予算委員会 第2号
- 発言数
- 322 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/01/29
会議録
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成九年度補正予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日の総括質疑の割り当て時間は百六十一分とすること、各派への割り当て時間は、自由民主党七十分、民友連二十七分、公明二十分、社会民主党・護憲連合十四分、日本共産党十二分、自由党八分、二院クラブ五分、新社会党・平和連合五分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておるとおりでございます。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成九年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本道路公団総裁鈴木道雄君及び日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) この際、内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣橋本龍太郎君。
○国務大臣(橋本龍太郎君) このたび、大蔵省の金融検査部の職員二名が収賄容疑で逮捕されました。また、昨夜、自殺者の出たことが報告をされております。 今回の事態を厳粛に受けとめ、皆様におわびを申し上げます。事態の徹底究明の努力をお約束いたしますとともに、このようなことが二度と起こらぬよう的確な対策を講ずることが政府の責務であると考えております。 三塚前大蔵大臣は、この事件につき監督者としての責任を痛感されて、昨日、大蔵大臣の職を辞されました。後任の大蔵大臣については、現在人選を進めているところであります。皆様には御迷惑をおかけいたしますが、できる限り早く、週内にも大蔵大臣を選任いたしたいと考えております。それまでの間、私が大蔵大臣を兼務いたします。 何とぞよろしくお願い申し上げます。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。広中和歌子君。
○広中和歌子君 おはようございます。 私は、民政党の広中和歌子です。民友連を代表いたしまして質問させていただきます。 さきの国会で我が国が対人地雷全面禁止条約に署名したことを心から喜んでいる国会議員の一人でございます。今民間では、次の運動として、地雷で手足を失った人のために義足を贈る運動が始まっております。それがこのポスターでございます。(資料を示す)地雷禁止に貢献なさったダイアナさんの肖像が美しい花びらでつづられております。今後、対人地雷の犠牲者を支援するODAを行うことは、我が国にふさわしい貢献だと思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 世界各地にいまだ埋設されております対人地雷によりまして、多くの一般市民に被害が生じております。その状況というのは非常に憂うべきことでありますし、また現に我々は憂えております。そして、二十一世紀のできるだけ早い時期に対人地雷の犠牲者をなくすことを目標にして、我が国としても取り組みを強化していきたいと考えております。 この観点から、我が国は対人地雷の除去及び被害者の支援のために、今後五年間を目途に百億円程度の支援を行うことを決定し、昨年十一月、私がカナダを訪問いたしましたときにこれを発表いたしました。 被害者支援につきましては、二国間援助の形もありましょう。また、NGOを通じたODAによりまして、義肢の製作あるいは医療、リハビリなど、また職業訓練等も含めましての技術協力及び資金協力をさらに積極的に進めてまいりたいと考えておりまして、民間にもそうした空気の盛り上がることを心から願っております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 けさの新聞も嫌な悲しいニュースに満ちております。大蔵省小村事務次官、武藤官房長の辞任です。そして、銀行局金融取引管理官大月洋一氏も自殺されました。権力は腐敗すると申しますが、巨大な権限をバックに官庁の中の官庁と言われる霞が関に君臨する大蔵省にメスが入って久しいわけですが、明治以来、戦中戦後も抜本的改革がなされないまま続いている官僚機構のまさに金属疲労と言えるのではないかと思います。 大蔵大臣はみずから辞任されましたけれども、総理御自身は行政の長としてどのような政治的また道義的な責任をとられるおつもりなのか、お伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 三塚大蔵大臣、昨日辞表を提出され、今御報告を申し上げましたように、私自身が大蔵大臣を後任者を選定いたします間兼務いたします。 そして、二名の逮捕者、また一名の自殺者を出すという事態がどれほど衝撃的なものであり、国民におわびを申し上げるにせよ、どのような言葉を選べばいいのか苦慮しております。 現在、大蔵省におきまして、金融検査部、銀行局、証券局等、金融関連部局の職員、これは現在在籍する職員だけではなく、過去一定の期間に在職いたしました職員に対する内部調査を行っていると聞いておりましたし、昨日、私自身からも官房長に対し、その調査を急げ、そして、その調査結果を取りまとめた上できちんとした処分を行え、またその処分というものはきちんと公表される形で行えということを指示いたしました。 このような事態の再発をいかにして防ぐかに今悩んでおります。
○広中和歌子君 私は内閣の責任ということをお聞きしたかったわけでございます。 このたびの四銀行による大蔵省への汚職以外にも、ほかの銀行や証券あるいは企業などで大蔵以外の省庁にも、そして関連する特殊法人にも接待漬けはないのか。すべての大臣にお伺いしたいところでございますけれども、代表して建設大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(瓦力君) 委員から御指名でございますのでお答えいたしますが、建設省におきましては、従来からあらゆる機会を通じまして建設省職員倫理規程の遵守を初めといたしまして綱紀粛正の徹底に努めるとともに、関係業界団体に対しましても、倫理規程を送付いたしましてその周知徹底を図っているところでございます。加えまして、私も就任以来、さようなことをさらに機会あるごとに申しておるところであります。倫理規程は確実に遵守されておりまして、接待など問題になるような事実はない、かように認識をいたしております。 今後とも、さような国民の疑惑を招くことのないように、倫理規程の遵守はもとよりでございますが、一層の綱紀粛正に徹してまいる、さように指揮をしてまいりたい、かように考えておるところであります。
○広中和歌子君 日本のいわゆる贈り物文化というんでしょうか、接待慣行は、どこまでが潤滑油でどこまでがわいろなのか区別がつきにくい。そういう中で、各省庁におかれましては倫理規程をつくっていらっしゃるんでしょうけれども、つくられているさなかにいろいろな事件が起こっているわけでございます。ですから、規程ではだめで倫理法の制定が必要ではないか。総務庁長官にお伺いいたします。 あわせまして、検査業務などさまざまな規制というものが非常にあいまいであるという場合、また罰則があっても罰則が必ずしも十分に科せられていない、必ずしも科せられていないということが多くの腐敗を生んでいるのではないかと思いますけれども、その点についてもコメントをお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 総務庁長官には当然ながら御答弁をいただきますけれども、私自身の守備範囲と申しますか、行いつつある部分がありますので便宜私から冒頭申し上げ、その上で総務庁長官の答弁を求めたいと思います。 特に今回の事件、既に報道されております内容を見ましても、金融機関側が検査期日などの事前漏えいの便宜を受けたいという趣旨で接待等を行った、そしてその職員二名は職務に関連して収賄した、これが捜査当局から公表されている事実です。これ自体が本当に情けないことです。そして当然のことながら、公務員倫理規程、これはより実効性のあるものとして法規範性を持つものにということで、訓令によりまして制定、作成をいたしました。そして、それが守られてきていると信じておりました。 しかし、今回の容疑事実を見ますと、その倫理規程作成後になおそうしたものが継続していたという状況であります。当然のことながら、事件の翌日の一月二十七日の閣議におきまして、官房長官から各省庁に倫理規程の運用状況を厳しく点検しながら綱紀粛正の改めて指示をいたしました。しかし同時に、私は倫理規程で公務員の諸君がみずからの行動をきちんと保持してくれると思っておりましたことが真っ向から破られました。そして、本院におきましても、私は公務員倫理法といったものが必要にならないようにこの倫理規程というものによってこれを担保したいという御答弁を申し上げましたが、今回の不祥事を見ますと、それでは完全に徹底できないということが実証された形になりました。 この際、公務員の不祥事を根絶いたしますためにもさらに抜本的な対策を講じる必要があると考えまして、閣議でも発言をいたしましたけれども、昨日、正式に古川副長官に対し、公務員倫理に関する法制化などの検討を指示いたしました。 他方、自由民主党の中におきましてもこうした問題に関する委員会をおつくりいただき、同様に検討をいただくということでありまして、連携をいたしながら早急に作業をまとめていきたい。むしろ倫理を法によって縛るというような事態を私は避けたいと本当に考えていましたけれども、今回それではだめだと。ならば倫理法を制定せざるを得ない、その作業は急ぐ必要がある、今そのような思いで作業を指示しております。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま総理の方からお話しございましたように、重大にその問題はとらえまして、本格的なこれが法制定作業に入るべきである、そういう指示もございました。私の方ではいよいよ本腰に、これをその可能性あるいはあり方等について検討を早急に行うよう今作業を進めておるところでございます。
○広中和歌子君 その倫理規程というのは、簡単明快であり、かつ情報公開を含んだものであることを切に希望いたします。 次に、日韓漁業協定終了通告についてお伺いいたします。 協定の破棄にわたる終了通告で、日韓関係に波紋が広がっています。その波紋は当然ながら韓国側に大きい。あちらの国会では非難決議がなされているほどでございます。 それで、まず外務大臣に伺いますが、なぜ一方的に協定を破棄なさったのか伺います。
○国務大臣(小渕恵三君) 日韓漁業協定は、一九六五年に日韓基本条約とともに締結をされまして、相当の期間が経過いたしております。その過程で国連海洋法条約というものが制定されて、我が国、韓国ともにこれを批准しておるということでありますので、新しい漁業秩序をつくり上げなきゃならぬということで、海洋法条約批准以降、双方とも二年近くにわたってその新しい協定締結のために努力をいたしてまいりました。双方とも熱心に取り組んでまいりまして、極めてこの両者間の考え方の相違は近いものになってまいりましたが、昨年暮れに私が韓国を訪れたときに、柳長官と最終的な合意を求めて努力をいたしましたが、まことに残念ながら両者間の溝が埋まり切れなかった、こういうことでございました。 一方、この国際条約が結ばれた以降、我が国におきましても、与党三党からも、海洋法条約批准以降一年以内にこの協定が結ばれない場合にはこの現協定を一度終了してお互い白紙の立場で協定を結び直すべきであるという強い御要請もございまして、その期間は実は昨年の七月既に過ぎておったわけでございます。 したがいまして、まことに残念ではございますけれども、今回、十条二項に基づきましてこれを一たん終了いたしまして、終了いたしましても一年の間はこれが有効でございますので、むしろ期限を切って、そして新しい協定を結ぶべく努力することが早い道ではないか、こう考えまして、この協定につきまして日本側から通告させていただいた、こういう経緯でございます。
○広中和歌子君 果たして、新しい協定づくりに韓国が応じるかという問題があるのではないかと思います。日本には日本の言い分があるでしょう。そのことについて私はあえて口を挟むものではございません。しかし、今なぜこの時期にということは申し上げなければならないと思います。 韓国は現在、金融危機に見舞われ、そしてIMFなどの支援を受け国のプライドが大きく傷ついているときでございます。また、金泳三大統領から金大中への政権交代の、いわば政権の空白期でございます。金大中氏は、かつて朴政権のとき日本のホテルからKCIAによって拉致されました。彼は民主化運動ゆえに死刑宣告を受け獄中生活を余儀なくされた、そうした方です。その方が、このたび選ばれて民主化した韓国の大統領になられた。その大統領への贈り物としては最低ではないでしょうか。 今回の漁業協定の一方的な破棄で日本の外交姿勢が問われるのではないかと思いますが、外務大臣、お答え願います。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま御答弁申し上げましたが、たまたま時期的にこういう時期になったことは残念でございますが、現政権下におきまして協定が結び得られなかったということを考えますと、来月二月二十五日、金大中新大統領誕生という以降にまたこうした行為が行われるということも、これまたより難しい状況を惹起するのではないかと。 したがって、残念ですが現政権下においてこのような我が国の態度を明らかにすると同時に、願わくは冷静に双方ともこの問題に対処することによって、新しい政権におきまして新たな気持ちでこの漁業協定に対して臨んでいただきたいということを期待も込めて実はお願いいたしておるところでございます。
○広中和歌子君 総理、申し上げるまでもありませんが、韓国は日本に一番近い国、大切な友人でございます。両国の関係立て直しのためにどのような御努力をなさるか、お伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 官房長官のもとで外交当局と水産当局の間の協議を随分長い間積み重ねてまいりました上で、議員から今御指摘のような結論が私のところに届けられましたとき、私自身も水産当局に対し、また外交当局に対し、この結果、惹起される可能性のある事態というものに対してどう考えているのか、同時にその改善の糸口をどこに見出すのか、そのチャンスをどこに求めるのか、いろいろな角度から気になる部分はただしました。 そして、ここで必ずそのチャンスを得られる状況には必ずしもないことと同時に、この漁業交渉の開始そのものにつきましても、金泳三大統領に対し、私は繰り返し繰り返し、他の問題と切り分けてこの問題だけは別に冷静に処理をしよう、そのための努力をお互いが払うように部下に対してそれぞれが指示をしよう。そして、そのたびにそうしようということではありましたけれども、なかなかこれが軌道に乗らなかったという状況等、私自身も自分が議論をしてまいりましたプロセス等を考え、その上で、時間をこれ以上かけて前進の可能性というものがもし本当に考えられないとするならば、韓国との関係をもう一度改善する努力を払うことも覚悟した上でこの判断はしなければならない。念のために、もう一度水産当局、外交当局の意見を私自身の疑問をぶつけながら議論をし、最終的な判断を了承するという決心をいたしました。 恐らく、ロンドンで行われますASEM、アジア・ヨーロッパ非公式首脳会合の時期までに私自身が新大統領にお目にかかれる場というものはないと思います。しかし、その間に外交当局同士の接触の場面はあると思いますし、また水産関係者は水産関係者の立場としての引き続きの議論の糸をわずかながらも残しておる。これらを使い、さらに与野党の中で韓国との間にそれぞれの糸をお持ちの方々に、そうした糸を両国のために少しでも生かしていただく御協力を今心からお願いを申し上げたい気持ちでいっぱいであります。
○広中和歌子君 漁業交渉というものが両国間の大きな政治的な課題に発展してしまわないことを私は切に願っている次第でございます。 次に、沖縄問題に移りたいと思います。 日本にとって日米関係、また安保は大切だ、そういう前提に立って、しかしあえて普天間基地問題について伺います。 日本にとって冷戦後の平和の配当は何か、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 冷戦が終わりましたということから、確かに世界的な規模の武力紛争というものが起こるという可能性は遠のいてまいりましたし、その中でアジア太平洋地域の安全保障環境の上でも好ましい多くの進展は見られつつあります。APECあるいはARFなどもそうですけれども、こうしたものを初めとした政治、経済、安全保障分野での対話というものが多国間の枠組みあるいは二国間においても拡大しつつありますし、また域内における貿易・投資が増加して多角的な相互依存関係というものが急速に進展しつつあります。 我が国自身にとりましても、ロシアあるいは中国等、周辺諸国との改善というものも顕著なものがありますし、殊に、私自身昨年参りましたときに中国側の首脳に要請をいたしましたけれども、安全保障の分野における交流というものが今中国との間にも加速化されようとしている、こうしたことは私は非常によいことだと思っています。そして、その平和の配当という意味ならこれは大きなプラスと考えていけることでしょう。 しかし同時に、この地域というものが潜在的な不安定性、不確実性を依然として存在させていることもまた事実であります。朝鮮半島の緊張もそうですが、潜在的な地域紛争、また核兵器を含む軍事力の集中、そうやって数えていくとまだ数多くの問題がアジア太平洋地域には現存しております。それだけに、この地域における平和と安定を維持し確保していく努力、安定をさせていくための努力、これは日本自身の安全のためにも一層必要なことだと考えております。
○広中和歌子君 アメリカの軍事費は、一九九〇年の三千三十三億ドルから九六年には二千六百三十三億ドルに減りました。約四百億ドルの減少、一三%の削減でございます。兵力の総数も減りました。そして、海外派兵も六十一万から二十九万に減っているわけでございます。日本の軍事費はなぜ削減されていないのか。今、日米安保の意味も問い直されているのではないかと思います。 冷戦後の予想される危機、それを潜在的不安定性とおっしゃいましたけれども、例えば北朝鮮、もう冷戦のときと違いまして旧ソ連邦や中国などの支援を受けるわけにはいきません。そういう中で、不安定性というものはありますけれども、その冷戦前の軍事力を維持する必要が果たしてあるのかということが問題だろうと思いますけれども、新たな日本の脅威というのは具体的に何でございましょうか。
○国務大臣(久間章生君) アメリカとの比較で軍事力の話をされましたけれども、御承知のとおり、我が国は従来から必要最小限の防衛力を整備するということでやってきておりまして、その及ばないところを米軍に頼っておる、そういう形でございました。したがいまして、米ソの対立は解けましたけれども、我が国のいわゆる防衛費としては従来と同様の考え方でやってきているわけでございますから、その辺は変わらないわけでございます。 そしてまた、先ほどの普天間のお話に関連して、現在の国際情勢ということをおっしゃられました。私どもはSACOの最終報告をまとめますときに、日本とアメリカとの両方の話の中で、やはり現在この情勢は、引き続き十万人の展開をすべきであるという中で次の策をどうするかというふうな形で、まず前提としてこれは譲れない、ここ当分目が離せない、そういうようなことで結論づけたわけでございますので、その辺の細かい内容について申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういう情勢についてはぜひひとつ御認識をいただきたいと思うわけでございます。
○広中和歌子君 総理、クリントン大統領と一九九六年二月のサンタモニカ以来たびたび会談されていると思います。その話し合いの中で、普天間返還を達成なさったこと、総理の御努力に心から敬意を表するわけでございますけれども、果たして、代替ヘリポートは移転しなくちゃならないという七年後に本当に必要なのかどうか、その点についてクリントン大統領と話し合われたのでしょうか、伺います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一昨年二月という、いわば私にとりましてクリントン大統領と初めて首脳会談を行いましたときにさかのぼってのお尋ねをいただきましたが、どの会談におきましても、沖縄の問題というものに対して日米が共同して取り組んでいくことが必要であることは常に確認をし続けてまいりました。 そして、平成八年二月のサンタモニカにおける日米首脳会談の際、これは政府部内におきまして率直に申しますと具体的な問題を提起することの可否についてはいろいろな議論がございましたけれども、その直前に行いました大田知事との会談の中からの問題提起を胸に受けとめながら私はサンタモニカに参りましたので、当然のことながら、沖縄における米軍基地の整理、統合、縮小という問題について米国側のできるだけの協力を求めていきたいということとともに、沖縄県から大変強い御要望のある例として普天間飛行場の問題を提起いたしました。 私は、そのときにクリントン大統領は非常に率直に沖縄の問題、特に平成七年九月の不幸な事件について、大統領自身を含めたアメリカ側の関係者、しかも一般の国民まで含めていかに情けない思いをしているかという点について非常に率直な言葉を述べられたということを今も記憶いたしております。そして、その延長線上で沖縄の問題というものには非常に誠実な応答が行われた、私はそう思って帰ってまいりました。 そして、四月に大統領が訪日をされました際に、その直前に発表されましたSACOの中間報告の内容というものを改めて評価いたしますとともに、中間報告の措置を的確に実施していくことが重要である、最終報告に向けて必要な努力をしていこうということをお互いの意思として確認させていただいたわけであります。 そしてそのときに、できるだけ早い対応ということから、五年から七年の間には結論を出したい、そして移設というものを本気で考えていくという中から、今さまざまな御議論を呼んでおりますようなSACOの最終報告というものを取りまとめたわけでございます。 我々は、本当にアジア太平洋地域というものは不確実性、不安定性というものが存在していると思っております。これを一々論及いたしますことは他国にもかかわりのあることでお許しをいただきたいと存じますけれども、その中で日米安全保障条約というものの存在、そしてその結果として、日本に駐留する米軍の存在というものがこの平和と安定を維持していく上で一定の役割を果たしているということは私は間違いのないことだと思いますし、また国際社会もそう評価をいたしております。そして、沖縄県民の方々に今負っていただいている大変な負担を一層軽減できるような展望が開けることを強く期待もいたしますし、そのための努力も引き続き続けていかなければなりません。 しかし、安全保障環境というのは実はさまざまな影響によって変わるものですから、例えばこういう国際情勢になればこうできるといった具体的なあり方についての想定というものは私は非常に困難、そしていつまでその機能が必要であるかということについて確実性を持ったお答えができないことは御理解をいただきたいと思います。
○広中和歌子君 少なくとも七年間にヘリポートの機能が不必要になるようなアジアの情勢が生まれることを心から願っているわけでございます。沖縄県民、名護市民が望まないところのキャンプ・シュワブ沖への普天間基地移転は、ともかく断念すべきだと思います。 防衛庁長官はたびたび沖縄住民に説明、説得に出向かれているようですが、長官の口から出るのは主として経済対策と伺っております。まるで札束でほっぺたをひっぱたくようなやり方ですが、長官はそんな約束をなさっても実行する権限はおありでございましょうか。
○国務大臣(久間章生君) SACOの最終報告をまとめましてから閣議で決定をしていただきまして、政府を挙げてその中の目玉であります普天間飛行場の移転を初めとする諸問題に取り組むということを決めていただきました。 その後、なお、沖縄県あるいは名護市御当局のいろんな了解をいただきまして、この基本調査といいますか適地調査をさせていただいて、そしてキャンプ・シュワブ沖が一番いいというような結論に達しました。 その後、これをやるためには、今普天間飛行場がありますところはもちろんとして、これから先もしキャンプ・シュワブが適地であるということで沖縄県で受け入れてもらえるとするならば、今度はそれを名護市に持っていくわけでございますから、少なくともやはりどんなに規模が小さくなろうともそこの地区の方々あるいは北部の地区の方々にとっては痛みを伴うわけでございますので、そういう方々の気持ちにもまたこたえていく必要があろうということで、普天間移設対策本部というのを閣議了解でつくってもらいまして、そして防衛庁にそれを置く、私が本部長になるということになりまして、連絡調整をすることになりました。そして、いろんな北部の振興策等についてまとめていただきまして、それを沖縄県あるいはまた名護市の方に示したわけでございまして、各振興策につきましては防衛庁がやるわけではございませんで、それぞれの省庁がやることになるわけでございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 では次に、財政構造改革と景気の問題に移りたいと思います。 現在の深刻な不況を総理はどう受けとめていられるか、伺いたいわけでございます。 去年暮れ、行財政特別委員会で野党の反対を押し切って財政構造改革法を成立させ、それに基づきデフレ予算案をつくられております。その間、拓銀、山一の破綻で金融不安が高まりましても、財政再建一本やりの総理は我々の減税要求に頑として応じられませんでした。その総理が、APECに出席され、そしてアジアの金融不況を目の当たりにされ、さらに外国の指導者と話し合うと一転して二兆円の減税案を出された。つまり、野党よりも外国の方に耳を傾ける総理であるわけですけれども、ともかく不十分ではあっても二兆円、これは一つの好ましい状況ではなかろうかと思います。 しかし、こうした動きでございますけれども、これは財政再建は棚上げして景気浮揚を最優先させる政策変更と受けとめてよろしいのでしょうか。総理にお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、幾つかの点についてお触れをいただきましたけれども、ポイントは二つの問題点に絞ってお答えをいたしたいと存じます。 一つは、今日の深刻な経済状況、その原因は何だというお尋ねがございましたけれども、これはやはりまずバブルの後遺症という視点を申し上げたいと思います。そして、そのバブルの後遺症としては、地価の継続的な下落に伴いまして金融機関の不良債権が発生していること、また土地の需給の不均衡あるいは企業のバランスシートの悪化、さらには個人の過度の借り入れといった問題が生じてまいりました。これは企業にも個人にもさまざまな影響を与えておりますし、日本経済全体としてこれをいかに解消すべきか、国民の暮らしというものを健全な状態に戻していくお手伝いができるか、これが一つの大きな問題であります。 殊に、こうした経済社会の構造問題に加えて、アジアにおいて昨年の夏以降、幾つかの国におきましての資金、通貨、金融市場、大きな変動というものが生じましたし、今もそれがおさまっておらない、そしてその影響が懸念される状況というものは続いております。我が国におきましても、金融機関の破綻が相次ぐという予期しない、予期しないと言うとまたしかられるかもしれませんけれども、予期せざる事態というものも発生をいたしました。 そしてその中で、確かに私は特別減税の決断をいたしましたけれども、これについてもさまざまな御意見を既にちょうだいいたしております。その上で、財政構造改革の必要性というものは何ら変わるものではありませんし、これを解決しなければならない、着実に解決しなければならないということについてはどなたも私は御異論はないと思うんです。そして、私たちは、中期的な目標としてやはり財政構造改革は進めていかなければなりませんし、その努力を打ち切るということはやってはならないことだと思います。 しかし同時に、それは景気の実態あるいは金融システムの状況といったものを考えながらそのときそのときの状況に応じて臨機応変の対策あるいは措置をとっていくというものと食い違うものではないと私は思うんです。当然ながら、そのときに対応すべき施策というものは進めていかなければなりません。 今回御審議をいただきます特別減税あるいはこの補正予算を考えましたときには、金融システムに対する信頼低下といった中で現下の経済・金融情勢を考えましたときに、特別減税を含みます予算また税制面の措置、そして金融システム安定化のための三十兆円の公的資金の活用、財政、金融の両面にわたる幅の広い措置をぜひ実行させていただきたい。国会にもお願いを申し上げているわけでありまして、私どもは、こうした取り組みというものが相互作用で効果をあらわしていく、そういうことを期待しますとともに、できるだけ早い成立をお願い申し上げるのもそうした理由からであります。 言いかえれば、財政構造を立て直さなければいけないというその中期目標、当面対応しなければならないこと、これは私はタイムスパンの異なる問題だ、そのように思います。
○広中和歌子君 囲碁に大場より急場という言葉があります。 今、財政再建という大場より金融システム崩壊という急場の対応が大切だということに総理は気づかれたんではないかと思いますが、その急場の対応は後手後手で振り回されており、大場の方はざる碁になっている、そういう感があるんじゃないかと思います。総理のコメントをお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは冗談ととられては困るんですが、私は実は碁とか将棋のたぐいを一切いたしませんので、申しわけありませんが碁の術語そのものが実はよくわからないんです。
○広中和歌子君 囲碁には非常に知恵に満ちた言葉があるようでございまして、碁を知らない人でもそれは人口に膾炙しているんではないかと私は思っておりました。 それでは、公的資金導入についてお伺いいたします。 バブル期に生じた不良債権処理に金融機関だけでなく日本経済全体がかかずらい、影響を受けているわけでございます。今回の一連の対応、三十兆円の公的資金投入、土地の再評価などで金融危機は解消されると総理は断言なさいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 金融システムというものが国民経済の動脈とも言える、そうした役割をなしていることはもう申し上げるまでもありません。同時に、その金融システムというものが信用というものを根幹としていることもよく御承知のとおりでありまして、時としてさまざまな理由によりましてその信用不安が広がるという危険性を本来的に内蔵している性格のものでございます。 そして、我が国におきましては、昨年の秋以来、金融機関の相次ぐ破綻によりまして、我が国の金融システムに対する内外の信頼というものが大きく揺らぎかねない状況になりました。 私自身、ちょうど山一証券の破綻が伝えられました直後にAPEC・バンクーバー会合に出席をすることになり、最初に求められましたのは、海外における山一の営業活動による投資家の損失をどういうふうに日本としてカバーしてくれるんだ、考えてくれるのかという質問からでありましたことからも、こうした問題というのが非常に大きいことは御理解がいただけると思うんです。 今回の公的資金の措置を伴います金融システム安定化策、これはこうした事態に対応しまして、公的資金をもっていかなる事態が生じても十分な備えをする。預金の全額保護の徹底を図りますとともに、金融システムに対する信頼性を回復させる、そして経済全体が危機に陥るような状態を防ぐ、そのための包括的な金融管理、危機管理上の例外的な措置でありますし、これによりますと、この方法をとりましたとき預金は完全に保護されるという、国民が持っておられる不安があるとするならば、完全に保護されるということを申し上げられること、また金融システムが機能不全に陥らない、そういうことを申し上げられること、私はこの効果は大きいと考えております。 また、土地の再評価というものについてもお触れになりましたけれども、現在自由民主党において検討をお願いし、進んでおります土地の再評価策、これは十分私は関心を持っておりますし、また衆議院の御論議の中では党派を超えて何人かの方々から同様の御趣旨の御提言がございました。 これが実現すれば、金融機関の自己資本充実に資するものになります。そして、当然のことながらこれを含めて各金融機関においては自己資本充実の努力が行われる、そう信じておりますし、こうしたさまざまな対応というものが組み合わせられ、それぞれが補完し合うことによりまして、私は日本が日本発の金融恐慌を防ぐという絶対的な決意を持って事に当たっていること、そうしたことを内外の市場に十分知ってもらいますとともに、国民の皆様にも預金の完全な保護というものが間違いなく行われる、そして金融システムの安定化がこうした方法をとって行われる、そうしたことによりまして御安心をいただけるようにしていく。政府の責任と考えながらこれを取り進めているところであります。
○広中和歌子君 ちょっと古い例で恐縮なのでございますけれども、経済企画庁は、一九五六年、すなわちこれは一九五六年ですから戦後十一年目でございます。戦後十一年目にして日本経済は戦前のレベルに回復したと発表しております。わずか十一年でございます。しかるに、現在の日本のバブルのピーク、一九八九年暮れから今日まで約八年たっておりますけれども、バブル崩壊から立ち直れていないわけでございます。 戦後と今のどこが違うんでしょうか。 戦後の経済復興にはさまざまな要素があったと思います。人々が死に物狂いで働いたとか、海外からの支援もあったということもありましょう。しかし、一つの大きな要素は、パージによって戦前戦中の政治、行政、経済の責任者の総入れかえをしたことだと思います。新しいリーダーシップのもとに復興をなし遂げたわけでございます。 同様に、現代の敗戦とも言われるバブル後遺症から立ち直るには、行政、企業のトップの総入れかえと同時に、政権政党、長いこと自民党は戦後の政治をつくってきたわけでございますけれども、政権政党の交代が必要だと思いますが、総理のコメントをお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼な言い方になるかもしれませんが、私は、自由民主党に対してさまざまな御批判があること、それは党に対しましても私個人に対しましてもいろいろな御批判をいただいていることを承知いたしております。また、戦後、今日までの間に何回国政選挙が行われたか、その回数を私も正確には存じません。そして、我々自身が野党になった時期もございました。そしてその中から、我々はもう一度国民の信頼をいただきたいと努力をしてまいりましたが、一昨年の衆議院選において二百三十九議席、五百議席のうちの半分近いものを国民から与えていただきました。そして、今国民の与えてくださった議席の上で政権は存在をし仕事をいたしております。過去もそうでありました。そして、私どもはこれからも国民に信任をいただけるように全力を尽くしていきたい、政党としてはそのように思います。
○広中和歌子君 バブル崩壊後の低金利政策、それで我々は金融機関を助けているわけでございますけれども、預金者にとっては得るべき金利を一九九三年ぐらいからおよそ十五兆円ぐらい失っているというふうに言う人があるわけでございます。一日も早くこのバブル崩壊後の不良債権問題から日本が回復することを願うわけでございますけれども、預金者への支払い金利はいつごろ上昇に転じるのでございましょうか。大蔵大臣、お伺いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私がお答えをすることの許されない日本銀行の専管の部分だと存じます。そして、これは大蔵大臣としてお尋ねをいただきましても総理大臣としてお尋ねをいただきましても、特に日銀の独自性を強めますための日銀法改正をお願いいたしました中におきまして、改めて金利政策というものは、公定歩合をどう動かすかは日銀の専管であり、それは一層尊重されるべきものとお答えをさせていただきます。
