地方行政・警察委員会 第8号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 去る四月三日、予算委員会から、四月七日から八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、運輸省所管のうち海上保安庁、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 本件に関する説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。 昨今、日本の景気が大変に厳しいということで、また地方経済の落ち込み等も大きいわけでございます。公共事業を前倒しで執行しようということで、過去に例のないほど大きなパーセントで公共事業も執行しようということで地方においては進めているようでございます。全体として七%のカットということでございましたが、国の事業を目いっぱい行いましたので、地方においては一〇%ぐらいの公共事業のカットということで県あるいは市町村とも進められているようでございます。 そうしますと、おのずと工事を絞って早期に完成させてしまおうというふうな重点的な仕事を中心に進められておりまして、事業者数も限られてくる、今こういう状況にあるように承知します。今後、補正予算等が組まれるということになりましても、その決まった事業にさらに上乗せしても事業者数がふえるわけではない。また、そのように地方においてもかなり財源が厳しい、負債、債権が大きくなっているという状況の中で公共事業をさらにやって、今申しましたように、広く今度は事業者数が恩恵にあずかるというふうな事業をやるにはよほど整合性をとったうまいことをしなければならないというふうに思うわけでございます。 補正予算の問題はこの時点で話題にすることではないと思いますので、地方の実情につきましては大臣万々御承知のとおりでございますが、またことしの予算の執行につきまして、慎重といいましょうか、またいろんな観点に目を配って執行していただきたいということを最初にお願い申し上げます。 それでは、本日、予算の委嘱でございますので、まず自治省関係についてお伺いします。 阪神・淡路大震災から三年が経過いたしますが、大規模地震対策は引き続き重要な課題であります。大規模地震対策のため、平成十年度予算においてどのような施策を講じているのか、自治大臣にお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、厳しい財政状況のもとではございますが、平成十年度予算におきましては、耐震性貯水槽や緊急消防援助隊が装備いたします高度な救助用資材、機材の整備に対する補助金等を前年度に対しまして増額をいたすことといたしておるわけでございます。また、初期消火体制や救護所体制整備のために震災初動対応資機材の整備を推進することにいたしておりまして、そのメニューの中には新たに災害用トイレ設備と災害用浄水装置を追加いたしておるところでございます。 さらに、こうした災害用資機材や食糧などを備蓄しておくための備蓄倉庫の整備に対する補助金も増額をいたしておりまして、今後とも、こうした施策を通じまして防災基盤の整備はもとより、住民の防災意識の高揚とその対応力の向上等を図りつつ、災害に強い安全な町づくりに努めてまいりたいと考えております。
○松村龍二君 大規模災害対策を進めるためには消防防災の情報化を推進することが必要でありますが、消防防災の情報化ということについてどのような方針で取り組むのか、お伺いします。
○政府委員(谷合靖夫君) 御指摘のとおり、防災対策を進めていく上で、情報を早期に収集をし伝達をするという体制を確立することは極めて大事であるというふうに認識をいたしているところでございます。 このため、消防庁といたしましては、地方公共団体の整備する各種の情報通信関係の機器等の整備について財政支援を行っているわけですが、例えば具体的には市町村防災無線、こうしたものとか、あるいは通信施設そのものを衛星系の通信回路を使うようなそういった多重化を図る、このようなことに対しても支援を行っているわけでございます。 特に、画像情報というのが極めて応急対応を実施する上で有効であるということが指摘をされておるわけでございますので、これは既に平成七年度の補正予算からでございますけれども、ヘリコプタテレビ電送システムあるいは高所監視カメラ、それから衛星地球局から構成されるいわゆる画像伝送システムというものの整備を進めでおりまして、既に現段階で三十三都市において整備が行われている状況でございます。 それで、特に本年度の予算案の中では、こうした画像伝送システムも、ヘリコプターからの電波の届く距離というのがおのずと限界がありますので、もう少し遠隔地で災害が起こったようなときにはその画像を伝送できるように、車に積み込めるような可搬型の衛星地球局とヘリコプタテレビ受信装置というものから成りますいわゆる可搬型画像伝送システムというものを新たに補助対象にするというようなことを考えているところでございます。 そのほかに、やっぱり災害関係の情報を関係機関で共有化するということが必要でございますので、現在、被害情報だとかあるいはヘリコプターの緊急離発着場、震度情報等の防災関連情報を消防庁と都道府県と消防本部とネットワーク化をする防災情報システムというものの整備を進めておりまして、既にこのうち震度情報については昨年の四月から運用を開始しておりますが、そのほかのデータにつきましても逐次その整備が行われ次第稼働させていきたい、こういうふうに考えておりまして、できる限り防災分野での情報化の推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
○松村龍二君 ただいま情報化の努力についてお話があったわけでありますが、災害から国民の安全を確保する上で、国民の身近にあって活動している消防の果たす役割は極めて大きなものがございます。消防がこうした大きな責任を果たしていくためには消防力を充実強化することが不可欠でありますが、そのためにどのような取り組みを進めていくのか、お伺いします。
○政府委員(谷合靖夫君) 御指摘のとおり、消防の任務を果たしていくためには総合的な消防力の充実強化ということが極めて重要な問題でございますので、これについて引き続き取り組んでいく必要があると思っております。 このため、もう既に大臣からお話を申し上げましたけれども、消防施設設備の整備に対する消防補助金につきましては、大変厳しい財政状況の中ではございましたが、平成十年度予算案におきましても所要の補助金額の確保に努めまして、百八十八億二百万円の計上をさせていただいているところでございます。 このほか、市町村の単独事業、具体的には緊急防災基盤整備事業でありますとか、防災町づくり事業というような事業がございますが、これによる消防施設等の整備に対しても、地方債による財源措置を講じる等、いわば補助金単独事業、あわせて市町村の消防防災施設の強化に努めたいというふうに考えております。 それから、こういう常備消防のほかに消防団の消防力の強化ということも必要であるわけでございますので、消防団関係の施設整備に対する補助金の増額を図りますとともに、消防団の処遇改善ということについても努めてまいりたいというふうに思っております。それから、もう少し基本的な問題としては、小規模消防というものをできる限りいわば広域再編して、それによって消防の対応力を強化するということも大きな課題だというふうに考えておりますので、この十年度予算案の中では、そのような広域再編の着実な推進が図れるように、消防の広域再編に伴い必要となる施設整備、例えばエリアが広くなりますとどうしても無線の中継局とかそういったものの整備が必要になると思いますので、そのような施設整備に対する補助事業を新たに創設いたしまして、こうした広域再編による消防の対応力の強化ということにも努めてまいりたいというふうに考えております。
○松村龍二君 次に、話題を変えまして、ただいま消防防災の情報化でも触れたわけでありますが、地域の情報化に関してお伺いします。 近年、情報処理通信技術が急速に進展いたしまして、各地方公共団体が行政を行う上でもその環境が一変しているわけであります。そこで、高度化した情報システムというものを行政にいかに有効に取り入れていくかが地域住民の福祉の向上や地域の活性化を図る上でも、また今後の効率的な行政を図っていく上でも大きなポイントかと思います。そこで、全国の都道府県及び市町村において情報化に積極的に取り組み、成功している事例をお伺いしたいと思います。
○政府委員(香山充弘君) 御指摘のとおり、最近、地方団体の情報化が全国的に著しく進んでおるところでありますけれども、幾つかの先進事例を紹介させていただきます。まず、業務の情報化の事例といたしましては、北海道鷹栖町といったものが挙げられると思います。これは庁内のOA化とお客様の窓口システムを連結したものでございまして、電算機の活用によりまして事務処理の効率化を図りますとともに、各課に分散していた諸手続を集約して住民が一カ所で済ませることができるようにしたシステムでございます。 また、東京都の足立区では、これは全国に先駆けての試みでありますけれども、文書の作成自体をコンピューターに入力する方式をとっております。そういたしますと、文書の起案から保存まで一連の流れを電算処理することができるということでありまして、この処理対象の拡大を目指して努力しておられるところでございます。 また、住民向けの情報化に取り組んでいる事例といたしましては、福井県の丹南広域組合といったものが挙げられます。これは全国初の試みと言えると存じますけれども、各市町村の窓口業務をオンライン化いたしまして、広域組合圏内の住民がカードによりまして、市町村の区域を超えて、また休日等においても各種の証明書の交付を受けることができるようにしたシステムでございます。 私ども、これら先進の成功事例を全国的に普及したいというふうに考えておる次第でございます。
○松村龍二君 地方分権を進めるためには、中央をスリムにして各地方自治体を強化する、そういった観点で市町村合併とか広域行政ということが話題になるわけでありますが、ただいま私の地元の福井県の例について評価いただきまして、情報化をうまく進めるということが今の時代、不可欠のことであるというふうに思うわけでございます。 そこで、自治省はこのような情報化をどう評価し、地方自治体に対しどのような指導、支援を行っているのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方公共団体における情報化という業務は、新しい行政ニーズへの対応や行政事務の一層の高度化、効率化のみならず、地域の活性化や地域住民の福祉の向上を可能にするものでございます。 このことから、平成九年七月に高度情報通信社会に対応した地域の情報化の推進に関する指針をお示しいたしまして、情報化施策を積極的かつ戦略的に推進するよう地方公共団体に対しまして指導しておるところでございます。 地方公共団体に対する支援といたしましては、平成八年度から行政情報化の重要な基盤となります庁内情報通信網の整備、平成十年度から公立学校のインターネット接続等につきまして普通交付税による財政措置を講じますとともに、地域の重要なインフラであります情報基盤を自主的、主体的に整備する事業につきまして、平成十年度に地域情報通信基盤整備事業を創設いたしまして、積極的に支援することといたしておるところでございます。
○松村龍二君 情報化が進む一方で、先般、川崎で個人情報が不正に使用されたというような新聞記事もあったわけでございますが、個人情報をしっかり保護するということを講じなければならないわけであります。今このことを早急に詰め、行政に対する国民の信頼を確保する必要があると考えます。 地方公共団体における個人情報保護対策についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(香山充弘君) 事務処理の電算化等が進みますと、御指摘のとおり、一方で個人情報の漏えいでありますとか不正使用によりまして個人の権利、財産が侵害される危険性がございます。したがって、プライバシーを保護いたしますとともに、行政に対する住民の信頼を確保するために個人情報の保護対策は極めて重要なことでありまして、私どももこの点の指導を徹底させていただいておるつもりでございます。 平成九年四月に調査をいたしたところによりますと、いわゆる個人情報保護条例というものを制定いたしまして、条例による保護対策を講じている団体は全国で千三百十二団体、約四割程度となっております。また、条例ではございませんけれども、規則や規定といったような形で保護対策を講じている団体は八百四団体、全体の二四・三%程度になっておりまして、合わせて六割強の団体におきまして制度的な対策がとられておるという現状にございます。 今後とも、この点の指導を徹底いたしまして、個人情報の保護に対して万全を期してまいりたいと考えておる次第でございます。
○松村龍二君 それでは、今度は国家公安委員会関係、警察予算についてお伺いしたいと思います。 日本の治安は非常によいということが言われるわけであります。私ども、アメリカ等に旅行いたしましても、大都市ではゲットーといいましょうかスラム街があるというふうなことを見たり聞いたりするわけでありますし、ヨーロッパ、アメリカその他の国においても若い女性が一人で深夜歩くということは非常に危険なわけでありますが、日本においては安全であるということ、失業者も町にあふれていない。昨日もテレビを見ておりましたら、韓国では昨年来の不景気騒ぎで大変に失業者がふえて、中央駅にはベンチをふやして、そこで失業者が寝泊まりするといった報道もあるわけでありまして、日本も景気の先行きによってそのような失業者がふえて、社会全体が不安になるといったことがないことを祈るわけですけれども、いずれにいたしましても、治安が厳しい時代を迎えているわけでございます。 昨日も警察白書、これをずっとめくっておりまして、明らかに右肩上がりのグラフが目につくわけであります。それは全刑法犯認知件数百八十一万件。このところ戦後最大の刑法犯認知件数になっているということですが、昭和四十八年、二十四年前には百二十万件と戦後最低のラインを示しておりましたが、現在百八十万件である。来日外国人の刑法犯検挙件数が平成八年は一万九千五百十三件、約二万件、十年前の昭和六十二年には二千五百六十七件で、約八倍に上がっている。覚せい剤事犯で補導した犯罪少年の人数が平成八年は一千四百三十六人で、平成元年の九百八十六件に比較しますと五割増しで、特にここ一、二年急に伸びていることが目につくわけであります。そして、その犯罪少年のうち中高校生の比率が急に伸びておりまして、平成元年では約四%であったものが平成八年度には一六%になっておる。また、テレホンクラブの営業所数の増加も目につくわけでありまして、平成四年に九百カ所あったのが平成八年度には二千八百九十一軒、三千軒にふえているわけであります。これに伴いまして、福祉犯被害少年数がテレホンクラブに関して四百八十件から一千五百件まで上がっている。また、金融・不良債権関連事犯の検挙件数は、昨今の住専問題以降、あるいは総会屋の問題等、平成八年度には百七件検挙いたしておりまして、平成五年には三十四件であった。 このように、右肩上がりの数字、グラフを見るだけで昨今の治安情勢がどのような状況になっておるかということがわかるわけでありますが、こうした情勢の中、特に際立っているのは強盗殺人、死体遺棄事件等、重要凶悪事件が多発いたしております。もう新聞等で例を挙げることもできないほど凶悪事件が多発しております。また、海外輸出を目的とする広域窃盗事件等の来日外国人による組織的な犯罪、バブル崩壊後の経済情勢を反映した金融・不良債権関連事犯の検挙の大幅な増加があります。 来日外国人による犯罪は依然として増加しておりまして、最近では特に外国人犯罪グループによる組織的かつ被害総額が億単位に及ぶような大がかりな事件が多発しております。同僚の埼玉県の佐藤議員がおられますが、川口近くでは本当に白昼ごそっと何千万という品物がトラックで盗まれるといった例を最近も聞いたわけでありますが、このような状況でございます。また、殺人事件も利権争いを発端とする殺人事件等が続発しているわけでございます。 以上のような状況かとは思いますが、こういう情勢では警察の組織、人員、装備、教育、訓練などあらゆる面で警察力を充実強化していく必要があると考えておりますが、国家公安委員長の所見と決意をお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、時代の進展とともに犯罪は激増し、特に凶悪犯罪、青少年のナイフ等の事件も含めて多岐多様にわたっておるわけでございます。我々国家公安委員会は、国家社会の発展の基盤としての良好な治安を国民に提供する、またその良好な治安を常に維持していかなければならない役割を担っておるわけでございまして、そのことが警察の使命として総力を挙げてこれに取り組んでいかなければならないわけでございます。 それらの激増しておる事案に対しまして、それでは警察の陣容は万全かというと、私は決して万全とは思っておりません。極めて団地がふえましたり人口が非常にふえておる地域等についての警察官の不足というものはなかなか平均的に駐在所でありますとか交番所の設置等もままならないような状況もあるわけでございますが、今年度におきましては、非常に財政的な困難性もございまして地方警察官の増員については見送ることとなったわけでございます。 こうした状況のもとで、一般市民の皆様が、国民全体でございますが、例えばゆっくりされるお盆あるいは年の暮れ、正月、そういうときにこそ警察は昼夜を分かたず苦労があるわけでございます。特に、交通安全の問題等については三百六十五日、一日たりとも気の緩むことはございません。こうした警察官の士気の低下を来してはならないわけでございまして、国家公安委員会といたしましても、超過勤務が二十三年間にわたって据え置かれたままになっておりました、これについては平成十年度では何とか、一〇〇%ではございませんが、超過勤務に対する二十六万の警察官に対してわずか百七十億程度の予算措置を講じまして、少しでも士気の向上が図られるような対応はいたしたわけでございます。 警察といたしましては、今後とも、御指摘のように組織体制の見直しのほか、人員が足らざるものを補うものは資材、機材というもの、どうしてもこれを近代化いたしまして補いをつけなければならない、また一人一人の警察官の教養の訓練はもとよりでございますが、そうした警察行政に対する取り組みについての資質の向上も図りまして、現有体制のもとでの最大限の効果を上げるような努力を怠りなく今取り組んでおるところでございまして、良好な治安の維持に全力を尽くしてまいる所存でございます。
○松村龍二君 勇将のもとに弱卒なしということで、上杉国家公安委員長の勇将のもとに全国の警察が力を合わせれば現今の治安に万全に対応できるというふうに信ずるものであります。また、国家公安委員長は役所の一番大事である予算を獲得するということについても勇将であると思いますので、ひとつまた来年の予算につきましても頑張っていただきたいと思うわけでございます。 ただ、私も一つ感想を漏らしますと、昨今、けん銃の捜査が大事だということで社会の焦点がいますと全国の警察にけん銃捜査の課をつくったりして、けん銃の捜査に力を入れることはいいことなんですが、組織を細分化していきますとどうしても組織が硬直してくる。やはり一人の人間が三つも四つも役割かできるという柔軟な組織ですと人のむだがないということを私は感ずるわけでございまして、そのような観点で、ただ時代の騒がれたことにそのとき力を入れて全体として組織を硬直化させていくということのないように、また御工夫をいただきたいと思います。 次に、昨年ペルーにおきまして日本大使公邸人質事件があったわけでございまして、国際テロ等国家的緊急事態に対処するため対策を強化すべきだと思います。あの事件は皆さんもう完全に鮮明に御記憶かと思いますが、一昨年の十二月十七日に発生いたしまして、ペルーのトゥパク・アマル革命運動の運動家が十四人で、あのとき大使公邸に七百人いたわけでありまして、七百人が人質になった。四月二十二日、四カ月以上たちまして特殊部隊が百四十人突入して人質七十二人中七十一人を救出した。犯人十四人は全員射殺ということで解決を見たわけでありまして、フジモリ・ペルー大統領が指揮をした救出作戦としてはすばらしい作戦であったということで感心もし驚きもしたわけでございます。 この平成十年度概算要求を見ますと、テロ等緊急事案対策で二百四十五億、大体このような金額の予算が認められているかと思います。そこでお伺いしますが、特殊部隊、SAT、日本語じゃありませんので何かわかりにくいんですが、SATの充実強化を考えているようでありますが、どういう事態を想定してどういう部隊をつくり上げようとしているのか。先ほど申し上げましたペルーの場合、日本とは対象が違う、同じ事案が起きるとは限らない。日本におきましては幸い過去のテロ事件というのは、海外では別ですけれども、日本においては日本人の犯罪でさほどすごいものはないというふうにも思うわけですが、どういう事態を想定してどういう部隊をつくり上げようとしているのか、またどういう訓練をしようとしているのか、警察庁にお伺いします。
○政府委員(伊達興治君) 警察におきましては、昭和五十二年九月に発生した日本赤軍による日航機乗っ取り事件、通称ダッカ事件と言っておりますが、これを契機に警視庁と大阪府警に特殊部隊を設置しております。その後の銃器情勢とかテロ情勢に的確に対応するために、さらに平成八年四月に、警視庁、大阪府警に加えて五つの道県に約二百名から成る特殊部隊いわゆるSAT、これはスペシャル・アソールト・チーム、特別急襲チームとでも言ったらいいんでしょうか、こういう特殊部隊を設置したところであります。 今後は在ペルー日本国大使公邸占拠事件を踏まえまして、あらゆる事態に即応できるように装備資機材や訓練内容、こうしたものを一層充実していこうこういうふうに考えておるところでございます。具体的には、在ペルー日本国大使公邸占拠事件類似の事案を含めまして、テロリストが人質をとって建造物や航空機を占拠する事件など、さまざまな形態の事案を想定した実践的訓練を行うことにしております。また、こうした面におきましては、海外の特殊部隊との技術交流とかあるいは訓練の交流とか、こうしたことも必要である、こういうふうに考えているところでございます。 なお、平成十年度の予算案におきましては、事案対処能力の強化、実践的訓練の充実、緊急展開能九の充実等々の観点から、車両などの装備資機材、それにヘリコプター、訓練施設、さらには訓練そのものの経費、こうしたことに係る経費を、先ほど大きなテロ全体の額で言われましたが、こうした面で総額五十六億九千二百万円が計上されているところでございます。
○松村龍二君 なかなかこういう事件はめったに起きないわけで、そのときに、日ごろやっぱり訓練しているな、国民として税金を払っていた価値があったなと思うような実力を身につけていただきたいというふうに思います。 次に、警察庁は平成十年度の予算要求の二つ目の重点といたしまして来日外国人組織犯罪対策の強化を掲げておられますが、近年、来日外国人に対する組織的な犯罪が多発して我が国の治安に対する重大な脅威となっております。 そこで、現在の来日外国人犯罪の検挙状況とその特徴的傾向についてお伺いします。 また、香港三合会など外国の国際犯罪組織が既に我が国に進出してきていると聞きますが、彼らの活動実態はどうなっているのでしょうか。 さらに、昨年からことしにかけまして中国からの集団密航事件、えらいぼろ船で、もう捨ててしまっていいような廃船に乗って、また韓国人がこれに関与しているわけですが、集団密航事件が急増したということでありますが、その背景と対策はどうなっているのか、お伺いします。 また、外国捜査機関との国際協力の現状についてもお伺いします。
○政府委員(佐藤英彦君) まず最初に、来日外国人の犯罪状況でありますけれども、先ほど委員の方から平成八年の検挙の状況の御紹介がございましたけれども、昨年の数字がまとまりまして、それによりますと、平成九年中、刑法犯の検挙状況は二万一千六百七十件ということで、さらに二千件強前年よりふえております。 その特徴的な傾向として幾つかございますので順次申し上げますと、まず香港の三合会などの中国人の犯罪組織による窃盗事件、それからロシアのマフィアが関与しているというぐあいに思われます高級自動車の窃盗事件等のいわゆる組織窃盗事件、蛇頭によります集団密航事件、イラン人によります薬物密売事犯などの犯罪が特徴的というぐあいに言ってよろしいかと思います。それに加えまして、中国人グループによります身代金目的の誘拐事件が相変わらず頻発をいたしておりますし、韓国人のグループによります暴力すり事件、これも多発をいたしております。このように、犯罪が徐々に凶悪化をしてきているというぐあいに言えようかと思います。 なお、こうした活動によりまして得たと思われるそういうお金を地下銀行を通じてそれぞれの本国に送金をしているということに伴います銀行法違反事件の検挙が相次いでいるところでございます。 次に、香港三合会についてでありますけれども、これはまだその実態というのは検挙が十分に行き渡っていないということもありまして定かではございませんけれども、これまでのものについて際立ったものをちょっと御紹介申し上げますと、いずれも昨年の検挙でありますけれども、いわゆるヒット・アンド・ウエーと言っておりますが、犯罪を犯してすぐ当日ないしは翌日に国外へ逃亡する、そういう方式によりまして大阪で宝石商に対しまして三千六百万余りの強盗傷人事件がございました。これは三合会のメンバーが首領として指揮をいたしておりました。次に、これまた大阪でございますけれども、クレジットカードの詐欺グループがございまして、東京、千葉に偽造工場を設けまして、クレジットカードを押収いたしましたのが約三千八百枚でございますけれども、これらを使いまして、製造、買い回り役等々の分担をいたしました詐欺グループが検挙されておりますが、それぞれのグループの首領が三合会のメンバーでございました。 こういうようなことから、外国の捜査機関との協力につきましては従前にも増して頻繁に行っているところでございますけれども、特に中国、ロシア、香港との連携を現在強化しているところでございます。
