予算委員会 第9号
- 発言数
- 348 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/03/24
会議録
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度総予算三案の審査のため、本日の委員会に中央教育審議会会長有馬朗人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。 中曽根弘文君の残余の関連質疑を行います。中曽根弘文君。
○中曽根弘文君 自由民主党の中曽根弘文でございます。 昨日に引き続きまして、関連質問をさせていただきます。 けさは、最初に教員の資質の向上から始めたいと思います。 ここまで私は学校制度や教育内容について質問や提言をしてまいりましたけれども、成長過程にある子供たちの人格形成に大きな影響を与えるのは学校の先生であります。小学校は子供にとっての最初の社会体験であり、先生は家庭以外で子供たちが一番長時間接する身近な大人であります。人間性豊かで、視野が広く、バランス感覚のある先生、そして子供の悩みを真正面から受けとめられる先生に子供を預けたいというのはすべての親の願いであろうかと思います。 そうした考えから私は、平成二年の当予算委員会におきまして、小学校の教員を一年くらいの長期間、民間企業や公共機関等へ派遣して社会体験を積んでもらう小学校教員の長期校外研修制度を提案いたしました。たしか当時は、全国でも千葉県で高校の先生一、二名を一年間デパートなどへ派遣していた例がたった一件あっただけでございましたけれども、その後、文部省もこういう長期研修の意義を認められまして教員の長期社会体験研修を現在実施しているようであります。少しずつ実現に向かっていることに感謝をしているところであります。 そこで、教員の長期社会体験研修の現在までの実施状況とその効果、また今後の取り組みについて文部省にお伺いしたいと思います。文部大臣お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 教員の長期社会体験研修についてのお尋ねでございます。 平成八年の五月に、文部省に協力者会議というのがございますが、この研究をやってまいりまして、そこで一定の結論が出たものですから、現在八府県市におきまして実践的な調査研究事業を委嘱しております。実際に教員を、長期といっても一カ月から一年、期間はさまざまでございますが、企業とか社会福祉施設、こうしたところに派遣をし研修を積んでいるという状況で、文部省が委嘱したものを含めて全国では二十九道府県市が、小学校教員百九十五名を含めまして全体で五百二十九名の方々が、貴重な社会体験を積み、視野を広げ、そして翻って子供たちにより広い気持ちといいましょうか、幅広い経験に基づいて教育活動に携わるようにというようなことで、こうした方向は大変私は効果がある、こう考えますので、今後さらにより多くの都道府県、市町村においてこうしたものが実施できるようにと期待をしているところでございます。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。 もう少し今後の取り組みについて具体的にお話をいただけるとありがたいんですが、文部省。
○政府委員(御手洗康君) 大臣から御答弁申し上げましたように、現在全国で五百二十九名の教職員が派遣されているわけでございます。 文部省といたしましては、平成八年度、九年度、委嘱事業をいたしまして進めているところでございますので、具体的にはこれらの研究成果等の取りまとめを事例集等で普及徹底しながら、今後とも各都道府県におきまして研修等定数の活用も図りながら実施していただくよう引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○中曽根弘文君 アンケート調査もやられているようで、御報告ありませんでしたけれども大きな成果が上がっている、そういうようでございます。私は、これを単に調査研究として終わらせるのではなくて、今後も全国の都道府県がこのような研修に積極的に取り組めますように、国においても派遣中の教員の代替教員の確保等必要な措置を講じていただたきい、そういうふうにお願いを申し上げます。 私は、教員の人間性や資質が生徒により大きな影響を与える小学校の教員を優先してこの制度をぜひ広げていくべきだ、そういうふうに考えておりますが、文部大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほどちょっとお答えいたしましたけれども、全体五百二十九名のうち、小学校が百九十五名ということでございますから、どうでしょう、全体の四割ぐらいが今小学校ということでございます。 小学校ももちろんそうですし、中学校も今いろいろな問題を抱えております。そうした意味で、特にどこということを絞らずに貴重な体験をそれぞれの分野の教員に積んでもらう。全体の教員の数からすると、五百二十九名というのは率直に言ってまだ大変少のうございます。もちろん、委員御指摘のように、長期間休むわけですからその穴埋めをしなきゃならない。定員上のやりくり等難しい点もございますけれども、それを何とか工夫しながらそれぞれの自治体で御努力をいただく。先ほど局長が申し上げましたが、さらに広げていくという方向で一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○中曽根弘文君 中学生や高校生になりますと学生自体は心身ともに成長していきますが、小学校の低学年の子供は先生、特に担任の先生というのは母親や父親と同じような存在だと思います。そういう意味で小学校に力を入れてくださいとお願い申し上げました。 人を育てるということは大変難しいことでございます。教師というのはより高いモラルそしてまた教養が要求されます。子供からも親からも敬愛される豊かな人間性を求められる大変大事な職業でございます。教員は大学を出るまで十六年間、小学校以来学校でずっと教わる立場だったわけでありますが、学校を出て教員になってまた学校に勤めて、今度はいきなり教える立場になるわけであります。社会体験が乏しくなるという現実もありますので、こうしたことを補うためにもぜひともこの制度を定着させていただきたいとお願い申し上げます。 次に、教育基本法につきまして御質問させていただきたいと思います。 戦後の教育は、高等教育の機会を国民にひとしく与えることで我が国は世界に類を見ない教育水準の高い国となりました。しかしながら、受験地獄、いじめ、そして最近の青少年の凶悪犯罪の多発などを見ますと、戦後の教育には何かしら欠陥があったのではないかと思わざるを得ません。教育基本法の果たしてきた役割について文部大臣はどうお考えか、お伺いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 教育基本法につきましては、議員今御指摘のとおり、戦後の日本の教育の基本を定めたものでございます。 もちろん、現行憲法の制定を受けてこの基本法ができ、基本理念あるいは基本原則といったものを定めているわけでございまして、私は、戦後の復興から発展、今日に至るまでの日本の社会の大きな発展に日本の教育そのものも大変な貢献をしてきた、こう思っております。その教育の基本が教育基本法にあったわけでございますので、私は、そういう意味で教育基本法は評価されてしかるべきものだ、こう考えております。 ただ、議員御指摘のように、最近さまざまな問題も発生してきております。したがいまして、橋本内閣の六大改革の一つということで教育改革を目下鋭意推進している最中でございますので、今後そうした面でさらに努力をしていかなければいけない、かように考えておりまして、教育基本法のそれが十全であったかどうかと言われると、なかなか評価は難しゅうございますが、総じて私は評価できたものではないだろうか、こう受けとめております。
○中曽根弘文君 教育基本法の第一条の「教育の目的」について説明をしてください。文部省お願いします。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 教育基本法第一条におきましては、平和的な国家及び社会の形成者として国民が身につけるべき基本的な徳目を示してございまして、この教育基本法の考え方といいますのは、戦後の学校制度、学校教育制度の基本的な立場をあらわしたものでございます。
○中曽根弘文君 今の説明で、言葉をピックアップしてみますと、人格の完成、平和的な国家、社会の形成者、個人の価値、真理と正義、勤労と責任というような立派な言葉が並んでいるわけです。もちろん一つ一つ大変重要でありますけれども、これでどういう日本人をつくろうとしているのかおわかりでしょうか。 この教育基本法には、人間として生きていく上での基礎である家庭とか家族や友人を大切にするとか、我が国の歴史や文化や伝統を尊重するとか、そして国を愛する心を養うとか、そういう日本人としての基礎、基本を教える、つまりどういう人間をつくろうとするのか、そういう理念や精神が欠けている、魂のない、余り血の通っていないものであると、私はそういうふうに思っております。 自民党におきましては、教育改革推進会議などで熱心な議論も行われ、昨年の十月には教育基本法の見直しについての提言がなされました。また、先般の衆議院の本会議におきましても、野党の皆さん方からも見直すべきであるという意見がございました。今こそ教育に関するあらゆる点について再点検すべき時期だと思います。 戦後の日本の教育はこの教育基本法がすべての出発点となっております。教育の憲法ともいうべきこの教育基本法をこの際ぜひ改正して、私が申し上げましたような理念や精神を織り込んでいただいて、日本人のための教育基本法をぜひつくっていただきたいと思います。総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、教育基本法については随分いろんな角度からの御議論が今までもなされてきたと思っております。そして同時に、戦後教育を支えてきたその基本というものは私はこれからもその価値観を減ずるものではないと考えております。それだけに、よりこの議論が深まり、その深められる中で将来に向けてどうあるべきかの議論が収束していくことを私は心から願っております。
○中曽根弘文君 議論が深まりということでございますが、私ども自民党では提言までさせていただいておりますし、野党の皆さんも議論を行った上で本会議で提案をされておられるわけでありまして、そういう意味では、私はもう機も熟してきた、そういうふうに思います。よろしくお願いをいたします。 次に、青少年の保護法関係を質問いたします。 少年犯罪の多発の原因はいろいろありますけれども、少年たちの情報源となっているテレビや雑誌、アニメあるいはテレビゲームなどの影響はかなり強いものと思います。日本PTA全国協議会が行いましたアンケートでは、八八%の父兄がテレビやマスコミの情報が悪影響を及ぼしていると回答しております。これら有害なものから子供たちをいかにして守るか、これもみんなで真剣に考えなければなりません。 現在、各都道府県におきまして青少年保護育成条例等を制定していますけれども、その状況はどういうふうになっていますでしょうか。総務庁長官、お願いします。
○国務大臣(小里貞利君) 御承知のとおり、青少年保護育成に関する条例は、戦後の混乱期、昭和二十三年に千葉県で制定されまして以来、現在、長野県を除きまして全国四十六都道府県で制定されておる、そういう状況でございますが、御承知のとおり、これは各都道府県、制定の時期も異なりまして、またそのときの制定される環境等々、あるいはまたその団体を設立しようという県民意識、住民意識等の差もございましてさまざまでございます。しかしながら、その条例は、青少年の育成あるいは社会環境の整備等の関係から非常に重要な一つの要素として力を発揮しておるものと、さように思っております。
○中曽根弘文君 各県で独自に行っているということです。 私は、各県の独自性とか自主性を尊重するということは重要だと思いますけれども、それではある自治体で有害図書や有害玩具に指定されているものが近隣の自治体では指定されていない、そういうこともあるわけです。こういう条例がない県もあるわけですから、有害図書などが規制の緩やかなところへ流れ込む心配もあります。また、規制内容にもばらつきが見られるということは、同じ国の宝である青少年を有害な情報から守るのに地域によって差を生じるということにもなろうかと思います。 各地の市町村議会で、青少年保護法の制定を求める決議が今次々と採択をされております。私の地元の群馬の町村からもかなりの数の要請が来ております。規制項目も各省庁の所管にまたがるものでありますので工夫が必要とは思いますけれども、こうした青少年問題に関する重要な対策は、都道府県にすべてお任せするのではなくて、政府が青少年保護の基本的な理念や目的、方針などを示すと同時に、規制項目のうち重要なものかつ共通したものについては一元化をして青少年保護法というようなものを制定すべきと考えております。各国にもこのような法律があるようでございますけれども、諸外国の例なども調査されまして、参考にしながら青少年保護法の制定にぜひ取り組んでいただきたいと思います。 総務庁長官のお考えを再度お聞かせください。
○国務大臣(小里貞利君) 大変重要な御提案をいただいておると思う次第でございます。 ただいまお話がございましたように、全国四十六都道府県で保護条例を制定してそれなりの成果を上げておるけれども、最も基礎的な大事なところで、例えば理念、具体的な一つの方針、あるいはまた目的などをきちんと共通に整理した、言うなれば青少年保護基本法なるものを制定する意思はないか、そういうようなことであろうと思うのでございますが、いわゆる青少年保護基本法の制定につきましては、刑法、児童福祉法あるいは社会環境の浄化に関する既存のもろもろの法律がございますが、これらとの関連の中でどのように位置づけていくかということが一つあります。 あるいはまた、地域におきまする総合的なきめ細かい取り組み体制、先ほども若干お話がございましたように、各県個人差もあるようでございます。あるいはまた、青少年をめぐる浄化の基本的なあり方等につきまして国民的な合意を形成するためにいろいろ検討も必要だなというようなことなども言われておりますけれども、私は、先ほど議員から御指摘がありまするように、保護育成に関する基礎的な要諦あるいは事項につきましては、何らかの形できちんと整理を進める方向で検討はしてみたい、さように思っておる次第でございます。
○中曽根弘文君 基本法と保護法と二つ考え方がありますし、両方盛り込んだものも考えられます。基本法は理念とかそういうものが中心となると思いますが、これだけ子供のいろいろな事件が多発しておりますので、今申し上げたように各県でばらばらになっております有害図書や有害玩具や有害薬品等に対する規制というもの、これは私はある程度国で一元化して統一して規制なりをすべきと、そういうふうに思っております。検討していただけるということでございますが、ぜひよろしくお願いをいたします。 続きまして、昨年参議院におきましては子ども国会が開かれました。その関連でちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、とにかくこの青少年の問題はこれほど深刻な事態となっているわけでありますから、よいと思うこと、今やらなくてはならないことはすべて点検をして手がけるべきだと思っています。昨日から私が提言させていただきましたこと、一つ一つ実行するということは青少年の健全育成に大いに役立つと私は思っております。ぜひ政府としても前向きに取り組んでいただきたいと思います。 昨年の七月二十九日と三十日に参議院の創設五十周年記念行事の一環として子ども国会を開催し、総理にも本会議場で大変心の打たれる温かい御祝辞、ごあいさつをいただきました。当時、私も議運の委員長として開催に携わっておりましたけれども、全国から集まった小中学生がテーマごとに五つの委員会に分かれて熱心な討議を重ねて、本会議でも自分の意見を自分の言葉で堂々と発表してくれました。多くの衆参の議員の皆さんにも御案内を差し上げましたけれども、皆さん御多忙で、ごらんいただいた方はごくわずかな方でしたけれども、神戸の少年のこういう事件の直後だっただけに、日本にこのようなしっかりした子供たちがいるということに私は心強さと安心を覚えた次第であります。総理はどのようにお感じになられましたでしょうか。 それから、きのうも伺いましたけれども、まとめとして、再度青少年育成についてのお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) あの子ども国会は、私は参議院五十周年を記念する催しが幾つかございました中でも非常に大きな印象を与えたものとして今でも記憶をいたしております。議員からもお話がありましたけれども、私もお招きをいただき、本会議に参りました。そして、まさにその自分たちの言葉で話しているということと、それなりに深い浅いはありましても、それぞれの問題に対する子供たちの考え方というのは非常によく出ていた、そんな感じを持ちました。 それだけに、後でしかられるかと思いましたらしかられませんでしたのでほっといたしましたけれども、事務的に用意された祝辞を読んだ上で、私なりに足の不自由であった父親の話、そしてその不自由な足ゆえに浴びせられる世間の目に対する子供としての私の反発、あるいは環境というテーマについて、ヒマラヤに挑戦をしました中で、ヒマラヤの氷河ですら規模がだんだん小さくなってきている、あるいは散らかしたごみが、一つずつの登山隊は随分注意して片づけて帰るんですけれども、世界で初めてエベレストに女性として頂上に立った田部井さんがついにたまりかねてエベレストに行ってごみを拾うという運動を始められる、そして本当に大量のごみが集まってしまう、お互いがちょっと気をつけるだけで変わるんだという話をさせていただきました。子供たちが本当に真剣に聞いてくれていたのも記憶に残っております。 私は、ああした子供たちに対する語りかけの場、願わくはもっとふえていくことを願いますし、まさにあの子ども国会に集まったような子供たちがこの国の未来を背負っているというのもしみじみと感じました。 そして、教育というものについての考え方と言われましたけれども、まさにあそこに象徴されたような子供たちを育てていくためには、いわば平等だけを強調する教育の中ではなくて、自分で問題を考える、自分で目標をつくって挑戦していく、そして失敗してもまた次の目標に挑戦していく。そうした子供たちを育て得るような教育に変えていかなければならない。昨日来、さまざまなお問いかけにお答えを申し上げてまいりましたけれども、すべてはそこに尽きるのではないか。 自分の夢を持ち、追いかけていき、チャレンジができる、失敗してもまた立ち直る。そうした子供たちが育ち得るような教育というものを目指したい、そのように思います。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。 昨日も申し上げましたけれども、現在の子供たちの姿が二十年、三十年後の日本の姿である、そういう認識に立って政府も御努力いただきたいと思いますし、我々も一生懸命やらなければならないと思います。 ここまで教育の問題について述べてまいりましたけれども、高齢社会の問題についてひとつお尋ねをさせていただきたいと思います。 日本は平均寿命が八十歳を超える世界一の長寿社会を実現いたしました。これは医療の進歩や食生活の向上等の結果で、大変すばらしいことであり、世界に誇るべきことであります。しかし、一般的に高齢社会イコール活力のない社会といったようなイメージが植えつけられて、国民全体が高齢化に対して何となく暗い後ろ向きの意識を持っているのではないかと思います。医療や介護、年金等すべて費用がかかることばかり強調されているのではないか。もちろん福祉の財源の問題は深刻でありますけれども、そういう将来への不安などから支出が抑制的となって、経済の停滞の一因になっているとも言われております。 しかし、高齢社会は、長生きをしたいというだれもが望んでいた長寿社会が実現したということでありまして、本来大いに喜ぶべきことであります。むしろ、問題なのは少子化の方であろうかと思います。高齢者の方々にも、お元気な間は豊かな経験を生かして社会のいろいろな分野で現役で働いていただくのが理想的な姿であると考えます。現に多くの方々に御活躍いただいておりますけれども、積極的な社会参加を通じて生きがいのある充実した生活を送ることができ、また生産的な活動を通じて社会を支える側に立つことになり、医療、介護、年金の問題の解決にもつながってくるものと思います。 高齢者の健康面の意識調査の結果を厚生省、御報告してください。あわせて高齢者の就業率についても御説明をお願いいたします。
○政府委員(羽毛田信吾君) お答えを申し上げます。 まず、高齢者の方々の健康観でございますが、どのような意識を持っておられるかという点でございますけれども、多くの統計におきまして、多くの高齢者の方々がみずからを健康であると考えておられる方がむしろ統計的には多いということになります。 例えば、厚生省で実施をしております国民生活基礎調査、平成七年の調査を見ますというと、みずからの健康状態を、よい、まあよい、普通とお考えになっておられる方が大体八割でございます。非常に自分の健康状態に問題意識を強く持っておられるのは逆に言えば二割というような状態になっておりまして、こうした元気な高齢者の方々が今後引き続き高齢者の健康の保持増進に取り組まれて、そういった方々を多くしていく努力をしていくということが大変大事だということが統計からもあらわれているというふうに思います。
○中曽根弘文君 就業率についてのお答えはございませんでしたけれども、今の御答弁で八割の方が自分は健康である、そういうふうに考えておられるということです。 私の地元の群馬県に新治村というところがありまして、そこに「たくみの里」がございます。そこでは、九十四歳のおばあさんを筆頭とする大勢のお年寄りの方々が自分たちで生産するわら細工の製品、例えば立派なわらじをつくってくださるんですが、そういうものを自分たちでつくって、そして直売をしております。村の観光産業の振興に大きく貢献してくれているわけです。 全国の市町村がそれぞれの地域の特徴を生かして積極的に高齢者施策を展開、推進することによって、高齢社会到来の暗いイメージ、また国民の生活防衛意識などは薄れていくものと私は思います。 高齢者によるボランティア活動、また生きがい対策、それから世代間交流、あるいは就業の促進、定年の延長、高齢者のための前向きな各種の施策がありますけれども、それらの展開について厚生大臣と労働大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 現在、七十歳以上の高齢者の方々は、御自分自身で自分は健康であると考えている方が約八割という、大変たくましいといいますか若々しい考えをされておられる。特に戦争を経験されていますから、我々若い世代から見ますと想像を絶するような苦労をされているにもかかわらず、かくしゃくとして元気だ。今から考えてみますと、はるかに衣服等も粗末で、冷暖房もない、食物も足りないという状況であるにもかかわらず大変健康である。 一昨年は既に百歳以上の方が七千人を超えました。昨年は八千人を超えました。今や百歳まで生きるというのは、きんさん、ぎんさんみたいな特殊な人じゃない、だれでもが夢じゃなくなってきたというような時代になってきた。こういう時代に高齢者の能力とかあるいは経験、知恵をいかに社会に活用していくか、生かしていくかということは大変重要だと思います。 これから高齢者自身がむしろ在宅福祉サービスの担い手になるということも考えようじゃないか。さらには、企業を退職された方々に研修を受けてボランティア活動に積極的に参加してもらうというような施策を今考えておりまして、地方公共団体あるいは老人クラブ等、いろいろ自発的に活動されている方々の御意見等を参考にしながら、元気なお年寄りが能力のある限り、また意欲のある限りはできるだけ社会参加してもらうというような手だてをどしどし考えていく必要があると考えております。
○国務大臣(伊吹文明君) 現在のような少子化が続きますれば、いずれお願いをしてでも高齢の方に働いていただかなければ日本経済は私はもたない状況になると思いますが、当面はやはり、働くということは収入を得ると同時に自分自身が生きているという誇りと生きがいを持つ最大の手段でございますので、ことし四月から御承知のように六十歳定年というのが義務化されますが、いずれこれを六十五歳という方向へ持っていけるように努力をいたしまして、またそのような経済をみんなでつくり上げていく中で、高齢者の方々に長年培われた経験とか知識というものを発揮して日本社会を支える側に回っていただけるような社会をつくっていきたいと思っております。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。 まさに両大臣のおっしゃるとおりだと思います。時間がありませんので続いた質問ができませんが、ぜひ政府におかれましても引き続いて御努力をいただきたいと思います。 最後に、高齢社会対策会議の会長でもいらっしゃる総理のお考えを伺いまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御質問を伺いながら、改めて老人福祉法が制定された当時を振り返っております。 まだ私が国会に出る前でありましたが、当時、ノンキャリアと言われる方々の中から非常に優秀で、当時としては珍しく本省課長になられたある方が、この老人福祉法の構想を持って各方面の説得に回られておりました。そして、ここにいる諸君には少し差しさわりがあるかもしれませんけれども、キャリアと言われる官僚の諸君は、要するにノンキャリアのベテランさんがつくる法律はこの程度のものだといった扱いをしておりましたことを私は記憶いたしております。 しかし、昭和三十八年という時点に老人福祉法が生まれていたことが、その後の我が国の今日までの高齢化の進展の速さ、当時予測されていたよりも非常に速いスピードで高齢化が進んだ、そして当時としては予測しない形で少子化が進む中でどれほど大きな役割を果たしたか、私は改めて時々このことを思い出しております。 今、議員から御指摘をいただきましたように、私は高齢社会対策会議の会長という立場にもあります。先ほど来厚生大臣、労働大臣それぞれの立場からの施策を述べてくれましたが、そうした施策とともに、いかにすれば高齢者の持つ経験を次の世代につないでいくことができるか、その知識が伝承されていくのか、そしてその中で高齢の方々の生きがいもまた生み出されていくであろう、そのような思いで、冒頭御質問になっておられました教育とも絡んでいきますが、ただ単に高齢者に対する対策というだけではない、高齢者の持っておられる知識、経験というものを教育を通じて次の世代に伝えていく、そのような役割も高齢の方々には担っていただきたい、そのような思いでこれからも取り組んでいきたいと思います。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で岡部三郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
○白浜一良君 公明の白浜一良でございます。 緊急の政策課題につきまして総理と議論してみたいと思います。 まず、冒頭に景気の問題、これは大変深刻でございます。私も大阪に住んでおりますが、地元に帰りましたら、一生懸命働いている中小企業の皆さんも、景気が悪い、その上に銀行からの貸し渋りがあって大変な中で、だけれども従業員を食べさせなきゃならないという必死な思いで仕事をされている方もいっぱいいらっしゃいます。小売業店もそうでございます。 そういう観点から伺いたいわけですが、実は昨日、景気動向指数が出ました。四カ月連続五〇%を割った。五〇%が平均ですから、要するに四カ月景気は後退局面に来ているという指数があらわれているわけでございます。 昨年の三月ぐらいまでは少し景気は持ち直していたんです。あそこでもう一段本当は景気対策をすべきだった。ところが、総理の打たれた手は、消費税を三%から五%に上げられた。約五兆円の国民負担です。特別減税二兆円も打ち切られた。医療費も秋から上げられた。国民の財布から九兆円を上回るお金を負担として巻き上げたわけでございまして、そういうことが結果的に今日の不況を深刻化させる原因になっている、私はそのように理解しているわけでございます。 現時点のこの景気の悪さ、総理はどのように認識されていますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現実の景気動向が極めて厳しい状況を呈していることを私は否定するつもりはありませんし、認識もいたしております。 その上で、あえて反論するわけではありません、論議の中で幾つかの点については申し上げたいと存ずるのでありますけれども、もともと消費税の税率引き上げを前提に所得税減税が先行しておりましたこと、そしてこれが平準化しておりましたことはもう議員がよく御承知のとおりであります。 そして、振り返ってみましたとき、私どもは消費税率の引き上げが昨年の一—三月に消費をあれだけ大きく押し上げる要因になるという認識は確かに足りませんでした。言いかえれば、四—六の反動減というものが生じることは想定しておりましたけれども、あれほど大きく四—六の落ち込みが出るとも思っておりませんでした。ですから、プラス、マイナスともに過小に見ていたという御指摘はこれは受けなければなりません。 ただし、七—九の数字がプラスに転じておりましたことも御承知のとおりであります。そして、私たちはこれで回復軌道に乗っていくという期待を持って国会でも御答弁を申し上げたと思いますし、事実、七—九はプラスに転じた。そのときに、ほっとした思いを持ったことも事実であります。 しかしその後、タイのバーツ危機から始まりました一連のアジアの通貨不安、さらに秋になりまして我が国の金融機関の大型の破綻が連続する中で、先行きに本当に不安を持たれた方々の行動というものは消費を締める方向に回り、これは心理的にも実質的にも、家計でも企業でも完全に消費を冷やす方向に動いてきている。その影響から今も脱し切れていない、というよりも厳しさを増している。今、むしろ私が予算を早く、あるいは税制を初めとします予算関連法案を早く国会で成立をさせていただきたい、そのようにお願いを申し上げておりますのもそうした思いの中からのことであります。
○白浜一良君 総理は、昨年、財革法を本院で議論しているときに、個人消費は緩やかながら回復をしている、設備投資も回復傾向にある、民間需要を中心に景気回復基調は続いていると、これは十一月七日の本院での総理の答弁なんですよ。この時点では総理はそうおっしゃっていたんです。 これは私、やっぱり政治は結果ですから、過去を振り返っていろいろ解釈をしたとしても、今景気が落ち込んでいるということに対して、この予算を通せば、十年度予算の議論は後ほどしますが、平成九年度末を今迎えているわけでございます。この平成九年度の予算をつくられて執行されて、なおかつ今これだけ景気が落ち込んでいるというこの事実を、総理、そういうアジアの金融不安が始まったとかそういうことだけで総理のお立場で語れる問題ですか、これは。(発言する者多し)
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮ですが、まじめにお答えしておりますので場外からはできるだけ静かに聞いていただきたいと思うんです。 今いろいろな角度から十一月の答弁というものを引用されました。私は、恐らく月例経済報告等においてそうした政府としての見解を固めた上で御答弁を申し上げておったと思います。そして、そういう答弁をそのころしていたという責任を回避しようとは思いません。事実問題としてその当時の認識はそうだったということであります。同時に、今厳しさを増しているという状況は、本当に厳しくなっていることは私は先ほども認めて御答弁を申し上げております。 その上で、例えば法人課税あるいは証券関連税制、土地関連税制等においての税制改正、あるいはいろいろな御論議を受けておりますが、この平成十年度予算、これが年度切りかわりで大きくおくれるような事態が国民経済にプラスに絶対に働かないと私は考えております。それだけに、一刻でも早く予算の成立をお願いしたいということ、関連法案の成立をお願いしたいということを申し上げているわけであります。
○白浜一良君 いや、この十年度予算の問題はまた後で言いますから。要するに、平成九年度の予算をつくられて、一年間総理が行政の最高責任者として運営してこられて、結果的にこういう深刻な景気状況になっているということを私は申し上げているんです。 ちょっと経企庁長官に伺いますが、十—十二月のいわゆる経済成長率、マイナスが出ましたですね、マイナス〇・二。この年度末で、平成九年度の経済成長、どういう見通しを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 三月に発表になったわけでございますが、昨年の十—十二月の国民所得統計によります国民総生産、GDPの数字は対前期比でマイナス〇・二%ということになりました。 先ほど総理も御答弁申し上げましたように、アジアの状況、あるいは秋口にかけまして山一とか北拓とかあるいは三洋証券とかそういう金融機関の相次ぐ破綻がございまして、そのことによりまして消費者あるいは企業家の皆さんの景気の将来に対するマインドが急速に低下をいたしました。 例えて申しますと、消費性向等におきましても昨年九月までは順調な水準でございまして、九月には七一・九%という数字でございましたが、それが十月、十一月、十二月、一月と連続下がりまして、一月には六八・六%というような状況になりまして、四カ月間で三・三ポイント下がったわけであります。これは年率に直しますと十兆円以上のGDPに対するマイナス効果でございまして、そういうことを反映してマイナス〇・二%という実質成長率になりました。 その後、金融システム対策等を講じましたことによりまして金融システムに対するいわゆる不安感というものはほとんど解消されてきているというふうに考えておりますが、しかし実体経済の面ではまだ厳しさが続いて、停滞をしているという状況でございます。 そういう状況から見まして、この九年度の成長率でございますが、昨年の十二月に〇・一%プラスという予想を立てているわけでございますが、十月—十二月の数字等から見ますとこれが実現につきましてはなかなか厳しいと認識しております。私ども、諸般の規制緩和等の対策を立てながら、ぜひとも十年度予算につきまして、また法人税の減税等を含みます税制改正につきましても、四月の初めからこれが実施、施行されるように願っている次第でございます。
