財政・金融委員会 第19号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/06/04
会議録
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。 まず委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十九日、長谷川道郎君が委員を辞任され、その補欠として松浦孝治君が選任されました。 また、昨日、松浦孝治君が委員を辞任され、その補欠として保坂三蔵君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(石川弘君) 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の四案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○金田勝年君 自由民主党の金田でございます。 きょうは、九十分の時間をいただきまして、今回のこの金融四法案に関連するいろんな話をお聞きしたいと思う次第であります。よろしくお願いいたします。 関連法案の質問に入ります前に、まず新聞等でこのところ報じられおりますことについて二、三お伺いしたいと思うわけであります。 まず、山一証券の問題についてであります。 山一証券の問題につきまして、昨年来いろいろと世上の関心を呼んでいるわけですけれども、六月一日でございますか、山一証券が本年の三月期決算で約二百二十五億円の債務超過に陥っだということが判明したわけであります、昨年の十一月には、わずか四カ月前なんですけれども、山一証券が自主廃業を決定した時点では約一千億円を超えるぐらいの資産超過である、こういうことで大蔵省は山一証券は債務超過ではないということを言明しておったはずであります。また、日銀も同様に、山一証券は債務超過でないからこそ日銀の特融を出したということなわけでありますけれども、大蔵省は昨年十一月の時点で山一証券が債務超過に陥る危険というものを認識していなかったのでしょうか。もし、その危険を認識していなかったとすれば見通しが甘いと言われてもやむを得ないわけでありますし、認識していたとすれば当時その危険性を隠したということになるわけでありまして、何ゆえわずかこの四カ月間でこのようなことになったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(山本晃君) お答えいたします。 昨年、山一証券が自主廃業を決定した際には、証券取引法の企業内容等の開示規定に従いまして、山一証券の方から一千九億円の資産超過の状況にあるという臨時報告書が提出されたところでございます。その後、国会でも御答弁申し上げているとおり、山一証券では業務を縮小する過程の中で資産、負債の整理が順次行われておりまして、業務の整理に伴う費用あるいは保有資産の処分価格等の変動要素が含まれていたというふうに考えているところでございます。 昨年十一月の時点では債務超過ではなかったと認識していたわけでございますが、業務の整理等に伴う費用あるいは保有資産の時価の変動等によりまして財産額が変動する場合を考慮し、当時の大蔵大臣談話におきまして、本件の最終処理を含め、証券会社の破綻処理のあり方に関しては寄託証券補償基金の法制化あるいは寄託証券補償基金の財務基盤の強化等を図り、十分の処理体制を整備することとしていたところでございます。
○金田勝年君 山一証券が債務超過に陥ったという以上、この報道の中身とかを拝見していますと、劣後ローンもあるということで、現状の二百二十五億という債務超過ならば生損保十四社が計四百三十億出しているその劣後ローンで穴埋めできるというふうな考え方もあるようなんですけれども、今度基金をつくるといっても、日銀特融の場合は基金で守られるわけですが、劣後ローンの場合は基金で守られないという状況があるわけでありまして、例えば生損保側が劣後ローンの返済を求めるということで交渉が難航したりした場合には日銀特融の返済にも影響を与えてくるということがあり得るんだと思うんです。ですから、債務超過に陥ったということで日銀特融が全額返済されない可能性というものも出てくるわけですね。 ですから、そもそも十一月時点でのスキームの組み方が甘かったんだということになると思うわけですけれども、その政府の責任、あるいは今後この問題にどのように対処されるおつもりか、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 法律の理屈を言うつもりはさらさらありませんが、劣後ローンというのは文字どおりほかの債権に劣後するわけでありまして、その意味では日銀特融の方が優先するわけであります。したがいまして、劣後ローンは文字どおり劣後させて、そして日銀特融の方を優先して支払うと。劣後ローンに対しては日銀の方を優先して支払う、そういう形で対処すべきものというふうに考えております。
○金田勝年君 今の時点で二百二十五億ということがさらに上回っていく可能性もあるわけでありますし、日銀特融が返済されるかどうかという問題、あるいは四カ月前に一千億円を超える資産超過ということで、その時点で実態を把握するスキームの組み方が甘かったという点についてもう一度、今後どのように対処されるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 今、局長心得から話がありましたように、昨年の自主廃業を決定した時点における山一からの報告書によりますというと、約一千億円の資産超過の状況、こうなっておったわけであります。その後、顧客の資産の返還等を最優先し、かつ全国の支店その他を整理するという形で処理を進めてきたわけでありますが、そういう事務費用、あるいはまた店舗等多くが自己所有のものじゃなくして他から借り受けて使っておった支店等が多かったようであります。返還する場合には原状に復帰して返還するということになっておる関係上、原状復帰の費用も想定したのよりも余計かかったということ、あるいはまたその間に保有しておる資産等の価格が実は低下してきたということ等があって二百二十五億円の債務超過、そういう見通しになってきたようであります。 いずれにせよ、最終的にこの山一証券という会社が清算手続に入り、清算結了までにはまだ数年時間がかかるということであります。実際上、一つのある程度大きい株式会社が清算結了して消滅するまでには数年間の時日がかかるというのは一般的なことなのでありまして、それまでの間の処理の問題については十分周知しながら、少なくとも日銀特融等についての返済に支障が起こらぬように、これは最大限の関心を持って、そして対処していかにゃならぬ、こういうふうに思うわけであります。
○金田勝年君 続きまして、二つ目の問題ですけれども、日興証券とアメリカの総合金融グループのトラベラーズの資本提携の関係で、インサイダー取引疑惑というのが新聞に報じられております。去年の秋の法改正だったと思いますけれども、証取法の百九十八条、インサイダー取引規制の罰則の強化というものを行っておったはずであります。要するに、フリー、フェア、グローバルのフェアの世界になるわけですけれども、そのときそれまでの罰則を六倍に強化したと心得ておるわけであります。 そういう中で、この前の五月二十九日、これは提携について記者会見をしたのは六月一日だと思いますが、調印、そして記者会見を行っておると思いますが、五月二十九日に異常な大商いで急伸をした日興証券の株価、これは私も新聞報道なものですからその辺も確認していただいて結構なんですけれども、東証一部の出来高で第一位だった、そして八百九十五万株もの出来高があったと。これは断トツで、そしてその内訳を見ればトラベラーズ・グループの中核のソロモン・スミス・バーニー証券が二百七十一万株を買っていて、日興証券が三百八万株を売ったという報道が出ておるわけであります。両社とももちろんインサイダー取引は否定しております。 こういう実態にあるようなんですが、これは新聞報道でありまして、そして週明けの一日、月曜日も買い注文が売り注文を大幅に上回って値がつかないままに推移した。しかし、問題は二十九日でありまして、重要な事実に絡む情報を開示する前にこういう偏った大商いが行われたという事実は、今の日本の金融・証券界が外資の動きで非常に世界的な金融再編に巻き込まれて大変になる、まさにグローバルな世界の中でやっていかなければいけないその中で、フェアが最も重要だとするならば、やはり外資系の金融機関の行動に対しても、それからもちろんそれと提携をするという日本の金融・証券会社についてもフェアな対応というものを、チェックのシステムがあるわけですから、それをきちっと調査をして問題があるかないかをはっきりとさせなければいけない、こういうふうに思うのであります。 この点について、これは証券取引等監視委員会になると思いますが、どのような対応を今されているか、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(堀田隆夫君) ただいま先生が御指摘になりました件につきまして、御指摘のような報道がなされていることは事実でございまして、私どもも中身をよく読んでいるところでございます。 監視委員会は、証券市場における取引状況につきまして日常的に監視を行っておりまして、仮にその過程でインサイダー取引等の取引の公正を害するような違法行為の疑いが認められました場合には、取引の手口を分析し、取り扱いの証券会社から売買取引者の氏名でございますとか売買動機等を事情聴取いたしまして事実関係を解明し、適切に対応するということでやってきておるところでございます。 今お尋ねでございますけれども、個別事案の具体的な内容についてお答えすることは今後の私どもの委員会の活動に支障を来しかねないということを御理解いただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますれば、インサイダー取引規制の重要事実の公表前に不自然な売買が認められました場合には、私どもは関心を持って情報収集や手口の分析等を行っているところでございまして、またそうすることが私どもに課せられた責務であると考えて対応しているということでございます。
○金田勝年君 事後チェックが非常に重要であり、世界の市場ルールというものがあって、そして日本の市場が国際市場の仲間入りをして、フェアな市場である、信頼できる市場であるということを世界に誇り高く示していかなければいけない今日において、そういう疑義、疑惑を持たれること自体が問題であるというふうに思うのであります。ですから、今回のケースはまさに証券取引等監視委員会の存在をかけてやっぱりきっちり示していただかなければいけない、こういうふうに思います。 東京証券取引所が売買審査に入ったということですけれども、そういう問題について決して見逃すことはないんだということを内外に示すことによってフェアな市場というものを日本がどれだけ大事にしているかを世界に示すことができる、そういうふうに思うわけであります。 個別に対してお答えできないということ、一般論はわかるんですけれども、ぜひともきっちりと調査していただきたい、これは今回の金融システム四法を考えるに当たっても基本となる話だというふうに思いますので絶対に調査をしていただきたいと思いますが、御返答をお伺いしたいと思います。
○政府委員(堀田隆夫君) 報道されている内容を見ますと、インサイダー取引の規制上の重要事実に該当する、恐らく該当することになるのではないかと思われる行為が含まれているところでございまして、先ほど申し上げましたように、その重要事実の公表前に不自然な売買が認められるということでございますれば、私どもは必要な審査、調査を行う、それが必要なことであると考えておるところでございます。
○金田勝年君 よろしくお願いしたいと思います。 要するに、二十八日の売買高の六倍の売買高が出来高としてもう世の中に報道されているわけですから、これが異常でないというわけにはいかない。ですから、きっちりと調査していただいて、問題がなければない、あるのであればあるということを内外にきっちりと示していただく。そのときに、これからの大事な問題に証券取引等監視委員会あるいは金融監督庁は我が国政府のスタンスを示すことになるんだと、こういうふうに思いますので、その点はきっちりと対応していただきたいと思います。お願いして、次に進ませていただきます。 それでは、きょうの議題となっております金融システム改革関連法案についての議論に移りたいと思うわけであります。 まず、金融システム改革法案は内容が極めて膨大であります。金融関係二十二法案の改正であると。そして、租税特別措置法、地方税法といった税法も二つ、本則による改正を行っておりますし、それから附則では四十本ぐらい証取法を引用している法律の手当てをしている。そしてまた、施行期日が異なる規定が非常に多いわけでありまして、早いものではこの七月一日から施行、そして原則は十二月一日から施行、そして時間のかかるものでは十二年の三月末までの政令で定める日から施行ということで、内容が非常に多岐にわたり、そしてこの機にこの法案をぜひとも通して我が国の金融システム改革を行わなければいけないんだという一つの決意のあらわれの法案になっているということを非常に感ずるわけであります。 そういう意味で、まず金融システム改革全般についての理念あるいはタイミングというものについて質問をさせていただいた上で法案の個別の論点に順次簡単に進ませていただきたい、こういうふうに思うわけであります。 まず、申し上げるまでもなく、金融システム改革というのはぜひ進めなければならない改革であるということは異論のないところでありまして、ただタイミングについてはいろんなことを言う人がいるわけであります。 我が国の経済というものが非常に今厳しい状況にあって、直近の失業率というものも四・一%といった高水準にまで達した。去年の十一月に、言うまでもなく三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券といった一連の金融機関の破綻が国民の金融不安というものに結びついていった、こういうこともあるわけでございまして、この金融システムの改革というものが中長期的には望ましい、これはだれしもが考えることだと思うんですが、短期的な摩擦的な痛みといいますか、そういうものを考えた場合にはこの政策を現在強力に推し進めることでいいんだろうか、いきなり自己責任原則と市場経済化ということの徹底、言ってみれば、アングロサクソン型の考え方に急にここで転換をするということについてはいましばらく改革を先延ばしすべきではないかという議論も一方ではあるわけですね。 そういうことに対しましてどういうふうにお考えなのか、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 委員が今一部の意見としてといいますか別の視点からする意見として、時期的にいってもう少し日本の経済が安定してからやるべきであるという意見があることは私も承知いたしております。 しかし、考えてみますというと、欧米では金融改革というのをもう十年近く前に実行されて、それが契機となってロンドンあるいはニューヨークの金融市場が大変な活気を帯びてきているという事実が一つあります。その反面、その影響を受けて我が国の金融市場が空洞化してきておる、こういう指摘もあることであります。そして一方、来年の一月からユーロというものが国際金融市場に出てくるわけでありまして、そういうヨーロッパの大変化があります。 それを念頭に置いて考えますというと、結論からいって、これ以上我が国の金融システムの改革をおくらせることはできない、それはますます日本の金融界の衰退をもたらすことになりはせぬか、こういうふうに思うわけでありまして、厳しさはありますけれども、遅過ぎるぐらいだという感じを持ってこの問題には対応していかなきゃならぬ、こう思うわけであります。 そしてまた、これからの日本を考えますというと、高齢化がどんどん進んでくる、そういう中で国民が努力して蓄えた千二百兆の個人金融資産をより有利に運用できる場を提供することが私は非常に大事なことだと思うのであります。そしてまた、一方においては金融市場が活性化することによって新たな事業を展開しようとするいわゆるベンチャー企業を中心にして円滑な資金調達の道が開かれてくる、こういったことを通じて日本の経済の活性化が実現できる、こう思うわけであります。そうなってきますというと、その分野での雇用の拡大も期待できる、こういう考え方で私どもは一日も早い金融改革の実行に向けて進んでいかなきゃならぬ、こういうふうに思っておるところでございます。
○金田勝年君 そういういい面といいますか、それは非常にわかるわけであります。ただ、それだけでいいのかなという感じも非常にするわけであります。 言い方を変えますと、例えば今のいい面でまいりますと、我が国の金融市場というのがやっぱりロンドンあるいはニューヨークに比べて、あるいは同じ東経の経度でいくとシンガポールにおくれていたりということもあるかもしれません。 例えば、ロンドン市場で日本株の取引が非常にふえている、これは東証一部の売買高に比較すると約二〇%近くまでもふえておるということのようですし、シンガポールのSIMEXですか、そこでの日本のデリバティブ商品、例えばここで一番売れているのは日経二二五の株価指数先物取引ですけれども、この売買高が大阪証券取引所の取引高に比べてほぼ同額の水準に達しておるとかそういったような欧米、それからアジアの状況というのがあるんだと思うんですね。 ニューヨーク市場においてもロンドン市場においてもかつて改革を行ったわけですから、そして今日に至っているわけですから、私どもの国においても改革をきちっと断行して欧米の市場と遜色のない利便性を確保していく必要があるという点はわかるわけであります。ただ、他方で、ロンドンを例によくとられるわけですけれども、テニスのウィンブルドンを例に引いてよく言われているんですが、ウィンブルドン化現象。金融機関からイギリスのナショナルフラッグが消えて、活躍するのは外資系で過半数になってきたということを言われるそのウィンブルドン化現象、ちょっと調べましたら、イギリスのマーチャントバンクの主要十六社中九社が買収されて、今純粋に残っておるのはといいますか、買収されていないのは七社というふうに言われているんですけれども、そういうふうなウィンブルドン化現象、こういったことも指摘されているわけであります。 先ほどの証券界の日興証券とトラベラーズ・グループとの提携、これなんかを最近の報道で見ますと、大手の証券会社でさえ外資と業務提携をしなければ生き残っていけないのかということですね。もしそうであるとすれば、もっと小さい証券会社というのは、日本の国には二百四十、かなりの数あるわけですが、そういうふうな証券会社の多くは例えば株式の委託手数料で収入を立てているケースが多いわけで、一方で九九年、来年の末までに完全に手数料の自由化をしようというこの法案の中身があるわけですけれども、そういうふうにした場合、どういうふうにそれを全体として考えていったらいいのか、要するにますます日本の中小証券会社が窮地に立たされたり、リテールというものにその活路を見出すにしても、おのずと限界が出たりして中小証券会社の受ける影響というのは非常に大きいというようなことになりはしないかと。 もう一度繰り返して申しますが、やっぱり日興証券とトラベラーズ・グループ、そういうものの提携というのがこのたび出ているわけですけれども、そういうことをどういうふうにとらえていったらいいのか。ほかにも例があります。山一証券とメリルリンチの関係、日本債券信用銀行とバンカーズ・トラストの関係、日本長期信用銀行とスイス銀行との関係、東邦生命とGEキャピタルの関係、それから明治生命とドレスナー銀行との関係、こういうふうな外資と業務提携をしていく、何らかの形でそういうふうな道を探る、そういうことをしなければ生き残れないような状況になってきた、こういうふうになってしまうのか、それから二つ目は中小証券等が生き残ることができるんだろうかといったような点についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
○政府委員(山本晃君) 二点御質問があったかと思います。 一点目は、日興証券とアメリカのトラベラーズ・グループとの提携等、いろいろと外資提携の動きの件でございます。 こういった動きにつきましては、恐らく金融システム改革、こういったものの流れを受けて、顧客の多様なニーズに積極的にこたえていこうという、そういう動きではないかなと。また、本法律案を成立させていただきましたら、その後に自由化されたそういう証券市場におきまして、その中で最大限に実力を発揮していこうという、そういう動きではないかというふうに考えているところでございます。他方で、野村と興銀の業務提携とかいろいろな動きがあるわけでございまして、恐らくこうした流れといいますか動きというものは今後も考えられ得るのではないかというふうに思います。 それから二点目は、中小証券の問題でございます。 今回の金融システム改革というものは、あくまでもその当事者の利便性の向上、これを図りますとともに、証券市場全体の活性化というものを目指しているわけでございまして、市場を活性化し、そして市場規模を拡大させることによって証券会社の活躍の場が広がるというふうに期待をしているところでございます。 中小証券会社というのは、従来、株式委託手数料に依存する度合いというものが非常に高いわけでございます。恐らく平均すると七割とかいう数字であったかと思いますけれども、会社によっては八、九割をこの株式委託手数料に依拠しているという中小証券会社もあるわけでございます。 ただ他方で、今回のこの法案の中でも提案をさせていただいておりますけれども、今まで証券会社というのは専業義務を課していたわけであります。今度はこの専業義務というものを撤廃いたしまして、証券会社の業務が多角化できるようなそういう道を聞いているわけでございます。 そういった中で、必ずしも日本がアメリカと同じようになるかというのはわかりませんけれども、例えばアメリカにおいては業務の多角化によって中小証券というものも生き残っている、むしろ従業員数なんかもふえているというような状況もあるわけでございます。今後は、こういった中小証券につきましても、まさにその地域の小テール、地域に密着した営業をする、あるいは特定の業務に特化した営業を行うということによりましてこれまで以上に活躍する、そういう証券会社も出てくるのではないかというふうに予想されるところでございます。
○金田勝年君 例えば日興とトラベラーズの今回の資本提携といいますか、「日興ソロモン・スミス・バーニー証券」というものをつくるんだろうと思うんですが、その場合に、世界的な販売力の強化とか商品開発力の向上とかいろいろ目的はあると思いますが、ホールセールはそちらの方でやる、そして日興証券自体がリテールの方をやる、こういうふうになってきますと証券界全体の非常に大きな再編につながっていくんだろうと思うんですね。ですから、先ほど申し上げたような問いになるわけですけれども、これは何も証券分野には限らず、金融界全体におきましてやっぱり前途の厳しさを一つはあらわしている部分というのがあるんだと思うんです。 ですから、まさにこれは全世界的な流れで、何も外資と日本の企業ということではなくて、例えばシティコープとトラベラーズ・グループ、あるいはバンカメとネーションズの合併といったような例もあるわけで、自由化に向かう世界市場でいわば金融の覇権を握るための壮絶な合従連衡という形がどんどん進められていく、そういうふうな状況に今あるわけでございますから、言ってみれば金融戦国時代というものに入っていったんだ、こういうふうに受けとめる方が多いわけですよ。 そういうふうな状況になってきますと、これは証券局、銀行局、市方にお聞きしたいんですが、今後ビッグバンによって我が国の金融機関がグローバルな金融市場において海外の金融機関と互角に戦っていくというか共存していくために必要な仕組みというものが今回の法案の中に盛り込まれているかどうかということ、そういう点。 もう一つは、制度的な枠組みが仮にそれで整備されているとしても、ビッグバンで生き残るためにはやっぱり資本増強による体質の強化をしなきゃいかぬし、一方では大口投資家を取り込むような高度の金融技術力というものもつけていかなければいけない、そういうものが不可欠になってくる、そういう状況ですから、制度的な枠組みだけではなくて、例えば我が国の金融機関の技術水準のおくれといったようなものについても本当に太刀打ちできるんだろうか、そういう疑問もある。その中で、証券会社に限らず淘汰される金融機関も出てくるのではないか、そういうふうにも思うんですね。 ですから、仕組みの面と今申し上げた面、大蔵省としてどのように考えておられるか、証券局長それから銀行局長にお伺いしたい。
○政府委員(山本晃君) 制度的な枠組みということでございますけれども、行政手法なりいろいろな枠組みというものが今までどうであったかと申しますと、まさに事前予防型行政という言葉に代表されるように、要するにいわば民間金融機関の創意工夫の芽を摘み取っていたのではないかという反省から私ども出発をしているわけでございます。 今回、まさに事後チェック型の行政手法に転換するということは、とりもなおさず、民間金融機関が顧客ニーズに合った商品なりなんなりを自由に開発することができるようにする、またそういったことを通じて国際的にも競争力を高めていこうということであろうかというふうに考えているところでございます。
○政府委員(山口公生君) 大変難しい御質問でございます。 ロンドンで起きた現象が非常に衝撃的ではございましたが、ある金融機関に私は直接聞いてみました。そうすると、彼らの意識は、ロンドンにある金融技術を持っているのはイギリスのマーチャントバンクだと、しかしリスクをこれからとっていく世の中は資本の厚みがなければやっていけない、だから自分たちは資本を必要とするが、彼らは、彼らというのはどうも大陸の方らしいんですけれども、大陸の方と明示的には言いませんが、お金だけあって何も使えないような銀行は我々と手を組むしかないという、やや負け惜しみ的な言い方かもしれませんが、そういうことを言っておりました。 しかし、ある意味では事実だと思います。ということは、資本の論理だけで占領されてしまうとか、あるいは買収されてしまうとかいう受け身だけのロジックではもうこの世界は乗り切れないだろうと思います。そこには、今、先生御指摘になった技術水準あるいは資本力、それからもっと大切なことは経営戦略だと思うんです。 今回のこのビッグバン法でお願いしておりますのは、経営戦略を立てるのに選択肢をきちっと与えるということが主な、もちろんいろいろなほかの法制もお願いしてございますが、いろいろなことがやれるようにする。やれるということは全部やるということには結びつきません。自分の得意なところに結びつく、自分の得意な分野を伸ばす、不得意な分野はどこかと組むということにつながる、そういう枠組みは備えていただけるものというふうに考えるわけでございます。 では、ウインブルドン型的なものが日本で起きるのか起きないのかといったときに、私はちょっと違うんじゃないかと思いますのは、今起きておりますいわゆる提携問題等はある意味では先生おっしゃった金融技術とかそういった最先端の技術あるいは世界的なネットワーク、これを日本の金融機関、マネーセンターバンクあるいは主要な証券会社は必要としていると思います。一方で、外資にとってみますと、千二百兆をバックにした円での商売をやっている実需があるわけです。そのクライアント、つまり顧客のネットワークは日本の証券会社なり銀行しか持っていないわけです。外国の証券会社は幾ら有名だ、外国の銀行は幾ら有名だといったって、日本の会社に来てなかなかすぐには取引はできない。そうなると、これだけの経済的なバックを持った日本の顧客のネットワークを持っている日本の金融機関の力というものをやはり利用せざるを得ない、その辺の利害が一致しているんだと思うわけであります。 したがって、場合によっては資本の参加、技術の提携、いろいろケース・バイ・ケースだと思いますが、黒船来襲的なイメージではなくて、これから我が国がより発展するために少し前向きな形で取り組んでいく必要があるだろうと。確かに、我が国の金融機関が最大限の努力をし、我が国に貢献してくれるということを前提にしてのお話でございます。
○金田勝年君 そういう手当て、制度の仕組み、そしてまた考え方について明るい材料のお話があったわけです。 実際、ニューヨークやロンドンにおいて改革を行いますと、金融業に対して与えた影響というのをいろんなデータで見たりすると、改革の結果市場の規模が拡大して、金融業のGDP比とか証券人口で見た雇用も最終的には拡大するというふうな傾向は言われてはいるわけですね。 ただ、業界の再編が行われて社会全体に大きな影響があるというのも見逃すことのできない事実だろうと思うんですね。ですから、先ほどの繰り返しになるんですが、国籍を越えた世界的な金融・証券の再編ですから、その潮流というのは非常に大変なスピードで今我が国に押し寄せてきている。一方で、千二百兆円の個人金融資産と言われる日本市場の争奪戦ですから、これがますます激化してくるわけでありまして、その中では優勝劣敗の考え方、弱肉強食の考え方、市場ルールと自己責任原則の考え方、それからアングロサクソン的考え方、そういうものがやっぱり日本経済の中に非常に急速に入ってくる。 その場合に、社会全体にどういう影響があるのだろうかと。プラスの面もあるんですけれども、やはりマイナスの面も、それが短期的な摩擦であったりあるいは社会不安であったりというふうなことも起こり得るものだと私は思います。そういう点については、バラ色の話だけではなくて、短期的なそういう摩擦あるいは社会不安といったようなものが、コストだというふうにおっしゃるかもしれませんが、どの程度そういうふうなことが起こるのか、そしてそれに対してはどうするのか。決して目をそらしてはいけないことであって、そこを十分に踏まえてやっていただきたいな、こういうふうに思うわけですけれども、その辺についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) まず、一般論から言えば、委員に比べれば私はある意味では一世代古い人間であるかもしれません。だけれども、私どもの世代の者から見れば、これは製造業の分野でも金融業の分野でもあるいは流通業の分野でも、できるならば日本の企業は株主のほとんどが日本人だと、そして経営者もほとんど全部が日本人だと、いわゆるナショナルフラッグを掲げた企業にやってもらいたいという気持ち、これは私どもの世代から上の人はほとんどがそういう気持ちだろうと思うんです。しかし、もう世界は言うまでもなくあらゆる経済の分野では国境のない時代、自由に経済活動ができる、そして自由にお金と物と人とが交流するという時代になっておるんですね、もう数年前から、あるいは十年ぐらい前から。 そういう中で考えてみますというと、むしろ製造業の分野の方が早くそういう大きなあらしの中にさらされた、そして大変な努力、技術革新の末に今や日本の製造業はあらゆるところに進出しておるわけであります。むしろ、外国の製造業が日本に入ってくる数よりもはるかに日本の製造業が外に行っておるという例が数は多いでしょう。 例えば、アメリカとの関係を見れば、アメリカの自動車製造業で日本の国内で製造しているのはまだないんじゃないでしょうか。ところが、日本では年間三百万台、四百万台製造する自動車会社がアメリカに行っております。それはアメリカとの合弁じゃなくしてほとんどが日本独自の会社として向こうに行っておる。一部では反対を食ったところもありますけれども、むしろ多くは雇用創出効果という面からいって非常な歓迎を受けておるということであります。 また、イギリスなども、この間G7で行ったときに向こうの人から聞いたところでありますが、製造業の分野ではイギリスは決して繁盛していないと。それは金融業の分野で活性化して、それで雇用を吸収しているという話でございましたし、それから、日本からイギリスに工場進出して、そしてそこで事業を展開することは非常に歓迎されておるという話でございました。 さようなわけで、ある分野では日本の方が圧倒的に強くて外国にどんどん進出している、金融業の分野では技術の面あるいは資本の面で実は日本がおくれている、そういったことなのでありまして、だからもう我々の世代が持っているような感傷といいましょうか、そういったものが通用する時代じゃなくなっている、それをやっていけば日本全体が発展していけない、そういう時代になっているんだというふうに考えざるを得ない、私もそういう考え方に一〇〇%頭を転換したんです。 そういう見方で見ますというと、要は何が国民の利益か。先ほど局長の答弁の中にありましたけれども、千二百兆という個人の資産、それを持っているのは日本国民、しかも全国的に散らばっていると。お金を持っている多くの人は、でかいかもしれぬけれども技術はすぐれているかもしれぬけれども、やはり信頼できるのは日本の会社だというふうな気持ちをほとんどの人が持っていると思うんです。そういった点に着目をして、そういうお金を持っている人の信頼を獲得して、そして事業を展開していけば、外国の会社の方がでかいかもしれぬけれども、しかし日本の会社の方がより信頼される、そういう金融会社として発展していく道は十分にある、こういうふうに局長の答弁にあったわけでありますが、私もそう思います。 その意味で、日本の金融会社は資本が小さいならばそれぞれの自己判断で大きくする。それは合併もありましょうし、いろんなやり方もありましょう。それぞれ創意工夫を凝らして、そして外国の金融会社に対抗できるような資本を持ち、あるいはまた技術、新しい製品の開発、こういったものをやって、そして将来に向けてさらに発展していくという努力をしてもらう必要があるというふうに私は思います。 そういう形で外資系もあるいは日本の企業もそれぞれ競争していくということが大きい意味でいえば日本国民の利益になるし、また取引が活性化してくれば日本の国内に税金もちゃんと落ちてくる、こういったことで全体として日本経済の発展に貢献するし、日本国民の利益になる、そういう考え方で対応しなきゃならぬ課題だと、こう私は思っております。