○政府委員(伊達興治君) 集団密航事件が急増した背景とその対策ということで、私の方からお答えさせていただきます。 平成九年中に警察及び海上保安庁が検挙した集団密航事件は千三百六十人でありまして、前年の六百七十九人を大幅に上回りまして過去最高となったわけでございます。このうち、中国人による集団密航事件が千二百九人と集団密航全体の約八割強を占め、前年に比べますと約二倍に急増しております。 中国からの集団密航事件が急増した背景というものを申し上げますと、一つには、福建省出身者を初めとする多数の中国人が日本において就労して金銭収入を得よう、こういう目的を持って密航を図っているという事実が一つございます。それからもう一つは、こうした人々の密航を請け負う蛇頭という組織が広範なネットワークをもとにさらに一部の暴力団と連携するなどしまして、高収入の密航ビジネスとして国内に活動基盤を確立している、こういうことが挙げられるかと思います。 警察としましては、こうした集団密航事件に対しまして、中国政府に対する政府レベルの密航防止申し出を行ったり、あるいは中国公安部幹部との積極的な情報交換を実施したりしているところでございます。国内におきましても、入国管理局、海上保安庁、税関、こうした関係機関との連携を強化しまして、国際的密航請負組織の蛇頭や国内の受け入れブローカー等の取り締まり強化を図っているところでございます。
○松村龍二君 昨今、情報通信ネットワークの急速かつグローバルな発展によりまして、我が国においてもコンピュター技術を用いた犯罪、いわゆるハイテク犯罪が増加していると聞いておりますが、これは将来、世の中がコンピューター化するにつれて大変な問題になってくると思います。これらの犯罪につきましてもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 最後に、大臣にお伺いしますが、二十一世紀を支える少年、青年の健全な発展といいましょうか、健全に育つということが大変に重要かと思います。しかし、世の中がせわしい、また有害な環境もある。そのものは有害でなくても、テレビによる影響とか、あるいはゲーム等で相手を殴り倒すようなことに三時間も四時間も熱中して没頭しておる、学校へ来ているとぼうっとする、こういうようなこと。少子化のために友達づき合いが下手で孤立している。先般、地元で最近まで高校の先生をやっていた人に聞きましたところ、最近は学生がみんな休み時間にトイレへ行かない、授業中に行くそうです。授業中にぽいと黙ってトイレに行くんだそうです。なぜ休憩時間にトイレへ行かないかというと、並んでアサガオに立つのが嫌だ、こういう話で、世の中変わったものだなというふうに思ったわけでございます。 そのようないろんな状況があります少年がバタフライナイフやサバイバルナイフ等の刃物を使用した凶悪事件を相次いで発生させております。また、少年が格好がいいということで、一番恐れておりました覚せい剤汚染、これもイラン人が密売したりして拡大していると聞いております。 次代を担う青少年を健全に育成することは国民すべての願いであり、社会全体で早急に取り組むべき課題であると思います。悪化する少年非行に対処する上で、国家公安委員長の所見と決意をお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、将来の我が国を担う青少年の非行化あるいは凶暴化、麻薬やナイフの事件、あるいは性的な一つの汚染された状況というものは極めて憂慮すべき事態でございます。 私は、さきのナイフ事件の折、就任間もなくでございましたけれども、直ちに関係省庁との連携をとりまして警察の中にテーブルをつくって協力体制をしくべきだ、そういう提案をいたしましてすぐ対応ができたわけでございます。また、ナイフ等の事件の問題につきましては、製造する業界、販売する業界があるわけでございますから、警察が独自で指導や補導する、あるいは啓蒙啓発活動する、それだけじゃなくて、そのような関係団体にも極めて幅広の対応をすべきだ、こういうことで業界への協力要請をして全国的に協力体制も整ってきたわけでございます。 また、私は、閣僚懇談会におきまして、将来を担う青少年の問題というのは内閣を挙げての取り組みだということにいたしましたが、二十一世紀を担う青少年問題の有識者懇談会というのが総理の指導によりまして設置をされたわけでございます。 いろいろと問題もあるわけでございますが、私どもとしてはできる限りのことを対応してまいりたい。また、警察の中にこうした刃物等に対する検討委員会も設けまして、特に銃刀法との関連もございます、銃刀法は御案内のとおり、銃と刀剣とそれから刃物というのをどうするかというその扱いについての法律でございますが、これらを視野の中に入れ、また国際的な問題も視野の中に入れまして落ち度のない対応を今取り組んでおるわけでございます。特に春休み中でございますが、防止対策強化旬間を実施するなどいたしまして、このような事態が広がらないように目下組織全力を挙げた取り組みをいたしておるところでございます。 少年の薬物乱用の問題、これは供給源の取り締まりや警察職員を学校に派遣をしましての薬物乱用防止教室の開催など、そのような指導等について啓発、啓蒙をさらに高めるべく対応いたしておるところでございます。 また、少年の非行の問題につきましては、文部省あるいは学校、社会、家庭等も含めた総合的な取り組みというのが必要でございます。警察といたしましては、そのような関係機関や団体とも協力をしながら少年事件の捜査や少年の補導活動の強化等にも取り組みをいたしておりまして、関係団体等との連携をさらに強化いたしまして、青少年がそういうことにならないように環境の浄化にも努めているところでございます。 いずれにいたしましても、早急に取り組み、対応したつもりでございますが、決して万全とは思っておりません。今後とも、各省庁と連携をしながら、また警察力の総力を挙げましてこれらに対応してまいらなければならないと、さらに決意を固めておるところでございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。終わります。
○朝日俊弘君 民友連の朝日でございます。きょうは、私は大きく分けて三つの課題について幾つかお尋ねをしたいというふうに思います。 そこで、まず最初の課題は、当委員会におきましてもこれまでにも何度か議論になっておりました地方分権の推進にかかわって、中身の問題はとりあえずおきまして、今後の予定について確認をさせていただきたいと思っております。 当面の課題は、地方分権推進計画の策定だというふうに承知をしております。この地方分権推進計画は、当然国会に報告をするということが義務づけられております。国会に報告をするということは、報告を受けて国会で検討を行うだけの必要な期間を十分見込んだ形で報告がなされるべきであるというふうに私は理解をしております。その意味では、今国会への報告の時期がよもや会期末ぎりぎりというごとはないのではないかというふうに考えておりますが、そろそろその時期について明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(井原好英君) 地方分権推進計画の策定についてでございますが、御指摘のように、地方分権推進計画は、地方分権推進法によりまして政府が作成し、閣議決定を経てこれを国会に報告するというふうにされているところでございます。 地方分権推進計画は、地方分権推進委員会のこれまでの四次にわたる勧告を最大限尊重して作成することとしておりまして、機関・委任事務の廃止、権限移譲の推進、国庫補助負担金の整理合理化及び地方税財源の充実確保など多岐に及ぶものであり、また大変大きな作業でございますが、今国会が終了するまでの間に、できるだけ早く、一日も早く作成できるように、関係省庁が連携を密にいたしまして現在鋭意作業を進めているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○朝日俊弘君 もう四月ですので、もう少し明確な時期を示していただきたいという気持ちなんですが、この点はちょっと後で自治大臣にもお伺いしたいと思います。 それじゃその次に、今作業に取り組んでいる地方分権推進計画、この作業に相前後する形で、その後橋本総理の指示もありまして、地方分権推進委員会は今までの四次にわたる勧告に加えて第五次の勧告に向けて具体的な作業に着手しているというふうにお聞きしております。この第五次の勧告というのは一体いつごろまとめられるのでしょうか。作業の進捗状況を含めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(東田親司君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のとおり、昨年末、総理の方から市町村への権限移譲を含む国及び都道府県からの事務権限の移譲などの問題についてさらに検討を進めていただきたいという旨の御要請がございました。この権限移譲問題につきましては、四次までの勧告におきまして私ども委員会としては取り上げておる問題でございますけれども、総理の改めての御要請ということで、私ども本年に入りましてから対応方針を検討いたしまして早速にとりかかろうという方針を決めたところでございます。 そして、スケジュールといたしましては、まず検討の視点を三点固めました。申し上げますと、国と地方の役割分担の明確化、国の行政組織のスリム化、そして三点目は市町村への権限移譲の推進、この三点から検討していこうということでございます。 そして、実際には二月から有識者それから関係団体等のヒアリングを進めております。約十人の有識者、それから六団体ほどの関係団体からヒアリングを二月から始めまして、今月じゅうかかる予定でございます。 その有識者等の御意見を改めて整理いたしまして、その中から当委員会としてどの課題に取り組むかということに的を絞っていくわけでございます。したがって、どの程度の行政分野といいましょうか課題を取り上げるのか、またそれぞれの分野ごとにどの程度の分量を審議するのかということをよく検討いたしまして、その結果を踏まえてスケジュールが固められていくことになると思っております。 なお、マスコミ等におきまして、夏にも第五次勧告というような報道がなされているわけでございますが、委員会として夏に第五次勧告をするということを決めた事実はございません。記者等の取材に応じまして、早ければ夏にもあり得るのですかというお尋ねに対して、それは早ければそういうことはあり得るかもしれないなというようなお答えをしたことが報道されているという事実関係でございます。 いずれにいたしましても、有識者等のお話が終了いたしましたら、速やかに論点を絞りまして取り上げるべき課題を固めてまいりたいと思っております。
○朝日俊弘君 これまたはっきりしないわけですが、状況は理解します。 今お話がありましたように三つの視点でいろいろ検討が進められている。この視点は、ある意味ではこれまでの四次にわたる勧告の中で必ずしも十分詰め切れなかった問題も含んで検討をいただいていると思いますので、私は、第五次の勧告の中身がどういうふうになってくるのか、大変重要だというふうに関心を持っております。そういう意味では、ぜひ精力的に第五次の勧告に向けての作業をお願いしたいというふうに思います。 ただ、そこで気になりますのは、先ほどのお話でいきますと、地方分権推進計画の策定は今国会のできるだけ早い時期にと、こういうお話。第五次の勧告は、早ければ夏までにという報道もあるけれども、今のところ時期は定かでないと。そうしますと、地方分権推進計画の策定と第五次勧告とが後先になってしまう可能性がある。つまり、推進計画の策定の後に第五次の勧告が出されるということがあり得るわけですね。 私は、できれば第五次の勧告を含めてきちんとした分権推進計画が策定されるべきだと思うんですが、たまたまそういう形で計画の策定が先行して第五次勧告が後になった場合に、先に策定された計画に第五次勧告に盛り込まれた内容がきちんと追加、補強されることになるのかどうか。この取り扱い方について確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(井原好英君) 政府としては、まずは地方分権推進委員会の四次にわたるこれまでの勧告を最大限に尊重いたしまして、先ほど申し上げましたように、今国会が終了するまでのできるだけ早い時期に計画を作成して、これを確実に実施してまいりたいと考えております。 さらに、推進委員会から新たな勧告が行われた場合には、地方分権推進法に基づきまして勧告を尊重して適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○朝日俊弘君 最後の適切にというのがよくわからないんです。私の意見は、先ほども申し上げたように、計画の後に第五次の勧告が出された場合は、当然第五次勧告に盛り込まれた内容は先行して策定されている推進計画にきちんと追加、補強されるんですねということをお尋ねしたわけですが、適切にというのはそういう意味ですか。
○説明員(井原好英君) 推進委員会の勧告の内容を踏まえまして、そういう御指摘の点も踏まえて、十分検討して適切に対処してまいりたいということでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) あやふやなことを言っていますから、私から申し上げます。 分権推進計画は今策定中ですが、この国会のできるだけ早い機会と言っておりますが、第五次よりか早く出ることは間違いありません。これは方針として政府が今取り組んでおることであります。 したがって、第五次勧告との整合性を今御質問だと思いますが、私は、初めての試みでございますから、自治省として政府が国会にお示しをいたします分権推進計画が決して万全とは思っていません。したがって、五次勧告が出されれば当然それらも組み込んだ上でよりよいものに分権推進計画をしていかなければならないものと私は心得ておるわけでございまして、第五次勧告との整合性、またそういうものを含めた今後の分権推進計画は弾力的に柔軟に、十分地方の実態等も見据えながら効果のあるものにしていきたいと考えておりますので、その点については御心配の点はないように当然対応していかなければならないもの、このように考えております。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。ちょっと予定外の御答弁で、しかし明確にしていただいたと思います。 そこで、私の認識は地方分権の推進にかかわる全体のプロセスがかなりおくれおくれになってきているんじゃないか、あるいはだんだん日程的にせっぱ詰まってきているんじゃないかと思うんですね。御承知のように、地方分権推進法が定めている期限というのは平成十二年度だったというふうに思います。その十二年度までは少なくとも分権推進委員会はきちんと存続をして、具体的に施策の実施状況を監視し、その結果に基づいて内閣総理大臣に必要な意見を述べるという権限まで付与されているというふうに思います。 しかし、考えてみますと、この地方分権推進計画が出され、それに基づいてさまざまな必要とされる法改正がされる。必要とされる法改正は相当膨大な数に上ると思いますし、相当広範な範囲に及ぶんじゃないか。しかも、当然法律が改正されればその改正された法律に基づく施策の実施までにはこれまた一定の準備期間が要るというふうに思うんですね。そういうことを考えていきますと、ことしは平成十年でありますから、もう相当に地方分権推進にかかわるプロセス全体が余裕がなくなってきているというか、せっぱ詰まってきているんじゃないかという気がしてなりません。 そこで、改めて大臣にお伺いしますが、大臣は、先ほどのお答えと同じなんですが、所信においても今国会が終了するまでのできるだけ早い時期に地方分権推進計画を策定し、国会に報告するというふうに述べられておりますが、今国会も六月の上旬までということを考えますと、一体いつごろに出していただけるんだろうか、この辺について大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) できるだけ早い機会にというのは前々から申し上げておるわけでございますが、今国会が終了するまでにある程度の議論をいただく、この分権推進計画というものはそういうものも見据えて提出しなければならないのかな、こう思っております。 ただ、分権推進計画を進めていきます法律でございますが、少なくとも分権の作業をすべて終わるというまでの間に、すべてのものを国会で十分御審議をいただくという時間なしになし崩しでやるということは私はできないと。 それでは今国会で十分かと言われると、それは十分な時期にできるだけ出したいと思っておりますけれども、それがないとするならば次の国会でおやりいただくのか、それは国会の方針もございますし、政府・与党との国会運営上の問題もありましょうから、政府が先走っていろいろ言うわけにはまいりませんが、いずれにいたしましても、明治政府以来の縦に置いた中央集権の行政システム、国、都道府県、市町村という上下の関係から、横に置いた対等、協力の関係にこれを直して、しかも中央集権というシステムが通用しなくなった、問題があると指摘をされておるとおりでありますから、これを直すという大改革でございますから、これをいいかげんな、時間をかけずに審議するというわけにはまいらないだろう。 ですから、そういうふうに考えますと、この国会で十分の審議時間があるかというと、その点については、私どももこれはできるだけ早い機会とは思っていますが、この国会で足らないものが出てくるかもわからない。その点については慎重の上にも慎重に、分権推進計画を今作業中でございまして、昼夜を分かたず取り組んでおりますから、できるだけ早い時期にこれを出したいというのはそういう意味でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○朝日俊弘君 ただいまのお答えのように、私も今国会ですべて法改正を含めて十分に議論する時間が欲しいということを申し上げているわけじゃない、恐らく法改正に向けては来年の通常国会までにさまざまな段階があり得ると思いますから。ただ、せっかく地方分権推進計画を取りまとめられるとすれば、まず第一ラウンドの議論をできれば今国会である程度できるような時間的余裕を見込んでぜひ今国会中に推進計画を報告いただきたいなと強くこれは要望しておきたいと思います。 それでは、二つ目の大きなテーマに移ります。 一言で言えば、地方の借金の現状と今後どうしようとしているのかという点についてお尋ねをしたいと思います。 実は、つい先日地方財政白書が取りまとめられました。私もそれに目を通しながら改めて地方の借金の極めて深刻な状況を痛感させられたわけですが、そこでこの機会にもう一度地方自治体が抱える借金の現状について、つまり地方公共団体における地方債残高及び地方交付税特別会計等からの借入金総額等について、直近の数字も含めて最近の状況を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 先般、国会に報告をいたしました地方財政白書は平成八年度の地方財政の概況をお示ししたものでございまして、平成八年度末の地方財政の借入金残高は百三十九兆円というふうに白書で報告いたしております。その後平成九年度、平成十年度、これはまだ対策ベースでありますけれども、その二年間ございまして、平成十年度末というのを今の段階で見込みますと、交付税特別会計の借入金等すべて合わせまして平成十年度末では百五十六兆円となる見込みでございます。
○朝日俊弘君 今御説明あったように、平成八年度末では百三十九兆円、九年度ではそれが百四十九兆円、そして十年度では百五十六兆円になる見込み、こういうことで、現段階も徐々に借金の額はふえ続けている、こういう状況であります。 全体の状況はそういうことだと思いますが、もう一つそれぞれの自治体というか、地方公共団体のレベルで見ると相当にひどいというか、厳しいところもあるんじゃないかと思います。 そこで、例えば公債費負担比率あるいは起債制限比率等幾つかの指標があると思いますが、そういう指標で見た場合に全国の自治体の最近の傾向、特に借金のありようについてどのように推移してきているのか、その特徴的な傾向について、大づかみで結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 公債費負担比率あるいは起債制限比率、いずれも決算を打ちました段階の数字が一番近いものでございまして、今の地方債の残高、個別の地方団体の借入金もそうでありますが、特に平成三年度以降急増いたしておりますので、平成三年度と直近の決算でございます平成八年度の推移で申し上げますと、公債費負担比率、これは平成三年度が全国の平均が一〇・八でございましたものが平成八年度は一四・〇ということになっております。それから、起債制限比率は平成三年度が九・〇でございましたものが平成八年度が一〇・二というふうに、これはともに連続して数値が上昇いたしておりまして、地方財政の硬直化が進んでおるわけでございます。 また、個別の地方団体の状況でございますが、よく私どもは財政運営の指標として、先ほどのうち特に公債費負担比率というものを使いまして御説明することが多うございますが、いわゆる一般的に財政運営の警戒ラインと申しておりますのはこの公債費負担比率が一五%でございますが、一五%以上の団体が平成八年度決算で全団体の五〇・三%ということで、七年度決算のときは四五・〇でありましたから、全団体の五割をちょっと超えるところまで個別団体の財政状況についても厳しさが増しているというふうに承知いたしております。
○朝日俊弘君 徐々に厳しさを増しているという現状であります。 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、こういう地方公共団体における借金の現状あるいはその推移についてどのような御認識をお持ちなのか。そして、今後どういう対策をとっていこうとされているのか。その基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。その際、例えば国全体の平成十年度における経済成長がどうなるのかとか、あるいは関連して地方め税収の伸び率がどの程度になるのかということと大きくかかわると思うんですね。その辺も含めて大臣のお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方財政は厳しい状況にあることはもう御承知のとおりでございます。また、バブル期に国の補助事業等に合わせて単独事業等もどんどんふやしまして、そして対応してきた地方債の償還金が増額をしてくるわけでございまして、一兆円程度のものがさらにふえてくる。こうなりますと、三千三百の地方団体の財政状況はある意味では国よりかもっと厳しい状況にあると言わなければならない、こう思うんです。 それから、景気が非常に悪いわけでございまして、景気が悪いのは、地方はおくれながらもっと深刻な状況になっておるわけでございます。そうすると、そこに税収の伸びなどという期待はできない状況もこれはうかがえるわけでございますから、財源としての税収の伸びがなくなれば当然もっと、歳出はふえる、税収は期待できないということになれば、これはだれが考えても地方財政がさらに厳しくなるということはもう私が説明をするまでもないと思います。 そういうことを申し上げた上で申し上げますが、十年度末におきましては百五十六兆円に借入金め残高が達する、個別の地方団体におきましては公債費の負担が増嵩いたしまして財政もさらに硬直化するという厳しい状況にあると言わなければなりません。 こうした状況を踏まえまして、財政構造改革法に基づき国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しなどによりまして、交付税特別会計の借入金や財源対策債等の特例的な借入金の縮減、地方債の抑制に努めていかなければならない、このように考えておるわけでございます。 また一方では、毎年度の地方財政計画の策定に当たりまして、所要経費を的確に見込みますと同時に、所要の地方一般財源を確保いたしまして、自治省は何が何でも地方財政の運営に支障が生じないように対処していかなければならない役割が今後はさらに重くかかってくる、私はそう思っておるわけでございます。 税収の問題についても、先ほど申し上げましたように非常に心配をいたしておるわけでございまして、実質経済成長一・九%程度を見込んだ上での国税と合わせた地方税収というものを考えておるわけでございますが、対前年度比三・九%増の三十八兆四千七百五十二億円となっておるわけでございます。このような数字を置いておるわけでございますが、果たしてこの数字どおりにいくのかどうかということについては、私は自治大臣として大変心配をいたしておるわけでございます。 今後とも、経済の推移、地方税収の動向等に十分留意をいたしますとともに、地方財政の健全化に取り組んでまいらなければならない、極めて深刻な心配をしながら対応してまいらなければならない、このように考えております。
○朝日俊弘君 今のお答えを伺って、気持ちはかなり同じなのかなという気がしておりますが、実は政府が経済成長率を例えば一・九%と見込んでいる、ところが最近の民間のさまざまな研究機関が出した数字はその半分以下なんですね。ですから、政府全体が見込んでいる経済成長率、それを前提にいろいろこれからの返済計画をつくっていかざるを得ないという枠組みはわからないではないわけですが、どうも最近の経済の状況を見ますととてもそうならないんじゃないか。とすれば、もっと厳しい深刻な状況を地方財政は迎える可能性が十分あるんじゃないかという心配を私もしております。そういう点を留意しながら、今後の地方財政の健全なあり方について大臣の方でもぜひ御努力をいただきたいと思います。 さて、そのことと関連をいたしまして、来年度新たにというか再びといいますか、財政健全化債の発行という項目が盛り込まれております。お聞きしますと、同様の措置が昭和五十年代の前半にも実施されたということでございます。 そこで、その昭和五十年代前半の当時の状況あるいはその後の経過、そして今回再びその財政健全化債というものを発行する、こういう措置をとることになった経緯といいますか理由、さらに前回の措置と今回の措置と違いがあればその点も含めて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) いわゆる第一次オイルショックに端を発しまして五十年代の最初に地方財政危機がございました。そういう中で、それぞれの地方団体が計画的、自主的に財政の健全化を図るという際に、地方債の弾力的な許可をするということで五十年度に財政健全化債という仕組みを設けたわけでございます。 この仕組みで、昭和五十年度、五十一年度、五十二年度という最初の三年くらいにある程度集中的に取り組んだ団体がございましたけれども、最終的に健全化債というのがなくなりましたのは、昭和五十九年度を最後にしてその五十年代のものはなくなっております。主体は五十、五十一、五十二年度の三年間に取り組んだ団体が比較的多かったということでございます。 一方、現在は、先ほど来お話のございますように非常に財政の状況が厳しいわけでございまして、全般的な景気の停滞の中で地方税あるいは交付税の原資になります国税の伸び悩みがございます。一方で、公債費等の義務的経費の増嵩によりまして財政状況が一般的に悪化しておりますが、団体によっては特にその構造が悪くなっているという団体がございまして、そういうところの団体で、それぞれその団体ごとに今の行政水準を維持しながら健全化を実施していきますように、行政改革大綱に基づいて行財政の健全化を行って、将来にわたって財政の負担の軽減が見込まれるという場合に、その範囲内において資金面での支援をしようというのが今回の財政健全化債の考え方でございます。 基本的には五十年代のものと思想的に変わっておるということではございませんが、五十年代の最初のときには、いわゆる財政健全化計画というのを策定して健全化に取り組むということが行われております。当時は行革大綱というふうなものが一般的にはございませんでした。今回はそういうものがありますので、その行革大綱で健全化のいろんな取り組みを定めていただくということがあえて言えば五十年代のものと若干違っておりますけれども、基本的な考え方は同じようなものでございます。