○白浜一良君 十年度のことはこれからやりますと言っているでしょう。要するに、私は平成九年度の問題点を言っているわけですよ。 総理、昨年も一・九%経済成長する、そういう見込みで、これは当然見込みでございます、それをベースにして予算を組まれて執行されてきた。今、経企庁長官から話があったように、年末には〇・一%に修正された。しかし実際、この一—三月期、この三月末の年度末で成長率がゼロ%としても一年間トータルはマイナス〇・三%なんですよ。二十三年ぶりにマイナスになる、こう言われているんです。ゼロ%でですよ、一—三月期が、昨年と比べて。 昨年は一—三月期は消費税が上がるということで追い込み需要があった。そういうことから考えたら、この一—三月期も到底私はマイナスだと思うんですよ、昨年度と比べたら。そうすると、一年間の経済成長はマイナス〇・三以上になる、私はそう思いますが、どう思われますか。
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま委員のおっしゃいましたマイナスという意味は、実を言いますと、昨年の一月—三月は消費税が四月から上がるということで駆け込み需要がございました。したがいまして、昨年の一月—三月の数字はかなり高い数字になっていたということでございます。 先ほど委員のおっしゃいましたゼロ%の成長率というのは、十月—十二月に比べて横ばいという意味でゼロ%の成長というときにマイナス〇・三%になるということを意味している。私どもの計算では、機械的に計算いたしますとそういうことになるわけでございます。そういういろんな諸般の事情から〇・一%程度、九年度はなかなか厳しい、しかしながら、一月—三月の状況を見ませんともちろん何とも言えないわけでございますが、現状私ども厳しいものと理解をしている次第でございます。
○白浜一良君 データが出てみなければわかりません。それは私も認識しております。 ただ、私がここで申し上げたいのは、この結果責任はだれがとるのかということなんです。例えば民間企業でしたら、事業計画をつくって、利益が何ぼ上がったかというのは年度決算で全部わかるわけです、全部されている。もうからなかったら、そこの重役なり社長なりは責任をとるわけです。そうでしょう。なぜこの一国のかじ取りをしている行政の責任を持つ方々が、これだけ読み違えて、悪かった、ここが間違いでございましたと、だれもこういう発言をしないのは国民が納得できないんですよ、総理。 私は、何も総理一人の責任にするつもりはございません。だけれども、一国の行政の責任者は総理を初め閣僚の皆さんじゃないですか。その皆様方がやっぱり何か国民に対してメッセージしなければ、結果的に仕方なかったんだと言うだけでは私は済まないと思うんです。特に今景気が悪いだけに、私はそういう真摯な訴えかけがあって当然だと思うんですが、総理、いかがですか。(発言する者多し)
○委員長(岩崎純三君) 御静粛にお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今私は素直に議員にお答えを申し上げたつもりでありましたが、もし言葉が足りないと言われるのならおわびをいたします。 私どもは所得税減税を先行させておりました。そして、消費税率の引き上げというものはその減税先行の時点から決まっておりました。衆議院の選挙の際に、私は改めて全国民に対してその税率を引き上げさせていただきたいというお願いもしてまいりました。そして、当然その影響があると考えておりました。しかし、私どもが予想したよりも、確かに一—三月の消費を見ますと駆け込み需要と言われるものは政府の想像よりはるかに大きなものでありました。その分四—六月の落ち込みというものも政府が考えていたより大きなものでありました。いずれにしても、影響を過小に見間違えておりましたということを私は素直に申し上げたつもりです。 その上で、今この状況の中から日本経済というものを全力を挙げてもう一度回復のしっかりとした足取りのものに持っていかなきゃなりません。この国会も通常より早く召集をさせていただきました。そして、特別減税あるいは金融システム安定化二法、さらに災害復旧等を中心といたしました一兆円の公共事業、あるいはゼロ国債を利用いたしました一兆五千億の枠取り、こうした補正予算の審議も本予算の前にお願いをいたしました。 そして、今その補正予算はそれなりにその役割を果たしてくれております。金融システム安定化二法が本当の役割を果たし出しますのはこれからでありましょうけれども、特別減税も動き始めております。それにくっつけて十年度税制改正並びに予算案というものができるだけ早く国会の御承認をいただくことによって、少なくとも市場関係者が織り込み、あるいは国民が当然実施をされると期待しておられますものが早く手元に届けられるようにしていただきたい、心からお願いを申し上げます。
○白浜一良君 余り水かけ論になってもあれなので。 では、そうおっしゃるんでしたら、この平成十年度の予算はどういう予算なのかということを申し上げたいと思います。 いろんな問題点がございますが、私はこの平成十年度の予算、昨年十一月に成立しました財政構造改革法の縛りを受けまして、確かに財政を健全化せなきゃいかぬ、これはもう当然でございます。しかし、実体の経済が浮上しないで、そういう形式的な議論で、枠組みだけでよくなるわけはないわけでございます。そういう意味で、私はこの十年度予算の大きな問題点は二つあると思います。一つは、今、日本経済が陥っている、景気対策に資することはできないという点、もう一つは、財政構造改革という名目で切りやすいところを切っていらっしゃる、そういう二つの問題点があると私は思うわけでございます。 では、伺いますが、この平成十年度も年間の経済成長率が実質一・九%と見ていらっしゃる。昨年と同じなんです。昨年度といいますか、今年度と同じようにならなければいいというように思っておりますが、官房長官、あなたは秋田で三月七日に、一・九%の達成は困難、実現できるよう研究、勉強している、こういう御発言をされているんですが、その真意はどういうことですか。
○国務大臣(村岡兼造君) 三月七日だと思います。秋田にしばらくぶりで、あいさつの中で、今景気その他いろいろ、金融不安もあると。来年度の政府経済見通し一・九%と出しておりますし、それに努力していかなきゃならぬだろう、こういうことを言いまして、そして総理が今言いましたように、補正で一兆円の公共事業や一・五兆のゼロ国債、二兆円の減税、そしてまた金融二法で安定化のこともやっている、一生懸命頑張ります、こういう発言をしたのは確かでございます。 ところが、その日のテレビあるいは翌日の新聞等で、一・九%成長へ補正示唆とか何か報道をされました。東京から同行記者も十一人おりました。地元の記者もおりました。テレビも映しておりました。したがいまして、衆議院でも聞かれましたけれども、大型補正を示唆したとか何かというのは毛頭ございませんし、全部テレビを調べていただきましても結構でございます。念頭にもありませんので、どうしてこうなるのかなと私自身も思っているところでございまして、ちょっと一・九%と言うとこうなるのかなと、こう思っているところでございます。 以上でございます。
○白浜一良君 では総理、伺いますが、要するに衆議院の予算の段階から政府のお立場では考えていないということですよ。それはよくわかります。だけれども、自民党の、与党の最高幹部の皆様方が補正予算をしなきゃいかぬと。本予算を審議している、まして衆議院を通過していない段階、衆議院で審議されている段階からそういう話題になっている。参議院に昨日から回ってまいりましたが、もういよいよそれが現実的に内容まで報道されつつあるというような、こういう本予算というのは、総理、どう我々は理解したらいいんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今までにも同じようなお答えを申し上げてまいりましたけれども、政府は何としても、先ほど来繰り返しておりますように、予算だけではございません、税制を含めまして関連法案も一刻も早く通過、成立をさせていただきたいとひたすら院にお願いを申し上げております。そして同時に、これはお互い党人の立場に戻ったとき、それぞれの党の中でいろいろな議論というものは行われると思います。 そして今、議員からではございませんけれども、アジアを理由にするなというような言葉まで吐かれましたけれども、アジア経済、現実に問題を抱えております。先般私がインドネシアに飛びましたのもそうした中の一つでありますけれども、どうやら韓国、タイはやっと安定、そしてその安定の中から立ち直りの方向が出てきましたけれども、インドネシアは今IMFとの話し合いが続いている状況であります。しかも、そのインドネシアに対し一番多く債権を有する国として日本がこうした外の状況また変化を見守りながら必要に応じて行動することも当然ながら許されることだと思います。そうした中でさまざまな議論がなされること、私はこれをとめるつもりはございません。
○委員長(岩崎純三君) 傍聴はお静かに願います。
○白浜一良君 これまた水かけ論になりますから、もうこれ以上やめます。ちょっと具体論をいろいろ申し上げたいと思います。 冒頭、私申し上げましたが、銀行の貸し渋りが大変問題になっているということで、銀行二十一行に一兆八千億余り公的資金を導入するというのが決まりましたが、そのようにされても貸し渋りはなくならない、大蔵省が具体的に貸し渋りがなくなるよう指導すべきだというような御発言を通産大臣がされたと。これはインターネットに載ってございますが、これは本当ですか。
○国務大臣(堀内光雄君) お答えをいたします。 インターネットに載っていたかどうか私はよく知らないのでありますが、私の発言のバックグラウンドから申し上げたいと思います。 昨年の暮れからの貸し渋り現象というものは、委員御存じのように、一連の金融不安などのために民間の金融機関の融資態度が非常に慎重になったということから始まったものであります。通産省といたしましては、この民間銀行の貸し渋りのあおりで、まともな経営をしている中小企業、こういうものが資金難のために倒産をするというようなことがあってはならないということで、政府系金融機関を総動員いたしまして二十五兆円の資金を用意し、新しい融資制度を設けたり、あるいは相談窓口まで設けまして、完全な体制をつくって取り組みに万全を期してきたところでございます。 しかし、本来金融というのは民間の銀行が受けとめて取り組むべきものなのでありまして、我々の政府系金融機関の対応というものは緊急避難であると私は思っております。通産省としては、一日も早く民間の銀行が正常な状態に戻ってもらって融資が行われることを願っているわけであります。 そういう中で、今回、民間金融機関へ公的資金が導入をされたわけでありまして、銀行の自己資本比率というものは改善をされました。また、BIS基準にも余裕が出てきているはずであります。資金的にも余裕が生まれたと思っております。当然貸し渋りは解消されなければならない状態になってきたと私は思っておりますが、昨年以来の民間銀行の貸し渋りの原因というのは、やはり一つには不良資産を抱えて経営が圧迫をされているということがあります。また、BIS基準が八%ぎりぎりの不安定な状態にあるということがあったと思います。もう一つは、景気が停滞をしておりますから、どうしてもそういう中で融資先の選別が厳しく行われることになってきた。 こういう状況下で経営を健全にするためには、金融機関というのは、当然のことながら新規融資だとか貸し増しだとか、あるいは貸付金の回収というところまで力を入れるという結果になってきて、貸し渋りというものが表面化して非常に厳しいものになってきたというふうに認識をしているのであります。 今回の公的資金の導入で、先ほども申し上げたように、銀行の自己資本比率は改善をされましたし、金融の安定化はでき上がったと私は思っておりますが、しかし銀行にとって自己資本の比率というものは高ければ高いほどいいわけであります。また、不良資産は依然として存在をしているわけであります。景気は相変わらず停滞感を深めているというような状況では、公的資金の導入が行われたからといって貸し出しが自然に増加をして貸し渋りが積極的に解消される、そういうような環境に変わってはいないと私は思うわけであります。黙っていれば貸し渋りは続いていくものだというふうに私は思いますので、公的資金を導入した以上は各民間金融機関において貸し渋りは許されないことだと私は思います。 したがいまして、大蔵省から民間金融機関に貸し渋りを解消させるように強力な指導を行う必要があるというのが私の認識でございます。
○白浜一良君 ちょっと待ってください。 それで、大臣がそのことを大蔵大臣におっしゃったんですか。
○国務大臣(堀内光雄君) 総理にもお願いを申し上げまして、総理が金融機関のトップを呼んで厳しく指導をしていただいたと思っております。
○白浜一良君 大蔵大臣に伺いますが、要するに一兆八千億少しですね、いわゆる自己資本比率、国際決済銀行という立場からいいますと八%の基準があるわけで、単純に計算しますと、貸し渋りという観点からいえば、要するに資金の余裕が生まれるのは二十二兆円ぐらい生まれるわけです。そうですね、計算すれば、八%の逆ですから。十二・五倍を掛ければいいわけです、単純に言えば。 ところが、ちまたでは、これだけ投入しても実際にそういう資金として運用されるのは六兆円ぐらいじゃないかということも言われているわけでございますが、ここは実態はどうですか。
○国務大臣(松永光君) まず、私の考え方を申し上げますが、通産大臣が今申したように、貸し渋り対策というのは常々私は通産大臣と話をしておるんです。 そういったことから、三月十一日にはわざわざ総理が主要銀行の責任者を呼んで、そして金融機関は本来の使命を果たすようにという要請をしていただいたわけであります。大蔵省としても、しばしば銀行に対しては、銀行の本来的な役割は健全な中小企業等に資金を提供することでありますから、その本来的な役割を果たすようにということの要請はしておるところであります。 今お話しの自己資本充実の対策をやることにしたわけでありますが、それによってどれだけ貸出量がふえるのかというお話でございますが、これは委員よく御承知のとおり、資本の方が同じであれば貸出量がふえれば自己資本比率は少し下がりますね。自己資本比率を上げようとすれば貸出量は減るおそれがある。そういう方程式に割となっておるわけでありますが、今回の自己資本注入の結果、各行が想定しておるリスクアセットというんですか、貸出量の増加額の合計額が一応三月末で六兆という数字になっておるわけであります。 ただし、資本注入のことを審議する委員会の場では、委員御存じのとおり経営健全化計画というのを出させたわけであります。その中で、金融の円滑化についてはどういう考え方でどういう計画を持っているのかということを書類で出させ、その出させた書類に基づいて審査をしたわけでありますが、各銀行とも貸し出しが増加するようにやりますという書面になっておるわけでありまして、その書面の内容は公表されているところであります。 したがいまして、リスクアセットの増加額をことしの三月末の時点で計算すれば六兆ということになっておりますけれども、私どもは、そのこと以上に貸し出しの量はこれからふえていかなきゃならぬ、こう思っているわけで、もしふやさないのであれば、経営健全化計画書に書いてあることを銀行が履行しないということになるわけでありますから、その点については大蔵省もまた預金保険機構の方も厳しくひとつフォローして、そして貸し渋り対策というものが進むように今後とも努力をしていきたい、こう考えておるところでございます。
○白浜一良君 私は、単純に計算して二十二兆余りになるんですが、それは確かに一挙にそこまで膨らむとは思いません。だけれども、金融安定化緊急措置法のときも、すべてが貸し渋り対策という意味じゃないですが、貸し渋り対策というものも大きな柱であったわけで、そういう意味では、年度末六兆とおっしゃいましたが、今後広がるべきだと大臣も責任を持って今答弁されたわけですから、これは預金保険機構がやってもいいし、実際にそういう貸し出しの枠は広がったというフォローをされるでしょうね、責任を持って。
○国務大臣(松永光君) 十二・五倍超が実際実現するかどうかは別といたしまして、貸出量が増加するように今後ともしっかりフォローしていきたい、こう考えております。
○白浜一良君 私どもがなぜしつこく言いますかといいましたら、私どもは二月に実は全国十一都市、特に中小企業の多い都市でこの貸し渋りの実態調査をしたんですよ。そこでいろんな結果がわかったんです。一つは、総理、聞いておいていただいたらいいのですが、中小企業庁の発表では、貸し渋りは事業数の中で三一%、そういう報告をされているんですが、私どもが全国十一の自治体の調査をしたら六三%の貸し渋りの実態がある。私どもは実際に聞き取り調査をしたわけです。 だから、通産省も本当にそういう認識が甘いんじゃないか、もっと深刻な事態にあるということが私どもこの調査でわかったわけでございます。 この点、通産大臣、見解を述べてください。
○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。 委員の方から公明の調査の資料はちょうだいをいたしまして、よく拝見をいたしました。その中で申し上げられることは、非常にすばらしい調査だと思いますし、同時に、我々の調査とそう違いはないというふうに思っております。 と申しますのは、選び方がまず、先生の方の資料によりますと二百十三カ所でございます。我々の中小企業庁におきましては四千二百カ所でございます。そして、地域的に見ますと、全体で私どものものは三一%ということでございますが、例えば関東をとりますと、先生の方の資料によりますと、川口が六〇%、墨田区が七三%ということでありますが、関東一円を全部まとめて私の方はとっておりますから、関東一円を見ますと三一%というのに対しまして三五%になっております。これは東京地区だけ出せばもっと大きくなってまいります。また大阪地区は、東大阪地区で六八%、また尼崎で六五%というのが出ておりますが、私どもも、近畿全体が入ってしまいますから、大阪、この地区だけは出せませんが、近畿全体で三九%、約四〇%になっておりまして、非常に高くなっております。 そういう意味で、私は先生の方の調査資料をいただきまして拝見しまして、個々にこういう問題はこのとおり同じような状態が出てきているというふうに厳しい認識を持っております。
○白浜一良君 私どもは、調査ポイントは二百数十ではございますが、中小企業の集積した厳しいと思われるところを調査したから高く出るのは当たり前なんです。それを楽な全国平均して、だからその違いがあるんだと、そんなことは意味ないわけです。中小企業が集積しているところ、そういうところが大変困っていらっしゃる、そこにどういう手を打つかということを問われているんだということを私どもは言っているわけで、この点をひとつ答えていただきたい。 もう一つ、政府系金融機関も随分頑張っていただいた、それはもうおっしゃるとおりでございます。総理もいつもおっしゃっております。ところが、実際事業主にずっと聞いてみたら、そういう制度があるのを知っていたのは残念ながら六一%。四割弱の方がそれだけ政府から広報されても知らない事業主がいらっしゃった。これはもう事実なんです、聞き取り調査ですから。なぜこういうことが起こるんですか。もっときめ細やかな行政ができないのかということをちょっと答弁してください。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のおっしゃるとおり、こういう地域に重点的に対策をしなきゃならぬということはよく考えて取り組みをいたしておりますし、その地域の中小企業金融公庫だとか政府系金融機関に対して徹底した窓口の指導を行っているところでございます。 そういう意味合いで、なぜ六〇%しかわからないかというので、非常に厳しいんですが、新聞広告にしろいろいろ出したいということにおきましても、なかなか資金がないものですから、内閣の広報室の方から資金をもらって全紙に出してみたり、いろいろと努力はいたしております。政府系の金融機関を通じて徹底する資料を流したり、あるいは商工会議所、商工会を通じて、私も見てまいりましたけれども、表に看板を出したり資料を出したり、いろんな手を打ってできる限りのことは行っているのでありますが、それでもその程度にしか徹底していかないということはまことに残念でございます。 さらに、この年度末を控えまして引き続き予断を許さない状況でありますので、総理からも先日指示をいただきましたので、私の方でもきょう改めて政府系金融機関のトップを全員集めまして、さらにこの年度末に向けて徹底した内容の広報活動、あるいは窓口においてもいろいろと徹底して行っているのでありますが、どうしてもまだ御不満や御批評をいただいておりますので、そういうもののないようにきょうも行うことにいたしております。 そういう意味合いで、さらに徹底はしているんですが、なかなかできなかったということでございまして、そのとおりに努力をいたしていることは御理解賜りたい。
○白浜一良君 これ以上議論はやめますが、せっかく政府としてそういう体制をつくられても、必要な方に告知されなければ仕方がないわけで、大変難しいこともあろうかと存じますが、しっかりお願いしたい。 きょうは新日銀総裁に来ていただいていますので、金利の問題でちょっと御意見を伺いたいんです。 新総裁も金利が低過ぎるというような御発言をされているかに報道されておりますが、この点につきましてちょっと御見解を伺いたいと思います。
○参考人(速水優君) 私も民間に長く身を置いておる者でございますので、特に金利収入に多くを依存しております家計あるいは公益法人の財団といったようなところがいかに厳しい状況にあるかということは十分承知いたしておるわけでございます。 しかしながら、金利の引き上げというのは、家計部門やネットの利息収入の増加をもたらすというメリットと同時に、一方では企業収益の減少とか投資採算の悪化とか、あるいは株その他資産価額の下落とか、そういった経路を通じまして全体として経済活動を抑制していくこともこれまた事実でございます。このことは、ひいては雇用の悪化とかあるいは給与所得の減少を通じて家計部門に対しても総体としてマイナスの影響を及ぼすことも十分考えなければいけないと。 こうした点を踏まえますと、景気の停滞が続いて下押し圧力が強まりつつある現在の経済情勢のもとでは、やはり金融面から経済活動をしっかりと下支えしていくということが当面重要かというふうに思います。もちろん、今後さまざまな面からいろいろな努力が払われて、いずれ経済が自律的な軌道回復というふうな状況に変わっていきます場合には、おのずから金利水準も調整し得る局面が来るということを考えております。 私といたしましては、一刻も早くそういうような経済状態ができてくるように、実現するように期待をしながら、今後とも金融政策面で適切な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
○白浜一良君 日銀のこれは専管事項ですから、それは確かに景気の動向を踏まえてというのはよくわかります。しかし、そういう面でいいましたら、お年寄り、年金生活者が蓄えて蓄えて蓄えた預金、その金利を当てにして生活している方もたくさんいらっしゃるわけです。確かに企業に対する、企業の事業内容が悪いから金利が上がればというようなこともあろうかとは存じますが、そういう事業対策というのはこれは別個で税制措置としてできるんです。 特に私が申し上げたいのは、一九九五年に〇・五%の公定歩合になったときに、緊急避難措置だと当時の総裁がそうおっしゃってやったわけです。二年六カ月も続いている。それは確かに景気動向と関連があるでしょう。だけれども二年六カ月も続いて、そういう預金をベースに生活していらっしゃるお年寄り、年金生活者が困っていらっしゃるという現実も大変重くあるわけでございまして、その辺の認識を私は問うているわけです。 一般的な解釈を別に求めているわけじゃないわけで、その点も含めてもう一度答弁をしてください。
○参考人(速水優君) おっしゃいますように、二年半にわたって、歴史的にもあるいは今までの金利水準として各国に比較しても極めて異常な低金利であることはそのとおりでございますし、そのことが家計の収入、特に年金生活者の方々に非常に大きな暗い影を落とし、しかも消費に影響を与えていることはおっしゃるとおりでございます。 私どもが二年前にとった思い切った金融緩和措置のねらいというのは、物価の過度の下落が及ぼす影響を未然に防止して、企業や家計の自信を回復させていく、それと同時に経済を自律的な回復軌道に移行させていくということにあったわけでございます。こうした金融緩和がさまざまな経路を通じて経済活動の回復に貢献してきていると考えておるわけでございます。 ただ、我が国経済が、企業のバランスシートの調整とか産業構造の再編圧力といったような重い石を引きずりながら、自律的な回復軌道への移行がなかなか確認できない状況が続いておるわけでございます。また、足元の景気も、今御説明がございましたように、四月以降の減速傾向が強まりつつあるという現状の中で、企業の景況感というものも非常に慎重になっていることは、私どももこれまで企業の中におりまして感じておったわけでございます。 こうした中で、家計部門にとっては、預貯金や債券等の残高が住宅ローンなど金融負債の残高の約二倍あるわけでございますので、金利の低下は家計のネットの金利収入を目減りさせていく効果を持つことになっていることは認めざるを得ないわけでございます。 しかし一方で、この金融の緩和というのは、企業収益の下支えとか設備投資や住宅投資などの需要の喚起とか、資産価額の下支えによる企業者、消費者のマインドの改善とか、そういった経路を通じましていずれ経済を自律的な回復に導いていくということはこれまた期待し得るところでございますので、雇用の回復とか給与所得の増加という形で家計部門にも広くメリットを及ぼしていくものだというふうに考えております。 ちょっと数字を申させていただきますと、国民所得統計によりますと、金融緩和開始後の五年間で、平成三年から七年度まででございますけれども、家計部門における預貯金の金利収入は九兆円減少いたしております。一方で、住宅ローンなどの金利支払いも五兆円減少いたしております。ネットでは四兆円の金利収入減というふうになっております。 その一方で、家計所得の八割以上を占めております給与所得というのは、幸いなことに同一期間の中で四十兆円増加いたしております。もちろん、一口に家計と申しましてもさまざまな世帯があり、特に金利所得に多くを依存している家計にとりましては、おっしゃるとおり大変厳しい状況にあることは私どもも十分認識しております。 ただ、やはり個々の家計が豊かになるためにも、経済全体が足取りをしっかりとさせることがまず大切であるというふうに判断いたしております。したがって、当面の金融運営政策に当たりましては、これまでと同様に、景気回復の基盤をよりしっかりさせることに重点を置いて情勢の展開を注意深く見守っていくというのが私どもの現在とっております考え方でございます。
○白浜一良君 日銀総裁という立場でなかなか申し上げにくいこともあるんでしょうが、それ以上は申し上げません。 ただ、今答弁されている中ではっきりしていることは、総理、もう超低金利が長過ぎると。景気の動向は、当然それがベースですから、その相関関係はございますが、金利も上がった方がいいという認識は持っていらっしゃる、これは間違いないわけでございます。 そこで、景気対策という点から、私ども先ほどから申し上げていますように、この十年度予算は苦労して編成されているのはわかります、公共事業を一律七%カットされたり厚生予算を五千億圧縮されたり、いろいろされておる。圧縮することばかりに知恵が働いて、景気を浮揚するための対策がこの本予算にされていないということを私は冒頭、本年度予算の問題点として申し上げました。 そこで、我が党がこの景気対策の一番大きな柱として申し上げているのが十兆円減税でございます。 六兆円の恒久減税、所得税も下げた方がいいだろう、法人税も国際基準という観点からいっても高過ぎる、下げた方がいいだろうと。そういう六兆円の恒久減税とともに、四兆円は、昨年国民の皆様方の財布の中から九兆円以上のお金を巻き上げたわけでございますから、その中で特に消費税が二%上がった、全部物を買ってその税金を納めているわけですから、その中からその取ったお金を還付するという、そういう意義を込めまして、国民、赤ちゃんからお年寄りまでで一人三万円、約四兆円の戻し金を含めて十兆円減税と、こういうのを私は言っているわけでございます。 総理、今回も減税措置は大変難しいと判断されている、なかなか減税に前向きでないということに対して、私どもは十兆円減税をと申し上げているわけでございますが、どういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員、巻き上げた巻き上げたという言い方をされるんですが、もしその言い方を正確にするならば、私は所得税減税が先行しということは先ほども申し上げておるわけでありまして、その減税先行の部分にお触れにならない、そこが私は非常に一つの問題点だという感じは本当にいたします。 私は、大規模な減税というものが特例公債の大量発行を誘うというような言い方だけをしようとは思いません。その上で、我が国の租税負担率というものが欧州諸国などに比べましてかなり低い水準にある、税負担の問題としてはこうした考え方も十分に検討すべきではないかという問題は申し上げたいと思うんです。 それは、例えば主要国の租税負担率を見ましたとき、日本は二四・五です。アメリカは二五・八、これは州税の部分が違いますので、平均的にとりますと二五・八、イギリスが三八・三、ドイツが三一・一、そしてフランスは三三・五であります。 また、例えば所得税で課税最低限を対比いたしましたとき、夫婦、子供二人の標準的なサラリーマン世帯で、十年度税制改正以降の水準で申しますならこれは三百六十一万円、これは為替のレートの問題がありますから必ずしも正確ではありませんけれども、確かにドイツの課税最低限は一マルク六十七円で計算しますと三百七十三万円ですから、日本より課税最低限が高いということが言えます。しかし、フランスの課税最低限は三百二十万円、アメリカは二百四十四万円、言いかえれば、ほかの国で所得税を負担しておられるクラスの方々でも我が国では所得税の負担をしておられないで済んでいるという状況もあります。 さらに、消費税の税率を五%に引き上げたことに大変繰り返しおしかりを受けるわけですが、付加価値税の標準税率、イギリスは一七・五です。ドイツは一五ですが、四月から一六%に上がります。フランスは二〇・六%です。アメリカの場合はそれぞれ州あるいは郡市で違いますけれども、例えばニューヨーク市の場合には小売売上税は八・二五です。 私は、こうした点もやはり国民に知っていただいた上で税負担のあり方というものは慎重に検討しなければならない、この点だけは申し上げたいと存じます。
○白浜一良君 私は、税というのはそれは直接税も間接税も含めて、資産課税もございますし、それはトータルにどうするかという議論は議論としてやるべきなんです。 ところが、私が申し上げたいのは、今のこの景気の落ち込みの一番大きな原因は何かと申しますと、個人消費の落ち込みなんですよ。これが要するに六割を占めるわけですから、個人消費が。そこが落ち込んでいる。そこをどう浮揚さすかということを考えなければ景気対策はできないんだ、そういう観点で私は総理に申し上げているわけで、所得税が海外と比べてどうだこうだとか、消費税がどうだこうだ、間接税がどうだ、それは税全体の問題としては議論すべき問題があると思いますけれども、今の景気を踏まえたら、個人消費が落ち込んでいる、そこを刺激するためにはどうするんだという観点から減税ということを私は申し上げているわけで、その観点からの答弁をいただかないといけないと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今あえて税の議論、必ずしも一面だけで論ぜられない、そんな思いもありまして率直に数字を申し上げました。 しかし、議員が今述べられましたような大規模な減税、これは当然ながら今の財政状況を考えますときに後世代の負担に先送りになっていきます特例公債の大量発行を伴う、これは将来に向かって我が国の財政への信認を失わせるという問題点を持っていると思います。 また、大きくその中を分けられまして、所得税減税ともう一つ、金券という戻し税を言われました。私は、その二つは確かに消費に与える影響には差があると思います。 所得税減税そのものが果たして消費に回るか、あるいは貯蓄に回るか、一部の方々が言われるように、私はそうではないと思いますけれどもたんす預金になってしまうのか。いずれにしても、消費に結びつかないという議論があることは事実です。 そして一方、戻し税という言葉も使われました、金券という言葉も使われました。そうした金券といったようなものでありました場合には、これは確実に消費に結びつくという意味では、私はその議員の論議を否定いたしません。ただ、その場合におきましても財源構成の上から先ほど申し上げたような問題点があるということは私はやはり比較考量の問題として考えなければならないことだと思います。
