になっておりますが、これについては後ほど取り上げます。 総理就任後約二年三カ月になりますが、橋本総理の経済政策は成功であったか、あるいは失敗であったか、自己採点をお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、採点というのはみずからすべきものではないと思いますし、毎日国会でも採点をいただいておりますし、マスコミからもさまざまな採点をいただいております。これに対して謙虚に対応していきたいと思います。
○平野貞夫君 わかりました。御自分で採点なさらない、大変謙虚なことだと思いますが。 これ以上私は自己採点を追求しろということをお願いはしません。しかし、橋本経済政策の検証、これがこれからの日本の経済政策あるいは社会政策、あらゆる政策を再考させるかぎになると思います。 衆参にわたる国会審議、あるいはいろいろな立場の国民の皆さんの意見を私が整理しましたところ、橋本総理には七つの失政、言いかえれば七つの政治的大罪があるという結論に達しました。六つの改革から七つの失政へと、こういうことが言えると思いますが、これから順次簡明に申し上げますので、御所見を伺いたいと思います。 第一は、村山政権の失敗した経済政策を継承し、それを発展させたという失政でございます。 村山政権時代、公定歩合が〇・五という最低になりました。そして十四兆円の財政出動、補正予算を行い、景気が少し回復ぎみになったかというときに、政権の皆さんは本格的景気回復と間違い、さらに橋本政権になって加藤幹事長と一蓮托生になって住専問題を強行処理し、不良債権も処理できると、とんでもない勘違い、見通しの誤りをしたと思います。 斎藤精一郎さんに言わせれば、これを一九九六年六月の勘違いという名づけをしております。この判断ミスを、自社さ橋本政権は、景気は緩やかに回復していると二年も言い続けたわけでございます。真実を隠してきたわけでございます。その間、適切な対応もせず、逆に景気を抑える政策をとり、それがその後今日の金融・経済危機の原因になったと私は思いますが、いかがな御所見でございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 村山内閣が総規模十四兆円余に上ります経済対策を講じました平成七年九月、ここから議論を始めるのではなく、でありますならばもう少し前から見ていかなければならないのではないでしょうか。と申しますのは、その前々年の暮れ、私どもは野党の立場で年内の予算編成、年度内の予算成立を当時の政府・与党に一生懸命にお願いいたしました。そして、そのための協力は惜しまないということも申し上げました。しかし、当時の政府・与党の皆さんは、政治改革がまず何よりも優先するということで予算編成を大幅に、次の年の中間まで、二月であったと存じますが、予算編成を延ばされました。 そして、そういう中で村山政権が誕生いたしました後に、この総規模十四兆円余に上る経済対策を講じましたのが九月でございます。そして、その時点の我が国経済は、個人消費あるいは設備投資の回復が本格化せず、生産が弱含み、景気が足踏み状態が長引く中に弱含みで推移しておりました。その後に、経済対策の下支え効果もありまして景気は緩やかながら回復の動きが見え、八年の半ばからは景気回復の好循環のメカニズムが徐々に働き始め、景気は、経済は民間需要主導の回復に移行してきておりました。 その後の昨年来の景気の動向、経済の動向を見ましたときに、確かにもう既に私は本院でもこれについてはその見通しの誤りを認めておりますけれども、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要が昨年の一—三、私どもの予測より大きかったこと。さらに、その反動減が四—六に大きく出たこと。これは確かに私どもが予測していたものを上回るものでありましたが、七—九に入りますと、駆け込み需要の反動減から立ち直りつつありプラスに転じていた、これは事実問題としてそうでございました。これが回復基調に向かっていたと申し上げてきたゆえんであります。 そして、昨年の秋以来景気が停滞するに至りました原因の中には、我が国の金融機関の相次ぐ経営破綻、アジアの通貨・金融不安といった予期せざる事態のもとで我が国の金融システム自体に対する不安も広がり、国民が消費あるいは企業が設備投資に非常に慎重な姿勢をとるようになられる非常に厳しい状況を迎えている、そのように思います。 その上で、ことしは国会にも御無理をお願いいたしまして開会の時期を早めていただき、九年度補正予算、特別減税さらに金融システム安定化策等を御審議いただき、今これらが生きております。こうした措置をとりながら、平成十年度予算の一日も早い成立をお願いしているというのが今の状況であろうと思います。
○平野貞夫君 確かに、村山政権の前の細川連立政権の財政運営が満点であったとは思いません。しかし、政治改革を選んだということも一つのやっぱり歴史的な見識でございまして、その点を言うならば、プラザ合意あるいはバブル経済を起こした責任、その後始末をしなかった責任という議論になりますので、そこまでは議論をいたしません。 また、部分的には橋本総理、反省の言葉もございましたんですが、いずれ最後に総括いたしますので、次の第二の問題に移りたいと思います。 第二は、金融ビッグバンと六つの改革の手順を間違えた重大な失政があると思います。 すなわち、金融ビッグバンをやるぞと、あれは一昨年の十一月でございましたか、総理が発表したときに、不良債権の処理を先送りした。私たちの主張は、不良債権の処理が先だ、そして経済の立て直しをやって環境整備をした後マクロ経済をつくり、戦略、戦術を立てた上で改革に着手すべきだという意見を我々は主張したわけでございます。そういう手順を間違えたんじゃございませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし、我が国の金融資本市場が空洞化の進行といった事態が懸念をされておりましたことと、欧米市場がどんどん革新されユーロが誕生するという状況の中で、果たしてそれ以上におくらせられただろうかという思いは率直に私は持っております。そして、金融システム改革というものが、個人金融資産のより有利な運用、成長産業への円滑な資金供給を図るためのもの、我が国の金融システムをすぐれたものとするために必要なものであること、これは経済の活性化にもつながることであると思います。 確かに、私が予測をいたしませんでしたこと、大蔵省に不祥事が発生をする、それが日銀にまで及ぶ、こうしたことからのシステムに対する信認の低下というものは当時考えておりませんでした。しかし、この信頼を一方で取り戻す努力をしながらも、金融システムの安定性確保というものに万全を期しながら、既に明らかにしたスケジュールに従って改革を着実に実施していくことが金融システムの安定化にもつながり、同時に内外に開かれた市場としての信認を得ていく、その必要なプロセスであるという考えは私は持っております。
○平野貞夫君 私は、お言葉ですが、やはり環境の整備が不十分であったということは言えると思います。 第三は、超デフレ予算、昨年の九年それからことしの十年とこれを編成して、昨年は国民から九兆円に上る収奪を行ったという失政でございます。 細かな説明は申し上げなくてもおわかりだと思いますが、低金利による隠れ負担というものもあります。日本経済はこれによりまして風邪から肺炎になったと私は思いますが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 金利あるいは金融政策、間もなく新日銀法が四月一日から動き出す時点において、今まで以上に政府が口の出せる問題ではなくなりましたが、今日までにおきましても、金融政策は日本銀行の専管事項として、我々がむしろ口を出してはならない分野ではないかと思います。 そして、消費税率の引き上げというもの、これは少子・高齢化社会という我が国の構造的な変化に対応した税制改革、既に先行しておりました所得税・住民税減税と見合う形で行われたものでありますし、また医療保険制度の改革も、医療保険制度の破綻を防ぐ、そして安定した運営を目指すために給付と負担の見直しというものは避けて通れない課題であったと思います。 そして、十年度予算にも言及をされましたけれども、いろいろな工夫をしながらもこの財政構造を変えていこうという思いを込めたものであることは私は否定いたしません。
○平野貞夫君 議論をしたいところですが、時間の関係で、第四の失政について申し上げます。 財政再建をとんざさせた財政改革法の制定、これが指摘できると思います。景気対策の手足を自分で縛り、日本経済という肺炎患者に冷や水をかけた状態だったと思います。 この財政改革法審議のときに、当時平成会の広中議員は、当時同じ会派でございましたが、経済再建をやってからでないと財政再建はできないという主張をしたのに対して、橋本総理は、財政改革をやれば経済はよくなるという答弁を本会議でしております。完全にこれは間違っていたんじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし、財政構造改革の必要性は私は議員も御否定にならないだろうと思います。同時に、経済、金融の情勢に応じて臨機の対応をしていくということもこれは当然のことでありまして、景気回復のための措置を講じるということも当然のこと。私は、当面必要とする景気対策と財政構造改革というものはスパンの違うもの、そう考えて今までもそのように申し上げてまいりました。
○平野貞夫君 第五の失政ですが、金融・経済危機を招来させ、恐慌直前としました。 拓殖銀行、山一証券を初め、経営破綻、倒産の激増、株安、円安、貸し渋り、国内経済を大混乱させた、これは事実でございます。 これについてどのような反省をお持ちでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年来の経済動向、これは先ほどお答えをいたしましたけれども、その中でちょうど七—九、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減から立ち直りつつある、緩やかながらの回復傾向というときに、アジアの通貨・金融不安というものが起こりました。そして、それが各国に連鎖的な影響を及ぼしたことも議員御承知のとおりであります。そうした中において我が国の金融機関の大型破綻が相次ぎました。こうした中に本当に不安感が広がり、国民の消費あるいは企業の設備投資が非常に消極的になり、不安に駆られ慎重になられたということを私は否定をいたしません。 その上で、先ほども国会にも御苦労をおかけしたと申し上げましたけれども、九年度補正予算の中に、例えば災害復旧事業を中心とした一兆円の公共事業、ゼロ国債一兆五千億円等を含みますもの、そして金融システム安定化策としての、御承知のように政府保証を活用しながら総額三十兆のフレームを用意し、また政府系金融機関が今働く時期に信用保証を加えまして二十五兆の枠を用意し、こうした事態を解決すべく努力をしておることも御承知のとおりであります。
○平野貞夫君 アジアの通貨不安とか、国民の消費意欲の減、これは経済評論家ならそういう解説でいいと思いますが、それをつくったのはあなただ、総理だ、橋本政権だということを私は申し上げたい。 第六の失政は、総理が今おっしゃった東南アジアの通貨不安、経済危機の原因は明らかに橋本政権に主要な原因があると思っております。いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 各国の状況でこれは一概に申すわけにはいきませんけれども、アジアにおける通貨・経済変動の背景というものは、基本的にはそれぞれの国の通貨の過大評価、それに伴う経常収支赤字の拡大、同時に海外からの大量の流入資本の一部が生産的でない用途に使われた、そうしたことから市場の信認が低下したということではないんでしょうか。 今、韓国やタイは危機から脱して新たな歩みを始められたように私は思いますけれども、インドネシアは今も大変苦労しておられますし、私も先日訪問し、その後IMFとの話し合いが続いております。そして、この変動に対しては、IMFを中心とする国際的な枠組みを基本とし、日本自身が積極的にこれに対しての支援を行っております。インドネシア等の困難な状況に対しまして、政府としても、先般東南アジア経済安定化等の緊急対策を閣議決定いたしました。既にその協力を始めております。 私のせいになさるのもそれは結構でありますけれども、日本に原因があるというのはちょっと本当に間違っておられるのではないか。なぜなら、通貨価値をドルにリンクさせてきた結果として、資本の流入には大変便利でありましたけれども、それぞれの国の金融システムの整備が不十分であったことと相まって、過剰な資本流入が生じていた、過大な通貨価値のために産業が競争力を失った、これが一番の基本的な要因ではないんでしょうか。 経済のバランスが崩れますと、市場を通じて激しい修正の動きが起きる、そしてそれが行き過ぎ経済的なシステムに混乱を起こすという、まさにそうした現象が起きておると思います。そして、日本は東南アジア諸国に対しましては多年にわたっての支援を行ってきました。直接投資も多額に上っております。安定した資本と技術の移転を通じて経済成長にも貢献してまいりましたし、今回の危機におきましても、最も敏速にかつ実質的な支援をしているのが日本であることも御承知おきいただきたいと思います。
○平野貞夫君 私もすべての責任が日本あるいは橋本政権にあるとは申しません。しかし、橋本政権が適切な政策をとらなかったために起こった日本の金融不安、それによる日本企業の資金の引き上げが原因の一つで、不安定な東南アジア経済の通貨不安の大きな原因になった、このようには思っております。 最後の七つ目でございます。今までの六つをまとめて一言で言えば、亡国政策の推進の失政ということが言えると思います。 典型的にそれを数字で申し上げます。 まず企業倒産、これについて申し上げます。本年二月を例にとりますと、倒産件数千五百八十六件、前年二月比約三〇%の増、倒産の負債金額一兆四百九十九億円、前年二月比で約四一%増でございます。悲劇的な状況でございます。 角度を変えまして、経営破綻を主因とする自殺者の数。平成八年の統計までしかございません、平成九年はまだ統計ができていませんでしたが、平成八年で経済生活問題が原因と見られる自殺者は三千人ちょっとあります。そのうち自営業者が二千九百九十人、管理職者が四百七十八人。平成九年がこの八年を上回っていることは確実であります。警察庁は不景気などの反映と分析しております。 なお、平成九年、各地での特色を申し上げますと、中国地方では、経営難を苦にした自殺は九月までで十七人、平成八年の三倍になっております。これは毎日新聞の昨年の十二月十四日地方版に載っておりました。京都府では、事業不振三十人、失業が原因で九人が自殺しております。統計をとり始めて以来の記録だそうです。これは本年二月十八日の朝日新聞でございます。東京では、東京土建一般労働組合、昨年平成九年で三十三人が自殺して、うち十七人が倒産、経営難。これは神奈川新聞、本年三月二十六日の記載でございます。 これは恐慌そのものだと思います、この数字は。昭和恐慌は子女の身売りという悲劇がありましたが、平成恐慌は自殺者の急増という形で始まっておるわけなんです。この現実をどう思いますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本当に私にとりましても深刻な思いでしか伺えない話でありますし、その自殺をされた方々の中に経済生活問題を理由とした方がふえておる、それは御指摘のとおりであります。また、倒産件数についても、その傾向というものを否定することはできません。 ただ、国民総資産で見ますと七年末よりも多少ふえているということも、公平を期すならば申し上げるべきなのかもしれません。 しかし、それ以上に、倒産そして自殺というその苦しみの重みというものは私自身が痛感をしております。
