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142回国会参議院1998/04/16

農林水産委員会 第10号

発言数
94
登壇者
10
会派数
6
開催日
1998/04/16

会議録

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十四日、寺澤芳男君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君が選任されました。  また、本日、青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として田村公平君が選任されました。     —————————————

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、東京都立衛生研究所理化学部長小久保彌太郎君、社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長森光國君、ハナマルキ株式会社代表取締役社長花岡俊夫君、以上三名の参考人の方々から御意見を拝聴いたしたいと存じます。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法案につきまして、それぞれのお立場から忌揮のない御意見をお伺いいたしまして、今後の本案審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。  それでは、これより御意見をお述べいただきますが、あらかじめ議事の進め方について申し上げます。  御意見をお述べいただく時間は、議事の都合上お一人十分以内とし、その順序は小久保参考人、森参考人、花岡参考人といたします。  参考人の御意見の開陳が済みました後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、小久保参考人からお願いいたします。小久保参考人。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 私は、今紹介していただいた東京都の衛生研究所の小久保です。私、こういうところは初めてなので非常に緊張しておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。  資料といたしまして、最近、私がある医療業界誌にまとめました、HACCPに関しまして出現の経緯ですとか基本的考え方、導入の手順、そういうことを簡単にまとめてありますので、参考のために見ていただきたいと思います。  まず初めに、食品衛生管理の基本的考え方というのをちょっとお話ししたいと思います。  安全で衛生的な食品を生産するためには、衛生的な原材料、衛生的な作業環境、それから衛生的な取り扱い、この三つの条件がそろうことが必須のこととなっております。こういうことは、食品の国際基準などを検討しておりますコーデックス委員会というのがあるんですけれども、ここで昨年示されました食品衛生の一般的原則の中にも非常に細かく示されております。  この内容を見ますと、原材料、施設設備、食品の一般的取り扱い、それからそこで働く従業員の問題、こういうことに関して八項目にわたりましてかなり詳細な規定が定められております。その中に明示されておるんですけれども、HACCPシステムを導入するには、まずその中に書かれた規定を守りなさいということが示されております。食品衛生の一般的原則の附属文書といたしまして、HACCPシステムのガイドラインというのが添付されております。  それで、原材料、作業環境、それから取り扱いの三条件のうち、特にあらかじめ清潔で衛生的な作業環境を確保するということが非常に大事でして、我が国におきます総合衛生管理製造過程の中では、この部分を一般的衛生管理事項ということで示しております。それは、私が今回添付しました参考資料の表一に大体の内容が、十項目ですけれども、書かれております。一般的衛生管理事項は、具体的には現在、都道府県で定められております施設基準あるいは管理運営基準の一部がこれに相当するということです。米国のGMPも基本的に同じ内容だということであります。  総合衛生管理製造過程といいますのは、一般的衛生管理事項が基礎になっておりまして、この上にHACCPシステムが乗っかっているという概念です。まずは資料の図二に、三角形の図ということで示されております。  この概念は、まさに食品衛生管理の考え方に全く一致しております。食品の衛生管理は、まず一般的衛生管理プログラム事項を整備し、次いで、それではどうしても解決できない食品の取り扱いに直接関係する事項をHACCPシステムでカバーするという考え方が基本であります。一般的衛生管理プログラム事項が適正に設定されていなかったり、その内容が十分に満たされていない場合には、HACCPシステムを導入しようといたしましても衛生管理が複雑となってしまいましてうまくいかないという結果になります。  我が国では、今までアメリカのGMPのように一般的衛生管理事項を法的に詳細に規定いたしまして、これを強制的に食品製造業者に実施させるということが余り行われていないと私は思います。したがって、HACCPシステムの導入と、その前提であります一般的衛生管理プログラム事項、こういうことを同時にやらなきゃならないということで、いろんな面で大変だろうというふうに思います。  次に、HACCPシステムの主な基本的な考え方というのを幾つか御説明したいと思います。  まず第一に、このシステムは安全性確保のシステムであるということです。  本来は病原微生物の制御を目的として開発されたシステムですが、現在では化学的残留物質あるいは異物混入、そういうものにも対応できるというふうになっております。このシステムでは、食品の見かけですとか色合いですとか重量やサイズ、そういういわゆる品質ということで安全性と直接関係ないものは対象にしないということが一般的な考えでございます。  ただ、HACCPシステムの考え方というのは品質管理にも応用できるというふうに言われております。ここら辺を明確にいたしませんと、HACCPシステムを組む場合に非常に複雑になってしまうということがあります。あくまでも安全性確保がまず第一だということです。  次に、最終製品の管理ではなくて、工程管理を行うシステムであるということです。  WHOの食品衛生の定義を見てみますと、食品衛生とは、栽培あるいは飼育、それから生産、製造加工から最終消費に至るまでの全過程における食品の安全性、健全性及び正常性を確保するために必要なすべての措置をいうというふうに定義づけられております。この定義を見ますと、まさにHACCPシステムというのは定義そのものの実践システムであるというふうに思います。  最近、アメリカでフロム・ファーム・ツー・テーブル、いわゆる農場から食卓までですとか、フード・チェーン、食品の一連の流れとかいう言葉で食品衛生管理を表現しておりますけれども、いずれもこれはHACCPシステムということを背景にした表現であります。  工程管理なんですけれども、重点的にどこの工程で管理をしたらいいかというのをあらかじめ明確にいたしまして、そこで重点的に管理をするというシステムであります。  それから第三番目に、予防を目的としております。  衛生管理を行うに当たりましては、あらかじめ原材料の生産から消費に至るあらゆる段階で危害分析ということを行います。その結果に基づきまして衛生管理計画、いわゆるHACCPプランと言いますけれども、を立てまして、それを機械的に実施していくというのが特徴であります。あくまでも予防を目的とした衛生管理ということになります。  したがって、HACCPシステムでは、まず、どこでどのように食品を取り扱う場合に危険な食品になるのか、それをどうすれば防げるのかということを明確にするための危害分析ということが必要でして、あくまでもこれを科学的データに基づいて行うということになります。  それから第四番目に、HACCPシステムというのは自主衛生管理システムです。  したがって、衛生管理計画というのは自分で作成する、それをそのとおり実行いたしまして、その結果を記録に残します。自分でその記録をチェックいたしまして、衛生管理状態を確認するということになります。同じ食品でも施設別、工程別、製品別に衛生管理計画書を作成する必要があります。  それから、そのほかに記録化ということがあります。これは衛生管理の結果を決められた様式で記録として残しておく。その記録というのは、いわゆるPL法の対抗策になるということで、業界で非常にHACCPが注目されている一つの理由になっておりまして、また自社の製品が安全であることを証明する証拠にもなるというふうに思います。  それから次に、HACCPシステムを導入すればそれでおしまいということではありませんで、HACCPシステムによる衛生管理計画は時々検証を行いまして、不合理があれば直していく、いわゆる改善していく、よりいい衛生管理計画にしていくというのが基本であります。よくHACCPシステムを導入すれば食品衛生はすべておしまいという概念があるんですけれども、決してそうではなくて、ステップアップの一つの手法だというふうに解釈していただきたいと思います。  その導入は七原則と十二手順、コーデックスのガイドラインに示されておりますけれども、によって衛生管理計画をつくって、それを実行していくということになります。この七原則十二ステップにつきましては資料の表二に示しておりますので、見ていただきたいと思います。  それで、HACCPシステムではその導入に当たりまして、いわゆる危害分析、重要管理点、管理基準、モニタリング、改善措置、検証、記録、この七原則をすべて満たす必要があるということなんです。これが非常に難しいとかややこしいとかよく言われるんですけれども、よく考えてみると、我々が衛生管理を行うに当たっては必ずこの七つの原則を満たしているはずなんですね。それがいわゆるシステム化したものがHACCPシステムということなので、何も従来のものとやることは違わないというふうに思います。  衛生管理計画なんですけれども、その簡単なものも資料表四に示されておりますので、これを見ていただいて、こういうものをつくって、これに基づいて機械的に、いわゆる考えないで衛生管理をやるということになります。現在、世界各国でHACCPシステムの導入が急速に進められておりまして、我が国におきましても厚生省と農水省が一体となって、そのHACCPシステムの考え方を取り入れた食品の衛生管理の導入を、生産農場から食卓まで、いわゆるフロム・ファーム・ツー・テーブルという概念で積極的に奨励していますことは非常に理にかなったことでありまして、国際的ハーモナイゼーションということから望ましいことだと思います。  