○金田勝年君 時間の関係もありますので、それでは個別の話に入らせていただきたいと思います。 金融システム改革の今までの話で、国民に多様な資産運用手段を提供するんだ、高齢化社会をにらんで個人の金融資産をより有利に運用する手段を拡充するんだ、そしてそれが国民の利益につながるという話も出てまいりました。 今の個人の金融資産について見ますと、これだけの低金利であるにもかかわらず、千二百兆円あるうち六割程度が預貯金ということになっているんですね。株式、投信、債券といったような直接金融の分野は合計しても一〇%強にしかならない。全体の約九割近くが間接金融で占められているという状況になっている。 との点アメリカでは我が国とはちょっと違って株式や投信といったもののウエートがかなりあるわけですけれども、そういう視点から我が国においてこの法案でどういう改革を行っておるのか、簡単にお答えください。
○政府委員(山本晃君) 我が国の個人金融資産の運用を見ましても、あるいは企業の資金調達面におきます直接金融市場での調達と銀行借り入れの比率を見ましても、御指摘のとおり、アメリカと比べまして間接金融の比重が大きいというのが特徴になっているわけでございます。他方で、個人金融資産の有利な運用の道を開くとともに、我が国の将来を担う新規産業への円滑な資金供給を行うためには、リスクテークとリスク分散機能にすぐれた直接金融市場の役割への期待は大きくなっているわけでございます。 したがって、今後証券市場を国民にとって身近かつ魅力的な市場とするということが重要であるというふうに考えておりまして、現在御審議いただいているこの金融システム改革関連法案においてはこのための包括的な措置を盛り込んだところでございまして、これによりまして直接金融のパイプは太くなるというふうに期待をしているところでございます。
○金田勝年君 そういうことで、投資信託について今回は柱の一つとしてとらえて、具体的には私募投信、会社型投信といったような新しい商品の導入、あるいは銀行等の窓口販売の解禁といったような措置を盛り込んでおられる、こういうことで受けとめておるわけでございますけれども、個人の資産運用の形態としては投資信託は今後その役割というのが非常に重要になってくると思うわけです。私募投信や会社型投信といったようなものも行政が商品のお墨つきを与えてその販売高を競うというもはや時代ではありませんので、役所が一つ一つ商品を認可していくという時代ではないということを踏まえて今回措置をされておる。そしてまた、資産を運用しようという国民が適切な商品を選ぶという場合に、やっぱりディスクロージャーといいますか、そういったものがしっかり行われなければいけないということもあると思うんですが、こういう二つの面から今回はどういう措置をとっておるのか、お聞かせください。
○政府委員(山本晃君) 御指摘のとおり、国民の資産運用手段として中核的な役割を期待されている投資信託につきましては、現在は事前予防的に行政が個別承認という形になっておりますが、そういう仕組みではなくて、投資家ニーズに合った創意工夫を発揮した商品設計、これを内包する枠組みにすることが重要であるということで、現在の投信の信託約款の承認制というものを届け出制に移行する、こういった措置を講じているところでございます。 また、当然のことながら、商品の多様化を図ってまいりますと、他方におきましてディスクロージャー等の投資家保護のための措置、これも重要であるわけでございます。具体的には、投資信託の信託約款の承認制から届け出制への移行に伴いまして、証取法の公衆縦覧型のディスクロージャー、これを投資信託について適用するということにしておりますし、また証券投資信託の信託約款の重大な内容の変更あるいは解約に関する書面の投資家への交付の義務づけであるとか、あるいは運用報告書の交付の義務づけ、さらにはまた、実は届け出制に移行いたしますけれども、この商品内容が投資家の利益が著しく害されている、あるいは害されることが明白な場合には、内閣総理大臣の申し立てによりまして、裁判所による販売差しとめ命令を創設する、こういった措置を講じているところでございます。
○金田勝年君 商品の面での自由化といいますか、投資信託を例にとりまして今お聞きしたわけですけれども、同時にサービスの面での自画化について、魅力あるサービスを仲介活動を通じてどのように提供するかということなんです。 証券会社というのは、従来収入のかなりの部分を手数料収入に依存しておったわけですけれども、よく言われる回転売買というような手数料収入がふえればいいんだという考え方、誤解を与えるような売買を顧客に対して過度に勧める回転売買、そういうものをやはり行っておったようなこともあるわけでありまして、そういう指摘もあるわけです。 ですから、これからの時代というのはそうではなくて、顧客のニーズにきめ細かくこたえていくサービスといいますか、そういうふうなことをさまざまな独創的なサービスという見地からさらに開発して提供していく、そういうことが非常に重要で期待されると思うわけですけれども、この点についてはどのようなお考えですか。
○政府委員(山本晃君) まさに委員御指摘のとおりだと思います。 先ほどもちょっと触れたところでございますが、今までは証券会社に専業義務というものを課していたわけでございます。これを例えば投資顧問業であるとかあるいは投資信託委託業などの証券業務に親近性の高い業務、これを幅広く証券会社が行える業務に規定をいたしまして、届け出でそれを行えるように、そういう仕組みに変えようということを今御提案させていただいているわけでございます。 今御指摘のありましたように、ややもすると手数料稼ぎの短期売買、それがまた日本の個人投資家というものを育ててこなかったという一因でもあるわけでございますけれども、こういったことによりまして今後は証券会社各社が創意工夫を凝らしてさまざまなサービスを開発し提供していく、そういう環境基盤と申しましょうか、そういったものをこの法案において整備させていただいているところでございます。
○金田勝年君 アメリカでも七五年の改革、メーデーと言われる改革によって手数料が完全に自由化された、そしてそれから業務の多角化が積極的に行われるようになったというふうに聞いております。証券会社は顧客資産の預かり残高に応じて手数料を取ると。ですから、何回売買を行っても先ほど申し上げたような回転売買といったような問題は起こらないという、ラップ口座というんですか、そういうやり方もとられているというふうに聞いているわけです。 今回の法律では、手数料が来年の末までに完全に自由化されるということでございます。また一方で、証券会社の専業義務も見直されるわけですから、その結果、アメリカにおけるようなラップ口座といったようなサービス、そういうものも利用者というか、投資家に利用可能になるんだ、こういうことなわけですね。一言で結構です。
○政府委員(山本晃君) そのとおりでございます。
○金田勝年君 そういうことで、サービスという見地からいろいろと魅力あるサービスを提供するんだという考え方で今回の制度改正を考えておられるわけですけれども、顧客のニーズを酌み取って魅力あるサービスを提供するということ、そしてまた同時に証券業界には新しい血を入れるという観点で証券会社の免許制を見直して登録制にするんだと。登録の要件も、参入を阻害するようなものにならないように競争を促進していく必要があるんだという考え方が十分生かされるように努力されるだろうと思うんですけれども、こういう規制緩和をやった場合には社会的な不適格者が逆に参入してくるといったようなおそれというものはないものかどうか、その点はいかがですか。
○政府委員(山本晃君) 今回、証券会社につきましては免許制から原則登録制に移行するわけでございますが、その際に証券会社の登録拒否事由といたしまして、証券取引法、投資顧問業法、投資信託法、貸金業法、出資法等のほかに刑法や暴力団対策法に違反して罰金の刑に処せられてから五年を経過しない者が取締役である会社、これを登録拒否事由として定めておりまして、過去に不法行為をした者は幅広く除外をしているところでございます。さらに、証券業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない会社、これには登録を拒否するというふうになっておりまして、いわゆる暴力団や総会屋など証券業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者に対します登録申請に対しましては金融監督庁長官におかれては適切に対処できるものというふうに考えているところでございます。
○金田勝年君 次に、多様なニーズがあるわけですけれども、そのニーズにこたえるべく市場システムを望ましい姿に変えるという改革も改正内容としてあるわけです。例えば、東京証券取引所でことしの二月だったと思うんですが、伝統的な場立ちというものがなくなっちゃったというふうに聞いているんですけれども、私なんかは昔の東京証券取引所を見に行ったりしていたことがあるものですから、一方で非常に寂しいなという感じもするんですね。やっぱり取引所というのはああいう場立ちがいてにぎわって、そしてそこで取引が行われているというその感じというものを私は持っているわけですけれども、そういう時代に応じて市場の形態というものも変わってくるんだ、それで全体として多様でかつ効率的な市場のシステムを整備していくんだ、恐らくそういう考え方でやられたんだろうと思うんです。 今回の法案の中には取引所集中義務の撤廃、そしてそれに伴う公正取引ルールの整備、店頭登録市場の機能強化、それから私設取引システムの導入といった市場の整備がいろんな角度で行われているんですけれども、これが全体としてまず何を目指しているのか、それから全体としてうまく機能するんだろうか、それからどのようなメリットがあるのか、その辺を簡単にお教えください。
○政府委員(山本晃君) 今御指摘のような改革というものはまさに最近の、今はまさに取引所に上場株券でありますと集中義務がかかっているということによりまして例えば大口の売買であるとかあるいはバスケット売買の執行あるいはコスト、こういった観点からそこがどうもうまく効率的に機能していないという状況があるわけでございます。こういった一連の改革によりまして投資家というものは投資家それぞれのニーズに応じまして取引の場を選択することができる、こういうメリットがあろうかと思います。また、企業にとりましても資金の調達チャネルというものが多様化されるといったメリットがあるわけでございます。いずれにいたしましても、恐らく利用者のニーズに即しましてそれぞれの市場というものが使い分けられていくのではないか、そのことによって全体として効率的で活力ある市場が形成されるものというふうに期待をしているところでございます。
○金田勝年君 全体としてうまく機能するように、今回の改正を踏まえてよく見ていっていただきたいなと思うわけであります。 次に、フェアに関することなんですけれども、やっぱり安心して利用できる市場というものを実現していかなければいけないと思うわけですね。証券市場が大きく変わっていく中で、規制緩和の中で安心して利用できる、そのためには例えば規制緩和で自己責任原則が高まるとはいっても一方で投資家保護をきっちりやるとか、それから利用者が安心して取引を行うことができるんだという、そういう枠組みといいますかそういうものをきっちり制度上担保してやり、また実効上もそれを確保してあげるというのが重要なことだと思うんですけれども、その点についていかがになっておりますか。
○政府委員(山本晃君) まさに今回の金融システム改革の中身と申しますものは、まず利用者に、つまり利用者たる国民に資産運用調達面で多様な選択肢を可能にするということが第一点でございます。 第二点としては、まさに委員の今御指摘のありましたとおり、利用者が安心して取引を行えるようにするということでございます。これはいわば広い意味での投資家保護ということになろうかと思います。 今回の法案におきましては、いわゆる顧客適合性の原則や利益相反防止規定等の整備でありますとかあるいは銀行等の金融機関による顧客への説明義務の導入であるとか、また金融機関、証券会社のディスクロージャーの拡充、それから、委員もちょっとお触れになられましたけれども、インサイダー取引、相場操縦等に係る公正取引ルールの整備や没収・追徴規定の創設等の罰則の強化、そして証券会社につきましては分別管理義務の強化、投資者保護基金、あるいは保険につきましては保険契約者保護機構の創設など、我が国市場に投資家が安心して取引に参加できるための諸般の措置を講じているところでございます。
○金田勝年君 その措置をうまく機能させるように頑張っていただきたいんですが、そうはいってもトラブルというものは、やはり自己責任が要求されるわけですけれども、これまで以上にふえていくのもやっぱり避けられない傾向ではないかと。規制が緩和されますと、行政が事前に商品のチェックをするということもなくなるでしょうし、また業者の提供するサービスについて行政がチェックをするということもなくなるわけですから、そういう意味ではトラブルも当然にふえていくと。 そういう傾向の中で、例えば、よく言われることなんですが、イギリスで金融サービス法が金融ビッグバンと同時に制定された、我が国ではそれがないじゃないかというふうな御意見もいろんなところで聞くわけです。これでは利用者の保護が図れないのではないかというふうな指摘もあるわけですけれども、こういうことに対しては我が国でこういう法律がなくても大丈夫なのかという点についてお聞かせください。
○政府委員(山口公生君) 今回御審議いただいております法律案におきましても利用者の保護のためのできるだけの配慮をさせていただいておりますが、現に当委員会でも、金融サービス法のようなものを真剣に考えるべきだという御指摘がありまして、私の方も努力をいたしますという御答弁も申し上げているところでございます。 御指摘のように、イギリスにおきましては業法が十分に整備されていなかったということも背景にありましょう。金融サービス法が制定されております。アメリカでは業法がかなり整備されておりまして、基本的には業法ベースで利用者保護の措置を担保しております。物の考え方の整理として、業法という業者、つまり銀行とか証券とか保険、そういったものを見ながら利用者を保護していくという業法の考え方、それとまた別の考え方で証券取引法のように市場というもの、これが公正に動かなければならないという市場法的な考え方、それからもう一つは取引、すべて金融も取引ですから取引そのものをいろいろ規制していくという、大体大きく分けると三つぐらいの考え方があり得ると思うんです。 それで、例えば私が今関係させていただいております銀行法だと、銀行というものを免許制のもとできっちりやらせることで利用者の保護も図るという考え方をベースにしてあります。ところが、貸金業法とかいうものを見ますと、取引そのものをこうしちゃいけないああしちゃいけないというふうに書いてあります。中間的なものとして証券取引法みたいな市場を公正にやる、そういう法律の体系も攻め口がいろいろあるわけであります。それから、プロとアマを分けるべきか分けるべきでないかという議論もあります。そういったことで非常に難しい、また奥の深い議論でありますが、いろいろ努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○金田勝年君 いろいろと質問申し上げたいことはあるんですけれども、ここで証券関係でちょっと大蔵大臣にお聞きしたいんです。 証券市場に対する期待が国民の資産運用の面あるいは企業の資金調達の面でも大きくなっていくわけですけれども、証券市場が国民から遊離しておって、株式を保有することが倫理的に望ましくないといったような風潮が出てきたりすると非常に残念だというふうに考えるんですけれども、その辺については大蔵大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(松永光君) これも古い世代の私の物の見方は委員と少し違う点があるかもしれません。 日本という国は、従来から投機と投資との区別が余りつかないで、そして投機的なものはもう絶対やっちゃいかぬとそれぞれの家の家訓になっているような家もたくさんあるんですね、昔は。すなわち、株に手を出して先祖伝来の田地田畑を全部なくしたなどという例が時たまあったわけですね。それがいろんな方面に伝わっていって、そこで株なんかに手を出すものじゃないというのがその家の末代までの家訓になっているような家もあるというふうに聞いております。投機と投資は違うわけでありますけれども、似ている点もたくさんあると思いますが、その区別がまだはっきりしていない点もあろうと思うんです。 それからもう一つは、株式で大もうけして大きな事業を展開したという人も私は知っておるわけでありますけれども、株式で大もうけして事業を展開しているという人は自分ではそれは言わないんですね。それで、失敗した人は株に手を出して失敗したと、こういうふうに言うわけであります。そういったことの影響で、我が国では株式投資というものについては積極的でない人が多いような感じが私はしております。そして、特に地方の農山村の方は郵便局が一番かたいだろうというわけで郵貯がふえているんじゃなかろうかというふうに思います。 しかし、やはり時代は変わってきたわけでありまして、株式に投資する、すなわち比較的安全な将来性のある株を買う、そしてそれを持っておるというと預金などと比べればはるかにそっちの方が有利だという場合が多いだろうと思うのでありますけれども、そういったことを考えますと、株式販売に関与するのは好ましいことではないという風潮、これは私はなくしていかねばならぬと思いますし、徐々になくなっていくだろうと、こういうふうに思います。 そういうこともあって、実は政治家の株の取引について悪だということを前提にした措置がなされようとした場合に、それはおかしいんじゃないかという議論が出てきたのはそこらにあるんじゃなかろうかと。ただし、私は株の売買はいたしておりません。非常に親しい人から勧められて家内が買ったのはあるようでありますけれども、たんすの下の方にしまい込んだままでその株券が見つからないで、今度閣僚になったので届け出をする必要上、どうしても見つからないから裁判所に申請して株券の失権手続をして、そして新たな株券を取得して、それを届け出たということをやったわけであります。 いずれにせよ、やっぱり国民の持っていらっしゃる資産というものが、この低金利時代に預金をしておってもたんす預金と余り変わらぬなどという状態を考えますというと、いろんな有利な運用の場が提供されるということは国民の利益でありますから、先ほど話が出ておりましたように、運用の場を提供する側にきちっとした説明責任を課して、そして利用者が万が一の損がないように、だまされないようにそういった仕組みをつくった上で株式と有価証券に対する投資が拡大していくということは国民にとっていいことであるというふうに思います。
○金田勝年君 これだけの改革をやるわけですから、株式市場あるいは証券市場に対する大臣の考え方もちょっとお聞きしたいと思って質問したわけですが、時間の関係上、続いてまいります。 次は、保険の関係を質問させていただきたいと思います。 今非常に低金利の状態が続いているわけでございまして、保険会社は予定利率というものと運用利回りとの関係で逆ざや現象が出て大変だというふうな話はよく聞くわけでございますけれども、当面日本銀行の方は金融緩和を維持していくような方針のようでございます。資産運用の環境が非常に厳しい、そういう中で今回の法案の中を見ますと、保険会社にも早期是正措置を導入しようということで手当てをしておられる。早期是正措置自体は早目早目に経営の改善を促すものですし、行政の透明性の向上にも資するだろうというふうに思うんです。 そこで、早期是正制度との絡みで保険会社の健全性をはかる指標でソルベンシーマージン比率というものがあるわけでございますね。そのことについてちょっと簡単にお聞きしたいと思うわけであります。 そもそも保険会社というのは責任準備金で通常の保険金の支払いができるわけですけれども、それを超えてまたさらにリスクがある、それに対応するものとしてソルベンシーマージン比率というものが一つの健全性指標になっておるわけですけれども、これは幾らあれば保険会社が健全であるということで受けとめていいものなのか、そのソルベンシーマージン比率についてもディスクローズすることにいずれなると思いますし、また今後関係省令をつくる際にはそういう議論が行われていくとは思いますけれども、一般に市場では二年ほど前から二〇〇%あれば十分な水準だというふうに受けとめられているように聞くわけですけれども、行政当局としてはその数値をどのように考えておられるか、簡単に教えてください。
○政府委員(福田誠君) 御指摘のように、早期是正措置はソルベンシーマージン比率という客観的な指標をもとに実施されるわけでございますが、お尋ねのソルベンシーマージン比率が何%以上あれば必要かつ十分かということはなかなか難しい問題でございます。 今おっしゃったように、財務の専門家あるいはマーケット数字ではそのソルベンシーマージン比率の定義あるいは算出方法から見ておおむね二〇〇%あれば十分であるとの意見が大勢を占めているわけでございまして、私ども行政当局としてもそのような線がおおむね妥当なものと考えております。 また、ソルベンシーマージン比率は、今御指摘のように、通常のリスクを超える支払い余力ということですので、その比率が高い場合は総合的にリスク対応能力が高いということにはなりますけれども、社員とか株主への利益の還元という関係で見ますと、必ずしも高ければ高いほどよいというものでもございません。 そういうことで、そのようないろいろな要素を考えながら早期是正措置の細目についても策定してまいりたいと存じております。
○金田勝年君 それから、保険関係ですと今回の改正の中で保険契約者保護機構が創設されるわけであります。そして、保険会社の負担ということで考えますと、先ほど話したように、今非常に巨額の逆ざやが発生しているような状況、そしてまたかつてありました破綻した生命保険会社の処理、いろいろあるわけですけれども、そういう中でこの保険契約者保護機構という安全ネットを創設して、これに対しては負担金を毎年積み立てていく、こういうふうなスキームができるわけですけれども、この際にぎりぎりの負担を各社に求めるということになるのだろうと思います。 ただ、今置かれた状況、そういうものもやはり考えながら、生保、損保の業界の経営の実情あるいは負担能力、そういうものを考慮して秋に向けての政令というものが検討されると思うんですが、その辺についての考え方を教えていただきたいと思います。
○政府委員(福田誠君) 今回御審議いただいております保険契約者保護機構が将来どれだけの資金が必要かということはなかなか現時点で予測できないわけでございますが、あくまで制度創設に当たっての考え方といたしましては十年間という期間をとって複数の破綻が起きた場合にも契約者の保護ができるようにということで、他方で保険会社の健全性も考慮いたしまして生命保険の場合は十年間で約四千億円程度、損害保険の場合には五百億円程度を考えておりまして、これをもって事前積立限度額ということにしてはいかがかと考えているわけでございます。そういたしますと、毎年の年間負担額といたしましては、それぞれ生命保険の場合は四千億円の十分の一の四百億円程度、損害保険の場合は五百億円の十分の一の五十億円程度が一つの目安ではないかと考えているわけでございます。 また、保険会社の負担が青天井にならないようにという意味で積み立てた額で賄い切れない破綻が生じた場合にはとりあえず機構は借り入れを行って対応するわけでございますが、今御指摘のように、その借り入れにつきましては政令によって限度額を設けるつもりでございます。その政令の限度額についても、今申し上げたような保険会社の健全性の確保ということにも配慮しながらその政令限度額を定めてまいりたいと思っているわけでございます。
○金田勝年君 二つの限度額という話がありましたが、そういうものを考慮していく際には今の置かれた状況というものをよく踏まえて十分な検討をされるようにしていただきたいというふうに思うわけであります。 それから、損害保険の方なんですけれども、今度、例えば国民の日常生活に密着した自動車保険とか火災保険、傷害保険といったようなものについてはこれまでは損害保険料率算出団体、算定会が算出する料率を通じて同一の安定的な保険料で引き受けが行われていたわけですけれども、ことしの七月一日以降、これは一番早い施行期日ですけれども、各社ばらばらの料率体系で多様な自動車保険あるいは火災保険というものを売り出していくことが可能になるわけです。 これも自由化ですが、一方では保険料の高騰によって引き受けできなかったり、あるいは保険を購入できない層が出てしまう。若い人たちで事故の多いところに属するような人とか、そういうような人が出てきたりして消費者、保険加入者に混乱を来すようないわゆる損害保険の安定供給に懸念が生ずるような事態というものが出てきやしないかということを非常に心配するわけですけれども、そういうデメリットも想定されるんですけれども、大蔵省としてはこの損害保険料率の自由化にどのような方針で臨むつもりですか。簡単にお願いします。
○政府委員(福田誠君) 今般の料率自由化でございますが、これによりまして各社では多様な保険料率の設定が行われて保険契約者に魅力のある商品の開発ができるということでございますが、他方で御懸念のようなこともございます。 私どもといたしましては、今回の法改正で会員の料率使用義務が廃止された後におきましても、まず法令上料率の審査基準がございますので、契約者の保護あるいは保険会社の健全性確保の観点から料率三原則というのがございますが、合理的かつ妥当で不当に差別的でないというような、そういう法令上の審査基準を厳密にチェックをして監督を継続してまいりたいというのが第一点でございます。 それから、特にリスク細分型の自動車保険につきましては、これは被害者救済という側面を持つ商品でございますので昨年出させていただきましたガイドラインを、自動車保険の安定供給に支障の発生が懸念される間はこのガイドラインを維持してまいりたいというふうに思っております。 いずれにしましても、自由化措置の結果、料率の高騰等によりまして国民生活に不可欠な保険の安定的供給が損なわれないように適切に対応してまいるつもりでございます。
○金田勝年君 時間も限られてまいりました。 SPC法案について私の考えをちょっと述べさせていただいて、簡単に一言お願いします。 四月二十二日、土地・債権流動化トータルプランを我が自由民主党が取りまとめて日本経済を再生させるための総合戦略を打ち立てた、そして四月二十四日に総合経済対策を取りまとめて土地・債権の流動化と土地の有効利用についての総合的な対策を打ち立てたわけですけれども、その際にSPCも含めて行っておるわけですけれども、この法案が実際に活用され、定着していくということがこういう見地からも非常に重要だ、このように考えております。 そして、もともとこの法案については資産の流動化という観点からさまざまな角度からの強いニーズがあったものでございますし、金融機関あるいは一般企業にとって、国民全般にとってそれぞれのニーズというものがあったわけであります。ですから、そういうものを考えて十分に今議論しておりますSPC法案につきまして、株式型の有価証券を通じた資産の流動化を可能にすることができる方式、ディスクロージャーの徹底、それから投資家保護といったような措置を十分にとることによってこれがうまく機能するようにしていただきたいと思うのですが、簡単に一言お願いいたします。
○政府委員(山口公生君) 先生がおっしゃいましたように、このSPC法というのは今までの商法の概念と全く違う概念で特別な法律であります。それで、この委員会でもこれだけ御議論をいただいておりますので、ぜひこれを意義のあるものとして育てていきたいというふうに考えております。
○金田勝年君 最後に一言、大蔵大臣にお聞きしたいと思います。 今の金融システム改革の四法案でございますが、実際の内容は大変な内容であります。今の我が国の置かれた状況、金融と経済の現状というものはおよそほかの国も経験したことのない状況に直面していると私は思うのであります。 その理由は何であるかといいますと、四点ぐらい挙げますと、まず金融監督庁が六月二十二日にでき上がります。これは大変な行政、日本の方針の転換だと思います。それから、中央銀行につきましては、日銀が去年日銀法の改正を行いまして、そして独立性の確保ということでいろんなものからの独立てございますが、そういう中央銀行の独立性、これが二つ目。三つ目は、やはりバブルの不良債権の処理がまだ課題として非常に大きく残っておる、こういう状況。これは今まさに金融再生トータルプランの中でも議論を重ねておるところなのでありますが、その中にSPC法案が貢献する部分もあるわけですけれども、そういう不良債権の処理がいまだ非常に大きい問題として残っている状況。それともう一つはビッグバンがこういう形で行われるという状況。 この四つが重なっているという我が国の置かれた状況というのはおよそアメリカでもイギリスでも経験したことのない状況だと思います。こういう時期をしっかりと乗り切っていくその決意、そしてその考えを簡単にお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(松永光君) 今、委員仰せのような大変な問題を抱えた状況の中で金融ビッグバンを進めていかにゃならぬ、こういうことになっておるわけでありますが、しかしアメリカ、イギリス等欧米の金融改革のときも決して経済が順調な状況ではなかったと私は見ております。例えば、英国は大変な不況下にあえいでおった、アメリカは貯蓄貸付組合等々の破綻問題で相当な苦労をしておるという時期に改革をやり遂げて今日の発展を迎えておるということを考えますと、厳しさはありますけれども、この金融改革をやり遂げて、そして国民に対しては持っておる資金のより有利な活用の場が提供される、そしてまた金融市場が活性化すること等を通じて資金を必要とする側は必要な資金を銀行以外からも入手できる、あるいは銀行以外の方がむしろ重点になるぐらいで入手できる、こういったことを通じて日本の経済の活性化が図られていく、そういったことだろうと思うのでありまして、それが実現に向けて最大限の努力をしていきたいと、こう考えておるところでございます。
