P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
142回国会参議院1998/05/28

財政・金融委員会 第18号

発言数
193
登壇者
20
会派数
7
開催日
1998/05/28

会議録

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十六日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君が選任されました。  また、昨日、萱野茂君、和田洋子君及び海野義孝君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君、伊藤基隆君及び牛嶋正君が選任されました。     —————————————

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事安斎隆君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

林芳正自由民主党

○林芳正君 自民党の林でございます。  それでは、関連四法案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。  まず総論的に、おとついの参考人質疑のときにも話題になりましたけれども、いわゆるビッグバンが始まっておる、進展していくという中でますます国民の皆様の自己責任というものがクローズアップをされるわけでございますが、ビッグバンが進みますと行政が事前にコントロールをしていく行政の支配というものから事後的なコントロールをするいわゆる法の支配というものに変わっていかなければいけないということが基本的な考え方ではないかなと、こういうふうに思うわけでございますが、この点に関してまず大臣から総論的に御見解を賜ればと、こういうふうに思うわけでございます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今御指摘のように、今回の金融システム改革、これによりまして行政による事前調整的な規制、これを大幅に撤廃ないしは緩和をして金融機関等が透明なルールのもとで市場原理にのっとった業務活動を自由に行える、そういうふうになっていくわけであります。  同時にまた、定められた法律に基づいて、あるいはまた市場原理に基づいて業務活動をしていただくわけでありますから、それに違反しているかどうかこういう点についての事後的なチェック、これは当然必要であると思いますが、さような意味で事前指導型のことはなくなる、事後チェック型になる、こういうことであります。  同時に、その場合に大事なのは、さまざまな金融商品ないしはサービスが提供をされるわけでありますから、それを利用する者の中には一般の利用者、すなわち素人と言うと語弊がありますけれども、そういう方もそういう取引に参加するということになってくるわけでありますので、そういう一般の利用者についてのいろいろな保護的な規定、例えば事前によく説明しなさいよとか、そういったことを含めて利用者の保護というのはしっかりやらなきゃならぬと、またそういう仕組みになっているというふうに私は理解しております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  短期的に激変緩和措置ということで、しばらくはなれてもらうためにある程度のコントロールをしていく、また制度の告知をする、二〇〇一年三月までは預金を全額付保するというのはまさにこういった激変緩和措置だと、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、一つ実例を挙げさせていただきたいわけでございますが、保険の分野でリスクの細分型自動車保険というものが認められるようになっておるわけでございまして、これも今までの全くの画一から、やはり保険ですからリスクに応じた料率を自由に設定してよろしいということでありますが、最初からもう何でも勝手にどんな料率でもいいですよというふうにいたしますと、これはアメリカでよく言われることは、全く保険のついていない車が走って事故が起きたときに、保険がかかりていないものですから、その両者にお金がないというようなことも指摘をされるわけでございまして、中期的、長期的にはだんだん外していく方向ですけれども、短期的には少しずつならし運転をするというようなことが必要だと、こういうふうに思うわけでございます。そこで、このリスク細分型も、例えば年齢では一番高いところと一番安いところは一応三倍以内ぐらいにおさめてください、性別についても、男女どっちかというと差しさわりがあるかもしれませんが、一・五倍以内におさめてくれ、こんなようなことになっておるわけございまして、この趣旨に沿っておるのかなと思うわけでございますが、一点だけ、東京は事故が多いとか、どこかの県の人は非常に運転が荒いとか、よく我々も世間話では話すわけでございますが、この地域による区分というものが少しかた過ぎるのではないかなと。経過措置というのはわかるんですが、全国を七つの地域に分けてその中は一つの料率しかありません、こういう仕組みになっておるわけでございます。  例えば、私の地元は山口県でございまして、非常に運転マナーのいい県だと自負をしておるわけでございますが、近畿中国が全部一緒のブロックになっております。大阪から京都、滋賀と始まりまして島根、山口まで全部一緒のブロックになっておるものですから、ここの平均の事故率が、全国平均を一〇〇としますと、大阪が入っているからだと思うんですが、一〇七になっているわけでございます。大阪は私の家内の里でございますから余り悪口は言いたくないわけでございますが、このブロック全体が一〇七、山口県は九八なんですね。ちなみに大阪は一一四でございます。  ですから、山口県の人は山口県だけで料率を組んでもらえれば一〇七ではなくて九八に見合った料率が供給されるわけでございますが、ほかのところも一緒になっているものですから一〇七まで払わなきゃいけない、こんなようになっていまして、ここはもう少しやわらかな仕組みがとれないものかな、激変緩和措置の中でももう少しやわらかな仕組みにしていただく、長期的にはこれをだんだんと緩めていくという方向性が望ましいと思うんですが、その点について、大蔵省、いかがでございましょうか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) お答えいたします。  ガイドラインにおきます地域区分が適切か否かのお尋ねでございますが、今御指摘のように、このような自動車保険は我が国でまだなじみがございませんので、万が一にも被害者救済機能等に支障が生じないようにするために昨年ガイドラインを設けさせていただいたわけでございます。  この地域区分につきましては、確かにいろいろな考え方があると存じますが、とりあえず日本に定着するまでの間の考えということでございまして、保険の対象が自動車であるということでほかの損保対象商品と比較しまして広い範囲で走行される可能性があるという特殊性がございます。それから、自動車事故というリスクも発生が広域に及ぶことも考えられるわけでございまして、そういうことから今御指摘のガイドラインにおきましては今まで全国一律だったものを七つの地区という大くくりにしてみたわけでございます。  ただ、ガイドラインの中にも記載してございますが、料率を細分化する基準となる危険要因とか、あるいは今もおっしゃっておられた料率格差に関する規定につきましては、被害者救済に支障が生じないか否かを勘案しながら必要に応じて見直しを行っていくこととしておりまして、今後適切に対応してまいりたいと存じます。その意味で、林委員御指摘のような御意見も十分踏まえてまいりたいと存じます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。ぜひその方向で御検討をお願いしておきたいと思うわけでございます。  今、そういう一つの具体例を挙げたわけでございますが、まさに激変緩和措置を経てだんだんとそういうふうな自由なところへやっていくという中で事前規制型から事後規制型、こういうふうに申し上げたわけでございます。  そうしますと司法制度の充実というのが大変に大事になってくるわけでございます。大蔵省関係といいますか、金融関係でも準司法的な役割を果たしてきたところ、これは証券監視委員会とか今度新しく発足します金融監督庁というのがまさにその任を担っていくわけでございます。この辺の体制整備というのが大変に重要になってくる、こういうふうに思うわけでございますが、その辺につきまして御見解を賜れればと思います。

畠中誠二郎内閣審議官

○政府委員(畠中誠二郎君) お答えいたします。  御案内のとおり、金融監督庁は、事後チェック重視型の金融行政への転換に資するという観点から、民間金融機関等に対する検査・監督を専門的に行う独立の行政機関として総理府に外局として設置されるものでございます。  また、金融監督庁の設立に当たりましては、証券取引等監視委員会についても合議制機関としての現行の体制のまま金融監督庁に移管することとされております。  お尋ねの検査・監視体制の整備につきましては重要な課題と受けとめておりまして、十年度予算におきましても、国家公務員全体の定員が抑制される中で、証券取引等監視委員会の特別調査官の増員を含め、検査・監視要員について可能な限りの増員を図ったところでございます。  いずれにせよ、検査・監視機能の充実強化は今後とも重要な課題でございまして、金融監督庁発足後におきましても、厳しい定員事情をも踏まえつつ検査・監視体制の計画的な整備に最大限努めていく必要があるというふうに考えております。

堀田隆夫証券取引等監視委員会事務局長

○政府委員(堀田隆夫君) 監視委員会の方からお答えをさせていただきます。  私どもの組織は、平成三年の証券不祥事を背景にいたしまして、市場ルールの遵守状況を中立的、客観的な立場から監視する機関として設置されました。今、六年目が過ぎようとしているということでございまして、今お話がございましたように、この六月には金融監督庁に移管されるということになっております。  やっております仕事の内容は、証券会社に対する検査、あるいは証券市場における日々の取引を審査する日常的な市場監視、さらには悪質な行為につきまして事実を解明して検察庁に告発する犯則調査という活動でございまして、まさに事後チェック型行政そのものを今推進しているということでございます。  六年目に入りまして、だんだん大蔵大臣に対する勧告件数でございますとか検察庁に対する告発件数はふえてきておりますけれども、なお私ども市場の状況を見ますと関係者の法令、ルールの遵守意識というのはまだまだだなという感じがしておりますし、また私ども自身といたしましても、例えばこの間の山一証券のいわゆる飛ばし取引を過去の検査で把握できなかったというような意味での能力の向上を図らなきゃいかぬという気持ちが強いわけでございます。  今、準備室から御答弁申し上げましたように、そういったことで今年の予算におきまして特別調査官十五名の増員を認めていただいておりますが、私ども自身の努力といたしましても、事務の効率化を図るためのコンピューターシステムの拡充でございますとか、あるいはノウハウの蓄積によります市場監視手法の開発向上にいろいろと努力をしていかなければいけないなと思っておるところでございます。  今後とも、御指摘の点を踏まえまして、体制、機能の充実に努めてまいりたいと思っております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ぜひよろしくお願いしたいと思うわけでございます。  準司法と司法といいますか、この切れ目のない体制というのが私は大事ではないかな、こういうふうに思うわけでございまして、例えば特許庁ですとか公取ですとか、そういうようなところといわゆる司法の連携というものが今後ますます重要になってくると思われるわけでございます。そういった意味で、例えば公取、独禁法関係でもいわゆる私訴みたいなものを認めた方がいいのではないかこういう御指摘も私は差し上げているわけでございます。  そこで、最後は準司法から司法へと行くわけでございまして、今おっしゃいましたように、人材といいますか、深みがなかなかない。今までの日本の社会そのものが訴訟へ行くというのはよっぽどのことがない限り行かないわけでございまして、その事前で何とかということもあった。鶏と卵のところがあるのではないかなと思うわけでございますが、今後はやはり司法のある意味ではサービス機能といいますか、機能の充実というものが大変に重要になってくると思うわけでございます。  我が党でも司法制度調査会というところに特別の委員会を置きまして鋭意検討しているところでございますが、法務省からその辺の司法制度、こういう規制緩和、また法の支配に変わっていくということを踏まえた対応につきまして御見解があれば賜りたいと思います。

河村博法務大臣官房司法法制調査部司法法制課長

○説明員(河村博君) 委員御指摘のように、今後、金融ビッグバンを初めといたします社会の変化に伴いまして、国家の基礎を支えます司法の役割というものは一層重要なものになると考えられるわけでございまして、最終的には司法の場において国民の権利、利益に反する紛争を適正、迅速に解決する、また、さまざまなルール違反と申しますか、違法行為に的確に対処していくということへの国民の期待は非常に高まっておるというふうに考えております。そのためには司法全体の機能を充実強化する必要があると考えております。  そのため、法務省におきましては、こういった社会の種々の法的なニーズにこたえますために、この通常国会に司法制度を人的な面で支えます法曹人口増加のための司法試験合格者増加の措置ということに伴います裁判所法等の改正法律案を提出させていただきまして、四月二十四日に参議院本会議で可決成立していただいたところでございます。  これによりまして司法試験合格者が本年度から八百人程度、また来年度から年間千人程度に増加することになるわけでございますけれども、今後とも法務省といたしましては、国民的な見地に立ちまして、司法の機能を充実強化するため意欲的に取り組んで適切な方策を講じてまいりたいと考えておるところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。ぜひその方向でお願いをいたしたいと思うんです。  今、司法試験のお話がありましたけれども、アメリカ型社会では、あそこまで全部裁判になっても困るわけでございますが、いわゆる司法試験に当たるバーイグザムというのがございまして、これは州別にやるんですけれども、日本でいうとちょうど医師の国家試験的な感じでございまして、受けた人は大体受かる。日本の場合は、大臣も法曹でいらっしゃいますが、大臣のような大変に優秀な方しか司法試験には受からない、こういう厳しい仕組みになっておりまして、社会に対応して少しその枠を広げる方向でぜひやっていただきたい、こう思うわけでございます。  そこで、各論に入らせていただきますけれども、まずSPCの関係につきまして若干質問させていただきたいんです。  今、トータルプランというのが出ておりますけれども、不動産などの資産の流動化を図るということで大変画期的な法律だと、こういうふうに思っておるわけでございます。結局、資産担保証券、アセット・バックト・セキュリティー、いわゆるABSを発行するためのものであります。これを発行した後、市場にきちっと受け入れられて流通していかないとせっかくSPCをつくってももとのもくあみだということになるわけでございますが、市場にどういうふうに受け入れられていくのか、またそのために今回の審議しております法律でどのような措置を講じておられるのか、お聞きをしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  今回御審議賜っておりますSPC法案で新しいタイプの株式会社ではない形の法人を認めていただくと。これは今の商法の規定ですと取締役が三人以上、最低資本金も一千万とかなりバーが高くなっておりますが、これを一人以上、三百万というふうに下げる、あるいは税法上も法人税の扱いを導管理論を通して、それを原則としてかけないというようないろいろな形をまずとらせていただいたということが一つの特徴でございます。  もう一つは、金銭債権、つまり貸出金とかあるいは不動産等を切り離してこのSPCが買い取る、それを背景にアセット・バックト・セキュリティーという形で債券を発行するわけでございますが、通常考えております債券というのは社債券が普通で、それは確定利付で払えなくなるとデフォルトをすぐ起こすという形になっておりますが、今回御審議賜っております中身はエクイティー型、つまり優先株のようなものもあわせて出せる、あるいは、それだけでも構いませんが、それとデット型、つまり社債券のようなもの、それからCP型みたいなものを組み合わせて出せると。  そうしますと、価格変動リスクがあります。例えば不動産をアセットバックトのアセットにした場合には変動がございます。その変動のリスクというものをこのエクイティー型の部分で吸収できると。値上がりすればかなりもうけが出ますし、値下がりすればそれは価値が落ちるということで、非常にうまくそこを吸収できるという形で、市場としてはかなりハイリスク・ハイリターン的なものになる可能性はありますが、合理的な価格設定さえ行われれば、それは流通も大いにできるんだろうと思います。  最初から公募の形になるのかしばらくは私募の形でいくのかという点につきましては、恐らく後者ではないかと思うわけでございますが、そのほか法的な仕組みとしましても、ディスクロージャーを相当徹底させるようにしております。  それと、もう一つはコーポレートカバテンスの仕組みも入れてございまして、もう任せっきりということではなくて、例えば具体的に申し上げますと、優先出資証券への出資者については役員の任免に係る一定の議決権を認めるとか、株式会社でいいますと例の株主代表訴訟権みたいなもの、違法行為差しとめ請求権という形の共益権を認めるとかいうコーポレートカバテンスも整備してございます。  したがって、そういった法的な仕組みもあわせてぜひ我が国のマーケットに定着させていきたいというふうに考えております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  局長がおっしゃったように、特にエクイティー型を入れたわけでございますので、このエクイティーファイナンスをした人のコーポレートガバナンスへのかかわりというのは大変大事なポイントだと思います。それだけハイリスクをとっていただくわけですから、これは勝手にいろいろやられないである程度歯どめをつけるというのはうまく仕組んでいただいたなと、こういうふうに思っておるわけでございます。  そこで、法務省、来ておられると思いますが、今度これをつくった一つの原因として、債権譲渡の原則というのは全部債務者に通知をしないと対抗要件が具備されないということで、それは余りに権利関係がふくそうしておりまして大変でございますから、これは一括して登記をすることによって特別法では対抗要件としてやるということでつくったわけでございますが、この説明を見ますと、結局その登記をしたことをやはり債務者に一つずつ通知をしなければいけない、私の理解不足かもしれませんが、それを必要としておるように読めるわけでございます。きょうたまたま法務委員会でも同時刻に審議をしておりますのでそちらでも出るかもしれませんが、せっかくつくったのであればもう少しこの通知とかその辺の事務の煩雑さを緩和できる方途がないのか、お伺いしたいと思います。

吉戒修一法務大臣官房審議官

○説明員(吉戒修一君) お答え申し上げます。  今、委員御指摘のとおり、債権譲渡特例法案、これは正式には債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律案というふうに申しますが、本日、法務委員会の方で御審議いただいております。  内容でございますけれども、これは債権譲渡の手続を簡素化いたしましてその円滑化を図るために、今御指摘のとお力、債権譲渡の対抗要件を第三者対抗要件であります債権譲渡登記と債務者対抗要件であります債務者に対する通知、この二つに分けております。  こういうふうに対抗要件を分離いたしましたのは、最近の債権譲渡取引、殊にSPCが行います債権流動化の場面におきましては、債権を譲渡いたしましてもなお譲渡人であるもともとの債権者が従来と同様に債務者に対しては債権者として振る舞う、それでその弁済を受領した上でこれを譲り受け人である新債権者に移転するということが考えられます。したがいまして、委員御指摘のような債務者に対する通知をなおさらに要するというような場合は通例は生じないのではないかというふうに考えております。したがいまして、この場合債務者はもともとの債権者に弁済すれば当然免責されるということになるというふうに考えております。  したがいまして、先生御指摘のとおり、なおその債務者対抗要件として債務者への通知が必要になりますのは、例えばその譲り受け人が債権の回収をみずから行う場合、こういうふうな場合に限られると。この場合には、やはり債務者への通知を要求いたしませんとその保護に欠けるのではないかと思います。  なるほど、先ほど御指摘にもございましたように、債務者対抗要件を簡素化する一つのアイデアといたしましては、債務者に対する通知にかえまして、既にございますけれども、例えば特定債権等に係る事業の規制に関する法律、いわゆる特定債権法というのがございますが、これでは公告の制度を採用いたしております。しかしながら、この公告という対抗要件の具備の方法につきましては、公示という方法の十分性がどうかという点、あるいは公告でございますので債務者がおよそ知らないうちに債務者対抗要件を具備するというような事態も起こり得ますのでその場合に債務者は二重弁済の危険を負うとか、あるいは譲渡人に対します相殺をすることができなくなるというような危険もございます。そういうふうな問題点の指摘がございます。  したがいまして、私どもの方で今提案をさせていただいております債権譲渡特例法案では、その対象といたします法人による金銭債権の譲渡一般につきまして、特定債権法と同じような公告の制度を採用することはいたしませんで、債務者に対してさらに債権回収いたします場合にはやはり通知をしていただくというようなことで債務者の保護を図っておるということでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。債務者の方に若干偏っているといいますか、軸足が置かれているような印象を正直言って持ったわけでございまして、第三者というのは契約の当事者じゃないわけですから、その人にとっては登記で足りて、その契約の当事者である一番債権債務関係について関心が強い、持っているはずであろう人には通知をしなきゃいけないというのは、何となくバランスが寄ってもいいなという感じがいたしますが、今おっしゃった公示・公告ということも含めて、もう一歩御検討をお願いしておきたいと、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、持ち株会社の関係について質問させていただきます。  今度の改正とあわせまして、持ち株会社の設立に関してはいわゆる三角合併方式というものが認められるようになったわけでございますが、この間の参考人の質疑のときにもその資料の中に御指摘があったわけでございますけれども、銀行にしかこの三角合併方式は認められない、証券、保険については今後のことだということになっておるそうでございますが、今後、証券、保険にもこの方式を認めていくことになっておられますのか、その辺をお伺いしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  委員が御指摘のとおり、銀行に関しましては、多数の根抵当権を保有している等の問題がございまして、いわゆる抜け殻方式によりまして持ち株会社を創設するということが実務上極めて困難である、不可能であるということから、昨年の秋の臨時国会で成立をいたしました銀行の合併手続の特例に関する法律によりましてこの三角合併の特例を設けたものでございます。  これに対しまして、融資業務を行わない証券会社等につきましては、根抵当権をほとんど持たない等の銀行のような特殊事情がないということから、一般事業会社と同様に抜け殻方式によりまして持ち株会社を創設するということになるわけでございますが、この点につきましては、証券会社等に限らず一般事業会社も恐らく含めてということになろうかと思いますけれども、いわゆるアメリカ等で一般的であります株式交換制度につきまして関係省庁とも十分に相談をしていきたいというふうに考えているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。ぜひ鋭意検討を進めていただきたいと思うわけでございます。  そこで、少し違った観点でございますが、電子マネーといいますか電子商取引につきまして、いろんな国際会議でも話題に上っておるようでございますが、ほんの数年前まではサイエンスフィクションといいますか空想の域を出なかったわけでございますけれども、昨今はインターネットも普及をしておりますし、電子商取引で実際に商取引をされる方の数が飛躍的に増大をしておると。  電子商取引というのは、インターネットで取引をしまして、いわゆる売買の契約をそこでやるということでございまして、商品のデリバリーと決済というものが発生をするわけでございます。このデリバリーについては、例えばソフトウェアのようなものであればインターネット上というかサイバー上で流通させることができるわけでございますが、いわゆる鉛筆とか本というものは運ばなきゃいけない、こういうことであります。これは非常にすっきりしておるわけでございますが、決済の方はサイバーの外で例えば現金カードというようなものを使ってやるということと、それからもうサイバー上に決済手段を流通させる、これがいわゆる電子マネーのネットワーク型、こういうふうに言われているところでございますが、そういうような動きがあるわけでございまして、国際会議の場でも特にアメリカの主導で電子商取引については新たな課税をしないというような方向性が出ておるようでございます。  これについてはアメリカの国内では連邦政府と地方の州との間では大分確執があるようでございますが、このような動きに合わせて我が国もどちらかというと自由な方向で歩調を合わせておるように論調は見ております。  一方、ヨーロッパは割とアメリカでいうと州の方に近い立場でありまして、商取引をするからには原則課税である、こういうような立場だというふうにも聞いておるわけでございます。  この国際的な動きと我が国といいますか大蔵省のスタンスについてお伺いできればと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 税の話あるいは関税の話、いろいろ多岐にわたる個別分野での問題が生じてくる難しい問題だと思います。  御指摘のとおり、情報通信技術がいろいろ進歩しておりますので、インターネット等を活用した電子商取引の発達が非常に進むことが予想されます。そうした場合に、国際的な動きとしても、こういったものに課税をするのかしないのかあるいは関税をかけるのかかけないのか、かけるとしたらどういう形でやるのかとかいう問題が生じるわけでございます。今まで予測していなかったような事態が発生するわけでございます。  今、先生から御紹介いただきましたような点は各国とも問題意識を持っておりまして、G8の外相・蔵相合同会合でもこの電子商取引についての議論がなされております。さらに、今私が申し上げた関税と税等の個別分野におきましてもそれぞれ検討の場、WTOとかOECDという場で議論が進められております。各国の意見がまだ統一されてはおりませんけれども、急ぎやりませんと事実の方が先に進んでまいるような事柄でございますので、我が国としても積極的にこれに参加していきたいというふうに考えておる次第でございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 そこで、プリペイドカードのときもそういう状況があったわけでございますが、実態の方が先に行くわけでございますけれども、事通貨といいますかマネーということになりますと、一方で国家の通貨高権というものがございますから、全くこの国家の通貨と一緒のものということになりますとこれは財政というよりも金融政策の方に大きな影響が出てくる可能性があるわけでございまして、勝手にどんどん電子マネーが出ていって、為替もどんどん自由にサイバーの中で動くようになるとこれは外為にもかかわってきますし、通貨の発行量の管理というのがなかなか難しくなるのではないかなと。そこまでいくとまだサイエンスフィクションの域を脱しないような気も私はいたすわけでございます。  そういうような状況を踏まえて、なるべくいろんな技術を持った人やいろんな新しい商売をしようとする人の意欲を引き出すような形で、しかも消費者といいますか利用者が不測の損害をこうむらないようにしていくために電子マネーや電子決済というものの環境整備をうまくやっていかなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、この辺について検討状況を教えていただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先ほど来の先生の御指摘の中でもう一つ大切なポイントはこの電子マネー、電子決済の部分でございます。  これも各国とも技術進歩とともにかなり事実上いろいろな実験がそろそろ実用段階にというふうになってきております。したがって、各国ともいろいろな今御指摘のあったような問題点を何らかの形で早く結論を出して対応しなきゃいけないという意識があります。  我が国も、当国会での御指摘もございましたし、昨年の十月から金融制度調査会のもとで懇談会を開催しておりまして、大変熱心な御議論をいただいております。  今おっしゃいましたできるだけ自由な技術進歩を育てるという、つまり規制でそれを押し込めてしまうことはしないようにしようという基本的な考え方をベースに考えておりまして、同時に利用者の保護、決済システムの安定性というようなことに配慮する観点から、取引のルールあるいは発行体の適格性、発行体が破綻したときにどう対応するかというような点について御検討をいただいておりまして、何せ見えないもの、またやったことがないものでございますので非常に難しゅうございますけれども、やはりこれも急ぎ制度の整備を図っていくということが必要だろうというふうに思って相当議論をハイビッチでやっておる状況でございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 その懇談会の答申の今後のスケジュールがもしおわかりであれば、ちょっとそれについて教えていただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) そろそろこの懇談会で何らかの中間的な取りまとめをお願いしたいというような気持ちでおりまして、例えば利用者に対する説明の義務をどうするかとか情報開示制度の整備をどうするかとかあるいは電子マネーを発行する発行体の範囲を金融機関以外にも認めるかどうかとか、あるいは、電子マネーの発行見合い資金というのがあるわけですから、この発行見合い資金を適切に保全するための分別管理等の制度を整備するのかしないのかといったかなり具体性を持った中間的な取りまとめをそろそろお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 そろそろということでございましたので御期待をしてお待ち申し上げたい、こういうふうに思うわけでございます。  今まさに局長がおっしゃいましたように、準備金なんかは形を変えた自己資本比率みたいなものでございまして、どこへ設定するのかというのは消費者の保護とこの業務の自由性というようなものの引っ張り合いになるのかな、こう思います。また、金融機関以外のところにこれを認めるかどうかというのも大変大事な論点になってくると思いますが、なるべく広く御検討を賜ればと、こういうふうに思うわけでございます。  それで、日銀に来ていただいておると思うんですが、この件もぜひいろいろお聞きしたいことがあるわけでございます。  聞くところによりますと、日銀もNTTさんと共同で転々流通してしかも履歴がわからないというような通貨のプロトタイプについて御研究をされているということでございますが、きょうはこれではなくて、これと若干違いますが、同じ通貨という意味で、このビッグバンが進展していきまして、去年からは金融のシステミックリスクというのがよく言われておるわけでございますが、自己責任ということになりますとやはり銀行の方も、また金融機関個々も自己責任でだめなところは退出していってもらうということも最悪の場合は出てくる、こういうことでありますが、これが全体のシステムに対してなるべく波及しないようにしていかなければいけないと思うわけでございます。  そういった意味で、いわゆるRTGS、リアルタイム・グロス・セツルメントということだと思いますが、これをぜひ、何年かもう年限を切ってそこまでにということでございまして、二〇〇〇年だったかと思いますが、これはまさに自己責任に対応したシステムだと私は思うわけでございます。今までの時点決済ですと、そこまでに一つだけ悪いところがいるとその時点の決済が全部影響を受けるということでございますが、このRTGSにしますと、その銀行が悪ければそこの決済だけそのシステムから外れていく、ほかのいいところは全く影響を受けないということでございます。いろんなシステムを取り入れなきゃいけませんからなかなかコストがかかることでありましょうけれども、今電子マネーのところでいろいろ申し上げましたけれども、技術はどんどんどんどん進歩しておりますから、あとは決済をするときの保証みたいなものをやっていくだけじゃないかな、こう思うわけでございますが、その辺も含めましてこのRTGS化についてどういうスケジュールで、また少し早目にできないのかということについてお聞かせ願えればと思います。

