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142回国会参議院1998/04/14

法務委員会 第11号

発言数
165
登壇者
17
会派数
8
開催日
1998/04/14

会議録

武田節子公明

○委員長(武田節子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る九日、広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として円より子君が選任されました。  去る十日、三重野栄子君及び萱野茂君が委員を辞任され、その補欠として照屋寛徳君及び千葉景子君がそれぞれ選任されました。  去る十二日、矢田部理君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君及び伊藤基隆君がそれぞれ選任されました。     —————————————

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 保護司法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 保護司制度というのは、地域社会の人々が罪を犯した人を無報酬で補導援護するという我が国独特の制度として長い歴史があるというふうに伺っております。しかし、その割に一般の人々に余り知られていない制度じゃないかなという気もするわけでございまして、久しぶりに改正されるこの機会でございますので、ぜひ問題点を明らかにしてもっと社会にアピールしたらどうかということで、きょうは応援の気持ちで質問をさせていただきたいと思います。  まず、この保護司法、保護司制度ができまして約五十年たつわけでございますけれども、保護司が我が国の刑事司法行政の中でどのような成果を上げてきたのか、その辺につきまして、大臣からその評価、どんなふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) お答えいたします。  保護司の方々は、それぞれの地域社会において、今お話がございましたように、社会奉仕の精神でもって無報酬で犯罪者あるいは非行少年の立ち直りを助け、犯罪、非行のない明るい地域社会づくりのために貢献していただいているわけでございまして、本当に頭の下がる思いがいたしております。  特に保護観察におきましては、保護司制度は、地域の実情を熟知した保護司の方々が更生保護の専門職員である保護観察官を助けまして、隣人として保護観察対象者の改善更生に援助の手を差し伸べておられるわけでございます。彼らの社会復帰を促し、その再犯を防止する上で大変効果的に機能しておるわけでございまして、今後とも我が国の保護観察制度にとりまして極めて重要な制度であると認識いたしております。  しかし、近年、社会犯罪情勢の変化に伴いまして、保護司の方々が行う保護観察や犯罪予防活動はどちらかといいますとますます困難さを増しているわけでございまして、保護司の方々には物心両面にわたる御負担をおかけしているのが実情でございます。  私どもといたしましては、今後とも保護司の方々に少しでも報いることができないか、できる限りの努力を尽くしてまいりたい、このように考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 昭和二十五年に保護司法が制定されたわけでございますが、そのころの記録、国会でのやりとりを拝見いたしますと、その前は司法保護委員だったわけです。そして、定数が約四万二千。二十五年にこの保護司制度をつくったときに、一万人ふやして、定員を五万二千五百人にするんだというふうな記録が残っております。  その際に、従来の司法保護委員の中には名誉職で名前だけ連ねているけれども実際に活躍していない人もいるので、この新しい制度ができたときに、実際に活動している実績のある方、適任者を選ぶんだというようなことが論議されているようでございます。しかし、それにしても謝金もわずかだし、そしてまた社会の情勢が変わってきてなかなか篤志家を得るのが難しくなっていると、何か今でもやっているような議論を当時からしているわけでございます。  そこで、拝見していますと、大臣も今おっしゃいましたように、保護司に期待されている業務というのは相当範囲が広いというふうに思うんです。現時点で伺いますと、対象として平均して六万四千人の保護観察者がいるというふうに聞いているわけでございますけれども、当時、法ができたときの保護観察対象者から見ますと今は特段に保護観察者も多くなっている。特に子供が多くなっているわけです。にもかかわらず、定数は一万人はそこでふやしたけれどもそのままだし、それから実際定数も満たしていないというのが実態じゃないかというふうに思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 委員おっしゃいましたとおり、保護司の定数は保護司法の二条二項によって現在全国で五万二千五百人となっております。  御質問の保護司の充足状況につきましては、少年犯罪が激増しておりました昭和三十五年には九四・五%となりましたが、その後九〇%以上の充足率を保っているものの、過去に一度も定数を満たしたことはございません。  その理由としては、確かに特定の地域に保護観察事件が集中した場合などに備えて若干の余裕を持っておくということもございますけれども、主たる原因は、何と申しましても大都会等を中心といたしまして地域社会の連帯感が希薄化し、あるいは犯罪者の処遇という地味で困難な活動に参画するという社会奉仕の精神が希薄化しているということで、後継者の確保に困難を来しているということでございます。  今回の保護司法の改正を契機に保護司活動を強化いたしまして、少しでも現在の保護司さん方の負担を軽減するべく今後とも充足率の向上に努めてまいりたいと考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 なかなか数がわからないのかもしれませんが、現在四万八千人いる保護司の方々、幅広い仕事だと思いますけれども、保護観察の仕事に携わっていらっしゃる方というのはこの中の何割くらいが実際にやっていらっしゃるんでしょうか、教えていただきたいと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) お答えいたします。  ある時点をとらえてみますと、約五〇%ということでございます。保護司は全保護区に配置しておりまして、保護区によっては保護観察事件が非常に少なくて、保護観察事件を担当していない保護司も事件があった場合に備えて常時配置してございます。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ところで、保護司の活動の予算なんですけれども、今いろいろな予算がとられているようです。例えば仕事をしてくださったときに実費弁償だけするんだということで約三十二億円強の予算ができているわけでございますけれども、確かにこれを一人当たりにしてしまうと非常に安い金額になります。今おっしゃるように、半分の方々で分けているんでしょうか。  私も決算書で調べてみると、ほとんど不用を出していないわけです。ほとんど全部使い切っているんですね。実際に保護司の方に伺ってみますと、それであっても、実際に自分たちは本当にボランティアの形で動いている、実費がいただけないことがある、交通費なんかも自腹を切ってやっているようなことが結構あるんだという話も伺っているわけなんです。  そこで、実際にかかっている金額と予算とどのくらい乖離があるのか。せめて実費くらいお払いしなければいけないんじゃないかなというふうにも思うんですが、その辺について教えていただきたいと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) ただいまの点で若干補足しておきますと、保護観察を担当している保護司さんは約半分でございますが、そのほかにも環境調整の事務とかあるいは犯罪予防活動等に従事している保護司がございます。そのほかにも種々の活動がございまして、先ほど申し上げたのは保護観察事件をやっているという意味でございます。  毎年、全国にわたって調査をすることはできませんが、いろいろな計数等を使って実際に保護司の皆さん方がどれくらいの実費を支出しておられるかについてそれなりに計算して出しております。  平成十年度の予算請求に当たって計算しましたところでは、事件を困難度に応じてA、B、Cの三つに分けておりますが、最も困難な事件とされておりますA事件について、実際上の負担額は一月当たり五千九百七十二円、それに対しまして予算の額が五千二百十円ということになっております。B事件について言いますと、実負担額が三千四百三十九円、予算単価が二千六百十円、こういう状況になっております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 今お話を伺ったところでは、保護観察をしている人あるいは研修を受けたり、環境を整えたり、いろいろな形で活動費を使っているということでございますので、せめて交通費ぐらいはちゃんと払っていただけるようにしていただきたいなということを希望としてお願いしておきたいと思います。予算の厳しいときだと思いますけれども、ぜひその辺を配慮していただきたいなというふうに思うわけでございます。  それから次に、保護司の方が大分高齢化しつつあるという実態がございます。平均年齢が六十二・九歳と出ております。そして、七十歳以上の方が二五・六%、八十歳以上の方もいるというふうなことでございまして、先日伺いましたら、保護司をやめた方の平均が十六年あったということでございました。かなり長いこと続けていらして、それはそれでいいんですけれども、実際にこういういろいろな仕事の中身から拝見しますと、しかも対象になってきている保護観察の子供たちは非常に若い子供たちがふえてきているようでございますので、その辺、年齢のギャップ等もあるんじゃないだろうか、もう少し保護司を若返らせる手段がないのか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 委員仰せのとおり、本年一月一日現在の六十歳以上の保護司の方は六八%に達しておりまして、平均年齢が六十二・九歳であります。高齢の保護司が一概に不適任というわけではもちろんございませんが、保護観察事件等の困難度が増し、また保護観察事件の七〇%以上が少年事件であるということから考えますと、高い活動力を備えた若手切保護司も相当数必要であることは間違いないと思います。  そこで、今回の改正では、保護司がどのような活動をしているのかということを法律上明確にいたしましたし、また保護司組織を法定化して保護司組織の一層の活性化を図るということもいたしました。また、地方公共団体が保護司あるいは保護司組織に対する必要な協力をすることができるという規定も設けることになりましたので、保護司組織が組織的に後継者の確保に邁進する、そしてまた地方公共団体からの後継者についての情報をいろいろいただけることにもなるのではないかと期待しているところでございます。そのほか、我々も保護司の職務のPRに一層努めてまいりたいと考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 これは任期が一応二年というふうになっているわけですね。しかし、任期はあるけれども再任することができるというふうになっているようですが、定年というようなことは考えられないかどうか。それからまた、保護司になる方の資格というのを拝見しますと、ちょっとこれだとどうなのかという感じもするんです。  法律を見てみますと、「人格及び行動について、社会的信望を有すること。」、「職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。」、「生活が安定していること。」、「健康で活動力を有すること。」、こう書いてあるわけです。何か昔から地域の資産家にちょっとお時間があるときにお願いしますみたいな思想がずっと続いているように思うんですけれども、時間的余裕がなくても、時間をつくってそういうことで仕事をしようというような活力がもっと生まれてきてもいいんじゃないかというふうに思うんです。  国会議員の中でも保護司をやっている方もあると思いますが、例えば公務員なんかでも積極的に参加できるとなると、生活が安定しているかとか、時間的余裕があるかなどと言われるとちょっと難しいかもしれませんけれども、そういう方々も本当に自発的に参加できるような、そしてそういう方々を活用するときにちょっと休暇を与えるようなことがもし企業の方でも配慮されるとかなれば少し違ってくるんじゃないかというふうに思うんです。あるいは、会社人間が地域でそういう仕事を、またボランティアとして仕事をするということにもなるんじゃないか、こんなようなことも考えます。  この定年制の問題と、そういった資格をもうちょっと広げるということに対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 定年制の問題については、法律では特に定年を規定しているということはございません。しかし、実際には各保護観察所ごとに保護司の再任年齢の最上限、さらに最初に保護司になっていただくときの年齢の最上限というものを決めておりまして、それに従って循環をよくするように努めております。  ただ、全国的には若干のばらつきがございますので、今回の法改正を契機にいたしまして、保護司連盟等とも協議をいたしました上で、通達で全国共通の定年制を事実上決めていきたい、このように考えております。  ただいま委員がおっしゃいましたのは保護司法に規定しております具備条件の点でございますが、現在では社会的信望を有することとか時間的余裕を有することとかあるいは生活が安定していることというようなものを、あたかも素封家でなければできないかのごとく一瞬イメージされるようなことは考えておりませんで、具体的には家庭の主婦の方々にもたくさん保護司になっていただいておりますし、また一般のサラリーマンの方にも御意思があればなっていただいているのが実情でございます。  ただ、保護司になっていただくには、望ましい要件というわけでもございませんが、対象者の家庭内の問題を処理したり、いろいろ葛藤があるのを調整したり、就職先を紹介したり、あるいは学校や警察、福祉事務所等の関係機関とも連携して処遇を行うという必要があるところから、やはり保護司は地域で信望があってそれなりに種々の社会的資源を有効に活用できる人というようなことを自然に目指すことになりまして、これは保護観察の充実のためでありますけれども、そういうことでなかなか推薦してもらえないというようなこともございます。ただ、これは今後組織的に力を入れてやっていけばある程度は改善できるのではないかと予想しております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 最後に、お一つ大臣にお伺いしたいんですけれども、いわゆる保護観察期間中の再犯の発生率なんですが、これを拝見してみますと、四号観察、これは執行猶予の人たちですが、この再犯率が非常に高いんじゃないかと。三四%というのは三人に一人が保護観察期間中に再犯をしているということで、やっぱり高いんじゃないかなというふうに思うんです。もちろん保護司さんだけの問題じゃなくて、もっと全体的にこの問題は考えていかなきゃいけないのかなというふうに思うんですけれども、その辺について大臣の御見解を伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 今御指摘がございました保護観察中の再犯率の問題でございますけれども、ただいま委員御指摘のとおりに、私どもの格付でいわゆる四号観察というのは保護観察つき執行猶予者、これが再犯率三四・〇八%になっております。  この保護観察つき執行猶予者といいますのは、御承知のとおり執行猶予者の中でも保護観察をした方がいいというふうに、どちらかというとその犯情が進んでいる人について行っているわけでございます。これが三四・〇八%となっておる。全体として私は減少傾向にあるとは思うんですが、平成八年で見ますと、保護観察処分の少年で一四・四%、少年院仮退院少年で一九・七%、それから仮出獄者で〇・九%、そして委員今御指摘の保護観察つき執行猶予者で三四・〇八%になっているわけでございます。  私どもは、これを毎年毎年下げるように、これは保護観察所の者でございますとか保護司の方々、いろいろ協力して努力していかなくちゃならないと思いますし、私どももそういうふうな方向でできるだけのお力添えなり我々自身の努力もしてまいりたい、このように思います。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 円より子です。  保護司法の改正について、以前にも保護司については御質問させていただいたことがあります。そのときにも保護司の方々の年齢の高さが少し気になりまして、若い人たちの有能な人材の確保ということに努力しているのかということを質問させていただいたことがあるんですけれども、御努力はあるんでしょうが、相変わらず平均年齢が高いというようなことがございます。  今回の改正が、ここにも書いてありますとおり、保護司としての有能な人材の確保が容易でなくなりつつある一方、様々な問題点を抱える処遇困難な対象者が増加して保護司の負担が増している状況の中で、今回の支援体制の強化等を図らなければいけないということで改正になったというふうに書いてございますけれども、本当に今回の改正が保護司の方々、全国で一生懸命頑張っていらっしゃる方たちの力になり、保護観察を受ける人たちにも役に立ち、また犯罪予防ができるのか、その点についてちょっと問いたださせていただきたいと思います。  まず、ここに保護司制度に関する調査結果というものを資料としていただいたんですけれども、これは昨年の六月号の法務省保護局編「更生保護」という雑誌に出ていたものでございます。平成八年十二月から平成九年一月まで調査されたもので、全国に九百七十六の地区保護司会長という方がいらっしゃるようですが、その方と、それから二千人の保護司の方たちを無作為に抽出して調査をしたものなんです。  ここに、保護司法に保護司の職務に関する規定を設けるかという質問について、その地区保護司会長の方たちでは、新たに設ける必要はないという方が三四・二%、設ける必要があるの方が圧倒的に多くて四九・九%。ところが、会長とかそういった方ではない一般の保護司の方は、新たに設ける必要はないの方が多くて四六・三%、設ける必要があるは二六・六%と少ないんですね。  それからもう一つ、保護司組織を法律で定めてその職務や立場を明確にする、つまり法制化することについてはどうかということに関しても、地区保護司会長の方は法制化した方がよいが七〇・九%、そして一般保護司の方は法制化した方がよいは四八・三%と少ないわけですね。  このあたりのことについてちょっとお聞きしたいんですが、まず地区保護司会長というのはどういう方がなられるんでしょうか。それから、一般保護司の方たちと地区保護司会長とは随分アンケート結果が違うんですが、なぜこういう違いが出てくるのか分析なさったんでしょうか。もし分析結果がありましたら教えていただきたいんです。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) なぜそのように違うかということを特に分析したというわけではございません。  