地方行政・警察委員会 第4号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/03/12
会議録
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、鈴木正孝君、林方正君、海老原義彦君及び鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として芦尾長司君、大木浩君、下稲葉耕吉君及び山本一太君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件等について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。 本日、大臣の所信を受けまして一般質疑をさせていただきますことを大変ありがたく思うところでございます。 本日、朝新聞をあけてみますと、日銀の課長が収賄容疑で逮捕というような記事がございます。また、大蔵省の課長補佐が逮捕されたのは先週であったかと思います。毎週毎週このような中央官庁に対します検挙等が続いておりまして、国民から見ましても、日本の行政というのは一体どうなっているんだという不信感と、もう毎日のニュースを聞くのも嫌であるというふうな昨今でございます。 そういう中で、巨大な権限を持っております中央官庁がやり玉に上がっているわけですけれども、地方公務員の倫理、公務員倫理がどのようになっているかということにつきましては、私どもも、地元で県庁や市町村で働いている方を見るわけですが、おおむねまじめに一生懸命取り組んでいるようにも思うわけです。 しかし、ふと振り返ってみますと、先年来、いわゆる空出張騒ぎで、これは不思議なことに逮捕者はいなかったんじゃないか、またその責任をとってやめたという人も余り聞かないわけですけれども、全国でこのような事件が続いておったことは事実でございます。 大臣に総括的にお伺いする前に、最近の全都道府県のいわゆる空出張問題、その実態はどのようであったか、どのくらいの数の府県が関係していたのか、また検挙された者はいなかったのか、責任をとってやめた者がいるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 各地方公共団体から私どもがいわゆる不正経理ということで報告を受けておりますのは、これは、それぞれ対象期間が県によりまして二年ないしは四年というふうに分かれておりますが、それを全部ひっくるめて合計をいたしますと、二十一都道府県で金額で二百九十八億円というふうに数字を把握いたしております。
○松村龍二君 私、初めに申しましたように、業務上横領というような罪がございますが、このような罪に問擬されることもなく、不思議な収束を見ていることでございます。しかし、いわゆる不適正経理ということで、厳格に反省して、弁償するとか知事が遺憾の意を表しておられるということも事実でございます。 そして、私どもも、この正月等から、いろいろな集まりに出ますと、昨年まで福祉関係の年賀会で県庁の役人も出ていたんですが、ことしからは出ていない。よく考えてみますと、やはりそういう会に出席いたしまして何も支払わないで飲食をするわけにもいかない、金一封を包まなければいけない、その金一封の捻出ができないといった問題等もあるんじゃないのか。 また、日本の社会はいわゆる冠婚葬祭のつき合いを密にしなければならない。しかも、その相場がアメリカ等の先進国あるいは東南アジアの諸国、私も東南アジアにいたことがありますが、結婚式というと本当に友達の間では簡単な三百円ぐらいの心のこもったものを買ってきて上げるという社会ですけれども、日本の場合には、二十万円の月給をもらう公務員でも、友達の結婚式だと三万円のものを包んでいかなきゃいかぬといったようなことで、飲食あるいは冠婚葬祭の費用が国際相場より高いといった文化がそういういろいろな無理を生んできた温床にもあるんじゃないかというふうに思いますけれども、そういう問題も含めまして、地方公務員の倫理、綱紀の元締めであります自治大臣から御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 政府内においては、大蔵各を初め、また警察庁の中にもあるいは日銀に、地方においては御指摘のような事案があるわけでございまして、行政改革のこの折に極めて残念であり、行財政改革の推進にとっては支障を来すものと遺憾に思っておるところでございます。 現在、地方公務員に対しましては、地方行政を取り巻く状況を十分認識し、全体の奉仕者であるということを改めて自覚した上で、住民本位の行政の推進に全力を尽くすということが強く求められておるわけでございます。 御指摘の、倫理の確立と厳正な綱紀の保持ということに関しましては、平成八年十二月十九日の事務次官会議において、政府全体として行政及び公務員に対する国民の信頼を回復するための新たな取り組みにつきまして申し合わせが行われましたので、地方公共団体におきましても、この申し合わせの趣旨を踏まえ適切に対処するよう事務次官通達を出したところでございます。また、本年一月二十日に開催されました全国都道府県の会議等におきましても、公務員倫理の確立等について重ねて要請を強くいたしたところでございます。 この問題は、公務員が全体の奉仕者といたしまして一人一人の自覚にまつところが大変大きいわけでございまして、地方分権や行政改革といった社会システムの変革が最大の課題でありますこの時期にこそ、ある意味では、改めてそれぞれの公務員が深く自戒をしていくことが必要である、このように考えております。 先ほど冒頭で触れました今般の国家公務員の汚職事件に伴いまして、内閣総理大臣から内閣官房副長官に対しまして、公務員倫理法に関する法制化等の検討が指示が出されたところでもございます。また、二月二日には、公務員倫理問題に関する検討委員会も発足をいたしたところでございます。 いずれにいたしましても、公務員倫理の確立は、国家公務員のみならず地方公務員にも求められるものでございまして、国における検討の動向序も十分踏まえながら、地方公務員についても、このようなことが起こることのないように、適切にまたその対策を万全なものとしていかなければならない、そのための検討をいたしてまいりたいと考えております。
○松村龍二君 次に、地方分権の推進についてお伺いするわけです。 私も、三年前に選挙に立ちましたときに既に地方分権法ができておりまして、地方分権、地方分権ということは騒がれていたわけですが、今日、この質問をする場に立ちまして、その間に何が進んだのかなというふうにも感ずるわけです。先般も、私の地元の市の幹部に地方分権についてどのようにお感じですかということを聞きましたら、かけ声ばかりで内容は一歩も前進していないというのが各市町村におきます感想ではないかというふうに思います。 昨年も、行政改革ということで、一府十二省庁の問題がございまして決着を見たわけですが、これも理念としては中央をスリム化して地方に権限等を与えて地方分権を実現するんだということが要望されていたかと思いますが、御承知のとおり、省庁の数は半分にしましたけれども、何か巨大官庁ができたんではないかという印象が国民の間にあるわけであります。 また、地方におきましても、ただいま公務員の倫理のお話がございましたが、県庁等の役人も、中央から補助金のついている、中央が政策誘導するような仕事をうまく県に当てはめて予算を獲得し仕事をするということにたけておりますけれども、その分権、本当の地方の時代というのは先がまだ遠いんじゃないかという感じがいたします。 そこでお伺いしますが、地方分権推進委員会は四次にわたる勧告を出しましたが、自治省はこれをいかに具現化しつつあるか、お伺いいたします。
○政府委員(鈴木正明君) 分権推進委員会から出されました四次にわたる勧告の具体化の問題でございますが、地方分権推進法に定めます国と地方団体との役割分担に関します基本方針に即しまして、地方分権推進委員会の勧告を最大限に尊重して、今国会が終了するまでのできるだけ早い時期に地方分権推進計画というものを作成いたしまして、国会に御報告することといたしております。 地方分権推進計画の円滑な作成あるいは各省における法令改正作業に役立てるために、昨年末に自治省としまして大綱というものを取りまとめております。その骨子は、機関委任事務制度が廃止される、そして自治事務と法定受託事務という新たな事務区分のもとでの地方制度の骨格を示しております。また、地方団体に対します国の関与等につきましても示しております。また、国と地方団体との係争処理の仕組みあるいは都道府県と市町村の関係というものの柱を示しておりまして、自治省においてはその内容を計画に盛り込むべく作業をいたしております。 また、各省におきましては、委員会の勧告とこの大綱を踏まえまして、それぞれの行政分野におきまして、所管法令につきまして、例えば現在の機関委任事務を自治事務、法定受託事務にどういうふうに整理するか、さらにそれにつきまして関与のあり方というものをどういうふうにするかということを検討整理しているところでございまして、自治省といたしましても、各省庁と協力してこの計画原案の作成に向けて調整作業を行うております。 地方分権推進計画が作成された後におきましては、その後は各省において計画に基づいて速やかに所管法令の改正作業に入っていくわけでございまして、これがかなりの、法律で申し上げますと数百本に上る法律の洗い直しをする、こういうことでございます。
○松村龍二君 大いに期待いたします。 先般、新聞を読んでおりましたら、総理から、地方分権推進委員会に対しまして、都道府県や市町村への権限移譲をさらに検討するよう指示がありまして、七月に向けて作業が開始されているというような記事があったわけでございますが、この見通しはいかがでしょうか、地方分権推進委員会にお伺いします。
○政府委員(東田親司君) 今お話がございましたように、昨年末、総理の方から私どもの委員会に対しまして、行政改革会議の最終報告において、国、地方を通ずる行政の役割を見直す見地からも、改めて地方分権を進めることとされているところであり、市町村への権限移譲を含む国及び都道府県からの事務、権限の移譲などの問題についてさらに検討を進めていただきたい、こういう御趣旨の御要請がございました。 権限移譲の問題につきまして、私どもの委員会のこれまでの一次から四次までの勧告の中でも取り上げてきたところではございますけれども、総理からの改めての御要請があったということを踏まえまして、まず分権委員会といたしましては、検討の視点を三点固めたところでございます。 一つは国と地方の役割分担の明確化、二点目は国の行政組織のスリム化、三点目は基礎的自治体である市町村への権限移譲の推進、こういう三つの視点から御要請のあった国及び都道府県からの事務、権限の移譲などの問題について審議検討を進めていくという方針を決めたところでございます。 今後の見通しでございますけれども、具体的にどのような行政分野、どのような課題を取り上げるかにつきましては、現在、二月から四月にかけまして、有識者あるいは関係団体等からのヒアリングを行っている最中でございまして、このヒアリングの結果も踏まえまして具体的な審議課題を整理し、取りまとめる時期等も固めていくことになろうと考えております。
○松村龍二君 後ほど財政についてお伺いしますので、その際、また大臣から御見解をお伺いしたいと思いますが、地方へ思い切った財源を付与して、またその受け皿である市町村を合併、広域連合するとして、受け皿を強化しない勧告では無意味ではないかといった意見が我が党内にも強力にあるわけでございまして、ぜひ地方分権を進めていただきたいというふうに思うわけでございます。 次に、地方行革の問題についてお伺いするわけですが、私どもも、毎週地元へ帰りましていろんな方にお話を伺います。問屋センターの幹部の方をお訪ねしましたところ、最近、寄るとさわると問屋センターの社長さん方あるいは経済関係の方が集まりますと、税金が高い、法人税、法人事業税、法人住民税合わせて五五%取られる。当然に従業員の社会保障の負担もかなり大きいわけですが、さらに自分の売り掛けの消費税はまだ先になるのに、自分が材料として買ったものについての仮受消費税というんでしょうか、それはしっかり払わないといかぬ。そうすると、七割ぐらい税金で取られてしまうという感じがしておる。一億円もうけて三千万残っても本当にあっという間になくなってしまう。三億円もうけて一億円残れば何かもうかったような気がするけれども、なかなか今の時代そういうわけにもいかない。 そうすると、おのずと今までのバブルの時代はさらにもうけようということだったかと思いますが、これだけ五五%の税金を払っているその税金が一体どういうふうに使われているんだろうかということがやたらと気になってくる。いわゆる箱物に対しての批判、あるいは市町村役場に自分の民間の能率から考えると考えられないような多人数の職員がいる、あるいは地方議員の数も多いんではないか、さらには、あなたには申しわけないけれども国会議員の数も多いというようなことも議題に上りますよという話を聞くわけでございます。 そういうことで、地方行革ということが大変にこの時代重要なことだと思いますが、地方行革の現況と、自治省はいかにこれを推進しようとしているか、この行革については一つだけ質問させていただきますのでよろしくお願いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のいわゆる箱物、例えば公立文化施設の整備状況について見ますと、平成九年の三月三十一日現在で県民会館、市民会館、公会堂、これが二千七百二十一カ所でございます。図書館が二千三百八十二カ所、博物館が五百六十九カ所となっております。 こうした箱物、会館等の施設整備について御指摘のような御意見があることは十分承知しておりますが、まず地方公共団体において住民の要望を一層的確に把握いたしますとともに、住民の代表であるそれぞれの県や市町村の議会におきまして事業の緊要度や効果等について十分な審議を行い、適切な事業の選択を行うことが何よりも重要であり、必要であると考えております。 また、自治省におきましても、地方公共団体に対しまして、会館などの施設整備に当たっては行政需要や住民ニーズあるいは利用見込みや維持管理に対する経費等を的確に把握したものにならなければならないわけでございますが、そうした考え方によりまして、これも事業の緊急度あるいは適切な施設水準を十分に検討いたしますとともに、必要に応じて広域行政という新たな手法も地方には展開をいたしておるわけでございますから、広域的な観点から調整を行うなど、効果的な施設整備を行うよう指導をいたしておるところでございます。また、そうした施設をつくれば、当然そこには人を張りつけなきゃならない、そういうものも含めて十分検討し、指導していかなければならない、こういうふうに考えております。 また、箱物の問題につきましては、大きなドーム等をつくりまして年間一億円もの財政負担を求められるような施設等も全国の中には見られるわけでございまして、一つの例として申し上げましたが、そういうもののないように自治省としては十分指導、適切な判断を求めていきたい、このように考えております。
○政府委員(鈴木正明君) 今、大臣から御答弁ありました残りの問題について御説明させていただきたいと思います。 まず、地方公務員の数の問題でございますが、近年、福祉や医療やあるいは治安、防災といった面の充実ということで増加傾向にございましたが、ここ二年は連続して、公務員の総数でございますが、減少に転じております。 それでまた、地方議員の数のお話もございましたが、七〇%の都道府県で減数条例、あるいは市町村で申し上げますと九八%のところで減少条例というものを制定いたしまして、法定数に対しまして全体で四分の一ぐらいに相当します二万一千人少ない状況になっております。 しかし、お話しのように団体の中にはまだまだこれから努力をしなければならないという団体もあるわけでございまして、特に地方分権や国、地方を通じた行政改革を推進するということで取り組んでおりますので、自治省としては昨年十一月に地方行革の新たな指針を策定いたしまして、数値目標の設定など取り組み内容の充実を図るということが第一点、第二点は、これを住民にオープンにしながら積極的に取り組むという点を強く要請いたしているところでございます。 この指針におきましては、今大臣からもお話ございましたが、スクラップ・アンド・ビルドの徹底を基本にいたしまして極力定員を縮減していく、定員管理の一層の適正化に努めること、また地方議会につきましても自主的に組織運営の合理化を進めてまた議会の活性化というものを図ること、また箱物についてはできる限り既存施設の有効活用を図るとともに、また新設する場合も広域的な調整を行うということで考え方を示しておりまして、地方団体におきましてもこういった主体的な取り組みを進めていただきたいと思っております。 自治省としても、こういった地方行革に関します幅広い情報というものを提供いたしまして、地域独自の工夫を生かした行政改革が一層推進されるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○松村龍二君 最も重要な地方税財政について一問だけお伺いします。 これは最近いろんな新聞等で、これは週刊新潮ですが、「国民の知らない地方自治体「大借金」の惨状」とか、これは読売新聞ですけれども、「財源不足五兆四千億」とか、皆様よく目にとまるわけでございます。それから、最近私の地元の県庁所在地の市長選挙がございましたが、「財政再建へ市債発行抑制」といったようなことが市長の当選の主なインタビューの中にあるわけでございます。現況は、三月四日の読売新聞に例を引きますと、「新年度の財源不足は五兆四千億円に達し、地方の借入金残高も過去最悪の百五十六兆円余に膨れ上がる。」、また財政の黄信号を示す公債費負担率が一五%を超える団体が全自治体の五割に達していると。 そのほか私の承知しているのでは、地方債依存度が一五%ぐらいということで大きいわけですけれども、このような大幅な財源不足、多額の借金残高、個々の団体の財政硬直化に対し今後どのように改善策を講じようとしているのか。もちろん、個々の団体の独自の健全化努力が不可欠であるということは言うまでもないが、自治省としても交付税率の引き上げ等財政健全化策を強力に推進していく必要があると思いますが、財政再建に向けた今後の基本方針をお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のように地方財政百五十六兆の借り受け残高を持っておるわけでございます。また、財源不足も五兆四千億ございまして、これの対応としては、地方に支障のないように二兆五千億を地方債で、また二兆九千億を交付税の特別会計借入金で財政的に措置いたしまして、地方に財政運営の支障のないように措置いたしたところでございまして、そのやりくり等は極めて厳しい状況にあるわけでございます。 この財政再建は今次橋本内閣の極めて重要な改革の課題でございまして、財政再建のため、財政健全化のために、国、地方の財政赤字、対GDP比三%以下という目標に向けまして、国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しを進めますとともに、地方団体に対しましては徹底した行財政改革に取り組むよう要請するなどによりまして、地方財政の健全化に取り組んでまいる所存でございます。 また、地方分権推進委員会の勧告もございますが、その勧告も踏まえまして、国庫補助負担金の整理合理化や事務、権限の移譲に応じ地方税、地方交付税等の確保を図るとともに、例えば地方交付税は対前年度比伸び率が九年度は一・七でございましたが、行財政改革の厳しいときではございましても、平成十年度は九年度対比で二・三%の伸びとして地方固有の財源確保等を図るというようなことをやりながら、中長期的に地方の歳出規模と地方税収等の乖離をできるだけ縮小するという観点にも立ちまして、国と地方の税財源の配分のあり方等についても検討しながら、地方税財源の充実確保に積極的に取り組んでおるさなかでございます。 今後ともこの努力はさらに続けていかなければならない地方財政に対する対応があろうかと思っております。
○松村龍二君 大臣の所信の魅力ある地域づくりという項目の中で、とりわけ地域づくりの課題として、食糧等を供給するという経済、産業活動面のみならず、水資源の涵養、自然環境の保持等国土保全という多面的かつ重要な公益的機能を有している農山漁村地域は、過疎化、高齢化の進展等によりその活力は低下しておりまして、機能と役割が低下していることは憂慮されるところでありますと、地方公共団体が農山漁村地域における国土保全対策を総合的に推進する経費、また町の中心部を再活性化するということに対して地方財政措置を講じるという、私どもも中山間地の多い地域でございますので、大変に力強い所信かと思うわけでございますが、具体的にどのようなことをお考えなのでございますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、地方の時代とか地方の振興、活性化と言われておりますが、キャッチフレーズだけで地方の振興や活性化ができるものとは思っておりません。私は、一つの哲学が必要である。また、国家社会というものの成り立ちの中で地方が果たしておる役割というものを都市部に住む人たちも含めて正しく理解、評価するという一つのものがなければ、政策を幾らキャッチフレーズ的に、あるいは過疎対策や辺地対策、あるいは農林業、水産業の振興を叫びましてもそうはいかないというのが私の考え方でございます。 そのことから申し上げますと、我が国には特殊な世界の国々にはない一つの問題があろうかと思うわけでございます。そのような視点から申し上げますと、国土の大宗をなす約七〇%、これは地方でございます。農林水産業が展開する地域であります。しかも、そこに一〇%以下の人、言うなれば四%か五%ぐらいの人たちが七割の国土を保全しておる。それはある意味ではむちゃなことでありまして、どだい八割という国家存立の基盤の大宗をなす国土を国民の人口的に四%か五%の人でやれというのがむちゃだと私は思っておるわけでございます。 それは何かといえば、その中山間地に住む人たちを中心に、そこに住む人たちは、生活不利益地域、生産活動には極めて不利益地域でございまして、ただ単に自分たちの生活の糧を求めて農林水産物を生産したり加工するというものではない。そういう社会的には農林水産物というものを供給するだけの経済、産業活動の役割だけではない。それを通じて国土保全という、例えば水資源の涵養でありますとか自然環境の維持、あるいは総体的には土砂崩壊等を抑制する一つの機能の維持というものもされておるわけでございまして、大きく言えば国土保全という多面的かつ重要な機能を有しておるわけでございます。そういう一つのものは農林水産業活動という過程の中で得られる大切な役割でございまして、このような実態を踏まえて、例えば地域の振興というものについては方策というものが打ち出されなければならない。私はかねてからそのように思っておりました。 二つ目には、我が国はある意味では特殊な国でございますが、その中身は準亜熱帯地域でございまして、南から北に細長い列島、島国でございます。火山国でございますから、国土の中には非常に急傾斜の山が多い。急傾斜の山でありますから、その山にはひだがある。その谷のひだには無数の川が存在しておるわけでございます。しかも、火山国であり雨が多いわけですが、覆っている表土は火山国ですから火山灰土、水分を含みますと土砂崩れを起こすという土質を持っておる。しかも、準亜熱帯地域ですから、雨が多いので自然災害が頻発に起こり、全国的には二万二千カ所も危険災害というものが既に指定をされておる。 それに伴う財政的な負担は極めて大きいものがあるわけでございまして、我が国の長期計画の中に見られる、例えば治山、治水事業、急傾斜地崩壊対策事業、この長期計画三本で二十兆を超えるものが財政的な負担を求められておる。これはどんどん大きくなっておるわけでありまして、そういう行財政の改革のこのときでありますから、そういうものをきちっと縮小していく方向に持っていくことも地方行財政に与えられた私は一つの課題であると、こういう認識に立っておるわけでございまして、そのような意味から今回の方向を打ち出しました。 国土保全の担い手となるべき農林漁業者め生活の安定を図る事業、あるいは国土保全に対する川上を川下が支える政策的なシステムというものを方向づけする、そして農山漁村の地域の活性化を取り戻す事業等のために、ソフト、ハードを含めまして二千百億の予算措置をいたしたところでございます。 また一方、地域におきましては、地方の中心市街地、商店街が衰退をいたしておるわけでございまして、空き店舗がふえておる。
○松村龍二君 ちょっと、大変恐縮ですけれども、私も時間が。
○国務大臣(上杉光弘君) そういうものも含めて九百五十億程度の予算措置をしてその対応をいたしておるところでございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。私も地元の問題についてひとつ自治大臣にお願いしたいと思うわけでございますが、魅力ある地域づくり、また地方交付税の基準財政需要額等にこの問題をぜひしっかり認めていただきたいということでお願いするわけでございます。 私の地元、福井県でございますが、日本列島がくの字形に曲がっているとしますとちょうど曲がっている真ん中が私の地元でございます。古来、宮崎県は天孫降臨の地域であると。また、私の地域も、日本海沿岸でございまして、恐らく朝鮮半島から渡来人が流れ着いて、古代から文化が栄えてきたところじゃないかというふうに思います。 昨今、太平洋岸が大変に発展いたしまして、私ども日本海側の者といたしましては、日本海国土軸をぜひ形成して、先般の阪神・淡路大震災のときに、もうたちまち日本の機能が麻痺しましたが、やはり高速道路もこの若狭湾岸に通してもらいたい。これも整備計画に上がりましたので一刻も早く実現していただきたいわけですが、そのほか東京から中部の、日本列島の一番太いところを貫く中部縦貫自動車道というのも今進行中でございまして、これもぜひ早期に完成していただきたいと思うわけです。また、新幹線が通ったところは全部発展している、こういう事実もございますので、北陸新幹線もぜひ早期に完成したい、こういうようなことを地元の者は願っているわけです。 もう一つ、私の地元は原子力発電の大変な立地県でありまして、敦賀から京都舞鶴に至ります若狭地方に十五基の原子力発電が集中しているわけでございます。ここに列車のダイヤが今あるんですけれども、小浜という市がありますが、敦賀から五十キロしかないところです。小浜線に乗りますとそこまで一時間十分かかる。反対の方向を走ると一時間で到着するんですが、恐らく単線でいろいろな待ち時間等がありまして五十キロを一時間十分。しかも、関西に電力を五〇%提供している県、その地域が、ディーゼル車が走っている、電車が走っていない、電気の恩恵にあずかっていないという大変な事実があるわけでございます。 そこで、私、福井県の者といたしましては、魅力ある地域づくりということでいろいろな官庁にお願いしております。きょう各官庁来ていただいておるので、答えはイエス、ノーで簡単に答えていただきたいんですが、まず、この若狭地方に電化を実現することができるか、また琵琶湖へ抜けるリゾートラインという新線をつくって関西に一時間で行けるようにしたいという願いを持っているわけですが、運輸省は具体的に予算をもってことしどのような支援ができるか、イエス、ノーで簡単に答えていただきたいと思います。
○説明員(三ッ矢憲生君) 運輸省としましても、先生御指摘のとおり、電化等の鉄道の高速化工事というのが幹線鉄道のネットワークの質の高度化あるいは沿線地域の活性化に資する重要な事業であるというふうに認識しているところでございます。 御指摘の二つの事業につきましては、沿線の自治体の方々も基金の積み立てをなさるというようなことで積極的に取り組んでおられると伺っておるところでございますが、このうち小浜線の電化につきましては現在地元の自治体とJR西日本の方で調整が進められておるというふうに聞いておるところでございますが、今後、事業の採算の見通し等が確認されまして関係者で合意が形成されましたら、運輸省といたしましても、幹線鉄道の活性化事業、これは補助制度がございまして、その適用も含めて考えてまいりたいというふうに考えております。 それから、今津-上中間のリゾート新線につきましては、これは滋賀県も含む地域の問題でございますが、関係自治体あるいはJRの調整が進みまして事業化の見通しが確認されましたら、いかなる支援が可能であるか運輸省としても検討してまいりたいと、このように考えております。
○松村龍二君 次に、通産省資源エネルギー庁といたしましては、電調審で原発の整備に大変苦労をいたしまして、かっていろいろな交付金制度をつくっております。 昨年からは、原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金と、舌をかみそうな長い名前ですけれども長期交付金。発電所をつくってから終わるまで、毎年百万キロワット当たりについて八千万、交付金を出そうと、こういうありがたい制度を実現していただいたわけです。 しかし、地元の方に聞きますと、この若狭地方は二市五町一村で成り立っているんですが、原子力発電の立地は一市三町なんですね。この交付金が渡るのは発電所の立地市町村だけである。そうしますと、片方の町は潤いながら、隣の町は全く指をくわえて見ていないといかぬということで、この原子力発電を、せっかく日本のエネルギーを背負っているので支援しようというムードが地域としては起きないわけですね。新潟、福島等も大変な立地県ですが、そことは違いまして、福井県が常に何か今冷淡な態度をとっているということは、そういうまだら模様の支援があるということ。 また、この長期交付金もどうしてもハードに、箱物に偏ってくると。福祉関係も対象になっていますが、公立幼稚園は支援するけれども、私立幼稚園は支援しないと。私立幼稚園に対して、一律町が助成金を出しているんですが、私立幼稚園は助成しないと。あるいは路線バスを町が肩がわりして負担してやるようになったけれども、そういうものに対してこの金は使っちゃだめだということで、いろいろ足かせがありまして自由にならないといったことであります。 資源エネルギー庁に伺いますが、今後、この長期交付金につきまして、今言った問題を含めて、もっと地域の方が満足いただけるようなことにしていただけるか、お伺いします。
○説明員(勝野龍平君) お答え申し上げます。 原子力発電所の立地の推進のためには、何といっても、ただいま御指摘いただきましたように、地元の御理解、御協力が大前提でございます。 当省といたしましても、従来から電源三法交付金ということで立地地域の支援をさせていただいておるわけでございますけれども、こういった支援措置が地元にとってより有益、効果的なものになるように、従来から、支援対象メニューの充実あるいは対象機関の拡大、こういったことを行ってきたわけでございます。 ただいま御指摘いただきました長期発展交付金につきましても、本年度から、原子力発電所所在市町村の長期安定的な発展を図る観点から新たに設け、運用を開始したものでございます。 今具体的に御指摘いただきました運用の点につきましては、確かに現行制度では公立の福祉施設の維持運営費、これも交付対象になっておりまして、したがって、一定の評価を地元からもいただいているというふうに考えてございますけれども、片や、御指摘ございましたように、私立の保育園には使えないというようなことになっておりまして、こういったいろいろな制度の運用面につきましては地元からも御指摘をいただいておるわけでございまして、我々としても、こういった制度が可能な限り使いやすくかつ効果的になるように、引き続き努力をさせていただきたいというふうに考えてございます。
○松村龍二君 それから、固定資産税なんですが、原子力発電所というのは、つくってからいろいろ中の部品等をかえていきますと、三十年、それ以上もっと。しかし、固定資産税が十五年で、初めの年は払うんですが、急激に減ってくると。十五年たったらもう固定資産税を払わないと。せっかく原子力発電所がありながら地方自治体は固定資産税を受け取ることができないといったような大変な矛盾がありまして、このことについては平成七年二月二十一日にも地元の辻議員、衆議院の方が衆議院予算委員会で質問をしております。そういうふうに決まっておるんだからそうなんだと、こういう大蔵省の御返事でしたけれども、昨今大蔵省がやっている行政がいかに、国民に対して権威ぶっているけれども、実は大した根拠がないということを国民の前に示しておるわけですから、ぜひこの固定資産税の見直しにつきましても前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(西原政雄君) ただいま原子力発電の設備の耐用年数につきましてのお尋ねでございますが、耐用年数を考えます場合には、やはり減価償却制度というもの、これがどういうものかというのを御理解いただかなければいけないというふうに思っております。 この減価償却制度でございますが、この目的は、期間損益を適正に計算する、こういうために固定資産の取得価格をその使用期間に応じて費用配分するということにございます。その計算要素の一つとしてその耐用年数、使用期間というものがあるわけですが、この使用期間につきましては単にその資産の物理的な寿命というものだけではございませんで、それに加えていわゆる経済的な陳腐化、こういったものも加味して客観的に定められるものでございます。この点につきましては、累次の税制調査会の答申等でも指摘されているところでございます。したがいまして、単なる物の寿命といったこととか、あるいは個々の実際の使用期間といったものとは必ずしも一致しないということになっております。 したがいまして、現在、原子力発電設備、これにつきましては耐用年数が十五年ということになっているわけですが、この法定耐用年数につきましてはいわゆる技術の進歩、こういったような点、そういったもろもろの点に合わせまして随時見直しを行ってきているところでございますが、そういったものの見直しに当たりましては、やはり平均的な使用年数がどうなのか、あるいはその設備を構成している装置、こういったものがどのように取りかえられているか、あるいは修繕されているか、そういった状況、その使用実態を十分見きわめる必要があるというふうに思っております。
