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142回国会参議院1998/05/21

財政・金融委員会 第16号

発言数
132
登壇者
14
会派数
7
開催日
1998/05/21

会議録

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十九日、須藤美也子君、谷川秀善君及び田村公平君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君、野村五男君及び松浦孝治君が選任されました。  また、昨日、梶原敬義君、萱野茂君、今泉昭君及び野村五男君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君、峰崎直樹君、一井淳治君及び加藤紀文君が選任されました。  また、本日、加藤紀父君及び峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として松村龍二君及び菅野久光君が選任されました。     ―――――――――――――

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の四案を一括して議題といたします。  四案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 自由民主党の楢崎泰昌でございます。  現在、日本経済は大変な不振に見舞われておりまして、その中でいろんな議論が行われていますが、まず基本的には規制を緩和することによってこの国の経済を自由闊達な組織に変えていこうじゃないか、こういう考え方がございます。この関連四法案もその線に沿ったものでございますし、昨年、総理が金融ビッグバンを御発議なさって以来、我々自民党としても鋭意検討をし、そして政府におかれましても十分な御検討をなされた結果であるというぐあいに思っています。  そういう意味では、この法案はぜひとも達成をしなきゃいけない、国会で審議をし、結論を出していかなきゃならぬというぐあいに思っているところでございますが、この法案は一つの枠づくりでございまして、経済は生き物でございますから、中身があって動いているわけでございます。  まずそこで、昨年の秋以来、山一、北海道拓殖銀行等々、危機的な状態があったわけでございますが、その危機的な状態に対してどういう手を打っていくかことしの三月末に本委員会においても議論いたしましたように、金融危機に際してどういうぐあいに対処をするかということで実態的な手を、三十兆円というような緊急の手を打ってまいったところでございますが、なおかつ金融問題についての解決策がまだ十分なところへ行っていないと。先ごろのサミットでも橋本総理はいろいろの御発言をなさっておられますけれども、日本経済にとっての最優先の課題の一つとして金融情勢を直していかないといかぬ、かつそのために不良債権というものを処理していかなきゃいけないんだ、不良債権の処理なくしては金融改革は進まないというようなお考えを述べられておるところでございます。  そこで、きょうは五月の二十一日でございますが、ごく近い時点で金融業界が決算を発表なさるというぐあいに思っております。伝えられるところによりますと、不良債権の償却を十兆円ぐらいやるんだというのが新聞報道でなされていますけれども、ことしの三月期の決算でどういうぐあいになるか、移り変わっていくんだろうかというようなことを政府としては想定をされているか、まず最初にお伺いしておきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  御指摘いただきましたように、近々に主要行を初めとした決算発表がある予定でございます。したがいまして、まだ確定的な数字を申し上げる段階ではございませんが、せんだっての資本注入の際の健全性確保計画で見ますと、主要行、これは日本信託を除く十八行で見ますと、不良債権見込み額が十六兆三千四百億でございました。  なお、今回、本年三月期決算より米国のSEC基準並みに強化したディスクロージャーも出していただくことにしておりますので、当委員会でもいろいろ御議論がございましたが、それに従いますと不良債権額は従来の基準よりかなり増加するというふうに見込んでおる次第でございます。それが不良債権の状況でございます。  近く、決算発表が終わりますと、また集計をいたしたいと思っております。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 主要都市銀行はきょうとかあしたとか、それ以外の銀行は来週に決算発表をなさると思いますので、その決算発表を見てまだ議論をいたしたいというぐあいに思います。  今期の、今期というんですかね、三月期の償却というのは相当目覚ましいものがありまして、おっしゃいましたように、新聞等で見ますと十兆円余りを償却するというぐあいに報じられていますけれども、政府の方のお見立てではやっぱりそれくらいの債権償却をなさるというぐあいに考えておられますかどうか。  それからさらに、これだけの、十兆円の債権償却をすると、実はそれは全部無税というわけにはいかないんですね。また、有税、無税の境界線についてはきょうは議論する暇はないと思いますけれども、またやらにゃいけませんが、恐らく債権償却のうち有税、すなわちみずからの判断によって償却を行うのが相当部分含まれているだろうというぐあいに思いますけれども、数字は正確でなくて結構ですから、どのように感じておられるか、お伺いをします。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  先ほどと同じ健全性確保計画ベースで申し上げますと、この三月期の主要行の不良債権処理見込み額は大体十兆円、御指摘のような感じではないかと推測いたしております。  そこで、有税、無税の別でございますが、これは主要十九行の債権償却特別勘定残高における有税分の割合が大体六割ぐらいという感じを持っております。これはあくまでフローではなくてストックの残高ベースでございます。     ―――――――――――――