まず、保護司会長にどのような人がなっておられるかという点については、これは職業的には特定の者に偏っているわけではございません。私どもが拝見していると、宗教家などで結構会長の職にあられる方もおられます。会長の職にあられる方は長年保護司活動をしてこられて保護司活動に精通しておられる方で、やはり指導力があって、かつ会長の仕事というのは飛び回らなければいけないような仕事で、時間的余裕がある程度なければならないと。そういう人の中から各組織が選んでおられるのであろうと思っております。  今回の主要な改正点である三点の中で、地方公共団体の協力規定については一般の保護司についても賛同が多いというところでございます。  組織の法定化及び保護司の職務の明確化につきましては、一般の保護司は必ずしも賛成意見が多くはなっておりませんが、このうち保護司組織の法定化につきましては、やはり一般の保護司は組織活動に関する関心が保護司会長に比べると低いという面が反映しているのであろうと考えております。  また、職務の明確化につきましては、この規定を設けることによって新たな職務を設けることになるのではないかという負担感があって、このアンケートの段階ではそういうことがあってもらっては困るというような危惧感から必ずしも賛成ではないということでありました。  ただ、その後いろいろな会合においで具体的に意見を聞いてみまして、今回の職務の規定を新たに設置することが職務を別にふやすことではないんだ、保護司の職務を支援する観点からむしろ法律的にはより緩和しているんだということを説明しますと、賛成する方が非常に多くなってまいりました。  今回の改正に当たりましては、保護司連盟の方で代表者を選んでいただきまして、保護局の方からも数人が出まして、一昨年の九月から合わせて六回にわたって詳細な検討会を実施いたしました。その結果、保護司連盟の方もぜひこの三点については改正してもらいたいという要望のあったものだけを今回法文化したものでございます。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 ということは、アンケートのときには保護司会長と一般の保護司の方の答えに少し差がありましたけれども、その後さまざま改正に当たってこういうことだということをきちんと御説明なさった上で賛成を得てということであれば、現場の声も十分酌まれたということですね。そうなりますと、今回のこの改正が今後の保護司活動を相当活性化することができるという予想をされていると思うんですが、どのように変わるというふうに考えられていらっしゃいますでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) お答えいたします。  まず、この保護司組織が法定化されたということだけで保護司組織の権威が高まります。現に民生委員や人権擁護委員は全国で同じように公共的な性格を持った活動をしておられますが、いずれも法定化されております。  また、法定化されたということになりますと、単なる任意団体ではございませんで、それなりの公共性を持った組織として法定されているわけでありますから、保護観察所の方からもそれなりの助言、指導を行うことができるということでございます。  また、八条の二の関係を初めとして、保護観察所と保護司組織とが緊密な連携関係を保つことができるということでございます。  さらにまた、今回法定化されたことを契機といたしまして、保護観察所を通じてできるだけ保護司組織の組織活動を活性化するように指導してまいりたい。その中でも、例えばいろいろな保護司の活動の中を組織的に分担いたしまして、何々部とか何々委員とかいうようなことで分担して組織的に活動することができる。あるいはまた、保護観察の遂行過程においても、組織的にいろいろな社会的な資源を活用するべく情報を集約して役立てることができる。そういうことなどを通じて組織そのものが活性化してまいります。そのことによって全般的に保護司の職務に対する大いなる支援になっていくと考えております。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 それでは、保護司の資格と年齢についてお聞きしたいんですけれども、同じアンケートに、今現実に保護司として活動していらっしゃる方たちが、望ましい保護司としての年齢層のところに四十歳代、五十歳代というところを挙げていらっしゃいます。  ところが、先ほど清水委員からの質問にもありましたように、現在は四十代というのは七・六%しかおりませんし、五十代も辛うじて二三・六%、そして六十代が最も多く四二・五%、七十代以上も二五・六%というような状況でございまして、多分年齢を経るに従い人生経験も大変豊かになり、そしてただ白黒をしっかりつけることだけがいいことではない、あいまいな部分のよさというものもわかり、年を重ねるごとになかなか味わいが深くなっていい保護司としての活動ができると思うんです。  例えば、全然違うかもしれませんが、私は子供を高齢出産で産んで、全くそれを大変だとは思わなかったんですが、小さい子供のエネルギーとだんだん年をとってきたエネルギーとはもう全然違いまして、一緒に転び回って遊ぶなどということがだんだん疲れてくるわけですね。そういったことで若い方のエネルギーとぶつかり合うときに、やっぱり体力の衰えを感じるとかということもあるでしょうし、また心理的なものも、幾ら若い人たちの気持ちをわかろうとしてもなかなか若者の方からはわかってもらえないというギャップも出てくるかもしれません。そういった実地の体験から感じでいらっしゃるのがこの望ましい年齢層というところに出てきたんだと思うんですね。  そうしますと、今回の改正ではできる限り有能な人材に保護司となっていただきたいということもねらいの一つだと思いますけれども、この年齢をできるだけ若い方へ持っていくに当たって今回の改正で余り努力の跡が見られない気がするんですが、そのあたりがどうなのかということと、保護司の募集方法とか選考方法はどのようにしていらっしゃるのか。自薦ということができるのかどうか。例えば離婚調停などのときに調停委員に離婚経験者がほとんどいなくて、離婚のときのつらさをなかなかわかってもらえないという御相談をたくさん受けるんですが、例えばかつて保護観察を受けたという人が保護司になったことがあるのかどうか、なれるのかどうか。  先日、福祉関係の大学の教師をしている私の友人から、モヒカン刈りの学生がおりまして、その子は卒業したら少年院とかそういうところでぜひ働きたいと思っていた子なんですが、大学の福祉関係の教育実習でモヒカン刈りは受け入れてもらえないということで、モヒカン刈りをやめるか教育実習をやめるか、すごく悩んでいた子がいるという話を聞いたんです。  保護司さんの場合も、人格が保護司たるにふさわしい人ということであると思うんですけれども、資格とかそういったことを含めて、かつて保護観察を受けた人が保護司になれるのかどうか。それからもう一つは、無給ということも含めて、なかなか若い人の保護司さんを得ることが難しいということで、抜本的な改革をしないと無理なんじゃないかと思えるんですが、その辺はいかがでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 先生おっしゃるとおり、保護司の後継者の確保に困難を来していることはそのとおりでございます。  確かに選考制度を変えるというようなことも一つの方策だとは思いますけれども、実際問題として現在五十歳代半ばころまでは結構自分の生活で精いっぱいという厳しい情勢になってきていることもあろうかと思います。そういう中で、実際にふさわしい方で、保護司をやる意欲があり、社会的信望もあるという方を見つけるのに、選考制度を変えるというだけではなかなか難しいのではないだろうかと思います。  自薦ができないわけではありませんけれども、どちらかというと現在は保護司をおやめになる方が後継者としていろいろな人に相談して新たに一人を連れできていただく、それも最初は結構拒否されるのを特にお願いして、人から推薦されるような人だからそれなりの人望のある人ですから、何とかしてなっていただきたいということでお願いしてなってもらうような状況でございます。自薦がいけないわけではございませんが、一般的には他薦によっていることが多うございます。  先ほど保護観察の対象者になった人はどうかというお話がございましたが、保護観察になったということは犯罪あるいは非行を犯した者であるということが一応裁判所によって認定されたものであるということになります。現在の保護司法では禁錮以上の刑に処せられたことのある者ということが欠格条項になっていて、そこには該当しない場合が多いと思いますけれども、犯罪を犯した者を善導する、改善更生させて社会復帰させるという事柄の性質上、前に犯罪歴のある人たちにお願いするには一抹の不安がございます。  そういうことで、現在までのところはそういう経歴のある方は保護観察所長が名簿を作成する場合に登載しないでやってきております。現在の選考手続は、保護観察所が保護司にふさわしい人を保護司選考会にかけて、保護司選考会がいいと認めた者を大臣に推薦し、大臣が委嘱をするという形になっておりまして、その名簿の中に載せないようにしている、これが実情でございます。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 犯罪をした者の改善及び更生を助けるという職務であれば、当然その前提となるところに、かつて犯罪を犯した人であっても、今安定した仕事をして、社会のために役立ちたい、またそういった一度は罪を犯した人の保護更生に携わりたいともし思う人がいれば、その人を最初から資格として外すというのは、どうも私は保護司の仕事柄を考えて矛盾しているような気持ちがいたしますので、そのあたりもまたお考えいただきたいなと思っております。  それから、時代とともに保護司の仕事も変わると思います。社会状況が変われば起きる犯罪も随分変わってまいりますので、そこで、専門家でもなく、また無給という形で大変な御苦労をなさりながらやっていらっしゃる保護司さんが多いと思うんです。これは無給であっても、ボランティアとはいっても片手間でできる仕事でないことは事実でございます。  それで、研修がしばしば行われているのか、また一人ではとても抱えられないような問題があったときに常にスーパービジョンのようなものがされているのか。それから、一たん保護司になると十六年というのが平均の在任期間のようですけれども、よほどのことがない限り再任されていると考えていいと思いますが、人格的には立派な方であっても、保護司としての仕事の質という点では、チェックというとおかしいですけれども、きちんと仕事をしていらっしゃるのかどうかということのそういったものが常になされているのかどうか、そのあたりについてお聞かせくださいますか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 我が国の更生保護制度、特に保護観察については保護観察官と保護司の協働を基調として実施されているところでございまして、保護司の研修には特に力を入れております、保護司の研修は主として各保護観察所が実施に当たっておりますけれども、保護局としても保護司研修要綱というのを制定しておりまして、全国的統一と一層の充実を図っているところでございます。  保護司の研修には、その経験年数に応じて、新任保護司を対象としたもの、新任後二年未満の保護司を対象としたもの、その次に二年以上四年未満の者を対象としたものがございますし、さらに各地域において当面する問題の解決に資するため、各保護区ごとに全員参加の地域別定例研修、また処遇上特別な配慮を要するものの取り扱い等に関する専門的知識、技術の習得を図る特別研修などがございます。各地における犯罪、非行の実情や時代の変化に対応して柔軟にテーマの設定をして進めているところでございます。  例えば昭和五十年代には万引きや自転車盗など占有離脱物横領に関する犯罪が多くて、このテーマについての研修がたくさん組まれましたし、また六十年代にはシンナー等の有機溶剤や覚せい剤の乱用の増加に関するテーマが多く取り上げられました。また最近では、少年非行の複雑かつ困難化している現状にかんがみまして、各種の研修には少年の意識や行動について保護司の理解を深めるために少年問題を取り上げることが多くなっております。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 先日、この法務委員会の視察で関東医療少年院を見せていただきました。そのときにちょうど二十人近い十代の少女たちの勉強風景を見せていただいたんですが、恥じらいを見せてにこっと笑っているかわいい少女たちが多かったんですけれども、後でお聞きしますと、覚せい剤ですとか売春ですとか、そういったことで肉体も精神も傷を負ってまだいえていない子供が多いということでございました。  今調べていただいた過去五年間に少年院を仮退院した女子少年の人数といいますのは、平成五年が五百四十三人、六年が四百十六人、七年が四百三十四人、八年が四百八十三人、九年が四百七十二人となっていますが、こういった仮退院した子供たちが保護観察になりましてこれから自立して生きていこうというときに、保護司の方たちは大変大きな支えになると思うんです。こういった子供たちは、今高校は九五%ぐらいの進学率でほとんど義務教育化しておりますけれども、仮退院して保護観察の子供たちが学業に戻るというようなことがかなりあるのか、それともほとんど戻らないのか、また学業に戻れるような努力を保護司さんがしてあげているのかどうか。  もしそのあたりのことがわからなければ、これはもう一つ文部省の方にお聞きしたいんですが、特別に高校へ戻れるような配慮、経済的なことも含めてなんですけれども、こういったものは文部省としてはしていらっしゃるのかどうか、お聞きしてみたいと思います。よろしくお願いします。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 少年院の仮退院者は一般に非行性が進んでいるというように思っておりまして、資質、環境等に関して更生を阻害する要因が多い、したがって保護観察処遇に困難が予想される者が少なからずいる、このように考えております。したがって、各少年の非行態様や環境条件等を的確に把握して適切な処遇をしなければならないと考えております。  委員御指摘の復学の問題に関しましては、少年院に入っている者で学齢の者については仮退院後の復学が円滑に進むように、環境調整といいまして、まだ在院中から保護司が学校等関係機関あるいは父母等の間を行ったり来たりして調整を図るという努力をしておりますし、これはほとんど全員について行っていると思います。  また、家庭がないとか引き受けを拒否されたとかいうことで帰るところのない者たちについては更生保護施設で収容するようにしております。更生保護施設については、職員が少年の親がわりになって生活全般にわたって指導、援助を行う体制になっております。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 少年院を退院された方で高等学校への入学、編入学を希望する者についてのお尋ねでございますけれども、私どもはこうした子供たちを含め、高等学校に一たん入っても中退をした、そういう子供がまたもう一度戻ってきたいとか、あるいは海外に行った子供がまた高等学校に戻ってきたり、そういう中学校を出て高等学校にそのまま行った子でない子供たちについても、高等学校で学びたいという気持ちを持っている子供たちに対して柔軟なシステムでこれを受け入れるということは大変重要なことだと思っています。  ただ、少年院を退院した人たちに対して特別に何かというのは、入学者選抜の問題その他ございますので、特別にということはなかなか難しいわけでございますけれども、システム全体でこれを考えていく必要があるだろうと思っております。  ちょっとお時間をいただいて簡単に申し上げますと、高等学校のシステムは学年制というのが一般的ですけれども、学年制をとらない、単位を積み上げていって卒業できるような単位制というものを普及するというようなことが一つあります、それは高等学校自体のシステムですけれども。  入学者選抜につきましては、調査書あるいは学力試験ということだけにとらわれない、生徒が進学動機等をみずから記述した書類といったようなものを選抜資料として活用するとか、面接ですとか学校外の団体等からの報告といったものを活用して選抜の資料にするというような選抜のあり方の工夫、それから編入学の場合ですと、編入学の時期等につきましても一年に一遍ということではなくて学期あるいはその他随時に生徒が高等学校に入ってこられるような工夫、そういった高校のシステム、それから入学者選抜のあり方、それから編入学のあり方全体を通しで高等学校のシステムの柔軟化ということでこの問題につきましても取り組んでいく必要があるのではないか、そんな形で今取り組んでいるところでございます。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 あえて私が女子の仮退院等についてちょっとお伺いいたしましたのは、例えばまだ十代で、もちろん今十六歳で女性の場合は結婚ができますが、法的な婚姻をしていなくて妊娠をしたり子供が生まれたというようなときに、女子の場合は退学をしてしまうケースがかなり多いんですね。本人の希望だけじゃなく、周りの状況から退学せざるを得ない状況というのがいまだに多いと思うんです。  本来でしたら、子供を産み育てながらでもまた学業ができればその後随分いい結果を生むのかもしれないと思うようなケースもやめざるを得なくて、例えば売春ですとか覚せい剤ですとか、そういったことをした子供たちが少年院にいたからといって、もちろん差別されることなく柔軟に対応していただいて入学、復学ができるということですが、女子の場合の子供を産んだり妊娠をしたりというようなときにはどんな対応をしていらっしゃるのか、もし文部省の方でありましたら教えていただきたいんです。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 個別の事例がさまざまでございますので一概に申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、現在でも高等学校におきましていわゆる教育相談というものの機能は大変重要なことだというふうに考えております。本来、校内の先生方がいわゆるカウンセリングマインドというものを充実させてこれに対応していくということが大切なわけでございまして、そういった面でも力を入れておりますが、現在は外部の専門家としてスクールカウンセラーという人たちにも学校に来ていただいて、そういった面の対応もするというような取り組みもしております。  それから、先般、昨今さまざまな事件が続くということで、私どもも協力者の先生方に御議論をいただいて御報告をいただいたわけでございますけれども、単に学校だけではなくて、さまざまな関係機関との連携の中で一人一人の子供たちを支援する、そういうことの大切さが指摘されているところでございまして、これまでもいろいろとやってきたわけでございますが、今後もそういう関係機関との連絡を図りながらこの面の対応の充実を期していきたい、こんなふうに思っております。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 文部省やまた地方公共団体としっかりとした連携をしながら、今後、保護司の方々が犯罪予防のため、また保護観察中の再犯を防ぐために頑張って活動していただくことを希望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

