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142回国会参議院1998/04/23

地方行政・警察委員会 第12号

発言数
193
登壇者
13
会派数
7
開催日
1998/04/23

会議録

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十六日、大野つや子君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君が選任されました。  また、去る十七日、宥永浩美君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。  また、昨二十二日、鈴木省吾君、芦尾長司君及び上吉原一天君が委員を辞任され、その補欠として中原典君、国井正幸若及び田浦直君が選任されました。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、中央選挙管理会委員長皆川迪夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。  このたびの公職選挙法の一部を改正する法律案、いわゆる在外選挙法案につきまして、幾つかの質問をさせていただきます。  この法律は欧米その他の国におきましては既に存在する制度であるということで、この法案が通過するということは大変に意義深い、また我が国の憲法の体制の中におきましても一つの画期的な法案ではないかというふうに存じます。  私もかつてバンコクに三年間在住したことがございますが、そのときは一万人近い日本人がバンコクにいたわけでございますが、選挙権がなかった、私自身も投票をしなかったわけでございまして、大変なさま変わりの時代が来るということを実感するわけでございます。  そこで、海外におられる在留邦人は年々ふえ続け、最新の資料により調べてみますと長期滞在者と永住者を合わせて約七十六万人が海外におられることになっていますが、この法案が成立した場合、有権者として在外選挙の対象者数はどの程度と見込んでいるのか、自治省にまず確認しておきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 在外居住者約七十六万人でございますが、選挙権の要件として帰国意思の要件を政府案では入れておりますけれども、これがないといたしますとすべての成人がその有権者ということになります。長期滞在者はそのうち成人が幾らかというのはわかっておりますが、永住者の場合はそれがわかりませんので推計をせざるを得ないわけでございますが、長期滞在者の成人の率を用いまして推計をいたしますと、その数は約五十六万人程度であるというふうに考えております。  ただ、在外選挙は在外選挙人名簿の申請登録を前提にいたしておりますので、そのうち何名の方が申請をされるかということにつきましては、これを推計することは現段階においては困難であるということでございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 大変な数でありますし、国際化の進展は急速でもありまして、今後ともふえ続けることが予想されます。  これらの方々は、国内の有権者とは異なり、投票するためにはまず自分で在外選挙人名簿に登録申請をする必要があることとされております。この登録要件については、衆議院でも御議論があり、いわゆる帰国意思が削除されるといった修正も行われているところであります。登録を申請することができるためには引き続き三カ月以上領事官の管轄区域内に住所を有することが要件とされておりますが、どうもわかりにくいのではないかとも思います。その理由をお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 在外選挙人名簿に登録をいたしますためには、単なる居所ではなくて、いわゆる生活の本拠たる住所を有していることが必要でありますし、その住所はある程度の期間継続してその住所を有しているということが必要であるというふうに考えております。  一方、国内の制度を見ますと、同じ市町村に三カ月以上住所を有した場合に選挙人名簿に登録をされる、住所を移動された場合は四カ月間従前の選挙人名簿に登録をされているという状況にございます。そういうことから、国内の制度との整合性も勘案いたしまして、引き続き三カ月以上領事官の区域内に住所を有しているという制度で構築をする方が適当ではないかと考えたところでございます。  なお、国外転出者につきまして即時登録というようなものを認めますと、先ほどの国内の制度から、国内において住所を移してすぐに国外に転出をした場合に、いわゆる意図的な選挙区間移動ということも認め得ることになってしまいますので、このような要件を付したところでございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 国外で引っ越しをされる方もおられるわけでありますし、二重登録を防止することなど選挙の公正確保という選挙の基本にかかわることでありますので、理解できるのではないかというふうに思います。  在外選挙人名簿に登録されますと、在外選挙人証が登録地の選挙管理委員会から交付されます。在外選挙人証は、投票に際してこれを提示しなければならないなど、この証明書が重要な役割を果たすことになるところであります。先般、参考人からお話を伺った際に、英、仏、独ぐらいの言葉であれば大きな選挙管理委員会では対応できるけれども、それ以外の国からいろいろ手紙が来てまだ三カ月住んでいたという証明を在外公館とともにやるということになると、語学の問題等で大変であるというふうな参考人からのお話もあったわけでございます。  申請しても要件を満たさない場合などは、在外選挙人名簿に登録されないことになり当然在外選挙人証は送られてこないことになります。申請人としては心配になると思われますし、むしろ登録された、されなかった事実こそ何らかの形で申請者が把握できるように措置すべきではないかとも考えますが、いかがでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 御指摘のとおりだと考えておりまして、登録要件に合わないということで登録をしなかった場合はこれを本人に通知してやることが必要だと考えておりまして、具体的には各市町村の選挙管理委員会から御本人にその旨通知するということを政令において規定したいというふうに考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 次に、本法案では、本則においては衆議院及び参議院の選挙区選挙も比例代表選挙も、いずれの選挙も対象としておりますが、附則において、当分の間の措置として比例代表選挙に限ることとされております。  選挙といいますと、人の名前を書いてその当落を争ってという選挙のイメージがあるわけでございますが、このたびは比例代表選挙にまず限るということにされております。衆議院におきましてもこの点について多々御議論があり、大臣からは、まず比例代表選挙から実施いたしまして選挙に関する情報の具体的な周知の状況や在外公館の体制を十分見た上で次の段階として選挙区選挙の実施を図ることが適当と考えているとの御答弁もあったところと承知いたしております。  海外における初めての投票の実施でもあります。在外公館の協力なくして本制度の円滑な実施はできないものでもあります。在外公館にとっても選挙という初めてのふなれな仕事でもありますが、組織や体制を工夫して、できる限り海外の有権者の熱い期待にこたえるよう努力すべきであると考えますが、在外公館の体制面等で対応できるのかどうか、外務省に伺います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) ただいま御指摘のとおり、私どもにとりましても全く新しい追加的な業務でございます。しかしながら、この在外選挙の実施には遺漏なきを期したいと外務省では考えておりまして、今後生じます選挙人の登録に関する事務、さらには実際の投票に係る事務、これらを主なものとして、この作業量を十分勘案し、十分な体制づくりを進めたいと考えております。  具体的には、その事務に当たる外国における我が職員の研修、さらには現地に指導官を派遣して指導を行う、さらには投票時においては立会人等も確保しなければなりません。このような今後の事務の体制強化につきましては、関係各方面の理解をも待つっ努めてまいる所存でございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 衆議院の小選挙区選挙や参議院の選挙区選挙については、このような在外公館や市区町村におきます体制整備など、選挙の執行状況を見た上で検討という考え方自体は私としてもやむを得ないのではないかと理解できるところであります。一票あるいは十票の差によって当落が決まるということは、国内の選挙でも珍しいことではございません。そういう意味におきましても、まず試しにやってみるといいましょうか、できるところからやってみて順次拡充していくということにつきましては理解できるのではないかというふうに思います。  ただし、「当分の間、」と言われましても、ずっとこういう状況が続くのはどうかと懸念する意見もあるところではないかと思います。先般のロサンゼルスにおります企業戦士の方の参考人意見でも、選挙区についてもぜひと、こういうようなお話もあったところでございます。  「当分の間、」とはいつごろまでなのか、その見通しにつきまして、自治大臣に伺っておきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 御案内のとおり、在外公館における選挙事務は、投票者を確定しましてその投票者がどういう形になるかという事務。それからもう一つは選挙事務。そして、その間における例えば政党名でありますとか個人のことについての選挙の情報を周知徹底するという仕事があるわけでございます。  問題はその周知徹底でございまして、それが非常に可能な地域とそうでない地域がある、また国柄も違う。そういうこともございまして、自治省といたしましては、まずは比例代表選挙に限ったこととさせていただいた次第でございまして、現時点で「当分の間、」というのがいつだということにはならないだろう。  比例代表選挙を数回やっていただいた経験を踏まえて、在外公館の選挙事務の実態、あるいは選挙公報といいますか、国内に見劣りしないような情報伝達というものがどこまで行けるのか。それは何回かの選挙を経験しなければわからないことではないか。そのような意味で、今その目途はいつごろだということは申し上げることができないと御理解をいただきたいと考えております。  選挙権は国民が有する大変大切な権利でございますし、またその行使について平等を期すことも大変大切なことでありますから、その辺を十分踏まえて今後対応してまいりたいと考えております。  なお、衆議院における附帯決議については、当然のことながらこれを踏まえた慎重な検討をしてまいりたいと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 戦後この時点までこの法案ができなかったということは、日本人がすべてにきっちりしていないと気が済まない、また国内の選挙が大変厳格に行われている、そのような制度を外国における日本人に適用できるだろうかということを考えるとなかなか手がつかなかったということがあろうかと思います。しかし今回、多少それは犠牲にしてでも、ある意味では少しルーズにしてその面の犠牲に目をつぶってこの制度を取り入れよう、こういうことかと思います。  そういう意味におきまして、戦後これだけたちまして日本人の考え方も変わってきた、国際化してきた、あるいはゆとりができてきた、こういうふうに思います。今大臣御指摘のようないろいろ難しい問題があろうかと思いますのでなかなか具体的な見通しということはお答えにくいことだと思いますが、在外邦人の方々の期待も踏まえまして御努力いただきたいと要望しておきます。  次に、具体的な投票の方法に関連して、順次確認しておきたいと思います。  まず、投票方法として、在外公館に出向いて投票する公館投票と郵便投票の併用方式が採用されていますが、五十九年当時に提案された法案では公館投票のみとされていたと承知いたしております。  そこで自治省にお伺いしますが、今回の法案においては郵便投票との併用方式とした理由は何か。選挙部長にお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 御指摘ございましたように、五十九年法案におきましては公館投票のみでございましたが、その後在外邦人の数が非常にふえまして、推定の対象者数は倍増するというような状況になってまいりました。  これを公館投票のみで押し通しました場合は、例えばニューヨークのように七万人ほども在外邦人の方が住んでおられる、こういうところに短期の選挙期間に一挙に邦人の方々が大量に押しかけられましても物理的、人的に対応が困難でありますし、またお見えになった有権者の方々にもいろいろ支障を来すというおそれがある。それから、世界各国には、いわゆる治安上の問題から日本人が大量に動くことについてその危険性が問題視されるような地域もある。  こういうことから、このような領事官の区域につきましては公館投票ではなくて郵便投票で対応してもらう方がいいであろうということで今回郵便投票をあわせて行う方式を採用したところでございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 対象者の数もかなり多くなっておりますし、選挙人の投票の便宜を図る観点からむしろ望ましいのではないかというふうに考えます。  次に、在外公館での投票は原則として選挙期日の五日前までとされております。いわば国内での不在者投票のような事前投票であります。技術的な詳細につきましてはこれから検討されるかもしれませんが、投票済みの投票用紙が選挙期日に確実に所定の市町村に到着しなければ、せっかくの投票もむだになってしまいます。国内では郵便が二日ほどで届くというふうには思いますけれども、世界は広いわけでありまして、いろいろ先進的な国または交通の不便なところ等もある。この点について果たして大丈夫だろうかと危惧するものでありますが、見解を伺います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 投票用紙は投票時間の終了までに各投票所に到着をしていなければならないわけでございますが、公館投票の場合でございますと、公館で投票していただいたものを外交パウチで国内に送りまして、それからまたそれぞれの市町村に再送するという手続が必要でございますので、その郵送期間に通常五、六日かかるところが多いということで、原則として選挙期日の五日前までに投票は行ってもらうというような仕組みにしているわけでございます。  ただ、世界の地域によりましてはその五日でも間に合わないところがございますので、そういうところにつきましては公館ごとに実情を確認いたしまして、六日前あるいは七日前という形で期限の繰り上げを行いまして、市町村までの送付が間に合わないというような事態を招かないように適切に対処いたしたいと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 また外務省にお伺いするわけですが、在外公館で投票がなされた投票用紙は安全かつ確実に国内へ届けられることがとりわけ重要でありますが、選挙運動期間も衆議院選挙で十二日、参議院で十七日と短くなってきております。公館から国内へはどのような送致方法を具体的に検討されているのか、外務省にお伺いします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 私どもは、外交公文書を外交行のう、あるいはパウチとも称しますが、で通常東京に送っております。投票用紙もこれに入れて送ることを考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 外交行のうといいましても、要は航空機に搭載して送致するものでしょうから、通常の場合は定期便が決まっているのではないでしょうか。そういうものだけで確実に間に合うのでしょうか。選挙の期間については必要に応じてパウチの取り扱い回数をふやすなり臨機応変の対応ができるようなシステムを十分検討する必要があるのではないでしょうか。この点につきましての御所見を外務省にお伺いします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもも臨時便を検討したいと思っております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 海外の有権者からの国政に対する意思が込められた貴重な一票であるという基本に立ち返って、今後ともさらに十分検討するよう要請しておきます。  次に、郵便投票についてでありますが、郵便投票の対象者として、政府案の当初の考え方としては、在外公館から遠隔な地域に住んでおられる方は想定していなかったと聞いております。在外公館のうち、その管轄区域内に多数の邦人が居住しておられ公館投票として対応ができないようなニューヨークなどは郵便投票を予定していたと承知しておりますが、郵便投票とすべき基準としておおむねどの程度の邦人数を想定しているのかお伺いします。  私ども日本の選挙制度になれた者からしますと、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、フランス、パリ、その他バンコクなんかも入ると思いますが、そういうところでは領事館へ行って投票するのかなというようなことが初めにぴんとイメージとして出るわけですが、ニューヨークでは領事館に行く人は一人もいないで、在外選挙人名簿の登録を申請するときは領事館に行くけれどもその後投票は郵便である、こういうふうにこの制度がなったと思うわけでございますが、郵便投票とすべき基準としておおむねどの程度の邦人数を想定しているのか、お伺いします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 一つの管轄区域内で在留邦人が極めて多い場合に郵便投票が導入された次第は、先ほど自治省からも御説明申し上げたとおりでございます。  さて、その郵便投票に該当する在留邦人の人口の切れ目でございますが、私どもとしましては、国内の類似の投票形態、これが不在者投票という形で行われておりますので、この例を参考にして、在留邦人数一万人が基準になろうかと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 そのような公館でありましても、現実の登録者数がかなり少なかったという場合には、在外公館としても事務処理上の対応が困難とは言えないのではないかというふうに思います。そうした場合には、一度政令を決めたらニューヨークは未来永劫もう郵便ということではなくて、公館投票を行う公館として柔軟に見直し、今後対応することになるのか、お伺いします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 先生御指摘のとおり、この在外投票というのは日本国にとって初めての経験でございますし、もちろん私ども外務省、在外公館にとっても初めての事務ということでございます。したがいまして、今までのいろいろな経験に基づいてこの郵便投票が導入されたわけでございます。今後、実際に選挙が行われる経験を踏まえ、仮に今までの予測された水準よりかなり少ないといった状況が続くことが明らかとなった場合には、御指摘のような見直しを行う必要も出てくることがあろうかと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 自治大臣にお伺いしますが、有権者の投票の便宜などを考えれば、在外公館から遠隔な地域に住んでおられる方々についても郵便投票の対象とすべきと考えますが、自治大臣の御見解をお伺いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 郵便投票ができる者の範囲といたしましては、基本的には、管轄邦人数が多く公館投票を行うことが困難な在外公館や、治安上の要請から公館投票を行うことが困難な在外公館の管轄区域内に住所を有する有権者等を予定しておるところでございます。この件につきましては各党間で御論議がなされまして、衆議院におきましては、在外公館の所在地から遠隔である地域に居住する選挙人も郵便投票により選挙権を行使することができるよう附帯決議が付されておりますことから、今後の関係政省令の制定に当たりましては、これを踏まえた内容となるよう自治省、外務省の両省で十分検討してまいらなければならない、このように考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 既にお答えいただいたような気もしますが、郵便投票の対象は具体的には政省令で決められることとなるわけであります。しかし、ただいま申し上げました公館から遠隔な地域と一口に言ってみましても、例えばブラジルのような地域とヨーロッパの都市部の遠隔の地域、おのずから特性が違うわけであります。交通の便、その交通の費用、車で二時間とかいろんな基準があろうかと思います。また、ある意味ではそういう機会にぜひ領事館まで出かけていって投票したい、遠隔の地であっても投票したいというような地域もあるかもしれません。考え方の基本といたしましては、私は、地域間の公平やバランスを心配するのではなく、むしろその地域におられる邦人の方々が現に投票できるのかどうかという視点を重視して遠隔地を確定すべきではないかと考えますが、意見として申し述べたいと思います。  自治大臣の御所見があれば伺っておきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 在外公館の所在地から遠隔地にあるために郵便投票の対象となる地域の確定につきましては、個々の在外公館ごとに線引きをしてもらうことになろうかと、こう思っておるわけでございます。世界各国の交通事情やまたお国柄もございますし、国土が非常に広いとか狭いとかいろんな地勢的なものとか極めて多岐多様にわたっておるわけでございまして、御指摘のように選挙人の投票の便宜をいかに図るかというのが基本でございますから、そういうものを十分踏まえた上で外務省と協議をいたしましてあくまで選挙人の投票の便宜を図っていく、この基本原則に立って十分検討してまいりたいと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 どうもありがとうございます。  また、先ほどお話がございましたが、在外公館においては現実には治安上の問題から投票の取り扱いができないような公館、ちょうど昨日が四月二十二日であの事件が解決した一周年になるようでありますが、この前のペルーの不幸な事件を思い起こしますと、天皇誕生日ということで多数の方が夜集まった、日本においては何ら問題のないことがテロのつけ目になった。投票日ということで本当にたくさんの邦人が大使館といいましょうか領事館の門をあけて、ぞろぞろといいましょうかたくさん集まるということが治安上危ないというような国もあろうかと思います。  在外邦人の安全保護を考えれば、治安上の問題も当然考慮しながら郵便投票の対象とするか公館投票とするか検討されなければならないと思います。一般的にその国が治安上非常に危険なのかどうかの判定のための明確な基準といったものはないのかもしれませんが、いずれにせよ、外務省において治安上の問題についても的確に把握して郵便投票地域が検討されるべきではないかと考えます。  これとも関連いたしまして選挙部長にお伺いしますが、例えば、公館投票を予定していた公館で、その国の治安状況が選挙直前になって悪化したような場合、公館投票は繰り延べることになるのでしょうか。治安の悪化は長期化するおそれもありますし、比例選挙の開票結果が確定しないことも関係者等に多大な影響が生じることとなりますが、制度上その取り扱いについてお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 公館投票とされた区域で、例えば大使館の占拠でありますとかあるいは大きな風水害等が選挙直前に起こりまして公館での投票がもう不可能だというような事態になりましたときは、公館での投票を行わないということになるわけでございます。具体的にどういう事態のときにどういう手続でその決定を行うかにつきましては、まだ外務省と協議中でございますので、最終的な結論を得ておりません。  