安斎隆日本銀行理事

○参考人(安斎隆君) お答えします。  先生おつしゃいましたように、決済システムの運営上一番重要なことはいかにして効率的、エフィシェントにやるかということと、もう一つの要請は安全にやるか、この二つがございます。我々もこの二つの観点から技術進歩に合わせた格好でいろんな手を打ってきております。  それで、先生御承知のように、日本銀行のバランスシートを見ますと、日本銀行は金融政策を行うだけじゃなくて決済、そのときにお札を出します。お札というのは日本銀行の借金になっています。このお札といつでも代替できるので当座預金あるいは準備預金と言われるときもありますけれども、それを持っています。お札は国民の資産になっています。我々の負債であります。同じように、当座預金は我々の負債です。一方で民間金融機関の資産になっているわけです。  我々は、お札の使い方については国民に、折って使っちゃいけないとか、そういう指示をしていません。どういうふうに使おうと自由です。しかし、当座預金は金融機関が債権者で、金融機関間でこの当座預金という資産を移転する格好で決済するわけです。ここにはいろんなマーケットの取引慣行に応じた決済の仕方があって、それが我々のところの決済に最終的に乗っかってくるわけです。  ですから、何か日本銀行がさっとやればできるというものではなくて、あくまで債権者との間で協議して整々と進めるべきもの。整々というのは、我々も早くやりたいんです。しかし、安全で、でき上がったときにはスムーズにいくというふうにしなくちゃいけませんので、そういう観点で我々は基本構想を出したときからパブリックに、国民も銀行券と代替する当座預金ですから関心があるわけですから、みんなに知ってもらう、そういうことをやります。  そういうことで、現時点ではシステム開発上は基本構想から基本要件の設定、あるいは業務要件、詳細設計、プログラミングあるいはテスト、こういうふうに移ってきていますけれども、日本銀行のその当座預金のRTGSの部分につきましては、業務要件の確定が来月、六月にもう終わります。それで、いよいよ詳細設計とコンピューターの文字を使ったプログラミングに入るわけです。  一方、日本銀行はそれと同時に国債系、国債の所有権の移転の開発もやっておりまして、この国債の移転と日本銀行の当座預金は同時に売買すると移転するというシステムをやっていますので、これも同じように同じタイミングでスタートできるように考えております。  そういうことで、私もこのコンピューターの仕事を長くやってきましたけれども、始まったときに、何か問題が起こったといってもとに戻ると物すごいコストと時間と人手がかかるということで、あくまで相手というか民間との協議を経ながら、スムーズというんですか、整々と粛々とやっていかなくちゃいけないということで、しかしできるだけ早くということでございますので、我々もとにかく二〇〇〇年の年末までには完成させたいということで一生懸命やっておるところでございます。  ぜひ、整々粛々とやりたいということを、先生、御理解いただきたく存じます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。まさに整々粛々と進めていっていただきたいと思うわけでございまして、整々粛々と進めていただくためにまたお帰りになってお仕事を続けていただいたらと思います。ありがとうございました。  それで、証券取引法の関係でお聞きをしたいわけでございます。  今回の証取法の目玉の一つは何といいましても取引所集中義務というのを基本的に撤廃していくということだと思うのでございますが、イメージとして、これがなくなるとどういったような新しい売り買い、ビジネスチャンスというとあれでございますが、何がどういうふうに変わっていくのかということをまずお聞きしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  現在、上場株券等の取引は取引所に集中するということが義務づけられているわけでございます。このいわゆる取引所集中義務というのは、取引所に株券の売買、これを全部集中させることによりまして取引所市場に厚みを加えることによりまして公正な価格形成に資するということを目的としたものでございます。  ところが、最近では今のままでは難しい市場ニーズというものがいろいろ出てきております。一つは機関化現象とかといったようなこともあるわけでございますけれども、投資者の市場に対するニーズというものは執行の迅速性とかあるいはマーケットインパクトの回避等が多様なものになってきているわけでございます。株式資本の大口化とかあるいはバスケット化が進んで、これがなかなか今のようなニーズにうまく対応できないという状況になってきているわけでございます。  したがいまして、もちろん取引所集中義務というものの撤廃に当たりましては、取引の公正性、透明性を担保する、こういう仕組みは当然考えて御提案をさせていただいているわけでございますけれども、この取引所集中義務を撤廃することによりまして投資者はさまざまな取引の場というものを選択することが可能になるわけでございます。  もちろんのことながら、投資者は取引所で執行するのか、あるいは取引所外でもいいですかという点につきましては、これは当然投資者が明示的に取引所外での取引を希望した場合のみ取引所外で執行されるということになるわけでございますが、そういったことによりまして多様な先ほど申し述べました投資者のニーズに十分にこたえていくということが可能になるというふうに認識をしているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 そこで、もう一点でございますが、店頭登録市場というものをつくっていただいておりまして、それにもう少し緩やかなものということで特則市場というものもつくっていただいたんですが、例えばニューヨークのNASDAQのようにがっと大きくなるところまでなかなか行かないというのが現状でありまして、今回この位置づけの見直しも行っていただいておりますし、またいわゆる私設取引システム、PTSというものを証券業に認めていくことによってもう少しいろんな今おっしゃったような対応が出てくると、こういうふうに思うわけでございます。  例えば、先ほど電子マネーの話をしましたけれども、インターネットの中でディスクロージャーをすることによってインターネットでいわゆるPTSを組んでおられるところがあるということも聞いたことがあるわけでございますが、そういったようないろんな可能性が出てくると思うんですけれども、具体的には店頭登録市場の位置づけの見直しはどういうことをおやりになるのか、またこのPTSということでどういうことができるようになるのかということをお聞きしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 委員御指摘のとおり、アメリカというのは非常に株式の流通市場の構造というものが多重多層になっているわけでございます。  それに対しまして我が国の場合は取引所市場、これが主たる取引所である、そして店頭登録市場、先ほどちょっと特則市場のことにもお触れになりましたけれども、いわゆる店頭登録市場というものは取引所市場の補完であると、こういう位置づけであったわけでございます。  ところが、アメリカの場合には取引所市場もNASDAQも併存している、それにPTSがあり、あるいはピンクシートがあり、あるいはローカルマーケットもあるということでいわば、何と申しましょうか、幼稚園から大学生まで多重多層な段階があるわけでございます。ところが、日本の場合は義務教育が全くなくていきなり店頭公開なりあるいは取引所市場への上場、こういうことになっているわけでございます。  したがいまして、今回の金融システム改革で御提案しておりますこの法案におきましては、この店頭登録市場の位置づけの見直し、あるいは委員が今お触れになりましたPTS、私設取引システム、こういったものを証券業として位置づけることによりまして日本の証券市場の姿というものを従来の取引所市場を中心としたものからアメリカに見られるようなそれぞれの取引の場が相互に競争・併存していく、こういう姿に変化していくのではないかというふうに今考えもし、また期待もしているところでございます。  こうした枠組みの中で、それぞれの市場なりあるいはPTSのこのシステム、これがその機能を発揮しながら多様な取引の場を提供することによりまして、我が国の証券市場が全体として投資者、資金調達者の多様なニーズにこたえ得る効率的な市場というもの、こういったものの構築、それを目指していきたいというふうに考えているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  今お触れになったように、ピンクシートとかOTC、ビュレッティン・ボードというものが、NASDAQもそうですけれども、並立しているということにぜひ我が国のシステムもなっていただきたいなと思うわけでございます。  昨日、経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会で法案を上げました。いわゆる貸し渋りというものが言われておりますが、これはいろいろ議論があるところでありますけれども、間接金融がなかなか難しくなったときにいわゆるエクイティー市場で資金調達をする道を、先ほど局長がおっしゃったように、幼稚園からずっと義務教育のところもローカルも全部あるというふうにすることが、すぐにというわけではないでしょうけれども、銀行、いわゆる間接金融の部門との競争ということも通じてより資金調達の面でもオプションが広がるのではないかなと、これはぜひ積極的に進めていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。  次に、企業会計、それから国際会計基準について若干総論的な質問をしたいと思うんです。  基本的に今回から連結ベースで開示をしようということになっていくということでございますが、今までとどこが変わっていくのかまずお尋ねをしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  近年、我が国の経済活動というものも子会社等を通じたもの、そういったものが多くなっております。また、海外での資金調達の活発化ということなど我が国企業の多角化、国際化というものは急速に進展をしているわけでございます。こういった中で、的確な投資判断をしていくというためには、企業集団に係る情報開示というものが一層重要になるものというふうに考えられるわけでございます。  このため、今般の法律案におきましては、こうした国際的な動向も踏まえまして、投資者に対する適切な情報提供の観点から、今までは個別企業中心のディスクロージャーというものでございましたが、これを連結、つまり企業集団中心のディスクロージャーへの転換のための規定整備を行っているところでございます。  この連結ベースのディスクロージャーへの転換の内容といたしましては、企業会計審議会の意見書を踏まえまして、連結対象となる子会社等の範囲を拡大する、あるいは営業の状況等の開示を連結ベースで行う、こういった措置を行っていくことにしているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  先ほど持ち株会社のお話をしましたけれども、だんだん業態が、いろんなオプションが出てくるようになりますと、まさに連結で見ないと本当のグループ全体としての数字がどういうふうになっているのかよくわからないと。そのよくわからない状態でいろんなエクイティーを広げてみてもなかなか買おうという気にならないということでありますから、この連結ベースをどんどん進めていっていただくというのは大事だと思います。  もう一点、時価評価ということも今回のビッグバンに伴っていろんなところで言われておるわけでございます。これも方向的にはだんだん時価評価にしていただかなければならないわけですが、テクニカルに、技術的に大変難しいところもあると思いますのは、例えばデリバティブなんかの時価評価というのは、毎日刻々株式や為替は動いておりますから、じゃどの時点でやるのか、指し値というか気配値みたいなのを有価証券報告書に毎日出すというわけにはいかないわけでございますし、そういったようないろんな技術的に難しい部分もあるのではないかなと思うわけでございます。  この時価評価は、方向性としてはそうなんですが、今後そのような技術的な難しい部分をどういうふうに取り込んで、どういうふうな方向でやっていくのかそこについてお伺いしておきたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) この時価評価の問題については非常に、委員御指摘のとおり、難しい問題もあるわけでございます。ただ、日本のいわゆる公開された企業に対します内外の投資家あるいは取引関係者の信頼を確保するためには、企業のディスクロージャーの透明性、信頼性を高めることが重要でございます。現在、国際会計基準、IASと言っておりますけれども、こういったものの検討も進められているところでございますが、こういったことも踏まえつつ、我が国会計基準の一層の整備が必要であるというふうに認識をしているところでございます。  時価評価の問題に関しましては、国際的にも喫緊の課題であるのがいわゆる金融商品の時価評価の会計基準の問題でございます。これにつきましても、いろいろな動きがあるわけでございますけれども、私どもとしてもこの国際的な動向を踏まえながら現在企業会計審議会におきまして精力的に審議を進めているところでございまして、できれば近いうちに何らかの形で公開素案を出せればなというふうに今考えているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ぜひ鋭意御検討をお願いいたしたいと思います。  そこで次に、預金保険機構、それから投資者保護基金ですか、これについて若干質問を差し上げたいと思うんです。  預金保険の保険料、先ほど冒頭で自動車の保険についてちょっとお話をさせていただいたわけでございますが、現在は過渡期でありますし全額を保護するということでありますから今すぐということではないのでございますが、やはり保険というのはリスクに見合った保険料を払う、私もいろんな委員会で何回か取り上げさせていただいたわけでございますが、預金保険の保険料についてもやはり可変料率というものを御検討いただかなければいけない、こういうふうに思うわけでございます。  実は平成八年十月十七日付で経済審議会の行動計画委員会金融ワーキンググループというところが「わが国金融システムの活性化のために」という提言をまとめておられまして、その中にもやはり同じようなことがうたわれておるわけでございます。  今すぐというのはなかなか難しいと思うんですが、将来的にはリスクに見合った額をやると。そのリスクの算定について、例えば早期是正のときに使っているような自己資本比率でやるのかどうかという技術的な問題があるわけでございますが、基本的にはペイオフが始まる二〇〇一年三月以降のどこかの段階で、それよりも手前でできればそれでも結構でございますが、この可変料率というものを御検討していただきたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 御指摘の可変的預金保険料につきましては、米国では採用してございます。我が国においてこれが可能かどうかにつきましては、林先生御指摘のように、今直ちにやることは難しかろうと。これは財務状況が比較的劣位にあるところがより重い負担をかけられるということはせっかく自助努力をしようというところの芽を摘んでしまわないかという懸念もあるわけでございますので、現下の経済情勢のもとでは導入は難しいと言わざるを得ないと思います。  ただ、将来の検討課題ということではあろうかと思います。いつの時点でということを申し上げられる状況ではございませんけれども、そういった保険料のあり方ということもいろいろと多角的に考えていかなければならない問題だというふうに思っております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  そこで、もう一点だけ預金保険機構についてお尋ねするわけでございますが、この預金保険機構が金融機関に対して保険を付保しておる、預金に対して。ということは、例えば日銀は考査に入られる、大蔵省は銀行検査に入られるというように、自分が保険を掛けているところに対して預金保険機構自体がその趣旨に従って必要な検査を行ったらどうかというふうな御指摘もあるわけでございまして、ほかの国ではそういうことをやっている、たしかアメリカだったと思いますが、ところもあるわけでございますが、今すぐというのではないんですが、先ほどの可変料率とも絡む問題だと思いますけれども、この点についてはいかがでございますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 今の御指摘の点につきましては、預金保険機構自体にまた新たなる検査機関を置くということは、確かにプラス面も多いと思いますけれども、逆に大変なコストの負担、あるいはまた人員が要るというような点もございます。現行法上、預金保険法では預金保険機構にある程度の機能を与えておりまして、「業務を行うため必要があるときは、金融機関に対し、資料の提出を求めることができる。」という規定がございますし、また国や日本銀行等は「機構がその業務を行うため特に必要があると認めて要請をしたときは、機構に対し、資料を交付し、又はこれを閲覧させることができる。」というふうになっております。  現在でも国の検査、日本銀行の考査というふうにやっております。そうした請求権を活用して円滑な業務が行われる形になっておりますので、現時点においてその必要があるかどうかについては引き続き検討すべき問題があるかとは思います。

林芳正自由民主党

○林芳正君 確かにいろんなところが同じような検査をどんどんやっても余り、今度は受ける方も大変でございますから、今、局長がおっしゃったように、例えば考査と検査、全体の枠の中で一緒にやるのは一緒にやるし、情報を共有するならするという考え方で御検討賜ればというふうに思うわけでございます。  そこで、投資者保護基金というものが今度は証券の方でできるわけでございますが、ここへ公的な保証がつくということでございます。預金保険の方でいわゆる全体で三兆円のあれをつくりましたときと同じような議論なのでございますけれども、ただ預金保険の方は預金でございますからなかなか預金をするなと言うわけにはいかないわけでございまして、これはやはりある程度公的な保証をして預金を守るということは理屈が通令ような気がするわけでございます。  この投資者保護基金の方はいわゆる株を買う人の資産でございますから、リスクを承知の上で、冒頭申し上げましたように、自己責任によってやっている度合いが預金に比べて大分強いと思うわけでございまして、その保険になる投資者保護基金について、激変緩和で預金保険と横並びでございますが、その間はともかく、将来ずっと投資家が自己責任でやっているところも最終的には公的な保証がつくというのはちょっと預金保険と同列には考えにくいなと、こう思うわけでございますが、その点についてどういう御見解でございましょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 投資者保護基金といいますものは、証券会社が破綻した場合にその顧客の預かり資産、この返還につきまして万全を期すためのものでございまして、証券投資自体のリスクとは別の次元のものではないかというふうに認識をしているわけでございます。  基本的には、投資者保護基金による補償といいますものは、証券会社が納付する負担金を充てることを基本としているわけでございます。しかしながら、現下の金融システムをめぐる状況や顧客資産を保全するための分別管理、これをこれからやっていくわけでございますけれども、この定着度合い、こういったものを考えまして、基金の資金面での準備を万全なものとし、基金に対する投資家の信頼の確保を期するために二〇〇一年三月までといういわば時限的なものといたしまして、それまでの破綻の処理につきまして日銀からの借り入れあるいは政府の債務保証を可能とする、こういう措置を講じたところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 その後はまだということでございましょうけれども、業態の間がこのビッグバンで大分なくなってきますと、確かに株式投資だけがそこでということではないと思いますし、いろんな総合口座が出てきますと銀行と同じような感覚でそこへ入れていくという人も出てくるでしょうし、また証券会社自体が自社アカウントのトレーディングということも出てくるでしょうし、その辺はよく分別をしていただいて、特に証券会社が自分でやっているトレーディングなら全く関係ないわけでございますが、個人の資産の場合も預金的な考えとして総合口座で入れてある部分とこれはリスクマネーだということで投資に回している部分というのはやはり厳密に区別をしていただいて、なるべく公的な保証というのはその最低限の部分にとどめていく方向で御検討していただくことをお願いしておきたいと思うわけでございます。  そこで、いろいろとお聞きをしてまいったわけでございますが、大蔵省からいただいた資料の中で最後のところに金融サービス法というのが触れられておりまして、おとついの参考人の質疑のときも出たわけでございますが、一般的、横断的に銀行法、証券業法というのではなくて、とにかく金融サービス全般について金融サービス法というものをつくって、これでいろんなバランスをとっていく、消費者保護の観点もというようなことを各国ではやっておるようでございます。  そこで、一応我が国の方も検討していくというふうになっておるわけでございますが、ここに消費者保護の観点というものが入っていくのかということと、それから、今申し上げましたように特にイギリス等では金融サービス法というものがあるようでございますが、各国でどういう取り組みが行われておるかをちょっと教えていただいて、今後我が国かこの金融サービス法についてどういうふうなスケジュールで取り組んでいかれるのかを教えていただければと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 金融サービス法についてのお尋ねでございますが、この横断的なルールを確立するということの背景には今後ビッグバンに従いいろいろな商品が出てくるであろうという1ことが考え方の背景にあるわけでございますが、そのさらに目的とするものは消費者の保護というのが当然そこには考え方としてあるわけでございます。したがって、御指摘の点については、消費者保護の観点が入るということだろうと思います。  諸外国を見ますと、イギリスでは八六年に金融サービス法が制定されまして横断的な業法が制定されたということでございます。その背景は、証券業務にかかわるスキャンダルの発生によって証券あるいは投資業務を包括的に規制する法律が必要だという声がちょうどビッグバンとともに高まったわけでございます。したがって、イギリスにおける金融サービス法というのがよく引用されますのは、そういった歴史を持った成果でございます。ドイツとかフランスは、九三年に出されましたEUの投資サービス指令を受けまして、現在、国内の法制度の整備を進めでいるというふうに聞いております。アメリカでは我が国と同様にその法体系が縦割りになっておりますこともありまして、多数の判例を通じまして、いわゆる証取法上の証券の概念をかなり幅広く解釈するというような形で実質的に金融サービス法的な運用をしているというふうに聞いております。  今後、我が国でも、この国会でも随分御指摘がございましたし、金融関連の法制、これは各省に相当またがっている法制でもございますし、それをどういうふうに考えていくかという問題にも取り組み、なおかつ行政、司法によるルールの実効性の確保をどうするかルールをつくったというだけでもいけませんので、いわゆる実効性の確保をどう視野に入れていくかというような総合的な検討をやるというようなことを進めて、この金融システム改革の進展状況をにらみながら、幅広く、また真剣に検討を進めていきたいというふうに考えております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。  そういう方向で御検討賜りたいんですが、冒頭に自己責任というお話をいたしましたけれども、おとついの参考人の質疑のときにも若干参考人の間で意見が当然のことながら異なっておったわけでございますが、適合性の原則というものがございまして、そもそも難し過ぎる説明をやったから、それで後はそれをやったのは自己責任だというところがポイントになるのかなと、こういうふうに思うわけでございます。今、局長がおっしゃいましたように、実効性ということで基本的に自己責任というものをどこまで入れていくのかまた、これは先ほど冒頭で申し上げましたように、事前に行政である程度やるのか。自由にやってもらうところを広げて、そのかわり後で司法で、民商法、刑法とあるわけでございますからそこで入っていくのかということもいろいろかかわってきますし、また実際にやってみないとなかなかわからないというところがあると思います。新しい商品がどんどん出てきて、出てくる前からそういう商品を予想して、これは適合する、しないということをやってみてもなかなか難しいわけでございまして、先ほど電子マネーのところでもありましたけれども、実態との平仄を合わせていかなければいけない、こういうふうに思うわけでございまして、鋭意御検討を賜りたいとお願いをしておきたいと思います。  それで、税制についてでございますが、今回特に有価証券取引税というのを二年かけてなくしていくということで、これが株式市場の活性化につながればというふうに思うわけでございます。  一方で、譲渡益課税というものが別の世界であるわけでございまして、この関係について参考人からもおとついいろんなお話があったわけでございますが、譲渡益課税について、この有価証券取引税が廃止された前提で今後どういうような見直しをされていかれるのかお聞きをしておきたいと思います。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 御承知のように、先般お認めいただきました平成十年度税制改正、金融システム改革に税制の面から対応していくということで有価証券取引税の税率を半分にさせていただきました。ただ、その際、株式譲渡益課税でございますが、このような株式市場の状況で現行の制度のまま維持することとされたわけでございます。  この現行の株式譲渡益課税でございますが、これはもう御承知のように申告分離と源泉分離の二つの方式のいずれかを選択できることになっているわけでございます。特に源泉分離課税を選択した場合どういうことになるかといいますと、譲渡益が幾ら大きくても売却代金の五・二五%を譲渡益とみなすわけでございまして、それに二割の税率をかける、結果的に売却代金の一・〇五%を納税いただければそれで譲渡益の課税関係が終了する、これはどうも税の公平という面から見ていかがであろうかという指摘が前々からなされているわけでございます。  そういうこともございまして、平成十年度の税制改正についての答申でございますが、株式譲渡益課税については将来の方向として申告分離課税に一本化することが適正化の方向ではないかというふうな御指摘もいただいております。  したがいまして、今言われておりますような状況、指摘を踏まえまして、また今後の証券市場がどうなって金融システム改革の進展状況がどうなっていくかということも勘案していく必要がございますが、今言ったようなことを踏まえながらこの譲渡益課税について適正化を検討してまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ありがとうございました。株式事情がこういう状況でございますから、それを見ながら御検討を賜りたいと、こういうふうに思います。  そこで、若干この法律そのものとは離れるわけでございますが、けさも全国紙に格付機関、ムーディーズだったと思いますが、日本の銀行の格付を下げる方向でというような記事が出ておりました。たしかAPECだったと思いますけれども、特にアジアの首脳からは、感情的な部分もあるかもしれませんが、これは民間の企業でありますけれども、欧米の格付機関が格付を下げていく、それによっていろんな金融危機の引き金を引いたり、右往左往させられた、これはおかしいのではないかというような御発言があったというのは報道で私も承知をしておるわけでございますが、きょうまさにそれがまたあったわけでございます。  外資系といいますか、海外の格付機関の格付というものに一喜一憂して、そのたびにあたふたとするということはどうもぴんとこないわけでございまして、たしか八〇年代に我が国でも格付機関をつくるんだということで何社か発足をしたと記憶をしておりますが、その後格付に対して余り関心がなかったといいますか、ある意味では非常に株式市場やほかの市場が好況だったものですからそこまで余り関心がいかなかったということもあったのかもしれませんけれども、そういう意味で今の状況というものはこのままではどうかなと。  我が国やアジアの商慣行等々をいろいろ入れた格付機関というのが、外資系ではやっているのかもしれませんけれども、我が国もこれだけの経済規模ですから、格付の世界においても我が国の格付機関というのはもう少し表に出てきてもいいと思うわけでございますが、その辺はいかがでございましょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今御指摘の格付の問題でございますけれども、いわゆる格付と申しますのは格付会社が投資対象に関する評価をいわば一つの意見として投資家に提供をしているものでございます。  今後、金融・資本市場の自由化が進展するにつれまして、投資判断に際しましての投資情報の重要性は増していくというふうに考えられますし、格付情報もあくまでもその一つとして投資家において受けとめられ、評価されるということが適当であるというふうに考えております。  ただ、格付会社は、投資情報を広く投資家に提供するというみずからの役割を踏まえて、情報分析能力を高めるとともに、適切な情報提供を行っていくということが重要であるというふうに考えているところでございます。  特に、格付につきましてはアメリカがいわば先進国でございまして、もう二十世紀の初頭から実は格付機関のムーディーズなんというのは生まれていたわけでございます。それがいわゆる大恐慌のときにその格付が割と適正であったということで市場からの信頼をから得て今になっているという状況がございます。  これに対しまして日本の格付機関というのはまだ歴史が浅いわけではございますけれども、今後いわゆる金融システム改革が進行していく中で、やはり日本の格付機関というものもその役割を高めていってほしい、そして市場の信頼性を高めていく必要があるんだというふうに思います。あともう一点は、やはり何にも増して企業自身の積極的なディスクロージャー、これが必要なのではないのかなと、そんな感じがしております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ディスクロージャーのお話も最後に出ましたけれども、格付というのは銀行そのものとか金融機関そのものではなくてその機関が出す債券についてというものが原則である、こういうふうに思うわけでございます。今おっしゃったように、ちょっと歴史の差があるということでございますけれども、我が国は、鉄、機械から始まりまして、キャッチアップは非常に得意でありますから、早くキャッチアップをしていただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、格付機関の格付というのはどういうふうにして決定をされておられるのかなということと、それから国際金融情報センター、JCIFでありますが、が格付機関を格付するということをこの間新聞で読んだんですが、これは大変いいことじゃないかなと思うわけでございます。やはり、どうしてやっているかで格付機関が正しくない判断をしたりすることも可能性としてはあり得るわけでございますから、どの格付機関が本当にきちっとやっているのかこれはミシュランのようにレストランで星が幾つつくというのは笑い事で済まされるわけでございますが、アジアの金融危機ということになりますとなかなかレストランに星が幾つついたというような話では済まない、こういうふうに思うわけでございまして、その二点についてお聞かせ願いたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) まず一点目の方につきまして私の方からお答えさせていただきます。  格付は各格付会社が恐らくそれぞれの基準によって決定をしているわけでございますけれども、基本的には例えば社債等の投資対象の内容であるとか、あるいはその発行体の財務状況、そして発行体へのインタビューから得た情報などを格付会社の複数のアナリストがさまざまな観点から調査をして総合的に判断して決定しているものというふうに承知をしております。

