本会議 第26号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/05/13
会議録
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。 日程第一 国務大臣の演説に関する件 大蔵大臣から財政について発言を求められております。 この際、あわせて日程に追加して、 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案、以上五案について提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 これより順次発言を許します。松永大蔵大臣。 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 今般、政府は、四月二十四日に決定した総合経済対策を実施するため、平成十年度補正予算を提出いたしました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政及び金融行政の運営の基本的な考え方を申し述べますとともに、補正予算の大要を御説明申し上げます。 最近の経済情勢は、家計や企業の景況感が悪化したことを背景に、景気は停滞し、一層厳しさを増しております。 政府は、こうした経済状況に対応し、我が国経済を力強い回復軌道に乗せ、我が国経済に対する内外の信頼を回復するため、総事業規模で十六兆円を超え、国、地方の財政負担が十二兆円規模の過去最大の総合経済対策を決定いたしました。 本対策においては、国内需要の喚起を図ると同時に、豊かで活力ある経済社会の構築に向け、二十一世紀を見据えて真に必要となる社会資本の整備に配慮し、国、地方合わせて総額七兆七千億円程度の事業を実施することとしております。 具体的には、環境・新エネルギー、情報通信高度化・科学技術振興、福祉・医療・教育、物流効率化、緊急防災及び中心市街地活性化等民間投資誘発のための事業を実施するほか、災害復旧等のための事業に加え、地方単独事業についても追加を要請することとしております。 また、税制面では、国、地方合わせて二兆円規模の特別減税を既に実施中でありますが、これに二兆円規模の特別減税を追加し、定額方式によりできる限り早期に実施いたします。さらに、来年も二兆円規模の特別減税を継続することとしております。また、投資や住宅取得の促進を図るために、中小企業投資促進税制の創設、住宅取得促進税制の拡充等の措置を講じてまいります。 法人課税については、今後三年間のうちにできるだけ早く、国、地方を合わせた総合的な税率を国際的な水準並みにするよう、検討を行うこととしており、今後、税制調査会において、税体系全体のあり方も踏まえつつ、地方の法人事業税の外形標準課税の検討を初め、法人課税のあり方について真剣に検討してまいります。また、個人所得課税のあり方についても、税制調査会において公正、透明で国民の意欲が引き出せるような税制を目指し、幅広い観点から腰を据えた検討を行うこととしております。 今回の総合経済対策のように、経済金融情勢の変化に機敏に対応し、臨機応変の措置を講ずることは当然のことであります。それと同時に、主要先進国中最悪の危機的状況にある我が国の財政構造を中長期的に改革し、さまざまな政策要請に十分対応できるようにすることも重要な政策課題であります。 こうした認識のもと、財政構造改革を推進しつつも、その時々の状況に応じ、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するため、財政構造改革法に修正を加えることとし、そのための所要の改正法案を提出したところであります。具体的には、特例公債発行枠の弾力化を可能とする措置を講ずるとともに、財政健全化の目標年度を平成十七年度とするほか、平成十一年度の社会保障関係費の増加額をできる限り抑制した額とすることとしております。 次に、金融上の措置について申し述べます。 金融は、経済活動に必要な資金を供給するという、経済全体にとって動脈とも言うべき役割を担うものであり、金融システムの安定性確保とその活性化を図っていくことは極めて重要な課題であります。 本対策においては、債権債務関係の迅速円滑な処理、土地の整形、集約化を行うとともに、資産担保証券市場の環境整備を図るなど、土地、債権の流動化を促進するための総合戦略を策定したところであり、不良債権問題の抜本的な解決に取り組むこととしております。 また、中小企業、中堅企業を初めとする各経済主体への資金供給の円滑化により経済構造改革に資するとともに、最近のいわゆる貸し渋り問題にも対応していくため、金融システム改革を着実に推進していくほか、中小企業金融公庫等の政府系金融機関に対して追加出資、融資の拡充等の措置を講じます。 一方、昨年夏以降、通貨金融市場の変動が続いていたアジア諸国では、成長率の低下、失業者の増加といった厳しい経済状況が続いておりますが、ほとんどの国において、最近の為替市場や株式市場は小康状態にあります。これらの諸国が持続的な経済成長軌道に戻ることができるよう、我が国としても、本対策の中でアジア諸国の経済安定化や構造改革支援のための措置を講ずることとしております。 以上、御説明申し上げました総合経済対策については、先日のサミット準備のための主要国蔵相会合において私から説明いたしました。各国からは、我が国の経済動向等に関し強い関心が示されるとともに、本対策の早期実施に期待が寄せられたところであります。 次に、今国会に提出いたしました平成十年度補正予算の大要について御説明申し上げます。 平成十年度一般会計補正予算では、歳出面において、二十一世紀を見据えた社会資本の整備の一環として、環境・新エネルギー特別対策費七千八百四十九億円、情報通信高度化・科学技術振興特別対策費八千二百六十五億円、福祉・医療・教育特別対策費五千二百三十八億円、物流効率化特別対策費四千三百三十億円、緊急防災特別対策費四千三百十七億円、中心市街地活性化等民間投資誘発特別対策費四千三億円、災害復旧等事業費千七百二億円を計上しております。また、最近の経済金融情勢等にかんがみ、土地流動化対策費四千百三十五億円、中小企業等特別対策費等二千九百七十二億円等を計上するとともに、アジア諸国の経済安定化等に必要な経費三百億円を計上することとしております。 なお、今般の平成十年分所得税等の特別減税の追加実施等に関連して、臨時福祉特別給付金等二千七百二十九億円を計上しているほか、その税収の減少に伴う地方交付税交付金の減額四千七百十四億円に対し、同額の地方交付税交付金の追加を計上しております。 他方、歳入面においては、租税及び印紙収入について、本対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴う減収見込み額一兆四千七百三十億円を減額するとともに、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として六兆千百八十億円の公債の追加発行を行うこととしております。なお、追加発行する公債のうち、四兆千八十億円が建設公債、二兆百億円が特例公債となっております。今回の措置により、平成十年度の公債発行額は二十一兆六千七百五十億円となり、公債依存度についても、平成十年度当初予算に対し六・三ポイント増加し、二六・三%となります。 これらの結果、平成十年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し四兆六千四百五十五億円増加し、八十二兆三千百四十六億円となります。 以上の一般会計予算補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。 財政投融資計画については、総合経済対策を実施するため、日本輸出入銀行、中小企業金融公庫等に対し一兆千五百六十九億円、郵便貯金特別会計に対し四兆円、合計十五機関に対し総額五兆千五百六十九億円を追加することとしております。 以上、平成十年度補正予算の大要について御説明いたしました。何とぞ、関係の法律案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。 最後に、大蔵省の不祥事をめぐる問題について一言申し述べたいと存じます。 大蔵省においては、金融関連部局に在籍した職員を中心に調査を行い、その結果を去る四月二十七日に発表いたしました。多数の職員において民間金融機関等との間に公務員としての節度を欠いた関係があったことはまことに遺憾であり、改めて国民の皆様におわび申し上げます。 大蔵省職員一同、これを契機に綱紀の厳正な確保を図るとともに、新しい時代の要請を踏まえて真に国民の負託にこたえられるよう全力を尽くしていく決意であります。 国民各位の御理解を賜りますようお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、人口構造の高齢化等、財政を取り巻く環境は大きく変容しており、財政構造改革を推進する必要性は変わるものではありません。 しかしながら、昨年末に大型金融機関の破綻が相次ぎ、また、アジアの幾つかの国で金融、経済の混乱が生じたことに伴い家計や企業の景況感が厳しさを増すなど、内外の悪条件が一斉に重なり、我が国経済は極めて深刻な状況にあります。こうした状況にかんがみますと、バブル崩壊後の資産価格の下落等による企業や金融機関の財務面の悪化への対応が長引くなど、我が国経済はいまだバブルの後遺症から抜け切れていないと言えます。 こうした我が国経済の状況を踏まえれば、財政構造改革を進めつつも、その時々の状況に応じ適切な財政措置を講じ得るような枠組みを整備する必要があります。 本法律案は、こうした考え方を踏まえ、所要の規定の整備を行うものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、特例公債発行額の各年度縮減の規定について、著しく異常かつ激甚な非常災害の発生あるいは経済活動の著しい停滞という状況に応じ、特例公債の発行枠の弾力化が可能となるよう所要の改正を行うこととしております。 第二に、財政構造改革の当面の目標の年度を平成十七年度とすることとしております。 第三に、平成十一年度の当初予算における社会保障関係費の増加額は、できる限り抑制した額とすることとしております。 次に、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 本法律案は、当面の景気に配慮して、平成十年分の所得税について特別減税を追加実施するとともに、中小企業投資促進税制の創設等を行うほか、住宅取得促進税制の拡充等を行うものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、今回の特別減税は、既に実施している特別減税に加え、定額による特別減税を追加実施するものであります。この追加分の特別減税の額は、本人について二万円、控除対象配偶者または扶養親族一人について一万円としております。したがって、当初分と追加分を合わせた特別減税の額は、本人について三万八千円、控除対象配偶者または扶養親族一人について一万九千円の合計額となります。 ただし、その合計額がその者の特別減税前の所得税額を超える場合には、その所得税額を限度としております。 この特別減税の具体的な実施方法に関しましては、給与所得者については、平成十年八月一日以後最初に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から追加分の特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、以後に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から、順次控除することにより実施することとしております。最終的には、平成十年分の年末調整の際に、年税額から当初分と追加分を合わせた特別減税額を控除することにより精算することとしております。 次に、公的年金等の受給者については、給与等の特別減税に準じた方法により実施することとし、最終的には、来年の確定申告の際に、当初分と追加分を合わせた特別減税の額を精算することとしております。 また、事業所得者等については、平成十年分の所得税に係る第一期の予定納税額の納期を七月から八月に一カ月おくらせる等の特例措置を講じた上で、原則として、その第一期の予定納税額から当初分と追加分を合わせた特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、第二期の予定納税額から控除することにより実施することとしております。 なお、予定納税の必要のない者を含め、最終的には、来年の確定申告の際に、当初分と追加分を合わせた特別減税の額を精算することとしております。 第二に、民間投資及び研究開発の促進のための一年限りの措置として、中小企業者等が取得する機械等について税額控除と特別償却の選択適用等を認める中小企業投資促進税制の創設等を行うとともに、ベンチャー企業を含む中小企業者等の試験研究費の税額控除の特例の拡充を行うこととしております。 第三に、住宅取得促進税制について、住宅借入金等の年末残高千万円以下の部分に適用される控除率を拡充し、平成十年居住分について六年間の控除限度額の総額を百七十万円から百八十万円に引き上げる等の措置を講じることとしております。 以上、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) 上杉自治大臣。 〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(上杉光弘君) 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、当面の経済状況を踏まえ、平成十年度分の個人住民税について定額による特別減税の額の引き上げ等を行うとともに、不動産取得税について宅地建物取引業者による一定の住宅及びその用に供する土地の取得に係る特例措置を講ずることとし、あわせて、これらの措置による減収額を埋めるための地方債の特例措置を講じるものであります。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 今回の補正予算においては、平成十年分の所得税の特別減税措置等に伴い、平成十年度分の地方交付税が減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、平成十年度分の地方交付税の総額の特例として、四千七百億円余を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとし、さらに、総合経済対策の円滑な実施に必要な財源を措置するため、交付税総額を交付税特別会計借入金により四千億円増額することといたしております。 以上が地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) 堀内通商産業大臣。 〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(堀内光雄君) 中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 昨今の不良債権問題への対応や、本年四月から導入された早期是正措置により、いわゆる貸し渋りという事態が深刻になっており、また、最近の金融システム改革の動きを契機として、金融機関による取引先選別強化の動きがあらわれてきていることから、間接金融に依存せざるを得ない企業の資金調達は引き続き大変厳しい状況になることが予想されております。 