○朝日俊弘君 新聞報道などでは、これは名前を挙げて恐縮なんですが、例えば岡山県であるとか大阪府であるとかがこの財政健全化債の申請をするように伺っているわけですが、自治省としてこの財政健全化債の発行を申請するであろうというふうに思われる自治体をどの程度見込んでおられるんでしょうか。 また、例えば財政状況から考えると同程度に厳しい状況である自治体が、一方はこの健全化債の発行を申請してくる、しかしもう一方ではその申請を見送るという自治体も出てくるのではないかと思いますが、そういう場合にはどのとうに対応されようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 十年度の各県の健全化債の予定でありますが、当初予算の段階で健全化債を計上いたしておりますということで私どもが承知いたしておりますのは、今お挙げになりました大阪府とか岡山県がそういう予定をしているということは承知いたしております。 そのほかにどの程度がこれから申請をされてくるかでありますけれども、これは各団体でそれぞれの財政状況の推移を見ながら最終的には十年度末に申請が出てくるものでございますので、今の大阪、岡山以外で全体でどのくらいの県になるかということは今の段階ではまだ把握いたしておりません。これからおいおいいろんな御相談があろうかというふうに思っております。 それからもう一つ、健全化債を出さないようなところはどうするんだろうかというお話でございますが、先ほど申しましたような趣旨でこの財政健全化債という仕組みを考えておるものでございまして、あくまでもこれはそれぞれの団体がみずからの財政状況を御判断いただいて、行革大綱等に基づいて将来の財政負担の軽減が見込めるというふうな範囲内で資金的な手当てをしようというものでありますので、いずれにしましても健全化にどうやって取り組んでいくかというのはあくまでも各団体の御判断であります。 したがって、この健全化債の申請につきましても、それぞれの財政状況を見ながら、あえてこの健全化債という仕組みをとらずに健全化していこうというところはそういう取り組みをしていただければ結構でございますし、またそこのところはそれぞれの最終的な判断で取り組んでいただければよろしいというふうに私どもとしては考えております。
○朝日俊弘君 考え方としては理解できます。両方の場合も含めて、きめ細かな配慮をぜひお願いしたいというふうに思います。 それじゃ、三つ目の課題に移りたいと思います。 昨年起こったナホトカ号の日本海重油流出事故との関連で、その後の対応がどのようにされているのかということでお伺いしたいと思います。 まず最初に、昨年一月三十日の地方行政委員会におきまして私もこの問題について質問をさせていただきました。特にそのときは年度末の特別交付税をどうするかという議論であったと思います。その際、大臣は明確に、地方公共団体に御迷惑をおかけすることはありませんということで、やるべきことがあればどんどんやってくださいというような趣旨の答弁がありました。 そこで、これは念のため確認をさせていただきたいんですが、この事故に直接かかわる地方公共団体がおおよそどの程度の経費を要して、そのうち特別交付税等で措置された分についてはおおよそどの程度であったのか、多分これは平成八年度、九年度両年度にわたるのではないかと思いますが、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) このナホトカ号の流出事故の関係の応急対策に要します諸経費につきましては、まず平成八年度でありますが、地方団体が負担をすることになりました油の回収経費とかあるいは現地対策本部の設置などに要しました経費は、私どもの方で調査し、関係の各県、市町村から出していただきました数値は八十四億円という数字でございました。このうち、運輸省の方から応急対策に係る交付金というのが二十億交付されておりますので、それを除きました額の八割相当額、約五十億円でありますが、これを特別交付税で措置いたしております。 それからもう一点。直接の関係団体ではなくて、資機材の提供とか応援の職員を派遣した団体がございます。そういうところへ総額約三億円の特別交付税の措置をいたしておりますので、平成八年度の特別交付税では合計で五十三億円を措置したということでございます。 それから、九年度に一部またがっておりまして、油の除去とか回収経費、環境対策経費あるいは風評被害対策経費といったようなものがかかっておりまして、これにつきましても各県に照会をいたしました数字の八割相当額、約十億円になりますが、九年度におきましてはこの約十億円を特別交付税で措置したということでございます。
○朝日俊弘君 思ったより割と額が少ないんであれなんですが、少なくとも必要な額については相当の対応をされているというふうに思います。 そこで、こうした油流出事故の被害というのは、その直後の応急処置にとどまらず、場合によっては今後相当長期間にわたって自然、生態系に及ぼす影響が残るということも考えておかねばなりませんし、ましてやナホトカ号の場合は、私の知る限りでは本体の大部分がまだ深い海の底に沈んでいる、こういうことでありますから、一層今後の監視体制というのが重要ではないかというふうに思います。 このナホトカ号の油流出事故にかかわる今後の監視体制については一体どこがどのような責任を持って行っていくんでしょうか。確認のためにお尋ねしたいと思います。
○政府委員(長光正純君) お答え申し上げます。 まず現在のナホトカ号の船尾部の監視でございますけれども、これは水中に没しておりますけれども、私ども海上保安庁の航空機等によりまして定期的な監視を行い、その状況等を関係の自治体等にも情報提供しておる状況であります。 なお、この流出油でございますけれども、当初は幅約二百メートル、長さ十キロメートルにわたる帯状の薄い油膜状態で浮遊しておりまして、末端に行くに従いまして拡散消滅しているような状況でございましたが、現在では幅にして約数百メートルから三百メートル、状況等によって相当な幅の違いがございますが、長さにして百メートルから一キロメートルの範囲で薄い油膜で点在をしておるという状況でございまして、これも周囲は拡散消滅しているような状況にございます。 先ほどお尋ねがございました今後の監視でございますけれども、私ども海上保安庁といたしましては、引き続き必要な監視を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 お聞きしますと、事故直後よりは徐々に状態は改善されてきていると思いますが、しかしなお安心できる状態ではないことは今の御説明でもはっきりわかるわけですので、多分海の上からどうなっているかということを見ていくのは海上保安庁さんの主たる仕事だと思いますし、関係部局ともあるいは関係省庁とも十分連携をとって、もし万が一この油の流出が急にまたふえてくるような事態があれば早急な対応ができるような取り組みをぜひお願いしたいと思います。 そこで、このような事故があって以降の今後の対応について、時間が余りありませんのでちょっとお尋ねしたいと思います。 お聞きしますと、その事故の直後、運輸省としては、運輸技術審議会流出油防除体制総合検討委員会というところでいろいろ総合的な検討をされたというふうにお聞きしております。しかも、その検討結果を踏まえた上で、平成九年度の補正予算及び来年度の予算案の中に一定の施策を盛り込んでいるというふうにお聞きしました。検討委員会の報告の結果についてはちょっと時間がありませんので省略をしますが、具体的にどういう予算を計上されたのか、対応策の概要についてぜひお聞きしたいと思いますし、できれば、そのうちの主な施策がいつから実際に動くのかという点についてもあわせてお聞かせいただければと思います。
○政府委員(長光正純君) 施策の反映状況でございますが、まず、海上保安庁の関係では、平成九年度の補正予算及び平成十年度、現在審議をいただいている予算でございますが、この予算の中におきまして、外洋においても対応可能な大型の油回収装置の整備、これを初めといたしまして、大規模流出油事故に対応すべく必要な資機材の整備を図っているところでございます。なお、これらの大型油回収装置等の外国から調達する資機材につきましては、ことしの秋納入の予定ということで現在整備を進めております。 また、これは運輸省港湾局の関係になりますけれども、平成十年度予算におきまして、平成十二年度の竣工を目途とした新たな大型のしゅんせつ兼油回収船の整備のための予算が計上されているというふうに承知しているところでございます。 さらに、同じく平成十年度の予算案におきましては、私ども海上保安庁の油防除等の専門家でございます機動防除隊の増強をあわせてお願いしておる状況でございます。
○朝日俊弘君 時間の関係もあって、今主な施策について御説明をいただいたわけですが、お聞きしますと、大型のしゅんせつ船を改造して油回収もできるようにするのは二、三年先になると。しかし、当面のさまざまな設備については今年度の秋ごろにはというお話です。 そういう対応策をとられて、どうなんでしょうか、ちょっと実感としてはぴんとこないんですが、少なくともこれまでのような、ちょうど昨年日本海でああいう事故が起こったときに随分対応がおくれましたよね。どんどん油が流れるということについて大変多くの批判、不満があったわけですが、今回、平成九年度補正あるいは来年度予算の中で一定の施策で対応するということで、日本の周りは全部海なわけですから、全部が全部ということにはならぬかと思いますが、少なくともほぼ日本の周りにおいて迅速かつ的確な対応ができるのだろうかどうだろうか、ちょっと心配な点もあるので、その点をお尋ねして、終わりたいと思います。
○政府委員(長光正純君) 先ほども資機材等の整備の推進状況について御説明申し上げたところでございますが、そういった体制の整備に加えてと申しますか、そのほかにナホトカ号の事故を踏まえまして、政府全体として、昨年の六月でございますけれども、防災基本計画の見直しを行っております。さらには、昨年十二月には油流出事故に対するいわゆる国家的緊急時計画、これを全面的に改定しておりまして、関係地方公共団体を含む関係行政機関等の具体的な役割分担、さらには連携の強化について改めて明確にしたところでございます。 私ども海上保安庁といたしましても、こういった関係機関との連携を十分に図りながら、私どもの所持しております艦艇、航空機あるいは資機材等により的確に対応を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 どうもありがとうございました。
○白浜一良君 質問に入る前に、委員長にちょっとお願い申し上げたいことがございます。 理事の皆さんもいらっしゃるのに私、僭越でございますが、私も国会に来ていろいろな委員会に所属しておりますが、地行は初めてでございますが、これほど与党の皆さんの出席が悪い委員会はないと思います。こんな古い話はしたくございませんが、五五年型でいいましたら今ごろ委員会は開けておりません。やはり委員会運営は与党の皆さんが襟度を示して健全な運営をすべきだ、私は国会に来てそのように先輩からも学びましたし、私もそういう認識を持っております。委員長におかれましても、健全な委員会運営を、理事の皆さんがいらっしゃるのに本当に申しわけございませんが、所感として、きちっとやっていただきたい、私このことを御要請しておきたいと思います。
○委員長(藁科滿治君) ごもっともな御意見でもありますので、私としても十分留意しながら今後対応していきたい、このように考えております。
○白浜一良君 それでは質問に移りたいと思いますが、まず警察関係につきまして御質問をしたいと思います。 日本の警察というのは国民の信頼もございますし、先進諸国と比べましても治安もいいという面では大変すぐれているということは私も十分承知しておりますが、その上で今後の警察行政のあり方という点でちょっと一、二点お伺いをしたいと思います。 まず、その一つは、三月三十一日に滋賀県公文書公開審査会というところで、いわゆる警察文書の全面非公開を認めない、一部は公開せよと、具体的な事例でございますが、そういう判断が下されたと、こういう報道がされておりましたが、当局におかれましてはこの事実をどのように御認識されておりますか。
○国務大臣(上杉光弘君) ただいま御指摘の点の滋賀県公文書公開審査会は滋賀県の公式な機関でございまして、同審査会における経緯とその答申の内容についてはお答えをする立場にはございませんが、本国会に提出されておりますいわゆる情報公開法におきましては、国家公安委員会を同法第二条第一項の行政機関とし、次のように示しておるわけでございます。「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」等については不開示情報としておるわけでございます。 なお、各都道府県の条例において、どの機関をいわゆる実施機関とするかにつきましては各都道府県において判断をされるべき事項と考えておりますが、都道府県警察が情報公開条例の実施機関とされる場合には、警察業務を進めるに当たりまして支障がないように、そういうことの起こらないような制度とされることが必要と、このように考えておるところでございます。
○白浜一良君 原則論はそういうことになるんでしょう。私もよく理解します。犯罪の予防等々に支障があってはいけないと。 それは当然そうなんですが、ちょっと事実関係としてこの滋賀県の事例、個別の懇談会費の支出額、支払先、旅費の支払先を明らかにするように答申したと、こういうことが書かれているんです。こういうことに関しましては、これはそうだろうというふうに当局としては、事務方で結構ですから、御認識はされているわけですか。
○政府委員(金重凱之君) お答えいたします。 これは平成八年十月十五日に滋賀県の市民オンブズマンの方から、今御質問ありましたように県警の総務課の旅費、懇談会費の支出に関する一切の資料、これを開示するようにということでの請求があったものでございまして、それに対して支部局の方で非公開ということがございましたので、平成八年十一月に不服申し立てが出たということでございます。それで、十二月にこれを滋賀県の知事の諮問機関であります滋賀県公文書公開審査会、ここに諮問いたしまして、答申が三月三十一日に出たという経緯がございます。答申の中身につきましても、今先生御指摘のようなことでございました。 それで、先ほど国家公安委員長の方から御答弁させていただきましたように、審査会自体は滋賀県の知事の諮問機関でございまして、そこでの答申の内容等について私どもとしてはお答えする立場にはないというふうに思っております。しかし、今後の問題としまして、一般論として、各都道府県の条例についてどの機関をいわゆる実施機関にするか、こういうようなことについては各都道府県で判断すべき事項であろうというふうに思っておりますし、その際に私どもの警察業務の遂行に支障がないような制度にしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○白浜一良君 慎重な言い回しで結構でございます。結構なんですが、その結構な分だけわかりずらい。 先ほど公安委員長がおっしゃったように、全体的にこの情報公開の流れというのは、先ほど私が言いましたけれども、やっぱり行政に対する国民の信頼性という意味で時代の流れなんです。 そういう意味で、各県警の健全な執行という面では、それはそれできちっとされるでしょう。それはそれでいいんですが、警察庁として各県警の情報公開に対する一定程度のガイドラインと申しますか、捜査に支障を来すとか、犯罪の予防に支障を来すとか、そういうことはよくわかります。そういうことは公開できないと。よくわかりますが、国民の信頼性を確保するという観点からある一定程度のガイドラインを、こういうことはきちっと公開しなさいよと、そういうアドバイスをされてしかるべきじゃないでしょうか。
○政府委員(金重凱之君) 今回政府の方で出しております情報公開法の法律案の四十条の方にも「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」、こういうようなことで書いてございますので、都道府県警察の保有する情報の公開制度につきましてはその自治体においで判断されるべき事柄であろうというふうに思いますが、国の情報公開法が制定されました場合には、その趣旨にのっとりまして行われるということが望まれているものというふうに承知いたしております。
○白浜一良君 これ以上言ってもそれ以上答えはないと思いますのでこれでやめますが、時代の流れで、国民の信頼性という、日本は大変警察に対する信頼感は強いわけです。強いから治安が維持されているわけでございまして、そういう意味からも、健全な形での情報公開の流れにしかるべき措置をとっていただきたいと要望しておきたいと思います。 それから、これは昨日報道されたことなんですが、いわゆる警察に対する信頼性という関連からちょっとお聞きしたいんです。日本交通管制技術グループが東京国税局から税法違反の疑いで強制捜査を受けている、こういう報道がされておりましたが、この関係はどのように認識されておりますか。
○政府委員(玉造敏夫君) いわゆる日交管、あるいは日交管グループというふうに私ども呼んでおりますが、この所得隠しの疑いということにつきましては、報道されておる限度で承知しております。
○白浜一良君 所得隠しの事実関係はまだわからないわけですな。そういう所得隠しで国税局が入ったというふうな報道を知っていらっしゃるというだけですか。
○政府委員(玉造敏夫君) この所得隠し云々につきましては、そのとおりでございます。
○白浜一良君 それで、これは事実関係でそこまでの事実認識でございましたら、それ以上の具体的な事実関係を承知されていないということでしょうから大変伺いにくいんですが、私、一方的に言いますわ。答えられる分だけ言ってください。 報道によりますと、三つ問題があるんですね。一つは、これは信号機とかを施工管理されている会社ですか、大変交通行政と関連がある大事な仕事ですよ。そういう民間会社に警察からいろいろ幹部社員として天下りをされていると。私は天下りがすべて悪いという意味で言っているのしゃないですよ。事実関係を言っているわけです。そういう会社が所得隠しの疑惑を持たれているという、ここの関係ですね、素朴に国民から見ればそういう疑問になるということを私申し上げているわけでございます。これが一つ。 それから、これは警察当局としても検討されているのかどうか知りませんが、今までは随意契約だと、これはちょっとまずいのと違うかと。やっぱりできるだけ公平性という観点から一般競争入札的な流れをくんでいくべきと違うかという、そういうお考えも当局にあるかと。これが二つ。 それから三つ目は、いわゆるその委託の方法や施工管理のチェック体制ですね、そういうことにも問題があったのかなかったのか、こういうことが言われているわけです。 私、今三つ問題を申し上げましたが、答えられる範囲で答えていただけますか。
○政府委員(玉造敏夫君) 三点の御質問でございますが、逐次申し上げます。 確かに、この日交管グループにOBが数県におきまして再就職しております。これは、在職中に培われました知識あるいは経験を生かして、再就職先の健全な業務運営に貢献できるというふうに企業側が判断して就職を請われたものではございますが、確かに御指摘のとおり、警察のOBが入っているということ自体が国民に与える印象というのはもちろんあると思います。その意味で疑惑を持たれるということであれば、極めて遺憾であるというふうに考えます。 第二点の随意契約の話でございますが、この会社あるいはこの会社のグループとの契約状況について申し上げますと、八県におきまして各県がこの会社及びそのグループに対しまして保守管理の委託をしております。あと二県におきまして、二部県でございますが、下請で入っております。 こういう信号機等の保守管理の業務といいますのは、一つは今、信号機あるいは管制の施設がエレクトロニクスの塊みたいになっちゃっているものですから、かなり専門的な知識を保守管理といえども要するということが一つ。それともう一つは、二十四時間体制で対応していただかなければ困るということがございまして、現実に各県に行きますと、これに対応できる会社というのが極めて限られてくるというような問題点がございます。 その結果といたしまして、随意契約がどうしても多くなってしまうわけでございますが、一方で、やはり契約の透明性というものの確保、オープン化というのは極めて大事な要請としてあるわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、各種会議等々におきまして、まず契約の種別につきましてできる限り競争入札に改める、もっと言いますれば、競争入札に手を挙げてくれる企業をなるべく開拓、あるいはお願いしてでもそういう方向に改めるということで進めております。 もう一つは、第三点にかかわることでございますけれども、そもそもそのような場合であっても、さらに信号機等々安全施設の種別あるいは設置の区域、これによって分けられるのじゃないかと。こういうものだったらできるというところは当然あり得るわけでございますので、そういう分離を図るという両面で今、県警を強力に指導しているところでございます。 それを受けまして、各県で、昨日の報道にもございましたけれども、一つは随契を入札に改める、あるいは分離発注を行うという方向で進めておりまして、先ほども申し上げました八県のうちで七県においては既にその方向で現実に進めております。実際にそうしておるところでございます。 ただ、何分にも問題なのは、最初にも申し上げましたけれども、二十四時間対応して一定の専門性を有するということになりますと、受け皿がないというネックがございます。その点につきまして、これは繰り返しになりますけれども、先ほども申し上げましたように、強力にそういう手を挙げてくれるところを今開拓しつつあるというところでございます。それを通じてチェックを働かせるというふうに考えております。 以上でございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 今の答弁では満足しないと思うんです。 私から申し上げますが、脱税の疑いがあって査察が入っておる、そして警察OBがそこへ天下っておる。これだけでも国民の目というのは非常に厳しいものがある。しかも、交通安全の中でその実績等を聞いてみますと、信号機が果たしておる役割は極めて重要なんです。そこへきて独占的に当企業がそういうものを維持管理していた。これは警察OBが天下っておるわけですから癒着がある企業じゃないのかと、こう疑われても仕方がない、しかも脱税でそれが疑いをかけられて今調べられておるということになれば、なおさらのことでございます。 私はそういう意味で、今事務当局から説明をいたしましたが、警察庁としては、これらの契約や仕事をしてもらうということについては、委託業務がいいかどうかというのは、これは当然内部も検討しておると思いますけれども、十分これは検討をさせたい、こう思っております。 警察だけが委託でいいということにはならない、天下っておるからそれでいいということには私はならない、こう思っているんです。しかも交通安全については極めて重要な役割を果たしておる信号機でございますから、これが十分機能し効果をあらわすような対応というものはしていかなければならないわけでございまして、こういう一つの仕事というのもいろいろ分業的なものもあると思いますから、これは十分チェックをさせまして、今後国民からいささかの疑いもないように対応してまいらなければならないと、私自身そのように受けとめておるところでございます。
○白浜一良君 公安委員長にそこまで言われましたらもう次やめます。 いずれにしても、大事なお仕事なんで、全体が信頼性を失っているわけしゃない、ごく一部のそういう問題が起こると、そういう交通行政とか国民の信頼性とかいうことが全部揺らいでくるから、大事な部門だからその辺は慎重であってほしい、あるべきだという意味で私は御質問申し上げているわけで、今、国家公安委員長の方からきちっとやるということでございますから、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それで、そういう国民の信頼性という意味からもう一点だけお伺いしたいと思うんですが、風営法の改正案審議、次回されるでしょう。そのいわゆる風営法の改正の、きょうは一つだけ問題をちょっと議論したいと思うんです。 国民の信頼性という面でいうと、どこが一番ネックになっているかといいますと、確かにインターネットなんかの通信で悪質な、有害なそういう映像が送られてそれを見ることができる、それを防止しなきゃならないという問題がある。しかし一方で、通信というのはいわゆる検閲を受けてはならない、表現の自由の絡みもあるわけで、ここをどう整理するかということが一番難しい問題なんです。 それで、ちょっときょうは基本的な考えだけ伺って、議論は次の法案審査のときにいきますから、基本的な見解だけ伺いたいと思います。 郵政省に来ていただいていると思いますが、郵政省における電気通信事業のあり方という、今までいろんな研究がされておりますが、そういう意味では、インターネットを使った情報の流通というものは基本的に法の規制を受ける必要はない、こういうふうな見解だと思いますが、ちょっとその辺の基本的な考えを述べてください。
