文教・科学委員会 第18号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/28
会議録
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、山下栄一石及び本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君及び竹村泰子さんが選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、来る五月七日、現地において意見聴取等を行うため、茨城県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員等の決定は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ動力炉・核燃料開発事業団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳です。 大臣、よろしくお願いいたします。 さて、今回の動燃の組織改革法案は、平成七年十二月の「もんじゅ」の事故と平成九年三月の東海事業所のアスファルト固化処理施設の火事を契機に提案されたものであります。しかし、これだけ国民の信頼を失墜させた動燃をなぜ存続させる必要があるのか、いっそのこと高速増殖炉の開発から撤退してしまえという強硬意見もあります。 大臣に伺います。 動燃を新しい組織として存続させる、言葉をかえれば、高速増殖炉の開発を継続させる必要性がなぜあるのか、改めてお伺いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) きょうから当委員会で動燃改革の法案を御議論いただくことになりまして、大変ありがたく思っております。私としても全力を挙げて答弁をさせていただきたいと思っております。 そこで、今、馳委員から一番肝心ななぜ高速増殖炉が必要なのかという御質問がございました。 私は二つの観点から必要だと思っております。 まず一つは、日本は資源のない国でありますから、経済性や安定供給性ということから考えまして原子力エネルギーということがどうしても必要であります。単に原子力エネルギーというだけではなくて、高速増殖炉ということを申し上げますのは、ウラン資源、今は比較的価格が安くなっておりますけれども、このウラン資源も無限ではありません、この高速増殖炉の中では燃やしていくと使った以上の燃料ができ上がってくる、こういうエネルギーの有効活用という上から言って高速増殖炉というものはやはり必要なのではないかという観点が一つでございます。 それからもう一つは、資源論だけではなくて環境論の観点ですが、要するに、例えば今までの軽水炉で燃やしただけでその廃棄物といいますか燃料を捨ててしまいますと、地球環境に対する負荷というものが非常に重くなってくる、もう一回これを有効利用していくことにして地球に対する負荷を少なくしていく、そういう環境論的な観点からも高速増殖炉というものが求められているのじゃないか、私はこう思っているわけであります。 そういう観点から、高速増殖炉懇談会、これは東北大学の西澤先生に座長をしていただいたわけですけれども、各方面からいろんな御議論をしていただいて、そういう非化石燃料のこれからの有効な有力な一選択肢であるという位置づけをいただいたわけであります。 私どもも、このような考え方のもとに、国民の信頼を得られる形で推進していかなければなりませんから、動燃を改組して何としてもこれを長期的な視野で実現に向けて研究開発を進めていきたい、こう思っているわけでございます。
○馳浩君 この点につきましてさらに具体的に追及をしてみたいと思います。 今ほど大臣も触れられました高速増殖炉懇談会、平成九年十二月一日に報告書が出ておりまして、この中に少数意見として九州大学の吉岡先生が「高速増殖炉開発の中止を求める立場で」ということでの反対意見を載せておられます。「原子力発電に絶対反対の立場を取る者ではありません。」というふうな大変慎重な言い回しでありながらも、この報告書の中では五つの観点から撤退すべきではないかというふうな議論を述べておられます。ちょっと紹介させていただきますと、 第一にその実現可能性は大いに疑問です。高速増殖炉は過去半世紀にわたる巨費を投じた開発(日本だけでも三十年間と一兆円を費やした開発)にもかかわらず、さまざまの課題を克服できず、商業化の展望を開くことに成功していないからです。また第二に高速増殖炉は、ブランケットにおいてスーパー兵器級プルトニウムが大量生産されるために、軍事転用のリスクが際立って高いことは周知の事実です。さらに第三に高速増殖炉には安全上のさまざまの問題点があり、現在に至るまでその安全性は確立されておりません。また第四に経済的な合理性については、半世紀の開発期間を経た現在でも、高速増殖炉から生み出される電気は、化石燃料や軽水炉と比べ、数倍のコストが掛かります。建設費や燃料費の将来の大幅コストダウンの可能性も疑問です。さらに第五に高速増殖炉は、国際曲および国内的な政治情勢の変化や、事故・事件の発生に対してきわめて脆弱です。 「最近になって欧米諸国の多くが、高速増殖炉を選択肢の候補からも外してしまいました。」というつけ加えも含めて、少数意見という形ではありますが、こうして明記をされておる。 私はもちろんこの報告書へ載せられております多数意見も拝見いたしておりますけれども、その多数意見に照らし合わせても、これから指摘いたします三点について、私のような素人にはなかなか理解できない点がありますので、お伺いいたします。 実現可能性、安全性、経済性の三点につきまして、時間差はありますものの、今後の開発で問題が解決するめどが立っていると、だからこの先に組織を改編して進まれると思うんですが、この三点について、開発のめどが立って方向性が明示されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 高速増殖炉の実現の可能性、安全性、経済性についての御質問でございます。 まず、高速増殖炉というようなエネルギーを大量に取り出そうとする装置の開発につきましては、一般的には小さい実験炉、これは発電をいたしませんが、それから発電をする規模の原型炉、それからコストを実証するための実証炉、そして通常の商業用発電所、大体そういう段階を踏んで開発をしていく、そういうことが必要でございます。 我が国におきましては、既に茨城県にございます実験炉「常陽」、それで約二十年間の運転実績を有しております。「常陽」と申しますのは、発電をいたしませんが、熱の出力で十万キロということでかなりの熱を出す装置でございまして、トラブルもなく運転されてきているわけでございます。 また、原型炉「もんじゅ」は、でき上がりまして、試運転をいたしまして、最初の送電をいたしましたが、御承知のようにナトリウムの漏えい事故で現在はとまっております。 それから、原型炉に引き続きます実証炉、これは経済性を実証するためのもので、これは電気事業者が中心になってつくるというものでございますが、これにつきましては既に電気事業者が建設の主体も決めまして、設計研究あるいは関連の技術開発を進めているところでございます。 今御指摘の課題につきまして、安全性でございますが、安全性につきましては、先ほど申しましたような「常陽」でもう既に二十年間ナトリウム炉としての運転経験もございます。それから、「もんじゅ」につきましては、このたび漏えいの事故がございましたが、逆にそういうものを糧にいろいろと総点検をしたりしながらさらに安全性をより高度なものにしていく、そういう努力をしながら運転を行いましてその実績を積み重ねていき、それを実証炉に反映したいと考えております。 また、経済性につきましては、これはやはり一つはウランの価格と申しますか、ウランが大量にある間は軽水炉は非常に安いわけでございますが、長期的なことを考えますと、やはりウランの価格の問題によりまして経済性というのは変わってまいりますし、また高速増殖炉自身につきましても、機器をもう少しコンパクトにするとか発電所全体をもう少しコンパクトにして安くするとか、そういう建設に関する経済性の努力も今後必要かと考えております。それからさらに、燃料をよく燃やす、そういうことによりまして、やはりそれも経済性が達成可能でございますから、そういうようなことで経済性の努力もしていかなきゃいけないと考えている次第でございます。 ということで、実現の可能性と申しましては、我々は将来のことを考えますと、やはり実現のために必要でございますし、それは実現し得るものと、そういうふうに考えている次第でございます。
○馳浩君 この実現可能性、安全性、経済性というのはすべて私は連動する問題だと思うのですが、今の御答弁では解決のめどが立っているというふうな答弁には私には聞こえなかったと思います。 というのも、二十年間の経験に照らし合わせて今後も生かしていきたい、努力していきたい、反映していきたいという言葉では、どうも素人の我々にはなかなか理解できないという点があります。これは恐らく今後の課題であるからこそそういうような表現しかできないと思いますので、さらにちょっと突っ込んで質問させていただきたいと思います。 引き続きまして、高速増殖炉懇談会報告書について多面的に質問をさせていただきます。 それは、この懇談会報告書と平成六年の「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」、いわゆる原子力長計との比較検討であります。これは今後の我が国の原子力政策、特に高速増殖炉の推進計画がどのように変更されたのかを見きわめる上で不可欠な作業と思います。 まず、全体的な印象から質問させていただきますが、原子力長計で決まっていた高速増殖炉の実用化までの数字まで入れていた具体的な計画をこの懇談会の報告書で白紙化している、つまり高速増殖炉の将来性が不透明になった印象を受けますが、いかがでしょうか。 具体的に言いますれば、例えば原型炉「もんじゅ」については、原子力長計では一九九五年末の本格運転を目指す、これが懇談会報告書では実用化の可能性を確度高く追求するための研究開発の場という形になっておりますし、実用化に向けてという点からすれば、二〇三〇年ごろまでには実用化が可能となるよう技術体系の確立を目指すとあったのが、懇談会報告書では、先ほど大臣の御答弁にありましたように、有力な選択肢の一つとしてというふうなことで数値目標も消えておりますけれども、この点、不透明になった印象がぬぐえないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 先生御指摘の平成六年に策定されました原子力開発利用長期計画におきましては、高速炉を核燃料リサイクルの中核、それから将来の原子力発電の中核と位置づけておりまして、二〇〇〇年代の初頭には実証炉に着工し、二〇三〇年ごろまでには実用化を目指すというような、そういうスケジュールを立ててございました。 片や今回の原子力委員会の高速増殖炉懇談会におきまして、今回はスケジュールありきということではなくて、やはり高速増殖炉というのは非常に息の長い話でございますから着実に技術的可能性を追求する、そういうことが重要だと、そういうふうに認識されたわけでございまして、進め方といたしましても、これは先生も御指摘されましたが、非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として実用化の可能性を追求するために研究開発を進めると。それからまた、その実用化に当たりましては、実用化の時期を含めた開発計画につきましては安全性、経済性、そういうものを追求しながらも柔軟に対応していく、そういう報告書になったわけでございます。 一部の新聞では白紙というような話も出たわけでございますが、これは御指摘のような実用化までの計画を白紙化したということではなくて、将来の計画を柔軟に考える、例えば二〇三〇年と申しましてもそのころのウラン需給とかいろんな外的な要因もあるわけでございますから、そういうことを考えながら段階を踏んで着実に進める、そういう方針を明確にしたということでございます。 したがいまして、進んでいく方向としては変わっていないと思いますが、進み方が、最初からいつまでにという目標をつくってやる方式から、少し着実にやりながらフレキシブルにやっていこうということで変わったというふうに考えている次第でございます。
○馳浩君 これは私の感覚なんですが、政策目標としては非常にあいまいではないかと。柔軟に考えると言えば、数字を白紙化してそれを今回柔軟に考えるという表現で言えばいいんですけれども、我々国民の税金を使って研究していくという上では政策目標としては非常にあいまいではないのかな、国民にはその辺がわかりづらいというふうに思うわけです。 実は質問通告してありますけれども、次に高速増殖炉の位置づけについては、これまでは原子力政策において中核であり主流であると、これが今の御答弁もありましたように将来の非化石エネルギーの一つの有力な選択肢へと変わったというふうに、ある意味では格下げになっているわけですね。この意味合いからして非常に政策的な重要度が下がったということは現実的な問題でありますから、ならば、もうちょっと予算的なものも含めましてばっさりと断ち切る部分があってもよいのではないかというふうな気もするんですね。この点いかがでしょうか。 まずは政策的な重要度という点におきましては、この高速増殖炉の将来性、必要性というものの政策的な重要度が落ちたということの認識はされていますよね。
○政府委員(加藤康宏君) 高速増殖炉の重要性と申しますのは、大臣が冒頭に御説明しましたように、日本の長期的なエネルギー問題を考えますと、化石燃料にもなかなか頼っていられない、それから新エネルギーも大量にエネルギー供給するようになかなかならない、原子力に頼るにいたしましても、現在の軽水炉を中心にいきますと、今まで発見されているウラン鉱石だけでいきますと例えば七十三年ぐらい、可採年数と言っていますが、しかもたないというような試算もあるわけでございまして、孫、ひ孫の時代を考えますともう少しエネルギーを供給する重要な手段を開発しておくべきだろう、そういう意味で高速増殖炉の期待が高まるわけでございまして、そういう必要性というのは変わっていない、高速増殖炉をやっていくことによって、技術によってエネルギー資源の問題が解決できる、それはやっぱり原子力の非常な特色だと思っておりますので、長期的な観点から必要であろう、そういうふうに考えている次第でございます。
○馳浩君 ならばちょっと私の質問も発想を転換させていただきますけれども、高速増殖炉を実用化していくためには、高速増殖炉の研究開発を進めるだけではなくて、高速増殖炉の再処理技術の確立に向けた取り組みも必要になってくるわけでありまして、高速増殖炉の再処理技術の確立に向けた研究開発の現状及びその技術の確立の見通し、こういうものを示していただかないと将来性というものは論じることができないわけですね。 とりわけ私が伺いたいのは人材の問題なんですね、研究していくための。科技庁では十分な予算もつけられると思いますし施設も整っていると思いますけれども、その人材をいかに確保して、その研究の成果を日本として実用化に向けてどのように発揮していくのかこういう見通しがなければ我々も今回の組織改正をはいそうですよというふうにはいかないわけなんですね。この点いかがでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) まず、高速増殖炉燃料の再処理の技術的な御説明をしたいと思いますが、軽水炉使用済み燃料は既に再処理されております。それとの違いから申しますと、当然燃料の型が違いますし、その中にはプルトニウムがたくさん入っております。したがいまして、再処理する場合には、臨界管理と申しますか、臨界にならないように小分けをするようなシステム、そういうようなことをしなければいけないのがあります。 それからもう一点、経済性を高めるために一つの燃料をなるべくたくさん燃やしますから、逆にその中にたくさんの核分裂性の、核の生成物と申しますが、そういうものができている。そういうものは、現在の軽水炉でやっています再処理、ピューレックス法と言いますが、なかなか少し溶けにくいものでございますから、そういうような問題を解決しなければいけないわけでございますが、既に、先ほどの高速実験炉「常陽」の使用済み燃料、それにつきまして基礎的な実験をしております。その結果、基本的には現在の軽水炉でやっています再処理の方式、そういうものが適用可能、そういうような見通しを得ております。 そういうもののほかに、高速炉燃料特有の問題としまして、燃料を解体しやすくするためのレーザーでの解体機をつくるとか、あるいは臨界管理に対応いたしまして小型で処理速度が速い機械をつくるとか、あるいは被曝を減らすためになるべく遠隔的にやるとか、そういうようなことも研究開発をしているところでございますし、工学規模のホット試験も予定しておりますが、そういうことによって技術は確立できると考えております。いずれにせよ、再処理というのはたくさんの発電所に対応して一つの再処理工場があればいい。例えば、六ケ所村でも今八百トンでございますが、四十基ぐらいの原子力発電所の燃料を処理できるぐらいの能力はあるわけでございますので、一般的には再処理の研究開発というのは炉の開発よりもちょっとおくれたステージで始めている、これでちょうどよろしいんじゃないかと思っておりますが、そういう意味で、我々は基礎的な処理から始めましてそういう工学試験、そういうものに鋭意努力している次第でございます。
○馳浩君 この再処理技術に関しましては、最終的に場所の検討にも入っていかざるを得ないと思います。これはちょっと先の先の話になりますのできょうは触れません。 続きまして、観点を変えまして、高速増殖炉の開発継続の是非について質問させていただきます。これは海外の状況からの質問とさせていただきます。 現在、高速増殖炉の研究開発を進めているのは日本とフランスだけです。ロシアは実験炉が稼働しているにすぎないと言っても過言ではありません。アメリカは開発を中止しております。そのフランスが実証炉であるスーパーフェニックスを廃炉し、かわりに現在停止中の原型炉フェニックスを再起動させて、二〇〇四年まで消滅処理の研究に活用させることになっております。 このフランスの対応は一言で言えばどうなったと考えたらよいか。これは、私のような素人目には、実験炉、原型炉、実証炉、商業炉と続く開発の道程を考えた場合に、実証炉が廃炉になり一つ手前の原型炉に戻ったということは開発研究の後退と映ります。そのように認識してよろしいですね。あわせて、今後のフランスの高遠増殖炉開発の方針はどうなっているのか、もしお知りでありましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 海外での高遠増殖炉の開発の状況でございますが、ロシアにおきましてもBN6〇〇といって六十万キロワットの高速炉を運転しておりまして、そういう意味ではロシアも高速炉の開発に非常に熱心でございます。 先般、橋本・エリツィン会談のときにも、日ロ協力の中の六テーマ、今度七テーマになりました一つに原子力平和利用がございまして、高速炉の専門家会合をこれから開くということがそこで決まったわけでございまして、日ロ間の高速炉の研究の協力もこれから進むと考えております。 なお、フランスにおきます開発の問題でございますが、先般もフランスの責任者がいらっしゃいましたが、フランスでは、スーパーフェニックスと申しますのはいわば実証炉でございますが、それを取りやめた理由と申しますのはもうひとえに経済性の問題でありました。というのは、実証炉スーパーフェニックスを計画したのは十五年か二十年ぐらい前だと思いますが、その当時はもっとウラン価格が高くなると思っていた、そういうことで建設を始めてやったんですけれども、そういう見通しが変わっていた、そういう意味で経済性が合わなくなって実証炉はやめるんだと。しかしながら、高遠炉の開発は続けると。実証炉と申しますのは、どちらかといいますと電力サイドがつくっているものでございますが、研究開発というのはフランスでもやっぱり国サイドの方の努力でございますが、そちらの方は引き続き続けますと。ただし、先ほど申しましたように、フェニックスも二〇〇四年までそういうことで消滅処理研究として再開されるということでございまして、今般、フランスと日本との専門家の会合も開催しましたが、やはり高速炉の研究開発はフランスは続けるんだ、日本と一緒にやっていきましょう、そういうことを合意したところでございます。
○馳浩君 私が聞きたかったのは、そのフランスの実態というのは高速増殖炉についての開発研究の後退というふうに認識していいんですねというふうな質問だったので、そうですねというぐらいの認識なのかなと。それはいいです。次に、今御答弁になりましたけれども、フランスとの間で四月二十一日に修一回高速増殖炉に関する日仏専門家会合が行われた。時期的に言えばこの法案を提出されておる中で非常にタイムリーな意義の深い会合であったと思いますが、この日仏専門家会合におきまして具体的にどのようなことが新たに提案されたのでしょうか、その実現可能性やその意義等もどのように科技庁は認識しておられるのでしょうか、お聞かせください。
○政府委員(加藤康宏君) その会合におきましては、両国が今後とも高速増殖炉の研究開発路線を維持していく、それから両国の協力関係を維持発展していくことが重要だということが確認されまして、マイナーアクチニドと申しますが、プルトニウムとかウランに近い元素でございますが、そういうものとか核分裂生成物の消滅処理、それからプルトニウムの利用に関して共同研究をしていこうということが一応合意されました。また、それに関連しました人材の交流、そういうことにつきましても合意したわけでございます。 また、その会合におきまして、さらに今後のそれ以外の協力テーマは何があるかということでございますが、一つは高速炉のサイクル、先ほど先生御指摘されましたそういう再処理を含めたサイクル、そういうものの確立に向けました戦略を検討していこうとか、それから「常陽」の運転経験、当然向こうもございますので、そういうものの交流について協力を強化していこうということが提案されました。 具体的なやり方といたしましては、専門家の相互の派遣とかあるいは施設にお互いに受け入れる、そういうことの人材交流を強化していくとか、それから日本の「常陽」、フランスのフェニックス、そういうものの施設を利用した共同研究、そんなことを今後両国間で検討していこうということでございます。 高遠増殖炉につきましてはいろんな意見もございます。そういう中で、日本とフランスとの間でそういう研究開発を一緒にやっていこうということを確認し合った、そういうことは非常に意義深いものであると考えておる次第でございます。
○馳浩君 要は、人材交流であるとかお互いの施設を利用し合うとかいう、そういう意味では部分的な初歩的な共同研究の域を出ていないというふうに認識せざるを得ない。 ここで大臣にお伺いしたいのは、世界でも日本とフランスのみがこうやって高速増殖炉の将来性について研究開発は持続していこうと言っているのならば、もっとどかんと金を出して本格的に共同研究をやっていってもいいんじゃないですか。これは専門家会合が始まったばかりで大臣もお答えづらいかもしれないですけれども、現実にフランスと日本だけがこういう立場をとっているのであるならば、逆に世界をリードする立場でお互いに予算も出しましょうよ、実際に持っている施設設備を使って人材も有効に活用して共同研究をちゃんとやっていきましょうよという理念を打ち出した方が科技庁として立場が鮮明になりますし、国民の不安にこたえる意味でも逆にむしろ科技庁としての国民に向けての大切な立場であると私は思いますし、フランスと共同でやるわけでありますから、それがまさしく研究成果についても公正、公平性を持たざるを得なくなると思いますので、これは必要な態度じゃないかと思いますが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから高速増殖炉の研究開発のあり方について馳委員からいろいろ御指摘があるわけでありますけれども、私はやはりこれは長期的な視野で見ていかなきゃいけないということが一つあると思います。短期的には確かにウランの需給というのが思ったほど逼迫していなかったということがありますけれども、長期的に見ていけば、やはりウラン資源の有効活用という意味からいっても、高速増殖炉というのは必要ではないかと。しかし、これは時間も要するし、同時にお金も率直に言って要る研究であります。人材もたくさん要る。こういうビッグプロジェクトになると日本だけでやっていくというような考え方ではなかなかできないのではないかと。 ちょっと話が戻りますけれども、そこで諸外国を見ていきますと、先ほどアメリカの例も馳委員が御指摘になりました。アメリカが高遠増殖炉を今やっていないという理由はフランスの場合とはまた全然違っておりまして、アメリカは、高速増殖炉をやるとプルトニウムというものができてくる、それを世界じゅうに広げていった場合には核不拡散の問題があるではないかというアメリカの核政策といいますか、そういう政策から高速増殖炉というものをやめたということでありまして、経済性とかあるいは技術性とか安全性とか、そういうところからアメリカはこれを放棄したわけではないわけであります。 そうなりますと、日本のように環境論、資源論から高速増殖炉が必要だということを考えている一番よいパートナーはフランスだということになるわけであります。やはり、こういう問題は情報収集が必要でございますから、私も科学技術庁に参りましてできる限りフランスの高速増殖炉開発の情報については注意を払ってきたつもりでございます。今も日仏の高速増殖炉開発についていろいろお話がございましたけれども、昨年、ピュレさんとおっしゃるフランスの閣外産業大臣が原子力政策を担当しておられますが、お見えになりましたときに私から問題提起をしまして、日仏のこの問題の専門家の会合で協力をしていこうということを申し上げて先般実現の運びになったわけであります。 それで、ばんとお金をつけてどんどん押していけ、こういうことでございますが、先ほど原子力局長が御答弁しました消滅処理、これなんかは先ほどの御指摘のように高レベル廃棄物をどう処分していくかというのが核燃サイクルを確立する上での一番大きな課題でございますから、どんどん高レベル廃棄物がたくさん出ていくというのはやっぱり研究してもう少し何とかできないか、そういう意味では、高速増殖炉の中でさらに燃やしてできるだけ高レベル廃棄物を少なくしていく、今想定されているよりもさらに少なくしていくという研究などはこの高速増殖炉の上では極めて重要な研究だと私は思っております。もちろん、これをやったからといって全部高レベル廃棄物がなくなるというわけではありませんけれども、できるだけ少なくしていく、これは高速増殖炉を開発していく上での極めて大きな研究課題になるのではないかと思っております。 具体的には私も技術的な専門家ではありませんので専門家の検討を待たなければなりませんけれども、先ほど申し上げたように、いろんな意味でのフランスとの協力をこれからも進めていく、具体的なきちっとしたよいテーマを選んで強力に進めていくということは、これだけのビッグプロジェクト、しかも長期的な視野で見なければならないということで極めて大事なことである、こう思っております。
○馳浩君 やはり、日本国内だけではなくフランスもやっておるということであるならば、共同の研究の輪を広げていく、そしてその中で方向性を判断していくという観点は私はこれは避けては通れない、国民はその点を注意して見ていると思いますので検討をお願いしたいと思います。 それから、重要な問題がもう一つありますけれども、使用済み燃料を再処理するか直接そのまま捨てるかの二者択一ではなくて、中間貯蔵するという考え方も出てきております。これは一体どういう理念のもとに行われる作業なのか、日本では前向きに検討されていくものなのでしょうか。これは新聞報道等にもう既に出ておりますので、東大教授の原子力政策学の鈴木先生なども指摘しておられますところでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 使用済み燃料の中間貯蔵というのが昨年の二月の閣議了解でこれから検討しようという話になっているわけでございますが、日本の場合は原子力発電所から出ます使用済み燃料は基本的に再処理をする、そういう方針でございます。 ただし、今の六ケ所村に建設中の再処理工場は規模が年間八百トンの処理でございますが、現在全国の原子力発電所から年間九百トンの使用済み燃料が発生しております。したがいまして、再処理しましても年間百トンずつふえていく勘定になるわけでございまして、今は各発電所のプール容量がございますからそういうところにためておるわけでございますが、いずれにせよ、次の再処理工場をつくるのもかなり先になるものですから、しばらくの間は中間的に貯蔵しておこうという、そういう意味で中間貯蔵を検討しております。あくまでも使用済み燃料をそのまま処分するための貯蔵というのではなくて、再処理をするのを待つための中間貯蔵、そういうような位置づけでやっております。 それで、昨年の二月の閣議了解を受けまして、科技庁、通産省、電気事業者から成ります使用済み燃料貯蔵対策検討会、そういうものをつくりまして、二〇一〇年までに発電所の外で貯蔵が開始できるように、そういうような検討を進めてきたわけでございます。 その結果、今までの実績から安全性とか技術的には問題はない、これは確立されていると。ただし、原子炉等規制法にそういうような業務を規制するのがございませんから、原子炉等規制法を改正して、そういう使用済み燃料の貯蔵ができる事業、そういうものを新設しなければいけないと。それから、そういう貯蔵する業を行うのは必ずしも電力会社に限定することはないだろうと。そういうような報告書をこの三月に取りまとめたところでございまして、この後、通産省におきましてはエネルギー調査会においても検討が進められまして、その後また原子力委員会にも報告があると思います。原子力委員会でもそういうことを検討しながら適切な施策を進めていきたいと考えている次第でございます。
○馳浩君 この中間貯蔵という案につきましてはより慎重に検討していただかないと、どこにどのぐらいどの期間貯蔵するのかという論点でまたこれは国民の不安をかき立てることにもなりますので、そこは慎重に検討していただきたい点である、私も注目していきたいと思っております。 続きまして、この法案につきまして詳しく検討させていただきたいと思います。 法案によりますと四つの大きな柱に分けられると思います。動燃の事業の見直し、経営の刷新、安全強化、社会に開かれた体制の確立。 この新しい法人の基本構想に関しましては動燃改革検討委員会作成の「基本的方向」で固められておりまして、これはこれまでの反省として、経営の不在が事業の肥大化を生み、この肥大化が動燃の業務や組織の適正な管理を困難にし、縦割り硬直化を生み、結果として事業の水平展開を妨げて競争力を向上させず、また事故防止の進歩を妨げたというふうに述べられておりまして、これは日本の官僚組織のどこの組織にも当てはまる反省文じゃないかなと思いながら私も読ませていただきました。 これを受けまして、事業の重点化が不可欠としておりますけれども、具体的に簡単に御答弁ください。一体どの事業が残り、あるいは撤退したり、あるいは民間委託されるようになるのですか、御説明ください。
○政府委員(加藤康宏君) 業務の整理縮小でございますが、大きく言って二つございます。基礎的なところと実用に近いところ、そういうところを整理しているわけでございます。 一つは、動燃ではフロンティア研究と言っておりまして、かなり基礎的な研究でございますが、そういうところの一部につきまして、例えば計算機を使った研究、計算機科学と申しますか、というようなものとかあるいはレーザーを使っていろんな研究をする、そういうような部分につきましては基本的には原研の方に移管いたしました。あるいは中にはやめたものもございます。 それから、実用化に近いところということでございまして、一つは、新型転換炉につきましては、これは実証炉の建設というのがなくなりましたので、これも基本的には撤退をしようと。 それから、ウラン濃縮の問題につきましては、これは既にもう民間に技術移転を始めております。動燃の技術で六ケ所村で民間が工場をつくっておりますので、その技術をもっと徹底して民間に移していこうと。これも過渡期間を置いて濃縮技術をもうやめようと。 それから、海外ウランの探鉱につきまして、これは既に民間がいろんな長期契約等でウランの手当てをしております。したがいまして、過渡期間を置いてこれも廃止しようということで、大きくその四点、基礎研究と三点を廃止することにしたわけでございます。 そういうものを廃止いたしまして、先ほど御議論がございました高速増殖炉及びその燃料サイクル、それから高レベル廃棄物、そういうものに重点を置いて研究開発をしていこうということでございます。
