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142回国会参議院1998/02/03

予算委員会 第5号

発言数
362
登壇者
32
会派数
8
開催日
1998/02/03

会議録

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、平成九年度補正予算三案の審査のため、参考人全国銀行協会連合会前会長佐伯尚孝君及び全国商工会連合会会長近藤英一郎君から意見を求めることといたします。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、ありがとうございました。  当委員会におきましては、目下、平成九年度補正予算に関する審査を進めておりますが、本日は特に参考人から御意見を伺うことになりました。  まず、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後で委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、まず佐伯参考人からお願いいたします。佐伯参考人。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) ただいま御紹介賜りました三和銀行の佐伯でございます。  まず最初に、今般、世間をお騒がせいたしまして、先生方を初め各方面に御心労、御迷惑をおかけしておりますことはまことに申しわけなく、深くおわび申し上げます。  また、金融界に身を置く者として、昨今の金融システム不安から多大な御心配、御迷惑をおかけしておりますこともあわせて衷心よりおわび申し上げます。  今回の問題に関しましては、現在、御当局の調べを受けておりますが、行内におきましても事態の究明に取り組んでいるところでございます。既に、大蔵省等官公庁との接し方につきましては、一月二十九日付で、当局との交渉を専ら担当しておりました渉外班、いわゆるMOF担を廃止するとともに、公務員、みなし公務員に対する接待を禁止いたしました。また、法令遵守体制を強化すべく、独立したコンプライアンス統括部を設置することを決定しております。  今後は、行内の調査結果などを十分踏まえ、厳格な行内管理体制を整備し、二度と今回のような事態を招くことのないよう措置するとともに、国民の皆様、利用者、預金者の方々の信頼の回復に全力を挙げて努めてまいりたいと考えております。ここに改めて深くおわび申し上げます。  引き続きまして、最近の金融機関を取り巻く環境について述べさせていただきます。  我が国の経済が活力を維持していくためには、金融機関が担うべき社会的、公共的責任から、健全な企業に対し円滑に資金を供給するとともに、金融機能の活性化を図っていくことが必須の要件であると考えます。しかしながら、現在、まことに申しわけのないことではございますが、我が国の金融機能の基盤とも言うべき金融システムに対する信頼が大きく揺らいでおります。  昨年秋の金融機関の大型破綻を契機に、金融システムに対する不安が深刻化した結果、一部金融機関の資金調達が困難となり、流動性危機が発生しております。すなわち、一部民間金融機関からの預金の流出が続いているほか、短期金融市場においては銀行間における円滑な資金の受け渡しが阻害されております。また、海外市場では外貨調達が困難という状況が継続いたしております。  金融機関にとりましては、このような資金調達における制約に加えて、不良債権の償却や株価の下落により自己資本の毀損が生じているという問題がございます。  結果として、BIS自己資本比率規制への対応のため、金融機関は資産の流動化や公的金融機関の利用促進に最大限の努力を払っても、なお若干貸し出しを含む資産の圧縮を余儀なくされる事態となっております。こうした縮小均衡の動きが加速いたしまして、現在ではもはやより深刻な信用収縮危機とも言うべき状況に陥りつつあるのではないかと憂慮いたしております。すなわち、資金の円滑な供給が損なわれることで、企業の存続、ひいては雇用維持の基盤が危ういものとなる事態が懸念されるわけでございます。  既に、金融機関の経営破綻に伴い、健全な企業を含む多くのお取引先が企業活動に必要な資金の確保に苦労される事例が見られますことは心苦しい限りであります。不幸にしてこのような企業の中から新たに倒産が発生するような事態になりますと、貸し倒れ損失により、取引をしている金融機関の自己資本がさらに毀損し、信用収縮を加速させることとなります。決算期末まで期間の余裕がなくなってきているということも考えあわせ、緊急な対応が求められているものと考えます。  以上、現下の金融システム不安及び信用収縮危機の状況について申し述べてまいりました。我々金融機関としては、一刻も早く信用収縮の悪循環を断ち切り、自己責任において金融機関としての使命を果たさなければならないと考えております。  まずは、円滑な資金供給のために最大限の努力を行っております。既に、中小企業のお取引先への貸し出しに際しましては、きめ細かな企業審査能力の養成による将来性ある企業の発掘、融資審査期間の短縮によるいち早い資金ニーズへの対応、ベンチャー企業の育成等に努力しているところでございます。また、景気対策として盛り込まれた中小企業支援策の実効性が一層高まるよう、支店網等私どものネットワークを最大限に活用して、国民金融公庫の代理店として、あるいは信用保証制度の活用を通じてお取引先のお役に立てるよう努力しております。  さらに、不良債権処理を初めとする経営の健全化にこれまで以上に注力するとともに、経営の効率化、合理化等リストラにつきましても、皆様からの御批判を真摯に受けとめ、より一層注力してまいる所存でございます。  ただし、残念ながら民間金融機関の努力のみでは現下の金融システム不安を完全に払拭することは非常に困難であります。大変僣越ではございますが、国の政策として最悪の事態を防止する備えを手当てし、日本発の金融恐慌を断固として発生させないための具体的手当てを一刻も早く内外にお示しいただくことが求められているのではないかと考えます。  今後御審議いただくものと拝察しております金融システム安定化策では、まず第一に預金者保護の徹底が図られることとなります。預金保険に対する安全弁を手当ていただくことは、預金者の不安を払拭し、金融システムに対する信頼を回復する上で大変意義のあることと受けとめております。  対策の第二は、金融の危機的状況への対応として、金融機関の自己資本の充実を図るということであります。無論、金融機関の資本充実は平時であれば市場原理にゆだねられる資本市場での調達を通じて行われるべきものと考えます。今般の措置は、現下の金融危機を克服するための緊急異例の措置と理解しております。  私どもとしても、連鎖的な信用収縮に陥りつつある現在、取り返しのつかない事態とならないよう、優先株や劣後債等の発行による資本充実を含め、あらゆる手段について全力を傾けて検討、具体化を図り、金融機能の円滑化を図る覚悟でございます。  以上、当行が世間をお騒がせしたことに対するおわびと、我が国の金融機関が置かれた状況について考えを述べさせていただきました。  昨日、私は全国銀行協会連合会の会長を辞任いたしました。これは、金融システムの安定化が喫緊の課題として各方面で真剣に御検討いただいている中、世間をお騒がせしたことは申しわけなく、その責任をとり、今般新しい方に会長職をお願いすることがよりよい道と判断したからでございます。重ねておわびを申し上げます。  私どもは、さまざまな御批判や御意見を真摯に受けとめ、責任ある経営体制の整備及び皆様からの信頼回復に努めてまいる所存であります。引き続き厳しい御指導をお願い申し上げ、私からの報告を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ありがとうございました。  次に、近藤参考人にお願いいたします。近藤参考人。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) ただいま御紹介いただきました私、全国商工会連合会会長の近藤英一郎でございます。  諸先生方におかれては、常日ごろ大変商工業の発展のために御尽力いただきまして、また御指導をいただきましてまことにありがとうございます。きょう、こうした会合にお呼びいただいて中小企業の実態を聞いていただけることは、まことに心から感謝にたえません。厚くお礼を申し上げる次第でございます。  きょうは、与えられた時間が十分間に限られておりますので、私どもの商工会の組織の概要や活動等については省略させていただきまして、早速、お尋ねいただく予定になっておる金融関係の貸し渋り問題について、その状況を御報告いたしたいと思います。  私どもは、本日のこの会合のために、全国二千八百有余の商工会に対して、年末年始における中小企業に対する貸し渋りの状況がどうだろうか、こういう点について早速緊急調査をしてまいりました。  まず、回答があったおおむね四割の商工会で貸し渋りが存在するとの結果を得ました。業種別に見ますと、建設業それから小売とか飲食業、製造業において貸し渋りが非常に多くなってきておる、こういう結果が出てきております。さらに金融機関別では、地方銀行が大体五〇%、信用金庫二五%、信用組合とか都市銀行がともに八%という順番で貸し渋りのパーセントが出てきております。これはやっぱり商工会の地域の関係がいろいろあると思うんですが、商工業者の取引銀行割合も相当影響しておると思います。  次に、貸し渋りの内容でありますが、最も多く回答を寄せられたものは、担保、保証人の追加を強く要請されている、それから追加融資が断られたがともに三割となっております。それから、希望どおりの金額が借りられない、信用保証協会の保証つきを非常に強く要請されておる、そういうケースが続いております。  また、昨年十一月に発表された政府の緊急経済対策や国内の金融機関の早期是正措置の一年間の猶予などの一連の金融政策が講じられたことにより、金融機関の貸し出し姿勢に変化があらわれたかどうかと聞いたところ、変化なし、あるいは貸し渋りはさらに厳しくなっているという回答が大体九割寄せられております。一方、貸し渋りが緩和されたとの回答はわずか一割しかないわけでありますので、依然として貸し渋りの状況が続いておるということが現状だと私は思います。  それから、ここで一つ二つ事例を御報告いたしたいと思います。  一つは、上越の従業員十一名、年商一億五千万円ほどの建設業の例でございます。昨年度当初、長期短期の借入金が合わせて四千万円ほどありましたが、設備投資を予定していたため先に一千五百万円を返済した。年末に地銀に六百万円の運転資金の借り入れの相談をしたところ、一千五百万円返していただいておるけれども二百万円しか貸せない、こういうことを言われた。経常利益は上がっている、それから財務内容も改善しているのにどういうことかと再交渉したけれども、何といっても金融機関が応じてくれない。したがって、四百万円ばかりしか借りられないので、結局自己資金でそれを何とか補って通り抜けた、こういうことが言われております。  もう一つは、九州地方のある県の自動車整備業者の例でございますが、ふだんから手形を割り引いてもらっていたメーンバンクに建設業者が発行した手形を持ち込んだところ、今までは手形の振出先に対しては何ら注文をつけなかったのでありますけれども、年末から態度が急変して、今後は建設業者の手形は割り引かない、こういうことを言われて断られた。結局、商工会といろいろ相談した結果、政府系金融機関に借り入れあっせんをしていただいてひとまずは事なきを得た、こういう事例が報告されてきております。  それから、このたびの貸し渋りの調査では、信用保証協会に対する意見や要望もかなり寄せられております。  先ほど申し上げましたとおり、銀行は貸し出しに際し信用保証協会の保証を条件とするようになっており、保証協会の保証の可否がそのまま融資の可否に直結する案件が相当数あります。保証渋りという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、従前の保証枠までは保証を認めてくれなくなったとか、担保、保証人の要件が厳しくなったという声が非常に強く報告されております。  実際に保証渋りがあると答えた商工会は全体の約二割に達してきております。具体的な要望としては、従前どおりの保証枠を認めてほしい、それから担保、保証人要件を緩和していただきたい、保証料率を引き下げていただきたいという声も多いのでございます。  本調査では、今後の融資環境の展望についても聞いておりますが、好転すると答えたのはわずか四%であり、しばらくは変わらない、さらに悪化するとの意見が大半であり、金融に対する失望感や先行きの不安が充満していると言えると思います。  以上が私どもの調査結果の概要でありますけれども、この際せっかくの機会でもございますので、中小企業の立場から一、二御要望を申し上げておきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、マル経制度の拡充を初め、信用保証協会の基盤強化など各般の中小企業対策を早期に実効あらしめるために、現在御審議いただいている平成九年度の補正予算を一日も早く成立させていただきたいと思います。あわせて、平成十年度予算の年度内成立についてもぜひともお願い申し上げたい。  また、これは二、三日前の新聞報道でありますけれども、六兆円規模の追加景気対策を検討中というような記事が載っておりました。機動的な景気対策の発動を強く私たちは要望したいと思いますが、その点もよろしくお願いいたしたいと思います。  さらに、現下の景気に対する不安を払拭するため、金融システム安定化法案の早期成立を要望するものでございます。  それから、あわせて生命保険の問題でありますけれども、契約者保護制度については保護策が講じられていませんので、早期に支払い保証制度を導入することを強く要望しておきたいと思います。  以上、本日いろいろ申し上げましたが、政府がさまざまな施策を用意していると言われておりますが、肝心の金融機関が中小企業に対する対応を変えていかない限り貸し渋りは改善されないと思われますので、政府におかれましては、金融機関に対して担保、保証人などの融資条件などについて中小企業に特段の配慮を行うよう引き続きひとつ強力な御指導を行っていただくように強く要望いたします。  日本経済の大宗を占める中小企業が活力を取り戻さない限り我が国経済は活性化しないと言っても私は過言でないと思っております。中小企業の置かれた厳しい環境を御理解賜りまして、特段の御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げて、私の意見陳述を終わります。どうかよろしくお願いいたします。  どうもありがとうございました。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ありがとうございました。  以上で参考人の意見の陳述は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 両参考人、御苦労さまでございます。私は自由民主党の小山孝雄でございます。先に佐伯参考人に、そして近藤参考人に続いてお尋ねをさせていただきます。  先ほどの意見の御開陳の中でもございましたが、佐伯参考人は昨日銀行協会の会長をおやめになられたわけでございます。参考人は、今日の三和銀行、大三和銀行の礎を築いた方だと承っておりますし、都銀の最年少頭取としても広く知られる方であります。そしてまた、三和銀行さんとしては初めての全銀協の会長にもおなりになられたわけでございますが、まさに本当にすばらしい方だと、こう世間の注目を集めてこられた金融人でございます。  一月二十七日の時点では、参考人は、職責を全うして責任を果たしたい、記者団の質問に対してはそういうふうに語っておられましたが、三十日に、三日後にはおやめになられた。それはどうしてでございましょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 大変恥ずかしいことといいますか、改めておわびを申し上げます。  今、どうして全銀協の会長を二十七日にはやると言っておいて三十日にやめると言ったかということでございました。二十七日の記者会見の場合には、まだ事実が起こったといいますか私が知ってからほんの数時間ということでございまして、その後三日間のいろいろな状況を総合的に判断したということでございまして、これがその原因といって特定するものは一つ二つではございません。結局、総合的に判断したということで御理解いただきたいと思います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 それでは、三和銀行の頭取としてお尋ねいたしますが、三和銀行さんは、これまでさくら銀行、野村証券とともにマキシマムの四・九%の株を保有しておられると承知しておりますが、東洋信託銀行との合併を検討されたことはございますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) お答えいたします。  ございません。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 そのような情報を随分私ども耳にしたわけでございますけれども、大蔵省金融検査部の逮捕されました課長補佐、この者が御行の幹部の要請に基づいて昨年四月中旬、当時合併相手として検討されていた、これは報道にございます、東洋信託銀行に関する大蔵省の金融検査報告書、示達書及び日銀の考査報告書の写しを渡していたことが東京地検特捜部の調べなどでわかった、こう報じられているわけでございますけれども、この件に関して行内で調査を行ったことはありますでしょうか。また、どのような報告を頭取として受けておられますか、お聞かせください。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 報道がされておりますので私どもは調査をいたしてはおります。ただ、ただいま捜査機関の捜査中ということで、これ以上の調査の結果、中身については御容赦いただきたいと思います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 私は、今このような不祥事がどうして起こったのかということを多くの国民が知りたいだろうと思います。そうした国民の目線に立ってといいますか、こういうことを一般の国民は知りたいだろうな、そんな立場から御質問申し上げますので、ぜひ今おっしゃったことをさらに超えてお答えいただければ、こう願いつつさらに進めさせていただきます。  東洋信託銀行との合併は検討したことがないというお答えでございますけれども、こうした大きなことは会社のトップシークレットであると私は思うわけでございます。金融検査官を経由して合併を検討していた相手行の検査情報の入手ということが事実であるとするならば、御行のトップあるいは上層部の指示がなければ、これは現場のいわゆる大蔵省担当者、MOF担という言葉で最近知られておりますが、そのレベルで動ける話ではないと思うわけでございます。  佐伯頭取は、事前にこのことは承知しておられましたでしょうか。あるいは事後に報告があったでしょうか。また、入手した資料に基づく検討が役員会であったかどうか。あえてお尋ねをいたします。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私に関して言いますと、指示はしておりません。それから役員会で云々ということについてももちろんございません。そういう事実があったかどうかということはちょっと捜査中のことでございますから私の口からは申し上げられませんが、行内で厳密に調査をしているところでございます。  以上でございます。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 先ほどもお話がございましたけれども、今、行内で調査中であるということでございますが、報じられていることが事実だとするならば、これはまさに産業スパイもどきの事件でございまして、御行の名誉のためにもきちっとした調査を行って、ぜひ本委員会に御報告をいただきたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 厳密に調査をした上で、こういうことが二度と起こらないようにといいますか、我々の社内体制の立て直しに十分役に立てていきたいというふうに考えております。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 この事件が報じられるようになりましてから、特にいわゆるMOF担、ミニストリー・オブ・ファイナンス、こう聞いておりますが、銀行界の大蔵省担当者の活動が各方面で報じられているわけでございますが、佐伯参考人はそのMOF担の活動の御経験はおありでございますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) MOF担という言葉がいろいろ、ひとり歩きと言ったら言葉は悪いんですが、動いていますけれども、いろんな解釈があると思います。私も企画部の次長ということをしたことがございまして、別に大蔵省だけを担当したわけじゃないんですが、かなりの部分をという意味ではあるいはそういう部類に入るのかと思いますが、MOF担という定義がきちんとわかりませんけれども、企画部の次長という席にあったことはあります。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 各方面でこのことが語られているわけでございますけれども、大蔵省に張りついて、その情報を少しでもとろうということで朝から大蔵省に詰めかけてと、こういうふうに一般の人たちはイメージをしていると思うんです。しかし、何でそんなことをするのか一般の我々にはよくわからないということだろうと思うんです。  これは参考人、銀行と大蔵省との関係ということに関して、銀行側が本当に一生懸命大蔵省に出向いていろんな情報を仕入れようとするその目的というのは何でございましょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) ちょっとお答えにならないかもしれませんが、ずっと昔は大蔵省の規制というのが今よりも大きいわけでございまして、例えば店舗というのも一年に一回あるいは二回申請の時期がありまして申請をして認可をもらう。現在は店舗の開設は自由でありますからそういうことは一切ない。それから、例えば新しい商品につきましても、いろんな規制がありますから、一つ新しい商品を出すについてはいろんな角度から交渉して検討していかなければいけないということで、やはり現在とは比べものにならないぐらい規制の中にあったということで、そういう中ではやはり主に大蔵省との交渉をするというセクションがどうしても必要であったということであります。  現在、実は一月二十八日付でMOF担というのをなくしましたということだったんですが、これは企画部の次長の席に実際にそういう人はいたわけですけれども、もう大して仕事はなくてほかの仕事をしていたという実態であります。したがいまして、十年、二十年前ということと現在では仕事が全然変わっておりますので、現在はそういうたぐいのことは必要ないという、時代の変化ではないかと思います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 今、ついせんだって廃止をしましたというお話がありましたけれども、今までは必要で、これからは必要でなくなったからかどうか知りませんが廃止をしたと。全くそういった担当者を置かないで実際やっていけるんでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) ちょっと私のお答えの仕方が悪かったかと思いますが、例えば昔のそういう時代でも、店舗を担当するセクションは店舗部というのがあったら店舗部、それから新しい商品を担当するところは新商品部とかいろいろあって、それぞれが大蔵省と交渉するという方法は同じようにとられたわけでございますけれども、大蔵省と交渉するという専門の人を置く方が有利と当時は考えてやっていたのではないかと思います。  現在は、それぞれのセクションにそういう接触の必要があれば、また外為法が自由化されても同じように国際金融とは交渉があるわけでございますから、それは引き続きそれぞれのセクションが交渉をするということで、集中したMOF担という形を廃止したという意味でございます。    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 報じられるところによりますと、御行の大蔵省担当者の方が、大蔵省の金融検査がいつ、どこの支店に入るかということを容疑者の課長補佐から知ることを本当に一生懸命やられたと。我々から見ますと、一般の国民から見ますと、まあ現実におありかどうか知りませんが、例えば三和銀行雪ケ谷支店にいつ検査が入るかなんということはそんなに一生懸命になって知らなくちゃいけない重要なことなのかなと。法律で決められた検査でありますから、整々と受けられたらどうなのかなという気もするわけであります。  もっとも、ほとんど知られていないはずの検査日が、実際行ってみると全部知っていたという話も聞きますし、朝早く検査官が銀行に到着をした、まだシャッターがおりていた、チャイムを鳴らした、宿直の人が出てきまして、いらっしゃいませと言って、どこのどなたかも聞かずにシャッターを上げて中に招じ入れたという話も承っておるわけでございますけれども、それほど一生懸命になって、いつ、どこの銀行に入るかということを知らなければならないことなのか、どうしてなのかということがわからないのでございますが、いかがでございましょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私もそう思いますし、これは現在捜査中でございますから、どういう事実を捜査機関がお知りになっているかわかりませんので私はコメントはできませんけれども、先生のおっしゃることと同じように思います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 御同意をいただきましたわけでございますが、さらにこういったことも目的なんでしょうか。金融行政の内容をペーパーになる前に知ることが目的で、それをいち早く仕入れて、そして行政に対応できるように準備をすることだということも耳にしたわけでありますが、こんなことも目的の一つでございましたでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 先ほど御質問のあった検査の問題と離れまして、一般に新しい情報を早く仕入れるということは確かに役に立つというか、有利であるという意識はあったかなと思います。  例えば、店舗の行政などでもいろいろ変化があったわけですけれども、その辺のところを早くつかむ遅くつかむということは、その時代には大変な意義があったのではないかなというふうには思います。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 大蔵検査の日時や対象支店を知ること、あるいは金融行政の内容をいち早く知ること、ペーパーになる前に承知をしてその準備をすること、そうしたことを知るためにいろんな近づき方をして、あるいは時にはスマートな遊びもなさって官僚の皆さんとお近づきになる。これは言うなれば、何か一般の国民から見れば、見てはならない解答をカンニングさせてほしい、そんな目的を持って近づいていかれるような感じも持つわけでございますが、カンニングという言葉はちょっとどうかとは思いますが、どうもそんな感じもいたします。  三和銀行さんの企画部次長、そして企画部長のお役職も経験なさった頭取としてはどんなふうに考えられますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 金融検査の日時の問題につきましては、私は個人としてはそんなに重要とは考えておりませんし、この件につきましてもし何か報道されているようなことがあれば、それは捜査機関の問題ですから私からはコメントいたしませんけれども、そうではなくて、例えば商品開発というものでも当時は一行だけ独走できないというようなこともありましたし、そういう行政の規制の時代というのは、いろいろやはり情報を早くとる、情報を早くとるといいますか動きを早く知る。例えば、三局合意というような規制があったわけですけれども、これも現在はなくなりましたが、そういうものでは大変早い者が有利であったというようなことがあるわけでありまして、先ほど産業スパイというようなお話がありましたけれども、そうではなくて、動きを知るという意味では私どもも大事な情報としてとっていたということでございます。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 まだまだお尋ねをしたいことがあるのでございますが、頭取、一般の国民というのは、銀行というのは、人の金を安い金利で預かって高い金利で貸して、そしてその差でもうけて、いわばだんな衆的な商売でいつも床の間に座って、まさに史上最低の低金利を続けておれたちのとらの子が当然生むはずの利子収入を大幅にカットさせて、そうした金利政策で銀行が守られている、なのに銀行員の給料はほかと比較して法外に高い、そんな銀行だけがなぜ保護されなければならないのか、ましてや公的資金投入なんてとんでもないよと、そう思う人は結構いるのでございます。そうした意見に対してどう思いますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) ただいまの御意見、お話につきましては、あえて反論をいたしません。そういう御批判があるということを心得ておりますし、我々もさらに身を引き締めてリストラに励んでいきたいというふうにお答えするしかございません。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 しかし、私は、さはさりながら、それでも金融システムというものは安定しなくちゃいけませんし、日本のお札の信用は守らなければならないと思います。まさに一万円札が木の葉になったときに一体この国はどうなるのか。経済ばかりじゃございません。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕  日本がつぶれればアジアがだめになります。アジアがだめになればアメリカも相当参るでしょう。全世界にそうした大混乱が起きることを承知いたしております。そのようにしてはならない、そう思うがゆえに、あえて銀行の公的責任というものが今強く問われているわけであります。銀行というものは決して金貸し業じゃない。銀行法に基づく免許業である。その免許業に基づいて金融検査が行われてきた。その検査をめぐっての不祥事が明るみに出つつある、出てきた。これは本当に大反省してもらわなければならない。もちろん、銀行界だけじゃないと思います。官界もあります。そして、私たち政治の分野にいる者もそのとおりであります。  あえて参考人に、この事態に至ったことについて、銀行協会の会長としてきのうまでおられたそのお立場もありますので、もう一度お考えをお尋ねいたします。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) お答えにならないかもしれませんが、こういうことが起こったことの責任は重々感じております。したがいまして、現在私どもとしても調査をいたしておりますし、捜査機関の捜査の結果というものも待ちたいと思いますが、二度とこういうことが起こらないようにすることが私どもの責めというふうに考えております。必ずそういうふうな体制にしていきたいというふうに思っております。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 近藤参考人にお尋ねいたします。  先ほどは貴重な実態調査の御報告ありがとうございました。私が調べたところで、データバンクの資料によりますと、昨年一年間の貸し渋り倒産は二百二十六件、そして貸し渋り倒産のメーンバンクを業態別に見ますと、信金とか信組が少なくて地銀、都銀が多いということにデータ上なっているのでございますが、先ほどのお話ではどうもその逆のようにも見受けられました。言うなれば、信金、信組の伝統的な地盤に食い込んできた地銀、都銀が今強引に引き揚げようとしているのかな、その結果、信金等が長いことかけて育ててきた地域経済が荒らされる結果になっているのかなとも思っておったわけですが、近藤参考人、どんなふうにお考えでありましょうか。  そしてまた、その実態報告、ぜひ後で本委員会にちょうだいできればと、こうお願いを申し上げるわけでございます。いかがでございましょう。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 今のお尋ねの件でありますけれども、都銀、地銀が割合に多いという調査の結果が出ている。先ほど申し上げたのは、商工会というのは全国に二千八百有余の商工会がありますが、大体過疎地帯あるいは町村に多いわけであります。したがって、取引銀行の関係によってその調査の結果が違ってくると思います。  そこで、我々全国商工会連合会は四半期ごとに大体全国八千の企業を対象として景況調査をずっとやってきておるんですが、先ほどの扱い銀行の比率が私の報告と少し食い違いがあるような御見解でありますが、これは先ほど申し上げたとおり地域の関係があろうと思います。  それで、平成九年の十月から十二月期の景気がどうだろうか、こういう点を調査した結果が出ておりますが、産業全体の景気動向を示す数値は昨年同期比で売上高、採算あるいは資金繰りなども二期連続して悪化しております。それから建設業、これが特に目立っているんですけれども、建設業それから小売業の不振が目立っております。  なぜ建設業あるいは小売業が目立っているかというと、特に小売業関係は、先生が御承知のように大店法の改正が三回行われました。それで、六年のときに、例えば大型店の営業時間を一時間延長するとか、あるいは休日を四十四日から二十四日にするとか、それから五百平米が一千平米に上げられたとか、こういう影響から極端な影響を受けておるわけであります。そういう関係で小売業については不振が非常に目立っておるわけであります。  建設業については、先生方御承知のように仕事の関係、いろいろあろうとは思いますが、公共事業が非常に減っておるというような関係もあろうと思います。それから景気の先行きに非常に不透明感がある。まして金融機関の不安と相まって景気動向に対しても悲観的な見方が非常に強いのではと思っております。  それから、金融機関貸し渋りについては先ほど御報告申し上げておきましたが、私は実は保証協会の全国の連合会長、副会長を八年ばかりやったことがあるんですが、やっぱり保証協会の保証をつけることを条件にさせられるとか、あるいはまた実態を私のところに、きょう参考人としてお呼びいただけるということを聞いてやってまいりました保証協会の幹部は、保証渋りはないんだ、こう言っているんですが、保証協会の保証を受けることによって金融が円滑にいっている。しかも、保証協会ができたいきさつは御承知のとおりでありますが、金融機関のためにできた保証協会ではない、こういうような点から、来られた幹部には申し上げたんですが、そのような関係から金融不安、保証渋り、金の貸し渋り、これが非常に大きく影響しておることが景況に影響してくる、私はそう申し上げて過言でないと思っております。  どうぞよろしくお願いします。

