文教・科学委員会 第12号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事中野啓昌君及び同理事坪谷隆夫君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) 去る四月三日、予算委員会から、四月七日から八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち日本学術会議、科学技術庁及び文部省所管について審査の委嘱がありました。 この際、平成十年度一般会計予算外二案中、総理府所管のうち日本学術会議を議題とし、永島日本学術会議事務局長から日本学術会議関係予算の説明を聴取いたします。永島事務局長。
○政府委員(永島泰彦君) 平成十年度日本学術会議歳出予算要求額の概要について御説明申し上げます。 平成十年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、日本学術会議の歳出予算要求額は十三億六百万円であり、これを前年度の当初予算額十三億五千万円と比較いたしますと、四千四百万円の減額となっております。 次に、その内容について御説明申し上げます。 第一に、日本学術会議一般行政経費として六億八千百万円を計上しております。 第二に、審議関係費として二億九千六百万円を計上しております。 第三に、国際学術交流関係費として三億六百万円を計上しております。 第四に、会員推薦関係費として二千三百万円を計上しております。 以上が平成十年度日本学術会議の歳出予算要求額についての概要であります。 よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
○委員長(大島慶久君) 以上で日本学術会議関係予算の説明の聴取は終わりました。 ―――――――――――――
○委員長(大島慶久君) 次に、平成十年度一般会計予算外二案中、総理府所管のうち科学技術庁を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○北岡秀二君 おはようございます。これから三十分、予算に関連しての質疑をさせていただきたいと思います。 まず、ことしの予算ということを考えてみますときに、これはもう御承知のとおり、時代の流れが大変大きく変わりつつある、社会構造自体を変えでいかなければならないというような状況の中の予算でございますので、私は、以前にもそういう観点での議論はさせていただきましたが、そういう状況の中に占める科学技術庁の役割というのは非常に大きなものを持っておるように感じるわけでございます。そういう観点での科学技術の振興というものの持つ意味合いというのは、その重要性は申し上げるまでもないだろうと思います。 そして、またさらに私がもう一つ心配するのは、これは科学技術と関係ないことでありますが、最近俗に言われる日本のビッグバン、さらには株価で一喜一憂をする、さらには為替相場等々で一喜一憂をするような社会システムが、いろんな意味で果たして世の中それでいいのかなというような、マネーゲーム等々についで非常に大きな疑問を感じる次第でございます。そういう観点からもこの日本ということを考えてみると、科学技術の振興というのは本当に地についた形での、本当の意味での日本の活力をつけるという意味で大変大きなウエートを占めておるように感じるわけでございます。 そういう観点で基本的な方針というのをお伺い申し上げたいんですが、我が国の科学技術の研究開発の基本的方向について大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、お伺いを申し上げます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、北岡委員が御指摘になったように、今の日本の経済社会、いろいろ構造改革の必要が叫ばれているわけですけれども、何となく閉塞感のある、周りに壁があるようなのを突き破っていくにはいろんなことを考えなきゃいけないと思うんですが、そのためのやはり大きな有力な要素が科学技術の振興だと、おっしゃるとおりだと私は思うんです。 我々は科学技術創造立国ということを言っているわけですが、そのために議員立法で科学技術基本法というものをつくっていただいた、これは私は画期的なことだと思っておりますし、またこれを画期的なものにしていかなきゃいけないと思うんですね。そのもとで科学技術基本計画を平成八年七月二日に閣議決定をしていただいたわけでありますが、その科学技術基本計画に沿って我々は施策を展開していっているわけでございますけれども、どこに重点を置いていくかということになりますと、一つはやはり社会的経済的ニーズに対応した研究開発が必要であろうと。それと同時に、基礎技術、基礎研究、そういうものを推進していかなきゃならない、こういうところに重点が置かれているわけでございます。 それで、社会的経済的ニーズに対応した研究開発ということになりますと、新産業の創出であるとかあるいは情報通信の飛躍的進歩、こういった課題に対応する研究開発がやはり必要であろうと。それから、地球規模の諸問題の解決に資するような研究開発をやっぱり推し進めていかなきゃならない。それから、いろいろな生活者のニーズに対応した諸問題の解決も図っていかなきゃならない、こういうことであろうと科学技術基本計画の中で指摘されているわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、これも各分野にまたがりますので関係官庁との強力な協力関係をきちっとつくっていくことが基本的に必要なのでございますが、一つはゲノム関連研究あるいは脳科学研究といったライフサイエンスですね。それからもう一つは、情報伝送とか処理の高性能化を目指す情報科学技術といったようなところ、さらには地球変動予測、エルニーニョとかいろんなことがございますが、そういうことに関する研究開発、それから健康の増進や疾病の予防、克服、あるいは地震、こういった自然災害の被害軽減、防止、こういった生活にすぐ対応する諸課題に取り組む研究開発も必要であろうと。このあたりの強化に努めているところでございます。 先ほどの繰り返しになりますが、関係省庁と十分連絡をとりながらこのような施策を進めていきたいと思っております。
○北岡秀二君 ありがとうございます。 今おっしゃったような内容の領域をもっともっと振興していただきたいわけであります。それと同時に、科学技術というのはこの特性で私どもの将来に対して非常に夢を与える、そしてまたなおかつそういう状況の中で世の中を変えていくということでございますので、これは後ほど質問させていただきますが、国民に対する科学技術の理解、あるいはその振興、国民に対する普及振興をもっともっと広めていただくようなことも、重ねてぜひともやっていただきたいと思います。後でこの点については質問させていただきます。 今の大臣の答弁の中でライフサイエンスという分野の話をいただきましたが、これは最近環境ホルモンとか、あるいはクローン羊、クローン猿とか、あるいは遺伝子関連の話題が最近特に科学的な話題として私どもの耳によく入るわけでございますが、よくよく考えてみますと、人間を含む動植物の生命に関連することというのは、私ども身近にありながらまだまだ解明されていない部分というのが非常に多い。そしてまたなおかつ、最近の研究をいろいろ見させていただきますと、産業という分野に関連をさせましても、このライフサイエンスから解明される研究成果によって私ども自体の生活に直接関連すること、あるいは環境に関連すること等々、非常に応用範囲が広い領域であります。 これは先ほど申し上げましたとおり、まだまだ生命現象について未解明の領域が多いということで、我が国といたしましても、これからの取り組みというのは非常に重要な、大きな大きな位置づけがなされていくだろう。これは医薬、食品、環境、情報産業を含めての高付加価値産業につながっていく可能性が非常に大であるということでございますので、このあたりについての取り組みの姿勢も、もうちょっと深く大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、科学技術庁に来るまでは、科学技術庁という役所は原子力とか宇宙開発とか、そういうものが中心だというイメージを持っていたわけでございます。いろんなところでお話を開いてみましても、科学技術というとどちらかというと物理学を中心として発展してきた分野というようなイメージが今まであったと思いますし、ウエートがそこにあったことも間違いなかったと思うんですが、今、委員が御指摘のように、これからは生物学といいますか、それを中心とした分野というものに力を入れていかなければならない時代になってきていると思うんですね。クリントン大統領も、ちょっと私の記憶も定かではありませんが、今までは物理学の世紀だったけれども、これからは生物学の世紀であるというようなことをおっしゃっておられるようでして、我々もそれは正しい認識だと思っております。 今おっしゃったように、ライフサイエンスといいますか、そういう研究成果は医療とか環境とか農林水産業、あるいはそのほかの産業を含めて非常に幅広いものでありますし、我々の生活をよくしていくという意味で、安心して健康に生きで、そして充実した生き方をしていく上に非常に関係していく分野が深い。そういう意味で、ここを充実させていきますと、経済フロンティアの拡大にも非常に期待ができる分野ではないかというふうに思っております。 そういう認識のもとに、去年八月にライフサイエンスに関する研究開発基本計画というのを内閣総理大臣決定いたしまして、今後十年程度を見通した我が国のライフサイエンス研究開発の方向を、それによって見通しを一応示しているわけであります。この計画に基づいて、先ほど申し上げましたように非常に幅が広いわけでありますから、政府の中で関係省庁との連絡がここの分野はまた一番必要な分野ではないかと思っております。そういうことで積極的に進めてまいりたいと思っております。
○北岡秀二君 ただいま大臣の答弁の中にありましたように、我々自身の暮らしなり生き方が充実をしてくると。今までの科学でありますれば、ともすると物理的な領域、あるいは俗に言われる産業革命以降の機械的な問題とか、あるいは生命にまつわることじゃなくて、より利便性を追求してという部分の科学的な振興というのが一つの流れとしてあっただろうと思うんですが、このライフサイエンスということに関しては、先ほどおっしゃられましたとおり、我々が生きていくに当たってより豊かな生き方ができるように、そしてまたより安全な環境の中で生きていけるようにという部分、かなり大きなそういうウエートも占めておるような感じがいたしますので、これから本格的に強力に推進していくということでございますので、そのあたりのしっかりとしたレールをぜひとも敷いていただきたいと思う次第でございます。 このライフサイエンスということの領域を考えていく上で、一つ社会的な問題として特に昨年取りざたされた問題に、前段に申し上げましたクローン動物、ちょうど昨年イギリスですか、クローン羊を初めとしてクローン猿だとか、もう行き着くところはアメリカでクローン人間をこしらえるんだということである科学者が相当息巻いたと。これはもうアメリカでは大きな社会問題になったということでございます。先ほどの答弁で、ゲノムの問題あるいは遺伝子の問題に関連いたしましては、安全性の問題については科学者としてある程度のガイドラインを設けながらこういうことは守っていこうという議論はなされておるようでございますが、今申し上げました生命倫理の問題に関連しての議論というのは、日本国内でもまだこれからもっともっと強力な議論を展開いたして、そしてまたその議論の結果に基づいてこういうガイドラインでやっていきましょうというような取り決めも必要になってくるだろうと思うんです。このライフサイエンスということを考えるに当たりましての生命倫理問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、御答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の生命倫理問題につきましては、科学技術会議の中に生命倫理委員会というのを設けまして、私も出席させていただいてその御議論をいろいろ伺っているわけですけれども、大変幅広いいろんな問題があるなど、こう思っております。 一方で、クローン技術というものは、遺伝子の組みかえとかいろんなものと結びついて、我々の生命秩序というものを本当にこんなにいじっていいんだろうかということもあると思いますし、父と母といいますか、哺乳類は皆そういうふうになって生まれてきているわけですけれども、そういうものを抜きにして新しい生命をつくってしまうというようなことが倫理的に許されるのかという問題が一方である反面、委員が御指摘になりましたイギリスのドリー羊なんというのは、人間の血液凝固因子を生むその遺伝子を組み込んでつくると。そうすると、そこから出たミルクは血友病の治療に非常に効果を発揮できるのではないかと期待されるような面もあるというようなことで、非常に問題が複雑だと思っております。 特に、人の個体にクローン技術を適用していくということになると、とれはもっと問題が深刻というとちょっと適切かどうかわかりませんが、先ほど申し上げたような父と母があって子供が生まれてくるというような我々の社会の倫理構造そのものに対する非常に大きな問題を提供する、倫理的にそもそも許されるのかという問題が一方であると思います。初めから倫理的に許されないという前提をとればそれ以上考える必要はないわけでありますけれども、もう少し柔軟に考えてみても、現実にクローンでつくった牛なんかはたくさん死んでいるわけですね。クローンを人間に適用していった場合に、本当に生命に対する危険性というものも非常にあるのではないか、そこらも解明されていない、こういう問題がございます。 そこで、去年内閣総理大臣決定されましたライフサイエンスに関する研究開発基本計画、先ほども申し上げたものでございますが、この中では、人の個体生産は行うべきではない、こういうふうに決められております。今、その基本計画の考え方を踏まえまして、先ほど申し上げました科学技術会議の生命倫理委員会の下にさらにクローン小委員会というものをつくりまして、人のクローン個体生産に関する規制のあり方を、一応それをやるべきではないと内閣総理大臣決定でしていただいたわけでありますけれども、さらにそれをどういう形で規制していくかということについて今議論をしていただいているわけであります。今、私どもとしては、生命倫理委員会あるいはクローン小委員会の御議論の結論を見守っていきたい、こう思っております。
○北岡秀二君 ありがとうございます。いろいろな角度からの分析なり、そしてまたなおかつ意見を広く聞かれた上で一つのいい方向をぜひとも決定していただきたいと思う次第でございます。 地球温暖化防止について、これに関連してお伺い申し上げたいんですが、もう御承知のとおり昨年の十二月、京都会議、COP3が開催をされて、いろいろな騒動があったわけでございますが一応無事終了したということで、ある一定の目標を設定してこれから世界的に取り組んでいこうというような取り組みがなされていくわけでございます。これは実際の産業界の中で当然協力をし合いながら取り組んでいかなければならない部分、そしてまたなおかつ政府主導でこれから微に入り細に入りのいろいろな指導をしていかなければならない部分等々あるだろうと思うんですが、よく言われておりますCO2、フロンを含めました温室効果ガスの増加が環境に与える影響について、そのあたりの科学的な実証というのがまだまだ十分に裏づけがされていないというようなところも片や問題としてあるように私は感じる次第でございます。 この地球温暖化の問題というのも、先ほどのライフサイエンスということにも関連してくるだろうと思うんですが、私ども地球の中に住んでおる人類にとりましてはこれまた大きな大きな問題で、科学的なメスをもっと入れて、そしてまたより豊かな近代文明と申しますか、我々文明社会を享受しておるわけでございますが、維持をしていかなければならないということからすると、これは非常に大きなウエートを占める問題だろうと思うんです。今申し上げました温室効果ガスの増加が環境に与える影響ということで、科学技術庁としてもまだまだこのあたりにも取り組んでいかなければならないだろうと思うんですが、この取り組みについてどういうふうに考えておられるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 地球温暖化防止のために科学技術が果たさなきゃならない役割というのは私は非常に大きいと思っているんです。 そこで、どう果たしていくかというと、二通りあるんだろうと思うんですね。一つは、北岡委員もおっしゃったわけでありますけれども、地球が温暖化していくそのメカニズムというようなものが本当に十分に解明されているのか。地球規模のいろんな現象、エルニーニョとかいろんなことも含めまして、熱帯降雨のあり方ということも含めまして、地球の温暖化のプロセスなりメカニズムをきちっと解明していく、そして対策を立てるに役立てていくということが科学技術に期待されているのじゃないかと思うんです。 もう一つは、二酸化炭素、CO2というものがやはり地球温暖化の大きな原因になっている、こう言われているわけでありまして、その原因の一つが化石燃料を用いた発電にあるということになりますと、CO2を排出しない原子力エネルギーというものの意味というものがそこにあるんではないかと思うんですね。原子力エネルギーはもともとは資源が乏しい資源論の観点から推し進められてきたという側面が強いわけですけれども、現在に至りますと、環境論の側面から原子力エネルギーの意味を十分理解し、議論しておかなければならないんではないかと思うわけでございます。この方面を推し進めていこうとすると、単に研究開発ということだけではなくて、もちろん安全が大前提になるわけでありますけれども、その安全を国民の安心に結びつけていくような努力がないとなかなかこれから先進んでいかないということがあろうかと思います。 この二つの側面を科学技術庁としては推し進めていきたい、内閣のもとに地球温暖化対策推進本部が設けられておりますので、そこと連携を保ちながら今申し上げたような方向を推し進めていきたい、こう思っております。
○北岡秀二君 時間が経過をいたしましたので、最後の質問をさせていただきたいと思います。 前段に申し上げましたとおり、日本の日本たるゆえんというのは、科学技術という一つの技術立国、貿易立国という状況の中で科学技術の占めるウエートというのは非常に大きい。しかしながら、最近の日本の国内の状況を考えてみますときに、一番最初に申し上げましたとおり、ビッグバンに世の中が非常に大きく左右される、そしてまた株価に非常に大きく左右される。我々が今まで築き上げてきた日本社会の基本的なルール、基本的なルールというか、本当は大切にしなければならない領域がともすると侵されるような価値観がどんどん入ってきておる。私はこの最近の世の中の傾向、確かに世界の一つの流れに私ども日本というのはついていかなければならないわけでございますのでそういう必要性は多少あるわけでございますが、ただ、日本がこれから国際社会の中で生きでいくということを考えてみますときに、科学技術の果たしていく役割というのは非常に大きい。 そういう状況を考えてみますと、果たして今の国民が科学技術庁並びに科学技術の振興に対して本当の意味で広く理解をしていただいておるだろうか、そしてまた日本の将来に科学技術ということを中心にした夢を持っていただいておるだろうかということを考えてみますと、多少私は心配な部分がある。 そういう観点から申し上げると、確かに技術的な部分の振興も大事なんですが、今まさに私は、科学技術庁を中心として広く日本国民に将来の夢をもっともっと持っていただくという観点から、科学技術に対する理解、広報普及をしていかなければならないんじゃなかろうかというふうに感じるわけでございます。 特に、青少年ということを考えてみますときに、これは文教・科学委員会でございますので、私どもは子供の環境ということをいろいろ取りざたしておるわけでございますが、大変厳しい教育環境にある、そしてまた将来に対して夢が持てないような教育環境にある。こういうことを考えてみましても、今まさに私は、科学技術庁が子供や一般国民を対象に、日本の国の中で科学技術庁はこういうことに取り組んでおるんだ、そしてまたこういう部分で日本というのは将来大きく大きく道を開いていくんですよという部分の広報活動というのが、今までにない形でもっともっと私は必要になってきておるんじゃなかろうかと思う次第でございます。 つい先日も、土井宇宙飛行士が宇宙遊泳をされて我々に非常に、心地よいというか、明るい材料を提供していただいて、何か本当にさわやかな気持ちになったというのはつい先日でございますし、子供たちにもそういう状況の中では大いに夢を与えでいただいた。お聞きすると、宇宙少年団ですか、こういうことも外郭団体でやっていらっしゃるということでございます。 そういう観点では、これからの科学技術庁が今申し上げた国民に夢をもっともっと与える、そしてまた子供に科学技術という一つの道具を経由してもっともっと夢を持っていただくということの広報的な部分の拡充強化についての大臣のお考えをお伺い申し上げたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 科学技術の振興は、これは国民の理解が背景になければなかなかできないんだろうと思います。我が役所もこのところ衛星の打ち上げに失敗したり、必ずしも思うとおりいっていないところがございます。しかし、国民の血税でやらせていただいているわけでありますから、完璧を期していくというのは心構えとしては必要でありましょうけれども、いろんな科学技術の分野がトップランナーに立たなければならないということになりますと、失敗もあります、それをまた乗り越えていくということも必要であろうと、こう思っております。このためには国民の理解がなきゃいけない、こういうふうに思います。なかんずく、結局科学技術も人でございますから、次に続く若い人たちがこの分野に夢があると思って飛び込んできでくれなければ、科学技術の将来は暗くなると私は思うんです。 それから、この委員会は御専門の方ばかりでいらっしゃいますが、昨今、青少年にいろいろ問題が起こってきて我々も憂慮しているわけであります。いろいろそれは文部省の方でお取り組みをいただいているわけでありますけれども、私の立場からしますと、やはり青少年に、周りは八方ふさがりじゃないんだ、人間の社会にはまだまだやるべきこと、必死になって取り組まなきゃならないフロンティアがあるんだということを一つでも二つでも政治が示していくということが必要じゃないかと私は思っております。科学技術には、土井隆雄宇宙飛行士のことを今おっしゃいましたけれども、土井さんなんかの活動というのは、こういうところにフロンティアがあるんだということを若い人たちに示す力があることだと私は思っております。 実は、これはちょっと委員の御質問を飛び出るかもしれませんが、今度省庁再編で文部省と我が役所が一緒になるという方向が出されておりますけれども、我が役所の持っておりますノウハウと文部省が今まで苦労されてきたことをうまいぐあいにつなぎ合わせますと、そこらはもっと今までよりも進展が期待できるのではないか、これを生かしていきたいというふうに私は思っているわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、いろいろマルチメディア等が発達してきておりますから、地域、家庭にいながら科学技術のいろんなものに触れられるようなバーチャル科学館というようなもの、それから地方公共団体などが先端科学技術体験センターというようなものをやっておりますけれども、そういうものをもっともっと拡充させていかなきゃならない。そういう中で、単に本で読むだけではなくて、若い人たちに参加していただきながら科学技術の魅力を知っていただけるような場が必要ではないか。それから、青少年科学技術の普及推進で、いろんな一線の研究者が出ていって語りかける、あるいは一線の研究所に青少年に来ていただくというような試みもいろいろいたしております。やはり科学技術も冷たいものではなくて、最終的にはそれに取り組む人の熱でございますから、一線の研究者の心意気というか、熱に触れていただくということも私は必要なんではないかと、こう思っているわけなんです。 それから、平成十年度から開始するということでやっておりますのが、科学技術番組のCATVを通じた試験放送、こういうことも考えているわけでありまして、こういう施策を通じて、委員が御指摘になった若い人たちに夢を与えられるようなことを一つでも二つでも工夫をしていきたいと、こう思っております。
○北岡秀二君 ありがとうございます。 この件に関連して、きょうは文部省もおいでいただいていますね。ちょうど今大臣にたまたまそのあたりの総括的な答弁をいただきまして、後先になりましたけれども、ちょっと文部省の取り組みもお伺いします。
○政府委員(辻村哲夫君) 科学技術あるいは理科教育ということは大変重要な教育課題でもございます。 国際比較等をいたしますと、我が国の子供たち、小学生も中学生もそうでございますけれども、大変成績はよろしいわけでございます。一位、二位というような高い成績であるわけでございますけれども、同じ調査の中で、例えば将来科学を使う仕事につきたいかというような問い、あるいは理科が好きですかというような問いにつきましては、必ずしも高くない、むしろ低いと言っていいような状況が率直にございます。私どもこういう点は教育上の問題としても大変重要な問題ではないかというふうに思っております。 そこで、これはいろいろな取り組みを進めなければなりません。ただいま大臣からもいろいろな取り組みの御紹介があったわけでございますけれども、私ども学校教育の中でも、教育の中身をまず楽しいものにする、たくさんのことを覚え込むということではなくて、観察、実験をしたり、あるいは直接自然に触れるというような形の教育というものをふやしていく、そういうことによって興味、関心を高めていくという教育内容上の工夫が大切だろうと思います。それから、指導に当たる先生の指導力の養成ということも大事だと思っておりまして、この面にもさまざまな研修事業をやっているところでございます。それから、理科につきましては実験、実習という物的な条件が整わないといけないということで、理科教育設備の整備充実というような物的条件の充実につきましても努力をいたしているところでございます。こうした内容面、人的な面、あるいは物的な面を総合いたしまして、理科教育の振興のために今後さらに努力をしてまいりたいと思っております。 こうした方向は、次の教育課程の基準を審議しております教育課程審議会におきましても強調されているところでございまして、今も取り組んでおるところでございますが、将来もそういう方向に向けましてさらに努力をしてまいりたいと、こんなふうに考えております。
○北岡秀二君 先ほど谷垣長官がいろいろお話しされた部分、私はまさにそのとおりだろうと思います。文部省からも今答弁いただきましたが、行く行くは科学技術庁と文部省が一緒になるということで、私はこの領域というのは、一つのセクションの科学技術の解明をしていく、ひょっとしたらそれ以上に大事な部分だろうと思いますので、青少年に夢と希望を与え、最近特に理系離れとかそういう現象も起こっておりますので、今後そのあたりをぜひとも強力に推進していただきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○萱野茂君 萱野茂でございます。 先日、この委員会におきまして、谷垣長官には動燃改革につきましての科学技術庁の基本的姿勢についてお聞かせをいただきました。動燃改革法の審議の過程におきまして議論する機会が次にあるものと思いますので、きょうはいわゆる幌延問題につきまして二、三確認させていただきたいと思っております。 そこで幌延問題でありますが、これは政府が、高レベル放射性廃棄物処分に向けての貯蔵工学センターを、北海道の北部、日本海の沿岸にあります幌延町に立地をする計画であることは先刻御承知のとおりであります。この計画は、一九八四年の四月、幌延町が高レベルの放射性廃棄物の貯蔵施設を幌延町へ持ってくるようにと国に誘致をお願いしたことに始まるわけであります。この年の八月には、事業の主体となる動燃が貯蔵工学センターの内容を発表し、さらに翌年の八五年六月には、北海道に対しまして正式に立地のための環境調査を申し入れたのに始まります。 この幌延町の誘致と国の計画に対し、北海道と隣接の市町村の多くが反対を表明し、また道民の多くも反対の運動を始めたのであります。しかし、余りにも唐突なことでありましたが、動燃は八五年の十一月、北海道知事の反対の意思を押し切り、現地に事務所を開設するとともに、一方的に立地のための環境調査を強行いたしました。このことが北海道道民との間に大きな確執を生み、計画そのものも膠着状態のまま既に十四年を経過いたしました。 一方、九五年に就任された堀知事は、国の貯蔵工学センターの計画を白紙に戻すことを国に働きかけることを新たな公約とされました。当選後のこの三年間は国に対してもさまざまな働きかけをされてきたのだと思います。 これに対し科学技術庁は、この二月二十六日、加藤原子力局長が北海道に赴き科学技術庁の意向を正式に伝えたのでありますが、この二月二十六日の動きについて伺っておくのと同時に、加藤局長は、これまでの貯蔵工学センターの計画を取りやめ、深地層試験のみの新たな提案をされたということであります。このことで記者団に対しては白紙撤回ではないと答え、翌二十七日には谷垣長官が、事実上白紙撤回ととらえて構わないと原子力局長の発言を軌道修正する発言をいたしました。 長官の発言をじかに伺ったわけではありませんから正確は期しがたいのですが、私が心配していることの一つは、このような国の一貫性を欠いたあいまいな姿勢、そして不明瞭、不正確な姿勢が行政への新たな不信、新たな疑心暗鬼を深めさせることであると思うのであります。 長官は、衆議院の予算委員会でも北海道の同僚議員の質問にお答えしておりますが、白紙撤回なら白紙撤回と明確にお答えになることこそ今後の原子力行政や動燃改革の第一歩となるものと思いますので、この辺をまず明確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、萱野先生がお話しになりましたように、地元の幌延のこの貯蔵工学センター計画については長い経緯がございまして、いろんなことがあったわけでございます。 去る二月二十六日に、ここにおります加藤原子力局長の名前をもちまして北海道の知事に対して、貯蔵工学センター計画を取りやめて新たな提案として北海道幌延町における深地層試験を早急に推進すること、それからもう一つ、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、廃棄物政策上その必要性に変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分に踏まえて取り組むこと、いろいろ申し入れの文書には書いてございますけれども、この二点が骨子でございます。そういうことを北海道に申し入れをさせていただいた。 それで、今回の申し入れが前の計画を白紙に戻すものであるかどうかということがいろいろと御議論になってまいりました。科学技術庁としては、先ほどおっしゃったような長い経緯を踏まえまして、さきの計画を取りやめるという重い決断をしたところでございますから、これは結果としてさきの計画がなくなった状態にある、こういう意味におきまして、貯蔵工学センター計画を事実上白紙に戻したものだと考えております。 さっき先生が御指摘になりました衆議院の予算委員会では、事実上白紙に戻したものでありますと考えておりますと。その後に私は、考えておりますというと、おまえ一人が考えているのかと言われても困りますので、事実上白紙に戻したものと言い切らせていただきますと、このように御答弁申し上げました。
○萱野茂君 あわせて伺っておきますが、二月二十六日に原子力局長が北海道に対して新たに提案したものとはどのような提案であったのか。仮に、廃棄物の貯蔵計画を取りやめ、深地層の試験のみといたしますと、国のこれまでの原子力利用の長期計画などに照らしてみてどのようになるんでしょうか。 長官は、三月十九日の衆議院予算委員会では、高レベルの放射性廃棄物の処分についても状況が変わっていると申されておりますが、何がどのように変わったのか、その辺もう一度お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 今回の申し入れは、さきの計画を取りやめて、大臣が先ほど御説明しましたように、高レベルの深地層処分場を早急につくりたいということでございます。 それで、どのような理由でこういうような方針を変えたかということでございますけれども、一つは動燃事業団の一連の不祥事がございまして、現在法案の御審議をお願いしているところでございますけれども、その業務、組織を抜本的な改革を行って核燃料サイクル開発機構に改組をす句、そういうことをお願いしているわけでございますが、その機構の非常は大きな主要業務の一つに高レベル廃棄物に関する研究開発というのがございます。 それで、先ほどの深地層試験と申しますのは、そういう高レベルの研究開発をする上で一つのかなめのようなものでございまして、早急にそういうものの試験に入りたいということでございますが、高レベル廃棄物の処分の取り組みにつきましては、特に技術的な側面につきまして昨年の四月には原子力委員会の専門部会で報告書が出ております。 それから、制度的といいますか経済的社会的な側面からにつきましても、やはり原子力委員会の別の懇談会が報告書の案をつくりまして、今国民の皆様方の御意見をいただいて最終的な報告書をつくろうとしているところでございますが、その中におきます高レベル廃棄物の処分に関する取り組みでございますけれども、我が国におきます取り組みは海外の主要国に比べまして十年とか二十年ぐらいおくれているわけでございますので、早急に実施主体をつくるとか、事業主体を確保するということに早急に着手しなきゃいけませんが、あわせて、研究面におきまして先ほど申しました深地層の研究施設が非常に重要なものだということが位置づけられておりまして、その早期実現が必要でございます。 そういうような理由から、さきの貯蔵工学センターの計画を取りやめまして、今回の申し入れとなった次第でございます。