一方、中小企業信用保険法を初めとする中小企業金融関係法律における中小企業者等の範囲については、昭和四十八年以降改定されておらず、特に卸売業、小売業及びサービス業に関する資本金基準が実態に比べて低くなり、本来であれば中小企業として扱われるべき企業が金融支援を受けられなくなっていることが問題となっております。 そこで、中小企業金融対策において、本来対象とすべき企業の資金の融通の円滑化を図る必要があることから、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、中小企業信用保険法、中小企業金融公庫法、環境衛生金融公庫法及び中小企業倒産防止共済法における中小企業者等の範囲を改定し、卸売業の資本金基準を三千万円以下から七千万円以下に、小売業及びサービス業の資本金基準を一千万円以下から五千万円以下に引き上げるものであります。 第二は、中小企業信用保険法及び中小企業金融公庫法における中小企業者の範囲について、それぞれの業種の実態に応じ、政令で特例を設けることができることとするものであります。 以上が本法律案の趣旨であります。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) ただいまの演説及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。伊藤基隆君。 〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会を代表し、大蔵大臣の財政演説及びただいま提案のありました平成十年度補正予算、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案など経済対策関連五法案につきまして、総理及び関係大臣に質問いたします。 財政演説等に対する質問に先立って、インドの核実験についてお伺いします。 インドは、五月十一日、二度目の核実験を行いました。核拡散防止に向けた国際社会の努力に背を向け、地域と国際社会に核軍拡競争をもたらす危険をはらんでおり、断固容認することはできない。政府は、バーミンガム・サミットでの討議を提案するなど対応の検討を始めているようですが、橋本総理の考えと対応措置についてお伺いします。 さて、まず初めに、橋本総理の政治責任についてお尋ねします。 総理は、財政構造改革を公約に掲げ、昨年十一月二十八日に財政構造改革の推進に関する特別措置法を成立させました。その際に総理は、短期間の痛みというものを覚悟してでも、私たちはこの財政構造改革をやり遂げなければならないと述べました。ちなみに、この昨年十一月というのは、四日に三洋証券が、十七日には北海道拓殖銀行が、そして二十四日には山一証券が経営破綻した月であります。これらの相次ぐ金融機関の破綻が我が国金融システムを大きく揺るがし、いわゆる貸し渋りが発生し、我が国経済は激痛に見舞われております。 その後の総理の経済運営を顧みますと、十二月十七日に二兆円規模の特別減税を発表。年が明けて、予算委員会で総理は、平成十年度予算は最善のものと言い続けたものの、四月八日に予算が成立するや、翌四月九日に二兆円規模の追加特別減税を含む総額十六兆円の総合経済対策を発表しております。そして今回、成立して半年もたっていない財政構造改革の推進に関する特別措置法を改正しようというわけです。 橋本総理、短期間の痛みというものを覚悟してでも、私たちはこの財政構造改革をやり遂げなければならないとおっしゃったときのあの言葉は一体何であったのか。そしてその後の無責任かつ小手先の施策の繰り返しをどう説明されるのか。我が国経済の大きな病巣を見きわめることができずに、病状の悪化に後手後手の場当たり的措置をとるのみで、根本的な治療を怠ってきたことは明らかであります。 このような総理の経済運営を見ただけでも、橋本内閣、変革と創造六つの改革は行き詰まったと指摘せざるを得ず、もはやこれ以上国政を担っていくことは困難であると申し上げなければなりません。橋本総理の御見解をお聞かせください。 政府が大々的に発表した十六兆円の総合経済対策は、その効果に大きな疑問があります。それは、過去何度も実施された経済対策を見れば明らかです。一時的な景気押し上げもわずかばかりで、結局は日本経済はじりじりと悪化の一途をたどりました。政府の総合経済対策は、我が国経済構造の改革、体質の改善に手をつけることなく、際限なく痛みどめの注射を続けているようなものであります。 私たちは以前から、恒久減税こそ日本の経済構造を改革し、民間部門の活力を取り戻す最善の方法だと主張してまいりました。経済の分野においては、政府が関与する部分はできるだけ小さくし、民間部門が活発に活動できるようにすべきであります。官から民へというのはこういう意味であり、そのためには、恒久減税を実施して民間部門により多くの資金を残すことが重要であります。 今回の補正予算では、またしても恒久減税は見送られましたが、恒久減税こそ経済構造の改革につながるという私たちの考えについて、総理の御見解をお聞かせください。 減税について大蔵大臣に伺います。 法人税減税については、今後三年のうちにできるだけ早く、国際水準並みにするよう検討することとなっておりますが、我が国の経済は今が一番苦しいときであり、三年といわず直ちに減税を実施すべきであります。今回の減税案には政策減税も盛り込まれておりますが、その規模は、国税二千六百三十億円、地方税三百九十億円という小さいものにすぎません。 ここで一つ提案があります。居住用財産の買いかえの場合の譲渡損失の繰越控除制度を大幅に拡充し、広く個人の不動産譲渡損失を一定期間繰り延べる制度としてはいかがでしょうか。バブル経済とその崩壊を引き起こしたのは政府の責任であり、その被害に遭った人々、すなわち景気対策として政府が乱発した住宅ローンにより住宅を購入したものの、土地の値下がりで売却もできなくなって苦しんでいる方々に対し、損失分の所得税を一定期間免除するというものであります。 この施策によって、キャッシュフローがふえ、それを見合いに住宅ローンもきちんと返済することができます。そのうちまた新たに住宅を買い直そうという動きも生じ、不動産売買の活性化も期待されます。一時的に税収が減少しても、住宅ローン破産が減少して社会全体のコストが下がり、かつ住宅需要が活性化すれば、結果的にはプラスとなります。これは、総合経済対策の中にある土地・債権流動化トータルプランの施策としても有効なものであります。 次に、公共事業について大蔵大臣にお尋ねします。 政府は国、地方合わせて総額七・七兆円の公共事業実施を発表し、今回の補正予算案では三・三兆円の公共事業を盛り込みました。歳出項目を見ると、環境・新エネルギー特別対策費や情報通信高度化・科学技術振興特別対策費、福祉・医療・教育特別対策費等、二十一世紀を見据えた社会資本整備と称する公共事業が並んでいます。しかし、実はその中にも従来型の公共事業が数多く含まれていると言われております。 大蔵大臣にお尋ねしますが、今回の公共事業が今までとどう違うのか、その具体的な御説明をいただきたい。 もう一つ重大な問題は、財政難に苦しむ地方に対し、地方単独事業を一・五兆円も押しつけるということであります。自民党の選挙対策のためだけに、国も地方も巨額の借金を強いられてむだな公共事業を押しつけられるものであり、後世に大いなる負の遺産を残すものにほかなりません。大蔵大臣の御見解を伺います。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案については、この法案が提案されたこと自体大きな問題であります。この法律が成立したのはいつか。まだ半年もたっていないではありませんか。法律ができて半年で改正とは、総理の在職期間よりも短い。 そもそも、総理の景気認識が間違っていなければ、こんなことは起こり得なかったはずであります。しかも、今回の改正においても、責任追及を恐れる余り、恒久減税の実施は不可能なものとなっております。財政健全化目標を二年間先送りして、その間、景気が回復しなければ、また目標年次を先送りするつもりでしょうか。 さらに、大蔵省の中期財政試算では、一般歳出の伸びをゼロと仮定した場合でも、平成十五年度には最大五・四兆円の要調整額が発生することになっております。こんなことで本当に財政健全化目標は達成できるのでしょうか。橋本総理御自身のお考えをお聞かせください。 いわゆるキャップ制については、硬直的な予算配分を追認するという意味で、私たちは導入に反対してまいりました。今回、平成十一年度当初予算の社会保障関係費のキャップを外すことについては複雑な気持ちを覚えます。社会保障関係費の重要性は言うまでもありませんが、平成十一年度だけキャップを外すというのでは合理性を欠くものであります。橋本総理、このような小手先の対応はもう終わりにすべきであります。 むだな予算を削り、本当に必要なことに予算を使うためには、キャップ制はもともと無理があります。財政構造改革の推進に関する特別措置法については、とりあえず二年間凍結し、その間に、キャップ制はもちろん、建設国債と赤字国債の区分の廃止等についても見直し、真に財政健全化につながる法律を検討すべきであります。橋本総理、勇気を出して民主党の改正案に御賛同ください。 次に、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案について、通産大臣にお尋ねします。 巷間、民間金融機関による貸し渋りのひどさが指摘されております。貸し渋りに遭った経営者が何人も自殺するという痛ましい事件も起きております。国会も民間金融機関に対し、貸し渋りを行うことのないよう何度も要請しました。民主党は反対しましたが、政府は民間金融機関の自己資本増強のため、二兆円もの公的資金まで使っております。一体効果は出ているのでしょうか。今現在における貸し渋りの実態について、まず通産大臣の御見解をお聞かせ願います。 もし効果がないとすれば、二兆円の公的資金はむだ遣いだったのでしょうか。今回の法改正により、新たに二万社の企業が信用保証協会の保証を受けられることとなります。一定の効果はあるでしょうが、中小企業に対する貸し渋りを解決するのに十分な対策とお考えでしょうか。私は、これでは決して十分とは考えられません。 民間金融機関がその責務を果たさない以上、既に一部実施もされていますが、政府系金融機関の融資枠をさらに拡大するしかありません。そして、社会的責任を果たそうとしない民間金融機関は公的資金によって救済する必要は全くありません。 さきに政府が成立を強行した金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律は直ちに廃止し、政府系金融機関の融資枠拡大に公的資金を使うよう私は声を大にして申し上げます。通産大臣、どうお考えでしょうか。 日本経済の力の源泉は製造業にあります。一ドル二百四十円に始まったプラザ合意以来の円高は、十年後の一九九五年四月にはついに一ドル八十円台にもなり、円のアメリカ・ドルに対する為替相場が三倍となりました。一九九六年の日本の商品輸出のうち、ビデオ、自動車等の耐久消費財を含む消費財全部が全輸出の二〇%弱であり、八〇%は機械類や基礎資材、中間部品など諸外国の製造業に必要なもので占められています。これは日本の製造業がアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国の生産活動になくてはならない揺るぎない存在となっていることを示しています。 通産大臣、これらの状況の説明と、この体制をなし得た民間の改革への努力、通産省の進める産業政策と民間との協力、共同の軌跡について、さらには今後もこの体制を維持し続けることが可能であるのか、その見通しについて明らかにしていただきたい。 一方、今日の厳しい経済状況の元凶は日本の金融システム不安にあります。金融革新の世界的潮流の中で、金融当局は金融システムの改革をするに必要にして十分な権限を持ちながら、閉鎖的な業界内調整の行政を続けることにより、多くの不祥事を引き起こしております。大蔵省、日本銀行の不祥事はここに批判すべき点があり、責任があります。大蔵大臣の考え方をお聞かせください。 さて、国際金融の拡大によってユーロ市場は急速に拡大し、銀行の国際ローン残高は、七三年末の先進国GNPの五%から九〇年末には三兆六千億ドルと先進国GNPの一九%に膨張しております。そして、その資金の動きが投機的に動き、実体経済をたたいてきております。一国の政府の経済政策は、これらの国際金融に対する十分な分析と判断によって統一的に発せられなければならないのは当然であり、またそのすべての責任は総理大臣にあります。世界の市場が、日本政府の意思と姿勢が強固なものか、油断のならない存在なのかを注視しております。 現下の経済状況をもたらした責任は総理にあることは当然でありますが、しかし国際金融市場に対し、かくも多彩なアイデアが各方面から発せられれば、それが日本政府の弱みと見られ、市場の反応を呼んできたのではないか。どのような経済政策も構造改革も、実行する主体に強さがなければ、日本経済への外部からの介入とも言える事態は続くと思わなければなりません。 総理の責任をただすとともに、所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。 まず、インドの核実験に対する我が国の対応についてお尋ねがありました。 我が国としては既に、私から三月三十一日付のバジパイ首相あての親書の中におきまして、インドの核政策について慎重な対応を申し入れておりました。さらに昨日、今回の核実験後、小渕外務大臣から在京インド大使に対し、また平林駐インド大使から先方政府に対し、それぞれ、インドの核実験は極めて遺憾であり、インドが早急に核兵器の開発を中止するよう申し入れました。 サミットにおきましても、本件について十分議論を行い、G8として明確なメッセージを発することができるよう、英国を初めとする参加国に今働きかけをいたしておるところであります。 次に、財革法改正に関する政治責任についてのお尋ねをいただきました。 私は、従来から、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではなく、また内外の経済金融情勢の変化に対し臨機応変の措置をとることも当然と申し上げてまいりました。 こうした基本的な考え方のもとに、今般、現下の極めて深刻な経済状況にかんがみ、必要かつ十分な規模の総合経済対策を講じ、そのための補正予算を提出いたしますとともに、財政構造改革法についても、その基本的な骨格を維持しながら必要最小限の修正を加えることといたしました。こうした対応こそが今真に必要であり、必ず御理解をいただけると考えております。 いずれにせよ、政治責任の追及を恐れて必要な施策が打てないということでありますならば、それこそが私は政治責任だと考えており、今後とも責任を持って構造改革を進めながら、景気回復に向けて努力をし続けてまいりたいと考えております。 次に、恒久減税についてお尋ねがありました。 税制については、公平、中立、簡素という租税の基本的な考え方に基づいて、時代の潮流変化と各般の構造改革に対応し、適時適切に、より望ましい姿を考えていく必要があります。 