農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/12
会議録
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、山下栄一君、齋藤勁君及び広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君、一井淳治君及び北澤俊美君が選任されました。 —————————————
○委員長(松谷蒼一郎君) 農林水産に関する調査のうち、平成十年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。 本件につきましては既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○真島一男君 おはようございます。 大臣にお伺いいたします。 大臣は先般OECDの農相会議に御出席なさいましたけれども、そのときの会議の中の主要な論点及びその成果についてお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 今回、国会の御了承をいただきまして、私はOECD農業大臣会合に出席をし、今後の農業に関する国際的な議論を方向づける重要な会議であるとの認識で臨んだところであります。また、OECD農業大臣会合では、副議長として非常にやりがいのある仕事をさせていただきました。 会議の中身につきましてでございますが、我が国水田農業の特徴や最大の農産物輸入国である我が国における食糧供給の重要性を説明しつつ、共通に取り組むべき課題といたしまして、国土の保全や自然環境の保護、洪水防止、あるいは水資源の涵養等の農業が果たす多面的な役割について、そして同時に、国際需給が中長期的には逼迫する可能性がある中での食糧安全保障の重要性等を主張したところでございます。 たまたま、前に政務次官をお務めになった保利耕輔氏のアドバイスがありましたので、実は一月六日から十一日まで、私はあらかじめヨーロッパに出向きまして、アメリカのグリックマン農務長官、たまたまオックスフォード大での講演のために見えておりました。また、EU議長国であるカニンガム農相、あるいはジョンストンOECD事務総長、あるいはまたEUのフィシュラー農業委員等と会談をいたしまして率直に意見交換をしておったところでありますが、それらや、あるいは事前に先遣隊として赴いた東審議官等のまことに行き届いた根回しのおかげで予想外の成果を得たと、こういうふうに考えておるところであります。
○真島一男君 この三月二日にクリントン米国大統領はアメリカの議会に対して通商政策年次報告書を提出いたしましたが、その中で、我が国の米の市場開放は不十分であるという指摘をしております。そのことについて、この報告書のほかに何かUSTRの方から農林省に対する接触はあったものでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) ただいまのお尋ねの件でございますが、この報告書以外には何らの接触もございません。
○真島一男君 この報告書を詳細に読んでみますと、例えば文中に、米国産米の品質及び価格は日本市場において大変に競争的、つまり十分に競争能力があるということなんだけれども、日本の消費者は米国産米や他の外国産米を購入するに十分な機会が提供されてこなかったと、こういう指摘がありますけれども、それについてどう思われますか。
○政府委員(高木勇樹君) 今おっしゃられたような内容のことがこのレポートに入っておるわけでございますが、売る方といいますかの立場と、私どもきちっと貿易ルールに基づいて対応しているという立場の違いはあろうかと思いますが、そういった違いではないかと私ども思っております。 もちろん、いろいろなレベルでアメリカ側といろいろな米の問題、特にミニマムアクセスの問題についで話をしていること、そういう中でアメリカ側に理解を求めているという点も当然あります。そういう中で理解が深まっていくものと私どもは考えております。
○真島一男君 このように通商政策の年次報告で明確に文書で出されたものについては、私は日本国政府も、いろいろとかさまざまなとかということでなくて、きちっと政府として意見を述べるべきだと思っておりますが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 我々も必要に応じてこれに対する対応をしなければいけないと思いますが、実はOECDの農業大臣会合あるいは五カ国農相会議、グリックマン農務長官とは三日間ずっと一緒でおりまして、いろいろ話し合う機会は朝から晩まであったわけでありますが、むしろ日本側の最近の前向きの姿勢に対してその行為を感謝するという言い方が中に含まれたくらい、こんな発言がなされることがちょっと不思議に思えるくらいの状況でありました。 ただ、それはそれとして、食糧需給について御心配の向きについては我がアメリカは全責任を負って日本の食糧供給に応じますよと、こんな言葉がつけ加えられはいたしましたけれども、不満とか批判とかそういうものは全く感じなかったというのが実情でございます。
○真島一男君 例えば、来年のこの教書の中でこういう問題が出てこないという保証があるかといえば、私はないと思います。ですから、それぞれ向こうの農務省の長官が話した、だけれども、USTRはどう言っているのかねということは全く同じと考えることは私は適切でない場合もあると思います。どうかひとつそこのところはきちっとしていただくことが、常に言われたときは言い返すということがアメリカとの交渉では必要だと、私もささやかな経験からそう思っておりますので、申し上げておきます。
○国務大臣(島村宜伸君) 大変ごもっともな御提言だと思います。我々もしかるべき対応をしていきたいと、こう思います。
○真島一男君 それで、私どもはやはりこの文書を見るときに、二〇〇〇年から始まる次期ラウンド交渉、これに向けての一つの助走が始まっているなという感じもするんです。全国民が注目している次の交渉です。前回の交渉についでとやかく言うことは、今言う場合ではございませんから、どうかひとつ前回の交渉においで国民の各層から挙がっている疑問、批判、そういうものを踏んまえて次の交渉に臨んでいただきたいと切望しているのですが、次の交渉に当たっての基本的なスタンスについて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) みんな言葉には出しませんけれども、明らかにWTOの次期交渉に向けたいわば予備戦といいましょうか、そんなイメージを強く受けたところであります。 三日間、最初の二日間がOECDの農業大臣会合で、三日目が五カ国農相会議でありましたけれども、特にOECDの農業大臣会合では、冒頭、オーストラリアやニュージーランドといった国々が非常にしつこく、過激な表現まで使って、いわば農産物の自由化に対する提言、市場原理の導入というものをもっと積極的にやるべきじゃないか、こういうような意見が相次いだところであります。そして同時に、その裏には、二年前の例の世界食糧サミットにおいて、農業の多面的機能とかあるいは食糧の安全保障の問題について大分譲歩し過ぎたのではないか、あるいはそちらの側に押された結果におさまったのではないかという彼らなりのいわば判断があったように感じます。 我々は事前にそういうことも情報としても得ておりましたし、当然のことに強く反論をしまして、二日目になりましたら、初日には加わっていたアメリカさんがまず引きまして、引いたというのはおかしいんですが、非常にトーンを落としまして、またカナダあたりは初めからこちらの味方みたいな発言までしてくれまして、結局は豪州、ニュージーランドが浮き上がった形になったと言ったら言葉は悪いですけれども、実質的には我々の主張するいわば中長期にわたる世界の食糧需給の問題、これに対する安全保障をきちっとすべきであると。 また同時に、たとえ効率の悪い農業といえども、各国はそれぞれの自給率に配慮するのは当たり前であるというような認識も得たつもりですし、また特に農業の多面的機能については、あらかじめ何かこちらが根回ししたかのように会議全体がそういう言葉の支配に変わりまして、結果的にはいいものを得たなと、こんなふうに思っているところです。その意味では、今回は非常にいい結果につなげていただいたと、こう考えております。
○真島一男君 次に、食料・農業・農村基本問題調査会の議論のことについてお伺いをいたしたいと思います。 農業における所得補償を我が国に導入するということについての農林省としての御認識を伺いたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 所得補償の問題につきましてはさまざまな御議論がされているところでございます。 これは基本問題調査会におきましても議論がされておるところでございますが、特に中山間地域におきましては非常に厳しい状況にございますものですから、今、先生がおっしゃいましたような所得補償的な考え方が導入できないかという強い御議論もございます。 確かに、中山間地域は平場地域に比べましてかなり生産状況等が厳しいということで、そういうことを補っていくということも必要なんじゃないかという観点からの御議論もございます。それから、やはり中山間地域はさまざまな意味での国土保全とかそういった公益的機能を果たしている、そういった意味での価値といいますか、そういうものは中山間地域の方々だけでなしにひとしく国民全体で受けるべきではないか、そういう御議論があることは十分承知しておりますが、他方でまた、中山間地域のそういう問題を認識しながらも、例えば農村や中山間地域におかれましても、農家の方以外の住民の方々もたくさんおられます。そういう中で、なぜ農家や林家だけにそういう直接所得補償的な措置をとるのか、こういうような観念とはどういうふうに理解したらいいのかと。 それから、それ以外にもまた、EU等と違いましてかなり規模が小そうございますけれども、EUのように構造政策がかなり進んだところと違って、段階で所得補償的なものを入れていくことによってかえって零細構造を温存するのではないか、そういった議論もあるわけでございますので、これはやはり国民の間でもっと広い、深い御議論をしていただくということが重要ではないかと思っております。 そういった御議論の場として、こうしたところでの御議論、それから調査会での御議論をもっと深めていただきまして、中山間地域の活性化を図る上で直接所得補償方式というものがどういう意味を持つものであるかということにつきましてもう少しコンセンサスを得る努力をしていきたい、こういうように考えております。
○真島一男君 今のお話は、つまりコンセンサスを得る努力をするというのは、中山間地域については所得補償を導入することが農林省の基本的な考えてあるという理解でよろしゅうございますか。私もそういう意見なんですが。
○政府委員(堤英隆君) 今申し上げましたように、国民の皆様の間でもさまざまな御議論がございますので、私どもとして、今、農林水産省として当然に直接所得補償方式を入れるのだというような考え方を余り前面に出したり、それに固執すをということではなしに、もう少し自由な立場で御議論をお聞きした上で、中山間地域等の活性化を図る上でどういう対策がいいのか、その中でこの直接所得補償方式がどういう位置づけであるべきか、そういったことにつきましてもう少し深い議論をしていきたい、こういう考え方でございます。
○真島一男君 わかりました。 生産調整についてお伺いいたしますけれども、私の新潟県は特に農業における米のシェアの高いところでございますけれども、適地適作ということを農民の皆さんは信じている、私もそれは正しいことであると思っているんです。 そういうものに農政はこれからどうこたえていっていただけるのかということについて不安を持っているというのが一つの実態ですけれども、これについてどういうお考えであるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(高木賢君) 御指摘のありました適地適作ということは、私どもも極めて妥当なる考えだというふうに思っております。ただ、現実にそれを具体的に数値化するとか当てはめという段階になりますと、大変難しいいろいろな議論がございます。 御案内のように、米について見ましても、食味で見るのか、生産コストで見るのか、あるいは土地の要素だけでなくて人の要素はどう見るのか、さまざまな議論がございまして、全国各地の関係者がひとしく納得するような、これだという物差しはなかなか見出しがたいのが現実でございます。 また、生産調整で申しますれば、ほかに圃場の整備の状況はどうかとか、他作物が容易に作付できるのかどうかというような条件も考える必要があると思います。 そこで、現実には、先人の御努力によりまして、良質米生産地域とか担い手が多い地域とか稲作依存度の高い地域、こういったところには軽くということで配慮されてきましたし、一方、市街化区域が多いとか圃場整備が進んで他作物の栽培が容易な地域、こういうところには重くするというようなことで、平成九年度までは多いところと少ないところの格差が約四倍という、まさにそれなりの適地適作の考え方が反映されてきたと思います。 ただ、これが余り激し過ぎますと、今度は重い方の地域からこれ以上の格差はたまらないという御意見もありまして、現実に平成十年度の配分に当たりましては、根っこのところは従来の考え方を維持し、プラスアルファの部分は水稲作付面積で割り振る、こういう考え方で対処したところであります。まさに、適地適作という各論のところでの物差しの難しさということと、現実の妥当感ということの調和ということが大事だろうと思います。 なお、地域段階におきましては、約半分の地域は市町村から農業者の段階において一律ということでございますが、残りの半分の地域は、市町村におきましてはそれぞれの地域の実情で配分方法を考えていらっしゃるという実態にございます。
○真島一男君 それで、今の適地適作論の中で、良質米等々という米の生産サイドからの議論がもちろん第一でございますけれども、地理的、気象的条件によって転作について非常な困難を伴うというところについての十分な配慮も私は必要であろうと思っているところでございます。 次に、国民全体の中の問題でございますけれども、農村における高齢化社会、総合的な展開ということが所信の中で御説明がございましたけれども、農水省としては、いわゆるナショナルレベルのものにプラスした高齢化社会対策というものをおやりになるということですか。実態はどういうことでしょうか。
○政府委員(高木賢君) 農業・農村におきます高齢者の役割というのは、他の分野に比べましてやはり若干ウエートが高いのではないかというふうに思います。と申しますのは、農業は労働能力に応じまして、一〇〇%フルに発揮できた若い時代のときから五〇%程度に筋肉の力が衰えてもそれなりの参加ができるというメリットを持っていると思います。それから、高齢者の方のこれまでの長い経験、自然とのかかわりなどの経験を生かせる場であろうと思います。それからまた、自然豊かなところですから、高齢になられても暮らしやすいというメリットがあると思います。 そういう点で、私どもといたしましては二つの大きな柱で考えたいというふうに思っております。 一つは、高齢者が能力や意欲に応じまして生きがいを感じながら生涯現役として活動できる、こういう条件をつくるのが一つでございます。それから二つ目は、生活面でございますが、高齢者の方が安心してその地域に住み続けられる、こういう条件をつくることが大事であろうと思っております。 具体的な高齢者に対する支援策といたしましては、地域の特性に応じました高齢者の活躍の場を設定する、そのために高齢者の生きがいの発揮に資する施設をつくる、こういうことについて支援をしていきたいと思います。 それから、暮らしやすい環境づくりということで、段差のない幅の広い歩道を整備するとか、建物の中にも段差のない建物をつくるような配慮をしていくとかいう生活環境の整備をしていきたいということでございます。 それからもう一つは、高齢者の介護活動への支援でございまして、ホームヘルパーの養成とかモデル介護活動プランの策定とか、こういったことで総合的に、まさに高齢者の方が生きがいを持って暮らしやすい社会をつくっていきたい、こう考えております。
○真島一男君 実は、私は、一つの夢として、自分の職業を農業としたいという夢を持っているんです。ところが、私が農家に参入することになかなかゴーが出ないんですね。どういう手続をすれば私は農業の従事者になれるんでしょうか。農業という職業になれるんでしょうか。それをどなたか説明してください。
○政府委員(山本徹君) 農業に新規参入される場合に、農地を必要とされるかどうかで分かれてまいりますが、仮に農地を必要とされない場合には特別の規制はございません。施設園芸あるいはハウスによる野菜づくりというような場合には特別の規制はございませんけれども、農地を必要とされる稲作経営等でございますが、この場合には、農地法による農地の借り入れ、あるいは取得されることが必要になってまいりまして、これは農地法三条の許可が必要になります。 日本では農地が大変狭いものですから、農地の投機的な取得等を防止するために、本当に農業に精進される方かどうか、片手間に農業に従事される、あるいは将来その農地を資産として保有するために所有されるのではないかどうかということを地元の市町村の農業委員会が審査いたします。それで、農業を主としてこれからずっと営んでいかれる方であれば、農地を取得していただいて農業経営に参入していただけるということになっております。
○真島一男君 それでは、二種兼業は農業者に新規参入できないということですか。
○政府委員(山本徹君) 日本の農政の基本は認定農業者等の中核的な農家を育成するという課題がございまして、そういった農家の方々もまだまだ経営規模が小さいものですから、そういった中核的な農家の方が農地を利用していただきたいという考えに立っております。一般的に言いますと、二種兼業農家の方は農地を取得されることはできませんけれども、しかしながら二種兼業農家も週末を利用して農業に従事したいという御希望も大変多くなっておるのも事実でございますので、その際には、いわゆる市民農園制度というのがございまして、これは農地法の特例としてサラリーマン等の方が農作業あるいは農業に従事されるための農地を貸し付ける仕組みができております。
○真島一男君 今国会に提案されている法律で優良田園住宅建設促進法というのは御承知ですね。そういうふうに田園にこれから都会をやめて住みたいね、農業をしたいねというときは、今のお話だと余り制度は温かくないですね。 今、二種兼業をしている人はそもそも農地をふやしてはいけないんですか。
○政府委員(山本徹君) 現在、二種兼業農家も主として農業にこれから従事したいとお考えになっているかどうかによって農地をさらに取得できるかどうかが審査されることになります。 それから、今御指摘の田園住宅促進法案でございますけれども、私どももこの法律は、サラリーマン等の都市住民の方に良質な住宅を供給し、また農村の活性化にも役立つ法案であると思っております。この田園住宅法案は、御案内のとおりおおむね百坪以上の宅地を供給するということになっておりまして、その中に宅地は一部、二十坪、三十坪ございますから、あとの土地は庭であったりあるいは事実上、家庭菜園であったりすると思いますので、そこで事実上の農業を営まれるということは可能であると思っております。そういったことを私ども想定いたしております。
○真島一男君 私が聞いていることは、百坪の土地を買ったら二十坪、三十坪の建物が建って、あとはどう使おうとというような話ですけれども、もうちょっと地域に溶け込んだ形で農業をしたいなという人に対して農業者も待っているという面もあるんです、地方で。行く人も農業者も一緒にやりたい。だから、そこのところは少し柔軟に考える方が私は農政としていいと思うんです。 それで、最後になりますけれども、私ども農村部を歩いていると、農業についてもうちょっと実態をわかってほしいねと、農林省の人たちは。だから、例えて言えば医者のインターンみたいにもっと——形式的に農地がどうだの、小さいとかなんとかいっても実態がどうなっているか、それがなるほどとみんながうなずく議論になっているかねというところがあるんです。だから、農林省の役所の方にもっと実態をインターンのような格好で知る機会をふやしていただきたいと思うんですが、これは大臣からひとつお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 十分、農業の実態の勉強を進めているものと考えてはおりますけれども、確かに御指摘の面があるとすれば、これは我々はさらにまだ努力をする必要がある、こう思います。ぜひその面を督励していきたい、こう思います。
○真島一男君 終わります。
○岩永浩美君 大臣にまず御質問をいたします。 今、真島議員の方から大臣に対して、過日のOECD農相会議に出席をされたその一つの経過について御質問がありました。特に、食糧安保、農業の多面的な機能の重視について随分主張されたということを新聞等で私どもも聞きました。今、大臣の御答弁の中に、今回のOECD農相会議では予想外の成果が上がったという御答弁がありましたが、具体的に予想外の成果というのはどういうことをお示しになるのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 今回の農業大臣会合につきましては、先ほどもちょっと申し上げたところですが、さきの世界食糧サミットの際に、農業の持つ多面的機能とか、あるいは食糧の安全保障上の判断から、そちらの側の言い分を少し認め過ぎたのではないか。いわば、WTOの方針といいましょうか、一つの将来目指す方向からしても、もっと市場原理を大胆に導入して、世界がそれぞれ分担をしていくという基本に立つべきじゃないか。こんなことから相当強い反撃があるというふうにうわさされておったところであります。 我々は、さはさりながら、具体的なことで申し上げますと、我が国と例えばオーストラリアとどのくらい農家一戸当たりの面積が違うかおわかりですかと。要するに、我が国は一・五ヘクタールにすぎないけれども、オーストラリアは二千六百六十七倍なんですよと。それだけの面積の違いがある中でも、農業の持つ多面的機能というものが国土全体を守っているという判断に立つならばその面も維持しなきゃいけないし、また同時に我が国は一億二千六百万の人口を抱えておりますものの、穀物自給率は下がりに下がって二九%しかない。こういうことで、食糧の安定供給という責任をどう全うするかというのは常に不安がつきまとうし、今までの世界のいろんな歴史的な経過に照らして、それでは我々は安心というわけにはいかないのですよと。また同時に、アジア全体の動きその他を見ても国は国としての自給率を確保していかなきゃいけない。どう高めていくか、むしろそのことに憂慮しているところであって、一方的に市場原理だけでこれを進められることは現実的でないというふうなことを言いました。 ただ、予想外の成果と言いましたのは、当然、我々はWTOを意識していますから、そういう中で各国それぞれ、ちょうど並んでいるわけですけれども、今回は二十九カ国、そしてEUということで三十の代表が集まりましたが、大臣が出なかったのは四カ国だけでございまして、大変熱心な雰囲気の会議でしたけれども、何かちょうど事前に根回しをやっておいたようにいろんなところからそれに対する賛成論がぶたれまして、二日目になったらすっかり最初にのろしを上げた方がしゃべりにくくなるというか、集中砲火を浴びるといいましょうか、そんなような感じに変わりましたので、私はその意味で非常にいい結果を得たなと、こういうふうに申し上げたところであります。
○岩永浩美君 日本の立場に立って大臣がそういう話をされたことは大変意義があったと私自身も思います。今、そういう交渉がさきのウルグアイ・ラウンド交渉の中でなされているならば、今の日本の混乱をした農政の現在はなかったのではないだろうか。そういう意味で、輸出国と輸入国との違いが明確に示されていくこと、そのことが次のウルグアイ・ラウンド交渉に大変資していくと私自身も思います。 今回、大臣がお見えになって、二十九カ国の皆さん方がお集まりになり、それは輸出国、輸入国が一堂に会しての農相会議。今後、ウルグアイ・ラウンド交渉で先手先手の交渉を進めていく上において、そういう一堂に会する交渉もさることながら、輸出国と輸入国との分かれた、輸入国は輸入国同士で意思の疎通を十分にやっておく、そういうことも早目早目にやっておかなければいけないのではないかという思いがいたしますが、そういうことについての基本的な考え方をどうお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 今回は、正規の午前、午後に分かれる会議の合間には当然ランチョンミーティングがあります。そういう際も当然でありますし、また同時にバイ、要するに二国間の話し合いもいろいろ数カ国と持ったところであります。また、議長主催の晩さん会その他もいろいろありますが、そういう際も極めてまじめな夕食会でございまして、始めから終わりまで今回の会議の延長であった、こんなような印象を持ったくらいであります。そういう際に我々は、今御指摘がありましたようなことについては極めて意図的に対応をいたしましたし、これからもできるだけいろんな国々と意思の疎通を図るということがいかに大事かということを痛感した次第であります。 特に、先ほども申し上げましたけれども、一月に事前に伺っておって、いわば農業大国あるいは世界の先進大国と言われる国々との事前の意思の疎通を図れたことも大変効果がありましたけれども、日本とEUあたりは地理的条件も、あるいは周辺を囲む食糧の安全保障という見地からすればいろいろ立場を異にする面はありますが、それはそれとして、今回お互いにどこがどういうことを言い、どういうことを考えているかということは大体つかめたつもりでありますから、さらに進めて、積極的に国際的なお互いの理解を深める機会をつくっていきたい、こう考えます。