大森礼子公明

○大森礼子君 公明の大森礼子です。質問します。  今回の改正の骨子の中に「保護司組織を法定化する」というのがあるわけですけれども、民生委員とか人権擁護委員との関係で一つ素朴な疑問がありますので、これをまずお尋ねいたします。  民生委員法は昭和二十三年の法律ですが、この中に既に民生委員協議会の規定がございます。それから、人権擁護委員法は昭和二十四年制定の法律ですが、人権擁護委員協議会というのが規定されてあります。両協議会の任務は、文言は多少違うんですけれども、職務に関する連絡及び調整、必要な資料及び情報の収集、それから研究及び意見の発表等と共通しております。今回の改正案での保護司会の任務もこれに対応するものだと思います。  それから、人権擁護委員法の方では都道府県人権擁護委員連合会というのが規定してありますけれども、この任務は協議会の連絡及び調整、それから資料及び情報の収集、研究、意見の発表等でありまして、今回の改正案で新設されることになりました保護司会連合会の事務に対応するものであると思います。  保護司法の方は昭和二十五年に制定された法律でありまして、民生委員法とか人権擁護委員法が制定された後の法律になるわけです。  そこで、素朴な疑問として、なぜ保護司法では、当初、協議会とか連合会に対応するものを規定していないのか、当時は必要性がなかったとされていたのか、最近になって必要となったのかどうか、このあたりについてお尋ねしたいと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 保護司制度は戦前の司法保護委員の制度を引き継いだものでございまして、その司法保護委員に関して、戦前には司法保護事業法というのがございました。昭和二十四年にこの司法保護事業法を改正いたしまして現在の犯罪者予防更生法になったのでございます。その際に、保護司組織についての規定は消えたのでございます。その一年後ぐらいに、昭和二十五年に保護司法は成立しているわけですが、そこでは実は当時の連合軍総司令部、GHQの方と意見の対立があったとされております。  その対立の主たる点は、連合軍の考え方としては、更生保護というものは本来公務員が行うべきであって、民間に任せるべきものではないという根強い考え方があったそうでございます。そういうことで、事務当局が作成したこの改正案の中には保護司についての詳細な規定があり、組織についてもあったそうでございますが、それらが消えて保護司組織が法定化されない状態になったと思われます。

大森礼子公明

○大森礼子君 当初の経緯がそうであるとしましても、普通、役割とか非常に共通するものがございますので、同じような組織化というのを必要とする声はこれまでもあったのではないかなという気がするんですね。  それで、今回改正されますと、そこら辺の組織化、法定化はできるわけなんですけれども、やはり遅すぎた改正と言ってよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 確かに委員おっしゃるとおり、この更生保護の分野に関しては、平成七年に更生保護事業法の制定が行われました。これは更生保護施設に関するものが中心でございますが、それに引き続いて更生保護制度を少しでも整備していくべきであるということで、直ちに保護司法の改正作業の検討会に入って、今回こういう運びとなったわけでございます。  そのほか、いろいろこの更生保護の分野に関して、まだまだ検討して現在の情勢に合わせた法制度にしていかなければならない点なども見えておりますので、今後ともできるだけ早期に努力をしてまいりたいと思っております。

大森礼子公明

○大森礼子君 次に、更生保護というのは社会において非常に重要な役割を果たすわけですけれども、更生保護に協力する団体として更生保護婦人会、それからBBS会というのがございます。  法務省保護局の調査連絡課が調査した結果をまとめた保護司制度に関する調査結果によりますと、保護司の適任者を得るために有効と思われる方策として、こういう更生保護婦人会の会員の方とかBBSの会員の方、それから協力雇用主などから積極的に保護司になってもらうのがいいのではないか、こういう意見も多かったというふうに聞いております。  そこで、まずお尋ねするんですけれども、この更生保護婦人会、それからBBS会というものがどのような活動をしている団体であるか、それからこういう団体と法務省保護局との連携というのは、あるいは協働関係といいますか、これはどのようになされているのか、これを教えてください。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 更生保護の活動は地域の人々の幅広い連携、支援を必要としているのでございます。中でも更生保護婦人会、BBS会、さらに協力雇用主は、更生保護の民間協力者として組織的に犯罪予防活動、保護司活動に対する協力活動、保護観察を受けている者に対する援助活動、刑務所や少年院の訪問活動など多様な活動をしていただいており、まことに貴重な存在であると考えております。  保護局としては、これらの組織が民間の自主的組織であることにかんがみて、その自発性を十分尊重しながら、その実態を常時把握いたしまして、必要に応じて助言を行いつつ、これらの協力組織と緊密に連携して更生保護行政を進めているところでございます。  特にBBSは更生保護に協力する青年有志の活動でありまして、将来この中から有力な保護司候補者を得ることができると考えております。このBBSは、現在は大学の中の学域BBSという方面で非常に伸びを示しておりまして、大いに大学生という若い人たちが更生保護に理解を示してくださって、その道に少しでも協力してくださることを私どもも心から願っている次第でございます。

大森礼子公明

○大森礼子君 先ほど、清水委員、それから円委員の方からも、要するに保護司の若返り策というのを考えなくてもよろしいのかという質問がございました。  実は平成九年八月十四日の朝日新聞の記事ですけれども、「保護司 若返り作戦」という見出しです。「法務省が法改正へ」とありまして、「求む「話通じる青年」」、こういう見出しなんですね。それで、記事の最初の説明のところは、「求む、兄貴分−。保護観察中の非行少年らを指導し、相談相手になる「保護司」制度の活性化に、法務省が取り組むことになった。」と、こういうことで始まる記事なんです。  要するに、保護観察対象者の八割近くが未成年であるため、保護司の方が余り高齢であると共通の話題がなく、心も通じ合わないということから、二十代、三十代の青年なら非行に走った子供たちとジェネレーションギャップがないということで、そういう少年たちの心をつかむのではないか、こういう記事内容です。「法務省が期待しているのは、たとえばこんな保護司だ。」と書いてあるんですね。  それで、こういう目的のために法改正という記事だったものですから、今回の法改正が保護司の年齢若返りにとって何かより有効なといいますか、そういうのがばっと前面に出るのかなと思いましたら、実際何かちょっとそこの若返りとこの改正の内容との因果関係というのがよくわからないわけです。もしかしたらこの記事は間違っているのかなという気もするわけなんですけれども、今回の法改正では保護司の若返りというのはターゲットに入れておられるのでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 私どももその新聞記事は承知しております。  その新聞記事が出たときに、年輩の保護司さんから、もう我々は要らないのかと言わんばかりの御下問がありました。  私どもは保護司が若返らなければならないということだけを考えて今回の法改正に着手したわけではございません。また、年輩の保護司の皆さん方が私たちが想像する以上に大変な努力をしてくださって、実際にも年齢が高いがゆえに少年と心が通じ合えないというようなことは現場からはほとんど報告がなされておりません。実際、十年、二十年、三十年と長い期間にわたって保護観察をやってこられて、それなりに能力も高くなり、知識も豊富になって、また人生の社会経験の豊富さがそれに功を奏して、少年を立派に導いてくださっております。そういう意味で、年輩の保護司さんも大変よくやってくださっていると思っております。  ただ、六十歳以上の保護司さんばかりが現在いるということは、やがて将来のことを考えると先細りになる危険もある、また実際に最近の犯罪予防活動等のことを考えると若い活動力のある保護司さんも必要であるということから、若返りを念頭に置いていろいろ後継者の確保に努力していることも間違いございません。  先ほども申し上げましたように、なかなか自分の生活で精いっぱいなところへ保護司の仕事というのはある意味では非常に危険を伴うことでもございまして、そう無理やりというか強引に進めていっても功を奏するものではありません。そういうことをいろいろ考えながら、できるだけ若い人たちにも保護司になってもらうべく努力は続けているところでございます。  今回の法改正で組織的対応をするようになり、また地方公共団体との連携が深まっていきますと、この問題はかなりの効果が期待できると考えております。

大森礼子公明

○大森礼子君 高齢者だからだめだと一概にはもちろん言えません。ただ一方で、人生経験豊富であるという反面、年をとると頑固になるという傾向もありまして、他方で若くてもしっかりした人もいるしそうでない場合もあるし、要するにその人の人格という問題なのかなという気もするわけです。  ただ、保護司若返りということが記事になりましたことから、若返りということを考えるときに一番問題になるのは保護司法の三条の要件ですね。先ほども他の委員から質問が出ましたけれども、それは「人格及び行動について、社会的信望を有すること。」、「職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。」、「生活が安定していること。」、それから「健康で活動力を有すること。」と、この基準というか要件ですが、「すべての条件を具備する者のうちから、」とあるんですけれども、この条件の中身が非常に測定不可能なような基準でありまして、例えば生活が安定していることといっても、これは何を基準にするのか。借金がないことなのか、それとも何かに寄附行為をしてもいいというほどゆとりがあることなのか、非常に幅があると思うんですね。そうであったとしても、例えば社会的信望を有すること、時間的余裕、それから生活が安定していること、ここを厳格に要求されますと、若い方にはここのところで当てはまらなくなるという気がするわけです。  そこで、この条件自体が何か基準があってないようなところもありますし、他方でもし保護司の若返りということを阻害している面があるのであれば、この条件自体をもう一度検討し直す必要があるのではないかなという気もするんですけれども、保護局はどのようにお考えでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) この具備条件については、法律が制定された時代もあわせて考えると、あたかも各地方の名望家を念頭に置いてつくられたかのごとき印象を与えかねないという面は確かにありますので、今回の全国保護司連盟との六回にわたる協議会の中でその点も検討したところではありますが、現実に無職の人、主婦の人なとたくさんの方、またはサラリーマンの方なども既に保護司として入ってきてくださっておりますので、現時点においてこの条文が保護司の採用に支障になるという状況にはなっておりません。したがいまして、将来の検討課題ではあるとしても、保護司連盟と検討した結果としては今回は改正しないということになったのでございます。  そうは申しましても、議員おっしゃったように、そういう印象を与える危険もなきにしもあらずでありますので、今後、保護司に関する広報等、あるいは後継者確保のいろいろな努力の中でそういうような間違った解釈をしていただかないように一生懸命努めてまいりたいと考えております。

大森礼子公明

○大森礼子君 次に、地方公共団体との協力関係についてお尋ねいたします。  地方自治法二百三十二条の二は、「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」と規定してあります。これは支出についての規定であります。単純に考えまして、支出ができるのであれば、その必要な協力といいますか、これも明文がなくてもできるのではないかなというふうに思ったわけですけれども、今回の改正案の中で、特にこの地方公共団体との協力関係を明文化した理由は何なのでしょうか。それに具体的にどのような協力を期待できるのでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 今回の法改正においては、地方公共団体の保護司組織に対する協力、必要な協力をすることができるという規定を設けました。それと同時に、保護司の職務としても地方公共団体の防犯活動に協力するという規定も設けました。お互いに犯罪の防止という観点で相互の協力関係が深まることを期待しての規定でございます。  具体的には、このような規定を設けることによって犯罪防止活動が一層効果的に行われるようになるとか、あるいは地方公共団体の方から人的、物的支援をいただく機会が多くなるということを期待しているのでございます。  この必要な協力というのを具体的に申し上げますと、例えば人的な協力としては、地方公共団体の職員を保護司組織が行う研修へ講師として派遣していただくとか、あるいは保護司組織の事務局の事務を支援していただくというようなことが考えられますし、物的な協力ということになりますと、保護司組織の会議、研修などに地方公共団体の会場を使わせていただくとか、あるいは研修に際して地方公共団体のバスを無償提供していただくとか、こういうことは実際には全国各地でその程度はまちまちでありますけれども既にやられておりまして、こういうことをできるだけお願いしたい。さらにまた、保護司の候補者の人材に関して情報を提供していただくとか、あるいは地方公共団体の広報紙に保護司関連記事を載せていただくとか、あるいは保護司の顕彰といったことなどを考えております。  最後に、財政的支援の問題については、今回の改正では地方公共団体から補助金をいただくというようなことは念頭に置いておりませんで、そちらの方は既に地方自治法の二百三十二条の二の方で地方公共団体によっては財政的支援をいただいているところでございます。したがって、今回の十七条関係では人的、物的な支援を想定してのものでございます。

大森礼子公明

○大森礼子君 ありがとうございました。最後に、法務大臣にちょっと御決意を伺いたいということです。保護局は定員二十二名の少人数の部局であると聞いておりますが、その下に社会奉仕精神を抱いてボランティア活動をされる五万人弱の保護司の方がおられるわけです。私、検事の仕事をしておりまして、捜査して処罰すべきは起訴して公判維持するわけですけれども、その中で更生保護ということを考えまして、もしかしたら更生保護の方がはるかに価値的な仕事なのかなというふうに感じたこともございます。更生保護ということは、本人自身やその家族の幸福につながるということはもちろんでございますが、再犯防止に効果を生ずることによりまして、国の方も捜査費用とか裁判費用とか矯正経費の負担が減るのではないかな、こういうふうに私は思っております。  行政の税金のむだ遣い等が指摘される中で更生保護活動の社会的価値も考え合わせますと、保護局は日本の行政組織の中で最も生産性の高い価値的な局と言えるのではないかなというふうに私自身は考えております。しかし、これも無報酬の保護司さんの協力があってのことでありまして、その努力に報いるためにも、先ほどいろいろ実費弁償とかそういう話もありましたけれども、法務省はそういう点についても十分考えていただきたいと思いますし、それから更生保護活動そのものにもっと光が当たるように努力していただきたいと思いますが、この点につきまして法務大臣の御決意を簡単に伺いまして、質問を終わります。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 御説のとおりだと思います。  今回の法律改正は実ば予算措置まで前提にしてお願いいたしておりませんでした。しかし、法令上の権威が与えられ組織が与えられ、そして地方公共団体との関係も明確化されます。私はそういうふうな意味で保護司の皆様方がさらに活気を持って、個人個人はもちろんのことでございますが、また組織的にも御活躍いただけるものと、そしてまたそういうふうな方向に私たちは努力しなければならない。  その一端といたしまして、委員御指摘のように、やはり今、実費弁償とはいえわずかでございます。保護司そのものに対するものと、あるいは保護司の組織に対するものと、両方の問題があろうかと思いますが、これらの問題につきましては法務省といたしましても最善の努力をいたしたい、このように思います。