今までの衛生管理が間違っていたということではないんですけれども、より合理的でシステマチックな、いわゆる高度化された衛生管理法であるHACCPシステムを導入していくに当たりまして、それなりに施設設備を整えるなど環境整備を必要といたしますし、その導入の基本であります危害分析を確実に実行するには、それなりにデータや知識及び技術を必要といたします。それらを満たしていくにはやはり財政的裏づけが必要となると思います。  アメリカでは、昨年の五月に、ゴア副大統領が二十一世紀に向かっての食品の安全対策ということを示しまして、四千三百二十万ドル、大体五十億円ぐらいだと思いますけれども、政府資金をHACCPシステムの導入を中心といたします五つの対策に投入することによりまして、米国で生産される食品を世界で最も安全な食品と位置づけまして、このことを世界の食糧戦略に使おうとしております。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) 小久保参考人に申し上げますが、時間が過ぎておりますので、御意見をおまとめください。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) もうおしまいです。  このようなことを考えますと、HACCPシステムの積極的導入を奨励している国が、このシステムを導入しようとする生産者に財政的な支援を行っていくことを目的としたHACCPシステム支援法というものは極めて意義のあるものというふうに私は考えております。  以上です。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) ありがとうございました。  次に、森参考人にお願いいたします。森参考人。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 森でございます。  まず最初に、HACCPの適用は缶詰が世界で初めてであったということを申し上げたいと思います。  今から約二十四年前の一九七四年、アメリカのFDA、食品医薬品庁と言われておりますが、当時、アメリカで、家庭菜園だとかあるいは釣り客の釣った魚を帰るまでに缶詰にして渡す、そういった要するにホームメードの缶・瓶詰で食中毒が起きたわけでございます。そこで、アメリカのFDAは低酸性食品缶詰規則という強制法をつくりまして、工場の登録だとか製造条件の申告、そういうことを義務づけたわけでございます。この規則は、今日に言うHACCPの原点に近いものでございます。  そこで、当時、日本からアメリカに水産缶詰が輸出されたということがありまして、私ども日本缶詰協会は、その手続だとか窓口業務、あるいは科学的な、サイエンティフィックな根拠に基づいたデータをつくる、そういうことで対米輸出をしていた企業を支援してきたわけでございます。  次に、HACCPの導入の利点でございますが、FDAは、先ほど言いましたように、二十四年前につくった低酸性食品缶詰規則が成功したということで、その結果、アメリカでは水産缶詰というのは米国に流通するシーフードの中で最も安全な食品群の一つである、そのようにコメントをいたしております。アメリカの国民が最近、健康志向ということでシーフードを食べる機会が多くなったわけでございますが、その一方ではシーフードに由来の食中毒が急激にふえてきております。そういうことで、このたび水産食品のHACCPを強制化したと説明いたしております。  今申し上げましたように、HACCPシステムというのは確かに転ばぬ先のつえでございまして、食品の安全保証の切り札ではございます。ただ、それにとどまらず、私はその波及効果にも非常に大きいものがあると考えております。  HACCPの実施におきまして従業員が各人が自分の役割を把握している、自分がどういう仕事をしなきゃいけないか。したがって、目的意識を持って作業に当たる、行動する。そういった全社的な雰囲気の中で物づくりができるということと、それから製造設備だとかモニターする機器、そういうものへの理解が深まる。あるいは記録が残るということで、ある程度の作業に緊張感を持ちながら作業をしていく、そういうことでかえって生産能率が上がる、知識が豊かになる、そういった波及効果も期待できるんじゃないかと思っております。それは製品開発だとか工程の見直し、そういうものにも役立つんじゃないかと思っております。  そういったことで、HACCPというのは食品の安全性のみならず業界の技術のレベルアップにつながっていくだろうと私は思っております。さらに、洗浄性だとかメンテナンス性、そういうものに配慮された食品加工機械の開発あるいは各種センサーの開発、そういった関連業界への技術開発が活性化するんじゃないかと思っております。  次に、私どもの業界のHACCPへの取り組みの状況について御紹介したいと思います。  先ほど申し上げましたように、過去二十数年間、HACCP手法に類似したアメリカの規則に対応してきた経緯がございます。このたび、我が国の総合衛生管理製造過程とかアメリカの水産食品のHACCPの強制化、そういうものに対応するためにHACCP導入への関心は業界として非常に高まっております。  そこで、私ども協会ではこのほど自主管理のためのHACCP計画マニュアルという手引書、参考書をつくりまして、業界におけるHACCP導入を支援いたしております。また、行政当局の指導を仰ぎながら、その人材養成だとか普及のためにHACCPトレーニングコース、そういうものを近く開催していく予定にいたしております。私どもとしては、長年培ってまいりました知識と経験を生かしまして、できるだけ多くの企業がHACCPに取り組むよう支援していく予定でございます。  次に、HACCPを進める中で重要なことを二、三申し上げたいと思います。  先ほど言いましたように、幹部の方だとか従業員、一般従業員も含めまして全社的な協調体制の確立が必要じゃなかろうかと思っております。それから、安全性を最重視する必要があるわけですが、できるだけ効率的なHACCP計画をつくり上げること、要するに効率的かつ経済的なHACCP計画が大事だろうと思います。それから、絶えず従業員の訓練を繰り返すこと、それから、事業者団体等からの情報を収集していくということ、さらに、より充実したHACCPの内容を目指したものにするために絶えずリニューアルに努める、見直しをしていくということが必要じゃないかと思っております。  最後に、HACCP手法の支援法について若干述べさせてもらいます。  私どもの業界は、密封だとか加熱殺菌、この最後の二つの工程に安全管理のウエートが集中したわけでございます。ところが、今度のHACCPによりまして、交差汚染防止のための清浄作業区域を設定するとかあるいは製造環境の衛生化、つまりハード面でかなり改良を加える必要が求められております。そういったために、施設の改修だとか機械装置のレイアウトの変更、場合によりましては機械設備の更新、そういうものが必要になってくるのじゃないかと思います。したがいまして、かなりの経費がかかる事態が予想されております。  八〇%強が中小企業で構成される私ども缶詰業界にとりましては、HACCP手法支援法に寄せる期待には非常に大きいものがあると思っております。  以上でございます。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) ありがとうございました。  次に、花岡参考人にお願いいたします。花岡参考人。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 花岡でございます。  HACCP支援法案について考え方を申し上げたいと存じます。  なお、私ども食品業界ではハセップというふうに呼んでおりますので、ハセップ支援法案という形でお話し申し上げたいと思います。  私どもはみそのメーカーでございますが、みその業界は全国に約一千社ほどありまして、典型的な私どもを含めた中小企業の集まりでございます。そういう最も伝統的な食品、また塩を使っているという、みそ、しょうゆは塩分が非常に高いものでありますので、今まで食品事故というのはほとんど発生したことがありません。ありませんけれども、このHACCPにつきましては非常に関心が高くて、業界でもみそ製造のための衛生管理基準というものを今作成中であります。この基準づくりにはHACCPの考え方をかなり多く取り入れているものでございますが、こういったものを利用して安全で衛生的な商品を消費者に供給する、こういう方向になるんじゃないかというふうに確信をしているわけでございます。  HACCPの手法を進めていく上で現場として一体何が重要かと。  今までお二人の参考人の御意見にもございましたとおりに、既存の建物や機械ではかなり対応し切れない部分がございます。そういったものを修理、改造、もしくは新設をしなきゃいけない。それがハードの部分でございますが、ソフトの面につきましては、お二人の参考人のお話にもございましたように、従業員の教育訓練、それから研究データの蓄積、そういったものを今でも当然やってはおりますけれども、それをかなり高度に進めていかなきゃいけない、そういったこと。  それから、これを永続的に考えていかなきゃいけません。一たんHACCPの認定を受けたらそれで終わりというものではなくて、永続的にHACCPの手法で品質管理を行っていくということにつきましては、経営者のかたい意思というものがないとこれは現実的には進んでいかない、そういうふうに思います。  私どもの会社がこのHACCPについてどのように対応しているかということを申し上げますと、社内でHACCP委員会というものを、研究会のようなものでございますが、そういうものをつくりまして、一連のHACCPを進める上での手法づくりを今やっております。  それからもう一つは、たまたま長野県の伊那市に新しいみその工場を今プランをしております。今、基本設計に入っておりますが、建設各社から提案されておりますのは、これからの加工食品工場は当然HACCPに対応した工場でなきゃいかぬというようなことで、従来のレイアウトや機械設備、そういったものでは十分に対応できませんのでかなりの投資が必要だと。どれだけ必要かといいますと、従来のものに比べますと、約一五%ぐらい余計に機械や建物に投資が必要だと。それは必ずしも生産向上につながっていかないものでありますが、一応私どもはそれをやろうというふうに考えております。また、コスト的にも、そういったデータの蓄積やファイル、それから従業員の訓練、あるいはランニングコストなどはかなりコストアップになりますけれども、コストアップになっても時代の流れとしてこれに対応していきたいというふうに思っております。  HACCP支援法案については、施設設備に対する長期の低利融資というものが行われるように思いますが、これを非常に高く評価したいと思っております。