地方行政・警察委員会 第13号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/04/30
会議録
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、村沢牧君、太田豊秋君、長尾立子君、長谷川道郎君、田浦直君、平田耕一石及び岩井國臣君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君、井上吉夫君、鈴木省吾君、岡野裕君、上吉原一天君、大木浩君及び下稲葉耕吉君が選任されました。 また、去る二十七日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として芦尾長司君が選任されました。 また、去る二十八日、下稲葉耕吉君、鈴木省吾君及び大木浩君が委員を辞任され、その補欠として保坂三蔵君、長尾立子君及び岩井國臣君が選任されました。 また、本日、大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。 —————————————
○委員長(藁科滿治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に朝日俊弘君を指名いたします。 —————————————
○委員長(藁科滿治君) 地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は去る二十三日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○保坂三蔵君 おはようございます。 東京選挙区出身の保坂でございますが、同士の皆さんから、今回東京に絡む自治法の改正であるから質問したらどうかという大変温かい御配慮をいただきまして、上杉大臣を初め各位にお尋ねをしてまいりたいと思っております。 この問題は東京に絡む問題、非常にある意味では全国三千二百の自治体の一つの自治体、言ってみればマイナーな問題ではないかということでなかなか全国的な関心を呼んでいるわけではないと私たちは思っておりますが、何せ首都東京であります。一千万近い人たち、いわゆる夜間人口は八百万でありますけれども、昼間は何しろ三百万に近い方々が働いておりまして、合わせて一千万を超える大都市、そこに二十三区という区が明治十一年以来存在しているわけです。 これはもう実態といたしましては、区長は公選である、議会はある、予算の編成権はある、小中学校は持っている、ありとあらゆる面で実態的には基礎的な自治体である。にもかかわらず、一義的にはどこが責任を持つのかという点では東京都の内部団体、その性格がどうしても都民、区民にわかりにくい、こういう内容的なものがありました。 それから同時に、これは矜持というとおかしいのでございますが、人格とか名誉の問題もございます。地方自治法の二条四項の「基礎的」という言葉が一つ欠けているがゆえに、憲法上の言葉とも重く我々受けとめている基礎的という言葉が欠けているだけに、独立した自治体ではない、制限自治体ではないか、こう言われているわけでございます。 この二十三区、人口がただいま八百万プラス三百万で一千百万と申し上げましたけれども、職員だけでも、固有の職員、そしてまた小中の義務教育職員、いわゆる県費職員を合わせますと十一万の職員がいて、日々の営み、行政に専念されている。これが制限自治体で内部団体、これは全くおかしいわけですね。区の中には、人口がもう八十万に迫るような世田谷、五十万以上の区が五つもあります。これはもう政令指定都市の八十七、八万の千葉市にも追いつくような規模の大都市がありながら、依然として内部団体だ、これを何とかしなくちゃならないということでずっとやってまいったわけでございますが、今回非常にタイミングを得ました。 一つには、背景的には地方分権の潮流があったと思いますが、同時に、実は上杉大臣の誕生というのは私たちは本当にありがたいきっかけであったと思うわけであります。 大臣は県会議員の御出身でもありまして、地方自治に実に明るいだけではなくて御理解をお持ちいただいている、また事務次官を初め皆様方も大変御努力なさっていただきまして、当事者の都や特別区の頑張り方もそれは当然でございました、区長会も。しかし、同時にまた間に入る都議団、百二十七名の自民党から共産党さんまでと言っては失礼でございますが、もう全党挙げて、この機会を逃しては地方自治法の大改正はあり得ない、平成十二年の地方分権のスタートに合わせたい、こういう願いがおかげさまでやっと実って今回の改正につながった、かように私たちは感謝をしているところでございます。 細かい内容は後惨とまた改めて確認させていただきますが、上杉大臣のこのたびの御決断、御所感の一端をお披瀝いただげれば幸いでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、大臣になってすぐ陳情を受けましたのがこの都区制度でございました。途中におきましては、労使間の調整とごみ処理の問題等についてまだ決着がつかないうちにも知事さんや副知事さんがおいでになりまして、法案をやるから上げてくれ、こういうことでございましたが、労使間の交渉が決着をしない以上は上げられない、円満にお互いが理解し、また都区制度改正後の、市町村並みの扱いをするわけですから、内部組織からあくまで独立した市町村のような形での扱いをするわけですから、その後の行政運営に支障を来すようなことがあってはならない、極めて自治省としても慎重に状況を見きわめながら、またそういう労使間の話し合いもスムーズに進みますようにお願いをいたしまして決着を見、したがって自治省は法案を提出させていただいた次第でございます。 ちょうど今、分権推進のこのときでもございます。分権推進の実も上がりますように、今後ひとつ付与された行財政、税制上の関係も変わるわけでありますから、ますます一行政単位として区が発展をいたし、また身近な行政の事務、仕事というものについては自主的、自立的に区が今後行うわけでございまして、地域住民の皆様の、というか区民の皆様の期待にこたえるような区になっていただきたいと心から念願をいたしておるところでございます。
○保坂三蔵君 ありがとうございました。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、独立していない国家が平和条約で独立をかち得たような、私たちはそんな感じを持っております。 しかも、これは紛れもなく地方分権の試金石になる、そういう一里塚でもございまして、御案内のとおり戦後私たちは一律にコントロールする中央集権、そういう体制でキャッチアップに成功してきた、しかし戦後五十年、半世紀、問われているのはまさに戦後システム、とりわけ中核となる官の見直しではないか、あるいはリストラではないか、こう言われておるわけでございます。そうなれば、中央政府における行政改革、そして地方分権、規制緩和、これはまさしく三位一体で橋本行政改革の中核をなすものだ、こう思っておるわけでございます。大臣の御見識と御決断に改めて敬意を表する次第でございます。 念のため過去を振り返っておきたいのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、東京二十三区の誕生は実はさかのぼって明治十一年に及びます。江戸八百八町から、百万の大都市江戸が、徳川政権が版籍奉還して実際には小さくなりましたけれども、明治十一年、当時の自由民権運動の大きな潮流の中で明治二十二年のいわば帝国憲法が発布される前の先取りとして、当時の大小区から始まった流れから、初めて十五区六郡というのが誕生しているんです。十五区六郡。このとき郡区町村編制法という法律ができまして、新三法と言われておりますけれども、この新三法のもとで本当の意味で地方自治の第一回目の見直しが行われた。 そして、戦争中の戦時体制では東京都が誕生して、実際はほとんど内部団体として権限は失っていくわけでございます。戦後憲法が発布されるこれまた一年前、第一次の地方自治の見直しが行われまして、この見直しで初めて基礎的な自治体として、戦争の最後に三十五区になっていた区をマッカーサー指令で二十二区、そしてプラス一区、板橋と練馬が分かれまして二十三区、これが二十二年に自治法として制定されるその一年前に誕生しているわけです。しかし、そのときしっかりと先ほど申し上げた地方自治法二条四項、また憲法八章に地方分権が認められ、地方自治体が認められ、基礎的な自治体として二十三区が認められましたけれども、仕事としては都にほとんど残っている。 そこで、今度の件につきましても特別区長会の大場会長から藁科委員長あてに、何とか審議の促進をして決着をしてもらいたいという陳情書が出ております。内容は申し上げるまでもありませんので省略いたしますが、ここでぜひお聞き取りいただきたいのがございます。こういうのがあるのでございます。 宣言 新憲法下日本民主行政の確立は地方分権の徹底と地方自治の円満なる発展のありと信ず 現下首都行政の実情は時代の趨勢に拘らず極端なる中央集権制に跼蹐し旧態依然何等革新せられると遣るなし、今や都行政は財政の逼迫と膨大機構とによる半身不随性を露呈し停滞その極に達す 仍て我等に断乎現都行政の中央集権を打破し特別区の自治権を拡充強化し以て各区の創意と自主性とを伸暢し清新溌剌たる首都行政の建設に邁進進せしむることを期す 右宣言す 東京二十三区自治権拡充議員大会 もう一つ決議がありまして、 一、特別区に対し独立税は勿論市町村並みの都税附加税を認め戦時的財政制度たる交付金制はこれを撤廃し各区の財政自主権を確立すべし 一、水道交通港湾事業等都が統一的に実施を要する事業を除き他は挙げて特別区に移譲を断行し各区の創意と自主性に要すべし 一、右に従い大量の都吏員を特別区に配置転換を断行し事務事業の活発なる遂行に当たらすべし 一、特別区行政に携わる吏員は総て区吏員となし本然の自治吏僚体制を確立すべし 一、地方自治法第二百八十二条、地方税法第八十五条の十等特別区の自治権を制約する法令 及び都条例はこれを撤廃すべし 右決議す 東京二十三区自治権拡充議員大会 これは去年宣言されたり決議されたんじゃないんですね。昭和二十二年なんですよ、これ。今から五十年前、自治法制定ですから五十一年前ですね。このときに、自治法では完全ではないから、これが二十三区自治権拡充大会のスタートなんです、半世紀。これを今回おかげさまで何とか一歩前進できた。一歩という言葉はいささか不謹慎かもしれませんが、まだ改善すべきところはある。こんなことでおります。 しかし、その後、問題が起きました。実は昭和二十七年に、その背景はいろいろあったかもしれませんが、強力な基礎的な自治体の存在は、ここなんですね、強力な自治体の存在は大都市経営にむしろ支障を来すんではないか、そして戦後復興をしておりましたので、どうしても統一的な一体的な強力な前進が必要だったということで、実はここで基礎的な団体というのを消しちゃいまして内部団体にしちゃっているんですね。区長の公選もここでやめている。 この二十七年の都区行政の後退、自治権運動に水を差すような後退、これは当時を顧みてこのエポックを今になってどう評価されるか。もちろん間違っていたとは言われないでしょうけれども、内部団体、ここから始まっているわけですね。この点だけちょっと自治省の方で御見解を述べていただきたいと思います、昭和二十七年。
○政府委員(鈴木正明君) お話しのように、昭和二十七年にそれまでのいわば基礎的自治体、区長公選というものが廃止をされまして、特別区がいわば都の内部団体ということになったわけでございます。 背景としましては、戦後から二十七年にかけましてやはり戦災復興ということもあります。また、非常に経済的にも疲弊しておりますので財政問題というのもありまして、東京の抱えるいろいろな問題に対して都と特別区の間で事務機能の問題、財政の問題、あるいは人の問題等についていろいろごたごたというんでしょうか、都と区の間でのいろいろの紛議というんでしょうか、そういう問題が激化してきたという背景がありました。他方、大都市問題、東京あるいは首都圏の問題というものにも対応しなくちゃいけないということで、行政の効率性あるいは体制の整備ということでそのような改正が行われたところでございます。 当然、事務機能の面で申し上げますと、今お話のございましたように、戦後の二十二年の自治法改正で基礎的自治体という形になっておりましたけれども、具体の都と区での事務配分ではかなりの部分が東京都で行われていた。それで、逐次特別区の仕事というものも拡充の方向に来ていましたけれども、かなりの部分が留保されていたという事情もありまして、そういうことでこの当時の東京の行政問題というものに対処するには少し体制を整備して効率的な形で進めようということで改正がなされたものと考えております。
○保坂三蔵君 その当時は、たしか二十三区の自治体としての力量もそういうことであったと思います。 しかし、その後、私たちにとってみれば屈辱的な二十七年のこういうエポックから四十六年たった。その間小出しに分権が提供されてきた。それは行政レベルも上がったかもしれないし、三十七年二月には世界で初めての一千万都市になった。そういうような状況もあって、これはもう都で全部抱えていたら行政機能が麻痺しちゃいますから、逐次出していった。こういう歴史なんですね。ですから、今回はそういうところでうまく最終的な決着のように見えるが、しかし問題は今の潮流はちょっと違うんじゃないか、今の潮流は。 ということは、リストラという言葉が前面に出てくるように、地方分権を同時に進めなくてはいけないけれども、またそれは狭義的な地域性に根差すんではなくて広域行政的に合理性を求めていくというのが時代の趨勢ではないですか。そのときに、二十三区をそれぞれ基礎的な自治体として対等な力を与えるということはある意味では大きな流れからは逆行する面もある。しかし、我々としては、当然自治体としては、しっかりとしたものを、行政レベルも上がってきたわけだから、しかも基礎的な財産も持っている、人的なマンパワーも持っている、全部の条件が整ったら当然市並みの行政をやってもらいたい。この二つ、二律背反を一本にまとめて今度の大改正にしたはずなんですが、このあたりの御見解も簡単に説明してください。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正につきましては、おっしゃるように二つの側面があるわけでございます。 一つは、やはり住民に身近な行政というものは住民の身近な主体でありますところで仕事をしてもらうのがいいという考え方でございまして、そういった考え方に基づきまして住民に身近な仕事というものを特別区でしてもらうということで事務移譲を行うものでございます。それによりまして、従来ほかの県におきましては市町村が行っている仕事につきまして、広域団体である東京都が大都市行政ということで行ってきたものでございますから、その分東京都が身軽になるということで、広域団体である都が広域的な行政部門の仕事に徹することができる。これによりまして、東京都においては広域的団体としての役割をより発揮していただく、また特別区は住民に身近な行政というものを充実していただく、こういう形で今後とも対処していただく、またそういう考え方を今度の法改正の中で事務配分の考え方として示しているところでございます。
○保坂三蔵君 全くそのとおりだと思うんですが、一方では介護保険も保険者が区長ですね。そういう形で行政はかなりこれからも広がっていくという中で、地方自治体の基礎的な自治体としての事務事業、財政自主権、しっかり持って自治体経営していかなくちゃいけない、一方では都の方は大都市行政もやっていかなくてはならない、こういう二つの側面があるんですね。 だけれども、今回の改正は私はちょっと未完の部分があると思うんです。先ほど出ました昭和二十七年当時の大都市行政、一体的かつ統一的にもってやっていかなくちゃならない、狭いところで二十三区も分けてと、こうおっしゃいますけれども、しかし現実には、今言った全体の流れの中で分権の本旨と言えば、やっぱり集積の画一性というのを排すること、縦割り行政の弊害を除去しようとか、そういう大きな一方の流れの中で地方分権は育てる、そして今度は統合だとか境界の区画を自由にさせるというような廃置分合も認められた。 そういう中で、いよいよ自治体としては独立独歩で歩けるはずなんですけれども、一方では大都市経営、大都市としての統一性とかあるいは一体性という部分が残ったんですね。残ったがゆえに、まだ一部問題を持った特別区の存在になっているわけです。というのは、基礎的な自治体となった、それに見合うような分権も行われた、しかし現実には、一つば東京都は特別地方公共団体だ、二十三区も特別地方公共団体。二重構造で県と市があるというのはよくあります。県と町村があるというのはあります。二十三区の場合は三重構造。県行政という全体の都府県行政がある、その下に特別区があるんじゃなくて、もう一個中間的に東京都の行政というのは残る。この三重構造というのはやっぱりこれからひっかかっていくんじゃないでしょうかね。 地方分権というのは、結局帰するところ地方自治体をどう信頼できるかということなんじゃないですか。信頼なくして分権ができますか。地方自治体なんて力量がだめだと、こんなの任せたら危ない。この危ないとか不安というのが大都市経営の統一性とか一体性じゃありませんか。保健所も昭和五十年に移した、保健行政は区の行政に移した、しかし業務行政、医療行政は都に残した。これは、一体性を図らなくては緊急的な対応ができない、危ない、そんな不安がやっぱりああんじゃないですか。 大都市行政を統一的、一体的なんという言葉では言うけれども、大都市行政の部分を都に残したというのは明らかに二十三区をまだ信頼していない。おれが守っていかなくちゃならないという都の気持ちはわかりますけれども、その点はどういうものなんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正狂よりまして、特別区は都の内部的な団体ではなくて基礎的な地方公共団体として位置づけられるわけでございます。そういう意味では、都区制度においても一般の地方自治制度と同様に広域的な都とそれから基礎的な地方団体である特別区という二層制の形になるわけでございます。 お話しのように、引き続き都に留保されることとなる事務がございます。それは必ずしも特別区に対する行政不信とか能力不足ということよりも、むしろ人口が高度に集中する、数百万人の人口が稠密な形で住んでいる、こういう東京の大都市地域というものにおいての行政の特質というんでしょうか、その一体性、統一性の確保という観点から、やはり必要な行政について特別区の存する区域を通じて一体的に処理することが必要である、こう認められている事務、例えば水道の事務、あるいは下水道も既に二十三地域一体となったネットワーク環境が引かれておりますから、また水源の問題もございます。そういう事務については引き続き東京都で行うということになっているところでございます。 こういった事務につきましては、都区制度の性格あるいは特別区の行政の実績というものを踏まえて当然、真に必要のあるものにしていく方向で考えていかなければならないと思いますが、現在の考え方としてはそういうことで、大都市地域の一体性というんですか、それに必要な行政分野については都に留保されているものがある、こういうことでございます。
○保坂三蔵君 御協力をいただきながら何か重箱の隅をつっつくような、おかしいじゃないかと言われるかもしれませんが、次の改革というのがあり得るんじゃないか、こう思いつつ私は今意見を申し上げている。 大都市経営については、確かに稠密な狭い地域に八百万、あるいは昼間人口三百万いれば一千百万住んでいるから、東京都は全体的に均衡のとれた行政をやりたい、そういうものもあってしかるべきだ、それは水道であり消防であり、こうなりますね。そうはおっしゃるけれども、ならば消防にしましても水道にいたしましても、三多摩は三百四十万、人口がいるんです。日本で一番大きな政令指定都市の横浜は三百二十万、ここには十八区の行政区があります。確かに区長は公務員ですから統一的な行政を展開している。しかし、三多摩は二十七市もあるんですからね。その三多摩が一体性をとるためにと言っているけれども、水道は東京都の水道に委託しているんです、消防の常備消防、消防団じゃなくて常備消防は東京消防庁に委託しているんです。 だから、上下水道にしたってあるいは消防にしたって一たん区に流しちゃえばいいじゃないですか。できないものはその時点から東京都にお願いする、文字どおり都区協議会でしっかりと論議を展開していく、点検していく、チェックス・アンド・バランシズをやっていく、僕は、これが本当の自治体のあり得る姿じゃないだろうか、それがまた信頼される、力量を試される自治体がよしやろうという発奮の方向性を持っているんじゃないか、こう思っているんです。 そこで。基礎的な問題で二つお尋ねしたいんですが、財政自主権が今度は確立された、課税自主権も大幅に強化された、こうなっておりますけれども、確かに今回は財政自主権は確立されました。しかし、それはもう昭和三十九年の見直しのときも、今まで課税は都条例で行っていたのを地方税法に移すとか、課税自主権というのはもう移っているわけです。だけれども、調整三税という固定資産税を初めとする税収で本来区が集めるものを都が一括して集めて、四四対五六という配分で区の方と都の方で持ち合っている、そして五六%で上下水道、消防などを都がやってきた、一体性で。 これはわかるんですけれども、しかし財調制度が残ったということなんですね。これは浅さざるを得なかったという点もあるかもしれませんけれども、確かに総括補てんは廃止した。総括補てんというのは一つ一つ事業を積み重ねていきまして、縦垂直形に積算して、それを総括で補助するんですから、時には地方債の金利まで補助するんですから、補助というよりも交付するんですから、これは二十三区は護送船団方式で楽ですよ。この中の総括補てんは確かにやめた、しかし財調は残った。 一方では税の偏在もありますから、これは千代田区と荒川区という区を言ってはいけないけれども一固定資産税だけだって二十倍ぐらい千代田区が集めちゃう、一方では二十分の一ぐらい、そういう偏在があります。しかし、偏在があるからといって水平調整も残したわけでしょう。あの水平調整というのは、今度は水平ですから、垂直じゃなくて。これも結果的には事業をやっていった方が金が出る仕組みなんですよ。となれば、こういう仕組みは当然過渡的な段階の特別区を守ってやろうという気持ち、あるいは区の方でも財政的に強い区の力もかりよう、わかりますけれども、自分の足で自主自立ていけという方向とはやや違うんじゃないか、財政自主権というのは自分の足で自分の力で財政を独立させる、こういう努力こそ二十三区に求められてしかるべきじゃないだろうか、こう私は思うんです。 財調を残したこと、それから水平調整を残したこと、そしてまた国に対しても地方交付金を区がもらわないで一括してもらう合算規定を残してしまったこと、こんなことは独立区としての特別区の財政独立、自主自立の方向を目指すのに支障になりませんでしょうか。これは杞憂であれば幸いでございますけれども。