○広中和歌子君 金融と財政の分離などと言われておりますけれども、本当の意味で分離しているのかどうか疑わしいものですからこういう質問になったというふうに御理解いただきたいと思います。 土地の再評価で金融機関は十九兆円の資産がふえると言われているんですが、それでも公的資金とセットで導入するのか、お伺いいたします。つまり十三兆円の部分ですね。預金者保護の十七兆円ではなくて、十三兆円の自己資本比率向上に使われる部分でございますけれども、その部分も必要になるのでございましょうか、お伺いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 土地の再評価というものを私は評価いたしますと言うとともに、これが各金融機関におきまして自己資本の充実に当然ながら役立ちますし、それ以外の努力もされるでありましょうし、そうした中で貸し渋り等の状況に対してもきちんとした対応がなされるということを期待すると申し上げました。 同時に、今回の自己資本充実策、これは昨年秋以降の金融機関の相次ぐ破綻によりまして、預金者の中に不安と動揺が広がると同時に、我が国の金融の機能に対し内外の信頼が大きく傷つきました。そして、今になりまして危機的という言葉を使うことをお許しいただきたいと存じますけれども、その当時は危険で危機的という言葉すら使えないぐらい市場に対して鋭敏であらなければならなかった時期というものが存在をいたしました。それは、信用秩序の維持また国民経済の円滑な運営に対して重大な支障が生ずることを本気で懸念しなければならない時期というものが存在したわけであります。 そうしたことを考えましたときに、緊急の特例措置として、公的資金を活用して金融機関が発行する優先株等の引き受けを行うということを考えました。これは、こうした措置をとることによりまして内外の信頼が回復をする、安定化が図られる。同時に、自己資本比率が上昇することを通じまして金融機関の融資対応力が強化される。そして、それはいわゆる貸し渋りと言われるような状況を解消していく上でも、また個人や事業者に対する円滑な資金供給が図られるという上でも私どもは効果のあるもの、そのように考えており、これらの施策はそれぞれにぜひできる限り早く市場において現実のものとして行使できる状態をつくるためにお力添えを願いたい、そのように思っております。
○委員長(岩崎純三君) 関連質問を許します。直嶋正行君。
○直嶋正行君 新党友愛・民友連の直嶋でございます。 それでは、関連質問ということで幾つか質問させていただきます。 きょうは経済問題を中心にお伺いする予定でございましたが、それに入る前に、冒頭の総理の御発言に関して何点かお考えを確認させていただきたいと思います。 先ほどのお話の中でも、後任大蔵大臣について週内総理が兼務するというお話をされました。今御議論があったとおり、経済・金融問題で大変な時期でございます。総理のお考えを二つ確認したいと思うのであります。 一つは、こういう大変な時期になぜ後任の大蔵大臣をすぐ任命することができないのかという点が一つであります。それからもう一つは、こういう形で大蔵大臣がおやめになった後でございますから、後任の大蔵大臣について、今、総理の頭の中に、どのような基準あるいはお考えで選ぼうというふうに思っておられるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日、三塚大蔵大臣の辞任を受け、私自身とっさに兼務をいたしましたけれども、同時に、その状況の中で、党五役と申します私どもの党の責任者を官邸に招致をし、最終的な人選の一任をいただくとともに、党五役としても真剣にその候補者を考えることに協力をしてもらいたい、それは衆議院、参議院、グループ、そういうものを超越してこの時期にだれがいいかを考えてもらいたい、私も真剣に考えると申しました。 その上で、本日は私は朝から夕方まで本委員会でございます。明日は財政・金融委員会に出席をさせていただきます。そういたしますと、きょう、あすというぐらいの時間は、その残った部分の時間でそうした作業はしなければなりません。そういう点も、なぜすぐできないと言われますけれども、そういうことも御理解はいただきたいと存じます。
○直嶋正行君 二つ目の質問をちょっとお答えいただければと思うんですが、先ほどの二つ目の選ぶ基準についてのお考えがあれば。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、衆議院だ参議院だあるいはいろんなグループだ、そういうことにとらわれずに一番いい人を選ぶということを申し上げたつもりです。
○直嶋正行君 それから、あと何点かお伺いしたいんですけれども、今度の大蔵省の不祥事で残念ながら逮捕者が出たということについてであります。 さっき総理はお答えの中で倫理法にお触れになって、もう倫理規程ではだめなんで倫理法の制定を指示した、このようにおっしゃったわけですけれども、今回のような問題について総理の御認識をお伺いしたいんです。今回のこのケースは個別、個人的な問題だというふうに思っておられるのか、あるいはある種構造的にこういう体質がある、その中で生じた問題だというふうにとらえておられるのか。恐らく、さっきの御発言は私は後者と思っておられるのではないかと思ったのでありますけれども、この点いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、犯罪の嫌疑をもって身柄を拘束されました者は二名であります。そして、これ自体が、報道等によって私どもの知る限りでありますならば、一義的に本人自身の問題であることはこれは間違いありません。しかし同時に、そうした状況下に警戒感なくそうした人々が溶け込んでいくような風潮がもしあるとすれば、先ほど広中議員は接待文化という言葉をお使いになりましたけれども、そうした長年の慣習の中において足を大きく踏み出したということかもしれない。とすれば、構造的という言葉が正しいかどうか、的確かどうかはわかりませんが、それだけで終われりとできるものではないだろう。その意味では、議員が言われましたような社会的慣習、それを拡大解釈していく慣行、そういう中で発したものではないか。 ですから、この検挙された二人でそれがすべてでありというような言い方のできるものかどうかというならば、私は首をかしげておりますし、でありますからこそ官房長に対し徹底的な調査というものをもう一度やれということを指示しております。
○直嶋正行君 それから、もう一つお伺いしたいんですが、今大蔵省の方の議論がされていますが、接待をした側、先日も日本道路公団の話がありました。私は、日本の大手銀行や一流証券会社のこの一連の接待というのは極めて異常だというふうに思っていますし、あえて言えばなりふり構わぬ営業活動ではないかなというふうに思っていますが、こういった業界側の体質について総理はどのように受けとめておられますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最近、またマスコミに、ひところ消えておりましたMOF担という言葉がしばしば登場するようになりました。こういう言葉が使われること自体、異常な業慣行が存在していたことを証明する以外の何物でもないと存じます。そして、そういうものが存在をし、取材に来ることを不思議と思わなかった大蔵省当局も、私はその点については省みて考えるべきところがあると存じますけれども、同時にそういう人間を送り込むことで少しでも自社の有利に立てようとしたやり方というもの、これはほかにもそういうものがあるのかもしれませんけれども、これは変わるべき社会慣行ではないでしょうか。
○直嶋正行君 次に、今の二つを受けてお伺いしたいのでありますが、今のような官庁の体質、業界側の体質、一種の癒着状態だと思うんですけれども、こういう中で今金融システム対策として公的資金の導入が、政府はスキームをおつくりになりました。預金者保護の部分は別としまして、銀行の優先株や劣後債を取得するというような自己資本充実策について、官庁が企画をして業界に対して実施をする、こういう政策が総理は国民の理解を得られる、このように思っておられますか。いかがでございましょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御説明をし御理解をいただくのが従来以上に難しくなったという感じは、実感として私自身そう思います。 しかし、今度の金融機関の自己資本充実策というものは、まさに金融の危機的な状況に対して緊急措置として行おうとしているものでありますし、同時にそうした御懸念が生じないように、経営が悪化している金融機関を対象としない、個別金融機関の救済にはならないようにする、破綻金融機関は当然ながら従来と同様に存続は許さない。経営責任等についても、民事、刑事、それぞれの法に触れるものがあるなら当然ながら厳格な追及を行う。 そして、グローバル化した今日の金融市場において、やはり金融システムを安定させるという意味で我々はやらなければならない責任を持っておりますし、この金融安定化システムの考え方、これに対して公的資金の導入が含まれております点について、いわば政府がそのスキームを保証するといった受けとめの中で、アメリカからも、あるいは先般行いました日・EUの定期首脳協議におきましても、この点について評価、歓迎の意があらわされていると。 そして同時に、その優先株の引き受けを申請する金融機関に対し、将来に向けて責任ある経営が行われるように健全性確保のための計画の提出を求める、またこれを公表する。こうしたことによりまして、いわゆるモラルハザードを阻止する考え方をきちんと打ち出しておりますことを繰り返し御説明をし、御理解を得なければならぬ、そのように考えておりますし、同時に金融安定化二法が一日も早く成立いたしますように、ぜひとも御協力を賜りたいと願っております。
○直嶋正行君 私は本当に理解はされないというふうに思っております。 もう一つ申し上げますと、総理が今おっしゃったようなスキームを実施する前にやることがあるんじゃないかと思うんです。例えば、金融機関のディスクロージャーをもっと思い切って先にやる。あるいは今の不良債権のディスクロージャーも、この間全銀協の記者会見の内容を承っておりましたら、SEC基準でことしの三月からやる予定だったんだけれども一部実施できない可能性があるというようなニュアンスでお話をされていたようでありますが、例えば不良債権の公開基準についても、業界の自主規定でやるのではなくて、きちっと国としてのルールを明確にし明らかにさせる、こういうことをまずやった上で今のような御議論があるべきじゃないかと思うんですけれども、総理、こちらの方も急いでやっていただけませんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) とっさの御質問で、私は今細かい資料を持っておりませんので、正確を期しますために事務方の補足を必要な場合にはお許しをいただきたいと存じますが、既に大蔵省はそうした意味でのディスクロージャーの重要性というものを強調し、先般、各金融機関がみずからの手でみずからの融資先の再点検を行い、Ⅰ―Ⅳ分類の中で、これだけの問題点のあるもの、警戒していかないと不良化するかもしれない、あるいは相当な危険がある、回収が不可能になる危険があるといった、自分の目で見たものをそれぞれが出し、それを集計したものを公表した。あるいは今三月期決算に向けて、アメリカの場合と同じようなディスクローズの仕方をするようにと求めているといった努力を進めていると私は承知をしております。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 これまでディスクロージャーは、しばしば御説明申し上げておりましたような、破綻、延滞、金利減免という基準でやっておりました。その基準は税の基準に基づいておりましたので、アメリカの基準に比べるとやや緩いという批判がありました。例えば延滞債権は六カ月という期間以上延滞した場合、それはアメリカのSECですと三カ月というふうになっております。こういった一つの例でわかりますように、SEC基準が一番厳しいわけでございます。 昨年の暮れに、ぜひこの機会に世界で一番厳しいSEC基準並みでひとつやってほしいと強く要請しました。各金融機関も、それは必要であろうということで積極的に対応しますというお答えでありましたけれども、いろいろシステムの問題とかがあるのでどこかついていけないところがあるかもしれないということでそういう御発言であると思いますけれども、全銀協としては全力を挙げてその方向へ取り組むという姿勢で対応しております。
○直嶋正行君 私が申し上げたのは、ですから全銀協に対して、つまり業界団体に対してこうやってくださいというお願いの仕方ではなくて、本当に政府として必要だという判断があれば法律なり政令でやればいいではないかということなんです。業界に頼むということはやはり官庁と業界との間でそういう関係ができるということなんです。要請をしたりお願いをしたりするという筋合いのものではないのではないか。 それからもう一つは、こういう状況の中でいうと、そのことをまず実現していくことが金融機関の自己資本充実のために公的資金を入れるという話よりも先ではないでしょうか。このことは、もう数年前からディスクロージャーが必要だということはたびたび言われているわけでありますから、大変私は政府の対応が遅いと思うんですけれども、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、早いか遅いかということとは別に、法をもって強制すべきかどうかという判断の問題を問いかけられたと思います。 そして、私は、やはり大蔵省が法をもって強制する、そのディスクローズの手法等について強制をするというやり方の方がいいのか、あるいは一つの業界団体としての全銀協を通じて協力要請を流す方がいいのか、これは二つの考え方があり得ると思います。 従来、法をもって、あるいはその法の解釈をさまざまに通達等で行うことによって過剰な介入という御批判を受けた時期もございます。そして、むしろできる限りそうしたものを業界団体の自主ルールにゆだねるべきという御論議を本院においてもちょうだいしたこともございました。 どちらがより望ましいかというのは、私は考え方として議員がおっしゃるようなものも成立すると思いますけれども、その場合に、必要以上の法による規制、介入というものをどこで遮断するのか、多少工夫を必要とする部分があるような気がいたします。(「税金を入れるんだから」と呼ぶ者あり)
○直嶋正行君 そうです。税金を使うわけです。 それで、今の総理のお話で申し上げますと、業界の自主規制を要請するとか、業界団体に対して指導する、これは要するに行政指導であります。私はこれは一種の裁量行政、今批判されている裁量行政につながりやすいと思います。 今、日本の社会でいいますと、あらゆる企業も、ルール型の行政に変えていくとすれば、やはり法律で明確にし、その法律を守るかどうかということで行政サイドは判断をしていくというのが本来のあり方だと思いますが、さっきの質問の趣旨とはちょっと違ってしまったんですけれども、そうじゃないでしょうか、総理。法律で余り縛り過ぎるというところがむしろあいまいになってしまって裁量行政につながっていくことになるのではないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) なるほど、そういう議論も成立するなと伺いながら感じておりましたが、私は事前チェック型の従来の行政、これはむしろ後でのチェック、事前規制型から後でのチェックに変わる方がいいのではないかという気持ちを率直に持っております。 事前にルールを決めてああしろこうしろというのではない。しかし、その行動の結果、社会から批判を受けるような行動に対してはきっちり取り締まりを行う。ですから、事前規制型と事後監視型と一体どちらがいいんだろう。私は、実は事後監視型の方がいいのではないかと思っておりましたので、まさに私は自主ルールというものの方が先行すべきではないかと。これは正直に考えていたことを隠しません。
○直嶋正行君 この議論ばかりやっていてもあれですから。 私がさっき申し上げたかったのは、こういう大蔵省と銀行業界の関係の中で公的資金を使っていくということはなかなか国民の理解が得られづらいので、もっと銀行の経営内容も含めて、そういったことを使う前に早急に国民の理解を得られるような対策を実施しなければいけないのではないでしょうかと、このように申し上げたかったわけでして、もしコメントがあればちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来から公式に答弁資料などをとりますと、リストラに努力をしておりますとかいろんなきちんとしたことは出てきますけれども、情報開示の必要性が減じている状況にはなかなかなりません。当然ながら、御指摘のように情報開示を一層徹底させる必要があります。そして、それはいわゆる企業情報だけではなく、そのリストラの状況、殊に今給与体系等にもさまざまな議論が出ておるところでありますから、こうしたものを含めて私はより金融機関自身がみずからの状況を国民に知っていただくための努力はするべきだと思いますし、行政としてもそのような努力を慫慂する姿にしていきたい、そのように思います。
○直嶋正行君 あと、経済問題について総理のお考えをお伺いしたいと思います。 昨今の経済の情勢をこの数年間見てみますと、本当にいろんなことが起こってきています。先ほどもお話しありましたように、従来、政府はつぶさないと言っていた都市銀行がつぶれたり、四大証券の一角、一流企業と言われるところがつぶれるとか、本当に深刻な事態が生じていると思うのであります。 結局、今日の事態を考えますと、やはり私は、もう何回も議論されていることなんですが、一つの節目はあの昨年四月の消費税の引き上げやあるいは特別減税の廃止、そして保険料の本人負担の増加、いわゆる九兆円というふうに言われておりますけれども、このデフレ政策に大きな直接的な原因があるというふうに思うのであります。 その当時も我々もいろいろと議論しました。現実に私たちは消費税は据え置きだというふうに総理に申し上げましたし、特別減税も継続するという法案を国会に出しました。しかし、その議論は今はしても過ぎてしまったわけですからしようがないと思うんですが、総理に率直にお伺いしたいんですけれども、昨年の春ぐらいに判断をされてああいう政策をおとりになった、そのときにお考えになっていた経済の状況と、今日、特に昨年の秋以降の今の状況というのは、恐らく当初の認識と今との間には相当大きな格差があると思うんですけれども、この点いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、昨年の春、当年度予算を御審議をいただきました時点において私どもは、消費税、特別減税の廃止、この影響というものが四―六は間違いなく残る。そして一―三に消費のピークが上がり、むしろその反動で四―六は確実に下がる、しかし夏以降これは安定した軌道に乗っていく、そういう見通しを持っておりました。 今振り返ってみますと、一―三における消費税の影響を受ける前の需要というものは予想より高いものがございました。そして、その影響は四―六に対してより大きく働いたと思います。 そして同時に、当時ある意味では全く予測しなかったという言い方が正確かどうか多少問題はございますけれども、夏以降発生をいたしましたタイに端を発しましたアジアの通貨不安、これによってもたらされた経済不況の日本国内に対する影響、あるいはその中で日本に求められる役割というものを四月ごろに想定していたということではございません。そして、大型の金融機関倒産が秋以降相次ぎましたこと。その中には、それぞれ違った要因を持っておりますけれども、まさに市場の中で死命を制せられたものはあった。 そういう意味では、私どもとして予期しない事態が発生をしたということを隠すつもりはありません。
○直嶋正行君 私の持ち時間がなくなりましたので、今の総理の御見解についてもっと踏み込んだ議論をしたいんですが、最後に一点だけお伺いをして、終わりたいと思います。 今のお話で、想定外のことがいろいろ出てきてこういう事態に至っているということなんですが、これから先の話としまして、総理は昨年末に特別減税二兆円というものを発表されましたが、私どもでは、残念ながら、去年の秋ぐらいならまだこれは効果があったかもしれませんが、このような事態に至ってしまった以上、それではとても今の状況を脱し切れない、むしろもっと恒久的な減税も含めて大胆な対策を打たなければいけない、このように思っているんです。 私は、総理もそろそろ内々、内心そのように思っておられるんではないかという気も最近御発言を聞いていますとしているんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに私は、昨年十二月、ASEANから帰国直後に特別減税を決断いたしました。そして、今それを継続しなければならないような事態が起きないことを心から願っております。
○直嶋正行君 関連を終わります。
○広中和歌子君 総理・大蔵大臣、十三兆円の公的資金でございますけれども、これは自己資本比率向上のためなのか、それとも貸し渋り対策なのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来、多少触れましたけれども、今回の自己資本充実策、これはまさに金融の危機的な状況に対処するための緊急措置として、公的資金を活用いたしまして金融機関の発行いたします優先株などを引き受けることにより金融機関の自己資本を充実させる、そしてシステムの安定化を図るというものでございます。 しかし、これは結果として金融機関の自己資本が充実すること、それは自己資本比率の上昇につながるわけでありますし、融資対応力は当然ながらそこで強化されます。そうした意味では、いわゆる貸し渋りの解消などお取引先の企業に対する円滑な資金供給にも資する、そうした期待を持つことができるものだと思います。
○広中和歌子君 公的資金で優先株などを買うことは銀行救済になっちゃって護送船団方式に逆戻りするんではないかということはたびたび指摘されていることでございますけれども、まさにこれはビッグバンの精神に反するものではございませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はビッグバンの精神に反するという考え方は持っておりません。 と申しますのは、まず問題になるのは透明性の確保をどうするかということだと思うんですが、その資本注入の手続あるいは基準について、これが個別金融機関の救済にならないように、基本的に経営が悪化した金融機関を対象としない、そして法律に基づいて設置されます公正中立な審査委員会というものがその法律にのっとって、また国会で今こうして行われております御議論も踏まえて策定する審査基準、これに基づいて全員一致で議決をいたしますとともに、同時にその議事録等を公開することにしておりますので、透明かつ厳正な審査というものを期しております。 同時に、その優先株などを発行する金融機関に対し、引き受けの申請に際しましては、将来に対する責任ある経営が行われますように経営の健全性確保に関する計画の提出を義務づける、議決に当たりましてこれらも公表いたすわけでありまして、そうした措置をとってまいりますので、私はビッグバンに逆行するというような性格のものではないと考えておりますし、透明性をこうして維持していくこともできる、そう思っております。
○広中和歌子君 日本の銀行八十一行が海外業務を行っているわけです。そして、その多くが公的資金等の政府支援によりましてBIS規制の八%を達成できたとしても、果たしてビッグバンの中で国際競争力を維持できるかという問題があるわけでございますが、お答えの方は結構でございます。 それで、年金制度の将来像について最後にお伺いしたいと思います。 今、国民が最も関心を持っていることは、当面の景気対策であると同時に将来の展望でございます。つまり、現在の金融危機下での老後のことでございます。自分たちの支払っている社会保険料がどのように運用され、果たして将来受け取れるかという不安でございます。 過去五年間の年金の運用実績をお伺いします。
○政府委員(矢野朝水君) お答えいたします。 公的年金の積立金は全額資金運用部に預託されているわけでございまして、過去五年間の平均利回りを見ますと、厚生年金が五・三八%、国民年金が五・〇六%、こうなっております。
○広中和歌子君 自主運用分もございますね。
○政府委員(矢野朝水君) 失礼いたします。もう一度お願いいたします。
○広中和歌子君 自主運用。
○政府委員(矢野朝水君) これは年金福祉事業団が資金運用部から資金を借り入れて市場で運用しているわけでございますけれども、過去五年間の平均利回り、これは時価ベースでございますけれども、五・四%になっております。
○広中和歌子君 私はマイナスになっているというふうに聞いているわけでございますけれども、それは後で確かめるといたしまして、これからどんどん郵貯の運用も含めまして自主運用ということが広がっていくわけでございます。もっと国際市場を視野に国民のために有利に資産の運用を行うべきではないか、それが政府の役割ではないかと思います。政府はその努力をなさっているのでしょうか、厚生大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、一昨年の十一月に厚生大臣に就任して以来、年金福祉事業団の運用について問題がある、有利に運用されていない、根本的に見直すべきだということで、年金福祉事業団の廃止を含めて、年金の大蔵省への預託も廃止すべきだ、自主運用を検討せよということで指示を出しまして、ようやくそれが認められつつある。今後、年金だけでなく郵貯も大蔵省への預託が廃止されます、自主運用。 その際には、保険料を掛けている人、そして年金を受ける方、この方に最も有利な方法を考えるべきだということで、この自主運用については役人が余り関与すべきじゃない、民間の専門家に任せて透明性、公正が図れるようなきちんとした制度を構築すべきだということで、各審議会に諮って、そのような有識者の意見を尊重して、はっきりと国民にわかりやすいような、有利な運用を図れるような制度を構築していきたいと懸命に努力をしているところであります。
○広中和歌子君 役人に運用ができなければ、またできなくて当然だろうと思います、それは専門家に任せるということは大変結構なことではないかと思いますし、また今のビッグバン後の国際市場をにらんで幅広く運用していただきたいと願うわけでございますが、最後に総理のコメントをお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は厚生大臣が今お答えを申し上げたことに尽きておると思いますし、例えば投資顧問会社等、民間の知恵は当然ながらかりなければ運用はできないはずです。そういう方向を含めて今検討もされていると思いますし、恐らく御趣旨に沿った、また厚生大臣が今御答弁を申し上げたような努力を積み重ねていくことになると思います。
○委員長(岩崎純三君) 以上で広中和歌子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、田沢智治君の質疑を行います。田沢智治君。
○田沢智治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、総理初め関係閣僚に質問を申し上げます。 質問に先立ちまして、昨夜、大蔵省金融管理官大月洋一さんが公務員官舎で自殺を図った報に接しまして、謹んで御冥福をお祈りしたいと思っております。御家族の皆様に対し、心からお慰めを申し上げたいと思います。 また、栃木県で中学一年生の男子生徒によって犠牲になった腰塚先生に哀悼の意をささげたいと思っております。 そこで文部大臣、恐縮ですが、最近、校内暴力等合わせて一万件を超えているという状況下を思うとき、この問題につきましてはいろいろの対策を文部省は真剣に考え、実施しておるところであると思いますが、常にこの問題は結果においてその効を奏する状況にないという点も反省しなければならないのではないかと思いますが、何かお感じになったことがあればひとつ御発言をいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 昨日の事件でございますが、大変衝撃を受けているところであります。私からも亡くなられた方へのお悔やみを申し上げ、また御冥福をお祈りし、御遺族の皆さん方にも心からなるお悔やみを申し上げたい、かように考えておるところでございます。 少年は今、児童相談所を経由いたしまして家庭裁判所の決定で少年鑑別所に送致をされているという状態でございまして、宇都宮家裁で調査が始まったところであろう、こう思っておりますが、まだ詳細はよくわかっておりません。 今先生御指摘のように、校内暴力、非常に一時期多くて、昭和六十年代前半少し減ってきたんですが、またここ一、二年急速に増加をしている、そういう状態にあるわけでありまして、大変心を痛めつつ、どのような対策があるかと。ただ、なかなか御指摘のように、これをやればさっと解決をするということではないこともまた先生御指摘のとおりでございまして、大変心を痛めているところでございます。学校教育、家庭教育あるいは地域の教育、それぞれのことでまた対応を考えていかなければならないのだろうと思っております。 特に、私は家庭教育ということの重要性というものを、きのうの事件が起きた後改めてそのことを考えておりました。今御承知のように、心の教育ということで中央教育審議会でも御議論をいただいておりまして、その中で家庭教育の重要性というものをもう一度新たに見直し、そのことを強くアピールしてはどうだろうか、そんな御議論も進んでいるやに聞いております。 やはり正しいことは正しい、悪いことは悪い、子供をしっかりとしかるときはしかる、しつけることはしつける。どうもややもすると子供を過保護、甘やかし、子供の人格を認めるということはいいにしても、何でもいいんだよいいんだよと言って厳しく接する場面がないから、先生からある日、あなた何で早く教室に入ってこないのと注意を受けただけで、何か切れる、もうぷっつんしてしまう、こういうことで突然凶行に及ぶというようなこと。多分その子は今まできちんと怒られたりしかられたり、そういう経験がなかったのかもしれない、これはよくわかりません、つまびらかにいたしませんが、そんな想像をするわけであります。 いずれにいたしましても、事件は事件としてきっちり対応されるでありましょうし、学校、家庭あるいは地域社会全体で、こうした暴力事件をどうやったら少なくすることができるか、根絶することができるか、一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
○田沢智治君 ただいまの文部大臣のお話を承り、心強い面もございます。どうか、教育は国の基でございますので、しっかりと対応していただきたい。二度と再びそういうことのないように万全を期してもらいたいということを要請しておきます。 それでは、本論に入らせてもらいます。 去る一月二十六日、現職の大蔵官僚である宮川、谷内検査官二人が収賄容疑で逮捕され、極めて残念な事件でございました。そして、少し前には、大蔵省のOBで日本道路公団の財務担当理事が野村証券等から多額の接待を受け、政府保証外債発行に際して主幹事選考に便宜を図ったということでこれまた収賄容疑で逮捕されたという現実がございます。それと同時に、報道されるところによると、現職で大蔵省から出向している職員もその宴会に同席したと報じられております。 なぜこうした大蔵省の官僚の汚職が多いのか。とどまるところを知らない大蔵省の汚染に対し、残念と思うよりも怒りが込み上げてくるのは、血税を納めている国民感情から見ると許しがたいものであると思っておるのであります。 一昨日、三塚大蔵大臣が最高責任者としてその監督責任をとって辞任をされました。三塚大蔵大臣は、この在任期間、日本銀行法の改正、金融監督庁の新設、財政構造改革法の成立、金融システム安定策、預金者保護を中心とした預金保険法の策定など精力的に努力をしてこられた人でございます。総理から感ずるところがあれば一言お言葉をいただきたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、本当にこの事態を深刻に受けとめておりますし、まず国民に対するおわびの言葉から始めなければならないと思います。 そして、三塚大蔵大臣、平成八年の十一月に就任を願いましてから一年二カ月の間に非常に多くの仕事をされました。仲間の応援になりませんように客観的なものを挙げさせていただくだけにとどめますが、まず我が国の財政構造を危機的なものと把握され、これを健全化し中期的に経済を活性化させる財政構造改革の先頭に立たれ、特にさきの臨時国会において財政構造改革法の成立に全力を尽くされ、同時に、この法律を踏まえて平成十年度予算を今国会に提出されました。 また、自由で公正な国際的に比肩し得る金融市場を構築するために金融システム改革を進められて二〇〇一年までのスケジュールを定められております。同時に、まずそのいわば手始めとして、昨年の通常国会におきまして外為法の改正を実現され、臨時国会におきまして金融持ち株会社法等を制定され、さらに今国会においてはその改革の集大成ともいうべき証券取引法の抜本改正を含む所要の法律案を提出すべく準備に尽力をされました。 また、金融監督庁を設置し透明度の高い公正な金融行政を確立されようとしてこられ、同時に、日本銀行の独立性を高めて金融政策の透明性に資する、そのためにも長年の懸案でありました日銀法の改正に努力をされました。 これは、昨年夏以来のアジアにおける通貨・金融不安に対しましても、アジアを代表する経済大国の大蔵大臣という責任から、国際機関と連絡をとりつつ適切にそれぞれの国それぞれの事象に対処してこられております。そして、我が国の秋以降の金融機関の相次ぐ経営破綻といった状況の中においてシステム安定のために全力を尽くしてこられました。 その業績というものは、私は極めて公正に評価をされてしかるべきものと高い敬意を表しております。
○田沢智治君 ただいま総理から、その業績は多とするものであるという温かいお言葉を受けました。 私は、そういう、一つ一つ丁寧に、日本の将来、世界の中の日本として世界に貢献できるような仕事をなさってきた人でございますので、その後任等については、それを継承していき、さらに国民のため国家のため世界のために尽くせる人材を御指名いただきたいと思っております。 次に、今回逮捕された宮川容疑者は、第一勧業銀行の検査において、総会屋の小池被告への融資に問題があると指摘した部下の意見を報告書の中に指摘せず、もみ消したというようなことが言われております。また、谷内容疑者は、三和銀行と北海道拓殖銀行から総額二百三十万相当の接待を受けたとされております。同容疑者は、三和銀行関係者の依頼を受けて、合併のうわさがあった信託銀行の検査報告書の写しを渡したとも言われております。 国民の公僕としての公務員の使命を忘却したものであり、もしそれが事実であるとするならば、きちっとしたけじめをつけ糾弾すべきであるし、またそういうようなことを二度と再び起こさないような措置を早急に講じていくことが必要であると思いますが、総理の見解を聞かせていただきたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この両名の逮捕、同時にそれによって惹起されました問題点、これは議員が今幾つかの例示を挙げられながら述べられましたように、そのいずれの行為におきましても職務の公正さというものに対する国民の信頼を全く失わせると言ってもいいような話でありまして、まことにこれは遺憾なことであります。 そして、この御指摘の事件、これ自体につきましては、私は検察当局におきまして鋭意所要の捜査を進め事案を解明される、同時に法と証拠に基づいて厳正に対処されると思っておりますし、同時にその時点において開示されますその内容というものは、これから先さまざま我々の考えるべきものを与えていただけると信じております。
○田沢智治君 今、総理から強い姿勢が打ち出されまして、国民もある意味において御理解をいただけるのではないかと思います。 昨今、我が国の金融システムへの信頼が損なわれ、国民の間に不安や不信感が漂っている折、いかに金融に対する不安や不信感を取り除いていくか、このことに政府も国民も一体となって取り組まなければならないやさきに、金融の検査を担当する部局の長が検査を受ける側から接待や法外な便宜を受けたということは、もう許せない段階に来ていると思うのでございます。 最高責任者である蔵相の辞任、これだけで事が済むわけではありません。当然その監督不行き届きの責任をとるべきそれぞれの立場の人がいると思うのでございます。大蔵省には職務上の関係から会食等を禁じた内規があると聞いております。大蔵省の官房長お見えでございましょうから、大蔵省の官房長として、監督責任者の責任の所在と、やはり厳正なそれぞれの処分をいたし国民の前に姿勢を正すべきではないかと私は思うのでございますが、そういう考えに対してどういうお考えを持たれているか、一言御発言をいただきたいと存じます。