ただ、これから全国の加工食品企業がHACCPに取り組もうとしているやさきでございますので、五年間の時限立法というのは余りにも短過ぎるということと、百億円の融資幅、範囲が百億だというのはこれも非常に少ない幅じゃないかと。全国には数万社に及ぶ食品工場がございますので、それが一軒一軒HACCPの対応に取り組んでいったら物すごい投資が必要だと。ですから、そういうことを御配慮いただければ非常にありがたいのではないかというふうに思います。  また、私ども、中小企業団体の話を聞いていますと、やはりこのHACCP支援法案に対する期待が非常に高いわけでございまして、もう少しそういった配慮が必要かなというふうに思います。  また、これは先ほど申し上げたようにかなりコストもかかりますし、投資もかかりますので、減税といいますか、そういう企業に対する支援策を一段と進めていただければ非常にありがたいというふうに思っております。  以上でございます。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 自民党の三浦一水でございます。  三人の参考人の皆様方には本当にお忙しい中ありがとうございました。聞こうと思っていたことをほぼ懇切に御説明いただいたような気がするわけでございますが、どうぞもう一歩突っ込んだ角度からお答えをいただければと思います。  いずれにしましても、花岡参考人におかれましてはハセップということで通称をおっしゃっていただきました。我々はハシップと聞いてきておりまして、私はハシップ手法ということで言わせていただきますが、この手法支援につきましては、現在、国民の食品の安全性に関する非常な高まり、これが基本にあるかと考えております。そういう中で、ひいては流通業界に至りますまで、業界としての対応というものも非常に迫られているところかという感じはするわけでございます。まず、私が申しておきたいのは、この支援措置はこのような状況の中では非常に時宜にかなったものではないかという、そういう感を持っております。我々としても積極的に支援をしてまいりたいという決意を申し上げておきたいと思うところでございます。  まず、第一番目に伺っておきたいと思いますのは、小久保参考人にお尋ねを申し上げますけれども、システム全体を詳しく御説明いただいたところでありますが、端的にメリット、デメリット、先ほどはデメリットについては特に御指摘がなかったかと思うんですが、その点につきましてどのようなお考えがあるか、まずお伺いをしたいと思います。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) メリットは、先ほど申し上げたように、工程管理ですので漏れがないということになります。  それからデメリットは、これは国の生活習慣の違いが結構あるんですけれども、やはり自分でやったことは自分で責任を持つということなんですけれども、それが非常に生活習慣上煩わしいところが出ている。今考えるデメリットというのはそういうことかなというふうに私は思います。本来的には、やはり安全な食品をつくるにはそれなりの責任を負うべきだろうと私は思っています。それがいわゆる設備投資なら設備投資になるだろうというふうに思います。そこら辺がデメリットなんですけれども、これは本来はデメリットではないと私は思っています。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 それに関連しまして、この手法に関します基礎的な研究というものは国内的にも十分進んできているところかと、そう考えるわけでございますが、先ほど花岡社長のお話にもありましたように、設備の導入等いろいろな面で非常にまた大きな費用負担もかかるということであります。その研究と、それからどう技術的に取り組みをしていくかということが設備負担を下げる意味でも大きな効果があるのかと思いますが、その辺の御感想はいかがですか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) この辺も私は厚生省の研究班でみんなとディスカッションしたところなんです。  やはり、中小企業の方々が基本的にHACCPシステム、いわゆる衛生管理の基本なんですけれども、これを取り入れやすいようにするにはどうしたらいいかということで、いろんなモデルをつくってみたり、そういうことも厚生省の研究班を通じて皆さんにお示ししている。それから、それぞれのところが自分でいろんなデータを収集できない、つくれないというところは、厚生省の研究班を通じてそういうことをやって公表しているという方法をとっています。なるたけ皆さんに負担をかけないようにはしていますけれども、やはり最低のものは、設備投資ですとかそういうことでお金が多少はかかるだろうというふうに思います。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 次に、森参考人にお尋ねをしたいと思います。  缶詰業界におかれましても中小企業は非常に多いというふうに伺っておりますが、この手法の導入に当たりましてどのような課題を考えておられるか、もう一回お尋ねをしたいと思います。  といいますのも、平成七年に食品衛生法が改正になりまして、HACCP手法については承認制度もそのときにつくられている。しかしながら、これを採用する、あるいは普及と言うべきでございましょうか、余り実績が上がっていないやに聞いておる面もありまして、その辺の事情をお話しいただければと思います。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) お答えします。  私どもの業界は、先ほど言いましたように、輸出している企業にとりましてはアメリカの法律に適応しなきゃいけないということで比較的、私もハセップと言っておりますが、HACCPに対してはなれていたというんですか、ある程度の適応はやっていたわけですが、対米輸出していないそれ以外の国内消費向けの商品をつくっている企業にとりましては初めての経験でございます。  そういったことで、先ほどちょっと申し上げましたが、缶詰というのは密封と最後の加熱殺菌、そこで安全性をほぼ確立している業界でございますので、HACCPというのは原料の段階から工場の施設、もうあらゆるプロセスまで衛生的でなければいけないということで、確かに業界の今までの長い経験と歴史の中で相当思い切った発想の転換をする必要があることは事実でございます。ただ、そういったことでアメリカの法律にも適応してきた者が私ども業界でかなりおりますので、全体的には進んでいくだろうと思います。  昨年三月に厚生省の方から総合衛生管理製造過程の指定を受けたわけでございますが、その後、乳製品だとか肉製品に続いて私どもの番だと思っております。ことしの秋ぐらいをめどに業界で総合衛生管理のHACCPの申請を出そうと、そういう動きがございますので、業界としては前向きに取り組んでいるということを申し上げておきたいと思っております。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 加えて、森参考人にお尋ねをしたいと思いますが、先ほど御説明の中でハード面での設備経費の負担というのも非常に大きなものがあるんじゃないかというお話でございました。  これは政策的な取り組みから一歩外れるわけでございますけれども、現実に各企業が取り組みをされていく中におきましては、その必要な設備手段のコストがどうなのか、幾ら支援措置を考えても、設備そのものが非常に部品等の共通化ができていない、特に新しい取り組みについては機械設備が高くついてしまう、取り越し苦労で済めばいいんですが、そのような感じを持っております。その辺、協会として、あるいはそういう設備メーカーに対しての取り組みというのはどのような感じでしょうか。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) お答えします。  若干、言葉の舌足らずがあったかと思いますが、要するに、HACCPの要求している清浄な区域と非清浄な作業区域との間仕切りをしなさいとか、そういったことができていないのは事実でございます。ですから、建屋全体を建てかえるということよりも、そういった程度のことで済む工場が多いんだろうと思いますが、中には全面的に建屋も建てかえなきゃいけない工場もあるやに聞いております。  したがいまして、そこらがどのくらいのレベルになるのか、何%ぐらいが全面的に建てかえる必要があるのか、あるいはどのくらいが一部改修で済むのか、その辺はまだもうちょっと時間をいただかないとわからないかと思いますが、今鋭意その辺のところを業界に対して調査中でございます。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 最後に、花岡参考人にお尋ねをしたいと思いますが、製造業者の代表として、関係の取引業者から取引の条件としてHACCP手法の導入を求められたことがあるかどうかという点につきまして、あるいはそういうことを聞かれていることがあるかという点につきまして。  もう一点、みそということで、従来、食品衛生管理上の事故も非常に少なかった、なかったというお話だったと思いますけれども、そういうお話でございましたが、そういう中であえてまたこの導入を図っていくということ、先ほど御説明もあったかと思いますが、端的にその辺の事情というのをお話しいただければと思います。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 最初の、取引先からのこういった御要望なり御質問なりというものが現在どうなっているかと申しますと、当社に対しては、いつまでにHACCPの対応の生産設備をつくるんだ、あるいはどういうふうに今HACCPについて考えているんだという問い合わせはございますが、それを取引条件として取引がなくなるとか継続するとかという段階ではまだございません。  みその方は食品の事故が少ない、ほとんどないというふうに申し上げたんですが、それでもやはり、微生物的な汚染というものはほとんどございませんが、中には、いろんな虫が飛び込んでそれがクレームに至るといったようなことは全国的にはかなりあるはずでございます。そういったものを防止するためにも、今非常に競争もまた厳しい状況でございますので、そういうクリーンルームのようなものを設けてその中で生産すれば、あるいはその建物、部屋全体を与圧して外から異物が入らないという形の生産設備にすればほとんどそういった事故が起きないというようなことも含めて、また新しい工場の建設も目前に迫っておりますので、いっそのことならこのHACCP対応の工場にしたいというふうに思ったわけでございます。  以上でございます。