○説明員(千葉吉弘君) 先生今御指摘ありました今国の風営法改正案でございますが、インターネット等の電気通信を利用しましてアダルト映像、こういったものを送信する営業の規制、あるいはプロバイダーの責任に関する規定が設けられているところでございます。 ただいま御指摘ありましたような考え方でございますが、我々としましては、最近のインターネット、これが非常に爆発的に普及している。これに伴いまして利用者の利便性というのは非常に向上している。そういった反面、このインターネット上では、先生御指摘ありましたようなわいせつ情報を初めとしたさまざまな違法、有害、こういった情報の流通が社会問題化しております。これにつきましては、青少年保護、あるいは電気通信利用の適正化、そういった観点から何らかの措置を講ずることが必要ではないかというふうに認識いたしております。 このため、郵政省としましても、何回かに分けまして研究会を開催しまして、ルールのあり方、特に情報通信の関係でございますので、その流通のあり方につきましての検討を行ってきたところでございます。 しかしながら、こういった分野の規制につきましては、規制の必要性といったものと、それから自由な情報の流通、この両者のバランスをいかに図るかということが重要ではないかというふうに認識いたしております。 こういった観点から、今回の改正案につきましては、インターネットの健全な発展を阻害しないこと、あるいはプロバイダーに過度の負担を課すことがない、そういったもので円滑な提供を阻害しない、そういった観点から電気通信の利用者あるいは電気通信事業者の立場への一定の配慮が必要というふうに考えまして、警察庁さんの方と調整を進めてきたところでございます。 以上でございます。
○白浜一良君 修飾が多いから何かわからぬけれども。 要するに、昨年め十二月、それから一昨年の十二月にもこの研究会が答申をされています。それでは、表現の自由の観点から法的規制の必要はないという主張をされているわけですが、これは郵政の中でいろいろインターネットの情報通信のあり方を研究されてきてそういう結論になったと。それは今回の風営法の改正の中で、いわゆる努力義務とはいえ、奏するに一定程度の放送防止というそういう概念を導入されていると。それは今まで研究されてきたことに抵触しないんですか。その範囲の中だから法律になっているんだろうけれども、これは十分研究されてきた成果と整合性があるわけですか。
○説明員(千葉吉弘君) お答えいたします。――先ほど申し上げましたように、規制の必要性それから表現の自由に絡む問題でございますので、その自由な情報の流通、この両者のバランスを図ることが重要だという提言をいただいたと我々認識しております。 今回の改正法案につきましては、プロバイダーの規制の関係でございますが、青少年保護等の観点から、既に刑法で違法であるというわいせつな映像のはんらんに対しまして、プロバイダーにつきましても必要最小限の責務を果たしてもらうと。この辺は報告書の中でもうたわれております、社会的責任という観点から。そういった趣旨でございまして、プロバイダーに過大な負担を課すものではないという点が一点でございます。 また、そういった意味では、インターネット上の表現の自由を不当に制約するというものではないというふうに考えておりまして、従来の方針と矛盾するものではないというふうに理解しております。 以上です。
○政府委員(泉幸伸君) 私どもが御提案申し上げています風適法の改正に関することでございますので、一言御説明させていただきます。 御案内のとおり、今回の法改正では、従来店舗を設けて行われました映像に対する規制、これは主として青少年に対する悪影響を防止するという観点で行われておりました規制を無店舗型のものにも広げようという趣旨でございまして、その過程で、今御質問のインターネットを通じて映像を提供するというものについて、映像提供者に対する規制及びプロバイダーに関する努力義務の規定を設けております。映像を提供することを業とする者については、性的好奇心をそそるため云々の、そういう情報についての規制を行っております。この規制の概念は、従前店舗を設けて行っておりました青少年に対する悪影響を防止するために必要な規制と同様の概念でございまして、従前と広がるものではございません。 それから、あわせてプロバイダーに対して努力義務を設けておりますが、これにつきましては、そのような概念とはさらに狭く、わいせつな情報ということに限定して、しかもプロバイダーについてはそれに関する努力義務のみを設けるというような規定にしておりますので、御質問の趣旨であろうと拝察いたしますが、通信の自由その他についての影響というのは必要最小限におさまっているというふうに考えております。
○白浜一良君 きょうはこれ以上議論するつもりはございません。いわゆるこの警察の大事な治安を守っていただくお仕事に対して、国民の信頼性が一番基本だという意味で、ちょっと幾つか問題提起をさせていただいただけです。 ただ、郵政の見解と今局長のお話がございましたが、整合されているということでございますが、郵政でこういうインターネットの通信のあり方というような研究をされてきた、その中で大事にされてきたことと、本当に今回の法改正、きちっと内容的にどうかということで大変議論があるところでございまして、これは法案審査の中で今後議論をしていただくというところで、きょうはこの問題を終わりたいと思います。 それから、問題が変わりまして、地方債のことでちょっとお伺いしたいんですが、もう地方債も、起債がだんだんふえて、もう安全ラインの一五%を突破するような実態があちこちあるわけでございますが、そういう中で、いわゆる金利が非常に高いときに債券を発行しているのがあって、それを安い金利に借りかえようと。当然な努力だと思いますが、いわゆる固有の金融機関、自治体と関係のある金融機関にはそういう借りかえができているというふうに伺っております。一般的に言われる縁故債と言うんですか、もう義理の深い銀行とはできている、こういうふうに伺っておりますし、一部報道もされておりますが、これは全国の自治体の中でどのくらいの金額と件数があるんでしょうか、実際借りかえたというのは。
○政府委員(二橋正弘君) 直近の平成八年度の実績で申し上げますと、私ども把握いたしておりますのは都道府県、政令市でありますが、具体的には十の都道府県で二百六十億円を繰り上げ償還したというふうに承知いたしております。
○白浜一良君 これは民間の金融機関との関係ですから、お互いが了解すればいい話ですね。ところが、大きいのは資金運用部から借りているものですね、これが大変金利が高いものがございまして、これは大蔵的に言うと、それは全然できないと。当然そうですわね、これ。当然そうなんですが、だけども一方で破綻した林野事業とか国鉄債務というのは、どん詰まったらそうせないかぬと、こういうことになるわけです。 そういうふうな実態を見れば、地方自治体だけがこの借りかえを一般論として大蔵省から拒否されているという、これはしかし、自治省の立場から言うとどのように認識されているんですか。
○政府委員(二橋正弘君) 地方団体の側に資金運用部資金についての繰り上げ償還の要望があるということは、私どもも十分に承知をいたしております。いろんな機会に地方団体の方からそういう要請を私どもも受けております。 ただ、資金運用部資金といいますのは、民間の資金と違いまして、長期の資金を地方団体に安定的に供給するという機能を持っているのが特性でございます。したがいまして、これに一般的に繰り上げ償還を認めるということになりますと、こういった政府資金の性格からいたしまして、長期安定した資金を供給するということができなくなるわけでございまして、そういう意味では一般的にこの繰り上げ償還というのはなかなか難しいというのは、この資金の性格からも来るんだと私どもも考えております。 ただ、そうは申しましても、地方団体の方もそういう希望があちこちであるということを私どもも承知いたしておりまして、個々の団体で繰り上げ償還の必要性が極めて高い事情があるようなケースにつきましては、私どもも事情に応じて国庫当局とも協議していきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 前半の一般論はもうそのとおりで、大蔵省の見解もよくわかるし、それを崩すとめちゃめちゃになりますからね、それはわかるんです。 私が聞きたかったのは後半部分のところで、一番最後のところ。要するに、国鉄も林野事業もそういうふうになったわけでしょう。だから自治体も、私も大阪に住んでいますが、大阪府の府政も財政は大変厳しいというふうに私も伺っておりますが、谷川元副知事、やっぱり一定の、ただ起債率が一五%という一般的に今まで言われている率があるでしょう。それはそれとして、例えばそういう起債率のあり方とか、率がどのくらいかという基準もあるでしょう。それから、それに伴って自治体としての健全な再建策をきちっと組み立てる、何か一定の基準にあるところは大蔵の財政当局も認めるべきだと、私はそういう主張をされた方がいいんじゃないかというように思うわけでございます。 財投の基本的な、原則的な運用だけで世の中すべて回ったらいいんですよ。ただ、借金がどんとでかいところは何とかせないかぬということで、国鉄とか林野庁とかそういうふうになるわけで、その辺は自治省から積極的なプランをつくって財政当局とも話し合いをされてはどうか、そういう意味で私は申し上げているわけでございますが、お考えはいかがなものでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 基本的に財投の資金の特性というのがございまして、そういう前提を御承知の上で委員もお尋ねでございまして、私どももそういうことも踏まえた上で、地方団体の方からそういう要望が非常に強いという問題意識を持って、これからも国庫当局との対応、協議は続けてまいりたいというふうに考えております。
○白浜一良君 それ以上は言えないんでしょう。ただし、これ本当に地方の財政も大変なところがいろいろ出てくると思われます。ですから、その辺はより具体的により健全化を目指して自治省がリーダーシップをとっていただいて、しかるべき対応をしてほしい、そういう意味で今申し上げているわけでございます。 それから、次の問題をやりたいと思いますが、ダイオキシン対策ということで、今回、特別交付税の枠をつくられたと、そのように伺っておりますが、大変国民の関心も深い有害物質だということなんですが、厚生省、来ていただいていますか。 このダイオキシン問題で、いろんな対策がございますが、いわゆる自治体の焼却炉のあり方という観点だけでちょっと言ってくれますか。
○説明員(入江登志男君) ダイオキシン対策でございますが、市町村が設置しますごみ焼却施設につきまして補助をしておりまして、私どもの方で九年度から、特にダイオキシン対策の、改造とか新設についての補助をしてございます。
○白浜一良君 ちょっと説明不足やな。
○説明員(入江登志男君) じゃ、もう一度。
○白浜一良君 もういいわ、時間がないんで。 それで、一部報道されているように、ダイオキシンの発生を抑えるためには大型炉がいいということで指導されている。一部報道によりますと、それは一日二十四時間フル稼働で、処理能力は日量百トン以上、可能な限り三百トン以上というふうに具体的な数字を出されていて、それで、そういう百トン未満の焼却炉は来年度から国庫補助の対象外にする案を検討中という報道がされているんですが、この辺のちょっと事実関係だけ言ってください。
○説明員(入江登志男君) そのとおりでございまして、十年度から、今年度からでございますが、百トン以上の全連続式の焼却施設を国庫補助の対象にしていきたいというふうに考えてございます。これは離島とか沖縄については別でございますが、そのほかのところにつきましては今のような考え方で進めていきたいと思っております。
○白浜一良君 そういう大型の焼却炉をつくるという、ダイオキシン対策としてはよくわかるんですが、今度は自治体の方から見ますと、そんな大型の焼却炉だけをどんどんつくれるという環境にもないわけで、これは自治省の立場でいうとどのように認識をされているんでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) この国庫補助金を百トン以上のものを対象にしていくというのは、地方分権推進委員会の勧告でも、補助金はできるだけ重点化をすべきであるというふうな勧告が出されておりまして、そういう趣旨から重点化をして大きなものに補助対象を限定していく。 しかし、そうはいっても、実際には地理的な条件でございますとかいろんな社会的条件でそこまで大きなものに集約できないということは当然あるわけでございます。百トン未満のものについてそれではダイオキシンの規制上問題があるかといいますと、これはこれでまた基準が定められておりますから、それに対してはその基準をクリアするような建設を行っていかなくちゃいけないというケースは当然あるわけでございます。 したがいまして、私どもの立場といたしましては、百トン未満のものにつきましても地方財政措置を単独事業としてとる必要がございまして、これにつきましては、国庫補助事業に対します財政措置との均衡を考慮して適切な財政措置を講じて、そういう百トン未満のものについても適正処理が進んでいくということを私どもとしては支援していきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 もう時間がないので最後にいたしますが、今おっしゃったことがこの特別交付税の臨時枠新設という、その概念に当てはまるのでしょうか。それを伺って、あと大臣、せっかくでございますので、地方の焼却炉のあり方という点で最後にお話を伺って、終わりたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今の焼却炉の話につきましては、これはいわゆるハードの事業でございまして、施設をつくる場合の地方財政措置を、そういうことで十年度から補助金が重点化されることに伴いまして財政措置を講じようというものでございます。 特別交付税は九年度でございまして、いろんな排出濃度基準が定められましたほか、文部省で学校のごみ焼却炉の使用中止というふうな方針も出されたりいたしまして、地方団体が九年度において緊急に取り組む必要が出てきたこのダイオキシン対策で、ダイオキシンの排出濃度の測定費でございますとか、あるいは周辺の環境調査経費でございますとか学校ごみの処理委託経費といった、いわばソフトの経費を九年度の特別交付税において措置したということでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 厚生省におきましてダイオキシン対策として百トン以上ということにいたしましたのは、これは当然行政として措置しなければならなかったことだと思います。ただ、大型化したことで、じゃ、それ以下はどうなるのか、それをつくろうとしたときにはどうするのか、こういう問題が出てこようと思います。いずれにいたしましても、排出濃度の基準が法定化されたことでありますから、これらの問題については、百トン未満の施設を建設せざるを得ない、そういう場合でもこれは適用され、当該百トン未満の施設であろうともこの基準を満たす必要があるのではないか、このように考えておるわけでございます。 そうなりますと、地方財政上の対応というものも、これは当然支障のないように、ダイオキシン対策も含めた地方におけるちりやごみの処理に支障を来さないように、地方財政としても十分対応していかなければいけないものと、このように考えております。
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺です。午前中、十分間しか時間がないものですから。 私も国会に出てまいりまして約十年間この地方行政委員会で毎回やってまいっております。やはり委員会全体もそうですが、地方財政が逼迫をしておる、こういう中で特に超過負担問題を含めて解消してもらいたいということを毎年毎年実は主張してまいりました。 きょうは、特に地方財政措置の申し入れ関係ということで、これは毎年自治省が事務次官名で予算編成に向けて、各省庁の事務次官に国の概算要求に際しての留意または改善すべき事項についてということで毎年七月に文書をもって要請をしておりますから、この点について中心的にこれからお伺いをしていきたいと思っております。 これは、地方財政が大変厳しい状況に直面をしておる今日において、地方自治体の自主性、自立性を強化し、国と地方の適正な財政秩序の確立を図っていく上からも大変重要な問題であるというような点で、先ほど申し上げましたように、この申し入れについて伺ってみたいと思います。 毎年度の各省庁への要請事項の内容を私なりに過去にさかのぼって調べてみました。項目が大変多岐にわたっておりますので、きょうはわかりやすくするために例えば九年度の申し入れ事項と比較してみましたが、十年度の共通事項として、地方分権推進委員会の勧告や財政構造改革の影響等を受けて新規に「国・地方を通ずる歳出の抑制等」が追加をされたほかは、個別事項では厚生省、運輸省でそれぞれ二項目、通産、建設、郵政省でそれぞれ一項目ずつ落ちております。新たについたのが林野庁と運輸省で一項目ずつ追加をされておりまして、全体として要請内容も状況の変化に対応して若干の手直しをしたところもありますが、ほとんど同じ内容になっているというふうに私自身は思うわけです。 共通の要請事項の中で、国庫補助負担金の整理合理化の推進や超過負担の解消などの項目は、国と地方の基本にかかわる問題であって、去年も申し上げましたが、古くて新しい問題でもあるので絶えずその要請を行っていくのは当然だと思います。 そこで、個別要請事項でも実現あるいは改善された結果、その項目がなくなったり、また新たな事態のもとで新たな項目が新設をされるということもあるというふうに、そういう理解に立って、以下二点ほど伺いたいと思うんです。 一点目は、大変広範多岐にわたる問題項目の中からどのような視点で要請項目を選んでおるのか、これが第一点です。それから二点目に、要請した結果、例えば十年度予算ではどういうふうな部分が生かされたのか、最近では特徴的な事項としてどういう部分が改善をされたのか。この二点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 最初のどういう視点で要望する項目を選んでいるのかということでございますが、基本的に私どもは平素から地方団体からいろんな意見をお聞きいたしております。そういったようなものをベースにいたしまして、国、地方を通じた行財政の簡素効率化を推進する観点が一つ、それから地方団体の自主性、自立性を強化するという観点がもう一つ、それから特に国と地方の財政秩序の確立ということ、そういった視点を基本に置いて項目を選んで各省庁に申し入れを行っているところでございます。 十年度でどういうことになったかということでございますが、平成十年度の概算要求に関して要請、要望いたしました事項で、例えば廃棄物処理施設整備事業、これも先ほども話に出ておりました重点化ということを行ったものでございます。そのときにあわせて、これは地方の側から見ますと廃棄物について定額ということに近年なっておりまして、これは本来の筋は定率でなくてはいけないということで何年かにわたって厚生省、大蔵省に要望し、またいろいろ協議してきておったものでございますが、これが平成十年度から定率制に戻るということになりましたことと、あるいは補助対象範囲を明確化すべきだと言っておりましたことが重点化されますとともに明確化されたといったようなことが一つ挙げられます。 それからまた、老人保健事業の健康診査費につきましては、これは補助単価の問題でございますが、負担単価の話でありますが、これを実態に即して設定すべきであるという要請をいたしておりましたが、十年度の国庫負担単価にそれが反映されて改善をされております。 これまでも、例えば国が地方団体から無償で借り上げておりました施設が順次有償化されましたこととか、それからこれは平成九年度において実現した話でございますが、国民健康保険の保険基盤安定制度について、定額でありましたものを十一年度から定率に復元するといったようなこと、それから介護保険の制度化に当たって、これも地方団体の非常に関心の強うございました保険料の未納対策としての財政安定化基金の設置とか、あるいは要介護認定事務の広域化等、これが講じられることになったといったことが例として改善されたものとして挙げることができようかと思います。
○渡辺四郎君 午後また詳しくやりますが、私が大変気になっておるのは、個別事項の中で全く同じ内容の要請項目が何年にもわたって繰り返し繰り返し要請をしておる。これは当然関係の行政庁が適切な措置をとってこなかった結果がこういうことだろうというふうに思うわけですけれども、この点、自治省の方としては一体どういうふうに受けとめておるのか、この点をまず午前中お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど申し上げましたように、申し入れをする対象の項目を選びます視点の一つとして国、地方の財政秩序の確立という視点に立って項目を選んでおりますが、各省庁においても私どもの要請を受けて種々の事項について改善を図られております。今、委員が御指摘のように、依然として改善が十分に進まない事項があることも事実でございます。 私どもといたしましては、今後ともやはり財政秩序の維持ということが、今のように特に国、地方を通じて財政の健全化を図っていかなくてはいけないという時期において一層財政秩序の確立ということが必要でございまして、私どもとしては粘り強く関係省庁に引き続き要請を行ってまいりたいというふうに考えております。
○渡辺四郎君 午前中は以上で終わります。
○委員長(藁科滿治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として常田享詳君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 休憩前に引き続き、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、運輸省所管のうち海上保安庁、自治省所管及び公営企業金融公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺四郎君 午前中、個別要請項目で大筋をお聞きしたわけですが、午後は少し具体的にお尋ねしてみたいと思うんです。 例えば、自治省の所管であります地方財政の一般地方財政会計の中にもありますように、警察庁の警察行政費に係る国庫支弁の改善について、これは昨年と全く同じ内容の要請であります。要請の趣旨は、改めて言う必要はないと思うんですけれども、警察行政費のうち、国庫が全額支弁することとされている警察用車両購入費等の経費について、都道府県の実態に即し必要かつ十分な額を確保し、地方の負担を生じさせないようにとの要請になっています。 私は、この要請内容がいつから始まったのかをちょっと調べてみました。 古くは昭和四十二年にまでさかのぼるわけです。以後毎年度、警察行政費に係る超過負担解消の要請事項が行われてきました。 五十三年度になって、警察行政費に係る国庫補助制度の改善項目の中で、本来国において負担すべき経費を地方公共団体の負担に転嫁することのないようにされたいとの要請内容が出てきております。その背景としてありますのが、警察車両を地方自治体が整備している事例が見られるとの記述もあるわけです。そして、五十七年度からは警察行政費に係る国庫支弁の改善という現在と同じ要請項目となっておりますが、そういうことが毎年度実は行われてきた経緯があるわけです。 以上のように調べた限りでは、五十三年度以降ほぼ約二十年間にわたって自治省は警察庁に対してほぼ同じ内容の要請事項の改善を求めてきております。 そこでお聞きをしたいのは、こういう要請について実態は一体どうなっておるのか。警察車両の整備の上で国庫支弁が七割にも満たない団体が数多くあるというふうに私ども聞いておりますが、具体的に現状について、これは警察庁の方からひとつお伺いをしたいと思うんです。
○政府委員(野田健君) 現在の財政事情は大変厳しく、また治安情勢も大変厳しいものがございます。そういった中で、警察用車両は警察機動力の基盤でもあり、全国的な整備に努めることが重要だと考えております。 平成十年度においては、二千九百十九台の更新とあわせまして百五十五台の増強をお願いしているところであり、平成五年から平成九年までの五年間に五千三百九十二台の増強を行ってきたところでございます。 一方、各都道府県は、それぞれの地域住民に対する警察行政サービスの向上を促進しようという立場から、独自に一部警察車両の整備にも配慮いただいているのが現状でありまして、その正確な保有台数については把握しておりませんけれども、全国でおおむね一万数千台ではないかというふうに考えております。 なお、国有の車両は約三万台でございます。