○金田勝年君 終わります。
○今泉昭君 民主党・新緑風会の今泉でございます。 私に与えられた時間は一時間三十分ございますが、午前中三十分と午後からというふうに分かれておりますので、午前中は少し大きな課題についてのみ大蔵大臣にいろいろとお伺いをしてみたいというふうに思います。 今回のこのビッグバンにつきまして、政府におきましてはいろいろな形でその必要性、考え方を述べてきておられるわけでございますが、私どもの、あるいは国民の耳に入ってくる言葉というのは、一つは、我が国の金融システムを基本的に構造改革をして世界に引けをとらないような金融の活性化を行っていきたい。よく言われるんですが、ニューヨークやロンドン市場と同じような市場を日本につくっていかなきゃならない。そのためにも金融の抜本的な改革が必要だということが言われる。あわせて、特に生活も豊かになったことでありますし、そういう意味では国民が、あるいは消費者が自分の意思でもっていろんな選択肢がとれるような金融市場というものをつくり上げていかなきゃならない。そのことが国民の生活を向上しあるいは我が国の産業を活性化していくために大変役立つんだということを訴えられてきたと思います。 そして、キャッチフレーズとして、フェア、フリー、グローバルということを盛んに言われてきたわけでございます。フリー、フェア、グローバルというのは一つのキャッチフレーズでありまして、目的でも何でもないだろうと思うんですが、私はそういうことを聞いている中で、我が国の金融政策にとりまして一番欠けるものは何なのだろうかというふうに考えてみますと、国家としての金融戦略というんですか、こういうものの柱が実は見当たらないということなのであります。 アメリカにしろEUにしろ、いろんな意味での国家戦略というのは実にすぐれている国民でございまして、そういう意味ではその国家戦略を軸にいたしましていろんな言葉を使って世界と渡り合ってきているということですが、どうも我が国のこの金融システムの改革を見てみますと、我が国としてこのような金融戦略を持って世界の金融市場に乗り出していくというものが一つも見当たらない。むしろ、アメリカを中心とした金融戦略を押しつけられて、それにどうやって対応するかという姿勢が最も目立っているのではないかという点では大変残念なのであります。 これは私が言うまでもないことでございますが、今や、アメリカのドルという、強いドルを基軸にいたしましてアメリカは金融戦略を前面に打ち出して、ある意味では、悪い言葉かもしれないけれども、世界的な制覇を心に秘めて日々の金融政策を打ち出してきているわけであります。 これに対してEU側はEU側で、イギリスは同じEUの中でもちょっと違った国でありますから、どちらかというとアメリカと同じように考えてもいいと私は思っているんですが、EU全体としては、EUの中で新しいEU通貨を中心とした世界金融戦略というものを着々と進めていると私は思うのであります。ドルが今や世界経済の六割から七割を経済活動の中で占めている基軸通貨になっているわけでございますが、これに対抗するEUの通貨というものをユーロという形でつくり上げて、アメリカの思うままの世界の姿にするというのは避けようではないかという強い意思が私はこれにはうかがわれると思うわけです。 これに対して日本はどうなのか。一時はアジアを中心としたアジア圏に円構想をいろいろ考えたような話も聞いておりますが、それは具体的な形で一つも実らせたわけではないし、具体的な形で一応やったと思ったらアメリカにつぶされちゃったという経過も実はあるわけでございます。今や世界の経済大国の三強の一つになっている日本が世界戦略というものを持たずにやっているこの金融政策は、大変危険な気がしてならないわけでございます。 私は、昔のような産業政策というものが必要だということは申し上げませんけれども、この金融問題に関しましてはどちらかといえば日本は、今中心に流れている、グローバルという耳ざわりのいい言葉で流れているアングロサクソン流の金融のグローバル化というものでは、我々の日本の文化、国民性からいって全く異質の世界に実は投げ出されるような気がしてならないわけなのであります。 そういう意味で、ひとつ大蔵大臣、我が国としてこういうものを前面に打ち出して世界に訴えていけということではございません、そういう腹づもりですね、我が国の金融戦略としての腹づもりというものはやっぱり持っていてもらわなきゃいけないと思うんですが、それについていかがでございましょうか。
○国務大臣(松永光君) 委員も私も昭和一けただと思うのでありますが、私どもの物の考え方としては、やはり国家というものを考えて、そして実は産業政策を考える場合に常に国家の大方針が一つあって、抽象的であっても結構だからその方針に基づいて産業政策は推進さるべきものと。同じように金融の分野でも、国としての大きな戦略を立ててそれに基づいて進むべきものという考え方は、表に出すかどうかは別として、心の中にはお互いに秘めている問題だろうと思います。私の立場であるとそれを言うわけにはいかぬわけであります。 今、私が考えておりますことは、もう事のよしあしは別として、ベルリンの壁崩壊後、世界が全体として大変な自由競争時代に入った、そして一番力が強いのが総合的な面でアメリカ、したがってアメリカの通貨であるドルの世界の基軸通貨としての役割はますますでかくなっているというのが現実の姿だろうと思います。 ところが、このドルに対する我が国の通貨である円の比率というものが非常に変動する、そういうことのために我が国の経済があるいは国民生活が相当急激に影響を受けるなどという事態もしばしば経験したところです。 そういったことを考えると、結局、どの程度その国の通貨が世界の中で通用するかという問題は総合的なその国の経済力にはって決まるんじゃなかろうかと、私はそう思います。日本の経済もこれほど実は強さを持っておるわけでありますから、したがって円というものが小さい地域だけあるいは日本の国内だけで通用する通貨ではなくして、ある程度世界の中でも通用する、そういう通貨になるようにしていくことが日本経済にとってあるいは日本国民にとって利益であるというふうに私は考えます。 そういったことから、円の国際化というのを着実に進めていく必要がある。それが実現できれば、少なくとも日本の産業界、為替リスクというのを負わないで活動ができるわけでありますから、同時にまたそれは日本の国民生活にとっても安定したものがもたらされると、こう思うわけであります。 今回の金融ビッグバン、先ほど申したように、世界の中から規制というものがなくなった、経済規制は全部撤廃すべきだと。欧米については撤廃が進んでおるわけですね。日本だけは残っておった、社会的な規制は別として。しかも、日本の国内の経済活動について経済規制原則撤廃ということになりますというと、内外無差別でありますから、したがって当然のことながら外国の強い企業も日本にどんどん参入してくる、こういう事態にもう前からなっておるわけですね。 そこで、そういう時代になったということを前提にすれば、実は日本の金融市場というものも、あるいは金融に関するいろんな規制というものもできるだけ撤廃をして、撤廃していけば当然のことながら自由競争がますます活発になる。それを通じて日本の金融関係業界もいろんな技術の改革をし、あるいは新商品の開発も盛んに研究して実行し、そういった活動を通じて日本の金融業界も強くなってもらいたい。そしてまた、国民により有利な運用の場を提供する、こういったこともしっかりやってもらいたい。これを通じて、アメリカやイギリスは市場が活性化して非常な発展を遂げておる、それにこれから速やかに追いつくようにしていく必要があると。 私は、そういう考え方で橋本総理は金融ビッグバンを提唱され、それに基づいてできるものから着実に実行に移してきて、この四法が通過をし成立させていただいた後は、目指すところのロンドンあるいはニューヨークと肩を並べ得るような活性化された日本の金融市場ができ上がると。それは国民にとって非常な利益でありますし、あるいは経済の発展にも大きく貢献すると。それを通じて二十一世紀の高齢社会において国民が安定した生活ができるような状態をつくり上げて国民の幸せを守っていこう、そういう戦略で橋本総理はこの金融ビッグバンを提唱されたものというふうに私は理解をしておるわけであります。
○今泉昭君 先ほど大蔵大臣が、古い世代に属する人間だということで、古い教育を受けた、古い価値観だということを盛んにお断りになるような形で言われているけれども、私も実はそういう世代に育った人間でございますから、ある意味では大変価値観を共有する一面が多いと思うんですが、そういう意味で、私は国家というものについての意識は大変強く持っている人間の一人なんですね。 最近よく政治家の中でもグローバル化ということで、国連中心で何でもかんでも国連にというような形で、世界国家であるとかなんとかと言う方もいらっしゃいますけれども、物事の中心は、国家がしっかりしていて国家が中心になって世界の平和を築いていくという立場ですから、国家としてのあり方をどうしていくかということがやはり基本になきゃならないというふうに私は思っているんです。 そこで、先ほど大蔵大臣も製造業の話をされましたけれども、私は、このことと比較しながら今後の金融政策、金融ビッグバンというものを考えていくべきだろうと思うわけであります。 たびたび申し上げましたけれども、昭和三十九年にOECDに加盟をし、IMFの八条国に移行し、四十年から実は製造業の自由化が始まっているわけです。自動車の自由化が始まった、そのとき世の中が何と言ったか。当時、GM一社の売上高というのは我が国の国家予算に匹敵する大きな規模、いや、それを上回るような大きな規模であったわけです。だから、自由化になれば日本の自動車メーカーなんというのはひとたまりもなく飲み込まれてしまうよと、これが一般的な危機感であったわけですね。 そういう中において我が国は何をやっていったか。これは、そのときは、世界的に悪名高くなっちゃったけれども、通産を中心としたところのいわゆる産業政策というものが大変大きな役割を担ったことは私は否定できないと思うわけであります。ある意味では精神的なバックボーンを受けながら、それぞれの製造業は物すごい苦労をしながら今日の冠たる製造業をつくり上げてきたということがあるわけであります。 そういう意味であるならば、これからの我が国の金融政策というものもしっかりとしたやはり大蔵を中心とした金融政策にする、隠れてでも。余り、今こういう時代ですから、世界的に産業政策を打ち出すとまた袋だたきになるでしょう。あるいはそれが規制だと言われる一面もあるから、それは別としましても、国としての我が国の金融産業というものを世界的にどう位置づけていくのか。国内におけるところの例えば銀行にしろ証券にしろ生保にしろ、ある意味ではどういう整理統合が必要かというような大きな一つのマップを描いて指導していかなきゃならないと思うわけでありまして、そしてそういうものがどのような形で世界の金融市場に役割を示していくかということがなければならないと思うんですが、どうも私どもにはそれが聞こえてこないわけですね。 これは一つは、このような世の中の世界的な争いというのは文化的な衝突でもあるわけですね。 というのは、今から十二、三年前でしたか、ちょうどこの間サミットがございましたバーミンガムでIMFの世界先端技術会議というのがございました。これはインターナショナル・マネタリー・ファンドのIMFではなくして、たまたまインターナショナル・メタルワーカーズ・フェデレーション、労働組合としての世界会議でございましたが、私はそのときにイギリスに行ったときに、たまたま新聞を目にいたしました。これはガーディアンだったかイブニング・ポストだったか、ちょっと忘れましたけれども、こういうタイトルが目についたわけです。「ホワイウィーウエルカムジャパニーズインベンション」、これがタイトルであります。 中身を見てみますと、どういうことかというと、イギリスは大変なイギリス病から逃れようとして盛んに苦労していたときでありまして、日本からどんどん製造業が進出していきました。そして、日本の製造業が実はイギリスの製造業を立て直す形になって、イギリスの製造業が活性化をして、EUに向けての輸出の主導権をイギリスが持つようになった時期でありました。 それに伴いまして、実はイギリスの産業界においては、日本的な手法におけるところの生産のあり方、企業経営のあり方というのが実は嫌だけれども、受け入れなきゃならなかった。これは文化であります。日本の文化というものをイギリスとしては嫌だけれども受け入れなければならなくなった。要するに、自分たちを守るためにはそういう文化も受け入れていかなきゃならない、自分たちのこれは再建のためだというようなことも言外に含んだ文章が書いてあったわけです。我々は今、文化的な侵略を受けているんだ、だけれども、我々はこれを受け入れなければ我が国の再建はないという形で書かれていたわけですね。 ある意味では、今回のを見てみますと、金融ビッグバンというのは、ちょうどイギリスのことを日本に今持ってきたような形というものが生まれつつあるんじゃないか。金融環境を中心として日本の文化的な価値観というのを今塗りかえなきゃならないようなことになっているんです。 それはなぜかというと、アメリカを中心としたフリーというもの、市場に任せるという思想が余りにも前面に出過ぎて、今や日本の今までやってきた企業経営のあり方、労使関係のあり方すべて変えなきゃならないということになっているわけですね。例えば、真っ先に言われるのが年功序列が悪い、終身雇用が悪い、これを法的にも変えていかなきゃならないというのは基準法の一部にもう既に出始めているわけであります。これは実は文化の変化なんですよ。文化の侵略なんです、ある意味では、別室言葉で言えば。そこまで我が国がこの金融問題を軸として今受け身になっているということを考えてみますと、これは大変なことだと私は思うわけであります。 そういう意味で、私はこの金融界の再建を何としてでもやるためにはもっと日本が発言をしてほしいと思う、世界に対して。何でも受け入れるという形でやってほしくない。 具体的に言いますと、この間の新聞にもこういうことが出ていましたね。このアジアの通貨危機をなくすためにどのようにやっていくかというと、アメリカはさんざん口を出すけれども金は一切出さない、みんな日本に出せ出せと言ってきている。いい例が、IMFの追加基金を依然としてアメリカは議会で否定しているわけですよ。しかも滞納しているんですよ、ずっと。国連の会議だってそうでしょう。言いたいことは言うけれども義務を果たさない、そういうところが盛んに言ってくるやり方を唯々諾々と受けなきゃならない立場なのか。日本はさっさと国会で批准している、積立金の増額に対しても。 しかも、例えば北朝鮮の原子力の軽水炉の建設問題にしたって、あれだって八十億ドルぐらいかかると思われているが、建設費は日本と韓国で負担せよと言っているんでしょう。アメリカは何と、必要な重油の供給だけを持ちますと。年間六千万ドルぐらいですよ。日本は韓国と両方で八十億ドルぐらい受け持たなきゃならない。そういうようなやり方をしてきている、アメリカの場合は。 そういうことに対して、例えば日本が金融政策の面でアジアのIMF基金をつくろうという構想を出したらい拒否権を使ってつぶしちゃったじゃないですか。 だから、そういうことを考えてみますと、どうも日本の国家戦略というものが腰が据わっていない、こんなことでやっていたのではめちゃめちゃにされちゃう一面があるんじゃないかという気がしてならないわけでありますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は委員ほど自由に発言することができない点も実はあるわけなんです。ただ、物の考え方は非常に似ておるというふうに思います。 委員は製造業を例にとられて、特に自動車を例にとられてお話しになりました。あれは実際日本はある意味ではうまくやったと思うんですね。それはガットの仕組みが今日ほど普及をしていなかったという感じがあります。そのために通産省はどうしたかというと、日本の自動車産業が外国と競争できるまでは輸入を厳しく制限しておったんですね。その間に通産省は行政指導で強い三つか四つの自動車業界に編成をして対抗していこうと、こういったことで通産省主導型で製造業、なかんずく自動車産業の育成を図ってきた。しかし、その当時は日本はまだ今と違って国力のない国でありましたから、それがその当時の世界では通用したんだろうと思うんです。 それからまた、アングロサクソンの技術の話が出ましたが、実は日本の自動車産業が非常に効率がいい、能率がいいということの中には、ベルトコンベヤーシステムで生産ラインを引いてつくっていくという、それが日本の大変すぐれた生産技術の一つになっておるわけでありますが、あれは実は戦争中にアメリカが航空機を生産する場合、フォードの自動車工場で飛行機生産ラインをつくってそこでどんどん量産をしたということをまねて、日本が改良してつくったものだと言われておりますね。 さようなわけで、日本という国はうまくやれば必ず強くなれるそれだけの能力、そしてまた技術研究によって取得する技術力、それを持てる国だ、持てる民族という言葉が適当かどうか知りませんけれども、そういう人がたくさんいらっしゃる国だというふうに私は思っております。 現在のように日本の国力が全体として大きくなってきたわけでありますから、自動車産業を欧米に対抗できるようにしてきた産業政策というものを通産省がとったのと同じようなことを、まさか今の世界の中で大蔵省がやるわけにはいかぬだろうと、こういうふうに思います。 しかも、世界の経済の仕組みというのは、当然のことながら内外無差別が大原則でありますから、そこで日本の国内の金融業界を強くし、あるいは金融市場を活性化させていくためには、アメリカあるいはイギリスがやった金融改革を参考にしながら、規制緩和、自由化、そしてグローバル、もちろんフリーでフェアでなきゃならぬわけでありますが、それを取り入れた形での改革をしていくことが日本の金融業界を強くし、あるいは活性化させ、日本の金融市場そのものが大きく発展していくことになる、そういう考え方で総理の提唱のもとに我々はその実現に向けて努力をしていると、こういうことでございます。 私の今述べたことで答えになったかどうかわかりませんけれども、アングロサクソン批判等は私はしてはならぬ立場でもありますから、この程度でとどめさせていただきたいというふうに思います。
○今泉昭君 午前中の時間がなくなりましたので、午前中の最後として意見だけちょっと申し上げておきたいと思います。 私が申し上げました製造業の四十年代の場合は冷戦構造さなかでございましたから、副本の言うことは何でもアメリカは聞くという立場で自由なことができたという条件もありました。日本の力は大したことないというふうに甘く見ていた一面もあったんでしょう。しかしながら、そういう幸運にも恵まれて、日本は幸いにして世界のスタンダードというものを日本から発信できるような強い製造業を持ったことはこれは事実だろうと思うわけです。 今、世界はフリーだ、フリーだと言われているけれども、アメリカだってたくさんの関税障壁を持っているわけですよ。具体的に言いますと、鉄鋼の問題だってトリガープライスをつくったり、あの自動車の輸入制限というのはアメリカはすごいですからね。そういう意味からすると、アメリカは完全に日本に製造業の競争は負けたという感覚なんです。これは間違いないんです。彼らの戦略、結局、金融戦略で行こうというのがアメリカ全体の国家戦略ですよ。 アメリカという国はとにかく戦略研究所の多いところでありまして、これは政府がそういう産業政策をつくってやるということができない国でもありますから政府はやりませんけれども、その後ろに控えている民間の金融戦略機関というものがそういうおぜん立てをしていることはこれは事実なのでありまして、そういう意味でも我々としましては、この金融政策というのは今後のやっぱり我が国の国家基盤を左右する大変重要な課題でございますから、そういう意味でひとつぜひ日本の意見をどんどん出していただきたいし、もしドルを中心とした社会的金融システムができ上がってしまった場合は、今盛んに行われているアメリカのマネーゲーム、これがパンクしたときに世界が一斉に一挙に同時不況になることは間違いないわけであります。 そういう意味でも、やっぱり大きな力を持っている国はドル圏もあればあるいはユーロ圏もある、円決済圏もあるという形で、危険分散の意味でも、世界的な金融安定の危険分散のためにも我が国の金融というものの強固な基盤をつくっていただきたい、こういうふうに思います。 時間が参りましたので、午前中は終わります。
○委員長(石川弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の四案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今泉昭君 それでは、午前中に引き続きまして質問させていただきます。 まず最初に、銀行の不良債権の処理の問題につきましてお尋ね申し上げたいと思います。 三月期の銀行の決算報告などの場で各銀行の首脳が一様に述べているのは、不良債権の処理については一つの山を越したというようなことが言われております。また、中には政府の方からもそのようなことに近いことが聞こえてくるわけでございますが、私ども果たして金融機関の不良債権の処理の大きな山を越したのかどうかということに対しましては大変不安がまだございます。 そこで、まず銀行局長にお伺いしたいと思うんですが、一月に大蔵省の方でいわゆる不良債権に関しまして第Ⅰ分類から第Ⅳ分類について区分けをした資料が発表されたと思うわけでございますが、その後いろいろお聞きするところによりますと、例えばこの第Ⅱ分類の中での不良債権がさらに悪化して第Ⅲ分類の方に移っているというような話も聞きます。 そういう意味で、三月期決算の銀行の報告を受けた形で新しい第Ⅰ分類から第Ⅳ分類に関する調査がまとまっているのかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 今、決算が次々に発表されておる状況でございまして、主要行については全部公表されております。ただ、そういった銀行も含めまして、分類債権という概念ではまだ各銀行とも整理をし切っておりませんので、そういったものにつきましては私どもの手元にありますのはこの間御報告申し上げた数字だけでございます。
○今泉昭君 聞くところによりますと、例えば日銀のサンプル調査によりますと、第Ⅱ分類に区分けされている債権のうちの恐らく二割近くは三年後には第Ⅲ分類に劣化していくのではないかというような調査まで出ているようでございます。これに関連してではないでしょうけれども、与党の中からは、例えば梶山前官房長官あたりは、第Ⅲ分類に対する引当金というものを二〇%強制的にやるべきではないかそういうことでもしないことにはこの不良債権の健全なる処理というものが大変危険があるというような構想まで実は出ているわけでございますけれども、これに関しまして大蔵省の方ではどのように受けとめていらっしゃいますか。
○政府委員(山口公生君) 御承知のように、この分類といいますのは自己査定でございまして、その回収の容易度、困難度で分けておるわけでございます。 俗にⅡ分類と言われるものはよくリスク管理をして注意して見ていかなければならないという債権のジャンルでございまして、それにつきましての引き当て、償却のあるべき姿というものにつきましては公認会計士協会の方で考え方をまとめておられます。結論的に言いますと、個々の一本一本の債権について公認会計士の目で見て引き当てすべきものを引き当てるという考え方でやっておるということでございます。
○今泉昭君 こういう資料も出回っているわけでございます。例えば、一月に発表されました第Ⅲ分類、これは都銀、長銀、信銀等の第Ⅲ分類の総額は四十五兆三千億、地方銀行、第二地銀を入れますと約六十五兆余というふうに一般的に言われているわけでございますが、この第Ⅱ分類に該当するものというのは大多数が聞くところによりますとゼネコン関係、建築関係並びに不動産業界に貸し付けられたものの大半がこれに入っているというようにお聞きをしております。 御存じのように、このゼネコン関係、不動産関係というのは地価の下落によりまして大変に買いあさった資産をもてあましているような状態でありまして、いろんな形で企業危機が叫ばれている実は産業でございます。仮に、こういう試算も出ているわけでございますが、これらの不良資産が劣化していった場合に今後二割を引当金としてやらなきゃならないというふうになった場合どれくらい必要かというと、約十兆円ぐらい必要だと。 ところが、建設業界や不動産業界の年間の収益というのは約三・五兆円です。そうしますと、どれほどこれが大きな金額かということがわかるわけでございまして、中には第二地銀の場合は半数が債務超過に陥っていくのではないかというようなことさえも言われているわけでございます。そういう意味で、このゼネコン関係並びに不動産関係に関する不良資産の処理というものが今後の我が国の金融機関における不良資産の処理のキーポイントになっているんじゃないかというようなことまで報道されているわけであります。 中には、これが表面化するのは七月の選挙が終わってからではないかということまで実は言われているわけですね。七月前にこういう問題が浮上してきたならばいろんな意味で選挙に影響するということもありまして、この問題の処理を選挙後に先延ばししているということが盛んに聞こえてくるわけでございますが、これらの債務超過の問題につきまして、あるいは銀行のこの不良資産の処理の問題について、大蔵省としていろいろと事情聴取なり実態把握に努めていらっしゃるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(山口公生君) いろいろ御紹介いただきましたが、私どもは個々の銀行の不良債権についての例えば業種別の分析等はやってはおりません。全体として金融機関の健全性という観点から見ておるわけでございまして、それは銀行によっては今泉先生がおっしゃるようにゼネコン、不動産関係というのが多いところもあるでしょう。銀行によっては逆に地元中小の製造業という場合もあると思います。 いずれにせよ、現在の景況をいろいろ反映した形でのいろいろな御議論あるいは推測というのはよくなされておるわけでございますけれども、今後の景況の変化によってかなりその辺の様相も変わってくるのではないかという感じを持っておるわけでございます。 私ども銀行行政としては、引き当て、償却すべきものはきちんとそうした処理をして健全な姿を早く取り戻すということを指導の第一の理念にしているわけでございます。
○今泉昭君 株の実態を見てみますと、例えば建設会社の株価というのは、一つは相当数の会社がいわゆる危険水域と言われる百円株というものが目立っているわけですね。それからもう一つは、それぞれの企業が発行している社債、これらの利回りが実は何と二けた以上の利回りでもって金を集めなければならない。いわゆるジャンクボンドに近い状態ですよ、早い話が。公定歩合が〇・五%という時期に、そしてまた全体的な低金利時代に二けた以上の利回りを保証しているようなものが出るということは何を意味しているかということだろうと思うわけであります。 もう一つ我々が注意をしなきゃならないのは、いわゆるそれぞれの企業に対しまして我が国の場合はメーンバンクというものがございまして、メーンバンクが中心となっていろんな形で融資をし、あるいは保証をしているわけでございますけれども、いろいろ調べてみますと、メーンバンクだけではなくして、建設業や不動産関係だけではないんですけれども、全体的にそうではございますけれども、第二、第二、第四のいわゆる関係金融機関がそれぞれ貸し付けているわけでございますが、ここに来まして、いわゆる低位の銀行、メーンバンクから非常に遠い銀行がその建設業界への融資を引き揚げたいという気持ちが大変強く、行動の中で起こっているわけであります。 ところが、これは余り名前を出しちゃいけないのかもしれませんが、一つの例として申し上げますと、例えば飛島の場合は富士銀行がメーンだとか、ハザマの場合は第一勧銀であるとか、あるいは熊谷の場合は住友だというようなメーンが決まっているわけでございますが、それぞれみんな第二、第三の銀行が相互に交差して貸し付けている。 だから、仮に下位銀行が引き揚げた場合に、そのメーンである銀行が、それじゃ自分が別なところの下位銀行として貸し付けているのを報復的に引き揚げるというような動きさえないわけではないわけでございまして、そういうことがもし起こったとするならば、これはもうゼネコン関係というのは大変な事態を迎えるのではないかと思うんです。 というのは、不良債権の処理の問題というのは、あのバブルの時期に最大の不良債権を貸し付けた産業界というのは建設業界であり不動産業界であったわけでございますから、業種別にいろいろ検討はしていないとは言われても、そこを見過ごして、パスして無関心ではおられないんじゃないだろうかというふうに私は思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(山口公生君) 今、先生が御披露いただきましたような話を私も時に聞いておりますが、昨年の十二月でございましたか、東食という商社が倒産したときにまさに同じような現象が起きました。第二、第三、第四の銀行が手を引くとメーンバンクしか残らない。メーンバンクがそうした業況の悪いところを全部抱え切れるか、そこで思い切って倒産だという法的処理だというような動きになったやに記憶しております。そうした後に、今申し上げたような例で見ましても、かなり社会的あるいは経済的な混乱といいましょうか、実は東食の後株価が大変下がったことを私は記憶しておりますけれども、それにあらわれるように、社会的に非常に不安な状況を醸し出した、雰囲気を醸し出したことでもございました。 そういった金融あるいは特定な業種にまつわる扱いが社会的な混乱なりあるいは経済的な混乱、あるいは社会的な大きなコストを余りにも大きく引き出してしまうということについては、やはりいろいろ慎重な対応ということも必要ではないだろうかという感じがしておりますけれども、その辺はある意味ではマーケットそのもののプレーヤーであります金融機関自身もよくわかっております。今、先生がおっしゃったようなことも十分にわかっておるし、そういった経験も積んできておるわけでございます。そうしたものがうまくそういったシステミックリスクを起こさないような形で解決をしていくことを願っておるわけでございます。 万一の場合のいろいろ預金者保護、あるいはシステミックリスク対応のための金融二法等は整備させていただいておりますけれども、そういった社会全体の動きというものをプレーヤーが十分によく理解しながら行動をしているものと私は考えております。
○今泉昭君 不良債権を大量に抱えている金融機関が、今申し上げましたように、ゼネコンやあるいは不動産業界に対する大変な不良資産を何とか早期に解決するために、最近は、これは恐らく大蔵省あたりで流されているのかあるいは政府筋で流されているのか知りませんけれども、不良債権の処理に関して税制上の優遇措置を考えていこうじゃないかというような準備が進んでいるという話も散見するわけでございます。 いろんな意味で、銀行は低金利でもって預金者の所得を移転しながら不良債権処理のために、国民が一生懸命支援をする中で、また公的資金をこれに投入するとかという形で大変な面倒を見ているような状況でございます。 この不良資産の処理に関しましても税制面での処遇というものを検討されていると聞きますが、それはどういうことでございますか。