○白浜一良君 日銀総裁、もう結構でございます。御苦労さまでございます。 いや、だから、私どもはそういう赤字国債をどんどん発行して後世にツケを回していいんだ、そんなことは別に言っていないわけです。どうしたら今の景気を浮揚できるかという、その観点から申し上げているわけです。 それで、ちょっと私どもの四兆円の商品券方式の話は後にするとして、とするならば、国の借金という面で言えば、赤字国債と建設国債、特例公債と建設国債はどこが違うんだと。じゃ、これ今ちまたで言われている補正を、組まれるとはおっしゃいませんが、もしそういう追加的な景気対策があるとすれば建設国債でやるんだ、これは財革法の適用外だと。だけれども、借金には違いないわけで、それも後世のツケなんですよ。なぜそこで理屈の上で使い分けされるのか、私よくわかりません、総理。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。 要するに財政法四条の解釈の問題だと思うのでありますが、建設国債の方はそれに見合う資産が残りまして、それを後世代も利用するという関係がございます。赤字公債にはそういう関係がないという意味で差があるというふうに思いますし、同時にまた、財政法第四条はやはり健全財政主義というのを貫きたいという考え方だと思います。
○白浜一良君 総理、財革法を昨年十一月に成立された。財政を健全化するということはこれは大事です。それは私もわかります。だけれども、毎年赤字国債を前年度よりも減らすんだということ、それも大事でしょう。それで結果的にGDPの比率を一定程度に抑えるんだ、そういうことも大事でしょう。しかし、建設国債と特例公債の違いはそれはわかりますよ、定義の違いは。物が残ったといったって、借金は別に残っているんじゃないですか。 だから、財革法の法の趣旨ですよ、趣旨。要するに、後世に財政のバランスをとるんだ、むやみやたらに後世に借金を残さない、そういう趣旨からいえば建設国債も一緒じゃないですか、別に。建設国債はめちゃめちゃ出してもいいんだ、そういう理屈が法の趣旨からいって成り立ちますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) むちゃくちゃに出していいという言い方は、私はちょっと合わないと思うんです。 むしろ、大蔵大臣からも今御答弁を申し上げましたように、財政法上の仕組みとして、要するに物として後世代に残るもの、これに対する国債として建設国債がある、そういう財政法上の立て方になっている。そして、現実に今までその仕分けに従ってこれを運用してきた、これは事実の問題としてそうです。そして同時に、その建設公債というものが、日本の例えば総合交通体系をつくり上げていく、あるいは何をするという上で大きく役立ってきたことも事実だと思います。 昨年は、本院におきましても公共事業けしからぬ論が大変多く我々にも浴びせられましたし、両院でそうした御論議がありました。今むしろ、その建設国債を使う事業というものがいろんな角度からまた御論議の対象に昨年とは違った形でなっております。 そして、ことし私が御議論を承っておりましてこの国債の問題について随分違ってきている感じがいたしますのは、従来に比べて、建設公債と特例公債の境を取り払えという御議論が一つであります。衆議院においても何回かありました。むしろ私は、それよりも十年とか五年とか目標を定めて、そういう期間の国債というものをもし考えるなら考えたいという御答弁を衆議院でも申し上げたことがございます。 ただ、そのまま論議は進展せずに今日に至っていることも事実でありまして、国債をめぐる議論の仕方、いろいろな角度のものがあることは御承知のとおりです。
○白浜一良君 よくわからない答弁なんですけれども。私は極めて単純に申し上げているわけで、財革法の法の趣旨からすれば、建設国債であれ特例公債であれ、それはもう借金には違いないわけでございます。 では総理、逆に申し上げます。財革法がございますね、これは景気が今後どのような状況になってもこの法律に準拠されると、こう考えていいですか、総理のお考えとして。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変直接お答えをしにくいのは、衆議院でアメリカの例に倣って財革法の中に免責条項を入れるべきではないかという御意見が出まして、私は、これを立法政策上の一つの判断、その上で、しかしその発動要件というものを政策的に考えるとなかなか難しいのではないかという御答弁を申し上げました。私は、確かにその考え方というのは一つの立法政策上の判断だと思ったからであります。 ところが、それはその後、私は実は現実にはなかなか難しいんじゃないかという考えもあわせてお答えをしましたが、報道機関の皆さんは、後半は取り払いまして立法政策上一つの判断という部分だけを着目されました。そしてその後、衆議院における野党の国対委員長の方々から我が党の国対委員長に対し、そういう答弁がけしからぬという御注意が参りました。 私は、評価すべき御意見が出たとき率直に評価をするのがいけないとは本当は思いませんけれども、そのようなやりとりがありましたために今のような御質問に対して大変答えにくくなっているということは事実です。
○白浜一良君 いや、答えにくいと言ったって、私は聞いているわけでございます。きちっと答弁していただかないと困ります。 要するに、私は別に財革法を改正されるのか改正されないのかというようなことを聞いているわけじゃないわけです。この一年間の経済運営、財政運営を考えたときに、少なくともこの財革法にのっとった財政運営をされるというふうに理解していいですかということを総理に聞いているんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 国会で法が成立をし、現にその法のもとで私どもは仕事をいたしております。政府として財革法の範囲内で努力をする責任があることは事実です。
○白浜一良君 そういう一般論で私は申し上げているわけじゃないわけで、要するに、この仮定の話にもなかなか総理は答えられないんですが、四月以降も景気が大変落ち込んでくる、大幅減税が必要だと、こうなったときにこの財革法との関連が出てまいります。 今のこの時点では、本年度に赤字国債を出せる幅は御案内のとおり一兆三千億しかないわけでございます、一兆三千八百億。その範囲では減税がおさまらない、もっと大幅にやらざるを得ない、そういう事態は予想されていないんでしょうが、もし今の時点でそう判断されていないとしたら、もしそういう時点が来れば、総理は、これは仮定の話だから多分答えられないと思いますが、この法律に準拠されるのか、景気、減税の方を、現実を優先されるのか、これはどちらですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本当にもう議員御自身が多分そういう答えをするだろうとおっしゃるとおり、仮定のお話としてお答えができないと言う以上に、私どもは、そうしたことが必要にならないためにも、早く予算に関連する法律案を含めて本年度予算を執行の状態に持っていかせていただきたい、成立を図らせていただきたいというお願いを繰り返しているわけであります。
○白浜一良君 では、角度を変えて聞きます。 十年度予算は十年度予算といたしまして……(「角度を変えても同じことだと思うよ」と呼ぶ者あり)いやいや、十年度予算は十年度予算といたしまして、今の段階では総理はそういう所得税なり法人税なり、また私どもは消費を喚起する意味で四兆円程度、先ほど言いましたように商品券にして、それも年度内有効というようにすれば消費の喚起につながるわけですから、そういう戻し金の商品券方式にして、それも減税と含めて十兆円と、こういうふうに申し上げているわけでございますが、総理は今の段階ではそういう趣旨の減税は毛頭考えていない、こういうふうに理解していいわけですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) どうもまた話がもとに戻っちゃうようですけれども、私は先ほど御党が主張される十兆円というその減税に対して、六兆円と四兆円とに分けて議論を展開されましたときに、いわゆる所得税減税と言われるものが、今さまざま言われております議論の中には、そのまま消費に回る確率が低いのではないかという指摘がありますということ、あるいはそれが預貯金に回る、預貯金にも回らずにたんすにしまい込まれるとか、いろんな御意見があるということを申しました。 今改めて期限をつけてというお話をいただきましたけれども、金券という方式であるならば、これはそれだけのものを消費に、当然ながら圧倒的に多くの方々がそれを行使されるでしょうから、消費に向かう効果があるということは否定しないということも申し上げました。その上で、その財源というものを特例公債に依存せざるを得ないとすれば、その利害得失は十分に考量しなければならないと思いますということを申し上げたわけであります。
○白浜一良君 その利害得失を考えなきゃならない、それは一般論としてそのとおりでございまして……
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一般論じゃなくて……
○白浜一良君 いやいや、だから利害得失は考えるんですが、総理自身は今の段階ではそういう必要性を感じていない、こういうことですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) と申しますよりも、政府の責任は、予算を編成し、国会に御提案をし、また関連する法律案を提出し御審議をいただく。そして、国会はその審議権を行使される。政府は、現に平成十年度予算案、またそれに関連する法律案を国会に御審議いただいている立場であります。
○白浜一良君 今後のことはおっしゃらないわけで、これ以上議論が進まないわけでございます。いろいろな与野党の協議の中で、今回減税が、本予算は今審議しているわけですから当然別ですよ、だけれども、近々に景気対策の中でそういう必要があると我々は申しているわけでございますが、それはないということの決断、政府としては固められていらっしゃらないわけでございます、党で議論をされているわけでございますが。いずれ総理が最終的にそう判断されるとしたら、その責任はまた現実的に結果として、景気は結果ですからあらわれてくるだろうと、そのことだけ申しておきたいと思います。 それで、我が党も浜四津という女性党首を迎えまして、一番基本理念にヒューマニズムの政治、一人の思想を大切にということを基本理想として訴えているわけで、そういう理念にのっとって、本年度予算がこういう内容でいいのかなという点をちょっと厚生大臣に伺いたいと思います。 一つは、児童扶養手当の制限の見直しがございます。一部支給を四百七万八千円から三百万円に引き下げられた、これはどういう理由からですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 児童扶養手当は、既に給付総額も三千百億円を超えております。そして、この児童扶養手当は離婚した母子家庭に手当てされるわけですが、別れた夫から養育費を受けている者の割合が今一五%程度にしかすぎない。本来別れた夫が払うべき養育費を国が肩がわりしているのではないかという批判があった、これが第一点。と同時に、同じような収入の児童養育世帯であっても全然児童扶養手当をもらえないという世帯が二百万世帯近くある、これは不均衡じゃないかという批判が今まであったんです。 そういうことから、この所得制限を見直すべきという意味もありましたので、厳しい財政状況のもとであらゆる手当を見直していかなきゃならないということから、年収三百万円未満の母子家庭に対する給付は従来どおりだと、これでほぼ九割程度は占めておりますから、あとの一割の方、三百万円以上の方にはやはり所得制限を行うのが妥当ではないかということで、ある程度の所得制限を断行したわけであります。 御理解いただきたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。白浜一良君。
○白浜一良君 厚生大臣、時間がないのではしょってお伺いいたしますが、午前中にも聞きました児童扶養手当、これが一部支給の所得制限が下げられたので八十億円負担が軽減される、予算全体として見ればですね。それから、難病も重症者以外一部負担を導入されて大変な負担なんですが、これが六十億。全般的にいわゆる財政という面から支出カットはわかりますが、こういう困っていらっしゃる方を、八十億、六十億カットするというようなことは私はよくない、本当に困っていらっしゃる方を助けるのが政治の一つの目的でもあると思います。 これは本予算の修正並びに今後の取り組みとしてお考え直しいただけないかどうか、答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) これは全体の予算の中で、今の予算編成を考えますと、各省庁別に割り当てを決めるわけです。今回の十年度予算の編成に際しては、全省庁すべてマイナスにすると。実質的にふやすところは科学技術関係と厚生省関係だけなんです。だから、公共事業も含めてすべてマイナス、公共事業はマイナス七%。厚生省は三千億円の増を認めますということなんだけれども、黙っておくと、皆さんが言うように、これもだめあれもだめと言いますと八千五百億円ふえる、さらにそれ以上伸びる。 そこで、すべての項目を全部聖域なく見直しなさいということから見直したものであって、難病対策においてもこれは重症患者に重点を移そうと。それで、難病に指定されている方においても、あるいは指定されていなくても難病よりも苦しい病気で悩んでいる方もおられるということから、それでは重症患者に特に重点を置こうということで見直しを行ったわけでありまして、難病患者の対策費としては、厚生省全体の伸びは一・九%、二%増なんですけれども、難病対策に関しては二〇%ふやしています。 そういう点において見直しながら、真に必要なところには手厚くやりましょう。しかし、あえて、自分で負担できるところは少しは御負担をお願いしますよということで見直しを進めたということをぜひとも御理解いただきたいと思います。
○白浜一良君 そういう全体的なことはわかっているんですが、必要な方もいらっしゃるわけですよ、切られた中に。なぜこういうところの予算まで切るのかということを私は申し上げているわけでして、善処願いたいと思います。 それからもう一点、我が党が一生懸命やってきた臍帯血バンク、臍帯血の問題で、これが保険適用された。これは大変感謝申し上げております。しかし、大事なことは、実際に普及していくためには公的バンクをつくる必要があるわけです。 厚生大臣は、事務方に指示してある、こういうことをおっしゃっていますが、その後の経緯を教えてください。
○政府委員(小林秀資君) お答え申し上げます。 厚生省では、大臣の命を受けまして臍帯血供与に関する臍帯血移植検討会というものを設置いたしまして、これに対する医学的評価、技術上の課題、それから移植体制の運営上の課題等について現在討議を進めているところでございます。 いつまでも時間をかけてもいけないということで、ことしの五月末をめどに何とか検討会のまとめをしたい、こういうふうに今考えておるところでございます。今のところ、具体的にどうまとまるかについてはまだわからないのでございますけれども、その検討結果を踏まえて施策の前進を図りたい、このように思っております。
○白浜一良君 大臣、それを踏まえてちょっと前向きな答弁をいただけませんか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 臍帯血移植、私も委員等からもお話を伺いまして、これはいいことだと。今まで臍帯血をみんな捨てていた、これが血液として有効に活用されるんだと。しかも、白血病とか難しい病気に対しても利用される。これは捨てておく手はない、何とかこういうものを活用しようじゃないかということで、皆さんの言われることももっともだと思いまして、これを積極的に展開する方法はないかということで指示を出して、今検討会を設置しているわけです。 私は専門家じゃないからわかりませんが、臓器移植なのか、これを臓器として扱うのか血液として扱うのか、これはまだはっきりしないんです。血液事業として扱えという御主張だと思うんですけれども、献血はもう何百万人からいただいている。ところが、この臍帯血の移植というのは、過去今まで三十二例しかない。 そういう技術的な、医学的な評価というのは専門家の先生に集まっていただかないと、私はそういう知識がないから判断できない。専門家のお医者さんも加わってもらいましょう、さらにはこの臍帯血で一生懸命やっているボランティアの関係者にも加わってもらいましょうということでこの検討会を設置して、私としては、将来この臍帯血移植医療というものをうまく展開してもらうような施策を進める上においても、立派な議論を重ねて実りあるものにしていきたいなというふうに考えております。
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。 もう一点、社会保障関係の中で大事なことは、これから公的年金の問題、それから高齢者の介護の問題があるわけですが、我が党では少なくとも年金も介護も国の責任だと。内容をどういうふうにしていくかは別にいたしまして、国の責任においてしっかりやるべきだ、こういう主張をしているわけでございますが、ちょっと見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金にしても介護にしても、どこまで国が責任を持つか、どこまで国がやれるのかということをはっきり示すということが国民に対しても必要だと思います。 年金からいいますと、これはだれが考えてみても、まず国民にどの程度保険料を負担していただくか、高齢者になってどの程度の給付がいただけるか、税金をどの程度投入するか、何歳になったら年金が受けられるのか、この組み合わせしかないんです。ということで、給付だけ多くしてくださいよという人は、受け取る人はみんなそう考えます。それをだれが支えているのかというと、全然年金を受けていない若い世代が全部負担しているわけです。税金も負担している。 それで、何歳からか。今六十歳から支給されていますが、二〇一三年には六十五歳からしようということになっていますけれども、そういう点も含めて、何歳から支給されるのか、給付はどの程度の水準にするのか、若い人の保険料はどの程度にするか、税金を幾ら投入するか、この四つの組み合わせをみんなに議論していただいて、給付をこれぐらい多くするんだったら保険料も多くなりますよ、こんなに保険料を負担するのが嫌だったら給付もある程度我慢してもらいますよと。その中で、税金と支給開始年齢を何歳にするかということを考えながら、昨年、五つの選択肢を提示しました。 ことしの二月には年金白書をまとめて、これから国民各界各層に参加していただいて十分な議論をしていただいて、それでは国がどこまで責任を持つか、自分がどこまで責任を持つか、税金をどこまで投入するかということをじっくりと議論していただいて適切な結論をまとめていきたいと思います。
○白浜一良君 きょうはこれ以上議論する時間がないのでまたやりたいと思いますが、いずれにしても私が心配していますのは、若い方がもう年金を払っていらっしゃる。しかし、将来を見たら、本当に自分たちは支給されるのかという不安を抱えながらされているわけで、そこの展望がなければ若い人たちはもう払うのが嫌になっちゃう。そういう現象が起きてはいけないので、全体的な老後に対する保障というのは国が責任を持ってすべきじゃないか、こういう点で私は申し上げているわけです。 そこで総理、一つ御提案申し上げますが、省庁再編の中で今度内閣府というのをつくられる。その中に四つの会議を設けていらっしゃる。その中にいわゆる経済財政諮問会議というのがあるんですが、経済財政は骨格ですから、その一環としてこの社会保障、今も社会保障制度審議会というのがございますが、そこで討議されているような内容は丸々議論すべきじゃないか、私はそのように考えているわけですが、御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今基本法を国会に提出させていただき、その中央省庁再編法の中に経済財政諮問会議を位置づけていることは議員の御指摘のとおりであります。 こういう発想に立ちます前に、それぞれの審議会がばらばらに議論しているのではなかなか大きな政策の柱が通らないということから、私は総理に就任をいたしましたときに、その幾つかの関係審議会の会長さん方に集まって一緒に議論をしていただくという試みをいたしました。これは財政関係、税制関係というものを中心にしてお集まりをいただいたわけでありますが、その中に社会保障制度審議会、そのときも実はお入りをいただきました。 これから御審議を願う基本法、これが通過、成立をいたしました後、推進本部で検討することになる、そういう手順の中でありますが、あえてお尋ねをいただきましたので申し上げるなら、私は当然ながら社会保障制度審議会の機能はこの経済財政諮問会議の一つのパートとして重要な役割を示すものになると思います。
○白浜一良君 最後に大蔵大臣に伺いたいと思いますが、衆議院の審議の中で、いわゆる山一の問題で飛ばしに関しまして松野元証券局長と当時の堀田課長の発言の食い違いがございます。その事実を大蔵大臣としてはどう認識されているか。 そして、この件に関しましてきょうは議論できませんが、ぜひとも本委員会におきましても、松野氏、堀田氏の証人喚問をして事実を究明したい、このことを委員長に御提案申し上げたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 飛ばしというのは、これは私ども素人にはわからぬ仕組みであったわけでありますけれども、いろいろ聞いてみますというと、価格の著しく下がった株式等を、有価証券等を持っている企業が、決算期の前に損失が表面化するのを避けるために別の企業に売ってといいますか引き取ってもらって、そして決算期が終わってからまた引き取る、こういった形の取引のようでありまして、それの仲介をするのが証券会社のようでありますが、その仲介の仕方によっては法令違反に該当するという場合があるということでございます。 山一の場合にそれに該当する事例があったのかどうか、現在、証券取引等監視委員会などで検査及び捜査が行われておりますので、その実態解明を待って、そして適切に対処していきたい、こう考えているところでございます。
○白浜一良君 発言が違うんです。どう思われているか。
○国務大臣(松永光君) これは何といいましょうか、その事実関係、恐らく山一の事件が捜査当局の捜査の対象になっておりますが、周辺事態として何が真実かということはそちらの方で解明されるんじゃなかろうか、こう思っておりまして、私の立場であれこれ言うことはちょっと難しゅうございます。
○委員長(岩崎純三君) ただいま委員長に御提言のございました白浜委員の件につきましては、後ほど理事会におきまして協議をいたします。
○白浜一良君 それじゃ、関連質問。
○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。風間昶君。
○風間昶君 公明の風間でございます。 近年、ダイオキシンによる汚染が全国で深刻な社会問題となっておりまして、国民的にもまた消費者の一人一人にとってみてもかなり関心が高く、ある意味では不安感がかなり増長されていると言っても過言ではないというふうに思います。 そこで、ダイオキシンというのはなかなか難しいあれでありますけれども、目に見えないし、また自然界にあるものでもないわけでありますから、そういう意味では非常に今研究が進められている段階の話にも多少なると思います。サリンを一とすると、サリンの約二倍の毒性、そしてまた青酸カリの千倍の急性毒性を持つと。 そういう意味では、きょうちょっとパネルを用意しました。(図表掲示)青酸カリを一とすると、マスタードガスさらにサリンよりも、ダイオキシンはジベンゾフランも含めてそうですが、約千倍。これはいずれにしてもオスのモルモットの致死量からの計算でございますし、人に対してはまだ十分な知見が得られていないというのは御案内のとおりでございます。 そこで、このダイオキシン類による発がん性それから生殖毒性、脳の発達機能異常等々、免疫機能にも相当な異常を来すということが言われております。一たんダイオキシンが人間の体に取り込まれますと、それがなくなるまでには少なくとも五年以上かかるということも言われておりますし、ある意味では人類の生存そのものに関する非常に重大な問題をはらんでいる物質であることは御案内のとおりでございます。 そして、何よりも一番問題なのは、諸外国いわゆる世界の焼却炉の七割を日本が占めているという実態から、非常に日本でもダイオキシンの排出濃度が高い、年間五キログラム、六キログラムとも言われておるわけです。そういったことから、国として今ダイオキシン類の環境汚染問題についてどういう認識を持っていらっしゃるのか、まず総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員からも触れられましたように、まずこのダイオキシン、有機塩素系化合物を燃焼させるプロセスの中から生成される物質と私は承知をしておりますけれども、その上で催奇形性、発がん性、さらにさまざまな毒性が指摘をされている物質であることは、今、議員が述べられたとおりであります。 そして、まさに燃焼という点に着目して議員が述べられましたように、ちょっと正確な年数は忘れましたけれども昭和五十年代の終わりに、たしか焼却炉の灰の中から発見されたのが日本では最初でなかったかと思います。それ以来、非常にこれは重要な問題ということで、環境行政の中でも関心を集めてまいりました。 既に政府として廃棄物処理施設などからのダイオキシン類の排出抑制策を進めておりますが、今後とも必要な予算措置を講じながら、排出抑制対策を充実させていくことに加えて、環境モニタリングあるいは食品や人の汚染実態、こうしたものを把握していく努力など総合的な調査研究を初めとする対策を進めてまいりたい。まさに今、議員例示をされましたように、動物実験の段階である程度の方向は推定されておりましても、人体に対する影響というものに対してはまだ確たる知見がない状況であります。科学的な把握に全力を挙げてまいりたい。そして、調査に努力した結果としての対策にも取り組んでいきたい、そのような思いでおります。
○風間昶君 そこで、我が国のダイオキシンに対する科学的知見は十分なのかどうか。厚生大臣、現時点でわかる段階でお教え願います。
○国務大臣(小泉純一郎君) ダイオキシンが人に与える影響、健康に対する影響ですけれども、これは今国内でも調査しておりますが、国際的にもまだ科学的に完全に明らかになったとは言えないと思います。母乳に出たりあるいは魚介類、食品に出たり、いろいろありますので、国内調査を進めるとともに、国際的な動向を見ながら科学的知見の蓄積に努めて、しかるべき適切なダイオキシン対策に努力をしていかなきゃいかぬと考えております。
○風間昶君 質問に答えていない。科学的知見は現時点で十分なんですかと聞いているんです。
○国務大臣(小泉純一郎君) でありますから、明らかになっていない点がたくさんありますので、十分とは言えません。
○風間昶君 環境庁が「ダイオキシンってなあに?」というパンフレットを出してございます。この中で、「ダイオキシンはがんを起こすのですか。」、「ダイオキシンは赤ちゃんの奇形を起こすのですか。」という質問設定の中で、両方とも、「現在のわが国の通常の環境の汚染レベルではダイオキシンによりがんになるほどではない」、あるいは子宮奇形を含めて「奇形が生ずるほどではないと考えられています。」というふうに答えていらっしゃる。これは全国民に知られているところでございます。 今まさに厚生大臣が十分な科学的知見ではないというふうに断言されているにもかかわらず、環境庁の方では、「がんになるほどではない」、「奇形が生ずるほどではない」と答え、堂々と文章になって載っている。このことの矛盾について、環境庁長官、どうお思いですか。
○国務大臣(大木浩君) 今、厚生大臣の方からもお話がございましたように、いろんなところでダイオキシンの排出があります。一番今大きいのは、焼却場のお話がございましたけれども、空中に放出されるダイオキシン。ですから、その濃度ということを考えますと、通常の焼却場から出ておるダイオキシンということでは、今その資料に申し上げましたような程度のことであるということを申し上げたわけでございます。 ただ、ダイオキシンが非常に毒性の強い物質だということは、これはわかっておる。ですから、これから大気中ばかりじゃなくて、先ほどもお話があったかと思いますけれども、ほかのところにも出てまいります。水の中にあるいは土の中に、だんだんにまたいろんなところに出てくるわけですから、それについてもいろいろと調査をしておりますけれども、これはまだ大気中以上に非常に実態がよくわからないというのが現実でございます。 ですから、今のところは、普通の焼却場から出ておるダイオキシンの今の濃度ではその程度のことだということは申し上げておりますけれども、ダイオキシン自体が決して安全なものだということを言っておるわけではございません。
○風間昶君 煙の分だけの話でございまして、問題は土だとか水だとかにも行くわけですから、そこについて、そのことをトータルに勘案して現時点でがんを起こすほどでない、あるいは奇形を生ずるほどではないと言うのならわかるんですよ。そういう説明はないじゃないですか。
○政府委員(岡田康彦君) お答え申し上げます。 私ども、このパンフレットは、できるだけダイオキシンの問題についてわかりやすく客観的に、不安を持たないで理解できるようなものをつくりたいということで、初めてのものとしてつくってみました。 そのときに私どもも、今のお話がありますように、すべてのことがわかっているわけではありませんので、一昨年からダイオキシンのリスク評価検討会というのをつくりまして、そこで専門家の先生方に随分議論していただきました。その中から私どもといたしましては、私どもといいますより先生方の御意見として、人体については体重一キログラム一日当たり五ピコグラムというところを一つの基準として考えたらいいだろう、こういうようなことをちょうだいいたしました。 そのときに、都市部に住んでいる人たちが、例えば食物から、あるいは空中から、水から、どれぐらいのダイオキシンを実際摂取しているかということの調査もあわせてやってみました。そうしたところが、食物のとり方によっても違うものですからみんな一律ではないんですが、平均的には三・五ぐらいまで、一・幾らから三・五ピコグラムぐらいの人が多いということもわかりました。それが先ほど申し上げました五ピコグラムに比べればその中におさまっているという意味で、一つの検討会の答えに即して物を考えればそういうふうに申し上げられるだろうということで書かせていただきました。 そのことについては、実は隣のページにも、人間がどれぐらいの摂取をしておりますかということと、それからさらにその欄外に、どうして五ピコグラムというのを考えましたかということも書いてございまして、全体をごらんいただければおわかりいただけるのではないかと思っております。
○風間昶君 これが一〇〇%ではないということは皆さん思いながら見ているわけですから、書き方一つで逆に不安も大きくなるし、そういう意味でもっと慎重に検討した結果を公表して書くべきだと思うんですけれども、もう一回、環境庁長官。
○国務大臣(大木浩君) こういう問題についてのいろいろな資料というときには、いたずらに不安をかき立てることはいけない、しかしやっぱり危険性はしっかりと国民に認識していただく、こういうことだろうと思います。 今のその紙につきましては私ももう一遍読み直させていただきますけれども、私どもとしては一応現状ではこれぐらいの表現がいいかなということで書きましたけれども、今後ともそういうことは常に注意しながら、これから資料をつくりたいと思っております。
○風間昶君 もう一点、このパンフレットの中にもう一つ「ひとりひとりができるダイオキシン対策」というのが挟み込まれております。この中で、「特に、塩素が多く含まれているものは、小型焼却炉で処理すると、不完全燃焼によってより多くのダイオキシンを発生する原因となり得る。」というふうに書いてございますけれども、特に塩化ビニール系の有機塩素系の身の回りにある商品、一体どんなものがあるのか、総理、御自身の御家庭の中でどんなものがありますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 有機塩素系化合物としてぱっと頭に浮かぶのは塩ビ系のものでありますし、そして公邸で暮らしております私にとりましてやはり一番目に触れる機会の多いものはラップフィルム、フィルムのたぐいと思います。
○風間昶君 それだけですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、それは探していきますなら、例えば公邸に帰りまして私が履いておりますサンダルも多分あれ塩ビだろうと思いますし、あるいは公邸の中に使われているかどうかわかりませんけれども、例えば壁面に使われたりいろんなところに使われたりしているということは存じておりますが、公邸に暮らしておりまして一番身近に私が触れるものとしては、有機塩素系の化合物としては塩ビ製品、その場合、やはり触れる機会の多いものはラップフィルム、フィルム系統ということをお答え申し上げたわけであります。 もしつけ加えるのでありましたら、例えば娘が野球場で雨に降られまして買って帰るビニールの傘とか、そういうふうに拾っていけばいろんなものがあると思います。
