P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
142回国会参議院1998/04/16

地方行政・警察委員会 第11号

発言数
48
登壇者
11
会派数
7
開催日
1998/04/16

会議録

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十四日、矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君が選任されました。  また、昨十五日、岩井國臣君、景山俊太郎君及び鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君、下稲葉耕吉君及び大野つや子君が選任されました。  また、本日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として岩永浩美君が選任されました。     —————————————

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本法律案の審査に関し、参考人の方々から御意見を承ることといたしております。  参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  皆様の忌憚のない御意見を承り、本法律案の審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、まず戸波参考人からお願いいたします。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 御紹介にあずかりました戸波と申します。  現在、早稲田大学で憲法の教育研究に従事しておりまして、二年前までは筑波大学におりまして、人権論の基礎理論、個別問題等を研究しております。  在外選挙の研究につきましては、一九八四年案が出た段階で興味を持っておりましたが、特に一九九三年に短い論文を書いた後、外務省の委託研究ということで三年間外国の制度を調査研究しまして、それを本年ようやく一冊の本にまとめたということでございます。  一言簡単に、在外選挙について意見を述べさせていただきます。  結論的に申しますと、これまでの国会の皆さんの御努力に敬意を表します。しかも、ようやくこの法律ができるということでもって、とても喜ばしく思っております。  基本的なことを申しますと、いわゆる普選運動というのが十九世紀にありまして、すべての成年者の国民がひとしく一票を行使するというシステムをとることが十九世紀の議会制の課題でありました。それが十九世紀に実現した後、実際にその選挙区有権者のリストから漏れている人を加えるというのが戦後の一つの世界的な課題となっております。  在外選挙につきましては、本来、国民であり有権者であるのに投票ができないという問題がありまして、世界各国で一九八〇年から九〇年にかけまして在外選挙制度が導入されております。何といいましても、民主主義の流れの中で、なるべく広く国民を選挙に参加させるという理念に沿って、各国の立法者は国民の政治参加に配慮してきたといういきさつがあります。いろいろ政治的には難しい対立などがあり、また技術的にも問題がありますけれども、御承知のように、世界各国、特にサミット参加国では広く在外選挙制度が導入されております。  日本の場合には、せっかく一九八四年に案が出て、いろんないきさつで流れた後、今日まで十数年間議論が進まなかったというのが私は実は非常に不満であります。その間の議事録などを見ますと、諸先生方皆さん、在外選挙は早く導入するんだとおっしゃっていて、積極的な反対が見当たらないにもかかわらず、きょうまで延びてしまったという点に若干不満でもありますけれども、でも今回ようやく成立するということ、まだわかりませんけれども、御審議の上、成立するということになりますと、まことに喜ばしいということになります。  憲法学の観点からいいますと、現在、在外選挙制度がなくて、在外邦人、在外の有権者の方が投票できないというのは憲法違反ではないかという問題があります。後で中條さんから御報告があるかと思いますけれども、違憲訴訟が今提起されていまして、実はこれはかなり深刻な問題ではないか。つまり、本来投票権があるべき人が投票できないということになりますと、普通選挙の原則、選挙権が権利として認められている、しかも現在の国際化の中で手続的、技術的には問題がない、諸外国でなされているということを考えますと、憲法違反という判決が出かねないという状況であります。ですから、ぜひとも御審議の上、法律をまず通すということが肝心ではないかと思います。  今回国会に提出されました法案を拝見しますと、全体としてともかく評価できますが、衆議院に提出された段階で三つ問題点がありました。  一つは、帰国の意思を有している者という形の条件をつけて永住者の方を排除している条項があったんですが、これは先ごろの衆議院の修正によって除かれまして、これは非常に喜ばしいことであります。  そのほかのあとの二点は、小選挙区について除いているということが重大な問題でありまして、後で御審議があるかと思いますけれども、比例代表の投票を認めて小選挙区を認めないということについて、手続的には小選挙区を加える技術的な問題というのはないんですね。技術的には、もう比例代表の投票ができれば小選挙区の投票も当然できますし、また候補者の周知徹底という問題点も指摘されていますけれども、これも実質的な理由にはならない。  結論的に申しますと、在外選挙の場合には地理的にも、手続的にも、それから選管の管理という点でも、国内の選挙のようにきちっとした制度はできないわけで、そのできないということを見越した上でどこまでやるかということはもう政治的な決断ですので、国会の中でもなるべく広げるという方向でぜひお考えいただきたいということであります。  をれからもう一つの問題は、在外公館投票が主となっていまして、郵便投票というのが副の位置づけになっております。しかし、世界各国の様子を見ますと、やはり郵便投票の方が主流でありまして、手続的にも簡便であるという点の長所があります。また、世界に有権者が散っておりますので、郵便投票で行うというのが有権者の参加という点では便利であります。  在外公館投票で行うことにつきましては、投票の公正、確実性という点が言われますけれども、その分だけ在外公館での負担がふえるという問題があります。それからもう一つ重要なのは、選挙制度全体との関係がありまして、現在の選挙制度では投票所に行って自書して投票するというのが基本原則とされておりまして、御承知のように、郵便投票が身障者の方に例外的に設けられているということだけであります。  自治省の方などにお聞きしますと、基本的なシステムとしては郵便投票よりも自書主義というのを扱って、それで不在者投票の一環として在外公館での投票を行うというシステムの方が制度的には合うんだというふうにおっしゃっておられるんです。ただこれも、もう時間がありませんので、後の結論のところと関係しますと、在外選挙に限って郵便投票を導入するという理屈もありますが、さらにそれを超えて実は投票方法についても、選挙制度全体からしますと、再検討してもっと国民が簡単に投票にアプローチするようなシステムを考えなくちゃいけない時代にもう来ています。  アメリカの場合に暁例えばファクス投票だとか複数投票日だとか、あるいは投票箱を移動させて地方に持っていくというようなシステムがどんどんとられております。現在、アメリカの場合には、不在者投票でもって郵便投票をするパーセントが二〇%あるというふうに言われています。それだけやはり国民の政治参加のためのシステムということを考えていまして、投票方法についても実は伝統的な自書主義、投票所投票主義というのを超えたシステムが要求されているんじゃないか。特に在外選挙制度のほかに、例えば船員の方の投票がありますね。船員の方は選挙権があるのに投票できないということであります。  でも、そうは申しましても、結論的に申しますと、やはりやってみることが大切でして、とにかくこの法律案を通して、いろいろ問題点はあるにしてもそれは今後の課題とするという形でも結構ですので、ぜひとも前向きに御検討をいただけたらというふうに思います。以上です。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。  次に、加藤参考人にお願いいたします。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) おはようございます。横浜市選挙管理委員会事務局長の加藤でございます。  今回、選挙事務に多少ともかかわります私が、国外に居住をいたします日本国民の方々に国政選挙の選挙権行使の機会を保障いたします在外選挙制度がいかに重要なものかと思いますときに、本日、この在外選挙制度の創設のための公職選挙法の一部改正を審議する委員会に出席させていただき、このような国政の場で意見を述べさせていただく機会を与えられましたことは、まことに光栄でございます。  時間の関係がございますので前書きは省略させていただきまして、実際に選挙の執行管理に当たる市区町村の選挙管理委員会の代表といたしまして、具体的な事務処理を行う立場から、この在外選挙の制度に関しまして、選挙人名簿への登録、それから投票及び制度の周知、PRの三点につきまして意見を述べさせていただきたいと存じます。  まず最初に、在外選挙人名簿への登録に関することでございます。  在外選挙人名簿への登録資格者につきましては、衆議院における議論の結果といたしまして、帰国する意思を有する者に限るという登録の際の要件が削除されたと伺っております。在外選挙に参加していただく方の要件に関することでございますので、さまざまな角度からの御論議があったものと存じますが、私たち登録の実務を担当する者といたしましては、登録の際の審査対象が大きく簡素化されることになりましたので、この修正につきましては基本的には歓迎をしたいというふうに考えているところでございます。  登録に関する実務について申し上げますと、本委員会で審議される法案恒おきましては、私たち市区町村の選挙管理委員会が在外選挙人名簿の調製及び保管の主体とされておりまして、また登録の可否の判断を最終的に行うということにされております。  この登録事務は、一年を通じて随時申請があり、またその都度登録を行ってまいるものでございまして、具体的には、在外公館から登録申請書が届きましたらその春画審査や本籍地市町村への照会などを通じた所要の調査を実施いたします。その上で最終的な名簿登録を行うわけでございますが、何分、申請をされている方が外国に居住されているという特殊性がございますので、外国へ向かって調査や問い合わせをしたい場合にそれが円滑に進むだろうかという心配もありますし、私たちの通常の業務体制の中で世界各国のさまざまな言語で記載された書類がたくさん参りました場合にそれをこなし切れるかという不安もございます。  