三浦一水自由民主党

○三浦一水君 ありがとうございました。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 民主の和田洋子でございます。  きょうは、お三人の先生方、ありがとうございます。  もちろん、私たちも、食品製造過程における衛生管理ということで、私もハシップと言わせていただきますが、HACCPの導入は消費者の皆さんも大変喜ばれることだと思いますので、大いに結構なことだというふうに思っています。  それで、順次お尋ねをしてまいります。  小久保参考人にお尋ねをします。  いろんな場所でHACCPについての御講演をされるというふうに思いますが、反応はどうでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 非常に高うございまして、私は、プライベートなものは立場上ほとんど出ないんですけれども、いわゆる地方自治体が主催してその地方の業界もお呼びするというような講習会には、大体もう満杯で立ち見席が出るぐらいな関心であります。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 それは消費者の立場ということでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) いや、やっぱり製造業者を対象とした講習会なので。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 やはり、製造される方々も、これは大変なことだというふうに認識をされておられるんだなというふうに思いました。  そして、それに加えて、私たちはおととしと去年とO157というのに大変振り回されたというか、まずO157なんという細菌があったということに驚いたんですが、腸炎ビブリオ菌とかサルモネラとか、ああいうのはみんなだれでも知っていたと思うんですが、ベロ何とかとかO157なんというのは初めて聞いて、そんなものもあったんだというふうに思いました。  HACCPが導入されれば、そういう私たちが未知でまだわからない細菌も含めて全部クリアできるんでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 先ほど申し上げたように、このHACCPシステムというのは完全に事故をなくすというシステムではないんです。それを少しでも減らしていくというシステムなんです。それで、そのシステムを組むときには、先ほど申し上げたように、危害分析ということをやります。危害分析というのは、やはり対象があっての危害分析なんです。  それで、例えばO157の事故を減らそうということのためには、O157のいろんな性状ですとか特性ですとか疫学ですとか、そういう疫学データを踏まえていわゆる衛生管理システムを組まなきゃならないということなんです。だから、未知のものには対応できないというか、ただ、食品による事故というのはそんなに未知のものというか、以前、狂牛病というのがあったかと思いますけれども、それほどないので、普通の細菌による事故というのは、恐らくこのシステムを導入することによって確実に減るだろうというふうに思います。  HACCPの非常に進んでおりますアメリカなんかでも、このHACCPシステムを導入したから事故がなくなるとは考えていないわけです。やはり、あそこは日本と統計が違いますけれども、年間五百万人ぐらいが食品による事故で病気になっている、四千人以上の人が死んでいると、こう言うんですけれども、それをとにかく少しでも減らそうということで導入したシステムというふうに思います。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 じゃ、今のお答えにもう一度重ねてお聞きをしますが、七つの原則という中で、危害分析、これはデータをきちんと見きわめるということなんですが、農林水産の原材料、そういうものの中で、この危害分析とかそういうものが生産の段階でできるのでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) もちろん、食品生産、それから食品製造の段階で行うということです。その生産の仕方ですとか製造加工の仕方ですとか、それを事故が起きないように、例えば病原菌を発育させないように、汚染させないような分析を行う、それにはどうしたらいいかという分析を行うということです。もちろん、農林水産サイド、生産者サイドでそういうことは十分できると思います。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 ありがとうございます。  森参考人にお尋ねをします。  HACCPという制度のずっと以前にアメリカで行われていたものに缶詰業界は支援をされていたというふうにお聞きをしました。そして、今現在はそういう取り組みをするという企業にもいろんな支援をして、またこういう手引書とか業界の取り組みに自主管理とかそういうので支援をされるというふうにお聞きをしましたが、これから缶詰を輸出するという段階でその缶詰の貿易環境というんですか、その実情とか、今後はどういうふうに取り組まれるか、お教えください。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) お答えします。  対米輸出でございますが、最近の為替レートの問題で二十四年前に比べて一けた台ぐらいに減っております。  ただ、日本の方が西海岸、ハワイ、そういうところに結構おられるということで、そういう人を対象にしたオリエンタルフーズあるいは日本食、そういうものの輸出、それから当時なかったお茶だとか飲み物、そういうものに大分シフトしております。ですから、量は減っておりますが、輸出されるアイテムというんですか、そういうものは当時よりは数は少ないですけれども、種類はふえております。  そういったことで、今後ともアメリカの法律に適応しなきゃいけないと。特に、水産物は新たにHACCPの強制化、これもやらなきゃいけない。そうかといって、従来からの今も続いております低酸性食品缶詰規則、これにも適応しなきゃいけないということで、私たちも、そういった輸出されるメンバーに対しては今後とも全力を挙げて、ノウハウだとかポイントだとか、そういうところをお教えして支援していきたいと、そのように思っております。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 ありがとうございます。  それでは、花岡参考人にお尋ねをします。  貴社は、日本でもすごく有名な大きい会社でいらっしゃいまして、HACCPの委員会をつくられるとか、コストアップであるけれども一生懸命頑張っていくとか、そういうふうに今お聞きしてすばらしいことだなというふうに思いました。  私の地元なんかにも、町内で何軒か個人のお家にみそをつくってさしあげているみそ屋さんというのがたくさんあるんですね、うちの町なんかにも。そういうところにもこのHACCPというのが導入されなければいけないとすれば、それはどういうふうにしたらいいと思われますか。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 必ずしも私どもは大きな会社ではございませんで、業界の中では確かに大手ではありますが、誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。  それから、全国には約一千社ほどのそういう大中小さまざまなメーカーが全国味噌という組織の中に加盟しておりますが、これから私ども業界団体としていわゆるみそ製造のための衛生管理基準というものをつくろうと、一部はもう作成中でございますが、それを業界傘下の各企業に徹底していくということを今考えている最中でございます。そういった小規模なみそのメーカーができるようなHACCPということも当然考えなければ、業界全体としてのレベルアップを図るという意味では、それぞれのレベルの企業がそれぞれに対応するような、そういった小さなところでもできるようなHACCPということを考えながら指導をしていければ必ずそういうのに対応できるものだというふうに思います。  以上でございます。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 投資に一五%ぐらいかかるというふうにおっしゃいましたが、お三人の先生たちにお聞きをしたいんですが、例えばHACCPが導入されるとすればそのHACCP制を導入した会社と導入しない会社の差がつきますよね。例えば、食品にそういうものが表示されてくるとすれば、なかなか投資に踏み切れない小さい本当に家庭内工業でやっておられるような食品の会社とか商店とか、そういう方たちとの格差というものをどういうふうにしていったらいいかというふうにお尋ねをしていいでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 私は、表示だとかそういうのはよくわからないので、行政の方で決めることでしょうから。  ただ、もし表示をするとすれば、例えば厚生省でも家庭でのHACCPというのを示しているぐらいですから、表示をしていないところも十分そういうことをやっているという、やっぱり行政的な私は御指導が必要なんだろうと思うんですね。そうすれば、そんなに不公平は生じないだろうというふうに思います。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 現状としてどのくらいのパーセンテージがHACCPを導入するのか、ちょっとまだ予測がつきませんので、お答えできないのが実情でございます。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 私どもは、仮にHACCPの認定を受けたとしても、現時点ではそれをパッケージに表示するとかということは今のところ考えておりません。むしろ、消費者の認識というのはまだそこまで至っていないと。いわゆる食品の加工業者の段階で今まだ認識が始まったばかりでございますので、消費者の場合はちょっとそこまでは行っておりません。  また、いわゆる表示をしてあるからといって必ずしもそれが、何といいますか、だから消費者が買うとか買わないとかというような問題よりも、私どもみその場合は、先ほど申し上げたように食品事故というのはほとんどございませんので、むしろ味だとか香りだとかそういう好みの方が消費者の嗜好が強いものですから、そこまではまだ至らないんじゃないかなと思っております。

和田洋子民主党・新緑風会

○和田洋子君 ありがとうございました。

風間昶公明

○風間昶君 公明の風間です。  まず、小久保参考人に、先ほどお話しいただいた中で、従来も手順の六から十二までは、この七システムはやられているというお話というふうに承ったんですけれども、そもそもHACCPは、従来の一般管理基準がベースにあって、それでクリアできないものに対してこの方式を導入すると。つまりは、製造過程というか工程の中での区切り区切りの管理ということなんだと思うんですけれども、しかしそれは今までもやられていたのではないかと思うんですが、その点についてちょっと一点伺いたいと思います。  それからもう一点、この参考資料を見させていただいて、総合管理表、表四の総括表、これを見てふと気がついたのは、一つの製品でも製造工程で望ましいとされる衛生管理基準、たくさんあると思うんですけれども、そのものの基準、衛生管理基準とそのほかの製造過程の基準との組み合わせがこれから製品によりあるいは工程により、かなりラップしたり複雑化したりする可能性があると思うんですけれども、そこをどうやって具体的に考えていったらいいのかという、この二点をお伺いしたいと思います。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 最初の質問なんですけれども、今までも、確かに先ほどお話ししたように、施設基準、これは施設を開くための許可基準です。それをクリアしているということでやっているわけです。それから、管理運営基準というのも食品衛生法に基づいて都道府県で定められてそれを実施しているということなんですけれども、ただ、今までのものは結構ばらばらに行われていたというところがあるんだと思うんですね。HACCPシステムあるいは総合衛生管理製造過程というのは一つのシステムでして、みんな連携を保ってやっているというところが私は違うんだろうと思うんです。  それからもう一つ、確かに管理基準というのは施設によってみんな違うでしょうし、製品によってみんな違うと思います。ただ、管理基準で言えることは、要するに難しい手段を使って確かめるという基準は管理基準としてはぐあいが悪いわけですね。要するに、HACCPシステムというのは、本来、欧米で出たときには、例えば言葉が通じないとかそういう人に対しても簡単に管理をやらせることができるという、そのためのシステムなんですね。だから、いわゆる機械的に考えなしにできると。ただ、そういうものをつくるための前段階ではやはりそれなりの配慮が必要なんだろうというふうに思います。  それで、製造加工のそれぞれの施設では、やはり自分のところでつくるためのいわゆる工程管理基準といいますか、そういうものがあるんだろうと思います。当然その工程管理基準というのは管理基準より、より厳しさが要求されるだろうというふうに思います。