小山孝雄自由民主党

○小山孝雄君 ありがとうございました。  終わります。

角田義一民友連

○角田義一君 民友連の角田義一でございます。  まず、佐伯参考人にお尋ねをいたします。  会長さんをおやめになったようでございますが、出処進退というのは当然みずからお決めになることだと思います。しかし、大蔵省に家宅捜索が入り逮捕者が出る、これは日本国家にとって異常な危機的な状況であります。そのときに参考人は、当初の記者会見で自分の責任を全うして職にとどまるというふうにおっしゃっている。  失礼だが、私は今日の事態、さらには、はっきり申し上げますが、銀行業界に対する庶民、国民の怨嗟、こういう気持ち、これがおわかりになっていないのではないか。私は即刻おやめになるべきではなかったのかなという個人的な気持ちを持っておりますけれども、率直なところをもう一度お聞かせいただきたいと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) お答えといいますか私の気持ちの変化といいますか、その瞬間にはまだ実情もよくわからなかったと言いますと言いわけになりますけれども、何とか全銀協の会長職を全うしてという瞬間の考えがありまして、それはちょうどその起こった日の翌日が記者会見であったということでありまして、私の気持ちはそのすぐ後に決まったわけでありますし、ただやめるということができません。後任のお願いもして、後をやっていただけるという人ができて退任するというのが公職でございますのでああいう形になったということでございます。  大変恥ずかしいことですけれども、以上であります。

角田義一民友連

○角田義一君 先ほど同僚の小山孝雄議員の質問に答えられまして、MOF担の廃止について、参考人は時代は変化した、もはやMOF担は要らぬということで廃止した、こうおっしゃっておるようでありますが、そんなきれいごとなんでしょうか、失礼だけれども。  いわば大手銀行が、大蔵官僚を初めいろいろな高級官僚に対して接待攻勢をかける、接待漬けをする、ゴルフは送り迎え、お土産つき、赤坂の一流料亭で連日接待をする、こういうところで言いたくないが、いかがわしいところまで連れていくというようなことが日常茶飯事のごとく行われておる。  こういうことに対して、国民は、一体銀行というものは何をしておるんだ、大蔵官僚は一体何をしておるんだ、こういうことでそういう制度に対する怒りがあって、そしてMOF担というものをやめざるを得ない、これはやめるべきだ、こういう反省に立ってMOF担というものは廃止するというふうに私は理解しておったんですけれども、参考人のお話を聞いておりますと、何か時代が変わったからこれは要らないんだ、要らないからやめるんだと。そんなきれいごとなんでございますか。  もう一度お尋ねしたいと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私の答え方が大変中途半端といいますか、誤解を招いたかもしれません。おわびいたします。  私が申し上げたのは、現在MOF担というのは昔と比べて、そういうふうに規制の時代から変わりましたということを申し上げました。現在いろいろ、なぜこういうことが起こったか、これからこういうことが起こらないようにするにはどうしたらいいかということは逐一調査研究しているわけです。研究というとおかしいですけれども、調査の結果でいろいろやっていくわけですけれども、できることからするという意味で、まずMOF担というのは、先ほど申し上げましたように、昔はやはり規制の中で、そういう接待とかいうのは別にしまして、業務上窓口が必要であったので置いていましたけれども、そういう窓口があったことで今回の接待のようなことが起こったということで、これはすぐ廃止をいたしましたということで申し上げました。  今後、いろいろやっていかなければいけないことはたくさんまだこれから出てくるわけですけれども、とりあえずやめたことを申し上げた次第でございます。おわびいたします。

角田義一民友連

○角田義一君 ちょっと意地悪い質問ですけれども、大蔵省に家宅捜索が入り、逮捕者が出ない、もし大蔵省に家宅捜索も行われないとすれば旧態依然としてMOF担制度というのは維持したんですか。今回の事件があったので、これはまずいということでおやめになったんですか。とすれば、今までの銀行協会というのは、そういう実態というものを黙認しておった、当たり前のことだ、どこが悪いんだと、こういうことではなかったんですか。いかがでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) こういうことがなければ気がつかなかったかということについては、非常に難しいことでありまして、あるいは気がつかなかったということになったのかもしれませんが、現実はこういうことが起こりまして、そういうものの廃止も含めて今体制の立て直しをやっているということでございます。

角田義一民友連

○角田義一君 庶民というのは銀行を信頼して担保もとらずにお金を預けております。銀行は人に貸すとき担保をとる。しかし、庶民はあなた方から担保を提供されて預金をしていますか。していないと思います。なぜでしょうか。信用しているからです。  あのバブル時期に、人様からお預かりしたお金を湯水のごとくろくな審査もせずにどんどん注ぎ込んで不良債権を発生させた。そして、その不良債権の始末、これは日銀の超低金利政策を私どもは批判をするんだけれども、まさに大手銀行を救済するために超低金利政策をとって、十五兆円にも及ぶお金が、本来庶民の懐に入るべきものがあなた方の懐に行ったんですよ。そして、その利益によって不良債権を償却してきた、始末をしてきた、業務純益を上げてきた。これは事実です。それでもなおかつ足らないんだ、今度は税金を投入してくれと。失礼だが、虫がいいんじゃないですか、虫がよ過ぎるんじゃないですか。  これが私は庶民の怨嗟の声だと思いますけれども、佐伯さん、どういうふうに考えていますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) あえて先生の御意見に反論はいたしませんが、超低金利によって銀行に利益がもたらされているということは、そういう面もあろうかと思いますけれども、我々はあくまでやはり金利の利ざやで勝負をしておりまして、したがって利ざやという意味では、低金利のときも高金利のときも変わらないということではございます。  しかし、一般の預金者から見れば、大変な低い金利でどうしてくれるということはあるわけでございますし、先生の御意見にはおっしゃるとおりというふうに言わざるを得ないと思います。

角田義一民友連

○角田義一君 今回、金融安定化法が国会で審議されておりまして、いろいろ問題のあるところであります。  私どもは、銀行業界というものはそれなりのリストラをやっておられるというふうに先ほど参考人はおっしゃっておりましたけれども、まず、もっと自助努力を払っていただかなければいけないんじゃないかというふうに率直に思います。  先ほど同僚の小山議員からもお話がございましたけれども、私は、銀行における労使の賃金の問題というのは、これは労使が対等の立場でお決めになる、国家が口を差し挟むべき問題ではないというふうに基本的には考えております。しかし、今後公的資金の導入をされるということになれば、まことに失礼な言い分であるけれども、一流銀行の頭取さんは数千万円以上の年俸をいただいておるというふうに言われておりますが、申しわけないけれども半分にしてもらう。そして、お互い切り詰めるところは切り詰めて、まず保険料率、今十万円に対して八十四円ですね、〇・〇八四ですか、それをもっと絞り出してもらって、保険料率を上げて、まず自助努力をする。こういう姿勢を銀行がまずやる。税金を出してくれと言うなら、まずみずからが身をもっと削る、この気持ち、この態勢がなければ国民は納得しないんじゃないでしょうか。いかがですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 具体的に個々のところでどういうふうにするということは現在持っておりませんけれども、リストラにつきましてはもっとさらに進めていかなければいけないというふうに思います。  賃金の問題も、決してそれは労使で決めるからいいということを申し上げているのではありませんで、既にもうこの三年間ベースアップは一回もやっておりませんし、賞与も大幅に落としていっている。経営者は賞与がないのは当然でございますけれども、そういう形で実際に各行取り組んでおります。銀行業界全体で足してもかなりのリストラを進めているわけですが、さらにリストラを進めるというのは当然のことというふうに考えております。

角田義一民友連

○角田義一君 今回の金融安定化法案にはいろいろ問題があるわけであります。  政府が御案内のとおり優先株あるいは劣後債というようなものを引き受けていただくなり、あるいは優先株を買うというようなことが言われておるわけでありますけれども、私は率直に申し上げまして、都銀の中には、今回のいわばBIS規制をはるかに超えておる、かなりいろいろ不良債権等の償却も進んでおる、力もついてきたというふうなところもあるようであります。そこにさらに公的資金をつぎ込んで劣後債なりあるいは優先株を買ってもらうというようなことは、失礼だけれども、ますます大銀行というものは資本強化されるけれども、先ほど近藤先生がおっしゃられたいわば中堅、地域に密着をしている銀行というのは取り残されるんじゃないか、そういう不安というようなものもあるわけでありまして、この辺、佐伯さんはどういうふうに考えておられますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 一般論といいますか、通常のときであれば、要するに力に応じて市場から資金を調達して資本を充実していくというのが当然のことだろうと思います。ただ、現在ではいわゆるクレジットクランチといいますか、そういう収縮が起こって、実際にマーケットが収縮し過ぎている。したがって、本来であれば調達できる時期に調達ができないというマーケットに対して、公的資金をもって資金調達に応じていただく。したがって、そういう危機が去ったときには早急にマーケットで売るなりあるいは回収するなり自己償却するなりして資本を収縮する、こういう施策でございますので、一時的な対応というふうに私どもは考えております。

角田義一民友連

○角田義一君 当初、自己資本比率がかなり高い銀行は、今さら国から支援を受けるということになれば、みずからが銀行の不健全性を公にするようなものである、こんなものは受ける必要はないんじゃないか、こう考えておったが、まだ法律もできもしないのに、政府、大蔵省筋から劣後債あるいは優先株を買うからというようなお話があってやむなくこれは応じなきゃならぬのかなというようなことが言われておりますが、それは本当なんでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) ちょっと御質問の意味を取り違えているかもしれませんが、政府からいろいろ要請があってとか、そういう形で少なくとも出ていることはないのではないかと思います。それぞれの銀行がいろいろな形で意見をおっしゃってそれが新聞には報道されているわけですが、特に具体的にそういうことがあったとは私は聞いておりません。

角田義一民友連

○角田義一君 先ほど近藤参考人から貸し渋りの極めて深刻な実態が報告をされました。それを聞いて佐伯参考人はどういうふうに感じておられるのか。先ほど佐伯参考人は銀行の社会的責任ということをおっしゃられた。とすれば、相当身を削っても健全な中小企業を倒すわけにはいかない。倒産をすれば失業者もふえる、社会不安も増大する。銀行は今まで放漫なことをやっておって国民に迷惑をかけてきた、この際はちゃんと救うべきものは救わなきゃいかぬじゃないか、身を削っても貸し渋りなんということはやっちゃならぬ。こういう立場に立ってもらわなきゃ、とてもじゃないですけれども国民は納得しないと私は思いますよ。いかがでございますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) こんなことを申し上げたら釈迦に説法みたいになりますが、貸し渋りが起こる原因として二つございます。一つは、自己資本比率が達成されない、四%あるいは八%が達成されない、したがって何とか分母すなわち資産を減らそうと思うから貸し出しが減ります。それからもう一つは、いろいろ景気も含めて悪くて、したがって本来であれば黒字というか貸し出し対象になっていた会社がだんだん収益が悪くなって貸せなくなっているというような、二通りあると思います。  最初の方の自己資本比率云々の問題は、したがって今回提案されております資本注入といいますか、そういう方法でクレジットクランチのあれが解決する。後の方の、それぞれの貸出先について従来貸したところに云々という問題については、我々も可能な限りその企業の中身を見て貸し出しに応じていくという方法をとっておりますし、銀行は本来貸し出しが生命なわけですから、決して好んで貸し渋りをしているわけではございませんし、我々も先生が今おっしゃったように、これが仕事だということを心得て貸し出しに応じていく態度をとっていきたいというふうには思っております。

角田義一民友連

○角田義一君 ここで、貸し渋り問題等について同僚の小山峰男議員からの関連質疑をお許しいただきたいと思います。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。小山峰男君。

小山峰男民友連

○小山峰男君 民友連の小山峰男でございます。  両参考人には、大変お忙しいところを御苦労さまでございます。私は近藤参考人にお聞きをしたいと思います。  先ほど貸し渋り等の問題につきましてはるる御説明をいただいたわけでございますが、今ちまたを歩いておりますと、またタクシーに乗っても、大変景気が悪いという声がもう充満しているというふうに思っております。この原因でございますが、私は所得税の減税を継続しないで廃止したこと、また消費税をアップさせたこと、あるいは医療費のアップ等で九兆円、また非常に低金利政策というようなもので庶民の懐がなかなか暖まらないというような問題、さらにいろいろの不祥事等による国民の不信感というようなものが増幅したことに伴う不景気、そういうようなことが原因だろうというふうに思うわけでございますが、近藤参考人として中小企業の立場でどういうようにごらんになっているか、お話をいただきたいと思います。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 今、先生の御質問でありますが、けさの新聞を見ておりますと、「中小、一段と悪化」と、中小企業金融公庫の調査の結果の景況判断が出ております。  確かに、先生が言われるとおり、タクシーに乗っても電車に乗っても、やっぱり非常に景気が悪い。だから物が売れない。それから、生産がもちろん減ってくる。収入がふえなければ購買力が出ないのは当然であります。  そういう点から考えて、景気の低迷の原因、いろいろな見方があると思いますけれども、私としては、国民全体がすべてにおいて感ずる先行きの不透明感、それから金融に対する不安感、これが最大の原因ではないかと思っております。  したがって、国民は消費を削り、設備投資を控え、全体として経済が収縮していると見ておりますが、金融システムの安定化を図るなどの対策を早急に講じてこの不安を払拭することが私は必要ではないだろうか、こう考えております。どうかよろしくお願いいたします。

小山峰男民友連

○小山峰男君 会長さんがおっしゃられるように、二十一世紀に向けて我々の生活がどうなるのかといういわゆる絵がかけていないというところに消費というのが本当に伸びない原因があるだろうというふうに思っておるわけです。  ところで、近藤参考人は先ほど要望として補正予算の早期成立等いろいろお話しになったわけでございますが、今回の補正予算の中でいわゆる所得税、住民税の二兆円減税、所得税は今月からでございますが、そういうこと、あるいはゼロ国債等の計上、あるいは金融安定化のための予算化というようなものが含まれているわけでございますが、こういうもので十分景気が回復するのかどうか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 景気の動向、それから将来どうなるのか、中小企業としてはどう考えているのか、こういうお尋ねであろうと思います。  景気がよくなるかならないかは先ほど申し上げたとおりであります。金融機関の貸し渋りについて先ほど説明したのでありますが、経済対策の効果は一部認められている、手も打っていただいておる、それから二兆円の特別減税もやってくれる。確かに手を打っていただいておるんだけれども、我々がいろいろと総合的に判断して聞いておる点では、大手銀行が韓国に大変大きな融資をしておる、韓国はまたその企業を通じて東南アジアに投資をしておる、これがはね返って通貨の不安定の問題がある。そういう点を考えると、そう簡単には私は景気は直らないんだろうと思います。  そこで申し上げたいのは、やっぱり景気対策の補正予算を早く成立させてもらうと同時に、今後もっともっと、将来を考えれば構造改善あるいは将来のためには規制緩和も必要とは言っておるけれども、今の企業がつぶれてしまったらしようがないではないだろうか。今を救うためにはある程度思い切った、景気をよくするための負担を何らかの形で補っていただく政策を私は打ち出していただきたい、こう考えております。

小山峰男民友連

○小山峰男君 先ほどのお話の中でも、六兆円の景気対策というようなことが打ち出されたというようなお話がございました。我々としましてはぜひ六兆円ぐらいの景気対策をということを言っておるわけでございますが、現在の政府・与党ではなかなかそれが進んでいかないというふうに思っておりまして、今後も、近藤参考人が言われたように、我々としましてもまたいろいろな面で頑張っていくつもりでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  どうもありがとうございました。

角田義一民友連

○角田義一君 最後に、佐伯参考人にお尋ねいたします。  いわばこれは頭取としてお尋ねしますけれども、今回の不祥事に関連をしまして国家機密が漏れた。しかも、贈収賄の関連で国家機密が漏れた。それが事実とすれば極めて重大な問題であります。これは単に一介のMOF担ができることではない。私は組織的に指示があってやれたことだというふうに思っております。捜査は捜査として、国会にその辺の経過を文書できちっと報告をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでございますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 指示というものは一切ございません。  それから、それがあったかどうかということにつきましては、捜査中の問題でございますのでお答えは控えさせていただきます。  以上でございます。

角田義一民友連

○角田義一君 この問題の取り扱いについては、恐らく各会派御質問があると思いますので、後日、理事会で検討して結論を出していただきたいというふうに思っております。  終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 今のとおり配慮させていただきます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 私は、公明の牛嶋正でございます。  きょうは、お二人、お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございました。私の持ち時間は十五分というふうに非常に限られておりますので、時間配分を考えまして、まず近藤参考人からお尋ねをしてまいりたいと思っております。  今問題になっております貸し渋りの問題が指摘されるようになりましてから随分と時間がたつように思いますが、最近になりましてようやくその実態が少しずつ明らかになってまいりました。そして、実態が明らかになると同時に、貸し渋りの問題が金融システムの安定化を進める上で極めて危険な要因を含んでいるということもわかってまいりました。  すなわち、安定化を進める過程で出てきた貸し渋りという問題が安定化そのものにブレーキをかけようとしているからであります。ですから、この問題を取り除かなければ金融の安定化は着実には進んでいかないのではないか、私はこんなふうに思っております。この問題を解決するためには、まず実態をもっと分析していかなければならないと思います。  そういう意味で、きょう最初の御意見の中で、お調べになりました実態についてのいろいろな資料をいただきまして非常に私は参考になりました。ただ、その中で、私は地域間で貸し渋りの状況はかなり差があるのではないか、こんなふうに思っております。先ほどの御説明の中でも若干その点に触れられておりましたけれども、もし今度お集めになりましたデータの中でそういうデータがございましたら、改めて御説明いただきたいと思います。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 今、先生のお尋ねの中で、先ほど私が申し上げたのと多少意見が違う点もあるようなお話でありますが、貸し渋りができる原因というのは、結局具体的に、銀行の頭取なりあるいは融資部長が昨日も私のところに来られて、これは地方銀行でありますけれども、貸し渋りはないんだと、こういうことを盛んに言っておるわけであります。ところが、実態は先ほど申し上げたように貸し渋りはあるわけであります。  それで、どうなんだと言ったら、中小企業者に言わせると、今までは支店長サイドで借りてくれ借りてくれと、こういうことで盛んにお金を貸したいという態度が長く続いたわけでありますけれども、こうなってくると支店長の責任の問題ももちろん出てくるでしょうから、支店長は、要するに上部銀行、本店がうんと言わないんだ、だから我々は貸したいと思うけれども貸せないんだと。本店に言わせると、そういうことはないんだと。そこはやっぱり借り手は弱いわけなんです。だから、余り率直に言わないんですけれども、そういうことを盛んに、会長、我々は実際はこうなんだということで言ってくるんです。そういう点をまずひとつお考えいただきたいと思います。  地域によって多少ばらつきはあるけれども、私はそれほど大きなばらつきはないと思うんです。金融機関にもよりますけれども、そういう中で非常によくやってきておる金融機関、それから中小企業者の現況は、確かに売り上げが減ったり、それから設備投資もやらない、購買力がないから売れない、非常に内容が悪くなってきておる、そういうことはわかるんだけれども、金融機関が盛んに言うことは、先ほど言った支店長サイド、それからもう一つは担保力がずっと減ってきておる、だから担保を増強しろとか、あるいはまた保証つきを条件とするとか、いろんな問題が出てきておるので、これが私は景気の動向に大きく影響してくるだろうと。  こういう点を非常に憂えておるものでありますから、金融の安定化の問題については、格別にいろいろと御審議されておるようでありますけれども、ぜひひとつ早くやっていただきたい、こう考えております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 もう一つお尋ねしたいんですが、こういった民間の金融機関の貸し渋りの状況のもとで、いろいろ政府系金融機関の対応もありますし、それからまた、私は地方によりましては地方自治体の対応もあると思いますね。すなわち、市町村の商工行政の中でいろいろな対応がなされていると思いますが、これらにつきましてどういうふうにお考えになっておりますか、お聞きいたしたいと思います。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 市町村のといいますと、どういう御質問でしょうか。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 市町村の中で商工行政というのはかなり力を入れておりますね、特に商店街の育成の問題とか。そういった中でこの貸し渋りの問題に対して何か具体的な提案なんかはなされているのかどうかということをお聞きしたわけでございます。

近藤英一郎全国商工会連合会会長

○参考人(近藤英一郎君) 結局、地方自治体、公共団体、これはその市町村の商店街が空き店舗ができたり弱体化してくることは顔がつぶれてくるわけでありますから、今後は、いろいろ大店法云々という問題で答申も出ておりますから、新しい町づくりあるいはまた都市計画、こういう問題もいろいろ今法制局で案が練られておるようでありますが、そういう点から考えると、地方自治体も大きく指導的な立場に立ってやっていただかないとうまくいかないだろう、私はこう思っております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 それでは、佐伯参考人に御質問させていただきたいと思います。  私は、金融システムの安定化を着実に進めていくためには、少なくとも自己責任原則の確立、それから情報開示の徹底、市場原理の活用、この三つの前提をきちっと整えていかなければならない、こんなふうに思っております。そして、私は、この三つの前提の整備に当たりまして金融機関側の経営姿勢が大きくかかわっているというふうにも思っているわけでございます。ですから、別の言い方をいたしますと、金融システムの安定化の成否は、個々の金融機関がこれまでの官依存の甘えの構造から脱して、自立性あるいは自主性の確立を進めることができるかどうかということにかかっているのではないかというふうに思うわけです。  こういう観点から、今回の大蔵検査官逮捕の汚職事件を見てまいりますと、この事件が金融システムの安定化に対してはかり知れないほどの大きな影響を与えたのではないかというふうに私は思っております。ですから、今政府が国会に提出しております金融安定化のための二法案、これが私にとりましては色あせたものになってしまったというふうな感じさえ持っているわけでございます。  この事件の背景にあります官民癒着の構造を考えますと、今のところは国民の批判の大半は大蔵省に向けられておりますけれども、金融機関側の責任も極めて大きいと私は考えております。  佐伯参考人は、昨日、全銀協の会長を辞任されましたわけですけれども、私はこれで問題は少しも解決しないのではないかというふうに思っております。むしろ、任期を全うされて官民癒着の構造にメスを入れるための改革に取り組んでいただく、そしてその改革を一歩でも二歩でも進めていただく、これがやっぱり会長としての責任のとり方ではないか、こういうふうに思っておりますが、今の御心境をお聞かせいただきたいと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 先生のおっしゃるとおりで、私がお答えしても繰り返しになってしまいますが、やはり金融システムの安定化、それから金融機関に対する信頼回復というものが喫緊の課題であるというときにこういう事件を起こしまして、本当に申しわけないという心でいっぱいでございます。  私としては、一つには、行内の体制をきちんと見直して、そして信頼の回復に向けて今後こういうことが起こらないように体制を組み、それから信頼の回復を図るということがございます。  したがって、これについては全力を尽くすつもりでございますが、全銀協会長職といいますか、これは、新しい金融法案がいろいろ討議されている中で私がそういう任に当たるというのは不適切であるというふうに私は考えたわけでございまして、後任を託す方がいらっしゃいましたのでお願いをしたというのがただいまの心境であります。ぜひ御理解いただきたいと思います。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 この癒着構造の背景に何があるのかというふうに考えてみたんですけれども、やはり天下りの構造、これが非常に大きくその背景にあるような気がいたします。これについて佐伯参考人はどのようにお考えでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) いろいろこういう問題が起こった背景というのはたくさんあると思います。これはこれからきちんと検討していくつもりでございます。天下りという意味がいろいろな意味にとられていると思いますが、単に役所を退任されて、その後就職をしているという意味では私どもの会社にもございます。ただ、私どもは、それなりにいろいろな意見をお聞きするという必要があってお願いをしているというふうに解釈しておりますけれども、そういう問題も含めてこれから検討していかなければいけないというふうには思っております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 今回のこの事件を考えてみますと、私はもう一つ非常に大きな問題を抱えているような気がするわけでございます。  先ほども申しましたように、金融システムの安定化を進めていく前提で情報の公開というのは非常に私は重要だと思います。これは総理もフリー、フェアというふうな言葉を使っておられますが、フェアというのはまさにこの情報公開というものが前提になっているわけでございます。この前提が今回の事件で完全に崩れてしまったのではないか、私はこんなふうに危惧しているわけであります。いわば、検査する側と検査される側が一緒になって情報隠しを行ったというふうな見方もできるわけであります。  先ほどから議論されておりますように、これによりまして金融機関が失った信頼というのは極めて大きいものがあると私は思います。ですから、先ほども申しましたように、今出されている金融安定化の二法案も非常に色あせたものになってきているわけでございます。  今、失った国民の金融機関に対する信頼というものを回復するというのは非常に大変なことだと思っておりますけれども、今の時点で佐伯参考人は、そのためにどういうふうな手を打てばいいのかというお考えがありましたら教えていただきたいと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 信頼を失ったという点ではもう先生のおっしゃるとおりで、そこについては何も申し上げません。  我々は、ディスクローズというのを今まではどちらかというと数字的なものばかりでとらえて、一年を六カ月に短縮する、六カ月を三カ月に短縮するとかいろいろなことがございましたけれども、その信憑性という意味についておっしゃられたことはまさにそのとおりでございます。  今度、早期是正措置なんかも含めまして新しい制度が入りまして、それについては外部の公認会計士というようなもののチェックが入るとか、いろいろな新しい方策がとられておりますけれども、公正性といいますか、あるいは客観性を持たせるための諸施策というのはこれから考えていかなければいけない問題だというふうに思っております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 どうもありがとうございました。  終わらせていただきます。