○岩永浩美君 ぜひ、穀物の自給率の低い日本の立場が十分に理解をされていくような交渉、そのことを強く要請いたしておきたいと思います。 次に、インドネシアの米の援助についてお伺いをしたいと思いますが、御案内のとおりに大変インドネシアではエルニーニョ現象による干ばつ、通貨不安による米の輸入停止等々、ダブルパンチを受けています。日本の政府の方でも食糧支援を閣議決定されたとは聞いておりますけれども、現在どういうふうになっているのか、今どういう状況にあるのか、教えていただきたい。
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のとおり、インドネシアの米需給は大変厳しい状況にあるということでございます。特に、集荷期がおくれているということ、それからエルニーニョ現象による生産量の減少ということで、二期作ではございますけれども、相当の不足が見込まれている。ただ、不足量がどれぐらいになるかというのはいろんな数字がございますが、私どもきちっと申し上げられるような数字は持っておりません。 ただ、これまでのいろいろなレベルでの政府間、それから政党段階での接触でいろいろな数字が来ております。私どもとしては、そういった状況を踏まえまして、大臣からの御指示もあります。そういったことを受けまして、数量を含めまして一体どういうことが可能なのか、また一番大きな問題は財政の負担をどういうふうな形で行うのか、そういった問題について政府部内で現在いろんな角度からの検討を進めているというところでございまして、現段階で何か申し上げられるというところまで至っておりません。
○岩永浩美君 大体、こういう食糧援助とかそういうふうなものはやっぱり時期を失してしまうと何も意味がなくなってしまう。今、長官がお示しになったように、食糧援助をするに当たっても財政支出が必要になってくる、現実的にそのことが伴わないと援助することは非常に難しい。そういうふうなことの議論ばかりしていることは間尺に合わないことが余計ございます。 仮に、五十万トン援助するとすると、食管会計で約八百五十億から千二百億近くのお金がかかるということを言われていますけれども、今後こういう気象変動に伴う干ばつ、あるいは開発途上国を対象にした食糧援助をしていくために、日本の国内だけで財政支出をするということではなくて、それぞれの国が国際的な食糧援助基金みたいなものを創設して、その中から天候異変とか干ばつ、あるいは危機に瀕している地域に対する食糧援助が速やかにできるような制度をやっぱり日本が中心になって創設することによって、時期を失しないそういう援助ができる体制を組んでいくべきではないのか、そういうふうに思いますけれども、それはどうお考えでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) ただいま御指摘いただきましたような状況というのはこれまでも起こっておるわけでございます。また、一昨年の十一月に開催されました世界食糧サミットでも、世界の食糧安全保障の達成と、二〇一五年までに現在八億人以上の飢餓・栄養不足人口を半減するために各国が共通した行動をとるということが宣誓もされているわけでありまして、そういった中で今いろいろな援助システムがございます。WFP、世界食糧計画とか、KRの食糧援助とかいろいろなシステムがございます。そういったこととの関連とかいろいろなことも考えなければなりませんし、国際的な理解を得る努力も一方ではしなければいけません。 そういった中で、ただいまお話しになったようなことを私どもも念頭に置きながら、今申し上げた国際ルールとか、また国民負担が生ずるわけでございますから、そういうことにも留意して、関係の各国、関係省庁と意見調整をしながら検討しなければならないというふうに考えております。
○岩永浩美君 これは関係者と協議をしなければならないということを今おっしゃいましたが、具体的に今からこういうことをほかの役所と協議をされるわけですか。こういう問題がいつも出ていることについて、具体的に外務省等々と協議をしながらそのルールづくりのための成案を今つくろうとしておられるんですか。それはどうなんでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) これは、私ども農林水産省の立場という点からいえば、常に問題意識を関係省庁にはぶつけております。ただ、今申し上げましたように、いろいろな国際的な支援システムが既にあるわけでございまして、それとの関連とか、それから国際的な理解が得られるかどうかという点になりますと、私どもだけではなかなかきちっとした整理のできない部分でもあります。また、国民の負担という点からいけば、これは全体の議論をきちんとして国民の理解が得られるようなことにならなければなかなかこれも対応できません。 私どもとしては、常に問題意識を持って、こういう事態が起こるたびに申し上げておりますが、今までのところ、まだ政府部内できちっとした対応がとれるというところまで来ていないということであります。
○岩永浩美君 私が申し上げたいのは、今、長官がお答えになったように、今まで具体的なその一つの行動が瞬時に行われていないので、そういう干ばつあるいは食糧不足等が、これは前もって予測できることではないわけですから、緊急かつ機敏に対応していく一つのシステムというものは、協議だけが長くかかって具体的にそのことが稼働しないというようなことがないように速やかな一つのルールづくりを早くやっていくべきだと、そういうふうに私自身は思うんです。 ただ、今その域に達していないということなんですけれども、こういう問題が生じている現在を見て、早くそういうことのルールづくりのために動いていかなければいけないのではないのかなと、そう思うんです。ただ、今から協議をしますということだけで、いつをめどにそういうことをつくっていこうとされるのか、早くそれをやってもらいたいと思うんです。
○政府委員(高木勇樹君) 同じお答えになって恐縮でございますが、私どもとしては、今、先生おっしゃられたようなことも十分これまでも主張してまいりましたし、現在も主張しております。できるだけ私どもの主張が理解をされていくように努力を重ねてまいりたいと思います。
○岩永浩美君 それは、農林省が一生懸命言っているけれども、ほかの役所がそれに乗ってこないということですか。外務省とそういう一つの協議が具体的に今まで進められてこられたんですか。
○政府委員(高木勇樹君) 当然、私どもとして政府内の調整というのは今おっしゃられたような関係省とやってきているわけでありますが、まだ政府内でのきちんとした理解を得られるようなところに来ておりません。 その理由は先ほど申し上げたようなことでございまして、いろいろな立場の議論がまだかみ合っていない、こういうことだと思います。
○岩永浩美君 それは一刻も早くかみ合わせて、そういう一つのルールづくりをしていただくこともこれまたお願いをしておきたいと思います。 次に、農林予算関係について伺いたいと思います。 行財政改革に伴って農林予算の総額における枠が設定をされました。それだけにやっぱり農林に対する一つのバッシングが非常に続いています。農林予算がふえることについてのバッシングが続いておりますが、私自身は特にウルグアイ・ラウンドの予算等々については不要不急の予算ではないかなんということも言われたりしたことがあります。 そういう中で十年度予算を見ると、米の消費拡大も一方において叫ばれておりますし、米飯給食補助金等々については削減の方向にある。そういうそれぞれの分野、例えば棚田等においては国土保全の機能があり、米の消費拡大において学校給食等における一つの面、これを農林予算の中でカバーするというようなことではなく、米の消費拡大について、学校給食等については文部省の予算の中でその分は確保していく、国土保全のものについては国土庁や環境庁でもある程度、農業・農村を守っていく、その一つの環境整備のために農林省だけで予算を取るということではなくて、もっとお互いに分担し合って農村を守り育てていくという予算の編成があってしかるべきではないのかと。 農林予算の総額が多くなれば農業に対する過保護だという一つの意見が多分に出てくることは、その地域に住む人たちにとって大変不快な思いすら正直いたします。そういう点で、そういう一つの農林予算を国土庁や環境庁あるいは文部省、そういうふうなところで分担し合って予算を総枠において確保していくというようなことを考えていくべきではないのかと思いますが、それはいかがでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 今御指摘のように、全体的に財政が非常に厳しいものですから、キャップ制という中で農林予算につきましても非常に厳しい事態になっているというふうに私ども認識をいたしております。そういう中でございますので、従来以上に重点化、効率化ということにこれからも努めていきたいということをまず申し上げたいと思います。 それと同時に、今、先生御指摘のような形で農山漁村あるいは食糧というものは農林水産省だけの予算ではなくて、国土庁、環境庁あるいは文部省、さまざまな意味での連携ということを図って、全体としての農山漁村の活性化、食生活の向上ということに資すべきものだという理解は私どもも共有いたしているところでございます。 ただ、先生、今学校給食の例を出されて文部省にどうかという話がございましたけれども、これは御案内のように、米の学校給食の経費は食管の中でのいわゆる値引き措置という形でやっておりましたので、それはやはり食管の中でこそ対応できる面でございますので、そのまま文部省の予算に計上するということはなかなか難しい面があろうと思います。 ただ、今御指摘のように、例えば今回の自治省の方におきましても二千百億円の計上をしていただきまして、農村地域の活性化でありますとか、担い手の対策、そういうことについての交付税あるいは起債、そういうことの配慮もいただきました。 それから、国土庁との連携等を図りながら、あるいは厚生省正か建設省の連携を図りながら農道と道路、それから下水道と集落排水、そういうことについての連携を図りながら農山漁村におきます施設整備ということが着実に推進していくということもこれまた重要でございますので、御指摘のようなことも十分踏まえながら各省との連携、それから自治省との連携、こういうことにこれからも意を用いてまいりたいというふうに考えております。
○岩永浩美君 今、官房長が御答弁いただいたその一つの趣旨に添って、ぜひ農山漁村の活性化のためにそれぞれの役所がそれぞれの機能分担をしながら予算の要望をしていただき、そしてまたそのことが還元されていくことを期待しておきたいと思います。 次に、中山間地対策についで伺いますが、今年度の予算の中で、棚田保全という一つの形の中で中山間地域の重要性についてかなり思い切った措置を講じていただくようになっておりますが、ことし棚田保全対策について農林省が本腰を入れていくということでありますが、今年度から具体的に中長期的に棚田保全についてどういう考え方でお進めなさるのか、伺いたいと思います。
○政府委員(山本徹君) 棚田地域は中山間の中でも一番標高の高いところに存在しておりますが、国土・環境保全あるいは水資源の涵養といった公益的機能を果たす上で棚田における健全な農業経営の継続というのは大変重要でございますし、また中山間地域の活性化のためにも棚田において農業経営が継続されるということが重要な課題でございます。また同時に、文化庁では棚田というのを日本の貴重な文化的な財産であると評価されております。最近では、特に都市住民の方が棚田を保存するために棚田オーナー制度、あるいは棚田のサミットの開催等々も行われるようになっておりまして、棚田の重要性がクローズアップされてきているわけでございます。 私どもは、こういった棚田の整備、保全を一層推進いたしますために、平成十年度の予算案におきまして、国費六十七億円、ウルグアイ・ラウンド対策期間内の計画というのは平成十二年度まででございますけれども、全体として国費二百四十五億円を予定しております。そういった計画で、現在の棚田の保全、整備を進めてまいりたいと思っております。 具体的には、平場の圃場整備あるいは用排水路等では直線で行うわけでございますけれども、棚田では等高線上にきめの細かい圃場整備や用排水路、農道の整備、補修あるいはのり面の保護の事業等を行ってまいります。また同時に、県に棚田の保全基金というのを創設していただきまして、棚田の保全、整備のための中山間地域の地元住民の方々の活動に支援をしたり、また棚田オーナー制度等々に対する支援を行うことにいたしております。さらに、文化庁とも、棚田というのは日本の貴重な文化的な資産であるという点からの調査研究をタイアップして推進することにいたしております。
○岩永浩美君 棚田を整備していただく、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。 棚田には転作をしていくのにふさわしい作物とふさわしくない作物がある。今回、休耕田をしていかなければいけない棚田だけの地域もあります。そういう中で、大豆とか麦は転作奨励作物になっていますけれども、棚田は一年間休耕してしまうと次の年に稲作をやるということは非常に難しい。一回水を張らなければいけないし、水を張るためにはそれだけの労働力がかかる。その労働力をかけて、じゃ、景観作物みたいなレンゲとか菜の花とかそういうふうなものを植えろと、こういうふうになるけれども、レンゲソウみたいなものをそこにまいたとしてもそれだけの所得は得られない。そういう点で、もう少し棚田に合うような転作奨励作物というものもそういうのに加えてやっていくべきではないかと思うんです。 大豆とか小麦だけが転作奨励作物の中心になっていますけれども、ソバとかそういうふうなものなんかも入れるとか、そういうふうなことを考えていかなければいけないのではないかと思いますが、それはいかがでしょうか。
○政府委員(高木賢君) 景観形成作物についてでございますが、これは生産調整の推進という面から見ますと、今お話がありましたように、農村における景観形成に寄与するもので、あるいは農業者の取り組みが比較的容易であり、面的な広がりが期待できるというようなことで、生産調整の推進上、収穫をしないという特質を持ってはおるんですが、重要な一つの形であるというふうに考えております。 そのために、来年度から実施をいたします緊急生産調整推進対策、その中の米需給安定対策、これはいわゆる全国共補償の制度でございますが、その中におきましては、景観形成作物の作付を行った場合、この農業者の受取額を食用農産物の場合と同様に十アール当たり二万五千円という支給対象にしております。加えて、四分の三以上の地域の合意がございまして、まとまって地域で加入するといった場合には五千円プラスをするということに相なっております。 一方、水田営農確立助成金という助成の仕組みがありますが、これは自給率の低い麦、大豆、主要作物などへの転作の推進ということと、転作田の団地化など望ましい水田営農の実現ということをこの制度の趣旨としておりますので、収穫をしない景観形成作物というものについては対象といたしておらないということでございます。 こういう整理で、昨年、新たな米政策大綱の決定を見たところでございます。
○岩永浩美君 最後のところがちょっと答弁が聞こえなかったんですけれども、レンゲとかそういうものでは、転作を仮にしてもどうしても所得が得られない。麦とかそういうふうなものができない地域の棚田というのは数多くあるんですよ。だから、できるだけそういう棚田に即した転作奨励作物をもう少しふやしてもらいたいということをお願いしておきたいと思います。 最後に、米の収穫量の算定の根拠と生産調整面積の抑制についてお伺いをしておきます。 農林統計調査や農業共済の被害高認定で、米の収穫量を算定する根拠に選別機のふるいの綱目が一・七ミリ以上のものを収穫量としておられるようです。しかし、全国的に現在使用されているふるいの網目は一・八五ミリが多くて、一・七ミリの綱目と一・八ミリの網目の収穫量の差は、年産によって異なるが、全収穫量の六ないし八%と推定をされているようであります。そこで、それを全国で計算してみると、年間約七十万トンぐらいがその一つの差として出てまいります。生産量からすると、年間七十ないし八十万トンの収穫量になれば、平成六年から九年の四年間で約三百万トンになります。この生産量を現在、業者が再調製して米食用として流通をさせておられますが、タイなどから輸入している米粉にかえて加工して菓子などの原材料に充てているとすれば、持ち越し在庫量の三百七十万トンのうち三百万トンは在庫として保管する必要がなくなってくる。そういうことをしていれば、生産調整目標面積の拡大も少しは減ってきたのではないのかという御意見があります。 そこで、現在、農林統計調査、農業共済の被害認定の際に使用する選別機のふるいの網目を全国的に使用している一・八ミリになるように要綱などを改正していただいたらいかがなものか。そして、一・八ミリ未満のくず米は米粉などに加工して直接米食用として流通しないよう食糧庁で通達を出してもらうということはできないのかという御意見があることについてどうお考えか、お尋ねをしておきます。
○政府委員(高木勇樹君) お答え申し上げます。 ただいまお話があったことは時々議論にもなり、我々もいろいろ検討するわけでございますが、まず今現在、生産量の算定といいますか、統計上は一・七ミリ以上のふるい目を使っておるということであります。これは結局、現在でも、確かに先生おっしゃられますように、一・七ミリのふるい目を使う地域は非常に減ってきたとはいえ、まだ使っているところがございますし、現実問題としてこのふるい目で算定をするということが、例えば共済の方で見ますと、これは米がたくさん出てくるということになりますから、プラス要因で働くわけでございます。したがって、そういった問題もいろいろ議論の中では出てこざるを得なくなるという問題もあります。ただ、実際上は、おっしゃられましたように七、八十万トン、私どもの調査ではくず米と言われるものは六十万トン程度だと考えておりますけれども、この数字は現実には加工用途を中心に使われております。 また、再調製をして主食用に来るという部分もあると思いますけれども、いずれにしましても、できた米からは全量を利用するということで農家も実際上の経営をされておると。このくず米を流通させないといえば、それは一体だれが負担をするのかという問題も出てきてしまいます。これはある意味では何度も何度も出てくる議論でございまして、私どももそのいろいろな方法がないかというふうに検討するのでございますけれども、今申し上げたようなことからなかなか困難というのが今の状況でございます。
○国井正幸君 大臣、OECDの農相会議あるいは五カ国農相会議、大変御苦労さまでございました。大変きつい日程の中で大きな成果を上げられたというのは新聞でも拝読をしていますし、今、大臣の御答弁でもよくわかったわけでございます。 そういう中で、これからの外交日程を考えてみますと、五月にWTOの閣僚会議が予定されているわけでございまして、今回、大臣のお言葉ですと、予想外の成果が上げられた、こういうわけでありますけれども、これからがWTOの場でそういうOECDにおける農相会議の成果というものをいよいよきちっと主張していくということになるんだろうというふうに思うわけでございます。 そういう意味で、WTOの閣僚会議に臨む基本的な大臣のお考え、これらについてお聞かせをいただければと思っています。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 WTOの理事会、四月と、こう思いますが、今だれが出席するかはまだはっきりわかっておりません。しかし、いずれにいたしましても、今回のOECD農業大臣会合の結果をいろいろ振り返りますと、あらかじめ予測されたことではありますが、かなりの意味で各国が本番を意識して事前の自分たちの主張というものを持ち込んだんじゃないかなと、こんな感じがしているところです。 その一つのあらわれは、例えば二十九カ国プラスEUということで三十カ国ですが、今回、大臣の出なかった国は四カ国だけでございまして、そのうちスイスの大臣は何か手術をされて入院中ということでしたし、ドイツとデンマークはちょうど選挙中でございます。それから、いま一つ韓国はまだ内閣ができたばかりで間に合わなかったと、こういう極めて当然の理由があって来なかっただけで、それ以外は全部集まったということはまことに画期的だったと思います。 また同時に、最終の締めくくりで、議長を務めたオランダのアールツェン農業大臣が言われたことには、いろいろこういう会合を経験してきたけれども、こんな盛り上がった、しかもフランクな率直な意見交換というのはかって記憶にない、非常に実りのある会議ができたことは幸せだったというまとめをしましたけれども、事ほどさように、言いたいだけのことはお互いに存分に言い合った、そして大体世界の国々がどういう主張を持っているかということの確認はできたと、そういうふうに受けとめております。 これからも我々は、そういう意味においては、我が国の特殊な、例えば極東に位置しているとか、あるいはアジアの大国が必ずしもいわば食糧の十分な確保ができていないとか、またインドネシアのように食糧事情の厳しいものはもう現実に表に出ている国があるとか、こういうことごとを含めましても、またかつて我々も非常に需給のバランスが厳しくなって非常に苦労した経験を持っているわけですが、これらをすべて考えるとなれば、やはり二九%の自給率というのはこれはいい意味で深刻にとらえて常にその備えを怠らないということと、またそのための国際協調の場というものを確保していくことが必要だと思いますので、私はそれらを今回の経験に照らして生かしていきたいと、こう考えているところでございます。
○国井正幸君 やはり、いろいろ日程はあろうと思いますが、ぜひ大臣みずからが参画をしていくということが非常に国際会議では重要だと、こういうふうに言われていますので、これからもそういう意味では大臣みずからが日程をやりくってもぜひ参画をして、我が国の主張というものをきちっと先方に伝えていただきたいと、このように思います。 特にそういう中で、我が国も無防備で臨むのではなくて、今、大臣がおっしゃいましたように、それぞれの国と話し合いを事前に十分持ちながら、我が国の主張というものがこの国際社会の中で通るようにぜひ御努力をお願いしたいというふうに思います。 そういう中で、実は今、先ほどもありましたように、食料・農業・農村基本問題調査会で新農業基本法の議論が今政府部内で進められているわけでございます。いずれこれは国会にも上程されてくるだろうというふうに思うわけでございますけれども、私は、この新農業基本法の議論といわゆるWTO協定の再協議の議論というようなものが一体的にかみ合っていかなければならないんだろうというふうに思っているんです。 そういう意味で、我が国だけがいかに独自に新農業基本法をつくってそれに基づいて事をなそうとしてもそれが国際社会の中で通っていかない、こういうことになった場合、さらにまた農業者に対する不信感というのは増してくるんだろうというふうに思うんです。そういう意味があるだけに、これは一体的にどうしても進めていかなければいけない、時期的にもまさに重なっている時期だというふうに私は思います。そういう意味で、大臣が主張されてきた我が国の食糧の安全保障の問題や多面的機能、これは大変に重要なことだというふうに思うわけでございます。 それで、新聞等の報道によりますと、この新農業基本法の議論の中で幾つかの結論が出ていない問題があると言われているわけですね。両論併記と、こういうふうな形になっているわけでありますが、これまでのいわゆるOECDの農相会議等に出席をされておって、諸外国の考え方というものを十分御承知なわけでありますから、その中で、特にいわゆる中山間地への所得補償の問題、先ほども官房長から御答弁ありましたけれども、まだ国民的な合意に至っていない、こういうふうな御答弁だったというふうに思うんですが、この国際会議に出ておって、EUも既にそういうふうな方向になってきているわけでありますし、あるいはアメリカにおいても、九六年の農業法の改正の中で政策支持というものは、あるいは輸出補助金というものはやめてくると、こういうふうな状況にあって、いわゆる緑の政策と言われる部分については多くの国が取り入れてきていると、こういうふうな環境にあるわけでございますけれども、そういう状況を踏まえて、この農業基本法の議論の中で中山間地に対する所得補償政策の導入というものについでどのようにお考えになっておるでしょうか。特に農林省が消極的だと、こういうふうに新聞等では伝えられているんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 先生御指摘のような形で農業の持っております、あるいは農村の持っております多面的な機能につきましての議論というのは、OECDでも議論されましたようにかなりの広がりを見せつつあるというふうに思っております。私どもも、日本の国内におきましてあらゆる機会をとらえましてそういうことについての御説明、啓蒙にも努めているところでございますが、ただ先ほど申し上げましたような幾つかの難しい問題があるということは、これまた強い御批判があることも事実でございます。 そういう中で、やはり中山間地域だけの農家の方々に税金でもって補償するというのはどういうことであるのかとか、それからまだ一・五ヘクタール程度の規模とアメリカやEUのように相当大きな規模のところではかなり事情が違うのではないかと。そういう意味で、かえって今の零細構造の状況を温存するのではないか、こういった強い、それなりに理のある御批判があるわけでございますから、そういう意味で、私どもとしてはこの議論をもっと掘り下げて、それぞれの段階での御議論をいただくということがまず先決なのではないかというふうに思っております。 公益的機能についての評価というのはかなり浸透しつつありますが、そのことを認めた上でもなおそれを一般の国民の税金でもって特定の方々に所得を補てんするというところまでの議論にはまだ至っていないのじゃないかというふうに思っております。 そういう意味で、基本問題調査会等でもせっかく御議論されておりますし、こういった国会の場での御議論もございますので、そういったことの中でもう少し私どもとしても掘り下げで議論をしていただくよう努めていきたいというふうに考えております。