ただ、いずれにいたしましても、そのような場合にこれを繰り延べて投票できる、時間をおくらせて、あるいは数日たってからということになりますと、そういう事態が長期間に及ぶおそれもあります。また、ある公館の投票は、これは全国の市町村にくまなくといいますか多くの市町村にその投票用紙を送付していかなければならないわけになりますので、投票結果がそれまで確定しないということは避けなきゃならないということで、今御指摘のような事態が生じまして公館で投票を行わないということになりましたときは、改めて投票することはもうしないという仕組みにいたしているところでございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 郵便投票に関連いたしまして、短い選挙運動期間でもありまして、郵便投票の投票用紙はできる限り早く受け取ることができるよう事前請求も認めるべきではないかと考えます。あらかじめ選挙の期日がわからない衆議院の総選挙はともかくといたしまして、少なくとも任期満了選挙である参議院通常選挙については、具体的にいつごろから投票用紙の交付を予定しているのかお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 郵便投票の場合は、投票用紙を請求してそれをもらって、それから投票用紙に記載をしてそれをまた送るということで、一往復半を要するわけでございますので、できるだけ早くこの投票用紙が有権者の手元に届くということが必要であろうと考えております。  具体的には、任期満了選挙でありますれば例えば任期満了前六十日からは送付ができるように、あるいはまた衆議院の解散に伴う選挙でありますれば解散の日から送付ができるようにというようなことを検討いたしておりますが、まだ最終的な結論を得ているわけではございませんけれども、おおむねそのような方向で検討をいたしているところでございます。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 このように在外選挙におきまして郵便投票がかなり幅広く認められることになりますと、国内の選挙人で実質的に選挙権の行使が困難である寝たきり老人の方々などにも同様に郵便投票を認めるべきではないかということが論理上出てくると思いますが、見解をお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 国内での郵便投票につきましては、御案内のように、かつては幅広く認められていたのでありますが、昭和二十六年の統一地方選挙におきまして不正が非常に多く出まして二十七年に廃止をされまして、一部の身体障害者等に限って四十九年に再度制度化されたという経緯がございます。現在の郵便投票は、身体障害者手帳等を持ってその障害の程度が公的に証明された方々に限って厳格な手続のもとに認められているわけでございます。  一方、高齢化の進展に伴いまして寝たきり老人の方々が非常に増大をしておりまして、適所九十万人、また在宅の寝たきり老人が三十万人を超えるというふうに言われております。これらの方々は実際には投票権がありながらその投票を行えないという実情にあるわけで、これらの方々が実際に投票できるように何か仕組みを考える必要があるのではないかということは私どもも考えているわけでございます。実際にその郵便投票というような方法を用いますと、今申しましたようなこれまでの経緯、あるいはほかの制度との関係から、寝たきり老人の状況というものに対して全国的に公平に均一の取り扱いが可能かどうか、そしてまた公的な証明というものをどういう手続でやり得るのかというような点でいろいろ検討課題が多うございます。なお検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 さらに、同様に実質的に投票が困難である方々といたしまして、長らく航海に出ておられる船員の方々からも洋上で投票ができるようにという強い要望がなされております。  最近はハイテクの時代でありますので、ファクスあるいはパソコンのインターネット等いろいろな最新の電子機器を利用いたしまして実現が可能ではないかといった強い要望が寄せられているというふうに承知しておりますが、この洋上投票の実現に向けまして十分検討を進める必要があると考えますが、この点についてはどのようにお考えか、自治大臣にお伺いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) この件につきましてはたびたび私、直接陳情もございましたが、船員の方々につきましては、その就業形態が特別であることから特例的な不在者投票制度が設けられておりますが、外洋を航行中である場合には不在者投票の送致が難しいといった問題も存するわけでございます。では長期外洋航路の船員の方々の船からどうして送るかという問題がある、こういうことであります。  この問題につきましては、これまでも法制面あるいは実態面等から検討を重ねてこられたところでございまして、昨年には運用面の改善として、具体的に選挙の日程が定まっていなくとも指定船舶における不在者投票のための投票用紙を交付できる扱いとして、既に参議院議員の通常選挙の指定船舶用の投票用紙等を昨年度中に交付した例もあることはもう御承知のとおりでございます。また、昨年十一月には、シールドファクスによる模擬投票の実験等も行われた、このように承知をいたしておるわけでございまして、これらもその実績を十分勉強させていただいておるところでございます。  ただ、ファクスは基本的にはコピーの性格を有しておるわけでございまして、投票用紙公給主義の関係をどう考えるのか、果たしてそれが本人のものであるかどうかの確認をどうするのか、また不在者投票時間や開票に際しての投票の秘密というものが十分守られるのか確保されるのかという問題がある、こういうふうに考えております。  いずれにいたしましても、貴重な国民の選挙権の行使にかかわる極めて重要な問題でございますので、今後ともさまざまな角度から、またいろいろな御意見もいただいておるところでございますが、引き続き検討をいたしたいと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 先ほどもPRの問題について決意があったわけでございますが、在外選挙という画期的な制度が実現することとしましても、この制度の内容等が広く海外の数多くの邦人の方々にわかりやすく周知され十分理解していただきませんと、現実に在外選挙人名簿へ登録申請することも見過ごされてしまうか、あるいはちゅうちょすることになるのではないかと危惧するところであります。  先ほどお話しいたしましたニューヨーク、ロサンゼルス等の日本企業の出先といったような方もおられるでしょうし、学生が留学しているのが多い、あるいは永住者が多いような国、いろんな国があろうかと思います。このPRの問題もなかなか難しいかと思いますが、極めて重要であると思います。  また、あわせてお伺いしますが、選挙が近づいた場合、選挙期日あるいは名簿を届け出た政党名や名簿登載者名に関する情報についてもできる限り在外邦人の方々への周知に努めるべきでありますが、どのような周知方法を考えておられますか、選挙部長にお伺いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) この在外選挙制度が制度化されました暁には、これを在外邦人の方々に周知するということが極めて重要でございます。  そのために、まず自治省におきまして在外選挙制度に関しますパンフレット等の啓発素材を作成いたしまして、これを在外公館に送付し。在外公館におきましては現地の日本人会等も活用しながら在留邦人の方々に周知していただくということを考えております。また、国内におきましては、市町村の選挙管理委員会を通じまして国民の皆さんに周知をいたしますし、さらには、新しく国外に出られる方々につきましては都道府県の旅券発行窓口などで周知を図っていくというふうに考えておるところでございます。  また、現実の選挙になりました場合は、選挙期日あるいは比例代表の名簿届け出政党の名称等を有権者の方々にお知らせしていくということが重要でございます。  国外でございますのでいろいろ制約はあるわけでございますが、これらにつきましては、私どもの方で情報が確定いたしましたらこれをまた在外公館の方にお送りし、また日本人会等も活用しながら周知を図っていただくということを考えております。またインターネットの活用、これからまた新しい情報伝達手段もいろいろ出てくると思いますが、そういうものも勉強しながら多角的に対応してまいりたいというふうに考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 日本は出おくれたわけでありますが、それだけに慎重な審議の結果この制度を発足させるわけであります。ただいまお話を伺っておりましても、本当にいろいろな面から外務省、自治省とも、また今後は各地方公共団体の選挙管理委員会とも十分な連携、連絡をしてしっかり取り組んでいただけるという確信を持つわけでありますが、本制度の実現に向けまして自治大臣の決意を最後にお伺いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 日本の国民の皆様も海外に居住される方が近年とみに増加をしておるわけでございます。国際化の進展等を考えれば当然のことでございますが、これら在外邦人の方々に国政選挙の道を開くということは政治の責任でもございます。  大変意義あることと考えておるわけでございまして、ぜひとも今国会においてその実現を図りたいと考えておる次第でございます。委員各位の御理解はもとより、この法案について十分御審議を賜りまして御協力いただき、ぜひ海外在住者の選挙権の行使に向けて第一歩を踏み出させていただきたいと考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 どうもありがとうございました。  時間がありますが、これで終わります。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 民主党の朝日でございます。  私は、冒頭に、ただいま議題となっております公職選挙法の一部を改正する法律案の審議を始めるに当たって、今回の改正の意味するところについて大臣の基本的な認識を幾つかお伺いしたいというふうに思います。  先ほど来お話がありますように、今回、海外在住者の皆さんの非常に切実な願いであった在外投票制度を新たにつくるという法律案が今ようやく実現しようとしているわけでありまして、私自身も、その内容につきましては不十分な点があることは承知しつつも、これまでよりもより一歩踏み込んだ新たな制度をつくろう、こういうことでございますから率直に評価をしたい、こんなふうに思っております。  ただ、振り返ってみれば、もう少しこの問題は早く解決されてしかるべきではなかったのかという思いがしてなりません。改めてこの間の経過を振り返ってみましたら、衆議院の方での百四十回国会以降のさまざまな審議の前に、我が院においても数多くの同僚議員からの問題提起がなされてこの議論が始まったということを聞いております。その意味で、改めて諸先輩のこれまでの御努力に心から敬意を表したいと思います。  さて、こうした新しい制度をつくることについて、大臣の基本的な御認識なり感想なりをまずお伺いしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 先ほどもお答えをいたしましたが、近年の国際化の進展に伴いましてさまざまな分野での国際交流というものが活発に行われておるわけでございまして、我が国においても国際化の波というものは肌身に伝わるほど盛んになっておるわけでございます。  こうした国際社会の中にありまして、また我が国が果たすべき役割も極めて大きいわけでございます。海外に居住される日本人の方もそのような意味では交流そのものも増大しておりますが、海外にお住まいになる方もたくさんふえておるわけでございまして、これら外国に在住される方々に国政参加の道を開くということは、先ほどお答えしましたまさに政治の責任だと私は考えておるわけでございます。大変また意義深いことでもございまして、ぜひとも今国会中に、皆様の御理解、御協力をいただきまして、これまでいろいろ試行錯誤も繰り返されてきた議論でございますが、第一歩を踏み出させていただきたい、このように考えておるところでございます。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 先ほども申し上げたのですが、この制度をつくることについてかなり時間がかかってしまいました。既に西欧各国では同様の制度をいち早く取り入れているというふうに聞いております。  なぜ日本においてこの新しい制度の創設がここまでおくれてしまったのだろうか。例えば選挙事務を担う各省庁間の調整が必要であるとか、あるいは国と自治体との事務分担や責任の所在の問題があるとか、さらにつけ加えれば、政党間のさまざまな利害のぶつかり合いがあるとか、こういう点がいろいろ指摘されていたわけですが、しかし私は、こういう今幾つか問題点として挙げられたような課題は日本だってほかの国だって同じだろうと思うんです。そう大きな違いは、ないにもかかわらず、なぜ我が国においてこのような新しい制度の創設がこれほどまでにおくれてきてしまったのか、あるいはその議論がなぜ難航したのか。考えてみますと、我が国の選挙制度そのものにかなり内在する考え方というか思想というか、基本的な選挙制度の考え方、そこに問題があったのではないかというふうに実は考えております。  つま力、どうしても選挙制度といいますと、厳密にというか厳格にというか公正にというか、そこのところにこだわればこだわるほど制度としてはかたくなるわけです。そういう意味で、我が国の選挙制度そのものの持っている、あるいは内在している思想にそもそもの問題点があったのではないか、そのためにここまでさまざまな理由がありましたけれども、取り組みが難航してきたのではないかというふうに私は思っているんですが、大臣はこの点、どんなふうにお考えでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 私は、これは経過にあると思っているんです。その経過を踏まえたために非常に慎重にならざるを得なかったというものもあると思います。  まず、経過から申し上げますと、御承知だと思いますが、昭和五十年代前半から在外選挙制度の制度化に向けて検討が始まったわけでございます。この検討を進めました結果、昭和五十九年に在外選挙法案が提出をされましたが、六十一年に衆議院解散によりまして残念ながら廃案となったわけでございます。その後、衆参の定数是正や選挙制度の改革が国会における検討課題の中心となっておりまして、その間、海外に居住される日本人の方もまた著しい増加が見られたわけでございます。これらを踏まえまして、各党におかれましても平成六年度以降論議が本格化をしまして、与党三党の選挙制度協議会においてはこの在外邦人の選挙問題が最優先課題の一つとして協議が進められ、昨年五月に三党の合意がなされたところでございます。  このような経過もございまして、在外選挙につきましては、我が国の国外における選挙の実施ということから、国内の選挙とは異なる手続というものが必要となってくるわけでございます。その制度化に当たりましては、例えば一つには選挙人名簿の登録手続をどう定めるのか、投票方法をどうするのか、これは先ほど議論にもありましたが、在外公館投票と郵便投票を併用するかどうかということ等でございます。それから、選挙犯罪の取り扱いをどうするのか。司法権というものは外国には国内のように及びません。しかし、海外で投票するにいたしましても、選挙法というものが適用される以上は選挙の犯罪というものがそこには当然あるという前提に立たなければならないわけでございます。こうした選挙犯罪の取り扱いをどうするのか。  こういうふうに多面にわたりまして立法施策上あるいは技術的にも十分な検討が必要であったという点が多々あった、このように御理解をいただきたいと思います。  したがいまして、経過と同時に、これらの問題等の検討を行う必要があったので時間がかかったのではないか。私、昨年の九月十一日に大臣に就任いたしましたが、そのような報告を受けておるところでございます。  自治省といたしましては、このような各党間におけるさまざまな協議の経緯を踏まえ、外務省等との協議の上、在外選挙法案を取りまとめた次第でございまして、昨年の通常国会に提出いたしたものでございますが、かなりの日時を要したことは事実でございまして、このような経過と、また慎重にこれらを扱ってきた、検討してきた、このように御理解をいただければありがたいと思います。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 確かにそういう経過があったことは私も承知しているわけですが、私は、今回のこの改正、海外在住者の皆さんが投票できるような仕組みをつくろうという問題は、日本の選挙制度が持っているかだい構造を一歩打ち破るという意味で非常に評価すべき点があると思うんです。翻ってみますと、まだまだ、そういう日本の選挙制度の中でもっと広く投票権を行使できるような緩やかな仕組みに変えていく必要があるのではないか、その問題の一つであるというふうに認識しております。ですから、そういう意味では、我が国の選挙制度そのものの持っているかたさというところをもう少し基本的に変えていこうというそういう踏み切りができるのかできないのかということが大変重要だと、そういう意味であえて大臣にお考えをお尋ねしたわけであります。  我が国の現在の選挙制度について、ある人は、あれをしちゃいかぬ、これをしちゃいかぬという、そういう意味では何々するべからずというべからず選挙だと指摘されている方もありますし、また、そもそも選挙運動の期間が短過ぎるのではないかということも指摘されております。ずっと問題をさかのぼってみますと、そもそも大正時代に普通選挙制度を導入した当時の発想あるいは枠組みから今日なおまた抜け切れていない点が残っているんじゃないかという気がしてなりません。  もちろんそうはいっても、私も選挙を行うに当たって一定の規制とかルールが必要であることは認めますし、そのことによって公正な選挙の実施ということが必要であることは承知しております。しかし、余りに厳正にあるいは余りに過度に規制をかけるということは選挙制度そのものの硬直化をもたらして、その結果、本来の目的である、つまりできるだけ多くの国民の皆さんに選挙権を行使していただくという目的を阻害する要因にもなりかねないわけであります。二万、先ほど来も議論がありましたように、既に国際的にはこういう在外選挙の投票の問題あるいは郵便投票の問題を含めてかなり緩やかな制度が採用されてきている。それから見ると、我が国の現行制度は国際的に見ても異質な面を残している。今国際的にさまざまな分野で制度を調和させるハーモナイゼーションということが強調されてきているわけですが、そのような観点からも、我が国の選挙にかかわる諸規制について、これを機会に今後さらに思い切って緩和していくあるいは自由化をしていく、そして選挙制度そのものをもっとやわらかい、ソフトな形に持っていくというような作業に着手していくときに来ているのではないかというふうに思いますが、この点、大臣どのようにお考えでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 選挙運動は、候補者の政策や人物等を含めまして、有権者にだれを選択すべきか、どの党を選択すべきかという判断材料を与えるものでございます。  その点からいたしますと、御指摘のとおり、現行の公職選挙法におきましては選挙運動等についての一定の規制が設けられておる。私、国家公安委員長も兼ねておりますから、何もできない、演説しかできないなどというまことに厳しい立場に立って、委員御指摘のようなつらい思いというか苦しい思いというか、そういうことをいたしております。  そういうことではありましても、委員おっしゃるように、その観点からすればできるだけ自由化すべきだ、ソフト化すべきだと、こういうことでございますが、しかし無制限な自由を認めると、今度は財力や権力等によって選挙がゆがめられるおそれがある。こういう意味で、選挙の公平公正を確保するには選挙運動に一定のルールを設けることが必要であるとの現行法の中で、この規制がこのような観点からなされておる。また、各党会派の御論議を踏まえて、今日のものとして積み上げられておる、こう思うわけでございます。  一口で言えば、民主主義の成熟度のベースというか、それとともにこれらのことは当然考えて今後取り組んでいかれるべきものではないか、このように私は考えておるわけでございます。  選挙運動はある意味では選挙の土俵づくりでもございますから、さまざまな御意見があることも承知をいたしておるわけでございまして、選挙運動にかかわる公職選挙法の問題につきましては、まずは各党会派におきまして十分御論議いただきまして、方向づけをしていただきたいと考えております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 私も先ほど注意深く表現したつもりで、無制限に自由化しろというふうに言っておるつもりではないわけです。ただ、国際的に見ても非常にまだかたさが残り過ぎているという点はぜひ御認識をいただいて、もちろん日本の、それこそ政府だけじゃない、国民全体の民主主義がどのように成熟していくかということとも関連する話だとは思いますが、ぜひ国の側ももう少しよりソフトな制度へ向けて、その点検の作業を着実に進めていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  次に、先ほど松村委員とのやりとりにもあった問題について改めて私からもお尋ねしたいと思います。  それは、今回の改正で、先日の参考人の皆さんからも御意見をいただきましたけれども、対象とする選挙を当分の間比例代表選挙に限るという点であります。  この当分の間比例代表選挙に限るということについて、既に大臣はさまざまな理由を挙げてまずは比例選挙からやりたい、こういうお話をるる述べられているんですが、いろいろお聞きしましても、例えば候補者個人の氏名とか具体的な政見の中身を周知徹底するのはなかなか大変だとかというような理由を挙げておられますが、どうもその挙げておられる理由というのは説得力に乏しいと私は思うんです。  つまり、政党についても当然さまざまな情報提供はしなきゃいけないわけだし、周知徹底もしなきゃいけない。同様に、候補者個人についても、今これだけ国際的な情報化社会を迎えて、少なくとも御自身が知りたいという意思さえ持っていれば、それらの情報を世界どこに住んでいても十分に入手できることが可能なシステムになってきていると思うんです。そうすると、今まで大臣が当分の間比例代表選挙に限ってというふうに言われている理由というか根拠もどうも説得力に乏しい、少なくとも私自身はなかなか納得できないというふうに感じています。  改めて、なぜ当分の間比例代表選挙に限るというふうにせざるを得ないのか。仮にとりあえず比例代表選挙から出発せざるを得ないとしても、当然選挙というのは比例代表選挙と選挙区選挙があって両方で一つなわけですから、選挙区選挙についても在外選挙の対象とする実施時期について、先ほどのやりとりでは、現時点でいつだということにはならないというようなお答えをいただいたんですが、もう一歩踏み込んで、より明確に大臣の決意を含めて考え方をお示しいただけないだろうか。  私は、この点があるから、つい先日の参考人の意見聴取のときにも、今回の改正は半歩前進だというふうに申し上げた。あと半歩足りないから半歩前進だということを申し上げた。ぜひ改めて、なぜ当分の間比例代表選挙に限るというふうにされているのか。そしてとりあえず比例代表選挙からスタートせざるを得ないとしても、選挙区選挙を含めてちゃんとした在外投票制度にするために、法文どおりの選挙ができるようにするための実施時期について、もう一歩大臣の決意を含めて明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 御承知のように、選挙区選挙は立候補の締め切りをした後、候補者が確定されて選挙公報が印刷され各家庭に国内では配布されるわけでございます。ところが、海外までこれを送りまして各家庭にというのは極めて不可能なことでございまして、選挙してもらう側に立ちますと、国内と国外の差が出てくることは必然でございます。また、その事務も膨大なものになるわけでございます。  