○松村龍二君 そのようなお答えではないかと思っていたわけですけれども、そこで今、大臣お聞きいただきましたように、いろいろな手当て、対策、前向きに何か答えていただいた省庁もございますが、実質的には余り内容がそうあれしているわけでありません。 そこで、自治省所管の法定外普通税といたしまして核燃料税を今百分の七という率で徴収しているわけですけれども、やはりこの法定外普通税である核燃料税をアップしていただいて、ただいま申しましたように、まだらの支援でかえって隣接市町村がいがみ合うというような状況でなく、鉄道も先ほどこういう条件が整えばと、こういうお話でありましたが、要するに地元が全部金を準備したらつくりましょう、こういう話でございまして、そのようなものに対する手当て、あるいは今高速道路もようやく実現の運びになってくるわけでございまして、核燃料税のアップにつきまして、今後ぜひ地元の要望を踏まえて前向きに御検討いただきたい。 聞くところによりますと、東京電力はどうももう既に福島、新潟の方にいろいろ手当てしてきたので勘弁してくれと。関西電力の方は固定資産税の払いも大分終わってきたから、ゆとりがあるのかどうか知りませんが、県の方としては少なくとも核燃料税を倍に上げていただいて、魅力ある地域づくりをしたいという願望を持っているわけでございます。 それから、私も地方交付税の問題につきまして先日急に本を買ってきて読んだぐらいでございますので詳しくないわけですが、基準財政需要額というような中にこの原子力立地という、特別に日本にとって重要な将来のクリーンエネルギー、先般京都で十二月に地球温暖化防止京都会議、九〇年比で二〇〇八年から一二年まで六%減らすということでございました。ちょっと環境庁にも来ていただいたんですが時間がありませんのでお答えいただきませんけれども、事故防止ということは重要であるけれども、環境庁としてもクリーンエネルギーとしての原子力発電が重要であるという認識であるというふうに伺ったわけでございますが、この核燃料税あるいは基準財政需要額等につきまして大臣の前向きの御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 法定外普通税でございます核燃料税につきましては、創設をされました当初は五%の税率で許可をいたしておったわけでございます。その後、原子力発電所が立地する県の核燃料税の新設または更新に際しまして、これらの県からの申請の内容を検討いたしました結果、その税収入を必要とする財政需要がそれぞれ今後とも相当の額になることが見込まれたこと等から、現在では申請どおりの税率を七%といたしまして許可をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、核燃料税の税率につきましては課税庁であります県の考え方をお伺いして、その税収入を必要とする財政需要の見込み等を十分検討した上で適切に判断をしてまいりたいと考えております。 それから、電源立地地域の振興を図るために地方交付税の基準財政需要額や特別交付税で配慮すべきではないか、こういうことでございますが、原子力発電所施設等、電源用地、施設の周辺地域につきましては、御案内のとおり発電用施設の設置の円滑に資するよう、公共用施設の整備等による住民福祉の向上を図るための電源立地促進対策交付金等の各種交付金が交付をされておるわけでございます。このほか、特別交付税の配分に当たりましても、原子力発電所等が所在する地方団体における財政需要についての所要の措置を講じておるところでもございます。今後とも、電源立地地域の地方団体の財政運営に支障がないように適切に対処してまいりたいと考えております。 それから、先ほど答弁いたしました警察庁の事件は、これは警視庁でございますので、訂正をさせていただきたいと思います。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。終わります。
○山本一太君 自由民主党の山本一太です。 午前中自民党にいただきました時間あと三十分ですので、三十分で御質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、上杉国家公安委員長に一言伺いたいというふうに思います。 大臣、私は国連や開発援助の仕事で先進国、途上国問わず随分いろんな国に参りました。アジアのちっちゃい国もあったし、アフリカのちっちゃい国もあったし、中近東の奥もありました。そういう国には治安の悪いところも随分ありまして、私自身も例えばパプアニューギニアで盗難に遭ったり、路上で恐喝に遭いそうになったり、いろんな事件がございまして、そういう出張をするたびに、改めてやはり治安がいい、日本が安全だということの価値をいつも再認識して帰ってくるわけであります。それはもちろんいろんな事情が、恐らく日本の治安がいいということに対してはあると思います。例えば国民性もあると思いますし文化もあると思いますし、もしかすれば地理的な条件もあるかもしれない、このように思います。あるいは世界に誇ると言ってはちょっと大げさかもしれませんけれども、日本の警察には交番制度という非常にユニークな制度なんかもありまして、日夜警察官の方々はかなり一生懸命治安維持をしていただいているという理由もあるかもしれません。 治安がいいということは国民生活が安心してできるというもちろん大きな価値があるんですが、それと同時に、今時にここ一連のアジアの経済危機なんかでも国全体の信用ということの価値がクローズアップされておりまして、治安の悪い国にはやはり民間投資はいかない。例えばペルーのテロ事件の後に日本の投資がさっととまったということからも、安全である、治安がいいということがいかに大事かということを考えております。 依然として日本の治安はいいと思います。犯罪率も恐らく先進国、途上国の中でもトップクラスに低いと思いますし、検挙率も相当に高い。しかしながら、どうも例の地下鉄サリン事件以来日本は安全だという神話が崩れだというような状況がございまして、特に最近起こっていろいろんな事件を見ますとやはり日本の社会も随分変わっているなと。社会環境が変わり、犯罪が多様化し、青少年の犯罪が凶悪化し、あるいは外国人の犯罪がふえる、そういう状況に、悪化とまで言っていいかわかりませんが、私は大変な懸念を持っておるわけであります。 ニューヨークは、久しぶりに昨年行きましたら随分治安がよくなりました。ジュリアーニというイタリア系の市長が、とにかく警察官の数をふやして抑えたんです。それだけがよくなった原因ではないと思いますけれども、もちろんニューヨークの場合とはとてもいろいろ状況が違うので比べられないと思いますが、新しい状況が出てきたということはやはり新しい対策をしなければいけない。こういうことを踏まえて、今後の日本の安全を守るために、治安維持に向けての大臣の決意を一言まず伺うところから始めたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 国民の皆様の一人一人が豊かで安心した暮らしを営んでいただく、そのために良好な治安を提供することは最も必要なことであり、国家社会の発展の基盤と考えておるわけでございます。そのような意味で、警察は日夜の区別なく組織の総力を挙げてこのために取り組み、安全神話を取り戻すための努力を今続けておるわけでございます。 最近の治安情勢は、御指摘のとおり極めて凶悪化いたしております。組織化し、さらにモータリゼーション等で、あるいは通信の発達等で広域化いたしておるわけでございまして、一層深刻化をいたしておるわけであります。まことに厳しいものがございます。 国家公安委員長といたしましても、このようなことの認識に立ちまして、良好な治安を維持向上させるため、全力を尽くして国民の皆様の期待にこたえなければならないと考えております。 ただ、行財政改革のこのときでございまして、それらの対応するための警察の増員を図ることは極めて困難でございます。したがって、この資機材の近代化を進めるとともに、内部の限られた人員の中で士気の落ちるようなことをしてはならない、私はそう思っておるわけでございますが、例えばお盆でありますとか暮れから正月は国民がゆっくり過ごすときです。警察はそんなときが一番忙しいわけであります。そういうときにおのれの生活も、家庭の生活をも犠牲にして頑張っていかなきゃなりません。 ところが、超過勤務手当等についての改正は二十三年もほったらかされてきた事実を私は聞いて驚きました。しかし、財政当局とも、厳しい中ではございますがこれらのものに対応すべきだという判断に立ちまして、百六十億余の残業手当の面での対応もいたしまして、ささやかかもしれませんが、しかし限られた財政の中でこれも仕方のないことでございまして、二十三年ぶりに残業手当等の改善もできた。それは何を求めておるかといえば、人員をふやすことはできない、その限られた人員の中で士気に基づくそういうものに取り組む、国民に良好な治安を提供するという警察官の気持ち等が落ち込まないように、我々としては全力を挙げてできる限りのことはしてまいりたいと考えております。
○山本一太君 大臣から大変力強い決意表明をいただきました。なかなか財政厳しいというお話でございますけれども、ぜひいろんな知恵を絞って警察力の強化に向けての対策を立てていただきたいと思います。大臣、参議院のエースで活躍してこられて、国会対策委員会では随分厳しくやられましたけれども、その後もリーダーシップを持って、宮崎でサミットをやっても大丈夫なように、とにかく安全な日本をこれからも維持していただきたいということを申し上げたいと思います。 そして、大臣の所信表明を今改めて見せていただいたんですが、その中の少年非行情勢と対策というのが九ページにありまして、その中で私が非常に大変印象深かった言葉があります。それは、警察といたしましても、強さと優しさを車の両輪としつつ取り組む、こういうくだりがあります。力と外交あるいは何かハードパワーとソフトパワーではありませんけれども、この強さと優しさというのは大変いい言葉だと思うんですが、具体的にどういうことを意味しているのか、どういうふうにそれを具体化していくのかについて、ちょっと一言伺いたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、所信表明でそのことを申し上げておりますが、深刻化いたします青少年の非行問題に対処し、少年の健全育成を図るためには、警察といたしましても悪質な非行には厳正に対処をしていかなければならないと思っております。 社会全体の空気として、例えば少年が悪いことをしておってもそれをだめじゃないか、あるいはいけないじゃないかと、そういうものを正していくというようなことがなかなかできない空気があることは、これは極めて重要な問題でございますが、そのような意味からも警察が、悪いことは悪い、こういう意識を徹底するとともに、少年相談などの手法も活用しつつ、少年保護のための行政的な施策を充実することが重要と考えております。 このような強さと、また強さだけでは、理解、説得あるいは指導いたしましても、相談に応ずるにしましてもそれは一方的でございますから、そこには温かく包むような愛情を持った優しさというものが必要でありまして、強さと優しさを車の両輪として、関係機関との連携も強化をしながら総合的な対策を推進してまいりたいと考えております。
○山本一太君 ありがとうございました。今、大臣のお話を伺って、強さというのは少年犯罪であっても凶悪なものについてはきちっと捜査をすると。恐らく余罪なんかも含めたきちっとした捜査をして、悪いことをすれば必ずばれるというようないわば抑止の効果を持たせるのが強さかなというふうに今伺ったんです。 もう一つ、大臣のおっしゃった優しさというのは、私も、どうも何か最近の凶悪事件を起こす少年を見ていますと、ほとんどが初犯の人が多いというようなことも聞いていますので、恐らく本格的に、悪の道という言い方はおかしいですが、犯罪に手を染める前にきちっとしたケアをして、フォローアップをして包んで、そういう道に行かないようにするということではないかなというふうに改めて思った次第でございます。 この青少年の犯罪、これはもちろん警察だけの問題じゃないと思います。教育の問題というのも大きいと思いますし、もっと言うならば社会全体の問題だと思いますけれども、ぜひ警察行政としてできる点につきましては、今、大臣がおっしゃったような強さと優しさというアプローチを持って取り組んでいただきたいということを御要望申し上げたいと思います。 そして、青少年の犯罪という中で、昨今のいろんなニュースからも思うことは、とにかくいろいろと凶悪化をしている、刃物を使った事件なんかも多いという気がするわけでございますけれども、ちょっと資料を取り寄せてみたんですが、最近の刃物等の凶悪事件を見ても、これ一月の終わりだったと思いますが、社会に大変な衝撃を与えた栃木県の中学生によるバタフライナイフ教師殺害事件というのもありましたし、あるいはちょっと友達とけんかをした茨城県の高校生だったと思いますが、包丁を買いに行ってそれで刺したとか、あるいは警察官に対して、たしか中学生だったと思いますが、これは東京都内ですか、バタフライナイフで警察官を刺したとか、こんな事件に枚挙にいとまがないわけでございます。 こういう刃物の事件も含めた少年犯罪の凶悪化、もちろんいろんな原因があると思います、家庭内のトラブルとか学校のトラブルとかいろんなのがあると思いますが、警察庁としてはこういう事件が急増しているという背景についてどういう見方、分析をしているのかということをちょっと教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(泉幸伸君) 御指摘のように、本年に入って少年による刃物を使用した凶悪事件が相次いでおりますが、これも含めまして、昨年は少年による凶悪事件が昭和五十年以降の最悪を記録するという極めて憂慮すべき状況でございます。その背景、原因は、個々の事件についてはそれぞれの状況があるわけでございますが、総じて申しますと、少年を取り巻く社会環境の変化、あるいは少年自身また少年が属している社会の価値観の変化などが一因となっているというふうにも考えております。 さきに申しましたように、本年刃物を使用した重大事件が相次いでおりますので、関係省庁と緊密な連絡をとりながら緊急の対策の推進に現在全力を傾けているところでございます。警察庁内部には、その対策の徹底を図るため検討委員会を設けて総合的な対策の検討を開始いたしましたし、また春休みにかかりますので、春休みの期間中をとらえて少年の刃物使用事件防止対策強化旬間を急遽設定いたしまして、全国警察でこれに取り組むということといたしております。 また、さきに申しましたように刃物事件が目立っておりますが、その根底には少年非行の深刻化と軌を一にするものであると考えておりまして、関係機関や団体と協力しつつ、少年事件捜査、少年補導活動、これらの強化、あるいは学校、家庭、地域との連携、広報啓発活動の推進、さらには少年を取り巻く有害な環境の浄化などの諸対策に積極的に取り組んでまいります。
○山本一太君 今お話を聞いているといろんな原因があるということで、社会の価値観の変化というお話もありました。なかなか根本的な問題だと思いますけれども、おっしゃったような総合対策をぜひ進めていただきたいと思います。 今の御答弁にもあったんですけれども、地域の取り組み、学校との連携、私はこの問題に現場で対処するためのキーは、やはり学校と警察の協力だと思うんですね。ですから、教師と警察官がそれこそ一緒になって非行と取り組む、こういう具体的な協力が非常に大切だと思うんですけれども、学校との連携についてどういうふうに考えておられるのか、今後の対応について、あれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 警察と学校の連携は大変重要な事柄でありまして、以前より警察署とその管内に属する小中学校あるいは高校との連携、学校ごとに警察署と対するものとして学校警察連絡協議会というものを設置いたしまして、必要な情報交換あるいは連携しての活動について取り組んできたところでございますが、昨年十二月、これを一層強化すべく文部省と警察庁の方で共同して全国の関係機関に通達を行いまして、この学校警察連絡協議会の一層の強化と、さらには従前は先ほど申しましたように警察署と学校単位でございましたけれども、都道府県レベルにおいて、具体的には都道府県警察本部と教育委員会の関係で常設の連絡協議会を設置して、県下統一した活動の推進についても協議を行うという形で行っております。 具体的な活動としましては、今後とも薬物乱用防止教室の開催、刃物携帯の犯罪性、危険性の徹底についての協議、さらに広く少年の規範意識の啓発に係る活動等を学校、教育委員会として共同して行うという施策を推進してまいりたいと考えております。
○山本一太君 今おっしゃったような連絡協議会のシステムをとにかく最大限に活用していろいろと対応を考えていただきたいと思います。やはり一番大切なことは、教師とそれから警察官の方が一緒に汗をかくということだと思いますので、ぜひその方策を今言った既存のシステムを含めていろいろと検討をしていっていただきたい、きちっとしたシステムを確立するためにやっていただきたいと思います。 今お話があった薬物乱用防止教室ですか、そのことを私もちょっと伺ったことがありまして、たしか一月ぐらいから全国の高校でやるという方針を立ててもう八割か九割ぐらいやっているというのをきのう資料をいただいたんですけれども、中学校の方でもこれはこれからやるということになっているようですが、こうした地道な取り組みを続けていただきたいと思います。そのことを要望させていただきたいと思います。 さっきのナイフの事件に戻るんですけれども、もう例を挙げるまでもなく、最近でも何件もあるんですね。サバイバルナイフそれからバタフライナイフ、ここまで続くとやっぱりそれなりの対策が必要だと思いますが、例えば私は我がふるさとの状況をちょっと調べてみまして、群馬県の対応をその後調べてみたんですが、群馬県では教育長名で刃物販売店等に対してバタフライナイフ等の青少年への販売を自粛する要請文書というのを出しております。また青少年保護育成条例、これは県によって少し名前が違うところもあるかもしれませんけれども、これで一応群馬県でも有害玩具に指定をしているというこちなんですが、依然としてまだ指定していない県もあるということなんですけれども、こういう状況を受けて刃物の規制、銃刀法の改正も視野に入れた上でどういうふうに取り組んでいくのか、そこら辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、この刃物の事件が起こって直ちに警察の事務方に文部省、関係省庁とのテーブルをつくるようにお願いしました。所管省庁は総務庁でございますから、総務庁を中心にしてその対応ができ、また学校の現場あるいは刃物製造あるいは販売、そういう業者に対する対応等の話し合いをそこでしたものと思っておるわけでありますが、そのような形で具体的に今取り組みが進んでおる、こういうことであります。 もう一つは、閣僚懇談会の場で、次代を担う青少年の問題であるから、刃物にしても薬物もそうでありますが、急激にふえておる今日の状況等を見ますと、当然政府挙げてこれに取り組む必要がある、そのように私判断しまして、関係閣僚会議等の設置等もしてはどうか、こういうことを閣僚会議で提案しました。総理からは、そのことについては心組みがある旨示されまして、近々対応したい、こういうことでしたが、せんだってこの有識者会議というのが設けられまして、二十一世紀を担う青少年の問題について、関係閣僚としては総理、官房長官、総務庁長官、文部大臣、自治大臣入りまして、有識者の皆さんに、各界各層の代表おいでになった会合が持たれ、そこで真剣な議論が始まったところでございます。 銃刀法の改正でございますが、これは銃刀法の中身を見ますと、銃と刀剣とそれから刃物になっておるわけでございます。昔は刃傷ざたというのは暴力団が主流であったと私は印象的に、印象的ですよ、思っていますが、今は暴力団ではなくて民間で頻発、しかも青少年が刃物を使った問題が起こっておる、こういう実態でありますから、当然国際的な視野も含めて、刃物に対する対策はプロジェクトチームというか会議が警察庁内に置かれておりますから、そこを中心にして今後の対応をしていかなければならない。国際的にも国内的にも今の銃刀法で対応できないとすれば、それに万全を期すというのは当然のことでありまして、今そういうものも視野に入れて対応を始めておる、こういうことでございます。
○山本一太君 今のお話ですと、政府としても関係省庁などいろんな方策で迅速に対応していただいているというのは大変心強いというふうに思います。 これは文部省の方の所管かもしれませんが、この間、学校で持ち物検査をするかどうかという話なんかも持ち上がりまして、今の大臣のお言葉を聞きながら思ったんですけれども、アメリカの州、場所は申し上げませんが、高校では、高校生、中学生ぐらいで銃を使った殺傷事件というのが校内でありまして、持ち物検査というか銃の検査をしているという話が何年か前にありました。こんなことはとても日本では考えられないと思っていたのに、最近生徒の持ち物検査をするべきだというような話も出てきまして、何かだんだん欧米化と言ってはちょっと欧米の人にはしかられるかもしれませんけれども、日本の社会全体が思わしくない方向に行っているなという、そういう懸念を持っております。特に銃刀法の改正なども含めて、この問題についてはぜひとも断固たる処置をとっていただきたいということを改めて御要望申し上げたいというふうに思います。 時間も随分なくなってまいりましたので次の質問に移らせていただきたいと思うんですが、日本の治安が揺らいでいるという状況の中で、青少年の犯罪が凶悪化しているということと並んで私が非常に注目しているのが外国人犯罪、これが急増しているということでございます。 警察庁もなかなかわかりやすいこういうものを出しているんだなということが先日わかったんですが、何か「けいさつのまど」とかいうのが出ていまして、ここの八ページに、資料によりますと、平成九年中の来日外国人による刑法犯の検挙状況を見ましたら、二万一千六百七十一件ということで、前年に比べて一一%以上ふえているというのをここで見つけました。 それからまた、「治安と予算」という結構予算のこともオープンに書いてあるものがありまして、これも四ページの外国人組織犯罪対策というのを見ましたら、十年間で七倍か八倍になっている。七倍か八倍というのはこれは激増と言っていいのではないかというふうに大変懸念をしているわけでございます。 最近の傾向としては、単発的、偶発的なものに加えて、外や中に何かいろんなシンジケートができていると。一番有名なのは例のスネークヘッド、蛇頭というもので、あともう一つ香港に組織があったんですが、漢字が読めないので何という組織か知らないんですけれども、国内には中国人マフィアもできているというようなそんなことも聞いて、大変心配をしているわけです。 犯罪についても余り先入観を持っちゃいけないんですが、私が外を歩いてきて経験した犯罪に似ているパターンがふえてきまして、縛ってそのまま撃つとか、もしかすれば、そういう外国人の犯罪も多いわけなんで、ちょっと犯罪のパターンも変わってきたような気がするんです。パターンが変わればやはり新しい対応が必要だと思うんですけれども、そこら辺のところを踏まえて、こういう外国人による凶悪犯罪についての警察の対応についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤英彦君) 今御指摘のような犯罪情勢にございます。御質問の中にありました香港の組織は三合会というぐあいに呼んでおりまして、日本の暴力団と同じような組織でございます。そして、今御指摘のように凶悪犯がその中でも大変深刻な状態になっております。あわせて窃盗でございますけれども、従前の日本の窃盗というのは御承知のような窃盗でありまして、現在三合会等が日本にやってまいりまして、そこで不法滞在をしている外国人を組織化している窃盗といいますのは、まさに犯罪組織化しております。 そこで、典型的なのは、草分けになりましたのは群馬県の事件でございまして、ベトナム人が二十数名組織化をして、オートバイを新聞販売店、銀行からとりまして、一万台、二千台を超す台数でありましたけれども、これをベトナムに輸出していたという事件が、これが世を震撼とさせた窃盗の、我々は組織窃盗と呼んでおりますけれども、それのはしりでございました。 そういう状況にございますが、一般的に言いまして外国人の犯罪の場合には、外国人の人定が非常に難しい、あるいは言葉がなかなかわからない、ないしは常時潜伏をしている、そして事件を打った場合にはすぐ外国へ逃走するということで、従前の日本の中における日本人の犯罪とは異なった様相をいたしておりますので、我々といたしましては、通訳体制の問題でありますとかあるいは実態把握の問題、さらには外国へ逃走するということでございますので、入国管理局、海上保安庁、労働省等とも連携を強化いたしまして対応しております。さらに、逃走いたしましてもそれで終わりということでは日本の治安を維持できないということから、外国の捜査機関と従前とは比較にならないほどの頻繁な連携をとっている、そういう対応をとっているところでございます。
○山本一太君 今のお話を聞いて、外国人犯罪というのはなかなかトレースしにくいと。潜伏するのを見つけるのが難しかったり、言葉がわからないなんというな言葉もありました。ちょっと時間がなくなってきたので、もし時間があれば少しそこら辺のことを伺いたかったんですけれども、いずれにせよ、外国人犯罪が急増する中でその対策の強化というのが求められていると思います。 さっき大臣の方から、非常に財政状況は厳しいというお話がございましたけれども、治安というのはやはり私は国民生活の基本であると思うので、その中でも知恵を絞っていただいて、特にこういう日本の治安を脅かすような話については必要な人員と予算はぜひつけていただいて、それは政治のサイドからも私は応援したいと思います。例えば今語学の話をしましたが、恐らく取り調べ官がフィリピンやあるいはタイの売春容疑で捕まえた人たちを調べるのでも、例えば英語ができないとかいう話もあると思うので、語学研修がもうちょっと必要だというようなお話も聞いております。そういったところも含めて必要な措置をやはりとっていくべきではないかというふうに思いました。 また、先ほど大臣の方から、こういう状況の中で、なかなか人員、予算を一遍にふやすのは難しいという状況の中で知恵を絞っていきたいというお話がございましたが、私はその一つの方法がやはり科学捜査であろうというふうに思うわけでございます。 この問題についてもちょっと質問したかったんですが、時間がないので簡単に申し上げますと、私もちょっと資料をもって調べたんですが、いろいろ今科学捜査は活用されているということで、各種の捜査支援システムということで、指紋自動識別システム、被疑者写真検索システム、現場痕跡画像検索システム、聞けば何となくどういう機械かなというのはわかる感じがするんですが、最新の鑑定技術でDNA鑑定も科学警察でやっていると。DNA鑑定といえば、例のO・J・シンプソンの裁判でその真偽のほどが結構議論になりましたが、何かお聞きしたところによると数万人に一人は特定できるというようなお話もあって、かなり科学捜査を活用され、しかもこういう指紋とか微物鑑定を活用して検挙に結びついた事例もいろいろあるというふうに伺っております。 改めて今、今の流れで知恵を絞って警察力を強化していくということについて、科学捜査の充実強化についてまたぜひ進めていただきたいし、必要なものはやっぱりきちっとつけるという姿勢で私はいかなければいけないんではないかということを申し上げたいと思います。 いろいろ質問あったんですが、あと二分しかありませんので、最後にちょっとコメントだけを言わせていただきたいと思うんですが、私は、実はいろんな理由で某警察署に一週間ぐらいいたことがございます。朝から晩まで警察におりまして、別に悪いことをして捕まったわけじゃありませんけれども、朝から晩まで警察署におりまして、夜中に日本の警察官が出動する回数に驚きました。電話が入って、酔っぱらいがけんかをしている、うちの息子が暴れている。何回も何回も夜勤の人たちが出ていきます。これは一般の人たちは気づいているようで恐らく気づいていない警察官の方々の苦労だというふうに思うわけなんです。 そこで、すぐ地元のことを調べるのが政治家の性質でございまして、群馬県高崎警察署の一一〇番受理数の一日当たり平均数を調べてみました。これは出動しなきゃいけないと認められた回数が大体一日で四十六回あります。四十六回というのは大変なことだと思います。一回行って二時間かかる話もあるんですね。私ニューヨークに住んでいたときに、アパートの隣で夜中に結構大きな事件がありました。ニューヨーク市警に電話しましたが、テレビでは格好いいNYPDは全然来てくれませんでした。それはもう、そんな事件以上にもっといっぱい殺人事件とか起きているわけです。 ですから、そういう警察官の方々の日ごろの勤務、努力というものに対しては非常に敬意を払っているわけですが、それだけに一言苦言を呈させていただくならば、最近の不祥事、これはやはりあってはいけないと思います。それは、国民からの信頼を得るという一審大切な警察の財産を傷つけることになりますし、何よりも、大部分の人たちがそうやって毎日まじめに働いているのに、警察はこんなことをしている、こういうふうに思われる傾向がありますので、これについてはぜひ綱紀粛正をしていただきたいと思います。 ちゃんとある程度調べでいまして、「警察職員の信条」というのを制定しましたというのを伺いましたし、委員会も設置していろいろやっていただいているようですけれども、少なくとも、治安を維持するためにも、国民からの信頼というものに基づいてきっちりと活動できる警察であってほしいということを最後に申し上げまして、三十秒ぐらいオーバーしましたけれども、質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○小山峰男君 まず最初に、地方分権の推進についてお聞きをしたいと思うわけでございます。 大臣の所信表明演説におきましても、地方分権の推進につきましては大変すばらしいことを言われているというふうに思うわけでございます。「地方公共団体が自己決定・自己責任の原則の下に自らの行政を行うことのできる新時代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権の推進に全力を尽くしてまいります。」、まさにこの文章だけを読むともうバラ色の地方分権ができるのではないかというふうに思うわけでございますし、また自治省のいろいろな文章を見ますと、現代がいわゆる第三の変革期だということをところどころで拝見するわけでございます。明治維新に次いで戦後の改革、さらに現在、社会的に求められている変革の時期だというふうに言われているわけでございまして、その中には大きな要素として分権化社会の実現というのが入っているだろうというふうに思っているわけでございます。 これまで、日本の行政を見ますと、行政の企画等につきましては中央が行う、その実行については地方が行うという形の行政システムがずっととられてきたというふうに思っているわけでございまして、今回のこの時代を考えると、やっぱり地方の活性化のためにも改めて地方に権限なり財源なりを配分することが大変大事だというふうに思うわけでございます。 この地方分権の推進につきましては、行われたという実感がわかないし、また具体論としてもそういうことが行われていないというのが一般的な評価だというふうに思っておりまして、その辺、改めて大臣の決意のほどをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方分権の推進については私はこれからだと思っておるわけです。機関委任事務の廃止をして昨年末に大綱を取りまとめ、分権の推進をどうしていくかという、その具体的な計画をどう作成するかということを今、日夜にわたって行政努力をいたしておるわけでございます。 今日、我が国の政治を取り巻く情勢というものは御案内のとおり、その中に行政があるわけでございまして、非常に大きく激しく変わっておる社会というものに、あるいは国際状況というものに対応できなくなった行政というものがあることはもう私が申すまでもないことでございます。特に、個性豊かな地域社会の建設をしていく、あるいは高齢化にどう対応していくのか、少子化社会というものにどう対応していくかという新たなテーマというものが目の前にあるわけでございまして、このようなものに的確に対応していくためにはどうしても行政改革と合わせた地方分権の推進というものが必要である。 徳川幕藩体制から明治政府になったときに廃藩置県が行われまして、そして国、都道府県、市町村という縦の系列での中央集権のシステムというものが充実強化されてきたわけでございます。しかし、これがもはや通用しなくなったということでございまして、まさに分権の推進というものは行政改革と合わせたものでございまして、国、都道府県、市町村の縦の関係を、中央集権を廃しまして対等の関係に置くという、これは私は明治以来の極めて大きな改革だ、こう思っておるわけでございます。 そのようなものが成功するかしないかがこの改革の私は基本にもなっておろう、国民の皆様から見てもらってもそういうものがきっちり見えたものにしなければならない、このように考えておるところでございます。
○小山峰男君 言葉としては大変すばらしいというふうに思うわけでございますが、ぜひ一日も早い目に見えた形の実現が望まれるわけでございます。 次に、地方分権推進計画につきまして、今通常国会が終了するまでのできるだけ早い時期というふうに言われておるわけでございますが、今具体的にどんな形でスケジュールをこなしているのか、またそれが提出された段階でどのように具体化していくのか、その辺の関係についてお願いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 地方分権推進計画につきましては、今お話のございましたように、今国会中できるだけ早い時期に計画を作成するということで今精力的に作業をしております。計画ができますと、閣議決定の後、国会に報告をされるものでございます。その後、計画に基づきまして速やかに各省庁において所管法令の改正作業に入っていくということになります。 現在、自治省といたしましては、地方分権推進計画の円滑な作成あるいは各省庁における法令改正作業に役立つように昨年の暮れに大綱を取りまとめまして、その大綱というものが今度の分権が行われる場合の地方自治制度の骨格を示すものでございますので、それをお示しして、その上に立って、各省において現在、それぞれの行政分野ごとにそれぞれの事務について、自治事務、法定受託事務にそれぞれ整理し、また国の関与としてどうあるべきかということを整理しているところでございます。勧告の趣旨を最大限に尊重してそういう作業をいたしておりまして、私ども自治省と各省庁で今協力しながら計画原案の作成に向けて努力をしているということでございます。 計画ができますと、それに基づきまして、機関委任事務制度の廃止などを内容とします地方自治法の一部改正を初めといたします関係法令の改正作業に入っていく、こういう状況でございます。