及川一夫社会民主党・護憲連合

○及川一夫君 御苦労さまでございます。社民党の及川と申します。  先ほどから両参考人に御意見をいただいているわけですが、これまで議員の側から御質問申し上げた点は、私も同じ立場に立って疑問なり問題点を感じております。とりわけ佐伯参考人のお答えは、私どもからいえば十分なものではないですね。国会の審議になぞらえると、恐らく審議がストップするんでしょう。私はそういうものでしかないような気がして、大変失礼ですけれども申し上げておかなきゃならぬなと。したがって、これから委員会としてもかなりの審議を尽くしていかなきゃならぬ問題であることをぜひ念頭に置かれて、これからの金融の経営にも当たってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  なお、近藤参考人には、実際に活動している実態の中から金を貸してくれと、こういう行為でありますから、それが非常にやりにくい実態にあるということがよくわかります。参考人からお答えをいただいていることだけでは尽くし得ないんだろうと思うんです。したがって、ぜひとも近藤参考人の立場から、団体として、また同じような団体の皆さんがおられると思うので、私書ぐらいじゃ困りますけれども、メモでも文書でも結構でございますから、ぜひ当委員会に送っていただくと非常にありがたい。そして、我々は、そういう立場から政治としてどうこたえるかということを考えなきゃいかぬし、同時にまた金融機関に対する注文もしていきたい、こういうふうに思います。  そのことをお願い申し上げて、まず佐伯参考人にお聞きしたいんですが、倫理憲章というものがございますね。これは昨年の九月九日に制定をしたそうでございますが、それ以前にはこういう倫理憲章がない。じゃ、なぜ九月九日につくったのか、また佐伯参考人が会長という立場でこういったものを提唱されたのかどうか、それをお聞きしたいと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 倫理憲章をつくりましたのは昨年の九月でございます。私が会長になってからでございまして、たしか第一勧業銀行の総会屋への融資云々の問題が発覚したときに、それまでそういうものが銀行協会としてなかったということでつくったわけでございます。

及川一夫社会民主党・護憲連合

○及川一夫君 なかったという事態を責めてもいたし方ないことでございますが、やはり気がついてこういったものを確立する必要があるという意味でつくられたんでしょうから、それは多とします。  ただ、この中には、銀行の社会的責任と公共的使命ということで大変立派な倫理綱領ができ上がっているわけですよね。ならば、これだけのものをつくられたのなら、この中から貸し渋りなどという話が出てくるんでしょうか。今、現実に出てきているという前提に立って、どうお考えになりますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 何とお答えしていいか。貸し渋りを意図してこの倫理憲章の中からやっておるということはないわけですけれども、ちょっと倫理憲章との関係で貸し渋りについてのお答えというのは持ち合わせておりませんが、決して、我々としては銀行の公共的責任というものを十分意識した上で行動しているつもりでございますが、相手側に貸し渋りととられているということであればそれは反省をいたします。

及川一夫社会民主党・護憲連合

○及川一夫君 少なくとも貸し渋りをやりましょうということで倫理憲章ができたわけじゃないんでしょう、これは。そういうことをしてはいけない、そんなことは頭の中にないという前提で当然これから金融機関としてこうしようということを決められたわけなのだと私は理解したいんですよ。  そうすると、それならば貸し渋りの実態が起きているということに対して緊急的に役員会を開くとか通達を出すとか指導するとか、そういう行為というものがなければ私はおかしいと思っているんですが、そういったことをやりましたか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私どもの銀行につきましては、昨年十二月、銀行局長の方からですか、そういう事実があるというお話を聞きまして、全店に通達も出しましたし、支店長を集めてそういうことがないようにという指導はいたしております。  以上でございます。

及川一夫社会民主党・護憲連合

○及川一夫君 どの程度おやりになったのかわかりませんが、仮にやったとしても近藤参考人が述べられたような貸し渋りの実態が存在しているわけでして、そういうことに対する社会的責任というものは、本気になって考えたらこれだけでもって会長をやめられてもいいぐらいに私は思っています。それほど金融というのは大事な問題です。したがって、今度の政府の、また我々国会として決めようとしているこの金融システム問題については、ぜひもっと正確に理解してもらわなきゃ困るなという思いで私はいっぱいなんです。  つまり、銀行が貸し渋りをしたり資金をとめたりすれば一般企業にはね返って倒産という事態が出る、倒産が出れば失業者が出る、失業者が大きく拡大してしまえば社会不安が出るんでしょう、これ。それほどの責任をあなた方は持っておられるんです。また我々は、そういう命を預けたような思いで預金者はお金を出して運用してもらっている、こう思うんです。  ですから、今度の金融システムの中には、雇用に重大な影響を与える場合にもこのお金を使う、公的資金を使うということを含めたシステムになっているわけです。ここまで政府なり政治なり国会が物を考えたということになれば、それを含めて考えていきますと、少なくとも金融機関が貸し渋りをするなどということは、もちろん今法律がまだ成立していませんから成立していないのにという思いがあるとは思いますが、これは必ず成立させなきゃいかぬ、こういう思いで私は言っているんですが、佐伯参考人は、もう少し長期的に見る、中期的に見る、短期じゃなくてそういう面から金融という問題について考えていくというお考えはありませんか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 先生のおっしゃるとおりで、我々のやるべきことをおっしゃっていただいたんですが、先ほども申し上げましたけれども、個別の企業に対する貸し渋り、貸せるのに貸せないといいますか、そういう部分についてはもっと審査期間を短くするとかあるいは審査能力を上げる、こういうことで対応する、これが支店長を集めてとかあるいは通達を出してやりなさいということですけれども、自己資本比率をもとにした貸し渋りといいますか、全体としてできないという問題に対する対応が今国会で御審議いただこうとしている問題であります。  一説によりますと、一つの銀行が倒産すれば九百万人の雇用に影響するというような試算が出ているようでございまして、したがって、私の口から言うのは口幅ったいんですけれども、そういう雇用面も含めた対応というのが現在法案として審議されようとしている法案ではないかというふうに私は理解をしております。

及川一夫社会民主党・護憲連合

○及川一夫君 銀行も倒れちゃいかぬでしょう、企業経営も倒れちゃいかぬ、日本経済が崩壊しては困るんです。  そういったことを考えますと、どのぐらい自覚をしているかというのが一番問題なんであります。そういった点で、最後の質問になりますけれども、これまでの金融行政というのは保護的であったということをお認めになりますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) そうですね、保護的であったというふうに思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 まず佐伯参考人に伺います。  今日、いわゆるMOF担ということを通じて起こっている銀行とそれから大蔵行政の癒着という問題は、まことにゆゆしい今日の重大な政治問題であり社会問題であるということはもう言うまでもありません。特に、三十兆円の金融支援という問題が今国民から大きく批判を受けておりますが、この発端になった問題についてもまさにこのことがあるわけです。  佐伯さんも御存じと思いますが、例えば発端になった拓銀の問題を考えてみましょう。  大蔵省が拓銀の検査に入ったのは九四年の八月ですが、この同じ時期に今逮捕された金融検査官への接待がもう始まっているわけです。そして、この金融検査官は、検査日程を漏らした上、拓銀側に希望する検査官はありますかというようなことを言い、拓銀の方は、この検査官は検査が厳しいからこの人を入れないでくれ、そういうことまで言ったということが報じられている。全く異常な話であります。  しかも、この時期に拓銀は多くの不良債権を抱えて経営が大きく傾いていた時期であったことも客観的に明らかでありますが、その検査に手心を加え不良債権を隠す、それに手をかした上に、それだけじゃありません、この不良債権処理について無税償却を認めるということで、まさに大蔵金融とそれから銀行が脱税の共犯、こういう関係にまでなったということが言われておるわけであります。  いわゆるMOF担を通じてこんなことが行われていた、こういうことで今捜査が行われている。この実態について、そしてまたこういうことが起こっている、そのことについて前銀行協会会長として佐伯さんはどう責任をお感じになっていますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 先生が今いろいろおっしゃられたその事実については、私も存じ上げておりませんので何ともお答えのしようがないんです。したがって、全銀協会長として全体のことについてどう感じておるかということについては、お答えのしようがないわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 答えのしようがないと言いますが、あなたが辞任をされたということは、全銀協の会長として、こういった今日起こっている問題について責任をとる、そういう気持ちがあったんじゃないんですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私が全銀協会長を辞任した理由は、私どももその捜査の中の一つに入ったということと、そういう人間が会長を務めることよりも新しい会長に託す方が適切であるというふうに考えて辞任をしたわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 まさにあなたがおっしゃるように、三和銀行自体もこの捜査に重大なかかわりを持つものとして捜査を受けていますね。  御存じのとおり、この谷内大蔵省大臣官房金融検査部管理課課長補佐、この人に対して、まさに三和銀行の企画部課長代理、その方が検査に際して検査期日及び臨検店舗等の事前漏えい等種々の便宜の計らいを受けたいなどの趣旨のもとに接待をし、四十回、合計金百六十一万円、こういったことが一つ。さらに同じその課長代理等が、同じような趣旨のもとにこの検査官に対して飲食した代金二十五万五千円余りをかわって支払いをするという利益の供与をしたということで捜査を受けている事実、これは今あなたははっきり御存じでしょう。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 捜査を受けたことは事実でありますけれども、今いろいろおっしゃいましたその数字等については、捜査中でございますのでお許しいただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 捜査中であるからというよりも、こういう捜査を受けたら、あなた、責任者として銀行を挙げてその事実を究明するというのは当たり前じゃないですか。こういう事実に対して不当な捜査だと言うんですか。そういうことは当然厳正に受けとめて、真剣に反省した上で事実を解明する、そういう立場をとるのは当たり前じゃないですか。どうなんですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 事実の解明は、今調査をしているところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 銀行として的確に事実を解明する、それは当たり前です。  もう一つ、きょう重大な新聞の報道がありました。北拓だけじゃありません。三和銀行に対しても不良債権検査で検査官が便宜を図った疑いがある。  これは報道によりますと、九五年二月二十一日から検査がありましたが、その検査の際に大阪で連日酒食のもてなしをして、最後の日には名古屋でゴルフまで、ホテル代を含めて接待をした。その大阪出張で谷内前補佐は不良債権を無税で償却するために必要な償却証明を三和銀行に出したという重大な報道がある。北拓と同じことです。こういう事実についても、これはもう看過できない重大な問題です。厳しく調べますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) いろいろ報道されている問題も含めまして、我々は厳正に調査をして対応していくつもりでおります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それじゃ、厳正に調査をしているということですから、一連の三和銀行に関する事件について、銀行としての調査の結果を国会に報告してもらいたい。いいですね。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 調査につきましては、我々は二度とそういうことが起こらないようにということで行内で調査をするつもりでございます。したがって、行内の体制整備に役に立てていきたいといいますか、を行っていきたいというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 国会に報告を求めるかどうかは予算委員会で委員長に私の方から重ねて要求しておきたいと思いますので、後日の御協議をお願いしたいと思います。  ところで、大蔵省に伺いますと、三和銀行のMOF担の人数は今九十九名。昨年は会長になったので別室を設け、それまでの七十五名から百名にふえた、こう大蔵省は言っておりますが、こういう事実は間違いないですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 九十九名というのは何かの間違いだと思います。MOF担というのは廃止をいたしましたけれども、いわゆる……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 じゃ、何名ですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 言われておりますのは、企画部の次長が一名、それから代理が一名、国際部に一名、合計三名でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 たった三名。だれが信用しますか、あなた。たった三名で今起訴されているようなそういう一連の接待をやり、名古屋で招待をやり、そんなことできるわけないじゃないですか。もっとはっきりしたことをあなた言わなきゃだめですよ。  それからその次に、近藤参考人から貸し渋りの問題について重大な御発言がございました。私も聞いておりまして実情はよくわかりました。特に問題なのは、大蔵省が早期是正措置の猶予をした後でも、何と九割が、貸し渋りがよくなったというんじゃなくて、変化がない、一段と厳しくなったとさえ言っております。緩和されたのは一割だったと近藤さんはおっしゃっておる。まさにこれは今の銀行が社会的責任を、中小企業育成その他で果たすんじゃなくて、自分の利益あるいはビッグバンに備えた競争体制ということを、そのことで自分の利益のために貸し渋りをやっているという、まさに銀行の体質の問題ではないかと我々が指摘したことであります。  佐伯参考人は先ほど、大蔵省の示達を受けて貸し渋りがないように示達をしたということですが、私どもが手に入れた、九七年十二月、三和銀行の東京業務本部支店長会議資料というのがありますが、これは十二月二十二日に東京本部ビルのB2大会議室で全店合同会議として午前九時から行われた会議であります。  この東京業務本部の支店長会議において信原専務が、貸し渋り批判を甘んじて受けよ、そして問題点を限定せずに思い切った貸し付けの圧縮をやれという大号令をかけているということですよ。しかも、このときに配付された文書によりますと、貸出三月末残高目標について、この目標を達成するために各支店に対して評価を行う。十一月三十日残高比の一般貸付限界目標に対する達成度を絶対評価して、達成率九〇%以下の店は評価零点だと、達成率一〇〇%以上の超過達成については加点を検討する。こういって支店に競争させて、まさに貸し渋りを甘んじて受けよということで貸し付けの圧縮をどんどんやっている、こういう状況が明らかなんです。  この事実をあなたは御存じですか。知らなければ調べなさい。私どもは資料として入手をして、これに基づいて聞いているんですから間違いないんです。あなた知っていますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) どういう資料か私はちょっと今存じませんが、我々は不良債権の回収ということで懸命に計画を立ててやっている部分がございます。恐らく不良債権の回収に対する支店長への指示ではないかと私は思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 違います。不良債権じゃありません。まさに思い切った貸し付けの圧縮をせよということで言っているんです。調べなさい。このことを強く要求して、私は質問を終わります。

星野朋市自由党

○星野朋市君 自由党の星野朋市でございます。  主として佐伯参考人にお伺いをしたいと思います。  私は、もう個人的には四十年以上三和銀行との取引がございますし、銀行の内部状況もやや知っているつもりでございます。  きょうは銀行個別の問題と、それからきのうまで会長をお務めになりましたいわゆる全銀協の問題、二つに分けて御質問いたします。  小山議員から一番最初に質問がありましたけれども、佐伯参考人はいわゆるMOF担の経験はおありですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) MOF担の定義についてちょっとごちゃごちゃと申し上げましたけれども、企画部の次長ということで主にそういう仕事をしたことはございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 そのときに、上司からの命令でこういうことをやれというふうに指示をされましたか。それとも、先ほどからお話を聞いていると、MOF担は自分自身の判断でやっているような御説明ですけれども、どちらでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 当時の仕事というのは、先ほども申し上げましたように、店舗の申請、認可をとる、あるいは新しい商品の申請、認可をとるというような仕事がたくさんありまして、そういう意味においては上司の命令といいますか、あるいは上司ではなくても各部の部長の命令ということでやりました。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それでは、佐伯参考人は大蔵省に籍を置いてそこに通っていたこと、そういうことはございますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) いえ、それは一切ございません。

星野朋市自由党

○星野朋市君 金融界からいわゆる天上がりと称して大蔵省に相当の人数の者が派遣されて仕事をしておる、銀行界では三和銀行がその最たるものだということが言われていますけれども、その点お認めになりますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 他行のことはちょっとわかりませんけれども、現在、たしか一人大蔵省の方に出向していると思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 現在じゃないんですよ、問題は。過去からどうだったかということを聞いているんです。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 正確な数字はわかりませんけれども、一人あるいは二人、二人行っているときもあったと思いますし、一人のときもあったと思います。そういう形で交代で出向しておりました。

星野朋市自由党

○星野朋市君 当然、毎日大蔵省に行っていればどういう活動をしているかというのは私が質問するまでもなくわかるわけですよ。  橋本総理は、先日、一月三十日の財政・金融委員会で私の質問に対しまして、今は金融界から大蔵省に出ている者は五人います、この五人は三月末で終わりになりますと、こういうふうに答えられているんですよ。  今、佐伯参考人が言われた一人というのは多分その五人の中の一人だろうと思いますけれども、MOF担がなぜ大蔵省の検査日というのを一生懸命探ろうとしているか。当然ながら銀行には、違法とは言わないまでも、いわゆる世間の常識からいったら問題になるであろうと思われる取引、そういうものがたくさんあるんですね。あえて昔懐かしい言葉で言えばウインドードレッシング、裏預金、それから導入預金、さらに外国為替の関係でいろんな手段が行われている。大蔵の検査というのはそういうことを専門的に突っ込まれますから、銀行にとっては非常に問題である。そのために手当てをしておきたいわけです。これを知ろうとするのが当然じゃありませんか。御自分の経験からいってどうなのか、お答え願いたい。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私は、そういう形のことはいたしませんでした。

星野朋市自由党

○星野朋市君 今、総会屋と証券会社との間がいろいろ話題になっておりますけれども、総会屋と銀行間のなれ合い、癒着の問題というのは、それは証券界よりもっとひどい。三和銀行とは申しませんけれども、某大阪系の銀行の頭取室には総会屋が入り浸って、中で大もめになったという話もあります。  総会屋と銀行との癒着の問題、それはどの程度お認めになりますか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 三和銀行につきましては、そういうことはないと思っております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 いつもその調子だろうと思うんですね。  先ほど角田議員から銀行の姿勢の問題についてただされましたけれども、私も二十九日の予算委員会で申し上げました。バブルの元凶を起こした経営者が都市銀行の会長であるとか取締役、相談役であるとか、そういう形でのうのうとしているじゃないか。まずそこを改めなければ、今度の三十兆円という公的な資金の導入によって金融システムを守ろうなんという美名で、公的な資金というものはどういう形で使われるのか、その責任をはっきりしなさいと。  私の調査では、現在、都市銀行二十行にそういう形で残っておられる方は六十四名いるはずです。これは、個室、秘書つき、それから自家用車、要するに日本の社会におけるフリンジベネフィットを満喫しているんですよ。そんな状態でこの銀行の貸し渋り対策のために公的資金を導入しようなんという、そういう形の要するに銀行救済策、これを国民が納得できるでしょうか。できるはずがないと思います、これはお答えはいただかなくて結構ですけれども。  もう一つ、全銀協の問題について御質問をいたします。  一月十二日に、銀行の自己査定の集計額というのが大蔵省から発表されましたけれども、このデータは全銀協から出たものですか、それとも大蔵省が独自に集めた集計ですか、どちらですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 大蔵省から出たものと聞いております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 私は、あるところを通じて全銀協に、この中に外国向けの問題債権があるかという調査をいたしましたところ、全銀協のお答えは、それはあるという答えだったんです。ですから、全銀協がこれにかかわっていないとは思えないんですが、どうでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 今の御質問については私は全く存じませんので、大蔵省が直接出したものだというふうに聞いております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 そんなばかな話ないですよね。  というのは、この集計額というのは、個々の銀行の積み上げでなければ集計というのは出てくるはずがないじゃありませんか。しかも、この分類は都銀と長銀とそれから信託銀行が一緒になっている。こんなばかな集計になっているんですよ。それは大蔵省がやったかもしれない。だけれども、この集計額というのは個々の銀行の積み上げでしかないはずなんです。それを全銀協が知らないとは私は全くそうは思えない。どうですか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 預金とか貸し出しの数字につきましては全銀協で集めて集計をいたしますけれども、少なくともこの不良債権とかあるいは分類という部分については、それぞれの各行の機密事項でございますので、私の知るところでは大蔵省しかとり得ないんじゃないかと思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 残念ですが、時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、この問題についてはまた別の委員会で私は追及をいたします。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 主として佐伯参考人にお伺いいたします。最後でございますので、しばらくおつき合いくださいませ。  昨日、全銀連の会長が交代して東京三菱の岸頭取が会長に就任されたということでありますが、その際の記者会見の様子がけさの新聞に出ておりますのでちょっと披露しておきます。毎日新聞であります。  大変問題であると思うのは、「接待は認める」という見出しがついております。接待内容についても「社会通念の範囲内で過剰ではなかったと思う」と。あなたの後任者が堂々とこういうことを言っております。国民感情を逆なでするも甚だしいと思います。一流料亭に集まりまして、五万円、十万円すぐかかると思います。そういう接待、あなた方頭取にとっては何でもないことかもしれません。日常茶飯事かもしれません。一般のサラリーマンから見たらこれは大変なことなんです。一生に一度あるかどうか。それからゴルフに接待いたしますと十万、二十万すぐかかってしまう。これが当たり前だということを言っておられるんです、この会長さんは。  一体何だろうかと思うわけでありまして、さすが会長さんでも五万円、十万円という現金をやればこれは賄賂だとおっしゃると思います。ところが、五万円、十万円の現金は賄賂だと言っておきながら、十万、二十万の接待は、そんなものは社会通念の範囲内だとおっしゃる。これは一体どういう感覚なんだろうかなと思います。  私が改めて言うまでもなく、銀行というのは大蔵省の監督下にあるわけで、監督しているのが大蔵省で、監督者と監督されている者が酒席を同じくしておれば、一体国民は何と思うだろうか、それだけで。それから、検査というのは取り調べと言ってもいいわけであります。検事が容疑者と酒席をともにしたら、もうそれだけで検事失格であります。あなた方はそういうことを全然不思議にも思わない。そんなものは社会通念の範囲内ですよと。これは勘ぐれば、今世間がうるさいからちょっとおとなしくしていよう、やめておこう、そのうちほとぼりも冷めるだろう、そのときまたやりましょうと、こういう魂胆なんでしょうか。  遺憾ながら岸会長はこの席に来ておりませんので、かわってというと申しわけないんですけれども、今まであなたはずっと会長の立場におられたんですから、こういう新しい会長のコメントにつきまして、あなた自身前会長としてどういうことなのか、所見を承れればと思います。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 私は、新会長の発言を聞いていませんし新会長でもないので、そのことについては何とも申し上げられませんが、先生が今おっしゃった、これで頭を下げて、あとは過ぎたらというようなお話がございましたけれども、私どもは今回の件につきまして、これまでにいろいろやってきたことについては調査もして、しかるべき処分をするつもりでありますけれども、これからの問題については、先ほど申し上げましたようにMOF担の廃止とか、それぞれの窓口に官公庁とのつき合いについても原則一切禁止というような形で取り組んでおりますので、その辺のところの意識の変わったということは御認識いただきたいと思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 大変大事なことなので、前会長はそういうことをおっしゃっても、新しい会長がこういう考えでおるということは私問題だと思いますので、ぜひあなたから、帰ったらすぐ新しい会長に電話して、君の発言は国民に大変な誤解を与えている、すぐにでも記者会見をやり直せということを申し伝えるようにしてください。お願いできますか。簡単でいいです、イエス、ノーで。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 発言自身を私は聞いておりませんので、どういう形か、新聞紙上でございますので、何ともお答えをしかねます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 つかぬことをお伺いいたしますけれども、三和銀行頭取としての参考人の年収はいかほどでしょうか。これはもう公示されていることですから隠し立てすることではございません。額だけおっしゃってください。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) プライベートなことでございますので、まことに申しわけございませんが、御勘弁いただきたいと思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 プライベートはないんです、こういう立場では。しかも、別に恥ずかしいことじゃないんです。正当な報酬として受け取っているその額をなぜおっしゃらないのかよくわかりませんが、それじゃこういうふうに聞きます。日銀総裁は五千百万円だそうですけれども、それより上か下か、それだけで結構です。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 今も申し上げましたけれども、全く個人ベースのことでございますので、御勘弁いただきたいと思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 公的資金を三十兆円も金融システムを守るために投入する、こういうことになっておりますので、これはどうしてもやっぱり税金を納めている者の立場から見ますと銀行の役職員の報酬は高過ぎると私は思います。はっきりこの場で是正すると、少なくとも一般並みまでするということをおっしゃっていただきたいと思うんですよ。大変な銀行界の実力者だというふうに承っておりますので、それぐらいのことは言えるんじゃないでしょうか。