○政府委員(二橋正弘君) 今回のこの都区制度の改正に当たりまして、今、委員も御指摘になりましたように、特別区は、東京都との間で課税関係におきましても、それから事務の分担関係におきましても、他の一般市町村にないそういう特例的な扱いが残るわけでございまして、そういうことを踏まえて、都区財調というのは今の課税関係あるいは事務の特例ということからいってこれを浅さざるを得ないだろうというふうに考えております。 その上で、ただ特別区の財政の自主性、自立性を高めていく上で、総額補てんということを廃止して特別区の都に対する依存関係をできる限り払拭をしていくという改正を行っておりまして、この都巨財詞につきましては基本的に法律によりまして特別区がひとしくその行うべき事務を遂行することができるようにということで、調整三税の一定割合を財源とするということも法律で明確化するという形で、特別区に対する財源保障をより安定的なものにするという意味で改正いたしております。 特別区間に非常に大きな財源の偏在がございまして、一方で特別区間の行政というのは一定の水準を保つ必要があるということからこういう仕組みを残すということにいたしておるわけでございまして、今申しましたような形でより特別区の自主性が高まるような方向での改正をいたしておりまして、それによりまして都と特別区とそれぞれが財政運営の自主性を高め、また片方で責任関係がより明確になっていくようにということで今回の改正を行うことといたしておるわけでございます。
○保坂三蔵君 地方自治法二条四項は、ここで言う「基礎的」という文言は、地方公共団体として第一に優先的に法律制度的にもまた実態的にも扱われるものとする、いわば市町村優先の原則を法律上明確化するもの、こう私は理解しているんですけれども、やっぱり基礎的な自治体と言う以上は財政の独立も図っていかなくちゃならないのは当然じゃないだろうか、こう思うわけです。 じゃ、三多摩の弱体のと言っては失礼ですけれども、二十三区に比べれば財政力は弱いわけですよね。そこに同じ財調制度がありますか。他府県にございますか。ないんですよ。だから、これは過渡的なものとしては残していかなくちゃならないし、またそういうそれぞれの区が発展できるように、そして弱いところは場合によっては統合などをして力をつけていかなくちゃならないという方向性を示すものだけれども、努力をしている特別区が努力のかいかないという制度はだめなんですよ。努力をしたらその結果が報われるような行政改革を進める。行政改革というのはややもすると最近の傾向は市民向け、区民向けなんですよね。格好いいことをやるけれども、行政のサービスが後退しても口をぬぐっているところありませんか。それは小さい政府の欠陥でもあると思うんですよ、僕は。そういうところがどうしてもひっかかるんですね。 それで、本当に財政を確立させる、財政独立の原則というのを明確にしてやるというんだったらば、やっぱり基本的には自主財源を確保してやらなくちゃいけない。 今回、入湯税あるいはゴルフ場利用税の交付金あるいは航空機燃料譲与税、これは三税から移ったんですよね。ゴルフ場なんて二十三区にあるのは一カ所しかない。航空はたしか大田区しかない。入湯税といったって、最近多いんですかね、銭湯でも入湯税を払うところが。それにしたってトータル二十一億ですよ。これは貧相でしょう。それから起債制限を緩和したと、こうなっていますけれども、これは逆に言えば危ないです、どんどん起債を起こされたら。まあ危ないと言っちゃまた二十三区に対する変な言い方になりますけれども、本当の意味での自主財源、法定外普通税、楽に取れるとお思いでしょうか。全国で比べてもないですよ、法定外普通税、熱海のマンション税とか。谷川元大阪府副知事のお話をいただければないですよ。そこなんですよね。やっぱり自分の力で立てるように自主財源をはっきりさせる。 一つだけ提言があるのでございますけれども、都市計画税はそろそろ御検討になっていただいた方がいいんじゃないか。これは毎年毎年都市計画税は二千億円ぐらい入っているんですよ。これは区に行くのは微々たるものなんです。両方で使わなくちゃいけない、都市計画上の共用するものを。しかし、都の方は一般住宅向けの減税をしまして二〇%ぐらい減税しているんです。この十年間トータルいたしましたら三千七百億円減税しているんですよ、初めて。ことしは単年度で、平成九年は単年度で終わって、十年はちょっとまだ確認しておりませんけれども、この都市計画税の移譲などを含めて自主財源の方向性を簡単にちょっと御説明していただいて、財源問題を一応締めたいと思います。
○政府委員(成瀬宣孝君) 東京都と特別区の税源配分に関するお尋ねでございます。 今回、都区制度につきまして大幅な改正が行われることに伴いまして、大都市の一体性、統一性の確保にも配慮しながら、現在都に留保されております市町村税等のうち特別区に移譲できるものにつきましては可能な限り移譲することとしたところでございます。 御指摘の都市計画税などでございますけれども、これは御案内のように都市計画事業などの都市環境の整備に関する事業に充てる目的税とされておりまして、街路や都市高速鉄道などを初めとします交通施設などの都市環境の整備事業の多くが今後とも広域的な視点から東京都によりまして事業展開されることとされており、これらの税につきましては引き続き都が課することといたしております。したがいまして、御指摘の今後の一層の税財源の移譲につきましては、都区制度のあり方などについての議論も踏まえながら検討していくことが必要になるものというふうに考えております。
○保坂三蔵君 ありがとうございました。 二十二年から五回目の改革ですね。私どもから見れば地方分権は小出しにというふうにしか見えない、だけれども今回は大改革であることは間違いない、しかしまだ残っている部分があるんじゃないかと、こういう質問でございました。しかし、それは当然受け皿の自治体としては、基礎的自治体としての二十三区がやっぱり努力しなくちゃならないところがあると、こういうふうに思います。 この話は本来でございますと自治の神様の久世先生から聞いて質問しなくちゃいけなかったんですけれども、聞いちゃうと私どもは質問が狂っちゃう。やっぱり市井の感覚で、素人の感覚で、区民の感覚で質問しよう、こう思いまして、きょうは大臣の胸をかりているというのが実情なのでございます。 もう一つの事務事業の移管、この中でテーマとなりました最大のテーマ、これが八年前の二十二次地方制度調査会の答申での、やっと十年ぶりの改革になるわけですね。清掃事業の移管でございますけれども、これ考えてみますと、先ほど申し上げたように二十七年の後退、そしてまたリカバリーになった三十九年の大改革、このときに既に清掃事業は区に移管するということが明記されているんですね、いつ移管するかという問題だった。三十九年、三十何年前ですか、そんな前からもう計画がされている。しかし、現実はこの問題でおくれました。 それで、問題でございますけれども、今回の清掃事業はなぜ難しかったのか、二十二次地方制度調査会が関係者の合意というお話がありましたけれども、なぜ難しかったのか、この一点の問題をお話ししてください。
○政府委員(鈴木正明君) 今お話しございましたように、平成二年に行われました地方制度調査会の審議及び答申におきまして、一般廃棄物の収集、運搬に関する事務については住民の理解と協力また関係者間における速やかな意見の一致が望まれるということでございます。 また、今回の都区改正を行う場合の基本的な考え方といたしまして、特別区の処理する事務の拡充、また特別区に対する特例措置の見直しというのですか、自主性、自立性の強化、それと基礎的な地方公共団体としての位置づけ、こういうものは相互に関連して不可分であるので一括して解決、実施すべきだと、こういう考え方でございまして、その中でも特に事務移譲の中心であります一般廃棄物の扱いというものが焦点であったわけでございます。 お話しのように、清掃事業の移管の問題につきましては長い歴史と関係者の努力があるわけでございまして、法制的には、お話しのように三十九年のときに本則に規定して、また附則で特例を書いたり施行期日を書いたり、こういう形でその前からもずっと議論してきたところでございます。それで、清掃事業のあり方につきまして、東京都においてもいろいろ議論して、特別区等も議論しております。東京都と特別区初め関係者の間でこの移管について検討、話し合いをしてきまして、いわばその考え方、協議がまとまるということが重要であると、こういう認識でございます。 それで、収集、運搬についての考え方、さらに中間処分から最終処分までということの考え方につきましても考え方の変遷がございまして、当初のときは収集、運搬につきましては特別区に移譲するという考え方だったようでございますけれども、その後話し合いがなされまして、収集、運搬から最終処分までやっぱり一貫性というものもあるので、それらの清掃に関する事務全部を特別区に移譲するという考え方になってきております。 他方、ごみ問題ということの顕在化の中で、それぞれ二十三区で自区内処理という考え方も出てきておりまして、そういうことを踏まえまして、東京都、特別区を初めとする関係者の皆さんで協議が行われてきています。 それで、計画をつくりまして計画に従ってきておりますので、特別区が移管を受けて、特に収集につきまして実施体制というものはできるのかどうかというところでございますが、いろいろお話し合いがされて、また整備を進めてこられて、今回の改正では平成十二年四月から移管するということで、収集、運搬について円滑に移管ができるという見通しが得られましたので、今回提出させていただいたわけでございます。
○保坂三蔵君 私も都議会議員を長くやってまいりましたので、これを裏から見てまいりました。率直に申し上げて清掃事業は大変です。 ですから、そういう点で関係者の努力は多としたいと思います。とりわけ、この仕事に携わる職員の方々の身分も変わるわけですから、本来東京都で採用されて特別区の職員になる。決して上下の関係ではありませんけれども、見ようによりますと、親会社に採用されていつの間にか子会社に配置転換だと、これは出向じゃないかとか、これはいい言い方じゃありませんが、そういう見方もないわけではないでしょう。しかし、今回の大改革がなされた以上、衆議院でも附帯決議がつきました、私は基本的にはこれは遵守していただきたい、賛成でございますけれども、やっぱり円滑に平成十二年に移行できるように職員の方々の御協力をどうしても仰ぎたい。 そして、かつてごみ戦争が昭和四十年代に起きました。三十九年の改革の後ですね。ごみ戦争で、そして江東区ばかりごみを持ってくる、それでは受けないと。広域行政でしたから江東区で受けろと言ったら受けない、自分のごみは自分で処理しろと。シャットアウトして大変だったんですね。しかしオイルショックでごみの量が減ってきたということで一段落したようですけれども、そのときから自区内処理という原則はできた。 それから、お話があったように、清掃事業はどこからどこまでだれがやるというのはなかなかできませんよ。収集に行く、それを運搬する、中間処理する、そして処分をする、焼却灰をどうする。収集、運搬、処理、処分、これはもう当然一貫性の仕事なんですね。それをどこはだれがやる、これは無理ですよ。ただ一中間でし尿処理などの長い歴史のある雇い上げ業者、民間の業者の力をかりています。我々は青い章が来れば全部東京都の率だと思っていますけれども、その半分以上は雇い上げの章なんですね。そういうことで結構早い段階から清掃局も民活をやっているわけですね。ですから、そういうのを一緒くたにして平成十二年にうまくやれるように何とか御配慮をいただきたい、こう思っております。 しかし問題は、自区内処理というのはなかなか難しいですね。これを十二年までに約束をするわけですけれども、工場を建てるといっても、小さな区ですから、荒川区で工場をつくったら道を隔てて台東区だと。風は全部台東区に行って、もし仮にダイオキシンが含まれているとしたらばこれは戦争ですよね。三多摩でも起きていますね、八王子の一角に入った昭島市の清掃工場建てかえ騒動。風は全部八王子だと、そうでしょう、まさしくごみなんというのは本来広域行政なんですが、でも実際には今度はそれが中止になって事務事業の移管がされた。 もう一つ、最終の処分は東京都がやりましょう、燃やしたスラグが出たらその埋め立て、あるいは二十三区が努力したら資源循環型の最後のところは都がやりましょう、こうなっているわけですけれども、問題の新海面処分場、中央防波堤の内側が全部埋め立て切っちゃった。十年間かけて千葉県だとか漁協と交渉してやっと決まった新海面処分場、これもことしから埋め始めた。去年からできなかった。そこへ厚生省が、どうせやるのならば千葉、埼玉、神奈川一緒に埋めちゃえと。これは東京都も宣言すべきだ、提言すべきだ、こうなったんですが、これも素人の言い方、少し火事場泥棒的じゃないですか、努力しているところへやれと言うのは。しかし深謀遠慮があると思うんですね。これも十五年で満杯になっちゃうんですから。 東京都は確かに埋立量ゼロ、こういうプログラムを今組んでいます。循環型でリサイクリングやったり、あるいは最後はごみを溶融してスラグを再資源化するとか、そういう計画を立てました。あるいは、ごみをうんと減らせということで一般ごみも有料にするという制度まで今考えているやに承っていますが、そのくらいの決意の東京都の最後の埋立地、十五年しかもたない埋立地。ほぼ東京都の埋立量の八割ぐらいの量を持つ三県プラス政令指定都市、千葉、神奈川、川崎全部入れる。これは都民の反発はありますよね。貴重な都民財産。何も千葉県や神奈川県につくるんじゃないんですよね。東京湾の中かもしれないけれども、東京のエリアの中です。船の運航まで気をつけた、漁協まであれした。 これはどう都民を納得させればいいかというそのお話と将来の計画がこの中に隠し味として入っているならば教えていただきたい。
○説明員(磯部文雄君) 厚生省といたしましては、都からの強い御要請によりまして、特別区に清掃事業を移管した場合、将来の最終処分場の確保を特別区だけにゆだねることは困難と思われますことから、法案の立案過程におきまして今後の最終処分場の確保方策について東京都に明らかにするように求めていたところでございます。その結果、委員御指摘のとおり、当初平成二十二年までと考えられておりました都の最後の処分場とされます新海面処分場は、廃棄物の減量化等によりまして平成三十八年前後まで使用可能とのお答えをいただいたところでございます。 しかしながら、新海面の処分場につきましてもいずれは完了してしまうということは明らかでございますし、また都区内におきまして最終処分場用地を確保することも極めて困難と考えられますことから、近畿圏におきます広域臨海環境整備センター法に基づくいわゆるフェニックス計画におきまして二府四県の一般廃棄物最終処分の三割弱を処分しているような例を参考といたしまして、厚生省といたしましては、新海面処分場を活用することによりまして東京都において他県市をも含めた首都圏のフェニックス計画の実現に向けて積極的に対応するよう求めていたところでございます。 これに対しまして東京都からは、特別区長会の会長の御確認とともに、東京都が引き続き特別区とともに主体的に最終処分場の確保に参画し、広域最終処分場計画の実現に向けて新海面の一部を相互援助方式によりまして他県市にも提供する旨の提案をするなど積極的に関係県市との協議を進める旨の決意表明をいただいたところでございます。 厚生省といたしましては、首都圏フェニックス計画は他県市との協力のもとで東京都の将来の最終処分場の確保につながる有益なものと考えておりまして、知事の発言は広域最終処分場計画の実現を大いに前進させるものと期待しているところでございます。
○保坂三蔵君 最後のところはよくわかりました。確かに、十年間かけてつくった新海面処分場ですし、十五年しかもたないんですから、すぐ計画を始めて交渉を始めないと次の場所は見つからないわけですね。東京都区内では次の場所はなかなかないですよ、内陸部はもう日の出でもめていますしね。ですから、そういうことを考えると、相互援助方式、これは確かにお知恵だな、大阪のフェニックスに似せて東京湾フェニックス計画に準ずるものなのかな、こう思いまして、これはある意味ではお互いに首都圏で協力していこう、とりわけ七都県市では協力していこう、こういう一つの権謀的な決定だというふうに受けとめさせていただきます。 もっとも、ここで問題になってまいりますのは産廃、産業廃棄物などは東京で出ましたのがかなり他府県に御迷惑をかけております。しかし、御迷惑と言うけれども、その人たちは業者なんです。それなりになりわいを立てている。しかし、今は焼却だとか、それからそこら辺に置いておくだけでも迷惑をかけている、そういうことがございますので、この広域移動を無視した産廃行政はこれからはなくなってくると思うんですけれども、しかしここで出てまいりましたのがダイオキシンの問題であります。これは人類がつくり上げた地上最強の猛毒だと、こう言われているぐらいのダイオキシン、しかも食物連鎖でいつの間にか体内に蓄積され、これは今手を打ってももう手おくれな部分もあるわけですね。しかし、これを努力したドイツなどでは現実にデータ的に少なくなっているんですね。やっぱりダイオキシン対策をやらなくちゃならない。 しかも、産廃業者がいる。産廃業者を厳しく取り締まるとか規制をかけるというだけではなくて、やっぱり指導だとか助言だとか助成だとかというのをやって産廃業者も育てていかなくちゃならない。とりわけ二十三区の産廃処理、これなどは施設を仮に特別区がつくっていった場合、やっぱり国庫補助をいただきたいんですね。こういうことによって、中国の黄砂が日本で防げないように、あるいは中国のNOxが日本の日本海沿岸で防げないように、ならば中国に補助しようなんていう国策的なことがあるんですから、狭い関東エリアかもしれませんけれども、百キロ圏内に三千万が住んでいるこの中でごみの問題についてはしかるべき国庫補助で手を打っていただかなくちゃならない、これは産廃処理なんかは適切なものではないかと思うんですけれども、このあたりいかがでございましょうか。
○説明員(磯部文雄君) 産廃業者に対します援助の方式はいろいろあろうかと思いますが、現時点におきましては民民の業者に対する援助は税制等に限られているところでございます。片や公共セクターの関与といたしましては、先ほど御紹介いたしましたフェニックス計画あるいは廃棄物処理センター、これは各県に一つずつ第三セクターで設けていただくような方式の仕組みになっておりますが、こういったものを活用して産廃の処理の適正化を図っていきたいというふうに考えております。