ところが、政党名を書く比例選挙は、政党というのは、今日のように目まぐるしく変われば別でございますが、ある程度その政治姿勢あるいは基本的な政策、これはもう既に国内であろうとも国外であろうとも情報というものが伝わっておるわけでございまして、選挙候補者が確定する選挙区のものとはおのずとそこには違うものがあるのではないか、私はそのような認識を持っておるわけでございます。  したがいまして、初めてのことでもございますし、海外投票という画期的な第一歩でもございますから、間違いない選挙体制、事務体制も含めまして、在外公館等の選挙事務の体制がどうなっておるのか、これはヨーロッパでありますとかアメリカでありますとか、あるいは発展途上国でありますとか、それぞれの国の対応というものも見守ってまいりたい。また、その経験を踏まえた後にぜひ衆参の選挙区選挙、やらないとは申しておらないわけでありまして、まず比例区からさせていただきまして、何度かの経験を踏まえ、在外公館等の選挙事務体制等も見、また有権者の選挙に対するありよう等も十分見させていただきまして、そして次なる対応をしていきたい、こう考えておるわけでございます。  衆議院でもたびたび私、御質問をいただきました。また、衆議院におきましては、「衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙については、本法による在外選挙の実施状況を踏まえ、可及的速やかに在外選挙の対象とする措置を講ずるものとする」旨の附帯決議が付されておるわけでございまして、このことも十分踏まえまして対応をさせていただきたい。  委員の御指摘の気持ちは私も一緒でございまして、ただ、先ほど申し上げましたように、選挙区選挙は立候補の締め切りをいたしました後、候補者が確定をして印刷に入る、その印刷したものを国内と国外とに配布するということについてはおのずと格差が出てくる。情報の伝達についても情報提供についても格差がある、そのもとでの大切な選挙権の行使についてはいかがなものかということで、まず比例選挙からさせていただくことにいたしましたことを御理解いただきたいと思います。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 どうもまだ御理解いただけないんですが、一つだけもう一度お尋ねします。  つまり、私が気になっているのは、衆議院の附帯決議の中で「可及的速やかに」というふうな表現をされたそのことと、今の大臣のお答えは何度かの経験を踏まえて積み重ねてというふうにおっしゃる。何か後退しているように聞こえるんですよ。何か何回かやらないとできないんだというふうにおっしゃっているように聞こえるんです。せっかく衆議院で「可及的速やかに」という表現で附帯決議が付されている、そのことを踏まえてやるんだというふうにおっしゃっていることと、今答弁されていることとの間に何かやや後退した感じが否めないんですが、もう一度。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 私、衆議院の議論でもただいま申し上げたようなことを申し上げまして、結果的に各党がこういう形で附帯決議を提出されてこの対応があった、こういうことでございます。  「可及的速やかに」といいますと、日本語的にはもうあしたでもと、大体言葉的にはわかるんですが、これはいささかちょっと問題が、あしたにでもというわけにはまいらない。これは何度か経験をさせていただいて、在外公館の体制でありますとかあるいは選挙の実態がそれぞれの国でどうなっておるのか、そういうものも見きわめさせていただいて、そして無理のない形で選挙区選挙の選挙権の行使をしていただくようにという気持ちでございまして、この「可及的速やかに」という気持ちは十分重く受けとめまして、慎重に対応をさせていただきたいと考えております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 もうこれ以上さらに質問を重ねることをやめますが、ただ一点だけ指摘しておきたいと思うんです。  私は、国内で行われている選挙、例えば選挙公報の提供とかそういうことと同じようなことを海外でやろうというふうに考えたら、それはしょせん無理だと思うんです。例えば、先ほど議論があった在外邦人の問題にしろ洋上投票せざるを得ない人にしろ、国内に居住している人たちと同じような形での情報提供をしようとするのは困難だと思うんです。ある意味では、私は国内においてその選挙公報を含めて何か隅々まで情報を提供しなきゃいけないみたいな発想を、洋上にも在外にも求め過ぎているのじゃないかという気がしてなりません。むしろ、そのことによって投票をしたいという人たちの権利に変にブレーキをかけているというか、ストップさせている。そこのところはぜひ、先ほど質問した趣旨でもありますが、ちょっと発想の転換をして、よりソフトな選挙制度への転換の作業に着手する必要があるということだけは特に私は強調しておきたいと思います。  それでは、以上基本的なお考えを大臣からお伺いした上で、幾つかこれからは具体的な課題について、先ほどの松村委員からの質問とも若干ダブりますので、できるだけ重複を避けてお尋ねしたいと思います。  まず最初にお尋ねしたいのは、今回の制度改正で新たな在外投票の制度の対象者となる人たち、新たに今回投票のチャンスを与えられる人たちですが、先ほどのお話ですと在外邦人の数がおおよそ七十六万人程度で、そのうち成人で選挙権を有している人たちが五十六万人程度であろうというふうに自治省の方が推計をされたんですが、この数字はどうやって出てきているのか。その推計というのはもうちょっときちんと把握できないのかという気がしているものですから、新たな制度の対象となる人たちについて、どういうふうに数字を把握しておられてその数字の根拠は一体どこにあるのかということを、まず外務省にお尋ねしたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 外務省では、毎年在外公館を通じまして海外における在留邦人実態調査を行っております。  それによりますと、最新の統計では平成八年十月現在で約七十六万人という数字が出ております。これに、先ほど自治省の方から御説明がありましたように、成人数はその約七割強という見当で数字が推定されているわけでございます。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 今の御説明ですと、実態調査によってこういう数字が把握されている。  ところで、現行の制度では長期間にわたって、三カ月以上でしたか、海外に在住する場合は在留届をちゃんと出しなさいということになっていると思うんです。そういうところで数字を把握することができるんじゃないかと思うんですが、その辺はどうなっていますか。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 御指摘の在留届は旅券法に規定がございます。  その十六条によりますと、三カ月以上外国に居住する者は、当該地域の領事官に届け出をしなければならないというふうに書いてございまして、その限りで義務ではございます。ただ、実際のところは罰則がございませんので、現実としては徹底していないわけでございます。したがいまして、この在留届の総計は私どもが毎年行っています実態調査を下回っているわけでございます。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 どうなんでしょうか。これはあくまでも義務にはなっているけれども、御本人がそういう意思を持って領事館に行かないとちゃんと登録されないということなんで、あくまでも一人一人の皆さんの協力というのが必要になってくる。  さて、そういう実態になっていることについて、外務省としてはどういうふうに受けとめておられるのか、今後何らかの対応策を考えたいと思っておられるのか、その点、さらにお尋ねしておきたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 私どもはこの在留届の励行が行われるようにということは、かねてから問題意識は持っております。  したがいまして、まずこの広報努力ということがございます。例えば、平成八年十月には、在留届普及月間というような催しも行いました。その中ではラジオ番組あるいは海外向け広報誌を使いました啓発広報活動を行っておりますし、現地在外公館、さらには都道府県の旅券交付窓口、これを通じて周知を図るように努めております。さらに、この在外選挙の実施ということになりますと、選挙人名簿の登録、これはまさしく権利を行使するために邦人有権者おのおのが自発的に登録されることが前提になっておりますので、これがまた結果としては在留届の励行にもつながろうかと思っております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 わかりました。  では今度は、その在外邦人の実数をどうやって把握するのかという問題と関連して自治省にちょっとお尋ねしたいんですが、私が理解するとこみでは、海外に三カ月以上長期にわたって在住しようとする者は、当然日本を出国するときにそれまで居住していた市町村に住民票の転出届というような形で出すんじゃないかと田うんです。だから、市町村の側でそういう住民票の転出届を把握していけば在外邦人の実数把握にも一定程度参考となるような数字が出てくるんじゃないかと私は思うんです。  実際、海外に長期にわたって在住するという旨を明らかにして住民票の転出届を出していかれているような人たちは一体どれぐらいいるんだろうか、実態はどの程度把握されているんだろうか、そして今の制度ではどの程度そういう数が把握できるんだろうか。現状をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 国内から海外に長期に滞在をするという場合には、あらかじめその海外の転出先を市町村長に届け出るということになっております。この届け出を受けました市町村長は、その者の住民票の消除事由欄に海外の移転先を記載いたしまして転出予定日に当該住民票を消除する、これを除票と呼んでおりますが、この消除されたものを五年間保存するということになっておりますので、五年以上たたれました方々の転出先というものをこの住民票から把握することは困難ということになるわけでございます。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 そうすると、例えばこの一年間に何人ぐらい出られたかという数字はわかりますか。ずっと五年以上滞在されている方も含めて現在の実数が幾らだということを示すことは今の仕組みではできないけれども、例えば去年一年間何人の方が海外に長期在留という理由で転出されている数字はわかりますか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 仕組みの上からは御指摘のような数字を把握することは可能でございますが、統計上そのような数字は出しておりません。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 そうしますと、先ほどの外務省の方のお話、また自治省のお話からいいますと、在外邦人の実数を把握するということは結構難しい作業なのかなというふうに思うわけです。  そこで、次にお尋ねしたいんですが、さてこれから新しい制度で在外邦人の皆さんに選挙権を行使していただこう、こういうことになります。そうなりますと、その新しい制度を積極的に活用していただく、あるいは積極的に参加していただくという意味で、当然いわゆる啓発活動を含めて外務省と自治省の両省がさまざまな面で協力をし合ってそういう活動を進めていくということが必要になると思いますが、この点について現時点で自治省なり外務省なりはどんなふうに取り組もうとされているのか、改めてお尋ねしておきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 新しい選挙制度の周知などにつきまして、パンフレットの作成とかいわゆる広報資料の作成等、国内において行います業務、これは自治省が中心になって行える、ただ内容等につきましてはまた外務省とも協議をしていきたい。ただ、現実にはそれを海外に送りまして海外で実際に使っていただくということになりますと、そのお仕事はやはり外務省さんに中心になってお願いをせざるを得ない、そして外務省さんは現地の日本人会等も活用していただくということになるだろうというふうに考えております。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 私ども、この点は自治省とも十分協力し合って進めてまいるつもりでおります。やはり啓発する材料は自治省の方でつくっていただくとしても、現地での有権者への配布、周知徹底、これについては我が在外公館を通じまして、さらには現地の在留邦人組織、商工会議所とか日本人会、そういう組織の協力も得まして、できる限り徹底に努めたいと思っております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 ぜひ両省で協力をしてきめ細かな作業をお願いしたいと思うんです。  そこで、先ほどもちょっと話題に上っておりましたが、そういうさまざまな情報提供手段の一つとしてこの際インターネットなどを積極的に活用するという考え方ができないのかというふうに私は思っています。  先ほどの松村委員への御答弁では、いろいろ勉強しながら多角的にやっていきたいという御答弁だったんですが、例えば海外にいて選挙権を行使したい、投票に参加をしたいという人たちはそれなりに結構問題意識が高い方が多いと思うんです。この間参考人としておいでいただいた方も含めて、そういう感じがします。そうすると、そういう人たちはみずからできるだけ情報を求める、そしてその場合に、外務省がやるのか自治省がやるのか、例えばインターネットでホームページをつくって、こういうことになっている、アクセスしていただければそういう方にはむしろ積極的に情報提供ができるというような方法をもう少し考えるべきではないか。しかも、これは決して国外の問題だけじゃなくて国内においても十分活用していく余地があるんじゃないか。  実は、やや手前みそになるんですが、私ども民主党はいち早く政党としてのホームページをつくってやっておりますが、国内それから国外からのアクセスが結構あるんですね。いろいろ厳しい御指摘もいただいたりしているわけで、こういう時代ですから、そういうことをもっと積極的に活用するという方向で検討できないのかと思っているんですが、具体的な問題ですのでこれも自治省と外務省の両方にお尋ねしたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 自治省でも既にホームページを開いておりまして、いろいろ制度改正等がありましたときはその都度内容を更新してお知らせをいたしております。この在外選挙制度も実現をいたしましたらば同様の対応をとりたいと考えておりますし、また選挙期日等が確定をしたら当然その期日、それから名簿届け出政党等が確定をいたしましたらその政党名等につきましては少なくともこのホームページに登載をしたいというふうに考えております。  ただ、どこまでの内容をホームページに登載していくかということにつきましては、選挙運動あるいは選挙運動の公営等、いろいろ複雑な問題がございますので、現時点でその内容までを、ここまではできるということを確定することはできませんが、できるだけ海外におられる有権者の方々の便宜供与になるように対応してまいりたいというふうに考えております。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 外務省でもホームページはインターネットに開設してございます。当初、私どもは外交活動そのものについて国民の皆様がそれを利用されることを予想しておったのでございますが、最近になりまして、例えば私どもが出しております「海外危険情報」、こういう海外における生活に関する実際的な情報に対するアクセスが極めて高くなっております。そういう意味では、この新しい在外選挙制度の広報、これについてはこのホームページも極めて有効な情報媒体ではないかと考えておりますので、制度の広報については大いに活用してまいりたいと思っております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 両省ともこういう新しい制度ができましたよ、それをぜひ活用してくださいというところはインターネットを通じて大いにやっていきたいと。ただ、いざ具体的ないわゆる選挙にかかわって政党なり候補者個人の情報をどこまでインターネットに載せることができるのかということになると、やや慎重な言い回しがあったというふうに思うんですが、私はむしろ、もう今各省がインターネットでホームページを持っているというのは当たり前で、制度改正とかこういうことはどんどんやっていただいたらいいと思うんです。  私が特にお尋ねしたかったのは、まさしく今問題となっているその選挙にかかわる具体的な、例えば公報に載せるような情報とかいうことについてもインターネットにどんどん載せられるようにできないかという趣旨であります。きょうはこの問題は主題でありませんのでこれ以上お尋ねしませんが、私自身の問題意識としては、国外にとどまらず国内においてもインターネットを利用したさまざまな選挙にかかわる具体的な情報提供に踏み切るべきではないかというふうに思っています。  多分こういうことなんだろうと思いますね。ポスターが何枚でなきゃいかぬとか、ビラが何枚でなきゃいかぬとか、そういう規制があるから、それと比べるとインターネットをどうやって規制するんだという問題になるんだろうと思うんです。私はそういう意味でも、もっともっと緩やかにというか幅を広げるような形での検討作業が必要ではないかという意味で、一つの課題であるということをぜひ指摘しておきたいというふうに思います。  それでは最後に、ちょっと松村委員の質問とも重複しますので一つ二つ質問を飛ばしましてお尋ねをしたいと思います。  今回の改正案で、在外投票を行う場合に、先ほど御説明もありましたように、基本的には在外公館における投票、つまり投票所における投票というのを原則に置いて、その上で幾つかの政令で定める範囲の人たちについては郵便投票をというお考えのようでありますが、どういうふうに制度的な位置づけを考えたらいいのか、ちょっとお尋ねしておきたいと思うんです。  従来の我が国の選挙制度は、投票は投票所で当日投票するというのがまず大原則であって、例外として不在者投票という制度がある、従来この二本立てで国内の選挙はやってきておられたんだというふうに思います。そういう従来の制度と今回新しく入れる在外投票の制度というのはどういう位置づけになるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。  その上で、在外投票を行う場合に、先ほどの話でいえば本人が居住している地域を管轄する領事館等で投票する、こういうことになるようです。例えば、たまたまその人が出張していてその居住地以外の公館で投票できないかというような場合もあり得るんじゃないかと思いますが、そんな場合にはどんなふうに対応されようとしておるのか、あわせてお伺いしておきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 今回設けます在外投票制度は、これまでの国内におきます投票所における当日投票、その例外としての不在者投票、これとは全く別の新たな制度であるという位置づけをいたしております。ただ、投票方法につきましては、公館投票でありますとかあるいは郵便投票といったように、現行の不在者投票制度に類似した投票制度になっているというふうに御理解をいただければと思います。  そこで、その住所を管轄する領事官を経由いたしまして在外選挙人名簿に登録をし、それで在外選挙人証を交付して、その在外選挙人証を使って投票していただくということでございますが、公館投票の場合ですと、自分が経由をいたしました当該領事館でなくても隣の管轄領事館、あるいはたまたま出張中であってよその国の管轄領事館、そこへ行って投票することも可能ということでございますし、また郵便投票区域で郵便投票が可能という方々も、公館投票を行っている公館に出向きましてそこで公館投票をしていただくということも可能ということで、できるだけ有権者の便宜に資したい、そういう仕組みにしたいということでございます。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 ありがとうございました。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。  今回、海外在住者の投票制度を設けるというものでございますが、私も民主主義の発展はこの投票、選挙権の拡大の歴史であったというふうに思います。そういう意味からすれば、本来国民が基本的な権利として持っている選挙権が海外においても半分扉が開いたというような印象で、もちろん画期的ではありますけれども半分にしかすぎない、そんなふうに評価をしております。  先般、参考人においでいただいた海外在住者投票制度の実現を目指す会のロス在住の方の、もちろん別な方ではございますけれども、いろいろ憂慮をされておりました。昨年七月十五日付の羅府新報と言うんでしょうか、ロサンゼルスの邦字新聞でございますけれども、海外在住者投票制度の実現を目指す会副会長という方の寄稿が載せられております。この中で非常にその方の憂慮している点というのは二つありまして、一つが要するに帰国意思の問題、これを憂慮しております。もう一つが当分の間でありますけれども対象を比例に限定している、この二点についてるる述べているわけでございます。  今、ずっと松村理事また朝日理事の質問がそういうところに集中したと私は思いますけれども、この点について私も質問をさせていただきたいというふうに思います。  ただ、本題に入る前に、今この海外在住者の方で、先般も参考人質疑に際して話が出ましたけれども、実は裁判がなされている。中身を見ておりませんが、想像するに恐らく国家賠償請求事件であろうと思います。不当に国民の権利である選挙権を害された、そういうことだろうと思いますが、現時点、この在外邦人の投票制度がまだない時点において、いろんな技術的理由等を踏まえて権利行使を認めていないというこの制度、やはり憲法上大問題だなと私自身は考えておりますが、この点についての評価をどのようにお考えなのか、自治大臣並びに内閣法制局にお伺いをしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 気持ちとしては私もそういう問題は起こり得ることかなと思っておりますが、ただ選挙権の行使というのは極めて民主主義の根幹にかかわる選挙というものをとり行うものでございますから、選挙をする側も選挙をしていただく者もできるだけこの条件というものをきちっと差のないように平等な形にしていくというのは当然の務めだと思っておるわけでございます。  比例選挙に限るという理由につきましては、先ほど申し上げましたように、海外の有権者に対して十二日ないし十七日間の限られた日程の中で選挙に対する情報を周知徹底する、特に個人の政治姿勢とか政策でありますとか、あるいは人物でありますとか、そういうところまですべてをということについては大変困難な状況にある、これが一つの判断として比例代表選挙に限るということにいたしたわけでございます。  お答えをたびたびいたしておりますように、この比例選挙は、そういう意味では政党の政治姿勢あるいは政策というものについて、これは個人というものよりも、情報の発達したこの時代でございますから国内とそう差のない形で知られておる、また広報というものが国内とそう格差のない状態で御理解をいただけるのではないか、こういうふうに判断されたわけでございます。  このような判断も含めまして、さらに比例代表から実施をいたしましてこのような選挙情報の具体的な周知状況がどうなっておるのか、これは各国の実情というものを見きわめなきゃなりません。また在外公館の体制も、有権者の確定あるいは選挙事務等がどう取り進んでいくのか、こういうものを見きわめた上で、次の段階としての衆議院の小選挙区あるいは参議院の選挙区選挙の実施というものの方向づけをいたしたい。もう率直に幾度もお答えしておりますとおりでございまして、このような判断に立っておりますことについてはひとつ御理解をいただきたい。  言うなれば、経験を踏まえた上でこの衆参選挙区選挙について、問題がない、間違いのない選挙事務がとり行われ、また海外の有権者には選挙権の行使をしていただく条件整備というものをどうすべきか、こういう課題も含めて対応してまいりたいと考えておるところでございます。