○馳浩君 そこで、問題にしたいのが先進的な核燃料リサイクルの技術開発についてでありまして、これは新法人に残すべきであるということでありますが、実は反対意見もありまして、この点を動燃改革委員会委員の岸田純之介さんが主張しておられます。 この両者の主張の分岐点は、基礎研究によって実用化の可能性があると判断できるか否かで、多数意見は実用化の可能性がある、報告書で言うレベル1に当てはまる事業と主張し、岸田見解は実用化の可能性は不明と考えてレベル0の事業と見て、さらに純粋な基礎研究から開発まで一貫した積み上げ的な研究開発体制が必要と考えて日本原子力研究所に主としてゆだねるべきと言っておられます。 そこで、質問ですが、この先進的核燃料リサイクル事業とは何か、あわせて本当にレベル1に相当すると確信してよいのでしょうか、お答えください。
○政府委員(加藤康宏君) 先進的核燃料リサイクル、特に岸田先生が御関心を持っていらっしゃるのは、現在、高レベル廃棄物の中にネプツニウムとかアメリシウムというアクチニド元素も入っております。実はそういう元素は分裂もするんですが、化学処理の工程で、今の方式ではプルトニウムを取り出すというような処理になっていますので、そういうネプツニウム元素は高レベルの廃棄物の方に入っているわけでございます。そういうアクチニド元素を逆にプルトニウムと一緒に取り出す、そうすると、プルトニウムはそういう不純物が入りますと、プルトニウムはガンマ線がほとんどありませんのである意味じゃ扱いが容易であるけれども、そういうネプツニウムが入りますとガンマ線が強いものですから容易にハンドリングできない、したがって核不拡散上の抵抗性が高まるのと同時に、高レベルの廃棄物からそういう長半減期のものがなくなりますから、高レベル廃棄物の処分も楽になるという一石二鳥のメリットがあるわけでございます。ただし、技術的になかなか大変なわけでございますが、そういうような技術体系を研究すべきだというのが岸田先生の御意見でございます。 そのような先進的核燃料リサイクルにつきましては、前回の長計におきましても、今申しましたような環境への負荷の低減と核不拡散性への配慮、そういうようなことからいろんな技術の可能性を追求して技術の選択の幅を広げることが重要だという指摘がされております。 それに関します研究といたしましては、現在、動燃事業団におきましては六ケ所とか東海の再処理工場の技術、これは湿式のピューレックス法と言っておりますが、それをベースにアクチニドも同時に回収する、プルトニウムと一緒に回収するような技術の開発をしております。逆に、プルトニウムを燃料にするときに振動充てん法というペレットをつくる方式じゃない方式で燃料をつくるような技術、そういうものの開発をしているわけでございます。 それで、原研におきましては、そういうものよりもう少し基礎的な、それに関連したいろんな基礎的な研究をしているわけでございまして、動燃の改革検討委員会報告書におきます基礎研究によって実用化の可能性があると判断されるいわゆるレベル1、我々としましてはそういうところに位置づけておりまして、あくまでも開発を念頭に置いた研究、そういうことを新しい法人もやっていこうと、そういうことでございます。
○馳浩君 最後の開発を念頭に置いた研究という点が私はちょっとまだ確信を持てないなという点で、実は岸田委員の主張についてさらに質問させていただきたいんですが、この先進的核燃料リサイクル事業はどこが中心となって研究開発していくべきかの議論は実は動燃の根本的な組織のあり方にも関連しております。 すなわち、先ほど述べました岸田委員が主張していることでありますが、特に先進的核燃料リサイクル事業は原研を中心に行うべきで、かつ、基礎研究から開発まで一貫した研究開発体制の確立、言いかえれば人材の総結集が不可欠で、そのためにも動燃は原研を母体とする新研究所に吸収合併されなければならないと説明しておられます。また、関連して長期計画でも両者の協力体制を予想しております。つまり、今度の法案の根本である動燃と原子力研究所の分離独立を前提にしての動燃改革を否定しているわけであります。 そこで質問いたしますけれども、こういう統合案という反対意見もありながら、なぜ分離独立案にされたのか、説明していただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 岸田委員からは動燃と原研を統合すべきだという意見がございました。それも、特に先進的核燃料リサイクルの研究をするために統合したらいいんじゃないかと、こういう話でございましたが、委員の中でも議論があったわけでございます。 具体的には、新しい法人というのは、事業の目標達成に向けまして施設を開発したり建設したり運転したり、そうした技術実証を図っていく必要が一つございます。片や原研におきましては、まだ幅広い分野にすそ野を広げて先端的かつ独創的な基礎研究を主なミッションとしております。新法人の方は法人として事業目標を立てるわけでございますが、研究所は研究者がそれぞれいろんな目標を設定して研究していく、そしてアウトプットは学術論文だと、そういうようなところでございまして、そういう研究を進めるに当たっての価値観とか効率化、マネジメント、経営、そういう評価が大きく異なっておりまして、組織文化の上で大きな隔たりがございます。 したがいまして、もし新法人を原研と統合いたしますと、組織がさらに肥大化といいますか物すごく膨大なものになりますし、研究開発の目標とかミッション、これもいろんな異質のものが入ってきます。そうすると、ますます柔軟かつ迅速な意思決定ができなくなる、マネジメントができづらくなる、また研究の評価も研究者の評価と開発者の評価というのはやっぱりかなり違います。それから運転者の評価というものも違います。いろんな評価の尺度を導入しなけりゃいけない、そういう意味で円滑な運営ができなくなるだろうと、そういうことで組織論的にやはりそういう統合というのはまずい、そういう意見が大宗であったわけでございます。
○馳浩君 組織論的に分離独立が得策ではないというのと同時に、逆に統合することによって風通しをよくするというふうな議論も出てくると思うわけでありまして、私はこの点はちょっとまだ自分でも判断しかねますので、また改めてこれは委員会で質問させていただきたいと思います。 そこで、動燃に先進的核燃料リサイクル事業の研究開発をさせるのであれば、今後の展開の方針等を原子力委員会の専門部会等で早急に検討すべきであり、原子力長計でもこの点を指摘し、実際に分科会が設立されましたが、しかし「もんじゅ」の事故でその後開かれていないのは非常におかしい、この法案の成立を機に早急に分科会を再開すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 御説どおりに早急に再開したいと考えております。経緯につきましても先生御指摘のとおりでございまして、平成六年十二月に核燃料リサイクル計画専門部会が原子力委員会に設置されまして、その中で先進的核燃料リサイクルの研究を検討する分科会もつくられました。「もんじゅ」の事故を踏まえましてしばらくその検討は中断しておりますが、この法案をお認めいただきましたならば、早速その専門部会、分科会を再開いたしまして検討を始めたいと考えている次第でございます。
○馳浩君 最後に伺いますが、事業の重点化は基本的に支持できますが、まだ必要十分とは言えません。すなわち、限定、重点化された事業の優先順位を決めて効率的に資金を投資していくべきと考えます。そのためには、新法人に事業選定につき幅広い裁量権を付与し、むしろ科技庁は予算確保と業務執行結果の監査ぐらいに役割を限定する、そして事業評価については科技庁でもない外部による評価制を導入すべきと考えます。 以上、事業の優先順位の確保、新しい法人と科技庁との関係、さらに外部評価制について、本法律案についてはどういう考え方に立ち、どういう施策を予定しているのでしょうかこの見通しをお示しいただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃の問題の最大の原因というのが経営の不在だというふうにその報告書で言われているわけでございますが、大臣のお言葉ですと、はしの上げおろしまでお役所が言っていたと、そういうことで余りにも微に入り細に入り口を出し過ぎていたということでございました。 そういうことで反省いたしまして、これからは国は事業目標等業務運営に関する基本的な事項を基本方針として示す、そのもとで機構はその明確な裁量権の責任のもとに自分で中長期事業計画をつくると。したがいまして、その中長期事業計画も理事長の裁量にゆだねられるわけでございますので、先ほどの優先順位、そういうものもその事業計画をつくるところでよく吟味していただいてやっていただくということでございます。 それから、新法人と科技庁との関係でございますが、科技庁といたしましては、先生御指摘のように、業務の執行結果、そういうものを中心に見ていこうということでございます。 それから、当然理事長がその優先順位をお決めになるときには運営審議会の委員の先生たちにもお諮りしながら決められると思いますし、科技庁、当庁といたしましては原子力政策全体との整合性、あるいは国会等の御報告もしなきゃいけませんので、効率的な資金の投資、そういう点はよく見なきゃいけないかと思っていますが、そういうような点からの予算措置を講じていこうというものでございます。 それから、事業の外部評価というお話がございましたが、これにつきましては既に科学技術会議が「国の研究開発全般に関する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」というのを取りまとめまして、それが内閣総理大臣の決定になっておりまして、科技庁も動燃事業団もその大綱的指針に従いまして外部の評価、そういうことを実施することになっております。
○馳浩君 質問はもう終わりましたけれども、これは主たる事務所を今度茨城県に置くわけですよね。小林先生の地元ですよね。これは本当に地元の知事や村長さんやあるいは住民の皆さんとの意思の疎通が欠けていると大変なことになると思うんですね。私はこの点を指摘するのを忘れたんですが、地域に開かれた新しい法人のあり方というものについても心を砕いていっていただきたいと思います。折に触れて大臣の声が見えますように期待するものでありますが、最後に大臣に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 馳先生が最後に御指摘になった地元との協調関係といいますか信頼関係といいますか安全を確保するのが大前提なんですが、安全だけではやはり私は足らないと思うんです。つまり、情報公開や地元とのいろいろなつながりを通じて安全が地元の方たちの安心感に結びつくような施策が大事だろうと、その意味で地元密着ということを今回打ち出したわけであります。そのことは意を用いていかなければなりません。 それと同時に、実はちょっと矛盾したことを申し上げるんですが、今度の法案で一番大事なことは、先ほども指摘されましたように、高速増殖炉を長期でやっていくということになりますと国際的な交流が不可欠であります。地元重視とその国際的な交流との言うなればバランスといいますか、そこをどうとっていくかというのが実は一番のこれからの課題ではないかな、こんなふうに思っております。
○馳浩君 ありがとうございました。 終わります。
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川道郎でございます。 本法案の審議に先立ちまして、COP3と我が国のエネルギー政策はいかにあるべきかという点でお伺いいたしたいと存じます。 昨年の地球温暖化防止京都会議の合意を受けまして、西暦二〇〇八年から一二年までの四年間で温室効果ガス、CO2を六%削減するという、相当きついといいますか、思い切った取り組みをこれから我が国はやらなければならないわけであります。 合意をいたしました六%のCO2削減の基準になるのが一九九〇年でございました。もう既に基準年からは八年を経過いたしております。厳密な計算ではありませんが、本年現在でも一九九〇年から一〇%以上CO2の排出が増加をいたしております。したがって、二〇〇八年ないし二〇一二年までに一九九〇年を基準にして六%の削減をするということは、本年現在の数字でいうと一六%も削減をしなければならない、これは極めて困難といいますか、深刻な数字であるわけであります。 この国際公約を実現するためには、今後二十基ないし二十一基の原子力発電所が必要とされるというような新聞報道もございます。昨年末で我が国で稼働しております原子力発電所は五十一基、四千五百万キロワットだそうでございますが、この目標達成で二十ないし二十一基の原子力発電所を増設して七千五十万キロワットにまで原子力発電所の稼働を高めないと目標が、先ほど申し上げました一九九〇年ベースの六%削減が困難であるということになるわけであります。万が一この六%削減が達成できないということになりますと、これもマスコミの試算でありますが、GDPで一・二%ないし一・八%の切り下げを余儀なくされる、したがって二百二、三十万人の雇用減、失業者が出るというような大変深刻な対応をこれから迫られるわけです。 一方、代替エネルギーという議論もあります。風力、太陽光等の代替エネルギー、これも科技庁で今積極的にお取り組みだと思うのでありますが、総需要の中では恐らく一%ないし二%、したがって今後COP3に我が国がこの国際公約を達成するというためには極めて選択の幅が狭いというふうに考えるわけであります。 冒頭申し上げましたように、COP3に対して我が国がどのような対応をするのか、その中で原子力発電というものがどういうふうに位置づけられるのかまずお伺いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、長谷川先生が御指摘されましたように、六%の削減目標というのがCOP3において決められたわけでありますけれども、その六%ということをいろいろな数値をもとにして決めたわけでありますけれども、そのもととなっている数字は、今御引用になりましたけれども、平成六年九月に閣議決定した「石油代替エネルギーの供給目標」というものがございますが、その中で新エネルギーの三倍増に加えて今後約二十基の原子力発電所の増設に相当する原子力エネルギー、つまり発電量でいきますと二〇一〇年の発電量で四千八百億キロワットアワー、設備容量で七千五十万キロワット、これを導入することが基本だと。こういう前提のもとで先ほどおっしゃったような数値、六%削減という目標が出てきているわけでありますから、これを達成していくためには、もちろん省エネルギーということも必要でありますし、そのほか波とか風とかあるいは太陽とかいったエネルギー、これは決して原子力だけということじゃなく、硬直した頭でなくてやっていかなきゃなりませんけれども、現実の可能性としては、今御指摘のように、そんなに高いものではないということだろうと思います。 そうしますと、今動いている五十一基のほかに二十基をやっていくというのは、現実の社会情勢などから見ますと、なかなかハードルの高い目標であるということはもう御指摘のとおりであります。しかし、私どもとしてはそういう理解を取りづけられるような努力をしていかなきゃならない。これはもちろん通産省と科学技術庁ともに協力して手を携えていかなければなりませんけれども、国民の皆様にやはりこういうものが必要だと思っていただくためには原子力政策に対する信頼がなければできないことだと思います。 今回、動燃改革をさせていただくということも、一つにはこういうような我が国のエネルギー状況あるいは環境の状況にあるとするならば、この動燃をきちっと改革してもう一度国民の皆様にやはり原子力政策を確立することが必要なんだなということを思っていただく、そういう努力のこれは一環でなければならないと、こう思っております。
○長谷川道郎君 今、代替エネルギーの問題が長官からもお話がありました。代替エネルギーについて、これはもちろんエネ庁、通産省の所管ということもあると思うのでありますが、何か科技庁で特別なお取り組みがございましたらお聞かせをいただきたいと存じます。
○政府委員(加藤康宏君) 原子力を除きまして新エネルギーの関係は主として通産省がやっておりますが、科技庁としてやっておりますことは、一つは廃熱の利用と申しますか、地下鉄の熱も含めましていろんなところで、工場の排熱もございますが、そういう熱を電気に転換できないかということで転換装置を開発するとか、あるいは波のエネルギーを発電に使うとか、あるいはほかのものにも使うとか、それからまた原子力の中では必ずしも電気を起こすだけではなくて、高温のガス炉と申しまして、非常に高温のガスをつくることによって製鉄とかいろんな化学工場で要するに熱を直接使うようにする、そうしますと効率がよろしいものですから、そういうような研究、そんなことをいろいろとしている次第でございます。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 先ほど長官もおっしゃいましたが、今後我が国がCOP3に対応するためには原子力政策への信頼が不可欠であるというお話がございました。これはもちろんおっしゃるとおり当然のことであります。 今回の法案で問題になっております動燃の改編の問題でございますが、大臣のお話にございました原子力政策への信頼が必要であるにもかかわらず、この信頼を大きく損なったのが残念ながら動燃の繰り返された事故であったわけであります。私も新潟県でございまして、原発が七基ございます。私の県の現在立地しております地区は原子力発電には極めて好意的といいますか、協力的な地区でございますが、こういう私どもの協力的な地域に対しましても昨年来の動燃の種々の事件、事故というのが極めて悪い影響、大きな影響を及ぼしているのは事実であります。 そこで、本日の議題であります動燃の組織改編についてお伺いいたします。 今申し上げましたように、動燃の事故というのは、きょうは近藤理事長もお見えでございますが、私も昨年来動燃にもお伺いをさせていただいて、理事長のお話も何回も承りました。今回の組織改編は、先ほど馳委員からの御質問で、なぜ動燃を継続させるのか、FBRをどうして継続するのかという観点でのお尋ねがございましたが、私はそのもう一つ前の段階で、なぜ動燃の組織を改編しなければならなかったかという観点でお伺いいたしたいと思うのであります。 一般的に今回の動燃の組織改編は、言葉は悪いんですが、極めて懲罰的な組織解体であるというふうな新聞の報道もございます。もしもそうであるとすれば、特殊法人という行政組織に隣接する組織を懲罰的に解体するということに生産的な意味があるのか、合理性があるのかという疑問が私にはございます。 先ほど来お話にございましたように、九五年十二月の高速増殖炉「もんじゅ」ナトリウム漏えい事故、そしてその後の対応の問題、不適切な処理の問題、そして昨年三月の動燃東海事業所アスファルト固化処理施設での火災爆発事故といったことで、橋本総理にもう動燃という名前を聞くだけでもいやだというふうなお話をさせたというぐらいのことがあったわけであります。 先ほど長官のお話にもございましたが、原子力政策にはとにかく信頼性というのが必要であるというお話を前提として、これらの事故が日本の原子力開発に致命的なおくれをもたらした、そういう意味ではその罪は私は万死に値するのではないかと思うんです。私の新潟県でもエネ庁からプルサーマルについての同意を求められておりますが、プルサーマルがこの問題で極めて遅滞をしておるという直接的な影響もあるわけです。 しかし、申し上げましたように今回の改編は懲罰的な解体や臭い物にふたをしろということではないとは思うのでありますが、そもそも何ゆえに動燃の組織を改編しなければならなかったのか、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) まず最初に、プルサーマルをお願いしております三県あるいは青森県、そういうところに今回の動燃の事故で非常に御迷惑をかけたことは深くおわび申し上げたいと思います。 先生の懲罰的というお言葉もございますが、新聞等におきましてはそういう批評もあったのかもしれませんが、我々といたしましては、たび重なる事故とか不祥事にがんがみまして、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた開発等を行う法人として再出発させる、やはり国民から信頼を受けないと事業はできないわけでございますから、そういう法人に再出発していただくために抜本的な改革を図りたい、そのためには業務を整理縮小したり経営の刷新とか機能強化を図る、そういうような措置を講じようとしているわけでございます。 したがいまして、今回の法律改正におきましては、これまで動燃に蓄積されておりました知的資産、そういうものも当然最大限に活用するということにも配慮いたしながら、先ほど申しましたように、国民の負託にこたえられる組織に生まれ変わってほしいということでございまして、そういう意味で懲罰的な措置ということではなくて、国民の信頼を得た法人に生まれ変わる、そのための措置を講じている、そういうことでございます。
○長谷川道郎君 先ほど申し上げましたように、いろいろな事件、事故はいささか度を超していたのではないかというふうな感じがいたすわけでありますが、しかし研究開発というものには、先般の宇宙開発事業団の審議にもございましたが、失敗は当然つきものであります。 問題は、その失敗を繰り返さない、どのように出てきた失敗をリカバリーするかというのが研究機関の姿勢でなければならないと思うんです。これはNASAのシステム工学でフィードバック、出てきた結果を原因に戻すという、そういうことが研究機関の最も基本的な姿勢であるべきであって、組織改編をするというだけでは済む問題じゃないと思うのでありますが、今回の改編も単なる組織改編ではなく新しい原子力開発に向けての改編であってほしいというふうに考えるわけであります。 先般の四月二十三日の当委員会の審議で、長官からも科学技術は日本の国のもとであるというお話がございました。全くおっしゃるとおりでありまして、科学技術と教育が今日の日本を築いたのであるということに対してはどなたも異論がないと思うわけであります。 それから、今の景気の問題にしても、ちょっと余談になりますが、科学技術振興という観点でも景気対策をやられるわけでありますが、この科学技術の問題で日本は、小さいか大きいかわかりませんが、例えばかつて電力を五十サイクルと六十サイクルに分けてしまったとか鉄道を狭軌にしてしまったとかという失敗があるわけです。今回のこの改編が日本の原子力開発に悪い影響を及ぼさないような形でもって進展されることを望むわけであります。 続きまして、今回の組織改編に伴う業務の見直しについてお伺いをいたします。 今回の法律改正におきまして新型転換炉を廃止するという方針が打ち出されているわけでありますが、いろいろ私も調べさせていただきましたが、なぜ新型転換炉を廃止するのかという御説明というか議論が余り見当たらない。コスト的に引き合わないとかそういうのがありますが、今回何ゆえに新型転換炉が廃止になったのか。 新型転換炉がそもそも手がけられたのは高速増殖炉への中継ぎということであったはずであります。高速増殖炉が夢のエネルギーであり、新型転換炉がその夢のエネルギーへのかけ橘であったという、かつてそういう言われ方をしたわけでありますが、今回の新型転換炉を廃止、整理するということについての御意向をお伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 新型転換炉の問題につきましては、一つは新型転換炉全体の問題と動燃事業団の「ふげん」の問題、二つあるかと思います。 まず、なぜ廃止するのか説明がなかったという点で、新型転換炉の路線をやめた理由ということがあるかと思いますが、新型転換炉は昭和四十二年から開発が始まったわけでございますが、当時の状況は濃縮ウランの入手がなかなか難しい、濃縮ウランはアメリカと契約してアメリカからしか買えなかった、したがいましてエネルギーの自立と申しますか、そういう観点から依存度をなるべく減らさなければいけない、軽水炉だけに頼っていますと濃縮ウランがたくさん要るものですから、そういう意味で濃縮ウランの要らない炉型をつくろうということで新型転換炉の開発が始まったわけでございます。 そういうことで始まったわけでございますが、現時点で見ますと、濃縮ウランというのは非常に容易に手に入るということで状況の変化が一つございます。 それから、軽水炉の技術もいろいろ進んでまいりまして、軽水炉でプルトニウムも燃やすプルサーマル、その計画も具体化いたしまして、技術的な内容もいろいろ進歩しているかと思います。そういうことに加えまして、新型転換炉というのは重水と軽水と両方使う、それからシステム的に軽水炉より高くなる、そういうことで建設費が高くなったということで実証炉計画をまず廃止したわけでございます。これが新型転換炉路線の実用化を断念したということでございます。 そのころには既に動燃事業団の「ふげん」は運転しておりました。原型炉は運転しておりましたが、原型炉自身がやはりもう発電所として電気を出しておりますので、それはそれなりに意味があるものですから、ずっと運転を続けるつもりでございました。 今回、動燃改革の一環といたしまして業務を整理する、そういうことになりまして、じゃその原型炉につきましても地元との話し合いをしながら、地元の雇用とか経済に与える影響も考えながら一定期間で廃止しようということで廃止させていただくということにしたわけでございます。
○長谷川道郎君 新型転換炉廃止の理由は、一にウランの需給の問題、そして二に現在の軽水炉がどんどんバージョンアップしているということだそうでありますが、これは実は私もいろいろ調べてみたんですけれども、科技庁、動燃が余り明確に御説明されていないと思うんです、私が調べた範囲が狭かったのかわかりませんが。もちろん、科技庁、動燃の皆さんは新型転換炉の使命が終わったということは十分御承知なもので余り説明をしなくていいのかなというふうにお考えになったのかわかりませんが、先ほど大臣からお話がありましたように、やはりこれは原子力行政の信頼の問題でありますので、これは別に情報公開とかそういう問題じゃありませんので、説明というか解説というか、これはあくまでも慎重にひとつおやりをいただかないといけないのではないかなというふうな感じがいたしました。 次に、この新型転換炉の開発の中止が今回決定をされたわけでありますが、実は九五年の七月に電気事業連合会が新型転換炉実証炉の開発を中止したという新聞報道がございました。九五年七月に既に電事連が開発を中止したという決定をいたしてあったこの時点でどうして動燃は見直しをされなかったのか、ちょっとタイムラグがあるわけでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(加藤康宏君) 電気事業連合会は平成七年に実証炉の建設計画を中止するということでございました。 先ほど申しましたが、その当時既に動燃の原型炉「ふげん」は運転をしてございまして、そのときに原子力委員会で動燃の「ふげん」をどうするかという議論もございまして、「ふげん」につきましてはプルトニウムをやっぱり利用していく、プルサーマルと同じように水系の発電所でプルトニウムを燃やしているわけでございますので、そういう意味とか、それから国際的にも圧力管タイプというのはほかの国もやっていますから、そういう意味で国際的な共同研究施設として利用していこうではないかということで、現実に電気も起こしているわけでございますから、そういうことでしばらく存続するということであったわけでございます。 なお、「ふげん」の実績につきましてもちょっと触れさせていただきたいと思いますが、一つの炉としては世界一のMOX燃料の照射実績がございます。六百七十六体で世界の約三分の一ぐらいを「ふげん」で燃やしております。ただし、軽水炉に比べますとプルトニウムの量が少ないと申しますか、重水炉でございますから負荷量は少のうございますが、そういう実績がございますし、十八年間も自主技術でつくった原子炉が非常に安定的に運転されているという意味で日本の自主技術の高さもそこで証明されていると思いますし、「ふげん」をつくり出したころはまだ軽水炉は技術導入の時代でございましたが、そういう「ふげん」を自主開発することによりまして日本のメーカーに非常に力がついた、今の軽水炉に非常に役立っている、そういうメリットもあるわけでございます。 それは過去のメリットでございますが、そういうようなことも勘案いたしまして、「ふげん」につきましては今回動燃の改組に当たりましては地元と相談して五年間でやめようと、そういうことになった次第でございます。その間はこれまでの成果を取りまとめるとか、「ふげん」の成果というのはロシアの圧力管タイプの安全性の確保にいろいろと支援として非常に役に立っているわけでありますから、そういう国際的な貢献もしながらやっていこうということでございます。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 それで、これはちょっと質問通告していないので資料をお持ちでなかったらお答えいただかなくても結構です。 新型転換炉は今回廃止、開発を中止するという決定をされたわけでありますが、それでもなおかつ新型転換炉が必要であるという、そういう議論もないわけではないと思うんです。 私の新潟県の柏崎刈羽原発の七号機が改良沸騰水型軽水炉でございまして、この全炉心MOX燃焼を可能にするために「ふげん」で照射をしなければならないという話をきのう聞きまして、これはガドリニウム入りMOX燃料を「ふげん」で照射をしないと改良沸騰水型軽水炉で使用できない という話を聞いたわけでありますが、これはそのようなことなんでしょうか。もしもおわかりでしたらお答えいただきたい。
○政府委員(加藤康宏君) 実証炉の計画を中断したときには「ふげん」を十年ぐらい運転しようという計画でございました。十年の計画ですとそういうものも試験ができるんですが、最初は三年ぐらいという話もありましたが、それを五年間ということにいたしますとちょっとそこは入らなくなるということで、申しわけないんですが、「ふげん」ではできないものですから何か別のことでまた御検討いただくということになるかと思います。
○長谷川道郎君 そうすると、新型転換炉を今回廃止されることによって重大な影響があるということではないわけでございますか。
○政府委員(加藤康宏君) 重大な影響があるとは思っておりません。そういうことで運転いたしますと、その上にまたコストもかかりますので、いろんなそういうことを考えますとこの際やめた方がよろしいんじゃないかということでやめているわけでございます。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 それではもう一点の業務見直し、ウラン濃縮、探鉱業務を整理するという方針についてお伺いをいたします。 先ほど長官の御答弁にもウラン資源は無限ではない、長期的にはタイトになるというようなお話があったわけでありますが、ウラン需給の見通しはどういうふうに分析をしていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思うのであります。 ウランの平和利用を促進するための国際組織、ウラン協会というのがあるそうであります。このウラン協会のウラン需給見通しによれば、原発が現在の基準どおりに推移し、かつ非常に緩やかな供給があったにしても、西暦二〇〇〇年には金属ウラン量換算で五千トンの不足が予想され、極めてタイトな需給関係になるという話があります。 今、ウランに限らず、すべての資源の海外依存度が日本は高いわけであります。当然のことながら、ウランももちろん国内産はないわけでありまして、一〇〇%輸入ということになっていると思うのでありますが、今、世界の供給の一三%を日本が消費しているというウラン消費大国なわけであります。この今の一三%の数字が二〇一〇年、あと十年ちょっとしますと恐らく二〇%にまで行くのではないかというふうな指摘もございます。 そういった面で、今後のウランの需給見通しをどういうふうに科技庁は分析していらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 毎年の需給という問題もございますが、まずマクロに見まして、天然ウランの埋蔵量でございますが、OECDのNEAが世界的な統計をとっておりまして、それによりますとウラン資源の確認埋蔵量、これは一九九五年の作業のものでございますが、四百五十一万トンと言われております。これを年間の現在のウランの需要量で割りますと七十三ということで、可採年数七十三年と言っているわけでございます。 また、必要な天然ウランはそれぞれの電気事業者が長期契約等で購入をしておりまして、電気事業者によりますと、カナダとかオーストラリア、そういうところから購入しておりまして、二〇〇五年ごろまでの所要量は十分確保しているということでございます。また、天然ウランの市場というのは今後十数年間も安定の状態にあると言われております。 短期的な話でございますが、ロシア等の解体核の濃縮ウランも市場に出てくるとか、そういうようなことを考えますと当分安定の状態にあると考えられますので、今後とも供給源の多様化、いろんな国から買うとかそういう配慮をしながら天然資源の確保に努めるという方針をとっている次第でございます。