○風間昶君 私の家にもラップ、それからビニール製人形、カップめんの容器等々、発泡スチロールのきのう食べた弁当、こういうのもあるわけであります。いずれにしても、塩ビ製品に相当囲まれた生活を我々はしているわけでございます。これが燃やされるとダイオキシンが出るということはもうわかっているわけであります。そういう意味で、先般文部大臣が学校の焼却炉施設を廃止したということは、私は大英断だと思います、三万三千もの焼却炉ですから。 それに引きかえ、小型焼却炉はまだ五万七千近くもあるということに対して、厚生大臣は何も処理をされようとする発信が聞こえてこない、国民の前に。どういうことを厚生大臣はやろうとしているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) お答え申し上げます。 小型焼却炉の関係についての御質問でございますが、厚生省といたしまして昨年の八月に廃棄物処理法の施行令を改正いたしまして、構造基準及び維持管理基準が適用されます施設の処理能力、これは従来一日当たり五トン以上としていたわけでございますが、一時間当たり二百キログラム以上まで引き下げまして、より小規模な焼却炉まで規制対象としたところでございます。これによりまして、基準が適用されます焼却施設は現在の約五千から約一万二千に増加するものと見込まれております。 また、家庭用あるいは業務用の小型焼却炉の数は、過去の販売実績を勘案いたしますと約九万台というふうに推計をされておりますが、施設の規模にかかわりませず、廃棄物を焼却する際に守らなければならない処理基準というのがございます。それにつきましては、焼却施設の構造あるいは焼却方法に対します基準というものを明確化いたしまして、野焼き同然の焼却行為を規制したところでございます。したがいまして、小型の焼却炉につきましてもこの焼却の基準はかかるわけでございますので、焼却の適正化が図られるものと考えております。
○委員長(岩崎純三君) 時間です。
○風間昶君 もう時間がありませんから、今、総理お聞きになって、要するに有害対策として出口の議論ばっかりなんです、焼却炉をどうしたらいいかとか。むしろ入り口の議論をきちっとやらなきゃならないと思うんですが、そこの部分についてどうこれからされようとするのか、総理に伺って、最後の質問にさせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 廃棄物の処理という点からの焼却炉の議論、これが出口だといたしますならば、そこからもう一歩前に廃棄物の捨て方の問題というものが出てきます。 そして、たまたま今公邸で私どもが暮らしております中で、紙と、そしてビニールというかプラスチックのもの、そして缶、瓶、そのほかに消費済みの電池と生ごみ、公邸の中では五つに廃棄物を分けているわけでありますが、自分の郷里を振り返ってみますと、郷里の家ではそこまで細かく地域の収集体制はいっていなかったように思います。その後どう変化をしておりますか、しばらく家に帰っておりません、公邸住まいが続いておりますのでわかりませんけれども。ですから、毎日の暮らしをしておられる国民お一人お一人のその廃棄物を分けて捨ててくださるということだけでも、私はここにはひとつ大きく違いが出てくると思います。 さらに、議員、身の回りを集めて幾つかの指摘をされましたように、私どもの暮らしの中に有機塩素化合物というのはいろんな形で非常に多用されているわけであります。それだけある意味では暮らしの中に入り込んで必要な部分を占めているということも言えるかもしれません。 ですから、これは産業界に対しては、これにかわる、価格的にも競争のできるような、そして複合汚染、有害物質を発生させないような新たな原材料の開発というものが可能であるかどうか、それができるとすれば、これは人類にとっても恩典でありますし、そうした技術開発への努力を要請するとともに、それがもし実験室段階で成功した場合に、それを製品にどうすれば移行させることができるのかをお互いに知恵を絞らなければならない、そのような感じを持っております。
○風間昶君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。党を代表して質問をやらせていただきたいと思います。 なお、後ほど関連質問を上山議員にお許しいただきたいと思います。 さて、総理、私の選挙区である沖縄県でも景気は極めて深刻であります。参議院における予算審議の開始に当たって、財政構造改革法と景気対策のあるべき関係について、総理の所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは沖縄県に限定しないお答えでお許しをいただきたいと思うのでありますが、私は、国全体として財政構造改革の必要性はどなたもが認めてくださることだと思います。そして、その必要性はこれからも変わることはないと私は思っておりますが、同時に経済・金融情勢の変化に応じて臨機応変の措置というものをとっていく必要性、これもまた当然のこととしてお認めをいただけると思うのであります。 私どもがよく申し上げますこと、それは財政構造改革というものと当面の景気回復のための努力、これは二律背反のものではない、異なるタイムスパンの中に位置するもの、そうした考え方のもとにこれまでも努力をしてまいりました。 しかし、沖縄県におきまして雇用情勢等につきましても本土各都道府県に比して厳しい条件がある、そうした点はよく存じておるつもりであります。
○照屋寛徳君 特別に沖縄の景気対策についてもお触れになっていただきました。ぜひ強力な対策をお願い申し上げたいというふうに思っております。 さて、政府の財革法と景気対策の関係については、なし崩し的な政策転換ではないか、こういうふうに批判する向きもあります。私は、国民は所得税減税を強く求めておるのではないかと思います。 自民党は昨日、所得税・住民税減税の実施を総合経済対策には盛り込まない、こういう御決定をされたようであります。マスコミ報道によりますと、財革法改正での責任回避を優先したとか、これで暫定予算は必至になったとか、こういう報道もありますが、総理の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) マスコミの報道についてでございますか。
○照屋寛徳君 いや、自民党の決定について。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもの党の中、これはいつもさまざまな角度からそれぞれの施策についての議論はオープンに続けております。そうした中で、その議論を私は封じてもまいりませんでした。そして今、景気回復のための対策というものの中に所得税減税を含むか含まないかについて慎重な検討を必要とするという判断を党がしている、こういう報道は確かに私自身も見ております。 ただ、昨日も一日本委員会におりまして、党の役員会等に私も出られませんでしたので、細部の議論まで承知をしているわけではありません。むしろ、オープンな議論の中からこそよい方向が生まれてくる、私はそう考えております。
○照屋寛徳君 公務員の年金問題についてお伺いをいたします。 二〇〇一年から年金の支給開始年齢が六十一歳になります。一方、その公務員の定年年齢は六十歳であります。このままだと、定年退職後、年金支給開始年齢との間にブランクが生じてまいります。多くの公務員が雇用と年金支給に不安を抱いておるようであります。 そこでお伺いいたしますが、人事院総裁おいででございますでしょうか、まず人事院総裁からその意見申し出の時期とその具体的な内容をお聞かせください。 また、総理からはこの問題についての基本的な考え方を御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(中島忠能君) お尋ねの件につきましては、関係各省の人事当局あるいは労働団体等いろいろな方面から御心配をいただいております。できるだけ早く処理いたしたいという気持ちでおりますが、何分私たちいろいろな仕事を担当しておりますけれども、その仕事の中には、人事院の中立性を保った独立機関としての性格を失わない範囲内におきまして、できるだけ政府当局の意見をよく聞きながら、そして私たちの意見を固めなければならない仕事もございます。今回の仕事はそういう性格の仕事だということで、私たちは、現在、関係各省の意見をよく聞きながら自分たちの意見をほぼ固め終わっております。 ただ、関係法律、改正すべき法律も若干ございますので、やはり最後の総仕上げといたしまして、総理の御意見も伺ってみたいなというふうに考えております。 そういうことで、全部の準備が整いましたら私たち意見の申し出の時期というものを決めてまいりたいということでございますが、何分いろいろな方に御心配いただいておりますので、できるだけ早く進めたいというふうに思います。 内容でございますけれども、今お話しのように、年金の支給開始年齢と雇用の終了というものの間にすき間が生じないということを基本に考えていかなきゃならないなというふうに思います。その場合、民間の現在の定年状況というものを考えてみますと、一気に定年延長というところまでは少し持っていきがたいなと。そこで、定年退職者を再雇用する新しい再任用制度というものを創設していかなきゃならないなというふうに考えております。 その新しい再任用制度における雇用年限でございますけれども、年金の支給開始年齢というものが今お話しになりましたように二〇〇一年から三年に一歳ずつ引き上がっていきますので、それに対応するように雇用年限というものも引き上げていくということを考えたらどうだろうかということでございます。 給与とかあるいは勤務時間とかその他服務一般につきましても、公務員制度というものの基本を踏まえながら、民間の状況というものもよく調査して、その上、人事当局とか労働団体の意見を聞きながら私たち意見を固めておりますので、できるだけ早く処理いたしたいというふうに考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、人事院総裁から改めてその決意を述べられましたけれども、先日、人事院総裁にいわゆる天下り白書の内容の説明に官邸を訪問していただきました際、この問題については改めて時間をとって議論しましょうということでお別れをいたしたテーマでもございます。 その中で、総裁からも触れられましたように、公務部門における高齢者の雇用、これは六十歳代前半における雇用に積極的に取り組むという旨の平成六年三月の閣議決定に従いまして、定年に到達した職員を改めて任用する形での高齢者雇用制度を具体化する、その方向に向けて関係機関におきまして、今民間企業の動向なども踏まえながら鋭意検討を進めております。 平成十三年度から年金支給の弾力化スケジュールを公務部門において行うことを念頭に置きながら進めていかなければならない、実施していかなければならないものでありますから、この検討結果の取りまとめができ次第所要の措置を講じていきたい、そのように思っております。
○照屋寛徳君 大蔵大臣にお伺いをいたします。 現職の大蔵官僚、また天下った大蔵官僚、それから出向中の大蔵官僚の不祥事、これはもう不祥事というよりは犯罪行為の続発であります。そのことに国民は大いに怒っております。 大蔵大臣、これらの大蔵官僚の犯罪行為の続発の原因、これをどのように思っておられるのか、またいかなる対策をとろうとしておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。 今、委員御指摘のように、現職の大蔵官僚、そして出向しておる者あるいは天下った者等、犯罪行為を犯し、あるいはまた刑事捜査の対象になっていなくとも多数回にわたって大変な接待を受ける、そういう人たちが相当おるということが明らかになったということはまことに残念なことであり、ざんきにたえないところなんです。何としてでもこういう事態が将来二度と起こらぬようにする必要がある、それをきちっとやってこそ初めて大蔵省の信頼が回復できるんじゃないか、私はそう思っております。 今、委員は、その原因とそれから対策をどう考えるのかという話でございますが、原因はいろいろあるかと思いますけれども、私は次のように考えるんです。 一つは、行為者本人の倫理観の欠如あるいは心の卑しさ、これがあるがために招待をされた場合に断れない、それを断るだけの抑止力を自分の心の中に持っていない、そこに問題の一つがあると思いますが、同時に道徳に反すること、法律に反することをした場合には後で厳しい制裁があるということであれば、それも抑止力になるんですね。私はそれを外的抑止力と呼んでいるのでありますけれども、刑事罰を受けたような場合には事後は外的抑止力が働くでしょう。しかし、そうでない場合に果たして外的抑止力が働くかなと。 そう考えますと、一つは、刑事訴追の対象になった人は処罰を受けるわけでありますけれども、そうでなかった人にとっても国家公務員法あるいは大蔵省の中の倫理規則、そういったものに基づいて厳正な処分をすることが外的抑止力を強めることになる。それともう一つは、これは今議論をされているところでありますが、罰則規定の入った倫理法、これも制定していただく、こういったことで行為者自身の抑止力を強めていく、あるいは卑しい心を直してもらう、そういった面からの再発防止の施策が大事だろう、私はこう思います。 もう一つは、行政のあり方、大蔵省の役人を接待すれば何かいい情報がもらえるかもしれぬ、あるいは温かい配慮がしてもらえるかもしれぬという下心があって招待者は招待するんじゃなかろうか、こう思われます。さすれば、行政のあり方を従来の配慮型の行政あるいは事前に指導していくという指導型の行政、こういった行政から、事前に明確なルールを確立してそれを明示して、そして事後にそのルールに従った事業活動がなされているかどうか、それを事後的にチェックするという形の行政に根本的にやり変えていく必要がある、私はそういうふうに思うわけであります。 したがいまして、行為者自身の心の問題とあわせて、事後そういった自己抑止力のない人、あるいはまた制裁規定その他が余り発動されていないような状態、これを直していくことと、もう一つは、行政のあり方を、先ほど申したとおり、事前指導型あるいは配慮型の行政から事後チェック型の行政につくりかえていく、こういったことを通じて再びこのような事態が発生しないようにやっていく必要がある。私は、全力を挙げてそうした行政の転換をやって、そしてこの事態の将来への対応策をしっかりやっていきたい、こう考えているところでございます。
○照屋寛徳君 私は、これまで軍事理論の面では抑止力論というのはよく聞いておりましたが、今、大臣のお話を伺って、大蔵官僚ともあろうものが内的、外的抑止力を欠いておったと、これは大変情けない限りであります。ともあれ、厳正な対応を大臣に強く求めておきたいと思います。 ところで、その政府系の銀行に出向した形の九人の大蔵官僚が実際には別の財団法人や社団法人に再出向しておった。しかも、その理由が退職金を減らさないため、こういう理由で再出向しておったということでありますが、出向先から別法人への再出向というのは厳に慎まなければならないと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(松永光君) 今の御質問にお答えする前に、私が使った内的抑止力、外的抑止力、これは十数年前に文部大臣をさせていただいているときに、ある本にそういったことが理論的に書いてあったんです。それをちゃんと覚えておったものですから、なるほどなと、こう思って申し上げたわけでありますけれども、それは私は一つの理論だと思って大事にしておるわけであります。 ただいまの出向した者の問題でございますが、これは出向制度、それから出向制度の運用の実態、こういったことに関する問題でございますから、恐縮でございますが、まずはその方の担当者である官房長がその実態を説明することをお許し願いたいです。
○政府委員(武藤敏郎君) 特殊法人に出向いたしました職員がその特殊法人の自己の業務の必要性から、その法人の業務の一環といたしまして、その法人に身分を置いたまま外部の公益法人に派遣されるということがございます。 大蔵省の場合には日本開発銀行に四名、日本輸出入銀行に一名、合計五名となっております。いずれもこの出向先の特殊法人の業務上の要請に基づく派遣ということでございまして、いわゆる再出向というものには当たらないものと理解しております。 なお、日本輸出入銀行に出向いたしまして、同行の海外投資研究所の主任研究員として海外で勤務している者がなお六名ほかにございますが、これらの者は海外情報の収集分析に当たっておりまして、その成果をこの研究所に送っているということでございます。
○照屋寛徳君 総理府が一九八三年の十二月に、出向先から別法人への再出向を厳に慎むようにという通知を全省庁に出しておるようですが、そのことには違反しておりませんか。
○政府委員(武藤敏郎君) 確かに私どもも、総理府から再出向というものについては厳に慎むことということで、その事実はよくわかっております。 ただいま申し上げましたとおり、輸銀、開銀から公益法人等に派遣されております者は、派遣先で得られました情報やノウハウを輸銀や開銀に還元するということで、その輸銀、開銀の業務に貢献しているということでございますので、いわゆる公益法人に再出向させているということではないというふうに理解しているわけでございます。
○照屋寛徳君 対馬丸の問題についてお伺いをいたします。 五十三年前の夏に、沖縄では我が国で唯一の地上戦が展開をされました。二十万余のとうとい命が犠牲になったのであります。学童七百三十八人を含む千五百八人の犠牲者を出した対馬丸の悲劇は、沖縄戦を象徴する悲惨な事件であったと私は思います。 去る三月七日挙行された洋上慰霊祭に厚生大臣に御参加いただきました。その際の厚生大臣の御感想をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 三月七日、沖縄の那覇港から約十時間かけて沈没地点に御遺族の皆さんと到着いたしました。 当日、心配されました天候も比較的穏やかで、慰霊祭も滞りなく無事なされましたけれども、五十年以上たってなおかつ生存者もおられた、御遺族も一緒に参加して悲しみを新たにされている姿を見まして、戦争の傷跡というのは深いなと。まさに五十年前のことがきのうのようによみがえってきて、友人、生還者、御遺族、涙を流して慰霊をされておりましたけれども、このような痛ましい事件というのは戦争によって引き起こされた、戦争というのは二度と起こしてはならないと私も深い感懐といいますか、傷跡の深さに改めて思いを深くしたところであります。
○照屋寛徳君 私は昭和二十年の七月にサイパン島のアメリカ軍の捕虜収容所で生まれました。生まれたときにすぐに捕虜になったわけであります。 私も大臣と一緒に洋上慰霊祭に参加をさせていただきまして、御遺族の方々あるいは漂流後に生還された方々のお話を聞いて、本当に胸が引きちぎられるようなそういう思いをいたしました。 残念ながら、公務の御都合で総理は御参加になれませんでしたけれども、大変すばらしい式辞を贈ってくださいました。感謝を申し上げます。 総理の対馬丸事件に対する御感想もお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど大学の三年あるいは四年の春、たまたま私が授業がなく午前中家におりますときに、父を訪ねてこられたお客様を応接間に御案内し、そのまま私は大学に出かけました。その夜、帰宅をいたしましてから、その訪問客の皆さんが対馬丸遺族会の代表の方々であったこと、そして本土の我々が全く知らない沖縄戦の姿というものが今も尾を引いていることを夕食をとりながら初めて父から聞かされました。 後でわかりましたのは、その対馬丸遺族会の方々を私の父に御紹介いただきましたのは、当時の早稲田の総長でおられた大濱信泉先生だったそうであります。それ以来、この事件は私の頭にこびりついておりましたが、その父が亡くなり、私が国会に出ましたときにもこの問題はそのままの姿で残っておりました。そして、対馬丸の遺族の方々に対する見舞金あるいは給付金の声も当時は消されておりました。遺族年金にはスタート時足りませんでしたが、この対馬丸の御遺族に対する給付を始めることができたそのお手伝いをしたことを私は政治家として今も非常に幸せに思っております。 同時に、その当時から正確な沈没地点が知りたいという声は遺族の方々の切なる言葉でありました。北海道開発庁長官の依頼を受けた科学技術庁の諸君がついにその対馬丸の船体を発見し、その発見に基づいて今回の洋上慰霊祭が、今までは沈没の場所がわかりませんでしたからその上に停泊して慰霊を行うことができませんでしたものが、その沈没現場において慰霊祭ができたことを、所用で出席はできませんでしたが、当日感無量の思いで迎えておりました。
○照屋寛徳君 厚生大臣、対馬丸の遺族の皆さん方が船体や遺骨の引き揚げを強く希望しておりますが、その実現についての御見解を伺いたいと思います。 また、年度内に今度参加できなかった御遺族のためにぜひ慰霊祭を実施すべきだと考えておりますが、その点についても大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 現在、あの大戦中沈没した海軍の船を含めて、沈没船は約三千二百隻ほどあると聞いています。これは対馬丸もあるいは戦艦大和も含めてでありますけれども、この三千数百隻の船をできれば全部引き揚げて遺骨を収集するのが筋だと思いますが、技術的に非常に困難である。特に、今までの遺骨収集というのは、その御遺骨が人目にさらされて、損壊されて、もう尊厳が損なわれている、なおかつ技術的に引き揚げが可能だというところをしておりますので、余りにも深いところ、まだ探索が不能なところは無理であります。 この対馬丸におきましては、今のところ地点はわかったわけでありますが、八百七十メートルほどの深海にあって、引き揚げることが技術的に困難だと。また、引き揚げる途中に壊れてしまうんじゃないかと、貨物船でありますから。 そういう点もありまして、今のところでは技術上困難であるということから考えまして、今回対馬丸の海上慰霊を行うということで、御遺族の方がぜひとも参加したいと、厚生省の予想より多かったわけで、全部の希望者が乗船できなかったんです。そこで、できるだけ御遺族一名に限っていただきたいということでもなおかつ参加できなかった方々が、御希望が強いものですから、今回は第一回目だと、できればことしじゅうに第二回目をまた現地に行って洋上慰霊を行いたい。 ただ、時期ですが、幸い今回は天候もよかったです。沈没した日にちにしていただきたいという御遺族の希望が強いんですが、たしか八月二十二日ですか、これは台風シーズンに重なるんですね。穏やかな場合でも酔う方がございます。そういう点も考えまして、できればことしじゅう、台風シーズンを避けて、できるだけ天候の安定した時期に第二回目の洋上慰霊祭を行いたい。今のところ時期はまだ確定していませんが、そういう条件を見ながらできるだけ御遺族の希望に沿うような形で洋上慰霊祭、二回目を年内に行いたいと考えております。
○照屋寛徳君 大臣、ありがとうございました。 この船体や遺骨の引き揚げについては今後も技術的な検討をやっていくという御趣旨なんでしょうか、それが一点。 もう一つは、先ほどお話が出ました、沖縄でも嘉義丸とか湖南丸あるいは赤城丸などの戦時遭難船舶の真相究明と犠牲者の遺族に対する補償を求める声が強いのでありますが、それらの戦時遭難船舶犠牲者の問題についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の対馬丸洋上慰霊祭を知った方々が、委員もサイパンと言われましたけれども、サイパンからの避難船でもっと痛ましい事件があるんだというような当時の事件を教えてくれる方もございます。対馬丸がやるんだったらこちらもあちらもという声がいろいろ聞こえておりますが、技術的に可能な点あるいは御遺族等の当時の状況を勘案しながら、可能な限りの慰霊事業は行っていきたいというふうに考えております。
○照屋寛徳君 それでは次に、沖縄振興策について、総理と沖縄開発庁長官にお伺いをいたします。 昨今、沖縄の振興策をめぐって、基地と振興策はリンクすべきだというふうな議論が出てまいっております。総理は、復帰二十五周年記念式典に出席した折、新聞記者の質問に対して、基地と振興策をリンクさせて考えることは悲しいことだと、こういうふうな趣旨の発言をされました。 一体、沖縄振興策の目的、理念というのは何であったのか、沖振法がつくられた経緯等に照らして、沖縄振興の理念について、総理と開発庁長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 沖縄県の今後を考えたとき、私どもは基地の問題と地域振興がともに重要な問題だと考えておりますし、そうした認識の中でこれまでも米軍基地問題の解決に向けて着実な前進を図りたいと、全力を傾けてまいりました。同時に、並行して沖縄振興策にも全力を傾けて取り組んでまいりました。 その基本的な考え方は何かと言われますと、沖縄の将来を考えますときに、米軍基地の整理、統合、縮小を図るだけでは済まない。むしろ、これに対応した基地依存型の経済から自立型の経済に移行していく努力というものがどんなことがあっても必要になる。そして、その両者は密接に関連した問題ですけれども、意図的に絡めることは私は避けたい、本気でそう思ってまいりました。 そして、県のお考えも、この両者は密接に関連した問題であるというお考えであり、普天間の跡地をどうするか、そうした大きな問題を考えますときに、私は県の考え方というものは十分理解できるものとそう受けとめましたし、政府としてもこれを重く受けとめ、知事さん自身がメンバーで入っていただいている沖縄政策協議会を中心にして、政府と県が一体になりまして協議会のもとでの幹事会あるいはプロジェクトチーム、それぞれの場所で全力でみんなが、県庁の関係者も入っていただきながら振興策の検討、事業の推進に取り組んできました。 これから先も政府としては、米軍基地の整理、統合、縮小、その進展を踏まえながら、北部振興策も含め、振興策についても国民の理解と協力を得ながら最大限努力をしていきたいと考えております。その考え方に全く変わりありません。 ただ、その上で、知事さんが海上ヘリポートの問題について受け入れ拒否という声明をなさったことから、基地問題の解決と地域振興を密接に関連した形で取り上げていく県御自身が持っておられる国際都市形成構想を今後どう取り扱っていったらいいのかという問題がございます。 例えば、普天間基地、その跡地を中心にして技術協力、国際協力拠点の形成を図る。国際都市形成構想の中核とも言うべき構想を考えましたとき、基地のありようを抜きにしては実は振興策の具体化の検討が難しいという実際上の問題があることもこれは事実であります。 そうしたことを踏まえた上で、意図的に私はこの二つを絡めようとする声に対しては大変情けない思いで、県を訪問したときに報道機関から受けた質問にもそのような思いで対処いたしました。
○国務大臣(鈴木宗男君) 今、照屋先生から沖縄の振興開発の理念はどのように考えておるかということでありますが、基本的には総理の答弁に尽きていると思います。今の総理の答弁を受けながら、私は沖縄振興の方の責任者でありますからしっかりやっていきたい、こう思っております。
○照屋寛徳君 開発庁長官、あなた、総理の意向を受けてと言うのですけれども、総理がおっしゃっておった意図的に基地と振興策を絡めている代表は私はあなただと思っているんですよ。 あなたは、二月九日の参議院の本会議で自民党の岡議員の質問に答えて、「国益、さらには国策に協力をいただく場合には、当然、予算の傾斜配分等はあってしかるべき、」「そのことも頭に入れながら、引き続き沖縄振興をやってまいります。」と。どうやら開発庁長官は予算の傾斜配分がお得意のようでございまして、石垣市の市長選挙でもめったやたらそのことだけをあなたは強調しておられる。あなたが言う国益とは一体何ですか。沖縄の振興と絡む国策とは何ですか。
○国務大臣(鈴木宗男君) とってもいい質問をしていただいたと思いますが、照屋先生、ぜひとも話はトータルで聞いて御指摘をいただきたい。 私は、例えば今、先生の御指摘になった石垣島での演説の件でありますけれども、あのとき私が言いましたのは、復帰後二十五年たっております、その二十五年間で五兆三千億を国は沖縄の社会資本整備に投資をしてまいりましたと。それを本土と比較するならば、全国平均と比較するならば、沖縄には一平方キロ当たり二十億一千六百万であります、全国平均は四億二千七百万ですから、四・七倍この二十五年間でやってまいりましたと。そして、平成十年度も七%のいわゆる公共事業削減の中で、それでも沖縄には一平方キロ当たり一億二千二百万であります、全国平均は二千四百万ですから、四・七倍がさらに五・一倍に伸ばしているんですよ、傾斜配分しているんですよという話をしたのであります。 何も意図的に傾斜配分したという話はしておりませんから、照屋先生があのときその場所で私のお話を聞いてその御指摘をなさるならば、私も参りましたと言いますけれども、全くもってその一部分だけとられますと、私はこれは正確でない、こう思いますので、ぜひともよろしくその点は事実だけ申し述べさせていただきたいと思います。
○照屋寛徳君 長官、私が聞いたのは、あなたがおっしゃる沖縄振興と絡む国益、国策、あなたが求める国益、国策というのは何ですか。沖縄の人はあの戦で、いいですか、国体護持のために二十万人も犠牲になったんです、国策のために。日本の独立と引きかえに軍事基地を押しつけられてきたんです。そのことについてあなたはどう思っているのですか。
○国務大臣(鈴木宗男君) 私は私なりに沖縄の皆さんの痛み、思い、心というものを踏まえて発言もしていますし、これまで政治家として活動してまいりました。同時に、バッジをつける前から私はサトウキビの問題等でそれなりに汗をかいてきたつもりでおります。国会議員になってももちろん一貫して沖縄の問題には、沖縄・北方特別委員会に属しまして、私は沖縄選出の議員さん以外では鈴木宗男が一番だというぐらいの自負心を持ってやってきたつもりでおります。 同時に、照屋先生、さきの大戦で沖縄では二十万の人が亡くなっておりますが、七万弱は沖縄県民以外の人であります。その七万弱の中で一番の犠牲は北海道人でありまして、その数一万一千人であります。私の郷里の先輩方も亡くなっておりまして、そのことも十分踏まえて沖縄のことはやってきたつもりでおりますから、私には私なりの沖縄に対する思いというものを持ってこれまでもやってきたし、これからもしっかりやっていくということをぜひとも私はおわかりをいただきたい、こう思っております。
○照屋寛徳君 沖縄開発庁ができて後、初代長官の山中先生、またここには小里総務庁長官もおられます。私が尊敬する岡部元長官もおられます。ところが鈴木長官、あなたが幾ら自負心を強調しても、沖縄の人はそういうふうには評価しておりません。 さて鈴木長官、かつて副総理であられた後藤田正晴先生が三月四日の朝日新聞に論文を寄せて、「沖縄の琉球処分以来一世紀を超える長い歳月の辛苦と現状を思えば、経済振興は基地対策とは別に政府が取り組むべき課題である。」、こういうふうにおっしゃっておりますが、どう思いますか。
○国務大臣(鈴木宗男君) 先ほど総理が答弁された考えと私は一緒であります。
○照屋寛徳君 あなたはすぐ総理、総理だとおっしゃって、沖縄振興を担当する所管大臣としての意見を求めているのにそういうふうにお逃げになる。 たくさん質問を通告しておりますので、前に進めます。 去る二月六日に、大田沖縄県知事は海上ヘリポート基地建設を拒否する旨表明をされました。この知事の決断を私は支持いたしております。知事の決断に対して、信義に欠けるとかあるいは沖縄県民は地域エゴばかりを主張しておる、こういう批判をする向きがありますが、私は、海上ヘリ基地建設を拒否することが地域エゴというのであれば、戦後五十三年間安保の犠牲や負担を一方的に沖縄だけに押しつけている本土のエゴこそ問われるべきであるというふうに思っております。 ところで、知事の決断は今後も変わらないと思いますが、海上ヘリ基地建設は、そういう知事のお立場、県民の意向を無視して強行されるお考えでしょうか。総理、防衛庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 直接お尋ねの前に一言私は触れたいと思うのであります。 昨日も本委員会でこの問題についての質疑がございましたとき、先日、政府から審議官クラスを現地に派遣し、知事初め県の執行部の方々と長い議論をし、その中身は必ずしも成功裏に終わったとは言えない話し合いでありましたけれども、これに触れて、要するに自分たちがかけてきた二年間は何だったんだという関係者の声がある、しかしそれを言えば、沖縄の皆さんからは、では我々の五十三年間は何だったんだという声が返ってくるに違いないという答弁をいたしましたとき、議員もそれをお聞きになっていただいたと思います。 私は、少なくともそうした思いでこの問題に取り組んできておりますので、本当にできる限り双方の、お互いの立場というもの、抱える問題というものに理解を求める努力をしていかなければならないと考えております。そして私は、現時点において、普天間基地を返還する、しかしそれを完全に何らのかわりなしにかち得ることはできない、その中でのぎりぎりの最良の選択肢として海上ヘリポートという考え方を提示申し上げてきました。 知事さんは、少なくとも昨年の十二月の暮れ、お目にかかりましたときに、私に県の態度を決めるのになおしばらく時間がかかると言われました。そして、私は、実はそのとき、私の執務室をあけても結構ですから、名護の市長さんもちょうど上京しておられます、前市長が上京しておられたときでした、ですから、知事さんと名護の市長さんがひざを突き合わせて話してみたらどうですか、もし何だったら私、そこをあけてお使いをいただきますからとまで申し上げましたが、知事さんは名護の市長さんに会っていただけなかったんです。 私は今でも知事とこの問題について話し合いたいと願っておりますし、これ以外の選択肢がないんだということもぜひ御理解を願う努力は続けていきたいと思っております。 知事さん御自身が記者会見で、このSACOの話の中で普天間の返還というものが出てきたときに、無条件返還が一番いいんだけれども、次善の策、現実的にはそれは難しいことだから次善をと言われたことを私は今も記憶いたしております。過去に言った言わないにとらわれるんじゃありません。現実をどうすればいいか、本当にやっぱり私はこれはひざを突き合わせてこれからもお話をしていくべきことだと考えております。