○政府委員(武藤敏郎君) 平成八年の十二月に御指摘のような大蔵省職員倫理規程というものを定めました。関係業者等との会食を原則として禁止する、どうしても職務上必要な会議において会食をするような場合には服務管理官に届け出て了承を得るというふうにされているわけでございます。この規程に基づきまして、会食等の状況については職員から届け出がありまして、その遵守状況を定期的に問い合わせているわけでございます。 しかしながら、今回逮捕されました金融検査官二名の場合には、被疑事実に係ります会食、ゴルフその他の利益供与について届け出を全く行っておりませんでした。また、日常の行動からもこのようなことをしているということが把握できなかったわけでございます。これを見抜けなかったことにつきましては、結果として大変調査が甘かったということでありまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。 現在、三塚前大蔵大臣の御指示によりまして、過去数年にさかのぼりまして金融関連部局の職員一人一人に調査をしております。できるだけ速やかに結果を取りまとめて公表したいと思いますが、この逮捕されました二名に係ります監督者責任の問題、それから別途、今申し上げたように内部で調査をしております結果に基づく監督者責任の問題につきまして、それぞれ厳正に処分をして公表してまいりたいというふうに考えております。
○田沢智治君 ぜひ徹底してその結果を国民の前に知らせてほしいと思います。 もちろん贈賄側も極めて悪質な面があると私も思っております。金融機関には大蔵省担当のMOF担というような者がおると聞いております。一流銀行と言われる銀行がこぞってそのようなことをやっている。我が国の金融不安や不信の根源的要素がそこにあるのではないかと私は思っております。事前にいろいろな情報を得て金融検査の網の目をくぐっていろいろな対応をしていこうというようなことをやっているといううわさも聞いております。 このようなことがあるとするならば、MOF担という金融機関の慣行は即時やめるべきであるし、大蔵省と関係業界との癒着を一切断ち切らなければならぬと私は思いますが、総理、そういう決意のもとで対応なさる考えがあるのか、お聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど官房長から、現在大蔵省の内部においても鋭意自主的なチェックを行っているという報告がございました。そして、捜査当局の捜査が終了いたし、結果が報告をされ、そして大蔵省自身の調査が明らかにされました段階、当然ながら関係者の処分はきちんと行うべきものでありますし、また行われると私は信じております。 その上で、いわゆるMOF担と言われるもの、これは民間金融機関の組織の話ではございますけれども、好ましい組織だとは思っておりません。また、既に三塚前大蔵大臣も記者会見において同様な考え方を示しておられたと承知をしております。 同時に、今回の不祥事というものを契機にして、MOF担を通じた金融機関との関係に対しての御批判というものが非常に厳しく大蔵省に寄せられておりますこと、私は大蔵省の諸君も当然ながらこれを真剣に厳粛に受けとめておると思いますし、十分反省していると思います。 従来、大蔵省におきましては民間企業の職員の方を受け入れてまいりましたが、そのほとんどが民間金融機関であったと。こうした点に対する御批判もあり、一昨年の人事異動期以降新たに民間金融機関からの受け入れを行っておらず、今残っておられる方も本年三月をもって出向者がなくなると聞いておりますが、いずれにしても正すべき襟はきちんと正していくということであると思います。
○田沢智治君 結果においてMOF担は廃止するという認識でよろしゅうございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 民間金融機関の方のことでありますから、私が廃止すると申し上げるのは適切でないと思いますが、少なくとも大蔵省が出向者を受け入れることがなくなる、それから恐らく姿勢を正した大蔵省に対し民間がMOF担と言われるような人をその後も配置いたしましても、恐らくその人はやる仕事がなくなるぐらい締まってくるであろうし、そのような職が無用になっていくことを私は願います。
○田沢智治君 結果においてはそういうことになると認識させてもらいます。 実は、銀行協会の会長さんを呼んできちっとけじめをつけてもらおうかと思いましたところ、連絡が深夜遅くなりましたからできませんで残念に思いまして、総理に余分なことまで言わせたことは申しわけないと思っております。 そこで、大臣や責任者の辞任、処分というだけではなくして、今後二度と同じようなことを起こさぬというようなことを考えたときに、各省庁におきましては二年前に倫理規程というものをつくられた経緯も私は承知しておりますが、やはりそれだけでいいのかという国民の声もございます。そういう意味では、公務員倫理法の制定を急ぐべきではないかという世論もございますが、この点について総理の所感があればお願い申し上げたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この事件発生後、二十七日の閣議で、私はこの問題につき、公務員倫理という観点からも単に倫理規程の遵守ということのみでよいのか、その法的な措置の是非、可能性についても検討してみたいという言い方で私自身の考えを述べました。 その上で、先刻申し上げたことでありますけれども、本院におきましても公務員倫理法の制定という強い御要請が一両年前にありましたとき、私は、倫理規程で、公務員はそれをきちんと守る、それを期待するということを申し上げ、倫理規程をつくることで綱紀の粛正を果たそうといたしました。しかし、今回の逮捕容疑の中には、その倫理規程をつくりました後なお継続してそうした問題が存在したことを示しており、私自身は本当に内心情けない思いとともに恥ずかしい思いをしております。そして、一月二十七日の閣議で、官房長官から各省庁に対しての倫理規程の運用状況を厳しく点検するとともに綱紀の粛正の指示はいたしましたけれども、それだけで残念ながら足りる状況ではございません。 昨日、私は正式に古川官房副長官に指示をいたし、公務員倫理に関する法制化の検討を正式に指示いたしました。自民党の方でも既に公務員倫理法制定に関する調査特別委員会、これをスタートさせていただき、同時に検討していただくということであります。連携をとりながら速やかに作業を進めてまいりたいと思いますが、倫理規程だけで足れりと考えておりました信頼感は今根こそぎ崩れた、倫理法を制定せざるを得ない、既にその指示を出したということを御報告申し上げます。
○田沢智治君 アメリカなどではこうした金品等の贈与が二十ドルを超えるものについてはすべて報告義務を課していると聞いております。検査を行う側が検査を受ける側と会食するというようなことをやったら資格を剥奪されると言われておるわけでございます。 今、総理は、厳しい倫理法を制定する必要があるという見解を出されましたが、罰則規定等はどういうふうに考えておられるのか。これは小里総務庁長官に聞いた方がよろしいですか。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま具体的な方策について、先生の方から一例として、アメリカ等においては罰則等もきちんと最もわかりやすい明瞭な方法で措置してあるのではないかというようなお話でございますが、私ども人事管理、人事監察の視点からそれらのことについても若干検討をしてみました。 御承知のとおり、アメリカ倫理庁におきまして、きちんと法律のもとにこのような公務員倫理に関する方策等が出されておるところでございますが、具体的な一つの好ましからざる不当な事象あるいはそれに対する具体的な基準等は内規で決められておりまして、今次の、先ほど総理の方からお話がございました倫理法制定におきましてもこれらも重要な参考になるのかな、そういう気持ちで対処をいたしております。
○田沢智治君 私はなぜそれを聞いたかといいますと、国家公務員法では、「懲戒」という中の第八十二条に、「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」、こういうふうに規定しております。そして、「この法律又はこの法律に基づく命令に違反した場合」、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」、これを具体的に挙げております。 公務員倫理法の制定をするとすれば、ここに罰則規定を入れたということになりますと二重の罰則になると思うんです。そこで、その整合性をどうしていくのか。その整合性をとる中で、国民がなるほどよくできていると言えるような内容のものでないと、二重処罰は憲法上できませんから、この辺のところをどう考えているのかなということを私は心配し、余り甘くなったら意味がないし、その辺しっかりやってもらわなきゃいけないんじゃないかという心配がございます。 もう一つは、幾ら立派な法律をつくっても、仏つくって魂入れなければ意味がない。問題は、倫理観というものは、人間本来の本性としていいこと悪いことにけじめをつけるという努力、そしてもし人間として外れたことをやるならば、それなりの責任を自己責任として律していくということが、秩序正しく平和に過ごしていける社会を形成する一員としての私は責務であると思うんです。 ですから、形は立派にできたけれども実際内容が何もなされていないということになると、制定した意味がなくなるので、しっかりした対応策を考えてもらいたいというふうに私は思うのでございますが、総理、所見があればお願い申し上げたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはなかなかちょっと難しい、お答えのしづらい問題でありますけれども、私は議員が御自分の見解としてまとめられたものに特に異論を唱えようとは思いません。しかし同時に、考えれば考えるほど難しい問題だということは申し上げざるを得ないと思います。
○田沢智治君 小里長官、その辺のところをどう考えておられますか。
○国務大臣(小里貞利君) 今お尋ねの、具体的に専門的な系統立った御説明を申し上げる状況まで作業は進んでおりませんけれども、少なくとも基礎的にただいま先生の方から二つお話がございました。 御指摘になりました一つの、きちんとした法制定をしても、それの実効性が保たれなければ国民の信頼を回復することは全くできないわけでございます。殊に、一昨年の十二月公務員倫理規程をつくりましたけれども、先ほどしばしば指摘がありまするように、今次の具体的な事案は極めてそれに逆らった、真正面から真に背いた一つの結果を出しておりますから、私どもは、ただいま御指摘のとおり、厳粛な、どの角度から見てもこれを二度と起こさしめてはならない、それを一つの大きな、念頭に置くべきであると思っております。 いずれにいたしましても、総理からお話がございましたように、早急に、真剣に、厳粛にこの法制定が実現いたしまするように努力をいたしたいと思います。
○田沢智治君 ぜひそのようなことをやってほしいと思います。 なぜ大蔵省の不正が多いかと国民は疑惑の目で見ておるのでございますが、それはやはり予算の編成権という強大な権限を握る傍ら、金融という大切な部分についてもその指導監督の権限を握っておるというところに問題があるのではないかと私たちは思わせていただいております。 与党行政改革協議会で中央省庁再編基本法案の提出に向けて今作業を進めておると思うのでございますが、大蔵省の財政と金融の完全分離について早く結論を出すべきであるという意見もあります。大蔵省の不祥事を根絶するためには、制度面、組織面を含めて精査する必要があると思いますが、総理としてこのようなものに対してどのような見解を持たれておるのか。分離するとすれば、きちっと早目にスケジュールを明示することができるのかどうか、ひとつその推移をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本年一月二十日に自民、社民、さきがけ、三党が「大蔵省改革(財政と金融の分離)について」という文書をまとめられ、その中で、政府として今後これに当たる方向づけを三党の合意として示されました。これは与党三党の中で誠心誠意議論をされた結果と承知いたしておりまして、政府としてはこれを重く受けとめて行政改革に関する基本法につきまして今作業をいたしております。その中にも受けとめさせていただこうと考えております。
○田沢智治君 総理がそういうことも含めて今検討をしているということ、大変ありがたいことだと私も思っております。 そういう意味で、大蔵省の不祥事を国民に陳謝するとともに、徹底究明し、再発防止に向けて内閣挙げて取り組むという姿勢を言われていると思いますので、どうかそういう方向で国民に信頼される日本国を位置づけてほしいということをお願い申し上げたいと存じます。 次に、景気と経済について御質問をさせていただきたいと存じます。 まず、橋本総理は、本年初頭の第百四十二回国会の開会に当たりまして、本来は施政方針演説をなされるのでございますが、現下の経済不況を留意されまして金融システムの安定化対策と当面の経済運営について政府の基本的な考え方を明らかにし、国民の皆様の御理解と御協力をさらに訴えた。こういう姿勢は、国民の視点に立って経済の運営、特に金融システムの安定化と緊急景気対策に本気で取り組んでいるんだなという意気込みを国民は感じられたのではないかと私は思っております。 総理、そういう決意のもとに通常国会に臨まれたと私は思いますが、所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年来、私は六つの改革というものを推し進め、それぞれに御協力をお願いしてまいりました。それはいずれもこの国の将来にとって必要なことだと信じ、これを進めてきた次第でございます。そして、そうした中における財政構造改革というものは大事な柱の一つでありますし、その重要性は私は何ら変わるものではないと思っております。 しかし同時に、それは経済の実態、金融情勢、さらには国際的な状況等を考えて、臨機応変な行動をしないということではございません、そうした中で今我々がまずやらなければならないこと、それは金融システムを安定させ、景気を回復軌道に乗せていくための努力、そうした思いを持ちながら衆参両院におけるごあいさつをいたしたことであります。
○田沢智治君 そこで伺いますが、バブル経済が終わった平成三年以来、我が国経済の低迷が続いております。特に、昨春から消費税の引き上げ、特別減税の打ち切り、急速な円安の進行によって経済への影響はかなり大きく変化してきております。 景気に回復の兆しが見えてこない状況が今日あるという中で、昨年の夏以降、金融機関の貸し渋り問題、大型金融機関の相次ぐ破綻、雇用情勢も一段と悪化しております。失速寸前にある我が国経済を立て直すには、今こそ政府の思い切った総需要喚起型の規制緩和や民間活力などを活用した景気対策が私は必要であると思うんです。 インフレ現象が大きくなったときに総需要抑制策をもってこれを克服してきた日本の歴史があります。しかし、こういう不景気になったとするならば、総需要抑制じゃなくて喚起していく、しかし財政出動はなかなか難しいということになるとすれば、政府が主張してきたとおり、規制緩和、民間活力の活用を勇敢にやっていく、そういう前向きの姿勢と同時に、必要あらば財政出動もでき得る限りやっていくんだというような弾力的運用が今や必要な時期に来ていると私たちは思うのでございますが、総理の所見を伺わせてもらいたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは幾つかの処方せんの組み合わせで対応していくべきものだと。例えば、その一つだけをすればということで対応し切れるものではないと思いますし、同時にその一つの施策に余り依存をいたしました場合にはその反作用をも懸念せざるを得ません。 そうした意味では、現在我々はまさに金融システムの安定化策、これは金融システムの危機管理のために十兆円の国債と二十兆円の政府保証、合わせて三十兆円の資産を活用できるようにしていく。あるいは総額約二十五兆円の資金を用意し、これの中には信用保証の拡大等も含めておるわけでありますが、民間の金融機関の貸し渋りと言われるものに対して政府系金融機関がその役割を果たそうといたしております。 特別減税、これについてはいろいろ先ほど来も御論議がありますけれども、を行うと同時に、法人課税の税率の引き下げあるいは有価証券取引税の半減、地価税の課税停止、幅広い分野での政策減税を十年度予算とともに御審議を願わなければなりません。また、九年度補正予算の中で約一兆円規模の公共事業を追加いたしておりますほかにも、一兆五千億円程度の国庫債務負担行為を確保しております。 そして、私は、こうしたものすべてが組み合わせられ相乗効果を起こすことによって、個人消費につきましても、あるいは設備投資、住宅投資等、回復につながっていく、そう考えておりますし、その中に、議員から今触れられました規制緩和というようなものも当然のことながら非常に大きな役を果たすと思うんです。 本当に今、ひとつお時間恐縮でありますけれども、一、二の例を挙げさせていただきたいと存じますが、例えばCSデジタル情報配信サービス事業を新たに開始する会社がスタートしようとしている、あるいは容積率の増加を受けまして、従来いろいろな議論のありました、例えば銀座におきましてビルの建てかえに踏み切る、新たな町並みの創造に踏み切ろうという動きが出る、そうした動きは既にあちこちに出始めております。 こうしたものは我々にとって明るい将来を約束するものでありますし、こうした動きを伸ばしていくためにも、一つの施策に頼るのではない、相乗効果をねらっていきたい、率直にそう考えております。
○田沢智治君 総理がただいまお話しされたように、一つの政策では景気の効果は出ない、いろいろな政策を多様的に遂行して、結果として景気回復の効果が徐々に出てくる、私もそう思っております。ぜひそういう姿勢で対応していただきたいと思います。 次に、二兆円の特別減税に踏み切った理由と心境をお聞かせいただきたいと思うんです。 私は、景気が足踏み状態にある大きな要因の一つには、国内総生産の六割を占める個人消費、この低迷が大きな問題として提起されるのではないか、こう思うんです。 総理は、昨年十二月十七日、平成九年度補正予算において所得減税などの総額二兆円減税を提言し、みずからその実施に踏み切りました。これは多くの国民も歓迎したと思います。また、フォーリー駐日米国大使も特別減税実施に拍手を送りたいという歓迎の意を表されております。 総理が特別減税に踏み切られた背景に、その直前、ASEAN首脳会議で痛感された問題があると聞いております。それは日本発の世界恐慌の引き金は引かないという強い決意を持ってお帰りになられたというようなことをお聞きいたしまして、総理の決断を私たちは高く評価するものであります。 市場やあるいは産業界も喜んで受け入れておると思いますが、総理が特別減税に踏み切るきっかけは何であったのか、その心境等についてお聞かせをいただければと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は衆議院でこの問題について御答弁を申し上げましたときに、大変失礼な言い方でありますけれども、要するに日本国民とか日本のことは考えないで外のことだけ考えるという趣旨のお尋ねがありまして、私はそれはベースでは当たり前のことであるので一々答えで申し上げていないんですということを申し上げました。そんなことがありましたので、多少言葉に気をつけさせていただきたいと思います。 と申しますのは、十一月にAPECのバンクーバー会合がありましたときに、これは日本にとりましては山一証券の破綻が表面化した直後でございました。そして、アジアにおける金融危機というものも進行中であり、マニラにおける俗に言われるマニラ・フレームワークが生まれた直後でありまして、むしろAPECの性格上もありまして、例えばメキシコの経済危機における対応策とか、首脳同士でも率直なそういう話し合いがなされました。そして、そのメキシコの経済危機の時点あるいはその他のケースにおきましてアメリカあるいは日本の果たした役割、殊に地理的環境の中でアメリカの果たした役割というものが一つの論議の材料であったわけであります。そして、むしろシンガポールのゴー・チョクトン首相からクリントンさんに、アメリカが呼びかけて緊急の金融の会議を考えたらどうだと。クリントンさんの方から逆にボールが私の方に来まして、日本は協力してくれるのかと。日本は協力するからそういう会合をやろうよ、そしてG7、従来のいわゆる七カ国大蔵大臣・中銀総裁会議に限定せず、場合によってはそれを拡大することも考えてみてはどうだという議論がその時点でなされました。 しかし、それから本当にわずか一、二週間後にクアラルンプールのASEANプラス3、プラス1に参りましたときに、状況はなおも急激に悪化を続けていたわけであります。そういう状況の中で、個別のやりとりは控えさせていただきたいと存じますけれども、要するに今までアジアあるいはASEAN、日本、NIES、カリの群れが飛んでいくような形、そしてその中核で先頭を飛ぶカリが日本、その日本に対する期待というものはいろいろな角度から論ぜられ、御要望もありました。 そうした中で、私自身必要な一つとして決断をいたしましたものは特別減税でございますけれども、同時にこの金融安定化策等につきましても、何としてもこういうものを国会のお許しを得て実現させていただくことで日本の信頼性を確保する。その基盤を用意することがやはりアジア経済全体にとっても大きな役割と考えて決断をいたしたものでありまして、この特別減税のみではございません、この安定化策等を含めました対策を私は真剣に国の中に向けましても外に向けましても必要なものだと考えております。
○田沢智治君 まことに私もそのとおりであると思うのでございます。 きょうの東京株式市場の九時十分現在の株価の推移を見ますと、一万七千円台に乗っかっているということを言っております。一番安い時期、これは一月の十二日、一万四千六百六十四円というようなことを見ますと、やはりそういう姿勢、三次にわたる総合経済景気対策などを含めて期待感というものが多くの国内外から寄せられているんじゃないかという評価を具体的に見ることができる、こう思っております。 また、今国会におきましては、金融機能安定システムと預金保険機構というものを成立させて、国民が安心して銀行にお金を預けることができますよと。最近、聞くところによりますと、家庭用の金庫がどんどんふえて、生産してもまだ生産し切れないほど注文があるというような現象があることは、いいことか悪いことかわかりませんけれども、余り歓迎すべきものではないと私は思います。そういう意味で、総理が一つ一つの問題点について丁寧に努力なされているということは市場に必ず反映されると思いますので、勇気を持って努力していただきたいということを含めて激励をいたしたいと思っております。 そこで、総理に、この補正予算の特色、日本の将来にとって多くの大事なものが中に含まれていると思いますが、国民にわかりやすくそれをお話しいただければと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 細かい項目を挙げることは控えさせていただき、全体を概括してみたいと思います。 この九年度補正予算が目指しましたものは、現下の内外の大変厳しい経済あるいは金融情勢に臨機応変に対応する、また、し得るようにしておきたい。そうした観点から、二兆円規模の特別減税を行う、同時にその金融システム安定化のために十兆円の国債の交付を含めまして、政府保証それぞれの項目で十兆円ずつ、合計三十兆円の公的資金の活用といった施策を含んでおります。 同時に、公共事業につきましても、これにもいろいろな御議論がございますことを承知しておりますが、事業規模約一兆円の災害復旧事業など公共事業の追加をいたしました。また、公共事業の効率的な執行などを図りますために、事業規模として約一兆五千億円のいわゆるゼロ国債を確保することにいたしましたが、結果としてこれは景気に最大限に配慮をしたもの、そう申し上げてもよいと思います。 また一方では、貸し渋りと言われます状況が企業の設備投資などにも現実に影響が及んでおりますことから、いわゆる貸し渋り対策というものに対しまして、これは中小企業だけではございません、中堅企業までを含めてですけれども、中小企業等金融対策関係経費九百二十四億円を計上しております。 そういった意味では、この九年度補正予算、これは必要不可欠なものを計上していると考えておりますし、こうした施策を現実に活用できるように国会で早く予算の御承認をいただきたい、そしてこれを実行に移させていただきたい、そのように願っているところです。
○田沢智治君 そういう内容を国民の前に総理の立場から訴えていただくということは大変大切なことである。何かやはりその辺、マスメディアを活用するということについて今まで適切であるかどうか私も疑問も持っておりました。どうかこういう機会に、政府として、現状分析はこうであり、将来はこういう方針で臨むんだということを訴えることは大変アナウンス効果があるのではないかと思いますので、ひとつ努力をしていただきたいと存じます。 そこで、経済企画庁にお聞き申し上げたいのでございます。 経済企画庁の一月の月例経済報告では、個人消費は家計の経済の先行きに対する不透明感があって、景気は足踏み状態が続いており、家計や企業の景況感は厳しさを増し、個人消費や設備投資にも影響を及ぼしていると判断していると。明らかに景気は後退をしておるという状況を言われておると思うんですが、経済企画庁長官としての所見を伺わせてもらいたいと存じます。
○国務大臣(尾身幸次君) ただいまおっしゃいましたとおり、個人消費は本年度当初、四月以降は、消費税の引き上げに伴います駆け込み需要が一―三月にございまして、その反動減で、予想以上に反動減がございまして、夏にかけまして一時回復が見られました。しかしその後、先ほどお話にありましたようなアジアの経済状況あるいは株価の動向あるいは大型の金融機関の破綻等ございまして、いわゆる経済の将来に対する信頼感が非常に低くなってまいっております。 そういう状況を反映して弱含みに推移しておりまして、例えば十二月の全国百貨店販売額を見ますと前年同月比で五・七%減、あるいはチェーンストアの売上高等を見ましても前年同月比で七%減という状況になっているところでございまして、全体としての経済の先行きに対する不透明感というものが個人消費に影響しているかというふうに考えております。 ただ、ここ数日の動きを見ますと、株価の動向等に反映しておりますが、金融システムの安定化対策あるいはこのたびの補正予算、特別減税等の対策の国会審議等の状況を踏まえて景況感そのものはよくなってきているというふうに考えておりまして、いずれこれが個人消費の具体的な動きに反映してくるというふうに期待をしているところでございます。 いずれにいたしましても、そのためにもぜひ現在審議中の補正予算及び金融システム安定化等の対策について順調に国会を通していただき、これが実現できるようにしていただきたいと願っているところでございます。
○田沢智治君 そこで、よく言われておるんですが、政府の経済見通しは一般的に甘いんじゃないかということが指摘されております。政府が平成九年度の実質経済成長を一・九%と予測をしたときに、既に民間の研究機関の多くが一%台前半からせいぜいよくなっても一・五%ぐらいじゃないかと、中には一%以下ということを予想した研究機関があります。 もとより民間の研究機関は足元の経済動向に引きずられることが多いと思いますが、この差は民間の研究機関の見通しの性格と政府の発表する経済見通しの性格が違うためなのかどうか、私たちもちょっと迷っております。 政府の経済見通しの性格について、民間とどう違うのか、御説明ができればひとつ国民の前に知らせてあげたらいかがかと存じますが、経企庁長官。
○国務大臣(尾身幸次君) 確かに、九七年度の見通しにつきましては、当初一・九%という見通しでございましたが、〇・一%に引き下げざるを得ないという状況でございまして、その原因は、先ほど申しましたように、アジアの経済状況あるいは株価の動向あるいは金融機関の幾つかの破綻等、当初予想していない事態が生じたからでございまして、やむを得ざる事情もあったかなというふうに考えております。 ただ、政府の見通し、例えば九八年度の見通しについてでございますが、私どもの見通しは、単なる民間エコノミストの予想と違いまして、政策を遂行しながらその見通しそのものを実現していく経済運営をしていかなければならない、そういう前提条件の上での見通しでございます。 したがいまして、九八年度につきましては、現在国会に提案しております補正予算あるいは金融システム安定化対策あるいはその後の予算、それから法人税の減税とか有価証券取引税の減税とか土地関係税制の見直し、規制緩和等々の政策を実行いたしまして、それによって経済の全体の状況を正常な回復軌道に乗せていきたい、またそういう政策を実行していけば順調な回復軌道に乗っていくであろうというふうに考えてつくった見通しでございまして、各般の政策を総合的に実行することによりまして来年度は一・九%の成長率を実現できるようにしていきたいと考えている次第でございます。
○田沢智治君 経済の見通しについてはわかりましたが、景気に対する認識も国民の実感とはいささか離れているんじゃないかと思うのであります。 月例経済報告において回復という表現を削除したのは、ようやく昨年十二月になってからであります。既に夏には金融機関が貸し渋りに走り、十一月には金融機関の大型破綻が相次いだにもかかわらず、政府は依然として景気は回復していると言い続けてきたようでございます。 政府においても客観的なデータに基づいて景気の現状認識をしていると思いますが、それにしても国民の実感と離れた判断について反省すべきは謙虚に反省すべきではないかと思います。この点についてどう考えられているのか。さらに、できるだけ早く経済の実態を把握できるよう客観的なデータを、適時適切な景気の現状認識を多くの国民に知らしめるべきであると私は思っておりますが、経企庁長官の意見を聞かせてください。
○国務大臣(尾身幸次君) 私ども経済企画庁といたしましては、経済の動向につきまして入手可能な最新の統計などを収集、分析いたしますのと同時に、産業界の方々からのヒアリング等も行いまして経済の実態把握に努めており、そしてその時点で最も的確であり客観的である状況を把握し、またそれを報告するということに心がけているところでございます。 そういう中で、正直に申しまして、昨年の夏以降、金融機関の破綻の問題あるいはアジア経済の問題等々の状況変化がございまして景気の動向が徐々に下がってきたというのも実態でございます。そして、そのことに対しまして、昨年の暮れにいろんな政策を政府として決定いたし、そして現在国会にそのうちの大部分を提案し、提出している状況でございます。したがいまして、そういう効果があらわれてきてそれが実現されてくる状態になれば経済も徐々に順調な回復軌道に乗るというふうに考えているところでございます。 ただ、実際の統計に出てくる経済の数字というものは二、三カ月のタイムラグがございますので、いわゆるファンダメンタルズ、例えば消費とか投資とか生産とか、そういうものが数字の上で上向くようになるのには少し時間がかかるのかなというふうに考えている次第でございます。 いずれにいたしましても、現在の補正予算及び金融システム安定化対策が一日も早く実現をできるようにぜひお願いをしたいと考えている次第でございます。
○田沢智治君 私は、やはり景気対策を考えるとするならば、国内総生産の主要需要項目別の対策を個々に具体的に指摘し、それぞれの成長の過程の中で、低いものについてはどうしたらもっと数字が上がるか、どういう対策が必要なのかという個別的な対応策を総合的にしていく機能を持たなければならない時代ではないか、こう思うんです。 特に、我が国経済の活性化を図り景気を回復させるためには、財政構造改革を踏まえつつ、別次元で規制緩和と民間活力の活用、税制の思い切った見直しを行ったり、時には必要な減税を含む弾力的な経済運営の実行が私は必要だと思うんです。 我が国の潜在的な経済力というものはすばらしいものがあることを踏まえたときに、総需要の喚起策を推進することが大切ではないか。そういう意味では、需要項目別の対策をしっかりやるというのもこれまた一つの大きな政策の効果を生み出すものであると。 顧みますとき、我が国経済は、平成八年末から九年初めにかけては設備投資の回復、公共投資や住宅投資の増加が成長を支え、さらに駆け込み需要で個人消費が大きく伸びたということは周知のとおりであります。しかし、昨年の暮れにかけて景気は物すごく回復がおくれまして、足踏み状態からさらに後退しようとしております。私は、この最大の要因の一つは、大手金融・証券の破綻や金融機関の貸し渋り等により企業倒産などがありまして、御承知かと思いますが、倒産件数が一千万以上については一万六千件、負債総額が十四兆円あるということが伝えられております。そういう意味におきましては、先行き不透明感というものが広がって、消費者心理が冷え込んで、個人消費さらには民間設備投資が低迷しているという現実を我々は直視しなければならないんじゃないか。 政府は、今こそ国内総生産の主要需要項目別にきめの細かい総需要喚起策を策定して力強い景気対策を断行する時期であるし、また経済の見通しは必ずしも明るくなるとは思いませんが、そういう努力をすれば必ずよくなると私は思いますので、総理の所見をお伺いさせてもらいたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、総需要抑制という視点からいろいろな御議論をいただいたわけでありますが、現下の経済・金融情勢にかんがみて、二兆円の特別減税から始めましたさまざまな措置につきましては今も御答弁の中で触れさせていただきました。そして、間違いなく、議員の御指摘にございましたように、我が国の経済というものを民間需要を中心とした内需中心の成長軌道に乗せていく、自由で活力のある、豊かで安心できる経済社会を構築していこうとするときに、今まで御説明を申し上げてきましたような施策に加えて、どうしても構造改革をやっていかなければなりません。 もともと我が国は有能な人材を多数輩出しております。また、豊富な資産、資金も持っております。そして、新しい時代を創造していくための技術というものについても世界に誇るべき資産を持っていると思います。 ですから、私は、日本経済に対して未来がないような悲観論が時々散見されますけれども、そうした考え方にはくみしたくありませんし、またくみしません。むしろ、二十一世紀を考えましたときに、数年前、産構審が幾つかの分野、例えば医療福祉あるいは情報通信あるいは環境といった今後成長していくべき産業分野というものを想定し、そこにおける有効需要、さらには雇用といった数字を示してくれました。まさにこうした分野を初めとして成長の期待できる分野はあるわけであります。そして、市場メカニズムを通じて人や資金や技術がこうした分野に集まってくる、質の高い雇用の場をつくり出す、そしてそれが富を生み出す。そうした経済構造改革、金融システム改革、並行して強力に進めていくことによって、議員が述べられましたような問題に対する答えとしたい、そのように思います。