○小山峰男君 昨年の段階で、地方分権の前倒しをするべきだということが総理から言われて各省が前倒しの状況というようなものを発表したわけでございます。その中には、勧告に基づくものが二十二件、それから独自に前倒しをするものが十件というようなことになっておりました。 二十二件の中には、実際にこれが地方分権につながるのかというふうに感じられないものも入っていたわけでございますが、一応三十二件の前倒しをしたということでございます。 これは総理がしりをたたいて各省が前倒しをしたというふうに聞いているわけでございますが、今年度の段階でいわゆる前倒しというようなものがどのように行われているのか、もう地方分権というのはどうもほかの問題で少し影が薄くなってしまってすっかり忘れられてしまったのかどうか。今年度の状況というのがわかりましたらお願いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 今お話のございましたように、地方分権推進計画の作成を待たずに前倒しできるものは前倒しをするということで、昨年の二月に前倒し措置について取りまとめられました。 その後でございますが、その後でも、勧告の中で直ちに改革を実行できるものにつきましては、例えば昨年十一月には地方行革の新たな指針あるいは地方公共団体の人材育成の指針を作成いたしまして、地方団体にお示しして行革大綱の見直しなど地方行革の一層の推進を求めております。 また、さらに今国会では、地方税につきまして標準税率を採用しない場合の自治大臣への事前届け出の廃止、また個人の市町村民税の制限税率の廃止を行うことといたしまして、地方税法の改正法案の中に盛り込みまして提案をいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、分権計画につきましては、できるだけ早く作成するということで全力を注いで対処すべきと考えております。
○小山峰男君 今の問題について、推進委員会からおいでいただいていますね。
○政府委員(東田親司君) はい。
○小山峰男君 各省の今年度における前倒し状況というようなものを集約しているのかどうか、また各省のしりをたたいてできるだけ前倒しをというような形で進んでいるのかどうか、その辺の状況についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(東田親司君) 各省の今年度における前倒し状況について私どもの方で件数等を集約するということはいたしておりません。やっておりますのは、勧告事項の中で政府における検討にゆだねられている事項がかなりございますので、その検討状況が現在どの程度進んでいるかというのを主要な課題をピックアップいたしましてフォローアップをしているところでございます。これは、四次勧告が終わりました後、本年に入りましてからただいま現在やっている最中でございます。計画が今国会終了までのできるだけ早くでき上がるという予定でございますので、計画ができるまでの間このフォローアップ作業を適時進めていきたいと思っております。
○小山峰男君 先ほども第五次の勧告のお話が出たわけでございますが、先ほどの説明でも三点についてこれから検討をするというふうになっているわけでございます。この三点を拝見しますと、いわゆる国と地方の役割分担の明確化というようなことも一点として入っているわけでございますが、何を今さらという気がしないでもないわけでございますが、この五次勧告の今の状況、それについて説明をいただきたいと思います。
○政府委員(東田親司君) 先ほども御説明申し上げたところでございますが、総理からの昨年末の要請を受けまして、まず私ども分権委員会としてはどういう視点からこの課題に取り組むかということで三点固めたわけでございます。国、地方の役割分担の明確化、国の行政組織のスリム化、そして基礎的自治体である市町村への権限移譲、この三点から取り組もうということでございます。 それで、具体的に今の進捗状況でございますけれども、二月から有識者それから関係団体のヒアリングを開始しております。これが恐らく四月までかかろうと思っております。その後、有識者等からいただいた論点の中で具体的にどれを取り上げるかという整理を行いまして、それから所管省庁、関係地方団体等の意見をお伺いする、こういうことになろうと思います。 したがって、一部報道では早ければ夏ごろに第五次勧告があるのではないか、こういう報道がなされておりますけれども、私どもといたしましては、まだ委員会として正式にいつ勧告するという時期を決定してはおりません。有識者等の意見を踏まえて、取り上げる分量、範囲等を見た上でいつころ集約するかというふうに固めていくことになろうと思っております。 現在は以上のような段階でございます。
○小山峰男君 新聞報道によりますと、分権委員会は五次勧告の作業に入る前に橋本総理に二点のことを確認して作業に入ったというふうに書かれておりますが、その中で省庁の同意がなくても勧告をするんだということを総理に確認して作業に入ったというふうに言われております。 今までの勧告もそうでございますが、各省庁との協議の中でかなり勧告内容が軟化してしまったというふうに感じておりますが、今度の五次勧告につきましては、こういうことで本当に分権が推進するような勧告にする、これは分権委員会の問題でもあるわけですが、事務局としてもそういう決意でいるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○政府委員(東田親司君) 昨年の十二月に、総理の方から事務権限の移譲についての検討方の御要請をされた際に、諸井委員長以下若干の委員と総理との間で懇談の場を設けていただいたことは事実でございます。ただその際、先生が御指摘されている報道等では何か私どもが条件をつけたというような報道ぶりも実はあるのでございますけれども、条件をつけたというようなことはございません。御要請に対して当委員会としてどう対応するかというお話をした際に、この事務権限の移譲の問題というのはこれまでの四次にわたる勧告においても既に取り上げてきたところでございます。それをさらにもう一度第二ラウンドを行うということになりますと、なかなかこの問題は難しい面があります、関係者の間で大変厳しく意見の対立する面が出てくるでございましょう、ただ、さはさりながら私どもとしてはぜひ勧告になるように努力をしてまいりたいと思っておりますと、こういう趣旨の委員会側の申し出をいたしました。それに対しまして総理の方からは、ぜひ最大限そういう方向で頑張っていただきたいというお話があったということがやりとりの大要ではなかったかと思っております。 したがいまして、私ども事務局といたしましては、委員のそうした基本姿勢を踏まえまして最大限の補佐をしてまいりたいと思っております。
○小山峰男君 次に、財源等の問題についてお聞きをしたいと思うわけでございますが、地方を中央が縛っている一番大きな課題は補助金の交付の問題だろうというふうに思うわけでございます。政府のいろいろ法案等を見ましても、補助金については廃止するんだとかあるいは見直しするんだとか、いろいろ書いてあるわけでございまして、私もむしろ補助金というのは基本的にもう全廃するという方向づけをすべきだろうというふうに思っているわけでございます。 ただ、今の国の状況からいきますと、まさにこの際、財政再建を実施していくためには補助金を廃止して国の財政を豊かにすればいいという問題が出てくるだろうというふうに思うわけでございまして、一概に補助金を全廃してしまって本当に地方公共団体はやっていけるのかなという気がするわけでございます。 現在の出口の状況を見ますと、入り口で二、一が出口では一、二という状況になっているということでございまして、これはトータルの仕事として地方が行うことはやっぱり国全体の中では一、二の割合で行われているということになろうかと思うわけでございます。補助金を廃止するということはもちろん中央支配を除くために大変大事ですが、あわせてトータルとして財源を確保しなければならないだろうというふうに思うわけでございまして、この辺の考え方についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 財源をどうするか、分権に伴うものも含めてあるかと思いますが、地方税源の充実確保につきましては、地方分権推進委員会第二次勧告はこう言っておるわけであります。「地方における歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図っていくべき」として、その基本的な方向を示しておるわけでございます。 同勧告は、さらに当面の対応として次のようにいたしております。「国庫補助負担金の廃止」、すなわちただいま御指摘のあった国庫補助金でございますが、「国庫補助負担金の廃止・縮減を行っても引き続き当該事務の実施が必要な場合や国から地方公共団体への事務・権限の委譲が行われた場合において、その内容、規模等を考慮しつつ、地方税等の必要な地方一般財源の確保を図ることとする。」、このようにいたしておるわけでございます。 私は、国から地方への税源の移譲ということもそうした際の重要な課題と考えておるわけでございまして、こうしたことを踏まえながら地方の税源の充実確保を図ってまいりたいと考えております。 なお、ただいまの地方分権に伴う補助金の見直しでございますが、御指摘のように大変重要なものだと思っておるわけでございます。 国庫補助金等の整理合理化につきましては、地方分権推進委員会第二次勧告において国庫補助金削減計画の策定等の具体的な方策が示されておるわけでございます。地方団体の自主性を高めるために積極的にこれを進めることとされておりまして、また財政構造改革の集中改革期間中においては財政構造改革の推進に関する特別措置法に基づき国庫補助金等の削減合理化を図ることとされておるわけでございます。 この平成十年度の予算案におきましてお示しをしておるわけでございますが、予算の編成につきましては、こうした勧告等を十分受けとめまして、これを踏まえて事業そのものの廃止、補助対象の重点化を行うほか、新たに二十二件、平成十年度の影響額で四百六十二億円の補助金等の一般財源化を図るなどによりまして国庫補助金等の整理合理化を積極的に推進いたしておるところでございます。 今後、国庫補助金削減計画の策定等を通じまして、地方団体の財政運営の自主性の向上を図ります観点から、所要の財源の確保に留意しつつ、国庫補助金等の整理合理化を一層進めてまいりたい、このように考えております。
○小山峰男君 一般財源化というのはそれはそれでいいんですが、基本的にはやっぱり税の移譲というか、税源の移譲というのをやらないとどうしようもないだろうというふうに思っておるわけでございまして、私は比較的偏在性の少ない税としては消費税あるいは所得税の課税最低限をもう少し上げまして、その上がった分を地方の住民税として配分するというような形になれば比較的この税源め偏在性がないというふうに思っております。奨励的補助金で四兆円と言われているわけでございますが、消費税一%の二兆五千億、二%を地方に移譲して補助金を廃止するというようなことは十分考えられることだというふうに思うわけでございまして、やっぱり税財源で地方の自主財源をふやすということが大事だろうと。 今のやり方だと交付税で一般財源が足りない場合には不足額をどうするかという形の対応がなされているわけでございまして、ぜひこの税財源の移譲について自治省としても積極的に切り込んでもらいたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 御質問にありましたように、地方税源の充実確保を図っていくに当たりましては、国から地方への税源移譲ということは重要な課題であり、所得、消費、資産などの間におけるバランスや税源の普遍性、税収の安定性などに配慮しながら検討していく必要があると考えております。 消費税や所得税を地方に移譲すべきではないかとのお尋ねですが、現在の地方消費税や個人住民税は税源の普遍性や税収の安定性の点からも地方税としてふさわしい性格を有している有力な税であると考えますので、今後そうした点も十分踏まえながら地方税源の充実確保に取り組んでまいりたいと考えています。
○小山峰男君 だんだん時間もなくなってきましたが、省庁再編の関係で若干お聞きしたいと思います。 今回の一府十二省庁という省庁再編の関係でございますが、なぜ一府十二省庁なのか、あるいは単なる数合わせではないかというようないろんな意見がございます。また、国土交通省というような公共事業の十兆円というような人権限を持った省が誕生するとか、それから総務省の中に自治省あるいは総務庁、郵政省というような、どちらかというと関連のないような省が入ってしまうとかというようないろいろの課題があるわけでございますが、国務大臣としての大臣の所感をお聞きしたいと思います。既に法案も決定されているのでなかなか本音は言っていただけないかと思いますが、お願いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 行政改革会議の最終報告を受けまして今国会に提出をされております中央省庁等の改革基本法案におきましては、地方自治あるいは地方行財政については新たに設けられる総務省において所管する、これはもう御案内のとおりでございます。これによりまして中央統制的な面が強くなるのではないかとの御指摘もございますが、基本法案の第十七条にも規定されておりますとおり、地方自治が国の基本的な制度であり、地方自治を維持し確立することが国の重要な役割であることを踏まえ総務省が編成されるものと理解をいたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、各省の具体的な事務の執行体制につきましては、本法案の成立後、今度は各省におきましてその設置法等の法案の作成が待っておるわけでございます。その作成の過程において具体的な御意見等は十分お聞きし、また検討をされるべきものと考えておるわけでございます。 私といたしましては、憲法に一章が設けられております地方自治の重みを十分踏まえて、新たに設けられる総務省におきましても地方行政が埋没せず地方自治の確立、一層の発展が図られるように適切に対処していかなければならない。 なお、地方分権という重要なものが新たにあるわけでございますから、これからの省庁の設置というものは分権というものを十分意識し考えた上でこれはなされなければならないものではないのか、私は個人的にはそういう意見を持っております。
○小山峰男君 今最後の方におっしゃられた、今回の一府十二省庁の問題については地方分権の視点というのがほとんどないというふうに思っておりまして、これはまたいずれ機会を見てと思っております。 それから次に、若干事務的な話になろうかと思いますが、いわゆる公の施設の管理についての問題でございます。 公共的団体というふうに制約がなされているわけでございますが、そのために今回の長野市のオリンピックの会場等になりました施設の管理につきましても、わざわざそういう団体を設立してそれに管理を任せていくというようなことになったわけでございます。私は、むしろ民間等も含めて管理委託というような形で、あるいは有効活用のためにもそういう方がより効率的ではないかというふうに思っておりまして、この辺の考え方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 今お話のございました公の施設の管理の委託の問題でございます。 公の施設の設置目的というものを効果的に達成するために必要がある場合、この場合は条例に基づきまして公共的団体や一定の民間法人、地方団体が出資している法人で政令で定めるものには委託することができることとされております。従来、公の施設という性格にかんがみまして、管理委託の相手方は公法人とか公共的団体に限られておりましたんですが、平成三年の自治法改正で、地方団体の出資により設立された第三セクターというものをより有効に活用したいという地方公共団体の要請が大変強いものがございまして、それを踏まえまして、例えば株式会社などの営利法人につきましても、地方団体の出資により設立されたもので一定要件を備えるものにつきましては管理を委託することができるとされたものでございます。 また、この委託法人につきましては自治大臣の指定制度というものもありましたが、昨年九月にその指定制度をやめまして、指定の基準等を法定要件化しまして、地方団体がより活用しやすくなることを期待いたしているところでございます。このように、現行制度上も地方団体の出資に係るいわゆる第三セクターにつきまして一定の要件を満たすものには公の施設の管理を委託することができることとされております。 自治省としては、公の施設の公正な管理を確保するということで、民間すべてに、営利法人に開放するというのはなかなか難しく、委託できる民間法人につきましては一定の要件を満たすことが必要である、このように考えております。
○小山峰男君 今の時代、例えばこういう条件で委託をするんですよということさえ確保してそのとおりに管理をやっていただければ、私は第三セクターというふうなものでなくても民間でも十分対応できるというふうに思っておりますので、ぜひ今後検討をいただきたいというふうに思っております。 それからもう一点、民間資金の活用によるいわゆる公共施設の設置というようなものが今後考えられていくんではないかというふうに思っております。こういうもので、こういう条件でというような形で、むしろ今の補助金と起債でつくるような公共施設ではなくて、民間につくってもらって、公共施設として逆にある期間というかある時期には活用するというような、発想を転換する必要があるだろうというふうに思っておりまして、これについても今後前向きな検討をぜひお願いしたい。もう諸外国等につきましてもそういう形のものがかなり進んできているというふうに思っておりますし、建設業協会等もそういう形で公共施設の建設に参加したいというような意向もかなり強いというふうに聞いておりますので、御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 財政の制約が厳しい中におきまして、創意工夫し、知恵を出して対応することは御指摘のとおりでございまして、社会資本整備にPFI方式を導入することは有効な方式と御指摘のとおり考えております。 一部地方団体におきましても、庁舎等の建設に賃貸借や割賦払いなど民間活力を活用した手法を導入することについても検討が行われておりますので、そのような動きもよくお聞きし、自治省といたしましても、公共施設の整備等に関しましてPFI方式を導入する場合には必要な条件整備等について幅広く検討してまいりたいと考えております。
○小山峰男君 ぜひそういう意味で前向きにお願いしたいと思います。 次に、海上保安庁にお聞きするわけでございますが、最近はちょっと新聞等にも出ませんが、いわゆる船による密入国者というようなものがかなりふえてきておる状況だと思いますが、海上保安庁でつかんでいる密入国者の状況等についてお話しいただきたいと思います。
○政府委員(田口弘明君) 海からの密航者の状況でございますが、ここ二、三年で急増しております。例えば、平成二年の時点で保安庁が取り扱った検挙状況では二十二名でございましたけれども、平成九年中に発生し保安庁が取り扱った密航件数は三十七件、三十七隻で、検挙した不法入国者が六百五人、そのほかの幇助者七十二名、合計六百七十七人と、過去十年間で最高となっております。また、平成十年はこれまででも十件、十隻で、不法入国者四十六人、幇助者十九人の合計六十五人を検挙しております。 保安庁では、このように検挙している事例のほかに、日本の近海の公海上で発見をした我が国向けの密航船あるいは密航が疑われるような不審船、これは十四隻、四百七十人ほど捕捉しておりますが、それは巡視船で追尾をして追い返しまして未然防止を図っているという部分もございます。なお、このうち九隻、三百四十四名は外国の治安当局に直接の引き渡しを行っているという、未然防止を図ったものが相当数ございます。 密航者を国籍別に見ますと、タイ、ベトナム等の東南アジア人もかなりの程度見受けられた時期もございましたが、八年度以降は中国人の占める割合が増大いたしまして、平成九年には中国人が全体の約九五%を占めるようになっております。 これらの不法入国事犯につきましては、ほとんどの場合に蛇頭と称されます密航ブローカーが介在しております。そして、かつては一見して外見上密航船と識別できるようなかなり古い船で上陸の地点に直接来航していたものが多かったわけでございますが、最近ではこれらに加えまして、貨物船や漁船をチャーターして本邦の近海まで来て、蛇頭と結託した我が国の暴力団が準備した出迎え船舶に移乗して上陸を図るというような、組織的かつ巧妙化したものも見られる傾向にございます。
○小山峰男君 いろいろお聞きしたいんですが、いずれにしてもかなり今後もそういう人たちがふえるだろうというふうに思うわけでございます。先日、海上保安庁の予算を見せていただいたんですが、今のような体制で本当に大丈夫なのかなということを心配するわけですが、その辺の今後の考え方等についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(田口弘明君) 海上保安庁の体制の問題でございますが、基本的に当庁の場合には船艇、航空機を使った活動になるわけでございます。そして、この船艇、航空機は、海上保安庁の場合非常にたくさんの業務を持っておりますので、そういった業務も含めて対応していくわけでございまして、特に世界的な新しい海洋秩序の時代を迎えまして、いろいろな機会をつかまえまして船艇、航空機等の増強を図ってきております。 また、この種の事犯につきましては関係機関との密接な連携をとって対処することが非常に重要でございまして、保安庁が検挙した事案の中にも、具体的に、例えば海上自衛隊からの情報に基づいて巡視船艇、航空機が出ていって逮捕した事例、あるいは警察からの情報をいただいて対処した事例等々もございます。そういった関係省庁の連携をますます強化して対応していくというのが大きな方向ではないかと思っております。
○小山峰男君 どうもありがとうございました。 次に、総務庁にお聞きしますが、青少年保護育成条例についてお聞きしたいと思います。 先ほども少年の非行等についてのお話があったわけでございますが、実はこの条例をつくっていないのは全国で長野県だけでございます。長野県の考え方としては、条例でつくるというような問題ではない、学校と父兄と地域が一体となって青少年の健全な育成を図っていくことが大事なんだということで、あえて条例はつくらないという考え方でございまして、これは私は大変な見識だというふうに思っているわけでございます。 この条例の中身を見てみますと、いわゆる保護育成というか、育成部分のことが書かれている内容と、それから非行等についてのいわゆる禁止行為等について書いている内容と二色あるわけでございます。育成等についてはまさに条例で規定することはどうかという問題があろうと思いますが、非行の禁止行為等についてはやっぱり何らかの形で法令化していく必要があるだろう。その場合に、各県がばらばらで条例で、例えばテレクラの規制の問題だとかあるいは未成年者に対する淫行の問題だとかということを対処していっていいのかどうか。 長野県の場合の条例がないことについての見解、それから今のような非行行為等の禁止行為等についてはやっぱり全国一律で規制をかけていく必要があるのではないか。東京の罰則と大阪の罰則が違うというようなことになるとすればこれはおかしなものだというふうに思っております。その辺の考え方について、その二点についてお聞きしたいと思います。
○説明員(久山慎一君) お答え申し上げます。 都道府県の青少年健全育成に関します条例につきましては、戦後の混乱期の中で昭和二十三年に初めて千葉県で制定されておりまして、その後各地域の実情に応じまして順次制定され、昭和五十五年の段階で長野県を除きます四十六都道府県で制定され、その後必要な改正を経まして今日に至っているという経緯がございます。 また、これらの条例の内容を見ますと、規制内容はもとより、その規制に対する違反につきましても、罰則があるものや努力規定のみのものなどいろいろと差がございまして、さらに運用実態もさまざまとなっております。このことは条例を制定しているそれぞれの都道府県の県民の意識や社会環境等といったものを反映しているものというふうに考えられます。 長野県につきましては、条例によらないで、一つには県民の理解と協力による住民運動の展開、二つ目には関係業界の自主規制、三つ目には行政の啓発努力、この三つを基本施策といたしまして県民総ぐるみで対処するという取り組みを従来から進めているというふうにお聞きしているところでございます。このことは貴重な考え方であり、青少年問題の解決を国指す方法の一つというふうに考えております。 ただいまの御指摘のように、これらにつきまして、規制、罰則にかかわるものにつきましては法律等で一律に規定すべきではないかという議論があるということにつきましては承知いたしておりますけれども、現在、都道府県におきましては、青少年の健全育成に関する条例に基づきまして各地裁の実情に応じたきめ細かな対応がなされており、また刑法、児童福祉法等の個別の法律におきまして、わいせつな文書、図画の頒布、一定年齢に達しない者に対するわいせつな行為等が処罰されるということになっております。 このように法律と都道府県の条例が相互補完的に機能しているという現状にかんがみますと、御指摘の問題につきましては今後の状況も見きわめながら慎重に検討すべき事柄かと考えております。
○小山峰男君 確かに各県の地域事情等もあるわけでございますし、また取り組みの違いというようなものも考えられる。一律にということも確かにいろいろ十分な検討をしないと問題があるというふうに思っておりますが、私は、罰則規定にかかわるような問題についてはやっぱり全国一律ということが大事ではないかなというふうに思っているわけでございまして、また総務庁等でもよろしく御検討をいただきたいというふうに思うわけでございます。 以上で終わります。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。 先般、大臣の所信をお聞かせいただきました。二十一世紀の新しい日本をつくっていこうというふうに自治省の、地方新時代というそんなキャッチが張ってありましたけれども、それにふさわしいというか、冒頭部分での大臣の所信だったかな、そんなふうに感じました。 そこで、大臣の所信に関連いたしまして幾つか御質問をし、また基本的な事柄でございますが御教示を賜りたいというふうに思います。 松村理事、また小山委員からもまとめられた形で御質問がありましたが、地方と国との事務とまた財源の乖離の問題でございます。この委員会ではもう長年にわたりその点についてかなり突っ込んだ議論をし、また地方分権推進ということでずっと議論をしてきたところであると思いますけれども、まず国と地方の行政事務の分担関係でございますが、目的別の経費構成はどのようになっているんでしょうか。 「地方財政の状況」というような資料によりますと、住宅や衛生、学校教育、国土開発あるいは保全、警察、消防といったような住民の生活に身近な仕事は圧倒的に地方で分担されているというふうになっておりますが、その経費構成についてお教えいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今御指摘ございましたように、国民生活に密接に関連いたします行政は、多くは地方公共団体の手で行っておりまして、最終支出ベースで国と地方の歳出の状況を見ますと、地方の方が全体の六四・六%、約三分の二を地方団体が実施しておるという形に歳出の最終ベース状況がなっておりまして、目的別にいきましても、国土開発とかあるいは教育とか福祉とか、そういうものにつきましては相当高いウエートで地方団体が実施しているという状況にございます。
○魚住裕一郎君 また、基礎的なことでございますが、いわゆる国民総支出の中におきまして、国、地方といったような政府部門、この支出というのは何%を占めるのか、そしてこの政府部門のうち、今もう既に出ておりますが、地方の財政支出は政府部門のうち何%を占めているのか、お示しください。
○政府委員(二橋正弘君) 今、国民経済計算ベースでということでございまして、平成八年度のベースで申し上げますと、政府部門、これは中央政府、地方政府、社会保障基金全部会わせた合計でございますが、九十兆五千億余でございまして、名目国内総支出の一八・〇%を占めております。これは政府部門全体でございます。そのうちの国と地方の割合でございますが、そのうちの地方分が六十七兆三千六百億余でございまして、先ほど申しました政府部門全体が一八・〇%でありますが、そのうちの一三・四%が地方の分ということでございまして、国の約三倍というウエートになっております。
○魚住裕一郎君 そのような大きな割合を地方が負っているわけでございますが、それに対して実質的な最終的な税金の配分というか、それはどのようになっておるんでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 国と地方の税源配分の現状でございますけれども、平成八年度の決算額で見ますと、租税総額、国、地方を合わせまして九十兆三千百九十八億円のうち、国税が五十五兆二千二百六十一億円で、構成比は六一・一%、一方、地方税が三十五兆九百三十七億円で、構成比が三八・九%となっております。
○魚住裕一郎君 先ほど小山委員からは一対二、またそういうような入り口、出口で逆転した比率という形で御紹介がございました。大臣の所信の中で、自己決定、自己責任と、そういう所信が述べられておりましたけれども、物的、財政的に自己決定をし得る体制が本当に大事というふうに考えております。逆転した税と事務の中において、結局は地方は大きく国に依存をしているという形になるわけでございます。所信にもありましたが、その地方の実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開するためにも、自主財源といいますか、それは非常に大事かなというふうに考えております。 今、税源が国に集中しているといいますか、そういう状況の中で、税源の再配分につきまして、先ほど来五次にわたる勧告を、四次までですが、五次に向かっていろんな形で議論をしていくわけでございますが、どういうような形で税を再配分していくのか、それをぜひお教えいただきたいと存じます。
○国務大臣(上杉光弘君) 足りないところは事務方から補足をさせますが、基本的には公共事業、それから社会保障、教育の三分野で地方財政は七〇%を占めております。この七〇%はほとんどがある意味では国で法律を決め、制度を決め、政策的なもの、予算措置をした上での地方が負担をしなければならないものが犬方でございます。 そういう状況でございますから、特に地域住民から見ればないがしろにすることのできない公共事業でありますとか、社会保障でありますとか、あるいは教育問題というものも、これは国と地方が連動して対応してきたというのがこれまでの姿でございます。したがって、そこに地方財政の厳しさがあり苦しさがあることはもう申すまでもないことでございます。 そのような前提を置いて申し上げますが、したがって地方税財源の充実確保ということは極めて大事なことでございまして、どうしておるかということのお尋ねでございますが、今回の地方税制改正におきましては、地方分権推進委員会の第二次勧告を踏まえまして、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築や地方団体の課税自主権の拡大について検討したところでございます。 特に、税収の安定化の観点からは、事業税の外形標準課税の問題について、この導入でございますが、議論をしてきたところでございまして、この問題につきましては来年度においてもさらに深く検討を進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。 また、地方の自主権、税制に対するそういうものでございますが、集中期間は別といたしまして、集中期間を終わりますと、これまで地方税関係については自治省との間において許認可制となっておったものを協議制にする、こういうことなど等も十分検討して方向づけをいたしておるところでございまして、あらゆる努力をして、地方分権の推進が具体的に目に見えたものとして財政を伴ったものにしなければならない、このように考えておるところでございます。
○魚住裕一郎君 今、外形標準課税、これは安定性の問題だろうと思うんですわ。要するに、国にある税源をどう移すかという問題とはちょっと違うなというふうに思います。 それから、ちょっと教えていただきたいんですが、自主権の関係で、許可制を協議制というふうに今おっしゃいました。許可は許可されなかったら何もできないんですが、協議というのは協議が調わなかったらどういうふうになるんでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) ただいま大臣から御説明のありました法定外普通税に係ります許可制度を廃止して、国との合意を必要とする事前協議制に改めるという制度改正を今回の地方税法の改正の中でお願いいたしたいというふうに考えております。 この場合の事前協議制は、やはり国との同意を必要とするという形で、やはり税でありますと、いろいろ物流の問題とか我が国全体の経済政策との整合性とかいうようなこともございますので、そうした観点から一定の同意を要するという形での事前協議制に改めたいというふうに考えておるところでございます。
○魚住裕一郎君 同意というと、結局判こがないとだめだということですか。要するに、許可と同じ趣旨かということです。
○政府委員(成瀬宣孝君) 十分意見調整をさせていただきまして、先ほど申しましたような、いわば自由裁量的にどうこうということではなくて、我が国全体の経済政策との整合性でありますとか、それから我が国の物流、物の流れに新しい税の仕組みが悪い影響を及ぼすことがないかどうか、そういった観点からの審査をさせていただくというものでございます。
○魚住裕一郎君 その協議内容は多分そういうことなんだと思うんですね。審査内容は物流云々とかいろいろありましたけれども、要するに審査させていただくという表現を使いましたけれども、最終的にどうするかという段階になって地方公共団体サイドが嫌だよ、言うことを聞きませんと言った場合にどうなるかということです。
○政府委員(成瀬宣孝君) 先ほど言いましたように、国が自由裁量的にどうこうということではなくて、その内容を十分意見調整させていただくということで、十分話し合いのもとに新しい法定外普通税の許可制度のあり方を組み立て直ししていこうというものでございます。