今回の対策では、法人課税について、今後三年間のうちにできるだけ早く、総合的な税率を国際水準並みにするよう検討を進め、個人所得課税につきましても、公正、透明で国民の意欲が引き出せるような税制を目指し、さまざまな論点について幅広くきちんとした検討を行ってまいりたいと考えております。 また、財政健全化目標の達成についてお尋ねがございました。 昨日、国会に提出いたしました財政事情の試算におきまして、目標年次を二年延長したことにより、要調整額が減額された財政の姿をお示しいたしております。 いずれにしても、財政構造改革を着実に推進し、試算に示された要調整額を公債金収入以外で解消し、目標達成に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、平成十一年度の社会保障予算のキャップについてのお尋ねをいただきました。 毎年多額の当然増が見込まれ、その縮減には制度改正を要する社会保障関係費の特質及び現下の経済状況を踏まえましたとき、平成十一年度の社会保障関係費の歳出削減のために新たな負担を国民に求めることがないようにできる限り配慮する必要があることから、緊急避難措置として平成十一年度に限り、おおむね二%というキャップを停止し、その増加額は極力抑制することとしたところであります。 また、財政健全化に向けてさまざまな御指摘をちょうだいいたしましたが、財政構造改革法の二年凍結につきましては、内外の経済金融情勢の変化に対応して臨機の措置をとることは当然でありますけれども、二十一世紀に向けて安心して豊かな福祉社会や、健全で活力のある経済などの実現に十分対応できる財政構造を実現することは重要な課題であり、このような財政構造改革の必要性からして、御指摘のように二年間停止という手法は適切ではないと考えます。 キャップ制の見直しにつきましては、改正案におきまして、主要な経費ごとに量的縮減目標を設定するという仕組みそれ自体は財政構造改革法の基本的な骨格として維持することとしております。 また、国債のあり方につきましては、その対象となる経費などについてさまざまな御議論がありますが、いずれも財政運営の根幹にかかわる大きな問題であり、幅広く深い議論をしていただきたいと考えております。 国際金融市場を視野に入れた主体的な経済対策という視点からの御指摘もいただきました。 政府としては、従来から国際金融の動向にも常に注意を払っており、内外の経済金融情勢の変化に対応し、措置を講じてまいりました。私の責任は、構造改革を推進しながら、一刻も早く景気を回復させることにあると考えており、責任を持って適切な経済運営に努めてまいります。 残余の質問については、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 伊藤議員にお答えいたします。 まず、法人課税についてのお尋ねですが、法人課税の見直しについては、今般の総合経済対策で示されたように、「今後三年のうちにできるだけ早く、国・地方を合わせた総合的な税率を国際的な水準並みにするよう、検討を行う。」こととされております。今後、税制調査会において、税体系全体のあり方も踏まえつつ、地方の法人事業税の検討を中心に、法人課税のあり方について真剣に検討が行われるものと考えております。 次に、居住用財産の買いかえの場合の譲渡損失の繰越控除制度を拡充すべしとの御意見でございました。 この制度は、平成十年度改正において、住宅をめぐる諸情勢に配慮するとともに、バブル期に住宅を購入し住宅の含み損を抱え、買いかえに踏み切れないでいる者の住みかえを支援するための措置をすることとして制定されたものであります。 この措置は、所得税の暦年課税の原則の例外であり、譲渡益が出た場合の課税のバランスや諸外国における取り扱いとの比較から見ても、譲渡損失に配慮することは大変難しい中、思い切った措置として講じたわけでありまして、もっと大胆なことをということになりますというと、所得税の限界を超えることになるということを御理解願いたいと思うのでございます。 公共事業についてのお尋ねですが、公共事業についてはこれまでも重点化、効率化に努めてまいったところでありますが、今回の補正予算においては、総合経済対策を踏まえ、二十一世紀を見据えた我が国社会の発展にとって真に必要な社会資本を整備することとし、特に緊急性の高いダイオキシン対策や下水道等の水質保全対策、中心市街地活性化等の民間投資を誘発する事業及び福祉、情報通信関係の事業等に重点的な配分を行っているところであります。 公共投資と地方財政との関係についてのお尋ねがございました。総合経済対策により追加される公共事業及び地方単独事業の円滑な実施が図られるよう、地方交付税を四千億円増額することとしておるなど、地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対処することにしているところであり、地方団体におかれてもできる限り御協力をくださるようお願いをしたいと考えているところであります。 最後に、大蔵省の金融行政についてのお尋ねがございました。 今般の不祥事を契機に、これまでの金融行政に対する厳しい御批判については、これを厳粛に受けとめていかなければなりません。十分反省する必要があると考えております。 こうした御批判を踏まえて、従来の事前調整的行政から脱皮をし、客観的かつ公正なルールに基づく透明性の高い金融行政を目指し、いわゆる通達行政の見直しも含め、その改革を今進めているところであります。(拍手) 〔国務大臣堀内光雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(堀内光雄君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。 貸し渋りについてのお尋ねでございました。当省が四月に実施いたしました調査において、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったとする企業の割合は三割強であり、また、今後の融資態度が厳しくなると懸念する企業の割合は五割強であります。これは三月に行った調査に比べますと若干低下をいたしております。ただ、これらの数字は引き続き高い水準でありますことは変わりなく、中小企業の資金調達状況は依然厳しい状況にあると認識をいたしております。 次に、政府系金融機関の融資枠の拡大についてのお尋ねがございましたが、政府といたしましては、先般決定をされました総合経済対策において、融資額の五〇%を限度として担保徴求を免除する運転資金融資制度の創設とともに、金融面での中小企業の支援対象範囲の拡大のための措置を盛り込みました。したがって、今回の法改正は、議員から御指摘のありました信用保証の対象範囲の拡大のみならず、政府系金融機関である中小企業金融公庫や環境衛生金融公庫の融資の対象範囲の拡大も目的といたしているところでございます。 最後に、通産省の進める産業政策についてのお尋ねがありました。 経済のグローバル化の中で、御指摘のとおり、各国間の生産活動が密接にかかわり合いをいたし、また、一方では相互に国際競争が展開をされている状況にあります。こういう中で、製造業等において事業革新や企業組織の再編といった二十一世紀の新たなシステム形成に向けての試行錯誤が行われているところでございます。 通産省といたしましては、このような新たなシステムへの模索を背後から支え、かつ促進をしていくことが現在の重要な役割であると考えているところでございます。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) 清水達雄君。 〔清水達雄君登壇、拍手〕
○清水達雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、先ほどの財政演説、財政構造改革法改正案等に関しまして、総理初め関係大臣に質問をいたします。 質問に先立ちまして、閣僚の皆様方に一言申し上げたいと存じます。 本日の本会議は、緊急経済対策を実施するための施策を審議する極めて重要な会議であります。閣僚の皆様も真摯な態度で緊張感を持って臨んでいただきたいと強く申し上げたいと存じます。 まず、本題に入る前に、十一日、インドが連続三回にわたる地下核実験を実施したことに、唯一の被爆国である日本として、まことに残念であり、抗議の意を強くあらわしたいと存じます。包括的核実験禁止条約、核拡散防止条約等による世界平和への道が大きく脅かされ、パキスタンの対抗措置も危惧されるところであります。日本政府として、インドへの円借款の凍結等を行うべきと考えますが、この点について、総理及び外務大臣にお伺いをいたします。 来る十五日からはバーミンガム・サミットが開催されますが、先般の準備のためのG7蔵相会議では、我が国の総合経済対策の早期実施を初め、アジアの経済混乱の再発回避方策が提案されています。日本政府としては、このサミットではどのような政策スタンスを示されるのでしょうか。 アジアの構成員でもある我が国は、従来の枠組みにとらわれず、独自の支援体制を創設していく構想があっていいと考えます。例えば、IMFのアジア版であるアジア通貨基金を日本主導で創設する、また、円の国際化を進めることでアジア通貨の安定を図るといった施策であります。 アジアは日本の経済活動のフランチャイズであり、また、アジアの安定は安全保障にも資することから、政府には積極的な関与を求めたいと思います。総理にサミットでの対応方針をお聞かせ願うとともに、大蔵大臣、外務大臣にも所見を伺います。 〔議長退席、副議長着席〕 一方、国内情勢に目を転じますと、経済活動はことしに入り一段と停滞色を強めております。アジアからの影響だけでは片づけられないさまざまな要因が絡み合っております。 橋本総理は、さきの衆議院予算委員会での討議の中で、アジア金融危機の飛び火の深刻さを十分に認識していなかったと言われ、また、金融機関が予想以上に傷んでいたことを素直に認識されております。その認識が今回の経済対策の編成、財政構造改革法の見直しにつながったものと理解をしております。 そこで、まず金融問題について伺います。 自民党では、金融システム安定化のために総額三十兆円の公的資金枠を設定したのに追加し、今回の経済対策の柱の一つとして、土地・債権流動化のトータルプランを打ち出しました。これは、債権債務関係の円滑処理、土地の有効利用、公的土地需要の創出を主たる内容とするプランであり、これを受けて、政府も、土地・債権の流動化を促進するための総合戦略を打ち出しています。 しかし、これらの対策の実施はそう容易なことではできないと思います。関係省庁の総力を結集して早急に取り組むことが不可欠であり、いかなる体制でいつごろまでに実行に移せるのか、総理に御説明をお願いしたいと思います。 さらに、今回の総合経済対策の効果についてでありますが、総事業費十六兆六千五百億円と過去最大であり、民間の研究所には今年度の実質GDP押し上げ効果が一・二%あるとの見積もりもあります。政府としては、定量的にどのくらいの景気押し上げ効果を見込まれているのか、そして景気はいつごろから回復の兆しを見せると判断されているのか、経済企画庁長官に認識をお伺いいたします。 次に、財政構造改革法の改正についてお尋ねします。 現下の経済状況のもと、景気対策を行うために財政構造改革法第四条第二号の特例公債の発行の弾力化措置と目標年次の二年延長を内容とする改正案が出されました。 これは、今回の景気対策に伴い、公債発行枠の弾力化の緊急避難的な措置を講じたことを踏まえたものであるわけでございますけれども、延長することによってどのような財政運営上の効果があるのか、今後の景気動向のいかんによってはもっと懐を広くしておいた方がよいのではないかという意見もあるわけで、この点について、大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思います。 次に、社会保障費についてのみ、平成十一年度に限りキャップを外したことにつきまして、総理に、その理由をわかりやすく国民に説明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、弾力条項の発動要件として、国民所得統計速報のGDP成長率のほかに、内外の経済ショックによって急速に経済が停滞状況に陥る場合に弾力化を可能とするとなっているわけでございますが、具体的にだれがどのような基準で発動するのか、それが経済指標に具体的にあらわれていなくても、おそれがある場合にも発動が可能かどうか、大蔵大臣にお尋ねいたします。 次に、今回の総合経済対策の内容についてお尋ねをいたします。 今回の景気対策の中心の一つである公共事業は、従来と変わらないばらまき型ではないかという批判もありますが、波及効果の高い事業を優先しつつ、情報通信、科学技術振興、福祉、医療、教育等の新しい分野のインフラ整備を積極的に推進するための経費が織り込まれたことは一定の評価ができるものであると思います。 景気対策として、今年度は大幅な前倒し執行が行われ、息切れする後半に今回の対策が実行に移され継続的な対応となり、大きな効果が期待できるのではないかと思っております。 しかし、これを実効あるものにするためには、事業者、特に地方公共団体の体力の問題があります。補助事業の地方負担や、一兆五千億円の地方単独事業を消化するためには財源措置をしっかりしておく必要があります。今回の景気対策に関連して地方財政措置をどのようにとられたのか、自治大臣にお伺いをいたします。 次に、景気対策としてもう一つの柱である中小企業対策についてお伺いします。 政府・自由民主党において、昨年来から政府系金融機関の融資枠の拡大等の金融対策や信用補完制度の充実等の貸し渋り対策を行い、その結果、中小企業関係の政府系金融機関の昨年十二月からことし三月までの融資実績は大幅な伸びとなっており、今後ますますその役割の重要性が増大するものと思われます。 しかしながら、中小企業の経営環境は一段と厳しさを増してきており、悪質な町金融による出資法違反の金融トラブル事件の多発等々、このような状況をどのように認識し、金融機関へのさらなる要請も含め、いかに対応されようとしておられるのか、総理にお尋ねをいたします。 そして、雇用情勢も完全失業率三・九%に見られるように、一段と厳しさを増してきており、倒産続出の深刻さもかつてない事態にあるのではないでしょうか。 規制緩和を進め新たな企業を起こす、すなわちベンチャービジネスが雇用の場をつくる大きな力になるものと期待されておりますが、残念ながら倒産が新規創業を上回っております。これは、ベンチャー企業は資金力や信用もないことから、民間金融機関や政府系金融機関等からの資金提供がスムーズに行われていないのではないかと思われます。 ベンチャー企業の育成について、プロジェクトファイナンス等の新しい手法の導入を図ることについて、総理に御見解を伺います。 次に、税制問題についてお尋ねします。 総理は、ことし二月からの所得税、住民税の減税に加えて、当面の景気対策としてさらなる特別減税の実施を決断されました。厳しい財政事情や長引く景気の低迷の中、総理が先頭に立って、果敢に難局に向かい指示をされておりますことに敬意を表するものであります。 一方で、七月の参議院選挙後から、党税制調査会と政府税制調査会において、本格的な税制改革の検討に着手することを表明されております。海外の諸国からも恒久減税の実施要求の声が上がってきておりますが、特別減税にしても恒久減税にしても、その経済波及効果は直ちに目に見えてあらわれるといったものではありません。 