一例を申し上げますと、在外選挙人名簿に登録されるための資格として三カ月以上の住所要件が規定されております。この要件を確認する際にはアパートの契約書とか現地の政府が発行する外国人登録証などが利用されると聞いておりますが、当然のことながらこれらの書類は現地語で記載されていると思います。私たちといたしましては、そういった書類の写しをそのままお送りいただくのではなくて、在外公館において登録資格に関する意見を付される際に、資格確認に用いました書類内容なども含めて日本語で御記入いただき、私たち選挙管理委員会はその意見書のみで対応できるような形になりますよう何とぞ御配慮を賜りたい、かように考えております。  在外選挙人名簿の登録は貴重な一票の行使に直結いたしますので、その事務を正確かつ敏速に実施できますよう私たち選挙管理委員会といたしましても全力を尽くしてまいりたいと考えておりますが、今後、制度の詳細を詰めていかれる際には、ぜひとも利用しやすく執行しやすいという観点からできる限りの工夫をお願いしたい。同時に、在外公館を初めとする関係機関の皆様におかれましても、特段の御協力、御配慮をお願いしたいというふうに存じます。  次に、二点目でございますが、在外選挙人の皆さんが実際に投票される場合のことについてでございます。  この在外投票につきましては、在外公館における投票あるいは一時帰国された際の投票と並んで、一部の選挙人には郵便による投票が認められるということにされております。  この郵便投票が認められる選挙人の範囲につきましては、衆議院での御論議の中で、在外公館から遠隔地に住んでおられる方にも認めるべきだとの意見が多く出され、その方向で制度を構築していくよう求める附帯決議が採択されたと伺っております。したがいまして、当初政府でお考えになっていたより郵便投票区域が拡大するということになろうかと存じます。  一方、この郵便投票の投票用紙等の請求先につきましては、選挙人が直接登録地の選挙管理委員会に対して請求することになると聞いておりますので、郵便投票の場合には、投票用紙の請求から投票済みの投票用紙の送付まで、海外の選挙人と市区町村の選挙管理委員会との間で郵便による一往復学のやりとりが必要となります。したがいまして、私たち選挙管理委員会といたしましては、海外の選挙人の皆さんが投票期日に間に合うように投票できるよう、とにかく少しでも早く投票用紙を海外の選挙人の住所地にお届けすることが最重要課題になると認識をしているところでございます。その意味で、発送すべき投票用紙、投票用封筒などを一日でも早く私たちの手元にいただけるようお願いできないか、かように存じております。  また、細かい実務の話で大変恐縮でございますが、投票用紙の請求を受けた際、私たちは外国語であて名書きをして海外の選挙人の住所に向けて投票用紙等を発送するわけでございますが、正直なところなじみの薄い言語もございますので、そのあて名書きを敏速にかつ正確に行えるよう、例えば正しく印刷したあて名シールを張る方法等の工夫はないものかというような気持ちも持っております。これらの点についても御検討いただければ幸いでございます。  在外投票につきましては、ある意味では時間との勝負というふうに考えております。  現在、他市町村で登録された不在者投票などが郵便で送られてまいりますが、私たち選挙管理委員会では、郵便局にも御協力をいただきまして、少しでも多くの投票を投票所閉鎖時間前に受け取れみよう努力をしているところでございます。しかしながら、投票用紙が投票所閉鎖時刻後に到着した場合には、有効な投票として取り扱うことはどうしてもできません。私たち選挙の執行管理に当たる選挙管理委員会といたしましては、投票所閉鎖後に投票が届いたりすることがありますと、これは大変残念かつつらい思いをするわけでございます。選挙は一票の積み重ねでございますので、その貴重な一票一票ができるだけ多く生かされるような形で制度を仕組んでいただきたいと念願しております。  そのためには、海を越えて送られできます投票用紙が選挙期日までに確実に届くことが大前提となりますので、在外投票制度が導入されましたら、これまで以上に関係機関の皆様の格段の御配慮、御協力をよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に三点目、在外選挙に関する周知、PRのことでございますが、衆議院における附帯決議にも盛り込まれておりますとおり、私たちとしても在外選挙の仕組みを海外の選挙人や関係者に広く知っていただくことが極めて重要な課題になると考えております。  この制度が創設されましたらば、早速、制度そのものの仕組みを知っていただくと同時に、登録の手続を広く周知し、選挙権行使の前提となる登録を迅速かつ円滑に進めていくことがまず重要になってまいります。また、実際の選挙に際しまして、選挙が行われる旨や選挙の期日、各政党の政見、公約などの情報をできる限り多くの方々に正確に伝えていく必要がございます。そういった情報提供を十分に行えるかどうかが、この在外選挙制度を生かしていく上での最大のかぎになるのではなかろうかと考えております。  在外選挙につきましては、PRの対象が主として海外在住の方々や出国される方々になろうかと存じますので、自治省、外務省、在外公館などの政府機関や、パスポートを発給されます都道府県の窓口などにおかれましても、各種のPR、情報提供に万全を期していただければ幸いだと存じておりますし、私たちも当然最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  情報提供という面では、選挙公報の関係についても、郵便投票の人についてはその投票用紙の送付の際に同封できないかとか、公館投票の人については公館にあらかじめ送付しておくことができないかといったような御意見があろうかと思いますけれども、選挙公報が私たち市区町村の選挙管理委員会に届いてくる日程を考えますと、在外投票の場合には選挙期日までに投票用紙が戻ってくるために必要な時間をどうしても確保する必要がございますので、残念ながら、選挙公報を届けるには日程の面から困難であろうかと存じます。  いずれにいたしましても、外国におられる日本国民の方々が我が国の将来のために貴重な一票をお投じいただく道を開く画期的な出来事であるこの制度が成立いたしました暁には、私たち市区町村の選挙管理委員会としては全力を傾注いたしましてこの制度の効果的運用ができるように努力をしてまいりたいと存じます。  以上でございます。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。  次に、中條参考人にお願いいたします。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) 中條でございます。海外在住者投票制度の実現を目指す会の企画委員長をやっております。  私は今より約十年前、一九八八年十一月に本社を東京に置く大手医薬品総合商社の現地法人の設立のため米国ロサンゼルスに赴任いたしました。それ以来今日に至っております。  本日は、私たち海外在住日本人が懸案としております国政選挙に関することで意見陳述ができます機会に恵まれましたことに対し、心より御礼を申し上げます。今回、日本への出張で、昨晩成田に到着したところですが、海外に暮らす者として率直な意見を聞いていただければ幸いに思います。  私が赴任したころは、ちょうどバブル絶頂から少しずつ経済が陰りを見せ始めてきたころかと思います。当時、ロサンゼルスのダウンタウンの大きなビルの三割ぐらいは日本の会社が買収して所有しているということで、新聞などマスコミでいろいろよく取りざたされておりました。結果としては、バブルがはじけ大損したというのが日本の経済の現状だと思うのですが、結局、そういうことを通じて一番得をしたのはアメリカ人を初めとする海外投資家だった、こういうことが言えると思います。  こんな話も、私どもアメリカにいる人間はアメリカ人と、どうして日本はそんなにビルをどんどん買うんだというようなことでいろいろ言われたこともありましたし、議論をしたこともございました。そのいい例としては、ニューヨークで三菱地所がロックフェラーセンターを買収したと、結果的には買収して余りうまくなかったということがありましたけれども。これについても、買収した当時、私たち日系人もしくは日本から長期滞在している人たちの間で出たこととしては、アメリカのシンボルであるロックフェラーセンターを買収しちゃうというのはちょっとまずいんじゃないのということで、思ってたとおりマスコミ等でも大分たたかれましたね。そんなこともあったりして、いろいろなことで日本との関係で矢面に立って話をする機会が多いのは私たちでございます。  また、ちょうど在任中に、数年前ですか、湾岸戦争もありました。私はアメリカの底力というか、国の力というものを肌身をもって感じたわけです。これはどういうことかといいますと、国民が一丸となって国を応援するんですね。高速道路を走っておりますと、高速道路の脇にあるビールの会社のビルディング全体に大きな黄色いリボンをかけて、そしてのぼりが出るわけですね、私たちの仲間、兵隊が早く無事に帰ってくるようにということを書いて。そして警察官はオートバイに国旗をつけて走っているんですね。それから乗用車には黄色いリボンがついているんですね。そして共通の話題が、我々の今の国の兵隊はこうやっているぞ、こうやっているぞという話をいつもみんなしていました。そんな中で、日本の国際協力というのはどうなっているんだろうということで、よくアメリカ人とも議論をしました。当時、日本ではこのことについていろいろ議論がされていたようですけれども。  いずれにしましても、私たちは日本という国の民間レベルでの外交官的な役割を担っているのではないかというふうに思っております。したがいまして、海外在住者というのは、よいにつけ悪いにつけ日本とのかかわり合いを持って生活をしていると思います。  このような経験をしていく中で、我々海外在住者に投票権がないのは少しおかしいのじゃないかという率直な疑問を持った有志が集まり、平成五年、今から約五年ほど前になりますが、ロサンゼルス近郊に住む我々日本人が集まって海外在住者投票制度の実現を目指す会をつくりました。皆さんビジネスマンが多く非常に忙しいのですが、休日に日本人の多く集まるスーパーマーケットですとかそういうところに立ちまして、署名活動をしたり、国会への請願のための署名をとったりいたしました。  実は、こういう会がロサンゼルスだけでなく世界各地の都市でもほぼ同時期につくられてきました。平成六年には世界各地のこのような会を結ぶ海外有権者ネットワークが結成され、現在このネットワークには十カ国十三都市が入っております。  その後、平成七年には、ネットワークは日本弁護士連合会人権擁護委員会に人権救済の申し立てを行いました。