○田沢智治君 かつて、レーガン米国大統領が、一九八一年から八〇年代前半にかけて、双子の赤字、財政赤字と貿易赤字を抱えて深刻な経済不況のときに財政再建計画の柱に減税と企業設備投資を促進し、その路線をブッシュ、クリントン大統領が継承してきた中で今日の米国経済が立ち直りつつあると言われております。 我が国においても、平成十年度税制改正で法人税の引き下げを実施する。法人課税の実効税率は現在の四九・九八%から四六・三六%と三%下げました。中小企業対策においても三%下げて実質二五%になっております。さらに我が党の中でも十一年度に四〇%まで引き下げてはどうだという意見も現実に出ております。法人税の引き下げを中心として企業体質を強化し、設備投資が促進される環境の整備を進めるということも一策ではないか、こう思います。 設備投資と個人消費は経済の両輪だと私は思っております。経済活動を支える環境が整う、そうなりますと国内総生産の六〇%を占める個人消費の活性化もできますし、消費の拡大もできる、雇用の促進にもなるというようなことを考えたときに、このような具体的な案等は検討するに値するものであると思うのでございますが、経企庁長官のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(尾身幸次君) 橋本総理も答弁をされておりますように、経済は生き物でございまして、そのときの経済事情、金融事情、あるいは外国の状況等に応じて適宜適切な対応をしていくことは当然だと考えている次第でございます。 そういう中で、現在の消費低迷の原因は何かということでございますが、やはり基本的には千二百兆円の個人金融資産がある、そういうことにも反映されておりますように消費者の懐そのものはそんなに貧しくはない、豊かである。しかしながら、経済の先行きあるいは金融システムの先行きに対する不安感というものが強くございまして、それが消費者の懐を、財布のひもを締めているという現状にあるというふうに考えておりまして、そういう経済の先行きに対する信頼感を取り戻すことが大変大事だというふうに考えております。 そういう意味で、現在提案をしております一連の規制緩和あるいは金融システム安定化対策、そういうことによって民間活力中心の経済が順調に回復していくなという感じを持っていただく状況になったならば消費の回復にもつながってくる、そういうふうに感じている次第でございます。
○田沢智治君 私は、やはり個人消費の低迷の要因、これは尾身長官が今言われるように、我が国経済は平成八年末から九年初めにかけて設備投資の回復とか公共投資あるいは住宅投資の増加が成長を支えてきたことは事実でありますけれども、ここへ来て、一番大事なことは、先行きが不透明なんだということで国民は買い控えをしちゃっているというような問題が一つありましょう。それと同時に、倒産が多くて、その実相を見ると、うちのお父さんまた会社でリストラの対象になってしまうんじゃないか、うちの事業所は大丈夫だろうかというような意味で、雇用の問題もかなり深刻に受けとめられていると思うんです。それからさらに、老後に対する不安感、こういうものがあります。 私は、こういうような国民の先行き不安感というものを払拭していく具体的な内容を政府は国民に示して、中長期的な次元で日本はこうなる、先行きは大丈夫なんだと言い切れるほどやはり強い政府、強い施策というものを国民の前に示す。そうしますと、国民もある意味において安堵感を持って消費の拡大ができるのではないかと思うんです。 ですから、政府はどうやって国民に安心感を与えていくか、そういうものについてわかりやすく国民に話してもらいたいと思いますが、尾身長官、いかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 経済の先行きに関しましては先ほど御答弁申し上げましたが、特にこの二月に予定されております所得税の特別減税も、そういう意味では、この一―三月という時期にいわばカンフル注射的に経済を刺激するという意味で大変大事なファクターになるというふうに考えている次第でございます。 それから、老後の問題等々につきましては、現在、今後の社会保障制度等についての改革をするということで検討をされているところでございますが、少子・高齢化社会で支える人と支えられる人の比率が変わるという状況の中で、たとえ今後今までよりもいろいろな形で条件がよくなくなる、悪くなるとしても、どういうふうになるかということを明確に示し、そしてそれによって個々の国民の皆様が自分の生活設計を立てられる、そしてここまでは大丈夫、安心して確保しているなということをしっかりと示していくことが、将来の生活に対する信頼感、安心感というものを確保できるゆえんではないかと私自身は考えている次第でございます。
○田沢智治君 総論においては私も全く同感でございます。 そこで、消費低迷の背景にある雇用や老後の不安についてもう少し具体的にお伺いさせてもらいたいと思います。 まず、労働省から、現在の日本の失業者と雇用の状況、そして将来の見通しについて伺わせていただきたいと存じます。また最近、大手企業の中にも六十五歳まで定年延長をしようとする企業が出てきたと報道されております。企業の定年延長の動向についてもあわせて御報告をいただければと存じます。
○国務大臣(伊吹文明君) 二点お尋ねであったと思いますが、まず一点は雇用状況、もう一点は企業の定年延長の動向でございます。 現在の雇用失業状況につきましては、仕事が欲しいと思う人に対して仕事を提供したいと思う率が百人に対して大体六十九でございますので、有効求人倍率は〇・六九となっております。それから、百人働きたい人の中で何人失業者がいるかという失業率、これは三・五でございまして、空前の好景気と言われておりますアメリカでは四・五でございます。しかし、日本は終身雇用制を前提にいたしておりますので、この三・五という数字はかなり私は厳しい数字だという認識を持っております。 そこで、雇用の状況につきましては、中長期的には新しい産業を規制緩和や構造改革によって創出する。それによって、例えば福祉介護あるいは通信それから社会文化、こういうところで将来的には雇用を創造していくということが大切でございますが、短期的には何よりもマクロ経済のマネジメントがうまくいきまして有効需要が創出されることによって働く場が提供されねばなりません。 先ほど来、総理あるいは経済企画庁長官がるる申し上げておりますように、日本の実体経済、ファンダメンタルズというものは揺るぎなく私は強いと思っております。 ただ、残念ながら金融不安がこの強さが出てこられないような状況に今している。そのために補正予算や金融安定諸法をお願いして、金融が強い実体経済の鼻面を引き回さないように断ち切るための法案を今お願いしておるわけで、一刻も早い成立を私はお願いいたしたいと思っております。 それから、定年延長につきましては、本年四月から六十歳という定年が義務化されます。約九割以上の企業が既に定年制六十歳というところに入ってきていただいておりますが、何らかの形で六十五歳まで人を継続的に雇っていただきたいということを今我が省としては経済界にお願いをして、徐々に効果があらわれてきておりますので、将来的には六十五歳まで安心して働けるという方向へ持っていって、先生がおっしゃっている不安を払拭したいと思っております。
○委員長(岩崎純三君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。田沢智治君。
○田沢智治君 それでは、午前中に引き続きまして労働大臣にお伺い申し上げます。 働く人々が安心して生活できる環境を整備するというのも国の施策の一つの大きな柱だと思います。雇用保険制度を含む支援体制の拡充や円滑な再就職のための支援措置を講ずるなど、雇用促進のために万全を期してもらいたいと思うのでございます。そうすることによって、国民の雇用不安を解消していく必要があると私は思いますので、労働大臣から所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(伊吹文明君) 午前中の御質疑では失業が生ずる不安があるからという観点でございましたが、不幸にして失業が生じた場合のお尋ねだろうと思います。 そこで、今回の山一の問題を見ましても、特に中高年齢の方、具体的に言うと昭和三十年代、四十年代にビジネス戦士になられた方々が時代の流れとともに新しい職につくだけの技能研修を受けていらっしゃらないところに再就職の非常に難しい問題が生じております。 そこで、四十歳以上の方を対象にいたします中高年齢労働者等受講奨励金というのが我が省にございまして、平成八年度で約五万人の方が新たな技能を取得するためにこの制度を利用しておられます。受講費の助成を具体的にはしているわけでございます。 それに加えまして、先生今御指摘のように、雇用保険法におきまして、昨年末の予算編成において職業能力開発に主体的に取り組む方々に対する教育訓練給付を行うとか、あるいは家族を介護するために休業をおとりになった方の介護休業給付を行うとか、こういう新しい制度を雇用保険制度の中に創設することにいたしておりまして、できるだけ御指摘のように不安が起こらないようにして、消費を少しでも伸ばしていただくということがまた景気浮揚につながり、失業の不安を払拭することになりますので、全力を挙げて取り組ませていただきたいと思っております。
○田沢智治君 労働大臣が話されたように、幅の広いきめの細かい対応策をやりながら、やはり家族のため、国のため一生懸命働いている人たちが生涯安心して生活できるような対応、働く意欲のある人たちが安心して働けるような環境づくりというものが大事だと思います。ぜひそのように努力していただきたいということを御要請申し上げます。 次に、ベンチャー企業の支援というものに対して二、三お伺いしたいと思います。 通産大臣にお伺いします。 雇用を拡大するためには、既存の企業の雇用拡大だけじゃなくして、時代のニーズに対応した新しい企業づくり支援が私は必要だと思っております。 そこで、ベンチャー企業の育成については、国がベンチャー企業向けに設けた債務保証制度は審査が厳しくて、相談件数が減っているという話を聞いております。これではいけません。これからはさまざまな分野で新規事業を起こしていく必要があると私は思います。ぜひ実態を調べ、ベンチャー企業にとっても使いやすい制度にすべきである、ベンチャー育成について産学官の体制がしっかりと連帯してこそ実益が上がると私は思うのでございます。 そういう意味で、やはりベンチャー支援というものに対して国として力を入れながら新しい時代に新しい企業をたくさん創出していくことこそ活力のある日本をつくるということになると思いますので、通産大臣の所見を伺わせてもらいます。
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。 我が国の雇用機会を増大させたりあるいは経済活力を高めていくというためには、先生の御指摘のとおりベンチャー企業の創出を支援することが極めて重大であると思っております。通産省といたしましても、資金の面あるいは人材及び技術の面、こういう面に関する総合的なベンチャー支援策を引き続き積極的に推進をいたしているところでございます。 中でも、資金面では従来も企業年金あるいは証券の投資信託の投資対象にベンチャーの株を含めるための運用規則の緩和を昨年実施いたしたところでございますが、加えて、米国のように年金資金等からのベンチャー企業への資金の供給を円滑にするために投資事業組合の組合員の有限責任、今まで無限責任になっておりますが、それを有限責任にすることによって活動が活発になるということもありまして、法的に有限責任を担保することなどを内容とする法律案を今国会に提出する予定でございます。 また、技術面では大学等から生じた研究成果についての知的財産権、これが余り活用されておりませんが、そういうものを有効に活用できるようにしたり、あるいはそれを容易に活用できるようにしたり、そういう成果を活用した新規産業の創出、産業技術の向上、こういうものを図るための法律案をこれまた今国会に提出する予定になっております。
○田沢智治君 ぜひ産官学の連携の中で努力してもらうと日本はすばらしい国になるんじゃないか。特許申請の一年間の件数は二十万件あると。これはもう世界一なんです。その中でどれだけ残るかは別として、それだけの意欲を持った知的集団がこの国にいるということは私は大きな力になると思う。ですから、そういう意味で、通産大臣が今言われるように、そういう方々に対しても支援体制をとっていくということによって新しいいろいろな分野の産業の創出ができるんじゃないかと私は期待するものでございます。 俗に、二十一世紀は情報通信化時代だ、こう言われております。規制緩和を通じて情報関連産業が現在大変拡大していると思うのでございます。新規事業の創出が行われると期待されていますが、どのような新しい企業が生まれると見られるのか、そういう企業にどのような支援策を示すことによって新規企業の創出が図られ雇用が拡大できるのか、そういう点において、通産大臣と郵政大臣、通信情報分野ですから、個々に御所見を伺わせてもらいたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) それでは、総括的な方で私からお答えを申し上げます。 我が国産業や雇用の空洞化、こういう問題に適切に対応する良質な雇用機会を確保するために新規産業の創出が重要であることは先生の御指摘のとおりでございます。 新規産業の創出に当たりましては、資金、人材及び技術に関する総合的な施策を実施するのみならず、今後成長が期待される分野について特に抜本的な規制緩和あるいは技術開発等を推進していくことが必要であると思っております。 政府といたしましては、これからの施策を総合的に進めるために、昨年の五月、「経済構造の変革と創造のための行動計画」として閣議決定をいたしました。さらに、十二月には関係各省庁との連携のもとに計画の前倒しと新たな施策の追加を内容とするフォローアップを行ったところでございます。 その中では、今後成長が期待される医療あるいは福祉、情報通信、バイオテクノロジーなど十五の産業分野を掲げているところでございますが、雇用規模で九五年の約一千六十万人が二〇一〇年には七百四十万人増加する、雇用を約一千八百万人にすることを見込んでいるところでございます。 当省といたしましては、今後これらの取り組みを通じまして新規産業の創出に最大限努力をいたしてまいる覚悟でございます。
○国務大臣(自見庄三郎君) 田沢委員からの御質問でございますが、二十一世紀が情報通信の世界になる、こういう御指摘があったわけでございます。電気通信審議会でも二〇一〇年には市場規模が百二十五兆円になるだろう、それから雇用創出が二百四十四万人になるだろう、設備投資が七・二兆円になるだろう、こういった推計をいたしております。 これは二〇一〇年の話でございますが、現在でも一例を挙げますと、先生御存じのように携帯電話は今三千五百万台普及いたしております。去年一年間で実に一千万台増加をしたわけでございまして、大体売上規模は四兆円でございます。五年前は五千億でございましたが、現在四兆円のマーケットになっておりまして、約二万人の方が新たな携帯電話の分野で働いております。二万人の雇用を創出いたしております。 それから、大変規制緩和をさせていただきましたので、料金も基本的に事業者で決めていただきたい、こういう政策をとらせていただきましたので料金も大体半額になった。そして、こういった財政の厳しい折に、実は歳入及び電波利用料で約三千五百億円の国家に対する歳入があった。現在でもそういう状態にありまして、この分野はこういった時代になっても非常に高い伸びを示している分野でございます。 今、先生から一体どういうふうな分野が伸びるのかというお話でございましたが、CATVも活用したインターネットのサービス事業、それからインターネット電話、こういうのが将来伸びるだろうと。 御存じのように、世界で一番インターネットの利用が伸びておるのは実は日本国でございまして、約一千万人の方が利用しております。ちなみにアメリカが一億人、全世界で二億人、こう言われるわけでございますけれども、その中で、先進国の中で一番インターネットがここ五年間の伸びを示しているのは実は日本でございまして、そういったインターネット電話、それから国際公―専―公サービスを提供する事業、あるいは総理も今さっき答弁の中でお話ししておられましたが、CSデジタルの衛星放送、こういった衛星デジタル放送がまた大変高い伸び率を示すだろうというふうに思っておりまして、そういった多チャンネル化に伴い多様な専門番組を提供する事業が出現をいたしております。 いずれにいたしましても、今後インターネット関連、あるいは今さっきお話ししました携帯電話を含む移動通信、あるいは衛星関連ビジネスの分野で多様なニュービジネスが産出されると思っております。 いずれにいたしましても、郵政省といたしましても、まさにこういった大変大事な伸びる分野でございまして、今の景気回復あるいは雇用の安定のために大変大事でございますから、資金面、人材面、技術面で各種の積極策を積極的に展開いたしまして、特に規制緩和、そういったことは大事でございますから、積極的に展開してまいる所存でございます。
○田沢智治君 ただいま聞きますと、通産大臣は千八百万人の雇用の拡大が将来できる、郵政大臣は二百四十四万人の雇用拡大ができるというような現実、投資額から見てもかなり高い設備投資もできるんだというような状況を見ると、日本の経済、日本の雇用の拡大というものは洋々たるものがあるのではないだろうかと。こういう条件、要素が整っているものを生かしていくのが政治であり、政策であると私は思います。どうかそういう姿勢で大いに頑張っていただきたいということを心からお願い申し上げます。 次に、厚生大臣、去る一月二十一日の新聞報道によれば、世論調査において「年金「信頼せず」」と答えた国民が五三%に達していると報道しております。年金については、若い世代や中年層は年金制度が破綻するんじゃないだろうかという心配があるようでございます。そのために、老後のための預貯金をするか、たんす預金をするかというような傾向に今走っていると言われております。 この際、この場をかりて、年金制度は今後も大丈夫なんだという将来性の中の展望を国民にお知らせいただきたいと存じます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金制度に対する不安が高まっているという御指摘でありますが、これは年金制度を確実なものにしようとする改革に今着手しているんです。というのは、年金というのは保険料を掛けていただく若い世代、そして受ける高齢者の方々、そして税金を投入していますから、どのような私的年金よりも確実で有利なんです。 ただし、高齢者がどんどんふえていく、若い世代がどんどん減っていく。しかも、年金発足当初は人生五十年あるいは六十年、そういう時代に六十歳から支給できると。ところが、現在人生八十年時代、そして六十歳から支給される。なおかつ、百歳まで生きるというのは夢じゃなくなりました。既にことし百歳以上の方は八千四百人を超えている。きんさん、ぎんさんみたいな元気な方は夢じゃなくなったんです。そうすると、年金を受ける方はこれからどんどんふえていく。長生きですからもらう期間は長くなる。片方、若い世代は、去年の統計で六十五歳以上の高齢者が十四歳以下の人口を初めて上回ったんですね。 そういう中で、このままの年金額を受け取るためには若い世代の負担が大変になって、過重になってしまう。だから、今後どのような給付と負担、受けることばかりを考えていちゃいけません、保険料を払う若い世代のことも考えましょうということで、今のままの状況でいきますと保険料が倍になります。現在一七%程度、企業と個人がサラリーマンの場合折半していますから、これから将来、今の状況を続けていきますと倍になります。 この保険料負担、倍負担できるだろうか。負担できれば、いいというんだったら現在の受給状態が続きます。しかし、そうでもないだろうということで、厚生省としてはいろいろな選択肢を出しました。これから国民的な議論を喚起いたしまして、現在程度の給付を受ける場合、サラリーマンの場合だったら四十年加入の場合月額二十三万円程度もらっていますから、これをずっと維持したいというんだったら、将来若い人の世代は倍になりますよと。しかし、この負担、こんな倍は嫌だといった場合に、当然給付の方も将来下げなきゃいけません。 どういう選択肢があるんでしょうかということをこれから一年かけて年金審議会にいろいろ審議いただき、国民的な理解を得ながら、平成十一年の財政再計算のときに、しかるべき将来も永続できる安定した年金が受けられるような制度を構築したいということでありまして、年金制度が破綻することはありません。しかも、税金も投入していますし、物価スライドもあります。いかなる私的年金よりもたんす預金よりも預貯金よりも最も有利な制度が公的年金制度だということを御理解いただきたい。
○田沢智治君 ただいま厚生大臣より、確かにたんす預金というようなことでは意味がないと私も思います。しかし、人生わずか五十年から八十年時代になってきたということで、給付と負担の関係については大変大きな問題があると思います。中長期的な視野に立って、年金審議会で御検討いただいてそれなりの結論を出していただき、年金制度は決して破綻はしないということをお約束いただきながら、その内容等について検討をしていくんだと。だから、皆さん方そう大きな不安を持たずに、定年制も多少長くなってくる方策もあるし、いろいろな施策を講じていくとするならば、まだまだ年金制度というものの将来は十分に明るい面があるという認識をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、住宅問題もかなり国内総生産の中で高い比重になるわけですが、建設大臣、現状における住宅建設の需給関係についてお話ししてください。
○国務大臣(瓦力君) 委員のお尋ねは、住宅投資の現状と今後の見通しはいかん、こういう御質問かと存じます。 住宅建設は、平成九年度に入りまして、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減、さらに景気動向につきましては、午前中の経企庁答弁でもございましたが、先行き不透明感などの影響によりまして弱い動きが続いておるわけであります。 民間住宅投資は、平成九年四―六月実績で前年同期比九・二%減の六・三兆円、七―九実績で前年同期比二〇・四%減の五・九兆円となっております。平成九年度の民間住宅投資は、今月十九日に閣議決定された政府経済見通しによりますと、前年度比一七・四%減の二十三・一兆円と見込まれるわけであります。 平成十年度の民間住宅投資は、この経済対策や税制改正によりまして住宅取得環境が改善されることから回復をいたすものと考えておりまして、政府見通しによれば、前年度比五・七%増の二十四・四兆円となる見通しでございます。
○田沢智治君 住宅投資が向上することが日本の経済を支える意味において重要な課題でありますので、促進方、税制面を含めてぜひ検討していただきたい。 そこでお伺いしますが、公庫融資の中でゆとり償還制度というものが五年前にでき、利用者が大変多くて結果的には経済成長の足しになったと思うんです。最初の五年は返済額が低くて六年目以降は返済額が引き上げられる、ちょうど平成十年はそういう時期になります。経済情勢が厳しさを増す中、返済が六年目以降を迎えた家庭は返済額が倍近くになる状況に至って、特に給料の右肩上がりというような状況ではないし、企業も終身雇用制という前提がある程度崩れかけてきているというような社会的変化を考えたときに、返済期間の延長とか高い金利の書きかえとか、そういうようなものもある意味において創意工夫してやることが私は大事だと思うんです。 日本の経済のシステムが大きく変わろうとしているときでもございますので、住宅をつくれつくれと言っている一方、利用者の負担がある意味においては多少軽減できるような措置を講じていくということもあわせて検討するに値するんじゃないかと思うんですが、建設大臣、どう思いますか。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。 委員御指摘のように、六年目以降の返済額の増加が大きくなっておりまして、その対策としてこれまで以上の取り組みが必要であると、かように考えておるわけでございます。 平成十年度予算案におきましても、償還期間を延長することによりまして六年目以降の返済額の上昇を緩和する、こういった措置を盛り込んでおるところでありまして、この措置につきましては、他の公庫融資利用者の返済負担との公平性の確保、これに留意をいたしながら適切な運用によりまして利用者の負担軽減を図ってまいりたい、ゆとり償還制度につきましてはかように考えておるところであります。
○田沢智治君 そこで二、三提言したいんですが、一つの対策として今延長等を含めて検討し、またそういう措置も講じておるというようなお話でございますが、住宅ローン税額の控除期間の延長をこれからまた検討なさっていただきたいと思うんです。それから、個人にも法人同様の利息分については損金算入の確定申告制度の導入などを含める、こういう検討はどうだろうか。これは税制上いろいろな問題があると思いますけれども、また売買損が生じた場合、それを救済する制度とかいろいろな方法があるかと思うんです。 ですから、住宅をつくりたいと言うけれども将来の返済計画を見るとなかなか難しい面もありましょうし、そういう面についてある意味における税制面の手当ても必要じゃないだろうか。これはきょうお答えいただかなくても結構だと私は思うんですけれども、そういうようなものも含めて、やっぱりゆとり償還制度ということを言っているならば、ゆとりを持たせるような、社会の変動に対して対応していくことを将来工夫してもらいたいということをお願い申し上げたいと存じます。 次に、民間の設備投資の増加策についてお伺いいたします。 民間の設備投資は国内総生産の二割弱を占めることになります。個人消費とともに経済の両輪と言われております。設備投資は製造業を中心に割合とかたく動いておるということを聞いておりますが、近年は対前年比の伸び率が一けたに落ちている。これでは経済成長はできないと私は思うんです。今後も企業活動に期待されるとするならば、民間の設備投資の促進策について環境整備をする必要があるのではないかと思いますが、通産大臣、その辺について意見があればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。 最近の民間の設備投資の動向を見てまいりますと、製造業については加工組み立て業種を中心に緩やかに増加をいたしておりますものの、非製造業については平成八年度に大きく伸びた通信関係の設備投資の一服というようなものもございまして、伸びが鈍化をいたしております。中小商業の経営環境が厳しい状況となっておることなどからも、弱い動きとなっておる面もございます。設備投資全体としての伸びは非常に緩やかになってまいっております。 これに加えて、このところ民間金融機関による貸し渋りの問題が設備投資にも影響を及ぼしてきているというふうに思います。こうした状況に対処するために、政府といたしましては、中小中堅企業を対象といたしまして、信用保証を合わせて平成九年度に十二兆円、平成十年度に十三兆円、総額二十五兆円の資金を用意いたした貸し渋りの対策を行っているところでございます。 また、平成十年度の税制改正でお願いをいたしておりますところの法人課税の実効税率を下げるということ、これによる税負担の軽減は企業の内部留保の増加や将来に対する期待的な収益率の上昇を通じまして企業の設備投資を増加させる要因になってくると思っております。 通産省といたしましては、今後とも企業に対するいわゆる貸し渋り等の状況を最大限に注意を払いながら注視いたしてまいりますとともに、今後さらに国際的に魅力のある事業環境の創出、これを目指した経済構造改革を推進していく観点から、地方法人課税の改革を初めとして、引き続き世界に匹敵できるような経済環境というものをつくっていかなければならないと思っております。 さらに、経済構造改革の重要な柱の一つであります規制緩和の推進も、参入規制の撤廃あるいは競争の促進というものを通じて設備投資の拡大、増進に資するものになってまいると思いまして、その点に大いに力を注いでまいります。
○田沢智治君 通産大臣が言われるように、設備投資というものは大変大きな魅力のあるものであるし、またいろいろな新しい産業を創出するについても、そういう土台ができておることによって大いに促進ができると思うので、しっかりやってもらいたいと思います。 次に、土地の有効活用等について二、三御質問をさせてもらいます。 私は、今日、経済のグローバル化が進む中で、二十一世紀に向けて日本の経済を展望した場合、経済構造改革を進めて、同時に我が国金融システムの安定に対する内外からの信頼の回復に努めなければならないと思います。我が国経済の活力や適応力を最大限に引き出して、民間需要中心の自律的な安定成長軌道に乗せていく必要があると思うのであります。 このために、昨年十一月十八日、経済対策閣僚会議において、規制緩和、土地取引の活性化、有効利用、魅力ある事業環境の実現などの施策を盛り込んだ緊急経済対策が決定されております。私たち自民党としても、二十一世紀を見据え、国際的な日本の地位も考え、景気回復に手を打たなければならないと考えているところであります。 まず、緊急経済対策に組み込まれている土地取引の活性化、土地の有効利用等について、国土庁長官がおられれば御発言をお願いします。
○国務大臣(亀井久興君) ただいま御指摘になりましたけれども、昨年の十一月に取りまとめました政府の緊急経済対策におきましては、経済活動全体の活性化、さらに国民生活をより豊かに実現をしていく、そしてまた都市を再構築していく、そういうことを進めていこうといたしました場合に、何と申しましても土地の有効利用と土地取引の活性化が極めて重要である、そのようにうたっておるところでございます。 具体的には、土地税制の見直し、それから不動産の証券化、さらに国土利用計画法に基づきます大規模な土地取引の事前届け出制から事後届け出制への移行、それからいわゆる郊外型住宅の取得の促進、そしてまた都市の中心市街地におきます容積率の抜本的な緩和、こうしたことを初めといたしまして各般にわたる施策を推進していくことといたしております。 今後は政府が一体になりましてこれらの施策に取り組み、その実現を図るために全力を尽くしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○田沢智治君 ぜひそのように推進していただきたいと存じます。 次に、有効活用の具体案をお聞かせ願いたいと思うんですが、まず建設大臣、都市中心市街地の容積率の緩和等について、その内容、その後の検討状況についてお聞かせをいただきたいと思うのでございます。 実は昨年末、経済企画庁長官と建設大臣が自民党の東京都連の幹部とともにいろいろ相談したことがありました。それによって、銀座の地域、特にあの中心街のビル再構築という次元の中で、中央区の区長も大変努力されて、資生堂などを含めてあの辺の建てかえをしようというような準備もされているし話も進めておる。もしこれが成功すると、日本の中心市街地を中心とした大きな経済の活力増進になるのじゃないだろうか。 そうしますと、従来規制されている建物の容積率を高くしながらより近代的で使いやすくて防災上安定した建物が構築できるとすればお互いにいい結果を生むであろうと私は思うんですが、その辺のところについて御発言をいただければと思います。
○国務大臣(瓦力君) 従来、土地の抑制という方向でございましたが、土地の有効利用、こういったことに着目をいたしまして容積率の緩和等いろいろ取り組んでまいっておるところでございます。 もとより、市街地の良好な環境を確保すること、また公共施設とのバランス等を確保しながら行っていく、こういうことが必要でございまして、委員御指摘のように、先般、中心市街地高度利用地区と目される東京の銀座、中央区の方々といろいろ懇談もさせていただいたわけでありまして、その節は大変お世話になったわけであります。 この政府の緊急経済対策におきまして都心の商業地域の更新を図る、こういう方向は示されたわけでありますので、昨年十二月に容積率を緩和する高度利用地区の運用改善を行いました。よって、東京都並びに中央区におきまして、銀座を含む都心商業地域におきまして早期に高度利用地区制度の活用ができるよう取り組んでまいっていただいておるわけでありまして、種々検討がなされておると聞いておるわけであります。 これは、阪神・淡路の経験を踏まえましても、やはり安心、安全が確保できる中心地域であらねばならぬわけでありますので、相当老朽化したものもございますし整備の必要とするものもありますので、地域の御協力をいただきながらこれらの施策が円滑に施行されることが肝要だと、こう思って取り組んでおるところであります。
○田沢智治君 ぜひそういう方向で新しい町づくり、やはり二十一世紀を展望したすばらしい日本、魅力のある日本をつくるように努力してもらいたいと思います。 農林大臣にお聞き申し上げます。 農地転用の円滑化を図ることが大変大事なことだと思うのでございます。現在、規制緩和等を含めて御検討されていると聞かされておりますが、現状をお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 農地転用の円滑化につきましては、昨年十一月の政府の緊急経済対策に即しまして、農地転用及び農用地区域の除外について、まず相談並びに苦情処理窓口の明確化、そして農地転用許可の標準的処理期間の短縮など、透明化、簡素化、迅速化の措置を講ずるとともに、これについてのマニュアルを作成しましてその周知徹底を図ったところであります。また、従来、知事の農地転用の許可権限は二ヘクタール以下でございましたが、これを四ヘクタール以下に拡大いたしまして、これを今国会に農地法の改正法案として提出する予定であります。大体三月をめどといたしております。これらの措置によりまして優良農地の確保に留意しつつ農地転用の円滑化に資してまいりたい、こう考えております。
○田沢智治君 ありがとうございます。ぜひそういう方向で活性化していただきたいと思います。 次に、貸し渋り対策と中小企業の振興についてお尋ねいたします。 通産大臣、民間金融機関の貸し渋りに対して、政府系金融機関の無担保融資枠の拡大や法人税の引き下げ等、税制面の対応を与党自民党の本部や県連に窓口を置いて実行しております。 昨年の最大の特色は、販売不振や売掛金の回収難が原因として不況型倒産が一万七百四十六件、全体の六五・七%を占めております。構成比では過去最高と言われております。業種では、建設業の不況型倒産が前年比三九・六%と大きな伸びを示しているのであります。 現下の経済情勢を見たときに、中小企業をめぐる経営環境は資金繰りがますます厳しさを増して危機的状況にあるという現実がありますが、中小企業対策として重要な点についてまずお尋ねします。 貸し渋り対策について伺います。 早期是正措置の導入を前に、民間金融機関の中小企業に対する貸し渋りが懸念されております。中小企業への融資供給に支障を来すようなことはないと思いますが、中小企業の金融対策に万全を期しておられるのかどうか、お伺いさせてもらいます。
○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。 政府系金融機関が今月の中旬に実施をいたしました調査によりますと、現実に民間の金融機関の厳しい貸し出し姿勢に直面をしている中小企業が全体の二五%に達しております。また、今後の貸し渋りを懸念する中小企業の割合が約五割を超しております。 なお、中堅企業につきましても、昨年の十二月に調査をいたしました結果によりますと、約三割から四割が貸し渋りを懸念いたしているというような状態でありまして、中小中堅企業を中心とした貸し渋りの影響が産業界に深く浸透してきていると感じております。 このような民間金融機関による貸し渋りに直面をする中小中堅企業を支援するために、政府といたしましては政府系金融機関に新たな融資制度を創設する、従来の貸付枠を増大するとか、担保のないところの信用保証の枠を広げるとか、そういうようなものを含めまして新たな融資制度を創設するとともに、信用保証協会の基本財産を大幅に積み増しをいたしまして、平成九年度及び平成十年度において総額二十五兆円の資金を用意したところであります。これらによりまして、担保不足等で民間金融機関からの資金調達に支障を来すおそれのある中小中堅企業への信用保証の供与や融資を行うことに万全を期しているところでございます。 また、貸し渋りの対応につきましては、実際の生の声をくみ上げてきめ細かな政策対応に反映をすべく、各通産局、都道府県あるいは政府系金融機関すべてを合わせて六百三十五の相談窓口を設置いたしましたほかに、ファクスあるいは電子メールでも情報の提供をいたしていただけるように本省と各通産局に貸し渋り一一〇番を用意いたしました。このうち、当省の関係の今の窓口だけでも現在までのところ三百八十一件の相談が寄せられておりまして、民間金融機関の融資態度について、本部の指示によるというような一方的な理由で金利を上げられた、あるいは追加の担保を差し入れろというようなことを申し入れられた、長く取引をしている金融機関から短期資金の借りかえを断られたというようなさまざまな情報が寄せられております。 政府系金融機関の利用状況につきましては、対策の実施以降年末までに政府系金融機関に約十万件の融資の申し込みがございました。また、全国の信用保証協会に約二十八万五千件の保証の申し込みがございました。そういうものに対しまして、貸し渋りの影響を受ける多数の中小企業者からの申し込みに対応いたしているところでございます。 私の方からも、各機関の窓口での対応が迅速かつ誠意あるものになるように窓口の指示を徹底いたしているところでありますが、その結果、関連をするところの政府系金融機関の昨年十二月末までの融資及び保証の実績の合計は、融資が八万件で約一兆円、保証が約二十万件で一兆八千億円に上っております。そのような体制でさらに徹底した周知を図ってまいりたいと考えております。