行財政の基本である税制のあり方を見据えて、その中で景気動向に応じ、許される範囲内の減税がどの程度可能かということが問題であります。その観点から基本的な考え方を国民に示し、コンセンサスを醸成していくことが大切でありますので、この夏に検討が開始される税制抜本改革について、総理の言葉で基本的な方針を十分説明していただきたく存じます。 また、海外、特に米国では、我が国の政策スタンスに理解を示したものの、政策の早期実施を催促し、新たな産業、雇用の開拓のため、大幅な規制緩和を初めとする構造改革の推進についても強く要請してきております。行政改革の中で、規制緩和については新たな三カ年計画で取り組んでおりますが、これをさらに前倒し実施し、高コスト構造の是正等を図りつつ、二十一世紀への日本経済の活性化の展望を示していくことが今まさに要請されております。 この点について総理の御決意と取り組み方針を伺うとともに、今回の経済対策の早期実施について本院も最大限努力されることを強く願って、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 清水議員にお答えを申し上げます。 まず、インドの核実験に対する我が国の対応というお尋ねがありました。 我が国がインドに対し、再三にわたり核政策における最大限の自制を求めてまいりました中で、核実験が行われたことは極めて遺憾な状況であります。 我が国としては、既に私から三月三十一日付のバジパイ首相あて親書の中において、インドの核政策について慎重な対応を申し入れておりましたが、今回の核実験後、小渕外務大臣から在京インド大使に対し、また平林駐インド大使から先方政府に対し、それぞれ、インドの核実験は極めて遺憾であり、インドが早急に核兵器の開発を中止するよう申し入れました。さらに、政府としては、経済協力を含め何らかの措置をとることを現在検討いたしております。 次に、アジア通貨安定に関する我が国の対応についてお尋ねがございました。 アジア通貨安定のために、例えば昨年我が国も積極的に推進をしたマニラ・フレームワークが策定されるなど国際的な努力が続けられております。 そうした中で、我が国は世界最大規模の約四百二十億ドルの支援を行っておりますし、既に世銀の中に独自に日本基金を有し、これらをも生かして活用をいたしております。サミットにおきましては、そうしたことを説明するとともに、アジア各国の改革努力への支持、支援を参加各国に呼びかけてまいりたいと思います。 また、アジア危機の教訓を受けて、国際金融システムの強化についても議論が行われる予定でありまして、アジアからの唯一の参加国である我が国の立場と経験を踏まえ、積極的な貢献を行っていきたいと考えております。 次に、土地・債権の流動化を促進するための総合戦略の実施に向けて関係省庁の総力を結集しろという御指摘をいただきました。 御指摘をいただきました土地・債権の流動化と土地の有効利用に関する各般の施策の実施に当たりましては、現下の我が国を取り巻く経済環境にかんがみれば、迅速な取り組みが必要であることは議員の御指摘のとおりであります。 このため、これらの施策の実施に当たりましては、政府一体となって取り組む考えであり、できるものから必要な対策を早急に実行に移してまいりたいと考えております。 次に、平成十一年度の社会保障予算のキャップについてお尋ねをいただきました。 毎年多額の当然増が見込まれ、その縮減には制度改正を必要とする社会保障関係費の特質というもの、また、現下の経済状況を踏まえますと、平成十一年度の社会保障関係費の歳出削減のために新たな負担を国民に求めることがないように、できる限り配慮をする必要があることにかんがみ、緊急避難措置として、平成十一年度に限っておおむね二%というキャップを停止し、その増加額を極力抑制しようと考えております。 なお、平成十二年度までには医療保険制度の抜本改革などによりまして医療、福祉の分野における効率化が期待できますことから、平成十二年度については現行の財政構造改革法の規定が適用されることといたしております。 次に、中小企業について、経営環境についてのお尋ねをいただきました。 先刻の通産大臣の答弁にもありましたように、中小企業の経営環境は依然厳しいものがございます。先般、私からも民間金融機関に対し、貸し渋りといったことのないように要請したところでありますが、今回の総合経済対策におきましても、金融対策を中心に過去最大の中小企業対策を盛り込んだところでありまして、御提案申し上げております金融面での中小企業の支援対象範囲の拡大も含めて、中小企業対策に万全を期してまいりたいと考えております。 次に、プロジェクトファイナンス等新たな手法にもお触れになりながら、ベンチャー企業に対する新しい金融手法についてのお尋ねがございました。 これまでも、政府系金融機関による知的財産権を担保とする融資、あるいは各県のベンチャー財団を通じましたベンチャー企業への出資等の施策を講じてきたところでありまして、これらを通じて、ベンチャー企業のすぐれた技術や事業内容が適正に評価され、十分な資金供給が確保されることを期待しております。 なお、日本開発銀行を例にとりますなら、知的財産権を担保とする融資制度を導入以来、これまで約四十件の実績が上がっておりますことも申し添えたいと存じます。 次に、税制の抜本改革についての基本方針についての御指摘がありました。 所得税及び個人住民税につきましては、諸外国と比較して低い個人所得課税負担の水準、税率の構造、各種控除等のあり方、資産性所得課税や年金課税など、さまざまな論点について幅広くきちんとした検討を行い、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指したいと考えております。 法人課税につきましては、今後三年のうちにできるだけ早く、総合的な税率を国際的な水準並みにしたいと考えており、今後、税体系全体のあり方も踏まえながら、地方の法人事業税の外形標準課税の検討を初め、法人課税のあり方について真剣に検討を進めていくことになる、そのように考えております。 次に、今後の規制緩和の進め方についてのお尋ねがございました。 去る三月三十一日、新たな規制緩和推進三カ年計画を決定いたしたところでありますが、この計画決定に当たりましては、徹底した実施時期の明確化、前倒しを行ってまいりました。まず、この計画を確実に実施することが必要であります。 こうした取り組みを通じ、物流、運輸や電力、石油などのエネルギー、情報通信などの分野で、コストを含めたサービス水準が二〇〇一年までに国際的に遜色のないものになるよう、徹底した規制の緩和、撤廃を行ってまいるつもりであります。 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 清水議員にお答え申し上げます。 まず、アジアの金融・通貨危機への対応についてのお尋ねがございました。 総理からも御答弁がありましたが、我が国はこれまでアジアの金融、通貨の安定のため、マニラ・フレームワーク、これを積極的に推進するとともに、関係国中最大の資金支援を約束する等の支援策を実施してまいりました。 また、マニラ・フレームワークの一環として、アジア初の域内サーベイランスを実施するため、本年三月に第二回会合を東京で開催いたしました。 我が国としては、関係各国や国際機関とも密接に連携をとりながら、さらなる支援のあり方を検討しつつ、今後ともアジアの通貨の安定のために十分貢献していく所存であります。 次に、財政健全化の目標年度の延期についてのお尋ねがございました。 現在の特別な経済状況にかんがみ、財政構造改革を進めつつも、特例公債発行枠の弾力化措置を設けて速やかに緊急避難的な財政措置を講ずることを踏まえますと、目標達成の道のりは厳しいものとなりますが、他方、中期的に整合性のとれた安定的な財政運営を行う姿勢を示すことが、我が国の政策に対する内外の信頼を確保する上で重要なことと考えます。こういうことから、目標年度については平成十七年度とすることが適当と考えたものであります。 また、昨日国会に提出いたしました財政事情の試算においては、目標年度を二年延期することで特例公債減額幅が縮小することにより、要調整額が減額された財政の姿が示されております。 いずれにしても、財政構造改革を着実に推進し、試算に示された要調整額を公債金収入以外で解消し、目標達成に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。 予見できない内外の経済ショックによって、急速に経済状況が停滞に陥る場合についてのお尋ねがございました。 こうした場合については、まさに予見できないことから、あらかじめ具体的な基準をお示しすることは困難ですが、一般論としていえば、ある重大な経済ショックの結果、QEの公表を待つまでもなく、一、二カ月分の経済指標により経済の急速な停滞を認識し得るなど、例外的な場合を考えております。このような事態に陥った場合、政府としては、各般の状況を総合的に勘案しながら、速やかに政令において規定することを考えておるところであります。 なお、特例公債発行枠の弾力化措置は、あくまでも緊急避難的な措置であることから、おそれがある場合ということではなく、何らかの経済指標により停滞が認識できることが必要であると考えております。(拍手) 〔国務大臣上杉光弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(上杉光弘君) 清水議員にお答えいたします。 総合経済対策に係る地方財政措置についての御質問でございますが、非常に厳しい地方財政の状況を十分に踏まえて対応する必要があるとの認識のもとに、減税に伴う地方交付税の減収分約四千七百億円について、その全額を一般会計による加算措置で補てんすることといたしたところでございます。 また、追加される公共事業及び地方単独事業等の円滑な実施が図られますよう、特に四千億円の地方交付税の増額を図りますとともに、残余については地方債により対応することとし、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、適切に対処することといたしておるところでございます。(拍手) 〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
○国務大臣(小渕恵三君) 私に対するお尋ねは、一点、インドの地下核実験の実施についてでございますが、先ほど総理からも御答弁がございました。 一点、パキスタンの対抗措置を危惧されておられるというお話がございました。御指摘のとおりでございまして、今度のインドの核実験が隣国パキスタンの安全保障の問題として、核実験を誘発するというようなことがあってはならぬと思いまして、従来から自制を求めておるところでございますが、重ねてパキスタン政府に対しましても、この趣旨をお伝え申し上げたいと思っております。 いま一点は、サミットに対して、我が国のアジアに対する積極的関与につきましてお尋ねがございました。 先般、G8の外相・蔵相会合に臨みました折にも、たまたま私、五月の当初、アジア三カ国を訪問いたしてまいりまして、アジア諸国の実情に触れてまいりました。アジアから一カ国という我が国の立場をこうした各国にお伝えを申し上げまして、アジア経済への信頼の回復の重要性、社会的痛みへの理解、改革へのG8の支援を強く訴えてまいったところでございます。 我が国といたしましては、今後行われますバーミンガム・サミットにおきましても、我が国の世界最大規模の対アジア支援を説明しつつ、G8のアジア各国への協力を総理からも強く呼びかけられる、こう考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
○国務大臣(尾身幸次君) 総合経済対策の効果と景気回復の時期についてのお尋ねがございました。 今回の総合経済対策は、景気停滞から一日も早く抜け出すとともに、二十一世紀の活力ある我が国経済社会を実現するため、中長期的に我が国経済の体質を改善強化することを目的に策定したものでございます。 この経済対策の波及効果も含めた効果を試算いたしますと、かた目に見まして、向こう一年間で名目GDPの二%程度の効果を持つものと見込まれます。この対策の効果につきましては、補正予算の成立時期にもよりますが、減税や社会資本整備の実施により、補正予算成立後、おおむね一、二カ月程度のタイムラグを伴いながら、徐々に効果を発揮してくるものと考えております。 なお、対策の実行前におきましても、消費者や企業の経済の先行きに対する信頼感を回復させるという心理面の効果を勘案いたしますと、経済に対して好影響を与えるものと考えられます。 経済の現状は、個人消費には下げどまる動きが見られるものの、景気は停滞し、一層厳しさを増しており、今後の状況をしっかりと見守ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、この総合経済対策は、既に実施しております財政・金融両面からの諸施策等と相まって、我が国経済を次第に順調な回復軌道に乗せていくものと考えているところであります。 その結果、十年度の実質経済成長率の政府経済見通し一・九%程度は実現可能であると考えておりますが、景気回復を一日も早く実現するためにも、十年度補正予算案及び関連法案の速やかな成立に御協力をお願い申し上げる次第でございます。(拍手) ─────────────
○副議長(松尾官平君) 益田洋介君。 〔益田洋介君登壇、拍手〕