あるいは衆参の議員の方々にこの問題についてのアンケートをとらせていただきました。アンケートの結果ですが、回答をくださった国会議員二百七十四名のうち九七%の二百六十七名が在外投票制度を実現すべきだ、海外にいる日本人にも投票させるべきだということで答えをいただいております。平成八年には司法の判断を仰ぐため国家賠償訴訟も起こしました。そして、このたびこのように在外投票のための公職選挙法の改正案が衆議院で可決され、現在参議院で審議していただけることは、海外有権者ネットワークのメンバーの一人として殊のほかうれしく思っております。この改正案が十分に審議され、必ずや成立することを願っております。  ここで法案について二点申し上げたいことがございます。  まず第一点は、日本国憲法は、海外在住者についても、日本国籍を有する以上ひとしく国政選挙権を認めているということです。十五条一項にありますように選挙権は国民固有の権利であり、十四条一項にはすべての国民は法のもとに平等であると明記されております。さらに二十二条は居住、移転、外国移住の自由も保障しています。したがいまして、憲法によるならば、選挙権について、海外在住者であろうと日本国籍を有している以上いかなる制約条件をもつけることは原則的にはできないというふうに理解しております。この大原則をぜひ理解していただければというふうに思っております。  先日、内閣から衆議院に提出された法案では、投票できるのは、「将来国内に住所を定める意思を有する者と認められる者に限る。」という条件が書かれておりました。この条項について、例えば外国の永住権を保持している海外在住者を投票から一律に排除するものではないかと私たちは危惧いたしました。幸い、衆議院の審議の結果、この条項が削除され、非常にうれしく思っております。  念のために説明いたしますと、永住権とは、例えば米国の場合ですとグリーンカードと言われるものですが、これはあくまでも米国に入国する際、入国審査をそのたびに細かく受ける必要がないようにあらかじめ詳細な手続を経て発給した長期滞在者のためのビザの一種です。このグリーンカードを持つことによって、永住権という名前がついているからといって、日本の国籍や日本人としてのアイデンティティーを捨てるということにはならないのじゃないかというふうに思います。  第二点は、この法案の附則に、当分の間、在外投票は衆参の比例代表選出議員の選挙に限って行うと書いてある点です。  自治大臣は、当分の間比例選挙に限定した理由を、国外に居住する選挙人へ候補者個人に関する情報を伝達することは極めて困難であるということを勘案してと説明したそうです。しかし、現在海外に住む日本人は、日本に関する相当量の情報をほぼ同じ時間に接しているということを御理解いただきたいと思います。  交通手段においても非常に整備され、簡単に海外に行くことができます。現在日本から海外に出かける方は千五百万人を超えるというふうに聞いておりますが、そのくらい簡単になっております。通信の方法その他いろいろ連絡方法も大変便利になっているのじゃないかというふうに思います。電話、ファクス、手紙、それから国際版の新聞もあります。NHKの衛星放送もあります。ケーブルテレビもあります。それから雑誌や書籍も日本とほぼ同時に日本の大手書籍出版店が現地で販売しております。インターネットや電子メールもあります。  これはたまたま私がロサンゼルスからきのう飛行機に乗ったときに目にした新聞でございます。これがきのうの日本の新聞でございます。全く同じなんです。色刷りじゃないというだけなんです。違うのは、ここに衛星版と書いてあるだけで、全く中身は同じなんです。  私たちがこの新聞を手にできるのは、ロサンゼルスの場合ですと大体昼前後に手にしますが、日本の時間でいきますと、十七、八時間日本が進んでおりますから、実を言うと皆様方より先に多分ニュースを読んでおると思います。というのは、どういうことかというと、私たちが昼に読んでいるニュースというのは、皆さんがまだ明け方の四時五時という時間に読んでいるわけです。したがいまして、ニュースが遅いということは絶対ないんです。その点は十分御理解いただきたいというふうに思います。私なんぞは大変相撲が好きですから、余分なことかもしれませんが、日本と同時放送を見ているわけです、深夜に。貴乃花が勝ったとか負けたとかというのも同時に知っているわけです。そのくらいニュースというのは今もう世界じゅうを速く飛び回っているということを理解していただきたいと思います。  海外で投票できるとなれば、政党に関する情報も選挙区の個人の候補者の情報も今以上に入ってくると思います。情報の伝達が極めて困難という理由で在外投票を当分の間比例選挙のみに限定してしまうのは大変残念だと思います。これは私の個人的主観ですが、できないことを理由にした行政の怠慢以外の何物でもないというふうに私は思っております。  選挙権を行使したいという人にどうしてさせないのか。アフリカのジャングルにいる人、アマゾンにいる人にも上げなきゃいけませんでしょうけれども、その人たちに上げることをフォーカスするとやりたい人ができないということがもしも理由だとするならば大きな問題ではないかというふうに思っております。  私は、選挙区選挙についても早期の実現を要望します。これにつきましては、具体的な実施時期を明記していただきたいというのが私の一番の願いでございます。  最後に、日本のような、食糧もない、資源もないという島国が通商国家として繁栄していくためには、私たちのように海外で仕事する者が少なからず役に立っているはずです。私のように日本企業の代表として赴任している者、みずから事業を展開している人、留学生、政府の仕事で赴任する者、国際機関で働く人など、たくさんの人々が日本という看板を背負って民間外交を草の根レベルでやっているわけです。これら海外で生活している二十歳以上の有権者の数は恐らく五十万人以上というふうに言われております。時には苦しい思いをして海外で生活する国民がこうして考えたこと、外国人と議論したことは、日本にとって非常に有益だと思います。これはぜひとも国政に反映させ、間接的に日本の政治、行政、経済の国際化に貢献したいと思っております。  私たちは、国内の国政選挙の投票率の低さを聞くにつけ、非常に歯がゆい思いをしているというのが現状でございます。有権者五十万人が望む海外での投票制度の一刻も早い実施要望をお願いといたしまして、私としての陳述を終えたいと思います。  ありがとうございました。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 私、自由民主党の松村でございます。自由民主党を代表して、参考人に幾つかの質問をさせていただきます。  御承知のとおり、海外に暮らしておられる国民の方々は、憲法上国政選挙の選挙権が保障されていながら、投票のための制度、手続がないばかりに現実には投票できないということになっていたところであります。  これらの方々が何とか投票することができる道筋をつけることは長年の懸案となっているところでありますが、何分にも国外における投票制度ということでもありまして、いろいろな面で難しい問題があったということは容易に想像されるところであります。過去に、昭和五十九年に一度在外選挙法案が国会に提案されておりますが、当時の衆議院の定数是正、八増七減の法案が優先されたことなどもありまして、実質審議もされることなく六十一年の解散により廃案となった経緯もあるところでございます。  このたび、このような重要な法案に対しまして本院において初めて審議がなされるわけでありまして、ある意味で、我が国の憲政史上画期的な事柄であろうかと考える次第でありまして、本件にかかわってこられた皆様にも深く敬意を表するとともに、法案の成立を待ちわびる多くの在外邦人の方々の期待にこたえるためにも、在外投票の一日も早い実現が必要であるという思いをいたしております。  そこで、ただいま中條参考人からも、在外におられる方が日本国の経済、文化、政治の先兵として大変な役割をしておる、その方々が日本のあり方に対して強い関心と認識を持っておる、そのようなことが本国に、日本の政府に反映されるべきであるという熱い思いから、いろいろ大変貴重な御意見をいただいたわけでございます。ただ、参政権というだけでは、今、中條参考人がおっしゃったようなことが十分に反映されるかということも考えまして、もっといろんな方法で国政に御意見が反映されるべきではないかというふうに思います。  ところで、中條参考人にお伺いしますが、参考人はロサンゼルスに住んでおられるということでございますが、このたびの選挙法によりますと、ニューヨークのような非常に日本人の多いところでは、領事館が選挙事務をする在外公館における投票ということができないということで、郵便制度ということに譲ろうとしているようですが、恐らくロサンゼルスも同じような状況になるんではないか。また、ロサンゼルスの近くにはサンフランシスコに総領事館があると思いますから、そこでも当然に在外公館における投票あるいは郵便制度による投票が行われるんであろう。また、サンフランシスコとロサンゼルスの周辺にもたくさん町がありまして、西海岸に日本人もたくさん住んでおられると思うわけですが、このたびこの法律が施行される段階になりましてどのような状況がロサンゼルス周辺で起きてくるのかということについて、ちょっと御意見をお伺いしたいと思います。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) ただいまの質問にお答えさせていただきます。  私のこれは個人的な意見ですけれども、領事館でやるという方法もあるでしょうけれども、郵送ということとの併用が望ましいんじゃないかと。これは、投票される方の状況にもよると思いますので、そこら辺を勘案していただければというふうに思っております。  ロサンゼルスといいましても、面積が関東地方ぐらい広いわけです、広く言いますと。それから、エリアとしてはサンディエゴ、これはメキシコとの国境の近くまで日本のロサンゼルスの領事館はたしかカバーしているはずなんですが、これは自動車で二時間かかるんです、高速道路を飛ばして。そういうところからわざわざ来るということは、なかなかこれは不可能だというふうに思いますので、やはり簡便にやるためにはどちらでも選択できるというふうにしていただけるのがベストじゃないかというふうに私は思っております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 戸波教授にお伺いしますが、先生の書かれた論文も読ませていただきまして、微に入り細にわたって大変に造詣の深い、外国の制度、またあるいは日本の選挙制度、憲法上の問題についていろいろ論述しておられまして大変参考になったわけです。諸外国、ヨーロッパ等でこの制度が初めに発足したということは、考えてみますと、例えばフランス、イギリスなどは十九世紀からでしょうか、植民地として外国に本国の人がたくさん行っておった。