○国務大臣(松永光君) 主税局長が来ていないものですから、あるいは国税庁が来ていないものですから私が概括的なことを申し上げます。 結論から申し上げまして、今までとは違った取り扱いをする、すなわち優遇措置をするということではないわけでございます。一般論からいえば、銀行が民間に貸した金、これがもう取れないなという場合には損金という形になるわけですね。その場合に、損金として処理したということが合理的であるかどうかという問題がありますね。その判断の基準がややともすれば明確性を欠く点があったんじゃないか。それを明確にすることによって、銀行は明確になった基準で処理すると。そうすれば、国税当局もそれを認めるという結果になるのであろうということなのであります。 基本的に申し上げますと、今まではややともすれば現場の税務署長の判断によるものが多かったようでありますけれども、この機会に通達の中身を明確化して、すなわち損金として処理することを認めることの基準を明確にする、今までの取り扱いを通達の中で明確に定めるという考え方で今検討が進められておる、もうまとまりかけていると聞いておりますけれども、こういうことでございます。
○今泉昭君 時間も限られておりますので、別の問題でちょっと先に進ませていただきます。 SPCに関する問題につきまして少しお尋ねしたいと思うのであります。 不良債権、特に土地にまつわる不良債権、土地が凍りついて市場性がほとんど今なくなってしまって、土地の流動性が全くないというところから盛んにこのSPCの問題でもってひとつてこを入れようじゃないかというような動きが出ているわけでありますが、いろいろとデータを調べてみますと、不良債権化した土地を最近は外資が大変買いあさっているということが資料として出ております。 一般的に担保としてとられたものが処分される場合に、九七年当たりのデータによりますと、東京地裁あたりでは三カ月間に六千ぐらい取り扱ったそうでございますが、債権の回収率というのは担保設定額に比べて大体一一%から一五%ぐらいの金額でしか処分をされていないという実態が出ているというふうに言われているんです。最近の外資による買いあさりというのは一〇%をはるかに下回って、大体三%とか五%ぐらい、要するに百億円のものが三億円とか五億円ぐらいの大変安い形で買われていって不良債権なるものがどんどんと処分されていると。 実際上、考えてみると、金さえあれば私だって買いたいぐらいもったいない話なわけでございますが、そういうことを考えてみますと、このSPCなるものをつくって何とかその不良債権をそこにどんどん移していってというようなアイデアは当然出てくるのでございますけれども、しかしこのやり方が果たして今凍りついたような土地の流動化につながるのかどうか、あわせて今後の我が国の土地政策に望ましいのかどうかということに一縷の疑念を抱く面がございます。 例えば、仮にこのSPCで証券化する場合も、いわゆる土地そのものの所有権を移してしまうという場合もあるでしょうし、所有権が全然移らないで証券化だけしてばらばらやる、いろんなケースが当然あると思うのでございますが、しかしながら、外資がどんどん買っているように、とにかく一時的に買ってまた売っていくという、要するに利ざやを稼ぐことを目的として外資がいろんな形で動いた場合、虫食い状態にあるような土地を将来の都市計画であるとか土地の開発であるとかという形で再開発をしていこうとするときに、果たしてこれがそれのブレーキ要件になるのではないだろうかというのが一つ。 それからもう一つは、ただでも土地がどんどん下がる。下がるということはいい点もあるし、悪い点もあるんですが、どちらかといえば今の我が国の経済状態であるならば、むしろ土地は下げどまりになって多少でも上がってくれる方が不良債権処理のために望ましいんでしょうけれども、このような形でどんどん一〇〇のものが三%とか五%ぐらいの低い形で処理されていった場合、土地の価格というものがますます下がるという方向に追い打ちをかけるようなことにならないかどうか、そういう点の懸念があるわけでございますけれども、そういう点についてどのように考えていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(山口公生君) 二点御指摘がございました。 SPCの方へ売却をした場合、利ざや稼ぎのような行為でもって虫食い様土地等がかえってふえるのではないかという御懸念でございますけれども、SPCをつくって流動化する場合を考えてみますと、それは逆に資産を流動化してどう使うかということまでディスクローズをさせてSPCに売却をしますので、単純な売り買いですとSPCまでつくってやらないで特定の相手を見つけて売り買いすればいいわけでございますので、SPCをつくってそこに売却をして、それに例えばビルを建ててキャッシュフローを生み出して、それで利払いあるいは配当に充てる、こういう姿を描いてこの仕組みを利用するということを想定しておりますし、恐らくそういうものでなければこういったものは、こういう特例的な制度ですから、そう認められるものではないというふうに考える次第でございます。 ただ、その問題と再開発にブレーキをかけないようにということは別問題として、それは先生の御指摘のとおり大切なことでありますので、あくまでこれは金融行政とかいうこととは別に都市行政とかあるいは再開発のあり方という別の枠組みの中で、それはSPCがあろうとなかろうと確保していっていただかなければ我が国の都市政策、土地政策、再開発が十分に効果を上げ得ないということになろうかと思います。 それから二つ目の価格がどんどん下がるのを加速するのではないかという御懸念でございますが、確かにSPCに不動産なりあるいは不動産担保の債権を移すとなりますと、その不動産の評価額というものは恐らく考え方として収益還元価格方式をとらざるを得ないと思います。つまり、将来のキャッシュフローを現在価値で割り引いたときに採算がとれるかどうか今で言いますと、ちょっとリスクを加味して七%とか八%とか回ればそれは大いにペイするわけでございますので、果たしてそういう価格なのかどうかということ、不動産の価格として設定でき得るかということになろうかと思います。 そうしますと、今、不動産の価格はどうしても近傍近隣の取引事例ということで価格を設定しているケースが多うございますので、ある意味では一時的にSPCへ売却するときの価格は下がるということもあろうかと思います。しかし、それ以上下がるかというと、収益還元価格でもってこれはどう考えても七%で回るというような計算ができますと、それ以上下がりようがないと、逆に地価の底打ち感といいましょうか、そういったことも出てくるのじゃないかと思うわけでございます。 確かに、SPCのときの土地の価格の設定の仕方によっては一時的にそういった現象が起きてそういった見方をされる人も出てくるかもしれませんけれども、もともとそういう土地というものをこういう金融的な手法でもって有効利用を考えるということになりますと、どうしても本当に幾らの価値を将来生み出すかという意味からの価格設定ということになろうかと思いますので、むしろその方が土地の価格としては正当なのかもしれないという気がいたしております。
○今泉昭君 次に、生保関係のことをちょっとお聞きしたいというふうに思います。 まず最初に、金融界全体のことを考えてみまして、金融界の壁がどんどんなくなっていった、金融界で取り扱っている商品も生保で取り扱っている商品もこれから全く差がないような形で完全な自由化になった場合、相互乗り入れという立場からこれはあり得ることだろうと思うわけです。 そういう意味で、例えば銀行の場合は金融機関という位置づけなんでしょうけれども、そして金融機関という位置づけに基づいていろんな公的な支援、枠組みがつくられてきているでしょうけれども、例えば生保ということになるとどういう位置づけになるんでしょうか。同じような業務をやりながら、どちらかといえば生保というのは社会保障の一部を補完するような性格を大変強く持っている仕事ではないかと思うわけでございますが、どういうすみ分け、位置づけ、整理というものを考えていらっしゃいますか、ちょっとお聞きしたい。
○政府委員(福田誠君) 十分なお答えができるかどうかわかりかねますが、午前中、委員からも国家戦略との関係で金融は我が国の骨格、基盤であるというふうな御指摘ございましたけれども、私ども保険につきましても金融の中の一つであるという認識をしているわけでございます。 確かに、改めて申し上げるまでもございませんが、保険というものは生命保険、損害保険を通じまして国民生活、国民経済の基礎として万が一事故が発生した場合に国民の経済生活の連続性を保障するといういわばインフラ的な役割を持っていると思うわけでございます。他方で、ほかの側面でございますが、保険会社は実はその預かり資産の規模を申し上げますと個人貯蓄の約四分の一を占めるまでに至っておりまして、金融機関の一角として金融仲介機能も担っているわけでございます。 そういうことから、保険会社の位置づけということでございますが、現行制度でも保険業は金融業と同様に免許制になっておりますし、その経営のリスクを遮断するためにいわば専業義務のようなものもあるわけでございます。 そういう意味で、国民にとって不可欠な金融商品、ある意味では社会保障的な面も帯びておりますけれども、金融商品を提供しているということと金融機関の一つの機能も有しているということから、現行の保険業法におきましても保護基金というのを設けて契約者の保護に当たっているわけでございますし、その意味で、今回ビッグバンを迎えて金融システム改革が行われますとますます相互乗り入れが盛んになりますので、今申し上げたような保険会社の機能、役割を阻害しないようないろいろな仕組みを考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○今泉昭君 保険業界の資金約二百兆近くがいろんな金融面において使われて活躍をしている実態を考えてみますと、金融業としての役割というのも大変大きいわけですね。 ところが、今度いろいろと企画をされているとお聞きしております支払い保証制度、これについて我々に聞こえてくるのは、これには公的資金は使わない、むしろ積立金でもって、そして契約者に対しての補償も九割だと。銀行と同じように金融業に関与していながら、なぜそこの差が出てくるんでしょうか。
○政府委員(福田誠君) 大変難しいお尋ねでございますが、現行の契約者保護基金につきましても、これは会員である保険会社の相互扶助によって保険契約の継続を図るという、そういう制度でございます。 金融機関の場合に預金保険機構等々の措置が既に講じられておるわけでございますが、確かに似ている点としては先ほども申し上げた金融システムの一環を担っている面があるわけでございます。他方で、銀行、金融機関につきましては、やはり決済システムを持っているということでまた違った意味で非常に重要性があるわけでございまして、経緯的にはやはり預金者保護、決済システムの保護という方が既に制度的にも整備されてきたと。 保険契約者の場合も、それでは何ら公的なものが必要でないのかといいますと、そこは御指摘のとおりでございまして、今回御審議いただいている保護機構についても、預金者保護が例のペイオフが行われません二〇〇一年までは保険契約者についても手厚い保護をする必要があるということで、資金繰り支援ではございますが、政府保証とか日銀借り入れを組み込んだところでございます。 ただ、長期的には、やはりこれからの競争時代を迎えてディスクロージャーを促進すると同時に、契約者の自己負担というものも考えていかなければなりませんので、本則といいますか、その経過期間を過ぎますとやはり全額を保護するということはなかなかできない、また将来に向かって公的資金みたいなものを組み込むことについてはまだ十分な世の中のコンセンサスが得られてはいないのではないかということでございます。
○今泉昭君 ありがとうございました。 きょうは日銀総裁においでいただいておりますので、日銀関係について幾つかお聞きしたいと思います。 まず最初に、日銀の金利政策についてお伺いをしたいと思います。金利政策についてはもちろん大蔵にも関係ないわけではございませんけれども、日銀の専権事項でございますから、特に今後日銀として考えていらっしゃる金利政策についてお聞きしたいと思うわけであります。 言うまでもなく、我が国の低金利時代というのは随分長く、史上初めてじゃないかと思うぐらいに続いているわけでございまして、九〇年の八月の六%を境にいたしましてずっと我が国の公定歩合は下がってまいりました。九五年の八月から〇・五%というのがもう二年半近く実は続いていることになっているんです。 この低金利によるところのいろいろな弊害が最近は目立っているのではないだろうかと思います。確かに、国内の経済の元気を出させる意味で金利負担を縮小して景気を立ち直らせるという従来からの金利政策の大きな柱という意義は十分わかっているつもりでございますが、しかしこの低金利政策というのは万能ではないと私は思うわけでございまして、これが余り長く続くといろんな意味での弊害が多くなってくるのではないだろうかというふうに考えております。 一つは、特に高齢者の貯蓄に対する見返り、金利収入が少なくなって高齢者の方々が大変困っているというような問題。もう一般的に言われていることですからそういう問題を除きまして、最近のように卸売物価が大変下落をする、デフレの傾向にある中において、この低金利というのは企業に対して逆に高金利に匹敵するような効果を与えているのではないだろうか、物価が多少とも上昇する時期においては、低金利は大いに結構なんですが、卸売物価が低下をする、マイナスになるような状態において低金利というのは高金利と全く同じ効果をある面では与えているのではないだろうかと思うわけであります。 もう一つは、企業の経営というのは名目経営でございますから実質的な数字は余り問題にならないわけであります。名目的な数値がふえるということが一番焦点でありまして、このようなデフレ状況において企業に与える低金利という名目でありながら実質的には高金利の事態を生じているということは企業の経営にとっても大変プラスにはなっていないのではないだろうかというふうに思います。 さらに、御存じのように、企業はコスト管理を大変重視いたします。コストをいかに管理して企業の生産性を上げていくかということに意を払うわけでございますが、低金利が長く続いていますと、金利負担というのはこの程度のものだという感覚が根づいてしまうわけであります。金利負担コストというのも常識的な世界の流れがあるし、競争の社会においても一般の範囲というものがあるわけでございますが、日本だけがそういう意味での名目的な低金利の中でコスト負担がこれで当たり前だというふうになってしまいますと、金利に対するコスト意識が物すごく低下していくわけであります。もとに復した場合にこの負担がえらく重く感じるというような状態になっていくわけであります。 さらにもう一つ申し上げたいのは、この貸し渋りの状態でありまして、なかなか金を貸してもらえない、したがってノンバンクから金を借りなきゃならないとか別なところでとにかく金を調達しなきゃならないというような状況でありますし、市中の銀行でも意地の悪い銀行は、名目上は低金利政策になっているんだけれども、実質的には上積みした、ジャパン・プレミアムじゃないけれども何とかプレミアムをつけて実質的な高金利にさせて不良債権になったときの準備をしているんでしょう。 そういうような状況に今なっているということは、もうこれは低金利の弊害が大きく目立ってきているんじゃないかというふうに私は思うのでありまして、そろそろ金利政策の転換期に来ているんじゃないかと思いますが、総裁、いかがでございましょうか。
○参考人(速水優君) ただいまの委員の御質問、確かに余り低金利になれて企業の経営が甘くなるんじゃないかということは私どもも十分将来にわたって心配をしなきゃいけないことだと思うんです。しかし、今の国内景気の現状がそれをここで引き上げて企業のコストを高めてもいいかどうか。設備投資の現状や生産の現状を見ておりますと、まだまだやはり景気自体が金利面からも金融面からも下支えしていかなければならない状況であるというのが現状の判断でございます。 そういうことで、低金利の継続ということが企業のリストラ意欲を阻害しているのではないかというお尋ね、まことに見識のある御質問だと思うんですが、数字的に申してみますと、例えば最近、この四年間の中堅中小企業を見まして、景気のボトム時から九七年、昨年までの中堅中小企業の経常利益の増加率というのが六六%。これは数も随分ふえていますからあれなんですが、六六%。これは一千万から十億までの中堅中小企業ですが、そのうち金融収支の改善による分というのがプラス四四%。ほとんど三分の二が金融収支の改善で企業業績がよくなっている、経常利益がふえているというのが現状なんですね。今、これからの景気対策あるいは景気の動向を見ております限り、この時点でここのところを、企業のコストを上げていくということは、やっぱり彼らの新しい事業あるいは業績に対するマイナス要因になっていくことは明らかだというふうに思います。 もう一つは、最初におっしゃった家計、殊に年金生活者等の家計に対する金利が低過ぎるということが所得を抑えて需要を伸ばさないという、この点につきましても確かにおっしゃるとおりなんでございますけれども、これまたちょっと数字で見ますと、個人の場合でもやはり千二百兆円の預金、個人の金融資産があるとよく言われます。この中で預貯金というのは六百四十三兆なんですね。一方で、金融負債というのが三百八十一兆円。金融負債、家を借りたり買ったりするための借金だと思いますけれども、そういうものが多いんだろうと思いますけれども、こっちの方はやっぱり金利が上がればふえていくわけでございます。 それからもう一つ、所得の面で考えますと、雇用者の所得というのは九六年度ですけれども二百八十兆円、それに個人企業で五十七兆円と確実に所得の増加分があるわけでございまして、これはやはり低金利の一つの効果、低金利に支えられて企業が比較的経営がよくて所得を、給与をふやせるんだということのあらわれだと思うんです。 そういうふうに考えてみますと、これから景気対策十六兆円等が効果をあらわし始めて景況が少しずつ明るくなり始めれば別でございますけれども、今のこのいわばどん底の事態で金利を上げるということの先ほど御指摘のプラス要因というのはちょっとまだ早いんじゃないかというふうに感じております。 だからそういう意味で、最近、五月十九日でしたか、私どもの方でも政策委員会の金融政策決定会合がございまして、当面は金融政策について金融緩和基調を維持していくべきであるという結論を出して現在の金利になっておるわけでございます。 以上、御理解いただきたいと思います。
○今泉昭君 私どもは外からうかがい知るだけなものですから実際のことよくわからないんですが、伝わってくるところによりますと、実は二年前の日銀の金融政策委員会ですか、ここで金利政策の転換が大分論議をされたという話も聞いております。要するに金利の引き上げの問題であります。それがある意味では政府筋から抑えられたといううわさにもなっているわけでございますけれども、総裁が今言われた御説明は全然わからないわけじゃございません。 ただ、私どもが懸念をするのは、確かに企業経営の負担を少なくするために金利政策ということによって、そのことによって次のステップである期待をしている設備投資が高まるとか、生産が拡大をするというものにつながるならこれは大いに結構なわけでありまして、今の流れを見てみますと、一つの効果としてあらわれていないわけですね。むしろ縮小再生産ですよ。だんだん縮小されているものに使われているにすぎないということでございます。 そういう意味で、私としては、一体どういうところが政策の転換点になり得る条件なのか、どういうふうにお考えになっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(速水優君) これまた非常に現状において適切な御質問だと思うんですが、私、特にこのごろ感じますのは、景気というものと金融システムの信認の回復というものが二つぴったりくっついているものだというふうに思うんです。 そういう意味で、今やるべきことは、公共事業も大事でございましょうけれども、むしろ金融システムの信認を回復するためになるたけ早い時期に、先ほど御議論が出ておりましたような金融機関の不良資産のバランスシートからの引き落としといいますか、土地や不動産を流動化してそういうものを落としていって、売却なり処分をして、損は出ても不良貸し出しを減らしていく、金融機関の不良債権がこの一両年のうちに著しく落ちる措置をとっていただければかなり内外の日本経済に対する見方というものは変わってくるように思います。そういう意味でも、景気対策十六兆円、これをやると同時に、それが効いている間に金融システムの改善といいますか、金融機関の不良資産の処分が行われていくことを願ってやまない次第なんです。 そういう意味で、ぜひこれからの金融システム改善のための必要な法案を、先ほど御議論が出ておりましたような税制を含め、また金融機関がそういうものをやりやすくするような不動産あるいは土地の流動化が早く行われていくことを期待しておる次第でございます。
○今泉昭君 次に、先ほど金田議員からもちょっと出ていたわけでございますが、山一証券の問題につきまして日銀の方にちょっとお聞きをしたいというふうに思うわけでございます。 新聞等では二百二十五億の債務超過が明らかになったと。これに関しまして、金融機関の大手十四社では、これは劣後特約を結んだときの特約違反ではないかということを申し立てておりまして、特約の解除をにおわせるようなことを発言しております。さらにまた、債務超過以外に山一証券は資産整理の段階におきまして顧客とのトラブルがいろいろ生じておりまして、二百二十三億に上る賠償請求が出されているというようなことまで出ているわけでございます。そういうことからしますと、この債務超過という二百二十五億だけで済まないような状態が今生まれつつあるのではないかと思うわけです。 そこでお聞きしたいと思うわけですが、これは日銀特融を申請した場合に一体日銀としてはどのような審査をしているのかただ申請があったから、はいという形で出しているのかどうかこのようなことを十分に審査してきたのかどうか、その審査の段階ではそれに全然目が届かなかったのかどうかその件についてちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(速水優君) 御指摘の日銀特融実施を決定いたしましたときの私どもとしての状況がどういうことであったか、判断がどういうことであったかという点につきましては、山一証券からの報告に基づきまして、当時は一千億の資産超過の状況にあるというふうに聞いたわけでございます。この点は大蔵大臣に提出された臨時報告書の中にも書かれてあったと思います。 ただし、日本銀行が山一証券向けに特融実施を決定するに当たりましては、日本銀行の財務の健全性との関係もございますので、山一証券が資産超過の状況にあることを特融実施の条件としていたわけではございません。すなわち、万が一同社が債務超過の状態に陥ったような場合においても、当時の大蔵大臣談話でも言及されておられますように、政府において、本件の最終処理を含めて、寄託証券補償基金の財務基盤の充実とかその機能の強化等を図って適切に対処するという方針が示されておりましたために、そうした対応の中で特融の返済財源も確保できるというふうに判断した次第でございます。 そういう意味におきまして、また飛ばしとかいうようなことがわからなかったのかということが問題になるかもしれませんけれども、いわゆるこの飛ばしといった簿外債務の問題につきましては、直近の考査時点、それは平成九年の六月から七月にわたって考査をしておるわけでございますが、そのときに証券取引等監視委員会の指示を受けて今調査中であるという説明しか得られなかったわけです。日本銀行としては、調査を継続の上、実態がわかり次第遅滞なく報告するように要請したわけでございます。それが、その後地検による小池事件関連の捜査が入りましたために、考査結果の所見というのは十月になって行っております。これに対しまして、昨年十一月中旬に至って山一証券から社内調査の結果、含み損と簿外債務を認識した旨の報告があった次第でございます。 この辺のところは私どもとしては、今問題になっております寄託証券補償基金の改正等がこの国会で通過いたしまして、これが施行されることによって私どもが貸しております特融につきましても返済財源が確保されることを期待しておる次第でございます。
○今泉昭君 先ほど金田議員の質問の中で大蔵大臣は、劣後ローンは劣後なんだから、まず日銀特融を先に返すんだというふうに御答弁されておりましたが、先ほど私が申し上げましたように、その劣後契約は違法だというふうに訴えているわけですよね。まだ正式には手続はとっていないんでしょうけれども、そういう主張を金融機関はしているわけでありまして、これがどういう結果になるかによっては日銀特融の問題も大変公的資金にかかわる問題ですから、これは重要な問題になるわけであります。 そういう意味で、日銀特融、今後もいろんな形で当然使わなきゃならないわけでございますから、いいかげんな審査などという表現は言いませんけれども、ぜひひとつ十分に厳正なる監査体制というものをやっていただきたいというふうに要望しておきます。 時間がもうすっかりなくなってしまいましたので、日銀総裁にもう一点お伺いしたいと思うんですが、日銀の場合は総資産が今九十一兆五千億ですか、資本金が一億だというふうに言われております。日銀の株価を見てみますと、現在十万円を切ったような状態を前後しているわけでありまして、最盛期には何と七十五万ぐらいしていたわけでございます。日銀といったら金融界のとにかく総本山でございますし、そういう意味では日本の金融界の象徴でもあるわけであります。金融に対する不信、不安ということだけにとどまらず、国としての信用というものとも大変かかわっているわけでございますが、現在のこの日銀の株価自体の実態はどのように考えていらっしゃいますか。
○参考人(速水優君) 御指摘のように、現在株価は、昨日で十万八千円、昭和六十三年、一九八八年のバブルのピークのころは七十万円を超しておりましたので、七分の一ぐらいになっておるわけですが、私どもの方は、株主といいましても資本金一億でそのうち五千五百万円を政府で、一般株主は四千人ぐらいおります。しかも、その株というのは、日本銀行の出資証券につきましては出資者に議決権も認められておりませんし、株主総会といいますか出資者総会が開かれるわけでもございません。ただ、配当も五歩以内ということでございますので五歩配当が続いておるわけでございますが、そういう特別の小株主、株式であるという、基本的に一般の株とは違っておりますので、その価格の動きにつきましても企業業績等で変動する一般の株と同列に論じることはできないのではないかと考えております。 このところいろいろ日銀でトラブルがあったりしまして、マスコミにたたかれたりしておりますので、そういうものをお読みになった株主がこの際売っておこうかというようなことで売りが出たのではないかというふうに感じております。しかし、今もうボトムを越えて少しずつまた上がってきているように思っておりますので、もうしばらく見ていっていただきたいと思っております。
○今泉昭君 ありがとうございました。 時間が参りましたので、質問を終わります。
○益田洋介君 日銀総裁、御苦労さまでございます。総裁は用事がおありということなので、若干順番を変えまして質問をさせていただきます。 まず、山一証券が三月期決算で二百二十五億の債務超過に陥ったということが明らかになりまして、破綻処理のために日銀特融が供与されているわけでございますが、この事実に関して日銀は現状では特融の回収に問題はない、このようなコメントを公表しておりますが、果たして現状はどうでしょうか。 日銀は最初この特融を供与するに当たって三つのクッションを考えていたとされております。一番目は特融の回収に当たっては山一が資産超過だと見られていること、二番目は生保、損保からの劣後ローンが四百三十億円分ある、三番目は政府は新たに投資者保護基金をつくり直す、山一処理もこれを使うようにする、こういった三つだったわけですが、現況におきましては一番目と二番目が既に崩れてしまっている、残りは三番目の政府がこれから十二月までにつくろうとする投資者保護基金だけが頼りになっている、こういうふうな印象を持つわけでございますが、いかがでしょうか。
○参考人(速水優君) おっしゃいますように、資産超過千億ということで特融を発動したわけでございますけれども、現在債務超過になっておるわけでございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、政府の今議論されております寄託証券補償基金の財務基盤の充実ということを最後の財源として、返済基金として期待をいたしておる次第でございます。 また、今後の日本銀行の貸し出しに対する引き当てにつきましても、山一証券につきましては特別の引き当て率を置きまして、これを万が一のときに備えておる次第でございます。
○益田洋介君 ちょっとはっきりしないんですが、今度は大蔵省に伺います。 今言いました日銀が今回の日銀特融の供与に当たってクッションとする三つの条件があったうちの三番目、これは五百億円規模でことしの十二月に準備する投資者保護基金、仮称でありますが、この新基金に対しては証券会社などが出資することにしている。しかし、このときの条件というのは、もちろん山一証券が三月期の決算において資産超過を前提条件としていた。しかし、今はそれが逆転したことになっている。したがって、証券界が同基金への拠出になおさら慎重な姿勢を強めることは間違いないし、当然のことながら調整が難航することが予測されるわけですが、この点どういうふうに考えますか。
○政府委員(山本晃君) お答えをいたします。 確かに、今、委員御指摘のような問題があるわけでございます。私どもといたしましては、この十年三月期決算におきます二百二十五億円の債務超過状態ということでございますが、これにつきましては、四百三十億円という劣後ローンの扱いの問題はあるわけでございますが、基本的にはその劣後ローンは日銀の特融に劣後するという要素がございます。また、この二百二十五億円というのが最終確定の数字がというと、これはまだ今後、店舗の原状回復費用、これも見込みになっておりますし、また保有資産の処分価格等変動する要素がございます。最終的な処理にはまだ相当の時間が必要というふうに考えているわけでございます。 私どもこの日銀特融の円滑な返済の確保ということにつきましてはもちろん適切に対応してまいる所存でございますが、お尋ねの投資者保護基金につきましていろいろな議論が、私も若干新聞紙上では拝見をしているわけでございますけれども、今般の金融システム改革法案におきましてはこの投資者保護基金、これがその発足前に生じました証券会社の破綻処理というものを可能な限り引き継げるよう所要の法律的な手当てをさせていただいているわけでございますが、こういった法案の内容につきましては証券界にも説明を行っているところでございます。 そもそもこの山一証券の問題、昨年の十一月、山一証券破綻に際しましては、これは山一証券が内外を通じて非常に活発に広範囲にいろんな取引を行っている、そういう四大証券の一つであったということで国内外を通じまして大きな影響が懸念されたわけでございます。そういったことから、日本の金融・証券市場の維持安定はもちろんのこと、アジア発の金融不安を惹起しないように措置を講ずる必要があったわけでございまして、この山一証券の問題は証券市場、証券業界全体に影響を与える問題であるという理解を証券界もしていただいているのではないかというふうに考えておるところでございます。