阪田雅裕内閣法制局第三部長

○政府委員(阪田雅裕君) 委員のお尋ねは、現行の公職選挙法でのおよそ一切の国政選挙に在外邦人が参加していないという現状をどう評価するかということであったかと思います。  現在の公選法では、在外に居住する邦人も選挙権は一応あることにはなっていますけれども、選挙人名簿に登録されようがない、その結果として選挙権を行使する機会が与えられていないということで、結果的に見ますと事実上選挙権を有しないのと同じようなことになっておるということであろうかと思います。  御案内のように憲法四十四条は、選挙権の付与につきましてただし書きで例示をしておりますようないわゆる不合理な差別を禁止しているということにかんがみますと、選挙権の行使の機会につきましても、ゆえなくこれを与えないということは許されないというのは当然のことであろうかと思っております。  他方、今、大臣の方からもお話がありましたように、選挙の実施に際しましては選挙の公正を確保する、あるいは選挙事務がいたずらに混乱しないようにする、そういったことを通じて選挙で国民の信任を得るということもまた民主主義の根幹にかかわる大事な要請であろうかというふうに思っております。  そうした観点から、必要やむを得ない範囲内でその行使を制限するということは直ちに不合理であるとは言えないというふうに思っておりまして、そうである限りはそこら辺の問題というのはいわゆる立法裁量の問題として憲法上も許容されるのではないかというふうに考えてきたところであります。  これまで在外邦人についてその選挙権の行使が制限されてまいりましたのは、在外における選挙事務の執行体制、遠く離れているということもございますが、何と申しましても主権が及ばないわけですから、我が国の行政組織が存在しないというようなことを中心にして、なかなか円滑にかつ公正な選挙を実施するという体制が国内と比べて十分に整っているとは言えないということであろうかと思います。そういう海外での投票を実施するということにつきまして公正にかつ混乱なく行うことについて十分な確信を得るに至らなかったということによるものだというふうに聞いておりまして、そうだとすればかかる制限というのもまたやむを得ないものとして許容されるのではないかというふうに考えているところであります。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 大臣は今、限定した理由を述べられましたけれども、もう一度、現行制度に対して裁判が起こされておるわけでございますけれども、この点についての評価をどう考えておられるかという点について再答弁をいただきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 私、裁判のどういう形でどうかというのは今、委員から初めてお聞きしたことでございますが、それらは裁判の経過等を踏まえて判断をされるべきものと考えております。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 要するに、国民主権という大原則があって、それを行使する選挙権、これが不当に侵害されたという形で国家賠償請求が起こされているわけであります。今審議している制度じゃなくて、現行の在外の邦人には一切認めないというやり方自体が憲法違反だというふうに問いかけられているわけであって、それに対して大臣の御所見はどうですかということです。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 選挙制度というか公職選挙法、選挙のあり方等につきましては、これは先ほども申し上げましたように、各党間で十分協議をされましてまとまったところでその対応というものが方向づけになるわけでございます。  今起こされておる裁判は海外におりながら選挙することができなかったという、そういうことの訴えとお聞きしましたが、私は今お聞きするまで存じませんでした。担当大臣としてそれは甚だいかぬではないかというおしかりを受けますかもしれませんが、今度のそういうことについて私は全く存じませんでした。  しかし、これについて現行制度がどうかと言われれば、日本国民でございますから国民であれば当然選挙権を有しておるわけでございます。それが行使されるというのは当然のことでございます。しかし、行使するにしましても公平にあるいは公正にそれは行使されなければならないわけでございまして、そのような意味での選挙法に基づく在外邦人の皆さんの選挙の参加というものがこれまで、先ほども経過を申し上げましたが、各党間の意向というものがまとまらずに方向づけにならなかった、こういうふうに私は理解をいたしておるところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 先ほど法制局の方から立法裁量の範囲内ではないかというお話がございましたが、事基本的人権にかかわることでございまして、我々は立法府にいる人間としても最大限尊重というか行使できるようにしていかなければならないことはもう言うまでもないと思います。  ところで、海外の方から日弁連に対してこの投票制度に関して人権救済が申し立てられ、これに対して日本弁護士連合会では投票制度に関する調査報告書を出し、かつまた一九九六年五月一日には、衆参議長また内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣、自治大臣あてに海外在住邦人の投票制度創設に関する要望書を出しております。  その調査報告書の中で、特にこういう記述があります。   海外在住の日本国民に選挙権を認めるにあたっては、有権者の把握、選挙権を行使する選挙区割りの決定、選挙運動期間の短さ・事前運動の規制・選挙運動手段の限定等による候補者の政見周知、国内での不在者投票・郵便投票との整合性などの問題がありうることは事実である。   しかし、これらの諸点は選挙権を行使するにあたっての技術的問題とも言うべきものであり、これらの問題が存在するとして選挙権を認めないのは本末転倒の議論である。前述のとおり、選挙権は国民主権を支える最も重要な権利であり、これを制限ないし否定するためには、国家の側にやむにやまれぬ利益が存在しなければならないところ、上記のような技術的問題はこれに当たらない。 よって、「基本的人権の不当な制限と言わざるをえない。」というふうに記述をしております。  また、   憲法は、居住・移転の自由及び外国に移住する自由を保障しているところ、海外在住の日本国民はこれらの自由を行使していると考えられるのであるから、これらの者に選挙権を否定することは、憲法上の自由の行使に対する不当な制限となりうる。したがって、この点からも、海外在住の日本国民に選挙権を認めないことは相当でない。 こういう記述になっております。  私もまさにそのとおりだなというふうに思うわけでありまして、現行の海外にいる人間に一切認めないというこの今の制度自体に対する評価をもう一度お聞かせいただきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) ただいま選挙権の制限あるいは否定というものがいかぬじゃないか、それから現行法についてどうだ、こういうことでございますが、公職選挙法で在外邦人の選挙権を今度初めて認める法案を提出いたしたわけでございます。  この選挙法といえども国会の議を経なければ法律として制定をされないわけでございまして、国会の議を経るまでには各政党間で十分御論議をいただきました上まとまっていかなければならないわけでございます。さような意味では、これまで幾度か試みられたがそれが果たせなかった、時間はかかりましたけれども今度ようやくこういう形で法案を提出させていただいたわけでございまして、何としても今後そのような問題がないように、公職選挙法で在外邦人に選挙権が付与される第一歩でございますから、これは皆さんの御理解、御協力をいただきたい。  私としては、在外にあっても日本国民であれば投票権が付与されるというのは当然のことでございまして、国会の議を経るという、そこで法案が成立するかしないかということでございますから、そういう意味では皆様の御理解、御協力を賜りまして、在外邦人が選挙権の行使ができるように、またその選挙が我が国の繁栄や発展につながる選挙権で、公平に公正にこれが行使をされるようにただ念願をいたしておるところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 今回、比例選挙に限る形で出されておりますけれども、同じく先ほどの日弁連の調査報告書でございますけれども、こう記述されております。  国民主権の支柱という選挙権の基本的性格を考えれば、海外在住日本国民に保障されるべき選挙は、国政選挙の全般に及ぶべきであり、議院の一部あるいは特定の形態の選挙(たとえば比例代表選出議員の選挙だけとするなど)に限定すべきではない。  まさにそのとおりでございますが、先ほど大臣からはその限定した理由が述べられましたが、これについて憲法上全く問題ないのか、法制局の御見解をお聞きしたいと思います。

阪田雅裕内閣法制局第三部長

○政府委員(阪田雅裕君) 比例選挙に限ることについて、今、先生いろいろ引用されました日弁連の調査報告書でありますが、技術的問題で制約するというのはどうかというような論旨であろうかと思います。  一点申し上げたいと思いますのは、基本的人権ということについて特に異論があるわけではないわけですけれども、表現、思想の自由のような本来、人であるがゆえに与えられるような権利とちょっと選挙権というのは違っていまして、国法上与えられている権利だというふうに理解されております。  それはどういうことかといいますと、自分の利益のためであるという側面がもちろんないわけではないですけれども、選挙人団というものの一員として国の機関として行動するんだ、したがって選挙というのは権利でもあるが義務であるというような説も一方で非常に有力であるという一面がございます。それは何を意味するかといいますと、そういう一員として行為をし投票するということの結果として、選挙全体が、例えば不正選挙が横行するとか、あるいは選挙が混乱して選挙無効が頻発するというようなことがあっては非常に困るということなのであろうかと思います。  結局、技術的問題と申しましても、その辺との調和、要するにいかに選挙を公正にまた混乱なく進めることができるかということとの調和においてどの程度の選挙権の行使の制限というのが許容されるかということが決まる問題であろうかというふうに思っております。  私どもは、直接選挙実務をやっておるわけではないので、そこがどの程度真にそういう問題があるのかということについて確たる評価をできる立場ではないわけでありますけれども、今回の御審議いただいている法案で当面今の比例選挙に限ってお願いをしているというのは、現在の体制で選挙区選挙についてまで在外邦人の投票を認めるということにした場合には、海外での投票管理事務が円滑に執行できるかどうか、あるいはそこでの投票について公正を確保できるかどうかという点になお確信を有するに至らないんだというふうに聞いております。もしそうだとすれば、こうした事情というのは選挙区選挙について投票をなおしばらく制限するということに足りる合理的な理由ではないかというふうに考えております。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 ただ、これは選挙権の投票価値の問題、もちろん有権者の多寡による投票価値の問題ももちろんありますけれども、今度はもう対象が限定される、半分以下だろうとは思いますけれども、そういう投票価値あるいは平等という観点から見ていかがですか。

阪田雅裕内閣法制局第三部長

○政府委員(阪田雅裕君) 似たような答弁になろうかと思いますけれども、そこはおっしゃるように投票価値の平等という側面、これは非常に強い要請であるということは紛れもないわけであります。  しかし一方で、再三申しますように、選挙の公正の確保あるいは選挙事務を円滑に進めるということも、選挙という言ってみれば国の機関としての行動を全体として律するルールとしては非常に大事なものではないか。そのために、例えば今の公職選挙法でも一定の選挙違反事案というんですか、選挙違反を犯した人については公民権の停止、要するに選挙権、被選挙権を停止するというふうなことも行われておるわけであります。これは別に刑法犯だから停止するということではなくて、特定の犯罪について選挙権を与えないということをやっておるわけです。  それはなぜかというと、投票価値の平等という意味ではそういう人たちの平等は損なわれているわけですが、それはそういう人たちが投票に参加することによって選挙の公正が侵害されるという面があるという点に着目している。少し次元は違いますけれども、全体として在外の投票が適正に行われない、あるいは一定時日に完了しない、いつまでもかかる、その結果としてどうも投票箱をあけてみたら中身が真正に投票したものかどうかよくわからない、もう一回全体の選挙のやり直したというふうなことに立ち至れば、全体としてその選挙に対する国民の信頼というのは失われるということになろうかというふうに思っております。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 今のお話は、海外の人が聞いたら怒りますよ。何か犯罪者と一緒の扱いみたいな形で余りにも例えがひどいなというふうな感じがいたしますけれども、これ以上言っても押し問答かもしれません。  同じく、最高裁判所裁判官の国民審査について、これは憲法にじかに規定をしているわけでありますが、国民主権主義から発すれば当然在外の日本人の方にも投票権があってしかるべきだ。今回は国民審査法の改正ではありませんけれども、これを与えないこともまた問題ではなかろうかと思うんですが、自治大臣及び内閣法制局からこの点についての所見をお述べいただきたいと思います。

阪田雅裕内閣法制局第三部長

○政府委員(阪田雅裕君) 今回与えないということでしょうか、現在与えられていないという。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 そうです、現在。

阪田雅裕内閣法制局第三部長

○政府委員(阪田雅裕君) 今、御案内のように、憲法七十九条二項におきまして国民審査は衆議院総選挙の際に行うということになっておりまして、国民審査法によりますと、これは選挙人名簿に基づいてやるということになっております。その結果、衆議院選挙に今参加できていないわけです、在外邦人については。このことの結果として国民審査にも参加できないということになっておるわけであります。これは、むしろどちらかというと選挙権の行使ができないというところに原因があるということであろうかと思いますし、その限りにおいてはやむを得ないというふうに思っております。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 今回の在外選挙制度の構築に当たりまして、国民審査につきまして何ら言及をしていないわけでございますが、国民審査は記号式投票でございまして、審査の告示後に投票用紙を印刷いたしまして国外に交付をする、やるとすればそういうことになるわけです。そうしますと、一方、今度は投票日の五日前までには送付をしなきゃいけない、有権者の方が。ということで、ほとんど審査期間が確保できないという技術的に実施不可能に近いというような状況でございますので、現段階では見送ることにしたところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 技術的問題で見送っているということでございまして、これもできる限り速やかに私は改正をすべきだという意見を表明しておきたいと思います。  ところで、先ほどもお話に出ました周知徹底という言い方でありますが、海外においてどういうような周知徹底方法を考えているのかちょっとよくわからないんです。何回か聞かれていると思いますが、簡略にお答えいただけますか。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 海外においては、やはり我々の大使館あるいは総領事館、在外公館でございますが、ここがその拠点になると思います。  そこで、それぞれの在留邦人にどういう形でこの情報を流すかということについては、それぞれ在外公館ごとにいろいろなネットワークを持っております。例えば危険情報を周知しなければならないというような課題もございます。通常、そのような場合は、現地の日本人社会の組織がございます。日本人会あるいは商工会議所、さらにそこで抜けているようなところがありますと個々の連絡方法をとることも危険情報の場合はございます。このような既に実施されております在留邦人との連絡方法を通じて周知するつもりでおります。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 今回寸比例に限定してしまっていますけれども、どういう政党があるのか、どういう名簿になっているのか、政策はどういうことなのか。多分国内では選挙公報という形で周知するという形になるかと思いますが、日本国内にいても新聞の折り込みに入ってくるような形でかなり選挙直前だなというふうに思うわけです。  現実に、これは何日ぐらい前までに配布をするという形になっているんでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 選挙公報は選挙の告示及びその翌日までに提出をしていただきまして、そして選挙の二日前までに配布をするということになっております。現実に印刷等に日数もかかりまして二日ぐらい前までに着く、各家庭に配布されるというような状況でございまして、在外有権者の方々に選挙公報を配布するということは、これはもう不可能ということで想定をしていないところでございます。  ただ、比例代表選挙は政党名を書くということで、これにつきましては先ほど来大臣からも御答弁申し上げておりますように、既に新聞でありますとかラジオ等のマスメディアを通じまして相当の情報が海外の邦人の方々にも届いている。したがって、どの政党に投票すべきかということの情報はかなりの程度達しているのではないかということで、今回、比例代表選挙については在外選挙をスタートさせてもいいだろうという判断をしたところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 さっきから大臣の答弁の中で周知徹底というのが非常に大きな限定理由といいますか、そういうふうに聞こえるんですが、結局今のお話ですと、マスコミにあなた任せよと、こういう話ですね。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 選挙を公正に行いますためには、候補政党あるいは候補者の情報が周知をされていることが必要であるというふうに考えております。  その周知を公が必ず行わなければならないのか、あるいはほかの手段で行い得るのか。それは必ずしも公が行わなければ、公によって周知が徹底しなければ選挙が成り立たないというわけではないということでございます。比例代表選挙につきましては、海外におきましても先ほど申し上げましたような状況がある。ただ、それはもうマスコミだけにおんぶをしているということではもちろんございませんで、私どもも比例代表の名簿届け出政党、その政党名、それからどういう方がその名簿に登載をされているか、こういうものにつきましてはできるだけ早く海外の在外公館にお送りをいたしまして、そして邦人の方々がそれを知り得るような状況に持っていきたいというふうに考えておるところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 だけど、五日前までに投票をしなければいけないわけであるから、現実に国内でも二日前に届くというような形ですね。ということは、政党名、名簿あるいは政策について在外公館に置くというようなことを考えているんでしょうか。  要するに、五日前までに投票しなきゃいけないんでしょう、今度の制度は。だけど、日本においては大体公報が来るのが二日前だと。そうするとどうやって周知するのか、お知らせするのかなと。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 先ほど申しましたように、選挙公報は公営選挙といたしまして国内においては制度化されておりますが、海外にまで選挙公報を何らかの形でお伝えをして、そして有権者の方々に見てもらうということは無理であるという判断をしておるわけでございます。  したがいまして、私どもが在外公館の方にできるだけ早く情報を伝えてと申し上げましたのは、これは選挙公報ではなくて、名簿届け出政党の名称なりあるいはそこに登載をされた候補者名といった基本的な情報、いわゆる選挙運動にわならない情報、こういうものをできるだけ早くお伝えをして有権者の方々に知ってもらうという方法をとりたいというふうに考えております。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 今、新聞とかそういうマスメディアでかなり政党の方は知られていくという話でございますけれども、現実に多くの新聞社はインターネットならインターネットでホームページをつくって、そこにアクセスすればいろんな情報がとれる、地方紙でもそういう状況に多分あるんだろうと思うんです。そうすると、その県なりの具体的な候補者の政策なりあるいは選挙運動の動きもよくわかって書かれているんではないか。そういう面からしてみると、公報じゃないとしても、周知という意味では比例であろうと選挙区であろうと実態は変わらないんではないかと思うんですが、いかがですか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 新聞、ラジオ等が海外にどの程度普及をしているか、今ちょっと数字がすぐには出てまいりません。大体どこの国だと何万部程度というようなことも私どもも調べているわけでございますが、中央紙は相当な部数が出ているということでございますけれども、これが地方紙までということになりますとなかなかそういう実態にはないんじゃないかと思います。選挙区選挙とか小選挙区選挙となりますと、全国紙ですべての選挙区の情報を細かに把握するということはなかなか困難ではないかと思います。また、各新聞社のインターネットにつきましても、最近国外に出られた方は自分が住んでいた県にどういう新聞社があってあるいはどういうテレビ局があってというようなことも御存じかもしれませんが、もう既に相当期間がたたれた方はそういう地域の状況というものも十分には御理解、御認識いただいていないわけでございます。  そういう意味から、情報伝達というものが必ずしも小選挙区選挙や選挙区選挙を行うに足り得るような状況にいまだ至っていないのではないかということで、とりあえずは比例代表からスタートさせていただいて、そして情報伝達の実態等を見ながら次の段階に踏み込ませていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 半ば想像を前提にして御答弁されたかなという部分がありますけれども、今度は翻って、比例区選挙を想定していますから、政党のいろんな活動、選挙運動ということもあろうかと思うんです。今ビラとかかなり限定をされております。ビラの配り方等について、国内では郵送じゃいけないとかいろいろあるわけで、配る場所は街頭であるとか演説会ですとかなっておりますが、政党の選挙運動としては、やはり海外の有権者がいっぱいいるとなればしかるべきところに送った方がいいだろうと思うんですね。それは現行法で制限されるのか。今、大臣は周知徹底というのが大事だということでずっとおっしゃってきておって、この選挙執行側も、また候補である政党側も総力を挙げて周知をすべきだと思うんですが、この点はいかがですか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 国内の選挙運動につきましては、公職選挙法におきまして、先ほど来御論議がございましたようにさまざまの規制がございますが、これは本来原則として国外には及ばないものでございます。また、特別の規定を設けましてこれを及ぼそうといたしましても、その実効を期しがたいということから、今回もそのような規定は置いておりません。  したがいまして、文書図画の頒布でありますとか戸別訪問、こういうものはすべて海外においては規制がされないということになるわけでございますが、ただ、今お話がございましたビラ等は、国内でつくりまして海外にお送りをするということは現行の規定からできないという解釈になります。と申しますのは、国内の候補者個人あるいは政党等が頒布できますビラにつきましては、その枚数あるいはその頒布の場所等が全部規制をされております。そういう場所でしか頒布をできないということになっておりますので、国内でつくったものを海外に郵送して海外で頒布するということはできないという解釈になるわけでございます。  一方、国外でビラ等をつくりましてその国で頒布をする、当該国において、海外において完結をするようなものは規制を受けませんので、可能ということになるわけでございます。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 もう時間でございますけれども、一方で周知徹底を重要視しながら、こういう形で縛るというのはいかがなものかなという意見表明をして終わります。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午後一時三十分開会