○長谷川道郎君 今、ウランの供給ルートを多様化するというお話がございました。私は、多様化するのであれば、自主開発も多様化の一つだと思うんです。 申し上げましたように、埋蔵量ですとか今後の探鉱の問題というのは不確定な要素でありますので需給がどうなるかというのは全く双方とも推測であると思うのでありますが、少なくともダメージの強いタイトであるのか、それとも緩やかなタイトであるのかは別として、いずれにしましてもエネルギーはタイトな状況になってくるという、その点は間違いないと思うんです。そういった意味で、その供給を多様化するという意味で自主開発というか自主調達という面も私は当然考えなければならない問題だと思うんです。 というのは、今、ウランは石油よりももっとメジャー化しております。石油は最近は余り強くありませんが、かつてはセブン・シスターズというメジャーが世界の石油市場を支配していたというふうな言われ方がされていたわけであります。今のウランの市場は約半数が寡占体質、フランスのコジェマ社、それからカナダのカメコ社、この二社で世界のウラン供給の五二%を占めるという極めて高い寡占状態にあるわけです。 したがって、食糧の安全保障、石油の安全保障と同じ考えでありますが、核燃料の安定供給、安全保障のためにやはり私は独自のルートも考えるべきであり、今回の動燃の事業見直しで一気に海外探鉱を含めて廃止をするというのはいささか早計ではないかというふうな考えがいたすわけでありまして、この点については次の次の質問でもう一遍お伺いをさせていただきます。 次に、濃縮技術の問題、濃縮業務から撤退するということでありますが、濃縮技術というのは核燃料サイクル、サイクルではありませんがサイクルの一番上に、天井に位置する技術でありまして、日本はかつてアメリカの核不拡散政策の圧力の中で大変な犠牲を払って人形峠に濃縮工場を開発していたわけでありまして、その濃縮技術の動燃から民間への移転の第一号として今稼働中の日本原燃六ケ所村濃縮工場の商業運転があるわけです。この六ケ所村の日本原燃の濃縮工場について、どのような状況になっているのかお伺いをいたしたいと思うわけであります。 なぜお伺いいたしますかと申しますと、六ケ所村の日本原燃の濃縮工場は世界的にもコストが非常に高いというような言われ方がされております。今、日本原燃の濃縮技術のレベルは、私の推測でありますが、世界的にトップレベル、高レベルの濃縮技術ではないというふうに思うわけであります。今後岩らに濃縮技術の開発というのが迫られると思うのでありますが、民間会社に委託をして、日本原燃で濃縮技術の高度化、技術開発ができるか、そういう意味でお伺いいたしたいと思うのであります。 海外の濃縮工場では、例えば機器の製造だとかメンテナンス、それからもちろん生産工程も一貫した工場が多いというふうに聞いておりますが、今の原燃の六ケ所村濃縮工場では、機器の製造ですとかメンテはメーカーがやり、技術開発は今まで動燃がやっていて、六ケ所村でやるのは運転だけてあります。したがって、第三世代の高度な濃縮技術を開発するとかコストを下げるとか、そういうのが今の原燃でできるのかなという気がいたすわけでありますが、原燃六ケ所村濃縮工場の状況についてお伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) まず、原燃の濃縮工場の状況でございますが、日本原燃株式会社でございますが、動燃が開発いたしましたウラン濃縮技術を使いまして六ケ所村で平成四年から、百五十トンSWUパー年と言っていますが、そういう工場の操業を開始いたしまして、以後順次設備の増強を図っておりまして、現在ではそれが九百トンSWUパー年、これは濃縮の単位でございますが、ということで今操業中でございます。現在も拡張中でございまして、この十月にはそれが千五十トンになります。最終的には千五百トン規模とする計画になっております。 そして、次の御質問は特にコストの面から開発の体制がどうあるべきかというお話でございますが、先ほど先生お話しになりましたように、これまでは動燃が技術開発をして、それを電力と共同研究で研究開発しながら、機械の製造はメーカー、運転は日本原燃でやっているわけでございますが、今回の動燃の改革を機に濃縮の技術開発も含めまして民間の責任にしていただく、だから人も含めて民間に移転をすると。民間の方は、日本原燃が機械をつくるわけにはいきませんので、研究開発と製造を一貫してするような会社、そういうものをつくりまして、日本原燃がそこから機械を買って運転をする、そういう新しい体制にしたいということで何か新しく会社をつくるということも公表しております。 いずれにせよ、日本のウラン濃縮の技術は日本のメーカーも三社が絡んでやっていまして、そういう三社の関係等いろいろございますので、一度この際全部ばらしまして、新しく本当にコストを徹底して開発できるような、そういうような会社づくり、そういう方向だと考えております。そういうことで、コストの安い遠心機が開発されることも期待している次第でございます。
○長谷川道郎君 濃縮の問題は、今、局長からも御説明がございましたように、今までは動燃で高性能の試験施設をつくって、そこで開発研究をしておった。それが今回民間移転で、今お話がありましたように、メーカーが三社で云々というお話もございましたが、濃縮技術というのは冒頭申し上げましたように核燃料サイクルの一番上に乗っかる、今はどうかわかりませんが、かつては国家機密技術だったわけです。その高度な技術が民間だけで今後とも開発、改良できるかということになりますと、私はいささか疑問ではないかと思います。 当然のことながら、まだまだ濃縮技術というのは完成された技術ではないわけであります。今後開発するには当然のことながら膨大なリスクが伴う。この問題は、民間会社でひとつメーカーの皆さんよろしくお願いしますというようなことでは相済まない、やはり国家的なプロジェクトで推進をするということでなくてはいけないのではないかなというふうに私は考えるわけであります。きょうはこの問題についてはこれ以上触れませんが、また御検討をいただきたいと存じます。 そこで、先ほど核燃料の供給の問題でお伺いいたしたわけでありますが、動燃は海外に探鉱会社をカナダとオーストラリアに持っていらっしゃる。一九七〇年代には日本でもウラン探鉱のブームがございました。民間で二十九社の海外探鉱のプロジェクトが発足、スタートした。ところが、八〇年代になって、さっきもお話がありましたように、ウラン供給が非常に緩やかになった関係もあって、民間のプロジェクトがすべて撤退をして、現在残っておりますのは動燃のカナダとオーストラリアの探鉱会社であるわけであります。ちょっとこれは正確な数字がどうかわかりませんが、カナダとオーストラリアの現地法人会社で動燃は四万トンの埋蔵量確保の権利を持っていらっしゃるというお話であります。 今後、この現地法人会社をどういうふうに処分されるのか、それについてお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、ウランの供給は極めて高い寡占状態にあるわけです。もしもこの動燃の持つ探鉱会社、現地法人会社をさっき申し上げたフランスのコジェマ社やカナダのカメコ社に買ってくださいよと言えば、恐らく二つ返事でありがとうございましたということになるんじゃないかと思うんです。もしもそうなった場合、結果的にウランの供給体制をさらに寡占化するということになる懸念があるわけです。そして、今海外での採掘探鉱を放棄した場合、将来もう一遍できるかといいますと、これは非常に難しいと思うんです。多分、今動燃が持っていらっしゃる鉱区を獲得されるのでも相当な御努力があったと思うんです。したがって、近い将来日本が放棄をした鉱区や採掘、探鉱の事業にもう一遍入り込めるかというと、恐らく大変絶望的だと思うんです。 もう一点は、ウランの探鉱というのはほかの産業に比べてリードタイムの非常に長い産業であります。石油は恐らく埋蔵がわかっていれば二年か三年あれば直ちに採掘ができるわけでありますが、ウランの場合は大変長いリードタイムが必要で、恐らく十年、十五年というリードタイムが必要だと思うんです。したがって、もしも西暦二〇〇五年、一〇年にウランの供給がタイトになって、さあそこで大変だ日本でやりましょうといっても、恐らく間に合わない。したがって、今動燃がお持ちの海外の探鉱会社二社、これがもしも年間の維持費がさほどの金額でないものだったら、例えば金属鉱業事業団に移管するとかほかの政府機関に移管するとか、何とかこれはひとつ大事にしなければならないというふうに考えるわけでありますが、申し上げました動燃のお持ちのカナダとオーストラリアの現地法人、これをどのように処分されるのか、お伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃事業団の二つの現地法人でございますが、これは現地で法人格を持たないと探鉱できなかったものですからつくらせていただいたわけでございますけれども、動燃事業団が海外ウラン探鉱から撤退するという中には、当然その現地法人も解散するということになると思います。 先生の御指摘のように、長期的なことを考えた場合、天然ウランの確保策として何か検討すべきではないかというのはもう御指摘のとおりでございまして、我々としましてもそういうものをできれば民間活動にゆだねたいということでございまして、先般この法案を出すときに原子力委員会の御決定におきましても民間といろんな移転方策について関係者間で早急に検討しようということになっております。 今回、動燃事業団につきましては、高速炉及び燃料サイクルとか高レベル廃棄物とか、今の軽水炉あるいは将来の原子力にとって重要なところに精力を集中するということでほかの業務は整理させていただいているわけでございまして、海外ウランの探鉱につきましては、そういう重要性はございますが、やはり民間とよく話し合いながらいろんな対策を考えていきたいと考えている次第でございます。
○長谷川道郎君 これはぜひ積極的にお取り組みをいただきたいと思うのでありますが、業界紙によりますと、この二つのカナダとオーストラリアの探鉱会社を維持するのに年間五億円程度だという解説も私は目にいたしました。もしも五億円程度で済むことであれば、局長がおっしゃるように、民間がいいのか国家機関がいいのか、私は国家的なプロジェクトで推進すべきだと思うのでありますが、今のカナダ、オーストラリアの会社、せっかくの会社でありますので、これをばら売りするような、そういう政策はぜひひとつおとりをいただかないように。 といいますのは、日本は先ほど申し上げましたように石油の供給がメジャーの管理下にあった時期、アラビア石油がカフジの石油開発をいたしました。カフジの石油は産出量は全体の量からすれば小さな量でありますが、しかし、日本が独自の供給ルートを持っているということで日本の石油業界というか石油政策には大きなインパクトとなったアラビア石油のカフジの例がございます。今回の動燃の現地法人会社も量的にはそう多くない量の供給しか期待できないかもわかりませんが、ぜひこの組織は大切にしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(大島慶久君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時四十五分まで休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ―――――・――――― 午後零時四十八分開会
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 このたびの原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部改正に関連してお伺いいたします。 今度の改正では、安全性に加えて透明性を上げること、つまり情報公開による透明性を高くすること、適正かつ効率的な業務運営を図るというふうなことが中心になっていると思います。 長官はたびたび動燃に関して、経営組織、事業などを抜本的に見直し、安全確保の機能を強化するとともに、経営体制の刷新、職員の意識改革、社会に開かれた体制づくりを実現し、真に国民の負託にこたえることのできる新法人に改組するというふうにおっしゃっています。 それはこの法律を改正すれば簡単にそうなるものではないということはもうよくおわかりになっていらっしゃると思いますが、長年にわたる動燃の動燃体質といいますか隠ぺい体質といいますか、ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、そういうものはそう簡単に変わるものではないと、動燃の理事長もおいでになりますけれども、そう簡単に変わるものではないと。 あわせて、それは動燃だけのものではなくて、科技庁そのものも原発行政とかいろいろなところで同様なものを多く持っておりました。私どももこれまでにもたび重なる情報公開を請求してまいりましたけれども、いつも厚い壁があって、なかなかその壁をあげることはできなかった。それが動燃に色濃く反映をして、その体質を形づくってきたということがこの間明らかになっております。 言いかえれば、科技庁のチェックの甘さといいますか、不適切な対応といいますか、さきの東海事業所の廃棄物のずさん管理問題に対する科技庁の対応等の例を挙げるまでもなく、動燃と一緒になってそのずさんさを覆い隠してきたのではないか、そういうふうにも思えるわけです。 動燃体質の最たるものである臭い物にふた式のやり方でこれまで動燃がやってきたことの問題点を新法人の立ち上げの中できちんと総括する作業をしなければ、本当は動燃や「もんじゅ」の稼働開始よりも先に、もっと国民のニーズにこたえた問題点の徹底論議、総括が必要だと私は思っているわけですけれども、国民の負託にこたえるような組織につくり変えるということは無理なのではないでしょうか。 このような観点から、私はきょう、動燃のこれまでやってきたことの中で、先日、科技庁がその計画の取りやめを発表なさいました、私の地元北海道の貯蔵工学センター計画についてお伺いをいたします。 長官は、去る三月十一日の衆議院科学技術委員会で、この貯蔵工学センター計画を取りやめた理由を二つお挙げになっていらっしゃいます。その一つは動燃改革、そしてもう一つとして、高レベル放射性廃棄物の処分が具体的にある程度進捗してきたことを挙げて、この貯蔵工学センター計画をめぐる情勢が変化してきたし、現在のデッドロック状態のまま手をこまねいているわけにはいかないので、この計画の取りやめと、貯蔵工学センター計画の一つの柱であった深地層試験場建設を分離して建設するという提案を行ったと答弁なさっていますが、ここで言う高レベル廃棄物の処分が具体的にある程度進捗したというのはどういうことを言っておられるのですか。
○政府委員(加藤康宏君) 御指摘のように、先般、二月二十六日に北海道に申し入れをした際の理由の二つのうちの一つが高レベル廃棄物処分取り組みの進捗ということでございますが、その高レベル廃棄物処分方策の技術的な側面につきましては、我が国で既に実は昭和三十年代からいろんな地層の調査を始めてきたわけでございますが、平成四年の九月には、動燃事業団が高レベル放射性廃棄物の処分研究開発の技術報告書、これは平成三年度までのものをまとめたわけでございますが、そういうものの結果を平成五年に原子力委員会が評価いたしましたところ、我が国におきます地層処分の安全確保を図っていく上での技術的な可能性が明らかになったとの結論が得られております。 また、同じような意味では国際的にも、深地層の研究施設におきましては、実際の放射性物質を使わずに、岩盤や地下水などの地下深部のデータを取得したり、それから放射性核種の移行とか吸着、そういう現象がございますが、そういうことに関します、ホットと申します、これは放射能を持った物質を使った研究開発を陸上で模擬できるような施設、そういうものを使いまして実施したりいたしまして、そういうもののデータを体系的に用いてシミュレーションをして、処分システムの安全評価をする研究が行われております。 そのような技術的進展を踏まえまして、原子力委員会で二つの会合がございますが、その中のバックエンド対策専門部会におきまして昨年四月、今後の研究開発の進め方について報告書を取りまとめました。今後、動燃、原研、地質調査所、大学等の研究開発機関におきます研究開発を積極的に進めまして、二〇〇〇年までに地層処分の技術的信頼性を明示し、処分予定地の選定とか安全基準の策定に資するような技術的よりどころを提示する予定になっておりますし、二〇〇〇年以降におきましても、地層処分の実際の放射性のものを使う研究施設、これは東海に建設中でございます。 あるいは深地層の研究施設を活用していろいろの研究開発を進めていくわけでございますが、また同時に、放射性廃棄物処分懇談会という社会的制度面の検討をしている原子力委員会の会合がございますが、そこにおきましても、処分対策を進めるために深地層の試験、これはもう早急に始めないといけない、そういうようなことが検討されているわけでございまして、そういうことを反映いたしまして、状況が変わっているということを申し上げている次第でございます。
○竹村泰子君 原子力局長、私、あなたに質問しているんじゃないんです。大臣が衆議院の科学技術委員会でおっしゃったことの意味をお聞きしているので、大臣に許可もなくあなたが答えることは何もないのです。大臣はこれはどういう意味でおっしゃったのでしょうかと私は大臣にお伺いしております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、加藤局長が御答弁申し上げたことと全く基本的に同じでございます。 今詳しく申し上げましたので、繰り返しは避けますけれども、いろいろな技術的可能性や何かについて、各種の懇談会や報告をまとめてきたということが一つございます。諸外国の取り組みもございます。それからもう一つは、やはり動燃というものを、こういう法案を提出させていただくというような運びになりまして、体質を変えていかなきゃならない、そういう変化の時に当たっているという認識もあったわけでございます。
○竹村泰子君 原子力局長は確かに科技庁の中では大変偉い方でいらっしゃいます。それはよくわかっておりますが、大臣の言葉で私がお聞きしているのに、お隣にいらっしゃる大臣の断りもなくあなたが立って答えるというのは、それは大変質問者を侮辱したことになるんじゃないでしょうか。大臣にも失礼だと思います。気をつけてください。 ここでちょっと貯蔵工学センター計画についておさらいをいたしますと、この貯蔵工学センターの立地地点であり、今回の新提案の深地層試験場建設地になっております北海道の幌延町、御存じと思いますが、サロベツ原野の中にあります酪農地帯であります。たくさん牛乳が皆様のお手元に運ばれる地帯であります。 この町の振興策として、八一年二月に原発の建設をまず町として北海道に申し入れ、そして原発誘致を断念した後、低レベル廃棄物建設の誘致に変わりました。そして、八四年四月の電力九社の幌延への立地断念の表明を受けて、幌延町は高レベル廃棄物施設誘致を言い出して、あわせて動燃も幌延町への高レベル廃棄物施設計画があることの表明をいたしました。 その年の五月、工学センター計画を動燃が発表して、それは高レベル廃棄物の中間貯蔵や深地層試験場建設とあわせて、ガラス固化体からの希少金属の回収や固化体の発生熱の熱利用施設などなど、そういった研究をパンフレットにして地元に配布していらっしゃいます。さすがに、ガラス固化体の中の希少金属の回収については改訂版で削除していらっしゃいますけれども。その年の八月に、いわゆる貯蔵工学センター計画の概要なるパンフレットを公表して、取りやめに至るのが簡単な経過であります。 そもそもこの貯蔵工学センター計画自体が、当初立地に手を挙げた幌延町の意向を酌む形で、例えば熱利用に関してとか、あるいは養魚場、園芸、温水プール、牧草の乾燥などなど、そういったモデルプラントの建設などといった極めて特殊な地域振興的な計画をちりばめた特異な計画として進んできた。高レベル廃棄物の中間貯蔵施設や深地層試験場の建設の成果を急ぐ余り、幌延町の要求をかなり取り入れた、だれしもが首をかしげる地域振興、科技庁がどうしてその地域の酪農や農家のための予算を支出しなければならないか、地域振興のバラ色の夢を振りまく極めて特異な計画でありました。ここらあたりも動燃体質がまざまざとあらわれていると。 私どもも、科技庁の予算あるいは動燃の予算が花卉栽培やさまざまなごみ処理施設やそういったことに使われることに本当に最初はびっくりいたしました。何とかこの予算を食いとめなければと思いましたけれどもできませんでした。このあたりも隠ぺい体質というかごまかし体質というかそういった体質があると私は思うのですが、長官、いかがですか。換言すれば、目的のためには手段を選ばないといった体質が見え見えなのではないでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、結果的に撤回をすることになりました貯蔵工学センター計画のこの案は、結果的に撤回をするということになったことは不適切な点がたくさんあったんだと思います。しかし、計画を進めていくときに、あの計画が十分であったかどうかは別として、地元の方々の御要望を入れたり、新しい設備のあり方が地元の振興に少しでも役立つように考えていくこと自体が悪いとは私は思っておりません。やはりそういうことも考えていかなければならないのではないかなというのが私の考え方でございます。
○竹村泰子君 そういうふうにおっしゃるだろうと思いましたけれども、本当に道民はびっくりしたんですよ。どうして科技庁の予算がそういうふうに使われるのかと。まさに札束でほっぺたをひっぱたくようなものではないかと我々は思ったわけです。その意味で、この貯蔵工学センター計画の取りやめは必然だと私は思っています。 この取りやめに関して、長官は、同じく三月十一日の衆議院の科学技術委員会で、幌延の件に関して、「高レベル廃棄物の処理方策というのを確立するという立場からしますと、一歩後退しながら、もう一回理解を取りつける努力をしながら先へ進む道を進んでいく、そういう意味では、ここから解決の糸口を見つけたい」というちょっと意味不明の発言をしているんです。深地層試験場の先行建設を提案したんだとおっしゃっていますが、ここでいう「もう一回理解を取りつける努力をしながら先へ進む道を進んでいく、」というのは、これはどういう意味なんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 我々は核燃料サイクルというものを確立したいと思っておりますので、そのためにはいわゆるバックエンド対策というものもきちっと国民の御理解を得て進めなければならないということは我々の考え方の基本にあるわけであります。 この前御提起申し上げて結果的に撤回をすることになりました貯蔵工学センター計画、これは要するに研究開発をそこで進めていくということであったわけですけれども、十分に御理解が得られなかったと。もう一回柔軟に考えて、道民だけではなく、これは北海道だけにかかわる問題ではありませんから、国民全体の御理解を得ながらもう一回出直しをする必要がある、こういうふうに我々は考えたわけであります。今まで私どもも、私どもといいますか動燃も提案させていただいた計画、今、先生御指摘のように、必ずしも地元の方々の御理解を得たということではなくて膠着しておりましたから、もう一回やはり頭を柔軟にする必要がある、こういうことでございます。
○竹村泰子君 これまで動燃と科技庁が一緒になってこの貯蔵工学センター計画を進めてきたのでありますから、科技庁がこのように決めるのは問題ないと思いますけれども、札幌と幌延町に事務所を構えて事に当たってきた動燃が動燃なりにその問題をきちんと整理しないで頭越しに科技庁が決め、その意味では、高レベル廃棄物処分に必要な深地層試験場の建設の提案まで済ませておいて新法人に中身を引き継ぐというのは、これまでの動燃と科技庁の関係と全く同一で何も変わっていない、いわば過保護に近い関係ではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 本件、過去からの経緯がいろいろございまして、動燃事業団それから科技庁ともにいろいろ努力をしてきたわけでございますが、今回、動燃事業団で一連の不祥事がございました。先ほど先生御指摘ございました申し入れの際の二つの状況の中の一つに技術的な処分に対する進捗の問題と、もう一つ、動燃事業団が生まれ変わって新しい法人になろうとしている、そういうのが一つの状況の変化でございまして、動燃事業団自身はみずからの意識改革とかいろんなことをやっていただかなければいけない状況でございました。 我々としましては、動燃事業団とは当然密接に相談をしながらでございますが、片や北海道の道庁と十分すり合わせをしながら、そういう意味でうちが独断でやってきたということではなくて、そこはいろいろとすり合わせをしながら、今回、申し入れ自身は科技庁が行うということになりましたが、内容的には動燃事業団とも十分すり合わせをしてさせていただいている次第でございます。
○竹村泰子君 そのことにつきましてはもう少し後でもう一度質問させていただきます。 過日成立しました平成十年度予算のうち、それではこの貯蔵工学センター関連予算の執行はどうなっているんでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 平成十年度の幌延の関係予算といたしましては、科技庁、動燃合わせまして約五億円強、これ約一割強前年から減ってはおりますがございます。 これにつきましては、貯蔵工学センター計画は取りやめたわけでございますが、やはり先ほど申しました処分対策を進める上でも深地層試験を早急に開始したいということでございまして、深地層試験を初めとします。そういう研究施設の重要性につきまして広報させていただく、そういうために使わせていただきたいと思っております。深地層試験につきましても、まだこれから北海道の方で受け入れるかどうかをいろいろ議論いただくところでございます。 我々も地元の理解を進めるようなことも必要かと考えておりますが、いずれにせよ深地層試験の関連で使わせていただくということでございます。
○竹村泰子君 五億円強、一割減ということに大まかに言うとなっているわけでありますね。予算につきましては彼ほどもう少し詳しく聞きます。 それで、このたびの動燃事業団法の改正案を見るとよくわかりますが、改正案の二十四条一項の二に、「ハに掲げる業務に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発及びこれに必要な研究」とあります。現行法においてはこの項に該当する項目は見当たりませんね。これは新たに入ったわけですね。現行法第二十三条第一項では動燃の業務を限定しておりますが、この中には放射性廃棄物に関する事柄は列挙されておりません。その意味で、今回初めて含まれたこと自体は前進と認めます。 しかし、北海道幌延町で十四年にわたって議論を呼び、いろいろ私どもは苦しみ、悩み、署名活動をし、何とかとめたいと思い、さまざまなことをやってまいりました。そして、多額の税金を毎年つぎ込んでいるこの貯蔵センター建設計画に即して考えるならば、これまで動燃は法律で定められた業務の範囲外のことを行ってきた疑いがあると指摘できます。科技庁の責任も大きいと思います。仮に貯蔵工学センター計画が動燃の業務の範囲内としても、それは同法第二十三条第一項八号の業務と解するよりほかありません。違いますか。 そうすると、同条第二項第二号により今後は内閣総理大臣の許可が必要となるはずですが、これまでの推移を見る限りにおいては、その辺はいま一つあいまいになっています。科技庁の見解を伺います。
○政府委員(加藤康宏君) 今回の改正法で、先ほど先生御指摘になりました第二十辺条の一号の二に「ハに掲げる業務に伴い発生する高レベル放射性廃棄物」、ハの業務と申しますのは再処理でございますので、再処理から発生する高レベル廃棄物に関する処分の研究ということでございますが、前の動燃事業団法には二十三条の三号に「核燃料物質の再処理を行なうこと。」とございます。だから、再処理をいたしますとその高レベル廃棄物が当然出てきますから、それの処理処分というのは概念的にはそこに入りますし、業務としましては再処理に関連いたします附帯業務、旧法ですと二十三条七号の附帯業務になるわけでございまして、それでやっておりましたが、今回は、高レベル放射性廃棄物の問題はもう軽水炉の核燃料サイクル確立の上で非常に重要である、この研究開発は本来業務としてやっていくべぎだという意味で再処理に掲げるというふうに抜き出しているわけでございまして、そういう意味で前の法律の中にも十分対象になっていた。しかも、これは目的達成業務ではなくて、第二十二条三号に基づきます七号の附帯業務でやっていたということでございます。 もちろん、再処理工場の中におきます高レベルの廃棄物処理、これは再処理の一環でございますから、処理に関するものは再処理の中に入ると思いますし、処分に関するものは附帯の業務ということで読ませていただいております。
○竹村泰子君 そうしますと、別に法律違反ではない、これまでの現行の法律の二十三条に則した活動であると。しかし、これよく見ますと、「核燃料物質の再処理を行なうこと。」ですね。それから、再処理を行うことに伴って「前各号の業務に附帯する業務を行なうこと。」、これが各号の業務に附帯する業務というところにみそがあるとおっしゃるわけですね。 そうしますと、同二項第二号により内閣総理大臣の認可が必要となるはずですが、認可を受けておられましたでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 認可が必要になりますのが旧法でございますと第八号、七号でなくて八号につきまして、第八号「目的を達成するため必要な業務」という業務は内閣総理大臣の認可が必要でございますが、再処理に関する附帯業務、これは本来業務でございまして、特に認可の必要ございません。
○竹村泰子君 次にかかるというわけですね、「事業団は、次の場合には、内閣総理大臣の認可」ということで、前にはさかのぼらないということですか。
○政府委員(加藤康宏君) はい。
○竹村泰子君 そうですか。わかったようなわからないようなところなんですけれども。 さて、長官は御存じと思いますが、この貯蔵工学センター建設計画が動燃より提示されてからこれまで二代にわたる北海道知事の反対、計画の白紙撤回要請、そして九〇年七月二十日、北海道議会の高レベル廃棄物施設の設置に反対する決議、幌延町に隣接する豊富、中頓別、中川、浜頓別の各町を初め道内の多くの自治体において反対決議が採択されています。それにもかかわらず、唯一当該幌延町の誘致行動のみに立脚してこれまで十年余にわたり幌延関連予算を執行してこられました。幌延町以外だれも望んでいないんですよ。望んでいないところか拒否しているんです、北海道に来てもらっちゃ困ると。 じゃどうすればいいんだという議論はありますけれども、それはきちんと国民全体として考えていかなければならないことですが、幌延町が手を挙げたから北海道にのみ持ってきてもらっちゃ困るということで北海道は全力を挙げて、総挙げで反対をしてきた。それにもかかわらず十年余りにわたり貴重な予算を使ってこられたわけです。九二年には科技庁が幌延町を中心とする北海道北部地域振興計画なるものを作成したり、また翌九三年には重要電源等立地推進対策補助金制度を適用するなど、多額の税金を投入しておられます。そして動燃は、この計画の地元の理解を得るとして、幌延町と札幌市に連絡事務所を設置して各種の活動を行ってこられました。 そこで、ちょっと次の質問に入る前に、この新聞の二十四日の報道によりますと、工学センターの記述が原子力開発利用計画から削除されるというふうに報じられております。「昨年度まで記載されていた留萌管内幌延町の高レベル放射性廃棄物貯蔵・研究施設の記述が削除されることが二十三日までに決まった。代わって深地層試験場計画が盛り込まれる。」、原子力長計については、「年内にも改定される長計の記述が注目される。」というふうになっておりますが、この開発利用計画から工学センターの記述が削除されるということは確かなことなんでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) ただいまの話は多分、毎年年度ごとの原子力開発利用計画というのをつくるわけです。長期計画は既に平成六年に決まっているわけでございますが、その年度計画をつくる際に、貯蔵工学センターのところは今御指摘のように深地層試験というふうに変えている、そういうことでございます。
○竹村泰子君 ですから、この開発利用計画から貯蔵工学センターという言葉は削除されますね、確かですね。
○政府委員(加藤康宏君) 長期計画の方自身は……
○竹村泰子君 長計じゃない、開発利用計画。
○政府委員(加藤康宏君) 年度計画からはそうでございます。
○竹村泰子君 それでは、いろいろ議論をされて年内にも改定される原子力長期計画、ここからも削除されるべきですね、当然。それはどうですか。これは長官、お願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) まだ長期計画をどうするかというところまでは議論が進んでおりませんで、御承知のように長期計画は四年前にできたわけでありますけれども、その後いろんな原子力委員会等の決定によりまして、今必ずしも長期計画どおりになっていないところがございます。それでまた、長期計画のあり方も今までのとおりでいいのかどうかというような議論もあるわけでございまして、そろそろそういう議論に入っていかなければならないなと思っておりますが、今、長期計画の個別の内容そのものはすぐにどうすると決めているわけではありません。 いずれにいたしましても、原子力委員会においては今後関係者の意見を聴取しながら取り扱いについて審議を進めてまいりますので、今、竹村先生御指摘のように、今議論しております開発利用計画の中で議論されていることが、やがて長期計画のあり方の中で議論を当然されるんだろうと思っております。