そういう植民地経営というようなことからそこに携わる本国人に選挙権を与えたいということも想像できたことでありますし、また軍隊、軍人がたくさん行っているということが選挙権を行使するということにつながったんではないか。  また、ヨーロッパにおきましては、日本のような島国と違いまして、日本でいうと四国、九州、北海道、あるいはそれ以上に近い感覚で外国というものがあろうかと思いますので、外国におきます在外選挙法というものが早くからできてきたんではないか。  それから、戦後やはりアメリカが何といいましても多量の米軍人を世界に派遣しておりましたので、これらに投票権を与えるということから、ある意味で自然な流れとして発足したんじゃないか。  先ほど、先生のお話で日本では十数年こういう議論がストップしておったということですが、今ようやくここに至って国際化の時代あるいは日本も戦後成熟してきてこのような制度を取り入れようということになったのかと思いますが、この時間のおくれ、また今ようやくここに至った意味について御意見を聞かせていただきたいと思います。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) お答えいたします。  なぜ立法がおくれたのかということにつきまして、日本の立法の場合には、政治家の方々それから官庁の方々というところで取り組みが積極的になされないとなかなか立法ができないというところがありまして、自治省の方では法律案の新しいシステムですから慎重になる、それから議員の方も新しい選挙制度ということになりますからいろいろ検討してということなのかと思います。  しかし、何と申しましても、さっきも申しましたように、国民主権のもとで本来選挙権を持っている方々が政治に参加できるようにしなくちゃいけないということの大きな流れの中でもって問題が展開してきておりますので、ここに来てぜひそれを実現していただきたいということでございます。  それから、これも外務省の方にお伺いしますと、なぜこの法案が必要なのかといいますと、外務省の方が今一番熱心に推しているということなんですが、やはり世界のいろんな国と話すときに日本という国がまだ在外選挙制度も取り入れられでいないということで非常に肩身の狭い思いをするというのが率直な御意見なんですね。外務省からしますと、例えば在外公館投票になりますといろいろ煩雑になり手間もかかります。しかし、それでもなおかつ外務省が一生懸命推しているということは日本の民主主義の水準を世界のレベルに高めるというところが非常に大きい、そういう観点からぜひ在外選挙制度を導入したらどうかという強い意向があったというふうに聞いております。  私も、日本が戦後経済的にもあるいは政治的にも一流の国に仲間入りをしてきた。今のサミット先進国の中で、イタリアもいろいろないきさつでもって法案が流れてまだ成立しておりませんが、そのほかのほとんどの諸国は導入している。そういう中で日本が導入していないということについては、ぜひそれを克服すべく、この国会でその法案を御審議、御可決いただきたいと思います。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 引き続き戸波参考人にお伺いするわけですが、先ほど中條参考人からもお話がございましたが、このたびの法律は、国政選挙、衆多両院選挙について在外選挙をしようということで本体はそのようになっているわけですが、修正意見として比例区だけに限ろうと。いろいろ技術的な問題もこれあり。最初比例区からやって、しかるべき後に選挙区制についても進めようと、こういうふうになっているようですけれども、そのことについてどのように評価されますか。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 結論から申しますと、もう一挙に小選挙区についても導入するというのが一番よろしいかと思いますけれども、これは法案審議め過程でのいろいろないきさつが、恐らく御議論がおありでしょうから、当分の間延ばすというお考えもあるかと思います。要するに、最終的には何とかして法案を成立させることが必要ですので、ある意味では妥協もやむを得ないかと思います。  ただ一言申し上げさせていただきますと、やはり小選挙区を除外するという積極的な理由がどうも乏しいというふうに思うんです。つまり、技術的には問題ありませんし、先ほど中條参考人の方からも御意見がありましたように、データはすぐ瞬時に伝わるわけですので、ファクスにせよあるいはインターネットにしろ情報は海外の方は非常にとりやすい。  しかも、在外選挙の考え方の一番の基本というのは、日本での選挙と違いまして、日本では選挙公報や何かを丁寧にやりまして、それから投票用紙もあらかじめ配りまして、ぜひ選挙に参加してくださいというふうに運動いたしますけれども、在外選挙は基本的に違うんですね。海外に住まれている方が自分でもって自分の権利を行使する。だから、もうそれを行使しなければしようがないんだというふうに割り切らざるを得ないところがあります。御本人の積極的な意思にかからしめる、これが世界各国の在外選挙に携わっている方々の御意見でありまして、一生懸命やってもなかなか投票率が上がらないとかとありますけれども、それはしようがないんだと。しかし彼らは、私たちとしては選挙権を持っている人たちに参加してもらうためにやるのであって、もし来ないのであればしようがないというふうにかなり割り切っておられます。  そう考えますと、小選挙区についても、どういう方が立候補者として立っているかというデータはそれぞれの在外選挙人の方が収集されてどの方がいいかという判断をして投票される、それに任せるということというふうに割り切らざるを得ないのじゃないか。  これは当分の間であって、しばらくたつと事態が好転するかといっても好転しないわけで、そうだったらもうここでもって決定するという方がよろしいんですが、先ほど申しましたように、最終的な判断はこちらですから、まず通すということでもって議員の方々の意思の一致を確認するということが先かというふうに思います。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 加藤参考人にお伺いしますが、先ほど外国の選挙人名簿をつくると、手紙のやりとりで言葉という点が大変苦労するだろうと。それからまた、三カ月その土地にいたという証明を日本でやるということはなかなか書類の審査からしても難しいというお話がございました。  私がちょっとお伺いしたいのは、日本では非常に厳格な選挙が行われておりまして、投票箱はもう朝から夜まで終始衆人環視の中にあって、開票のときにもということで、あらゆる手続が本当に衆人環視のもとに厳格に行われているわけです。このたび、在外公館において投票が行われるということになりますと、今後のいろいろ細則といいましょうか、政令を決める段階、省令を決める段階で厳格な手続をしていくということは当然されると思います。  ただ、ちょっと考えてみますと、ある領事館で四日間なら四日間投票箱を置いておく。領事官が働く執務室は警備が厳重な扉の中にあるということになると、領事事務をやる待合室みたいなところに投票箱を置いて、四日間なり投票をして、それでそれをある程度数も突き合わせて本国に送るということにはなろうと思います。  しかし、悪い大使館の職員がいて、これも外国の銀行で下の方が悪いことをやっていて上の方は知らなかったということがよくあるけれども、領事館の領事が終始目を光らせて四六時中目を通すわけにはいかない。そうすると、特に比例選挙ですと、どこかの政党に丸をつけて、二十枚ぐらいちょっとくすねまして紛れ込ませる、それで外交行のうに入れて送ってしまいますと、もう選挙の直前に到着してチェックできないといったようなことも想像できるわけですけれども、日本におきます厳重な選挙をやっておる立場から、何かこの制度について御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) 今、先生御指摘のとおり、現在の選挙の執行管理業務につきましては、いわゆる厳正で、どちらかといいますと微に入り細に入りいろいろルールが決められております。その中で私ども選挙の公平な執行管理を行っているわけでございますが、この郵便投票あるいは在外公館での投票の業務につきまして、私ども実務を担当する立場から申し上げますと、できるだけやりやすい方法で、簡潔な方法で工夫をしていただければ大変ありがたい、かように存じております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 また、いろいろ貴重な意見を外務省、自治省とも現場から吸収されて反映していただきたいというふうに思います。  中條参考人から、先ほどの回答に加えて何か補足の御意見があるでしょうか。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) 意見を述べさせていただきます。  私ども海外にいる者は、先ほど、選挙のいろいろな不手際その他懸念されることがあるんじゃないかということがややもすると出てくるんですが、単純にこれはイデオロギーも全く何も関係なく、選挙をしたいということでやっているので、できるところから進めていただきたいというのが私のお願いです。  先ほど、戸波先生の方から比例区だけでなく選挙区選挙も同時にというふうなお話がありましたけれども、まさに私も同感でして、やるのであれば一緒にやっていただきたい。いずれというのはいつになるかこれはわからないので、そのまま棚上げになるんじゃないかという懸念も私たちは持っております。そういう意味からも、ぜひ一括審議でお願いできればありがたいというふうに思っております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 民主党の朝日でございます。  きょうは大変お忙しいところ時間をやりくりいただきまして、ありがとうございます。  私に与えられた時間は十分ですので、最初にそれぞれ一問ずつ質問をさせていただきたいと思います。  私自身も、象徴的に申し上げれば今回の改正案は半歩前進だというふうに理解をしているんですが、まず戸波参考人には、この問題に限らず日本の選挙制度というのは、非常に厳正さというか公正さを求める余りに、ああしちゃいかぬ、こうしちゃいかぬと、ある人はべからず選挙というふうに、そういうところからちょっと発想を切りかえなきゃいけない時期に来ているんじゃないか。  ただどうしても、じゃ一定程度の選挙の公正さというのはどう保つんだ、この辺の考え方について、私自身は今日一歩踏み込んで、ある程度のリスクはあったとしても、より国民の皆さんに認められた権利を最大限保障する方向へ、あるいは国際的に見て余りにも異質な制度と言われない方向へ踏み込むべきだというふうに思っているんですが、その基本的な考え方について、先ほどもお伺いしましたけれどもさらに敷衍していただければというのが御質問でございます。  