○益田洋介君 そんな甘いごとではないと私は思いますよ。とにかくいつも見通しが甘過ぎるよ。大蔵省と日銀の監督とか管理責任、今これが一番問題だと思いますよ、一連の金融不祥事の。何でも何とかなりますなんて言っているからずるずるべったりに先送りにされる、新しい不祥事が起こってくる、不都合が生じる。こういうことを続けているから日本の金融界というのは信用を失うんですよりマーケットからどんどん追い出されてくる。もうちょっと腰を据えてしっかり監督、管理しなきゃだめですよ、大蔵省も日銀も。 それで、日銀総裁、新生の日銀というのは透明性と独立性を旗印として出発したわけでございますが、私、日本銀行法の三十八条を読んでびっくりしたんです。金融機関等に対する一時貸し付け、これは特融のことですね。三十八条第一項にはこういうふうに書いてある。大蔵大臣は、銀行法第五十七条の二の規定に基づき、内閣総理大臣と協議の上、信用秩序の維持に重大な支障が生じるおそれがあると認められたときは、信用秩序の維持のため必要と認められる業務を行うことを日本銀行に対して要請することができる。同条第二項、日本銀行は、前項の規定による大蔵大臣の要請があったときは、信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことができる。まるっきり受け身じゃないですか、これじゃ。 だから、大蔵大臣から要請があったときのみこれを政策委員会で審議して実際に日銀特融を供与するかどうか決めると、こういう形じゃないか。どこに独立性があるんですか。日本銀行が自発的に発動の検討をして発動の是非を決めるというような精神が全くない。要するに、独立機能がないから要請があったときに限って検討できる、こういう仕組みになっているんだ。 一方、旧日銀法、有名なんですけれども、これは片仮名で書かれている。第二十五条にはこういうふうに書いてある。「日本銀行ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ信用制度ノ保持育成ノ為必要ナル業務ヲ行フコトヲ得」。旧日銀法の二十五条のもとでの日銀の立場というのは、信用秩序を守るために日銀が主務大臣、大蔵大臣に発動していいかどうかという申請をすることができた。逆行したよ、日銀法というのは。日銀法はこの委員会でも検討したわけですけれども、このことは問題にならなかった。この点どう思いますか。
○参考人(速水優君) 今の三十八条でございますけれども、大蔵大臣からの要請があったときに、「当該要請に応じて特別の条件による資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことができる。」というので、行うか行わないかの決定は日本銀行が政策委員会でいたすわけでございます。その点は前よりも受け身になったというふうには私は考えておりません。 いずれにしましても、こういう大きな問題は大蔵省、政府とよく話し合って行っていくべきものだというふうに考えております。 日銀法の改正の過程で、中央銀行研究会の報告書を見ますと、信用不安が生じたときの対応については、金融機関の破綻処理等の行政的手法を要することから、最終的な責任は政府にあるが、日本銀行も最後の貸し手として重要な役割を担っているとの考え方が示されております。 また、日本銀行と政府の間では信用秩序の維持のための対応について従来から密接な連絡を通じて十分な意思疎通が図られております。この点は新日銀法のもとでもいささかの変わりもございません。 こうした中で、信用秩序の維持に重大な支障が生じるおそれがある場合において、日本銀行の関与が不可欠な場合には、日ごろの意思疎通を通じて当然に大蔵大臣から日本銀行に対する要請が機動的になされるものと考えております。 また、大蔵大臣からの要請がなされました場合に、日本銀行の政策委員会としては、今申し上げましたように、信用秩序の維持に資するという日本銀行の目的に照らして、かつ中央銀行資金の性格を踏まえながら当該業務の実施を適当かどうか判断していくことになる建前になっております。この点、日本銀行としても、先ほど申し上げましたように、政府と密接に連絡をとり合いながら対応に誤りなきを期してまいりたいと考えております。 以上、申し述べたようなことでございますので、私どもとしては、新日銀法のもとで信用秩序の維持に資するための業務に関して日本銀行の独立性がかえって低下したといったようなことは考えておりません。そうなっているとは理解しておりません。
○益田洋介君 今回の一兆二千億の山一の簿外債務の処理についての日銀特融については、この新日銀法の三十八条に基づいて大蔵大臣から要請があったわけですね。今の総裁の答弁では、検討の結果断ることもできる、しかし今回は断らないで供与したということは、十分な検討がなされた上で特融が焦げつくということは全くないという確信のもとで供与に踏み切ったわけですね。日銀の責任において特融に踏み切ったわけですね。それは今おっしゃった新日銀法の制定に当たって金融制度調査会の答申にもあったように、最終的な責任は政府にあると言っているけれども、日銀にも責任あるでしょう、これは。違いますか。
○参考人(速水優君) この山一証券に対する日銀特融は、昨年十一月に行われたものでございまして、これは日銀法の今の三十八条でなくて、旧法二十五条によるものでありますことを申し添えておきます。
○益田洋介君 日銀にも責任があるかないかというのが私の質問なんです、総裁。
○参考人(速水優君) 特融を貸しました以上、もちろん私どもの方にも責任があると思います。しかし、特融が返ってこないものであるとは考えておりません。
○益田洋介君 私はそれもまた読みが甘いと思うんですよ。仮に返ってこなくなったらどうしますか、回収不可能になったら。どういう手段を講じるんですか。また公的資金の投入ですか。また国民に押しつけるわけですか、すべて負担を。どうなんですか。
○参考人(速水優君) 特融には日本銀行として準備金を積み立てております。引き当てを持っております。したがいまして、全額新たに資金を調達しなければならないというものではございません。
○益田洋介君 さらに、この金融制度調査会の答申の第四の3の(2)の「説明」というのがありますが、ここで、「最終的な責任は政府にある。」として、その後一行飛ばしますが、「ただし、明白に回収不能なケースについての損失補填は、金融機関のモラルハザードを避けるためにも行うべきではない。」と明確に書いてあります。今回それに該当しませんか。
○参考人(速水優君) 日本銀行は流動性の供給ということが私どもの責任でございます。したがって、仮に返ってこないというようなことが、まず起こらないと思いますけれども、私どもの責任になるとは思っておりません。
○益田洋介君 責任あると先ほど言ったじゃないですか。私どもの責任じゃないといったら、だれの責任なんですか、総裁。
○参考人(速水優君) 先ほどお答えの中で申し上げましたけれども、最終的な責任は政府にあるが日本銀行も最後の貸し手として重要な役割を担っているというのが私どもの立場でございます。
○益田洋介君 大蔵大臣、最終的な責任は政府にあると日銀総裁は重ねておっしゃっていますけれども、これはそういうふうな認識を大臣もお持ちですか。
○国務大臣(松永光君) 昨年の十一月の山一に対する日銀特融、これについては日銀の申し出に基づいて大蔵大臣が認可をして、それによって特融が行われたものと、こう思っております。 午前中もお答え申し上げましたとおり、十年三月期決算において二百二十五億円の債務超過状態にあるということの報告を受けておりますが、山一証券、四百三十億円の劣後ローンがあるわけでありまして、午前中も申し上げましたとおり、劣後ローンはあくまでも劣後ローンであるわけであります。したがいまして、日銀の債権に劣後する債権であるわけでありますから日銀の方の特融分を先に返済をし、余りがあれば劣後ローンの方の返済に回る、こういう仕組みになるものと私は考えております。
○益田洋介君 それでは次に、住管機構、住宅金融債権管理機構の社長である中坊公平さんがことしの一月に住専問題のときに問題になりました紹介融資について責任を追及するということを発表しております。この段階では三月末までに話し合いで結論を出すと言っておりましたが、話し合いでの結論は出なかったようでありまして、最近では今月中に訳を提起する、損害賠償の請求訴訟をすると言っております。 これはどういうことかといいますと、銀行の場合には問題案件を住専に持ち込んだという紹介責任を問うものでして、住専取締役の忠実義務違反と銀行側の共犯、それから住専経営者の場合は同業務違反と背任、あるいは特別背任といったことをこれから追及するんだと言っているわけでございます。 そして、これに対して最初から訴訟をするんだと言っていませんので、できれば話し合いで解決をしたいという姿勢であったわけでございますが、特に一番この紹介融資が多かったのは住友銀行で七十二件、額にして四百億円。大阪の関西銀行、第二地銀ですが、十件、二百億円。全部で十一行を対象にしていますが、ほかの九行は合わせて辺十一件、六百億円。 弁明を求める通知書を二月と三月に出した。それに対してこの一番大口の紹介融資をした住友銀行は、迂回融資のように貸付先に金が流れたものがあるがその意図はなかった、劣悪な債務者とわかっていて紹介したという事実はないと全面否定しているんです。一銭も払う意思がない。住友の言い分は、賠償金など一円でも払ったら株主代表訴訟を起こされる。そうして徹底抗戦の姿勢を崩さないで今日まで至っている。 それで提訴するしかなくなったというわけですが、この住友銀行という銀行は、大蔵大臣、たびたび出てきますね。ほとんどの事案に、今回の一連の金融不祥事に名前が出てこなかったことがなかった。 中坊社長は、この住友銀行には一九九〇年十月に東京地検の特捜部が摘発した同行青葉台支店をめぐる不正融資事件に関係して、住友銀行が地銀生保住宅ローンに株の仕手戦資金の融資を紹介した。裏の世界ですね。あちこちに大きな看板を掲げている、僕も口座を持っているけれども。それで、この融資案件六十件、同行紹介の四百億について賠償を求める、中坊社長はこういうことを言っているんです。もう債権回収業務は二人の本部長に委譲して御自分はこの損害賠償請求にかけるんだと。 この点、大蔵大臣、どう思われますか。
○国務大臣(松永光君) 御指摘の件は住管機構が旧住専の関係金融機関に対して、すなわち住友銀行に対して民事上の損害賠償訴訟を提起するという方向で準備をしておられるということであります。 紹介者としての責任があるかどうかの判断、これはまさに司法の場で判断されるものと思うのでありまして、住専機構も大蔵省と無関係ではありませんし、それからまた住友銀行は銀行法に基づいて監督関係が大蔵省にあるということでありますので、何ともこの場でコメントすることは差し控えさせてもらわなきゃいかぬな、すべてこれは司法の場で決着をつけてもらいたいと思いますが、一般論で申し上げますと、銀行の方に銀行法等の法令に抵触した行為があったということが明らかになった場合には法令に基づいて厳正な対処をしなきゃならぬ、こういうふうに思います。
○益田洋介君 中坊社長の一連の動きについて、あるいは考え方について日銀総裁はどういう御所見をお持ちですか。
○参考人(速水優君) 私、その経緯につきまして、新任でございまして余り詳しく知っておりませんので、ちょっと今この席でお答えすることができません。
○益田洋介君 お二人に今御所見を伺ったのは、そういうことをお答えしていただくために伺ったんじゃないんです。 結局、バブル崩壊から七年がたって不良債権処理を帳簿上のつじつま合わせだけで済まそうとしてきた、問題を先送りにしてきた関与者責任というのは銀行の経営者は重いわけです。ところが、そうした銀行の経営の実態を見て見ないふりをしていた、検査や考査に手心を加えてきた、そうでしょう、実際に逮捕者を出しているんじゃないですか。 そういう大蔵省と日銀の当局者たちの監督責任を問われる気はないのか。中坊社長が一生懸命になって住専だとか銀行だとかの経営責任を問うているけれども、大蔵省も日銀もやっぱり監督責任を問われるべきじゃないのか、これが私の質問なんです。
○国務大臣(松永光君) 銀行の抱える不良債権等の処理について、なかなか本格的な処理がなされてこなかったという点は御指摘のとおりでありまして、そこでこの機会に本格的な不良債権処理がなされるようにいろんな仕組みをつくって処理を進めて、特に銀行の融資対応力を強めていくことによって経済の活性化に我が国の銀行が力を発揮するように、それを期待して本格的な不良債権処理を進めていきたいというわけで今努力をしているところでございます。
○益田洋介君 日銀総裁、いかがですか。
○参考人(速水優君) 先ほど申し上げましたように、私ちょっとこの件につきましては経緯を存じておりませんので、ここではっきりしたことを申し上げられません。
○益田洋介君 今後どうするかという問題じゃないんですよ、大蔵大臣。 検査日を教えたりどこの支店に入るなんということを検査官が流しているわけでしょう。だから、みんな隠ぺいできるようにしたんだ、銀行が。それは日銀についても同じじゃないですか。新商品をアプルーブした。もともとそれは通らない、法務当局と考えが違う商品を出した、そういう手助けをしてきた。その人たちは司法の手で確かにこれから処断されるでしょう。しかし、そういう人間たちを管理、監督していた大蔵省のトップというのはどうなんですか。責任ないんですか。中坊社長に聞いたら、責任あると言いましたよ。しかし、何も処分しようとしない。簡単な処分です、みんな。そんなことじゃやっぱり世間は通りませんよ。そのことを聞いているんです。
○国務大臣(松永光君) 大蔵省の職員で、残念ながら銀行に対する検査に関する資料を、他に漏らしてはならないのを漏らしたという不祥事、あるいはその関連で接待を受けたという不祥事が出たことはまことに遺憾なことでありました。それをした職員については捜査当局が厳正に捜査をして、そして起訴されたというのもあります。その者に対する監督者としての責任についても、その人の行為時における監督者について行政上の処分はいたしておるところでございます。
○益田洋介君 みどり銀行の事件というのがまた発生しました。もうとどまるところを知らない不祥事の続発ですね、大蔵大臣。 今回の処理では、米田頭取は退陣するけれども、今のところほかの役員は残留する予定だと聞いております。私は、銀行の経営破綻というのは、経営者にもちろん責任がある、出資者も責任が問われる、これが破綻処理の原則だと思います。それをしなかったわけですよ。兵庫銀行が倒産して、それを引き継いだみどり銀行が今度破綻をする。ちっとも改善されていないじゃないですか、これじゃ。違いますか。兵庫銀行の頭取が兵庫銀行をつぶさなかったのは、これは阪神大震災の復興が理由だと言っているけれども、実際ちまたでは、銀行局長だった吉田正輝さんが頭取だったから温存したんだ、そういうことも言われている。 私は、この破綻処理にことし二月に当委員会で検討して法制化した金融安定化法のうちの十七兆円の資金枠が使われると言われているけれども、みどり銀行の破綻に至る経緯、それから今後の再建計画、こういうものはきちっと納税者に示すのが最低限の義務だと思いますよ。出せますか、これ。
○国務大臣(松永光君) みどり銀行が残念ながら債務超過という状態に陥ってしまったということは御指摘のとおりでありまして、大変残念なことだと思います。 ただ、兵庫銀行の破綻、そしてみどり銀行を急遽設立してそれに兵庫銀行の受け皿銀行としての機能を果たさせるという措置をとらざるを得なかった経過については、委員も既に御承知と思います。 すなわち、阪神・淡路大震災、平成七年一月に起こったわけでありますが、それから半年余の兵庫銀行の破綻でございまして、その当時はいわゆる金融三法がまだできていないときでありましたから、その時点で兵庫銀行を破綻させますというと震災の被災者等が一千万しか払い出しが受けられない、そういう事態を起こしたらえらいことになる、社会不安が起こりかねない、あるいはまた復興のための金融もできなくなる、そういった特別事情から、地元経済界の要望等もありまして急遽みどり銀行というのを地元の経済界や全国の金融関係者の出資を仰いで、その年の十月でございましたか、設立し、そして翌年の一月二十九日に兵庫銀行のすべての負債を含む営業譲渡を受けてスタートしたのがみどり銀行でございます。 したがいまして、普通の破綻銀行の受け皿銀行としての営業譲り受けではなくして、いわゆる不良債権まで引き取らざるを得なかったという事情がありましたがために残念ながら目的を達成することができず、新たな処理をしなきゃならぬという事態になったわけであります。 そうなったことについて、みどり銀行の責任ある代表取締役等はそれぞれ新たな銀行に引き受けてもらうことが決まった段階で、あるいはそれが済んだ段階で責任をとっておやめになるという意思の表明はあるようでありますけれども、この場合には、先ほど申したような経過があっての破綻でありますから、おのずからほかの銀行の破綻の場合とはその評価は異にすべきではなかろうかこう思います。 しかし、みどり銀行を発足させた後の経営の中に不適切なものがあったならば、それはそれとして責任は負わなきゃならぬと、こういうふうに思います。
○益田洋介君 このみどり銀行が発足したのは平成七年十月二十七日、今からわずか二年五カ月前。大蔵省も検査しなかったですし、日銀も考査に入っていない。こういう特殊な事情で発足した銀行だったら、三年に一回ぐらいなんて言っていないで、もっと早目に検査と考査をするべきじゃなかったんですか。この責任は問われますよ。大蔵大臣と日銀総裁、答えてください。責任があるんです。
○国務大臣(松永光君) まず、みどり銀行は破綻した兵庫銀行のすべての資産を引き取ったわけです。引き取る前に兵庫銀行について検査をし、処理策について日銀と協議をして、そして先ほど言ったような震災直後のことである、金融三法がまだ改正されていないときであった……
○益田洋介君 何で検査しなかったのかと聞いているんです。
○国務大臣(松永光君) 経過を申し上げておるわけであります。 すなわち、兵庫銀行に対する検査を平成七年八月にいたしております。その年の十月に新みどり銀行が設立をされた。そして、翌八年一月にみどり銀行は営業を開始したということでありまして、営業を開始して今日までまだ三年にも達していない新しいことでありますので、まだ検査をしていなかったという経過だと聞いております。
○益田洋介君 時間がもったいないからもう答弁は結構ですけれども、これを検査しなかった、考査しなかった、新設されたみどり銀行。特殊な経緯がありながら、普通の銀行と同じように扱っていたらおかしいんですよ。次回、もう一回伺うことにします。 六月二十二日に大蔵大臣が期待している金融監督庁が発足する。金融機関の監視責任というのは金融監督庁に移ることになるわけですね。ところが、破綻の処理などの危機管理というのは、こういう機能は大蔵省に権限が残ることになっている。今回みたいなあいまいな処理がなされるようでは、大蔵省にこの危機管理の権限を任せておいていいのかなという気が私はするんです。この点どう思いますか。
○国務大臣(松永光君) 今月二十二日に金融監督庁がスタートした後は、大蔵省の方には金融企画局というのができます。これは企画をやる居なんです。特に、金融危機管理あるいは破綻処理に関する企画を担当する局であります。一般的な企画も含めて金融に関する企画をするわけでありまして、監督、検査を含めた処理事務、これは金融監督庁の方に移るということであります。陣容を充実されて立派な仕事がなされるものというふうに私は期待しております。
○益田洋介君 総裁、どうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
○委員長(石川弘君) 速水参考人は退室していただいて結構でございます。
○益田洋介君 それでは次に、一連の接待汚職事件で収賄罪に問われて逮捕された金融検査部管理課長補佐谷内敏美被告の初公判が二十七日東京地裁で開かれ、そして初めて被告人の質問が行われました。 谷内被告は三和銀行と仕事などで関係した現職の大蔵官僚でつくる親睦会、お友達の会が九四年九月に三和の大蔵省担当の行員が準備した赤坂の料理屋で顔を合わせた。起訴状によると、この日の一人の飲食代は約三万五千円だった。お友達の会ですからほかにも大蔵官僚がいたんです。四人同席した。この名前を教えてください。
○政府委員(溝口善兵衛君) 申しわけございません。突然の質問でございまして、今調べまして御報告させていただきたいと思います。
○益田洋介君 わかりました。 同じく五月二十八日、今度は証券局の総務課長補佐であった榊原隆被告の初公判が東京地裁の百四号法廷で開かれている。言うまでもなく、榊原被告というのは今回の接待汚職で起訴された大蔵官僚の中でただ一人のキャリアだ。容疑の内容は、野村証券など四大証券と住友銀行から計三百四十万余の接待を受けた。また住友が出てきたですね。大蔵大臣、毎回出てくるじゃないか。出てこなかったことないですよ。大きな事件のほとんどで出てきている。それはまた別の機会にいたします。 この収賄罪に関する初公判の意見陳述では、被告は接待の事実とそれが職務にかかわることであったことを認定しているんです。ただし、この陳述で収賄罪が成立するはずですが、被告はあえて便宜を図ったことは全くなかったと否認している。ちょっと矛盾があるんです。何にも見返りもないのに企業がこれだけ接待を繰り返すということは常識で考えられない、僕もビジネスの世界にいたことがあるけれども。 検察は冒頭陳述の中で、新商品の認可でも野村証券に対して有利な取り計らいをしたと、便宜供与の詳細を明らかにしている。被告のこの意識の問題ですね。接待の事実、それは職務にかかわっていたと言いながら、便宜は供与していないと。これは私は大蔵のキャリアの精神の根底的な腐敗を明示しているものだと思いますよ、いまだに罪の意識がないんだから。これをどう思いますか。
○国務大臣(松永光君) この点は委員も法律に詳しい方でございますから御承知と思いますけれども、恐らく榊原被告としては、起訴されているのは単純収賄なんですね。枉法収賄で起訴されているのじゃありません。したがって、職務に関する接待を受けたというだけで、起訴事実は認めたという結果になるわけでありますが、しかし職務に関する接待を受けたけれども法を曲げたことはない、すなわち枉法収賄に該当することではないというようなことを言いたいがために、私は新聞の記載で知ったわけでありますけれども、公判廷においてそういうふうに供述したものと思います。 すなわち、事実は認めるということ、ただ起訴状は単純収賄でありますから、それ以上言う必要はないのでありますけれども、法は曲げていないということで枉法収賄じゃない、そういったことを述べて、これは言わずもがなのことなのでありますけれども、法は曲げなかったですということを申し上げたい気持ちで言ったんだろうというふうに私は理解いたします。贈収賄事件ではよくこういう例はありますね。私はそう思っております。
○益田洋介君 私はモラルのことを申し上げたつもりなんです。まあ結構です。 私は、この一連の裁判を通して公務員の方それから我々国会議員も、公務員の倫理観、倫理問題というのをぜひもう一回考え直していこうと、真剣に見守っていきたいと思っています。 国家公務員倫理法は今国会に提出されていない。これをどう思いますか。大臣の問題じゃないかもしれないけれども、今こういうことをはっきりするべきだと思いませんか。このさなかにしておかなければ、鉄は熱いうちに打てと言うぐらいですから、みんなの印象が鮮明なうちにこういう法律をつくるべきだと思います。どう思いますか。
○国務大臣(松永光君) 私は、今、政府の一員になっておるわけでありまして、今これは議員立法という話になっておるということでございまして、党の措置だと思うのでありまして、そのことについて私がここであれこれ言うということは適切でないと思いますので……
○益田洋介君 倫理法を制定すべきだとは思いませんか。
○国務大臣(松永光君) したがって、今の公務員倫理法、あるいはまた政治家の倫理を守るための法律、これが出ていないことについてのコメントは差し控えさせていただきますが、私個人として何か意見を述べろ、こうおっしゃるのであれば、やはり政治家の倫理、公務員の倫理は厳しく守られるように、必要があれば法律はつくるべきだと、こう思っております。
○益田洋介君 四月二十七日に大蔵省の処分が発表されましたが、これは各調査、処分のもとになったのは職員の自己申告でありました。ところが、この自己申告書は調査の後個々の職員に返却されていたという事実が発覚している。これは情報公開法が成立すれば開示請求の対象になる組織的な文書となる予定だったけれども、申告内容の真偽も検証できたんですよ、情報開示して。そういうことを見越して、それを逃れる意図があってあえて各職員に返却したとしか思えないんです。これはいかがですか。
○政府委員(溝口善兵衛君) 今回の内部調査につきましては、問題が実際にあった人もない人ももう一緒に、金融関連部局にいた者につきまして、全員記憶をたどりまして、五年間について各人のメモを出させたわけです。 そのメモを一つの材料にしまして、金融服務監査官でありますとか服務管理官が個別に面談をして聞いたり、あるいは問題がある者につきましては金融機関に照会をしたりして、その結果、公務員として民間金融機関との間で行き過ぎた者がいないかどうかというのを調べ、行き過ぎた者につきましては国家公務員法上の処分を行い、国家公務員法上の処分でなくても内規上注意をすべき、訓告をすべき者についてはしたわけでございまして、調査の結果、国家公務員法上の処分とか内規による処分という結果でお示しをさせていただいているということでございます。 したがいまして、メモにつきましては、途中のプロセスの段階でございますからそういう処理をさせていただいた、結果は、処分した人につきまして国会にも提出しておりますけれども、会食の回数でありますとかそういうものをきちっとお示しさせていただいたというふうに御理解をぜひ賜りたいと思うわけでございます。
○益田洋介君 終わります。
○志苫裕君 任期最後の質問をいたしますが、ひとつよろしく。 最後にしては余り景気のいい話じゃありませんけれども、不良債権の処理についてお伺いします。 債権の放棄に係る税務上の取り扱いを変更する法人税基本通達を出すという話ですが、何をどう変えるのか、要点を簡潔に述べてくれますか。
○政府委員(乾文男君) ただいまお尋ねの件は、四月二十四日に政府で決定されました総合経済対策がございますけれども、それを受けまして、現在、国税庁において法人税の基本通達の改正の作業を行っております。その中身は、不良債権があります場合に、債権者が債権放棄に係る一般的な取り扱いについて明確化を図ることとしているわけでございます。 その内容を申し上げますと、法人が債務者の合理的な再建計画に基づきまして無利息、低利融資や債権放棄等を行いました場合には、寄附金課税の対象とはならずに損金算入が認められるという一般的な取り扱いがあるわけでございますけれども、従来からこの通達の中で無利息、低利融資については明文で書いてあったんですけれども、債権放棄につきましても同様の取り扱いをしていたんですけれども、その債権放棄についても通達の条文上にあらわして明らかにすべきだということになりましたのでその内容を明確にするようにしたところでございます。 それから、そのほか債権の対象となります相手が、債務者が子会社等というふうに書いてあったんですけれども、これも従来から子会社のほか取引先であるとか役員を派遣しております先であるとか、それから資金を貸し付けている先が含まれておったわけてありますけれども、表現が子会社等と書いてあったので、債務者も含まれるように明確にしてほしいということから、それはそういうふうにいたしましょうというふうにしております。 それから三番目に、合理的な再建計画がどうかについては、従来から税務調査を受けてみないとなかなかわからないという声があったわけでございまして、そうした中で、従来も合理的な再建計画の中で債権者が何人もいるわけであります、A社、B社、C社といる中で、通常、債権者間では利害が対立するわけでございます。おたくはもっと債権を放棄すべきだ、いやおたくこそもっと放棄すべきだということであるわけでございまして、そういう利害の対立する関係者間でできました再建計画というのは、これは恣意性の入っていない合理的なものと認められますことから従来から損金算入の対象にしていたんですけれども、そのことも明確にしたということであります。繰り返しますと、従来からの扱いを明確にさせていただいたということでございます。
○志苫裕君 明確にするといったって、あなたの答弁はさっぱり明確ではないじゃないですか。 今までどこが一番不明確だったのか、要点を言ってください。どの点が不明確であったので明確にするんですか。
○政府委員(乾文男君) 三点ございましたけれども、一点だけ申し上げますと、例えば子会社等となっておりましたわけでありますけれども、この中には債務者も入ることを明確にしたということでございます。
○志苫裕君 これによって課税範囲が変わりますか。
○政府委員(乾文男君) ただいまお答えいたしましたように、これは従来からの取り扱いを、表現を表に出した、通達上、子会社には債務者も入りますというふうに書いた、いわばそれだけでございますから課税の範囲とかそういうものが変わることはございません。
○志苫裕君 そもそも基本通達というのはどういう性格のものですか。これの法的根拠を言ってみてください。
○政府委員(乾文男君) 法人税の基本通達について申し上げますと、法人税法、それから法人税法施行令あるいは法人税法施行規則があるわけでございますけれども、その税法令の条文の範囲内でその趣旨を明確にするために国税庁長官が定めているわけでございます。 これは、先生御案内のように、現実の社会経済の事象というのは複雑多岐にわたるわけでございますけれども、税法令が必ずしもそのすべてについて書き切ることはできないわけでございまして、そうしたことから個々の具体的な事例をどうするかという問題が出てくるわけでございます。他方、末端の税務署における取り扱いが納税者あるいは税務職員によって同じような事例が出てきた場合に異なることとなっては税の公平に反しますので、そうしたことを防ぐために税法の範囲内でその趣旨の明確化とかそういうものを定めているわけでございまして、それによりまして納税者の方も、予測可能性と申しますか、あるいは透明性というものが得られるというふうに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 あなた、なかなかわかりにくく答弁をするね。 あなたたちの方で出したコンメンタール法人税基本通達、税務百科大辞典、これは全部大蔵省関係者が編集か監修したものですが、これによると、通達は職務上の命令に当たるもので、基本通達というのは有権解釈を示すものであると。なお、通達というのは八百八州に出ていくわけですから、行政の取り扱い上の統一を図るためだということですね。そう解釈すればいいんですね。そういうふうに答弁しなさいよ、あなたも。
○政府委員(乾文男君) 通達の性格は志苫先生が今おっしゃったとおりでございまして、私は先ほどは法人税法との関連で御答弁を申し上げたわけでございますけれども、今の御質問の観点から整理して申し上げますと、国税庁の通達は、御案内の国家行政組織法十四条に基づきまして、上級官庁である国税庁が下級官庁である国税局あるいは税務署に対しまして、行政の統一を図るために、いわば命令と申しますか、そういうものを出しまして、部内の行政のあり方の統一を図っているという、そういうものであります。そこは先生のおっしゃったとおりでございます。
○志苫裕君 大臣、ただいまの答弁は課税範囲が変わらない、すなわち課税要件に変更はないと言うけれども、これは課税要件に変更が出ますよ。 例えば、法人税法三十七条でしたか、寄附という項目がありますけれども、債権を放棄するということはだれかがそれをもらうわけですから、寄附を受けたか何かの形になるでしょう。それを有税にするか無税にするかという違いが出てくれば課税要件の変更じゃないですか。