○竹村泰子君 局長が行かれて知事に白紙撤回を申し入れられて、貯蔵工学センターは取りやめて深地層試験場をつくりたいとおっしゃった、申し入れられましたね。そして、この毎年の原子力開発利用計画からは、その貯蔵工学センターにかわって深地層試験場にするということで、その貯蔵工学センターという言葉は削除されますね。これは決定ですね。 そうしますと、必然的に原子力長期計画からもこの言葉は、留萌管内幌延町の貯蔵工学センターというのは削除されるべきですね。お答えください。
○政府委員(加藤康宏君) 大臣から説明ございましたように、長期計画全体の改定の際には当然そういうことが検討される、織り込まれると考えております。
○竹村泰子君 ちょっとわからない。
○政府委員(加藤康宏君) そういうことが織り込まれると考えております。 原子力委員会といたしまして年度計画を決定いたしました。幌延の貯蔵工学センターを深地層試験場に変更いたしました。したがいまして、その内容が長期計画を改定する際には反映される、そう考えております。
○竹村泰子君 盛り込まれると、つまり貯蔵工学センターという言葉が削除されるというふうに見ておられるととってよろしいですね。はい、ありがとうございました。 それでは、以下のことを少しお伺いいたします。 これまで幌延町における貯蔵工学センター建設計画に費やされた税金は幾らですか。例えば、広報費、使途別、合計金額などお教えください。
○政府委員(加藤康宏君) これまでに、昭和六十年度から、例えば移動科学館を開催するなど、そういう広報関係に予算を使っているわけでございますが、平成九年度まで約十二億円でございます。
○竹村泰子君 科学技術庁が十二億円、動燃事業団が五十八億円ですね。
○政府委員(加藤康宏君) 恐れ入ります。それに対応いたします動燃事業団が約五十八億円でございます。
○竹村泰子君 トータルと、広報費あるいは使途別というふうにお願いをしているんですから、ちゃんと答えてください。通告してありますよ。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃事業団五十八億円のうち、広報活動等が十一億円でございます。
○竹村泰子君 それだけしか答えないんですか。そうしたら、手元にいただいているのを読みましょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 五十八億円の内訳ではございませんが、平成十年度の予算関連でいきますと、科学技術庁では一億七千万ぐらいでございますが、移動科学館等の開催で九千五百万、それから重要電源立地推進対策補助金が八千万円。それから動燃事業団の方は三億四千万ぐらいでございますが、地元の対話の充実ということで六千三百万、それから広報活動の充実という意味で一億七千万ぐらい、合計五億二千万円ぐらいでございます。これは平成十年度だけでございます。
○竹村泰子君 私きのう科技庁の方にお願いをしたんですけれども、一晩かかってもなかなかあちこちに散らばっている予算をトータルすることができないということでありまして、ほかの省庁にもかかわりますから、もっと細かい使途別の、我々の貴重な税金が幾らこのむだな計画につき込まれたのか、今度取りやめなさるこの計画のために幾らつぎ込まれたのか、これははっきりと知りたいと思います。 私どもは国民の代表でありますから、国民の貴重な税金ですから、今度お取りやめになるに関して、平成十年度予算、先ほど総額から五億円強減というのはお聞きしましたけれども、しかし、一体何に幾ら使われたのか知りたいと思いますので、後できちんと調べてお届けください。また次の機会にそれを使わせていただきたいと思います。よろしいですね。
○政府委員(加藤康宏君) 貯蔵工学センターの予算として今まで使ってまいりましたが、いずれにせよ引き続き深地層試験というものを現地でさせていただきたいと思っておりまして、そういうためのいろんな広報経費として引き続き我々は使わせていただきたいと考えている次第でございますが、今御指摘の点につきましては、先ほどのような内容で整理いたしまして、またお届けしたいと思っております。
○竹村泰子君 大変器用に切りかえをなさるわけですけれども、長官、これまで貯蔵工学センターをつくりたいということで、道民の反対を押し切り、知事の反対を押し切り、道議会の反対を押し切り、道民の恐らく八〇%以上の人が反対の署名活動をしている、そういう周辺の状況を押し切り、ただ一つ幌延町の誘致作戦、誘致計画にのみ乗って進めてこられたこの計画を、貯蔵工学センターから今度は深地層試験場に、もちろん関係があると私たちは見ております、深地層試験場をつくられたら処分場が隣に立つのではないかというふうな疑惑を持っておりますけれども、それをきれいに切りかえることができるわけですね、目的が違うけれども。そういうことですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどお答え申し上げましたように、今までいろいろな経緯がございました。 私どもは必ずしも幌延町だけの、私どもといいますか、過去必ずしも幌延町だけの御意見であったというふうには聞いておらないわけでありますけれども、しかし竹村先生おっしゃるように、北海道でまたいろいろな御議論があり、強い反対もあったということは私どもも認識をしております。それで、こんなこと一本やりでやっていたってなかなかうまくいかないということで、貯蔵工学センターというのは事実上白紙に返したと申し上げているわけでありますけれども、この計画は撤回をしたわけであります。 それで、新たに地層処分の研究ということで再出発したわけでありますから、今までの考え方と完全に頭を切りかえてやっていくということだろうと、私はそういうことでなければならないと、こう思っております。
○竹村泰子君 長官、頭を切りかえて、新しい体制で、新しい計画でおやりになるんです。でも、これまでつぎ込まれた総額何十億という国民の貴重な税金、これはむだではなかったとおっしゃるわけですか。
○政府委員(加藤康宏君) 使わせていただきました五十数億円は、実はボーリングに使ったりとか、そういう地質調査に使って、今後も引き続き使えるものもございますし、あるいは広報の予算というのは、移動科学館というものは、原子力以外のものも含めたいろんな科学技術の啓蒙、そういう趣旨もあると思いますので、そういう意味ではそれなりに役に立っている部分もある、そういうふうに考えている次第でございます。
○竹村泰子君 国民は納得しないでしょうね。道民ももちろん納得しません。道民は、動燃がお見えになっていますけれども、あの動燃にまだ原子力をやらせるのかという、これは署名運動です。意見広告を出し、そして署名がもうかなり集まっております。いろいろたくさんの市民団体が、どうして看板をつけかえただけで体質が変わるの、動燃に任せたらとんでもない事故が続発じゃないか、官僚主導で動燃延命の絵が描かれた、こういうふうなことがずっと書いてある。これが、署名活動が今広く国民の間で広まっている。不信感がぬぐい切れないですよ。 私も先日、日英原子力協定の外務委員会でかなりMOX燃料のこと、プルサーマルのこととかいろいろやらせていただきましたけれども、貯蔵工学センターにこれまで投じられた貴重な税金のその続きで深地層試験場をつくろうとしていらっしゃる。しかも動燃という主体が変わったわけではない、動燃が主体となっておやりになる。新しく心を入れかえた動燃がおやりになるというふうなことで、長官、長官は非常にさっそうたる若い長官でいらっしゃる、フレッシュな長官でいらっしゃると思います。ちょっとその立場を外れて人間としてお考えになっていただいたときに、これでいいんだろうかと。日本の科学技術を集中した、最も選ばれた人たちが集中した場所で行われている仕事ですよ。それでいいんだろうかと。これはレクに入っておりませんが、御感想を聞かせてください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一番大事な点でございまずし、きょう最初に竹村先生が質問なさったことも、要するに、今までの動燃を名前を変えて組織を変えたと言うけれども、それで本当に変わるのかというお問いかけだったと思います。これこそが私どもの一番の課題でございまして、今までいろいろな御議論も賜りまして、先生も先ほど読み上げられましたようなことを私も衆議院でも御答弁申し上げましたし、参議院でも今までたびたびこの委員会でも御答弁申し上げていると思います。組織はやっぱり変えてまいります。 しかし、それとともに大事なことは、仏つくって魂入れずにならないようにすることだと私は思っております。先生の先ほどからのお問いかけは、仏はつくったかもしれないけれども魂が入ってないじゃないかということをおっしゃっている。魂をどう入れかえるかというのは、なかなかこの委員会の審議の上で魂を見せてさしあげるわけにもまいらないものでございますから、どういうふうに御答弁をしたらと私どもも戸惑っているところでございますけれども、そのために今まで、ここにおられます近藤理事長も事故の後動燃に来られまして、今までのマイナスの体質を引きずって新組織に行っても意味がないということで、いろんなことで御苦労をいただいているところでございます。 私どもとしても、そういう体質を入れかえていく一人一人の動燃の方々に、自分たちは大切な職務を負っているんだ、国民との信頼を結びつけていくのは自分たちの毎日の活動だということで、その体質を変換していただく努力を我々としては全力を挙げてバックアップしていかなければならないと思っております。 どうぞ、そういう努力をしているという目でごらんになっていただきたい、このように心からお願いを申し上げます。
○竹村泰子君 この動燃の貯蔵工学センター建設計画遂行の際に生じた、かの悪名高き八五年十一月二十三日深夜の強行調査、その後の、機動隊を導入して逮捕者まで出した調査実施についての御見解を長官、お伺いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 実は当時のことは私直接体験しておりませんので伝聞によるわけでありますけれども、いろいろ聞いておりますと、貯蔵工学センター計画の進め方につきましては、今の時点から見ると、今御指摘のような強行と申しますか反対を押し切ってやったというような経緯がございまして、配慮が欠ける点があったのではないか、その点で恨みを残した結果である、このように思っております。
○竹村泰子君 これらの強行調査に関して、八八年には「貯蔵工学センターに関する調査のとりまとめ」というのを出していらっしゃいます。この文書には、理事長コメントと題する文章と、東大名誉教授木村敏雄先生の調査結果についてと題する文章が添えられています。これは地元の理解を得るために作成されたパンフレットの形式となっておりまして、当時の報道によりますと科技庁にもこの取りまとめが提出されただけとなっていますが、そうですか、動燃。
○参考人(近藤俊幸君) お答えいたします。 地元の疑問や不安にこたえるという観点から、昭和六十年から六十二年にかけまして現地調査を実施いたしました。御指摘のパンフレットはその結果をまとめて公表したものでございます。
○竹村泰子君 長官も御存じのように、この取りまとめでは、放射性廃棄物の貯蔵や処分との関係が全く述べられておりません。そうですね、動燃。だから、この取りまとめを見ただけでは何の調査なのかわからない。結論が見えていないんですから全くわからない。地震が少ないとか活断層が認められなかったなどの記述は随所にありますけれども、放射性廃棄物との関係についての説明は全くないという代物なんです。このようなものですから、当然の帰結としてこの取りまとめには全く判断基準が示されておりません。 長官、そこに現物をお持ちですか。貯蔵や処分についての記述は全くないでしょう。百歩譲って、説得を目的とした文書ということで見ても、推進している側の地元住民でさえ、立地の適否がどのような判断基準をもって、どのような根拠に基づいて判断されたのかということが知らされていない。情報が欲しいと言っていました。加えて、先ほど申し上げましたように、ボーリング調査などで得られたデータは全く公開されておりません。逮捕者まで出して強行的に夜中にこそこそと野良猫のように調査をした、そのボーリング調査の結果などというのはいまだにどこにも公表されておりません。この調査結果には、地質学者を初め多方面から批判や疑問が投げかけられております。天然ガスの存在が言われていることも御存じだと思います。 今回の改正では、趣旨で、適切な情報公開ということにのっとって最初の目的のところにうたわれているわけですから、このことにのっとって、この強制調査の内容とデータの公開についての私たちは要求をしたいと思います。先ほどから言っているように、隠ぺい体質を改善することが急務であるとするならば、きちんと透明にするべきもの、情報を知らせるべきものはきちんと知らせていくということがやはり初歩的な努力ではないかと思いますが、長官の御見解を求めます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘の調査の取りまとめというパンフレットを中までちょっと目を通す時間が今ございませんでしたので、いずれにせよ、今のこの基礎となったデータをどうするかということは、まず第一義的に動燃が判断することでありますけれども、私どもはやはり一連の経過を踏まえまして、国民やあるいは地元の理解を得ていく上では情報公開というのは一番大事なことだと、こう思っております。それで、動燃自身でも昨年七月から情報公開指針を定めて既に実施に入っておりますので、適切な運用が動燃においてもなされると思っておりますし、私たちもその方向で指導してまいりたいと思っております。
○竹村泰子君 動燃、何かありますか。
○参考人(近藤俊幸君) 先生御指摘のとおり、昨年七月からこの情報公開指針の運用を始めております。したがいまして、その趣旨にのっとり、調査結果については公開していく所存でございます。
○竹村泰子君 今の理事長のお答えは、八五年十一月二十三日深夜の強行踏査、そのときの地質ボーリング調査、その結果も公表なさるという意味ですか。
○参考人(近藤俊幸君) そうでございます。
○竹村泰子君 今まではそのことも多方面から要求があったと思います。地元住民はもちろん、なぜ幌延なのか、なぜここだけに絞られるのかどうしてもわからない。学者も、もしかしたらここが適地ではないかもしれないと。周辺の住民は全部反対している。そういうことで、なぜ幌延なのかということが随分疑問視されていた。そのときの調査の情報を公表しないから言えないですね、わからないですね、なぜここがいいのかと。 そこで改めてもう一度お聞きいたしますが、なぜ幌延なんでしょうか。
○参考人(坪谷隆夫君) お答えいたします。 さきの貯蔵工学センターにつきましては、地層処分の研究開発、あるいは御指摘の高レベルガラス固化体の貯蔵を考えた施設でございました。 貯蔵工学センターの幌延町への立地を計画するに当たりましては、幌延町からの熱心な御誘致をいただいたわけでございますが、一方で既存の資料がいろいろございました。私ども既存の資料を調査いたしましたところ、広大な用地が確保できるであろうということ、あるいは施設設計をするに当たりまして地盤の強さとかそういった面、あるいは輸送の面など社会環境の面からもここの場所が貯蔵工学センター計画にとりましていい場所だというふうに考えました。 また、地下に深地層試験を行う岩体が存在するかどうかということにつきましても既存の資料などに基づいて調査を実施したわけでございまして、貯蔵工学センターが、そういう観点から、単に御誘致以外の点からもここはいいというふうに判断したわけでございます。
○竹村泰子君 最近、北海道では科技庁の新提案なるものがマスコミ各紙をにぎわせております。それは、先ほどから言っておりますように、すべて白紙撤回と報じられているわけです。そして、深地層試験場を核抜きで建設する計画であるというふうに報道されています。衆議院の科学技術委員会でも確認されておりますし、それから先日この委員会においては私のお隣にいらっしゃいます萱野先生が白紙撤回についてのかなり突っ込んだ確認をしておられます。 そこでお伺いいたしますけれども、先ほどから私が言っておりますように、やはりなかなか不信感が払拭できない。さっき言いましたように、白紙撤回を表明しても、試験場を将来の核廃棄物貯蔵処分地とする手がかりにするのではないか、隣に処分場をつくってしまうのではないか、そういうことが随分巷間言われております。実際、幌延に先行して深地層研究所の建設を始めている岐阜県の動燃東濃地科学センターの地元では、そういう疑惑が大変大きく渦巻いているというふうに聞きます。 そこで、いや、本当に新たなところを考えるのだ、白紙に戻して幌延ではないところを改めて考えるのだと。それは、原発の敷地内に処分場をつくるのかもしれないし、あるいはもっと適切なところにつくるのかもしれないし、それはわかりませんが、全くこれまでのことではないのだ、白紙撤回なのだということを信じてもらうために、これからの動燃の仕事ぶりも当然でありますけれども、やはりきちんとした協定を結ぶ、将来とも幌延に核廃棄物を持ち込まないという協定を結ぶようなおつもりはありませんか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 白紙に戻すということは何度も御答弁を申し上げているわけでありますが、ここにおります加藤原子力局長が北海道の堀知事に申し入れをさせていただいたときの文書、原子力局長がいますから、それのがいいのかもしれませんが、参考資料というものを北海道知事にお渡ししておりますが、その中に、この施設に放射性廃棄物を持ち込まないということを明記してございます。 ですから、そういうことを明確にいたしておりまして、今、協定書を締結する覚悟はあるかという趣旨のお問いかけだったと思いますが、この件については、今後地元や北海道の方々との意見交換を踏まえて適切に対処していきたい、こう思っております。
○竹村泰子君 それは、地元やみんなと相談して適切に考えていくということではなくて、やっぱり科技庁の決意だと私は思います。科技庁なり動燃なりがきちんと責任者の対応で、北海道には持ち込みませんよと。北海道には難しければ、じゃ幌延には持ち込みませんよということを正式な文書で署名捺印をしてお約束するというようなお気持ちがおありですかとお聞きしたんですが、まだお答えは無理なようですね。ぜひそういった方向でお考えをいただきたいと強く要望しておきます。 動燃事業団法の改正の趣旨の一つに行政改革の観点がうたわれているのは大変よいことだと思います。 そこで、北海道における貯蔵工学センターの建設計画のような、これまでの動燃によるたび重なる事故や一連の不祥事と同等の動燃の負の財産のために、その一層の理解を深めるということでありますから、現在、動燃は目的のためにわざわざ札幌市と幌延町に連絡事務所を設置しておられます。 報道によりますと、札幌市は閉鎖が決定したというふうに聞いておりますが、そうなのでしょうか。幌延町についてはどうなのでしょうか。これらは当然必要のないものになると考えられますが、いかがですか。
○参考人(近藤俊幸君) 事業団が立地の拠点として今まで設置いたしておりました北海道の事務所の今後の取り扱いについてだろうと思いますが、一方ではそういうふうにすぐに取り払えという意見もございます。ところが一方では、やはり地元の雇用の問題等もございますので、検討に当たりましては地元の意向や地元雇用等も踏まえて判断していくということで、今現在検討中でございます。
○竹村泰子君 札幌市と幌延町で動燃が何か雇用でやってくださったことがあるんでしょうか。 私がお聞きしましたのは、報道では札幌市は閉鎖というふうに聞いておりますが、そのこともあわせてお答えください。
○参考人(坪谷隆夫君) ただいま御指摘の幌延でございますが、地元から雇用させていただいております。また、札幌事務所についても若干雇用させていただいているわけでございます。
○竹村泰子君 事務所の職員の問題ですね。それはわかりますけれども、当然これは必要ないものと考えますが、今後まだ存続させていくおつもりですか。今の理事長のお答えだと、雇用の問題があるので存続させたいと、それを考えるということですか。
○参考人(近藤俊幸君) 今検討中ではございますけれども、札幌の方は、これは今後の話でございます。それからまた地元との相談も必要でございますが、閉鎖する方向でいきたいと今のところ思っております。それから幌延の方は、これは地元の人を抱えておりますので、十分地元の意向を聞いて決めたい、こういうふうに思っております。
○竹村泰子君 まだはっきりしないということのようですね。 では、次の質問に移ります。 これまで貯蔵工学センターの主な目的として、動燃は、深地層試験場など高レベルガラス固化体の処分技術の確立のための研究開発とかいうような四つの項目を出しておられました。その中にアスファルト固化体、いわゆるTRU廃棄物というのがありました。 このTRU廃棄物について伺いたいのですが、先日私も日英原子力協定の中で外務委員会でお伺いいたしましたが、このTRU廃棄物等、再処理工場やMOX燃料工場から排出される放射性廃棄物でネプツニウムやプルトニウムなどの超ウラン元素を大量に含んだ放射性廃棄物、確かに高レベルに比べれば発熱量や放射線レベルは低いけれども非常に長寿命であると。例えばネプツニウム237は半減期が二百二十万年、しかもアルファ線とガンマ線を放出するので、これらを吸引したり食物連鎖を経て体内に取り込みでもしたら、発がんする可能性はほかの核物質に比べて、体内被曝ということでけた違いに大きい猛毒物質であります。 原子力委員会は、このTRU廃棄物の処分について、九〇年代末をめどに処分の概念を示すとしておられます。そのため、動燃と電気事業者等が九七年九月から作業を進めているはずですが、その進みぐあいはどうなっておりますか。
○参考人(坪谷隆夫君) 今、先生御指摘のTRUを含む廃棄物でございますが、この処理処分につきましては、平成六年に定められております原子力委員会の長期計画においても、民間再処理事業等が本格化する時期を考慮して、今御指摘の九〇年代末を目途に具体的な処分概念の見通しが得られるように技術的検討を進めるということになっているわけでございます。 私どもは、研究開発を進めるとともに、一方で、発生者でもございます電気事業者ともいろいろ御相談をしているわけでございまして、具体的には昨年七月より動燃及び電気事業者と共同でTRUを含む廃棄物の処分概念を取りまとめる作業を進めているところでございます。現在のところ、TRU廃棄物の発生及びその性質、特性でございますが、それからTRU廃棄物の処分の方法及び処分にかかわる安全性の見通しに関する検討を進めておりまして、今年の秋までに一通りの検討結果を取りまとめて概要について公表する所存でございます。 また、平成十年度末、今年度末までに中間的な検討書を取りまとめてまいる予定でございまして、最終的には平成十一年度末に検討を完了して公表する予定でございます。
○竹村泰子君 私も専門家ではありませんが、このTRU廃棄物については幾つかのグループに分けて、そしてそれらの特性に応じた人工バリアをつくって、そしてその空洞の中に集中埋設するという、そういう漠然とした処分方法はわかっているんですけれども、それ以上についてはわからない。例えば、高レベル廃棄物については一応三十年から五十年の冷却期間を置いて処分するというふうに言われているんですが、このTRU廃棄物の貯蔵管理についてはそういうことは一切触れていません。国はこの貯蔵管理等はどう考えているのか、どのくらいの期間を考えているんでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 我々の方も、今の動燃事業団とか電気事業者の検討結果を踏まえまして処分の対策を立てることになっておりますが、具体的には原子力委員会のバックエンド対策専門部会でそれを検討していくことになると思います。 廃棄物で一番難しいのは、先生おっしゃるように、半減期間が長い話と放射能が非常に高い話がございまして、再処理工場から出ます高レベルな廃棄物は半減期も長いし、放射能も物すごく高い。ところが、今の先生の御質問のTRU廃棄物というのは、一般的には放射能レベルは低いものですから高レベルの廃棄物よりも取り扱いは楽だろうと考えております。 したがいまして、高レベル廃棄物の処分対策が立てられましたらば、TRU廃棄物はその一部のやり方で可能なはずでございますので、そういう意味で我々は高レベル廃棄物対策を最重視して進めているわけでございます。いずれにせよ、そういう半減期の長いものは共通の課題でございますから、それぞれに対応した処分の仕方を考えていきたいと考えているところでございます。
○竹村泰子君 それでは、時間がありませんので多分最後の質問になると思いますけれども、法案一条の設立の目的で、高速増殖炉の問題が出てまいります。高速増殖炉とそれに必要な核燃料の開発、再処理に関する技術の開発が挙げられています。高速増殖炉懇談会というのがありますが、そこは確かに高速増殖炉開発の必要性と「もんじゅ」の継続を答申しておりますが、これが国民の意見を反映しているとは言いがたいわけです。それは、懇談会が開いた御意見を聞く会の発言者の八割が高速増殖炉開発に反対もしくは「もんじゅ」の運転再開に反対の意見を述べております。原子力船「むつ」と同じように、いたずらに資金をつぎ込まなければならないということになるのではないでしょうか。 二十七日の夕刊の報道でありますが、高速増殖炉については開発失敗をヨーロッパ各国の電力会社関係者らが東京で認めたと。 「ばく大な金が無駄になった」「不必要だった」、東京丸の内で開かれていた日本原子力産業会議の年次大会で、フランスのクロード・マンディル資源エネルギー総局長は、「「ウラン資源の欠乏や価格高騰を恐れて開発を急いだが、そのような事態にならなかった。コストがかかる高速増殖炉が、近い将来に産業として成り立つ可能性はない」と断じた。」。 また、廃止を決めたスーパーフェニックスについて、「設計が古く、構造が複雑すぎた。」「より安く簡素な炉を再設計する必要がある」。大きなむだ遣いと言われているスーパーフェニックスですけれども、それから、イギリスやドイツは高速増殖炉を閉鎖、解体しました。「英国のウィリアム・ウィルキンソン原子力産業会議理事長も「われわれはいたるところで大きな過ちをおかした。開発を急ぎすぎ、ばく大な金を無駄に使ってしまった」と嘆き、マンディル総局長もうなずいていた。」。 「ドイツ、プロイセン電力のヘルムート・エンゲルブレヒト核燃料サイクル担当本部長も同意し、「不必要なものをつくってしまったと思う」と述べた。これらの発言に対し、科学技術庁の担当者は「フランスは、一足飛びに大きすぎる炉をつくった。日本は堅実に開発を続けていきたい」」と言っていらっしゃるんです。 高速増殖炉の開発について一体どう考えているのか。そして、そのお答えをお聞きして終わりたいと思いますので、時間がありませんので私の言いたいことを言っておきますけれども、核廃棄物に限らず、何のごみでも問題はもとを断ち切ることが大事です。どんどん物を売らせて野放しにして後始末は地方へ押しつける、これではいけないのではないでしょうか。都会生活者がきちんと考えるべき問題があると思います。安全であるならば原発のサイト内につくればいいし東京湾につくればいいので、電気を使う消費地の方で責任を持って処理処分を考えていかなければならない、そういう時代になったのではないでしょうか。そのことも含めて二つお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、四月二十七日の新聞の記事を引用されて御意見がございましたけれども、私も日本だけで物事を考えてはいけないと思いまして、諸外国の考え方もできる限り情報を集めているつもりであります。 今おっしゃったフランスのマンディルさんもこの間私のところにお見えになりまして、いろいろ意見を交換いたしましたけれども、そのときの印象は、今の新聞記事でおっしゃっていることと大分私は違った印象を受けておりまして、確かに経済的な理由はあったが、今後とも高速増殖炉というものはやっぱり長い目で見れば必要ではないか、必要であるというのがフランスのマンディルさんのお考えであったのではないかというふうに私は理解しております。 ただ、その背景になりますと、スーパーフェニックスは一九六〇年代の古い設計で旧型の炉であるので、二〇〇〇年代になって、二〇一〇年ごろになって新しく高速増殖炉というものを設計するとなれば、もっと安価で簡素化したものになろうと。こういうようなことはあったんだろうと思います。ですから、私は、あの記事は私も読みましたけれども、少しニュアンスが違うのではないかという印象を持っております。 それで、高速増殖炉につきましては、FBR懇談会のことも今委員おっしゃいましたけれども、あの中でやはり非化石エネルギー源の重要な選択肢というふうに位置づけているわけでありますし、そのために研究開発を進めていくという考え方は、私は正しいのではないかと思っております。もとを断てと、こうおっしゃいますが、現実に三五%の日本の電力は原子力に負っておりますので、それをどうやってエネルギーを有効に利用し地球への負荷を少なくしていくかということは、今後とも真剣に考えなければならないと思います。 それから、立地の問題もお触れになりました。東京湾であるとかあるいは大都市でつくれという御意見もありますけれども、原子力発電所のサイトあるいは廃棄物の処理サイトを求めるということは社会的にもなかなか抵抗感もございまして難しゅうございます。手順を踏み手続を踏んでいく、やはりそういう努力をきちっとやっていかなければいけない、こう思っております。
○竹村泰子君 終わります。
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。 私は最初に長官にお尋ねしたいわけでございます。 長官が今回の法案について趣旨説明を当然やっているわけでございますけれども、その中に「抜本的に改革する」あるいは「業務を抜本的に見直し、」、そういう文言が入っているわけでございますけれども、今回のさまざまな検討あるいはレポート含めて、それが議論されている最中に、動燃は要らない、あるいは原研に吸収させるべきだ、あるいは別の組織を発足させるべきである、改組だけではいけない、そういった議論もあったように私は記憶しているわけですり要するに「抜本的に改革する」あるいは「業務を抜本的に見直し、」ということについては、どういうふうにその辺は御理解しているでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 動燃の一連の事故がございました。この事故そのものももちろんさることながら、その後のいろいろな対応というのがいかにもまずいといいますか、ひどかった。 なぜこういうことが起こったのかということを考えるわけであります。それで、それは動燃も今までいろんな技術開発をしてまいりまして、動燃もいろんな技術を蓄積したり、それから使命感のある技術者がいることも事実でありますけれども、全体として自分たちがこの核燃料サイクルを確立していくという、そういう責任感に欠くるところがあったのではないかと。 その原因はどこにあるかということを考えていくと、吉川先生のレポートには「経営の不在」という言葉が書いてあるわけでありますけれども、その「経営の不在」のよって来るゆえんは何かといいますと、科技庁と動燃の言うなればどこまでが権限でありどこまでが責任があるのかということが明確に区別されていない体質に問題があるのではないか。これは、今行革の中で行政指導のあり方などいろいろ問題提起されているのと共通の問題がそこにあるように私は思いました。 したがいまして、国の役割と動燃の役割をもう一回明確に定義し直すということが一番の根本ではなかろうか。それで責任と権限を明らかにする、こういうことが今回の作業の中で中心的な物の考え方になったと思っております。 いろいろ細部にわたりましてはまた御質問に応じてお答えをいたしますが、一番根本のところは権限と責任をはっきりさせるということではないかと思っております。