風間昶公明

○風間昶君 二つ続けて質問させていただいたのは、要は今まで許可基準があるけれども、ばらばらにやらせていたと、それを連携してやることが大事だという今の参考人の御意見に連動して、そうすると、今度組み合わせがかなりいろいろラップしてくることになるので、そこの部分を具体的に、まさに今、簡単に考えなしにプランだけきちっとやっていればできるというふうにおっしゃったことと矛盾していかないのかなという感じがしたものですから。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) HACCPは要するにアメリカから最初出てきたわけですね。アメリカというのはGMPが既にあるわけです。だから、かなり施設基準ですとかそういう環境整備の部分を法的に強制的に守らせていたというところがあるんですね。  それで、これは御存じだと思いますけれども、FDAがGMPにちょっと訴えられまして、非常に抽象的な表現を使っていたというところがあります。それをより具体的に示したと。例えば、加熱しなさいとただGMPでは書いてあったとしても、じゃ、何度で加熱したらいいかわからない。それをより具体的に示す、それがHACCPで言う管理基準だろうと思います。  ところが、日本では、そういうGMPの一応その施設基準あるいは管理運営基準というのは法的にはちゃんと各都道府県でつくって守らせなさいということが決められていたんですけれども、それほど強制的にはやられていなかったというところがあります。法律を見ましても準則という形で国が例を示していますけれども、やはり各都道府県、結構ばらばらなところがありまして、それを統一して、より具体的に示す。しかも、HACCPシステムというのは本来自主管理、いわゆる自分で基準をつくってそれを守るというところがみそなんだと思うんですね。  こういう考え方は何もHACCPシステムだけではなくて、例えば今、食品業界その他で使われておりますISO9000ですとか、それから我々、試験検査機関で使っているGLPですとか、ああいうものもすべてそうなんですね。だから、みんな同じような考え方でいっているというところなんです。

風間昶公明

○風間昶君 次に、花岡参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほども出ていましたように、みそとかしょうゆというのはまさに発酵が必ず工程に必要ですよね。そうすると、例えばカビの発生状況などで、ある意味では秘伝の部分というか、技で勝負してきたというか、処理してきた部分が非常に多いと思うわけです。みそやしょうゆがそうだというのではなくて、もう本当に腐りかけているものほどおいしいとかいうことも一般に通の間では言われているものも実はあるわけでございます。  そうしますと、マニュアルをきちっと衛生管理することで、御社のHACCP委員会でも恐らく議論になっていると思うんですけれども、かえって本来の持っているハナマルキみその味あるいは風味が損なわれないのかなと。そうすると、何のためのHACCPなのかなということも危惧されるんですけれども、そこをどうお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 確かに、みそ、しょうゆ、それから清酒、そういったものはいわゆるそれぞれ企業によって特徴があるわけでございますが、私どもみその業界そのものもそうなんですが、むしろそういう微生物的なことの汚染というのは食塩がございますので、ほとんど発生しておりません。  何が一番大事かといいますと、みそというのは仕込んで、長い間発酵熟成させて、それからパッケージして消費者にお届けするという過程の中で、非常にアルコールなどを中心とした揮発性のものが出まして虫が大分寄ってくるんですね。そういう虫がみその製品の中に混入しますといわゆる消費者からクレームが発生してくる、そういうことを防止するというのが一番重要なポイントになろうかなと思います。  したがって、微妙な品質の持ち味とか、そういったものに影響するということはほとんどないと思いますが、私ども、長野県と群馬県にそれぞれ工場が一つずつございますが、全く同じ商品ができないんですね。それは恐らく気候、風土、それから水であるとか、そういったものの影響の方がむしろ微妙な品質を構成していると。必ずしも微生物というわけではないかなと思っております。  以上です。

風間昶公明

○風間昶君 貴重なお話です。同じ会社の工場で味と風味が違うというのは一つの売りの特徴にもなるかと思いますけれども、今まさにおっしゃった防虫対策、これは虫は単に媒介でありまして、虫の中にむしろ微生物を体内に持っているものもあるわけですから、単純に今、社長がおっしゃった虫の対策で微生物はないというふうに断言するのはやや危険がなというふうに私は危惧します。  もう一点、花岡参考人にお伺いしたいのは、今回制定するHACCP法案、いわば支援法ですよね。しかも、製造工程だけが対象になっていますけれども、問題は、最終製品ができ上がって商店、売るところから消費者へのこの間のまた管理というのが大変私は盲点になってくるだろうと思います。つまり、流通機構や販売段階での衛生管理についてこのHACCP的な考え方というか、そこをどう入れるのかなということを御社の御経験で結構ですから、お考えをお伺いしたいと思います。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 一般的に、量販店あるいはコンビニエンスその他から流通されている消費者向けのみそというのはほとんど密閉されております。それはフィルムに入っている、あるいはカップ容器に入っておりまして、ほとんど外気との空気の置換というか、そういうのが一切行われていないような密閉状態で流通しておりますので、それはほとんど問題はなかろうかと思います。  ただ、百貨店その他で一部はかり売りのような商品がございますが、これも過去の例からいきますと、いわゆる危害といいますか消費者からのクレーム、あるいは売り場からのクレームというのはほとんど今まで発生しておりませんので、それはもうごくわずかな流通の中でございます。九九%がパッケージされたものが流通されておりますので、むしろ品質的には量販店サイドで夏になると変色するようなことがございますけれども、それも最近はかなり冷ケースの中で売られておりますので、ほとんど心配ないかなと思っております。

風間昶公明

○風間昶君 それでは、森参考人にお伺いしたいんですが、業界ごとにHACCPの認定する団体を指定することになっておりますけれども、問題は、その団体に、言うところの天下りの問題、それから指定団体が今度HACCPを認定する際の認定料、あうんの呼吸でやりとりされるということもあるんじゃないかと危惧するものですけれども、この辺についてはどうお考えですか。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私ども、業界団体でございますが、日本の総企業の九割近くをカバーしておりますので、そういった意味では会員サービスの一環として、そういったフィーのことにつきましては業界の実情も考えましてできるだけリーズナブルなレベルでやりたい、そのように思っております。  非常にデリケートな問題でございますので、それ以上のことはお答えできかねる次第でございます。

風間昶公明

○風間昶君 それじゃ、同じく森参考人に。  HACCP導入のためのいわゆる低利融資や税制上のインセンティブを与えるものでありますけれども、デファクトスタンダードという言葉があるんですが、事実上HACCPが標準になった場合に、ある意味ではまた規制の意味合いが強くなってくるということもあると私は思っているんです。そうすると、今回の法が通った後、質的に変わってくるおそれがあるのかなという危惧も持っているわけですけれども、ここをどうお考えですか。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私は、それはむしろプラス面で。先ほどから話題に出ておりましたが……

風間昶公明

○風間昶君 マイナス面を教えていただきたい。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) いや、マイナス面は余りないと思います。むしろ、プラス面で製法を少し変えることができるわけですね、先ほどの話じゃないですけれども。そういったことで、私は、むしろこの業界の状態が、日本の食品産業全体が変わるだろうと、そのようにプラスに思っております。  マイナス面につきましては余りないんじゃないかと。確かに経費負担、そういうものはあろうかと思いますが、それを乗り越えればむしろ全体として日本の食品産業がパワーを持つという時代が来るんじゃないかと私ども信じているわけでございます。

風間昶公明

○風間昶君 一言でお三人にお聞きしたいと思います。  今回、HACCP支援法であります。アメリカのHACCP義務法と違うわけでありますけれども、最終的にそこまで今後行った方がいいのかどうか。いろんなファクターがあると思いますけれども、一言ずつ教えていただければ。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) 時間がありませんので、一言ずつ。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 私は強化が必要だと思います。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私も同様でございます。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 必要だと思います。