○国務大臣(久間章生君) 今、総理から述べられたとおりでございます。 私も何でこういうふうになったんだろうと。少なくともあのとき、県は直接SACOの委員会には入っておられなかったわけですけれども、その下に設けられましたいわゆるタスクフォースという作業委員会等には副委員長として副知事も入っておられましたし、また委員としては県の幹部の方も入っておられたわけでございます。そして今、総理が言われたようなそういう流れの中で発表しましたときにも、一歩前進だというような受けとめ方をしていただいておったわけでございますから、その後のいろいろな変化があったんだろうと思いますけれども、いずれにしましても非常に今の状況では困ったものだと思っております。 しかし、これから先も粘り強く私どもまたいろいろな方法を考えていきたいというふうに思っておりますが、何分、今私どもが考えておりますのは、本当に沖縄の安全と環境、そういうものを考えて米軍の運用機能を維持していく、そういう中で普天間返還を実現しようとすると最良の選択肢じゃないか、そう思ってまとめたつもりでございますので、これから先もぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。
○照屋寛徳君 日銀総裁、せっかくおいででございますので、質問の順序を変えまして、就任に当たって、中央銀行としての日銀のあり方についての理念をお伺いしたいと思います。 加えて、幹部六百人の調査を含む日銀の刷新について全力を傾注すべきだと思いますが、お考えをお伺いいたします。
○参考人(速水優君) 日本銀行の運営につきましては、昨日もちょっとお話を申し上げましたけれども、一国経済の良心であるという考え方に基づいて一人一人が誇りを持ち、良心に恥じない行動をしてもらいたいというこのことで、ちょうど四月一日から新しい日本銀行法が施行になりますので、独立性と透明性ということで新しい日本銀行として運営してまいりたいというふうに考えております。 それから、今御質問のございました役職員以上の調査につきましてでございますが、まず日本銀行の職員が逮捕されるという事態に至りましたこと、まことに残念で遺憾でございます。現在の私の立場からも改めて国民の皆様におわびを申し上げたいと思います。 私に課せられた当面の課題は、やはり一刻も早く日本銀行内部の立て直しを果たしていきたい、そのことによって国民の信任を得て回復していきたいということでございます。この点、松下前総裁は「服務に関する準則」というのと「日本銀行員の心得」という二つのコードを策定して、新しい組織に必要な管理体制の見直しなどに着手されたところでございます。 また、役職員の外部との交際の実際につきまして内部の調査を進めておるわけでございますが、現在おおむねそのヒアリングの結果がまとまりつつあるとの報告を受けております。 私としましては、現在進められております捜査当局の捜査や内部調査の結果を踏まえて、今回の事案の当事者はもちろん、関係者につきましても事実に即して厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。 いずれまた、調査の結果等がわかりましたら御報告させていただきたいと思います。
○照屋寛徳君 総裁、どうぞもうお引き取り願って結構でございます。 関連質問を上山委員からお許し願います。
○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。上山和人君。
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。照屋委員の質疑に関連して質疑をさせていただきます。 戦後五十年余りたちまして、あらゆる分野でシステムが制度疲労を起こしたというよりは破綻してしまっている。それを立て直して二十一世紀に向かう揺るぎないレールをしっかり敷き直すことを今私たちは問われているんだと思います。その責任は何よりも大きく、決して失敗や誤りを許されるものではないと思うのでございます。橋本内閣の六大改革目標は、まさにそのレールを敷き直す作業にほかならないと思うのでございます。 そういう観点から、私は二点に絞って、一つは教育改革、一つは景気対策に関連して御質疑を申し上げたいと思うのでございます。 今回の施政方針演説で、橋本総理は第二番目に教育問題をお取り上げになりました。そして、今の子供たちの現状を憂慮されて、「子供たちのために何をすればよいのか、皆様とともに考え、真正面から取り組んでまいります。」という決意を表明なさいました。私は、その総理の演説をお聞きしながら、並々ならぬ総理の教育改革に対する御決意が伝わってまいりました。いよいよ本格的な教育改革に向かって第一歩を踏み出すことができるのではないかと期待もいたしております。そして今、総理のあの演説以来、かつてなく国民の間に教育改革論議が広がろうとしているときだと思います。 そこで、文部大臣にお尋ねしたいのでありますけれども、総理のあの施政方針演説の後、文部省としてどういう施策を講じてこられたのか、これからまたどういう施策を講じようとなさっていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 文部省といたしましては、昨年の一月に教育改革をやろうという方針を受けてプログラムを策定し、さらに昨年の八月にそれを改定いたしました。これはある種時々刻々変わってまいりますので、四月上中旬にはまたこれを改定しようかな、新しい要素をどんどん入れていこうと思っております。 相当幅広い内容になっておりますが、私どもはそれを今四つの柱に中心を置いて、一つは心の教育、二番目は個性を伸ばして多様な選択ができる学校制度をつくること、三番目が現場の自主性を尊重した学校づくり、四番目が大学の改革、大学院の改革、そして研究の振興、こうした中身でございまして、今個々にそれぞれ細かに申し上げてもよろしいのでございますが、そのうち何本かは今回の国会でも中高一貫を初めとして法律を出させていただこう、こう思っております。 〔委員長退席、理事永田良雄君着席〕 さらに、三月末には中教審の答申あるいは中間報告、六月にはまた各種の報告、答申等を経まして、物によっては来年の法律改正あるいは予算措置、いろいろな形でこの具体化を図ってまいりたい、かように考えているところであります。
○上山和人君 総理があの演説をなさる際にどのような具体的な施策を想定しておいでになりましたか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的な施策という意味でありますならば、今、文部大臣が述べられたようなものがその骨格になっております。 殊に、大変身近な例を申し上げて恐縮でありますけれども、私自身、中高一貫の教育を受けてまいりました。私の子供たち五人のうち三人はそれぞれに郷里の公立の小中高に進む、一名は、県内でありますけれども、中高一貫の学校を目指して自分で受験し、そこの道を選びました。今一番下の子供がやはり中高一貫教育の中におります。それぞれによさがあるものだなということは自分で感じてまいりました。 それと同時に、その仕組みの問題としてではなくて、私が非常に感じたこと、初め教育改革を考えましたときにはある程度そのシステムに目が行っておりましたし、これは今でも行っておりますけれども、むしろ青少年をめぐる根本的な問題、それは地域、家庭を含め学校とこれが本当に一体になり、例えば教育現場の自主性という言葉、これを使いますからには行政はそれだけ権限を移譲する、父母も含めて学校はそれだけの責任を持っていただくということでありますから、これはシステムでは、形だけではできません。どういうふうにしていったらいいのか、そして本当に個々の子供たちがその個性あるいは能力に応じて学ぶ、働く、社会の中で役割を持つ、そのためにどうしていけばいいのか、そうしたシステムとは違った意味の教育における何かを求めるようになりました。 そして今、正式な名称は次代を担う青少年について考える有識者会議という名称をとっておりますが、関係する審議会の会長の方々、きょうこの席にも有馬中教審会長がお見えでありますけれども、そして有識者の方々、その中にはスポーツの指導者として、あるいは公立の学校の第一線の先生として、あるいはボーイスカウトのリーダーとしていろんな角度からアプローチのできる方々にお集まりをいただきまして、そこで大きくまとまりましたものをそれぞれの関連する審議会を経て個別の施策に生かしていきたい、今そのように考え、そのスタートを切ったところであります。
○上山和人君 今、子供たちの不幸な事件が続発をしている。そしてまた、いじめによる子供たちがみずから命を絶つという不幸な事件も続発しておりました。総理が憂慮なさるそういう教育の現状は、子供たちの問題が日本の教育のあり方を根底から問いかけているんだと私は思うんです。 文部大臣が御報告なさいました四つの問題あるいはその他の問題につきましては、それはそれなりに大切な施策だと思いますよ。しかし、今問われている問題、しかも教育の政策というのは手だてを講じればあした即効果があらわれる、一カ月後に、一年後にすぐその成果が見えるようになるという性格のものでないだけに、十分その根本的な要因を見きわめた上で施策を誤らないようにしなければならないと思うんです。 私は対症療法も必要だと思う。しかしながら、それと並行しながら、どうやって根本の問題にこたえる政策を立てて進めるか、ここを今問われているのではないでしょうか。 そういう意味から、文部大臣、今中学生を中心にして不幸な事件が続発いたしております。そういうものを考え、そういうものを将来解決することのできるようなものとして、できるだけ近い将来からその成果が上がるようなものとしての施策をどのようにお考えですか。
○国務大臣(町村信孝君) 御指摘あったような大変悲惨な事件等々が頻発しているということで、私ども緊急的には幾つかのことを既にやりましたし、これからもやっていかなきゃならないと思いますが、委員今、より根本的なという御指摘がありました。 私どもも、当面の対策だけではこれはどうにもならない問題があろうかと。もっとさかのぼって言うならば、戦後五十年の日本の教育のすばらしかった点もあるけれども、やっぱり反省をしなければならない点も多々ある。言うならば、これはお金のことばかりではなくて、教育というものに対する国民の、あるいは親の、保護者の考え方という部分にかかわることも相当あるんだろうと思います。 よく総理が言われますが、例えば形式的な平等主義から脱却、こういう話があります。これなんかも、みんなが高校に行くからうちの子も高校に入れようとか、例えばそういうような発想で教育というものを考えるのではなくて、うちの子供にはうちの子供なりの生き方、個性がある、それに基づいた教育がどうやったらできるだろうかといったような、これは直接お金にかかわる話じゃありませんが、教育というものに対する根本的な、戦後教育の一つのあり方というものを考え直していくといったような発想をやっぱり変える努力というのをやっていかなきゃならないことはきっと多々あると思います。 どうしても学校の点数で、知識の記憶力だけで子供の能力をはかるのではなくて、今言った多様な可能性を伸ばしていくとか、あるいは今まではとにかく一生懸命覚えて週六日間学校へ行ってというのを、今度は週五日にして、そのかわり土曜日、日曜日は家庭とかあるいは青少年団体の活動で、より子供数が少なくなったものですから年齢の違う人たちと交わる機会をふやそうとか、あるいは今まで余り政治なり行政なりが口を出してこなかった家庭教育というものをいささかなおざりにしてきたのではなかろうか。その辺についても私どもはもう一度家族教育、家庭教育の重要性というものに着目をして、今の若いお父さん、お母さんたちにどういうことに心がけて子供たちを育ててもらったらいいだろうか、そういったこともこの際根本的な問題として考え直していただきたい。 ちょっと長くなって済みませんが、例えばこれだけ有害情報がはんらんをしております。表現の自由、出版の自由ということで皆さんある意味では無制限にやっております。自主規制と言いつつ、全然自主規制が実行されておりません。本当にそういうことでいいんだろうか。 そうした幅広い問題を一つずつ一つずついい方向に向けていくことが今のさまざまな現象的には見えております事件のより根本的な対処方針ではなかろうかな、こんなふうに私は受けとめている次第であります。
○上山和人君 今、大臣がおっしゃることもそのとおりだと思います。しかし、もっと核心に触れるような、現実私たちが迫られている、文部行政も、そして学校現場も今迫られている中心的な課題があるんではないですか、文部大臣。
○国務大臣(町村信孝君) より学校の現場にという御指摘がございました。確かに、学校現場は現場としていろいろな悩みがございます。多分、委員がおっしゃりたいことは先生方の忙しさといったようなこともあろうかと思います。そうした面も今定数改善という形で、確かに二年後倒しにはしましたけれども、着実にそれは進めていかなければならない課題だと思っております。 ただ、学校現場の問題というと、果たして先生と生徒の比率だけの問題かというと、ほかにもいろいろやるべきことがあるだろう。私は一月上旬にアメリカの方にちょっと行ってまいりまして、比較的いいんだろうなと思われる中学校、高校を見てまいりましたが、そういう学校でもちゃんと例えばスクールカウンセラーというものが配置をされておりまして、なるほどこういう点はこれから学んでいかなければならないことだなと勉強させてもらいました。そんなことも含めていろいろ学校現場は学校現場なりに改善を図るべき点があろうかと思っております。
○上山和人君 私は、何も回りくどい御質問を申し上げているつもりはないんですけれども、今やっと大臣とかみ合うようになった思いでございます。 クリントン大統領は、ことしの一般教書演説で世界一の教育大国をアメリカは目指すんだと演説をしております。そして、その具体的な施策として、低学年の一学級当たりの子供の数を現在二十二名から十八名に減らすという提案をしているんです。そういう極めて教育の根本的な条件整備の核心の問題を大統領が一般教書演説の中で取り上げて、世界一の教育大国を目指すと提案をしているわけです。 今、大臣やっと学校現場の問題に触れて御答弁がございました。今進行中の教職員定数改善計画こそ、今日の現状を解決する一番根本の問題ではないかと思うんですけれども、その認識はどうですか。
○国務大臣(町村信孝君) 今、アメリカのお話がございました。ここで長々とその話をするつもりもございませんが、それぞれの国によりそれぞれの教育の歴史があり、それぞれの教育の制度があり、例えばアメリカには日本のような義務教育国庫負担制度というものがございませんで、基本的にこれは州が全部お金を出すという形で、部分的に国が補助金等々の形で出すようでありますが、基本は州で面倒を見るという姿でございます。そこは例えば日本のように小中学校の先生方の人件費あるいは施設費を半分見るという基本が違いますので、直ちにアメリカがこうだから日本がこうということは言いづらい面もございます。 ただ、委員御指摘のように、私どももできるだけ一学級当たりの人数を減らしたい、こういう思いで、戦後それこそ一クラス六十人ぐらいいたものをこれまで過去の諸先輩の御努力で着々と減らしてまいりました。今は一応四十人学級を前提にしながら、さらに一つの教室に複数の先生を配置するとか、あるいは習熟度別にクラスの中を分けて小グループでやるとかいろんな努力をしながら、あるいは養護教諭の配置をふやしたりとかいうようなことで、着実に私どもはそうした面での条件整備は改善が進んできている、こう思っております。 平均値を余り言っても意味がないという御指摘もありますけれども、一学級当たりの児童数は、例えばクリントンさんが言った小学校では、日本は二十七・二人、イギリス二十七・五人、フランス二十二・三人、ドイツ二十二・五人、アメリカは州によって相当違いがありますが、例えばカリフォルニア州は三十二人といったようなことで、これも大体国際水準並みかな、こんな感じを私どもは持っているわけであります。
○上山和人君 今、外国と日本との比較の説明もございますけれども、それは少し外れた問題と私たちが思うのは、標準学級定数というものを基本にしながら国際比較をするならしてもらいたいと思うんです。それはそれといたしまして、一番大事なのは、今悪戦苦闘を続けている、そして救いを求めている子供たちの問題を解決するためには、やっぱり子供たちが目を覚まして一番長く生活する場は学校ですよ、総理。その学校で一番何が子供たちとの間で基本的な問題かということに着目をしないと、根本的な解決のための施策にはならないんじゃないですか。 文部大臣に改めてお聞きしますけれども、そういう子供たちを救い出す根本の問題は一体何だというお考えですか、もう一度改めて。
○国務大臣(町村信孝君) 教員定数も、それは一つの問題だろうと思いますが、それが解決したから、今もろもろ起きている課題が全部解決するとは思っておりません。先ほど申し上げました幾つかの社会的な要素も含めて、それぞれがやはり問題の根本的な原因であろうと、こう私は認識をいたしております。
○上山和人君 やっぱり少し認識が違うなと思いますのは、教職員定数も一つの問題だとおっしゃいました。果たしてほかの問題と同列に並べることのできる一つの問題でしょうか。学校で子供たちと先生たちとの間の信頼関係をどうやって回復するか、どうやって築き上げていくかということが根本の問題じゃないでしょうか。そのために昭和三十四年から四十年の間、教職員定数改善計画が断続的に続けられているわけですよ。そのことについて、文部大臣、どういうふうに認識をされておりますか。同列に並べる問題ですか、教職員定数の問題は。
○国務大臣(町村信孝君) 同じ繰り返しになって済みませんが、私は定数問題が小さな問題だと申し上げているつもりはございません。それはそれで大きな問題だと。 ただ、仮に日本じゅうの学校を、最近各党の方が三十人学級あるいは二十何人学級と言っておられますが、そうしたからといって今の教育問題が果たして片づくか、いろいろな問題が発生しなくなるか、それはそういうことではないだろうということを申し上げているにすぎないのでありまして、定数問題が重要であるとかないとか言われれば、それは重要な問題だという認識において、私は委員と変わりがないと思っております。
○上山和人君 今進行中の、義務制では第六次教職員定数改善計画、高校は第五次になっておりますが、この進行状況について、これは文部省の方からお答えいただきたいのでありますけれども、この第六次計画、第五次計画の内容がプラス・マイナス幾らふえるんだ、幾ら減るんだということと、二年先送りすることによって生ずる問題を報告していただきたい。 〔理事永田良雄君退席、委員長着席〕
○政府委員(御手洗康君) お答え申し上げます。 平成五年度から開始されております義務教育に係ります第六次改善計画におきましては、当初は平成五年度から十年度までの六年間におきまして児童生徒数の減少に伴う教職員定数の自然減少を六万四百人と見込んでおりました。これに対しまして、新たな改善計画ということで三万四百人の改善を行うということで、実質三万人程度の教職員の定数減を全国的に見込んだところでございます。 また、第五次の公立高等学校の定数改善計画におきましても、同様に生徒数の減少に伴います教職員定数の自然減少を三万三千四百人と見込んでおりました。これに対しまして、普通科学級の四十人学級の実施などの改善のために二万三千七百人の基準の改善を行うことといたしまして、差し引き全国で九千七百人の教職員定数の減少を見込んでいたところでございます。
○上山和人君 二年先送りすることによる影響は。
○政府委員(御手洗康君) お尋ねは二年先送りしたことに伴います予算的な金額かと存じます。 平成十年度当初計画では、第六次の公立義務教育諸学校の教職員配置改善計画につきましては四千七百八十二人を改善する予定でございましたけれども、お願いしてございます平成十年度の予算案におきましては千六十七人の改善を見込んでいるところでございます。したがいまして、これを国庫負担金ベースで考えますと、およそ百五十億円程度の当初予算からの歳出の減少ということを見込んでいるところでございます。 また、公立高等学校につきましては、地方財政措置の中での計画でございますけれども、当初は千七百八十九人を計画しておりましたけれども、二年延長に伴いまして来年度は地方財政措置の中で八百八十二人を改善するということで見込んでございますので、およそ八十億円程度の地方歳出全体の歳出減となると見込んでいるところでございます。
○上山和人君 大変時間が過ぎてしまって思うような質疑もできないんですけれども、総理、今お聞きのとおり、この第六次改善計画は六年間で現場から三万人の先生たちの数が消えていく計画なんです。高等学校では九千七百人もこの六年間で先生たちの数が減っていく計画なんです。そして、これを二年先送りすることによって財源が浮くといいますか、国の予算を節約できる額というのは、義務制で約百五十億と今、助成局長の説明がありました。高校で約五十億と言われました。合わせて二百億程度の、程度のという言い方はこの財政難の折には少し語弊があるかもしれませんけれども、約二百億の国の予算を惜しんで、惜しんでだと思うんです、節約しようとしてこの教職員定数改善計画を二年先送りしようと今なさっている、この予算案では。 三万人も小中で減る、高校で九千七百人も減る計画なのに、しかも約二百億の財源が浮く、それだけの問題なのに、現場の子供たちと先生たちとの関係の根本的な問題であるのに、なぜ今二年先送りしなければならないのかということについては、この財革法を定めた、あるいは財政構造改革会議でまとめたときの状況と今とはかなりの違いがあります、客観的にも。特に政府の立てる施策についても、三十兆円の金融システム安定化対策の投入があります。そういう問題と絡んで、国民的な感覚ではどうしても理解を得られないんですよ。二百億の予算を惜しんでこの大事な定数改善計画を、しかも実質教職員の数が減る計画であるにもかかわらず、二年も先送りすることについては、到底国民の理解を得られないんです。 そこで、文部大臣、この際財革法を改正する英断をして、二年先送りしたこの問題だけはもとに戻して、直ちに次の国際的にも平均的な三十人学級を目指す、あるいは一気に三十人にいかなくても三十五人学級にせめて改善するような新たな計画に着手するときではないんでしょうか。これは英断を振るって二年先送りを二年戻すことはできないんですか。
○国務大臣(町村信孝君) 貴重な御意見だと思って今承らせていただきました。 財政構造改革法は昨年の十二月にいろいろな御議論を経て国会で成立をしたばかりでございます。それから三カ月たって、直ちにこの財政構造改革法を変えなければならないという国家の財政状況ではないと私は思いますし、また、ますますある意味では財政状況は厳しくなってきている、こう私は考えます。それはゆとりがあれば、財政に早く私は国全体としてゆとりをつくって、その暁には、今、委員御指摘のことなども含めまして今後いろいろ考えていくべき課題は教育分野多々あると思っておりますが、私どもとしては、平成十年を十二年、二年後倒ししましたが、それをしっかりと完成させていくということが私どもに与えられた今一番の仕事であろう、こう思っております。
○上山和人君 私は、文部大臣から積極的に総理に御提言をいただけると思っておりますけれども、大変今の御答弁は残念です。 そこで、きょうは中教審会長の有馬先生においでいただいております。率直にお尋ねしたいんですけれども、有馬先生、今学級定数の問題、教職員と子供たちとの関係をつくるためには、私は学級定数の問題は非常に大事だという指摘をしています。文部大臣はお聞きのとおりのお答えです。 中教審で、これまで一学級当たり、とにかく教師が子供たち全体をよく見えるような最大限の規模の学級定数というのは二十五人という説もあります。科学的には何も根拠のない難しい問題ですけれども、中教審で御検討なさった経過があれば、そしてこの定数改善計画を二年先送りする政策について、私は申し上げにくいんですけれども、率直に先生の御見解を承りたい。
○参考人(有馬朗人君) まず最初に御礼を申し上げます。皆様方が教育に大変御関心をお持ちくださること、これは私は教育に関係する人間の一人といたしまして心より御礼を申し上げます。 中央教育審議会は、平成七年四月に、「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」諮問を受けました。その審議の中で、教員配置の改善についても再三議論が出たところであり、平成八年七月の第一次答申の中で提言が盛り込まれております。 第一次答申では、「個に応じた教育をこれまで以上に推進していくためには、各学校において、学習集団の規模を小さくしたり、指導方法の柔軟な工夫改善を促したり、さらには、中学校、高等学校での選択履修の拡大を図っていくことができるよう、人的な条件整備を一層進めることが必要である。」としております。また、そうした考え方に立って、当面、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近づけることを目指して改善を行うことを提言いたしました。 この趣旨は、学級編制の基準そのものを直ちに見直すということではございませんが、個に応じた教育を展開することが極めて重要であるという認識に立ちまして、学習集団の規模を小さくしたり、指導方法の柔軟な工夫改善を行うことができるよう人的な条件を整備しようという提案でございます。 なお、先ほどは第一次答申でございますが、第二次答申におきましては、一人一人の能力、適性に応じた教育を進め、特に学習の進度の遅い子供たちに対して十分な配慮を行うことが重要であるという観点から、個別指導や補充学習、チームティーチング、習熟の程度に応じた指導など、個に応じた指導方法の工夫改善を求めております。 また、第一次答申及び平成九年六月の第二次答申におきましては、ただいま申し上げたことでございますが、教育改革を進めるためには適正な財政措置が極めて必要である旨を指摘いたしました。 私といたしましては、これらの答申を踏まえて着実な教員配置の改善が進められることを期待いたしております。なお、具体的な教職員配置改善計画の策定、実施につきましては、厳しい財政事情を勘案しながら、行政におかれましてお考えいただきたいと認識いたしております。 教育は国家百年の計でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
○上山和人君 まことに申し上げにくいですけれども、有馬先生もう一度、二年先送りしている今のこの政策に対して率直に、いいかまずいか、できれば戻せとおっしゃりたいのか、会長としてはやむを得ないとおっしゃるのか、はっきり一言。
○参考人(有馬朗人君) 今申しましたように、厳しい財政状況だということは、何も初中教育だけではなく大学教育においても同じようにございますので、いろいろな面から最もいい施策を政府及び議会で御検討いただきたいと思っています。 たびたび申し上げますけれども、教育や学術、基礎科学に大いに予算はふやしていただきたいと思っておりますけれども、これはやはり私どもはお願いするだけでありまして、ぜひ政府及び議会で御検討賜れれば幸いでございます。
○上山和人君 もうこれ以上会長にお尋ねするのはやめることにいたします。別の機会にと思います。 総理、率直に申し上げて、今のような総理が憂慮されている教育の現場の現状のもとで、この改善計画を二年先送りすることだけは総理の英断で戻せませんか。どうですか、一言。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど文部大臣の答弁に対して、議員はちょっと違和感を感じるということを言われた。私も、実は先ほどからの議員のお話を聞いて違和感を感じております。 というのは、私は、確かに定数法が計画どおりできるような状況であれば望ましい、それを否定するものではありません。ただ同時に、今、子供たちに面と向かっている先生方が子供たちの声を本当に聞いてくれているだろうかという問いかけを逆に私は伺ってみたいと思うんです。 たまたまいろいろな場面で、最近こそ私は時間がございませんけれども、スポーツを通じたり、あるいはボーイスカウト活動を通じたり、随分幅の広い世代の子供たちの声を聞いてまいりました。そして、そうした場でそのリーダーたちに非常に心を開き悩みを打ち明ける子供たちが、学校やある場合は家庭でも心を閉ざしているケースがあることを存じてまいりました。これは私は本当に情けないことだと思います。 私は幸いに小学校から大学までよい先生に恵まれました。小学校の担任の先生はつい先ごろ亡くなられましたけれども、その先生を囲む会はずっと続いてきました。それこそ定数法も何にもない、復員してこられた方々のお子さんがどんどん入ってくる時代の小学校でしたが、その先生方は、少なくとも子供がすり寄っていったときにどんなに忙しくても耳をかしてくださる先生方だという信頼感を私たちは持っておりました。 私は、議員がおっしゃる定数配置の重大性を全く否定するつもりはありません。同時に、数だけが充足されましても子供たちの心の叫びに耳を傾けてもらえなかったら、本当にどうなるだろう、それは率直な私の気持ちです。多くの先生が苦労してくださっていることを存じた上で、あえてこの問題を提起させていただきます。
○委員長(岩崎純三君) 時間です。
○上山和人君 時間がなくなっておりますけれども、私は総理の今の御答弁を聞いて、違和感どころじゃない、あの施政方針演説は何だったかと言わざるを得ないような思いですが、私は理解できませんので別の形で問題提起をこの後させていただきたいと思います。 消費税の改革については、総理、景気対策の決め手として与党内の消費税改革の経緯を踏まえながら将来検討するということじゃなくて、将来検討すると言われるなら、いつ、どこで、どんな状況のもとで消費税の改革を断行なさるおつもりか、一点だけお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年四月に消費税率引き上げを決定いたしました際、少子・高齢化の進展といった我が国経済社会の構造変化に対応したものとして、先行する所得税減税等に対応するものとしてこれが決定をされ、その方向づけが決まりましたのは村山政権のときでありました。そして、私どもがその三党合意の中で、今いろいろな御批判を受けておりますけれども、昨年の四月にこれを実行いたしましたとき、我が国の将来に向けての極めて重要な改革であったと考えております。 さまざまな御議論がその後もなお存在しておることは存じておりますが、消費税率を今変更する、これは上にも下にも変更するつもりはございません。
○上山和人君 納得できませんので、別な形で問題提起をさせていただきます。 質問を終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、幾つかの重要問題について質問いたします。 まず最初に、大蔵省の汚職、腐敗についてであります。 大蔵省、日銀と相次ぐ汚職、腐敗、これに対して今国民の怒りは煮えたぎっていると思います。この問題が重要なことは、単に何人かの官僚が接待漬けになったということにとどまらず、これによって金融行政がゆがめられる、国際的にも日本の金融秩序への信用が大きく揺らぐ、そして日本経済にも結果として重大な打撃を与える。現に拓銀や山一の破綻には大蔵省のいわばかばい立て検査あるいは飛ばし指導、こういうものが深くかかわっていた。そして、いわばそのツケ回しとして、これが引き金となって三十兆円の銀行支援計画ということにもなってきました。私はこれがいわば大蔵・日銀汚職の本質だと思います。 まず、総理に伺いますけれども、行政の最高責任者として、この大蔵省の汚職、日銀の汚職、これについて、この重大性をどう認識されているのか、そしてその責任をどう考えておられるのか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 総会屋への利益提供事件が端緒となりまして捜査が始まりましたその進行の中で、議員からも今御指摘がありましたように、複数の大蔵省職員の逮捕、起訴という事態、また日本銀行職員の逮捕という事態になりましたこと、これは本当に我々にとって遺憾な事態でありますし、現在、当然のことながら捜査当局はなお全力を挙げて事態の解明のために努力をしておられると承知をしております。同時に、大蔵省、日銀それぞれが、その関連部局におりました職員を中心に過去にさかのぼって金融機関との関係など、倫理規程の遵守状況等について調査を行っていると承知をいたしております。 日銀の調査については、これは日銀の独立性ということからも、私自身何ら調査についての報告を受けておりませんし、またそれを督促することもすべきではないと思いますけれども、大蔵省からの話を聞いておりますと、対象者が大変多数に上る、かなりの時間がかかるということを言っております。私は、できるだけ早期に調査結果を取りまとめて、その結果、問題のあるもの、同時に関係監督責任を問われるもの、厳正な処分をするもの、そう信じております。 私は基本的にはこれは本人の倫理観の欠如ということから起因する問題だと思いますけれども、大蔵省にいたしましても、日銀にいたしましても、これによって傷ついた信頼がいかに大きかったか、国民また国の内外から信頼を取り戻すことがどれほど大変なことかということは十分自覚をし、そのために努力をしてもらいたいと考えております。 また、行政の仕組みとしてこうした事件の起こる温床になった、それは事前管理型の行政の方式であり、その結果としてふえた裁量の範囲でこの問題が起きたということから、裁量行政と言われるものを減らしていく。なくすというところまで言い切っていいかどうかわかりませんけれども、むしろ事後チェック型の行政の仕組みに変えていく、ルールをきちんと定めた上でそれが遵守されているかどうかを事後にチェックする事後チェック型の行政に変えていく必要がある、そのように考えております。