○国井正幸君 中山間地の所得補償の問題についても、そこに住んでいるからだれにでもみんな補償というわけにはこれはいかぬというふうに思うんですね。そういう意味で、やはりどういう機能を担っていくのかということをきちっと位置づけをして、そしてそれが国民の皆さんに御理解をいただける、そういう状況の中でぜひこれはやっていただきたいというふうに思うんですね。 もう一つは、自給率を明確化することがどうも机上の空論ではないかとかいろんな御意見もあるようなんですが、少なくともやはり私は自給率というものはきちっと明示をして、しからばこれだけの自給率を達成するためにどういう施策が必要なのか、そういう形で一つ一つの具体的な施策というものを積み上げていく。そうでないと、いつになってもこの問題は解決しないのではないかと。国内で生産されたものだけが自給だと、あと足らぬ部分は輸入だと、こういうふうなことでは、いつになっても新たな農政というものは進まないというふうに私は思います。 そういう意味で、ぜひ自給率というものを、これは先進国中あるいは世界でもって最低の自給率でありますから、やっぱり自給率を明示してほしいというふうに思っているんですが、その辺の議論というものは今どんな状況になっているんでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 自給率につきましても非常に重要な問題だという認識はかなり広まっているというふうに思います。 その場合に、大きく分けまして、自給率を政策目標とすべきではないかという今の御指摘と、それから自給率自体を政策目標とすることについては無理があるのではないかという御議論が現在なされております。 前段の食糧自給率を政策目標とすべきではないかということにつきましては、これは余り私どもがここで申し上げる必要もないんですけれども、今おっしゃいましたように、先進国の中でも日本の場合は極めて低いという状況の中で、やはり国民の世論調査におきましても八割の方々が日本の自給体制について不安を持っておられるというそういう世論のバックもございます。そういう中で、やはり政策的にもきちんと位置づけた方がいいのではないかという御指摘がございます。それから、やはり食糧自給率ということについて政策目標として掲げることは政策の内容といいますか方向が非常にはっきりしているということで、この際そういったことを政策目標として掲げるべきだという強い御議論がございます。 他方で、政策目標とすることについては困難ではないかという議論の最大の問題は、やはりここでも御議論ありましたように、国民の食生活の変化でもって自給率が下がってきているという面があるということはこれは現実でございます。やはり、お米の消費量が非常に減ってきているということが一つございますし、当然ながら、牛乳でありますとか、乳製品でありますとか、それから油脂でありますとか、日本の国内ではその原料あるいは飼料穀物がなかなか生産できない。そういった作物あるいは食品への国民の方々の嗜好が非常にふえてきているということの中で、自動的にやはり食生活の変化でもって下がってきているという面があるんじゃないかと。 そうすると、自給率は何%というふうに掲げてもそれを達成できるのかと。国民の方々の胃袋まで規制することはできないのではないかという意味で、政策目標とそれを達成する手段において隔絶されているのではないかといいますか、達成する手段がないのではないか、そういう意味での強い御議論があると。むしろ、それよりは食糧自給率の前提になります農地の確保でありますとか、担い手の育成でありますとか、それから農家の方々の技術力をやはり保持していくとか、そういうことは政策面でもバックアップできるわけでございますので、そういうことをむしろきちんと食糧自給力として位置づけるべきではないかと、こういった御議論がされているというふうに理解をいたしております。 ただ、この問題も非常に重要な問題でございますので、こういった場で、あるいは基本問題調査会での場等でもう少し掘り下げた議論をしていただきまして、いずれにしましても現状の食糧自給率が非常に低いということについて国民の皆様が非常に不安を持っておられるということをきちんと頭の中に置いて、この問題に対して対応していきたいというふうに考えております。
○国井正幸君 これは重要な問題ですから、それはいろんな議論があると思います。しかし、やはり一つの目標というものを定めて、しからばその生産手段として土地は何ぼ確保するんだ、あるいは担い手はどういうふうにするんだと、こういうふうにいかないといけないというふうに思いますので、やっぱり最初に我が国が政策としてどの程度を目指していくんだということはきちっと私はすべきだろうというふうに思っております。 それから、先ほどのいわゆる対外食糧援助の話が同僚委員の方から出たわけでございますけれども、どうも先ほどの御答弁ですと、特にインドネシアの問題については今検討はしているんだけれどもまだ具体的には申し上げられないと、こういう話だったと思うんですね。私が今聞いた範囲では、一つは国際的な理解の問題と、あるいは国内的に財政の問題だと、こういうふうに二つの問題があるんだろうというふうに想像しているわけですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) 結論的に言えば、そういうことになるかと思います。
○国井正幸君 きょうは外務省にも来ていただいているわけでございますけれども、国際的な理解という意味で、今現実の問題としては二月二十七日の記者会見で大臣もおっしゃっておられますように、百万トンの米の支援要請があったと、こういうふうに大臣がおっしゃっておられるのを私も新聞で拝読しているわけです。百万トンの要請がこれはあったんだろうというふうに思っているんです。 それからもう一つは、北朝鮮に対する食糧支援が、これはWFPから出されているわけですね。それ以外に閣議で決定した幾つかの国もあるわけでございますが、我が国の近隣で大きな数量ということになってくると、インドネシアと北朝鮮の問題があるんだろうというふうに思うんですが、いわゆる国際的な理解という意味で、我が国がインドネシアなり、まあ北朝鮮は二国間の問題がありますけれども、支援をするということについてその障害というのはあるんでしょうか。外務省、どうでしょうか。
○説明員(薮中三十二君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のとおりでございまして、インドネシアから食糧支援の要請がございます。これはまさにインドネシア、大変厳しい経済事情の中で、他方、干害ということがございまして、相当食糧が不足しているということでの食糧支援の要請がございます。また、北朝鮮につきましては、WFPが去年も出しましたアピールがございました。去年のアピールにつきましては、日本から政府米六・七万トンを出すということで、現在その輸送が行われているところでございます。また、本年に入りまして、WFPから総額三億七千八百万ドルの新たなアピールが出てきておるわけでございます。 今お話しの点で、国際的に日本がどういう対応をするか。その際に、今の御指摘は、日本の政府米を出す関係での国際的な考慮すべき点があるかどうか、こういうことだと思いますけれども、まさに国際的には、そういう国際ルールという意味で申しますと、WTOの協定があるのは御案内のとおりでございます。その中で、日本といたしましては、まさに政府米も含めてこれを出すということについて今までもやってきておりますし、これからも関係国の理解を得ながら進めていくということ、これは可能であるというふうに思っております。
○国井正幸君 そういう意味では、特に政府米を出すということについて、いわゆる国際社会の場ではとりたてて障害があるというふうには理解しなくてもいいわけですね。
○説明員(薮中三十二君) 今申し上げましたように、国際ルールとの整合性をとりつつ、しかし政府米を出す道はあるということでございます。
○国井正幸君 ということになると、やはり残るは財政措置の問題だろうというふうに思うんですね。私も、予算上非常に厳しい食管会計でもって国際相場と国内相場との差を埋めるというのはとても無理な話だというふうに思っています。そういう意味では、やっぱり別財源を何としてもつくらなければならぬ、それがまた我が党の主張でもございます。 そういう中で、とにかくそういうものにめどをつけなければいつになっても出せないということで困っている者に対してじっとしているということではなくて、例えば過去に我が国もやったように必要な分を一たん貸し付けたらどうでしょうか、我が国もあるわけですから。それを一たん貸し付けをして、そしてそれが本当に戻ってくるのかこないのかという部分もあると思うんですが、それを別途、予算措置を講じて埋めていく。年払いというか、そういう形ででも埋めていくような方法でもやらない限りは、先に財源をつくってそして出そう、これでは事が進まぬのではないかというふうに考えているのですが、その辺は農林省としてはいかがでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) 私どもも、今政府部内でいろんな角度からどんな知恵があるかということで検討しているわけでございます。 今、貸し付けというお話がありましたが、これはかってたしか韓国、パキスタンに行ったことがございます。ただ、貸し付けというのは同種同質のお米を返してもらうというのが大前提でございます。そういった意味でいうと、なかなかそういう条件を満たす国は基本的にないわけでありまして、そういったことからいわゆる延べ払い法ができまして、その後はいわゆる延べ払いによってやっておる、こういうことがございます。 今、具体的にこういうことで政府内で調整できそうだというようなことを申し上げられる段階ではございませんが、いずれにしましてもいろいろな知恵を絞りながら検討を続けているということでございます。
○国井正幸君 ぜひ、これはタイムリーに実施をしなければいけないんだろうというふうに思うんです。 実は、私も昨年の秋、北朝鮮をちょっと訪問させていただきました。その当時は一日一人当たり大体三百グラムぐらいの配給があったんです。御案内のとおり、穀類は何をとってみても百グラム当たりのカロリーというのはそう違わないで大体三百五十から三百六十カロリーぐらいですね。そういうことからすると、三百グラムの穀類の配給ということでも標準カロリー摂取量の大体半分だと。それが、伝えられる話では、現在は百グラムぐらいになっている、これはまさに飢餓の状況だろうというふうに思うんですね。 当然それを実施するに当たっては、我が国との二国間の懸案事項もありますからこれをきちっと処理しながらも、一日も早く人道的にも支援をぜひしていただきたいなと、これは私は要望をしておきたいというふうに思います。 もう時間がない中で、実は新しい米政策の問題で二点ほど本当は聞きたかったんですが、一点だけちょっとお聞かせをいただきたいというふうに思います。 現在、生産者に対して生産調整目標面積の配分が大体終了しつつある状況にあるというふうに私は理解をしているわけでございます。各都道府県に割り振って、各都道府県から市町村に行って、今、生産者に行っている、こういう状況になっているわけでありますが、その中で、どうしても一律の配分になってしまったんですね、結果的になってしまった。これまでの経過に倣って一律になった。そのことによって専業農家は大変に大打撃なんですね。自主流通米価格も下がっている、さらに生産調整面積も拡大をする。そして、認定農業者なんかは品行方正にこれをきちっと守っているわけですね。そうでなければまた認定農業者になれない。 そうすると、私も地元を歩いてみると、認定農業者を返上したい、こういうふうな意見を言う方もおるんですね。これは認定農業者になってもメリットがないというのが一つ言われているんです。融資とそれから償却が一部できる、この程度だということなんですね。 これから二カ年で十七万六千ヘクタール、二年間でやるわけですから、ことしスタートしちゃったから来年というのはなかなか難しいものがあるかもしれないんですが、この際やっぱりめり張りを少しつけなければいけないのではないかと私は思っているんですが、その辺のお考えをひとつお聞かせいただきたい。そして、特に所得補償、先ほども話がありましたけれども、のべつ幕なしだれにでも補償するというわけにはこれからいかぬわけですね。 そういうもろもろのことを考えれば、事なかれ主義というか、確かに一律でやっていくのはみんなが同じなんだからそれの方がいいんだという意見もあると思いますが、やはり専業農家、特に認定農業者、こういう方に対しては、担っていくわけですから、そういう人にはやっぱりきちっと生産性の高い農業を営んでいただこう、こういう施策が私はあっていいと思うんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(高木賢君) 御指摘のありましたように、現在は市町村から各農業者へ配分が進んでいる状況でございます。都道府県によってはもう一〇〇%近いところもありますけれども、全国平均で見ますと、六四%というのが二月現在の進行状況でございます。 その中で、大体一律ではないかというお話もございました。また、ことしの進行状況は、正確にとらえておりませんが、昨年で見ますと五割弱が一律ですが、逆にそれ以外の配分方法が五割強ということでございまして、中には大規模農業者に対しての配分率を緩和している市町村もございます。ただ、余り多くはないのが実態でございます。大規模農家は、改めて言うまでもないんですが、規模に応じまして生産調整目標面積も多くなる。それだけマイナス面があるということも事実ですけれども、一方では米を作付する面積も大きいわけでありまして、生産調整によって米価が安定するということであればそのメリットも大きくなるという点もあろうかと思います。 いずれにしても、今日の米の需給状況からしますと、転作を取り入れた営農展開というものは避けて通れないものと思います。 そこで、今回の対策におきましては、転作作物の所得確保という点につきましてはかなり配慮をした対策にしたと存じます。それから、今お話がありましたように、かなり生産調整規模を全体として拡大いたしましたので、その中で着実に各農家にやっていただくということが大変重要だと思います。一部の大きな農家にもっと配慮をということは議論の過程ではございましたが、今の段階では生産調整の実効性を確保するということで、新たな経営安定対策を仕組んだということでございます。 当面の二年間の緊急調整の間はこの方式でやっていくのが現実的であろうかというふうに思っております。
○和田洋子君 先日の大臣の所信表明に対しまして質問をさせていただきます。重複をする質問があるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 まず、大臣は所信表明の冒頭で、「農林水産業は、国民生活に不可欠な食料の安定供給を初め、国土の保全、水資源の涵養、自然環境」云々、公益的な機能を有しているというふうにおっしゃいました。そして、抜本的な改革が強く求められている中で、食料・農業・農村基本問題調査会において各界各層の代表者により幅広い議論が行われているというふうにおっしゃいました。そして、その中で新たな農政の指針をつくり上げるということでありますが、その基本問題調査会は中間の取りまとめの冒頭で、これを広く一般に公表し、国民各層の意見を求め、今後、国民各層から寄せられる意見も参考にしながら、諸制度の抜本的な見直しを含む具体的な政策全般にわたる改革の方向で検討していくこととしています。 私は、この考えは大変よいことだと思います。官が審議会を通して、自分たちの持っていく方向を審議会を通した中で反映させてしまっているというのが今までの現状だったような気がいたしますが、国民の皆さんから意見を聞きながらということで大変真摯に国民の意見を受けとめ、弾力的に政策を練り上げていく努力が必要であるというふうに思います。 そういう意味で、新基本法の策定の理念をお聞かせください。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 社会情勢の変化や国際化の進展に対応いたしまして、新基本法の制定を含む農政の改革が必要となってきております。現在、食料・農業・農村基本問題調査会におきましては、食糧の安定供給の確保、あるいは消費者、国民のニーズへの対応、そして農業構造の変革と農業経営の安定、さらには農業・農村の公益的、多面的機能の発揮、加えて中山間地域等を含めた農村地域の振興といった事項を中心に議論が進められているところでございます。 御参考までにこのメンバーの構成を申し上げますと、学識経験者六名、食を中心といたしますいわば経済界の代表四名、生産者代表四名、またマスコミ関係者三名、消費者団体、労働者団体、地方公共団体各一名と、極めて多彩にそれぞれの生産者あるいは消費者あるいは大所高所からの御判断をいただけるいろいろな角度からメンバーを網羅いたしまして、二十名の構成によってこれがいろいろ検討されているところでございます。 我々、御審議を願う以上いろいろ注文めいたことを差し控えてはおりますものの、昨年の十二月に中間取りまとめが行われまして、大体八月ごろをめどといたしておりますが、最終答申の決定に向けて今鋭意御努力をいただいているところでございます。 今、先生からも御指摘ございましたけれども、可能な限り国民それぞれの分野の方々の御意見を聴取いたしまして、これを生かし、かつ将来に生きを期していきたい、そう考えているところでございます。
○和田洋子君 基本問題調査会の御意思に沿うようにぜひ国民の声をお聞きいただきたいと思います。そして、この基本問題調査会の中で、私はぜひにお考えをいただきたいことの一つは子供たちの教育についてであります。 大臣は、幸い文部大臣もされたということでありますが、最近、青少年の問題、目を覆いたくなるような、耳をふさぎたくなるようなとても痛ましい事件が続発しております。これはやっぱり命を大切にするということに根本から子供たち、まあ社会全体というか、そういう欠陥が出てきているのではないかというふうに思います。私たちは大切な命を毎日いただいています。そして、自分が命をいただくということは他の命をも大切にするということにほかならないというふうに私は日ごろ思っております。 そういう意味で、農業におきましても、本当に動物、植物、そういう命を大切にするという農業教育、教育というのは教えてはぐくむというのではなくて、ともに考えるという教育が私はベストだというふうに思っておりますので、農業教育についてぜひ大臣に盛り込んでいただきたい、そのお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 私は、文部大臣に就任の際のあいさつで、戦後五十年の節目を余り軽く見逃さないようにしよう、むしろ戦後行われた教育の是非についてこの際、踏み込んだ検討をしようではないかと。これは私見ではあるけれども、教育には知育、徳育、体育と三つの分野があるけれども、あえてこれに対して順序をつけさせていただくと、人間の教育にとって一番大切なのは何か、それは人間が人間らしくある徳育ではないか。まず、その基本に立って、いわばどんな困難に遭遇しようともそれに耐えていけるたくましい体力、精神力、これを培う体育がそれに次ぐと。その二つの要素を持った人たちが知識を得て、これを生かして初めて私は教育が生きてくるのではないかと、私見を申し述べたところでございます。 戦後教育を顧みまして私が率直に感じておりますことは、知育に偏って、偏差値で人を子供のうちからふるい分けてしまう、こういう教育のあり方に問題があると思います。また、その一方では、私は、家庭教育、学校教育、社会教育と三分野ございますが、家庭教育の面においても大変に反省があるところだと、こう思いまして、自分は自分なりの方針で臨んだところでありますが、幸い文部省当局もそれを是としまして、教育に対する見直しに積極的に取り組んでいただきました。また、中教審その他の会合に行きましても、従前の慣例を破って私はあえていろいろ注文をさせていただきました。 そういうことの中で、意外に皆さんがそれを好意的に受けとめてくださいましたので、今、先生が御指摘になったようなことについても私は触れさせていただいたところです。 たまたま合致するわけでありますが、私は、農山漁村、いろいろな分野に触れることも大切だし、社会や国家に奉仕をするという、あるいは自分以外の人たちのいわば幸福を願うというようなそういう広い気持ちを持つための教育というのが今欠けているのではないか。そこで、単にこっそり自分だけが勉強していい成績をとるという教育を置きかえて、例えばガールスカウト、ボーイスカウトございますし、また環境浄化運動とか、交通安全運動とか、あるいは農村その他への奉仕活動とか、すべての活動を子供の内申に加えるべきではないか、そういう社会参加を積極的にするような心の広い子供を育てるべきではないか、そんなところまで踏み込んで申したところですが、今、先生から久方ぶりにこのお話をいただきまして、まさに我が意を得たりと、このような感じを持っております。
○和田洋子君 最近の子供たちのことを考えますと、私たちも母親として大変反省するところはあるのでございますけれども、ぜひに子供の教育に農業、本当に命が育つということを教えていって命の大切さを子供たちに学んでいただきたいと切に思う次第でありますので、よろしくお願いいたします。 次は、大規模稲作農家の育成ということで、今、大規模農家の方たちが土地の流動化という中で、大きくすればするほど、今、国井委員もおっしゃいましたが、大変な苦労をしているのが事実であります。 流動化は本当に進んでいるんだろうか、そして小規模だけれども、そういう農家も育成しながら大規模農家をも育成しなければいけないという問題があるわけです。大規模農家は、例えば土地を借りれば借地代を払わなくてはいけない、そしてその中で減反をしなくてはいけない、三年に一回は休むというふうにみんな地元では思っております。しかしながら、農家の皆さんは、減反なんて農林省から言われたくない、本当は自分たちが減反について言っていくくらいの強い農家になりたいというふうに言っておられる方もまた事実たくさんおられます。 そういう中で、本当に流動化が進んで大規模農家の育成が進んでいるのか、そのことをまずお尋ねいたします。
○政府委員(山本徹君) 大規模農家の育成の状況でございますけれども、一戸当たりの稲作の作付面積で見ますと、二十年前、これは昭和五十年と、最近の統計で平成七年がございますが、比較いたしますと、都府県で一・二倍でございます。それから、北海道では一・九倍になっております。 都府県では農地の資産的な保有傾向が強いという点がこういった結果になっておると思いますが、作付の規模別の農家の戸数で見ますと、五ヘクタール以上の稲作農家、大規模な農家でございますけれども、二十年前には〇・二%の一万戸でございましたけれども、最近では一・二%、約三万戸と増加してきております。