○渡辺四郎君 自治大臣である国家公安委員長にお伺いするわけですが、今警察庁からお話がありましたように、各都道府県が大体一万台程度、確かに車両維持が警察行政の基盤になっておるという立場から、どうしてもやむを得ずこれをそろえなきゃいけないということで、一万台程度独自で購入しておると思うんです。 そこで、申し上げたいのは、二十年間にわたって自治省は警察庁に対して適切な措置をとるようにと、こういうことで要請項目に実は求めてきておるわけですけれども、先ほども申し上げましたが、本委員会でも毎回のように地方財政が大変厳しい、そういう状況にあることを論議してきました。このように国庫による措置が不十分なために都道府県の一般財源からの持ち出しが多くなり、一層地方財政を圧迫するわけです。これは一つの例として今申し上げたわけです。こういうことを一つ一つ解決しなければ、委員会で幾ら議論しても地方財政はよくならないというふうに私は思うわけです。 ですから、国家公安委員長は自治大臣でもありますし、二足のわらじを履いておるということになりますけれども、一つは大臣常におっしゃるように、地方自治体を代表して地方財政の危機を訴えながら、予算段階では地方財政の運営に支障のないように大変な努力をされておることについては敬意を表してまいりました。 そういう中でありますから、特に国家公安委員長が管理をする警察庁が二十年間も同じような要請を受けておる。どうして改善されないのか。そのことで大変迷惑しておるのは、先ほどから言いますように、特に都道府県、地方自治体であるということは、もう大臣も御承知のことと思うんです。 そこで、地方財政法の二条の第二項では、地方財政の健全な運営に努め、その自律性を損ない、地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならないというのが地方財政法の二条の二項なんです。警察法の三十七条からもそういうことが読み取れるわけですが、そういう規定の趣旨に照らしても、警察行政費に係る国費と地方費の厳正な負担割合を適切に維持をする上からも、私は、現在の警察庁の対応は適正を欠いておるんじゃないかあるいは地方財政法違反のおそれもあるんじゃないかというふうに言わざるを得ないわけです。 こういう現状について国家公安委員長としての御所見を伺いたいと思うわけですが、それと同時に、これは事務方でも結構ですが、十年度の予算案ではどのような適切な措置がとられたのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点については全くごもっともでございますが、地方財政に負担を求めて、車両をこれだけ整備しろ、準備しろというような姿勢は、警察庁としてはございません。 ただ、長年にわたりますひとつの警察庁と地方警察の関係、地方団体の温かい御理解をいただきまして、ある意味では自発的にそういう御協力をいただいておる、このようにお聞きをいたしておるわけでございまして、地方に負担を転嫁するような形で車両等の整備といいますか、そういうものではない。重量車両等については警察庁が国の予算でほとんど対応しておるわけでございまして、ミニパトでありますとかそういうものも含めて、マイカーの時代でございますから、モータリゼーションの社会に対応しておるというような側面もあるわけでございまして、そういう意味で国の予算が、じゃ万全に行き届いておるかというと、足らない状況のものがあるというのは、もうこれは厳然たる事実だと思います。 車両の更新だってなかなか思うに任せない財政の苦しさもございますが、それでも必死にやりくりをしておる警察の対応でございまして、そういうものを見るに見かねて地方団体から自発的な警察に対する御協力があるものと私は伺っておるわけでございます。 このような意味で、国民生活の安全を確保するために、今後とも警察車両を初めとする治安の基盤の整備に必要な予算の確保にはさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 大臣も警察庁としては確かにそういう押しつけはしていない、都道府県が自発的にというお話のようです。 私は一、二の県に聞いてみました。各都道府県の警察の方から警察庁の方に要求をするわけです。本年度は何台、こういう車が欲しいと。警察庁の方も全国の要求台数をまとめて、まあ査定はするでしょうけれども、そして大蔵省と折衝をする。その結果、例えば八割しか認められなかったということになりますと、あとの二割分を、やっぱり地元の警察としてはどうしても警察行政上必要だということで、財政当局に何とか措置をしてくださいよ、あるいは議員、警察委員会を使って何とか措置をしてくださいよという動きがあるわけです。 そうしますと、都道府県知事にしても治安上の問題という泣きどころ、知事に言わせれば、そこをつかれてくるものですから、何とか措置をしなきゃいけないということで、先ほどお話がありましたように、車の内容は違いますけれども、やっぱり一万台から官主的に準備をしなきゃいけない、こういう結果になってきておると思うんです。 ですから、私はこういう状況を自治体が続けていけばいつまでたっても、警察庁の部分を削っておってもどうしても必要なら自治体が買ってくれる、こういう甘えが大蔵にあるんじゃないかという気がするわけですよ。これは警察庁も大変な努力をなさっておるし、国家公安委員長としても努力は今までしてきております。 ここでお聞きをしておきたいのは、これから先の問題として、地方自治体にやっぱり迷惑がかからないようにしなきゃいけないということで改善計画を立てていく考えがあるかどうか、どういうふうに持っていくという考えがあるのか。あるいは、そういう点について、国家公安委員長、今お話がありましたけれども、私はやっぱりなくすべきだ、敵という言葉は当たらないわけですけれども、大蔵にお互い一緒になって矛先を向けて、そして必要な台数は確保する、こういう努力をしていただきたいと思うんですけれども、もう一回、ひとつ国家公安委員長の御見解をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点については、ない方が好ましいわけでありますから、地方のそういう形が自発的でありましても、全部国でそういうものは対応できる体制にならなきゃならぬと思っておりますが、御案内のとおりの地方財政の事情もございます、国の財政の事情もございますから、十分その点については留意しながらも対応をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。もう来年度から一切地方はそういうことはしてはならぬ、してもらわなくてもいいというわけには、これは自発的に、地方の治安という、あるいは地方の交通渋滞等の対応という地域住民の生活に密接な関係のある事柄でもございますから、ないことを踏まえながら十分対応してまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 先ほど申し上げました自治大臣そして国家公安委員長という二つの大変な任務があるわけですけれども、そういう中で、特にやっぱり自分の足元の自治省の方が毎年車両問題についてはこういう個別要請項目で出さざるを得ない。自治体に負担をかけるなというふうなことを毎年出さざるを得ないということですから、他省庁の問題もありますが、私はまずもってやっぱり足元から早く解決をするという努力をお願いしておきたいというふうに思っております。 それで、次の項目に入りますが、もう一つ要請項目の中で、特に資源エネルギー庁関係の問題で、産炭地域振興対策の充実の項目で、産炭地域市町村の財政状況等にかんがみ、産炭地域振興臨時交付金については特定事業促進調整額等に係る交付対象事業へ拡大、所要額の確保等を図られたいことというのがあります。昨年の要請内容と比較をしてみますと、財政援助措置の充実強化という文言が落ちております。これは一体なぜこの文言が落ちたのか。私は一昨年は非常に強い主張をされておるというふうに思っていましたが、これが落ちております。なぜ落ちたのか。 それからもう一つは、要請の中にもありますが、これは詳しく書いてありますように、炭鉱が所在した地域というのはいずれも炭鉱への依存度が極めて高い地域でありまして、その閉山、合理化に伴う人口の流出あるいは雇用対策、生活保護の増大等によって地元市町村の財政に及ぼす影響が極めて大きいことはもう御存じのとおりであります。 交付金のうち、特定事業促進調整額についてはこれまでにもその見直しが行われてきましたが、十分な拡充とはなっておらず、この交付対象事業の拡大について自治省の要請内容は適切と考えます。石炭政策自身は国の政策としてやってきたわけですから、この制度の財政援助措置の充実を図っていくことは私は当然のことだろうというふうに考えますが、なぜ財政援助措置の充実強化を落としたのか、ひとつ明快にお考え方を述べてもらいたいと思うわけです。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員も御指摘になりましたように、この石炭政策に関連いたしますいろんな財政措置というのは、基本的には私どもの考え方は、そもそも石炭政策というのは国のエネルギー政策の一環として扱われる政策でございまして、石炭政策の縮小を図ってきていることとも密接に関連していろんな問題が生じておるわけでございまして、第一義的には国の責任においていろんな所要の対策がとられるべきであるというのが私どもの基本的な考え方でございます。 そういうことを踏まえた上で、これまでもこの石炭政策に関連いたします地方財政の関係について要望を行ってきておるわけでございますが、その中でも産炭地市町村の財政状況にかんがみまして産炭地域振興臨時交付金につきましては、そのうち特に特定事業促進調整額等、これにつきます交付対象の拡大あるいは所要額の確保ということが重要と考えまして、関係市町村のいろんな要望も踏まえまして申し入れを行っているところでございます。 今お話ございましたように、十年度の要請の文言の中で財政援助措置の充実強化という言葉は使っておりませんが、これは私ども特に他意があってその表現を変えたとか、その部分を削除したということではございませんで、要はこの特定事業促進調整額の交付対象の拡大、所要額の確保ということが最もその要請、申し入れをする眼目であるということでそのことを引き続き要請をいたしているわけでございまして、私どもとしては考え方、態度、そういうことについては変えたつもりは毛頭ございませんし、そういう基本的な線に沿って十年度も申し入れをしているということでございます。
○渡辺四郎君 そうしますと、その申し入れに対して、十年度の産炭地域振興対策の充実要請について答えとしては十分であったかどうか、どういう実感を持っておられるか、お聞きをしたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど申し上げましたように、基本的に国のエネルギー政策の一環としていろんな産炭地の問題が生じておるわけでございまして、第一義的には国の責任において必要な対策をとられるべきだというのが私どもの基本的な考え方でございます。そういう観点から申し上げました場合に、平成十年度の予算の内容につきましては、率直に申し上げて、なお改善すべき余地があるというふうに私ども考えております。 ただ、今の非常に厳しい財政状況の中で、関係省庁においてこの予算の額についてはぎりぎりの判断がされた結果であるというふうに私どもは受けとめておりますが、引き続きこの関係予算の充実については関係省庁に強く申し入れを続けていきたいというふうに考えております。
○渡辺四郎君 私は福岡出身なものですから、今月の中旬ごろ筑豊地区では産炭六法の期限切れが迫ってくるという状況の中で、筑豊地区の総決起集会を開いて、そしてその産炭地域に対する、国に対する、援助措置をひとつ続けていこう、要請をしていこうという決起集会が持たれます。 本委員会でも六十三年だったですか、平成元年だったですか、福岡に調査に行きまして、私の希望で筑豊地区を調査していただきました。そのときに筑豊の実態を他の委員さん方が余り存じ上げてなかったものですから、行ってみて、まだこんなにたくさん鉱害なんかがあるのか、こんなに寂れた状態が続いておるのかというのを改めて実感したという委員さん方のお話を聞きました。ぜひひとつ今後とも努力をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから、警察庁の方にお尋ねをしますが、午前中、白浜委員からお話がありました滋賀県の公文書公開審査会の問題です。 県に対して、この審査会が行政情報の公開には聖域はなく、捜査機関もその例外ではない、こういう答申を出したわけです。ですから、これは非常に私は画期的な答申ではないかと。 先ほどの質問に対して金重審議官の方からもいろいろお話があっておりましたけれども、例えばここに新聞を持っておりますが、警視庁赤坂署が実在しない参考人に日当を出して問題になった、だから警察といえども公金の不正支出に無関係ではないことが明らかになったというふうにマスコミでは報道しておるわけです。 ですから、警察予算、人事、組織系統あるいは警察官教育等の情報は、そのすべてが犯罪の予防、捜査、その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報に該当するということになれば、全部が非公開になるわけですよ。そういうことでなくて、私は警察情報というのはできるだけ公開をする、そのことがやはり市民に開かれた警察としての機能をより円滑に果たすことにつながってくるんじゃないかという気がするわけです。 そういう点で、大臣からも先ほどお話があっておりましたが、今後、国レベルでも警察庁を対象としたいわゆる情報公開法が今国会で議論されますけれども、先ほど申し上げました滋賀県の行政情報の公開には聖域はなく、捜査機関もその例外ではないというこの審査会の結論、これに対して国家公安委員長としてはどういう御見解をお持ちでしょうか。もう一回お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 滋賀県の公文書公開審査会の出しました結論につきましては、滋賀県の機関でございまして、その答申の内容についてお答えをする立場にないことは、午前中の質問でもお答えをしたとおりでございます。 この前提を置いて申し上げますが、本国家公安委員会は同法第二条第一項の行政機関として、この国会に提出されております情報公開法でございますが、「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」などにつきましては不開示情報としておるわけでございます。これも御承知のとおりだと思います。 なお、各都道府県の条例においてどの機関をいわゆる実施機関とするかについては、これは各都道府県において判断をされるべきものでございまして、都道府県警察が情報公開条例の実施機関とされる場合には、警察がその業務に取り組んでいく、進めていくという場合にこの問題がないように、さわりのないように、あるいは障害にならないように、そういうことが起こらないような制度とすることが必要ではないかと考えております。
○渡辺四郎君 私は、例えば地方公務員関係の問題なんかについても、これは自治省の方からよく指導があるわけですが、給与問題についても公開をしなさいとか、いろいろとそういう指導をするわけです。ですから、確かに治安上の問題もありますし、捜査上の問題もあるかもしれないけれども、やっぱり原則としては公開するということを中心にこれから後、私は大いにそういう方向で進めてもらいたいということをお願い申し上げておきたいと思います。 ですから、都道府県がやることですから、一々それについて、地方分権の時代ですから、これは本当に問題はありましょうけれども、やはり一つの姿勢としてはそういう方向を貫いていただきたい、これはお願いをしておきたいと思います。 次に、公共事業関係について一月二十日の財政課長内節に関連をするわけですが、投資的経費について地域の実情に即した事業の選択と重点的かつ効率的実施に努めるように求めるとともに、特に留意すべき事項として公共事業のコスト縮減については積極的に取り組むよう要請をしております。 既に昨年の四月の事務次官通知でも公共工事コスト縮減に対する取り組みについてということで、これに基づいて各自治体では地域の実情に沿って公共工事のコスト縮減に関する行動計画を策定することとしていると思いますので、その進捗状況なりあるいはコスト削減の実績は一体どうなっておるのか、わかっておる範囲内で結構ですが、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 公共工事のコスト縮減につきましては、政府全体として取り組むと同時に、地方団体におきましてもそのコスト縮減に取り組んでいただきたいということで、今、委員が御指摘になりましたように、昨年の四月に各県、地方団体、市町村に要請をいたしておるところでございまして、それに基づいて各県別のいわば行動計画というのが作成されてきております。この四月中に策定予定のところが二つございますのでそれを除きますと、すべての県、指定市において策定済みでございまして、各地方団体において地域の実情を勘案しながら積極的に取り組んでいただいているというふうに承知いたしております。 作成されましたのが大体昨年の九月から暮れにかけての時期でございまして、まだ具体のコストの縮減効果が生ずるというところにまで至っておらないようでございますが、団体によってはモデル工事によって具体の縮減額がこのぐらい出たというふうな算出を行っているところもあるというふうに私ども聞いております。 いずれにいたしましても、今後自治省といたしましても、地方団体のコスト縮減のフォローアップにつきまして、状況把握など適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○渡辺四郎君 それに関連をして、事業の執行に当たっては計画的かつ円滑な執行を確保するため、債務負担行為を積極的に活用することにより工事の発注時期の平準化を図ることも求めていますが、これに対して地方自治体の受けとめ方といいますか対応は一体どういうふうな状況か、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 昨年十一月の緊急経済対策におきましてゼロ国債の追加、それから単独事業にかかる債務負担行為の活用を図るということを要請いたしておるわけでございますが、地方公共団体におきましては平成九年度の補正予算で追加されましたいわゆるゼロ国債、これは事業費ベースで一兆五千億ございます。大体国費が一兆円で地方負担が約五千億程度ということでございますが、これにつきましては大体のところで債務負担行為の設定が行われているというふうに私ども承知いたしております。 単独事業の債務負担行為の設定につきましては、まだこの三月議会で補正されました分はこれから調査をしなくてはいけませんが、十二月議会で設定されましたものを一月段階で私ども調査いたしましたところでは、平成八年度の設定額に比べまして増額を予定している団体が多うございまして、そういう意味では、先ほどの国庫のいわゆるゼロ国債も含めてそういう平準化のための地方団体の対応は要請に対して理解が得られてとられているというふうに承知をいたしております。
○渡辺四郎君 もう最後になりましたが、公共事業の入札関係あるいは契約事務の執行に当たっては、自治体では一般競争入札の採用や指名競争入札の改善等に取り組みがなされておると思うんですけれども、その改善の実効が上がってきつつあるのかどうか、それの実情がわかっておればあわせてお伺いをしたい。
○政府委員(鈴木正明君) 地方公共団体の工事に関係します入札・契約事務の執行につきまして、これまで一般競争入札などを導入しまして多様な入札方式を採用する、あるいは指名基準の策定など指名競争入札における透明性、公平性の確保など、その改善を推進するように要請を行ってきております。地方団体では、この要請などを踏まえまして、一般競争入札の採用や指名競争入札の改善等に取り組んでいるところでございまして、改善の進捗が見られると考えております。 建設省と共同で毎年実態調査を行っているところでありますが、それによりますと、一般競争入札につきましては、平成九年六月一日現在でございますが、すべての都道府県、指定都市で導入をされております。また、指定都市を除く市町村では六百四十七団体、二〇・一%で導入されておりまして、地方団体全体では七百六団体、二一・四%というふうになっておりまして、一昨年、平成八年の調査に比べまして七十三団体、二・二ポイントの増加ということでございます。 指名競争入札の指名基準の策定、これにつきましては、やはり九年の調査ではすべての都道府県、指定都市で策定されております。また、指定都市を除く市町村では二千四百八十六団体、七七%で策定されておりまして、地方団体全体で二千五百四十五団体、七七・一%となっておりまして、平成八年の調査に比べまして八十六団体、二・六ポイントの増加ということで改善が図られてきているものと考えております。 自治省としましては、今後とも、地方団体の改善状況を踏まえながら、建設省とも連携しまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 ありがとうございました。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として釜本邦茂君が選任されました。 ―――――――――――――
○有働正治君 主として警察庁の予算、そして情報公開をめぐってお尋ねします。 本論に先立ちまして、関係地域住民から改善の要望が出されています交番、派出所が使用する土地の市町村からの無償貸与問題、この問題について二、三お尋ねします。 我が党の当該地方議員などの調べによりますと、例えば千葉県浦安市では市内五カ所の交番用地八百八十五平方メートルを市が無償貸与しておりまして、およそ年間六百二十六万五千円相当の使用料を市が負担し、県は軽減されている状況であります。 そこで、警察庁にお尋ねします。こういう交番、派出所が使用する土地を市町村から無償貸与扱いされているところの全国状況はどれぐらいの数に上るのでありましょうか、まずお示しください。
○政府委員(野田健君) 平成十年一月一日現在で、都道府県警察が交番の用地として無償で市町村から貸与を受けている土地は千十カ所でございます。
○有働正治君 膨大な数になるわけであります。五つの県を除いて四十二都道府県に及んでいるというふうに聞いています。事前に間に合わなかったようでございますので、その面積と使用料、後刻で結構ですから私の方にお示しいただきたいと要望しておきます。 そこで、自治省にお尋ねするわけですけれども、警察行政の費用負担でありますが、言うまでもなく都道府県の負担が原則だと考えるわけであります。きっちり予算を計上して本来県の警察行政費用として処理するのが建前だと考えるわけですけれども、この点だけお答えいただけますか。
○政府委員(二橋正弘君) 警察行政に係ります経費につきましては、警察法第三十七条第二項の規定によりまして、同条第一項に規定する国が支弁する経費を除いて都道府県警察に要する経費は当該都道府県が支弁することとされておりまして、したがって原則として都道府県の負担となるものでございます。
○有働正治君 私もいろいろ自治省からも警察庁からもお聞きいたしまして経緯はいろいろあるということを承知はしていますけれども、今お答えのとおりだと思うんです。 そこで、自治大臣にお尋ねするわけでありますが、この点やはりきっちり県として処理する方向で改善する努力をしていただきたい。この点についての大臣の所見をお伺いする次第です。
○国務大臣(上杉光弘君) 言うなれば、駐在所でありますとか交番というのは、民主警察になりまして以来住民生活と密着しており、良好な治安を警察が提供する場合の出先的な立場も含め地域住民の皆さんとの親しみある接触の拠点にもなっておるわけでございます。これは申すまでもなく、我が国警察の独特な方式といいますかシステムの中で編み出された一つの知恵でもございまして、そのために警察行政が非常に国民の生活に身近なものになっていることも御承知のとおりでございます。 さような意味で、その敷地が無償でということでございますが、私もこれは聞いてみました、なぜそういうことになったのか。そういたしましたら、これはやっぱり地元から要請があればそれはだめだと言うわけにいかない、限られた人数のもとでありましてもそういうものを設置せざるを得ない、こういうことでございます。 いずれにいたしましても、これは地方公共団体の財政秩序、それを保つという観点からは、市町村と都道府県がよくよく話し合っていただきまして、こういうことのないように順次解消をしていくことが好ましいと考えております。
○有働正治君 ぜひそういう方向で改善方を改めて強く要望しておきます。 そこで、警察の予算額でございますけれども、全国の都道府県警察及び警察庁の予算額、それぞれ合計額、同一年度でまずお示しいただければと思います。
○政府委員(野田健君) 平成九年度の警察庁予算、補正後の総額は二千五百十五億三百万円であります。同じく平成九年度都道府県警察予算、これは九月補正後のものでございますが、その総額は三兆四千百二十三億二千六百万円と承知しております。 なお、この都道府県警察予算の中には国からの補助金が六百八十九億三千三百万円含まれております。
○有働正治君 間もなく四兆円近くにもなろうという大きな金額でありまして、軍事費五兆円に肩を並べんとするような巨額の予算で、この問題について、明朗でしかも情報公開等でもきっちりすべきだと要望が強まっているわけであります。 ところが、この予算をめぐりまして不正の問題あるいは疑惑が数々この期間指摘されているわけであります。 一つは、赤坂警察署の公金不正支出事件であります。この問題は昨年十月に警察側が敗訴という形になったようでありますが、五十四人の参考人の中で、防犯課の呼び出し簿に延べ四十四人の参考人に合計約四十三万円の旅費、日当を支給したとなっていたわけでありますが、調べたところ三十七人は実在しない。残る七人のうち五人は受け取っていないと証言したわけであります。今井亮一氏によりますと、都の監査委員への監査請求が行われましたが、監査結果は、調査すると参考人に迷惑がかかるからという理由で却下。そこで昨年七月、東京地裁への住民訴訟となったのが経過のようであります。 関係者はこの事件を赤坂署参考人日当猫ばば事件、こういうふうに呼んでいるわけであります。的確な住民の指摘だと私も感ずるわけでありますが、裁判での警察の態度は奇怪かつ論外だと言わざるを得ないわけであります。 三回目の裁判直前の一月二十九日、支出は適法だったが、立証すれば捜査の秘密が侵されるという理由で四十二万七千円の金額を都に支払った経緯があります。しかし原告側は、不正支出を認めていないとして裁判が続き、昨年十月、赤坂警察署長を初め被告全員が原告の請求をすべて認める認諾と呼ばれる手続をとって訴訟は被告の敗訴で終結したと承知しているわけであります。 そこでお尋ねするわけでありますが、この約四十三万円の支出は不正支出だということは間違いないと思うわけでありますが、警察庁としてのこの問題についての所見はいかがでございますか。
○政府委員(野田健君) 訴訟の関係につきましては個人を相手にするものでありますのでコメントする立場にはありませんが、警察ではかねてから金銭の支出等につきましては適正に行うようにという指導をしているところでございまして、それぞれ適正に処理されているものと考えております。
○有働正治君 それぞれ適正に処理されていて何で返還されたんですか。そんないいかげんな答弁じゃ困りますよ。
○政府委員(野田健君) 訴訟におきましては、いわゆる事実関係を求めずに原告の請求する全員の支払いを認める認諾という手続で終結したと聞いております。これはいわゆる自白という手続であります請求原因を認めるものではないということで、そういう意味で認諾という手続で終了したと。 これはなぜかというと、訴訟を継続し不正がないということを立証するためには参考人のプライバシーを明らかにしなければならないことになるということに配慮したものと承知しております。
○有働正治君 五十四人のうち圧倒的多数の方々は所在も確認できない架空の人物であったと。住民票その他を調べた結果、五十四人のうちの四十四人の住所に何があるかきっちり確認されているようであります。別の方の居宅、店舗、駐車場、農地があると。ある人物の場合には浦和の市立図書館に住んでいるということまで明らかになった。 今いろんな人に迷惑がかかると。架空の人物にも迷惑がかかるんですか。
○政府委員(野田健君) そこに記載されていることが仮に架空だという場合に、それは本人がいないという意味ではなくて、この本人に来ていただかなきゃいかぬ、そうなりますとその本人がどこのだれだとわかってしまう、そういう意味で参考人のプライバシーがあるという趣旨と聞いております。