佐伯尚孝全国銀行協会連合会前会長

○参考人(佐伯尚孝君) 個別の給与の額は公表しておりませんけれども、御存じのように役員の給与それから役員の賞与についてはそれぞれ公表しておりますし、今おっしゃったベースについても我々として給与に聖域はありませんということを先ほど申し上げましたが、リストラの中で十分考えていきたいというふうに思っております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 残念ながら終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人御両名には大変御苦労さまでした。御退席くださって結構でございます。     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成九年度補正予算三案の審査のため、本日午後の委員会に、日本銀行総裁松下康雄君、日本道路公団総裁鈴木道雄君、前大蔵事務次官小村武君及び日興証券株式会社元常務取締役濱平裕行君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  金融不祥事並びに大蔵行政の在り方に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  それでは、これより質疑を行います。成瀬守重君。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 自由民主党の成瀬守重でございます。金融不祥事と大蔵行政について質問いたします。  現在の金融不祥事につきましては、大蔵省を初め公務員の不正疑惑に対して不信と深刻な怒りをまさに国民の一人一人が心の中に燃え上がらせております。しかも、今回の大蔵だけではなく、さきには厚生省また建設省に対してもさまざまな疑惑があり、そのたびに公務員に対する国民の怒りが巻き起こっております。  こういった事態に対しまして、これは何とかしなければならない、そういった総理のお気持ちであろうと思います。さきに総理は、公務員の不正防止のために倫理規程を、それでいいんじゃないかというようなお気持ちを持たれたと聞いておりますが、さらに最近では公務員倫理法の制定まで下命されたということを承っております。  総理がどのようなお気持ちでこのように心境が変わられたか、総理のお気持ちを伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員からも御指摘を受けましたように、公務員さらには特殊法人の役員までを含めまして、このところ起こりました幾つかの事件というものは本当に情けなく、国民に対してはおわびを申し上げる以外にありませんし、遺憾であるという以外の言葉を持ちません。  厚生省の不祥事が起こりました後、院におきましてもさまざまな御意見をちょうだいいたしました。そして、そうした中で、私は、公務員というものの倫理性というものに対して信頼を置きたい、また大多数の公務員はそうした思いであろう、そのような思いを持ちまして、一昨年の十二月、事務次官会議等の申し合わせを受けまして、各省庁が法規範性を持つ訓令としての公務員倫理規程をつくったわけであります。私は、これが本当に守られることを、倫理法のような形で縛られるようなことなしに、みずからの心の中で恥は恥とし、国民の期待にこたえる活躍をしてくれることを本当に信じておりました。  しかし、今回の事件は、その倫理規程をつくりました後になお継続して違反行為が行われていたというものでありまして、倫理規程だけではこうした問題に対処できないことを嫌というほど思い知らされました。まことに情けない思いでありますが、これでは法をつくる以外にない、そうした思いの中で、正確に申し上げますと一月二十八日、私は公務員倫理に関する法制化などの検討を内閣官房副長官に指示をいたしました。そして、公務員の不祥事を根絶するためにはさらに根本的な対策が必要と考え、そのためつくりました副長官を中心といたしました公務員倫理問題に関する検討委員会というもので、この法制化に向けての第一回会合を昨日済ませた次第であります。  まことに申しわけありません。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、総理から承りましたけれども、この問題につきまして、公務員問題を主管される総務庁長官に、どのようなことをこの中に盛り込み、どのような方向であるべきか、そういった面についての見解をお伺いしたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) ただいま総理大臣の方から基本的方針についてはお話がございました。  これをいわば極めて大事な綱紀粛正、そして公務員の姿勢を正す、表現はまずいかと思いますが、まさに千載一遇のチャンスと見まして、断固これを徹底履行せしめなければならない、また得られるような内容、仕組みをこの機会に考えてみなきゃいかぬ、さような心得で対処いたしております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 ありがとうございました。  本当に公務員が今不信と軽べつで見られているその姿から、国民の信頼を寄せられ頼られる、そういった公務員になるようにひとつすばらしい法制化をお願いしたいと思います。  続きまして、大蔵大臣にお伺いします。  ことしの六月以降は、銀行検査は金融監督庁に移されるということになりますが、前倒しで発足するというような報道も承っております。これは事実でしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  委員御存じのとおり、ことしの六月までの間に総理府のもとで金融監督庁が発足するわけであります。今回の不祥事がございましたので、気分一新してといいましょうか、新たな気持ちで的確な検査ができるようにするためには、新たな役所での検査体制に入るということが望ましいことではないかというふうに私は考えました。  しかし、現在、国会中でありますので、そして六月ということでありますが、国会の会期末は六月幾日でしたか、それまでの間に法案の審議状況等があります。そうすると、大蔵省の関係局長は法案の成立のために答弁という職務があります。そういったことを踏まえますというと、なかなか大変なことなのでありますが、できる限り早くやって、新たな気分で金融監督そして検査の業務が再発足することの方が望ましいだろう、そういう私の願望がございますので、少し早めることはできないかということの検討を官房長に申したわけであります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 わかりました。  大蔵大臣としては、大蔵の金融行政だけでは現在の不祥事に対処するのは手ぬるい、一刻も早く新しい金融監督庁をつくって、そこでもって心機一転して金融監督に当たるというお気持ちだろうと思います。  次に、もう一つお伺いしますが、巷間言われております銀行から派遣されてくるMOF担に対して、これは銀行側から派遣されるのでしょうが、これに対して大蔵省は今までその存在というものを認めておった、あるいは暗黙のうちに認めておったと思われるわけです。  大臣はこれに対してどのように対処されるお気持ちか、その点について伺いたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 私は、MOF担という言葉をついこの事件が起こってから知ったみたいな話でございまして、詳しく知っておりませんでした。  すなわち、特定の中央官庁を担当する職場がある、特に銀行の場合でございましたが、銀行にあるということが私は自然なことではないと思うんです。大蔵省のみならず、ほかの役所の場合でもそうでありますが、民間の方がその役所担当の人をつくって、正常な陳情なら別として、接待などしてうまいことをしてもらおうなどというふうに考えること自体、私は大変許されない悪だと思うんです。だから、刑法上も収賄が処罰されると同じように贈賄も処罰されるわけであります。  したがって、今後は、まず第一にMOF担などという仕組みが存在しないような、少なくともそういう大蔵行政にしなきゃならぬ。すなわち、透明性のある行政、できる限り裁量行政はやめていく、そして事後チェック体制に移る、こういう方向に進んでいくべきものだと考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 大臣の御決意を伺いまして本当に安心しましたけれども、ともすると、こういったものはのど元過ぎれば熱さを忘れるということで、またそういったものが発生する余地がございますので、今後ともそういうものに対する十分な指導監督をお願いしたいと思います。  次に、金融監督庁は大蔵省の大臣官房金融検査部の職員がほとんどそのまま移行すると聞いております。いわば今日までさまざまなそういった従来のぬるま湯的な、あるいは国民から指弾されるような中にもおられた方です。もちろん、そういった人ばかりではないと思いますが、そういった職員に対して、新しい金融監督庁に派遣するに当たって、大臣は何を期待し、どのような指導を与えて送り出すか、その決意というものを伺いたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  新しくできる金融監督庁に大蔵省の方から三百七十三名行くわけでありますけれども、その人たちは、言葉は適当でないかもしれませんが、汚れのない人に行ってもらいたいと思うんです。そういうこともあって金融服務監査官というのを設けまして、内部調査をしっかりやって、そして間違いのない人を選び出して、その人を派遣するのが望ましいというふうに私は思っております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 次に、再発防止のために監査官制度が既に発足されたところでありますが、既に大蔵省では紀律保持委員会があると聞いております。  この紀律保持委員会の委員長は人事権のある大臣官房長であり、これは独立しているのかどうか、また調査のためにどのような権限を付与しているのか、伺いたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 金融服務監査官は、訓令によりまして大臣官房に設置されますので、事務的には大臣官房長の指揮命令下で活動することになります。言うまでもなく、最終的には任命権者であります大蔵大臣の統括下にあるということでございます。  紀律保持委員会は、これは御指摘のとおり、委員長がやはり大臣官房長ということでございます。  紀律保持委員会と金融服務監査官は別個の存在でございますけれども、できる限り両者の連携が図られる必要があるというふうに考えております。  金融服務監査官はどういう任務かというお尋ねでございますけれども、情報の収集・分析、職員の身上把握、金融機関等からの聞き取り調査を行いまして、非行事件の未然防止を図って、もし非行事件が発生した場合には調査を行い、その必要な処分について助言を行うということでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 このような不幸な同種の事件が発見されたときには、金融服務監査官に属する職員に不当な圧力がかからないための仕組みが必要であり、大臣の直属機関とすべきではないか。また、庁内では嫌われる仕事であり、この金融服務監査官に属する職員の身分の保障をどのように考えているのか、この点について伺いたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 金融服務監査官は、ただいま申し上げましたとおり、各部局からは独立しておって、大臣官房長のもとに置かれるということでございますので、御指摘のような不当な圧力というようなことはないものと思いますが、その身分の保障ということでございますけれども、当然監査という仕事を通じて不当な取り扱いを受けるということのないように、その職責が適切に果たせるように運営されるべきもの、それに十分留意すべきものというふうに考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 個人のプライバシーというものは、人間の尊厳等難しい問題がございますが、監督結果の公表はある程度必要であると考えますが、これについてどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) その調査の結果に基づきまして処分が必要だというときに、処分がなされた場合には、事案の重大なもの等必要に応じて処分の内容を公表していきたいと思っております。  なお、金融服務監査官が日常行っている情報収集活動の中身につきましては、御指摘のとおり、プライバシー保護の必要性や、公表することによりましてその後の情報収集に支障が生じかねないといったような問題が考えられるわけでございまして、そういうものについては、公表は差し控えるべきではないかと考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 大蔵大臣は、徹底的に原因を追及し、その結果を公表すると談話で発表されておりますが、今後の銀行行政に生かすためにも金融不祥事の原因追及を急ぐべきであると思います。  その時期をいつごろと考えているのか、お伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  今回の不祥事の原因、これは徹底して解明し、究明しなければなりません。  ただ、今回二名の職員が逮捕されたあの件は、金融機関の検査にかかわる不祥事でございました。金融機関の検査にかかわる業務は、先ほど来申し上げておりますように、新たに設置される総理府傘下の金融監督庁に移っていくわけであります。大蔵省の方の手から少なくとも検査に関することは離れてまいります。  そういうことであるわけですけれども、そもそも大蔵省の職員が不祥事を犯すに至ったその原因を現段階で私は考えるわけでありますけれども、やはり大蔵省の職員の間にいつの間にかおごりの気持ちが生じておった、それが高じて、民間から供応接待を受けるのはそれほど珍しいことじゃない、もっと言えば当たり前だみたいな感じが蔓延しておったのじゃなかろうか、こう思うわけでありまして、そこらの倫理観の欠如、これがあったと思います。そういった点を厳しく是正し、そして綱紀粛正を図っていくことが大切と、こう思っているわけであります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 大蔵省の職員が監査官のメンバーをやっていますが、どうしても身内に甘くなるおそれがあるのではないか。熱いうちはいいんですが、少し冷めてくるとそういった懸念があるわけです。さらに、職場における上下関係から、またいわれのない圧力から、せっかくの調査結果がゆがめられるおそれがあるのではないか。  そこで、将来的には各省庁すべてを総括する独立機関として対応すべきではないか、こういったような考えも持たれるわけでございます。これにつきまして、通告はいたしておりませんでしたけれども、総理の御見解をちょっと伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは非常にお答えのしにくい、少し考えさせていただきたいと思います。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 大蔵大臣はいかがですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 金融服務監査官という仕組みを前大臣辞任のその朝つくっていただいたわけでありますが、これは今までの内部調査が必ずしも十分ではなかったと、こういう点の反省があったと思うんです。  そこで、監査官補も含めて十名、しかも室長は、県警本部長経験者という人材がありましたので、それを室長にして内部調査に入るわけであります。そして、同時にまた、外部の顧問弁護士もお願いをしてその方の意見を聞いたり、あるいはまた場合によっては聞き取り調査なども弁護士さんの能力を活用してやってもらうということをして、できる限り正確な、そしてしっかりした調査をさせたい、こう思っているわけであります。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今どう申し上げたらいいかと思いましたが、大蔵大臣がそこまでお答えになりましたので、なぜちょっととっさに迷ったかについてお聞きをいただきたいと思います。  今、日本の公務員制度の中におきまして、郵政、国税、警察には捜査の権限を持つ独自の機能が付与されております。また、強制捜査の権能を有しない独自の監察機構を持つ組織というものもございます。海上保安庁等にもそれはあるわけであります。それぞれの組織は今までその役割を果たしてまいりました。  今、大蔵大臣から言われましたように、外部の弁護士さんの協力を得るというやり方は初めてであります。この手法が果たして外部の弁護士さんを入れるということでよりよく機能するか、あるいは他の監察機能のような別途の工夫を要するものか、私は実は初めての体験の中ではかりかねております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 では、小村元次官にお伺いしたいと思います。  小村元次官は、七月に内部調査をして不祥事件はありませんというような意味のことを言われましたが、それはどういう方法で調査されたのか、伺いたいと思います。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私ども、服務管理官という者を各局に置いておりまして、この者が、総務課長級でございます、各局の職員の服務を管理しております。種々報道があった場合には、その者が調査をするということであります。  私が昨年の七月に次官になりまして、その直後に第一勧銀事件が起こりました。その際、第一勧銀の調査忌避事項に対して行政処分を打つという段階におきまして、私どもの職員二名が接待を受けた等の情報を入手いたしました。これに基づきまして、秘書課長等を相手先に派遣するなりしてでき得る限りの調査をいたしました。そのときには、既に第一勧銀の資料は捜査当局のもとにありまして十分な調査はし切れませんでしたが、最善の調査を行った結果、国家公務員法に基づく懲戒処分を二名の者にいたしました。  その後、年末になりまして種々また報道がございましたので、担当職員に対して先ほどの服務管理官をして実情を調査いたしましたが、当方に確たる具体的な資料もなく、本人たちにもそういう事実についての申し立てがございませんでした。したがいまして、事実把握ができずに、私どもとしてはその調査結果を信ずるしかないということで、当時金融不安のさなかで、私ども、一日長い日々、緊張した日々が続いていた中で、秘書課長からそういった調査報告を聞いたということを記憶しております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今伺ってみますと、検察のそういった調査があった後で気がついたというかわかったというような形で、本当に仕組みができていない、言うなれば非常にプリミティブな調査の仕方という印象を免れないわけでございます。  今度新しく発足した、先ほど大蔵大臣から言われましたような形で、かつてのようなそういった調査ではなくもっときちっとした形で、未然にそういうものが防げる、未然にそういう非違を摘発できるような、そういったような面を今後とも大蔵行政の中で生かしていっていただきたいということを願うわけでございます。本当にそういう面で、仕組みがまだしっかりできていなかったところに大きな問題があったのではないかと思うわけでございます。  小村前次官につきましては以上で結構でございます。  次に、日興証券の濱平参考人にお伺いしたいと思います。  きょうは御苦労さまでございます。現在は嘱託で、かつては常務だった方ですね。──立って返事してください。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) はい、さようでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 先般、衆議院の予算委員会で自民党の古屋圭司議員があなたに質問されて、あなたが答えているのを伺いました。その中で利益供与だとかあるいは新井将敬議員との関連について、まただれによって紹介されたか、いつごろであったかということの質問を受けたときにあなたは答えようとされませんでしたが、再度伺います。  新井将敬議員とはいつごろ、だれの紹介で会われましたか。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) 日興証券の濱平でございます。  来るべき二〇〇一年の金融ビッグバンを控えました大事な時期に、昨年から大変なお騒がせをいたしましてまことに申しわけございませんでした。  先ほどの御質問の件でございますけれども、まず、現在の私の立場を申し上げたいと思います。  昨年の小池事件での被告人という立場でございまして、現在、これから裁判を控えているということでございます。また、新井議員の件で検察当局から事情聴取を受けているということでございまして、被疑者という立場にございますことをお含みおきいただきたいと思います。  ただいまの御質問でございますけれども、新井議員とは平成七年の秋ごろから面識があったということでございまして、新井議員が当社に来られましたときに、私どものその当時の上司の専務と一緒にお会いしたのが初めてでございます。それ以来のおつき合い、お客様ということでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 その点につきまして、先般、衆議院でも明らかにされましたけれども、新井議員に対して利益供与をなさったかどうか、また新井議員の方から利益供与の要求を受けたかどうか。証券取引法五十条の三第一項に規定されている損失補てん、利益確保、利益の追加、こういったような項目について新井議員から要求を受けたかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) お答え申し上げます。  ただいまの成瀬委員の御質問でございますけれども、先ほど御説明申し上げましたが、まことに申しわけございませんのですけれども、私は現在検察当局から聴取を受けているという立場でございますので、何とぞお答えの方を御容赦願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 じゃ、質問の方向を変えます。  長年、証券業界で活躍されて日興証券の常務までされた方ですから、当然御存じと思いますが、つけかえという言葉がある、また花かえという言葉もあるということを聞いております。ちょっと説明していただきたいと思います。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) ただいまの御質問のつけかえについてでございますけれども、日常言われているということでちょっと御説明したいと思うんですけれども、つけかえの定義というのもなかなか広範囲にわたるみたいな感じもありますので……

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 難しい定義は要らないです。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) はい。端的に言いますと、証券会社の自分の勘定でございますね、自己勘定で買った株式を値上がりした後でお客様の方の口座に移すという行為でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今回の新井議員の行為がそれに当たるかどうか、この点について伺いたいと思います。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) お答え申し上げます。  先ほども御容赦いただきたいということでお願い申し上げたわけでございますけれども、検察当局からの捜査の中身に関するということでございますので、この件につきましては何とぞ御容赦のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。恐れ入ります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 先般の衆議院の予算委員会で日興証券の社長が同じようなことで答弁を拒否されましたが、同時に、たびたびこの利益供与やあるいはその他について、この供述によっては自分自身が処罰の対象に新たになるかもしれない、そういう意味ですか、伺いますが。  先ほど答弁を拒否されましたけれども、その答弁によって御自身が処罰の対象になる危険性があるんじゃないかと、そういうところからお答えされなかったわけですか。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) そのとおりでございます。  また、検察当局からも、日ごろでございますけれども、捜査の中身につきましては口外をしないようにということも言われておりますので、その点のところもお含みおきいただきたいと思います。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 とんでもないことを言われたと思いますよ。私は、検察がそういうことを言うとは考えられないんです。国民の代表である国会において国政調査権に基づいて、現在この参議院の予算委員会でもって真実を明らかにして国民の疑惑にこたえようとしているわけですが、それを検察官がとめるような発言をするということは、私は到底考えられない。まさにこれは国会への侮辱ですよ。  こういったことにつきまして、下稲葉法務大臣、そのようなことがあり得るのかどうかについてお答えをいただきたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) お答えいたします。  国会における参考人の質疑の場において、いかなる事項について答弁し、あるいは答弁しないかということは、それは参考人自身が憲法、刑事訴訟法等々に基づいて判断されることでございます。  そこで、一般論として申し上げますならば、検察当局においては、日ごろから、関係者による口裏合わせ等の罪証隠滅工作を防ぐために、事情聴取による内容を弁護人以外の関係者に話さないように注意するということはあり得ることではございますけれども、本件のように、国権の最高機関でございます国会の調査権に基づく予算委員会での参考人質疑の場で答弁を差し控えるように指示するようなことは、検察当局においてはないというふうに承知いたしております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、法務大臣から力強い御答弁をいただきました。安心しました。  しかしながら、今のような形で今日まで衆議院でも参議院でもたびたび、御自分の疑惑があるから、あるいはそういったような理由でもって答弁を控えるというようなことをされましたけれども、このような状態が続いたら、我々としては、参考人の質疑だけではもう真実を明らかにできない。場合によっては証人喚問せざるを得なくなるときが来るのではないかということを感じたわけでございます。つきましては、こういったこともございますので、参考人も本当にこの国会の場を軽視することなく明瞭に答弁していただきたいと思います。  再度伺いますが、新井将敬議員との間に利益供与についての話し合いがあったかどうか、その点について参考人の御答弁をお願いしたいと思います。

濱平裕行日興證券株式会社元常務取締役

○参考人(濱平裕行君) お答え申し上げます。  先ほどのちょっと、申し添えておきますけれども、きょうのこの参議院の予算委員会で特定して検察当局から発言をしないようにということは言われておりません。日ごろのことを申し上げたことでございますので、御容赦いただきたいと思います。  それから、ただいまの御質問につきましてのことでございますが、先ほどからお答えを差し上げられなくてまことに申しわけないんですけれども、事情聴取を受けているということで私が被疑者という立場でございますので、何とぞ御容赦のほどよろしくお願いしたいというふうに存じます。恐れ入ります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 過去においても、この参議院の予算委員会で参考人としてお招きした方の中で、たびたび濱平参考人と同じように、自分は被疑者である、であるから、発言することによって刑事的に訴追を受けるおそれがあるから答弁を差し控えさせてほしいということを言われて、答弁を明確に聞き出すことができなくて、国会での参考人質問というものは、あれは全くできないんじゃないかというような声すらちまたに流れていることを聞いております。本当にこれはもう参議院あるいは国会軽視ということになるわけですが、そういう意味におきまして、ただそのことを隠れみのにして自分の答弁を差し控え、真実を明らかにしようとしない。  先ほど参考人もおっしゃいましたけれども、これは日ごろから言われているのであってこの特定した問題じゃないということを言われましたが、しかしながら参考人は、お見えになったときにそのことを理由として答弁を控えられましたね。そういったようなことが今後ともあっては、真実を明らかにするというこの国会の権威にもかかわりますので、控えていただきたいと思います。  いろいろと伺いましたが、以上で濱平参考人については終わらせていただきまして、次は建設大臣に伺いたいと思います。  道路公団の不祥事件に関連していろんな問題がございます。大臣にお伺いしたいんですが、社債その他の発行につきましては、大臣はどのぐらいの相談を受けられておりますか。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。  社債等についての相談はございません。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 外債の発行についてもございませんか。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) ございません。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 大臣の監督下にある道路公団で外債を発行している。その外債を発行したり社債を発行する場合にまつわる主幹事会社の問題で今回のさまざまな問題が起きたわけですが、じゃ一体それはどこで決定されているんですか。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。  道路公団では、外債発行のうち主幹事の選定等につきましては、これまで経理担当理事を中心として行ってまいっておるわけであります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 もう時間がございませんので詳しくお聞きすることはできませんけれども、井坂理事が担当されていたと伺っておりますが、この方は初代の大蔵省金融検査部長ですか。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) 御質問でございますが、井坂理事は金融検査部長でございました。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 さまざまなところで、いろんなそういう面で大蔵省のかつてのメンバーが顔を出し、さまざまな不祥事が出てきているわけで、本当にこういった事実につきまして、今後とも国民の期待にこたえて我々国会のメンバーも明確にして、二度とこのようなことのないように頑張っていきたい。  同時に、それぞれの行政府の長の大臣の方々もそのような点について十分御配慮くださって、今後ともこのようなことがないように、国民の信頼と期待を裏切ることのないようにひとつぜひとも御奮闘をお願いしたいと思います。  以上をもちまして、質問を終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で成瀬守重君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、角田義一君の質疑を行います。角田義一君。

角田義一民友連

○角田義一君 民友連の角田義一でございます。  まず最初に、総理にお伺いいたします。  私は、今回の不祥事、大蔵省に検察当局が家宅捜索に入る、そして逮捕者が出る、あの事態を目の当たりにいたしまして、これは大変なことになったなと。来るべきものが来たのかもしれないけれども、まさかと思っておったことが起きた。これでは、もはや国民の政治に対する信頼というものが失墜するんじゃないか、根底から崩れるんじゃないか、また国民の国家に対する信頼というものも崩れる、これは大変深刻な事態である、こう思いました。  大蔵大臣がおやめになりましたけれども、私は率直に申し上げまして、大蔵大臣がおやめになるのは至極当然であるというふうに思いました。そして私は、今予算の理事という役を仰せつかっておりますが、この厳しいときに参議院で補正予算を審議しなければならぬ。私は、総理が電光石火に新しい大蔵大臣を任命されるというふうに信じておりました。  なぜかと申しますと、これだけの危機的状況になって、日本がこれだけの経済大国になり、アジアにおいて極めて経済の中で重要な地位を占めておるときに大蔵大臣がおらぬ、不在ということは許されないのじゃないのか。電光石火、立派な人物を決めていただけるものと思っておったし、そして三十兆を投ずる大変な予算を審議する補正予算、総理が当面の間兼務をされるというようなことが伝えられた。  しかも私は、こんなことを言っては申しわけないが、後任の大蔵大臣について派閥云々のことが言われている。この危機になおこういう状態か、これでいいのか。これでは、我々は予算の審議に応じかねる、しっかりその辺のことのけじめをつけてくれというふうに自民党にも申し、官房長官にも申しました。  私どもが言っていることが理不尽である、無理難題を言っておるというふうに総理はお考えになったでしょうか。御所見を賜りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 起こりました事態についてのおわびを繰り返すことはいたしません。そして、その上で申し上げたいことは一、二ございます。  三塚前大蔵大臣は、今回の事件につきまして監督者としての責任を痛感され、大蔵大臣を辞任されました。おやめになるについても、私は、議員が言われるような身の引き方というものも一つの見識だと思います。  同時に、旧来の陋習を破って生まれ変わらなきゃいけない、自分が辞任するにしても大蔵省は本当に旧来の陋習を破って生まれ変わらなきゃならないという思いの中で、監査官制度をつくること、そしていわゆるMOF担の必要のない透明な行政への転換について事務方に指示をされ、それだけの道筋をつけた上で辞任をされたというのが三塚大蔵大臣の考え方ではなかったか、私はそのような思いがいたします。  同時に、後任の任命がおくれたという点についてもおしかりがございました。既に後任の大蔵大臣として先ほど来御答弁をいただいております方がその時点でどのような役にいたか、またその時点でどのような責任を負っておられたかをひとつ御理解いただきたいと思います。  当時、現大蔵大臣は衆議院の予算委員長という院の要職をしておられました。ちょうど本院で本日行われておりますと同様に、参考人を呼んでの集中審議が予定をされておりました。その集中審議は松永委員長のもとで決められ、行われるものでございました。その集中審議が終わりました直後に、私は松永予算委員長に、大蔵大臣を受けていただきたい、そのようなお願いをいたしました。  この時期必要な人材、しかし院において重要な役割を果たしておられる、その役割の一区切りという思いを持ちましたこと、これについて御批判がございます部分は甘受をいたしますが、そのような思いがあったことも御理解をいただきたいと存じます。

角田義一民友連

○角田義一君 私は、総理に人選の経過だとか細かいことをいろいろお尋ねをする、御説明を受けるというよりも、むしろこういう危機に臨んで、総理として果敢に、電光石火、対応をするという気迫、お気持ち、これを求めておるのであります。いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、さまざま報道がありましたことは存じております。そして、その報道の中にも、三塚大臣の辞表を受理するという状況になり、党五役を呼びましたときに、党五役から一任を受け、この時点までにはどんなことがあっても後任を決めなければならないということを言い切っておりましたことも報道にあったことを御記憶であろうと存じます。  まさに金曜日の衆議院の予算の集中審議、それと本院における、私がこれは院全体にお礼を申し上げることでありますが、特別減税についての法律案が、賛否を別にし、非常に御無理な審議を願いましたあげくに、二月一日、これが実施をできるようになりました。そうしたことが当初から私の頭の中にあり、時限を切って後任人事を行ったということも御理解はいただきたいと存じます。

角田義一民友連

○角田義一君 ところで総理、大蔵省にはお二人の政務次官がおられます。このお二人の政務次官は、今度これだけの不祥事が起こってどういう責任をとられたのでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、お二人に対して、大臣はかわられた、諸君は大臣を補佐するだけでなく、この調査というものを官房長に指示している、これをきちんとできるだけ仕上げる、一部は先ほど小村前次官が申しておりました書類が云々という話もありましたけれども、そうしたことに対して全力を挙げて大臣を支えろ、それが役割、そのように申しております。

角田義一民友連

○角田義一君 政務次官をどうするこうするというのは総理の専権事項です。しかし、私はあえて申し上げたいんですけれども、政務次官たるもの、大臣と一心同体でやってきているはずじゃないんでしょうか。これだけの不祥事が起きて大臣がおやめになる、政務次官もみずから身を引いて人心一新を図って、新しい大臣のもとには新しい政務次官を配して事に当たるということが、私は世間の常識ではなかろうかなというふうに思いますけれども、総理、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 政務次官から、まさに議員の御主張になるような考え方で辞任の意向は伝えられました。その上で、私は、むしろ辞任という姿よりも継続して責任を果たしてもらいたいと政務次官たちに頼みました。これは私は、いろいろな政治家としての責任のとり方があると存じます。そして、やめるというのもその一つの選択肢であります。同時に、起きておる事態に対し、それを解決するために努力するのも私は一つの道だと思います。  そして、先ほど三塚前大臣に対し、議員からは即刻辞表を出すべきであったというお言葉がありました。しかし、こうした事態の中で、きちんとチェックする機能を大蔵省の中につくり、再発を防ぐためにも現在をきちんと調査する、同時に、MOF担と言われるような存在を許さないような行政をするようにという措置をして引かれた三塚前大臣のお考えというものを私は理解ができるつもりであります。