○保坂三蔵君 いただきました時間がもう限られてまいりましたので、まだいろいろお尋ねしたかったんですが、そろそろまとめさせていただきます。 先ほど申し上げましたように、せっかくうまくまとまったと。上杉自治大臣、そして今度の運動の先頭になった、これは我が党のことを言って我田引水でございますけれども、都連会長ももとの自治大臣、そして都議会議員団が百二十七名、自民党から公明党さん、共産党さん、民主党さん全部がまとまって本当に一衣帯水で努力した、この結果を私たちは本当に生かしたいと思うんです。 思うんですけれども、ただいまちょっと何点かお尋ねしただけでも、やっぱりまだまだ制限自治体として、特別地方公共団体というのは二十三区以外にないでしょう。東京都はそうですけれども、ほかの自治体ではないはずですよ。だから特別区はほかの市とはやっぱり違うんです。それで、違うという中で名称もつけられない。特例市だとか千代田市というのをつけられない。それから、廃置分合も認められて、努力しろと言われるけれども、あるいは地方制度調査会もその誘導策や何かをやっているけれども、政令指定都市は目指しちゃいけないんですね。 政令指定都市ならば世田谷なんて一回努力したんですよ。十五の出張所がありまして、狛江を足してもう八十万軽く超えちゃうから政令指定都市と、区長会の会長は大ばくちをやったんです。これも結局はさたやみです。どっちがいいかわかりませんけれども、中核市、政令指定都市、こういうのを当然目指していいところも制限されているわけです。 それからもう一つは、廃置分合で統合しろとおっしゃいますけれども、千代田区の三万三千といいますけれども、昼間人口百万ですから、百万の人が昼間経済活動あるいは勉学にいそしみ、みんな生活しているわけですよ。それで、うちへ帰ってことんと寝る時間よりも働いている時間の方が多いわけです。千代田区はその人たちを準区民と言っているんですね。私は千代田は百万都市だと思っているんです。だけれども、三万六千で夜間人口でカウントされちゃうと、どこかで統合しろと。そうはいきませんよ。 だから、あそこは都会議員でいえば島と一緒ですが、特例選挙区というのは認められなかったんですね、島は認められていますけれども。だけれども、その昼間人口を認めて一人の代表が出て、最高裁もこの昼間人口を認めたんです。したがって千代田区の昼間人口もちゃんと見ていただきたい。 しかし、そうはいいましても、千代田区が独立したならば、法律的にはありませんけれども、首都は東京都じゃなくて千代田区なんでしょうか、自治体ですからね。ワシントンの州を今運動しているそうですが、ワシントンDCですから市ですよ。市だったら千代田市ですから、皇居もあるし、霞が関、永田町もありますから、首都は千代田市でしょうか。オリンピックを仮にこれからやるとするならば、本体は渋谷区ですから渋谷オリンピックなんでしょうか。 こんな問題があると思うんですけれども、それは一つの言葉として、東京というのは中間的にある、これはやっぱり大都市行政が必要な部分もあるなとつくづく感じます。 いろいろお尋ねしてまいりましたけれども、先ほど申し上げましたように、せっかく、基礎的な自治体という形で、またそれを阻害していた財政にかかわる権限あるいは事務事業、これも大幅に移管されました。平成十二年四月一日が待ち遠しいわけでございます。しかし、現実的には二十三区は護送船団方式から財政的にもひとり立ちしていく、荒波に好んで出ていくわけですね。だから、清掃事業の九千人の方々にも、東京都から二十三区にやられたというお考えではなくて、これからよしやろうという二十三区の先兵として、そのノウハウをお持ちなのでございますから、愛するそれぞれの区のためにぜひお力をかしていただきたい、そういうことを私はつくづく思います。 そして、五回の改革が行われてまいりましたけれども、できれば先々は六回目の改革をもってきちんとした形の本来の基礎的な自治体として二十三区は育っていく、そのときは廃置分合である程度は整理されていくかな、こんなことを思います。受け皿の特別区の力量の強化を望み、区議会のいよいよの御研さんを望み、そして静かな改革と言われました、今度区民にはわからないんですから、どう改革されるか目に見えませんから、これが区民の自覚にもつながる、自覚と責任。地方分権の試金石と言われた今度の二十三区の大改革。 最後に、上杉大臣から関係者に何かメッセージをいただいて、私の質問を結びたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、地方分権の推進に伴いまして、権限の移譲は今後進むものと思っておるわけでございまして、その受け皿として基礎的行政単位としての区の対応というものもきちっとしていただかなければならないと考えております。 なお、今御指摘がございました人口の問題、少ないところ、多いところ、あるいは昼間人口と夜間人口の違う問題、こういうこともございましたが、都市の一体性、統一性というものを十分留意しながらこれらの問題は見極めていかなければならない。また、こうした特別区の再編や周辺地域とも合わせた特別区の存する区域の見直しの議論、政令指定都市も含めた大都市制度のあり方等についての議論も必要になってくるものと考えております。 とりあえず今回提案いたしました改正でございますから、これで万全とは思っておりません。経験を踏まえて、今後区民の皆様の要求はもとより、総体的に地方分権推進を進めていくことも視野の中に入れまして、今後の区制度のあり方というものは十分研究、検討を自治省としても怠りなくしていく必要があると思っております。 どうかひとつ、そういう考え方、基本的な姿勢で自治省はおりますので、今後さらにこの地方分権の推進はもとより、行財政改革もあわせて行っておるところでありますので、これらのことも御理解をいただきまして、立派な区制度ができ、また発展をしていきますことを心から希望いたしておるところでございます。
○保坂三蔵君 どうもありがとうございました。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 ただいまは保坂委員の方から、かなり経緯も含めて幾つか主な論点について質問がございました。多分論点というのはそう大きく違わないんだろうというふうに思います。そういう意味で多少重複があるかもしれませんが、幾つか私の方からも質問をさせていただきたいと思います。 まず質問に入る前に、今回提案されている改正案については、先ほどもお話がありましたように、関係者の長年にわたる努力の成果が実ったもの、ある意味でようやく到達点に達したものというふうに私も受けとめております。その意味で、今回の改正の内容については率直に評価をしたいと思いますし、関係者のこれまでの御努力に心から敬意を表したいというふうに思います。その上で、先ほどのお話の中でも若干の経緯について触れられました。昭和二十二年の地方自治法の制定以来、この東京の都区制度についてはさまざまな段階を経て制度改革が進められてきているというふうに思います。 そこで改めて、昭和二十二年以降に限っていただいて結構ですが、この間の一連の制度改正の流れと、それからその中における今回の改正の位置というか、あるいは今回の改正の性格というか、こういうものについて自治省としてのお考えをまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 都区制度に関しましては、昭和二十一年に区長は公選とされておりましたけれども、昭和二十二年の地方自治法の制定によりまして、都の区を特別区とする、原則として市と同一の機能を認めるということにしまして、特別区は基礎的な地方公共団体として市町村と同じ性格を持つものとされたわけでございますが、先ほどもございましたように、昭和二十七年、特別区の位置づけを変更すべきだといういわゆる神戸勧告を受けまして、自治法改正によりまして区長の公選が廃止されまして、特別区の基礎的地方団体であるという性格は変更され、都の内部団体として位置づけられるというふうに至りました。 その後は一貫して特別区の自治権を拡大する方向での改正が行われてきておりまして、昭和三十九年の自治法改正におきましては、福祉事務所の設置など社会福祉に関する事務あるいは保健衛生に関する事務が移譲されております。また、地方税法によります課税権を付与するといった改正が行われております。十年後の昭和四十九年の改正におきましては、特別区の区長の公選が復活、それから保健所等の事務が特別区に移譲、また都の配属職員制度が廃止されるという改正を行いまして、住民により選挙されました区長が適切にその責任を果たすことができるような改正が行われたところでございます。 今回の改正は、こうした自治権の拡大の流れの中に位置づけられるものでありまして、関係者の要望も踏まえた上で行うというものでございます。大都市としての統一性、一体性という要請に配慮しながら、原則として市町村の処理する事務を特別区が行うということで、基礎的な地方公共団体として位置づけるものでございます。 したがいまして、今回の改正は、特別区という現行の枠組みのもとにおいて、大都市行政の一体性というものを確保しながら、特別区の自主性、自立性というものを強化するという意味におきまして一つの到達点であるというふうに考えております。
○朝日俊弘君 ただいまお聞きしますと、やはり今回の改正は東京都と特別区という関係において考えてみれば、この間のさまざまな経緯を踏まえて、ある一定の到達点に達した改正であるというふうに私も理解できます。しかし、ここで、さてどこまで到達したのかということを考えてみたいという意味で、あえて昭和六十一年二月に都区協議会においてまとめられた「都区制度改革の基本的方向」、これはいわゆる都区合意というふうに呼ばれているようですが、この基本的方向がいわば一つのスタートだったというふうにも思いますので、この都区合意に立ち戻って、幾つかの点について考え直してみたいと思います。 その第一は、都区合意の中に基本的方向として、「第一に、特別区の内部団体的性格を改め、特別区を大都市区域における基礎的自治体とし、普通地方公共団体に位置づけること、」というふうにあります。しかるに、今回の改正案の中身は、確かに特別区は基礎的な地方公共団体だというふうにされておりますが、自治制度上の概念としては特別地方公共団体と位置づけられております。しかも、そのことを法文上明記しております。これではやはり特別区は相変わらず特別の区というか、あるいは特別の自治体にとどまっておりまして、基礎自治体という言葉が何回か出てくるんですが、実態としては市町村と同格の基礎自治体にはなり得ていないのではないか、しかも、そういう位置づけを法文上明記するということはそういう性格づけを結果的に固定化することにつながってしまうのではないかという疑念が払拭できません。 なぜ今回の改正でこのような規定ぶりになったのか、この間の経緯を含めてちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の都区制度の改革につきましては、二十二次の地方制度調査会の答申にのっとって行うものでございます。 今お話のございました六十一年の東京都と特別区で合意いたしました「都区制度改革の基本的方向」、いわゆる都区合意ということでございますが、こういったものも踏まえながら、地方制度調査会におきまして、関係者の意見を聴取し、精力的な審議の結果、平成二年に答申をいただいたところで、それにのっとりまして改正を行おうとするものでございます。 お話しのように、昭和六十一年の都区合意におきましては、新しい都と新しい基礎的自治体との二階層制による、こういうような考え方が示されておりまして、その新しい基礎的自治体は普通地方公共団体とする、こういう整理の仕方でございます。 地方制度調査会の審議の過程におきましていろいろ議論が出ましたが、普通地方公共団体、特別地方公共団体とのかかわりでございますけれども、普通地方公共団体とは全国的に普通的に見られる団体、機能においても一般的、総合的なものであるということから、特別区については全国的に普遍的な制度ではない、また機能とか行財政などの面においても一般の市町村とは異なった扱いというものがなされているということで特別地方公共団体であるという議論がなされまして、そういった答申になっているところでございます。 自治省といたしましても、今回の改正で、特別区は基礎的な地方公共団体だ、こういう性格づけはいたしておりますが、都区制度の趣旨、目的である大都市地域における行政の一体性、統一性の確保の観点からの特例というものは依然をして必要であるということでございまして、いわば都のみに置かれる特別区は特別地方公共団体と位置づけるということが正当ではないか、こういうふうに考えてそのような改正を行っているものでございます。
○朝日俊弘君 そういう経緯があっての結論であるということは一定の理解をするんですが、これは私だけなのかもしれませんけれども、特別地方公共団体というふうに位置づけますと、例えば一部事務組合とかそういうものを連想するんです、定義の問題ですからここで一からの議論はやめておきたいと思いますが。少なくとも、都区協議会の中で求めようとした基本的方向というのは、今御説明があったように、都と特別区をそれぞれ新しい都と新しい基礎自治体というふうに二層構造で位置づけようということを提起していたというふうに私は理解をしておりますので、そういう点では一定の問題整理はされた中身にはなっているけれども、なお課題は残っているのではないかというふうに私は理解をしたい、こんなふうに思います。 そのことと関連しまして、税財政制度の改正についてもどうもいま一つ腑に落ちないところがございます。 先ほども引用した都区合意の中ではこんなふうに書いてあるんです。新しい都と新しい基礎自治体の財源配分のあり方に関して、財源配分は明確かつ安定的なものとし、現行の都区財政調整制度の垂直調整は廃止するということが明記されているわけであります。 ところで、今回の改正案を見ますと、先ほど保坂委員の方からも御指摘がありましたように、基本的には都区財政調整制度は残っているわけです。その上で、調整財源の法定化をするとか、あるいは総額補てん主義や納付金制度を廃止するという改正内容になっているわけですが、どうも、この内容では都区合意が求めていた方向には必ずしも沿っていないのではないかというふうに思えてなりません。あるいは別な言い方をすれば、先ほど保坂委員が大改革というふうにおっしゃいましたけれども、ちょっと大改革とまでは行っていないんじゃないか、もっと構造的な改革まで踏み込むべきではなかったのかというふうに思えてなりません。 例えば、総額補てん主義を廃止するということも、なるほどそうだと思うんですけれども、実際に調べてみましたら、都からの総額補てんは平成五年度に三百四十七億円、平成七年度に二百九十六億円というふうに、最近では二回ほどしかされておりません。単年度の交付金総額が六千数百億円というレベルに達しているのに比べますと、この額は決してそんなに大きなウエートを持つ額ではないのではないか。あるいは納付金制度の廃止についても、これまでには、例えば港区とか千代田区とか渋谷区とかから納付された実績があるというふうにお聞きしましたが、最近、例えば平成四年度で見ますと、合計して五十三億円程度ということで、これらの実績の額というのは全体の財政規模から考えますと、その影響といいますか効果といいますか、極めて小さいものだというふうに考えざるを得ません。 今回の改正で、なぜ都区財政調整制度そのものを抜本的に見直す、新たな基礎自治体間の水平的な協調、調整に基づく税財政の制度のあり方が実現できなかったのか、どうもいま一つ得心がいきません。改めて今回の財政制度改正のポイントと期待される効果についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今回の都区制度の改革に当たりまして、都区財政調整制度につきましては、特別区の自主性、自立性を強化しようという観点から何点かの改正を行うことといたしておるわけでございます。 具体的には、特別区の財源保障を明確化するために、本制度が、特別区がひとしく行うべき事務を遂行することができるように都が特別区財政調整交付金の交付を行うということを明確化する。従来でございますと、条例で必要な措置を講ずるといったようなことを規定しているのにとどまっておりましたが、よりその都区財調制度の意義なりねらいなりを明確化するために法定化をする。その際に、特別区財調の財源としてのいわゆる調整三税を法定化するということを一ついたしております。それから、特別区の課税権を尊重するという観点から、今委員もお挙げになりました納付金制度を廃止するということにいたしております。それから、とかく都に対する特別区の依存心を助長しているというふうな指摘がございましたいわゆる総額補てん主義、これを廃止することにいたしております。 総額補てんの金額なりあるいは納付金の実際の金額、委員の御指摘のとおりの数字でございますが、今、そういう形で課税権の尊重なり、それから特別区の都に対する依存心を助長しているという指摘を払拭するという観点からの改正を行うことにいたしておりまして、先ほどもお答えいたしましたように、基本的に、現在の特別区間で極端な財源の格差があるという一方で、特別区がひとしく大都市行政というのをやはり一定の水準で行っていく必要があるということを考え合わせて、この都区財政調整制度の基本は存続せざるを得ないというふうに考えて今回の御提案をいたしておるわけでございます。 このことによりまして、特別区の財源保障を行いながら、都と特別区のそれぞれの財政運営の自主性あるいは責任関係が明確になっていくことが期待されておるわけでございます。
○朝日俊弘君 今の説明ではもう一つなるほど合点がいくという形にちょっとなり切らないんですが、関連してちょっと幾つか質問させていただきます。 地方交付税の算定のあり方についてもお尋ねしておきたいと思います。 この地方交付税の算定のあり方に関しても、先ほど来引用しております都区合意では、都と基礎自治体とは分離して適用する、基礎自治体分は一括して適用し新しい財政調整の財源とするということが記されております。 しかし、今回の改正では、これはちょっと後で御説明いただきたいと思うんですが、地方交付税の算定のあり方に関しても従来の都区合算規定は存続しているようであります。 私は、この問題を考えるに当たって、実はこういうことができないだろうかと。ある年度に限って、国が都道府県及び市町村に対して行っている手法をそのまま使って、基準財政収入額と基準財政需要額を、都については都道府県分のみ、特別区に関しては市町村分のみを算定すると、こういうようなことをやってみたら一体どうなるんだろうかということをちょっと考えてみました。現実にはいろいろと問題があるようですが、多分やってみますと、恐らく地方交付税の算定の結果は都の方の分がかなり現状よりも大幅に縮小して、逆に特別区、二十三区分が相当にふえるということになるのではないかというふうに予想をしています。 そこまでの手法をとれというふうに今ここで申し上げるつもりはありませんが、今回、特別区を基礎的な地方公共団体と位置づけるからには従来どおりの規定をそのまま引き継ぐということではいかにもやや経過保存的な手法ではないのかと、新たな手法というか新たな規定というか、そういう検討がなされてしかるべきではなかったのかというふうに思うんですが、この点についての御説明をお伺いしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 交付税の算定は、基本的に標準的な団体を基準といたしまして、全国に普遍的な需要をとらえて標準的な行政水準を確保するためにどういう財源保障が必要かということを算定するものでございます。 今、東京都と特別区についていわゆる都区合算という規定が設けられておりまして、そういう算定をいたしておりますのは、基本的に都と特別区との間での事務の分担なり、あるいは課税のやり方につきまして一般市町村と県との間にない特例があるわけでございます。 事務の面でいきますと、何回も話に出ておりますように、消防、上下水道の事務がこれは法令によって都に留保されております。それから交通事務というのは通常は市が行っている例が多うございますが、これは引き続き都が行うということにされております。 それから、税制におきましても、市町村税の大きなウエートを占めております市町村民税の法人分、固定資産税、加えて特別土地保有税が都が課税するということにされておるのに加えまして、都市計画税、事業所税等は都が課税するという、こういう特例があるわけでございます。 こういったような事務の分担の関係、あるいは課税の関係において、今回の都区制度の改正後におきましてもこのことは今後とも維持されるといいますか存続されることになっておりまして、交付税の計算はやはりそのことを前提にして計算せざるを得ないということになるわけでございます。 したがいまして、今回の改正後におきましても、交付税の計算上の都区合算という規定は存続せざるを得ないというふうに私どもとして考えておる次第でございます。 なお、現在の制度のもとで今計算をいたしておりまして、この東京都、特別区合わせて財源超過ということになっておりますが、そのときも、あくまでも基本的には現在の事務の分担あるいは税の帰属ということを前提にしてもちろん計算をいたしておるわけでございまして、一番近い平成九年度で申しますと、その結果の財源超過額は両方合わせたもので六千二百億余の金額に上っておりますが、いわゆる部分というのはそのうちで約二千億、それから特別区分が約四千億という数字になっておるところでございます。
○朝日俊弘君 ただいま現状においての例えば都と特別区の間の事務配分の割合を考えてそういう都区合算という規定を存続せざるを得ないというお話でありましたが、逆にそれを言いかえるとこういうことですね。事務配分のあり方とか課税の配分のあり方が変わってくれば、今後変えていこうということだと思うんですが、変わってくればその手法はあるいは少なくとも中身は徐々に変わっていくということになるというふうに理解してよろしいですか。手法はそのまま残るけれども、配分のあり方によっては内容は変わってくるというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(二橋正弘君) 事務分担が変わってまいりますれば、それに応じて今の交付税の計算は当然変わってくるということになります。
○朝日俊弘君 それでは次に、今もお話がありましたけれども、税財源の移譲の問題について伺っておきたいと思います。 この分は先ほど保坂委員からも具体的に御指摘がありましたからくどくどとは申し上げませんが、率直に言って、今回都から区への税財源の移譲が行われたということについては、かなり部分的ではあるとしても、それはそれで評価をしたいと思うんです。 しかし、それにしても、入湯税やゴルフ場利用税交付金や航空機燃料譲与税だけでは額もわずか、これちょっと東京都二十三区全体の歳入額に比較してどれぐらいになるかと計算してみたら〇・〇三%しかならない。しかも、その対象となる区は先ほどもお話があったようにかなり限定された特別区になっていきます。これでは、都から特別区への安定的な税財源の移譲を図ったというふうにはとても大きな声では言えないような改正にとどまっているのではないかというふうに考えざるを得ません。 なぜこの程度の範囲にとどまらざるを得なかったのかということと、今後さらに移譲を拡大していくという検討の余地は残されているのかどうか、自治省のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(成瀬宣孝君) 東京都と特別区の間におきます税源配分のあり方についてのお尋ねでありますけれども、今回、都区制度につきまして大幅な改正が行われることに伴いまして、平成六年の都区協議会による都区制度改革に関するまとめ、これも踏まえまして、大都市の一体性、統一性の確保にも配慮しながら、現在都に留保されております市町村税などのうち特別区に移譲できるものにつきましては可能な限り移譲することとしたところでございます。 一方、今回の都区制度の改正後におきましても、大都市としての一体性、統一性を確保する必要があることから、消防、上下水道の事務が法令で都に留保されておりますなど都区間の事務配分の特例が存続していること、また、引き続き都市環境の整備事業の多くは広域的な観点から東京都によって事業展開されることとされているところでございます。 これらのことも踏まえまして、今回の都区制度の改正におきましては、御指摘のように、結果として入湯税やゴルフ場利用税交付金、航空機燃料譲与税につきまして特別区への移譲を行うこととしているところでございます。 東京都から特別区への税財源のさらなる一層の移譲につきましては、今申し上げてまいりましたような観点を踏まえつつ、今後都区制度のあり方についての議論も踏まえながら検討していくことになるんではないかというふうに考えております。