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、中原典君、大木浩君及び大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として長尾立子君、平田耕一石及び村沢牧君が選任されました。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。  私の手元に、海外有権者ネットワーク・ニューヨーク代表の竹永浩之さんという方からお手紙をいただきました。この方は、約二十年以上海外に居住する在外邦人に選挙権を与えていただきたいという運動を続けておる方で、ニューヨークだけでも発行部数約三千部、無料で配布をしながら運動を続けておる、こういうことが今世界じゅうに広がって、アメリカを初めイギリス、オーストラリアでも展開をされておるということで、ぜひひとつ参議院の段階でもこの願望を満たしてもらいたいという趣旨のお便りをいただきました。  今申し上げましたように、長年海外に滞在する日本人に対して国内と同じように国政選挙の選挙権を認めようとする改正案が、当委員会の審議が始まることになりましてようやく成立の見通しとなってきたことに外して、私自身を含めて先輩、同僚の皆さんも、早期実現を主張してきた一人として実は大変喜ばしく思っておるところです。  今日まで海外で活躍する有権者の方々から、先ほども申し上げましたが、長い間この実現が望まれてきたものでありまして、本来からいえば、午前中もありましたが、憲法上保障されるべき参政権が認められていない、基本的人権にかかわる重大な問題ではないかという主張等もありまして、早期に制度の実現を図ろうということでやってまいりました。  当然ながら、制度そのものの実現を図ることはもとよりですが、同時にやはり効果のあるものでなければならないというふうに私自身は思うわけです。実施面で大変な苦労もあると思うんですが、その困難さを十分に踏まえてスムーズに投票ができるようにすることが重要な国の責任であるというふうに考えておりますので、以下、そういう視点からお伺いをしてみたいというふうに思っておるところです。  まず、郵便投票制度の問題について、午前中もありましたが、海外在住の国民の権利行使がどれだけ円滑に行われるか、その実効性をどのように確保できるかというのが大変大きな問題であると思います。公館で投票を行うにしても、邦人の方々の居住地から在外公館までの距離の問題や、あるいは午前中もありましたが、交通費など費用負担の軽減を図るためにどうしたらいいのか。郵便投票が広く行われることが一番望ましいことは言うまでもありませんが、前回の本委員会で私らが参考人としてお招きをしました戸波参考人からも、国際的にも郵便投票が今主流をなしておるという御意見をいただいたところです。  衆議院では今度の改正案に対して、政令の制定に当たっては、「在外公館の所在地から遠隔である地域に居住する選挙人も郵便投票により選挙権の行使をすることができるよう、所要の措置を講ずる」ようとの附帯決議が付されておりますが、私自身も実は同感であるわけです。在外選挙権者の利便のためにもできるだけ実態に即した改善が図られるよう、冒頭要望しておきたいと思います。  そこで、まず第一点にお聞きをしたいのは、在外公館で投票ができるのはどのくらいの割合なのか、それから郵便投票を認める場合はどのような場合を認めるのかまた地域の線引きをどういう基準で決める考えなのか、現在の時点で何か具体的にそういう考え方があるかどうか、お聞きをしたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 在外、在留邦人の統計のとり方については午前中御説明したとおりでございますが、その中で現在考えられております郵便投票の対象者は、現地の特殊な事情で在外公館投票が困難である地域に在留の邦人の方、これは先ほど申し上げたその地域の在留邦人人口が一万人を超える場合、それから治安の問題等があって在外公館に赴くことが困難な地域、さらに遠隔地の方、さらには在外公館そのものが施設上どうしても投票所としてふさわしくないという場合、以上、大体四つのカテゴリーに当てはまります。  そこから推計いたしますと、全有権者数の三割の方が在外公館投票であり、残りの七割が郵便投票という推計が一つの数字として考えられます。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 そうしますと、約七割が郵便投票だということですが、問題は、実際に郵便投票制度を行うということになると、午前中もありましたけれども、投票用紙の請求から投票済みの投票用紙の送付まで、海外の選挙人と市町村の選挙管理委員会との間で郵送手続に一往復学のやりとりを要することになるわけですが、果たして時間的に十分な余裕があるのかどうなのかというのが問題になります。  御承知のとおり、選挙運動期間は衆議院選挙で十二日間しかないわけですから、非常に時間的に厳しい。そうは言っても、手続が煩瑣過ぎるために逆に言ったら投票意欲や制度の有効性を損なうようなことがあってはならないと思うわけです。  今回、私自身もにわか勉強をさせてもらいましたが、考えれば考えるほど問題点は出てくるものです。「アメリカの在外選挙制度」ということで調査室の参考資料を読ませていただきましたけれども、「郵送期間」の項を見てみますと、世界を通じて国際郵便の標準的な片道郵送期間が大体七日間から十日間だ、これは若干古い時点の統計でありますが。そういう関係で、これはアメリカの場合ですが、在外投票の固有の機関である国防総省の連邦投票支援計画部というところと郵政公社は、投票を適時に送付するための往復郵送期間あるいは片道郵送期間とその他の必要日数ということで大体四十日間から四十五日間と計算をしておるというふうに、非常に期間的に神経を使った記述をされておるわけです。こういう点から見て、午前中もありましたが、いろいろ大臣の御心配の周知徹底の問題等もあるようです。  問題は、この一往復半かかる部分について、具体的に遠いところと言ってもあれですが、例えばブラジルなんかを入れてはどうかと思いますけれども、比較的遠いところで二、三事例を挙げて、通常一往復学でどのくらいの郵送時間がかかるのか、これは外務省の方にお尋ねしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 海外の郵便事情は、必ずしも確たる数字は出しにくいのでございますが、一応私どもが目安としますのは、東京国際郵便局が作成しております国際郵便日数表というのがございます。その平成八年十一月版によりますと、航空便が日本の飛行場までかかる標準日数が片道で出ます。それは今御質問の、例えばブラジルですとサンパウロからであれば片道は飛行場まで三日間、アメリカのニューヨークでも同様三日間、タイのバンコクでも三日間。ただ、一往復学となりますと、それを三倍するということにはなろうかとは思います。  ただし、午前中に自治省からも答弁がありましたように、投票用紙の請求に当たっては、公示日の前から行えるように措置する等柔軟に対処するということを私ども協議して進めてまいっておりますので、直ちに一往復半の日数がかからないようにする手だてはあろうかと思っております。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 大体三日間だということですが、この間の参考人のロス在住の中條参考人から、大体ロスからで五日間ぐらいだということで、非常に便利のいいロスにおってそういう状況だというお話も聞いております。  それから、私自身、知人が香港におるものですからいろいろやりとりしますが、例えば小包なんかを送りますと二十五日から一カ月ぐらいかかるわけです。郵便でも一週間から十日ぐらい香港の場合はかかるわけです。香港も在外邦人がおるわけですけれども、かなりの日数がかかるんじゃないかというのがどうしても心配になるものですから、制度はつくったわ、果たして投票に間に合うかという問題等もあるものですから余計な心配をしてお聞きをしておるところであります。  自治省の方にお聞きしますが、改正案の郵送による在外投票制度では、交付請求をする手続や時間の切迫性のために在外選挙に参加しようとする選挙人の投票意欲をそぐことがあってはならないわけです。各国の郵便事情なんかの絡みがありますから、郵便投票が機能せずに、例えば日本もありますけれども、諸外国に行きますといろいろと労働団体等の争議等もあって、私どもも出くわしたこともあるわけですが、そういうふうに機能しないときもあるわけですが、ほとんどが無効となるのではないかという心配もあるいは出てくるかもしれません。  そういう点を大変危惧しておるところですが、これも先般来いろいろ議論してまいりましたように、そういう点をどう改善していくかということを、一歩一歩改善に向かって努力をしていかなきゃいけないというふうにお互い思うわけです。実施してみたものの、最初から郵便投票の有効性が確保できないようなシステムをつくったということでは、私自身も立法府におる一人として責任を果たすことにはならないわけです。  そのようにならないために自治省自身も自信を持ってこの法案を提案したと思うんですが、その見通し等について、あるいは自信のほどについてお伺いをしてみたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 郵便投票の投票用紙は投票終了時刻までに投票所に到着をしていないと無効になるわけでございます。一方、請求から投票までは御指摘のように一往復半かかるということでございますので、その間の期日を相当程度とってやるということが必要になるわけでございます。  その点につきましては、まだ最終結論は得ていませんが、任期満了選挙でありますれば現段階におきましては六十日前ぐらいから送付ができるように、あるいは衆議院の解散・総選挙でありますれば解散の日から送付ができるようにということで、日程的にできるだけ余裕を持って投票用紙が送付されるように考えているところでございます。  ここらの点につきまして海外の有権者の方々に対しまして、郵便事情によって無効になる危険性があるので、投票用紙を早目に受け取って、そして選挙が始まったらば早目に記入をしてお送りくださいということをお知らせし、そして活用していただくということが肝要かと存じております。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 先ほど言いましたように、にわか勉強ですが、諸外国の事例では、郵便投票でも選挙人の本国の選挙管理委員会に郵送する場合であっても、アメリカ、カナダ、オーストラリア、オランダあるいはイタリアなんかもそうですけれども、在外公館に郵送して、それを在外公館の方から本国に郵送するという制度を併用しておるようです。  これも調査室の資料の方に載っておりますけれども、ここでオーストラリアの例を見てみますと、海外で投票する有権者の場合に、一つは、これは全く一緒です。選挙人の登録されている選挙区の選挙管理委員会、DROに郵送する方法と、それから二つ目が、在住の滞在国の最寄りの在外公館の選挙管理官、AROに郵送によって届ける場合と、それから三つ目が、在外公館で事前投票が実施されていれば、その分とあわせて一緒にAROに渡す場合、この三つの方法がとられておるようですけれども、本人から直接本国に送る例は余りないわけです。最寄りの在外公館に郵送するのが一般的であるというふうに説明をされておるわけです。  今回の法案では国際的にも余り利用されていない例の郵便投票を、直接御本人から本国の選管に投票するのを採用しておるというふうに思うわけですが、郵便投票制度に非常に長い経験を持っておる諸外国で、歴史も古いわけですからいろいろな経過を経て特有の制度を確立するに至ったと思うわけですが、それらの諸外国の事例についてどの程度検討されたのか。参考にしていればもう少し違った内容の提案があってしかるべきではないかというふうに思うわけですけれども、今回提案をしている制度がどの点から見てベストというふうに思っておられるか。その点を一つお聞きをしたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 御指摘がございましたように、オーストラリアとかカナダでは郵便投票の場合は、直接本国へ送る場合、それから公館へ送る場合、その両方とも可能というような取り扱いになっているようでございます。また一方、ドイツ、フランスは我が国が今御提案しておりますような直接本国へ郵送するというような方式をとっていると承知をいたしておりますが、諸外国の場合は我が国と違いまして非常に選挙期間も長く、その間日程的な余裕があるということがオーストラリア等の方式を可能にしているのではないか。  我が国の場合は非常に選挙期日が短うございますので、公館に送って公館からまた本国へ送るとなりますと、その間にその処理に要する時間がまた加算をしてまいりますし、また経由をすることによりまして投票用紙の紛失等の危険性も出てまいるということで、我が国の現行制度の中で海外からの郵便投票というものを可能にするには、御本人から直接国内の市町村にお送りしていただくことの方がベストであろうということで今回のような案を提案させていただいたところでございます。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 そこは私自身も素人ですから少し見解が違うかもしれませんけれども、在外選挙人の投票の便宜を図るという立場から見れば、あるいは御本人から直接自分の投票所の選挙管理委員会に郵送する場合だって、それぞれ住んでおる国の郵便の状況等が違うわけですから、午前中もお話がありました、外務省の方からお答えがあったように、例えば五日前に在外公館の投票を締め切って、そして外務省に送る場合には、本国に送る場合には臨時便でも準備をしてということを考えなきゃいけないんじゃないかいわゆる外交行のうの方法でと、そういうお話もあったわけです。そういう点から見れば、私は在外公館に投票してそして在外公館の方から外交行のうを通じて臨時便でも送ってくるというふうにした方がより確実ではないか。  この間の参考人の中にもありましたように、各自治体の選挙管理委員会に郵送で送ってきた場合に、英語、フランス語、ドイツ語ぐらいであればいいかもしれないけれども、それ以外の国から送ってきた場合なかなかそういうスタッフが各市町村の選管にいるかどうかわからないというような心配もあるという実はお話もあったわけです。  ですから、そういう点から見て、より効果を上げるためにはそういう方法を取り入れた方がいいんではないか。これは見解が違えば違うということですけれども、その方がより効果が上がるのではないか。先ほどお話がありましたように、同じ郵便投票で七割からの投票があれば、最初に公館で投票してそれで公館の方から外交行のうで臨時便でも仕立てていただいて本国に送っていただく方がより時間的に節約ができるんじゃないかというふうに思うわけですが、もう一度そこらについてお聞きをしてみたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 実は在外公館では、その在外公館が直接投票を受け付けるかあるいは郵便投票になるか初めから決まっておるわけでございます。したがいまして、パウチ、外交行のうを用意するのは在外公館で投票を受け付ける公館が行うわけでございます。これは現地で投票していただくわけですから、あらかじめ相当前広に締め切りましてそれを航空便で東京の外務省に送り、外務省でそれを一たん開きまして国内の各地方選管に国内便でもう一回送るという段取りで考えておるわけでございます。  したがいまして、郵便投票の有権者はこれを在外公館に一たん送りますとそこで在外公館が開いてまとめるということ、それから、必ずしも臨時便という制度が郵便投票の担当公館には予定されておりませんので、どういう形でまとめるのかという手間が一つかかります。さらに、先ほど申し上げたように東京に送られでもこれを外務省でもう一回整理し直すという時間がとられます。そういう意味では、先ほど自治省の方から御説明申し上げたように、時間が限られている中では直接お送りいただく方がより確実かと思います。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 それはこれから後検討していただきたいとは思いますけれども、私は意見として申し上げておきたいと思います。  大臣、先ほどからありますように、日本の場合選挙期間が非常に短いという問題があるから大変な難しさがあると思うんですけれども、ドイツの場合は、選挙証の交付申請の手続によりますと、在外選挙人は選挙人名簿への登録申請が認められると同時に選挙証の交付を受けて、あわせて自動的に郵便投票用紙も含めて書類一式が受け取れる、こういう方式をとっておるようです。これも参考資料にあります。  こういうことからすれば、確かに時間的な節約がされて無効票はかなり解決されるというふうに思いますけれども、日本の場合は、午前中朝日委員からもお話がありましたように、選挙ということについての思想といいますか考え方といいますか定義といいますか、これはヨーロッパなんかと違ってかなり厳密に公正にそして厳格にといいますか、そういう点があって、投票用紙を含めて非常に厳しい取り扱いがされておるわけです。  先般、これも参考人からの意見であったわけですが、これまでの厳格な選挙制度を確かに維持はしなきゃいけないでしょう、しかし一方では有権者の利便のためにもファクス投票なんかの新しい投票方法を考えていい時代に来たのではないですか、こういう意見も在外に住んでおる代表の方からありました。もう戦後五十年過ぎたわけですし、日本国民もかなり選挙には習熟をしてきたわけですから、今日思い切った発想の転換を行って、新しい投票方法を考えてもいい時期ではないかという気もするわけです。  今度の法改正とは別ですが、こういう点についてひとつ大臣の御所見をお伺いしたいと思うんです。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) ドイツの例を引かれましたが、この点については、将来ということであれば、十分諸外国の例等は参考にすべきものは参考にし、また在外邦人の投票に関する便宜というか、投票しやすい条件整備をするというのは当然でございますから、それは十分研究をいたしたいと考えております。将来ということでありますれば、それは当然前向きに検討すべきことでございます。  また、ファクス投票等については、午前中の議論でもお答えいたしましたように、そのような実験等もされておることでございまして、それらについても十分合研究をいたしておるところでございます。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 ぜひひとつ一票でも有効になるように努力を今後も積み重ねてもらいたいと思います。  次に、選挙人名簿の登録についてですが、本人の所在地を管轄する領事官の区域内に引き続き三カ月以上住所を有する者であることが要件となっていますが、幾つかの事例に沿って伺ってみたいと思うんです。  まず第一点は、在外選挙人証の有効期間はどのくらいか、それが本人もわかるようになっておるかどうか。それから二つ目に、年に一、二回以上国が変わったりあるいは住所が移動したりするような人の場合、その都度登録の申請をするのかどうなのか。それから三つ目が、名簿登録時の住所のA地からB地に転居した場合、選挙権行使のために名簿の更新等何らかの手続を要するかどうか。それからあと四、五は質問を予定しておりましたが、これは朝日さんの質問で答弁になっておりますから略したいと思うんです。  この三点についてひとつお尋ねしたいと思うんです。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 在外選挙人証の有効期限につきましては、有効期限を付するかどうかを含めまして検討をしたいと考えておりますが、有効期限を仮に設けます場合におきましては、七年以上を確保したいと思いますし、また、設けることになりましたら、その旨が選挙人にちゃんと伝わるように対応策を講じたいというふうに思っております。  それから、一度登録をされますと、これは住所を有していることが登録の継続要件ではございませんので、同じ国内で転居した場合はもちろんのこと、国境を越えて転居をした場合でもこの在外選挙人証は有効であるということでございます。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 これもちょっと後から質問を追加したわけですが、戸籍の附票の信頼性の問題について、これは朝日さんの方からも午前中ちょっとありましたけれども、これまでであれば長期間海外に在住している人は住民基本台帳制度においては五年で削除するということとなっておりますけれども、より長期に海外に在住している者の在外選挙人名簿の登録について、現在、午前中のあれでは住所がどこかわからないという部分もあったわけですから、戸籍の附票によって対応せざるを得ないと思うんです。ところが、戸籍の附票については記載の正確さ等の信頼性が十分なのかどうなのか実際のところかなり問題があるように私ども聞いておりますが、この点について調査をしたことがあるかどうか、あるいは遺漏についてはどのように対応するお考えがあるか、この点について説明願いたいと思うんですが。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 在外選挙人名簿の登録市町村は原則として最終住所地の市町村でございますが、午前中お話し申し上げましたように、その住民票の除票の保存期間が五年間でございますので、海外へ出られてから五年以上たっておられる方は最終住所地に確かに住所があったということが確認をできないということでございます。これらの方々につきましては、本籍地の住所地での在外選挙人名簿に登録をしていただくということで考えております。  ただ、この制度ができましたら、住民基本台帳法の施行令を改正いたしまして、今後海外へ出られる方につきましてはこの住民票の除票の保存期間を長期間に延ばしまして、いわばその方が生存をしている間はずっと保存ができるようにというような形で政令改正をしたいと考えておりますので、今後海外へ出られる方は必ず最終住所地の市町村の在外選挙人名簿に登録をされるということになります。  戸籍の附票につきましては、住民基本台帳でいろいろ記載事項等が変更になりましたときには本籍地の市町村に通知をいたしましてその戸籍の附票に記載してもらうという仕組みをとっているわけでございますが、また、戸籍の附票には禁治産者等の選挙権の失格事由に類すること等も付されている、それをもとにして実際に選挙権があるかどうかを確認しながら選挙人名簿への登録をするという仕組みをとっているわけでございます。  戸籍の附票の正確性につきまして調査をしたことは正直なところないわけでございますけれども、幸いにしてと申しますか、私どもはそこが不正確であったというようなことでの問題というものは聞いていないわけでございます。  したがいまして、法律に従いまして適正に処理をされているだろうと思っておりますし、また、そういう不正確な記載等があります場合には、これは選挙人名簿を登録しましたら公告縦覧という仕組みによりまして、相互チェックによって、自分が選挙人名簿に登録されていないこと、あるいは登録されるべきでない人が登録をされていること、これにつきましての異議申し立て等の制度が用意されておりますので、それによって公正に名簿が登録をされているものというふうに考えているところでございます。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 もう非常に長期にわたる人たちについてはなかなか難しさがあると思うし、期待はしていてもやっぱり所在をつかめないといいますか知ることができないという在外在住者もかなりおるんじゃないか、そういう心配をしておりますけれども、そこらは最大限どうして把握をするか。在外公館の方とも十分連携をとりながら、ぜひひとつ掌握をするような方向で努力をしていただきたいというふうに実は思っておるところです。  次は、午前中からいろいろ大臣からもお話がありました。私は、衆議院段階での衆参選挙区議員選挙等については「本法による在外選挙の実施状況を踏まえ、可及的速やかに在外選挙の対象とする措置を講ずるものとする」との附帯決議について、大臣は、「可及的速やかに」というのはあしたでもというようなこともありますが、十分重く受けとめてひとつ慎重にやっていきたいということでございました。法案から私自身が考えてみると、この法案によると成立後二年以降に実施される国政選挙から適用されるということになるわけです。遅くとも二〇〇一年の参議院の通常選挙からは在外邦人による投票が実現するということになりますが、その次の国政選挙からは暫定的な制度が改善をされて衆参の小選挙区や選挙区の選挙でも実施することになるというふうにこの附帯決議そのものを私自身は解釈をするわけですけれども、大臣、午前中のお考えとお変わりないでしょうか。もう一度お聞きをしてみたいと思うんです。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 午前中申し上げたことをまた午後違えて言うということになりませんことをまことに申しわけなく思います。  問題は、自治省でも役所でも、当分の間として何年も続いておるものがあるわけです。したがって、随分おしかりを衆議院で受けまして、「当分の間、」じゃだめだ、「可及的速やかに」と各党申されました。  日本語は大変難しいというのか、表現が非常に複雑といいますか慣行的なものがあるといいますかいろいろありますが、この点については私は重く受けとめていることに違いはありません。さは申せ、選挙権の行使は民主主義の根幹をなす選挙制度の問題でもございますから、これは慎重に対応してまいらなければならない。しかし、「可及的速やかに」というものの趣旨を踏まえて対応すると議会でお答えしておる以上は、そう十年も二十年もというものではなかろう。ただ、初めての経験でございますから、経験の中で改善すべき点であるとか対応すべき点だとかいろんなことがまた、私は知恵が出てくると思うんです。  そういうものを含めまして、在外邦人の皆さんが投票される条件整備というものを見きわめ、また選挙するに在外公館の選挙事務というものがスムーズにいくというその見きわめができるならばこれはいつでも導入すべきだという判断を私は持っておるわけでございまして、午前中からございましたように、ただいま委員からもございましたように、気持ちにはいささかの違いもございません。  ただ、初めてのことでございますから、比例代表でまず経験をさせていただきまして、ここから第一歩を踏み出して、小選挙区制あるいは参議院の選挙区制、それにも導入できるならまことにありがたいものだとむしろ私はそう思っておるわけでございます。「可及的速やかに」という附帯決議は重く受けとめ、このことを受けとめた私の立場からすれば、選挙権の行使という大切なことでございますからこれは慎重に対応してまいりたい。慎重にという意味は時間をかけるための慎重ではございませんので、それは御理解をいただきたい。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 それでは、最後に大臣にぜひひとつ要望しておきたいと思います。  この法案とは関係ございませんが、十八歳選挙権の問題についてです。これまでも議論されてきた経過等もあるわけですけれども、今日までの状況では、政府側として民法とか少年法の問題等との関係でなかなか難しさもあるというふうな言われ方をしてきたわけですけれども、政治参加の機会をふやすということで、若い人も責任を持つという一つの意味合いもあるわけですから、ぜひひとつ閣議の中でも大臣の方から積極的にそういう発言をして実現の方向に努力をしていただきたい。  最後にお願いをして、終わりたいと思います。