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。     ―――――――――――――

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 銀行が進んで有税の償却を債権償却特別勘定に積むというのは非常に前向きの姿勢でよろしいというぐあいに思うんですけれども、ただ、十兆円ぐらいを償却するということで、従来、不良債権で大体四兆円余りが要処理であるというような数字が御発表になっていますよね。そうすると、十兆円ぐらいの新たな償却をするということになってくると銀行サイド、これは政府の話じゃないですけれども、ほぼ銀行サイドとしては十分な償却が行われたというぐあいに考えてよろしいでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先ほど十兆円と申し上げましたが、業務純益の見込みだと三兆五千億ぐらいかなと思っておりますのでかなり含みあるいは今までの蓄積を使ってまで償却、引き当てに力を入れたということは言えると思うのでございますが、不良債権の額との対比で申し上げるのはちょっと慎重にさせていただきたいのは、不良債権の状況がこの景気の状況からどれくらいの数字になっているかというのはいま一つわかりませんので、かなり償却、引き当てが進んだということは言えると思いますが、それが先生が今おっしゃったようなニュアンスでのほぼ十分に行われたと言い切れるかどうかとなるとそこは新たなる不良債権ということも考えられますので、そこはやや慎重な言いぶりにさせていただきたいというふうに考えております。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 今、銀行局長が言われましたけれども、要するに四兆円の要処理があった、それに対する引き当てが行われたのじゃないかというぐあいに思われますけれども、実は経済の進み方によって新たな不良債権が発生をする可能性はあるわけですね。しかし、日本国政府としては世界に対して橋本総理が不良債権の始末をともかくも最優先にやるんだというぐあいに言っているわけですから、今、銀行局長が言われたように、いやどうもわからないよというようなことではやっぱりぐあいが悪いんじゃないかなというぐあいに思います。それは、まだ決算が発表されていませんから、決算が発表された後でよく分析をなさって、どういうことであると、不良債権の解消はどういうぐあいにしてできるんだというような見識を政府としてお持ちになることは必要ではないかというぐあいに思います。答えは要りませんが、そのように努めてください。  ところで、不良債権というのは実はあいまいな定義でございまして、日本の全銀協基準からSEC基準にことしの三月期から移るわけですね。それによって相当数の不良債権、その定義のものが全部不良債権であるとすれば不良債権がふえもことになりますね。大体三割ぐらいはふえるだろうというぐあいに言われていますが、いかがですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) これはさきの委員会で星野先生からもお尋ねがございましたが、現実にSEC基準で出してみた銀行の例とこれまでの公表数字とを比較しますと三割程度、あるいはそれをやや上回るような違いがございました。したがって、それをそのままほかの銀行にも当てはめますと、その程度の増加ということが見込まれるわけでございます。主として六カ月基準で六カ月以上を延滞と言ったものを三カ月以上というふうにすること、あるいは金利をまけてやるときに公定歩合以下という条件を今度は少しでもそういう相手方の事情によって変える場合にはというふうに広げておりますので、そういったところから範囲が広まるというふうに考えております。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 三割程度ふえるということになりますと、対外的な問題、要するに評価の話ですね、海外の評価の話、やっぱり相当数影響されるというぐあいに思いますので、そこの点も十分注意されて整理を必要とするのではないかというぐあいに思います。  それから、不良債権ということに関連して、ことしの三月から自己査定というのがあるんですね。早期是正措置に応じた自己査定というのがある。その自己査定の不良債権との関係はどういうぐあいに考えたらよろしいんですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 自己査定結果をこの間の金融安定二法の際の御審議に資するべく出させていただきましたので不良債権の概念というのが多々あるようなイメージをお与えして大変申しわけなく思っておりますが、諸外国におきましてもいわゆる不良債権という形でディスクローズしておりますのは、SEC基準に見られますように、比較可能な一つの基準を設けて、それですべての銀行が共通して不良債権という形で発表するということをやっております。したがって、これからはSEC基準に基づく破綻先、延滞、金利減免等というような形での発表が外国に向けても不良債権の額ということになろうかと思います。  ただ、その外形的な形での不良債権の類とこの間お示ししたような回収の可能性の度合いでⅣ、Ⅲ、Ⅱとこう分けたものとは若干基準も違いますし比較はできませんが、別の考え方からいうと、やっぱり不良度の大きいものがⅣで優良度の高いものが工あるいは非分類というふうになりますから、必ずしもその議論が不良債権の議論に当てはまらないと申し上げるわけではございませんけれども、各銀行とも自己査定でもって自分の資産を分類し、それでもって今度は公認会計士とともに幾ら償却、引き当てをすべきかという企業会計に沿った処理をいたすわけでございます。そのための下準備でございますので、こういう作業をこれから毎期毎期やるわけでございますので、私どもとしましてもそういった形での計数の変化というものも注目してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 要するにSEC基準と自己査定とは基準が違うのでごっちゃにしてもらったら困るよと、こういう話だと思うんですけれども、実はごっちゃになっているわけですよ。不良債権というのは一体何、不良債権は幾らあるのと、不良債権はもごもごと、こういうことになるんですね。世界に対して歯切れのいい答弁ができない。それは順次積み重ねでと、そんなのんびりした話じゃないんですね。不良債権問題というのは毎年毎年、未来永劫に続いていく問題じゃないので、今、日本が金融不安に陥っているからそれが問題になっているということなんですね。  SECがアメリカで問題になっていないのは日本の場合と少し違うんですね。この間も申し上げましたけれども、SEC基準でやればこれだけだったんだけれども、ふたをあけてみたらその十倍だったと。十倍というのは一番極端な例ですけれども、そういうぐあいにそこの間に開差があるというところが問題になっている。少なくとも一般的には、新聞で七十七兆というぐあいに書かれておったことについては大蔵省は非常に不満を持っているようですけれども、どこの引用を見ても七十七兆だと書かれる状態に今なっているわけですね。そこのところは十分気をつけてもらわなきゃいかぬと思います。  それから、さらに申し上げますと、自己査定の結果は、全国の分をこの間七十七兆というぐあいに発表してしまいましたから、これは引き続いて発表しないわけにいかないんですね。そうなっていくと、個々の銀行は一体どうなってくるのかという問題がありますが、これは各行はどういうぐあいに取り扱っていくんでしょうか。有価証券報告書の報告に載るんでしょうか載らないんでしょうか。不良債権比率が何%というぐあいに表示されるんでしょうか。各行の不良債権はこれだけあります、自己査定による不良債権はこれだけありますというぐあいになるんでしょうか。その辺を御説明ください。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 自己査定による分類債権というものをディスクローズするかどうかという問題につきましては、以前にも御答弁申し上げましたが、当局の方からそれを強制するということにつきましては、特に第Ⅱ分類の扱いについて非常に銀行のビヘービアに影響を及ぼす、例えばそれを減らさなきゃいけないとなるとⅡ分類になった中小企業向け貸し出しはみんな引き揚げるということを役所が指導したという形になりかねない問題もございます。しばしば申し上げておりますように、Ⅱ分類というのはリスク管理を必要としますよということでございますので、きちんきちんと返済は受けているんだけれども、三期、四期と赤字が続いているというようなケースが多いわけでございますので、それをこちらが強制するのは慎重であるべきだと思います。  ただ、自主的にそれをおやりになるというところをやってはいけないということでもないと思うわけでございます。できるだけその銀行がディスクローズをしてマーケットに信認を得るということは大変大事なことでございますので、各銀行ともいろいろな工夫をしてまいると思いますが、例えば公表不良債権、SEC基準、これはもう国際的な基準で一番厳しいものですから、これでは表示いたしますし、それに対して引き当て率がどれくらいかというようなことは恐らく各行とも表示をして、それが高いから私どもの銀行は不良債権処理が進んでいますということをアピールするということは大いに考えられるし、そういうことは健全なディスクローズの動きだというふうに思うわけでございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 今、銀行局長が言われたのは、監督官庁の言い分であり、あるいは個々の銀行の言い分かもしれませんけれども、実は預金者にとってみれば全然反対のことなんですね。だからこそ自己査定比率というものを、去年の十二月ですか御発表にならざるを得なかったというような事情もあるわけですよ。今、参議院選挙の最中でございますので、私が各地方に参って地方銀行等々と話をしていますと、いや俺のところは発表しちゃうよというような銀行も相当数あるわけなんですね。そうすると、発表しているところと発表していないところの差が出てくる、そんなところにさっきの不良債権のあいまいな定義、そういうようなものと関連をしてくるのではないかというぐあいに思っているんです。  さてそこで、橋本総理は不良債権の解消に向かって最大の努力をするというお話ですけれども、大蔵省、要するに橋本総理の傘下にある大蔵省としてはどういうぐあいにやろうと思っておるんですか。これは大蔵大臣にお伺いしましょう。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほどから委員仰せのとおり、不良債権を日本の金融機関が相当抱えておる、償却の進み方が遅々としておるということが日本の金融機関に対する内外の信認がいま一つ高まらない理由だというふうに思いますし、また現実に金融機関が不良債権をたくさん抱えておりますというと、仮に引き当てを相当しておったとしても金融機関の融資姿勢はおのずから縮まった形になる、それはいわゆる貸し渋りの一つの原因にもなりかねない。もっとも、金融機関の側に言わせれば、景気がよくなれば担保になっておる土地の価格も上がる、そうしたら売却にしろ直接償却にしろやりやすい、しかし景気がよくならないで担保になっておる不動産の価値が上がらない、もう少し待っておれば担保となっておる不動産の価値が上がるだろう、そのときに償却した方が実損は少なくて済むなどということもあって金融機関は終局的な処理を少しおくらせているのではなかろうか、そういう意見を言う人もおります。  しかし、金融機関の不良債権の処理が進まないことが経済の活性化に非常な阻害要因になっている、経済がうまく活性化しないから不良債権の処理が進まない、卵が先か鶏が先かという感じが出てきておるわけでありますが、先ほど委員御指摘のとおり、橋本総理がサミットでサミット参加国の人たちとの話し合いの中で不良債権処理を思い切ってやる、それが非常に大事なことだというふうなことを表明してこられたわけでありますし、それからまた政府・与党の方でもこの不良債権処理問題を重大な問題としてとらえて、そしてこの問題を処理するトータルプランをつくろうというわけで、党の方でもいろんな案をつくっていただきました。  それをもとにして内閣内政審議室が中心になって早急にこの不良債権の処理を速やかに行うための施策を最終的に取りまとめようということになってきております。もちろん、これは大蔵省、それから法律改正等も伴うものですから法務省、抵当権を実行する手続が早く進むようにとか、あるいは債権債務関係の調整処理が早く進むような措置を特別の委員会か何かつくることになっておりますが、それをどういう形でつくるかとか、それからサービサーという仕組みも法律でつくるということになっておりますが、これも大蔵と実は法務省等々が関係してくるわけでありまして、そういったことから、一応まとめるところは内閣内政審議室になりますが、実際上の実務は大部分大蔵省でやらなきゃならぬという考え方で鋭意銀行局が中心になって不良債権処理を速やかにやるための方策を取りまとめつつあるという状況であります。  諸般の法律等、この国会に間に合うかどうかは別でありますが、恐らく間に合わぬで臨時国会になるかもしれませんが、いずれにせよ速やかな対応策を決めて実行に移したいと、こう思っておるところでございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 橋本総理大臣は、サミットにおける感想として、第一に経済の復興というんでしょうか、減税その他による内需の拡大をやること、第二は不良債権問題の本格的な処理、本格的な処理というぐあいに言われているんですね。  先ほどちょっとお伺いしましたけれども、各銀行は約十兆円余りの債権償却特別勘定を積んでおるということですね。ところが、銀行局長によればその六割が有税であると。無税だというのが四割ですね。無税というのは債権償却が実際上終わっているということですよ。債権の処理が終わっていると。そうすると、六割は両建てなんですね。要するに、こっちに不良債権がある、片方に償却勘定があるというだけのことで、ただ会計上つじつまを合わせたんです。これは本格的処理とは言わないわけですよ。  本格的処理というのは、やっぱり担保不動産をどのように処分していくのかということについて政府が、今の銀行ですと銀行の行員も大分官僚的ですから自分の段階で損失を出したくないよというようなことがありますから本格的な処理というのはやっていないんだと思いますが、そういう意味では本格的処理をやれるような手順、手続を定めていくというのが非常に重要なことであるというぐあいに思います。  今回の法律案の中でも実はSPCがあるんですね。これは大変な法律手段であると思います。従来、日本の銀行も実は外国でSPCができますから、外国のSPCを使って証券化していくというようなことをやっておられるわけですね。日本国ではそれができていない。恐らくSPCができると不動産関係は権利関係がきれいなものはほとんどSPCで片づいていく可能性があるなど。SPCにやれば証券を発行しますから、その証券によって不良債権が流動化していくわけですね。そういう形の政策を推進しなきゃいかぬと。また、権利関係が複雑なのは、先ほど大臣が言われたように、臨時不動産関係権利調整委員会、これは仮称だそうですけれども、そういうものをつくることによって権利関係を解きほぐして、そしてどんどん不動産の流動化を進めていかなきゃならぬと。そのほかにもいろいろ都市政策その他を書いておりますけれども、私も自民党の中のその委員会に参加をしましていろんな提案をしておりますが、ぜひまともにそういうものを続けていっていただきたい。不良債権の本格的処理ということをぜひこれから推進をせねばならぬ、またしていただきたいというぐあいに考えております。  大臣の御感想はいかがでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のとおりでありまして、不良債権を抱えておると、したがって帳簿上はそれだけの貸国債権があるということになっておるわけですね。そして、不良債権であるからそれに対する損金が出るであろうということを想定して自己査定して特別の引当金を積んでおると、こういうことですよね。このままでは、帳簿上は別として、実際上は処理が済んだということにはならないわけでありまして、あくまでもこの不良債権を売却するか、あるいは終局処分をするか、抵当権を実行して、そして担保不動産そのものの競売による最終処分、そうすると幾らが入ってきますね。そうすると貸国債権と実際入ってきた金との差額は損になりますね。それで、引き当てがしてあればそれで処理できるけれども、引き当てのない分は文字どおり実損になりますね。それが多額に出ることを恐らく銀行等は嫌って、もう少し待てば不動産の価値が上がるだろうというわけで実質上の処理をややためらっているという点があるんじゃなかろうかと、これは私個人の物の見方であります。しかし、それをいつまでも続けておっては実際上の不良債権の処理ができないことになりますから、仮にまたこの抵当権を実行した、それで実際に競売代金から入ってきた金は一〇%だった、二〇%だったと、しかし二〇%であっても実際金が入ってくればその金は次の貸し出しをして利息を生むわけでありますから、そういったことで早く処理をして、そして元気のある金融機関になってもらうことが日本の経済にとっては非常にプラスになることであるというふうに私は思います。そういった手続が進むように、今、先生のおっしゃったSPCも、今審議をしていただいておりますが、成立させていただければ九月一日からそれが施行になると。  聞きますというと、弁護士業務をしている人などでSPC法が成立した後に特定目的会社をつくって、そして銀行等の抱えておる不良債権、そして担保のついておる不動産、そういったものを証券化し、それを投資家に売り出す、そういう形を通じて流動化が進むようにと、それでうまく処理ができたならばその配当金を出資者に配当する、こういったことで処理が進めばこれは不良債権処理を手っ取り早くやる上で相当な効果があるであろうと、こういうふうに思われるわけで、聞くところによると日本国内でも弁護士業務をやっている人が特定目的会社をつくってそういう仕事をしようかというわけでいろいろ問い合わせに来ておる人もいるぐらいに関心を呼んでいるようであります。  日本という国でどれだけそういったことが進むか、アメリカとは少し国情も違うと思いますので、そういう点はありますけれども、しかしせっかくそういう仕組みがあるとすれば日本でも早くそういう仕組みをスタートさせて、そして不良債権処理のスピードアップのために貢献させるということが大事なことではないかと、そう思っておる次第でございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 繰り返して申し上げますけれども、いわゆる不良債権は不良債権として帳簿に残しておく、それで片方で償却勘定をやっているから償却が進んでいるなんということはあり得ない話で、単なる帳簿のつけかえにすぎないばかりじゃなくて、日本国全体として見ると不良債権は依然として残っているわけです。