○政府委員(乾文男君) 今の寄附との関連がまさにこの通達の趣旨でございまして、一般論といたしまして、債権者が債務者にその債権を放棄いたしました場合には、あるいは何らかの利益の供与をいたしました場合にはこれは寄附金ということになりまして、その場合には今御指摘の法人税法第三十七条によりましてそれが直ちに全額が損金算入にされるとは限らないわけでございます。 しかしながら、法人の益金、損金の計算につきましては、法人税法の二十二条で益金、損金の基本的な考え方を定めているわけでございますけれども、そこにおきまして公正妥当な企業会計原則によってなされましたものは法人税法上も益金、損金として扱いますということが書いてあるわけでございます。 しからば、通常の利益の供与は寄附金になるわけでございますけれども、債権者、債務者がいまして、債権者が債務者に対しまして単に利益を供与するのはだめなのでございますけれども、先ほど申し上げましたような要件のもとに合理的な債権計画がつくられたという場合には、これは現在の企業会計上も、債権者である法人が与えました利益と申しますか、その債権放棄に見合う額は損金に算入されることになっているわけでございまして、それを踏まえまして、この法人税法二十二条に基づきまして私どもの法人税通達でその考え方を明確にしているわけでございます。
○志苫裕君 与党の金融再生トータルプラン推進協議会によると、無税償却をするために基本通達の変更を求めるということが書いてありますね。それを受けてやっているとすれば課税要件の変更ですよ。私が言いたいのは、課税要件の変更は租税法律主義のもとでは立法府の機能であって、政策当局の機能じゃない、これは。 大臣、これは必要なら当然法令の改正に及ぶべきでしたよ。どうですか。
○国務大臣(松永光君) 委員仰せのとおり、課税要件の変更ということであれば私はこれは慎重に考えないかぬ問題だと思いますが、今、答弁もいたしておりますように、従来から債権の放棄について一定の要件のもとに損金として認めるという取り扱いになっておったと。ただ、どういう場合に損金として取り扱ってよろしいかということについて基本通達が必ずしも明確でなかった、場合によっては現場の税務署長の判断によるなどということがあったことにかんがみて、今回、損金として認めることができるその要件を明確にするための通達を出すことになったというふうに私は聞いておりますし、そのように理解しております。 今の事務方の答弁も要約すれば私が今言ったようなことではなかろうかと思うのであります。
○志苫裕君 三十七条に寄附金の損金不算入があるでしょう。寄附金というのは損金に算入しないよということだったのを今度は通達で損金に算入するというんじゃないんですか。だから税金をかけないというんじゃないんですか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど申し上げましたとおり、課税の範囲を縮小するとか、そういったことではないのでありまして、五月二十八日に開かれました政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会での協議の結果を中間取りまとめとしてまとめたわけでありますが、その中にも「債権放棄にかかわる税務上の取り扱いの明確化」と、こうなっているんです。取り扱いの明確化にかかわる法人税基本通達を六月に発出する、こういうふうに決められておるわけでありまして、あくまでも明確化でございます。
○志苫裕君 変更と言うと租税法律主義にひっかかってくるから明確化という言葉を使っているだけなんです、それは。 じゃ、質問を変えましょう。 債権を放棄しますと、もらったものはだれの所得になるんですか。
○政府委員(乾文男君) 先ほどからは債権者の税務処理だけをお答えしてまいりましたけれども、今のお尋ねは債権放棄があった場合にその債務者はどうなるかということかと思いますけれども、債務者につきましては利益の供与を受けたわけでございますから供与ないしは贈与による利益ということになりまして、これはそのままではその法人のいわゆる益金に入ってまいります。 ただ、そういう債権放棄を受けるような債務者である法人は、通常は欠損が要するにいわば累積しておりまして……
○志苫裕君 もっとわかりやすい言葉で簡単に言いなさいよ。
○政府委員(乾文男君) 赤字がたまっておりまして、赤字の額が非常に大きいものですから、通常の場合にはその債権放棄による利益が益金に入ってきたといたしましても新たな課税は起こらない、いわばそういう場合にいわゆる債権放棄が行われるのが通常である、そういうことでございます。
○志苫裕君 もっと簡単に答えてください。 土地を担保に持っていった、おれはその土地は要らぬと言うたらだれの所有になるんだと聞いているんですよ。債権を放棄した、その土地はだれの所有になるんですか。
○国務大臣(松永光君) 普通、担保に提供する場合には、債務者またはそれの関係者が債権者に対して担保を提供しますね。債権者、例えば銀行は土地そのものの所有権をとるのじゃなくして抵当権を持つわけですね。 ところが、抵当権を実行しても幾らにもならぬと、はっきり言えば。あるいはまた先順位があるかもしれませんし、そういったこと等を考えますと、債権とともに抵当権を放棄したとしても、実質上の利益が果たして債務者に行くのだろうかと。仮に行ったとしても、その債務者は多額の赤字を抱えているという場合には課税の問題は実質上は起こらぬだろう、そういうことではなかろうかと、こう思います。
○志苫裕君 何か大臣の方が事務方よりはわかるな。 じゃ、もっと言い方を変えましょう。 不良だといって捨ててしまった債権から利益が生まれたらだれのものになりますか。
○政府委員(乾文男君) 債権者と債務者がおるわけでございまして、例えば百の債権を持っていて、それを放棄した場合にはそれがゼロになるわけでございますから、将来利益が生じるというのがちょっとわからないわけでございますけれども。債権者、債務者二人しかいないとき、そこで債権債務関係は消滅してしまいますから、ちょっと……。
○志苫裕君 ごみ拾いが時々ごみ箱から役に立つものを拾うことがあるじゃないですか。要らぬと思って、不良だと思って捨てた財産が利益を生む分もしらぬじゃないですか、ごみ拾いが何か金を拾ったような感じになっちゃって。そういうときにはだれの所有になるんだということを聞いているんですよ。
○政府委員(乾文男君) 債権者……
○国務大臣(松永光君) 国税庁の職員よりも私の方が、弁護士として仕事をしたりしているものですから、一般庶民の立場で考えたりするものですから…… この債権の放棄、そうすると債権がなくなるということでありまして、放棄してもらったということで債務がなくなったというだけのことでありますから新たに利益が生ずるということはちょっと考えられないですね、物をやりとりするんじゃございませんから。そういうふうに御理解願えればと思うんです。
○志苫裕君 私は、課税範囲の変更があると思う。課税範囲の変更があるから不良債権の処理に役立つのであって、同じものであれば何も新しい通達も要らなければ不良債権の処理にならない。それは、私はそのときはもういませんから、残っている人に任せておきます。 いずれにしても、これは本来であればやっぱり基本通達というのは行政の統一性を図るために職務命令として出されるものでありますが、それは原則として国民の権利義務には影響を及ぼさないというのが判例になっているでしょう。とすれば、これは法令の変更でこの扱いはすべきものであって、いわば基本通達、解釈通達でやるべきものじゃない。 通達にも基本通達あり、解釈通達あり、依命通達あり、個別通達ありですが、基本通達というのは基本的には有権解釈を示すという内容になっているでしょう。有権解釈を示して取り扱いの統一化を図るというのですが、必ずこれは課税範囲の変更が出ます。それは十分その辺は手抜かりがないように、立法府と行政当局、政策当局の違いは違いでありますから、これは大臣に強く要望しておきましょう。 何か新聞記事によると、法人税法三十七条の寄附にかかわって通達の変更が出されるという内容になっていますが、私はてっきりそう思ってその関連でいろんなものを読んできたんですが、そうじゃないと言われれば何のために出すのかわからぬのですね。 仮にこれで税の徴収が軽減されるとすれば、これは一種の租税特別措置になりますね。
○国務大臣(松永光君) こういうことなんです。 これは私が一人の責任で言うのはどうかと思いますが、トータルプラン推進協議会に出席しておった者として申し上げるわけでありますが、要するに、債権放棄した場合に、どういう条件の場合に損金として認めてもらえるかということが不明確のままだというと債権放棄ということが行われない。債権放棄を行わないというと、実はバランスシートから落ちないんですね。それを促進するという意味もあって、実際上これは損金として認めるのが妥当だという場合には基本通達でその要件を明確にして、今までの取り扱いを変更するものじゃありませんけれども、明確にすることによってその本格処理が進む、それによってバランスシートから落とせる、こういったことを促進しようという考え方のもとにやっておるわけであります。 もちろん、今日のような厳しい社会情勢でありますから、今、志苫先生のおっしゃったような銀行等にいささかでも利益を与えるようなことは絶対に我々はするつもりはありませんし、そういう意味で実質上の変更を伴うような場合には、それは租税法定主義の原則に基づいて法律で対応すべきものだというふうに考えております。
○志苫裕君 私の情報が間違っていれば謝りますが、私が得た情報ではやっぱりトータルプラン協議会でもこれは租税法律主義にかかわらないかという議論があって、大蔵当局がいや差し支えないという話であったのでそのようなまとめに落ちついたという情報もあったので、それできょうただしているわけですが、何かちょっとわかりにくいから次に行きましょう。 これによって税収減が起きるとすれば一種の租税特別措置です。租税特別措置は形を変えた歳出です。となりますと、大臣がしばしば言うように、新たな財政措置は講じないということと矛盾することになりますので、その辺の矛盾が起きないようにこれは強く要望しておきます。それはいいですね。
○国務大臣(松永光君) 前にも申し上げましたように、公的資金の問題は金融安定緊急措置法に基づいてやっておる点があるわけでありますが、それ以外に新たに公的資金を使うなどということはいたしませんと、こう申し上げておるわけでありますから、税を使っての措置も含めて私はそういったことはしないつも力であります。
○志苫裕君 最後にいたしますが、法案とは直接関係ないんですが、私はもう在任中発言の機会もないのでもう一問だけお許し願いたい。 それは、ごらんのとおり、私は年相応の病気をしまして障害が残って要介護の人間になりました。そこで健康なときには気がつかなかったこと、政治家としてはまことにうかつな話ですが、要介護の者には住居の内部改造だとかあるいは周辺のバリアフリーなどに相当の出費がかさみます。また、車いすなどの介護用品や補装具などの出費もかさむ。幸い医療費や介護費用の控除制度があるので幾らか救われますけれども、このありがたいはずの制度も案外認定基準が融通がきかないといいますか、厳しいところがあるんですね。 ちょっと例を一、二出しましょう。この際、障害者を代表して陳情しておきます。 例えば、車いすやステッキはこれは日常の生活用品だから医療費や介護費用の控除対象にならないというのが御説明なんです。なるほど車いすは生活の便利のために乗っているんですが、これが医療や介護の費用ではないということになりますと、これはちょっと話は変わってきますね。 もっと大きな不合理を申し上げますと、私はたまたま倒れたときに保険部屋が満員だったので差額ベッドがある部屋を選びました、それ以外に方法がなかったから。いわゆる個室ですね。個室は急性期の患者やプライバシーに最適なのだが、長くなると経済的にも参りますね。私は慢性期に入ったので一年近い療養と治療を余儀なくされました。 経費の内訳を見ますと、総費用の六割がヘルパーでした。看護婦は四六時中ついていませんから、ベルを押せば来ますが、そこは付添ヘルパーと違うところです。六割がヘルパーとして、約三割が病院の部屋代、高い高いと言われる医療費は一割弱でした。一千万円で例えれば、六百万円が付き添い、三百万円は部屋代、八十何万円が俗に言う医療費です。何のことはない、病院に下宿しているようなものでしたね。 個室はスイートルームでぜいたくだから医療費に入らないという御説なんだけれども、好きこのんで病院に行っている者はいないんですよ。医療費等の改革にもかかわる問題ではありますが、これらは厚生省との整合性も図りながら改善をしてしかるべきでないかなというふうにつくづくと思いましたが、恐らくこのように考えている病人や障害者は多いと思います。 これはもう少し皆さんの方で厚生省とも、皆さんの方は医療保険の対象になっているものを原則的に医療費控除の対象にしていると思いますが、ちょっと性格が違うものなので、これはよろしく改善の検討をしてもらいたい。 大臣、どうでしょうか。ひとつ答弁願えますか。これはやめていく人間への大臣のはなむけだと思って答弁してください。
○国務大臣(松永光君) 要介護老人を抱える家庭などの税負担の軽減の問題あるいはまた特別障害者の控除の問題、そういった特別な人的控除、これを充実することによって措置をしているということでありますが、これからもそういう面については十分意を用いて制度的な措置も含めて検討していかなきゃならぬ課題だろう、こう思っております。
○志苫裕君 ありがとうございました。
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。あと残りの時間を質問させていただきます。 まず、郵政省に二点ほど伺います。時間を間違えまして大変お待たせいたしましたけれども、よろしくお願いいたします。 ABSの問題について二点でございます。 四月二十四日の総合経済対策で、郵貯・簡保資金による資産担保証券を平成十一年度に向けて検討することが打ち出されました。しかし、担保不動産の実態を踏まえますと、ジャンク債券的なABSも相当発行されることが予想されます。郵貯、簡保は国民の貴重な財産でありまして、今日までの安全、確実、有利という本来の運用条件にかんがみますと、ABS購入に際しては相当慎重な分析、検討が必要であるというふうに考えるのでございますが、このABS購入に対する郵政省の検討状況についてお尋ねしたいと思います。
○説明員(篠田政利君) 御説明させていただきます。 ただいま委員の方からお話がございましたように、四月二十四日の総合経済対策の中で、郵貯・簡保資金による資産担保証券への運用につきまして平成十一年度に向けて検討するというふうにされているところでございます。 これを受けまして郵政省として検討を行っていくわけでございますけれども、ABS市場が整備されますのがただいま御審議いただいております特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律が施行されます九月一日以降ということになります。こうした市場の動向も当然踏まえて検討をする必要がございますし、委員から御指摘がございましたように、もとより郵貯・簡保資金というのは預金者、加入者からお預かりした大切な資金でございますので、預金者、加入者の利益の確保、そして資金運用を健全に行うことによりまして事業の健全経営の確保を図る、そういう観点から慎重に検討していかなければならない課題だというふうに思っております。 具体的にどのようなABSを購入するかということにつまましては、現時点でまだ確定的なことを御説明できる段階にはなっておりません。
○三重野栄子君 今少しお答えいただいた中にもございますけれども、同じように総合経済対策では、不動産賃料等の情報公開を促進し、担保不動産の適正評価手続の導入による投資指標の整備がSPCを活用した担保不動産の流動化のキーポイントとして指摘されております。前回、銀行局長にも私は同様の御趣旨を答弁していただきました。 ところで、簡保・郵貯資金の運用の対象として資産担保証券、いわゆるABSを検討するに当たりまして、投資するべきかどうかという判断のもととなる情報が広く公開され、あるいは市場が整備されることが必要だというふうに思うわけでございますけれども、今度は郵政省は投資家の立場にお立ちでございますから、そういうところからどういうふうにお考えになっているのか、お考えを伺います。
○説明員(篠田政利君) 実際にどのような資産担保証券が出てくるのかということは今からなかなか予測が難しいのでございますけれども、資産担保証券の裏づけとなります資産の健全性というものを実際に資産運用を行う場合には十分に検討していかなければならないというふうに考えております。 そのような観点から申し上げますと、具体的にはABSの裏づけとなっている資産に関するディスクロージャーが十分図られていること、資産運用を行います投資家に対する十分な保護措置が図られていること、こうしたことがとても重要なことではないかというふうに考えております。 また、あわせて、今回のSPC法の施行によりまして公正な市場の枠組みが整備されまして、それによりまして多様なABSが発行され、厚みを持った透明で健全なABS市場が拡大していく、そういう市場が形成されるということも私ども資金運用を行います立場から申し上げますと大いに期待しているところでございます。
○三重野栄子君 質問を申し上げたいのは二点でございますけれども、御存じのように、最近、連日、簡易保険の生存保険つき養老保険、いわゆるニューナイスプランがいろいろと言われておりまして、そして大変損をしたとかあなたはどうするんですかと、御存じと思いますけれども、そういうキャンペーンが張られている状況の中で、さらにまたこれからの資金運用の問題につきましていろいろお考えになっておりましても国民の不安は大きいだろうと思いますから、そのあたりも十分訓練というか気をつけていただきまして、御活躍をいただきたいというふうに思います。 どうもありがとうございました。 続きまして、今度は海外のABSの発行の問題について銀行局長に二点ほど伺いたいと思います。 ところで、整理回収銀行は不良債権の証券化のためにケイマン島に設立した海外SPCを利用した実績があるのでしょうか。そこには預金保険機構の保証がつけられているとの報道もあるわけでございますけれども、どのような方法でこれらは発行されているかというのが一点でございます。 また、今回の法案によりまして日本国内でSPCの設立が可能となれば、整理回収銀行は今後国内のSPCを利用されるのかどうか、その二点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(山口公生君) 三重野先生のお尋ねは、二点ございまして、一点目は海外でABSを整理回収銀行が発行したかということでございますが、それは実際ございません。 それから、国内でこれからどうかというお話でございますが、SPCをつくってABSを発行する目的が、証券化して資金繰りをつける、資金を証券の形で回収するといいますか集めるというのが目的でございます。整理回収銀行が今やっておりますのはそれこそ専ら債権の回収でありまして、そのための資金繰りは日本銀行なり民間の金融機関からかなり安いコストでの資金を調達しておりますから、今の時点で直ちにABSを出してまで資金繰りをつけなきゃいけないかというとその事情にはないようでございますが、かといって、それをするべきではないとかする必要がないということを申し上げているわけではございません。それは可能性としては必要に応じてやるということもあろうかと思います。
○三重野栄子君 今度は別の視点ですけれども、前回に引き続きまして預金保険の問題について伺いたいと思います。 この三月末現在の預金保険の責任準備金の赤字及び日銀と民間金融機関からの借入額と金利、それぞれ伺いたいと思います。 それからもう一つ、また四月以降の破綻処理に伴う支出額と今後の要処理見込み額は、いただきました資料に書いてあったんですけれども、破綻処理に伴う支出額は各破綻機関の最終的な債務超過額等により決まるのだから現状は未定だということが記入してございました。しかし、少なくともこれぐらいはというお見通し等があれば伺いたいと思います。
○政府委員(山口公生君) 御報告申し上げます。 本年三月末の預金保険機構の責任準備金の額は、精査中ではございますが、ざっと申し上げますと、二つ勘定がありまして、一般勘定、これが千四百億円の責任準備金がございます。これはプラスでございます。一方、特例業務勘定、これが欠損金でございまして二千四百億円マイナス、こういう状況でございます。 それで、特例業務勘定の本年三月末における借入金は合計五千五百四十四億円で、日本銀行から四千三百十億円、民間金融機関から千二百三十四億円でございまして、金利は平均で〇・八二%でございます。これは、結果としてそういう数字になっておりますのは、保険料が入ってきますけれども、それ以上に破綻処理でお金が出ていっているというあらわれでございます。それから、四月以降現在までに破綻処理のための金銭贈与として既に三千五百十一億円の支出をいたしました。 今後のことでございますが、今、先生がおっしゃいましたように、確かに確定的なことはまだわかりませんが、少なくとも公表されております債務超過額というものをずっと足していきますと一・七兆円を超えているという状況でございます。これは、例えば一番大きいのはもちろん北海道拓殖銀行とかそういったものでございます。そういうのは随時処理をしてまいる所存でございます。
○三重野栄子君 時間がございませんから、先ほどの民間金融機関の固有の銀行名とか、それからそれに係る金利というのがございましたら、後ほどで結構ですから、数字をいただけますでしょうか。
○政府委員(山口公生君) これは個別金融機関と預金保険機構との関係でございますし、それから競争入札でやっておりますので、そこはちょっと個別取引ということで差し控えさせていただけたらと思います。
○三重野栄子君 今のところはわかりました。また機会がありましたらお尋ねすることがあろうかと思います。 次は、このような預金保険機構の財政状況につきまして、いよいよ三十兆円の公的資金のうち十七兆円の預金者保護のための資金が使われるのではないかという指摘がございます。 預金保険機構は、預金者保護のための七兆円の交付国債について、第一は勘定の健全性を確保し、業務を円滑に実施するため必要であると認めるとき、それから特別資金援助等の業務終了の日において勘定に累積欠損があるときに使用することができるとございます。また、十兆円を限度に日銀等からの借り入れなどに政府の保証がされ、特別資金援助、特別資産買い取りなど特例業務を行うため必要があると認めるときは政府保証つきの借り入れが行われるということは先日も伺ったところでございますが、このとき銀行局長は、どちらの資金をどのように使うのかという私の質問に対しまして、法律に詳しく書いてあると、七兆円は補てんで十兆円は資産買い取りの場合の資金繰りとの説明をいただきました。 今後、この預金保険の責任準備金が枯渇した場合に、どちらの資金で対処されるのだろうかということを伺います。よろしくお願いします。
○政府委員(山口公生君) 確かに先生御指摘のとおり、責任準備金が足りなくなったときに何らかの資金的手当てをしなければ預金者の保護は図れないわけでございまして、そういう意味では、各年度年度で考えまして、その年度に入ってくる保険料がございます。その保険料で貯えない支出というものがあった場合には、それが最終的に出ていくという形のものであります場合には七兆円の国債の一部償還、つまり現金化でもって充てるということになろうかと思います。 さらに、借り入れの方は、資産の買い取り等は、ロスが出るかどうかはわかりませんが、大量の資金が要りますので、そのためには日本銀行や民間金融機関からの借り入れと、おおよそそういう形で運営されるようでございます。 もちろん、国債を償還して支出した後も、後で保険料は毎年入ってきます。そのときに支出がほとんどないというとなると、今度はそちらの方の返却に充てられるということになっております。
○三重野栄子君 今伺いますように、大変苦しい中に出てくるかと思いますけれども、このような預金保険機構の財政状況を考えますと、先日伺いました金融債についても保険料を求めたらいかがだろうかというのが私の意見でございます。 金融機関の情報開示が不十分な現時点におきまして預金等の全額保護は不可欠であると考えますけれども、少なくとも現在の特例期間中、法の運用で保護される金融債などの商品についても相応の保険料の負担を求め、わずかでも預金保険の財政を助けるとともに、他の金融商品との均衡を図るべきであると思いますけれども、前回、銀行局長にお尋ねしましたけれども、大蔵大臣、その点につきましていかがでございましょうか。急に振りまして済みません。
○国務大臣(松永光君) ちょっと済みませんが、局長の方に。
○三重野栄子君 じゃ、同じ答えでもいいですから、局長、詳しくお願いします。
○政府委員(山口公生君) 三重野先生から先日も御指摘を賜ったところでございますが、預金保険制度の本則で対象としております付保対象金融商品の範囲をどうするかということとのかかわりでございますので、その点につきましては引き続き検討をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○三重野栄子君 じゃ、今度は金融機関の破綻処理について大蔵大臣に伺います。 先日明らかになりました山一証券の社内報告書では、先ほども何度も何度もこの点は出ておるわけですけれども、会社更生法の適用を模索した弁護士と長野前証券局長との緊迫したやりとりが明らかになったのは御承知のとおりでございます。平成八年につくられた金融機関の更生手続の特例法は、その後の金融機関破綻に際しまして適用がないまま今回の一括法で証券会社にも適用できるようにする改正が提案されております。この改正で破綻処理法制の整備は十分であるかどうかという点でございます。
○政府委員(山本晃君) お答えいたします。 証券会社の破産・更生手続が開始された場合、債権の届け出あるいは届け出債権に係る異議の提出、債権者集会における議決権行使、その他倒産手続に属する行為を多数の一般投資家に行っていただくというのは事務的、時間的コストの観点から効率的ではなく、また投資者保護の観点からも適当ではないわけでございます。 このため、投資者保護基金が顧客の債権を届け出るとともに、破産や更生手続に属する行為につきまして顧客を代理できることとしたところでございます。この特例によりまして、証券会社が破綻した場合の倒産手続というものが円滑に進み、顧客の債権回収も迅速化するなど投資者保護に資するものであり、投資者保護基金による補償制度と相まって証券会社の破綻処理制度は整備されるものというふうに考えているところでございます。
○三重野栄子君 証券分野の問題ですが、また証券局長にお願いいたします。 証券分野の個人投資家保護のために発足すると言われております投資者保護基金への拠出の負担方法をめぐりまして、外資系の証券会社から奉加帳方式と異議の申し立てがあったということを報道で知りましたんですけれども、その内容、現在の検討状況はいかがになっておりましょうか。
○政府委員(山本晃君) 外国証券会社数社より、この投資者保護基金の負担金の算出方法等につきまして日本証券業協会には意見書が提出されたということは私どもも承知をしております。 ただ、この投資者保護基金の例えば負担金の算定方法について申し上げますと、今回御審議いただいている法案において、特定の証券会社に対し差別的な取り扱いをしないものであることということが求められておりまして、決して奉加帳云々ということではないわけでございます。いずれにいたしましても、その具体的内容については現在、証券界の中におきまして検討が開始されているところでございます。 私どもといたしましても、今後、投資者保護基金の設立準備過程におきまして各証券会社の意見を内外を問わず十分に酌み取りまして、早期に具体案が取りまとめられることを期待しているところでございます。
○三重野栄子君 最後に、大臣にお願いしたいのでございますが、ちまたの声をまた一つ御紹介させていただきたいと思います。これは静岡県の三十二歳の女性です。 私の投資において昨年は最悪の年でした。山一証券の転換社債(CB)を保有していたからです。 これまで、比較的格付けが高く安全と思われる額面割れのCBを満期まで保有するという方法で細々と投資をしてきました。最近はやりの外債などに比べればリターンは格段に低いのですが、自分では手堅い投資と納得していました。 ところが、昨年十一月のある夜、帰宅すると留守電に証券レディーから「山一証券のCBの件で至急ご連絡したい」とのメッセージが入っていました。翌朝また電話がかかってきて、「山一の格付けが下がるという情報が流れ、CBが急激に値下がりしている」というのです。 私が保有していたCBは山一証券の総会屋事件が明るみに出て以来値下がりして売るに売れない状況でしたが、四大証券がそう簡単につぶれるはずはない、と高をくくっていたのです。 ヤオハンの例もあったし、あまりにも値崩れが激しいので悩んだすえに損を覚悟で売ることにしました。ところが、時既に遅く、山一証券のCBは買い手がつかない状況になっていたの です。それから数日、CBは売り気配のまま。やっと売れたときには買ったときの半額になっていました。そして、その数日後、山一証券は自主廃業したのでした。 私は今まで投資で大きく儲けもしませんでしたが、一度も損をしたこともなかったので本当にショックでした。今年になって「山一CB全額償還」の報道を見たときはさらにショックでした。 ということでございます。 ここでは二十一世紀に向けて金融システムを変えよう、そして頑張っていこうという状況なのに、ちまたでは大変こういう問題について不満と心配が渦を巻いておりますので、しっかりこれからの対策を大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 何といいましょうか、私は証券投資、そういったことをしたこともないものですから実感はないわけでありますけれども、問題はどこにあるかというと、要するに元本保証の金融資産じゃないということだと思います。したがって、そういうものの販売については説明責任をきちっと販売者側に果たしてもらって、そして消費者に迷惑をかけないようにするということが大事なことじゃなかろうか。それをした上での自己責任原則というものが適用されるのじゃなかろうかというふうに思います。
○三重野栄子君 ありがとうございました。 終わります。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 膨大な内容を持つ金融システム四法案ということでありまして、ただすべき点は私は山ほどあるというふうに思っております。そういう意味では審議はまだ入り口に入ったところかなという気持ちでありますけれども、私自身もあと数時間分の質問の準備をいろいろやっているところでありましたが、国会としても国民に本当に責任を持って審議をやる上ではさらに多面的、多角的な議論が必要かなというふうに思っております。そういう意味で、きょうは国民あるいは消費者にとって大事な問題、保護の観点で伺いたいと思っているんですけれども、今この金融システム法案をめぐりまして、このままでは金融被害のビッグバンが始まるという形での危惧も新聞の論評などでも表明されているところであります。 そこで、幾つか伺っていきたいんですけれども、今回の一連の改正の中で銀行法の改正がありますが、それによってディスクロージャーも強化をする、そして説明義務もきちっとやるということなので、今まさにありましたけれども、あとは個々の自己責任という原則を適用していくんだということがこの議論の中で繰り返し強調されてきたことだと思うんです。 ディスクロージャーや説明責任というのは私は当然の最低条件であるというふうに思うんですけれども、しかしビッグバンによってますます複雑化する金融商品というのがどんどん出てくるというふうになりますと、それを供給する側とそれを購入する消費者の側とではもともと格段に情報や知識の点で格差があるし、非対称性といいますか、そういう点ではこれを完全に取り除くというのは本来は不可能と言っていい問題なんじゃないかと。そこが出発点でありながらどうするかということなのかなと思うんですけれども、大臣、そういう認識についてはそれでよろしいですね。