○田沢智治君 大変内容のある対応で結構だと思います。大いに進めてください。 それから、昨年来銀行は貸付先から債権回収を強力に進めており、バブル期においては借りてくれ借りてくれと言いながら、こういう時期になると引き揚げていく。苦渋の思いをしてやっと光が見え始めてきた企業に対して、信義誠実の法則を無視して一方的に物件を競売に付すというような問題で相談に来ているケースがございます。貸し渋り対策本部に相談したところ、それは貸し渋りではないという話で、別次元で対応してくれという話でございました。一般的に担保物件を競売する場合、債権・債務者との再建計画などについて話し合いの手続の中で処理されるものが通例だと思うんですが、銀行局長、どうなっているんですか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 個別のケースでそういった競売に付す段階に入ったという場合もあろうかと思います。そのときもできるだけ銀行と債務者とがよく話し合ってぎりぎりの対応をして、そういう努力をしてもらいたいというふうに思っております。
○田沢智治君 いや、努力じゃなくて、一方的に競売に付したからという通告だけで困っているというところもあるわけです。そういうようなことがあるんですから、一般的に。 話し合いの中でどうするかという過程があってそういう方法をとるというならわかるけれども、そういう話し合いも何もなくて、ただ一方的に通告するという銀行があったとすれば、これに対してどういう措置を考えますか。
○政府委員(山口公生君) これはなかなか一般論では申し上げにくい話だと思いますけれども、当然、債権者と債務者との私的な関係でございますので、そこは信義誠実のもとでぎりぎりのいろいろなお話し合いをやっていただくというのが至当かと思います。
○田沢智治君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。そういう信義誠実の法則を無視した行動に対して、じゃそれは民間的なものだから私たちは知りませんよと言っていいんですか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 銀行はやはり社会的な存在で公共的な役割を担っておりますので、信義誠実の原則を貫いて行動していくことが適切ではないかというふうに思っております。
○田沢智治君 では、適切な指導をするように要請いたして、私の時間を終了します。
○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。永田良雄君。
○永田良雄君 田沢委員に関連して質問をさせていただきます。時間が限られておりますので、総理、自治大臣、それから通産大臣に限って質問をさせていただきたいと思います。 ことしの正月は十二日から国会を始めました。補正予算と金融安定化のための法案を通すためであります。これは経済がおかしくなってきているのを放置するわけにはいかないという政府、総理の強い決断によって決められたことだと思っております。 私どもも、現在の日本で一番大事なのはこの日本経済をどうやって健全な回転をさせるようにするかということに尽きると思っておるわけであります。二兆円の特別減税、それから一兆円に上る災害対策費等の追加、そしてかつてなかった一兆五千億にも上るゼロ国債の実施、そのほかに金融安定化のための法案、政府保証国債の発行等であります。何としてでもこれは早期に成立させにゃいかぬというふうに私どもも思っております。 全力を挙げて協力いたしますので、政府も元気を出して頑張っていただきたい。不祥事は多少ありましたが、これはこれ、国民が一番要望しているのは景気対策でありますから、これに断固邁進していただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。 巷間、財政構造改革か景気か二者択一だという議論がありますが、私は両立するものだと思っておりますし、総理もそう言っておられます。ただ、今は経済対策が最優先だと、かように思っておりますので、そこら辺の総理の所見を簡単に承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 簡単にと言われましたが、ほぼ要点を概括していただきましたので、一点のみ追加をさせていただきます。 その特別減税につきましてさまざまな御議論があります。御議論は真剣に拝聴いたしますけれども、二月一日からこれが支給できるようになるか、実行できるようになるか、それともそれがおくれてしまうのか、これによって大変大きな影響が出てまいります。今回の補正予算を初め、金融システム安定化策、そして同時にこの特別減税についても御審議をいただきまして、一分一秒でも早く実行できるようにしていただきたい、これが大事なことだということだけをつけ加えさせていただきます。
○永田良雄君 ぜひ景気対策に万全を期していただきたい。かつ、今出ているのは今回の補正予算でありますから、これを通すのがまず第一であります。ただ、経済のいかんによっては将来弾力的に対応していただくことも必要だということを私は申し上げておきたいと思います。それ以上申し上げるつもりはありません。 もう一つ自治大臣にお伺いしたいわけでありますが、昨年の臨時国会の質問で、国が財政再建計画であらゆる財政歳出を洗い直して縮減の方策をとるわけであるが、地方自治体がそれに輪をかけてやったら地方の経済はもたなくなりますよ、こういうことを申し上げまして、自治大臣からは、そういうことはやらない、ちゃんと考えてやるという御答弁をいただいておるわけでありますが、聞きますと、地方財政計画は四%の減という格好でとどめた、こういう話であります。大変ありがたい話であります。しかし、地方財政計画の執行に当たっては、地方の方が経済の疲弊が著しいわけでありますから、できるだけそちらの方に重点を置いて地方単独事業等の執行をやっていただきたい。 それから、国がゼロ国債をやるわけでありますから、地方の方は従来どおりやっておられるわけでありますが、ゼロ県債というものも併用していただいて、今回の不況の脱出に全力を尽くしていただきたいと思います。 もう一つ、そのほかにいろいろ案がありましたら自治大臣のお考えをお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えをいたします。 確かに地方が困るようなことのないようにいたしたいということを私は申し上げました。今回の景気対策は国、地方あわせてより効果的にしなければならないというのが基本的な姿勢であり、またそうしなければ効果は出てこない、こう思っておるわけであります。 地方単独事業につきましては、地域住民の皆様のニーズの極めて高い事業でございまして、生活関連施設の整備や地域経済の下支えなど重要な役割を果たしておるわけでございます。地方分権の進展に伴い、その役割はますます増大するものと思っております。 こうした点を踏まえつつ、平成十年度の地方財政計画の策定に当たりましては、国の公共事業等における補助対象の重点化や採択基準の引き上げ等への対応、地域経済への影響等も勘案いたしまして、前年度比四%、国は地方を含めた七%でございますが、地方単独事業は四%とさせていただきまして、総額十九兆三千億円を確保いたしたところでございます。 これを踏まえて、地方公共団体におきましては、地域の実情に即して生活関連基盤の整備や地域経済の振興等に必要な事業を選択し、重点かつ計画的な事業の実施に努力をしていただきたいと考えております。 また、今回のマイナス四%という地方単独事業でございますが、これは地方財政全体についての計画ベースの事業量でございまして、三千三百の地方団体には地域経済の状況等から対前年度比マイナス四%を上回って積極的に事業実施する団体もあるものと考えております。そのため、財源措置といたしまして、別に三千億円の地域経済対策事業を創設するなど、地方公共団体が地域全体の景気対策や地域経済の動向に機敏に即応して機動的、弾力的な対応ができるように支援をいたしたところでございます。 また、自治省としてのいろいろな政策をと、こういうことでございますけれども、地域経済を活性化させるために考え方はいろいろございますが、私は大臣就任とともに三つのプロジェクトチームを置きました。 一つは、国土保全的な農山漁村が担っておる国家社会の成り立ちの上での役割がございますが、その視点に立ちました地域の活性化のための方策を見出す政策的な方向づけをするプロジェクトでございます。もう一つは、地方といえども中心市街地が空洞化し非常に廃れておる現象がございます。これについて活性化する政策的な方向づけをするためのプロジェクトをもう一つ置きました。それからもう一つのプロジェクトは、地域には神話、伝説がございます。史跡、遺跡がございます。伝統的芸能文化がございます。これらはすべて地方が持つ顔であり、豊かな個性だと私は思っております。地域の皆さんがこれらのことにも着目をして、その顔あるいは豊かな個性、これに自信を持って、誇りを持って取り組んでいただくような方策はどうなのかということのためのプロジェクトチームを三つ設置したわけでございます。 国土保全的な視点に立った地域の活性化については、これに二千百億の予算措置の方向づけをしました。市街地中心地の空洞化や活性化対策には九百五十億の予算措置をいたしたところでございまして、三つ目のプロジェクトチームのこの検討、研究の成果を踏まえて今後の対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○永田良雄君 地域の活性化になるようにこれからも指導をよろしくお願いいたします。 次に、金融の問題に移りたいと思います。 景気がおかしくなった大きな一つの発端は、北海道拓殖銀行、山一証券等々、大きな金融機関が破産するに至ったわけであります。 実は大蔵省は大銀行はつぶしませんと言っておったわけでありますが、現実には北拓銀行がつぶれたということであります。どうしてそうなったのか、簡単に説明していただきたいと思うわけであります。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 大銀行はつぶさないという御表現をなさいましたが、それはちょうど大和銀行事件が海外で大分騒がれたころでございまして、かなり日本の金融機関に対するいわゆる信頼性が失われてきたときでございます。そのときに、海外の銀行は主に日本の大きな銀行と取引をやっております。したがって、もしいわゆる取りつけ、デフォルトでございますが、それが起きると大変な損をこうむるということで海外の銀行は非常に心配したわけでございます。そのときに、そういう海外に進出しているような大きな銀行はその持っている機能をできるだけ維持するようにいたしますという趣旨でいろいろなことを申し上げたりしたわけでございます。 北海道拓殖銀行は、昨年でございますが、財産の状況等にかんがみ、合併という形をとりながら国内の銀行に特化していこうという動きで再建を図ろうとしておりました。ところが、その合併の話もなかなか進展しないという経緯のもとで、昨年の十一月でございますが、他の金融の破綻もありまして、市場のいわゆるすくみ現象という現象、これはちょっと表現がしにくいのでございますが、金が必要なところに回らなくなる、余っている銀行から足りない銀行にお金が流れていけば問題がないのに、それが非常にすくんだ形でとまってしまう。それで資金がとれなくなって北海道拓殖銀行はいわゆる資金繰りの破綻という形に立ち至ったわけでございます。 経緯を申し上げますと、そういうことでございます。
○永田良雄君 もともと銀行というのは、預金を預かって、それを貸して商売をやっておる機関であります。貸さなきゃもうからないわけであります。 例えば一兆円預金を預かったら、そのうちの恐らく九割以上は貸さにゃいかぬのであります。手元には恐らく一千億置いてあるか五百億置いてあるかしかないわけであります。ところが、そこへどおんと、みんな預金を返してくれと、こう言うてきたら金繰りがつかなくなるのは当たり前であって、破綻してしまうということになるわけであります。そうでしょう。そういうことがないようにしなければいけないし、通常のときはそれで回っておるわけであります。したがって、そこをどうてこ入れしていくかというのが私は一番大事だと思うわけであります。 世上、今度の金融安定対策のうちで預金の保護に十七兆円、そして難しい金融システムの安定化に十三兆円という話で、十三兆円の方は反対だ、預金の保護の方は賛成だという意見もあるわけであります。預金の方は個人が預けている預金がパアになったら大変でありますから身近にわかるわけでありますが、十三兆円の方は庶民にはよくわからないわけであります。 そこら辺が非常に微妙なのであって、例えば北拓銀行がつぶれたときに北海道の経済は大変な迷惑を企業も庶民もこうむっておるわけでありまして、大変なことになるわけでありますから、そうでないようなところまでつぶれさせちゃいかぬというために十三兆円を使わなきゃいかぬわけであります。全部つぶして、つぶした預金を保護しますというのは行政ではありません。つぶさないようにするのが私は大事なことだと思うわけでありまして、そういうことをやるのが今度の金融安定策じゃないかと思うんですが、いかがですか。間違っていますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に巧妙に説明をしていただきまして、むしろありがとうございますと申し上げたいぐらいであります。北拓を例にして御論議を進められましたので、その延長線上からお答えをさせていただきます。 まさに資金がとれなくなり北拓が行き詰まり、そのままでありましたなら、北海道内に北海道拓殖銀行を資金の提供者として仕事をしてこられたたくさんの企業がありますが、その方々は本当に大変な事態になられたと思います。そのとき幸いに、しっかりした、しかし自分のところはそれほど大きくない、でもこの危機を救いましょうということで北洋銀行が北海道内のお得意様を受けて、その方々の仕事に影響がないようにということで立ち上がってくれました。 しかし、これはもともと北拓よりも小さいところでありますから、それが全部代行がそのままではできるわけがありません。何とか自己資本を拡大していただかなければなりませんし、そしてそれがしっかりしたものであり続けるという保証も何らかの形で工夫をいたさなければなりません。 ここで公的資金が活用をされ、公的資金がその自己資本充実策の中に入ることによって、世間的にも信頼性を持たせ、資本を強化することができ、それだけ融資能力が拡大するわけですから、北拓が手を上げた、しかし健全な経営を続けておられる道内のお得意さんに対し引き続き資金を提供する能力を持ち得る、まさにこうしたことが私どもの考えました大事なポイントであります。 議員の御質問の延長線上に例をとらせていただきましたが、要はまさにそういう形で金融のシステムを安定させていきたい、信認を与えていただきたい、そのように考えております。
○永田良雄君 預金の保護をやるということで一般の庶民は一応安心しました。それから、金融機関はこれ以上、まあ悪いやつを救うつもりは全くありませんが、通常ならうまく回転しているところをわざわざつぶしてやるということはまことにおかしな話でありますから、今度の金融安定策について自信を持って頑張っていただきたい。それが日本経済をよくするただ一つの道だ、かように思っておりますので、総理、自信を持って頑張っていただきたいと思うわけであります。 それから、日銀総裁にちょっとお伺いしたいと思いますが、現在の日本経済の状況をどのように思っておられるか、御説明をいただきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 我が国の経済の現状ということでございますけれども、私どもの判断は現在景気は停滞色の強い状況にあるということでございます。 それからまた、先行きにつきましては、純輸出の増加というものが引き続いて景気の下支えに働くと見られますほかに、二兆円の特別減税等による個人消費に与える好影響も期待されるところでございますし、また資本ストック調整という点から見ますというと、現在では大きな設備過剰感がうかがわれるというような状況にはなっておりませんので、私どもとしましては、今後の見通しといたしまして景気が累積的に悪化していくリスクは小さいものと見ております。
○永田良雄君 景気はこれ以上悪化していくことはないと思っているというお話でございます。悪くなると言うわけにはいかぬ面はあろうかと私は思いますが、慎重に経済状況を見ながら機敏に対応していただきたいということがまず第一点お願いでございます。 それからもう一つは、この前も臨時国会でお話し申し上げたんですが、日本の金利というのは世界一でありまして、有史以来、公定歩合が〇・五%、一般庶民が一年物の定期をしたら〇・二五%であります。一千万円預金をして二万五千円しか金利が入ってこないのであります。しかも、これが三年ばかり続いておるわけであります。 この前、質問したら、まあ景気が悪いときは金利は低めにゃいかぬのだ、そうしないと住宅建設のために資金を借りている人も大変だし、それから企業も金利の支払いが大変だ、こうおっしゃったわけでありますが、余りにも長くこういう低金利が続いておるのはいかがなものであろうか、私は従来からそう思っておるわけであります。 年金受給者とか預金を持っている人の身にもなっていただきたいというのはこの前申し上げたのでありますが、私がもう一つ申し上げたいと思うのは、金というのは金利の高い方へ動くものであります。四月から自由化いたします。完全自由化になってもそれほど影響はないとおっしゃるかもしれませんが、必然的に日本の巨大な預金はほかの外国の金融機関にねらわれて、そちらの方へ行くことにならざるを得ないかと思います。そのように日本の資金が国外へ流出したら、日本経済はどうなるのでありましょうか。私は大変なことになるんじゃないかと思うわけでありますが、そっちの面からも一体この点についてどう考えておられるか、日銀総裁にお伺いしたいわけであります。
○参考人(松下康雄君) 四月の外為法改正によりまして、例えば国内の個人やあるいは企業でも海外の金融機関に直接の口座を開き、また自由に預金をし、あるいは証券投資をするということができるようになりますことは御指摘のとおりでございます。 ただ、これまでにおきましても、国内でございましたらば居住者が外貨預金あるいは外債投資を自由に行うことができたわけでございまして、実際にもある程度の外債投資は現在も存在しているところでございます。ただ、外貨の資産に対して投資をいたしますことはそれだけ為替のリスクも将来の分を背負っていくということでございますので、ただ金利に差があるからというだけの事情で外貨の投資がどんどんと増加していくということになるとは限らないところでございます。決済サービスの違い等で国内の外貨預金が海外の外貨の預金にある程度シフトするといったことがあるといたしましても、この四月の法改正から非常に大きな規模での移動が生ずるといった事態は考えにくいところではないかと思うわけでございます。 それからまた、私どもの金利につきましてのお尋ねでございますけれども、御指摘にもありましたように、現在の景気は停滞色の強い状況でございますから、私どもは先行きにつきまして十分慎重に見きわめてまいる必要があると思っております。現在の低金利はこのような景気を早期に回復軌道に復帰させていくということをねらいとして経済活動を金融面から支えようということでとってまいっているところでございます。その間におきまして、御指摘がございましたように、家計の金利収入が小さくなっているというような御事情は私どもも十分に理解できるところでございますけれども、経済にとりまして現在大変重要な時期でございまして、これをできる限り円滑に自律的な回復軌道に乗せてまいりますために、現状の緩和姿勢というものを当面しっかり維持してまいる必要があるというふうに考えておるところでございます。
○永田良雄君 もう一つちょっと教えていただきたいのですが、預金金利はずっと低位にあるわけでありますが、最近、長期プライムとか貸出金利が上昇傾向にあるというのはどのように見たらいいのでありましょうか。
○参考人(松下康雄君) 現在の金利の水準は全体といたしまして非常に低位にございます。ただ、金融市場の最近の動向を見ますというと、短期金利につきましてやや金利の水準が滑らかにいっていない点がございました。それは、昨年の暮れ以降資金の出し手側が非常にリスクに敏感になりました結果、短期の資金でも必要なところへ十分な量が必ずしも確保されて流れていくということでないという状況が起こったことが一つの原因でございます。 私どもは、これに対しまして、短期の金利の水準が私どもが望んでおりますように公定歩合を若干下回る水準で平均的に維持されるということが重要であると考えまして、日々の金融調節におきましては、市場の側で必要としている資金需要を相当大幅に超える資金の供給を続けてきたわけでございます。また、資金の需要が、昨年でありますれば年末の対策、今でありますと年度末対策というようなかなりの期間にわたる資金の手当てを早目にやる必要がございましたために、金利がやや上がりぎみであったということも考えまして、私どもも調節におきましてはなるべく長い期間、今で申しますと三月を越えて先までつなげるような資金供給に重点を置いているところでございます。 幸い短期の市場の方はひところに比べますと現在は落ちつきを見せてまいっておりますけれども、ただ私どもとしましては、今後とも金利が円滑に必要な方向へ流れるにふさわしい水準に維持できるように努力をしてまいりたいと思っております。
○永田良雄君 日銀総裁の話は短期的な特殊事情だというようなお話のようでありますが、預金金利は低いままであって貸出金利が上がってという格好は庶民には許せない話であると思いますので、そこら辺はうまくやってもらわにゃいかぬ、かように思っております。 それから、今一番困っているのは、先ほども御意見がありましたが、中小企業の方々が貸し渋りや何かで大変お困りだという話であります。 日銀総裁、リスケという言葉を御存じでありましょうか。
○参考人(松下康雄君) 債権者と債務者が話し合いをいたしまして、既存の債務の返済期間を延長することを申すと理解をしております。
○永田良雄君 形式的に言えばそういうわけでありますが、これは中小企業がみずからの身を守るために金融機関に対してとる行動なんであります。 というのは、今金融機関は貸出先から資金を引き揚げて、その次に貸すときに期間を短くしたり貸し渋りしたりするわけでありますから、金融機関に預けている預金は全部おろしてしまって借りている金の金利だけを払いますと、元本は待ってくれといって払わないわけであります。それをもしも払えといったらその企業がつぶれてしまう格好になりますから、しようがない、貸したままにしなきゃいけないし、期間も借りている人の言うとおりになる。場合によれば一般には金融機関がその次に新たに貸すときに高い金利を要求するのを防ぐ意味でそういうことをやるんだそうであります。これが大変ふえているんだそうであります。 こういうことが起きるのも、結局、中小企業に対する貸し渋りその他の行動に対して中小企業がみずから身を守るためにやっている行動なわけであります。通産大臣もよく聞いていただきたいと思うわけであります。 それからもう一点、国民金融公庫、中小公庫その他、中小企業向けの金融公庫について、政府系金融機関に融資の枠を拡大していただきました。大変ありがたいと思っております。そして、申込件数もふえたといろいろおっしゃるわけでありますが、現実にはなかなか大変だというわけであります。相談箇所を何百カ所設けていろいろ相談に応じているというお話でございますが、よくよく詳しく現場の話を聞いていただきたい、かように思うわけであります。 例えばある企業がたまたまいわゆる不良、余りよくないノンバンク、いわゆる銀行以外の市中金融機関から金を借りておったら、政府系金融機関はそこには絶対もう貸さないという話とか、あるいは政府系金融機関もやはり貸した金が取れなくなったらこれは大変でありますから、みずからの責任でありますから、優良企業に頼んで歩いて借りてもらっているというのも間々あるという話であります。 これは話でありますから現実に一つ一つ私も調べたわけではございませんが、こういうこともあるということをよくよく理解して、これから中小企業の指導あるいは政府系金融機関の指導に万全を期していただきたい、かように思うわけであります。 質問をしようと思っておりましたが、時間がなくなりましたので、以上で終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(岩崎純三君) 以上で田沢智治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、山下栄一君の質疑を行います。山下栄一君。
○山下栄一君 公明の山下です。簡潔に質問させていただきたいと思います。 まず初めに、参議院の予算委員会、本日の冒頭、総理から、今回の大蔵不祥事に対しまして総理として、また大蔵大臣として、両方だったと思いますけれども、決意表明がございました。この総理の決意は深刻な実態を踏まえての厳しい御認識とその前提の上における深い決意だったとは思いますけれども、またこれが口先だけだったのかと、このようにならないようにするために先ほどの決意のお言葉をもう一度確認したいと思うわけでございます。 先ほどのお言葉でございますが、今回の事態を厳粛に受けとめ皆様におわびを申し上げます、このようにおっしゃった上で、事態の徹底究明の努力を約束する、このようなことが二度と起こらないように的確な対策を講ずることが政府の責務であると。政府というのは総理の責務であるという意味でもおっしゃったと思いますけれども、ところがきょうの午前中の質疑を聞きながら、本当に事態の徹底究明の努力をやるのかな、また二度と起こらないように本当にできるのかなという疑問がわいてまいりました。 その一つが事態の真相究明のために徹底した努力ということですけれども、なぜ金融部門だけなのか、このことをお聞きしたいと思います。大蔵全般じゃなくて金融部門だけをどうして原因究明をするのか、こういう質問でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどと申しますより委員会冒頭に私が申し上げましたことを確認するということで御質問がございました。 そして、まさにこの問題は、御承知のように金融検査部の職員二名の逮捕、そして昨夜に至りまして銀行局の職員一名が自殺の道を選ぶという事態であります。そして、今まさに事態の徹底的な解明の努力を行うということを申し上げ、同時にこういうことが起こらないようにするのが政府の責務だと考えていると申し上げましたけれども、今例えば金融検査部あるいは銀行局、証券局といったところの過去一定期間に勤務をいたしておりました全員に対して改めてきちんとした調査をし直せというのが臨時代理を受けた私の官房長に対する指示であります。そして、まさに一番急ぐべき調査、そして同時に司法当局が立件される段階におけるその捜査の内容というものを見て対応すべき部分はこの部分だと思います。
○山下栄一君 過剰接待とそれに見合った官僚の収賄という問題であります。大蔵行政の根幹にかかわる、そして国内のみならず国際社会からも日本の金融行政を中心としてこの国の経済行政はどうなっているんだという大変な不信が高まっている。単に金融部門だけじゃなくて大蔵省そのものの大改革を求められている。これは大蔵省全体の風潮を反映したものである、構造的な腐敗である、金融部門だけじゃなくてほかのところにも同じような問題があるかもわからない。捜査そのものは金融行政から始まったことかもわからない、しかしそれは全体にかかわるという認識なくしてこの根絶はあり得ないと私は思うわけでございます。 もう一度総理の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私は、まず今という状況の中で官房長に指示したことを率直にそのとおりに申し上げました。同時に、内閣の立場におきましては、私自身から閣議におきまして、この点は私自身の不明を恥じなければなりませんけれども、倫理規程をきちんと整備すればそれが守られるという思いでおりましたものが守られなかったわけでありますから、公務員倫理法までを検討せざるを得ない状況、大変情けない思いでありますが、同時に昨日、倫理法の制定に向けての準備を正式に古川副長官に指示を出しております。 また、議員が指摘をされましたような形でありますならば、既に官房長官から全省庁に対し、またその際にはそれぞれの所管に係る特殊法人までを含めまして改めてその倫理規程に準じた内容のチェック、特殊法人等については今倫理規程を置いておりませんが、公務員の倫理規程に準じてこうしたものを早急に制定するようにという指示を官房長官から既に行っておりますし、各省庁はこの指示の趣旨を踏まえて接待問題に対する実態調査を含めて適切な処置を講じ始めておるものと思います。 午前中からの御議論は金融検査部の問題についてお尋ねでございましたので、金融検査部の問題について御答弁を申し上げてまいりました。公務員及び特殊法人の役職員に関する倫理規程の整備についてまで既に内閣としては官房長官が指示を下したところでございます。
○山下栄一君 過去五年にさかのぼって、現役だけじゃなくてOBも含めて実態調査をするということでしょう。だから、私はそれは金融部門だけじゃなくて大蔵全体に広げて、接待の実情をも含めてきちっと調査したらどうだ、こういうことを申し上げているわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、それをしないと申し上げているんじゃないんです。だけれども、やはり今急ぐのは大蔵省の中においては金融検査・監督部門並びにそれに関連する銀行、証券といった各局。そうした中で接触を持った諸君がどの程度あり、その持ち方はどうであったのか、まず急ぐものはこうした点ではないか、私はまずこうした分野から急ぐべきだと思います。それはほかのところを何も全部ないがしろにすると申し上げているのではありません。そういう意味で、大蔵省の諸君自身が、私は心ある諸君はみずからを恥じながらそうした調査は全力を挙げて行うと信じております。 いずれにいたしましても、今そういう体制で急がせておるということであります。
○山下栄一君 午前中の質疑にまた関連してですけれども、MOF担の問題がございました。 それに関連して、総理は民間からの行政への出向者をなしにしているとかいう御答弁だったと思いますが、人事交流、一方通行じゃなくて官僚の天下りも同時になしにするということでないと、MOF担の問題を含めて今回の不祥事の根本的な対策にならない、天下り対策、天下りをやめるということにならない、これは中途半端である。どうでしょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御質問には私は二つの問題点を含んでおると思います。 まず一つは、そのMOF担というものの存在と、同時に大蔵省に対する出向のほとんどが金融機関からで占められていた。私は、MOF担というものは実際上民間のことですから国がどうこうと言えるものではありませんけれども、そういうものがあっても意味がない状態をつくらなければならないということとともに、既に民間から金融機関の人を大蔵省が受け入れるというそのことは中止をし、現在残っておられる方も、たしか三月であったと記憶をいたしておりますが、には自分の親元と申しましょうか、もともとの企業に戻る、そしてそういう人材はいなくなると聞いておりますということを申し上げました。その上で、天下りという言葉で通常想像される、大蔵省の高級公務員としての地位を背景にいわば指定席のようにして特定のところに退官後行くということ、私はこれ自体は本当に考え直さなければいけないことだと思います。考え直すべき問題を持っております。 同時に、お考えをいただきたいことは、今これだけ平均寿命が延び、高齢者の就職問題というものが深刻な一つの課題を私どもに与えております。公務員の諸君の引いていく年齢は五十代の前半、そしてその後の人生を全く何もしないで過ごせるかといえば、私は過ごせないと思います。そして、むしろもう少し長いこと役所に在籍していられるように年齢構成を変えていくという公務員の人事運用制度のあり方も含めて私はこれは考えなければならないことだと思います。 そして、大蔵省のOBであったから、それが再就職をすればすべてが天下りと言われるのであったら、彼らには第二の人生は与えられないということになります。しかし、それを本当にできるかといえば、今五十過ぎに引いていく諸君がそのまま全く第二の人生を仕事を持たずに暮らしていけるほどの処遇を官僚に与えている状況にはない今日の日本におきまして、むしろ公務員の定年制の問題、退職後の人生設計の問題、人事管理、運用の問題、これらを含めて考えなければならない問題だと意識をいたしておりますし、公務員制度調査会において御論議をいただいている分野であります。 ただ、特権官僚としての地位をもって、その特権官僚という背景のもとに仕事がないような場所で高給をはむ、天下りという言葉をそのように限定させていただきますなら、そういうものは許されるものではないと思います。
○山下栄一君 腐敗が大きな問題になり、うみを徹底的に出し尽くすという観点から私は質問しているわけでございまして、二度と起こらぬようにするためには、この癒着が大きな問題になっているわけですから、最後に総理もおっしゃいましたけれども、官僚の金融機関の頭取や会長や相談役等への天下り問題については厳格に見直しをしないと、抜本的見直しをしないと本当の解決にならないと申し上げておきます。 今回の大蔵現役官僚の逮捕、宮川容疑者という方がいらっしゃいますけれども、この方は去年の七月二十九日に大蔵省から処分されておる。大蔵省の処分は国家公務員法上最も軽い戒告処分であった。それが今回、この一月逮捕という状況に至ったという、この処分がいかにいいかげんででたらめだったかということをあらわすものであると言わざるを得ない。 この昨年の七月二十九日の処分について、極めてでたらめであったということについての反省、責任、これをお聞きしたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 昨年、第一勧銀の検査忌避事件に絡みまして検査官の何人かがいろいろ癒着があったという批判がございまして、この第一勧銀との関係におきまして、一定の検査期間中に飲食でありますとか会食でありますとかゴルフでありますとか、そういうものが行われたという事実をつかみました。それは一定期間の約六カ月ぐらいの間の行為を中心に調べてそういう結果を得たわけでございます。その結果に基づきまして処分をした、こういうことでございます。そのときにそれ以外の、今回の逮捕の容疑事実が見つからなかったということに対しましては、確かに当時の調査が甘かった、不十分であったということでございまして、大変申しわけなく思っております。 もう一人の方の谷内容疑者につきましては、当時この第一勧銀の検査に参加していなかったということでありましたので調査の対象外になっておりました。 いずれにいたしましても、調査が不十分であるという反省を踏まえまして、現在総理からの厳格な指示を受けまして、一定期間さかのぼって、現在、在職している者及びその期間に在職した者を自主的にまず調査する、さらにはその裏づけとなるようなことがあれば、今回金融服務監査官というのを昨日発足させましたので、それに基づきましていろいろな周辺の事情も調査するといったような手だてを講ずることによりましてより正確な調査をしてまいりたいというふうに考えております。その上で、事実を把握しましたならば、当人たちの処分はもとよりのこと、関係する監督者の監督者責任についても厳格に処分をしてまいりたい、かように考えております。