○平野貞夫君 倒産とか自殺者の話をしているときに国民総資産の話を出すということは、私は不見識だと思います。 国富の損失という意味ではそのような統計もあると思いますが、株にしても土地にしても、まだまだバブル時代から見ればこれは当然目減りしたままでございます。具体的なことは時間の関係で申しません。 経済評論家の三原淳雄さんの試算によれば、橋本総理が大蔵大臣就任、ですから一九九〇年ごろですか、以来本年二月末までに株で約二百五十兆円、地価で約七百五十兆円、合計して一千兆円の国富を損失させたという見方もあるんです。そのほか、先般報道されましたGDP、これだって二十三年ぶりに昨年は実質成長率が〇・七のマイナス成長になっているじゃないですか。明らかにこれは政策不況であり、失政が原因です。 そこで、あなたの二年三カ月のこの経済政策において、私は歴史的失政であったと主張したいんですが、それをお認めになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) どう御評価になるかはそれぞれの方々で違いましょう。 ただ、議員が今御指摘になりました中で一点、私は、アジア経済、それから日本の国内の情勢というものを対比されましたときに、アジアの通貨危機がタイからスタートをいたしましたその時期とそして我が国の金融破綻等による影響の出てまいります時間、カレンダーの上でお比べをいただくとそこには多少無理があるなと率直に思いますけれども、その上で議員がどう評価されるか、これは私は議員の御見識のことだと思います。
○平野貞夫君 いずれまた議論をする機会があると思いますが、いずれにせよ、あと数カ月たてば私が指摘いたしましたこの七つの失政の結果が出てくると思います。もう既に出ているものもありますが、それを見たいと思います。 さて、昨日、政府・与党、政府というより与党でございますか、総合経済対策の基本方針というものを決定されたようでございます。十六兆円に上る事業規模と報道されておりますが、橋本総理はこの決定、これにどのようなかかわりを持たれていたでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 党のことを節目節目に報告は受けながら、実質的にその会議等に出席する時間は、国会に存在をするという物理的な時間と党本部にいる物理的な時間と共有ができませんので、必要なときの連絡、相談を受け、指示をするということでございました。 また同時に、今御指摘をいただきました与党の考え方、これは本日の経済対策閣僚会議において与党から御披露をいただきました。そうした意味では、与党が今回、現下の経済状況が極めて厳しいという認識のもとに総合経済対策の基本方針を正式に提案されましたことを重く受けとめておりますし、政府としても厳しい経済の現況から一日も早く抜け出す必要があるとの考え方は与党とも共有をいたしております。 諸般の情勢を見きわめて政府としての対応についての結論は出してまいりたいと思いますし、その経対閣の席上でも同様のことを申しております。
○平野貞夫君 橋本総理はこの基本方針に対して指示なり要望をなさいましたか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本方針といいますか、この考え方をまとめていくプロセスにおいての相談は受け、また指示をいたした部分ももちろんございますけれども、最終は党の全体の意思であります。与党全体の意思であります。
○平野貞夫君 そうすると、この基本方針には橋本総理の考えも生かされている、こう理解してよろしいですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 当然ながら経済企画庁も今規制緩和等から経済対策を進めております。政府全体それぞれの部署においてそれぞれの役割を果たしつつあります。そうしたものは当然党の方にも反映をいたしておりましょうし、党の考え方というものは我々も伺っております。
○平野貞夫君 そうしますと、この経済対策を実行するに当たっては当然景気対策として補正予算を必要とすると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) あくまでも与党の決定ということで、私どもはきょう経対閣の席上その御意見を承りました。重く受けとめて勉強させていただく、そう申し上げております。
○平野貞夫君 あなたの意向が生かされていて、しかもこれだけの大きな、史上初ぐらいの補正予算がもう確実になっていて、今さら与党がどうのという話じゃないと思います。あなたは自民党の総裁でもありましょう。 それでは、もうちょっと別の角度から質問いたしますが、昨年暮れに財政構造改革法というのが制定されたんですが、これは何のために法律を制定したんですか。
○国務大臣(松永光君) 昨年暮れに審議をいただいて成立をした財政構造改革法、これは現下の日本の財政状況が先進国の中で最悪と言われるほど厳しい、これをこのまま放置するということは後世代に多額のツケを回すことになりますし、少子・高齢化社会になってくるにつれて必要な施策をやれなくなる。そこで、この問題は我々の世代のときに解決しなければならぬという考え方のもとにあの法律は制定をさせていただいたものだと思っております。
○平野貞夫君 財革法審議のときに、衆議院の財政構造改革特別委員会で我が党の野田毅議員が、景気対策のために追加補正はやらないことを宣言しているのが財革法だと、そうですねという指摘を当時の三塚大蔵大臣と橋本総理大臣にしています。三塚大蔵大臣は、厳しく見る、そうだと、こう言っておるんです。それに追随して橋本総理も、私もそう考えますと言っています。この経済対策基本方針を実行するに当たって、これは補正が要ると思いますが、総理のこの答弁によりますと、財政改革法そのままでは実行できませんですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政構造改革の必要性を議員も御否定ではないと思います。その上で、スパンの違う問題として今までも私はお答えを申し上げてきました。国として必要と思う手段を臨機にとることを否定するものではないと思います。
○平野貞夫君 私どもの主張するのは、財政構造改革はやらなきゃいけませんですけれども、この法律は私は廃止した方がいいと思うんです。そして、新しく経済の立て直しと構造改革をやる日本再建法というものをつくればいいんです。私はこんな法律は、この財政再建法というのはもともと要らないという主張なんです。 そこでもう一度、これは事務当局で結構ですが、財革法は、補正による公共事業、こういう補正を出していいことを容認しているかどうか、お答えいただければ。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 財革法の規定におきまして、まず歳出面につきましてはキャップがかかっておりますが、このキャップは法律上当初予算についてのキャップでございます。当然のことながら、災害等があれば追加財政需要があるわけでございますが、そういうものは禁止されておりません。 それからもう一つは、他方、財政赤字の面からの制約がございまして、先生御案内のとおり、二〇〇三年までに国、地方を通じた財政赤字をGDP比三%以下にするということと、それから特例債については毎年減額し、二〇〇三年度にはゼロにする、それから公債依存度を下げるという要件が規定されております。
○平野貞夫君 主計局長、このきのう与党が決めた基本方針を、十六兆円を景気対策として補正予算化するために、財政改革法は廃止するなり改正するなりそういう措置は必要と私は思うんですが、どうですか。
○政府委員(涌井洋治君) 先ほど御答弁申し上げましたように、財政改革法におきましては、キャップについてはこれは当初予算についてのキャップでございます。それからマクロの財政赤字についての規定につきましては、国、地方を通ずる赤字についてはGDP比三%を二〇〇三年度までに達成するということと、それから特例債につきましては二〇〇三年度までにゼロにすることと、あわせて毎年度これを減らすという規定があるわけでございます。
○平野貞夫君 私は頭が悪いからよくわかりませんが、総理、景気対策のために補正はやらないと宣言しているという野田議員の財革法の運用といいますか解釈の指摘に対して、あなたは、私もそう考えていますと会議録上言っておるんです。その点は確認しておきますが、今そういう考えでよろしいですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、正確な議事録を自分で手持ちをいたしておりませんけれども、そうしたやりとりがあったことを記憶いたしております。そして、法の精神はこうではないかというお問いかけに対して、そう思いますというお答えをした記憶がございます、正確なやりとりではありませんが。ですから、多分議員が今引用された部分であろうと思います。
○平野貞夫君 要するに、財政構造改革法が極めて邪魔になっておるということは、これはお認めになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、先ほどから、財政構造改革の必要性というのは将来ともに変わらないんじゃないでしょうかということと、同時に、それが当面の必要な措置を妨げるものにはならないことは次元の違うものということを申し上げております。
○平野貞夫君 それはおかしいと思いますよ。 あなたは行財政改革に政治生命をかけたのでしょう。火だるまになると言ったんでしょう。それのシンボルがこの財政改革法だったんじゃないですか。それが政治的に骨抜きにされようとしている。そして具体的には、新聞によりますと、政府・与党がもうその改正の中身を相談していると書いているでしょう。ですから、少なくとも現行の財革法がこれから政策を変えようとしていることに対して弊害になっていることを認めてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日も他の委員の御質問の際、私は衆議院での御論議を一部紹介しながら御答弁をした部分があります。 それは、衆議院で、財革法の中に免責条項をつくるべきではないかという御意見をいただきましたとき、私は、立法政策上一つの判断という評価をいたしました上で、その基準がなかなか難しいのではないでしょうかという疑問を呈しました。ところが、それが報道に少し違って伝えられたこともありまして、幾つかの党の国対委員長から我が党の国対委員長に対し、そういう答弁はけしからぬと言われまして、その議論をとめました。 あるいは建設国債と赤字国債のルールを変えろ、なくせという御議論があり、私はそれに対して、その仕切りは必要だと思うけれども、むしろ五年とか十年とか期間を限った国債が必要ではないかという考えを持っているということも申しましたが、その後、この点についての御質問はございません。 私は、議論をしていただくこと、そしてその中によい御意見と思うことがあったとき、率直にそれを評価させていただく、本来そうした姿勢をとってきたつもりです。
○平野貞夫君 私の持ち時間が限界が来ていますので、これ以上議論しませんが、要するに、火だるまになって行財政改革をやると言って国民に公約して、政治生命をそれにかけて、そのシンボルである法律をつくって数カ月もたたないうちにそれを改正するとか、あるいはそれを骨抜きにする政策転換をしようとする。それが国民のためになるんならこれはまた我々としても考えようがありますが、しかしそれが本当に生きるためには、古い、前の政策を決めた人、これをやろうとした人が、そしてそれから生じたさまざまな失政があるわけなんですよ、それに対して責任をとる。そうでないと始まらないんですよ。これがやっぱり民主主義の原点なんですよ。ここのところを言いたいんですよ。技術論はここで私はやりたくない。 そこで、はっきり申し上げておきますが、仮に今後財政改革法案を改正しなきゃならなくなった場合、あなたは政治責任とりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最初に政治責任という言葉について、どうも違うとおっしゃった理由がやっと理解ができました。政治上の責任というものは、そのときそのときの状況、そのやり方、いろいろなものがあると思います。
○平野貞夫君 これ以上議論をいたしませんが、この問題は後ほど先輩議員の星野議員が関連で取り上げます。 なお、二つだけちょっと問題の提起をしておきますが、きょう取り上げようと思った問題で、質疑の形はとりませんが、政治倫理問題で二つ。 日興証券関係で、新井議員だけが何で捜査の対象になっているのか。先般、あるマスコミで、日興証券の濱平元常務の供述日誌、これが公正証書になっているという報道をされております。私もこれを確認しております。 したがって、役人ばかりやらずに政治家の方もきちっとした捜査をしていただきたいという質疑をしたかったんですが、これは後日に譲ります。 もう一点は、けさの読売新聞によりますと、前北海道・沖縄開発庁長官の稲垣実男氏が、架空工事の発注、この見返りに一千百万円の融資を受けている、こういう報道が載っております。 いずれ、後日このことについて取り上げたいと思いますので、関係の省庁の方々にはひとつ御検討をいただいておいておきたいと思います。 それでは、関連質問の星野議員に交代いたします。
○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。星野朋市君。
○星野朋市君 私には時間の制約がございますので、端的に御質問をいたします。 橋本総理、今回の一連の金融不祥事、大蔵省、最後には銀行、日銀に至るまでの不祥事、この事件がそもそも発覚した発端は何だと思われますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 特定の総会屋に対する特定企業の利益提供から端を発し、その捜査の進展の中から一連の事実が明らかになり、それぞれ捜査の手が進んでおる、そう理解しております。
○星野朋市君 私もまさしくそのとおりだと思います。 総理は、おとといのある議員の質問に対して、最初から、経済は一流、政治は三流と言われていた日本の現状において、その一流と言われた経済界、ここに今いろんな問題が起きてメスが入ろうとしている、あたかもそうおっしゃいました。 総会屋という表に出るべき姿でないもの、これが発端になってこういう一連の不祥事というのが明らかになったということはまさに恐るべきことであります。もし、この総会屋の事件というのが表にならなかったならば、この一連の不祥事というのはやみからやみに葬られてしまったかもしれないのであります。検察はいろいろ事情は風聞として聞いておったでしょうけれども、総会屋事件をきっかけにして各行に入って相当な書類を押収したわけですね。この中からどういう項目を調べればわかるかということは、経済の専門家ならすぐわかるわけです。まさにこれを称して芋づる式と言うんです。そういう形でこれが出てきた。恐るべき基本的な問題だと私は思っておりますけれども、大蔵大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(松永光君) 今回のこの不祥事の発覚の過程、真相は私にはわかりませんけれども、多分委員の御指摘のような経過であったろう、こういうふうに思います。 しかし、同時にまた、我が国の捜査当局は法と証拠に基づいて犯罪行為の捜査をしていくわけでありますから、仮にこの総会屋の問題がなかったならば完全にこの関係の捜査をしなかったんだろうかということは、私としてははっきり言うことはできません。我が国の捜査当局は相当優秀であると思っております。 今後とも、こうした事件を、こうした事件というよりも、捜査の対象になるような行為をしないということが一番大事なことだというふうに私は思います。