大森礼子公明

○大森礼子君 終わります。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 私は保護司法の一部を改正する法律案に全面的に賛成の立場でございます。  幾つか質問を通告しておりましたが、その中には既に他の委員から具体的な質問がなされたものもございますので、重複しない範囲で質問をいたしたいと思います。  私の住んでいる町にも復帰前から長年に及んで保護司をしておられる中川智晴先生という方がおられます。山口県の御出身でありますが、沖縄に移り住んで、歯医者さんを経営しながら本当に献身的な保護司としての活動をしておられまして、恐らく沖縄県でも一番古い御経歴の保護司の先生ではないかなというふうに思っております。私も日ごろから中川先生にいろいろ御指導いただいておりますが、はたで見ておりまして本当によく頑張っておられるということを常々感じておるところであります。  このように一生懸命地域で更生保護のために尽力されている保護司の皆さん方のためにも、私は今度の法改正は非常にタイムリーな改正であるというふうに思っております。  そこで、更生緊急保護の申し出件数、あるいは件数が詳細に把握できないのであればその内容についてお聞かせ願いたいと思うのであります。  実は私は刑事弁護人として国選事件を担当したときに、ほとんど身寄りがない、そして野宿のような生活を繰り返して、現金が全くなくなってしまうと特飲街で売春をして現金を得る、こういう高齢の女性の窃盗事件を担当したことがありました。しかも、その窃盗の内容は雑貨店で缶詰を盗んだという事件であったわけです。それで、裁判の結果、執行猶予になったわけですが、私は拘置所に法律事務所の職員ともども迎えに行きましてその女性を一時我が家に預かって、身寄りを捜すのに非常に苦労をしたという経験がございます。  恐らく仮退院、仮出獄をされた方、あるいはまた満期で出所された人たちが仕事がすぐには見つからない、当座の衣食住にも窮して、場合によっては再犯に走ってしまうというケースもあるのではないかというふうに思います。そういう人たちが本人の申し出に基づいて更生緊急保護の申し出という仕組みがあるやに聞いておりますけれども、その実態について詳細をお話しいただければありがたいなと思います。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 更生緊急保護については犯罪者予防更生法四十八条の二に中心として書いてございまして、刑事上の手続による身体の拘束を解かれた満期釈放者、執行猶予者、起訴猶予者、これらの者が親族、縁故者等からの援助を受けられない、あるいはまた公共の衛生福祉その他の機関から保護を受けることができない場合、またはこれらの援助、保護のみによっては更生できないと認められる場合に、本人の申し出に基づき、身体の拘束を解かれた後六カ月を超えない範囲内において緊急な保護の措置を講じ、再犯防止と速やかな更生を図るものでございます。  更生緊急保護の申し出人数は増加傾向にありまして、平成九年には七千五十九人となっております。  措置の内容といたしましては、食事、衣料の供与、医療援助、帰住のための旅費の支給等を行っておりますほか、更生保護施設に委託して食事、宿泊の供与、補導の実施などを行っております。特に更生保護施設は生活の援助、生活訓練等を行う場として重要な役割を果たしていると考えております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 保護司の保護観察の職務の中で、就職のあっせん依頼というんでしょうか、恐らくそういったものがかなりの件数で行われているんじゃないかと思います。長引く不況の中でまともな人でもなかなか就職が難しいという状況でありますが、このような保護観察の職務の一環としての就職あっせんなどは実態はどういう状況にありますでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 保護観察の実施過程において、保護司は対象者の就職について、知り合いの事業主に頼んだり公共職業安定所に対象者を同道するなどして就職の援助を行っておりますが、保護局においてその件数については具体的には把握しておりません。  また、更生保護に対する民間協力者の中に、先ほども少し触れましたが、犯罪者や非行少年を積極的に雇用していただいている、私どもが協力雇用主と呼んでおります方々がおられまして、平成九年四月一日現在で全国で四千四百七人がこの協力雇用主として登録していただいております。また、そこに雇用されている保護観察対象者は平成九年四月一日現在で八百十一人となっております。  保護局としては、対象者の就職を援助しその更生を促進するためにも、協力雇用主の拡大について今後とも努力していきたいと考えております。また、更生保護施設については、大変熱心に就職のあっせんをしてくれておりまして、私が視察に行ったときなどにいろいろ聞いてみますと、常時は何とか就職ができる、ただ最近は不況の影響で更生保護施設で一生懸命努力しても職につけない者がやはり出てくるということを言っておりました。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 保護司の高齢化傾向にどのような有効策を考えていくのかということについては先ほどからいろいろ議論があるので省きたいと思いますが、一方で、保護司の職務の性格上、社会的な経験を多く積んでおられることだとか、あるいは就職のあっせん、紹介等にしてもどうしても高齢の方の知恵あるいは援助が必要ではないか、こういうふうにも思われます。  さらにまた、保護司組織と地方公共団体の関係強化のことについても先ほど質問、答弁がありましたので省きますけれども、ともあれ地方公共団体の協力が積極的に得られるような仕組みづくりに努力を尽くしていくことが本法改正後も必要になってくるだろう、こういうふうに思うわけであります。  最後に、よく累犯を繰り返したりあるいは再犯に陥ったケースというのがかなりセンセーショナルにマスコミ等で報道されるようなこともありますけれども、保護司さんの地味な協力、援助を得て見事に更生した、立ち直った、こういうふうなケースについては、その保護司さんの苦労としては残りますけれども、マスコミにはなかなか出てこない。私は、むしろそういうケースこそ機会を見て積極的に国民にアピールをする、そのことによって保護司の職務の重要性ということも国民から認知されるだろうし、また見事に更生したということがアピールされることによっていろんな好影響を与えると思いますので、そこら辺の対策をぜひとっていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 日々苦労なさっている保護司の皆さんのためにも、今回の法律がその社会的地位やあるいは今後の仕事を一層進めていきやすくなる上で機能することを期待して、本法案に賛成するわけでございます。  最初に、保護観察官の現状について質問させていただきますが、現場の保護観察官一人当たりの負担量、すなわち保護観察事件数は最近ではどのぐらいになっているかという問題です。  管理職を除いて観察業務に直接携わる観察官は常時一人当たり九十件前後の事件量を担当なさっているというのが一九九四年の資料だと思うんですが、こうなりますと、勢い観察官の仕事はデスクワークに追われて、肝心の保護観察の実態そのものに触れて力を注ぐことができにくくなる、保護司に任せきりになる、こういった実情も聞くのですが、こうした現状はいかがでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 保護観察所の保護観察官は全国で九百五十一名でございまして、議員仰せのとおり、管理職員、更生緊急保護や保護司の研修等に専門的に従事している者を除きまして、直接事件処理に当たる保護観察官は現在約六百名であります。保護観察官一人当たりの年間担当事件数を平均してみますと、保護観察事件二百三十七件、環境調整事件百二十二件の計三百五十九件でございます。現場第一線の保護観察官はそういうわけで極めて多忙な状況となっております。  そこで、引き続いて事務処理の合理化に努めるとともに、保護観察をめぐる情勢変化を踏まえて所要の人員の確保に努めてまいる所存でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今の御答弁で実態がよくわかりました。したがって、保護司さんの充足も大事ですが、保護観察官の不足を解消して保護司さんと十分協力し実態を把握してやっていくことが大事な課題になっていますね。  横浜の保護観察所の場合、伺ってみますと五十人ないし六十二人となっているようですが、せめて担当三十人前後にしてほしいという要望が出されているようであります。  この増員の問題については大臣の方でも御尽力をいただく課題ではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 保護局関係の職員は全国的に何しろ大変少ない、本省もそうでございますけれども。仕事はいよいよ重要になってまいります。そういうようなことから、今回は保護司法の改正ということでお願いしていると思いますが、委員御指摘のとおりに、ただいま政府委員から説明がございましたような負担件数を持っておるわけでございまして、なかなか厳しい情勢でございますけれども、配慮してまいりたい、このように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 厳しいようですが、解決に向かって御尽力いただくということを御期待申し上げて、次の質問に移ります。  次は、保護司さんの現状の問題ですが、外国にも保護司制度が存在するわけでございます。  我が国としては、処遇困難な保護観察者が激増している、あるいは保護司の適任者の確保が高年齢者に集中して、若い方になっていただくのがなかなか困難だという状況もあるなど、現状を打開する対策として検討を要する問題がいろいろあるわけです。  そういう点で、外国の、例えばアメリカの例を考えてみますと、かつて法務省の保護局調査官であった岩井敬介氏がアメリカの篤志家活動を通して考えた「新しい保護司活動についての展望」というレポートを一九七〇年にお出しになっていらっしゃいます。それを拝見してみたんですが、その中で、我が国と比較いたしまして、専門職がかなりいらっしゃるんです。お医者さん、牧師さん、弁護士さん、教員、ソーシャルワーカー、こういう方が四割を占めている。日本ではとても考えられないと言ってもいいぐらいな状況なんです。そういう意味では、保護司の仕事に対する社会的認識度合いがアメリカではかなり高いということも言えるでしょう。  我が国では、宗教家が一一%、教員が一・九%、医師が〇・三%、弁護士が〇・一%など、これらを合わせて全体で一四%にもならないのが現状でございまして、私ども弁護士会も、また弁護士自身もこういった面での努力を反省しなくちゃならぬと思っておりますけれども、こういった専門性を持った方にも保護司になっていただくというような方策を法務省としてももっと積極的に御検討なさる必要があるのではないでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 我が国の保護司制度は、保護観察対象者と同じ地域に住む保護司が常に対象者の身近にあって、夜も昼もなく自宅に招き入れて相談に応じその更生を援助しているというところに大きな意義がございまして、これを継続していくことは大きな意義があると思うのであります。  外国に関してはまだ研究はそれほど進んでおりませんで、いろいろな国のことはわかりませんが、同様の制度を持っている国が多々あると聞いておりまして、現在、私どもも一国ずつ制度を研究していっているところでございます。  保護司に専門家をもっと迎えたらどうかという御質問でありますが、本年の一月一日現在の社会福祉事業関係者、教員、医師、弁護士等の保護司は約四・七%でありまして、委員が今おっしゃったようなアメリカの状況から比べれば非常に寂しい状況にあると思います。  困難な対象者が増加しつつある中で、このような専門的な知識を持った保護司の方が増加することは大変喜ばしいことであると考えますので、今後とも努力はしてまいりたいと思っております。  ただ、そうすぐに増加するとも思えませんので、例えば覚せい刑事犯に対する対処の方法、処遇の方法ということについては、保護司に対するあるいは保護観察官に対する研修を充実させることによって当面は補っていきたいと考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 お話はわかりましたが、困難だということを認識されながら当面ということをお話しになっての対策は聞きましたが、思い切って視野を広げて、国際的な水準とまではなかなかいきませんが、我々司法の一端を預かる者も含めてみんなで努力をしていく必要があると思いますので、法務省としても一段の努力をお願いしたいと思うわけです。  次に、アメリカのさっきの例を見ましても、女性が多いこと、若い方が多いことが一つは特徴的に言えるわけですね。我が国の平均年齢、男性は六十三歳、女性は六十二・七歳といった状況に比べましても、若い方にもっともっと活躍していただくということは先ほどから議論があったとおり大事でございます。神奈川である男性保護司の方からお話を伺ったんですが、十代の女性がいらっしゃって、これの保護観察をやらなくちゃならぬ。そうしますと、保護司さんがお年寄りですから、なかなか話が通じないというより、対象者が物をなかなか言いにくいというか言ってくれない、親しみを持ってくれないということで、保護司さんが悩まれているというお話を聞きました。  こういう場合は、若い方の気持ちもよく理解できるし、若い者もこれは話ができるという信頼感を持てる、ある一定の若い保護司さんに当たっていただくということにするといいと思うんですが、さりとてベテランの保護司さんの経験と持っていらっしゃる見識というのも大事ですね。そういう場合は、若い方とお年を召された経験豊かな保護司さんとがペアになって帯同してやる、こういった親切な対応も私は今後は考えていく必要があると思います。  特に若い人の少年犯罪を含む最近の事件の激増を見ますと、本当にこれを更生させていくためには、思い切ったそういう措置も含めて、人員増も含めて検討する必要があると私は痛切に思うんですが、そういったペアの仕組みはなかなかつくられていないようですね。こういった現状の改善についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 確かに保護観察の実効を上げるためには、一人で対応するよりも二人で対応した方がより客観的に見ることもできるし、いろいろ処週の方法もより豊かになるということはまさに委員おっしゃるとおりでございまして、私どもも保護観察官について、現在既に一人の対象者を二人の保護観察官で見てお互いに研修し合うという制度を設けて試案を実行しているという状況でございますが、そういうことをやっております。保護司さんについても、これはそう数は多くないのでありましょうが、各保護区に主任保護司というベテランの保護司を一人ずつ配置しておりまして、対象者から面接でいろいろ聞くときには二人で聞くということは全国的に既にやっております。  今後できるだけ先生がおっしゃった年齢の点あるいは経験の点などを組み合わせながら、より有効に保護司としての職務が遂行できるように考えていきたいと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 この問題で私も幾つかの点を指摘しましたが、各委員から指摘された点もそれぞれ重要な意味を持っていると思います。  大臣は所信表明において、「近時、処遇困難な保護観察対象者が増加しております。」ということで、一方、「保護司適任者の確保が困難になりつつあります。」ということで、困難な面も御指摘になって改善の意向を示しておられます。  私は、この法が施行される機会に、募集方法に思い切った新たな発想、そしてまた実際の運用に適切なこれまでの経験を生かして新たな発想を、そしてまたここでの議論や多くの関係者の意見を入れながら、諸外国の例も含めて検討を進めるなど、省内に積極的な検討の会議をお持ちいただくように大臣からも関係部局に御指導いただいて、この法案が実りあるように進めでいただくことをぜひお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 会議を設けるのがいいかどうかはともかくといたしまして、御指摘の点は極めて重要なポイントだろうと思います。  高齢化の問題がまず一つございました。この問題につきましては、保護司自身の仕事というふうなものが場合によっては三つぐらいに分けられる。ところが、高齢の人たちは地域の名士の方が多いわけでございます。心情もよくわかるし、それから具体的に仕事のお世話だとか何だかんだということはもう本当にすばらしいほど御協力いただいているわけです。  それから、気持ちをわかってどういうふうにするかということになりますと、それは年齢の若い人なんかがいいと思います。たまたまBBSの大会がこの前ございまして、皇太子、同妃殿下も御出席いただいて御激励をいただいたわけでございますが、そこにおける発表なんかを聞いていますと、そういうふうな若い人たちが保護司さんあるいは観察所の職員と一緒になって具体的に更生をやったような事例なんかを聞きまして、本当にこれはすばらしいなと思ったこともたくさんございます。  そういうふうな意味で、更生保護に当たる人は、今回は保護司の法律改正をお願いいたしておるわけでございますが、この人たちが中心になることは間違いございません。そして、その周辺にいろいろな組織がありますから、例えばBBSならBBSにしましても、そういうふうな中から保護司の方へどんどん優秀な方、熱意のある方、適任者に来てもらうとかいうふうな形でいろいろ考えでみたいと思いますし、関係者もたくさんおりますので相談を続けてまいりたい、このように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 最後の質問ですから簡単に聞きます。  社団法人全国保護司連盟というのがありますが、これは法務省の監督指導を受けているはずです。ここの会長の衆議院議員在職二十五周年を祝う会というのがでございまして、会費は一万円、パーティー券ですが、案内状にもこれは政治資金規正法に基づくパーティーであるということが記されている。こういう会合で、全国保護司連盟という社団法人の名前で資金集めがやられるということは、法改正によって保護司組織が法定化され社会的にきちっとした権威を持っていくというときに、こういうことは余り好ましくないのではないかと私は思うんです。  法務省としてこういった問題について適切な指導を最後にお願いしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 御指摘の件については検討いたしてみました。今お話しのとおりに、これは衆議院議員二十五周年勤続をお祝いする会合ということでございました。たまたまその方が全国保護司連盟の会長をなさっているということでございます。  もともと保護司関係の組織というものは政治的に中立てございますし、今後もそうでなければならない、このように思います。したがいまして、保護司連盟が主催してやったということではなくて、会長さんの二十五周年のお祝いだということで参加されたんじゃないかと思いますけれども……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 案内状は保護司連盟事務局で出ている。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) これは余りいいことじゃございませんので、そういうふうなことがないように指導してまいりたい、このように思います。