○筆坂秀世君 今、総理が裁量型の行政とおっしゃいましたけれども、実際に起こっている事態というのは、例えば検査官が接待を受けて検査を手抜きする、裁量以前の話です。証券局長が飛ばしの指導をやる、こんなものは裁量でだってできることじゃない、それ以前の問題だということをまず指摘しておきたいと思うんです。 そこで、大蔵大臣に伺いたいと思うんですけれども、二月三日の衆議院大蔵委員会で、新たな逮捕者が出れば「政治家としてのきちっとした身の処し方をしたい」という御答弁をされています。三塚前大蔵大臣は二人の官僚の逮捕でその責任をとって辞職された。大蔵大臣が大臣に就任されて以降、三月五日に二人の逮捕者が出ました。大臣は一体どうきちっとした身の処し方をされたのでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は、橋本総理から大蔵大臣に任命されたときに、一番大事な使命、任務は、不祥事が再び起こらないように徹底した大蔵改革を進めて大蔵省の信頼回復に努めること、そしてまた大蔵省の職員の中に刑事捜査の対象になっていない者であっても過剰な接待を受けたという人が相当いるという話でもあるので、そういう者については徹底して内部調査をやって、問題ある者については厳正な処分をするように、それが再び今回のような不祥事が起こらないようにするためにも大事なことだと、そういったことの指示をいただきました。 その指示に基づいて、このたびのような不祥事が起こらないような、そういう大蔵省に立て直すこと、もちろん厳正な処分もありますけれども、そうしたことをきちっとやっていくのが私の務めだと、その務めをきちっとやり遂げたことの評価を皆さん方にしてもらった上で政治家として行動していきたい、こう考えておるわけです。
○筆坂秀世君 では、その大蔵省の調査について私聞きたいと思うんです。 大臣が一月三十日に就任されたときに、総理官邸と大蔵省で二度にわたって記者会見された。そして、内部調査についての決意を述べられた。私は三つ要点があると思うんです。一つは速やかに調査するということをおっしゃった。二つ目には厳正な処分をするということをおっしゃった。三つ目には内部調査について情報公開を徹底すると。私はそれを起こしたものをここに全部持っていますけれども、こうもおっしゃっていますよ。だらだらして、そしていつまでもかかるというふうなやり方で済まされる時代じゃない、こういうふうにもおっしゃっています。 そこで伺いたいんですけれども、私が大蔵省から説明を聞きましたら、内部調査の進捗状況について、申請用紙に基づく自主申告はみんな終わった、そしてそれに対する面接調査も二月いっぱいで終わった、二月いっぱいでいわば第一段階の調査は終えたと。私は名前はあえて言いませんけれども、金融服務管理官の方が私の部屋に来てちゃんとこういうふうに説明された。 そこで伺いたいんだけれども、これまで調査をやって、もう大臣が就任されて約二カ月たっているんです。ですから、もう十分調査は済んでいる。担当者だって二月いっぱいで第一段階は終わったと言っているんです。 今の段階で処分者はいますか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど情報公開をするという言葉を申されましたけれども、私はそういう言葉は言わなかったと思うんです。調査をした上、問題ある者については厳正な処分をし、そのことは発表します、事実関係を含めて、と申したつもりでありまして、情報公開という幅広いことを申し上げたつもりはありません。 それからもう一つは、厳正でなきゃならないんです。厳しく正しくなきゃいけないんです。正しい処分をするためには、調査には多少の時間をかけて、あれが抜けていたこれが抜けていた、AとBとを比べればやや公平を欠いているなどということがないような調査をした上の処分でなきゃならぬと思うんです。 去年の秋でございましたか、やや短い期間に調査をして処分したということがございまして、そのことが後で大変おしかりを受けたという経過がございますので、今回はそういうことにならぬように多少は時間をかけて、厳正な処分だと言われるような処置にしたい、こう考えているところでございます。 なお、今面接調査をしているというふうに私は聞いておるわけでありまして、それが終わったならば、今度はある意味では反面調査的なこともやらなきゃなりません。そういったことにまだ少し時間がかかるということを御理解賜りたいと思うんです。
○筆坂秀世君 これはもう全然御理解できないです。 大臣はこの調査がどういう調査か御存じないんです。大蔵省が出している文書を見てごらんなさい。この調査要領に何と書いてあるか。これに書いてあるのは、大蔵省の倫理規程に違反したような接待や会食やゴルフがあったらそれを自主申告しなさいというので書いてあるんです。つまり、大蔵省倫理規程でこれはやっちゃいけないということ、それをやったことをこの用紙に書くんです。そんなものは面接調査する必要ないじゃないですか。接待を受けたらいけない、ゴルフ行っちゃいけない、贈答品もらっちゃいけないと書いてあったら、直ちにこれは違反をやっているわけでしょう。 過剰な接待だとか比較してとか、そんなことが大蔵省の倫理規程のどこに書いてあるんですか。比較してやりますと書いてありますか、過剰な接待はだめとどこに書いてあるか。接待は禁止と書いてあるだけです。大臣自身が倫理規程をちっとも守っていないじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(松永光君) 私は、倫理規程に違反する行為、それはもっと上に行けば国家公務員法にも違反する場合が多いと思う。今回の調査は、国家公務員法に基づく処分をする、その前提としての事実調査なんです。したがって、相当正確性を必要とする、そう考えておるわけでありまして、今の調査は調査の言うなれば初歩の段階、初期の段階なんです。それをもとにしてさらにこの調査を深めていくという形で調査を今進めているところでございます。
○筆坂秀世君 これは全然だめだ。 この調査用紙には大蔵省倫理規程に違反したものを書くんです。 大蔵省に聞くけれども、倫理規程の第五条で何を禁止したんですか。言ってごらんなさい。
○政府委員(武藤敏郎君) 委員御承知のとおり、倫理規程は平成八年十二月に制定されたものでございます。 倫理規程の第五条では、「次に掲げる行為を行ってはならない。」ということで、「接待を受けること」、「会食をすること」、「遊技、旅行をすること」等々、十二項目にわたりましてやってはいけない行為が書いてあります。ただし、八条で例外となる場合というのがございまして、職務として必要な会議等において会食をする場合、原則として事前に届け出をして了承を得てやることは可能である、こういうことでございます。 これは平成八年十二月以降に適用される行為でございますから、私どもはこれをもとに八年よりさらに前にさかのぼって調査をするわけでございます。八年十二月前にはそういう通達とは違ったまた別途の通達が適用されておりまして、それとの関係においては十二月以降のことがすべて禁止されているということではなかったわけでございます。 そこで、今調査を続けておりますけれども、これは自主申告がすべて正しいということであれば問題がないわけなのでございますけれども、それは精粗まちまちでございまして、やはり国家公務員法上の処分をする以上、事実というものをできる限り確定していく必要がある。したがって、本人にもいろいろ聞いて、本当に真実の申告であるのかどうか、大臣からもお話がありましたとおり、何らかの裏をとるといいますか、そういう根拠がないかということもチェックするといったようなことでございますので、厳正な処分を行うためにはなおお時間をいただきたい、こういうことでございます。
○筆坂秀世君 何を言っているんですか。公務員倫理規程に違反した行為を違反してもいないのに書く人がいますか。少なく申告することはあったって、多く申告する例なんかあるわけないじゃないですか、そんなことが。 しかも、あなたは、平成八年十二月に決めた倫理規程だから、あたかもそれ以前は禁止されていなかったと。一九七三年十月三十日、内閣官房長官、「官庁綱紀の粛正について」の通達を出したんだ。言ってごらんなさい、あなた。一九七三年十月三十日に。
○政府委員(武藤敏郎君) 七年五月に通達が出まして、さらにその前には昭和五十四年の十一月に通達が出ております。もちろんそれに基づきましても調査をするというのは御指摘のとおりでございます。
○筆坂秀世君 全然答えていないでしょう。昭和四十八年の通達を言っているんです。つまり、ずっと何十回も出ているんですよ、そんな通達は。一九七三年だって、会食やっちゃいけない、接待受けちゃいけない、贈答品もらっちゃいけないと、全部書いてあるんですよ。しかし、あなた方がちっとも守らないから、平成八年十二月、今の倫理規程ができたんでしょう。これも守らないから今公務員倫理法をつくろうという話になっているわけじゃないですか。 大蔵大臣、これが実態ですよ。どこに過剰な接待と書いてありますか。「接待」と書いてあるだけじゃないですか。何で過剰かどうか調べる必要があるんですか。 では、大臣に聞きますけれども、自主申告をした五百五十人が対象だと言われています。自主申告の中で、私は接待受けました、贈答品もらいましたと申告した人は一体何人いたんですか、おっしゃってください。
○政府委員(武藤敏郎君) この調査の段階でそれぞれ記憶に基づいてメモを提出してきている者がそのほとんどの者でございます。ただし、委員が今御指摘のように、一切合財会食はいけなかったんだということでは決してなくて、昭和五十四年の通達におきましては、会食等への招待には原則として応じないということはありますが、これがいろいろ議論されますけれども、原則としてということの解釈の中から、事務執行上必要なものについては必ずしも禁止されていないということで運用されてきたわけでございます。 したがいまして、今調査の段階でございますので、何人でありますとか、その中身について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、そういう観点から調査を行っているわけでございます。
○筆坂秀世君 大蔵省の調査の信憑性が問われているんですよ。何人という数が何で言えないんですか。今段階の数を言えばいいじゃないですか。もっと調査したらもっとふえましたと後で言えばいいんです。だめです、そんなことも報告できないんじゃ。
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま申し上げましたとおり、五百五十名の調査対象者につきましては、中には手帳が全くない者等がございますので一〇〇%とは申しませんけれども、ほとんどの者が何らかの形でメモを出してきておるということを申し上げたわけでございます。
○筆坂秀世君 つまり、ほとんどの人が何らかの接待なり何かあったということです。 私はきょうちょっとパネルをつくってきましたけれども、(図表掲示)逮捕された榊原隆証券局総務課課長補佐、これ見事ですよ、これを見ますと。証券局に勤務した途端に野村証券、日興証券合わせて二十五回、銀行局に行った途端に住友銀行から十三回、もうのべつ幕なしです。これは被疑事実に書かれている部分だけですから、これ以外にもあったかもしれないですよ。よく体がもったなというぐらい接待を受けているのが実態です。 ですから、委員長、私は今のような何も明らかにしないということではとても納得できない。私は、本委員会開会中に中間報告として、自主申告に基づいて現在時点の調査結果、これを国会に報告すべきである、本委員会に報告してもらいたい、ぜひこれを理事会でお諮りいただきたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岩崎純三君) 速記を起こして。 ただいまの件は後刻理事会におきまして協議いたします。
○筆坂秀世君 次に、米軍機による低空飛行問題について伺います。 去る二月三日、イタリアで低空飛行訓練中の米軍機がスキー場のロープウエーのケーブルを切断し、ゴンドラに乗っていた二十人が死亡するという大惨事が発生しました。この事故はやはり米軍が超低空の飛行訓練をやっている我が国にも大きな衝撃を与えました。総理はこの事故を知られたときにどういう思いをされたか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は事故の知らせはたしか新聞の活字で見たのが最初だったと思います。まず、どこでというのが気になりました。かつて我が国においても同様の問題が、事故まではまいりませんでしたが、論議をされた記憶があったからであります。そして、まさに不幸な事件であるという思いで次の記事に目を移したと思います。
○筆坂秀世君 総理も今言われたように、我が国でも、一九八七年、九一年、奈良県十津川で米軍機による山林伐採運搬用のケーブル切断事故というのがあった。九四年には高知県早明浦ダムの上流で墜落事故がありました。十津川の事故機EA6Bプラウラーというのはイタリアと同型機であります。いずれも原因は低空を高速で飛行し過ぎたためのケーブル切断事故であります。幸い日本ではロープウエーではなかったために人の被害はありませんでした。 ところで、この事故直後に、イタリア政府は、アルプス地域での最低飛行高度が百五十メートルから二百五十メートルだったものを六百メートルに引き上げる、こういう措置がとられました。アメリカのコーエン国防長官もこれを受け入れました。 日本では三度ケーブル切断事故あるいは墜落事故がありましたけれども、最低高度を引き上げる、こういう措置はとったことがあるでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。 イタリアの重大な事故が起きた後、事故調査等が行われたわけでございます。その結果として、三月十日に一応の終了を見まして、事故原因等についての一応の報告がございました。これに関連いたしまして、イタリア政府は委員今御指摘のような措置をとったということを私どもは承知しております。 他方、米軍との関係におきまして、これは現在一応の適用になっておりますが、米軍の飛行との関係で最終的にどういう措置になるかということは現在なお話し合いが行われているというふうに聞いておりまして、現段階ではまだ最終的な措置がとられていないというふうに承知しております。 日本における低空飛行に関連したいろんな事故、これに関連してこれまで最低飛行制限に変更を加えたということはございません。
○筆坂秀世君 日本政府とイタリア政府の対応の違いは明確でしょう。 この種の事故で大事なことは事故原因を徹底的に究明する、これは当然のことであります。イタリアの事故では、イタリアとアメリカの共同調査委員会が発足して合同調査も行われています。高度や経路を記録したミッションレコーダーはイタリア側にも渡されている。もちろんアメリカも解析するけれども、イタリア側でも解析をされている。 日本で三度事故があったわけですけれども、日本側は調査に加わったことはありますか、あるいはミッションレコーダーを日本側で解析したことはありますか。
○政府委員(高野紀元君) 詳細に関しましては改めて御報告申し上げたいと思いますが、二回にわたる十津川の事故、それから四国の早明浦ダムにおける事故、これは関係いたします県ないし地元の警察等が一定の範囲で捜査に協力しているというふうに理解しております。 ただ、今のレコーダー等についての処理については改めて御報告したいと思います。
○筆坂秀世君 では、調査報告書はあるんですか、日本側に。日本独自のですよ。
○政府委員(高野紀元君) 日本独自の調査報告書ということに関しましては、今この時点では承知しておりませんが、いずれの事件におきましても米軍はこのそれぞれの事故について事故調査をいたしまして、その内容に関しましては口頭ないし文書で我が方に連絡をしてきております。 最も最近の早明浦ダムに関しましては、米側から文書によりきちっと説明を受けておりまして、その結果は関係の県あるいは地元の当局に私どもの方から手交してございます。
○筆坂秀世君 県と警察が低空飛行訓練の捜査をできるわけがないでしょう。だから、事故調査報告なんか日本側にはないんですよ。 今、口頭と文書とおっしゃった。文書で出ているのは早明浦だけですよ。十津川じゃアメリカ側は文書の報告すら日本政府に渡していない。口頭報告で済ませている。イタリアじゃ捜査に加わっているんですよ。ミッションレコーダーの解析だってやっているんです。だから、早明浦ダムの周辺の住民は高知新聞九六年十月十九日付でこう言っていますよ。「勝手に飛んで、勝手に落ちて、勝手に道路も封鎖する。ここは日本じゃない」のかと。当たり前じゃないですか。事故調査もできない。総理、これで主権国家と言えるんですか。
○政府委員(高野紀元君) 米軍の航空機事故の調査報告書に関しましては、沖縄に関する特別行動委員会、SACOの作業の過程で、日米両政府間において、米国政府がこのような事故調査報告書についていかに日本政府に提供するかということで協議いたしまして、その結果、平成八年の十二月二日でございますが、日米合同委員会において米軍航空機の事故調査報告書の提供及び公表に関する手続が承認されたわけでございます。 委員御指摘の高知県早明浦貯水湖における米軍機事故に関しましては、翌三月三十一日にその報告書を公表するという段取りがまさに今申し上げました手続において行われたということでございます。
○筆坂秀世君 九六年でしょう。事故が起こってもう何年もたってから、沖縄の皆さんとの引きかえにこういうものを初めて渡してもらえるようになった。とてもこれは主権国家のありようじゃないですよ。 イタリアの事故というのは決して日本も人ごとではないんです。イタリアでは、ロープウエーが記載されていない地図が米軍によって使われていた、こういうことが一時大問題になったんです。ところが、イタリア政府はロープウエーを記載した地図を持っていた。そして、イタリア政府は低空飛行のルートを知っていたから、それを米軍に提供したんです。だから、米軍機はロープウエーが記載されている地図も持って飛んでいた。それでもこの事故を起こしたんです。 私、きょうそれを持ってきました。タクティカル・パイロテージ・チャート、戦術操縦地図というのを米軍は全世界でつくっています、国防総省が。これがそうです。(資料を示す)これはイタリアの分です。落ちた地点を見ましたけれども、米軍、国防総省がつくったこの地図にはロープウエーは記載されていないんです。しかし、イタリア政府が提供したから、たまたまイタリアで飛んでいた米軍機はそれを記載した地図を持っていた。それでも落っこちた。引っかけた。 日本はどうか。日本でだってこのTPCと呼ばれている戦術操縦地図、これによって米軍機は飛んでいるんでしょう。十津川の第二回目の報告書に何と書いていますか。
○政府委員(高野紀元君) 恐縮でございますけれども、十津川の報告そのものは口頭で当時外務省に米側から伝えられた経緯がございます。 その関連で、先ほど申し上げましたが、早明浦ダムの米軍機事故に関連してでございますけれども、特定の名前を付した飛行ルートが言及されていることは事実でございます。しかし、飛行ルートそのものの具体的な位置の詳細については言及していないということでございます。 この点に関しましては、従来から申し上げておりますように、在日米軍の飛行ルートについては、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響の抑制等の点を考えた上で、一定の飛行航路を念頭に置いて飛行ルートを考えることはあるけれども、これは常に見直しをされておって固定されているものはない、そういう意味で具体的ルートの詳細は米軍の運用にかかわる問題であり、我が方として承知していないということでございます。
○筆坂秀世君 全然とんちんかんなお答えですよ。 要するに、米軍が、アメリカがつくった十津川の第二回目の事故報告書も持っていない。ひどい話じゃないですか。私は持っていますよ。外務省は持っていないから私は外務省からはもらえなかった。アメリカで情報公開法を使ってこれをとったんです。 何と書いてあるか。九二年一月十七日付で出ている。パイロットが持っていたTPC、タクティカル・パイロテージ・チャート、戦術操縦地図のG11D、これはある地域のことですが、これには事故現場のケーブルは一切記載されていないと明記されています。十津川のケーブルは一切記載されていない。そして、その地図もちゃんとコピーがこの報告書には添付されている。 私は実際にそれも手に入れてみました。奈良県、和歌山県、あるいは四国、近畿、これが入った、アメリカの国防総省がつくった戦術操縦地図です。(資料を示す)このあたりが十津川です。見たけれども、確かに山林伐採運搬用のケーブルなど一切記載されていない。しかし、日本全部この地図で飛んでいるんですよ。総理、御存じでしたか。そういうものが一切記載されていないんですよ。それで日本の空を低空で飛んでいるんです。これで国民の安全が守れるでしょうか。いかがですか。
○政府委員(高野紀元君) 先ほど申し上げましたとおり、我が国における米軍の低空飛行ルートに関しましては、安全に影響のある障害物あるいは騒音被害を与えてはならない場所等を種々考慮しまして、継続的に飛行する経路の見直しを米軍が行っております。したがって、このような経路が固定した経路として存在するというものではないというふうに聞いております。 今いろいろ委員の御指摘になった米側の公開されている地図でございます。私どももこの点については各国における低空飛行のあり方について調査をしておりますが、何分技術的な点もございまして最終的なことを申し上げる段階ではございませんが、現段階で申し上げられることは、各国の置かれた事情により制度がかなり異なっているということは言えると思います。我が国のような方式、つまり駐留する米軍については具体的なルートを持たない、そういう国もあることはございます。 米国に関して申し上げますと、国家映像地図庁、NIMAにより市販されている「米国の低高度における計器飛行方式ルート」という航空図に連邦航空局が承認した軍の飛行ルートが記載されているということは事実でございます。米軍に関して言えば、この記載されたルートに従って飛ぶことはもちろん可能でございますが、同時にこの記載されたルート以外の空域において飛行訓練ができるということになっておりまして、現実に米国本土におきましても公表された飛行ルートとは別に独自の訓練を行っているということが実態と私どもは承知しています。 したがいまして、私どもは今種々調査しておりますけれども、駐留外国軍に対して我が国と同様の低空飛行に関しての方式をとっている国もあることは事実でございます。
○筆坂秀世君 これはもう全く答弁になっていない。日本でこの地図を使って飛んでいると十津川の第二回目の報告書に書いてあるんです。私は総理に答えてもらいたいです。 この説明欄には何と書いてあるかというと、「地図の尺度および目標物の密度のため、地表から二百フィート(六十メートル)以上のすべての障害物が記載されるわけではない」と。送電線については記載されている。確かに私も見ました。ところが、「すべてが記載されているかどうか、それらの位置と高さが正確かどうか保証しない」と書かれているんです。それで皆さん日本の空を飛んでいるんですよ。 総理、これをこのままずっと続けるつもりでしょうか。アメリカに対してちゃんと交渉すべきじゃないですか、余りに危険じゃないかと。 北米局長なんかいいですよ。総理が答えてください。だめだ、何言っている。今だってまともに答えていないじゃないですか、あなた。全然まともに答えていないでしょう。
○政府委員(高野紀元君) 現在のアメリカとの交渉でございますので、私の方からまずお答えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、政府としては米軍が行う飛行訓練、低空飛行も含めまして最も重要なことは安全対策であるというふうに認識しております。そういう中で、イタリアにおける先般の事故を踏まえまして、我が方としても直ちにこの問題に関して安全確保のためにいかなることができるかということを問題提起いたしました。 例えば、三月十三日に東京で開催されました日米安保高級事務レベル協議の審議官級会合においても、日本国内での安全確保につき申し入れを行いまして、米側も全面的に協力するということを言っております。そういう中で既に事務的な話し合いを開始しておりまして、現在どういう形でこれが可能となるかということについて話し合いを継続しているところでございます。 現在のアメリカ側との話し合いは以上のとおりでございますので、政府としてもこの問題については真剣にアメリカと話し合うということは現にやっておりますし、今後もやっていくつもりであります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に今、実務レベルにおいて交渉しておりますということを担当局長としての北米局長がお答えを申し上げました。そして、なお継続いたしますということも申し上げております。
○筆坂秀世君 では何で、先ほどたびたびルートが変わると。衆議院で志位書記局長が取り上げましたでしょう。アメリカではたびたびルートが変わったって全部公示される。日本は変わらなくたって政府はわからないんじゃないですか。何でかといえば、航空特例法で超低空飛行訓練を全部適用除外にしているから、だから日本政府は全くアメリカがどういうルートをやっているかわからないからつかみようがないわけでしょう。だったら、航空特例法を廃止する、ちゃんと航空法を適用する、こういう対米交渉を、総理、政府としてやるのが筋じゃないですか。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来、政府委員からもお答えいたしておりますように、米軍が我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことにつきましては、累次の機会に外務省から米側に申し入れております。今答弁もありましたように、今般のイタリアの事故に関連しまして協議をし、またこれからも続けるということであります。米軍も安全確保には最大限留意するということでありますし、地域住民に与える影響を最小限にとどめるということも聞いております。 したがって、航空法改正というお話が今ありましたので私出てまいりましたが、運輸省といたしましては航空法の特例法の見直しを行うということは現在考えておりません。
○筆坂秀世君 全く情けない政府ですよ。アメリカが、何の目標物、障害物も記載されていない、これで日本上空を全部飛んでいるんですよ、国民の上を。なのに、アメリカ側は航空法を尊重しているはずだということで何もやらないんです。 さっき外務省が言いましたけれども、アメリカ本国ではどうやっているか。FAA、アメリカ連邦航空局、私きょう持ってきましたけれども、「特別軍事活動」と題する連邦航空局がつくったハンドブックです。こういうものがあります。この中でどういうことを書いているか。 これによると、米軍はアメリカ本国では低空飛行訓練ルートを新しく設定したり既存のルートを修正する際には許可申請を連邦航空局に提出する、これが義務づけられている。その書式もこの中に入っております。これによると、いつからそのルートを飛ぶのか、何曜日から何曜日までか、午前何時から午後何時までか、高度は等々、すべてが記載されることになっている。 さっき運輸大臣が出てこられたから聞きますけれども、米軍は超低空飛行訓練ルート、これを運輸省航空局に対して申請して承認を得る、こういう仕組みになっていますか。
○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。 米軍機の飛行計画につきましては、航空法第百三十七条第三項及び同法施行令第七条第一項の規定により、防衛庁長官に委任された場合を除き、運輸大臣への通報がなされることとなっております。
○筆坂秀世君 だから、低空飛行訓練ルートは申請されるんですか。
○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。 米軍機の飛行計画の内容につきましては、米軍の運用にかかわる事項でありますので、明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○筆坂秀世君 要するに、申請なんかないんです。何もないんですよ。 それだけじゃないですよ、アメリカじゃ。FAA、連邦航空局が低空飛行ルートを承認する際には、低空飛行ルートから三海里、五・五キロ以内に小型機用の空港やヘリポートがないかどうか、また民間機の安全を確保するための空域であるTCAというのがありますね、ターミナル・コントロール・エリア、ここを低空飛行ルートが通っていないかどうか、地上の人間、財産への障害はどうか、こういうものをすべて調査して、そしてそれを全部チェックした上で承認することになっているんです。日本ではどうか。ルートの承認どころか、どこを通っておるかもわからないんですよ。 総理、同じ低空飛行訓練で、そのルートをつくるのに、アメリカ本国でやられていることと日本でやられていることと余りにも違うと思いませんか。これを改める交渉をアメリカとやるのが当然じゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、事務当局も、また運輸大臣も繰り返し御説明を申し上げておりますけれども、航空法の特例法の見直しを行うことを今考えてはおりませんと。なぜなら、米国も我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことを政府として累次の機会に申し入れており、米軍もその安全の確保には最大限留意するとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるように努めている、そうした報告を受けております。そして今、そのとおりの御答弁を申し上げた次第であります。
○筆坂秀世君 私、総理に改めて聞きたいんですけれども、イタリアの事故では米軍機がゴンドラを見つけて衝突するまでに一秒もかからなかったというふうに言われています。高知県の早明浦の事故調査報告書、これもやはりアメリカがつくったものですけれども、これに何と書いてあるかといいますと、日本の運輸省航空局はこれらのルート、つまり低空飛行訓練のルートを知らないし、公示もしていない、明らかにしていない。これらのルートを飛行する上で民間航空機に通告したり、障害物の存在を交信したりする手段はない。民間機にも知らせないというんです。目で見て避けろがこのルートを飛ぶために最も重要なことである。目で見て避けろというんです。時速八百キロぐらいで飛んでいるんですよ。だから、イタリアじゃ目で見たけれども避けられなかった。これが早明浦の事故報告です。 低空飛行訓練、我々はもちろんそれ自体に反対ですけれども、しかしそれを肯定する立場に立ったって、やはり日本国民の安全を守ろうというのなら、せめて最低限、低空飛行訓練ルートが一体どこを通っているのか、たびたび変わるなら、変わるたびにそれをきちっと公表させる、そして日本政府としてもそこに危険なものはないのかどうかきちっとチェックする、私はこれは国民の安全、財産を守ろうという政府なら当たり前のことじゃないかと思うんです。いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその安全対策という意味からの御議論ならばこれは理解をいたします。そして、安全対策のために万全の注意を払うためにも累次の交渉を今までもしてきておりますけれども、この話し合いは事務方に継続をさせてまいります。
○筆坂秀世君 イタリアではイタリア政府が米側に対して安全基準を守れと。米側もこれに対して安全基準は守るという約束をしているんです。 私は、イタリアでできることが日本でできないわけはない、だからまさに主権国家として恥じない、アメリカに対して日本国民の安全を守るために総理が勇気を持って米側と交渉される、このことを強く求めて、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、都築譲君の質疑を行います。都築譲君。
○都築譲君 自由党を代表して、総理初め関係大臣に幾つか御質問したいと思います。 まず初めに、児童虐待の問題について総理初め関係大臣の御見解をお聞きしたいと思います。 既にきょうの委員会でも随分と教育の問題が取り上げられております。いじめとか自殺、あるいは学校におけるナイフによる犯罪、さらにまた麻薬の問題とか少女売春の問題とかさまざまな子供を取り巻く問題が起こっておるわけでございますが、一方で若い親御さんが子供を虐待するという事件、こういったものも報道をされておるわけでございます。 今月の三日、すなわち三月三日のひな祭りの日に愛知県の方でも、中日新聞初め各報道機関が、若い男の親、二十五歳の人が自分の子供、二歳の幼女を栄養失調と脱水症状という形で死に至らしめたと、大変悲惨な事例が報道されたわけでございます。 もともと政治とか行政が家族の問題あるいは家庭の問題に立ち入るのは本来控えるべきだろうというふうに私自身は考えておりますが、ただ刑法に触れるような犯罪に至るそういった事例については、これは当然行政としても国としても見過ごすべきではないだろう、こんなふうに思うわけでございます。 まず初めに、最近の児童虐待事件の増加傾向について総理としてどういうふうにお考えになっておられるか、見解をお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもの世代、戦時中から敗戦後に子供時代を過ごしてきた世代からしますと、今論議をされるような児童虐待、すなわちその親がほったらかしてしまう、親が遊んでいる間に子供が事故に遭う、死んでしまうというのは正直を言って想像のできないことであります。 ただ、自分の子供あるいは孫たちのその周辺を見ておりまして一つ感じますことは、世代間同居の風習がなくなる中で育児に対する知識の伝承が途絶えたのではないか、これは率直に感じます。そして同時に、家庭だけではなく地域社会も含めてですけれども、子育てに対する機能が衰えてきているんじゃないだろうか、そんな感じもいたします。 それだけに、刑法犯に至るようなものはもう論外なんですけれども、むしろ児童相談所等における親への相談あるいは援助、そして何かその地域社会の中で家庭環境の整備に努めながら、例えば民間の団体と連携を図りながら予防とか早期発見、あるいは早期対応というものができないだろうかと。 長い間私は岡山県の比較的小さな市に住み、同時に東京は六本木という非常に対極的なところに居住してまいりました。今、倉敷市に移り、それでも東京における環境と子供を取り巻く風景というのは全く異質のものがございます。そして、私どものふるさとなどを振り返りましたときに、地域が一つのネットワークを有形無形につくっております。幸いに、今ちょうど港区の一角にはそういう数十年続いている子供を持った親御さんの、完全にボランタリーなグループがあり、そこでさまざまな支え合いがなされているケースを私は偶然のことから知りましたが、そういうものがもう一つ広がらないだろうか。むしろ官が介入することではなくて、それぞれが相談相手になる。民間の団体という言い方がいいのか悪いのかわかりませんけれども、そうしたボランタリーな早期対応、早期発見、予防、協力関係、そうしたものが築き上げられれば、その中に行政がどんなサポートをすれば、児童相談所等しか今思いつきませんけれども、そのような思いを持っております。