○魚住裕一郎君 何か押し問答をやっておりますが、その趣旨はわかるし、協議をしていくというのもよくわかるんです。それでも調わなかった場合どうなるかという問題なんですね。 自治大臣は自主決定、自己責任だというふうにおっしゃってきている。ずっと国として協議させてもらいますよ、いろんな協議内容で要素を踏まえながら判断してくださいよということで終わるのか、協議が調わなかったら、例えば法定外普通税の場合もだめなのか。要するに、協議制と言ったけれども、その具体的な裏づけの担保の部分についてどうなのか。もしだめであるというのであれば、大臣のおっしゃった自己決定というのはまるで絵にかいたもち状態になっちゃうということでございまして、その結論の部分を教えていただきたいと思います。
○政府委員(成瀬宣孝君) 当然、協議に当たりましてはお互いの考え方、国としての考え方、あるいは地方の方からはいろいろ考え方の披瀝等があろうかと思いますけれども、そういったものは十分オープンな形で議論いたしまして、決して一方的に裁量的にどうこうするということではございません。 先ほど申し上げましたような、例えば我が国全体の経済政策との整合性とか、あるいは物の流通に悪い影響を及ぼすことがないかどうかといったようなことを論理的にきちっと十分意見交換をしながら最終的な対応、結論を求めるということでありまして、どうしても考え方がすり合わないということになりますれば、それは協議が調わないということで実現は難しいということになろうかと思います。
○魚住裕一郎君 そうすると、それは最終的には法定外普通税の場合はできないということになるんですか。それは事前に協議をしてくださいよということになって、地方公共団体はそれに合わせて、昔は例えばボート係留税みたいなそういう趣旨のものがあったと思いますが、ああいうものも自分たちがいろんな行政需要があって税源はこれ取れるなといった場合に、それでもだめだと。内容に至らなくて最終的に協議が調わなかった場合、結局地方公共団体としてそれができないんだという結論になってしまったら、それは許可制と同じじゃないですか。 そうすると、大臣がおっしゃったこととまるで事務方は違うことを言っているという形に聞こえるんですが。
○国務大臣(上杉光弘君) いや、それは許可制と協議制はもう基本的に違う、本質的に違っておるわけでございまして、これまで許可制というのは国の一方的な判断ではないにしても、地方からどうだと言われたものを国が判断して決めるというものでございます。協議制でございますから、当然地方は財政需要に見合った形としてこれを上げてくる。政府は当然全国的な視野のもとで、行政の住民におけるサービスでありますとか財政状況でありますとか、先ほど箱物の問題も出ておりましたが、そういう財源がどういうものに必要なのか、それは総合的に十分お話を聞いて理解をするならば、それはもう結構でございます、おやりくださいと、こういうことになると思うわけでございます。 それは当然一定の一つの行政のサービスが低下を来さない、あるいは過剰サービスになることもこれは問題でありますから、そういうことをも総合的に国は判断して、十分地方から相談のあるものについては受ける、こういうことで方向づけされるものと私は思っておるわけでございまして、その前提は地方のそうした御相談、判断というものは十分これまで以上に重く受けとめた上でこれは協議に応ずる、こういうことになろうかと思います。
○魚住裕一郎君 大臣のお話ではございますが、箱物云々というお話もございました。過剰サービスというような話もございました。だけれども、それは最終的には地方公共団体において首長なりが選挙等で責任が問われる、そういうことが自己責任ということではないですか。あるいはその地方公共団体の財政が破綻に瀕する、これもまた自己責任のことではないのかと思うんです。そこまで国に御指導を仰がなきゃいけない体制になっているのかということなんです。 結論的に言えば、要するに協議が調わなかったらできないということなんですか。もう一度。
○政府委員(成瀬宣孝君) 個々具体のケースに即して判断していくということになろうかと思いますけれども、決して実質許可制と変わらないということではなくて、国として必要最小限の関与と申しますか、御意見を伺う機会を持たせてもらいたいということで、基本的にはとにかく新しい法定外普通税、もしそういうものが事前協議制によりまして提案がなされた場合には、その内容等が特に問題がなければ当然実施に移されるというものになろうかと思います。
○魚住裕一郎君 結論だけ言ってください、前の講釈はいいから。それは、許可制、禁止されたものが特別の行政行為によって許されると講学上、そういうふうに言われております。それと違うかもしれないけれども、最後の結論部分で協議が調わなかったらできるのか、できないのか、これは許可制と変わらないと思いますから。事前相談制というだけであって、相談だけすればやっていいのかどうか。 それは国としての意見を言いますよ、ぜひそういう要素を判断に入れてやってください、その決定はあなたたちですよ、そしてその結論はあなたの責任ですよ、これが自己責任じゃないんですか。それがこちらの国の言うことを聞かなければ、例えば法定外普通税もできませんよというのだったら、それは許可制と何ら変わらないじゃないですか。結論の方はどうなんですか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 制度の趣旨から考えましても、できるだけその提案された新しい法定外普通税が実現されるように前向きに協議に努めるということになろうかと思います。 なお、国との同意を必要とするというふうに先ほど来から申し上げておりますけれども、これは地方分権推進委員会の勧告の中でも許可制度の廃止にかえて事前協議制という中で、同意なりあるいは合意を必要とするというような形での協議制に持っていくことが適当であるという旨の考え方が示されているところでございます。
○魚住裕一郎君 そうしますと、同意が必要だということは、同意あるいは認可というような講学上の話になるんですか。つまり、国のオーケーサインが出なければ、許可という言葉を使わないとしてもそれはできないということを意味するんですか。その結論部分を教えてください。
○政府委員(成瀬宣孝君) ごく形式的に申し上げますれば、同意が調わない場合にはなかなか難しいということになりますけれども、個々具体のケースを考えて対応していくということでありますので、一般論でどうこうということではなかなか判断が難しいものがあろうかと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 結論、一口で言えば協議が調わない場合にはできない場合もある。なぜかというと、例えば地方団体でめちゃくちゃな財政運営をやり、めちゃくちゃな政策をやって財政が破綻状態にある。だから、地方税を上げて地方住民にその負担を全部おっかぶせるということについて、じゃ自治省が認めるか、協議に応ずるかということになればそれはできないケースもある、こういうことでございまして、そういう極端なことのない限り協議には応じて前向きにこれは方向づけを、勧告でもされたことでありますから、地方財政の充実強化、さらには個性ある地域おこしができる財源措置についての方向づけでもありますので、その精神というものは自治省はきちっと受けとめてやらなきゃならない。 しかし、場合によってはできないという状況もあるということは、これは申し上げておいて差し支えないことだと思います。しかし、前の許認可制とは全然違いますよと、そのことも申し上げておきたいと思います。
○魚住裕一郎君 今、大臣は場合もあるという表現になりました。言われた内容は具体的な内容であって、私が聞いているのはシステムの立て方として聞いているわけであります。そうすると、できる場合もある、できない場合もあるというふうになるわけですね、今のお話は。そうすると、そのできる場合とできない場合の、今よく新聞に出ておりますけれども、事前の明確なルールというのはどういうふうになっているんでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 事務方から詳しくは説明させますが、許認可というのは国が全部実権を握っていまして、どうするこうするを決める。今度のやつは事前協議でございますから、協議を受け付けないということはありません。これは全部協議は受けるわけでございます。その協議の中で極端なものがあれば、地域住民の税負担が過重になるようなものが持ち込まれたり、あるいは行政や、失敗と言っちゃ語弊がありますか、そういうものが地域住民に押しつけられるような事前協議が来たとするならば、そういうものはちょっとできませんよ、合意は難しいという、ほかの方法があるんじゃないですかと、こういうことになろうかと思いましてそういうふうに申し上げました。 したがって、事前協議は全部受け付けて、ちゃんと協議に応じて、そしてそこで、ケース・バイ・ケースであると思いますが、中には合意できないものもある、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○魚住裕一郎君 そういうような、今、大臣がおっしゃったような非常に苛政になるようなそういう場合にはならぬですよというような言い方になりましたけれども、許可制と中身的には最終的には変わらないわけですね、システムの立て方としては。要するにそれは、御相談に幾らでも応じましょうというのは、それは許可制のときだって事前にいろんな御相談はあったでしょうし、もちろん事実上根回しがもっとあっただろうと思いますけれども、最終的なこの協議制は一体どこで押さえるのかなと。結局は国のお墨つきがないとできないということなんですね。
○政府委員(成瀬宣孝君) 許可制という場合には、いわば上下関係の中で一方がいろいろ審査をし最終決定権限を握っているというような形が一般的でありますけれども、協議制の場合には、それぞれの当事者がいわば対等の形でお互いの議論を出して、それで最終的な合意を得るということでありますので、当事者が優越的な地位に基づいて何かいろいろ指導をするということではなくて、双方対等の立場で話し合いを行い、合意に達すれば実現が可能となるということで御理解をいただきたいというふうに思います。
○魚住裕一郎君 余り実質変わらないなというのが私の気持ち、感じでございます。自主決定、自己責任というのが何か最後の部分になってくるともとのもくあみというか、同じようなシステムで構成されるのだなというのが私の実感でございます。 大臣の所信の中で、地方の債務の状況についての言及がございました。先ほどもたくさんのお話ございましたけれども、多額の地方の借入金の残高というのがある、それがかつ金利の支払いも含めて大変地方財政を圧迫している、硬直化も招いているというようなことでございます。 先般新聞を読んでおりましたら、地方債の繰り上げ償還ということが出ておりました。今低金利の時代でございます。繰り上げて返すことによって金利負担を少しでも軽くして地方財政の財政難を少しでもよくしていこうという、そういう本当に地方財政を預かる各団体の知恵が出ているなというふうに思います。これについて自治省の方から何か御所見ございますか、繰り上げ償還について。
○政府委員(二橋正弘君) 過日新聞にも報道がございましたが、地方債の償還について、これは金利変動が時によってございますので、高金利のものをできるだけ繰り上げ償還をして公債費の負担を幾らかでも少なくしたいという観点で、地方団体の方がそういうふうな操の上げ償還ということを借りた相手先といろいろ相談をしているということはあるということは私どもも承知いたしております。 これは、借りる相手方にもよりまして、民間の金融機関から借りている場合あるいは政府資金から借りている場合、いろんなケースがございますが、過日新聞で報道されましたようなものは主として地元の銀行から借りておりますようないわゆる縁故地方債のことでございます。 これにつきましてはまた二つタイプがございまして、証券発行という形で地方債を借りておる場合には、これは市場に流通するということが予定されておりますので、最初引き受けたところからまた別の方の手に渡っているというふうなケースがございます。こういうものを繰り上げ償還をいたしますと、持っている側はいわば債券として持っておりますので、これは市場が混乱をいたしまして地方団体の縁故債はそれが次に信用を失ってしまうということになりますので、これは慎重にやっていただく必要がございますし、特に市場に出回っておりますと実際問題としてもなかなか難しいという現状がございます。 ただ一方で、もう一つのケースでございます証書で地元の銀行から借りているケース、これで比較的高いものを繰り上げ償還させてほしいということを地方団体の方は希望いたします。銀行側といたしますと、せっかくのものでありますので金利の低いものは返さずに高いものを先に返してくるというのは、これは貸した側といたしますと、これはまた自分のところの経営の問題がございます。そういうそれぞれの双方の事情がありますが、これにつきましては、私どもは双方でそれぞれの立場を踏まえて十分協議をしていただきたいと。単に繰り上げ償還だけの問題ではなくて、それ以降の資金調達ということ、先行きのことも考えておく必要がございますので、こういう証書借り入れの場合の繰り上げ償還については、地方団体と金融機関との間でいわば円満に交渉をして話がまとまっていって、繰り上げ償還できるということであればそれはそれで結構でしょうし、どちらかが余り無理を言いますと先行きの資金調達というのが必ずしも円滑にいかないというケースも出てきますので、そこらあたりはもちろん当事者同士が十分わかっておりますから、十分その立場を踏まえて協議をしていただきたい、協議をした上で進めていただきたい、こういうふうに考えております。
○魚住裕一郎君 各自治体、それはもう今おっしゃった趣旨は十分踏まえた上での話だと思いますが、新聞記事によると、例えば札幌市ですか、指定金融機関でないところに借り入れを競争入札をしたというところがあります。それほどドライな関係でまずやっていかないと、もう地方の財政難はお手上げだというようなことなんだろうなというふうに思います。 今おっしゃったことは地元の銀行等を中心にした金融機関とのお話かと思いますが、この資金運用部の資金原資、これでかなり地方債があると思うんですが、今お話し合いというか協議調えばというふうなお話がございましたが、この資金運用部の資金の償還に関して地方団体からお話し合いをさせてもらいたい、そしてそういう場合には、自治省としてはどういうような取り次ぎといいますか円満な話し合いができるように地方の立場に立ってお話を進めていただいているのか、その辺をちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 借りる先が資金運用部の場合でございますと、資金運用部の資金というのは、一般的に長期安定ということが資金の中でのいわば特性といいますかメリットでございまして、現実に地方団体の側で、かつての比較的高金利の時代であったものについて政府資金に対しても繰り上げ償還ができないだろうかというふうな希望は私ども時々聞きますし、現にそういう要望が地方団体のまとまった意見として出てくるケースもございます。 ただ、こういう実際のところを申し上げますと、資金運用部を預かっておる側といたしますと、長期安定ということで資金調達、融通をしているのは運用部でございまして、そういう立場からいうと、高いものを選んで繰り上げ償還されると実際にその貸し手として、金融機関として成り立っていかない、安いものは返さないわけでありますから。そういうことになりますので、これまでのところ、資金運用部については一般的に貸し手の側としては繰り上げ償還に応じていないというのが現状でございます。 ただ、地方団体の方がそういう希望を持っておりますし、現にそういう働きかけもございまして、私どももそういう地方団体の側の状況を踏まえて資金運用部の方と、何とかそういうことが幾らかでも実現していけるような方向で私どもとしてもこれまで協議をしてきております。これからもそういう方向で取り組んでいきたいと思いますが、基本的に他の資金に比べて、先ほど申しましたように長期安定という特性がございますので、現実になかなか難しい面があるというのは率直に申し上げて現状でございます。
○魚住裕一郎君 今、各地方もそうですが、市民オンブズマンというのが非常に活発になっております。そういう中では、繰り上げ償還しないというのはもうそれ自体で自治体に損害を与えているという、そういう論が立ちます。知事以下に損害を賠償させるように監査請求をするというような、そういう動きもあるというふうに新聞には載っておりました。普通の企業であれば経営責任を問うというような事態になるわけでございますが、これについて自治省はどういう御所見を持っていますか。
○政府委員(二橋正弘君) これは、新聞の報道でそういうふうな動きがあるということも私ども承知いたしております。 基本的に、先ほど申しましたように、この話は借りた側と貸した側のそれぞれの事情が、必ずしも利害が一致しないわけであります。今、借りた側が高金利のものを返さないと損害を生ずるんじゃないかと、こういう話でございますが、貸した側からいたしますと、それを今度選んで繰り上げ償還に応じていると、会社の経営に損害を与えたということに多分なるんでありましょう。そういたしますと、片方で株主訴訟というのが出てくるということも考えられるわけでございまして、そこらあたりは裁判になりましたときに、法律の判断がぎりぎりどうなるかということはあるかと思いますけれども、基本的に貸した側と借りた側とのいわば立場、事情の異なる話でありますから、そこのところは一番最初に申しましたように、やはり基本的にはそれぞれの立場を踏まえて双方が協議を重ねて円満な結論が得られるという形でないと、実際には繰り上げ償還というのは、全体の金融の秩序ということから考えましても、一方の都合だけで行っていくという、そういう筋合いのものではないんじゃないかというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 ほとんど時間がありませんけれども、最後に警察の方にちょっと。 先ほど山本委員から警察の問題が出ましたけれども、前回ですか、この委員会で本垰刑事について聞かせていただきました。大臣の所信の中でも、職員の綱紀の粛正と職業倫理の確立についてさらなる徹底に努めてまいります、また、警察職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう云々というふうにございますが、具体的にどのような体制をおとりになっているのか、お教えいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 前回、一月三十日でございましたか、委員の御質問にもお答えしたとおり、たび重なる不祥事は警察のたるみだと言われても言いわけのできるものでないと私は思っております。現在、警察庁におきまして緊急通達を出しまして、綱紀粛正や職業倫理の徹底を図るための努力をいたしておるところでございます。 その後どうかということでございますが、管区警察局におきまして職業倫理教育を担当しております総務部長を警察庁に招集いたしまして、緊急通達の趣旨が全国の警察職員に徹底し、実践されるよう改めて指示をしたとの報告を受けておるところでございます。 今後、この種の事案を再び引き起こすことのないように、さらに職員個々の倫理意識の高揚に努めるものと承知をいたしておるわけでございまして、国家公安委員会といたしましても、警察庁、さらに都道府県警察とともにさらなる綱紀の粛正と職業倫理の確立に努力をしてまいる所存でございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○渡辺四郎君 社民党の渡辺です。 まず、大臣の所信についてお尋ねしたいと思います。 大垣が所信の中で、地方税は地方公共団体と住民を結ぶ地方自治の基盤であり、この上に立ってこそ時代の要請である地方分権の推進も図られる、このように述べられておりますし、このことは私ももちろん同感でありますが、地方自治の基礎が財政面ではまず自主財源である地方税の充実であることはみんな一致をしていることだと思います。 そういう中で、地方分権推進委員会の第二次勧告の中で地方税財源の充実確保が大きな柱となっていたのも当然のことと思っていますが、ところが、地方財政計画における地方税の構成比の年度推移を少し過去にさかのぼって分析をしてみますと、平成三年度が四六・一%と一番高く、その後は大体四〇%程度の前後を推移しておるというのが現状であるわけです。 そこで、大臣の言われる地方自治のよって立つ基盤がなぜ一向に改善されないか、その原因は一体どこにあるというふうに大臣はお考えか、まずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 新たな事態としての地方分権の推進というものがあるわけでございまして、地方分権が進展をいたしますれば、地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにしていくことが大変大切でございます。そのためには地方税を充実強化していくことが極めて重要であるという考え方を持って今取り組んでおるわけでございます。 地方税につきましては、昭和三十一年度に軽油引取税及び都市計画税、昭和四十三年度には自動車取得税、昭和四十八年度に特別土地保有税、近年においても昭和五十年度に事業所税、昭和六十三年度に都道府県民利子割、平成九年度に地方消費税をそれぞれ創設するなど、その充実に努めてさたことはもう御案内のとおりでございます。 この結果、地方財政計画の歳入総額に占める地方税収の比率は、昭和三十年度において三五・八%であったものが、平成十年度において四四・二%になっているわけでございます。今後とも地方税源の一層の充実強化に努めてまいらなければならないと考えております。
○渡辺四郎君 そこらは今後の地財計画の中でも少し議論をしていきたいと思います。 先ほど魚住委員と財政局長との間でやりとりされました特に課税自主権問題について、さっきもお話を聞きながら私自身はやっぱり少し考え方が違うんじゃないかという気がしておるわけです。 これも分権推進委員会の二次勧告で課税自主権の拡大問題も提唱しておられますが、自治省の外郭団体である自治総合センターの地方税における資産課税のあり方に関する調査研究委員会では固定資産税の税率決定権を完全に市町村にゆだねるべきだという提言をまとめたというふうに報道されていましたが、これは私はまさしく地方分権推進委員会の勧告の流れに沿う内容だと非常に実は歓迎をするところでありまして、住民自治の精神にのっとって大変結構だというふうに思っておりましたところが、自治省の方ではコメントとして、現行制度に不合理、欠陥はない、すぐに検討すべき課題ではないというふうに考えておる、こういうコメントが出ております。この研究会の提言の中では、これは自治省の方はわかると思うんですけれども、アメリカの例を出して述べておるわけです。財産税を減らすかわりに行政サービスも減らす。一方では、塔税するならばサービスもふやすと。 そういうことで、税と行政の関係が争点になっていることなどを踏まえて、日本でも市町村が行政サービスの水準を下げるならばあわせて標準税率も下げていく、あるいは下回る税率を採用する、そういうふうな工夫もしていいのではないか。あるいはサービスを上げるならば税金も上げますよと、必要な財源をということで地方議会や住民の合意を得て地方が独自に調達できるようにやるのが課税自主権を保障する最も重要なものではないかということで、受益と負担の関係を明らかにする、そのことによって住民の自治への関心が高まるんではないか。 ですから、私が先ほどから言いますように、課税自主権というのは、大臣がおっしゃっておりましたように、課税自主権を尊重しつつ地方税の充実確保を図るという点から見ても、この調査研究会が提言として出しておるこういう方向が正しいのではないかというふうな気がするわけですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 自治総合センターの地方税における資産課税のあり方に関する調査研究委員会では、固定資産税の課税情報のあり方及び負担水準について幅広い検討がなされてきたわけでございます。 本年一月末にまとめられました報告書では、税負担のあり方をめぐる今後の検討課題の一つとして、行政サービスの水準と税負担との関係についても触れられているところであります。この報告書において、地方税法上、市町村はその財政上の特別の必要があると認められる場合には標準税率と異なる税率を採用することができることとなっていることや、標準税率を下回る税率を定めた場合の地方財政法の地方債発行制限の規定について触れた上で、行政サービスの水準に応じた税率の選択に関しまして次のようにいたしておるわけでございます。 固定資産税のみならず地方税財政全体の問題として、地方交付税制度と地方税との関連、地方債制度のあり方などについて幅広い検討を加えることが必要としておるわけでございまして、標準税率制度を廃止して税率決定権を完全に市町村にゆだねるべきとしているものではありません。課税自主権の尊重と地方税源の充実確保は地方分権の推進にとって極めて重要な課題であると認識をしておるわけでございます。 この報告書において示された論点についてもいろいろな角度から検討していくことが必要と、このように考えておるわけでございまして、地方分権推進をいたします上での環境づくりとして地方における財源措置としての税制は極めて政治的なものであり、政策的なものであり、重要にこれは取り扱っていかなければならない問題であると考えております。
○渡辺四郎君 私も、反論するわけじゃありませんが、確かにおっしゃるように税率決定権そのものを全部地方に認めるということでないことは私自身も承知をしておりますが、例えば今あります都市計画税なんかの税率の問題だって、これは議会の中で議論をして法律で最高を押さえておりますけれども、その範囲内であれば何%に持っていくかというのはそれぞれの自治体で議論をしてそして決めていくことができるわけです。そういう部分について、今法律的にはない、例えば別の、これから先高齢化社会が進んでいく、うちの町では、例えば公的介護保険も施行になって、級の部分でこの部分の級はI級からV級ありますが、それにプラスの給付をしましょうといった場合に、住民、議会で議論をしてプラスの税金なりを住民にお願いする、そういう部分だってあるわけです。僕らもそういう点を指して、やっぱり課税自主権ということは、一切そういうことはしちゃいかぬということじゃなくて、そういうところを大いにひとつ奨励をしていくこと自身が住民と自治体、行政との関係を深めていくんじゃないか、そういう立場から申し上げておりますから、ひとつお願いをしておきたいと思います。 それから、これも先ほど地方債の繰り上げ償還問題で魚住さんからありましたからダブるようなことは言いません、もうこれは結論から大臣に申し上げますが、県名を出しちゃ大変失礼ですけれども、今岡山県なんかは非常に厳しい状況にあるわけです。企業であれば倒産寸前となっている、あるいは一歩を踏み込んでいるかもしれないという状況の中で、前に借りた借金の金利が余り高いから何とか借りかえをしたい。 例えば、住宅公庫から金を借ります、あるいは銀行と住宅ローンを組んで二十年なら二十年で返済しますね。そうしましたら、今度みたいに金利がずっと下がった段階では、途中一回だけは借りかえは金融機関だって認めてくれるわけですね。そうしますと、金利が本当に減るものですからサラリーマンの月々の償還も減る。 そういう点で、今の自治体の非常に厳しいところの部分については、今十一県ですか、都道府県で繰り上げ償還を既にやっておるところは。それからあと岡山を含めて、長野ですかどこですか、銀行と協議に入っておるという報道がされておりますが、そこらも少し、やはり自治省の見解として、さっき財政局長がおっしゃったように金融機関に不利益をもたらし、地方債の信用を落とすという確かにそういう部分もあるかもしれませんが、しかし、倒産するかどうか、言葉は悪いんですけれどもいわゆる再建団体に陥るかどうかという状況の前ですから、そういうところについてはもう少し、逆に言ったら自治省の方から安い金利の金を借りてでも助けてやるという、そういうことはできないわけですけれども、そういう点でひとつもう少し幅広い気持ちになっていただいて、これについてはひとつ援助してもらいたい。 同時に、先ほどお話がありました資金運用部の借り入れ問題だって、確かに長期安定というのがこれ基本になっていることはもう百も承知をしております、特に郵貯なんかが中心になっておりますのは。がしかし、やっぱり返済期間が長いものですから、何回もこんなに金利が変わってきておるものですから、僕は全体の二割でも三割でもここは大臣、自治省挙げて資金運用部とやりとりをして、ここを借りかえしてもらえるということになりますと地方財政は大きく変わってくるという気がするわけですが、そこらを含めてひとつ大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。財政局長でも結構ですけれども。
○政府委員(二橋正弘君) この繰り上げ償還の問題につきましては、先ほどるる申し上げましたので繰り返しになる部分は避けたいと思いますが、確かに非常に財政が窮屈になってきておって、何とか公債費の負担を幾らかでも減らしたいというふうな観点から私どもに個別にいろいろ相談のあるケースももちろんございます。 その中で、政府資金の関係は先ほど申しましたようなことでいわば非常にガードがかたいような状態であります。それは片方で、原資が郵貯でありますから、郵貯の金利は約束して金を集めておりますので、そういうことの観点からいって確かに郵貯の金利をまた途中で変えるわけにいかないということもありましょうから、そういう事情はございますが、公的資金の一つとして私どもの方で関係いたしております公営企業金融公庫がございますが、これは特にそういう個別に相談がありましたケースで公営企業金融公庫の方に財政の状況をいろいろ話をしながら繰り上げ償還あるいはこれは毎年度借換債という枠もつくっておりまして、個別団体の状況に応じて繰り上げ償還、借りかえに応じているという面はございます。 ただ、民間の銀行のものにつきましては、先ほど申しましたような双方の事情がございますし、これは特に私どもとしては地方債全体の話として申し上げておかなくちゃいけないのは、いわゆる銀行がこういう貸し付けをいたします際に、それにどういうリスクがあるかということをそれぞれの貸し先によってリスクのウエートをつけておりまして、これは渡辺委員にもいろいろ前から御指導いただきましたけれども、当初は地方債と国債に実は差がありまして、地方債のリスクというのは、国債がゼロのときに地方債はそうじゃないという時代がございまして、これは非常に苦労して地方団体の関係者挙げての働きかけでようやく国債と地方債が同じリスクウェートゼロということになりましたので、今問題になっております銀行の自己資本比率を考える際に、国債とか地方債を引き受けてもリスクは上がらない、自己資本比率を一定に保つ上でそのことはマイナスにならないということになっておりますので、それがまたもとへ戻るようなことになることだけは私どもとしては絶対避けたいと。いわば地方債全体の信用というのをせっかく国債並みにということで確保いたしておりますので、そこは何とか避けたいという思いが私どもとしては地方債全体に対するものとしては非常に強いという要請がございまして、そこのところをひとつ御理解をいただいておきたいと思います。 そういうことも踏まえた上でありますけれども、先ほど申しましたように、民間の銀行で特に地方団体の方の地元金融機関というのは長いつき合いをいたしております。地方財政の苦しい状況もまた長いつき合いの中で今よくおわかりいただいておると思います。そういうことももちろん踏まえて、今の時期だけの話ではなくて、これからの資金調達も考えて、そこは両者間でいわゆる証書借り入れをしておるようなものについての話し合いというのは円満にやっていただきたいということを私どもとしては期待、希望いたしておるわけでございます。