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 数年前、下稲葉大臣がこの法務委員会の理事さんをやられていたころ、何度がこの保護司制度の拡充について盛んに質問されていたのを聞いていまして、私はなるほどと思っておったわけでございます。  たまたま今度法改正をするということで、実は私の出身の土佐清水市の私の生まれたところの近くの方、松本隆さんという方が高知県の保護司連盟の会長をやられておりまして、昨夜電話をしましたところ、今回の改正に大変感謝をしておりまして、早く法律を成立していただきたいと。現在の保護司の職務については、完璧に近い満足といいますか仕事の生きがいを持っておりました。そういうことがきっかけになりまして、短時間でございますが、保護司法、保護司制度の勉強をさせていただきました。五十年前につくられたという法律でございますが、これを素朴に読んでみまして、現在の保護司法はこのままでいいかな、もうちょっと抜本的な改正があってしかるべきじゃないかなという印象をまず持ったわけでございます。  先輩の諸先生の質疑にありましたが、いわゆる報酬がないということが一つあるわけです。十一条には「保護司には、給与を支給しない。」という規定が書いてあるんですね。昭和二十五年の話ですから当時と今と大分違うんですが、「保護司の使命」には、「社会奉仕の精神をもって、犯罪をした者の改善及び更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もって地域社会の浄化をはかり、個人及び公共の福祉に寄与することを、その使命とする。」ということで、憲法のような大変な使命を書いていて、給与を支給しないということをわざわざ規定に書く。  これは規定しなくたって実費弁償でというだけで済む話だと思うんですが、そういったところに何か、今もうこの保護司制度全体を見直すおつもりはないか。いかがでございましょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 保護司の方々は社会奉仕の精神に基づいて犯罪者の改善更生を助けるという使命を無報酬で果たしておられるのでありまして、そういうところに現在の我が国の更生保護制度の特殊性がございます。  ただ、委員がおっしゃったとおり、私どももこの点については、今回の改正に当たって全国保護司連盟の保護司会を代表する皆さん方と検討もし、アンケートをとったりもいたしましたけれども、高い使命感に裏づけられた保護司制度の意義を維持すべきであるという意見が非常に多うございますし、大方の保護司さん方が報酬制を希望しておられないという実情にございますので、当面はこの無報酬制度を改正することは考えておりません。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 保護司さんたちの意思で無報酬でやります、無報酬で結構ですということと、給与を支給しないと国が法律で決めることとは別ですよ。これはやはり正確に、保護司さんが我々はボランティアで無報酬で仕事をしますと言うんだったら、それをそのまま規定すればいいことでして、国家がこんな大事な仕事をしてくれている人に給料をやらぬとばっと書くことについて私は非常に問題だと思っております。これは答弁は要りません。  それから、先日の提案理由を聞いたときに、「世界にたぐいまれな制度」という表現があるんですね、大臣。この世界にたぐいまれな制度というのは恐らく無報酬とのかかわりだと思うんですが、この制度を褒めているんですか、あるいは自虐的におっしゃっているんですか。私は本来はしかるべき給与は与えるべきじゃないかという意見ですが、いかがでございましょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 私の感情を率直に申し上げますと、平野委員のおっしゃった気持ちはよくわかるわけでございます。自分の善意で社会のために、特に犯罪に陥った人たちの更生のためにやろうというふうな気持ちですね。全く純粋な気持ちでおやりいただいている。それに対して、では報酬を差し上げましょうかといったら、そんなことで私の善意を無にしてもらっては困るという方も中にはいらっしゃるだろうと思いますし、そしてまたそういうふうな人たちの善意によって支えられていると思うんです。  一般的にいいますと、先ほど政府委員も申し上げておりましたが、更生保護施設なんかがございます。そこの責任者などは本当に必死になって就職の世話を、周辺の工場を一軒一軒回ったり何だかんだしながらおやりになっておるんですね。ところが、一般的に言いますと、社会の目はやはり冷たいんですね。その中で大変御苦労されながらおやりになっている。保護司の方もやはり似たようなところがあるだろうと思うんです。だから、その辺のところが私はたぐいまれじゃないかな、その気持ちを大事にしたいというふうなことでああいうふうな表現にさせてもらいました。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 いずれにせよ、保護司という言葉、弁護士さんなら土という、それから医師、歯科医師、そういう大事な仕事の名前があるんですが、保護司という名前のイメージも本当はもうちょっと適切ないい言葉に変えるような制度の整備が必要だという意見も持っているということを一つ申し上げておきます。  それから、保護司さんの身分でございますが、国家公務員でしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 無報酬、非常勤の国家公務員ということになっております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 国家公務員ならば、無報酬でも、仕事をする上で例えばいろいろな災害とか事故とか、そういうところの補償の制度は整備されていますか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 公務員でありますから、公務を果たす過程、犯罪予防活動その他の職務を果たす過程でけがをされた場合には公務災害の取り扱いができることになっております。  特に今回、八条の二で規定させていただきましたのは、それを救済することも一つの大きな目的としているわけでありますが、犯罪予防活動というのは別に保護司でなくてもだれでも、一般の方々もできる活動内容でございます。保護司の方々がいろいろ活動されても、特に保護司としてやっているんだという意識もなく、ボランティアとして活動されて、現実にも余り公務災害の請求もしてこられないというようなことがございますが、そういうことはできるだけ避けて、せっかく職務としてやってくださっているんですから、簡単に職務であることを認定するような制度を八条の二に設けて、職務としてはっきりさせた上でその活動をやっていただいて、その過程で災害に遭われた場合には容易に公務災害が適用できるような制度にしたわけでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 わかりました。  それから、たしか保護司法には、今回もあると思いますが、いわば純粋な気持ちに対する国の気持ちとして表彰制度というのが整備されていると思います。例えば二十年なり三十年保護司の活動をずっと続けられできますと、生存者叙勲の対象に当然なると思います。  職業によって違うと思いますが、官職をやらずに、地域のそういうお店などをやっていて保護司を二十年なら二十年、三十年なら三十年やられた方は生存者叙勲ではどの程度にランクされるでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 生存者叙勲の場合には年間百三十人前後、そのほかに藍綬褒章が百三十人前後、さらにまた法務大臣表彰というのが昨年は七百四十九人に対して出ております。  生存者叙勲の場合には勲五等ということでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 法務大臣の表彰というのはある意味では任命した人の表彰でございますから一つの配慮があると思いますが、何しろ無報酬ですし、勲五等ではちょっと低過ぎるのではないか、もうちょっと配慮があるべきではないかという意見を持っております。もっとも、これは法務大臣が叙勲するわけじゃございませんで、賞勲局というのがあるわけですが、しかしそのベースは法務省でつくるわけでしょうから、せめてそういうものででも国家が感謝の意を表すように強く要請しておきます。  それから、最後にお尋ねしたいのは、今回、地方公共団体との協力関係、これは地域社会ぐるみで更生保護あるいは犯罪の防止をやろうということで大変結構なことだと思いますし、しかもその団体を法定化したということも非常に保護司さんたちから喜ばれておることですが、例えばその団体から法務行政に参考になる意見をいろいろ聴取すると。  具体的に言いますと、少年法対象年齢の引き下げの問題なんかは保護司会の人たちが非常に正確でいいアイデアを持っているのではないかと思うんですよ。そういう意味でも、法定化した団体を法務行政に大いに生かしていただきたい、そういう要望を持っておりますが、いかがでございましょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 少年法の問題につきましてはいろいろ議論されているわけでございますが、審判手続の問題につきましては、これは法曹三者が専門でやればいいと思うんですね。そのほかの問題、例えば年齢の問題なりなんなりをどういうふうにするか、これは私は法曹二者だけではだめだと思うんです。今お話しのように、広く関係者がたくさんおられます。その中の一つの部類が今御指摘のとおりだと思います。あるいは教育関係者ですとか厚生省の関係者だとか、あるいは警察の関係者だとか、その辺のところの意見も聞いて検討すべきであるというふうなことで、今とりあえず法務省の中でいろいろ資料を出しまして、関係部局は一つじゃございませんので、検討を続けておりますが、それが終わりましたら、できるだけ速やかに今申し上げましたような方々で御検討いただくような場を何とか考えたいというふうな方向で考えております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 最後に、要望でございますが、この昭和二十五年にできました法律を読みますと、何か戦後の憲法の斬新さと戦前の古めかしさの考え方が混然一体となっているような法律でございまして、ぜひできるだけ早い時期に、もう二十一世紀ですから、あと千日もありませんから、新しい社会に即した法律にできるだけ早く抜本的に変えていただきたいということをお願いいたしまして、終わります。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 私は本改正に対して賛成の立場から質問を二、三させていただきますが、いつも私のところに来ますと用意した質問はほとんど出尽くしておりまして、重複があるかもしれませんけれども、お許しをいただいてお尋ねをさせていただきます。  今回の改正は、全国組織でなくて地方のブロックですか、いわゆる全国組織の社団法人全国保護司連盟というのがあるんだけれども、今回改正の対象にしているのは都道府県単位の任意組織である都道府県の保護司連盟、地区の保護司会であるわけですけれども、なぜ全国的な保護司の組織を組織化し、法定化しなかったのか。  法定化、組織化することによる利点、改正の理由は、最初に清水先生がお尋ねになってお答えになっておられるんですけれども、権威が高まったり活性化するとか、法定化、組織化に関しては非常によくわかるんですが、これを全国組織にした方がはるかによかったと思うんですが、この点いかがでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 今回のこの保護司組織の法定化につきましては、これを保護司の職務を支援する組織と位置づけて改正手続に移っているわけでございます。  保護司は自分の保護区を職務執行区域としております。保護区を出て活躍することも例外的な場合を除いては少のうございますし、仮に保護区を出ることになっても、今回法定化いたしました各保護観察所の管轄の中で職務を遂行するということでございます。そういうことから、保護司の職務を支援するという意味合いから考えますと、保護観察所をまたがるようなところまであえて法定化する必要はない、これで十分である、このように考えたからでございます。  委員御指摘の全国組織については、現在、社団法人全国保護司連盟というものがございまして、これは従前から個々の保護司の職務に関する連絡調整というのではなしに保護司組織同士の連絡調整を主としてやっておりまして、既に十分な活動実績がありまして何ら支障がない。また逆に、この全国保護司連盟は保護司の方々同士の間でやっております共済事務等もやっておりまして、これを法定化いたしますと民間団体としての弾力的な活動を阻害するようなことにもなりかねないということで、必要なところかつ十分なところを今回法定化することにしたわけでございます。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 現在、任意団体の地方だけで支障がないから全国組織にしないとか、いろいろおっしゃるんだけれども、支障がなくても、全国組織にした方が私ははるかにいいのではないかという、立法論というか提案なのであります。  国と保護司とのコミュニケーションが図られるためには、最低限、全国の団体を法定化してその任務や役割を明確にすべきではなかろうかという質問が一つと、保護司制度や保護観察行政に対する現場からの意見、要望を国が吸い上げまして後日のさらなる改革と改正の参考にするためには、それを取り次ぐ法定の全国組織があった方がはるかにいいのではないかということなのであります。  さらに言えば、全国の保護司の資質のレベルを均一化するという利点もあるわけであります。全国組織を法定化してこれによる研修等の法的責務を明文化した方がよかったのではなかろうかという観点から、地区だけで十分、支障がないし、横との関係でこれで足りるからというのじゃなくて、さらによりよく保護司制度を法定化し、組織化し、職務を明確化していくという意味においてそこまでなさった方がよかろうかと思うんですが、いかがでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 先ほども申し上げましたとおり、全国組織である全国保護司連盟は既に十分に機能を果たしておりまして、今回のこの法改正作業そのものの中でも全国保護司連盟が中心となって全国の保護司の意見を集約いたしました。そして、保護局といろいろ協議を重ねてまいりました。既に十分にその役割を果たしております。  また、委員がおっしゃいました研修については、先ほどもお答えいたしましたとおり、各保護観察所を中心として各地で保護司の研修を重視して実施しておりますが、それは保護局の方から通達で研修要綱というものを定めて全国の均一化を図っております。  そういうことで、当面この数多くの保護司会と、それから平たく言えば都道府県段階の保護司会連合会を法定化すれば十分にその目的を達成することができるし、逆に、先ほども申し上げましたとおり、全国保護司連盟を法定化いたしますと全国保護司連盟が現在やっているものの幾つかは任務とはみなし得なくてほっぽり出さなければならない分野もございますので、この下の二層だけを法定化することにしたのでございます。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 現状で十分だということですか、私の意見も検討に値するというような御答弁がいただけるかと思ってお願いしたんですけれども。私はやっぱり全国的な形での組織化されることが理想のような気がいたしますので、くどいようですが、あえて御検討いただきたく御要望申し上げておきます。  それから、これも円委員がお尋ねになったところと多少重複するわけでありますけれども、保護観察を受けたことのある人が保護司になれないかという質問をされたんですが、法第四条二号で禁錮以上の刑に処せられた者を無条件に保護司の欠格事由にいたしているわけでありますが、これは果たして妥当かという疑念を私も持つわけであります。  犯罪の前科前歴のある者を保護司にすることは法務省としてはとり得ないという気持ちはわかるんですが、たとえかつて犯罪者であっても今は立派に更生した者の方が、意見や指導するというのか、むしろ説得力が経験者の方があるんじゃなかろうかというような気もするわけであります。そして、現行刑法の三十四条の二の第一項は、言うまでもないんですが、いわゆる前科抹消の制度を設けております。十年たてば刑の言い渡しは効力を失うわけであります。  そこで、先ほども円委員が聞かれたんですけれども、ちょっと正確な答えが返ってこなかったので改めて質問をするんですが、前科がある、禁錮以上の刑に処せられた者が保護司さんになられたということは一度もないんでしょうか。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 確かに委員おっしゃる点の現在の保護司法の欠格条項は、国家公務員法三十八条と比べて保護司の条件の方が厳しいことになっております。しかし、これはその保護司の職務が犯罪者や非行少年の改善更生を援助するという立場にあることを考慮したものでありまして、それなりに容認できることと思われます。そしてまた、先ほどもお答えいたしましたとおり、これまでのところは運用に当たりまして禁錮以上の刑に処せられた者を保護司に選任するよう推薦したことはないということでございます。  ただ、議員おっしゃったとおり、外国ではそのような経験のある者を改善更生の手助けをする人として使ったということは聞いたこともありますので、今後、特にアメリカの方の研究を進める過程において、おいおい情報等を集めて研究の一つの課題にしていきたいと考えております。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 保護司法の十三条、これは先ほどの平野先生と私は反対の意見なんです。保護司には報酬を与えろ、長年奉仕してくれた人には表彰をして、生存者叙勲の対象も勲五等よりもはるかに高い勲章を与えたらどうかというような御意見であったわけでありますが、保護司制度の本質はボランティアなのでありまして、名誉を求めたり国家や社会からの見返りを期待することはむしろその精神に明白に反するわけであります。  そこで、改正法第十六条、現行法第十三条で表彰制度を保護司法の中に設けていること自体がおかしいと考えるものでありますが、いわゆる名誉で人をつるというようなことに結果としてなるのではなかろうか。十三条、表彰制度の削除がされてしかるべき保護司の制度だと思われるんですが、この点の法務大臣の御見解をお伺い申し上げます。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) その前に、五等が低いのじゃないかとか、いろいろ御意見がございました。私は本来ならばこの種の事案について何等だというのはどうかと思うんですが、現在の賞勲制度がそういうふうになっているものなんだろうと思います。  それから、今御指摘の点ですが、私どもは表彰によってそういうふうな善意の人たちをつろうという気持ちはさらさらございません。それは結果として、私どもが感謝の気持ちを差し上げるというふうに私自身考えておりますし、そういうふうに御理解賜ればありがたいと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 法第十二条には、かつて保護司であったけれども何らかの理由によって保護司たる地位を失う、いわゆる解嘱という条項があるわけでありますけれども、これまで法第十二条によって保護司を解嘱された件数はあるのかないのか。そして、あるとすれば、いかなる事由によって解嘱されたか、解嘱理由をお尋ねいたします。