○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたように、消費者に供給するといいますか販売するといいますか、その金融商品の基本的な特色はきちっと説明する責任がある、義務があるというふうに思います。そして、消費者の側は納得いくまで話を聞くことでしょう。そして、堅実な生き方をしようとするならば元本保証の方が安全ですね。より高い収益を得ようとすれば、それはハイリスク・ハイリターンという原則でよく言われますように、リスクも大きいですよと。それを総合的に判断した上で消費者はどういう金融商品を買うかということを決めるんだろうというふうに思います。消費者個人個人がきちっと判断して、どういう金融商品に自分の資金を投入するかというのを決めていただくということになるんだろうと思います。 やっぱり一番基本的なことは説明責任と、誠実にわかりやすくきちっとやるということが一番大事なことではないかというふうに思います。 ―――――――――――――
○委員長(石川弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、峰崎直樹君及び保坂三蔵君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君及び中原典君が選任されました。 ―――――――――――――
○笠井亮君 まさに非対称性といいますか、格差があるからこそ大臣は今そういうことで大事なんだというふうに言われたのかなと思うんです。 そこで、私は今ここに、ある都銀の、これは外貨定期預金の確認書というのを持ってきたんですけれども、こう書いてあります。一枚の紙ですけれども、ちょっと省略はありますが、私は以下の項目について説明を受け、その内容につき確認いたしました、その上で私みずからの判断によりこれを申し込みますと、こう書いてあります。その中に、項目が七項目ありまして、二項目めに為替リスクということで、元本を割るケースがありますと、こう書いてあります。それから、最後の七番目のところに預金保険ということで、この預金は預金保険の対象となっておりませんと、こう書いてあります。 ということで、こういう形で確認書がありまして、そして最後に署名捺印をするということで私はこれを確認しましたよということになっていると思うんですが、これが実際この銀行でどう使われているか私は聞いてみたんです、銀行で働いている方に。そうしましたら、定期預金の窓口で外貨預金というのも扱うようになったので、今までの外為窓口のようにリスクの説明というのは十分にやれないというのが実態としてあって、とにかく確認書をとれというのが実情になっているというのが実感だということでありました。 前回も議論しました投資信託の問題でも、本体での窓販ということなどにしても、同様に銀行側とすれば裁判ということもトラブルになればあり得るということで、それに備えて念書をある意味では用意して判こをもらえば説明義務は果たしましたよと、あとは消費者の自己責任だということに実際上はなっていくんじゃないかと思うんですけれども、そういう心配はないですか。
○政府委員(山口公生君) 今の御議論は制度の議論というよりは実際に窓口でどういう対応をしているかということだろうと思います。それは、これからいわゆるビッグバンを迎えて、やはり消費者、利用者というものを大事に考える金融機関というような姿勢を重要視していく、またそういう金融機関が評価をされるというふうにして解決していくしかないと思います。書類をとることが形式的過ぎるから書類をやめろというような性格のものでもない、理解できていないから言ってもしようがないというような性格のものでもないような気がいたします。
○笠井亮君 実際どうなるかという問題で、銀行は通り一遍の説明を行って法律どおり説明義務を果たしたという口実でリスクの高い商品を売り込んで、その結果生じた消費者の損失に関してはこれは自己責任だということが盾にとられて、売った側の責任を逃れるといったことがこれまで以上にこの新しい仕組みのもとでまかり通る危険性があるというふうに私は思うんです。自己責任といっても、プロである売り手とあくまでアマたる買い手というのがやっぱり質的には異なるということが、最初にもありましたが、前提にある中でのことだというふうに思うんです。 今、局長が言われた消費者を大事にするということで、実際に大事にする銀行が残っていくんだということだと思うんですけれども、行政の側で考えますと、そういう状況と性格、それから実態、今後考えられることを踏まえまして、今後、説明義務等が規定されたことによって行政の側としては消費者の自己責任を問うということを主にやっていくのか、それとも消費者保護に重点を置いた行政というのをやっていくのか、その点はどういうふうに考えていったらいいんでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 今回御審議賜っておりますこの法案の中で、ディスクロージャーにしろ説明義務にしろ、これはやはり新しい時代に向けて消費者というものを大切に考えていく必要があるというのを重点に考えて規定を入れさせていただいたわけでございます。しかし、一方で自己責任というものもより問われる時代だという認識も消費者の方々にぜひこの機会に持っていただきたいなというふうに考えております。
○笠井亮君 山口局長はこの間議論の中でこういう御答弁がありました。銀行等による投資信託等のリスクのある商品の取り扱いが可能となりますと、例えばということで。その商品はある意味では元本保証がないわけですから、よく説明しませんと、お客様は銀行で売ったのだからこれは元本保証されているはずだと思い込むかもしれないということで誤認を防止する必要がありますと、そういったことを具体的に省令で書いていきたいということで答弁をされていますが、具体的に省令で書いていくということはいつまでにどんなことを書くということを今検討されているんでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 施行日までにはこれは省令できちっとした規定をしたいと思っております。
○笠井亮君 十二月一日ということになりますけれども、今まさに法律を審議してこれができようとしているというか、そういう流れがあるみたいですけれども、そういう中で、私は、これから具体的に何を書くかということで、十二月までかかってやるということでは実際には法律がもう動き出すわけですから、これは保証が何にもないと思うんです。 私は、少なくとも預金保険の対象とならないということだとか、それから元本割れの可能性があることなどを書面できちんと消費者に伝えるということは明記すべきだというふうに思うんですけれども、そういうことはきちっとやるんでしょうか。
○政府委員(山本晃君) 投資信託の話でございますので私の方からお答えさせていただきます。 実はアメリカでも投資信託を銀行の窓口で販売しているわけでございます。前回も若干お答えをしたかと思いますけれども、アメリカの監督当局であるOCC等の四機関がこの非預金投資商品の販売についての統一のガイドラインというものを一九九四年二月に発出をしているわけでございます。この中には、当然のことながらこういった当該商品につきましては、日本で申せば預金保険機構によって保証されていないということ、あるいはその元本の損失を含めた投資リスクを伴うという、そういったことを開示するように定めているわけでございます。 今後、この法案をお認めいただきましたならば、十二月一日の施行に向けましていろいろと省令等も検討してまいるわけでございますけれども、当然のことながらこういったアメリカの例というものも参考にして省令というものを定めていきたい。そういう意味におきまして、今、笠井委員御指摘のような点については当然考慮すべき事項であるというふうに考えております。
○笠井亮君 今ちょうど投資信託の話が出まして、私、きのう新聞を見ておりましたら、ここにちょうどこういう新しい投資信託の広告が大きく出ておりました。 〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕 個別商品になりますので商品名はあれですけれども、「アイルランド籍/米ドル建て/オープンエンド・契約型外国投資信託」ということで、これは広告なんですね。「好評にお応えして 第二弾」ということで、これはなかなかいいもののように書いてあるんですよ。 そこを見ますと、割と大きな字で、「インカム収入による「毎月分配」に約三年半後の米ドルベースでの「元本確保」をセット。さらにキャピタル収入による「元本の値上がり」を追求します。」と。これを見ると非常にいいもので、これを買うと大変もうかるなといえばおかしいですけれども、入ってくるなどいう印象で、その最後に、ちょっと字が小さくなって、「お申込みの際は、「目論見書」をご覧ください。」と。 反対側の方には小さい字で、これはまだ大臣の届け出の効力が発生していないということと、証券投資信託法の規定は適用されない、損益についてはすべて投資者の皆様に帰属します、正式な記載内容については目論見書をごらんください、約款をお渡ししますので読んでくださいというのが本当に小さな字で書いてあるということでありまして、こういうのは恐らくあふれ返って出てくるんじゃないかと思うんです。 そこで、ちょっと私は素朴に伺いたいんですけれども、元本確保と元本保証、この元本確保というのはどういうことなんですか。
○政府委員(山本晃君) 元本保証というのは文字どおり元本が保証されるということかと思いますが、元本確保というのは、今のはこれは外貨建てでございますね、恐らく為替リスクのヘッジをすることによって外貨ベースでの元本が確保される、そういう意味ではなかろうかというふうに思います。 〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕
○笠井亮君 私も多分そうだと思うんです。「米ドルベースでの「元本確保」をセット。」と「元本確保」がかぎでくくってありまして、要するに元本は確保されるんだと。普通は素人的に広告を見れば、これは元本は大丈夫なんだなという印象が非常にするわけです。 こういう商品がどんどん出てきて、これは証券会社で出している広告ですけれども、銀行でも恐らくこれから広告を出してやるようになると。こういう問題については説明義務との関係というのはどういうふうに、広告ですから詳しく見ればちゃんと読みなさいというのは書いてありますけれども、これはどういうふうに考えているんですか。
○政府委員(山本晃君) 広告でございますので、仮にそれが相当いいかげんなものであれば公取のその法律に恐らく触れるということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても投資家、つまり我々が投資をする場合には当然のことながら貴重な自分の財産の一部をあるものに運用するということでございますので自己責任ということになるわけでございますけれども、商品の中身というものを自分なりによく探求して商品を選択していくということに尽きるのではないかというふうに思います。笠井先生のようにじっくり読まれる方は恐らく失敗はなさらないのではないかというふうに思います。
○笠井亮君 そこは非常に難しいと思うんですね。いろんな消費者や投資者がいると思うんですけれども、やはりこの町金融被害がいろいろありました。高齢者の方あるいは年金生活をしながら投資マンションや変額保険で標的にされた方はたくさんいらっしゃるわけです。 そういう意味では金融知識が、私もこういう委員でいますから勉強しているということでいえばある程度はどういうものだろうと思いますけれども、しかし広告を見ればこれはいけるかなという感じになりますので、そこがやっぱり非常に難しいところで、説明義務は果たした、あとは自己責任ですということで結局放任される、やりたい放題ですよということになってはこれは本当に大変なことが起こっちゃうということだと思うんです。 そういう意味では、誤認が起こりやすいということで大蔵省もこの間繰り返し言われてきて、どうするかということは問題意識を持たれていると思うんですが、銀行法の今度の改正で説明義務を明示したわけですけれども、違反したときの刑事罰がないわけですけれども、銀行への行政処分がほとんどやられていない現状のもとで、行政処分の規定だけで果たしてそういうことに対してきちっと対処できるのかどうかというのはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(山口公生君) 説明義務違反について罰則をかけるというのも一つの考え方としてはあると思います。ただ、罰則をかける場合には、相当その要件あるいはどういうケースかというのを限定しませんとなかなか実効性が上がらないということもあります。 現実の行政をやっておりまして一番実効性を上げられるとすれば、それはそういった行為を、あるいはそういった紛らわしいような行為をする場合において行政的な処分を打つと、それで二度とそういうことを起こさないようにするということがより現時点においては有効な手段であろうと思うわけであります。 確かに、過去行政命令の数は少のうございました。しかし、ここ一、二年は行政処分命令はたくさんの数を打ってきております。私どもの行政もどんどんそういった透明性を持った行政に変わってきておりますので、その辺については是々非々、是正すべきは是正させるというような姿勢で取り組むということで御理解いただきたいと思います。
○笠井亮君 行政処分をきっちりやるということ、それ自身は当然やらなきゃいけないことだと思うんですけれども、私はそれだけで十分なのかということを問題提起させてもらいたいと思います。 アメリカでも最近ネーションズバンクの例がありましたよね。銀行の顧客にハイリスクな投信を銀行保証があるかのように装って販売したということでSECなどから摘発されたということで、法人としては相当厳しい罰金を、六百七十五万ドルでしたか、ぐらい払わされたということがあると思うんです。 私は、今の行政処分ということ、あるいは証取法や投資信託法での適用というのも、それはそれで商品との関係ではあると思いますけれども、銀行の信用を悪用したということになった場合には、これは銀行法に基づいたふさわしい厳罰というのもぜひきちっと検討していくということで今後の課題にのせていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 刑事罰については刑法という基本的な一般法がございますので、銀行法に加えてそれをやるかどうかということは今後の検討課題にさせていただきたいと思いますけれども、今回説明義務をわざわざ載せさせていただいておりますのも、今後のやはり新しい時代に向けてのまず金融機関がその意識を強く持ってもらいたいということのためでございます。
○笠井亮君 私は、次に、残された時間で諸外国の消費者保護制度と比較しながら幾つか具体的に伺っておきたいと思うんです。 消費者保護の法制化についてはこの間も議論がありまして、私もそれを承知しておりますけれども、具体的に例えばアメリカやイギリスにあるノウ・ユア・カスタマー・ルールといいますか、お客を知るべしというルール、あるいは適合性の原則ということがありますけれども、つまりこれらの国では顧客の要求や財産状況をつかんで、その顧客に合った商品を勧めることが義務づけられているというふうに承知をしているんです。 ところが、我が国ではこれが十分徹底していないことがあるのではないかと。銀行法等にもこういうことを盛り込むべきではないかと思うんですけれども、そういう点についてはどういう検討と、それからどういうお考えをお持ちなのか。
○政府委員(山口公生君) 適合性の原則という考え方は、現在証取法にはあるわけでございます。これはやはりリスクの高い商品ということでございますが、銀行法等には規定はございません。基本的に最適な商品をお勧めするといいましょうか、そういったことは銀行においても大事な事柄だと思いますけれども、適合性の原則というものを規定して縛ってしまうということについては、逆にいろいろな金融商品がたくさん出てくるときに提供に二の足を踏むといいましょうか何かネックになるようなことであってはならないと思うわけであります。 金融機関の中で銀行等は今までは少なくとも預金だとかそういったものを扱っておりますので、それほど適合性の原則というのが問題になってはこなかったわけでございますけれども、今後はいろいろなワンストップショッピング的な動きになりますと、それは頭に入れておくべき事柄だと思いますけれども、今適合性の原則を厳しく入れて、それで縛ってしまうということが適当かどうかこれは今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
○笠井亮君 大事な事柄だと、そして証取法にはあるということをおっしゃいまして、今度やっぱり銀行でもそういう意味では扱う商品が非常に多様になってくる、そしていわば垣根がなくなる状況というのが出てくるわけで、頭に入れておくということにとどまらず、この法律が通ればそういう状況が直ちに起こるということがあるわけですから、これはやっぱり二の足を踏むということよりも、実際にそういう点ではそういう問題が出てきたときにどうするかという問題に直面するわけですから、これから先の課題ということではなく、やっぱりこれはこの法律とこの新しい仕組みとあわせてなければならない問題じゃないでしょうか。
○政府委員(山口公生君) ちょっと誤解があるといけませんので補足させていただきますが、証取法上適合性の原則があると申し上げたことは、少なくとも銀行が扱う商品でも証券関連商品、これは証取法の適用がありますから、その限りにおいては適合性の原則はあるわけですね。 したがって、私が申し上げたいのは、商品ごとにそういった原則が必要なのかどうかという問題としてとらえる方が正確ではないだろうかと。だから、銀行だから、あるいは証券会社だから、あるいは保険会社だからという考え方ではちょっと違うのかなという感じもしているので、先ほどもちょっと御紹介しましたように、取引法的な考え方と業法的な考え方というのは、どうしてもその辺のクロスが難しいということをちょっと申し上げたいと思います。
○笠井亮君 今言われたことがどういうことなのかというのは私も今考えてみているところですけれども、いずれにしましても今回こういう形での垣根をなくしながらいろんな形で新しい商品が出てくる。そして、どういう取引になってくるかも複雑になってくる中ですから、海外で実際にそういう形があるということも念頭に置きながら、日本としても頭に入れるということをおっしゃいましたが、具体的にどうするのかということで検討をきちっとやっていただきたいというふうに思うわけであります。 それからもう一つ、イギリスの金融サービス法ではコールドコーリング、不招請勧誘に対する規制というのがあると思うんです。電話勧誘とか銀行に預金のために来た顧客に投信など別の商品を勧めることなどが基本的に禁止されているということだと思うんですけれども、我が国でもこういう規制というのを取り込むことはできないんですか。
○政府委員(山口公生君) コールドコーリング、依頼に基づかない勧誘、こういう御趣旨だと思うんですけれども、ある意味ではこれはお勧めの仕方といいましょうか、勧誘方法の問題でもあると。そういう観点からいいますと、証取法等にそういった規制というものもあるわけでございまして、そういった規定を一般的に今あらゆる金融商品について入れるべきかどうかというのは実態をよく見てやりませんと、後で依頼があったのかなかったのか、暗黙の依頼があるのかないのかとか、法律論としてはかなり興味が出てくる話ではありますけれども、実際の日々の取引を窓口でやっている人がそのことばかり気にしてということもいろいろあるのではないかというふうに思います。 したがって、今の業法の体系でも、あるいは取引法の体系の中でも必要なものの、例えばこういう勧誘はあってはならないというような規定はございますので、それは現時点において可能な限りの対応はさせていただいているというふうに思っております。
○笠井亮君 私、個別の問題を通じてのこの保護を盛り込めないかということを伺ったのであれですけれども、局長も大臣も、この間やっぱり横断的なそういう法制については、これは中長期的という言葉もお使いになりながら真剣にとにかく検討していくということをおっしゃったわけですね。 それで、横断的なものが必要だということは、今の法律の中で、証取法で部分的にカバーできる部分があるかもしれないけれども、それじゃ、結局今私が提起した問題もやはり必ずしもきちっとカバーし切れるのかどうか。そして、イギリスやアメリカなんかでやられていることも念頭に置きながら検討していくと言われているわけですから今ある中でやれるんだということでは必ずしもないわけで、まさに問題意識としては、大蔵省としてもそこをどういうふうに全体をカバーできるようなものをやっていくかは考えていかなきゃいけないとおっしゃっているわけですから、だからその中で今私が申し上げたような問題もきちっと検討いただかなきゃいけないというふうに思うわけです。 最後に、一言だけ伺いたいんですが、そういう中で消費者保護の問題をめぐって参考人質疑でもございまして、日弁連の意見陳述、質疑もあったわけですけれども、旧弁連がこの問題を熱心に消費者保護ということで研究もされていて、実はこの法案作成過程において余り意見が聞かれなかったということがあったと思うんですね。聞かれる機会がなかったということで、聴取をされなかったということがあったと思うんですけれども、法案作成過程にそういう点では問題もあったのかなと思うんですが、とにかく今申し上げたことを含めて実際どうするかということはたくさんある。そして検討して、早いものはすぐやらなきゃいけない問題もあるし、中長期にと言われる点もあると。 今度、六月二十二日に新しく金融審議会ということで審議会を整理されてつくられますけれども、具体的な問題なんですが、そういう中で消費者保護問題というのはどういう位置づけを持って提起されるのか、それから日弁連のように消費者保護問題について熱心に研究をしているところについてきちっと聴取なり反映されるような努力をされるのかどうか、その点について最後に大臣に伺っておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) ずっと私は申し上げてきたところでありますが、消費者といいますか顧客といいますか、それの保護というのは非常に大事なことだと思います。 それで、今の日本の法体系としては証券業法、あるいはまた銀行法、そういった業法によってある意味では縦割り的に消費者、顧客の保護をするという規定は相当程度整備されておるものと思うんです。委員の御指摘は包括的な保護法をつくれという御意見だと思うのでありますけれども、またそういう趣旨の答申があったということも承知しておりますが、これは関係する省庁もあることでありますし、それから抜けがあっては困りますし、また法律というのは重複しておっても格好の悪いことでありますから、まあ格好は多少悪くても構わぬとは思うのでありますけれども、したがってよく検討して、そして消費者保護というものが徹底するようにしていかにゃならぬ問題だというふうに私は思います。
○星野朋市君 私は、きょうは前半に質問というよりも多少感慨を込めて申し上げたいと思っています。 象徴的なのは、この委員会がこの法案の審議を始めてからまさにその象徴とも言うべきことが起こりました。それはどういうことかというと、日興証券とトラベラーズの提携ということでございます。 私は、ことしになって機会あるごとに政府は金融ビッグバンを進めるに当たって大きな血を流す覚悟があるのかということをしばしば問いただしてまいりました。大きな血というのは何かというと、企業では買収あり、合併あり、提携あり、破綻、それからいわゆる山一のような廃業あり、それから個人ではいわゆる企業のリストラによる失業であるとか、それからヤクルトに代表されるような企業の損失、こういうような問題も付随して起こってくる、そういう中でまさに日興証券がトラベラーズと提携したというのはこれから起こるであろう日本の金融ビッグバンの予兆を感じさせるものがあるのではないかと、こう思っておりますし、さらに興銀と野村の提携、これもそういう問題を含んでいると思うんですね。 残る問題はどうか。なかなか微妙なところですけれども、そうすると、既に山一が破綻し、野村が興銀と結び、日興がトラベラーズと結ぶとなると、残った一角は当然のごとく大和証券、それからその次は、準大手でいくと唯一黒字を計上した国際証券、これの帰趨というのがどうなるのか。その他はかなり難しいでしょうね、今の状況でいったら。 そういうような感慨が浮かんでまいりますけれども、そういうことを総体的に見て、大蔵大臣、どういうお考えをお持ちか、御感想をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(松永光君) 金融関連業界にも大きな波が打ち寄せてきたなと。実は、世界的な規制撤廃、自由競争の時代にもう世界が入っておるわけでありますから、それに備えて日本の金融業界というものも、あるいは日本の金融システムというものについても改革をもっと早くすべきことではなかったかなという感じを私は持ちます。 というのは、午前中から議論の対象になっておりましたように、製造業の分野では何のためらいもなく日本がどんどん外国に進出する、外国の製造業も日本に来る、そして合弁もどんどん行われておったわけですね。そういう過程を通じて日本の製造業も強くなってきたという過去の歴史がありますが、金融の分野については製造業に比べると少し改革をやる時期が遅くなったのかなという感じを私は持っておるわけです。 しかし、物づくりよりも、金というのは足が生えていないわけでありますから、しかも電子取引という時代になってきますというとなおさら国境がなくなるわけでありまして、現に国境がなくなっているわけであります。 そうなってきますというと、この厳しい自由競争の中で勝ち残っていく、そして日本国民の持っておる千二百兆と言われる金融資産というものをより有利に運用できる機会を提供するのが私は金融業界の務めだろうと思うのでありますが、その務めをきちっと果たしながら日本の金融市場を活性化させ、同時に成長産業が金融市場から必要な資金を入手できる、こういうことになってくれば日本の経済はこれから大いに活性化していくだろう、それによって国民は利益を得ることができるだろう、幸せをつかむことができるだろう、そういった時代に入ってきたという感じを私は強く持ちました。 そういう流れの中で、今、委員が御指摘になったような日興証券とトラベラーズとの提携ということが数日前大きく取り上げられたわけでありますけれども、これも立派な活動をしてくれるならば、日本の顧客も自分の資産を有利に運用できるというチャンスに恵まれるわけでありますからそれはいいことではなかろうか、こう思います。 同時に、どうも外国の金融会社の方が力もありそうでありますし、ノウハウもたくさん持っているような感じがいたします。そのために日本の金融・証券会社が果たして太刀打ちができるんだろうかという、そういう不安もないわけではありません。しかし、日本の個人の金融資産が千二百兆もあるということでありますが、そのお金はそのほとんどが日本の銀行等に預金されているのでありましょうから個人のお客さんとの密接な関係は日本の側にある、したがってお客さんの信頼を獲得することができれば十分、そういう面の特色を生かして、利点を生かして外資系の会社に対抗して活動を続けていくことができるのではなかろうかというふうに思います。 いずれにせよ、この金融・証券業界も本格的な厳しい競争の時代が来たと、その競争の中で国民の利益が確保されるような状態になることを私は望んでおるわけでございます。
○星野朋市君 今度の問題に関してもう一つ日本的な特徴があると私は思っているんです。それはどういうことかというと、メーンバンクの存在であります。 日興証券側に言わせれば、メーンバンクの東京三菱にこの問題については早くから相談をしておいた、ところが東京三菱はこれに対する返事を相当の期間にわたって日興証券に与えていなかった、日興証券はしびれを切らせて直接相手と交渉した。メーンバンクというのは何だというところがあるんですね。 日本の銀行は、メーンバンクであるがゆえに親身に物事を相談する場合と、メーンバンクにあぐらをかいて、今度の場合だと東京三菱銀行自体では三・五%しか株式を持っていないはずなんです。かつて、日興は遠山一族のものでして、これが伸びていく最中に各銀行が競ってメーンバンクたらんとした。そんなことはもうすっかり忘れているわけです。そして、メーンバンクであるがゆえにほったらかしにしておく、こういうこともあり得るんですね。 それだから、国際化とかなんとかいいながら、おまえたち本当に真剣に考えているのかというようなところがここにはかいま見られる。今になってメーンバンクに相談せずにやったことだから融資に対して問題あり、こういうような態度に出るのは、私に言わせればけしからぬ話だと、こう思っているんです。これは個々の銀行の問題ですから、余りやり玉に上げてどうこう、私も経験があるものですから、メーンバンクというもののあり方というのをもう少し変えていかないとだめだ、いかに国際化におくれているかというのは銀行が一番おくれているんですから、そう思います。 それで、これは証券局長にお聞きすべきだと思いますけれども、この一年ぐらいの間に日本の金融機関が証券会社その他を含めて外国との提携とか株式の持ち合いだとか、そういう例があったら列挙していただきたい。
○政府委員(山本晃君) 若干順不同になるかもしれませんが、最近の例で申し上げますと、日本長期信用銀行とスイス銀行コーポレイションとの戦略的提携、こういうふうに言っておるようでございますけれども、このような業務提携で長銀証券と、たしか当時はSBCウォーバーグ証券だったと思いますが、それが合体をして合弁の会社をつくるというような動き、これがたしか昨年の七月ぐらいにございまして、たしか本年六月一日からもう既に営業を開始しているというふうに承知をしております。 そのほかの話といたしましては、これは今回ある意味ではさらに大規模な提携になったわけでございますが、本年の三月に日興証券がソロモン・スミス・バーニー証券との共同出資によりまして投信ラップを提供するための新会社を設立したということが公表されております。 それと、和光証券という準大手証券がございます。和光証券が未公開企業に対する株式公開あるいはその資金調達等に関するコンサルタント業務を目的とした新会社、これをつくるということで、株主構成としては和光証券グループと日本事業承継コンサルタント協会というのが、これは我が国の公認会計士とか税理士を会員とした協会でございますが、その協会の会員、そしてニューヨークに所在をしておりますウエストスフィア・キャピタル・アソシエイツ社、この三者で共同会社が設立をされた。こういった動きが証券の周辺では行われているというふうに承知をしております。
○星野朋市君 銀行ではどうでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 昨年の四月に日債銀とバンカーズ・トラストの業務提携がございます。昨年の七月に、先ほどとダブりますが、長銀とSBCとの提携、それから今年の五月に中央信託と香港上海銀行、以上がございます。
○星野朋市君 証券局長、山一証券のメリルリンチの買収という問題、これもやっぱりその中の一つじゃないですか。
○政府委員(山本晃君) そのとおりでございます。
○星野朋市君 だから、事実はもう先に相当進んでいるんですね。大体、生き馬の目を抜くというこの業界ですから、そういう形のものはどんどん進んでいる。これはもう認めなくちゃならないと思うんですね。それに乗りおくれた連中はどうなるのか、これが私はこれからの重大な問題になってくると思っています。 そういうことで、これからのビッグバンが成立した後の日本の厳しさという問題について少し考えを述べたわけでございます。 けさから皆さんがお取り上げになっている例の山一の債務超過の問題について別の角度から私は質問をしたいんですけれども、債務超過はさることながら、今度の法律の中に投資者保護基金の創設というのがございますね。これは今までの解説によると、問題がなければ発足時に三百億円、そして二〇〇一年の三月末時点で五百億程度を証券界として確保する方向で調整中ということだそうですけれども、私はこの前、保険業界で四千億、四千六百億、それから六千九百億という根拠をお聞きしました。 証券界における三百億、五百億、この金額の根拠というものがあると思うんですけれども、それをお聞かせ願いたい。