風間昶公明

○風間昶君 ありがとうございました。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 社民党の村沢牧です。  参考人の皆様方にはきょう御出席をいただきまして、貴重な御意見をありがとうございました。  まず、小久保参考人にお伺いいたしますが、御三人の参考人の皆さん、この法律ができるということは望ましいという御意見でありますが、そして同時に、財政的な対策措置が必要だということも言われた。小久保参考人は、この法律をつくることを、HACCPについても厚生省の皆さんといろいろと御相談をしておるようですが、これは自主的な管理措置であることは違いないんですが、具体的にこれを実行するためには専門知識の普及だとか技術の開発だとか試験研究あるいは人材の確保、こうしたものが必要になってくるというふうに思われますが、その点、私も与党の一員ではありますが、政府に対してどういう要望を持っていらっしゃるでしょうか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) ちょっと政府に対する要望というのは大それたことなんですけれども、私は今の御指摘の点、いわゆる大メーカー、ここは自分でできますし、問題ないと思います。ただ、やはりHACCPシステム、これは基本的に食品衛生管理の原点だと私は思っていますので、これを中小までも普及させるためには、やはりそれなりの財政も含めてデータの供給ですとか、あらゆる支援が必要なのではないかというふうに思います。それはぜひお願いしたいなと。  それで、従来、私、東京都の職員という立場で、こういう衛生管理ということになりますと厚生省と農水省と別個にいろいろやられまして非常に不便を感じるところがあるんですけれども、今回一緒にやったというところで非常にその意義があるんじゃないかというふうに私は考えています。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 このHACCPは、原料の調達から最終製品として出荷されるまでの汚染源や不良発生を洗い出す、そして防衛措置を講ずると。この場合、原料の危害分析がこれまた重要になってくると思います。農水問題についてならば、野菜についてならば種子に起因する場合があるんですが、これはどのようにお考えになっていますか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) その種子の仲なんですけれども、私も実は農水省のカイワレの検討班の一応メンバーでやらせていただいているんですけれども、まだよくわからないところがあるんですね。ところが、実際に検査してみますと、種子の中の、中といいますか、そこら辺にどうも細菌がかなりいるということがわかってきております。今わかっているのはそのぐらいなんですけれども。  それで、実際にこの前も発表がありましたように、いわゆる大腸菌、これは病原性の大腸菌ではありませんけれども、大腸菌ですとかサルモネラですとか、そういうものも現に検出はされております。アメリカなんかでも現に、恐らく種子だろうというふうに言っているんですけれども、サルモネラの食中毒あるいはO157の食中毒、そういうものが出ております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 その種子が我が国でつくったものなら大体わかってくることも多いですが、輸入された種であるとなかなかわかりにくい。例えば、厚生省も、今お話がありましたようなカイワレの問題についてもO157に汚染をされる、これは輸入種子が原因だというようなことも言っているわけですね。こういう輸入種子に対して分析検査をしていくというようなことについては、このHACCP法でも原材料から始まって製造過程までということになりますが、大事なことではないかと思いますが、その点はどのようにごらんになっていらっしゃいますか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 先ほども言いましたように、やはりいい原材料を使うというのがいい製品をつくる必須条件となります。日本ではそういう制度がまだ私はないと思っているんですけれども、やっぱりアメリカ、カナダではいい原材料の確保ということで、いわゆるSQA、サプライヤー・クオリティー・アシュランスといいますか、いわゆる供給者が保証をするという制度があるらしいんですね。日本でも厚生省の研究班でいろいろ論議をしている中で、なるたけ早い時期にそういう制度的なものができたらいいなというふうに、そういうようなことも論議されたということです。  ただ、今のところは原材料に対してはどうしようもないというところが現実なんですけれども、ただ、その原材料をなるたけいいものを確保しようということで、国内的には例えば食肉なんかを考えた場合に、屠場の衛生管理の改善ですとか、それからさらにさかのぼって飼育農場の衛生管理の改善ですとか、そういうことが今行われております。飼育農場の衛生管理の改善には、やはりえさの問題が当然出てきます。そういう一連の流れで衛生を向上させていくということで非常に私は望ましい形じゃないかというふうに思っています。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 また時間があれば後ほどお伺いしたいと思います。  森参考人にお伺いするんですが、缶詰企業におかれましてはこうした法律が出される以前からマニュアルの作成に取り組んできていろいろ努力しておるということはお聞きしているんですが、今まで業界で何%ぐらいの皆さんが取り組んでおられるんでしょうか。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私どものメンバーの方からの電話とか問い合わせとか、それを勘案しますと、かなりのパーセンテージ、少なくとも半分ぐらいは取り組んでおられるんじゃなかろうかと思っておりますが、その辺の足かな数字はまだ統計をとったことがありませんので、いずれ、ことしの秋に申請を出すということですから、できるだけ早いうちに業界のその辺の数字を把握するようそういった調査をやりたい、そのように思っております。  現時点では何割ということはまだ未確定でございます。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 森参考人、PL法、製造物責任法がありますね。これとHACCP手法との関係についてですね。HACCP手法を導入するということは安全な食糧を供給すること、これも製造物責任法の重要な目的でありますが、大変いいことだと思われますが、そのPL法との関係はどういうふうに見ますか。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私は、法律のレベルの方では存じ上げませんが、当然HACCPをやればPLになるような問題は起きない、そのように思っております。ですから、どちらの方が傘の下にいるのか、そういうことについては私はわかりません。いずれにせよ、HACCPをやればイコールそれはPLにも対応できる、そういうように思っております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 花岡さんにお伺いしたいんですが、私も長野県の人間でございますので、花岡さんのこともよく承知しておりますし、みその業界のことも承知しております。  先ほど質問がありましたように、私の近くの伊那や諏訪の方でもいろいろみそ業界、それぞれ会社ごとに独特の伝統的なみそづくりをして、我が会社はということを言っていますが、さっきも質問があったんですが、HACCPの手法を導入することによってそういう伝統的な問題、この会社の独特な問題についてはどういうふうに考えたらいいでしょうか。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 先ほども申し上げたかと思いますが、みその場合はやはり原料であるとか発酵方法だとか水であるとか、そういうものが非常に微妙な風味を醸成いたしますので、その上にさらに消費者に安全で衛生的なものを供給するというのが大前提でありまして、それがクリアされて初めて品質あるいは微妙な、蔵ぐせと言いますが、そういった風味、香り、味というものを特徴づけて販売するというのがメーカーの姿勢でございます。したがいまして、HACCPの手法を取り入れた生産設備でありましても、そういった特徴のあるものは当然のことながら生産できるというふうに思っております。  以上でございます。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 御三人の方々からそれぞれ今度の支援法の柱をなしている資金の融通のお話があった。特に、森参考人は百億では少ないというようなお話もあったし、また五年ぐらいの暫定法では期限が短いというお話があったんですが、みその会社なんかを見ますとなかなか古い建物で、そう言っては失礼ですが、大きな家ですからこれを改造するには相当なものがかかると思います。会社によって違うんですけれども、一体どのくらいの資金が必要になるというふうに思われるでしょうか。  そしてまた、五年の暫定法では非常に短いというお話があったんですが、どのようにお考えになっていますか、お考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 私どもの業界におきましては一千社に及ぶ企業がありまして、HACCPに対しては、知識あるいはその重要さの温度差というのがまだございます。そういったものをしばらく勉強しながら、温度差を解消しつつ、それから設備の改善なりに至りますので、とても五年ぐらいでは、力があってそれなりのところは早くやるかもしれませんが、先ほど村沢議員がおっしゃられたように、全国には小さな規模のところもございますので、そういったところまで含めてその対応策を講じていくということになりますと、私は十年ぐらいかかるんじゃないかというふうに思います。  資金につきましても、公庫からの低利融資というものがありますので、そういうものを活用しながら生産設備の改造を行う。これも、一千社の会社があって単純に二億円かかればそれで二千億かかるわけでありますが、そこまではともかくとしましても、本当に江戸時代からの、あるいは明治の初めからの企業が非常に多うございますので、中を仕切ったり空調したりするといいましてもかなりの負担は避けられない。しかし、それをやらなければなかなか将来生き残っていけないということもございますので、そんなふうに考えております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 きょうはお忙しいところ三人の参考人の皆さん、御苦労さまでございます。日本共産党の須藤美也子でございます。  まず最初に、小久保先生にお尋ねをいたします。  先ほどの御説明をお聞きいたしまして、コーデックス委員会が示した十二手順のシステム、これを導入するとすれば、やはり私たち頭に浮かぶのは施設設備にお金がかかる、それから衛生管理の面で人材が必要となるというふうにどうしてもそっちの方に行きがちです。しかし、HACCPの目的そのものは、O157の問題が出ました、いまだにその原因が明らかにされていない。そういう点からすると、病原微生物の発生、これを抑えること、それから病原微生物のことをよく知り得るようにする、そういうことだと思うんです。そういう点で病原微生物についてどのようにお考えになっているのか、その点を一つお聞きしたいと思います。  それから、欧米諸国に比べて我が国は病原微生物の基礎研究が非常におくれている。データバンクもない。それから、それに専念する学者、専門医の数も少ない。そういう点の実情なんかも含めて教えていただきたいと思います。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 何か非常に難しいんですけれども、確かに病原微生物、例えば食品微生物として研究したりしている方は、私は実際に少ないと思います。人の病気との絡みで研究している方というのは非常に多い。例えば、そういう学会がありますけれども、細菌学会なんかへ行きますと非常に人数が多いんですけれども、食品衛生という立場で微生物を研究したりしている方は少ないと思います。私は食肉微生物がどっちかといったら専門なんですけれども、その分野の方というのは非常に限られた方がいらっしゃいます。  ただ、日本は諸外国に比べまして決してそういう学問的なことがおくれているとは私は思っていないんです。むしろ、対等かそれ以上だろうと思います。ただ、何といいますか、言葉の問題もあるんでしょうけれども、諸外国と広く交流をして日本の意見を言って国際的な、例えばコーデックス委員会のああいうものに生かすとか、そういうことがやっぱり必要なのではないかというふうに思います。  それで、我々集まるとよく話題にするんですけれども、大学教育で食品微生物をやる方が少ない、特に畜水産食品関係の問題が多いと思われる食品の微生物関係の教育をもっとやってもらいたいというような話がよく出ます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 そういう状況のもとでこのまま行政主導のHACCPが導入された場合、その方式が普及しても、それは形式的な形では普及しても、本当に安全な食品を国民に供給できるようなそういう体制がつくられるのかどうかということで疑問を感じていらっしゃる先生、学者の方もいらっしゃるようですが、それはどう思いますか。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) それも私は心配はないと思います。  といいますのは、今かなり厚生省の研究班ですとかそういうところでそれなりの研究者を呼んで、それなりの情報を集めてやっておりますので、私も現に、今おっしゃるようにシステムだけが先行してしまって本来の目的が忘れられているというようなところもちょっと危惧はするんです。