本江威憙法務省保護局長

○政府委員(本江威憙君) 保護司が保護司法四条の欠格条項に該当することになった場合や三条の具備条件を欠くに至った場合などには、その保護司から辞任の意思が示されることがほとんどでございます。本人からの願い出によって保護司の委嘱を解く発令をする運用をしていることから、最近では法十二条による解嘱の規定を適用することはありません。  ただ、例としては、昭和四十六年以前に十二条により解嘱された保護司は計十二人おります。相当前のことですので、どういう理由かは資料が残っておりませんので把握することはできません。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 終わります。

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  保護司法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 速記を起こしてください。     —————————————

武田節子公明

○委員長(武田節子君) オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律案を議題といたします。  まず、提出者衆議院法務委員長笹川堯君から趣旨説明を聴取いたします。笹川法務委員長。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 私は、衆議院法務委員長の笹川堯であります。  きょうは皆様方に法案につきまして大変お世話になりますが、よろしくお願いをいたします。  ただいま議題となりましたオウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律案について、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。  平成七年三月二十日に発生した地下鉄サリン事件、松本サリン事件等は、世間を震撼せしめた犯罪史上類例を見ない無差別大量殺傷事件であり、凶悪な集団殺人事件と言わざるを得ない犯罪であります。これらにより、無事の人々多数が不慮の死を遂げ、死の恐怖を伴った重傷害を受け、あるいは今なおその後遺症に苦しんでおられます。  このような極めて悪質な犯罪により不慮の被害を受けた被害者、その遺族の救済を図る必要は格別に大きいものがあります。その手続として、現在、オウム真理教という教団に対する破産手続が進行しているところでありますが、被害者への配当金額は著しく低額とならざるを得ない状況にあります。  本法律案は、このような状況を踏まえ、オウム真理教に対する破産申し立て事件において債権を届け出た被害者の救済を図ることの緊要性にかんがみ、その被害者への配当金額を少しでもふやすため、当該破産申し立て事件における国の債権に関する特例措置を講じようとするもので、その内容は次のとおりであります。  第一に、オウム真理教に対する破産申し立て事件においては、国が届け出た債権のうち労働者災害補償保険法その他の法律の規定に基づき国が取得した損害賠償請求権及びオウム真理教の清算人選任申し立て事件における予納金に係る償還請求権は、国以外の者が届け出た債権のうち生命または身体を害されたことによる損害賠償請求権におくれるものとすることといたしております。  第二に、本法律案は、公布の日から施行するものといたしております。  以上が本法律案の趣旨及び内容であります。  本法律案は、去る八日、衆議院法務委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いをいたします。

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     —————————————

武田節子公明

○委員長(武田節子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。     —————————————

武田節子公明

○委員長(武田節子君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 民主党・新緑風会の円より子です。  ただいま笹川委員長からの提案理由説明にもありましたように、坂本弁護士一家が拉致され殺害されていた事件、また河野さんらの松本サリン事件、そして地下鉄サリン事件の犠牲となって亡くなられた方々の無念や、またいまだに傷がいえず、深刻な後遺症に悩まれ、生活基盤まで失うおそれを持っていらっしゃる方々の悔しさ、つらさを考えますと、これは損害賠償金であかなえるようなものではないとは思います。しかし、その配当額が被害者救済にはほど遠いことが大変問題で、その意味では、国の持つ債権を犯罪被害者の損害賠償債権に劣後させることによって被害者への配当率を向上させるという今回の法案は速やかに可決されるべきだと私は思っております。  そこで、幾つか発言させていただきたいのですが、今回のこの被害者への配当率を向上させるという特例法案は被害者にとっても大変助けになるとは思いますけれども、今回のような国の債権を放棄するケースというのは今までにほかにはなかったのでしょうか。また、わざわざ特例法案として特別立法が必要になるのは現行法のどの部分に抵触するからなのか、この根拠は何なのか、また、他にもしこういったケースがあるとしたら、そのケースとわざわざ違えてこの特例法案をつくった理由は何なのか、その辺の御説明を願いたいと思います。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 細かい部分につきましてはまた事務当局の方から説明をいたさせますが、案をつくりました委員長といたしましては、御案内のように、理事会におきまして各政党の皆様方から委員会提出でやるようにということで、全会一致という形で私が代表になりました。  御案内のように、平成七年三月二十日に発生しました地下鉄サリン事件は、今も内容について御説明いたしましたが、まさに日本の犯罪史上類例を見ない凶悪な事件でございました。また同時に、サリンというまことに国民自体がわからない、目に見えない、そういうものの被害でございまして、そういう意味では日本の犯罪史上類例を見ない。結果において大勢の皆さんが亡くなった。松本サリン事件で七名、それから東京の地下鉄で十二名、合計十九名の方が命を落とされました。また、その後も重傷、事件でまだ苦しんでいる方がたくさんおられる。  こういうことにかんがみまして、御案内のようにオウム真理教は現在破産手続が進行中であります。もちろん破産管財人に阿部三郎さんという弁護士の方が現在選任されておりますが、事件が起きまして三年たちました。その間何をしていたんだというような御批判もあることと思いますが、こういう大きな事件を整理するために破産管財人は大変努力をしていただいた。やっと破産管財人の方からある程度細かい数字の御提示をいただきまして、国としても、我々国会議員としてもできることは何かということを考えますと、国としては、財政法という法律もありますし、また債権管理法という法律もあって、なかなか政府の債権を要らないというわけには簡単にいかない。また、過去にもそういう例はほとんどないようにも聞いておりますので、ここは議員立法という形で皆様方に御承認をいただいて、一日も早く解決をしたい。  同時にまた、オウム真理教というのは、御案内のように資産が左方の債権で十億四千万しか実は資産の部はございません。右の負債の方は合計五十一億九千八百万。すなわち、もう配当が本当に少ないということで大変厳しい状況でありますので、ひとつ特例的に国の債権の順位を譲って、体の故障した人、亡くなった方々の債権に回したいということであります。特例でこれからもそういうことをどんどんやるのかと言われましても、私個人としてはちょっとお答えできかねることではあろうと思いますが、特別な事情だと、同時にまたそれだけのことはしてもいいんじゃないのかということでございますので、国の債権をおくらせるためには特別立法をつくらなければそれが実行はできない、こういうことでありますので、ぜひひとつ御理解いただきたいと思います。

細川清法務省訟務局長

○政府委員(細川清君) 本法案が必要な理由でございますが、財政法には「国の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変更するには、法律に基づくことを要する。」という規定がございます。もう一つ、国の債権の管理等に関する法律におきましては、国に対して債務を負っている者が破産宣告を得た場合には国はその債権を届け出なければならないという規定がございまして、この二つをあわせ読みますと、本件の場合には、特別の法律がないと劣後の扱いにするということはできないわけでございまして、そういうことで、ただいま笹川委員長から御説明がありましたような本法案が起草されたわけでございます。  したがいまして、従来にそういう例があるかという御質問ですが、詳しく具体的事実を承知しているわけではありませんが、ただいま申し上げたような法律の規定から見ますと、本件のような場合にはこれを劣後させあるいは取り下げたことはないんではないかというふうに承知しております。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 今、委員長が説明してくださったように、確かに負債の方は五十一億九千八百万ですのに、オウムの資産の合計は十億四千万ということで、これでは被害者の方たちに配当できるものが二割に満たないという状況ですね。それで、今回国が債権を放棄したことによって、自治体もまた営団地下鉄も債権放棄するというような意向を聞いておりますけれども、それでようやく被害者の配当率が二割を超えるかということですが、それでもオウムの資産が大変少ないので、本当の意味での被害者の救済にはならないように思うんです。  そこで、まだ調査中ということですが、法務省に聞きたいんですけれども、このオウムの資産がふえる見込みがあるのかどうか。それから、例えば今オウム真理教は任意団体になっておりますけれども、その後さまざまな分野で巨額な収益を上げているというようなことも公安調査庁が発表なさっていますけれども、国民感情としては、宗教団体のオウム真理教と任意団体とは違うということがわかっていて、法的には出せという根拠はないとはわかっていましても、なぜ犯罪被害者にもうけている分をもっと出せないのかというところがあると思うんです。別組織になっているとはいっても、この任意団体ともともとの破産した宗教法人との間の承継関係というのはどういうふうに解釈すればいいのか、その辺をお聞きしたいことと、また、やはり今回の教団の犯罪というのは、国がある程度放置していた責任があるのではないかという気もするんですが、そうしますと、今回のこういった債権放棄の措置以外に何か国がやっていいのではないかと、そのあたりについて、法務省がお答えにくければ委員長いかがかというあたりをお願いいたします。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 円委員のお気持ちは個人的にはよく理解ができますが、御案内のように法律というものがございまして、法によりましてオウム真理教は現在清算手続を進行しております。オウム真理教を信じた方々が今上野あたりでパソコンを売っている、年間五十億ぐらい売り上げがあって相当の収益があるじゃないか、それをひとつ取ったらどうだというのは個人的にはわかるんですが、これは感情論でして、法律論にはやっぱりなじまない。別人だということであります。  ただ、オウム真理教の財産を使用したり、あるいは借りてそれを運営したとか、あるいは資金を借りて運営したとかという何か証拠が法律的に出ればこれは考えられるのじゃないかと思いますが、今のところはそういうことも破産管財人の方から聞いておりませんので、非常に悔しいけれども、その点については何ともできないのではないのかなと。  それからもう一つ、それ以外に何かしてさしあげる方法はないかということでありますが、とりあえず私どもとしては、国の債権を放棄というのじゃなくて劣後するという形のものしかとれませんし、でき得れば、今破産管財人が一生懸命やっていただいておりますからもうほとんどないとは思いますが、隠し財産があればこれはまた配当可能になると思うんです。  ざっと計算しても、配当率が何か一八・七%ぐらいで、国の方を劣後いたしますと二〇・八%ぐらいになるんじゃないかと。あるいはまた、地方税等もありますので、これは国の立場から私たちが論評することはできませんが、それぞれの地方自治団体が自分たちの考え方でどういう方法をとられるかわかりませんけれども、それによっても若干変わってくるのではないのかなというふうに考えております。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 終わります。

大森礼子公明

○大森礼子君 公明の大森礼子です。質問いたします。  今回の法案は、オウム破産手続の中で国の債権を犯罪被害者の届け出債権に劣後させるものでありまして、大きな被害を受けたサリン被害者への配当率を上げるものでありまして、当然の措置と考えております。    〔委員長退席、理事情水嘉与子君着席〕  この問題につきまして、私は弁護士と関係者から陳情を受けたことがありますけれども、それは平成八年六月のことでありました。  そのとき、その弁護士さんの中には私と同期の弁護士、ということは坂本弁護士と同期の方もいたわけですけれども、その弁護士さんたちが、サリン被害者の中には早くオウムのことは忘れたいとしてみずから請求権を放棄した人もいるんだ、国は何で早く放棄しないのかということを言っておられました。そして、その場で関係の各省庁の説明を受けたわけですが、法律を盾にできない、こういう一点張りであったというふうに記憶しております。  法律があるから現状ではできないということは、そのときの答弁としては仕方がないのかもしれませんけれども、今回こういう特例法ができたように、特例法というものがあればこれは可能であるわけです。  そこで、なぜ政府がかたくなな態度をとったのか、そして今回そのかたい姿勢を変更した最大の理由は何だったのか、この点をお尋ねいたします。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 法務省当局が具体的にどういう言葉を言ったのか私は存じ上げませんけれども、法務省といたしましては、いわゆる各省から債権回収を依頼されてそれを破産財団に届け出た、こういう立場にございました。その立場から、国つまり政府側から債権の放棄ができないだろうか、あるいは届け出の撤回ができないだろうか、こういう御質問を受けたのだろうと思います。  それについては、政府としては、先ほど訟務局長の答弁がありましたように、法律もないのにその債権を撤回するわけにはいきません、あるいは債権を放棄するわけにはいきません、こういう回答を申し上げたんじゃないかというふうに思います。  先ほど衆議院の法務委員長の方からも答弁がございましたが、いろいろな時期がございます。債権額の確定あるいは債務額の確定、それがある程度進んできませんと、立法府におかれてこれを法律にするという動きもなかなか出てこない面もあろうかと思います。そういう意味で、今回立法府がこういう御決断をされたというのは、それなりの手続の進行があってのことというふうに理解しております。