○朝日俊弘君 以上幾つか、例えば税財政制度の改正あるいは税財源のあり方の問題等についてお尋ねしてきましたけれども、今回の改正というのは現行の東京都と特別区という関係の枠の中でのぎりぎりの改正というふうに理解したいというふうに思います。しかし、逆に言えば、そこを超えた検討の余地はまだまだ今後も残っているというふうに私は受けとめたいと思いますし、ぜひそういう問題意識は自治省の皆さんにもお持ちいただきたい、こんなふうに思っています。 そこで、ちょっと別の問題に移ります。今申し上げたことと関連するわけですが、第二十二次の地方制度調査会の答申では、都区制度の問題とあわせてというか、それとは別にというか、大都市制度そのものの見直しの必要性についても言及されております。そこで、この点と関連して、現行の指定都市制度のあり方を含めて、今後の大都市にかかわる行政制度はどうあるべきかという点についてちょっと考えてみたいと思います。 先ほども例が出ておりましたように、横浜市の場合は総人口がもう三百三十万人。一つの行政区の平均人口は、例えば、区によって違いますが、二十万近い人口を抱える。東京都の二十三区よりも場合によっては行政規模が大きい、あるいはそれに匹敵する行政区を抱えるような指定都市が幾つか出てきているわけであります。 こういう問題は、大きく言えば今の地方自治の制度、例えば都道府県と市町村という二層構造が前提としてあって、しかも全国に約三千三百の自治体で地方自治体が構成されているという今の体制では、さまざまな面でどうもうまく機能しないというか、対応し切れない状況がじわじわと進んできているんじゃないか。一方の問題は、大臣もよく指摘をされます過疎地域あるいは中山間地域における基礎自治体である市町村の規模の問題が出てきていまして、市町村の合併の問題あるいは広域行政の推進の問題が極めて現実的な課題として上ってきているわけです。そういう問題のもう一方で、私は、やはり大都市部における過密問題というか、あるいは大都市部においては地域がなかなか成立しにくいというか、コミュニティーが形成されにくいという状況が一方で出てきているんではないか、別の言い方をすれば、きょうはあれこれ申し上げる時間はありませんが、大都市の病理という現象が幾つかのところで出てきているのではないかというふうに認識をしているわけであります。 したがって、大都市問題というときに、ひとり東京都の都区制度の問題にとどまらずに、こうした東京都以外というか、全国に幾つかもう既に実態としてでき上がっている大都市におけるよりきめ細かな行政サービスの展開、そういう必要性からこれらの問題についてどういう粋組みを設定したらいいのか、今後の解決の方向を検討することは重要な課題であるというふうに思います。 こういう点について、現時点で自治省はどんなふうに考え、今後どんなふうに取り組んでいこうとされているのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お話しのように、現在、大都市制度としては、地方自治制度としては、一つは都区制度、もう一つは指定都市制度がございます。 それで、指定都市制度におきましても、大都市の実態、それぞれの地域、それぞれの都市のいわば実態、人口集積というものの特質を反映すべく制度を仕組んでいるわけでございますが、指定都市横浜のお話が出ましたけれども、大きな人口集積の都市が都市としては一つでございますので、その問題がございます。 そこで、行政区という制度を自治制度としては置いておりますが、大都市においてはとかく遠くなりがちな住民との距離そのものを短くし、また地域的な事情、実情というものに応じたニーズにこたえるということで行政区というものを想定いたしております。他方、住民参加というんでしょうか住民意識の反映あるいは生の行政需要を施政の方で受けとめるという機能も期待されているというふうに考えております。 そういったことで、それぞれの指定都市において、そういった行政区の制度を活用して住民の意向を反映させるような手法あるいは行政サービスの展開ということも行われておりますが、他方本庁からのコントロールが非常に過度にわたっているとか、そういうことで地域的な実情になかなかこたえられないとか、総合性においてやや問題があるとかという議論もあるわけでございます。 現在の指定都市においては、行政区における行政展開につきましていろいろな工夫をいたしております。区民会議あるいは区民白書あるいは計画の中での位置づけとかということでいろいろ工夫はいたしておりますけれども、それなりに問題を抱えていることも現実でございます。 大都市制度は、指定都市制度は都道府県の機能を都市である指定都市が一部担う仕組みですし、都区制度はむしろ市町村の仕事のうち大都市の一体性のための事務を都が担うということでございまして、それぞれ特色、性質が違っているわけでございますが、大都市、指定都市制度の行政区のあり方も含めまして、また都道府県との関係、それから周辺市町村との関係ということも含めまして大都市制度としてやはり議論していかなくてはならないのではないか、特に地方分権の進展の動向も踏まえましてこれから十分な論議が必要である、このように考えております。
○朝日俊弘君 ぜひそういう問題意識を持って、現行の制度の中で何がどこまでできるかということを詰めていただく、あるいは新しく工夫をしていただくと同時に、枠組みとしてもっと新しい枠組みが考えられないのかという検討はそろそろ始めるべきではないかというふうに思っています。これは今後の大きな課題であるということをぜひ御確認いただいて、今後取り組みを期待したいと思います。 一言追加しますと、私が今一番心配していることは、二〇〇〇年から介護保険制度が施行されるわけですけれども、しばしばよく言われるのは、規模の小さい市町村ではどうするんだという議論は割と多くあるんですね。基盤整備が不十分なところはどうだというのはあるんですが、私は、大都市部における高齢化問題というのは、これから急速にさまざまな矛盾点が現出するだろうと思っているんです。 そういう意味からいうと、例えば一つの課題として高齢者の介護問題に適切に対応していくためにも、今の大都市の仕組みでは多分あちこちで幾つかの問題を生じてくるに違いないというふうに予感しています。大都市部における高齢者対策の問題を具体的な例に挙げましたけれども、そういう課題を含めてぜひ今後の検討を期待したいと思います。 それでは最後に、これまでの質疑を踏まえまして、大臣、大分話をしたそうな雰囲気でありますからぜひ大臣にお伺いしておきたいと思います。 先ほど来申し上げていますように、確かに今回の改正は都と特別区という関係の中での制度改正としては一定の到達点に達している内容だと。これは評価したい。しかし、問題はこれでは終わらない。折しも地方分権推進計画が近々策定されるというふうに伺っております、まだ明確な時期は聞いておりませんけれども。地方分権の推進がいよいよ具体化されようとしているときでもありますので、この間、都区協議会及び地方制度調査会の答申等が求めてきた改革の方向に向けて、一つは都区制度改革の課題がある。いま一つは東京都以外の大都市における行政制度のあり方の問題がある。ともに幾つか検討されるべき課題は残されている。多くの課題が残っているというふうに私は思います。 こうした課題に対する今後の検討の方向を含めまして、大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 大都市制度として、都区制度が御指摘のように今回の改正で万全とは私は思っておりません。したがって、一定の評価はいただき御理解はいただくものとは考えますが、今後、自治省としては都区制度のあり方については柔軟に対応していくべきものと私は考えておるわけであります。 その前提を置いて申し上げますが、問題は大都市における特別区が人口の格差があるということ、あるいは指定都市について先ほど言われました介護制度等の導入等を図る場合に、じゃ受けられるか。行政区が果たして万全かどうかという問題もあります。地方では行政を超えて広域行政という受けとめ方があるわけでございまして、大都市の場合にはどうするかという問題があると思うんです。これは地方とは一緒にいかないかもしれない。いく場合があるかもしれない。しかし、大都市には大都市としての特殊性があるわけでございますから、そのような意味での特別区間の人口の問題等、御指摘のとおりその再編というものを当然視野の中に入れておかなければならないと、このように考えておるわけでございます。 また、非常に住民からの距離が遠くなりがちであるというこの問題は大都市の特殊性でございますから、これも十分踏まえたものにしなければならない。住民の意向を的確に反映をいたしましたきめ細かい行政サービスを提供していくためにあるわけでございますから、区を市町村並みに扱ったわけでございますから、行政区の果たすべき機能のあり方をどうするかというのは、御指摘のとおりこれは見直すことについて私はちゅうちょすべきではないと、こう考えておるわけでございます。 これらについては、スタートいたしたわけでございますから、この点は経験を積みまして、改めるべきは改め強化すべきことは強化していくということが今後の対応としてあると思っております。社会経済情勢の変化でありますとか今後いたします地方分権の進展等も十分踏まえて、十分な議論も国会でしていただくと同時に、自治省としてもこれらをにらみながら研究をして万全を期してまいりたいと、このように考えております。他方、各方面からの御意見を聞くことも怠ってはならぬと思っておるわけでございまして、各方面からの御意見等も十分承りながら検討させていただきたいと考えております。 御指摘いただきました点は重く受けとめまして、今後対応させていただきます。
○朝日俊弘君 どうもありがとうございました。終わります。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。保坂先生と同じく東京都の選出でございまして、質問をさせていただきます。 今回の改正案、半歩前進というような評価をさせていただきたいと思いますが、ずっと東京都内を回っておりますと、例えば区部においては自治権拡大の会合とかそんなものがあって、それに出させてもらったりもしました。また、三多摩の方に行くと、何か三多摩格差というような言い方をされる場合があります。市議会の方と話をすると、区部の人は東京都が面倒を見てくれるからいいわねというような、そういうような言われ方をするわけでありますが、いろいろ都内を回って、何でこんな特別区というものがあるのかなということをかねがね思ってきたところでございますが、今回改正に当たって、そもそも論からちょっとお話をお伺いしたいなというふうに思っております。 この特別区、東京に明治以降日本の政治の中枢が来て以来の歴史的背景があるかとは思いますけれども、この特別区設置のいきさつ、それから目的というのはどういうものなのか、ちょっとお教えいただけますか。
○政府委員(鈴木正明君) 東京には既に明治の最初のころから区が設けられておりまして、市制、町村制が明治二十二年に施行されたわけでございますけれども、このとき東京市のもとに区が置かれていたということでございます。これは法人区で、区議会を持っていたと。それで、戦時下におきまして強力な首都建設をねらいとする東京都制というものが昭和十八年に制定されまして、東京府と東京市を廃止いたしまして東京都が設けられまして、旧東京市の区域における都の内部組織としまして区が位置づけられたものでございます。 戦後、昭和二十一年の第一次地方制度改革によりまして、区は課税権、条例制定権を付与されるとともに、区長が公選とされたところでございます。翌年の昭和二十二年に自治法制定でございますが、このときに都の区は特別区とするというふうにされまして、特別区は制度的に市と同一の機能を有する基礎的な地方公共団体とされまして、住民に身近な事務を処理する地方団体として位置づけられております。それから、昭和二十七年に大都市行政の一体的、総合的運営の必要という観点から、特別区を都の内部団体として位置づけるための改正が行われまして、区長の公選も廃止されたということでございます。 それ以後、昭和三十九年、昭和四十九年と特別区のいわば自主性、自立性を強化し、事務、権限を拡大するという方向での改正が行われ、今回の改正に至っているということでございまして、特別区は、地方自治法のもとにおきましてはその性格づけあるいは処理する事務の範囲というものはそれぞれ時代によって異なっておりますが、基本的には都において市町村の存しない区域における住民に身近な事務を処理する地方公共団体として位置づけられてきているというものでございます。
○魚住裕一郎君 今、首都機能移転という問題がずっと議論されてきておりますけれども、また今のお話の中で、昭和十八年の制度改正についても強力な首都建設という言い方をされました。私は地方自治はまだ素人の域でございますけれども、東京における特別区というのは、これは首都であるということとの関連の中でつくられてきたのではないかというふうに認識をしております。 かつて首都建設法というものが戦災復興のためにつくられましたけれども、この条文の中で、第一条、「東京都を新しく我が平和国家の首都として」云々というふうにあるわけでございますが、この特別区ということと首都ということはやはり関連性があるということで認識をしていいんでしょうか、自治省の方、お願いします。
○政府委員(鈴木正明君) 都区制度につきましては、戦後地方自治法制定によりまして、今お話しのように都区制度という現行の制度があるわけでございます。 これは、法文上は都の区を特別区という整理でございまして、もちろん東京における沿革、実態というものを踏まえてできたものでございますが、制度としては首都というものの特有の制度として仕組んだわけではありませんで、当然東京における沿革や実態というものを踏まえておりますが、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性の確保のための仕組みとして都区制度というものを自治制度として発足させて今日まで動かしてきている、こういうことでございます。
○魚住裕一郎君 そうしますと、もちろん歴史的経緯はございますが、大都市における一体性とか云々という理由があれば、もちろん法改正は必要かと思いますが、ほかの地域でも都区制度はとり得るということですか。
○政府委員(鈴木正明君) 先ほども大都市制度のお話が出ましたが、大都市制度としては、一つは指定都市制度、一つは都区制度というものが自治法上あるわけでございまして、現行制度におきまして、数百万の人口が集積して稠密な形で集まっている、それがかなりの広がりを持って大都市地域を形成している実態というものがあって、それが一体となって存在している、こういうことに着目いたしまして都区制度というのができているところでございます。 そういう意味におきましても、従来でも大都市制度の議論が行われたことがあります。例えば地方制度調査会等で行われたことがありまして、その際に、例えば大阪府に都制のようなものを適用することはどうかという議論がなされたこともありますので、基本的に制度としてはあり得るものでございます。 社会的実態との兼ね合い、あるいは制度として適用するのがいいのか悪いのか、こういう議論はありましょうけれども、制度としてはそういう形になっております。
○魚住裕一郎君 そうしますと、都区制を使うかどうかというそのメルクマールは、今数百万という言い方をされましたけれども、その基準というのはどういうことになりましょうか。あるいは、その広さ、広がりはどの程度をお考えなんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 基本的に大都市地域における行政のシステムをどういう形で組むのがいいのかということにつきましては、先ほども御議論が出ましたけれども、やはりいろいろな議論の積み重ね、国会での御審議あるいは関係方面の御意見を承りながら十分な審議が必要である問題であると思っております。 具体的にどういう基準があるかといったところまではまだ詰めた議論がなされておりません。しかし、現実の指定都市制度を適用しているところのものと、それから東京のような大都市地域ではかなりの人口集積、それから都市としての実態というものも異なっておりますので、いわば数百万人程度の人口が狭隘な地域に集中しているというものを前提として、当時、自治制度が発足するときに東京都に都区制度というものを実施してきた、こういうふうに理解をいたしております。
○魚住裕一郎君 きょうはちょっと国土庁にお見えいただいておりますが、首都機能移転云々ということで議論をしておりますが、首都機能を移転した場合、その場所というか、その地域の自治のあり方というか、自治行政制度のあり方というものはどのようなものとして今お考えなんでしょうか。
○説明員(大森雅夫君) 今、先生の御質問でございますけれども、例えば、首都機能が移転をされたときのその当該都市といいますか、それの地方自治をどのように考えているのかというような御質問だったと思います。 実は、平成八年の十二月にこの国会等移転、首都機能移転に関しまして、国会等移転調査会というのが報告を出しております。そこの報告の中では、今先生が御指摘のように、例えば首都機能移転がなされるとすれば、なされたときのその都市の地方自治について国の関与のあり方の問題等々、それから今後慎重にそういった議論をしていくべきだというような指摘がなされております。現在、国会等移転、首都機能移転に関しましては候補地の選定ということで審議会で議論されておりますが、今後そういった地方自治のあり方についても議論をしていかなければならないというような段階に来ているというように考えております。
○魚住裕一郎君 ただ、今候補地選定云々というふうにおっしゃっていますけれども、これは今現状における既にある地方都市に首都機能を持っていくのか、あるいはこういう表現がいいのかどうか、田んぼの中に新たにつくるのかでまたちょっと違ってくるのじゃないかなと思うんです。あるいはだから直轄地、DCですか、そういうことを先に考えないと候補地選定なんというのは順番が逆じゃないかなと思うんですが、いかがですか。
○説明員(大森雅夫君) 実は、国会等移転審議会の中でも、地方自治のあり方について議論をすべきだというような先生もおられるところであります。しかしながら、具体の候補地によりましてはそういった制度をどうするのかということも変化が出てくるというようなことも考えられますので、これについては今後我々の首都機能移転を行う際の重要な問題として理解をし、議論をしていかなければならないというような形で今とどまっているというような状況でございます。
○魚住裕一郎君 この問題の質問は終わりまして、次に財源について、調整財源制度というんですか、今回残るわけでございますけれども、これを残す理由というのはどういうふうな理由からなんでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) この今回の都区制度の改正の際に都区財政調整制度を残すということの基本的な考え方といいますか理由は、地方制度調査会では平成二年に答申を出しておりますが、その中では、都と特別区の周の財源配分を適切に行う必要があることと、それから特別区相互間に税源の偏在がある中で行政水準の均衡を図る必要があるということから都区財政調整制度は存続せざるを得ない、こういう答申でございまして、基本的な考え方はそこに示されているところだと考えております。
○魚住裕一郎君 都と区の間でも調整が必要だということですか。水平的調整だけではなくして垂直的な話し合いも必要だと。
○政府委員(二橋正弘君) 地方制度調査会では、「都と特別区の間の財源配分を適切に行う」、こういう表現をいたしておりますが、一般の市町村でございますと市町村が分担しております市町村行政も、消防とか上下水道とかあるいは鉄道のようなものは引き続き都が行うことになりますから、それに見合った税源というのは都に対しても配分される必要がある。それから、もちろん市町村民税の法人とかあるいは固定資産税というのは一般に市町村税の重要な部分でありますから、それの一定割合はまた特別区にも事務分担に応じて配分する必要があるといったことから、それを都区財調という形で財源配分を行うということを示しているわけでございます。
○魚住裕一郎君 また後でお聞きしますが、上下水道とかいろんな事務が東京都に残っており、かつそれは大都市における一体性とか統一性とかそういう理由づけをずっと先ほどから述べられておりますけれども、大都市における一体性、統一性というのは、言葉として、イメージとして何となくわかるような気がするんですが、具体的には何をどういうふうに観念されているんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 大都市としての一体性についてのお尋ねでございますが、例えば上下水道につきまして、都に留保するというか、これからも東京都において行うということでございます。従来から東京都が水道事業を行ってきておりまして、二十三区の存する区域全体をとらえて効率的に水を供給するというようないわばシステム、パイプライン等も形成されております。それから水源の確保の問題もあります。二十三区それぞれ水源が確保できるかというと、なかなか容易ではありません。そういうようなこと、下水道も同じようなことで、二十三区それぞれで構成するということでなくて、二十三区、場合によっては委託を受けて部かの市町村も含めた形でパイプラインを組んでいく。 また、消防につきましては、非常に人口が密集しているということで、二十三区の区域で都市が切れていませんで連檐しておりますので、そういったことの消防、防災という面では一体として対処する必要があるというようなことで行われております。 また、例えば都市計画におきましても、全体的な東京の大都市地域の都市計画につきましては、全体的な都市計画、用途地域等については都が大都市としての全体的な立場で計画決定していく、非常に地域的なものについて逐次特別区の方に計画決定権がおろされていくという点がほかとちょっと違っております。 それから、保健衛生関係でも、逐次特別区の方に移譲されてきていますが、例えば伝染病対策とかそういうものにつきましては、やっぱり統一的な基準で同じレベルで行う必要があるということで、都において留保されているものがある。 こういったようなことで、二十三区の区域において一体的あるいは同じような行政レベルで行政を行っていくという必要があるというものについて東京都が行う、こういう考え方であります。