○萱野茂君 貯蔵工学センターについての長官の認識、そして科学技術庁の御認識は白紙撤回ということでありますので、私の方もそのように受けとめさせていただきます。 そこで、この二月二十六日の加藤原子力局長の北海道訪問、これが長官の軌道修正で白紙撤回となりますと、その白紙撤回についての科学技術庁の意思は、北海道庭対しいつどのような形で伝えられるのか。 お聞きするところによりますと、きのう担当課長が北海道に伺ったとのことでありますが、その後の北海道への対応を伺っておきたいと思います。きのう課長が行かれたその様子をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 二月二十六日に北海道へ行きました後の記者会見におきましての私の発言で一部誤解が生じまして、結果としまして北海道初め関係する方々に御迷惑をかけたことについでは申しわけなく思っている次第でございます。 先般、北海道知事より、二月二十六日の私からの申し入れにつきまして、さきの貯蔵工学センター計画を白紙に戻したものであるかどうかという照会の文書が参りました。それが三月二十三日付で参っておりますが、これに対しまして昨日付で、大臣が発言しましたとおり、事実上白紙に戻したものである旨を私の名で回答させていただきました。昨日、それを担当課長が北海道庁に持っていったわけでございます。 なお、二月の申し入れの際に北海道知事から、申し入れの具体的な内容、深地層試験場の方でございますが、今後具体的な内容についで検討したいから詳細な資料等提供をお願いするという話もございまして、我々とじましてはそれ以降・北海道庁に対しまして、その深地層試験についての目的、位置づけなど考え方の資料等を提供している次第でございます。
○萱野茂君 白紙撤回につきましてもう一点だけ伺っておきます。 科学技術庁としまして、幌延の貯蔵工学センターを白紙撤回なり白紙に戻すということでありますが、具体的にはどのような行為を伴うのか、その辺のお考えがありましたら伺っておきます。これは科学技術庁でしょうか、それとも事業主体の動燃でしょうか。 もう一つつけ加えますが、よその国から見て十年とか二十年のおくれというのは、その辺はどのようなこをでありましょうか、お伺いしておきます。
○政府委員(加藤康宏君) まず、白紙に戻すことに伴う具体的な行為ということでございますが、今後北海道におかれまして深地層試験の具体的内容についで検討を進めていただくわけでございますので、当庁といたしましては、先ほど申しましたように、北海道庁に対して必要な資料の提供を行うとともに、地元の方々あるいは北海道の方々とも意見交換を行いまして、理解と信頼を得て、深地層試験、これが早期に実現できるように努力してまいりたいと思っております。また、動燃事業団が現在持っております現地の事務所につきましての話がございますが、それにつきましては動燃事業団の方におきまして、新しい法人への改組ということに合わせまして、地元の情勢を勘案しながら適切に対応していくものと考えている次第でございます。 それから、海外に比べて十年とか二十年おくれているということでございますが、例えば先ほどの深地層の試験場というのがございます。これは今、幌延町につくりたいと我々お願いしているわけでございますが、例えばアメリカですとそういうものの建設が既に約五年ぐらい前に始まっているとか、それからスウェーデンとかそういうところにおきましても七、八年前にはそういう建設が始まっている。早いところですと、ドイツでは十年以上前に始まっているわけでございまして、そういう深地層の研究所の建設自身でそれぐらいのおくれが多少あるわけでございます。 また、高レベルの対策ということで、後世の人に負担を与えないということで事業費を積み立てていく、現在原子力発電で利益を受けている方々が将来必要な資金を積み立てていく、そういうことがございまして、そういう事業資金の確保につきましても、早いところでは二十年近く前からそういう資金をためていく、そういうような制度が始まっているわけでございますので、そういう意味で十年、二十年ぐらいおくれているということでございます。 我々といたしましては、高レベル対策につきましては研究面も制度面もこれから加速していきたいと考えている次第でございます。
○萱野茂君 深層、つまり深い深いところで云々ということなんですが、その調査というか、そのことについても北海道道民、そして地域住民の同意を得てからとか、そういうあたりはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) まさしくその点につきまして北海道知事にお願いしたわけでございまして、ぜひ御理解いただいて、そしてその試験を始めたいということでございます。北海道の方ではそのためにいろんな方々の御意見を聞きながら意見を集約されて、また我々にいいか悪いかの御返事があるかと考える次第でございます。
○参考人(坪谷隆夫君) 動燃事業団の坪谷でございます。 ただいまの御質問につきまして、私どもといたしまして、去る二月二十七日でございますが、原子力委員会にこの新しい申し入れに関連いたしまして御報告をいたしました。また、引き続き今後も適宜原子力委員会に御報告、御説明をしていく所存でございます。 また、ただいまの申し入れの趣旨に沿いまして、特に今先生御指摘の、地元及び北海道の御意向、御意見を伺いながら、深地層試験の目的、位置づけ、あるいは深地層試験め内容、施設計画などにつきまして具体的な構想として取りまとめて、設置が予定されております新しい法人にその構想を引き継いでいくという考え方でございます。現在その作業を進めているところでございます。
○萱野茂君 何はともあれ、十何年前のことを思い起こすと、夜陰に紛れていろんなことをした、そもそもそういう第一のボタンのかけ違いがこのようなことになったということをしみじみ考えると、北海道道民としてこのことだけはぜひ、地域住民そして道の意見を十分に聞き取った上、双方納得の上でやってほしいと思います。 終わります。
○松あきら君 私は、本日は宇宙開発の問題についてお尋ねをいたします。 HⅡロケットの打ち上げが失敗をいたしました。まず三月六日の宇宙開発委員会の臨時会では宇宙開発事業団の相次ぐトラブルに厳しいやりとりがあったという報道がございます。「かけはし」の事故原因調査について、宇宙技術は地上の機器より一けた上の信頼性が求められるはずだが、事業団にはそういった認識が感じられないという意見が委員から多数聞こえてきたという話も聞いております。 品質管理や検査などのずさんがあったのではないか、あるいは責任体制がはっきりしていないのではないか、人材育成などの環境整備など、動燃の問題のときと同じような体質問題というのを私は感じるんですね。とにかく特定の大企業ばかりが取り巻いていて非常に閉鎖的である、宇宙開発事業団は動燃と同じく閉鎖的で、しかも大きくなり過ぎて人材などの環境がついていかれないんじゃないかと。宇宙の商業化を急ぐ前に、今こそ事業団そのものの開発体制を至急見直すべきであるというふうに私は思いますけれども、長官のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の衛星ロケットの打ち上げ、静止軌道に投入するのを失敗したというのはまことに遺憾な事故でございまして、今原因究明作業を進めているところでありますが、大分問題点が洗い出されつつございますけれども、現時点でまだ事故原因の特定には至っておりません。 私は、この事故原因究明に当たりまして考え方として、まずどういうところが今回の失敗を生んだ原因なのか、これを徹底的に解明せよと、そのことが解明できなければ、これを改善して乗り越えていく上でこうするということが出てこないではないか、まずそれを徹底的にやるようにと、こういう指示をしております。そこができる前に余り問題を拡散させてしまいますと、かえって議論が多岐にわたり過ぎるのではないかという不安感を実は私は持っております。 さはさりながら、今、松議員が御指摘になりましたように、平成六年のきく六号事故以降、宇宙開発事業団では衛星ロケットについてトラブルが続いていることも厳然とした事実でございます。それぞれのトラブルはそれぞれ技術的な原因があったわけでありますけれども、その原因のほかに何か共通の問題があるのかないのかという御指摘、今もいただきましたけれども、そういう指摘があることも事実であります。私自身、そのようなことも視野に置かなければいけないということを考えまして、三月六日に開かれました宇宙開発委員会臨時会では、まず今の技術的な原因の究明に全力を挙げよう、しかしそれと同時に、視野を広げて、今のような開発体制やもう少し幅広い原因究明も並行して進めるように、こういうことを私から問題提起をしたところでございます。 したがいまして、松議員のお尋ねでございますが、開発体制のどこそこに問題があったということを私からお答えをする時期にはまだ来ていない、今その技術的な失敗の原因がどこにあったのかを徹底的にまず洗い出している段階であると、今の段階では御答弁をさせていただきたいと思います。 いずれにせよ、事故原因の究明を徹底的に行いまして、その結果も見きわめながら、開発体制といった技術的な問題以外の原因の有無についても検討をきちっと行わなければならないと思っております。
○松あきら君 今の長官のお話を伺いますと、この指摘事項というのを私もきのうペーパーをいただいたんですけれども、事業団としての発見は困難だったんでしょうか。このペーパーを見ますと、ちょっと考えただけでもわかりそうな感じなんです。ろうづけの部分がこういう振動ではがれてしまったというような、こんな簡単なことではないんでしょうけれども、これは簡単に説明をしてこういうのをくださったんでしょうけれども、こういうことが全く発見困難だったんであろうかと非常に不思議に思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(青江茂君) お答え申し上げます。 今先生の御指摘は、この三月三十一日の段階でもちまして宇宙開発委員会の技術評価部会に、宇宙開発事業団の方から原因解明作業の一過程におきましてわかりましたことが報告をされた。 その際の報告におきまして、今般の原因の可能性としてこういったことが考えられるじゃないかという報告があったわけでございますが、具体的な内容を申しますと、いわゆる宇宙に飛ばしますフライトモデルにつきましては事前に三回の燃焼試験を行います。四十秒、百秒、百秒、こう三回の燃焼試験を行いますが、その二回目の燃焼試験の中におきまして低圧におきましての燃焼というものが生じた。その低圧燃焼というのが、今先生御指摘になりました、ろうづけ部におきましての亀裂というものを生ぜしめたんじゃないか、そういう力が働いたんではなかろうかという解析の結果というのが報告をされたところでございます。 そういったことが飛ばします前に何で見つからないんだ、こういうことでございますけれども、その低圧の燃焼が起きました後、これは異常な事態でございますので、非常に念入りに再検査をしてございます。通常の検査に加えまして特別の点検というものをやってございまして、その過程におきましてもいろんな検査をやりまして出てきておりませんで、その後、その百秒、百秒という通常の燃焼試験をやりまして、それで十分な性能が出ておるということで合格を出したということでもちまして、その過程におきましての亀裂というものにつきまして見つけることというのは現実問題としてはなかなか困難という技術的な状況にはございます。
○松あきら君 宇宙開発事業団というのは一体どんな事業をしているんでしょうか。 HⅡロケットのエンジンのメーカーは三菱重工業と石川島播磨重工業で、衛星部分は三菱電機、NEC、東芝ということでございます。事業団は開発、設計、打ち上げをしているということだそうでございますけれども、衛星をつくったりロケットをつくったりということではないわけですね。しかも、実用衛星ではなくて試験研究衛星をやっている。そして、主要な部分はほとんど外部に任せているというのが実情だと思います。ロケットの技術、衛星の技術はどうしてもメーカー主導にならざるを得ないんではないかと思います。しかも、これらのメーカーを技術的に指導するその技術者というのはそんなにたくさんいるとは思えないわけです。今回の事故も、原因解明が難しくて、結局これは飛ばしてみなきゃわからないという不可抗力になってしまうのかなということは非常に残念であると私は思うわけでございます。 事業団設立当時の技術系職員一人当たりの事業予算は五千万円程度だったというふうに聞いておりますけれども、九七年度では二億円規模に膨れ上がっているとも言われております。さらに、企業にとって、技術者がコスト、納期、品質、製品の信頼性に対する厳しさを肌で知るということが最も大事なことであるというふうに思います。企業にとって製品の信頼性のトラブルというのは命取りになりかねないわけでございます。 宇宙という特殊環境下で使う部品の信頼性を保つには徹底した品質管理が求められているわけでございます。しかし、宇宙開発事業団が契約先に求める要求事項が二つあるというんですね。それを一本化すべきだとかいろいろ意見があるそうでございますけれども、その一つは信頼性プログラム標準というもの、これは製品の設計段階に重点を置く信頼性プログラム標準と、製造段階に重点を置く品質保証プログラム標準というのがあって、どっちにすべきかというのがいまだに議論が続いていると言われるんですね。いまだにこんな議論をしていていいのかなと思うんですけれども、まず、これをどういうふうに思うのか、どう考えられるのか、いかがでございましょうか。
○政府委員(青江茂君) 幾つかの御指摘をいただいたわけでございますが、最後の、信頼性管理の一つの仕組みでございますけれども、宇宙開発事業団におきましての信頼性確保の仕組みにつきましては、これはNASAの仕組みというものを導入いたしまして、宇宙開発事業団でそれをこなしましてやっておる仕組みでございます。一方、近時、御案内のとおり、ISOという信頼性管理の、これは大量生産工場の一種の信頼性管理の仕組みでございますけれども、そういったものが非常に成長してきておるという状況下におきまして、そのISOの仕組みというものを宇宙開発事業団に導入するのはいかがだろうかというふうな議論があるわけでございます。 しかしながら、宇宙開発事業団といいますのは、一番最初に御指摘ございましたけれども、いわゆる開発物を担当してございますので、言ってみれば一品生産、そういったところにそういうものを入れていくのがいいのかどうなのかというのは、これはなかなか非常に判断の難しいところでございまして、その辺の議論を今やっておるところでございます。 ただ、念のため申し添えさせていただきますれば、三月六日の段階で宇宙開発委員会委員の方から、そういう信頼性確保は本当にできでおるのかという厳しい指摘があったのも事案でございますけれども、今の宇宙開発事業団におきましての信頼性の確保の仕組み、NASAから導入いたしましたその仕組みというものはかなり定着してきておるという実態にはあるということだけはちょっと念のために申し添えさせていただきたいと存じます。
○松あきら君 日本の打ち上げのコストは一体幾らなんでしょうか。そしてまた中国、アメリカ、ロシア、欧州など外国は一体幾らなのか。 そして、ロケット部分と衛星部分の製造費用はそれぞれ幾らなんでしょうか。
○政府委員(青江茂君) 今使ってございます主力ロケットでございますHⅡロケットの打ち上げコストにつきましては、一機大体百九十五億程度というふうに言われでございます。欧州それから米国の方のそのあたりの状況でございますけれども、欧州の主力ロケットのアリアン4の値段につきましては八十数億から百二、三十億、こういったところでございます。今申し上げてございますのは、いずれも二トン程度のペイロードを静止軌道に打ち上げるためのコストでございます。米国におきましては大体オーダー的には百億前後、こういったところにあろうかというふうに聞いております。
○松あきら君 今ちょっと伺っただけでも、日本で飛ばすよりも外国で安く飛ばしていただいた方が、打ち上げていただいた方がいいのじゃないかと思うんですけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの松先生の御質問は、まことに一つのこの問題の核心にあるお問いかけだろうと私は思っております。それで、今HⅡAロケットというのを開発しておりまして、再来年に打ち上げることになっておりますが、これはコストダウンを図りまして、今局長が御答弁をいたしました欧州のアリアン4とほぼ同額の打ち上げ費用で打ち上がるというめどが立っております。 しからばなぜ今までは倍近くかかって今度は半額になるのかということになりますと、これは要するに、部品等いろいろなもので日本で必ずしも生産する必要のないもの、海外で生産して安いコストで調達できるもの、こういうものを利用いたしますと半額になるわけであります。 では、なぜ今までそれをしなかったのかということになりますと、日本のロケット開発の歴史にもかかわってくるわけでありますけれども、最初はアメリカからロケットを言うなれば提供されまして、肝心な部分はブラックボックスに入ったような中で開発を進めできて、何とか国産でそういうものをつくり上げる技術が確立てきないかということで技術者が頑張ってきたという経緯がございます。 要するに、全く自前で技術を確立していく過程では、大量生産に頼るわけにもいきませんし、コストがかかったということは事実でございます。ようやくそういうところの技術の蓄積ができできて、全体の回ケット体系というものにも日本として一つのまとまったものが出てきた、ここまで来れば海外の安い部品を調達しても今後の宇宙開発にきちっと我々としての技術的自信を持って臨めるという段階に参りましたので、HⅡAロケットが半額になるということが可能になってきた。そのあたりのことは今まで経費がかかってきたと。確かにその点我々は謙虚に受けとめなければならないのですが、そういう国産技術で新しい技術体系を立ち上げていくときの問題もあったということを御理解いただきたいと思っております。
○松あきら君 やはり宇宙開発にはたくさんの資金がかかるわけでございます。国際宇宙ステーションの建設費用は総額四兆円かかると見積もられております。日本の実験棟の建設にも約三千億円が必要だと聞いておりますけれども、今、日本は緊縮予算でございますけれども、宇宙予算だけは右肩上がりであると。 いずれにいたしましても、HⅡロケットの打ち上げ失敗で開発費用の六百八十五億円が水泡に帰すというわけでございます。この六百八十五億円というのは今後どうなるんでしょうか。研究開発には失敗はつきものなのでございますけれども、六百八十五億というのは大きな金額でございます。これはどういうふうに回収されるおつもりなのでしょうか。あるいはこの失敗はだれがどういうふうにとるんでしょうか。衛星は通信総合研究所と四百六十億円かけてつくったようでございますけれども、これが使えなくなるとすると、通信総合研究所がかけた費用というのはどう処理されるのでしょうか、手短によろしくお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘のように巨額な予算を使って打ち上げているわけでありますから、一回一回の打ち上げというものは万全を期してやらなければならない。その意味で、今回の打ち上げ失敗の結果はまことに残念なことで、申しわけないと思っているわけでございます。 ただ他方、一回一回の生産でございますから、初期故障みたいなものは余り考えるわけにはいかないというリスクが伴うということも、これは率直に申し上げなければならないわけであります。 したがって、今回の失敗については、一つは先ほど御指摘のように、原因究明を徹底的に行って次の技術開発に生かしていく。変な言い方になりますけれども、転んでもただでは起きないぞというのがやっぱり一番必要な点ではないかと思っております。それと同時に、この「かけはし」衛星につきましては、静止軌道に投入するということは無理なわけでありますが、今できるだけ軌道を高く変更して、可能な実験を実施するように努めでいるところであります。 一般に宇宙開発というものは、リスクも大きいし資金規模も大きい、成果の発現までに長期間を要するわけでありますから、これはいずれも推進主体は国が行ってきた、日本だけではなく国が行ってきたということでございます。 今、どう還元するんだとお問いかけでございます。我々もそこが一番実は悩んでいるわけでございますけれども、今のような形で、そしてその技術を蓄積していく、そしてそのことを社会に還元していくということではないかと思っております。
○松あきら君 いろいろ御苦労なさっているようでございますけれども、きょうは予算の委嘱審査でございますので。 今、御存じのように、日本はいろんな努力にもかかわらず、株価はきょうも一万五千七百五円ということでございまして、過日、山崎政調会長が四月一日に一万八千円云々なんておっしゃいましたけれども、新聞によりますと、あれは早目のエープリルフールだったんじゃないかなんというふうな記事も載っておりました。いずれにしても今、日本の経済はアジアの経済とともに停滞しているという現状でございます。 その日本の経済の青息吐息をしり目に、アメリカは非常にいい状態である。株価も最高値といったような状態でございますけれども、シティバンクなどでもドル預金をするためには二時間も並ぶそうなんです。それだけ、はやっている。日本の銀行は大変ですけれども、アメリカの銀行は非常に好調のようでございます。やはり円安がこれ以上進んでは困るという思いがいたします。 バブルの時代に国鉄の土地を売り損なって、今は二十五兆円にもなる債務を残すことになっております。御存じのように、今アメリカは好況。円も安い。どうでしょう、長官、こういうときだからこそ、アメリカの財務省証券、例の米国債を売ったらどうでしょうか、また景気がよくなったら買い戻せばいいわけで。九七年六月ですか、総理がアメリカで何かこういう発言をなさってちょっと波乱がありましたけれども、今こそ私は売るタイミングじゃないかと。そうすればHⅡロケットのマイナス分ぐらい十分回収できる、こういうふうに思うんです。今、長官がここで云々できる問題じゃないですけれども、そういうことを総理に進言なさるのはいかがでございましょうか。これを最後の質問とさせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 松先生の御質問の中に私の答弁も用意されているような御質問でございましたけれども、私として米国債を売却すればよいかどうかというようなことを御答弁申し上げる立場にはございませんで、あれは外貨準備として持っているわけでございますから、その立場から運用していただくということであろうと思います。 今、私の立場で申し上げられるのは、先ほどの繰り返しになりますが、事故の原因究明を徹底的に行って、その成果をこれからの開発に反映させていくということを申し上げて、御答弁にかえさせていただきたいと思います。
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。 きょう私は、時間も十九分という短い時間でもございますので、ただ一点、いわゆる環境ホルモンの問題についてお尋ねいたしたいと思います。 今、いわゆる環境ホルモン、「いわゆる」と申し上げましたけれども、これは総理が施政方針演説の中で、いわゆる環境ホルモンなど人の健康と自然環境を脅かす問題に精力的に取り組むということを表明されておりますので、あえて総理の言葉を引用していわゆる環境ホルモンと申し上げたんですが、日本で環境ホルモンの問題が認識されるようになりましたのはようやく昨年の後半ごろからと言われておりますから、まだ比較的新しいテーマなんです。 そこで、長官へそもそも環境ホルモンとは何かということ、もうそろそろ「いわゆる」と言わなくて済むようなはっきりした規定をしなければ今後の研究体制等の整備にも影響があるんじゃないかと思いますが、そもそも環境ホルモンとは何かということについて長官にお伺いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 「いわゆる」の「いわゆる」とは何ぞやと、こういう御趣旨だろうと思いますが、研究を推し進めていくに当たってまずきちっと用語の問題を定義しようという御趣旨は、私も全く賛成でございます。 それで、環境ホルモンあるいはいわゆる環境ホルモンと言われているのは、通称というか、そういう感じが強いのではないか。私は御質問に準備してちょっと勉強しましたら、学術的には内分泌攪乱物質、こういうふうに言われているようでございます。 それで、この内分泌攪乱物質というのは何かということになりますが、環境中に存在するある種の化学物質で、微量であってもそれを体内に取り込んだ人や生物において、生殖や発生などにかかわる体内のホルモンと類似の作用を持つ、そして正常なホルモンの作用に悪影響を及ぼす可能性があるものである、こういうふうに学術的に定義をされているようでございます。 近年、先生御指摘になりましたように、生物界の異常現象がいろいろ報告されて、人の精子が減ってしまったり、あるいは雄の魚が大量に雌になってしまう、これは内分泌攪乱物質が原因となっていると言われているわけでございまして、現在、有機すず化合物あるいはDDT、六十七種の化学物質が内分泌撹乱物質と言われているというふうに聞いております。
○上山和人君 実は、きのう日経新聞が社説でこの問題を取り上げております。今の長官の御答弁のように、日経の社説はこんなふうに規定をしております。もう少し詳しく書いているのは、環境ホルモンは外因性内分泌攪乱化学物質、これが正式名称だというふうに言っています。そして、環境の中にあってホルモンの働きを乱す化学物質、こういうふうに規定をしております。 これは今の長官の御答弁の内容と同じですか一ら、ただ言葉の使い方が少し違うということはありますけれども、長官の御答弁のように、私たちもやっぱりこれから共通のきちんとした規定に基づいてこの問題に対応しなければいけないのではないかと思うところでございます。 そこで、昨年後半から環境ホルモン問題が社会的にもようやく我が国でも認識されるようになった。これまで特に科学技術庁においてこの問題の研究を続けてこられたと思いますけれども、その現状。とりわけ、例えば環境ホルモンと指摘されている物質、今までの科学技術庁における研究の中でどういう物質が具体的には考えられると整理されているのかということが一つ。 同じように、環境ホルモンの影響について、今も少し答弁の中でおっしゃいましたけれども、今までの研究結果からそういうものをもう少し簡潔に御説明いただいたら、なお私は国民の皆さんの理解も深まると思うんですが、長官、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 具体的な今までの取り組み等については局長から答弁を申し上げますが、先ほど六十七種類ということを申し上げたわけでありますが、率直に申し上げて、これまでの科学的知見は部分的なものでございます。 それで、私としては、まずこれらの物質の生態への影響のメカニズムを解明して、それから生物への影響の実態の調査等を直ちに行う、それから国民の健康、生活に対するリスクをそういうことで明らかにしていくということが大事ではないかと思います。 それと同時に、内分泌撹乱物質に関する研究は、こういった物質が非常に多岐にわたっておりまして、多様な場面で発生するもののようでございまして、科学的あるいは生物学的、医学的といった多様な研究が必要であるというふうに考えられますので、広範な分野の研究機関の協力がやはり必要だ、それをきちっとやっていかなきゃならないということであろうと思います。今、科学技術振興調整費でつけてこれをやらせるようにしておりますが、関係省庁との連携を大切にしてやってまいりたい、このように考えております。
○政府委員(青江茂君) これまでのいわゆる環境ホルモンというものに対しましての科学技術庁自体の取り組みにつきましては、一つはダイオキシンにつきまして、いわゆる計測技術の開発でございますとか、それが体内に取り込まれた際のメカニズムの解明、こういった研究というものを進めてきてございます。 いわゆる環境ホルモンそのものを総体的にとらまえましての研究ということになりますと、今、大臣の方からちょっと触れさせていただきましたけれども、今般、この年度が始まりましての新たな取り組みでございますけれども、科学技術振興調整費というものを活用いたしまして、関係機関三十機関ほどの研究能力というものを結集いたしまして、具体的にはまず、計測評価といいましょうか、そういった側面についての研究、それからいわゆる生物界におきましての実態解明、実態がどうなっているのかという疫学的な調査、こういったものをさらに詳細に進めるといったこと、それから体内に取り込まれた際の体内におきましてのまさにメカニズムというものの研究、こういった三本立てにいたしましての研究というものを早急に立ち上げようというところでもって準備を進めておる、こういう段階にございます。
○上山和人君 関連して、環境庁の今日の経過と現状について少し御報告いただけますか。
○説明員(吉田徳久君) 御質問の環境ホルモンの問題でございますが、環境庁におきましては、環境保全上この問題は非常に重要な問題というふうに認識をいたしております。 昨年の三月に専門家から成る研究班を設置いたしまして、現段階における内外の科学的な文献をレビューいたしました。またあわせで、今後の環境庁としての取り組むべき調査研究のあり方についても検討いたしました。その結果が昨年の七月に中間報告書として取りまとめられ、公表されておるところでございます。ただ、御指摘のように、今この問題は非常に重要であると思っておりますが、科学的にはまだまだ不明な点が多く残されております。 今お話し申し上げました中間報告書でも、今後の課題として、野生生物や人への影響などの実態調査を進める必要があるということ、あるいは作用メカニズムの解明を一層進める必要があるということ、あるいは内外にわたる研究情報の交換を促進することが必要であるといった点が指摘されております。私どもこれを踏まえまして、引き続きこの研究班におきまして、環境庁が今後取り組むべき調査研究計画の具体化を現在急いでおるところでございます。 平成十年度から、国際的に協調しながら総合的な調査研究に着手することといたしております。これらの調査研究の実施に当たりましては、当然各省との連携も密にして進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 また、さらに加えさせていただきますと、こうした調査研究を実施しながら、得られた成果につきましては国民の方々に的確に情報を提供し、人の健康影響や生態への影響を未然に防止する観点から必要な対応についても検討を深めていきたい、かように考えております。
○上山和人君 科学技術庁と環境庁の今までの研究経過、そして現状、これからの構想についても少々御答弁をいただきました。 そこで、予算案の委嘱審査でございますが、伝えられるところによりますと、既に総合経済対策が十六兆とかいろいろ言われております。そういう今後の具体的な対策の中で、これは予算的にもかなり整理をして、総合対策の目玉としていろいろこの環境ホルモン問題の研究体制の整備について検討されていることもお聞きしておりますけれども、これはこの報道のとおりなのか。 あるいは、今は当初予算案の審議ですけれども、ここはもう余りそういうことにこだわらないで、これからどうするかということは、特に一番環境ホルモンの問題で懸念されますのは生殖機能への影響の問題でございますから、生殖機能に大きな障害をもたらすようなものは、何といってもまさに種の存続の基本の問題にかかわりますから、まだ明確な研究結果といいますか調査結果というものは定かに評価されるようなものにはなっていないようではございますけれども、生殖機能を侵すおそれのある問題としては大変深刻な問題だと思うだけに、もっと計画的なしっかりした研究体制の整備が必要ではないかと思うんですが、今後の構想についでできるだけ具体的に御用意があればお答えいただきたい。
○政府委員(青江茂君) 当面、まずは先ほど触れました科学技術振興調整費でもちまして研究を進めていくと。これは本年度の予算措置といたしまして年間大体三億弱というお金を予定してございまして、こういったものにつきましての研究の取り組みの額といたしましてはかなりな額であろうかというふうにも思うわけでございます。 先生ちょっとおっしゃいました、今後研究体制をもう少し抜本的に整備するかどうなのかということにつきましてでございますけれども、先生も御指摘になられましたとおり、いわゆる環境ホルモンの問題というのは極めて多様に存在し、かう生物界におきましての存在の状況といいますものも非常に区々分かれでおるというふうな状況でもあるわけでございますので、その辺を勘案してまいりますと、もち屋はもち屋と申しましょうか、ポテンシャルを持っている関係機関というのはまた多様に存してございます。 したがいまして、今時点まずやることと申しますのは、一カ所に何か大きな研究拠点をつくるというよりは、その持っている既存のポテンシャルというものを有機的に結びつけて研究をアクセレレートしていくというのが一番効果的な方途ではないかなというふうに思ってございまして、振興調整費もそういう観点から発動いたしたということでございます。 今後、そういう研究の進展と相まちまして、さらに全日本的な研究のネットワークといったふうなことの構築というものも考えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○上山和人君 今お答えになりましたのは、今の予算案の中で計画をされている環境ホルモンの影響に対する研究の問題、特に三年計画で大体二億から三億円程度の予算措置をして進めるという構想だと思うんです。 先ほど申し上げたのは、率直に申し上げて、総合対策がいろいろ論議をされている、そこでは例えば国立環境研究所に専門の研究施設を建てて国内外の研究者の共同研究拠点にするとか、もう少し大きな構想が既に検討されているんじゃないか、これは私たちは期待しているんですけれども、そのことについて、今は予算案の審議だから言えないということでお答えになれませんか。あったらやっぱりちゃんとはっきりしてほしいと思います。
○説明員(吉田徳久君) 御指摘の総合経済対策の中でこの環境ホルモン問題をどうプレーアップしていくべきか、重視していくべきかというお話でございますけれども、いかんせん補正予算の枠組み自体がまだ性格づけがなされておりません。環境ホルモン問題に関連する予算要求が果たしてそれになじむものなの仰ぐあるいはどのような形であれはなじむものであるのか、まだ私ども事務方としては判断ができない段階にございます。 したがって、私ども環境庁としては、現在御審議いただいている十年度予算の中で最大限の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○上山和人君 なかなかその域を出ないように思いますが、やっぱり一つは、これからの研究体制を整備していただく観点で、この問題は各省庁にまたがる問題にもなりますから、何も科学技術庁と環境庁だけの問題に限らない問題でございますから、やっぱり政府が一体になって取り組めるような体制にすべきだと思います。そういう観点が一つ今後の研究体制を整備する上では大事になるんじゃないでしょうか。 もう一つは、これは国際的にお互いの情報交換、研究成果の交流をしながら進めていく側面が非常に重要になる問題ではないか。特に日本はおくれでいると言われている。外国はこの研究は大変進んでいる。そういう状況で、おくれた日本がむしろイニシアチブをとりながら、今度は我が国が率先して国際的に提唱しながら、そういう各国との情報交換、研究成果の交流をしながら国際的に進めていくという体制がもう一つのまた重要な観点ではないかと思います。 ぜひそういう二つの観点を押さえながら、もう財政面のことは言いませんけれども、大変重要な種の存続の基本にかかわるおそれのある問題であるとすればなお極めて深刻な問題になりますから、一層の御努力をお願い申し上げまして、一言両長官と環境庁から御答弁をいただいて、質問を終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も補正等に関連してお答えする準備がございませんが、委員が御指摘になった、政府間でばらばらでやるのではなしによく連携を保ってやれという御指摘と、それから国際的な連携を十分にとれという御指摘はそのとおりだと思います。工夫をさせていただきたいと思っております。