○星野朋市君 この一連の不祥事件の過程でもって、北海道拓殖銀行、これはほかの理由もあったんですけれども、北海道拓殖銀行がつぶれ、一番問題なのは山一証券がぶっ飛んでしまったことであります。 山一証券がぶっ飛んだまたその一つの大きな理由の中に、簿外債務という問題が大きくクローズアップされてきた。海外への飛ばしという新しい事件も出てきた。私としては、当時の松野証券局長、先日衆議院で証言をいたしましたけれども、その後別の委員会で、かつて彼の部下であった堀田業務課長との答弁に食い違いが生じております。 委員長、私は、この松野、堀田両名の証人喚問を要求したいと思いますが、よろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○星野朋市君 総括質問を締めくくるに際しまして、この一連の金融不祥事を踏まえて、これからの金融行政のあり方、金融界の再生、この問題について総理はどう御所見をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) こうした問題が起こりまして、なお一層その必要性が高まったわけでありますけれども、従来から金融行政に対していわゆる密室行政という声が一つ浴びせられておりました。そして、その意味するところは、政策決定が不透明である、裁量行政である、そして護送船団行政であるという批判を受けておった。これは、この事件の有無にかかわらず解決しなければならない課題でありましたが、こうした事件によりまして一層その必要性は強くなった、そのように思います。 そして、客観的かつ公正なルールに基づく透明性の高い行政というものを本当に構築しなければ国民の信頼をかち得ることができないという状況になりました。 組織面から申しますならば、これまで金融監督庁の設置及び日銀法改正によりまして、市場規律を重視した透明性の高い行政組織の整備を進めております。また、証券取引等監視委員会の拡充などにより、不公正取引の摘発の能力の向上にも努めております。 また同時に、金融業界に対する行政のかかわり方というものを事後チェック的なものに変えなければならないという課題がございます。従来は万全を期すということから事前管理であり、そして事前管理のもとに裁量というものの働く余地を持たせておりました。これから先、この金融機関の監督に当たり、四月からは自己資本比率に沿った必要な措置を発動していく早期是正措置を導入することになっております。また、事後的な行政ということになりますと一層検査というものが重要になりますから、厳正な執行が求められることになります。こうした要請にも的確にこたえていかなければならないと思います。 さらに、昨年の秋の臨時国会におきまして、商法あるいは証券取引法などの罰則を強化していただくなど、不正に対する抑止力も強化させていただきました。同時に、これは各金融機関が自己責任という原則のもとに、みずからの特色を生かしてお客様のニーズに合致した多様な金融商品、サービスを提供する、そういった創意工夫が十分発揮できるようになるわけであり、そういう方向に金融システムというものを改革していかなければなりませんし、そのための法案を今国会に提出させていただいております。 こうした金融システム改革の進展によりまして、むしろその結果出てくるものは、各金融機関横並びを意識しては競争ができないということ、すなわち経営についても規制に安住したり横並びに安住したりということが許されない状況になる、こうしたことの中から答えをつくり上げていこうとしております。
○星野朋市君 ただいまも自民党の十六兆円という景気対策につきまして同僚の平野議員から種々な形で質問がございました。 実はこのことを予期しておりまして、二日前のこの予算委員会が始まる直前の理事会におきまして、民友連の角田理事から村岡官房長官に対しまして、今平成十年度の予算を粛々と審議中なのであるから外野でいろいろ騒がしいことを言ってもらっては困るという要望をいたしまして、官房長官は、確かに承りました、しかと内閣及び与党に対してこれを伝えます、こういう御返事をしてお帰りになりましたけれども、これは、官房長官が今おらないので、政府・与党に正式に伝わっておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういうお申し入れがありましたということを官房長官から私は報告を受けました。その上で、官房長官が他にどういうふうな御連絡をとられたかは、そこまで私は承知をしておりません。
○星野朋市君 そうしますと、この景気追加対策というのは、一説には最初十兆と言われ、一日たつと十二兆、もう一日たつと十六兆、まるで手品みたいに出てくるんですね。総理が二日に外国にお立ちになる直前のあした、あさって、休み明けの多分暫定予算の審議中にひょっとしたらこれは二十兆になるんじゃないかと冗談を言いたくなるぐらい……(「何言っているんだ」と呼ぶ者あり)よく聞けよ。こういうのがぼんぼん出てくる。(発言する者多し)
○委員長(岩崎純三君) 御静粛に願います。
○星野朋市君 これはまさしく選挙対策じゃないかと思わざるを得ないんです。真に国民のための政策であるならば、私は今回、補正予算、それから財政・金融委員会、それを通じて何回も総理に質問しお答えをいただく機会を得ました。本会議場の代表質問も二回もやりました。その中で今でもはっきり覚えているのは、制度減税は絶対しない、財政改革法はこれを堅持する、何回もそういうお答えをいただきました。今まさに、この十六兆の景気対策の中ではそれらのお言葉がほごになりそうなんです。総理は多分これは臨機応変だとおっしゃるかもしれません。こういう極端な変化、これが本当に国民のためになるんでしょうか。 私は代表質問の中で、こういうような突然の変化が政治不信を招いているんだということを申し上げましたけれども、総理の御感想を伺います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、与党から申し入れのありました中身に対して、政府として重く受けとめますということと、政府としてはこれを十分検討し、政府としての対応について結論を出してまいりたいということで、きょうその申し入れに対してお答えをいたしました。その上で私は、経済の実態に必要と思う処置をとるということが許されないことだとは思っておりません。
○星野朋市君 この問題につきましては、いずれまた再び議論をする機会があると思いますので、そこでまたじっくりやりたいと思います。 次に、大蔵省にお聞きをいたします。 詳しいことはきょうの午後行われる財政・金融委員会において再度質問をいたしますけれども、ここであらかじめその予告をしておきます。 我々が再三非難をいたしました金融システム法によって、銀行にいわゆる劣後債、優先株の引き受けが行われました。そのときに、新しい基準によって債務を報告するといって出てきたのが三行であります。ほかの十八行は出してきておりません。その出してこない理由、これは既に他の議員がそこまでは触れているんです。だけれども、私が申し上げるのはその次です。 この出してきた三行、長銀は前の基準だと不良債権一兆二百四十六億円、これが新基準だと一兆三千五百七十八億円、日本債券信用銀行一兆二千五百億が一兆六千九百七十億円、中央信託二千三百十億円が二千五百十六億円、いずれも膨大にふえているんですね。そうすると他の十八行は、間に合わないと言いながら、どうしたって今まで発表している不良債権よりも本当の不良債権はさらに大きくなるんじゃないか、だれもそう考えると思う。 銀行局長、どうお答えになりますか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 これまでの公表不良債権の基準に、今度はアメリカのSECのスタンダードに合わせるということで、それにつけ加えまして、例えば六カ月以上と言っていた延滞債権を三カ月以上というふうに加えるわけでございます。それから、貸出要件の緩和債権ということで、さらに今ディスクローズしているものに加えるわけでございます。したがって、今までの基準で出している数字よりは必ずふえることは間違いありません。 それで、先生がおっしゃいましたように三行、ちなみにこれは三月期からですから五月しか出てきませんが、この三行だけは大まかに見積もってどれくらいということを出してきてくれました。見ますと、従来の基準に比べて一・一倍から一・三六倍にふえております。 ただ、不良債権がふえるというふうにおっしゃると、そういうことが当たっていないとは言えませんけれども、そういうふうにいろいろ問題のある債権をだんだん広げていきますと、必ずしも不良債権と決めつけるべき債権かどうかというものまで含まれてくるわけです。相手の事情によって少しだけ条件を緩和してあげたというのもあるわけです、そういったところは相手が立ち直る可能性もあるわけですから。そうしますと、やはり正確に言うとリスク管理債権というような言い方の方が私は正確だと思います。そういうふうなことで、今度の三月期からは、今までの基準のものと、そういった新しいものを加えたものと両方出していただくことになります。 そうすると、その後者の方は世界で一番厳しいと言われているSEC基準と同じような基準にしてありますので、世界から見ましても、どうも不良債権の状況がわからないなという御批判がかなり緩和されるんじゃないかというふうに思っておる次第でございます。
○星野朋市君 私は、自己査定による問題債権のときも、不良債権という言葉は一回も使っていないんです。私は一貫して問題債権と言っておりますので、その点では銀行局長の今の御意見を是とするものでございますけれども、いずれにしても、国際基準にのっとってどうなのかということの意味でございますので、これはこれからもしばしば問題にしていくべきことだと思います。 それから、私が要望したいのは、最終決定をなさった七人委員会の議事録をぜひ公開していただきたい、こういうふうに思っております。 この問題はおきまして、次に経済企画庁にお伺いをいたします。 経済企画庁に対する今までの同僚議員の質問は、大体本年度の経済見通しがどのくらいかというようなことが中心でありましたけれども、私は別の観点から経済企画庁に申したいと思います。 経済企画庁は、平成八年度から平成十二年度までの五年間のために、構造改革を伴ういわゆる経済政策というタイトルで御苦心なさったレポートがあるわけです。しかも、このレポートに基づいて、国の経済政策というのはずっとこれのくびきの中にあるわけですよ。 例えば、大蔵省の中期財政計画は、構造改革が進んだら名目成長率は三・五%になりますよ、もし構造改革が進まなければ日本の経済成長率はこの五年間平均して一・七五%にしかすぎません、こういうのがあります。それで、財政計画もそのとおり税収は二通りになっているんです。そして、そのどちらの成長率にも弾性率一・一を掛けて税収見積もりというのをやっている。 では、今の現状はどうなんだというと、まさしく何ら構造改革は進んでいないじゃないか。その数値にぴったりなんです。この中にさらにもう一つ数字が入っておりまして、もし構造改革が進まなければ最終年度の日本の失業率は三・七五%になります、構造改革が進めば二・七五%で済みますという数字があるんです。ところが、現在の失業率はどうかといいますと、きょう入りました最新の情報では、最悪と言われた三・五%をさらに〇・一%上回って今三・六%になっている。 その実態を見ると、こういう中期の経済政策、これによって日本の経済政策はいろんな形でもってこの中にみんな押し込まれているわけですけれども、何ら構造改革というのは進んでいないじゃないか、これは何だ、単にレポートなのか計画なのか目標なのか、私には疑問でしようがないんです。 その面から長官に改めてお答えをいただきたい。
○国務大臣(尾身幸次君) 「構造改革のための経済社会計画」、平成七年十二月に作成したものがございまして、星野委員が今おっしゃるとおりの数字が書いてあるわけでございます。 確かに、委員のおっしゃいますように八年度の成長率は三・二%でございましたが、九年度は非常に厳しい〇・一%という数字になっておりますし、また十年度の見通しは一・九%という数字になっております。この数字になっておりますことは、近年におけるアジアの経済動向とかあるいは金融機関の相次ぐ破綻等の現象がございまして、そういう状況になっているわけでございます。 では構造改革が進んでいないかというと、実はかなり強力に進めておりまして、例えば電気通信等の分野における構造改革を進めた結果、電気通信関係の通話料等が大幅に下がっている。そのことは経済の実態にかなり好影響を及ぼしているというふうに考えている次第でございます。 私どもこれまでいろんな対策をやっておりまして、昨年の十一月にまとめました「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」におきましても、電気通信関係のさらなる規制緩和の促進をかなり抜本的にやっておりまして、現在国会に法律が提案されております。 それから、労働力の流動化等に対応する派遣事業の自由化の問題、あるいは土地の有効利用の問題等々、構造改革関係あるいは規制緩和を中心といたします対策も進めておりまして、全体としての経済の効率化を図っていく、そのことによって中長期的には三%程度の成長率を達成できるような体制にしていきたい。 現在、ただいまの短期的な状況のもとにおいて経済が厳しいことはよく理解しておりますが、しかしその中におきましても、例えば規制緩和を進めるとかベンチャー企業を育てていくとか、資金供給システムを変革して資金運用の効率化を図っていくとか、あるいは土地、空間の有効利用を図っていくとか、そういう構造的な新しい方向を見据えた政策はしっかりととっていきたいと考えております。そういう中で、「構造改革のための経済社会計画」の基本的な方向は実現していけるものと考えている次第でございます。
○星野朋市君 ところが、この「構造改革のための経済社会計画」の中に、日本の高コスト構造という分析がなされているんですけれども、最大の欠陥は、これをつくったときに住専問題があったために、日本の土地の高さの問題を全く除外しちゃっているんです。そして、人件費の問題と規制緩和の問題だけを取り上げて、これで日本の高コスト構造を分析している。こういう何か政策的に大きな間違いをすると後で取り返しのつかないような問題が起こる。 この例をもう一つ申し上げます。 この前、補正予算のときに若干申し上げましたからあるいは覚えておられる方がいるかもしれませんけれども、二〇一〇年までの日本のエネルギー需給計画というのがあります。細かいことは申しませんけれども、これの第一次をつくったときに、日本のエネルギー需給計画はGDPに対する弾性値〇・三八というのを使ったんですよ。つくられたときは弾性値は一だったんです。これがいかに間違いであるかということを私はずっと追及して、森通産大臣のときに、さすがにこれはとてもそうはいかないからといってたった二年半でこの計画を変えた。そして、今度は精緻に積み上げていって毎年一%ずつ伸びる、こういうような形でつくられたものなんです。 ところが、ではそれの基本になるものは何だったかというと、その当時の、まだ宮澤内閣の三・五%成長というのをもとにしてある。弾性値という言葉は星野先生使わないでくれとわざわざ私のところへエネルギー庁から言ってきたぐらいなんです。そして、いかにそのエネルギー計画が危ういものであったかということは、二〇〇〇年の日本のエネルギー需給計画は石油換算三億八千八百万キロリットル、こういうふうに予定されていたのが、日本の場合一九九五年に既に三億八千七百万キロリットル使っちゃったんですよ、五年も前に。そうすると、第二次計画は二〇一〇年は石油換算四億五千六百万キロリットル。 今、エネルギー庁は、通産省を中心として二〇一〇年の日本のエネルギー需給を四億キロリットルに抑えようという計画をつくっている最中ですね。恐らく六月にその案が出てくると思いますけれども、きのうもこの需給計画の三回目の会議が開かれております。その中で、単なる政策目標なんかはつくるべきでないという意見もあるんです。 エネルギー庁長官はお見えですか。通産大臣よりも長官、お答えください。