○加藤修一君 同じく趣旨説明の中で、「これまで動力炉・核燃料開発事業団は、」中略いたしますけれども、「我が国の原子力の開発及び利用の促進に寄与するといった重要な役割を担ってきた」、このようにあるわけですけれども、今回のようなさまざまな事件を通して、やはり我が国の原子力の開発及び利用について総括をすべきだと私は思うんです。ただ、その総括するに当たってなかなかそういう話は聞こえてこない。 例えば、「動燃改革検討委員会の目的は、動燃に与えられた使命を達成するための最適組織を提案することにある。その場合、動燃に与えられた使命そのものの改変は、本委員会の目的に含まれない。」、そういう言い方もしているわけです。ただ、そのレポートを見ている限りにおいては、我が国の原子力の開発及び利用に関しての総括はなされていないように私は思うんですけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回御審議をいただいている法案の基礎になったいろいろな分析なり過去の総括は、今の先生が引用された吉川委員会の報告だけに限定されるものではないと思っております。今までいろいろな研究会あるいは諮問機関、例えば高速増殖炉それからバックエンド対策、こういうようなものをいろいろ議論してまいりました。そういうことを踏まえて今までの動燃のあり方というものが総括をされ、また再定義をされているというふうに私は理解をいたしております。 今、先生が御引用になった吉川先生のレポートでは、ミッション自体は検討の対象ではないということになっておりますが、例えば高速増殖炉懇談会で行われている高速増殖炉のこれからのあり方というのは、一つの動燃のミッションにも関連してくることではないか、こう思っております。
○加藤修一君 今回の問題につきましては、長官も深刻な問題だと考えていらっしゃるというふうに私も聞いておりますし、それから趣旨説明の中を読んでもそれなりの深刻なとらえ方をしているように私は理解しておりますけれども、要するに重要な役割を担ってきたという点から考えていきますと、原子力基本法に明記されている、第二条でありますけれども、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、」云々。 これがいわゆる民主、自主、公開の三原則でありますけれども、今回の事故については、この原子力基本法、これとの関係でどういうふうにこの辺は整理、御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 吉川委員会のレポートは、動燃が出発したときの状況と現在は変わってきていると。だから、全然この法案とは関係ありませんが、この間、宇宙開発事業団のこの委員会での御答弁の中に、初心に返れというけれども、初心ばかりにこだわっていればいいというわけではないということがわかったという御答弁をしておりましたけれども、動燃も時勢に応じて変わっていく必要があると思います。 ただ、私どもが返らなければならない初心、現在でもそれを旨とすべき初心というのは、今先生が引用された原子力基本法に書いてある三原則、これは現在でも私どもは信頼してよい原則ではないかと思っておりまして、これから乖離しているところがあれば、またここに戻っていかなければならない、こういう原点であろうと考えております。
○加藤修一君 今の答弁をそのまま引き受けて再度質問いたしますと、動燃の今回の事故について、原子力基本法の第二条に抵触は全くしていないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下」、これは、どこまでいったらそれをやっていることになるのかということはなかなか難しい問題でありますけれども、「平和の目的に限り、」、こういうことはやってきたと思います。それで、「安全の確保」というところでありますけれども、この安全ということを、ここからさらに一歩踏み出しまして、たびたび御答弁でも申し上げているわけですが、安全を安心につなげていくことに失敗したというふうに私は思っております。 なぜ安心ということを申し上げるかというと、安全だ安全だということだけじゃなしに、国民が安心していられる体制をつくることにやっぱり失敗したと思っております。それは、公開とかそういうことが必ずしも十分ではなかったのではないかこう思っております。
○加藤修一君 長官、それ違います。
○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、今私が答弁しておりますから、御反論があれば聞かせていただきたいんですが、私はそういうふうに理解をいたしております。
○加藤修一君 今の答弁、私ちょっと理解できないんですよ。安全であることをちゃんと伝えなかったので安心につながらなかった、そんな言い方だったんですが、どうですか、その辺ちょっとよくわからなかったので。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が申し上げていることは、安全は大前提だと思います。しかし、安全であるということだけじゃなくて、安全であるということを国民の皆様に信頼していただけるような状況をつくっていかなければいけないということだろうと思います。そのためには情報公開も必要であり、あるいは地元の方々とのいろいろな意思の疎通というものも必要であり、そういうところに欠くるところがなかったかということを申し上げているわけであります。
○加藤修一君 結局、実態としては安全でなかったんですよね、そうでしょう。安全でなかった、だから不安感を巻き起こしたという話になりますよね。この辺について、だからこの第二条と抵触するかしないかということを私はあえて確認しているんです。「安全の確保を旨として、」という「安全の確保」に抵触するのではないですかと私は聞いているんです。
○国務大臣(谷垣禎一君) ここは基本方針であり目的規定でありますから、なかなか反しているか反していないかというお問いかけは難しいわけでありますけれども、「安全の確保を旨として」、これは行ってきたと思います。
○加藤修一君 私はちょっと理解できない、そういう返答をするというのは。 先ほど、竹村先生の質問に対して長官は何と言ったかといいますと、仏つくって魂を入れずじゃだめだ、魂は入れました、しかしその魂は見せることはできないという言い方をされました。では、魂は確かに見せることはできませんけれども、ほかのことによって代替的に見せることはできるんです。例えば今のこの法律に対してどのように考えているか、もうちょっと真摯に私は答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 仏をつくって魂を入れないようではいけないということを私は申し上げました。 ただ、率直に申し上げますとここが一番難しいところであります。一遍に魂を全部入れかえることができるかどうかというところも、正直に申し上げますとなかなか簡単ではありません。長い間の努力といいますか、そういうものも必要でありましょう。しかし、全力を挙げてやらなければならないということを申し上げているわけでありまして、私はその点は御理解をいただきたいと思っております。
○加藤修一君 私は理解できないんです。私は、答弁にしても姿勢が大事だと言っているんですね。そこのところをきちっとやっていただきたいということを私は先ほどから言っているんです。 それから、この原子力基本法の第二条についてさらに言いたいことは、今回のさまざまな出てきた結果について、体質を改善するということについて、それは十分にこの法の趣旨を生かした形で結果はなっていると、そういう理解は当然していいわけですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今度の法案ということでございますか。
○加藤修一君 法案も含めて。
○国務大臣(谷垣禎一君) 当然ながら、この基本方針にのっとっていくべきものですし、いかなければ。いけないと思っております。
○加藤修一君 今回の事件が起こったときに、科学技術庁としてはいかなる責任をおとりになったか。大蔵省はつい先日さまざまな処分を発表したわけでありますけれども、この辺について長官はどのように感じていらっしゃいますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一連の事故や不祥事のまず第一次的な責任は当事者である動燃にあるわけでありますが、動燃を指導監督する立場にあった科学技術庁の責任も大きいと思っております。 それで、去年の八月一日に、動燃の一連の問題に関しまして、指導監督する立場にあった科学技術庁の責任が重大であるという認識のもとに具体的な改革方針を明らかにしておりまして、現在、この方針に沿って二十四時間の連絡通報体制を整備するなど緊急時対応の強化をしておりますし、それから抜き打ち立入調査など安全監視の強化にも努めている。それから、職員による動燃のすべての施設や設備の現地調査など、現場重視の法人監督の強化など具体的な活動をさせているところであります。今後とも、こういう現場を重視した体制を進めていくということでやらせていただきたいと思っております。
○加藤修一君 もっと具体的に、人事の面についてはどうですか。減俸処分とかそういった面を含めて先日の大蔵省の処分発表があったわけですけれども、それと同じ意味合いで聞いたわけですけれども。
○政府委員(沖村憲樹君) この動燃の一連の事故及び不祥事に関連いたしまして、行った処分の内容につきまして御説明を申し上げます。 一件は、「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故の後でございますが、事務次官、原子力局長、原子力安全局長に対しまして厳重注意処分を科しております。 また、アスファルト固化処理施設の火災、爆発事故に関連いたしまして、大臣及び事務次官が三カ月間一〇%の自主的な俸給返納を行いますとともに、事務次官、原子力局長及び原子力安全局長に対しまして訓告の処分を行っております。 以上でございます。
○加藤修一君 訓告というのは、言葉による注意だけですか。
○政府委員(沖村憲樹君) 科学技術庁の訓令に基づきまして、文書によって行ったものでございます。
○加藤修一君 先ほど長官の答弁に、仏つくって魂を入れることが非常に大切だという話がありましたけれども、やはりさまざまな事故が起こったときに、きちっと賞罰を明確にする、そういうことは非常に大切だと思うんですね。ある意味ではインセンティブを課すということですし、それが見方を変えれば私は魂を入れるということの一つのことではないかなと思うんですけれども、これは非常に私は処罰としては軽いように思っていますけれども、長官、どうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは私のときの処分ではありませんで私の前任者が行った処分でございますけれども、私は適切に判断をして処分をされたと思っております。
○加藤修一君 動燃にお尋ねしますけれども、これは答弁しなくて構わないです。 「もんじゅ」に関してですけれども、今後どういうふうになるか私もよくわかりません。ただ、立ち上がるというケースがあった場合に、日常的ないわゆる環境汚染にかかわるような項目、その情報開示を当然すべきだと思うんですね。それで、リアルタイムでモニタリングすると同時に、それをインターネット等々で公開をしていく、それは非常に大事なことだと私は思っておりますので、それについては要望をしていきたいと思います。 それから、今回、その体質の改善ということで運営審議会、これをつくったというふうになっておりますけれども、この委員の選定基準、どういうふうに選定されているか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 運営審議会の委員でございますけれども、これは機構の運営に関しまして幅広く外部の意見を聞くという、そういうことでございます。業務運営の透明性を確保する、それによりまして社会との乖離をなるべく未然に防止する、そういうために置くわけでございますので、その趣旨からいたしまして、非常に幅広い分野から選任されるものと考えております。
○加藤修一君 これは国会承認が必要でしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 具体的な選任に当たりましては、二十三条第一項に規定してございますように、基本的には理事長が任命するわけでございますが、内閣総理大臣の認可を要するということで、国としては内閣総理大臣の認可ということで関与している次第でございます。
○加藤修一君 国会承認になっていないということですね。 それでは、科技庁の科学技術会議設置法がございますけれども、これについては国会の承認を、両議院の同意を得なければいけないというふうになっていますけれども、私は千歩下がって、この審議会の委員についてずっと国会の承認という話にしなくてもいいわけですけれども、こういう非常に深刻な問題を起こした場合について、いわゆる運営審議会の人選に当たっては、当然それは国会の承認を得るというそういう考え、姿勢があっていいように私は思うんですけれども、長官、どういうふうにこの辺お考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点は、ある意味ではこの運営審議会の性格をどう理解するかということにかかってくるんだろうと思います。 私は、運営審議会は、先ほど申しましたように理事長の責任と権限をできるだけ明らかにする、ただ、理事長がタコつぼに入ってはいけないという意味で外部のいろんな意見を聞いていただこう、こういうことで理事長の責任のもとでやっていただく体制である、こういうふうに理解をしているわけであります。
○加藤修一君 それはちょっと答弁としては理解できないですね、はっきり言って。客観性とかそういった面についてやっぱり両議院の承認を得るぐらいの姿勢がなければ私はいけないと思っておりますけれども、再度聞きますけれども同じ答えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) その点は私は同じお答えをいたします。それで、内閣総理大臣の認可によってチェックをしているという体制であります。
○加藤修一君 私は強く要望したいわけですけれども、ただ、ちょっと先ほど質問を飛ばしてしまいましたんで、今回撤退する事業のうち、これに伴い発生した放射性廃棄物の貯蔵、処理、処分に係る研究開発、施設の廃止措置に係る研究開発は五年経過後も当分の間継続して行うこととしていると。当分の間、この当分というのは何年ですか。
○政府委員(加藤康宏君) 例えば、「ふげん」の廃止とか人形峠の遠心機の廃止、そういう業務があるわけでございますが、特に「ふげん」のような原子力発電所になりますと、運転を停止した後もしばらく冷却させてそれから解体をするという手順になりますので、当分の間と申しても二十年とかそういうようなオーダーの業務になるかと思います。 その場合、最終的に廃棄物の処分までしなければいけませんので、その辺につきまして、現時点におきまして何年間というふうに決めることが難しい。したがいまして、ここでは当分の間というふうに書かせていただいておる次第でございます。
○加藤修一君 確かに決めるのが難しい背景がありますけれども、何年かたった後に再評価をするということも、いろいろな意味を考え合わせていくと私は必要だと思うんです。例えば十五年後とか二十年とか明確に数値を入れる、そういうことも考え方としてはあってもいいんではないか、そのときに再評価をすればいいじゃないですか。そこでまた必要であるならばまた延ばすという考え方が成り立つと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(加藤康宏君) その規定の前に、例えば「ふげん」とか人形峠の工場というのは五年以内ということになってございまして、そのようにかなり我々としてきちっとそれまでに努力すればできるというものにつきましては年限を表示させていただきましたが、それ以降の廃棄物の問題につきましては、廃炉自身の作業も長くかかりますので、申しわけありませんがそういう格好で、当分の間ということで規定させていただきたいと思っております。
○加藤修一君 私は、数値目標的に再評価ができる時限を明確にすべきだと思います。これは全く意味がないですか、どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、好き嫌いで申しますと、当分の間というような表現は明確を欠きまして、正直言うと余り好きではありません。 ただ、先ほど局長から御答弁させていただきましたように、放射性廃棄物の処分というようなものは、いろんな技術的な問題ももちろん当然あると思うんですが、現段階で確かに見にくい。そしてまた、できてしまえばもう今さらそれを新法人がやる必要はないものでありますから、私は、こういう書き方で今回は仕方がない、仕方ないというような御答弁はちょっとよくない御答弁ですけれども、そう思っております。 ただ、ですからこういう表現ぶりになりますが、やはり今の委員の御指摘のような問題意識は持って、今やっていることをもう一回評価し直していくという努力は当然必要だろうと思っております。
○加藤修一君 私は、当選してから三年ぐらいになりまして、さまざまな法案を審議する機会をいただきましたけれども、法律は非常に裁量性が大きい形になっていますので、当分というのは、ちょっと別な言い方になってしまいましたけれども、要するに明確にするところが余りにも少ないように私は思うんです。どうでもとれるような、あるいは明確に要件というのが定まっていないとか、そういうことが非常に私はあり過ぎるんではないかなという感じを持っております。それについて、これから法案をつくるときに当たってはより明確になるような条文をつくり上げていただきたいと思います。 それでは、次に動燃の方にお聞きしたいわけですけれども、安全性審査の項目でございますけれども、今回ナトリウムが漏れたということで、いわゆる温度計が破損したという話でございます。この温度計について、明確な解析をして、その結果新しい最適な形状が決定したと、その辺の結論は出ているんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。 先生御指摘の温度計と申しますのは、「もんじゅ」の二次冷却系の温度計についてかと存じます。今回の事故の反省を踏まえまして改良、検討を進めてきております。現在のところは、水を使った流動試験、また振動試験等、特性を確認いたしまして準備を進めておるところでございます。 最終的な温度計につきましては、これは試験結果を詳細に検討いたしまして最終的な設計に入っていきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 ナトリウムが漏れた事件以降何年たちますか。
○参考人(中野啓昌君) 二年ちょっとかと存じます、平成七年十二月八日でございましたから。
○加藤修一君 その温度計については極めて本質的な欠陥があったというふうに聞いているわけですけれども、それがまだこんな段階の状態ということですか。
○参考人(中野啓昌君) ただいま申し上げましたように、もともとのことを申しますと、熱応力とかあるいは溶接の断面とか、そういったことについては非常に細かく検討をして現在の「もんじゅ」につけられておったわけでございます。そういう中で、振動解析などというような事項に関しまして不十分な解析事項がございました。そのあたりのデータも全部取り尽くしました。 今後、ただいま「もんじゅ」の施設自体の安全総点検を行っております。この安全総点検を行った結果として、いろいろなところに改良、改善が必要かと考えられます。そういうものとあわせて最終的な設計に入りたいと思っております。 そういう意味では、準備はすべて終了しておる、こういうことでございます。
○加藤修一君 最終的な設計に入りたいということですから、この温度計の部分については結果がもう出ているという理解でいいですか、あえてしつこく言いますけれども。
○参考人(中野啓昌君) ただいま申し上げましたように、そのほかの部分等との関連性もございます。そういうものを含めて設計に入るという準備はすべて終わっていると。要するに、技術的な解析はもう終わっておりますということでございます。
○加藤修一君 技術的な解析結果が出たということの中身はどういうことですか。
○参考人(中野啓昌君) 大変申しわけありませんが、ここには細かいデータをちょっと持っておりませんが、少なくとも、あの「もんじゅ」の事故の二次系に取りつけられておりますくびれたような格好とか、そういった格好は避けるような形になるものと期待されております。
○加藤修一君 非接触型の、いわゆる温度を測定するような方法はとらないで、管台に接続した形で温度計を設置するという理解でいいですか。
○参考人(中野啓昌君) 先生御指摘のございました非接触型の温度計についても、検討、開発を進めてきてございます。ただ、この温度計につきましては、温度計自体の精度の問題等々ございますので、差し当たっては形を変えた形でいきたいというふうに現在のところ考えております。
○加藤修一君 ということは、管台に設置させるという話でよろしいですね。 それで、その技術的な解析をやった結果について提出してくれますか。
○参考人(中野啓昌君) データはございますのでお持ちいたします。
○加藤修一君 それでは、もう時間もございませんが、FBRのいわゆるプルトニウム量について、世界の現状について科技庁としてはどういうスタンスでその辺をとらえていらっしゃるか。今までほかの委員の方々が質問しているわけでありますけれども、例えば九町年一月に全米科学アカデミーが報告したものがありますけれども、それは「余剰兵器プルトニウムの管理と処分」というタイトルでありますけれども、その結論は、厳密に経済的観点からすれば余剰プルトニウムは財産というより負債であると、財産であるというより負債であると、こうした報告があります。 再処理をしてプルトニウムをつくるということはそれなりのコストが当然かかりますけれども、この余剰プルトニウムというのは要するに兵器から取り上げたやつで、それでさえもある意味で財産というより負債であるというような表現で結論を示しているわけですけれども、この辺については科技庁はどうお考えでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) そこはプルトニウムに対する考え方が国によって違うのではないかというふうに考えております。 アメリカでは、プルトニウムの商業利用はしないという前提でございますので、プルトニウムというのは民生の方ではなかなか使えない。したがいまして、そういうような重荷になるということかと思いますが、我が国におきましては、当初からプルトニウムを使う、使用済み燃料を再処理して使うという方針でやってきておりますので、やっぱりプルトニウムが貴重な資源であるということで我々は考えている次第でございます。
○加藤修一君 ちょっと理解できない答弁ですね、私にとっては。それについては別の機会に再度質問したいと思います。 イギリスでは、科学者の中心機関である王立協会というのがあるのは御存じだと思いますけれども、その王立協会が政府のプルトニウム再処理政策について疑問を投げかけている、そういった報告書を出したと。それが「分離プルトニウムの管理」というタイトルでありますけれども、要するに、猛毒で核兵器材料であるプルトニウムの蓄積というのは環境上においてもあるいは核拡散防止の観点からも極めて問題が多いと指摘しているわけで、この政策は全面的に見直さなければいけないと、そういう結論をつけているわけですけれども、この報告書については当然私は御存じだと思いますので、この辺についての見解をぜひ伺いたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 具体的なそのレポートをちょっと承知しておりませんが、考え方といたしましては先ほど申しましたと同様でございます。イギリスにおきましては天然ガスとかいろんな国内の資源も豊富でございまして、今は原子力よりも天然ガス、そういう方にシフトしているわけでございますが、我が国におきましてはやはり原子力に頼っていかなきゃいけないと。原子力に頼っていっても限りがあるから、やはりプルトニウムを使えるような体系というのは将来必要だろうし、現在でも使えるものは使っていこうということで、プルトニウムをためるのではなくて、それはプルサーマル等には使っていこうという政策をとっているわけでございます。 したがいまして、先ほどのイギリスの王立協会のレポートかと思いますが、プルトニウムが蓄積していくということではなくて、日本はそれを使っていこう、消費していこう、そういう考え方でやっている次第でございます。
○加藤修一君 この資料について、報告書については御存じないという発言をされましたですか。
○政府委員(加藤康宏君) 私、ちょっと申しわけありません、今は承知しておりません。
○加藤修一君 「もんじゅ」が大変な状態になって、将来の我が国のエネルギー需給、そういった見通しについても非常に大きな影響を与えていると私も理解しておりますけれども、そのことについでさまざまな情報を収集しなければいけない立場にある科技庁が、これ非常に基本的な僕は報告書だと思うんですけれども、全然御存じないということですか、本当に。それとも、ないわけですか、科技庁にもこういう報告書は。
○政府委員(加藤康宏君) 私自身ちょっと承知しておりませんし、担当の者も今は承知していない、ようでございます。
○加藤修一君 ぜひ入手して、私は研究をしていただきたいと思います。 それで、プルサーマル計画について一問だけ質問して終わりたいと思いますけれども、MOX燃料は、ヨーロッパで再処理して得たプルトニウムを使って、ヨーロッパで加工して日本に持ってくるわけですけれども、手続としては、電力会社はMOX装荷にかかわる原子炉の設置許可変更申請、これをしなければいけないと私は聞いております。そして、その申請に当たって科技庁と原子力安全委員会による許可があれば、後は自治体の事前了解を得た後にヨーロッパから燃料の輸送を行い、その後原子炉へのMOX燃料の装荷が実施されることになる、そういう理解でいいと思います。 現在、地元でそういう面についての議論が尽くされていないところがあるわけですけれども、また、電力会社が変更申請すら出していないと。しかしながら、例えば、東京電力がデッセルとか、あるいは関西電力がセラフィールド、そういうところにおいてMOX燃料の加工を始めていると私は聞いているわけですけれども、これはある意味では了解抜きの既成事実づくりということにならないですか。ちょっと非常に不思議なやり方をしているように私は思いますけれども。
○政府委員(加藤康宏君) 恐れ入りますが、電気事業者が行っておりますプルサーマルにつきましては通産省の所管でございまして、先ほどの手続につきましてもあれでございますが、まず事業者が設置許可の変更を通産省に出さなきゃいけません。その設置許可の変更を出す際には、電気事業者が地元との協定によりまして地元の事前了解を得ると。したがいまして、申請をする前に地元の事前了解を得てから申請をすると。それで、通産省の審査が終わりました後、安全委員会、原子力委員会でダブルチェックでもう一度審査をして、それでよければ許可になるということでございます。 燃料の手当ての問題でございますが、現を既に東電と関電は燃料の手当てをしているわけでございますけれども、それはあくまでも事業者の自己責任、自分の責任の範囲内で手当てしているということでございまして、当然自分の責任でやっているということでございます。
○加藤修一君 通産省の関係が入っていることは確かですけれども、科技庁としては今言ったような形の答弁でいいという理解でいいですか。
○政府委員(加藤康宏君) それは通産省としてそういうことでやっているわけでございますので、科学技術庁としては特にそれに異を挟むような立場にないと考えております。
○委員長(大島慶久君) 時間がもう過ぎております。
○加藤修一君 じゃ最後に一問ということで。 それでは、今言った事実が確認されたとして、これは明らかにおかしなやり方をしていると私は思いますけれども、要するに了解抜きの既成事実づくりだというふうに考えられるわけですけれども、もし事実だとするならば、科技庁はどうのこうの言う権限を持っていないにしても、そういう行為についてはどう思いますか。
○政府委員(加藤康宏君) 少なくともプルサーマル利用につきましては科技庁も一体となりまして推進しております。これは研究開発とすれば非常に古くから、四十年ぐらいの初めからしているわけでございますが、少数体の照射とかそういう実績を重ねて、いよいよ本格的に装荷をするということでございまして、地元に対しましても、これはプルトニウム利用を進めるということもございまして、科技庁は通産省と一緒に地元に一生懸命説明をしているところでございます。
○加藤修一君 理解できませんが、終わります。
○松あきら君 朝からおのおの委員の先生方からは、情報公開という点については必ず御質問が出されました。 私もまず動燃の情報公開についてお尋ねをいたしたいと思います。 岐阜県土岐市の動燃の東濃地科学センターが、岡山県の市民団体から出されました情報公開請求に対し、手数料が五十九万円、これとは別にコピー代が約九万円も請求がされたという記事がございます。これは事実でしょうか。
○参考人(近藤俊幸君) 事実でございます。
○松あきら君 事実でございますか。すごい金額ですね。これを聞いただけでも本当にびっくりしますけれども。 情報公開は納税者や市民の権利であり、動燃にとって本来の仕事のはずです。手数料を取らない自治体がほとんどなのに、こんな高額を請求してくるのは公開を余分な仕事と考えている証拠です。原子力問題は公開が原則なはずです。長官も先ほどもおっしゃっておりました。事故隠して問われた動燃の体質が改まっていないおそれもある、こういうふうに指摘をされております。 さて、この情報公開、手数料は原則実費とするというふうに定められておりますけれども、まず、原則実費というのは何と何が含まれているのでしょうか。
○参考人(近藤俊幸君) 先生から先ほどの請求は事実がというお話がございましたが、それについてちょっとお答えさせていただきます。 事業団では、資料の開示手数料として、先行しております地方自治体の例を参考に、一文書当たり二百円としております。今回御請求のあった資料件数が約三千件でございます。したがいまして公開手数料は五十九万七千円、こういうふうになります。それから、その後、資料の一部が重複していたということが判明いたしましたので、その分の調整をいたしまして、今現在は四十八万円、こうなっております。 それで、実費に何と何が入っているかというふうな御質問かと思いますけれども、考え方としましては、やはり実際かかった費用、実費内で手数料をいただくという考え方に立っておりますが、実際は、現時点で先行されております地方自治体、例えば東京都とか岡山県とかそういうところの数字を参酌いたしまして、一文書当たり手数料二百円、それからコピーは一枚当たり三十円、こういう単価を適用させていただいております。 それで、これは先生に対する答えに十分なっておりませんけれども、実はこの手数料をどう決めるかということは、考え方としては私はアメリカの例等々も勉強させていただきましたけれども、やはり基本は実費だという考え方だと思います。ただ、その実費をどういうふうに具体的な中身としてとらえるかということは非常に難しい問題でございます。 それで、今現在は先ほど申し上げましたように一件二百円の手数料、一枚三十円というコピー代を適用させていただいておりますが、今、国で進めていただいております国の情報公開法、これが決まれば政令で手数料も決めるということになっていると聞いておりますが、そういうことも勘案いたしまして今後の手数料は見直していきたい、こう思っております。
○松あきら君 長々とありがとうございました。 今一枚二百円、保安規定は一枚千円と書いてありますね。コピー代は三十円ですか。しかし私は、実費と、いうのは普通は業務以外に費用のかかった場合に請求をするという性格のものだと思うんですよ。この場合の資料は事業団が持っているんですから、別にどこかから買ってきたわけじゃない。公開できるかできないかの判断は事業団の当然の業務じゃないんですか。この場合の実費というのは、コピー代あるいは郵送代、こういうふうに解釈すべきだと思うんですけれども、いかがですか、短くお願いいたします。
○参考人(近藤俊幸君) 情報公開するのは、さらに今回は二十六条で動燃の責務ということになっております。そういうことも含めて、手数料をどうするか、今後検討させていただきます。
○松あきら君 ごまかしていらっしゃるような気がいたしますけれども、長官も情報公開はきちんとするというふうに先ほども御答弁なさいましたけれども、じゃ理事長、今おっしゃったのは、具体的に情報公開の指針が出ればそれに沿ってやる、こういうふうに解釈してよろしいんですね。
○参考人(近藤俊幸君) そう考えております。