○説明員(吉田徳久君) 環境庁といたしましても、米国、イギリスなどこの分野で先駆け的な役割を果たしてまいりました国々とネットワークを張りながら、場合によっては国際共同研究というものの構築も考えながら今後調査研究に努めていきたいと思っております。
○阿部幸代君 極めて基本的な問題について幾つか質問したいと思います。 初めに伺いたいのは、産業の空洞化と科学技術振興策の関係についてです。 もちろん私は科学技術の研究開発が最終的には経済社会を潤す原動力になるということについてよくわかりますし、否定するものではありません。しかし、見落としてならないのは、経済には経済の独自の発展法則、つまり利潤追求ということです、こういうことがありますし、科学技術の研究開発にもやはり独自の発展法則、つまり真理探求ということだと思いますが、こういうことがあるということだと思います。 ですから、本来、産業の空洞化対策というのは、経済政策として独自に対策が立てられないとならないし、そうでないと、科学技術の研究開発さえしていたら産業の空洞化が回避できるような幻想を与えることになりかねません。これは大変危険なことだというふうに思うんです。空洞化の方は速度が速いと思います。科学技術の研究開発の方は、これはどちらかというと時間がかかるのが普通だと思います。逆の言い方をしますと、科学技術の研究開発を空洞化対策に直結、従属させると、いわば近視眼的な利潤追求に奉仕して、それになじまない負の部分等が置き去りにされ、結果として中長期的な新産業、新企業育成が阻害されていくというふうになっていってしまうんだというふうに思うんです。 極めて基本的な政策上の観点なんですけれども、産業の空洞化と科学技術振興策の関係についてどのようにお考えになるか伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、阿部委員が御指摘になるように、科学技術という薬をつけたら直ちに産業空洞化やあるいは新規産業育成がぱっとできるというようなものではないだろうと私も思います。科学技術の育成ということはやはり長期的な視野で考えていかなければならないということがあるんだろうと私も思っております。 ただ、今、経済は利潤を追求し、科学技術は真理を追求する、こう大きく分けておっしゃいました。もちろんそれはそれで間違いはないと思いますけれども、科学技術という言葉の定義の問題にも関連してくると思いますが、要するに真理にばかり奉仕しているわけでは必ずしもないのでありまして、技術というのはやはりよき役割を果たすものでなければ、科学は真理かもしれませんが、技術はやはりよき役割を果たすものであることを求められているのではないかなというふうに私は思っております。 したがいまして、経済のグローバル化が進展したり、企業が立地する国を選ぶという国際的な大競争時代が本格化している中では、産業や雇用の空洞化に何とか対応して良質な雇用機会をつくるという努力もまた技術の方からしなければならないんじゃないかというふうに私は思っております。だから、既存産業の高付加価値化といったような質的転換を図っていく、そういう中で新規産業の創出等に向けて経済構造の転換を促すような取り組みも必要なのではないか。先ほどからほかの委員の御答弁でも申し上げておりますけれども、そういう科学技術をやっていくことが経済構造改革に寄与するのではないかな、こういうふうに思っております。 ただ、こういう研究開発を進めていく場合には、既存産業の空洞化の克服のためにその高度化を目指していくような場合と、あるいは新規産業の創出を目指して行われるような場合では研究開発の対象とか目標とか方法といったものが異なるものがあるだろうと思います。ですから、それぞれに最もふさわしい手法、研究開発のあり方というのを工夫していく必要があるのではないかな、こう思っております。たびたび引用をいたしておりますけれども、科学技術基本計画におきましても社会的、経済的ニーズに合った研究開発ということを言っておりまして、それはそれぞれの対象に応じた工夫が必要ではないかと思います。 私どもとしては、そういう成果を上げたら、それらの成果を積極的に民間に移転していくということが必要なのではないか、こう考えております。
○阿部幸代君 行政の総合的な視点として、産業空洞化対策というのはやはり独自に立てることを忘れてはならないし、また科学技術の振興というのも、真理探求という側面、これを忘れてはならないということだというふうに思っています。 例えば、最近、遺伝子組みかえ食品に特に女性とか消費者が大きな関心を寄せています。私も関心があるんですけれども、安全性とかあるいは自然の生態系が破壊されるのではないかとか、こういうことへの不安が大きくなっているわけです。 遺伝子組みかえの技術というのは急速に産業化されました。トウモロコシ、トマト、バレイショ、大豆、綿などが環境放出実験、外での実験ですね、実際にもう外で栽培されるわけです、が認可された遺伝子組みかえ作物ですが、実は農薬企業が軒並み開発に携わっていて、除草剤や害虫に強い品種の開発が圧倒的に先行しているわけです。これらは、除草剤に耐性を持つ遺伝子を土壌微生物から組み込んだり、あるいは殺虫力のあるたんぱく質を生成する土壌微生物の遺伝子を組み込んだりしてつくられた作物です。安全性の研究とか長い目で見た有用性の研究、こういうものが求められているんだと思うんです。この有用性というのもなかなか関心があるんですけれども、結局、農薬の多国籍企業がかかわっていますから、特定の農薬に強い、あるいは特定の害虫に強い、そういう品種が広く栽培されていくことになるわけですね。 そうすると、長い目で見たときに、もし特定の農薬、特定の品種に強いというその力がだめになったとき、そういったことは起こり得ますね、自然の体系の中で。そのときには有用性というものも一気に失われていくわけですね。そういう意味でも安全性の研究、長い目で見た有用性の研究が求められているんだというふうに思うんです。つまり、私が言いたいのは、新産業創出の負の部分の研究、これが伴われなければならないということです。それをやるのが国立の試験研究機関の大事な仕事だというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったことも大事な研究テーマの一つであると私は思います。 それで、国立試験研究機関でどういうことに取り組むべきかということになってくるわけでありますけれども、いろんな国立試験研究機関がありまして、それぞれ設置目的もあり、研究対象も異なるわけでありますけれども、基本的な国立試験研究機関の役割は、社会的、経済的ニーズの変化に対応していくことも必要であり、そして先見性を持つことも必要であると思うんですが、国立研究機関がやらなきゃならない分野というのが幾つかありまして、国民の安全の確保とか公共の福祉など市場原理になじまない分野、それから食糧、エネルギーなどの資源確保等、政策の遂行上必要な分野のための研究、こういうのはやはり必要だろうと思います。 それからもう一つ、高リスク、高負担の研究、民間の研究開発力を向上させていってもちょっと民間じゃ対応しがたいんじゃないかというような分野もあろうかと思います。それから、新たな技術のシーズの創出を目指した研究とか。技術的課題の解決のために基礎に立ち返った研究というような基礎的な先導的な研究、こういうようなことも必要であろうと思うんですね。 もうちょっと今の中で具体的に申しますと、研究開発活動の安定的、効率的な推進を図る上で必要な標準とか遺伝子資源とか研究用材料等の整備、蓄積、こういった知的基盤の整備に関するもの、やっぱりこれは国立試験研究機関がやるべきじゃないか。それから、地震発生メカニズムの解明といったような防災科学技術研究所でやっているような研究ですね。 それから、さらに高いリスク、高負担のものの例としましては、次世代超音速機技術の研究開発、これは航空宇宙技術研究所でやっております。それかる、新世紀構造材料、超鉄鋼材料の研究開発の推進、これは金属材料技術研究所でやっているわけでありますけれども、そういったようなものが国立試験研究機関の先ほど申し上げたような役割にかなう研究の一つの例だと思っております。 今私が御答弁できることは以上でございます。
○阿部幸代君 次に、研究予算の重点化とかあるいは競争的資金の配分ということに関して質問したいんですけれども、朝日新聞紙上に大変興味深い紙上討論というか紙上対談が載っていました。テーマは地震研究です。 日本の地震予知計画がスタートして三十三年になるそうですが、東大理学部助教授のロバート・ゲラーさんによりますと、日本の地震研究の予算はアメリカより多いのに、日本の地震学の研究レベルはおくれている。つまり、地震予知にばかり予算をつぎ込んできたからだという指摘をしているんです。研究上また研究体制上大変なゆがみが生じているといいます。例えば、観測網が予知のために存在するので観測網が国内だけに限られている、これは問題だと言っています。あるいは、地震学者が社会に貢献できる分野はたくさんあって、例えばどこの地盤が揺れやすいかという予測とか、あるいは建物をどんな耐震基準で建てるべきかとか、あるいは地震が起きた後にいち早く被害予測を提供するシステムをどうすればよいかなど幾らでもあるそうです。地震予知研究と同じ金額を純粋に地震学の基礎研究につき込んでいたらはるかに多くの成果が出たと思う、こういうことを指摘しているんです。地震に偏り、基礎研究がおくれたという大変厳しい指摘です。 この指摘というのは私は非常に重要だなというふうに思っています。特定の領域のみ突出して育成すると、その周辺領域やほかの領域の研究開発が衰退してしまい、全体としての成果産出力が低下する、こういうことにならないようにする必要があるのだというふうに思うんですが、どうですか。
○政府委員(青江茂君) 今、具体的な問題としまして地震につきましての御指摘をいただきましたので、その点だけにつきましてちょっと触れさせていただきたいと思うのでございますけれども、確かにゲラーさんの御指摘というのも一つの筋道の通ったお考えであろうというふうに思ってございます。ただ一方、測地学審議会というのがございまして、そこでもちまして非常に多くの研究者の方々にお集まりいただきましていろんな議論をやって、それの上で地震研究というものをやってきたというのも事実でございます。 こういうことで、いろんな見方というのがあろうと思うのでございますけれども、今後とも今のような考えというものも踏まえまして、多様な研究というものにぜひ取り組んでまいりたいというふうに思うわけでございます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 地震については青江局長から御答弁をいたしましたが、今の阿部委員の御質問は、例えば地震なら地震というときに、集中的にはっと行くことに問題があるんではないかということでありますけれども、私、二方面あるんじゃないかと思うんです。 要するに、日々こつこつとやらなければならない研究領域というのは、これは枚挙にいとまないほどたくさんございます。そのことが今我々の生活にすぐ役立つかどうかわからなくても、一つ一つデータを積み重ねてこつこつとやって、いつかまたそれが大きく花開く時期があるだろうというたぐいの研究も一方であると思います。他方、やはり今生活上のニーズやら緊急の必要性からそこに集中して取り組まなければならない研究というのも私はあろうかと思います。 そこらを適切に評価して、予算を配分して重点化していくということもなければ、私はめり張りがなかなかつかないんじゃないかなという気がするわけであります。 それからもう一つ、これは今の阿部先生のお問いかけの中に入っているかどうかわかりませんが、私の思いといたしましては、科学技術の分野で日本がこれから世界の中でどのあたりの位置を歩み、どういうことをやっていこうかということは、いろいろ立場によってお考えがあろうかと思いますが、私は、科学技術の分野においては、日本はこれだけ資源も乏しく島国で人口も多いわけでありますから、この分野は世界でトップを歩んでいくということを常に目指していかなきゃならないんじゃないかと思っているんです。 そのためにどうしたらいいかということになりますと、昔は頭脳流出というふうなことがいろいう言われました。これから考えますと、日本人というだけじゃなくで世界じゅうの頭脳が、日本に行って研究をしたらおもしろい、情報も集まっており、人が活気あっておもしろいと言ってもらえるような環境をどうやってつくっていくかということが私は求められているんじゃないかと思っているんです。そのためには、基礎的な環境のアップももちろん必要でありますけれども、そのときに関心の集まる重点的な研究に思い切って配分していくということも考えていかなければいけないのではないか、こう思っております。
○扇千景君 きょうは、短時間なんですけれども、この委員会としてきょう審議が行われるということに大変私は意義があると思っております。それは、きょう、いろんなマスコミにも出ておりますけれども、二十一世紀まであと千日。ちょうど私たちがこの日にこの委員会で科学技術の質問をするということに関しては、私は大変に重要な意味を持つと認識しております。 短時間ですから、将来にまでわたって審議ができない、時間が足りないということだけは残念ではありますけれども、少なくともあと千日というきょう、科学技術の将来に対して、我が国の将来の科学技術はどうあるべきかということに対する審議ができるということに関しては、時間が長ければいいというものでもありませんし、二十一世紀の日本の科学技術に対する大臣の所信を今さら聞いても時間がございませんから、大変雑駁な質問にはなりますけれども、一、二お伺いしておきたいと思います。 私は、一番大事なことは、いろんなことがありますからここでは多くは申しませんけれども、日本にとって二十一世紀の原子力を占う、どうしていくのかということは日本の科学技術にとって大変大事なことであろうと。また、それをどう示すかということが二十一世紀の日本のあり方に大きな影響をもたらす、私はそう信じておりますし、またそうであろうと思います。 そのことに関して、多くの批判はあっても、科学技術の基本的なことで、動燃というものを改組いたしまして新しい出発をすることになりました。政府においては科学技術庁の中に動燃の改革検討委員会をおつくりになりまして意見をおまとめになりましたけれども、その改革案の中で、不要な事業の整理と核燃料サイクル事業の新法人への引き継ぎというのは法案で決まりました。核燃サイクルの継続だけは決まっているわけですね。そうすると、果たしてこれからの動燃の新しい組織の中でどのようにこれが継続されて将来の見通しが立てられるのかと。大変大きな問題なので一言ではお答えにくいでしょうけれども、できれば簡潔な見通しを示していただければありがたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の扇先生のは大きなテーマでございますので、短い言葉でうまく答弁できるか自信がないのでありますが、私どもはやはり核燃料サイクルの確立というのがこの資源小国の日本において必要であると、資源論からも必要であるし、環境論の観点からも核燃料サイクルを確立していくことがやっぱり大事ではないかというふうに基本的に思っております。それを推進していく日本におけるエンジンといいますか、推進母体がいわゆる動燃であったわけでありますけれども、それが御信頼を失うような事故があった、事象があったと、こういうことでありますから、これにもう一回信頼を取り戻すことをしなきゃいかぬ。 それで今度の法案を今衆議院で御審議をお願いしているわけでありますけれども、これだけ問題も起こし、ある意味では動脈硬化も進んでいるわけですから、あれもこれもというのはこの際やはり一度退いて、本当に必要なことに集中して、そしてそこの責任と権限はやっぱり明らかにしていこうと。科学技術庁もそこのもたれ合いみたいなことじゃなくて、責任と権限を明らかにしていこうということで今度の法案をお願いしております。 それで、これも再三御答弁をしておりますが、仏をつくって魂を入れずというようなことではだめなんだと。器だけではだめなんだと。魂を入れかえるという作業、最終的には人の問題になりますが、科学技術庁もそれを全力を挙げて支援をしていかなきゃならない。必ず国民に御信頼をいただけるような組織につくりかえていかなければならないと思っております。
○扇千景君 この論議はまた時間があるときに改めて細かくしていきたいと思います。今の長官のお言葉で、これに関してはこれ以上立ち入りません。 ただ、私は、日本にとって大きな問題になると思っておりますのが「もんじゅ」のことでございます。世界じゅうの中でフランスと日本だけがこの高速増殖炉を研究して一生懸命予算もつけてまいりました。私もこれは大事なことであるし、日本の将来のためには高速増殖炉というものの「もんじゅ」の開発というものが日本にとって大変大きな国の財産といいますか、二十一世紀の新しい光だと思って一生懸命やってまいりましたけれども、残念ながら九七年夏のあの例の事故によっていろんなことが言われました。 一番の問題は、世界じゅうの中で高速増殖炉をやっているフランスと日本、この二国の中でフランスの高速増殖炉、いわゆる実証炉ですけれども、スーパーフェニックスが今度閉鎖宣言をされております。そうなると日本だけが残るわけですね。少なくともフランスも電力の七五%は原子力に頼っているわけですね。そのフランスがスーパーフェニックスを閉鎖するというのは大変なことだなと、振り返って日本はどうなんだろうと。私はこれからの日本にとっては大変危惧をいたしておりますけれども、この「もんじゅ」に関しての存続と今後の課題はどうなるのかということに関してもお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、扇先生おっしゃいましたように、いろんな国がこの高速増殖炉の開発に参加をしてきて、トップランナーであったのが多分フランスだろうと思います。そのフランスでもスーパーフェニックスは、いろんな政治的な理由もあったと思いますが、経済的な理由で見限ると、こういうことになりまして、幸か不幸か我々はトップランナーの位置にこの高速増殖炉については立たざるを得なくなっているというのが実情だろうと思います。 これについては、高速増殖炉懇談会、東北大学の西澤先生に座長をしていただいて、いろんな角度から御議論をいただいてきました。その結果、高速増殖炉というのは非化石エネルギー源の有力な一つの選択肢として位置づけられまして、そのために研究開発を進めなきゃいかぬ、「もんじゅ」はそのための設備である、こういう位置づけをしていただきました。 今までの長期計画に比べますと、若干そこらあたりの柔軟性を配慮した表現になっておりますので、人によりますと、何だ、後退したんではないか、こういうことをおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、我々は、あくまでこれは重要な選択肢の研究開発として位置づけているわけでありますから、今いろんな安全性総点検とかやっておりますけれども、国民の御理解を得て、研究開発の場として機能をしていけるように持っていかなければならない、こう思っているわけであります。 それと同時に、柔軟な対応というのも必要だと思います。フランスが経済性で撤退するけれども、経済性も何も捨ててやみくもに突き進めばよいというものでもないと思います。私どもも十分な情報もとり、そして十分な評価もしながら、柔軟にしかし信念を持って進んでいかなければならないと思っております。
○扇千景君 私は、事故は事故としてこれは別問題であって、国の根幹的な政策を那辺にするかということに関しては、二十一世紀の科学技術のあり方、日本の将来のためにはこうするんだという、今、長官がおっしゃった信念だけはきちんと当初どおり貫いていただかないと、国の基本的な計画まで一つの事故によって全部覆されたのでは私たちは生きていけないというのが日本でございますから、資源がございませんから。そういう意味では、今、長官がおっしゃったようなきちんとした、いけないことはいけない、けれどもこれは国民のために、国のために進めるんだということだけでは、私は間違いなく突き進んでいただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。 最後になりましたけれども、御存じのとおり、普通の軽水炉でプルトニウムを燃やしていこうということで、政府と電力業界が二〇〇〇年に国内の普通の原発でプルサーマルを開始しようという計画をお立てになりましたね。それで現在進んで準備をしてきたわけですけれども、今回のいろんなことで、今申しましたような普通の軽水炉でプルトニウムを燃やすということは、スケジュール的には二〇〇〇年という目標がかなり窮屈になってきたのではないかなと私は思っているんですけれども、その辺の事情と、また御存じのとおり、新潟、福井で大変地元との交渉に苦慮していらっしゃると思いますけれども、プルサーマルのこの二〇〇〇年の計画と地元とのこれからの調整等々、どのように現状していらっしゃいますか、教えてください。
○政府委員(加藤康宏君) プルサーマルにつきましては、現在既に存在しています軽水炉の中にプルトニウム燃料を入れるということで追加的な投資がほとんどございませんので、ウラン資源の有効な利用を図ることができる、また、現時点で最も確実なプルトニウムの利用法であるということで、昨年の二月に閣議了解でそれを推進することを決めまして、科技庁長官、通産大臣から福島、新潟、福井の三県の知事にお願いし、また橋本総理からもお願いしたわけでございます。 その後、動燃事業団のアスファルト固化処理施設の事故が起きまして、原子力の政策に対して不信、不安が非常に大きくなりまして、プルサーマルにつきましての地元の御理解にもなかなか苦労しているところでございます。これまでプルサーマルの実施につきましては公開討論会を開催するなど、地元の方々への説明をかなりいろいろとやってまいりました。 そういうものの一つの成果といたしまして、ことしの二月には関西電力株式会社が福井県及び高浜町に対しまして、高浜原子力発電所のプルサーマル計画に関しましてMOX燃料を装荷する事前了解願いというのを正式に出すことができました。これも、それまでの環境づくりが進んだということかと考えております。福島県の方におきましても、今月二十八日におきましてプルサーマル公開討論会が予定されまして、そういうことを積み重ねながら地元の理解を得ようとしているわけでございます。 今のプルサーマル計画につきましては、二〇〇〇年に四基、東京電力で二基、関西電力で二基ということでございますが、先ほどの関西電力につきましては事前了解願いがこの二月に出ているわけでございますので、そういう先ほどの二〇〇〇年の目標をそのまま維持できるように鋭意努力している次第でございます。
○扇千景君 終わります。
○委員長(大島慶久君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ―――――・――――― 午後一時一時二分開会
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。 平成十年度一般会計予算外二案中、総理府所管のうち日本学術会議及び文部省所管を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馳浩君 お疲れさまです。自由民主党の馳浩です。 まず冒頭に、ちょうど入学シーズンを迎えでおりますけれども、従来から懸案となっておりました高等部におきます訪問教育の実施の状況につきまして質問させていただきたいと思います。 昨年度、平成九年度におきまして試行的実施という形で認められることになりまして、ありがとうございます。昨年におきましては三十二都道府県が実施することになっておりましたが、残りの都道府県はその後どうなったのでしょうか。さらに、平成十年度、今年度での実施学校数、生徒数はどのようになりましたでしょうか。教えていただきたいと思います。
○政府委員(辻村哲夫君) ただいま先生から御紹介がありましたとおり、平成九年度、三十二の都道府県におきまして試行的な実施が開始されたわけでございますが、平成十年度、本年度からは残り十県すべてが実施をするということになりました。 具体的には、平成十年度、学校数で申しますと百八十五校、生徒数で四百七十三名ということでございまして、平成九年度と比べますと、学校数で約二倍、生徒数で約二・九倍というような状況になってございます。
○馳浩君 この訪問教育に関しましては、実は私、一昨日でありますが、「全国訪問教育親の会」の会長の音さん、私の地元の石川県金沢市におきまして二十年来の親友でありまして懇談しておりましたが、要は、親の会といたしましても、不格的な実施に向けての取り組みも引き続きお願いいたしたいと。 その大きな要点は三つほどありまして、一つが手習指導要領に明記をしていただきたいということ。二つ目が遡及措置、既に卒業しておる子供たちに対してもさかのぼって適用して受け入れていただきたいという点。それから、これは医療機関にいる子供たちに対しても訪問教育を実施していただけないかという点。実はそのほかにも要望はたくさんあるんですよ、その訪問教育を実施する、実際に対応する先生方の処遇の問題とかですね。それはそれとして確かに今後の課題としてあるんですが、本格的実施に向けてはこの三つの点をさらに文部省に御理解いただいて、御支援といいますか、対応していただきたいということでありました。 今現在、その本格的実施に向けましてどの程度の対応がなされておりますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(辻村哲夫君) ただいまのお尋ねの点でございますけれども、現在は、先ほど試行的実施と申し上げましたとおり、この高等部におきます訪問教育につきましては、その根拠となります手習指導要領上明確な規定がないというのが現状でございます。 そこで試行的実施ということになっているわけでございますが、現在、御案内のとおり教育課程審議会を闘いでおりまして、次の教育課程の基準につきまして審議をしておるわけでございますが、その中でこの高等部の訪問教育につきましても審議が行われているところでございまして、私ども、この教育課程審議会の審議結果等を踏まえながら、学習指導要領への明記を初めといたしまして、本格実施に向けて努力をしてまいりたいというふうに思っております。 その際、先ほど先生からお尋ねがありました過年度卒業生等の扱いでございますけれども、この受け入れの具体的方法につきましては、各都道府県におきまして高等部の整備状況あるいは訪問教育の対象者数等さまざまな観点から御判断をいただくと。国としては、それらにつきましては柔軟に各県の判断を尊重する、柔軟にこちらとしては対応していく、こんな構えで本格実施に備えたいと、こんなふうに思っております。
○馳浩君 この件に関しましては、各都道府県教育委員会が対応を迅速になされたということは、本当にこれは喜ばしいことだと思います。これはまさしく親の会の活動もそうでありますし、文部省としての機敏な対応というものも私は評価されるものだと思いますので、今後とも本格的実施に向けましてよろしくお願いしたいと思います。 さて、きょうは予算委嘱審査ということで、私はボランティア教育に絞りまして質問をさせていただきたいと思います。 二年後にはいよいよ介護保険制度も実施されることでありまして、ボランティアの人材といいますのは、介護、福祉等も含めまして人材不足だからボランティアに頼ろうという観点ばかりではなく、子供におきましては生きる力の育成、我々大人にとりましても生涯学習の一環、そして地域社会におきましては地域の教育力の回復という観点で、積極的にこれは文部省としても推進していかなければいけないという私は観点が必要だと思っております。 そこで、一昨年の十二月二日、衆議院本会議で自由民主党の森喜朗総務会長が代表質問で、「社会に出る若者が学校教育の中でボランティア活動を必ず体験することが必要だ」と指摘し、学校教育の中での一定期間の奉仕活動の義務づけを提案されておられます。これに対して総理は、十分検討したいと前向きな姿勢を示されました。 それから一年五カ月ほど経過いたしましたが、文部省としてはどのように検討しておられますでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(辻村哲夫君) ただいまのお尋ねの件でございますけれども、ボランティア活動の推進というのは大変重要な課題という認識に立っております。 現在の学習指導要領におきましても、特別活動などにおきまして社会奉仕の精神の涵養ということで、小・中・高等学校を通じましてさまざまな活動、例えば社会福祉施設での高齢者あるいは障害者の食事をつくる、あるいは車いすを押す、清掃活動、募金活動等々さまざまに行われているわけでございます。 これからの教育課程のあり方を検討しております教育課程審議会におきましても、このボランティア活動の重視という点は大変重たい課題として受けとめられておりまして、昨年の十一月にこの審議の状況につきまして中間まとめが発表されたところでございますが、そこでは、特別活動はもとより、新しく創設されます総合的な学習の時間というようなものを使いましてこのボランティア活動をさらに充実すべきであるという方向の提言がなされているところでございます。 教育課程審議会は本年夏を目途に答申が予定されているわけでございますが、文部省といたしましては、この答申を踏まえましてボランティア活動の一層の充実に努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。
○馳浩君 私の質問はある部分矛盾しているんですよね。 というのは、ボランティア活動と申しますのは、自主性、社会との連帯性、継続性、そして無償性、それを尊重するというのがボランティア活動でありますから、こうやって文部省に対しまして、行政側がしっかりとボランティア活動を推進するための施策を進めて、義務的にさせよと森総務会長の質問等にもありましたように、義務化ということ自体がボランティア活動自体とは極めて反するということは承知はしておりますけれども、正直に言いまして、実際に我々日本の社会においては大人もやっていない、その姿を見ている子供たちもやるはずがないという前提がありますので、これはむしろ子供たちの学校教育、初中教育あるいは高等教育においてもボランティア活動の推進が必要なことであるという観点からの私の質問でありますので、その点を一応お示し申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 大学でのボランティア教育についてお伺いいたします。 大学でボランティア教育を授業に取り入れて単位として認めている大学が平成八年度でちょうど百大学になっております。平成七年から比べまして二十六大学増加しております。この点は非常によいことでありますし、今後もますます増加することを願いたいと思いますが、問題も生じてきております。 まずは、ボランティア活動したいけれども、どこへ行けばよいか等の情報が不足しているという問題。さらにボランティア先でのトラブル。例えば、俺はボランティアしてやっているんだよという非常に高飛車な態度、マナーの悪さ、あるいはボランティアをする際に必要な備品等は受け入れ先が用意すべきと勘違いしている学生等々が見られるということであります。この辺の問題も今では、各大学に任せるだけではなく、国としても十分配慮すべき事項と思いますが、どのような施策を講じているのでしょうか。 あわせて、本年度新規事業の学生ボランティア活動推進事業等の内容につきまして詳しくお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(佐々木正峰君) 大学生がボランティア活動に参加することを通じまして社会の一員としての自覚を高める、このことは極めて意義のあることだと考えております。文部省といたしましても従来からその充実に努めているところでございます。 今お話のございました学生ボランティア推進事業は平成十年度予算案において新たに措置したものでございますが、一つには、学生のボランティアの推進に関する調査研究会を設置いたしまして、国公私立大学における学生ボランティア活動の普及奨励策を検討することといたしております。また二つ目には、国公私立大学の学生ボランティア担当者の情報交換、研究、協議の場を設けたいと考えておるところでございます。 また、そのほかの事業といたしましては、国立大学十大学におきましてボランティア養成講座の実施、ボランティアに関する情報提供窓口の設置等、学生のボランティア活動を総合的に推進するための具体的な方策についてモデル的な事業として取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。その中におきまして、ボランティアとしての心構え、最低限心得ておくべきマナー等について指導しておるところでございます。また、災害発生時におけるボランティア活動の啓発等を目的とした学生向けのハンドブックを作成配付することといたしておりますが、その中においても、現地の負担や迷惑にならないことが最低限のルールである等の心構えについて言及をしておるところでございます。 今後とも、御指摘の点も十分踏まえつつ、学生のボランティア活動を促進するための方策を考えてまいりたいと思っておるところでございます、
○馳浩君 その学生ボランティアが社会においで非常に有益というか有効であるということは言うまでもないことだと思います。阪神大震災のときにも全国から百五十万人のボランティアが参加いたしましたが、そのうち四〇%、ということは六十万人が学生ボランティアでありました。私の地元の石川県で昨年、ナホトカ号の重油流出事故がありまして、その際もたくさんの、あれはもう冬でありましたから、こう言うとあれなんですが、手のあいた学生諸君が大変たくさん現地に来ていただきまして、油の回収処理につきまして大変な努力をしていただきまして感謝しております。 そこで、先ほど申し上げましたように百大学でボランティア活動を単位化しているということでありましたが、単位化といいましてもせいぜい二単位でありまして、これでは実践も含めて十分ボランティア論を学んだとは言えないと思います。これから日本全体でボランティア活動が盛んになると予想される現在、ボランティアコーディネーターを養成したり、ボランティア保険の開発が急がれたり、ボランティア活動を専門に研究する大学の学部や大学院の創設も視野に置くべきときが来たというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐々木正峰君) ボランティアコーディネーターを養成したり、ボランティア活動を専門に研究する大学の学科や大学院の設立につきましては、これは基本的には各大学においてそれらの意義等を踏まえつつ御検討いただくということになるわけでございますが、ボランティア活動は社会福祉の活動だとかあるいは環境保全活動等、多様な分野にその場を広げつつあるわけでございます。 そういう中において、学生がボランティア活動に関して学ぶとともに、実際にボランティア活動に参加する機会を持つようにすることは、大学教育においても極めて重要なことと考えておりまして、今後積極的な取り組みをしてまいりたいと考えておるところでございます。 なお、ボランティア活動に関する保険の件でございますが、今年度から財団法人内外学生センターにおいて、大学の正課あるいは課外の教育活動として学生がボランティア活動を行った際に他人にけがをさせたり財物を損壊したことによる損害賠償について保障する保険の取りまとめを開始したところでございます。 いずれにいたしましても、ボランティア活動に当たっての条件を整備していくことは極めて重要なことであると考えておるところでございます。