○山下栄一君 この問題は先ほど問題にいたしました事態の徹底究明の内部調査にかかわる話ですから、今不十分だとおっしゃいましたけれども、私はでたらめだと申し上げているわけでございまして、また同じように徹底してやるという言葉自身が口先だけで、実はいいかげんにやるということが繰り返されるかもわからないという問題である。去年の七月二十九日の処分のときにも調査したはずであります。でたらめだったから今回の事態に至っているわけである。だから、総理が幾らおっしゃっても何の保証もないということを私は申し上げているわけでございます。 七月二十九日の処分の前に行われた調査のいいかげんさを申し上げたいと思いますけれども、これは第一勧業銀行の例の総会屋への不正融資、これを九四年の十月から十二月に大蔵が検査に入った。検査官の一人が、上席検査官が今回逮捕された宮川容疑者であります。 その調査において、不正な処理が行われていて、それを見逃したということが今回の逮捕に発展したわけでありますが、去年の処分は直前に第一勧銀の会長、副頭取が逮捕されている、それを受けて去年の処分が行われているわけでございます。 それに基づいて不正を見抜けなかったというよりも見過ごした、一緒に隠ぺい工作をやったのではないかという観点からの調査が本来あってしかるべきであった。それがお茶を濁す程度の調査をし、一番軽い戒告処分に至ったということであります。 今日から見ますと、過剰接待をしていた銀行も第一勧銀だけじゃなくて、あさひ、三和、拓殖銀行、ほかにもあったということ、接待そのものの中身も大蔵省が調査した程度の接待どころではなかったということも今わかってきているわけです。また、服務規程を一昨年の十二月につくり、そして徹底された直後の、この発覚した問題点をわかりながらそういういいかげんな調査をした、こういう問題点もあります。 そして、今回逮捕された谷内という容疑者は、この処分を受けた以後も繰り返し接待を受けていた、こんなことを考えますと、去年の七月二十九日の処分の前の調査がいかにいいかげんで、そしてこの処分が形だけのものであったかということがわかるというふうに思うわけです。 したがいまして、総理にお伺いいたしますけれども、同じ問題で今回逮捕された方を去年大蔵省が調べて処分しておった、それがいかにいいかげんな処分をやっていたかということが露呈された今回の逮捕劇であったということを踏まえて、昨年の処分の責任、そして反省のお言葉を総理からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事実問題として、そうした不正な、また不当な行動をとり続けておることを把握できず、それが結果として今日の事態に立ち至りましたことは私の口から改めておわびを申し上げます。本日の冒頭の中でも私はおわびを申し上げましたけれども、改めておわびを申し上げます。 そして同時に、今私は大蔵大臣を兼務する立場でありますのでその立場でお答えをさせていただきたいと存じますが、恐らく私は心ある大蔵省の諸君はこの事態を心底恥じておると思います。そして、いいかげんな調査をしたんだからそのいいかげんな調査をした人間がまた調査をするといったって信じられないと議員は言われましたけれども、私は倫理法をつくらなければならないとまで今回は思いますが、同時にまず大蔵省自身がみずからを正す努力は全力を尽くしてやってもらいたいと思います。 そして、例えば司法権あるいは捜査権限を持って行う調査ではありませんからそれには限界はあるでしょう。しかし、その中で彼らにできるだけの調査は本当にやってもらいたいと思います。それもできなかったら、この役所は一体何だということをみずから立証することになります。 そして同時に、その意味でいわゆる強制捜査の権限を持たない範囲の中でつくられた新しい服務監査官、また官房、全力を挙げてその調査を行うと考えておりますので、それだけの時間を彼らにかしてやっていただきたい、そうお願いを申し上げます。
○山下栄一君 総理の気持ちはわからぬでもないけれども、事態の徹底究明をやるとか、生まれ変わって出直すとかということを何度も繰り返してまた今回の事態になっておるわけですから、二度と起こらないように的確な、二度と起こらないようにするといっても、総理そのものの命がけの覚悟がないとこれはとてもじゃないができないということを申し上げたいと思います。 次の問題に移ります。 同じ本年一月に起きた事件で、大蔵省OBの日本道路公団理事の接待、汚職事件の問題であります。今回の汚職事件の舞台となりました政府保証債の発行業務について、あらかじめ公団より資料をいただいております。これはちょっとお手元に資料が行っていると思いますけれども、資料1を見ていただきたいと思います。(資料を示す) これを見ますと、外債発行につきましては曲がりなりにも入札を行った形跡が見られる。といっても、引受主幹事会社、また幹事会社、昭和六十二年から平成八年まで、どちらかに興銀の名前が載っておる、日本興業銀行。さらに、私が驚きましたのは、次のページの国内債、国内における債券の発行にかかわる引受幹事を、昭和六十二年から平成八年の最近十年間、日本興業銀行が独占している。これは異常な事態であるというふうに思います。見直されぬままに今日来ているということでございます。 なぜこんな事態になっているのかということを御説明ください。
○参考人(鈴木道雄君) 今回、当公団の経理担当役員が収賄容疑で逮捕され大きな社会的不信を招いたことを公団の責任者として深くおわび申し上げます。また、二度とこのようなことが起こらないよう綱紀の粛正につきましても厳に徹底してまいります。 今お尋ねの国内債の引受幹事会社につきましては、昭和三十一年度の第一回発行当初から現在まで日本興業銀行が務めております。これは国内債の発行の準備段階で既に先行しておりました国鉄、電電公社等を参考にしたこと及び日本興業銀行が証券分野に精通し、債券全般における取扱件数も多く、また引き受け販売能力も高いこと等によるものであります。
○山下栄一君 建設大臣、この道路公団の監督官庁は建設省でございます。今回の事件につきましては非常に深刻な認識をされていると思うわけでございますけれども、今の問題、どのように感じられますか。内債の幹事会社を一つの銀行が独占し続けてきている、今も続いているというこの問題、いかがでしょう。こういうことを見直さずして国民は信用しない。癒着そのものじゃないか。どうでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) 山下委員にお答えいたします。 ただいま日本道路公団総裁がお答えをいたしましたが、道路公団の内債の引受幹事会社は昭和三十一年度の第一回発行から現在まで日本興業銀行が務めておるということでございます。これを総裁が答弁をいたしましたが、国鉄、電電公社等を参考にして、証券分野に精通をして、証券全般における取扱件数も多い、こういうことで日本興業銀行に、これらの引き受け販売能力も高いということで今日に至っておるということであります。 よって、今回の問題につきましては、大変国民の不信を招く不祥事でありますので、一月二十一日でございますが、建設省所管の公庫・公団長会議におきまして、資金調達システムの透明性、客観性を高めるために改革を行うように指示をいたしたところでございますし、また道路公団におきましても、これを受けまして、一月二十三日でございますが、資金調達の業務改善委員会を設置したと伺っております。必要に応じまして、内債の引受幹事の決定方法につきまして検討がなされておる、かように理解をいたしておるわけであります。 日は少のうございますが、公団といたしまして信用回復をしなければなりません。今全力を挙げて取り組んでおる、かように聞いておりますので、私からさようお答えをさせていただきます。
○山下栄一君 では、建設大臣、今おっしゃった改革の観点なんですけれども、独占している状態をやめるということですか。どうですか。
○国務大臣(瓦力君) 経緯につきまして総裁並びに私も徴しておることを今ここでお答えをさせていただきました。これからいかなる方法がいいかということを全力を挙げて検討して信頼を回復したい、さようなことをただいまもお答えさせていただいたところであります。
○山下栄一君 だから、独占状態を見直すことも含めて考えていらっしゃるということですね。 ほかの大臣の皆さんもお聞きいただきたいわけでございますけれども、道路公団だけじゃなくて他の特殊法人が発行する政府保証債、これについても債券発行の引受幹事が日本興業銀行である、またその債券の登録機関も興銀となっていると。こういう事態について、これはまさに金融行政のひずみであり、構造腐敗を物語っていると私は思うわけでございます。昭和三十一年以来こういう状態が続いているということ自体異常だと。 総理大臣、いかがでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) なるほど、確かにちょうだいした資料を拝見しますと、特に資料2―①としてちょうだいをしました主な国内債、すなわち政府保証債発行一覧を見ますと、引受代表幹事、登録機関ともに日本興業銀行が並んでおります。私もどうしてこういう状況になっているのかわかりません。しかし、いずれにしてもそういうものが透明な姿で選ばれ、そして透明な姿で運営されるということがわかるように努力をしたいと思います。
○山下栄一君 総理大臣、そんなのだめですよ。今回の大蔵OBの事件はこの幹事会社をめぐる不祥事であるわけでございまして、そういう大変メリットのある、後から申しますけれども、その引受幹事会社、登録機関が日本興業銀行に独占されている。日本道路公団を初めとして公営企業金融公庫、日本道路公団の発行総額をごらんになっていただきますと、昭和六十二年からの分ですけれども、十年間で一兆七千億。これまた公営企業金融公庫、自治省所管、十四兆。その他、首都高速道路公団、住宅・都市整備公団、水資源開発公団、阪神高速道路公団、中小企業金融公庫、本州四国連絡橋公団、北海道東北開発公庫、石油公団。全部、引受代表幹事日本興業銀行、登録機関日本興業銀行。 だから、これは透明性とかという問題じゃなくて、こういう一つの銀行が独占しているということそのものが異常な事態じゃありませんかということを申し上げているわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私も今ちょうだいした資料を拝見して、本当にそうだということは申し上げたつもりであります。その上で、私はこういう選定というものがどのようなルールで行われているのか存じませんから、そういうものがきちんと透明な形で行われることが大切だと思うし、そういう状態にしたい、そう申し上げました。
○山下栄一君 初めて知ったということ、やむを得ない面があるわけですけれども、ぜひ勉強していただいて、抜本的な見直しをお願いしたいと思うわけでございます。 日本道路公団法に基づいてこういう債券を発行できる、そして道路債券令では第二条に「道路債券の発行は、募集の方法による。」と書いてあるにもかかわらず、もうずっと長年独占されてきているということを指摘しているわけでございます。 このメリットの方ははかり知れないということを御指摘したいと思うわけでございますけれども、まずこういう代表幹事になることによってさまざまな情報の集中化が起きるということ、そして日本興業銀行が常に幹事会社であるということによってその信用力を興銀は強化している、有利な契約で手数料その他の率も興銀が独占的に決めることができる、受託手数料、最近のもので〇・〇二%、登録手数料〇・〇四%を独占できると。 例えば、これは日本道路公団の国内債の発行額等一覧表でございますけれども、(資料を示す)平成七年分だけを見ましても、二千九百四十億円で換算して、受託手数料、登録手数料、これが合計で約二億円。これは平成七年分だけです。それも道路公団の分だけです。これが全部興銀に独占的に転がり込んでくる。まして、ほかの政府関係機関のものを合わせますと莫大な手数料収入を興銀は受けるという大変大きな問題であると思うわけです。 今回大きな問題になっております癒着行政の象徴的なものだと。これが全然見直しされないままに今日に至っているということ、これは今回一端として逮捕事件があったわけでございますけれども、こういうことも見直しをしないと国際社会は信用しない、このように考えるわけでございます。 今申し上げました道路公団だけじゃなくて、ほとんどの、すべてと言ってもいい特殊法人の国内の債券発行についての独占状態、これはもう抜本的に見直しをしてすぐに取りかからなきゃならない、このように思うわけでございます。それをしないと今回の事件の反省は何もしないということになる。 総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は発行体と金融機関の間で決めるべき問題だという整理が本来のものだろうと思います。しかし、その上で監督当局が仮にその金融機関の業務運営の中に適正さを欠くものがあると認められた場合、法令にのっとって適切に処理することが必要である、そのように思います。 その上で、私自身が今拝見をし、確かに非常に不思議な感じを持つぐらいすべての、殊にこの資料2―①の場合に、ここにあります登録機関、引受代表幹事すべてに興業銀行が並んでいるというのを見て、確かに私自身が率直に本当に違和感を持ちました。ですから、透明さを必要とするということを申し上げております。 議員は私が申し上げた意味をおわかりいただいたと思うんですが、本来ならそれこそ発行体と金融機関の間の問題というお答えをするのが筋道の部分でしょう。その上で、これを見て私も本当に変だと思いますし、変というか異様な感じを持ちますし、これが選定をされていくプロセス、そこが透明になれば、議員が主張されるような問題があるのか、それともそれだけのノウハウを有することによって競争力を持ち、政府保証債をここから発行させることが本当に国民のメリットになるのか。今ちょうだいをした資料を拝見しただけではそこまではわかりませんので、私はいずれにしても透明さが求められるというところまで踏み込んで申し上げたつもりなのでございます。そこはおわかりをいただきたい。
○山下栄一君 今回の道路公団の理事、元大蔵OBの問題でございますけれども、この資料2―①の発行機関、もう一度ごらんになっていただきたいと思います。 ここには書いてございませんが、日本道路公団からずっと書いてございますね、特殊法人の名前が。この日本道路公団の財務担当理事が井坂容疑者であったわけです。公営企業金融公庫の理事も大蔵OBなんです。住都公団の副総裁、理事も大蔵OBです。水資源開発公団の理事も大蔵OBです。中小企業金融公庫の総裁と理事、監事まで大蔵OBです。本州四国連絡橋公団の理事も大蔵OB。北海道東北開発公庫の総裁、副総裁、大蔵OB。石油公団副総裁、理事、大蔵OB。さらに、この経理部長、資金部長につきましては、道路公団、公営企業金融公庫、首都高、住宅・都市整備公団、水資源、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団、石油公団、今申し上げた各特殊法人は全部これが大蔵OBでございます。こういう実態がある。 接待の問題は特殊法人まで含めて調べるというお話がございましたけれども、これはまさに先ほど申し上げた再就職、天下りの大蔵OBが財務担当理事をやっていること、そのことが今回の不祥事につながっているわけですから、全部見直しをしないと、調べれば調べるほど同じような問題がぼろぼろ出てくるという可能性がある。これはもう最近始まっておるんではなくて、指定席のごとくそういうポストが大蔵OBによって占められているというかなめの部門でございますから、これは内債、国内債発行にかかわることですから、これはもう大蔵大臣としての総理、本格的に取り組んでいただいて、天下り問題も含めて抜本的な見直しをすると。 この天下り問題についての感想をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が例示で挙げられました以外の組織、団体におきまして大蔵省のOBが存在する場所のほかにも存しておることを私も承知いたしております。私自身は何の気なしにそれはそれとして受けとめておりましたけれども、今全部を、全部ではありませんね、まだあったはずです、並べられてみますと、非常に大蔵省のOBが多分野にポストを占めているという実態は改めて感じます。 そして、先ほども申し上げましたように、既に特殊法人について官房長官を通じまして各省庁に対して、その所管する特殊法人などに対しましても、各法人の性格、業務の内容等を踏まえ、公務員の倫理規程に準じて役職員の倫理規程を早急に制定するよう指導することなどにつき指示を行い、各省庁はこの指示の趣旨を踏まえて接待問題への実態調査を含めて適切な処置を講じるものと考えておりますし、今改めて議員からこうして御質問があり、全閣僚はこれを拝聴しておるわけでありますから、当然ながらその努力をしてくれると思います。
○山下栄一君 現役官僚の汚職事件だけじゃなくて、今申し上げたのは大蔵OBの道路公団理事の汚職事件にかかわる、まさに同じ構図が実は道路公団だけじゃなくてあるんだということを御指摘して、事態の深刻さを私は申し上げたわけでございます。 残された時間、自民党総裁にお伺いしたいというふうに思うわけでございます。 これは党の献金問題でございますが、政府与党である自民党と銀行業界との癒着の問題という観点から御質問したいと思うわけでございます。 衆議院でも議論がございましたけれども、自民党は大手都銀八行から現在百億を超える借入金がございます。この借り入れの経緯についてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、金利や担保や返済計画、これについてお伺いしたいと思います。 これは四年間で百四十億から百十一億に減っているわけですけれども、減り方が極めて少ない。何年かかってこれを返済するのかなと。これは有利な特別の条件で借りているのではないかという疑問がございますので、金利の問題、担保の問題、返済計画の問題をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党は住専問題などによりまして都銀、地銀などからの献金を自粛していたところでありますけれども、先般改めて金融システム安定のために公的資金が投入されることにかんがみまして、銀行業界からの政治献金を自粛することといたしました。 なお、党の過去における借入金の返済につきましては、これに充当することに限定した上で平成七年からの五カ年計画として各方面から御協力をいただきながら返済を行っております。 内閣総理大臣という立場でなしに自民党総裁として言えというお話でありますけれども、私どもの党はそれぞれのつかさつかさにおきまして、例えば今のような御質問の問題であれば党の経理局が詳細を行っておりますということを申し上げておきたいと思います。 その上で、つけ加えさせていただきますならば、自由民主党本部が入っております自由民主会館そのものが担保になっております。また、金利は中小企業並みの高い金利を支払っていると聞いております。
○山下栄一君 担保、返済計画は。──わからない。事前に申し上げておいたんですけれども。 献金を自粛されているというお話を既にお伺いしているわけでございますけれども、(図表掲示)借りた銀行は大手八行、献金を受けている銀行は三十行。これは借入金を充当するための献金と言えないと。いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、私は経理局でないとわかりませんと今申し上げましたけれども。 その上で、過去の借入金の返済について、それに充当することに限定した上で平成七年からの五カ年計画として各方面から協力をいただき、そして返済を行っております。
○山下栄一君 私が申し上げているのは、総理が先日の衆議院予算委員会でおっしゃったからですよ。 要するに、住専以来献金は自粛している、それは借金の返済分の献金についてはもらっているけれどもと、こういう話があったわけです。ところが、借りている銀行は八行で、もらっている銀行は三十行にわたり、借りている銀行以外のところからいっぱい献金をいただいているわけですから、それは借金返済のための献金と言えない、こういうことを申し上げているわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 衆議院の方で言ったというお話、多分この答弁を申し上げたことではないかと思うのですが、こういう御答弁を申し上げたことがございます。 御指摘のものは、我が党の過去の借入金の返済に充当することに限定した上で、平成七年からの計画として各方面から御協力をいただいているものであり、我が党の経費に充てるための通常の献金とは性格が異なるものと考えております。過去の借入金返済に充てるため平成七年からの計画として各方面から御協力をいただく政治資金は我が党の経費に充てるための通常の献金に関する一般会計に入れておらず、両者は性格が異なるものとして全く区別して扱われているものであり、そのように御理解いただきたい。そうした過去の答弁の際に使用した資料が今ございました。 恐らくこのやりとりのうち、どこまでをそのとき御答弁を申し上げたかはわかりませんが、御質問に対しこのようなお答えをした、あるいはそのうちの一部、お答えした中からのものと思います。
○山下栄一君 金融安定化法案、参議院でも審議される、衆議院でも審議されておるわけでございますけれども、自民党が銀行から献金を受けているということ、このことについては非常に今回の法案にかかわる大きな問題である。 銀行を公的資金で救済する、その銀行から献金をもらうということは、公的資金が自民党の献金に行くことになるじゃないかということを考えたときに、自粛していると言いながら、借りている銀行以外のたくさんの銀行から献金をもらっているということ、これは経費に充てるか借金の返済に充てるかはそれは御自由ですけれども、こんなことは自粛にも何にもならない、こういうことを申し上げているわけです、それはへ理屈だと。 最後に御答弁いただきまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、党としての立場でのお答えは申し上げました。そして、我が党の中でそれぞれのつかさつかさの仕事はつかさつかさで責任を持っております。 先ほどお答えをいたしましたように、私どもの党が入っております自由民主党本部そのもの、会館、これが担保となり、相当程度に高い金利を支払っておると聞いております。
○委員長(岩崎純三君) 以上で山下栄一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、日下部禧代子君の質疑を行います。日下部禧代子君。
○日下部禧代子君 昨日、栃木県におきまして非常に痛ましい事件が起きました。中学校の女性教師が一年生の男子生徒に刺されて死亡するという事件でございます。まず、亡くなられた先生の御冥福をお祈りいたしまして、質問に移りたいと存じます。 〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕 最初に、今回の事件についての状況の説明をお願いいたしたいと思います。警察庁、お願いいたします。
○政府委員(泉幸伸君) お尋ねの事案概要につきましては、本年一月二十八日、栃木県黒磯市立黒磯北中学校の教室前の廊下で、同中学一年の男子生徒(十三歳)が同校の女性教諭(二十六歳)をナイフで刺殺した事案が発生いたしました。 栃木県警察においては、消防署からの通報に基づき事案を認知し、所要の調査を行うとともに、栃木県県北児童相談所に対する通報を行い、同日引き継ぎを行ったところであります。同児童相談所においては、同日、宇都宮家庭裁判所に少年の送致の手続をとったと承知しております。
○日下部禧代子君 最近の校内暴力の発生件数あるいは傾向はどうなっているのか。また、この事件は学校内で先生が生徒の暴力で亡くなられたという事件でございますが、過去にこのような事件があったのか、文部省にお尋ねいたします。
○政府委員(辻村哲夫君) まず、最近のいわゆる対教師暴力の状況でございますけれども、ちなみに、平成四年度と比較いたしてみますと、平成四年度の場合、中学校におきまして発生いたしました対教師暴力の状況は加害生徒数九百七十七名でございました。それが平成八年度間におきましては千四百三十一件というように増加をいたしております。また、高等学校につきましても、同平成四年度と比較いたしますと、平成四年度二百七十七名が加害生徒として数えられておりますが、平成八年度は二百五十六人と、こちらはやや横ばいというような状況になってございます。 個別の具体な事例でございますけれども、私どもの承知しております限りにおきまして、生徒が教師を刺殺したという事例は過去一件ございますが、これは校外でございました。校内におきましてこのような形で生徒によって教師が刺殺されたという事例は、私どもが承知しております限りにおきましては今回が初めてであるというように承知をいたしております。
○日下部禧代子君 ただいまの結果を受けまして、また今回の事件につきまして、文部大臣はどのように感じていらっしゃって、そしてどのように対策をしようというふうにお考えでございましょうか。 先ほど、家庭教育の重要性ということについて文部大臣おっしゃいましたけれども、それだけでは足りないのではないか、もっとさまざまな問題を抱えているのではないかというふうにも思うわけでございますので、その点も含めまして文部大臣のお答えをいただきたいと思うんです。かつて八〇年代に、荒れる学校というふうな言葉が皆様のお耳にも入っていたと思うんですけれども、そのような状況がございました。一たんおさまりかかったかのように見えたのに、またこのように数もふえてきた、このような状況が出てきたということをどのように分析なさり、どのように対処しようとなさっていらっしゃるのか。
○国務大臣(町村信孝君) 大変な衝撃を昨日夜、私も受けました。心からの御冥福をお祈りしているところでございます。 なかなか何か一つだけの原因ということでもないんだろう、いろいろな原因があるんだろうと思います。私、先ほど家庭だけではなくて、家庭、学校、地域、それぞれの重要性の中で、特に家庭がということを申し上げたつもりでございますが、やっぱり家庭の教育力が弱いということが最近改めて問われ直されているのかなということもございます。 何でこう対教師暴力がふえるかと、いろいろな分析もあるようでございますが、一つは、かつてのように学校とか先生が絶対的に偉い存在であるというようなことではなくなってきたこと、あるいは教師による体罰は禁止されているんだから教師を殴っても自分はやられないだろうという、ある種の非常に卑劣な計算ずくの暴力というのも実際にはあると、そのような報告も受けているところでございます。 どういう対応をとっていくかということでございますけれども、何といっても全教職員が一致して生徒指導を行っていくといったようなこと、あるいは出席停止という措置もとれることになっておりますが、現実にはこれが余り活用されておりません。残念ながら、そうしたことも積極的に使っていくということも必要であろうと思いますし、 学校と警察あるいは学校と児童相談所、こうしたところの積極的な連携を図っていくというようなことも既に警察とも連絡協議をしておりまして、こうしたことなどをこれから、もう既に各教育委員会等にも十分な指導を行っておるところでございますが、改めて一月、二月、そうした関係の会議もございますので、そうした場を通じて徹底をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○日下部禧代子君 この事件が起きたから急に何かをするということは、これは大変なことではありますけれども、やはりその事件の背景というものをきちんと分析するということ、そしてそれに対する対応をきちんとやっていくということ、その積み重ねこそ重要ではないかというふうに思います。この件につきましては、文教委員会においてもう少し議論ができるというふうに思いますので、そのときよろしくお願いいたします。 次に、現職の大蔵省職員二人の逮捕された事件につきましてお尋ねしたいと存じます。 残念なことではございますけれども、大蔵省職員をめぐる不祥事というのは今回が初めてではございません。金融機関の経営の健全性をチェックする立場の担当官がその相手からたび重なる接待を受けたというのであっては、厳正な検査というものに期待はできないのでございます。正直なところ、残念あるいは怒りというよりも、むしろ非常に情けないという気持ちがございます。日本はかつて恥の文化というふうに言われておりました。もはや日本では恥を知るということが死語となったのではないかとさえ私は思ったことでございました。 なれ合い、もたれ合いということが検査の形骸化を招きます。摘発すべき病巣を見逃すあるいは見過ごしてしまう、そういうことにつながります。それがまた不良債権の拡大、ひいては金融危機の要因をこういうことで積み重ねる結果になったのではないか。 こうした我が国の金融行政、そして大蔵省の責任について、まず総理、そして大蔵大臣も兼任していらっしゃいますので、お伺いしたいと思います。強大な権限と裁量権を持ってきただけに大蔵省の責任は重いのではないかと思うわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘を受けながら、私自身が何とも言葉にしようのない思いを改めてかみしめております。そして、OBに続き現職大蔵省職員の逮捕という今般の事態、これはもう本当におわびをする以外に国民に対して言葉のない、まさに痛恨のきわみと申し上げる以外にない状態であります。しかもそれが、金融機関の相次ぐ破綻によりまして我が国の金融システムに対する信頼が内外ともに揺らいでいる、その信頼を回復しなければならないというそのさなかに起こりましたことは本当に情けないとしか申し上げようがありません。 この大蔵省の金融検査、金融行政というものに対する社会的な信頼を一刻も早く回復しなければなりませんが、これはまさに金融機関における自己責任原則というものをどう徹底し、市場規律を軸とする透明性の高い金融行政という基本的な方向にきちんと位置を据えた上で金融検査そのもののあり方も見直す、そして実効性があり厳正な検査体制と手法を確立する、そうしたための具体的な方策の検討を進めて早急にこれを実現することが今何よりも必要なことだと存じます。 そうした中で、やがて金融監督庁をスタートさせるわけでありますけれども、その金融監督庁が信頼を持ってスタートを切りますためにもこうした点への努力を払わなければなりません。殊に、今回の事件というものを振り返りますときに、結果において十分な事実解明ができていなかったことが明らかになりました。先ほど、他の委員からの御指摘にもありましたように、大蔵省自身は調査をしながらこうした状況を完全に把握することができなかったわけであります。まさに、今回の事態を文字どおり厳粛に受けとめてもらい、事件の徹底究明を図りますとともに、二度とこうしたことが起こらないように、また人間の集団でありますから起こり得ることを否定はできませんけれども、それが確実に発見されるような、今般設置されました金融服務監査官、この制度の厳正な運用を初めとして的確な対策を講じていくものと考えております。 〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕
○日下部禧代子君 大蔵省と業界との癒着関係、それはもう早くから言われていたことでございます。大蔵大臣、事務次官の辞任、逮捕者が出る、そしてさらに自殺者が出る。そこに至る前になぜそのような癒着体質を断ち切ることができなかったのかということを今さら言っても仕方がないかもわかりませんが、やはりこれはきちんと反省をしておかねばならないということだと私は思います。 例えばMOF担という慣行があるということは今やもう日本じゅうの人が知るに及びました。そして、外国の方も知っていると思います。そういう存在があるということがもう早くから知られていたのでありましたら、これは大蔵省のやることではないかもわからない。銀行の方の慣行であることではありますけれども、言われているところ、はしの上げおろしまでも大蔵省から指導されるというぐらい指導力のある大蔵省として、なぜMOF担のような存在というものはもう廃止しなさいというふうなことを言えなかったのだろうか。そういうところにこそ大蔵省の指導力を発揮すべきではなかったかというふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) このMOF担と言われます組織、組織と申しますか存在、失礼します、言いかえます。その存在は、これは民間金融機関の組織の問題ではありますけれども、私も、議員から今御指摘のように、好ましいものだとは思いません。また、既に三塚前大蔵大臣もそのような考えを記者会見において述べておられたと聞いております。 私は、今回の不祥事を契機として、MOF担を通じた金融機関との関係というものについては厳しい御批判があることを踏まえて、厳粛に受けとめて十分反省する必要が本当にあると思います。 今、金融行政はまさに早期是正措置の導入あるいは金融監督庁の設置などを控えまして、自己責任原則と市場規律を前提とした明確なルールに沿った透明性の高い手法に移行しようとしている、そうした中で起きたこの事件でありますから、その反省の上に立って、金融機関と行政当局との間の連絡のとり方あるいは意見の伝達の方法まで含めて見直す必要がある。そして、これによっていわゆるMOF担の存在を必要としない行政に転換をするように一層の透明性の確保に努めてまいりたいと思います。
○日下部禧代子君 そのMOF担の存在を好ましいものと思わないながらもそれを温存してきたということは、そしてその関係をいわばある意味で利用してきたという点におきまして、やはり大蔵省にも責任はないとは言えないと思います。 さて、相次ぐ官僚の汚職の中でも大蔵官僚が関係した不祥事というのが非常に際立って多いわけであります。余りにも強大な権限を握っているために、公務員は国民のために働くという基本的なことをあたかも失念しているような、業界そして国民は大蔵省のためにあると思い込んでいるような、そういうふうな感じがするというふうに多くの人々は言っております。幾つかの不祥事における処分の状況を見ましても、果たして本気なのかなという疑念が出てくるわけでございます。痛恨のきわみ、ざんきにたえないというお言葉は大変重々しいのでございますが、これまでの不祥事に対する処分というのは甘過ぎたと先ほどの大蔵省側の御答弁にもございました。 既に昭和五十四年の十月二十九日には、「綱紀の厳正な保持について」という、当時の大蔵官房長の名前で大変に立派な通知が出ているわけであります。それを見ますと、もう既にこの時点におきまして、「綱紀の保持については、従来から繰り返し注意を喚起してきたところであるが、最近に至り大蔵省職員が他省庁等から接待を受けていること等が問題とされ、」、これは他省庁からというふうになっておりますが、「世の厳しい批判を受けていることは誠に遺憾である。」「国民の信頼の早急な回復を図らなければならない。」としてこの通知が出ております。 そしてまた、さらに平成七年三月十七日には紀律保持委員会が設置されているわけでございます。 一体、このような何回かの通知とか通達、そしてそれによって設けられたさまざまな委員会がどのように機能していたのか。例えば、その紀律保持委員会がどのように開催され、どのような内容であったのかを一つあるいは二つの例をもってお示しいただきたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 紀律保持委員会は、平成七年の三月に、当時の不祥事件の反省から、官房長を委員長とする委員会ということで内部に設置いたしました。これには、綱紀の点検をする部会でありますとか、局長クラスの基本的な事項を決める部会でありますとか、そういうものを設けまして、顧問弁護士等外部の人の意見も聞きながら運営をしてまいりました。また、平成八年には、いわゆる倫理規程という現在の大変厳格な規程ができまして、それの周知徹底でありますとかあるいは運用でありますとかということをやってきたわけでございます。 この紀律保持委員会は、年に何回かもちろん開かれるわけでございますけれども、基本的には問題提起あるいは異動があった直後の周知の徹底でありますとか、一定の時期におきましては注意をまた喚起するといったようなことで各局の総務課長クラスを中心に開いておるわけでございます。過去、平成七年以来、十九回の紀律保持委員会が開かれております。ただ、これは個別の非行事件を調査するといったような目的ではございませんものですから、そういうことはやっておりません。 専ら、事件が具体的に起こりましたときにはいわゆる省内調査をやるわけでございますけれども、このたび、昨日でございますけれども、服務の監査官というのをつくりまして、それが非行事件の具体的なチェックをするという機能を持って、これは法的な強制力を持つものではございませんけれども、自主的な体制を整えたわけでございます。
○日下部禧代子君 一体、どのような実効があったというふうにお思いになっていますか。