有働正治日本共産党

○有働正治君 まず、大臣に基本的な見地を幾つかお尋ねしたいと思います。  選挙権は、言うまでもありませんで、国民固有の権利でありまして、国民主権と議会制民主主義の根幹をなす最も重要な権利であるわけであります。国民が国内に居住していようが国外に居住していようが選挙権はひとしく保障されるべきであるというのが憲法の精神であり基本原則だと考えるわけでありますが、この点について、大臣、まず基本見地だけお伺いいたします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) そのとおりでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 現在審議中の本法案は、海外に在住する日本国民がこれまで公選法の規定によって奪われてきた憲法上の権利であります選挙権の行使を可能にするものであります。  対象選挙を当分の間衆参の比例代表選挙に限るという問題点は持っているわけでありますが、国民の権利を拡大する点では一歩前進だということで私どもとしても賛成できる内容であります。私どもも、海外在住の日本国民の選挙権について永住者を含めて選挙権行使の法的保障を速やかにやるべきであるということで、他党派とも協力する点は協力しながら御一緒に取り組んできたところであります。  さて、対象選挙の問題であります。当分の間衆参の比例代表選挙に限るとしている問題でありますが、これにつきまして日弁連が衆参の両院議長また内閣総理大臣、自治大臣を含みます関係大臣に提出した要望書の中では、「この改正においては、選挙権が国民主権の柱であることを考えれば、対象となる選挙は国政選挙の全般に及ぶべきであり、議院の一部あるいは特定の形態の選挙についてのみ保障するとの方策を採るべきではない。」と指摘してその実現を要望しているわけで、これは当然のことだと考えるわけであります。  そこで、大臣にお尋ねしたいのは、対象選挙を当分の間比例代表選挙に限るとしている点、先ほど述べられました憲法の精神から言えば本来の姿ではないという認識だと思うのでありますけれども、この点、大臣いかがですか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 少し前置きしたいと思いますが、憲法第十四条は法のもとにおける平等を保障し、さらに第四十四条は選挙人の資格は法律で定めるとした上で、「但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。」、こう規定しておるわけでございます。ただし、憲法第四十四条ただし書きの規定はおよそすべての差別を禁止したものではなく、合理的な理由に基づく差別については許されるものと解されております。  今回、在外選挙制度を創設することとしたものでございますが、国外における選挙権の行使については、国内から遠く離れて、また我が国の主権の及ばない地域における投票でありますことから、公正、公平、適切な選挙を実現するためにはおのずから国内とは異なった方法に頼らざるを得ない、こういうことによりまして国外であるがゆえの特殊性が存するところは御理解をいただきたいと思います。  その上で申し上げますが、このような状況のもとで実施をされます在外選挙においては、附則において対象選挙を当分の間の暫定措置として比例代表選挙に限ることとしたところでございます。委員が御指摘のとおりでございます。このことをもって直ちに憲法に違反するものではない、このように考えております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 ですから、今、大臣も述べられたように、当分の間ということとして限ったという点からいえば、本来はすべての国政選挙に適用される方が望ましいという立場であることは明瞭なわけでしょう。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 日本国で国民の権利として投票権がちゃんと認められておる以上はそうすることが当然のことと存じますが、しかし今回の場合には、外国という特殊事情があるということでこのような法律になったことについては御理解をいただきたいと思います。

有働正治日本共産党

○有働正治君 本来のあり方はすべての選挙だという点はお認めになったと思うんです。  そこでお尋ねしますけれども、かって政府が一九八四年に在外邦人の選挙権行使のための法案を提出されたわけであります。その後、今日まで諸事情によって実現しなかったわけでありますけれども、この八四年の法案のときで見ましても、参議院は既に比例代表選挙それから選挙区選挙と二つの選挙から成っていたわけでありまして、現在と選挙制度の状況は変わらないわけであります。  なぜ、今回の政府案では参議院の選挙区選挙に適用しないかこういうことになるわけで、その合理的な理由を明確にして納得いく理由があってしかるべきだと思うのでありますが、なぜなのかお示しいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 昭和五十九年に法案を提案させていただきましたときと比べますと海外の対象者、有権者の数が倍以上にふえている状況にございまして、しかも世界各地にくまなく居住されているという状況になっております。  御指摘のように、参議院の選挙制度は当時と大きな変更はございませんが、衆議院が選挙制度改革によりまして三百小選挙区ということで、従来の中選挙区と比べますとこれも三倍近い、二倍を超える大幅な選挙区の倍になったところでございます。その後、平成六年ごろから各党のこの問題をめぐります御論議も活発になってまいりまして、与党でも選挙制度協議会での御検討が続いたわけでございます。私どもは、そのような各党の御論議、特に与党選挙制度協議会等の御論議を踏まえまして、早期に実現可能な方策としてまずは比例代表から実施をする、次の段階として小選挙区、選挙区選挙の実施を図る、これが適当であるということで御提案のような案での御審議をお願いしているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 なぜ、前回政府案で比例、選挙区も含めていたのに今回比例だけにしたかという、その合理的な理由というのが全く納得できないんです。説明になっていないと私は思います。選挙制度としても根本的な問題はないのじゃないかと私は考えるわけであります。比例選挙も候補者は名簿登載された候補者名で示されるわけであります。それを投票するときに政党名で投票するだけであります。  衆議院のことも言われましたけれども、小選挙区の場合もどこどこ政党のだれだれということで、選挙法上も政党中心になるわけであります。確かに、政党にいない方、無所属というような方が立候補されるという場合ももちろんございます。ございますけれども、選挙法を含めまして小選挙区の場合もどこどこ政党のだれだれということで政党中心の選挙になっているのが現実でもありますし、政党との関係において私は質的にはそう変わるものじゃないと考えるわけであります。  情報の点で若干の量的な問題はあり得るかもしれませんけれども、そういう点からいって比例だけに限定するという政府の事由というのは納得できないわけであります。しかも、合理的な説明だというふうに解するわけにはいかないわけであります。  それから、よく情報の問題を本委員会でもしきりに強調されます。しかし、情報の伝達手段というのは八四年と比べましても今日は国際的に非常に発達しているわけでありまして、大きな変化が起きていると私どもは考えるわけでありますが、これらについての認識はいかがでありますか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 当時と比べますとインターネットというようなものもかなり流布してまいりまして、国境を越えて情報が伝達する社会になってきたということは認識をしておりますが、ただ、選挙の情報等が海外に住んでおられる方にどのような手段でどの程度伝わるのかということにつきましては、その実態の把握というのはなかなかまだ未経験でございますので困難でございます。  ただ、政党の状況につきましては、新聞、ラジオ等を通じて相当な情報が海外の方にも伝わっているということでございますので、そのことを踏まえまして、比例代表からの実施という案を提案させていただいたところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 今、選挙部長、把握が困難というふうにおっしゃいましたから、私は、自治省としてそれは実態把握をする責務があると思います。その点できちっとやっていただきたいということを要望いたします。  それから、私ども本委員会でも、参考人として海外ネットワークの代表を含めまして御意見をお伺いいたしました。衆議院でもやられて、衆議院の議事録も読みました。そうした参考人の方々、実際の体験者がおっしゃられる御意見を聞きますと、国際版の新聞あるいはNHKの衛星放送、ローカルテレビ、短波ラジオ、レンタルビデオ、雑誌、書籍、自治省もおっしゃられたインターネット、それから電子メール等々からいって、情報の伝達が困難だということは、それをもって比例のみに限定する理由には当たらないということを衆参の参考人ともども強調されたわけであります。また、本院にお越しいただいた憲法学を専攻されておられる早稲田大学の戸波教授も、こういういわば技術上の問題で選挙区への適用、こういうものを先送りにすべきではないと、こういう趣旨も述べられたわけであります。  こういう当事者、参考人等々の御意見というのは、私は、体験的あるいは研究を含めて専門的な立場からいっても貴重な御意見だと受けとめるべきだと思うわけでありますが、この点いかがですか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 在外邦人の皆様に投票というか選挙というか、国政参加の道を開くことは極めて重要な課題と考えております。また、在外邦人の方々から在外選挙制度の実現に向けて熱い期待が寄せられておりますことについては、担当する大臣として十分認識をいたしておるつもりでございまして、そのような御意向は重く受けとめておるところでございます。  このようなことから、憲政史上画期的とも言われる国外における投票制度の創設に向けて各党間の御論議を踏まえながら自治省としては努力をこれまで積み上げてきた、これはひとつ御理解をいただきたい。まずは暫定措置として比例代表選挙からとなっておりまして、これが第一歩である、  それから、委員は先ほど選挙区選挙のことに触れられましたが、政党とともに個人ということについては同じだと、こうおっしゃいましたが、我々はそういう認識に立っておりません。特に、選挙区は政党についても有権者が判断をいたしますが、また同様に、あるいはそれ以上に個人についてはその政治姿勢でありますとか政策を判断いたすわけでございます。先ほどの議論にもありましたように、片道早くて三日、遅ければ五日も一週間もかかるという、お国柄の違いもあるわけでございまして、在外公館から遠く離れておれば郵便投票に頼らざるを得ない、それでもそういう日数がかかる、これが選挙区も含めてということになれば、じゃ、在外公館が選挙事務にすべて対応できるであろうかと、この心配は一方にございます。  そういうことも十分踏まえて、さすれば、情報について、政党についてはおっしゃったように短波放送がある、それから宇宙からも電波が来る、テレビもある、新聞もあると、こういうことかもしれませんが、テレビも映らないところもあるし、新聞の行かない国もあるわけでございまして、公平性、正確性というものを国内と同じように求めるとするなれば、その点については、これはこういう形での判断をせざるを得なかった。御理解をいただきたいと思います。