膨大な不良債権が残っているということに計算上はなりまして、海外の批判もなかなかそれでなくなっていくというわけではありません。  という意味からいって、実態的な本格的な処理をぜひ進めるようにお願いをしたいと思いますし、成立をしたらこの法律案を御活用願いたいというぐあいに思うわけでございます。  さてそこで、ちょっと質問のフェーズを変えて保険につきまして、保険は算定会の改革の実施時期を七月一日にこの法律案では設定をされています。  伺っているところでは、一昨年の日米協議のときに七月一日のお約束をなさり、さらにWTOでこの議論がされてきたというぐあいに聞きますが、七月一日に期限を切っておられるその理由を御説明ください。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) お答えいたします。  今御指摘のように、一昨年の平成八年十二月の日米保険協議の決着におきまして、政府としては算定会料率の使用義務の廃止を本年七月一日までに実施する旨の意図表明を行っておりまして、さらに昨年、平成九年十二月のWTO金融サービス交渉の合意におきましても、日米保険協議において合意した自由化措置の実施を改めて約束しているところでございます。したがって、これらの国際約束は我が国としてスケジュールどおり誠実に実行する必要がございます。  特に、WTOとの関係では、我が国が約束を実行できない場合にはこれによって金融サービス合意の全体が壊れるおそれもございます。また、実行できないとなりますと、金融サービス分野における我が国の国際的な信認を維持する上で深刻な問題になることが懸念されるわけでございます。  また、これまた御案内のとおり、日米合意におきましては生損子会社の第三分野業務に係る制限を算定会料率の使用義務廃止の二年半後に撤廃することとしておりまして、二〇〇一年までに保険の第三分野を自由化するためにも使用義務の廃止は本年七月一日までに確実に実施する必要がございます。  以上申し上げましたように、今般の使用義務廃止を中心としました算定会の改革は、金融システム改革法案を今国会において成立させていただきまして、ぜひともスケジュールどおり本年七月一日に実施させていただきたいということでございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 この法律案では算定会の算定結果について遵守義務がなくなるということになっていますけれども、そうすると実は特に自動車保険では恐ろしい大競争が開始されるということになるんだというぐあいに思います。既にガイドラインもつくっておられるようですけれども、それについてはちょっと時間がありませんのでまた次の機会に、算定会の遵守義務がなくなってからどういうぐあいに動いていっているのかということはその結果を見ながら質問をし、問題点として取り上げたいというぐあいに思います。  そこでまた少し変えまして証券の話でございますけれども、今回の法律案ではまず手数料の自由化というのが非常に大きな項目としてあると思います。さらに見ると、いろんな形の新商品が出せる、ほとんど自由化されているというぐあいに思います。従来は一々認可を受けてその正当性をやらなきゃいかぬということになっておりますが、まず最初に自由化で中小証券、特に小証券会社ですね、そこら辺は株式の売買手数料が主たる財源になっている、収益源になっているように思いますけれども、大蔵省ではどのようにお考えでございますか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  金融システム改革と申しますものは、投資者の利便性の向上とともに、証券市場全体の活性化を目指しているわけでございます。この中で手数料の自由化という問題でございますが、証券会社の収益に影響を与える面もございますけれども、証券市場を活性化し、市場規模を拡大させることによりまして証券会社の活躍の場も広がるというふうに期待をされるところでございます。  また、本改正法案におきましては、自由化の一環として証券会社の専業義務というものを見直しておりまして、業務の多角化を可能としており、ラップアカウント等の資産運用業務やその他の業務を行うことによって収益の機会がふえる証券会社も数多く出てくるものと考えられます。  なお、アメリカにおきましても手数料の自由化によりまして証券会社の業務の多角化というものが図られ、そのことが顧客へのサービスの多様化をもたらすとともに市場を活性化させたものと考えられます。  御承知のように、日本の中小証券でございますけれども、株式委託手数料に依存している度合いが非常に高こうございます。平均で三分の二ぐらいがこの株式委託手数料によっているわけでございますけれども、今申し上げましたとおり、業務の多角化等によってむしろ収益の機会がふえるということによりまして、中小証券もまさに地場に密着した形で、特化した形でもってその経営の安定性といいましょうか、そういったものを生み出すべく努力されるということを私ども期待をしているところでございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 期待されるのは期待するんでしょう。だけど、実際上さてどうなるのかねと考えたときには大変な経営難になると思いますね。私は、ちゃんと経営状態を見て、もっとも今度の法律で自由化されるから、認可とかそういうことではなく登録ということになるわけですからなかなか難しいかと思いますけれども、ちゃんとそこら辺は見きわめていかなきゃならぬというぐあいに思います。  そこで、新商品が生まれてくる、恐らくこの法律案で新商品がどんどん生まれてくるのは証券が一番多いというふうに思うんですね。ところが、多くなればなるほどわけのわからないものが出てくるわけですよ。そうすると、投資者保護というんでしょうかそれに対する説明、そしてそれに対する歯どめというんでしょうか、そういうものがだんだん問題になってくると思いますけれども、どういうぐあいにこの法律案では考えておられますか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 今回の今御提案を申し上げております金融システム改革の実現によりまして投資者のニーズに対応した多様な金融商品・サービスが提供される枠組みが整えられるわけでございます。その点はまさに委員御指摘のとおりでございます。  そうした中で、投資者保護上問題が生じることのないように、今回の法案におきましては、顧客適合性の原則や利益相反防止規定等の行為規制の整備、それから二番目に金融機関による商品の説明義務の導入、三点目に証券会社や金融機関の業務及び財産の状況を記載した書面の公衆縦覧、企業内容開示の連結ベースへの移行等ディスクロージャーの充実、また早期是正措置の明確化、顧客資産の分別管理の強化、投資者保護基金あるいは保険の場合は保険契約者保護機構の創設、そしてインサイダー取引等の不公正取引により得た財産をすべて没収、追徴することができることとする等公正取引ルールの整備、こういった投資家等の利用者が安心して取引できるようにする、そういう措置を講じているところでございます。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 終わります。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 去る五月十五日に阪神銀行及びみどり銀行の合併について両行の合意が発表され、これに対して大蔵大臣及び日銀総裁から談話が発表されております。このことについて、特に金融システム改革及び金融安定化策を進めておられる政府の方針とどういうふうにかかわってくるのかそういうことについて少し具体的にお尋ねしてみたいと思います。  一つは、両行の合併は、みどり銀行の破綻処理なのか両銀行のいわゆる経営強化のための合併なのか、これは大臣談話によっては明確でございません。どちらでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 今回は阪神銀行がみどり銀行を吸収合併することにする形をとっておりますが、預金保険機構より資金援助がなされることを前提としておりますので、法律上は預金保険法上の破綻金融機関とみどり銀行を位置づけるわけでございます。したがって、ある意味ではこれは破綻処理の形というのを法律上とっております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 難しいことではなくて、法律上どうこうというようなことではなくて、みどり銀行は破綻したのですね。それで、その処理で阪神銀行との合併による受け皿となるべき新銀行がつくられることになる、こういうことですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 阪神銀行がみどり銀行を吸収合併し存続銀行になりまして、みどり銀行は解散いたします。したがって、久保先生のおっしゃるとおりでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 それでは破綻の原因は何でしょうか。みどり銀行が設立されましたのは二年四カ月前のことでございますが、果たしてその破綻に至る期間どういう経緯を経たのか、そして今日破綻処理を必要とするに至ったその原因は何でしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  平成七年の一月十七日に阪神・淡路の大震災がございました。その後、その影響もございまして、同じく七年の八片三十日に兵庫銀行の破綻が発表になりました。同時に、木津信用組合も破綻に陥ったわけでございます。  その後、同じ七年の十月三十日に、兵庫銀行の破綻の受け皿を何としてもつくらなければならない、地元がこういった震災に遭っている中で、地元が頼りにしている銀行が破綻で存在しなくなるということで、どうしてもその受け皿の銀行をつくって、そこに預金保険の支援を得て、何とかして取引先あるいは預金者を守らなきゃいけないという事情がございました。  そこで、十月三十日、ちょうど破綻から二カ月後でございますが、全国の金融機関及び地元の企業に出資の協力を仰ぎました。そして、旧兵庫銀行は株式等を全部その損失に充てた上で、一部預金保険の支援を得てみどり銀行という形で新しく再出発をしたわけでございます。  ところが、それが翌年の八年一月二十九日に営業譲渡をし、預金保険機構からの資金援助をさせていただいたわけでございますが、今の預金保険法とは当時違いまして、金融三法以前でございました。したがって、法律の制約から損失を補てんできる額がいわゆるペイオフコストの範囲内でしかできなかった。俗に言うと一千万までの部分に相当するものしか資金援助ができなかったということで、その損失を全部カバーすることができなかったわけでございます。及び、不良債権が多額に上っておりましたが、それを預金保険機構が買い取るという仕組みも整っておりませんでしたので、したがってこのみどり銀行は関係者の非常な好意でもって、あるいは日銀の劣後ローンを供与してまで発足したわけでございますが、一部赤字を抱え、不良債権も抱えたまま、その後十年間ぐらいでその赤字を消していくという見込みを立てまして、営業権を立ててみどり銀行は出発したわけでございます。  震災後の当地区の景況がややよくなっておりましたので当初はそういう見込みでいけるという感じを持っておりましたけれども、その後、当地区の景況もいま一つ思わしくないということで思ったような業務純益も上がらず、しかも引き継いだ不良債権がだんだん相手の借り手側の景況の悪さから劣化をいたしました。したがいまして、今度の三月期に至りますとそれが債務超過に陥ってしまうという状況に至ることがほぼ判明したわけでございます。  そうしますと、現在でありますとすべて損失も不良債権の引き取りもできるという形でございますが、それが一歩先にどうしても急いで受け皿銀行をつくらざるを得なかったという事情がありまして、そういった重荷を背負っていったのがうまくはかどらず、こういった結果になったと。したがって、どこかまた受け皿を見つけて、今度は預金保険が今のできる範囲で支援をするという形で預金者の保護、取引先の保護を図るということをさせていただいたというのが経緯でございます。  ちょっと長くなりまして、恐縮でございました。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今度のみどり銀行の破綻処理については、大蔵省も日銀も事前に相談を受けたんですね。そして、三者で協議をされて阪神銀行との合併に同意された、そういうことでしょうか。    〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕 これは大蔵省、日銀、そのとおりかどうか、一言で答えてください。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) ことしの二月にみどり銀行が下期の決算が債務超過になるということを聞きまして、その段階から大蔵省とも話し合いをいたしまして、預金保険機構や地元地方公共団体との連絡調整等の面でサポートを行っていこうということで今回のこの対策が打ち出されたわけでございます。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 今回、預金保険機構の資金援助をお願いするということで、今、総裁がおっしゃったような形でいろいろな相談にはあずかっておりました。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 みどり銀行が設置されますときに、預金保険機構は、大蔵省も了解の上だと思うんですが、みどり銀行に対して金銭贈与の形で四千七百三十億を出しておりますね。それから、日銀は一千百億の劣後ローンを引き受けておりますね。これはいずれも今度の破綻によって俗っぽい言葉で言えばパアになるんですか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) みどり銀行ができますときに千百億円の劣後ローンを出しまして、それは今回もそのまま引き継がれていくことになります。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) みどり銀行ができましたときに四千七百億円はペイオフコストの範囲内ということで金銭贈与がなされております。それはそのまま預金者の保護のために使われておるということでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 少なくとも、みどり銀行が設立されるときの不良債権、四千七百三十億は当初の預金保険機構からの金銭贈与によって減ったはずです。  それで、実際には債権の劣化によって破綻するに至ったという説明でありますけれども、といたしますならば、みどり銀行ができるときの不良債権は幾ら抱え込んでおったのか、そして今度破綻して阪神銀行に吸収合併されるときには不良債権を幾ら持って吸収合併されるのか、それを金額で示してください。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 今、先生がおっしゃいましたように、不良債権で損失に至らない不良債権額、これを引き継いだわけですが、それが七千三百億円ございました。これは旧兵銀からみどり銀行が引き継いだときでございます。それに加えまして、先ほど御説明いたしましたペイオフコストの範囲内でない部分、つまり損失をそのまま引き継がせた部分があります。つまり、全部埋め切れなかった部分、それが千八百億あるわけでございます。  みどり銀行から今度は阪神銀行という形になりますけれども、それにつきましては、資産の買い取り等がどれくらいになるかというのがはっきりしませんので、その額は調べて預金保険機構等で最終的には確認するわけでございますが、最終的にどれくらいの赤字額が今度新たに預金保険から出ていくかという数字で申し上げますと、それは今度の三月期の繰り越し損失見込み額二千九百億円程度と未償却の営業権七百十四億円を足しますと、現時点における実質的な損失が三千六百億円という数字になっておりますので、若干幅があると思いますが、四千億円程度資金援助をするという形での処理になるかと思います。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 念を押しますが、今度の両行合併の前提として阪神銀行側が言っておりますのは、預金保険機構から資金援助が行われることを前提として今度の吸収合併をやると、こういうことになっておるわけですね。そうすると、当然さっきお話になりました事前に協議された話の中で阪神銀行側からは幾ら援助してくれますかということの話があったと思います。日銀に対しては特別融資や劣後ローン引き受けにおいてさらに今後この両行の吸収合併の後必要な援助を行うということについての合意を求めたと思うんですが、その前提となる話にどういう内容で、今四千億と言われましたが、かなりこの種の問題は正確な話がなされたんじゃないですか。もしわかっておれば正確に政府並びに日銀の方から教えてください。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) これは現実に合併を行うときに確定するものでございますが、この談話にあります合併がそういった援助を前提としているということは、みどり銀行の繰り越しの損失、今少なく見ても三千六百億と申し上げましたが、これを全部埋めるという条件が一つございます。それから、一部回収可能な債権を預金保険機構に買い取ってもらうということが前提になっております。すなわち、どういうことを申し上げたいかといいますと、合併という形をとりますから債務超過のままではそれはまずできないということでこうした形の援助が最終的には出る、つまり損を埋めるという形でもってその合併が可能になる、こういうことをこの文章では言っておるわけでございます。  したがって、金額は確定しておりませんが、おおよそ今私が申し上げたような数字がベースになっておるわけでございます。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私どもの方では、今回の合併合意に際しまして、日本銀行法三十八条の規定に基づきまして、合併が実施するまでの間、みどり銀行の営業継続に必要な資金が不足する場合には資金の貸し付けを行うよう大蔵大臣から要請を受けております。  これに対しまして、日本銀行は政策委員会におきまして、日本銀行が破綻金融機関の処理に際して資金供与を行う場合のいわゆる四原則、これに照らして判断を行って、大蔵大臣の要請に応じ、みどり銀行に対して通常の適格担保の徴求を前提としない資金の貸し付けを行うことを決定しております。    〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕  なお、その四原則との関係を説明させていただきますと、第一はシステミックリスクの顕現化するおそれがある場合ということでございますが、みどり銀行は合併を行うまでの間に必要な資金が不足して、その結果、預金の支払いが停止した場合には預金者に動揺を来し、他の金融機関に破綻を連鎖するおそれもあるということ。  