○魚住裕一郎君 お話しになったことの中で、例えば上下水道、先ほど保坂委員からもありましたけれども、そのパイプだって三多摩とつながっている部分があるのではないか、下水もそうではないのか。また、杉並区と三鷹市なんというのはほとんど同じような町並みがずっと続いていて、そこの欄密度ぐあいとかそういうことを考えると、ほとんど三多摩を含めて一体的にとらえ得るんではないかというふうに思うんですね。保健の部分もやはりそうではないのか。 そうなっていくと、人口どんどんふえておりますし、逆に三多摩を含めた形で、おっしゃるような意味の一体性とかいうことを考えられる状況にもう既にあるんではなかろうか。それをなぜ、あえて二十三区内だけで一体性云々ということを言って、このような形をとっているのかというのがわからないんですが。
○政府委員(鈴木正明君) 御指摘のような点は当然あるものと考えております。現実的な対応といたしましては、先ほどお話が出ましたが、それぞれの三多摩の市町村から東京都に委託するという形で一体的な運営がなされているものもございます。 制度としてどうかという御議論でございます。これも今回の都区制度の改正に当たりまして議論がされまして、いわば周辺市町村を含めて特別区の存する区域のあり方はどうかという議論、あるいは先ほど出ました都心の再編の議論とありまして、いろいろ議論が出ておるんですが、検討はされたんですけれども、そこについてはもう少し引き続きやっぱり議論が必要であるということで結論を得るに至らず、現在の二十三区というものの都区制度を前提としたところで今回の改正を行っているということでございまして、その問題につきましてはやっぱり今後十分な検討が必要だろう、こういうふうに考えております。
○魚住裕一郎君 結論を得るに至らなかったという主な論点というか障害点というのはどういう点にありますか。
○政府委員(鈴木正明君) 基本的に大都市制度のあり方の議論、基本的な議論に及んでくるということでございまして、東京都、例えば二十三区の特別区の区域を、じゃ拡大ということの場合に、実態として三多摩地域もございますが、ほかの県に及んでいる実態がございます。またその場合に、特別区制度というものの基本がそれでいいのかどうかというような基本的な議論を経ないと、そこのそういった二十三区の区域の拡大というんでしょうかの議論はなかなかいけないなということで、やっぱり基本的な議論が必要だろうということで、今回は現行制度のもとでの改革ということで、その部分について答申をいただいて、私どももその部分の改正を行おう、こうしたものでございます。
○魚住裕一郎君 二十三区拡大というふうなお話でございますけれども、私は逆に二十三区縮小というか普通地方公共団体並みにしていくべきだという観点からお話しさせていただいておりますけれども、そういう拡大方向でずっと議論が進んできたんですか。特別区の拡大方向。
○政府委員(鈴木正明君) 大都市問題、大都市地域の地方制度をどうするか、あるいは大都市問題にどう対処していくかという形で議論されてきておりまして、戦後大都市の地域の広がり、あるいは中心部の空洞化あるいは周辺部のドーナツ化、それに伴いますいろいろな交通問題、環境問題、それに対処するにはどうしたらいいか、こういう御議論が中心でございますので、傾向というか考え方としては、それに対処するには狭域的ないわば基礎的な地方公共団体と広域的な地方公共団体、その二つの機能というものをどういうふうに制度として構成していったらいいか、こういう議論でございますから、当然基礎的なところは小さくという議論もあろうかと思いますけれども、私どもの理解としては、特別区については余りそれを縮小という議論はそれほど強い御議論として承知いたしておりません。
○魚住裕一郎君 ちょっと議論があっちへ行ったりこっちへ行ったりで大変恐縮ですが、それで調整財源制度なんですが、今回法定化するというような表現がございますが、なぜ今回法定化をするんでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 今回、都区財政調整制度につきましては、基本的に特別区の自主性、自立性を強化する観点からの改正ということが主眼でございまして、そういう意味で、先ほど来話に出ておりましたような総額補てん主義の廃止でございますとか納付金制度の廃止ということが行われておるわけでございますが、特別区を基礎的地方公共団体と位置づけて、それに対する財源保障ということでございますので、その自主性、自立性を高めるという観点の中に、その財源保障をより安定的なものにする必要があるということでございます。 一般の市町村の場合には、地方交付税の財源というのは地方交付税法において法律で定められておるわけでございます。できるだけ一般の市町村と近い形で財源保障というものを制度化していくべきだという考え方から、今回この調整三税を法律に規定するということにいたしておるわけでございます。
○魚住裕一郎君 いろいろ勉強していて思ったんですが、こういう形で調整制度を残し、かつそれを法定化するということ自体、何か方向性として間違っているのではないかなという気がするんですね。市町村民税の法人分とか固定資産税とかございますけれども、これは本来基礎的な団体で徴税をすべきである。先ほど一体性とか統一性とかいう議論の中で、当然やるべき仕事があるよと。それならば、委託という話がありましたから、委託料を出せばいい話で、そういうようなことが本来の方向性ではなかろうかと私は思うんですね。 それで、法定化というと、今度は安定的というふうな言葉でございますが、逆に固定化していくというような思いもあるわけでございまして、方向が逆を向いていないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) やはり特別区を基礎的な自治体として財政運営を安定させていく必要があるという観点から申しますと、都区財調の財源についてあるいは都区財調の目的ということについて、従来ですと条例で必要な調整を定めることができるということを書いておっただけでございますが、そういうことを一歩進めまして、今言ったような財源であるとかあるいは財政調整交付金の目的であるとかということを法律で書くということは、財政調整制度を安定化させる。それから片方で、総額補てん主義の廃止でございますとか納付金制度の廃止ということで自立性を高めていくというふうなことは、今回全体で特別区の財政を安定させていくという意味合いではその方向に沿って行っているもの、そのことによって必要なものというふうに私どもは考えております。
○魚住裕一郎君 先ほど朝日理事からもお話が出ましたけれども、地方交付税について、都区合算方式を継続するという形になっておりますが、これはなぜなんでしょうか、もう一度お願いします。
○政府委員(二橋正弘君) 交付税の算定は、先ほどもお答えいたしましたが、標準的な団体を基準として標準的な行政水準を確保するための算定を行うということでございます。 都と特別区の間におきましては、今回の改正後におきましても事務分担の内容、それから税制におきまして一般市町村と異なる点がございます。それが消防、上下水道等の事務の分担でございますとか、あるいは市町村民税法人分、あるいは固定資産税の課税というふうなこと、加えて都市計画税、事業所税といったようなものは引き続き都が課税するという、そういう特例が維持されるということでございまして、そういう現実の事務分担あるいは課税の特例といったようなことを踏まえますと、現在の都区合算制度は存続する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○魚住裕一郎君 次に、事務移譲に関連してお聞きをしたいんですが、清掃事業について、非常に長い年月がかかったわけでございますが、ようやく東京都また特別区、また職員の方々、労働組合を含めて協議を重ね、その努力に敬意を表するものでございます。 それに直接は関連はしないかもしれませんけれども、私、今杉並に住んでおるんですが、杉並に不燃ごみの圧縮施設として杉並中継所というのがあります。井草の森公園というところになるわけでございますが、最近マスコミでも杉並病、そういう言われ方をして記事に何回か載りました。そのごみの中継所から出ているんではないかといって、付近住民が大変なショックを受け、かつこれは何とかしてもらいたいということで、区、さらに都、さらには厚生省まで行っているわけでございますが、この問題をまず認識されているかどうか。それから、権限が区の方に移った場合、この処理は例えば杉並区で処理することになるのか、現時点におけるいわゆる杉並病に対する対応はどのような形になっていくのかという点について、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 杉並の中継所のお話でございますが、私ども直接所管しておりませんので、新聞程度の理解でございますが、まず事務の移譲の関連で申し上げますと、清掃事業を具体的にどのようにして移譲の事務を進めていくかということは、現在都と区と関係者間でお話し合いをしております。法律では平成十二年四月一日というもので移管する、その移管の仕方、事務の範囲については協議の中で決まってくるものだ、こういうふうに考えておりますが、基本的にはそういうことでございます。
○魚住裕一郎君 今、これは新たな公害かもしれないという点で、地域住民の方が問題提起しているわけでございますが、これは都と区で話し合って、その責任、将来的には賠償責任まで発展するかもしれませんけれども、それも都と当該区で話し合いなさいと、そういう話ですか、今おっしゃったのは。
○政府委員(鈴木正明君) ちょっと具体的なケースについて、直接お話、コメントはなかなか難しいのでございます。それぞれの事案によりましょうけれども、一般的に申し上げますと、責任とか、それが法律的な責任、義務という議論になりますと、事務が都から特別区へ移譲したからといって、そのことによってそれまでに行った都の行為に伴います責任というものが都になくなるというものではないだろうと、こういうふうに思っております。 ただ、現実に、御相談にどういうふうに応じていくのかとか、そういったことはやっぱり移譲に伴うことでございますから、それは都と区で協議して、協議の対象になるんではないかと、こういうふうに考えます。
○魚住裕一郎君 もう時間がなくなってきましたけれども、廃置分合についてちょっとお聞きしたいんです。 特別区についての規定がなされておりますが、これは一般の市町村と廃置分合あるいは境界変更についてどこに違いがあるのか。それから、違いがないとすればどうして新たに特別区についてのこういう規定を設けたのか。特別区を全部なくして二十三区を全部一つの区というような、例えば合併したというようなことも法的には可能なのか、こういう点についてお教えいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 特別区の廃置分合の関係でございますが、特別区につきましては、従来は廃置分合、境界変更につきましては特別区の方に発議というんでしょうかイニシアチブがなくて、都知事の方から発議するものに対して特別区の方で同意を与える、こういう仕組みでございましたが、今回の改正でそれは改めまして、ほかの市町村と同様に特別区についても廃置分合、境界変更について発議権を与えまして、いわば自主性、自立性というものを強化する、こういう形にしております。 しかし、通常、一般の市町村と違っている特例もございます。例えば、周辺市町村の吸収合併は可能ですけれども、周辺市町村に特別区が吸収合併されるという道は置いておりません。それから、周辺市町村と新設合併をするということは、そういう手続は置いておりません。したがいまして、二十三区の区域内から市として独立するとか分離するとかいう道は今回置いておりません。 基本的考え方は、先ほど申し上げましたように、この大都市地域という実態、それが一体となった実態というものがあるので、そこから特別区でなくて市として分離、独立するという形は適切でないと、こういう判断でございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。 私は、先ほどから明治以来の特別区の歴史については、それぞれ保坂委員なり魚住委員の方からいろいろお話がありましたので、そこらは略していきまして、特に一九九〇年九月二十日の第二十二次地方制度調査会の都区制度の改革に関する答申の中で「大都市の行政の一体性確保の要請に配慮しつつ、特別区の自主性、自律性を強化する方向で都区制度の見直しを行うこと」としつつも、「住民の理解と協力、関係者間における速やかな意見の一致が望まれる。」、こういう指摘がされております。また、上杉自治大臣も衆議院での法案の審議の際にも、そして先ほどの保坂委員の御質問の中にも、本改正案の国会提出に至るまでの経過について、特に二十三区、八百万都民の生活に支障を来さないために、私から見れば最大の心配りと慎重な態度で臨まれてきたというふうに評価をしておりますし、また、大臣の方からも事務方の方にそういう御指示もなさっておるということも衆議院段階で述べられておることも聞いております。 そこで、申し上げたいのは、大臣を初め政府の方はそのような心配りの中で慎重に対応し、努力をされてきましたが、清掃事業については移管の前提となるべき諸課題がすべて解決された上で法改正が行われているのではない、重要な課題が今後関係者間の協議にゆだねられておるように、課題を残したままの法改正になっているというふうに思います。これらについて自治省はどのように認識をされておるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 東京都から特別区への清掃事業の移管に関しましては、平成六年に関係者間で、平成十二年四月を移管の時期とすることで合意を得ております。東京都と特別区を初めとする関係者間におきましては、平成十二年の四月に円滑に清掃事業を移管されるよう、これまで鋭意協議を続けられてきたところでありますが、大筋の合意がなされたものと認識しております。なお、清掃事業の移管に伴う施設の整備、あるいは事業の運営形態その他の課題につきまして、引き続き関係者間の協議が続けられているところであると、このように承知をいたしております。 一方、こうした状況のもとで、平成十二年の四月に制度改正を実施するように関係者からの強い要請があったところでございまして、自治省といたしましては平成十二年四月に三位一体の改革が制度的にも実態的にも実施されるということについて大筋の合意が得られるとともに、当事者であります東京都と特別区が責任を持って円滑な清掃事業の移管を図っていくというふうに認識をいたしております。 平成十二年四月に移管を行っても、実際の清掃事業が円滑に処理されるとの見通しが得られたため、今回法律改正を提案しているものでございます。
○渡辺四郎君 そこで、大臣、再三恐縮でございますが、ちょっと私、お聞きをしておきたいと思うんです。 今お話がありましたように、都と特別区の関係では平成六年に関係者間で合意がされて、平成十二年の四月に円滑に清掃事業が移管をされるよう、この間、鋭意協議が続けられてきた。自治省も大筋の合意がなされたという認識に立って今度の法案改正を提起したというふうに言われております。 問題は、なお、事業移管に伴う施設の整備や事業の運営形態、またその他の課題についても今後引き続き協議を続けられていくものと承知をしているということでございますが、衆議院でも、あるいは先ほども大臣は決意を含めての見解を述べられたわけですが、お尋ねしたいのは、清掃事業が円滑に実施されないと、大臣の御心配の都民生活にすぐ支障を来すことになりますので、労使間の円満なやっぱり決着が必要だと考えますが、ここについて自治大臣のお考え方をいま一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点については、法案を今国会に提出するかしないかという判断をいたします場合に、特に清掃事業の労使間の円満な合意というものを私どもは慎重に見きわめてまいりました。私は、そのことが合意されない限り法案の提出はだめだという判断を持っておったわけでございますが、先ほどの御質問にもお答えいたしましたように、都の方からは、話し合いでするから、話し合い中であるから、どうかひとつ先行させて法案を提出してほしい、こういう要請が事務方にもあり私にもございました。しかし、私はそこをきちっとしてもらいたい、させるべきだと。また、そうしないと、せっかくこの都区制度が新しくスタートいたしましても円滑なスタートができない、こういうことになっては申しわけない。また、そうなれば都民生活に悪い形での影響が出るわけでございますから、そうならないように実はそれを見きわめてきました。 しかし、労使間が清掃事業については一定の合意というか話し合いができたということで、自治省としましても一貫してこの考え方を基本にしてきたわけでございますから法案を提出いたしたわけでございます。 しかし、残された課題があるわけでございまして、関係者間で十分協議をしていただきまして、清掃事業等が円滑に円満に移管をされまして、都民生活に影響のないような結論をぜひ出していただきたいことを心から私どもは期待を申し上げておるところでございます。
○渡辺四郎君 ぜひひとつ大臣の今のお気持ちを生かしていただくように、私どもの方も努力をしていきたいと思いますし、また関係者の皆さんも努力されることと思うんです。 私も長年自治体に勤めてきた経験があるものですから、ここで清掃事業に対する定義なんかについていろいろやりとりする考えはないわけですけれども、やはり私らは自分の経験からしても、清掃事業というのは収集から始まって最終処分まで、こういう一貫性の問題をとらえて清掃事業というふうに位置づけをしてきたわけです。清掃事業の果たす役割というのは、一つには住民の衛生管理あるいは予防医療、そして環境問題、こういう部分に果たす役割も実は非常に大きな役割が清掃事業にはあるわけです。 そこで、自治省の方にお尋ねをしたいと思うんですが、私は、移管後の清掃事業が円滑でかつ効率的に実施できるように、事業の一貫性を保持しつつ、統一性に配慮した何らかの措置を講ずることが重要であるというふうに思います。例えば、地方自治法の第二百八十四条以下に制度が認められている一部事務組合や、都と二十三区が共同で一体的に運営するための広域連合などを含めた方策を採用することも必要な場合があると考えますが、これについての自治省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 清掃事業の実施、具体的にどうするかということでございますが、法改正によりまして法律上の権限が移譲されます特別区の責任のもとに行われるということが基本であると考えておりますが、清掃事業を円滑に実施していくため、その具体の方策については東京都と特別区を初めとする関係者間で十分な協議が行われるべきものと考えております。 御指摘の広域的な対応に関しましては、今回の制度改革の経緯及び趣旨を踏まえて、都及び特別区を初めとする関係者間の協議のもとに、一部事務組合や広域連合の仕組みを活用することも一つの方策としてはあり得るものと考えております。