有働正治日本共産党

○有働正治君 そういう参考人その他の御要望、法のもとの平等をきちんと保障する上で、衆議院だと四割にしか保障されない選挙制度を完全に保障していただきたい、こういう御要望があることをこれも重く受けとめて対応すべきだということを重ねて申し上げておきます。国内と海外の情報、すべて完全に一致させることは無理だと思います。できるだけ可能な中で、問題は憲法の精神をどう実現するか、こういうことだろうと思うのであります。  そこで、次に話を進めますけれども、特に選挙公報等そういう情報を個人情報を含めて行き届かせるということが今後の検討課題になってくると思います。その点で、一つには選挙運動期間が諸外国に比べて短いという問題、これが一つのネックになっているという問題があるわけであります。もっと選挙期間を十分に確保し運動期間の間に公報が配布できるように期間を確保していく、これについても参考人の方が当然そういう方向も検討課題であるということもお述べになったわけであります。  少なくとも海外で選挙区を含めまして実施する場合にはこういう問題も前向きに検討すべき課題であると思うわけでありますが、この点について簡潔にお願いします。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 選挙運動期間につきましては、交通通信手段の発達を初めといたします社会経済情勢の変化を踏まえ、また選挙に関する費用をできるだけ節減するという見地から、各党各会派御協議の上、漸次短縮をされてきたと承知をいたしております。  いずれにいたしましても、選挙運動の基本にかかわる問題でございますので、この期間の問題につきましては、必要があればまずは各党各会派で十分御論議をいただきたいというふうに考えておるところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 私は自治省としての見解もお聞きしたわけであります。やはりそこに障害があるのであれば、そういう技術的な問題の障害をなくして憲法の精神が適用されるというのが本来の姿だ、そういう点では検討課題に当然入れるべきだと私は思うわけであります。  それから、在外邦人の郵便投票の問題があるわけでありますが、同時に国内の要望といたしましても、この際、国内でも郵便投票制度を拡大する方向で検討願いたいという要望が出されているわけであります。先ほどこの在宅の方々などをどう認定するか等々についていろいろ支障があるという答弁もございましたけれども、介護保険が例えば導入されてくるわけです。そうしますと、寝たきりの方々の認定も公的な形で行われる。私ども介護保険、今の政府が実行している内容については多々問題があると思っているわけですけれども、ともかくも介護保険が導入されて、そういう制度が、システムがとられれば、寝たきりその他の方々の郵便の制度の上で第三者の公的な認定等も拡充する、そういうことを含めて、この問題について前向きに積極的に検討すべきだと私は考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 午前中も御答弁申し上げましたように、寝たきり老人の方々がふえておられる、特に在宅寝たきり老人の方々につきましては実質上投票の手段が奪われている状況にございますので、これらの方々の投票権を確保するための方策の必要性につきましては、私どもも重々認識をしているところでございます。  それを実現する方策としましては、やはり在宅での投票制度というものになっていかざるを得ないと考えておりますが、そのためにはいろいろ越えなきゃならないハードルがあるということでございまして、その一つといたしまして、全国的に公平に寝たきり老人等の認定というものができ得るのか、またその公証制度というものをどういうふうに確保できるのかというような点があるわけでございます。今、介護制度との関連での御指摘がございました。そういうところも私ども勉強しながら、この問題につきましては引き続き検討をさせていただきたいというふうに考えております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 それからもう一点、在外邦人の選挙に当たって、国内で制限されている戸別訪問禁止あるいは文書等の選挙運動に関する禁止規定が設けられていないわけでありますが、これは当然だと考えるわけであります。  そこで、国内の場合におきましても最大の問題とも言える戸別訪問の禁止を初めとする、べからず選挙という状況があるわけであります。政党や候補者による選挙運動が自由闊達にされて、選挙民の判断をきちっと仰ぐ方向で、戸別訪問の禁止その他規制撤廃、こういう問題もこの際検討していくべきではないかと思うわけであります。  この点、当局からお尋ねしますのと同時に、最後に大臣に、今申しました国内でのこういう選挙の自由の問題、規制撤廃の問題、それから郵便投票制度の国内での拡大の問題、それから在外邦人の場合に障害になっている選挙期間、運動の拡大等の問題はこの際検討課題に含めて前向きに検討していただきたいということでありますけれども、これについての見解をお伺いし、すべての国政選挙で速やかに実現するという決意をあわせお伺いして、質問を終わりたいわけであります。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 自由な選挙というのは当然のことでございまして、我が国は民主主義制度のもとで選挙制度というものが成り立っておるわけでございますから、戸別訪問の例も引かれましたが、どこまで規制してどうするか、これは幾ら政府が法案を出しましても、各党間の議論というものが煮詰まり、合意が見られない以上は国会で成立をしないわけでありますから、各党間において自由な選挙に向かってどうされるかというのは、これは十分御論議をいただきたい、こう考えております。  寝たきり老人等の問題については、同じ日本国民であり選挙権を有しておられるわけでありますので、そのことが寝たきりであるために行使できないということについては考えていかなければならないことでございまして、これは検討するに少しも否定をすべきものではございませんし、検討していかなければならないことだと思います。ただ、全国におられる九十万人とも言われるこれらの人たちを差別のないように扱いができるのかどうか、そういうことについての問題もありますから、それらも十分見きわめた上でなければならぬと思いますが、これは総合的な研究、検討をする必要があろうと考えます。  それから、在外邦人の選挙の拡大につきましては、比例選挙だけでなくて、衆参の選挙区選挙についての将来の投票権の行使というのは方向づけられた道筋でございます。ただ、いつの時点でそうするかということが大きな問題であろうかと思いますから、衆議院の附帯決議、また参議院でもこの法案を通していただいて附帯決議等が当然なされるかもしれませんが、あるとすれば、そういうものを重く受けとめまして対応してまいりたいと考えております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 終わります。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、岡野裕君が委員を辞任され、その補欠として長谷川道郎君が選任されました。     —————————————

高橋令則自由党

○高橋令則君 自由党の高橋でございます。  このたびの公職選挙法の一部改正につきましては、かねてから多年の懸案でございまして、私どもも、我が国の憲法の前文、関係条文から見まして、国民の参政権を確保するため適切な措置を要請されるのは当然でありまして、このことから在外邦人の選挙制度の実現は当然である、このように考えております。その意味におきまして、このたびの制度化は、憲法の要請、先進諸国の比較等から当然もっと早くというような認識を持っておりますが、この実現を喜び、かつ賛同したいと考えております。  以下、法律案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。  実は、まず制度の認識について大臣等から伺いたかったんですけれども、今まで既に各委員からるるございましたので後でまたお伺いをするとしまして、私は先に皆川委員長にちょっとお尋ねをしたいわけでございます。  中央選管は、御承知のとおり、法律の第五条にございまして、今回の国政の比例選挙についての管理を所掌している立場にあるわけでございます。したがって、今回の制度のまさに衝になる、そういう機関でございます。そういう意味におきまして、中央選管は、今回の法案につきましてどのような認識をお持ちであり、かつそれに対してどのような取り組みをされているのか、お伺いしたいと思います。

皆川迪夫中央選挙管理会委員長

○参考人(皆川迪夫君) 今お話にございましたように、中央選挙管理会は、衆議院及び参議院の比例代表選出議員の選挙を管理執行する立場にございまして、選挙の公正厳正な執行とともに、投票の方法の周知あるいは選挙結果の速やかな公表等を任務といたしておるものでございます。  この在外選挙制度につきましては、かねてから政府及び各党において熱心に御検討を賜り、また御討議をいただいておったわけでございますけれども、今回具体的な法案を中心にしていろいろ御検討いただいて最終的な段階に立ち至っているのかと思いますが、まことに敬意を表する次第でございます。  実は、その法案の中身につきましては、私ども、新しい委員が四月に任命されまして、その最初の委員会の席において自治省御当局から説明を聴取いたしました。まさにいろいろ御議論があった結果一つの成案になったわけでございまして、私どもといたしましては、国政選挙の本質からして、速やかにこの制度が確立されることを御期待申し上げている次第でございます。  もちろん、具体的な選挙の執行につきましてはいろいろ苦労する問題も多いと思います。何分にも外国における手続、しかも初めての経験が多うございますから、十分に我々としても気を引き締めて取り組んでまいらなければならないと思います。  しかし、何よりも貴重な一票でございますので、その一票が適切に行使されるよう、投票の方法等について十分に有権者に周知させるということがまず第一であろうと思いますし、その後、在外における具体的な事務を的確に執行するように、これは外務省、在外公館等の全面的な御協力をいただいて、また、私ども国内にあっては都道府県、市町村の選挙管理委員会と一体となって適正な執行をしてまいる、このような所存でございます。

高橋令則自由党

○高橋令則君 ありがとうございました。  実は、今委員長からお話があった後段は、私は別な質問でと思っておったんですが、第六条の方はまた改めて伺いたかったわけですけれども、まとめておっしゃったものですから結構でございます。いずれも重要な仕事でございますので、皆川委員長は大変なベテランの方でいらっしゃいますので、適切な選管ができますように御指導、そしてまた管理をしていただきたいというふうに要望を申し上げます。  わざわざおいでをいただきましてありがとうございました。  次に、部長にちょっとお尋ねをしたいんですけれども、今までも各委員からお話があったわけですが、例の小選挙区を早く実施するのは、聞いているとなかなか近いようで遠いように見えるわけです。いずれ問題を整理して、そして具体的にやっていかないと、当面は比例で大変だということはわかりますけれども、そうはいってももう全体的には本当は一緒にいった方ができればいいわけですから。  したがって、そういう意味で小選挙区自体もやるということについて具体的な検討というんですか問題とかそういうものの整理ももう少しすべきではないのかしておかなければならないのではないかと私は思っているんですが、少し踏み込んだそういう問題点についておっしゃってください。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 当分の間比例代表選挙に限って実施をしますということの理由につきましては、大臣からるるこれまでもお話を申し上げているところでございますが、何せ初めての制度でございますので、対象者が五十六万人おられますが、どの地域でどの程度の人がまず登録をされるのか、これも全く予想もつかないような状況なわけでございます。  また実際に、じゃ登録をされた方がこの仕組みの中で具体的な投票行動というのをどの程度起こしていただけるのか、これもまたわからないわけでございます。さらには、投票をされる方あるいはされなかった方がどの程度当該選挙についての情報を把握され、あるいはその把握がどのような手段によって行われたのか、これも実際に登録をされた方、あるいは投票された方されなかった方、それぞれについて実態を見ないとわからないということでございます。  したがいまして、大臣から御答弁を申し上げておりますように、「当分の間、」というのはいつ終わるんだ、いつ踏み切れるんだということについてはなかなか明確な時期というのを申し上げにくいわけでございます。ただ、国会の御意思としての附帯決議も衆議院ではいただいておりますし、またこの参議院でもたびたび各先生方からその御指摘をいただいているところでございますので、私どももその意に沿うように、具体化するにはどういうことを検討していけばいいのか、これはこれからの諸準備を進めます中でいろいろと詰めてまいりたいというふうに考えております。

高橋令則自由党

○高橋令則君 それはちょっと困った話だなと思って聞いているんですが、それはなぜかといいますと、私がお聞きしたいのは、やってみないとわからないというだけではなくて、今まで長年の経過があるわけです。そして今、有働委員からもお話がございましたけれども、五十九年ですか、全体的な案はつくったことがあるんです。したがって、それから見て全くわからないというのも、それだけの話ではちょっと残念なんで、やはり事務的に、事務的というのは失礼ですかね、選挙区実施のためのいわゆる方策というんですか、そういうものについてもう少し私は部長から素案的な、あるいはこういうふうなことを我々はやらなきゃいかぬと思っているという程度のことは聞きたいんですが、いかがですか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 部長からはなかなか答えにくいと思いますから私から答えます。  問題は国会の仕組み、政府との関係、御理解のとおりでございまして、各党間の論議を私どもが飛び越えて政府から法案を提出いたしましても、法案の成立は見通しが立たないわけでございます。したがって、与党はもとよりでございますが、与野党を含めた話し合いをさせていただきまして、その是非、そこの議論をしていただくわけでございますが、当然各党間の論議を待った上で法案というものを、政府は十分御意向を承った上で対応しなければならない。  今回はそのような意味で、在外邦人の方々に第一歩の投票権の行使をしていただく。ただ、五十六万とも言われる人たちがどれくらい選挙人として登録をしていただくのか、投票率がどうなるのか、在外公館の選挙事務がどうなのか、これは一回見させていただきたい。  そして、その上で何回やるかというところまでは私どもは目途を申し上げる段階ではございませんけれども、私はそんなに十年も二十年もというようなことにはならない。これは「可及的速やかに」という附帯決議を衆議院でいただいておるわけでございますから、これを重く受けとめた上で、この比例選挙の経験を踏まえる中で研究、検討は十分させていただいて、対応できるような体制というものはつくっておかなければならない、このように考えておるわけでございまして、御理解をいただきたい。  まずは比例選挙からひとつ第一歩を踏み出させていただきたい、心からお願いを申し上げる次第であります。

高橋令則自由党

○高橋令則君 葉そのものには賛成しておりますから、別にそれは大臣とそんなに違うわけではありませんが、ただ、海外の皆さんは非常に要望が強いわけです。そして、この法律だけでは、「当分の間、」といってもあれですよ、起債の問題と同じように、これはだれも、「当分の間、」というのはもう永久かというふうな議論もあるわけでして、もう少し日が見えるように、そういう努力が必要ではないかということから申し上げたわけでございます。  今度はちょっと別な角度でございますけれども、外務省にひとつお尋ねをしたいんですが、今回の制度で外務省の役割というのは非常に私は大きいのではないかと思うんです。外務省の仕事のうちで、かなり私は大事なことではないかと思うんです。今までの考え方ではなくてもう少し踏み込んだ仕事として取り組んでいただきたいと思うんですが、そういう前提として外務省自体、今度の制度についてどういうふうな基本的なスタンスをしているのか、大臣から聞いてみたいぐらいなんですけれども、部長からきちんと言ってください。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 外務省としましては、在外選挙制度は海外の在留邦人にとって選挙権を行使する機会を保障するという観点から重要かつ必要なものと認識しております。御審議いただいている法案を御承認いただき、これが実施されることになれば、この意味で大きな前進であると認識しております。在外選挙の執行管理に当たって在外公館は重要な業務を担うわけであります。その業務の円滑な実施を確保しつつ、体制の整備を初めとして遺漏なきを期してまいりたいと考えております。

高橋令則自由党

○高橋令則君 これも全体的な話ですけれども、今の選挙制度の基本というのは、職権的というんですか職権主義だと思うんです。できるだけ役所で整備をしていく、その方が正しいというふうなやり方で職権主義ということに大体なっているんじゃないかと思うんです。  ところが今回の制度は、本人の申請が基本ということになっています。これは制度の中ではちょっと難しい、違うようなものを合体しているような感じがあるんです。よその国でも全部これは申請制なんです。したがって、申請主義の場合は相当違うんじゃないかなと。したがって、今後のいろんな制度を考えていく上で割り切って職権でやるということを変えて、申請があれば積極的にやって、そして緩やかとは同じではない、違うと思うんですけれども、これは朝日委員も言われたんですけれども、私も基本的な考え方のその基本を少し考えないと、今の制度を頭に置いてやっていたのではなかなか難しいんではないか、そういう認識をしているんですが、部長はどうですか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 海外におきましては、住民基本台帳制度のようなものがございませんので、申請登録主義という仕組みをとらざるを得ないわけでございます。そういう仕組みをとれば、自分は投票したいという意識の高い方が登録をされるんだから、そういう方々は選挙情報だってみずから求めるだろう。そして、その手段は幾らでもあるではないかという御指摘が午前中からございました。  そういう御意見につきまして、私どもいやそうじゃないというふうに否定をするつもりはございませんが、ただ、公平公正を旨として現在の選挙制度ができております。この選挙制度の物の考え方につきましてもいろいろ御批判がございましたけれども、現行制度とのいろいろな整合性というものを考えますと、現在御提案をしているような姿にならざるを得ないということでございます。  ただ、御指摘の点につきましては、今後この運用の実態等を踏まえます中で、取り入れられるものは取り入れて、制度の改善を図ることはやぶさかじゃないというふうに考えているところでございます。

高橋令則自由党

○高橋令則君 それから、これはちょっと違うんですけれども、大臣からもお話がございましたけれども、洋上投票制度の話がございました。資料を見たらシールドファクスというんですか、実験ではなかなかいいことをやっているんではないかなというふうにも見たんですけれども、一方では船長の管轄下にあるとか、いろんなことで問題がないわけではないというふうなことを感じております。したがって、これらについての見通しとか、あるいは当面検討しなければならない問題というふうなものがあれば、これは部長、いかがですか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 船員の方々には現行制度のもとでは特別な不在者投票の制度が設けられているんですが、特に長期間の航路に乗っておられる方は投票用紙を送れないということで、現実問題として投票権の行使ができないという問題があるわけでございます。要するに、寄港地に寄って郵便ポストに入れるということができない。ということになりますと、それ以外の投票用紙の送付方法というものを考えないと対応できないということでございまして、その一環としてファクス——ファクスであればこれは投票の秘密が守れないからシールドファクスというものを洋上投票実現の会の皆様方が実験をされたということでございます。  投票の秘密というものをどの程度のものとして考えるのか、シールドでかぶさっておりますけれども、いつかの時点ではそれをあけるわけでございますが、どの時点での投票の秘密が確保されればいいと考えるのかという問題はありますが、現行制度との中で基本的に大きな違いは、投票用紙公給主義の唯一の例外になるということでございます。そういう新しい仕組みというものをつくらない限りこの問題は解決をしないということでございまして、いろいろ問題点はございますが、一〇〇%問題を解決するという手法はなかなか見出しがたいんではないか。そこのところをどう乗り越えるのか、どういう決断をするのか、非常に難しいなという感じを持っているところでございます。