○益田洋介君 私は、公明を代表して、ただいま議題となりました財政演説と財政関連四法案につき質問をいたします。 今日、我が国経済は、政府が主張するような足踏み状態からまさに後退期に入った状況でございます。 国際的に、日本経済はタイタニック号とも称され、沈没を懸念されるほど悪化しているのが現況でございます。我が国の国民も企業も不況にあえぎ不安感を募らせております。かつては順風満帆と言われた我が国経済は、速水新日銀総裁の言葉をかりれば、闇夜に海図なき航海に出る状態で、あすが見えないのが実態であると言わざるを得ません。政府・与党が経済対策をまとめるたびに株式市場は失望売りに包まれるし、橋本総理が大型減税を表明したと同時に為替市場では円が暴落するといったぐあいに、日本の企業や個人も不信感の余り萎縮してしまっているという悪循環が続いております。 先般のワシントンG7と先日のロンドンG8では、各国から日本の景気後退に強い懸念を表明する声が上がり、非難が相次ぎました。そして内需拡大を急ぐよう要求され、日本責任論が展開されたわけでございます。まさにケインズの言うコンフィデンスの危機の状態であることは間違いございません。 主要先進国の中で最悪、未曾有と言われる我が国の財政を立て直すことを理由に、総理は昨年秋の臨時国会で我が党の反対を押し切ってまで強引に財政構造改革法を成立させました。この改革法では、一、二〇〇三年度までに財政赤字を国内総生産、GDPの三%以内にする、二、赤字国債の発行額を毎年度減らし、二〇〇三年度までにはゼロにする、三、分野別の歳出の削減、抑制目標、キャップを設けるという三つの目標を掲げていましたが、今回の改正案では三つの目標とも全面後退いたし、財革法の本来の骨格はすべて骨抜きにされたわけでございます。しかし、一方では、財政再建は既に達成しなければならないことが我が国の命題であり、したがって、財革法は改正するのではなく執行を停止すべきであると私は主張するものでございます。 そして、この未曾有の経済危機、景気低迷の原因は橋本内閣による政策不況以外の何物でもないと判ずるものでございますが、総理並びに大蔵大臣の御所見を伺いたい。 翻って考えるに、橋本総理は財政構造改革について、既に三回にわたって大きな失敗をしたことになると思います。 第一に、機動的経済運営を妨げ、景気に悪影響を与え、冷え込ませる効果を持つ財革法を、北海道拓殖銀行、山一証券等の破綻により、紛れもなく金融危機が発生していた直後に、我が党の反対を押し切って成立させたことであります。 第二に、景気がさらに急速に悪化の一途をたどったにもかかわらず、総理御自身の個人的メンツにこだわる余り、財革法の執行停止をタイミングに合わせて行えなかったことでございます。すなわち、我が党が主張した九八年度緊縮型予算案の大幅修正を適宜行わず、適切な景気対策を打ち出せなかった点でございます。 第三に、今回やっと重い腰を上げて財革法の改正を決心したにもかかわらず、根本的な問題には全く手をつけず、その場しのぎの修正にとどめようとしているという点でございます。これでは景気の先行きに対する国民と企業の不安感は全く払拭できず、単年度に限っての特別減税を思いつき程度に小出しに発表しても、消費や設備投資はふえることはなく、株式市場や為替市場の不信は解消するはずがないのでございます。 昨年十一月二十八日に成立させた財革法の最大の問題点は、実体経済を無視して赤字国債の削減だけを短期間で実現してしまおうとする無謀な意図が背後にうかがわれた。これにより、構造的な弱点を抱え、回復力も低下してしまっている我が国経済に財政デフレが強烈な勢いで加わることになってしまったわけでございます。 一方、政府・与党の財政構造改革会議は、弾力条項新設に加え、財政健全化目標の二年延長と社会保障費の歳出上限枠の一年間停止を決定いたしました。しかし、これでは財革法のもともとの欠陥は一切修正されていないし、我が国経済の置かれている厳しい現況には対応できようがない。 我が党は、こうした小手先の修正をやめ、財政の健全化をあきらめずに着実に進めるためにも、財革法の一時執行停止を主張してまいりました。そのために、歳出の膨張と財政赤字拡大の主たる原因である公共事業費を暫時削減し、社会保障費についても年金、医療、福祉に関して総合的にむだを省きながら、高齢化に伴って増額する分をふやしていくこととすべきであると考えますが、総理並びに大蔵大臣の御所見を求めます。 日本の国際競争力の評価は時々刻々に低下し続けており、スイスに本部を持つIMD、国際経営開発研究所による九八年の世界競争力ランキングでは、日本は昨年の九位から実に十八位にまで転落した。このことは我が国の経済システム全体が制度疲労を起こし劣化していることの証左であり、橋本内閣による構造転換のおくれが現在の経済不況を一層深刻化させていることも意味するわけでございます。 口を開けば、総理は六つの改革を進めていると繰り返すが、税制改革については全く論議が見られない。イギリスではサッチャー税制改革、アメリカではレーガン税制改革などの強力な税制改革が経済活性化の大きな引き金となったわけでございます。現在の日本の現状をかんがみると、我が党が政策として掲げるような三兆円規模の大幅な法人税、また三兆円規模の所得税と地方税の恒久的減税が緊急課題であるということは間違いがございません。 アメリカのルービン財務長官は、ワシントンG7終了後の記者会見で、総理の提案した四兆円の特別減税案に対し、特別減税では経済効果はないと断じました。そして恒久減税でなければならないとし、暗に我が党の政策を全面的に支持したわけでございます。 実効税率は現行の四六%から四〇%程度まで下げる必要がある。これは、経済のグローバルスタンダード化が叫ばれる昨今、フランスの四一・七%、イギリスの三一%に比べ、我が国の法人所得課税率が突出して高過ぎることが明白であるからであります。 企業活動が現在のように停滞してくると、雇用の減少や設備投資の不振を生んで景気の先行き不安が消費不振を招くといった悪循環に陥ることを防がなければならない。 法人所得税率を現在のレベルのままに放置しておけば、さらなる国際競争力低下を懸念する大企業が海外へ流出し、その結果、国内には種々の規制に保護された非効率的な企業しか残らず、産業、金融の空洞化を促進させてしまうおそれが十分にあると考えられるが、総理並びに大蔵大臣の御所見をお伺いしたい。 さて、私は、政府は行政改革の目標とする到達点の一つである小さな政府への移行を宣言すべきであると訴えるものでございます。欧米で小さな政府といえば行政改革と減税が柱となっているわけでございますが、橋本内閣は昨年、消費税率二%アップで五兆円、特別減税の廃止で二兆円、医療費の自己負担増で二兆円と合計九兆円もの国民負担増を我が党の反対にもかかわらず断行した。その結果、今日の深刻な不況を招いたわけでございます。 財革法の一時執行停止と、それに伴う将来的な見直しは、我が国経済への内外の信頼を一日も早く取り戻し、小さな政府をつくる絶好のチャンスであると考えるが、総理の御所見をお伺いしたい。 九七年度の実質成長率は、オイルショック以来二十三年ぶりのマイナス成長になることが明らかになりました。景気は停滞の段階から明らかに後退の局面に入ったと言える。八日発表された三月の国内卸売物価指数は、前月比で三カ月間連続の下落となりました。景気後退と物価の下落が同時進行するデフレスパイラル現象が、いよいよ現実化してきたことのあらわれでございます。 橋本総理はASEM、アジア欧州会議で日本の経済は戦後初めての厳しい状況に直面しているとの認識を示しましたが、問題はその判断が余りに遅きに失したという点にある。 アメリカの財政赤字の削減が順調に進んでいる背景には、長期的に好景気が続いているということがございます。財政改革の達成には好調な景気が前提となることは論をまたない。しかし、大型金融破綻が相次ぎ、景気停滞色がはっきりしていた九八年度予算の編成時に、財革法の厳しい歳出抑制方針のみを運営して効果的な景気浮揚策を盛り込まなかったことは、橋本内閣の予算編成に対する明白な失敗であった。そしてこのことは疑義を挟む余地のない事実である。アメリカの包括財政調整法には、景気低迷時に歳出の一時削減を一定期間凍結するいわゆる弾力条項が設けられていることとは、極端な相違が生じてしまっているわけでございます。 予算成立直後の現在、既に補正予算を組まざるを得なくなっているという考えられないほどの矛盾が生じたのも、予算編成が政府の大失敗であったというあかしであることは間違いないと考えるが、総理の御所見をお伺いしたい。 このように、我が国の経済、財政のみならず、国家としての信頼を世界的に失墜させた上、国民を塗炭の苦しみに沈めた総理の失政の責任は余りにも重い。総理が辞任することが最大にして唯一の景気対策であるとの内外の声が高まる今日、もし、総理に人としての良識のかけらが残っているのであれば、総理は一刻も早く退陣すべきであると強く主張するものであるが、総理の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 益田議員にお答えを申し上げます。 まず、今日の経済状況をもたらした原因についてお尋ねがございました。 我が国経済は、不良債権の処理のおくれなどバブルの後遺症といった経済社会の構造問題に加え、アジアの通貨・金融不安や我が国の金融機関の破綻による金融システムへの信頼低下などの影響もある中において、これに伴う家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼし、景気は停滞状況を示すようになっておりました。 こうした昨年末以来の経済の先行きに対する著しい不透明感にはやや落ちつきも見えるものの、最終需要の停滞の影響が生産や雇用等実体経済に及んでおり、一層厳しさを増していると認識をしております。 今回の財政構造改革法改正案において、三つの骨格がすべて失われたのだから執行を停止すべきだという御指摘をいただきました。 内外の経済金融情勢の変化に対し、臨機応変の措置をとることは当然のことではありますものの、二十一世紀に向けて安心して豊かな福祉社会、あるいは健全で活力のある経済の実現等に十分対応できる財政構造を実現していく必要性には何ら変わりはなく、財政構造改革法の基本的骨格は維持すべきだと考えております。 そのため、改正案におきましては、財政構造改革法の基本的な骨格である主要な経費に係る量的縮減目標の仕組みと財政健全化目標は堅持をするとともに、その時々の状況に応じて、いわば緊急避難的に適切な措置を講じる枠組みを整備するための必要最小限の修正にとどめているところであります。したがって、財政構造改革法の執行停止は適切ではないと考えております。 また、公共事業費を暫時削減し、社会保障費については総合的にむだを省きながら増額する分をふやしていくべきという御意見をいただきました。 今回の改正におきましても、公共事業や社会保障関係といった主要な経費ごとに、それぞれ量的縮減目標を設定するという仕組み自体は、財政構造改革法の骨格として維持することとしており、こうした仕組み全体が御指摘のような構造改革を推進するためにも資するものと考えております。 また、米財務長官の発言を引用されながら、所得課税、法人課税の恒久減税についてのお尋ねをいただきました。 所得税及び個人住民税については、諸外国と比して低い個人所得課税負担の水準、税率構造、各種控除等のあり方、資産性所得課税や年金課税などのさまざまな論点について幅広くきちんとした検討を行い、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指してまいります。 また、法人課税については、今後三年のうちにできるだけ早く、総合的な税率を国際的な水準並みにしたいと考えており、今後、税体系のあり方をも踏まえながら、地方の法人事業税の外形標準課税の検討を初め、法人課税のあり方について真剣な検討が行われると考えております。 財政構造改革法を一時停止すると同時に、小さな政府への移行を宣言すべきという御指摘もいただきました。 将来に向けてさらに効率的で信頼できる行政を確立し、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力ある経済を実現するために財政構造改革に取り組む必要性があることは、議員御指摘のとおりであり言うまでもありません。その上で、財政構造改革を進めるに当たりまして、行政の各分野において、国及び地方公共団体と民間が分担すべき役割を見直すこと、国と地方公共団体が分担すべき役割を見直すこと等の観点を踏まえながら、改革を進めてまいりたいと考えております。 十年度予算に効果的な景気浮揚策を盛り込まなかったという御指摘をもいただきました。 平成十年度当初予算は、予算作成時点における内外の経済金融情勢等を踏まえながら、財政・金融両面にわたる措置を講じたものであったと考えており、現在、その早期執行に全力を尽くしております。 さらに、今般、現下の極めて深刻な経済状況にかんがみ、我が国経済及びその運営に対する内外の信頼を回復するに必要かつ十分な規模の総合経済対策を講じ、そのために必要な補正予算を編成し、提出したところでありますが、これらは必ずや御理解いただけるものと考えております。いずれにせよ、今後とも責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努めてまいります。 最後に、進退についての御忠告は、そのとおり忠告としてちょうだいをいたします。 残余の質問については、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 益田議員にお答えいたします。 景気の停滞の原因についてのお尋ねがございましたが、この点につきましては、総理から詳しく御答弁がありました。したがいまして、私の考え方も全く同じでありますので、その点は、重ねての答弁は省略することをお許し願いたいと思います。 次に、財政改革法の改正案の関連で、財革法は改正するのではなく、執行を停止すべきではないかという御指摘がございました。 これにつきましても総理から詳細答弁があったところでありますが、追加して申し上げますと、財政構造改革法の基本的な枠組み、これは主要な経費に係る量的縮減目標という仕組み、それから財政健全化目標を堅持するということ、こういったことが基本的な状況でありますし、それを前提にして、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するための必要最小限度の修正をしておるというのが今度の改正法案の内容でございます。したがいまして、停止というのではなくして改正というのを、お許しをいただきまして実現させていただきたいと、こう思う次第でございます。 最後に、所得課税、法人課税、これについて恒久的な減税にすべきではないかという御指摘でございました。 この点について申し上げますと、今回の経済対策では所得税、住民税について四兆円の特別減税の追加、継続を行うほか、住宅、投資促進についてのいわゆる政策減税を実施することとしておるわけでありますが、こうした措置は、各般の施策と相まって消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。 なお、大規模な恒久減税の実施の問題でございますが、議員もよく御承知のことと思いますけれども、そもそも我が国の租税負担率は国際的に見て相当低い水準にあるわけでありますし、高齢化の進展を控え、さらなる租税負担率の低下にはいろいろ問題があると考えます。また、恒久減税を行うためには新たな恒久的な財源が必要であり、財政を預かる大蔵大臣としては慎重に考える必要がある、こういうふうに思っております。 なお、今般の総合経済対策を踏まえて、法人課税や所得課税のあり方については税制調査会で本格的な検討に着手しており、法人事業税の外形標準課税の問題など地方の法人課税について検討するために、地方法人課税小委員会が設置されるとともに、個人所得課税のあり方についても種々の課題について検討に入ることとされております。今後、税制調査会において腰を据えた検討が行われるものと考えております。(拍手) ─────────────
○副議長(松尾官平君) 清水澄子君。 〔清水澄子君登壇、拍手〕