○政府委員(山本晃君) 証券の場合にはどの程度の規模が適当であるかというのを見積もるというのはなかなか難しい問題がございます。いずれにいたしましても、分別管理というものが徹底されればそれほど大きな金額は必要ではないだろうということは常識論としてわかるわけでございます。 アメリカでも同じような基金がございまして、たしか一九七〇年代初頭に立ち上がったかと思いますけれども、それが大体四半世紀たちまして、今までの使った金額というものが日本円に直しますとたしか三百四十億円程度であるといったようなこと等を考えまして、とりあえずスタート時は三百億円ぐらいでスタートさせていくべきではないのかなと。ただ、アメリカの場合でもそうでございましたが、若干スタート時は分別管理の徹底というのも、もちろんこれは徹底を期すわけでございますけれども、アメリカの場合なんかでも最初の数年間というのは結構使った例があるというようなこともあるわけでございます。 ざっと言いまして、ただ三百億ですと、日本の場合、今まで例えば三洋の問題とか、現在の寄託証券補償基金で相当な額を使うのではないかと見込まれておるというようなこともございまして、保険会社のように歯切れよくどこどこ規模クラスが何社ぐらいは大丈夫ですと、制度が変わるものですから、分別管理を義務づけるということでなかなかわからないわけでございますけれども、全体としては現時点では五百億円ぐらいあれば十分なのかなと、アメリカの大体半分ぐらいということで考えているわけでございます。
○星野朋市君 補償対象となる資産というのは、機関投資家等のプロを除く顧客の預かり資産、こうなっていますね。それからもう一つは、顧客一人当たり一千万円までを補償、補償限度の額については政令事項と二つ大きな理由があるんです。 そうすると、これは私が聞き間違えたのならば大変失礼なんですけれども、山一証券の債務超過について、あたかも投資者保護基金でもって対処できるようなお話があったように思うんですけれども、これは全く間違っているんじゃないですか。今度の債務超過というのは個人の問題じゃないでしょう。
○政府委員(山本晃君) 山一証券の問題につきましては、山一証券が実質的には破綻をした十一月二十四日の大蔵大臣談話におきまして、山一証券の問題については「寄託証券補償基金の発動は現在予定されていないが、本件の最終処理も含め、証券会社の破綻処理のあり方に関しては、寄託証券補償基金制度の法制化、同基金の財務基盤の充実、機能の強化等を図り、十分の処理体制を整備すべく適切に対処いたしたい。」というふうにされたところでございます。 それを受けまして、実は今回御提案申し上げております金融システム改革法のこれは附則になるわけでございますが、附則の四十三条で、いわば法施行日前の破綻で、寄託証券補償基金の外で貸し付けが行われた、具体的にはこの山一のケースも当たるわけでございますが、このうち投資者の保護に資すると認められるものについては、そういったものはこの新たにできる投資者保護基金の方にそういった債権債務関係を引き継ぐことができる、こういう規定が設けられておるわけでございます。 それで、この山一の場合にはピーク時は一兆一千億ないし一兆二千億の日本銀行の特融が出たわけでございます。それが本年三月末には約五千五十億円、それから私どもが山一証券から聞いたところによりますと、六月一日現在ではこれが四千四百五十億円になっているということだそうでございます。 いずれにいたしましても、日本銀行の特融によりまして、一般投資家も含めました投資家の預かり資産、これを返還するための資金繰りに日本銀行の特融が使われたわけであるというふうに認識をしておるところでございます。
○星野朋市君 当時の寄託証券補償基金の額というのは幾らだったですか。非常に少ない金額だったんじゃないですか。
○政府委員(山本晃君) 当時は三百数十億円ということでございます。
○星野朋市君 そうすると、これは過ぎ去っちゃったことなのでいたし方がないとは簡単に言えないことなんですね。 というのは、さっきからずっとお答えを聞いていると、そもそも山二証券は債務超過ではないという形で自主廃業をさせて、そして、さっき私が申し上げたとおり、今後新たな経営負担が生じなければ発足時三百億円、二〇〇一年三月までは五百億円程度、こういう形でこの制度を発足させようとした整合性が一つもないんじゃないかと私は疑問に思っていますけれども、いかがですか。
○政府委員(山本晃君) そこはなかなか難しいところでございますけれども、実は私どもも山一証券が本年三月末時点でもって二百二十五億円の債務超過の状態にあるというふうに知ったのがつい最近のことでございます。ただ、この山一証券の債務超過の問題につきましては、先ほどから劣後の問題とかいろいろあるわけでございます。いずれにしましても、最終的には山一証券が清算をしていわゆるこの金額が確定するというのは大分後のことになるわけでございます。 それと、実は三洋証券にいたしましても、あるいは今現在引き続いて寄託証券補償基金で行われているものとして丸荘証券があるわけでございますけれども、これの処理も、最終的な処理額といいましょうか、それはまだ未定な状況でございます。 そういう意味で、現時点では大体このくらいという、三百あるいは二〇〇一年三月には五百と、その辺をめどにして今後いろいろと考えていきたいということを申し上げたわけでございます。その点は御理解をいただきたいと思います。
○星野朋市君 終わります。
○菅川健二君 本題に入ります前に、昨今問題になっております九七年度の国の一般会計決算につきまして御質問をいたしたいと思います。 新聞報道等によりますと、一兆円を超す規模の歳入不足に陥ることが確実になったと伝えられておるわけでございますが、実際の見通しはどのようになっておりますか。
○政府委員(尾原榮夫君) 平成九年度の税収の見込みについてお尋ねがございました。 六月二日に四月末の累計の税収が判明したところでございます。これによりますと、四月末の累計で一〇二・八%ということで、補正後予算の対前年比が一〇八%、これを下回っているわけでございます。 それで、この税収につきましては実はまだ五月分税収が残ってございまして、消費税率引き上げによる増収あるいは三月決算法人の税収が収納されるということでございますので、この一〇二・八%で必ずしもいくというふうに私どもは考えておりません。 ただ、先日判明した四月末の税収でまいりますと、平成九年分の確定申告の結果が大体わかりました。これでまいりますと、残念ながら申告所得税などにつきまして補正後予算額の達成が困難な見込みになったわけでございます。したがいまして、九年度税収全体についても補正後予算額の達成はなかなか難しい状況に至ったと認識しているところでございます。 具体的な数字ということでございますが、今申し上げましたように、五月分の税収として納付される三月決算法人の関係の税収、これが大きく影響するものでございますので、具体的な見通しについて述べることはちょっと差し控えさせていただきたいと、こう思っております。
○菅川健二君 アバウトに言いますと一兆円前後というふうに見ていいのでございますか。その辺はいかがですか。
○政府委員(尾原榮夫君) 例えば、この五月分の税収、法人税にいたしましても消費税につきましても、八年度の決算で見ますと相当ウエートが大きいわけでございまして、新聞報道で数字が出されたことは承知しておりますけれども、我々、税収に携わる者の方から数字を申し上げることは差し控えさせていただきたい、こう思っております。
○菅川健二君 いずれにいたしましても、大変多額の歳入欠陥を来すであろうということが想定されるわけでございます。 我々、新進党におった昨年の当初以来、消費税アップとかあるいは財革法論議の中で、経済再建なくして財政再建なしということを絶えず主張してきたわけでございますが、案の定、政府におかれては、財政再建を急ぐ余りに病み上がりの経済に九兆円にも上る国民負担増をかけ、公共事業の抑制を図る等のデフレ予算を組む等、金属バットで病み上がりの経済をめった打ちにした、したがって経済自身が瀕死の重体に陥ったのではないかと。その後、ことしになりましてからいろいろ病変に気づきまして幾つかの経済対策を打ち出しておるわけでございますが、これも赤字国債の裏打ちによって初めてできるわけでございまして、そういった対策を打ちながらなお景気は低迷しておるという状況でございます。 この結果、政策不況により税収は減収になるわ、赤字国債の増発によりさらに財政再建というのは遠のくばかりではないかミイラ取りがミイラになったのではないかと言われるゆえんではございますが、この歳入不足は、ただいま申し上げましたように、景気動向に対する政府の政策判断のミスと政策対応の遅さ、これが招いたものではないかというふうに思うわけでございます。 そういった点におきまして大蔵省の責任は重大だと思うわけでございますが、大蔵大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 今、主税局長が答弁を申し上げましたように、平成九年度の税収の見積もり、ある程度の歳入欠損が出る見通しのようであります。しかし、今の段階でその額を申し上げることはできないわけでありますけれども、そうした事態になったということはまことに残念なことだと思っています。これは景気の厳しい状況がその主たる原因だと思うのであります。 こういう状況に対して大蔵省・政府としては、平成九年度の予算につきまして、一月の末から二月にかけて特別減税の法案を御審議願って、成立すると同時に二月、三月にかけて特別減税の実施、そして補正予算の編成をして審議をお願いして、成立すると同時に実行に移す、こういった措置をとってきたところであります。平成十年度の関係につきましても、予算成立後直ちに公共事業等については思い切った前倒し執行ということで今努力を続けているところであります。 なお、平成十年度の予算に関連しても補正予算の編成をして、そして国会における御審議をお願いする、こういったことになっておるわけであります。 いずれにしても、この厳しい経済、景気の情勢を一日も早く乗り越えて日本の経済が安定した成長軌道に乗るように今最大限の努力を続けているところでございます。
○菅川健二君 松永大蔵大臣はめためたになった経済状況の中で御就任なさったわけでございますので御自身に責任を問うというのもいかがかと思うわけでございますが、いずれにしても政府の経済政策の失敗というものが財政再建をさらに遠のかせたという責任は重いのではないかと思うわけでございます。 そこで、減収による不足分というのは今度は次の会計年度の、九九年度になろうかと思いますが、一般会計に予算計上して返済しなければならないというシステムになっておるのではないかと思うわけでございまして、そのための予算をさらに上積みするということになりますと、赤字国債の新規発行を毎年度削減するという財革法そのものがさらに守れなくなるのではないかという危惧があるわけでございますが、この点についていかがでしょうか。
○政府委員(細川興一君) ただいまありましたように、九年度決算につきましては税収がまだしっかりと判明していないということ、それから全体の税外収入の状況、それから歳出の不用の額についても判明しておりませんので確たることを申し上げる段階にはございません。 ただ、先生御指摘のように、仮に九年度決算において決算不足が生じた場合には、仕組みといたしましては決算調整資金から一般会計に資金を組み入れるということによって対応することになりますが、その際、現在、決算調整資金の残高がゼロでありますので、国債整理基金から決算調整資金へ繰り入れを行うということになります。その場合、決算調整資金に関する法律の附則二条の三項、四項によりますと、当該繰り入れた日の属する年度の翌年度までに、具体的に申し上げますと、仮に九年度決算について決算不足が生じた場合には十年度において繰り入れを行うこととなるので、十一年度までに一般会計から決算調整資金に繰り戻し、さらに国債整理基金へ繰り戻さなければならないという仕組みになっております。 そこで、御質問は、このような仮定の上に立って、決算調整資金への繰り戻しといわゆる財革法との関係についてのお尋ねだと思いますが、今回改正になりました財政構造改革法によりますと、経済が一たん停滞に陥った場合、そうした状況が国民生活に重要な影響を与え、その影響に対処するための施策の実施に支障が生じるかどうかを予算編成の都度、諸状況を総合的に勘案して、施策の実施の財源として前年度を上回る特例公債を発行せざるを得ないかどうかを判断するという仕組みになっております。
○菅川健二君 結局は財革法改正の事実上の弾力条項というかそういったものを引き続き次年度にも続けざるを得ないような状況ではないかと思うわけでございます。 そこで、本題に入りますけれども、先週末から地元に帰りまして、月曜日には地銀とか第二地銀、信用金庫、信用組合等の頭取とか理事長さん方にお目にかかりまして、この法案絡みでいろいろ金融情勢について懇談をさせていただいたわけでございます。いずれの方々もこの法案の早期成立を強く望んでおったわけでございますが、私は僭越ながら委員長にかわりまして、今週末には成立するであろうということを一応予告しておきましたので、御了承いただきたいと思います。 その際、いろいろな懇談の中で出たわけでございますが、これまで延滞債権といえば六カ月以上というのが金融界の常識であったわけでございますけれども、この三月からSEC基準によりまして三カ月以上と。これまで三カ月延滞という景気の悪いときには日常茶飯事に行われておったものまでが公表されることになる、あるいは第Ⅱ分類のリスク管理債権というものが事実上不良債権にカウントされるというようなこともございまして、勢い貸し出し姿勢が慎重になって貸し渋りの一つの心理的な要因になっているのではないかというような発言もあったわけでございますが、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(山口公生君) 情報開示、すなわちディスクロージャーの大切さということは強調してもし過ぎることはないということがある一方、世の中の受け取り方次第によっては、今、菅川先生がおっしゃったような貸し渋りの一因にされてしまうというような矛盾点があるのは私どものある意味では悩みでもございます。 ただ、当委員会でもそうでございますが、この国会で不良債権ということとそのほかの例えばリスク管理債権とかいうような用語をきちっと区分けしてお話しいただいておることを非常にありがたく思っております。一口に不良債権というふうに決めつけてしまいますと、ちょっとでも危ないところにはもう貸すな、すぐ回収しろということになってしまうわけです。また、そういう口実を与えてしまうということで、その辺は非常に感謝しておりますが、あわせて大蔵大臣の方からも金融機関に対し貸し渋りというような批判を受けることのないようにということをしばしば強く言っていただいております。 そういうことで、だんだん世の中の理解が進んでいきますとそういった誤解に基づく社会的な悪い現象というのは防げるのではないかというふうに思っておりますし、私どももこの用語の使い方等については慎重にやっていきたいと思っております。
○菅川健二君 いずれにしましても、今お話しのように、十分説明がされていないということがいろいろな誤解を生む一つの原因になっておるのではないかと思うわけでございまして、きちっとした説明をいろいろな形で広報していただきたいと思うわけでございます。 それから、先ほど来、不良債権の早期処理の一環で、早くバランスシートから外さなくちゃいかぬということで、損切りによる無税償却、これも権利調整委員会みたいなものを設けて権利を調整しながら早くその辺を処理してはどうかというような意見がいろいろ出ておるわけでございますが、逆にその損切りの恩恵を受ける債務者が仮に建設業とかゼネコンということになりますと、これは本来返すべき借金を棒引きにしてもらうことになる、そうしたら平成版の徳政令ではないかというようなことも言われておるわけでございます。 そういった面で早期処理ということは必要ではあるわけですが、やはりきちっとしたルールに基づいてモラルハザードの起きないような形というのが重要ではないかと思うわけでございますが、この点について昨今いろいろ論議がございますので、大蔵省のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 今、委員の方から平成の徳政令みたいなことがあってはいかぬという御指摘でございましたが、私もそうだと思っておりますし、ましてや不良なる債務者に対して何らかの利益を与えるような結果になることはこれは私はあってはならぬことだと、こう思っております。 この問題で、債権放棄によって銀行側について一定の条件のもとに債務者が、善良な債務者という言葉を使っていいかどうかわかりませんが、生きていけるような状態にしてあげることも大事なことだというふうな意見があることは事実なんです。 それはどういうことかというと、例えばの話でありますけれども、中小企業が本業は堅実にやっておる、現在も何とかやっていける、しかしその人がバブル時代に、だれかからの甘い言葉に誘惑されて多額の融資を受けてでかいマンションをつくったと、これは本業以外です。ところが、入り手がなかったがためにその多額の借金が払えないという状況。零細企業あるいは個人企業の場合には当然のことながら個人も保証しておりますから、したがって普通の強制執行等をやりますというと、当然のことながら本来の零細企業者の分も全部なくなってしまいまして、その人がこれから生きていけないという結果になることが想定されると。そういった場合に、その人をその場で殺してしまっていいんだろうか。少なくとも経済的にはこういう場合には何か考えてやってしかるべきじゃないか、少なくともその人が本来の仕事で何とかやっていけるような分だけは残してやる、こういったことを考えていいんじゃなかろうかという意見があったことは事実であります。 それは決してモラルハザードを引き起こすようなことにもならぬし、むしろそういったことでまじめに努力する小零細企業者をやっぱり生き残らせるとか生きていけるようにしてあげることも政治じゃないかという意見はあったことは事実でありますが、いずれにせよ不良債務者に何らかの利益を与えるような形での損切りなんというようなものがあってはいかぬというふうに私は思いますし、大体の議論の集約をするところはそういったことではなかろうかと、こう思います。 そういう意味で、実は五月二十八日の日に政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会の第二回目の会議がございまして、そこで中間取りまとめがなされたわけでありますが、その中で八項目にわたる意見の取りまとめがなされたところでありまして、その取りまとめの趣旨に基づいてこれから実行のためのいろいろな作業を進めていく、こうなっておるわけであります。 委員御指摘のようなことにならぬように考えてやっていきたいと、こう思っておるところでございます。
○菅川健二君 いずれにしましても、きちっと対応していただきたいと思うわけでございます。いずれこの問題は制度化のときに議論を深めさせていただきたいと思います。 ただいまのような不良債権の処理策、これはいろいろな問題があるわけでございますが、実質的な処理で最も効果のあるものとして、不動産が利用しやすいような環境をつくっていく、そのために不動産取得税とか登録免許税など土地税制を、例えば二年間なら二年間に限って時限立法によりましてゼロにすることによって土地需要の顕在化を図るという、そういった実体面の促進策を講じてはどうかと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(尾原榮夫君) 土地税制でございますが、平成十年度、今年度の税制改正におきまして、まさに先生が今おっしゃいましたような長期にわたる地価の下落にどう対処していくんだと、さらにこの極めて厳しい経済情勢にどう対応していくのかということで、臨時緊急的な措置として大幅な見直しをさせていただいたわけでございます。 一つは、御承知のような土地の譲渡益課税につきまして相当な緩和を図りました。法人につきましては、いわゆる追加課税なりを適用しない、あるいは廃止する。あるいは個人の買いかえにつきましては相当大胆な措置をとったわけでございます。さらに、かねて言われておりました地価税については凍結をする、あるいは負債利子の損金算入制限措置を廃止する。また、登録免許税のお話がございましたが、これも平成九年度の税制改正でございますが、課税標準を四割軽減するというようなこともやっているわけでございます。さらに今回、本日も御審議いただいている法案でございますが、いわゆるSPC、不動産の証券化を促進するためのものでございますが、そのための税制上の措置についても措置することを予定しているわけでございます。 先生の方から不動産取得税関係についてどうかというお尋ねがございましたが、私どもとしては精いっぱい措置をとったと考えているわけでございまして、これらの税制以外の施策と相まって、ただいまのような税制上の措置を大いに利用していただくということが土地問題の解決に資するのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○菅川健二君 いずれにいたしましても、中途半端なものよりも、やるときは思い切った措置をお願いいたしたいと思うわけでございます。 それから、不良債権処理問題について、いろいろな形で公的資金の投入とかいろいろ検討を進めておるわけでございますが、先般もこの委員会でおんぶにだっこに哺乳瓶というような他の委員の御発言もありましたけれども、とにかく余りにも甘やかし過ぎますと、逆に言えば金融サイドも、増長とまではいかないにしても、みずから本来けじめをつけなくちゃいかぬ、みずから厳しく律するということが必要であるわけでございますが、それがややもすればどうも手が抜けがちではないのかと。 これは先般、給与の問題とか資産の問題、それから経営陣の責任の問題、幾つか申し上げたわけでございますが、もう一つ、三月期決算では大手銀行が軒並み赤字を計上したわけでございますが、一部の銀行を除きまして、安定配当と称しまして、従来と同様に横並びで配当率を据え置いたわけでございます。これはもとより銀行サイドの独自の判断でございますから、公的にどうこうすべきことじゃないと思うわけでございますが、公的資金を自己資本に注入したりしておる昨今でございますので、こういった面におきましても、本来赤字企業については無配にするとかあるいは減配にするのが一つの原則ではないかと思うわけでございますが、公的資金を投入されておられる大蔵省の立場としてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 国会のお許しを得まして金融二法を成立させていただいて、資本注入を三月末で二十一行についてやったわけでございますが、国の立場からいいますと、資本注入した以上はやはり配当はきちっといただきたいというのがある意味では株主の立場としては言いたいところでございます。 ただ、先生がおっしゃりたいことは、もう少しリストラ等をきちっとやってその上での話だろうという御指摘であれば、まさにそのとおりだと思います。配当も、ざっと見ますと、かなり横並び的なという批判が当たらないでもないというような感じもあります。ただ、二十一行のうち八行が同じ配当金額となっているということを指してのことだと思いますけれども、各銀行がそれぞれの置かれた立場を十分に認識してこれから独自の経営戦略を練って果敢にそれを実行していただきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 最後に、若干先の話といいますか、しかし現実にせっぱ詰まっておる問題といたしまして、コンピューターの二〇〇〇年問題があるわけでございます。関係業界はこれに追われておるわけでございまして、ソフト会社に聞きましても、人手が足りなくて大変なんだというふうに私自身も聞いておるわけでございます。 特に、金融業界におきましては決済システム等大変重要な役割があるわけでございます。間に合わないと大変なことになるわけでございまして、この準備状況はどのようになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(山口公生君) 菅川先生がおっしゃいますように、二〇〇〇年問題というのは考え方によっては大変深刻な問題だという認識を持つべきだと思います。 我が国の金融機関の準備状況について御報告申し上げますと、当局がことしの一月に実施しました実態調査によりますれば、ほとんどの金融機関におきまして二〇〇〇年問題の重要さを認識しておりまして、システムの修正などについても対応済み、あるいは現在対応作業中であるとの回答を得ております。また、本年十二月以降には、多くの金融機関が参加しまして、日銀ネットや全銀システム、いわゆる決済システムのテストを開始する予定になっているというふうに聞いております。当局としても、引き続き対応状況の把握に努めるとともに、金融機関に対してこの問題への適切な対応を促す必要があるというふうに考えております。 これは、ひとり金融機関だけの問題ではないということで、あらゆる分野での二〇〇〇年問題というのがあるかと思いますが、特に金融機関は重要な問題点だというふうに認識しております。
○菅川健二君 終わります。
○委員長(石川弘君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより四案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、金融システム改革法案外三法案に対して反対の討論を行います。 まず、金融システム改革法案は、いわゆる日本版ビッグバンを図るための一括法案であり、金融の自由化、規制緩和を全面的、包括的に進めるものであります。 今、日本の金融は、みずから招いたバブルの後遺症で膨大な不良債権を抱え、巨額の公的資金の投入を含む至れり尽くせりの支援策にもかかわらず、いまだにそれを克服し得ず、貸し渋りなどに見られるように、金融が本来果たすべき役割すら十分果たしていません。 金融ビッグバンの中心理念は市場原理中心主義であります。金融を市場原理にゆだねれば、金融機関は利潤追求を最優先し、公共性や社会的責任が一層投げ捨てられることは歴然としております。金融の本来の機能を回復するためには、金融機関に公共性や社会的責任について明確な自覚を求め、必要な規制を強化することこそ必要であります。 本法案は、第一に、投資信託やデリバティブなど資産運用手段の多様化を図り、これを銀行の窓口で販売するなどにより、国民の金融資産を預金から元本保証のない金融商品に向かわせようとしています。これは一千二百兆円に上る国民の金融資産を内外の金融機関の収益拡大の対象とし、投機の波にさらすことになるのであります。 第二に、法案は、銀行、証券、保険など業務の垣根を撤廃し、金融機関の業務範囲を拡大しています。この結果、金融機関の公共性や社会的役割は軽視され、業態を超えた内外の金融機関同士の競争が強められ、巨大な金融コングロマリットだけが生き残る金融再編が予想されます。その結果、中小の金融機関が淘汰され、中小企業や地域経済に大きな影響を与えるとともに、金融労働者の雇用と生活を脅かすことが避けられません。 第三に、監督体制が不十分なまま金融機関が多くの業務を兼業する結果、利益相反やインサイダー取引など不正行為が横行することが予想されます。また、情報公開が不十分なまま多様な商品が出回る結果、消費者被害が急増することが予想されます。にもかかわらず、本法案には、金融制度調査会ですらその必要性を認めている消費者保護法の制定が先送りされているのであります。 特定目的会社資産流動化二法案については、不良債権のリスクを個人を含めた投資家に分散するものであり、郵貯資金などの投資対象とされるなど、公的資金の出動も検討されているものです。金融機関特定金融取引一括清算法案については、倒産処理の合理化という面を持ちつつも、デリバティブ取引の一層の拡大に対応したものであります。 以上の理由から四法案に反対であることを表明し、討論といたします。
○委員長(石川弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次四案の採決に入ります。 まず、金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、久保君から発言を求められておりますので、これを許します。久保亘君。
○久保亘君 私は、ただいま可決されました金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、自由党及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたしますへ 案文を朗読いたします。 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 金融システムが経済及び国民生活の基盤をなすものであることを踏まえ、不良債権の迅速かつ本格的な処理を促すとともに金融システムの安定化に格段の配慮を払うこと。 一 今後の金融行政の運営に当たっては、いわゆる通達行政を見直し、明確なルールに基づく市場規律を軸とした金融行政と政策決定過程の透明化を早急に確立し、金融行政に対する内外の信頼回復に最大限の努力を傾注すること。 一 我が国の金融・資本市場を公正かつ透明で利用者が安心して取引できるものにするため、仲介金融機関の法令遵守のための内部管理体制の早急な確立を促すとともに、不公正な取引等に対する検査・監視体制を抜本的に充実・強化し、また、金融関係法律の罰則規定についても、社会経済情勢の変化に対応して不断の見直しを行うこと。 一 多様な金融商品やサービスが提供されるようになることにかんがみ、預金者等の利用者が不測の損害を被ることのないよう金融機関に義務づけられた商品説明等が適切に行われるよう留意すること。また、いわゆる金融サービス法等の利用者の視点に立った横断的な法制について早急に検討を進めること。 一 投資者の保護を十分なものにするため、証券会社による分別管理の徹底を図るとともに、その監視を強化し、違反に対しては厳正に対処すること。また、投資者保護基金を発動した場合には、分別管理等に関する違反がなかったか原因の究明を厳正に行い、証券会社の経営者がモラルハザードに陥ることのないように努めること。 一 投資者保護基金及び保険契約者保護機構は、借入れに対する政府保証債務の履行が安易に行われることのないよう透明性の高い運営に留意すること。 一 金融機関が抱える不良債権の流動化について、本法の実効性を確保するため、米国のRTC等諸外国の制度も参考にしつつ不良債権の処理方策等について検討すること。 一 金融システム改革は、我が国経済・社会の活性化に不可欠のものであり、我が国金融業の発展に資するものであるが、雇用面での摩擦的な痛みを伴う可能性があることにも留意をして進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(石川弘君) ただいま久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石川弘君) 多数と認めます。よって、久保君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、松永大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松永大蔵大臣。
○国務大臣(松永光君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(石川弘君) なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会 ―――――・―――――