○都築譲君 まず厚生大臣に、それでは続いて。 今、児童虐待事件が相当増加をしておるわけでございまして、そういった増加の状況と、あわせてそういったものに対する体制、児童相談所が全国に百七十五カ所整備をされておりますけれども、そういった児童相談所あるいはまた関連の児童委員の皆さん、民生委員の皆さん、あるいは教育機関、医療機関、そういったところとの連携を初め、どういう対応をされておられるのか、お聞かせをいただけますでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 残念なことに児童の虐待がふえておりまして、この数年においても、児童相談所における相談処理件数だけで見ても結構ふえています。具体的に言いますと、平成六年では約千九百件、七年では二千七百件、平成八年では四千百件、どんどんふえているんですね。しかも、痛ましいことに、この児童虐待の実態を見ますとその半数は実の母親なんです。三割が実の父親だと。児童虐待というと他人だと思っている方がいるんですが、実際は半分が母親だということ。本来一番愛されなきゃならない人から虐待される、子供にとってはこれほど痛ましいことはないと思うんです。 そこで、虐待が生じないように、今までだと家庭の問題、親の問題だから他人が関与できないとちゅうちょする方が結構多い。これではなかなか解決しないということで、ちょっと説明いたしますが、こういう文書を既に配布しまして、できるだけ一般の方も児童虐待に関心を持ってもらおう、他人でも児童相談所とか福祉事務所に遠慮なく通報してください、通報した方の秘密は絶対守りますということで、こういうことを言っております。 まず、「叩く音や叫び声が聞こえる。」、そういう場合にも通報してくれ。あるいは「不自然な傷が多い。」、近所の子供がですね。あるいはまた「衣服や体がいつも極端に汚れている。」、「小さな子どもを置いてしょっちゅう外出している。」、こういうお子さんがいた場合に、不審に思ったら近くの福祉事務所なり児童相談所なりに一報をいただきたい。この「あなたの一報が子どもの命を救うのです。ぜひ御協力を」という形で、児童家庭局が中心になって今一般の協力を仰いでいるということであります。 大変痛ましいことでありますので、この点について社会全体で、実際の家庭ができないこと、親ができないことを支えて子供の虐待を防がなきゃいかぬというふうに考えております。
○都築譲君 今、大臣が言われたように、だれでも通報してくださいと。ただ、ではだれが通報するのか、どこへ通報するのか、そういったことも実は近所の人たちはわからないわけですね、はっきり申し上げて。実際に暴力を振るうような御近所さんだとやっぱり怖いんですよ。だからこそ、まあだれか何とかしてくれるだろうとか、だれかが何とか通報してくれるだろうと、そうやっているうちに結局は子供がそんなひどい目に遭うという状況までいってしまう。 だから、先ほど総理が答弁されたように、今、子育ての機能が衰えてきているんではないか、こういうお話がありました。それは家族の問題としても、例えば長時間労働、長時間通勤、最近だったら長時間接待という話もあるかもしれませんけれども、男親がほとんどいない、そんな状況の中で本当に子育てがしっかりできるのか。さらにまた、地域もどんどん都市化が進んで、マンションとかアパートという集合住宅の中に入って、隣は何をする人ぞ、君子危うきに近寄らずというふうな風潮が蔓延をしてしまって、昔だったらうるさいようながみがみ言うおじさん、おばさんが余りいなくなってしまって、親にも注意をしない、子供にももちろん注意をしないという状況が起こってきているのではないか。 ただ、こういった状況がもうとめようがないほど進展してしまったわけであれば、ではむしろ仕組みとして、どこに通報したらいいんですとか、だれが通報しなきゃいけないんですということをもっとしっかりと国民の皆さんに、地域の住民の皆さんに知らせるような努力を私はすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(横田吉男君) 児童虐待に関しましては、家庭内の問題ということで御指摘のとおりなかなか難しい点がございますが、行政といたしましては県の組織である児童相談所が中心になるというふうに考えております。 ただ、これが全国百七十五カ所ということでございまして、必ずしも地域全般をカバーするに足りるのかといった問題がございます。こういったことを受けて、私ども、昨年の児童福祉法の改正におきまして、より身近な相談が受けられるように児童家庭支援センターというのを整備していこうということで制度化したわけでございます。 私どもといたしましては、この児童相談所、児童家庭支援センター、それから各種児童福祉施設、それから警察、学校、保健所、それぞれの医療機関、さまざまなところが地域ごとに協力し合いましてそれぞれの子育てのためのネットワーク体制というものを整備していただきまして、早期発見、早期対策に努めるよう指導してまいりたいと考えております。
○都築譲君 今、局長が言われたようにだんだん施策も充実をしてくるんですが、私が申し上げたのは、では一体どこに連絡をしたらいいんだと。児童相談所、児童家庭支援センターとか、あるいはまた警察とか教育機関とかいろんなところを挙げられましたけれども、何かあったときだれのところに、例えば警察なら一一〇番、火事だったら一一九番、こういった形のものもあるわけですね。 ただ、ごくごく一部のこういった児童虐待というようなケースですから、なかなかわかりにくいかもしれないけれども、町だったらどこに言ったらいいのか、そういったことぐらいだれでもわかるような形にしておく必要があるのではないか。そういったまず安心して通報ができるような、そういったことで住民の皆さんが関心を持つことができるようになるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(横田吉男君) 虐待等の中心機関といたしましては児童相談所ということでございますので、私どもはこの児童相談所なり福祉事務所ということで、連絡場所等につきましても周知徹底に努めております。それから、地域によりましては連絡カードというような形でそれぞれの児童に渡しているようなところもございます。 また、それだけでは不十分ということでございますので、先ほど申し上げましたように、例えばそれぞれの地域ごとに関係者から成るネットワークをつくっていただきまして、どこに連絡が入っても最終的には児童相談所に連絡が来るような体制をつくっていく、これが重要ではないかと考えております。
○都築譲君 あと問題は、先ほど総理も触れられましたけれども、やはり育児知識の伝承といったものが行われなくなっているんではないか、こういうお話もありました。現に子供を虐待するような親御さんは、実は自分が子供のときに親に虐待を受けた、そういった思いがあって実は子育てをどうしていいのかわからない、こういうケースもあるようでございます。 アメリカでは、そういった親御さんたちをちゃんとセンターでどういうふうに子育てをするのか、そういったところまでしっかりと更生するような形にして初めてまた虐待を受けた子供と一緒に生活をさせるようにする、そういう仕組みをとっているようでございますけれども、まず親のそういったケアといったものについてこれから真剣に考えていかないと虐待がますます再生産をされていくというふうな話になるんではないか、こう思いますが、厚生大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) これは普通の常識からしますと、自分の子供を虐待するというのは我々の常識からは信じられないんですが、実際はそういう件数が多くなっている。やはり親が自分の子供を責任を持って育てる、愛情を持って育てる。愛情を子供のうちに、幼児のうちに受けたことがない人は思春期になって精神的に不安定だろうということがよく専門家から言われますが、私も実際そのようなことはあると思うんです。むしろ親を教育しないとどうにもならない、この場合。 教育して子供を愛すというのは私は情けないことだと思うんですね。教育を受けなくても自分の子供は本当に慈しむというのが普通の人間じゃないか。それができない人に何をやっていいのかということで、今児童相談所に、そういうことがあったらばどういう措置が、社会的に地域的に支えることができるかということを周知していっているわけであります。この子供の扱いというのは、児童相談所もその親に対してこういうことですよという支援の手を差し伸べなきゃならない時代になったのかと。 ともかく、まずそのような親に対して支援がどうできるかということも子供の虐待防止と同様に考えていかなきゃならないものだと思います。
○都築譲君 先ほど厚生大臣から、児童虐待の半数が実は実の母親である、こういうふうなお話がございました。ただ、児童相談所に相談に来るような母親の方たちだったらそれは大丈夫なんですね。そこのところは大丈夫なんです。みんな心配していて、だからこそ相談に来る。どうしても熱心な余り、言うことを聞かないからほおを打つとかあるいは頭をたたくとか、そういうことはあるかもしれません。それが心配になって来るんだと。だから、その部分のところは多分大丈夫なんです、恐らくしっかり相談をしてもらえれば。問題はそうでないところだと思います。だから、そこのところをこれからしっかりと本当に検討していただきたい、こんなふうにお願いをします。 同時に、総理も言われたNPO、いわゆる非営利団体、ボランタリーなグループがあるわけでございまして、今回、衆議院の河村たかしさんが先頭になってNPO、NPOと言って、ようやく与党の皆さん方も法案を出して、この間成立をいたしました。「子どもの虐待防止ネットワーク・あいち」というのが愛知県の方にはあるようでございまして、こういったNPO、非営利団体との連携といったものもこれから行政として大いに施策を進めていっていただく必要がある、こんなふうに考えておりますが、厚生大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 民間のボランティア団体がこの児童虐待について非常に熱心に活動してくれておりまして、これが育児不安に対する親の相談に応じよう、あるいは指導しようという形で、特に大都市では盛んに活動されております。 この役割というのは私も重視しておりまして、今後そういう方ができるだけ関係機関との連携をとりやすいような支援を厚生省としてもしていきたい。この民間の活動家といわゆるNPO団体との連携をよくとりまして、民間のそのような虐待防止に積極的に活動している方々の意欲を駆り立て、今後とも激励するような措置がとれないかと。よく連携を図っていきたいと思います。
○都築譲君 それでは、次の問題に移りたいと思います。 今度は診療報酬の不正受給の問題でございまして、昨年の十月三日、本会議代表質問でも取り上げました。そうしたら、お医者さん出身の参議院の先生が地元愛知の方に行って、都築というのはとんでもないやろうだ、こういうお話をされておられるようでございます。 つい最近、二月二十六日の新聞でございますけれども、東京の目医者さんが実はわずか二年の間に九億五千万円診療報酬を受領して、そのうち不正請求が八億円だと、こういう話になりました。この方がよっぽどとんでもない話じゃないかと思うんですが、厚生大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) これもきょう都築先生の質問があるということで実情を聞いたんです。聞いてみて、私もこれはひどい、こんな悪質な医者がいるのかとたまげました。大多数のお医者さんは良心的に、しかも医者という職業の使命感を持ってやっているわけですけれども、中にはこういうひどい、でたらめな、実際診療していないのに診療の請求をして報酬をもらっちゃう、こういうのも中にはあるんですから、やはりこういうことを防ぐような監視体制も強化していかなきゃいかぬなと思っております。
○都築譲君 では、不正受給がなぜ起こるのか、その理由をちょっと教えていただけますか。どうして不正受給が起こるのか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 実際は余りにも患者さんが多くて全部の診療報酬明細書を保険者もチェックできない、また患者さんも自分がどれだけの検査をして、どれだけの治療を受けて、どれだけの費用がかかっているのか余り気にしない。ともかく膨大な数だと。 それと同時に、お医者さん自身も倫理観といいますか、しっかりとした観念を持っていただかないと、どんな制度でも悪用する方はいますから、悪用がされないような体制をとっていかなきゃいかぬ。というのは、例えば患者さんが要求すれば必ず診療報酬明細書を渡しますよとか、あるいはチェック体制も今までのチェック体制でいいのか、レセプトといいます診療報酬明細書も電算化をするとか、チェックのしやすい条件を整備するとか、いろいろあると思います。 いろいろな専門家の意見を聞きまして、少しでも不正を防ぐような体制をとっていきたいと思います。
○都築譲君 私もすべてのお医者さんがこんなことをやっているとはとても思えませんし、ほとんどのお医者さんはまじめにやっておられる。特に僻地医療とか、そういったところで大変な御苦労をされておられるお医者さん方が、こういった不心得な悪徳医者がいることによっていたくお医者さんに対する信用も傷つけられてしまうし、逆にまた結果として、一生懸命まじめに働いている勤労者の皆さんが納めた保険料がわけのわからないお医者さんに診療もしていないのに持っていかれてしまうわけですよ。 八億円といったら、一体何万人分の勤労者の保険料だと思いますか。ちょっと突然な話で。
○政府委員(高木俊明君) 申しわけありませんが、何万人かというのは計算の仕方でいろいろ出てくるものですから、そこはちょっと手持ちの資料がございません。 それで、今回のケースは先ほど大臣も御答弁申し上げましたように極めて悪質なケースでありまして、実際に一回しかかかっていないのに、その人の保険証の番号なりそういうものは全部わかりますから、それを何回もかかったように請求していたというケースで、しかもこれが見つかって、それじゃもとのカルテをきちっと出すようにということでカルテの提出を要求しましたところ、カルテは全部捨ててしまってない、こんなような状況であります。 今回のケースは通常の不正請求というよりも犯罪行為、不正請求自体は犯罪行為ですが、完全な詐欺罪、したがって本件の場合はことしの二月二十六日に警視庁に医師が逮捕されまして、三月十九日に起訴されております。 こういうようなケースを発見するためには、現実に患者さんに、あなたはこの医療機関にかかったかどうかということを聞いてみないとわからないわけで、今回のケースもそういった意味では現行の制度の中でこういったチェックを働かせるために医療費通知というのをやっております。 患者さん本人に、あなたは今月これだけの医療費を使いましたかということで御連絡するわけですが、そういった中で、いや、自分はこんなのは全然かかった覚えがないというようなことで保険者にその通報が行われ、そういった中でこれが発見されたということで、そういった意味では仕組みとしては、こういうふうな悪質なケースについてはチェックされるように現在はいろいろと工夫を凝らしながらやっておるわけでございます。
○都築譲君 医療費通知の仕組みがあると言いますが、ただ実際に本当にこういった問題をクリアできるのかというと、私はそうではないと思っています。実際には診療報酬支払基金とかそういったところがレセプトの審査、これは年間七億枚、あるいは連合会の方ではこれは四億とか五億枚とか、膨大な数をチェックしなきゃならない。それは療養担当規則の過誤がないか、過ちがないかという観点からのチェックはできますけれども、ただ実際に最初からこんな悪意を持って療養担当規則の中におさまるようなレセプト請求をやったら、それはもう全然チェックのしようがないわけです、第三者ですから。一番わかっているのはお医者さんと患者さんしかないわけです。だからこそ、患者さんに診療費の明細書をしっかりと渡すようにすべきではないか。 今、私は幾つか参考例を引いてきたんですけれども、こういった形でちゃんとこういうふうに基本診療料から薬事料から、こういったものがかかっているよという内訳明細がある。これを出すだけでもかなりな抑止力として私は不正に対してはきくのではないか、こんな思いを持っています。 ところが、また別の病院ですと、本当にどこが出しているのかわからないような、これは一体何なんだろうかと思うぐらいの簡単なレシートもあります。しかし、実際どこのスーパーに行っても、あるいはまた百貨店に行っても、自分が買ったものに対しては必ずちゃんと明細書を出してくれるわけです。それぐらいのことがなぜ医療機関でできないのか。そしてまた、おかしいという話があれば、それがちゃんと突合できるような仕組みを考えなければ、いつまでたってもこんなおかしな事件が続いてくるのではないか。 これは、先ほどのような特異な例としてちゃんとマッチングをしたから詐欺罪として立件できるような状況になりましたけれども、そうでなければこのまま放置されて八億円がどこかへ行ってしまう。去年だったら、大阪の安田病院ですか、二十億円も水増し請求をやっている。こんな話だったら、勤労者が幾ら保険料を納めたって、何のために納めているんだという話になりかねないと思います。いかがでしょうか、厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) 昨年から、患者が明細書を要求した場合には必ず出すようにということに改正しておりますが、すべて出すかとなりますと、これはお医者さんと患者の問題で、中には、お医者さんの判断で本当の病名を知らせない方がいいという場合もあるわけです。患者さんにとってもプライバシーの保護というのはあります。全部、一枚の紙でだれでもわかるような明細書を渡していいのかという問題もありますので、これはプライバシー、患者個人個人によって違います。 中には、どんな病気でも知らせてくれという方もおります。逆に、ある場合によっては知らせないでくれ、秘密を守ってくれという方もおります。それはまさにお医者さんと患者さんとの信頼関係もありますので、今後この不正を防止する立場と患者さんのプライバシーの立場と、そしてこれからの適切な医療が執行されるような体制をどうとっていくかということなんですが、少なくとも今では患者さんが要求したら必ず出すということに昨年変えたわけですので、これでも一歩前進だと。 本来はお医者さん自身が、すべての方が良心的な方だったら問題ないんですけれども、最初に言われた例のように、悪用してやろうという人がいたら、これは確かに防げない面もあるものですから、その点は、医学教育ですか、医師教育の面からも、そういう人間にあるまじき、医者にあるべきでないような資質の問題というのも出てきますけれども、これは今言った不正防止の点から考えても、御指摘の点も検討しながら今後よりよき不正防止の体制をとっていきたいと思います。
○都築譲君 倫理の問題が、先ほども官庁の汚職あるいはまた過剰接待ということで言われています。今の世の中、戦後五十年の間に何でも金の世の中になってしまったような気がしてなりません。先ほどの家族の問題も私はそうだと思います。ただ、人間一人ではやっぱり生きていくことなんかできない、こういった世の中。二人集まって、三人集まって、そしてみんなで肩を寄せ合って力を出し合っていくことで初めて豊かなこの社会をつくり上げてきたのに、今や金さえあれば万能の世の中のようになってしまって、金をもうけるためにあくせくしている、そんなことが私は一番の問題だろうと思うわけでございます。この観点からも、今そういうふうになりつつあるのであれば、仕組みとして必ずチェックできるようなものを確立する必要が私はあるというふうに訴えておきたいと思います。 次に、景気、経済の問題に移りたいと思います。 まず冒頭、労働大臣に、失業率が今三・五%、戦後最悪の状況ということですが、三月、学卒者が出る時期でございまして、実際にこの人たちの就職の状況はどうなっているのか、未就職の状況はどうなのか、そしてそれが失業率に与える影響は今後どうなってくるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 現在把握いたしておりますこの三月の卒業予定のうちでまだ就職が内定しておられない方は、中学、高校、短期大学及び大学を合わせて十六万人でございます。この数字は昨年の同時期と比較いたしますと、七%減少いたしております。 ただ、例年、年度末に向けましてぐっと就職が現実問題としては進みますので、この全員の方が四月以降失業者になられるわけではございません。例年の例でいきますと、大体今の三月時点の数字の四分の三が就職をされます。したがいまして、四分の一が従来の例だと完全失業者となられるわけでございまして、これは失業率に換算いたしますと〇・〇六%という数字になります。 労働省としては、まだ就職の決まっていない学生の諸君については、当然文部省とも御相談をしながら、学生就職センター等におきまして求人の情報等を提供しながらできるだけ働く場を持っていただいて、御本人も存在感を持ち社会に貢献していただきたいと思っております。
○都築譲君 そういった大変厳しい雇用失業情勢が続いております。経済企画庁長官にお伺いをしたいんですが、今の景気の現状とこれからの見通し、どういうふうにお考えになっているか、お聞かせください。
○国務大臣(尾身幸次君) 景気の現状でございますが、昨年秋口からアジアの経済が混乱に陥ったこと、さらには金融機関の相次ぐ破綻等によりまして株価も下がり、そして企業あるいは消費者のマインドが急速に低下をいたしました。その結果として消費性向が下がり、九月に七一・九%であったものが一月には六八・六%と、四カ月間で三・三ポイントも下がっているわけでございまして、そういうことを反映して実体経済は停滞をし、非常に厳しい状況にあると認識をしている次第でございます。 私ども、二兆円の特別減税とかあるいは九年度補正予算、金融システム安定化対策等の施策をとったところでございますし、また十年度予算及び法人税あるいは土地関係の税制につきましても譲渡益課税の大幅減税をしているわけでございまして、そういう予算及び関係法案が早期に成立することによりましてできるだけ早期に順調な回復軌道に乗せていきたいと考えている次第でございます。
○都築譲君 そうすると、ちゃんと今の予算が通れば順調に推移していく、こういうことでいいわけですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほどの措置に加えまして、さらに総理の御指示もありまして、自民党の数回の国民経済対策等を受けまして、昨年十一月の規制緩和を中心といたします緊急経済対策のフォローアップ、さらには追加的な規制緩和等、経済活性化のための具体的な政策について検討しているところでございます。 そして、私ども、そういう中で経済が停滞を示し、厳しい状況が続いているわけでございますが、そういうときこそ、逆に言いますと経済を民間活力中心で二十一世紀に向かって活性化するためのいろんな規制緩和とか土地の有効利用とか、あるいはいろんな金融ビッグバンとか、そういう施策を進めていく、経済の体質を中長期的に改善し強化する、そういうチャンスでもあると実は私自身は受けとめているわけでございます。 もとより、経済は生き物でございまして、今後とも内外の経済、金融の実情に応じまして適時適切な経済運営に努め、そして、十年度の経済見通し一・九%としているわけでございますが、これらの施策を総合的に進めていくことによりまして実質経済成長率一・九%を達成していきたいと考えているところでございます。
○都築譲君 今の経企庁長官の答弁についてはまた戻るとして、経企庁長官は一・九%成長見通しということですが、これが大蔵省主計局、理財局が用意した「平成十年度予算及び財政投融資計画の説明」の二ページのところに、十年度の対前年度伸び率ということで、国内総生産二・四%、国民総生産二・四%程度の伸びを見通しとして持っているんです。どちらが正しいんでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 今の二・四%の数字は名目でございまして、私が申し上げました一・九%は実質成長率でございます。
○都築譲君 そうすると、実質一・九%、去年も一・九%で、実はふたをあけてみたらマイナス成長になってしまうという状況になっておりますが、本当に今の状況で一・九%達成できる、こういうことでよろしいんですね。
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもといたしましては、各般の施策によって達成をしていきたいと思っておりますし、達成できると考えております。
○都築譲君 ということであれば、これは総理あるいは大蔵大臣にお聞きしたいんですが、補正予算という話が出ておりますけれども、追加的な対策あるいは補正予算、こういったものは必要ないということでいいわけですね。
○国務大臣(松永光君) 補正予算という話が我が党の中でいろいろ意見が出て議論されているということは承知いたしておりますが、私のところまではそれは全く来ておりません。 私としては、今御審議を願っておる十年度予算をなるたけ早く成立させていただいて、九年度補正予算と切れ目のない状態で執行させていただくように、同時にまたこの十年度予算と関連をしておる税法関係その他の法案も新年度から直ちに執行に移させていただくように、それをお願いしているところでございます。
○都築譲君 今の時点で、じゃ平成十年度一年間見通しても補正予算は必要ないんだ、一・九%成長はこの予算があればちゃんと達成できる、特に大きな外圧がなければ、外的ショックがなければ達成できるというお考えですね。だから、四月になったら補正を組むなんという話は一切ないというふうに言われるんですね。
○国務大臣(松永光君) 私は、今申したとおり、この予算を九年度の補正予算と切れ目のないような状態で執行できるようにさせていただきたいと、そのことをひたすらお願いしているところでございます。
○国務大臣(尾身幸次君) 私は先ほどかなり正確に申し上げたつもりでございまして、総理の御指示もございまして、規制緩和等の緊急経済対策のフォローアップなどを現在検討しているというふうに申し上げました。 それから、かなり前から総理が申し上げておりますように、内外の経済・金融状況に応じまして適時適切な経済運営に努め、そういう政策も全部総合的に進めてまいることによりまして、十年度実質一・九%は達成していきたいし、また達成できると申し上げているわけでございます。
○都築譲君 そうすると、今与党の皆さん方が補正を組むんだ、十兆円だと言っているのは証券市場の株価を引き上げるための口先介入という理解でよろしいのか、それとも禁止をされている風説の流布に当たるのか、そこら辺のところはいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日、本日と本院で予算審議が始まりましてから私は同じようなお答えを申し上げてまいりましたけれども、私は党の中で議論をすることを全く封じておりません。その上で、政府としては、平成十年度予算並びに……(発言する者多し)
○委員長(岩崎純三君) 御静粛に。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 質問者にお答えしてよろしゅうございましょうか。 予算関連の法律案、すなわち税法等を一日も早く通過、成立させていただきたい、そうして今、各閣僚から申しましたように、平成九年度補正予算と切れ目を生じないようにというお願いをしてまいりました。 本日四時の記者会見で、国会の御審議の状況から政府としては暫定予算の準備に入らざるを得ないという判断をし、その作業に着手すべきことを指示したということを恐らく官房長官は申し上げていると思います。その上で、なお暫定の期間が一日も短くて済みますように院の御協力を得たい、私たちは今それをのみお願い申し上げております。
○都築譲君 この話は前からこういう状況で推移してきていると思います。 ただ、本当に国民の政治に対する信頼が失われてきているというのは、こういった状況であるということを覆い隠しながら、大丈夫だ大丈夫だと言いながら、実際には深刻な状況になってしまっている。そういったところの上にさらにまた上塗りをするような形で、今政府の皆さん方が与党とは違うんだというふうな発想でやっておられることに対する不信といったものが私は募っていると思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年末、この予算は政府、与党、当然のことながら一体で編成してまいりました。概算要求から予算編成までの間に、例えばアジアにおける通貨の状況の変化が起こり、我が国における金融機関の大型破綻というものが相次ぎました。 そうした状況をできるだけ織り込みながらこの予算は編成をしてきたわけでありますが、同時に、議員御記憶のとおり、私どもは例年より早く国会の召集をお願いし、特別減税、金融システム安定化二法、そして九年度補正予算と審議をお願い申し上げました。それだけ私どもとして経済情勢に厳しさを感じ、そしてそれだけの施策を必要とすると判断し、御審議を願ったわけであります。 そして、さまざまな御意見はありましたけれども、平成九年度補正予算の中に、昨年本院におきましてもさまざまな批判を例えば公共事業にもちょうだいいたしました。災害復旧関係が中心でありますけれども、九年度補正予算には一兆円の公共事業関係費を計上いたしました。また、いわゆるゼロ国債を活用することによって一兆五千億の枠をとりましたことも議員御承知のとおりであります。そして、これを今フルに使わせていただきながら我々は経済運営をいたしております。 ここにすき間があかないように、政府はまさにそうした気持ちで院にお願いを申し上げておるわけであります。
○都築譲君 今までと同じような御答弁ですが、じゃ本当に四月になって補正を組む、ただ今の経済の状況はほとんど同じような状況で、景気動向指数も四カ月連続マイナスという状況で来ているわけですから、この状況の中で大丈夫だ大丈夫だと言っておきながら、本予算、当初予算が上がったところで補正の話が出たら、それはどうやって説明をされるのか。そして、それは今までとは違うじゃないかという話になったときに総理はどうやって責任をとられるつもりですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は事後の話をするともしないとも申し上げておりません。そして、そうお尋ねでありますならば、私どもは今、これはいろいろな御議論をいただきますけれども、例えばアジアの経済ということも論議の中に加えていかなければなりません。どうやらおかげさまでという言い方が正確かどうか、タイあるいは韓国がどうやら安定を取り戻してまいりました。そして、次なるステップにという望みを持っております。しかし、日本が最大の債権国でありますインドネシアにつき、今IMFとの再交渉が継続をいたしております。 こうしたことを考えますとき、臨機応変ということを申し上げるたびにいろんな御批判を受けましたけれども、まさにそうした要素というのは現実にあるわけでありまして、私どもはそのときそのときに全力を尽くしていきたいと考えております。
○都築譲君 ちょっと視点を変えまして、あと与党の幹部がしきりに言っておりますのは、あるいは政府も言っておるのかもしれませんが、三月末の株価を一万八千円まで、去年の三月末の状況と同じようにしなきゃいけないということで郵貯、簡保の資金を投入するんだ、こういう話があります。 何で一万八千円にしなきゃいけないのか、それが本当に妥当な、適正なことなのか。大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 簡保、郵貯という話が出ましたので、郵政大臣でございますが答弁をさせていただきたいと思っております。 今株価が幾らかという話が出ておったわけでございますが、新聞紙上で私はそのことは記事としては読ませていただいております。 郵貯、簡保という話が出ましたので御答弁を申し上げますと、郵貯資金、簡保資金というのは国民一人一人から預かった大変貴重な資金だと私は思いますから、この運用に関しましては、御存じのように安全、確実、有利で公共の利益のために使いなさいと。また、郵貯事業も簡保事業も事業でございますから、当然事業の健全性が確保されなければならない、そういった規定がきちっとあるわけでございます。 そういった中で、実は株式の運用につきましては、現在の法律によりまして直接郵貯・簡保資金で株が買えるようになっておりません。これは御存じのように、簡保事業団を通じて信託銀行と指定単契約を結ぶ、こういう契約をさせていただいておるわけでございます。 何で株式の運用をするのかといいますと、これは今言いましたように有利にやらねばなりませんから、株式は債券、例えば国債等の運用対象と異なった収益の動きをいたします。一般的には、株高のときは債券が安くなる、それから株安のときは債券は高くなる、こう言われておるわけでございますから、やはりどんな状況においてもある一定の利益が出るような方法でせねばならない、こういうふうに思うわけでございます。 また、長期間保有することができますから、バイ・アンド・ホールドと申しまして、長期間保有することによって経済成長に応じた収益を上げることが可能な資産だというふうに株は考えられておりまして、何よりもこれは分散投資をせねばなりません。今言いましたように、その中の一つが指定単を通じた株式投資だということでございます。 そういった意味で、なおかつもう御存じのように、指定単で買った場合は、どういった株を買うとか、どんな株をいつ買うかというのは全部信託銀行と契約して、信託銀行は実は独自で投資判断、裁量があるわけでございますから、そういった中でやっていきたいというふうに思うわけでございます。 いずれにしましても、与野党内の議論を踏まえまして、政府全体としてどのような取り組みを行うのか、郵政省としていかなることが可能なのか、慎重に検討しているところでございますが、政府による株式市場の操作といった観点で検討しているものではないということを最後に参考までに申し上げておきたいと思っております。