○渡辺四郎君 それでは次に、移管の問題についての私自身の疑問といいますか、先ほどから保坂委員あるいは朝日委員からも、あるいは魚住委員からも、制度そのものあるいは法案そのものには私自身も賛成するわけですが、どうしても頭が悪いのかどうか知りませんが疑問があるものですから、お尋ねしてみたいと思うんです。 長い間、自治省及び都区間の協議を得て今回の法改正に至った経緯については承知をしておるつもりでございますが、私自身も福岡市や北九州市という大都市を抱えた福岡県出身なものですから、大都市の制度的なものあるいはそれから派生する財政問題などについてもそれなりに理解はしておるつもりであります。したがって、巨大都市東京の自治の仕組みが他の政令指定都市と言われる大都市の場合と基本的に異なっていることもわかっているつもりですが、しかし、それでもなおかつ今回の法改正の内容について先ほど申し上げましたように若干の疑問があるので、以下、何点かお伺いしてみたいと思うんです。 その第一点が、日本の重要な地方自治の一つである特別区のこれまでの経緯を見ますと、昭和三十年代以降、市に準ずる機能が逐次付与されてきておって、基礎的自治体としての位置づけが当然必要となってきたものである、そういう点については理解をいたします。今回の改革においても、都と区の役割あるいは機能の具体的な変更にかかわる改正なのでありますから、まず、特別区の性格づけを明確にしておく必要があるんではないかというふうに私自身は思うんです。 これも先ほど朝日委員なりあるいは保坂委員の方からも御質問がありましたけれども、さかのぼれば昭和五十六年八月の特別区制の調査会の答申で都区合意と呼ばれるものが、そして六十一年の二月の「都区制度改革の基本的方向」でも特別区を普通地方公共団体に改める旨の合意がなされてきた。しかし、今回の改正案では、特別区を基礎的自治体という位置づけをしておるようです。しかし、普通公共団体ではなく特別地方公共団体だと。言われますように、つまり一部事務組合とかあるいは財産区、あるいは地方開発事業団などと同類の位置づけに実はなるわけです、地方自治法上は。これはなぜなのか。区民にとってもなかなかやっぱり不自然に映るのではないかと思うんです。 市町村のように最も住民に身近な行政を行うのが基礎的自治体で、このような団体が普通地方公共団体でない地域というのは唯一東京の特別区だけであるわけです。ですから、住民側から見ますと、先ほどありましたように、例えば千代田市とかあるいは何々市というのでなくて区というふうになって、区そのものが先ほど言いましたようにいわゆる財産区とか一部事務組合とか、こういう自治法上の位置づけと全く一緒だと。どうしてもそれから見ますと、住民から眺めてみますと東京の区民だけが正常な基礎的自治体を持っていないことになるのじゃないか。 ここらについてひとつ自治省の方はどういう見解を持っておられるか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(鈴木正明君) 特別区の性格づけに関連してでございますけれども、お話しのように、昭和五十六年の八月の特別区制調査会の方の考え方は、特例市構想というような考え方で普通地方公共団体にしてはどうかと。それから、昭和六十一年のいわゆる都区合意、「都区制度改革の基本的方向」、これは東京都と特別区で合意したものでございますが、ここでは、新しい都と新しい基礎的自治体と二階層制にする、それで新しい基礎的自治体は普通地方公共団体とする、こういうような提言、考え方の整理が行われております。こういった議論を踏まえまして、地方制度調査会で御議論をいただいたわけでございます。 同制度調査会の集約としては、特別区は基礎的な地方公共団体であると考えるが、「都においてのみ存する制度であり、このような改革の後においても、大都市の一体性確保の見地から、機能、税財政などの面において、一般の市町村とは異なっているので、なお特別地方公共団体であると考える。」という考え方に集約をされております。 私どもといたしましても、今回の改正案によりまして特別区は基礎的な地方公共団体として位置づけますが、都にのみ置かれる特別区の制度であり、また大都市ということからくる特例というものは依然としてやはり必要でございますので、特別地方公共団体と位置づけることが正当であるというふうに考えております。 なお、かつて存在いたしました特別市という構想がございます。昔の大都市、政令指定都市制度発足前でございますけれども、それ以前の大都市についてはいわば都市と府県の機能もあわせ持った特別市という制度を自治法上設けたことがございます。それにつきましても、府県の仕事まで行っておりますが、特別地方公共団体と位置づけているところでございますので、確かに今、一部事務組合とか財産区ということと特別地方公共団体というのはそういうのもあわせて同じところで規定をしておりますから、御指摘のような面もあろうかと思いますけれども、そういった自治制度としての制度を仕組む場合にそういった経緯もあるということも御理解いただきたいと思います。
○渡辺四郎君 都民の方が理解ができればいいわけですけれども、なかなかそこらについては少し自治法を読めば逆に言ったら疑問を感ずるんじゃないかという心配があるものですからお聞きをしてみたわけです。 それから、例えば財政問題についても先ほどからお話がありました。私が疑問に思うのが、都区の都区制合意の問題とかあるいは「都区制度改革の基本的方向」なんかで出されております財政問題についても、例えば一つの例として、財政調整制度の垂直調整を廃止して、そして基礎的自治体間の均衡ある行政水準を維持するために納付金制度は残していくというのが一つの問題。それから二つ目が、交付税制度についても、都と基礎的自治体とは分離をして適用して、基礎的自治体分は一括して適用し、新しい財政調整の財源とすることというのが例えば合意の中とかあるいは都区制度の中で出されておりましたけれども、これが今度の改正案ではとられてなくて、ですから、先ほど行政局長もおっしゃったわけです。 この合意事項あるいは「都区制度改革の基本的方向」を踏まえての地方制度調査会の議論だったと私は思うんですけれども一こういうふうに変わってきた特徴的な議論を自治省の方で何か掌握をしている部分があれば、こういう点が変わった議論だった、こういう方向で変わってきたんだというような点があればひとつお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 「都区制度改革の基本的方向」という六十一年に出されたもの、こういうものも踏まえながら地方制度調査会で議論をされております。私もたまたまそのときの地方制度調査会の議論に参画をいたしておりましたので、今委員がお挙げになりましたような点についてどのような議論があったかということを簡単に御紹介いたしたいと思います。 まず、垂直調整を廃止するという問題につきましては、これは一方で調整税を残すというふうな形で基本方向の中でうたわれておりましたので、そういったことからいきますと、特別区に配分される調整割合、これを要するに垂直調整的なものでその都度動かすということは、廃止するということになりますと、この調整割合を法律で書かざるを得なくなってくるということでございます。そういうことになりますと、調整割合を変更する場合には必ず法律改正を要するということになって、それが果たして特別区の自立という観点から妥当なのかどうかと、こういう御議論がございました。 それから、納付金制度を残すということでございましたが、これにつきましてはやはり特別区の課税権との関係で財政の自主性という観点からこれはむしろ問題があるのではないかというふうな議論がございました。 それから、交付税制度について、新しい基礎的自治体を一括して分離してそれに交付税制度を適用してはどうかと、こういうのがその基本的方向の御意見でございますが、これにつきましても二十三区を一括した地方自治体というのは現には存在しないわけでございまして、そういう現実に存在しない地方自治体を想定して地方交付税制度を適用する、場合によっては、財源不足になりますと、そういういわば観念的に擬制をした地方公共団体に交付税を交付するというのは論理的にどういうものかなといったような、いろいろそういう観点の議論がございました。 そういうことも踏まえまして、地方制度調査会では、現在の都区財政調整制度を存続した上でこの特別区の財政運営が自主性、自立性を高めるようにまた安定性を高めるようにということで、今回御提案を申し上げているような内容の答申になったわけでございます。 それを受けて、都区におきましては議論をされまして、平成六年に都区合意がされておりまして、この平成六年の都区合意というのは地方制度調査会の答申と同じような内容の都区合意になっておりまして、今回の財政制度の改正はこの平成二年の地方制度調査会の答申と平成六年の都区合意を受けて御提案申し上げているという次第でございます。
○渡辺四郎君 これも先ほどからお話がありましたように、都から特別区に移譲される税目、三税問題でお話がありました。保坂委員のお話では二十三億程度というお話であったというふうに私は受けとめたわけですが、平成八年度の分では三税で八億八千五百万か、私が資料で見たのは。それは別といたしましても、いずれも税額がそう大きくない、しかも限定された特別区だということになりますと、特別区の財政運営の自主性とかあるいは財政力の強化のためにはもっと大きな税目を移譲すべきじゃないかというふうに考えるわけです。 でありますように、例えば都市計画税一つとってみてもこれはだめだと。しかし、一つの区で小さな都市計画をやった場合に、例えば私は福岡県の太宰府市ですけれども、太宰府市の場合はやっぱり百分の二の限度額いっぱいの都市計画税を新たに取っておるわけですね。そういう部分もこれでいけば区の場合は区内の都市計画についても新たな都市計画税は設置できないということになりますと、もう税目を移譲するといっても大体限界はあるし、そうしますと区の財政そのものの本当に見通しが立つだろうかと、そういう心配があるものですから、ここらについて具体的に税目の移譲をするかどうか、そういう点も含めてひとつお聞きをしてみたいと思うんです。
○政府委員(成瀬宣孝君) 東京都と特別区の間におきます税源配分につきましては、今回都区制度について大幅な改正があるということで、平成六年の都区協議会によります都区制度改革に関するまとめ、この考え方も踏まえまして、現在都に留保されております市町村税等のうち特別区に移譲できるものにつきましては可能な限り移譲することとしたところでございます。 ただ、先ほど来たびたび御説明させていただいておりますように、事務配分が基本的に東京都において相当のものが引き続き行われるということで、結果としては入湯税ほか二つの交付金、譲与税について特別区に移譲することになったわけでございます。 したがいまして、御指摘の東京都からもっと大胆に特別区へ税財源を一層移譲すべきではないかといった問題につきましては、都区制度のあり方、その中における東京都と特別区の事務配分の役割分担のあり方、そういったことなども十分議論しながら今後検討していくことになるのではないかというふうに考えております。
○渡辺四郎君 非常に財政問題には弱いわけですけれども、頭のない中で考えても、特別区の財政運営の自主性を具体的にどのように高めていくかという視点から考えた場合に、法案の改正後も財政の基本は都と区の合算制度ですので、特別区の自主性を高めると言っておりますけれども、先ほど言いましたように都から移譲される税目は三税で額も多くない、特定した特別区だという、そういう中で、自治省として自主性を高めていくものとして具体的にどういうものが考えられるか、あるいは想定がされるのか、そこらについて何か考えがあれば示してもらいたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) この都区財政調整制度の今回の改革は、特別区の自主性、自立性を財政運営面において高めていく、また安定性を高めていくということにございます。 先ほど来申し上げておりますように、そういう観点から、この財調制度のねらいなりあるいはそのもとになります財源なりを法律で定めることによって財源保障機能をより明確化、安定化させようということ、それから金額の上におきましては、いわゆる総額補てん主義ということがともすれば特別区の都に対する依存心を助長するというふうな指摘もございまして、それを廃止することにして、中期的にそこのところは都と特別区間の財源の配分割合を安定化させるということをねらっておりまして、そういう形で特別区の財政の自立性を高めると。それだけ責任は重くなってくるわけでございますけれども、そういう形で都と特別区間の財政の責任関係もより明確化していくということを考えて今回の改正を提案申し上げておるわけでございます。 各年度におきましては、仮に、今の総額補てん主義を廃止することによりまして財源が不足する場合には、地方交付税制度でいいますようないわゆる調整率によって案分をして特別区の財調の額を定めていく。より中期的には、清掃事業なんかもその一つでございますが、これから新しい事務が特別区の分担になっていく、あるいは行政需要が新しくつけ加わってくるということも当然あり得るわけでございまして、その結果、今の調整三税の割合がそういう事務配分と要するに見合わないというふうなことになってくる場合には、これも交付税制度でいいます六条の三第二項のような、継続して著しい財源不足が出る場合にはこの調整割合を変更するというふうなことをこの地方自治法の施行令で定めておるわけでございます。 そういう形で都区間でその都度適切な協議がされて、結果的に特別区の財政の自主性あるいはその責任の明確化ということが図られていくということを期待しておるわけでございます。
○渡辺四郎君 最後に、念を押すことじゃありませんけれども、今財政局長の方からお話がありましたように、例えば改正案によって清掃関係なんかの事務を移管した場合に、これらの執行経費ということになれば特別区の基準財政需要額が相当膨らんでくるわけです。そういうことの中で、現在あります特別区に交付されている調整三税の四四%の交付金なんかはやっぱり大きく見直さなきゃいけないんじゃないか、法律そのものにも調整割合については変更するということもうたわれておりますから、この三税の四四%の交付割合をやっぱり大きくふやさなければ私は区の運営はできないんじゃないかという気がいたしております。ここらを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 清掃事業等が特別区に移管されます場合には、その実施に要します経費は当然都の負担から特別区の負担に変わってまいります。したがいまして、この都区財政調整制度におきましては、特別区がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように財調交付金を交付するということでございますから、財調制度の基準財政需要額に算入をしていくことが必要になってまいります。したがいまして、一般的には現在の都条例で定められております調整割合四四%を引き上げる必要が生じてくるということも予想されるわけでございまして、具体的には平成十二年四月の法施行時期をめどに都と特別区との間の話し合いによりまして、これらの経費が賄えるように改めて適切な調整割合が設定されてくるものというふうに考えております。 自治省といたしましても、今回の改正の趣旨を踏まえまして、特別区の自主的な財政運営に支障が生ずることがないように、地方自治法の規定に基づきます助言、勧告ということが二百八十二条にうたわれておりまして、それ等によりまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 終わります。
○委員長(藁科滿治君) 午後一時三十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後一時三十五分開会
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方自治法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有働正治君 日本共産党の有働でございます。 まず、今回の法改正の都区制度をめぐりまして、大臣にその歴史的位置づけ、意味合いについて端的にお尋ねします。 つまり、今回の法改正によりまして、一九五二年の改正で特別区に加えられました自治権の制約、このほとんどが解除されることになると考えるわけであります。昭和二十七年、一九五二年の自治法改正で盛り込まれました特別区が自治権を奪われた幾つかの点、一つは特別区の内部団体化一二つ目に廃置分合の発議権の都知事専有問題、三つ目に医事務の調整に関する都条例制定権、四つ、指揮監督に関する都の条例、五つ、区長委任事項の特例、こうした五つの点の廃止、解除が今回の改正内容に盛り込まれていると考えるわけでありますが、この点を含めまして、改正提案者として大臣の所見をまず求めたいと思うわけであります。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の件につきましては、昭和二十七年の地方自治法の改正によりまして、それまでの区長の公選制が廃止されますとともに、特別区の基礎的地方公共団体であるという性格は変更されたわけでございます。たびたび事務方からもお答えしておるとおりでございます。都の内部団体として位置づけられるに至りました経緯がございます。 今回の改正によりまして、特別区は基礎的な地方公共団体として位置づけられ、都の内部団体としての性格が払拭されるとともに、御指摘のような廃置分合の特例制度の廃止、それから調整条例制度の廃止、指揮監督の特例の廃止、区長委任条項の廃止などの地方自治法上の特例措置が大幅に改正されるということになります。 したがいまして、このことによりまして特別区の自治権が拡充されるものと考えておるわけでございます。
○有働正治君 東京都の戦後の歴史を自治権の拡充という点から考えますと非常に長い歴史があるわけであります。 区長公選制は、一九五二年廃止されたのが復活するのに七四年と二十数年もかかっているわけであります。特別区の問題でいいますと、これを基礎的自治体にしていただきたいという願いは区部に住む八百万都民にとってはいわば五十年来の悲願と言ってもいいわけであります。 今回の改正が、一つは特別区を基礎的自治体と位置づけること、二つには特別区の財政自主権を強化すること、三つ目には清掃事業を初め住民に身近な事務を特別区に移すことの三つの内容を同時に実現するものになっているというのは画期的なものと言えるわけであります。 私ども日本共産党も、微力ではありますけれども、各特別区の区議団あるいは東京都議団を先頭にこうした内容を実現するために自治権拡充のために要求し運動をやってきたわけであります。その中で革新自治体も一定の役割を私は果たしてきたと思うわけであります。 特に、私、感ずるのは、例えば大阪や横浜に比べまして特別区は議員の数も総体として多いわけであります。その点では、住民の声をきめ細かく代表できるという住民の代表性はほかの都市に比べて相対的にすぐれている強さも持っていると感ずるわけであります。 ところが、この間、特別区が権限その他自治体として不完全な立場に置かれてきたわけで、これは問題だと思ってきたわけで、そういう特別区がより完全な自治体に前進すれば、大都市の自治体としても、首都ということも加わりまして私は自治権の拡充という点で全国的にも大きな意味を持つと考えてきたわけであります。 そういう点で、今回の改革を実現されるために御尽力されました関係者の方々の御努力、これには各政党の皆さん、各会派の皆さんも含むわけでございますけれども、心から敬意を表する次第であります。 私も、昨年の三月二十七日の本委員会で、清掃問題でこの改革が先送りされそうな状況の中で、今回の法改正の実現を強く要求した経緯もあるわけであります。 そこで話を進めます。 都区協議会についてお尋ねするわけでありますが、現行の都区協議会制度というのは、区を都の内部制扱いにするためにつくられたものではなくて、都と区というのは団体としては独立した対等の関係を確認した上で、それが協議する場として必要だということで設置されたものと承知しているわけでありますが、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 都区協議会でございますけれども、都と特別区の間あるいは特別区相互間の連絡調整を図るために必要な協議を行うということで設けられておりまして、いわゆる調整条例あるいは都区財政調整条例の制定に当たっては、都区協議会は都知事に意見を述べることもできることとされておりまして、現行法のもとで都と特別区のいわば共同の話し合いの場、協議機関として位置づけられております。
○有働正治君 引き続き都区協議会のあり方の問題であるわけですけれども、今回の法改正によりまして、今後、特別区の意見がより反映されるというのが当然の筋だと考えるわけでありますが、この点いかがでありましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の制度改革におきましても、都区協議会は基本的には現行制度のまま特別区と都の関係、特別区相互間の連絡調整を図るための仕組みとして存続させるということにしております。 そのあり方につきましては、これまで以上に特別区の意見が協議に反映されるようにしていく必要があるだろうということで、現在、都と特別区の間で組織、運営のあり方について協議が進められているというふうに承知しております。自治省としてもその方向で検討を進められることがいいと考えております。
○有働正治君 区側の要望としては、都区財政調整のための協議会に純化、再編すること、区と都との対等関係を確保する、そして都が区側の意見をよく聞いて形式的にとどまるべきではないという強い区側の要望があるわけで、こうした方向で実現して運用されるべきだということを述べておきます。 そこでお尋ねしますけれども、都区協議案で合意されているもののうち、今回の法改正ではっきりしていない問題点として、事務配分の中の都市計画決定に関する事務、建築確認に関する事務、保健衛生に関する事務などの点があるわけであります。特定街区、地域冷暖房施設、住宅地高度利用地区計画、これらを特別区に移管すること、あるいは特定街区内の建築物等を特別区に移管すること、食品衛生、建築物の衛生環境、有害物質家庭用品等に関する事務の移管などが都と区の間では合意されているわけであります。これらは政令事項とされるわけでありますが、現在どのような方向で検討されていると自治省としては承知されておられるのか、御答弁願います。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の都区制度改革は、基本的には地方制度調査会の答申にのっとり行うものでございますが、その改正案につきましては基本的に都と特別区が平成六年九月に合意いたしましたいわゆる協議案、都区制度改革に関するまとめというものの内容に沿ったものでございます。 それで、御指摘の都市計画の事務、それから建築確認、保健衛生等の具体的な移譲の内容が政令によって定まるものもあります。それで、化製場とか有害物質の関係は法律上の改正でほぼ区の方に移譲されるということでございますが、今お話に出ましたことについては政令により定まるということで、それぞれの所管省において検討がなされております。内容的には法制的な検討が必要でもう少し詰めなくちゃならない問題があるものもあると聞いておりますけれども、基本的には都区協議案というものを踏まえまして具体的な検討がなされている、このように承知をいたしております。