○馳浩君 続きまして、高校におきますボランティア活動のあり方について質問させていただきます。 高校におきましても専門高校の福祉学科等でボランティア科目が導入されています。これは当然であると思います。また、平成十二年度新設の昼間の定時制高校におきましても、ボランティア活動を単位として認めていこうとする動きが例えば東京都で認められております。しかし、普通高校ではなかなか実現されておりません。先ほどの森代議士の提案にも関連いたしますが、義務化をする前に普通高校でのボランティア科目の導入をぜひ積極的に推進してほしいと考えております。 この点につきまして、厚生省は既にボランティア活動に熱心な小中高校に助成する制度があり、夏季・冬季休暇を利用して高校生に介護体験させる事業も昨年度から行っていると聞いております。 まず厚生省、これは地域福祉課だと思いますけれども、この事業の概要についてお聞きしたいと思います。
○説明員(樋口正昇君) お答え申し上げます。 厚生省では、学童・生徒に福祉の心の醸成を図るため、幼少期から高齢期に至るまで生涯を通じまして幅広く福祉教育学習の機会を提供し、体験交流活動等を推進するための助成事業を行っております。 具体的には、小学校、中学校、高等学校等をボランティア協力校に指定し、指定されました学校におきましては、それぞれの地域の実情に合わせて、社会福祉施設を訪問して入居者との交流を行ったり、実際に介護等の体験活動をしたり、福祉講演会を開催するなどの活動を行っていただいております。ちなみに、昭和五十二年度に事業を開始いたしまして以来、平成九年度末までに全国の小中高校の約三七%に相当いたします一万五千四百四十八校の指定をいたしているところでございます。 また、委員から御質問ございましたように、平成九年度より福祉教育の推進に熱心な高等学校を新たに高校生介護等体験校として指定いたしまして、介護講座の実施や社会福祉施設に泊まり込んで一週間程度介護体験活動を行うなどの活動費を助成する事業を開始したところでございます。 以上でございます。
○馳浩君 厚生省におきましては、昭和五十二年からでしたか、全国四万一千近い小中高の中で三七%ということは、これは多い数字だと思います。平成十年度、継続指定校が二千八百三十二校ということでありますから、これは大変な取り組みであると思います。 それで、先ほど私が途中で言いかけたのが、文部省としても普通高校でのボランティア科目の導入の時期に来ているのではないかというのが私の御指摘させていただきたい点でありますが、ぜひ検討していただきたい。要は、まずはモデル校をつくって実践的研究を行っていただきたい、そういう時期であると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(辻村哲夫君) 高等学校の普通科におきますボランティア活動のあり方としては、これまで二つほどございました。一つは、先ほど申しげましたとおり、特別活動という時間の中で福祉施設の訪問、あるいは地域の清掃活動等に生徒たちが参加するという形でのやり方が一つ。それからもう一つは、学習指導要領の中に、教科・科目以外のその他の科目ということで、設置者なり各学校の判断においてこの科目を設けるという形で、その科目の中にボランティアというような科目、正式な名前としてはボランティア学習とかボランティア実践というような名前であるわけでございますけれども、そういった学習指導要領上の仕組みを活用してボランティア学習を行っている普通科高校が現にさまざまございます。 したがいまして、従来はこの二つで取り組んでいくということであったわけでございます。これからもこの二つを大いに活用しながらボランティア活動につきましてその推進を図ってまいりたいと思いますが、もう一つつけ加えさせていただきますと、この三月に関係省令を改正いたしまして、学校外での生徒の任意の活動につきましても校長の判断によって単位認定をすることができると、こういう方途を講じました。そこで、学校外での生徒のさまざまなボランティア活動、これを学校長の判断によって当該高校の正規の単位として認定するという方途も加わりまして、この三つの方法、さらには総合的な学習の時間というようなものもあるわけでございますけれども、こうしたさまざまな仕組みを活用して高等学校の普通科におきますボランティア活動というものの一層の促進を図っていきたいと、こんなふうに考えております。
○馳浩君 この省令、平成十年三月二十七日、文部大臣町村信孝の名前で出ておりますが、第六十三条の四の三号、これはすべての学外ボランティア活動を単位化しようとするのではなくて、文部大臣が別に定めるものに限定しており、その内容が高等学校教育に相当する水準と校長が認めたものとなっております。 非常に内容があいまいでわかりづらいのでありますが、これはどのように理解したらよろしいのでしょうか。具体的に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(辻村哲夫君) これにつきましては、生徒の任意の学校外での活動である、それを高等学校の正規の卒業の単位として認めていくということでございますので、大いにボランティア活動は推進したいという気持ちが一方でありながら、余りにもルーズに安易に単位の認定が行われるということはいかがかということでこのような規定になったわけでございます。 具体的には、各校長会等にお願いをいたしまして、ガイドラインといいましょうか、そのコンセンサスづくりをして、その方向に従って各学校が認定をしていくと、こんなやり方を今考えているところでございます。
○馳浩君 続きまして、ボランティア教育のための施設整備につきましての質問をいたします。 文部省は、平成九年度から公立の小中学校校舎の標準的面積を定めた基準面積を二十四年ぶりに改定いたしました。基準面積は御承知のとおり、小中校舎の新増築、改築を行う市町村に対して文部省が補助金を支出する際の基準としている校舎の面積で、学級数や特別教室などに応じて政令で補助金額が算出されるものであります。 今回の改定によりまして、これまで小学校で想定されておりませんでした教育相談室が新たに基準面積に加えられました。中学校では学級数にかかわらず、これは今まで十八学級以上だったそうでありますが、この教育相談室が認められることになりました。さらに、保護者の教育への参加を促すPTA会議室が掲上されました。 そこで質問ですが、これら新規の教室も含めた校内の教室を、例えば空き教室の転用ということではなく正規の利用として保護者単独で、または親子一緒でボランティア講習会等を受けることのために使用できるのか伺いたいと思います。この質問の趣旨は、学校をボランティア活動の拠点として機能させていくべきと考えるからでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(富岡賢治君) 先生御指摘のとおり、地域におきます身近な学校という場を活用しましてボランティアのいろいろな学習活動等を行うということは大変重要なことでございまして、全国的なデータは持ち合わせてございませんけれども、学校の場を生かしまして例えば親子が共同していろんなリサイクル活動などのボランティア活動をやったり、それからPTAが参加しまして図書室とか手話教室などを開催する事業などは随分進んでいるようでございます。それから、今先生学習活動とおっしゃいました。PTAがボランティア活動につきましてのいろんな講演を教室等でお聞きして、その後いろんなボランティア体験活動を行うというようなことが随分進んできているわけでございます。 今、先生御指摘のそういう活動をしますときには、PTA等がボランティア活動につきましていろいろ話題にしたり情報交換をするというような場が必要でございますので、そういう空間が学校施設に設けられているということは大変望ましいことでございますので、今御示唆になられました、小中学校の校舎建築の場合にPTA室を設けることが可能になったり、それから余裕教室の活用、転用なんかを用いまして地域のボランティアセンターなどが活用されるようになってきたわけでございますが、そういう施設だけでなく、日ごろからいろんな教室とかあるいはPTAの会合などでボランティアにつきましての情報交換とかいろんな案内をするというようなことが今後進められる必要があるというふうに思っております。
○馳浩君 可能であるというふうに理解をいたしましたので、その旨やはりこれを各市町村で、あるいは各学校でそのように使われることを一層推進されますようにお願い申し上げたいと思います。 今のは教室レベルの広さの話でしたが、今度、校舎ごとの広さの施設整備の質問に移ります。 東京都品川区の区立戸越台中学校は、建てかえの際に福祉施設とドッキングしたことで有名であります。地下一階から地上四階までが中学校、五階から十階までが特別養護老人ホームや在宅介護支援サービスセンターが入っている複合施設に変身いたしました。また、千代田区立の昌平小学校は新校舎を建てましたが、ここに多目的ホール、大人も使えるプール、幼稚園、児童館、図書館も入っております。いわば地域住民皆が使えるコミュニティースクールになっており、ここでは町の再生も目的の一つになっております。 これらは教育的観点から見ましたら、ボランティア精神の育成、地域の教育力の回復等を学校を拠点にして実施していこうとする施策と言えると思います。大変やわらかい発想であり、また合理的とも言える発想からの施策とも言えると思います。 文部省としても、こういう発想のもとで、新築、増改築の際、福祉施設と学校がタイアップした施設をモデル事業として推奨していくべきと考えますが、いかがでしょうか。ちなみに、私はちょっと勉強させていただいたんですが、学校施設複合化推進事業、これが継続になったということでありまして、要はこの規模を今後とも拡大していただきたいという考えなのでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘のような学校におきます地域の社会福祉施設、あるいは学校以外の文教施設との複合化施設として学校が新たに建てられるというような取り組みも、私ども、子供たちが高齢者と触れ合う機会や地域の方々と交流する機会を学校教育の中でできるだけふやしていくという観点から、教育上も大変有意義なことと考えているところでございます。 御指摘の学校施設複合化事業につきましても、平成五年度から、共有する施設の開放部分あるいは交流スペース等につきまして補助事業を実施しているわけでございますし、またその際、特に複合化施設につきましては、それぞれの固有の施設の目的、機能を持つものを組み合わせるということでございますので、実際の設計等に当たりましてそれぞれの施設の管理運営が相互に機能的に連携を保ちつつ行われるということも肝要でございますので、そういった観点から、平成九年十月には調査研究会の報告を求めまして、学校施設の複合化等に伴います計画設計上の配慮につきましても適切な指導、助言等を行っているところでございます。 また、余裕教室の転用という観点からも、社会福祉施設等への転用がそれぞれの地域の実情に応じて積極的に行われますよう財産処分の手続の大幅な簡素化等も図っているところでございますので、御指摘の点も踏まえまして、今後とも情報提供等も含めまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○馳浩君 この点に関しましては、いつ平成十年度の予算が成立するか私はよくわかりませんけれども、それ以降の経済対策でもこういう施策をこそ私は文部省として大きく主張して、地域の拠点として学校施設が複合施設としてさま変わりをして、これがボランティアの拠点であったり地域の教育力の拠点となるような、こういう発想もぜひしていただきたいなということを申し上げたいと思います。この複合施設としての事業も今後より一層拡充していただきたいと思います。 それから、国際的ボランティア活動といえば青年海外協力隊の問題があります。報道等によりますと、帰国後一年たっても職につけない隊員が二割もいるということであります。とりわけスポーツ・教育・文化部門の隊員が帰国しましたときになかなか就職することができないと伺っておりますが、この青年海外協力隊、顔の見える国際貢献として非常に相手国からも要望が多い点でありますが、この隊員の就職問題に対する施策はどうなっておりますでしょうか、外務省にお伺いいたします。
○説明員(粗信仁君) お答えいたします。 御指摘のとおり、青年海外協力隊事業は国民参加型ODA、顔の見える援助の典型でございます。開発途上国に草の根レベルで現地の人々とともに行う協力として相手国から高い評価を受けておりますし、政府としても重要な事業と考えております。 御指摘のありましたスポーツ・教育・文化部門での隊員の派遣につきましては人づくりの観点から派遣の重要な柱でございまして、九八年三月末現在で見ましても、派遣中の隊員に占める割合はこの両部門で四五・七%になっております。一方、教育・文化・スポーツ等の文化系の隊員の方が技術系の隊員の方に比べて帰国後自分の専門分野を生かした職業につくことが難しいという点につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 帰国隊員の就職状況について見ますと、平成七年度中の現職参加者を除く帰国隊員のうち、帰国後一年以内に進路が確定しなかった者の割合は二八%となっております。このため、帰国後の就職問題が協力隊に参加する上での大きな障害あるいは心理的な負担になっているのではないかと認識しております。政府としましては、帰国隊員の就職問題が協力隊事業を発展させていく上での最大の課題の一つである、このように考えております。 こういう実情を踏まえまして、国際協力事業団、JICAといたしましては、帰国隊員に対する就職情報の提供あるいは進路相談カウンセリングの実施等種々の対策の強化に努めでおります。具体的には、平成十年度のJICA政府予算におきまして、現在JICAの国内機関に十名配属されております進路相談カウンセラーを十五名に増員するとともに、関係省庁とも連携し、例えば労働省の協力を得て各都道府県に協力隊員重点公共職業安定所を指定する等、帰国隊員に対する積極的かつきめの細かい就職支援を展開するよう努力しております。 そのほか、帰国後に就職活動等国内復帰に要する準備資金としまして、訓練期間中、派遣期間中に一定額を積み立てまして、帰国後に必要となったときに一括支給をしております。また、勤め先に所属したまま協力隊に参加できる現職参加制度の普及拡充にも努めております。 政府としましては、今後もこのような努力を続けるとともに、青年海外協力隊のようなボランティア活動に対する国民の理解と協力というものをいただくよう努力を続けていきたいと考えております。
○馳浩君 外務省に対して一言言いたいのは、たまには発想を転換して、私はいつも言うんですけれども、熟年海外協力隊員もふやせと。定年退職といいましても六十前後でありますからまだ体力も意欲も非常に優秀な、老年と言うと失礼でありますので、熟年者がたくさんいらっしゃる。こういう方々は社会に対する貢献の意欲も強いのでありますから、青年海外協力隊の事業を、これは三十九歳まで年齢は引き上げられましたが、この枠を取っ払ってもいいのではないかというふうな点、外務省としても私は考えていただきたいと思います。 実際問題、スポーツ・教育・文化部門の隊員が大変就職先がないということでありますが、これを考えると、文部省としてもこういう隊員に対する就職の受け皿を考えてあげてもよいのではないか。文部省が補助金を出しているような機関、団体等でも優先的に職員として採用する等々配慮があってもいいのではというふうに私は思いますが、いかが考えますでしょうか。
○政府委員(雨宮忠君) JICAの専門家あるいは青年海外協力隊員として出かけて、そこで国際貢献の現場にいるということ、あるいはそこで国際体験を得るということ、これは大変重要なことであるかと思うわけでございます。 今、再就職問題につきましての全般につきましては外務省からお答えしたとおりであろうかと思いますが、例えば私どもの分野で考えてみますと、学校の先生ということを考えてみた場合に、例えば海外協力隊の経験をした方が学校の先生になるというようなこと、それによってもしそれらの体験を生かす機会が得られるということがあるとすれば、それはそれで非常に重要なことであるというように思うわけでございます。 現在、教職員の採用自体が非常に厳しい中ではございますけれども、ただ大学を出て試験を受けて合格して入ってくるということ、これが別に悪いわけではございませんけれども、そういういわば回り道をしたような方々、いろいろな経験を積んでこられる方々がいるわけでございまして、こういうさまざまな経験を採用の際に十分勘案して採用するという態度がやはり必要なのではなかろうかということで、私どもといたしましてもいろいろな機会に教育委員会の担当者会議等におきましてこういういろいろな経験というものも重視した採用に心がけるようにとお願いしているところでございまして、そのような努力は今後とも続けたいと思っております。 それからもう一つ、再就職ということに関連してでございますが、平成九年三月末現在で百人を超える現職の先生が出かけているわけでございまして、そういう方々は二年間でございますので行って戻ってまたもとの教員を続けられるという立場でございまして、非常に身分の安定が図られているということでございます。また、各県の若干の負担にはなるわけでございますけれども、各県とも、その間の身分扱いでありますとかあるいは給与などの処遇の問題でありますとか、いろいろ整備を進めておるところでございます。 私どもといたしまして、こういう再就職ということにも関連するわけでございますが、現に既に教員になっておられる方々の青年海外協力隊への応募と申しますか、そういうこともあわせてやはり進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○馳浩君 最後は大臣に質問させていただきますけれども、私はきょうは全般的に初等中等教育におけるボランティア活動の推進ということについて、予算絡みもありましたけれども、文部省としての考え方を伺いました。従来から比べても非常に積極的になっております。ただ、私が従来から申し上げておりますボランティア科目をやはり一つの科目として設置して、これはもう教員も児童生徒もともに学ぶと。そして、ある意味では評価のない授業として、社会に貢献する、自主的に行動すると。これは森代議士の意見では義務づけろというわけでありますけれども、まさしく学校教育の中で義務づけるということ、私はこれは日本の今後のあり方を考えたら必要な点ではないかなと思いますが、その点も踏まえまして、大臣のボランティアに対する所見をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(町村信孝君) 冒頭ちょっと衆議院の本会議の方に行っておりまして、遅くなりましたことをおわび申し上げます。 今、馳委員からるるボランティアの重要性、意義についてお話を承らせていただきました。御指摘のとおりであろうと思っておりまして、先ほど来局長から御説明を申し上げましたように、学校教育の面あるいは社会教育の面、生涯教育といったさまざまな観点からボランティアの位置づけをやり、その振興を図っているということでございます。 特に学校の中では、義務とまでいくかどうかあれですが、高校ではそれを単位認定するといったような新たな政策も私ども進めておるところでございまして、今後、ボランティアの精神や、そうした体験というものの貴重さというものを踏まえて、さらにそうした活動が、例えば道徳教育でありますとかいろいろな校内の活動でも活発になりますように心がけていきたい。委員の御指摘の方向に沿って今後ともさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○馳浩君 ありがとうございました。
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川でございます。前回の委員会質疑に引き続きまして、行政改革と文部行政について何点かの質問をさせていただきたいというふうに思います。 今百四十二国会の文部大臣の所信表明には、行政改革の趣旨を踏まえ、文部省行革本部を最終報告後直ちに設置し、現行の組織や業務の見直しに全省的に取り組むという所信の表明がございました。また、先般の委員会質疑におきましても、大臣から百八十七の補助金について整理を検討するという極めて具体的な言及があったわけであります。 それはともかくといたしまして、私が思いますには、一般的に政府機関にはやや税金を使うという緊張感に欠けるケースが間々見受けられるのではないかなと思うわけです。特に公共事業を担当する役所には、将来この件を納税者にどう説明していいのか、例えば、船の一隻もいない、釣り堀にしか役に立たないような港があったり、農業予算で温泉センターをつくってみたりというふうな例がたくさんあるわけです。これは、コストと効果、最小の費用で最大の効果を上げるという概念や観念、また原価計算という観念がやっぱり政府機関にないと思うんです。これはもちろん、短期的に投資と効果をはかれないからこそ公共事業であって、民間とは違うわけでありますが、民間の経営者が金利と償却、それを中心に据えながら事業の展開を図っていることに比べると、私は民間の出身でありますので役所はいいなという感じがいたさないわけではありません。 もちろん、行革とはいえども、予算を削減するというネガティブな要素だけが行政改革ではなくて、最大の行政効果を上げる、目指すということも大切なわけでありますが、当面予算の節約に留意する、これは今の状況では当然なことであります。 したがいまして、きょう質問させていただく件についてはいささか些事にわたりまして重箱の隅を思い切りつつくような質問になるかと思いますが、その点大変失礼とは存じますが、細かいことで文部省の揚げ足を取らせていただくということではございませんで、あくまでもいろんなケースを検討するということでございますので、お許しをいただきたいと存じます。 まず第一点、文部省所管の特殊法人への補助金の額、これが平成九年度執行されました予算と今年度ただいま審議しております予算で特殊法人に対する補助金の推移がどのようになっているか、数字は概算で結構でございますので、冒頭お尋ねいたします。
○政府委員(小野元之君) 御指摘ございました文部省所管の特殊法人、七つあるわけでございますけれども、これらについての平成九年度と平成十年度の補助金の額について申し上げたいと存じます。 まず、放送大学学園でございますが、九年度が九十八億円、十年度が百七億円、これは予算をお認めいただきましたらということでございますが百七億円でございます。九億円の増でございます。それから国立教育会館につきましては、九年度が十二億円、十年度が十三億円ということで、一億円の増でございます。それから日本育英会に対しましては、平成九年度が百七十九億円に対して十年度が百七十三億円、これは六億円の減でございます。それから日本私立学校振興・共済事業団でございますが、これにつきましてはいわゆる私立大学の経常費補助がこの中に入ってございますので額が欠きゅうございますが、平成九年度が三千二百八十三億円、平成十年度が三千二百九十九億円で、十六億円の増となってございます。それから日本学術振興会でございますが、九年度が百八十四億円、十年度が二百三億円、合計で十九億円の増でございます。それから日本体育・学校健康センターでございますが、九年度が八十一億円、十年度が七十六億円で、五億円の減でございます。それから七番目の日本芸術文化振興会でございますが、九年度が百十五億円、十年度が百二十四億円で、九億円の増でございます。 以上を合わせまして、平成九年度が全体で三千九百五十二億円でございましたところ、平成十年度の予算におきましては三千九百九十五億円で、四十三億円の増となっているところでございます。
○長谷川道郎君 お話しございましたように、微増といいますか、四十三億円の増ということでありますが、これはそれぞれいたし方ない事情があったのだろうというふうに考えるわけであります。先ほど申し上げましたように、やみくもに予算を削減することだけが今回の行政改革の目的ではないわけであります。しかし、これも申し上げましたように、予算の節約、節減というのも当然のことながら我々の義務であるわけでございます。今後またひとつ御研究をいただきたいと思うわけでございます。 今お話にございました、三千二百九十九億日本年度予算で補助金を予定しております日本私立学校振興・共済事業団、これは旧私立学校教職員共済組合と日本私学振興財団が合併した事業団でありまして、平成九年の通常国会でこの法案を審議いたしております。この共済組合は財政的に非常に優秀な土済組合でありますが、この新しくできました振興・共済事業団の意義について、おさらいという意味で一回御説明をいただけますか。
○政府委員(佐々木正峰君) 日本私立学校振興・共済事業団の設立は、平成七年二月二十四日の「特殊法人の整理合理化について」の閣議決定に基づくものでございますが、統合前の日本私学振興財団と私立学校教職員共済組合は、いずれも私立学校教育の振興という共通の目的のために協力連携しながらそれぞれ発展を遂げてきたわけでございます。そんなわけで、この両法人の統合につきましては、特殊法人の整理合理化の推進と私学振興のための基盤整備、そういう観点から行ったものでございます。 現在、事業団におきましては、私学助成事業や私立学校教職員に対する共済事業を初め、私立学校の経営から教職員の福利厚生に至るまで私学振興のための業務を総合的に行っておるところでございます。
○長谷川道郎君 申し上げましたように、予算のむだを省くという観点での質問をさせていただきますが、この事業団に、先ほど御説明のありましたように、三千二百九十九億円の今年度予算で補助金が予定をされておるわけであります。 この事業団の合併する以前の旧私立学校教職員共済組合は、福祉事業として宿泊事業を運営しております。事業計画によりますと、福祉事業については、保健、医療、宿泊、貯金、貸付事業を行い、組合員に対する福祉の向上を図るという、そういう定款によりまして宿泊事業を運営しておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、この事業団、この共済組合、昨年の審議の際に、非常に立派な事業団であり、財務内容も健全であり、何ら問題がないというふうに私は思っておりましたが、今回この審議に当たり調べさせていただきました。 今私が申し上げたのは、まだ新しい事業団としては決算が出ておりませんので旧共済組合に限っての話でありますが、旧共済組合では部門別に八部門の決算をしていらっしゃる。私これを見ましたとき非常にまじめな組合だなと思った。一つの共済組合を八つの部門に仕切ってそれぞれ決算をされていらっしゃるんですから、これは粉飾決算をしようなんという意図はさらさらないまじめな組合だなという印象があったわけです。 しかし、決算内容を拝見しますと、先ほど申し上げましたように、税金という名の補助金を消費する緊張感にやや欠けているなという印象が免れないわけでございます。 旧共済組合は全国に二十四カ所の宿泊施設を経営しておるようであります。これは現地、現物を確認したわけではありませんが、共済組合の宿泊施設ですから、そんな大きなホテルだとか大規模なリゾートということではないと思うんです。いわゆる保険組合でやっているよくある共済施設、保養施設だろうと思うのでありますが、この保養施設が全国二十四カ所ございました。 これは平成八年の決算でありますが、二十四カ所の宿泊施設を運営し、十六億五千万の欠損を出していらっしゃる。この欠損が平成八年三月期では六十億八千万円の累積欠損。ということは、二十四カ所でありますので、一カ所当たりこの平成八年一年間で六千九百万円の欠損、累積で一カ所当たり二億五千万円の欠損を抱えているということなります。 先ほど申し上げましたように、さほど大規模なホテルやリゾートではないと思うんです。恐らく、収容人員数十人、小さな旅館規模の施設だと思うんですが、小さな旅館規模の施設で年間七千万円近くの欠損を出し累積二億五千万円の欠損を抱えているというのは、普通の旅館やホテルであれば完全に倒産状態だと思うんです。 これは第二臨調以前につくられたものでありますので第二臨調は該当しないと思うんですが、第二臨調では、公的な機関が宿泊施設、保養施設をつくるのは慎むようにという答申がありました。それは当然閣議決定にもなっておるわけです。その後、公的機関による宿泊施設等の建設は恐らく中止をされているはずでありますが、今申し上げました旧私立学校教職員共済組合の宿泊施設でかなり大幅な累積欠損を出していらっしゃる、このことについて文部省はどういうふうに御指導なさるのか、お伺いいたします。
○政府委員(高為重君) 今御指摘いただきましたように、私立学校共済事業として職員の福利厚生の一環として施設の運営をいたしておるわけでございまして、御指摘のように平成八年度で十八億余の赤字となっておるわけでございます。これはもちろん減価償却を入れてのことでありますが、いずれにいたしましても、減価償却を含めて収支が償うということが基本的な姿というふうに理解しておりまして、事業団におきましてもその赤字の分析等を行っております。 ただ、最近の状況で、従来利益率の高かった宴会部門とかあるいは結婚式等のものが、これは各会館通じてでございますが減少にありまして、御指摘のような赤字がふえてきておるわけでございます。文部省としても、できるだけ食堂部門等についての民間事業への業務委託の拡大とか、あるいは組合員への利用の効率を上げるためとか、あるいはスケールメリットを生かした物資の共同購入の拡大等、さまざまな赤字の削減のための努力を促してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○長谷川道郎君 そういった意味でおっしゃったわけじゃないでしょうけれども、減価償却を含めるのは当然なことであります。 それにしても、国費三千二百九十九億円投入していながら、毎年二十億近くの欠損が出るというのは、再三申し上げているように、いささか税金を使うという組織の緊張感に欠けるのではないかと思うんです。 それにも増して、申し上げましたように、公的機関が今この時期に宿泊施設や保養施設を経営することの意味があるのか。そういう必然性、合理性があるのか。今、世の中にはお客さんが来なくて困っているホテルや宿泊施設はたくさんあるわけです。宴会場もたくさんございます。その中であえて税金、国費を投入してまで宿泊施設、宴会施設をつくるという意味があるのかどうか。それは、今お話しございましたが、組合員の福利厚生ということでありますが、それだけの合理性で設営を合理化できるかどうか、私はいささか疑問でありますが、その点いかがですか。
○政府委員(高為重君) この共済組合の宿泊等におきます福祉事業は、組合員がみずからの福祉の向上のためにみずから負担する掛金によって自主的に実施をしているものでございます。 この共済の施設につきましては、一般のホテル、旅館のように不特定多数の利用に供するということを本来の目的とするものではなく、あくまで組合員の福祉向上を図るため、組合員及びその家族の利用に供することを主とした目的として設けられておりますので、これまでも組合員の福祉の増進に大きく寄与してきたと私どもは理解をしております。 その利用状況も、利用者の約八割は組合員及び他の共済の組合員でございまして、一般の利用は二割程度となっておりますので、必ずしも民業を圧迫しているということにはならないのではないかというふうに認識をいたしております。
○長谷川道郎君 もちろん、みずからの組合員の掛金で運営されている組織であります。しかしながら、普通の民間の健康保険組合と違うのは税金を受け取っているということであります。これはぜひ是正をするということで文部省から御指導いただかなければならないのではないかというふうに考えております。
○国務大臣(町村信孝君) 一つ誤解がないようにしておいていただきたいのは、さっきの三千何億円というのは、これはいわゆる私学助成でありまして、この福祉事業そのものには国の補助金というのは一切入っていない。区分経理になっております。税金を使ってホテルや何かをやっているんじゃないか、宿泊所をやっているんじゃないかという御疑問でございましたら、それはないということはまず明確にしておいていただきたいし、その点に当たって今後とも、ちょっと言葉はなんですが、私どもは損失補てんをやるつもりは全くございません。 したがいまして、これはむしろ掛け金を払っておられる皆さん方とこれを経営しておられる事業団の方々が、こうやって累増していくことは本当にいいのかねということを真剣に議論していただいて、もちろん効率化等々まさに民間的感覚でやるのは当然のことといたしまして、現実にこうやって累増しているわけですから、できるだけ負債が雪だるま式にならないうちに早急に手を打つ必要があるんだろうと思いますので、今委員の御指摘も伺いながら、事業団に対していつまでもこれをぼっといたらだめだよという意味で私どもも大いに改善を指導していかなければいけないと、こう思っております。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 現実に今もこの欠損が累積をされているということは、それはとりもなおさず大臣おっしゃるように公的資金が投入されていないということでありますので、それは私の言葉足らずでありましたが、いずれにしてもこのまま放置をしておけば将来金額がますますふえるのみであるということでの懸念を申し上げたわけであります。次に、先ほどは文部省所管の特殊法人についてお伺いいたしましたが、同じく文部省所管の公益法人の問題であります。これは前回の委員会審議でも数字で申し上げましたが、国所管の公益法人が、社団法人、財団法人でありますが、七千四百十六ございました。このうち千七百七十八、約四分の一が文部省所管の公益法人でございます。 先般お伺いいたしまして御答弁をいただいた限りでは、文部省は学術や教育や科学を所管する省庁でありますので、したがって公益法人が必然的に多くなるという御説明がございました。それはそのとおりだと思うのでありますが、数はたくさんですので、合計、通計で結構なのでありますが、公益法人への補助金の額は、平成九年度予算、それからただいま審議中の平成十年度予算、それぞれ合計、通計でどのぐらいになっておりますか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 平成九年度につきましては現在集計中でございまして確定した数字が申し上げられませんので、大変恐縮でございますが、平成七年度と平成八年度の数字を申し上げさせていただきたいと存じます。 平成七年度に文部省所管の公益法人に対しまして文部省から交付した補助金は合計で二百一億でございます。これは約百十の法人に対して二百一億の補助金をお配りいたしております。これに対する平成八年度の数字でございますが、百十五法人に対して二百十八億の補助金を交付しておるところでございます。 この具体的中身といたしましては、特に留学生関係団体への補助金がかなりたくさんございまして約七割を占めておるわけでございますが、それ以外にも、民間のスポーツ振興等の補助金でございますとか、あるいは内外学生センター等への補助金でございますとか、さまざまな形で所管法人の公益事業に対して補助をしておるものでございます。