それから、第二の原則であります日銀以外に資金の当てがないという問題につきましては、みどり銀行の最大限の努力によっても必要な資金の不足が起こる場合に限って日本銀行として貸し付けを実施すると。  それから、三つ目のモラルハザードの防止につきましては、今回のみどり銀行の処理は通常の金融機関の経営破綻と異なって、株主について他の破綻処理と同様な厳格な原則、すなわち資本金の全額ロス充当これの適用は適当ではないけれども、こうした中にあってみどり銀行の資本の一部は同行の損失の補てんに充てられるといったようなことが可能な限りモラルハザード防止措置がとられているというふうに判断いたします。  四つ目の日本銀行の財務の健全性につきましては、これまでの破綻処理事例における特融と同様に、預金保険機構の資金援助が実施された時点で日本銀行の貸し付けが返済されることになるために、回収に懸念が生じるような事態は起こらないというふうに考えております。幸い今現在まだ預金がそう動いておりませんので、この特融はまだ実施されておりません。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 官房長官、大変お忙しい中をおいでいただきまして、ありがとうございました。  少し話題を変えまして、官房長官にお尋ねしたいことがございます。  それは今非常に関心を強く持たれております金融監督庁の長官大事についてでございますが、本来この金融監督庁の長官人事は内閣総理大臣の権限に属するものと考えておりますが、それでよろしゅうございますか。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) そのとおりであります。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 最近報道されますところでは、与党から事前に相談がなかったということで拒否反応を示されたり、非常に行政権のあり方について気になる報道がございます。もとより、政党政治のもとにおける議院内閣制でございますから、いろいろと御相談があることについてとやかく申すものではありませんが、この種の重要な大事について政府において内定されたものが与党によって忌避されるというようなことが表ざたになることは、これは金融監督庁の今後のあり方にもかかわって非常に疑問を持たれるところであります。  しかも、昨日報道されましたところでは、この問題の決着に当たって、監督庁が設立されるに当たっての理念や考え方について就任直後に与党から話を承るということを条件に与党の了承を得て日野氏の起用が決まった、こういう報道がございますが、このことは事実であるかどうかそれからこの任に当たられた官房長官として今度のこの金融監督庁の長官大事についてどのようなお考えをお持ちか、承りたいのであります。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) お答えをいたしたいと思います。  金融監督庁の初代の長官については、人格、識見や金融、財政への造詣等を総合的に勘案しながら人選を進めてきたところでございますが、このたび任命権者である総理の御裁可をいただき、与党の了承も得た上で、昨日、日野名古屋高検検事長を任命する旨発表したところであります。  この大事につきまして事前に与党の了承を得たことについては、議院内閣制のもとで重要な政策あるいは大事につきましてはこれまでも事前に与党の了承を得ていること、とりわけ本件については金融監督庁設立の決定に当たって与党三党が深く関与したという経緯があることでございます。今お尋ねのこういう人事その他については、政策についても与党と連絡をとりながら調整をしているわけでございますが、実は土曜日の日本経済新聞でございますか、これにスクープをされましてこういう問題になったと思っております。同時にまた、先ほど御質問ありました、新聞に出ている監督庁長官が十分に何か説明を受けるとか、何かその了承とかこういう話が出ておりますが、私なども地方で発言をしないことを全く推測して書かれたりして参議院に呼ばれたこともございました。質問を受けたこともございました。そういうような経緯をやっぱり知っておいてもらわなきゃいけないというような話はございましたが、それを条件にとか何かと、こんなことはございません。同時に、こういう人事が漏れたというのはうまくないと私がおしかりも受けたことも事実であります。したがって、条件とか何かというのはございませんで、そういうことで御理解を賜りたいと、こう思っております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今の長官の御説明はわかりました。  報道された内容は、こういうことはおよそ私どもには考えられないことなのでありますが、正確に申し上げておきますと、同庁、つまり金融監督庁発足の理念や考え方を聞く機会を設けることを条件に日野氏の起用を了承したと。こういうことは行政の中における監督庁長官の地位に任ぜられようとする者に対して不当な圧力や介入をすることになるのであって、私は非常にゆゆしき問題だと考えております。  どうぞ長官が今言われましたような立場で、行政権の立場をきちっと守りながら、そして最も国民の期待にこたえられるような人事を進められることを期待し、また要請をしておきたいと思います。  忙しいところおいでいただきまして、ありがとうございました。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) どうもありがとうございました。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今、大蔵省並びに日銀からみどり銀行の阪神銀行への吸収合併に当たってのいろいろな条件や約束事についての内容を承りました。  ところで、この合併に関する発表が行われました後、マスコミ各紙はこのことに対して大蔵省や日銀のあり方に疑問を呈しております。  ここに社説で掲げたものがございますが、「公的な資金を導入する金融機関の破たん処理は、公正でなければならない。しかし、みどり銀行をめぐる大蔵省をはじめとする関係者の対応は、あまりにも不明朗なうえに無責任である。」、このようなことが冒頭に書かれてございます。そして、いかなる場合にも原則をきちっと守るべきだということでありますが、大蔵省としては金融機関の破綻処理に当たっての絶対に曲げてはならない原則というものは何だとお考えになっておりますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先生が絶対に曲げてはならないと言われることになりますと、これは今の時点では預金者保護、これを必ずやるということだろうと思いますが、破綻処理に際してこれまでとってきておった私どもの考え方の基本という形で申し上げますと、破綻金融機関そのものは存続はさせないのを原則にします、それから経営者の責任ということをはっきり追及いたします、それから株主の損失負担が行われるということを原則にいたします、こういうことをこれまで私どもは原則としてとってまいったということでございます。  絶対に守らなきゃいけないのは預金者の保護ということでございますけれども、一応これまでの処理の考え方としてはそういうことを私どもとしては考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 預金者の保護ということが絶対に守らなければならない破綻処理の条件であるということは、それはいいですか、今おっしゃったことは。その辺は金融関係の新しい法律やその他に照らして、ずっとそれで行きますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 私が申し上げたのは二〇〇一年三月までの特例期間の話でございます、全額保護というものは。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 あと幾らもない期間のものを今おっしゃったわけですね。その間はそうですね。しかし、それから先の預金者の保護というのはどういうふうにやるかというのはまだ今後の大きな課題だと思っております。  今言われたように、本来、破綻金融機関は消滅させるということが前提になって金融改革の方向は進められようとしているんだと思っておりますが、そもそも阪神・淡路大震災がございましたことがみどり銀行を設置する一つの大きな原因になった、背景になったということについては先ほどお話がございました。私もそうだろうと思います。  しかし、もしそのような不幸な大災害が起きていなければ、あの時点で兵庫銀行はみどり銀行に引き継がれることなく消滅させられるべきものだったとお考えになっておりますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) その時点におきましてほかに受け皿となっていただける銀行があらわれていますれば、それはそれで解決ができたわけでございますが、急ぎ対応しなければならないということもありまして、地元の企業にまで出資の御協力をいただいて新しい受け皿銀行をつくらせていただいたということでございます。  もしそういうことが不可能でありますと、業務の停止をかけたまま消滅をさせる、こういう手段しか残されていなかったと、こういうことでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今度のみどり銀行の阪神銀行への吸収合併についていろいろな学者や評論家の評価がございますが、非常に多くの人たちが指摘いたしておりますのは、今度のやり方というのは結局破綻金融機関の保護、救済、そして古い金融システムの温存であって、今起きている問題で処理されなければならないものを先送りするだけのことだ、こういう批判がございます。  こういったことに対して、先ほどの新聞が取り上げました社説に関してもこれに正面からお答えはいただかなかったわけだけれども、大蔵省として今、金融改革の真っただ中にある大蔵省の行政を進めるあなた方の立場でどういう意見がございますか。反論がありますか。反論があれば、ひとつやってみてください。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) この問題は、まず第一に平成七年八月に兵庫銀行が実質破綻状態に入った、それに対してどう対応すべきかということがあったわけだと思います。  その場合に、受け皿銀行があれば受け皿銀行に吸収させて、そして兵庫銀行は消滅させる、こういう選択肢が一つあったと思うんです。しかし、受け皿銀行がなかったと。その場合に、そのまま消滅させていいだろうかと。もし、そのまま消滅させるならば、その当時は預金保険法の改正がなされてない状態でございましたから、兵庫銀行の預金者は一千万しか預金の払い出しが受けられない。それはそれから七カ月前の阪神・淡路大震災の被災者もたくさん預金者の中にいたと思われますね。その預金者が兵庫銀行に預金をしておるのに一千万しか預金の払い戻しが受けられないということに理屈の上ではなります。それは余りにも太るな問題になるなど。  もう一つは、震災から復興をしつつあるときでありましたから、資金の供給を受けたい、貸し出しを受けたいという中小企業その他たくさんあったと思われますが、破綻のままだというと兵庫銀行のそういう融資行為はとまったままになります。それはその地域の復興のために非常なマイナスになる、こういった等の判断のもとに急遽地元の企業、それから全国の金融機関の人たちに応援をしてもらってみどり銀行という新しい銀行を創設して、そこに兵庫銀行の言うなればすべての預金あるいは不良債権も含めた債権の引き取りをさせて、そしてみどり銀行としてスタートしたという経過が一つあるわけですね。  したがって、問題の一つは平成七年八月の時点で預金者の保護、それから震災復興ということの必要性に基づく貸し出しが引き続いてなされるようにするということ、それが預金者保護とあの地域の社会不安を未然に防止する、経済不安を未然に防止する、そのことのための措置としてあの時点で破綻させてしまった方がいいんだろうか、あるいは、今申したように、みどり銀行という銀行を地元その他から応援をしてもらってつくって、そしてそこに引き継がせるという形でみどり銀行というのをスタートさせた、そっちの方の判断が正しかったのか、どちらかという点が一つ判断すべき事柄だろうと思うんです。  私は、いろいろ説明を聞いていますというと、なるほど震災による被災者がおって、それが兵庫銀行から一千万だけしか預金の払い出しを受けられないという状態はこれは絶対避けなきゃならぬ。それからまた、復興していかなきゃならぬわけでありますから、復興のための資金供給をしてくれる銀行というものは必要だと、そういうことで地元の企業の応援とか全国の金融関係者等の支援のもとに急いでみどり銀行をつくって、そして今申したような不幸な事態が起こらぬようにいわば緊急避難的に新しいみどり銀行をつくった、そして経済的な不安、社会的な不安、そして災害に遭った預金者の大変なマイナス、それを防止する、こういった措置をしたことは選択としては結論においては正しかったんじゃないかと私は判断をしたわけであります。  問題は、それから幾らもたたないのに今度は実質債務超過という状態になったと。それには理由はあるわけでありますけれども、要するにスタートのときから、普通ならば不良債権は預金保険機構に時価で買い取ってもらうということをした上で引き取るのでありますけれども、新しい預金保険機構がなかった当時でありますから預金保険機構からの支援を受けることができなかった、したがって多くの不良債権をそのままみどり銀行は引き継いだという一つの特徴があるわけですね。  そこで、みどり銀行の経営者の責任を論ずる場合には、私が思いますのに、みどり銀行がスタートした後の貸し出しの中にどれだけ審査不十分で貸し出したのがあるか、またみどり銀行がスタートした後の貸国債権がどれだけ不良債権になってしまったか、そういった点はきちっと審査をして、そしてそれなりの経営責任が論じられるのが筋だろうというふうに私は思います。  したがいまして、委員会の方にも今申したみどり銀行設立の経過、またその意図、スタートした後今日までの間にどういうわけで短期間の間に債務超過という状態に陥ったのか、そのいきさつ等々は明らかにして、阪神銀行に実質吸収させるにしても、そして預金保険機構の支援を受けるにしても、そのいきさつというものは透明にして、そして対応するのがいろいろの批判にこたえる道だろうというふうに私は考えておるのでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 速水日銀総裁、毎日の激務、御苦労さまでございます。  私の最初の質問はちょっと前のことになりますので思い起こしていただきたいわけでございますが、一九九一年六月二十一日、このときは野村証券と日興証券にしる大口顧客への損失補てん問題が発覚したわけでございまして、そしてこの証券業界の不祥事に対して経済三団体の首脳がそれぞれ六月二十一日に記者会見をして企業倫理の徹底を訴えた。  速水総裁は当時は同友会の代表幹事であったわけでございますが、このようにおっしゃっている。政治改革の提言をまとめた際にも企業側も襟を正そうという趣旨を盛り込んだと述べてモラルの徹底をお訴えになった。  それから、引き続き九一年七月二十五日、経済同友会は夏季セミナーを催しました、軽井沢のホテルで。二十五日の午後にさまざまなこの損失補てんに対する話し合いが持たれ、四十七人の会員が出席したそうでございますが、中にはやはりその補てんを受けた会社の、補てん先企業の名前を公表すべきであろうというふうな議論も出た。これに対して速水代表幹事は、株式市場自体が半死の状態にある、したがって今この企業名の公表は軽々にやるべきではない、そして民間版の証券取引監視機構の早期設置を強調されておる。大変結構なことだと思います。  ところが、九一年八月二日に今度は速水代表幹事の出身企業である日商岩井が損失補てんリストに上っていたということが発覚した。それに対して早速代表幹事は記者会見をされて、こういうことをおっしゃっている。損失補てんの定義もはっきりしていないのでよくわからない、担当役員もびっくりしていた、こちらから証券会社に強要したことはただ一切ございません、しかしながら世間を騒がせたのは遺憾でございますと、このように述べた後、同友会の同志がサポートしてくれるのならば代表幹事をやめるつもりはない、こういうふうに言い切っておられる。  それからさらに、九一年八月六日、同友会は臨時の理事会を開き、補てん先リストに出身企業として出ている五幹部、もちろんこれは速水代表幹事も入るわけでございますが、そのほかに賀来キャノン会長、青井東芝社長、山口東ソー社長などがいたわけでございますが、ここでどういう話し合いが持たれたか細かいことはわかりませんが、結論としてこの臨時理事会を受けて代表幹事は記者会見をしている。そこでこういうことをおっしゃっている。九〇年四月の大蔵省通達以降の事後の損失補てんのように違法性を持つものは責任問題になるだろう、しかし補てんの範囲が不明確なので今回は一概には責任を追及しにくい問題であると。そして、リストに載ったこと自体のけじめについては何の言及もなされなかった。新聞によれば不透明さを残したと、こういう一連の出来事が一九九一年にありました。夏の出来事です。  こうした記者会見で発表された、特に八月六日の臨時理事会後の記者会見での速水総裁の御認識はいまだに変わっておりませんか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私は、かつて民間企業の経営者あるいは日本経済同友会の代表幹事としての立場から、証券取引に係る損失補てんが問題になりました際に、望ましい市場ルールのあり方等につきまして意見を述べた経緯がございます。その際のポイントは、明確な市場ルールを確立することによって透明性の高い公正な市場の形成に努力することであるということを申したつもりでございます。こうした考えは現在も変わっておりません。  私が会長を務めておりました日商岩井が損失補てんを受けたとされる問題についてのお尋ねに関しましては、私は今、日銀総裁としての立場ではなくお答えするんですが、私の記憶では当時の、一九九一年七月、財務担当の役員からの報告によれば補てんを受けたとの認識はないと、また補てんの定義もはっきりしないということであったと記憶しております。私自身は、市場のルールづくりの促進や正しい企業行動の末端までの徹底を図ることが同友会の使命であると考えて、当時代表幹事としての立場からその実現を目指したということでございます。  私の現在の立場に関しての御質問につきまして、そのときの理事会のことは私は今でも覚えておりますけれども、こういうことを申して理事の方々の御意見も伺ったわけですけれども、どうかそのまま、そういう状況のお取引であるならばどうぞそのまま理事を続けてくれと、代表幹事を続けてくれと言われたことを今でも記憶いたしております。