○政府委員(稲川泰弘君) 現在、総合エネルギー調査会需給部会で御指摘のとおり一月から審議を開始いたしまして、六月をめどに二〇一〇年のエネルギー需給構造を想定し対応を考えるという審議を行っております。 現在、需要は長期需給見通し、現行のもので一%の伸びを想定いたしておりますけれども、足元の伸びは二・二%の年率で伸びております。他方で、昨年十二月の京都会議の結論としての我が国の炭酸ガス抑制を実現するということで行いますと、二〇一〇年の最終需要総量が現在とほぼ同じレベル、すなわち先生のおっしゃいました四億キロリットル原油換算の量になります。 大変厳しい課題を前提として、どういう需給両面の対応をとるかということが現在需給部会で議論をしている内容でございます。そういうことで、六月をめどにこの課題を達成し得る対応策いかんという形で議論をしておるところでございます。
○星野朋市君 細かいことはその計画が出てからまた議論させていただきますけれども、その節減目標が大体民生用ではなくて産業用に偏重されているというような形になることは明々白々でございますので、それだけは指摘させていただきたいと思います。 これはエネルギー庁長官もお触れになりましたように、まさしく昨年の環境問題に絡んで性急に今修正されているということでありますけれども……(「時間」と呼ぶ者あり)時間じゃないんだよ、関連質問があるから大丈夫なんだ。(発言する者あり)
○委員長(岩崎純三君) 時間でございますので。
○星野朋市君 それでは、御指摘がございますので、まだ言いたいことはありますけれども、一応これで質問を終わらせていただきます。
○委員長(岩崎純三君) 以上で平野貞夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、西川きよし君の残余の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。 せんだっては総理の個人的な部分にまで立ち入っていろいろと御質問させていただきましたこと、お許しいただきたいと思います。あの後、テレビをごらんになった方がたくさんお電話をくださいました。声を詰まらせながら答弁をなさっている総理の姿を見て、胸を打たれたとか、普通の会話もすごく新鮮に感じた、一緒に涙を流しながらテレビを見せていただきましたという婦人の方からの電話もございました。正直にちゃんと御報告を申し上げておきたいと思います。 総理といえども、おうちに帰られましたら家族の一人でありますから、大変なお仕事の中、おうちに帰られて、本当にお疲れがとれるのは家族の皆さんと御一緒のときだと思います。法はうちに要らず、幸せな家庭には法律は不必要だと申しますが、そういう意味におきましても、もちろん個々の家族の中に政治や行政が立ち入ることはできないわけですけれども、それぞれの家族の幸せのためにそれを側面から支援する、そういう家族政策というようなものをぜひこれからの少子・高齢化に向かって総理にお願いをしたいと思います。 総理大臣がこれからお考えになる家族政策というものについて、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的には、やはり家族の中には政治が入ったり行政が入ったりしてはいけないんだと思うんですけれども、大きな変化の中でいや応なしに行政が手を出していかなければならないもの、これは一つは介護の問題だと思います。同時に、もう一つは子育ての問題だと思います。そして、もしそれにつけ加えるならば、ハンディキャップを持っている方々に、そのハンディキャップはハンディキャップとして認めた上で、公平な競争のチャンスをどう確保するかということだと思います。 介護については既に介護保険という形で一つの答えを出していただきました。また、児童福祉法の改正も既に行っていただいたわけでありますけれども、これから先一層、地域社会の中で子育てをどう受けとめるのか、これは実は虐待というようなことが言われる時代、あるいは少子化の中で友達と遊ぶ訓練がなくなってしまっている子供たちに対する答え、いろいろな角度から答えを書かなければなりません。 そして、かつて幼児学校という考え方が議論をされました時期がありますけれども、今、幼稚園、保育所は、それぞれの役割分担をしながら、一部、子供にとって家庭にかわる環境を与える役割もしております。そこが子供たちにとって家庭にかわる環境足り得る条件を整備する、こうしたことも必要になるんじゃないでしょうか。
○西川きよし君 ひとり暮らしや高齢者の夫婦世帯がふえている、三世代の同居が減少していわゆる核家族化が進む中で、老後の扶養を子供に頼るという人が現実少なくなってはきておるわけですけれども、老後は夫婦だけで、あるいはひとりで暮らすのか、それとも子供や孫と一緒に暮らすのか、いろいろ選択肢はあると思うんです。 総理は、将来はやっぱり子供さんやお孫さんと御一緒に、そういう親子三代という生活を望んでおられるのか、それともこの国がどういうふうな形で進んでいけばいいのか、総理個人といたしましては奥様とお二人だけでお暮らしになりたいのか、また立ち入ったようなことを聞くようですけれども、ぜひ参考にしたいと思いますので。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、もともと私の父が健在でしたときから祖母と一緒に、初めは父方の祖母と、その祖母が亡くなりました後母方の祖母と、いつも世代間、一緒に暮らしてきました。ですから、基本的に私は本当に子供たちと住宅の問題その他がなければ一緒に住みたいなと思います。ただ、その上で、五人おりますとだれが一緒に住んでくれるか、責任の転嫁のし合いになるか、今のところちょっと自信はありませんけれども、できるなら私は子供たち、孫たちと一緒に住みたいなとは思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。ひょっとして奥様がこのニュースを知られたら寂しがるかもわかりませんけれども。 我が家も、実は私も五人兄弟で末っ子でございますけれども、僕は親と一緒に生活できることを幸せに思っておりますが、ただ、二人だけということ、両親を間隔を置いて見てみますと、とても生活ができないと思います。 いつでもどこでもだれでも、朝でも昼でも夜でも夜中でも、先ほど申しました地域社会の中で手を差し伸べていただかないと、一緒に生活しておりましてもなかなか難しい問題が多々ございます。この前御質問を申し上げた経過の中にも父親のお話が出ましたが、せんだっても家内に、役所へ行ってどういうふうな手だてでもって助けてもらえるか、ちゃんとおまえが行って聞いてこいということで参りましたが、なかなかそれは難しい問題がたくさんございます。私はできたら一緒に子供たちと住みたいんですけれども、現実の問題といたしましていろいろあります。 せんだっては住宅の問題をお伺いしたんですけれども、本日は老後の所得保障、そしてまたお年寄りと生活をともにする家計の負担についてお伺いしたいと思います。 老後の所得保障の柱となる公的年金制度でございますが、厚生省では昨年末、制度の改革に向けて五つの選択肢をお示しになりましたが、まず厚生大臣より内容についてお話をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) これから年金制度の改革に着手するわけですが、その前に国民的にも関心を持っていただき、議論を高めていただくということが必要だと考えまして、昨年五つの選択肢を提出しました。 それは、給付と負担の均衡をどう図っていくか。議論を進めるためには具体的内容と、また具体的数値を出した方がいいという観点から、具体的な数値を出して提示したわけであります。 もとよりこの内容というのは、現在の給付をずっと続けていくならば、今の若い人の保険料も約倍になりますよと。今一七%程度でありますけれども、将来年金を受け取る方が今の給付を望みたいならば三四%程度の負担になる。これを企業と折半しますから大体一七%程度。これではもらう方はいいですけれども、保険料を払う方はちょっと重過ぎるという声が出てくるんです。これは当然将来給付も下げて負担も下げなきゃならないという考え方、いわゆる給付と負担、そして税金をどの程度導入するのかということと、あと支給開始年齢を幾つからにするかというこの四つの組み合わせしかありませんから、それを具体的に提示したわけであります。 ここで一々内容に触れますと時間がかかりますので、考え方だけ説明いたしましたけれども、それぞれの論点では具体的な数値も出ておりますから、これは国民も具体的に議論できる材料を提示することはできたなと。今後、この五つの選択肢を基本にして、この修正点も出てくると思います。 そういう中で、これから年金を受け取る方は大体二百万人ぐらい毎年ふえていくだろう、そして亡くなる方も大体百万人ぐらいいるだろう、差し引きしても毎年毎年百万人ぐらいは年金の受給者がふえていくと。若い人、保険料を払う人はどうしても少子社会でありますから減っていきます。受け取る方と保険料を払う両世代が紛争のないように、むしろ自分たちの保険料を払うことによって、この程度の負担で高齢者、親の世代が生活をしていけるんだったら出そうという気になるような低い保険料に抑えていく。高齢者も、全部自分の生活を年金で賄うというんじゃなくて、年金を柱として、じゃ何割程度必要かということも考えていただかなきゃならない。その給付と負担をよく考えていただいて、できるだけ国民の合意が得られるような結論になればなと思っております。その素材を提供したわけであります。
○西川きよし君 ありがとうございました。 今回、五つの選択肢を示されたわけですが、政策決定の過程の中で国民に選択肢を示すというふうなことは今まではなかったわけですけれども、国民的議論を展開していくという意味では非常にいいことだと私は思います。 その選択肢を示された立場からしますと、五つの中から選べと、こう言われたときに、実際に本当に難しいです。僕自身も、選べと言われたときに本当に難しいと思います。選べないということがひょっとすると実感ではないかなというふうに思うんです。人の心、気持ちというのは、まず自分は一体どうなるのだろうか、自分が一番有利な内容が一番いいなと、こういうふうに思って当然だと思うんですけれども、しかしそうではなくて、親世代や子世代や孫世代のことを考えるわけです。子供は親世代のことを考え、自分のこともあわせて考えなくてはいけません。 そういう意味では、この年金制度というのはまさしく家族の問題であると思うわけです。そこには当然お互いに痛みが伴うわけですから、先ほどから大臣もおっしゃっておられるように、その理解を得るためには本当にわかりやすくオープンにして議論もしていかなければいけないわけですけれども、これから今後どういうふうに皆さん方にわかるような努力をしていこうと大臣は思っていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金審議会の審議も情報公開いたしますし、資料もできるだけ提出します。そして、お互いが自分の年金に関心を持ってもらうためにも具体的数値等を挙げて示したわけでありますので、今後それぞれ議論が出てくると思いますから、その議論をマスコミ等も通じましてできるだけ国民にわかってもらえるような方策をとるように全力を尽くしていきたいと思います。
○西川きよし君 僕がいつも一市民として不思議に思うのは、僕ら全く無所属で一人で院内会派でお世話になっているわけですけれども、例えばお米のこととか鉄道が走るとか新幹線がというようなときは族議員という、よく新聞にも出てくるのですけれども、いろいろ社会全般、社会保障とかいうことを見てみますと、何か悪いことをしてつかまったとかいう人がおられるわけです。でも、そういうことは忘れていただいて、社会保障全般をもっともっと強い態度でもってやってもらわないと本当に困るなというふうにも思います。 今回のこの改革では、給付と負担の問題とあわせて、企業年金あるいは個人年金の整備というものも柱の一つとしてあると思うわけです。公的年金によって老後の所得がすべて保障されるとは思わないわけですけれども、その不足について自助努力によって補てんしなければならないわけですが、企業年金にしても個人年金にしても、大企業の人や収入に余裕のある人はできることであるわけです。中小企業、つまり一般のサラリーマン家庭にはほとんどこれは遠く感じることだと思うわけです。 例えば、大企業に勤める人であれば厚生年金の上にさらに企業年金、自社年金があるわけです。自営業の方には国民年金基金があるわけですけれども、そういう面から見ますと、中小企業に勤める多くのサラリーマンについてはこの私的な部分というのが取り残されております。 今後、議論をされる場においてこの中小企業のサラリーマンの方々に対して年金のあり方についても十分な検討をしてあげるべきではないかなというふうに思うんですけれども、大臣、お願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 御指摘の点も踏まえまして、企業年金制度の普及やあるいは制度の充実、そういう点も含めて今回年金審議会で審議していただくことになっておりますので、ぜひとも関心を持っていただいて、資料要求なりあるいはいろいろな要望点、各界からのそういう意見というのを歓迎しておりますので、それらの問題も年金審議会で御審議していただくことになっております。
○西川きよし君 大変難しい問題だとは思いますが、よろしくお願い申し上げます。 次に、在宅でお年寄りの介護をされている家庭における経済的な負担への支援についてお伺いをしたいと思います。 お年寄りの在宅介護費用については、大体一カ月で平均約五万円ぐらいという調査結果も出ておりますが、これはあくまでも平均でございまして、ここで住宅の改造費だとか介護機器、福祉機器、相当な出費になります。介護のために家族が仕事をやめなければならない、そういう方々もたくさんいらっしゃいます。そうなりますと、経済的にはかなり負担でございます。 そういう意味におきまして、いよいよ来年の四月からでありますけれども、全事業所に義務づけられます介護休業制度が担う役割は非常に大きいと思うんですけれども、現在までの導入状況について、労働大臣、よろしくお願いいたします。
○政府委員(太田芳枝君) お答えいたします。 介護休業制度の導入状況でございますが、平成八年度の労働省の調査によりますと、常用労働者三十人以上の事業所で二三・二%がこの制度を実施しております。規模別に見ますと、常用労働者三十人から九十九人の規模の事業所では二〇・二%、それから百人から四百九十九人規模の事業所では三二・六%、五百人以上の規模の事業所では六八・一%となっておりまして、規模の大きい事業所において制度の導入が進んでいる状況でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 経済的な支援策としてもう一点、厚生省からも要望が出されておるわけですけれども、介護費用の控除制度について、大蔵大臣、お願いいたします。