高橋令則自由党

○高橋令則君 何か資料を見ておりますと、事実上投票できない率が非常に高いわけです。したがって、今のような問題点はわかりましたが、何らかの形で要望に沿えるようなお検討をしていただきたいというふうに思います。  最後に一つ、これはちょっと私は申し上げなかったんですけれども、この制度を実現するためには適切な財政措置が必要だと思うんです。特に、私も今までやってきた一人ですけれども、地方団体に対する手当て、一般的にあれば委託費でしたかどんと来るんですが、これは地方に対する頭割りになっているんです。今回は外務省とか中央選管とか、国自体もある程度やらざるを得ないものが相当出てくるのかなというふうなことも何となく漠然と私は思っているんですが、そういった財政措置についての考え方をどういうふうに今考えておられますか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) この在外選挙制度は、いわゆる国政選挙についての制度でございまして、国政選挙につきましては都道府県の選挙管理委員会に委託をしさらに市町村が実働部隊として働くということでございまして、すべて公共団体の執行経費は国費で委託費として措置をするということでございます。そして、その基準につきましては、執行経費基準法というもので具体的数値等を定めるということになっておりまして、今回の制度が実現をいたしましたらば、その基準法の方の手当てをし、公共団体にこれによる過重な負担が生じないように適切に対応したいというふうに考えております。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 先生御指摘のとおり、外務省なかんずく在外公館にとっても重要な業務でございます。かつ、この業務は全く新たな追加的な業務でございますので、いろいろな人員及び予算面の追加的な努力が必要かと思っておりまして、今後とも関係各方面の御理解をいただきたいと思っております。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) ちょっと答弁を修正させていただきますが、今回御提案を申し上げております公選法の改正の附則の中で執行基準法の一部改正を含ませていただいておりまして、新たに在外選挙特別経費というものを創設することにいたしているところでございます。  失礼いたしました。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 改革クラブの岩瀬でございます。  本法案は、いろんな経過はあるにしても前進であることは間違いないわけで、そういう点では喜ぶべきことであろうというふうに思うわけでございますが、朝方来、松村委員を初め各委員からいろいろ指摘がありましたように、いろんな点で在外選挙ということで問題があるようでございます。私もダブる点があろうかと思いますが、できるだけそういう点を省きながら質問させていただきたいというふうに思うわけでございます。  一つは、対象とする選挙、これはやはり何回か今お話がありましたけれども、私も触れざるを得ないのかなという気持ちでございます。  私も前にオーストラリアに行ったときに、ネットワーク代表の保坂さんという方からお話を聞いたことがあるんです。今回は手紙だけいただいたんですが、そのほかいろいろお話がありましたようにいろんな海外の人からのはがきや手紙をいただいているわけでございます。そういう中で、私がそのときのことから今思ってみますと、比例区選挙だけで選挙区選挙の方を外してという感じは持っておらなかったようにそういう代表の方の話では思うんです。こういう方が海外でそういうネットワークをこしらえておるわけで、こういう点をお話しされてこの案ができているのかな、またお話はされたことがあるのかどうか、そういう点、部長の方かもお話しいただきたいと思います。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) いわばこの問題の検討が再開をされた平成六年のころでございますが、国会の選挙制度改革の特別委員会の先生方だったと思いますが、もし間違っていましたら後で修正いたしますが、ニュージーランド等を視察されまして在外邦人の方々とこの問題についてお話をされましたときに、せめて比例だけでもいいからまず一歩を踏み出させてほしいというようなお話があったというふうに私ども聞いておるところでございます。  また、私どもの方には、インターネット等を通じまして海外の有権者の方々からいろいろ我が省の取り組み状況とか実施時期についての要望あるいは御意見等が寄せられておりまして、それにつきましては私どもも回答をし御理解をいただくように努力をしているところでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 いろんな方の御意見があろうかと思います。私も今回手紙などいただいて、皆さん、これを分けることを余り前提に考えていなかった人じゃないか。それから、前にそういう案が一回出されたこともあるというようなこともあるのかなと考えておったわけでございます。  先ほど来からのいろいろなお話を聞いておりますと、選挙区選挙についてはこれから初めての経験だというふうなことでいろいろ面倒な点もあろうかと思うわけで、そういうことからすると、この七月がたまたま参議院の国政選挙があるわけなんで、こういう選挙もひとつ自治省の方としても参考に利用——利用と申しますといけませんけれども、そういうことを実施するための利用ですね、そういうことをお考えになっているのかどうか、ひとつ具体的に、いろんな広報、周知、こういうものが問題だということであればまた絶好の機会じゃないかというふうにも思うわけですけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) もう繰り返し申し上げておりますように、各党いろいろな御議論をされまして比例区選挙からという御意向等がほぼ私は固まっておろうかと思うわけでございます。その上でこの法案についてどうするか、自治省は各党の御意向というものを十分受けとめた上で対応をしてきたわけでございます。  当然、おっしゃるように今回の選挙というものは、今後の対応として参考にすべきことがあるとなれば、これは十分参考にしなければならない。  ただ、委員に御理解いただきたいのは、私繰り返して申し上げておりますように、衆参の選挙区選挙は、政党のこともございますが候補者個人名を記載して投票する制度でございますから、個人名を記載し投票するための氏名でありますとか、あるいは政見でありますとか、あるいはその人の所属しておる政党でありますとか、こういうものが周知をされなければならない。私は国内と同じようにと申し上げておりますが、諸外国のマスメディアの違いもあり事情も違うわけですから、そう申し上げましても国内と同じようになるなどということは大変難しいことであろう、しかし限りなく近づけるということについては我々は努力しなければならない。  その上で、しかし選挙には運動期間というものがございまして、十二日から十七日間しかありません。海外においてこれらの周知徹底を図るということは極めて困難性がある、この点についても御理解をいただけると思うのでございます。  しかし、今回選挙をいたしますについては、経験は将来にわたる知恵でもございますから、経験を踏まえて今後の対応は十分しなければならないと考えております。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 この問題はこれでやめますけれども、結局海外の皆さんに選挙権をということは、今まで私議論をお聞きしまして、皆さん余り反対とか異論とかというのはなかったように思うわけです。  ただ問題は、そういうことを実施するのが非常に困難だという点であろうかと思うわけで、そういう意味で、手続または今大臣からお話しの周知の期間、こういういろんな制約、こういうものについて技術的と申しましょうか、そういう方法、手段でもって問題があるわけなんです。そういうことであるならば、それぞれの選挙の行われる期間を有効に活用していただいてその間にそういうものをできるだけ克服していただければ、こんな気持ちで申し上げたわけでございます。  それからもう一つ、これはお答えいただこうと思いましたけれども、今大臣からもお話がありましたので要望だけで済ませますけれども、先ほど来からありますように、「当分の間、」、これはもう非常にわかりづらい話になってきておるわけでございます。できるだけ「可及的速やかに」も、言うならば大臣が在任中という気持ちくらいに思っているんですけれども、そこまでいかないにしても早くそれを実施の方にお願い申し上げたいと存じます。これはもう結構でございます。  引き続いてもう一つ、在外投票の点についてお聞きしたいというふうに思うわけでございます。  これ、今外務省の方からも先ほど来高橋先生の質問でお答えがありましたが、大事な問題として取り組んでいただけるということのようでございます。私ども在外公館のことについて、お邪魔したりなんかしていますけれども、余り詳しくないわけなんでございますが、今度の法律を見ますと、登録するときには在外公館、領事官を経由して市町村の選挙管理委員会へ、経由機関。ところが、今度は投票をする段になると、在外公館が投票所になってその長がそれの管理人みたいになるわけです。今度は主体的なことをやるわけでございます。  こういう形でいきました場合に、在外公館の施設、人的体制、こういう問題についてどのような点が問題になるのか、またどのような対応を考えておられるのか。大きいところばかりではなくて一般的なところもたくさんあるかと思いますけれども、そういうところを想定しながらお答えいただければと思うわけです。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 私どもにとりましても、作業量からいきまして在外公館にとってなかなかの負担になるという覚悟をしております。  まず、何といっても人員が必要になりますし、その人員のトレーニング、これを事前に行わなければなりません。さらに、場合によっては在外公館そのものも若干投票所に変わるわけでございますから、施設面の手当ても必要になろうかと思います。こういう面での予算の手当ても必要になります。こういうことを今具体的に、最初に行われる在外公館投票に向けて逐次整備をしてまいる所存でございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 そうしますと、我々は国内での選挙をいつも想定しちゃうわけですけれども、これは言うならば、在外公館で行われます投票は在外公館が直接その執行責任を負うのか。それとも、これは国政選挙であるので、国政選挙の場合には当然中央選管が負うわけですけれども、それからの委託という形態になるのか。その対応はいかがでございましょうか。これは自治省の方へお伺いした方がいいですか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 今回の在外選挙制度におきましては、在外選挙人名簿への登録申請を受け付けまして、そして意見を付して市町村の選挙管理委員会に送付するというような事務を領事官が受け持ちます。また、具体の選挙になりますと、投票記載場所を設けて、そして行われました投票用紙を市町村選管に送付するというのを在外公館の長が行うということになっているわけでございますが、これらの事務はいずれも委託されて行う事務ではなくて、公職選挙法の規定によりまして領事官なり在外公館の長が直接その義務を負う事務であるというふうに考えておるところでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 そうしますと、在外公館の長がその責任を負うということになりますと、これはまた大変なことであろうかと思います。  先ほど外務省の部長からお話がありましたけれども、外務省の方も人的要素の面、それから施設の面、まだそういう形にはなっておらないんだろうというふうに思うわけでございます。例えば、そういうことはないと思うんですけれども、投票をしたんだけれどもそれに伴うトラブルがもし生じた場合、その争いの対象は在外公館の長が受けるというようなことになっていくんでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 選挙の争訟につきましては、当選無効あるいは選挙無効の争訟の手続が定められておりますが、これは相手方となりますのは市町村選挙管理委員会でございまして、在外公館の長や領事官がその被告になるということはないということでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 具体的なケースではいろいろ出てくるのかとは思いますけれども、我々も外国で行われる選挙ですから、そんなに国内と同様のきつさとか正確さというのは求めておらないわけでございますし、また選挙をやる方もそうだろうと思うわけですけれども、やはり公正さとか基本的なものについてそういう点が必要になってくるだろうと思うわけでございます。  そういう点、外務省の方にもひとつ十分よろしくお願い申し上げたいと存じます。  それから、在外公館における投票が著しく困難であるものとして政令で定める範囲というのがあるわけですけれども、これは自治省の方が定めるんでしょうか、領事官の方が定めるんでしょうか。また、その政令で定める範囲というのはまだ決まっておらないと思うんですが、どの辺のところを考えておられるんでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 政令で定めます範囲につきましては、自治省、外務省で協議をして定めたいと思っております。  その具体的な範囲につきましては、先ほど外務省からお話がありましたように、在留邦人の数が多くて在外公館投票が困難な区域、それから治安上問題が懸念される地域、それから在外公館から遠隔地で投票が困難と思われる地域、こういうところがその類型になりますが、具体的な線引きにつきましてはこれから両省で十分協議をいたしまして、できるだけ有権者の利便に貸すようにという先ほどの大臣等の御答弁を踏まえまして結論を得てまいりたいというふうに考えております。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 これからそういう線引きをされるということでございますので、ちょっと一点だけお聞きしたいのは、この前、参考人がおいでになって、ロサンゼルスの中にいる人は片道でも三百キロくらいあるよと、こういうことを言っておられたんです。三百キロも、来て来れない範囲ではないと思うんですけれども、そこら辺は考え方の基本としてどこら辺まで、在外公館でやるのが主なんだよということになるとかなり広くなっちゃうんですけれども、そこら辺の考え方はどうでございましょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 政府案を提出いたしました段階におきましては、公館投票が原則で郵便投票は例外であるという考え方のもとに、その政令の範囲につきましても政府としての考え方を御答弁したところでございますが、衆議院の審議の過程におきまして、遠隔地についても含めるべきだということが附帯決議で付されました。そういう国会の御意思を踏まえまして私ども対応しなければならないと考えておりまして、物の考え方としては公館投票が原則という考え方はそのままでございますが、有権者の利便ということもまた大きな要素として具体的な線引きを考えるということでございます。  具体に、では距離でいくのか時間でいくのか、いろいろありますが、それぞれ世界各国、地域によって状況が違いますので、個々具体の地域ごとにそのあたりの具体の線引きはしていかざるを得ないのではないかというふうに考えております。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 今お聞きいたしましたのも、私は郵便投票の方をできるだけ主体にするような考え方にしていかないといけないのではないか、そういう考えを持っておったからでございます。  在外公館での投票というのは、公正、確実という点ではもうそうであるわけでございますけれども、ただ外国の広い地域ということから考えて、制度をやる以上できるだけ多くの方に参加していただくことが必要なんだろうという立場に立ちますと、これは郵送をかなり入れないといけないんじゃないか。そういうことで今度の案も併用ということで進められてきておって、そういう点では非常によろしいと思いますけれども、郵便、郵送での範囲というものの割合、考え方の割合というものをもっと広げてもいいんじゃないか。言うならば、そちらの方が主で在外公館での投票が従というふうな考え方を持ってもいいんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、その辺のところを自治省の方、いかがでございましょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 在外公館投票でございますと、本人が公館に出向きまして、また投票立会人の立ち会いのもと投票してもらうということでございますのでい公正という意味では郵便投票よりもすぐれたものがあるというふうに考えております。また、郵便投票につきましては、我が国にはいろいろなこれまでの歴史と申しますか経緯もございます。そういうことから、公館投票を原則にするという考え方は改めるつもりはございませんが、ただ、有権者の利便性ということから郵便投票区域というものを、あくまでも公館投票の方を多くして郵便投票を少なくするんだという考え方に拘泥する必要はないだろうというふうに思っております。  じゃ、具体的な割合はどうなるのかということでございますが、遠隔地を含めないという当初の政府案の考え方の段階におきましては、百七十五公館のうち百二十公館ぐらいは公館投票で、それを有権者数に直すと逆に六五%が郵便投票で公館投票が三五%というような話を外務省さんとはしていたところでございますが、この遠隔地も郵便投票区域に含めるんだというような話になってまいりましたので、そこらはまた具体の線引きの段階で異動があり得るものというふうに思っているところでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 これで終わりにいたしたいと存じます。  それからもう一つ、選挙公報なんですけれども、皆さん方の御意見聞いていますと、選挙公報はちょっと無理だろうというふうな答弁であるわけでございます。ただ、在外にお住まいになって、この間参考人でおいでいただいたように、ニュースも日本と同時的に入る方もいると思いますし、そうでない方も先ほど来のお話であるわけでございますので、何らかの広報的なもの、またはそのときでない事前でもいいのであろうかと思いますけれども、在外公館の方に何か質問があったときに答えられる資料、こういうものを用意しておく必要があるんではないかというふうに思うんですけれども、この周知の点でひとつお答えいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。  そういう物理的な時間が短いということであるなら、できるだけそれ以前に何かを用意しておくんだということが必要じゃないか、何もしなくていいというわけにもちょっといかないんじゃないか、そんなふうに思うわけでございますが、どうでしょうか。

牧之内隆久自治省行政局選挙部長

○政府委員(牧之内隆久君) 制度が実現をいたしましたら、その制度の内容につきまして海外居住者の方々に知っていただくことが重要でございますので、パンフレット等の広報資料をつくりましてこれを在外公館の方にお送りをし、また日本人会等を通じながらそれを活用していただくということでございます。また実際に公館の職員の皆さん方にこの仕事をいろいろしていただくわけでございますので、事務につきまして習熟をしていただくということも必要でございますので、私どもも海外に出張をしましてその研修等を行いたいというふうに考えております。もちろん、そういうことで制度あるいは現在の選挙の状況等につきまして有権者の方々から御照会があれば、それにできるだけ対応できるような体制というものを外務省とも協議をしながらつくってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 終わります。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、下稲葉耕吉君及び国井正幸君が委員を辞任され、その補欠として岩井國臣君及び太田豊秋君が選任されました。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  朝日君から発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘君。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 私は、ただいま可決されました公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、日本共産党、自由党、改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   国政選挙の投票機会を保障する在外選挙制度を創設するに当たり、その適切かつ実効ある執行を確保する観点から、政府は、左記の事項について善処すべきである。  一、衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙については、本法による在外投票制度の実施状況を踏まえ、できる限り速やかに在外投票の対象とする措置を講ずるものとすること。  二、郵便投票を行うことができる区域等について、政令を制定するに当たっては、在外公館の所在地から遠隔である地域に居住する選挙人も郵便投票により選挙権を行使することができるよう、所要の措置を講ずること。  三、在外選挙人名簿への登録の手続、在外投票の方法等在外選挙制度の仕組みについて、在外選挙人その他の関係者に周知させるよう、適切な措置を講ずること。また、国政選挙の執行に際しては、当該選挙が行われる旨の周知を図るとともに、名簿届出政党等及び候補者等に関する情報の提供に努めるものとすること。  四、在外選挙制度については、本法による選挙の実施状況を勘案し、選挙の公正確保に十分留意しつつ、在外選挙人にとって利用しやすい制度となるよう、不断の見直しを行うこと。  五、改正に伴う各地方公共団体における選挙執行経費の支出増については、的確かつ十分な措置を講ずること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ただいま朝日君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、朝日君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、上杉自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上杉自治大臣。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましてもその趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 次に、地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。上杉自治大臣。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) ただいま議題となりました地方自治法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  この法律案は、地方制度調査会の答申にのっとり、大都市の一体性及び統一性の確保の要請に配慮しつつ特別区の自主性及び自立性を強化するとともに、都から特別区への事務の移譲を行い、あわせて都と特別区との間の役割分担の原則を定めるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。  以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。  次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  第一は、地方自治法の一部改正に関する事項であります。  まず、都と特別区との役割分担の原則に関する事項として、都道府県と市町村の役割分担の規定に準じて、都と特別区との役割分担の原則に関する規定を設けることとしております。  すなわち、都は、特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として、都道府県が処理するものとされている事務、特別区に関する連絡調整の事務のほか、市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、当該区域を通じて都が一体的に処理する必要のある事務を処理するものとし、特別区は、基礎的な地方公共団体として、都が処理するものを除き、一般的に、市町村が処理するものとされている事務を処理するものとすることとしております。  次に、特別区の廃置分合または境界変更に関する事項として、その手続について一般の市町村の廃置分合または境界変更に準じた取り扱いをすることとしております。  また、特別区における事務の処理に関する事項として、都知事は、主として特別区の区域内に関する事務について、都の規則により、特別区の区長に委任して管理し及び執行させるものとする規定、都は、条例で特別区の事務について特別区相互の間の調整上必要な規定を設けることができるものとする規定などを削除することとしております。  さらに、特別区財政調整交付金に関する事項として、都は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、市町村民税法人分、固定資産税及び特別土地保有税の一定割合を特別区財政調整交付金として交付するものとする等、特別区財政調整交付金の内容を規定することとしております。  第二は、関係法律の整備に関する事項であります。  まず、地方財政法の一部改正に関する事項として、年度間の財政調整のために積み立て等を要する一般財源の範囲に特別区財政調整交付金を加えるものとするほか、特別区の起債制限に係る都との連動を緩和するための改正を行うこととしております。  次に、地方税法の一部改正に関する事項として、都はゴルフ場所在の特別区に対してゴルフ場利用税交付金を交付するものとすること、及び鉱泉浴場所在の特別区は入湯税を課するものとするほか、特別区が法定外普通税の新設及び変更について都の同意を得なければならないものとする規定を削除することとしております。  さらに、都から特別区への事務の移譲に関する関係法律の一部改正に関する事項として、都から特別区への事務の移譲に関し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律などの関係法律について、所要の改正を行うこととしております。  最後に、地方自治法別表の規定の改正等所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が地方自治法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十五分散会      —————・—————

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