黒田東彦大蔵省国際金融局長

○政府委員(黒田東彦君) 御指摘のように、国際金融情報センターが従来から格付会社の現状とか特徴について調べていたようでございますが、今回その調査を充実させて年末までに何か格付会社の格付について評価というかコメントを出すということを言っておりますので、そういうことになるのかなというふうに思います。  聞くところによりますと、その格付会社の格付というのは、格付会社をこれはAだとかBだとかいうふうに言うということではなくて、格付会社がどういう形で格付しているかということを踏まえて、例えば格付会社は国についても格付しておりますけれども、これはアジア通貨危機の中でそういう国についての格付について警告を発したタイミングが適切だったかどうかとか、それから二番目には、金融機関とか一般企業についての格付もしておりますから、それらについてはそういう格付とデフォルト率との相関関係とか、さらにはいわゆる勝手格付ということについて過度の商業主義に陥っていないかというようなことの実態を調べてみるというふうに言っております。  いずれにいたしましても、その格付会社自体の格付に対する評価というのは市場関係者あるいは投資家を含む民間の方々がそれぞれの考えで評価されると思いますし、この国際金融情報センター自体も、財団法人でございますけれども、いわばそういう意味では民間の一つの考え方でございまして、こういった形で格付について広く議論が行われ、いろいろな評価が行われること自体は大変好ましいことだというふうに思っております。

林芳正自由民主党

○林芳正君 ぜひそういう方向で頑張っていただきたい、最後は市場がその格付の格付をどうやって受け入れるかということにかかっておると思いますので御検討をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。  橋本総理は、一九九六年十一月に日本版ビッグバンの基本構想を、大変な決断といいましょうか、発しました。この基本構想の中で、その目標を達成するためには市場改革と金融機関の不良債権処理を車の両輪として一体的に進めていく必要がある、こういうことが述べられております。これは、単に文字を羅列したというものではなくて、大変な問題意識といいましょうか、まさに中心の重要な問題をとらえている、このことが今日なお問題の所在として厳然としてあるというふうに言わなきゃならないというふうに思っています。ですから、本委員会で金融システムについての議論をするときにはこの二つの目標がどうなっているのかというところに力点が置かれなければならないというふうに思います。  特に、私はフリー、フェア、グローバルという三原則のうちのフリー、千二百兆円の個人貯蓄の効率的運用に着目をしているところでありまして、そういったことを中心に幾つかの問題点を指摘し、大蔵省の見解をお伺いしたいと思います。  まず、政府のビッグバンの問題提起でさまざまな制度改革を検討する審議会が開かれました。金融制度調査会以下ずっとあるわけでございますが、これらが九七年一月ないしは六月に答申をそれぞれ出したわけでございますが、これらの答申が金融持ち株会社の導入から銀行、証券、保険の相互参入の業務規制の緩和、外国金融機関への市場開放、ノンバンクや一般企業の金融業務参入分野の拡大、資産担保証券、投資信託などの金融商品の多様化、保険料率や株式売買手数料の自由化、金融税制の見直し、国際会計基準の導入とビッグバン準備として網羅されておるわけでございます。  今回、日本版ビッグバンに向けて金融システム改革関連法案が出されておるわけですが、これらが一括して提出されたというふうに理解しているわけですけれども、ビッグバン基本構想ないしは三原則の目標に照らして、さらにはいろんな審議会が出した答申と照らして、それに沿うものであるか、それと一体的に進められているものであるか、今回の法改正の問題点について大蔵省にまずお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、御審議をお願いしている法案は、今、委員御指摘のとおり、各審議会の答申をもとにして、そして我が国の金融市場というものがフリー、フェア、グローバル、この三原則のもとに実行されて、そして活性化するようにということなのであります。  そのねらうところは、国民に対してはその持っていらっしゃる千二百兆と言われる資産というもののより有利な運用の場を提供する。一方、中小企業を含めていろんな事業を打っておる、必要な事業資金の入手というものが今までは銀行を通じて融資を受けるというようなことがほとんどであったわけでありますけれども、事業会社の方からいえば活性化した市場から直接社債等の発行等の手段を通じて入手できる、それによって事業活動が活性化する。全体として、資産を持っている人にとっては有利な運用の場が広がる、それから、今まで銀行等からのみ融資を受けておった企業が活性化された証券市場を通じて直接必要な資金の入手の手段が得られる、それを通じて日本の経済活動が活性化する、こういったことを目的としての今回の法案の提出となったわけであります。  よく御理解願って速やかな成立がお願いできれば、既に先行しておる改正外為法の施行、そしてこの法案の成立後に行われるいろんな分野での規制緩和、自由化、そういったものが粛々と実行されることによって日本経済の活性化を図ることができるということだと思いますので、よろしくお願い申し上げたいわけでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 大蔵大臣の答弁をお聞きしまして、政府はみずから立てた計画に沿って万端準備を整えてやってきたというふうにお伺いしました。  そこで、先ほど私がずらっと並べた審議会報告等によれば、金融持ち株会社の導入については既に法改正がされている、銀行、証券、保険の相互参入は今回のシステム改革法、外国金融機関への市場開放は規制がないんだと、ノンバンクや一般企業の金融業務参入分野の拡大はノンバンク社債法でいける、資産担保証券、投資信託など金融商品の段階的多様化を行っていることのようでございますが、果たしてどうなのか。保険料率や株式売買手数料の自由化は未実施、金融税制見直しも段階的改正、国際会計基準の導入は企業会計審で協議中とさまざまな審議会の答申、すなわち英知が結集された答申だと思いますけれども、それに対する全面的な準備がなっていないけれども、大どころといいましょうか骨格はもう既にこれで出発できるということだと思います。  それでは、二〇〇一年スタートということは計画どおり実施できる、万遺漏なく実施できるということでございましょうか。その点について念のためにまずお伺いしておきます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員も御指摘になりましたように、できるものからスタートさせておるわけであります。改正外為法がそうでありますし、それから今御審議を願っておる法案の中でのSPC法、この関係は九月からでありまして、そういったことで準備できたものは二〇〇一年を待つまでもなく実行できるものは実行する、こういったことで言うならば日本の金融・資本市場を、ややともすれば空洞化してきておるような感じもあるぐらいでございますので、今申したような自由化を進める、規制を緩和する、こういったことを通じてニューヨークあるいはロンドン並みの国際的な市場とするということをねらって着実に進めていく、二〇〇一年にはもうすべてが実行に移される、こういったことでやっておみわけでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、金融ビッグバンの必要性については私なりに理解しておりますし、政府がそれを進める姿勢についても、やるべき時期は問題があったにしても、進めるための準備を進めてきたということについてはやるべきことを着実にやっているというふうには思います。  ただ問題は、ウィンブルドン化みたいなことが言われますが、そういうことになりはしないかという懸念と、それから前回この委員会で私が大蔵大臣に質問いたしました金融排除の社会的な問題についての対応についてどうなのかということもあります。ウィンブルドン化でもいいという決断があるかどうかそれは知りませんけれども、そのときにイギリスはアメリカとの関係で、商習慣上の違いはさまざまあるでしょうが、我々から見ると大方はアングロサクソンでございますから、しかし日本が神の御手にゆだねるというようなところに金融システムを入れていくときにアメリカの神の手にゆだねているのかという心配はあるわけですね。果たしてそのことが日本の社会において日本の金融システムの機能、力というものが、幾らグローバル化といっても日本国民というのはいるわけでありまして、そのことについてどう作用をしているのかということが聞きたいわけですし、不良債権の問題もありますけれども、きょうはまず金融機関の企業努力といいますか、市場の改革にどう取り組んでいるかというところを重点に聞いていかなきゃならないというふうに思ってこの質問を始めたわけでございます。なぜ日本がビッグバンを進めなきゃならないかというその理由をもう一度きちんと確認する必要があるんじゃないかと。  情報通信革命、それと表裏一体の関係にある金融のグローバル化ということがずっと言われておりまして、金融サービスにおいてはもはや国境は境界線としての機能を持たなくなってしまったと。物ではなくて単なるデジタル信号と化したマネーはいつでも、どこへでも、そして幾らでも自由に移動するようになってしまったと。全く私たちアナログ人間には見当もつかない世界でございます。日本の金融機関が競争力を回復して魅力ある商品を提供することができないという状況が続くならば、千二百兆円と言われる日本の個人マネーはどんどん海外に流出していくでしょうし、日本の金融市場は外資系金融機関に席巻されていくという懸念は相変わらずあるんじゃないかと。私は、日本版ビッグバンの三原則に掲げているフリー、そのうちの千二百兆円の個人貯蓄の効率的運用というものは極めて重要な政治目標であろうというふうに思っておりますけれども、この原則の目指すものと現状の乖離は余りにも大きいんじゃないかと。それは、民間金融機関の経営体制の現状を見ても、ただビッグバンに向けての諸準備が金融機関の利益を確保することを優先的に進められているんじゃないかということ、国民の資産を保護する立場に立った金融システムへの準備が行われていないんじゃないかという危惧、したがって国民の資産の有利な運用システムの準備がないということ、大蔵省はそれらについてどのように考え、どのように総合的にこのビッグバンを進めようとしているかについてお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員が今おっしゃいましたように、私の気持ちも委員の気持ちも恐らく同じだと思いますが、やっぱり外国の金融機関よりも日本の金融機関にしっかりしてもらいたいという気持ちはお互いあるんだと思うんです。しかし、金融の分野でも既に国境はない状態になったわけでありますから、千二百兆と言われる個人の金融資産、個人個人がどこの金融機関あるいはどこの国の金融機関を使って有利な運用をしようとも、それは自由の時代になっておるわけですね。お互い日本人だから日本の金融機関を通じて資産運用をすべしというようなことは言えない時代でありまして、気持ちの上ではわかりますけれども、そういう時代になってまいりました。  同時にまた、この金融市場というもの、気持ちの上ではいわゆるウィンブルドン化してはいけないような気持ちはありますけれども、問題は日本の金融機関が市場原理に基づいて、そして利用者、消費者に対してどれだけ信用を得る活動をしていくか、その活動をしっかりやることによって外国の金融機関と競争して大いに発展していくということも可能なわけなのでありまして、日本人の知恵、日本人の勤勉さ、そしてまた日本人の能力からすれば、私は外国の金融機関と競争しながら生き抜いて、そして活躍していくということは十分可能であるというふうに思っております。  ただ、制度、仕組みとして、今、国際的な競争の時代に入っておるわけでありますから、日本の金融関係の法制が従来のような行政による事前指導型、許可制、認可制、そういったものが残ったままでは日本の金融市場というものは活性化していきません。そうしますというと、結果的には個人の持っておる資産の有利な運用の場というものが広がってまいりません。そういったことを考えますと、国民の利益のためにも、また事業活動でより有利な方法で必要資金を得たいという人たちのためにも、この機会にやはり自由化と規制緩和を進めて、そして市場を活性化させていくということが極めて大事なことだと、こう思っております。  ただ、その場合に大事なことは、利用者というものはみんなが玄人ではありませんから、むしろ多くは素人であるかもしれませんから、その利用者の利益が損なわれないように事前の説明義務を課するとかあるいは金融機関のディスクロージャーを徹底させるとか、そういったことはしっかりやっていきながらのビッグバンでなきゃならぬというふうに私は思っておるわけでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 大蔵大臣は、気持ちとしてはわかるけれども、外国の銀行を大いに利用するという体制をつくって、自由にできるんだと。向こうは自由にやりますわね、日本人がどう思おうと乗り込んできているわけですから。  この間、農協系金融機関の貯金者保護の問題を議論したときに私もいろんな人から実は話を聞いて、ビッグバンで農協は生き残れるのかといったときにある関係者が、名前は言いませんが、農協の理事長に対してよそから来た人にだまされるなということを指導しなきゃならないんだと、そのうちに人材を確保して何とか対応できるようにしたいと。私の親戚でも農協の理事長をやっておった人がいました。農協合併を盛んにやって何年か前にやめたとき、私はいいところでやめたなと、このまま続けたら大変なことになったぞと言ったら、本人もそうだと言っていましたね。できるわけがないんだと。私のかみさんのいとこですが、できるわけないぞというふうに言ったら、本当なんだと。それは正直なところだと思うんですね。  ヤクルトがデリバティブで大損したと。ヤクルトは経営者でありまして、野球が強いだけじゃないですわね、ことしは弱いようですけれども。ヤクルトのような企業だってだまされちゃう。最近デリバティブ商品に対する内部告発的な本が出ましたよね。賭博性があるから日本では今までできなかったというけれども、今だって賭博性のあるそういう商品がまかり通っていると。ただ、アメリカでは訴訟がすぐ起こってきて、訴訟費の方が非常に高いから採算がとれなくなって、余りにもひどいのは撤退しているというようなことも私は読みましたけれども、そう甘くはないと。千二百兆円は手ぐすね引いて待たれているんじゃないかと。これも私の知り合いが外資系銀行の銀行マンと話していたときに、よだれが垂れるようなものなんだという話をしていたと、浮き浮きしていると。そういうふうに見られているというふうなことを私はもう少し感じてもらいたいんです。  私は、日本人のそういったものを守るといいますのは、幾らボーダーレスといったって、日本の金融行政の使命だと思うんですよね。銀行にはもともと国境意識なんかないですから、日本の銀行だって日本の国内の雇用問題について関心なんかないんですから。自分のところの業務利益をどう上げるかですから、それが市場社会の命題ですから。しかし、金融行政がそういうことと一緒になってしまっては困るというふうに思ってずっと私はこのテーマで大蔵省に言っているわけです。  日本の金融機関として今最も必要なのは、私はビッグバンの基本構想にもあります経営の技術革新だというふうに思うわけです。客から集めた資金を単に貸し付ける伝統的な銀行業務というところにまだ埋没しているのではないかと。そうではなくて、お客さんには投資信託や各種の商品ファンドなど多様な金融商品を提供する、貸付資金については起債などで資本市場から集めるような新しい業務展開、例えば常々私も言います低リターンであるけれども低リスクに徹するなどの業務の特化、これだけが特化じゃございませんけれども、そういうことが顧客のニーズにこたえることになっていくんじゃないかというふうに思っています。金融情勢の変化に対応した技術革新を進めて顧客の多様な要求に応じられる体制の確立を急がなければならないというふうに思います。  質問としては、これら銀行の経営体制の根本の改革はどのような状況になっているのかと。いつであったか、銀行局長は、運用技術はなかなか日本の銀行はすぐれているという話もありましたけれども、運用技術にすぐれている人がいてもトップから中間どころまでが事なかれ主義でいたのではどうにもならないわけで、今それがひずみとなって噴き出しているわけですが、どのような現状にあるのか、今後どのように展開されて改革されていくのか、現状の認識と展望を大蔵省にお聞きしたいというふうに思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) さっきヤクルトの経営者がデリバティブ取引の関係で大損をしたという話がございましたが、私はこれはまさに経営者の経営責任だろうと思うんです。  ヤクルトというのは、皆さん御承知のとおり、このくらいの小さい弧といいますか、に入ったのをヤクルトおばさんが各家庭に届けて、それから上がる利益が蓄積されてヤクルトの力になっているんだと思うのでありますが、末端の方でそういう努力をしてでき上がった資金であるならばもっともっと注意した運用をすべきものではなかったかなという感じを私は持ちます。  あれで大損したということが契機になって、一時ヤクルトがぐっと野球の方も弱くなったということを見まして、やっぱり会社が元気がなくなると野球チームも弱くなったかなという感じがしたぐらいでありまして、やはり会社の経営者はそういった点についての経営責任を持って、ハイリターンを得ようとするならばハイリスクがあるんだということの認識を忘れてはならぬというふうに思うわけであります。  同時にまた、個人としても、もうかるかなという気持ちにばかり走っていけば、ある程度の説明は受けたとしてもついつい失敗するということはあるわけでありましょうから、これはもう個人個人の物の考え方、人生観が左右するだろうと思うんです。私自身は危ないことはもう絶対しないという方針でやっておるわけでありますが、しかし人によってはより有利な運用をしたいという人もたくさんいらっしゃるでしょう。そういう人が、運用のチャンスが広がるわけでありますから、銀行に定期預金しておけばもう元利金とも保証されているわけでありますけれども、例えば投資信託等についても必ずしも元本保証じゃないよと、こういったことを販売する人は利用者によく説明をする、説明責任を課する、こういったことで素人が大損するような事態は起こらぬようにやっていくということが大切なことであろうというふうに思います。  なお、日本の銀行が預金として集めたお金の運用の仕方が上手か下手かという問題がございましたが、中小零細企業の立場からすれば、やはり銀行は中小零細企業に対して必要とする資金を融資という形で流してやる、これは銀行の大事な業務だろうと思います。それなるがゆえに銀行はほかの金融機関よりも公共性のある、あるいは社会性のある金融機関だと、こう見られておるんだと思うんです。専ら有利な運用だけを考えて、そして大切な中小企業等に対する融資を縮めるなどということは余り褒められたことじゃないというように私は個人的には考えております。  ただ、いずれにせよ、日本の銀行もバブル時代当時の反省は十分しておるはずでありますから、それをもとにしてその社会的な使命あるいは公共性をきちっと持った形で経営されていくものというふうに私は期待しております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 大蔵大臣の答弁を聞いていますと、大蔵大臣の人間性がにじみ出てくるわけでございますが、ただ銀行の経営者とか銀行の経営体制とか金融システムとか、ましてや外資系銀行のありようとかいうものはそういう世界とは全然違いまして、私は大蔵省の組織というものはそのようにはとらえていないとは思いますけれども、そうでなくてはまた困るわけなんですけれども、少し銀行に対して厳しいことも言わなきゃならないというふうに思っております。  銀行は今日の金融不安を回避していくための十分過ぎる時間と十分過ぎる資金とを既に与えられていたのではないかと私は再三申し上げてまいりました。日銀の超低金利政策で銀行の調達コストを政策的に低く保つことによって銀行に業務純益を稼がせたのじゃないか、それを原資として不良債権を償却させるという方法がとられてきたのじゃないか、つまり銀行は不良債権償却のための猶予期間を与えられた、それだけではなくて預金者が本来得るべき利子と引きかえに不良債権を償却する原資も与えられたのじゃないかというふうに思うわけです。  今、政府・自民党、与党の中で不良債権をどうするかと、間接償却と直接償却の問題については私もこの委員会でお聞きしましたが、無税償却の道を開くと、損切りの問題も含めて促進して帳簿上から消すという話が出されております。  私は、今日までの超低金利政策、または共同債権買取機構の税制上の優遇措置等を考えると、おんぶにだっこだったんだと。おんぶにだっこしたのを今度は今の政府が考えているのは哺乳瓶まで出すということだと思うんですよ。これは相当の覚悟をしてやってもらわなくては困る。相当の覚悟だと思うんですね。そこまでやろうというのでしたら、政策的整合性みたいを話で事が進められていってはならないというふうに私は思っています。  では、銀行はそういうことでおんぶにだっこの期間で何をやってきたか。十分な経営合理化、技術革新ということの努力を怠ったのじゃないか。リストラを進める、リストラを進めると言いましたが、ほとんどの銀行員はメーカーと比べて給料が高いと言わざるを得ない。  私は本会議で、日本の力の源泉は製造業にある、今日なお圧倒的なものだということを言いました。あれは銀行に対比して言ったわけでございます。耐久消費財を含めて総輸出量の二〇%しか消費財がないんだと、自動車も含めてです。世界各国の生産に必要な機材、中間部品等の八〇%を占めているという力を日本の製造業は持っている、それを上回る高給を取っている。さらに、人事組織構成は相変わらずトップヘビー、相談役はなくしたけれども何とか顧問が出てきたり、かなりな高給、週刊誌等で一覧表を見るとすごいなと思って、銀行に入ればよかったというような感じでございます、簡単にはなれないんでしょうが。  私は、預金者が本来得べき利子という実質的な公的資金というふうに思いますけれども、これが大量に投入されてきた銀行の経営者に対して何を大蔵省が期待していたのか、または社会的にどういうことを求めていたかといえば、それは先ほど申し上げたさまざまな商品の提供、運用技術の技術革新、または資金調達方法のさまざまな広域的展開ということがあろうかと思います。これは私はとりもなおさず日本版ビッグバンを進めるための準備期間、準備動作だったはずなんだと。それがなされていない。もっと言えば、それをそういうふうに政策的に誘導し厳しく指導する権限を大蔵省がほぼ完璧に与えられていたのに大蔵省はその権限行使をしていなかったのじゃないか。インサイダー的情報提供みたいなことが行われる、または飛ばしの内部指導みたいなことが行われるというようなことが、これはかなり経済犯に近い。必要にして十分な権限を持っている者が現状を知っているのに何もしなかったぐらいの状況だったんだから、日本版ビッグバンは諸準備、法制定を整えてやるんだと先ほど大臣は言いましたけれども、やる主体となる民間金融機関がどうであるのかということを見れば、その民間金融機関のありようも問題ですけれども、しょせん初めから大蔵省を頼りにして全部指導に従ってきた日本の護送船団だったら、そういう状況をきちんと指導すべき大蔵省の責任も同時に問われなきゃならないというふうに思うがゆえに改めて私は二〇〇一年出発をするのかということを聞いてからこの質問をきょうは始めたわけです。これに対する大蔵省の見解をお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 日本の経済の原動力あるいは源泉が製造業にあるということは私も実は同感でございます。そして、その製造業は今なお国際的な競争力をきちっと持っておると。なぜそうなったのかというと、今から十数年前のあの急激な円高、あれを克服するために必死の思いで技術革新を製造業はやった。その結果として、先ほど委員御指摘のように、我が国の製造業の競争力は依然として強いものがある。それに比べて金融業はどうだったか。銀行はどうだったかこう言われれば、あの円高時代に我が国の製造業が必死の思いで努力した、その努力に比べれば甚だ努力が足りなかったということは私もそのとおりだろうと思うんです。  そこでもう一つは、銀行のリストラの問題、それから給与水準が高いじゃないかという問題、これも実はまだ依然としてリストラは十分じゃないと思いますし、また給与水準等も高い、製造業に比べれば恐らく三割以上高いんじゃなかろうか、こう思います。そうしたら、この間、衆議院のある委員会で高くはないんだという立場から私は随分攻撃されたことがあったわけでありますが、数字によればきちっとその数字は出ております。製造業を一〇〇とした場合には一三〇以上が金融機関の給与水準、こうなっておるわけでありまして、この点については、例えば資本注入を受けた銀行等に対しては審査の場合に厳しくリストラを要請し、そして先ほど話が出ました重役さん、役員の数、これも減らすべし、それからまた顧問とか相談役という名目で多額の報酬を得ているというのも問題であるからこれも是正してもらいたいということを審査の場合にはっきり申し上げておるわけであります。  なお、今まではややともすれば金融機関の方が大蔵省頼り、それに応じた形で大蔵省が指導してきておったというのも、これは事実だろうと思います。そのことを護送船団方式ということで批判が出ておるわけでありまして、もう既に護送船団方式ははっきりやめておるわけであります。  これからは各金融機関がそれぞれみずからの経営責任として償却すべき不良資産はみずからの努力で償却する、しかも帳面づらだけの償却じゃなくして本格的な償却あるいは不良債権の売り渡し、こういったことをしてみずからの努力で体力をつけていく、こういったことを大蔵省の指導とか命令じゃなくしてみずからの経営責任として実行してもらう、こういうことに大蔵省の金融機関に対する行政のあり方も根本的にもう既に変えておるわけであります。  したがって、護送船団方式という批判、もうこれからはぜひひとつ厳しく言わぬでいただければありがたいわけでありますが、しかしまだ金融機関に対する行政の責任は大蔵省にあるわけでありまして、六月二十幾日かに金融監督庁ができればそちらに行きますけれども、それまでの間は大蔵省に金融機関に対する行政の責任はあると。したがって、その行政のあり方として、今までのような通達行政じゃなくして、必要なことは必ず政令または省令で行って天下に明らかにする、そしてその法律、政令、省令に基づいた事業活動をしているかどうかというのを事後的にチェックするという形での行政に大部分は変更したわけでありまして、まだ未達成の部分は金融監督庁発足前にきちっとしたそういう政令、省令等を整備して、そして指導行政から事後監視型の行政に変えるということを明確にしているところでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 午前中は終わります。