○政府委員(尾原榮夫君) お年寄りに対する対策、税制面でも大変大切だと考えております。 所得税におきましては、そういう観点から、同居して寝たきりの老親の方を扶養していることに伴う種々のかかり増しの費用を包括的に施策いたしまして、特別な人的控除を設け、介護等の負担に配慮を行っているところでございます。 この平成十年度の税制改正におきましても、特別障害者控除、同居特別障害者控除につきまして控除額の引き上げを行うこととしております。この結果、夫婦子二人のサラリーマンで七十歳以上の寝たきりの老親と同居している方の場合の課税最低限でございますが、五百四十一万円ということになるわけでございます。 先生のお尋ねは新たな所得控除制度も設けたらどうかということでございまして、実は所得税の考え方から申し上げますと納税者の置かれている社会的条件はいろいろございます。そういう中から特定の条件を抜き出して税制上しんしゃくするのは、なかなか限界があるというふうに考えておりまして、難しい問題だと考えているところでございます。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、小児慢性特定疾患治療研究事業についてお伺いを申し上げます。 小学校五年生と中学校一年生の子供さんを持っておられるお母様、つまり母子家庭のおうちからお便りをいただきました。 本日も少し読ませていただきたいと思います。 私は、小学校五年生の女の子と、中学校一年生の男の子の母親です。一月の毎日新聞の紙面で、下垂体性小人症の自己注射が今までは全額公費負担であったのが、公費負担がなくなり、保険扱いとなる旨書かれていましたが、その辺の詳しいことをお教えください。 我が家は母子家庭であり、パート勤めなので、公費負担がなくなれば治療をやめる以外にありません。高額療養費を受けられるといっても、一たん支払わなければならないのではどうしようもありません。現在、中学生の男の子がこの治療を受けています。療養費がふえると、子供のためと思っても、してやれないことがとてもつらいのです。 それに、小学校のときは、背が低いということでいじめられたこともあります。この注射のおかげで、随分助かっているのです。 新聞を読んで、「もう、僕、注射できなくなるの」と言った言葉を聞いて、どう思われますか。なぜ、行政は弱者をいじめるようなことを平気でやるのでしょうか。 これから、私たちはどうすればよいのでしょうか。 どうか、よろしくお願いします。 というお便りをいただいたわけですけれども、見直しの内容についての御説明を少ししていただきたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 小児慢性特定疾患事業につきましては、治療期間が長くて医療費も高いというような小児の慢性疾患のうちで重度のものにつきまして、重疾患群五百疾病というようなことで実施をしているわけであります。最近の少子化の中で各疾患群について見ますと、横ばいないし減ってきているところも多いわけでありますけれども、内分泌系疾患、特に成長ホルモン分泌不全による低身長症、この疾病の増加が著しく見られまして、最近におきましては私どもの事業費の約四割をこの一疾患で占めるような状況になってきているという状況であります。 これにつきましては、この疾患につきましてこれまで治療の開始基準等はあったわけでありますけれども、終了の基準がなかったというようなこともありまして、調べてみますと平均身長大体百七十センチということで男子は言われておりますが、これを超えても治療を受けておられる方がかなりおられる、あるいは県によりまして患者の発生率にかなり大きな違いがある、審査体制も不十分じゃないかということで、適正化がかねてより求められていたわけであります。 こうした状況を受けまして、私ども昨年の十月に局内に専門家から成る小児慢性特定疾患治療研究事業に関する検討会というのを設置いたしまして、このあり方について検討をお願いしました。その結果を踏まえまして、また同じような低身長の方でございましても、家族性ということで保険なりこの事業の対象とならない方も非常に多数おられます。こういう方とのバランスというようなことも考えまして、このたび成長ホルモン治療を行います開始基準につきまして、同年齢の方の標準身長の約マイナス二・五シグマ、標準偏差分散の度合いを示す値でございますけれども、それから毎年三センチ以上この治療によって身長が伸びる、あるいは治療終了基準につきまして男子の場合で百五十六・四センチ、女子の場合で百四十五・四センチというふうな基準を設定させていただいたわけであります。 これは、身長がとまります十七歳半の平均身長の約百七十センチのちょうどマイナス二・五シグマに当たるものでありまして、具体的な数字で申しますと、百二十万人毎年いるといたしますと、そのうちの約七千二百人ほどがこのマイナス二・五シグマに該当する低身長の方ということであります。このうちの約二割の千五百六十人が成長ホルモン分泌不全による低身長の方ということで、この小児慢性特定疾患治療研究事業の対象になるというようなことでございます。
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。 ただいまの説明は、衆議院の予算委員会等々も私は勉強させていただきまして、何度もお伺いはしておるわけです。遺伝性や体質による低身長の方との公平性の問題、あるいは他の対象疾患の子供さんとの公平性の問題等、事業全体を見回した上で御判断をなさった結果であると思いますけれども、今のお手紙の内容をお聞きいただいて、改めて今回の措置について、厚生大臣に一言いただければと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) あらゆる既存の制度を見直して改革に着手する、できるだけ制度の効率化、重点化を図っていこうということで今回低身長ということでも、百七十センチで低身長とは私は言えないと思いますね。私百六十九センチですから、私も低身長かと言われると、そうでもない。 ですから、ある程度どうしても身長が低いということで確かに嫌な思いをされることがあるでしょう。しかしながら、ホルモン注射をしても関係ない身長の低い方もおられるわけです。そして、ほぼ平均身長のところまでは治療を受けられる。しかも、治療を受けても高額療養費制度がありますから、毎月四十万、五十万かかっていたとしても、六万三千六百円以上は結構です、低所得者の方はその半額でいいです、それ以上かかっても後で償還する制度がありますから。そういう点を考えていただきまして、この点は御理解いただきたいなと、そう思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 僕もよくお話をお伺いして理解のできるところもございますけれども、こうしてお便りをいただきますと、やはりちゃんと御報告を申し上げなければいけないのかなというふうなことで質問をさせていただいているわけです。 今回の見直しの是非については今国会の中でもさまざま議論があるわけですけれども、私からは、その見直しが決められた患者さんの御家族への対応のあり方について、これはいつごろ決定されて、いつどこにどのような形でお知らせになったのか、その部分を少しお伺いしたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) この疾患の基準のあり方等を適正化すべきであるという御指摘につきましては、平成八年ごろから中央児童福祉審議会の母子保健部会等においても御指摘を受けておりまして、たびたび議論がなされてきております。 私ども、こうした状況を受けまして、昨年の十月にこの問題に関する専門家から成る検討会を設置いたしたところであります。その結果が昨年の十二月上旬に取りまとめられまして、これを改めてまた十二月中旬の中央児童福祉審議会母子保健部会にお諮りし、御了承を得まして、十二月の下旬に、正確には十二月二十六日付でございますけれども、この小児慢性特定疾患治療研究事業の実施主体でございます都道府県、指定都市、中核市あてに通知をいたしたところであります。 また、この事業自身は実施主体と医療機関との間の委託事業として行われておりますので、医師会それから日本小児科学会、日本小児保健協会あるいは日本小児科医会に対しましてもこの報告書あるいは通知等の内容も添えまして協力依頼を行い、関係者への周知を図ったところでございます。また、本年になりましてからは、改めて全国厚生部長会議あるいは衛生部長会議等におきまして内容の周知徹底をお願いしたところでございます。 自治体によりましては、個々の患者さんの方にまで連絡しているところもあると聞いておりますけれども、私どもの方といたしまして直接患者本人にまでは御連絡等はいたしておりません。これは患者の正確な状況、身長でございますとか成長度等につきましては医療機関の方で把握していただいているということでございますので、そちらの方から説明なり、今回の改正の中身が伝わっていくというのを期待したところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 私は、この手紙を読ませていただきまして一つ残念に思ったことは、この親子にとっては我々が想像できないぐらいの出来事にもかかわらず、これをお知りになったのが新聞報道だということですね。このお手紙にもございました。 この事業は、先ほど御説明いただきましたように都道府県、政令市、中核市が実施主体ということですから、それぞれの自治体の判断によって個々に通知を出すところ、あるいは医療機関に対して通知を出すところ、さまざまな対応がとられておるわけですけれども、正直申し上げましてこのお便りを読んだときに、こういう大切なことは個々に通知を出すなどして理解を求める配慮がなぜできないんだろうかなというふうにそのとき一瞬思いました。 しかし、しかしでございますが、実情をよくお伺いいたしますと、例えば子供さんの家族の中には、おじいちゃん、おばあちゃんに子供の病気を秘密にしている家族があるそうでございます。それはなぜならば、もし子供の病気が知れると、つまりその子供をお産みになった、出産された嫁が大変いじめられるそうです。これは本当に全国切実な声だそうです。そうであれば、個々に通知を出すことなく医療機関から説明をしてもらう方がいいのではないかなというふうに思うわけですけれども、果たして医療機関が行政の部分のところまでちゃんと御説明をしていただけるかどうかということも大変難しいところではないかなというふうに思います。 〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕 自治体でも本当に苦労をなさっているということですけれども、少なくとも負担を強いられる側にとりましては、どういった方法でお知らせをして、どういうふうに説明をすれば理解を深めていくことができるか、これは国としても真剣にこの際考えていただきたいなという思いでいっぱいであります。 できましたら厚生大臣に一言いただいて、そして行政全般ということで官房長官にも一言いただければと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 負担が軽くなる場合は通知がなくても喜ぶから大して苦労は要らないと思うんですが、負担が重くなる場合にいかに周知徹底を図るかというのは、今お話しのようにやはりもう一工夫要るのかなという気もします。 今後、もっとよりよい周知方法がないか、今言った個別に周知するというのはいろいろプライバシーの問題もあるし煩雑性もあると思いますが、さらに一工夫、今後研究したいと思っております。
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど来、西川先生のお話を聞いておりました。 従来、政府広報また制度所管の省庁の広報があるわけでございますが、先生方から御指摘を受けるように、かたいというか、びっしり字が書いてあるとか、こういうふうな御指摘がございました。相当直ってきてはいると思います。これからも工夫して研究して、わかりやすい正確なものをやりたい。 同時に、負担を強いるような状況については、個別の場合もあるでしょうし、例えば先ほど年金の話が出ましたけれども、現状を国民にわかりやすく説明する。今は負担をしている人はこのぐらいいてこのぐらいの額です、受け取る人はこのぐらいの額ですよ。しかし、五年後にはここにいた人がこちらの方へどのくらい移って、下から上がってきて、負担する人はこのとおりになります、十年後にはこうなります、十五年後にはこうなりますよと、こういうようなわかりやすい広報なり御理解を、そして負担される方の御理解を得られるような広報に、各省庁とも政府広報とも連絡をとってやっていきたい、こう思っております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 そこで、もう一点でございますけれども、この補助が打ち切りになる対象者の方々に対しての負担の緩和対策という観点からお伺いをしてみたいと思います。 お便りには、「我が家は母子家庭であり、パート勤めなので、公費負担がなくなれば治療をやめる以外にありません。高額療養費を受けられるといっても、一たん支払わなければならないのではどうしようもありません。」、つまりパートに出られて、一たんそのときにお支払いになるというこの部分のお金がないということでございます。 基準終了後において治療を続ける場合には月々の治療費の負担はどの程度になるのか、また高額療養費制度との関係についてもあわせて御説明をいただければと思います。