益田洋介公明

○益田洋介君 七月じゃなく、今おっしゃったのは八月一日の夕方、出張から帰って役員から初めて聞いたと、これが正しい日付です。  損失補てんといいますのは、総会屋の問題ですとか過剰接待事件、これは日銀にもございましたね、など現在我が国を取り巻いている一連の金融不祥事の一つなんです。こうした不祥事に関して責任者であられた方が今、公のお立場にお立ちになるのはいかがなものかと考えますが、いかがですか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私の現在の立場に関しましての御質問につきましては、私は、去る三月二十日、内閣から日銀総裁としての命を受けました。現在その任にあります以上、まずは日本銀行内部の立て直しを果たし内外の信認を回復していくと同時に、大変厳しい状況にある日本経済の立て直しのために微力ながらも全力を尽くしていかなければならないと考えております。

益田洋介公明

○益田洋介君 四月十日に日本銀行は職員に対する処分を行ったと発表しております。しかし、その後、大蔵省は四月二十七日、やはり処分の発表をいたしたわけでございますが、大蔵省の発表の内容は処分の対象者氏名、調査結果、結果の中身は処分の対象となった接待、頻度、金額などについて詳細にわたるものでございましたが、十日に発表された日銀は処分をしたという発表だけで、これらの氏名とか調査結果については一切発表していない。  私は、日銀が特に新日銀法のもとで出発している現在、国民はもっと日本銀行が透明度を持ったオーガナイゼーションであってもらいたいと、給与についてもそうでございますが、処分したなら処分内容をやはり国民の前に開示すべきであると考えますが、いかがですか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 日本銀行におきましては、これまで接待について明確なルールを設けてこなかったわけでございます。これは三月に入りまして新しいルールをつくり執務準則をつくったわけでございますが、それ以前のものにつきまして報告義務というのを課していなかったわけでございます。  このような中で、今回は過去五年間にわたって個々人の自己申告ベースに内部調査を実施して処分を行ったわけでございます。いわば遡求適用というようなことになるわけでございますけれども、ただいま申し上げたような事情から、調査内容については個々人の記憶に基づく部分も相当ございますほか処分自体も行為時点で明文化されていたルールに違反したといった性格のものとは言えない面がございます。そういったルールを持たなかったこと自体、確かに甘かったと言われればそのとおりであったかもしれません。そういう監督責任をとって総裁、副総裁が同時に辞任されたわけでございます。  私どもとしては、今回の処分の趣旨は、本人に対して過去の反省とともに、取引先金融機関との新しい接点のあり方を構築していく努力を促す点にあると位置づけておりまして、こうした趣旨で職務を行ったという事実によって今の私どもの考え方は十分尽くされたというふうに考えております。このような事情をお酌み取りの上、処分者の氏名及び個別の接待内容について明らかにすることは御容赦願いたいと思います。

益田洋介公明

○益田洋介君 成文化したルールがなかったから倫理観に反するようなことをしていいというものじゃないでしょう。反省の上に立って新たに出発するのであれば、なおさらのこと国民の前に情報を開示すべきだと思いますが、この点御検討願えますか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 繰り返しになりますが、日本銀行はこれまで接待について明確なルールを設けておりませんでした。今回の内部調査結果に基づく処分は自己申告ベースで本人の反省を強く促す趣旨から行ったものであります。そうした趣旨は今回の処分で十分尽くされたものと思っております。  なお、今回の調査に当たりましては、各人には内容を公表しないことを前提に自己申告してもらっているという事情もぜひ御理解いただきたいと思います。

益田洋介公明

○益田洋介君 ルールというのは書いてあるものだけがルールじゃない。社会人として生きていくためのルールというのはちゃんとある、規範というのは。だから、それは理由にならないわけです。  この問題だけかかわっていてもしようがないので、次回またお話し合いをしたいと思います。  兵庫県の第二地銀である阪神銀行と経営破綻をした旧兵庫銀行の営業を引き継いだみどり銀行は十五日、金曜日に九九年四月一日付で合併すると発表したわけでございますが、みどり銀行が抱える多額の不良債権を処理するために預金保険機構に対して六千億から一兆円の資金贈与を要請する見通しであると言われております。  これに対して、同日、十五日の夕方、日本銀行の安斎隆理事が日銀本店で記者会見をいたしました。そして、旧兵庫銀行の処理は当時の預金保険法の枠組みの中で精いっぱいやったつもりだったが、再建できずに債務超過に陥ったのは遺憾であると言って遺憾の意を表明したわけでございます。  このみどり銀行のわずか二年四カ月の経営の末の破綻については、当局の見通しの甘さが原因であるという見方がほとんどである。したがって、大蔵省と日銀の責任を問う声がこれから上がってくるでしょう。一兆円の国民の税金が今使われようとしている、また、簡単に。  ところで、私は、この委員会に先立ち、日銀から資料を出していただいた。日銀の保有している土地の総面積は全国で三十万坪。支店長宅の敷地の面積は、北は釧路から南は那覇支店長宅を含めて、四万三百七十八平方メートル、一万二千三百三十六坪。そして、東京の赤坂にあります氷川分館、これは三千六百三十坪、一万一千九百八十二平米。  私は、御提案申し上げたいのは、こうして国民の方の税金を右から左にどぶに捨てるような使い方をするのならば、日銀総裁、こうした資産を一部、保養施設や何かは別にしまして、売却していただけませんか。売却して国庫納付金に繰り入れるべきですよ。みどり銀行、その前の兵庫銀行の監督責任をやはり国民に対してきちっと明確にすべきだと思う。支店長宅のこの一万二千三百三十六坪という土地だけでも仮に坪百万としても百二十億円になる。氷川については、ホテルニュージャパンの売買実績からして、仮に坪万百万として百八十一億。支店長宅全部と氷川分館を売却しただけで三百億になる。これぐらいは国庫に返してくださいよ、国民の皆さんに。いかがですか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) まず、みどり銀行の見通し、十カ年で再建するという見通しが甘かったのではないかという点につきまして、先ほども久保委員から御質問があったわけでございますが、特に今のビッグバンとの関係からいけばおかしいじゃないかということは確かにあろうかと思います。しかし、これからの開かれた日本の中での、しかもグローバルな金融システムを守っていくということにつきましては、やはり信用をまず第一に考えて、そして健全な経営を、リストラをして金融機関が収益力を強化して自助努力を積み重ねていくということがまずもって重要であろうというふうに考えるわけでございます。  みどり銀行のケースは、阪神・淡路大震災からの復興を迅速に図るために、復興需要への対応と同地域における信用秩序維持の観点から設立されたもので、今回改めて預金保険の資金援助を仰ぐ事態となったことはまことに遺憾ではありますけれども、当時の預金保険の枠組みからいって十分な資金援助が実施できなかったといったようなこと、その後の被災地域の経済復興も当初期待したようには進まなかった、持っている資産の価値も下落していった、そういった事情を踏まえて、今、信用秩序の維持と地域経済の回復のために預金保険による支援のもとでみどり銀行を阪神銀行と吸収合併させて、県民銀行として再生させていくといったような意味で今回の措置がとられたのだというふうに思っております。  もう一つの、おっしゃいました日本銀行が持っておる支店長宅あるいは福利施設等を売却してはどうかという御意見でございますが、支店長宅はある程度必要なものかと思いますし、日本銀行の場合も始終転勤もございますし、あるいは地元のいろいろな諸会合を開いたりするようなこともございます。そのようなことから支店長宅というのはやはり必要かと思っておりますが、その他の福利施設あるいは使っていない土地につきましては今後徐々に売却をしていこうと思っておりますし、現に前年度もかなりの売却をいたしております。これらの売却益は納付金として国庫に納めていくことになるわけでございます。  先ほどちょっと触れられました氷川の分館のことにつきましては、これは外国の中央銀行のお偉方などが来られたとき、ここで会合したり話し合いをしたりすることに使っておるわけでございまして、非常に便利でもありますし、秘密を守るという点では非常に私どもとしては重宝に思っております。  七月の初めに東京でBISの十カ国の総裁の会議が開かれ、同時に東南アジアの中央銀行の総裁方もそのときに集まることになっておりますが、こういった場所としてはこの氷川寮以外にはちょっと考えられませんので、私どもはこれを使おうとして今予定をいたしております。  こういったことに使う意味で十分持っておる意味があるというふうに考えております。不要のものはなるたけおっしゃるように順次売却してまいりたいというふうに考えております。

益田洋介公明

○益田洋介君 支店長宅はぜひお売りください。そして、新たな買い主から賃貸でお借りください。現在、大阪の支店長宅、これは有名になった支店長宅ですけれども、周辺の家賃というのは月百五十万から二百万。新潟では五十万円だけれども、静岡では月九十万ぐらい。すっきりした形にして、そして賃貸でいいんですよ。  それから、現状はわからないんだけれども、これだけの資産価値のあるところに住まわせておいて、これは給与所得は申告しているんですか。支払い義務があるでしょう。僕は源泉徴収すべきだと思いますよ。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) もちろん、支店長宅を使うことについての利用に対してレンタル料を払ってもらっております。所得から差し引いております。

益田洋介公明

○益田洋介君 それじゃ各支店に幾ら払ってもらっているのか、一覧表を出してください。  それから、氷川分館については、これは保養施設じゃないんです。宴会をするところなんです。だから、これも売却して、そしてそういう外国の賓客が来たときはどこかホテルでも使えばいいじゃないですか。迎賓館は使えないにしても、それなりのホテルを使えるじゃないですか。お金を払うんですよ、その都度。提案をしておきます。  先ほど、ホテルニュージャパンの売買実績が仮に五百万としてと言いましたが、これは訂正させていただきます。一千五百万から一千七百万。とすると、坪一千五百万としても五百四十億。氷川分館の五百四十億、支店長宅の百二十億を加えて六百六十億。千七百万でもし売却できたとしたら氷川分館だけで六百十億。支店長宅を全部処分して百二十億ですから、合わせて七百三十億、これだけ国民に返せるんですよ。いかがですか、再度御検討願えませんか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 先ほど申し上げましたように、支店長宅及び今時に御指摘のございました氷川分館につきましては、私どもの任務遂行上必要だというふうに考えております。