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時開会

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。  金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の四案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 大蔵大臣に午前の質疑の総括的な質問をいたします。  政府のビッグバンの基本戦略と推進計画で、冒頭申し上げたように、解決すべき課題として一つは不良債権の存在の問題、もう一つは金融産業の構造転換を挙げております。  今、ビッグバンに向けた法改正が進められ、準備は着々と進められているわけでありますけれども、いわばシステムの整備が先行して進められているのではないかと思っています。不良債権問題は景気回復の最大の障害となっておりますし、金融システム不安の元凶として重く存在し続けております。この不良債権問題がサミット、七カ国首脳会合や日米首脳会談などで取り上げられまして、世界経済の動向との関連で大きな問題となってきております。  不良債権の問題についてはまたいつか触れるチャンスがあろうかと思いますが、金融産業の構造転換と経営者の姿勢転換は私の認識では全くと言っていいほど進んではいないのではないかと言わざるを得ません。今進められている法改正を初めとする諸準備に照らして、金融産業の実態はかけ離れているのではないかというふうに思わざるを得ないわけでございます。これはビッグバンによって将来日本の経済と国民の生活にはかり知れないダメージを与えかねないというふうに心配するわけであります。計画推進の再検討が必要なのではないかというふうに思います。あるいは、計画推進のためのプログラムを改めてつくり直すことが必要なのじゃないか、これは金融システムの構造転換、金融の経営側の構造転換と不良債権問題、同時に将来のビッグバンに向けてどう進めるかとも絡まって、私は推進計画のためのプログラムを改めてつくり直す必要があると思いますけれども、大蔵大臣の見解をお伺いしておきます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 金融システム改革のことに関連して法整備の方が、あるいは法整備の方だけが先行して、そして新しい仕組みのもとで活躍しなきゃならない金融機関、なかんずく銀行、そういったものの体力回復といいましょうか、そういったものがおくれているんじゃないか、特に銀行の不良債権問題の処理がおくれておる、こういう状態のままビッグバンの時代を迎えるというと日本の金融業界に少なからざるダメージを与えるという御指摘と思いましたが、委員御指摘の中での銀行を中心にした金融機関の不良債権問題、これはもう速やかに、強い言葉で言えば一刻の猶予も許されないぐらい速やかに解決をしなきゃならぬ問題だろうというふうに私も認識いたしております。  実は我が党ではその問題を担当する特別の委員会が中心になって一つの案をまとめまして、その案が四月に策定された新しい総合経済対策の中での重要な項目の一つとして決められたわけであります。これは我が党だけじゃなく、与党としての協議の結果決められたわけでありまして、それに基づいて実はけさも七時四十分から政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会、第二回目の協議会が持たれました。このトータルプランに基づいて、参議院選挙後に開かれるであろう臨時国会で必要な法律の整備もいたしまして、そして速やかに我が国の銀行の不良債権を本格的に処理する、こういうことに実はなっておるわけであります。  今までも銀行はそれぞれの判断に基づいて不良債権の処理をしてまいりました。処理した額も相当の金額に上っているわけでありますが、ただ問題は今までの不良債権処理というのは不良債権を帳簿に残したまま、担保がありますけれども、その担保価値がぐっと下がっておりますから損が出ることが当然予定される、それに相当する分を引当金として積んでおればよろしい、そういう形での不良債権の償却という形をとっておるのが大部分でありました。しかし、それでは本格的な不良債権の処理にならない面が実はあるわけであります。何となれば、いざ本格処理をしたら引き当てた金額では損のカバーができないということになりますというと、その差だけは損の増加になりまして、言うなれば二次的な損が出るということもありますし、それからまた不良債権を抱えたままだというと、自己資本比率の計算上その分だけやはり分母に残る計算でありますから、そこで本格的な処理、すなわちバランスシートから消す、落とすという本格的な処理をやらなきゃならないと。  そのためには、一つは不良債権を売却することであります。売却する方法の一つとして、今この委員会で御審議を願っているSPC法というのもそれに資する法制度になろうかと思うのでありますが、そういう形でバランスシートから消す、あるいはまた関係者にそう迷惑をかけないならば抵当権の実行をする、こういったことで本格処理をすると。本格処理をしますというと、例えば売却したという場合には、債権額の何割になるか知りませんけれども、それだけの分の実際の金が銀行に入ってくる、その金は新たな貸し出しに使える、そうすると銀行の融資はふえることになりますし、同時にそれに伴う利息も入ってくると。売った場合には分母から消せるわけでありますから、引けるわけでありますから、したがって自己資本比率も自動的に向上するということもあるわけでありまして、そういう本格的な不良債権の処理を強力に進めていくという方針で取り組みつつあるところであります。そして、予想される秋の臨時国会で所要の法律案の審議が進んで成立させていただきましたならば、その法律を活用して今申したような本格的処理を進めていこうと。もちろん、その整備すべき法案の中には、日本の競売法、民事執行法の関係の法律が非常に時間がかかるような形になっておるので、その面は法務省で十分検討していただいて民事執行の手続がもう少しスピーディーになされるような、そういう法制にするという問題もあります。  さような方針のもとに、今申したような手順で本格的な銀行等の不良債権をできるだけ速やかに処理をしていく、こういったことをすることによって本格的ビッグバンを実行した場合において我が国の金融機関の体力が強いものになるように、こういったことで今一生懸命努力をしているところであります。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 今の大蔵大臣の答弁では私は満足できません。今の不良債権問題についてはまだ後に触れたいと思います。  銀行のビッグバンに対応する経営改善とか技術革新とか、やればできることをみんなやってこなかったと。大蔵省も指導権限をほぼ完全に持っていたのにやってこなかった。それなのに法整備だけ進めてできるのかと。さきの委員会で大蔵大臣にもお聞きしましたけれども、金融排除みたいなことが先進国で起こっている、特にアメリカで起こっているということの心配だってあるじゃないかと。新しい金融商品は、経済評論家はもてはやしているけれども、最近はそうじゃないという警告がいっぱい出てきて、本当にそうなのかという疑問も起こっているというときに法整備を着々とやって、冒頭大臣は二〇〇一年にスタートすると、もう既にスタートに入っていますが、スタートするといったことは危ないんじゃないかと私は思うわけですよね。そのことを聞いているわけですよ。不良債権問題はまたお伺いしますので、そのことについて答えていただきたい。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 確かに、伊藤先生がおっしゃっている点については、いろいろな御批判を私どもも受けなきゃいけない点があると思いますが、歴史をちょっとさかのぼってみたときにこういう見方をさせていただけるかなという気がしますのは、例えば預金金利の自由化が始まったのは一九八五年からなんです。円・ドル委員会からです。これが完了したのが、完全な形の完了は九四年でございます。今が九八年ですから、結局預金金利一つとってもかなり長い時間をかけて徐々に対応してきたと。これは混乱を来さないためという目的があったわけですが、そういう自由化の歴史がある意味では急にスピードアップしてきているという関係ではございますけれども、その間、八五年以前もずっと規制金利体系で銀行は来たわけでございます。  そうしますと、きっと先生の御指摘はそのままの姿を金融機関の経営者も役所もそのまま維持しているのではないかと、つまりそれで制度だけをいじろうとしてうまく対応できるかという御指摘だと思うんです。ただ、私どもが申し上げたいことは、金利の自由化は確かに相当な影響があるというので慎重にやりました。その金利の自由化が始まってからの金融機関の意識変革はかなり急ピッチだと思います。ただ、それが十分だと言うつもりはございませんが、以前に比べればそれは断然違います。ということは、やはり競争原理というものが先生の御指摘のような技術革新とかあるいは経営者のマインドとか、あるいは加えて私ども行政官のマインドも含まれるかもしれませんが、そういったものを変えていくということだろうと思います。  確かに、自由化の光と影という影の部分も十分に認識しておかなければいけませんが、そうした競争が働く素地をつくることが逆に先生から今非常に御心配いただきました点の解決にもある面では資するのではないかと。それがなくて意識を改革しろ、技術を向上しろといっても、切迫感がない場合においてはそれはなかなか現実に進みがたいのではないかという感じがいたします。  今回、ビッグバン法と言われているように、かなり大幅また多岐にわたる措置を、自由化をお願いしてございます。一方で、金融安定二法とか今回お願い申し上げております法案の内容でも投資家とか保険契約者の保護もあわせてお願いしてございますけれども、そういった制度整備をあわせてやって自由化を今度は一挙にやってしまうと。その結果の影の部分も意識しつつ、今度は光の部分、つまりそれがそうしたいい面で働くということをぜひ期待したいし、またそれ以外に道がないだろうという感じを持っておるわけでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は前回の委員会で金融自由化の力点の置き方について批判をいたしまして、それが混乱を起こさないように考えて大蔵省としてやってきた、すなわち例えば企業から個人へ、大口から小口へと。金利の自由化でも、大口から小口へといっても、億単位から始まったわけでしょう、しばらくは。億単位の自由化ですね。九四年の最後の段階で言ってみれば小口というか個人が手が届く範囲の金利の自由化。  しかし、実際問題はその後金利の自由化になったのに金利は横並びが続く、これは自由化というものの意味をとらえていないんじゃないかというふうに私は思うんです。城南信用金庫が新しい商品を出したということについて世の中で皆評価しました。少しそれに追随するものが出てきた。そのくらいの変化ですね。かつて三菱銀行が独自の金利を設定して出そうとしたら大蔵省にとめられたというような話が当時世の中にずっと流れました。私は、金利自由化はやったんだと、実際やったんですけれども、そのことについて民間は受けていないじゃないかというふうに言いたいわけです。長い間時間をかけてやってきたその慎重なやり方ということは私も大切なことだったと。しかし、今急ピッチに起こってきているというふうに銀行局長は言いましたけれども、それに私は対応できていないことの心配があるわけです。  ところが、シティバンクとかどんどん入ってきてどんどん展開していますね。それが消費者の利益を守るシステム、アメリカ型の市場の慣習的システムというようなものは日本にない。やりたい放題みたいになっちゃうんじゃないかというおそれもあって、その辺が準備ができていないんじゃないかというふうに心配します。準備のことはまた一つ一つ聞いていきたいと思います。  そこで、先ほど大蔵大臣の答弁の中で、不良債権の処理について、帳簿上の処理を実物処理に転換させなきゃならないというふうに言われました。私は、行財政・税制特別委員会のメンバーでもありますから、自由民主党の片山委員と政府とのやりとりを聞いて、質問しませんでした、考えはよくわかりましたから。  そこで、私が午前中に申し上げたように、おんぶにだっこに哺乳瓶じゃないかと言ったのは、例えば損切りしても無税にしてやろうじゃないかというような無税償却、これは哺乳瓶、ミルクを与えると。おんぶにだっこしてなおやるのかと。私は、こういうふうにすれば根本的な不良債権の解決になる、公的資金もそこに投入してやらなかったら日本の体力がなくなるんだという方程式を解くような、見解としてはわかるのですが、相手は生身の国民なんです。  戦後ずっと、超とは言いませんが、低金利で来たと。日本の復興のためだと一番最初に言われて、これは非常に重要なことだと国民も思ったと思うんです。石炭を最優先課題にしたり、造船に財投をぶっ込んでいくとかということもやりました。どこかの船舶会社の偉い人が産業界は財投の世話は一切受けてなかったなんということを言って、私もその人には抗議しましたけれども、とんでもない話だと。だから、国民はそうだろうなと思って国力回復のためにはこらえてきた。しかし、前にも何回も私は言っていますが、例の狂乱物価のときに貯金の目減りが起こったわけですよね。ゼンセン同盟という組合が訴訟まで起こしました、貯金目減り訴訟。あれで企業の借金は棒引きになった。狂乱物価でかなり蓄積があって、大企業は資金が潤沢になって銀行を相手にしなくなった。そこで中小または非製造業、それがバブルのときは不動産に回っていった。バブルの起因の一つですよね、日米関係もあるけれども。それでそのバブルのときに多くの事例が、住専は税金で救われたと。私もあのときはあれしか方法がないというふうには思っていました。  しかし、一方でこの東京近郊、都市近郊に土地を持っている人が融資を受けろ受けろと言われて受けてやって、それがバブル崩壊で返せ返せになって、貸したものを返せですから当然な話ですわね、ということになって大変な苦しみを受けた人が、もう立ち上がれないほどダメージを受けた人がいっぱいるわけです。バブルのときに私が前に住んでいたところで私の家より小さい家が、私の家は最初買ったのが二千六百万だったのがバブルのときは七千万ぐらいになりましたけれども、売れば住めなくなるから……。埼玉県ですよ、大蔵大臣。上尾市です。私の家のそばで私の家より小さいのが一億ですよ。それを買ったんだ、当時の人が。どうするんですかそんなもの。今三千万ですよ、よくやって。そういう被害を受けているんです、この金利政策によって。  それで、超低金利でどんどん、不良債権を処理するための資金と公式に言われているわけじゃないけれども、その時間的余裕と資金が銀行にはあったにもかかわらず、不良債権は帳簿上の間接償却で残していて、この間特別委員会で大蔵大臣が言ったように土地が将来値上がりするんじゃないかと、何とか根性と大蔵大臣は言いましたが、そういうのがあって、とうとうそうならなかった。そこで与党・政府が検討しているのは、図式どおりいえばそれで解決できるけれども、そこまでやっていたのに、じゃ哺乳瓶をやるのかということになるわけです、政治的には。政策的には大蔵大臣が言ったこと、総理が言ったことはそれで決断してやればできるのかもしれない。与党が多数だから通るのかもしれない。しかし、政治的に国民に対してそういうことが言い切れるのかと、そういうふうに私は言いたい。そのことについてやはり答える責任があると思いますよ、今の段階でも。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 私は、委員から批判される哺乳瓶を渡すなどということは国民は理解しないだろうと、支持しないだろうというふうに思います。私自身は哺乳瓶をやる気持ちはさらさらございません。  ただ、問題はどういう点にありますかというと、銀行の融資先があるわけでありまして、徹底して破産まで持っていけば融資を受けた者もこれは倒れることになります。倒れるに値するようなところならそれで差し支えないんです。あの住専問題のときに国会で、証人として来ておりながら、ふてぶてしい態度をとった末野何がしなどというのがおりましたが、ああいった者は徹底してやっちまうのが私は正義だろうと思うんです。しかしながら、まじめに事業活動をやっている、そういう中小企業も少なくないと思うんですが、それがたまたま例えばバブル時代にある人にそそのかされてといいますか、別の分野に手を出した、その借金がうんとたまっておると。そうすると、中小企業の場合には当然のことながら本体の業務も一緒にやっておりまして、それを徹底して破産まで遣い込めばまじめにやっておる本来の分までふっ飛んでしまうようなことにもなりかねません。そういった場合に、せめて本来的な部分だけは残してやるかという問題が私は場合によってはあるだろうと思うんです。そういう場合には本来やっていた、まじめにやっておって、そして何とか一族が食べていける、そのための事業をまじめにやっておる、破産まで持っていけばそこまでなくなっちまうというのは、まじめな人間であるならば気の毒だなと思われるような場合にその部分だけを勘弁してやるということはあってもいいんじゃなかろうかと、こう私は思うんです。  要するに、何といいましょうか国民のほとんどの人に納得してもらえるような形での債権の一部放棄とかそういったことがあってその人を生き残らせてあげるということはあり得るんじゃなかろうかと。哺乳瓶とまではいかなくとも、その程度の水を上げるという程度は、そういったことはあり得ると思いますが、一般論として委員御指摘のような哺乳瓶まで上げるなどということは私は国民の理解は得られないだろうと。少なくとも私は哺乳瓶を上げるという気持ちは全くございません。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 哺乳瓶と言つたのは例え話であります。  私は、損切りの場合も無税償却ということになってくるとか、または売却損の場合も扱いは同じになってくるとか、共同債権処理機構を使ってSPCと連動して処理促進を図るとか、そこに庶民のなけなしの金が集められている郵貯、簡保の資金を活用して云々の話まで、私は与党の協議を知りませんけれども、新聞記事で見る限りではそういうことが出ていると。前から提案されていますからあり得ますわね。それは哺乳瓶じゃないかと思うんですね。哺乳瓶じゃなかったらミネラルウオーターかもしれないけれども、そういうものであることは間違いありません。自力更生すべきことを、政府も社会も我慢して猶予を与えたのにやらない。この前、私は銀行局長に直接償却を進めるべきじゃなかったかと言ったら、法制上そういう義務はないんだということでございますが、しかし積極姿勢があれば私はできたんじゃないかと思っています。幾年置いてもどうしようもない不良債権は損切りしたってよかったわけですから、自分でもやっぱり血を出して税金を払うということをすればいいわけですから。そういうことが私の言う哺乳瓶であります。でも、きょうの主題ではございませんが、始まったら入っちゃったので、ちょっと中途半端でございますけれども、また後、やるときは相当の覚悟で出されるんでしょうけれども、ぜひそのときまた相まみえたいと思っております。  さて、じゃその諸準備がどうだったとかということを銀行局長の答弁に引き続きまして幾つか挙げていきたいというふうに思います。  なぜそういうことを聞くかということを先に申し上げます。  国際市場と日本の金融・資本市場を比較したときに、一般に言われるのは日本の市場は間接金融の比率が高く、また資金調達、資金運用の両面において各金融機関に同じ質のパターンが見られるんじゃないかというふうに言われております。金融機関の規模の大小を問わず経営内容というのは相似形で、いわゆる横並び意識に基づく経営が続けてこられたというふうに言わざるを得ない。  資金調達の面でいえば、先ほどの金利の自由化でも申し上げたとおり、同じ商品をそろえる。まさに金利格差がほとんどない。資金運用は企業融資を中心に行われている。また、個別に後で申し上げますが、銀行の総収入に占める非金利収入の比率が欧米の銀行と比べて極端に小さい。  アメリカのマネーセンターバンクは平均して二五%を超えているのに対して、日本の都市銀行では一〇%以下。欧米の銀行は、欧米という言葉は日本がよく使うけれども、ヨーロッパとアメリカは全く違うんだというふうにヨーロッパ人は言いますが、欧米の銀行は投資銀行、法人金融中心の銀行、個人金融中心の銀行、あるいはその両面にバランスをとる銀行等さまざまのようでございます。しかも、国内、風外にその強みを生かした経営を行っている個性豊かな経営スタイルが見られる。しかし、日本は先ほど申し上げたとおり相似形、横並びという状況があるんじゃないかというふうに思います。  日銀から資料をいただきまして、自己資本利益率、ROEを一九九五年で見ますと、日本はマイナス三・三五%、アメリカは二二・四九%、ドイツが九・五九%。この状況を見まして、巨大資産を抱えているけれどもその資産を有効に使っていないんじゃないか、極めて効率の悪い経営をやっているんじゃないかというふうに見ざるを得ません。  大蔵省はこの現状をどのように見ているのか、銀行局長にお伺いしたいというふうに思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) ROEで比較して日本がアメリカあるいはヨーロッパに比して劣っているというのは数字から見てもそのとおりでございます。  ただ、分子の利益というものがかなり変動いたしますので、例えばマイナス三・三五を御紹介いただきましたけれども、その数字自体で決めつけるわけにはいきませんけれども、大体の傾向としては資本の割にはもうけが少ない。そのもうけが少ないというのがお客さんのためになっているのであればそれは許されることだと思うんです。それはぼろもうけするという、表現はよくありませんが、社会に還元しない金融機関もまた困ったものですから、そういう面はあります。  ただ、国際場裏で活躍して伍していこうという金融機関がROEとかROAとかそういった利益率が著しく低いということは、これは我が国の代表選手がそれであっては困るわけでありまして、そういう意味では非常に私も先生と同じようにこの点は改善をしていかなければならない、もう少し利益を上げられるような得意分野へ特化していくとかいうようなことを考えなきゃいけないと。  ただ、一つだけつけ加えさせていただきたいのは、日本国じゅうの例えば協同組織の金融機関まで余りそういう意識で一色にまた横並びでなられますと、ある銀行は地元のために本当に尽くしていただきたい、ある銀行は中小企業のために努力していただきたいという私どもの希望もあります。したがって、主としてマネーセンターバンクといいましょうか日本を代表するような金融機関に限っていえば、もう少し利益の上がる、またそれが我が国の金融市場を担うに足る金融機関になってほしいという気持ちは先生と全く同じでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私も、今、銀行局長の答弁にありました協同組織金融のようなものの役割ということを重視しているということについては全く同意でございまして、ずっと主張しております。もちろん、私が言っていますのはマネーセンターバンクの問題でありますから、日本の国力の発揮が究極するところはマネーセンターバンクの力量に行くわけでありますから、それが崩れたのではどうしようもないと。それで本会議で私は製造業との対比を言ったわけであります。  さて、非金利収入を見ると、これはまさにマネーセンターバンク、都銀平均、これが七百八十五億円、構成比二・七%、シティコープが四六・七%、モルガンが六六・一%、ケミカルが四四・五%。非金利収入の構成比率がこのようにもう圧倒的に低いと。  これは、私が先ほど申し上げた技術革新が進んでいないんじゃないかと、デリバリーについては批判もありますけれども、為替の問題、アドバイザリーの問題等機能が多極化していないんじゃないかというふうに思います。この点についてはいかがでしょうか、技術革新という面でどうなのかと。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 確かに、マネーセンターバンクを比較して、主たるプレーヤーの金利収入、非金利収入を見ますと、著しく我が国は金利収入に依存しております。これは、先生がおつしゃいますように、技術革新の問題もあると思います。  ただ、それだけではないような気もいたすわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、規制金利時代のやり方というものがずっとある意味では惰性で残っている。ただ、それが必ずしも悪い面だけではない面もあるんです。例えば、中小企業に対してもリスクの割には低い金利で貸し出しを続けるということも中には続いているものの一つです。したがって、メーンバンクという名称がいまだに残っているということはある意味では機能としてはあると思うんです。  ただ、マネーセンターバンクについて言ったときに、国際的に主要な機関投資家等の資金ニーズは多様多種になっております。そういったものに単に金を貸すだけで対応できるかという問題になりますと、それはやはりちょっと見劣りがしないかなという懸念があるわけです。したがって、そういう観点からいうともう少し非金利収入が上がっていく方向で努力しないといけないのではないかと。  ただ、そのためにはもう一つの要素として、それ以外にお金の流れる道、あるいはアドバイスする道があるかという問題があるんです。そういう意味では、資本市場が十分にある程度機能していくというような別のインフラが必要だという面もあろうかと思うんです。  あれこれ申し上げて非常に焦点がぼけてしまいますけれども、最終的には金利収入の比率がもう少し下がるような努力、また下がれるような仕組み、システムというものがやはり今後我が国に求められるのかなという感じがいたしております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 今の答弁にありました規制金利時代の流れがまだあって、そのことが中小企業にコストについてわかっていても低金利で融資しているという機能、これはすぐれて社会的機能を持っていると思いますね。メーンバンクというか地場の銀行という力がかなりそこに働いておると。地域的な要請というものがあって、地場であるということの作用がかなり強いんじゃないかと思います。この点については私もちょっと気がつかなかったことですから、よくわかりました。後でまたこの問題をちょっと時間がありましたら取り上げたいと思います。  先ほどのROEが低いことについて説明があって、もちろん当然にしてよくおわかりになりながら言っておられるわけですが、要するに預金を大量に集めて、預金を大量に集めるということは大変なコストがかかるわけですね。預金を大量に集めて、潜在的な需要が限られた融資市場に頼っている。預貸金が大分小さいわけですから利ざやが小さい、預貸金の利ざやが小さいからもうからない、こういうことは当然のように常態として今あるというふうに思っておりますが、これを引き上げるには総収入の増加ということでいかなきゃならないのでしょうけれども、これは大変難しい。それは体質的に難しくなっている、経済状況ばかりではなくて。  一方、経費面で効率性が盛んに言われて自己努力などを求められているわけですが、ちょっとデータで調べましたら、都銀上位五行の経費率、一九八六年から九〇年の平均で〇・九八%。これはアメリカの大手七行で三・五五%、イギリス大手三行で三・九二%、ドイツ一行で二・六二%。銀行数が違うのでちょっと気になる資料ではありますが、これに比べて圧倒的に日本がすぐれている。日本の銀行は、もはやといいましょうか、コスト削減の余地が小さくて収益水準を高めることは限界にあるんじゃないか、総収入の伸びについて難しい状況があって、経費削減といいますか経費率をこれ以上下げられない限界に来ているんじゃないかと。  こういう状況のままで、すなわちさまざまな非金利収入を上げるとかという努力、経過、未成熟のままでビッグバンに行ったときにはあるいは競争に伍していけないということが起こってくるというところに問題があるというふうに見ているわけです。ですからROEの問題と非金利収入の問題をお聞きしたわけです。その辺についてどのようにお考えでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) ROEの問題は、利益構造の問題と同時に資本金が多過ぎるのではないかという議論すらあるわけであります。資本を効率的に使っていないのではないかという議論があります。これは不良債権で今非常に収益力が落ちておりますので、ノーマルな状態でどの程度までいけるかという問題にかかってくる。そのためにはやはり得意分野への特化等の経営者の思い切った選択といいましょうか転換が必要だと思います。  それから、経費率についても御指摘がございました。  ただ、日本の経費率が非常に低い、これを優秀だというふうに評価していいかどうか。その分母が実は総資産でございますから、資産がでか過ぎるという逆の見方ができるわけでございますね。確かに、今、都市銀行も含めてかなりコスト削減には努力はしておりますので、経費率が低いことも評価できる面もあると思うんですけれども、逆に言うと資産が大きいという面が数字としては大きく出ているんじゃないかと。  資産が大きいという面は昔は強みだったんです。要するに、大きいということはすぐには倒れない、こういうことです。ところが、今は大きいということはリスクにさらされる、つまり世の中のこういう活動をリスクという面で切ってみたときに、どれだけ自分がリスクにさらされるかということなんですね。  だから、今、日本の金融機関が非常に悩んでおりますのは、たくさん資産を持っているという者が、その資産というのはよくよく見ると貸し出しとかそういうものなんですね。結局貸し出しが多いということはリスクにさらされているということなんです。  アメリカの銀行でインベストメントバンクとかあるいは証券会社でも一流のところは、自分ではリスクにさらされない。いろいろあっせんして、AさんとBさんを結びつけて、それでコミッションをたくさん取るという、自分は何もリスクはないのにもうけだけば大きいということを実現しているわけです。そのためには物すごい人的投資あるいはコンピューター投資、それからそのノウハウの蓄積等物すごいものがあると思いますけれども、そういった形の経営というものがやはり究極の、マネーセンターバンクというのは究極の姿だとは思うのでございますけれども、そういった形にどこまで近づけられるのかということだろうというふうに考えます。  いいお答えになりましたかどうか自信はございませんが、そういう印象を持っております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 時間が迫ってきましたので、幾つかの質問にまとめてお答えいただきたいんです。  日本の金融・資本市場における直接金融化の流れで企業金融の状況を見ますと、一九六五年から七三年は借入金八二%、これが一九九一年から九三年で二一%になっている。有価証券、企業の外部資金調達ですね、有価証券は六五年から七三年の一八・〇%が九一年から九三年では七八・三%と上がっているというふうにデータによるとわかります。日銀のデータです。  それから、銀行離れでいきますと、これはアメリカの状況で、日本の状況を聞こうと思ったんですが、アメリカの銀行離れの進展状況は、一九八五年、家計の金融資産残高に占める預金の比率が二五%が九四年で一七%、企業の資金調達残高に占める銀行貸し出しの比率が八五年は二二%が九四年は一八%、大きな銀行離れの変化が起きている。