○政府委員(高木俊明君) 下垂体小人症患者さんの治療費でありますけれども、これは体重によっても違いますので、標準的なスタイルで申し上げたいと思います。 このたびの事業の見直しによって補助が打ちどめになる身長が男の子の場合ですと百五十六・四センチということであります。そうしますと、医療費としては標準的に月に約五十万円程度かかります。この方が被扶養者ということになりますから、医療保険の一部負担三割を御負担いただくわけであります。三割御負担いただきますと約十五万程度になります。ただし、高額療養費制度というのが適用になります。高額療養費制度というのは、一カ月にかかった医療費が六万三千六百円を超える場合には、六万三千六百円を超える部分は償還される、こういうシステムであります。 それから、女のお子さんの場合ですと、身長が百四十五・四センチで打ち切りになるということでありますので、この程度の身長の方の体重でいきますと大体月四十万円ぐらいかかります。その三割、約十二万二千円程度でありますが、これも高額療養費の対象になりますので、六万三千六百円を超える部分は償還される。 ただし、市町村民税の非課税の世帯の方ですと、これは六万三千六百円ではありませんで三万五千四百円まで御負担いただく、それを超える部分は償還される、こういうふうになっております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 この高額療養費制度ですけれども、急に病気になったというようなときには、皆さんといたしましては大変安心につながる制度だと思います。皆さんは喜んでおられるわけですけれども、しかしこの制度は原則といたしまして償還払いですから、毎月毎月多額の治療費を先ほども申しましたように一たん支払わなければなりません。そのお金がないということでございまして、その費用にいたしましても手続にいたしましても大変な負担になるわけです。 こうした負担を少しでも和らげるように、例えば一部の自治体で導入されております委任払い制度というものがございますが、きょうお願いしたいのは、全国どこに住んでおりましても、どこの病院に通院をいたしましても利用のできるような整備をぜひお願いしたいと思います。国と自治体との連携の中で何か少しでも負担感を和らげていただけるようなことができないのか、そうした配慮についても一層の検討をしていただきたいということで、ぜひ厚生大臣、御答弁をいただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今、局長から答弁がありましたように、高額療養費が支給されるまでの間負担していただいて、後でそれを超えた分は返してもらうという制度なんですが、今医療機関の窓口で支払いに充てるための資金を保険者が貸し付ける高額医療費貸付制度が実施されております。この制度をもっと理解してもらって、貸してもらって、必ず返してくれるんだから、これのもっと普及に努めた方がいいんじゃないかなというふうに考えています。 しかし、お話しでありますので、今後の検討課題として研究させていただきたいと思います。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 人間はなるべくなら借金をせずに生活をしたいものでありますので、お借りになるとかというよりも、今、委任払い制度というものが全国どこでも、どこの地域でも、どこの病院でもこういうことをしていただけるとありがたいんですけれども、総理、ぜひひとつお力添えをいただけないものでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど厚生大臣も検討ということを言われましたが、私は先ほど来、きょうは小児慢性特定疾患治療の中で下垂体性小人症を取り上げられたわけですが、そのお母さんのお手紙の中で必ずしもそのお子さんの状態が今どうかということは触れられていない。その上での問題提起として、まだ工夫をしなければいけないところがあるんだなということを改めて感じました。 一たん払い込んでいただいた後でお返しするんだからといっても、その一たんがつらい。それは確かにそうだ、そういう部分があると思います。世帯更生資金を組み合わせるとかいろんなことも工夫すればできるんじゃないかな、そんな感じもいたしました。 母子家庭としてどれぐらいの収入を得ておられる御家庭かもわかりません、その中では。ただ、いずれにしてもハンディキャップを背負った方々、あるいは所得の低い方々、社会的弱者と言われる方々に対して過重な負担にならないようなきめ細かさ、これはこれから先もお互いが何かをしようとするときに考えていかなければならない。 同時に、必要な給付とサービス、これを確実に保障すると同時に、どうやったら逆に、よかれと思って進める制度であっても、そのすき間に生じる声、これを生かしていくことができるか、そうしたことも考えながら国民に理解される仕組みをつくっていく。今は、たまたまきょうは下垂体性小人症を取り上げられましたが、他のそれぞれの問題についても同じような心で対応していくことが必要だと、そう感じました。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。 私も、いつもお便りをもとにこうして質問をさせていただくんですけれども、毎月大体何百通というお便りをいただいて、それぞれ、みんなで事務所の人間で研究をし、勉強をし、そして何でもかんでも質問をさせていただいているというわけではございません。 〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕 本当にみんなが地域の中で支え合って頑張っていかなければいけない。いつでもどこでもだれでも、朝でも昼でも夜でも夜中でも、子供さんでも大人でもお年寄りでも、みんなが幸せになれるようなお力添えになれたらということで日々頑張らせていただいているわけですけれども、ぜひ総理大臣の方から、また厚生大臣の方からよろしくお願いを申し上げたいと思います。 その中で、皆さんもできるだけ自助努力をしてくださいというようなことは僕たちもしっかりお話をさせていただいております。 財政全体から、そしてまたあるいはそれぞれの事業全体を見据えた場合に、国からすれば改革になったといたしましても、補助が打ち切られるという方々にとっては、個々にとってははかり知れない負担があるわけですけれども、これは当然のこととして、その方々に理解を求めるための努力、また少しでも負担感を和らげるための努力、そうした誠意というものを示さなければいけないと思います。でなければ、行政は弱い者いじめという先ほどの文面になるわけですけれども、今後改革をしていかれる中で、国民に対して理解を求めるための努力というものを大切にしていただきたいと思います。 最後にもう一言、総理にいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員のところに届けられる手紙に対し、事務所の中で御相談になり、解決策を模索し、その上で国会で取り上げるべきものは取り上げ、同時にその投書してこられた方に対する理解も求める、それぞれの責任で、自助努力でという部分も言われる、これは私は非常に大切なことだと思います。そして、本当にすべての方々がそういう感じで動いていっていただいたらなと思いますし、逆に今、議員の御質問を伺いながら、政府広報というもののあり方もなお工夫をする必要がある。宣伝ということではなくて、政府広報というものの活用をどうすればよりきめ細かく、しかもプライバシーを侵すことなくできるか、そうした思いも持ってみたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。 時間が二分ほど残りました。きょう用意いたしました質問はすべて終わりましたが、残っております時間を、通告はしておりませんが、総理に一点お伺いしたいと思います。 この前御質問を申し上げたときに、いろいろ今の景気や経済情勢を見て、大阪は中小零細企業九七%以上、そういう町であります。そして、家に帰れば九十歳と八十五歳と八十歳の親が三人おるわけですけれども、いろんな人にお話をお伺いして、この国は大丈夫だろうか。先ほど平野先生の方からも御質問がございましたが、僕はまた変わった視点で、年寄りや子供さんを持つ親御さんが、きよしさん、本当にこの先大丈夫だろうか、ぜひ総理大臣にお伺いしてみたいと。あれからもうほぼ一年たちます。もう一度お伺いしてみたいと思います、いろんな意味を含めまして。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大丈夫ですし、また大丈夫にしなければなりません。 その上で、実は昨日、次世代を担う子供たちにいかに健やかに育っていってもらうか、その環境をどうつくるか、有識者の会議をつくりました中に、昨日は現場の補導等に当たる方々からの声を出していただきました。ちょうど私はこの委員会におりましたが、そのときのいろいろな現場の声の中に随分考えさせられるものがあります。問題を起こしている本人ではなく、家族の反応あるいは学校の反応、地域社会における反応一つずつを、こういう御質問を受けるんでしたらあの資料を持ってくればよかったんですけれども、その中には、私としては本当に信じがたい声もありました。 学校の先生に、一緒に現場を見てほしいということから街頭補導に行ってもらいたいと要請をしたら、最初の反応が超過勤務手当はどうなるということだった。これは一例だけでありますけれども、ございました。あるいは、これは一部御紹介をしましたけれども、家庭に御連絡をとると、五軒のうち三軒まではお礼を言ってくださるんだけれども、二軒はそれがどうしたんだという反応が返ってきちゃうという声。また、これは実は私自身大変耳が痛かったんですけれども、大人がたばこを吸ったりお酒を飲んだりしている、それが子供たちに見えているところで、子供たちにだけたばこ、お酒を慎めと言っても効果ない。これは、たばこ吸いの私としては大変耳の痛いことでしたが、これも補導の現場の声です。 そして、何よりも実はびっくりしたのは、家族という意識が非常に薄れている。そして子供たちに聞くと、一応ハッピー。だけれども、本当に感激したとか悲しんだとか怒られたとか、そういう思い出を持ってない。こういう声が出てきている状況というのをどうしたらいいんだろうか。その地域の中で、昔だと私どもいたずらして、隣のおじさんに怒られたりなんかよくしました。ところが、そういうものがなくなってしまった。どうしたらいいんだろう。そういう意味では、私どもは本当に考えていかなきゃならないことを持っていることは間違いありません。 しかし、少なくともそういう問題があることに気づいた以上、我々は解決策をつくり出さなきゃなりませんし、その中でこの国は大丈夫ですと言える状態に全力を挙げて持っていきます。
○西川きよし君 突然の質問で申しわけなく思っております。ありがとうございました。 せんだって厚生大臣にお伺いしたとき、厚生大臣も、我々子供のころには、おうちに帰ったらおじいちゃんかおばあちゃんかおばさんか、だれかがいたと。今の子供は子供なりに大変だと思います。帰ってもだれもいないというおうちがたくさんございます。 子供さんも大変ですが、この間私が家で言われたのは、八十歳の母親と八十五歳の父親と、家内の母親が九十歳ですけれども、医療費、つまり薬とか医療とかで物すごくて、家内の母親は明治生まれでございますので、いわゆる百万円長者というような時代ですので、僕にパパと言うんですが、パパ、このごろ病院へ行ったら高うついてしゃあない、お金は残り少ないんやけれどもどんどん出ていく、大丈夫やろか、九十歳からでもどこか働くところないかなというふうに僕に聞くんです。厚生大臣、それが切実なんですね。真剣なまなざしで僕に言っている。 僕は、九十歳の人を紹介するようなところは、おばあちゃん、ないと。それより幾ら持ってんのやと言っても、親子でも教えてはくれないんです、年金も見せないですし。僕は部屋代もおかず代も取っているわけではないんですけれども、腹立つときもあるんですが、現実はそうであります。 死は満遍なくだれにでも訪れてまいりますが、全国のお年寄りの皆さん方、また親が幸せで安心して老後を暮らせるような政治をひとつよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(岩崎純三君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、矢田部理君の残余の質疑を行います。矢田部理君。
○矢田部理君 最初に、外交課題等について伺いたいと思います。いろんな課題がありますが、韓国・朝鮮外交をこれからどうするかということに絞って、それを中心に伺っていきたいと思います。 韓国で金大中大統領が誕生いたしました。これから韓国・朝鮮外交を考えるに当たって大きな転換期、節目の時期を迎えるだろうと思われるわけであります。先般、外務大臣が訪韓されましたし、また総理も近々お目にかかる予定と聞いておりますが、この対韓外交、それから北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化問題等についてどんなスタンス、どんなお考えでおられるか、まず総理から伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、韓国との関係につきましては、新しく大統領が誕生された、そして金大中大統領の任期が既にスタートをした、しかし既に友情の土台は築かれた上に新たな展開をということになると思います。その上で、二十一世紀に向けて強固で幅広い新たな日韓パートナーシップというものを構築していかなければならない、そして日韓の友好協力関係というものをさらに強化していかなければならないと思います。 対北朝鮮政策ということになりますと、北朝鮮にも一層開放、透明性という点は努力をしてもらわなければなりません。そして、段階的な北朝鮮との関係の前進を我々も図っていきたいと思います。 その中には、拉致あるいは行方不明者と言われる問題がありますし、こうした問題もきちんと決着を見るだけの努力を当然のことながらいたしますし求めるわけですが、そうしたことをも踏まえながら段階的な関係の前進を図っていく。今度は、本当に北朝鮮との国交を正常化していこうとするためにも、関係国との間の意思疎通を一層強化しておく必要がある。特に韓国との緊密な連絡というものが今まで以上に必要になるでしょう。 ですから、これを整理するなら、北朝鮮が一層開放、透明性を促進する、我々としては段階的な北朝鮮との関係前進に努力する、三番目に関係国との緊密な意思疎通というものの強化を図る、こんなルールに要約できるかと思います。そして、そういう形で進めていきたいと思います。 また、今お触れをいただきましたけれども、国会のお許しが得られてロンドンでのASEMに出席することになりましたなら、その機会に金大中大統領とお目にかかり、こうした考え方で意見交換をさせていただきたいと思っております。
○矢田部理君 対韓外交を進めるに当たって、長い間日韓関係のとげと言われてきた金大中事件というのがありました、かなり古い時代でありますけれども。この間私も、大統領になられる前でありますが、何度か金大中さんにはお目にかかって、この種問題についてもお話をしてきた経過がありますけれども、金大中さんは、もう日本政府の責任を問うようなことはしない、しかし真相究明だけはやりたいというのが基本的な考え方であります。 それをそのまま私どもの責任として受けとめていいかどうかは議論があるところでありますが、少なくとも政治決着であいまいにしてきたこの問題を新しい対韓外交を始めるに当たってはきちんとけじめをつける、そして日本政府としても真相解明に協力し努力するという立場をとるべきだと考えておるのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員も触れられましたように、金大統領御自身のお気持ちとして、真相は解明したい、しかし両国間の問題にはしたくない、そう述べておられるようでありますし、私はその大統領のお気持ちというものを大切に、また重視もしていきたいと思います。 その上で、私は、高度の政治判断として当時決着をさせましたこととは別に、昨日も捜査当局から、日本の捜査当局としての捜査は継続するという言葉を答弁としてここで申しておりましたけれども、日本の姿勢というものはそういうものであろう、そのように思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 総理から今御答弁されたことに尽きると思いますけれども、私も金大中大統領が当選されまして以降、二度にわたりましてお目にかかる機会を得まして、その機会には大統領としては本問題につきましては私に何らの御発言もございませんでした。 ただ、就任式に当たりまして我が国から多くの国会議員が訪問されました機会に、総理から今御答弁されたような趣旨を大統領の口からもお聞きされたと聞いております。
○矢田部理君 もう一つ対韓外交で問題として残っておりますのが従軍慰安婦問題であります。 これは五十嵐さんが官房長官の時代に私も相談を受けたのでありますが、韓国側が求めているのは、日本国の政府としての責任、償いなのでありまして、基金方式でお金をもらえばいいという考え方には立っていない、したがって基本的な解決ができていないということがあるわけでありますが、外務大臣、この点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 本件につきましては、申すまでもありませんが、日韓の基本条約に基づきましていわゆる国家としての賠償責任とかということについては既に済まされておる問題でございます。ただ、韓国側としては日本側の誠意というものもお示しをいただきたいとの趣旨はございますけれども、日本側といたしましては、委員御承知のようなアジア平和基金によりまして日本側の気持ちはそれぞれの方々に対して対処しておる、こういう認識をいたしております。