益田洋介公明

○益田洋介君 終わります。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 大臣、きょうは個別の法案ではなくて金融改革を総括的にお伺いさせてもらいます。  だれ言うともなく、金融改革のことをビッグバンと呼んでおります。金融に関することはその筋の者でないと実感に乏しいし、門外漢の者にはなかなかわかりにくいものなんですね。そこで、きょうは改めてわかりやすく、ずぶの素人にもわかるように納得のいく解説をしてもらいたい。  いわゆる金融改革のことをなぜビッグバンと言うんですか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) ビッグバンといいますものは、もともとは天文学で宇宙発生の原因となった大爆発を意味する、そういう言葉でございます。  一九八六年にイギリスで証券分野の改革が行われました。株式売買委託手数料の自由化等を初めとした証券分野の改革でございますが、これが英国市場の再生という意味からビッグバンというふうに呼ばれたわけでございます。こうした由来になぞらえまして、我が国の金融システム改革というものもしばしば日本版ビッグバンというふうに称されるわけでございますが、  ただ、我が国の今御提案している改革は、二十一世紀の少子・高齢化社会を展望して、そういう社会においても活力を維持していくために国民によりよい資産運用と資金調達の道を提供するということを目的といたしまして、イギリスのように証券分野だけではなくて、銀行、保険、さらにはこの四月一日から改正になりました外為法、外国為替あるいは会計制度といったより広範な分野の抜本的な改革を行うものでありまして、いわば英国のビッグバンよりも広がりを持つものというふうに言えるのではないかというふうに思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 一問一答をやっているんだから簡単に答えてください。宇宙の話なんか「たけしの万物創世紀」みたいな話を聞いてもしようがない。  日本資本主義というのは実体経済の面では早い時期から原則自由化されておりましたね。ところが、金融政策だけはなぜか政府の統制下に置かれた。政府主導の閉鎖的な金融政策がとられてきた。統制というのは裏を返せば保護ということでありまして、それがいわば護送船団などと言われて金融機関、銀行の甘えの構造を生んで、ひいては今日の全般的な危機につながっておるという論調がしきりですね。  実体経済と金融政策の乖離というのはなぜ生じておったのか、すなわち片や自由化、片や統制というちぐはぐなのがどうして生じておったのかそれをなぜ続けてきたのかその根拠を聞かせてください。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) これは金融にやや特徴的なことだと思いますが、預金者の保護、信用秩序の維持という命題があります。金融機関をつぶさない、できるだけしっかりさせるということで実現しようとしてきた歴史がございます。  そうすると、勢いそこが漸進的な自由化と。漸進的な自由化になりますと、だんだんみんな横並び意識が出てくる。今、反省して考えますと、そういうことかなという感じがいたしております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 歴史を言うのであれば私もちょっとお伺い申し上げます。  金融行政の淵源をたどりますと、三〇年代の恐慌のときには金融を政府が一手に握っていわば不況脱出を図ったんですね。ところが、平成の大不況のときには、今度は逆に政府は金融は野放しにして、どうぞ御自由にといって不況脱出を図ろうとしていますね。この違いはどこにあるんですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) これはやはり歴史として、自由化の流れの中で起きたいろいろな混乱、それはやはりマーケットの原理というものを無視してはできないということで手法が違ったのだろうというふうに思うわけであります。  昭和初年のやり方というものと今回のいろいろなシステムをつくってセーフティーネットをしっかりするというのは、手法としてやや違ってくるというのはやむを得ないことだろうと思うわけでございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 それはあなたの言うように時代が違うんだといってしまえばそれだけの話だけれども、バブルがはじけて世界同時不況が重なって日本経済は重症とも思える深刻な不況の最中にあるわけですね。    〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕  そのときに、逆に言えば日本経済の体力が一番弱まっているときに競争原理を基本とするこの金融改革を行う、言いかえればまだ病人に重荷を背負わせるようなこういう政策選択というのはどこから出てきたんですか。この辺はどうですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 確かに志苫先生のおっしゃるような御指摘をたくさん受けるわけでございますが、ただこの金融システム改革は待ったなしの状態にあるわけでございます。これをやりませんと東京マーケット自体が衰退する、金融業自体が弱くなると。これは確かに不況期ではなかなか苦労がより伴うという面は私も先生と同じですけれども、しかしやらざるを得ないという状況だというふうに考えております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 いやいや、論争していてもしようがない。待ったなしの事態というのは九六年十一月、橋本総理の指示で始まったんじゃないんです。待ったなしの事態はその前からもあったんです。  九六年十一月に橋本さんから法務大臣と大蔵大臣に金融改革の指示がおりた、これが日本ビッグバンの始まりのようでありますが、それは橋本内閣が唱える六つの改革と軌を一にしているものであります。ところが、それからなぜか金融機関の破綻が相次いで、これに関連をする生産、流通、消費の各分野にもその波が及んでリストラ、倒産の大波になって失業という見なれた景色になっちゃった、未曾有の失業を記録して世界に冠たる雇用帝国はまさに終えんに近づいておる、これがビッグバン、いわば金融改革導入後の偽らざる姿なんです。  ビッグバン開始以来の金融機関及びこれと関連をする企業の倒産、解雇人員などのデータ、すなわち雇用事情を少し語ってくれますか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 必ずしもビッグバンで破綻がふえ雇用喪失がふえたというふうには思っておりません。  これは、不良債権問題のやはり最後のしわは金融機関のバランスシートに帰着してしまうというところ、ゼネコン等のバランスシート上も問題はありますけれども、やはりそういったところの最終的な処理がどうしてもある一定期間後に集中的に来るというところにぶつかってしまったということもあろうかと思います。したがいまして、八年十一月以降、預金取扱金融機関で四十一金融機関が、私にとってみると大変残念なことですが、経営破綻に陥ってしまいました。証券会社については六社でございます。したがって、その関係からいいますと、雇用の問題にもやはり影響があると言わざるを得ませんが、しかし私どもがこういった破綻処理をさせていただく際にもできるだけ受け皿の金融機関を見つけ、そこで雇用もできるだけ確保していただきたいというようなことを個別に努力はいたしております。十分かどうかの御批判はいろいろあると思いますけれども、そういった形でやらせていただいております。  ただ、雇用の関係からいいますと、この破綻の問題に限らず、最近非常にリストラということで雇用問題にいろいろな影響があるという御指摘もあります。これは短期的にはそういうことも避けられませんが、中長期的に見ればこれを乗り越えないと本当に全体が下降のまま行ってしまうという恐れをなすからでございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 局長、私は別に政策の失敗があったと決めつけているわけじゃないんですが、しかしどうも役人というのは自分のやったことだけは間違いないと思って一生懸命弁解するけれども、素直にそうだったかなとたまには考えてみなさいよ。  不景気のど真ん中で歳出の削減を図るような財政構造改革法が出たのは去年の十一月ですね。その十一月に、今もちょっとお話があったけれども、三洋、拓銀、山一、徳陽、このビッグビジネスが一週間に一つずつつぶれていったでしょう。毎週一つずつつぶれたんです。これがビッグバン導入と符合しないわけでもないですよ、そう言うけれども。  ビッグバンの由来を先ほど言いましたが、私も尋ねてみますと、七〇年代に双子の赤字に悩んでおったアメリカが実体経済の自由化、政府の金融統制という二本立ての経済システムの見直しを迫られて金融の自由化に踏み切った、これが七五年の五月の一日なのでアメリカではメーデーと言っているそうです、金融改革のことを。金融を自由市場に任せて政府はコントロールしないということになったら、お金は現金なものでありまして、アメリカの高い金利の方にどんどんシフトして、海の向こうの目と鼻の先のロンドンが空っぽになっちゃった。そこで登場してきたのがあのサッチャーさん。彼女は鉄の女らしく直ちに金融の自由化を決断する。政府の統制をなくして証券の規制を取っ払う。ロンドンの中心、シティには金が戻ったけれども、世界の有力銀行や証券会社が集まって乱戦状態になってしまった、これをビッグバンと言うんだそうですが、当時イギリスには証券会社が四十ぐらいあったんだけれども、ビッグバンでほとんどつぶれてしまってなくなったと。今残っておるのはたった一つ。主役はアメリカの銀行、ドイツの証券会社、イギリスの保険会社だそうですね。肝心のイギリスの証券会社は徹底的に整理されてしまった、これをウィンブルドン状況と呼んでいるそうですね。ウィンブルドンというのはロンドンにあって国際的に有名なテニスの国際試合ですけれども、そこで競技しているのは外国の選手ばかりで肝心のイギリスの選手はいない、これをウインブルドン状況だと。  日本だってそのうちに日本選手は郵便局だけになりますよ、あなた。銀行はみんな外国の選手、こういう実態がもう目の前に見えているんじゃないかな。  日本版ビッグバンではウィンブルドン状況は起きないんですか。この点はどうでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) ビッグバン以前のロンドン市場というものは、国内の証券会社の主体というのが資本力の小さい個人経営業者でありまして、ビッグバンによりましてロンドン市場の魅力が高まったことによりまして特に国際的な取引が飛躍的に高まっていく、そういう中で外資系企業がロンドン市場に進出する方法としてこうしたイギリスの個人経営業者を買収する現象というものが生じたところでございます。  他方、我が国の場合には既に巨額の国内金融資産というものを抱えております。また、資本力の大きい国内証券業者が活動しておりまして、改革を行う背景等がイギリスとは異なるのではないか、我が国市場の魅力が高まることによりまして国際的な取引もふえて外資系企業の進出が拡大することはありましても、いわゆるウィンブルドン化のような状況には我が国の場合にはならないのではないか、ちょっとイギリスとは事情が違うのではないのかなというふうに考えております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 既にシティバンクとかメリルリンチというようなアメリカの金融機関の進出が著しいじゃないですか。そのシティバンクは五、六%の外貨資金を集めて、外為法の改正も手伝って九六年一月の一カ月だけで日本の銀行から外国の銀行へ、つまり日本から外国へ十兆円の資金が流れるというじゃないですか。そういう気力は皆さんにはないんですか。  日曜日の日経求人広告を見ますと、外国の銀行、証券の求人広告がひしめいておる。日本の企業の約二倍の賃金で有能な人材を求めておる。皮肉なものですね。日本の政策で日本の金融機関がつぶれたら、外国の資本が雇っておるというんだ。何か日本人の失業救済みたいなことをやっていますね。  さっきビッグバンのせいだけじゃないと言っていたけれども、順序や準備が間違っているんじゃないかという気もするので私は言っておるんです。例えば、外為法の改正を先にやったでしょう。あれだけで物すごく外へ金が流れていっちゃったんじゃないですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 外為法の改正で、その後の動きについて今資料を手元に持っておりませんが、たまたまシティバンクの例を挙げられましたので、その銀行で四月になって急に預金がふえたかどうかというのを聞いてみたのでございますけれども、それほど目立った変化ではないと。数字を具体的に見ませんと本当のことかどうかわかりませんが、そういうことを言っておりました。  マスコミ等では四月一日から大変な資本投機等が起きるように言っておりますけれども、実際そうなっておりますかどうか、やや私は疑問視しておる次第でございます。ただ、まだ統計等がございませんので確たることは申し上げられません。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 あと数年のうちに金融・証券業界の地図は塗りかえられてしまうんじゃないかなというふうに心配をします。二〇〇一年までに金融の大変動と大混乱が予想されるという気がいたします。株式の不況で手数料収益は減るし、今申し上げた金融、証券、保険の大乱戦で押しなべてリストラや倒産が起きてくるだろうと。  そればかりじゃない。消費者の側から見ますと、銀行や証券、保険会社とのつき合い方も難しくなるんです。この会社はつぶれるんだろうか、大丈夫だろうかという見きわめが必要になりますね。金融機関も効率を考えればなるべく大口の扱いをしたい、したがって小口の利用者は相手にしない、そういう可能性だってある。一律にサービスがよくなるとは限らない。手数料も高くなる。現にシティバンクは三十万円以上の預金者でないと口座管理料というのを一万円取るそうですね。余り小口の金を預けると手数ばかりかかって嫌だというんですね。  また、銀行、証券の相互参入で消費者は何を選べばいいのか迷いますね。安全な選択に頭を痛める。そこへベテランの営業マンがチョウネクタイかなんかつけてやってきて、コンピューターを片手にハイカラな商品の売り込みをすると苦もなくやられてしまう。大やけどをする消費者が続出するでしょうね。  イギリスではこうした消費者を保護するために金融サービス法が制定されておりますが、日本の場合にはその用意は必要ないんですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 現在の我が国の法体系は基本的には業法の形を主としてとっております。銀行法、証取法、保険業法、それからノンバンクに関する法律、いろいろあります。そういった縦割りの中でやるべきことはきっちりやってほしいということで、それをやることによって消費者も保護するという考え方でございます。  商品がいろんな形に組み合わされてくると、今度は横でひとつ考えるべきだという意見が現に出てきております。私ども中期的課題としてこれは検討すべきだと思いますが、ただイギリスのように縦がなくて横だけというところと違いまして、アメリカも縦の業法でやっています。どちらがそういった目的をより達成し得るのか、エンフォースメント、その実効性、どういう形が一番いいかという問題もあります。これは私どももこれから真剣に考えていきたいというふうに思っております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 なかなかあなたの答弁もつき合いにくいな。自由にするかと思うと、きっちり押さえるところは押さえておると言うんだから規制緩和をしておるのか規制を続けるのかわからぬじゃないですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 規制を緩和しますのは、基本的には業態間の垣根の問題とか、あれをやってはいけない、これをやってはいけないという業界の問題でございます。私どもの行政の力点もだんだんそういう業界とともに今度は利用者の側、消費者の側というような視点もあります。その際にはむしろ規制というものが必要な場合もおると思います。それは志苫先生のおっしゃっている考え方を政策的に反映していきますと、そういった必要な規制は残す、あるいはつくらなければならないという動きだと思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 我々も、自由化は結構だが社会的公正を確保するという規制はちゃんとやりなさいという主張ですから、それはそれで構わないんです。    〔理事楢崎泰昌君退席、委員長着席〕  大臣、そろそろ時間もなくなりましたのでまとめてお伺いしますが、このビッグバンで日本経済は改革をされて成長の軌道に乗りますか。あべこべに首つりの足を引っ張るような役割を果たすことにならないか、所見を伺っておきましょうか。言うまでもないが、お隣の国では経済運営を誤った大蔵大臣の訴追が論じられておりますね。いや、あなたがそうだというんじゃないですけれども、この際やっぱり所見を伺っておく方がよろしいかと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほどから先生の話を聞いておりまして、国内だけじゃなくして世界的な自由競争の時代に入ったという事実は、これは認めざるを得ないと思うんです。もし日本だけが外国企業の参入等を阻止しておりますというと、必ずWTOその他の会合で日本は閉鎖的だとずっとやられてきたわけであります。しかも、日本という国は自由貿易で生きてきた国でございますから、貿易の中には物の貿易、お金の貿易、その他すべて経済活動は自由という原則の世界になりました。したがって、例えば日本の国内で証券業をやっている国内会社、保険業をやっている国内会社、銀行をやっている国内会社、それ以外は、アメリカさんだめよ、英国だめよといってもそれは通らない時代になってまいりました。  