○和田洋子君 私、いつもこれは申し上げるんですが、専業で農業をやっておられる方の米の値段と、自分の娘、息子に送るくらいの、自分たちのおいしい米をつくる農家の方たちが供出する米の値段が同じということは大変問題があるのではないか。 先ほどもおっしゃいましたように、適地適産ということを、農林省として言えることではないかもしれないけれども、本気で農業をやっている人たちが、いつもいつも天候とかそういうものに左右されながら本気で汗水垂らしている農家が豊作を素直に喜べるような、そういう農業というものを本気で考えてほしいなというふうに思いますので、新しい基本法に向けて、ぜひそういうことに配慮をした基本法であってほしいと思いますので、よろしくお願いします。 食糧の安定供給ということで、二十一世紀は人口の増加や環境問題が深刻化する中で食糧生産が制約されていくことは本当に多くの長期見通しが指摘しているところであります。 また、この食糧問題は遠い将来の話ではなくて、現在、世界で八億四千万人の人々が飢餓や栄養不足に苦しんでおり、一昨年の十一月にローマで開催された食糧サミットでは、世界の食糧安全保障の確立と二〇一五年までに栄養不良人口を半減するということを目指して各国が協力して取り組んでいくということが宣言をされました。 このような中で、我が国は安いものはどこからでも買えばいいという、こういう基本的なスタンスのもとに海外への食糧依存をとめどなく強めてきました。この結果、国内では、自給できる食糧は今や先進国では最低の四二%、穀物自給率についてはついに二九%というところまで低下をしております。消費者の間からも不安の声が募っているわけであります。 先般、基本問題調査会が中間取りまとめの中で指摘したところによりますと、食糧自給率を政策目標とすべきか否かということまで意見が分かれているというふうにも聞きますが、日本の国の自給率というのをどの辺まで見ておられるのか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 食糧自給率は、従前はカロリー換算の自給率と穀物の自給率と二つに分けられておりましたけれども、十年ほど前からOECD各国はどうもカロリー換算は手間暇かかるということで出さなくなりまして、今は穀物自給率ということになっております。 たまたま、先般のOECD閣僚会議でもこのことは大変大きな議論があったわけでございます。どんなに理解しているつもりでも、やはり結局は自分の立場といいましょうか、自分の経験と自分の視野だけで物を考えているというのは人間の常でございまして、今何もオーストラリアを初めとしてかなり激烈な、まさに農業小国に対する手ひどい意見なども述べられたところでございます。 しかし、私は、あえてその自給率をお互いにひもといたときに、例えば豪州の代表の方は、おたくは自給率三二二でしょうと。フランスは今一八三ですか、カナダが一七二、アメリカが一二九、ドイツが一一八、イギリスが一一四、低いと言われるイタリーでも八八でございまして、我が国は二九と、全く比較にならないことをまず申しました。 第二に申したところは、何といっても我々の位置するところは極東に位置する一島国であって、我々の周辺を取り囲むアジア各国の食糧自給というものについても見通しが定かでないと。特に、世界の人口を考えると、一九五〇年当時、二十五億のものが五十年足らずの間に既にもう五十七、八億になってきていて、少なくも一九五〇年から起算して百年間で約四倍に伸びると、こう言われている。それから、世界の飢餓人口は八億四千万を数えている。最近のいわば地球の温暖化を含む自然現象の変化等に揺さぶられて、例えば我が国の米の作況自身も非常に乱高下して困り果てていると。 それらをすべて考えていくと、食糧の自給率というのは余り常識的に物を考えていくと誤るということすら言えるので、食糧の安定供給という我々の最大の責務を全うしていくためには応分の自給率を維持していかざるを得ないということを申したところであります。 さはさりながら、我が国の自給率につきましては、先ほど官房長からも御説明いたしましたように、米の消費が一方では年々減少の一途をたどっておりますし、最近は生活水準が高まったせいもございますけれども、いわば食の多様化といいましょうか、輸入飼料に頼らざるを得ない畜産物の摂取の増加、酪農摂取についても言えることでございます。また、その一方では、輸入原料に頼らざるを得ない油脂の消費が非常に伸びている。 こういうことごとを含めまして、昭和四十年当時、穀物自給率でいいますと、六二%あったものが現在では二九%と非常に激減いたしているわけです。有事に備えて我々はやはり常に安定的な供給を確保するとなれば、現状は現状としながらも、これからの生産と輸入と備蓄、この三面を的確に見据えながら将来に資していかなきゃいけない、こう考えているところであります。
○和田洋子君 狭い日本の農地を考えると大変厳しいものがあるとは思いますが、自給率というものが二九%では本当に大変な不安があるというふうに私は思っております。 今、備蓄ということですが、米の備蓄は今どのくらいあるんですか。
○政府委員(高木勇樹君) 昨年の十月末の政府の国産米の備蓄でございますが、二百六十七万トンという数字でございます。
○和田洋子君 二百六十七万というのは、日本人がどのくらい生き延びられるというか……。
○政府委員(高木勇樹君) これは今大体九百万トンからちょっと超えるぐらいが全体の消費量ではないかと思いますが、それにしますと、大体この数字は四分の一ぐらいですから、三カ月強だと思います。 ただ、備蓄の水準の考え方はいろいろございまして、実は今回、政府の役割というのは備蓄運営に限定されておるわけでございますが、その備蓄水準をどうするかというのは、先生御案内のとおり、平成五年の作況七四という大不作を経験いたしました。その結果、この備蓄議論が国民的な議論になったわけでございます。 いろんな議論がございましたが、結論的には、いわゆる戦後の作況をずっと見ますと、不作の平均というのが作況九二でございます。そうしますと、そういった事態が仮に二年続いても耐えられるような水準、一ポイントが大体十万トンでございますから、百五十万トンというのを基準にすると。ただ、稲作は当然のことながら天候に左右されます。したがって、そういったことを考えますと、プラスマイナス五十万トン、したがって下限は百万トン、上限は二百万トンという備蓄を持っている、そういう運営をするということで決められたのが今の二百万トン、百五十万トンを適正水準とした百ないし二百こういう水準であります。 そういうことからいくと、適正備蓄水準の上限を今申し上げた数字はかなり上回っているということになっております。
○和田洋子君 じゃ、備蓄水準は二百六十七万トンで適正だというふうに思っておられるわけですね。
○政府委員(高木勇樹君) 水準としてはかなり多いというふうな状況であると。したがって、米の生産調整を強化して今対応しているということになっているわけでございます。
○和田洋子君 日本の国が海外に食糧を依存するという中で、安定した輸入先を確保するために農業技術支援というような方法があるというふうに思いますが、そういうことについて考えておられますか。
○政府委員(熊澤英昭君) ただいま大臣からも述べられたところでありますけれども、日本の国内に安定的に食糧を供給するという意味でいえば、国内生産と輸入と備蓄、それを適切に組み合わせていくことが基本的な視点でございます。 輸入についてでございますけれども、現在、穀物の大宗は米国、カナダ、豪州といった国から輸入をしているわけでございまして、これらの国は割合に生産も安定しておりますので、そういう意味では、輸入先としては極めて安定した輸入先であるというふうに考えております。ただ、少数の国に輸入先が偏ってしまうという不安感がございます。そういう意味でいえば、輸入先を多角化するということも大変重要な方策の一つだというふうに考えております。 その際に、輸入先を多角化するといたしますとブラジル等が考えられるわけでございますが、ブラジルなどはある程度農業技術としては確立した国でございますので、協力をするといたしますと、技術協力というよりはむしろ資金協力ベースでの協力ということが考えられるわけでございます。 ただ、その際に考えなければならない点といたしましては、アルゼンチン、ブラジルから輸入いたしますと、海上の輸送運賃が大変高いということがございます。そういう商取引ベースでの問題が加わりますので、必ずしも簡単にまいらないという事情がございます。 そういう意味では、輸入先の多角化というのは大変重要な要素の一つでございますけれども、そういう視点も加えますと、なかなか慎重に取り組まざるを得ないかなというふうに考えております。
○和田洋子君 輸入食料品についてお尋ねをいたします。 地元を歩いておりますと、お若い方たちから、輸入された食料品の表示がはっきりしていなくてわかりにくくて、そして危険をはらんでいるのでしっかりしてほしいということをよくお尋ねを受け、ぜひそのことについて頑張って言ってほしいというふうに言われます。 例えば、それがどこから来ている食料品なのか、例えば今大変問題になっている遺伝子組みかえのようなことがあるかないか、そういうことを明確にだれにでもわかるような、そういう表示にしていくという方向でお答えをいただきたいんですが。
○政府委員(本田浩次君) 輸入食品や農産物に対します消費者の原産国表示の要請につきましては、先生御指摘のとおり大変強いものがございます。このため、私どもといたしましては、まず多くの加工食品につきましてJAS法に基づく品質表示基準によりまして輸入品の加工原産国の表示を義務づけております。 それからさらに、近年は特にその要請が強まっております野菜の原産地表示につきましても、平成八年の九月から一部の品目、平成八年の九月には五品目でございましたけれども、ことしの四月にさらに四品目を追加いたしまして九品目の義務づけを実施することにしているところでございます。 また、遺伝子組みかえ食品につきましては、一昨年、厚生省から大豆、菜種などにつきましてその安全性が確認されまして、市場流通が現実のものになりましたところから、消費者などから遺伝子組みかえ食品につきましての表示を求める声が大変強まっております。このために、農林水産省におきましては昨年の五月から食品表示問題懇談会を開催いたしまして、遺伝子組みかえ食品の流通実態を踏まえた表示のあり方を検討しているところでございます。この検討結果を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○和田洋子君 検討結果はいつ出るんですか。
○政府委員(本田浩次君) この懇談会におきましては、まず第一点では遺伝子組みかえ食品の表示のあり方について広く有識者でありますとか関係者からヒアリングを行っております。さらに、消費者の要望でございますとか、生産、流通の実態についても検討する。さらには、これは諸外国におきましても大変問題になってございます。御案内のとおり、国連の機関でございますコーデックス委員会におきましても検討がなされております。 こうした検討状況、さらにEUなどの諸外国の取り組みの事例などを踏まえながら現在精力的に議論を行っていただいているところでございまして、一定の議論の集約が可能な段階で取りまとめを行っていただきたいと考えているところでございます。もう少し時間がかかると思います。
○和田洋子君 子供さんを育てておられるお母さんたちが子供たちの体のことで大変心配をしていると思います。もちろん、私たちも心配をしていますが、ぜひにその御議論を早くされて、表示を明確にしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。 次に、中山間地域の農業について先ほどいろいろ御意見が出たところであります。私も、デカップリング、農業生産者の方たちの所得補償ということでお尋ねをしたいというふうに思っておりました。 地方は、空気も水も、そして人材もお金も全部都会に送っております。食糧は大変な思いで送っているわけでありますが、そういう中で、なかなか農家の方たちが本気で農業をやっていけるような明るい見通しが何にもありません。毎年毎年、米の値段が上がらなかったり、豊作だと次の減反を心配しなければいけないというような大変な問題があるわけでありますけれども、そういう中で日本型のデカップリングを考えられないか。 さっきは、いろんな職業の方もいらっしゃるのでそういうのは無理ではないかというようなお答えがあったわけですが、私は、農家も安定した所得が得られれば必ずあすの農業への足腰というのは強くなっていくはずだと思います。ことしは豊作だから来年の減反、凶作だからもう本当に米がとれないで所得が下がる、どっちにしても農家のためには所得が下がるような、所得が安定しないような現実があるわけでありますけれども、農家の方に、所得の補償とまではいかないけれども、農家の皆さん安心してくださいというような強いビジョンというか、そういうものをぜひ出していただきたいのですが、再度お尋ねしますが、日本型のデカップリングについて考えておられませんか。
○政府委員(堤英隆君) 先ほどもお答え申し上げたわけでございますけれども、日本型のそういった直接所得補償の問題につきましては賛否両論ございますので、私どもとしてはいろんな各界の御意見をいろいろお聞きしながら、どういう形でこれをまとめていったら中山間地域等の振興、今おっしゃいましたような地域の活性化に役立つかということで検討、議論を深めていきたいというふうに考えております。 ただ、世界の状況から見まして、こういった直接所得補償という形での支持といいますか、世界的にもそういう施策をとる国がかなりふえているということもこれまた事実でございます。 ただ、私ども、もう一つ考えなきゃならないのは、EUであれそういう地域、そういう国々が所得補償方式をとるとした場合に、従来の価格政策を廃止あるいは縮小して、それの代替措置としてこういったものを導入するということが行われていることが一般的でございます。 日本の場合の議論としては、従来の価格支持は価格支持としてそのままにして、別途、直接所得補償方式を導入したらどうかという御議論があるんですが、そのあたり、やはり国民の皆様の同じ税金でどうするかということになりますと、なかなか厳しい御批判があるということも事実だろうと思います。 そういう意味で、この議論を私ども避けて通る気はございませんで、本格的に議論をしていきたいと思いますが、従来の価格支持政策との関連でこの直接所得補償方式をどう位置づけていったらいいのか、そのことも視野に置きながら検討を深めていきたい、こういうふうに考えております。
○和田洋子君 私の会津地方は大変おそばがおいしいところです。そして、ソバの花というのは観光にもなるくらい大変きれいなものであります。そして、昔はソバをつくっているところは全部それを売ってしまうということで、ソバをつくっておられる方たちは大変、貧しいと言ってはなんですが、上手な経営の方法ではなかったんです。このごろは付加価値を高めるという意味で、自分たちがひいて、おいしいおそばを供給しているというか、観光にも使っているというか、おそばが大変おいしいということで宣伝もしております。 そういう中で、地元の食品製造業の方たちとおそばをつくる方たちの連携を図ってというか、付加価値を高める農業というものについてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(本田浩次君) 国民の皆様に対する食料供給は食品産業を通じて行われております。 食品産業は、従来から言われておりますように、国内農業とともに重要な車の両輪ともいうべき地位を占めております。食品産業は地域の農林水産業との深い結びつきがございます。国内農産物の大体四割ぐらいのマーケットが食品産業でございます。こうしたために、地場産業としての大きなウエートを占めておりまして、中山間地域を含めて地域の農業振興を図る上において重要な役割を占めているところでございます。先生御指摘のとおり、地域によりましては、まさに地域のあらゆる資源をフルに活用して食品産業の振興を図り地域の活性化を目指している、こういうことでございます。 私どもも従来から、一つには農産物の利活用などを促進するための中山間地域活性化資金、こうしたものの融通を行うことでありますとか、それからまさにソバをそばに加工するというようなことでございまして、農産物の付加価値を向上するための流通加工施設に対する助成を行うということ、さらには販路拡大のための実需者、消費者との連携強化などの各般の施策を講じておるところでございまして、今後とも施策の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○和田洋子君 中山間地の過疎対策としてグリーンツーリズムというのが今いろんなところで言われていますが、なかなかこれは地についたことがなされていないのではないかと思います。 ドイツの農林大臣は、休暇を農家で過ごそうということで、これは大変大きなドイツの政策になったと聞いております。また、ドイツに行った折も見せていただきましたが、村全体が一つの民宿みたいな形になって、学校の子供たちは馬に乗ったりお芋掘りをやったり、そういう民宿になっているとか、あとはさっき真島委員がおっしゃいましたように広大な貸し農園、もう本当に区画ができて、すばらしい農業経営というか、農家の方たちも都市の方たちと交流しながら、いいことだなというふうに思ってきておりました。 そういう意味で、日本の国ももっともっと国を挙げて、今、休耕田とか、畑なんか本当に休耕しているところが多いんですけれども、そういうところにぜひ都会の方たちに農業の大変さを知っていただくためにも、農家の皆さんがまた都会の人たちとの交流をするためにもぜひに必要なことだというふうに思っておりますが、そういうための施策を真剣にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(山本徹君) 先生ただいま御指摘のとおり、グリーンツーリズムは中山間地域等の活性化対策、また先生も先ほど御質疑でお触れになりましたし、農林水産大臣からも御答弁ございましたけれども、豊かな自然の中でさまざまな動植物とともに生活するということが健全な青少年の育成に役立つという点がございまして、こういった野外教育は文部省も今大変力を入れられておるところでございまして、青少年の教育の場としてもグリーンツーリズムは重要な場でございます。こういった観点から、最近、私どももグリーンツーリズムを推進させていただいておりますけれども、いろいろな問題がございます。 先ほど御指摘のとおり、地についていないというお話がございましたけれども、今、各地域で旅館業というのはその多くが赤字でございます。例えば、新婚旅行でも今全部外国に行ってしまって国内に来てくれないという嘆きが各地域から聞こえております。皆さん外国に行かれるようになりました。したがって、本当に中山間に来ていただくためには、魅力ある豊かな自然環境を整備、保全し、また都市の住民の方が楽しめるようなさまざまな施設も必要になってまいります。 また、新しくグリーンツーリズムを経営されるということになりますと、これは例えば消防法とか旅館業法、食品衛生法というようなさまざまな許認可を得る必要がございます。このためには、新しい投資をしたり、家屋の整備、補修というような資金も必要になってまいります。また、これもなかなか個々人で取り組めないので、地域での一体とした取り組みが必要になってまいります。 そういったさまざまな課題はございますけれども、幸いなことに、平成七年に全会一致による議員立法でグリーンツーリズムの促進法を制定させていただきまして、この法律に沿って私どもさまざまな施策を今進めさせていただいているところでございます。 地域による取り組みが必要でございますので、この法律では県の基本方針をつくることになっておりますが、今四十三県でできておりますが、さらに市町村段階で具体的な計画を策定していただくことになっておりますけれども、この市町村計画というのがまだ百二十七市町村を数えるだけでございます。また、この法律による登録民宿農家が八百五十一軒、先ほどお話ございましたフランスとかドイツ等々、ヨーロッパでは数万軒の農家民宿があるのに比べてまだまだ大変寂しい限りでございます。 私どもとしては、このためにできるだけのいろんな施策の展開を図っておりまして、まず地域に本当に都市住民あるいは青少年の方が来ていただけるような魅力のある農村の整備、環境づくりをしなければなりません。このために、農業農村整備事業や構造改善事業等によってすぐれた風致景観を保全したり整備する、あるいはトイレの水洗化等、集落排水の導入等の事業を展開しているところでございます。 また、おそばもそこで食べていただくためには、農産物の加工施設あるいは展示施設、直販施設といったようなできるだけ付加価値をつけて地元の農産物を販売していただくような施設整備等にも力を入れているところでございます。また、民宿の経営が円滑にまいりますように、また民宿を新しく開業するにはどうしたらいいのかと、いろいろなノウハウ、知識が必要でございますので、いろんな研修会、講習会、あるいは先進地の視察等に対して助成も行っております。 それからまた、都市の住民との連携を強化するという意味で、都市部の自治体あるいは自治会、さらに都市の教育委員会等と受け入れ側とが話し合いをしていろんな協定をするというような仕事も進めさせていただいておりまして、御指摘のようにこれからいろんなハード面あるいはソフト面でグリーンツーリズムの定着、普及のためにできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。
○和田洋子君 海を知らない子供たちに海を見せたり、山を知らない子供たちに山を見せたりということは、本当に子供たちの情操教育というか、心の豊かな青少年の健全な育成のためにも必要なことだと思いますので、ぜひに促進をしていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 森林・林業に対する国民の要請は一層多様化して高度化しております。一方、森林・林業等を取り巻く情勢は、木材価格の低迷による林業生産活動の停滞など依然として厳しい状態にあると言われている中で、国有林野行政の抜本的な改革で今最も強調されているのは、木材生産機能重視から公益的な機能の重視の方向へ転換しているのではないかというふうに思われますが、この公益的機能の重視というのをどういうふうに理解したらよろしいのでしょうか。
○政府委員(高橋勲君) 国有林は我が国の森林の三割を占めておりますが、その多くが脊梁山脈等、奥地水源地に所在しておりまして、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保護等、森林の有する公益的機能の十分な発揮が国民から強く要請されているところであります。 お話にありましたように、こうした要請にこたえまして、今回の抜本的改革においては国有林野の管理経営を木材生産機能重視から公益的機能重視に転換することとしております。 具体的には、公益的機能として水土保全、水資源の涵養ですとか国土を保全する機能、それから森林と人との共生ということで、自然の維持でありますとかレクリエーションのための利用、そういうふうなことを重視する森林を国有林野面積のおおむね八割にしようと思っておりまして、その中での施業を長伐期施業あるいは複層林施業、針葉樹や広葉樹のまじった混交林を造成するというふうなことを推進することとしております。 それから、独立採算制を前提とした特別会計制度から、公益林の適切な管理等のための一般会計繰り入れを前提とした特別会計制度に移行することとしておりまして、国有林の持つ公益的機能を発揮させるために必要な業務を確実に実施することとしております。
○和田洋子君 環境への配慮ということで、今回のOECD農業大臣会合での共同宣言の概要を拝見いたしますと、環境によい影響を与える農業の推進と農業での自然資源の持続可能な管理の確立への行動、農家の意思決定で農業の環境的コストと便益を考慮する条件の整備が挙げられております。畑作主体の欧米農業に比べ、我が国の水田稲作がいかに環境によい農業か、表土の流出も土壌の悪化も、そして連作障害をももたらさないで緑のダムとして国土の保全に重要な役割を担っていると思います。その上に国民の食生活が成り立っているということは、今後ともぜひ強調していきたいことだと思います。 先日のCOP3、京都会議の結果を受けて農水省の具体的な取り組みはどんなものなのでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(堤英隆君) 農林水産分野から排出されます二酸化炭素等につきましては、日本全体の排出量の約四%強ということになっております。 今御指摘のように、京都議定書の着実な実施ということで、私どもいろんな意味で汗をかいてまいりたい、努力をしてまいりたいというふうに考えておりますが、具体的に申し上げますと、一つはやはり二酸化炭素でございますけれども、これはハウス、それから農業機械等のいわゆる省エネルギー対策、こういうことをしっかりとやっていきたいということで、そのことによります排出削減を推進してまいりたいというふうに考えております。 それからもう一つ、メタン、それから亜酸化窒素でございますけれども、これはよく牛のげっぷと言われるんですけれども、そういったものからメタンがかなり排出されるということで、これは牛の飼養管理の方法を改善するということが重要でございます。さらに、家畜ふん尿の適切な処理、これも重要でございます。それから、水田からもかなりのメタンが発生すると言われておりますので、水管理の方法をきちんとしていくということを農家の方々にも改善方をお願いしていく。そういった努力をこれから、研究開発も含めまして、積極的に対応していきたいというふうに考えております。 それからもう一点は、吸収源の方でございますけれども、森林につきましては吸収源というふうに位置づけられたわけでございますので、これにつきましても、造林、再造林等の積極的な推進ということによりまして、二酸化炭素等の吸収源としての森林の整備ということにつきましても力を入れていきたいというふうに考えております。