○矢田部理君 やはり植民地支配を含めて過去の歴史にきちっとしたけじめをつけること、その上に立って新しい日韓関係を構築することが非常に大事だというふうに思っておりますが、もう一つ、金大中さんとの話し合いの中でしばしば出てくるのが北との関係であります。 朝鮮民主主義人民共和国も既に国連に加盟していて、世界で多くの国が承認をしている。日本との関係がいまだ国交が正常化しないというのは異常というか、やっぱり国交正常化を進めるべきではないか。いろんな問題、総理が指摘された問題点等も中身は別としてあることは事実でありますが、そういう問題は国交正常化をした上で解決をするのも一つの方法ではないか。それを前提条件にしたり、それあるがゆえに国交正常化ができないというのはいかがかという議論などをしてきているわけでありますが、そういうことを踏まえて、対朝鮮外交といいますか、北朝鮮との関係も考えるべきだと私は思っているのであります。 これまで日本政府はどちらかというと韓国の気持ちを気にしたりアメリカの鼻息をうかがったりして、どうも主体的な北朝鮮外交が進まないということなどもあったわけでありますが、その点、積極的に進めて、東北アジアに平和をつくり出す、日韓関係あるいは対朝鮮外交をより積極的に進めるという立場に立つべきだと思いますが、御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 過去、我が国としての北朝鮮に対する対応につきましては、率直に申し上げていろんな批判があることも事実だと思います。しかし、日本といたしましては、北朝鮮が国際社会の中で既に国連にも加盟しておるよという状況の中で、我が国が国交を持たざるただ一つの国という状況を看過することはできないということで過去も対応してきたわけでございます。ただ、なかなかその状況が進展しないままに今日まで来ております。 一方、韓国におかれましても、金大中大統領とお目にかかりました節にも、日本として積極的に国交正常化について努力することについては韓国としても賛意を表しておるということでございますので、これから積極的に対応していきまして、一日も早く正常化が達せられるように努力をいたしていきたいというふうに考えております。
○矢田部理君 もう一つ朝鮮とのかかわりで私ども申し上げたいのは、あそこに平和をつくるためにどうするかという非常に大きな中身として、東北アジア非核地帯をつくってはどうかという構想を国際的に進めているところであります。 御承知のように、南北朝鮮は九二年に非核化宣言をいたしました。日本の非核三原則と内容的には同じようなものでありますが、日本自身が非核三原則を持っている、南北朝鮮は非核化で合意をしているということになりますと、日本と南北朝鮮三国が中心になってこの地域に非核地帯をつくる。南半球は既にこれで覆われました。北半球でこれをつくることは非常に大事だし、それから今後のアジアの平和を考えるについても大事だというふうに私ども思っているのであります。そして、三国が合意をした上で、関係国といいますとアメリカ、中国、ロシアなどがこれを尊重するというような体制を推進すべきものと考え、中国などにも申しておるのでありますが、中国側は、民間レベルの集まりではありますが、賛意を表するようになってきております。 そんなことを考えますと、そういうことも含めてこの平和外交を進めることが非常に大事だし、そこが本格的に進みますれば、沖縄を中心にアメリカの駐留軍を十万人も張りつけるというふうな体制はどんどん減らしていくことが可能だし、基地問題の解決にもつながっていくだろうと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) かねて委員の御主張等をお聞きいたしておりますが、現在のこの地域の情勢というものはなかなか難しい状況もまだ存在をいたしております。したがいまして、現在は四カ国におきまして、核の問題ばかりではありませんが、種々の問題についてお話し合いをされておりますし、我が国あるいはロシア、こういう国々につきましても、この地域の安定について六者間でお話をするような機会をつくり上げていくということができれば、そうした機会にこういった問題もいろいろ議題とされるのではないかと考えております。
○矢田部理君 前回からガイドライン問題等を私が個別的、具体的に指摘をしておりますのは、冷戦が終わってから後の国際秩序、平和秩序をどうつくるかということを考えた場合に、二国間の軍事同盟を拡大強化するような路線ではなくて、多国間の平和と軍縮のテーブルをとりわけ日本などがイニシアチブをとってアジアにもつくるべきだと。アジアは依然としてまだ軍拡路線を基調とする国々が多いわけでありますし、日本もまだ本格的な軍縮には踏み込んでおりません。等々を考えますと、軍事費に五兆円も六兆円も出すような時代は何としても終わりにすべきだというのが私どもの主張なのであります。 そういう方向で、例えばASEAN地域フォーラムはそういうことを目指して少しずつ動いてきております。日本ももっと積極的にイニシアチブをとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、総理。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既にARFの存在はそうした役割の一翼を担っているとお認めをいただきました。そしてその上で、私はこの地域の安定というものを考えますときに、その日米、日中、中米、そして米ロ、中ロ、日ロ、この四カ国のそれぞれの組み合わせの中で努力をすべきことが大変多いように思います。そして、つい先ごろまでは残念ながらその中に日ロという部分が非常に低いグレードのものしか存在をいたしませんでした。 日米、日中、中米、この三角については相当なものがここ数年の間に安全保障の面での対話が進んできていると思います。また、中ロ、米ロもそれなりのレベルで動いてまいっております。昨年からおかげさまで日ロの間におきましても安全保障の対話のレベルは上がってまいりました。そして、日中の間におきましてもこのレベルは上がってきております。信頼醸成の上でこうした努力というものが役立ちますし、殊に私は、日本がイニシアチブをとり、APECにロシアを呼び込んだ、そしてAPECの加盟が来年から実現をする、そういたしますと、非常に自然な形で米、中、ロ、そして日、その四カ国の首脳が非公式に集まる場が自然体でつくれる、これは将来のために必ず役に立つ、そのような考え方でこれからも努力をしていきたいと思います。
○矢田部理君 一つの前進かとは思いますが、軍事問題とか安全保障問題を中心に据えるのではなくて、もうここまできますと、経済とか暮らしとか環境とかという国際的な共通の課題が特に最近は深刻にあるわけでありますから、そういう問題を基軸にしながら、日本の場合どうしても二国間関係が中心になる、これを多国間の関係でフォローしていくというか、つくっていくようなことをぜひ期待しておきたいと思っております。 次に、日銀総裁においでをいただいておりますので伺いたいと思いますが、総裁、大変御苦労さまです。 総裁が今回選ばれた理由は私は二つあると思っております。一つは、大変な不祥事、日銀始まって以来の汚職事件を発生させてしまった、この始末。これは単に個人の不始末から、心得が悪くてやったというふうには考えられません。体質的あるいはそういう土壌が日銀の中に相当あると見られるわけでありますが、この始末をきっちりとつけることが第一であり、もう一つは、部内からの登用とか大蔵省関連の人事ではなくて、もとは日銀におられたわけでありますが、長い民間の経験を新しくできる日銀法のもとで生かしてほしいという期待も込められていたかと思うのであります。その点でまず総裁の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(速水優君) お答えいたします。 確かに日銀始まって以来の大変恥ずべきことが起こっております。たまたまそのときに日銀法の改正が四月一日から施行になるということで、私自身も非常に抱負を持ってまいりましたし、それから今まで行内にそういう風潮があったとすれば、やっぱりこの機会に新しい気持ちで、全員が我々に与えられた責任を果たしていきたいという気持ちで、就任時の職員へのあいさつもそのことに集中いたしましたし、その後引き続き内部の調査を進めております。 おっしゃるように、民間におりまして外から見ていた日銀の現状というものもある程度参考に、自分の判断あるいは施策の中に生かしてまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。
○矢田部理君 そこで、今の御発言にも関連して伺いたいと思うのでありますが、松下総裁がおやめになる前までずっと、この問題については接待の実態調査を積極的にやって公にする、この月末にも第一次調査の結果を明らかにするというふうにおっしゃったのでありますが、いかなる体制でだれを対象にどんな調査をしているのかをまず御説明いただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 内部調査の方は私もその結果が出てくるのを待っておるわけでございますけれども、今、役員及び管理職全員、六百人を対象にいたしまして、調べるべきポイントをはっきりさせた上で、直属の上司から一人一人に面接をして事情を聞いておるわけでございます。そのヒアリングの結果というのが出つつある段階でございます。 検察の方でも取り調べが進んでおるわけで、その進展状況をも見ながら監督者の責任、本人の行為者としての責任、この両方を考え合わせて調査をさらに必要な人たちについて進めてまいりたい。その場合には、第三者、法律専門家にも入ってもらいまして調査に当たることにいたしておりますが、既にそのことは一部始まっております。 こうした事情で、調査結果の取りまとめはもう少し時間がかかるかというふうに考えておりますが、そこのところはよろしくお願いいたします。
○矢田部理君 いま一つはっきりしないのでありますが、だれが責任者で、どういう体制で調査しているんですか。既に第三者を入れて本格的な調査機関をつくっているのかどうか、そこを伺いたい。
○参考人(速水優君) ただいまのところは経営管理担当理事が筆頭になりまして調査チームをつくりまして、それに経営管理局長、それから人事局長、この二人が加わって調査チームが動いておるわけでございます。実際の調査はそれぞれ担当の局長、支店長クラスを総動員する形で行われております。 そのポイントにつきましては、一律の調査票という格好でなくて、直接一人一人にヒアリングをして、肌に接するような形での細かい調査が行われているというふうに理解しております。その基本的な調査のポイントにつきましては、本店では局長会議を開いてその調査をする局長方に周知徹底を図りましたほか、地方の支店長には全員に経営管理局長と人事局長が直接連絡して指導をしております。こういう形で調査内容に精粗が出ないようにいたしておるわけでございます。
○矢田部理君 なぜこういうことを聞くかといいますと、調査の中心になっている人たちが、ここで名前を挙げることは差し控えますけれども、接待漬けだったんですよ、かつて。九四年ごろ、大手銀行、地銀協などから毎日のように接待を受けておったと。この人たちで本当に調査できますか、当時、考査役などをやっていた人でありますけれども。そういう人たちが今調査の衝に当たっている。これじゃ本物になりませんよ。本格的にやるのであれば第三者機関をつくって、調査の項目ですら私聞いたらはっきりしないのでありますから、電話で連絡しているとか任意に聞いているとか。 そういう調査機関の構成の問題、さらには接待をしたであろう銀行が幾つも出ているわけです。東京地検特捜部は全部押さえているわけでありますから、そういうところからも事情を聞いているのでありましょうか。
○参考人(速水優君) 先ほど申し上げましたように、この監督者責任と同時に本人の行為責任というものもあわせて調査いたしております。 外に、相手側にも調査を依頼しているかという御質問でございますが、それにつきましては、接待をした先方の金融機関に事実を確認した方がよいと判断した場合には、必要に応じて適宜相手先金融機関等に協力を求めて事実の確認を行っております。 以上でございます。
○矢田部理君 どうも心もとないんですね、大蔵省にも同じような問題があるわけでありますが。 余りこれにだけ時間をとるわけにもいきませんが、大蔵省の場合には通達を出しましたね。かつて何回にもわたって通達があるわけですが、その系譜を見ておりますと、最初は原則として接待には応じない、つまり例外があるかのような対応をしてこられたのでありますが、一番最後に出した通達を見ますると、原則としてではなくて、もう接待は受けてはならぬというふうになっていると思うのでありますが、そうでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(武藤敏郎君) 平成八年の十二月に倫理規程というのがつくられましたが、御指摘のとおり、その倫理規程におきましては接待は受けてはならないということでございます。 ただ、会食等を行う場合に、事前に申請を出して了承を得れば、それが職務上必要ということで認定されれば、その場合には許されるという例外項目がございますけれども、一般の接待は受けてはいけないということでございます。
○矢田部理君 その例外がいつでも拡大をされて、何年かごとに同じことを繰り返している。 日銀は今度ようやくつくったんです。松下総裁の時代は民間と積極的に接触すべしということで、規則なんぞは要らないと言ってきた。これがまた大変問題だったのでありますが、今度の新しい日銀法のもとでつくらざるを得なくなってつくった「心得」というのを見てみますると、職務上の関係者と無償で会食してはならないと。だから、会食そのものを禁止していないんです。ただ食いはいかぬ、負担なしのつき合いはいかぬというのでありますが、こんなことでまた抜け穴をつくっているように見えてならないのでありますが、いかがでしょうか。
○参考人(速水優君) 新しくつくりました服務規程、それから「日本銀行員の心得」、これもできたばかりでございますけれども、今おっしゃる点につきましては、職務上の関係者との無償での会食等、それにはゴルフ等の遊技や旅行ももちろん含むわけでございますが、これらについては応じてはならないと。ただし、所属長の承認、所属長自身の場合は規律委員会の承認を得て出席する食事を伴う会議、式典等については適用除外とするということにしております。対価を支払う会食等につきましては、参加して差し支えないけれども、その頻度、場所等については世間から誤解を招くことのないよう慎重な配慮が必要であるという規定になっております。
○矢田部理君 規程そのものから見ても大変怪しげな規程なのでありますが、次に質問を移します。 民間における経験とか考え方を日銀のこれからの経営なりに生かしてほしいという期待が一部あったと思うのでありますが、あなたは民間におられた時代に、今の公定歩合は低過ぎる、低金利はいかがかというお話をされたというのは事実でしょうか。
○参考人(速水優君) 昨年の中ごろぐらいまではそういうことを講演などで言っていたことはございます。しかし、その後、御承知のように少し景気が低迷いたしまして、今またここに来てダウンサイドのプレッシャーがかかってきているという現状において、やはり金融面からの下支えというのが絶対的に必要であると思いますから、経済の自律的反転が見えてくるまで金利は動かさない方がいいというのが、これは昨日も政策委員会がございまして、結論はそういうことでございました。私も今のところはそういうふうに思っております。
○矢田部理君 民間時代における認識が大事なんですよ。それを生かしてもらいたい、生かすべきだという期待があったのに、低金利の問題をこれから幾つか指摘いたしますが、今度はがらっと変わってしまうのでは余りにも頼りないなと思わざるを得ないのですが、もう一言何かありますか。