日本でも恐らく同様の状況なのではないかというふうに思っております。答弁の中で触れていただきたいと思います。  さて、今、金融環境、新しい金融環境としての直接金融化の流れが進んでいて、先ほど銀行局長の答弁の中でもありましたが、いわゆる伝統的な銀行部門が負担にもなっている資産、優良資産を直接金融部門に奪われていく、これは先進諸国共通の悩みだというふうに言われております。この状況がさらに進んでいった場合に、銀行部門の量的比重の低下と質的な劣化が大きな問題となるのじゃないか、日本の現状と近未来はそういうことが現実的に大きな問題になるんじゃないかというふうに思いますけれども、この問題はいかがでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 中長期的に見ますと、非常に難しい重要な点の御指摘だと思います。  長い目で見たときには、やはり優良な企業は直接金融の方に志向すると思います。間接金融はむしろ中小企業、つまり資本市場では調達できないようなところにその役割を見出すということになると思います。そういう方向に行ったときに、やはり銀行というものが従来の、今、先生は伝統的な業とおっしゃった、それだけで生きてはいけなくなるということだろうと思います。  ただ、入り口の方の直接金融・間接金融論で言いますと、どうしても日本は銀行が便利で、郵便局も便利でしょうが、直接株とか債券を買うよりは銀行に預金しておくという傾向がかなりまだ強いわけですね。そうすると、マーケットの方、あるいは運用の方ではかなり直接金融化の方にシフトしている、資金調達側ではそういうふうに変わってきているときに入り口の方の個人金融資産の吸い上げ口は相変わらず間接金融の方がウエートが大きいというときに、ではどういう現象になるかというと、これは私の予想でございますが、銀行が機関投資家としての役割というふうになってくると。そうすると。機関投資家としての役割というものをいかに果たしていくかというところに人材等を相当供給し、またノウハウを蓄積しておかないと、それこそ従来型でもう貸し付け以外はみんな国債を買っておけばいいだろうではちょっと私どもにとってみると不幸な事態だというふうに考える次第でございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 終わります。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 公明の牛嶋でございます。よろしくお願いをいたします。  私、この間本会議で質問をさせていただきまして、そこで申し上げましたことをもう一度ここで引用させていただきますと、三つの安定化策の目標があるとしながら、長期的な目標に関連いたしまして、「二十一世紀に展開される経済運営に適合した安定的な金融システムの構築に当たって重要なことは、我が国の現在の金融システムの特徴をある程度残しながら、グローバルスタンダードに適合したシステムをどのように構築していくかにあると考えます。」というふうなことを申し上げました。その特徴の一つは、伊藤委員が今御議論なさいました間接金融にウエートがかかっているということもその一つだろうと思います。  きょうは、非常に抽象的に代表質問のときは申し上げたので、少しこのあたりを御質問しながら詰めてまいりたい、こんなふうに思っております。  こういった長期的な金融システムのあり方を議論する場合に、私はこんな手法を今とろうとしております。それは、我が国の金融システムを幾つかの分類基準で基本的な枠組みを整理してみるということです。その分類基準といたしまして、今のところ四つほど用意しているんですが、一つは直接金融対間接金融という枠組み、それから民間金融と公的金融という枠組み、それから長期金融対短期金融、そして、これは余り重要ではありませんが、しかしこれからは重要になるのかもしれませんが、個人金融と企業金融、こういうふうな四つの分類基準を用意してみたわけであります。  きょうは、時間の関係で最初に申し上げました直接金融と間接金融、それから二番目の民間金融と公的金融、この間のバランスの問題につきまして若干質問をさせていただきたい、こんなふうに思っております。  この前、二月に決定を見ました金融システムの安定化のための緊急対策でございますが、私はこれによりましてかなり銀行の経営基盤が強化されてきたというふうにみなしております。そういたしますと、先ほど申しました間接金融に今ウエートがあるわけですが、このバランスが一層間接金融の方にシフトしていった形になっているのではないか、こういうふうに思っております。ですから、今回の金融システムの改革に当たりましては、もう一度直接金融の方へ重点を戻す、そしてできるだけ直接金融と間接金融のバランスを回復するという点に重点を置かなければならないのではないかと思っております。  そういうふうなことで、今回の金融システム改革の関連法案を見ましても、直接金融の育成、それから直接金融の基盤強化のためにいろんな提案がなされているわけであります。そこで、その提案の中からまず投資者保護基金についてお尋ねをしたいと思います。  直接金融の育成のためには、やっぱりできるだけ投資者のリスクを補償していくということも育成のための一つの条件かなというふうに思います。ですから、今度決められます投資者保護基金におきましても、顧客一人当たりについて一千万円の補償をする、もちろんこれは補償措置の適用になる資産でありますけれども、そういうこと。しかも、経過措置といたしまして預金保険と同じように二〇〇一年の三月末までは限度額を設けないで全額補償するというふうになっておりまして、ほぼ預金保険の場合と同じような手当ての仕方がなというふうに思います。  しかし、一方ではハイリターン・ハイリスク、それからまたローリターン・ローリスクの原則があるわけでありますので、私はこの投資者保護基金の場合ある程度限度額に若干差があってもいいのではないかというふうな感じも持っているわけですけれども、御検討に当たりましてこのあたりはどのように検討されたのでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今、投資者保護基金、二〇〇一年の三月までは全額を保護するということでございますが、その特例期間が過ぎましたらば一千万円ぐらいということでございます。  これは、確かに一つは、先生御指摘のとおり、預金保険を意識した面もございます。ただ、それだけではなくて、米英の制度、そういったものも実は参考にさせていただいて、そういったところから一千万という数字を考えているということでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 そうしますと、今私が申しましたハイリターン・ハイリスク、ローリターン・ローリスク、こういった原則については、先ほどもおつしゃいましたように、ある程度は預金保険制度を外しながらとおっしゃいましたけれども、そのときそういう議論はなされたわけでございましょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) この投資者保護基金と申しますものは、証券会社が破綻をした場合の顧客の預かり資産を保護する、こういうことでございます。証券に投資する場合には証券会社を介することで初めて証券市場への参入が可能になるわけでございまして、そのためにみずから所有する資産を証券会社に預託したままで売買をしているわけでございます。したがいまして、これは全く投資家の責任ではなくて証券会社が破綻した場合にそれをいかに保護するか、こういう問題というふうに認識をしているわけでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 それでは、次の強化策として検討されております証券投資信託制度の整備についてお伺いをしたいと思います。  この証券投資信託業務というのは、いわば一般の投資者から一応資金を預かって、それをまとめて証券投資して、そこから得た利益をまたもう一度分配するというやり方でございますね。ですから、先ほど御議論がありましたように、非常に間接金融的な性格も持っているわけですね。私は、投資の対象は証券投資ではありますけれども、その手続のところは割合間接金融と似ているのかななんて思っておりまして、いわば直接金融と間接金融の合体したものと。ですから、日本人にとりましては割合なじみやすい制度であろうというふうに思います。ですから、私は期待を持っているわけでございます。  いただきました参考資料の二百二十二ページを、見せていただきますと、これまでの我が国における投資信託の残高の推移の一つのグラフがございます。アメリカと対比させて書かれているわけでありますが、一九八五年を一〇〇として、その推移が指数で示されておりますけれども、アメリカは一九九七年には八〇〇に近い八倍の指数を示しておりまして急上昇をしているわけであります。金額で申しますと四百三十六兆円という残高になっております。日本は一九八九年までは実はアメリカよりも急な伸びを示していたわけですけれども、九〇年からダウンをいたしまして、現在はほぼ横ばいということでございまして、一九八五年を一〇〇といたしまして、今のところは二二〇ぐらいのところを推移している、金額的にも四十七兆五千四百億円という数字になっております。いわば十分の一であるわけですね。このグラフを見ておりますと、日本では投資信託に対しまして非常に伸びる可能性もあみのではないかというふうなことを感じております。  お尋ねしたいのは、今度の整備によって再び日本の投資信託の残高が上向くようになるのかどうか私は相当期待を持っているわけですけれども、その点について少しお考えを述べていただきたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えさせていただきます。  今、委員御指摘のとおり、日米の差が非常に出てきてしまった、それが一九八九年までは日本の方が上であった、それ以降日本は横ばいで、そしてアメリカはどんどんふえていったと。  この背景でございますが、やはりこれは一つには、まさに一九八九年というのはバブルの絶頂期でございます。そのために、その後の株式市場の低迷というものが一つあるわけでございます。それからもう一つは、日本においてはアメリカで非常に売れておりますいわゆるミューチュアルファンド、言葉をかえて言えば会社型投信でございますけれども、これが導入されていないなど投資家の多様なニーズにこたえる制度が整っていないのではないかという点もあろうかと思います。また、投資信託の販売が証券会社、最近では投信委託会社の直販というものも出てきておりますけれども、基本的には証券会社に限られていたといったことが要因として挙げられるのではないかというふうに思います。  そこで、今回の証券投資信託の改革といたしましては、一つは投資信託商品を多様にしようということで、いわゆるアメリカと同じような会社型投信、日本では法律上では証券投資法人制度と呼んでおりますけれども、それを導入する、あるいは私募投信というものをきちんと投信法上に位置づけるというようなことをしていくと。さらに、まさに今やグローバル運用あるいは多角的な運用の時代でございまして、そのために投信委託業者の運用指図の権限、これを外部委託を導入してまさに運用の効率化に資するという、そういう面での強化、さらにその販売チャネルを拡充する、今まで基本的に証券会社に限られていたものにつきまして銀行等の金融機関にも窓口販売を導入する、こういったことを盛り込んでいるわけでございます。  また、投資信託そのものは、委員も御指摘になられましたけれども、国民にとって比較的、ちょっと言葉は悪いのかもしれませんが、預金類似的なところがございます。それだけに誤認の問題がまた別途出てくるわけではございますけれども、そこはきちんとやるということではありますけれども、こういった改革によりまして投資家の資産運用の有力な一つの手段となって今まで横ばいの線が上向いていくということを私ども期待をしているところでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 ありがとうございます。  私もやっぱり決め手はこれかななんというふうに思っておりまして、これがうまくいきますと直接金融、間接金融のバランスをある程度取り戻すことができるのではないかというふうに思っております。  もう一つは、魅力ある投資対象の育成ということをおっしゃっておられます。私はこの問題を考えるに当たりましては、非常に企業の配当政策が関連しているのではないかというふうに思います。株価が低迷しておりましてもある程度高率の配当がなされるならば、預金者あるいは投資者にいたしましても利殖のために株式を持つというのはいわば魅力ある一つの投資対象になってくるわけであります。  ところが、なぜ日本の場合、各企業とも利潤の大半を社内留保してしまうのかということですけれども、これはまた別な見方をしますと、それだけ直接金融が育っていないというふうなことにもなるのではないかと。今、仮に配当政策が株式市場におきましてその会社の株価にすぐに反映するような状況がつくられてくると、企業といたしましても自分の株価を上げるために配当政策に留意をするというふうなことになろうかと思いますけれども、そういう状況というのは日本では期待できないんでしょうかちょっと教えていただきたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今、委員は日本のいわば株式市場にかかわる根本的なお話をされたというふうに思います。私ども証券取引審議会でもいろいろと議論をしている過程の中でいつも委員が今御指摘された問題というのは必ず出てはいるわけでございます。  実は、この証券取引審議会が議論をしていくに当たりまして、一昨年の十一月二十九日でございますが、論点整理というものをまとめました。その中でもやはりこの問題が指摘をされていたわけでございます。要するに、各企業がまさに株主重視、株主に目を向けた、そういう経営を行っていないのではないかという問題でございます。これにつきましてはさまざまな議論があったわけでございますけれども、これからの時代というものは、まさに今でも株式市場においては株価が二極化現象を起こしているとかいろんな話があるわけでございますけれども、最近におきましては日本の株式市場におきましてもある意味では市場原理が働き始めたのかなと、やはり株主に目を向けている企業の株価とそうでないものというものがだんだんと変わりつつあるのではないのかなと、これはまだあくまでも萌芽かもしれませんが、そういう感じがしているわけでございます。  いずれにいたしましても、これから私どもディスクロージャー、そういったものも今後とも整備をしてまいりますけれども、そういう中にあってまさに株価の持つ意味というものが変わる、そのことによってまさに株式なんかの魅力の向上がまた図られるのではないかというふうに期待をしているところでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 それでは、残りました時間で民間金融と公的金融についてお尋ねしてまいりたいと思います。  先ほど我が国の今の金融システムの特徴を残しながらというふうなことを申しましたけれども、公的金融の占める割合が諸外国に比べて我が国の金融システムの中でかなり大きいということが私はもう一つの特徴を構成しているのではないかと思います。  ところが、よくよく考えてみると、この特徴と先ほど指摘いたしました直接金融と間接金融の間接金融に偏った枠組み、これは共通のところがあるわけですね。と申しますのは、公的金融というのは間接金融でありますから、これのウエートが高いということは同時に全体におきましても直接金融に対して間接金融が大きなウエートを占めるということだろうと思います。  ですから、二つの特徴と申しましたけれどもこれは一つの特徴ということにもなるのかもしれませんけれども、今の我が国の金融システムの特徴のそういうとらえ方、これはそれでよろしいのかどうか、大蔵省の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 公的な金融というものの性格づけというものは大変難しゅうございまして、いろいろな切り口からの御議論があろうかと思いますが、私どもの受け取り方、公的金融の受け取り方というのは、どちらかというとある意味では政策というものが裏についているという感じがしております。それは、例えば入る先の郵貯を見ましても、郵貯法第一条にあるような、零細で簡便な貯蓄手段、これも政策、一つの手段でございます。それから、出口の方の政策金融というのも、金融の手段でもって補助金ではないけれどもそういった長い固定金利の融資をする、あるいは貸し渋り対策というときに急に出動するというような補完的な政策の発動だという考え方を持っておるわけでございます。  ただ、そうしたものがウエートをどんどん広げていくべきかどうかというのは、やはり今度はマーケット全体の問題ということでいろいろな議論があると思いますけれども、例えば我が国の政策金融、出口の方で見ますと、大体貸付残高で見ますと全金融機関貸し付けの一五%ぐらいを占めているわけでございます。じゃ、外国はゼロかというとそういうことではありませんで、それぞれいろいろ性格が違うのでぴったり合わないかもしれませんが、俗に言われているものだとアメリカでは一二%、ドイツでは四四%、これはいろいろ違うものも含まれているという議論はあるかもしれませんが、フランスでは三二%とかいうことで、それぞれ公的なかかわりを持った金融の流れというものはあるということなんですね。  そのときに、果たしてどれくらいの役割をこの政策を実現するための存在として公的金融が果たすべきかというような議論を中心に私どもは行っていると。ちなみに、政府系金融機関のあり方問題ということで整理統合あるいは業務の縮小ということを特殊法人問題の一環として議論させていただいているということはそういうことでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 間接金融ということでございますので預金市場、今御説明がありましたように、入り口のところと、それから金融機関を挟みまして貸出市場、出口のところがあるわけです。入り口の預金市場で公的金融と民間金融というものを考えますと、ここでは銀行と郵政省といいますか郵便局との関係になるわけですね。預金市場で預金を集めるわけですから競争関係と言ってもいいかと思います。それに対しまして貸出市場におきましては、貸し出しは財政投融資に基づいて行われるわけですからいわば銀行と大蔵省というふうな関係でとらえることもできるのではないかというふうに思います。そういたしますと、貸出市場のところで銀行と大蔵省がある意味では貸し出しに当たりまして融資先の選択等について競合関係にあるわけであります。  そういたしますと、大蔵省が金融行政を進めていかれるに当たりましていろいろな問題がそこで懸念されるわけで、きょうはそのいろんな問題を幾つか取り上げて御議論をさせていただきたいと思いますけれども、そういうとらえ方に対して大蔵省はどういうふうにお考えでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 確かに図式的に言いますと、郵貯と銀行あるいは大蔵省と銀行という形でのとらえ方も正しいと思いますけれども、ただ同じレベルでの競合関係がということになりますと、ちょっと私どもは異論を言わせていただきたいということでございます、それはあくまで政策の遂行手段としての位置づけを強調しておりますので。確かに、例えば銀行と政府系金融機関との貸し出しが競合してお客さんの取り合いになったとかというような話を聞くこともあります。しかし、そういった問題をできるだけ起こさない、つまり政府系金融機関は補完的な存在だと、それでいて政策の遂行機関であるという点をしっかりと守ってやるということでやってまいっているわけでございますので、確かに時たま、特に資金が余剰時代に入りますと貸し出し先がないということで競合関係にあったりということもしばしば耳にしましたけれども、あくまでそういった政策の考え方でやらせていただいているということでございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 今、ちょっと申されましたけれども、預金市場及び貸出市場での民間金融と公的金融の関係を考える場合に、金融市場全体の資金の需給の状況、需給バランスに非常にこれが影響を与えるように思うわけであります。  高度成長からその後昭和五十年代中ごろぐらいまでは、金融市場全体というのはむしろ資金が逼迫いたしまして、資金の供給以上の資金需要があったというふうに私は思っております。いわば金融市場全体が貸し手市場であったというふうに考えていいわけであります。  そういたしますと、公的金融と民間金融との競合関係というのは、預金市場のところで集中的に出てくるわけです、資金をどういうふうに集めるかという。これがこの前お聞きいたしました銀行協会から出てきたイコールフッティング論でありました。この場合は、先ほど申しましたように、銀行と郵便局あるいは銀行と郵政省でございましたから、私はある意味では大蔵省はレフェリーの役割はそこではとれたのではないかと、直接当事者ではございませんですから。ですから、ある程度フェアな金融行政がそこで行われたというふうに見ることができるかと思います。その後の金融の自由化、特に金利の自由化との経過を見ておりますと、一層そのことが言えるわけであります。  このように、金融全体が逼迫しているような状況のもとでは預金市場での競争関係が非常に強く出てきて、そしてそれがある意味では金融行政にも大きな影響を与えてきたというふうに思っております。  そのあたりのいきさつをどのように振り返っておられるのか、この前もお聞きしましたけれども、もう一度ちょっとここのところ大切、重要と思っておりますので御説明をお願いしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 以前の郵貯と銀行との関係というものにつきまして、当時私はかかわっておらなかったということもありまして、正確に申し上げられるかどうか自信がありませんが、規制金利時代の両者の関係というものはかなり先鋭的であったような記憶がございます。それは金利を幾らにするかということだけで物すごくその成績が変わってくるということで、非常に一つ一つ公定歩合が動くたびに郵政省と銀行とがえらく対立しているという図式があったような気がいたしております。  ただ、金利が自由化しまして後は市場に連動しながら金利を決めていくという郵貯の金利設定ルールも決められましたし、限度管理もきっちりやっていただいておりますので、もちろん競合関係はあると思いますけれども、その辺は市場原理というものを共通の原理に一応置いて対応するようになってきているのではないだろうかなという感じがいたしております。  ただ、しばしば御紹介申し上げました昨年の十一月、十二月ぐらいには預金が某大銀行と郵便貯金にシフトしたということが随分言われました。当委員会でも御指摘がございました。そのときの姿を見ると、やはりいろいろと問題が全くなくなったと言い切れない面もあるかなという感じはいたしておりますが、ひところに比べると大分感じが違うかなと思っております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 この点はちょっと申し上げにくいんですけれども、当時のことを振り返っていろいろな経過をたどってみますと、先ほど言いましたように、銀行と郵政省の間に立たれてフェアなレフェリーの役割を果たされたというふうに私は申しましたけれども、どちらかというと私は民間金融の方に軸足が置かれていたのではないかなという気がいたします。そのことがその後の金融行政に、よく言われますように、少し銀行側に手を差し伸べ過ぎているというふうな形の金融行政が展開されていくその一つのきっかけといいますか原因がそのときのイコールフッティング論の展開の中であったのかななんて、私自身はそのような解釈をしているわけですけれども、これについて大蔵省は御反論があれば反論していただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 外部からいろいろな御批判、見方、それは私どもとしては謙虚に受けていく必要があると思いますが、民間金融機関に対する行政が郵貯との関係だけでいろいろ左右されておったという意識はないわけでございまして、これはあくまで、何度も繰り返しておりますように、破綻を起こしてはならないという意識が非常に強かったという、制度整備が十分になされていない時代での恐怖感といいましょうか心配事というものがかなりやはり強かったのではないかというのが一番の私どもが申し上げたい点でございます。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 ところが、一九八五年にプラザ合意が成立いたします。そして、一応円高が容認されるわけでありますけれども、その後円高不況が続きます。このあたりから金融市場における資金の需給バランスは緩んでいくわけでありまして、むしろ資金の余裕が生まれてまいります。いわばこれまでの金融市場が貸し手市場であったのが借り手市場へ移っていくわけです。そういたしますと、これまでの預金市場における銀行と郵政省との関係というものが今度は貸付市場の方へ移ってまいりまして、これが今度は銀行と大蔵省という関係に図式が変わっていくわけでありまして、私はここにバブルをかなり長引かせた、それからバブルを非常に大きくしてしまった一つの要因が隠されているのかなというふうな気がいたします。貸し手市場に移っていきまして、貸出市場のところで競合関係が起こっていくわけでありますが、このことがバブルを引き起こす一つの要因であったことは間違いないのではないかこんなふうに思っております。  当時、各地でリゾート開発が非常に頻繁に行われました。そのときいろいろとうわさを聞いたわけですけれども、非常にこのリゾート開発というある意味では公的な要素を含んでいる事業の場合、民間金融と公的金融がかなり競合したというふうに聞いているわけであります。そうなりますと、借り手市場でありますからどうしても融資の選別に当たりましてどちらも甘くなるというふうな点が恐らくあったのではないかと。リゾート開発の場合、うまくいったところもありますがそれは例外的でありまして、ほとんどうまくいっていない。私はそういう融資のときの選別の仕方に甘さがあったことで事業がうまくいかなかったこともあったのではないかと。  ですから、私が今問題にしたいのは、公的金融と民間金融がそのリゾート開発に当たってどのような関係にあったのか、私はかなり公的資金が投入されたというふうにも聞いておりますけれども、何かそのあたりのデータがあり、また御説明いただけるようなことがありましたらお聞きしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先生の御指摘については個別事案でいろいろと事情は違うと思いますのですべてが一つで割り切った申し上げ方はできないと思うのでございますが、多くの場合はこういったリゾート開発を含め地方の活性化という政策目的がございまして、そのためにはやはり長い固定の資金を必要とする部分があるということで政策金融の出番があるということです。政策金融には多くは融資比率というのを設けております。例えば半分半分、五〇%五〇%ということで民間が半分。ただ、民間の方は調達等の期間、金利のミスマッチのリスクがありますからどうしても期間が短くなるし、金利もできればフロートで、変動金利で貸すということになりますので、その長期固定と短期フロートということとの組み合わせでプロジェクトが成り立つということだろうと思います。  それで、リゾート開発そのものが失敗したではないかということについて、審査が甘かったからということが全く関係ないと私は断じる自信もございませんけれども、多くはやはりそのときの見ていた土地、地価の動向、あるいは地方の活性化の見通し、そういった実需に対する見通し、計画というものに原因もあったのではないかと。その両者の競合関係がそれを加速したという面がケースによってはあるかもしれませんが、そういった政策目的でやったもののやや無理のある計画、あるいは地価の下落を予想し切れなかったというところが多いんじゃないだろうかという感じがいたしております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 事業がうまくいかなければ、これは民間の事業の場合もそうですけれども、結局債権が焦げついてしまう、不良債権化するということになります。  政府関係機関のリゾート関係の融資の中でそういう不良債権化しているものはかなりあるのじゃないかと思いますけれども、そういう実態はおつかみになっておりますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) リゾート関係だけを取り上げたものは私ちょっと存じませんが、政府関係金融機関と民間金融機関との貸し倒れの状況を破綻先、延滞等で見ますと、今のところ政府系の方が低い数字になっております。政府系の方が正しい貸し方をしたということを申し上げているわけではありませんけれども、一応現実はそういうことの数字になっておる状況でございます。今後はその辺ちょっと予断を許しませんが、一応そうなっています。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 時間があと五分ほどでございますので、今問題になっております貸し渋り、この貸し渋りの問題につきましてはいろんな角度から御議論されておりますけれども、きょうはずっと公的金融と民間金融の議論で問題を整理させていただいておりますので、その観点からちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。  民間金融の貸し渋り、これは先ほどから私が言っておりますように借り手市場というふうなことからいいますとちょっと奇異な現象ということにもなりますけれども、恐らくこれは早期是正措置等々の措置基準に関連しているところが大きいのではないかと思います。それを補うような形で公的金融の融資枠というのが非常に拡大されているわけでございますけれども、そうなりますとこれは、これも政策といえば政策目標であれですけれども、実態で見てみると、やはりこれまで言われてまいりました公的金融の民間金融に対する補完という制約、そういったものを超えてしまったような感じも受けないわけではございません。中小企業に限って融資を受けた額、公的金融と民間金融ということで考えてみますと、恐らく公的金融の比率はかなり高まってきているのではないかと。  それは民間金融における貸し渋りを何としても是正するためだというふうな政策目標はありますけれども、しかしこの事態がそのままずっと経過していって後から振り返ってみた場合、やはり公的金融が補完の域を超えてしまったというふうなことにもなりかねないのではないかと、その状況に今来ているんじゃないかなというふうに私は思っておりますけれども、この点について大蔵省はどのようにお考えでございましょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先生も分けて御議論いただきましたように、短期的な緊急対応としての考え方と中長期的にあるべき政策金融のあり方ということはある程度峻別しよく頭に入れて対応すべきだと思います。その長期的な方についてはやはり不断の見直しを行い、民業の補完という考え方に徹していくということだろうと考えております。