○和田洋子君 環境と調和した農業を進めるという意味で、農家はどういうふうな取り組みをしたらいいんでしょうか。そういう技術の開発というのは進んでいるんですか。
○政府委員(三輪睿太郎君) 環境と調和した農業の推進ということはこれからの農業で大変重要な課題と認識しておりまして、研究開発の面でも大きな柱の一つとして位置づけております。現在、都道府県の試験研究機関とも協力をしながら、環境保全型農業技術の確立を目指した研究開発を進めているところであります。 これまでに、水稲のいもち病に抵抗性を持った品種の開発、その他病害に強い品種改良、あるいは天敵や昆虫のフェロモンといったようなものを利用した従来の殺菌剤、殺虫剤にかわる害虫病害の防除技術の開発を進めております。 また、化学肥料にかえまして、家畜排せつ物を高度に利用する技術の開発、あるいは肥料の養分が圃場の外に流れて河川等を汚染しないように流出の少ないような緩効性の肥料の開発利用、そういったような研究を推進してきたところであります。 さらに、平成十年度からは、農業生産活動が環境へ負荷を与える、そういった物質の排出量を減らす指標をつくるために、例えば稲でありますと、育苗から収穫までの排出量及び吸収量を生涯を通じてどういうものかというものを計量する手法の開発、これをライフサイクルアセスメントと言っておりますが、そういった研究に着手することにしておりまして、引き続き日本の農業技術をより一層環境保全型にするための研究開発を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○和田洋子君 最後に、同じことを大臣にお尋ねをしたいんですが、大臣も所信表明の中で、環境保全型農業を総合的に進めていくというふうにおっしゃっておられます。どういうイメージで、消費者と一緒になった、消費者の方たちが懸念をしないような農業、そして農家の方たちが元気の出せる、そして環境にもよい農業のイメージはどういうふうに描いておられるのかお尋ねをして、質問を終わります。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国はまさに山紫水明、大変美しい自然を持つ国でございます。私は都会に生まれ育ってはおりますけれども、戦時中は山形に疎開をし、またサラリーマン当時は新潟にお世話になり、先生のお地元にも何遍も足を運ばせていただいております。 先ほどお話のあったおそばも大好きですが、そういう自然の恩恵に浴したり、あるいはまたそういうおいしい作物を口にして人生を楽しむことも大事でありますけれども、そこにいろんな角度から受けている恩恵というものを考え、これをまた維持し、さらに進めていくというのは人間生活を充実させる基本において一番大事なことだと、そう考えております。 私は、そういう意味で、東京の人間ではございますけれども、ともすれば都会の人間が口にしがちな農村は過保護である、こういう批判に対しては、とんでもないと、あなた方が地方を回って人生の潤いを得ようというときにも、それは知らず知らずに農業やあるいは林業や水産業を営んでいる方々の恩恵に浴しているということをよく知るべきである。それは単に農産物や林産物、水産物を提供するだけがお仕事でなくて、それぞれの地域にそれぞれの人たちが住んでいただいて、その地域を守っていただいていることの恩恵の中に、例えば我々の水資源が確保され、また清浄な空気が確保され、そして豊かで美しい自然がまた確保されて我々は楽しむことができる。 また同時に、地方のどこへ行っても交通機関が発達している。これ自身も、そこにだれも住む人がいなければその交通機関は成り立たないし、商業施設も文化施設も成り立たない。結果的にはその地域の過疎が進行し、そこに住む人たちはみんな都会へ流出して今度は過密に苦しむ。お互いがむしろ相互扶助といいましょうか、非常に深い連関の中でお互いの生活が守られているということを知るべきであるということを常々言ってきた人間でありますから、今、先生がおっしゃっていることについては私は全く賛成の立場に立っているわけですし、これからもさらに、いわば日本人の長寿の背景にもなっておりますこのすばらしい自然というものを守るために農林水産業を通じていろんな角度から貢献していきたい、そう考えております。
○和田洋子君 終わります。
○委員長(松谷蒼一郎君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、平成十年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○風間昶君 公明の風間です。 通告外でまことに恐縮なんですが、大臣にお伺いしたいことが一点ございます。 先ほどもインドネシアの支援の議論がありました。きょうの新聞にも、十四日に総理がインドネシアに行って、十五日に首脳会談と。スハルト大統領にIMF合意に沿った経済改革の実行を強く求めるためというふうに報道されております。モンデールさんに言われて行くのではないと私は思っておりますけれども、問題は何をおっしゃってくるのか、これが問題だと私は認識している次第です。 その際、当然、米支援の話が出るかもしれないと私は予測しているんです。総理から農林大臣にどうするかというお問い合わせなり、御意見を求められることも十分考えられると。相談がなくとも、大臣としては何を総理に御進言していかれる今の御決意なのか、これをお伺いしたい。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 先般、相次いで政府の調査団と党の調査団と二つの調査団がインドネシアを訪問したところでございます。その際、政府に関してはいわば具体的な話はなかったわけでありますが、党の調査団に対しては、正式な担当大臣ではありませんが、今回副大統領になられたハビビ氏を通じて、数字等についてこのぐらい何とかならないかというお話があったやに聞いております。 つきましては、二月二十日に東南アジア経済安定化等のための緊急対策について閣議決定をいたしまして、食糧支援、特に米を早期に具体化するとされたところであります。 これを踏まえまして、現在、政府部内ではどのような対応が可能かという点について検討を行っているところであります。具体的には、我が国が何らかの対応を行う場合に数量を含めどのような対応が考えられるのか、そのための財政措置をどのように講じていくのか等について検討を行っているところであります。 なお、具体的な数字はいや応なく総理訪問の際には示されると思います。そうしたらその数量にどのように対応するのか、またその中身はどういうものになるのか、こういうことの検討が行われるのだろうと思いますが、現在までのところ、まだ私に対しての相談はございません。
○風間昶君 ですから、相談がなくても農水大臣としては総理に何にも言わないんですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほどOECDの話し合いについて少しく御報告したところですが、その際はかなりフランクにいろんな話が出ました。私も少し厚かましく、例えば我々は四年来の米の豊作で米をもてあましている状況にあって、十七万六千ヘクタールも新規にまた生産調整を行っている。トータルでは三五%も減反を強いる結果になっている。いわば、豊作貧乏に泣いているというそういう厳しい状況に置かれる中で、その一方でMA米を抱え、そしてそれ自身は日本人の味覚に正直言って合わない、しかしお互いのルールがあることだからこれをなおざりにはできないけれども、可能な限りそういうものについて我々の自由な裁量が認められればありがたいところだと、こう言ったら、随分ぬけぬけと言ったなと後で冷やかしを受けました。しかし、私は正直に言って、もし可能な場合にはルールはルールとしてこういうものも含めて回せればありがたいなと、こんなふうには考えております。
○風間昶君 先ほども議論になりました財政負担の問題、これありだと思うんです。食管会計が厳しいなら、例えば外務省に米を買ってもらう、それで支援するという方法も私は一つの方法としてはあるんだと思うんですけれども、その辺はどうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 外務省も財政状況が厳しいことは、この際かなり切り詰められましたから、余裕がないということはいろんな角度から聞いてはおるところでございますが、最終の詰めの段階では何か対応しなきゃいけないわけですから、今御指摘の分も含めて検討させていただきたいと、こう思います。
○風間昶君 それでは、次に、食品の安全対策について伺いますが、先ほども同僚の和田議員からも御質問があったことでございますけれども、今国会でHACCP法に関する水産加工資金法の審議を行うことになっておりますけれども、確かに水産物は腐るのも速いし、極めて確かな衛生管理というのが必要だというふうに思うわけであります。 食品全体の安全を確保するための、農水省全体としても水産加工品だけじゃなくて、農産品というか、食品の総合安全危機管理でしょうか、いわゆるHACCPですけれども、日本型のHACCPをつくっていくことになっていくのか、あるいは原則はHACCP法は変わらないにしても、アメリカ型にするのか、いわゆるヨーロッパ型にしていくのか、この辺についで農水省としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(本田浩次君) HACCPの問題につきましては、先生御承知のとおり、これはもともと一九六〇年代にアメリカで開発された手法でございます。NASA、航空宇宙局が宇宙食をつくるために開発された新しい衛生管理の手法でございます。したがいまして、日本型、アメリカ型、EU型というふうな状況ではございません。 現在、コーデックスの場でガイドラインが検討されておりまして、国際共通のルールがございます。そうした手法に沿った形でHACCPを導入していきたいというふうに考えております。
○風間昶君 それでは、もう一方で、さっきも議論になりましたけれども、遺伝子組みかえ食品についても、科学技術庁がラボラトリーレベルでの評価をし、そして生態系に関しては農水省が環境アセスをやるということ、これについては土の中の微生物だとか虫だとか、あるいは同じ種類のもの以外の近縁種類のものなどの問題点が技術的にもあるわけですけれども、人体への影響については、厚生省の管轄事項であるというふうにきのう伺いましたが、少なくとも遺伝子組みかえ食品の安全性については、消費者の不安感を含めて相当風当たりが強いというふうに私は思っているわけであります。 国内栽培を申請して厚生省が最終チェックを済ませたのは、トマトとそれから除草剤耐性の大豆と除草剤耐性の菜種の三品で、いずれもこれはモンサント社でありますよね。一社のみのデータだけで厚生省は、少なくともトマトに関しては害があるとの認識には立っていないという判断をされて、妥当であるというふうに評価したと聞いておりますけれども、本当に一社だけのデータで、実験的にいうと何も比較をしないで、安全性が確かかどうかということについては極めて疑問に思うわけでありますけれども、この点についてはぜひ厚生省としての御意見を伺いたい。 もう一点は、大手のビールメーカーが開発を完了する予定になっているトマトについてはいまだにこの発売のめどが立っていない。発売に至らないことに関しての厚生省としての所見を二点目にお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 遺伝子組みかえ食品の安全性の評価についてでございますが、これは食品衛生調査会におきまして、事業者が行いました安全性の評価というものが安全性の評価指針に適合しているかどうかということを個別に確認しているわけでございます。この評価につきましては、OECDあるいはWHO等の国際機関においてもその評価の考え方がまとめられておりまして、我が国におきましても、これら国際機関でのお考え方をもとにいたしまして安全性の評価指針を策定しているところでございます。 この評価指針におきましては、組みかえDNA技術応用食品につきまして既存の食品と比較をいたしまして、たんぱく質等の食品成分の割合が同程度、また組みかえによりまして新たなアレルゲン等が産生されていないといったような点が確認されれば、既存の食品と同程度の安全性が確保されるというものでございます。 企業が作成をしましたデータで十分かという御指摘でございますが、これは企業が提出をいたしました資料に基づいて審査をすることが妥当という食品衛生調査会の御見解でございまして、これに従っているわけでございます。また、審議の過程の中で資料の追加が必要であるというふうにされたケースにつきましては、追加資料の提出を受けた上で御審議をいただいております。私どもといたしましては、現在のところ、これで安全性の評価については適切であろうと考えております。 第二点目のお尋ねのトマトの件でございますが、これは企業がどうするかということでございまして、私どもとしてはその事情は承知をいたしておりません。
○風間昶君 第二点については、確かに、評価はもう終わったんだから、あとは売る側の問題だからということで、もし何かが起こったときに、私どもは安全性は評価したけれども、それは売る側の方に問題があったということにしちゃうわけですか。
○政府委員(小野昭雄君) 問題があるのかないのか、あるいは企業がどうお考えであるのかというのは私ども承知をいたしておりません。
○風間昶君 では、一点目の、先ほどの、たんぱく質を調べた、これは恐らくDNAのレベルまでのデータが出ているんだと思うんですけれども、もう一つは新たなアレルゲンが見つかっていないと、この二つだけで、直接ではないにしても行ったところの評価だけで厚生省は済ませるつもりなんでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 基本的な要件といたしまして、たんぱく質等の食品成分の割合が同程度、あるいは新たなアレルゲン等が産生されていないという主要な点は二点でございますが、その他の要素についても評価をいただいているところでございます。 なお、すべての食品によりますアレルギーの出現状況といいますのはいろいろあるわけでございますが、長期にわたって監視できるための仕組みというものが必要でございますので、国立医薬品食品衛生研究所等を中心に行っているところでございます。
○風間昶君 その調査研究がまだ終わっていないんじゃないですか。
○政府委員(小野昭雄君) アレルギー症状を発します食品というのは、先生御承知のように非常に多種類ございます。今、国民の皆さんの間にアレルギーに対します関心が非常に高いということもございます。したがいまして、これはこれだけの問題ではなくて、例えばそばのアレルギーでありますとかそういったものを長期にわたって観察し、どういう方策をとるかということについて検討いたしますための長期的な監視、研究を行っていただいているということでございます。
○風間昶君 わかりました。こっちはもう少しデータを集めていますので、また後日お聞きしたいと思います。本日はありがとうございました。 それでは、次に、先ほども議論になっておりましたが、食糧自給率の目標設定について先ほど大臣は、確保を全うするという観点から応分の自給率というふうに御答弁されました。これは非常に漠然としておりまして、食糧自給率の穀物重量での自給率、それはそれでいいんですけれども、これは米だけの話ではないのでありまして、御案内のように、もとより米は自給を上回って、先ほども備蓄の話を伺って、水準を上回っていると。となると、大豆あるいは小麦についての自給率をどのぐらいに設定すべきかということも含めての話だと思うんです。 そこで、米は余っているんだから、では大豆、小麦についての自給をどうするのかということについての設定はいかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 何%という数字では申し上げられませんが、今回の新たな米対策にあらわれておりますように、農林水産省といたしましては、昭和四十九年当時たしか百七十七万ヘクタールあった湿田面積、これを今大体百五万ヘクタールくらいは土地改良を行いまして汎用化を図ったところでありまして、これらを含めまして、転作を奨励し、例えば大豆ですと二%、小麦ですと今七%くらいの自給率でございますが、国が求める転作に御協力いただく者には、それは規模等によってまた格差がありますけれども、それぞれに思い切った補償をし、あらゆる分野から穀物自給率を高めていきたい、こう考えているところでございます
○風間昶君 厚生省さん、結構でございます。ありがとうございました。 なるほど、いずれにしてもトータルでこれからも臨機応変に自給率を設定していくという方向ではあるんですね。 次に、先ほども議論になりましたけれども、四年連続の自主米の価格低落で農家の手取り所得が減る一方だと。備蓄米の増加によって新たな減反がさらに要求されている。これは稲作農家、農業者にとってみれば二重の苦しみを味わうことになるわけでありまして、非常に将来展望が厳しい。追い打ちをかけて後継者難、あるいは六十五歳以上の農業者が六十数%近くになっているという状況の中で、食糧安保の観点から、OECD農相会議でも議論になったと思うんですが、価格政策から所得政策へ転換するといった政策がぜひとも必要だと思うんです。そのためには農地法を変えなきゃならない、それをするとすれば変えなきゃならないと思っているわけですけれども、いきなり企業の新規参入というのはやっぱり問題だと思いますので、時期尚早だというふうに私は思いますので、現行の農業者が、例えば生産法人も株式会社に改組するといった、株式会社をつくるのを認めるべきだと、私は先に地ならしとして必要でないかなというふうに思うんです。 そういうことを含めて、農家に希望を与える政策として極めてシンプルに政策を打ち出すべきだと思っておるんですが、その点に関して農水省の考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(高木賢君) 米をめぐる情勢が大変厳しいことは御指摘のとおりだと思います。やはり、米の消費が減っておりますし、需給ギャップがありますから、今後、水田農業を考える上に当たって、何をつくるかということになりますと、稲だけでなくてやはり転作を適切に組み合わせた作付体系を確立するという方法が出口としては考えられると思います。そのために、今般の対策におきましても、麦、大豆など、あるいは主要作物など自給率の低い作物につきましては特に技術対策ということで大きな柱を一つ立てまして、これまでになく力を入れたというふうに考えております。 具体的には、どういうふうに構造的に展開するかということでございますが、稲、麦、大豆を組み合わせた合理的な作付体系を確立する、それから集落全体で取り組むいわゆる集落営農の取り組みを促進する、さらには受託組織による取り組みというようなことでの合理的な営農体系を推進するということが一つ考えられます。 それから、都市近郊や中山間地域におきましては、野菜や特産作物と組み合わせた複合経営あるいは稲作の高付加価値化といった方向が今後の向かうべき方向ではないかというふうに考えております。
○風間昶君 それは現在の価格政策の枠を出ていないわけで、所得政策に変えるためにシミュレーションをしていることがあるんじゃないでしょうかと聞いているわけですから。どうなんですか。
○政府委員(堤英隆君) これからの将来の農業、特に稲作の展望ということをどう考えるかということとの関係での今の御指摘でございますが、先ほどの午前中の御議論でちょっと申し上げたんですけれども、これからの農業のことを考えました場合に、やはり所得政策的なことにつきまして相当の配慮をしていかなきゃならないだろうという考え方を私ども持っております。 特に申し上げたいのは、従来の価格政策を農政の基本に据えてやってきたわけでございますが、その価格政策のあり方として、基本的にやはり市場原理、需給実勢、そういうものをベースにしながら価格政策を運用すべきだという御意見が非常に強くなっております。そのことによって農村の活力をある程度引き出していくということもできるんじゃないかとか、あるいは規制緩和という流れにも沿うんじゃないかということの御指摘だと思うわけでございますが、そうなりますと、どうしても価格が振れるということになります。これはやはりこれから農業でやっていこうという農家の方々にも経営上の大きな影響を与えますので、そういう意味で、そういう従来の価格政策に市場原理を導入することに伴う農家の経営の安定ということが施策上も必要になっております。そういう意味からも、所得政策ということにつきましてさらに私どもとしてはいろんな対応をこれから考えていかなきゃならないと、そういう認識を持っているところでございます。
○風間昶君 先ほどの中山間地に対する直接所得補償も議論になりましたけれども、補償に踏み込むという政治的な決断はもう現実に私はできるんじゃないかと思う。それがいい証拠に、大臣も参加されたOECD農相会合の共同宣言の政策原則の中にもう入っているじゃないですか。生産から切り離された直接支払いなど、市場反応性を促進する政策の一層の発展と。これをほごにするんですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) お互いの納得の中の方針としてそういうものが組み込まれたことは事実でありますが、その方針に従って我々はできるだけ対応していきたいと、こう考えております。
○風間昶君 次に、ウルグアイ・ラウンドの対策予算についてちょっとお伺いしたいんですが、六兆百億の資金を投入すると、再来年、十二年まで。回ってみますと、現場の農業者の方から、どれが対策費でどれが要するに予算なのよと、こういう話で全くわからないと。特に、農業者だけじゃなくて、そこに住んでいる、負担している、納税している住民の人から全く見えないと、どんぶりじゃないかと、六兆百億。 それで、恐らく公共事業がメーンなんだけれども、国民に見えていないんですよ。だから、やっぱり政府としては六兆百億と決めてこれまでずっとやってきていらっしゃる、土地改良も含めて、圃場整備も含めて。それを国民にどのくらい、どういうふうにやらせていただきましたという説明をする義務があると思うんですよ、やりっ放し、出しっ放しじゃなくて。そこはどうですか。
○政府委員(堤英隆君) ウルグアイ・ラウンド対策につきましては、まさに大臣が国会でも御答弁申し上げておりますように、国際化の進展の中でどうやって農業者の方々に希望を持ってもらいながら将来に切り開いていただくかと、そういうことのための対策として、必要なものとして組んでいるわけでございまして、そういう趣旨について国民の皆さん方の御理解をいただくということと同時に、今おっしゃいましたように、それぞれの各地域地域で行われております事業がウルグアイ・ラウンド対策として行われているんだということについて、農家の方々はもとより、関係者の方々の御理解をいただくということは極めて重要だというふうに思っております。 それぞれの地域によって私どももお話を聞いているわけでございますし、相談にも乗っておりますが、それぞれの地域でこれはウルグアイ・ラウンド対策で予算化されたものを事業に移しているんだということについて説明をしたり、あるいは表示をするということにつきましてもそれぞれ工夫をしているわけでございますが、全体の中でまだそういう意味で今御指摘のような点もあろうかというふうに思っております。 基本的には、基盤整備事業であれ、それから集出荷施設、カントリーエレベーター等の非公共事業であれ、やはりそういった特定の非常に重要な目的を持っておりますので、私どもとしましても、事業継続中のものもまだございますので、そういう意味での御指摘のようなことを踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
○風間昶君 だから、初年度ならまだわかるんですよ。もう半分越えているわけですから、きちっと国民に明示する必要があると思うんですよ。そうでなくても、九兆円の国民負担だの三十兆円の何なのかんだのという話になっているわけですから、もう怒り心頭を超えちゃっているわけですよ、いいだけむしり取られて。 だから、健全な農業予算をつけているんだということであるならば、これはやっぱりきちっと国民に説明する義務が私はあると思うんですよ。どうですか、大臣。