角田義一民友連

○角田義一君 私と総理とはその辺は少し考え方が違うと思います。これはお互いの考え方の相違でありますから、これ以上ここで御議論をしても仕方がないと思いますが、私はそういう考えを持っております。  松永大蔵大臣には大変なときに大蔵大臣に御就任をされたわけでありますが、きょうのある新聞を拝見しますと、昨日、大蔵大臣として初めて職員に訓示をされた、ごあいさつをされた。その内容を私は全部聞いたわけじゃありませんが、新聞の報道ですから、不正確かもしれませんけれども、一口で言いますと、 「検事は二十代のわずかの期間で、それからの四十二、三年は弁護士で、人を助けてきた」「大蔵省に降りかかっている社会的不安をできるだけ早く払しょくしたい」  「前蔵相の辞任で大方は済んだ、と言えるくらい重みのある辞任だ」と、聞きようによっては事務当局の責任は軽いと受け取れなくもないきわどい発言も。「前蔵相に比べると小さく軽量だが、一生懸命やるのでみなさん支えていただきたい」 こう言ったと書いてあります。  私は、大臣が前の大臣に比べて軽量などと思っておりません。私も弁護士でございますから、人を弁護する習性というか、そういう気持ちは大変強いんですが、しかし政治家たるもの、しかも大蔵大臣の職についた以上、心を鬼にしなきゃならぬこともあるんじゃないでしょうか。私は、大蔵省に乗り込んで改革をするという決意がなければ、この危機は乗り切れぬと思いますけれども、大臣の改めての決意を承りたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員にお答えいたします。  私が若いときのあるちょっとした時期に検事をやっておったものですから、役所全体が鬼検事が来たと思ってびびっちゃいかぬという気持ちも私にありました。したがって、委員御指摘のとおり、鬼になってやるべきことはやる、しかし同時に職員の皆さん方の本当の気持ちも聞いて、そして温かく相談に乗ってやるということも必要だろうと、こう思います。したがって、そういう意味で私を信頼してくれ、こういうことを申し上げたわけであります。  なお、委員は三塚大蔵大臣の辞任について至極当然のことであるというふうに申されましたが、そういう見解もありましょうけれども、大臣と次官がそろって辞任するというのは極めて重大なことであるというふうに私は思っております。そしてまた、三塚氏自身からその心境を聞いたわけでありますけれども、部下の分まで責任をとる気持ちでおれはやめるんだと、こういう言葉もございました。したがって、部下である一般職員は三塚さんのその心情をしっかり受けとめて、そして国民から信頼される大蔵省をつくるために頑張ってくれと、こういう意味のことを申し上げたつもりであります。  したがいまして、三塚大蔵大臣が辞任したから、したがって部下に責任がないというつもりはありませんし、今後、検察当局で逮捕された被疑者等に対する責任問題、あるいは逮捕されなくとも内部調査でいろいろ出てきた場合には、その度合いに応じて厳正な処置をしなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。  そういったことを通じて綱紀を粛正して、そして国民からの信頼の大きく傷ついておる大蔵省を信頼される大蔵省にきちっと立て直すことが私の務めであろう、こう私は考えておるわけでありまして、そういう考え方で一生懸命やっていきたいと思っております。

角田義一民友連

○角田義一君 私は、今回の事態は本当に深刻な事態であるということを、総理、大蔵大臣、改めて心にしっかりと押さえておいていただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。  大変恐縮ですけれども、小村参考人、お願いいたします。  前事務次官で、今回辞表を提出されたわけでありますが、みずからの出処進退というものは当然みずからが判断をされるということだと思います。巷間いろいろ伝えられるところによりますと、これはある記事で、もう記者の署名入りですから私も非常に重要視しているんですけれども、今回の事態、当時の事務次官であったあなたは、みずからと官房長の減俸ぐらいで事が済むのではないか、そのくらいで乗り切れるのではないかというような気持ちであったかのような報道がされておりましたし、当時大蔵大臣を兼ねておりました総理から、私がというのは総理がですよ、在職中に君、辞表を出したまえ、こういうふうに言われて書いたとか、あるいはノンキャリアの最高の地位につかれた方が不幸にも、大変悲惨なことですけれどもみずから命を絶った、そのようなこともいろいろこれあり辞表を提出したというようなことが言われておりますが、あなたの名誉のためにも、なぜおやめになったのか、ここは国民の前にはっきりと真情を吐露すべきであると思います。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) まず、今回の不祥事に対しまして心からおわびを申し上げます。  去る一月二十七日に大臣が辞意を表明されたときに、私ども幹部に、大蔵省が旧来の陋習を破り、新しい大蔵省に生まれかわることを切望するということを幹部を集めて訓示がございました。  その際、私も大臣に進退伺いをいたしましたところ、大臣は、自分は政治家としての責任をとる、行政官は行政官としてのルールに基づき判断せよということでございました。私も、公務員としてのけじめをつけるという旨を大臣に申し述べました。大臣と次官が同じ日に辞意を表明して職員に対し不安感、動揺を与えてはならないと考え、一日余裕をいただいて、翌日昼ごろでございましたが、幹部職員を集めまして、三塚大蔵大臣の辞任を無にすることなく、幹部一同、大臣の御指示を踏まえ、大蔵省改革に取り組もうと申し合わせました。同時に、今回の不祥事については、事務方のトップとして全責任は私にあり、けじめをつけたいということを申し述べました。何人かの幹部から私と行動をともにしたいという旨の申し入れがございましたが、事務方の全責任は私にあるということでお断りをいたしました。  同日夜、総理を公邸にお伺いして、今回の不祥事をおわびするとともに職を辞したい旨を申し出ました。総理からは一晩考えさせてくれというお話でございました。改めて一月二十九日の昼に、院内におられる総理に、この際、人心を一新するため職を辞したいということを申し出、快く承諾をいただいたという次第でございます。

角田義一民友連

○角田義一君 私の考えを率直に申し上げます。  まず、事務方のトップとして、この不祥事、一番最初にあなたみずからが当時の大蔵大臣に辞表を出すべきではないかというのが私の考えであります。しかし、そのことについてあなたに質問はしない。私は、事務方のトップというのはそのくらいの覚悟でなくちゃいけないのじゃないかというふうに思っております。  そこで参考人、去年の七月に不祥事があって大変甘い処分、十分な調査もできなかったということでありますが、私はなぜそうなったかということが問題だというふうに思います。  そこでお尋ねしますが、大蔵省には紀律保持委員会というのがある、これは当然参考人も御存じだと思います。そして、その紀律保持委員会は大臣官房長が委員長、そして審査部会、綱紀部会というのが設けられておる。内部の局長あるいは官房の各課長、各局の総務課長等々でこれらは構成されておりますが、全部これは言うところのキャリアであります。ノンキャリアはおらない。まさにこれは身内だけの紀律委員会ではないのか。身内をかばうようなこういう紀律委員会、本当に大蔵省の不祥事というものが防げるのかどうか、これが一つ。  それから、綱紀部会に顧問を若干置くことができると書いてある。先ほどの総理のお答えによりますと、今度できる監査官制度、弁護士を顧問としてお迎えをしたい、これは初めてである、こういうお話があった。この紀律委員会というのができたときに、それ以来顧問弁護士なり顧問というのは置いたのかどうか。  それから三番目、紀律委員会は必要に応じ、学識経験者の意見を聴取することができるというのがある。学識経験者のお話を聞いて予防策をとったかどうか。あなたが官房長、しかも事務次官のときにもこの紀律委員会というのは存在をしておるわけで、今日もなお存在しておる。  この三点についてお答えいただけませんでしょうか。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) まず、紀律委員会は規律の責任者に各局の総務課長を職制として命じております。したがいまして、総務課長がその主要なメンバーになるということでありまして、ノンキャリアの職員がその中に入っていないから身内だとか、そういう性格のものではございません。各局総務課長は広くその職務を果たすためにおのおのの職場の管理者に対して一定の命令を行うというシステムになっております。  それから、この紀律委員会につきましては、私が平成七年に官房長をしておりましたときの通達で既に顧問弁護士を置いております。加藤さんという弁護士を一人お願いいたしまして発令をし、その後、私が官房長時代にもこの加藤さんから種々いろんなアドバイスを受け、また職員の調査にも来られました。加藤さんは元検事でありますから、職員からの事情聴取の仕方とか、そういったものについて十分お話をお伺いしております。そういう意味におきまして、調査面における学識経験者としてのお話を伺っていたということであります。  その他、職員の規律についてあるいは生き方についての研修につきましては、種々内部で研修を行っております。幹部につきましても、定例的に各方面からいろんな講師をお招きして一般教養を高め、おのおのの生きざまについて考えるようにという研修は種々行ってきたところでございます。

角田義一民友連

○角田義一君 各課長みんなキャリアですよ。しかし、現実には大蔵省にはノンキャリアも多い。ノンキャリアの人も非常に優秀な人もいるし、立派な人もいる。今問題になっているのは大蔵省のキャリア、ノンキャリア。キャリアはキャリアのエスカレーターを上っていく、ノンキャリアはノンキャリアのエスカレーターを上っていく。江戸時代の封建社会と余り変わらぬような身分社会じゃないか、こういう根本的な疑問が呈されているんじゃないんですか。だから私は、紀律委員会というものが全部キャリアによってやられているということに制度的な問題があるのではないかということを指摘しているわけです。  事務次官をおやめになるについて、その辺についてこれは一考すべきであるというふうな考えを持っておられるか、これはもうこれで押し通せばいいんだというふうに思っておられるか、お尋ねします。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私どもの職場は各専門知識が非常に必要な分野がございます。主計局におきますと、三百人の大勢の職員が緻密な積算に基づき予算を査定していくということ、主税局におきまして税法を書くのはそういった専門の諸君であります。金融検査もしかりであります。職場の大半がこうした専門的な知識を有する職員によって支えられております。その職場においてお互い融和をする、そういう意識を持って私ども接してはきておりません。  しかしながら、せっかくの先生の御指摘でございますから、この議論を踏まえて私の後任者がしかるべく判断をしてくれるものと考えております。

角田義一民友連

○角田義一君 参考人に一点だけお尋ねをしておきます。  今回の不祥事は、昨年の七月一日に不祥事があって、その後もいろいろ接待を受けておるということが明らかになってきた。ところが、あなたが事務次官であった平成九年七月二十二日、平成九年十一月五日、平成九年十二月五日、平成九年十二月十六日、いずれも紀律保持委員会というものが開催をされておる。一体どういう議論をしてきたのか。もうあれでもって不祥事はないのか、あるのか。  当時もう既にMOF担とかいろいろ世間で言われている、この際そういうものについて徹底的に洗う必要があるんじゃないかというような問題意識を、当時事務次官としてこれだけの紀律保持委員会をやっておるのだけれども、何をやったのかということをお尋ねしたい。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 今回の逮捕者の中で、一名は私が就任後において接待を受けたことはございませんが、あとの一名はそういう事実があるやに被疑事実を読んで初めて知りました。私としては大変びっくりいたしまして、憤りを感じております。  平成八年の倫理規程以降、私ども職員に対しましては厳しい人事管理を行い、みずからの責任において公務員として恥ずかしくない行動をしろということで職員に徹底をさせてきたつもりであります。非常に残念な事態であります。官房長以下、紀律委員会におきまして常日ごろ議論をし、部下に指導しておりますが、究極的には職員一人一人の心の問題であろうと思います。  こうした問題について、ただ規律を守れということではなしに、向上心のある、使命感のある公務員を育てていくにはどうすればいいかという観点からより強く指導をしていかなければならないということを痛感いたしました。  ただ、多くの職員は日夜、それこそことしも正月を返上して法案の準備にかかり、毎日精励して仕事をしております。一部の人間のために私ども職員がいたく傷つき、悲しみ、怒り、かつその家族がまた大変な世間からのバッシングにも遭っている。物心のついたちょうど受験期を控えた子供たちが学校でもいろんな友達から中傷されているという現実、これを職員一人一人がもっと自覚をして、目の当たりにして、二度とこういうことの起きないようにということで身をもってこの体験を生かしてもらいたい、こういうふうに考えております。

角田義一民友連

○角田義一君 参考人に最後にお尋ねします。  あなたは盛んに職員の心の問題、心のありようを説かれた。それはそれでわからぬではない。しかし、いわば接待漬け、ゴルフ、送り迎え、高級料亭での接待、言うもはばかるようないかがわしいところへも行ったとか行かないとか書かれておる。いわばキャリア、高級官僚と言われている人たちが一切そういう接待は受けなかったんだと開き直れるんですか。反省する必要はないんだ、我々キャリアは関係ないんだというふうにおっしゃれるんですか。そこのところだけ私はきっちり聞いておきたいです。それで私のあなたに対するお尋ねは終わりたい。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 御指摘の、我々キャリアはそういうものには一切関係がないと開き直っているわけでも何でもありません。全職員がここで反省をしなければならないということであり、私自身みずからの倫理観を持って今日まで処してまいりました。  ここにおられる田先生は私と非常に親しくしていただいておりますが、その生きざまを見てくれているはずであります。おのおのそういう自覚を持って行動するということが最も大切であり、大蔵省にキャリアとノンキャリアがいて対立をして、その倫理観がそれぞれ違うとか、そういう問題ではなしに、全職員がここで反省をし、三塚大蔵大臣が指示された新しい大蔵省に生まれ変わるということが私どもの後輩に残された課題であろうと思いますし、私は引き続きそうした面において後輩の相談に乗ってまいりたい、こういうふうに考えております。

角田義一民友連

○角田義一君 総理、お尋ねいたします。  私は、今回の不祥事というのは非常に根が深いというふうに思います。単に職員の心がけを説くだけで、あるいはまた今大変問題になっております公務員の倫理法、この制定だけで果たしてすべてうまくいくのかなという疑問を持っております。  この行政改革、総理は非常に熱心に取り組んでおられますけれども、行政の根本的なあり方というのは、先ほど私が言ったように、片方はキャリアでエスカレーターを上っていく、こっちはノンキャリア。私は、ノンキャリアでも十分立派な見識、識見を持って経験を積んだ方がおられると思うんです。そういう方もやはり行政のトップに行けるんだ、システムとしてそういうものを確立する、確保する、望みがある、こういうのが真の意味の私は行政改革の一環ではないかというふうに思うのであります。昔の一遍の試験だけですべての人生が決まるというようなやり方で今日いいのかどうか。  そういった根本的な問題までやっぱり考えていかきゃいけないところに来ておるのではないかというふうに思うのでございますが、総理の御所見を承りたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は現実に、今は呼び方は違うようですけれども、昔の高等文官試験以来の、あるいは上級職試験等々における人事のあり方というものにむしろ疑問を持ってきた一人だと思っております。  ただ、私どもが政治の世界に入りましたころ、ベテランの皆さんが本省の課長すら全局に位置を占めることのできないような時代でございました。そして、ある役所について、少なくとも本省の課長さんにベテランの方がなぜならないんだという疑問を呈して、幸いにその疑問がかなえられましたこと、またある官庁のあるポストは女性でなければ課長にしない、逆にそれ以外のところに女性を置かないというならわしがありましたものに、その女性でなければいけないというポストになぜ男性をつけてはいけないんだ、同時に、女性だからそのポストというのではなくてもっと違った人事はないのかという疑問を呈したこともあります。  そうした自分の思いを、より激しい言葉で議員は今述べられたわけでありますが、私は、議員が持たれるような問題意識というのは当然のことながら大事なことだと思います。そのためには、採用されました後の研修のあり方から、同時にそれぞれの省庁の人事政策、こうしたものまでを含めて考えていかなければならないと思います。  これは先日、どなたからでありましたか、いわゆる天下りを全部禁止しろという御意見をいただきましたときに、今の公務員の処遇、そして定年以前に退官していく率の高さ、そして今の平均寿命の中で人生の再設計が全く許されなくて生活ができるだろうかという趣旨の御答弁をどなたかに申し上げたわけでありますが、私は公務員制度全体を見直していく必要があることを考えておりますし、公務員制度調査会にそういう御議論もお願いをいたしております。そうした御議論の中には、ただいま議員が提起をされましたような視点からの御意見というものも当然のことながら参考とさせていただけるものであろうと思います。

角田義一民友連

○角田義一君 ちょっと法務大臣にお尋ねをいたします。  今回、検察当局が大蔵省を家宅捜索し、逮捕者を出した。従前、世間では検察庁と大蔵の国税局というものはもたれ合っているのではないかというようなことを言われておりました。しかし、いよいよ検察も我慢できなくなってやったのかというようなことを言われております。そしてさらに、世間では、何であの程度のことで捕まえなきゃいかぬのか、さらにノンキャリアだけ捕まえて、キャリアは何をやっても構わぬのかというようなことまで言われておる。  私は、日本の検察というものは、やはり正義を実現するために聖域を設けないでやるべきことはやるんだというふうに信じたい。大臣として、今の検察に対してどういうお考えを持っておられるか、お尋ねいたします。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) かつて法務政務次官をなさり、弁護士で、その辺のところに精通しておられる角田理事の御質問でございまして、私は、法務・検察に対する御激励だというふうに受け取らせていただきました。  今さら申し上げるまでもございませんが、検察当局は常に法と証拠に基づきまして厳正公平、不偏不党を旨として刑事事件の捜査処理を行ったものと承知いたしております。今後とも、同様に対処していくものと確信いたしております。お話のようなキャリアだとかノンキャリアだとか、そういうふうなことは問題になりません。法と証拠に基づいて厳正にやっていくということで、私も検察を信頼いたしております。

角田義一民友連

○角田義一君 総理にちょっとお尋ねいたしますけれども、今天下りの問題が出ました。私は総理の言わんとすることもよくわかります。天下った者がかすみを食っては生きていけないんですから、就職先を見つけなきゃならぬというふうに思います。一般論としてはわかる。  しかし、大蔵省の高級官僚、あるいは大蔵省だけじゃない、高級官僚というものは、例えば私も議員になって外国へやらせていただきましたけれども、非常に若い優秀な役人さんが二年、三年外国で勉強している。別にテーマがあるわけじゃない。見聞を広め、教養を深めてこい。そして、自分たちの知識、経験を身につけてくる。それはその人個人だけのものではないので、自分が培った経験、そういう知識、経験というものは国民の共有財産であるという認識を高級官僚は持つべきである。  したがって、そういう気持ちを持てば、例えば大蔵省の官僚が一私的企業である銀行に天下って、その銀行の利益追求のために奉仕するなんということはしょせん考えられない。もし官僚道、官僚の道というものがあるとすれば、少なくともそのところぐらいはきっちり考えてもらって、そして自分が得た知識、経験というものは退職したら少なくとも広く国民に還元をする。例えば教鞭をとるとか、ボランティアでやるとか、そのくらいの気持ちになってもらわなきゃどうしようもないんじゃないか。  これは天下りを法で禁止するとかしないとかいう以前の問題として、私はそういう感じを持っておるんですけれども、総理、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど私は、今の公務員制度の中で一つのライフサイクルとしてとらえたときということでこの問題を申し上げました。私は、議員が述べられましたように、まさに公務員として得てきた経験、知識、その中には職としていわばその仕事につくことによって得てきた知識、経験というものがあり、ある意味ではこれは国民に還元すべきと言われる御主張が全然理解できないと言うつもりはありません。むしろ、私自身が望み、退職後の高級官僚を我が母校に迎え、また喜々として教鞭をとっていただいている例もあります。  ですから、私は幾つかのケースがあると存じます。まさにみずからの実力をもって新しい分野、教育の分野というようなもの、これは一つの分野でありましょう、そういう分野にチャレンジしていかれる方、これは私は天下りというような言葉が浴びせられる方ではないと思うんです。それから、まさに人事院のルールを超えまして、本当にみんなが認める専門的な知識を持って必要とされるところに迎えられるケース、私はこれもいわゆる天下りといって非難をされるべきものではないと思います。  問題は、行政官の時代において、みずからの職務の中で関連した分野、今銀行というものを例に議員は挙げられました、職務に関連した分野に在職中の経験を生かして奉職をしようとすること、あるいは特殊法人等の指定職のようになったポストに必ずしもふさわしくない人材がついているケースがないかということ、そうした部分がよく指摘を受けて天下りという御批判を受けます。私は、そういうとんでもないのは本当にいかぬと思います。  そして、むしろ公務員に対する信頼あるいは行政に対する信頼を確保するためにも、特に後の方で申し上げましたようなものに対しての対応というのは速やかに対応すべき課題ということから、天下りの問題に関連した公務員制度などの見直しについて関係機関においての検討を指示いたしました。そして、夏ぐらいまでには何らかの報告を欲しいということを指示しております。  その上で、公務員の退職あるいは再就職のあり方は、議員から今御指摘になりましたような知識の有効利用、活用というものも含めまして公務員のライフサイクル全体にわたる検討を必要とする課題だと思います。そして現在、公務員制度調査会で国家公務員の人事管理システム全般の見直しの一環として、平成十年度中の基本答申に向けて鋭意検討をいただいております。

角田義一民友連

○角田義一君 今の天下りの問題に関連しまして、大蔵省のOBが道路公団に天下ってまことにけしからぬことをやっておるということで、関連をして同僚の小山議員の質問をお許しいただきたいと思います。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。小山峰男君。

小山峰男民友連

○小山峰男君 民友連の小山峰男でございます。  私は、道路公団の総裁に御質問をしたいと思います。  御存じのとおり、一月十八日に、野村証券の外債主幹事になるための過剰な接待というようなことで道路公団の井坂理事が逮捕されたわけでございまして、大変国民に大きな信頼の失墜を来したわけでございまして、まことに遺憾な事件であったというふうに思うわけでございます。  さて、この外債発行の手続上、一体この井坂理事と内部的な関係はどうなっているのか、あるいは総裁がどういう形でタッチしたのかということをお聞きしたいと思うわけでございます。  報道等によりますと、外債発行の手続としましては、まず市場の調査というのが出てくる、それから次に候補会社の選定という形が出てきて、さらに入札、入札の結果で主幹事の決定、外債発行と、こういう流れで事務が行われるということでございます。入札の結果等につきましてもかなり井坂理事の意向等が反映される、必ずしも入札の結果だけではなく選定が行われるというようなことも言われておるわけでございますが、その辺の状況、総裁はどういうところでどういうようにタッチをしていたのか、それをお聞きしたいと思います。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) まず、当公団の経理担当役員が収賄容疑で逮捕され、公団に対する大きな社会的不信を招くとともに、関係方面に多大な御迷惑をおかけしたことを公団の責任者として深くおわび申し上げます。  外債発行の手続でございますが、基本的には、毎年度の資金計画策定の際に事業執行の見通しや外債市場の動向等に基づき発行計画を立て、具体的な発行準備に入り、建設大臣の発行認可と大蔵大臣の政府保証承認を得て発行に至っております。  先生御質問の具体的な外債発行の手続でございますが、発行の規模、どのぐらいの規模で外債を発行するか、またいつごろどうするかとか、相手、通貨をどうするかということにつきましては、総裁である私といたしましても事前にそのことについては承知しているところでございます。  ただ、主幹事候補となる金融機関の選定、あるいは金融機関から提出されました発行条件の比較に基づいて主幹事をどこにするかといった策定の一連の事務につきましては、先生御指摘のように、実質的に経理担当理事以下において行いまして、私のところには、その主幹事指名を決裁する、それによって発行準備を進めるという形で報告があるというような手順になっております。

小山峰男民友連

○小山峰男君 今のお話を聞きますと、選定等についてはかなり井坂理事の意向が反映されているというふうに理解をさせていただいたわけでございます。  一般的には、少なくとも多数の合議制による選定というのが求められるというふうに思っているわけでございますが、そういう点はなかったわけでございましょうか。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) お答えいたします。  今まではそのような選定方法は行われておりませんでした。    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕  今回、このような事務処理が引受主幹事の決定手続において客観性とか透明性を欠く一因となったと考えられますので、昨年来から検討しておりまして、内部におけるチェックシステムをつくるということで、一月六日付で本社に副総裁を委員長とする外債引受主幹事選定審査委員会を設置いたしました。引受業務に係る主幹事候補と主幹事選定の公正を確保することにしておりまして、今後外債の発行の場合には、担当の理事のところで行ったものを今の審査委員会にかけて客観性、透明性を確保し、恣意的にならないようにそういう手順で今後行うようにしております。

小山峰男民友連

○小山峰男君 これからの問題、今お話あったわけでございますが、いずれにしましても、道路公団の状況を見ますと、五六年の発足以来大蔵省のOBが十三人理事に就任していると。この十年間だけで見ましても四人の大蔵OBが理事に迎えられて、そのほとんどがいわゆる経理担当というようなことで事務をやっていたというふうにお聞きしているわけでございます。そういう意味で、大蔵省の幹部でもあったし、経理担当でもあったということで、外債発行準備等につきましてもほとんど任せてあったというふうに理解をさせていただいているわけでございます。  総裁として、大蔵省だけではございませんが、いわゆる官僚のこういう形の天下り等についてどういうふうに今お考えになっているか、お聞きしたいと思います。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) 今、御指摘の経理担当の理事につきましては、公団の行う有料道路事業は財投資金を主たる財源としておりまして、国の財政政策とか金融政策とも非常に大きなかかわりを持つ、そういった点から財務部門を担当する理事にはこれまで大蔵省においてそういった分野に専門的知識、経験を有する人材ということで受け入れてきたわけでございますが、こうした人事上の慣行が今回の事件との関係で大きな問題となっているということを十分認識いたしまして、今後適切にそういったことに対応していきたいと考えております。

小山峰男民友連

○小山峰男君 ところで、今回の大蔵省の金融検査部の事件におきましても、いわゆる倫理規程というような問題が出てきておりまして、これを公務員倫理法にすべきだというようなお話もあるわけでございますが、こういう倫理規程というような問題について公団の内部では制定をしてそれによってチェックをしていたのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) 道路公団におきましては、平成八年の十二月二十六日付で建設省職員倫理規程というものが制定されました。それを受けまして公団においては、職員に対しては平成九年の一月三十一日付で綱紀の保持に努めるべく総裁通達ということで職員倫理規程をつくってまいりましたけれども、今般、率先垂範すべき立場にある役員が不祥事を起こしたということを極めて重大なことと受けとめまして、一月三十日付で役職員も含む倫理規程を制定いたしまして、今後役員も含めて徹底した綱紀粛正に取り組んでいきたいと考えております。

小山峰男民友連

○小山峰男君 通告を申し上げてありませんが、総理にお聞きしたいと思います。  公務員倫理法を制定するかどうか、大至急検討するということになっておりますが、この法律は公務員だけをお考えになっているのか、あるいは特殊法人等の職員等についても対象にしていくのかどうか、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻も御答弁を申し上げましたように、倫理規程というものに対し、その効果を期待いたしましたことがはっきりと裏切られた結果が出ましたことから、法をもって臨まなければならないと考え、既に副長官に指示をいたしましたその検討が昨日から動き始めておりますし、自由民主党におきましても、党としての検討が既にスタートをいたしております。そして、我々としてはこれはできるだけ速やかに作業を進めたいと考えております。また昨日、与党の三党首が集まりました会談の中でも、こうした制度をつくるためにも緊密に協議していくという話をしたばかりであります。  そして、まさに今検討しているのは、公務員の倫理法という仮の名前で公務員を対象としたものであります。しかし、みなし公務員の性格を持つ特殊法人等、当然ながらこれに準ずる体制はとっていただかなければなりません。そして、さらにそれが特殊法人だけでよろしいのか、広げていけばいろいろな私は議論が存在しようかと思います。  ただ、今問題を起こしておりますこのケースにつきましては、公務員及び公務員のOBでありますことから、公務員倫理問題に関する検討委員会ということで政府部内の検討は発足をさせました。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕

角田義一民友連

○角田義一君 質問を終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で角田義一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。

加藤修一公明

○加藤修一君 まず最初に、昨日私が質問いたしました自民党の献金の問題につきましては、ただいま理事会で協議中でございますので、それについては後日改めて触れることにいたしたいと思います。  このたび大蔵省の現職官僚二人が収賄容疑で逮捕されておりますし、大臣がやめ、事務次官がやめるといういわゆる金融行政に対する国民の信頼を本当に失墜させる大事件である、重大な事件であったというふうに私は認識しております。しかし、官僚の逮捕も大臣の辞任も言ってみればトカゲのしっぽ切り、そういう表現が非常に当たるんじゃないかなというふうに考えております。そういった中で、こういう問題について考えていきますと、汚職を生む大蔵省の体質、これは極めて変わりづらい段階の中にあるのではないか、何ら変わっていないというふうに言ってもいいのではないかと思っております。  国民は、官僚個人の問題ではなく、これは構造的な問題である、個人の問題ではないと。そういった意味では、構造的に根が非常に深い問題であるというふうにとらえるのが正しい認識のあり方だと私は思います。銀行と官僚の癒着の一番の原因は何か、それを考えていきますと、非常に深刻な問題がございます。  それを改める方策は何か。私は、癒着の原因、これは大蔵省の裁量行政にある、ある意味では自分勝手に解釈する部分が多いのではないか、そういう疑問を持たざるを得ない。金融行政に関する法律はあいまいな内容にとどめ、具体的な政策の実行は官僚のさじかげんで決まってしまう、そういうところが多々あるというふうに理解せざるを得ないわけです。  大蔵省は絶大な権力を維持してきましたし、銀行はいわゆる国際化の中で早くそれに対応しなければいけないわけですけれども、いわゆる護送船団方式、そういったもとで銀行は絶対につぶさせない、あるいはつぶさない、そういう保護行政に甘んじてきた。しかし、実際、戦後初めて都市銀行が橋本政権下で破綻を来してしまった。これはもう地域経済にとっては大変な問題が今生じているわけでございます。こういった大蔵省の構造がなくならない限り癒着はなくならないし、法律でちゃんと決めていかなければいけない。  そういった観点から考えていきますと、今回の金融システム安定化関連法案、いわゆる最高三十兆円の公的資金を金融機関に投入する、そういったふうに理解せざるを得ないわけでございます。そのうち十三兆円は金融機関の増資に充てる、いわゆる銀行救済だと。どの銀行にどれだけ投入するか、これもやはり実際的、実質的には大蔵省の判断次第、そういうふうに見え隠れする部分があります。今回の件についていろいろと検討してまいりますと、そういうふうに考えざるを得ない、いわゆる裁量行政であると。  そういった意味で考えていきますと、全然体質は変わっていない、そういうことだと思います。国民の政治と行政に対する不信感は私は頂点に達していると思います。私自身ももちろん頂点に達しているわけですけれども、この機会にやはり徹底して構造的な面からうみを出していく、本当に新しい大蔵行政を進めていく、金融行政を進めていく、そういうことに立ち返らない限り、立ち返るというよりは新しい体制を今後はつくり上げていくことが当然私は必要ではないかと思うわけでございます。  それでは、まず最初に、さまざまな行政のやり方の中で通達というのがございますけれども、これはどの程度の効力を持っているのでしょうか、小村前事務次官にお願いいたします。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 行政上の詳しい内容は銀行局長から御説明するのが適当かと思いますが、我が国の法体系におきまして、法律、政令、省令、こういったものに載り切らないさらに細かな行政の内容を明らかにするために通達というものの存在がございます。  これにつきましては種々技術的なもの等々に限り、政策的な判断についてはもちろん国会の議決で、国民の権利義務に関するものは法律、それから法律にゆだねられた政令、省令で規定をしていくということが今日の法体系になっているということでございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 ただいま御答弁をいただいた前事務次官、さきの不祥事で辞任をしたわけでございますけれども、さらに質問を続ける前に、前大蔵大臣が二度とこういう不祥事は起こさないというふうに記者会見で言っておるわけでございます。  大蔵大臣、これから以降逮捕者が出た場合について、いわゆる二度と起こさないという政府のお話でございましたけれども、再度逮捕者が出た場合についての責任のとり方はどのようにお考えでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  先ほど委員は、今回の不祥事の事後処理として、トカゲのしっぽ切りにしてはならないということでございました。全くそうだと私は思っております。責任をとっておやめになった前三塚大臣は生まれ変わった大蔵省をつくるべきだということを指示していかれたわけでありますけれども、今回の不祥事を再び起こさないように、二度と起こさないようにするために、思い切った行政のやり方の改革と職員の意識の改革、両面から徹底して進めていくことが生まれ変わった大蔵省をつくる上で最も大事なことであるというふうに思っております。  そのために、委員も既に御承知と思いますが、六月中までに金融機関に対する監督・検査行政、これは大蔵省から離れて総理府の傘下に設けられる金融監督庁にみんな移してしまうわけでありますし、それから銀行局や保険部も縮小統合して、銀行局、保険部はなくして、そして大蔵省の中に金融企画局というやや小ぶりの局になる、こういう改革も六月中にはしなきゃなりません。  同時にまた、前大臣がつくっていただいた金融服務監査官という仕組み、これも十二分に機能させて、そして逮捕はされないけれども、ほかに間違ったことをした人はいないかという点等の内部調査を厳しくやって、そしてその結果を待って適正な処置をする、こういったことで、将来二度とこういう不祥事が起こらぬようにしていくのが私の務めだと、こう思って懸命に努力をしていく決意でございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 今の御答弁の内容を十分意識してしっかりとやっていただきたいと思うわけでございます。  これから新聞の記事を読み上げますのでお聞きいただきたいんですけれども、日銀総裁、お願いいたします。  「不正経理や宴会行政批判で揺れる大蔵省が部内処分に踏み切った。」、「その他の省庁や公社・公団から受けていた大がかりな接待やカラ出張については、事実上ほおかぶりした形になっている。」、「野放図な「公費天国」に多少歯止めがかかるとの期待もあるが、氷山の一角を切っただけの割り切れない「結末」で、これでは本当に自ら姿勢を正そうとしているといえるかどうか。」という記事でございます。そしてさらに、「「個人の責任とは考えず、十分な指導が行われなかった点が問題」と、具体的事実は明らかにしないまま、次官、官房長が代表して処分をうけたことですんでいる」と、こういう記事がございます。  日銀総裁、この記事について御存じでしょうか。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 日銀総裁としての立場でなくお答えを申し上げますが、その今お読みになりました記事は、私が二十年近く前に大蔵省で官房長をいたしておりましたときに、大蔵省を中心として発生をいたしました一連の不祥事件、当時、公費天国とかそういうふうに言われましたその事件についての新聞報道であると考えてお聞きをしておりました。

加藤修一公明

○加藤修一君 見出しに「幹部に甘い「大蔵処分」」ということでございますけれども、こういった問題があった後にいわゆる通達が出されております。その通達には大蔵省大臣官房長松下さんのお名前が載っているわけです。二十年前に綱紀粛正についても対応を考えて通達を周知徹底するようにやっているわけでございますけれども、私は、今までの経緯を考えてまいりますと何ら変わっていない部分が多過ぎる、そう判断せざるを得ないわけでございます。  この「綱紀の厳正な保持について」という中には、「世の厳しい批判を受けていることは誠に遺憾である。このような批判を受けるに至つた状況を卒直に反省するとともに、国民の信頼の早急な回復を図らなければならない。」、あるいは「大蔵省職員の綱紀の厳正な保持を図ることとし、その具体的措置として、」という形で、実は四項目から成る注意喚起の件が出ております。例えば、「会食等について」は「職務上の関係者からの会食等への招待には、原則として応じないこと。」と、このように書かれているわけでございます。  長野証券局長は平成五年七月に複数の大手銀行の方々と顔を合わせておりまして、いわゆるこの「会食等への招待」ということになるわけですけれども、ただ昨日の答弁ではこのように言っております。「一昨年の暮れに倫理規程が制定されまして、それに従って現在対応いたしておりますけれども、それ以前の段階、すなわちただいま御指摘のありましたような」、私が指摘した平成五年七月の件ですが、「今日の倫理規程から見ればという点はあろうかと思いますけれども、当時は、それは社会的な儀礼の範囲で許されることかな」という表現をされているわけですけれども、局長、通達との関係で答弁をお願いします。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 公務員の綱紀に関する問題につきましては、私も過去三十年余り在職している間にたびたびいろいろな御議論がございました。その上に立ちまして、昨日御指摘の時期におきます会食につきまして正確にお答えを申し上げました。  その当時の物の考え方といたしまして、職務上の内容がゆがめられることのないように、偏りがなくとか場所を選んでとかいうようなことで、しかし幹部の方と我が方の人間が年に一度とか二度とかといったような形で会合することは社会的儀礼の範囲内で許されるものと考えてやっておりましたということを率直に申し上げました。  そして、一昨年の暮れに倫理規程が改めて制定されまして、なお厳しい規制になりました。それ以後はそういった会合を持たないということになっておりますので、考え方が変わったといいますか、扱いが変わったことは事実でありますけれども、当時の様子をそのまま正確に申し上げました。  その当時の行動が今日の基準からしてどうであったかという問題につきましては、現在こういった内容もすべて私どもの担当の綱紀の委員会の方に報告した上で、いろいろな方の御批判を待ちたいと考えております。

加藤修一公明

○加藤修一君 通達の中には、「外部からの批判を招かないよう常に公私の区別を明確にする」、あるいは「管理、監督の地位にある者は、率先垂範するとともに、職員の身上を把握し、適宜適切な指示を与える」と。そういったことから考えていきますと、非常に意識としては違うんじゃないでしょうか。  先ほど大蔵大臣は、意識変革をする、そういった点を言われたわけでございますけれども、過去にさかのぼって答弁をするに当たって、その辺の意識のあり方というのは私は非常に不鮮明だと思いますけれども、答弁をお願いします。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 一昨年、いろいろな事件がその当時にもございまして、暮れに倫理規程が制定されました。意識というものをさらに形にあらわしていくという形で、それ以前に行われておりました社会的儀礼の会食というものも持たないという形に変化いたしまして今日に至っております。そして、これを守ってまいりました。一昨年の暮れの倫理規程は意識も形もかなり変えるものであったと認識いたしております。  残念ながら、その後におきましてその倫理規程に違反する事実があったということは官房長等からお話ししておりますけれども、それは残念と申し上げたいと思います。

加藤修一公明

○加藤修一君 アメリカのケースでございますけれども、一九七八年に政府倫理法が制定されております。この中では、例えば一度に受け取れる記念品類、そういったものについては小売価格で二十ドル以下、相手が同一人物であるならば年間に合計五十ドル以下と制限されている。これに違反したことがわかると懲戒解職である、こういう政府倫理法が制定されているわけでございます。その中をさらに見ていきますと、公開される資産公開、要するに上級職員に対しては資産の公開をしなければいけないと、このように非常に厳しい。  そういった点から考えていきますと、アメリカで公務員に関する大型の汚職がないというのはこういった厳しい法律の制定によっているところも非常に大きいわけでございますけれども、総理、この辺の国家公務員の資産公開ということを含めたいわゆる公務員倫理法の制定についてはどのようにお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来、他の議員にもお答えを申し上げたところでありますが、政府としては昨日から公務員倫理法、仮の名前でありますけれども、その論議に入りました。自由民主党も、また与党三党もそれぞれにこれを検討しつつあります。  その時点で、議員が今述べられましたような角度の法案が望ましいのか、あるいは他の切り口があるのか、今まだ議論を始めたばかりで私も確たる考え方をとるに至っておりません。例えば、やってはいけないことを列記するのか、やっていいことを列記するのか、法体系自体が両面から考えられ、一長一短のあるところであります。  今検討を開始した直後でございますので、議員がお述べになりましたような考え方から、今アメリカの例をおとりいただきましたけれども、まだいろいろな考え方をしてみる必要があると考えておりまして、率直にその状況を申し上げます。

加藤修一公明

○加藤修一君 今の資産公開も含めて検討していく方向というお話を伺いましたけれども、給与外収入とかあるいは配偶者と未成年の子供の利益を含めた自身の資産上の利益を明らかにする、これが資産公開という中身になっているわけでございます。そういった点についても十分検討に値するものである、そのぐらいの思い切った考え方をしていく必要が私はあると思いますけれども、思い切ったという内容で、その辺についての決意をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に御承知のように、閣僚は今すべて資産公開をいたしております。そして、それは配偶者並びに同居の家族を含んでおりますが、国会議員を含めまして政治家にそこまでの義務を課しておりません。そして、私どもは既になれましたし、私のまだ未成年の子供もあきらめておりますけれども、子供がためた小遣いの貯金までを報告させられたとき多少憮然とされた時期もございます。なれてきまして、今子供たちも別にそれに文句は申しません。  しかし、少なくとも閣僚、政務次官はともかくといたしまして、政治家の資産公開を超えるものを今考えるべきであるのかどうか、おのずからさまざまな議論があろうかと存じます。

加藤修一公明

○加藤修一君 また、今のに関連いたしまして、今回の不祥事を生んだ背景は非常に根が深いという話を申し上げましたけれども、倫理に抵触する行為をただすというのはある意味では非常に難しい背景もあるように思います。  というのは、閉じた空間の中で外からうかがい知ることができない、そういった場合もございますので、その行為自体が密室で行われるとよほどその事情を知った部下でない限り明らかにすることはできない。例えばディープスロートとかそういう形で、言葉はちょっと悪いんですけれども、近々こういう事態が進んでいて、不正が進んでいますよと、その不正が進んでいることを外の方に言う。大変な事態が進行していますよということを外の方に言う、情報を提供する、そういうことがない限りなかなか中身を知ることができないということだと思うんですけれども、今回の事件もそういう部分がなくはないわけでございます。  要するに、一つの局の中でやっていて、室長がある意味では権限を持って部下を差配しているわけですから、部下の方から、これは非常に問題がある、検査した結果非常に問題がありますよ、厳しく言っていかなければいけませんよという話になったとしても、室長の権限で握りつぶされることがある。  しかし、それを外に向かって話をするならば、もちろん国家公務員法の関係もございます。守秘義務がございますので、その関係もございますけれども、要するに内部告発をしなければならない事態になる場合もある、そうしなければならない場合もあるわけでして、そういった観点から考えますと、告発した者が不利益にならないように保護する、そういう法律ということも考えに入れる必要があるんではないかと思うわけでございます。  そういった意味では、アメリカにおいては内部告発者保護法、こういったものを制定しているわけでございますけれども、今回、総理が大変深刻な状態の中で、そういった規程ではなかなか対応し切れないというふうなことで公務員倫理法、そういったたぐいの法を制定していくというお考えであるならば、私は今のような視点を明確に入れるのがよりベターなあり方ではないかというふうに考えるわけですけれども、この点について御答弁をお願いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から、内部告発に対する法制までを用意しているアメリカ、同時に情報公開により被疑者側の弁護士が請求した場合に、そうした事情を知っている人間を特定しやすい状況にある国との対比での御意見をいただきました。  これは御意見でありますから、議員はそうした内部告発というものを中心にお考えなのかもしれませんが、公務員倫理法というものを考えなければならない状態の中でどのような考え方をとればいいのか、私は今まだみずから決めかねております。先ほども正直に申しましたように、やってはいかぬことを中心に書くのか、やっていいことから組み立てるのかという法体系でも考えなければならないことがあろうと存じます。  私は今の議員の御意見は御意見として拝聴いたしましたが、法をもって内部告発者を保護しなければならない状態まで予測をしなければならない法体系というものまで考えるべきであるのかどうかは結論をにわかに出しかねると存じます。

加藤修一公明

○加藤修一君 それでは、参考人として小村前事務次官が来ておりますので、一つだけ質問させていただきたいと思います。  二十六日の記者会見で前事務次官は公務員として恥ずべき行いはしていないというふうに言われております。先ほど来若干の御説明がございましたけれども、銀行の幹部と会食をしたことがあるか、もしあるとするならば、会食の目的は何か、あるいはいつごろ会食をしたか、その辺について御答弁いただきたいと思います。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私は、会見におきましても、公務員として恥じる行為のないようにということで今日まで努めてまいりました。記者会見でも同様のことを申し述べております。  今にわかな質問でございますけれども、私は次官になりましてからのことを今とっさに思い出しておるんですが、この一月に全銀協の会合が銀行会館でございました。もちろん国会開会中でございますので、大臣、銀行局長等が欠席、日銀総裁も欠席をされていた中で、あいさつをしろということで、これは昼間のことでございますが、そこで大臣にかわりましてあいさつを申し述べました。そのときに昼食が出たということでありまして、これは官房の方にも届けをし、そのとおり処理をいたしました。  今思い出すのはそういうことでございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 大蔵省の検査部の汚職事件が起きて、いわゆるノンキャリの検査官OB、銀行へ約百二十名が天下っていると聞いておりますけれども、今回の調査の中でOBに対する調査もするという話を聞いております。退職後銀行に天下って、今度は逆にその検査官を担当する、いわゆるMOF担といったことをやるというふうに聞いておりますけれども、こういった銀行に天下った検査官OBのメンバーについても今回の内部調査に入れるべきであると私は強く思うんですけれども、それについてはどうでしょうか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 今回の内部調査は、先ほども御説明申し上げましたとおり、現在金融関連部局に在籍する者または過去五年間において在職した者で現役である者ということでございます。OBになった者、公務員でなくなった者に対しましては、そういう公務員としての関係がないわけでございますので、私どもは内部調査の対象にはならないと考えております。  仮にそのOBが現役中に行政をゆがめたのではないかというような具体的な疑惑が提示された場合には、任意の事情聴取をするということは可能だと思いますけれども、内部調査の対象にするということにはならないと考えております。

加藤修一公明

○加藤修一君 今の答弁の中で、行政をゆがめたというふうなことがあれば調査するということですけれども、調査をしないとわからないと思うんですよ。だから、まず調査をしてほしいということ、私の言っていることは。調査をする必要があるんじゃないですか。少なくとも調査をしないとそういうことがわからないわけですから。  答弁をお願いします。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 現在公務員でない者に対しましては私たちは調査する立場にはないということでございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 いや、国家公務員法においては、要するに守秘義務というのがあるわけですよ。それはやめても、現職じゃなくても当然つながっていくわけですね。どうですか、その辺は。逆の立場で聞いていますよ。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 公務員が現職中に知り得た事実を退職後も漏らしてはならない、守秘義務がかかるというのはそのとおりでございますが、それと今回の調査とは直接関係していないというふうに考えます。

加藤修一公明

○加藤修一君 その辺はよく整理されない部分が私自身ありますけれども、要するにゆがめたかどうかわかりませんが、それは調査しないと、やる意味は十分あるんですから、ぜひそれはやるべきだと思いますよ。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、私どもとしては公務員でない者を調査するという立場にはないということを御理解賜りたいと思います。

加藤修一公明

○加藤修一君 押し問答してもしようがないわけですけれども、要するに今回の問題に対してどういうふうに大蔵省を変えていくかという意識の点から考えていくと、やはり私はまだまだ甘いように思うわけでございます。  それで、今回こういった不祥事の中で、大蔵省がいわゆる政府案として出してきております金融システム安定化に係る法案、今国民は昨年来の消費税の値上げとか、さまざまな点で九兆円の負担を負うているわけでございます。あるいは中小企業の会社におきましては貸し渋り、なかなか融資を受けることができない、担保物件をふやしても借りることができない、金利を多少上げてもいいですよと言ってもなかなか融資を受けることができない、そういう大変な状態なわけでございます。  また、別の角度から見ていきますと、貯金をしても金利が低いということで、なかなか利息を得ることができない。年間四兆円のお金が我々国民の財布から銀行の方に移動している。そういう負担負担の連続の中で国民は非常に大変な生活を強いられているというのが現実であり、実態であると私は思うわけでございます。  そういった中で、さらにこのシステム安定化関連法案の関係を見てまいりますと、いわゆる三十兆円の公的資金の投入という、これは非常に大きな問題だと思いますね。なぜ金融システムの安定化に三十兆円必要なのか。預金全額保護のためにいわゆる特例業務勘定に七兆円の国債、あるいは非常に議論になっているところでございますけれども、優先株等を引き受ける資金となるいわゆる金融危機管理勘定に三兆円の国債をそれぞれ交付する、このようになっているわけですけれども、七兆円、三兆円、それの根拠は一体何ですか。なぜ七なんですか、なぜ三なんですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  七兆円は預金者の保護、全額保護のための措置でございます。これは預金者の皆さんに本当に安心してもらえる額を用意するということが大切だと思います。  せんだってⅠからⅣまで分類をお示ししました。そのときのⅢ分類あるいはⅣ分類の額、それから不良債権でいろいろお示ししております中での要処理、これが四、五兆ぐらいありました。先ほどのⅢ分類とⅣ分類を足すと十一兆ぐらいあります。しかし、それはすべての金融機関が破綻するわけではもちろんありませんので、そういったものを勘案し、まあこれくらい用意しておけばまず国民の皆様に不安を与えることはないだろうという趣旨があるわけでございます。  それから、三兆円の方は、これは十兆円のファイナンスの方も含めまして十三兆円の資金でもっていわゆる資本注入をやるわけでございますが、そうしますと、仮に主要行の半分ぐらいにそれを入れたとしますと、自己資本比率が相当に高い、国際的にも超一流ぐらいになるわけです。  ただ、自己資本比率を上げるためだけにこれを使うわけではありません。そういった用意があれば貸し渋り現象とかそういったものが全部防げる、こういう手だてでございます。つまり、いざというときのための最後の手段というものが、通常であればマーケットで調達すべきところが、マーケットがすくみ状態を起こしている場合にはそういった対応をしない。先生が今おっしゃいました担保をふやしても借りられない、金利を上げても借りられないというのはそういった銀行の行動から来ているわけでございますので、そういったことをなくすような措置としてやりたいという、危機の対応ということでございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 七兆円の方ですけれども、いわゆる特例業務勘定、これには公的資金、いわゆる特別保険料の収入があるわけですけれども、この保険料の支払いを前提とする保険という性格といわゆる公的資金の使用をどのように調和させるんですか、どういうふうにそれを案分するんですか、いろいろな問題が出てきたときに。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  保険料を七倍に上げて今徴収をいたしております。したがいまして、まずは保険料収入で対応するというのが当然筋でございまして、それで足らざるところが国庫、そういう国債の償還による現金化という考え方でやっております。

加藤修一公明

○加藤修一君 特例期間中、一定の期間については預金等が全額保護されるというふうに国会で答弁しておりますけれども、平成八年に説明したペイオフコストを超える預金も保護するとした法改正を私は大きく逸脱していると思いますよ、これは。非常に大きな問題だと思いますよ。どうですか、この点については。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 預金の保護につきましては、預金保険の制度自体のペイオフが原則になっておりますところによりますと一千万までの元本だけというふうになっておりますが、二〇〇一年三月まではそれを超えても、あるいはそういったもの以外の、例えば公金預金とか外貨預金とか、あるいは金融債とか、要するにそうした対象になる金融機関が発行します金融商品についても全額保護しますという形で特例をお願いしているわけでございます。それは附則の特別資金援助という形式をとることによってそれが可能になるわけでございます。そうすることによって国民の皆様が心配しないでそういったいろいろな金融商品をお買いになられる、こういう状況でございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 今の答弁は私は理解できないんです。納得できません。  要するに、預金という表現と預金等、これは表現が違いますからね、当然。今までは預金預金とずっと言ってきたわけですから、それが突然預金等なんという言い方をしてきますと範囲が相当広くなる、フルカバーしてしまうわけですから。これについては別の機会に議論いたしますけれども。  要するに、預金保険法では、保険料について特定の金融機関に差別的なものであってはならない、そういうふうにありますね。結果として、金融債が預金保険でカバーされるならば長信銀が保険料を払わずに保護が受けられる、そういう見方をせざるを得ないじゃないですか。これは非常におかしいですよ、どう考えたって。保険料を払っていないところが保険を受けられるなんて全然ナンセンスじゃないですか。  答弁をお願いします。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 私が先ほど申し上げましたように、預金保険法の附則によりまして二〇〇一年三月までの特例措置として特別資金援助、すなわちある破綻金融機関が生じたときに、それをどこかの受け皿銀行に引き取ってもらいます。そのときの赤字が出ます。損が出ます。ロスが出ます。それを全部補てんできるようにするというのが特別資金援助の制度でございます。したがって、その制度の発動によって結果的にそういったものが全部保護されるというのが二〇〇一年三月までの措置でございます。  そういうことによって今国民の皆様方は安心してそういったものを預けられる、あるいはお買いになれるという状況でございます。

加藤修一公明

○加藤修一君 以上で終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 今国会の冒頭に社会民主党の土井たか子党首は、今国会はまさに大蔵国会である、こういうふうな位置づけをなさいました。  今、予算委員会で議論しております大蔵不祥事、これに私を含めて国民はまさに怒り心頭であります。とてもじゃないけれども許せない。今、政府も私どもも、景気対策、金融安定化のシステムづくりをやろうというさなかでの大蔵官僚の贈収賄事件、このようなことが許されてはならない。しかも、これは個人的な事柄ではなくして、まさに巨大で集中的な権限を背景にした大蔵省という監督官庁の存在みずからが癒着や談合や汚職の温床になっておるのではないか、私はこういうふうに考えます。  社会民主党は、あしたから三日間、大蔵省腐敗に怒るホットラインをつくりました。また、この間も政官財疑惑解明プロジェクトをつくりまして、党としての独自の調査、究明活動を行ってきたところであります。  過日、社会民主党の政官財疑惑解明プロジェクトを開きました。その際に、大蔵省の官房長らを呼んで会議をやったのであります。その場で先般の大蔵省へのガサ入れの際の押収品目録の開示を求めました。これに対して、大蔵省は、地検から捜査の妨げになるので他に開示しては困ると言われたのでだめだと、こういうふうな返事があったのであります。  現行刑事訴訟法の第百二十条は、捜索、差し押さえの際の押収品目録は交付され、秘密にされるべき文書ではないと考えるのでありますが、法務省、押収品目録が公になることで捜査の障害になる理由はあるのでしょうか。また、私は、これは大蔵省の独自の判断で私どもの国政調査権にこたえるべきである、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