牛嶋正公明

○牛嶋正君 最後に大蔵大臣にお尋ねさせていただきます。  このように見てまいりますと、大蔵省は、一応金融行政を進めながら、今見てまいりましたように、貸し出し市場におきましては銀行との競合関係もあるわけでございます。こういうふうに考えますと、財政投融資の抜本的見直しあるいは大蔵省が金融行政から手を引く、こういうふうなことが金融システムの強化のために私は必要ではないかなというふうに思っております。  これは私の持論かもしれませんけれども、最後に大蔵大臣の御見解をお尋ねして、質問を終わらせていただきます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員よく御承知のとおり、あと三週間もすれば金融監督庁がスタートいたします。そういたしますというと、いわゆる金融業界と大蔵省との関係は、少なくとも監督・検査等々を通じての関係はなくなるわけでございます。あと何が残るかといえば、やっぱり世の中このように変化し進展してまいりますから、金融のシステムは本来どういうシステムであるべきかとか、そういう基本的な事柄についての企画・立案をする部門、それだけが残りまして、業界との関係あるいはつき合いというものはなくなっていくわけです。  金融監督庁、新しくできる役所でありますから、恐らく相当張り切って監督・検査の仕事をなさるというふうに期待しております。しかし、大蔵省の方の金融に関する企画・立案といったような制度に関するようなことについても大蔵省は、非常に大事なときでありますから、これはしっかりそめ任務を果たしていかなきゃならぬ、非常に小さい部門になりますけれども、そういうふうにやっていかなきゃならぬというふうに思っているわけであります。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。金融システム改革に関する四法案につきまして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  私は、大蔵省が国民からの信頼を一日も早く回復していただきたい、そういう思いで大蔵省職員の不祥事に関連いたしまして一、二質問をさせていただきます。大蔵大臣にお答えいただければ幸いです。  まず、金融ビッグバンの前提となる透明な政策形成のあり方についてお伺いしたいのでございます。  過日、当委員会で御質問しました過剰接待等に関する調査結果が去る四月二十七日に衆議院大蔵委員会理事会に提出をされました。資料は大蔵の内部調査の対象となった九三年一月から九七年十二月までを三つの期間に区切ってゴルフと会食の回数を職員別に記載してあるというふうに見ております。  大蔵省への過剰接待は、既に昭和五十四年の鉄建公団汚職において主計局の幹部等の処分があり、「綱紀の厳正な保持について」という通達が当時の松下官房長から出された後、田谷・中島事件が起こりまして、さらに平成七年には再度通達が、平成八年には倫理規程が出されたところでございますが、その間、回数は減ったものの、その後も接待を受け続けていたということがこのたびの調査でも明らかになったところでございます。  ところで、日銀の速水総裁は、金融機関から過剰な接待を受け続けていた日銀職員の処遇につきまして、十分反省してもらわなければならない人たちには将来にもある程度影響を与えられるような処分の仕方を考えているというふうにお話がございました。これは衆議院の大蔵委員会で述べられたのでございます。  今回の処分が組織として再び過ちを繰り返さないために、また処分を受けた職員が将来同じ過ちを繰り返さないために、大蔵大臣といたしましては大蔵省職員の不祥事に係る処分の効果あるいは意義というものについてどのようにお考えか、お伺いいたします。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 繰り返しになるわけでありますが、このたびの大蔵省の不祥事、大変申しわけないことでありまして、深くおわびをするわけであります。二度と繰り返すなどという事態が起こらぬようにするためにも厳正な処分をしなきゃならぬ、こう考えまして、これは参議院でも、あれは予算委員会に提出したのでございましたでしょうか、内部調査の結果と処分の内容を提出させていただきましたが、国家公務員法の八十二条でございますか、これに基づく処分を、ちょっと今メモを持っていないんですけれども、数十名したわけであります。比較的軽いものといいましょうか、少なくとも平成七年以降には接待を受けたという事実がないような人、それ以前に多少あったという人、その程度の人については厳しく反省を求めるという意味での大蔵省の内部規定に基づく処分をする、こういったことで全体としては百十二名になったわけでありますが、これは大蔵省始まって以来の被処分者の数であります。また、三十数名だったと思いますが、これは国家公務員法に基づく懲戒処分でありますからこれについては人事記録にずっと載っていくという制裁が残っていくわけであります。  そういう処分をしたことは、これは大蔵省職員一同に対して厳しい自覚をもたらしたものと思いますが、同時にまた一層の倫理観と使命感を改めて持っていただく、そういう契機になったものと思います。  今後とも、私も大蔵省の最高責任者として真に国民の負託にこたえられるよう全力を尽くして精進してまいりたいと、こう決意しているところでございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 もう一点だけ大臣に伺いたいのでございます。  今回の調査によりますと、過去五年間に金融関連部局に在籍された職員に限定して行われているのではないかと思います。おやめになりました長野前証券局長、それから杉井前銀行局審議官はいずれも主計局が長かったのではないでしょうか。主計局の幹部の経験もおありのようです。また、他の職員も金融関連部局以外の主計局などに在籍中にも継続して接待を受けておられたのではないかと思うわけです。したがいまして、今回の調査結果を踏まえまして、他の部局においても他省庁などからの官官接待を含めた実態調査の必要性が高いのではないかと思うわけです。  大蔵行政に対する国民の信頼を回復するために一日も早くすべてを明らかにすべきだと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 調査の対象者の話になろうかと思うのでありますが、当初は過去五年の間に金融関連部局に課長補佐以上の地位で在職した者を対象に調査を始めたわけであります。その場合には、過去五年間でございますが、対象人員は約五百五十名の予定でありましたが、その後もっと広げるべし、広げた方が妥当であるということで、金融関連部局に課長補佐以上として在職した者を五年じゃなくてもっと前にさかのぼって調査することに、すなわち調査の対象を拡大したわけであります。その結果、調査対象人員は実は千五十名になったと。そうすると、どういうことに結果としてなったかというと、現在大蔵省本省の主な課長以上に在職している人、現在はもう局長になっている人とかそういった者を含めて本省の主な課長以上の人はほぼ全員実は調査の対象になったわけです。したがって、数が五百五十名から約千五十名になったわけであります。  そういったことでありますので、下の方は別として、上の方はほとんど全員調査の対象にし、そして予算委員会に提出したような結果になりましたので、それぞれその行為を厳正に判断して、そして処分をし、結果を発表したということであります。したがいまして、現在主計局におる人であっても、主な課長以上は全部調査をしたんです。あるいは国際金融局であろうと理財局であろうと、主な課長以上は全部調査をしたわけでありまして、問題のある者について書面で詳細を御報告申し上げたような結果になったわけでございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 大変つらい仕事だったと思いますけれども、御苦労さまでございました。今後そのようなことにならないようにぜひとも御検討をお願い申し上げます。  次に、裁量行政の問題は先ほどもお話がございましたので重なるかと思いますが、証券局長、銀行局長、保険部長にお答えいただければと思います。  それは、大蔵省は銀行や証券・保険会社に対する行政指導の根拠となってきました金融関連の通達を原則として廃止をすることを明らかにされました。六月に発足する金融監督庁に検査・監督部門が移るのをチャンスにいたしまして、店舗の設置や利用を制限するような指導的通達を廃止して、一部は政令や省令など透明な手法に改める方向で見直すとしています。  そこで、大蔵大臣は、金融政策とその決定過程の透明性を高めるために通達を省令にする、あるいは審議会の運営についても審議会報告の草案段階から一般に公表しながら意見を徴収するなど、裁量行政を見直す方針を明らかにされておりますが、損失補てんなどが問題となりました平成三年の証券不祥事の際にも通達の法令化に関する委員会決議がされております。さらに、平成四年の証券取引審議会報告にも盛り込まれていました上で今回再度見直しの方針が決められたのでございますけれども、その後の今申しましたような経過をたどる中で余り進んでいなかったと思われるんですけれども、実際はどうだったのかということをお伺いしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今、三重野委員から御指摘をいただいたわけでございますけれども、証券行政につきましては、かつては事前予防的な対応というものが行われた面が多々あったわけでございますが、平成三年の証券不祥事というものを契機といたしまして、証券取引等監視委員会を設置する、あるいはそれまで口頭指導であるとか通達行政といもんな批判がございまして、委員御指摘のとおり、通達については大幅な整理統合をしたわけでございます。  実は、本年四月一日現在における証券局関係の通達数は三十四件でございます。こういったものにつきましても、先ほどお話がありましたように、指導的通達、これはもうほとんど残っておりませんが、こういったものも廃止をいたしますし、できるだけ政省令化すべきものは政省令化し、あるいは事務マニュアル的なものは事務ガイドライン的なものとする等の措置を講ずるということにしているところでございます。  いずれにいたしましても、平成三年の証券不祥事を契機に、明確なルールのもとでルールを乱すプレーヤーに対しては厳格に対応する、こういう事後監視型の行政に転換をしてきているわけでございます。  今回のこの金融システム改革では、さらに委員御指摘のこの事後監視型の証券行政へのより一層の転換を図るといいますか、まさにその総仕上げと言ってよろしいのかもしれませんが、そういう決意のもとに、証券会社の登録制への移行であるとか、あるいは不公正取引ルールや証券会社の公益性の強化等、いろいろな措置を回らせていただいているわけでございます。  今後とも、金融監督庁に証券の監督・監視行政は移るわけでございますが、明確なルールに基づく透明かつ公正な事後監視型の行政が行われることが重要であるというふうに考えております。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 銀行局の関連について申し上げますと、銀行局の場合は、銀行法をごらんいただきますとおわかりのように、免許制という制度のもとで銀行が健全かつ適切な運営を行うことを確保するという目的でつくられております。したがって、いろいろ細々した通達というのが現に存在しております。それが一部はいわゆる指導通達と言われるような、それでもって事前予防的に顧客、利用者に迷惑をかけないように最大限の配慮をするという考え方でやっておりました。ただ、これもともすれば、いい面もありますが、何か密室行政的でよくわからないということで、これらをできるだけ省令とか告示とかそういったものに格上げするといいましょうかはっきりさせるということにいたしたいと考えております。  さらに、通達の中には例えば本省と財務局で扱いが違うというようなことが出てきてはいけませんので、この件についてはこういうふうに扱いますというような内部的な通達というのがあります。これは講学上の通達と呼ばれているものですが、これまでなくしてしまいますと本当にばらばらな行政を、勝手に一人一人が違った行政を行うということになりかねません。これは監督庁へ行ってもそういうことが起きますので、内部的なものについてはこういう扱いをするというガイドラインみたいなものをはっきりとつくり、それは公表を原則にすると。これも外部の銀行が見たときには、ああ、役所はどこへ行ってもこういう扱いをするんだなということがわかるように、それからいろんな有識者にも見ていただけるようにいたしたいというふうに考えております。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 保険行政につきましても、銀行・証券行政とほぼ同様でございます。  やはり、従来通達行政、護送船団行政というような批判があったことは承知しておりまして、こうした点を反省して、極力客観的かつ公正なルールで透明性の高い行政を目指したいと思っております。  保険行政の場合は、一つのきっかけはおととし、平成八年四月の新保険業法施行の際でございまして、このときには保険会社の免許審査基準等、従来通達等でやっておりましたものを法定化していただきましたし、そのときに大幅に通達等を整理統合いたしました。  さらに、今後の行政といたしましては、御指摘にありますように、きめ細かな事前指導から事後チェック的な行政への転換を一層進めることが重要であると考えております。具体的に申し上げますと、例えば、銀行におくれましたが、透明性の高い行政手法でございます早期是正措置を導入するよう今般の法律改正をお願いしているところでございますし、また業界との意見交換、当局の考え方を説明する場合も金融連絡会というような透明性のある場で行っていくことにいたしております。  さらに、ただいま御指摘にございましたが、今般は数年前に大幅に統合を行った通達自体につきましてさらに見直しを行いまして、これを原則廃止して、省令、告示になじむものは省令・告示化を図る、不要なものはやめるというようなことを今作業しているところでございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 詳しくどうもありがとうございました。  金融検査のあり方について、大蔵大臣にお答えいただければと思います。今般の金融不祥事の発端となりました金融検査のあり方についてでございます。  来月二十二日、金融監督庁が発足をいたしまして金融機関に関する新しい検査・監督体制がスタートするのでございますが、金融ビッグバンによりましてフリーな市場をつくっていく前提として、事前相談型の裁量行政から違法行為は厳罰に処するという事後監視型の行政へ転換することが求められておりますし、今もお三方からいろいろと御答弁いただいたところでございます。  御存じと思いますけれども、英米においては証券業協会、証券取引委員会等による速やかな処分内容の公表など、監督機関や自主規制機関に消費者被害を軽減する機能がございます。また、金融検査の費用も金融機関が負担していると聞いております。  人手も費用も限られている我が国の金融機関の機能を強化するためには、やはり金融機関による費用負担も検討されるべきではないかというふうに思うわけでございますけれども、大臣の御意見を伺いたいと存じます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 金融機関に対する検査の手法につきましても、実は根本的に改めようということで検査の基本的なあり方についても方針を定めまして、そして実行することにしたところであります。  どういうふうに改めるのかということについての詳しい内容は銀行局長から必要に応じお答えさせていただきますが、後の方でお尋ねの金融機関に金融検査の経費を負担させてはどうかという話でございます。  結論を先に申し上げますと、私は日本の場合にはそれは望ましくないのではないかというふうに思うんです。  費用を負担させる場合には、普通はその人個人の利益になることというかあるいはその人のための仕事を行政当局にしてもらうという場合には費用負担があります。例えば、裁判所に訴えを出す場合には収入印紙を張るとか、あるいは訴訟費用の実費を負担するとかこういったものがあります。あるいはまた、登記簿謄本の交付申請をするというような場合にもこれまた収入印紙を張るという形で費用を負担しております。  そういう個人的な利益あるいはメリットに関することじゃなくして、一般社会のためにその金融機関がどうなっているかということを検査するわけでありますから、そのような場合に検査対象者から費用を、その実費をちょうだいしておっては、厳格なといいますか厳しい検査ができるだろうかということにも発展しかねないという面がありますので、やはり今までどおり検査の経費というものは公で負担するというのが正しいのじゃないだろうかなというふうに私は思います。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 やはり徹底的にやるとなると人も費用も要るんじゃないかと思ってちょっと心配でしたから伺いましたけれども、これから私も研究させていただきたいと思います。  次に、ちょっと視点を変えまして、金融商品に対する情報提供義務について、銀行局長、お答えいただければ幸いです。  二月の本会議の私の質問に対しまして総理から明快な御答弁がありましたように、政府は金融安定化二法によりまして二〇〇一年三月末まで預金保険機構への公的資金投入という財政的な裏づけを措置して預金の全額を保護するとしておられます。けれども、これはあくまで特例期間内の措置でございまして、二〇〇一年四月以降、預金者はどのように金融機関及び金融商品の選択などを行ったらよいのだろうか、ここが大変心配なところでございます。  金融機関の破綻処理の原則は、社会的コストの小さい処理方法を選択すると言われておりますから、将来ペイオフの実施による一千万円までに限った預金の保護など、預金者に自己責任を求めざるを得ない事態も生じかねません。そのために、早期に完了すべき環境整備として、預金者に対して金融機関がわかりやすく経営情報や金融商品の説明を行うこと、ディスクロージャーの早期充実が求められています。  先日の参考人の御意見の中にも銀行のお話がございましたけれども、今回の法案において金融商品に対する情報提供義務が課せられておりますから、この点についてどのようになるかということを伺いたいわけです。  金融ビッグバンを迎えました今日、二〇〇一年四月以降の特例期間の終了後を見通した施策が必要でありまして、商品が預金保険の対象がどうか、これを明らかにしてほしい、まず必要であると思うわけです。この点、法案に規定された金融商品に対する情報提供義務に含まれるのか、あるいはまた金融機関の窓口においてそのような義務が守られているのか、今後どのように見ていったらいいのか、お伺いいたします。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 御紹介いただきましたように、今回の法律では新しく銀行法の第十二条の二という情報提供の義務を課させていただきました。これまで銀行は当然そういうことをやっているという前提でこういう規定をわざわざ置きませんでしたけれども、今回例えば投資信託を銀行の窓口で売るというようなこと、これは元本の保証がないわけですから預金と同じような説明で売られては困りますので、そういった紛らわしい説明ではいけない、きちんと商品の性格をあわせて説明しなさいということを義務づけております。  その中には、今、三重野先生がおっしゃいましたように、これは預金保険で保護されるのかされないのかという大事な情報もあわせて提供していただくということになろうと思います。  それで、そういった行為をどのようにやっているかということについては、これから金融監督庁が監督・検査をするわけでございますが、そうした中で、いわゆるコンプライアンスといいましょうか、法令を遵守しているか否かという観点から重点を持って見ていくということになるというふうに思っております。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 銀行局長にお尋ねするのはちょっと酷かなというふうに思いますけれども、具体的な問題をちょっと伺いたいと思います。  今の問題に関連するわけですけれども、預金保険給付対象商品であるのかどうかという場合に、窓口では一体どのように説明されるんだろうかということでございます。  埼玉県の三十七歳の女性がこういう質問をしたんです。   ある長期信用銀行のワイドに四百万円預けています。金利は二・七%で、満期は二〇〇一年十一月に迎えます。そこで一つ心配事があります。金融機関に対する特例措置が二〇〇一年三月末で切れるのですが、このワイドはいつまで預けていたほうがいいのでしょうか。という質問でございます。  それで、この質問に対するお答えでございますが、   恐らく、ワイドを預けていらっしゃる金融機関が破綻してしまうのでは、という危惧をお持ちなのだと思われます。しかし、こればかりは不特定な要素なので、現時点で判断はできません。   二〇〇一年十一月に満期を迎えるということはまだ預けて二年もたっていません。いま解約すると、一万円につき四百円の解約手数料がとられます。本来は預金保険の対象外ですが、特例措置として二〇〇一年三月までは保護される見込みなので、あわてて解約することはありません。ましてほかの金融商品に預け替えるといっても、現在の金利状況では、はるかに低い金利に甘んじることになってしまいます。ワイドは固定金利商品ですから当初の金利がそのまま適用になります。   とりあえず二〇〇一年三月まで預けておいて、その時点でもう一度預けている銀行の経営内容や経済環境などを考慮して判断したらいかがでしょうか。 というお答えでございますけれども、実際窓口でどういう説明をしたら、それも自己責任だと言えばそれで終わるんですけれども、局長はどういうふうにお考えになり御説明になりますでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 非常にお答え申し上げにくい話でございますが、やはり正確な情報を銀行の方で預金者の方、あるいは今の場合はワイドを購入された方に提供をするということが大切だろうと思うわけでございます。今お読みいただいた言い方はそれほど偏った表現にはなっておりませんので特段私がどうこう言う話ではないと思いますけれども、いずれにせよ二〇〇一年の三月までは、結果としてでございますが、特例措置がありますので御安心いただけるということはずっと申し上げてきたわけでございますが、それ以降は本則に戻りますので本則上の保護対象が保護になるということでございます。これについてはまたいろいろ、対象がそれでいいのかどうかというような問題もございますし、そういったことが今後の検討課題にはなろうかというふうに思っております。それで御勘弁をお願いしたいと思います。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 次に、保険対象預金の見直しについてお伺いいたします。  二〇〇一年三月までの特例期間において、受け皿金融機関がある限り預金保険機構からの特別資金援助によりまして、現在預金保険料を支払っていない金融債、外貨預金等も保護されると銀行局長は昨年秋以来御答弁になっておられます。  平成八年の預金保険法改正時には外貨預金や譲渡性預金、長期信用銀行等の主力商品である利付金融債などは預金保険の対象となっていないので今回の改正でも金融システムの不安要因を解消できないのではないかという趣旨の質疑がございました。これは衆議院の本会議でございます。これに対して総理及び大蔵大臣から、「預金保険の対象範囲については、一定限度内の預金元本の払い戻しを保証することにより一般預金者の保護を図るという預金保険制度の趣旨に照らしつつ、個々の預金等の商品性や保有形態等を勘案して決められており、現在のところ、保険対象預金の見直しは検討いたしておりません。」という御答弁がございました。  この御答弁の変化についてどのように理解したらいいのか、銀行局長、お答えいただけますでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 具体的に、例えば金融債あるいは外貨預金を対象にそれを一千万まで入れるとか入れないとかいう具体的な検討をやっているわけではございませんが、本則に戻るということはペイオフを実施するということになりますと、本当に今の対象のものだけでいいのかどうか、あるいは限度額をどうするのかというような問題がございますので、これは私どもとしてもいろいろ検討を重ねてまいらなければならない重要な課題だというふうに考えておる次第でございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 もう一点、銀行局長にお伺いしたいと思います。  特例期間終了後の取り扱いのことでございますが、金融安定化二法の審議の際に参考人として当委員会に出席をされました日本興業銀行の黒澤会長はこうおっしゃいました。「御当局において金融債を預金保険機構に含める場合にはどの程度の保険料を取るべきかということを現在御審議中というふうに承っておりまして、私どもはその御結論に従うつもりでございます。」と述べられております。それから、先日の参考人、私が伺いました岸全銀協会長はこの問題につきまして、現在の金融債の保護は異例の措置であることから、特例期間終了後は預金保険の対象外となるかあるいは保険料を納付するのか今後議論されますが、その検討の日時は聞いていないというお答えでございました。  先ほども御紹介しましたけれども、現在既に金融債は特例期間終了後の二〇〇一年三月以降を満期とする期間のものが販売されております。特例期間終了後の取り扱いが決まっていないことについて銀行窓口でどのように説明されるだろうか現在との機関でどのような検討が行われているのでしょうか。結論が急がれると思いますので、検討の結果はいつごろまでに出るのかお答えいただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) この問題につきましては、預金保険制度そのものの考え方、どういったものを対象に入れるかいわゆる決済機能として働かせるに最低限のものを対象というふうに考えるのか、あるいは庶民の最低限の預金額程度を対象にするのかとか、あるいは通常預金と類似のものと思われているものはみんな入れるのかとかいうような議論がございます。例えば、公共団体の預金はどうするとか、いろいろ幅広い検討を行わなければいけない問題がありまして、一つの金融商品だけを対象になかなか結論が出しにくいといった面がございます。  ただ、一つお話しさせていただきたいのは、保護の対象になっていないからといってみんな危ない商品だというふうに思われると、これはあくまで破綻をした場合の救済措置のことでございますので、そこはちょっと国民の方々にも余り過剰な反応はできれば避けていただきたいと思っておりますけれども、いずれにせよ各金融機関が健全に運営をしていただくということが一番大切だと思います。  ただ、先ほど保険料とのかかわりを言われました。本当に対象にするということになりますと、当然それは保険料の対象、保険料を納めてもらうというものになるわけであります。したがって、その対象に何を持ってくるか、どういったものに焦点を当てるかという問題を幅広く検討し、それとともに保険料を徴収するというような考え方をしておりまして、いろいろ学者の先生方にも御意見等を伺って検討してまいっておりますけれども、かなりトラスチックに申される方もあるし、かなり保守的に、より慎重に申される方もありまして、なかなか割り切れない非常に難しい問題と思っております。できるだけ早くとは思っておりますけれども、まだ日時が申し上げられないという状況でございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 私の質問はこれで終わります。あとは志苫議員にしていただきます。  ありがとうございました。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 この委員会は二十六日に本法に関して参考人の意見を聴取しました。ビッグバンの進行による金融商品の増加でいわば深刻な消費者被害が発生することが十分に予想される、かつて銀行と保険がペアで進めた変額保険が悲劇に近い社会問題を引き起こした事例にかんがみて消費者の保護に万全を期すべきだ、イギリスの金融サービス法のような立法を強く要請するという陳述があり、大方の委員の関心を集めました。  この件について山口局長は、二十一日の委員会で私の質問に対して、イギリスと違って我が国の場合はそれぞれの業態というか業法ごとに消費者の保護に配慮、目配りをした厳しい規制を設けているから大丈夫だと、こういうお説なんだけれども、業態別ではなくて横断的な、包括的な規制で、しかも民事事件の多発も予想されることから、その根拠にできるようなことも視点に入れた立法を望むという再度の意見でもありました。  それで、改めて問いますが、今申し上げた金融商品をめぐるトラブルから消費者を保護するために金融サービス法のような立法についてずっと検討を続ける必要があれば直ちに所要の措置を講ずるということがこの席で確認できますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) せんだっての私の申し上げた答弁は、現在御提案申し上げている法律でもできる限りの配慮はしたつもりですという趣旨で申し上げております。  確かに、志苫先生がおっしゃいますように、今後どんな商品が出てくるかわからない、また消費者保護の観点からも十分かどうかということは御指摘のとおりだと思いますので、金融システム改革の進展状況とか、あるいは金融を取り巻く社会経済状況の変化等を勘案しまして、幅広くまた真剣にこれは取り組んでいきたいというふうに考えております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 先ほども同僚議員から同じ趣旨の発言がございましたが、局長、これはいいかげんに聞いておっちゃだめですよ。あだやおろそかにしてはならぬということだけきつく要望しておきます。立法府の立場からしますと、こんなことを要望する暇があったら必要な立法をすればいいのであって、本法にも所要の修正をするのならすればいいんですが、何せこの会期末でしょう、そんなことをやっていますと、仮にここで通っても衆議院へ行ったり来たりしているうちに途中でオシャカになりますから、ですからきょうは事実上会議録に残る立派な答弁をしていってくださいよ。それはよろしいですね。局長、もう一度。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 御趣旨を体して真剣に努力いたします。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 わかりました。  次に、不良債権の処理が急浮上しておりますが、もともとビッグバンの導入に当たって済ませておくべき手順だったと思うんですが、必要なことは今からでもいい、やることはやらぬといかぬ、こう思いますが、問題はその方法です。目下どんな手段が考えられておりますか。  大臣は行革・税制特別委員会で公的資金による不良債権の処理には消極的な御答弁をされましたが、私はそのスタンスを多とします。どうぞ腰砕けにならぬように、これも要望しておきますが、いかがでしょうか。改めて答弁いただけますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 銀行の不良債権の本格的な処理といいましょうか、単に引当金を積んでおくというだけじゃなくして、不良債権を適切な方法で売却してしまうとかあるいはまた直接償却をするとかそういう形を通じてバランスシートから消すという、そういう本格的な償却をする必要があるというふうに考えております。  そのやり方につきましては、立法措置も含めていろいろ関係しなきゃならぬ問題があるわけでありますが、それを今、政府と与党で第二回目の政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会というのがきょう七時四十分から行われたわけでありますが、もう中身のことはくどくどしいから申し上げませんが、一部の新聞等で銀行の不良債権を公的資金、すなわち国民の金で買い上げる云々ということを耳にしたりいたしますけれども、新たな公的資金を使って、そして銀行の不良債権を買い上げるということについては国民の理解を得られない、したがって私はそういった公的資金の使い方はやるべきではないとはっきり申し上げておきます。  なお、委員よく御承知のとおり、預金保険法、それからこの間成立させていただきました金融安定緊急措置法等々の規定に基づいて、破綻した銀行の不良債権、あるいはまた預金保険法に基づく合併をした場合の不良債権、それを預金保険機構が時価で買い取って、そして整理回収銀行を通じて回収させるという仕組みがあります。その仕組みのために公的資金は用意されておりますが、それはそのとおりやるべきだと思いますけれども、新たな仕組みとして公的資金をもって買い上げるなどということはすべきではないと、我が党の大勢も政府の大勢もきょうの協議会の様子ではそういうふうなことで意見は一致しておると、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 大臣、あなた二度も新たなというところにばかにえらい力を入れたけれども、新たでないのがあるんですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 御存じのとおり、金融安定緊急措置法で破綻した銀行の預金者の保護という立場で十七兆公的資金が、厳密に言えば七兆でありますが、あとの十兆は運転資金のために政府保証しているという分があるわけですね、国債を交付されているのが。それは公的資金だと思います。それからもう一つは、金融システム安定のために、健全な銀行の自己資本充実ということのために三兆円の公的資金がこれまた預金保険機構に交付されております。それは公的資金による措置でありますから、それまで否定するわけにまいりません、ちゃんと国会の承認を得て用意されておる措置でありますから。したがって、それはそのままやるんですよという意味で新たなという言葉を使ったわけでございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 私は、古い金も新しい会も、公的資金を使うのは否定的ですね。これはまたいずれ具体的なときに議論されるんでしょうが、不良という名前がついているだけありまして、これはたちのいい債権じゃないんです。バブルの時代にバブルに浮かれて、土地を持っていればもうけになるというので抱え込んでいた、銀行はじゃんじゃんお金を貸した、そのあげくが今そういうことになっているんですね。私なんか思うんですが、不良なものは持っていないで捨てちゃえばいいじゃないかと、こういう感じもしますが、どう思いますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 不良の中にも、俗な言葉で言えば鑑別所に行かぬでも保護観察程度で済む程度の不良もあれば、どうにもならぬような不良もあるわけでありまして、何とかなるようなものは徹底した回収措置をして回収に努めると、そのかわり回収できなかった分は損になりますけれども。しかし、どうにもこうにもならぬようなものはもう最終的には抵当権実行、そして破産までいかにゃならぬわけであります。  ただ、その場合に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、中小企業等でよくある例でありますけれども、まじめな事業をやっていると、しかしバブル時代当時ある人から誘惑されて土地を買って別な事業をやろうとした、それが失敗した、しかし本来やっている事業は何とかなっているという場合に、それまでつぶしてしまうような措置をするのがいいかどうかという問題はあろうかと思います。それを考えながらの最終処分をしなきゃならぬだろうと、こう思っているわけです。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 主税局長、不良でも債権は債権なんですが、これを捨ててしまうと課税関係はどうなりますか。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 捨ててしまうという場合、どういう捨て方かによるわけですが、まさにもうどうにもならないということできっちり債権を放棄してしまったというような場合には、これはもう損金になるわけでございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 終わります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。  金融システム改革法案の具体論議ということで、きょうは特に商品の問題に関連して伺っていきたいと思います。  最初に、先ほど来ありましたけれども、デリバティブについてでございますが、これまでもデリバティブ取引に失敗して大損失が生じた例というのは、アメリカのオレンジ郡とかあるいはイギリスのベアリングズ社とか、さらには最近では先ほどヤクルトの話も出ておりましたが、枚挙にいとまがないと思うわけでございます。  まず最初に、事実関係で伺いたいんですが、この間、国内外でのデリバティブ取引にかかわる損失事故のうち金融機関が起こしたものというのはどんな事例があるのかということで、その金融機関名と損失額を示していただけないでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 金融機関という意味でございますと、九五年二月、これはイギリスの証券会社でございますが、ベアリング・フューチャーズがございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 損失額を言ってください。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 損失額は八億六千万ポンドでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 それ以外にも幾つかあるというふうに私も承知しているんです。  最近、元モルガン・スタンレーの社員が書いた「大破局」という本を私も読みましたけれども、証券会社がどうやってデリバティブ商品の危険な中身をいわばごまかすのかといいますか、どうやって投資家に売り込むかということが相当リアルに書かれているということで、大変おもしろく、でも難しいなと思いながら読みました。  その中で、ベアリングズ社の倒産で二重の損害を受けた日本の金融機関が企業の三月期決算をどうごまかそうかということで、外資系証券会社を使ったデリバティブ取引に傾斜をするということ、そのさまも書かれていたということであります。その内容も時間があれば詳しく聞きたいんですけれどもまた改めてということにしますが、いずれにしましても、ヤクルトの場合もそうですし、それからベアリングズ社等にしろ、資金運用の失敗を取り返そうとしてよりリスクの大きい投機的なデリバティブ取引に傾斜をしていくということで、そこで打撃的な失敗をしてやむなく世間に知られるということでありました。  この本にもあったんですけれども、たまたまうまくもうかったりして損失が隠せるということになりますと、これは公にならないで済む、こういうことになるんでしょうか。デリバティブでの損失の実態というのは、ディスクロージャー、ディスクロージャーということが言われますけれども、なかなか出てこないという性格のものなのかどうか、その辺についてはどういうふうに見ていらっしゃいますか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) デリバティブというのは、正直申し上げまして、私にとりましてもなかなか理解困難な分野であるということをまず正直に言わせていただきたいと思います。  ただ、その上で、結局デリバティブ取引というものは基本的にはリスクヘッジをする、そういうことで発展をしてきたものでございます。したがいまして、デリバティブの本質というのはいわばゼロサムゲームということになるわけでございます。これをディスクローズするという場合、今も企業会計上のディスクロージャーというのは、平成八年の七月にデリバティブ取引に関する情報開示の充実を既に図っているところでございまして、例えば今回新たに解禁されることになります店頭デリバティブ取引というものもこういう開示の対象になるわけでございます。  現在の開示の内容といたしましては、平成八年の七月以降、従来はいわゆる一般的な先物取引とか上場オプション取引とか為替予約だけでございましたけれども、それをデリバティブ取引全般に拡大をしていると。それから第二に、投資家へのわかりやすい判断材料の提供あるいは開示企業における内部統制機能の発揮という観点から、デリバティブ取引について取引の内容、取り組み方針、リスク管理体制、こういった定性的情報の記述も導入をしていると。さらに、契約額、想定元本の開示を充実させますとともに、すべての取引について時価及び評価損益の開示を求める、こういった開示の充実を図っているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 専門家であられる証券局長心得の立場からされても正直に言って大変に難しいとおっしゃったので私も安心したんですけれども、開示の対象になるということで開示の問題、リスク管理体制の問題も含めてディスクロージャーを言われました。しかし、この本にもあったんですが、オフバランスにするという方法もあるのだと。つまり、バランスシー下から外れてごまかして逃れる方法もあるということを含めてになりますと、ディスクロージャーといってもこれはなかなか大変なことになるということがあるのかなと思うんです。いずれにしても、大変に難しいし危険をはらんでいる取引だということだと思うんです。  今回の法案では、従来我が国での取引が認められなかった、禁止されたといっていいんでしょうか、そういうことであった有価証券店頭デリバティブを解禁して銀行などでも販売できるようにしているということだと思うんですけれども、なぜこれまではこれが認められてこなかったんですか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引のうち差金により決済する取引というもの、これにつきましてはまず第一に証券取引所の相場を使った差金授受を証券取引所の外で行うことを禁止する証券取引法二百一条の構成要件に該当するのではないかこういう疑義がございました。また、有価証券の価格というものは確実に予見し得るものではないということから、刑法上の賭博罪の構成要件にも該当するのではないか、こういう疑義がございまして、これが従来日本におきまして有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引を行う場合の法的な制約というふうになっていたわけでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 たしか去年五月でしたか、証券取引審議会の報告書にもそういう趣旨が明記されていだということを改めて今思い起こしたんですけれども、有価証券店頭デリバティブ取引ということで今二つの理由を挙げられました。  それで、今回の証取法改正で証券業務に位置づけられることによって二番目に言われた賭博性の問題、刑法の違法性を阻却できるということなんだと思うんですけれども、そのことによって店頭デリバティブの賭博性というのは何かそれ自体として変わるんでしょうか。賭博とどう違うのか今度は法律でやるから賭博性がなくなるのか、その辺はどういうふうに考えたらいいんでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) まさに有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引というのは、今お話ししましたようなリーガルリスクがあるということで日本国内では行われていなかったわけでございます。  ただ、海外におきましては現実にはこういった有価証券関連の店頭デリバティブ取引というものは発展をしておりまして、日本はその面では証券。会社、銀行を含めてでございますが、金融界は今非常に立ちおくれをしてきているわけでございます。現在、世界的には金融・証券取引というものが急速に新たな展開を繰り広げているわけでございますけれども、デリバティブ取引というものはまさにその原動力の中心になっている、そういう面もあるわけでございます。  そういったことから、まさに世界の体制におくれないようにする必要もございますし、いろいろな投資家のヘッジニーズに対応する必要もございます。そういう意味で、今回これをきちんと証券業務に位置づけたということによりまして刑法三十五条のいわゆる正当な法令行為になるというふうに私どもは理解をしております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本がおくれているからやるんだということを言われたんですけれども、そのことによってこの賭博性という問題が消えるわけじゃないわけですよね。今まで賭博性の疑義、そういう疑いが持たれるということも大きな理由になってそれがやれなかったというのが、おくれているから世界並みにするんだということで、今の話は賭博性についてはどうなのかということではお答えになっていないんじゃないかと私は思うんですよ。  幾ら法律で今度は位置づけて世界並みにするんだということを言ったって、もともと日本ではこれは賭博性の疑義があるから、それが大きな原因であってこれはやれないんだよと言われてきたのが今度は世界並みに法律で位置づければいいんだというふうになるんですけれども、先ほど言われましたけれども、予見できない将来の偶然にかけるという意味では、まさに賭博性においては改正したところで変わらないんじゃないかということだと思うんです。しかも、こういう取引ですから常習性ということも出てくるんじゃないかと私は思うんです。  大臣、デリバティブ取引など過度な金融投機に対して世界でも規制の必要性が論じられているときに、なぜ今我が国において刑法の賭博罪に触れるような疑義があるとして今までやられなかったことを、そういう危険な商品を解禁するということになるんですか。どういうふうにお考えでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) いわゆるデリバティブ取引につきましてはアメリカ、イギリスでも法律で賭博罪の適用を除外しているわけでございます。我が国も法律構成上はそれと同じようなやり方をしているわけでございます。デリバティブ取引につきましてはいろいろとこれを制限しようというような論調が流れたことももちろんあったわけでございますけれども、しかし、先ほどもちょっと申し上げましたが、リスクヘッジニーズの多様化に対応していこうということでむしろきちんとリスク管理を徹底させよう、あるいは今のデリバティブ取引が一体どういう規模で行われているかそういったものをウォッチするということによってむしろ規制をするという考え方よりもそれをうまくリスク管理も含めて管理をしていこう、そういう考え方に変わってきているものというふうに承知をしております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 本法案によって除外するというふうなことをしたとしても、そしてこれが可能になるということをしたとしても投機性とか賭博性というのは変わるわけじゃないというように私改めて今伺いながら思うんです。幾らリスク管理体制をとっても、自己資本比率に市場リスクを加味しても、ますます経営が危うくなることが生まれることは避けられない場合があると。  銀行などが証券店頭デリバティブも含めてデリバティブ取引を行うということになりますと、公共性と社会的責任の求められる金融機関にふさわしくない過大なリスクをもたらすことになって、かつ我が国の銀行が大量の株式を保有している現状がありますから重大な利益相反も懸念されると。  今の金融システムからいえば、もしデリバティブ取引で金融機関が破綻したら、結局そのツケというのは国民に回ってくるということになるんじゃないでしょうかどうでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) ちょっと銀行の話の方に話が来ましたので私の方からお答え申し上げます。  このデリバティブ取引の可能性をいろいろ制約しておきますと、恐らく日本は金融取引から全部オミットされると思います。世界はすべてそういうリスクを管理しながらあらゆる取引をやっているわけです。そういった現実の動きがあります。  確かに賭博性の問題とかいろいろ御指摘はあります。しかし、現実に世界の動きがそういったもの、デリバティブの危険性を強調される向きもありますが、逆にヘッジング機能はデリバティブは大変有用なんです。つまり、裸で持っているというのがリスクにさらされているわけですから、それをいかにヘッジするかというのは、これはデリバティブでやるのが一番有効なんですね。  したがって、そういうあらゆる手段を我が国の金融機関にも与えておきませんと、これは我が国金融機関が劣後することになります。しからばそういった取引が、今、笠井先生がおっしゃったような悪い面を生じないようにいかにするかということを考えるべきだと思います。  そのためには計数的なリスク管理を極端に言ったら日々行うということで、しかも管理者が十分に見える、場合によってはある特定の人に任せないでダブルでチェックするというくらいの管理システムを備えて対応するということが必要だと思います。それと経営者自身が現状をいつもアップデートで把握する、アットバリューで把握していくということをしなければならない、そういう時代に既に入っているということを認識した場合には、先生がおっしゃる御心配も私もわかりますけれども、しかし避けて通れないこれは道だというふうに私は考えます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 局長は有効性の方を強調されて、そしてそれをやらなければ金融取引から世界的にオミットされるということで言われるわけですけれども、最初に伺ったように、損失事故が実際にあり、賭博性があり、そしてリスク管理の問題でもこのデリバティブ取引がゆえに極めて難しいし、抜け穴といいますか、それをくぐっていくことが逆に有効性みたいな話になる部分があるわけですから、そうなりますとこの問題というのはむしろ日本がきちっとやることこそ、先に行ったときに日本はきちっとやっておいてよかった、世界では大変なことになったということになる問題じゃないかと私は思うんです。そして、結局こういう形によって破綻をしたらそのツケはということで、そのお答えはなかったわけですけれども、一昨日、特別委員会で大蔵大臣に私が伺ったときに、ビッグバンになるとさも財政構造改革に役立つというふうな御答弁もあったように私は思っているんですけれども、もし今申し上げたような事態になったら財政はますます圧迫される方向に行くんだということもあわせてあるのかなというふうに思っていたところであります。  次に、今回の法案によって銀行本体での投資信託の販売が行われるようになればどうなるのかという問題について残された時間で伺いたいと思うんです。  もともと銀行といいますと元本保証の世界ということであります。ところが、そういう銀行が投信を販売するということで誤認のおそれというのが広く指摘をされておりますし、金制調の答申でもその他の答申でも書かれていたことかなと思うんです。昨年末、私も大蔵委員会で拓銀の問題に関連してリゾートホテルの問題を取り上げたことがございましたが、先日NHKの特集で詳しくあの問題をやっておりました。あのときに問題にしたホテルの会員権も結局拓銀の看板ということによって売られていたということがリアルにNHKでも紹介をされていたわけですけれども、現実にはそういうことだと思うんですよ。  そういう元本保証という信用を売り物にしてきた銀行が今度は投信販売を本体がやるということで、銀行が大変これは有利ですよということを言えば、これは普通は国民から見ればこれは大丈夫だと、だれもがいいものだということで元本保証もあるのかなという誤解をしてしまうんじゃないかと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) そういうふうな販売の仕方をしちゃいかぬ、説明をする義務がある、こういうふうになっておるわけであります。そこが大事なところだというふうに思います。     —————————————