○都築譲君 しかし、それは未来永劫に持ち続けていればいいんですけれども、ただ逆に、厚生大臣、年金福祉事業団の資金運用で一体どれだけの穴をあけてしまったのか、ちょっと言っていただけますか。
○政府委員(矢野朝水君) 公的年金のお金というのは資金運用部に全額預託が義務づけられておるわけです。そこで、年金福祉事業団では一度預けた金を借りてきて利払いをしながら運用している、こういうことでございます。 現在の運用額は約二十四兆円でございますけれども、この利払いとその実現収益の間に逆ざやが生じておりまして、約一兆四千億の累積欠損ということになっております。
○都築譲君 一兆四千億といったら、年金保険料何万人分になるんでしょうか。
○政府委員(矢野朝水君) 年金保険料は、国民年金の場合は一万二千八百円、それから厚生年金の場合は給料に比例しております。したがいまして、何万人ということを今この場で申し上げられないんですけれども、相当な保険料になるということは確実でございます。
○都築譲君 だから、結局勤労者が一生懸命働いたそういった保険料とか、あるいは生活者が郵便貯金におさめた、簡易保険に加入した、こういった貴重な税金にも等しいような国民の皆さんの財産をわざわざ政府が株式対策のために、一万八千円にしなきゃいけないんだということでそんなところにつぎ込んで、赤字になったらだれが補てんをするんですか。結局、最後はまた国民の税金で賄わなければならないという話になるんじゃないですか。そんなことをやっていて、そしてまたそれは何のためにやっているかといったら、三月三十一日午後三時を無事に過ぎるためだけだと。では、四月になったらどうするんですか。 今、経済評論家の中で言われているのは、三月三十一日の午後三時の株価さえ一万八千円を超えてりゃいいんだということで、公的資金、税金ですよ、そういったものをどんどんつぎ込んでいって、そして四月になった途端にどっと倒産がふえるんじゃないか、株価指数が下がるんじゃないかと大変な心配をなさっているわけですよ。 そんないいかげんな表向きの対策だけ講じていて、これで本当に国民のための政治を行っているというふうに総理は言えると思いますか。お考えをお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、閣僚の中、私も含めまして、株価の水準が幾らであるべきとか幾らであっては困るとか、そうした発言をしておる者はいないと存じます。 市場というものは生き物でありますから、ある程度の動きをすることは当然のこととして、その上でそれが余り極端でないことを──これは証券だけではありません、為替についても同じような気持ちであります。同時に、カレンダーの特定の時点において、あるいは証券であれ為替であれ国際市場であれ、すべての市場に共通することでありますけれども、これだけがそのときにこうであればいいといった考え方を政府として申し述べたつもりはございません。我々は日本の景気の回復に全力を尽くしていきたいと考えております。
○都築譲君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で都築譲君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 まず冒頭、総理大臣にお伺いをいたします。 私も大変悩んでおるんですが、全国の方々も今大変悩んでおられると思います。それはどういうことかと申しますと、家族とは一体どういう存在であるかと。総理大臣にとりまして家族とはどういった存在でありましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既にもう世間ではよく私の家族のことを御承知の方もたくさんおられますけれども、必ずしも親と一緒にいた期間が長い方ではございませんでしただけに、家族というのは私にとりましてはいたわり合い、心の支えを与え合う、私個人とすれば一番心の和む、そんな役割を果たしてもらっている存在であります。
○西川きよし君 皆さんもお感じになっていることだと思うわけですけれども、ことしに入ってからは新聞、雑誌等で親子、兄弟、夫婦それぞれのきずなとは何なのか、家族とは一体何なのか、そうした家族のあり方を考える連載記事だとか特集記事を目にする機会が多いわけです。 月日がたつのは早いなと自分でも感じるんですけれども、結婚いたしましてもう子供が自立をする年に私もなりました。そして、これまで家族の一員としてともに支え合い、生活をしてきた父親が高齢になりまして、体力的にも精神的にも老いてまいりました。特に父親は痴呆という症状が出始める中で、子供として息子として驚いたり寂しかったり、つらいものがあります。だからこそ頑張らなければいけないんですが、さらに家族の中ではさまざまな葛藤もございまして、母親にとりましては妻の立場から父親の現実を認めたくない、そしてまた私の家内は嫁の立場から現実に向き合う中で、大変な努力でもって頑張ってくれているんですけれども、正直申し上げて、家族とは一体何だろう、これまでみんなで一生懸命力を合わせて築き上げてきたものが、そういう御家族の方が全国にたくさんいらっしゃると思うんです。 ですから、あえて正直にこの質問の中にも取り入れたわけですけれども、以前総理に質問をいたしましたときに、お母様とできるだけ御一緒に暮らしたい、でも暮らせる状況にない、何度か試みてはみたけれども結局だめでしたという御答弁をこの前もいただきました。 どういうことが問題になったのか。総理大臣でなくても結構です、一人の息子としてお答えいただいても結構だと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は議員に素直にお答えを申しました後、随分多数の方々から激励もいただきましたが、心ないお手紙やお電話をいただきました。そして、私は本当はお答えをしたくない気持ちでいっぱいであります。 ただ、ある時期、リハビリをすることによってある程度の能力を取り戻すという期待を持ち、相当の長期間のリハビリを弟の郷里の方で過ごした時期がございます。ある程度の効果が出まして、行きしなは寝かせて連れていきましたものが、帰りは車いすが使用できる程度にまで戻りました。しかし、その後症状が一定いたしません、というよりもいろいろ変化をいたしております。今も先々週あたりから点滴瓶がついております。 この辺でお許しをいただけませんか。
○西川きよし君 ありがとうございました。 総理、正直におっしゃっていただきましてあれなんですけれども、うちの父親もせんだって廊下でお漏らしをしたりとか、いろいろあったんですけれども、この年になって父親をおふろに連れていっておしりを洗っておしめをしてということ、僕はよかったと思います。できるような息子であってよかったなというふうに思います。 次に、ひとり暮らしや高齢者夫婦の世帯がふえておるわけですけれども、三世代の同居率が減少しております。そして、核家族化の進む中で老後の扶養を子供に頼るという人が少なくなってきております。しかし、日本の同居率は欧米に比べてまだまだ高いです。子供としても親の扶養をできることなら当然のことと考える気持ちも強いわけです。 しかし、そこで住宅問題、そしてまた経済的な問題、さらには介護という問題、さまざまな問題があります。今日、住宅政策が抱える課題というのは非常に多岐にわたっております。 そこでお伺いしたいのは、特に今後は賃貸住宅においてですけれども、高齢化が進む中でこの居住水準の改善、例えばひとり暮らしや高齢者夫婦の世帯が新たに賃貸住宅を探すというのはもう大変な状況です。もし現金収入が途絶えたらどうしよう、体が不自由になった場合はどうしよう、車いすの生活ができるだろうか、また介護が必要となった場合はどうしよう。賃貸住宅における高齢化対策の具体策についてぜひ建設大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 西川委員から、まず家族とは何だと、こういう御質問からきょうは入られたわけでございますが、家族が喜びも悲しみもともにしてお互いに生活基盤を大切にしていく、それが家だろうと思うわけでございます。 今、住宅に対する御質問でございますが、わけても高齢者がふえる傾向にございまして、老後の住宅に対する不安は大変大きなものがございます。こうした不安に対してどう住宅整備をするかということは今私どもが取り組む一つの大きな柱でございます。 そこには、所得がだんだん少なくなっていくという方々もいらっしゃるわけでございますし、また不自由な体をどういうぐあいに家が守ってくれるのか、いわゆるバリアフリーという中で家のつくり方をどうするかというような問題もございます。 そしてまた、お年寄りにとりまして今入居しにくいというような環境でありますれば、そういう環境に向けまして道筋を開いていかなければならぬわけでございます。また一方におきまして、住宅金融公庫等を通じまして、民間住宅でございますが、バリアフリー化をしてまいりたいという方々には融資の手だてもして、家というものを時代に合わせてつくり上げていかなきゃならぬ、こういう問題を建設省としては真剣に考えておるわけでございます。 高齢化が進展するということにつきまして委員からの御質問が冒頭にございましたが、二〇一〇年になりますと八百五十六万人のお年寄りの方が一千四百八十四万人、世帯数にして六百万増加する、さらに二〇二〇年になれば一千七百八十万人になりましてこれが倍増するということでございますから、高齢者も含めましてこれからの公営住宅、シルバーハウジングの供給、こういったものが非常に大切かというぐあいに考えておるわけであります。 所得の増減について改めて申し上げますと、家賃額を決定するに応能応益家賃制度等も導入をしながら、その対応といいますか、高齢化社会また身体機能の障害、低下する方々に対する対策に建設省として取り組んでおるところでございます。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます、本当に借りにくい状況になっておりますので。 そこで、親子で三世代同居を選択された方がいらっしゃいます。住宅を建設して、住宅に対する税制度についての意見を聞いてくれということで先日お便りをいただきました。読ませていただきます。 このたびは私の不満を聞いてください。 平成六年、息子の転勤で一家五人が帰ってきました。そこで家が狭く、平成七年、ローンで新築をいたしました。新しい家は二百四十八平米、二百平米以上のため固定資産税、取得税の特別控除は受けられません。 不満なのは、私ら夫婦と母、息子夫婦、孫三人、計八人家族です。例えば三人家族で百八十平米の家ですと特別控除が受けられて一人当たり六十平米のスペースがあるわけですが、私たちの家族は一人当たり三十一平米で控除が受けられません。何か矛盾した規則で納得ができない。しかし税金は支払います。 西川さんにこの文面でもって不満をぶつけて税金のことは忘れます。 というお便りをいただきました。 この内容を私も庶民の代弁者としてせんだって地方行政委員会でぶつけさせていただきました。時の大臣は白川自治大臣でございましたが、研究をし検討いたしますという御答弁をいただきましたので、上杉自治大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 新築住宅に対する固定資産税、不動産取得税の軽減措置につきましては、良質な住宅の建設を促進する、良質な住宅の建設を図る、こういう側面から、新築当初の税負担の軽減を図るため、居住部分の床面積二百平方メートル以下である住宅について現在も御指摘のとおり軽減措置を講じているところでございます。 床面積要件の上限二百平方メートルにつきましては、一層良質な住宅の建設を促進し居住水準の向上を図るとともに、御指摘いただいておりますような高齢化の進展、あるいはただいまのお手紙の三世代で一緒に住む、私もそういう生活を経験しておりますからようわかりますが、このような進展を受けまして、居住環境の変化等にも配慮する必要があると考えておるところでございます。 このような観点から、西川先生の前の御質問あるいは御意見等も十分踏まえまして、平成十年度の税制改正におきまして検討いたしました結果、床面積要件の上限を二百四十平方メートルまで引き上げる等の改正を行うこととし、現在、地方税法施行令を改正する準備を進めているところでございます。 なお、今回の要件の見直しによる減税額は平年ベースで固定資産税約四十六億円、不動産取得税約六十億円と見込んでおるところでございます。
○西川きよし君 自治大臣、ありがとうございました。役所の皆さんにもよろしくお伝えいただきたいと思います。これまではなされていなかったこの福祉の制度の中に、高齢化を背景とする問題に視点を当てて検討していただいたということを本当に感謝します。 今お聞きしましたら、この二枚の便せんで固定資産税が四十六億円、不動産の取得で六十億円、合わせて百六億円もの減税ができたということでございますので、これは本当にありがたいことだと思います。 総理大臣、一言いただけませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今そのお手紙を実は私は初めて拝聴しながら、なるほどそういうとらえ方があるなという感じを持っておりました。それだけに、自治大臣からすぐにお答えができたことを私も本当に幸せに思います。
○西川きよし君 次に変わりますが、今度は年金に関して一点だけお伺いしたいと思います。 現況届でございまして、生存確認ということで年に一回、皆さん方は年金を受け取るために、自分は生きているという証明をもらいに市町村の役場へ行かなければいけません。証明をもらってくるわけですけれども、今回厚生省がおとりになった内容について厚生大臣に御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今お話しのように、現況届というのは、年一回、生存とか就労状況、家族、障害の状況を、受給者の情報を把握するために受給者本人から提出していただいていたわけであります。 保険者と受給者との連絡の手段として必要だということだったんですけれども、この提出に際して、生存の状況については市町村長の証明を求めていたんですが、高齢の受給者や市町村の窓口業務の負担を軽減する観点から、ことしの一月から受給者本人の自署によって足りるものとして市町村長の証明は要らない、廃止したということであります。
○西川きよし君 ありがとうございます。 今回の措置、これは目立ってというんでしょうか、新聞等々でも余りPRがなされていないように思うんですけれども、お伺いいたしますと、お年寄りの皆さん、また周囲の皆さん方が大変喜んでおられます。 そこで、この措置は社会保険庁が所管する厚生年金、国民年金、船員保険の方々が対象になるわけですけれども、他の共済年金ではこれまでどおりの手続が必要というふうになっているわけです。最大の受給者がいらっしゃる社会保険庁ができたわけですから、他の共済年金の方もぜひこういう手続にしていただきたい、こういうふうに思うわけですが、担当大臣である自治大臣、大蔵大臣、文部大臣、農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 地方公務員共済年金制度におきましては、現在、年金の受給権者に対しまして、間違った払い、過誤払いの防止を初め適正な支給を確保するため、年一回、厚生大臣からも御説明がございましたが、現況届出書の提出をお願いしているところでございます。この現況届出書の提出に当たりましては、年金の受給者に市役所等に出向いていただきまして、年金の受給権者が生存していることについて市町村長の証明を取得していただいておるところでございます。 自治省といたしましては、現在、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を提出しておるところでございますが、この住民基本台帳ネットワークシステムを利用することによって、プライバシーの保護も十分配慮しながら、年金受給者の生存の効率的な確認が可能となるため、現況届出書における市町村長の証明は不要になるものと考えておるところでございます。
○国務大臣(町村信孝君) 私学共済でございますが、やはり年金の過払いということになりますと、これは保険料を払った方々に大変申しわけないということもございますので、私どもとしては年に一回現況届の提出をお願いしているわけでございます。 今、自治大臣お話しのように、住民基本台帳のネットワークシステムが平成十二年度実施予定ということで、これが導入されますれば、私どもとしてもこれは当然廃止してもいいんだろう、こう思っております。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。 御指摘の年金受給者の生存確認手続における市町村長の証明の廃止問題につきましては、国家公務員共済においては、住民基本台帳ネットワークシステムの導入により、死亡情報等が電子的に提供されるのに合わせ廃止することとしてきたところでありますが、年金受給者からの強い要望を受け、受給者サービスの向上を図る観点から、廃止を前倒し実施することを考えたいと思っております。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 農林漁業団体職員共済年金制度、俗に言う農林年金制度でございますが、現状はただいま各大臣からお話ししたのと同じ共済制度の仕組みになっております。 ただ、ただいま御説明がありましたけれども、住民基本台帳法の一部を改正する法律案が国会に提出されておりますが、この法律によります住民基本台帳ネットワークシステムが利用されることになればおのずから生存証明が不要になる、こう考えております。
○西川きよし君 どうぞよりよい方向へよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(岩崎純三君) 以上で西川きよし君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、矢田部理君の質疑を行います。矢田部理君。
○矢田部理君 新社会党の矢田部でございます。久方ぶりで質問をいたします。 まず、総理に安保条約についての基本的な認識を伺いたいと思うのでありますが、安保条約六条では、日本国の安全、それから極東の平和と安全のためにアメリカ軍は日本の施設・区域を使用できる、使用することが許されると規定されております。 そういう中で、ガイドラインが日米間で合意をされました。そのガイドラインの中身を見ますと、単なる区域や施設の使用ではなくて、周辺事態における米軍の行動に日本の自衛隊を中心にして、後方地域支援と言っていますが、それができることになっている。これは安保条約の根拠はないのではありませんか。少なくとも安保条約の条文からは出てこない。踏み込んだ中身になっていると思うのでありますが、総理の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は踏み込んだと考えてはおりません。繰り返し御説明を申し上げておりますように、我が国の現行憲法があり、そして日米安全保障条約、そしてこれに関連する幾つかの過去の取り決め、その中には岸・ハーター間の取り決めとか、いろいろなものがございますけれども、もともとこうしたものを変えないという大前提を置いた中でこのガイドラインの議論はしてまいりました。そしてその中で組み立てたものであり、必ずしも条約上根拠を有するとは言えない部分があることは議員からも御指摘を受けましたけれども、その目的を達成するために必要な範囲にとどめている、その意味で私どもは変質したという考え方は持っておりません。
○矢田部理君 池田前外務大臣は、私の質問に対して、あなたのおっしゃるとおりだというのを外務委員会の記録に残しておりますが、目的で説明はされても条文上の根拠はないということを明確にしておきたいのが一つ。 問題の後方地域支援でありますが、これはアメリカ軍の活動に、とりわけ典型例は、戦闘行動に入った場合に油や水や食糧を補給できる、あるいは武器や弾薬などを含む物資の輸送を担当することなどなどがこの後方地域支援の中身になっているのであります。戦闘地域と一線を画しているとは言っても、そういう補給とか輸送ということになりますれば、全体の戦闘行動の重要な一翼を担っているのでありまして、とりわけ継戦能力という立場から見れば、それなしには戦争を継続することはできないということから見れば、直接武力行使にかかわったか否かは別として、明らかに集団自衛権の行使と見るのが国際的な常識であり、大方の国際法の学者もそう指摘しているのでありまして、その点では憲法上許されざる行為であるとの認識に私は立ちますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) はさておきと言われたところが実は一番大事なんでありまして、さておかれては困るんです。 そして、先ほども申し上げましたように、現行憲法まずありき、そして日米安全保障条約並びにこれに関連する関連取り決め、そしてそれを変えないという前提の中でつくっているものであるということを申し上げました。一線を画すというのは文字どおりその意味で、私どもとしては非常に慎重に考え抜いた上で戦闘行動と一線を画すという考え方を持ったわけであります。そして、それは私は従来から政府が御説明を申し上げております集団的自衛権の行使に当たるものではない、そのように考えております。
○矢田部理君 自衛隊の任務についてでありますが、自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の自衛力、実力組織だと言ってきた。したがって、専守防衛に徹するとも言ってきましたし、今度のガイドラインの冒頭にもこの基本的な方針は維持していくということを強調されておるわけでありますが、そういう中で、我が国自身が武力攻撃をまだ受けていないのにどうして他国の戦争に赴く米軍のために補給とか輸送とかということを担って戦争協力をするのか。これはもう専守防衛という大原則を逸脱している行為ではありませんか。
○国務大臣(久間章生君) 昨日もいろんな御質疑がございましたけれども、我が国の平和と安全に重要な影響がある場合に米軍が活動する、その米軍に対して我が国の憲法の範囲内でどこまでやれるかということでございます。 我が国の平和と安全に重要な影響がない、全然関係ない場合ならともかくでございますけれども、我が国の平和と安全に重要な影響がある場合に活動する米軍に対しては憲法で許される範囲内でやはり協力をする、これが日米安保条約の目的達成との関係では効果的な運用になる、そういう考え方で整理しているわけでございますから、私はそういう意味では可能だというふうに思っております。
○矢田部理君 自衛隊法をよく読んでごらんなさい。武力攻撃を受けたときに自衛隊は防衛出動その他をする、おそれがあるときも入りますけれども、単なる安全とか平和のためにというようなことでの関係は自衛隊法には全然出てこない。ここが問題なんです。 もう一つ、戦闘地域とは一線を画される日本周辺の公海まで自衛隊などが武器弾薬の輸送ができることになっている。こうなればもう政府がかねがね言ってきた武力行使と一体ではありませんか。戦闘行為で一線を画すなどという状況、どうしてできますか。ミサイルが飛び交う戦争の時代に少なくともその近くまで武器弾薬を輸送していけば、相手国から見れば当然のことでありますが、客観的に見たって、全体の戦闘行為の一翼を日本は担っている、自衛隊は受け持っていると見るのが当然ではありませんか。いかがでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 委員はどうも全然関係のない遠くの方まで我が国の自衛隊が出かけていって武器弾薬を輸送するような状況を御想像されるかもしれませんけれども、今回のガイドラインも、先ほども言いましたように、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態が発生している、そういう中で活動する米軍に対して武器弾薬の輸送も一線を画する地域でやり得るという判断のもとにやろうということでございますから、我が国にとって全く何も関係ないというわけではございません。 それと、先ほど自衛隊が出動する場合と言われましたけれども、自衛隊の出動は御承知のとおり専守防衛でございます。しかしながら、今回の場合は、そういうような出動には至らないけれども、自衛隊の持つ能力等を活用するという点で輸送等をやる場合があり得るということで整理しようとしているわけでございます。
○矢田部理君 この米軍の戦闘行為に、自衛隊はもちろんでありますが、官民挙げて協力をするということから有事立法が既に準備をされつつあるわけでありますが、その概要、準備状況についてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 有事立法とおっしゃいますけれども、私どもが今急いでやっておりますのは、今度のガイドラインに基づいて我が国が、あるいは民間も含めまして、あるいはまた自衛隊がやるときにどういう法律が必要か、そういうことについて準備をしているわけでございまして、先日も申し上げましたとおり、今いろいろとその議論をしている最中でございます。
○矢田部理君 アメリカの戦闘行為に自治体や民間も動員しようという中身にこのガイドラインはなっているわけですね。これは強制措置で、罰則つきでやるというスキームを考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 今、動員とおっしゃいましたけれども、まさに動員なんという言葉を使われるからにはそういうことを御想像されるのかもしれませんが、私どもが今考えておりますのは、民間も地方自治体も含めて協力をしてもらおうという、そのためのいろんなスキームは何か必要じゃないかとは思っておりますけれども、罰則をつけるようなこと、そういう形での強制力を伴うようなことは今のところ検討していないわけでございます。
○矢田部理君 かつて自衛隊が自民党の国防部会に出した中身には、役務等については罰則つきでやろうという提案があるから私は心配をしているのであります。 もう一つ、罰則はつけないけれども何らかの強制措置、強制的な枠組みを考えているのではないか。それとも全く任意の協力、協力してもいい、しなくてもいいという中身を考えておられるんですか。
○国務大臣(久間章生君) 罰則をつけての強制力、あるいは罰則をつけなくても、要するに強制力という言葉に匹敵するようなことは難しかろうと思っております。しかし、そうは言いながら我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすような事態が発生している中でみんながこぞって協力するような態勢をどうやったらつくれるか、そういうことでの協力依頼等についてはしっかり何か態勢をつくらなければならないんじゃないか、そういうふうに思っているわけでございます。
○矢田部理君 民間に対する協力要請の一つの原型として災害救助法という法律があります。この中身を見ますと、医療とか土木とか輸送関係者、これに業務従事命令を出すことができる。罰則までついています。さらには、病院とか診療所の管理とか物資の収用とかいう強制的な措置まで災害救助法は規定をされているのでありますが、実はこれが原型になって自衛隊法ができている。その延長線上で官民の動員体制を考えているのではないかというふうに思われるのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 我が国が攻撃をされておりますときのそういういわゆる出動、防衛出動に出ている場合、あるいはまたその前になりますけれども、災害が起きて黙っておったのでは被害がさらに拡大するということでかなり強制力をもって従事させるというような事態、そういう事態と比べましたときに、今回の場合はもう少し緩やかなんじゃないか。直接その被害が今発生していないわけでございますから、そういう中でどういう形で後方地域支援ができるか、あるいはその他の活動ができるかということで整理しようとしておりますので、強制力を伴ってまでの、罰則をつけてまでのそういうことは少し難しいんじゃないかというそっちの方向で今整理をしているところでございます。
○矢田部理君 もう一点、自衛隊は周辺事態でいろんな任務を持つ、例えば後方支援、それから捜索・救難あるいは邦人救出、臨検などがあるわけでありますが、これは武器は持っていくんですか。
○国務大臣(久間章生君) 今その辺については議論をしている最中でございます。大体自衛隊が活動する場合には武器というのは携行しているわけでございますが、今度のガイドラインの場合にその辺をどういうふうに整理するか、それも今非常に細かい点まで含めましていろいろと議論をやっているところでございます。
○矢田部理君 このようにして、有事法制というのは国民の権利義務に重大な問題が出てまいりますだけではなくて、集団自衛権の行使などに本格的に踏み込む、専守防衛ののりをも越えるという状況を私たちはどうしても認めるわけにはいかないということで強く反対だということを申し上げておきたいと思うのであります。特に、自衛隊だけではなくて官民挙げて協力体制をつくるというようなことは許しがたい事態であるということを強く申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で矢田部理君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) この際、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告を永田良雄君にお願いいたします。永田良雄君。
○永田良雄君 予算委員会派遣第一班の調査につきまして御報告いたします。 第一班は、委員長を団長とする十名で編成され、二月二十五日から同月二十七日までの三日間、栃木、福島の両県を訪れ、関東、東北地方の産業経済の動向、両県の財政・経済状況等について概況説明を聴取するとともに、栃木県においては清原工業団地、特別養護老人ホーム生きいきの里などを、福島県においては福島空港の整備状況などについて現地視察を行うほか、動物用医薬品製造・販売、通信機器製造など地元の産業についても広く調査を行ってまいりました。 関東及び東北地方では、新設住宅着工数の減少、消費の低迷、厳しい雇用情勢など、景気は全体として低調であります。 栃木、福島両県の経済動向につきましては、個人消費が弱含みで推移し、これまで比較的堅調に推移してきた製造業生産も減速傾向が見られ、企業の景況感にも厳しさが増してきているなど、景気の停滞感が生じてきております。 なお、栃木県から北関東自動車道等の整備促進、テクノポリス建設促進の支援などについて、福島県からは県立大学の整備、福島空港の整備などにつきまして要望がありました。 以上で第一班の報告を終わります。 なお、調査の詳細につきましては、委員長のもとに文書による報告書を提出しておりますので、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らいを願いたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 次に、第二班の報告を岡部三郎君にお願いいたします。岡部三郎君。
○岡部三郎君 予算委員会派遣第二班の調査につきまして御報告いたします。 第二班は、私、岡部のほか六名で編成され、二月二十五日から同月二十七日までの三日間、静岡、岐阜の両県を訪れ、東海地域の産業経済の動向及び両県の財政・経済状況等について概況説明を聴取するとともに、静岡県においては浜松地域テクノポリス、浜松アクトシティなどを、岐阜県においてはソフトピアジャパン、職業能力開発短期大学校、特別養護老人ホーム寿楽苑などについて現地視察を行うほか、光技術産業や先端素材産業など地元産業についても広く調査を行ってまいりました。 東海地域の景気動向は、輸出が引き続き増加し、設備投資も堅調に推移しているものの、住宅建設は減少し、個人消費も伸び悩んでいることから、総じて足踏み状態にあります。 静岡県の経済情勢は、設備投資が増加基調を維持し、生産も総じて高水準で推移している一方、個人消費は低調で、雇用も厳しさを増しております。岐阜県については、生産が底がたいものの、消費マインドの低下からアパレル、陶磁器などの地場産業が低水準で推移し、全体として停滞感が強まっています。 なお、静岡県からは地方財政対策の充実、地震対策の推進、空港整備の推進などについて、また岐阜県からは東濃地域への首都機能移転、社会資本整備の推進、地方分権の推進などにつきまして要望がありました。 以上で第二班の報告を終わります。 なお、調査の詳細につきましては、委員長のもとに文書による報告書を提出しておりますので、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。
○委員長(岩崎純三君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 両班から提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたします。 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十八分散会