原田明夫法務省刑事局長

○政府委員(原田明夫君) お答え申し上げます。  現在捜査中の事件に係ります検察官の活動内容にかかわる事柄でございますので、それ自体として答弁を差し控えるのが法務当局としての立場でございますが、一般論ということで申し上げますれば、捜査機関が捜索して押収をいたしました場合には、ただいま委員御指摘のとおり、押収品目録を交付するわけでございます。  この文書の性格は、捜査機関が捜査活動の中でどのような証拠資料を押収したかということを公証すること、すなわちその書類の保管者、所有者等との関係で公にこれを認めまして、捜査の中でそのことを明確にしていく、そういう性格のもので、将来、例えば被押収者の権利の保障を図っていくという性格を持つものであろうと思われます。  そこで、その押収品目録自体でございますが、捜査機関といたしまして、一般的に捜査が現に行われている場合に、どのような資料を捜査官が把握しているかということを明らかにするものでございますので、通常の場合、これは捜査記録の中に含まれるということで、捜査官としては公にすることは差し控えるべきもので、法律上も、刑訴法の規定に基づきまして、公判開廷前に開示してはならない一つの記録の一環たるものというふうに考えられるわけでございます。  そこで、押収品目録を交付された方が、他からこれの開示を求める要求があった場合に応ずるか否かということは、基本的にはもとより押収品目録の交付を受けた者が判断すべきことでございますけれども、検察官といたしまして、捜査中の事件に関しまして押収品目録を開示することについて意見を求められた場合には、検察官の立場、すなわち捜査の内容が関係者との関係にかかわる重要な事柄であることその他の事情を考慮いたしまして、一般的には開示を控えるのが望ましいという意見を述べることはあり得ることであろうと考えます。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 次に、参考人の小村前次官にお伺いをいたします。  このたびの道路公団財務担当理事であった大蔵省OBの逮捕、それから現職の検査官二名の逮捕、これは国民にとっては大変衝撃的なことでございました。私ども社民党の疑惑解明プロジェクトでも、これまで大蔵官僚の接待漬けについてその実態究明をしてきたところでありますが、ある識者は接待漬けの実態について、飲ませる、食わせる、威張らせる、そして抱かせる、握らせる、こういう五せるになっているという意見がございました。また、逮捕後の捜査の進展状況、報道によりますと、むしろこれは官僚の側からたかっておるんじゃないか、こういうことすら思えるわけであります。  そこで、参考人の小村さんにお伺いいたしますが、辞任に至った大蔵不祥事についてどのように考えておられるのか、まずお伺いいたします。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 今回の不祥事につきましては、国民の皆さんに深くおわびを申し上げたいと思います。  大蔵省が過去の不祥事に対しまして職員一同身を律して信頼回復に努めなければならないこの時期にこのような事態が発生したことはまことにざんきにたえません。二度とこういうことがあってはならないというふうに考えております。職員一同、改めてみずからの心に問い直してもらいたいと考えております。  今回、人事を一新いたしまして、後進に道を譲り、職を辞すことになりましたが、職員一同、私の気持ちを酌み取り、新次官と一丸となって綱紀を粛正し、新しい大蔵省に生まれ変わるように精進をしてもらいたい、私は辞任のときにもその旨を繰り返し申し述べました。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 小村参考人の責任のとり方については角田委員からもいろんな質問がございました。その点は私は重複を避けたいと思います。  ところで、あなた自身、今後、身の振り方として特殊法人などに天下るつもりはおありでしょうか。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私はつい先週まで職務に邁進をしておりました。公務員が在職中にやめた後のことを考えながら仕事をするというのはやはり邪道であろうと思います。  私はまだ辞任したばかりでございます。これから先のことについて何らまだ考える余裕もございません。一日も早くこの事態について後輩諸君がきちっとした道筋をつけて問題の解決に当たっていただきたい、このことで頭がいっぱいでございます。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 大変優秀な官僚答弁だというふうに思われるわけでありますが、私は長年の間に蓄積をされた天下りなどの構造的なもたれ合いが今度の事件の原因になっておる、こういうふうに考えるものであります。  ところで、小村参考人、大蔵同友会というOBの組織があることは知っておられるでしょうか。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 存じております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 あなたはつい最近まで次官をされておったわけでありますが、この大蔵同友会がいわゆる大蔵OBの天下りについていろいろな人事をやっておられると、こういうふうなことは実態としてあるでしょうか。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 同友会は単なる親睦団体でありまして、そういうことは一切ありません。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 それでは、日本道路公団総裁、参考人としてお伺いをいたします。  財務担当の井坂武彦理事が逮捕されました。日本道路公団ではごく一部の例外を除いてこの財務担当理事は今日まで大蔵OBがお務めになっておった、こういうことのようでございます。現に井坂さんも元大蔵省金融検査部長であります。  総裁は今度の井坂理事の逮捕事件をどのように受けとめておられるのでしょうか。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) 今般、当公団の経理担当役員が収賄容疑で逮捕され、公団に対する大きな社会的不信を招くとともに関係方面に多大な御迷惑をおかけしたことを極めて重大なことと受けとめ、公団の責任者として深くおわび申し上げます。  公団としては、二度とこのようなことが起こらぬよう再発防止に万全を期し、公団に対する一日も早い信頼の回復と公団の使命達成に今後全力を挙げて努力する考えでございます。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 今回の井坂理事の逮捕はまさに外債発行の主幹事選定をめぐる収賄事件であります。この道路公団の財務担当理事というのは大蔵OBでなければいけないんでしょうか、またその具体的な職務内容はどのようなものでしょうか。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) お答えいたします。  経理担当理事は経理部が所掌する事務を担当することとなっており、その主なものは、公団の予算及び決算に関すること、資金計画の策定に関すること、道路債券の発行及び償還に関することなどとなっております。  公団の行う有料道路事業は、財投資金を主たる財源として行うという性格上、国の財政政策や金融政策ともかかわりを持つものであることから、財務部門を担当する理事にはこれまで大蔵省においてこうした分野に専門的知識、経験を有する人材を受け入れてきたところであります。  しかしながら、こうした人事上の慣行が今回の事件との関係で大きな問題となっていることを十分認識いたしまして、今後適切に対処してまいりたいと考えております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 参考人、道路公団における常勤役員の登用の問題ですけれども、やはり独立した法人であるわけですから、法人内部における人材育成が大事であります。そして、内部登用を積極的に拡大するということも図っていかなければ、本当の意味での再発防止にはならない。  そこで、特に常勤役員の登用は内部起用を基本とすべきだ、こういうふうに私は思っておりますが、総裁のお考えをお聞かせください。

鈴木道雄日本道路公団総裁

○参考人(鈴木道雄君) 今回の事件に関しまして、先生御指摘のような点につきましては私も十分認識しております。役員の人事につきましては建設省との認可事項になっておりますので、建設省と相談をしながらそういった方向で今後考えてまいりたいと思っております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 それでは、大蔵大臣にも何点かお伺いをさせていただきたいと思います。  官僚の天下り問題、いろんな切り口というか論点があるだろうと思います。私は官僚の天下りの弊害というのは行政の肥大化やあるいは非効率化につながる点だろうと思いますし、最大の弊害は何といっても業界との癒着であろう、こういうふうに考えておるわけであります。  さて、大臣、大蔵省OBの特殊法人や特殊会社へのいわゆる天下りの人数や天下り先での役職についてお教えいただきたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) 大蔵省の出身者で特殊法人、特殊会社の常勤の役員に就任している者の人数は四十五法人に五十八名でございます。役職別に申し上げますと、総裁あるいは理事長のポストが八名、副総裁、副理事長が九名、監事、監査役が三名、その他三十八名が理事、取締役でございます。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 それでは、大蔵省金融検査部に在籍したことのある官僚OBの銀行等への天下りの人数等についてお教えください。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○政府委員(原口恒和君) 金融検査部に在職した職員の退職後の職業について、すべての職員について必ずしも網羅的に把握しているわけではございません。ただ、現在、御指摘のような金融機関等のうち銀行及び証券会社についてその公表している資料によりますれば、その役員中四十五名が金融検査部に在籍したことのある退職者が該当するというふうに考えております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 大蔵省の金融検査部に在職をしておった者が銀行等へ天下る、あるいは天下り先で役職につく、さらにはまた銀行の内部調査を行う検査部門に天下るなんというのは、これは私はやめなくちゃいけない、こういうふうに考えております。  ところで、このたびの金融検査官二名の逮捕に絡んで、大変悲しい残念なことでありますが、総務課の金融取引管理官、大月さんが自殺をいたしました。  そこでお伺いいたしますが、現在この逮捕事件に関連して検察庁から参考人などとして呼び出しを受けている大蔵省の者は何名ぐらいおるんでしょうか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○政府委員(武藤敏郎君) お尋ねの点は検察当局の捜査の内容にかかわる事柄でございますので、私どもからのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 最後に、いろいろ今国民的な関心を呼び、同時に国民から大きな怒りを買っております大蔵省OBの特殊法人や銀行等への天下りの問題、このことについて大臣は本来どうあるべきだというふうにお考えになっているのか。さらにまた、公務員倫理法の制定の必要性が大きな社会問題になってきております。社会民主党もかねてより公務員倫理法を制定すべきであるということをずっと提起してまいりました。私は、公務員倫理法との関係では、精神規定や訓示規定だけでは足りないのではないか、もうそろそろ倫理法とはいえ罰則つきの公務員倫理法でなければならないのではないか、こういうふうに思っておりますが、大臣の御所見を最後にお伺いいたしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  大蔵省のOBが特殊法人等の役員に就任した場合においては、これは退職後も公務員として在職しておったときと同じような高いモラルが求められる、私はこういうふうに思っております。  具体的な特殊法人等の役員への就任については何回となく閣議決定がなされておるわけでありまして、その閣議決定等に基づいて行われておるわけでございます。  今回、総理の指示によりまして、天下り問題を含めた公務員制度のあり方についての関係省庁間の検討をするということになっておりますので、その検討状況を厳粛に見守って、そしてきちっと対応していきたい、こう考えておるところでございます。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮でございます。  大蔵省の金融証券検査官などが金融機関から接待を受けて悪質きわまる粉飾検査をやってきたことが明らかになり、大蔵大臣などが辞任に追い込まれました。今、国民の間には、この大蔵省がつくった三十兆円投入計画など絶対に認められない、この声が大きく渦巻いております。当然だと思うんです。なぜなら、政府は、拓銀、山一が破綻した、だから金融不安が起こり、三十兆円の銀行支援策が必要だ、こう言ってきた。ところが、実はその拓銀、山一の破綻が金融機関と大蔵省のいわば共犯の産物だったことが日々明るみに出つつあるからであります。  そこで、まず拓銀をめぐる検査疑惑の問題であります。  きょう、札幌の拓銀本店に捜査が入りました。東京地検の被疑事実によりますと、これまで明らかにされていますように、逮捕された谷内検査官が、大蔵省OBの拓銀顧問らから検査期日及び臨検店舗等の事前漏洩等種々便宜な取り計らいを受けたいなど、そういう趣旨のもとに接待されるものであることを知りながら飲食、ゴルフ等の接待等の供与を受けたその時期は平成六年、一九九四年八月十日ころから平成九年五月九日のころまでの間、このようにあります。この間に大蔵省が拓銀の検査に入ったのは九四年の八月から約二カ月間でありますから、ちょうど同じ時期に接待が始まった、この事実は間違いありませんね。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○政府委員(原口恒和君) 御指摘の時期に検査に入っております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 本来抜き打ちでやるべき検査が綿密ななれ合い、打ち合わせ検査になっていたということであります。  しかも、それだけではありません。逮捕された内検査官から、御希望の検査官はいるか、いれば名前を挙げてほしい、こう持ちかけられて、拓銀が検査官を逆指名していたとも言われております。谷内検査官が接待を受けた時期は、まさに拓銀の経営危機が表面化して破綻へと向かったときと重なっております。バブル期の融資が焦げついて発生した巨額の不良債権が足かせになって、債務超過すれすれ、そのようにされていた時期に検査に手心を加えて不良債権を隠すごまかしをやった疑いが濃厚であります。  その結果、拓銀がどうなったか。私、調べてみまして主なものを挙げてみても、たくぎん抵当証券千二百十二億円、たくぎんファイナンス千六百三十七億円、それから建設・不動産会社のカブトデコムというところは八百五十億円、エイペックス六百二十五億円、リッチフィールド四百五十三億円、東海興業四百七十四億円等々が焦げついて破綻に追い込まれた。  大蔵検査で拓銀の乱脈経営隠しに手をかさずにきちっと報告して対策をとっていれば、さらなる乱脈融資による暴走を食いとめることができたはずであります。それをやらなかった大蔵省は、これはまさに拓銀破綻の共犯者と見られても仕方がないんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○政府委員(原口恒和君) 拓銀の前回検査時点におきましても相当額の不良資産、第Ⅲ分類、第Ⅳ分類について指摘をし、またいろいろな改善を求めているところでございます。  また、いろいろ御指摘のあった個別の被疑事項の具体的な内容については、今後の捜査で明らかになるものと考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 大蔵行政と金融行政の根本が問われている、こういう問題だと思うんです。そこに国民の不信感が生まれているわけでありまして、今の答弁ではあたかも人ごとで、捜査がある、それがやられているんだということですけれども、そんなことで何言っているんだということに国民はなると思うんです。  大蔵省検査で銀行の乱脈経営を見逃して一緒に隠す、いわば共犯関係に至ったために拓銀の傷口がどんどん大きくなったのは、これは明瞭じゃないかと思うんです。その結果が拓銀の破綻であり、税金の穴埋めだと。さらに、これは昨日も質問いたしましたが、その検査の中で脱税の幇助までやっていた疑いが濃厚であります。こういう中で、とんでもない贈賄、脱税銀行から国民へのツケ回しがやられる、こういうことではないかと思うわけであります。  拓銀の破綻は三十兆円投入計画の大きな理由にされてまいりました。まさに一番の原点の一つが何によってもたらされたか。大蔵省の徹底的な責任の究明なしに三十兆円を認めよといっても、これは通用しないと思うんです。  今、問題になっているのは拓銀だけではございません。第一勧銀、あさひ銀行、三和銀行、こういう一連の銀行に対する大蔵省の金融検査が一体どうだったのか、どうゆがめられてきたのか、だれに責任があるのか、そういう事実関係をすべて洗い出すことが私はどうしても必要だと思うわけであります。  そこで、総理に伺いたいわけであります。  この問題を申し上げているのは我が党だけではございません。これらの拓銀、第一勧銀、あさひ銀行、三和銀行といういわば贈賄銀行への金融検査の実態、それに関する資料であります。大蔵省からの検査の報告書、その結果に基づく示達書、それに対する銀行の回答書、こういう資料の要求というのが極めて大事になっているし、これは民友連、公明、自由党、そして我が党の野党四会派が共同で求めているものであります。  総理、この資料要求に政府として応じられるのは当然ではないかと思うんですけれども、御見解を伺いたいと思います。総理にお願いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 正確を期すために事務方からお答えをさせようと思いましたが、わざわざの御指名でありますから私からお答えをいたします。  これは本来、理事会で御論議をいただいた上、委員会としての意思を伝達していただくべき事項であり、本来はそうしたものだと存じますけれども、拓銀に対する検査結果などを公表することは同行の取引先などに不測の損害を与えるおそれがあること、プライバシー侵害の問題が生じることなどのほか、現在、同行の営業譲渡に関する関係者間の具体的な検討が行われており、そのような検討に支障を生じ、ひいては北海道地域の経済に重大な影響を与えるおそれがあることから差し控えたい。  恐らく事務当局はこれをもう少し丁寧にお答えを申し上げたと存じます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 六千八百五十億円の税金投入が大問題になった住専問題、ここにおられる委員の方や国会議員、そして国民もよく覚えていると思うんです。あのときはもう六千八百五十億円ということで、大変な問題ということで資料の提出の要求がありまして、そして紹介融資の実態がリアルに提出をされました。私も幾つかここに持ってまいりましたけれども、こういう資料が実際に政府・大蔵省から出たし、さらには国会法百四条に基づいても資料が提出をされたということがあったわけであります。  あのときもプライバシーの問題があった。そして、これを明らかにすることに対するさまざまな影響の問題も検討されたと思うんです。にもかかわらず、問題の重要性ということを考えてそういう御判断があり資料が出された。同時に、その際にはプライバシーの保護の観点から扱いは厳重に注意しようではないか、そういうことでお願いしたいという当事者の要請も含めて出された資料がいっぱいあったわけであります。  今それよりもはるかに大きい三十兆円という国家予算の半分近くのそういう規模の仕組みを提案しているときに、そしてまさにそういう仕組みをつくった、その案を出した大蔵省をめぐって大変な疑惑、問題が明らかになっているときに、そういう資料を出しもしないでどうしてこの一連の真相解明ができるか、そして三十兆円の問題が議論できるか、こういうことではないかと思うわけであります。  私は、それもやらずに癒着の結果である破綻の穴埋めを国民の税金でやる、そういう法案を通すなどは絶対に国民は納得しない、こういうふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は非常に冷静にお答えをしたいと存じますけれども、今まさに北海道拓殖銀行が倒産、営業の破綻を来し、道内で北拓を信じて取引をしてこられた方々の中に大きな不安が走りましたものを、少なくとも北海道内における営業が北洋銀行に営業譲渡されるということが決まり、みんながある程度ほっとしたところであります。しかし、その細部は今まさに話し合いがなされているところと私は承知をしています。  北海道内には長い北拓の歴史の中で、預金も、また自分の仕事に必要な資金も北拓を利用してこられた方々がたくさんあります。そして、その方々の仕事に不安を与えないような譲渡の話が今進んでおりますときに、これに妨げを起こすようなことが私はあってはならないと思います。先刻事務方が他の議員の方に対し御同様の御質問を受けたときにお答えをしたのも恐らくそのような事情からだと私は思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私も北海道に何度かこの拓銀問題で足を運びました。道民の皆さんや中小企業の方からそういう御意見も聞きました。まさに乱脈融資、そういうことをやった経営者、そしてまたそれと一緒に不良債権の問題で隠し立てをする、ごまかすような検査をやった大蔵省、その被害者が道民や中小企業の方なんですよ。  そういう問題についてまさに道民の皆さんが望んでいるのは、真相を解明してほしい、そして本来の金融機関のあり方、地域に根差して公共的な役割を果たすような形で、そういうものとしてきちっとした道民に本当に信頼される金融機関を確立してほしいということだと思うんです。そのためにもこの資料要求は絶対欠かせないと私は申し上げたいと思うわけであります。  次にもう一つ、拓銀とともに三十兆円投入計画の理由、口実にされてまいりました山一証券の破綻と大蔵省の責任について伺いたいと思います。  山一証券がなぜ破綻に陥ったか。その大きな要因となったのが二千六百億円もの簿外債務を抱えてそれを隠し続けてきたことであります。問題は、二千六百億円もの簿外債務がなぜできたのかということだと思うんです。その重要な一因が、飛ばし取引によって顧客に生じた損失を山一がかぶって、そしてそれを今度は簿外で処理したからであることは明白ではないかと思うんです。それとも、簿外債務には飛ばし取引の損失補てんは一切入っていない、このようにはっきり言えるでしょうか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 山一の二千六百億の含み損、簿外債務につきまして、その内容の解明は今証券取引等監視委員会等によって進められておりますけれども、仰せのとおり、飛ばし取引にかかわるものをペーパーカンパニーという形で山一証券がロスを負担し、そのまま簿外処理をしたということが問題であろうと考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 可能性がある、そして実際にあると。入っているのは当たり前です。  問題はなぜこんな違法な処理がやられたかということであります。一月三十日の日経新聞で、一九九一年から二年にかけて、当時の山一証券三木前副社長が大蔵省の松野証券局長に報告したところ、一部の顧客企業の損失の簿外処理を指導されたということが書いてあるわけであります。しかも、それだけではありません。国内だと大蔵省が検査の際に調べざるを得ない、外に持っていったらどうかということまで指導されたと言っております。  昨日、この問題で長野証券局長は、実際に松野元局長に確かめたところ、山一証券から顧客とのトラブルについて話があり、基本的には当事者間の裁判、訴訟によって解決されるべき問題だという指導をしていたし、山一にもそう伝えたと本人が言っているという形で答弁をされました。  そこで伺いますが、当時問題となっていた山一と顧客、具体的には大手百貨店、名前が挙がっておりましたが、この大手百貨店との間のトラブルの内容というのはどういうものだったんですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 大手百貨店であるかどうかは定かでございませんけれども、顧客との間でその損失をめぐる争いがあるという話を聞いたということでございました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 どういうトラブルだったんですか。もう少し具体的に言ってください。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) これはトラブルがあるという話までしか聞いておりませんので、どういうトラブルかはわかりません。  今日現在、先般、例えば山一証券に対しましてはある出版社から債務につきましての訴訟が起こされておりますけれども、株式取引をめぐっての損失につきまして、顧客が負担すべきか証券会社が負担すべきかという争いであろうと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 どんなトラブルかは承知していないという、そんな答弁じゃだめだと思うんです。  ここに、山一証券が平成九年十二月十一日、衆議院の予算委員長に出した、松永大臣に出したこの文書の中で、いわゆる飛ばし取引の受け皿となった相手先約十社の名称及び金額ということで、九一年当時、大手百貨店側に二百六十四億円の損失があったと。その穴埋めをどうするかということが、損失があったということが書いてあるんです。  その穴埋めをどうするか。山一がかぶれば損失補てんになるということで、百貨店が裁判に訴えるとまで言っていたことは多くの証言が明らかにしているところであります。その処理について、山一側はまさに当時の証券局長に相談をしてあうんの指導を受けたというわけでありますが、長野局長の答弁では、裁判でと言ったということであります。  それでは、このトラブルについて実際に裁判になったんですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 百貨店のケースは訴訟案件の中には含まれていないと存じます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 まさに裁判になっていないわけであります。つまり、山一の側が損失をかぶったからだと。要するに、違法な損失補てんまでやって簿外債務に持っていったということだと思うんです。  現実には松野局長の指導したとおりの結果になっているのじゃないですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 松野証券局長に確認いたしましたところ、損失の簿外処理を指導したことはないと言っておりますし、松野証券局長は、海外で簿外処理をしろと言ったのではないかといった取材を受けたことがあるが、それはあり得ないと答えたということでございます。  私が就任しましてから一年半、三木社長の時代がございましたけれども、今回報道されているような事柄を示唆するようなことは一度も聞いたことがございませんでした。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 当委員会の平成九年十一月二十七日、まさにこの問題も含めて審議が行われておりまして、行平参考人、前会長が出席をしてこの問題で答えております。  簿外債務の問題、「平成三年暮れのぎりぎりのところでいわゆる関係者、簡単に言えば主要閣僚ですけれども、」、閣僚ということなんですけれども、ここに書いてありますが、「その辺ともいろんな議論を交わしてということは覚えております。ですから、多分そこでやむを得ないなということになったと思います。」、ここまで言っているんです。  知らないなんということで通せるのですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) いずれにいたしましても、山一証券におきまして巨額の含み損を簿外処理したということは現実の事実でございますので、その発生過程を含めまして、現在、証券取引等監視委員会あるいは捜査当局も含まれているだろうと思いますけれども、私はその発生の過程まで含めて実態の解明に当たっておると考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 簿外債務があった、それが問題の二千六百億円でありますが、大蔵省は山一の簿外債務問題について自主廃業の数日前に知ったと。局長は十一月十七日に知ったということで言われたわけであります。そして、九三年と九五年の検査のときには見逃してしまったと言いわけしております。  しかし、今伺ってきて非常にはっきりしたと思うんですけれども、裁判にならなかった、そして一連のそういう経過から見ても、少なくとも当時の証券局長は簿外債務を当時知り得た立場ではなかったのかと。これはもう知らなかったでは通らないと思うんですけれども、それでも、知らなかったし、そういう引き継ぎも長野局長は受けていないとあくまでおっしゃるわけですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) 今引き継ぎというお言葉がございました。私は当然気になることでございますから、松野から私までの間に二人証券局長がおりますけれども、そんな引き継ぎを聞かれたことはございませんかということは問い合わせました。この二人の局長もそういうことは全く聞いたことがない、こう申しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 あくまで知らなかったということでありますけれども、経過から見たら非常にはっきりしていると思うんですよ。  ちょっと加えて伺いたいんですが、これは証券取引等監視委員会でも調査をやっているし、そして捜査当局においても必要な捜査が行われていると想像しているということを言われました。捜査当局の捜査ということまで言及されたんですけれども、具体的にはどういう捜査で、どういう法に違反するということについてされていると承知しているのか、想像されているのか。いかがですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○政府委員(長野厖士君) これは山一証券自身が自主廃業を発表いたしました十一月二十四日に弁護士が同席して発表いたしておりましたけれども、そのとき山一証券の弁護士自身から、法令違反の可能性として粉飾決算、特別背任、違法配当、損失補てん、この四つの条文に照らして問題がないかということを山一の弁護士が発表しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 大蔵大臣、こういう問題について、検事もされていたということも含めて、今は大蔵大臣でいらっしゃいますが、どういうようなことを感じていらっしゃいますか。どういうふうに対処なさるか、今の問題を聞いていらして。所見をお願いします。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  先ほど証券局長の答弁の中にもありましたけれども、この問題は証券取引等監視委員会が特別検査をやっているところですね。あわせて、今の局長の話によりますというと、捜査当局も調べておるようだということであります。したがって、そうした特別検査とかあるいは捜査当局の捜査とか、これによって真相は解明されるだろう、そう私は期待をしております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 捜査当局の問題は捜査当局、そして大蔵は大蔵としてきちっとこの問題はみずからの問題として解明をしないといけないというふうに思うわけであります。そして同時に、当事者である山一側と大蔵省の見解の食い違いがある、当事者から証言を聞かなければ真相を解明できない。まさに証人喚問が必要だと思います。  いわゆる金融不安の発端となった拓銀とともに、山一の破綻まで大蔵省の深い関与による事実上の共犯関係でやられた。それが最大の口実にされているもとでこの問題をはっきりさせずに三十兆円の支援策を一気に通そうなどというのは絶対に通用しない、うみを徹底的に出し尽くすことが何よりも重要だと思うわけであります。銀行、大蔵汚職の徹底究明なくして三十兆円の銀行支援は言語道断だと、このことを重ねて申し上げて、私の質問を終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、星野朋市君の質疑を行います。星野朋市君。

星野朋市自由党

○星野朋市君 まず、小村参考人にお伺いをいたします。  小村前次官は、大蔵省に御就職以来長いキャリアの経歴の中で、いわゆるMOF担、一般の人はよくわからないと思うんですが、要するに大蔵省担当の銀行、証券、生保など金融機関の担当者、このMOF担と相当な接触をなさったと私は思うんですけれども、小村さん自体から見て、このMOF担は要するに使命感に燃えていたかどうか、どんな御感想をお持ちかお聞かせ願いたいと思います。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私は昭和三十八年に大蔵省に入りまして、主として主計局に勤務してまいりました。その間、四回他省庁にも出向いたしました。  いわゆるMOF担と称する人と接触する機会は実はございませんでした。したがいまして、どのような職務のやり方とか、そういう呼び方の職員がどういう人であるかということも実は私には最近までわかりませんでした。したがいまして、ちょっと私の経験からそういうお話をできないということはまことに申しわけございませんが、私の聞いた知識は、各金融機関におきます企画部というところが全体の金融機関の戦略を練る機関の窓口役として大蔵省と接触をしていたというふうな知識しかございません。