○長谷川道郎君 先ほど申し上げましたように、文部省はたくさんの公益法人を所管されていらっしゃるわけであります。公益法人というのはそもそも最初の時点では普通、任意団体であって、それがある時期に文部省の認可をいただいて法人格を取得し、それが社団法人なり財団法人ということになるわけでありますが、公益法人になるとどのようなメリットといいますか、優遇措置を受けられるのか、それについてお伺いいたします。 それというのは、今まだ出ておりませんが、いずれNPOという問題があります。私は、NPOの概念でできる仕事であれば、それはNPOの概念でやるべきであるということではないかというふうな意味でお尋ねをいたします。繰り返し申し上げますが、公益法人の受ける優遇措置というものにはどういうものがあるのか、お尋ね申し上げます。
○政府委員(小野元之君) 公益法人と申しますのは、民法三十四条の社団法人あるいは財団法人のことだと思いますけれども、この公益法人の許可を受けることによります具体的なメリットといたしましては、まず第一点は法人税が軽減をされるということがございます。公益事業部門については非課税でございますし、収益事業部門につきましても軽減税率が適用されるということがございます。それから第二点目は、法人が受け取ります利子とか配当等に対する源泉所得税が非課税になるという意味で、税制上のメリットが大きいという点がございます。それからもう一つは、公益法人についての寄附金控除の制度がございますので、特に特定公益増進法人等に認定されますと、そういった寄附金控除の面で大きなメリットがああということが税の面ではございます。 それから一般的な社会的な状態といたしましては、主務大臣の許可を得るということでございますので社会的に評価されると。いわゆる任意団体として事業を行うことに比べまして、文部大臣の許可した社団法人あるいは財団法人ということで社会的にも評価される。あるいは財団法人でございますと、一定の財産を出捐するわけでございますので事業の永続性が担保されるということで、一般国民の側からいきますと、任意団体というよりも公益法人ということでかなりの実質上の優遇措置といいますか、そういったものがあるというふうに考えておるところでございます。
○長谷川道郎君 今御説明いただきました法人税の軽減税率の問題でありますが、文部省所管の公益法人にあるかどうかわかりませんが、よく新聞報道なんかで、公益法人が収益事業で膨大な収益を上げている、それはあくまでも公益事業として法人税の課税を免れているというようなことがよく出ておりますが、収益部門と普通の非収益部門の法人税の状況はどういうふうなことになっておりますか。
○政府委員(小野元之君) 法人税の場合でございますけれども、例えば留学生関係の法人が留学生のお世話している部門でございますと、それは公益事業でございますからその部門については全く非課税でございます。それから収益事業部門、例えばその公益法人が何らかの形で土地を持っていて、それを駐車場として貸して収益を上げておられるというようなことがございますと、その収益事業については法人税が課税されますけれども、これはいわゆる軽減税率でございまして、平成十年度以降少しこの率が変わるのでございますが、今までのところ三七・五%の一般の税率に対して二七%の軽減税率が適用されておる。これが平成十年度以降は一般が三四・五%になりますが、これが二五%に軽減というふうに変わると承っているところでございます。
○長谷川道郎君 済みません、ちょっとわからないのでお伺いしたいんですが、今度三四が二五になるというのは、それは国税、地方税も含めてですか。
○政府委員(小野元之君) 国税でございます。
○長谷川道郎君 そうですか。 そういうことで、公益法人が受ける優遇措置がそういうものであるというふうに今お伺いいたしたわけでありますが、逆に、なぜ文部省は公益法人を設立するのか。文部省が設立するわけではありませんが、先ほど申し上げましたように大変たくさんの公益法人を所管していらっしゃる文部省が、それぞれの公益法人が登記する際に法人登記に文部省で許可を与えていらっしゃると思うのでありますが、文部省側から見た公益法人の意義といいますか、意味はどのようなものがございますか。
○政府委員(小野元之君) 公益法人は、民間におきます公益活動の重要な担い手であるというふうには私どもは認識をしておるわけでございます。 民法の規定にもございますように、公益法人の五つの例示のうち、祭祀、宗教、学術、技芸というのは大変文部省との関連も深いということで文部省関係の公益法人が多いわけでございます。具体的には、例えばの例でございますが、幾つかの法人がございますけれども、育英奨学法人、それから学術研究に対する助成をする法人、それから留学生の支援をする法人、それから芸術文化やあるいはスポーツ等の助成をする法人など、不特定多数の利益の実現を目的とするという意味で、積極的な公益活動を行うということに着眼をして私どもとしては許可をしておるものでございます。 いずれにいたしましても、先ほど御説明申し上げましたように、税制上の優遇措置が講じられることもございますし、公益法人に認められるということ自体が社会的にも評価を受けるということもございますので、文部省といたしましては、そういった民間活動が文部省の行っております教育、学術、文化、スポーツの振興といったことに大変関係が深いわけでございまして、ある意味ではそういったものを民間で担っていただいておるという役割もあるわけでございます。 一方では、行政改革の観点あるいは税制の優遇を受けておるという観点から、厳しい見方といいますか、それぞれの設立あるいはその運営自体についてもきちんとした対応をしていかなければいけないということも考えておるわけでございまして、一方で公益事業を推進するという観点で奨励しつつ、しかし設立の許可に当たりましては公益性等を十分審査をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○長谷川道郎君 公益法人は、不特定多数の公益的な利益を民間で担ってもらうという意味で文部省はたくさんの公益法人を所管していらっしゃるということでありますが、実は文部省所管の公益法人のリストを拝見いたしましたら、それはちょっとどこが不特定多数であり、どこが公益的な利益であるのかなというような疑問がないわけではない組織がたくさんありました。 例えば、リストをお持ちだと思うのでありますが、豊島修練会という組織、これは社団法人でございますが、これは某国立大学の附属小学校の同窓会でございます。そして、同様の組織がたくさんございまして、中には鳥取大学同窓会というような公益法人もございます。鳥取大学には大変失礼でありますが、鳥取大学同窓会がなぜ社団法人でなければならないのか、ここにどのように公益性があるのか、どういう意味で不特定多数の利益を図っているのか、ちょっと意味がわからないのであります。 今のこれについてはとやかく申し上げるつもりはないんですが、こういう組織がある時期急速に大量に認可をされたというそういう何か経緯がありますか。
○政府委員(小野元之君) 先ほど御指摘ございましたいわゆる同窓会的な法人につきましては、実は昭和四十年以前に許可をしたものの中に一部、名称の面で御指摘ございましたような同窓会的なものがあることは事実でございます。 ただ、私どもといたしましては、昭和四十九年に方針をひとつ固めてございまして、積極的に不特定多数の方々の利益の実現を目的とするというものでなければいけないということで、同窓会などのような構成会員相互の親睦を主たる目的とするものは設立を許可しないという方針を定めておるところでございます。この方針は昭和四十九年に文部省が決めたわけでございますけれども、一昨年九月の閣議決定におきましても、公益法人の設立許可及び指導監督基準につきましても同じ趣旨のことが定められているところでございます。 ただ、御指摘ございましたように、以前に許可したものの中にはそのようなものがあるわけでございますけれども、文部省といたしましては、単なる同窓会という事業だけではなくて、幅広く地域のための公益事業を行う、あるいはその設立目的の中身を少し広げていただいて積極的な公益活動を行っていただくように指導をしておるところでございます。
○長谷川道郎君 既に登記した法人を廃止するなどということになると、それはなかなか難しいことでありますが、今御説明のとおりであると思うんです。特に、鳥取大学同窓会という公益法人に政府補助金を出していらっしゃるわけはないので、目くじらを立てて申し上げるようなことではありませんが、少なくとも税法上の優遇措置を文部省の認可によって得られている組織でありますので、今後、類似の組織については許可しないという決定があるというお話でありますので、それはそれで了承いたしましたが、気がついた点でございますので一たん申し上げました。 次に、これは今の公益法人の問題に関連するわけでありますが、文部省には検定制度というのがあるそうでございます。文部省の検定制度の意義と内容、概略で結構でございますが、それとそれに対する予算についてお伺いをいたします。 文部省は社会教育上必要なものとして幾つかの検定制度を持っていらっしゃるという資料をいただきましたが、その検定制度についてまず御説明をお願い申し上げます。
○政府委員(富岡賢治君) 文部省の認定技能審査制度というのがございまして、青少年や成人が習得しました知識や技能につきまして、民間団体がその水準を審査・証明する事業、つまり技能審査でございますが、そのうち実施団体から申請があったものにつきまして、その内容、方法等が適切であり、また教育上奨励すべきものを文部大臣が認定するという制度がございます。実用英語技能検定というようなことなど、二十五種目の技能審査が認定されているわけでございます。 予算ということでございましたが、技能審査事業そのものは民間団体が行っているわけでございますので補助金とかそういうものを出しているわけではございませんで、ただ、文部省が認定を行うという事務費につきましては、平成九年度で三十一万五千円の事務費は計上させていただいておりますが、補助金等については計上しておりません。
○長谷川道郎君 予算は大して使っていらっしゃらないだろうというのもわかったわけでありますが、今お話がございましたように、二十五の検定制度がございました。この検定制度の中には、毛糸編物一級から四級、家庭料理一級から四級ですとか、ラジオ・音響の技術検定といったようなものがあるわけでありますが、私がこれを見た限りでは、毛糸編み物教室の先生が上手か下手がなんというのは余り国家が介入すべき問題ではないと思うし、ましてや家庭料理がうまいか下手がというようなことをわざわざ文部省が検定をされるということは、これは目くじらを立てて申し上げるようなことではありませんが、果たして国家が関与すべき問題がどうかという疑問があったわけであります。例えばそろばんの検定というのがあるんです。これは社団法人全国珠算教育連盟というのが独自にそろばんの検定をしていらっしゃる。それはそれでいいと私は思うんです。しかし、申し上げましたように、毛糸編み物や家庭料理を文部省があえておやりになる必要もないんじゃないかなという感じがいたしました。これは予算はさほど使っていらっしゃらないようでありますので、これを廃止しても行革的には余り意味がないかもわかりませんが、一たん申し上げました。 次に、平成八年度決算報告書によりますと、文部省事業委託費、平成四年から八年でありますが、五百三十九件、四千八百万の目的外使用、並びに義務教育費国庫負担金で平成八年度に一億五千九百万円の経理不当があるということが指摘されています。これは会計検査院の指摘だと思うのでありますが、この件についてまずお伺いいたします。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘ございましたように、平成八年度の会計検査院の決算報告指摘事項におきまして、義務教育費国庫負担金等につきまして一億五千九百万ほどの指摘事項があったことは大変残念なことと思っております。 これは主として、義務教育費国庫負担金の負担方法は御案内のとおり、義務教育標準法に基づきましてそれぞれの学校の学級数ごとに教職員の定数を算定したり、あるいは学校ごとに事務職員の定数を算定したりという、一つ一つの学校の算定に基づきまして、その標準法に基づきまして算定しました都道府県の標準定数を限度として国庫負担をするということになってございますので、その算定方法に一部誤りがあったといったような指摘、あるいは本来学校の教員の負担であるべき指導主事等を、教育委員会に勤めておったといったようなことでその算定方法が間違っていたといったようなこととあわせましてそのような御指摘があったものでございます。 私どもといたしましては、従来からこの算定方法あるいは対象経費の確定方法等々につきましてさまざまな機会に事務担当者等につきまして具体的な指導も行っているところでございます。今後とも、このようなことのないよう、具体的な事例を含めまして指導の徹底に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○長谷川道郎君 これは多分中身は、よくある空出張だとか空何とかをやって経費を捻出してどこかで宴会をやってしまうという、そういう性質のものとは私は随分違うものだと思うんですよ。 幾つかの例の中でこういう指摘がありました。 徳島県で五百メーターの範囲にある二つの学校、小学校が大学級、中学が五学級。それぞれの学校に通常でしたら事務職員を置くということになると思うのでありますが、たまたまこの二つの学校か五百メーター以内にあったから事務職員の定数は二でなくて一である。それはちょっと現場が五百メーターなんだか三百メーターなんだかわかりませんのでにわかには申し上げられませんが、五百メーターの範囲内にある二つの学校は一つとしてカウントするというようなそもそも文部省の現在の規定にやや無理があるのではないかということから、地方の現場では、五百メーター離れていでもそれが六百メーター離れているということにして事務職員を二名にガウン十するというようなことがあるというふうに、私はこの勧告を見ましてそういうふうに読んだのでありますが、ややもすると、文部省の規定が実情に合わないといいますか、地方でやっぱり無理していらっしゃるんじゃないかなという懸念があるんです。 実は、私も最近まである学校のPTA会長をやっていました。やっぱり国立の学校だったんですが、今と同じ事務職員の問題なんですが、文部省さんに予算をなかなか認めていただけない。たまたま二つの学校が近くにあったので認めていただけない。したがって、やむを得ずPTAで職員を一人雇って、PTAの仕事をするという名目で学校の事務をしていただくというふうなケースがある。 そういうことで、規定にいささか無理があるのではないかというふうなことが感じられましたので、もしもそういうケースがあるのでしたらぜひ御検討いただきたいということで申し上げた次第です。 以上です。終わります。
○江本孟紀君 民友連、民政党の江本でございます。 町村文部大臣には初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 さんざんてこずらせたサッカーくじ法案も上がりまして、私はきょうはどちらかというと最も得意なものじゃない教育問題についていろいろ御質問させていただきたいと思います。まず私は、きょうの最初の質問ですけれども、公民教育というものについてお尋ねをしたいと思います。 最近の中高生の問題といいますか、非常に精神的な荒廃、こういったものが原因で大きな社会問題になっております。原因というのはいろいろあるでしょうけれども、私は、その基本になる教育の中でやっぱり公民教育というのは非常に大事じゃないか、これについてその内容をとりあえずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 公民科というのは高等学校に設けられております教科でございまして、現代社会、倫理、政治・経済、この三科目で構成をされているわけでございます。 目的といたしましては、「現代の社会について理解を深めさせるとともに、人間としての在り方生き方について自覚を育て、民主的、平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。」、これが教科目標になっておりまして、よりもうちょっとブレークダウンしていくと、日本の生活文化と伝統でありますとか、現代社会の特質とか、あるいは現代の政治・経済、あるいは国際社会における日本の役割と日本人の生き方、人間としてのあり方生き方、こうした内容について指導がされているということでございます。
○江本孟紀君 この公民教育というのは社会科の中でも非常に重要な分野ということで、これは私が知るところによると中学校の三年生からきちっとあるそうでございますが、やはりこれの一番大きな目的は、健全なナショナリズム、すなわち国民的自覚と祖国愛、こういうものが指導の一番の大きな目標ではないかというふうに思っております。そうすると、我々も含めてそうですが、やはり国を愛する心というものを、これは皆さん共通に持っていると思いますけれども、これをやはり一つの根幹として教育の現場にもきちっと伝える。 そういうことでいいますと、私はどうも最近の教育の中というのが、一つの流れの中からしますと、自分の国に対する思いとか思いやりとか、こういったものが非常に薄いんじゃないか。マスコミ等いろんなところで何となくみんなが耳にしているのは、恐らく中学生、高校生でもそうでしょうけれども、非常に自虐的歴史観、こういったものを教育されているんじゃないか。その上に立って国歌や国旗、こういったものに対して非常に思いが薄い。その原因の一つに、やはり教育という現場の中でしっかりした国歌や国旗についての教育をさせていないんじゃないか。 先般も長谷川先生からお話がありましたように、冬季オリンピックであの里谷選手が日の丸が上がったときにぼうっとしていたというようなことでちょっと批判がいろいろありましたけれども、しかしあれはまさしく今の世の中をあらわしているというか、学校の現場をあらわしている、教育の本来のこういったことを教えることのできなかったことをあらわしていることじゃないか。要は、彼女はどうしていいかわからない、国歌が流れているときに、日の丸が上がっているときに何をしていいかわからないというのがやはり一番大きな原因じゃないか。それがまさしくそういった教育の一つの薄さが出ているんじゃないかと思います。 そういったことでいいますと、私も戦後生まれですが、最近教員の方の大多数が戦後生まれの人が多いんじゃないか、割合からしますと。私の過去の経験を振り返ってみても、学校の中で自分たちの国旗とか国歌についてきちっとした教育がされたことはないと思います。非常にあいまいな教育です。そういうことでいいますと、恐らく教員になっておられる今の若い方々も、実際にそのことについては非常にあいまいなものですから、結局教員になっても、子供たちにきちっとした教育をどうしていいかわからない、とりあえず教科書に沿って当たりさわりのない表現を反すうするだけである。 その中で、教科書という問題ですが、教育出版発行の「中学社会・公民」では次のように国旗・国歌のことを書いてあるんです。 国と国とがいろいろな関係を持つようになると、国を表す旗が用いられるようになり、それを国旗として認め合うようになった。また、国の団結を象徴する歌も作られるようになり、国歌と呼ばれている。国旗と国歌は、国との交際で大きな役割を果たすし、また、国民の結束を強めるために利用されることも少なくない。国旗と国歌には、それぞれの国の歴史的な出来事や国民の理想が結び付いていることが多い。従って国旗や国歌に対して相互に尊重することが大切である。 というふうに書いてあるんです。しかし、これは教科書七社あるうちの、今言った出版社が一番多く記述をしてあるわけです。あとはもう本当に流しているだけなんです。しかしこの中にも、「国民の結束を強めるために利用されることも少なくない。」という何か思わせぶりな、どうも何のことを言っているのかわからないようなことを書いて、やはり明確に国旗・国歌というものが教科書の中でも記述をきちっとできていないわけです。 そうしますと、学校の教員そのものがこういった教科書をもとにあいまいな国旗・国歌ということを適当に流した教え方をしておるものですから、やっぱり里谷選手のように、日の丸が上がっても帽子をかぶったままぼうっとしていなきゃしようがなくなる。だから、決して彼女が悪いわけじゃないと思うんです。 もう一つは、君が代という歌詞を知らなかった。これはよく聞いてみると、歌詞がわからないと。だから歌いようがないんです。これは多くの国民がそうであるように、きちっと歌詞を歌えるかというとなかなか難しいですけれども、しかしこれがやはり現実ではないか。 それから、確かに過去にはそういう忌まわしいこともあったかもしれません。しかし、今どき国旗や国歌についてタブー視するというのはもう時代おくれであって、前にもどなたかの大臣のときに払お聞きしたことがあるんですけれども、もう多くの方が認めているんだと。ただ単純に認めているのだというだけでありますから、いや認めていないという人がこんなものは国旗や国歌じゃないよと言っても仕方がないわけです。 だから、現場の先生がどうも本音で触れたくない、何となく流してしまう。一応学習指導要領に拘束されているので、仕方なく国旗や国歌ありますよと。それで、教科書の中でも一番長く記述しているのが先ほど私が読んだような程度のものですから、もうそろそろこういった国旗・国歌の重要性とかというようなものをやはりきちっとすべきではないかと思いますが、この辺について、大臣、どのような御所見でしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 江本委員から大変貴重な御意見をいただきました。 多分、これはもう言わずもがなのこととは思いますけれども、やはりこれは戦前のいろいろな歴史的な事象に対する一つの反動として、愛国心でありますとか国を愛するとかいうことを言うことは、どちらかというと右翼反動であるとか、とかくそういうレッテルを張られがちであった戦後の風潮が間違いなくあったと思いますし、あるいは、国旗・国歌といえば、これこそまさに天皇制賛美の歌であるとかそういういわれのない批判があり、そしてそういうことをまた学校の現場で間違いなく教職員組合の皆さん方が、それはやらない方がいいんだということを、はっきりとそういう指導方針を打ち出してこられたということの反映だろうと私は思っております。 ですから、学習指導要領にはちゃんと書いてあるんです。公民の時間あるいは社会科の時間、道徳の時間、倫理の時間、国を愛することの重要性、我が国のすぐれた伝統文化を誇りと思い、かつそれに敬意を払うことの重要性、書いてあります。国旗・国歌のことも指導要領には書いてあります。 しかし、いつかもこの委員会で申し上げたかもしれませんが、私の娘たち二人は札幌の公立の小学校で、先生がわざわざ、これは覚えなくていいのよと言って飛ばして、そして教えなかった。各学年ごとに入っているんです。でも教えない。こういう要するに戦前の姿に対するある種の反動、逆作用の思いが極端なまでに学校現場に集中的にあらわれてきたというのが実態であろうと思います。 にもかかわらず、私は、逆に国旗なり国歌なりというものが本当に圧倒的多数の国民に定着をしているという事実は事実としてしっかりあると思いますし、学校現場で国旗を掲げ、あるいは国歌を歌うということについては再三文部省も通達を出し指導しております。少しずつでありますがその比率も上がってきて、今ではかなり卒業式あるいは入学式で高い水準になってきたということは、まさに国民の大多数がもうそのことは事実として国旗であり国歌であるということを、君が代・日の丸が国歌であり国旗であるということを認めているということのまさに反映であろう、こう思っておりますが、まだまだ一部地域、学校においてそれが十分徹底していない面もございますので、私どもとしてはさらにこれを徹底していきたい、こう考えております。 委員御指摘のように、ある種の後ろめたさという言葉をお使いになりましたけれども、そういう時代は明らかに過ぎ去った、正しい思いで日本の歴史を、そして日本の国家というものに対して、やっぱり国を愛することの重要性、そうしたことを学校現場でさらにしっかりと教えてもらうように、そしてそれは学校だけではなくて社会全体もまたそうした雰囲気を醸成することが重要だと思いますし、またそれぞれの御家庭でも、例えば祝祭日の日には国旗をそれぞれの家で立てるといったようなことを励行していただく、そうした家庭のあり方というものも、これは文部省が言うことではないかもしれませんが、そういう努力をそれぞれの各界でしていただくことが大切なのではなかろうかと私は考えております。
○江本孟紀君 私がこういう質問をしますと大体そういうお答えをされるんですね。それは当然なんですね。 もう大多数の国民も日の丸とか君が代というのは認めているわけですけれども、しかし、やはりそういったことをそろそろ学校の現場できちっとやらなければいけないんじゃないか、むしろ逆に。みんなが認めているからまあいいだろうという程度ではだめで、これは前にも私は法制化したらどうかという質問をここでさせていただいたんですけれども、そのときは軽くいなされました。だけれども、これは何度も私はそういう要求をしたいと思うんです。やはり公民教育という中に、国の柱であるというようなものをきちっと教育をしないと、どうも最近、中学生、高校生を含めた中でやっていることを見ていると、間違った自由とそして人権意識、こういったものが物すごくあるんではないか。ほとんどの事件とか今社会で起きているような問題を見て探っていくと、やはりそういったところにどうも起因する部分もあるんではないかと思います。 間違った自由や人権意識をどんどん変な角度で植えつけられてしまうと、子供はやはりどんどん暴走をしてくるわけです。歯どめはもう今の時点ではきかないんです。日本に生まれて日本国民であるということであるのであれば、国家を構成する一員であるんだというようなことをきちっと主張すべきではないのかと私は思うんです。とにかく最近いろんな例を見ていますと、そういったところを全部ぼやかしているものですから、中学校でも高校でもそうです、無秩序な行動の生徒を、これは自主性があるというような解釈をする先生もいるんです、中には。 これは一つの例として、これも詳しくはよくわかりませんけれども、最近、新聞紙上でよく出ております。これは大臣も多分新聞等でごらんになったと思いますけれども、埼玉県の県立高校の卒業式をボイコットしたり入学式をボイコットしたりという事件が、事件という言い方はおかしいですけれども、件がありました。これなんかは、戦後生まれの先生と生徒というのが、自由と人権意識というのの履き違えの典型的な例じゃないか。 これは実際に当事者に聞いたわけじゃありません。新聞等で客観的に見てもどうもおかしい。公立て国や県から補助も受けたような公立の学校で、無秩序に自由自由と言って、入学式の行事もおれたちがやるんだ、卒業式は学校にやらせないんだと。これは、自分たちが勝手にやるものだ、それが自由なんだというふうなことを堂々と主張しているように新聞紙上では私は見えるんです。これなんかは、まさしく無秩序な行動を自主性などというふうに解釈をして、先生の教育がどうもなっていないんじゃないかという一例ではないかと思うんですけれども、この辺については、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 若干の報告は文部省に来ているようですが、詳細はまだ私ども把握しているわけではございません。しかも、個々の学校のことについて一つずつ文部省がこれはこうだああだということをすることはいかがかなと、私は率直に言って思っております。 今、教育の分野でも大きく地方分権の流れという方向に沿って、先般、三月二十七日でしたか、中央教育審議会から今後の地方教育行政のあり方についての中間報告をいただきました。基本的にはこれは私どもの考えでもありますし、中教審の委員の皆様方の御意見でもありますけれども、できるだけ文部省の役割は限定をして、そして教育委員会、そして現場の学校に物事を決める権限を移していこうという流れにあると思っておりまして、私もその流れに賛成であります。したがいまして、そうした個々の学校のいろいろな行事のあり方等々について余りあれこれ言うというのは差し控えるべきかなと思います。 しかし、その上に立ってなおかつその新聞報道等を見た上での印象を申し上げますと、入学式とか卒業式、言うならば一つの儀式として厳粛なうちに意義あるものとして行われなければならないということは指導要領にも書いてあるわけでありまして、そういう意味からいたしますと、そういう趣旨に立って校長先生が最終決定責任者として判断をしたものについで先生方あるいは生徒たちが従うのは、これは当然であります。自主的に自分の頭で考え、そして行動するということは、これからの日本人にとって必要な要素であると思っておりますが、それも、どこかで最後は物事が決まるという一定の秩序というものを前提にした上での自主性であり自発的行動であろう、こう思っております。学校の場合では、校長先生が最終責任を持つということは法律上はっきりしております。それを無視して自由気まま、勝手にやることは私はいかがであろうかと、こういう印象を持たざるを得ません。 しかも、若干上がってきた報告によりますと、この学校では職員会議が決定機関であるという、そういう校内規則みたいなものがあるそうでありまして、これは私は間違った校内規則である、それこそ正していただかなければならない、こう思っております。たとえ三人であれ五人であれ一つの組織があれば、必ずそれを管理する人と、そしてそこに従う人たち、そしてその一定のグループでやる。ところが、学校現場だけが異常なことに、校長も教員も全部平等であるという非常に間違った考え方を持っている先生方が少なからずいるんです。まして、十人、二十人、三十人、多い学校では非常に数多くの先生方がいる中で、校長も教員も全部平等であるなんて、こういう世の中の常識とは全くかけ離れた論理構成をして理屈を立てていまだに闘争をやっている、そういう人たちもいるということを聞いて、世の中の常識とかけ離れたことをよく平気でやるものだなと、私は個人的にそう思っております。 したがいまして、これ以上のことを言うといささか私が前段申し上げたことと狂ってきますからこの程度にさせていただきますけれども、しかし、今委員おっしゃったように、自主性というのは一定の秩序のもとで発揮されるべきものであると私は考えております。