○松あきら君 やはり私は、先ほど長官がおっしゃいました安全性、透明性、安心、こういうことをもしもPRなさりたいのであればこういうことからきちんとしていかなければ、五十九万が今現在は四十八万円になったとか何かおっしゃっていますけれども、こんなことだれも納得しませんよ。アメリカの資料を参考にしたとか何かおっしゃっていましたけれども、コンピューターで全部見られる時代でございますから、そこが全然違うと私は申し上げたわけです。 次でございます。 動燃の平成八年の貸借対照表によれば、国の出資金総額が二兆四千八百五十六億円余りで、資産が九千三百八十億円余りで、累積欠損が一兆六千百二十九億円余りとなっております。出資金ですから、当然配当がもらえるとかあるいは元本が戻ってくるとかなると思うんですけれども、今回は名前が変わって本社が移転して業務が縮小されるだけでございますので、財務の体質の変化はないわけでございます。しかし、今まで二兆四千八百五十六億円出資して、残り勘定、資産形成ですね、これが九千三百八十億円。一兆六千百二十九億円も消えてしまったという格好でございます。 先ほど来、竹村先生あるいは加藤先生、種々先生方からも細かく御指摘になっておりますけれども、私もこれ本当にどう考えていいのかなと。出資に対してどういうふうに資産形成がなされているのか全然わからないんですよ。欠損の累積が続いているのに出資金を投入し続けるということに対しまして、一般の感覚からは特に今現在わからない。こういうことについて長官どうお考えでございましょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは確かに、貸借対照表をごらんになったときに、これだけ欠損があるのはどういうことかと御疑問を持たれるのはある意味で当然だと思います。私も最初そう思いました。ただ、これは国立あるいは特殊法人の研究開発法人の場合に、実際これ研究でございますから営利活動をしているわけではありませんので、長い間に特許権なりいろいろ技術力として蓄積されてくることはございますけれども、それをなかなか金銭に評価するのは難しゅうございます。これを補助金のようなものでやる方がいいのか、出資金でやる方がいいのかというのは、今までもいろいろ議論がございました。ただ、国全体の整理として、こういう機関につきましては出資金でやるということに整理をして一応やっております。 今後ともそういう方向でいいのかどうかということは議論をしていただく必要がございますけれども、ずっとこの整理でやってきた、そこのところを御理解いただきたいと思います。
○松あきら君 長官は、資産は無形のものである、これは技術だからやり続けていかなければ、そうそう営業して形になるわけじゃないというふうに御理解いただきたいという御答弁だと思うんです。 実は私の手元に、私と同じようなことを、やっぱり昭和五十六年にも何回も同じような質問をしているわけですよ。どう考えてもこれは赤字公債だ、特例公債と同じになるんじゃないかとか、当時ですからまだまだお金の額は少ないんですよ。その当時でも、これはやっぱりおかしいんじゃないかということを当時から言っている。やはり私は、言い続けて、お金を出し続けて、一体幾らまでお金をかけ続けていてという、それはもちろんこういった大きな問題でございますし、一朝一夕には幾らかけたからどういうふうになるというものじゃないとは思いますけれども、二十年近くたってまたぞろ同じ答えである。あるいはこれまた二十年たったら同じ答えなんでしょうかということを非常に疑問に思っています。 時間がないから次へ参ります。 動燃は、これまで国や民間からの出資金で研究開発事業を行っております。具体的な金額を見てみますと、国からの出資金は平成八年度末で約二兆四千億あるんですね。しかし、民間からは約九百三十六億円と非常に少ないわけでございます。先ほど来話も出ておりますけれども、動燃の研究開発成果は電力会社等の民間に移転されるわけなんですよね。そうしますと、何で国が二兆四千億で民間が約九百三十六億円、どういう理由でこんなに差があるのか。何か意味があるんでしょうか、いかがでございましょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃事業団が行ってきました事業自身は、国として必要な研究開発ということで国が出資をしているわけでございますが、その中でも例えば東海の再処理工場とか新型転換炉「ふげん」、それから「もんじゅ」、それから濃縮の工場等、民間事業者が後から受益し得る、技術の移転を受けたりして受益し得るようなもの、そういうものに関しましては一部を民間からの出資金としていただいていたわけでございます。そういう意味で、研究開発の大宗は政府の資金でございますが、そういうプラント、実用化に近いところ、そういうところにつきましては一部民間から受け入れていたということでございます。 新しい法人になりましても、必要に応じまして民間との共同研究、あるいは民間出資金を募るなど、民間に対しても応分の負担を求めていく考えは変わっておりません。
○松あきら君 やはり私はどう考えても、一般の国民の感覚からすると、国がこれだけ出しているということは、皆さんの血税、予算というのは血税ですから、そういうのが取られちゃっているんじゃないか、損じちゃっているんじゃないかみたいな気持ちをお持ちになる方が多いと思うんですよ。新しい体制になみんですから、私は、受益者負担の原則というのを、今もその話が出ましたけれども、それから考えると、もう少し民間から出資があってもしかるべきなんじゃないか。 新法人に対する民間出資の考え方について、もう一度長官のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 研究開発というものはどうあるべきかということと結びついてくると思うんですが、科学技術庁でやっている仕事は原子力に限りませんで、押しなべて最後は民間の福利を増進していくという性格を持たなければいけないと思っております。そういう中で、民間の資金でできるものとできないものがございます。最後はそれが完成すれば新しい産業が起きたり民間の福利を増進していくことにつないでいけばそれで結構だという分野もございます。それは国の資金の投入を得てやっていくという部門もございます。 それから、今の先生の御指摘は、さはさりながら、民間に移転するのであれば民間資金がもう少しあったっていいではないかと。だからそのことは、私ども、決して民間に出さなくていいよと拒んでいるわけではもちろんございません。ただ、血税でございますから損をしているんじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、それは私ども、損をしているという感じにならないように一生懸命やらなきゃいかぬと言い聞かせておりますが、長い目で見ていただく必要がある部分もあるのではないか、こう思っております。
○松あきら君 私、いろんな思いがございますけれども、もう時間がないので、やはりエネルギーがとても必要であると。しかも、私たちが便利になったこの今の時代、皆さんが便利な生活を求めているという意味においては、コストがかからなくて安定したエネルギーが手に入れば一番うれしいはずでございます。 私は、その観点から新しい研究開発が進むということは大いに結構でございまして、海洋科学技術の強化というのが、総合経済対策で科技庁として強調されていたと私は思っております。 日本は四万を海に囲まれております。私もちょっと前、去年なんですけれども、マイティーホエールの研究開発とかいろんな御説明をいただいて、実はこれはすばらしいと思ったんですね。つまり、廃棄物の最終処分場も原子力の厳重保管も要らないわけですよ、海ですからね。ですから、日本は今いろんなことでとても苦労しているわけでございますけれども、廃炉となって三十年もそのままにしておく必要もないわけだし、海というのはもう日本全部囲まれているんですから、これをやっぱり生かさない手はないんではないか。海の持つエネルギーというのはもう本当にすごいというふうに思っております。 私はそこで、この研究がちょっとありましたけれども、コストがかからないし、莫大なエネルギーがある海、いろんな危ないこともない、こういったことに対してその後どうなっているのかということを科技庁からちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今マイティーホエールに触れていただきました。海洋エネルギーは今御指摘のようにクリーンな再生エネルギーですので、ぜひ使えるようにしていきたいわけですが、現状ではどういう研究をやってきたかといいますと、電源確保が困難な場所に、いわゆるブイですね、航路標識、そこに波力エネルギーを使って電気をともしていくという実験を行いました。それで、エネルギーの密度が低いので、実用化というためにはまだまだちょっと技術開発が不十分だということです。 それで、この波力発電装置「海明」というのを科学技術庁で昭和五十一年から六十一年にかけてやりましたが、当時の評価によっても、他の発電コストに比べますと相当コストが高くなるというのが実際のところでございました。まだまだ実用化の段階とは言えない。 しかし、この波のエネルギーを利用して、マイティーホエールというのは、マイティーホエールの後の海域の波が静かになる。それから、圧縮空気を使って海を浄化することができる。そういうことで水産や海洋レジャーに活用することができるということで、先ほど申し上げた「海明」の技術的成果も踏まえて、マイティーホエールという浮体式の波力装置の研究開発を実施しております。 具体的には、ついこの間ですが、三月の末に相生で組み立てが完成しまして、七月に三重県の五ケ所湾で三年間かけて実験をしていこうということで動いております。
○松あきら君 終わります。
○阿部幸代君 初めに法案提出の契機と経過について質問したいと思います。 動燃改革検討委員会はたった三カ月、六回の委員会開催で報告書をまとめていますが、動燃に与えられた使命そのものの改変は本委員会の目的には含まれない、動燃事業団固有の問題を検討するということで、原子力政策と原子力行政そのものは棚上げにして、動燃の体質と組織体制問題だけを切り離して検討しています。 ところが、組織体制問題だけ切り離して検討しながら、突っ込んだ検討はしていない。つまり、社会的には動燃解体論とか民営化論とか、あるいは原研との合併論とか、あるいは国立研究機関にするかなどさまざま出ていたにもかかわらず、それらを検討していないし、予算面や人員問題についても検討していません。なぜですか。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃改革検討委員会の第一回目の会合におきまして、動燃の解体も視野に置いた検討を進めていただくということが確認されております。それ以後、解体をするとか民営化できないかとか、統合とかそういうのは可能性も含めて十分御議論いただいたと思っておりますが、この動燃事業団の場合、例えば解体と申しますと、解体したものはそれぞれどうするのかと。それから、民営化という場合に民間で受け手があるのかどうか。それから、統合の問題はけさもございましたが、例えば原研と統合してはどうかと、こういういろんな問題はございます。 解体してしまう場合は、今まで動燃の持っております情報とか経験、実績、そういうものをなくしてしまうのか、あるいは特殊法人をたくさんつくるのか、そういうような問題にもなりますし、なかなかそういうようなことが難しいのではないか。それから民営化につきましても、核燃料サイクルの問題というのは日本の国内に経験があるところがほかにないものですから、運営を任そうと思っても、ちょっとうちじゃ難しい、こういう話がございまして、民営化というのもなかなかできなかった。原研と動燃の問題は、ちょっと午前中議論があったかと思いますが、これもいろいろ組織文化の違い等から統合は難しい、結局そういう趣旨の意見が出されたわけでございまして、それが報告書に反映されているというふうに考えている次第でございます。
○阿部幸代君 議論はあったということですね。 それで、予算面や人員問題についてはどうですか。
○政府委員(加藤康宏君) 予算・人員問題につきましては、特に議論があったというよりも、それは業務に直結しておりまして、業務を縮小すると、そういうところから必然的に将来の人員も減っていくということとか、あるいは予算も経営の観点から当分縮小するということになりましたが、具体的にその場で何人ぐらいとか、予算は幾らと、そういう議論はございませんでした。それは業務の方から来るものだと思っております。
○阿部幸代君 動燃の組織体制問題を検討することになった検討委員会は、構成上は開発の技術的評価ができる委員会にはなっていなかったというふうに思います。ところが、新法人の中核的事業としてレベル2に分類された高速増殖炉の開発及びそれに関連する核燃料サイクル技術開発と、高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発、これを提言して、ウラン濃縮と海外ウラン探鉱、新型転換炉「ふげん」からの撤退を提言しています。 いとも簡単に新法人の業務を限定する提案をしているのは極めて奇妙なんですね、私には。なぜこういうことが起こるのですか。
○政府委員(加藤康宏君) 今回の動燃改革検討委員会での内容につきましては、動燃事業団の経営の不在というのがやはり問題であったと。そのためには経営を抜本的に見直して刷新しなければいけない。ということは、経営がしやすいように目配りができる範囲にしなければいけない。 そういうような観点で現在の業務をいろいろ調べてみますと、非常に基礎的で目標がはっきりしないような研究から、あるいはもう民間と一緒にやっているような研究、それぞれ中での組織、経営の考え方が違います。基礎的なところは研究者の創意を生かしながらなるべく自由に研究していただく。それから民間とのところは、民間と共同して実用化をするための志向でやらなきゃいけない。それから、途中の高レベルの研究とか高速増殖炉につきましてはまだこれからの問題で、組織として一体的に一つの目標に向かって進んでいかなきゃいけない。そういういろんな経営が混在するというのはまずいのではないかと。 そういう意味で、長期にこれから必要なところに重点を置くことにして、本当の目的がはっきりしない基礎研究は廃止するなり原研に移す。それから、民間との関係があるようなところとか競争力をなくしたところ、そういうようなところにつきましては民間に移転するなりやめる。そういうようなことで、経営をしっかりさせるという観点から整理されたというふうに考える次第でございます。
○阿部幸代君 私は、どうも政治的な結論先にありきではなかったかなというふうに考えるんです。 自民党の行政改革推進本部が九七年六月二十六日に、動燃について、高速増殖炉の開発など研究開発を中心とする機関に衣がえをし、国内外のウラン開発生産から撤退する、新型転換炉「ふげん」を廃止するという改革案をまとめているとの報道がありました。七月一日に正式決定し、政府に提言するとも報道されていました。動燃改革検討委員会は、その直後、七月七日に開いた第五回の会合で「改革の実現へ向けて(素案)」を発表して、その内容は自民党案と同様のものでした。 結局、政治的結論を追認しただけの検討委員会であったというふうに言えると思うんですけれども、違いますか。
○政府委員(加藤康宏君) 自民党の検討と、動燃改革検討委員会の検討というのは並行的に行われておりました。 動燃改革検討委員会というのは公開で行っておりましたのでプレスの方々もよく御存じだったと思いますが、自民党の方でも四月の下旬ぐらいからやはり何とかしなきゃいけないということで検討を始められました。それで、六月の末か七月の最初に自民党の案ができているわけでございますが、その前の六月の中旬に既に動燃改革検討委員会ではレベル分けの考え方を出しておりまして、そういうようなレベルに分けて整理していくべきであるという考え方が事前にもう出ているわけでございます。 したがいまして、そういうものと、それにたまたま当時のレベル5だったと思いますが、五に何が当てはまるかというのがあるわけでございますけれども、もともと海外ウラン探鉱とかウラン濃縮の問題につきましては、国の行革の一環といたして見直せという話はもう既にございました。 それから、新型転換炉につきましてはもう実証炉の計画をやめるという話で、これもいずれ何とかしなきゃいけない話もございました。そういうもの全体がそこにうまく整理されまして、両方とも同じような結論になっているということだと考えている次第でございます。
○阿部幸代君 そもそも原子力政策、行政は棚上げした委員会としてスタートしたわけですから、業務内容も自然にそうなっていったというふうなおっしゃり方をしましたけれども、政治的結論と一致するようになるべくしてなっていったということだと思うんです。つまり、改革を検討する委員会とはとても言いがたいような、そういうものだったというふうに私は思っています。 次に、一連の事故調査の評価に関してですけれども、科学技術庁安全局内には、もんじゅナトリウム漏えい事故調査検討タスクフォースと、アスファルト固化処理施設における火災爆発事故調査委員会が設置され、原子力安全委員会には、原子炉安全専門審査会研究開発用炉部会、もんじゅナトリウム漏えいワーキンググループが設置されたと思いますが、これらはいずれも言ってみれば身内の委員会ですね。航空機事故など一般の事故調査とは異なって、事故の当事者と完全に独立した第三者機関による調査と原因究明は全くなされなかったわけです。この程度の事故調査で国民の理解と納得が得られるとお思いですか。
○政府委員(池田要君) ただいま「もんじゅ」事故、それからアスファルト固化処理施設の火災事故についての事故原因調査の体制についての御質問がございました。 科学技術庁におきましても、御指摘のとおり専門家を動員いたしまして、この原因究明に当たりました。それから、アスファルト固化処理施設につきましても事故調査委員会を設けまして、この場合には、すべて三十回にも及びます会合につきましても全部公開のもとで行わさせていただきました。安全委員会におきましても、こういった行政庁におきます調査を、また行政庁から離れた独自の立場から専門家も動員いたしまして、必要に応じて現地調査を行うなどこの調査審議を実施してございます。 科学技術庁の安全規制の立場からの調査につきましても、身内と言われますとなかなか厳しいものがございます、厳しく受けとめさせていただきますけれども、こういった調査につきまして、例えば安全委員会について見ていただきますと、これは総理府に設置された諮問機関でございまして、平素から数百名に及びます専門家を動員して、また特にこの委員会のメンバーにつきましては、五名の委員は国会の同意を得て内閣総理大臣が任命していただくことになってございますし、行政庁からの独立性ということは十分確保されているということにつきましては御理解いただきたいと思います。航空機の事故調査委員会についての御指摘がございましたけれども、仕組みとしましてはこの安全委員会と極めて似ているところが多い、そういった組織になってございます。 私ども、こういう事故調査につきましてはこうした客観的な調査が必要だと思っておりますし、こうした意味での御批判をいただかないように、こういった体制につきましては今後とも万全の注意を払って取り組んでまいりたいと思っております。
○阿部幸代君 個々の委員の方々はそれぞれ専門性なりあるいは見識をお持ちの方たちだと思いますし、公開で進められたということも存じておるし、このこと自体は非難の対象じゃなくて、ただ、客観的な存在として、いわば身内の調査機関として設置されたというところにおのずから限界が生じてくるということです。 例えば、アスファルト固化処理施設の火災爆発事故調査委員会の報告書は、結局事故原因を特定できず、原因と思われる数種類のシナリオを示すにとどまりました。原因の特定ができなかったということは、科学的究明がされていないということです、私の認識論に従えば。そうじゃありませんか。
○政府委員(池田要君) このアスファルト固化処理施設の火災事故原因の調査につきましても、今御指摘のとおりに、すべて公開のもとに三十回に及びます会合、これも全面公開、皆さんがいつでも見ていただけるような状況で開催させていただきました。 この調査の結果につきましては、このアスファルト固化処理施設の廃棄物をアスファルトと混合するといった運転条件の変更によりまして、基本的にはドラム缶に収納しましてからゆっくりとした化学反応が起こって長時間にわたって温度が上昇した、ついにはこの中の塩、硝酸塩ですとか亜硝酸塩といった塩類が入っておりますが、これとアスファルトとの発熱反応が起こった結果、こういう発熱発火ということになって火災に至ったといったことにつきましての事故の原因についても見きわめたところでございます。 これは、この調査委員会におきましても、私どもが行政的な意味で必要とする原因につきましては、基本的な内容はわかったといったことで結論を出していただいたところでございます。 ただ、この報告書におきましてもこういう内容を明らかにしているわけでございますけれども、さらにこの細かな部分、遅い化学反応の機構の細部についての詳細な詰め、これは学術的な意味ではまだまだ検討の余地があるだろうといった意味では、これは中長期的な意味からの取り組みが必要だといったことをこの調査委員会でも報告書に記載されております。 そうした意味では、私どもは専門家の参加も得て、今後長期的にこの点については取り組んでいこうと。またこの点については、おっしゃるとおり、解明する点があるんじゃないかというふうに取り組んでおりますけれども、御指摘のようなシナリオというのは、この火災それから爆発に至った基本的な仕組みをあらわす意味で言葉として使っておりますが、基本的な内容については報告書にもすべて記載させていただいております。この作業の結果もすべて公開させていただいておりますし、この過程におきましてどういう科学的な検討が行われたかといったことにつきましては議事録その他すべて公開されておりますので、いかようにもごらんいただき、御批判をいただきたいと思います。
○阿部幸代君 つまり、研究者の識見というよりも、行政的な意味での原因究明が終わったということを今おっしゃられたと思うんですね。特に問題なのは、再処理工場のように爆発事故を起こして窓や扉が破壊されて、施設の格納機能、封じ込め機能ですね、それが破壊されても、安全審査にさかのぼった究明がされていないということなんです。 再処理工場安全審査は、火災事故の想定はされていたものの、施設の機密性が完全に失われるところまでは想定されていませんでした。青森県六ケ所村の再処理施設の安全審査も、建物の格納機能の喪失、これは考慮されていません。東海再処理施設と同じ安全審査だからです。 私は、かつて科学技術の特別委員会で、六ケ所村の再処理施設の安全審査をやり直すべきだと主張したことがあるんです。一連の事故調査が安全審査までさかのぼった究明をしていないというのは問題だと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(池田要君) このアスファルト固化処理施設の火災爆発事故につきましても、事故調査と並行いたしまして、特に今の安全審査との関連につきましては、安全委員会におきましても極めて注意を払って検討されたところでございます。 例えば、こうしたアスファルトと塩がまざった結果、その混合物の中において低温発熱反応が起こったといったことでございますけれども、これが当初の安全審査の過程においては取り上げられなかったといったことでございます。こういう温度上昇が起こる可能性について、こういった知見が極めて限られたものであったといったことにつきましては、そのために安全審査の過程で検討していなかったのはやむを得なかったといった判断につきましても、安全委員会がこの報告がまとまりました段階で明らかにさせていただいているところでございます。 それから、六ケ所の再処理施設につきましてこの検討をしていないじゃないかといった点でございますけれども、六ケ所村の再処理施設につきましては、ちょうどこの事故の原因調査の過程で、処理施設は現在まだ建設途上、主要な部分についてはまだ詳細設計が進んでいる段階でございますけれども、この施設についての一部変更がございましたときに、安全委員会は実際に事故の原因がわかった段階で、これにかかわりますような火災爆発の可能性についてはその過程でチェックをしてございます。 そうした意味で、途中段階で、六ケ所村の再処理施設については十分火災あるいは爆発についての安全性は確認されたといったことについてこの考え方を明らかにし、これも御報告をさせていただいているところでございます。 あわせて申し上げますと、六ケ所の再処理施設につきましては、このような廃棄物をアスファルトで固めるというような過程ももともとございません。さはさりながら、すべての主要な施設について、こういう火災爆発に至るような安全審査の過程で十分な検討がされたかどうかといったことについての改めてのチェックを行ったということでございます。
○阿部幸代君 安全審査のやり直しをしたということですか。
○政府委員(池田要君) これは、再処理施設のちょうど主要な工程についての変更がございましたときに、当初行われました審査の過程を振り返って、改めてこの過程についての見直しをしたということでございます。
○阿部幸代君 安全審査はいろいろあるんですけれども、特に封じ込め機能が破壊されるという取り返しのつかない事故になって、実はそういう安全審査はなかったという、封じ込め機能が破壊されるということ自体想定していない、そういう安全審査をしていなかったわけなんです。そこが問題だというふうに私は思うんですが、事故調査ではここまでは言及していないんです。そういうものだったと思います。それで、この程度の事故調査と改革検討で今回の法改正が行われるのは、結局は名称を変えるなど多少の衣がえで動燃体制の延命を図る以外の何物でもないというふうに思います。 次に、新生動燃の業務内容に関連して質問します。 核燃料サイクル開発機構における業務の基本的考え方、これは図面なんですが、これによりますと、民間が行うものは機構が行わない、基礎研究は行わないと枠をはめています。その上で、高レベル放射性廃棄物の処理処分技術の開発及びこれに必要な研究を主要な業務の一つにしています。 私はかつて、これも科学技術の特別委員会で、原子力施設の放射性廃棄物の処理処分問題を後回しにした原子力開発をトイレなきマンションと指摘したことがあるんですけれども、高レベル、低レベルの境界は国により、人により違うこともあり、かなりあいまいだと言われていますので、この際、質問をしたいと思うんです。 耐用年数が来て廃炉にする原子力施設解体に伴う放射性廃棄物の処理処分問題をどうするかです。日本原子力発電の東海一号炉が廃炉になり、解体撤去されると報道されています。解体撤去するのは一体だれなのか。つまり、原電がやるのかどうか、これが一点。 それから「ふげん」について、その廃炉処理処分を手がけるのは新生動燃になるのかどうか、この二点を伺いたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 原子力発電所の解体の主体でございますが、現行の長計におきましても原子力施設設置者の責任のもとに行うということになっておりまして、先ほどの東海発電所一号炉でございますと日本原子力発電、それから「ふげん」でございますと動燃事業団でございますが、新しい機構、核燃料サイクル開発機構が行うということになります。
○阿部幸代君 報道によりますと、廃炉にする原子力施設の解体に伴う放射性廃棄物の中には放射能の高い構造物とそうでないものがあるけれども、その線引き、基準値がまだ定まっていないというふうに言われています。また、放射能の高い構造物をいかに処理処分するかの詳細も決まっていないといいます。これらの検討、研究開発はどこが担うことになるんでしょうか。 また、廃炉による原子力施設の解体に伴う放射性廃棄物の処理処分問題というのも新しい基礎的な研究分野になるんだと思うんですが、そうではないんでしょうか。二点。
○政府委員(加藤康宏君) 原子力発電所の解体廃棄物の処理処分の方策でございますが、タービン建屋とか、基本的には大部分のものは放射性物質でないものですから、そういうものはそうでないようにするとか、また、放射性廃棄物も先ほど先生がおっしゃいましたようにいろんなレベルがありますから、合理的な区分を行って処分する、そういう考えでございます。 それで、比較的レベルの低いものについては既に所要の制度が整備されておりまして、六ケ所の低レベル放射性廃棄物センターで事業化されておりますけれども、そういう中でもさらにレベルが低いものは浅い地中に埋めるという簡易な方法もございます。 ただし、先生御指摘のように、低レベル放射性廃棄物と言っておりますが、中でも制御棒とか原子炉の構造材、そういうものは比較的レベルが高いものでございまして、それについては実はまだ処分方策は決まっておりません。それにつきましては、現在原子力委員会のバックエンド対策専門部会で鋭意検討が進められているわけでございます。いずれにせよ廃棄物の問題につきましては、再処理工場から出る高レベル廃棄物は非常に放射能が高い、それからまた半減期が長いということで、放射性廃棄物の二つの特徴をあわせ持ったものでございますので、そういうものがきちっとできるようになれば、それ以外のものにつきましては、その中の方法を少し簡易にしていくことによっていろいろ処分ができるものと考えている次第でございます。
○阿部幸代君 液体廃棄物の処理技術ですが、使用済み核燃料の被覆管、さやですね、この処理は、これも新しい分野だと思うんですが、どうするんでしょうか。これは新生動燃の仕事になりますか。
○政府委員(加藤康宏君) 使用済み燃料の被覆管、これはウランとかプルトニウムがついておるものですからTRU廃棄物の中に入るわけでございますが、これの処理処分は当然事業者、動燃の工場につきましては動燃、あるいは六ケ所の工場ですと日本原燃ということでございますけれども、どのように処分をするかということの方法を原子力委員会のバックエンド専門部会で検討を開始したばかりでございます。先ほども御質問がございましたように、現在動燃事業団、電気事業者等でその技術的な取りまとめをしているわけでございますので、そういう報告を受けまして、原子力委員会の専門部会でどのように処分していただくかということを検討したいと考えているところでございます。
○阿部幸代君 最初に言った、民間が行うものはやらない、それから基礎研究は行わないという枠組み、これは結局、新生動燃が御都合主義的に利用される従来型の機構になる可能性が極めて大きいというふうに私は思っているんです。とりわけ基礎研究は行わないというのは、動燃のいわゆるトライ・アンド・エラーですか、こういう非科学的な開発体制、これを私は想起するわけです。 報道によれば、今月二十二日の日本原子力産業会議の年次大会で、高速増殖炉の開発について欧州の原子力関係者らが相次いで失敗を認める発言をしたということですが、欧州のこうした経験を教訓化し、あわせてナトリウム漏えい火災事故と使用済み核燃料再処理工場の火災爆発事故という二つの大事故を教訓化すれば、少なくとも、民間がやらないから、言いかえるとこうなるんですが、民間がやらないから基礎研究も省いてやる式の開発推進、これは戒めるべきだと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(加藤康宏君) 先ほどのTRU廃棄物のようなものの研究開発は、新しい機構の中でプルトニウム燃料の加工、これは高速増殖炉及びその燃料の開発及びこれに必要な研究、それから再処理、そういうものに付随して当然研究開発するわけでございます。新機構もそういうTRU廃棄物の処分の研究はするわけでございます。 それから、基礎研究につきましては、実用の目的もはっきりしないような基礎研究はやめようということでございまして、開発に役立つような研究、開発のために必要な研究、そういうものにつきましてはきちっと新しい核燃料サイクル開発機構もやろうというわけでございます。特に「もんじゅ」の経験等ございまして、やはりきちっとデータを蓄積しながら進んでいくべきである、余り開発志向に急ぎ過ぎないように、あるいは研究の実績をある程度積み重ねながら進めていくんだと、こういう話もございますので、我々としましても、開発と同時にそれに必要な研究も重視していきたいと考えている次第でございます。
○阿部幸代君 次に、経営の刷新と職員の意識改革について質問したいと思います。 動燃改革、経営刷新のために運営審議会というのが置かれることになったと思うんですけれども、率直に言いまして、この程度でお茶を濁されてはたまらないという感じがいたします。安全審査体制と安全規制の抜本改革が不可分のものとしてあるんだと思うんです。つまり、動燃は国の原子力行政と原子力安全行政に応じていわば業務を行ってきたからです。 そこで伺いたいのですが、一九七四年の原子力船「むつ」の放射能漏れ事故を契機に原子力行政懇談会が設置されて、その答申を受けて原子力委員会と原子力安全委員会がつくられた経緯があると思います。アメリカのエネルギー省と規制委員会、NRCのような独立した機関とは異なって、これらを学んだようですけれども、でき上がったのはそれらとは異なって、両方とも総理大臣の諮問機関になったわけです。 原子力安全委員会について言えば、当初、科技庁、通産省から独立した権限のある行政委員会にするべきだという意見もあったそうですが、結局、科技庁、通産省の安全規制行政のダブルチェックという権威のない審査機関になり、事務局も科学技術庁内部に置かれて、独自のスタッフも調査研究機関も持たず、科技庁、通産省の安全審査のいわば追認を仕事としているわけです。 原子力委員会も、委員長が科技庁長官で、通産省、運輸省、科技庁の行政権限が強くなれば当然独立した権限が果たせなくなっていく、そういう仕組みです。そうなっていると思います。 動燃改革と一体の問題としてこの原子力安全委員会と原子力委員会の検討はなされたのか、中でも原子力安全委員会の第三者機関化は考えられなかったのか、伺います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 原子力安全委員会の第三者機関化といいますか、国家行政組織法の三条か八条かというような議論は、たびたびこの委員会でも御質問をいただいておりますし、また動燃改革や行革の議論の中でも随分いろんな議論がございました。ただ、原子力委員会について今、阿部委員が御言及になりましたけれども、原子力委員会について今のような問題提起は私が科学技術庁長官になりましてからは初めてでございます。 ただ、行革の過程の中で、やはり動燃等の事故をも踏まえまして、今までより機能を強化していかなきゃならない、こういう議論がございまして、それで、今は内閣総理大臣の諮問機関ということでありますが、今度の内閣府といろ中においてもう少しその機能を強化していこうという議論に今なっているわけであります。 ただ、アメリカの原子力規制委員会のように独立行政機関とせよという議論、これもいろいろあったわけでありますけれども、現在のところでも、総理大臣が原子力安全委員会の決定に関しては尊重義務が法の中でもうたわれておりますし、それから、専属のスタッフは少ないのでありますが、現実にいろんな専門委員会等で二百人近くの専門家を動かせる体制に原子力安全委員会はなっております。ですから、通常の諮問機関に比べればはるかに強い権限があるということでございます。 そういうようないろんな議論も今度の検討の中にあったわけでありますが、基本的な仕組みは今の体制で、しかし内閣府に置かれたときにもう少し機能強化を進めていくべきではないかという議論になっております。