それから、加藤参考人には、先ほどのお話とも関連するんですが、例えば選挙人名簿への登録とかあるいは選挙人名簿に登録された後、在外選挙人証の送付とかさまざまな実務というか手順が定められることになりますが、これを領事官経由でやるというのが基本的な考え方のようであります。さっき松村委員からもありましたけれども、そうするとまたそこでタイムラグが出てしまって、私ちょっと初歩的な質問になるのかもしれませんが、例えばこれは市町村でダイレクトにできないんだろうかという思いがあるんですが、その辺、ちょっと現状も踏まえて御意見があればお聞かせいただきたいと思います。  それから、中條参考人の御意見は既に基本的な点は述べられていると思いますが、一点だけ絞って言いますと、今回の改正案では、領事官の管轄区域内に三カ月以上住所を有するものという要件が付されております。  ただ、私が想像するには、海外に在住されている方は、あるときはサンフランシスコに、あるときはニューヨークにというふうにかなり動いておられる方もあるんじゃないか。だから、一定区域内に三カ月以上住んでなきやという、これは証明もなかなか難しいでしょうし、そういう意味では国外に出て三カ月以上というふうな規定にできないんだろうかというふうに私は思っているんですが、ぜひ中條参考人の御意見をいただきたいと思います。  以上でございます。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 御質問は、選挙制度ががんじがらめになっている、それをどういうふうに民主主義的な観点から直していくべきかということかと存じます。  御指摘のとおり、日本の選挙制度は憲法学会ではいわゆる候補者中心の選挙制度になっておりまして、ビラ、運動その他の規制が候補者中心につくられている。そのために選挙民との対話とか、あるいは民意を選挙過程で吸い上げるというプロセスに欠けるところがあるという指摘がございます。  やはり現在の議会制、国民の政治離れというようなのをにらみ、しかも私は逆に非常にプラスになっているのは、最近この三、四年の国会での議論というのがいい法律案、あるいはいい問題解決の方法をいろんな形で実質的に議論されている、非常にいいことではないかと思うんです。そういうふうに民主主義が一九九〇年以降問われている中で、選挙制度についてももう少し選挙民中心の、それを吸い上げるような形の政治、つまり政党、議員の方、候補者の方と選挙民とのつながり、意見を十分交換して政治に吸い上げる、それが西欧の議会政治であり政党政治であるわけですから、それに見合ったような形の選挙制度の見直しということをぜひお考えいただけたらということを、そしてその一環としてこの在外選挙制度というものも位置づけるべきだというふうに考えております。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) 登録証の交付を在外公館を通じないで市町村の選挙管理委員会からダイレクトで送ったらどうか、こういうお尋ねでございましたけれども、先ほど申し上げましたように、私の方へダイレクトで参りましたときに、いろんな言語がございます。本当に私どもの職員がそれに対応できるのかな、こういう不安がまず一つございます。  それからもう一つは、在外公館でそれぞれの所管区域の中でそういったようなデータを把握する必要がないということなのかどうか、その辺もひとつ考慮に入れる必要があるのではなかろうかな。もし制度が改正されて、どうしてもやれということであるならば、これは万難を排してやらなければならないというふうに思っております。  以上でございます。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) 先ほどの御質問にお答えさせていただきます。  海外に出ている在留者に対する資格の問題で御質問だったと思いますけれども、日本で決められていることとしましては二十歳以上、三カ月以上いずれかの市町村に住んでいるということが前提になっているわけですけれども、海外にいる人間につきましては、これはもう海外に行った時点で長期滞在の場合は住民票を抜きますので、住民基本台帳をベースにする選挙人の中には載ってこないわけですね、選挙権を行使することでは。  したがって、それにかわるものは何かといいますと、やはり領事館並びに大使館への在留邦人としての届け出だろうというふうに思います。私もロサンゼルスでやっておりますけれども、こういうことをきちんとすることによって日本人としてのアイデンティティーもきちんと確立するということになるでしょう。それから現在、海外に日本人の有権者が何人いるかというのがわからないというのも、これもまた大変情けない話で、そういう海外にいる在留邦人の動向というものを把握する意味からも、やはり海外在留邦人の届け出を進めるという意味からも、今の制度をどんどん進めていただきたいというふうに思っております。現在、まだ届け出を出していない方がたくさんいるんじゃないか、選挙したいということの流れの中の一環として届け出も当然ふえてくるんじゃないかというふうに思っております。  以上です。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 ありがとうございました。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。  三参考人には、お忙しいところ本当にありがとうございます。私も十分なので一問ずつよろしくお願いいたします。  まず、戸波先生、先ほど選挙方法について再検討をすべき段階に来ているというお話がございました。今、朝日委員からも同じような趣旨でありましたが、ファクスあるいは複数投票日、あるいは投票箱を移動するというようなお話までありましたが、特にファクスについてもう少し具体的なお話をいただければなというふうに思っております。  それから、加藤参考人でございますが、海外の制度の中には、あらかじめ投票の用紙を、例えば一年分なら一年分、一月にもし選挙があるんであればその一月の投票用紙を使ってもらうと、あらかじめ渡しているところもあるようなんですが、そういうようなものは考え得るんでしょうか。もしそういうふうになった場合には対応可能なんでしょうか。  それから、中條参考人、先ほど戸波先生から肩身の狭い思いを外交官はしているというようなお話がございましたが、海外におられてやはりそういう思いをしているのかどうか、その辺の実情というものをお話しいただければなと思います。ロスだったら中国人の方も多いかと思いますが、例えば台湾の総統選挙のときもかなり台湾の方は盛り上がったんじゃないのかなと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) ファクス投票についてのお尋ねで、現在アメリカの十州以上でもってファクス投票が実施されているというふうに聞いております。それから、そのほかの国では、私の調査したところではニュージーランドでも船員の方についてファクス投票がなされているというふうに聞いております。  アメリカの場合には、選挙法が御承知のように各州ごとに分かれておりまして、各州でもって自由に選挙制度あるいは投票方法について決定できるということになっています。それにつきましても、ちょっとこれは話題がずれて恐縮なんですけれども、連邦レベルの選挙管理委員の方に統一的にやった方がいいんじゃないかというふうに聞きましたら、そうじゃないと、むしろ多様な形でもっていろんなやり方というのが出てきた方がいいんだと。それでもっていいやり方が出てくればほかの州にどんどん広まっていくし、よくないやり方だったらそれはもう広まらないという形でもって、いろんな多様性というのがアメリカ的ないいところなんだというふうに答えておられたのが印象的であります。  日本の場合は、振り返ってみますと、やはり公職選挙法という選挙制度があり、一元的に地方選挙から国政選挙からすべて公選法でもってなされており、しかもそれについては自治省の選挙課によって基本的なルールが定められる、国会でもってルールが定められる。新しい選挙制度というのがなかなか取り入れられないというのが大きなネックなのではないかと思います。そのためには、やはりもう少し新しいやり方を諸外国を見ながら、それを日本に吸収していくという御努力を国会ないし自治省のレベルで不断にしていくことが必要なんではないかというふうに思います。  ファクス投票につきましても、具体的にどういうふうにというのはあれですが、同じように不在者投票用紙を送るときにファクス投票用紙を送りまして、個人ナンバーを、確認ナンバーをつけて送って、それでもってファクス投票をして、そのファクス投票用紙を後で選管に送るという方法がとられておる。一番の問題は投票の秘密ですが、投票の秘密については少なくとも選管でもって受け取る段階では確かに破れるかもしれないけれども、しかしファクス投票の利便を考えればむしろファクス投票を取り入れた方がよいんだという答えをしておりました。  ファクス投票を使わなければ実際に投票ができないという方は日本にも船員の方を初めいらっしゃるわけですから、何とかしてそこの工夫をするということが必要なのではないかというふうに思います。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) 先生の投票用紙を事前に在外公館に一年分なら一年分まとめて渡しておいたらどうか、こういうお尋ねでございますが、私ども市区町村の選挙管理委員会といたしましては、法律に定められましたことを公正中立に執行する立場でございまして、この辺の運用につきましては国レベルで御検討賜りたい、こう思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) お答えいたします。  先ほどお話がありました投票権がないことで外交官の方が肩身の狭い思いをしているというようなお話がありましたけれども、実際私ども海外におりまして、アメリカ人と話したりしますと、自分たちはできるよ、日本はないの、随分おくれているねと、こういう話になるわけですね。  これは私、事実を確認したわけじゃございませんけれども、多分事実だと思います。これは、アメリカの宇宙に飛んでいる飛行士に投票させるのにどういうふうにしようかということをまじめに考えて、ロシアの衛星に電波を送って投票させたという話を聞いております。もしもこれが事実だとすれば、いかによその国は一票の重みというものに対して人権というものを尊重しているかということにほかならないというように思っています。私は一日も早く通していただきたいと思っています。  それから、先ほど台湾の国政選挙のことについて御質問がありましたけれども、ロサンゼルスにはたくさんの中国系の人がおりますので、ニュース等では私も見ておりましたけれども、どういうふうに盛り上がったかということまでは私はちょっと知りません。申しわけございません。