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、財政演説並びに関係法案の趣旨説明について若干の質問をいたします。 まず、質問に入る前に、インドの地下核実験について、政府は毅然とした外交的措置をとるべきと考えますが、先ほどの質問に対する総理の御答弁を伺う限り明確な方針が理解できません。例えば、経済援助の凍結等、具体的にどのような対応をとられるのでしょうか。あわせて、全面的包括的核実験禁止、核兵器廃絶に向けた総理の決意をお聞かせください。 それでは、まず、財政構造改革法の改正案について質問いたします。 そもそも財政構造改革は、超高齢社会に対応した財政支出構造を構築することが最大の眼目であったはずです。しかし、その超高齢社会を支える社会保障関係費の支出について、他の項目と一律のキャップを設けたことはまことに不適切であったと言わなければなりません。 今般の財政構造改革会議において、社会保障関係費のキャップを外すことになったことは正しい判断であったと評価をいたすものであります。しかし、なおその措置が来年度のみであるという点については、その本旨にかんがみて納得のいくものではありません。時代の変化に応じた社会保障の新たな役割と制度を確立していくことこそが先決であります。 今のままであれば、再来年度において社会保障関係費の伸びに再び上限を設けることになりますが、機械的な上限設定には多くの問題が残されていると思います。総理並びに厚生大臣に御見解をお伺いいたします。あわせて、社会保障の構造改革にどのような展望をお持ちか、御答弁をお願いいたします。 次に、今回の十六兆円の総合経済対策と補正予算について伺います。 低迷する景気の回復のために、バブル経済崩壊後、数次にわたり総額六十兆円を超える経済対策と財政出動が行われてまいりましたが、変質しつつある我が国経済の回復には思ったほどの効果を上げることはできませんでした。これは、経済の病状とその処方せんがうまくかみ合わなかったということではないでしょうか。今回の経済対策についても、病める経済に十分対応した内容になっているのか、疑問なしといたしません。 とりわけ、事業規模六兆円の公共事業費については、その事業内容や配分に思い切った転換が見られず、従来型の域を抜け切れていない感があります。この内容で変質しつつある我が国経済の回復に十分な効果を上げることが期待できるでしょうか。総理は経済効果についてどのような見通しをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。 私は、従来型公共事業一辺倒のあり方を改め、子供が育つ国づくりと、福祉に重点を置く発想の転換こそ必要ではないかと考えます。公共事業の追加に当たっても、歩道の整備、公共施設のバリアフリー化など、福祉の町づくりの推進に資する事業に重点を置くべきであります。 また、公的介護保険の実施を二年後に控え、介護施設整備に全力を挙げるべきだと思います。介護施設整備が進まないのは、施設ができた後の運営費に自治体の不安があるからであり、介護施設整備は地方単独で推進し、運営費、措置費を国がしっかりと保障するという、財源も含む地方分権化を進めるやり方をとるべきだと考えます。 最近、福祉に対する財政投入は、公共事業以上に経済成長に貢献するという注目すべき研究成果が発表されるようになっております。例えば、茨城県は、特別養護老人ホームへの投資の波及効果は、その他の公共事業への投資よりも効果が大きいとの試算結果を公表しております。また、新ゴールドプランの生産誘発効果は、投資額の三・三倍にも達し、実質的には公共事業と同等の経済効果があるとの試算もあります。 このように、これまで福祉は経済成長の足を引っ張ると思われてきましたが、逆に福祉は投資であるとの認識が高まってきております。こうした考え方について、総理並びに厚生大臣の御見解をお聞かせください。 福祉に対する投資は労働集約的であり、雇用機会の創出にも効果的であると考えます。女性の雇用機会の拡大や社会参加に役立つことは間違いありません。高齢者の介護や乳幼児の育児への政策的支援あるいは教育への投資は、新しい労働力を創出し、日常の勤労活動を支え、生産活動の基盤となります。また、雇用が拡大すれば、個人の所得もふえ、消費も拡大し、ひいては国民経済の成長や税収の増大にもつながります。 今、戦後最悪の失業率を記録している折、雇用の拡大と福祉や社会保障への信頼を高めることこそが国民の心理に安心感を与える最大の政策であります。 次に、消費不況の原因と対策について伺います。 今日、我が国が直面している未曾有の不況の最大の原因は、言うまでもなく消費の落ち込みにあります。とめどもない官僚の腐敗、政治不信を初め、医療費の引き上げや年金受給に対する不安が相互に増幅し合い、将来に対する不透明感を高め、国民の消費意欲を減退させていることは明らかであります。この不透明感と不安感を取り除かない限り、消費の拡大、ひいては景気の回復は望むべくもありません。 そこで、個人消費を基盤とした内需拡大のために、消費税そのものの持つ欠陥をまず正すべきであると考えるものであります。 社民党は、低所得者層に対する逆進性を緩和するために、飲食料品に係る消費税に相当する額を中所得者世帯及び低所得者世帯に給付する制度の創設を提唱しておりますが、この制度は、特別減税の効果が及ばない世帯にもメリットが及ぶとともに、個人消費の活性化を通じて景気の回復に大きな効果があるものと確信しているものであります。 社民党のこの提案は、今回の総合経済対策には残念ながら取り上げられませんでしたが、今後の恒久減税の検討の際には、本案を含め、消費税の抜本的な見直しに着手されるよう、強く要請するものであります。総理並びに大蔵大臣の御見解をお尋ねいたします。 最後に、官僚不祥事と政治不信の解消についてお尋ねいたします。 ここ数年来、厚生省や大蔵省を初めとする官僚の不祥事は目に余るものがあります。本来、公僕であるべき官僚が特定業者等と癒着し、わいろや過剰な接待を受け、行政をゆがめ、ひいては国民の信頼を失墜せしめた、その罪と責任は極めて重いと言わざるを得ません。情報を独占し、業界を監督指導してきた官僚組織、とりわけ大蔵官僚に依存してきた経済財政運営の結果、多額の不良債権の発生を見逃し、今日の深刻な経済状況を招いたことは明らかであります。同時に、こうした官僚の腐敗を許し、助長してきた政治にも責任があると言わなければなりません。 そこで、今回、公務員倫理法が提案されようとしておりますが、肝心の政治腐敗防止法については合意に至っておりません。公務員倫理の確立と政治腐敗防止は本来一体であります。とりわけ、政治家のあっせん利得罪について、総理の特段の努力と勇断を期待するものであります。 総理の明快な御答弁を伺って、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 清水議員にお答えを申し上げます。 まず、インドの核実験に対する対応について、具体的にどうするかというお尋ねがありましたが、現在検討をいたしております。そして核兵器廃絶等については、今後とも核のない世界を目指し、現実的な核軍縮措置を積み重ねるべく努力をしてまいります。 次に、平成十二年度の社会保障関係費に再び上限を設定することについてお尋ねがありました。 平成十二年度においても財政構造改革の必要性は何ら変わらない、平成十二年度までには医療保険制度の抜本改革等により、医療、福祉の分野における効率化が期待できることから、現行の財政構造改革法の規定が適用されることとしております。 また、社会保障構造改革についてもお尋ねがありました。 少子・高齢化の進行する中において、将来にわたってセーフティーネットとしての役割を果たすことのできる制度を構築していく必要があります。 このような考え方に立って、さきの国会で成立をした介護保険法につきましては、平成十二年度からの制度の円滑な実施に向けた取り組みを行っていきますとともに、年金、医療制度につきましては、国民的な議論のもとで抜本的な改革に取り組んでまいりたいと考えております。 総合経済対策の効果についてもお尋ねがありました。 今回の対策におきましては、二十一世紀を見据えて、豊かで活力のある経済社会の構築に向け、真に必要となる社会資本を重点的に整備するという基本的な考え方のもとに、環境・新エネルギー、情報通信高度化・科学技術振興、福祉・医療・教育に対して重点的な配分を行ったところであります。 こうした社会資本整備や減税を含む今回の対策の効果は、かた目に見て、向こう一年間名目GDPの二%程度と見込んでおりますが、さらに政策減税、政策金融、土地・債権の流動化や、土地の有効利用等の施策を含めれば、景気回復により大きな効果をもたらすものと考えております。 次に、福祉の経済効果について御質問がありました。 福祉等の社会保障制度は、国民への購買力の付与や新たな産業、労働需要の創出を通じて、経済の発展に積極的な役割を果たす面もあると考えておりますが、一方では、少子・高齢化の進展に伴い社会保障に係る費用の増大が見込まれる中で、経済と調和した社会保障制度を構築していくため、制度の効率化などに取り組んでいく必要があると考えております。 また、消費税について、御提案の消費税額給付制度というものは、歳出上の措置と考えられますけれども、本人確認あるいは的確な所得把握などさまざまな問題があると考えます。 いずれにしても、消費税の逆進性の問題につきましては、今後、消費税を含む税体系全体の見直しの中で検討されるべきものだと考えております。 最後に、政治腐敗の防止、政治倫理の確立についてのお尋ねがありました。 国会議員等が公務員に対しあっせん行為をすることの報酬として、利益を収受することなどを処罰する罪の新設を含む立法措置、議員よく御承知のとおり、与党三党間において議論が行われてきたところで、自由民主党もまた自由民主党としての主張をここに提起いたしております。それぞれの党がお考えを示しておられます。政府の立場からは、その議論の推移を見守りながら適切に対処してまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 清水議員にお答え申し上げます。 私に対する質問は、消費税額給付制度、これについてのお尋ね一問であったかと思いますが、総理から御答弁がありました。すなわち、本人確認をどうするか、的確な所得把握をどうして行うか、こういった種々の問題があるわけでございます。 いずれにしても、消費税の逆進性の問題と考えるわけでありまして、これについては消費税を含む税体系全体の見直しの中で検討されるべきものと考えております。(拍手) 〔国務大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(小泉純一郎君) 平成十二年度では上限枠を設けるがどうか。 確かに、十一年度では上限枠を停止しました。しかし、十二年度では、ちょうど医療改革が実施される年になります。この医療改革の中で徹底的なむだの排除、効率化を図ることによって、私は上限枠設定の中で予算編成を行うべきものだと考えております。 また、福祉の経済効果、投資であるというお話ですが、私は両面あるんじゃないか。福祉の財政支出は雇用創出効果もあると思います、確かに。一方では、社会保障給付費の増大が国民負担の増大となって、経済の活力を失わせる面もある。両面があるのではないか。 いずれにおいても、制度の効率化、合理化を図っていく必要があると思います。(拍手) ─────────────
○副議長(松尾官平君) 須藤美也子君。 〔須藤美也子君登壇、拍手〕
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。 まず、冒頭に、インドの核実験強行に対し、我が党は強い抗議の意思を表明するものであります。 これは、核兵器廃絶を求める世界の願いに逆行するものであります。同時に、特定の国による核兵器独占が核不拡散条約体制として合法化されていることの矛盾が最も危険な形で明らかにされたものであり、今こそ核実験全面禁止、核兵器廃絶、そのための被爆国日本の努力が強く求められていることを厳しく指摘しなければなりません。 今、橋本内閣のもとで、日本経済の混迷と国民生活の深刻さはとどまることを知りません。昨年度の経済成長率は、第一次石油危機以来、実に二十三年ぶりにマイナス成長に陥る事態になり、個人消費は急激に落ち込み、失業率も史上最悪です。 こうした事態を加速させているのは、言うまでもなく消費税の増税、医療制度の改悪など、九兆円もの国民負担の押しつけと財政構造改革法による福祉、医療などの連続的改悪の強行という、まさに橋本内閣の政策不況そのものであります。これに対して、国民からかつてない怒りと不信の声が沸き起こっており、最近のどの世論調査でも不支持は過半数を超えているのです。総理府の世論調査では、実に七二・二%が日本は悪い方向に向かっていると答えるほど重大な事態になっているのであります。 総理、これまでの失政と不況を深刻化させた責任をはっきり認めて退陣するのが民主主義の道理ではありませんか。まず、最初にお聞きをいたします。 昨年十一月末、我が党初め各野党の反対を押し切って強行成立させた財政構造改革法を、わずか五カ月で見直しせざるを得なくなったことも、橋本内閣の政策破綻と右往左往ぶりを象徴しています。政府は、今回の見直しの理由として、バブルの後遺症、アジアの金融危機、大型金融機関の破綻などによって不況が深刻化したからだと言っております。しかし、バブルが崩壊したのは八年前の九〇年であります。アジアの金融危機は昨年の五月ごろからであります。山一と拓銀の破綻も財革法の成立した十一月二十八日の以前のことであります。総理は、私たちが警告したにもかかわらず、財革法を施行しても不況に拍車をかけ、深刻な事態にはならないと考えていたのでしょうか。 総理は、今回の財革法見直しを緊急避難的対応、必要最小限の措置であり、骨格は変えないと言っておりますが、聖域なき削減という骨格は公共事業の積み増しによって総崩れになっております。そして一方では、医療、福祉、年金、教育などの国民生活関連予算の切り捨てはそのままで、悪法の一番悪い部分は強行しようとしています。今や破綻した財革法は、見直しや弾力化ではなくきっぱりと廃止すべきであります。総理、明確にお答えください。 家計の消費支出は落ち込み、可処分所得に対する消費支出の割合は戦後最低水準にまで低下しているもとで、景気対策として政府がまずやるべきことは、冷え込んだ個人消費そのものを消費税減税で暖め、国民の消費購買力を引き上げることであります。 最近の世論調査でも、七四%の人が消費税の負担が大きいと答えています。政府税調の専門委員でさえ、消費税減税は確実に消費を増大させると指摘しているように、景気を回復させる最大の決め手が消費税減税であることは、今や国民の常識になっております。 総理は、この国民の切実な声になぜこたえないのですか。それとも、消費税減税は景気対策に役に立たないと考えているのですか。明快な答弁を求めます。 次に、特別減税について伺います。 今回の特別減税はわずか二年限りのものであります。社会保障の一層の改悪が待っているもとでは、国民が安心して消費に振り向けることはできないでしょう。特別減税といっても実施分と今回の補正で四兆円です。昨年の九兆円負担増を埋め合わせることはできません。しかも、昨年の消費税増税は先行減税があったからという総理の理屈から言えば、特別減税が終わった後は増税ということになるではありませんか。総理は、それでもこの特別減税で消費拡大、景気回復になると認識しているのですか。また、減税は庶民に手厚い減税にして、恒久化すべきであります。この点について、総理の御所見をお聞きいたします。 政府の対策は、本来やるべき消費税減税、恒久減税を行わないで、相変わらず公共事業中心となっています。補正歳出追加分のうち、公共投資額は七三%も占めています。これまで六回の景気対策を見ても、総額四十八兆円の公共事業は景気の回復に役立たず、大企業、ゼネコン本位の浪費を助長するだけで、国と地方の財政危機を深刻化させてきました。政府の財政制度審議会も九六年十二月、「こうした過度に財政に依存した経済運営について見直すべき時期にきている。」と指摘していたではありませんか。総理、それなのに、なぜまた従来型の公共事業優先の対策になっているのですか。 環境や新エネルギー、情報通信高度化などと新たな装いをつけたものの、その中身は道路や港湾など、これまでのような公共事業の大幅な積み重ねにすぎないと言わざるを得ません。本来あるべき公共事業は、老朽校舎の改築、特別養護老人ホームや公営住宅の建設、生活道路拡充など、国民生活関連に重点を移すべきです。そして、官公需の中小企業への発注率を大幅に引き上げ、中小企業の仕事を確保すべきではありませんか。