○阿部幸代君 内閣府の中で機能を強化するというふうになりますと、今の原子力開発、推進をまさに一体となって進めるということになって、独立したチェック機能を発揮する、そういう位置ではなくなってしまう危険が大いにあるというふうに私は思っているんです。つまり、行革論議が今行われていますけれども、七四年の「むつ」の事故のときと比べものにならない内容だなというふうに言わざるを得ません。 次に、動燃の体質がどのように形成されてきたのかについて質問します。 動燃では、事故の後、責任追及はしないから改善点を出せとか、勇気を持って話せとかいって意識改革が進められているということです。しかし、勇気を持たなければ話せないほど職場の民主主義を奪ってきたのは何だったのか、この際明らかにする必要があるんだと思います。 ここに、七七年のエコノミスト誌上の「再処理工場からの現場報告 連続事故で不安は高まる」という記事の写しと、それから七九年の岩波書店の雑誌「科学」の「高速増殖炉の仮想事故」という論文の写しを持ってきましたが、これらの筆者はいずれも執筆を理由に厳重注意の処分を受けました。「現場報告」の筆者は、特許を二つも取り、事業所長賞という表彰も受けたことのあるすぐれた技術者です。 まじめな研究と仕事ぶり、とりわけ意見発表が処分の対象になるようでは、自由に物が言える職場はできないと思うんです。そうした職場支配を進めた動燃の体質、管理職の体質こそ問われなければならないと思うんですけれども、違いますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今先生が御指摘になった投稿の時代はもうかなり前のことでございますから、現在その当時の御議論がすべて当てはまるかどうか私はよくわかりません。ただ、御指摘のように、こういう事故が起こりました背景に、やはり閉鎖的な体質ということが指摘されているわけであります。 それから、私、アメリカのNASAでチャレンジャーの事故が起きましたときの事故分析の報告などを読みますと、いろんな技術者が現場の仕事の中でいろいろな疑問を持ちながら、その疑問がある意味で当たっているのに、それが表に出てこないというようなのが当時のNASAにはどうもあったようであります。それが原因の一つとしてNASAの報告書にも指摘をされている。私は同じようなことがあるいは動燃にもあったのではないかと思うわけであります。 ですから、閉鎖的体質という場合には、やはり動燃、今度の新法人の中でも、現場でそれぞれの方が安全規制や何かの中でいろいろこれでいいのかと疑問を感じられたら、そういう声が素直に出てくるような組織でなきゃいけないと思います。品質管理と言われることの基本にもそういうことがあるのではないかと思っておりまして、動燃の中で近藤理事長のもとで理事長診断会というようなことを今やっていただいておりますが、そういう中で闊達な意見が出てくるような気風をつくっていくことが、先ほど来出ております仏つくって魂入れずの魂の大事な部分ではないかと思っております。
○阿部幸代君 私は、この動燃改革検討委員会のもとで行われたアメリカのコンサルタント会社、アーサーアンダーセンですか、これの調査が大変興味深いのですけれども、この中で三千二百名からの出向社員も含めた従業者のアンケート調査をやっていますから、なかなかおもしろいんですね、客観的なものが反映されていて。ここで、発言の自由度が低く「上司と部下の間に、有効なコミュニケーションの基盤となる信頼関係が構築されていない」、「科学技術庁以外への関心は低い」、上ばかり見ているという、こういうことが指摘されているんですね。 それで、先ほどのエコノミストへの投稿、現場報告を書いたこの筆者の今日の処遇はどうなっているかということをお話ししたいんですが、たった一人で仕事をしている二階の仕事場には電話がなく、人のいない一階の部屋には親子電話がある、こういう環境で、電話の連絡が階下からあれば階下におりていくというのが十年以上も続き、別室からの取り次ぎがなくて家族の重体の知らせも届かなかったと、こういう不自由がまかり通っているんです。親子電話をつける等処遇の改善は当然だというふうに思います。 動燃改革を本当に実のあるものにするためには、職場の民主主義の回復がなされなければならない、差別的待遇を一刻も早く是正されるべきだと思うんですが、これは大臣とそれから動燃にもお聞きします。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。 今、阿部先生がおっしゃいました職員は多分、東海事業所のプルトニウム燃料工場の第一検査開発室というところに勤務しておる者かと存じます。この第一検査開発室というのは、まずその検査開発室の性格から申し上げないとちょっと説明しにくいと思うんですが、ここは核物質を取り扱っておりません。普通のいわゆるコールドといいましょうか、工場のような実験室でございます。特に小規模実験室でございまして、顕微鏡をのぞく部屋とかあるいは暗室とか、そういったような現場でございます。 このような現場のところに一台一台電話を置くというようなことは、東海事業所の中といたしましても一般的にはいたしておりません。ただ、職員が通常デスクワークをするなどの居室には二人に一台とかあるいは三人に一台とかきちっと電話を置いてございます。こういうような現場というのは結構東海事業所の中にございまして、緊急の連絡については、そう遠い場所ではございません、同じ建物の中の一階と二階でございますので、必ず留守番がいて連絡をするようにということも常日ごろ教育をしているところでございます。 決して先生のおっしゃるように差別をしたり何かをしたりということではございません。こういったコールドの場所ではよくあることでございます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 具体的な問題は動燃の経営の問題でございますから私今この場で触れようとは思いません。ただ、動燃が、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、各職員のいろんな意見を活発にくみ上げるような組織になってほしい、また、私どももそうなるように環境づくりを進めていかなきゃならない、こう思っております。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、上山和人君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子さんが選任されました。 ―――――――――――――
○扇千景君 いろいろ聞いておりまして、細かいことはさておき、動燃というものが発足した当時、少なくとも日本の国策として、核燃料サイクルを推進するというその決定に従って原子燃料公社を改組して、要するに、電力会社あるいは原子力関係機器メーカー、通産省や科技庁等々、三者によって私は風策に従って動燃が発足したと思っています。またそのとおりやってきたと思います。それら三者がいわゆる人材をそれぞれが出してきて、そして事業の展開を、また研究開発を続けてきたんですね。 ところが、るるお話ございましたように、この三者の寄り合いといいますか、お互いの協力がかえって閉鎖的で情報を過度に関するような体質がつくられてきたのではないか。これらを一掃するためには、いろいろ言われておりますけれども、電力メーカーあるいは官庁、そういう関係を洗い直して新しい関係を模索する、その必要があるのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も先生の御指摘はそのとおりだと思います。新しい関係を模索せよと。新しい法人が、電力事業者あるいは科学技術庁、通産省、よい意味での連携関係をつくっていかなければならないのはもちろんでございますが、見直さなければならないのは、これは繰り返しになりますけれども、どこがどういう権限と責任を持っているのか、自分たちの権限の所在が明らかでないような組織のあり方はいけない、こういうことだろうと思います。 新法人につきましても、これは失敗をいろいろしましたから、しかると言うと言葉はいけませんが、しかるところはしからなければなりませんけれども、責任を持たせるところは責任を持って、そしていろいろ判断して進んでいく、そして事後にきちっと評価をするというようなことは私は必要なのではなかろうかと思います。 その意味で、先生の御指摘はそのとおりだと思っております。
○扇千景君 一連の動燃の不祥事絡みで、政府・与党はとりあえず核燃料サイクル政策を継続するということを決定されました。高速増殖炉を中心に核燃料サイクルを想定して開発を進めてきたのは世界的にも日本とフランス。けれども、フランスの高速増殖炉実証炉のスーパーフェニックスは御存じのとおり、二〇〇〇年まで稼働したとしますと投資額は六百億フラン、約一兆三千億。そんなに膨らんではとても経済的にも割が合わないとフランスの会計検査院が指摘し、このたびこの計画を打ち切ることに決まりました。けれども、フランスは電力の八割を原発に依存しておりますから、この開発だけは継続するんだとフランスは決定しております。研究するのはいいでしょう。 他方、先ほども委員からお話ございましたように、アメリカは核不拡散を挙げて高速増殖炉の開発を中断しております。ドイツも高速増殖炉開発を断念している。そうすると、日本だけが孤立するのではないか。今、フランスが決定したように、果たして経済的にも日本はそれを世界に向かって日本は大丈夫ですよと言うだけの自信がおありでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに肩先生御指摘のように、アメリカは核不拡散ということでもうこれは撤退、撤退というか放棄しておりますし、フランスもスーパーフェニックスについては経済上の理由から撤退せざるを得ないということになってまいりました。フェニックスを動かしますので我々の「もんじゅ」と同程度のものが動くわけでありますけれども、幸か不幸か日本がある意味ではトップランナーの位置に立ってきてしまったということは事実だろうと思います。 それで、確かにいろいろ困難もあろうかと思います。その経済性の困難の中で、やはりウランの需給というものが当初の見込みよりも緩和しているということが特にございまして、またこれはどうなるかわからないということはございますし、長期的に見た場合は、先ほども申し上げたように、環境論の観点からも資源論の観点からもやっぱり必要な技術であろうというのが我々の考え方のしんにございます。したがいまして、ウランの価格などの中でどうなっていくかというのは実は定かに見定めるのは難しいわけでございますけれども、そういう中で世界の情報も集めながら我々は進んでいかなければならない。 ただ、何が何でもというような硬直した考えではやっぱりいけないと思います。今度の高速増殖炉懇談会の報告にもございますように、柔軟性は持っていかなければいけない、こう思っております。
○扇千景君 大臣のおっしゃるとおりなんですけれども、例えば経済性も勘案しながら将来性のためにというその姿勢は私正しいと思うんですよ、日本の将来がなくなっては困るんですから。けれども、日本の「もんじゅ」も漏れないはずのナトリウムが漏れたと。 例えば炉の安全設計に関する問題点も指摘されております。そうしますと、核燃料サイクル路線がうまく進展した場合、電力業界が将来建設する予定の高速増殖炉の実証炉は、「もんじゅ」とはかなりタイプの違うものが想定されているのではないか。そうなると、「もんじゅ」を無理してと言うと失礼かもしれませんけれども、今までどおり運転して、そしてそれを続けて実証炉の開発のためのデータや経験を蓄積するという、そういう意味が私は薄れ始めてきたのではないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょう。
○政府委員(加藤康宏君) 「もんじゅ」の次の、実証炉と申しますが、実証炉につきましては、当然ながらやっぱり経済性をよくするというのが非常に大きなウエートになります。 それで、「もんじゅ」から実証炉に行く際に、その経済性を達成するために何が重要かと申しますと、それぞれの機器をコンパクトにするというのは重要でございますが、全体の発電所をやっぱり小さくしたいと。そのために一番大きな問題は、ナトリウムの入った配管というのは熱の膨張等ありますから、コの字形に、いろいろと熱の膨張を逃がすための仕組みがございましてかなり長くなっております。そういうようなものをなるべく減らしたような設計にしますれば建物が小さくなる、全体でコンパクトになる、そういうのがございます。先生の御指摘にございましたように、高速増殖炉ではループ型とタンク型と二つございますが、タンク型に近いもの、あるいはタンク型を応用してトップエントリーとか別の方式を言っておりますが、そういうようにとにかくコストを安くするための工夫というのは当然あるかと思います。 しかしながら、炉心の問題とかナトリウムに関する技術とかポンプとか、ポンプは心臓のようなものでございますが、そういう基本的なものは「もんじゅ」のものがそのまま役に立つと思いますし、そういう全体の構造、配管を短くする仕組み、そういうところにつきましてはコストを下げるために革新的な技術を導入しなければいけないかと存じております。
○扇千景君 私、今の御答弁ではなかなか私ども素人にはわかりにくいし、果たして今おっしゃったとおりになるんだろうかなという疑問は残ります。 ただ、私はなぜそれを申し上げたかと申しますと、四月二十三日の新聞に、「「次世代型原子炉」日米四社が開発へ」という記事が載りました。私は大変ありがたいことだなと思ったんですけれども、この日米四社、新聞に載っているから名前を出していいと思いますけれども、東芝、日立製作所、東京電力、アメリカのゼネラル・エレクトリック社、いわゆるGEですね、その四社で一基分の電気出力を現状より二割程度パワーアップする次世代型の原子炉開発に着手したと。しかも、平成二十七年、二〇一五年をめどに実用化する見通し、一基三千億円程度がかかる諸経費についても圧縮率を現行の二割程度にすると。 今おっしゃったお話の私は延長線上にあると思いますけれども、私が指摘した「もんじゅ」の経緯、研究結果というものとこういうものとの結びつき、あるいは二十一世紀の新しい原子炉というものが開発されたときに「もんじゅ」の研究成果というものが、今、局長がお話になったように実用化するときに果たして古い資料になり得ないかどうか。これも私は、大型プロジェクトをする場合には本当にレビューするということは必要だと思うんですね。 ですから、こういう意味で私は、この四月二十三日の次世代型原子炉の開発ということでは大変希望も持っていますし、日本にとっても新しくて、これは平成二十二年ごろまでに建設する予定の原発二十基の中に参入するということですから、これはこれで楽しみだなと。日本にとっては欠くべからざるエネルギー源ですからそれは必要なんですけれども、先ほど言った、「もんじゅ」の研究成果というものが果たしてどの程度次世代に利用されるかという点、もう一度私はお答えいただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 先生の今御指摘の新しい型の原子炉と申しますのは、現在の軽水炉の発電所で、従来から日本のメーカー、アメリカのメーカー、それから東電とか関電とがそれぞれタイプによって違いますが、新しいABWRだとかAPWRを開発してそういうのを導入しております。そういう延長線上の、軽水炉をさらにもっと安くする、経済性を高めるとかそういう努力だと思いまして、そういうものができますれば今の軽水炉による発電所もずっとコストが安くなるわけでございます。 片や高速増殖炉の方でございますが、高速増殖炉の方はやはり資源論的に、ウランでいきますとやっぱり何十年間、七十年ぐらいでなくなってしまうようなとりあえずの計算になっておりますが、そういう長期を考えますと、ウラン238をプルトニウムに転換して利用していくというサイクル、高速炉のサイクルが必要だろうということで軽水炉の路線とは別に開発をしているわけでございまして、そういう「もんじゅ」の成果につきましては、高遠増殖炉の実証炉。これも百万キロに近いものを考えておりますが、そちらの方に反映させるということでございます。
○扇千景君 それはそれでここに全部今の軽水炉のことも書いてございますからわかっていますけれども、私は、少なくとも今後高速増殖炉でプルトニウムを燃やすことが問題になってくるということになりますと、海外に委託した使用済み燃料の再処理によって抽出される今おっしゃったプルトニウムの処分、これが大変問題になってくると思うんですね。 少なくとも核兵器の原料ともなるプルトニウムについては日本は余剰量を持たないということを国際的には約束しています。約束しているんですから、ただためるわけにはいかない。先ほどから同僚議員から、うちは妹よ、うちは妹よと皆さんおっしゃる。そういう細かいことを言っていて日本の将来どうするんですかということになるんです。 これはどうするんですか。
○政府委員(加藤康宏君) 海外に再処理を委託しておりまして、多分三十トンぐらいでしょうか、プルトニウムがイギリス、フランスで出るわけでございますが、それは、先ほど先生おっしゃいましたように、我が国としては余剰のプルトニウムを持たないとの方針のもとにプルサーマルに使わせていただきたいということでございます。 プルサーマルにつきましては、現在の軽水炉に使えば先ほどのものはすべて消化できるわけでございますので余剰になるというわけではございませんが、地元、とりあえず三県でございますが、プルサーマルを了解してほしいということを今一生懸命お願いしているわけでございますので、引き続きそういう努力をしていきたいと考えております。
○扇千景君 細かいことはるる同僚議員からありましたから、同じ質問はしたくありませんからしません。けれども、少なくとも国の原子力政策の基本、その政策をどう見直すかという議論、それ抜きで、今回の皆さんおっしゃった看板の書きかえですか、それでいいんですかという質問も先ほどからありました。 少なくとも原子力委員会の委員長は大臣でいらっしゃいます。私は、そこできちんと日本の原子力全体の信頼回復のためにはどうあるかという、原子力委員会の委員長として原子力委員会できちんと日本の原子力政策というものをもう一度国民の前に示さなければ、小手先だけで改革したのではむしろ今よりもっと不安になると思うんです。ですから、少なくとも私は、原子力界全体の信頼回復と、先ほど申しました長期にわたるプルトニウムの利用方法も含めて、基本的な原子力政策というものを長官が委員長でいらっしゃいます原子力委員会できちんと国民に示すべきだと思います。 原子力委員会の果たしてきた役割は私は十分でなかったと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、先生がおっしゃいましたように、核燃料サイクルを確立していくことが日本にとって必要だとまず考えております。これは私が考えているというだけではなくて、国の政策としてきちっと今の時期に裏打ちをしていかなければならないということもおっしゃるとおりだろうと思います。このことが動燃の一連の事故によって確信が揺らいできている面があることも、これまた御指摘のとおりであります。 そういたしますと、原子力委員会としては、今まで円卓会議を開いて国民の広い方面の御意見も聞きながらやってまいりました。また、そういう中で、高速増殖炉懇談会であるとかあるいはバックエンド対策部会とかいろんなところで議論をいたしてまいりました。そろそろこういうものをどうまとめ上げていくのかという議論にも入らなければいけないと思っております。 その場合に一つの問題は、まず動燃を改革して信頼を取り戻すということも一つでございますけれども、全体の絵をきちっと示していくということも大事であろうと思います。特に高レベル廃棄物の処理方針というようなものに明確な方針を示していくことも必要であろうと思います。それは綴じますと、長計をどうするのかという議論になっていくだろうと思います。まだ具体的に長計をどうするかというところまで議論は入っておりませんけれども、長計のあり方等も含めてきちっと議論をしていかなければならない、こう思っております。
○扇千景君 資源のない日本、これはみんな意見が一致しているんです。将来の日本のエネルギー源をどうするかということについて、本来であれば、今度の行革というものを含めて科学技術庁というのはそろそろ省に昇格しなければ日本の将来はあり得ない、私はそれを思っていました。 ところが、諸般の延々と続く不祥事また人為的な隠ぺい、そういうものによって科学技術庁を省に上げるという言葉がどこからも出てこなくなってしまった。私はこんな不幸なことはないと思います。戦後今日まで、日本が世界の経済大国だなんと言われたそういう諸般の事情の中で科学技術の占める重みというものは大変大きな役割があった、また貢献してきた、にもかかわらずそういう声が上がってこない。今回も、政府の行革によっては教育科学技術省。 私はおかしいと思うんです。教育は別なんです。教育は教育庁で、私は科学技術省であってもいいと思うくらい、教育だけは別に序として独立するぐらいの教育の重みはあると思うんです。それと同じように、科学技術庁はきちんと日本の将来を担う省として格上げするぐらいの意見が出て私はしかるべきだと思う。今までの日本の科学技術行政を見ておりまして、成功してきたんですから。 けれども、今回の諸般の事情によってだれも科学技術省なんて言わない。私は、それは長官にとっても大変不幸なことだと思います。先ほどからも何かおっしゃっていました。長官はお若くてとおっしゃるから、二十一世紀を担う政治家の一人として科学技術省にするというぐらいの発言は閣議でしていただきたいと思うし、行革で二言あってしかるべきだと思います。悪かったことは悪かったこと、将来については将来という使い分けをしなければ日本の将来はあり得ません。そのことについて、長官の御意見を聞いて終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 扇先生から大変な御支援の御発言をいただいて、まことにありがたく思っております。 ただ、私も、閣議決定をして省庁再編法案の御審議をお願いしている立場でございますから、教育科学技術省ということで再編成をして科学技術政策に遺漏のないようにしようという立場で今発言をし、行動しているわけでございます。 確かに教育と科学技術というのは必ずしも同じでない面がございますけれども、文部省のやっている学術行政と我が方の科学技術行政を有機的に結びつける、あるいは科学技術の将来を考えたときに、教育の中に科学技術の意味を位置づけていくというプラスの面を生かしていくことに全力を注ぎたい、こう思っております。
○扇千景君 終わります。
○清水澄子君 非常にここは女性の議員が多いので、私はやはり女性というのは未来に向かって何が大切かということを真剣に主張する立場にいるんだなということを実感している一人でございます。 今、扇議員が、自分のところに原子力発電所がつくられることをみんな嫌だと言っていると。ところが私の出身は福井県でございまして、全国五十四基ある原子力発電所の、さまざまな炉を持った十四基がございます。ですから非常にたくさんの問題を抱えておるわけです。ですから、きょうはぜひ幾つか御質問したいと思います。 まず最初に、今回のこの法律の趣旨説明を読みました。ところがこの趣旨説明には、動燃が「もんじゅ」とか東海村のアスファルト固化処理施設において事故を起こして、さらにそれに関連して虚偽報告や不十分な通報連絡といった一連の不適切な対応がなされた、このことは指摘をされておりますけれども、監督官庁である科学技術庁の責任については何ら一言も言及されておりません。これは、科学技術庁が監督官庁としての責任については全うしていたんだ、特に問題はなかったという認識からでございましょうか。 私自身といたしまして、科学技術庁は現に監督官庁という立場にあったわけですし、今もあります、提案理由説明の中で科学技術庁自身の責任もやはり触れるべきではなかったかと思いますが、谷垣長官はその点についてどのようにお考えでしょうか。長官としての立場と一政治家としての立場からの御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 二つの立場で意見が違うかどうかはわからないんですが、私も動燃の事故の第一次的な責任はやはり動燃が負うべきものと思います。ただ、動燃を指導監督する立場に科学技術庁はあったわけですから、科学技術庁がもう少しきちっと監督をしていればこの事故が防げたかもしれないという意味において科学技術庁の責任も重大であったと思っております。 先ほども御答弁をしましたので繰り返しは避けますが、八月一日に、一連の監督責任というもので当庁の責任が重大であるという認識のもとに今後の具体的な改革方針を明らかにいたしまして、その方針にのっとって幾つかの改革を進めているところでございます。またそれと同時に、当庁のそれぞれの責任ある者の処分も、これは私の前の近岡長官の時代でございますけれども、実施したところでございます。 私個人としても、個人というか一政治家としても、一次的な責任は動燃にあるにせよ、科学技術庁も責任があるというふうに考えております。
○清水澄子君 ぜひそれは提案理由のところで明確に、反省すべき人はやっぱりきちんと反省すべきだと思います。 次に、第一次的な責任は動燃にあると。その動燃の体質の問題は非常に今までも議論になったことだと思います。しかし、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故は二次系ループの温度計さや管の設計ミスが直接の原因とされていますけれども、結局それはナトリウム火災を過小評価した安全審査も事実上の原因になると思います。 それからまた、二次系配管室には窒素充てんがされずに、なおかつ、火災を拡大するという換気装置が事故の後も停止しないという設計を見逃したのも安全審査でありました。東海再処理施設の火災爆発事故においても、当該施設における火災はそもそも想定されていなかったわけですから、研究開発段階の施設に対する国の安全審査の不備がやはりここで反省されなければならないし、指摘されなければならないと思います。 また、同じく、東海事業所におけるウラン廃棄物管理問題においても、これは昭和五十七年に科学技術庁が調査を行って、その後改善策についてフォローアップをしていなかったわけですね。ですから、安全規制全般にわたってそのあり方が問題となっているのだと思います。 ですから、科技庁、それから原子力安全委員会は動燃の設置者となれ合いの規制をやっているんじゃないかというのが非常に国民に原子力開発についての大変な大きな不信を招いだというのは、もう今までに何回も皆さんからも、国会でも世論の中でも指摘をされてきたことだと思います。 ですから、そういう安全委員会の構造上のミス、いわゆる動燃体質以前のミスすらも、それをやはりミスと考えなかった、そういうところを今度の新法を改正するに当たってどのように反省して、安全基準をどのように改善をされようとしておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(池田要君) ただいま先生から一連の事故について、安全審査にもかかわります問題点についての御指摘がございました。 なるほど、「もんじゅ」につきましては、当初の安全審査におきまして、このような実際に起きましたような二次系におきます中規模のナトリウム漏えいというものは想定していなかったと。安全審査におきましては、大きな二次系のパイプが瞬時に破断をして大量のナトリウムが漏れるということを想定していたわけでございます。 こうしたことにつきましては、こういう安全審査そのものがすべての事象を考えて事故想定をするということでは必ずしもございませんから、一番代表的なもので安全性についての審議をしたわけでございますし、この結果につきましては、このナトリウム漏れの事故を経験いたしまして、災害の防止上この施設がそういう意味では十分な機能をしたといったことにつきましては、これは事実をごらんいただけると思いますけれども、この事故調査の過程、それからそれに関係いたします実験等の過程におきまして、また新たな知見というものも知ることになったわけでございます。 こうしたことから、安全委員会におきましても、こうした新しい知見をいかにして的確に安全審査の過程で反映するか、また、安全審査が終わりましてから施設の建設、運転の過程でそれをまた的確に反映する方法、こういったことにつきましても必要性を改めて認識し、こういった研究開発段階の施設につきましての安全確保のあり方についての考え方を取りまとめたところでございます。 それから、前後いたしましたけれども、アスファルト固化処理施設の事故につきましても、これは先ほども御質問ございましたけれども、こういったアスファルト固化体がその化学反応によってゆっくりと中から発熱をした結果、火災、そしてその消火が十分でなかったために爆発に至ったということも経験したわけでございますし、こうしたその当時十分な知見が反映できなかったといったことも、今申しましたような一連の事故にかんがみましたときに、この安全規制のあり方として今後の取り組み方については、この知見の反映の仕方、それから安全審査が終わりました後も、詳細設計、それから運転管理、こうした過程においても後続の規制において十分な配慮がなされるように、いわばきめ細かな規制がなされるようにといったことでの措置を、行政庁にもその考え方を明らかにしておりますし、その行政庁の一部始終の規制のあり方について、安全委員会も、これは逐一報告を受けますといったことの考え方を明らかにされております。 なお、私ども行政庁といたしましても、今回の一運の事故にかんがみまして、それから、ウラン廃棄物の管理についてもお触れになりました。私ども反省事項は、こういう現場で何が起きているか、これを十分常日ごろから把握する必要があるといったことでございます。それから、何か事故、トラブルが起きましたときに的確にこれに対して対応できるかどうかといったことでございます。 そうした意味では、先ほど大臣からもお触れになりましたけれども、私ども現場重視の規制のあり方といったことについて新たな取り組みを始めでございます。それから、事故、トラブルが起こりましたときに的確に対応ができるように、こういう二十四時間の当直制も始めましたし、それから緊急時対応のための体制も整えてきているところでございます。 こうした安全規制のあり方につきまして抜本的な改革を図ることによりまして、先生が御指摘のようなこういう安全規制に対する期待にこたえてまいりたいと思っております。