魚住裕一郎公明

○魚住裕一郎君 終わります。

渡辺四郎社会民主党・護憲連合

○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。  きょうは三名の参考人の方、大変お疲れのところ、御苦労さまでございます。  いろいろお話が出まして、先生方の御意見もお聞きをしました。  まず、中條参考人にお聞きをしますが、ずっと向こうの方でかなり長い間の生活をされておるというお話でございますが、今、平均して普通の郵便でやりとりをした場合、片道どのくらいかかるか。例えば一週間かかるのか、三日かかるのか。そういう点をお聞きしたいということが一つです。  それから、戸波参考人の論文も読ませていただきました。さっきからお話がありますように、今の公職選挙法みたいにがんじがらめで公正さを追求すればなかなか難しいんじゃないか。だから、先生の御意見では公正さをもう少し緩和して、緩めてでもスタートすべきじゃないかということが大体まとめて示されておったというふうに思うんですが、大体限界としてどの程度までといいますか、郵便投票そのものを一回日本の場合実施したわけですね。それで、たくさんの選挙違反が出て即刻やめたという一つの経過がある。  そういう点で、さっきからもお話がありますように投票の秘密を守る、個人の信書の秘密を守るという問題等もあるものですから、そこら付近、憲法学者として、もう例えば数の少ない海外からの投票であればだれの分とすぐわかるわけですから、そういうのを百も承知で踏み切った方がいいというふうに先生方もおっしゃっておるわけで、私らもそういうことを理由に在外邦人に選挙権を与えないというのは、やっぱり憲法上も問題がある。だから、少しそういう無理があってでも実施をすべきだということを以前から主張してきたわけですが、そういう点について少し御意見をお伺いしたいというふうに思っておるところです。  それから、加藤参考人は、さっきから確かに実務の担当ということになるわけですから、一番私自身が今度の法案で問題にしておるのが三カ月以上そこに住んでおったかどうかどいう確認問題ですね。これがやっぱり大変な難しさがあるんじゃないかということで、海外に行はばお互いに仕事の関係上転々とするわけですから、先ほどお話がありましたように海外に出ていったといって三カ月以上だというふうにまとめてしまえば非常に簡単になるわけです。そういう点で、特に先ほどもいろいろお話がありましたが、私が一番心配しておるのは、さっき中條参考人にもお聞きしたわけですけれども、一般的な郵便のやりとりであれば、衆議院は十二日、参議院は十七日という選挙期間しかないわけですから、それじゃとても間に合うことじゃない、一往復学あるわけですから。ですから、そこら付近を実務の方としてどういうことを特に求めていきたいということがあれば、お聞かせ願いたいと思います。  以上です。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) 先ほどの郵便のやりとりでどのくらい時間がかかるかということでの御質問に関しましてお答えします。  通常郵便ですと大体五日ぐらいで着くんじゃないかというふうに私は理解しております。私ども日本といろいろやりとりする機会が多いんですが、書類の完全なやりとりをするために、私どもでは民間の手段を使っております。例えば、フェデラル・エクスプレスですとかOCSですとか、こういうものを使いますと、大体向こうから送りまして中二日で日本に着きます。したがいま、して、間違いなく四日後ぐらいには着いているということですね。その方が郵便よりは早いと思います。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 御質問は、選挙の公正という観点からどこまでそれを緩めることができるか、特に在外選挙につきましてはどこまで一般の国内の選挙と違って緩めることができるかという御質問だと思います。  それから御指摘は、やっぱり在外選挙を実施する上ではある程度緩めることはやむを得ないのではないかという御趣旨かと思いますし、私もそのとおりだと思います。  ただ、基本的な考え方としまして、憲法上あるいは憲法上の要請として選挙の公正というのはありますが、ただ、選挙の公正を憲法が強く押して、何でもかんでも運動だとかルールを厳しくしろということを憲法は言っていないわけですね。むしろ逆に、候補者の方々の選挙運動の自由あるいは選挙にかかわる国民の選挙活動の自由ということを基本的に広く認めた上で、しかし選挙の公正の上から一定のルールをつくってそれを規制するということですから、憲法上は有権者なりあるいは議員の方々の選挙運動の自由をむしろ前提として、それを制約する原理としての選挙の公正というのがあるというふうにお考えいただいた方がよいかと思います。  そう考えますと、どういうふうに選挙制度を公正なものにつくるかというルールの設定ですから、基本的には議会の中で法律をどうつくるのかということでありますが、ただ、今の選挙制度というのは、法律上は余りにも選挙の公正を強調し過ぎて規制が厳しくなり過ぎているのではないかというのが現在の問題点であるかと思います。  そこのところをぜひこれからはお考えいただきたいんですが、ただ今回の在外選挙制度を導入するかどうかの問題とはちょっと括弧に入れなくてはいけないわけで、在外選挙制度を入れるためには国内の現行法制度のもとでのルールは差し当たりそのままにして、それをそのまま在外選挙制度に導入すると在外選挙制度は実は実行できないんじゃないか。  つまり、本人の確認だとか投票用紙、あるいは郵便投票制度なんというのはないわけですから、それから日にちがかかるというようなところで、国内のように厳密な、きちんと本人を確認して、やりとりをして——もちろん基本的なところは在外選挙人名簿をつくって、国内の不在者投票と類似の形でもって行うということでありますし、郵便投票にしても原則としての公正さというのはもちろん確保していますが、いろいろ細かなところでもって、御指摘がありましたように投票が少ないと投票の秘密が明らかになってしまうというような問題などもありまして、なかなか国内と同じようには選挙ができないということであります。ただ逆に、そういうようなところを認めないと在外選挙が実施できないというのが実情でありまして、しかも諸外国の場合にはそういうことを知った上でみんな決定しているわけですね。もうそれでもいいんだ、やるんだと。  つまり、在外選挙、在外邦人の方々に選挙権を与えるということがやはり憲法上の要請であり、それが民主主義のために必要だということで決定をしているわけですから、余り国内どおりの細かなルールができないからということでもって在外選挙についてネガティブな御判断をなさらないでほしいというのは、御指摘のとおりでございます。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) 実務上の問題点はないかという御質問でございますが、冒頭にも申し上げましたように、大変細かい話で恐縮でございますが、例えば外国にもいろいろ言語がございますので、私ども職員が対応できるかというお話を申し上げました。  そういったような面で、実務をやってまいりますと細かい点ですがいろんな問題点が出てくるだろう。そういった面で、できるだけ実務が処理しやすいような制度にしていただきたい、このように思っております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 日本共産党の有働でございます。  海外在住者の投票問題で、それぞれのお立場から御尽力され、また選挙執行にも御奮闘されておられるお三方に本当に心から敬意を表する次第であります。そして、本日はありがとうございます。  まず、戸波参考人にお尋ねいたしますけれども、海外在住者の投票問題で訴訟が起きているわけであります。先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、憲法を御専門に御研究なされているお立場からしますと、仮に戸波先生が裁判長でございましたらどういう所見をこの問題についてお示しになられるのか、個人的所見で結構ですけれども、憲法上の立場から、また今回の法改正で比例選挙に導入という限定された形になるわけですけれども、ここらあたり本来の憲法上のあり方からいってどうなのか、あわせて御見解をお示しいただければと。  二つ目は、同じく戸波先生に、手続的、技術的に小選挙区なり選挙区選挙に導入することは問題はないとおっしゃられたわけですけれども、例えば選挙公報が配られないということをよく政府は言うわけでありますけれども、私は憲法の精神をきちんと執行する上から、仮に選挙公報が配られないというのは選挙期間が短い、こういう問題があろうかと思うのでありますけれども、この期間は非常に短縮されてきたわけで、むしろ憲法の精神からいったら、こういうある面では障害になっている技術的な問題こそ解決する方向で対応すべきではないかというのが基本ではないかと思うのでありますけれども、そこらあたりについてできるだけ簡潔にお願いできればと思います。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 二つ御質問がございまして、一つは訴訟の問題でありまして、憲法上、現在在外選挙制度がないことの合憲性の問題につきましては、私ども先ほど申しましたように、かなり違憲という判断ができるのではないかということでございます。基本的に本来選挙権を持っている方が選挙に参加できない、しかも日本国内に住所がないと選挙権を持たなくてよいということについての積極的な立証というのは、実は今まで議論もないんですね。  外国を見ますと、外国に住んでいる人については選挙権を与えなくてもよいんだという議論をきちんとしまして、しかしそれはもう通用しないということでもって制度をどんどん変えているというのが実情であります。  それともう一つ、選挙制度をつくるということは手間がかかりますので、やはり議会の中でもって検討するという時間的な余裕がなくちゃいけないので、在外選挙制度がないからすぐ憲法違反だというわけにはいかないんです。一九八四年に出ているんですね、それからもう十三、四年たっているのにまだできていないということなどを考えますと、国会の怠慢ではないかという議論もあり得るところでありまして、その点からも裁判所としては違憲という結論が。  ただ、日本、手続的にはちょっといろいろ問題がありますから、直ちに裁判所がそう出るかわかりませんけれども、やはり憲法上は非常に厳しい状況にあるということであります。  それから、二点目の選挙公報。選挙の実施手続の過程で、比例区に限定していて、その選挙公報が配れないということの御指摘がありました。選挙期間が短いという御指摘がありました。  これも憲法学会では、御指摘のように選挙というのを候補者の方の都合でもって十二日というふうに短くしているのであって、実は選挙民が選挙にかかわるということからすればもっと選挙期間は長くていいんじゃないかという議論もございますし、それを考えますと御指摘のとおりの問題はございます。  それから、在外選挙につきまして、情報がどうしても不足するということは制度的にこれはやむを得ないところでありまして、問題はやむを得ないことのゆえに小選挙区について投票を認めないという判断がよいかどうかという価値考量の問題になると思います。先ほどから何遍も申しましたように、情報は実際には、選挙についても実は十二日前に初めて立候補するんじゃなくて、新聞では十二日前にはもう当落の予想が出ているというのが実際のことであります。そのニュースがもう実際に外国の方にも流れているということを踏まえますと、余り建前論でもって選挙公報が来るのが十二日前で、それから選挙公報が届かないと周知できないんじゃないかというのは、選挙の形状、公式的な流れはそうですけれども、実際には違っている。  むしろ肝心なのは、選挙権を与えて選挙していただくということの方が重要ではないかと、御指摘のとおりに思っています。