ただ、それは今、行政の方が得た情報というのはなるたけ早く公開するというようなことをしていますから、私はそういう心配はないのではないかというふうに思います。また、あってはならないだろうというふうに思います。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 ありがとうございます。  それでは、森参考人にお尋ねをしたいと思います。  先ほどのお話によりますと、昭和二十四年から我が国で初めて食品衛生に取り組んだ、そういうことをおっしゃいましたが、三点ほど簡単な質問をしたいと思うんです。  つまり、二十数年間もそういう缶詰工場でやられてきた衛生管理、それとHACCPを導入した場合、この衛生管理と製造、それから加工工程にどのような違いが出てくるのか、それが一つ。  二点目は、缶詰業界の圧倒的多数、約八〇%が中小企業だと、こうおっしゃいました。そういう中小企業でもやられるHACCP、この導入が可能なのかどうか、これが二つ目。  三つ目は、「缶詰時報」という業界誌にこう書いてあります。「わが国の量販店等の流通業者から、HACCP管理を行っている工場の製品であることを取引の条件にするような動きも見えている。」と。これはアメリカではそういうふうにチェーン化しているようなところもあるようですけれども、専務理事さんが書いておられるわけですけれども、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きいたします。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 最初の御質問でございますが、昭和二十四年じゃなくて一九七四年でございます。過去二十四年間やってきたということでございます。  長い間やってきたわけでございますが、新たなHACCPとの間のギャップがどうかという御質問でございますが、確かに缶詰の安全性というのは、先ほど申し上げましたように、密封とそれからその後に続く工程でございますが、加熱処理、加熱殺菌、この二つの工程でほぼ九十数%の安全性は確立できるわけでございます。ただ、熱に強い貝毒だとかそれからサバ毒と言われているヒスタミン、こういうものは熱にも強いわけでございますから、やはり原料のコントロールをしなきゃいけない。  そういったことで、おっしゃるように、新たなHACCPと従来からのアメリカのFDAのレギュレーションとの間にそれほど乖離はないと私は思っております。ですから、それぞれのアイテムに応じて押さえるべきところをきちっと原料の段階で押さえる、そういうことをしていけば新たなHACCPのシステムとの間にそれほどの大きな乖離はないんじゃないか、そういうふうに理解しております。  それから、八〇%強が中小企業で構成される私どもの業界でございますが、今言いましたように、従来からも安全な食品、缶詰飲料、レトルト食品を提供してきたわけでございますが、この二つの工程をしっかりやればそう問題ないと思うわけでございますので、中小企業でももう少し努力をしていただいて、原料の選定、鮮度管理、そういうものをやっていけば私は十分新たなHACCPの中に中小企業の方も入ってこられるんじゃないか、そのように確信いたしております。  ただ、先ほどから話題になっております。そのHACCPの前提条件としてGMP、グッド・マニュファクチャリング・プラクティス、これが問われておりますので、建屋の改修、その辺をどうするのか、その辺さえクリアできれば中小の企業といえども私は十分この新たなHACCPに対応できると思っております。  それから、三番目の御質問でございますが、取引条件にHACCPを導入した物づくりをした製品かどうかということでございますが、先ほどから表示の問題がいろいろ議論されておりますように、まだ全体の総合衛生管理も、乳製品、肉製品、それから私どもの缶詰、レトルト食品、魚肉ソーセージ、そういった割に限られた食品だけしか指定されておりませんので、同じ土俵の中でそういうことは、正直言いましてまだ云々すべきことじゃないんじゃないかと私どもは思っております。  ですから、私たちもそういったところにもし要請があれば国の方の御指導を仰ぐというようにしていきたいと思っております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 花岡参考人にお尋ねをします。  先ほど中小零細企業が大変多いと。そういう中で、設備投資、それから国がいろいろ融資制度、百億円の枠をつくるということを出しているわけですけれども、もっと何とかしてほしいというふうな御要望みたいなお話がありましたが、一体おみそをつくる皆さんの企業で設備にどのくらいお金が必要なのか。それから、いろいろこれまでお聞きいたしましたが、一言具体的に、今こういうことを研究している、それから設備にはこれだけかかるというふうなことがお聞きできればお尋ねしたいというふうに思います。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 設備にどれだけ投資が必要かという一つの例を申し上げれば、私どもが今計画している工場の生産数量というのは一万五千トンの工場であります。みそを一年間に一万五千トン生産する工場で今のところ約四十億円のお金がかかります。  ただ、HACCPをやらない、HACCP対応の工場じゃないと約三十四、五億円ぐらいでできますが、先ほどちょっと申し上げたように、一五%ぐらいは空調であるとか、あるいは見学者と作業員がクロスしないような仕切りであるとか、あるいは機械設備、例えばお米を蒸す工程で蒸気が出ますが、それを室内に放置せずに強制的に室外に排除する。これはいわゆるアールと言いまして、角をつけてはいけない、直線で屋根に抜く。こうしないと結露が出て菌が発生すると。そういう細かいところにお金が余計にかかるわけであります。  それで、どういったことを研究しているかというお尋ねだろうと思いますが、HACCPについては、技術者を中心に各工場全体のHACCPの対応についてソフト的にどういうふうにするかということで今いろいろ研究している最中でございます。  以上です。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 こういう直接やらなければならない企業の方々の御意見を伺いました。  そこで、小久保先生に最後の締めとしてお尋ねしたいんですけれども、中小企業でも可能なHACCP、それから缶詰業界のように二十何年間も積み上げてきた苦労、努力、そういうものを踏まえて、そういう現場に困難を持ち込むようなHACCPであってはならないと思うんですが、その点はどういうふうにお考えか、最後にお尋ねをいたします。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 確かに、おっしゃるように大企業は黙っていてもやるんですね。中小企業というかそういうところでどうするかという問題、我々も考えていますし、これはアメリカなんかでも小さい施設、スモールと言っておりますけれども、そういうところでどうするかということを真剣に考えております。それから、例えば東京都でも、東京都は大きな製造業というのはほとんどありませんので、そういうところで、やはりHACCPを導入するというのはこれはもう世界の情勢ですから、どうしたらいいかというのを今検討しているということです。  先ほどもちょっと申し上げたように、今家庭でのHACCPというようなことも言われておるので、基本的な考え方というのは、さっき私が申し上げたとおりに、HACCPシステムの基本的考え方イコールこれは食品衛生向上のための考え方に一致しておりますから、それをやはり具体的にどうやって導入させていくかという行政的な指導というのが必要なんだろう、それから情報を示す必要があるんだろうというふうに思います。  今、東京都もそうですし、ほかの県ですとか自治体でかなりそこら辺を真剣に検討しておりますので、そのうちいろんなものが出てくるだろうというふうに私は期待しております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 ありがとうございました。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  参考人の諸先生方の御意見を承っておりまして大変勉強になりました。しかも、それぞれお尋ねになったところでもう既に私が述べるところがなくなったわけでありますが、その中で、自分なりにもう少し突っ込んでみたいなと思っている点だけ感じたことを申し上げたいと思います。  先ほどから質問がありましたように、アメリカとかEUにおきましては既にHACCPは義務化されておる、日本はこれから取り組む中で自主目標である、こういうことであります。その中で、先生方の御意見としては、日本も当然義務化すべきだととれる御意見が御三名からありました。  私、その中で、日本がそこまで持っていくのには大変だなという思いがいたしております一つは、九九%が中小企業だということが一つであり、二つ目には缶詰・みそ・しょうゆ製造業、あるいはレトルト食品の製造業というものの利益率は本当に低い。数字から見ましても、缶詰製造業は一・七%の利益率、みそ製造業においては三・二%の利益率、こういうことであります。  そんな中で、このHACCPの導入によっての経費が増加してくる、費用がかかってくるというようなことになりますと、取り組める企業と取り組めない企業というものがおのずからそこに生まれてくるであろう。それも趨勢としては、当然HACCPの手法を取り入れておる企業でないと、問屋さんやらあるいはバイヤー等の仕入れについての商談のまず条件になってくるんじゃないかというふうに思うんですが、その点のお考えはいかがでありましょうか。森参考人並びに花岡参考人にお尋ねいたしたいと思います。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私は、確かに利益率の低下はある程度は招くと思います。ただ、先ほどの意見の中で、いかに効率的なHACCPをつくるか、そこらを私たちは中小企業の業界に対して指導していきたいと思っております。ただし、その辺は行政側とのあうんの呼吸というものがありますから、国側ともよく御相談の上、できるだけ必要にして十分なHACCP計画、それは効率と経済面、その両方のバランスをとりながら中小企業も取り入れられ、なおかつ製品の安全性を損なわない、そういうHACCPに持っていきたいと思っております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 それと、HACCP手法を取り入れておる会社と取り入れていないところが、取引先の問屋さんとかバイヤーの取引条件として将来されていくのではないかという、先ほどの重ねて二つの質問です。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) それにつきましては、食品産業全体が国の総合衛生管理の指定はまだこれからというところですから、流通側にもその辺の御理解はお願いしたい、そのように思っております。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) みその方の業種は非常に利益率が低いわけでございますが、これをやはり効率的に進めていくということを考えた場合に、全国味噌というのが東京にございまして、ここもある程度研究所を持っておりますし、長野県の味噌工連、これも信州味噌研究所というのを持ってそれなりのスタッフがいるわけであります。そういった比較的規模の大きいところは独自でできると思いますが、小さなところについてはそういう業界が持っている研究機関をうまく活用すれば十分できますし、あるいは地域に食品工業試験場等がございますので、そういったところでいろんな検査データを得るということもできるというふうに思います。  それから、HACCP導入を一つの取引条件とする動きがあるかどうかというお尋ねだと思いますが、これは現時点におきまして、私どもでは、みそを加工業者に販売しているケースと量販店やコンビニエンスを通じて一般消費者に流通している二つのルートがございますが、加工業者に納入しているケースでいきますと、私どもの会社のHACCPの対応についての意見を求められている。あるいはいつごろまでに対応するんだろうかという間いかけが現在、何社か出ております。しかしながら、それを一つの取引材料にする動きにはまだ至っていません。  それから、コンシューマーといいますか消費者への販売のルート、量販店であるとかコンビニエンスあるいは一般小売店におきましてはまだそこまでの認識、あるいはそういった商談でのHACCPの話題というのは今のところ出ておらないのが現状でございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 現状ではまだそうだと思いますけれども、HACCP支援法が通りましてそういう取り組みを各企業がしていくという過程の中で、しているところ、まだしていないところ、そういうところがおのずから、商取引の場合に一つの前提条件といいますか、そういうような買い手側、取引先からの一つの交渉の条件になってくる要素が私は十分あるというふうに思うんです。  ですから、これはいいことなんですから進めていかなきゃならないんですけれども、それを進める上において、先ほど花岡参考人からお話がありましたように、百億円の五年間というのではとても対応し切れないのではなかろうかなというお話がありました。私もそのように思いますが、その百億円と五年間の期間と、そしてその中の税制の優遇措置等の問題だけで、中小企業者の食品会社の方々がそれを受け入れていくだけの力がなかなかないのではなかろうか。だから、金額的なものは別にいたしまして、先ほどお話があっておりました人材の教育なりあるいは新しく確保していくなり、そういうレベルを上げていくということも急いでやらなきゃならない。  そういう意味で、今、国が出しておるように、お金と税制優遇はしますがあとは民間でやりなさいと、こういうことだけでいいのだろうかなと思うんですが、参考人の皆様方の、いや、ほかにこういうことも必要だということがございましたら教えていただきたいと思います。