大森礼子公明

○大森礼子君 先ほど円委員の方から、オウム犯罪が拡大したことについて、これは国が放置していたことも原因があるのではないか、こういう趣旨のことをお述べになりました。  今回の特例法によりまして、被害者の方は配当額が多少上積みされるという財産上の利益といいますか、そういう形で報われるのかもしれません。しかし、あのサリン事件等で亡くなられた方の遺族の方とか重傷を負われて今も後遺症に悩む方の素朴な疑問、悔しさといいますか、その思いは、なぜこんな事件が起きたのかということだと思うんです。    〔理事情水嘉与子君退席、委員長着席〕  このオウム事件というものは、事件の後もこれに関する記事とか報道とかずっと読んでおりますけれども、本当に中身がよくわからない。麻原がハルマケドンを自作自演するために起こした事件であるとか、専制オウム王国を創設することが目的だったというわけです。そうすると、政府を転覆するわけだから政府要人とか与党とか閣僚がねらわれていいはずなのに、そういう人がねらわれたという情報はないわけです。  彼らが最初につくったサリンでねらおうとしたのは創価学会の池田名誉会長だったと言われておりますし、そして松本サリン事件で彼らがねらおうとしたのは裁判官官舎であったと。それからアメリカ合衆国の施設もねらった、ペンタゴンへサリンを散布しようという計画もあったとか、こうなっておりまして、要するに、これはどういう犯罪だったのかよくわからない。例えばサリン工場にしましても、プラント建設がなぜできたのか、どうやって原材料を入手したのか、わからないことがいっぱいございます。ロシアとの関係はどうだったのか。  こういう中で、例えば地下鉄サリン事件一つとりましても、あれは警察が強制捜査に着手するという情報が事前に漏れたので先手を打たれた、こういう記事もございました。  こういうことについて、私たち国民というのはあのオウム事件が一体何であったのかということについて何も知らされていないわけであります。アメリカの方では、上院政府活動委員会の調査小委員会がすぐ調査に着手いたしまして、平成七年十月三十一日には調査報告書をもとに公聴会を開く、こういう態度をとっております。アメリカですらそうであるのに、当事国である日本については、このオウム事件については総括とか検証がなされていないわけであります。  そして、オウムがあのように犯罪を拡大していった中には、先ほども円委員は国が放置したという表現をされましたけれども、いろんな国や地方の機関が有効な働きをしていなかったのではないか、そういうところで国の責任というのがあるのかないのか検証されなくてはいけないのに、そこのところが抜け落ちでいると思うわけでございます。  この点につきまして、きょうは法務省にお尋ねするしかないんですけれども、法務省としましては、この事件について総括、検証をしまして国会とか国民に報告しようというお考えがあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) この事件は非常に大きな被害をもたらした未曾有の事件でございます。したがいまして、法務省としてもこの事件については極めて強い関心を現在でも持ち続けております。  一方では、法廷におきまして種々の事件が現在裁判進行中でございます。他方におきましては、御案内のとおり、公安調査庁が規制請求を行いまして、これが公安審査委員会によって却下されたわけでございます。ただ、その際、公安審査委員会は公安調査庁の請求に対しまして、暴力主義的な破壊活動を行ったという点については認定しておるわけでございまして、その理由の中にそれなりの総括は行われているというふうに考えております。  刑事事件につきましては、各事件の冒頭陳述あるいは論告等において、検察官から見たそれぞれの事件に対する考え方というのは表明されていると思っております。  先ほど委員から、これを総括して国会に報告するつもりはないかというお尋ねがございました。仮に国会から御要請があれば、法務省はそれに対して真摯に対応するということになろうと思います。

大森礼子公明

○大森礼子君 ありがとうございました。  確かに、公判は公開制ですから行けばわかるのかもしれませんが、みんなが行けるとは限りません。そして、公判廷で刑事事件の中で明らかになるのは、やはり犯罪構成要件の立証、公訴事実の立証が主なわけでありまして、その背景事情というのも余りに深く入りますと、情状にも関係ないといって法廷では明らかにされないわけであります。  それから、公安調査庁の方での破防法適用の手続につきましても、これは一般に知ろうと思えば知ることができるかもしれませんけれども、国民に向けて明らかにされた事実はないというふうに思います。今、官房長の方が、もし国会の方からそのような要請があればこれに応ずる用意があるというふうにお答えいただいて大変うれしく思います。いずれ時を見ましてそのような要請をしたいと思います。  以上です。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。  私も本法律案に全面的に賛成の立場でございます。したがいまして、法律案をまとめるために御苦労された笹川委員長に心から敬意を表したいというふうに思っております。  オウム真理教による地下鉄サリン事件、これはもう不特定多数の人々が犠牲になりました。また、私も弁護士でありますが、坂本弁護士一家の殺害事件も極めて残忍で、計画的で、許しがたい事件であります。そういうオウムによる事件の被害者の救済を図る、しかも緊急に図るという上で必要な法律案だと、こういうふうに理解をいたしております。  その前提で一、二点お聞かせを願いたいと思いますが、オウム真理教に対する破産申し立て事件において、裁判所が国に対してかなり高額の予納金の上積みを求めた、こういうことがマスコミ等でも報道されておりますが、その理由はどこにあったのか。そして、国が予納した破産予納金の正確な金額等がおわかりであればお教えいただきたいと思います。

細川清法務省訟務局長

○政府委員(細川清君) 裁判所が予納金を求めた金額は総計九千六百万でございます。当初六百万円であったのが後に御指摘のとおり九千万の上積みを命じられたということでございます。  私どもは裁判所から具体的にその理由を聞いているわけではありませんが、ただ一般的に十分に推測はつくわけでございます。それを申し上げますと、破産財団の規模、財団債権の種類、債権者の数、債権の額などから物件の調査その他の管財業務に要する費用が多額となることが予想されるということが一方ありまして、他方、財団資産、とりわけ破産管財人の管財業務のために支出できる手持ちの現金が少ないというふうに予測されるときには、裁判所は一般的には申立人に対しまして、相当と判断する金額の予納を命ずるということになります。  本件におきましても、裁判所が先ほど申し上げましたような点を考慮されまして、先ほど申し上げました金額の予納を命じられたものというふうに私どもは理解しております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 先ほど笹川委員長から、本法律案が成立をすることによって被害者に対する配当金額がふえてくる、配当率が高まるというお話がありました。同時に、やはり速やかに配当を実施するということも被害者救済という観点から大事ではないか。  そこで、もしおわかりであればお教えいただきたいんですが、この間債権者集会は何回ぐらい行われたのか。また本法律案成立後、破産管財人の方では中間配当などをお考えになっているのか、もし考えておるのであれば、いつごろをめどにというふうに委員長の方ではお聞き及びなのか、その点お教えいただきたいと思います。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 破産管財人の方の話では、四月二十三日に債権者大会をやると、中間配当もしたいというようなお話はありましたが、私の方から再度確認したわけじゃなく一方通行で向こうの方からそういう話がありました。管財人もこの間お礼に来られましたが、できるだけ速やかに中間配当ができればいいな、そういうふうに思っております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 この事件は、破産管財人の事務処理は膨大でかつ複雑なものがあるだろうと思います。したがって、破産管財人の事務処理費用も恐らく相当なものだと思いますが、今申し上げましたように、本法律案が成立をいたしましても被害者に対する補償というのは二割程度、こういうことであれば、やはり速やかな補償の実現ということも大事になってまいると思いますので、ぜひ中間配当などが早急に実現できるように働きかけをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は、去る三月十二日の当法務委員会におきまして、オウム真理教に対して国の債権を放棄する思い切った措置をとるべきだということを申し上げました。そう言った趣旨は、この事件が、国が当初から徹底的な捜査を展開しておれば多くの被害が防げたのではないかという問題がぬぐい切れないからであります。法務大臣には前向きに検討するという答弁をしていただいたわけですが、この際議員立法ということで、委員長の御尽力でこうした劣後債として処理するという法案が提出されたことについて私は感謝を申し上げる次第でございます。  この法律案が、議員立法ではありますけれども、国の債権を劣後債として処理するということで、この問題について政府としても承諾をしておる。そうした承諾の背景には、国としても被害者の救済は大事であり、国として全面的に責任がないとは言えないという思いがあるのかどうか。私はあってほしいと思うんですが、委員長はどうお考えでしょうか。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 私は委員長という立場でありますので、法務当局の内意はよくわかりませんが、少なくとも法務省としてはできないけれども、我々が議員立法でやればできるということで今回そういう形にさせていただいて、皆様方にもぜひ御賛同いただきたいということできょうは出頭させていただきました。  法務大臣も、恐らく皆様のところに来てそういう話をするかもわかりませんが、やはり同じ政治家出身ですから心を痛めでおったんじゃないかと思いますが、国というのはいろいろ法律がございますので、手かせ足かせがあるかもわかりませんが、今回はその手かせ足かせを議員立法によって一時解除して、超法規的な考え方かもわかりませんけれども対応させていただいた、こういうことでひとつ御理解を賜りたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 先ほど御指摘がありましたように、幸いこのことによって、些少ではありますけれども配当が約二〇%台に上る、こういうことでこれは間違いございませんか。地方自治体が仮に放棄をすれば配当はどれぐらいになるかは御検討ございますか。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 私が聞いている範囲は、一応国が放棄をすると約二一%ぐらいでありますが、地方自治体がまだ放棄あるいは免除をしたわけじゃありませんが、もしそういうことが達成できれば、最終的には二三%ぐらいの配当率になるということで御理解を賜りたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 よくわかりました。  そこで、自治省にお伺いしたいのでありますが、十二の自治体が持つ債権が一億二千万と言われております。この数字は間違いないと思いますが、委員長が今お話しのように、国がそういう姿勢をとっているわけですから、できることなら国と同一歩調をとって債権放棄の手続をとってほしい、これは被害者の本当に切実な願いであります。この問題はそれぞれ自治体が決めるのでありましょうけれども、この問題について自治省は、条例の解釈などによって各自治体の債権を事実上放棄することが可能であるという見解を御通知なさった、あるいはなさるという報道にも接しておりますが、これに対する対応を自治省から直接お聞かせください。

香山充弘自治大臣官房総務審議官

○政府委員(香山充弘君) お答え申し上げます。  地方団体がオウムに対して有しております債権につきましては、御質問にもございましたとおり、あくまで地方団体がみずからその取り扱いを判断すべきものでありますけれども、自治省といたしましては、今回の法律案が成立いたしますと、地方団体に対しまして今回の法の精神と申しますか、国の取り扱いにつきまして連絡をいたしますとともに、関係地方団体はこの国の取り扱いを踏まえまして、それは当然のことながら自主的判断ということが入ってくるわけでありますけれども、それぞれの条例あるいは規則等を運用いたしまして減免等の措置を講じました場合には、それに伴います地方負担について関係地方団体の財政運営に支障が生ずることがないように必要な地方財政措置を講じていく、この二点を連絡いたしまして、取り扱いに遺憾がなきよう期してまいりたいと考えているところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ありがとうございました。  簡単に言えば、地方自治体がそれぞれの判断で国の対応に応じて債権放棄をしても、それなりの手当ては自治省としては十分考えてあげるということも含めて対応をしたい、こういうことで間違いないですね。

香山充弘自治大臣官房総務審議官

○政府委員(香山充弘君) おっしゃるとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そういうことで、国、自治体がこの問題について苦しんでいる被害者の対応に対して積極的に前向きに進んでいただきたいわけであります。  もう一つ、この問題で私は平成八年三月二十二日の法務委員会で、現在の犯罪被害者等給付金支給法の制度を思い切って改善しなければ、本当にこのような不慮の災害に遭って給付、損害賠償を正当に取得できない、犯罪被害者が救済されないという問題がある、この問題について法務省は積極的に検討すべきではないかという質問をいたしました。当時、ここにいらっしゃる長尾先生が法務大臣でございましたが、その問題については今回の被害が甚大であること、一般の被害者に対する今の法体系とは別個の法体系が要るのかどうか、そういったことも含めていろいろ問題があるけれども、私が指摘した問題点は検討させてまいりたいと思いますというお話もございました。  難しい問題ではありますが、この問題も法務省として積極的に検討課題として今後よく検討してほしいと思うのですが、官房長、いかがですか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 法務省といたしましては、犯罪被害者の救済の問題というのは今後の社会にとって非常に重要な問題であると認識しております。先生御指摘のようなシステムも一つの問題ですし、それからそれだけでなくて加害者側の財産の散逸をいかにして防ぐのか、あるいは被害者側の民事訴訟における立証についてどのような協力ができるのか、さまざまな問題があろうと思います。あるいは外国では例えば刑事裁判に附帯私訴をつけるというような制度もございます。  今後どのような犯罪被害者救済策をとるべきか、これにつきましては非常に重要な問題として引き続き検討してまいりたいと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 最後に、そのことを積極的にお願いして、厚生省にもお願いしたいと思うんです。  前の法務委員会でも私も取り上げたんですが、被害者の多くの方が実際は現状においてもカウンセリングなど国のケアの体制が全くないもとで、身体的な不調と日々の経済的な困難、将来の不安にさいなまれておるわけです。この問題として、後遺症を含むサリン被害の実情を厚生省としては法務省と連携をとってきちっと調査をしていただきたい。そして、被害者の健康状態について松本市と信州大学が追跡調査をみずから行っておりますけれども、健康診断には市の基金が拠出されているという援助もあるわけです。この地下鉄サリン事件において聖路加病院が調査をしているということも伺っておりますけれども、肝心の国あるいは自治体、厚生省がこの実態を把握していない、こういうことでいいのだろうか、こういう疑問を私は持たざるを得ません。  未曾有のこの犯罪に対して、こういった後遺症に悩む人々の救済も含めて、国としてまず実態を調査するということを関係機関できちっと方針を出していただきたいということをお願いして質問を終わりますが、いかがですか。

小林秀資厚生省保健医療局長

○政府委員(小林秀資君) 厚生省といたしましては、東京地下鉄サリン事件の被災者に対する実態調査につきまして、平成九年度において災害時支援対策総合研究事業の一つとして研究を実施いたして、現在その報告の結果の取りまとめを行っているところでございます。  また、もう一つ、阪神・淡路大震災及び東京地下鉄サリン事件を契機としまして、平成八年度から、被災時に生ずるPTSD、これは心的外傷後ストレス症候群と日本語では申しておりますが、これにつきまして精神医療及び精神保健福祉業務に従事している医師及び保健婦に対して、診断、治療及び相談、指導等の対処方法に関する研修を実施いたしているところでございます。  今後はこれらの実態調査の結果及び研修事業の成果を踏まえ、関係省庁と連携をとりながら被災者の治療、ケアに資する対策について検討してまいりたい、このように思っておるところであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 一問だけ。  今おっしゃった調査で被害者対象人数はどれくらいを今現在把握しておりますか。被害者の皆さんは五千人とも三千人ともいう数ですから、現在把握しておられる調査の実態で数をおっしゃっていただきたい。その上で今後の努力をお願いします。