○有働正治君 一連の問題も、今回の法改正の趣旨の自治権拡充の方向で解決されるよう、この点も要望しておきます。 そこで、私は、郡あるいは区政の今後のあり方、自治体の本来の仕事ともかかわる問題として第三セクター問題について簡単に幾つかお尋ねいたします。 つまり、第三セクターが一九八〇年代の民活ブームに乗って設立されて、とりわけリゾートや工業団地など開発型の第三セクターというのはバブル経済の崩壊とともに全国的に経営破綻が表面化しているわけであります。 日本経済新聞の昨年十二月の全国調査結果を見ますと、地方の第三セクターの七割が累積赤字を抱え、このうち半数以上で赤字解消のめどが立っていないと。ことし二月の朝日新聞の「第三セクターの総点検を」という社説の中でも、民間の信用調査会社である東京商工リサーチの推定では開発型の三セクの半数が赤字に陥っている、こういう問題が出ているわけであります。 これに住民の税金が投入され、本来自治体でやる仕事であります福祉や健康、暮らし、この問題について非常に深刻な犠牲を伴う方向で東京都を含めまして大きな問題になっているということで、今後の自治体のあり方としても非常に問われている問題だと考えるわけであります。 そこで、まず自治省に簡潔にお尋ねします。 自治省の最新の地方公社の現況に基づく、自治体山賢が二五%以上のものとそれ以下のものに分けまして、第三セクターの総数。それから、自治省としてこの破綻の広がりについてどういう認識を持っているのか。そういう点からいいまして三つ目に、各自治体としてもこの問題は総点検し、清算を含めてきちっと解決すべき課題が出されていると私は思うわけでありますけれども、自治省としても三セクの問題について実態調査、総点検等をやって、結果を公表するなり対応を図るということが求められていると考えるわけでありますが、この点いかがでございましょうか、簡潔に。
○政府委員(香山充弘君) お答え申し上げます。 地方公社の数等につきましては三年ごとに調査をいたしておりますが、平成八年一月現在では、公社総数が九千三百四十四、うち出資割合が二五%以上の公社の数は七千五百八十、それから二五%未満の公社の数は千七百六十四となっております。 自治省といたしましては、この調査におきまして第三セクターの経営状況あるいは経営悪化の原因等について把握いたしておるわけではございませんけれども、第三セクターの中には活力ある地域社会の形成に貢献している例が見られるものの、経営状況が悪化している第三セクターもふえてきておるというふうに考えております。ただ、その悪化の原因は、地域の事情、あるいは経営のあり方等によりましてさまざまなものがあるというふうに認識をいたしておる次第でございます。 第三セクターの経営につきましては、関係いたします地方団体が十分な指導監督を行いまして、また当該地方団体の責任において地域の住民に対しても必要な情報が明らかにされていくべきものと考えておりまして、行革指針あるいは財政運営通達等におきましても、この点についての取り組みを徹底するように自治省としても指導をさせていただいておる次第でございます。 最後にお尋ねがありましたけれども、第三セクターは数も大変多うございますし、地方団体の関与の形態あるいは事業の内容等も極めて多様でありますことから、自治省におきまして運営状況にまで立ち至りまして総点検を行うということになりますと、これは困難と考えられますけれども、問題が生じておる第三セクターにつきましては、個別に事情を聴取するなりいたしまして必要な助言、指導に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○有働正治君 極めて重大な事態になっていることをまず認識していただきたいと思います。一々事例を挙げる時間的余裕はございません。 そこでお尋ねしますけれども、特に開発型と言われる第三セクターが全国的に問題になっているわけでありますけれども、これを推進して今日の破綻を招くことになった政府の責任についてはどういう所見を持っておられるのでありましょうか。
○政府委員(香山充弘君) 地域開発とか観光、レジャー等の第三セクターにつきましては、昭和六十年代以降、国におきましていわゆる民活法あるいはリゾート法等が制定されたこと等によりまして地方団体におきます第三セクターの設立が増加したという面は確かにございます。地方団体がこれらの第三セクターを設立するに当たりましては、そういった国の支援施策を背景としたわけではございますけれども、基本的には地方団体の自主的な判断によって設立が行われ、またその責任において指導監督がなされているものでございます。 また、第三セクターの経営状況でございますけれども、バブルが崩壊いたしまして、そういう環境の悪化によりまして全体的に大変厳しくなっておりますことは否定できませんけれども、経営努力によりまして順調に経営されているところもございますし、一方で、個別に経営面のまずさから経営不振に陥っている、そういった例もございます。そのような意味で、これにつきまして政府の責任が云々されるというような問題ではないと私どもは考えております。
○有働正治君 とんでもない答弁と私は言わざるを得ないと思うんです。 八〇年代の民活路線、臨時行政改革推進審議会等の答申の中で、第三セクターの適切な活用を図る等、その推進を行ってきたわけであります。また、昭和四十八年、七三年の経済社会基本計画の中で第三セクターという用語が公的文書にも明確にあらわれまして、その後の全総計画の中でも大々的に推進された。そして、八六年の民活法だとか八七年のリゾート法等々のいわゆる関係法令でこれをやってきたということであります。 政府の音頭取りと法令、とりわけ東京の場合には政府の干渉、介入というのは目に余るものがあった。例えば、副知事をやられました横田政次さんという方が、「僕は裏方 都・区政四十五年」という本を出版されておられるわけです、ここにありますけれども。金丸副総裁を初め国土庁その他の省庁を含めましてこれほどまでに微に入り細に入り介入したあげく、その結果、当初計画がまるっきり違う方向に、こんなに介入された事例は今までない、どんなに苦い思いをしてきたかと当事者も書いているわけで、今の答弁というのは人ごとみたいな答弁だと言わざるを得ないわけです。 私は、あえて言えば、自民党政府の路線と政策、その中で生まれた破綻という点では人災とも言える状況があるわけで、自治省の責任を含めて極めて重大で、その実態と原因を明確にして今後の方策をやらなければ、東京都政、区政の今後のあり方を含めまして全国の自治体に大きくかかわる大問題だということでこれを取り上げているわけで、非常に問題ありということを厳しく指摘しておきます。 そこで問題は、この解決をどう図るかという点で幾つかお尋ねするわけでありますけれども、結局、仕事が失敗したらどうなるか。最後の負担は自治体が負わなければならなくなるということで、何百億という負債を自治体が抱えて住民の税金をこれに大々的に投入するということが全国のあちらこちらで起こり、これが福祉切り捨てその他の問題と結びついているわけであります。 例えば、東京都の場合は、臨海副都心開発のオフィスビル経営の七つの第三セクターのほとんどが債務超過です。既に東京都は四百数十億円の公的資金を投入しているのに、さらに都民の税金を投入しようと。この中で銀行は貸出利息だけで三百八十億円も利益を上げているんです。 そして、責任を明確にとろうとしない自治体があちらこちらにあって、ツケは結局住民の税金、住民犠牲ということ。 例えば、大阪の泉佐野コスモポリス社、これは大阪府と銀行等の出資で、また大林組、大成建設などゼネコンも出資しているわけでありますが、破綻して府の税金投入ということで大問題になっているわけであります。ところが、銀行七社は五百六十億円融資して既に八十七億円の利子収入を得て、それからゼネコンも開発の利益にあずかって、後は税金投入で責任を逃れようという態度があるわけであります。そういう事例、示せばもうあまたあって、本が何冊できるかわからないというぐらいの状況なわけです。 そういう点からいいまして、大臣にお尋ねするのでありますけれども、やはりゼネコンや大銀行、わずかの出資金で、破綻したけれども利益は上げておる。そして破綻処理には自治体、住民が大きな犠牲を払うというのは私は問題ではないかと思うんです。企業は社会的責任を果たすべき責任があると考えるわけでありますが、この点だけ簡潔に。
○政府委員(香山充弘君) 第三セクターはあくまで地方団体とは独立した人格を持つものでありますから、その経営は当然独立採算でなされるべきものでありまして、地方団体の財政に影響したりあるいは地域住民の負担につながるようなことがあってはならないというふうに考えております。 ただ、ただいま御指摘がありました第三セクターと金融機関等の取引ということになりますと、これはその時々の契約関係によってお互いの債権債務関係が明確になっておりますので、それはそれで現実の破産処理の場合に金融機関も加わってどのように処理するかということを別にいたしますと、当然その債務は第三セクターとして果たしていくべき問題でありまして、まずその次元でとらえる必要があるというふうに思われます。 いずれにいたしましても、私どもといたしまして第三セクターの問題は決して軽視しておるわけではありませんで、経営につきまして政府がしりぬぐいをすべきではないかというような御指摘につきましては先ほどのようなお答えをさせていただいたわけでありますけれども、個々の地方団体に対しましては、第三セクターにつきまして、業務内容あるいは役職員数の見直し等によりまして徹底した経営改善を図り、あるいは事業の進め方につきましても徹底的な見直しを図るように厳しく指導をさせていただいておるところでございます。
○有働正治君 最後に、大臣にちょっとお尋ねしたいのでありますけれども、この問題を解決する上で、地域住民の方、専門家を含めまして、本当に苦労されておられるわけで、何に苦労するかといったらば、とりわけ開発型三セクの経営内容等について情報公開が本当にないと。だから、そのために詳細な事業計画、経営内容が外部、住民に公開されないで、そして傷口を一層大きくして問題の解決をおくらせて、矛盾が一層拡大して住民が犠牲になる、こういうケースは多いわけであります。 そこで、とりわけ経営内容について情報公開をより進めるべきだという点が一点。五〇%以上出資法人については自治体の関与の規定があるわけでありますが、二五から五〇パー未満の場合には監査しかない。ですから私は、自治体出資率二五%以下の三セクに対しても議会の関与、自治体の監督権限が行使できるようにするなど、自治法の改正、政令見直し等を含めてやらないと、そして情報公開して、これが公企体として、三セクとして必要なのかということを住民とともに考えて解決するということを抜きにしては解決できない。それが本来の自治法の精神でありますし、今後のあり方の基本方向ではないかと思うわけであります。 関係者は、そういう点で地方自治法の改正を含めまして情報公開ができて自治体の関与ができるように強く要望しているわけでありまして、あわせてこれについて前向きに対応を願いたいと思うわけであります。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方団体の出資が四分の一、二五%の第三セクターについても議会が関与する仕組みとしている地方団体も既に幾つかあるわけでございます。個々の地方団体がその判断によりましてそのような対応をすることは結構なことだと考えております。 しかし、国がそれを一般的な制度とすることがよいかどうかということにつきましては、一方で、第三セクターの独立性や自主性を失うことなく機動的な運営を確保する方が第三セクターの活用方策として望ましく、議会等による第三セクターへの関与は最小限にとどめるべきではないかという考えもあるわけでございまして、慎重な検討が必要であろう、このように考えます。 今後、これらの点を踏まえまして、議会等と第三セクターがどのような関係にあることが望ましいのか研究をしてまいりたいと考えております。
○有働正治君 積極的な検討を求めます。 終わります。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。 地方自治法等の一部改正、この改正につきましては、これまでの都そして区、そしてさまざまの方々の御苦労と経過を拝見いたしまして、それなりに評価し、そして敬意を表したい、このように考えております。有働議員からお話がありましたように、画期的な制度である、そのような認識を私もいたしております。そういうことを前提にしながら、質疑をさせていただきたいと思います。 ざっと見て、今回の改正は、現状の都道府県、市町村、そして現在の特別区、こういった現状を見てその中でのそれなりに大きな改正であるというふうには思うんですけれども、私はそれはそれと評価をしながらも、ちょっと考えてみますと、東京都が直面している、ある程度将来像みたいな、そういうふうな先を見た検討といったことも必要ではないのかな、そういう考え方が今度の制度の中にも背景と申しますか、そういったものもなければならないのではないのかなというふうな感じもしております。 具体的には、既に各委員からもお話がありましたけれども、当面、政府で進めております地方分権推進計画の検討、こういったことも今後の問題の中に出てくるわけでありますので、そういったものもある程度見越して、そして今回の都区制度、こういったものにも十分対応のできるような、そういうふうな考え方もなければならないだろうなと、そういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の都区制度の改正の背景といたしましては、これまでも御議論いただいておりますけれども、やはり地方分権の推進の進展といったことがあろうかと思います。またさらに、これまでの諸改正に基づきます都及び特別区の行政の実績あるいは議会での自治の運用の成果といったものを踏まえて改正が行われ得る状況になったものというふうに考えているわけでございます。 特別区は、大都市としてのいわば特殊性で、統一性、一体性の観点から東京都に留保されている事務もありますが、他方、大都市の自治体、地方公共団体ということである面では中核市あるいはその他の保健所設置市等に伴う通常の市町村よりも多い仕事をしている面もございます。いずれにしろ、これから地方分権が進んでいく場合には、そういった中で住民に身近な基礎的な地方公共団体としてさらに充実発展をしていくという方向でやはり考えていくべきであろうと考えております。
○高橋令則君 今後の改正とかそういった問題については、まさに今後の問題でありますのでそういうふうなことになろうかと思います。 またちょっと戻ったような話になるんですけれども、私は今回の改正はまさに画期的なことで評価すべきものだ、そういうことはそのとおりであるというふうに思います。しかしながら、巨大な都市東京、恐らく世界の中でも非常に大きな力もある、そして国際的にも評価されると申しますか注目を集めている、そういうふうな都市でもあろうかと思うんです。 グローバルというんですか、そういう観点から今後の大都市東京、そしてその中でも特別区の発展というようなものも他の同じような都市、そして大都市、こういった国際的な立場での検討と申しますか比較といいますか、これは今後の発展のための検討として見方も必要ではないかというふうに思うんですが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 御指摘のように、大都市制度のあり方、国際的な視点からのあり方というものの検討というものは当然必要であるわけでございまして、今回の改正に当たりましても地方制度調査会等におきましていろいろ議論があったわけでございます。あるいは、首都圏制度全体の問題ということも含めましてあったわけでございます。 特に、都区制度の改正を行う場合には人口減少の著しい都心地域の再編をどうするのか、あるいは周辺地域も含めて特別区の区域の見直しの必要があるのではないか、こういう御指摘もいただいているところでございますが、やはり基本問題に触れるということで、それらについては大都市制度のあり方として今後十分な議論というものをしていく必要があるということで、今回は当面の都区制度、現行の都区制度のもとにおいての改革ということで提案をいたしているものでございます。
○高橋令則君 当面の対策そのものも大事ですから、したがって今、局長が言われたことはわかります。 しかしながら、いろんな都市そしてまた分権、地方自治、全体から見てやっぱり今非常に動いてきている時期だと思うんですね。したがって、相当やはり先を見た検討と申しますか研究といいますか、こういうことが非常に重要ではないかというふうに思うんですね。私も少し資料なんかを見ておりますけれども、パリですとかそれからロンドンであるとかさまざまな都市があります。それはそれぞれの歴史を持っております。いろいろな条件がありますので、それを直ちに東京都に云々ということはいかないということは私もわかります。しかしながら、あるべき東京都のあり方というものを考えながらやっぱり進めていかなければならないのではないか、このように思うわけであります。 そういう面で、今お話がありました小委員会でしたか、検討の中で特に注目されていた、検討された都市といったものがあれば、何があり、そしてそれがどういったポイントになっているのか、その辺をお聞かせいただきたい、そのように思います。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正に当たっての議論、ポイントでございますけれども、都区制度を考える場合に、四十九年に公選制が導入されて事務の移譲も行われたわけですが、その後の状況を見ましてやはり特別区が依然として都の内部団体的性格を払拭できないということで、いわば都と特別区との役割分担あるいは住民に対する責任というんでしょうか、そういった面が不明確ではないかという点が第一点。 第二点は、大都市の一体性の確保の観点から都に調整とか統一とか規制とかそういう機能が与えられているわけですが、それによって特別区の自主性が阻害されて特別区の都に対する依存心といった面の問題があるのではないか。 また、三点目としては、そういうことの裏返しとして都が行っている市町村事務がかなりのものがあるので、それが都の広域的立場からのいわば行政展開に徹し得ない要因になっているのではないかということで、そういった問題点を克服するということで今回の改正案の骨格ができている、このように考えております。
○高橋令則君 それはわかりました。 私がお聞きしたかったのは、国際比較の問題で、そしてポイントになったものはなかったかということをお聞かせしていただきたいのでありますが、どうですか。
○政府委員(鈴木正明君) 諸外国の大都市制度あるいは首都制度、それぞれ歴史なり制度の特色があるわけでございます。 首都制度としては、例えばアメリカでありますと、ワシントンDCという形で州ではなくて市でもないというような形のものもありますし、またパリですと、イルド・フランス州に属していて市でも県でもある、こういうような構成でございます。ドイツであると、ベルリンでいわゆる都市州制度ということで、それぞれかなり歴史的背景もありまして異なっております。翻って日本の場合ですと、都区制度は必ずしも首都ということに着目して制度ができておりませんで、大都市制度という形になってきております。 それで、大きな議論としては、やっぱり大都市地域においても広域的な行政主体とそれから基礎的な行政主体、そういう二階層の機能分担を図って対応していくのが基本的にいいのではないかという考え方に私ども立っておりますが、例えばイギリスではグレーター・ロンドン制度が廃止されて一層制のものになっております。ほかのところではそれぞれの歴史で直轄的なところもございますけれども、そういった面で、私どもの考え方は、二階層制のシステムというものをこの東京都二十三区の地域においても地方行政制度として基礎的団体、広域団体という性格づけをはっきりさせようということで今回改正に臨んでおります。
○高橋令則君 今、後段でお話があった件がちょっと今私の頭をよぎっているわけですが、今回の改正はいわゆる二層制、現在のいわゆる都道府県、市町村というふうな制度を前提にしてより明確にするという意味でされているわけで、それはそれなりに私は認識しますけれども、よく考えてみると、現在の都道府県制、そしてまた市町村制、これ自体も検討すべき焦点になってきているのではないかなというふうな感じも持っているわけであります。そういう意味で、二層制を言うなれば国是としてまさにやるんだというのも一つの方法ではありますけれども、そうではないような見方もあるのかなというふうなこともロンドンの例等を考えながらちょっと考えたわけであります、あるべき姿ということを求めるのであればですね。したがって、これはこれとして、今後の都市あるいは大都市のあり方についてなお検討していただきたい、あるいは研究もしていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。私ども自身もまた検討していかなければならない、このように考えております。 それから、ちょっと違った観点になりますが、今回の制度改正に伴って東京都それから特別区それぞれに事業、事務について充実して、そして都民、区民のサービスをより向上するようなものでなければならないということは私は当然であるというふうに思います。しかしながら、それと一方、現在の行財政全体から見て、いわゆる行政改革、そしてまた財政改革というふうなものが焦点にもならなければならないと思うんですね。したがって、全体的なことは恐らく同じだろうと思いますけれども、今回の改正に伴ってそういうふうな行革の視点といったものがどういうふうに検討され、そしてまた対応されてきたのか、これをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 国、地方を通じた行政改革を進める上で地方公共団体の行政改革というものは非常に重要なものであると思います。特に、地方分権の成果を現実のものとしていくためにも必要なことで、やっぱり積極的に取り組んでいかなければならない課題であると思います。 今回の改正において、いわば住民に身近な地方公共団体として特別区は位置づけられるわけでございます。基礎的な地方公共団体としてみずからの判断と責任のもとにこれから事務を適切かつ効率的に処理していくという役割、使命があるわけでございます。従来の都による画一的というんでしょうか統一的な仕事、対応から、今度特別区の責任で地域の実情に応じて仕事をしていくということになる仕事、分野というものがふえるわけでございますので、そういった面で効果的な取り組みが必要であると思います。 特別区におきましても、これまでも住民の声を行政に反映するというようなことで取り組んでおられますが、これまで以上に行政運営の見直しあるいは職員の意識改革というものによりまして、住民の期待にこたえる簡素で効率的な特別区、基礎的な地方公共団体としてふさわしい体制が整備されていくということを期待いたしているわけでございます。