○江本孟紀君 まさしくこれはいい例だと思うんですね。何度も言うようですけれども、それは当事者からいろいろ聞いてどうのこうのということじゃないんですけれども、新聞等で見ると、どうもこういうことをやっている方が、自主性だとか自由だとか、これは我々の人権だみたいなことを強調しているように見えるんです。それに触発されて秩序が乱れていくというようなことがあるのではないか。やはり教育の現場というのは、大臣が今言われたようなちゃんとしたピラミッド型でやる、こういうことによって成り立っているんだということをきちっともっと教えるべきではないかと思います。 その柱になるのは国家ということを常に念頭に入れた教育現場というのが必要じゃないかと思います。そういうものが薄過ぎて、荒れている原因の一つにもなっている。原因はさまざまだと私は言いましたけれども、しかし今私が主張したいのは、やはり国がしっかりしてほしい、文部省はもっと強くがんがんそのピラミッド型の仕組みをからっとつくって、国の柱はこうだということを主張してほしい、そういうつもりで私は言いました。 これは私が言っているだけではなくて、最近たまたまちょっと読んだ本で、小説家の五木寛之さんがこの国の将来を案じて「大河の一滴」という本を最近出されました。その中に、日本が世紀末を迎えている、平成八年で年間二万五千人以上の人が自殺をしていると。この数字は見事に自殺に成功した人の数であって、これからしようかなとか、したいなと思っている人が十万人以上いるというふうに言われているということを書かれております。 五木さんが書かれている中に、「この数年来、自殺者の数がぐんぐん上昇しているということは、これから先、他人の命を傷つけることも益々増えてくるのではなかろうかと思います。これは小説家としての大変乱暴で深刻な提言ですけれども、どうもそんな感じがしてなりません。私達は自分の命というものを、その重さの実感というものを、なんとか取り戻す必要がある。そうでなければ、学校教育とか家庭の在り方とか社会の介護とか、いろんなことだけ論じて、いま日ごと起きてくる様々な事件を減らしていこうとつとめたところで、それは無駄なんじゃないかと、と思ったりします」と述べられています。 さらに、「自己の命の重さ、そして他者の命の重さというものがあまり感じられなくなってきたのか。非常に通俗的な考え方なのですが、まず、私達は死というものの現場に立ち会うことが少なくなった、あるいは死というものをはっきりと眺め、それに接する機会が少なくなったということが、死の実感を喪失させる原因のひとつになっているのかも知れない」とし、「戦中戦後を生きて、悲惨の極みとしかいえないような、そういう時代に自分の命が燃えていた、という感覚があります。三ついう感覚を無視してきたのが、戦後の民主主義の教育だったのではないか、建て前の民主主義の教育だったのではないか。そういうものは錯覚であった、それは間違っていた、それは安っぽいナショナリズムであった、というふうに言いますけれども、今の時代の中で、例えば非常に反動的な意見のように言われる意見の中に、やっぱり、かつて自分の命が燃えていた時代というものに対する抑え切れないノスタルジーのようなものを、僕はどうしても感じてしまいます」と書かれています。私はこれに非常に共感しました。 戦後の民主主義教育を受けた者は、今の重さについて学んでいないと恐らくこれは言いたかったのだと思います。団塊の世代、私も含めてそうですが、まさに戦後教育の塊でありまして、今や国家の中枢を担っている年齢でもあるんです。この世代が最近では簡単に自殺をしてしまうというのは、しかし何となくわかるような気もするんです。先日も会社の社長さんが三人一緒につるんで自殺をされましたが、あの方もたしか五十歳前後、まさしく団塊の世代です。 戦後教育のゆがみが今のようなさまざまな事件となって出てきたというのは、これは乱暴かもしれませんけれども、国家ということを考えた上で社会構成をいろいろ考えていくと、やはり戦後の民主主義の教育というものは考え直さなきゃいけないんじゃないか。戦後は、先ほども出ましたように、やはり戦争というものがあったことによって、いろいろきちっとしなきゃいけないことをどうも外してきているような気がしている。そこに間違った自由や人権主義みたいなものが来て、どうも一番もろに影響を受けているのが教育の現場ではないかなと思います。 ここへ来れば、もう戦後五十年以上たちましたから、これは公民教育ということを含めて考えるならば、教育現場でも国家に対する明確な位置づけというものをやはり出していくべきではないか、そういうふうに思いますけれども、その点について大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 江本委員から大変大局的かつ大きな問題について御指摘をいただきました。 どういうお答えをしていいのかちょっと頼もうまくまとまりませんけれども、確かに人の命が非常に軽くなっているといいましょうか、確かに大きな戦争は、ある意味では幸いなことにというか、実際僕は日米安保条約があったからだと思いますが、日本が戦後五十三年戦争に巻き込まれなかったということはとてもすばらしいことであったと、こう思っております。 しかし、じゃ命を奪われることが、あるいは生死の境をさまようことが周辺にないかというと、例えば毎年一万人もの交通事故者が出ている。これなんかある意味では大変なことでありまして、交通事故死というのは事故から二十四時間以内に亡くなった方を交通事故死者と言うので、二十四時間を超えると他の原因で死亡と。だから実際にはもっと多いと思うんですよね。 例えばそれ一つとりましても実際に死と直面している方が相当我々の身近にいるということを考えたときに、死が我々の身近にないということは実際ないと思うんです。しかし、ややもすると、今の重さあるいは死の持つ意味ということを真剣に考えたり学んだり、あるいは習ったりということが戦後の日本の社会からすぽんと抜け落ちているなという印象は、確かに委員の御指摘のとおりであろうという気も私もいたします。 人の命を奪うということは、これは最も他人の生きていく自由とか生きたいという本能的な欲求を抹殺することでありますから、これ以上の他人の自由や権利を侵すことはないのでありまして、先般あるテレビを見ていたら、子供が何で人を殺しちゃいけないのかという質問をしたらそれに答える大人が一人もいなかったという、私はそのテレビを見たわけじゃないんですが、それについてどう思いますかという質問を受けたことがあります。どうして周りにいる大人の人たちはなぜ人を殺してはいけないのかという問いに真っ正面に答えないのかということは私も本当に不思議に思いましたし、要するに生存権といいましょうか、生きていこうという本能を抹殺するということは最も許しがたい行為であるし、しかるがゆえにこれは法律で、当たり前のことですが最も重い罰則のある、してはならない行為として禁止されているわけであります。 いずれにいたしましても、自由の権利とか行使というものは、他人の自由や権利を侵してはならないという制約、前提が伴うことは当然でありまして、その上に立って自分の義務と責任を果たしながら自由と権利の主張ができるということは余りにも当然だし、そのことはまさに憲法にも書いてあるわけでありますけれども、ややもすると、これも戦前の反動なのでしょう、自由と権利の主張ばかりが横行して義務とか責任ということが戦後の日本の社会から非常に軽んじられてきたということも、社会全体がそうだし、そのことが教育の現場にも相当色濃く出ている、いろんなところでそれを私は感ずるわけであります。 それと同じ次元だとは私はあえて申し上げませんが、今委員御指摘のような例えば国家というものについても、これもやっぱり戦前の一つの揺り戻して、国家、愛国心ということを言うこと自体が忌むべきことである、タブーであるといったような戦後の教育現場の雰囲気というものがあったし、それは教育現場のみならず社会全体でもやっぱりあったんだろうと思います。 しかし、それではまともな国家としてこれから国際社会の中で日本が生きていけないし、日本人が国際社会の中に伍してしっかりと生きていくためには、そういう正しい国家意識なくして世界の中で生きていくことはできない、私はこう思いますので、今次教育改革の中では、ただ単に中高一貫をつくるとか、そういうことも大切なんですが、より根本的には、戦後の日本の教育を支えてきたいろいろな平等意識、それも今どんどん行き過ぎて悪平等になっているとか、あるいは自由と権利ばかりを主張して義務と責任を忘れているかのような面が非常に多い戦後の教育のあり方、あるいは今おっしゃったような国旗・国歌あるいは愛国心、さらには道徳の重要性、こうした戦後の教育がどちらかといえば軽んじてきた部分を、この教育改革の機会にやはり基本的な理念としてもう一度見直すという作業を経た上で、私はそういう作業をこの間中教審にもやっていただいていると思っております。 そういう作業を基本でやりながら、同時にそれを制度的にどう実現をしていくかということで、さまざまな選択肢をつくっていくとか、幾つかの教育改革の具体的プログラムが出てまいりますが、そのプログラムの根底にある考え方というものをやっぱり我々はもう一度この時点で見直していくということが非常に重要なんではないだろうか。それなくしてただ単に制度いじりだけの教育改革なら、それは意味がないとは言いませんが、意味が非常に小さくなってしまうんじゃないのかな。 いささか個人的な意見も申し上げまして、これが全部必ずしも文部省の公式見解とは私あえて申し上げませんが、若干の感想を述べさせていただきました。
○江本孟紀君 ちょっと質問が下手で申しわけありませんでしたけれども、非常に私がお聞きしたいことを言っていただきました。 そこで、次に問題になるのは道徳教育で、教育現場の中での道徳教育ということについてお尋ねをしたいと思います。 道徳というのは、これは辞書を調べても、人の踏み行うべき正しい道、良心や社会の規範を基準として、自分の行為、考え方を決め、善や正を行わせる理法、行為と書かれております。道徳教育というのは、人間教育の一つとして一定の価値意識、道徳的感情を子供に育成するということになっております。 また、中学校学習指導要領の道徳の「目標」には次のような記述があります。 道徳教育の目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献できる主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこととする。 とあります。 しかし、これはすべてとは言いませんけれども、最近の教育現場ではどのような道徳教育を指導しているのか、道徳教育を子供にする能力を現場の教師が本当に備えているのかどうか、これは非常に気になるわけです。 最近の例でちょっと事件なんか言いますと、連続児童殺傷事件が起きたあの友が丘中学校の校長先生が卒業式の日の夜にはもうストリップ小屋にいたというので少し問題になりました。それから、現役の女性教師が覚せい剤で逮捕された。それから援助交際で逮捕された埼玉の先生もいる。こういった報道がしょっちゅう起きているわけです。 こういう人がいっぱいいると、子供だってそういうことをしない人を道徳のある人だと思っているわけですから、こういった教師が多いというのは非常に問題だと思います。そこで問題なのは、教職員になるためのシステム、それから教職員になって教壇に立つまでのシステム、こういったものに問題はないのか、大丈夫ですかというふうにお聞きしたいと思うんです。 小学校と中学校の教員にするために先般、介護ボランティア活動を義務づけるというような法案がこちらでも出ましたけれども、道徳というものは非常に大事なものであるということから言えば、学校の先生になる若い先生たちに道徳を語れるだけの自覚があるのかどうか、資格があるのかどうかということを考えれば、これは今のシステムのままで大丈夫なのか、どうもその辺が私は心配になるんですけれども、その点についていかがでしょうか。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘ございましたように、学校の教職員につきましては、教育職員免許法に基づきまして、大学等におきまして一定の必要な単位を持った者に対しまして都道府県教育委員会が免許状を発行する。この免許状を持った者でなければ、幼稚園、小・中・高等学校あるいは特殊教育諸学校、国公私立を通じまして教職員としてその職務を遂行することができないということになっているわけでございます。 主として教員養成を行っております各大学の教員養成課程におきましては、御指摘のような点も踏まえまして、教育原理でありますとか教育心理、生徒指導、教育課程、教科指導あるいは道徳の指導といったものも教職課程といたしまして必要な単位を修得させるということにしてあるところでございます。 今回お願いしております教職員免許法の改正におきましても、御案内のような御指摘等も踏まえ、あるいは現下の各学校の実情等も踏まえまして、現場の苦労にこたえていくというためにも、各大学における教員養成課程におきまして使命感や得意分野や個性を持って現場のさまざまな課題に適切に対応できるような力量ある教員の養成が非常に大事であるという観点から、教職課程に関します単位を重視し、しかもできるだけ教育実習や現場での体験等々をふやし、あるいはカウンセリングの単位を充実するといったような観点から、大学の教員養成課程カリキュラムの抜本的な改善を図るための免許法の改正をお願いしているところでございます。 また、採用段階におきましても、単にペーパーテストのみで学力をはかっていく、あるいは人物を見でいくということではなくて、できるだけ第一次の試験のときから面接あるいは実技、そういったものを入れ込んでいくとか、さらに御指摘ございましたボランティア活動や大学におきますクラブ活動の評価、あるいは民間等におきます社会経験の評価というものを適切に調査書等で評価し、そして面接等でそれを確認するといったようなさまざまな工夫、改善が各都道府県においても行われているところでございます。 また、初任者研修につきましては、すべての小学校から高等学校までの教員につきまして一年間、校外、校内におきまして入念な研修を進める。また、その中でのカリキュラム等におきましても、ボランティア体験、介護等体験、社会的な実務体験、野外体験、そういったような自主的な事柄もカリキュラム等に十分配慮するように指導しているところでございます。 さまざまな御指摘はあろうかと存じますけれども、文部省といたしましては、教員の養成、それから採用のあり方、そしてその後の初任者研修等を初めとする各教職の課程におきます適切な全員の研修、あるいはそれぞれの自身の主体的な判断に基づきます生徒指導、あるいは道徳教育等の研修の機会等を用意するというようなことで、少しでも教員の資質の向上に今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○江本孟紀君 道徳教育というのは、あなたはちゃんとぴしっとしているかと言われたら、やっぱりちょっと自信がないところもあるんですけれども、それはほとんどの方が自信がないと思います。そういう意味で、子供に道徳を教えるというのは非常に難しいと思うんですね。だから、これはもちろん家庭や社会、こういったものが一体となって道徳というものを子供に教えていくということで言えば、学校だけのことではないと思います。 しかし、学校の中でのことで言えば、これはごく一部だとは思いますけれども、教師が立派な人格者であったという時代は結構昔の話でありまして、現在の教師の姿というのは、問題があってテレビ等に出てくると、どうも生徒の暴力におびえたり、それから何となくPTAからやんや言われるんじゃないかというので父兄の顔色をうかがったり、それからとにかく問題が起きたら外へ出さないようにというような、何かちょっとサラリーマン的な集団のように見えるんですね。 しかし、それがすべてじゃないということは何度も言いますけれども、そういったことを含めると、私はやっぱり学校の現場に幅広い人材を道徳教育の講師として登用すべきではないかというふうに思います。それから、学校の校長さんなんかもそろそろ外部の人を入れてもいいんじゃないかなというようなことも思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(御手洗康君) 道徳の時間につきまして、道徳の授業を直接責任を持って指導するという観点から、外部の方々を学校に導入するという制度は現在ないわけでございますが、外部の方々で免許状を持たずにおられます地域のいろんな指導力のある方々を各教科の授業等に特別非常勤講師制度というような形で学校に導入するという制度は既にございまして、特に高等学校、中学校等を中心といたしまして三千五百人程度の方々が一昨年には学校に来てもらっているところでございます。 道徳につきましても、こういった直接的な制度ではございませんけれども、学級担任が道徳の授業をやる際に、外部の適切な方に来ていただきまして、そこでお話を聞くとかいうような工夫、これは今の制度の中でも小・中・高等学校を通じまして、高等学校は道徳の時間ということはございませんけれども、道徳の時間、あるいはクラブ活動の時間、あるいは特別活動の時間等々積極的に活用していただければと、私どもこう思っているところでございます。 また、校長、教頭の資格につきましては、原則として教員免許状を持った上で一定の教職経験を有するということが学校教育法施行規則に定められているところでございますけれども、これにつきましても、外部の方を積極的に登用するという観点から、現在行われております地方教育行政のあり方に関します中央教育審議会におきまして一つのテーマとして御議論いただいておるところでございます。現在まだ中間報告の段階でございますけれども、今後、各校長会や教育委員会等現場の御意見等も伺いながら、具体的にどういう形で御審議いただくか、注意深く見守らせでいただぎたいと思っております。
○江本孟紀君 道徳教育というのは本当に難しいと思いますが、私は、教師になった人たちにとっても一番難しいと思うんです。だから、八九年度版の学習指導要領の教師向け指導書に、「教師は、道徳の目標や内容に示されている精神を自らが授業の中で実践するよう心掛ける必要がある」ということですが、それじゃ、未熟な教師と生徒と一緒になってやっていくと。それはいいんですけれども、未熟な人に教えられる方もまたつらいところがあるわけですね。だから、やっぱり完璧にできた人が教えなきゃいけない。教師が未熟だったら困るわけですね。だから、そういったことを補足する上で、むしろいろんな人と一緒になって、外部の方を登用しながらそういった教育に貢献すると。 それから、余談かもしれませんけれども、学校でよく国会見学とかしておりますが、あの国会見学だけではなくて、やはりもっと恐ろしい現場といいますか、恐ろしいというのはおかしいですけれども、少年刑務所を見せるとか、懲役に行った方が一生懸命何か木工をやっているとか、ああいう姿を見せて、悪いことをすると、おまえ、こんなになるぞと、そういう犯罪に対する教育、これはもう低学年から大いにやるべきではないか。そういったことをやっぱりきちっとやらないと、最近はもう餓鬼ともが悪知恵が働いて、おれたちは悪いことをしても入らないんだよぐらいにしか思っていないわけですよ。だから、道徳というのはいいことばかり言うんじゃなくて、少し恐ろしいことも教える、怖いものを知らせるというようなことがやっぱり今一番必要ではないかなと思っております。 そういった場合に、私は以前にも、学校には警察官とかそういうのをどんどん取り入れなさいと。アメリカの高校、大学あたりは当然スクールポリスがいて金属探知機があってというような、全く別個の組織で秩序を守る。こういう精神がそろそろあってもいいんではないかなと私は思っておりますので、ぜひ今後こういった面も考えていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○松あきら君 私は、まず初めに、幼稚園を活用した保育モデルについてお尋ねをいたしたいと思います。 御存じのように、現在、少子化が非常に進んでおります。私の地元の横浜市も就学前の児童数が年々減っているわけでございます。昭和五十年には三十万六千四百八十二人おりましたのが平成九年には十八万八千三百七十一人と、このように激変しているわけでございます。保育所の児童数は、昭和五十年は一万千九百九十七人、平成九年は一万九千百五十人。幼稚園の児童数は、昭和五十年は七万八千六十四人、平成九年は五万五千四百六十七人と、幼稚園児の数が約二万三千人も減っているわけでございます。 というとどういうことが起こるかというと、今幼稚園の廃園という問題がいろいろ起こっているわけでございます。個人立、宗教法人立の幼稚園は廃園できるんですけれども、学校法人立の幼稚園では、廃園はその財産の帰属問題が非常に難しいということでなかなかできにくいということなんですね。そして、今お話ししましたように、幼稚園児の児童の数が年々減ってきてもやめるにやめられないという状況が起こっているわけでございます。 幼稚園は、御存じのように、就園年齢が三歳児以上、幼稚園の時間以外しか利用できない、教育目的に限られるというわけで、三歳以上の在園児の預かり保育、お母さんやお父さんの都合で時間以外にも預かるということはできるんですけれども、園児以外の対象は不可となっているわけです。もちろんこれは年齢もそうでございます。 私は、幼稚園を設置する個人がゼロ歳児から二歳児対象の保育所的な事業を行えるようにぜひしていただきたいと思うわけなんでございます。幼稚園事業も保育所的事業も個人の行う事業の種類にすぎないわけで、これは管轄は実は文部省と厚生省と違うんですけれども、しかし、幼稚園の園地、園舎を幼稚園の正規の教育時間内に使用することはできないという、こういう制約を除けば特に問題はないんじゃないかと私は思うわけでございます。 そこでまず、私立学校法あるいは幼稚園設置基準などを改正するについての文部省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐々木正峰君) お尋ねの中の私立学校法の関係でございます。残余財産の帰属者の関係についてお答えを申し上げますが、私立学校法三十条三項は、幼稚園から大学までの学校教育法第一条の学校を設置する学校法人が解散する場合の残余財産の帰属者を寄附行為に記載する場合には、その帰属者を「学校法人その他教育の事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない。」というふうに定めておるわけでございます。 これは、学校法人の財産は本来、私立学校教育のためにささげられたものであり、またその一部は、私立学校教育を充実しようとする観点からの保護者あるいは卒業生等の寄附、国、地方公共団体の助成等によって形成されたものでございますから、学校法人が解散した場合も、その残余財産は寄附行為で自由に帰属者を決めることを認めないで、学校法人その他教育の事業を行う者に帰属させて長く教育事業の用にささげようとしたことによるものでございます。 残余財産の帰属についての考え方は、このようにいわゆる一条校を設置する学校法人に共通する考え方によるものでございますので、幼稚園を持つ学校法人が解散した場合についても、その設立の趣旨、目的の異なる社会福祉法人に残余財産を寄附することは、その財産が出捐された趣旨から適当ではなかろうと考えておるところでございます。
○松あきら君 今のお話でございますと、学校法人立の場合は、これが幼稚園児が少なくて解散するといった場合は、解散後はその財産はほかの学校法人の帰属するところという意味だと思います。そして、例えば帰属する法人がない場合は国に帰属することになっている。国にお返ししちゃうというか、取り上げられてしまうというか。そういうことで幼稚園はやめたい、幼稚園児も減ってきちゃったしもうこれ以上経営が続けられないと。 しかし、最初にお話ししましたように、幼稚園児はこんな二万三千人も減っているんですけれども、実は保育所の児童数というのは、昭和五十年と平成九年を比べても七千人余りふえているわけですね。ですから、そういう実態からして幼稚園は経営できないけれども、地元のお父さんやお母さんたちの要望もあるのでぜひ保育園をやりたいと思っても、今の現状ではそれができないというわけなんですね。 私は、やはり同じ子供たち、大事な子供たちに対する事業でございますから、例えば学校法人が解散した後もその財産を使用して、あるいは引き継いで社会福祉法人として設立できる、そういうふうにすべきだと思いますけれども、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(佐々木正峰君) お答えを繰り返すことになって恐縮でございますが、私立学校法三十条の規定は、いわゆる一条学校を設置する学校法人全般に関する規定でございまして、さらに残余財産の帰属の問題は、教育の事業を行う法人としての学校法人の公共性というものを担保する重要な問題でございますので、私立学校法を改正する考えというのはなかなか難しいということを御理解いただきたいと思うところでございます。
○松あきら君 今ここでそういうふうにいたしますというお答えがいただけないとは思うんですけれども、今の子供たちが荒れている、大変だという現状があるわけで、これはやはり今の子供たちにとって言葉あるいは遊びが足りない、こういう指摘が随分なされているわけですね。ですから、画一的な考え方でなくて、働くお母さんも非常に多くなっているわけでございますので、保育所をもっとふやしていかなければいけないという観点に立つでこれからぜひ進めていただきたい、これは要望をいたしておきます。 次に、外国人県民の人権を尊重するという点からの質問でございます。 文部省では、平成九年度、日本語教育が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況等に関する調査の結果を発表いたしました。神奈川県でもこの対象になる児童が千六百三十三人と非常に多いわけでございます。この調査で文部省は今後どのような施策を考えているか、まずそれをお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(雨宮忠君) 概括的な事柄につきまして私の方からお答え申し上げたいと思います。 今先生御指摘のように、平成九年度におきます日本語教育が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況等に関する調査におきまして、全国で該当する児童生徒数が一万七千二百九十六人ということでございまして、神奈川県におきましては千六百三十三人ということで、全体の一割弱、愛知県に次いで二番目に多数の児童生徒を抱えているという状況でございます。 文部省といたしましてどんなことをやっているかということでございますが、大きく分けて三つございまして、一つは教員に関することでございます。まず教員に関することの一つといたしましては、外国人子女の教育に対応する教員を配置していくということ、これが一つでございます。 それから二番目におきまして、その教員がすぐさま教育になれるとは限らないということでございますので、その教員の教員というような立場の指導協力者というものを派遣する、こういう事業も行っているところでございます。それから、その担当教員自体の研修会も行っている、こういうことが教員という事柄について行っていることでございます。それから二番目に行っておりますのが教材等でございまして、日本語の指導教材でありますとか、あるいは指導資料の作成配付などの事業を行っておるところでございます。 それから三番目には、やや周辺的と言うとちょっと語弊がございますけれども、外国人子女の直接の教育に限らず、外国人子女の保護者等に対しまして地域において、日本語適応教室と称しておりますが、日本語学習の機会を提供するための事業を行っておるところでございます。今後ともこれらの事業を充実させていきたいというように考えておるわけでございまして、平成十年度の予算案におきましても、外国人子女教育受け入れ推進地域の指定事業の実施にかかわる経費を新規に計上しているところでございます。 いずれにいたしましても、今申し上げた各種の施策を通じまして、日本語教育が必要な外国人児童生徒の教育の体制というものを整備してまいるように努力していきたいということでございます。
○松あきら君 外国人学校についてお尋ねをいたします。外国人学校は、中華学校やあるいは朝鮮学校など、全国に百三十校ほどあるというふうに伺っております。約三万人の児童生徒が通っております。しかしここの高等部は、高校を卒業して私立大学は受験できても、日本の国立大学を受験できないというんですね。どうして私立大掌は受験できて国立大学は受験できないのか、その理由をお教えください。
○政府委員(佐々木正峰君) 我が国の大学入学資格につきましては、学校教育法の規定に基づいて、高等学校卒業者またはそれと同等以上の学力があるとして、文部大臣が認める者に与えられているところでございます。外国人学校は学校教育法の中で各種学校として位置づけられておるわけでございまして、各種学校の教育内容については、法令上、特段の規定が設けられておりません。 したがいまして、その卒業者に対して、一般的に高等学校を卒業したと同等以上の学力があるというふうに認定することが困難でございます。そういったことから大学入学資格を認めていないというところでございます。
○松あきら君 各種学校として取り扱っているそうでございますけれども、例えば横浜にございます横浜中華学院は卒業までに百十七単位を課しております。しかも六三三制なんですね。日本の高校より三十七単位も多く取っているわけでございます。各教科は文部省の学習指導要領にきちんと合っているわけでございます。そしてまた設備、教授陣も日本の高校に引けをとらないすばらしい教授の方々がそろっているわけでございます。 本国ではこの学校は正規の学校と認定されておりまして、国公私立大学をもちろん無条件で受験ができるわけでございます。日本の国立大学には日本語ももどかしい留学生を受け入れているのに、日本に生まれ育って日本語の達者な、しかも彼らの親たちは納税者である、こういう外国人学生を門前払いをしているのはどういうことか。ちなみに、お隣の韓国では中華学院等の受験はすべてオーケーだそうでございます。 私は、何でこうなのかなというふうに思うわけでございますけれども、先ほどおっしゃったように、学校教育法六十九条に「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者」とありますが、横浜中華学院の場合、どこの項目が該当しないんでしょうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(佐々木正峰君) 横浜中華学院でございますが、本国において正規の学校として認められているといたしましても、我が国の国内にございますので、我が国の法令、制度によって位置づけられるものでございます。その観点から見たときに、横浜中華学院は各種学校でございますので、御指摘いただきました六十九条、これは一号から五号までございますけれども、このいずれの号にも該当しないということで大学入学資格が認められない、そういう扱いになっているところでございます。
○松あきら君 今のお答えを伺いましても、私は、きっと皆さんこのお答えを伺っていて納得できないと思われる方が多いんじゃないかと思うんです。これはどこをとっても今おっしゃっていることに該当しないわけで、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるわけでございますし、外国人であるという以外はすべての点で違うところがないと思うんです。長い歴史を持って真剣に教育を続けている、しかもきちんと日本の学習指導要領に沿ったそういう学習をしているわけでございますし、しかも今申しましたように親も納税者である。やはりこれは人権問題であるというとらえ方をされてもいたし方がないのではないか。そういう意味で、これは要望でございますけれども、文部大臣、ぜひ一日も早くこういったことを改正していただきたいという要望を申し上げておきます。
○国務大臣(町村信孝君) 再三、本件は衆議院の方でもまた当委員会でも御議論をいただいているテーマであろうかと思っております。これはやっぱり日本の学校教育の根幹にかかわる話でございますから、なかなかそう簡単にわかりましたと申し上げられることではなかろうと。私は、詳細この学院のことについて存じ上げておりませんので、指導要領によっているかどうかということすらわからないわけでありますし、百十七単位の結果がどれだけの水準に達しているかもわかりません。 いろんな意味からして、いわゆる外国人学校というんでしょうか、日本の教育制度とこういう学校とのどういう調整を図るかという非常にこれは根幹にかかわる問題でございますので、今せっかくの松委員の御要請ではございますけれども、直ちにわかりましたと申し上げられる状況にはございません。
○松あきら君 そうでございますか。私立はオーケーで国立はだめという、もう一つ私は納得いきませんけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、今教育現場で起こっていることでございます。先日も私は、NHKの教育テレビで中学の現場の先生が七、八名お出になっている二時間ほどの生番組を拝見いたしました。そこで先生方のさまざまな叫びを伺ったわけでございますけれども、まず初めに文部大臣に、先日栃木で懇談会をおやりになった、その感想をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 栃木県内の校長会あるいは現場の先生方、幼稚園から高等学校まで、私立も含めてでございますが、非常に幅広い方々に御出席をいただきましてざっくばらんな御意見をちょうだいいたしました。大変に学校現場で苦労をしておられる姿の一端をかいま見ることができ、伺うことができ、大変に有意義であったと思っております。それまでも私も中学校の先生方と、あるいは私が学校現場に足を運んで生徒あるいは先生方とこれまでも何度か懇談をしたりお話を伺ったりしてまいりましたけれども、なかなか御苦労が多いんだろうなと思いましたし、そうした現場の皆さん方の御苦労を私どもとしては最大限支えていきたい、こういう思いでございます。 〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕
○松あきら君 先生方のいろいろな叫びの中で、今の学習指導要領が非常に重くなっている、大変になっている。ですから、中学に入学してくる段階で、小学校で落ちこぼれていると言ったら語弊がありますけれども、もう学力的についていけない子がかなりいるんだと。 そこで問題になったことが実は漢字のことなんですね。例えば、小学校で覚える漢字の数が九百八十二字から千二十字にふやされたというんです。小学校一年生で八十字覚えなきゃいけない、二年生で百六十字というぐあいなんですね。国語の時間が一年生では二百七十二時間から三百六時間、二年生では二百八十時間から三百十五時間と、例えばこういうふうにふやされたわけです。そうするとどういうことになるかというと、例えば小学校一年生で毎日国語のミニテストというのをやるそうなんです。十ぐらいの漢字らしいんですけれども、そういうことをやっていかないと八十字もとても一年生で覚え切れないというんですね。 例えば、一年生に漢字を八十字、二年生に百六十字と決めた何か科学的な根拠はあるのでございましょうか。
○政府委員(辻村哲夫君) 先生の御指摘は、平成元年の学習指導要領の改訂におきまして、学ぶべき漢字、これを第一学年で四字、それから第二学年で十五字ふやしたということに関連してのお尋ねだと思いますが、昭和五十六年に、従来当用漢字というふうに言われでおりましたが、これは千八百五十字でございます。これは一般の社会生活において使用する漢字の目安でございますけれども、これが常用漢字というふうに変わりまして、千九百四十五文字というふうに改正されまして九十五文字ふえました。 〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕 これは、やはり小中を通して義務教育の段階で社会生活に必要な漢字だということで学習させる必要があるということ、その背景と、それから週一時間ふやすということでこうした改訂が行われたということでございます。