○政府委員(堤英隆君) 今御答弁申し上げましたように、御指摘につきましては私どももそういうふうに思っております。それぞれの地域における個別の事業の中で、これはウルグアイ・ラウンド対策だということで必要不可欠な事業であるということにつきましても、全体の説明、それぞれの地域の説明、これからさらに一段とそういうことにつきまして意を用いてまいりたいというふうには考えております。
○風間昶君 次に国有林野。これは当然、今国会の大きな焦点になって、その審議のときにもまたお聞きしようと思っていますけれども、きょうは、一般会計が債務を承継する二兆八千億というその数が出てきていますけれども、どういうふうな算出根拠に基づくものなのか、一つ伺いたい。 もう一点は、残り約一兆円を林野特別会計で円滑かつ迅速に賄えるのかという問題もあると思うんです。この二点について伺いたいと思います。
○政府委員(高橋勲君) 国有林野事業の抜本的改革におきまして、新会計制度へ移行する平成十年十月一日時点で三・八兆円に累積債務は達するわけでありますが、その処理につきましては、国有林野事業で返済可能な債務約一兆円については今後、債務の累増防止のため一般会計による利子補給措置を講じつつ、約五十年かけて返済することとしております。 それから、残りの債務約二・八兆円を一般会計に承継することとしているところであります。この一般会計に承継する二・八兆円の債務につきましては、貸付時期の古いものから順に平成七年九月二十九日までに借り入れた事業施設費等の借入金に係る債務でございます。
○風間昶君 これは後日あれします。 最後にもう一点。日韓漁業の問題で、これは日韓漁業協定が終了する場合には国連海洋法条約、直接適用されると思いますけれども、その際やっぱり竹島を含めた二百海里の主張について農水省として、国内だけじゃなくて対アジアを含めてアピールすべき話だと私は思うんです。 そこで、北海道の太平洋沖にいる韓国漁船の相当な被害があるんですね。だから、襟裳岬でいいから、大臣一回来て見てもらいたいんですよ。これは私の要望としてぜひ御返答いただいて、質問を終わります。
○国務大臣(島村宜伸君) 農業、林業、水産業、いずれにせよ私はできるだけ現地のお声を伺う、またいろいろ現地の実態を拝見するということを基本に置いておりまして、可能な限り今全国を飛び回っておりますが、ぜひ今のお勧めには私も従って行動したいと、こう考えております。
○続訓弘君 私は、農水委員になって初めて大臣にお目にかかります。大臣、御就任おめでとうございます。御健闘をお祈り申し上げます。 さて、私は東京都出身であります。東京には農地がない、こんなふうに皆さんお思いでありましょう。人口は千二百万人おります。二十三区には八百万人、三多摩には四百万人、合わせて千二百万人。ところが、東京には九千四百ヘクタールの農地がある。その中で、市街化区域の農地が何と六千四百ヘクタール。 同時に、大臣の地元である江戸川区では大変な農作物が供給されております。御案内のとおりだと思います。平成八年度の野菜の供給量は十二万七千トンという大きな数字であります。これは石川県や宮崎県の人口の一年間の野菜の供給量に匹敵する量であります。同時に、その中に従事しておられる、例えばコマツナ、これは大変有名なんです。あるいはセロリ、これも日本で一、二を争うような経営者がおられる。そして、各地からこれの研修においでになる。こんな優良農業経営者がおられるわけであります。 ところが、こういう状況にあるにもかかわらず、農林水産省は非常に冷たい仕打ちをやっておられるんです。というのは、都市農業に対する補助というか助成というか、そういうものは皆無に等しいわけです、これは大臣も御承知だと存じますけれども。しかし、せっかく東京都出身の農水大臣になられたわけですから、もう一遍都市農業を見直していただいて、中山間農地に対して、例えば所得補償すら、官房長のお話によれば、これから幅広い国民的合意を受けながら、議論をしながら云々とおっしゃいました。しかし、今申し上げたように、都市農業の重要性というのは私は大変なものだと思います。 例えば、自然環境を守るという意味でもそうであります。卑近な例を申し上げます。東京はコンクリートでいっぱい舗装されているでしょう。雨が降ったら直ちに水は流れてしまいます。そこで、何とか地下に還元したいという試みが実はなされているわけですりそれはある特定の市であります。三十平米に一個の浸透ますをつくるのに五万五千円かかるんです。ところが、都市に市街化農地は六千四百ヘクタールありますから、それを換算しますと千二百億円の工事費に相当するわけです。これが都市農業が自然環境に対して大変貢献している、こういう実際の値段なんです。お金なんです。 そういうことからしても、やはり都市農業に対する、あるいは農地に対する特別な見方といいますか、そういうものを大臣に求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 先生はかって東京都の名副知事の名をほしいままにした方でありまして、お互いにある意味では連携しつつ都市農業を守るということに努力をした間柄でございます。さすがに大変深い御理解、恐縮に存じますが、私も都市農業の果たしている貢献度というのは大変大きいという認識を強く持っております。 今お話がありましたように、コマツナというのは私どもの地域の小松川の小松をとったコマツナでありますし、例えば私の住んでいる江戸川区だけでもその五〇%を生産しております。つまみ菜に至っては九〇%も生産している、こういうことでございますし、セロリ日本一は何遍も私どもの地域から出ている。そして同時に、この生鮮食料品が市場で大変高く評価を受けているということもまた事実でございますし、また多面的な機能はないのかといえば、さにあらずでありまして、まさに都市に不足がちな緑やレクリエーションの場、あるいは一たん有事の際のいわば防災空間とでもいいましょうか、こういうものの確保のためにも貢献いたしておりますし、また現に、雑踏をきわめる都市の中で農業の現場に触れるというのは何か心洗われる思いがするということは事実でございます。 そういう点をいろいろ考えますと、最近、野菜とか花卉とかあるいはその他の生鮮農産物について、いろんな工夫を凝らしながら非常に効率のいい、しかも評価の高い農業を進めていることは事実でございまして、私ども別に農林水産省に入りまして我が田に水を引く気は毛頭ございませんが、当然のことに、都市農業に対するどういう配慮が行われているのかということについてはいろんな再検討を依頼しているところでございますし、役所といたしましても、今日においては都市農業に対するおかしな偏見が世間にも大分薄れたことから、非常に前向きに取り組んでいることは確認されているところであります。 ただ、かつては地価が高騰いたしました。農地であるというと税金がかからないという税法上の優遇のために、ねらっている果実は農産物ではなくて実は土地の値上がりではないか、こんなことが再三厳しく指摘されたところでございまして、非常に都市農業関係者はつらい思いをした時期がございます。しかし、今日では立派に立ち直りまして、自分たちの仕事に非常に高い誇りを持って意欲的に取り組んでおりますので、今御指摘のありました水の還元のためのいろんな施設その他について、これは本当に高い公共性を持つという認識を持てるものについてはできるだけ支援していくということについてはやぶさかではありません。
○続訓弘君 税制のことについてもう一点だけ伺います。 これは御案内のように、生産緑地法によりますと、市民農園は良好に管理することにより公害や災害の防止等、都市環境の形成に資するものであり、生産緑地として位置づけることが好ましいという法律になっております。 そこで、生産緑地に設置されている市民農地の土地提供者に相続が発生いたしますと相続税の納税猶予制度の対象にならない、こういうことになっているわけであります。したがって、高額な相続税を払わざるを得ない。さらにまた、農業者が病気その他で第三者に耕作を依頼するとすれば、これまた相続税の猶予が打ち切られて受けられない、こんな苦しい状況になっております。そのことは、結果として都市農業をやめると、こういう話なんであります。 同時に、先ほど申し上げましたように、都市農業あるいは農地が都市経営に大変な貢献をしているという実情を踏まえるならば、私は納税の猶予制度をやはりぜひこの際創設をし、あるいは延長をしていただきたいということをぜひお願い申し上げたいと存じますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 都市農業に深い御理解をいただいておりますことに改めて感謝申し上げたいと思います。 実は、私もその都市農業を守る側に立って大変いろいろな思いをした経験がございますが、今御指摘の相続税その他についても、かつては大変な優遇の措置がございまして、都市農業をずっと継続していく意思のある方々についてはいろんな角度からこれを全部善意にとらえられて、それに対する処遇が行われてきたと思います。しかしながら、一方では、相続税を稼ぐために一生懸命働いているんじゃないかと、こういう一般庶民感覚もこれまたばかになりませんで、随分つらい矢面に立たされた経験も実はございますので、結果の所産として税制上の恩典その他が大きく後退したというのが前に行われた税法その他に対する改正であったと、こう記憶いたしております。 しかしながら、都市農業の必要性というのは、いわば生活をともにしているわけですから、私はだれよりもよく知る政治家の一人として、今、先生の御指摘のことについては、できるだけ将来ともに自信と誇りを持って都市農業に取り組んでいけるような環境を維持すべく努力をしたいと、こう思います。
○続訓弘君 どうもありがとうございました。終わります。
○谷本巍君 大臣、OECD閣僚会議、五カ国農相会議、大変御苦労さまでございました。 今度の宣言を拝見いたしますと、念願のと申し上げましょうか、食糧安全保障の問題や農業の持つ多面的機能を重視するということがともかくも入りました。流れを変えたというところまでいかないとしても、このことによって世界の食糧問題と貿易のあり方についてこれを変えていくという重要な足がかりをつくることができたのではないかと考えます。 この点についての大臣の評価、それからまた大臣がこれからどうされようとしているかということについては午前中から大臣がるる述べておられますので、この点はお尋ねすることは避けることにいたしまして、今回の二つの国際会議との関連で、次の二つの点をとりあえず伺いたいと思うんです。 一つの問題は、関税の前倒し実施などの問題であります。 一部のマスコミ報道によりますと、輸出国の側にWTO協定の関税前倒し実施を求める動きがあったと伝えられております。大臣、これは約束違反であり、少々理不尽に過ぎますよ。この種の動きが伝えられるようにあったのかどうか、今後そのような動きが、要求があった場合にどう対処されるのか、この点がまず伺いたい一つの点であります。 それからもう一つは、米国の九八年貿易収支報告は、日本の米市場の自由化にさらに圧力をかけると述べております。この種の具体的な働きかけというのがあるのかどうなのか。今後このような具体的な動きが生じた場合に大臣はどう対処されるのか、この二つの点を初めに伺いたいのです。
○国務大臣(島村宜伸君) まず、ウルグアイ・ラウンド協定の関税引き下げの前倒し実施などの動きがあったのかどうか、こういうことについてでございますが、二つの会議におきましては、輸出国側から農産物貿易のさらなる自由化について厳しい考え方が示されたことは事実であります。 しかしながら、交渉事項や交渉の前倒しが議論されたものではありません。これは新聞の推測記事だと、あえてそう思います。また同時に、前にもちょっとお話ししましたけれども、一月にOECDあるいはEUのトップの方々、あるいはアメリカやイギリスの農林大臣と話し合ったときにも、そういう動きにすることはできるだけ避けようじゃないか、こういう事前の申し合わせめいたものがございました。その趣旨が守られたなと、私は終わった後そう感じたものでございまして、これは事実と違うと思います。 また、関税の引き下げにつきましては、ウルグアイ・ラウンド協定で合意された約束に従って各国がその誠実な履行を実施しているところでありまして、協定の再交渉が二〇〇〇年に行われることが合意されていることもありますから、仮に関税引き下げの前倒しを求める動きがあったとしても、我が国としては当然こんなものに応じる気持ちはない、その意味では、私はどんなことがあってもおかしなものは一切はねつけるという気持ちで会議に参加したところでございます。 また、今もう一つの御指摘の、米国の九八年貿易政策報告の中で、日本の米市場の自由化にさらに圧力をかけるという報道がありますが、お尋ねの件につきましては、我が国としては今後とも長期的な視点に立って主食である米の安定供給を図るとの観点に立ち、遺憾なきを期してまいりたいと、こう考えております。 少しく申し添えますと、グリックマン氏とは二度にわたって会ったわけであります。一月の際には、かなり強烈な向こう側の言い分だけを聞かされるという面もないではなかったのですが、先般は初日のかんかんがくがくの議論を経た後、二日目にはほとんど発言をされない、少なくも我々の耳に、逆らうような話をほとんどされなかった。そして同時に、五カ国農相会議になってからも非常に友好的な話し合いをしている。ただ一つ、あなたは我々の供給に対するお約束を信頼していただけないようだけれども、ここに私は誓約書を書いてもいいよと、こんなような話が出たことは事実でございまして、できるだけ日米関係の、いわばお互いの信頼関係というものをさらに深めていきたいんだというのが最後のまとめの二人だけの話でありました。
○谷本巍君 輸出禁止といいましょうか、そういうことはやらない、約束してもいいという話が出たというのでありますが、そういう話が出たとすれば、米国の国内法の輸出管理法の廃止、これが前提となりますよね。その辺のところまで踏み込んだ話になったのかどうか、そこはいかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 実は、そこまで踏み込んだ話をしようかとも思いましたけれども、余り向こうが穏やかに物わかりがいいものですから、私の方も相手の気持ちにこたえてそこまでは言いませんでした。 ただ、公の場で、歴史的な経過を振り返れば、例えば一九七三年のあの大豆の事件はどういうふうにとらえているのかと、こんなようなことははっきり言いました。初日の激烈な議論の中では対抗上それは当然だったと思いますが、もう二日目はすっかり穏やかな人になっちゃっているわけですから、こちらもあえて相手を怒らせるでもない、こんなようなことに終始したことがそのときの実態でございます。
○谷本巍君 食糧安全保障や農業の多面的機能の重視ということは、これはもうOECDやWTOに向けて主張するだけではなくて、みずからの国の農業・食糧政策の基本に据えられてこそ言行一致ということになってまいります。また、そうでなければ、国際社会の中でこの二つの主張をこれからさらに続けていくということについて私は限界が出てくると思います。そういう意味で、これからの農政をどうするかという点では、私は、WTOの次の交渉ということを念頭に置きながら考えていくべきだろうと思います。 そういう意味で、今、基本法づくりに向けての調査会での議論を見てみますというと、例えば米の扱いをどうしていくんだと、このままいったら七十万トン以上輸入しなきゃならないようになってくるんですね。そういうことをこれから先も続けていくのかと、これは続けていくことはできませんよ。それならどうするんだと。あるいはまた、酪農でいいますというと、牛乳の不足払い制度ですね、これを次のラウンドではどうしていくんだというような論議というのはもう今からやっていかなきゃ私はいけないと思うのです。ところが、実は調査会の中でもそういう議論はない。この問題について、私は改めて大臣に質問する機会をとりたいと思っておるのでありまして、きょうの場合は食糧安保と多面的機能の問題、この二つの点だけ伺いたいと思うのです。 初めに伺いたいのは、我が国の食糧安保とは一体何なのか。それは農業生産の増大を基礎に据えながら輸入と備蓄などの組み合わせで食糧を確保していく、こういうぐあいにこれまでも言われてまいりました。 そこで、自給率をどの程度にするのかということはこれまでも、きょうのこの会議でも論議されてまいりました。ところが、それについては明確な話はいただけませんでした。それなら、ここで言う国内生産を基本とするという場合の最低限というのはどの程度の水準を想定されるのか、そこのところはいかがでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 今おっしゃいましたように、私どもとしましても食糧の安全保障という観点に立ちましたときには、国内の農業生産を基本として輸入と備蓄の適切な組み合わせということで申し上げてきているわけでございますが、その際に自給率をどの程度にするのか、国内生産をどの程度にするのかということについてはまだこれは種々の議論がございまして、私どもとしてこの一つの数字ということを持ち合わせているわけではありません。 しかし、日本人が必要とします、主食でありますお米につきましては、基本的には一〇〇%自給をしているわけでございますから、そういう意味での一定の安心感といいますか、これは大変大きなものがあると思います。 そういう意味で、やはり世界の食糧需給の変化、日本の国内の需給事情の変化、いろいろございますので、国民の方々が日本の食糧の供給につきまして安心を持っていただけるようなものはどういう水準であるのか、どういう体制であるべきなのか、そういうことを模索し、確定していくことがこれから必要な作業じゃないか、こういうふうに思っております。
○谷本巍君 今、官房長が言われる安心というのはどういう意味なんでしょうか。入ってこなくとも最低のカロリーぐらいは確保しますよという、そういう意味の安心なのかどうなのか、そこはいかがでしょうか。
○政府委員(堤英隆君) 端的に申し上げれば、今おっしゃいましたように、大臣も国会で御答弁を申し上げておりますけれども、食糧につきましてはいろんな意味での支障、天候の事情あるいは港湾のストライキ等々の事情でもって食糧供給が細る、あるいはストップするという事態がございます。そういうことについての可能性がある以上、今おっしゃいましたように、最低限これぐらいはというものは、やはり国民の皆様方が持ってもらいたいという気持ちのものは多分にあると思います。それが基本的には私どもとしては食糧の安全保障、安心という場合の最低のものだと思っております。 ただ、それだけにとどまらず、国民の皆様は豊かな食生活を現在確保されておるわけでございますから、そういったものがこれからも続けていけるようにしていくということもこれまた政策当局としては当然のことだと思っております。 したがいまして、そういうことも視野に入れながら、これからの食糧の供給体制のあり方、それからどのぐらいの国内生産でもっていけば国民の皆様が安心していただけるのか、そういうことを求めていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 備蓄問題と食生活問題を食糧安保論との絡みで伺いたいんですが、官房長、どういうぐあいに具体的におやりになろうとするんですかということもさることながら、物の考え方を私は伺っておるのですから、そのつもりで答えていただきたい。 国内生産と輸入と備蓄と、この三本の柱で食糧を確保していくということだとすれば、輸入のために国内生産が圧迫されないようにしなきゃならぬ。これで貿易ルールの議論が出てくる。 もう一つは、備蓄の問題です。 備蓄を行うために国内生産が圧迫されるようなことがあってはならないと、私は同じように考えるんです。そういう立場から現在の米の備蓄を見てみますというと、豊作が続くと簡単に米過剰になっちゃって価格が下げられてしまう。それじゃ、不作になったときには上がるかというと、恐らく備蓄米の放出で価格が上がらぬだろうと。どうも市場原理というと、これはちょっと違いやしないのかというのが大方の農家の皆さんの受け取り方であります。としますと、備蓄のために生産意欲が低下させられるということがあってはならぬわけでありますから、そういう矛盾が起こらぬようにするためにはどうしたらいいのか、そこを長官、どうお考えになっていますか。
○政府委員(高木勇樹君) ただいま備蓄のお話がございました。特に、米の備蓄問題でございますが、これはもう先生御案内のとおり、今の備蓄水準を決めるときに作況七四という大不作を受けて大変な議論が行われたわけでございます。備蓄水準そのものについてももちろんいろいろ議論がございました。 それから、備蓄の方式についても議論がございました。大きく言って二つでございまして、備蓄については回転備蓄という方式をとるのか、それとも棚上げという方式をとるのかという議論があったわけでございますが、いろいろな点からの検討を経で回転備蓄という方式になったわけでございます。 回転備蓄は、私がいろいろ御説明するまでもなく、いわゆる需要の中に織り込まれて、これが回転していくことによって品質も低下することなく消費されていくということ、したがって需要の中に織り込まれて、いわゆる需給構造の中に、需給操作の中に織り込まれているという点が非常に違います。棚上げというのは全くそれと関係なく備蓄をする。したがって、品質の劣化ということが当然前提になる、大きな財政負担を覚悟するということにもなるということでございます。 そのことが生産の方にどういう影響を与えるかといえば、回転備蓄というものも需給がうまく動いていれば生産に影響を与えるはずはないわけであります。しかし、需要が予想以上に下がるとか、供給が予想以上にふえるとかという中で起こるのが先生の今おっしゃった現象であります。 それでは、棚上げ備蓄であればそういう点は何の心配もないかといえば、棚上げでございますと、今申し上げました大変な財政負担という問題のほかに、棚上げということでございますから、需給操作の対象外ということでありますから、どうしてもその分はやはり全体として生産が過剰的になる可能性が高いということで、これも価格への影響ということからいえば、やはり影響を及ぼすということに相なっていくのではないかということであります。
○谷本巍君 長官、私は、備蓄というのは国内生産の圧迫要因にならないようにしなきゃなりませんね、そこのところはきちんと調整していかなきゃいけませんねということをお尋ねしているんです。そこのところはどうなんですか。そういう努力をしなきゃならぬのか、しなくても結構という意味なのか。
○政府委員(高木勇樹君) 当然のことながら、備蓄は不測の事態に備えて国民に国産のお米をきちんと供給するというためにやっておるわけでございまして、そのことが生産との関連で考えた場合に、私どもとしては、うまく需給操作の中で回転をする、それで生産に影響を与えないようにすると、こういう努力は当然のことながらこれまでもしておりますし、今も続けておる。 ただ、現実問題、その需給操作の中で、やはり需要が減り供給がふえるという中では基本的にその生産を調整するという手法が最も対応としては適当なものであるということになるのではないかと考えております。
○谷本巍君 大臣、これは二人がやりとりをやったら日が暮れてしまいます。 とにかく、そういう矛盾がある。その点については、大臣、あえてここで大臣の見解を求めるつもりもありませんけれども、この矛盾を解消していくには私どもが古くから言ってきていますのは、棚上げ備蓄との併用ということを考えなさいということを言ってまいりました。これが一つであります。 それからもう一つは、備蓄のために価格が下がるというような状況は避けなきゃなりませんから、そういう場合等々が生じた場合には、やはり価格補てんなりなんなりその種のものを考えなきゃならぬと。これはことしから新たに一つの制度的なものを発足させるというような方向づけが出てきておるわけですけれども、その辺との見合いを大事にしながらこの矛盾は解消していくようにしなきゃならぬのであります。 という課題があるということを大臣、ひとつ含んでおいていただきたい。このことだけ申し上げて、先へ進みます。 次は、食生活問題であります。 国民所得の水準が上がりますというと畜産消費が伸びて穀物消費が落ち込むと言われてまいりました。それが日本の場合には、米消費が落ち込み、そして輸入飼料穀物が増大をすると、その結果、自給率が大幅に低下いたしました。ところが、近年、食の欧米化ということじゃなくて、食の日本型化という話が多く出てくるようになってまいりました。健康づくり、自給率引き上げの上でもこれが好ましいということであります。 政府は日本型食生活を伸ばすためにどう対処されようとしているか、この点をひとつお答えいただきたい。