○政府委員(武藤敏郎君) 今回の二人の金融検査官の容疑事実を見ますと、平成八年の十二月以降におきましても問題となる接待等が行われていたということが明らかになっておりまして、私どもといたしましては本当にこれは残念至極なことでございます。そういうことをやるためには本人たちの届け出と承認が必要なわけでございますが、そういうものが一切行われていなかった。上司の者も全くそういうことに気がつかなかったということでございまして、まことに不十分なものであったと、結果的にはそう言わざるを得ない状態にありまして、そういう意味で大変申しわけなく、心からおわびを申し上げるという次第でございます。
○日下部禧代子君 おわびをおっしゃるだけではなくて、この委員会の持ち方について何か改めようとなさっていらっしゃいますか。
○政府委員(武藤敏郎君) 今回、この紀律保持委員会というものを充実いたしまして、先ほど申し上げた金融服務監査官と一体のものとして運用しようというふうに考えております。この紀規律保持委員会は、基本的な規程を整備したり改善するわけでございますけれども、その中に各局に総務課長クラスが服務管理官という形でいろいろ届け出を受理し承認しているわけでございます。 このたびの金融服務監査官は、例えばいろいろな風評でありますとか投書でありますとか、そういう具体的な事実があれば、例えば金融機関に伺って、最近そういううわさを聞くけれども何か具体的な事実はないかどうかといったようなことをチェックする。今までは申請を受け付けていたというような状態であったわけでございますけれども、積極的に調査の活動をしようというふうに位置づけまして、紀律保持委員会と一体となって、紀律保持委員会に助言をしたり、処分相当といったような助言をしたりするようなそういうシステムにしたわけでございます。 ただ、このシステム全体はあくまでも任意の調査でございまして、強制権限を持ちませんということは事実でございまして、そういう意味での限界はあるわけでございます。御承知のとおり、国税の方には国税庁発足以来、国税監察官という法律に基づいて認められた組織がございまして、それが強制的な調査権を、捜査権に類似するものを持っているというようなものがあるわけでございますけれども、そういうものではないものですから、現時点においてはそういう意味での限界はあるかと思いますが、できる限り精度の高い実情把握ができるように努力してまいりたい、このように考えております。
○日下部禧代子君 紀律保持委員会においてどういうふうなことが行われているかという例をいただいてはいるのですが、そこには徹底することにしたとか、あるいは検討結果について総務庁に伝えてあるところであるとか、適正な指導を依頼したというふうな形でありまして、これはやはり結果ということとつながらなければ、ほとんどやったということにはならないということを申し添えておきたいと思います。 そういう状況の中で、二十八日に今おっしゃったような金融服務監査官というのが設置されたわけでございますけれども、少々厳しい言い方かもわかりませんが、大蔵省内部に監視機関を置くだけではどうも不十分なような気もいたします。内部のことは内部の者が一番知っているというようなことではなく、客観的な立場から調査権を持って職員の不正を監視する外部の監視システムというのを導入するということについてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今お答えを申し上げましたように、金融服務監査官という制度を設けました。そして、これは確かに議員が御指摘のとおり内部の組織でありますし、その役割として、民間金融機関などの検査、監督に従事する職員につきましてその綱紀の保持状況の監視あるいは非行事件の調査などを行う体制でありますけれども、ここで御注意をいただきたいのは、この職務につきましては、外部の意見も踏まえて厳正な活動を行うという観点から、弁護士に顧問を委嘱して助言を求められる、そういう形をとっております。この点は私は非常に、今まで行政府の内部におきましてそれぞれいろいろな仕組みをつくりましても、まさに内部における監査機能、調査機能、そしてそれは強制権を伴わないということで御指摘のようなケースも起こり得るときが間々ありました。 今回は顧問という形でありますけれども、まさに弁護士資格を持たれた方を外部において委嘱し助言を求められる。私は、その点でこの組織は機能してくれると思っておりますし、同時に他の外部の機関にやはり任意の調査しかできないようなものをお願いするというわけにも行政府というものの持つ機密性等で限界がありましょう。また、常に捜査当局の監視を受けて仕事をする、そんな不見識なこともできません。 そうしますと、私はこの金融服務監査官の制度、そしてこれが弁護士の方に顧問を委嘱し外部からの助言を求められる仕組みになっている、これが生きてくれることを、しかも生きて何も出てこないことを本当に願いたいと思うんです。
○日下部禧代子君 今、総理は大蔵大臣として、総理としてお答えになったんだろうというふうに思いますけれども、やはりおっしゃったとおりになればよろしいというふうにそれはだれもが願っているのでございますが、今までそれぞれの組織が大蔵省の内部にできたときにやはり皆さんそのような願いを持っておつくりになった、しかしなかなか結果としてそうではなかったというこの事実を無視するわけにはいかないというふうに思います。 そこで、総理も非常に前向きになっていらっしゃいます公務員の倫理法の制定ということでございます。 これは実は社会民主党は、既に九六年十二月にアメリカ政府倫理法というものをモデルにいたしまして国家公務員倫理法案大綱というものを発表しております。そして、きょうまた五時半から改めてその大綱を発表させていただきたいというふうに思っております。 実は一九九七年二月十九日から与党国家公務員倫理に関する協議会というのがスタートしているわけであります。私もその委員の一人でございました。ところが、昨年五月二十八日に第四回目が開催されて、それを最後に中断されたままでございました。非常にこれは残念だなというふうに思います。今ここでまたそのお話が出てまいりました。今回はまた違った展開というどころか、今国会中にでも成案を得るというようなところにまで積極的に総理はお考えではないかというふうに思っておりますが、いつごろの成案を目途としていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本当に私はこの点、情けない思いでこの御答弁に立つんですけれども、まさに私は、公務員倫理規程というものが一昨年末、各省庁が法規範性を持つ訓令によって担保され、制定、公表をいたしました時点でこれは守られると本当に願っておりました。そして、当時も公務員倫理法をつくれという御意見が御党も含めいろいろなところから出てきましたが、私は綱紀粛正策として規程で十分守られると本当に思っていたんです。 ところが、今回の逮捕容疑の中には明らかにこの倫理規程を制定いたしました後のものが入っております。まさにこれは裏切られたと言う以外にありません。そして、まさにこの倫理規程の運用状況を厳しく点検し、綱紀の粛正を徹底するようにという指示は官房長官からいたしましたけれども、残念ながら、倫理規程だけではこうした問題に完全に徹底できない。情けないことでありますけれども、こうした不祥事を根絶するためにもさらに抜本的な対策を講ずる必要があると思い、昨日、古川副長官に公務員倫理に関する法制化などについての検討を指示いたしました。 同時に、今、三与党の中における論議の経過をも踏まえて御発言をいただきましたが、自由民主党の中でも委員会をつくりまして同様に検討をスタートさせております。私ども、与党と連携をとりながら速やかに作業をまとめてまいりたいと、今そのように思っております。
○日下部禧代子君 大変前向きなお答えをいただいたのでございますが、速やかにという日本語は大変に幅が広うございます。大体いつごろまでにというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 与党三党、先日党首会談をいたしましたときにも、既に合意をいたしております点、なお検討を継続し整理をしていく点、また、より長い本質的な議論を要する点、幾つかの整理をいたしました。そして、公務員倫理法という問題点はその時点では考えておりませんでしたけれども、こうした一連の問題が議論をされております中でありますから、私は逆に私どもの党の作業も急いでもらうように指示をいたしたいと思いますし、政府部内の作業も急がせたいと思います。 しかし、草々の間、そこまで、いつまでにというところまで私も今詰め切っておりませんことはお許しをいただきたいと思います。
○日下部禧代子君 ぜひとも我が党の大綱を参考になさりながら、今国会中に成立することを切に望んでおきます。 次に、財政と金融の分離ということについてお尋ねしたいのでございますが、これもさきに与党内で合意いたしました。しかし、大蔵官僚による今回の不祥事、これはまさに大蔵省に強大な権限が集中しているからこそ発生したのでございます。 したがいまして、この際、やはり大蔵省の財政と金融の分離については、当面の間というふうなことではなく、早急に着手するということにならないのでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私からこういう言い方をしたらしかられるかもしれませんけれども、財政と金融の分離の問題につきましては、先般、与党三党でまさに合意がまとめられました。そして、その合意は与党三党間におきまして誠心誠意御論議を尽くされた結果として私どもはこれを承知し、これを重く受けとめてまいりたいと考え、今基本法の作成の作業に入っておりますが、この与党三党のおまとめになりましたものをそのままにこの中に織り込んでいこうといたしております。
○日下部禧代子君 ぜひともこれを、当面というのをもう少し具体的な言葉に直すような努力を与党三党としてやっていければよろしいなというふうに私は思います。希望的観測だけを述べまして、次の質問に移りたいと思います。 さて、今回摘発された問題というのは以前からささやかれていた問題でもございます。この事件も氷山の一角だというのが常識的な見方と言ってもよろしいのではないかというふうに思うわけであります。 逮捕された二人はいわゆる高卒のノンキャリア組だというふうにも聞いております。一般庶民の感覚では、たとえ職務権限に抵触しないまでも九五年三月の中島義雄主計局次長が訓告処分だけで終わったということにはなかなか納得がいかないようでございます。両容疑者以上の高額接待を受けているキャリア官僚がいるんじゃないかというふうなうわさは非常に根強うございます。 この際、徹底した調査をして国民にその結果を開示して、癒着関係を切ったというふうなことを証明することなしに、この公的資金導入についての国民的理解を得るということはなかなか難しいのではないか。少なくとも、今回接待疑惑の出ている銀行には公的資金の投入はしないというふうなことをやはりきちんと国民に言わなければならないのではないかと思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、議員がおっしゃろうとしている金融安定化システムに対する国民の合意が非常に得づらくなったのではないか、そういう状況の中で御理解を得る一つの手法としての考え方を言われたと思うんですけれども、この一連の問題として今提起をされております疑惑については、大蔵省は大蔵省自身の立場で、また捜査当局は捜査当局として、司法当局もまたその立場においてきちんとした究明をしてもらわなければならないと思います。 同時に、金融安定化システムを必要としている我が国の金融システムの中で、必要とするところに必要な資金が送られ、それが自己資本の安定につながり、地域の経済を破綻に追い込まないために必要だとした場合、私は一つのお考えと思いますと申し上げました上で、その基準を金融安定化システムが国会で御承認をいただけました段階で申請を受けて審査をいたします基準の中に取り込むことには賛成はいたしかねます。 むしろ、これはあくまでも金融システムを安定化するために、そして自己資本を増強することによって金融システムの安定のために資し、また地域経済の安定のために資する、その目的から判断すべきことであると私は思います。
○日下部禧代子君 それに関連いたしまして、今回の公的支援というのは預金者保護に限るという趣旨のことをずっと総理はおっしゃっていました。 しかし、今回国会に提出されました金融安定化二法案によりますと、預金保険機構に十兆円の国債を交付し、うち三兆円で金融機関の優先株や劣後債を引き受けるというふうにされております。 どうも公的資金による個別金融機関の救済ではないかというふうな感じもするという言葉を私はさまざまな中小企業の人々からも聞いております。このような国民の素朴な疑問に私たちは答えなければならないというふうに思います。そしてさらに、東京三菱銀行のような経営状態の優良な大銀行から行うということ、そうなるとこれは大銀行の救済策ではないかというふうなお言葉も私はたくさん電話、手紙などでいただいております。 この点につきまして、やはり納得のいくような素朴な国民の疑問というものに私たちは答えていかねばならないというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 預金者保護、これは今回も当然のことながら大きな目的の一つであり、預金者保護の徹底を図るという視点がありますこと、これは何回も申し上げてきたとおりであります。 同時に、今回の金融システム安定化策、これが個別の金融機関の救済あるいは支援を目的としたものではありませんということは繰り返し申し上げてまいりました。例えば、破綻しそうなところの優先株を買う、劣後債を買う、それによって手をかすのではなく、破綻しなければならないようなところは破綻してもらわなければ仕方がないのであります。 しかし、同時に、午前中でありましたか、午後でありましたか、銀行局長が非常に市場のいわばすくんでしまったような状況の中で、本来きちんとした能力を持ち、力を持っております金融機関に対しても資金の供給が途切れる心配を本当にしたということを御披露いたしておったと存じますけれども、金融システムというものが本当に問題が起きるときには大変なスピードで起きるものであります。そして、今我々は本当に我が国の金融というものに対する内外の信頼の低下をどう回復するかに苦しんでおります。そして、そのためには金融機関が健全なものがきちんと努力をしていき、能力を発揮していき得る体制にあるということを国としても示す、その必要性は極めて強いものだと私は思います。あくまでもつぶれそうなものを助けるための機関ではありませんということはまず申し上げなきゃなりません。 それから、幾つかの優良金融機関の名前をお挙げになり、そうしたところが申し出をすればそれは大銀行救済ではないかという疑問が自分に寄せられると言われましたが、これ自体が申請主義でありますから、今私どもはどこが一体手を挙げてくるのかを予断を持って見ることはできません。 その上で、優先株などの引き受けにつきましては、この対策の趣旨というものを踏まえて、その金融機関の申請を前提に公正中立な審査委員会が厳正な審査基準を設け、それに基づいて審査をし、全員一致でこれを議決する。同時にその議決後は閣議にもかけますし、その議事録等は公表をするということで透明性を保っておるものでありまして、申請主義に基づくもので、どこかを想定し、特定行を助けるといった意図でこれを考えているものではないという点だけはどうぞぜひお伝えをいただきたいと思います。
○日下部禧代子君 それにもう一つ、国民の心配というのがございますが、三兆円の回収でございます。果たして回収というものがきちんとできるのか、大変それは難しいのではないかという御心配の声も聞くところでございます。投入した公的資金を回収するため、もしその回収がなかなか困難、例えば相当期間が経過した後に十分処分できると判断して買い入れた株式や債券が全く処分できそうにもないという事態になったときには、どのような対処の方策というものが考えられるというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、あるいは事務方から御説明を正確にいたした方がよいのかもしれませんが、便宜私からお答えすることをお許しいただきたいと思います。 というのは、今回の自己資本充実策におきましては、優先株などの引き受けを行いました後でもその発行金融機関が破綻する蓋然性が高いと認められない、そして相当期間が経過しても取得した優先株などの処分を行うことが著しく困難であると、そういう状況がもし想定されるなら対象にはしないということを最初から審査基準の要件として法律上規定をするわけであります。 ですから、議員の今例示をされましたような事態が事前に予見されます場合には、そもそも引き受けを行う対象になり得ないと思います。そして、そういった要件の中でこの基準に合致し、引き受け等が行われましたようなケースの場合であるならば、私は、我が国の金融システムに対する内外の信頼が回復し安定化が図られる、そうした時点において、基本的には円滑に取得いたしました優先株などの売却その他の処分は行われ得るものだと思っております。 ですから、もしそれにつけ加えて申し上げますと、今度は株価そのもの、あるいは株価などの資産価格というものには変動があります。ですから、さまざまな要因による変動というものをどこまで見込むかというようなことまであるいは想定しての御論議かもしれません。しかし、先ほど議員が御指摘になりましたような事態が予見されるような金融機関の場合、むしろ私はそもそも対象になり得ないと、そのように考えております。──大丈夫です。
○日下部禧代子君 それでは、相当の期間というのはどのくらいの期間というふうに考えておけばよろしいでしょうか。それはそちらの方に。
○政府委員(山口公生君) 法律には相当の期間ということで規定しておりますけれども、具体的に何年というのを決めるのはなかなか難しいわけでございますが、公正中立な審査委員会で大体のめどはお決めになる方向だというふうに考えております。ただ、かっちりと例えば五年なら五年というふうに決めることも、なかなかその危機の大きさ、深さ等で変わってくるんではないかというふうに思うわけでございます。
○日下部禧代子君 よく私は外国の方から聞かれるんですが、相当の期間、つまりフォー・ザ・タイム・ビーイングというのは一体どういうふうに解釈すればいいのかというふうに聞かれるわけでございますけれども、今のお答えだと、私はそれを英訳しても回答がなかなかできないようで、難しいのでございますが、いずれまたそのことにつきましては議論をさせていただきたいというふうに思います。 今ここで国民に政治への信頼ということを回復するためには、大蔵省の抜本的な改革、そして透明で健全な金融システムの再構築への具体策を早急に実行に移すということ、そのことを改めて申し添えまして、私の質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岩崎純三君) 以上で日下部禧代子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 日本共産党を代表して質問いたします。 極めて限られた時間ですので、金融問題に絞りたいと思います。 総理は、今回の税金を使っての三十兆円の投入計画について、これは山一証券、北海道拓殖銀行、この破綻によって金融システム全体の信頼が揺らいでいると、こう説明してこられました。ところが、今回の金融検査官の汚職事件によって、本来金融機関の健全性確保のための金融検査が、拓銀も含めてこれが極めてずさんに行われていた、大変大きな問題があるということが明らかになりました。 そこで、まず総理に伺いたいと思いますけれども、今回の拓銀もかかわる金融検査官の汚職事件と、総理も説明されました今度の金融システムの、総理の言葉をかりれば、信頼が揺らいでいる、そのいわば引き金になった拓銀の破綻、これは全く無関係だという御認識でしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 拓銀の破綻がいかなる状況で起こりましたかにつきましては銀行局長から答弁をいたさせたいと思います。私はすべてを知っておる状況ではございませんし、正確を期すために銀行局長から御答弁を申し上げることをお許しいただきたいと思います。 また、今回逮捕されました、そして現に取り調べの対象となっております二名が、この拓銀の問題の中にどのようにかかわりましたかも、もし銀行局長のわかるものがございますならば、捜査進行中のこととて正確なことは申し上げられないと思いますけれども、そのわかる範囲で御説明をいたさせたいと思います。私は、その細かいところまでを知る立場にございません。 その上で、私は、金融機関の破綻というものが現実に我が国の金融システムの安定の上に大きな障害になっておりますこと、これを解決することが我が国の景気回復への基礎をなす大きな部分であることだけを補足いたします。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 拓銀におきましては、昨年九月十二日の道銀との合併の延期の発表後、預金の減少あるいは株価の下落等の市場の評価が大変厳しくなりまして、その中で、先ほどもちょっと御紹介申し上げましたが、市場性資金つまりコール市場の取り入れ、つまり資金ショートが起きました。資金繰りが行き詰まったわけでございます。そこで、十一月十七日に業務の継続が困難になった、破綻をしたということでございます。 それから、もう一点のお尋ねは、被疑事実を今見ておりますけれども、谷内被疑者につきまして、代金合計三十九万七千六百三十七円相当の飲食、ゴルフ等の接待等の供与を受け、というのが記載されております。
○筆坂秀世君 それは全然私の聞いたことに対する回答になっていないんですよ。あなたが言ったのは、道銀との合併が御破算になったそれ以降の話だけじゃないの。だったら、何でそれが御破算になった、何で道銀との合併という話になったの。全く答えていないでしょう。 総理も逃げちゃだめです。総理、答弁されていますよ、一月八日、参議院大蔵委員会で山一と拓銀がなぜ破綻したかと。「それぞれに経営戦略の失敗あるいは市場の評価に対する見通しの甘さ、また山一の場合には簿外債務の存在といった反社会的な行動まで含めて存在した」ことがこの二つの証券会社、銀行の破綻の原因だったと総理は言われているじゃないですか。 そして、今度金融検査官が接待工作を受けてずさんな検査しかやらなかった。だから私は尋ねたんです、拓銀の破綻と検査官のこのずさんな検査、これは全く無関係と言えるのか。 私、総理の御認識を聞きたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、なぜ声を荒らげて言われなければいけないのか、その方がわかりません。 要するに、その二人の被疑者と拓銀の破綻と我が国の金融不安ということを絡めてお話しになりましたので、それぞれ問題の所在は違いますし、現に被疑者として捜査の対象になり身柄を拘束されている人間がどのような行動をとっておりましたのか私は存ずるわけではございません。そして、捜査は進んでおりますから、捜査当局がやがていつの日かその点について明らかにするでありましょう。 拓銀の経営破綻という問題につきましては、その中にバブル期における融資から不良資産の発生があり、積極的に海外戦略を展開したものが裏目に出、そしてその中で、バブル崩壊後の状況の中において合併による生き残りを策し、それがうまくいかず、その状況が市場の信認を得ることができず、その結果として破綻の道をたどった。そして、北海道内における多くの方々の影響というものを考え、北洋が営業譲渡の手を差し伸べ、道内における安定を保っておる、その程度の知識はございます。
○筆坂秀世君 総理は捜査中だとおっしゃったけれども、しかし事は大蔵行政にかかわる問題ですよ。捜査中ということで私は責任回避することはできないと思う。 今おっしゃったでしょう。ですから、結局拓銀は乱脈経営によって破綻したんですよ。バブルのときにも、そしてバブルが終わってからも、我々の調査では、無担保、無保証、無審査でカブトデコムであるとかエイペックスであるとか、大蔵検査が入った後だって融資をふやしています。 つまり、金融検査というのは一体何のためにやるのか。金融機関の経営が健全に行われているかどうか、乱脈融資はないのか、不正な融資はないのか、これを監督するためにやるのが金融検査であります。 ところが、先ほど銀行局長も答弁しましたが、逮捕された検査官の被疑事実を見ると、検査日程はいつなのか、臨検店舗、つまりどの支店に入るのかなどについて事前に漏えいした、そういう情報を漏らしたという嫌疑であります。 事前にいつ入るのか、どの支店に入るのか漏らして、総理、公正適切な検査ができるとお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それが不正不当なことであるからこそ私は、捜査当局の捜査の対象となり、そしてその被疑事実の中において身柄を検束する必要を感じ、捜査当局はその身柄を検束したと思います。
○筆坂秀世君 そうでしょう。公正な検査、適切な検査ができるわけないんです。しかし、そういう検査によって拓銀検査は行われたということでしょう。 検査官への接待工作で摘発の対象となった全銀協の会長行でもある三和銀行に九五年八月に大蔵省の検査が入っている。やはりこれは事前に、このときは直前になって入るという情報がもたらされた。夏休み中の男子行員が休暇途中で呼び戻されて、そしてこれは知られてはならない、こういう資料を段ボール箱に詰めて、物によっては自宅まで持ち帰る。倉庫に行く。 さすがに、情報を漏らしても、確実にこの店とは言わないようです。危なそうな店何十店かを対象にやったというんです。大体どの店でも三十箱から四十箱、段ボールで隠したというんです。千単位の段ボールです。私はそれに実際に携わった行員から聞いてきたんです。事前漏えいというのはこういうことなんです。まさに、乱脈融資やあるいはやってはならない融資、こういうものを隠ぺいするために行う。 ところが、拓銀の場合、拓銀が乱脈経営を改める、そしてまともな銀行に立ち直っていく、まさに正念場だった九四年八月、このときに、この被疑事実を見れば、事前の漏えいが行われ接待工作が行われ、そして拓銀のひどい実態というのがまともに明らかにされなかった。その結果どうかといえば、結局九七年十月、また大蔵検査が入ったそのさなかに拓銀は破綻したんでしょう。それで、今や八千四百億円の債務超過となっている。預金保険機構から資金援助しなければならない、そのために預金保険機構の資金が底をつく、そして税金投入という道筋が今出てきたんじゃないですか。 だから、拓銀の破綻の第一の責任、これはもちろん経営陣にあることはもう言うまでもありません。いわば主犯です。しかし、拓銀の乱脈を接待工作によって見逃す、あるいは時にはかばい立てする、やってきた大蔵省の責任、これは重大です。だから、北海道新聞だって社説で何と書いているか。結局、これは銀行と大蔵省の癒着のツケじゃないかと。バブルのときの乱脈もとめられなかった、破綻した後の乱脈もとめられなかった。何のための監督だ、何のための金融検査だということが今まさに問われているんです。 そして、総理は、山一の破綻や拓銀の破綻が発端となって金融システム全体が揺らいでいるから今度の三十兆円投入計画だとおっしゃっているわけでしょう。 私は、そうであるなら、拓銀破綻、これと今度の大蔵省検査の汚職事件、これは重大なかかわりがある。これを徹底解明せずに、銀行の責任は問わない、大蔵省の責任は問わない、責任を問われるのは国民だけ。こんな道理のない話はないと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 当然ながら、私は、破綻金融機関、これは拓銀のみに限りません、その債務を清算していく、債権債務を整理していくプロセスにおいて法にかかわることがあれば、だれであれその法の責任を問われることは当然だと考えております。
○筆坂秀世君 私は人ごとじゃないと思うんです。大蔵省の責任が問われているんですよ、銀行と同時に。 それで、調べてみますと、大蔵省の検査が入ったときにはどういうことが行われるかというと、その結果というのが検査報告書としてまとめられる。そして、検査部長と銀行局長名で検査示達というのが行われる。これへの回答が頭取から示達回答というので行われる。 三十兆円投入計画の引き金になった拓銀の破綻、そしてそれを見過ごしてきた大蔵省検査、一体どんな検査をやっていたのか。 私は、その示達書とそして頭取の回答、そしてその示達書に附属される検査報告書。総理はこの問題を徹底究明するんだというふうにおっしゃいました。私は、こういう資料を国会にきちっと提出する、そうしなければ幾ら徹底究明といったって、どんな検査をやったのか、どんな検査報告書をまとめたのか、どんな示達をやったのか、頭取はどんな回答をやったのか、何も国会はわからないじゃないですか。総理、これは国会に出されるべきじゃないですか。
○政府委員(原口恒和君) お答えいたします。 検査報告書について、これは一般に個別銀行の報告書につきましては、これをそのまま出しますということにつきましては、信用秩序の問題ですとかあるいは取引先のプライバシーの問題、そういうことがございますので、公表しないということの取り扱いにさせていただいております。また、こういう扱いについてはアメリカを初めとする諸外国においてもそういうことになっております。 ただ、拓銀の検査結果、必要な部分については先般も破綻処理の段階において前回の検査結果も含めて公表をしたところでございます。
○筆坂秀世君 公表したのはこれだけじゃないの。(資料を示す) 九一年検査でどうだった、九四年検査でどうだった、九七年検査でどうだった、A4一枚しか出てないじゃないですか。住専で六千八百五十億円投入するときだって大口不良債権のリストを全部出したんです。今度、三十兆じゃないですか。国家予算の半分にも等しい金ですよ。何でそれが出せないんですか。都合のいいときだけアメリカ出しちゃだめよ。 これは検査部長なんかが答えられることじゃない。これは総理が答えるべきです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それでは、お答えを申し上げます。 検査部長からお答えを申し上げます。
○政府委員(原口恒和君) 確かに、拓銀の検査等いろんな御批判を受ける面については重く受けとめていきたいと思います。 ただ、例えば取引先についても今まさに営業譲渡をやる段階で、これからいろんな議論を、まさに地域経済をどうやってやっていくかというために個別の企業をどういうふうに引き継ぐかというようなことが話し合われているわけでございますから、そういう段階においてどう評価したかということを記載したものを出すということについては、従来の例と同じように控えさせていただきたいと思います。
○筆坂秀世君 三十兆円投入する計画の発端になったんですよ。拓銀、なぜ破綻したのか、大蔵省の責任は一体どうなのか。国会は何も知らずに、そして法案だけ審議しろ、予算だけ上げろといったって通用しないじゃないですか。 委員長、これは本当に大事な問題です。住専のときだって出したんですよ。私は、ぜひ政府に対して、予算委員会として、今私が申し上げた示達書、そしてそれへの回答、検査報告書、これを求められるようぜひ協議をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員長(岩崎純三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岩崎純三君) 速記を起こして。 後刻理事会で協議をいたします。
○筆坂秀世君 私は、政府・大蔵省の銀行破綻についての責任をきちっと明らかにしてこそ、政府だって責任を明らかにしたんだ、銀行だってもっと責任と負担を果たしなさいということが言えるんだということを指摘しておきたいと思います。 次に、いま一つ問題を伺いたいと思うんですけれども、衆議院で我が党の志位書記局長が、預金者保護というなら銀行の負担でやるべき、そして日本の銀行の保険料負担は、これまでの政府の説明と違ってアメリカと比較しても利益に対する保険料負担率が格段に低いということを明らかにしました。 この問題に関連して、いま一点ただしたいと思います。 政府は、今度のスキームの中で、預金全額保護の対象として、一年半前にできた金融三法等に基づくことでもあるわけですけれども、定期預金や普通預金、通常国民の皆さんがやっている預金、これは付保預金と言われている。もしものときにこれは預金保険機構に対して保険料が支払われています。これに対して保険料を払っていない預金というのがある。例えば譲渡性預金、外貨預金あるいは銀行間取引、こういうものは保険料は支払われていない。しかし、これも含めて結果として全部保護するという仕組みになっています。 しかし私は、保護するというのであれば、譲渡性預金であるとか外貨預金であるとかあるいは銀行間取引であるとか、こういうものについても当然保険料負担を求めるべきだというふうに思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 今の御指摘は、預金保険法の本則の考え方、恐らく大衆の預金を一千万の元本まで保証しようという、こういう考え方で成り立っていると思います。ただ、現下の情勢におきまして、そういうことだけに限った場合に、いわゆるペイオフということをやる場合には、例えば外貨預金にしろCDにしろそういったインターバンクの預金にしろ、いろいろ資金のシフト等、金融の秩序あるいは信用の秩序、先ほど申し上げましたプロの世界であるインターバンクでのすくみ現象等が極端に起きる可能性があります。そういうことも踏まえ、またさきの三法の考え方は、附則でもちまして特別資金援助という形でそういったものをカバーできるようにしてあるわけでございます。 したがって、これは本則の考え方として、もともと未来永劫そういう制度をつくるというのであれば、それはいろいろ議論をして対象に何を入れていくのか、どの程度のカバーをするのかというような議論をしなきゃいけません。しかし、今は信組から始まってこのような破綻が続いているような状況で、二〇〇一年三月までの特例的な措置として認めておるわけでございますので、そういった取り扱いになっているということでございます。
○筆坂秀世君 何も回答になっていないですね。附則になっていると、だったら本則に改正案を出せばいいじゃないですか。あなた方は今度の国会だって預金保険法の改正案を出しているでしょう。 私、きょうパネルをつくってきました。(図表掲示)これは負債に占める付保預金の割合を示したものであります。これを見ていただいたら一目瞭然です。例えば信用金庫の場合には八九・四%、これに保険が掛かっている、預金や負債について。地方銀行の場合には七九・二%保険料が支払われている。九割から八割です。それに対して都市銀行は預金、負債のうち五一・九%、約半分しか保険料を払っていない。長期信用銀行、これは預金が余りないですから、わずか六・四%しか払っていない。しかし、いざとなればこれは全部保護されることになるんですよ。私、これどう考えたって道理がない。 ですから、最近経済専門誌でも指摘しているでしょう、幾ら何だってこれはひど過ぎると。よく介護保険は保険あって介護なしという批判もされます。しかし、これじゃ給付あって負担なし、給付あって保険なしだと。総理、これは私どう考えても改めるべきだと思いますけれども、少なくとも検討すべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 預金保険の保険料率につきましては、平成八年度からそれまでの七倍に保険料率を引き上げたことは既に御承知のとおりであります。そして、保険料負担につきましては、遅くも平成十年度末までにその機構の業務、金融機関の財務の状況などを勘案して検討を行うことにしております。我が国の金融機関の置かれている状況あるいは国際的な信認との関係などにも留意しながら、中長期的な観点から検討していくものと考えております。