○渡辺四郎君 地方の段階では縁故債関係についても依然かなり高い金利を出して借り入れをやっておるところもあるようですから、そこらはなるべく早く片づけようじゃないかということで動いておるということも実は聞いておりますけれども、やっぱり縁故債になりますと、逆に言ったらローカルの金融機関であるものですから、いや、やっぱり高い部分も残しておきたいという一つの希望があってなかなか話が進まないということ等もありますけれども、ひとつ大臣が所信の中でおっしゃったように、百五十六兆円という巨額の借金ができてくる、これから後の公債の償還だけで地方財政が大きく圧迫をされてくる。ここを考えた場合に、どうして全体的にそこを減らしていくかということにやっぱり最大限力を入れていかなきゃいけないという立場から私らもそういう意見を申し上げておるということを御理解願いたいと思うんです。 次に、消防問題で若干お聞きをしたいんですけれども、一月十五日の総務庁の行政監察結果の発表によりますと、阪神大震災を契機に地方自治体の震災対策の必要性が非常に指摘をされて、大臣、消防庁長官、自治省含めて大変な実は努力をしたわけです。その中で、その後も非常食や仮設トイレの確保が不十分な上、避難場所も指定をされていないというずさんな対策が多い自治体があるということが指摘をされたわけです。 特に、調査した百二十一の市区町のうち二十三の自治体が食糧の備蓄や業者との災害時の調達協定を結んでいない、あるいは半数の六十の自治体が仮設のトイレを全く確保していない。これは阪神・淡路のときに私ら福岡からバキュームカーを動員したり、あるいは給水車を動員したりして送ったんですけれども、今なかなかバキュームカーなんかないものですから、そういう仮設トイレをどうするかという問題とか、あるいは救援物資の受け入れや配分拠点の候補地なんかも把握をしていない自治体が四十四もある。さらには、ここですけれども、七割に近い八十の自治体が公園や小中学校などの地区別の避難場所も決めていない。マニュアルもないのが百十四自治体、百二十一のうちの百十四自治体が避難所の運営マニュアルをつくっていないという、こういう監察結果の指摘がされておるわけです。 ですから、確かに財政上の問題、金が必要という部分もあるでしょう。しかし、場所決めは金は要らぬわけですね。どこを避難場所にするとかどういう業者と食糧の提携をするとか等々の点については、それは金もかからぬ問題ですから、全然かからぬというわけじゃありませんけれども、わずかの金で済むわけですから、そこらは協議を進めていくような、これこそ指導を私は急ぐべきじゃないかというふうに思っております。 大臣に対して、自治体の震災に対する危機管理体制の問題について御所見をお伺いしたいというふうに思っております。と同時に、消防が組織されて、この間五十周年の記念式典をやったようです。やっぱり消防そのものは住民の安全の確保、これはもう地方自治の基本ですから、そういうことを踏まえて、改めて安全な地域社会の実現のための消防防災対策の一層の充実強化、ここも含めてひとつ大臣にあわせて御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷合靖夫君) 御指摘のございました過日の行政監察の内容でございますが、その大部分は都道府県あるいは市町村の地域防災計画の策定なりその運用の中身にかかわる事項であったというふうに認識をいたしておるわけでございます。 それで、申すまでもなく地域防災計画というのはいわば総合的なそれぞれの地方公共団体の災害対策の基本になるもので、先生のお言葉によれば防災という観点から見たいわば危機管理体制のかなめになるものでございます。そこで、私どもといたしましても、阪神・淡路大震災の教訓というのを十分踏まえて、国の方の防災基本計画というのも大幅に修正されておるものですから、その内容に応じたものとなるように、その後抜本的な見直しを具体的に、今御指摘のあった行政監察でも触れておるんですが、具体的な見直し項目も示しまして、ひとつ抜本的な見直しをしていただきたいということでこれまでも指導してきたわけでございます。 都道府県の方につきましては、昨年の末現在で四十六団体が見直しが終わっておりますが、行政監察にもありますように、市町村の地域防災計画については、いろいろな中身を盛り込んだそうした見直しというものが正直言って余り進んでいない、昨年末では三〇%ちょっと超えるぐらいにとどまっているというのが現状であるわけでございます。 私どもといたしましては、とにかくそうした意味での地域防災計画をまずつくって、それに基づいて具体的、実践的なそうした対応策を講じる必要があるものですから、このような進捗状況を踏まえて、これからもいろんな機会を通じてさらに市町村の地域防災計画の抜本的な見直しが進むように努めてまいりたいというふうに考えております。 それから、安全な地域づくりの基本的な問題としては、こういう計画の見直しだけじゃなくて、そこに盛られておりますいろんな諸施策を着実に実施に移すということが必要でございますので、そのためのハードだけではなくてソフト面、自主防災組織の充実強化、あるいは職員の動員態勢の問題とかあるいは民間との協定とかいろいろありますので、そうしたソフト面を含めた支援措置というものをできる限り充実をして、そして全体的に安全で災害に強い地域づくりというもののための消防防災施策の充実に努めでまいりたい、かように考えております。
○渡辺四郎君 特に、過疎の地域は別としても、県都とか都市部分については急いで体制をつくるように、今お話にあったような準備を、財政が不足をすればどうするか、手当ての問題もありましょうから、そこはぜひひとつ消防庁の方も自治省の方と協議をしていただいて早く体制を整えていただきたい、要望しておきたいと思います。 それでは、最後になりますが、国家公安委員長、警察庁め方にお尋ねします。 先ほど山本委員なりあるいは魚住委員の方からもお話がありました、特に魚住委員の質問に対して大臣の方でお答えになっておりましたが、一月三十日、本委員会の中で、例のカッターナイフの問題で綱紀粛正に全力を挙げるというふうに言われておりましたが、その後もやっぱり、例えば愛知県警守山署ですか、ここで取り調べ中の部屋に容疑者の奥さんが無断で入ってきて、取り調べ官に対してスプレーをひっかけて、そして犯人を一緒に連れて逃走するという事件が起きましたね。 私もあれから警察でお世話になったことがありますが、容疑の内容によると思うんですよ。例えば逮捕、留置をされた人間を取り調べをする場合、たしか手錠を外すでしょう。しかし、やっぱり逃亡というおそれはあるわけですから、特に慎重に、僕は取り調べ室にしても、施錠はしなくてもだれかが、大体書記の人がおるわけですけれども、小さな署はいないかもしれないけれども、二人ぐらいおるんですが、このときは警部補一人だったらしいんですけれども。そういうことで、長く留置をしておったからなれておったのかどうかわかりませんけれども、そういう一つの気の緩みがあったんじゃないか。 これが逃走したときに、マスコミの関係ではどうしても信じられない事件だったということで、一般的には警察庁というのは、きのうも私はお世話になりましたけれども、入り口の受付で女性の人が待っておって、私は会議室に入るのに十二、三分実は待たせられたんですけれども、そのくらい厳重に、そして案内がつくわけでしょう、警視庁の場合は。そのくらいやっぱり厳格にやって、多分あの守山署の場合だってそうですよ。中に入る場合にかなり厳密に、もちろんカウンターの外から物を言うのが多いんですけれども、中にはなかなか入れないわけですが、そう簡単に容疑者の奥さんが入っていってスプレーをひっかけて、そしておやじを連れ出して逃げていくという、どうも考えられないものですから。 そうこうするうちに、二月二十七日ですが、今度は警視庁管内の留置場に留置をされておった中国人が姿を消した。これも新聞を見てみますと、留置場に二つの施錠、かぎをかけてやっておる。逃げていくにはあと二つかぎをあけなきゃ逃げられない。だから、それは四つのかぎがかかっておるはずなのに中国人が逃げていったというようなこと等もありますし、これは昨年の八月にも強盗傷害容疑の元アメリカ兵を護送中、護送車から逃げたという事件もありました。 ですから、私が今取り上げたような問題というのは、確かに先ほど山本委員の質問に対して大臣は、大変な努力をしておるものですから超勤関係の問題についても二十数年分の手当を上げたんだというお話がありましたが、私はこの三つ四つの事件というのはそういう勤務、労働条件とかいう問題でなくて、やっぱり気の緩みというふうに言わざるを得ぬと思うんですね。 そうしますと、さっき大臣からお話がありましたように、全国で多くの警察官は本当に一生懸命にやっておるわけでしょう。私が一番心配になるのはそういう警察官の士気に影響するんじゃないか。何でおれたちはこんなに一生懸命やっておるのに、一部の人間の不祥事によって国民から信頼をなくすわけですから、僕はそこが一番やっぱり怖いわけです。恐ろしいわけです。 ですから、そういう点について、事実関係はもう大体わかっておるから、時間がありませんから結構ですが、やはりそういうふうに非常に厳しい中で勤務されておる警察官の士気高揚のためにも、ここらについては明確な国家公安委員長としてのひとつ御示唆をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、反論できるようなものではなくて、極めて初歩的なミスというのは気の緩み、心構えの問題にあろうかと、こういうふうに私は思っておるわけでございます。このような不祥事が続きましたことはまことに遺憾であり、申しわけないと思っております。 また、警視庁に行かれて十数分も待たせたということは、一般の国民もそういうことがあるということですから、これはもう私からもおわびを申し上げておきたいと思います。 警察庁は、このような事案を踏まえ、基本的なものをしっかり守った職務執行の徹底を柱とした緊急通達を一月二十二日に出しておりますが、再発防止のための諸対策を徹底する、今この姿勢で臨んでおることには違いないわけでございまして、その報告を受けて、そのように受けとめておるところでございます。 昼夜問わず、暑い寒いを問わず、それぞれの持ち場で、時には身の危険も顧みず治安の維持を果たしておる全国のまことにまじめな警察職員のためにも、国家公安委員会といたしましても、警察庁、都道府県警察一体となった綱紀の粛正と徹底いたしました職務、勤務のあり方については責任ある対応をしてまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 ちょっと警視庁の名誉のために私の方から言っておきます。 私の問題は、私の方の連絡不十分さもありました。しかし私が申し上げたいのは、バッジをつけておった国会議員でも、会議室でやっておるはずだからと言いましたけれども、受付の皆さんが、二人の女性がおりましたけれども、連絡をとって確認をして、なかなかわからないものだから、これは警視庁の中ですけれども、議員でも中に入れない。そのくらい厳密なことをやっておるのに、この守山署ではどうだったのかというふうに対比に出しただけですから。 私、もうあと時間が四分しかないわけですが、特に守山署関係の問題とか、逃亡したそういう事件関係で、その後の経過についてわかれば簡単にひとつ、二、三分で結構ですから報告してもらいたいと思うんですけれども。
○政府委員(野田健君) 愛知県守山警察署における取り調べ中の被疑者が逃走した事案、これは一月二十二日の午後三時三十分ごろでありますが、愛知県守山警察署において、愛知県警察と合同捜査中でありました三重県警察の警察官が窃盗罪で逮捕、起訴されている被告人の取り調べをしていたという状況にございます。その中で、被告人の共犯者として既に執行猶予つきの有罪判決を受けていたのがこの妻でありますが、そういうことで、普通の人ですと取り調べがどういう場所で行われているかとか、そういうことはほとんど知らないんですが、彼女の場合は自分自身が同じような取り調べをその前に受けていたというようなこともありまして、普通と違っていろんなことを知っていたという状況がございました。被告人といろいろな打ち合わせがありまして、取り調べ室に入ってきていきなり催涙スプレーを吹きかけたと。取り調べ中でありますから手錠は外しておりますので、そのまま逃げられてしまったと。まことに初歩的なミスであることは間違いありません。 当然ながら、取り調べを一人でなくて複数の者がするというのが望ましいわけですが、時には要員等の関係もありまして一人で調べるという場合もあります。この場合は、しかもその取り調べ室の前が廊下なんですけれども、その先がまた通常の通路になっているということでそのまま入られてしまったというような、極めて基本的なミスが二つも三つも重なったということで、まことに恥ずかしく、遺憾に思っているところでございます。 こういうのはまさに気の緩み生言わざるを得ませんので、そういう意味で、気を引き締めて基本に徹した職務執行を行って不祥事の再発防止に努めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○委員長(藁科滿治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十三分開会
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件等について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有働正治君 大臣は所信の中で豊かさとゆとりの実感できる社会実現のことを述べられて、地方自治体、国の役割を強調されました。また、少子・高齢化に対応した地域福祉政策の展開、この点での国と自治体の役割、国の支援についても述べられたわけであります。健康や福祉、安全を守るというのは地方自治体の最大の仕事であるわけですけれども、この問題をめぐってお尋ねしたいと思います。 自治大臣にお聞きする前に、こうした社会保障、福祉なり医療なりの充実の問題が国の経済発展なり地域の経済発展あるいは町おこしや村おこしとのかかわりでどういう役割と意味を持っているのか、主として経済的な効果、側面から幾つかお尋ねしたいということであります。 専門家などの間で、また地方自治体などでも国の関係機関もそうでありますが、国民経済統計の一つであります産業連関表を使いまして、一定の需要あるいは投資があった場合、社会保障部門、医療・保健部門あるいは公共事業部門などの各部門に対して生産の波及効果はどういうことになるのか、雇用の波及効果はどういうことか、あるいは国内総生産、GDP波及効果はどうなのか等々についていろいろ研究、試算も行われているわけであります。 具体的な姿を示す前に、前提として、この産業連関表の調整窓口役として所管されています総務庁にこの経済統計の意味合いと活用方法等について事実確認を求めたいと思います。 一つは、この産業連関表というのはどういう点で重要な統計だと認識されてお仕事に携わっておられるのか、簡潔に御説明いただければと思います。
○説明員(柚木俊二君) お答えいたします。 先生、既に御案内かと思いますが、産業連関表と申しますのは、一年間に国内で各産業部門がどれだけの原材料、労働力を投入しまして財サービスをどれだけ生産したか、また生産された財サービスが産業、家計、輸出等にどのように配分されたか、こういった点をすべての産業について統一的に把握いたしまして、行列形式、つまりマトリックス形式で一覧表にしたものでございます。 産業連関表をそのまま読み取ることによりまして、表の作成年次におきます産業構造や産業部門間の相互依存関係など国民経済の構造を総体的に把握、分析することが可能である、こういった点で極めて重要な統計であると認識しております。
○有働正治君 今の御説明からもおわかりのように、そうしますと、全国レベルで考えてみた場合に、例えば社会保障部門、医療・保健部門あるいは公共事業部門に一兆円の需要、投資があった場合に、連関があるわけですから、それがどういうふうに生産として波及効果を持つのか、あるいは雇用波及効果を持つのかということを分析する場合に、この産業連関表を使うというのが極めて有効であると考えるわけであります。 その際、この生産、雇用等々の波及を考える場合に、例えば一兆円の需要があった場合、物をつくる場合に関連産業で生産がずっと波及していくという直接的な波及としての一次効果も当然あるわけであります。同時に今度は、その関連した生産が行われれば、そこに労働者がいるわけで、そこに賃金が支払われ、所得が生じ、そして消費が生じていくわけです。消費性向等も資料が出ているわけですから、六割台とか七割前後の消費性向等も加味しながら、そういうものからくる二次的な波及効果、さらには三次的な波及効果ということも、今の経済あるいは国民生活は実態としてそう動いているわけでありますから、そうしたやり方を含めまして試算していくということは経済の実態、生活の実態の反映として有効だと考えるわけでありますが、この点についていかがでありましょうか。
○説明員(柚木俊二君) 各種経済活動の生産波及効果につきましては、官民の研究機関等におきましてこの産業連関表を用いまして種々推計、分析が行われると聞いております。さまざまな生産波及効果の分析の一つの手段として使用できるものと考えております。 ただ、これらの推計、分析につきましてはさまざまな前提条件を設定して試算されておりまして、その前提条件の置き方が異なればその結果は異なる、こう考えております。
○有働正治君 当然のことながら、生産が行われて次々に波及していく、例えば国レベルであれば一兆円の需要があれば当然波及する経済実態、生活実態もあるわけで、県レベルで言えば例えば一千億だと当然ながらあるわけで、実体経済を反映したそういう有効な一つの波及効果の試算だと言えると思うわけであります。 いま一つですけれども、国内総生産、GDPということが言われるわけであります。産業連関表では、粗付加価値、この額から家計外消費支出、つまり企業等の交際費等々だと思うのでありますが、これを差し引いたものが国内総生産、GDPに相当するというふうに聞いているわけでありますけれども、この点がどうか。現在使用されています一九九〇年の産業連関表でその家計外消費支出の粗付加価値全体の中での割合というのはどれぐらいのパーセントでありますか、それもお示しいただければと思います。
○説明員(柚木俊二君) 産業連関表の粗付加価値部門は家計外消費支出、それから雇用者所得、営業余剰、資本減耗引き当て、こういったものから構成されておりまして、これから家計外消費支出を除いたものがGDPに相当するわけでございます。したがいまして、先生仰せのとおりでございます。 また、その割合はどのくらいかという御質問でございますが、平成二年の産業連関表について見ますと、組付加価値に占める家計外消費支出の割合は約四%に当たります。
○有働正治君 そうしますと、大局的に組付加価値額を示せば数%なわけですから、大ざっぱに言えばそれを除外しても国内総生産に相当するという見方もできるということになるわけであります。 いま一つは、地方自治体でも、全国の県及び幾つかの政令市でも産業連関表を作成していろいろ活用されていると聞いているわけでありますが、当然、国の作成方法なり基準なりと同じだと思うわけであります。この点いかがか。同じだろうと思うんですけれども、同じような試算をやっても有効だと思うわけでありますけれども、この点いかがでありましょうか。
○説明員(柚木俊二君) 産業連関表につきましては、都道府県、政令指定都市等においても当該管轄区域内を対象にした地域表というものをつくっております。地域表につきましては、基本的には全国表と同じ考え方で作成されていいと考えておりますけれども、どのような表をつくるか、あるいは表の精度をどの程度にするか、こういったことにつきましては作成機関としての個別方針になりますので、個々の地方自治体が決めているわけでございます。したがいまして、作成方法については多少異なる点もございます。 地域表につきましてもさまざまな生産波及効果の分析の一つの手段として使用できるものと考えておりますが、全国表と同様さまざまな前提条件を設定して使用するものでございまして、前提条件の置き方が異なれば結果も違ってくる、こう考えております。
○有働正治君 幾つかの前提ということは当然あり得る話でありますけれども、こうした産業連関表をもとにした分析というのは今日九〇年の産業連関表でいろいろ探求されているわけでありますが、国民生活、経済実態を反映している、それなりに有効な試算の一つであるということは国レベルにおいても地方自治体レベルにおいても今の御答弁から明瞭だと思うのであります。 そこで、話を進めます。 今、総務庁の御説明をもとにしまして、経済波及効果を政府機関の専門官の方にお願いして試算していただいて一覧表にいたしましたのが配付させていただきました資料でございます。全国的規模で見ました場合に、それぞれの部門に同じ金額であります一兆円の需要、投資があった場合の波及効果についての試算でございます。 生産波及効果は、社会保障が二兆七千百六十四億円、これに対して公共事業が二兆八千九十一億円、医療・保健が二兆七千三百七十三億円、そう大きな差はないわけであります。 雇用効果を比較してみますと、社会保障の方が二十九万一千五百八十一人、公共事業が二十万六千七百十人とかなり大きな差があるわけです。医療・保健が二十二万五千百四十四人。 GDP効果を大局的に見るものとして組付加価値額比較をやってみますと、社会保障が一兆六千四百十六億円、公共事業が一兆三千七百二十一億円、医療・保健が一兆四千六百六十九億円と、社会保障、医療・保健の方がGDP効果は公共事業よりも大きいということが、家計外消費支出四%とおっしゃった、これを控除したのがGDPに相当することから見れば、効果がそれぞれ大局として示されるということになるわけであります。 私が今公共事業と比較したのは、一つの目安としての何かの比較があった方がわかりやすいという点で公共事業と社会保障、医療・保健を比較したわけであります。もとより、我が党は公共事業一般を否定するものではありません。国民生活に密着した生活道路だとか上下水道だとか社会福祉施設、教育施設等々、生活に密着した公共事業等々、整備がまだおくれていてこれからやらなければいけない課題もあるわけであります。しかし、ややもすると景気対策といえば公共事業と言われるようなことから、この間、特に国民的にも大問題になりましたように、大規模事業のむだや浪費、こういうものがあるので、これは思い切ってメスを入れるべきだ、こういう立場から一つの目安として公共事業を試算したということは念のため一言しておきます。 そこで、厚生省の方にお尋ねするわけでありますが、総務庁がおっしゃったように、厚生省の方もこうした試算だとか探求を関係機関等々でいろいろやっておられると思うわけでありますが、そこらあたりはどのように掌握しておられるのか、その概要等々を簡潔にお示しいただければ助かります。
○説明員(辻哲夫君) 社会保障の経済効果ということで近年幾つかの研究が出ております。時系列的に申しますと、平成七年三月に三菱総合研究所がまとめた調査研究で、公的介護の充実がどのような経済効果を及ぼすかというものがありましたり、それから、それを踏まえまして長寿社会開発センターの企画振頭部長が「介護の社会化は日本経済を救う」というような題で論文を書かれましたり、それから平成八年には医療経済研究機構というところで「福祉充実の経済的効果について」ということで、やはり介護とか児童福祉が経済成長にも貢献し得るというようなことをまとめられたり、それから平成九年十一月には大阪地方自治研究センターの永峰さんが「福祉サービスと公共事業の経済波及効果の比較」といったような形で、基本的に福祉の充実が必ずしも経済にとって阻害要因になるわけではない、積極的に貢献する面があるというような立場からの分析が幾つか出ております。
○有働正治君 私も幾つか資料をいただきまして見させていただきましたけれども、例えば今介護保険の基盤整備になります新ゴールドプラン、これを整備した場合にGDPの〇・二%あるいは〇・二三%ほど押し上げる効果がある等々を含めまして、今厚生省からお述べになりましたように、経済成長、発展の上でプラス的な、阻害要因、マイナス要因でなくてプラスの要因があるという試算等々が示されていると私も承知しています。 例えば、平成八年三月の財団法人医療経済研究機構、これは厚生省認可の財団法人で、厚生省から補助金が二億円余り平成八年度出ているわけでありますが、そこでもそうしたこの間の研究等々を紹介されて、福祉、高齢化関連の公共投資こそがむしろ大きな経済効果を持つに至っているので、伝統的公共投資からの発想の転換が求められているということ等を含めて指摘されています。 この研究の中には、政府の、厚生省の担当部門の方々、そのほかの部門では経企庁その他、その主張については個人の資格というお断りをなされておりますが、そういう方々も加わって試算、探求がやられて、経済効果が大きいというのを計量的にも示されているということであります。 さて、厚生省にもう一点でございますけれども、厚生白書でも、かつていろいろこの点、社会保障、福祉の問題等は経済発展、経済成長等々のかかわりでマイナス要因だ、阻害要因だということに反論する形でも展開されたり、最近でもその経済効果を述べられた厚生白書等もあるやに聞いていますけれども、そこらあたりの状況はいかがでございますか。
○説明員(辻哲夫君) 基本的に最近幾つかそういうものも出ております。 まず、大きな流れとしましては、少子・高齢化ということで、急速ないわば社会保障の拡大ということで社会保障の占める経済の位置づけというものが大きく変わっておりますが、御指摘がありましたように、昭和三十年代から、あるいは最近、厚生白書では一貫してセーフティーネットとしての国民生活を支える役割、これは言えば安心して働ける、あるいは安心して日々過ごせるという安心機能という機能とともに、安定した購買力を国民に付与する、あるいは労働需要を創出する、こういったことで経済の発展に寄与するどいう役割も果たしてきておる、こういった形で社会保障を一貫してとらえさせていただいております。
○有働正治君 大臣、そこで、お待たせいたしましたけれども、大臣も所信の中でお述べになりました、社会保障、福祉、医療等の拡充が必要だということだろうと思うんですけれども、こういう計量、試算等々から見ましても、経済効果という側面から見ましても、その役割は大きいということはお聞きのとおり明瞭だと思うのでありますが、この点に限りまして認識なり所見を簡潔にお示しいただければと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) いろいろな議論があり諸説があることも承知いたしておりますが、ただいまそれぞれお答えになりましたように、その効果はあると思っておるわけです。 ただ、例えば家庭と工場を比較した場合に、家庭は一つも生産をしません、工場は生産をいたします。数字に出てくるのはこの両方で、家庭はゼロです。生産性から見れば家庭はゼロ、工場はプラスというものが数字で出てきます。ただ、あすの活力とかそういうものを養うという点で考えますと、目に見えないところのプラス面の効果として家庭の生活があるというのは必要なことだと思います。目に見えないもののプラスがある。ただ、じゃ工場はどうかというと、あすの活力という点からすれば、エネルギーを消耗するところでありますから、そういう面からいえばマイナスでございます。 そのような意味で、先ほど公共事業との比較がございましたが、公共事業でも橋のないところに橋をかけ、道の悪いところをよくする。そうすると、働く人は通勤時間が短くなる、さらに学校等に通う子供たちも通学の時間が短くなる。そうなれば当然ゆっくり休む時間がそこにはプラスとしてあるわけでございますから、そういうものも含めて申し上げたいと思いますが、先ほどの高齢化等に対応していくためには、特に新ゴールドプラン等の着実な推進など福祉施策の一層の充実が求められておることも事実でございます。 こうした状況の中で、自治省におきましても、平成十年度地方財政計画におきましては、地方一般歳出を対前年度マイナスとする中で、一般行政経費の中の社会福祉系統に係る単独事業費は対前年度化四・九%の増とするなど福祉部門の歳出の充実を図っておるところでございます。
○有働正治君 有効であるという側面があることをお認めになったと。議論はいろいろ、政策展開の上でどうするかとか、それは議論はあり得る問題だと私も承知しています。 県政や町づくりとのかかわりに話を進めたいと思うのであります。 この点、地方財政危機と言われる中でそれぞれの自治体は大変苦慮しながら対応しているところであります。特に二十一世紀は高齢化社会ということで、極めて切実、緊要な課題になっているわけであります。しかも、これは個々人の、単なる特定の方々だけの問題ではなくて、介護保険が導入される中にあって、とりわけ全国民的な課題となってきていると思うのであります。 さきに全国的規模の試算結果を申し述べましたが、各都道府県当局及び政令市当局におきましてもこうした試算がやられているわけであります。各自治体の産業連関表に基づいて同様の形での試算が行われているわけであります。私は国会質疑で活用したいということで関係自治体から資料をいただきまして、結論部分を整理しましたのが二枚目の資料Ⅱでございます。各関係自治体の御協力にここで改めて感謝申し上げる次第です。 それによりますと、県の場合に、一千億円の需要、投資があった場合ということで試算されたものであります。一千億円の投資というのは、例えば茨城県当局は新ゴールドプランで今後平成八年度以降向こう数年間で投資、需要が一千数百億円あると見込んでおられるわけで、一千億円の需要というのは低過ぎる需要でありますが、仮に一千億円の需要があった場合の生産誘発効果を見ますと、若干の差はあります。これは私は社会保障の整備の状況の違い等々の差が一つにはあるんではないかなと考えるわけでありますが、大方社会保障が一千六、七百億円から一千九百億円程度の間、医療・保健部門が一千五百億から一千七百億円程度の間、公共事業が一千六百億から一千九百億円程度の間、公共事業の波及効果が高いところはその県での公共事業の受注率がいわば高いということではないかと推測するわけであります。 資料をいただきました二十県の中で、社会保障の生産波及効果が一つの目安としての公共事業と比べて上回っているのに米印的につけておきました。二十道府県の中で十二府県は社会保障の生産波及効果が公共事業を上回っているわけであります。大臣御出身の宮崎もこの中に含まれて、私の出身の熊本は下回って、落差があるということが初めてわかりまして、熊本はその点で相対的におくれているかなと推察しているところであります。政令市も、五つの政令市のうち四つが社会保障の方が上回っているわけであります。 一方、雇用効果は県及び政令市ともすべての自治体で公共事業を上回っています。大半が二倍、二・五倍、三倍あるいは三倍以上となっているわけであります。しかも、雇用階層の違いを見ますと、例えば大阪の場合には、公共事業は七が男性、三が女性に対して、社会保障の場合にはこの比率が全く逆転し、大方の県が大体共通しているわけであります。国民所得、GDPへの貢献度も社会保障がはるかに上回っているわけであります。 時間のかかわりで次に話を進めて、その次の一番最後の表も御参照いただければと思います。これは産業連関表に基づく試算ではないわけでありますけれども、福祉や医療の充実というのでその町で現実に生まれている経済効果がどれだけあるのかというのをあえて数量的に試算したものであります。 町立の病院、あるいは特養ホーム、老健施設、デイサービス、ショートステイなど福祉・医療関係機関に勤めておられる方々の職員の給与、それからそこで使います食材費、燃料費、紙おむつ代等々、地元から購入している物品等々の金額を合計したらどうなるか、そういう点での地元に落ちる経済効果というのをそれぞれの町当局にはじいていただいた数字がそれであります。その金額を比較する目安として、その地域が米どころであれば米の販売金額、それからそこに落ちている年金がどれくらいかということを参考までに示しました。 鳥取日南町は福祉、医療の経済効果が九億六千二百万円、米販売額が約八億円。町長さんは、戦後うちの町は米と林業の町と宣伝してきました、しかしこれほど大きな福祉の経済効果がある、米の販売額を上回っている、これからは宣伝文句を変えなくちゃいかぬということをおっしゃって、福祉と医療の町に変えて、そのために一層頑張りますと抱負を述べておられました。山形最上町は十三億六千八百万円、米、年金とそう変わらない。新潟大和町は三十三億七千六百万円、米が約二十億円、国民年金十八億一千四百万円。これらの町はあえて言えば最大の産業と言ってもいいというお話でございました。宮城県の涌谷町は十二億八千九百万円、広島の御調町は二十四億七千百万円と出たわけであります。 そこで、大臣、まとめてお尋ねするわけでありますが、先ほどの県、政令市の試算結果、経済波及効果、それから町でのあえて試算した場合の効果等々から見まして、本当にこれからの高齢化社会に向けて社会保障、福祉、医療等々の拡充に国としても積極的に支援していく、大きな役割があるということ等、感想を含めまして簡潔に御所見をいただければと思います。最後ですから大臣に。
○政府委員(香山充弘君) 簡単にちょっと。 ただいま御指摘ありました福祉の経済効果についてでありますが、具体的な数値は別といたしまして、私どもも福祉に対する財政支出というものがそれなりの経済効果を持つということは全く否定するものではありません。ただ、財政支出というのはすべてに経済効果を持つわけでありまして、そういう意味で言いますと、例えば我々に対する人件費でありましても同じような経済効果を持っているわけであります。 一方で、福祉施策については、お年寄りの介護でありますとか社会保障とかそういったことを受け持つわけでありますから、これは景気のいかんにかかわらず実施を要する経費であります。そういう意味で投資的経費と比べまして経費の弾力性に欠けるというようなことがありますから、そういう意味もありまして、時の経済状況に応じて機動的に対応すべき景気対策、こういったものを取りまとめをする場合には公共投資を中心に組み立てることになっておる、そういうものだというふうに私ども承知いたしております。 ただ、御指摘のような経済効果も含めて、今後私どもとしても、福祉施策のための財源あるいは高齢化を迎えてその拡充を図る必要というのは十分認めておりまして、そういう意味で今後とも格段の努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、その点につきましては御理解を賜りたいと存じます。
○有働正治君 大臣、何か一言で。
○国務大臣(上杉光弘君) 今、事務方から答えたとおりでございまして、限られた財政の中で福祉でありますとか、教育もございますが、お尋ねは別といたしましても、福祉、教育は切り下げることのできない予算でございます。したがって、住民生活とそれほど密着をし、またないがしろにできない政策であり予算だと思っておるわけでございまして、公共事業等とも組み合わさった形で地裁経済が成り立っておるということ等を十分念頭に置きながら対応してまいりたいと考えております。
○有働正治君 時間です。終わります。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。二、三質問をさせていただきます。 まず最初に、地方分権についてでございます。既に午前中にお話もあったわけでございますけれども、私もまずそれをお聞きしたいと思っております。 第四次まで勧告がそれぞれあったわけでありまして、その評価もそれなりに私はしております。しかしながら、その中で地方分権の実態といったものはまだまだほど遠いというふうな評価もございます。そういう意味では総理の指示は当然ではないかな、そんな感じを持っております。 まず最初に、第四次にはない、これからやる第五次になりますか、そういったことについて、何を重点的にやっていかれるのか、その考え方をお聞きしたい。その三点だけではなくて、もっと本当の意味で核心に入る、そういう分権のてこになるようなものを私は期待申し上げたいわけですが、総理のねらい。そしてまたそれに対応する分権委員会の作業といったものをお聞きしたいわけでございます。
○政府委員(東田親司君) お答え申し上げます。 これからの具体的な作業、特にどういう具体的な課題を取り上げる予定がというお尋ねかと思います。 午前中以来繰り返して恐縮でございますけれども、今私ども委員会として固めておりますのは、検討視点としてはまず三点固めたということでございます。国と地方の役割分担の明確化、国の行政組織のスリム化、それから基礎的自治体である市町村への権限移譲の推進、まずこういう検討視点を固めました、 そして、この検討視点に基づきまして具体的に何を取り上げるかという点につきましては、幅広く有識者、関係団体から御意見を伺った上で絞っていこうということで、今の予定では、二月から四月までヒアリングを予定してございます。現在時点では十人ほどの有識者あるいは五つほどの地方団体等からヒアリングをする日程を入れているところでございます。 それで、その後これらの方々の御意見を踏まえまして具体的に何を取り上げるかということでございますけれども、本日時点におきましてどういう分野のどういう課題が取り上げられるだろうということを私はいわば推測するわけにはちょっといかないわけでございます。申し上げられることは、いわゆる権限移譲といったときには許認可権限という狭い意味での権限というふうにとらえられがちなわけでございますけれども、今回の場合は事務権限の移譲ということで、狭い意味での許認可権限だけではなくて、いわゆる事務事業も含めて国から地方へ移譲する余地を検討するんだ、こういうことでございます。 したがいまして、今後のスケジュールといたしましては、四月以降ヒアリングが終わった時点で具体的な課題が絞られていくことになるだろうというふうに思っております。