有働正治日本共産党

○有働正治君 中條参考人にお尋ねします。  衆議院で昨年十二月、皆様方の代表の方、会長さんがお出ましになって御意見を述べておられます。その中で、参考人もお話しになりましたけれども、例えば衆議院選挙でいいますと比例区のみの投票権というのは五百名のうち二百名で、わずか四割ということになるわけで、これ自体が法のもとの平等、憲法との関係で問題ではないかと私は思うわけですし、皆さん方もそこらあたりについて所見もお持ちだと思いますけれども、御意見はいかがかという点であります。  それから、皆様方のお気持ちとして、不思議なもので、日本にいるときよりも外国の生活が長くなれば、日本のあり方、日本を愛する気持ち、日本の文化を大切にする気持ちが深くなる、また外国から見ると日本がどのように見えるかというのも逆によくわかる面もある、これから二十一世紀に向けて、そういう点では日本の進路にとって海外で御生活なされている方々が国政に参画するというのはある面では非常に重要ではないかという御趣旨の発言をなされておられるわけでありますけれども、皆様方、いろいろ外国の方々のお気持ちですね、そこらあたりはいかがかという点についてあわせてお尋ねできればと。  それから、加藤参考人にお尋ねいたしますけれども、今回の新しい制度に伴う選挙実務等の関係で選挙管理委員会の体制上の問題あたりについての御要望等ございましたら、また在外邦人だけでなくて国内でも投票したくてもできない人がたくさんいるので、例えば郵便投票も極めて限定されているわけでありますけれども、高齢化社会その他を考えてもっと郵便を使えるように制限を緩めるべきだとか。こういう世論もあるわけでありますけれども、実際選挙執行で多くの方々に投票していただくことを願っておられるお立場からここらあたりについてどうお考えなのか、あわせ御意見をお伺いできればと思うわけです。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) お答えいたします。  比例区のみの投票権ということで今話が出ているわけですけれども、これについてどう思うかということのお答えをさせていただきます。  比例区だけということにつきまして、先ほどから私もちょっと困るというお話をさせていただいているわけですけれども、先般の選挙で比例区の選挙のあり方について新聞等でいろいろたたかれていたと思います。比例制度がいいのか悪いのかというようなことが議論されておりましたけれども、仮に比例区がちょっと余りうまくないということでもしもこの制度をなくすようなことになりますと、全くこの権利がなくなっちゃうということで、参議院の比例代表だけということになりますので、これは先ほどの四割がまたもっと減るわけですね。そういうこともありますので、ちょっと不十分じゃないかというふうに理解しています。  それから、海外にいて日本人としての気持ちはどうなのということでの御質問につきましては、私ども海外におりますと、日本人としての、普段ここにいるとみんな日本人ですから日本人としてのことは余り感じないけれども、アメリカへ行きますと日本人ということをいつでも意識してなきゃいけませんし、いつでもおまえは日本人だろう、ということで聞かれるわけです。したがいまして、自分のとっている対応、態度一つ一つがやはり外国の方にとっては日本人に対する印象をまさにつけちゃうわけです。ですから、私個人がいいかげんなことをしますと日本人はということになるわけですね、私しか知らない外国の方は。そういう意味でも、私たちは自分たちのあり方というものについてはかなり気をつけなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。  それから、日本にいる以上に外国におりますと日本のことがよく見えできますし、よくわかります。それが何らかの形でもしも一票という形で国政選挙に反映させていただけるなら殊のほかうれしく思いますし、日本の多分国際化の中で何分の一かはお役に立つんじゃないかというふうに思っています。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) 体制上の問題というお尋ねと、もう一つは現行の選挙制度の中で実際に執行管理として何か問題点はないか、こういう二つのお尋ねだったと思います。  まず、一点目の在外選挙の体制上の問題につきましては、例えば横浜市の場合に十八区ございます。各区の総務課の中に選挙統計係というのがございまして、選挙のときに私どもの業務を宣伝する、あるいは統計の場という形で一年間業務に追われているわけでございますが、それとても余り大勢の職員が張りつけない現状でございます。そういう中で、新たな業務が出てまいりました場合には、これは当然もう御配慮いただけるものと確信をしておりますが、国政選挙のための事務でございますので当然それなりの経費の国庫負担は十分に御配慮をお願いしたい、こういうことを御要望申し上げておきたいと思います。  それから、現行の国内における選挙の執行管理上の問題ということでございますが、これから高齢社会がますます進んでいく中で、寝たきり老人といいますか、寝たきりのお年寄り、どうしても投票所まで足が運べない、こういう方たちの投票権をいかに確保するかというのが今後の大きな課題ではなかろうか、このように存じております。  以上でございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 ありがとうございました。  終わります。

高橋令則自由党

○高橋令則君 自由党の高橋と申します。今回のお三人の参考人の皆様方に御礼を申し上げます。  私は、まず戸波参考人にお尋ねしたいんですが、問題は秘密とそれから時間的な問題だと思うんですね。しかし、これはアメリカなど他国ではもうやっているわけですので、この二つをクリアするような方法は何かないのか。研究されている中で、特にアメリカあたりでそういうふうな方策がないものかというふうなことを考えるんですが、もしあったらお聞かせをいただきたいというふうに思います。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 投票の秘密に関しましては、在外公館投票か郵便投票をとりますとこれは侵されません。在外公館に行きまして投票しまして、その票が国内にそのまま送られて、恐らく市町村の選管レベルで開票することになると思います。中央で開票するという案もあるんですけれども、恐らく市町村選管でもって普通の票と一緒になって開票しますから、投票の秘密は侵されません。また、郵便投票も同じように、郵便で送られてきて外封筒をとった後の票が一般の雲とまぜられますから、投票の秘密は侵されません。  問題はファクス投票なんですね。ファクス投票をしますと、どうしてもだれに書いたということが選管レベルでは明らかになる、あるいは送り手の段階でもってだれに書いたかが明らかになるという点でやはり大きなネックになっております。ですから、外国でもアメリカとニュージーランド以外のところで何回か、北欧とかオーストラリアに聞きましたけれども、ファクス投票はちょっと認められないという意見も有力であります。  ただ、すべてにわたってファクス投票を導入するというのではなくて、ファクス投票でなければ投票できないような方については入れてもいいんじゃないかという気はしております。そういうふうに特別の事情の方に限定して例外的に導入するということ、つまりそういう方はファクス投票でなければ投票ができないということですから、ファクス投票を認めないということは選挙権を行使できないということですから、そこを投票の秘密を盾にとってだめなんだよというのではなくて、そういう方には例外的にファクス投票を認められないかということでございます。  それから、時間的な問題も今ありましたけれども、特に先ほどの御質問にもありましたように、時間的に日本は十二日間しかなくで、五日前までに現地の在外公館での投票が締められますから、本当に短期間しかないんですね。ところが、外国の場合には選挙期間が例えば一カ月とか二カ月とか、アメリカですと予備選挙だと半年だとか長いわけで、そういう問題があります。  それから、ところによりましては外国での投票の締め切りを、例えば四日間とか五日間の延着を認めるというところもあるんですね。それは、つまり投票をしますと、後から追加という形でもって投票用紙が送られてくるというやり方をとっているところがあります。ただ、日本の場合にはやはりその日のうちに開票して当落を決定するということですから、余りそこのところは変えられないとしますと、在外公館投票にしても郵便投票にしても、当日の六時なら六時までにあるいは延着したら八時半までに届かなくちゃいけないというルールは変えてはならないと思います。  それで、なるべく多くの方に投票してほしいんですけれども、これは割り切っていいんじゃないかと思うんですね。つまり、例えば郵便投票を使われる方は自分の責任で日本の市町村選管レベルにその投票日の八時半までに着かなければいけない、着かなければ無効となると。だから、その期間の間でもって努力して出してほしいということを周知した上で、とにかく導入するということが先で、時間的に切迫しているのはもう客観的には事実ですけれども、しかし何遍も申しますが、在外選挙制度を入れるということはそういうような切迫した中で御本人に努力してくださいということでもって入れていくということが肝心なのではないかというふうに思います。