○筆坂秀世君 総理、中長期的にとおっしゃいましたけれども、一年半前に改正された預金保険法、これで来年度末には保険料率、これは再検討するということになっています。──だから中長期的にじゃなくて。ですから、しかもそのときの理由は何かといいましたら、もし預金保険機構の資金に穴があくようなあるいは底をつくような事態になれば、これは保険料率検討しますということなんです。穴があいたときに保険料率まさか下げる検討するわけありません。上げるということが前提なんです。しかも、銀行局長は何とおっしゃっているかというと、金融機関の体力を総体として見れば不良債権の十分な償却能力を持っている、こういうふうに衆議院でも答弁をされました。 金融制度調査会答申も、納税者に安易に負担を求めるべきではないこと等を踏まえると、三年後に預金保険勘定の損益の状況を見て金融機関の財務状況等も勘案の上、特別保険料の適正な見直し、つまりこれは適正な引き上げを検討するということを金融制度調査会だって言っているわけです。こういう方向での検討を私はされるべきだと。 先ほども政治献金の話が出たけれども、自民党はこの十年間に銀行業界から百三十億円金を受け取っているんですよ、政治献金として。年間十三億です。私、これぐらいの保険料の引き上げあるいは保険を払っていない者の保険料の適用、このぐらいのことはやらないと、やっぱり見返りかという疑惑を持たれても仕方がない。 このことを指摘して、質問を終わりたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、星野朋市君の質疑を行います。星野朋市君。
○星野朋市君 自由党の星野でございます。 まず、総理にお尋ねをいたします。 先ほどから今度の三十兆円のスキームについてるる御説明がございましたけれども、公的資金は住専とそれから信用組合以外には使わないと、そうおっしゃっておった。それをどうしてここで朝令暮改的に三十兆というような大きな仕組みで制度をつくろうとなさるのか。 それから、その三十兆の仕組みの中でこれが二つに分かれるわけです、十七兆と十三兆。それで、十七兆の方はあくまで預金者保護であります。これは我々も賛成です。十三兆の仕組みの方が実は問題でありまして、その詳細についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 住専処理及びいわゆる金融三法の制定をお願いいたしました当時、信用組合の破綻が相次いで発生していたことなどを踏まえまして、信用組合に限っての政府保証を措置いたしました。その後、一般の金融機関におきましても大規模な破綻が相次いで発生をし、我が国の金融システムに対する内外の信頼が大きく揺らぎかねない情勢に至っております。このため、金融の危機的状況に対処し、政府として預金者の保護また金融システム安定化のために断固たる対応をとることが我が国の国益にかない、また責務である、そうした考えから今回の緊急対策を御提案いたしました。 次に、半分の方は賛成なんだが、十三兆の方は問題だという御指摘でございます。 これは改めてきちんと申し上げますなら、今回の金融システム安定化対策、これは我が国の金融システムに対する内外の不安の払拭と同時に、いかなる事態が起きても対応できる備えを用意する、そうした観点から、十兆円の国債と二十兆円の政府保証の合わせて三十兆円の公的資金の活用ができるように措置をいたしました。 これは本当は事務方からきちんとお答えをした方が正確だと思いますけれども、我が国の金融機関が自己査定をいたしましたその結果の集計を見ましても、御承知のあのⅠからⅣまでの分類でございます。Ⅱ分類につきましては、各金融機関において債権管理上の注意を怠らなければ原則として損失を発生しない債権が多数含まれている。また、Ⅲ、Ⅳ分類は、原則として中間決算の前の計数でありまして、不良債権額としてある程度の減少が予想されること。同時に、そもそもすべての銀行について破綻することはあり得ないといったことを考えますと、預金者の全額保護の徹底のための七兆円の国債の交付を初めとする対策で十分対応し切れるという判断をいたしたということであります。 いずれにいたしましても、私どもとしては、できる限り早期に国民の皆様に安心をしていただきますためにも、金融安定化二法の速やかな成立をお願いしたいと願っております。
○星野朋市君 次に、大蔵大臣たる首相にお聞きすべきか、大蔵当局にお聞きすべきか迷っておりますけれども、それでは住専処理問題についての検証をしていきたいと思います。 住専の処理については、母体行が三・五兆、一般行が一・七兆、それから系統金融機関が五千三百億を寄贈して、それでも足りないから六千八百五十億、このうち五十億は預金保険機構に入れた分ですから、実際には六千八百億、これを税金で使われたわけです。その六千八百億はどういうふうに使われましたか、お答え願いたい。
○政府委員(山口公生君) 住専の処理に関しまして六千八百億円の財政資金が投入されておるわけでございますが、この資金は住専の債務の処理に充当されました。これで金融システムの混乱を回避し、また不良債権の処理が格段と進んだわけでございます。 いずれにせよ、先生が今お述べいただきましたような資金がありましたので、不良債権のロス部分を一応そこで清算をして、残りの部分を住専機構が引き取って、それで今機構が回収に努めている、こういう役割を果たしているわけでございます。
○星野朋市君 それでは私のお聞きしている答えになっていないと思います。 というのは、三・五兆と一・七兆は帳簿上の損失ですから、これは銀行が不良債権として償却をできるわけです。だけれども、系統金融機関の五千三百億と税金の六千八百億、これはお金で来たわけですから、それがどこに使われたかというのは、どこかへ返ったわけですよ。それからさらに、住専機構が今までに約六千億のお金を回収しております。 では、その分はどこへ行ったのか。これは、今私が申し上げた五千三百億、六千八百億、それから回収した六千億、この三つを合わせたお金がどこかへ行っているわけですから、それをお聞きいたします。
○政府委員(山口公生君) いずれにしましても、不良債権化している部分を含む住専の債権を引き取ったわけでございます。それを買い取ったわけですから、そこには代金として支払われるわけでございます。 したがって、六千八百億が預金保険機構に対する補助金として支出されまして、それで住宅金融債権管理機構を経由しまして、お金の流れとしましては系統金融機関を初めとする関係金融機関の住専向け債権の返済、こういう形になったわけでございます。
○星野朋市君 その最後の言葉がまさしく的を射ているわけです。要するに、系統金融機関へこのお金が大部分流れた、その言いわけは、恐らくここからの金利が一番高いからだろう、こう考えられます。 ただし、この住専の問題をさらに検証しますと、もしさらに損失が出た場合は二分の一を公的な資金で援助する。それから、金融機関が経営努力をして都市銀行母体行は約五千億、こういう形のものを税収に加える、こういう附則事項みたいなものがあるんです。だけれども、現実にはどうなっているか。各金融機関は不良債権の償却をして赤字をどんどん出している、税金なんか一銭も納めていない、七年間という一つの期間はありますけれども。 そうすると、この全体のスキームというのはどうなっているか。母体行はこの負債が精いっぱいだと言っていたにもかかわらず、今どんどん不良資産を償却しているじゃないですか。ですから、今度三十兆というお金が文字どおり使われないとしても、この使われ方というのには我々は十分な関心を持っていないと済まないと私は思っております。 この問題は、いずれまた改めてほかの委員会で追及をいたします。 次に、銀行の自己査定施行の集計額についてお尋ねをいたします。 大蔵省は、昨年までは日本の金融機関の不良債権というのは二十一兆ないし二十二兆だと言っていた。ところが、一月の十二日になって、これは全部不良債権とは言いません、何と問題債権が七十六兆七千億、こういう数字を出してきたわけです。朝日新聞の「かたえくぼ」は見事に茶化しました、「ナントムナシイ数字だなあ」と、七十六兆七千億について。 この中に一つの言いわけがあります。どういう言いわけかといいますと、この自己査定は平成九年三月末から九月までのいずれかの時点を各行が任意に選択して行ったものであり、ある一定の時点における計数ではないと、こういう断り書きがあります。さらに、私は全銀協を通じて調べたんですが、この金額の中には外国への不良債権、問題債権があるという回答を得ておりますけれども、幾らあるという答えは得られませんでした。当局はその数字をつかんでおられますか。
○政府委員(山口公生君) せんだって発表いたしました集計結果は、それぞれの各金融機関が自己査定をやっております、その自己査定の施行段階でございますが、それを集計したものでございまして、その内訳を一つ一つとっているということはありません。 したがいまして、外国向けが幾らどこに入っているかということは把握いたしておりません。
○星野朋市君 この自己査定についてはいろいろな問題点があります。特に銀行のという言葉、この内容を見ますと、第二地方銀行までの数字しかない。じゃ、信用金庫、信用組合その他の金融機関の問題債権は幾らあるのかということは、これではわからない。しかも、その分類の中に突如として都・長信銀、要するに長期信用銀行と都市銀行がごったになっている、こういう数字が出ております。 それで、今、銀行局長は外国の件についてはよくわからないと申されましたけれども、国際金融局長はこの間衆議院で、ASEANに対しては七百九十五億ドル、それからNIESについては千七百何十億、合計二千五百二十六億ドルの金融債権、約三十兆円の金融債権があるという答弁をなされたわけです。これはいつの時点であるか、お答え願いたい。
○政府委員(山口公生君) 先生の御指摘は九年六月末という記録があります。ただ、今お示しされました約三十兆という数字は、与信総額ⅠからⅣまでの間にはもちろん含まれております。 私が先ほど申し上げたのは、例えばⅡに幾ら、Ⅲに幾ら、Ⅳに幾らという意味では把握しておりませんという趣旨でございます。
○星野朋市君 その点はわかります。 そうすると、六月末ということだとすれば、昨年の後半に至った特に東南アジア関係のいわゆる為替レートの大変動、これによってさらにこの総額貸し付けの金融債権の中に問題債権が大いに発生した可能性があると思いますけれども、大蔵省はどう見ておられますか。
○政府委員(山口公生君) 銀行の持っている債権につきまして為替レートの影響が全くないとは申しませんが、通常、我が国の銀行が海外で事業をやりますときにはドルで調達してドルで運用するというような形で、いわゆるヘッジングといいましょうか、為替リスクをできるだけとらないように、また通貨が違うときにはデリバティブを駆使しまして、そういったもののリスクを余り過大にとらないようにということでやっております。 そういう点を考えますと、全く無視していいとはもちろん申しませんけれども、その辺はかなり緩和された形になっているのではないかというふうに思います。
○星野朋市君 それでは、過去にこういうことがあったということを申し上げておきます。 まだ日本の邦銀が本格的に海外に進出をしておらなかったとき、日本の銀行はせいぜい貸付先が日本から進出した企業、それぐらいしかなかった。本格的な貸し付けができなかった。それで、常に資金需要がある中南米に相当な貸し付けをして全部焦げついちゃったんです。そうしたら、銀行は全部これを不良債権として償却してそれで済ませた。その後、大蔵省の入れ知恵でもってタックスヘーブンのケイマン島に回収会社をつくってその残りの債権を回収しておった、こういう事実があるんです。 大蔵省、その点確認できますか。
○政府委員(山口公生君) そうした事実の確認という意味では、私は詳しく知りませんので申しわけないのでございますけれども、銀行が持っているリスクには、先ほど先生の御指摘のような為替のリスクとそれから貸付先のいわゆる信用のリスクというものがあるわけです。もう一つはマーケットの変動のリスクというのがあるわけです。 今、恐らく先生が中南米向けとおっしゃったのは、その信用リスクのところが発生したのではないかと。そこで不良債権として処理をした。しかし、不良債権として処理をしましても、債権としては通常残してそれの回収をできるだけ図る。それはもちろん丸々回収はできません。少しでも回収に努めるということであれば大いに考えられると思います。 先生の御質問を私が違ったふうにとっておるとすれば、それは的外れということになりますが、そういうお答えにさせていただきます。
○星野朋市君 この問題についてはまた別の委員会で詳しくやりたいと思います。 これは大蔵大臣としての総理にお聞きをしたい、見解を述べていただきたいと申し上げた方がよいと思うんですが、世に、銀行は晴れた日に傘を貸して、それから雨が降ってきたら傘を取り上げる、これが庶民感情の銀行に対する見方なんです。 今まさしくその状態なんです。バブルのときには借りろ借りろと言って、今は自己資本の比率の問題で貸し渋りが起き、さらに貸しているお金を回収しようとしている、こんな状態。しかも、先ほどからちょっと触れているように、実力もない銀行までが右へ倣えでもって海外へ出ていって、それで実際に海外でうまくやっている銀行はほんの数えるほどしかない。先ほど局長はデリバティブなんという言葉を使ったけれども、日本の銀行でデリバティブで海外の銀行にかなうところなんか一行もないと思うんです。 こういう状態で、バブルの原因をつくった銀行の経営者というのは何をしておるか。みんな会長だとか相談役だとか、こういうところに残ってのうのうとしている。火事が起こっているのに原因を探したって始まらないじゃないか、まず消せと言うんだけれども、原因を起こした連中というのはわかっているわけです。こんなものは同時にできると思います。 御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 晴れた日の傘なのか高足駄なのかゴム長なのか、いろんな言い方をなさる方がありますし、そうした言葉が出てくる、そういったお気持ちを全く理解しないつもりはありませんし、同時に、破綻金融機関等の経営者の中で自分の私財を責任を負って提供した人間はいないじゃないかという御批判もよく浴びます。それもそのとおりです。しかし、法治国家である以上、法を超えた行動が国としてとれないことも、これはまた御理解をいただかなければなりません。 他方、銀行自身が合理化の努力をもっと本気でやってもらわなければ、あるいは徹底したリストラを必要とするのではといった御意見に対しては、私は真摯に耳を傾けるべきだと思いますし、それは政府の我々もまたその声に真剣に耳を傾け、彼らを慫慂し、そうした努力をさせる責任がある、責務がある、私はそう思います。
○星野朋市君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で星野朋市君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 まず、橋本総理の米軍沖縄基地の縮小について努力されたことについては大変敬意を表します。 早速質問に入るわけでありますけれども、現在の沖縄米軍基地の過密の状況は、戦後銃剣とブルドーザーによって土地を強制収用し、拡張された結果であると思いますが、総理はその辺についてどう認識されておるか、お尋ねします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 島袋議員が沖縄県の県民の気持ちとして要約された場合にはそのような要約になる、そのお気持ちは前にも拝聴し、私も理解をいたすものです。 他方、基地が沖縄に偏在していることについて、その原因がどこにある、今お尋ねでございました。本来なら第二次世界大戦以前から申し上げるべきなのかもしれませんが、そこは失礼をさせていただきます。 そして、日本、本土が独立をいたしました時点でなお沖縄が米軍の施政権下に残った。そしてその時点、日本全体が占領されていた時期において既に沖縄には相当程度の米軍が展開していた。それは、ハワイあるいはグアムよりも極東の各地域に近い。そして、迅速な戦力投入が可能な場所である。一方で、周辺諸国から一定の距離があり、本土にない縦深性がある。そういったことが私は、当時占領下において、それは沖縄県だけではございません、日本全部が占領されていた時代において、日本全体に基地が散らばりながら、特に沖縄県に多くの基地が存在をした。その中には、議員が今述べられましたように、銃剣をもって建設をしたものが存在をした。そうした遠因ではなかろうかと思います。 そして、日本が独立を回復いたしました時点でも沖縄の占領というものは続きました。そして、独立を回復する時点におきましても、独立を回復し沖縄を本土復帰させるということに、当時を振り返りましたとき、私ども自身も気持ちは向いておりましたが、その機会に基地をという感覚は余りなかったように振り返って思います。 そして、米軍施設・区域が集中していること、これは沖縄県の皆さんに長い間大変な御負担をお願いしていることでもあり、その痛みを分かち合う必要がある、国全体で分かち合わなければならない、そのような思いで内閣は今日まで沖縄の問題というものに取り組んでまいったつもりであります。
○島袋宗康君 日米安保条約が結ばれたときに、沖縄の基地に本土から六〇%のいわゆる米軍海兵隊が移転している。そこによって在日米軍の七五%が沖縄に集中して存在しているというふうな異常な状態になっているわけであります。私はその責任はどこにあるかというと、日本政府にあるんじゃないかというふうに思いますけれども、政府はどのようにお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、もしそういった御議論でありますならば、戦後の我が国の歴史そのものの中にその責任というものは求めなければならないであろうと存じます。 私は、今隠すことなく、本土復帰の時点におきまして、基地をどうするということよりも、施政権が戻ってき、沖縄が独立を回復するということに目を奪われておりましたということを率直に申し上げました。そしてその当時、あるいは国民健康保険制度の切りかえ、その他の課題を担当する一人としてしばしば通いましたが、私自身の担当する分野が全く異質の分野であったこともあり、基地という問題に当時深く思いを寄せなかったことも事実であります。恐らく多くの人々はそうだったのではないでしょうか。
○島袋宗康君 やはり政府の責任であるということを明確に認めていただきたいんですよ。そうでないと沖縄問題のこの基地問題は解決できないんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私、本当に随分率直に申し上げているつもりなんですけれども、政府の責任といった一言で済む話ではないように思います。 私は、例えば国保の問題の御相談を受けましたとき、このときには厚生省の政務次官でございました。しかし、六歳未満児の問題を、あるいは対馬丸の問題を、あるいは当時徴兵年齢に達し、複数の国籍を持ち、アメリカへの永住を希望せずという、両親の国籍の違うお子さんの問題等に取り組みましたとき、私は政府の一員ではございませんでした。そして、政府だけではなくてこれは国会議員皆、その当時いろいろな形で沖縄の皆さんに少しでもその苦痛を軽減しようとしてお手伝いをした人間はございますけれども、それを単純に政府の責任だと言えばそれで済むといったようなものではないように私は思います。
○島袋宗康君 問題がすれ違っておりますけれども、一月二十六日の沖縄の地元二紙の社説は、期せずして双方とも全く同じ論調で政府を批判しております。(資料を示す) これが両紙でありますけれども、沖縄タイムスは「まるで県内移設の強要だ」、琉球新報は「大人げない政府の対応」、こういった論調で、一つ目に基地問題を経済振興と絡めるやり方、二つ目に大田知事の最近の言動に過剰反応し、沖振法改正の了承見送り、総理との会見申し入れに対して手のひらを返すように冷たくなっている、三番目に普天間飛行場返還凍結という高圧的態度等々を指摘し、批判しています。この批判は県民の圧倒的支持を得ているわけでございます。 総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、大変そういう御批評を受けることを悲しく思います。 そして、御理解を願いたいと思いますのは、きょうも私は九時から本委員会に一日を集中いたしております。明日も参議院の他の委員会に一日、そして本会議に参加をさせていただくことになるでありましょう。そこまでも衆議院で同様の日々がございました。そして、そういう中でありましてもできる限りの努力はしてまいっているつもりでありますが、現実に、例えばアゼルバイジャンの首相あるいはウズベキスタンの首相、二人の首相にもほとんど二十分ぐらいずつしかお目にかかれないという国会の日程を御理解いただけば、議員から、その二紙がそのようなことを書かれているなら、現実の日程がこうなんだということをせめてお伝えいただきたいと思うのであります。 手のひらを返すというようなおっしゃり方は、本院で現にけさ九時から恐らく六時ごろまでくぎづけになり、大蔵大臣を兼務せざるを得ない状況の中で、皆さんから見ればいろいろおっしゃりたいことはおありでしょうけれども、私自身としても全力を尽くしておりますときに、余りに情けない。その論調を取り次いでいただきますと同時に、このような日程を現実に過ごしているということもどうぞお伝えください。
○島袋宗康君 一昨年の十二月に日米両政府でSACOの合意がなされましたけれども、十一施設の返還合意の中で、何と八施設が県内移設条件つきであります。私は、九六年四月の本委員会におきまして、県内移設を条件とするSACOの返還合意は実現不可能だと明確に反対をし、総理に再考を求めたわけですけれども、県民世論がそれを許さない、県内移設は許さないというふうなことを信念を持ってここで申し上げたつもりであります。 結果は、名護の市民投票で明らかになっております。いま一度自信を持って県内移設条件つき返還が不可能なことを進言申し上げます。 総理のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御進言はありがとうございます。 これは私、本当にまじめにお答えをさせていただきたいと思うのですが、たまたま今この席に照屋議員もおられますし、沖縄県出身の議員の皆さん、沖縄県の問題を本当に真剣にいつも論じていただきました。そして、私も毎回真剣にお答えをしてきたつもりであります。そして、確かに議員からそのようなお言葉をいただいたことも記憶をいたしておりますけれども、私はこの話、一連の問題というのを原点に返らせていただきたいと思うのです。 私が村山前総理からバトンを受け継ぎましたとき、当時沖縄県と政府の間で一番解決を急ぐものとして言われておりましたのは、世上はいわゆる三事案というものでありました。そして、私はその三事案というものが恐らく知事さんから強調されるのだろうと思いながら、初めての知事との会談をいたしました。そのときに、三事案より急ぐ問題と言って知事が出されたのが普天間の問題でありました。そして、政府部内には慎重論が当然ながらございましたが、私は知事の切々たるお話というものを思い起こし、また私自身も閣僚としての立場ではございませんが、普天間の場所を存じて、何回か見てもおります。外側からです。それだけに、知事のおっしゃったことを私は真剣に聞きましたから、クリントン大統領が具体的なと言ったときに、ためらわず普天間の地名を出しました。そして、私は、大統領も真剣にこれを受けてくれて、それぞれの事務方が全力を尽くして解決のできる手段を模索してまいりました。その結果がSACOの最終合意でした。 確かに県内移設、議員また照屋議員からも同じようにこういうお話を伺いましたけれども、しかしそれでも現状を変えて、少しでもそれを変えていけば、私どもとしては全力を尽くしたつもりであります。そして、これは衆議院でも御答弁を申し上げたことですが、知事さんは県内の移設でいいとは全くおっしゃっておりません。これは知事の名誉のために申し上げます。しかし、移設しかあり得ないと申し上げていたときに、それがいかぬともおっしゃらなかったことも事実です。 そして、危険を減らし、少しでも安全なということから、SACOの合意をまとめるのに関係者が全力を尽くしたことだけは信じていただきたいと思います。
○島袋宗康君 とにかく沖縄の米軍基地の縮小という目的を達成するためには、私はこれは非常に緊急課題だと思うんですね。 それで、二つの方法しかないというふうに私は思っております。米軍の兵力、特に海兵隊の兵力を削減するか、米国本土やグアムなどに撤退をしてもらうということが第一点。もう一点は、米軍部隊の移転、例えば海兵隊を本土の基地に移駐させて沖縄の基地を縮小する。 この二つの方法しかないんではないかというふうに思いますけれども、その二つの方法のうちのいずれかを私は政府として追求すべきじゃないかというふうに思っております。したがって、その方法の問題点はいろいろあるかと思いますけれども、政府としてこの二つの問題点について追求をするお考えがあるかどうか、お尋ねします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、現実から物事を考えてまいります場合に、議員の御提起は残念ながら政府としていずれも今とり得る状況ではないと存じます。 同時に、私が総理を拝命いたしましてから二回の全国知事会議がございました。残念でありますけれども、二度とも沖縄県知事にはその会議に御出席をいただけませんでした。二回の知事会議で二度とも沖縄県の問題を私のあいさつの中に入れましたが、残念ながら、他の知事さん方からも反応はありませんでした。沖縄県知事はそこに姿を見せていただけませんでした。きょうまで私は申し上げるべきではないと思ってこの問題には触れませんでしたが、御本人に出ていただきたいと私自身はお願いもいたしました。 そして、今、日米両国の間におきまして日本以外の場所にアメリカの海兵隊の移動を求める状況ではないと思っておりますし、本土の各県に移せと、突然のお話になりますが、言うべくして簡単なものではないと存じます。
○島袋宗康君 去る一月十三日と二十六日、名護市沖の海上基地建設予定地内で、国の天然記念物でワシントン条約でも絶滅の危機にあると保護指定されているジュゴンの美しい映像が相次いで新聞やテレビで報道されました。この事実は国際的に反響を呼んでおります。 ジュゴンの出現は海上基地建設に影響を与えると思いますけれども、これは実はこの海上基地のジュゴンの映像、新聞記事でございます。これは両新聞社とも、こういう形でジュゴンの生息を確認しております。(資料を示す)こういう海上に新しい基地をつくるなどということは、とてもじゃないがこれは合意が得られないんじゃないかというように思いますけれども、その辺についての総理の御見解をお願いします。
○国務大臣(久間章生君) 名護市並びに沖縄県の了解を得まして、許可を得て約半年間調査を実施いたしました。そのときもジュゴンはうちの調査の方が見つけておりまして、ただそのときは海域の中ではございませんで、その周辺を泳いでいるのを撮影いたしておりまして、それは報告書にもちゃんと載せております。 したがいまして、私どもとしましては、この海上ヘリポートの建設について地元の御理解が得られれば、さらに細部にわたる所要の作業を行い、建設予定場所等が決定した段階におきまして、環境庁等関係機関とも協議しながら所要の環境影響評価を適切に行いたいと考えております。まずは適地の決定を先にして、その後そういうふうな具体的な環境評価をしていきたい、そういうふうに思っているわけでございます。それが先生おっしゃるようなことなのか、私どもはその海域外で見ておりまして、その中では確認しておりません。その写真も恐らくその提供水域の外だと思います。
○島袋宗康君 少なくともそういうことで逃げられるというものではないと私は思います。あのすばらしい、海上基地にその藻場があるわけですから、ジュゴンが現にそこで回遊をしているわけですから、関係がないという状態ではないと思います。それを指摘しておきたいと思います。 それで、名護の市民投票の結果、反対の意思表示が多くなっているというふうなことで、地元の同意なしに海上基地の建設は私はできないと思いますけれども、それを強行する意思があるのかどうか。政府としてどうお考えなのかをお聞きしておきます。
○国務大臣(久間章生君) 私どもは、かねてから総理がおっしゃっておられますように頭越しにはしないということで、従来も御理解を得るべく努力してまいりました。 これから先も引き続き粘り強く努力してまいりたいと思っております。
○島袋宗康君 私はなぜそのようなことを申し上げるかといいますと、前官房長官の梶山先生が沖縄にわざわざおいでになって、このことについては日米安保条約の基地提供義務があるので、どうしても県民が反対しても提供するんだというような内容のコメントがありましたから、あえてそれは申し上げたわけです。非常にその点は重要なことでありますので。 もう一点、海上基地の建設を受け入れぬのならば、普天間飛行場の返還も凍結という論理がまかり通っているが、それは基地の重圧にあえぐ沖縄県民の苦悩を緩和するには基地の整理、縮小がどうしても必要だという原点を忘れた、沖縄県民に対する思いやりと誠意を欠いた暴論であると私は思いますけれども、総理はこの辺についてどうお考えか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 全力を傾け努力をし、その中でお問いかけに対し誠実にお答えをする、それがもし御自分たちのお考えと違ったときには暴論と切り捨てられるのであれば、我々は何に向かって努力をすれば問題が解決するのかと悩みを深くいたします。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で島袋宗康君の本日の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、山口哲夫君の質疑を行います。山口哲夫君。
○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫です。 私たち新社会党は、今年度の予算審議のときから三つの問題を特に主張してまいりました。その一つは、消費税三%を五%に上げるべきではない。もし上げたならば、必ずこれは購買力が低下して景気が悪くなるだろう、それが一つ。二つ目には、特別減税、せっかくこれまで続けてきたんだから、ことしもこの特別減税は続けるべきである。三つ目には、医療費を中心に国民負担をこれ以上強いてはならない。 この三つをもし聞いてもらえないとするならば、必ず景気は悪くなる、そういうことを強く主張してまいったわけです。残念ながら、橋本総理には私どもの主張を受け入れてもらうことができませんでした。その結果は九兆円の国民負担になったわけです。一世帯四人家族で約三十万円です。そのため日本の景気は低下してきた。そして、今になって今度は国民の要求に押されてようやく二兆円の減税を提案してきたわけです。これは明らかに総理の経済見通しの誤りだったと思いますけれども、その点はお認めになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、私が申し上げるまでもなく、我が国は既に高齢社会に突入をいたしております。そして、その中におきまして、我が国のさまざまな仕組みを変えていかなければならない時期に遭遇いたしており、その中における国民の負担のあり方もその一つであります。そして、その中で、本院におきましても直接税から間接税に重点を移せという御意見は過去随分長く論ぜられてきたテーマの一つでありました。もちろん、それには賛否両論がありました。 そして、その中で、私どもは高齢社会の負担のバランスを将来ともに考えていきます場合、この消費税率の引き上げは必要であり、その二%のうちの一%は地方の財源になるということも私自身衆議院選のすべての場所で、いや正確には初日はそこまで時間がなかったものですから二日目からですけれども、街頭に立つ場所場所で国民に訴えながら御理解を求める努力をしてまいりました。 そして、同時に、我が国の社会保障制度というものが将来とも、医療保険も年金もですけれども、国民の暮らしのセーフティーネットとして機能するように、これを維持していくためには医療保険制度の見直しも必要なことであったと考えております。
○山口哲夫君 私が質問しているのは、経済見通しを誤ったでしょうと言っているんです。それに対しては全然お答えにならない。これは間違いなく経済見通しを誤ったから、結局はやはり国民が言うように、消費の拡大を図らなければならないということで二兆円の減税というものを出してきたと思うわけです。 今バブルが崩壊して、これから先景気がだんだん悪くなっていこうというときに、そういうときを見計らって財政赤字をなくさなければならないといって大変な国民負担を強いてくる。もう景気が悪くなるのは目に見えているじゃないですか。私は、政府がそこまで経済見通しを立てられなかったというのは、これは全く驚きであります。 今一番やらなければならないことは国民の景気をよくすることです。ですから、まず消費を拡大しなければならないんだ、そのためには、基本的には消費税は廃止していかなければならないという考え方を私たちはいまだに持っております。自民党の方笑っているけれども、五%の消費税、十二・五兆円です。私たちはこれにかわる財源というものを確信を持って持っております。しかし、今そのことを言っても総理は受け取れないでしょう。せめて、ヨーロッパの幾つかの国がやっているように、飲食料品だけでも消費税をかけるべきではない。この点についてどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御論議で、議員はよく御承知の上でおっしゃらない部分があります。それはヨーロッパにおける付加価値税の税率の問題であります。 同時に、例えば我が国の所得税一つをとりましても、その課税最低限がむしろほかの国よりも高い水準である。言いかえれば、アメリカ、イギリス、まあドイツは間接税率の方が高うございますからまた別かもしれません、日本と似たり寄ったりですけれども、フランスの課税最低限、それは日本では所得税を負担しておられない方々にも負担をしていただいて税率が組み立てられているということ、そして付加価値税の税率は少なくとも軽減税率を採用しているところも標準税率は一〇%より二けたを超えているということ、そうした状況の中であればこそ軽減税率も生きるということ、その辺について当然よく御承知の上でお触れにならないのは私ちょっと不公平だと思います。 確かに、私どもが消費税率の引き上げの場合、その影響は、一―三月における消費の拡大に、そして四―六は落ち込みにつながる、しかしそれ以降回復に向かって秋にはと申し上げてきたことがさまざまな要因の中でその見通しのとおりにいかなかったことを、私はうそだと言い張るつもりはありません。
○山口哲夫君 間接税の問題を先ほどお触れになったわけですね、直接税から間接税の方に移行していかなければならないと。私は、それを否定してはいないんですよ。間接税は一切だめだとは言っていない。しかし、少なくとも飲食料品だけはかけるべきではないと言っているんです。ぜいたく品とかそういうものについては、かつての物品税のようにかけていくことは当然じゃないですか。私は、もっと庶民の生活ということを考えてそのことを言っているということを認識していただきたいと思うんです。 さてそこで、私たちは少なくとも五兆円の減税を要求しているわけですけれども、今の答弁の内容では全然受ける意思はないと思うんですが、もう一つ今大きな問題は法人税の減税です。 税収中立というのは総理も大蔵省もはっきりと言ってきた。ところが、今度の内容を見たら税収中立になっていますか。大企業の優遇税制を改めるかわりにこちらの方の法人税率を下げようと言っている。それでプラス・マイナス・ゼロにするというのが税収中立。ところが、今度の内容を見たら、九八年度の予算では三千億円減税になっていますね。そして、来年度から五年間は毎年二千億円ずつ減税になる。七年後には一兆二千億円ずつ黙っていても減税が続くじゃないですか。これは税収中立の公約に反しませんか。
○政府委員(薄井信明君) 法人税の制度改正に当たりましては、法人税収以外の税目から財源を求めることは不可能であるということで、課税ベースを広げることでなるべくその財源を得ようといたしました。 その結果として、経済の状況も踏まえますとネット減税、幾分のネット減税という形で今回の十年度改正を組み立てておりますが、その中で大法人と中小法人を分けますと、大法人の方は課税ベースの拡大の方がかなり大きいものですから、どちらかというとレベニュー・ニュートラル、むしろプラス、増税になっております。これに対して、中小法人につきましては大体三千億円ぐらい、六分の一ということで計算しますと減税になっているわけでございまして、大法人に甘くて中小法人にきついということではないということを御説明申し上げます。
○山口哲夫君 法人全体のことを言えば、必ず法人関係は減税になるということを言っているんです。もう少し庶民に目を向けたようなそういう政治をやってもらわなければ私は困ると思います。 そのことを強く指摘して、終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で山口哲夫君の本日の質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十四分散会