○高橋令則君 お話はそのとおりに承りましたが、四回の勧告については、具体的にあったのは機関委任制度の問題、これが具体化したものなんですね。それ以外の問題というのは非常に抽象的でございます。やっぱりそれを具体的にしてもらわないと本当の意味の分権にならないのではないか、そのように思っているわけでございますので、今のお話を含めてぜひもっと大きな意味でそういった問題に散り組んでいただきたい、これは要望いたしておきます。 それから次に、地方行革について一点お尋ねします。 定数の趨勢については伺いましたが、レベルの問題としてのいわゆる給与のラスパイレスの問題でございます。この現在の趨勢、そしてそれに対する対応について、どのように取り組んでおられるか、伺いたいと思います。
○政府委員(芳山達郎君) 平成八年四月一日現在の地方公務員の給与水準、いわゆるラスパイレス指数でございますけれども、全地方団体平均で一〇一・七となっております。五十年以降、二十二年連続して低下をしてきております。その分布状況でございますけれども、逐年低い階層に移行してきておりまして、指数一一〇以上の団体は平成六年以降皆無になっております。また一方、指数一〇〇未満の団体は全団体の七割に相当する二千二百九十七団体となっております。 このように、全体としては適正化が進んできているものと思っておりますけれども、個別の団体ごとに見ますと、給与水準や制度、運用に問題がある団体も見受けられます。また、特に制度の趣旨に合致しない特殊勤務手当などの不適正な諸手当の是正が強く求められているものと思っています。 したがいまして、給与改定に係る次官通知、また地方行革の新しい指針という中で、こういう給与制度なり運用が不適正な団体にあっては速やかに是正措置を講ずるよう強く要請しておりますし、今後とも引き続き努力してまいりたいと思っております。
○高橋令則君 ぜひ御努力をお願い申し上げます。 実は大臣、恐縮なんですが、非常に大きな問題でございますので大臣にお聞きしたいんですが、倫理の問題でございます。 いわゆる国家公務員の倫理問題、これが大きくなりまして、当然各党でも取り組んでおられるわけでございますが、これは今後の問題になりますけれども、地方公務員に対する倫理の対応、これは御存じのように、現在のシステムは国家公務員の制度で今議論をされているわけですね。対応して、地方公務員の場合も、地方公務員の倫理の制度と申しますか、そういった問題についても同じようにやっぱり検討されるべき問題が出てくるだろうなというふうに私は思うわけです。 御承知のように、大臣、国家公務員も地方公務員も、読んでみればわかるように大体同じようにできているわけです。したがって、国家公務員についてはいろんな議論が出ておりますから、それについて大臣はどのようにお考えになっておられるか、そして今後の動きによってどのふうに考えておられるかというお尋ねでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は公務員の奉仕者としての姿勢は法で縛るとか制度でどうするというんじゃなくて心構えの問題だと思っておるわけです、倫理観というのはさらに内なるものでございますから。しかし、それだけでは、倫理という問題あるいは全体の奉仕者としての問題があるとするなれば、これは対応しなきゃならぬというのが今の動きの状況ではないか、このように思っておるわけであります。 さような意味で、公務員倫理法による規制ということに関しましては、内閣総理大臣から内閣官房副長官に対しまして指示がございまして、公務員倫理法に関する法制化の検討をやれ、こういうことになったわけでございます。二月二日に公務員倫理問題に関する検討委員会がもう既に発足をいたしておるわけであります。 いずれにいたしましても、公務員倫理の確立は国家公務員のみならず地方公務員にも同じように求められるものだ、そういうふうに思っております。したがいまして、国における検討の動向等も十分踏まえながら、地方公務員についての適切な対応、方策というものも検討していかなければならないのではないか、そのような心組みをいたしておるところであります。
○高橋令則君 私も全くそのように感じております。 次に、地方財政につきましてちょっとお伺いをいたしておきます。 厳しい厳しいと言われてはいるんですが、数字的にはわかっておりますけれども、どこが実情として厳しい、まさに要点だというところを一つお伺いしたい。 もう一つは、私ども長年お世話になって大変恐縮なんですけれども、地方財政には昔からもういろんな危機があったわけです。そんなときにもそれなりにやってきているわけですが、こういったもののいわゆる危機的な問題に対する変化と対応、工夫といったものを比較として少しお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 地方財政は多額の財源不足、十年度の予算編成でも五兆四千億足りませんでしたが、借入金残高が平成十年度末には百五十六兆円に達するわけであります。その一方で、こういう状況のもとで地方分権推進に伴って地方団体の担うべき役割がまた増大をすると見込まれておるのも一方にあるわけでございます。地域福祉の充実や生活関連資本の整備などの重要課題にさらに対応していかなければならない、このような極めて厳しい状況にございます。 どこがどうしてどうなったかということでございますが、過去における地方財政の危機と現状の厳しさの比較というお尋ねでございますけれども、戦後においてはまず赤字地方団体が続出をいたしまして地方財政再建促進特別措置法が制定されたのは昭和三十年前後でございますし、オイルショック後のインフレや景気の低迷によりまして大幅な財源不足が続いた昭和五十年代前半が代表的な事例として挙げられるのではないかと思います。 このうち、昭和三十年代の場合は地方財政は危機的状況にありましたが、国の財政は均衡財政であった点が現在と著しく異なっておるわけであります。同じ厳しさでも違う、こういうことが言えると思います。また、昭和五十年代前半の場合は国も地方も大幅な財源不足の状況にございまして、地方財政計画規模に対する財源不足の割合も現在に匹敵するものがございますが、借入金残高が昭和五十四年度には三十四兆円だったものが平成十年度には四・五倍弱の百五十六兆円にもなった。現在の方がそういう意味ではさらに厳しいものがあると思います。 なぜこうなったかといいますと、御案内のとおりバブル期に政府は公共事業を初め拡大をしてまいりました。それに伴って地方財政も対応してまいったというのが一つあると思います。 それからもう一つは、国の財政運営が国債に依存しておりますから、三千三百に財源配分いたしますときにはどうしても足りない。その足りない分については、補助事業を初めそういうものの財政的な負担を求められるものについては借金をせざるを得なかった。また、ここ四、五年、地方交付税につきましても所要の対応を、国と地方財政を離して予算編成ができるわけでございますが、交付税だって足らない分は特会の借入金に頼らざるを得ないという状況がございます。 加えて、国が事業をじゃんじゃんやる、地方もそれに伴って住民の要求というかニーズの高い地方単独事業に対する要求があればこれにも対応したということが今日の財政の苦しさになっておるのではないか、私はこのように考えておりまして、さらにそのときに借り入れました地方債の償還というものがこれからどんどん出てくると、加えて厳しさが考えられるというふうに私は理解をいたしておるところであります。
○高橋令則君 ありがとうございました。 大臣、このあとの問題は、現下の財政の中で、前提としてはやっぱり経済情勢に対する認識と、それから今の十年度予算、当然それをベースにして地方財政計画ができているわけですね。こういった問題についてどのように端的に把握しておるのか。かなり経済情勢が変わってきております。そういう中で、これでいいのかどうか、そういうことを心配もしているわけであります。 もう一つ言えば、最近、補正予算にかかわる与党の最高幹部の方々には非常に大きな声として出てきておりますね。こういったことについて大臣はどのように認識しておられますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 国の予算についてのお尋ねでございましたが、平成十年度予算及び地方財政計画におきましては、財政構造改革を推進する一方で、経済情勢に応じた臨機応変の措置を講じる観点から、平成十年度分の所得税及び平成十年度分の個人住民税に係る二兆円の特別減税や法人関係税の減税等の幅広い措置を講じているところでございます。これらの措置は我が国経済の回復に相当寄与するものであるという判断を持っておりまして、平成十年度予算や関連法案の一日も早い成立に向けて御理解をいただきたいというのが基本的な考え方でございます。 地方財政は厳しい状況にございます。先ほど説明いたしましたが、財政構造改革は重要な課題でございまして、経済、金融情勢に応じ臨機応変の措置をとっていくことは必要なことでございます。総理からもたびたび本会議等でお答えいたしておりますが、こうした観点から二兆円の特別減税や金融システム安定化策について関連法案を成立させていただいております。 政府といたしましては、さらに法人関係税などの減税を含む平成十年度予算や関連法案を先ほど申し上げましたように早期に成立をさせていただき実施に移させていただくならば、まことに苦しい厳しい経済状況でございますが、我が国経済の回復に何よりも必要な、効果のあるものになってくる、このように考えておるわけでございまして、どうかひとつ一日も早い予算の成立に向けて深い御理解と御協力を賜りたい。 なお、財政構造改革と経済、金融情勢を踏まえた景気対策は二者択一の問題ではございませんで、二〇〇三年度までの中期の目標と当面の対応という対象とする期間の異なる問題であることも総理からたびたびお答えをいたしておりますが、そのように考えておるところでございます。
○高橋令則君 次の問題に参りたいと思いますが、一言だけ。 大臣、恐縮なんですが、民、信がなければ立たずという言葉がございますね。論語の言葉です。これに絡んで、日経の三月二日の論評で「政策の失敗と政治責任」というのが出ております。もう時間がありませんので、ぜひ大臣もごらんをいただきたい。なぜ私がそういうことを申し上げますかというと、政治不信、これは選挙に絡んで非常に出ているわけですね。所管する大臣としてはこういうことをぜひ念頭に置いて見ていただきたい、このように思います。これはもう結構です。 次に、消防行政について一点だけお尋ねしたいと思います。 最近、いわゆる義勇消防団が心配される面が多々あるわけですね、マンパワーの問題として。この現状と対策について端的にお願いします。
○政府委員(谷合靖夫君) 消防団の関係でございますが、昨年の四月一日現在で約九十七万人弱という団員がおるわけでございますけれども、現実に通常の火災時以外にも、阪神・淡路大震災の例で見られるような大量動員を必要とする災害の隊とか、あるいは地域に密着したきめ細かい予防活動の分野でも大変御活躍をいただいている状況でございます。 ただ、やはり住民意識の連帯感といいますか、そうしたものの喪失とかあるいは過疎地域の若年層の減少、さらには就業形態が変わってきておりますので、どうしても団員数の減少とか高齢化、さらにはサラリーマン団員というような形での団員がふえているといういろいろな難しい課題を抱えていることは事実でございます。 私どもはそういう現状認識に立ちまして、どうしても消防団の活動を活性化するという観点から、一つは拠点整備といいますか、そうした面と装備の充実ということに取り組んでおりますし、それからやはり処遇の改善というのもできる限りしなければいけないというふうに思っております。さらには、地域住民とか企業等に消防団への参加なり、あるいはそういう活動をいろいろ御理解いただいて御協力いただけるような、そのような広報等も通じてできる限り消防団の活性化が図れるように努めているところでございますし、今後もそういう観点でいろんな施策を講じてまいりたい、かように考えております。
○高橋令則君 私もこの問題にかかわっておりましたので、実務としてわかりますので、ぜひ御努力をいただきたい、このようにお願いを申し上げます。 次に、警察の問題についてお尋ねをいたします。少年問題でございます。 既にいろいろお話がございましたので、私は端的に、その中でもいわゆる凶悪犯罪に絞った、非常に凶悪と言われる部分の現況と傾向、そしてもう一つは、これはどうも日本だけの問題ではないのじゃないのか。いろいろ聞いておりますと、アメリカ、フランスなどの、国際的というのも変ですけれども、そういうふうなこともあるようでございますので、それに対する状況と、それに裨益するところもあるんじゃないかということについての当局の把握とあれをお伺いしたい。
○政府委員(泉幸伸君) 少年非行、なかんずく凶悪犯罪の現況についてのお尋ねでございます。 御案内のとおり、本年に入って相次ぐ少年による刃物を使用した凶悪事件の問題に加えまして、平成九年中に凶悪犯で補導した少年が二千二百六十三人でございまして、前年に比較して五割強の急増をしておる。これは昭和五十年以来の最悪の記録であるということで、極めて深刻化していると認識しております。 その特徴について見てみますと、何らかの問題行動はあるものの、周囲はこれに気づかず、いわゆる普通の子と見られていた少年が欲望のコントロールがきかずに短絡的に重大な非行に走ったり、あるいは善悪の判断なく、例えば刃物の携帯を格好いいなどと誤って認識し、ちょっとしたきっかけで凶悪な非行に至るというようなことが傾向として認められるのではないかと考えております。 さらに、諸外国の少年非行情勢についてのお尋ねもございました。 各国ごとに法制度が異なりますため一概に比較することは困難な面もあろうと思いますが、大分古うございますけれども、手元の昭和六十三年の数字をもとにした少年人口千人当たりの検挙人員という指標によって見てみますと、米国やフランスとの比較を行いますと、刑法犯罪については米国が我が国の約一・六倍、フランスが我が国の約一・一倍となります。また、このうち強盗に関しましては、米国及びフランスがそれぞれ我が国の約三十七倍及び約二十二倍となるなど、特に凶悪犯の面において、少なくともこの六十三年、十年前の時点では我が国と比べてこれらの諸国の方が極めて深刻な状況にあったというふうにうかがえるところでございます。 これらの諸国においては、一つの原因としてけん銃に関する規制が比較的緩やかであったことや、その他我が国とは異なる各種の問題を抱えていることが考えられようかと思われるわけであります。 我が国におきましても、昭和六十三年から昨年までの十年間で少年による凶悪犯罪の補導人員が約一・八倍、うち強盗は三・〇倍と急増しております。さすがにけん銃を使用した事件までは現在のところ認められませんが、本年に入り、御承知のように刃物を使用した凶悪事件等が相次いで発生しておるところでございまして、情勢は総じて非常に厳しいと認識しております。
○高橋令則君 私もあるところで、統計であるかどうかわかりませんが、アメリカで高校生の五%ぐらいがピストルを持っているなんということを聞いてびっくりしたことがあるんです。そんなこともあってお話を申し上げたわけです。 実はちょっと時間がなくなってまいりまして、在日外人の問題は恐縮ですが割愛し、次の海保の問題をお伺いしたいと思います。 との間見せていただきましたけれども、私の認識では今の海上保安庁の体制では大変ではないかというようなことを心配しております。海保の仕事は戦前だったら海軍の仕事なんですね。海軍がやっていた。「大和」、「武蔵」がやっていた、そんなことはないらしいが。私が知っているのでは、樺太あたりではもう駆逐艦が担っていた、そういうふうに聞いているんですね、それは一つの例ですけれども。それに比べると今の海保は非常に弱体ではないか。これは防衛庁の中期防ぐらいの気持ちで、少なくとも一年ごとの予算ではなくて、ある程度の期間を見て中期的な計画の整備が必要ではないかと私は思うんですが、お考えはないですか。
○政府委員(田口弘明君) 海上保安庁が現在置かれている状況でございますけれども、国連の海洋法条約に伴う新しい国際的な海洋秩序の維持、これに伴いまして、例えば尖閣諸島をめぐる領海警備事犯の活発化、あるいは拡大された領海における韓国船の不法操業、また日韓漁業協定の終了通告に伴う韓国の自主規制の撤廃などへの対応が求められております。また、近年の薬物、銃器等の密輸事犯の深刻化、さらには著増する不法入国事犯への対応等々もございます。さらにまた、昨年ナホトカ号の油流出事故あるいはダイヤモンドグレース号の事故等がございまして、そういったものへの対応、はたまた海難事故につきましても依然横ばい状態というふうなことで、当庁をめぐる情勢につきましては、量的な問題にとどまらず国際化、高度化、専門化、複雑化等、質的な変化が進んでおりまして、厳しい情勢にあると認識しております。 現在、海上保安庁は、全国にわたります十一の管区本部あるいは保安部などの組織のもとに約一万二千人強の海上保安官、船艇五百十八隻、航空機七十機を有しており、有効かつ機動的に全国展開をすることによって社会経済情勢、国際情勢の変化に対応した業務を遂行しているところでございます。 その中心になります船艇、航空機等でございますが、広域的な哨戒体制の整備のためにその充実強化が必要であります。ただ、その一方で、耐用年数が到来いたしまして、大量の船艇、航空機が代替時期に来ているというふうな状況もございます。このために、厳しい財政状況の中でありますけれども、あらゆる機会を通じて組織等の充実を図るとともに、船艇、航空機の増強、代替を引き続き積極的に推進して、業務執行体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋令則君 不満ですが、終わります。
○山口哲夫君 まず、自治大臣の所信表明に関連して質問をいたします。 大臣は公務員行政についてこのように述べております。社会経済情勢の変化に対応した地方公務員制度のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。昨年の五月に地方公務員制度調査研究会を発足させておりますけれども、このことを頭に置いてこのようなことを述べられたのではないかと思っております。 そこで確認しておきたいと思いますけれども、検討することは大変結構ですけれども、少なくとも違法行為であるとかあるいは脱法行為だとか、そういうことを温存させてはいけないと思いますし、特に現存する職員、常勤職員はもちろんのこと非常勤職員も含めまして、そういう方々の権利を剥奪したりあるいは生活を困難に陥れたり、そんなようなことは絶対にあってはならないことだと思います。当然のことながら、一応確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点についてはそのとおりだと思います。
○山口哲夫君 その確認の上に立ちまして、非常勤職員の問題一本に絞って質問をいたします。 これから私は臨時職員という言葉で述べさせていただきたいと思います。その方が簡単だし、わかりやすいと思いますので、臨時職員の問題について質問をいたします。 昭和三十一年八月二十日に、まだ当時自治庁ですね、自治庁の次長通知というのが出されております。「臨時職員の身分取扱について」ということです。古い通知ですから、ちょっと要点だけ読んでいきます。 いわゆる臨時職員の身分取り扱いについては、相当長期間にわたり引き続き勤務している上、その担当する職務も一般の恒久的職員と同様な者も多数あると考えられるので、できる限り速やかに、適正かつ合理的な措置がとられるよう再検討せられたい。そして「記」として、一、恒久的と考えられる職務に従事させる職員を雇用期間を限って雇用することは妥当性を欠くものであるから、今後は、臨時職員の採用は、行わないものとすること。二、現に雇用されている臨時職員については、順次定数内の職員に切りかえること。三として、定数内の職員に切りかえられるまでの間の臨時職員に対する給与その他の待遇については、国における常勤労務者に対する待遇を参考とするなど、できる限り一般の職員との均衡を考慮し、順次その改善を図られたいこと。こういうことで、右の職員に対する給与費については、昭和三十一年度地方財政計画において、所要の措置が講ぜられているので、念のためと。 要するに、臨時職員と言われている人たちがたくさんおるけれども、これは一日も早く定数の中に入れなければいけませんよということで、財政的な措置まで政府として考えてやらせたわけであります。 ところが、大分そのときには進んだと思うんですけれども、臨時職員がまたふえてまいりまして、今度は、昭和三十六年の七月十一日に事務次官通知として、「定数外職員の定数化について」という通知文書が出されております。 これは、長いのでごく簡単に申し上げますけれども、このたび国家公務員について、定員外職員の身分取り扱いについて根本的解決を図ることとなったので、地方公務員についても、国家公務員の場合に準じ定数外職員の定数化の措置を講ずるよう格段の御配慮をお願いすると、そして第二として、「地方公務員の定数外職員の定数化」という項目の中では、「地方公務員の定数外職員についても定数化の措置を講ずるものとすること。」、そして「定数化の手続」として、まず一つは、「相当長期間勤務していること。」、二つ目には、「勤務実績が良好であること。」、三つ目には、「任用しようとする職の職務遂行の能力を有することが適正な方法により実証されること。」と書いてありまして、このときもやはり財政措置をきちっと政府がとってこの定数化の促進を図られたわけであります。 ところが、ここまで政府の方として財政措置を伴わせてやったんでありますけれども、依然として臨時職員がまだ相当いらっしゃるようであります。自治省の調べで一体何人くらいいらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(芳山達郎君) 現在の正規の常勤職員を配置する必要のない業務について、臨時非常勤職員を充てている場合がございます。その臨時非常勤職員がそういう事務の性質に応じて行政運営の簡素化に役立つということは一つの有効な施策であろうと思います。 先生御案内のように、臨時非常勤の類型でございますけれども、法三条による特別職としての臨時非常勤の職、法十七条による期限つきないしは非常勤の職員、また、法二十二条の臨時任用職員という類型がございまして、さまざまな形で活用がされております。 お尋ねがありました常勤的非常勤職員でございますけれども、毎年度の地方公務員給与実態調査というので、一定の定義を置いて常勤職員に準ずる職員を把握しております。定義でございますが、常勤職員について定められている勤務時間以上勤務した日が十八日以上ある月が引き続いて十二月を超える職員の数ということでございまして、平成八年四月一日現在、六千十一人となっております。ただ、これ以外にも臨時非常勤職員は多々おりまして、その勤務形態、職務内容は多様多種にわたっておりまして、全国的な実数については把握をしておりません。
○山口哲夫君 法律に規定されたいわゆる臨時職員は六千十一人だと思うんですけれども、そうではなくして、今問題になっておりますのは、六カ月雇用でさらにまた六カ月再雇用をする、さらにまた六カ月雇う、あるいは一年間の雇用をして、一カ月やめさせてまた一年間さらに雇用をするというものは入っておりませんね。
○政府委員(芳山達郎君) ただいまの数字は先ほどの定義のとおりでございますけれども、これまでも自治省としてそういう実態について把握に努めたわけでありますが、地方団体における実際の取り扱いは必ずしも同一ではございません。それぞれの団体に応じて職務内容とか勤務実態も多様にまたがっておりまして、また団体のとらえ方も異なる意味もありまして有意のデータが得られなかったというわけでございまして、実態把握については個別により対応しておるところでございます。
○山口哲夫君 今問題になっているいわゆる臨時職員、そういう方々は、自治労の調査によりますと約二十万人というふうに聞いております。しかし、自治労は全自治体に組織を持っておるわけではありませんから、そういうものも含めると大体三十万人は下らないだろう、もっといるんでないかという意見もあるわけでして、そういう大変な数の臨時職員というのが今非常に大きな課題になっているわけでありまして、今申し上げたような人たちが、この政府の昭和三十一年、三十六年に出した定数化の対象とする職員だと思うわけです。 ですから、そうなると、三十一年、三十六年の通知を出したその趣旨に基づくならば、今私が申し上げたような、法的に非常に問題のある、恒常的な仕事に従事をしている臨時職員というものも、当然これはまた定数化の方向で持っていかなければいけない人たちではないかと思うんです。どうでしょうか。
○政府委員(芳山達郎君) 先生御指摘ありました三十一年なり三十六年の非常勤職員の常勤化、定数繰り入れというお尋ねでございまして、三十年代の初めに、制度の安易な運用によりまして、いわゆる常勤的な非常勤職員、また定数外の職員が数多く生まれまして、これは国も地方も同様でございました。そういうことで、国家公務員もその是正措置を講ずる、また地方公務員もそれに準ずるということで、先生御指摘ありましたが、三十六年七月に次官通知で職員の定数化の方向で通知を出しました。 そのときに、運用基準として、相当長期間勤務をしていること、勤務実績が良好であること、また職務遂行能力を有することが適正な方法で実証されることという三点が示されて、各団体において職員の発生防止を前提に定数化が計画的に進められました。 このようなことでございまして、臨時的に任用された職員等が繰り返し任用されることによって事実上常勤の職員と同一の勤務形態になるというようなことは防止されるべきものということで、自治省としてもそういう方向で適切な助言を行ってまいりたいと考えておりますが、なお、御指摘がありましたように、三十六年の事務次官通知に示されている定数外職員の定数化でございますけれども、国家公務員の措置に準じてなされた臨時異例の措置でありまして前例とはならないというぐあいに考えておりまして、御理解を賜りたいと思います。
○山口哲夫君 国家公務員の臨時職員を定数化させるということをやったので地方公務員もそれに合わせてやろうという考え方ですね。しかし、その精神の中には三十一年の通知の精神というものは当然入っているわけですね。国家公務員がやったからやったんだと用しかし、実際にはまだたくさんの臨時職員がいる。そうすると、昭和三十一年に、これはやっぱり定数化しなければならない、法律上どう考えてもこれはおかしいということで定数化したんですから、今後も定数化していくのには変わりはないことだと思うんです、法律上は。私はそういうふうに思っております、そこだは時間をとっては困りますから先に進みますけれども。 例えば、恒常的職員の中にこういう人がいるんです。保母さんです。これは、正規職員で保母さんが非常に足りないために臨時の保母を六カ月雇用で採用するわけです。そしてまた再雇用をするんです。これは、地公法二十二条二項では、更新はできるけれどもさらに更新はできないというわけですから一年間しかできないことになるんですが、実際には繰り返し雇用をしているという実態があるわけです。子供のことを考えたら、やはり同じ保母さんにずっといてもらった方がいいわけで、雇う方としてもその方が非常に都合がいいわけなんです。 ですから、こういう保母さんもいわゆる恒久的な職員、あなた方の言う非常勤職員というんですか、そういうものに該当しますでしょう。どうですか。
○政府委員(芳山達郎君) 先生が御指摘される恒久的な職務という職でございますけれども、一般的に恒久的な職と認められる職については、特別の事情があるものを除いて雇用期間を限定して職員を任用することは適当でないというぐあいに考えられております。これは一つは、職員をして安んじて職務に勤務させるという背景でございます。ただこの点について、最高裁判例でございますが、職員の期限つき任用も、それを必要とする特段の事由が存在し、かつそれが法の趣旨に反しない場合においては法にこれを認める旨の明文がなくても許されるというぐあいに最高裁判例が出ております。 したがいまして、御指摘ありました個々の事案について、その職の職務の内容ないし任用された諸事情等を総合的に勘案して適不適というのを考えるべきだと考えておりまして、一律に適不適を判断することについてはなかなか難しい面もあるというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 保母職というのは、これは恒久的な仕事でしょう。自治体の中で、保育所があって子供たちをちゃんと保育をするという仕事に従事する保母職というのは、これは恒久的な仕事だと思うんです。どうですか。
○政府委員(芳山達郎君) 今申し上げましたように、例えば保母についてどう考えるかと。例えば、特別な資格に着目して採用がなされるような場合に、先と言われるように、一概にそこに臨時なり非常勤なりというのができないのかということについてはいろいろの面、それに充てるべき特段の事情等々について総合的に判断して考えるべきものだというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 それはおかしいですよ。保母職というのは恒久的な職員だからちゃんと正規職員として雇っているわけでしょう。全くの臨時的な保母というのもあるかもしれませんよ。例えば、ずっと遅くまで、八時、九時までどうしても子供を預かっておかなければならないから常勤職員の勤務時間では預かれない、それで特別そこだけはそれじゃ嘱託の保母さんを使いましょうということもあるかもしれない、そういう場合には臨時的だけれども。一般的に保育所の保母というものは恒久的な職員であることは間違いないわけですね、例外を除いて。どうですか。一般的にそういうふうに言えるでしょう。
○政府委員(芳山達郎君) 保母職についていろいろの保母の形態があろうかと思います。先生、一律に保母については恒久職だからこれについては来常勤であれ臨時は適用できないというようなことであれば、いろいろの形態があるんじゃなかろうかというぐあいに私は認識しております。
○山口哲夫君 いろんな形態があると言うけれども、今一例として挙げましたよね。全く臨時的に使う必要があった場合の保母さんはこれは臨時職員でしょう。しかし、六十人の定数の子供たちを預かる場合に、厚生省の一つの基準にのっとって何人かの保母さんを採用するわけでしょう。二十人なら二十人採用するわけでしょう。それは恒久的な職務でしょうと言うんです。それでなかったら、自治体が何も保母さんを採用するはずないでしょう、正規職員として。それは認めなきゃならないですよ。これは常識の問題です。