高橋令則自由党

○高橋令則君 ありがとうございました。  中條参考人にお伺いしたいんですが、ロサンゼルスは情報については非常に新しいというか、非常に速いわけですけれども、全世界ということになりますと非常に広くなるんですね。この地域によるアンバランスということについて、在外の皆様方はいろんな選挙執行の中でそういう議論がないものかどうかですね。いわゆる、やったけれども実際に事実上非常にアンバランスが出てきて、今の我が国のいろんな技術的な制度、いろんな問題がありますからそういうようなものをクリアして、やっぱり問題があるというふうなことが今の段階で考えられる、皆様方の中でそういう議論がもしおありになるんでしたら、お伺いしたいと思います。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) お答えいたします。  全世界、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリとかロンドン、こういうところはおっしゃられるように比較的ニュースが速いということだと思います。これが逆にアルゼンチンとかアフリカとかということになりますと、地域によるアンバランスというのは当然あるというふうに理解します。  選挙公報との兼ね合いとかいろんなことがあるんでしょうけれども、これは私の個人的な意見なんですが、できるところから物事を進めていく。やっていく中で問題があったらそこを改善していくというやり方で漸次進めていくというのが現実に即しているんではなかろうかというふうに思います。  以上です。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 それぞれの参考人の方にまず一問ずつ御質問申し上げます。  初めに戸波参考人ですけれども、大体今までのお話から想像できるんですけれども、先ほどからお話がありましたように、日本の選挙というのは非常に厳密に正確にやっているということでございます。選挙違反の点でございますけれども、今度の改正でも特別に悪いといいますか、悪質なものについて規定していこうという形のようでございますけれども、まあ国内におるような形にはいかないと思います。この点で、最低限どの程度のことが必要なんだというような点で御示唆いただければと思うわけでございます。  それから、加藤参考人ですけれども、先ほどからのお話がありましたように、言葉の問題が一番だろうと思うんです。それで、加藤参考人は横浜市で政令市の選管をやっておられるわけでございますけれども、市町村でいきますと小さいところもたくさんあるわけでございます。そこで一つの言語でもなかなか大変ですのに、幾つものところからのということになるとこれ処理できるのかなというのがあるわけで、時間的余裕があればまたそれなりに対応ができるわけですけれども、選挙人名簿など選挙が近くなって急に申し出るような場合もあるんだろうと思うんです。そういう実務上言葉の面でこれが対応できるかどうかという点について、またどういう実務上の問題があるのか、その点お願いしたいと思います。  それから、中條参考人には、いろんな情報の点で非常に今、同時性があるよというようなことでございました。ただ、今回の基本は、投票は在外公館での投票を原則とするということのような感じでございますけれども、ロサンゼルスも非常に広い、これはもうそのとおりだろうと思うんですが、情報を在外公館にお願いしてやっていただくとかいろいろ方法がある、できるだけ周知をしなきゃいけないという点もあるかと思います。その在外公館の利用というのは、向こうに住んでおられる皆さんはどの程度の利用状況になっているか、また時間的にも距離的にもそこに行けない場合も非常にあるわけなので、そういう在外公館の皆さんとの近づき、そのような実際上の問題、そういうものをお話しいただければと思うんです。

戸波江二早稲田大学法学部教授

○参考人(戸波江二君) 選挙違反の取り締まりについてのお尋ねでございます。  一般論としまして、法制上の問題からしますと、外国で行われた選挙違反については、なかなか日本の警察がそこへ行って勝手に取り締まるというわけにいきませんので、実際には取り締まりが難しい。そうなりますと、法制上の取り締まりの規定は日本よりもずっと緩やかといいますか、処罰規定は少なくなるというのが今回の提案の中身でございます。  それから、実際に選挙違反がどういう形で起こるかという可能性の問題なんですが、これにつきましては実は幾つか分けて考えなくてはいけませんで、一つは選挙違反をやるのが、候補者が行うという場合と、それから選管といいますか選挙管理者が行う場合と、それから有権者が行うという三つの場合が考えられるんですね。それでもって、今まで選挙の不正といいましても、どちらかというと候補者が独自に選挙違反の活動を行うという例は余り多くない。やはり多いのは候補者の買収とかあるいは選管の中での違法行為という形の方が割かし目立っているというのが現状であります。  ですから、逆に申しますと、選挙人に対する不信だとか不正だとかというのは、もっと割り引いて考えなくちゃいけないんじゃないか。先ほど郵便投票について、昭和二十六年、一九五一年の統一地方選での違反が多かったという話もありましたが、その後も選挙違反、候補者の方の違反、あるいは有権者の方の違反もありますけれども、選挙人の意識が高まってくると一票についてそんなお金でもって入れるということがないし、またそういうふうな働きかけが実際に起こらないというような時代に来ているのではないかというふうに私は考えております。  このことは、実は外国で外国の選管の関係者の方にいろいろお聞きしましたときに、選挙違反の可能性はないですかと言うと、皆さんきょとんとされるんですね。なぜかというと、一つには個人の段階でもって投票の段階での選挙違反というのはもうほとんどなされていないし、考えられないというのが実情であります。ただ、オランダで聞きましたときには、地方選挙では時々あるけれども、選挙違反というものがそもそも候補者レベルではもうないんだという指摘がありました。  そういうことを考えますと、日本の場合につきましても、実際に選挙違反が候補者のレベルでどういう形で行われるのか。特に候補者の方が直接に選挙違反を在外邦人の方に働きかけるということはちょっと考えられないですから、逆に言いますと在外邦人の人たちが選挙の過程でもって違反をするということは恐らくちょっと考えられないんじゃないか。むしろその人が書いてきたものはもうその人の票だという形でもってみなさなくちゃしようがないわけですから。そう考えますと、選挙違反という中身も実は、国会レベルでももう少し何をもって選挙違反とするかということの御議論が、私はもう有権者の側の選挙違反よりも逆に候補者とかそれから選管レベルで厳罰にしていく。むしろ選挙人、有権者については、もっと選挙の自由だとか言論の自由だとかというのを認めていくということが必要なのではないかと考えております。

加藤武横浜市選挙管理委員会事務局長

○参考人(加藤武君) この制度を実行するに当たり言語の問題が障害になるのではなかろうか、こういうお尋ねでございます。  先生の御指摘のとおり、私ども実務担当者としては一番その辺が気になるところでございます。冒頭申し上げましたように、英語、フランス語、ドイツ語程度ならまあ何とか対応できるかな、それ以外の言語になりますと恐らくもうお手上げではなかろうかな、こんな感じがしております。そんなところで、在外公館の御協力をお願いしたいということを冒頭申し上げたわけでございますが、そんな形で工夫をしていく必要があるのではなかろうかな、このように考えます。  また、それ以外に実務上で何か問題はないかというお尋ねでございますが、郵便投票あるいは選挙人名簿への登録等につきましてはこの法案の中で大体内容がわかってまいったわけでございますが、在外公館からの投票で、日本に送られて、日本から今度は、外務省なのか自治省なのか、それが市町村まで当然投票用紙が来るんだろうと思うんですが、それはまだ定かでございませんので、今後、実務がしやすいような方法でひとつ検討していただければ幸いだと思います。  以上でございます。

中條石海外在住者投票制度の実現を目指す会企画委員長

○参考人(中條石君) 先ほどの御質問、在外公館を利用するということに今なっているわけですけれども、このことにつきましては、実際の問題としまして、銀行の支店のようにあちらこちらに在外公館があればいいですけれども、実際は大都市にぽつんぽつんとあるということで、先ほども言いましたように、サンディエゴとかそういうようなところですと、高速道路を二時間半かけてわざわざ来るということは、まず投票率も上がらないし、投票したくても往復六時間ぐらいの時間をかけて来るということはちょっと不可能だということだろうと思います。  そんなことも考えますと、私としては郵便投票も併用してもらいたいというのが願いでありますし、これは個人的私見ですけれども、投票させる、権利を行使させることでの対応の問題では恐らく自治省と外務省とでお互いに譲り合っていて、皆さんなるべくやらないようにやらないようにしているんじゃないかというふうに私には見えるわけです。したがって、ここら辺も、どうやって海外在住者に投票させるかということで一緒に働きかけてやっていただきたいというのが私の願いでございます。

岩瀬良三改革クラブ

○岩瀬良三君 終わります。

藁科滿治民主党・新緑風会

○委員長(藁科滿治君) 以上で参考人の方々に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしましてここに厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