小久保彌太郎東京都立衛生研究所理化学部長

○参考人(小久保彌太郎君) 確かに、財政支援以外に情報公開、情報の伝達、これはアメリカの例を見ましても、私はインターネットで情報を得ているんですけれども、非常に膨大な、このHACCPを取り入れるためにどういうふうにしたらいいかというのを微に入り細に入り出しているというのはあるんです。国が承認制度としてHACCPシステムを普及させるためにはやっぱり国がそれだけのことをやる必要があるんだろうと思います。  とりあえず、私はきょうちょっとお持ちしたんですけれども、これはシリーズものなんですけれども、国が監修で出した本です。この中にいろいろ微生物に関するデータですとか、HACCPを取り入れるためにはどうしたらいいかというようなことがかなりよく出ております。  それからまた、国では、HACCP連絡協議会という団体、これは食品衛生協会の中におきまして、そこでHACCPを普及させるにはどうしたらいいかというようなことをいろんな財団を通じまして普及に努めているということがあります。  だから、教育といいますか、そういうものと財政支援というものを一体化してやっているということで、本来ですと、先ほど私は、日本はHACCP義務化ではなくてあくまでも取り入れる取り入れないはもう製造者に任せているという形、私は、HACCP本来の目的からするとあくまでも自主衛生管理システムなので、今とっている我が国のとり方というのは非常に望ましいんだと思うんです。ただ、一番大変なやり方をしているなというのは感じます。  というのは、義務化すれば切り捨てればいいんですけれども、それを義務化しないで教育をしてなるたけ普及させていくという形をとっていますから、それにはやはり財政支援なり情報を公開していくなり、いろんなあらゆる手段をとっているんだろうというふうに思います。そういう点で非常に望ましいなというふうに私は見ております。  そこら辺は行政の方に、これからもよろしくお願いしたいと思うんです。

森光國社団法人日本缶詰協会常務理事兼研究所長

○参考人(森光國君) 私も同様でございまして、そういう融資の支援のほかに、このHACCPを進める中でいろんな情報が必要になっています。ですからデータベース、官公立の研究所、それから団体、あるいは民間の研究所、そういう皆さん方のデータベースの構築とその提供、そういうものはぜひやっていただきたい。そうしますと、業界側はそれを使って、実際にモニターをしなくてもここにこういうデータが出ていますということを利用できるわけでございます。  それから、冒頭に申し上げましたセンサーの開発、これが今までは物理的なセンサーであったわけですが、これからはその食品の成分に非常にレスポンスの速い経済的な、バイオセンサーと私ども言っているわけですが、そういうセンサーの開発をぜひお願いしたい。アメリカあたりも、国公立の大学にFDAは、そういうセンサーの開発がこのHACCPの将来をかなり決めるんじゃないかということで、その開発研究をやってほしいということを要望しております。  ですから、そういうデータベースの構築とその提供並びにセンサーの開発、この辺はやっぱり国の、あるいは公的なレベルの話じゃないかと思います。あるいは民間でもそういうのもぽつぽつやっておりますが、そのほかに機械もHACCP対応型の機械でないといけないわけでございまして、いろいろな意味で全日本の産業の協力をぜひお願いしたい、そのように思っております。

花岡俊夫ハナマルキ株式会社代表取締役社長

○参考人(花岡俊夫君) 基本的には、企業としましては、これは国がこういういろんな支援措置を講ずるか講じないかにかかわらず、自主的にやっていかなきゃいけない問題であります。しかし、たまたまこういう支援策が発表されましたので、私どもはこういったものをうまく利用しながら推進したいと。  基本的には、さっきちょっと触れましたが、中小の企業が一体これをどういうふうにやっていくかというのは非常に大問題なのでございますが、その地域には例えば保健所であるとかあるいは食品工業試験場であるとか、あるいは業界の持っている研究機関あるいは人材、そういったものがまだまだ十分に活用できる余地があると。しかしながら、なかなかそういう保健所や食品工業試験場の段階ではまだこのHACCPというものは認識が十分に進んでいないというのが現状でございますので、公的な機関でこういったHACCPについて御相談すればすぐ対応できるというようなことも十分お願いできたらというふうに思います。  各企業ともそれぞれ二十一世紀への生き残りをかけて、何とかHACCPの考え方を工場管理、品質管理に生かしたいという気持ちが非常に強うございますので、そういう公的機関のいろんな情報あるいは研究指導、そういったものを十分にお願いしたいと思います。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 終わります。

松谷蒼一郎自由民主党

○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたりまして貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時散会

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