○政府委員(芳山達郎君) 先生が言われるように、恒久的職務というのは地方公務員法十七条に基づいて最終の期限なき職務としてその職務が成り立つというわけでございますので、保母においでそういう場面もあるというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 そういう恒久的な職員というものはそのほかにたくさんいるわけですよ。臨時職員として採用されているけれども恒久的な仕事をしている職員というのは物すごくいるわけですね。 例えば図書館の司書、これなんかは市民がお帰りになるまでは必ずいなきゃならないですよ、司書ですからね。ところが、これも職員の数が少ないから臨時職員として時間を切って仕事をさせている、これも全くおかしな話なわけですね。 それから事務職の補助職員というのがいますね、事務補助職員。コピーをとったり決裁書類を回したりあるいはお茶くみをやったり、こういう職員というのはこれは昔から正規職員でおったわけですね。ところが、最近定数が削減されるものですから、仕方なくて臨時職員として雇うわけですよ。 ところが、十一カ月採用して一カ月だけはやめてもらう、そしてまた十一カ月採用する。それも、法的に何だかんだ言われるので、自分のところで使ったら文句が出るから今度は隣の課でもって採用してもらうというような、そういういわゆる脱法行為を繰り返しているわけですよ。こういう人たちが実に二十万人を超えているということなんです。 そこで、私は、やっぱりそういう人たちの定数化をまず図るべきだと思う。これは法律的に言えばもう間違いなく脱法行為、違法行為と言った方がいいと思うんで、定数化を図るべきだと私は思う。しかし、今いきなり定数化せいと言っても、片方では行革だとかということでなかなかそう簡単にはいかないでしょう。したがって、この問題はちょっとよそに置いておいて、まず、こういう人たちの権利、労働者としての権利、それから生活を守っていくことが私はやっぱり必要だろうと思う。 そこで、国家公務員の場合にはこういう職員にはどういうふうにして措置をしているかといえば、一般職の職員の給与に関する法律の二十二条、非常勤職員の給与、「前項に定める職員以外の常勤を要しない職員については、各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」というふうに書いているわけですね。各省庁で決めるわけです。 一番多く臨時職員を使っているのはどこかと思って聞いたら、どうも厚生省だということで、厚生省で聞いてみた。そうしましたら、事務補助ですよ、いわゆる臨時職員、日給。これは年度をまたいじゃまずいと言われているので、三月三十一日に一たん退職させるんですよ。そして一日置いて、四月二日にまた採用するわけです。一年間で終わるんですかと言ったら、いや、大体そういうので繰り返しもう何年もやってもらっていますと言うわけですね。 こういう職員が、国家公務員だけでなくして、地方公務員にも物すごくいるということなんですよ。施設の保母、これもさっき述べましたように、普通の常勤の保母さんと同じような仕事をしているけれども、臨時職員であるために、やはりこれは一年間来たら、年度をまたげないから一応切っておいて、一日だけは退職させてまた再雇用する。で、ずっと使っているわけですね。そういったぐいの臨時職員というのは、いわゆる地方自治体には二十万人以上いるということなんです。 国家公務員の場合には、こういう人たちには法律に基づいて期末手当も六月には一・六カ月、十二月には一・九カ月、三月には〇・五カ月、国家公務員の率と同様の率でちゃんと支給しているわけですよ。それから寒冷地手当も出しているし、扶養手当も住宅手当、通勤手当、特勤手当、そのほかみんな出しているわけですね。国家公務員の臨時職員はちゃんと身分も保障されているわけです。権利も給与も保障されている。しかも、有給休暇は六カ月以上勤務した場合には年間ちゃんと十日与えているわけですね、法律に基づいて。 どうして地方公務員だけはそういうことにならないのか。これは国家公務員に準ずる地方公務員の給与等に関して考えればまことにおかしい。これは地方公務員にも国家公務員同様にちゃんとした保障を与えられるような法改正をするべきでないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(芳山達郎君) ただいま御指摘ありました地方公務員の非常勤職員についての給与でございますけれども、地方自治法第二百三条第一項並びに第三項の規定によりまして、こういう非常勤職員には報酬及び費用弁償を支給するというぐあいに相なっております。この規定は、昭和二十七年に非常勤職員を対象とするものとして改正をされました。 非常勤職員の報酬については、常勤職員に対する生活給としての給与とは異なりまして、純粋に勤務に対する反対給付として位置づけて報酬及び費用弁償のみが支給されることとなったわけであります。 したがいまして、非常勤職員の処遇の改善でございますが、これまでも非常勤職員の通勤に要する経費について、常勤職員に支給される通勤手当が実費弁償的な性格を有するということで、平成八年度より非常勤職員に費用の弁償として通勤に要する経費を支給することとしたわけであります。 なお、この点に関連しまして、先ほど大臣から御答弁申し上げました地方公務員制度研究会の中で、地方公務員制度及び運用のあり方全般にまたがって今検討が進められておりますが、御指摘ありました臨時非常勤職員のあり方もその検討項目の一つとして位置づけられております。 去る二月十二日に第六回目の研究会がございまして、その中で多様な任用形態とその人事管理というテーマで二時間御論議をしましたけれども、恒常的な非常勤職員について常勤職員と同一ないしは同等の処遇をすべきであるという意見、またこれに関連して短時間公務員制度を創設すべきではないかという意見、またこういう非常勤、パートの賃金と正規従業員の賃金の考え方について職務に沿って考えるべきではないかという意見、また業務の今後の大きな変化に対応して任用形態の多様化、弾力化が一層求められるのではないかという意見、さまざまな意見が出されました。 これらについても、今後この臨時非常勤職員のあり方についてこの研究会でもって十年度内をめどに意見の集約がなされる予定となっておりますので、研究会のこの分野を含めての御議論を見守ってまいりたいというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 研究会が研究をして、検討をして一つの方向を出すことは結構だと思うんですよ。それはそれなりに大いにやってもらいたいと思うんです。しかし、今申し上げたような職員というものが、いわば違法行為の中でずっと勤務をさせられているという、そういう身分とか給与とか一切のものが相当制限をされているわけですね。そういうことがあったから、これは早く何とか定数化しなければならないということで昭和三十一年、三十六年に定数化を図ってきたわけですよ。 ですから、そういう精神に立つならば、研究会の結論を待つだけではなくして、政府として当然、国家公務員に準ずるのが地方公務員なんですから、臨時職員だって全く恒久的な仕事をやって正規の職員と何も変わらないようなことをやっているわけですから、これは今申し上げたような国家公務員のいわゆる臨時職員に対する措置同様のものを政府として図るべきが責任ではないかと私は思うんです。検討会に何か任せるようなやり方というのは、私はこれは政府としての責任回避だと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(芳山達郎君) 御指摘がありましたけれども、国家公務員の非常勤職員の給与の支給の仕方でございますけれども、各省庁の長が予算の範囲内で支給をするということになっておりまして、お聞きしますと、各省庁により支給の手当等について区々であると。また、支給の実態が明らかになっていない面もあります。 今、先生御指摘がありましたけれども、手当について手当のみを先行させることはどうかということでございますけれども、やはり我々としてはこの非常勤、臨時の職員の全体の法的な位置づけ、また実態に配慮した任用形態のあり方、また国の非常勤職員との関係、さまざまな問題を含んでおりますので、非常勤職員のあり方そのものについて総合的視点に立って全体的な検討が必要だというぐあいに考えておりまして、そういう面から各委員の皆様もこの問題を全体の中の一つのテーマとして御議論を熱心にされているというぐあいに思っております。
○山口哲夫君 先ほど申しましたように国家公務員、国の臨時職員は、厚生省の例で申し上げたように、一般職とほとんど変わらない。ただ、基本給が違いますから、ぐっと安いわけですから、それは当然額は変わってくるでしょう。厚生省以外にもほとんどの官庁では大体同じようにやっているという話を聞いております。何でしたら調べてみてください。 ですから、国の方で働いている臨時職員はそこまでちゃんとある程度の保障はされているのに、自治体の場合にはまずほとんどと言っていいくらい、中には期末手当を出しているところもあるようですけれども、ほんのわずかだと聞いております。大部分の臨時職員は全く日々雇用の単なる臨時的な職員の給与しか支給されていないというのが実態なわけです。しかし、働いている内容はどうかと言えば、恒久的な常勤職員とほとんど変わりがない仕事をやっているわけですね。 ですから、そういうことからいきますと、くどいようですけれども、研究会の結論を待つのではなくして、当然国家公務員の一般職の職員の給与に関する法律と同じようなものを地公法の中でつくるのか、あるいは別に地方公務員の臨時職員のための法律をつくるのか、何らかの形をとって改善してもらわなければ、働いている人は大変だと思うんですよ。研究会でどういう結論が出るかだってわからないわけですから、その研究会の結論によってやられたんでは困るんで、それで最初に確認したように違法行為や脱法行為、そういったことを許すような内容であってはいけないだろうと確認をしているわけであります。 そういう立場に立って私は一日も早く臨時職員の定数化、これは当然の問題と考えますけれども、それが今できないんであれば、まず休暇をきちっと与えるとか、給与の改善を国家公務員並みにするとか、そういうことを真剣にやはり自治省として考えるべき問題だと思いますけれども、できれば大臣の見解も聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(芳山達郎君) 大臣の前に事務的に若干御説明申し上げますが、臨時非常勤の問題でございますけれども、先ほど申しましたように、調査会でも一つのテーマとして御論議をしていますが、若干全体的な流れの中で、民間におけるパート、非常勤の問題、また国家公務員における問題、ちょうど同時並行的に議論になっているように思います。 去る二月二十日に、女性少年問題審議会において短時間労働対策のあり方が御論議され、建議が出されておりますけれども、パートタイム労働について、通常の労働者との均衡を考慮した処遇、労働条件の問題ということが論議になっていますが、具体的にはどのような指標で均衡を考慮すればよいかということで結論を得ませんで、今後引き続き技術的、専門的に調査をする、検討をするというぐあいに相なっております。 また、実は国家公務員の方でも同じように平成八年十一月に人事院の方に国立病院の非常勤職員の措置要求が出されておりますけれども、この中の最後でございますが、公務部門における常勤職員と非常勤職員をどう位置づけてどう活用していくか、そのための任用あるいは勤務形態はいかにあるべきかということについて、それぞれにふさわしい処遇のあり方を含めて、幅広く検討を進めることが望まれるということで人事院でも判定を出されておりまして、我々も地方公務員制度調査研究会の中で御指摘がありました非常勤職員のあり方について総合的視点に立って検討を進めていく、また、委員の皆様が御議論をしていくというぐあいに理解をしております。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方公共団体におきましては、私ずっと議論をお聞きしておりましたが、必ずしも正規の常勤職員を配置する必要のない業務について、臨時あるいは非常勤職員を充てるなど、その事務の性質に応じ臨時あるいは非常勤職員を活用することは、行政運営上、簡素効率化を図る上で有効な方策であるということでそういうものが地方公務員にあるのである、行政の中にあるのじゃないかと、こう私は思っております。 いずれにいたしましても、せっかく昨年の五月に設置をされました地方公務員制度調査研究会が今審議をいたしておるわけでございまして、その中で臨時非常勤職員のあり方も検討項目の一つとして位置づけをされておるわけでございますから、十年度を目途に意見集約をされるとお聞きいたしておりますが、自治省としてはこの研究会の議論も見守ってまいりたい。なおまた、実態については私全然お聞きいたしておりませんが、事務方から実態等についてもお聞きをしてみたいと、このように考えております。
○山口哲夫君 終わります。
○岩瀬良三君 私、改革クラブの岩瀬でございます。 大臣の所信を中心に御質問申し上げます。 いろいろお話がありましたので簡単にいたしますけれども、新時代にふさわしい地方自治を確立していくという表現でのお話でございまして、これにはもう同感でございますので、その線に沿って御努力いただければというふうに思うわけでございます。とは申せ、内外とも大きな変革期を迎えつつあるというようなことでございますので、そういう中で何点か質問させていただきたいというふうに考えております。 地方行財政を中心にお聞きしたいと思いますけれども、基本的認識でも大臣は極めて厳しいものがあるというような表現をされておる。その内容についての厳しさの受けとめ方、同じかと思いますけれども、このことについて大臣から地方財政の現状認識というのをひとつ、今までのいろいろなお話で概括的には、断片的にはわかってまいりましたけれども、地方財政の現状認識について大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) たびたびお答えしておりますが、地方財政は平成六年度から五年連続して多額の財源不足が続いておるわけでございまして、そのため借入金残高が平成十年度末には平成三年度末の二倍強の百五十六兆円となっておるわけでございます。本年度も、予算を編成するに当たり十年度予算は五兆四千億の不足を来しておるわけでございます。 また、地方分権の推進に伴って地方団体の担うべき役割が増大すること、高齢化の進展に伴う総合的な地域福祉への取り組みなどの財政需要の増大が見込まれること、さらにはバブル期に抱えました借入金等の償還も増額をいたさなければならない、こういう厳しい状況に地方財政はある。一方で、このような社会への対応、国民生活への対応というものをしながら、地方財政そのものが抱えた借入金の返済というものにも対応していかなければならない厳しい状況があるというふうに認識をいたしております。
○岩瀬良三君 これは自治省の方が指摘されておったということで新聞にも出ておるところでございますけれども、今の地方財政、四点ほど要約できるんじゃないかということで、大幅な財源不足、今大臣からもいろいろお話がありましたけれども、それから二点目が巨額の借入金残高、それから三点目が財政の硬直化、それから四点目が増大する財政需要だと言われておるわけでございますが、私もこれは同感だというふうに思うわけでございます。 これらから質問をさせていただきますと、まず、本年度も大幅な財源不足がなされたわけでございますけれども、今年度だけということではなくて、近年、毎年大幅な財源不足になっておるわけでござへまして、近年の地方団体の財源不足の主な要因というのは何だろう。毎年毎年不足しているわけなんですね。ですから、この主な要因というのは何だろうというふうに思うわけでございますが、ひとつそこら辺のところの御教示を願いたいと存じます。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、最近、特に平成六年度以降多額の財源不足が続いておるわけでございます。この要因といたしましては、歳入歳出両面あると思いますが、特に歳入面では、やはり何といいましても景気の今のような状況でございまして、国税も地方税も低迷をいたしております。したがいまして交付税も伸び悩んでくるということで、まず一般財源の大宗をなします税、交付税が伸び悩んでおるということ。 それから片方で、そういう中でございましても平成六年度以降さまざまな形で財政出動といいますかそういうものを求められましたり、あるいは減税を先行して行うという要請がございましたりして、そういうものに対応する必要がありまして、その場合には国も地方も国債なりあるいは地方債といった借入金に依存せざるを得ないというふうな状況になっておりましたこと、そういうことが歳入面で考えられます。 歳出面では、そういうことを反映いたしまして地方財政の場合に公債費が特に増加をいたしておりまして、御案内のように国債に比べて地方債の償還期間というのは一般的に短い形になっておりますので、公債費の増のスピードが速いといいますか、そういうことで急増をいたしておるということでございます。 それからもう一つは、先ほど大臣からもお答えしましたように、その中でもしかし地方は福祉なりあるいは生活関連の社会資本整備なりといったような需要はずっと底がたいといいますか根強いといいますか、そういう財政需要はどうしても基本にあるものですから、そういう歳入歳出両面にわたった要因が今の財源不足の主な要因になっておるというふうに考えております。
○岩瀬良三君 的確なお答えかと思います。 それで、私も地財計画を見ても、じゃどこを減らしたらいいんだというと、なかなかこれ減らせないわけですね。一方では、局長が今お話しのように平成六年度からということで、これは自治省からの資料でございますけれども、平成六年度が五・九兆、それから以下七兆、八・六兆、五・九兆、五・四兆というような、これは減税分も入っておりますけれども、こうなってきている。もう毎年足らないのが常態だというふうな状況になっているわけでございます。 そうしますと、交付税法上足らないのが常態だということでありますと率の改正ということになるわけでして、このことにつきましてはもう当委員会でも何回もいろんな方から御指摘を受けておるわけでございますけれども、これにつきましてはもう完全に当てはまるというふうに思うわけでございます。 自治省として、大蔵との交渉、これ自治省だけの問題で片づくものではございませんけれども、大蔵との交渉はどのようになっておるのかと思うわけでございますが、その辺のところはいかがでございますか。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど申しましたような要因が重なりまして、六年度以降財源不足、かなり多額な状態が続いておりますが、特に平成八年度、九年度それから十年度と、委員今御指摘になりましたような三年続けて一定以上の財源不足が続くという、いわゆる交付税法の六条の三第二項の事態に該当いたしておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、国庫当局の方とさまざまな角度から折衝し、またやりとりをいたしておりますが、十年度の場合には、特に十年度からいわゆる財政構造改革をスタートさせるということで、国、地方を通じて歳出の全般的な抑制をしないとこの財源不足というのは中期的にもなかなか解消していかない。そういう歳出抑制に努めていく必要があるということで構造改革がスタートいたしておるわけでありますが、そういうことを踏まえまして、両方とも非常に深刻な財政状況にありますこと、それからこの六年間という期間をとらえて構造改革を進めていこう、こういう中でございますので、この間で六条の三第二項の規定に基づいて制度改正を考える場合にも、交付税率の引き上げ等の恒久的な制度改正は双方の財政状況を考えると現実に非常に難しいというふうにいろいろなやりとりをしながら判断をいたしているところでございます。 そういうことから、八年度、九年度は単年度のいわゆる制度改正を行いましたけれども、十年度の場合には、今申しましたような構造改革がスタートしておるということを背景といたしまして、まずその前半のいわゆる集中改革期間三年間における制度改正を行おうということで、この間の償還の繰り延べとあわせて、この間に財源不足が出てきた場合の交付税の増額によって必要な対応をしなくちゃならぬ部分について、国と地方が折半で責任を持つということをあらかじめ制度的なものとして対応しておこうということで、今般の交付税法改正の御審議をお願いしているという状況でございます。
○岩瀬良三君 事情はよくわかるんですけれども、それと法律上との関係になってくるわけです。これはもうここ近年の話じゃなくて、ずっと昔からそういう議論がなされてきているわけでございまして、なかなかその交渉も難しいと思うわけでございます。今、局長の方からお話ありまして、半分ずつにするとか地方債で見るとかいろいろあるわけでございますけれども、結局そうやってきた過程の結果、交付税の方では十九兆円ですか、そのくらいの借り入れになって、これが起債の残高にプラスして借金として計算される、こういうようなことになってきておるわけなんでございます。 こういうことから考えますと、本来そういう率で改正すべき状態になってきたのを、お互いの状況が苦しいということでなかなかそれが法律上の改正まで至らないということであるならば、これはその二分の一見るとかということは通り越して、全部国で見るべき筋合いのものじゃないのか。本来ならばそれはもう交付税率の改定になってしかるべきなわけで、それを改定しないでやるわけで、お互いの合意ということであるにしてもそれはもう全部国で見るべきなんだ、そんな性格のものじゃないかと思うわけですが、この点どうでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) この六条の三第二項の規定に基づきます制度改正は、法律の規定によりますと、地方行財政制度の改正あるいは交付税率の改正といったようなことを規定いたしておるわけでございます。これは、恒久的な制度改正はもちろんでございますが、幅の広い制度改正を法律としてはいわば認めているというのが法制局の見解でもございまして、今回御提案申し上げているものも、少なくともこの六条の三第二項の規定による制度改正ということで御審議をお願いしているということをまず最初に申し上げておきたいと思います。 その際に、折半というのはどういうことなのか、全部国で処理すべきではないのかと、こういうお話でございますが、たびたび、本日の議論の中にもございましたように、現在の国と地方の財政の役割分担といいますのは、歳出が二対一になっておりまして、税が一対二になっておりますので、交付税でその間の調整をしておおむね一般財源のベースで一対一になっておるということでございます。 したがいまして、一般財源ベースで財源不足が出てきます場合に、そういうものを背景にして、その補てんのやり方についても国と地方が折半して責任を持っていくというのがベースになっておるということでございまして、恒久的な制度改正ではございませんが、そういうことも背景としながら八年度、九年度は単年度、今回十年度は集中改革期間を通じる制度改正をそういう考え方のもとにおいて行っておるということで御理解いただきたいと思います。
○岩瀬良三君 それからもう一つ、あわせて、同じような論法なんですけれども、借入金の残高が百五十六兆円になるだろうというようなことで、これのまた償還がいろんな硬直化の原因にもなっているということなんですけれども、この借入金残高というのは、もう皆さん御承知のように近年どんどんとふえてきているわけですね。年度でもう十兆円くらいずつぼんぼんと近年ふえてきている。 その過程は、国の景気振興策、これが平成四年であれば十兆七千億、五年であれば十三兆二千億というように毎年景気振興策がきて、これに伴って地方団体も単独事業を積み増していった。平成四年度であれば二兆八千億、五年度であれば三兆五千億、以下こういう数字なんですけれども、積み増していったと。また、それについては自治省の方も、それは後でいろいろな面で面倒見るよというようなこともあったことも事実でありますけれども、こういうのがどんどんふえていって急激なカーブを描いているというふうに思うわけですが、これについても、ただふえました、起債の額が巨額に達していますということじゃなく、やはりそれについては自治省も、責任ではないですけれども、責務くらいあるんじゃないかと思うわけですけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 最終的に決断をして決めたわけですから、責任なしとはしないと思います。責任があります。 ただ問題は、国の財政が国債に依存しておる厳しい状況にあることはもう御承知のとおりでございまして、その状況のもとで、国が決めたからといってこの減税はすべて国で賄うということになれば、さらにどうにもならない状況というものは目に見えておるわけでございます。お互い国も地方も厳しい、地方はもっと厳しいかもしれないが、じゃ、折半という理屈がそこにあったと、こう思うわけです。 ただ、当初の事務的な折衝では、国が決めたんだから国で全部措置しろと、事務方は強くそれを主張し、地方財政の厳しさというものは訴え続けてきたわけでございます。しかし、国の財政と地方の財政は公経済の車の両輪と、こういう認識というものが今あるわけでございまして、地方の財政も景気対策を促すために半分の負担をした、これがいろいろ私の知り及ぶところでございます。 問題は、国が財政を国債に依存する体質というものから脱却をしない限り、今の地方財政というものは地方債の依存から脱却できないわけでございまして、この理屈はもう委員は専門家でございますから御承知の上でのお尋ねだと思いますが、そういう考え方もその基本の中にはあったと。私は最終的に決めたわけでございますから、それは責任を持って決めなければならない、取り組んで今後の対応をしなきゃならぬ、このように思っております。
○岩瀬良三君 先ほどもいろいろ議論になりましたけれども、地方分権ということになってきますと、その地方分権の一つの大きなものは、事務分担、事業分担の区分けだろうというふうに思うわけでございます。そうしますと、景気対策というものについてはどこが責任を持つんだ、どこが実施するんだ、こういうことになってくるだろうと思うんで、こういう点につきましても今後ひとつ御検討をいただきたいというふうに思うわけでございます。 それから次に、財政構造改革の推進に関する特別措置法が成立しまして、これに基づきまして新年度の地財計画もなされておるわけでございます。財政構造改革法上は、国、地方の財政赤字を対GDP比三%以下というような目標を置いておられるわけでございますけれども、平成九年度の場合、これは大蔵の方の数字だったんですが、国が三・四、地方が二・二であるというようなことでいったわけでございます。これが目標年度である平成十五年度までには地方の方を一・一にするということでございますので、このためには各年〇・一八という率の改善を見ていかなければならないということでございます。 国家予算の方はなかなか大変なようでございますけれども、地方団体の方にはいろんなお骨折りをいただいて、いろんな通知、改革の通知、検討の通知が行っているようですけれども、そういう中で地財計画がなされておりまして、これにつきましては平成十年度の場合達成されておるようでございます。 これは自治省の数字でございますけれども、平成九年度の二・三に対して平成十年度は一・九程度ということでございますから、〇・四はどの改善ということで、やらなきゃならないのは〇・一八ですから倍以上の改善を見たわけでございますけれども、この財政構造改革というものについてのアウトラインというのですか、今後はこの方向で進められるというふうに思ってよろしいでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 平成十年度の地方財政計画の策定に当たりましては、財政構造改革法に基づきまして地方一般歳出をマイナス一・六%に抑制するなど財政構造改革に積極的に取り組んでまいったところでございます。その結果、委員御指摘のように、地方の財政赤字対GDP比は二・三%から一・九%になっております。 今後でございますが、国、地方の財政赤字対GDP比三%以下という目標に向けて、一つは国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しがあると思います。これは徹底的にしていかなければならないと思います。 それから、地方公共団体に徹底した行政改革を要請しなければならない。今までのようなやり方ではとてもできるものじゃありません。地方には地方の惰性があったり、一方に誤解があったり、あるいは住民と身近でございますから難しい行政運営はあろうかと思いますけれども、財政対策はあろうかと思いますが、地方の団体に対しましては徹底した行財政改革を強く求めていきたい。 地方財政の健全化というものには、これは全力を挙げて、本当に総力を挙げて取り組まなければとても達成できるようなものではないし、お互いがそのことに腹をくくって、地方団体もまた自治省も、血道を上げてという言葉が適切かどうかはわかりませんが、これは十分対応していかなければとても到達できないと思っております。
○岩瀬良三君 大臣の御決意でぜひそのような進め方をしていただきたいというふうに思うわけでございます。 もう一つちょっと質問させていただきたいと思いますのは、いずれ当院も国家予算の審議が行われます。そういう中で、ちまたでは景気動向とも絡み大型補正予算、これがうわさされておるわけでございます。当然景気振興のための大型補正予算ということだろうと思います。 そうしますと、今までの話でいきますと国、地方あわせてこれに連動するというようなことになるわけでございますが、もし将来大型補正ないし大型の景気対策をやらなければならないということになると、今までどおりのことでやるのか、それとも新しい大臣めお考えに基づいて地方は地方だよということでやるのか、そこら辺の御決意と申しますか決心をひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 国と地方は違いまして、選挙の関係で骨格予算の地方団体もあるわけでございますが、おおむね地方は補正予算を組むというのが予算対応というか、そういう意味では六月の補正か九月の補正かわかりませんが、地方議会は必ず補正予算を審議するというのが慣例的に取り組まれておることではないか、このように私は思っておるわけでございます。国と違う点はそこだと思います。 橋本総理も補正をやるともやらないとも一度もまだ本会議でも予算委員会審議でもおっしゃっておりません。そのことが、また受けとめ方としては一体何なんだ、こういうことですから、ある意味ではこれは非常に微妙な問題だと思いますが、政府といたしましては、平成十年度予算や予算関連法案を早期に成立させていただきまして、早期にこれを実施に移すこと、予算の切れ目がないようにさせていただきまして、そして国民生活に支障のないようにしていただくことが何よりも必要と考えておるわけでございます。一日も早い予算の成立に向けまして、何とぞ御理解を賜り、御協力をいただきたい、この一念でございます。
○岩瀬良三君 何だがこの点だけは的確な御答弁でなかったように思うわけでございます。 それから、今度はもう一つ財政の硬直化という点で申し上げますと、同じような考え方をとらせていただきますと公債費の負担比率があります。これは地方団体にとっても気になるところでございまして、一五%を超えると注意信号になって、二〇%を超えると指導というようなことになろうかと思いますけれども、これが一五%を超える団体が、今から二十二、三年前の七四年度では五十団体だったようでございます。ところが、平成七年度では千四百七十六団体で四五%。この数字までは私は持っているんですが、後は正確じゃございませんけれども、平成八年度、これは千六百五十団体で全部の団体の五〇・三%ということで、五〇%をもう超えちゃったようでございます。 こういうように、硬直化をもたらす黄色信号だよということで、長い間自治省の御指導を得て地方団体はそれについていろんな注意を払ってきたわけですね。その率がこのように半分以上越えちゃっているという実態。これを見ますと、どうも起債の許可制度というものについてちょっと疑問が出てくるわけなんです、同じ自治省が指導しておるわけで、しかも起債は当分の間ですけれども許可制度ということでございまして、そうしますと、片方では許可ということを持っておって、片方ではこれを超えちゃっている、ちょっと指導の点でどうなんだろうな、こういう疑問を持つんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど委員がお挙げになりましたいわゆる公債費負担比率の数字は御指摘のとおりでございまして、八年度の見込みで団体にいたしますと千六百五十団体になる見込みでありますので、半分をちょっと超えるぐらいのラインになっております。 地方債の許可ということとの関連で申し上げますと、これはいわゆる財政運営の一つの指標として警戒をしてほしいというようなことであれしておりますが、許可という関連で見ますと、いわゆる制限比率ということで数字をとらえて、これ以上というのは事業によっては起債がストップになるという運用をいたしております。 そういうことにならないように、比較的高い団体ではいわゆる公債費の適正化計画をつくっていただいて、そういうものを前提にして制限比率にいかないような形で財政運営ができるように、そういう財政運営についての助言をしておるということでございます。
○岩瀬良三君 じゃ、もう時間が来ましたのでもう一点だけちょっと質問させていただきたい。 これはもう数字を並べていただければいいんですけれども、国の財政赤字、GDP比が大変だよということと一緒に、地方公共団体の財政赤字も大変なわけでございます。先ほど申し上げましたように二・二か二・三、大蔵と自治省の数字が違っていたように、大体の推定数字でしたからどっちでもいいんですけれども、各国の地方団体のこういう率、それだけちょっとお聞きしまして、と申しますのは日本の地方団体の財政が各国に比べて非常に大変なんだということをちょっと言いたかったんですけれども、その数字だけちょっとおっしゃっていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 日本の場合の地方財政の赤字分は十年度で一・九%の見込み、GDP対比でございます。OECDがつくりました資料によりますと、九四年でアメリカが〇・五、イギリスが〇・三、フランスが〇・二、ドイツが一・三、イタリアが〇・三、こういう数字でございます。
○岩瀬良三君 終わります。
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として常田享詳君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 次に、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。上杉自治大臣。
○国務大臣(上杉光弘君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみますとともに、昨年成立しました投票環境向上のための公職選挙法の改正による投票時間の延長等に伴い、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費、事務費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である労務賃その他の額を実情に即するよう見直し、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第三は、公職選挙法の改正による投票時間及び不在者投票時間の延長等に伴い、投票所経費、開票所経費、事務費等の積算単価である超過勤務手当並びに投票管理者及び投票立会人の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第四は、不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所を増設する場合において、事務費に所要の額の加算を行おうとするものであります。 なお、この法律は、公布の日から施行することとしておりますが、公職選挙法の改正に伴う改正規定は、平成十年六月一日から施行することとしております。 以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(藁科滿治君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。 ただいま提案をされました改正案でございますが、この法律は、実際に選挙の執行に当たる地方自治体に委託費としてその都度交付をされている経費でございまして、その基準を定める法律でありますが、一回の国政選挙を行うとすると大変な額がかかるわけでございます、それは後ほど申し上げますが。大変な額がかかるんですけれども、最近、公務員の給与も余り上がりませんが、まあ徐々に上がっておりますし、物価もいろいろ変動しておるわけでございます。したがいまして、これに見合った費用を十分それぞれの実際執行する地方自治体に支払ってやっていただきませんと、ずれ込みますと地方自治体の結局持ち出しになるということに相なりますので、地方自治体も最近非常に財政事情が悪うございますので、いろいろ大変な負担になろうかと思うわけであります。 したがいまして、実情に合わせるようにしようとしたら、その都度実態に合ったように渡してやっていただければ一番いいんだろうと思いますが、なかなかそういうこともできないだろうと思うので、この法律ができまして一定の基準を定めておるんだろうと思いますが、大体この改定はどれぐらいの間隔で改定をされておられるんでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) 大きな制度改正がありましたときは別でございますが、原則といたしまして三年に一回、参議院の通常選挙があります年に改正させていただいております。