星野朋市自由党

○星野朋市君 私としては非常に珍しい方だと思っております。  それで、小村さん、今度のいわゆる大蔵省の不祥事、いわゆる賄賂とも認定されるような過剰接待、それからもう一方は守秘義務の違反ですね。この過剰接待の実態というのを、お聞きになっていると思うんですが、これは非常に異常なことだとお思いになりますか。

小村武前大蔵事務次官

○参考人(小村武君) 私は起訴事実を見まして愕然といたしました。私ども考えてもみない、想像もできなかったことが起訴事実として掲載をされておりました。

星野朋市自由党

○星野朋市君 これ以上お聞きしても、御接触がなかったということでは余り踏み込んでお聞きするわけにはいきません。  それから、私の後で小村さんを参考人要求しているところがないと思いますので、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。  それでは、総理にお伺いをいたします。  私は主として大蔵の行政というよりも内閣のこれからの政策についてお聞きをするわけでございますけれども、何回かここでも発言をいたしまして、もう耳にたこができていると言われればそれまでですけれども、財政構造改革法が通って、突如として二兆円の減税をおやりになる。  先月の予算委員会で申し上げましたけれども、公的資金は住専と信用組合以外には使わないと言っておきながら、ここで三十兆円といういわゆる公的資金による金融機関救済、正確に言えば十七兆は預金者保護でありますけれども、そういう仕組みをお考えになる。それから、この三十兆円の仕組みの問題を控えて大蔵省は、去年の暮れまで二十一兆ないし二十二兆と言っていた不良債権を突如として一月十二日に問題債権七十六兆七千億と発表してきた。  さらに、ここで平成九年度の補正予算にめどがついてきたと思われる時期に自民党のしかるべき人たちがあちらこちらで次なる景気対策を公然と公表し始めた。六兆円の景気対策しかり、それから既に忘れてしまっているかもしれませんけれども、先月には、二月二十日をめどにして簡易保険による株式の買い上げであるとか、それから優先株の発行を東京三菱を第一番にするという案を撤回して主要銀行十二行に全部一律にやる、こういうような口先介入というのが公然と行われております。昨日の日経の夕刊には、就任したての松永大蔵大臣までもがこれを肯定するかのような御発言をなさっておる。これはまさしく橋本内閣の今までの政策の大転換じゃないかと私は思うんです。  財政構造改革法に縛られながら、このくびきから逃れられない橋本総理がどういうふうにこの矛盾というのを乗り越えていかれるのか、改めて御見解をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、財政構造改革法の御審議をお願いし、将来に向かってこの国の財政構造を改革し、安定させていく必要性があることを訴え、これを成立させていただきましたことは既に御承知のとおりであります。そして、平成十年度の予算案をこれから御審議いただきますに際し、また改めて御議論があるかもしれませんけれども、この財政構造改革法の精神を受け、その第一歩として予算編成を行いました。  同時に、ちょうどASEANプラス3の会合、ASEANプラス1の会合、十二月にございましたクアラルンプール会合から帰国をいたしました翌日、特別減税の実施を公表し、与党にもまた政府部内にも諮りこれを実行したいと公表をいたし、この点は本院には心からお礼を申し上げますけれども、本当に二月一日にこの施行が間に合いますぎりぎりの時点で賛否を別にして本院として議了をしていただき、成立をさせていただいた。おかげでこの特別減税が二月から動くようになりました。これはお礼を申し上げますとともに、まさにそうした位置づけの中で、クアラルンプールにおけるASEAN首脳と私の非公式協議等の中から私なりに必要と思った手段を採用したということも、これはそのとおりであります。  また同時に、今この金融システム安定化のために二本の法律案を御審議いただきたいと国会にお願いをしていることも事実であります。その中身は、十兆円の国債を交付する、そしてその中の七兆円は預金者の保護のために使われる部分であり、これは特別保険でもっても賄い切れない場合に、申し出によって現金化し預金を保護する。預金者に御迷惑をかけないための仕組みであることはもちろんでありますし、そのほかに十兆円の政府保証をこの部分に用意いたしております。  また、先刻も一つの例として、北拓の破綻後の北海道経済とこれを受けとめていただいた北洋銀行のお話に触れましたが、北洋銀行が営業譲渡を受ける北海道内の北拓のシェアは大きなものでありましたから、当然ながら北洋も自己資本の充足をしていかなければなりません。これは一つの例でありますけれども、こうした部分に対し三兆円の国債が充当され、また十兆円の政府保証枠を用意している、いわゆる三十兆円の金融安定化システムというものを用意していることも事実であります。  私は、財政構造改革という中期の目標と、今必要だと思う、国政上といいますよりも国際経済もありましょう、経済情勢、金融情勢、さまざまな要因の中で財政、税制、さまざまな措置を臨機応変にとりながらこの時期を乗り切っていく、そういう努力をすることが許されていないとは考えておりません。

星野朋市自由党

○星野朋市君 他の委員会のことに触れるのはちょっと私も気が引けるんですけれども、一月三十日の財政・金融委員会におきまして、今度の二兆円の減税が国税で約一兆四千億円、それから地方税で六千億円。国税の一兆四千億のうち約一兆円というのは平成九年度、それから残りの四千億は平成十年度。それから、一般の人が誤解しているといけないんですが、この二兆円の減税というのは、実は平成十年度の所得税の減税であるということの御認識をもう一度改めてしていただきたいということであります。  それで、そのときにルービン・アメリカ財務長官及びバシェフスキー通商代表部の代表が日本の対策はまだ不十分であるという発言をなさった。そのことを総理にお聞きをいたしましたら、先ほどはASEAN、それからAPEC、こういう外国へ行ったときのいわゆる各国の反応を見て二兆円の減税を考えたと、こういう強い御意思があったにもかかわらず、今度は特定の国の特定の人間の発言に対してはコメントできないというお答えがありました。こういうような矛盾したことがしばしば今行われていると、私は強くその問題点を指摘しておきたいと思います。  そして、今回のこの景気対策については、自由党は、本日、野田幹事長の名前をもって見解を発表いたしました。その一部でございますけれども、読み上げさせていただきます。   財政構造改革法の廃止、橋本内閣退陣という前提がなければ成り立たない議論である。   財政構造改革法を廃止するとすれば、昨年末に臨時国会を何のために開いたのか、野党の強い反対を押し切って法案を成立させたのか、橋本内閣の政治責任を明確にしなければ成り立たない性格のものである。   今国会に提出されている九八年度本予算案は、財政構造改革法に基づいて編成されている。しかるにその審議の始まる前から政府・与党がその補正を云々することは、九八年度本予算案が欠陥予算案であることを自ら公言するものであり、審議を進めることはできない。 これは一部でございますけれども、こういうような見解を発表しております。  総理、もし御見解がございましたら。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、私は一つちょっと、これは質問者に確認というのは大変失礼な言い方でありますけれども、その三十日にバシェフスキーUSTR代表並びにルービン財務長官の見解に対し私に見解を求められたという御質問を受けました。今一生懸命記憶を手繰っておりますが、少なくともバシェフスキーさんとかルービンさん、私もよく存じ上げている方々でありますけれども、その発言について御質問を受けたという記憶が実はございません。後ろを向いて秘書官にそういうやりとりをしたっけと言って聞いたんですけれども、秘書官たちもさてということでございました。ただそれは、そのことがいい悪いではございません。  今、議員から提起をされております御議論は、平成九年度の補正予算案、そして平成十年度の予算案を提出している政府自身が欠陥予算であるかのごとき言辞を弄することはいかんと。  私は党は政党としていろいろな考え方はあり得ると存じます。しかし、政府としては、今、全力を挙げて編成をいたしました予算案、補正予算並びに十年度予算の御審議を願いたい、そして関連する税法等も一日も早く成立をさせることによって、市場に空白を生じないような状態にぜひ院の御協力を賜りたいということを繰り返しお願いを申し上げております。  そして、政府としては、この予算案を四月一日、すなわち平成九年度から十年度にわたる時期に財政上の空白を生じないように全力を挙げて御審議を願い、御理解を賜ることが我々の責任だと考えております。税制についても同様であります。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それは三十日の財政・金融委の議事録を御確認いただければわかることであります。  それから、環境庁長官においでをいただいておりますのはほかでもございませんけれども、国民生活に非常に関係のあることでございますので、大蔵行政から少し離れた問題で質問をさせていただきたい、これをお許し願いたいと思います。  日本のエネルギー計画というのは、今から四年前に一次需給計画が改定をされまして二〇一〇年までのエネルギー計画が策定されておりますけれども、これは策定された時点から私は根本の想定計数に間違いがあると主張し続けてまいりました。それが明らかになりましたのは、エネルギー庁がつくった二〇〇〇年の日本のエネルギー需給計画は石油換算で三億八千八百万キロリットル、何と一九九五年度に日本は五年も前倒しで三億八千七百万キロ使ってしまったんですね。これは京都の会議で環境庁長官が議長を務められて、各国の削減目標をつくられるときに最も困難な、日本自体がそうなんですから、困難なファクターだったと思うんです。さすがにエネルギー庁はここに至りまして長期需給見通しの改定をすることになりましたね。何と二〇一〇年の日本のエネルギー需給は石油換算で四億五千六百万キロから四億キロにしたんですよ。  皆さん、考えてみてください。一九九五年からたった一千三百万キロの増加にしかすぎないんですね。これからどれだけ省エネ、新技術をやらなくてはならないか。CO2の発生は一九九〇年並みに抑える、さらにそれから削減するという国際公約、これはおろそかにできるものではないと私は思います。  環境庁長官、この問題についてどういう御見解をお持ちか、お聞かせを願いたいと思います。

大木浩自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大木浩君) エネルギーの需給見通しについては、今おっしゃいましたように、通産省にもお願いいたしまして見直しをしていただいております。  今度の京都会議では、日本あるいはアメリカ、EUそれぞれに相当に厳しい目標を設定いたしました。これは今後、日米、EUその他先進国ばかりではなくて、いわゆる開発途上国についても早晩協力していってもらって、全世界的にこれからひとつ地球温暖化防止の対策を進めなきゃならぬということでございますから、正直に申し上げまして、日本の六%も非常に厳しい目標ではございますけれども、十分にいろんな状況を勘案して、目標年次でございます二〇〇八年ないし一二年、この間には何とかして達成する、できるという信念のもとにいろいろと計画を進めておるところでございます。  今お話のございました需給計画につきましては通産で目下検討中でございますから、もし必要でございましたら、具体的にエネ庁の方から御説明をいただきたいと思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 終わります。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で星野朋市君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 朝来お疲れでございましょうが、しばらくおつき合いくださいませ。  私は、けさほどの新聞報道に基づいてお尋ねいたしたいと思います。けさの新聞なものですから、質問通告がなかったこと、非礼はお許しいただきたいと思います。  実は昨日、全国銀行協会会長の交代がございまして、新しい会長が記者会見をいたしております。その中身がけさほどの新聞で報道されておりまして、総理、大蔵大臣、ごらんいただいたとは思いますけれども、正確を期するために中身をちょっと披露しておきたいと思います。  簡単な記事ではございますけれども、接待について聞かれた際に、新しい会長が「接待は認める」と、まずこういう見出しがついておりまして、「接待内容については「社会通念の範囲内で過剰ではなかったと思う」と釈明した。」と、こういう記事でございます。要するに、今問題になっておるような接待については社会通念の範囲内であるというふうな認識に立ってのお言葉だろうと、こういうようにしか思えないわけであります。  日本語の接待ですから、一杯のコーヒーとかあるいは千円程度の弁当などは接待とは言わないわけでありまして、やっぱり一席を設けてそこに来ていただきまして酒席をともにする、それを日本語では接待と、接してはべるわけであります。銀行の頭取さんあるいは幹部級がやる接待ですから、やっぱり一流の料亭で一回に三万、五万、時には十万ぐらいかかる、こういう新聞報道がされております。  こういう事実を踏まえて、新しい会長さんは、しかし一回か二回ぐらいなら、あるいは数回ぐらいなら社交的儀礼の範囲内ではないのか、こういう感想を述べられたのだろうと思います。もちろん本人に聞いてみないことには何とも言いかねるわけでありますけれども、しかし今の事態を大変軽く見ておられることは間違いないと思います。  銀行というのは大蔵省の監督下にある免許事業であります。それが監督を受けている者が監督している者を呼んで、一回といえども三万、五万、十万程度のごちそうをする。仮にこれを現金で、どうもいつもお世話さまでございますと言って三万、五万、十万円を差し出したら、だれが見ても明らかにこれはわいろだと言うに違いないと思います。  同じように、現金がだめで接待がいいなどという理屈は一切ございません。それから、一、二回はいいだろう、こう言い出しましたら、じゃ三、四回もいいんだなと。五万、十万がよければ、じゃ二十万ぐらいもいいのかということで、今までの例としてこういうことがずっとエスカレートして最後は司直の手が入る、こういうことにもなってきたわけであります。  新しい会長さん、今までの方とかわった方は東京三菱の頭取さんで岸という方でありますが、大変心得違いも甚だしいのではないか、こういう事態を何と考えておるのかと、こういうふうに朝からちょっと私は憤慨しておるところでありまするが、総理並びに大蔵大臣、この新会長のコメントにつきまして御所見をいただければと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 実はきょうそこまでの記事を読んではおりませんでした。他の問題の方に目が行っておりまして、新しい会長さんの談話というのは存じません。  その上で、ただいま議員が御紹介をいただきましたものを聞き、私自身が多分けげんな顔をしながら承っていたと思います。今、大蔵省自身と金融業界がどういう世論の中にあるのか、そういうことを十分に御認識であれば、おのずから私のお答えは違ったであろうと、今率直にそんな印象を持ちました。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  今の接待の問題でございますが、委員のお話のとおり、数万などという接待はいかがなものかなと、私はそういう考え方です。それは社会の通念を超えているんじゃないか、そういうふうに私は思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 元検事らしからざる、何かちょっと奥歯に物の挟まったようなお答えだったなと思います。数万程度といいましたら、じゃ五万円はどうだとか、三万円はどうだとか、すぐそういう議論が出てくるわけであります。監督を受けている者が監督をしている者に対して一回たりといえども接待などはやるべきではないということをきちっと実は言っていただきたかったのであります。  いずれこの新会長が大蔵大臣のもとにごあいさつということで参るかと思います。その場合、彼をつかまえましてこの発言の真意を確かめまして、そして一体何なんだと、みんなこうやって国民が大騒ぎをしているときにこういう不謹慎な発言はすべきではない、あなたはもう銀行会長の資格はない、速やかにおやめになったらどうかというぐらいのことまで申し上げていただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  数万などというのは、これは社会通念とは言えない、こう申し上げたわけでありますので、御理解願いたいと思います。  それから、今の時期でありますから、先ほど委員御指摘のように、もし新会長さんが私のところに、おいでになるかどうか知りませんけれども、おいでになったならば、この時期においてああいう考え方の発言は極めて不謹慎、改めていただきたいと申し上げたいと思っております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 大蔵省の不祥事なるものが次から次に後を絶たない、大変情けないことだなと。役所中の役所、官僚中の官僚としてこの国を引っ張っているのは我々だ、こう言うぐらいの気概を持って頑張っておると思ったら、案に相違して接待漬けである、大変嘆かわしいことであろうかという気がいたします。  なぜこれが終わらないのか、やまないのか。身内をかばうとかキャリアに優しいとか、いろんなことがあってなかなか後を絶たない。下の者はそのキャリアを見習ってまたこういうことを繰り返すというふうにも言われております。  私はキャリアの問題としてちょっと取り上げさせていただきたいと思いますけれども、二、三年前に田谷・中島事件というのがございました。  中島元主計局次長、これが何かいかがわしい方々から接待を受けたりお金をもらったりと。何と数千万円の資金提供を何人かから受けていた、こういうことがありまして結局責任をとるような形で引責辞職をしたわけでありますけれども、これにつきまして本人は問題になった暁に自分は税のことは知らない、申告していなかったんだ、こういうことを言いまして、その弁解を大蔵当局は受けたのかどうか知りませんけれども、告発することなしにこの事件を修正申告させるだけで終わらせてしまった、こういうことがあります。  その理由、私は当時から知りたかったわけでありますけれども、つい昨年になりますと今度はプロ野球選手の脱税問題が起きまして、彼らは何をしたかといいますと、三千万、四千万程度の架空の経費をつくって税を浮かせた。浮かせた税額はというと、千二、三百万円であります。この中島ケースと今回のプロ野球選手のケースとを比べてみて一体どちらが悪質か、こう言えば、言うまでもなく税に詳しい、いかに税のことを知らないといってもプロ野球選手よりは多少は知っているんだろう、こう思いますが、やはり内部にあった、大蔵の高級官僚であった中島氏の方がより悪質ということは間違いない。  ところが、中島氏の方は修正申告をしただけで終わって告発までは至らなかった。一方、プロ野球選手は、御案内のとおり、告発、起訴、裁判。しかも、球界もこれを厳しく受けとめまして、出場停止にするとか謹慎を命ずるとか、そういうことをやっております。全然バランスがとれていない。  大蔵大臣は政治家にしてかつ法律家なものですからこれはおわかりと思いますけれども、法のもとの平等という観点から見て、この行政はどうお考えなのか。片一方の身内には甘くて、一方、プロ野球選手、年の若い将来性のある者を遠慮会釈なく告発して刑罰を科しておる。こういう政治、政治というか行政のやり方につきまして、大蔵大臣の御所見、いかがでございましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  今御指摘の問題、法のもとの平等ということには反していると思いますし、極めて不適切な措置であったいうように思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 大変心強いお言葉、答弁でございました。  そういう観点から、なぜ中島ケースが告発までに至らずして終わったのか、そのことをもう一回再調査を命じていただければありがたいと思います。  そして、プロ野球選手もこの私の質疑を聞いて、あれ、何で我々だけがやられているのか、そんな悪いやつがいたのか、じゃ一緒くたにしてほしい、こう考えるのは無理からぬことだろうと思います。時効その他の問題もございましょうけれども、やっぱり国民感情といたしまして、若い将来性のあるプロ野球選手を遠慮なく告発しておる、そして片や身内をかばっている、こういう大蔵行政を一体どういうように考えるのだろうかなと、私も本当に心配しておるわけであります。  どうか、これからよろしくこの問題をほじくり返すというか、大変恐縮ですけれども、もう一回再調査していただければ、(「法務省」と呼ぶ者あり)法務省法務省と今何も知らない人が言っておりますけれども、法務省にまたがっていくのは告発をするかしないか、そういう相談でありますから、法務省の問題ではなくて、これは告発まで全然至らなかった、査察も入れなかった大蔵省独自の問題でありますから、なお誤解のないようにしてください。  以上でございます。  終わります。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のように、身内に甘いということは御指摘のとおりの結果になっておると思います。よく調査をさせたいと思っています。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 次に、山口哲夫君の質疑を行います。山口哲夫君。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫です。  私はたまたま昨年十二月二日の大蔵委員会でこの大蔵不祥事の問題を実は取り上げました。随分あちこちで大蔵不祥事があるということが報道されているけれども、当時、三塚大蔵大臣でしたが、そういうことがあるんですか、監督する立場の者が監督される側から接待を受けている、こんなことは許されるべきことではない、そんなことがあるのかと聞いたら、三塚大蔵大臣はそういうことはありませんとはっきり言っておりました。しかし、その後現実にこういう問題が起きたわけであります。  今も質問がありましたけれども、本当に監督する立場にある者が──大蔵省だけじゃないですよ、これは。通産省だって農水省だって、もうほかの省庁にも全部関係する。監督する立場にある者が監督される立場の人たちから接待を受けるなんということは、これは社会通念、常識で考えられないことです。  今、大蔵大臣は数万円であれば、それ以下ならば何か社会通念のその中に入るのでないかと言わんばかりの答弁をされました。普通、数万円というのは大体六、七万円くらいのことをいうのでないですか。今の大蔵大臣の答弁からいうと、まず五万円以下のものならこれはいいんだというふうにもとられるんです。そんなことでいいんでしょうか。私は、一万円でも二万円でも、接待というものはやっぱり禁止するべきだと思う。  大蔵大臣、そのことについてどう思いますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  誤解のないように申し上げますが、先ほどの佐藤委員の質問に対して、質問されたような事態は社会通念に反する、こう言ったわけでありまして、二、三万ならいいとか、それ以下ならいいと言ったわけではありません。監督をする人に対して監督される人が接待するということはこれはよくない、こういうふうに思います。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 これまで随分こういう問題について質疑が交わされておりますけれども、そのたびに官僚の答弁を聞きますと、非常に問題のある答弁をしているわけです。一口で言えば程度の問題だということをよく言うんですね。社会通念の範囲内ならばと、そういう程度の問題だと言うんですけれども、私は程度の問題ではないと思うんです。一度たりともそういう立場の人たちから監督する立場にある人間が接待を受けること自体、非常に問題がある。結局はこれが最終的に犯罪行為に結びついていくわけでしょう。  そう考えたときに、私はこれは大蔵省だけにとどまらず、各官庁におかれましても、監督にある立場の者が監督される立場から一度たりとも接待を受けたり、ゴルフの接待を受けることは断じて許すべきではない、そのことをはっきりとここで約束していただきたいと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の議員のお話を伺いながら、ちょっと私はひっかかった部分があります。私は確かに議員が言われるような意味での接待というものには問題があると思います。先ほども佐藤議員に対して同様のお答えをいたしました。  その上で、例えば私の友人の中にたまたまこういう仕事をしておりまして、世間的に見れば何らか違った立場にとられるかもしれない。例えば閣僚とその役所に関連する企業。私、過去を振り返ってみましても、例えば中学、高校時代あるいは大学時代の友人と食事をともにしたことがありますし、ゴルフ場を回ったこともあります。あるいは就任祝いでごちそうしてやるよと言われて、ありがとうと言ってその仲間の連中にごちそうになったことも確かにあるんです。  ですから、私は議員のおっしゃる原則は大事だということを否定いたしません上で、やはりそうした問題は本来はみずからが律すること、ルールで決めるべきことは基本としてきちんと決めなければ今やもうどうにもならぬと本当に思って倫理法の問題を今提起いたしております。  内容的な議論についてはいろいろな角度からの御議論をいただきたいと思っております。本日も、例えばやってはいけないことを列記するのか、あるいはやっていいことを列記するのか、法体系自体でも私自身悩んでおりますということを正直に御答弁申し上げたのもそのような思いであります。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 それならば、これから公務員の倫理法をおつくりになるのでしょうから、今申し上げたように、その中に少なくとも監督の立場にある者が監督される立場にある者の接待を絶対に受けてはならない、そういう趣旨の規定をきちっと入れてもらいたい、そのことを強く要求しておきたいと思います。  それから、MOF担の問題ですけれども、大体毎日のように大蔵省に出入りをして、そして接待攻勢をして情報をとる、これがMOF担と言われているのですけれども、こういうものはやっぱり禁止するべきだと思うのです。もう既に銀行協会の会長が、金融自由化の時代を迎えるに当たってそういうものはやめた方がいいかもしれない、検討すると言っておりますから、新大蔵大臣としてはそういうものは禁止するということを約束してもらえませんか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。  議員仰せのとおり、接待して情報をとる、接待して物を頼み何かいいことをしてもらう、これは絶対許されないことであります。これはもう禁止する法律は既にあるわけでありますから、そういうものだというふうに思います。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 実際にはMOF担と言われる人たちがそういう接待攻勢をしているんですよ。これはもういろんなところで言われていることなんですから、今さらそういうような御答弁をされないで素直に、銀行協会の会長がもうやめましょう、検討すると言っているんですから、大蔵大臣の方から積極的にそういう誤解を招くようなMOF担はやめるべきであるということをはっきりとひとつこれから検討していただきたいと思うんです。約束をしていただきたいと思います。  どうですか、答えられますか。きちっとやめるということを答えてください。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) MOF担というのは、私、この一、二カ月前にそういうのがあるのかということを知ったようなわけで、大変申しわけありませんけれども。  ただ、MOF担というのは大蔵省でつくったのでもないし認めたわけでもないわけなんでありまして、銀行協会の方でやめるということは大変結構なことだと思っております。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 大蔵省でつくっていないということぐらいはわかっていますけれども、実際に大蔵省がそのくらいの厳しい態度でもって当たらなければなかなかなくならない。それで申し上げている。  さて、きょう人事院の総裁においでいただいたんですけれども、公務員の天下りの問題で非常に大きな問題があります。  今、国家公務員法、特に人事院規則によりますと、退職する五年前までについていた仕事に関係する企業については退職してから二年間は就職ができないというんですけれども、時間がないから余り詳しく申し上げられないんですが、実際に検査官の人が証券会社に天下りはできない、ところが証券会社でなくて同じ系列の中にある商事会社に天下っているわけですね。そして、その商事会社に天下った人が実際に何をやっていたかというと、これは証券会社の社員のような立場で大蔵省の検査官とかそういう人たちの情報をとったり接待をしたり、そういうことをしているわけです。  ですから、天下りの規定そのものを厳しくする必要があると思うんですよ。少なくとも仕事に関係した企業と同じ系列にある会社の中には天下ってはいけないというくらいのことは厳しく人事院規則で決めたらいかがでしょうか。総裁、どうですか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 御指摘のようなことが事実だとすると、まことに遺憾だというふうに言わざるを得ないと思います。  ただ、そういう事態を防止するためにどういう方法があるかということを考えてみますと、私は二つあると思います。一つは、先生が今おっしゃいますように制度を改正して、関連の子会社あるいは系列会社に就職する場合に人事院が全部審査するというやり方があると思います。しかし、その場合には非常に膨大な審査件数になりますので、人事院に一つ審査局でもつくってやらなきゃならないということになると思いますが、それは今の行政の流れからいって私はとるべき方向ではないというふうに思います。もう一つは、そういうところに就職をあっせんした省庁がきちんとその職員の事後の管理をするという方法があろうと思います。  私は後者の方法をとるべきだというふうに思います。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 国家公務員法の八十四条に、懲戒処分について、「人事院は、この法律に規定された調査を経て職員を懲戒手続に付することができる。」と。任命権者が、例えば大蔵大臣が部下の問題について当然調査をして懲戒免職にかけなければならないのにやらない、そのときには人事院総裁は実際にできるだけの権限を持っているんですね。  私はこの規定は五十年間発動されたことがないというふうに聞いております。これはやっぱり大きな問題なので、今こそ人事院はしっかりひとつこういう各省庁の問題についてもこの八十四条の規定をきちっと実行するような、そういう態度でもって進んでいただきたい、そのことを特にお願いしておきまして、時間でございますので、残念ながらこれで終わらせていただきます。

岩崎純三自由民主党

○委員長(岩崎純三君) 以上で山口哲夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて金融不祥事並びに大蔵行政の在り方に関する集中審議は終了いたしました。  明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会

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