○松あきら君 漢字だけではないんですけれども、私も本当にこれは目に浮かぶようなんですけれども、朝登校してくる中学校の生徒が、かばん以外に何か重い荷を背負って登校しているような子供たちが多い、そういう暗い表情をしている生徒が多いという先生のお話もございました。そしてまた別の先生は、もう学力的についでいけなくなって、もう既に中学に入学したときには学力的についていけない子がかなりいるんだ、これは実際言えばもう半数ぐらいいるんじゃないかというようなことなんですね、国語だけではなくて。 そして、例えば国語の例で言いますと、切れる、むかつく、がんつける、今子供の言葉がすごく少なくなってしまって、何か本当に青少年というか若い子供が発する会話の言葉が成り立たないというのをみんな言われていますよね。それと、例えば常用漢字をこれだけ覚えなきゃいけないということと何か反比例しちゃっているような気がするわけでございます。例えば国語の例一つとっても、漢字をたくさん覚えさせることよりも、一人でも多くの子供がついていける状況にすべきなんじゃないか。たくさんいろんなところで少しずつ難しく授業をしてしまう。 もう一つ、これは実は数学の授業について私が調べましたらこういうことが起こっているんですね。例えば、一ページから五十ページまである。全部の学校かどうかわかりませんけれども、これは幾つかの学校でそうだというふうに伺いました。初めからやっていきますよね。そうすると、例えば三分の一程度終わると最後の方に飛ぶというんですよ。そして、最後の方に飛んである程度できたらまた真ん中に戻ったりする。何でそんなことが起こり得るのかと私は非常に不思議に思いまして聞きました。そうしましたら、壁とか家庭教師に行っている子供が多いので、落ちこぼれの子も多いけれども、反対にできる子もいるわけですね。そうすると、そのできる子供たちに順番に教えていくと、学習指導要領がいっぱい詰まっているから、一から例えば五十までずっとやっていくと時間が間に合わないというんですね。それで、できる子供たちのランクを落とすわけにいかないし、先生の苦肉の策で、全員とは言いませんよ、だけれどもこれが後の方へ飛んで、また時間があると戻るというこんなことも実際に中学校では行われているということを私は幾つかの学校で聞きました。 やはり、これは私は重大なことが起きているんだなと。そして、日本は一つの教室で先生方がかわるわけですから、生徒は同じ場所にいるわけで、先生のなかには、六時間同じ教室に座っているのは非常に苦痛じゃないかと思ってしまうとおっしゃるんですね。やっぱり根本的に何かが今、もちろん大人の姿勢であり、私たちの後ろ姿であり、もちろんいろんなことが関係しているんですけれども、学習指導要領一つとっても、だんだんそれが過重になっていってしまっているような気がするわけでございます。 ですから、今文部大臣が先生方とのお話し合いの中で、いろんな心の交流、例えば上級生と下級生の間でも縦の関係がなくなったというお話も伺ったというのも聞きました。それは何で縦の関係がなくなったのかというと、やっぱりそれは例えば遊びの中で覚えたりするわけですね。遊んで例えば何かにぶつかって痛いというのを覚える、あるいは何かで遊んでいるうちにけんかして殴られて痛いのを覚えるというようなことが、時間的に非常に過重な学習指導要領の中で勉強しなきゃいけないために子供たちがアップアップしているんじゃないかなと私はつくづく思うわけでございます。 やはりそこの根本的なところを変えていかなければ、私はこれはなかなかうまくいかないんではないかと。そして、今いろいろございましたけれども、よい先生なくしては立派な教育はあり得ない。もちろんそうなんですけれども、私は一体全体よい教師、先生というのはどういう先生を指すのかなと、これを一度伺いたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) まず、前段の問題提起につきましては、確かに過重になっている部分もなくはないなと思います。そんなこともありまして、今、指導要領改訂作業中でございますけれども、昨年出されました中間取りまとめでも、思い切って基礎・基本に厳選をするということを方針として打ち出しておりまして、それだけはしっかりと覚えてもらう、あとはそれぞれの、特に中学、高校になりますと選択の時間をふやすなどして、将来の進路も見据えながらその子供の伸ばしていきたい分野に進めるようにしていく、こういう考え方であるわけであります。 ただ、一つだけ申し上げたいのは、重荷を軽くすることだけが子供にとっていいことだろうかなという気がいたします。ややもすると、最近はたった一人のお子さん、二人のお子さんだから、もうかわいいかわいい。気持ちはわかりますけれども、何か厳しさというものを一切取り去ることが学校が楽になり楽しくなるという、いささか私の目から見ると偏った部分がありはしないかなと。オリンピックの例じゃありませんが、死ぬような思いをしてけいこをするから初めてメダルをとれた喜びがあるように、何か重荷を取り去ることだけが今の教育のこれから持っていく姿だとしたら、それは私はやっぱり違うんじゃないのかなと。どこか時として厳しさ、大変さ、またハードルを乗り越える、またそれに頑張って耐える力というものを家庭でもまた学校教育の中でも持っていないといけないのではないだろうか、こう思います。 したがいまして、いい先生は何かという問いにもつながってくるわけでありますが、いろいろな見方があろうと思います。私は、基本的にはその一人一人の子供たちの能力を引き出すといいましょうか、やる気を引き出すといいましょうか、基礎を習うという意味でそういったことをきっちりと教える先生としての資質も大切だろうと思いますが、より重要なことは、やっぱりその子にやる気を起こさせること、学ぼう、生きていこう、そういう能力をすべての子供がいろんな面で持っていると思いますから、記憶力以外のいろんな能力をうまく引き出していく、そして生きる意欲を子供たちにうまく与えることができたら、それは私の目から見ると一番いい先生なのではないだろうか、こんなふうに考えます。
○松あきら君 ありがとうございました。私ももちろん同じ意見でございます。 ちなみに、宝塚音楽学校というところは非常に厳しい世界でございまして、一年上級生がカラスが白いと言っても、白いんだという軍隊のような厳しさでございます。身も心もやわらかいうちにもちろん厳しくしなければいけない。ただ、私が今重荷と言ったことは、私たちの時代の学習指導要領の内容よりもさらに重くなっているといった意味で、知識だけが私は教育だと思わないということでございます。やはり知育、徳育ということも含めた教育ということが教育ではないだろうかというふうに思います。 そしてまた、先生の中でこういった意見がございました。文部省はちっとも我々の意見を聞いてくれない。それは何かというと、やはり自分たちもよい教育をしたいんだ、子供たちにしっかり教えたいんだ。だけど、例えば、男の先生が自分は四十歳だと言うんです。大学を卒業してすぐに入ってきて一番若かった。四十歳になった現在も実は学校の中で一番若いと言うんですよ。よその先生方を見ても、自分たちと同程度の先生が一番若くて、これは予算の問題とかいろいろあるとは思いますけれども、本当に若い世代の先生を全然採用してくれない。自分は二十年近くたってもずっといつまでも若い。どんなに若いつもりでも、やはり心も件もそれだけ年をとってくるんだ。自分が大学を卒業してすぐ来たときは、休み時間には子供たちと一緒になって外で一緒に遊んだと言うんです。でも、先生も採点したりいろいろ大変で今は遊ぶ気力が、気力というか体力ももう年齢的になくなっちゃっている。だから、そういうことも非常に大きな問題である。 だから、若い人もぜひ採用してほしい、部活の先生もいないんですからぜひお願いしたい、これもなかなか聞き届けでいただけない。そしてまた、今御存じのように保健室にはたくさんの子供がやってくるという状況である。私は家庭にも大きな問題がもちろんあると思うんですけれども、保健室にやってくるなと言ってもやっぱりやってくる。そうすると、養護の先生が一人じゃどうしても足りないから、ぜひもう一人、二人にしてほしい、こういうこともずっとお願いしているんだけれども、これも全然聞いていただけない。こういうことに関してはいかがなるのでございましょうか。
○政府委員(御手洗康君) 教職員の定数改善につきましては、養護教諭あるいは事務職員等も含めまして、御案内のとおり、昭和三十四年から義務教育では第六次にわたって現在まで逐次改善を図ってまいっておりますし、また高等学校につきましても第五次の計画に現在着手しているところでございます。 現在、教員の採用が非常に少なくなっているということは事実でございまして、公立の小・中・高等学校についで見ますと、平成元年度当時、一番多い時代には三万五、六千人ぐらい毎年採用しておりましたけれども、平成九年度を見ますとそれが一万六千人ぐらいということで、半減しているということは事実でございます。教員の数は、基本的には小・中・高等学校におります子供の数によって制約を受けるということでございます。したがいまして、子供たちがベビーブームあるいは第二次ベビーブームということでふえているときには大変採用が多うございまして、正規の教員免許を持った教員を採用することができないというようなことで、特別に県教育委員会が養成施設等をつくって即席の教員を雇わなければならないといったような事態もあったわけでございます。そういったときには、ベテランの教員がいないというような現場の声があったわけでございます。 したがいまして、定数改善計画でおおむねこれまでやってまいりましたのは、義務教育につきましては、ほっておきますとほぼ毎年一万人から九千人ぐらい自動的に定数が減っていくというものを、基準改善という形で五千人ぐらい採用にも回っていくというようなことで考えてきたわけでございます。その辺は、私ども文部省が何かをしないということではなくて、やはり学校におきます子供の数に応じた教員数を、国、地方を通じる限られた財政措置の中でどう負担していくかということで、ひとつ御理解を賜りたいと思っているわけでございます。 ただ、そういったこれまでの改善の結果を申し上げますと、教員一人当たりに対します児童生徒比率ということでは、かってに比べますと相当数改善されてきておりますし、また、個々の教員の持ち時間というものも昔ほどは多くはなっていないというふうなことについても御理解をいただきたいと思います。
○松あきら君 時間がもう終わりに来ましたので質問をやめたいと思います。しかし、文部省のいろんな方に伺ったら、文部省は頭が古い古いと言うけれども、文部省は反対にそれこそ学校の裁量に任せますよというようなところでも非常に偏ったやり方をやっているところもあるから、文部省というよりも教育委員会の中に古い頭の人が多いんじゃないかなんという話も聞いております。そんなことで、今文部省や教育委員会の批判もございますけれども、私は、二十一世紀を支える子供たちの知育、徳育ということを含めた教育という観点から、お若い町村文部大臣でございますので、ぜひ今までにとらわれない新しい発想をもって教育改革を進めていただきたいという思いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。 非常に限られた時間でございますから、三点について手短にお尋ねいたしますので、お答えになる方もひとつ簡潔に的を射た御答弁をお願い申し上げておきます。 まず、文部省がかかわっている問題もございますのでお尋ねいたしたいのは、年金受給者の現況届における市町村長証明の問題についてでございます。 御存じのように、予算委員会の論議の中で、年金受給者の現況届の際に市町村長の証明を求めている問題については、厚生年金、国民年金は厚生省社会保険庁所管でございますけれども、厚生年金、国民年金については班に今年の一月から廃止されているわけです。もう一つは、国家公務員の共済年金の所管は大蔵省でございますけれども、大蔵省も国家公務員の共済年金については市町村長の証明をこの四月から廃止しているわけです。 そこでお尋ねしたいのは、文部省所管の私学共済についではどういうふうに今対応なさっておりますか。
○政府委員(高為重君) 私立学校共済年金制度におきまして、年金受給者が死亡したにもかかわらず届け出がなされていないことに伴う年金の過払いを防止する観点から、毎年一回、年金受給者の現況属をお願いいたしております。その際、この現況届の提出に当たっては、年金受給者の生存確認のため市町村長の証明を必要としているところでございます。 御指摘のものにつきましては、私学共済年金制度においては、年金の過払い防止の実を上げつつ年金受給者の負担の軽減を図るため、現在国会に提出されております住民基本台帳法の改正案におきます住民基本台帳ネットワークシステムが導入されれば、市町村長による生存証明が不要になるものと考えております。
○上山和人君 同じように順次少しお聞きしてからさらに質問をいたします。まず、地方公務員の共済年金について、所管は自治省ですが、どのように対応なさっていますか。
○説明員(久元喜造君) 基本的にはただいま文部省から御答弁がありましたのと同じ考え方でございまして、私どもも、年金の受給者に対しまして過誤払いを防止するなど適正な受給を確保するという観点から、年に一回現況届書の提出をお願いしているところでございます。この現況届書の提出に当たりましては、年金の受給権者の方に市役所等に出向いていただきまして、生存しているということについての市町村長の証明をお願いしているところでございます。 自治省といたしましては、現在、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を提出しているところでございますが、このシステムを活用することによりまして、プライバシーの保護にも十分配慮しながら効率的な確認が可能となるため、現況届書における市町村長の証明は不要になるというふうに考えております。
○上山和人君 もう一つ、農林漁業団体職員の共済年金の所管は農水省だと思いますが、どのように対応なさっていますか。
○説明員(高橋賢二君) 私どもの所管しておりますのは農林漁業団体職員共済組合、通称農林年金と言われております。これにつきましても他の共済制度と同様、年に一回、当人確認ということで市町村長の証明書を添付した身上報告書を提出していただいているところでございます。 今後の考え方としましては、これも先ほどの御答弁と同じなんですが、住民基本台帳ネットワークシステム、これを使うことによって市町村長の生存証明は不要になる、そういう方向で考えておるというところでございます。
○上山和人君 各省庁ばらばらだということがこれでよくわかるわけですよね。同じ趣旨で現況届の際市町村長の証明が求められていたシステムであったのに、厚生省は一月一日から市町村長証明を廃止している。また大蔵省は四月一日から同じように市町村長の証明を廃止されている。なぜ自治省、そして農水省、文部省は同じ性格の問題を同じように処理できないんですか。住民基本台帳法の今提案中であるというのはわかります。しかし、それはまだ審議にも入っていませんよ、いつ成立するかもわからない。そんな状態で厚生省社会保険庁はいち早く一月一日から廃止した。そして大蔵省も四月一日から廃止している。なぜ自治省や農水省や文部省は同じようにそれができないんですか。
○国務大臣(町村信孝君) これはもう委員よく御承知のとおりだろうと思いますけれども、指定統計調査である厚生省の人口動態調査の死亡票の使用、これを総務庁から目的外使用の承認を受けて、死亡票に基づいて作成した磁気テープで社会保険庁の年金受給者情報と突合して生存を確認するという別途の方法ができたから厚生省はやめたんです。我々はそういうものはないんです。だから、我々としてはちゃんと掛け金を払っていただいた方々の最大限の利益を考えたときに、間違ってたくさん払っちゃったなんということが起きたならば、これは年金の掛け金を払った方々に大変申しわけないから、そういうずさんな事務処理はできないということで、次の自治省の住民基本台帳のネットワークができた暁には、それはもう要らないということになりますが、今これをやめたら、過払い、誤払いが出てきたときにだれがそれの責任を負いますか。私はとてもそんな無責任なことをやるつもりはありません。
○上山和人君 今、文部大臣は一つのことを言われましたよね。つまり生存確認をどうするかという問題。これは年金法上の義務である死亡届を提出することを一層励行することと、そして戸籍法による死亡届に基づく情報を活用することで十分可能だという理由で廃止されておるわけですよ。それはほかの省庁だってできると思います。 私が申し上げたいのは、これはここまで申し上げなくてもいいと思うんですけれども、地方分権推進委員会の第三次勧告の中に盛り込まれている。それはもう各省庁とも十分御存じだと。しかもこの問題については、確かに平成十一年度に行われる予定の年金制度改革の際に見直してほしいと。その第三項に年金受給者の現況届に係る市町村の生存証明書を廃止するというのがありまして、これに基づく処理の仕方、しかも理由は、高齢者が市町村の窓口に行くことが大変な負担になる。これから高齢者はどんどんふえる、七十代の者も八十代の者もあるいは九十代の者もどんどんふえていく。そういう高齢の年金受給者の負担を軽くすることと、市町村の事務量が非常に多くなっていることからそれを軽減すること、この二つの観点から地方分権推進委員会の第三次勧告の中に勧告されているわけですよ。 それを厚生省と大蔵省は前倒し実施されている。つまり、市町村の事務量を軽くすることと、そして高齢者の負担を軽くすること、そういう両面から考えて前倒し実施されているわけですから、これはやっぱりそんなふうにばらばらにならないように、これはどこが統一をしてまとめる調整役を果たされるのかよくわからないんですけれども、後からいろいろ考えなきゃならないと思いますけれども、同じ年金受給者の負担になっている問題を、せっかく厚生省や大蔵省は第三次勧告を前倒しして実施しているのに、自治省や農水省や文部省ができないということはないと思います。 今後どうするかということについて、まず自治省どうですか、このままやっぱり住民基本会懐法が成立をするまで待つんですか。それとも大蔵省や厚生省の例に倣って、あるいはその事情等をよく聴取して、できるだけ早く前向きに検討するという検討姿勢はないんですか、はっきりしてください。
○説明員(久元喜造君) 私ども年金行政を所管しております立場から申しますと、ただいままさに文部大臣から御答弁がありましたように、適正な年金の支給ということが大変重要なことであろうかと考えております。もちろん年金受給者の方のいろいろな御負担を軽減するということとの調和のもとにその目的を達成しなければならないわけでございますが、現在、厚生省が使っております厚生年金、国民年金につきましての人口動態調査は、厚生省大臣官房が所管しております情報を、その都度総務庁長官の承認を受けて、本来とは異なる目的、いわば目的外に使用しているものでございまして、ほかの省庁がこれを反復継続して使用することが関係省庁の了解が得られるのかどうか、また、プライバシー保護の面でもどのような措置がとれるかという問題もございますので、慎重な検討が必要であろうと考えているところでございます。
○上山和人君 何回も同じことを言わせないでほしいと思うんだけれども、戸籍法に基づく死亡届による情報の活用というのはやっぱりできるんじゃないですか。総務庁の承認を得なければならないのなら、あえてそういう前向きの努力をして、総務庁と連絡をとりながら、せっかく年金受給者の負担に配慮しながら、また市町村の事務量に配慮しながら前倒しに厚生省や大蔵省が実施していることをほかの省庁ができないということはないと私は思う。しかも、自治省が所管している地方公務員共済組合の年金受給者というのは数の上では非常に多いですよ。多くの高齢者が非常な負担感を感じている。農林漁業団体職員の問題もそうです。私学共済の問題も同じだと思います。時間がありませんから、これはこれ以上もう申し上げません。 私はもう一遍別の場でこれはやっぱり考えてほしいという問題提起もしたいと思います。どの省庁もやれない問題なら別だけれども、第三次勧告で勧告されていることを前倒しで実施している。これは私は大変敬意を表したいのでありますけれども、せっかくそういう努力があるのに、ほかの省庁がしないということについてはやっぱり国民の理解は得にくいと思いますから、ぜひ自治省、そして農水省、文部省も前向きに積極的に御検討いただきたい。そのことだけ御要望申し上げて、次の質問に移ります。よろしゅうございますか。 文部大臣、こだわりたい第二番目の問題は、おとといの栃木県における教職員との懇談会、これは県教委主催だったんですか、大臣が懇談会をなさったという報道がありました。これはみんな読んでいると思います。これは非常に積極的な文部大臣の姿勢をあらわすものとして評価いたしたいと思います。地方にどんどん出かける、現場の教職員とどんどん触れ合う、意見を直接聞く、非常に大事なことです。今後ともそういう点については積極的にひとつお進め願いたい、御努力を願いたいと思いますけれども、私、二週間前の先月二十四日の参議院予算委員会で、今の子供たちの深刻な状況をどうするかということを考える場合に、大事なのは教職員定数の改善の問題だということを中心に御質疑を申し上げました。 文部大臣は、これは新聞の報道ですけれども、三十人の先生方といろいろ御懇談をなさっていますけれども、先生方が人の問題に非常に関心が高いということがわかった、したがって、必要な対応が図られるように考えていきたい、そういうふうな趣旨で見解を表明されたという報道もあります。また、現在の定数改善計画を含めて、特に人の問題について考えないわけにはいかないとお述べになったという表現の報道もございます。 いずれにしましても、二週間前と今とは私たちの周りの状況は少し変わっていますよね。財革法は見直せないんだと文部大臣も総理も一貫して答弁をされました。だから、義務制は第六次、高校は第五次、平成五年から始まって平成十年度完結予定の六年計画ですよ。平成十年度で完結する六年計画を中断して二年先送りした、財革法に基づいて。このことだけは、こんなに子供たちが深刻な状況に置かれているときに教育環境を整備する根本の問題である教職員定数改善計画の問題だから、もとに戻してほしいと。二年先送りしたのを二年もとに戻してほしいと。ただ戻してほしいというだけじゃないんだ。この前も申し上げましたけれども、やっぱり切れ目なく、新たな思い切った、例えば三十人学級、あるいはできれば二十五人学級に向けての定数改善計画に着手すべきじゃないんですかと、もう何回も申し上げました。 文部大臣、昨年の臨時国会で財革法を決めたんだから、私たちは整然とそれに従うのが責任ある対応だという趣旨の御答弁を繰り返されました。総理も同様でしたが、今、当初予算案の審議中です。でも、これから先のことを考えますと、既に総合経済対策の議論も行われているというのは私たちの周りの事実ですよ。現実ですよ。そういう状況の中で、文部大臣として本当に深刻にこの問題を受けとめておいでになるなら。懇談会の席上で表明されたのは具体的にはどういうことなのか、いろいろ考えたんですけれども、多分今度は一定の決断をひそかになさっていらっしゃるんじゃないかと。具体的に言えないなら具体的な御答弁は結構ですけれども、きちんと決断をお聞きしたい。
○国務大臣(町村信孝君) 本日の委嘱審査も予算委員会の一環というふうに私理解をしております。予算委員会、だんだん大詰めに今近づいている状況なのかなと思いますが、大変重要な時期に来ているというふうにも理解をいたしておりますから、この本予算成立後の話というのを今申し上げるのは、それは大変予算委員及び参議院の皆様方に失礼にも当たるであろう、こう思いますので、その具体な話は差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、それはそれといたしまして、今の学校現場の姿、先生方からのお話、あるいはそれぞれの各党の議員からの御指摘もいただきました。必ずしも人の話というのは一学級当たり何人ということをストレートに意味するものではないと思いますが、またそれを排除するものでももちろんありませんけれども、現在の非常に荒れている学校現場をよりよくするための一つの要素であろうということはだれも否定することもできないだろう、こう思っております。 したがいまして、文部省といたしましては、補正云々にかかわらず、今の学校現場をよりよい姿にするためにはどういうことを考えたらいいか、どういうことをやったらいいかということで、緊急対応でありますとか、あるいは平成十年度じゅうに何かやれることが果たしてあるかとか、あるいはそれから先の話、さらには中長期的な教育改革の実行といったようないろいろなことを総合的に組み合わせることによって現在の荒れている学校の現状を少しでもよくできるんだろうと、こう思っております。 したがいまして、今せっかく議員の御指摘でございますが人の話についてどうこうということを今申し上げる状況にはございませんけれども、私どもとして常にこれからの文教行政を考え、そして今の学校の現状を考えたときに、人の要素を外して全部が解決するとは考えていないという基本的な認識だけをこの際は申し上げさせていただきたいと思います。
○上山和人君 大臣は一つの要素だとおっしゃる、教職員の数の問題。しかし、教職員定数改善計画というのは、先ほどおっしゃったように教職員の数の問題だけじゃないんですよね。学級規模を規定する法律なんですよ、計画なんですよ。今四十人学級ですよ。これを三十人にするのか、あるいは二十五人にするのか。教職員の数が学級規模によって割り出される改善計画だし法律なんですよ。だから、教職員の数の問題です、そして学級規模の問題なんです。 だから、これは一つの要素だというのは、それは確かに一つの要素で、ワンオブですよ。でも中心的な要素ですよ、教育環境を整備する上では。私はその御認識がやっぱりないんじゃないかなと。第一次計画から第五次、第六次、ほとんど切れ目なく最初の四次ぐらいはやってきていますよ。だからこれは中心的な要素ですよ。その御認識がやっぱり大臣にないんじゃないかな、総理にもないんじゃないかなという気がしてなりません。 本当にこだわらなければなりませんのは、平成五年から始まった六次の計画は、平成五年のたしか通常国会で法律改正をしたと思う。私もこの委員会でその改正論議に参加をいたしました。そのときにも十分議論が行われた。もう少し三十五人学級にできないかとか、あるいは三十人学級にできないかとか、そういう議論も戦わせながら、やむを得ないこととして、義務制については四十人学級のままで別の方面で定数改善をするという、そんな法律内容ですよ。 だから、六年間で義務制で三万人先生たちが消えていく改善計画なんですと。高校で九千七百人も六年間でプラス・マイナス先生の数が減っていく計画なんだと。その計画で財政が節減できる額というのは二百三十億。二百三十億を惜しんで、なぜ三万人も減る、九千七百人も減る計画を二年も先送りしなければならないんですかと。これは一たんしたけれども、しかし状況は変わっている。状況が変わったら、情勢の変化に応じて機動的にもう少し子供たちのことを真剣に考える対応していいんじゃないですか、大臣。 よその閣僚の中には、よその省のことをしきりにおっしゃる積極的な大臣もおいでになりますよ。言うとおりにならなかったら大臣はやめるとさえ言われる大臣もおいでになるんじゃないですか。それがいい悪いは別ですよ。 ただ私は、今の子供たちが置かれている状況からすれば文部大臣の責任は非常に重い、総理の気持ちを動かすのも大臣の決意一つだと思うんです。ここはやっぱり真剣に、体を張ってという言葉がありますけれども、文部大臣は職責を賭してこの問題だけは、仮定の問題としては確かに大臣の立場から私は明確なお答えをいただこうとは思いません。でも、総合経済対策というのは既に議論されている。恐らく予算成立の暁には引き続きそういう問題が私たちのまた議論の対象になるだろうと思う。財革法の問題、本当はそれを改正してでもやるべき問題であると思うけれども、仮に財革法を改正するような事態になったら、その中にこの問題だけは大臣の職責を賭してでものせる、二年間戻して切れ目なく次の改善計画に入っていくぐらいのやっぱり決断をしてほしい。もう一度だけ。どうですか。
○国務大臣(町村信孝君) 大変重要な責任を負っている、その責任をよく自覚しなさいという先輩の御指摘はしっかりと受けとめさせていただきます。 私が一つの要素と申し上げたのは、大きいか小さいかは別にして、荒れる現在の学校の原因が例えば三十人学級にしたら全部雲散霧消解消するか、そうはやっぱりいかないだろうと思います。 ですから、何が大きいか小さいかというウエートづけを今することはできませんので一つのと申し上げたのでありまして、これが中心であるかどうか、これは率直に言ってわかりません。先生は中心だとおっしゃるが、必ずしも私は中心だという位置づけであるかないかもまだ十分な検証はできていないと思います。いろいろな要素があり得ると思います。 この間も養護の先生方からお話がありました。今、三十学級以上のところには複数配置。若干弾力性は持っておりますけれども、例えば養護の教諭を二十学級以上のところに仮にやれば、それで相当な数の養護教諭が、しかしそれは別に三十人学級とか三十五人学級を意味するものじゃないわけですね。ただ、一人当たり教諭の生徒数という意味ではそれは改善になるだろう。 したがいまして、三十人学級しか、もうそれは唯一絶対の答えなんだといって今その結論に従って頑張りなさいと言われても、それはそう簡単なものではないんじゃないでしょうかね、いろいろな要素を考えていかなければいけないということを申し上げたかったわけであります。
○上山和人君 おとといの懇談会の席上で表明された見解は、やっぱり今のような大臣の御認識、そして今後のことへの対応の御意思によって表明された見解なんですか、この報道記事は。前向きに検討するというふうに報道されている。これは間違いですか。
○国務大臣(町村信孝君) 一々の報道について、これが正しいか正しくないか、それは聞いた記者さんの主観も入るでしょうから……
○上山和人君 いやいや、大臣はどう思うかということですよ。
○国務大臣(町村信孝君) 私は、今委員に申し上げた内容のことを申し上げました。
○上山和人君 そうすると、もっと正確に記者会見をやってくださいよ。これは随分と期待感を持たせますよ、現場の教職員にも私たちにも、そして子供たちにも保護者にも。これは一歩大臣は踏み出されたかな、本当にそう遠くないうちに何らかの改善措置が改めて行われることになるのかなと、やっぱり非常に期待感がわきますよね。 そういう一々の報道について、それは新聞社の責任だとかということじゃなしに、やっぱり正確にやってほしい。そうじゃないと言われたら、ちゃんときちんと報道機関との間で話し合いをしてくださいよ。
○国務大臣(町村信孝君) 状況を説明しておけばよかったんですが、公開の席で記者さんは全部そこに座ってメモをとっておられましたから、その後の記者会見ではございませんので、私がしゃべったとおりを記者さんかどう受けとめたかというだけの問題であります。
○上山和人君 時間がほとんどなくなりました。 非常に期待しておりましたのに大変残念ですけれども、ここで終わりではありませんからね、大臣、どんどん変化していきますから。だから、やっぱり大臣の認識に少し問題があると思います。これは中心的な要素ではないというふうに、中心的な要素であるかないかについてもまだ私の認識は整理されていないといった趣旨のお話もなさいますから、本当にそれでいいのかなという気が率直にいたします。 まだ就任なさって日も浅いと思いますけれども、でも周りには専門家の皆さんがたくさんおいでじゃないですか。過去の経緯も十分御存じなんです、皆さんは。だから、子供たちのことを真剣にお考えいただくならもっと別の答えが出るんじゃないかと私は思いますので、前向きに御検討いただきたいと思います。 次の問題に移りたいのは、来年の四月から高校の授業料も大学の授業料も引き上げられることになっております。これは一体どういうことを展望しながら、どういうことに基づいてその決定が行われたのか。時間がないですから簡潔に、大臣じゃなくてもとりあえずは結構ですので。
○政府委員(佐々木正峰君) 我が国における国立大学の授業料につきましては、教育の機会均等の理念を踏まえ、私立大学の授業料水準、社会経済情勢等を総合的に勘案して決定をしておるところでございまして、今回の国立大学の平成十一年度入学者の授業料につきましては、消費者物価の動向等を考慮し、年額九千六百円の改定をしたところでございますが、改定額は前回の二万一千六百円の半分以下、改定率は二%と、戦後最低となっているところでございます。
○上山和人君 改定率が戦後最低になったからという、そこを強調するような問題じゃないですよ、局長。 大学についていえば、国立大学の授業料を上げるなら、来年はそれに伴って私立大学の授業料が引き上げられてきた、その次はまた国立大学が引き上げられた、その次は私立大学、毎年交互にずっとやっているんですよ。
○国務大臣(町村信孝君) そんなことはない。
○上山和人君 そんなことはないとおっしゃるけれども、それはだれか事務局で責任のある答弁をしてください。例えば平成に入ってからだけでも見てください。毎年そういう状態になっているんです。だから、こんな状態をどこまで続けるんですかと言いたい。 それに関連して、財政構造改革会議のまとめは、私どもも与党の一角にいて話し合ってまとめた内容です。党内論議で私は随分これははっきり言って異論も唱えましたけれども、今後は受益者負担を徹底して文教予算を抑制するという表現になっています。私たちはそのとき、じゃ受益者負担というが受益者とはだれか、だれのことを指すのかという議論をしました。大臣は教育の受益者というのはだれを指すのだとお考えですか。
○国務大臣(町村信孝君) 今、委員が、私立が上げ、次に国立が上げ、次に私立とおっしゃったけれども、私立は適宜その年々に応じて上げたり据え置いたりしておりますから、私立、国立という順序は必ずしも正しくありませんということを私はちょっとまず一点申し上げさせていただきます。
○上山和人君 いえいえ、ほとんどそうなっていますよ。
○国務大臣(町村信孝君) 私立は毎年上げている学校もあるし、何年置きかに上げているところもありますし、私立はばらばらであります。国立は確かにおっしゃるとおり、一年ごとに上げているというのは御指摘のとおりです。それは私も否定をいたしません。 それで、だれが受益者かと、こういうことであります。国の公共サービスというのは、翻って言えば最後は全部それは国なんです。しかし、一義的な受益者はだれかといえば、まさに教育を受ける人です。それが一義的な受益者です。公共サービスというのはすべてそうです。
○上山和人君 教育は未来への先行投資というのは三党合意ですよね。未来への先行投資である。教育は国家百年の計ですよ。国の未来を担うのは子供たちですよ。その子供たちを育てる教育費、教育の受益者というのは私たちはやっぱり根本的には国だと思う。子供たちを育てる、その子供たちが国の未来を担う、未来への先行投資というんだから、やっぱりこれは根本的には国がもっと投資して、教育環境整備をより万全のものにすべきだ。第一義的、第二義的というお話もありますけれども、義務教育以上のものを全く保護者負担をしないということは、現実的にも歴史から見てもこれをゼロに戻すことは不可能だと思いますよ。 でも、いつまでこの状態を、イタチごっこを繰り返している授業料の引き上げについてこれを続けるんだろうか、もう考え直す時期に来ているんじゃないですか。本当の意味の教育の受益者というのは国だということをもっとみんなで認識し合う、そして国がもっと教育条件整備については投資をする、そういう基本認識があれば少し対応が変わるんじゃないかと思いますので、教育の本当の意味の受益者とはだれか、だれのことを指すのかということについでも文部省としても御検討いただきたい。私たちもさらに議論を続けながら、また別の場でこれは整理をしなくちゃならない問題だと思います。ちょうど時間になりましたから、これで終わります。
○阿部幸代君 初めに、子どもの権利条約の実施状況に関連して質問したいと思います。 昨年の十月十四日、国連子どもの権利委員会は、「子どもの権利条約 市民・NGO報告書をつくる会」と日弁連、人権連の三つの団体を招いて本会期前作業委員会を開催して日本国に対する予備審査を行っています。同じ日の午後、京都の桂馬校の生徒六名のための予備審査が番外で、しかし正式に開催されたそうです。 生徒たちは、新任の校長が生徒の意見を尊重しないで一方的に制服を押しつけようとしていることと、子どもの権利条約が意見表明権を規定しているのだから、それを制度化していない抗告審査制度はおかしい、国連でも自分たちの意見を聞いてほしい、こういう意見を述べたそうです。議長からは、君たちは、権利を奪われてここに来られない子供たち、仲間たちが大勢いるのだから、君たちのラッキーさをこれからは彼らのためにも生かすように、こういうふうに言われて、大変励まされて帰ってきたようです。 この桂高校というのはどういう高校かということですが、「子どもの権利条約 市民・NGO報告書」の基礎報告集Ⅳによりますと、桂高校における制服導入問題は、何の説明もない突然の、九六年十二月の終業式における校長による次年度新入生からの制服導入表明に始まりますが、三学期始業式における校長の制服導入の理由、これも生徒たちの納得が得られなかったものです。 生徒たちは、生徒会アンケートの、自由服が好き八九%、制服導入に反対七四%、在校生の意見が取り入れられるべき九二%、これらを踏まえて生徒総会で、一千十八人の出席者中九百五十人、九三・三%の賛成で決議を上げています。その要旨は、一、制服導入に多くの生徒が反対している気持ちを尊重してほしい。二、自分たちの力で桂高校をよくしていこうということです。生徒たちの主張は、遅刻や服装の乱れが原因で制服にされるのなら、それを自分たちの手でなくしていこう、新入生も含めて後輩たちが制服を望むのであれば制服にしてもよいだろう、しかしもっと時間をかけて話し合い、納得の上で物事を進めてほしい、こういうものでした。 校長は卒業式の祝辞で、皆さんに相談できなかったことをおわびしたい、こう前置きをして、制服導入を最終決定したことを明らかにしたそうです。これは読売新聞の報道です。 ここで質問をしたいのですが、制服など校則問題については、その制定や見直しに当たり、学級や生徒会等で児童生徒みずからの問題として討議する場を設ける等、指導上の工夫を行うことも一つの方法というのが文部省の見解だと思うのですが、確認をしてもよろしいですか。