○谷川秀善君 三年に一度では、まあまあ大体妥当な線かなというふうに思います。 それで、今度の七月に予定されております参議院の通常選挙、この改定を見込んで大体どれくらいの額を見込んでおられるんでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) 本年執行の参議院の通常選挙、来年度の予算総額は五百六十億七千万円でございまして、そのうち地方公共団体の委託費は五百十九億七千万円ということになっております。
○谷川秀善君 これは大変な額ですね。 大体、今度の改選というのは、百二十六名改選するのに、これで五百六十億金がかかるということですね。そうすると、これ一人頭に直すと相当な額になる。これくらいの我々は責任を重大に感じなきゃいかぬのですが、そういうことであります。 それで、特に、今度公選法が改正されましたから、いわゆる時間も延長されますね。それと同時に不在者投票制度も割にやりやすくなる、ちょっとこれも後でまたお伺いしたいんですが、やりやすくなったということになっておりますが、大体、この時間延長と、それから不在者投票制度の改正でどれくらいの額がかかるんでございましょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) さきの臨時国会で公職選挙法の改正をしていただきましたが、それによります投票時間の二時間延長で約二十五億円、それから不在者投票時間の三時間延長で約十二億円、合わせまして三十七億円でございますが、別途、投票立会人を三人以上から二人以上というふうに改正をいたしました。それに伴います減額が約五億円でございまして、制度改正によりまして、したがいまして約三十二億円の増加になっているものでございます。
○谷川秀善君 その辺も十分手当てをしていただいておるようで、この基準で今回の参議院選挙の執行は、各地方自治体それぞれ支障がないように経費が十分措置されるのでございましょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) 先ほど地方公共団体の委託費を申し上げましたが、五百十九億七千万円でございますが、その制度改正分と合わせまして四十七億八千五百万円の増加ということになっておりまして、ただいま申し上げました制度改正分によりますものが三十二億円、それから公務員の給与改定とか物価変動によりますものが十五億円でございます。私ども、これまでの実績等を見ながら予算の確保、それからこの基準法の改正に当たってまいりまして、この額で今度の通常選挙は必要十分な額が確保されたものというふうに考えているところでございます。
○谷川秀善君 大体、市町村では今までの時間でも非常に拘束時間が長い、十一時間ですね。だから、なかなか立会人になり手がない、こういう話があるわけです。また今度これで二時間延長だというと、十三時間になるんです。そうすると、なかなか立会人を探すのが非常に難しいという市町村もあるように聞いているわけです。 それで、今回の改正で立会人は十三時間でどれぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) 金額でございますか。
○谷川秀善君 はい、一人頭。
○政府委員(牧之内隆久君) 御指摘のように、投票立会人の確保がなかなか難しくなってきておりまして、そういうこともございまして、さきの法改正で三人以上というのを二人以上というふうに変えさせていただいたわけでございます。今回また投票立会人の方にお願いをする時間が延びるわけでございますが、その延びる時間等も踏まえまして、投票立会人の報酬は現行八千二百円でございますが、これを二八%引き上げまして一万五百円ということでお願いをしているものでございます。
○谷川秀善君 そうすると、せめて時給千円ぐらいで一万三千円ぐらいじゃないと、なかなかこれは、十三時間拘束するわけですから、と思いますことが一つ。 それから、何やったら二交代にする。一日十三時間拘束するんやのうて六時間と七時間の人とか、そういうことは考えられないんでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) この投票立会人の報酬の額は、標準的な団体を想定しまして一定の額を定めているわけでございます。ほかの審議会の委員の方の報酬等と比べまして、この一万五百円という新しい額は決して遜色のない額ではないかと思っておりますが、ただ地域によって賃金の単価等のばらつきがございますので、あるいは一部の大都市等におきましてはちょっと安いかというようなお気持ちを持たれる方もおられるかと思いますけれども、これは標準的な団体ということで定めているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それから、十三時間ということで長時間になりますので、交代も可能になるというような物の考え方に立ちまして所要の規定の整備をさせていただいたところでございます。
○谷川秀善君 都会と田舎と言ったら語弊がございますが、いろいろ差があると思いますので、その辺のところはちょっと融通がつくようなことも今後検討してもらうとか、それから交代制も検討していただくようにしてはどうかなというふうに希望を申しておきます。 このように大変な費用がかかる選挙が、どうもこのごろ年々投票率がどんどん低下してきている。特に都会はどんどん低下してきている。大阪の例をとりますと、前回の参議院選挙、投票率は三八・二六%、四人もいっていない。その前の平成四年の参議院選挙のときより一〇%落ち込んでいるわけです。一〇%といいますと、大体大阪では有権者六十七万人落ち込んでいるんです。大変な、これちょっとした府県、一選挙区ぐらい落ち込んでいるわけです。 それで、最近の選挙、大阪でやっていますが、首長選挙、市会議員の補欠選挙、割に住民に近い選挙です、首長選挙だとか市会議員の補欠選挙というのは。これが、そういう近い選挙でも大体三五%、市会議員の補欠選挙なんか三〇%を全部切っているんです。首長選挙も大体四〇%全部いっていないんです。 こういう傾向でありまして、自治大臣、大変御苦労をおかけして公職選挙法を改正して、不在者投票もやりやすくする、それで投票時間も長くするという努力をしていただいているんですが、なかなか投票率がこれから上がっていくのかということもございます。 それで、特に不在者投票です。聞いてみますと、いろいろ今までの制限を外しはったんです。今までやったら、行ったら何か怒られるような感じで、この日どうしますの、どうしますのと、こう詰問されて、行った人が皆嫌がって、そんなん言うんやったらもう帰るわ言って帰ってきはるんです。だから、この不在者投票というものを、郵便でやるというのはいろいろと問題があろうと思いますが、本人であるということが確認できれば、自由に、いろんなこと聞かないということにでもしないと、これは効果は私は上がらぬと思います。・同時に、不在者投票の場所、大体区役所か役場か市役所でしょう。もうちょっとそれぞれの出張所とかいろいろあります、保健所だとかそんなところでもできるようにする。何かその二つをお考えいただかないと、なかなかこの不在者投票も効果が上がるかどうかということを心配いたしておりますので、そういうことを今後検討していただけますでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) 不在者投票は、選挙運動期間中に示されました各候補者の政見等を踏まえて投票をするという投票当日投票の例外をなすものでございまして、本人確認ができさえすればいつでもということにはなかなか現行法の建前からいかないということでございますが、御指摘ございましたようにいろいろ有権者の方々からは御不満の声が多かったものですから、さきの臨時国会で改正をさせていただきました。不在者投票事由等も大幅に緩和をいたしましたし、また一々どこに行くのか、何時から行くのかというようなことを問いただされなくても、宣誓書の中の事由に丸をすれば不在者投票ができるというような形で手続も簡素化したところでございますので、実質的に大きな改変になったのではないかということで、期待をしているところでございます。 ただ、不在者投票場所が、現在市区町村の市役所あるいは役場以外のところで設けているところがまだ千に満たないということでございまして、これを支所、出張所等に広げていただきたいということでお願いをいたしております。特に、今回の基準法改正の中では、そういうことで市区町村の市役所あるいは役場以外のところで不在者投票施設を設けた場合には、その所要経費を手当てするということを新たに盛り込んだところでございます。
○谷川秀善君 それじゃ、どうぞよろしくお願いします。 最後に、普通の学校でも単位取るのは大体六十点以上です。もう五十点、六十点以下やったら欠点や、こういうことなんです。ところが、最近の選挙を見ていたらそれどころか四十点ない。(「赤点やね」と呼ぶ者あり)うん、赤点、赤点。だから、大臣、今度の参議院選挙ももう近々行われることがほぼ決まると思いますが、この投票率の向上に対して、大臣の覚悟と御決意をお伺いいたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、最近の国政、地方選挙を通じます投票率の低下は、まことに厳しいものがあるわけでございまして、大変心配をいたしております。この背景には、その時々の選挙の状況にもよりましょうが、総体的には国民の政治に対する信頼感、期待感がなくなってきていることに私は理由があると思っております。 政治に対する無関心や不信の増大、特に若年層の政治離れ等が主要な原因ではないかと思われるわけでございまして、我々政治家、選挙の洗礼を受ける者は心して政治に取り組まなければならない、一日も早く政治に対する信頼感あるいは国民の期待感が持てるような政治状況にしなければならないということはもう申すまでもないことでございますが、心に念じながらそういう対応を、あらゆる努力をしてまいりたいと考えております。 今回、投票時間の延長、不在者投票等の質問をしたり問い詰めるようなことのないように、気安く投票権というものが行使できるようにする環境づくりに努力をしたつもりでございますけれども、今度、夏の参議院選挙は改正して初めての選挙でございますから、その効果等も十分見きわめて、それで何にもないとすればさらに何らかの方策をまた対応してまいらなければならない、こう思っております。 いずれにいたしましても、選挙は議会制民主主義の根幹をなす制度でございますから、このまま投票率の低下が続けば民主主義にとりましてもこれは憂慮すべきことと深刻に受けとめなければならないと思っております。 したがいまして、私、先ほど申し上げましたように、政治に携わる人間が党派を超えてその責務を自覚し、政治不信の解消や政治が魅力的なものになるように真摯に受けとめまして、その努力を重ねてまいりたいと考えております。
○谷川秀善君 よろしくお願いします。 終わります。
○朝日俊弘君 民友連の朝日でございます。 まず、先ほどの御質問とも若干関連するんですが、今回の法律について念のため確認しておきたいことがあります。それは、私から言うまでもなく、このような法律ができた当初のいきさつは、国がこれくらい要るだろうというふうに決めたのに、自治体側ではもっとたくさん要る、不満だということで、そこで必要な経費をきちっと法律で定めてやりましょうということからスタートしたというふうに私は理解しております。 そういう意味で、かなり細かい一円単位までの基準が決められているわけですが、さきの選挙制度特別委員会における公職選挙法の改正の際にも、附帯決議でわざわざ「地方公共団体の負担とならないよう、実情に即し十分な措置を講ずること。」、こういう附帯決議も盛り込まれているわけであります。一つ一つを点検する時間はありませんが、今回の提案されている内容については、このような過去のいきさつなりあるいは附帯決議なりを十分踏まえたものになっているかどうか、その点をまずは確認しておきたいと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 私どもも、ことしの参議院の通常選挙、それから今回の基準法の改正に当たりましては、さきの国会の附帯決議の趣旨も十分踏まえまして、地方公共団体に余分な負担が生じないようということで取り組んでまいったところでございます。 先ほどお話し申し上げましたけれども、制度改正分によります投票時間の二時間延長、不在者投票時間の三時間延長、これに伴います必要経費の増は、これは完全に対応ができたというふうに思っておりますし、また給与改定や物価の変動等に対応するものにつきましても、いろいろな資料を寄せ集めながらできるだけ実態を反映するようにということで対応いたしました。さらに、これまでなかなか見直しができていなかった電灯料とか通信費といったようなものにつきましても改定を行いましたし、それから不在者投票施設の場所の増設等につきましても新たな措置を講じたということで、国会の附帯決議の趣旨を十分酌んだ対応がとれたものというふうに思っております。
○朝日俊弘君 それでは、この機会にぜひこれまでの宿題の分について二点ほど確認をして終わりたいと思います。 といいますのは、昨年秋の選挙制度特別委員会において、同僚の小山議員から幾つかの点について質問がありました。その中で二つだけちょっとポイントを絞って私お尋ねしたいと思うんですが、一つは障害を持った方の投票をどう保障していくのかという問題であります。 現在も一定程度の配慮がされているわけですが、非常に制限が厳しい。例えば、身体障害者手帳を持っている身体障害者あるいは戦傷病者というところに範囲が限られている。ところが、御存じのように障害者というのは身体障害者に限定されずに三障害、身体障害、知的障害、精神障害というのは一つの障害という形でとらえていこうというふうに障害者基本法では決められたわけですね。 そういうこともありますし、それから実際に寝たきり状態になっている人でも、わざわざ身体障害者手帳まで取っていない方がおいでなわけですね。最近高齢の方で随分そういう方が多くなってきているわけですが、そういう方たちに対して、今回すぐにということにはならぬと思いますが、今後もう少し幅を広げて、より広げれば広げるほど経費がかかるということになると思いますが、経費はかかってもそういう人たちの投票権、選挙権を保障するような仕組みをぜひ検討していただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) ただいまお話がございましたように、寝たきり老人の方々などのように、投票権がありながら事実上投票の道が閉ざされている方々が多数おられるわけでございまして、この方々に投票の機会を確保していくということは非常に重要な課題だと考えております。 ただ、それらの方々に対応いたしますとすると、通常の投票方法ではない特別な投票制度というものを設けなきゃいけない。その一つとして郵便投票制度というのがありまして、これはかって幅広く認められていたんですけれども、非常にこれを悪用した不正投票というものが多かったということから、一たん廃止をされて、そして昭和四十九年に極めて要件を厳格にしながら復活をしたと。ただいまお話がございましたように、身障者手帳等を持った重度の身障者等に限って認めるというようなことになってまいった現状がございます。 したがいまして、その公正の確保がどうできるかということと、それから管理執行体制として対応が可能かという大きな二つの課題があるわけでございまして、なかなか越えなきゃならないハードルが大きくて、ただいま具体的な検討状況をお話しできる段階までまだ至っておりませんけれども、私ども重要な課題として今後とも研究を続けてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 ぜひ積極的な検討をお願いしたいと思います。先ほどもちょっと言いましたけれども、障害という概念もいろいろ時代とともに変わってきているわけですから、余り概念を狭めるような、この部分だけで狭めているというのはやっぱりある種の不公平というか、差別ということにもなりかねませんので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。 では最後に、これはぜひ大臣にお伺いしたいと思っているんですが、実は皆さん方のところにも届いているんじゃないかと思いますが、洋上投票について、具体的に実際に模擬投票をやってみたと。大臣はさきの委員会のときには同僚議員に対して、もう技術的にいろいろ問題点があって難しい点があると、やや慎重なお答えだったような気がしますが、しかし、実際にやってみてこんなふうにできるんだというような話を私いろいろとお聞きしました。 例えば、ファクスを使って、衛星回線を利用してシールド・ファクスを使えばかなり秘密も守れるし、そういう点で実際に何百人かの人たちを対象にしてやってみて、これならできるんじゃないかという提案までされているわけであります。ぜひそういう意味では、まだまだ多少の技術的な問題の検討も残されていると思いますが、あちこち海上で船に乗って魚をとったりあるいは船を動かしたりしている人たちの投票権を確保するために、洋上投票を何とか実現できる方向で検討していただきたいというふうに思うんですが、今までのお答えよりも一歩踏み込んだ形でお答えいただければと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 洋上投票につきましては、私は陳情も受けております、実態もよくお聞きしております。テストケースでやられたものも事務方から説明をよく聞いております。しかし、その実現には種々課題が存在しておるということが、これはもう私が申すまでもないことでございますが、いずれにいたしましても貴重な選挙権の行使にかかわる重要な課題でありますから、今後ともさまざまな角度から検討してまいりたいと思います。
○朝日俊弘君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大木浩君及び山本一太君が委員を辞任され、その補欠として依田智治承及び長谷川道郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。 持ち時間が五分なので、簡潔にやりたいと思います。 国会議員の選挙、全面的に都道府県また市区町村の選挙管理委員会にお願いをしているわけでございます。新憲法施行後、執行委託費という形でずっとやってきたわけでございますが、先ほど谷川議員の方からも持ち出しという言葉がございました。過去におきまして、この委託費が都道府県レベルまた市区町村レベルで持ち出しになってしまった、要するに不足が生じたという事態があったのかどうか。もしあったとすれば、その額は幾らか。何でそれが生じたのか。そして、それをどのように処理をしたのか、その処理の理由、これを教えていただきたいと思います。 それから、もうまとめて聞かせていただきます。 今、朝日理事から洋上投票のお話がございました。全く私も同感でございます。 自治大臣の方からはさまざまな課題というお言葉もございました。投票の秘密、それも一つだろうと思いますが、本人確認ということも問題かと思います。しかし、それは船員の何か番号というのが、パスポートと同じような番号があるというふうに聞いております。これを用いればその部分の課題についてはクリアできるのではないか。それから、恐らくファクスでシールド・ファクスというお話でございました。ファクスで送り、そして送られてくる。この場合、大体一台のファクスは十五万円ぐらいで調達できるということでございます。そのことを考えてみれば、基本的人権の最も大事な投票権につきまして行使できるように措置をすべきではなかろうかというふうに私は思います。さまざまな課題とおっしゃいましたけれども、ほとんどクリアできるのではないか。ぜひ前向きにもう一度御答弁をいただきたい。 この二点、まとめて御質問を申し上げます。
○国務大臣(上杉光弘君) 国政選挙の執行について必要で十分な額を措置しているか、また地方に超過負担が生じないようになっているか、こういうことでございます。 先ほども事務方からお答えいたしましたが、平成十年度執行予定の参議院通常選挙に関する予算の総額は五百六十億七千万円でございまして、この額は平成七年七月執行の参議院通常選挙と比べますと、当初予算で九千五百万円、〇・二%の増加でございます。平成七年度の決算に比べますとそれではどうかといいますと、四十七億五千九百万円、九・三%の増加となっておるわけでございます。平成七年度の実績を踏まえますと、今回の投票時間の延長等に要する経費を含め選挙執行上必要な予算額は確保できたものと考えておるわけでございます。 また、国政選挙に要する経費は国が負担することとしておりますが、その額については選挙の管理、執行のために必要かつ十分な金額が交付できるようにすべきものと考えておりまして、このために最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、実情に即した金額の交付ができますように基準法の改正をお願いしておるところでございます。 なお、選挙事務全般について完全合理化を加えること等によりまして経費の効率的執行に努めていただきますとともに、特別の事情によりどうしても不足するような場合には、各選管における事情をよく検討した上で適切な措置がとれるよう調整費を計上しておりますので、これにより対処してまいりたいと考えております。 それかも、先ほどの洋上投票でございますが、さまざまな角度と申し上げましたことはもう御理解のとおりでございます。ただ問題は、遠いところにおるものですから、顔が見えない、本人の確認ができない。ファクスでできるという、このことでもございますが、そういうことも含めて本人確認をどうするか。これは、そういうものがきちっと、権利の行使でございます、大切なことでございますから、それがちゃんと担保できるようなものにしなければならない。十分意向というものは心得まして、さまざまな角度から検討させていただくと。今まで検討は言っておりませんが、きょうはもうはっきり申し上げましたので、検討をさせていただきたいと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 不足額が生じたことがあるのかということでございますが、平成七年の参議院の通常選挙におきましては、東京都、愛知県、大阪府におきまして、候補者数が非常にふえたものですからポスター掲示場が足りなくなりまして、急速増設をいたしました。これにつきましては、ただいま大臣から申し上げました調整費によりまして措置をいたしておりまして、十二億七千万ほど措置したところでございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○有働正治君 二、三質問します。 一つは、今までにもお話がありました自治体の選挙執行に伴う超過負担の問題ですね。以前より改善されてきているということは聞いていますけれども、例えば東京都の区や市ではまだ人件費やポスター掲示場の設置のため依然として持ち出しの状況があって、それの改善の要望も出されていると聞いているわけでありますが、こういう問題についての一層の努力を求めたいというのが一点でございます。 それから、法に定められた経費以外でもそういうことが出るわけであります。確かに御指摘のように、投票時間の延長等に対応する措置がとられているということでありますが、例えば冬場に選挙が執行されますと、投票所に行くまでの夜間照明の完備だとか、体育館など投票台の明かりが不十分なところでの補助照明用具の設置だとか、都心などでは深夜まで開票作業に従事する職員のために足代、宿泊代等々の経費等々もあるわけであります。調整費その他の問題も私承知していますけれども、こうした支出について自治体の超過負担にならないように今後万全を期していただきたい。 この二点、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 夜間照明費など法律上明示はされておりませんが、この執行経費は法律に定められました経費ごとの基準額に従って支出をしなければならないというわけではなくて、交付金の範囲内でいろいろ融通をしながら、執行面の効率性に配慮をしながら使用することができるというわけでございますので、法律に書いてないものでも融通をすることができるということで、全体的にはほとんどの経費がこの交付金の中で対応できるのではないかと考えております。 ただ、特別の事情によりましてどうしても対応ができないといったものにつきましては、各選管の事情をよくお聞きし検討した上で調整費によって対応してまいりたいというふうに考えておりまして、現実に先ほど申しましたようなポスター掲示場の急な増設といったようなものは調整費で対応じてきているところでございます。 そういうことからいたしますと、ほとんどの公共団体が交付額の範囲内で執行経費を賄っているものと思っておりますが、ただ給与水準が高いがために持ち出しになるというようなところにつきましては、それを超過負担として対応するということは、これは困難でございますということで各選管の皆様にはお話をし、おおむね御理解をいただいているというふうに考えているところでございます。
○有働正治君 肝心の点の答弁がないんですが、今後こういうことがないように引き続き万全の措置をとるという構えであることは間違いないわけでしょう。その点だけは明言していただきたい。
○政府委員(牧之内隆久君) 選挙の執行に必要かつ十分な額を確保して、公共団体の負担の増を招かないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○有働正治君 これも同僚議員から御質問がございました洋上の投票権行使の保障の問題でありますけれども、これは相当本院の昨年の選挙特でも請願が出されてまいり、また全日本海員組合もさまざまな実態調査、それに基づく報告書等々を作成し、問題提起も繰り返し行われてきているわけであります。最近も私どものところにも要望が出されたわけであります。非常に重要な問題だということで、改めて確認したいわけであります。 橋本総理は、この洋上投票制度につきまして、二月十九日の本院の本会議で、「貴重な選挙権の行使にかかわる重大な課題でありますので、さまざまな角度から検討していきたい」と答弁しているわけであります。自治大臣として、総理の答弁されたさまざまな検討というのは具体的に行ってきたのか、いるのか、できれば簡潔に御説明いただきたい。総理がそう言っているわけですから。それで、あわせてこの基本認識、総理の答弁でありますので、大臣の方から簡潔にお答えいただければ。
○国務大臣(上杉光弘君) 総理が言われたのは、これは権利の行使、大切な民主主義のこれこそ根幹をなす、基本をなすものでありますから、それだけにこの問題については慎重を期して対応していかなければならないと思いますが、幾つかのクリアしなければならない問題がありますから、さまざまな角度から検討すると言われたと、こう思っておるわけでございます。 私もきょう申し上げましたから、情報収集したものも含めて検討してまいりたいと思いますが、実験段階でなされたものはファクシミリを使って実験をされたわけでございますが、その場合シールド・ファクス等による模擬投票というものが行われたと。これは個人の秘密というものをしっかり守る、担保するということだと思います。 さらに問題なのは、特例的な不在者投票というものも前に考えられたようでありますが、外洋航行中である場合には不在者投票というものが非常に難しかった。しかし、これをカバーできるものとしてファクシミリがあるじゃないかと。これが実験をされた流れだと思います。さようなことで、しかしファクスは基本的にはコピーという性格を有するものでありますから、投票用紙公給主義との関係をどう考えたらいいのか、これも検討の一つだと。そしてさらに、秘密保持というものがしっかりできるかということになろうかと思います。 自治省も全力を挙げて、これらの情報収集並びにそうしたあらゆる角度から、法律や制度の面からさらにこの検討をしていかなきゃいかぬ、こう思っております。いずれにいたしましても、貴重な選挙権の行使にかかわる重要な問題でございますから、たびたび申し上げて失礼でありますが、今後ともさまざまな角度から引き続き検討させていただきたい、このように考えております。
○有働正治君 一つの重要な実施方法として、本人確認等を含めてきっちりやったという報告でございますので、ひとつ積極的に前向きに対応願いたいということを重ねて要望しておきます。 最後に、二点だけあわせてお尋ねいたします。 都道府県選挙管理委員会連合会がことしの三月五日、通常総会をやられまして、関係方面に決議の要望がございます。 それは、公選法、政治資金法等改正等に伴いまして、選挙事務の複雑、多様化と事務量の増加傾向に対処するため、選挙管理機構の充実整備を早急に図られるよう政府にも強く要望いたしますと、こういう内容であります。例えば、選挙人名簿を従来年一回だったものを四回に整備する等々、いろいろ事務量もふえてきているという状況等々も御説明を受けたわけであります。前向きに積極的に対応願いたいというのが一点。 それから、これまで行われた選挙に関しまして、公職選挙法等改正に関する要望事項が昨年二月、都道府県選挙管理委員会連合会から自治省にも出されているものであります。その中、全体として幾つか改善された点はございます。同時に、まだ改善できていない部分もございます。手話通訳の料金の問題、その他いろいろございます。こういう問題についても引き続き善処方を求めたいわけでありますが、この二点をあわせて簡潔にお述べいただければと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 選挙事務も複雑になって事務量も増加していると思っております。したがいまして、執行の体制整備あるいは執行に当たられる方々の事務能力の向上を図ることは重要な課題だということでございますが、ただ、個々の選挙管理委員会の事務局の組織等をどうするかということは、それは事務量なりあるいはその公共団体の他の事務との関係等いろいろな観点からそれぞれの公共団体が対処をしていくべきものというふうに考えておりまして、私どもは研修などを通じまして各選挙管理委員会が選挙事務を円滑に執行できるように支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、都道府県の選挙管理委員会連合会からは、手話通訳士に関しましては、政見放送や演説会等で手話通訳士をお願いした場合に報酬を支給できるようにしてほしいといったような要望が出されているというふうに承知をいたしておりますが、現在の法解釈上は報酬が出せないということになっているわけでございます。確かにそういう御要望があることは承知をしておりますけれども、我が国の選挙運動というのが御案内のようにボランティアにより行うということを基本とするという物の考え方に立っているものですから、ここらとの関係をどういうふうに考えていくのかということが課題であろうと思いますが、引き続き、研究してまいりたいと考えております。
○有働正治君 終わります。
○高橋令則君 るる各委員からお話がございましたので、一つだけお伺いしたいんです。 それは、同僚議員から言われたんですけれども、投票の秘密を確保するために、投票ボックスというんですか、そこにカーテンをして書いているところが見えないようにすべきじゃないか、そういう意見があったんですが、いかがですか。
○政府委員(牧之内隆久君) 投票所におきましては、投票の秘密を確保するということ、それから投票が公正に行われるようにするということ、これが重要であろうと思います。公正に行われるように、不正が行われないようにということで、投票立会人の方々が投票をしている状況というものがある程度わかるようにということで現在のシステムになっているわけでございます。特にカーテンをしなければその秘密の保持というものが守れないのかどうか。私ども必ずしもそういう強い要望というのを聞いてはいないわけでございますが、諸外国の状況等も調べておりますけれども、投票の方式によって区々であるということでございます。 さらにまたそういう御要望等があれば、実態等を見て適切な対応ができるようにと思っております。
○高橋令則君 ぜひ検討してください。 終わります。
○岩瀬良三君 最後に私、それじゃ一点だけ御質問申し上げます。 投票時間の二時間延長だとか不在者投票時間の延長、また不在者投票の場所の増設等いろんなことを御苦労かけてやっておるわけで、投票率の向上のためにいろんなことをやっていただいておるという点では評価できるわけでございますけれども、投票率、遺憾ながらなかなか向上してこないということでございます。 そういう中で、平成五年のときにも議論があったというふうに聞いておりますけれども、戸別訪問ということもひとつ議論の対象にしてはどうか。いろんなこと、今までの戸別訪問の弊害というのも私もよく知っておりますけれども、選挙民の皆さんの意識というのも大分変わってきているんじゃないか。そういう中で、こういうことなんかも一つの議論対象にしていただいてはどうか、そういうふうに思うわけですが、その点だけ質問させていただいて終わります。
○国務大臣(上杉光弘君) 確かに、やるべしという意見とだめだという二つの大きな流れがあるわけでございます。 それで、じゃなぜ大正十四年にいわゆる普通選挙が実現した際に設けられてすぐ取りやめになったかというと、運動貝も候補者も全部回るわけです。それで、回らないところがあると反対になるから、もうとにかくシラミつぶしに全部回る。そうすると、家庭的にはもう選挙期間中は煩わしさに耐えられない。また、戸別訪問だから買収とか供応の手段にその戸別訪問が使われる。そういう両面から、候補者も耐えられない、受ける方も耐えられない、それですぐなくなったとお聞きをいたしておるわけでございます。 しかし、やるべしという意見とだめだという二つのものがありますので、従来からの論議等は十分踏まえ、また過去の経緯、平成五年にも政府が提案いたしましたが、これはどうにもならなかったわけでございまして、当時における国会の論議、こういうものも十分踏まえまして、いずれにいたしましても、この問題を含め、選挙運動のあり方については時代の流れ、時代に合ったものにしなきゃならぬわけでございますから、極めて柔軟に幅広に目配り、気配りもいたしまして、まずはこの運動のあり方は、もう一つは各党各会派の十分な御論議等も見守りながら対応してまいりたいと考えております。
○岩瀬良三君 終わります。
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会