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、松浦孝治君が委員を辞任され、その補欠として長谷川道郎君が選任されました。     —————————————

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 説明義務の問題で、リスクには株変動リスクとか為替リスク、信用リスク、カントリーリスク、そういうものがあると思うんです。さらに、投信にデリバティブが組み込まれるということになっていくわけですから、投資信託自身の投機性というのも非常に高くなってくるという問題がありますよね。リスクの度合いも格段に上がると。そのリスクの計算だけでまさに膨大で複雑な作業、計算が要ると。  先ほど証券局長心得も言われましたけれども、デリバティブ自体が非常に複雑なものですから、そういうことが説明義務ということで言われるんですけれども、銀行の店頭で果たしてちゃんと説明できるのか、これはいかがでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) まさに委員が今御指摘のように、そこはきちんと説明をしていただくようにしないといかぬということであろうかと思います。  アメリカにおきましても、こういった観点から財務省通貨監督庁、OCC、あるいは連邦預金保険公社、FDIC、連邦準備制度理事会、FRB、あるいは財務省貯蓄金融機関監督局、OTS、これが合同でこの投資信託の金融機関による販売の統一ガイドラインを発出しているわけでございます。  我が国におきましても、今回銀行法に新たに十二条の二という条文が設定されるわけでございまして、これによりまして誤認防止ルール等を初めとしたきちんとした形のガイドラインあるいは規則というものをつくっていく必要があるというふうに考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 説明義務があるし、アメリカもそうだということを言われましたが、法律に書けばそれで済むことではもちろんないわけで、実際に銀行でもいろいろと私も関係者に伺ったんですが、銀行内にコンプライアンスの部門をつくったり強化する動きがあるということであります。  ですけれども、ある都銀の四月の支店長会議で頭取があいさつしたのを聞きますと、そういう動きも顧客とのトラブルや事故などのリスクが今後ますます高まるからだということが頭取かも言われているということであります。それからまた、別の銀行ですが、昨年十二月から投資信託の窓口販売を始めた住友銀行のいわゆる窓販委員会というのがありますけれども、そこでも例えば外債運用の投信では投資対象債券の発行体の信用リスク、為替リスクなどがあって、そうした商品の特徴、リスクをわかりやすく説明するのは難しいと当事者自身が言っていると思うんですけれども、実際のところというのはこれはどういうふうに、ちゃんとできるというふうにお考えでしょうか、どうですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 一言でお答えすれば、難しくてもやってもらわなきゃいけないということだと思います。その支店長会議等での話で出ているということは恐らくそういったことをかなり意識をしているあらわれだというふうに私は受けとめましたけれども、これから選択の時代ということになりますと、そこは銀行としてもコンプライアンスの一つとして十分なる説明というものをやはりやっていただかなきゃいけないというふうに思っております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 選択の時代、それから商品の多様化ということも言われて、ニーズだということもあるわけですけれども、今でさえ投資信託というのは種類がいっぱいあって、七千とか八千種類の商品があるとされているのに、これから新たなものを含めてこれ以上ふやして投資家に選べといっても、一体どう選んだらいいか、それからどう説明するのかという問題が直面してくると思うんですよ、今度の法律でこういうことをやることによって。  証券投資信託協会の調査でも、投資信託保有のきっかけで一番多いのがセールスマンからの熱心な勧めでというのがたしか三十数%、四〇%近くあるということで、そのセールスマンが何十、何百、何千もの商品をそのリスクも含めて説明できるわけじゃないわけでありまして、結局消費者にいわば十分な理解を得られないままに金融機関にとって最もいいものを売るとか、それとも証券子会社の商品を優先して売るとか、そういういわば、言葉はあれですけれども、押し売りのようなことになっちゃうんじゃないかと思うんですけれども、そこはどうですか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今までは証券会社が主体で投資信託の販売が行われていたわけでございます。いわば証券会社のみが販売することによる弊害も実はあったわけでございます。弊害と申しますか、マイナスの結果を与えたということもあったわけでございます。もちろん、その商品、いろいろな商品があるわけでございますけれども、その販売するチャネルというものがふえますと、逆に言うと笠井委員が今御紹介されました熱心に勧められたからというのはむしろ私は減るのではないかというふうに思います。  今まではいわば、ちょっと言葉は悪いのでございますけれども、証券会社の顧客にやや無理やりに勧めていた面もちょっとあったのではないのかなと、そういったことがそこにあらわれているのではないかなというふうに思います。  これからの時代というものは、まさにこの証券投資信託というのは本来的には専門的能力を活用した簡便かつ効率的な資産運用手段というものを提供し、個人投資家等の証券市場への参加を容易にするものでございまして、国民の資産運用手段として中核的役割を果たしていくということが期待をされているわけでございます。  こういう意味におきまして、まさに証券投資信託の利便性の向上を図るために、そしてきちんとその販売される方には、これは当然銀行の行員であったとしても証券外務員の資格を取っていただくことになります。そういったことによりまして、きちんとしたリスクも含めまして説明をして販売をしていただくということになるわけでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 時間が来ましたので終わりますけれども、今までのように熱心に勧められたということがなくなるというようなことはないと思うんです。  私は、逆の面からいいますと、投資信託というのは販売をする証券会社、銀行にとっては三%とかの非常に高い手数料収入が見込まれると。準大手の証券会社では背に腹はかえられないということで外国系の投資信託の三百億円を売って九億円の手数料収入を得たというところもあるというように聞いております。  社員に必達商品ということでノルマをかけて販売を一方では強力に進める。そうしますと、またまたそういう意味では強力に勧めて、じゃそうかなと思って買う人も出てくるということで、以前のような問題を今度は銀行も含めて拡大して起こすようなことになるんじゃないかということを非常に危惧しているということを申し上げて、きょうのところは終わらせていただきます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 ちょっと大蔵省にプリミティブなことでお聞きをしたいんですけれども、今度新たに発行されるABS、それと今までありましたモーゲージ、抵当証券ですね、これとの基本的な違いというのはどこにあるんでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) まず、SPCの対象にしておりますのは指名金銭債権あるいは不動産といったものでございます。それで、モーゲージの場合はいわゆる抵当証券法に基づく法務局が発行する抵当証券、有価証券でありまして、不動産を担保として行われた融資についてその債権と抵当権を有価証券化したというものでございます。  したがって、非常に似通ってはおりますけれども、抵当証券の場合は、不動産を担保として行われた融資についてその債権という抵当証券を有価証券化したものを小口化して売っている、こういう状況でございますが、SPCは資産を、そういった指名金銭債権とか不動産を買い取って、それを今度は有価証券の形で回収する、こういうスキームでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 今、似通ったというお話がございましたが、そうするとこのSPCの顧客というのは大体どういうところをターゲットにしてお考えになっておられるのか、それはどうでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 私がSPCをつくる場合のことを考えてみますと、まず恐らく最初は私募の形式ではないだろうか、あるいは特定人という一人ということもあるかなと。例えば、外資系の機関投資家等があり得る、あるいは国内でいいますと特定少数の私募形式での販売というのがまず考えられるだろうと思うのでございます。それが一般化していきますと、いよいよ公募の形でのABSの発行ということになるのではないだろうかというふうに考えております。  いずれにせよ、我が国においてはコストがかさむのでこのSPCが全く存在していない状況だったわけで、今、外国に持って行って、ケイマンとか、ああいったところにSPCをつくってそれをこちらに持ち込んだり、あるいは外国で販売しているというのも大体においては私募の形式が多いわけでございます。それが国内でもできるということになりますことから見ますと、まずそういった形式から始まるのかなと。  ただ、私は公募を否定しているわけじゃありませんので、そこは御理解賜りたいと思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 結局、当初どういう形かというのは、これはもう特定の、要するに相当な知識のある人たちが購入するわけですから、そこは問題ないと思うんですよ。  ところが、今、局長がおっしゃったように、これがだんだん広がって不特定多数の者がこのABSを購入するようになったときのことが問題でありまして、これは抵当証券が——抵当証券というのは銀行がバブルのときに系列の抵当証券会社をたくさんつくったけれども、今はどうなんでしょうね。ほとんど撤収してしまったようなあれでもって、そして会社によってはお手上げになってしまったというような問題も出てきた。北拓の系列のあれはもちろんですけれども、独立系の抵当証券も最近になっておかしくなってきているというようなことがありました。  要するに、今度のSPCはそれ以上に情報開示というものが最もポイントになると思うんですが、その点はいかがでございますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。資産の証券化におけるディスクロージャーというのがしっかりしておりませんと、投資家の方はよくわからないものをつかまされて、ただその結果は運を天に任せるようなことになってしまうということになりますと、これは全く商品としても手当てがなされていないということになりますので、SPCにおけるディスクロージャーというのは大変重要なことだと思います。  その観点からいいますと、資産の流動化計画というものを策定して、それを定款への記載を義務づけ、それで投資判断をきちっとやってもらうようにする必要があると思います。SPCそのものは言ってみればペーパーカンパニーでありますので、資産をどうやって利用するのかまずどれぐらいの価値があるのか、それからそれをどうやって利用するのかというようなことをやはり計画として明らかにしておくということが必要だろうと思うわけでございます。そういったディスクロージャーを十分にやるということが今回私どもの法案としても力を入れておるところでございます。  特に、不動産の情報等になりますと、なかなかこれが少ないという現状もございまして、その辺は解決すべき問題もいろいろあります。例えば、不動産の時価といったときも近傍価格で議論するのか、あるいは収益還元価格というもので議論するのかとかという、なかなかそういった情報開示するベースとなるマーケットレートといいましょうか、そういった価格というものもまだまだ我が国においては不十分な点もございます。したがって、このSPCがたくさんつくられ、ABSがどんどん普及するにはいろいろな形での環境が整備されていくということも大切なわけであります。  しかし、じゃ我が国で全くないままでいいのかといいますと、いろいろな形で支障が出てまいりますので、ぜひこれは早いうちにそういった環境整備もあわせてやらせていただきたいというふうに考えております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 余り予言めいたことを言ってはいけないんですけれども、恐らくこういうことに関しては華僑がすばらしい感覚を持っているんですよね。今までも香港資本がオーストラリアに進出したとき、カナダに進出したとき、ロザンゼルスに進出したとき、その後を必ず日本のあれが追っかけていったというようなことがありますね。今、日本でABSを出して最初の顧客は恐らく華僑になるんじゃないかと私は思っているんです。もう既に一例は旧国鉄本社、これはSPCじゃありません、ダイレクトですけれども、旧国鉄本社の跡、それから大京観光の千二百戸というものを一括で買っちゃったような、ああいう感覚がありますから私は第一号は多分華僑じゃないかと思っているわけです。  次に、話題を変えまして、私はしばしばいろんな場所で、しかし切り口は違うんですけれども、今度の金融ビッグバンによって大きな血を流す覚悟があるかということを聞いているんです。きのうも税制特別委員会で労働大臣にこれによって生ずる失業者の問題というのをどう考えるかという質問をしておきました。大きな血というのはどういうことかというと、いわゆる企業、主として金融機関ですけれども、合併あり、買収あり、それから破綻あり、そういう問題が必ず生ずると思うんです。それで、しかも今、私はビッグバンに賛成の上で申し上げているんですけれども、日本の景気が悪い、それから為替が非常に安いというようなことで、もし本格的な企業の買収ということになったら一千億のお金を使わないでもマジョリティーをとれるような環境にあるわけですが、そうしたときにいわゆる欧米流のドライなリストラなんというのが日常茶飯事に行われる可能性はある。それから、大きな血というのは、企業だけではなくて、今も盛んに話題になったいわゆるデリバティブを含めた金融商品の顧客の問題といいますか、これはうがった見方をすれば千二百兆という日本の個人資産をいかに自分のところの取り扱いにするかという、そういう向こうの大きなねらいがあるわけですから、ここにいろんな問題が起きる可能性があるということで、きょうはこれを一番進めておられる大蔵省にその質問をぶつけるわけですけれども、どんなことが考えられて、どのぐらいまでお覚悟がおありになるのか、もし御所見があったらお伺いしたい。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) きのうでございましたか、多数の失業者が出る問題、しかし一方においては新たな業務活動が活発になってくるからそこで吸収されるという可能性について労働大臣は話しておりました。ただしかし、その間に時間差がある、ミスマッチというものが起こる、それは十分考えなきゃならぬという話がございました。私もそういうものではなかろうかなと思いましたが、しかし既に金融システムの改革というものはもう走り出しておるわけであります。そして、私以上に、私どころじゃない専門家的な知識をお持ちの星野先生でありますからあれこれ言う必要はないわけでありますが、欧米の市場の今日の隆盛を見ると、そしてまたユーロが誕生するというふうな事態を考えますというと、これはもうこのままでは我が国の金融市場の空洞化、ほっておけばそういうふうな事態になることは必至のような状態と見なきゃならぬでしょう。  したがいまして、我が国の金融市場というものも近代的なものにして、そして内外の投資家にとって魅力のある市場に日本の市場をしていかにゃならぬ、これは至上命題だろうと思います。そして、高齢化社会を考えますと、せっかく勤労によって蓄えたものが千二百兆あるわけでありまして、それをより有利に運用できるという場を国民に提供することも高齢化社会を考えますというと必要不可欠なことではなかろうかと。同時にまた、そういう活性化した金融市場から必要な資金を調達するという機会も用意する必要がある、それを通じて日本の経済そのものを活性化させていく、そういうことも大変重要なことであると。  そう考えますと、いろいろの心配事はあるわけでありますけれども、それを一つ一つ克服しながら金融システムの改革、特に証券市場の活性化を目指して進んでいかざるを得ないと、こういうことだろうと私は思っております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 国際局長、突然ですけれども、たしか三月十二日にこういう質問をしたことがあります。今、世界におけるデリバティブズの規模はどのくらいかと。局長は、全体の金額はわからない、ただ一日に一兆五千億ドルの為替デリバティブが行われていると。私が全体のあれは少なく見て六十兆ドル、多く見たら百兆ドル、こういうふうに申し上げたら、これは五月十日発売の文芸春秋にその中間をとって八十兆ドルというあれが出ています。  なぜそんなことを聞いたかといいますと、一九九五年の初頭に大蔵省に対して私は現在のデリバティブの総額はどのくらいかと聞いたことがあるんです。そうしたら、大蔵省の答えは一九九二年の三月に公表されているデリバティブズの総額は十七兆ドルですという答えをした。何宣言っているんだ、もう二年半もたっているじゃないか、その間にデリバティブというのは急速に広がっているんだから一九九五年の今現在だったら恐らく推定で四十兆ドルになっているはずだと、私はこう質問したんですよ。そうしたら、何と一九九五年の比較的早い時期にデリバティブズの総額千四十一兆ドル、それから日本の金融機関の扱っているデリバティブズの総額、これは円であらわしまして千二百三十二兆だと、こういう数字がぱっと出たんです。  私はそのとき、金融機関がデリバティブズをこんなにやっていて、そしてどのくらい利益を上げているか、経常利益の中にそれがどのくらい入っているのかわからぬじゃないかと。これはヨーロッパを主体にしてデリバティブズに課税しようじゃないかという論が出たことがあるんです。日本でも少なくとも銀行、そのときはまだ相当利益があったわけですから、そのときに経常利益の中にデリバティブズ関係の経常利益がどのぐらいあるか、少なくともそのぐらいははっきりさせろということを申し上げたんです。  その後一向に同じようなデータが出てこないんですね。出ていれば多分国際局長はお答えになられたはずなんですけれども、どうしてその後こういうことを公表しなくなったんですか。