○政府委員(辻村哲夫君) 校則につきましては、最終的には校長がその責任において定めるものでございますけれども、その過程におきましてさまざまな点、保護者の考えや児童生徒の意見やそういったものを踏まえるということは一つのあり方としてあるであろうというふうに考えております。
○阿部幸代君 私が今言った、学級や生徒会等で児童生徒みずからの問題として討議する場を設ける等、指導上の工夫を行うことも一つの方法というのは、子どもの権利条約を承認する国会審議の中における当時の文部大臣の答弁です。 子どもの権利条約の第二十八条二項は、「締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべでの適当な措置をとる。」としています。 子どもの権利条約に照らして、三カ月ほどの短期間に校長の結論を押しつけるのではなくて、桂高校の生徒たちの意見をもっと尊重する、こういうことこそ教育的な解決の道だというふうに私は思うのですが、大臣はどうでしょうか。
○政府委員(辻村哲夫君) 桂高校の制服につきましての経緯の詳細は私ども承知していないわけでございますけれども、京都府の教育委員会からこの件につきまして報告を受けているところでは、校長は平成八年の七月ごろにこの制服導入についての検討を指示し、それ以降、職員会議の場あるいは職員研修会等の場、あるいはPTAへの説明等を行いつつ、十二月二十日に生徒に対しましても説明を行ったというふうに聞いております。 この間のやりとりの詳細は承知していないわけでございますけれども、こういう形で校則が制定され、制定後は遅刻者の減少等成果を上げているというふうに私どもは報告を受けております。
○阿部幸代君 大臣。
○国務大臣(町村信孝君) ただいまの局長の答弁と同じです。
○阿部幸代君 同校の父母やOB有志、臨時PTA総会、また同校教職員は、それぞれ教育的な解決を願う立場を明らかにしています。つまり、制服の是非については意見が分かれる問題であるから、校長が一方的に決めるのではなく、十分時間をかけて生徒、教職員、父母の意見を聞くべきであり、拙速な導入決定は撤回すべきだ、こういうことを言っているわけです。 三月一日の卒業式で、卒業生代表は制服問題に触れて、民主主義を学ぶ場である学校で民主主義を覆すようなことをしないでください、まるで私たちがこの桂高校で学んできたことが根本から否定されるようで誇りが汚された思いがしますと、涙ながらに訴えたそうです。卒業生全員が私たちの意見を尊重してくださいと訴えたともあります。こうした子供たちの声を受けとめる度量、この度量こそが教育者と教育行政、大人たちに私は求められているんだと思います。 文部大臣に伺いたいんですが、文部大臣は三月十日、「子どもたちへ」、「ナイフを学校に持ち込むな 命の重さを知ってほしい」、こういう緊急アピールを出しておられます。その中で、「悩みや不安は、遠慮なく友達やお父さん、お母さん、先生など大人たちに相談しよう。私たちは、君たちの言葉を受け止めたい。」、こうおっしゃっています。この言葉は今回限りのものなんでしょうか。それとも、教育活動に貫くべき子供の意見を尊重するという趣旨、つまり子供の言うことに耳を傾け、話し合いをして問題を一緒に解決するという、こういう立場なのでしょうか、どちらでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) そんなに難しいことを言ったつもりもありません。物事は話し合いをしていい答えを出していく。とにかくややもすると親も、場合によると先生も、あるいは周囲の大人も、子供たちと正面を向き合っていないんじゃないかというようなことをしばしば耳にいたしました。ですから、ちゃんとまず例えばお父さん、お母さんはしっかり子供と向き合って話をしなさいという、ごくごく常識を私は言ったつもりであります。 ただ、民主主義云々ということを高校三年生の方が卒業式で言われたというのは、私は、いささか民主主義の履き違えをその生徒さんはしているのではなかろうか、こう思います。なぜならば、民主主義というのは何でも多数決で決まるというものではありません。完全に同じ立場の人が集まれば、それは民主主義で投票で決まるというルールがあらかじめ設定されていればそれでいいと思います。しかし、学校の中のルールはだれが最終的に決めるかといえば、それは学校の校長先生であるというルールが既にあるわけですから、それと同じ立場で生徒が意見を言った、それは意見を言ったりディスカッションをすることはいいことだと思います、お互いによく理解をした上で一定の結論を得るというのはいいと思いますが、しかし自分たちの意見が聞き入れられなかったから直ちに民主主義が踏みにじられた、そういう考え方をもし阿部委員が正しいとお考えになるならば、阿部委員と私とではどうも民主主義に対する基本的な理解が違っているのではなかろうか、こう私は思います。
○阿部幸代君 私はきょうは子供の権利を擁護する立場で質問をしたいと思いますが、先ほど私の質問の中で桂高校の子供たちの声を紹介しました。よく聞いていていただきたいなと思ったんですけれども、彼らは、新入生も含めて後輩たちが制服を望むのであれば制服にしてもいいだろう、しかしもっと時間をかけて話し合い、納得の上で物事を決めてほしいんだ、進めてほしいんだ、こういうことを言ったんですね。二学期の終業式に突然校長から言われて、たった三カ月間で結論を押しつけられたわけです。 その子供たちの深い気持ちを受けとめるのがやはり民主主義者の態度だというふうに思うんです。つまり、そういう子供たちの意見表明権を尊重しないで、最終的には校長の権限なんだということで権力を振りかざして物事を進めていくとどういうことになるか、その例が埼玉県の所沢高校に見られるというふうに思うんです。 三月九日に行われた所沢高校の校長による卒業式と、それから生徒、教職員、保護者・PTA三者の合意による卒業記念祭の様子が新聞、テレビなどで一斉に報道されました。卒業式の方は、卒業生二十人、在校生十一人、保護者が五十一人参加、また校長の職務命令が出たために三年生の担任らも参加して、十二分程度で終了したということです。一方、卒業記念祭の方は、卒業生、在校生ほぼ全員と父母、教職員、来賓など二千人近い人々が集まり、涙あり笑いありの、自主的に行動し発言する高校生たちのすがすがしさに満ちた三時間余りだったようです。私は参加した方から直接聞いたんですけれども、校長を冒涜するような発言など一言もなく、悪ふざけとか悪乗りなども一切ない、三年生に気持ちよく卒業してもらいたい、三年生を温かく送りたい、こういう責任感にあふれていたそうです。 この日の卒業記念祭は、クラス討論を積み重ね、十一月の生徒総会で決定し、職員会議でも承認されて準備されてきたもので、卒業式にかおるものと位置づけられてきました。PTAもこの取り組みを見守り、校長には生徒との十分な話し合いと教育的な対応をと要望していました。所沢高校の今回の事能は、学校運営というものが、生徒や教職員、父母の意見を尊重し、理解と納得、協力なしにはできないということを事実でもって示しているんではないでしょうか、違いますか。
○政府委員(辻村哲夫君) 経緯につきまして一点申し上げさせていただきたいと思うのでございますが、この平成九年度の卒業式でございますけれども、校長としては、学校行事としての卒業式を行う、その上で卒業記念祭を行うというやり方を提示したところ、それに対して生徒たち等からの反対あるいは教職員からの反対もあって卒業式ができなかったということが問題であるわけでございます。 やはり卒業式は校長の責任において行われる厳粛なものだと思います。それがそうした一部の意見によって行われなかった、これは大変ゆゆしい重大な問題だというふうに我々は理解をいたしております。
○阿部幸代君 一部の意見ではないんですね。校長の卒業式というのは、卒業生二十人、在校生十一人、保護者五十一人、また職務命令が出ましたから三年生の担任らも参加して終わった。卒業記念祭の方は、二千人が参加して・本当に責任感あふれる行事として成功させているんです。一部じゃないんです。 どうしてこういうことになったかというと、結局、クラスの討論や生徒会や教職員会議やPTAや、積み重ねて合意で行われたかもなんです。やっぱりこの学校運営というものが、生徒や教職員、父母の意見を尊重して、理解と納得、協力なしにはできないんだということを所沢高校の問題は本当に事実でもって示していると私は思います。 ここで、そういう合意なしのとにかく校長の権限でやるんだということをごり押ししていくと結局どういうことになるかというのが今起こっていまして、校長は新入学生の父母、保護者に入学式に関する異例の通知を出しているんですね。三つの文書を送付しているんですが、その中に県教育委員会の通知が含まれていて、所沢高校の生徒となるためには、入学式に出席し、校長による入学許可を受けなければなりませんと言っているんです。報道によりますと、県教育長は、正当な理由なく入学式を欠席すれば入学は認められない、こう言っているんですね。 しかし、入学許可がいつ発生するのかというと、学校教育法施行規則によりますと、「入学者の選抜に基づいて」、「これを許可する」というふうにあるんですね。合格発表後の入学手続が行われた段階で入学が許可されるものであり、学校行事の一つである入学式を欠席すれば入学は認められないというのは余りにも高圧的で脅迫じみているというふうに思います。 報道によりますと、埼玉県知事も県教委には余り突っ走ることがないように話した、こういうふうに言われていますが、私は、校長や県教育委員会が教育の場にふさわしい信頼関係をつくるための話し合いを尊重してほしいというふうに思っています。 時間が本当に限られているので、外務省にお聞きします。次の質問です。 ユニセフのジエームズ・P・グラント事務局長は次のように言っています。政治家、報道人、そして一般市民が広範に参加して、それぞれの社会のあり方を条約の規則に照らして評価するようにならなければならない、条約の規定を守るか、それともそれに違反するかが急速に国の関心事になり、国の誇りになり、あるいは国の恥にならなければならない、こういうことを言っているんですね。私は桂高校や所沢高校の生徒たちを本当に頼もしく誇りに思うことができます。彼らの自主性と自己責任、この方向こそが子どもの権利条約の流れであり、それを抑えようとする教育行政を恥ずかしく思います。 そこで外務省、提案なのですが、政府には市民・NGO報告書をつくる会の方たちの話を聞いていただきたいのです。国連子どもの権利委員会は、日本政府の初回報告書の予備審査、最初に話しましたが、つくる会などが実際に出席して意見表明しているんですけれども、この予備審査に基づいて、日本政府初回報告審査に関連して取り上げられる問題リストというのを政府に送っていると思います。その回答は、NGOと協議の上で作成されることが奨励されています。日本政府初回報告書を提出する際にも、NGOとの話し合いが短時間でしたけれども行われ、大変歓迎されています。今回もぜひNGOとの協議の場を設けるべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(貝谷俊男君) 本年五月下旬に児童の権利委員会におきまして我が国の第一回の政府報告書が審査される予定でございます。 私どもといたしましては、児童の権利条約につきましては民間のさまざまな活動等重要性を十分認識しているところでございまして、このような観点から、報告書の作成過程におきましても、今御指摘のございました団体を含めまして多くの民間団体から御意見を拝聴させていただいたという経緯がございます。 そこで、今回の報告書審査に向けましては、御指摘の児童の権利委員会からの事前質問の点を含めまして、二月末にも一度NGOの皆様と外務省担当者の方で意見交換を行わせていただいたところでございますけれども、さらに五月前半にNGOの皆様の意見を伺うために会合を設けるべく今予定をしているところでございます。
○阿部幸代君 よろしくお願いしたいと思います。 次に、義務教育の小中学校施設の老朽化対策について質問したいと思います。 私の埼玉事務所が調査をしたんですけれども、埼玉県内の九十の市町村の小中学校の校舎、それから体育館の改修事業の実態調査です。既に築後二十年以上経過している建物が千五百二十棟あり、今後その数はますますふえていきます。二〇〇〇年には二千棟になります。人口急増のために、一九八一年、昭和五十六年以前の建物が七割を超え、中でも一九七一年、昭和四十六年以前の建物が二割、三百棟もあります。 ところが、過去三年間の改修実績を見てみますと、九五年度二十七棟、九六年度二十一棟、九七年度三十一棟という状況です。耐震補強のための緊急五カ年計画の方は、耐震診断率が一四・九%、耐震実施率が三%にとどまっています。このままの推移でいきますと、埼玉の児童生徒の安全対策上極めて深刻な実態になるということをわかっていただけると思うんですね。建物の改修にしても、このままの推移でいきますと五十年以上かかってしまうんですね。 私が実際に見てきた大宮市内の小学校では、昭和四十年に建てられた木造校舎でその一部が火事に遭っているんです。それで焼失したにもかかわらず、焼失部分をプレハブ校舎で対応して使用を継続するというのもありました。比較的財政力の大きい都市部では、例えば所沢市、昭和五十六年以前に建築された建物九十八棟を改修の対象としているが、満足する補助がとれないのではないか。それから、財政力の小さい町村部では、町の財政状況が許されず、耐震診断もやっていない、やっても改修ができないという切実な声を上げているんです。 補助枠の拡大、補助率の引き上げ、とりわけ人口急増期分の対策としての特別補助が切実な願いなんですけれども、義務教育に対する国の責任を果たすために抜本的な対策が求められていると思いますが、どうでしょうか。
○委員長(大島慶久君) 時間が迫っておりますので、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘のとおり、昭和三十年代あるいは四十年代前半のベビーブームあるいは人口急増に伴う建物がふえているということは事実でございます。埼玉県の実情も、私どもが掌握しております全国的な数値とほぼ同じものであろうかと思っているところでございます。 文部省といたしましては、これらの建物につきましては、改築という事業手法も確かに必要ではございますけれども、できる限り耐震補強あるいは大規模改造等の工事を加えることによりまして、二十年、三十年ぐらいのところでそういった工事を加えることによりましてさらに耐久性、耐震性を向上させるとともに、安全で使い勝手のよい建物に化粧直しをした上でさらに使っていただくというような手法も活用しながら、厳しい財政状況のもとではございますけれども、特に改築あるいは耐震補強あるいは耐震性向上のための事業等を中心に、来年度予算も全体としては七・八%減ではございますけれども、その中でも今申し上げましたような事業を中心に予算案の審議をお願いしているところでございます。
○扇千景君 参議院の委員会の編成方法が変わりまして、いきなり日本掌術会議の予算がこの委員会で審議されるというかつてないことでございます。本来であればこれは総理府の関係ですから、文教委員会では今までしていなかったんですけれども、たまたまそういうことになりまして、どの党も質問されないというので、余りにも学術の最高機関の総理直属のあれだから遠慮して質問されなかったのかどうかよくわからないんですけれども。 私は、きょうは時間がありませんから多くは言いません。本来であれば、学術会議の果たしてきた役割と、この学術会議がだれに何をいつどのように提言をし、またそれが日本にとってどう役立ってきたのかと。大変失礼ですけれども、一番頭のいい人たちばかり集まっていらっしゃるので、私のような者が言うのは失礼ですけれども、私は日本学術会議のきょうの予算案を拝見いたしまして、もう細部は聞きません、細部が何もついていないんです。説明してよろしくお願いしますだけで、何の細部もないんです。私、これできないんです。ですけれども、少なくとも学術会議の重みからいえば、予算云々というよりも、日本の国に果たす日本学術会議の役割の重みというものをぜひ私たちに見えるような形にしていただきたいというのが第一点。 第二点は、この第四に、会員推薦関係費二千三百万円、わずかな金額かもしれませんけれども、これは何ですか。簡単にお答えください。時間がありません。
○政府委員(永島泰彦君) お答えいたします。 学術会議は昭和二十四年からスタートしておりまして、最近の活動といたしましては大きく二つの勧告等をしております。一つが脳科学研究の推進、もう一つが計算機科学研究の推進ということでございまして、極めて昨今重要な案件でございまして^いずれも実際に各省庁において研究所なりいろいろなところでもって取り上げられるという状況になっております。なお、そのほか、対外報告として七十件、それから会長談話等が四件ございます。 あと、予算案につきましては、これは昭和五十八年だと思いますが、それまでは学術会議の会員は選挙によって決まっておりましたが、それ以降、会員を推薦制度によって決めるという仕組みに切りかえました。今回ですと、全国で一千二百二十一の学会がございますが、その学会から推薦された方々が推薦人となりまして会員候補者を決め、そしてその決められた会員候補者につきまして総理が会員を任命するということで決まってきております。その手続に要する経費でございます。
○扇千景君 いろいろと問題になった当時、日本学術会議の会長選挙でいろんなことがありました。これはもう今さら言いません。けれども、私は学術会議の名にふさわしくない会長選挙の醜さであったとあえて言います。ですから、推薦制に変わったということはいいことですけれども、この二千三百万の予算が高いとか安いとかということではありませんばれども、少なくとも日本学術会議が果たす重みと役割、そして冒頭に申しましたように、私は今の現状恒、本当に社会問題に対しての適応した解決方法を示唆されるということにぜひしていただきたい。 将来性のある今の脳の何とかというのはいいことですよ。それを悪いとは言いませんけれども、私はきょう午前中に科学技術会議のことと両方一緒にやりたかったんですけれども、きょうは時間がありません。日本学術会議法の中に、科学の振興及び技術の発達、科学に関する研究成果の活用、科学研究者の養成に関する方策、科学を行政に反映させる方策、産業及び国民生活に浸透させる方策、いろんなことが書いてあるんですけれども、果たして科学技術会議と日本学術会議の日本の将来に対する科学技術のあり方というものが整合性がとれるのかどうか、横の連絡をとっているのかどうか、そういうことのむだがないかということをぜひ私は両方一緒に審議したかったんです。 けれども、きょうは午前中で科学技術が終わりましたので、改めて一般質疑になりましたときに私はこのことに対してはもう一度、学術会議のあり方と科学技術会議の両方がどうなのかと。別々の位置づけになっているものですから、じゃ日本の将来の科学技術をどうするのかということに対しての質問は改めてしたいと思いますので、きょうはその示唆をするだけにしておきたいと思います。 何かありましたら一言。
○政府委員(永島泰彦君) それでは一言だけ申し上げさせていただきますと、学術会議の会長は科学技術会議の議員でございます。したがいまして、例えば科学技術基本計画、こういうものの策定に当たりましては学術会議の意見を科学技術会議に反映させるということを行いまして、積極的に支援と協力を行ってきたという関係にございます。 以上です。
○扇千景君 質問要旨を出しましたけれども、今も観点は違いましたけれども古い校舎が云々という話も出ました。これは予算がどれくらいとれているかということもいろいろ聞きたいんですけれども、学校の老朽化もさることながら、研究施設の老朽化がもっとひどいと私は認識しております。それが徐々によくなりまして、施設の五〇%というものほかって二十年間一度も手が入れられなかったという過去があるんですね。簡単にそれじゃ今どの程度改善されているかというのをちょっと数字があればおっしゃってください。
○政府委員(小野元之君) 平成十年度でございますが、この予算でもお願いしているわけでございますけれども、老朽・狭隘化の改善事業といたしまして、事業量十一万平米、それから事業費約四百五十六億円を確保しております。平成八年度から十年度までこの三カ年におきまして、トータルで事業量約五十六万平米、事業費約一千九百億円を確保したところでございます。今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○扇千景君 私、やっぱり人も大事だけれども、余りにも施設が粗末であるということも、もう大臣のお耳によく入っていますし、視察なすって東大の研究室を見てびっくりなすったんじゃないかと思いますけれども、そのことはきょうは多くを申しません。 その結果、我が国の研究者のあり方、研究者というものがどの程度とうなってきたのかということも私はこの研究施設とともに大事なことであろうと思うんです。簡単に後で聞きますけれども、今、大学院に進む学部卒業生の割合、アメリカは一五%、イギリスは三八%、日本は六%なんですね。大学院から博士課程に進む学生というのはまたこれの一割なんですね。 私はそういうことを考えますと、どこに理由があるのかなといろいろ聞いたり調べたりもしましたけれども、大きな理由に将来に夢も希望も持てないからだと言う人がいるんですね。大変寂しい話なんですね。 民間企業はどうかといいますと、それは学士か修士を採用して企業研究者として育てる方が企業としてはいいと、こういう理由を民間は言うんですね。 大学はどうなのかと聞きましたら、閉鎖的な講座制度のために教職員のポストが非常に限られていると、だからなってもしようがないよというこういう現状も、これはいろいろありますからこれだけとは言いませんけれども、またキャリアとなる助教授職は数が少なく、研究の自由も異動の機会もほとんどないと、だからならないということもあるんですけれども、それに対して何かありますか、どういう現状になっているか。
○政府委員(雨宮忠君) 大学の研究の場としての魅力の度合いということについてのお尋ねでございます。 一般的に国研、それから民間の研究所、大学と、三種類研究の場を考えるわけでございますが、大学の研究の場としての特徴でもあり、また魅力の点となっておりますのは、一般的にやはり自由な研究ができるということであろうかと思うわけでございます。 今先生御指摘の講座制だとか、あるいは異動が不自由であるとかということ、いろいろ問題点もあろうかと思います。それぞれ大学は、例えば講座制について申しますと、できるだけ広やかな大講座制をとるんだとか、いろんな工夫改善もしておるところでございます。 いずれにしましても、大学の研究の場、先ほど御指摘の施設の問題も含めまして、いろいろ充実改善を加えていかなければならないというふうに考えております。
○扇千景君 施設もさることながら、今も申しましたように、やっぱり将来に夢も希望も持てないからだという理由で博士課程に行かないというのも、これも私は大きな問題であろうと思いますので、その辺のところはまた時間があるときに細かく言いたいと思いますけれども、ぜひその辺のところは、やっぱり日本の将来をしょって立つ人材の確保というものが一番大事なことですから、気をつけて頑張っていただきたいと思います。 それから、私、文部省がやっている中で大変いいことだと思っていますけれども、全国各地の大学に二十四のベンチャー・ビジネス・ラボラトリーという施設を設置しましたね。私はそのことは大変よかったと思うんですけれども、その現状と予算の関係をちょっと御説明ください。簡単で結構です。
○政府委員(佐々木正峰君) 御指摘のベンチャー・ビジネス・ラボラトリーは、大学院の知的活力を最大限に活用して、ベンチャービジネスの萌芽となるべき創造的な研究開発を推進するとともに、高度の専門的職業能力を持つ創造的な人材の育成を図ることを目的として開始した施設でございまして、現在、御指摘のように、国立の理工系二十四大学に設置されております。平成十年度予算案におきましては、これらのベンチャー・ビジネス・ラボラトリーの研究費等運営に必要な経費として約二十五億円をお願いしておるところでございます。
○扇千景君 私は、予算の配分の問題で、これだけいいことをするのに、今予算を聞いてやっぱり少ないなと、これで将来の日本の芽が、大学のせっかく設置した研究の設備からは少な過ぎるんではないかというふうに思っています。 ただ、金額の少ない多いだけをきょうここで論議するわけにもいきませんので、改めてこの二十四の大学に設置できているものに関しては追跡調査をしていきたいと思いますので、その研究制度の結果等々も今後ぜひ教えていただきたいということだけ要望しておきたいと思います。 それから、もう一つ大変いいことをしていらっしゃることが、世間に余り知られていないということも含めて私は申し上げたいと思うんですけれども、これは町村大臣の地元でもそうなんですけれども、北海道大学で九七年一月に北大アシビジャス基金というのができておりまして、基本基金が五億円で、校内に埋もれている新技術を事業化するということが主目的なんです。わずか五億円なんですけれども、北海道大学の中にできているということも私は大変よかったと思うんですね。そしてその出資対象は、学内の研究者や学生、また卒業生が設立経営しているベンチャー企業に対してするという、私は大変ユニークな北大アシビジャス基金だろうと思うんですね。 また、もう一つ言いますと、筑波大学、これは九七年六月なんですけれども、筑波ファンドというのをつくっております。これは設立基金が十一億円なんですけれども、これも私は大変いいことをしているというのは、出資対象が大学だけではなくて、筑波研究学園内の研究機関もこの対象になるんですね。そうするとどういうことになるかというと、研究成果を事業化する若いベンチャー企業を支援するために特許出願費用を負担するんです。これもすごく私はいいことだと思っているんですね。だから、特許出願の費用を援助するということ、それがやっぱり若い研究者にとっては大きな成果を果たしていると。しかも、この筑波ファンド、十一億円なんですね。十一億円でそれだけのことができて、さっき申し上げたように、将来性がないというような学生にとっては、研究者にとっては私は大きなことであろうと思うんです。 それともう一つこの筑波ファンドでいいことは、研究成果を事業化した企業が公開を果たした場合に、研究者に対してもキャピタルゲインの一部を分配するんです。こんなうれしい話はないんで、それが公開したらキャピタルゲインの一部を研究者にも回していくという大変ユニークなことを、私は、これは規制緩和をしたのかどうか、その成果だろうと思うんですね。 もう一つ、多摩大学があるんですけれども、これも九七年六月に、これは三井物産やベネッセコーポレーション等々十一社と共同で、学外からも事業のアイデアを募集して投資の橋渡しまで行うプロジェクトを開始しているんです。公募したアイデアの中から成功の可能性の高いものを選び出して事業計画を手助けしたり、有望と判断したベンチャーにはこれらの企業が出資すると。 こういう各大学の独自性、そして各大学のでき得る限りの中でこういう将来の研究の成果、あるいは人材、そして日本の将来のベンチャーの芽をつくっていくということができているわけで玄から、わずかな予算で何倍かの成果が上がると思いますので、きょうも朝冒頭申し上げました、きょうは二十一世紀に向かって一千日前なんですから、あと千日で二十一世紀ですから、こういうものをぜひ大学が一生懸命やっていただくことが、二十一世紀の日本は大丈夫だなと思える、若者に対する大きな希望になると思いますので、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 今、委員から各地の大学の実情を示しての、具体的なベンチャー・ビジネス・ラボラトリーを初めとするいろいろな試みについてお話をいただきました。 ちょうど今、国会で審議中でございましょうか、通産省が主管の法律で、技術移転促進法という形で学内にある技術を民間の人とより円滑に交流できるように、今特許のこともお触れになりましたが、そうしたこともうまく処理できるようにというような法律を出して、この国会での成立をお願いしているのであります。また同時に、大学の中に官民共同で施設をつくって安い料金で貸せるという法律、これは科技庁主管であります。さまざまな試みが今あると思います。 先ほど扇委員から夢も希望もないのではなかろうかというお話もございました。本当にもしそうであるとすればゆゆしき事態であると思いますし、学内に閉じこもりがちな学生あるいは教員の目を少しでも外に向けて、世界に向けていかに交流を図りながらすばらしい研究に邁進をしていただくか、そうした環境整備のために、先ほど冒頭お触れになりました施設整備のことも含め確かに不十分でございますが、限られた財政の中で一生懸命努力をしながら、夢と希望を持って研究に当たってもらえるように最大限の努力をこれからしていきたい、そういう観点で先般大学審議会あるいは学術審議会にも諮問をさせていただいたところでございます。
○扇千景君 私は大臣の御見識をそのまま推し進めていただきたいと思っておりますけれども、少なくとも日本の研究者の総数というのは六十七万三千いるわけです。けれども、会社関係というのが三十八万四千人、大学関係者というのは二十四万三千人なんです。研究機関が四万六千人ということですから、今大臣がおっしゃった、日本の学生が将来の日本に夢を持ってこの道に進もうというやっぱり知的財産というものは最大限に活用していただきたいし、育てていただきたいし、知能流出ということにならないように、日本の中でがっちりそういう知能の財産は、私は大臣が把握して魅力ある研究施設と研究環境を整えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それから、一つ伺いたいのですけれども、この闇、教育改革プログラムの主な事項とその内容というのがございました。大変いろんなことが羅列されております。広範囲にわたっているのですけれども、先ほど松先生でしたか、教育委員会が頭の古い人たちが多いんじゃないかという話が出まして、それに引っかけるわけじゃありませんけれども、これだけ教育改革プログラムというのは出されたんですけれども、文部大臣の教育委員会に対しての指揮監督だとか、あるいは設置請求の見直しとかそういうものに関しては、やっぱり私はあってしかるべきではないかと思うんです。各教育委員会に対しての対策は何も書いてないんですけれども、それは何か意図があるのかないのか、あるいは本当はこう言いたいという御希望を持っていらっしゃるのであればお漏らしいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) プログラムは大変多岐にわたっておりますので、すべてを書いていないという意味では大変申しわけなかったと思っております。 三月二十七日でしたか、中央教育審議会の今後の地方教育行政のあり方という中では、先ほどちょっと別の方のあれに対して申し上げましたが、できるだけ地方分権という観点から、地方の教育委員会、そしてできれば学校現場、校長先生を中心に物事が決められるような仕組みに持っていきたい、こういう大筋の流れの中で、その中で文部省の役割は一体何なのかということも改めて明確にしていく必要があるだろう、こう思っておりまして、例えば指揮監督というのは、機関委任事務ということでこれは原則廃止ということでございますから、もうそれはとりませんし、措置要求のあり方につきましても、これも地方分権委員会でしたでしょうか、その中で今議論が行われたりしておりますので、そうしたことと平仄を合わせながら、しかし基本的には私は文部省の役割というのはできるだけスリムにしながら、しかし必要最小限のところはしっかり押さえるべきは押さえるということは、それはやっぱりやらなければいけないんだろう、こう思っております。
○扇千景君 最後に、全く違う観点なんですけれども、私の手元に官報資料版がございます。時間がありませんから多くは申しません。一点だけ申します。 一般の支出統計が出ております。これは総務庁が出したんです。その中を見ていまして私は一番悲しいなと思いましたことは、十大費目の中の一番大きな支出の増というのが教育なんです。そして、消費税が上がったせいでもあろうけれども、一番大きな対象の支出名目の上がったものが教育で二三・二%、実質二〇・五%上がっているんです。 増加した理由は、授業料と補習教育等も入っているんです。私も官報の資料版というのは初めて見た。私が申し上げたいのは、この数字がどうこうというのではなくて、消費税が上がったことによって、この四月、新しい入学を迎える一般家庭の教育に対する負担率というものが、例えばかばん一つとってみても、私は、やっぱり一般の人は消費税によって教育支出というものが増加しているという現状だけは否定することはできないだろうと思うんです。 ですから、私は、消費税率を今さらどうこう言うわけではありませんけれども、一般の教育に対する支出増ということから考えますと、それに見合うような、より高度な教育、教師のあり方、学校施設の充実等々を考えなければ申しわけないだろうと思いますので、観点はきょうは違いますけれども、文部大臣にお覚悟のほどを聞いて、最後にしたいと思います。 ありがとうございました。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっと統計の意味が必ずしもよく理解で診ないので、それについてのコメントは差し控えますが、確かに家計の中における教育費の負担といいまし々うか、がかなりのものになっているということも認識をしております。 そういう中で、先ほど上山委員でしたが、授業料を上げるのはけしからぬというおしかりもいただきまして、それは私どももでき得べくんばと、こうは思っておりますけれども、いろいろな状況の中でやむを得ざる値上げをする部分もあったりすることは、大変苦渋の選択を幾つかしながらこの予算案ができ上がっているという意味であろうと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、厳しい財政が当分続くかもしれませんが、その中で私どもとしては最大限の工夫をしながら、また厳しい財政の中にあっても最大限私ども文教予算の拡充のために努力をしていくことが文部省の本来的な使命であるということは御指摘のとおりであろう、こう思っておりますので、最大限の努力をして頑張ってまいりたい、かように考えております。 御指導のほどをお願い申し上げます。
○委員長(大島慶久君) 以上をもちまして、平成十年度一般会計予算外二案中、総理府所管のうち日本学術会議、科学技術庁及び文部省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会 ―――――・―――――