今回の公共事業で中小企業にはどれだけ仕事がふえるのか、具体的な答弁を求めます。 さらに、農林水産予算も公共投資部分が八〇%以上です。緊急な景気対策というのであれば、輸入の拡大政策と新食糧法のもと、大暴落した米価の十分な価格補てん、借金で自殺者が続出している農家経営の援助こそ必要であります。食糧の安全保障と国民の食糧の安定供給に責任を持つならば、何よりも今日の農業危機にこたえる対策を講ずることが強く求められております。総理のはっきりした答弁を求めます。 次に、貸し渋り問題について質問いたします。 政府は、今年の初め、金融機関に対して三十兆円の公的資金の投入を決め、貸し渋りの解消に資すると断言しました。しかし、その実態は、一向に貸し渋りはおさまらず、自殺者が相次ぐなど、中小企業の経営危機はますます深まっております。 深刻な貸し渋り解消は、もはや一刻の猶予もありません。民間大銀行の貸し渋りそのものを是正するために、政府の責任として着実な効果を上げるためにどんな指導を行うつもりなのか、明確な答弁を求めます。 今日、日本経済の立て直しと国民生活擁護にとって緊急切実な、どの課題をとっても政府の対策は逆立ちしたものばかりです。それをサミットなど国際舞台での公約だと強行するのは、国民と国会を無視するものであり、断じて許されません。 最後に、私は、今の深刻な不況を打開する力は持ち得ない橋本内閣の退陣と、解散・総選挙で国民の信を問うよう強く要求して、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 須藤議員にお答えを申し上げます。 まず、政策運営と責任についてのお尋ねがありました。 私の責任は、一刻も早く行政に対する国民の信頼を回復するとともに、国政を停滞させずに、構造改革を推進しながら景気回復に努めることにあると考えており、全力を尽くしていきたいと考えております。 また、我が国経済が深刻な状況に陥ったその認識はというお尋ねがありました。 不良債権の処理など、我が国経済はいまだにバブルの後遺症から抜け切れておらない中で、アジアの経済金融情勢の影響、大型金融機関の破綻など、内外の予想外の悪条件が一斉に重なった結果、景気は停滞し、さらに今年に入りましても、年度末を控え、いわゆる貸し渋りを企業が一層厳しく感じる状況になりました。アジアにおきましては、インドネシアの経済の先行きについて不透明感を増している状況であります。こうした中で、一層厳しさを増したものと、そのように考えております。 次に、今回の経済対策及び補正予算において、国民生活関連分野を切り捨てたという御指摘をいただきました。 総合経済対策及び補正予算の第一の柱は、社会資本の整備と減税による国内需要の拡大であります。また、その中でも経済構造改革、社会保障構造改革、教育改革などを念頭に置き、二十一世紀を見据えた我が国の社会の発展にとって真に必要な社会資本を整備することとしており、特に緊急性の高いダイオキシン・環境ホルモン対策や新エネルギー対策、将来の発展基盤となる科学技術の振興、情報通信の高度化への対応、少子・高齢化の進展に対応するための福祉、医療、教育、国民生活に密接に関連する分野に事業費を重点配分しておりまして、こうした整備の方向は、減税その他の措置と相まって、景気に効果的に作用するものと考えております。 財革法は廃止すべきだという御意見でありますが、私は先ほど来御答弁を申し上げておりますように、財政構造改革法の基本的骨格というものは二十一世紀を考えても必要なものだと思っております。そのため、改正案におきましては、財政構造改革法の基本的な骨格である主要な経費に係る量的縮減目標の仕組み、財政健全化目標は堅持するとともに、その時々の状況に応じて、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するための必要最小限の修正にとどめておるところであり、廃止は適切でないと考えております。 次に、消費税減税についてお尋ねがありました。 消費税率の引き上げを含む平成六年秋の税制改革は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、真に必要な改革であったと考えており、消費税率の引き下げは考えておりません。 また、所得税の恒久減税という御意見をいただきました。 今回の経済対策では、所得税、個人住民税について特別減税を行うこととしております。こうした措置は、各般の措置と相まって、景気に効果的に作用すると考えております。 その上で、個人所得課税につきましては、諸外国と比較して低い個人所得課税負担の水準、税率構造、各種控除等のあり方、資産性所得課税や年金課税などのさまざまな論点について幅広くきちんとした検討を行い、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指しております。 また、社会資本整備に当たりまして、国民生活関連分野に重点を移すべしということのお尋ねがございました。 先ほども申し上げましたように、総合経済対策及び補正予算の第一の柱が社会資本の整備等による国内需要の拡大であります。そうした中においても、経済構造改革、社会保障構造改革、教育改革などを念頭に置いて、真に必要な社会資本を整備することとしており、その際にも、少子・高齢化の進展等に対応するための福祉、医療、教育などを初めとする国民生活に密接に関連する分野に事業費を重点的に配分することにしておりまして、今回のこうした措置は、議員御指摘の点についても十分こたえるものができたと思っております。 官公需の中小企業への発注に当たりましては、中小企業の受注機会を確保することが極めて重要であります。平成十年度の国等の契約の方針は、現在策定作業中でありますが、今回の補正予算に係る事業を含めて、公共事業の実施に当たっては、中小企業の受注機会が十分確保されるよう、今後とも努めてまいります。 農林水産予算について御意見をいただきましたが、今回の補正予算におきましては、現下の農業経営の実態、農業者のニーズを踏まえて、米の生産流通コストの低減等に資するカントリーエレベーター等の施設や生産基盤の整備、立ちおくれている農山漁村の生活環境の整備、農林漁業者の資金調達の円滑化のための信用保証の充実等、必要な対策を盛り込んだところであります。 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) いわゆる貸し渋り問題でございますが、健全な企業にその必要とする資金の融資をするというのが金融機関の本来的な使命であることは言うまでもありません。この本来的な使命を金融機関が十分に果たすよう、私から強く要請をしておるところであります。 今般の自己資本充実策によりまして、金融システム不安が遠のいたこともあり、貸し渋りの状況は少しは緩和しているような様子も見えますけれども、今後ともなおその状況を厳しくチェックをし、必要に応じ、さらなる要請等をしてまいりたいと、こう考えております。(拍手)
○副議長(松尾官平君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ─────・───── 午後一時四十四分開議
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 国務大臣の演説及び趣旨説明に対する質疑を続けます。星野朋市君。 〔星野朋市君登壇、拍手〕
○星野朋市君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました財政演説並びに関係法案に対する質疑を行います。 平成十年度を迎えても日本経済は深刻さを増し、株価、為替の低迷が続いております。ちなみに、本日、為替は百三十四円台になりました。失業率は月を追って高くなっています。総理が自信満々に行ってきた九兆円の国民負担増を初めとする財政帳じり合わせの結果が今日の危機をもたらしたことは、今や明白な事実であります。 総理は、平成十年度予算案審議の際、本予算が最善のものであると言い続けていたにもかかわらず、本予算成立の次の日に記者会見で補正予算の編成を口にしましたが、これは本予算が欠陥予算であることをみずから露呈するものであります。また、みずから招いたこの不況に反省も、謝罪もいまだありません。本予算が不十分であったならば、なぜ撤回の上、再提出をしなかったのでありましょうか。総理は、この国の行く末や国民生活よりも自分のメンツ、政権の方が大切なのでしょうか。明確にお答えをいただきたいと思います。 また、みずから強引に成立させた財政構造改革法についても改正案が提出されており、もはや論外であります。財政構造改革法を成立させたときでさえ、我が国経済は危機的状況にありました。北海道拓銀、山一証券、三洋証券は破綻し、アジアの通貨危機は深刻となっていたのであります。我々の反対を押し切って強引に成立させたのはだれですか。橋本総理、あなたではないですか。 前国会における財政構造改革法審議の際、予定されない経済政策について、直ちにそのことが補正要因になるとは考えるべきでないと繰り返し答弁し、特に集中三カ年においては、景気対策としての補正予算を編成しないことが財政構造改革法にかなう原理であると答弁をしているのであります。財革法改正案審議以前に、平成十年度補正予算案、関連法案を提出することは、政府の言う財政構造改革法に反しないのでありましょうか。 補正予算案と関連法案を提出する前に、財政構造改革法を徹底審議し、国会としての結論を出し、政策転換を明確にした上で補正予算の審議に入る、これが本筋だろうと思います。今回のやり方は、国会の審議権を冒涜、侵害するのみならず、議会政治を破綻させるような結果を招くものと私は思っております。 財政構造改革法は、十年前にできた法律ではありません。つい半年前に、我々の反対を押し切って成立させたのは橋本総理ではありませんか。橋本総理に財政構造改革法改正を言う資格はありません。橋本内閣は、みずから決めた財政構造改革法さえ、たったの数カ月も守れないのではありませんか。臨機応変とか緊急避難などと言ってはおられないでしょう。半年先のことさえ見通すことのできない橋本総理に、我が国の命運を託するわけにはいきません。 以上、橋本総理の明確な答弁を求めます。 次に、財政演説について伺います。 平成十年度予算は、財政構造改革法による史上空前のデフレ予算であり、ほとんどの歳出項目において対前年比マイナスとなっております。公共事業については七%のカットとなっていたにもかかわらず、補正予算において六兆円強を計上するのであれば、本予算の査定にどんな意味があるのでありましょうか。 また、経済対策として一兆五千億円の地方単独事業を計上しておりますが、地方財政事情も大変厳しい中、橋本内閣はいつまで旧態依然とした手法をとり続けるのか。地方負担を強要する方式の地方単独事業の追加は、地方財政の自己責任原則と逆行するものであります。 政府・与党は、公共事業を景気対策としかとらえず、選挙目当てのばらまきの批判を免れ得ません。今日の日本の経済危機は日本の産業、経済の構造的要因にあるのであり、その改革をしなければ日本経済の再生はあり得ません。過去最大を売り物にするなど、みずからの無能を世界にアピールするのと同じであります。公共事業中心の経済対策であれば、再来年度以降の民需主導型の持続的成長につながる期待が持てないため、公共部門から民需へのバトンタッチのための施策がなければ、九九年度以降の反動減は深刻となるのは当然であります。公共事業による景気対策は麻薬のようなものであり、一度実施すれば、景気を維持するため次々と追加しなければなりません。 以上について、大蔵大臣の答弁を求めます。 次に、特別減税について伺います。 特別減税は、期間限定、減税が終われば増税が待ち構えている増税予告つき減税であり、しかも財源はみずから否定していた赤字国債であります。むしろ、赤字国債を財源とする特別減税は、将来の大増税につながるという懸念から、消費に回らず、景気浮揚効果もなければ、財政の悪化を招くのみであり、かえって先行き不安をあおっているのであります。 また、九八年度は計四兆円の特別減税、九九年度も二兆円の特別減税継続とはいうものの、九八年度分の二兆円は、九七年度の特別減税を年度初めに一度打ち切った後、九八年度にずれ込み復活したも同然であります。定額方式、定率方式の差異はあるにしろ、結局九四年から始まった二兆円の特別減税を九九年まで続ける、つまり二〇〇〇年までは増税はしないという程度のことでしかないのであります。九四年から九九年まで六年間も継続しては、もはや特別はもちろん、減税という名にすら値しないのであります。 また、なぜ特別減税の方式を定率控除方式でなく定額控除方式、つまり課税最低限引き上げという方式をとったのか。ちなみに、今回の特別減税で課税最低限は標準世帯で何と四百九十一万円となりました。間違いございませんでしょうか。公共事業と同様、減税を景気対策としてしかとらえられない橋本内閣は、望ましい税制に対する理念も哲学もなく、税制をゆがめ続けてまいりました。まことに無責任であります。この特別減税は、臨時福祉給付金とあわせて、選挙目当ての迎合主義、ばらまき以外の何物でもなく、必ずやすべての税率の緩和を中心とする抜本税制改革の阻害要因となるに違いありません。大蔵大臣の答弁を求めます。 次に、財政構造改革法改正案について伺います。 そもそも財政構造改革法は、目先の財政の帳じり合わせのみを主眼に置き、構造改革という視点は一切なく、歳出の一律削減を定めただけのものであり、財政構造改革の名に値しません。そして、それさえずるずるとなし崩しにしようとしているのではありませんか。基本方針は変更しないと何度もおっしゃるけれども、橋本総理の財政構造改革に基本方針などあるのでしょうか。取りやすいところから金を取って財政を帳じり合わせするのみではありませんか。つまり、根本の発想が間違っているのであり、目標年次を繰り延べてみたり、特例公債発行枠を弾力化しても、財政再建など不可能であります。 今回の改正により、社会保障関係費のみ特別扱いをしておられますが、高齢化が進展するのはことしや来年だけではありません。社会保障制度にせよ、構造改革に切り込まないで歳出削減をするなら、国民負担がふえるだけの話であります。財政構造改革法は廃止をするべきであります。 また、恒久減税にも言及されましたが、財政構造改革法をどのように改正すれば恒久減税が実施できるのでしょうか。恒久減税検討発言はいつもの口先介入なのですか。恒久減税を実施するなら、今、財政構造改革法を凍結、廃止するべきであります。
○議長(斎藤十朗君) 星野君、時間が超過いたしております。