○政府委員(高木勇樹君) 今、先生がおっしゃられましたように、私ども、米の問題一つとりましても、これはいわゆる食生活という観点でのとらえ方が非常に重要だと。その食生活というのは当然健康ということと関連してのことでございまして、いわゆる米を中心にしたバランスのとれた食生活、これが最も私どもにとって健康で長生きできる食生活ということであります。 この辺については、私ども行政がただ声を大にしているというのではなかなか説得力がございません。私どもとしては、特にそういった点についての関心を持っておられる医者の方々、それから学校教育に携わっている方々、さらには実際にそういう生活をしていて健康でおられるスポーツマンの方々、いろいろな方々の御協力をいただきながら対応をしております。もちろん、そういった点の医学的、科学的なことについては、これは関係の厚生省等ともいろいろな連携をとっております。 最近では、米を中心とした食生活というのは生活習慣病に極めて適切な効果があるということが言われ始めております。私どもは、そういった点もきちんと受けとめて、いわゆるそういった食生活、健康、こういった面での努力を続けてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○谷本巍君 農林水産省が給食などの米の問題について積極的にひとつ援助していきましょうということは大変結構なことであります。 そして、この食生活問題の議論で私、一番大事だと思いますのは、今の食生活のあり方を決めている最大の要因は一体何なのか、ここをきちっと押さえながらそれに見合った施策をやっていくことなんじゃないかと思うんです。 食生活のあり方を決める最大の要因ということになってきますというと、子供の場合でいいますというと、食物アレルギー、肥満児の増大、成人病、これは食生活と関連していると素人の皆さんが今おっしゃる時代なんですね。そして、日本型食生活がいいという認識が深まっておるのでありますが、例えば保育園などの給食で見てみますというと圧倒的にそうではない給食になっております。主流になっておりますのが、魚や野菜や海藻や米というのはほとんど少数派でありまして、大多数の保育園は豚と卵とパンなんです。これが圧倒的です。 保育園の理事長、園長に聞いてみますというと、わかっちゃいるけど変えたくはないと、こう言うんですよ。十人が十人そうですよ。なぜかといいますと、材料費でいいますというと、日本型の方が約二倍、手数の方が一・三倍、これは大体共通しております。日本型の方が手数はかかります。そして、お皿の枚数も一枚多くなる。これは学校給食なんかの場合そうですよね。お皿一枚ふやすかふやさないかで労働組合と激突するところがあるんですね。本当に大変なことですよ。ですから、日本型は高くつくからだめだという話なんですね。わかっちゃいるけどやめられないと言うんですよ。 だから、なぜ行政がそこへ手を差し伸べないんだということであります。与党にあってこういうことを言うのは非常にじくじたる思いがいたしますけれども、財政改革の中で学校給食の米をばっさり切ってしまうという逆行的なことをおやりになった。これに対してまた農林水産省が一定のものを考えましょうということで今度は予算措置も講じた。これはやっぱりこういうことをやっておかなきゃならぬのです。それからまた、魚などについても一定の助成を工夫し考えるというそういう時代だろうと思うんです。その種のことをやり出せば、保育園の園長さんみんな変えますよ、父兄に喜んでもらえる食生活に。だから、みんなが喜んでくれるようなことをなぜやらないのか、やれないのか。 一つの問題は縦割り行政ですね。農林水産省でいつでも、これは農産物をつくる方の省であって、消費の方は関係ないというような話が今まで多かったんですよ。ですから、今度の省庁再編成問題絡みの話にもなりますけれども、やっぱりつくるだけじゃなくて、食生活全体が問題にできるような状況にしていきませんとこれはどうにもしようがない。 ここのところは大臣、政治家間の話になってくるのでありますが、ひとつ大臣のお考えがありましたらお聞かせいただきたい。
○国務大臣(島村宜伸君) 実は私、十五年前の政務次官の当時にも、米の消費がどんどん減退して、たしか十年間で一五・六%くらい下落をし、ちょうど定規で真っすぐ線を引いたように毎年毎年、米の消費が落ちている。これをどうしたものかというのでいろいろ取り組んだ際に、実は学校給食に取り入れでもらって子供さんのうちからもっと米食というものに親しんでいただこう、できるだけおいしいものを提供して米のおいしさ、ありがたさを知っていただこうと、こういう努力をした記憶がありますが、たまたま大臣になりましたら、財政事情等もこれあり、今度はその援助云々ということで大変つらい気持ちでおったところであります。 釈迦に説法でございますが、実は私はその十五年前に消費を食いとめるために何かいいデータがないものかいろいろ調べましたら、たまたま二十歳から五歳刻みで、二十歳から二十五歳、二十八歳から三十歳というふうに一家のあるじを見ていきまして、一番お米を食べる階層というのはどういうあるじの家なんだろうと調べましたら、驚くなかれ、六十歳から六十五歳が五年間で四回トップ、五十六歳から六十歳ですか、これが一回トップ、一番食べないのは判で押したように二十五歳から三十歳ですか、その量たるや半分なんですね。 そこで、今、先生御指摘のことにちょっと私も気がついたんですが、結局は、安直に料理ができて手間暇がかからない、そして同時に、いわば料理だけじゃなくて後片づけも楽、レジャーの時間も勉強の時間も、少なくも自分の時間がつくれると。男女共同参画社会の時代ですから女性がそういう時間を求めることもわかりますけれども、いろんな意味で家庭の中がのぞけるような感じもしないでもありませんでした。そこで、実は学校給食の段階から米に親しんでいただこうという考えが浮かんだのがそのときの背景でありました。 そういうことごとを考えますと、このまま放置していきますと、日本の食生活というのはもっともっと自給率が落ち込んでいくんだろうと思います。これをまた何とか食いとめようとすれば余計な財政負担がかかりますし、国民の理解を求めるにはどうしたらいいのか。私は、一番手っ取り早いのは、何といっても米食というものが日本人の長寿社会というものを現実のものにしたと。 そして、私はついこの間も海外へ行ってきたわけですが、海外へ行きまして、肥満体と言われる方は、日本人が肥満体で嫌だとおっしゃる女性なんかと比べると比較にならない。骨格の外側にもう一つ肉の塊をくっつけたような体をしている方が非常に多いですし、生活習慣病とでも言うんでしょうか、糖尿病とか心臓病とか、長生きを阻害するような要因をたくさん身につけた方が多い。男性女性を問わずでありますが、そういうことごとを考えますと、そこに何か一つの活路があるのかなと。 ただ、私は農林水産大臣ですから、パン屋さんもうどん屋さんも全部私の責任の中にあるわけでして、お米だけ食べたらいいんだということは言えませんが、しかし何かの形で日本の将来の食糧の安全保障等を考えながら、いわば日本型食生活というものがいかに健康にも、あるいは我々の生活にもマッチしたものであるかということを訴えることはこれは差し支えないのだろうと思いますから、それらを含めていろいろお教えをいただきながらこういうことの普及をしていきたい、こう思います。
○谷本巍君 それから、大臣、食糧安全保障の問題というのは、一つは自給率の問題と備蓄の問題、それからもう一つの問題が国際連帯の関係をどうするかということであります。この点についてはインドネシアへのとりあえずの食糧援助や、それからまたアジアの中における日本が食糧の問題での援助環境をどうつくっていくかということが大きな課題になるということでありますけれども、この点についても大臣が先ほどお話しになっておりますので、この点のお答えは要らないわけでありますが、特に国際連帯の関係について重視していただきたいということをお願いしておきたいと存じます。 次に、農業の多面的機能の問題について伺いたいと存じます。 初めに伺いたいのは、多面的機能の担い手とは一体だれなのかということについてであります。 日本農業の場合には、国土や環境や景観を守る上で農業が大きな役割を果たしておりますというふうにされております。これは正確に言うなら、日本の農業ではなくて日本の家族農業はということでないかと私は思います。といいますのは、家族農業の農家というのはそこで生まれでそこで育って、そして農往一体でやっておるということであります。同時に、農業生産活動を通じてそこに相互扶助的地域社会を形成してきたという状況があります。このコモンズ的相互扶助的地域社会というのが共同社会として国土と環境と景観等々を守る重要な役割を担ってきておるということであります。 そうして見てみますというと、株式会社が入ってきて果たして家族農業と同じような役割を果たすことはできるであろうか。株式会社は国土や環境やそれからまた景観の維持のために投資をするであろうか。これはより大きなもうけをするために必要がある場合にはやるかもしれませんけれども、これはよそ様でありますから、そういうぐあいには私はならぬと思うんです。 でありますから、農業の多面的機能の担い手というのは一体だれなのか、そこをどうお考えになっておるのか、伺いたいのであります。
○国務大臣(島村宜伸君) 農業といいますか、農山漁村の多面的機能を担うのはまさに家族農業、家族漁業、家族林業に携わっている方々が直接的なお立場にあると思います。ただ、もう一つ広げますと、やはりその地域に根差して生活を営んでくださっている方々、この方たちも同じく多面的機能を守っていただいている功労者なんだろうと思います。 私は、いずれにせよ、こういう方たちが定着をしている間はいいですけれども、これをこのまま放置していて、それが本当に一つの集落と言えないような状況に追い込んだときに、この国は別の角度から非常に大きな後退を余儀なくされると思いますから、私はこの多面的機能というものを、これは何も国際会議だけじゃなくて、国内的にももっと強く訴える必要があると思いますし、お調べいただければわかりますが、私の地元のいわば都市住民は農村過保護とか農業に対する批判もいたしません。農業や林業、水産業の方がいかに我々のために大事な役割を担っているかということはもう十分私は伝えてあるつもりでありますが、こういうことを全国規模でもっと知ったことを農林水産省の広報活動の中にも入れていきたい、こう思います。
○谷本巍君 日本の場合には、農業というのは、何といいましょうか、環境をきちっと守っていける仕事だというぐあいに言われておるのでありますが、欧米の場合は必ずしもそうではないようであります。むしろ、農業を環境の加害者ととらえる向きが少なくないようであります。でありますから、農業の縮小や生産の粗放化、あるいはまた条件の合わぬところでは農業をやめていくということは環境によいことだと、このように受け取る向きが欧米では強いというふうに伺っております。したがって、市場原理を守ることが環境に優しいというふうに受けとめられる向きが強いんですね。日本と大分違った話になっております。 我々の言う農業の多面的役割のうち、環境問題でいうなら、欧米の場合ですと、そういう手法で環境指標にしても計量的に示してはどうかといったような考え方があるわけでありますが、日本の場合、そういう欧米の皆さんを前にしてどういうふうに説得していくか、これがやっぱり大きな課題ですね。同時に、もし可能ならば、我々が言うところの農業の持つ多面的な機能というのを一定程度数値化することができないのかどうなのか。そういうものを持つというと欧米の皆さんの説得というのはよりしやすくなってくるのではないかというふうに思うのですが、その点いかがお考えになっておるでありましょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、いろいろな議論を重ねる中で、日本の国には、人には添うてみよ馬には乗ってみよということわざがあって、私はそれを座右の銘にもしているんです、相手の立場に立って物を考えるということですと。あなた方が何でも我々の農業でも理解しているようなことをおっしゃるけれども、日本のこの劣悪な条件の中で営々として農業を営んでいる人たち、中山間地域なんという言葉が簡単に出てくるけれども、日本の場合は約四割が中山間地域ですよ、山肌を削って棚田をつくっている現実など知らない方がほとんどでしょうと、こんなような話も実はしたところであります。 そこで、私は、やっぱり現実に日本の国がどういうのか見てほしいということを盛んに言いましたら、各大臣たちの中にもかなり興味を示した人たちがおりました。同時に、そういうことを言いながら私は心の中で思ったんですが、日本は農産物の最大の輸入国ですから、お得意さんなんですから、そんなに売っていただくなんという卑屈な姿勢でなくて、買ってあげるわけですから、ある意味では。私はできるだけ海外にも暇を縫って飛んで、日本の国の農業というものに対してもっと理解を、こちらから押しつけるわけじゃありませんが、強く求めるということも必要なのかなと、そう実は考えたところでありまして、向こうからもかなり強烈な誘いを受けました。 例えば、カナダとかアメリカとか、あるいは豪州、ニュージーランド、すぐにでも用意するからすぐ来てくれと、我が国はそういう制度もあるんだというような話まであったくらいですから、私はお許しがいただければ国会の合間を縫って、できるだけ我が国の立場というものを向こうに乗り込んで売り込んでいきたい、こんなふうに考えております。
○谷本巍君 最後に、時間がもうほとんどありませんので、簡単に申し上げたいと思います。 直接所得政策の問題です。 輸出国の多くは食糧安保や多面的役割重視というのは農業保護だと受けとめる向きがかなりあるんですね。したがって、次のラウンドでは直接所得政策についてかなり厳しい注文をつけてくる可能性が私はあるのではないかと思うんです。 食糧安保にかなう生産体制整備に見合った諸施策の整備、とりわけ直接所得政策の具体化を私は急いでいかなきゃならないと思うんです。そして、韓国やそれからまたEUなどときちっと一定程度の共闘ができるような関係というのをつくっていくべきだと思います。 そこで、大臣、残念ながら日本は大統領制じゃないんですよ。大統領制の国は大統領府の判断でもってやれるんですよ。日本の場合は議院内閣制だ、だから、やることなすことが大統領制の国とやりとりするときには後手後手に回る場合が多いんですよ。ウルグアイ・ラウンドがそうでしたよ。今度は先手先手とやっぱり攻めていかなきゃしようがありません。 そういう意味で、直接所得政策についてもできるだけ早目に整備しながら先手必勝でやっていただきたい。このことをお願いしたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 可能な限りの努力をしていきたいと思います。
○谷本巍君 終わります。
○須藤美也子君 私は、主に大臣に質問いたします。 先ほど来、何番目にもなりますと質問がダブります。ですから、かいつまんで、私も答弁されたことについては省いて質問したいと思うんです。 まず第一に、OECDの農相会合で、大臣は、先ほど来お話ありましたように、食糧安全保障の重要性と農業の持つ多面的な機能の必要性、これを強調されました。そして、十日の所信表明でもそのことについて主張されたわけです。 それで、大臣のおっしゃる食糧安全保障の中身とは一体何なのか、これをお聞きしたかったんです。ところが、隣の官房長さんが、先ほど谷本さんの質問に対して、国内生産と備蓄と輸入とを適切に組み合わせればいいんだというような答弁をなさいました。そうですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) この質問に万全のお答えをするとなれば、これだけでも相当の時間を要すると思います。官房長は頭の切れる人ですから、要点をまとめてそう申し上げたのだろうと思いますが、それぞれ申し上げた要素の中にはいろんなことが含まれていると、こう御理解いただければいいのではないでしょうか。
○須藤美也子君 私は、そんな軽いものではないと思うんです。それぞれの国が国内生産を推進して食糧の自給率を上げること、これが世界各国の食糧主権を守る重要な基礎になる、私はこういうふうに考えます。 そこで、我が国がこれから国内生産を伸ばすのか、それとも輸入を拡大するのか、このことによって今後の日本農業にとって極めて重大な影響を及ぼすと。そういう点で私は二、三お聞きしたいんですけれども、二十一世紀の世界の食糧需給が逼迫する中で、世界の食糧安全保障のためのローマ宣言と行動計画が、今回の共同声明の中でも重視すると、こういうふうに書かれております。 私も二年前、世界食糧サミット、ローマに行ってまいりました。そこで、二〇一五年までに八億人を超える飢餓・栄養不足人口を半減すると、そのためにはローマ宣言の中にそれぞれの国が主要な食糧は増産するということを宣言したはずです。それに対して、当時の農水大臣であった藤本大臣は全体会で演説をいたしました。その第一番目に発言した内容はこうであります。食糧輸入国においては、先進国、発展途上国を問わず、輸入に依存することは、特定国の大量買い付けが国際市場に与える悪影響、将来、人口増加を考慮すれば適切な選択ではない。したがって、我が国においては国内資源を有効に利用し、持続可能な国内生産を推進することがとりわけ重要と考えますと、こういう演説をしたんです。そのとき私も会場にいましたから拍手をいたしました。こういう立場に立って考えるならば、国内生産を推進していく、そういう農政を私は進めるべきであると考えるわけです。 そこで、日本の食糧自給率、先ほど来いろいろお話がありました。まず、大臣にお聞きしたいんです。WTO協定が実施されて、平成六年から平成八年の三年間にカロリーベースで、あるいは穀物でどれだけ推移したのか、数字だけで結構です。
○国務大臣(島村宜伸君) カロリー換算でいきますと、四六、四二、四二ということになります。穀物自給率でいきますと、三三、三〇、二九ということになります。
○須藤美也子君 カロリーベースで四二%といいますと、日本国民一億二千五百万人のうち約六割の七千万人の人口は外国の食糧に依存しなければ生きていけないという異常な事態になっている。これは認識されていると思います。 これで日本が先進国あるいは独立国と言えるでしょうか。大臣、どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) これを国際分業ととらえれば先進国として何ら批判はないかもしれませんが、少なくも一国のいわば長期にまたがる安全性を考えた場合、当然にこのまま放置することは適当でないと思います。
○須藤美也子君 また、我が党が予算委員会に要求した膨大な資料をいただきました。この資料によりますと、農林水産品目のうち、この三年間で輸入が三〇%以上ふえたのが二百数十品目であります。さらに、三十品目のうち二十八品目は作付面積が減少しております。これだけWTO協定の影響が具体的に現場にあらわれている、縮小されているんです。 そういう点で、私は、農業の持つ多面的機能とおっしゃいますけれども、この多面的機能が生かされるどころか低下している、これが現状ではないのか、こういうことを申し上げたいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 御承知のように、日本の農地面積は極端に狭くて、しかも四割が中山間地域ということは極めて効率の悪い農業を強いられるわけであります。したがいまして、生産価格も当然に割高になるわけですし、人件費等も決して安くない我が国でございますから、それらを含めて、国民の皆様が御理解いただける限りにおいては可能な限り生産の割合をふやしていくということになりますが、問題は国際価格との比較の中で、余り極端に違うということも事実でありますので、これらをどう組み合わせていくかということになりますと、やはり生産と輸入とそしてまた備蓄ということの道を選ぶということに帰結するんだろうと思います。
○須藤美也子君 この短い期間で、先ほど申し上げましたように、国内生産が縮小し、WTO協定の影響が出ているわけです。大臣が農相会合で、あるいはいろいろ世界国際会議でそういう食糧安全保障を、本気で日本の農業を再生していく、そういう立場に立つならば、現行のWTO協定の枠内では大臣のおっしゃる食糧安全保障を真に実効あるものにできないのではないか、さらに国内の食糧主権を守ることはできないのではないか、こういうふうに私は大変心配しております。 そこで、新農政、ここでも食糧自給率の低下傾向に歯どめをかけるためにこの新政策をやりたい、新農政をやりたい、こういう方針にも私は反していると、こういうふうに思います。大臣が本気になって食糧安全保障をこの国内で実効あるものにしていくとすれば、WTO協定を十条に基づいて改定していかなければならないはずだと思いますが、その点について具体的にお尋ねをしたいと思います。とりわけ、ミニマムアクセス米についてであります。 二〇〇〇年に向けて再交渉のいろいろな段取り、準備がされていると思います。現行協定では、関税化の受け入れか、あるいはミニマムアクセス米を拡大するのか、政府はこの二つの選択の枠の中で検討しているのか、それとも米貿易の別のルール、つまり第三の道を視野に入れているのか、この点を明確に御答弁していただきたい。
○政府委員(高木勇樹君) ただいまのミニマムアクセスの問題でございますが、御案内のとおり、現在私どもがとっております関税化の特例措置につきましては、七年目以降、すなわち平成十三年以降の取り扱いにつきまして、六年目である平成十二年の交渉で決められるということでございます。 私どもとしては、長期的な視点から、主食である米の安定供給を図るという観点に立ちまして、我が国農業の重要性とか特例措置の継続に伴う代償などを総合的に検討して交渉に臨むこととなると考えております。 今、先生がおっしゃられました幾つかの選択肢、そのほかにもあるのかと、こういうようなお話でございますが、現時点で具体的に選択肢に言及することは困難でございます。
○須藤美也子君 私が今申し上げました日本農業の実情も踏まえて検討に入れていただきたい、今後の課題として第三の道も考えていただきたい、こういうことを大臣に強く要求したいと思います。 それから、インドネシアの問題が先ほど来問題になりました。米不足の状況はインドネシアだけではありません。世界的に貿易量が極端に少ない米を、日本は余っている、自給ができる、それなのに輸入をする、こういうこと自体が国際的に許されるのでしょうか。一方では、飢餓、栄養不足で毎日毎日小さい子供たちが亡くなっている。そういう状況の中で日本が買いあさって、そして日本の国民には史上最大の減反を押しつける、これが国際的に許されていいのかどうか。 私は、減反もそうですし、世界的な米不足の中で日本が米を輸入する、こういうことは非常に矛盾している問題だというふうに考えますが、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) ここにおられる委員の皆さんはもとより、少なくも政治に関与し、あるいは農業の実情に精通した方々ならどなたでもミニマムアクセス米という制度に対して抵抗のない人はいないと思います。私自身もある意味で同じです。 しかしながら、これがある意味では国際的なつき合いといいましょうか、協調のための一環としてこれを強いられたならば、苦渋の選択というか、苦渋の受け入れをせざるを得なかったというあのときの事情、我々の政権ではございませんが、私はそういう国際的な背景をもってこういう結果が生まれているんだろうと、こう思います。 さはさりながら、私は、こういうルールを十分承知の上で、先般来申し上げているように、かんかんがくがくその意見の中で、MA米を受け入れている我が国のつらい立場、非常に批判を込めてあえて意見としては言いました。同時に、味覚も合わない、そして求めもしないものを買わされて、それが自由に援助その他に使えない、こういうことについても極めて不自由な思いであるということもあえて言いました。別にとがめ立てはありませんでしたけれども、私もその意味では同じ考えに立っていることだけは事実であります。
○須藤美也子君 大臣は五カ国農相会議でも率直に、国内では米在庫の拡大にもかかわらずミニマムアクセス米を輸入しなければならない苦渋の胸のうちをお話ししたと、そういうラウンド合意が国内農業に悪影響を及ぼしている現実を話し合ったということを日本農業新聞で読みました。 そうであるならば、やっぱり米に関するWTO協定を見直す以外にないと、いろいろな国際会議でそういうことを言っているわけですから。そういう立場で再度、特に米に関してのWTO協定の改定を積極的に働きかけをしていただきたい。当然そうでしょうね。
○国務大臣(島村宜伸君) 私がいつまでこの農林水産大臣をさせていただくのかわかりませんが、願わくば、それを継続できるならば当然、次期交渉に向けてそういう取り組みをすることは事実であります。