そういたしますと、やはり世界的な自由競争というルールを我が国も取り入れてやっていかざるを得ないという世の中になったと私は思います。そしてまた、国内の経済活動を活性化させていくためには、やはり規制は緩和して、そして自由な競争を促進する、それが消費者の利益につながる、そういうことで自由化、規制撤廃というのがなされる時代になってきたというふうに私は思います。  今度のいわゆる金融ビッグバンというのは、しばしば総理も本会議等で答弁しておりますが、要するに日本国民は長年の勤労で千二百兆という金融資産を持っている、その金融資産のほとんど、六割ぐらいが預金または生命保険だと。しかも預金などはほとんどたんす預金と余り変わらないような利息しかもらえない。  そこで、このビッグバンをやることによって個人の持っている金融資産をより有利に運用するというチャンスが広がる、選択肢が広がる。それは汗を流して働いた人、小金を持っていらっしゃる人の利益になる。一方、金融市場が活性化してくれば新しい事業を始めようとする人も、今までのように銀行を通じて資金を調達するということだけじゃなくして、直接社債を発行するとか、あるいはまた他の方法で資金を調達できると。そういったことで小金を持っておる者にとっても、あるいはまた新しい事業を始めようとするいわゆるベンチャー企業にとってもそれはプラスになるということで、そういった活動を通じて日本の経済が全体として活性化してくる、こういったことでお願いしておるというふうに私は承知しておるわけであります。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 今、この規制緩和と自己責任原則というお題目が日本の社会の隅々を覆い尽くしておるときに私みたいなこれに異を唱える人間は守旧派として大体どこかへつまみ出されてしまうんだな、本当に。だけれども、言っておきたいのは、規制緩和の本質というのは、すべて市場に任しておけばすべてうまくいくという、弱者も強者も一切の区別は必要がない、市場競争原理だけが経済の原則だという考え方では社会の公正を必ずしも確保できないから、それに対して懸念を述べているんです。これは間違えないようにしてくださいよ。あのやろうは失敬だなと思ってもらってもいいですけれども、それだけはぜひ最後に申し上げて、きょうの質問を終わります。  ありがとうございました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。  今回の法案は膨大な内容ですのでたくさん議論すべき問題があるということで、具体的問題はじっくりとまた改めてということで、きょうは限られた時間で総論的に伺いたいと思います。  今、大臣が言われたように、政府は、今回の金融システムの改革法案を出した理由といいますか目的としまして、千二百兆円の国民の金融資産がより有利に運用されること、それから産業へ円滑に資金が供給されること、さらには金融が経済の動脈として機能して活性化につながっていくというようなことをるる述べられてきたと思うんです。  つまり、このことは、政府は今、日本の金融はこれらと正反対というのか、あるいはそういうこととは異なる状況にある、だから改革なんだということを認めていらっしゃるのかなと思うんですけれども、だとすれば日本の金融がどうしてこのような、つまり改革を必要とするような不正常というかそういう大変な状況になったとお考えなのかまずその認識を伺いたいと思うんですが、どうでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 実は日本だけじゃないんですね。諸外国もかつては日本に似たような制度であったと思うんです。それが今から十年前、十五年前、そういう時期に規制緩和をし、自由競争を促進するという政策をとってきたんだと思うんです。その結果、英国でも停滞しておった金融市場が元気を出してきた、アメリカもやはり規制緩和をさらにやったために経済も活性化してきた、こういうことが世界の歴史だろうと思うんです。  日本の場合には、やはり一国の中だけで、日本人の昔からの民族性かもしれませんが、勝つか負けるかというのじゃなくして、仲よく協調してやっていこうやというのがずっと日本人の特色でした。そういう中で一応はうまくやってこれたと思うんです。  しかし、世界的に見れば自由貿易の時代でございますから、したがって外国の企業の経済的な日本への参入を阻止することはできない時代になってまいりました。そうすると、日本の企業は国内的な競争だけじゃなくして国際的な競争をしなきゃならぬという時代になってまいりました。そういう新しい時代に対応するためには、やはり日本の企業も競争を通じてより強くなって、そして外国の企業とも対等に競争できるような状態になることが望ましい。そういうふうになるのは、やはり自由競争の中で鍛えられて初めてそういう大きな企業になっていくチャンスができるんじゃなかろうか、そういう時代になってきたと思うんですね。もう少し前になっておったかもしれません。したがって、もう待ったなしで自由化、規制撤廃をやらなきゃならぬ、こういう時代になってきて、そして世界の仕組みと同じような仕組みを日本の国内でも導入することが日本の経済の活性化になる、こういったことで法案の審議をお願いしているのでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 待ったなしたと今まであたかも鎖国状態に日本の金融があったみたいに言われると困るんですけれども、そういうことじゃないと思うんです。私は、外国もやるから日本もやるというのじゃなくて、日本の金融に改革が必要とされている日本の金融の問題というのがあって、そしてそれが解決されることが本当に大事だと思うんですよ。  今、日本の金融が重大な状態に陥って、そして求められている役割を十分果たしていない。そこには、この間も議論がありましたけれども、具体的な分析が必要だと。最近の具体的な計画を見ますと、何よりもバブルのときに金融機関が土地や株式など投機的資金を無制限に供給した、それからバブル崩壊後どうかというと、膨大な不良債権が膨れ上がったのにこれを塩漬け状態にして、そのままでみずからの責任で処理しないで公的資金に頼る、そしてさらになおかつ貸し渋りや資金回収までやる、そういう日本の金融、そして経営のあり方というのが金融行政の問題と相まって国民や投資家から不信を招いて十分機能を果たしていないということ自身を見ないといけないし、それは経過と結果がはっきり示していると思うんですね。  私は、今日、金融の改革というのは、改革という意味では必要だと。しかし、それを本当に変えようとするならば、つまり日本の金融が再び本来の機能を回復して国民の預貯金を安全有利に活用されて、そして社会の動脈としての役割を果たすふうにしようとするならば、やはり今申し上げたような原因そのものに対してメスを入れない限り、これは本当に改革になっていかないんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今の日本の金融機関、なかんずく銀行等が不良債権をたくさん抱えた状態、これは大問題として冒頭楢崎先生から質問があったときに申し上げたわけでありますが、これは本当の意味の不良債権の処理、これを大至急やることが日本の金融機関を強化する道だというふうに思います。金融機関自身が力を持たないというと実は貸し出しの本当の力もつかぬわけでありますから、貸し出しの力を持っていない金融機関ばかりそろっておっては資金を必要とする企業というものがその資金を手にすることはできません。それでは民間の経済活動は少しも活性化してきません。そういう意味で、この委員会の始まり、一番最初に御質問なさった楢崎先生の質問にお答えを申し上げましたとおりに、我々は急いで金融機関の不良債権の処理、本当の処理を促進するようにやっていきたいと、こう考えているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 具体的にやられている不良債権の処理というのは、やり方はどうするかは別として、これはきちっと解決するということは当然あると思うんですよ。ただ私は、現象的にと言うと語弊があるかもしれませんが、そういう問題を結局外科的手術というか、外からもいろんなことでやって手術するということで一たんは解決したように見えるかもしれない、しかしそういうことで本当に日本の金融の健全なあり方、本当の意味の改革ができるかというと、そうはなっていない、ならないということだと思うんですよ。肝心なのは、バブルのときの乱脈融資にしろバブル崩壊後の貸し渋りの問題にしろ、金融機関というのがその本来の公共性といいますか社会的責任といいますか、そういうことに背を向けて収益拡大を最優先するような経営を追求してきた結果として今の問題があるし、機能が十分果たせていないという問題があるんだということだと思うんです。そこがはっきりしていると思うので、私はその点に本当に本格的に根本的な治療といいますか、それをしない限り改革ということにはなっていかないんじゃないかということを思うわけであります。  私は、そういう点でいえば、金融に本来の機能を発揮させるには、つまり自由な市場のあるがままに任せる、そしてそれを結局金融行政も一緒に助けていくという方向ではなくて、金融機関に公共性とか社会的責任を自覚させてその立場から必要な規制は強化する、先ほど議論もありましたけれども、それこそやっぱり必要だし、改革というならば今の根本にメスを入れながらそういうことをきちっとやることなんじゃないかと思うんですけれども、そういう点はいかがですか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 先生が御主張されていることも理解はできるのでございますが、私どもはこの金融システム改革をもう少し違った視点でとらえたいという気持ちもあるわけでございます。  それは、まず私どもの個人の金融資産の運用というものを本当に効率的にやっていただいているんだろうかと。例えば、私ども年金を積み立てています。これが本当に最大限に運用されているだろうかと。逆に今度は企業から見ますと、いつでも必要な資金が取れるような市場ができているだろうかと、それが二つ目だと思います。三つ目は、市場間の競争でだれが一番もうかる、おいしいところのマネジネントをするか、これは競争の問題です。それから、やはり産業としての金融業というのも育ってもらわないと、我が国にとって、金融というのは私は千二百兆をバックにしていれば伸びていく可能性のある産業だと思うんです。そういう観点からもこの金融システム改革がある。それからもう一つ、円の国際化ということがある。円という通貨をしっかりしたものにするためにはマーケットで円が非常に使いやすいものでなきゃならないというふうに思うわけです。最後に、経済のインフラとしての金融が本当に機能する。  いろいろ申し上げましたけれども、そういった広い意味でこの金融システムの改革というのを目指したいというふうに考えておるわけでございます。先生のおっしゃいます社会的な責任という言葉も言い方をかえれば私が申し上げているようなことを示しておるのかと思いますけれども、そういう感じでマーケットという非常に自由な市場の中でもってそういったものが達成されていくということを私どもは念願しているわけでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 いろいろ言われましたけれども、おっしゃっているのを伺いますと、結局市場に任せていくことによってそういう問題も正されていくということになるのかなと思うんですけれども、ちょっとそこのところは大いに議論していかないといけない問題だと思うんです。  私は、金融に対する信頼を回復する、その点での改革をきちっとやらない限りその先の話ができないし、そこのところは銀行法に基づいたきちっとした改革というのを大いに進めるということが前提になると思います。そうしますと、やっぱり公共性、社会的責任ということがもっともっとこの点では強調されなきゃいけないし、本法案はそれに対してどうかと見ますと、要するに規制緩和と自由化を通じて結局正されていくんだということなんですけれども、その点でフリー、フェア、グローバルということなんですけれども、グローバルスタンダードとおっしゃいますけれども、じゃそれが本当にそうかという問題も出てくると思うんですよ。  もう時間が来ておりますので最後にしますけれども、例えば今まさに浮上している金融機関の不良債権の本格的な処理問題、この問題を見ましても、これはいろいろ議論したいと思うんですが、一方ではフリー、フェア、グローバルのビッグバンを進めると言いながら、結局は公的資金による三十兆円の銀行支援を本格的に投入するということがこの中で行われるならば、これ自身は政府が言われるビッグバンということから見ても大いなる矛盾じゃないかと思うんですけれども、その点を最後に伺っておきたいと思うんですが、どうでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) いわゆるビッグバンを進める際のいろいろな形のシステムの構築、セーフティーネットを含めたそうした構築というものが、備えがあっていろいろなことが思い切ってできるんだろうというふうに思うわけでございます。これは今国会の冒頭にもいろいろ御議論を賜ったときにるる申し上げた考え方でございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 今はお答えが直接的じゃなかったような気もするんですが、やはり大いなる矛盾というか世界に通用しないような異常はそのままにしながら、それから銀行と大蔵・日銀幹部職員の癒着もしかりですけれども、そういう意味ではフェアともほど遠い状況もあると。結局、残るのはフリーというのが残って、それだけが残って、フリーにしていけばうまくいくんだと言わんばかりの話に私は非常に受けとめられるような状況があるということで、これは大いに具体的問題点を通じながら今後の審議の中で伺っていきたいということで今後の質疑につなげまして、きょうは終わりたいと思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 私は、今回の金融ビッグバンについて幾つかの重要なキーワードがあると思っております。一つは、これは利用者の利益をまず第一に考える。それから二番目に、そのために規制緩和で経済活動の自由化を進め競争を促進すること。三番目に、そのためには情報は開示して自己責任原則を徹底。これは重要なことですね。それから四番目に、横並びや護送船団方式と言われる保護行政をやめさせること。それから、行政ルールをつくって透明性を確保し、できるだけ裁量行政をやめること。問題の先送りはしないこと。こういう六つの重要なキーワードがあると思っているんです。  それで私は、きょうは特に保険契約者保護機構、この問題に特化して今のキーワードと取り合わせて御質問したいと思うんですが、そういう観点で申し上げますと、今度の保険契約者保護機構の創設について非常に疑問を抱かざるを得ないことが多々あるんです。それで、その問題についてお伺いしたいんです。  まず、今度の場合は生保だけじゃなくて保険会社の相互扶助的なシステムになっているわけですね。もう既に保険者は国民のほぼ九〇%というのが加入しているわけですから、問題が起こったときに全体での相互負担といいますか、端的に言えば公的資金の導入を図って契約者を保護する、こういうことが本来であるべきなのに今度の制度は保険会社が相互扶助するというようなシステムになっておる、そこのところに一つの疑問があるわけでございますけれども、どうお考えなのかお答え願いたいと思います。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) なかなか難しい問題でございます。  御案内のとおり、現在の保険業法上の基金は、これは任意に参加した保険会社の相互扶助によって救済保険会社があらわれた場合に資金援助するというシステムでございます。しかし、昨年、日産生命の破綻がございまして、受け皿となる救済保険会社が常に出てくるとは限らないということでございますので、今般御審議をお願い申し上げている制度では、全社を強制加入していただきまして受け皿としての支払い保証機構を設け、保険契約者の保護を確実なものにするということでございます。  そして、このような契約者保護のスキームとして、だれがどのように負担するかということになるわけでございますが、まず銀行の預金保険あるいは銀行の預金者保護との違いで申し上げれば、保険会社は銀行と異なりまして決済機能そのものは持っておりません。確かに、国民の経済生活を保障するという機能を担っておりますし、預かり資産が今御案内のように生命保険ですと家計の九〇%以上入っておりまして、個人貯蓄の約四分の一が生命保険で占められているということでございますので保険会社の破綻が生じた場合には大変大きな影響が出てまいるわけですが、やはりいきなり公的に支えるということにつきましては預金あるいは銀行システムとは異なるのではないかというふうに考えられるわけでございます。  そういうことで、今回の支払い保証機構も、基本的には保険会社間の相互扶助と申しますか、拠出する負担金で支える、それはとりもなおさず保険会社全体あるいは保険商品全体に対する信頼を確保することになりますので、その利益といいますか支払い保証機構の利益は全保険会社に均てんされるものではないかということからいわゆる相互扶助的な制度にさせていただいているわけでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 ちょっと具体的な問題に入りたいと思うんですが、今度の制度によりますと、いわゆる生保は十年間に四千六百億ですか、積み立てるわけですね。そのほかに日産生命の債務、これが二千三百億。そうすると、合計で六千九百億になるわけですよね。一年間に六百九十億ずつ積み立てていかなくちゃならない。それから、二〇〇一年からは年に四百億でいいというような形になっているわけですけれども、その根拠がはっきりしていないわけですよ。それはどういう根拠でこの金額になったのか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 積み立てる規模、限度額についてのお尋ねでございます。  