黒田東彦大蔵省国際金融局長

○政府委員(黒田東彦君) 私がお答えいたしましたのは一日当たりの世界における為替取引の量でございます。こういう統計は必ずしも定期的には発表しておりませんが、いろいろな推計を含めてたしかBISが少し前に公表した数字だったと思いましたが、全世界における為替取引の量が一日に一・五兆ドルぐらいではないかというようなことを言ったわけでございます。  それはどういうような取引かといいますと、為替の取引でございますので直物の取引もございますし先物の取引もある、あるいはオプションも最近はある、それから為替の取引の場合にはインターバンクで取引している部分もありますし銀行と顧客の間の取引もある、そういうものを全部グロスで足し上げた数字だと思いますので、どの程度経済学的な意味があるかどうかわかりませんが、世に広く言われておりますのは今申し上げたような数字でございます。  これはさっき申し上げたように為替でございますので、委員が御指摘になっておられるのは恐らく為替が起こるもの以外の例えば国内のいろいろな株式のデリバティブであるとかあるいは金利の先物であるとか、各種のデリバティブが日本国内にもありますし、各国ともに為替の起こらない部分も相当ありますので、その部分について私は直ちには存じておりませんけれども、為替についてはさっき申し上げたような数字がたしか言われていたと。恐らく為替の起こらない、為替以外の各種の国内、国際的でもいいんですけれども、ドルならドルのままのデリバティブのものも多数に上っておると思いますので、おっしゃったようないろいろな大きな数字の推計が出ているということだと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今の点にちょっと補足して説明させていただきます〜  デリバティブズの取引規模と申しますか、それにつきましては、BISを中心にいたしまして三年に一度世界で一斉調査をする、こういうことになっております。  したがいまして、今現在一番新しい数字というのは一九九五年の三月末でございます。ですから、今まさに一九九八年三月末についてこれから恐らく調査をして、恐らく年の後半ごろには発表されることになるのではないかというふうに思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 まさしくわかりました。非常にホットなあれが出てくるんだろうと思いますね。  それから、デリバティブズは何も為替取引だけではないので、たしか日本でデリバティブズの損害というのを最初に起こしたのは東京証券という会社だったんですね。これはたった二十億の損害を取り戻すために三百六十億円の損害を出して手を上げちゃった。その次に大きかったのがベアリングズ社です。ベアリングズ社は、個人でやって、日本株を対象にして失敗したんですが、私がこれはデリバティブズでもってやがて大きな損害を出す会社が一社必ず出てくると、私の方から余り本当は委員会の席上で言うべきことじゃないんですけれども、日本株は必ず暴落するからそれに乗って損害が出てくると。そのとおりになったんです、ベアリングズ社は。それから出てきたのはオレンジ郡ですね。オレンジ郡は郡がパンクしちゃったんです。  今度、このデリバティブズを店頭でできるようになるわけだけれども、これは個人は余り対象にならないんじゃないですか。そこのところがはっきりしないとね。ただ、個人が対象にならないかわりに相当ないわゆる小金持ちを相手にしたやみのデリバティブズというのが出る可能性があります。恐らくこれは五千万か一億単位のあれを集めて、そして自分のシステムを持って、そしてアメリカの会社につなぐというようなブローカー的な存在をこれは予見できるんですけれども、そういうものに対する大蔵省の対処の仕方、これはやっぱり重大だと思うんですが、それはいかがお考えですか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今、委員から御指摘の点でございますけれども、一般的に申し上げますと、店頭デリバティブ取引というのは恐らく機関投資家相手とか、そういったものが中心になってまいりまして、あるいは銀行等もあるかもしれませんが、なおかつその取引は相対で行われるわけでございますけれども、まず個人といいますか一般投資家が入り得る分野ではないと、ほとんどないんだろうというふうに思われます。  ただ、それともう一点は、今回の法案によりまして、有価証券店頭デリバティブ取引を営む証券会社あるいは銀行につきましては、リスク管理体制が整っているか否かということをチェックする、こういう観点から、証券会社の場合、今度は原則登録制になるわけでございますが、こういった業務につきましては認可制にかからしめているということでございます。加えて、特に投資家保護上の問題が生じないように、いわゆる顧客適合性の原則であるとかあるいは取引概要説明書の事前交付義務、こういった行為規制や、またインサイダー取引等の公正取引ルールについては所要の整備を行っているということでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 終わります。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 さきの委員会の参考人招致におきまして、全銀協の岸会長から、最近欧米では大型合併がたくさん出てきておると、その一つとしてシティコープとトラベラーズの合併は銀行、証券、保険のサービスを幅広く提供する金融コングロマリットを形成しつつあるという発言があったわけでございます。    〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕  私は、最近のそういった諸外国の例を見てみますと、予想をはるかに超えた形で金融ビッグバンが進んでおるのではないかというふうに思ったわけでございます。  我が国の場合、現在審議しております金融システム改革の全般的な方向としては望ましい方向に向かっておると思うわけでございますけれども、一つ、具体的には保険業に関する規制緩和が、例えば保険と銀行との相互参入等の問題でございますが、他業態に比べて不徹底で遅過ぎるのではないのかなという危惧を持っておるわけでございます。諸外国と対等に競争するために、金融ビッグバンのスピードを二〇〇一年よりもさらに速める必要があるのではないかと思うわけでございますが、大臣、いかがでございますか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 大臣の前にちょっと補足させていただきます。  御指摘のような御意見があることは承知しております。  ただ、保険業とほかの金融業態との相互参入につきましては、銀行、証券のように既に実績があるわけではございません。銀行、証券はもう五年くらいたっているわけでございますし、当初は業務制限をつけながら少しずつ参入させてきたわけですけれども、保険と他業態につきましては全く経験がないところを総理の指示によりまして二〇○一年までに行うということでございますので、しかも参入時にはフルビジネス、それぞれの業務制限は一切つけないということでございますので、今までの相互参入等に比べますとこれでもかなり短い期間に本格的な相互参入を図るということでございますのでそれなりの環境整備も必要であるということで、いろいろ議論のあるところではございますが、いろいろ審議会等の議論によれば決してこのテンポで遅過ぎるということではないのではないかというふうに考えられているわけでございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 この点につきましては、私はできるだけ早く条件を整えることが国際的に日本の金融機関が対抗できる条件ではないかと思うわけでございますので、ひとつ御尽力をお願いいたしたいと思います。  それから、最初からいろいろ御議論がございまして、大臣も御答弁があったわけでございますが、いわゆる不良債権というものを帳簿上の引き当てから実態としてその帳簿から外していく、そういう不良債権の売却とか担保物件の整理というものがこれから大きな課題である、それがないと銀行自身が十分機能しないんじゃないかということでございます。これについては、総合経済対策におきましても、あるいはけさも何か御議論なさったやにお伺いいたしておるわけでございますが、今検討されております内容はよくわかりませんけれども、例えば権利調整委員会のような組織をつくって複雑な権利関係を整理するような案も出ているやに伺っているわけでございますが、どうもこの委員会組織というのは生ぬるくて時間がかかるのではないかという危惧を持っておるわけでございます。  この際、たびたび言われておりますが、住管機構とか整理回収銀行等、既存の組織があるわけでございますので、それらを充実強化いたしまして日本版RTCをつくって早期に集中的に不良債権や担保物件を買い上げるシステムをつくるべきではないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。    〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  しばしば国会の御議論の中で日本版RTCをつくるべきだという御主張をいただいておりますが、よく考えてみますと、RTCも破綻したSアンドLの不良債権の回収機関なのでございます。したがいまして、不良債権問題をこの日本版RTC、例えば日本でいいますと住管機構とか整理回収銀行で生きている銀行から不良債権を買い取って、かわりに回収してあげるという機能は持っておらないわけでございます。したがって、日本版RTCをつくれとおっしゃっている趣旨は強力な権限でもって破綻したところの回収をもっと進めなさいという御趣旨だと思って聞いておりますが、そういう点からいいますと、せんだっての法改正におきましても財産調査権を、かなり強力な権限を与えていただきまして、中坊社長のところと水野社長のところがかなり一生懸命破綻した金融機関の持っておった債権の回収に努めておるわけでございます。ただ、利益相反ということで破産管財人機能がないというところだけはちょっと違いますけれども。  あと、加えて申し上げますと、責任追及のための解明委員会もつくりました。したがって、厳しくそういう民事・刑事上の責任追及もやるということで、ある意味では日本版RTCと言ってもそうおかしくない組織はおかげさまで整備させていただいたような気がいたしております。  それで、今、菅川先生の御指摘の不良債権処理をもう少し迅速にということは私どもとしても重要な問題と思っておりますけれども、それを整理回収銀行とか住管機構が買い取るというのは性格を大きく変えることでございますので、なかなか考えにくいかなと。それよりは、例えばSPCで一括売却して、そこで債権の回収を図るとか、あるいは不動産の有効利用を図るとか、そういった形で処理を進めていく、バランスシート上ずっと残したまま、塩漬けの状態よりはそれを切り離して、損切りして、それで新たに活用を図るという方がマーケットの力を通じましてそういった経済の流れの中にもう一回そういったものを戻すという効果があるのではないかというふうに現時点では考えておる次第でございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 私は、金融機関が複雑な権利関係を保有したままいくということになりますと非常に具体の処理に時間がかかるのではないかという意味で強力な組織をつくるべきではないかということを申し上げたわけでございます。いずれにしても、これから細かく検討していただくわけでございますので、少なくとも短期集中的に処理できるような有効な方策を打ち立てていただきたいと思うわけでございます。  それから、大手十八行の三月末の決算が出ておるわけでございますが、一兆七千億余りの公的資金を十八行で受け入れておるわけでございます。ただ、自己資本比率の分母となる総資産を見ますと、前期より総額で三十三兆も減っておる実態があるわけでございまして、その大半は貸し出しの圧縮になっておるということで、これが事実上の貸し渋りということになるのではないかと思うわけでございます。  これまで二兆円程度自己資本充実のための公的資金が投入されておるわけでございますが、貸し渋りに対しましてどの程度役立っておるのか検証していただきたいと思うわけでございます。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  貸し渋りの原因というものはさまざまなものがあったと、あるいはあると思いますが、主なものは、一つは自己資本比率に対する懸念だったと思います。もう一つは、貸す財源としての資金調達がスムーズにできるかどうか、例えばコール市場から必要なお金がすぐ取れるかというような心配。それから三番目としては、やはり国際競争力等を考えたときに、余りにも資産を多く持っていると、これは先ほどの御議論でもありましたが、利益率等で見劣りがする、もっと効率的な資産運用をしなきゃいけない、こういうことが要素だったろうと思うわけでございます。  少なくとも、三月末を控えましてかなり懸念が広がった際に、当委員会でもスムーズに金融安定二法をお通し願いまして、一応そこの不安感が払拭はされたというふうに考えておりますし、金融システムに対する不安が昨年の秋以降に比べますと格段にそこの落ち着きは取り戻しているという意味で、二番目の意味の資金調達の懸念、コール市場の逼迫度もかなり緩和されたというふうに思っております。三番目の資産を有効にという観点からの資産の洗い直しというのがちょうど早期是正措置の自己査定に伴ってかなりリスク管理という面での厳しさがいろいろ中小企業へ貸し出しの審査を厳しくしたという面があったのではないかと、それが中小企業の方にとってみると貸し渋り現象というふうに映っているということで、大臣の方からも少なくとも健全な貸してしかるべきところに貸さないというような形の資産圧縮のようなことはやめてほしいということを強く申されました。それで、四月に入ってからの統計等を見ますと、まだ十分とは言い切れないかもしれませんが、かなり緩和してきていると。例えば、今、菅川先生は資産の圧縮が貸し渋りというふうにおっしゃいましたが、流動化とか売却、それから直接償却等で落ちている部分がかなりありますので、そういったものを除いて言いますと、四月末時点で実は主要行でプラスの貸し出しになっておりました。  それから、私どもも心配でございますので各行にいろいろ聞いてみました。中小企業に対する配慮はできるだけのことはやらせていただいておりますということを言っておりましたので、引き続きこの貸し渋り問題は注視してまいる重要な課題だとは思っておりますが、ひところの緊迫した感じはおかげさまで少し改善の方向にあるのかなと、またこれが逆戻りしないようにいたしたいというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 それから、今の自己資本充実のための公的資金投入というのは、枠から比べればかなりまた余力があるといいますか、別にむだに使う必要はないのでございますけれども、今後のその辺の具体のアクションというのはあるのでございましょうか。今のところは大体この程度でおさまっておるということでございましょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) あと考えられますのは、受け皿銀行になっていただける銀行からの申請は恐らく出てぐるというふうに考えております。そのほかにつきましては、今後各銀行がみずから判断し、申請があれば大臣もお入りいただいております七人委員会で御議論いただくということになっております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 話は変わりますけれども、金融監督庁が六月二十二日に発足するわけでございますが、私は昨年の通常国会の行財政特別委員会の委員といたしましてこの法案の審議に携わったわけでございますが、当時の審議状況を踏まえながら幾つかの課題についてお尋ねいたしたいと思うわけでございます。  一つは長官の人事でございますが、これはもう既に具体の人物が決まっておるやにお聞きしておりますのでこの際具体の人物をどうこう評定するということはいかがかと思うわけでございますが、ただ、昨年六月の時点で特別委員会でのやりとりが幾つかありますので、若干それを御紹介してみたいと思います。  橋本総理大臣は、金融監督庁の長官という検査・監督という業務にある程度精通をされながらバランスを持って仕事をしていただける人材を判断したいと。それから、その当時の官房長官の梶山長官は、いろいろ細かく言っておられるわけでございますが、「金融、財政等の分野に造詣が深く、かつ国際情勢、とりわけ国際金融情勢も理解する能力を持っていなければならない。」と、それから「人格、識見があり、」とか、いろいろ細かく言われておるわけでございます。  多方面に能力を持つということは大変だろうと思うわけでございますが、いずれにしましてもこの人選に携わった方というのは、総理が人選されておるわけでございますが、大蔵大臣も相談にあずかっておられるんじゃないかと思うわけでございますが、それは一切なしてございますか。——そうでございますか。いずれにいたしましても、選任された方が大蔵大臣と前歴が同じような感じもいたすわけでございますが、検事でしかも財政、金融に通じておられるということでございますので、ふさわしい人であるということを期待いたしたいと思うわけでございます。  それから、スタッフについてでございます。これは四百人余りだと思うわけでございますが、大半は大蔵省から異動されるということでございまして、これは今まで大蔵省の方で携わっておられたわけでございますので当然でございますが、その際に私が申し上げたのは、この際思い切って民間の例えば公認会計士とか銀行等の金融のエキスパートを中途採用するようなことを考えたらどうかということを申し上げたわけでございます。こういった面で新しい行政経験者でない金融の専門家等の登用についてはどのようになっておりましょうか。

畠中誠二郎内閣審議官

○政府委員(畠中誠二郎君) お答えいたします。  金融監督庁の設立に当たりましては、金融行政経験の豊かな人材を確保する必要がございます。先生お尋ねの民間からの人材の登用でございますが、民間からの人材の登用も含めて幅広い分野から望ましい人材を確保したいということで、ただいま鋭意検討しているところでございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 それから、金融監督庁というものの性格は、その当時からしますと、いろいろな規定からいいましても、危機管理等になりますと皆大蔵大臣と相談するというようなことになっておりまして、これは私は大蔵省のだっこちゃんみたいなものをつくったんじゃないかということを申し上げたわけでございます。大蔵省のリモコンによって金融監督庁というものが事実上操り人形のようにされるんじゃないかということを危惧いたしたわけでございますが、現状におきまして一年たちますと大蔵省もかなりバッシングを受けた中で観念されたようでございまして、それほどの出過ぎたことはされないだろうというふうに思うわけでございます。  ただ、一つのルールといたしまして、その当時いろいろ議論になっておりましたノーリターンの原則、これは私は大蔵省から金融監督庁に彩られた方がもう二度と大蔵省に帰れないよということになりますとまた倫理上の問題あるいは本人の士気の問題もあると思うわけでございまして、一般職員がいろいろな広い経験をしていくということは是とするわけでございますが、例えば課長以上ぐらいの幹部職員については大蔵省から出したらもうノーリターンだよと、とにかく金融監督庁で全うしていくんだというようなことが要るのではないかと思うわけでございますが、その人事上の一つのルールについてどのようにお考えでしょうか。

畠中誠二郎内閣審議官

○政府委員(畠中誠二郎君) 御指摘の大蔵省との人事交流の件につきましては、具体的には金融監督庁が発足後、長官の人事権でございますので長官の御判断に係ろうかと思います。  ただ、たしか衆議院の行革特委の附帯決議で責任ある幹部についてはノーリターンが原則という決議がなされておるというふうに記憶しておりまして、長官もそのことを踏まえて適切に対処されるんじゃないかというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 大蔵省におきましては、ただいま申しましたように、一つのけじめをつけられるのではないかと思うわけでございますが、ただ今週出ました「金融ビジネス」によりますと、「不信も危機も拭えない虚ろな金融監督体制」、こういう記事があるわけでございまして、この中で、大蔵省そのものの機構改革の中で金融企画局というのができて市場課というのができるんだけれども、これが何か怪しいのではないかというような記事になっておるわけでございます。  私もちょっと気になりますのは、企画・立案というものはやはり現場を十分知らなければならないということで、個別金融機関から情報をとったりいろいろ意見交換をするということになりますと、金融監督庁との間の二重行政ということにもなりますし、また逆に金融機関側からしますと、金融監督庁と大蔵省と両方にきょろきょろと事実上のMOF担が活動せざるを得ないということになりますと、これまたおかしな状況になるわけでございます。  そういった面で、大蔵省としては、個別金融機関との接触等というのは、これは基本的には金融監督庁との連携協議の中で行うことによって個別には対応しない、また裁量行政は先ほど通達等による行政も廃されるというふうにお聞きいたしておるわけでございますが、大蔵大臣、ひとつ新体制発足に当たって金融監督庁と大蔵省との機能分担についてお考え方をお聞きいたしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) よく、野党の先生が多いのでありますけれども、金融監督庁が大蔵省の植民地になるんじゃないかなどという非難もございましたけれども、そんなことは絶対ありませんということを私は常に申してきました。その一番の証拠が金融監督庁長官の人事について私に事前にも事後にも何の連絡もなかったことで、事後に知っただけでありまして、任命権者からのあれも受けておりません。そのくらいこれからスタートする金融監督庁と大蔵省との関係は、何といいましょうか色めがねで見られることのないようにきちっとやっておるわけであります。しかも、発足の日も六月二十二日、あともう三週間後でありまして、三週間したならば現在の大蔵省が持っておる民間金融機関等に対する検査・監督権限については、免許を初めとして改善命令、業務停止命令、免許の取り消し、合併の認可等、そういうことに関するすべての権限が金融監督庁に移管されるわけであります。したがいまして、大蔵省と民間金融機関との関係はまずなくなると。  ただ、先ほどお話に出ておりましたように、金融システムに関する企画・立案という仕事が大蔵省に残るわけでありますが、その関係でも民間金融機関から話を聞くということもありません。必要ならば監督権限を持っておる金融監督庁から話を聞いて、そして企画・立案の仕事はする、そういう大原則で進むことになるというふうに思っております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 ひとつ大蔵省と金融監督庁とはお互いに機能分担しながら適正に仕事をしていただきたいと思うわけでございます。  とりわけ金融監督庁として重要なのは当然金融検査ということになるわけでございますが、従来の大蔵検査からしますと、定例でも四年に一遍程度といいますか検査体制がなかなか十分整っていなかったというようなこともございますし、また行監の調査といいますか行監の指摘にも日銀考査等との関係も必ずしも十分連携がとれていなかったというような指摘もあるわけでございますが、今後金融検査についてどのように改善、充実を図ろうとしておられるのか、お聞きいたしたいと思います。

畠中誠二郎内閣審議官

○政府委員(畠中誠二郎君) 検査のあり方についての御質問でございます。これにつきましては、金融監督庁の発足を待ってということではなしに、既に大蔵省におかれて本年三月に新検査方式を導入するということとされております。これにつきましては、早期是正措置の導入に伴いまして、また行政監察の勧告等の御指摘も踏まえまして見直しが行われております。  新検査方式におきましては、事後的な実態把握に主眼を置くこととしまして、公認会計士等の監査機能の一層の活用、それから金融機関等の業務実態等に応じて検査頻度に繁閑を設ける等、重点的、機動的な検査を実施するということのほか日本銀行が実施する考査との十分な連携を確保するということなどによりまして的確かつ効率的、効果的な検査を実施することとされていると承知しております。  いずれにしましても、金融監督庁におきましては、金融監督庁長官の統括のもとに、厳正で実効性のある検査を確立し、事後チェック機能を重視した的確な金融行政が実現されることが重要であろうというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 近く出される予定の地方分権推進計画におきまして信用組合の指導監督事務が、今は都道府県の機関委任事務になっておるわけでございますが、これが直接国の執行事務に移管することが明記されておるやに伺っておるわけでございます。このような指導監督権限というものが国に移管された場合に、都道府県と信用組合との関係がどうなるのであろうかという心配もあるわけでございまして、従来、信用組合の指導監督をやると同時に信用組合の育成、指導、あるいは破綻しそうになった場合の資金援助等、かなり都道府県が役割を果たしてきたわけでございますが、こういった役割についてはどのようにお考えでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 監督権限が国の事務ということになりますので、そういった意味では信用組合の監督そのものは都道府県の事務からは外れるわけでございますが、お尋ねの趣旨は恐らく、資金援助等いろいろな支援を破綻処理の場合等にやっていただいておりまして、その関連のお尋ねかと存じます。  この都道府県の支援といいますのは、いろんな形での支援がございますが、これは指導監督の権限があるからやっているということではございませんで、やはり地域経済に与える影響あるいは民生の安定という観点から都道府県がみずから判断されおやりいただいておることでございますので、監督権限が国に移管された後どのように対処なさるかということについては都道府県が適切に御判断されるというふうに理解をいたしておるところでございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 終わります。

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