○参考人(速水優君) 民間におりましたから、今のような、歴史的にも過去の東西の歴史を見ても、最低といったような低金利が家計を、特に年金生活者等の暮らしを非常に苦しくしていることはよくわかります。上げられる機会があれば、日本は庶民の金融資産の残高というのは圧倒的に大きいわけでございますから、少し上げることによる所得の増加というのは期待できるわけですけれども、今のところはそれよりも低金利によって企業の投資を促進し、あるいは新しい事業を始めるベンチャーキャピタル等への拠出を促進し、そしてまた低金利による企業及び金融機関の不良資産の償却を一刻も早く促進してもらって、そこへこれからの政府等の景気対策が出てくるわけでございましょうし、金融面からも下支えをして景気の自律的な反転を待つというのが現状でございます。
○矢田部理君 もともと超低金利にしたのは、そこから設備投資を誘発させてということがあったのに、実際は設備投資は進んでいない。最終需要がないのに金利政策だけでそんなことができるはずがないと私ですら思うのでありますが、それはそれとして。 今、大変深刻な不況ですね。今度は政府の方に伺いたいのでありますが、消費税の引き上げを初めとする九兆円の負担増が言われておるし、これは周知の事実でありますが、同時に総裁も今触れられましたように所得が非常に減ってきているんですね。失業者の増大もあるし、不景気のために残業代が入らないという問題もあるが、やっぱり特記すべきは、低金利政策の結果、家計における金利収入が激減しているのでありますが、経済企画庁、この辺はどういうふうに受けとめていますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 金利政策は日銀の専管事項であるという前提でお話を申し上げたいと思います。 個人消費や投資に、家計や企業の景況感の厳しさ、そういうものが影響を及ぼしておりますが、低金利が設備投資や住宅投資を促進して、それによって雇用が増大する、国民所得のその面での増大が支えられているという点もあろうかと思います。他方、預金者所得は低金利によりまして利子受け取りを減らして、その分、利子所得が少ないというマイナス効果もあるという状況でございます。 そういうことが一般的に言われているわけでございますが、ちょっと観点を変えて申しますと、日本の千二百兆円の資産の運用効率が本当にいいのかどうかという点になりますと、ややほかの国と比べて低いのではないかという感じもするわけでございまして、年金その他の資産運用あるいは個人の金融資産の資産運用につきましても、投資顧問業の活用等を通じましてもうちょっと弾力的に自由化をしていくべきではないかという感じもするわけでございます。 他方で資産デフレ、土地の価格の低下によりまして担保金融を中心とする銀行の金融がある意味でいうと限界に突き当たっているという感じもいたします。つまり、例えば担保力のないベンチャー等に担保金融を中心とする金融だけで銀行から資金が十分に賄えるかどうかという片方での問題点もございます。 そういう意味で、今後、四月一日から外貨送金の自由化等が行われる中で、全体としての資金運用効率を高めるような自由化が進むのではないかというふうに考えているわけでございまして、資金の供給者及び需要者の両方からいろんな意味での変動が予想される、そういう中で、長期的な日本経済の方向をしっかりとした方向づけをしながらこの問題を考えていきたいと考えている次第でございます。
○矢田部理君 経企庁の国民経済計算という数値をもとにして私なりに計算をしますと、九一年の段階で、家計の利子所得は三十二兆六千億あった。ところが、九六年、平成八年でありますが、十九兆八千億に激減する。ことしの三月末はもっと減ってしまって、十六兆七千億と半分になってしまっておるわけです。 こういう事実は御承知でしょうか。
○政府委員(新保生二君) お答えいたします。 手元にきちっとした数字がありませんが、先生御指摘のように、受取利子所得は金利低下の局面にありましたので相当大きく減っております。しかし、他面で、御承知のように住宅ローン等を抱えておりますので、金利を支払っている面もあるわけであります。 今手元にありますのは、受け取った所得から支払った所得を引いた純利子所得です。これは手元にありますが、その数字を若干申し上げますと、九一年度は十二・四兆円の純利子所得がございました。これが九六年度は七・三兆円に減っておりますから、九一年から九六年度にかけて五・一兆円純利子所得が減っておるという計算になります。
○矢田部理君 同時に、企業の利子負担は、九一年から九六年、同じ年度で見ますると、三十八兆円から二十二兆円に減少しているわけです。だから、十六兆円の軽減に当たっている。金融機関の受取利子はどうなっていますか。
○政府委員(新保生二君) 同じようなベースで、純利子所得、金融機関の部門でございますが、九一年度は二十七・四兆円ございました。それが九六年度は二十六・七兆円ですから、この間、純利子所得は〇・七兆円の減少ということになっております。
○矢田部理君 それだけ比べると余り減ったりふえたりしていないように見えるんですが、九一年の段階で、売り上げといいますか貸出金利で受け取ったのは百五十兆、銀行、金融機関はあったんです。ところが、九六年になりますと百兆円、百四兆というのが正確なようでありますが、約五十兆減っておる。にもかかわらず、金融機関の利子収入、利子所得は減らない。ここで、金融機関はもうけ過ぎているというふうな指摘が当たると思うのでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(新保生二君) ちょっと手元の数字と合っているかどうかは確かでないところがありますが、先生御指摘の点は、金融機関の受取利子と支払い利子の差額を調整してある数字かどうかという点が私の手元の数字との違いかと思うんです。私の方は、金融機関が受け取った利子所得と支払った利子、この差額を計算しております。その差額で見ますと、金利が下がりますと当然受取利子も少なくなるし支払い利子も少なくなる、そういう形がありますので、そのネットの変化を見ますと、金融機関に純利子所得がふえたということは起きておりません。
○矢田部理君 売り上げが三割以上も減ったのに利益だけはもとどおりあるというのは、やっぱりそこでもうけているからでありまして、預金金利と貸出金利との差がどんどん開いておるということが指摘できるのでありますが、こういうことで、金融機関は低金利を利活用して莫大な利益を上げておる、預金者は大幅な所得減になっているという事態は、これは何らかの形で解決をしなきゃならぬと思うのですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 今の金利の問題でございますが、基本的には御存じのとおり日銀の専管事項でありますから、これについての発言は控えさせていただきますが、低金利の影響で貯蓄に対する利子が少なくなり、その影響で利子所得に頼っておられる方々が苦労していらっしゃるということはよく承知いたしております。 しかし一方、先ほど総裁の話にもありましたけれども、低金利によって企業の利子負担の軽減を通じて景気の浮揚に役立たせよう、こういったことで低金利になっているんだというふうに思います。そしてまた、住宅ローン等で金を借りている人にとっては金利が安くなるということは、これはプラスにもなるんでしょう。さまざまなことがあるわけでありますが、いずれにせよこの問題は日銀の方で適切に対応していただけるものだというふうに思っております。
○矢田部理君 低金利で設備投資を呼び込もうと思ったのがうまくいかなかった。それから、今度は外為法の改正などもあって、日本の資金が大量に外国に動く可能性すらあるわけでありまして、いろんな意味で低金利政策は見直さなきゃならぬという時期に来ていることを私は特に申し上げておきたいと思うのであります。 同時に、中小企業などはその結果助かっているじゃないかという御議論もありますが、それは金利政策だけでやるべきものではなくて、政策金融などをもうちょっと低利、長期のもので賄っていくべきものというふうにも考えますので、その点も留意しながら金利政策、もう機動性も何もなくなってしまう、一番下のところで張りついている。国際金利は大体五%、もっと高いところもあります。〇・五%というのはいかにもひど過ぎるということを特に指摘しておきたいと思いますが、日銀総裁として最後に一言。
○参考人(速水優君) 御指摘のとおり、〇・五%というのはいかにも低い金利だと思います。しかし、この一年でかなり景気全体が暗くなり、アジアの問題が起こったり大銀行の破綻が起こったりいろんなことが起こって、今まだ庶民は恐らく非常に先行きに対して暗い気持ちを持っておるんだと思います。そういう中で金利だけを上げてみても、金額は非常に知れておりますので、むしろ景気全体を自律的反転、上向きになっていくような経済に持っていくことが第一だと思います。それまでは金利を上げてもなかなかおっしゃるようにすぐ効果が出てくるものではないというふうに思います。 参考までに一つ申し上げますと、平成二年、一九九〇年から九六年度までの雇用者の所得を見ますと、二年から八年までで四十七兆円の増加になっているんです。ですから、所得が減っているということではないと思います。こういうことで、打つべき手を打っていけば景気は必ず上向いてくるというふうに考えております。その時期が少しでも早く来るように期待いたしております。 私どもも情勢の推移をよく見ながら政策に誤りのないようにしてまいりたいと思っております。
○矢田部理君 私も金利政策だけでよくなるというふうには思っておりませんが、この過酷な低金利政策については早晩是正してしかるべきだと思います。同時にまた、不況、不景気の原因は消費税の引き上げを初めとする大変な負担増にある。消費が落ち込んでしまうということになりますればその対策はそれに当てて、それに向けられた対策でなきゃならぬということから、私どもは所得税の減税、所得減税が必要だということが一つと、それからこの不況の大変な引き金になったのが消費税の五%への引き上げでありますから、これを根本的に見直すことも非常に重要な課題だ、せめて三%ぐらいに抑える、飲食料品については非課税にするなど抜本的な減税策、税制の見直し策を講ずべきものと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 税の問題でございますが、委員御承知のとおり、現在の厳しい状況に対処するために、昨年のことでございましたが、総理の決断で二兆円の特別減税、ことしになりまして法案、補正予算を通していただいて、そのうち一兆円分だけが二月と三月に実行されたわけでありますが、残りの一兆円、住民税とそれから申告納税者の分が十年度で実行されるという点が一つございます。そして、ただいま参議院で御審議を願っておる法人税法あるいは租税特別措置法等々で約八千四百億円の減税が十年度から制度減税として実行される。 こういったことを通じてこの問題には対応するというのが今日ただいまの私たちの態度でございます。
○矢田部理君 特別減税では市場はほとんど反応しなかった、人々の懐も弾まなかったのでありまして、これじゃやっぱりだめなんです。もうちょっと大型の減税、それから特別ではなくて、相当期間の減税を考えなきゃいかぬということが一つでありますが、どうも自民党がきのうあたり出した政策を見ると、消費を引き上げる方向ではなくて、公共投資重視型の経済対策が明らかになりつつある。これは橋本さんもかんでいるそうですけれども、これが実現するということになれば、補正予算なしには実現できないと思いますが、いかがでしょうか。 それからもう一つは、ついでに伺っておきますと、財政構造改革法の改正について宮澤さんと話し合った結果、それを進めることに了解を与えたという新聞記事が躍っているのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、先ほども他の議員の御質問に対して同様にお答えを、経済対策閣僚会議で使いましたとおりに申し上げます。 今般、与党が現下の我が国経済の状況は極めて厳しいとの認識のもとで新たな対策を正式に御提案されたことを重く受けとめさせていただく、政府としても厳しい経済の現況から一日も早く抜け出す必要があるとの考え方を与党と共有しており、諸般の情勢を見きわめて政府としての対応について結論を出してまいりたい、これが経済対策閣僚会議におきまして与党三党から御説明をいただきました時点で私が申し上げたことであり、これが政府の姿勢であります。 それから、昨日、予算委員会が終わりましてパラリンピックの皆さんに賜杯をお届けし表彰式を行います前に、宮澤元総理にお越しをいただきまして先輩としての御助言をいろいろいただいた、それは事実であります。
○矢田部理君 内容は。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 内容は、先輩と話したということであります。
○矢田部理君 その話の中身は。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日米独の会合から帰られ、その内容等の中から感じられましたこと等についてのお話を、ASEMの会合に多分国会のお許しを得て行くことになるだろうからということでお話をいただきました。
○矢田部理君 財革法の改正、弾力条項を挿入するなど具体的な話は出なかったんですか。出たという新聞はうそでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いろんな話はいたしました。しかし、具体的にどういう話ということでありますなら、まさに私は、日米欧三極からお帰りになって、その内容を、雰囲気等に対してのお話をいただき、そういう先輩の親切に感謝してお別れをしました。
○矢田部理君 最後に申し上げたいのは、どうもこの予算委員会の審議がばかばかしくてしようがないぐらい本音が全然出ない。あなたの話はテープレコーダーを聞いているみたいな感じですよ。四カ月にして財政構造改革路線はもう破綻したんです。今度の経済対策、自民党の経済対策は事実上あなたに対する、あなたの予算ではだめだという不信任宣言ですよ。ということになれば、あなたの出処進退にもかかわる重大な責任を今負っているんじゃありませんか。どうして真実を、本当の気持ちを話すことはできないんでしょうか。一言だけ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いつも同じことと言いますけれども、私はお人によって態度を変えたりしていないということであります。
○矢田部理君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で矢田部理君の質疑は終了いたしました。(拍手) 以上をもって総括質疑は終了いたしました。 暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後零時十九分開会
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度総予算三案の審査のため、来る四月三日午前十時に、元大蔵省証券局長松野允彦君、大蔵事務官(元大蔵省証券局業務課長)堀田隆夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、山一証券関係者の参考人招致につきましては、後日決定することといたします。 次回は来る三十日午後二時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十分散会