これは、できるだけ手厚くしなければならないという要請もございますが、他方で保険会社の共倒れといいますか健全な保険会社の維持ということも重要でございます。そこで、今後今回の契約者保護機構の必要資金がどれくらいになるかということになりますと、現時点で予測することは困難でございますので、あくまで制度創設に当たっての考え方といたしましては、今後十年間という期間をまず念頭に置きまして、複数の破綻が起きた場合にも対応できるようにということで、大体業界の平均規模の生命保険会社が複数破綻しても耐えられるようにということで十年間で四千億円程度の必要な資金を考えているわけでございまして、これを目安に事前積み立て限度にしてはいかがかというふうに考えているわけでございます。  それから、今御指摘ございましたが、二〇〇一年までは預金者保護も手厚くされておりますので、同様に経過期間ということで保険会社の契約者につきましても手厚い保護を行う必要がございまして、詳細は今申し上げませんが、その経過期間中にさらに手厚くするための追加所要額がございます。それが約六百億円程度ではないかということでございまして、そういうものを合わせますと追加必要資金額も含めまして四千六百億円程度が考えられるということでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 一つ問題があるのは、保険会社のそれぞれの負担割合のいわゆる基準がないんですよね。恐らく政府としてはこれが成立した暁に一つの基準をつくるんだろうと思うんですけれども、不思議なのは大きい会社ほど多分負担が大きくなると思うんですね。それはほぼ間違いない。そうすると、一生懸命やってリスクの少ない会社が実は負担金が多くて、そうでない会社が実は負担金が少ないという矛盾が生じませんか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 今御指摘のとおり、本法案におきまして各保険会社の負担金をどう算出するかにつきましては、法令上はまず収入保険料、毎年のフローの概念ですが、この収入保険料の額にある負担率を乗じて算出した額と各社の責任準備金、ストックでございますが、その責任準備金等の額にまたある負担率を乗じて得た額の合計額ということで算出する、そこまでが法令上の規定でございますが、負担金率をどう定めるか自体につきましては、今後、制度ができた暁に支払い保証機構が総会の議決を経て定めるということになっておりますので、会社の規模に応じでどのような負担金率を決めていくかについては機構の方でまたよく御議論いただくということになろうかと思います。  そして、今の御指摘で、もし逆に大変リスクの多い会社の方にむしろ負担を多くさせるべきだということになりますと、預金保険なんかでも同様でございますけれども、やはりそれは制度の趣旨からいいまして、保険契約者に信頼を与えるという意味でいいますと、逆な負担金率、危ないものほど高くということになりますとかえって問題が生じるのではないかということで、やはり大手の方が多い負担になることが自然ではないかと思うわけでございます。  ちなみに、現行法の契約者保護基金も大体今申し上げたような収入保険料と責任準備金にそれぞれある率を掛けたもので保護基金の分担金も定めておりまして、日産生命についてもそのような負担が行われているということでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 二〇〇一年までは政府保証または日銀借り入れが行われるというシステムになっているわけですけれども、日産生命に続いてうわさされる生保が何社かあるわけですよね。こういうものはやっぱり予想されていますか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 先ほど必要資金額について四千億円程度用意しておけばよろしいのではないかというふうに申し上げましたが、あくまでこれは仮定の一つの考え方でございまして、現実にそのような破綻が生じるという想定のもとにそういう金額をはじいているわけではございません。  それから、今、委員御指摘のように、生命保険会社をめぐる経営環境は大変厳しゅうございまして、片方で普及率がほとんど飽和状態にある、他方で集まってきた保険料の運用が大変な逆ざやを抱えているということでございますが、そういう一般的な環境は大変厳しゅうございますが、各社ともこの数年その辺の厳しい状況をよく踏まえまして、特に最近では今まで総合会社で最も手薄でした自己資金、自己資本でございますね、資本金に当たる資金の増強にも励んでおりますし、リストラもかなり進めているということでございますので、これから何社か危ないのではないかというお尋ねにつきましては、今現在そのような懸念は持っておらないということでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それは当然のことですが、ただ一定の限度というのは設けてはあるんだけれども、もしこの制度でいくと、相次ぐ破綻が起きた場合に残った保険会社はいわゆる四千六百億、日産生命の分を入れれば六千九百億、これに達するまで残ったやつが全部負担していかなくちゃならないわけですよ。やっぱり理論的には青天井ということになりかねませんね。それは重大な憲法違反じゃないかという論が保険審議会で出たはずなんですけれども、出たでしょう。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 憲法違反という言葉までは記憶しておりませんが、保険会社の方の負担が際限なく増大するのではないかという懸念を表明された委員の方もいらっしゃいました。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それについて、この法案をおつくりになって、そこのところが一番ポイントになると思うんですけれども、これをどう解決していこうとなさっておられるのかを最後にお聞きして、私の質問を終わります。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(福田誠君) 大変難しい問題でございます。支払い保証機構を支える保険会社の方の経営の健全性を確保するということも大変重要でございます。そういうことを考えますと、例えば保険会社の拠出金が青天井になることを防ぐために累積限度額のようなものを設けてはどうかというような御意見もございました。  しかしながら、仮にあるところまで来たらそれ以上は負担しないというような意味での累積限度額を設けますと、その限度を超えた時点で保険会社の破綻が起きますと契約者の保護が図れなくなるというジレンマになるわけでございます。特に、制度が発足して早い時期に破綻した保険会社の契約者は保護されて、その後は打ちどめになってしまうというようなことがあっても困るわけでございます。そういう意味で、借り入れ機能とかいろんなものを付与しているわけでございますが、今御指摘の、しかしそれでは青天井でいいのかということにつきましては、御審議いただいている法案の中に見直し条項というものが入っておりまして、この支払い保証機構のような制度の実施状況、そして保険会社の経営の健全性の状況等にかんがみて必要と認めるときには制度の見直しなど保険業の信頼性の維持を図るために必要と思われるあらゆる措置を検討の上、所要の措置を講ずることとするというような規定がございまして、今どのような事態が生じるか予測しかねるわけですが、万が一そのような負担に耐えられないような破綻が相次いだ場合には、この見直し条項を発動して適切な措置を講ずるということになっているわけでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 終わります。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 御提案の金融システム改革のための関係法案の整備でございますが、金融ビッグバンを進める上で意義のあることだと考えておるわけでございますが、金融システム改革の中で証券市場の再構築が極めて重要ではないかと思うわけでございます。  そこで、証券市場の整備の問題について若干お聞きいたしたいと思います。  我が国のこれまでの高度成長期におきましては、各企業の資金調達の過半、これは一九九五年におきましては五二%程度でございますが、金融機関の借り入れに支えられてきておるわけでございまして、市場からの直接金融は四七%程度にすぎないわけでございます。  これから企業が独自性を生かして国際的に、グローバルに発展していきますためにはアメリカ並みといいますか、アメリカでは直接金融が約九〇%、銀行借り入れ等の間接金融が一〇%にすぎないわけでございますが、こういった面で我が国は直接金融市場をもっともっと拡充強化していく必要があるのではないかと思うわけでございますが、これについて基本的なお考えをお聞きしておきたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  御指摘のとおり、我が国におきましては、アメリカ等に比べまして歴史的には間接金融が直接金融に比べて優位であったということでございます。しかしながら、より有利な資産運用と企業の円滑な資金調達を達成する、こういう観点からリスクテークとリスク分散にすぐれた直接金融市場に対する期待というものが大きくなっているわけでございます。  こうした点を踏まえまして、今御提案をさせていただいております金融システム改革法案におきましては、投資信託の改革等を初めとした包括的な証券市場の活性化のための改革、言葉をかえて言いますと直接金融のパイプを太くするということを内容とする事項を法案に盛り込んでいるわけでございます。  こういったことによりまして、今後は我が国証券市場というものが質量ともに欧米市場に比べまして遜色のない、そういう市場に活性化するということを期待しているところでございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 今御答弁にございましたように、今回の改革におきましては、直接金融のパイプを太くするという観点から幾つかの措置が講じられることになっておるわけでございますが、これらの措置を有効に機能させることによってどの程度直接金融に効果をもたらすということをお考えでしょうか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 数量的に申すのはなかなか難しいわけでございますが、先ほど先生からも御指摘がありましたように、例えば企業の資金調達面で言いますと、直接金融の割合というのは四七・七%でございます。そして、アメリカの場合は、ほぼ同時期でございますけれども、約八五%ということでございます。これがどういう数字になっていくのかということはなかなか難しいわけでございますけれども、例えば今申し上げました数字で言いますと、イギリスもほぼ同じぐらい、八四%ぐらいが直接金融でございます。あるいはフランス、これも八〇%弱ぐらいでございます。  今の約四八%という数字でございますけれども、アメリカ並みにいつの時点で行くのか、あるいは行かないのか、いずれにいたしましても、これからは直接金融市場の役割というものが期待されているわけでございますけれども、やはり直接金融、また間接金融、相まって日本の金融システムの安定というものが求められていくのではないかというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 そこで、直接金融市場の発展につきましてはベンチャー等に対するリスクマネーの供給を証券市場が積極的に担っていく役割があるのではないかと思うわけでございますが、その際あわせて地方の証券取引所の役割も大きいのではないかと思うわけでございます。ただ、現状を見ますと、全国八カ所の地方証券取引所は現在売買高が低迷しておりまして、一部の取引所では存廃討議を促す意見書を証券取引審議会に提出するに至っておるわけでございます。  そこで、地方証券取引所の低迷の原因につきましてどのように把握しておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) 地方取引所での売買が低迷している原因としては、いろいろ考えられるわけでございますが、一つには経済の中央集中、企業の中央志向、それに応じた形での東京、大阪、名古屋での市場第二部の創設、これは昭和三十六年に行われたわけでございますが、通常は市場一部の方が大きな企業でございますけれども、市場二部というものを設けまして比較的中堅あるいは中小の企業でも市場に上場することができるようになったというのが第一点でございます。  それから第二点は、通信情報手段の発達とそれに応じた形での価格情報システムというのが昭和四十九年から稼働をいたしました。また、取引所での機械化の進展というものも行われました。そういったことによりまして、例えば地方におられる投資家でもすぐに東京、大阪のいわば市場価格がわかるというシステムになっていったということ。  それから第三には、大手の証券会社も地方に進出をしたわけでございますけれども、他方で事務の合理化のために本店に事務を集中するという方針がとられたということもあるのではないかと考えられます。  それから第四には、店頭登録市場というものが創設をされましてこれが発達をしてきている、こういった要因が挙げられるのではないかというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 現状でも大変低迷いたしておるわけでございますが、今回の金融システム改革法案によりますと、取引所取引の市場集中義務の撤廃とか店頭登録市場の位置づけの見直し等が含まれておるわけでございます。これによりましてこれまで証券取引所で取引されていたものの一部が市場外取引が行われることになるわけでございまして、グローバルという観点からしますとこういった措置が必要であるということは理解できるわけでございますが、一方でこういう措置がとられることによって地方の証券取引所というものがかなり影響を受けてさらに存立についての問題が発生するおそれがあるのではないかと思うわけでございますが、いかがですか。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えいたします。  今般の金融システム改革におきましては、取引所内における取引システムの見直し、改善、それから取引所への集中義務の撤廃のほかに店頭登録市場の機能強化などを行うことにしているわけでございます。このような措置によりまして、さまざまな投資家の多様な取引ニーズに従って投資家が市場を選択する、こういう幅が広がるとともにそうした市場が相互に競争し合うことによりまして全体としての市場システムの効率化、機能強化が図られまして国内市場の空洞化というものが阻止されるということを期待しているわけでございます。  このような金融システム改革の進展によりまして、特に、今、委員御指摘のありましたように、地方取引所の売買高が一層減少するのではないかそういった少なからぬ影響が出ることも予想がされるわけでございますが、他方で各取引所が独自性を発揮いたしまして、創意工夫による効率的なサービスの提供をし得るように取引所の業務制限の緩和などの措置を行っているところでございます。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 地方証券取引所というのがベンチャー企業育成の精神的な支えであるということを地場の信用金庫の理事長が言っておられる言葉があるわけでございます。  今御答弁のございましたように、地域の産業の特性に合った取引所ごとの上場基準につきましてこれを緩和する、あるいは弾力化することによって上場企業を発掘していくとか、あるいは地方取引所独自の商品を開発するとか、地元経済界との情報交換の機会や場所を提供するとか、そういうことを通じまして東京にないような魅力をつくり出すことが可能ではないかと思うわけでございます。  地方取引所の持っている人的、物的資源というものを最大限有効に活用することによって地域の資本市場センターとしての中核の役割を担わせるように持っていくべきではないかと思うわけでございますが、これについての御意見をお伺いしたいと思います。

山本晃大蔵省証券局長心得

○政府委員(山本晃君) お答えをいたします。  地方の証券取引所というものは、それぞれの地域の企業に対していわばより手近な資金調達の場を提供するとともに、地域の投資家に対しましても身近な資産運用の場を提供する、そういった側面もございまして、やはり地域経済に対しましてそれなりの役割というものを十分果たしているのではないかというふうに考えられます。  他方、電気通信技術の発展とかあるいは金融技術の革新に伴いましてさまざまな取引形態というものが可能になってきているわけでございまして、投資家がそれぞれのニーズに従って取引を行う場を選択する、そういう自由が確保されているということもまた望まれるわけでございます。  若干繰り返しになりますけれども、こういった状況のもとで、今後の地方取引所のあり方につきましては、まさに各取引所において独自性を発揮されまして、創意工夫による効率的なサービスを提供できるよう主体性を持って進められていく必要があるのではないかというふうに考えております。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 この法律の成立とともに地方の取引所が消えてなくなるということのないように、むしろこの法律の成立を契機に地方の証券取引所が活性化するようにひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  以上で終わりたいと思います。

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律案の審査のため、来る二十六日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十八分散会

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