○有働正治君 架空であることは事実上認められました。そして認諾という形で処理されて、違法行為はないと依然として頑迷に主張している。 警察というのは国民から広く理解されて支持がなければ警察活動ができないわけで、悪かったことは悪かったと明確に認めて、今後どうするかということがやっぱり問われると思うんですよ。そういう点で、そういう言い方を警察当局が依然としてやっていることについては国民の納得、支持がいかれるはずはないわけであります。 当時、新聞の論評その他で多数の法学者等も、返還請求は不正支出を前提にしたものだ、認諾しながら不正がなかったと言うのは詭弁だ、裁判を通じて見せた被告の姿勢には大いに疑問を感じる、他人には手錠をかけるが自分の不正は隠ぺいするのかという警察に対する不信感を助長するだけではないのかということで、警察庁の姿勢が厳しく問われたわけでありまして、そういう点では、きちんとして反省すべき点は反省しながらやっていくというのが筋だと思うんであります。 問題は、この不正支出が氷山の一角でありまして、全国の警察で組織的な不正支出が一般化しているのではないかという重大な疑惑が数々提起されていることであります。私も、本委員会で平成五年十一月二日、数々の証言、投稿、いわば内部告発的とも言える悲痛な訴え等を含めまして質疑したことがございます。経緯を調べてみますと、本委員会で八四年、例えば社会党の当時の佐藤三吾議員が追及しています。 佐藤三吾議員は、当時衝撃を与えた元警視監松橋忠光氏の「わが罪はつねにわが前にあり」、これを取り上げて追及されたものであります。私もこの問題を取り上げたこともございます。この松橋氏の体験に基づく告白によれば、すべての警察署には二重帳簿があって、印鑑が不正使用されている。松橋氏は福岡県警の警備部長に就任した際、毎月五十万円の自由に使える金が支給されたということです。松橋氏の当時の給与が七、八万の時代の話であります。当時の三井警察庁長官は、具体的な論拠も根拠も挙げないで、警察経理は適正に行われていると、今御答弁になったようなことを挙げ、松橋氏を中傷されました。佐藤議員は証人喚問も要求しましたが実現しなかったわけであります。松橋氏はこう言っているわけであります。どこの警察でも経理部は全署員の印鑑をそろえて領収書をつくっている、印鑑の不正使用と公文書偽造を組織的に行っているということだ、こういうことを指摘しているわけであります。 この組織的裏金づくりの疑惑は、実物の警察の帳簿、領収証で実証されたこともございました。三十数年前、一九六〇年、日本共産党島根県委員会が、これは不法に入手したものではありません、たまたま入手できたという経緯のようでありますが、トランク数個の膨大な七人の島根県警の資料を入手し、その全容を公表したことがございます。二重帳簿の実物もありました。その後、この二重帳簿対策をめぐりまして会議が開かれ、きちんと対応するように指示された会議記録、私もここに持っていますけれども、そういうものもあります。存在しています。 そういう点から考えますと、今でもこういう形で行われているんではないかと国民の疑念があるわけでありますが、この点はいかがですか。
○政府委員(野田健君) 警察庁におきましては、従来から都道府県警察に対しまして適正な経理の保持ということについて万全を期するよう厳しく指導しております。また、それぞれの帳簿等につきまして実地監査等も行っているところであります。一方で、いわゆる不正経理の問題、これがいろいろと国民から厳しい批判を受けているということも承知しておりまして、今後さらに内部監査体制の強化を図るとともに、各種会議等をとらえて一層の指導を徹底してまいりたいと考えているところでございます。
○有働正治君 内部監査で、例えば警視庁の場合もその監査委員のメンバーの中に警察OBが入って、実際上警察の言い分どおりに動いていることがうかがわれるわけで、的確かどうか極めて疑わしいという指摘もあるわけであります。 なぜ私が今もこのまま続いているんではないかという疑惑を述べるかというと、それは一定の根拠があるからであります。松橋氏は、その著書の中で、島根県警事件を知って、これで事態は改善されると思って渡米されます。半年余り後帰国したら、文書の焼却が強化されただけで何ら改善されなかったと嘆いておられるわけであります。そして、今回の赤坂警察の不正支出、猫ばば事件と関係国民の方が呼んでおられる、こういう事件があるわけであります。松橋氏は、この赤坂署不正支出事件について、「これはすごいものを手に入れましたねえ」と。「警察では、冠婚葬祭の慶弔金や人事異動の際のせん別、士気高揚のためと称される表彰や手当(いずれも正規以外のもの)、職員同士の飲食などに、「運営費」と呼ばれる裏ガネを使用します。その原資は、旅費や捜査費、報償費(協力者に対する謝礼)」、今度の赤坂の事例もそうです、「などを経理操作で浮かせたものです」。「私が幹部警察官として赴任した先々で、こうした不透明な運営費は制度化していました。」というふうに述べているわけであります。 それだけではないわけであります。例えば、この三月に出版された「日本警察の現在」という小林進雄さんの岩波書店からの本、この中でも二重帳簿を含めまして元巡査部長等の証言をもとに骨絡みの構造になっているということでるる展開されています。また、長崎の県警元警部補が空出張を上司の命令で行ったということも述べているわけであります。愛知県警の不正経理疑惑について昨年大きな裏づけを持った報道等、それは本の中にもいろいろ紹介されています。「おまわりさんは税金ドロボウ」という本も最近出ているようでありまして、大変売れているそうであります。そういうものもあると。 そういう流れの中で今回の赤坂警察署の不正支出事件ということでありまして、帳簿のやり方をうまくやれとの会議等が開かれていた経緯等々もかんがみますと、制度化されている疑惑は非常に強いと言わざるを得ないわけでありまして、制度化されていないと言うんだったら明白な論拠、資料をお示しいただきたいと思うんでありますが、いかがですか。
○政府委員(野田健君) 不正経理が制度化されているというようなことは決してございませんので、論拠等申し上げるものは何もございません。
○有働正治君 この長崎県警元警部補は、具体的に五回にわたって大阪、福岡等々に出張して架空の領収書を指示どおりに作成したということを公然と述べたわけであります。愛知県警は、この本にも紹介され、新聞等にも報道されましたが、六九年から八一年まで足かけ十三年間の帳簿、飲食店の領収書などの伝票、旅行命令簿のコピー等々も、本の中にも示されていますが、それに基づいて紹介されています。 七二年の愛知県警総務部総務課からの旅行命令延べ四十人、計二百四十九回。総務課は内勤を主とした仕事でほとんど出張というのはあり得ない、八〇%以上が空出張と考えられると。出張手続には本人の印鑑が必要なのだが、課員会員の三文判を用意して勝手に捺印すると。裏金の使途だけれども、部長に対する夏季特別手当、本庁のある課長に贈った服地代分担金、課長宅のお節料現代、○○クラブの支払い料。普通こういうお節料現代とかクラブの支払い料等々は公金から出されるものでしょうか。
○政府委員(野田健君) 宿舎でお節を手配したというものにつきましては、通常その主催者が当然支払うべきものと承知しています。
○有働正治君 警察というのは、普通はお金を個人で分け合ってやるけれども、これはそういうものじゃないんです。個人の自宅、課長宅と。課長宅で公的な仕事をやったと言いわけするかもしれませんが、そういうものでないということを指摘しているわけであります。 それから、愛知県警だけで年間十億円近い旅費を私物化している疑いがあると。これは特に、地下鉄、市バスの無料パスを使うけれども、無料パスは使わないことにした格好による等々を含めていろいろ指摘がなされているわけであります。 そこでお尋ねするわけでありますが、元警視監の松橋氏、あるいはそのほかの方々を含めまして、制度化している、構造化しているということが繰り返し指摘されている。我が党に対して、私に対しても数々の手紙、封書を含めまして来ています。その中では、二重帳簿問題、架空の領収書、それを上司の命令で本当に嫌な思いで書かされるというところが共通して指摘されているんです。これが何通もある、しかも一地域に限っていない、こういう状況であります。そういう中で、赤坂警察署の事件が白日のもとにさらされた一つの象徴だと国民が疑惑の目を向けるのは私は当然だと考えるわけであります。警察庁の言い分というのは全く成り立たない弁明と言わざるを得ないわけであります。 国家公安委員長にお尋ねするわけでありますが、こういう疑惑、赤坂署は認諾という形でお金を返すという形をとりましたけれども、そういう数々の指摘について警察庁は厳正に調査して対応することが求められていると思うわけでありますけれども、国家公安委員長としての所見をきっちり伺いたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員は氷山の一角と言われましたが、そのような事実は私はないものと承知をいたしております。 なお、警察の会計の費目というのは非常に細かな会計費目でございまして、先ほど言われたような十億もの多額に上るものが不正にプールされるというような実態は、私はあり得ようはずがない、そういうふうに考えておるわけでございまして、もしあったとすれば、それは国民の信頼を得、特に国民の生活の上に良質、良好な治安を提供しなきゃならない警察としてはあるまじきことでございますから、そういうことはないと私は信頼を申し上げておるわけでございます。 警察庁としては、従来から都道府県に対しましても適切な経理の保持について万全を期すように指導をいたしておるものと承知をいたしておるわけでございまして、委員の言われるような不正のないように当然心がけていくべきはこれは当たり前のことでございます。 その点についても十分、また各都道府県の警察といたしましても、監査委員会というのがあるわけでございまして、監査委員が監査をするわけでございますが、それがすべて警察のOBであるわけではございません。それぞれの立派な方が監査委員になられ、あるいは県議会からも必ず監査委員というのはおるわけでございまして、そういう意味では、適正に経理がなされていないとすれば各県の監査委員がちゃんと指摘をするのではないか、そういうふうに私は考えるわけでございまして、十分、しかし細心の注意を払い、そういうことのないように心がけて対応すべきだと考えております。
○有働正治君 そういうことはないとおっしゃられますけれども、例えば愛知県警の場合には会計検査院が昨年検査に入りました。検査に入るに当たりまして、受検資料、検査を受けるに当たっての資料というものが県警内部で配布されて、私はここに実物を持っています。 それによると、旅行実績のない者の命令簿は削除しておくこと、名古屋市交通局発行の優待乗車証、バス券については一切使用していをいこととするとか、印鑑の集中管理は絶対にしないこと、当直日誌等々名簿をきちっと合うようにしておけとか、事実上だれが読んでも不正経理の発覚を恐れた隠ぺい工作ではないかという内部指示文書まで出されているということ。そういう点からいって、国家公安委員長が言われるほど、現場というのはそうなっていないという疑いが強いということは改めて厳に指摘しておきます。 そこで、こういう問題、予算の厳正な執行、しかも警察は法の番人であるはずであります。画会としてこの問題の真相を明らかにして、警察財政の改革、それに取り組む義務と責任を私は負っていると思うのであります。 その点で、同僚議員からも御質問がございましたが、事の真相を徹底解明する大前提として、警察庁、都道府県警察全体の情報公開、これが非常に重要だと考えるわけでありますが、一、二この点についてお尋ねします。 政府は今国会に法案を出している中で、国家公安委員会の不開示情報に関連いたしまして、「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある」場合というのも挙げられています。この点について総務庁の法案要綱を示した考え方の中で、「いわゆる行政警察の諸活動まで広く含める理解があり得るが、六号は、犯罪の予防・捜査等に代表される刑事法の執行を中心としたものに限定する趣旨である。」と考え方が示されていますが、これについての警察庁の所見、これでよろしければこうだと。それから、各都道府県の情報公開条例は今あるのかどうか、警察を含めたもの、あるいは検討中のものがどうなのかだけ簡潔にお示しいただけますか。
○政府委員(野田健君) 行政改革委員会から内閣総理大臣に提出されました「情報公開法制の確立に関する意見」の中におきまして、「情報公開法要綱案の考え方」、これは「公共の安全と秩序の維持」とは「刑事法の執行を中心としたもの」であるというふうに書いてあると承知しておりまして、この刑事法の執行には広く犯罪の予防、捜査等が含まれる趣旨というふうに考えております。一方、極めて行政的なものについては第四号の対象ではなくて第六号によって開示、不開示が決せられるというふうに区別されているものと承知しております。 なお、都道府県におきましては、それぞれの都道府県の条例で対象機関等が定められておるところでございますけれども、現時点で警察、地方の公安委員会が対象となっているところはないと承知しております。なお、それぞれの各県で今後、国会にこのたび法案が提出されたということも受けましていろいろな検討がなされていくものと考えております。
○有働正治君 一点だけ。最後に自治大臣、情報公開はやはり警察もきちっと対象に含めて各県でも情報公開が促されるというのが当然の流れだと思うわけでありますけれども、この点について決意を明確にお示しいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(上杉光弘君) 本国会に提出されているいわゆる情報公開法案におきましては、国家公安委員会は同法案第二条第一項の行政機関に該当するものと承知しております。本法の成立を受けまして、国家公安委員会としてはその趣旨にのっとり適切に対処してまいりたいと考えております。
○高橋令則君 十年度予算及び補正の問題に絡んでお伺いしたかったんですが、恐らく次の補正の問題にもう入ってくるというふうに思いますし、また先ほど松村委員からもお話がございましたが、私は、この件については、今後地方財政にしわ寄せが来ないように、そういうことについて十分な努力をお願い申し上げたい、これは要望したいというふうに思います。お願いします。 それから次に、国庫補助負担金の問題でございます。これについては先ほど渡辺委員からも話がございましたけれども、私は、まず十年度予算に絡んでどういう適正化の努力がされたか、その内容をお聞かせをいただきたい、このように思います。
○政府委員(二橋正弘君) 国庫補助負担制度におきますいわゆる超過負担の解消につきましては、国、地方の財政秩序という観点から解消を図るように各省庁に毎年度申し入れを行いますとともに、地方団体から改善要望の多い事業につきまして、大蔵省とその担当省庁と私どもの三省で共同調査を行って、その調査結果に基づいて改善を図ってきておるわけでございます。 平成十年度予算につきましては、平成九年度に社会福祉施設等整備費の負担金の調査をいたしました。この調査結果を踏まえまして補助単価についての改定を十年度予算について行ったところでございます。 今後とも地方団体の意見を伺いながら社会情勢の変化、施設水準の推移等を勘案して国庫補助負担制度が適正に維持されますように対処してまいりたいと考えております。
○高橋令則君 今資料を見ておりますと、全体で二十五億というふうな内容でございました。資料で平成六年からの経過を見ておりますと、九年度、十年度は残念ながら余り伸びていないんですね。六年は二百七十億、それから七年が七十億、八年が七十八億というぐあいでふえているわけですが、九年以降は減っているというふうなことでございます。いろんな経過もあるわけですけれども、国の地方に対するこの問題についての努力といったものが見た限りではまだまだだなというふうなことを感ずるわけでございます。 そこで心配なのは、先ほど申し上げた今後の新しいと申しますか、どうなるかわかりませんけれども、いろんな補助がまた地方に対して出てくるんじゃないのかなと。特に今度の大型補正についても心配されるわけでございます。そういう中でいわゆる負担がかぶってくるというふうな心配をしております。こういう適正化の努力というのは一般的には当初予算でされるわけですね。私の記憶では、補正のときにそのようなことを検討された経緯が余りないんじゃないかと私は思っているわけです。 しかしながら、今回のように当初と補正がほとんどセットされているような、頭からやられるというようなケースについては例外かもしれませんけれども、適正化の努力はやるべきではないかなと私は思うんですが、いかがですか。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員の御意見にもございましたように、これまでのいわゆる超過負担の解消のための調査というのは、これは三省で共同調査しなくちゃいけません。もちろん実地調査もして、かついろんな資料をそろえて調査をいたしますので、その対象事業の選定から始まりまして、実際の結果が出てまいりますためには相当な事務量を伴うものでございます。したがいまして、あらかじめ関係省庁を入れた三省の対象事業を選ぶというところから始めまして、次の年度の当初予算に間に合うようにということで作業をしておるのが実態でございます。 今、補正予算につきましては、先日来、当委員会でも大臣の方から現在の政府として申し上げられることについては申し上げてきておるのが限度でございまして、具体の補正予算について云々するという状況ではもちろんないわけでございますが、御案内のように、各省庁の予算についてその経費の見積もりを自治大臣に出していただくとか、あるいは地方の負担を伴う場合には自治大臣の意見を聞かなくてはいけないということが地方財政法の二十一条、二十二条で定められております。当然補正予算につきましてもこの規定が働いておるわけでございまして、補正予算の際にも各省庁からこの規定に基づきました協議が私どもにございますので、そういう際に、委員が今おっしゃいましたような補助負担単価の適正化という観点も当然私どもとしては頭に置いて自治省としての意見を申し上げていきたいというふうに考えております。 三省共同調査をしていわゆる超過負担を解消するというのは、全体の事業の選び方、事務量から申しまして、最初に申し上げましたようにやはり当初でやっていくというのが現実的ではないかというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○高橋令則君 今までの経過もある程度承知しておりますので、そのような局長のお話はそうだろうというふうに思いますが、これによってどんどんまた地方に負担がかかるというのは非常に心配をしておりますので御努力をいただきたい、このように思います。 関連して、警察の超過負担の問題でございます。 これも既にお話がございましたけれども、その中で施設整備の問題です。これも相当な負担になっているわけですね。警察法の三十七条にあるんですが、いわゆる経費の十分の正負担というふうに書いてあるんですよ、法律には。しかし、実際には全然足りないわけであります。しかも、その中身を見ていますと、当然初めから入れておらなければならないようなものが補助外に、対象に入っていないんです。そういう例では、仮眠室、休養室それから免許講習室などなど、こういうふうな明らかに必要だと思われるような面積が基準にないんですね。ですから、実態と補助の差というのは非常に大きいんですね。 個別に言いませんけれども、こういうことについての警察庁の考え方、そして具体的に言えば、やっぱり大蔵省に対して実態をよくお話しいただいて、強力に是正するような努力をされるべきだと思うんですね。三十七条はいわゆる本来国がやるべきもの、これは車両がそうだったんですけれども、車両でさえそうですから、いわんや三項の方はこれがというふうになるとますます弱くなっちゃうんですね。実態を見て合わせるような努力をしていただきたい、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○政府委員(野田健君) 国が補助いたします都道府県警察に要する経費につきましては、警察法の定めるところに従って国が算出した所要額の十分の五を補助しているものでございますが、各都道府県において将来の需要であるとか地域の実態等を加味して算定している所要額、これと必ずしも国の算出した所要額とが同じではないということもございまして、多少の差が出てくるという実情にございます。 今御指摘のうち、例えば免許の講習室のようなものにつきましては、免許に関しては手数料を一方でいただいているという関係もありまして補助対象としていないとか、いろいろ個別の具体的な内容に従いましてそれぞれきちんとした処理をしているというふうに考えております。 また、現下の厳しい財政事情でありますけれども、補助単価等につきまして見直しをしてそれぞれ手当てをしてきたところでありますし、今後もそのようにしてまいりたいと考えております。
○高橋令則君 適正だというふうな御趣旨に聞いたんですけれども、私は補助基準そのもの自体もやっぱり見直さなければ超過負担の解消にはならないというふうに申し上げておきたいと思います。 私も、予算上本部は補助以外だったかな、警察署では十幾つぐらい予算を実際にはやった一人ですから、したがって個別にやっているんですよ。ですから、官房長はそうおっしゃるけれども、そうじゃないですよ。それがないと警察署はもたないんですよ、私は個別に歩いて留置場の実態とか何かを見ていますよ。ですから、こういうことは実態に即したような努力を、これでいいんだと言わないで実態に合わせて大蔵省に対して強力にやってくださいよ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(上杉光弘君) やっぱり警察というのは例えば宿舎一つをとりましても、委員御承知だと思いますが、警察の宿舎は普通の宿舎じゃないんです。待機宿舎と言うんです。ある意味では二十四時間体制でございます。ですから、宿舎一つとりましても、それだけの対応ができておるかというと普通の宿舎と何ら変わらないわけですね。また、勤務にいたしましても、別に労働組合があるわけじゃありません。いっぱい警察職員は不満な点があるかもしれぬと私は思っているわけです。 そういう中で、それでも日夜にわたり良質な治安を提供するために一生懸命頑張ってくれておるわけでありますから、国民生活の安全を確保する、その大基本原則に立った警察の役割というものを考えますと、今後とも補助金を含め治安基盤の整備に必要な予算の確保については努力をしてまいらなければならない、こう考えております。
○高橋令則君 ぜひそのような御努力をお願いします。 次に、地方財政の重点の中で、これは大臣の御指示だと聞いたんですけれども、いわゆる国土保全対策、これについて出されたというふうに聞いておりますが、その考え方とそれから内容について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私が大臣に就任してすぐその日に指示しましたものがございますが、その一つは国土保全的な視点からの地方振興の政策を詰めてみるというプロジェクトチームを直ちに設置することにいたしました。 これはなぜかといいますと、国家社会の成り立ちの中で地方が果たしている役割というものはそれなりにあるわけでございます。また、私はかねてから都市の住民生活と地方の住民生活は対立するものではなく、都市と地方の関係は対立するものではなく相協力してこそ成り立つものだという私なりの考え方を持っておるわけでございます。ところが、国家社会の成り立ちの中で地方が果たしておる役割はなかなか理解されておりませんし、評価もされておりません。理解されていないから評価されていないというのは当たり前のことであります。 その一つは何かといえば、水資源の涵養というものはこれは大都市でしておるわけではありません。また大企業がしておるわけでもありません。地方において生活不利益地域、生産不利益地域に住みながら、山に木を植え、山に木を育て、あるいは大変労働力の上がらない中山間地の田畑を耕しておることがそこへつながっておるわけでございますから、言うなればそうした役割というものがもっと正しく国民に理解、評価される時代を迎えることが地方分権の時代に沿ったものであり、新しい地方自治の時代を迎えるための私は土台の論理だと、こういう考え方を持っております。 そこで、一つ二つ申し上げますと、例えば長期計画が三つございます。それは治山事業、治水事業、急傾斜地土砂崩壊対策事業、十六本長期計画がございますが、国土保全に関する長期計画は三つでございます。 それで、平成九年度までで約五十兆円つぎ込んでおるのが、もう一つは三十七年から辺地対策、四十五年から過疎対策が始まりましたが、それでは五十兆円つぎ込んでいます。今なお過疎に歯どめはかかっておりません。都市部においては過密現象で極めて交通渋滞や住宅の不足が出ておる。 さらに、先ほど言いました国土保全では、災害危険個所が二十二万カ所ある、それに対して三つの長期計画では二十兆円もつぎ込まなければどうにもならない、年間四兆円でございますから。そういうふうに考えますと、これは地方の振興とか地方の時代と言ってみたってなかなか来ない。そこのところをきちっとすることが大切なことである。 特に、行財政改革のこのときでありますから、治山、治水、急傾斜地土砂崩壊対策事業で年間四兆円も財政負担を求められ、五年で二十兆円も国土保全に金をかけておる。これだけコストがかかる国というのは先進国にも後進国にもございません。そういうむだというものをなくして、そして地方の振興に充てる、あるいは財政負担をなくすことで健全財政の方向に財源に充てる、それは至極当然の、私は行政の対応すべきものであり、政治が対応すべきものであると考えておりますが、それがなかなかできてこなかったという問題がございます。 そこで、国土保全とは何かと言えば、生活の場として集落が全国に十四万集落ありますから、これに対するきちっとした統廃合も含めた適正配置というものは、集落を生活の場としてやるべきだと。 それから二つ目には、川上を川下が支えるという私は政策的なシステムを起こすべきだと思っているわけです。ヨーロッパにはデカップリングという生活不利益地域に住む人たちに対する直接所得補償方式がございますが、私は我が国に直接所得補償というのはなじまぬと思っております。そうなりますと、それにかわるもの、その考え方を私は活用した政策が必要だと。それは川上を川下が支える政策的なシステムではないか。 そこで、第三セクターを打ち出しまして、ここである意味では、将来どうなるかわかりませんが、私の考え方では、国民の負担、都市部に住む人たちの負担も求める。それは国土保全でありますとか、水資源の涵養でありますとか、土砂崩壊を抑制するということでありますとか、緑を育てることにおける空気の浄化でありますとか、直接並べていくとたくさんのものがあるわけで、御理解をいただくと思うんですが、そういうことをこの川下に住む人たちが理解、評価していただくならば、当然川上に住む人たちを支えるべきだ、それは第三セクターかなと。そして市町村や県や国の公的資金も入れてこれに対応すべきではないのか。 こういう考え方で、国土保全的な視点からの我が国の宿命的な自然災害対策、そういう治山、治水、こういうものを、きちっとした国づくりの方向というものをさらに地方が果たしていくべきだという考え方を方向づけしたつもりであります。