○須藤美也子君 そのときは私どもも応援いたします。 真島委員の先ほどの質問の中にも、クリントン大統領の年次通商リポート、これは原本を持っています。これは議会に二日の日に出していますから、アメリカで。 これはくどくど、質問していますから申し上げませんが、そのときの答弁で島村大臣は、大臣の発言ではなくアメリカの発言として、日本の食糧需給についてはアメリカが全責任を持つと、そう話されたとおっしゃいました。これは私はひやっとしました。日本国民の胃袋をアメリカにゆだねるのかと、これは許されない。明らかなクリントン大統領の内政干渉である。これに対して大臣が毅然とした態度で立ち向かう必要があるというふうに思いますが、これは答弁ダブっていませんので、お聞きいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 須藤委員ともあろうお方がひやっとなさったそうでございますが、御心配無用でありまして、当然、私はそのままその話を右から左へ流しました。 あくまで食糧というのは、最低限度の自給というのを基本に置くのがあるべき姿と、私はそう考えている人間であります。
○須藤美也子君 では、時間がもう五分ほどしかありませんので、今回の新しい米政策の最大の問題は減反の大幅拡大であります。上乗せ分で二年間三十五万ヘクタールであります。これはちょうど今後二年間のミニマムアクセス米の量、百四十五万トンに匹敵する。減反上積み分の米生産量とミニマムアクセス米の量が一致することになります。計算上ですよ。食糧庁長官はいろいろと言いたいことがたくさんあるかもしれませんが、それは省きます。計算上そういうことを認めるかどうか、ここだけ答弁してください。
○政府委員(高木賢君) 今回の生産調整の目標数量の決定は、平成十年十月末に三百七十万トンということが見込まれております国産米の在庫、これを平成十二年十月末に適正在庫の上限である二百万トンに縮減する、あくまで国産米三百七十万トンを二百万トンに縮減するという考え方のもとに計算して出したものでございまして、たまたま数字が何か似通っているということがあるかもしれませんが、ミニマムアクセス米のことは一切カウントしていないということは算術上明らかでございます。
○須藤美也子君 計算上は同じだと。この輸入がなければ減反拡大はしなくともいい、私どもはそう思います。農民もみんなそう思います。答弁は要りません。 米が三百七十万トン余剰になっている。二百万トンは適正在庫。この三年間でミニマムアクセス米が百五十四万トン入ってくる。結局、輸入米がなければほぼ適正在庫になるというふうに私どもは計算しております。ですから、過剰の原因は米の輸入にあると、ここだけは強調したいんです。答弁は要りません。 最後に、大臣、減反は農家の収入を減らすだけでなく、多くの農家がこれ以上の減反はもう限界だと言っているんです。わかりますか。都市農業ではわからないですか。山形にも行った、あっちにも行ったと言っていますが、もうできない、もう限界だと言っているんです。耕作放棄地がふえ、苦労して減反一〇〇%達成しても、昨年はどうですか、全国的には減反を達成したでしょう。でも、価格は大暴落しました。そういう中で、大幅減反に協力しても輸入米はふえ、価格は下がる一方だ、こういう強い危惧をそれぞれの集落で今持っています。今、減反の会合がそれぞれの集落で持たれています。そこで出てくる話は、もう農業の先行きはないと、そういう話が出てくるんです。農政が悪いからでしょう。農民にこういうような危惧を与え、しかも稲作農家は米をつくっても転作しても採算がとれない。ついに、ことしに入って北海道の粟沢町で二軒の農家が自殺に陥りました。こういう悲劇も生まれています。 また、この間、新潟に行きました。新潟で三十町歩をつくっている稲作農家、まだ四十代の若い人です。この方が、米がますます下落するならばもうこの辺で切らなくちゃならないと。規模拡大だ、あるいは中核農家育成などと言っても今、大規模農家がこういう深刻な状況に陥っているんです。将来展望をなくしている。 大臣、農業の現場は非常に深刻な状況です。日本農業再生のためにも、減反の大幅拡大や輸入米の増大、こういう農政を根本的に変えるべきだと思います。同時に、食生活が変わったと言います。しかし、食生活の変化も含めて、国民の大多数、八割以上は安全な食糧、安定的に供給できる食糧はこの日本の大地から生産すべきだ、少々高くとも国内産を食べたい、こう言っているんです。 そういう点からすれば、食糧の自給率の向上をこれからの農政の基本目標にきちんと据える、そういう農政に転換するように強く申し上げまして、私の質問を終わります。最後に、大臣のさわやかな答弁をお願いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国の水田面積すべてで自由にお米をつくっていただきますと、ざっと一千四百万トンとれます。我が国の需要は、現在、主食用が九百十七万トン、みそその他への加工用が二十三万トン、そしてそのほかにお酒などになる加工用を入れますとちょうど一千万トンぐらいになります。ということは、四百万トンが余剰の生産になるわけであります。当然、需給関係が緩めば価格にこれが影響いたします。今七割を占めます自主流通米、御存じのとおり平成七年産が五・四%、八年産が二・〇%、九年産は実に一一・五%も急速に下落をいたしまして、実は農家からその悲鳴が非常に大きく私どもに響きました。 今回の減反政策は、こちらが企画して無理やり押しつけたような性質のものでなくて、それら十分お互いの意思の疎通を図りながら、やはり価格を維持するためにこういう形にしないと先行きが開けないという判断で行われたものでありまして、決して机上の空論でもなければ、私たちが一方的に考えを押しつけたものでもないということを申し上げておきたいと思います。
○須藤美也子君 終わります。
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。 今まで八名の委員から質問があり、ほとんど出尽くした感がございますので、重複を避けまして、私は現場のといいますか、地べたの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 実は、昨年の十二月、これは私ごとでございますが、私のところにある専業農家の方が参りまして、実は息子のことで相談に来たと。どういうことですかと聞きましたら、息子の就職を世話してもらえぬだろうかということでありました。この農家は米とミカンを栽培している専業農家であります。そのおやじさんが言うには、息子は農業高校を今度卒業するので自分も農業の後を継ぎたいと言っているということでありましたので、それはすばらしいことじゃないかと申し上げましたら、そこで本音が出てきたんです。息子が農業を継いでくれることは大変うれしい、だけど農業はこれから将来どうなるんだろうかという不安があると。同時に、ここ二、三年収入が非常に落ち込んで、息子に継げよと言うだけの自分の財がないと。車も買ってやらなきゃならぬ、小遣いも与えなきゃならぬ、それができないので就職を勧めているんですと、こういうことでありました。まさにそのことを聞きまして、農村も冷えでいるんだなというふうに強く感じたわけであります。 今の日本の経済の実情をここで申し上げる時間はございませんので、農業・農村に関することだけちょっと申し上げますと、統計調査部からいただきました資料では、平成八年と平成九年のこの一年間で農業所得は約一四%減っておるというデータをいただきました。そして、専業農家の方々の、低下していると見るのかどうかという意向調査の資料もいただきました。それでは二五%の方が低下をしておると調査に答えでおられます。まさに、私は、農村も大変な不況に陥ってきているんだなということを強く感じておるわけであります。 振り返るならば、これはちょっと大げさな言い方になるかもしれぬが、似ているなと思いますのは、昭和の初期の昭和の恐慌に近づいているのではないか。そのときは、第一次世界大戦の景気の反動とそれから関東大震災のしこりが残っておったし、同時に企業が倒産をした。そういうことから農村にも影響してきて、農村の、そのときは養蚕が主でありましたけれども、その養蚕の輸出が減ってきた。あるいは米が豊作になって危機になり、また不作によって危機になったというようなことが続いた。そのときに、馬は押さえられ、娘さんを売りに出すというようなまさに二・二六事件の起こった背景でありますけれども、それに似たような平成の不況が今、農村にあるように思うんです。 後でまた詳しく述べますが、そういうことからしまして、農業の収入が減ってくる、そして農村における勤め先もないという中で、農村にある意味では元気を取り戻させる、あるいはこの不況感を克服するという観点から、私は、十五年もおくれておる、例えば生活環境整備というようなもの、これは十万都市に比べると上下水道、ごみの回収、そういうものは十五年おくれていますよ。あるいは農道の舗装なり道路の舗装なり、そういうものも十年から十五年おくれています。そういうものを大臣、思い切って前倒しで、生活環境の整備、あるいはそういう公共事業の農村における投資に積極的に今取り組んで農村の疲弊を回復させる、そういう試みはありませんでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 十年度予算成立後の公共事業の執行のあり方につきましては、まだ政府としては方針を決定いたしておりません。ただ、願わくばこの年度内に予算を成立させていただいて九年度補正と切れ間のないいわば予算執行をさせていただき、一日も早く今御指摘のようなことごとに取り組ませていただきたいと、そう願っていることは事実でございます。 いずれにせよ、いろいろな地域におられる国民それぞれの立場から、例えば農村、人がほとんど通っておらないところに道路をつくるとか橋をかけるとか、御批判をいただく中で、我々は同じ日本人でありながら農山漁村の社会資本の整備が大きくおくれている。国際比較においても同様でありますので、我々はそれらについてはだれが何と言おうとこれらを積極的に進めて皆さんの御納得を得ていきたいと、こう考えているところであります。
○阿曽田清君 大臣の大変前向きな姿勢、心から感謝を申し上げます。ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 そこで、どれだけの減り方がここ二、三年あるのかなということで、これは我が農協の実態だけちょっと御披露いたしたいと思いますが、米におきまして平成七年度から平成九年度のそれぞれの農協の取扱高、約三〇・一%減っております。四十八億三千八百万ありましたのが三十三億八千万というのが平成九年度の米の取扱高であります。そして、ミカンにおきましては三十八億八千万ありましたのが三十四億九千万ということで、これは約一〇%の落ち込みであります。そして、イグサにおいてはもっとひどいところで九億二千二百万ありましたのが四億九千三百万ということで、平成七年産に比べて四六%の落ち込みであります。もちろん、生産数量も落ち込みましたが、農協が取り扱っている、これはすなわち農家の方々に入っていく収入であるわけであります。 したがいまして、こういう実態の中でどうやって農家の方々にこれから元気を取り戻してもらうかという点についで、私なりに感じておりますところを述べさせていただきたいと思いますが、米につきましては昨年、二カ年にわたりましての経営安定対策等の新しい取り組みをいただきました。それで、これは二年間ということでありますから、三年後はこういう路線でいかれるのか、新しい制度をつくってやっていかれるのか、もう既に準備、検討なされていると思いますけれども、これについてはこの場ではあえて触れないとしたいと思います。 次に、ミカンの問題について。通常ならば、ことしはミカンの品質もまずまずのできでありました。本来ならば、需要と供給の相関関係で価格が決まっていくんですけれども、平成九年産についてはその相関関係ではなくて、まさに想像以上の暴落であったわけであります。 京浜市場の実態をちょっと申し上げたいと思いますが、平成八年産と平成九年産の販売数量は、十一万五千八百二十四トン、これが八年産であります。九年産が十四万六千四百三十八トンで前年比の一二六%、京浜市場に出ているのが二六%ふえたわけでありますが、販売単価におきましては、八年産が三百七円であったのが九年産が百五十二円、これは市場の値段であります。五〇%、平成八年産に比して半値というところであります。したがって、販売金額というものは前年に比べて六三%ということになっております。通常でしたら多くても、一割多くしたら一割安い、しかしトータルですると前年とそう変わらないという大体今までの相関関係で来ていたのが、その相関関係が崩れてしまったのが昨年のミカンの市場の状況であります。 これはまさに私が思いますのは、今次の政策不況ということも言われますし、また経済がこのような状態であるからこそ消費者の方々の買い控えがあっていたということに大きく起因するのでありましょうが、もう一方、今私が考えておりますのに、例えばもがくときはそう問題はないんですが、悩みのときは、量販店が非常に今は価格決定権を持っておりまして、量販店の意向を仲買の方々が受けて市場で競りをする。ところが、量販店の値ごろ感というものを安く仲買に出していきますと、仲買は急遽、市場の価格を下げる競りの仕方をせざるを得ない。そうしないと、いわゆる高く買おうとしたときには量販店に自分のところが出血しなきゃならないというようなことで、今非常に仲卸の方々がお泣きになっておる。そのことがいわゆる正しい相場を出し切れないでおるという面もあると思うんですけれども、その点を農林省はどうお考えになっておられますか。
○政府委員(本田浩次君) 最近におきます消費の低迷、それから競争の激化が大変進んでおります中で、卸売市場におきます仲卸業者の皆様方の経営を取り巻く情勢が大変厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございます。 私どもといたしましても、平成八年三月に決めました第六次卸売市場整備基本方針におきまして、仲卸業者の体質強化の方向として経営コストの縮減などの合理化の問題でございますとか、小売支援機能の強化でありますとか、リストラの促進と合併などによります統合大型化でございますとか、こういったものを打ち出しているところでございます。 また、平成十年度の予算案におきまして、こうした仲卸業者の小売支援機能の強化、これはなかなか買い手の側がいろいろございますので、いろんな形での強化が必要だというふうに感じておりますけれども、例えば野菜のカット機能でありますとかパッケージ機能でありますとか、こういったものも強化するという方向を念頭に置きまして、生鮮流通ロジスティクス事業、これは物流効率化のための総合的、戦略的なシステムでございますけれども、これを仕組んでいるところでございます。 いずれにいたしましても、先生十分御承知のとおり、流通環境は大変変わってきておりまして、確かに卸売市場におきます青果物流通の中で量販店のシェアが大変大きくなってきている、こういう状況がございますので、そこに対応できるような卸売市場における卸売業者さんなり仲卸業者さんの機能を強化する方向での各般の施策を強化していく必要があると考えているところでございます。
○阿曽田清君 仲卸の皆さん方が従来どおり正しい相場で競りができるように育成方をお願いいたしたいと思います。特に競りが京浜では三六%、あとは相対です。関西はまだ七八%という競りの状況ですが、もう半分は相対取引になってきておるわけでありますので、そういう中では、特に相対の場合は量販店の意向を仲買は聞かざるを得ないというような状態でありますので、仲買業者の方々を正しく育成していくことによって正しい相場が形成されていくというふうに思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、市場手数料の問題ですけれども、産地も非常に大型化してきた農協ができ上がってきました。量販店は量販店でそれぞれが大量仕入れをやります、その中で、果実で七%、野菜で八・五%、花卉で一〇%という手数料、今まで十億取り扱っているところが二十億出そうというようなことで大型農協になってきますと、市場にそういう向きがなってまいりますが、規制緩和の時代でもあります。産地と市場とが一蓮托生の中で、運命共同体の中でいわゆる手数料設定を弾力化した方がいいのではないかというふうに考えますが、その点いかがでしょうか。簡単にお願いいたしたいと思います。
○政府委員(本田浩次君) 委託手数料につきましては、先生御指摘のとおり、昭和三十八年に閣議決定をされて決められたものでございます。この決定の考え方でございますけれども、いずれにいたしましても卸売業者の皆様方の財務状況でありますとか、出荷奨励金、完納奨励金、それから市場使用料の実態などを考慮して決められたものでございます。 まさに、近年の生鮮流通をめぐる環境の大幅な変化のもとで、卸売市場につきましては、品質管理の徹底でございますとか、情報化の推進、物流効率化など、機能面での強化が大変強く要請されております。この機能強化を図っていく上で卸売市場の中心的役割を担っておりまして、それから産地の皆様方の期待を担った形で公益的な使命を果たしております卸売業者を取り巻く経営環境が大変厳しくなってございます。その経営基盤の強化、経営の安定化が緊急の課題となっているところでございます。 こうした中で、卸売業者につきましては収入の大宗は委託手数料に依存しております。平均的には八五%強と、こういう状況でございます。したがいまして、卸売業者の機能強化を図っていく上でも、また経営基盤の強化を図っていく上でも手数料の問題は極めて重要な問題でございます。 私どもといたしましては、このような機能を担うに当たりましてのコストの状況でありますとか、卸売業者の財務の健全性の確保などを含めました卸売業者の皆様方の経営体質強化の問題全体をにらみながら考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○阿曽田清君 市場道を社長さん方と話す中で、例えば八%の手数料を五%でどうですかと話しますと、じゃ、荷を今まで五億円出していただいたのを十億円出していただければその方でいいですよと、こういう話も出るんですよ。ですから、全国一律、大きい市場も小さい市場も、大きい産地も小さく出しているところも同じ手数料で、これは閣議決定だからということで、それは当たり前だというようなことではなくて、お互いに護送船団方式的なやり方じゃなくて、やはりそこは産地と市場とが話し合う中で、場合によっては一〇%取るところが出てきても構わないと思うんですよ、産地を育てていただくという観点からするならば。 そういう意味で、私は、この問題は今後、食品流通審議会で一向にそういうのも論議にならなかったというお話のようでありますから、やはりそういうものもひとつ話題に上げていただいて御検討願いたいなというふうに思います。 もう時間もあと五、六分しかありませんので、最後に、先ほど申し上げましたイグサの問題についてちょっと触れさせていただきたいと思います。 私の農協管内はイグサは九億程度と少ないあれでありますが、隣の八代というのが全国の八十数%を占める産地であります。 そこで、今話題になっておりますのはこのような落ち込み、まさにこれは昨年の消費税の駆け込み需要というような問題もありましたし、新しい住宅の建設が非常に少なかったというようなことも影響しているでありましょうが、一番問題なのは、畳を三十年に一回とか二十年に一回という畳がえをするところに消費が伸びない一番の理由があると思うんです。五年というのが一番畳の効用があり、回転するのにも適当な期間だろうと思うんですが、そういう点のPRといいますか、それが私は、不十分じゃなかろうかな、消費を伸ばす手だての中にそのような努力が、畳屋さんも産地も消費者に向けて取り組む努力がまだ弱いんじゃなかろうかなというふうに感じておりまして、イグサの振興とあわせて畳の製品のPR、消費、普及、啓蒙というものに積極的に取り組んでいただきたいということが一つであります。 もう一つは、それだけの産地であります我が熊本県に畳職人の養成学校がないんですよ。どこにあるかといったら茨城県にあるそうですね。茨城県に畳職人の養成学校があって、何でそういうイグサの生産地あるいは畳表を製造しているところに畳職人の養成機関がないのか、これはおかしいなと思うんです。今も職人がどんどん減ってきておりますから、当然そういう新しい職人を養成しておかなきゃならないと思うんですが、そういう意味で——局長も茨城にあったというのは御存じなかったんですね。農林省の幹部の方々も御存じなかったようでありますから、この際ぜひそういう熊本のイグサというものに対しての一つの育成という観点、あるいは中国から入ってくるものにも負けない産地をつくっていくためにも、そういう振興とプラスしてPR、あるいは畳職人の養成学校というのも、やはりそういう地域にちゃんと根差して初めてそれは相乗効果を生むのではなかろうかと思いますので、その点のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(高木賢君) 畳につきましての需要拡大が重要だという点につきましては私どもも全く同じ考えでございます。まさに、イグサをつくられている方々、それからイ製品の卸をしている方々、それから畳の組合の方々、これらの方々が一体となってこの問題に取り組むことが重要だろうと思います。今、団体の方々もまさに死活問題でありますから、この需要拡大に向けましてプロジェクト委員会というものをつくられて需要拡大を推進するということの動きでいるようでございます。私どもも必要な支援をしてまいりたいというふうに考えております。 それからもう一つ、今、畳職人の養成の件のお話がございました。私も、もうてっきり熊本県にはあるものとばかり思い込んでおりまして、よく実態も調べまして、直接の所管は恐らく労働省さんになると思いますが、実態を十分勉強して、必要な措置が当方でできることがあればやっていきたいと思います。
○阿曽田清君 終わります。
○委員長(松谷蒼一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(松谷蒼一郎君) 次に、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案及び真珠養殖事業法を廃止する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。島村農林水産大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 本法は、北洋における外国政府による漁業水域の設定等に伴う水産加工原材料の供給事情の著しい変化にかんがみ、これに即応して行われる水産加工施設の改良等に必要な長期かつ低利の資金の貸し付けを行うことを目的として、昭和五十二年に制定されたものであります。 その後、本法は、昭和六十年代に入ってからの二百海里体制の強化及び水産加工品の輸入の増大に対処するため、昭和六十三年の改正により水産加工業の体質を強化するための研究開発等に必要な資金についても貸し付けを行うこととされたところであります。 この間、政府といたしましては、本法に基づき、我が国近海の低利用資源の食用水産加工品の原材料としての有効利用と、新製品・新技術の開発、導入等による水産加工業の体質強化の促進に努めてきたところであります。 本法は、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととされておりますが、最近における水産加工業を取り巻く状況を見ますと、国際的な水産資源の保存及び管理のための措置の強化により、水産加工品の原材料の供給事情がさらに悪化していることに加え、水産加工品の輸入も引き続き増加する傾向にあります。さらに、一部の外国において水産加工品の衛生に係る規制が強化されており、これにより我が国の水産加工品の貿易に著しい影響が生じることも懸念されております。 このような状況にかんがみ、引き続き、水産加工施設の改良や新製品・新技術の開発、導入等に必要な資金の貸し付けを行うこととするため、本法の有効期限を五年間延長し、平成十五年三月三十一日までとするとともに、平成十一年三月三十一日までの間において、外国政府による水産加工品の衛生に係る規制の強化に即応して緊急に行われる水産加工施設の改良等に必要な資金の貸し付けを行うことができることとし、あわせて、法律の題名を簡潔なものとする観点から、これを水産加工業施設改良資金融通臨時措置法に改めることとした次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 続きまして、真珠養殖事業法を廃止する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 真珠養殖事業法は、品質の向上を図るための国営検査の実施等の措置を講ずることにより、真珠の輸出を促進すること等を目的として昭和二十七年に制定されたものであります。 その後、世界市場において、我が国の真珠に対する高い評価が確立していることや、真珠の国内消費の増加に伴い輸出割合が低下していることなど、我が国の真珠産業をめぐる状況は大きく変化しております。 このような状況の中で、規制緩和に対する要請の高まりを考慮すると、輸出真珠に対する国営検査の実施等の措置によって真珠の品質の向上等を図る意義はなくなっているものと考えられます。 このため、平成十一年一月一日をもちまして真珠養殖事業法を廃止することとし、本法律案を提出した次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会