小林秀資厚生省保健医療局長

○政府委員(小林秀資君) これは実態調査と申し上げましたのですが、実は実態というのは数の実態ではなくて、実際どんな症状になっているのかということの方の実態のようでございますが、東京消防庁の御協力を得て、暴露者とそれから対照者、こういうコントロールスタディーで暴露者三十四名、対照者三十六名についてきちっとした調査をやっている、こういうことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それじゃ話にならぬということを理解してください。  終わります。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 議題になっております法案につきましては、被災者の救済にかかわることでございますし、急がれると思いますので、そのものについての質疑はいたしませんが、法務省側に、こういう悲劇的なことになった原因であるオウム事件そのものの問題についてお尋ねしてみたいと思います。  要するに、我が国ではこういった特殊な事件だけじゃなくて、危機管理体制が全くできていない。したがって、被災者の救援措置もほとんど整備されていない。こういうふうに特別に立法していかなきゃいけないという後づけ後づけでやっているところに問題があるわけなんですが、やはりオウム事件の根本原因は何か、そしてオウム事件というのは一体何であったかということについての検証が不徹底なところに問題があると思うんです。  法務省にお答えいただきたいんですが、現在のオウム真理教の活動の実態をお聞かせ願いたいんです。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) オウム事件につきましては、法務省も、特に公安庁におきまして非常に重要な問題としてこれを規制請求したわけですが、規制請求が却下された後におきましても、オウム真理教の信徒たちの極めて危険な状況にかんがみまして、これに対する調査活動を続行しております。  私どもが公安庁において現在把握しているところによれば、教団施設は十八都道府県二十八カ所に達しております。活動面におきましては、五百人以上の出家信徒のほか多数の在家信徒がおります。また、パソコン販売などを目的とする関連会社による営業も積極的に行われており、相当の資金力を有している団体として考えられます。また、説法会等におきましては依然として殺人をも肯定するタントラ・ヴァジラヤーナという教義を堅持しており、また麻原に対する絶対的な帰依を強調しております。脱会信徒に対する復帰工作や新たな信徒の獲得工作も活発に行われております用地下鉄サリン事件等で信徒約四百三十人が逮捕されましたが、このうち約三百五十人が既に釈放されております。その中で、少なくとも百五十五人が教団施設に出入りするなどいたしまして、教団に復帰している兆候が認められます。  以上のように、教団は一連の事件に対する何らの謝罪、反省もないままその勢力を次第に復活増強させ、活動を活発化させる傾向にございます。  このような中で、公安調査庁といたしましては、教団に危険な兆候が明らかに認められるときには再度規制請求することも視野に入れて、さらにその調査に最大の努力を傾注しているところでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 同様の趣旨の説明はたしか大臣からも所信表明で受けたわけでございますが、要するに公安調査庁が破防法の請求に踏み切ったわけですね。そして、公安審査委員会で、明らかに反覆、継続して将来暴力主義的破壊活動を行うおそれがあるとは認めがたいという理由で公安調査庁の請求を棄却したわけですね。これは事実関係でございますね。  私は、参議院本会議で破防法の適用を考えるべきだ、考慮すべきだという主張をかなり早い段階にやったわけでございますが、その後の法務大臣も熱心にそれを行おうという御意見だったと記憶しております。問題は、公安審査委員会の審議の内容、議論、ここで必要ないということになったわけですが、率直に言いまして、今の官房長の御説明によりますと、この公安審査委員会の議論、意見というのに問題があるということになると思いますが、この公安審査委員会の議論、いわゆる記録は公開できませんか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 公安審査委員会の審査は非公開とするのが破防法の趣旨だろうと思います。  どうしてそう申すかと申しますと、例えばその事前の審尋につきましては公開手続が定められていて、しかも報道関係者を入れなければならないとかいろいろな規定を設けているのに対しまして、公安審査委員会の方は書面主義が原則である審査でございまして、公開規定も全く持っていないということからいたしますと、法の趣旨は公安審査委員会の議事は非公開であるということであろうと思います。  したがいまして、公安審査委員会の審議の内容そのものはやはり非公開というのが法の趣旨であって、法務省として現段階においてその審議内容を公開するというわけにはまいらぬというふうに思っております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 我々が閲覧も不可能ですか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 現段階においては難しいということでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 たしか情報公開法を政府は提出しておりますね。これが成立すれば閲覧可能ですか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 情報公開法はまだ御審議中でございますので、現在の法案からということになろうかと思いますが、現在の法案の中におきましては、その五条におきましていろいろな例外規定が掲げられてございます。その中には、個人情報であるとか個人事業情報であるとか国の安全が害されるおそれであるとか、あるいは犯罪の予防、鎮圧、捜査、公訴の維持等に支障を及ぼすとか、いろいろな例外規定がございます。  本件の場合どれに当たるかということになろうかと思いますが、それは個別の申請が出てまいりましてその申請理由等との関係で考えなければならないだろう。したがって、今情報公開法ができたらおまえ公開するのかと言われれば、これに該当する場合には公開できません。  ただ、情報公開法がこのまま無修正でいくのかいかないのか、それもわかりませんので、現段階で確たる御返答は御勘弁いただきたいと思います。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 最後の質問にします。  国会の国政調査権の資料要求で各党が一致すれば可能だという意見を私は持っております。これは今後ひとつ皆さんと検討していきたいと思っております。  それから、確認しておきますが、今後オウム教に反覆、継続して暴力主義的破壊活動を行う明らかな疑いがあるときには、破防法の請求をいたしますか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 破防法所定の要件が備われば、もちろん一事不再理等の拘束がございませんので、規制請求をするということになろうかと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 二院クラブの山田です。よろしくお願いします。  オウムの破産財団の貸借対照表を見でみますと、一般の破産事件の財団と全然違いまして、土地、建物とかその他がほとんどなくて預貯金が大半を占めているという極めて変則的な財団、このオウムの破産事件の特異性から来ていると思うんですが、一般と比べで極めて不自然なものを弁護士として感ずるわけですが、どうしてですか、お教えいただきたい。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 御案内のようにもう三年を経過いたしておりますので、その間破産管財人が鋭意努力いたしまして土地を売却して現金化しておるということは現金が多くて土地が少ないということでありますので、もしこれが当初のままでありますれば当然土地、建物の方が多くて現金、預金は少ない結果があったんじゃないか。そういう意味では大変破産管財人が努力をしていただいたというふうに理解をしていただければありがたいと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 さらにこの貸借対照表のところを見るんですが、お布施の返還請求権というのが入っているわけですけれども、このお布施返還請求債権というのはどういう債権なのか、ちょっと説明していただければありがたいと思います。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 御案内のように、本来お布施というのは教団の所有財産になるべきでありますが、この教団の特異性で、何か詐欺的要素といいますか、あるいはまた強制的に払わされたと。だからそれは今考えると、冷静になるとお布施じゃない、債権だというようなことで御理解をいただけるとありがたいと思います。  普通、お布施というのは上げてしまえばそれはそれっきりのものでありますが、オウム真理教は、どうもお布施で認められるものと、お布施以外で債権でいいよというようなものは、今御案内のように、民事裁判の判決で確定した金額、あるいはまた裁判の和解で確定した金額、それから破産管財人が職権で精査をしてこれは認めなきゃならぬというふうに思われた金額ということでありますので、現実には二十七億一千七百二十一万七千二百五十六円でありますが、確定した債権というものは四千五百七十七万三千八百七十九円という非常に差がございます。そのように御理解いただきたいと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 今よくわかったのですが、現実問題として、オウム真理教を完全に信じて入った狂信的信者と本当にだまされて入ってお布施をした人との区別というのは非常に難しい。債権の認否で、それは裁判で確定して認否されるんでしょうけれども、ここら辺のところはどういう区別をされているのですか。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 法案の提出者としてなかなか判断できませんが、これはあくまでも司法の部類でやるべきことでありますので、司法で確定したものはそのまま率直に素直に理解をしていただける方がよろしいかと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 今回の特例法案は国の債権放棄だけで、きょうの本会議で運輸大臣が営団地下鉄も放棄をしていただけるという御答弁があったんですけれども、営団地下鉄や、先ほど橋本先生もお尋ねになっていたんですが、地方自治体の債権放棄は法律的にどうなんですか。国の放棄だけでなくて自治体も営団地下鉄も全部放棄せいと、こういう内容の法律は難しかったんですか。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 私たち国会議員でありますので、国のことについては頭の中にございますが、やはり地方分権、地方優先の時代ですから、地方のことについてはそれぞれの自治体が御判断いただくことが一番いいのじゃないかなということであります。  先ほど自治省から答弁がありましたように、国が放棄いたしますとやはり地方の方も免除するとかあるいは実質的に債権放棄に近い処置をされるのじゃないかと思うんです。それについては当然穴があきますから、大蔵省が後で地方交付税でつけるのかどうか、ちょっと私はそこまであれですが、そういう形にいくだろう。  営団地下鉄につきましては、これは運輸省の所管でありますが、運輸省の方でどういうふうに指導されるのかわかりませんが、内容的に財政がよければそういうことも可能じゃないのかなというふうに、推測の範囲でありますが、それでひとつ御理解賜りたいと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 先ほどの橋本先生の質問の続きなんですけれども、自治省にちょっとお尋ねします。  各自治体が放棄すれば自治省はそれなりの対応をされるという御答弁だったんですけれども、新聞報道によりますと、自治省自身が、条例解釈など各自治体の債権を事実上放棄することが可能だという見解を東京都、山梨県など関係十二自治体に通知された、また破産管財人も、実質上放棄を要請する文書を各自治体に送られた、こうあるわけですけれども、これによって自治体で債権放棄の動きはどの程度あるのか、現在との自治体がいかなる額の放棄を考えているのか、把握されている限りで結構でございますが、お答えいただきたいと思います。

香山充弘自治大臣官房総務審議官

○政府委員(香山充弘君) お答え申し上げます。  まず、オウム関係で地方団体が有しております債権でありますけれども、私どもが今把握しております数字で申し上げますと、オウム施設の所在する地方団体におきます固定資産税あるいは不動産取得税等がございますけれども、これが山梨県の上九一色村等九団体で約八千四百万円ほどございます。そのほかに、上下水道の使用料として東京都等が保有しております債権が四十三万円ほど。また、国民健康保険の求償権というのがございますけれども、オウム関係の診療所が所在する市町村など、これは数が多うございまして三十五団体ほどに上るのではないかと思っておりますけれども、これが約七百六十万円となっております。  それから、個々の地方団体の債権ではございませんけれども、被害者が公務員であった場合に、地方公務員災害補償基金というのが補償を行った場合がございますが、これにかかわる求償権として約三千四百万円ございます。  これらを合わせますと、地方団体関連の債権総額は一億三千万円程度になるのではなかろうかと思っております。  現在、各地方団体では、国におきます法律の動き、あるいはその取り扱い内容を踏まえた検討をいただいておるところでございまして、国の法律の成立を待ってその取り扱いが決定されるものというふうに考えております。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 終わります。

矢田部理新社会党・平和連合

○矢田部理君 この破産処理といいますのは、通常の会社の倒産、破産の場合と違って特殊異例でありますので、いろいろ管財人も御苦労されてきたと思います。その重要な一つに、できるだけ被害者に救済の措置を講じようということでかねてから努力があったと聞かされておるわけでありますが、そういう動きにこたえるものとして、今回特例法をつくったのは笹川委員長の大変な御苦労があったと思います。改めて敬意を表し、また私も全面的に賛成を申し上げたいと思うんです。  最初、行政的な裁量で立法を待たずにできないかという議論もありました。しかし、財政法等の関係で、恐らく法律事項でなくては無理だということでこの特例法になったと思うのであります。同時にまた、結果としては国の債権は全面的に放棄をする。しかし、放棄をすると被害者だけではなくて他の債権者にもその分が配当に回ってしまうので、被害者だけに回る方法がないかということでこの劣後的債権処理をしたというのは一つの知恵だと思って、私はこれまた敬意を表するものであります。  結論的には国は幾らぐらいの債権、本来の債権、本来の権利主張であれば実質上配当されるであろう債権というのは一体どのぐらいなのか、ちょっと数字的に教えてください。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 国が届け出た債権の総額は四億五千九百九十五万四千二十六円であります。内訳につきましてはその下の方に書いてありまして、それぞれの法律の条文の根拠によって請求したものでございます。  御案内のように、国としては本来はもらいたいのでしょうけれども、精いっぱい議員立法という形でこれだけのものは放棄を、放棄というよりは後に回るわけですけれども、実質的にはもう取れませんので、そういう意味では大変国も御協力をしていただいたということの理解を持っております。  御案内のように、配当率が最終的に二三%ぐらいいけば、私は意外に土地、建物、預金が少なかったなという観念はありますが、破産管財人が職権によって調べていただいてこれしかないわけでありますから、これは万々やむを得ないなというふうに考えております。

矢田部理新社会党・平和連合

○矢田部理君 国の実質上の放棄額は一億二千万ぐらいというふうに伺っておりますが、そのとおりでしょうか。

細川清法務省訟務局長

○政府委員(細川清君) そのとおりでございます。

矢田部理新社会党・平和連合

○矢田部理君 先ほどから議論になっておりますが、他の自治体とか営団地下鉄なども含めて将来放棄をされるとすれば、その結果、配当額は放棄額よりももっと少ないわけでありますが、全体として被害者側に回るであろうお金の総額は幾らくらいが見込まれるでしょうか。

細川清法務省訟務局長

○政府委員(細川清君) まず、本件のような立法がない場合には犯罪被害者にどれだけ配当金が行くかということでございますが、私どもの試算では七億六百万円程度、すなわち配当率としては一七・八%程度でございます。  国の債権の中には優先債権もございますが、これもすべて劣後化する、それから地方公共団体の届け出債権も先ほど自治省の方から御答弁がありましたような形で全額放棄されるということになりますと、犯罪被害者への配当金は九億一千三百万円で、被害者への配当率が二三%になるということでございます。

矢田部理新社会党・平和連合

○矢田部理君 そこで思うのですが、国としてできること、あるいは自治体等々が今可能な処置というのがそんなものしかないのかなと思うのです。被害者の立場から見ると、もともとお金でかえられない命が奪われたり、大きな傷跡を今でも残しているわけでありますが、こういう特殊な被害者といいますか深刻な被害者に対して、国としてもう少し手厚い措置ができるような制度的補償というのは検討の余地がないものでしょうか。  かつて、犯罪被害者等に対して一定の給付金をやる制度を創設したことがありますが、これとても金額的には今の時世からいえば非常に少な過ぎる。それから、阪神・淡路の被災者等に対する補償の問題なども実は議論としてはあるわけでありますが、そういう人災、天災がありますが、加害者が支払いができないとか、加害者が特定できないとか、天災ということになれば自然災害などは大方そうなのでありますが、そういう場合の被害者救済の道というのは、今後の政治のあり方としてもう少し検討してしかるべきではないかと思いますが、笹川先生、いかがでしょうか。

笹川堯自由民主党

○衆議院議員(笹川堯君) 今の矢田部先生の御意見は政治家としてごもっともだと思います。とりあえず今回はこういう形になりましたが、もう少し時間をかけて、予測される事案に対応できるような法案をつくっていくべきだというふうに思います。また、法務省当局も、事務的ではありますけれども、重大な関心を持って対応したいというように御答弁もしていただいておりますので、ぜひひとつ先生にも御協力いただいて、今後め課題として解決させていただきたいというふうに願っております。

矢田部理新社会党・平和連合

○矢田部理君 終わります。

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 速記を起こしてください。     —————————————

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 次に、裁判所法の一部を改正する法律案及び司法試験法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から両案について趣旨説明を聴取いたします。下稲葉法務大臣。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(下稲葉耕吉君) 裁判所法の一部を改正する法律案及び司法試験法の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。  初めに、裁判所法の一部を改正する法律案についで御説明いたします。  この法律案は、司法の機能を充実し、社会の法的ニーズにこたえるため、司法試験合格者を年間一千人程度まで増加することに伴い、時代の要請に適応した法曹養成制度を構築する観点から、裁判所法の一部を改正しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。  第一点は、現行法上少なくとも二年とされている司法修習生の修習期間を少なくとも一年六月としようとするものであります。  第二点は、司法修習生が国庫から給与を受ける期間に関し、修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間を超える部分を除外しようとするものであります。  次に、司法試験法の一部を改正する法律案について御説明いたします。  この法律案は、民事訴訟法及び刑事訴訟法についての知識が法曹となるのに必要不可欠なものである等の観点から司法試験第二次試験の試験科目の適正化を図るため、司法試験法の一部を改正しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。  第一点は、論文式による試験及び口述試験の試験科目について、民事訴訟法及び刑事訴訟法を必須科目とするとともに、法律選択科目を廃止しようとするものであります。  第二点は、口述試験の試験科目を憲法、民法、刑法、民事訴訟法及び刑事訴訟法の五科目としようとするものであります。  以上が両法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

武田節子公明

○委員長(武田節子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十七分散会      —————・—————

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