○清水澄子君 次に、東海再処理施設火災爆発事故においては、平成九年十二月十五日付の科技庁の事故報告書においても事故原因がわからないわけですね。特定がされておりません。 それで、事故原因の究明においては、やはり行政と事故を起こした当事者との密接な協力体制を今後もずっと続けながら、そして、やはり事故の原因究明というものはずっと続けていくことが必要だと思うんですけれども、今後動燃が新法人に改組をされた場合、そういう事故原因究明はその体制に引き継がれていくのかどうか、そのことについて、私はぜひ引き継ぐべきだという考えですけれども、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(池田要君) このアスファルト固化処理施設の火災爆発事故の原因究明につきましては、先ほども御指摘ございまして、事故調査委員会の三十回にわたります会合、この会合の経過につきましても一部始終を公開させていただいておりますけれども、この結果としましては、先ほど申しましたように、廃棄物をアスファルトとまぜましてドラム缶に封入するといった過程の運転条件、これがいわば十五年も、あるいは三万本にも上るものを処理しておった。こうした実績を積み上げていたために、油断と申しますか、運転管理のなれから運転条件の変更ということが現場において行われて、その結果、そのドラム缶の中でゆっくりとした化学反応が起こるような事態を招いた。これが火災に至ったといったことにつきましての基本的な原因につきましては報告書で、この十二月十五日にこの調査委員会がまとめてございますけれども、明らかにさせていただいたところでございます。 こういう意味での私ども行政的に必要とします原因究明につきましては十分なものをやっていただいたと考えておりますけれども、ただ、この調査委員会のメンバーの方々も、まだ学問的な意味ではこの化学反応の細部の見きわめ、こうしたことについてはまだ研究は必要ですといったこともございました。そうした意味での取り組みにつきましては、この事故調査は終わりましたけれども、専門家に参加いただきましてフォローアップチームとして、これはこういう課題に取り組むために、この二月の末でございますけれども、この組織を発足させてございます。 こうした意味での活動につきましては、御指摘のように、動燃が新法人に改組されるという事態になりましても、こうした活動につきましては変わらずしっかりとお取り組みが必要だと思っておりますし、私どももきちんとこの進捗について見きわめてまいりたいと考えております。
○清水澄子君 ぜひその姿勢を続けていただきたいと思います。 次に、「もんじゅ」の運転再開について、これはぜひ大臣に答えていただきたいと思うわけですが、「もんじゅ」は平成九年九月十日付の総理大臣の処分によって運転が法的に停止された状態にあります。これが解けるのはことしの九月十一日であるわけですが、しかし「もんじゅ」については、先般のもんじゅ安全性総点検チームの報告にありますように、ハードな面、ソフトな面から改善すべき点が非常に多く記述されております。これらの改善についてはいつ完了をさせられるおつもりでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 「もんじゅ」につきましては、去年の十二月の高速増殖炉懇談会の報告書の中で、非化石エネルギー源の有力な選択肢として研究開発をし、「もんじゅ」はその研究開発の場であるという位置づけをなされて、それを踏まえて今度の立法が出されているわけでありますから、私どもとしては、この法案によって「もんじゅ」を研究開発の場として活用していくような方向をきちっとしていく責務を負うことになるだろうと思うんです。 しかし、今先生御指摘になりましたように、いろいろな事故を起こした後のフォローというのがまだ全部でき上がっているわけではございません。原子力安全委員会については、ナトリウム漏えい事故の原因やその背景の調査審議を終わりまして、再発防止対策として最終報告書も取りまとめたわけですが、このように段階を踏んで一つずつやっていくということが大事であると思っておりまして、今の時点で「もんじゅ」の改善の完了時期とか、あるいは運転再開についていつになるという議論をするところまでは率直に申し上げてまだいっていないというのが実情です。 今後は、設置変更許可申請に基づく国の安全審査をやりまして、ナトリウム漏えいに係る安全性を確認していくという作業がございます。また、安全性総点検で指摘されている運転マニュアルとか品質保証等の安全審査の対象以外の項目につきましても、原子力安全委員会においてこれまでの安全委員会決定を踏まえて安全性の確認を行っていくことになるわけでありまして、安全性が確認された時点で地元の了解を得ていくというような手順になると思いますが、今の段階で、じゃそれがいつだということはまだ言える段階ではございません。
○清水澄子君 それでも大体予測はあるんじゃないでしょうか。ことしはないですね。それで、来年ですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、決して清水先生の御質問に逃げているわけではありませんで、いろいろな手順もそこまでまだ整理し切れていないというのが率直なところでございます。
○清水澄子君 それでは、この「もんじゅ」再開の是非については、時間のある間はできるだけ広く国民的な合意を図っていく、高速増殖炉のあり方とか今後のエネルギー問題ですね。そういう意味でやはりそういう展開をしていただきたいんですが、特に地元の理解と同意抜きの運転再開は絶対にやらないでいただきたい。そして、やっぱり運転再開というのはあくまで地元の了解の上であるということを私はここでぜひ長官、約束していただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げましたような安全性がいろいろな手順を踏んで確認できました段階で地元とお話をして、理解をいただいた上で再運転をしていく、こういうことでございます。
○清水澄子君 先ほど長官が、今回の新法は、「もんじゅ」は今後の高速増殖炉の有力な選択肢の一つとして決められたからとおっしゃったんですけれども、ここでちょっとその高速増殖炉懇談会の報告書について確認しておきたいわけです。 この懇談会の終わりにまとめられております。七番目の一番終わりです。その中には「将来の非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢」となっているわけですから、一つの選択肢であって、そうじゃない場合もあり得るということもありますね。だからこれは、すべてこれを選択しますとはここになっていません。「一つの有力な選択肢として」とあって、そして「高速増殖炉の実用化の可能性を追求するために」一つの選択肢として「その研究開発を進める」と。しかしその際に、「原子力関係者以外の人々を含め広く国民の意見を反映」するというのが一つあります。そして同時に、「定期的な評価と見直し作業を行うなど、柔軟な計画の下に、進められることが必要です。」と、このあり方がここに出ているわけですね。だから、非化石エネルギー源の有力な選択肢の一つであると、そして外部的評価の場をつくらなきゃいけない、それから定期的な評価と見直しを行っていかなきゃいけないということがここに書かれているわけです。「広く国民と対話し、理解を得る努力することが何より重要です。」と。 この四点というのは非常に私は重要なことだと思いますけれども、長官はこの懇談会のまとめの考え方をきちんと念頭に置かれてこの法律をつくられているのかどうか。その辺、ぜひ大臣の明確なお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 全くそのとおりでございます。一つの有力な選択肢というのは、決して排他的な選択肢だということではもちろんないわけですし、原子力関係者以外の国民の意見も反映したということは、やはりこれは巨大な技術開発でありますから、理解が得られなければ難しい問題が次から次へと出てきてしまうということだろうと思います。また、適時適切に外部評価を行ってレビューしていくということ、これはもう科学技術一般にそうであり、これから特にそういう視点を入れていかなければなりませんけれども、この分野においてもそれはいささかも変わりはないと、こういうことだろうと思います。 また、柔軟というのも今回の高速増殖炉懇談会の報告の一つの特徴だろうと思います。決して硬直的な姿勢でそれ行けやれ行けというのがいいというふうには私は考えておりません。
○清水澄子君 その点をぜひこれからこの法案を遂行される中で、今の懇談会の終わりの精神といいますか、この精神に基づいて具体化していただきたいと思います。 そこでもう一つ確認をしたいのですが、九四年六月二十四日に原子力委員会が策定しました「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」には、この高速増殖炉を将来の原子力発電の主流にしていくという方針になっていますね。そうすると、その長期計画ははっきり高速増殖炉が将来の原子力発電の主流であると言い切っていますが、それと今の懇談会の「将来の非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢」というのと非常に矛盾があると思います。この矛盾はどのように整理されていらっしゃるんですか。 そして、今後の方針の中では、懇談会の方の方針を重視すると今おっしゃったんですが、これはどちらを重視なさるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 長期計画は、今までも五年に一回ぐらいずつ見直してきたわけですね。それで、今おっしゃったように平成六年ですからもう四年たっております。その間にこういういろいろな事故、不祥事も起こりましたし、またそれを踏まえて高速増殖炉懇談会の検討やら、あるいは円卓会議等も開いてまいりました。また、廃棄物処理に関しましてもいろいろな議論が進んでまいりました。したがいまして、現段階の議論は長期計画策定当時の議論とかなり変わってきている面がございます。 したがいまして、今後長期計画を考えていく際には、今までの議論の経過を踏まえて、先ほどもそのような御質問がございましたけれども、例えば幌延に関しましても御質問がございましたけれども、今までの検討の結果を踏まえて、長期計画に沿ったものになると、もちろん長期計画をつくりますときには、長期計画そのものの御議論を十分にやっていただく必要がございます。 それから、委員の御質問とはちょっと外れるかもしれませんが、長期計画のあり方そのものについても、今までのようなあり方でいいのかどうかということは、これから少し掘り下げていかなきゃならないなと思っておりますが、今までの経過、流れというものは私は大事にしていく必要があると思っております。
○清水澄子君 それでは次に、プルサーマル計画について伺います。 日本的な造語ですね、プルサーマルと言って外国と話をしても通じません。「もんじゅ」というのは大体知られていますけれども、これはプルトニウムとウランの混合酸化物、いわゆるMOX燃料を軽水炉で燃焼させるということなんですね。 そして、それが平成九年二月四日の閣議了解「当面の核燃料サイクルの推進について」というところで、プルサーマルを早期に開始すべきであり、国民の理解を得るよう努めるとあるんですが、国民の理解なんというのはほとんどないと思います。ほとんどみんなよくわからないと思います。これは後からまた時間があればですが、それを受けて電気事業者はこれを早速具体的な計画として、東京電力と関西電力においては平成十一年中にそれぞれ一基プルサーマル導入の計画を示しております。 〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕 私は、特に福井県に関連して伺いたいわけですけれども、ことしの一月二十日に関西電力がイギリスの核燃料公社にMOX燃料の製造を発注したということを発表しておりましたし、それから二月二十二日には福井県と高浜町に、高浜町に四号炉があるわけですね、そこに事前了解願いを提出しております。その場合、関西電力は、今この時期になぜプルサーマルを実施するかという理由について、プルトニウムが余っているということを言っています。海外にこれは約十・五トンと言っているんですが、後からこの数字をお聞きしたいんですけれども、核分裂性のプルトニウムを保有している、そして再処理の進展によって今後ますます増加すると。 したがって、プルトニウムの保有量がふえていくことに対して国際的な疑念が非常に生じるおそれが、おそれどころか指摘をされておりますね。日本はいつでも核兵器をつくる技術を持っているしということで、アメリカのいろいろなところからそういうはっきりした発言が出てきておりますけれども、そういう中で、だから今からプルサーマルを開始してプルトニウムを着実に利用することが必要なんだという説明をしております。 しかし、この説明は、通常の使用済みウラン燃料を再処理してプルトニウムを抽出するということをプルサーマルというのは大前提にしているわけですね。ですから、プルトニウムを消費するためにプルサーマル計画を進めないと、日本は非常にたくさんプルトニウムがたまってしまっているというその矛盾といいますか、その現実を処理していくために、やはりプルサーマルで再処理をしながらまだ次々とプルトニウムを生み出していくという、こういう矛盾に陥っていると思うのですけれども、これらに対して日本の学者たちも、ウラン燃料に比べてMOX燃料のコストは五倍から九倍だということも指摘をされているわけです。 ですから、このことについて福井県内では、なぜこんなにプルサーマル計画を急ぐのか、本当に安全なのか、そして経済性という意味ではコストが高くつくということがいろいろ言われているのに、なぜ使用済みMOX燃料についてこういうプルサーマル計画を進めていくのか、そしてMOX燃料からまた新しい核廃棄物が出るんじゃないか、それはどこに運び出されるのか、福井県に残ってしまうんじゃないかとかさまざまな疑問が広がっているわけなんです。 このことについては、長官、県民にもそのことがどういうことを意味するか理解されないわけなんですが、なぜこんなに急ぐのか、そのことについてぜひ御説明いただきたいと思います。 〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕
○政府委員(加藤康宏君) プルサーマルにつきまして地元福井県でいろいろとお世話になっているところでございますが、経緯につきまして先生野にお話しございました。関西電力株式会社が地元でどのように直接話しているかというのは承知しておりませんが、今、先生がおっしゃった、なぜ急ぐのか、それから経済性の問題、こういう御指摘がございました。 まず、なぜ急くのかと。これは急いでいるように見えますけれども、たびたび私も御説明申し上げでございますが、プルトニウムを軽水炉で燃やすというのは、もう既に昭和四十年の初めのころからそういう計画が、考え方がございました。当時、濃縮ウランをアメリカから買うのが大変な時期には、アメリカはやはりプルサーマルに乗りなさいと各国に義務づけていたような時代もございまして、プルトニウムというのは希少なエネルギー資源である、そういう概念も昔からあったわけでございます。 我が国としましても、資源が少ないという観点から、使用済み燃料のプルトニウムは燃やして使う、そういう政策をとっているわけでございますので、たまっているから使うということではなくて、やはり積極的に資源として使っていくというのが我々の方針なわけでございます。 したがいまして、もう少し早くから始めればよかったのかもしれませんが、我々、動燃の事故等を起こしたり、「もんじゅ」等いろいろありまして、地元の理解もなかなか得づらいという、そういうような状況があって押せ押せになってきたとも思いますが、いずれにせよ、プルサーマルは以前からやりたいということで計画を順次していたわけでございます。 それから、経済性の問題について御指摘がございます。計算の仕方はいろいろあるわけでございますが、プルトニウム自身は既に各電力会社が自分で持っております。したがいまして、そのプルトニウムを使うにつきましては、例えば普通のウラン燃料でございますと濃縮ウランを買うとか、そういうようなものに比べまして購入する費用がないわけでございますから、自前のプルトニウムを使うということを考えますと、そういう核燃料サイクルのコストはそれほど多くなるものではないだろうということで、OECDのNEAというところで行った評価では、自分のプルトニウムを使うという観点からすれば大体同程度ではないかというような試算もあるわけでございまして、経済性の問題につきましては大きな要因にならないだろうと思っております。 ちなみに、ヨーロッパにおきましては既にそういうプルサーマルをずっとやっているわけでございまして、そういうところからも特段そういう話も聞いていないわけでございますので、それほど問題になることはないだろうと思っております。 通産省からちょっと補足を。
○説明員(谷口富裕君) 補足させていただきます。 先生御指摘の昨年二月四日の閣議了解の該当部分には、「ウラン資源の有効利用となり、現時点で最も確実なプルトニウムの利用方法であるプルサーマルについては、これを早急に開始することが必要である。」というふうにはっきり書いてございまして、この閣議了解の前提になっております原子力委員会の決定なりあるいは総合エネルギー調査会の原子力部会の報告の段階でも、プルサーマルは発電施設への追加投資をほとんど伴うことなくウランの利用効率を高めるということを可能にするものであって、エネルギー資源の有効利用の観点から着実に実施していくことが重要というふうに言っておりまして、そういう観点では、もちろん余剰プルトニウムを持たないという国際約束もございますが、むしろそういった資源の有効利用の努力を着実に積み重ねていくということが基本になっているかと思います。 同時に、先生が御指摘のとおり、プルサーマルの推進に当たりましては安全の確保を大前提にしまして、地元の御理解を得ることが極めて重要、基本的なことと認識しておりまして、政府としましては、通産省、科学技術庁が協力しまして、御指摘の閣議了解に示された方針にのっとりまして、今後二〇〇〇年までにプルサーマルを導入する計画のある三県、福井県も含めまして、を中心に、プルサーマルの意義、安全性について既に数十回にわたりまして説明を重ねているところでございまして、今後とも住民の方々への説明等々を通じまして、プルサーマル計画に関します御理解が一層得られるように努力してまいる所存でございます。
○清水澄子君 今御説明いただきましたけれども、プルサーマルは前からそういう方針があったとおっしゃるんですが、プルサーマル計画というのは軽水炉によってプルトニウムを使うわけですから、これは本来は、核燃料サイクル計画というのは、使用済み燃料を再処理して、そして抽出したプルトニウムを高速増殖炉において再利用し、プルトニウムを増殖させる計画があったんだと思います。ですから、「もんじゅ」が事故でだめになったわけなので、つなぎであったプルサーマル計画の方が今度は先に来ているわけなんですけれども、やっぱりそれはあくまで、早くプルトニウムを消費しなければきっと国際的な批判に耐えられないというのではないかと私ども福井県の中では皆そういう見方をしておりますが、これは本当にプルトニウムを燃焼させ得るのだろうかという疑問すら出てきております。 そこで、さらにここで確認しておきたいのですが、平成十一年に実行するとなれば来年中の導入でございますから、そうすると、十分な安全審査に必要な期間を考えれば、申請までに残された時間というのはそう多くないと考えるわけです。しかし、安全性の確認とか地元の理解等を得られなければそれはできないということも今お話があったわけですから、それらが完全に行われなければ導入はしないのだということにおいては今ここで確認しておいてよろしゅうございますか。
○説明員(谷口富裕君) MOX燃料の利用につきましては、原子炉等規制法に基づきまして設置変更許可の安全審査を行うことになっておりまして、この審査を経ることによって初めて燃料の輸入及び装荷が可能になるということでございまして、十分な安全審査を踏まえて燃料の装荷に至るということでございます。
○清水澄子君 やはりこういう問題は、本当に国民に理解を求めようとするなら、やっておられることが不信感を持たれないようなやり方が必要だと思います。 政府は、欧州共同委員会、そしてベルギー王国と書簡を交換して、電力会社はこれに基づいてMOX燃料の調達を始めているわけです。こういった行為というのは地元の理解が得られてから行うべきであって、その前に政府がもうこういうことをやっているという、こういう中で一連の先走りであるというふうな認識が広がっておるわけなんです。 そういう中で、平成八年一月二十三日に福島、新潟、福井の三県知事が示した提言、改定期にこだわることなく必要な場合は原子力長期計画を見直してほしいんだと。そして、バックエンド対策とかプルサーマル計画の国民的合意と将来的な全体像の提示をしてほしいという長期計画の見直しの提案もしておるわけですが、これら三点の方向というものは具体策が示されることになりますか。お尋ねいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 三県知事からいろいろ提言がございまして、円卓会議を開くとか高速増殖炉懇談会を開くとか、いろいろ努力しているわけでございます。 また、長計の点につきましては、直接その当時は言及がなかったのではないかと思いますが、先ほど大臣が長期計画に関する御説明を申し上げましたが、既に四年前につくられました長期計画についていろんな事態の進展、諸情勢の変化が起きているわけでございます。 例えば、新型転換炉の実証炉の計画はもう中止になっておりますし、それから先ほどの三県の提言を受けまして原子力政策円卓会議が行われまして、昨年一月に、原子力委員会として核燃料サイクルの進め方、それに基づきます閣議了解がございました。 例えば、使用済み燃料の中間貯蔵というような概念は前の長期計画にはなかったものでございますが、そういうような検討が行われているとか、それから高速増殖炉につきましても先ほど御質問ございましたように、考え方が変わっている等、部分的な長期計画の手直しというのは進んでいるわけでございます。 それからもう一つ、高レベル廃棄物の問題につきましても懇談会の報告書がまとまりつつあるわけでございますので、平成六年の現行長計の策定以降の諸情勢の変化とか最近の政策の進捗状況をレビューしたり、あるいは大臣が先ほど申しましたように、長計のあり方自身についても検討が必要だということを言っておりますが、そういうような議論を進めながら適切な政策展開を図っていきたいと考えている次第でございます。
○清水澄子君 次に、プルトニウム利用と情報公開についてお尋ねしたいと思います。 フランスを言うまでもなく、他の欧米諸国においても高速増殖炉計画というのは中止されたり、国際的にもプルトニウムを利用しようという流れではないわけです。こういった中で日本は、それこそさっきおっしゃったようにトップランナーになっていくということですけれども、現在、日本の余剰プルトニウムというのは何トンあるんでしょうか。数字を示していただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) プルトニウムの利用の問題につきまして、先ほど大臣がトップランナーと申しましたのは高速炉の開発でございまして、知らぬ間になっているということを申しましたが、例えばプルサーマルにつきましては既にヨーロッパでも実用に供されているわけでございますので、そちらの方はどちらかと申しますとセカンドランナーということになるかと思います。 御質問のプルトニウムの保有量でございますが、これは一九九六年末現在のプルトニウム保有量でございます。国内に約五トン、それから海外に、イギリスとフランスでございますが、合わせて十五・一トンを今保有していることになっております。
○清水澄子君 そういう日本の余剰プルトニウムの実態というものを公表していくことがやはり透明性を高めていくことだと思います。これは平成八年版原子力白書にはあるんですが、データは平成七年分なんですよね。今おくれている平成九年度の原子力白書には最新のデータが載りますか。これをぜひ載せていただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) ただいま原子力白書を編集中でございますので、そのときアベイラブルな最新のデータを出させていただきたいと思います。
○清水澄子君 次に、この法案の基本方針の中に情報公開というものをはっきり規定していただぎたいと思うわけです。 今回の改正案は、現行の動燃法が動力炉業務に限って定めていた基本方針について充実を図る、その対象を拡大しようとしているわけですが、この改正案では新たに第二十六条で、第二十四条に規定する業務を行うに当たっては適切な情報の公開を行うことに努めなければならない、精神規定が規定されているだけです。私は情報の公開についてははっきりこの改正案の第二十七条に一項を設けたらいいと思いますね。はっきり情報公開というものを法的に規定することを提案したいと思うわけですけれども、それは長官どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今先生御指摘のように、二十四条に掲げる新しい事業団の業務の運営に当たっての基本的な考え方として二十六条に情報公開に努めよということが明定してあるわけですね。それで、先生の今の御意見は、二十七条の内閣総理大臣の定める基本方針の中に書き込めと、こういうことだと思うんですが、二十七条の二項に「基本方針に定める事項は、次のとおりとする。」として、一号に「機構の業務の運営に関する基本的事項」というのがございます。それで、これは内閣総理大臣がどう定められるかということになるわけですけれども、具体的には、基本的事項としてこの中に私は情報公開に関することも定められていくというふうに理解をしております。
○清水澄子君 この基本方針の中にそれが入っている、含まれていると。それは三のところですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 二十七条の二項で「基本方針に定める事項は、次のとおりとする。」として、その第一号に「機構の業務の運営に関する基本的事項」というのがございますね。これは私は二十六条の趣旨を踏まえて規定さるべきものだというふうに解しております。
○清水澄子君 その場合、やはりどのような情報を提供できるのかということが国民にわかるような、内容をぜひ見えるようにしていただきたいと思います。 そこで実は、今、動燃の方に来てもらっていると思いますけれども、最近の動燃の情報公開の事例で新聞に出ていましたね。東濃地科学センターに関する七点の情報公開請求に対して六十万円の公開手数料が請求されたと。コピー代が一枚三十円で手数料が一枚二百円だということが新聞に出ていました。(発言する者あり)そうですか。それはどなたかお聞きになったそうですが、やっぱりみんなびっくりするんですね、何でこんな手数料というのが取られるのかと。 そういう意味で、余り時間がありませんので長々とはお答え要らないんですけれども、国民の税金を使って運営されている動燃のような機関がさらに国民から手数料を取るということ、しかも、これは政府に相談をしてそして十一万円値引きしたと言っているんですよね。それは国に確認した結果と文書出ているんですよ。ですから、そういうふうに科技庁は御指導をなさっておられるんでしょうか。そのことと、今後情報公開のときにこういうようなのではとても困りますので、ぜひその辺ははっきりさせてください。
○政府委員(加藤康宏君) うちが値引きを指導したとかそういうことは特にございませんが、先ほど御質問ございましたように、今回のものにつきましては実費の範囲内でということで、地方自治体が定めています一件二百円ということでやらせていただいておりますが、何せ請求された資料が保安日誌、日誌類でございますので、その中に固有名詞がいっぱい入っているわけですね、担当の。そういう固有名詞を出していいか出さないかそれぞれチェックしなきゃいけません。したがいまして、今回三千件の要求があったんですが、それをチェックするのに一人の人が一カ月かかるような、そういう膨大な作業を要するんだと。 したがいまして、そういう実費をどう要求するかというのは非常に難しい問題でございますが、とにかくそういうことで、通常のルールでいきますと六十万円ぐらいのやつが重複があって四十八万円ぐらいになったという話もございますけれども、そういう量になっているわけでございまして、それは動燃事業団のあれが一方的に悪いというわけでもないんだろうと思いますが、いずれにせよ、情報公開の趣旨に照らしまして、なるべく安く済む方法はないか、そういうことも検討していきたいと考えている次第でございます。
○清水澄子君 そういうふうなことが、法人の情報公開のあり方ということで、やっぱりさまざまなまたそこに疑問、不信ができますから、情報公開のあり方というものもぜひ明確にしていただきたいと思います。 次に、今回のこの機構の主たる業務というのは、高速増殖炉及びその燃料の開発、それから再処理技術の開発、それから高レベル放射性廃棄物の処理、これは日本のこれからの二十一世紀に向けたエネルギー政策含めて非常に重要な基本的な問題だと思います。こういうことについて、こういう一つの法律だけで議論するんじゃなくて、将来のエネルギーをどうするのかということをきちんと議論をしていく、私はこういう問題は国会で議論をしていくという方向にいくべきだと思うわけです。 最近、私は三月末にフランスに行ってまいりました。それは、スーパーフェニックスを廃炉にしたということなので、それはどういう意味があったのか、そして今後どういうふうに方向づけるのかということを知りたくて行ってまいりました。そして、フランスの産業省のエネルギー総局長とか、それから大臣、向こうでは技術を持つ、資格を持った顧問大臣というのがいるんですね、そういう人たちとか、それからボワネ環境大臣の技術顧問のラポンシュさんとか、そういう方とお会いをいたしました。 そこで私は日本と比較して感じたわけですが、そこではっきり言われたことは、フランスは物すごく早くから核を開発してきた国で、日本とは違う。特に核兵器、軍事的利用をずっとやってきてしまった国だ。だから、プルトニウムをいかに処理するかということは非常に重要な問題だったんだが、これまでは軍事機密のためにそれはほとんど公開されなかった。非常に不透明な中で、外部からのコントロールというのは非常に難しかった。だから、それを今はっきり透明性のある政策にする。それから、もっと行政から独立した管理とか、そういうことをやりながら国会がどうコントロールするかという、そういう機能にしていくのだと。そういう意味でも、核の安全に関する問題が外部から管理される、コントロールされる方向に向かおうとしているのが最近の二月二日のドキュメントなんですね。 そういうことをはっきりおっしゃって、そしてフランスのエネルギー政策は産業省と環境庁の両方でやっているということを言われました。そういう意味では、この放射性廃棄物を含めて、非常にこれは環境庁がかかわるべきテーマなんですけれども、日本ではかかわれないという仕組みになっております。 さらに今度は、私は社会民主党のジョスパン政権になったからこういうスーパーフェニックスが廃炉されたのかなと思いましたら、これはだれがなってもフランスでは廃炉しただろうと。というのは、政治的な理由じゃない、これはあくまでも経済的な理由で、こんなに高くつく高速増殖炉をやっていく必要性がなくなったのだということをおっしゃいました。 そしてさらに、その一番大きな原因は何かと伺ったときに、それは戦略的な間違いを正すことに気がついたとおっしゃったんですね。ですから、スーパーフェニックスを決めたのは一九七〇年代であったと、そのときの大きな予測の間違いがあった。 一つは、当時はもっともっと将来は電力を消費するだろうと。だから何基のそういう原子炉をつくらなきゃいけないという、やっぱり電力公社というのはどうしても電気がもっと要るという、もっと消費するだろうという方向を出す。それに基づいてそのスーパーフェニックスを建設をしてきた。しかし今日、もうそういう時代ではない。科学技術は今度は省エネの方向に使っていくのであって、もうフランスではますます電力が余りますと。 そういう中で、こんなにお金のかかる、そしてウランのコスト、そういう意味での経済コストが自分たちは間違ってきた、そういうふうに将来的予測はいつも不確かである、このことを絶えず見直さないとどこの国でも問題が起きるでしょう。そして、次の世代にとってプルトニウムというものがどういう意味を持つかということも我々は今一生懸命議論していますと。ですから、日本のこの政策というのは、私はもっとこういう基本的なものは国会で本格的に議論をするような方向にぜひ問題を長官が提起していっていただきたいと思いますので、御決意と今後のビジョンをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も原子力政策の方向等につきましてはぜひ国会で活発な御論議をいただくべきだと思っております。 と申しますのは、情報公開ということももちろん大事でございますけれども、やはり基本的に国会で問題点を洗い出して、各党各会派で意見が同じになるかどうかは別としまして、議論を闘わせるということが基本的に必要だと私は思っております。その点、私が当委員会に参りまして、文教・科学委員会になってからはどうかわかりませんが、特別委員会の時代は大体七割ぐらいが原子力の議論、動燃の事故があったからかもしれませんが、七割ぐらい原子力の問題を御議論いただいたんではなかったかと思っております。私は予算委員会でも御議論があるかと思って座っておったんですが、ほとんどその点は御質問いただけなかったんで、今後ともこの問題は活発に御議論をいただくべきだと思います。 私、科学技術庁長官をやめましても、そういう気風をつくるように努力をしたいと思っております。
○清水澄子君 終わります。
○委員長(大島慶久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 ―――――・―――――