○高橋令則君 大いに同感するところでございます。ぜひ大臣には今後とも御努力をお願い申し上げたいというふうに思います。 次に、大分過ぎましたので恐縮ですが、消防で一点お伺いをしたいと思います。 それは既にお話もちょっとありましたけれども、今度の重点の一つに小規模消防の問題、これは私のところにも一カ所あるんですが、なかなか一部組合に入らないんですね、そうはいっても、充実するためにそういうふうな手当てが必要かなというふうに思っておりました。そういうふうな趣旨かなというふうに思っていますが、いかがですか。
○政府委員(谷合靖夫君) 小規模な消防の広域再編という問題につきましては、消防の対応力を強化する、より高度の消防サービスを提供するというような観点と同時に、やっぱり消防行政を効率的に行うというような観点からも非常に重要な課題だというふうに私ども考えておるわけでございます。このため、これまで二十三の圏域をモデル広域消防というふうに指定をいたしまして重点的な支援を行ってきたわけでございますが、さらに各都道府県に消防広域化基本計画というものをできる限り速やかに作成をしていただいて、それの計画に基づいて消防の広域再編というものを進めたいというふうに考えておるわけでございます。 それで、現在の広域再編の動向でございますが、ちょうど消防本部の数がピークだったのが平成四年度でございまして、九百三十五本部ございました。その後市町村が消防本部を置くといういわゆる常備化が進みまして、そこで三本部がふえておりますが、一方、広域再編によって十五の消防本部が減少しておりまして、昨年の四月一日現在では、消防本部の数はピーク時に比べますと十二減の九百二十三本部ということになっておりまして、徐々にではありますが消防の広域再編というものは進みつつあるのではないかというように考えております。 ただ、こういうような動きを着実に推進するために、平成十年度、今年度の予算案におきましては、消防の広域再編に伴い必要となります施設整備に対する補助事業、例えばエリアが広がりますと無線の中継施設が必要であるとか、あるいは高度な教育訓練をするための訓練施設が必要であるとか、そのようなものを補助対象にするいわゆる私ども消防広域化推進事業と言っておりますが、これを創設させていただきまして、財政面の支援を行うとともに、やはり一般的な御理解と機運の醸成を図る必要がございますので、できる限り各地域に出向いていって消防広域化推進意見交換会というようなものの開催もしてまいりたいというように考えております。このような形で、できる限り広域再編が着実に推進されるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○高橋令則君 次に、海上保安庁の方にちょっとお尋ねしたいんですが、中国密航船の取り締まりの問題です。これも時間が大分進みましたので、項目的にこれに対する対策はいかがですか。
○政府委員(長光正純君) 中国密航船に対する対応ということでございますが、まずこれまでの事例で申し上げますと、平成九年に海上保安庁の方で検挙いたしました不法入国者、これが六百五人になっております。そのうち中国人は五百七十七名、過去十年間の最高ということで、最近ふえてきておる状況でございます。また本年に入りましては、これまでに不法入国者九十八人を検挙しておりますが、そのうち中国人は八十八人を占めております。 こういった状況に対応いたしまして、海上保安庁では昨年の二月二十五日に本庁に密航対策室、各管区本部に密航対策本部を設置いたしまして、国内外関係機関と緊密な連携をとりつつ、一つは情報収集体制の強化、また中国等を出港して本邦に寄港する船舶への立入検査の徹底あるいは虞犯海域における警戒の強化、さらには情報入手時における巡視船艇、航空機の集中的投入、こういったことによる監視取り締まり等を行いまして不法入国事犯の防止に努めておるところでございます。 特に中国とは、昨年の三月でございますが、当庁の警備救難部参事官を団長に関係省庁から成ります代表団を中国に派遣いたしまして、中国の密航取り締まり強化について要請をいたしますとともに、密航防止に関する二国間協議の実施について申し入れを行い、これに基づき、昨年東京におきまして中国公安部辺防局との間で密航に関する取り締まり機関協議を実施したところでございます。 このような形で、事件が発生いたしました場合には、徹底した捜査により密航組織の全容解明に努めているところでございまして、今後とも不法入国事犯対策に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○高橋令則君 もう一つ、ちょっとこれは国内のことなんですけれども、密漁の問題です。 密漁対策は、海保だけではなくて警察、水産庁の方の対処とかいろいろあるわけです。したがって、海保だけではありませんのはわかっているんですけれども、特に暴力団が絡んだりなんかしましてちょっと考えられないような悪質な、しかもすごい高速船を使ってやっているというようなことも聞いております。したがって、水際で押さえるというのはなかなか難しいんですけれども、これについて海上保安庁の対策はいかがですか。
○政府委員(長光正純君) 先生御指摘のように、密漁の対策につきましては、洋上では海上保安庁を中心としてということでございますけれども、やはり全体といたしまして関係各機関との連携、協調が必要というふうに私どもも認識しておるところでございます。 それと同時に、さらには地方自治体あるいは漁業関係団体、こういった団体との間におきましても、やはり密漁事犯の情報交換あるいは密漁防止に関する指導、啓発活動への協力、こういった事項を中心にいたしまして漁業秩序の維持に努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○高橋令則君 時間が参りました。 一点だけですけれども、いわゆるハイテク犯罪のことに触れた話があったわけですけれども、大臣の所信の中に、都道府県警察、これを技術的に支援するための対策云々と書いておりますね。このねらいと申しますか、この実現というのはどういうふうになっていますか。
○政府委員(佐藤英彦君) 最近のコンピューター犯罪は大変複雑になってまいっておりますので、警察庁におきましてコンピューターの専門家でチームをつくっております。そのチームが県警察の応援を求められた場合に出動する、そして支援をするということであります。コンピューター犯罪捜査支援プロジェクトと銘打ちまして、そういう組織をつくっております。 それから、都道府県警察自身におきましては、コンピューターの技術は日進月歩するということもございますので、コンピューター犯罪捜査官ということで、民間会社等でコンピューターの実務に従事しておりました方を中途採用するというような方法も組み込みまして、そういう専門家の養成をしているわけであります。 なお、一点だけつけ加えさせていただきますと、国際的な要請も非常に強くなっております。つまり、ネットワークで結ばれておりますので、外国人が日本のコンピューターを経由して犯罪を行う、ないしは経由して他の国において犯罪を行うということもあり得るということから、外国の捜査機関から直接応援の要請が参るということがございます。そこで、警察庁にコンピュータ犯罪国際協力ユニットというのをつくりまして、それを各国に通知をしてそれぞれ登録し合うというようなことを通じまして協力を行うというようなことかと存じます。
○山口哲夫君 住民投票制度についてお尋ねをいたします。 地方分権が進むにつれまして、住民の意思によってその町の重要事項が決定されるという、そういうことが多くなっていると思います。現に、産業廃棄物処理場の建設、原子力発電所の建設、沖縄における米軍ヘリポート基地の建設など、既に住民投票が実施をされております。しかし、名護市における住民投票の結果に市長が反対の意思表示をするなど、住民投票制度のあり方についても問題提起がなされているところです。 こうした中で、住民投票制度を慎重に検討すべしという声が各方面から出されております。手元に五つほどありますけれども、まず第一は地方分権推進委員会の第二次勧告、これは平成九年七月八日、地方分権推進委員会から出されたものです。これはごく簡単に四行程度で書かれておりますけれども、「国は、その制度化については、今後とも、慎重に検討を進める必要がある。」、こう書いております。 二つ目は地方制度調査会、平成八年の四月十六日に出している地方分権の推進に伴う地方行政体制の整備・確立についての専門小委員会の報告で書いております。これは十九行にわたって「住民投票制度の検討等」ということで若干の意見を加えながら、「引き続き検討していく必要がある。」、こう書いています。 三つ目は都道府県議会制度研究会、これは平成十年の一月二十二日、「地方分権と都道府県議会について」ということでございまして、これは十行程度、若干の意見を付しております。 それから、四つ目は全国市議会議長会都市行政問題研究会、これも平成十年の二月、地方分権と市議会の活性化ということで報告書が出されております。これは「住民投票の制度化への慎重な対応」ということで二十三行くらいにわたって若干の意見を加えて、最後に「住民投票条例の制定を検討をする。」と。 一番詳しく載っておりますのは東京都、平成八年の七月ですが、住民参加制度研究会というものでありまして、その第四章に「住民投票制度をめぐる論点」として七項目、十三ページにわたって非常に細かく分析をいたしているところでございます。 このように、随分たくさんそれぞれの機関から住民投票制度の検討を言われているわけですけれども、自治省といたしまして、地方分権推進計画をこれからつくるわけでございますけれども、この中に住民投票制度をどのように位置づけ、検討をされているんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 住民投票制度につきまして、今、委員の方からいろいろな各方面での検討報告等、お話ございました。分権委員会の第二次勧告におきましても提起をされているところでございます。住民参加の機会拡大のために有効と考えられるという側面と、もう一つは現行の代表民主制との関係に十分留意するということで、適用対象とすべき事項、また法的効果等についての検討も必要なことから、慎重に検討を進める必要がある、こういう勧告をいただいているところでございまして、政府といたしましては、現在地方分権推進計画を作成しております。そこで、住民投票制度につきまして計画においてどのように扱うかにつきましては、勧告に沿いまして、現在、鋭意検討しているところでございます。
○山口哲夫君 どこで検討しているんですか。特別の審議会を設けてやっているんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 現在、部内において検討しておりますが、当然これまでの、先ほどお話のありました地方団体での御議論あるいは地方制度調査会での御議論というものを踏まえて検討いたしております。
○山口哲夫君 日本の民主主義の根幹にかかわる問題だけに、できるだけ国会の意見なども聞く機会を持って、ぜひ計画の中にも反映させていただくようにお願いをしておきたいと思います。 そこで、憲法の前文では、「主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」、第一条では、「主権の存する日本国民の」云々、こんなふうに国民主権それから主権在民ということがしっかりと書かれております。これが私は憲法の一つの精神だろうと思っております。その主権者がみずから政策決定に参加するということは民主行政そのものと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 住民投票の議論がここまで非常に盛り上がってきておるよって来るところは、今お話しのございましたように、地方団体の政策形成過程に住民の参加機会というものを拡充する、あるいは議会の活性化を図るということの観点からの御議論ではないかと思います。そういう意味では、住民の主権者としての意思というものをいかに政策の中に参画させていくかということではないかと思います。 問題は、地方団体が政策決定をする際に、住民の意向を反映させるシステムとして現行の代表民主制度というものとどう兼ね合わせるかというところにあるのではないか、このように考えております。
○山口哲夫君 一番私はそこが大事な問題ではないかなというふうに思うんです。自治省の中には、一説として議会それから首長、そういう人たちの権限というものを拘束するようなことであってはならないという意見があるようですけれども、その問題についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(鈴木正明君) 住民投票制度につきまして、どのような法的効果を持たせるか、あるいはどのような仕組みとして仕組むのかという問題と絡むわけでございますが、現在地方団体で任意で行われている住民投票条例に基づくものは、いわば諮問機関的、意向調査的な性格のものでございまして、そういうことの意味では議会や長の意思決定というものを拘束する法的効果を有するものではないということで違法ではない、このように考えております。それを拘束する形になりますと、現行制度としては地方団体の長あるいは議会の決定すべき権限、責任というものは決められておりますので、それとの問題が出てくる。 しからば、住民投票制度というものを制度として仕組む場合にどのように考えるか、こういうことではないかと思いますが、その場合に、やはり現行の代表民主制というものを基本とした地方自治制度のもとで議会や長の機能、責任とどう調和させていくかということがポイントではないかと考えております。
○山口哲夫君 調和させるというよりも、どっちが中心にならなければいけないのかということだと思うんですね。 私は、直接民主制というものは、今、局長がおっしゃった代表民主制、間接民主制とも言っていますけれども、こういうものの補完的な制度ではないと思うんですね。国民主権の理念、主権在民、国民主権ということがしっかりと憲法に書かれているわけですから、そういう考え方から申しますと直接民主制の方がむしろ優先するべきものだ、私はそういうふうに考えるわけです。そういう考え方に立ちますと、議会それから首長は住民投票の決定に従うべきが民主主義というものではないでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私からお答えいたしますが、私はそういう認識ではございません。 直接民主主義ということになればみずから議会の存在を否定することであり、また首長選挙などというものはしっかり行われておりまして、住民の代表としてしっかり行政の執行というものに責任を持ってやっておられる、そういうものの存在を否定することになりますから、それよりも先行して住民投票という形がすべてのものを決めていくということには相ならない、今の仕組みはそういうものではなかろう、こういうふうに私は認識をいたしております。 ですから、住民投票の意向というものは大切にしなきゃなりません。そして、住民の代表として決定をしていく議会というものがあるし、またそれぞれの行政の首長がどういう形でそれを受けとめ対応していくかというのは、それぞれの自治体でこれは判断をされるべきものでございまして、住民投票で出たからすべてそれに従うということには、それはちょっと難しいのではないか、私はそう思います。
○山口哲夫君 私は代表民主制そのものを否定なんか全然しておりません。それは今の憲法でも保障されていることです。ただ、住民投票制度というものがつくられて、その結論が出た場合にそれに従うべき責任はあるだろうということなんです。 これは、本来我が国の民主主義というものは直接民主主義というものがその基本をなしていると思うんです。しかし、それじゃ直接民主主義というものが現代すべての面で実行できるかといえば、これは技術的にも困難な問題です。ですから、そこに直接民主主義の補完的な制度として代表民主制度という間接民主制を私は取り入れていると思うんです。 したがって、基本は国民の一人一人が主権者ですから、その政治の決定に当然参加する権利があるということを考えたときに、今の自治省のお考え方は日本の憲法の精神に若干異なっている内容である、私はこう言わざるを得ないんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は全く認識が違います。 憲法で保障する国民主権、在民主権というのは、主権者が民主主義の根幹であります選挙を通じて首長を選び、あるいは議員を選んでそこにお任せするという一つの制度が導入されておるわけでありますから、主権者としての立場というものはそういう形でしっかり補完をされておる。議会や首長が選挙で選ばれ、そして行政を執行し、議会を住民に変わって運営するということは、住民投票等で行う直接民主主義の補完的なものではなく、それは主権在民を受けた形での憲法で保障する当然の機能として議会制度がその社会の仕組みの中に導入されたものである。私は全く委員とは認識が違います。
○山口哲夫君 大臣の認識、全く私は違いますね、それは。念のために言っておきますけれども、決して間接民主制を私は否定していないということをもう一度言っておきます。 それではお聞きしますけれども、名護市の米軍ヘリポート基地建設の是非を問う住民投票が行われました。条例を読んでみますと、第一条に、「市民の賛否の意思を明らかにし、もって名護市行政の民主的かつ健全な運営を図ることを目的とする。」、そして第三条で、市長は、「地方自治の本旨に基づき市民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重して行うものとする。」と。だから、過半数ですから、賛成と出れば賛成の意思表示をすればいいでしょうし、当然市民の意思が反対であれば市長もそれに従わざるを得ない、それが私は住民投票だと思うんです。 結果は、御存じのとおり、賛成、条件つき賛成を合わせて一万四千二百六十七で四六・二%、反対は、条件つき反対も含めて一万六千六百三十九で五三・八%です。その差は七・六%ありました。にもかかわらず、当時の市長は住民投票の結果に反して建設賛成の意思表示をして辞任したわけですね。私は、これは異常と言わざるを得ないと思うんです。 市長が条例に基づいて市民の意思を問う、その結果が反対というふうに出たのに全く逆の立場で市長が意思表示をする、これは尊重しなければならないという文言を一体どうとらえているんだろうか。こういう過ちがもし出てくるとするならば、当然これは今後従わなければならないというふうにそれぞれの条例を改めた方が私はいいと思うんです。どうでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) その自治体でつくられた条例ですから、国が関与すべき筋合いのものじゃありません。しかし、住民投票に従わなければならないなどということになればもう議会は要らないわけでありますから、そういう国家社会には日本の国はならないだろう、私はそのように思っております。
○山口哲夫君 一から十まで住民投票をやるというのであれば、大臣のおっしゃることの方が正しいかもしれません。しかし、私はそんなことは言っておりません。 住民投票をしなければならないということは、例えば住民の中で全く意思が二つに割れておって、どっちなんだろうかということで、これは一人一人の住民参加を求めて結論を出さざるを得ない、あるいは議会や首長ではとても決めかねるような将来のその町の重要な決定、そういう問題で、これは何としてもやはり地域住民の意思というものを一度聞いておかなければならない、そういう決定的な問題に限って住民投票というのが行われるのであって、その場合は当然民主主義の原則にのっとってその結論に従っていくのが当たり前ではないでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 現在行われている住民投票についての御議論でございます。 現在行われているのは、今もお話ございましたが、住民の関心が高く、地域においても影響が大きい事案につきまして、地方団体がその意向を問うために任意に住民投票を行っているところでございまして、これについて法律上特に禁止はされていないということでございます。 それで、現実に原発、産業廃棄物等について地方公共団体が条例を制定して住民投票を実施しているケースがあるわけでございます。今、名護のお話が出ましたが、その条例、住民投票の効果につきましては尊重するということでございまして、法律的な厳密的な意味では長及び議会を法的に拘束するという効果を持つものではないということで、現行法上違法ではない、このように考えているところでございます。
○山口哲夫君 名護の条例そのものは違法でないことはもう十分承知しておりますし、それから今までも随分あちこちの自治体がそれぞれ条例を持って住民投票をやっております。それも法律違反のものではない、それは十分存じております。 問題は、例えば名護に例をとれば、住民投票の結果と全く違うことを市長が意思表示する、そのこと自体、一体どういうふうにそれじゃお考えでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 名護の市民投票につきましては、海上ヘリポートについての一つの判断材料にしたいというお考えで実施されたものと承知をしております。昨年末、前名護市長は、この住民投票の結果も踏まえて海上ヘリポートを受け入れるという決断を示されたところでございます。そのように承知をいたしております。
○山口哲夫君 ですから、それが局長のお考えで正しいと思いますかということを聞いているわけです。
○国務大臣(上杉光弘君) 住民投票にその首長や議会が拘束されるものではありませんから、それは場合によっては違った判断も起こるであろうし、同じ判断も起こる場合もあるかもしれません。 しかし、住民投票で拘束をされて、そしてその地方団体の行政が運営され、また方向づけされるものではないと。したがって、局長が申し上げておりますのは、そういう意味での拘束は受けない、こういうことでありますから、住民投票で決まったとおりその地方団体の責任者あるいは議会が従わなければならないということではない、私はもうはっきりそう申し上げて差し支えなかろうと思います。
○山口哲夫君 それじゃ、もう住民投票制度そのものを否定することになりはしませんか。
○国務大臣(上杉光弘君) 否定はいたしません。住民投票制につきましては、行政への住民の参加という機会を拡大する、あるいは代議員として議会に議員をそれぞれの立場の人が選出して送っていますから、その議会の議論というものを活性化する、そういう意味での住民投票という制度が今非常に各地域で行われておるわけでございまして、こういう観点に立った住民の投票制度でございますから、私は否定をするものではない。 住民投票の一つのまとまった考え方というものはそれぞれの地域におきまして十分尊重され、そのことも含めた判断がなされるものと、こう思っておりまして、決して私は否定するものじゃありません。
○山口哲夫君 それなら大臣は、直接民主主義、直接民主制というものよりも間接民主制の方が憲法の精神からいって基本になるということなんですか。
○国務大臣(上杉光弘君) 全くその論点が違います。 そうではなくて、日本国憲法で言う在民主権、国民主権というのは、これは個人の立場というものをしっかり、民主主義国家ですから当然のことでありまして、そのことを含めた上で議会制というものがちゃんと国家社会の中に位置づけられ、その議会を運営する者は地域住民の主権者が選んで決める、国は、国会議員というものを国民が選んで決める、そこで国民にかわっていろいろなことを議論し、決めていくわけでございますから、直接民主主義というのは私は民主主義ではない、こう思っております。
○山口哲夫君 それはもう重大な問題ですね。全くの誤りですね、それは。 憲法で規定されている主権在民、国民主権ということは、国民一人一人が政治に対する決定権を持っているということですよ。そうでないんですか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私が言っているのは、そのことは否定していないんですよ。だからこそ在民主権、国民主権というもので、選挙という制度によって選び、そこでいろいろなことが議論され、国の方向というものが決められていくわけですから当然のことでございまして、国民主権や在民主権を私は否定するものではございません。国会議員や地方における議員の存在を否定することはできない、こう思うんです。直接民主主義というのはそれを否定することになるというのが私の認識でございます。
○山口哲夫君 直接民主制、国民一人一人が政治に参加をして、そしてそれを決定する権利を持っている、これは直接民主制ですよね。それ自体がやっぱりおかしいわけですか。
○国務大臣(上杉光弘君) おかしいとは言っていないですよ。
○山口哲夫君 いや、大臣の意見を聞いていると、間接民主制の方が上にあって直接民主制というのは下の方にあるんだ、補完的な立場なんだというふうに解釈できるから、それじゃ憲法の精神の国民主権ということを一体どういうふうに解釈しているのかなという疑問を持たざるを得ないということです。
○国務大臣(上杉光弘君) それは主義の問題で、上下のある問題じゃない。委員は先ほど行政の長の行政運営とか議会というものはこの住民投票という直接的な民主主義というか、直接的なそういう住民投票を補完するものであるとおっしゃったから、私は補完するものではないという認識に立っておりますので、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○山口哲夫君 それじゃ、いろいろな政治の決定について、直接国民一人一人がその政治の決定権に参加するということについては好ましいことではないんですか。
○国務大臣(上杉光弘君) いや、それは住民が、すべて在民主権ですから決定をしていくわけですが、論点が全く違う問題ですね、それは。
○山口哲夫君 一つの例えば政治的な問題に対してできれば国民一人一人がそれに参加をして決定権を行使するということは、大臣の意見を聞いていれば好ましくないというふうに聞こえざるを得ないです。
○国務大臣(上杉光弘君) いや、それは全然違います。
○山口哲夫君 どうですか、それは。
○国務大臣(上杉光弘君) そんなことは申し上げておりません。好ましいとか好ましくないという問題ではない。それは、国民主権、在民主権で選挙というものを通じて国民の代表を選んで、そして我が国は立派に代議制度として国が成り立ちここまで繁栄してきたわけでございますから、私は、今日の我が国における一つの制度として、民主主義国家の基本的な姿として立派にその機能を果たしておると。住民投票制度が上にあって、それを補完する議会ではない、私はそういう認識でおりますから委員とは全く違った考え方でございますので、そのことを申し上げたわけです。
○山口哲夫君 住民投票制度が上にあるなんて言っていないんですよ。
○国務大臣(上杉光弘君) いや、補完と言われたら上でしょう。