○高橋令則君 これでとどめたいと思いますが、大臣にちょっと、大変恐縮なんですが、私は全体的な今回の制度、これは評価をしながらも、あるべき東京都、首都ですね、そして大都市といったもののあり方について、今後十分に研究、検討すべき課題がたくさんあるんではないか、そしてよりよい方向に努力をしていかなければならないものがあると考えておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 大都市といいますか首都というのは、その国のある意味では顔でもございますし、大切な地方団体であることには違いないわけでございます。 人口の過密でありますとか、今回の都区制度の問題でありますとか、いろいろ幅広に考えていかなければならない問題がたくさんございますし、また、ちりやごみの処理の問題あるいはふん尿の処理の問題、そして昼間と夜間の人口の格差の問題、あるいは都市部においても高齢化の問題等、考えれば実に限りない問題がそこには存在をいたしておるわけでございまして、これらに地方団体として十分対応ができるような行財政体制というものを確立し、また地方分権というものを確実に進めていくことが大切なことだというふうに考えておるわけでございます。 そのような意味からいたしますと、今回の都区制度改革につきましては、我々はぜひ成功させていただきたい、また地方分権の流れにも沿ったものであり、地方分権を今後進めるに当たりましてもこれはそれに資するものである、このような考え方でございます。御理解をいただきまして、ぜひ成功させたいと考えております。
○岩瀬良三君 一つの物事を制度改正するというようなことは非常に大変だったろうということで、この法律案を非常に評価するものですけれども、先ほど来お話があるように、それならばなおさらにもう一歩という点を考えましての質問をさせていただければというふうに思うわけでございます。 初めの方はもう各委員からいろいろ出ておりますので、前段は省略させていただきたいというふうに思うわけでございます。 一つは、今度の改正が二層制、基礎的地方公共団体とするというようなことであるわけでございますけれども、こういう形を進めていきますと、普通の各県での市町村制、府県制と一致してくるわけでございます。 そこで、一方では大都市の一体性を持ってということで、歴史的経過があるわけですけれども、東京都の区制、特に特別区として持っておるということであるわけですけれども、この基礎的地方公共団体を先にということで今回の改正が進められたということになりますと、ほかの大都市の行政区との一体性も、大都市もやはり一体性を必要とされるわけでございます。そういう中で、この特別区の性質、性格づけと大都市の行政区の差と申しますか、お互いの性格から見ての差というのがあるんだろうと思いますけれども、そういうものについてお話しいただきたいと思います。 と同時に、そういうことの関係で差がなくなっていくんだということであると、大都市の行政区の方、行政区にもいろいろ形態があろうかと思いますけれども、その行政区の方についても一つの市地域に対しては都区制度という制度と政令指定都市制度という二つの仕組みで現在対応しているわけでございまして、指定都市制度の場合には、一つの大きな都市というものに一般の市の仕事のほかに県の仕事を一部分担してもらうということでございます。それで、その都市の実態というものがかなり大きいわけでございますので、中に行政区というものを置いている、こういうことになっております。 それで、呼称としても両方区でございますので似ているような感じがいたすのですが、都の特別区はいわば法人格がございますが、指定都市の行政区はいわば末端行政の円滑な処理ということで行政上の必要性で置いているということで、行政区画という性格を持ちます。 それから、特別区の場合ですと、区長がおられて公選、それから区議会が置かれて、また委員会、委員等の執行機関、附属機関についても大体市と同様のものが設けられておりますが、行政区となりますとそういうものは基本的にはない。区議会は置かれておりません。区長は執行機関ではなくて市長のいわば補助機関という位置づけでございます。区には選挙管理委員会が置かれますが、また市議会議員も区を選挙区の単位として選挙されます。そのほかの委員会、委員というものは行政区には置かれないということで、また条例とか規則の制定、あるいは課税、予算権という機能もないわけでございます。 そういった面で、指定都市の行政区については議会というか地域住民の民主的なコントロール、あるいはチェック機能が直接的には及びにくい。それで、必ずしも直ちに自主性、自立性を強化するいわばバックボーンというんですか基盤というものが、裏づけがあるわけではないわけでございまして、今回の制度改革と同様の措置というものをそのまま指定都市の行政区に及ぼしていくということはなかなか難しいわけでございます。一現実の指定都市の姿を見てみますと、行政区に対してやはり住民に身近な行政事務というものを処理させている。それぞれの大都市によって行政区の行っている仕事というのはかなり違いがあるわけでございますけれども、基本的には身近な事務を行っている。それから、行政区においても民意の反映というんでしょうか、住民の方々の意見を吸い上げるような工夫はされておりますけれども、制度としてはそうなっていないということでございまして、指定都市の行政区のあり方というもの、また大都市制度全体のあり方というものについては、今後やはり地方分権の進展の中で十分な検討をしていく必要があるように考えております。
○岩瀬良三君 東京都の区制が普通地方公共団体化してきている、そういうことから考えると、ほかの行政区の方々の中でもそれに近いところについていろいろそういう形での要望というのが出てくるんじゃないか、そういうふうに思うわけでございまして、ただいま局長さんから今後の地方分権とも絡んでの検討も必要というようなお話でございます。 それは将来のことでございますのでお願いしておいて、あともう一つは、東京都の問題もそうなんですけれども、これは保坂先生からも指摘がありましたが、東京都と周りのいろいろな都市、こういうところから通勤通学でも三百万人が移動しているというような話がありましたけれども、非常に密接な関係を持っておるわけでございます。しかし、行政区ということでいきますとそれが遮断されてしまっているということがあるわけでございます。 そういう中でいろいろな構想が出て、中核都市圏構想とかいろいろあるわけでございますし、先ほど来お話がありました首都機能の移転もそういう中での一つのことだろうと思うわけでございます。また、経済団体連合会の方では新東京圏の創造というようなことでのパンフレットも出されているというような形で、東京とその周りの東京圏、こういうものはまた一体性を一応ある程度持っておるわけでございます。 そういう中で、きょうは国土庁の方にもおいでいただいたんですけれども、こういう首都東京の一つの行政のあり方というものと、それから近隣の首都圏、大都市圏、こういうもののあり方についてどういうような検討ないし構想がなされているものでしょうか。そこら辺、御検討の考え方を示していただければと思うわけでございます。
○政府委員(林桂一君) 現在、国土庁におきましては首都圏整備法によります首都圏整備計画の基本計画の見直しをしておるところでございますが、そういった計画づくりの中で、この広域的な、人口も三千万人ぐらいの大きな都市が形成されているわけでございますし、先生が御指摘のように、毎日三百万人の通勤者、大変な数の通勤者が周辺から東京の区部に通勤をしているという実態があるわけでございます。国土庁といたしましては、そういったようなことを踏まえてどういうような圏域づくりが必要なのかということを今検討しているところでございます。 一つは、やはりそういった長距離の通勤とか非常に混雑した通勤といったような問題がございます。道路の方も混雑しております。そういうようなところで、例えば鉄道等の整備、これも公共団体の圏域をまたがる広域的なプロジェクトでございますので、そういった全体の構想もございます。個々の事業においては、やはり地方公共団体のそれぞれの御協力をいただきながら進めるべきだというふうに思っておりますが、そういったようなことなど、例えば常磐新線の建設などがその代表的な例と言えるかと思いますが、そういったことのみならず、いろいろな形で新線建設あるいは複々線化等の通勤混雑の改善に資する基盤整備をするというようなことが一つ大きな柱だと思います。 また、より根本的には、人口と就業機会のミスマッチといいますか、そういうものがこの圏域の中に存在しているということ、やはり東京都心部に偏った一極の依存構造というものがあるわけでございますので、そういうものを改めて、職、住、学が近接した、バランスのとれた首都圏の地域構造を実現していくということが必要だろうと思います。 大学等の修学の場の分散とかあるいは業務核都市、千葉でいけば千葉市を初めとする業務核都市がございますが、そういった業務機能を有します核都市を各地域に整備していく、それによりまして都区部からの業務機能の分散等を進めていくといったようなことも根本的には必要なことと考えておりまして、そういうような計画づくりとかあるいはプロジェクトの支援とか、そういうこともさせていただいているわけでございます。 冒頭申しましたように、現在、首都圏基本計画の策定から十年ぐらいたっております。その間、非常に経済社会情勢が激しく変化しております。それから、少子・高齢化とか、あるいは最近でいきますと廃棄物の問題等いろいろ広域的に対応しなければいけない問題も次から次へと起きているのが現状でございますので、そういうようなことを踏まえまして、現在、計画の見直しをしております。 この計画の見直しに際しては、やはり関係の地方公共団体の方々の御意見も十分伺い、それを取り入れながら、それを反映するような形でのまとめを心がけたいというふうに考えております。今年の秋に調査の大枠の検討の報告をまとめ、近々に、来年度に向けて基本計画の策定というところまでいきたいというふうに考えております。 よろしくお願いいたします。
○岩瀬良三君 どうも東京のことを考えていると周辺との関係の方へどうしても頭が行ってしまいますので、国土庁の方に今答えていただいたわけでございますけれども、ありがとうございました。 次に、財政関係にちょっと入らせていただきたいと存じます。 これももう各委員の中から出ておる話でございますけれども、私も、今回の権限移譲、自主性ということで、特別区については区へ移譲される税の額が非常に少ない、こういうふうに思っておるわけでございます。これは指摘もされておりますのでそれはそれでよろしいと思いますけれども、ただ少ないだけじゃなくて、こういう権限の移譲をする場合には、どこでももっと充実したものにしてあげたいという気は恐らくあるんだろうと思うわけでございます。しかし、そういう中でこの三税だけの範囲にとどまってしまったというのは何か理由があるのかなというふうにちょっとひねって考えてみたんですけれども、その点がありましたらひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回の東京都と特別区間における税源配分のあり方につきましては、平成六年の都区協議会によります都区制度改革に関する取りまとめ、この考え方も踏まえまして、現在、都に留保されております市町村税等のうち一つ一つの税目につきまして吟味を行いまして、特別区に移譲できるものにつきましては可能な限り移譲することにしたわけでございます。 一方、今回の都区制度の改正後におきましても、大都市としての一体性、統一性を確保する必要があることから、通常でありますれば市町村がやっております消防ですとか上下水道の事務が法令で都の事務として留保されますなど、都区間の事務配分の特例が存続すること、また、都市計画税等が充当されます都市環境整備事業の多くのものも広域的な観点から引き続き都によって事業展開が図られることになっているわけであります。 これらの事情を踏まえまして、一応いろいろ検討は行ったわけでございますけれども、今回の都区制度の改正におきましては、御指摘のような三つの税財源について特別区に移譲をするということになった次第であります。 さらなる税財源の一層の移譲につきましては、都区制度のあり方、具体的には東京都と特別区の間の事務配分の模様でありますとか、事務事業に係ります役割分担が東京都と特別区の間でどうなるかといったような議論を踏まえながら検討していくことになるんではないかというふうに考えております。
○岩瀬良三君 自主自立性はやはり財政の裏づけがなくては言えないわけなので、これは私が申し上げるより皆さんよく御承知のことと存じますので、そういう方向で今後とも御努力いただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、次の点ですけれども、財政調整制度は、これは税源の偏在があるわけで、すぐなくすというようなことはできないわけでございまして、それはなけりゃいけないというふうに私も思っておるわけでございますけれども、この財源調整につきましては、一方では全国的には交付税制度があるわけでございまして、これにつきましては二百八十二条で「政令の定めるところにより、条例で、」というようなことで、そのやり方があるようでございます。 こういう財源調整は、全国的なものはするにしても、中でのものは東京都の方にお任せしてもいいんじゃないかというふうにも思うわけでございますけれども、そういうことと、もう一つは、これは交付税のところでも議論されているわけですが、本来、交付税は地方公共団体の税源だよということであるわけですが、この財源調整される税源は本来は区のものであるよと、こういうことを確認しておいてよろしいかどうかでございます。
○政府委員(二橋正弘君) 都区財政調整制度につきましては、今回改正案の御審議をお願いする前は、委員が今御指摘になりましたように、条例で必要な調整措置を設けることができるということを規定しておるにとどまっておりましたが、特別区を基礎的自治体として位置づけて財政制度を安定させる、特別区の自主性、自立性を高めるという観点から、基本的な仕組み、その調整財源も含めて、これは法律で規定してその安定化を図ることにした方がいいということで今回の改正案をお願いしておるわけでございます。 その際に、特別区の財源保障ということを明確にするために、委員が今お触れになりましたように、この調整のための税の一定割合、これにつきましては特別区の固有財源的な性格ということをも明らかにするという観点からも、法律で規定してその財政運営の安定性を高めることにする、そういうねらいから今回の改正案をお願いしているところでございます。
○岩瀬良三君 わかりました。 それから、起債の点でございますけれども、特別区の起債については自治大臣ということであるわけでございますが、今回、都知事の方ということになってくるわけです。特別区の起債許可は自治省とか大蔵省の省令で決められておるというふうになっておるわけでございますが、ここではわからないんですけれども、省令の改正も当然するんだという前提でよろしいでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 今回の地方自治法改正案を成立させていただきました場合、その後に委員が今お挙げになりました省令を改正して、特別区の起債に関する許可権者を都知事に変更するという改正をいたしたいというふうに考えております。
○岩瀬良三君 それからもう一点、この起債の許可の点ですけれども、これについては地方分権推進委員会でこの廃止が答申されておるわけです。ただ、財政構造改革期間についてはそのまま継続するということであるわけでございますが、財政構造改革法の目標年次がまだ定かでないようでして、二年延長とか言われておるわけでございますが、そうするとこういう中で起債の許可の点も延伸していくのかなというふうにも思うわけでございます。 こういう起債の点については、ある程度の時点を過ぎればもう次の段階に移っていいんじゃないかというふうにも思うわけでございますが、不確実な将来の話でございますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 地方債の制度につきましては、分権委員会からの勧告によりまして、現在の許可制度を廃止して原則として事前協議制に移行するというふうな方向が勧告されております。その際、あわせてこの分権委員会からの勧告の中で、「少なくとも財政構造改革期間中においては、国及び地方の財政赤字の縮小のため財政健全化目標が設定され、地方公共団体の歳出の抑制が求められていることに鑑み、許可制を維持すること」というふうな勧告をいただいておるところでございます。 私どもといたしましては、この勧告に沿って分権推進計画なりあるいはそれに続く所要の法改正ということで検討を進めているところでございますが、これは仮にでございますが、仮にこの財政構造改革法の目標年次が延長される場合には当然、国、地方の財政赤字の縮減目標ということも延長になってくるということ、それだから法律の延長が必要になってくるんだろうと思います。 そういたしますと、この分権委員会の勧告にございましたような趣旨からいきますと、少なくとも財政構造改革期間中においては許可制を維持することというふうにされておりますので、財政赤字を縮小していくためには、地方債の発行額は財政赤字そのものでございますから、そういう意味では、延長されます場合にはやっぱりそれに沿って対応していく必要があるだろうというふうに考えております。
○岩瀬良三君 それでは、時間もなくなってきたようでございますので、一つだけ、この都から特別区へ今度移管されるいろんな事務事業があるわけでございますけれども、それについて先ほど来、清掃職員のいろいろな問題もあったりしたわけでございます。それについての基本方針、こういうものにはどのようなものがあるのか、またそれは今できておるのかどうか、そういう点をちょっとお聞きしまして、終わりにしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正に伴います事務事業の移管につきましては、基本的には平成六年に都と区でまとめました協議案、これに基づきまして進めるべきものというふうに承知をいたしております。具体の方式、やり方につきましては、都と特別区において協議をしているところでございまして、平成十二年に円滑に行われるように努力がなされるものと思っております。 これに伴います職員の移管の問題もあるわけでございます。清掃関係の事務に従事している職員の方は九千人にも上る大人数でございますが、その他の保健衛生とか教育関係ですとそれぞれ若干名ということでございます。定員管理の面での適正化ということも非常に重要でございますので、事務の移管に際しましてもやはり実態に応じた適正な人員配置ということで、都及び特別区それぞれにおいて定員管理、人員配置の適正化ということは必要なことである、このように考えております。
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡野裕君が委員を辞任され、その補欠として林芳正君が選任されました。 —————————————
○委員長(藁科滿治君) これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 地方自治法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 朝日君から発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘君。
○朝日俊弘君 私は、ただいま可決されました地方自治法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方自治法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 二十一世紀にふさわしい地方自治を実現するため、政府は、左記の事項について善処すべきである。 一、都区制度のあり方については、第二十二次地方制度調査会答申等の趣旨を踏まえ、さらに引き続き検討すること。また、大都市制度については、指定都市制度を含め、その適切なあり方を検討すること。 二、地方分権を推進する観点から住民に身近な行政を都から特別区へ移譲することの重要性にかんがみ、特別区が基礎的な地方公共団体としての体制を一層確立するよう、さらに行財政面における権限移譲に努めること。 三、都の清掃事業の特別区への移管に際しては、関係者において事業の運営のあり方及び職員の身分の取扱い等について特段の慎重な配慮が必要であることにかんがみ、政府においても、その円滑な実現のための協力を惜しまないこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藁科滿治君) ただいま朝日君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、朝日君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、上杉自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上杉自治大臣。
○国務大臣(上杉光弘君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。
○委員長(藁科滿治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十三分散会 —————・—————