○星野朋市君(続) はい。財政再建は、民力中心のたくましい経済から得られる租税の自然増収と、規制の撤廃、緩和など民間経済に活力を与え、地方の活性化を図る、政府の仕事減らしにつながる行財政一体の歳出構造を達成できるのであります。 財政構造改革法は凍結あるいは廃止して、明確に路線転換をし、抜本的経済構造改革を行わなければなりません。まず橋本内閣の退陣、次に大胆な政策転換こそが経済再建の道であり、日本再構築の第一歩であります。 総理の御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 星野議員にお答えを申し上げます。 まず、本予算を撤回し、再提出すべきではなかったかという御指摘をいただきました。 平成十年度当初予算は、予算作成時点における内外の経済金融情勢を踏まえながら、適切な措置を講じたものであったと考えており、現在、その早期執行に全力を尽くしております。 さらに、今般、現下の極めて深刻な経済状況にかんがみ、我が国経済及びその運営に対する内外の信頼を回復するに必要かつ十分な規模の総合経済対策を講じ、そのために必要な補正予算を編成し、提出いたしたところでありますが、これらは御理解のいただけるものと考えており、いずれにせよ、今後とも責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努めてまいります。 また、財革法改正法案の審議前に十年度補正予算、関連法案を提出することは不適当ではないか、また、財政構造改革法の原理に反しないか、補正予算は財政構造改革法を審議した後に提出すべきではないかという御指摘をいただきました。 今回、我が国経済を力強い回復軌道に乗せるために総合経済対策を決定し、そのための補正予算を提出したところでありますが、あわせて、我が国経済がバブルの後遺症から抜け切れていないという状況を踏まえ、財政構造改革を進めながらも、緊急避難的な措置を講じ得る枠組みを整備すべく、財政構造改革法の改正案を御提案申し上げているところであり、これらの十年度補正予算及び関連法案の一日も早い成立に心から御協力を願う次第であります。 また、みずから決めた財革法を直ちに改正するようでは、国の命運を託せないという御指摘もいただきました。 私は、従来から、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではなく、また、内外の情勢の変化に応じ臨機応変の措置をとることも必要、当然と申し上げてまいりました。こうした基本的な考え方のもとに、今般、現下の極めて深刻な経済状況にかんがみて必要かつ十分な規模の総合経済対策を講じ、そのための補正予算を提出するとともに、財政構造改革法についても、その基本的な骨格を維持しつつ、必要最小限の修正を加えることといたしました。こうした対応が今真に必要な判断であり、必ずや御理解をいただけるものと確信しております。 財政構造改革の基本方針についてもお尋ねがございました。 二十一世紀の少子・高齢社会、負担の先送りをしないという基本哲学のもとに、財政支出の効率化を行うことによって財政の健全化を図るという財政構造改革の基本方針は、現下の厳しい財政事情を踏まえれば何ら変わるものではありません。 こうした考えのもとに、財政構造改革法においては、歳出構造を改革するために、主要な経費ごとに量的縮減目標を設定するという仕組み、財政健全化目標の設定などが定められており、中長期的にこれを着実に推進していくという考え方から、法律の廃止は適当でないと考えております。 また、恒久減税を実施するために財革法を凍結、廃止すべきではないかという御意見がありました。 二十一世紀に向けて、安心して豊かな福祉社会、健全で活力のある経済の実現等に十分対応できるような財政構造を実現することは必ず必要な課題であります。このような財政構造改革の必要性からして、財政構造改革法を凍結、廃止というのは適当でないと考えており、今後とも構造改革を進めながら、責任を持って適切な財政運営に努めてまいりたいと思います。 次に、経済再建についての御指摘をいただきました。 将来に向けて、さらに効率的で信頼される行政というものを確立して、安心して過ごせるような豊かな社会と活力のある経済を実現するために、財政構造改革に取り組む必要性があることは今申し上げたとおりでありますが、あわせて、規制の撤廃と緩和を初めとする構造改革を進め、柔軟で創造力に富む経済を実現することが必要であります。 私の責任は、こうした努力を進めながら、一刻も早く景気を回復させることにあると考えており、今後とも責任を持って全力を尽くしてまいります。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手) 〔国務大臣松永光君登壇、拍手〕
○国務大臣(松永光君) 星野議員にお答え申し上げます。 まず、公共事業による景気対策についてのお尋ねですが、総合経済対策及び補正予算の第一の柱は、社会資本の整備等による国内需要の拡大であり、また、その中でも経済構造改革、社会保障構造改革、教育改革などを念頭に置いて、二十一世紀を見据えた我が国社会の発展にとって真に必要な社会資本を整備することとしております。こうした社会資本の整備は、減税その他の措置と相まって、景気回復に向けてより効果的に作用するものと考えております。 次に、減税についてのお尋ねですが、今回の経済対策では、所得税、住民税について四兆円の特別減税の追加、継続を行うほか、住宅、投資促進について、いわゆる政策減税を実施することとしており、こうした措置は各般の施策と相まって、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。 今回の特別減税の実施方法については、最近の深刻な経済情勢を踏まえ、減税の効果をできるだけ早期に発揮させるために定額方式で行うものとしたのであります。 なお、今回の総合経済対策では、「個人所得課税については、公正・透明で国民の意欲が引き出せるような税制を目指し、幅広い観点から検討を行う。」とされています。個人所得課税については、税率構造、課税最低限のほか、納税者番号制度や各種控除等のあり方、株式譲渡益課税や年金課税など、種々の論点が指摘されておるところであり、腰を据えた検討が必要とされておると考えております。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定の締結について承認を求めるの件 日程第三 千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件 (いずれも衆議院送付) 日程第四 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件 以上三件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長及川順郎君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔及川順郎君登壇、拍手〕
○及川順郎君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、車両等の型式認定に関する相互承認協定は、一九五八年に国際連合欧州経済委員会において採択され、その後、一九六七年及び一九九五年に改正されたものでありまして、自動車、その部品等に関する統一的な技術要件を定めた規則を作成し、同一規則を適用する締約国間で型式認定の相互承認を行うこと等について定めるものであります。 次に、一九九一年の植物新品種保護条約は、従前の保護条約の内容を基礎として、新たな国際的統一規則により、新品種の育成者権の保護を強化することを主たる目的とするものであります。 また、社会保障に関するドイツとの協定は、国際間の人的交流に伴って発生する公的年金保険制度への二重加入等の問題の解決を図ることを目的として、日独間で年金保険制度の適用の調整を行うことを定めるものであります。 委員会におきましては、今般、我が国が車両等の型式認定相互承認協定に加入する意味、生物多様性条約に基づく開発途上国の利益保護と植物新品種保護との関係、我が国が社会保障協定を締結する意義等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終え、それぞれ採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これより三件を一括して採決いたします。 三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 百八十七 賛成 百八十七 反対 〇 よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(斎藤十朗君) 日程第五 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国民福祉委員長山本正和君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔山本正和君登壇、拍手〕
○山本正和君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法律案は、社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定を実施するため、国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法及び農林漁業団体職員共済組合法について、被保険者の資格、給付の支給要件及び給付の額の計算に関する特例その他必要な事項を定めようとするものであります。 委員会におきましては、協定締結がおくれた理由、主要な交渉項目、さらに協定締結を促進する必要性等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 百八十七 賛成 百八十七 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(斎藤十朗君) 日程第六 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。文教・科学委員長大島慶久君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔大島慶久君登壇、拍手〕
○大島慶久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教・科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、これまでの動力炉・核燃料開発事業団の業務を抜本的に見直し、整理縮小するとともに、経営の刷新や機能強化を図り、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた開発研究を行う法人として再出発させるために必要な措置を講じようとするものであります。 本法律案の主な内容は、第一に、改組後の法人の名称を核燃料サイクル開発機構に改めること、第二に、原子力施設の立地地元重視の観点から、同機構の主たる事務所を茨城県に置くこと、第三に、同機構における業務運営の透明性等を確保するため、内閣総理大臣の認可を受けて理事長が任命する委員により構成される運営審議会を設置すること、第四に、同機構は、核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な、高速増殖炉、核燃料物質の再処理、高レベル放射性物質の処理及び処分等に関する開発研究を行うとともに、その成果の普及を行う等の業務を行うこと、第五に、適切な情報の公開により、同機構の業務運営における透明性を確保することなどであります。 委員会におきましては、橋本総理大臣ほか関係大臣等に対し質疑を行うとともに、参考人からの意見を聴取し、去る五月七日には茨城県に委員を派遣して地方公聴会を開催したほか、現地調査を行いました。 委員会における主な質疑の内容は、原子力政策見直しの必要性、高速増殖炉の開発を継続する理念、新法人の業務範囲を定めるに当たっての基本的な考え方、公的な原子力開発研究機関における役割分担のあり方、動燃の事業経営体質、監督官庁である科学技術庁の責任、新法人における情報公開のあり方等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表し阿部委員より反対の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 百八十四 賛成 百七十 反対 十四 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これにて午後三時まで休憩いたします。 午後二時十八分休憩 ─────・───── 午後三時二十二分開議
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 岡野裕君外八名発議に係るインドの地下核実験に抗議する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 よって、本決議案を議題といたします。 まず、発議者の趣旨説明を求めます。岡野裕君。 ───────────── 〔議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔岡野裕君登壇、拍手〕
○岡野裕君 ただいま議題となりました自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合及び自由党の各派共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案いたします。 案文を朗読いたします。 インドの地下核実験に抗議する決議(案) 本院は、我が国が広島・長崎への原爆投下を経験した唯一の被爆国であることにかんがみ、あらゆる国の核実験に反対する。 しかるに、今回、インドが地下核実験を強行したことは、包括的核実験禁止条約の採択によって高まった核軍縮への国際的努力に逆行し、当該地域における緊張を高める行為であり、誠に遺憾である。 本院はここに、あらためて核兵器廃絶への不断の努力を行うことを誓うとともに、インドの地下核実験に厳重に抗議し、同国が早急に核開発を停止するよう強く求めるものである。 政府は、これまでの核実験反対に対する我が国国民の意思を十二分に踏まえ、本院の主旨を体し、インド政府に対して直ちに適切な措置を講ずるとともに、当該地域における緊張の緩和と信頼醸成に努め、すべての国の核兵器の製造、実験、貯蔵、使用等に反対し、包括的核実験禁止条約の早期発効に一層努力すべきである。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、趣旨を御理解の上、御賛同賜りますようお願いを申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。 表決は起立採決をもって行います。 本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。橋本内閣総理大臣。 〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。 政府は、これまで、国のいかんを問わず、また、その理由のいかんを問わず、核実験は停止すべきである旨強く主張してきたところであります。今回のインドの核実験に対しても、極めて遺憾であり、核兵器の開発を早急に停止するよう強く求めました。また、今回のインドの核実験により地域の安定が害されないよう、地域のすべての関係国に対し、最大限の自制を呼びかけたいと思います。 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、インドの核実験の停止及び核兵器の開発停止のために全力を尽くし、さらには核兵器のない世界を目指した現実的かつ着実な核軍縮の国際的努力を進める上で積極的役割を果たしつつ、関係国の理解と実行を促すよう、今後一層の努力を払う所存でございます。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十七分散会 ─────・─────