○山口哲夫君 一般的に政治の問題を見たときに、間接民主制、代表民主制をとっておりますよ。これはなぜそういう代表民主制をとらざるを得ないかといえば、基本は、憲法の精神は直接民主制にある。これは間違いないです、主権在民なんですから、憲法でちゃんと国民主権と書いているんですから。 しかし、それを実際に行いますかといえば、一つ一つの問題について全部住民投票でもってやる、参加するということはできないでしょう、技術的にも。ですから、そこで代表民主制というものをとっているのであって、代表民主制を上の方に置いて、直接民主制というのは何か代表民主制を補完するような考え方に大臣は答えるから、それは逆じゃないですかと言っているんです。
○国務大臣(上杉光弘君) 全然それは受けとめ方が違うわけで、国民主権、在民主権は民主主義の基本ですから、我が国は平和国家、民主国家ですから、私はそれを否定するものじゃありません。 ただ、委員が、住民投票というのは直接民主主義で、その投票の結果に議会あるいは行政の首長というものが従うべきである、議会や首長というものは逆に補完する機能を持っておるという意味のことをおっしゃったから、私は全くそうは考えていないということをそういう意味で申し上げたわけです。国家民主主義という形での在民主権、国民主権というものを私は否定はいたしておりません。
○山口哲夫君 住民投票の結果と全然違う方針を出すということは、結局は直接民主制そのものを否定することだと思うんです。ですから、これは全く憲法の解釈そのものに私は間違いがあるというふうに思います。
○国務大臣(上杉光弘君) それは全然違います。
○山口哲夫君 それじゃ、お聞きしますけれども、憲法七十九条、九十五条、九十六条、これは直接民主制をはっきりあらわしていますね。 例えば、七十九条が最高裁判所裁判官の国民審査、これは国民の審査に付するということになっていますね。それから九十五条、特別法の住民投票。一定の地域のみに限定される法律をつくる場合にはその地域の住民の投票が必要だという九十五条。それから憲法の改正の手続、九十六条。憲法の改正の手続というのは、国会の三分の二の賛成をもって最終的には国民投票に付するんだと。だから、極めて重要な問題については国民一人一人が政治決定に参加をできるということが憲法の国民主権の精神から書かれていると思うんです。 どうですか。こういうことを考えたら、住民投票でもって決定されたことに従わないというのは間違いじゃないですか。
○国務大臣(上杉光弘君) そうおっしゃっても、何も国民がすべて決めていくということじゃございません。議会というものがあって、さらに重要な問題、例えば憲法改正だとかいろんなものはそういうものでしていく、こういうものでありますから、私は間違ったことを言っているものでもないし、住民が民主主義の基本である、国民が民主主義の主権者である、それは一切否定するものではありませんので、その点は御理解をいただきたい。そういう意味で申し上げているのじゃありません。 住民投票と行政とそれから議会の関係で、住民投票を補完するものだとおっしゃったから、そうではないということを申し上げたわけでございます。
○山口哲夫君 繰り返し申し上げておきますけれども、住民投票というものは、極めて町の意見が二分されているとかあるいは市長と議会が決定しかねるとか、そういう特定の問題に限って行うのが住民投票なんです。ですから、住民投票の結論は、これは当然、直接民主主義の憲法の精神からいってそれに従うのが当たり前であって、例えば結果に賛成と出たのなら賛成に首長も議会も従っていく、反対が出たら反対に首長も議会も従っていくのならいいけれども、条例ではみんな尊重するといって書いているのに、出た結論と全然違うことをやる首長がいるから、市長がいるから、これは住民投票制度という精神そのものを履き違えているのではないだろうか。 ですから、これから住民投票制度というものをそれぞれの機関で議論するわけです。大臣がそういうお考えでいるということは極めて危険なので、これは賛否両論たくさんの意見を持っている人がいますから、ちょうど大臣と今の私と同じような対立した意見が随分ありますから、そういうような人たちの意見も十分ひとつ聞いた上で自治省の案をつくってもらわなければ大変なことになると思いますので、そこだけは言っておきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 危険だと言われるとまた議論になって、これを議論するつもりはありませんけれども、危険などと言われるほど私は危険なことを申し上げたつもりはないんです。全く委員と立場、考え方の主義主張の違いである、こういうふうに考えております。
○山口哲夫君 自治省が検討するときにどうするんですか。
○政府委員(鈴木正明君) 議論といたしまして、現在地方団体が行っております住民投票を任意の形で条例を制定してやっていくものの評価、その問題と、自治制度上、住民投票制度をどういうふうに位置づけるか、考えるか、導入するかという議論と二つがあろうかと思います。 いずれも相関連する問題でございますが、地方制度調査会での御議論もあります、また地方団体の関係者の御意見もありますし、もちろん国会での御議論もございますので、そういうことを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 終わります。
○岩瀬良三君 私からは数点お聞きしたいと思います。 初めに、補助金関係について御質問申し上げたいと思います。 国庫補助負担金関係については地方分権の中心課題ということはもうどなたも御存じのことでございまして、平成九年度では、地方団体として十三兆二千億円の国庫補助金のうち、国庫補助負担金を除く奨励的と申しますかその他補助金、こういうものについては四億一千万ほどあるようですが、これを国から地方へ移譲してはどうかというような議論も地方団体の間でもあったわけでございます。その他いろんな議論があるわけでございます。 また、財政構造改革法でも、三十四条以下この見直しについて規定されておるところでございますけれども、財政構造改革法と分権推進委員会の勧告では若干整理が違うようでございます。構造改革法では先ほど申しました奨励的、財政援助的な補助金、いわゆるその他補助金、こういうものについては一割削減が目標とされてきたところでございます。そうしますと、その他補助金についてはできるだけ整理合理化を図り、一般財源化し、地方へ財源移譲することが望ましい、こういう前提に立っておるわけでございます。 本年度予算においては、これはいただいた資料からでございますけれども、地方公共団体向け補助金十六兆八百二億円ということで、約十六兆一千億円のうち、制度的補助金が約十五兆八千億円ですから、その他補助金は約三千億円とされておるわけでございますが、この三千億円の削減合理化が行われて、約五百二十四億円について一般財源化が行われたわけでございます。約一五%という率でございますけれども、この五百二十四億円について一般財源化された処置というのはどういうことになっておりましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度の補助金の整理でございますが、委員がお挙げになりましたいわゆる構造改革で制度的補助金とその他補助金に分けまして、その他補助金について一割カットをするということで削減されました額は、今委員がおっしゃいました五百二十四億でございます。 一方、そのうち地方財政計画ベースで、地方団体の関係で取り上げます四百六十二億というのは十年度の一般財源化でございまして、厚生省関係あるいは通産省関係があるわけでございますが、二十二件、四百六十二億円については一般財源化を図るということで、地方財政計画の策定段階で一般財源化の経費を見込んで、全体の地方財政対策を講じて地方財政計画において財源措置し、それを具体的にそれぞれの項目ごとに地方交付税において算定する、これからでございますが算定する、そういう形で対応するわけでございます。
○岩瀬良三君 そうしますと、五百二十四億円ですが、地方財政計画ベースで四百六十二億円ということで、これについては資料をいただいておるわけですが、平成八年度では三十六億、平成九年度では五十四億、平成十年度では四百六十二億、こういうことでございます。税源移譲を伴った、いわゆる交付税措置を伴ったこういう見直し、こういうことについては、今まで地方分権推進委員会の四次にわたる勧告でもこれを十分うたっておるわけでございまして、地方団体としてもいろいろな議論が出たようなことで非常に期待しているのではないかというふうに思うわけでございますが、この本年度の額の見直しというものは、自治省として見てどういうお考えなんでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 補助金の整理は、最初に委員が御指摘になりましたように、地方分権を考えていく上で非常に重要な課題でございまして、地方分権推進委員会でも補助金の整理、一般財源化ということは重点的なテーマとして取り上げられておりますし、地方六団体からもこのことについて大きな項目として強く要望されておるわけでございます。 そういう観点からいたしますと、十年度の四百六十二億円というのは必ずしも大きくはないんじゃないかという見方も一方であろうかと思いますが、これは、なかなか関係省庁がかかわりますし、いろいろ難しい要素の多い問題でございます。分権委員会でもそういうことも踏まえて勧告の中で、計画的に件数あるいは金額を一般財源化という形で整理していくべきだというふうな方向が出されておりまして、今、構造改革と分権推進委員会の勧告との整合性をとって取り組む最初の年でございまして、これを第一歩として引き続き今後とも着実に一般財源化、整理合理化が図られていくということを私どもとしても期待いたしているわけでございまして、そういう方向で私どもも努力してまいりたいというふうに考えております。
○岩瀬良三君 今自治省サイドのお話を局長からいただいたわけでございますけれども、この分権推進委員会の勧告はかなりのページを割きまして補助金関係について触れておるわけでございまして、言うならば、国と地方の経費の区分の明確化、こういうようなものを基本にしていろいろなことが言われておるわけで、多岐にわたっておるわけでございます。 今お話にも出ましたが、財政構造改革の集中期間中は改革法との整合を図ることとなっておるわけで、規定されているその他補助金については十分の九というようなことで一割減ということになっておるわけでございますけれども、補助負担金は古くからの大きな問題であるわけでございます。財政構造改革期間中はその法の精神のもとにあるにしても、これはかなり力を入れて持っていかないとなかなか改革できる話ではないと思うわけでございまして、もっと大幅な見直しを必要としているんじゃないかと思うわけでございます。 そういう中で分権推進計画の立案がされるわけでございますけれども、この分権推進計画ではどのような扱い、今後の考え方、こういうものをとっていこうとするのか、お考えをお聞きしたいと思うわけでございます。何ですか内政審議室の方が計画をやるようなんですけれども、なかなか大きな問題ということで大蔵省の方に回ってきたようなので、直接的ではないと思いますけれども、お考えまた今後の方針を今言える段階でお話しいただきたいと思います。
○説明員(清水治君) お答え申し上げます。 地方分権推進計画におきまして、補助金の整理合理化につきましてどのように取りまとめを行っていくかという御指摘かと存じます。 先生御指摘のように、財政構造改革法のもとで補助金の整理合理化に取り組みながら、地方分権推進委員会の第二次勧告におきまして、財政構造改革の集中期間中におきましては「財政構造改革の推進について」との整合性を図りながら進めていけというところでございます。地方分権推進委員会の第二次勧告におきましては、その第四章におきまして、「国庫補助負担金の整理合理化」、それから「存続する国庫補助負担金に係る運用・関与の改革」につきまして幅広い御指摘がされているところでございます。 政府におきましては、この地方分権推進委員会の勧告を最大限尊重いたしまして、平成十年の通常国会が終了するまでのできるだけ早い時期に地方分権推進計画を作成することとされてございます。このもとで国庫補助負担金の整理合理化に関連いたします部分におきましては、私どもも分担して各省庁さんと協議しながら現在鋭意勧告を踏まえながら作業をしているところでございます。
○岩瀬良三君 お答えとしてはそのくらいにしか今の段階では答えられないと思いますが、いずれ計画を提出されるわけでございますので、各省庁または地方団体にとっても非常に大事な問題ですので、これについて力を入れてひとつ分権推進委員会の方向になるよう努力いただきたいというふうに思うわけでございますけれども、大臣、お考えありますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 分権推進委員会の勧告に沿いまして、しかしある意味では地方団体の自主性、自立性、そういうものも高めていかなければなりませんし、また自治省としては、分権を推進し、自立性や自主的な形でそれを高めていくとすれば、当然伴います財政需要というものも、これは変わったものと言っては語弊があるかもしれませんが、変わってくると。 特に、国庫補助金等の整理合理化、この見直しというものを積極的に推進いたしますれば、当然そこには分権と絡まった問題があるわけでございます。事務ベースのものと事業ベースのものがあるわけですから当然財政にも及ぶことでございますので、これらの問題については見直しを進め、整理合理化を積極的に分権に沿ってこれは進めていきたい、こう考えております。
○岩瀬良三君 次は、景気対策で前回ちょっと御質問しましてそのままになっておりますので、それについて質問したいと思うんです。 景気対策は、マクロ経済については国の所管か地方なのか、地方ということはあり得ないと思いますから、国の所掌なのか、こういうような言い方で御質問したわけですが、局長からは、両者相まってというような答弁があったと思います。ただ実際、景気対策、今、政府の方ではまだそこは検討段階だと、こういうことのようでございますけれども、新聞等はもう橋本首相がロンドンで記者との懇談会でかなり踏み込んだ発言もされておるし、景気対策をやらないと言っているわけじゃないんですね。やるともやらないとも言っていないのは永田町だけというふうなおかしな格好になっておるわけですけれども、この景気対策についてはいずれそういう大型なものが出されるだろうというふうに思うわけでございます。 それで、その景気対策そのものはまだ御検討いただくにしても、国の仕事かどうかという点については、これは分権推進委員会で機関委任事務制度が廃止されたわけでございまして、それに伴って自治事務、それから国の事務であれば法定受託事務という二つの事務の流れに分かれてくるわけなんです。いずれどちらかになるわけです。それ以外は国が直接執行する事務であるわけでございますが、地方にかかわるものはいずれどちらかに分けざるを得ない、こういうことでございます。 それは、お互いが了承して景気振興をやろうやというこれはまた別の話でございますが、法的にはどちらかに明確にしていかなければならない。その上で、協調したりまた財源措置をしたりという問題が出てくるんじゃないかと思うんですが、こういう点でいずれはっきりしなければならない、そういう意味で自治省の方として、この景気対策と申しましょうか、マクロ経済政策はどこの所管か、こういう点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 前回、岩瀬委員の方から御質問がございまして、国と地方はそれぞれもちろん固有の役割を持って役割分担をしておるわけでございますが、いわゆる経済政策とかあるいは国民の間の所得の再配分をどう考えるかといったような基本的なことについて、今の我が国の仕組みでは、例えば税でありますと地方税についても地方税法という形で国会で審議して基本的なことを国会で決めているというふうな形になっております。それから、もちろん国の税は国の固有の権限として国の方で定めておるということになっております。 景気対策とよく議論されます片方で、例えば公共投資をどうやって行うかということにつきましては、今、委員が御指摘になりましたような機関委任事務との関係で申し上げますと、例えば県が管理している国道の改良なり維持というのは、これは従来機関委任事務でございまして、これを今度の見直しで法定受託事務ということになるのでありましょうけれども、そういう形で県が引き続き仕事を行っていく。これの費用については、現在の地方財政の負担区分の原則は、基本的に固有事務であろうと機関委任事務であろうと、それが今度法定受託事務になりましても、事業を実施する主体の側で経費の分担を行う。一部、物によっては補助という形で片方が補助することはあり得るという形でございます。したがって、国道の改良については、建設省の方から補助金が出ております。 しかし、国道の維持管理につきましては現在機関委任事務でありまして、これから法定受託事務になりますが、これはすべて県が財政負担をしているという形になっておるわけでございまして、そういう意味では機関委任事務という形のものが法定受託事務なりあるいは自治事務に変わっていきましても、その基本的な経費負担の区分のやり方というのは現在の仕組みでいくということになるんだろうと思います。 したがって、景気対策との関係で、公共投資をどういうふうにするか、どのくらいの量をどういう箇所で行っていくかという話になりますと、全体の量としては、今の公共投資のうち補助負担金を伴うようなものについては国の予算で定めますが、具体にどの箇所でどうやっていくかということについては、それぞれ事業を行います地方団体の方と所管をする各省とよく協議をしながら具体の箇所を決めていくという話になろうかと思います。 その結果、現在の我が国の今の公共投資を例にとりますと、その仕事のやり方では、実際に国民経済計算の上でいきますと、公共投資の約八割というのはもちろん単独事業を含めてでありますから、約八割というのは地方団体の手で行われるというような状況になっておりまして、したがって、やはり景気対策の一つの手段として公共投資の追加ということが行われます場合には、地方はやっぱり非常に大きな役割というか、かかわりを持つという仕組みに、今の我が国の地方財政、地方行政の制度ではなっているということかと思います。
○岩瀬良三君 経費負担については、今の仕組みがなされるんじゃないか、こういうふうなお話でございますけれども、今までの従来の公共事業の、例えば大幅な追加があったようなことが今の地方団体を非常な借金財政にしてしまった、こういうことであるし、また、その内容についても、これ新聞に出ただけで申し上げますと、例えばたまたま埼玉県知事さんの例が新聞に出ておりますけれども。財源手当が確実になされるならば協力は惜しむものではないけれども、ただ、単独事業までこれまでどおりにおつき合いできるかどうかは疑問だよ、こういうようなことを言っております。また、その他の知事さんも、今後いつものとおりおつき合いは国からの要請があってもなかなかできるものじゃないよということを言っておるわけでございます。ちょっとすぐ出てきませんけれども、二、三の知事さんもそういうことをはっきりさせているわけでございまして、なかなか従来の景気対策だけではいかないわけでございます。 財源手当というのを十分しっかりして、これが借金漬けの、借金が膨大にふえていく、こういうことにならないように自治省の方でひとつしっかりと、大蔵の方もたまたまおられますけれども、交渉をして実施していただければ、こういうふうに思うわけでございます。この点について。
○政府委員(二橋正弘君) 現在の地方財政が非常に厳しい状況になりましたひとつの要因として、特に平成五年度以降の累次の経済対策で減税の先行とか、あるいは公共投資単独事業の追加ということで、地方債に依存してそういう仕事を行ってきたという要因が一つの要因であるということは確かでございます。 そういうことを踏まえた上で、要は現在の経済情勢をどう考えるか、それから、各県においても各県のそれぞれの地域における経済情勢をどう考えるか、その際に地方団体が持っておられる手段を、もちろんその財政状況をよくにらみながらではありますけれども、そういうものを踏まえた上でどういうふうに活用していただくかということかと思います。 その辺は私どもも十分過去の経緯、現在の財政状況を承知いたしておるつもりでございまして、委員の御指摘もよくわかるわけでございます。そういうことも踏まえてその時々の経済情勢にやはり的確に対応する必要があると思いますし、各団体においても、それぞれの地域の経済情勢は十分踏まえた上でいろんな対策を講じていかれるだろうというふうに私ども考えておるところでございます。
○岩瀬良三君 それでは、次の点にちょっと入らせていただきます。 これは過日の新聞に報告されておりましたけれども、千葉県交通安全協の連合会が一億円の申告漏れをしたということで東京国税局の指摘を受けた、こういうふうになっておるわけでございます。 それで、ちょっとここのところだけ読ませてもらいますと、 関係者によると、連合会は、関連団体から運転免許証の更新者用の講習テキストなどを購入した際、代金の一部について「啓発宣伝費」名目で割り戻しを受け、これを課税対象とならない非収益部門の収入に計上していた。 財団法人などの公益法人は、本業にかかわる事業の収益は非課税だが、それ以外の事業による収益には課税される。 こういうことで、収益ということで認定されたようでございますけれども、このことについて国税庁の方では実態の把握、調査をどのようにされておりますか。
○説明員(小武山智安君) お答え申し上げます。 個別にわたる事柄につきまして具体的に答弁することにつきましては、恐縮でございますけれども、差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として申し上げますと、国税当局としましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして課税上有効な資料、情報の収集に努めまして、これらの資料と納税者から提出された申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどによりまして適正な課税の実現に努めているところでございます。 今後ともこのような考え方に基づき、適正に対処してまいりたいと思います。
○岩瀬良三君 それでは一般論として公益法人と私人とが契約関係において割り戻しを行うこと、これを交通安全等の啓発宣伝費に充当する場合は課税対象となるのかどうか、そういう点についてお伺いしたいと思います。と申しますのは、これは一つの交通安全協会の例でなくて、全国各県どこにでもある例でございますので、そういう点でこの点についてお答えいただきたいと思います。
○説明員(小武山智安君) 重ね重ね恐縮でございますけれども、個別にわたる事柄について具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として申し上げますと、法人税法上、公益法人等につきましては、物品販売業、不動産賃貸業等、税法所定の三十三の収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課されるという仕組みになっております。この場合、課税対象とされる収益事業の範囲につきましては、必ずしも公益性の有無やその強弱だけで判断されるわけではなく、一般私企業との競合関係の有無や課税上の公平などの観点を踏まえて定められているところでございます。 したがいまして、公益法人等が三十三の収益事業のいずれかに該当する事業を営む場合につきましては、たとえその営む事業が当該公益法人等の本来の目的たる事業であるときでございましても、当該事業から生ずる所得については法人税が課されるということになるわけでございます。
○岩瀬良三君 どうもよくわかったようなわからないような感じですけれども、それじゃもう一つ、これは千葉県交通安全協会連合会の話でしたが、全日本交通安全協会、こういうのがあるようでございます。ここに委託費というのが委託されておるようでございますけれども、中身はどんなものでございましょうか。
○政府委員(玉造敏夫君) 警察庁から全日本交通安全協会に対しましては、交通安全国民運動中央大会の開催等の交通安全事業を委託しておるところでございます。
○岩瀬良三君 その交通安全事業の委託費と各県の協会連合会との仕事の交流というのですか関連というのですか、そういうのはどうでしょうか。
○政府委員(玉造敏夫君) 警察庁から全日本交通安全協会に対しまして委託しております関係のものにつきましては、国民の交通安全意識の高揚を図るために交通安全に関しまして広く国民に対しまして啓蒙啓発活動に資する事業を行うという目的で使用しておりまして、全日本交通安全協会がすべて使用しております。都道府県に交付しているものではございません。
○岩瀬良三君 それで、この全日本交通安全協会は今まで八百万だったんですが、今年度から六百万というふうに減額になってきているんです。今、全日安全協の事業内容がちょっと明確じゃないんですが、その事業内容とともにこの事業費、余り県とは関係ないというようなお話でございますので、この事業費が減になっても問題ないのかどうか、その辺のところをお答えいただきたい。
○政府委員(玉造敏夫君) 委託費が確かに減額になったわけでございますが、何分にも平成十年度予算におきましては国の補助金等の削減の方針を受けまして、委託事業の見直しを行ったものでございます。交通安全教育指導者講習会の一部を整理したことによりまして減額ということでございます。 一方で、情勢でございますけれども、交通事故の件数は依然史上最悪を更新しておるというような状況でございます。厳しい交通情勢が続いておるわけでございます。こうした情勢に的確に対応してまいるためにも、現在委託しておりますこの交通安全事業の重要性はいささかも劣るところがないわけでございます。 そうしたことから業務の効率化に努めつつ関係機関、団体等とより一層連携を図って実施していくことによりましてその実を上げてまいりたいと思っております。
○岩瀬良三君 県の交通安全協会連合会、私もこれは自動車免許を持っていますので、恐らくお世話になっているわけでございます。大事なお役目をやっていると思いますので、十分その効果が上がるようにひとつ御指導をいただくことにお願い申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(藁科滿治君) 以上をもちまして、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、運輸省所管のうち海上保安庁、自治省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会 ―――――・―――――