財政・金融委員会 第13号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二日、竹村泰子君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(石川弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として国民金融公庫総裁尾崎護君、日本開発銀行総裁小粥正巳君、日本輸出入銀行総裁保田博君、日本銀行総裁速水優君、日本銀行副総裁藤原作弥君、日本銀行理事本間忠世君及び株式会社共同債権買取機構取締役社長飛松集一君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(石川弘君) 去る四月三日、予算委員会から、四月七日から八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち金融監督庁、大蔵省所管、郵政省所管のうち郵便貯金特別会計及び簡易生命保険特別会計、国民金融公庫、日本開発銀行並びに日本輸出入銀行について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 それでは、委嘱されました予算について松永大蔵大臣から説明を聴取いたします。松永大蔵大臣。
○国務大臣(松永光君) 平成十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、七十七兆六千六百九十一億七千九百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十八兆五千二百二十億円、雑収入は三兆二千六百九十五億八千三百万円、公債金は十五兆五千五百七十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十九兆一千三百四十七億四千五百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一千五百九十五億三千三百万円、国債費は十七兆二千六百二十八億一千六百万円、政府出資は三千三百四十四億二千万円、予備費は三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百億三千二百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入三千七百九十二億八百万円、支出三千八百五十七億四千八百万円、差し引き六十五億四千百万円の支出超過となっております。 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(石川弘君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。 速水総裁、藤原副総裁にはお忙しいところ大変御苦労さまでございます。 去る四月一日から新しい日本銀行法が施行されて、速水新総裁のもとで新副総裁、そして政策委員にも新しいメシバーが加わってスタートされました。新日本銀行法の制定の契機としていろいろと言われておりますが、一つはバブルの反省であります。言うまでもなく、過剰流動性の発生やバブル期におけるマクロ経済政策の誤りを繰り返さないため、中央銀行としての独立性と政策責任をより明確にしようとしたこと、それからもう一つは世界経済のグローバル化、競争化が急速に進展する中で、我が国の金融政策に関しても一層市場原理を重視し、市場としての空洞化を防ぐ魅力ある国に育成することなどが挙げられておりました。 そこで、日本銀行OBであり、経済同友会代表幹事を歴任されました速水総裁から新しい日本銀行の運営方針について御所見をお伺いしたいと思っております。
○参考人(速水優君) 速水でございます。 まず初めに、私ども日本銀行が長年宿願といたしておりました日銀法の全面改正を四月一日から施行することができ、新しい体制でスタートできましたこと、特にこの委員会でも随分御貢献いただきましたことをこの機会に厚く御礼申し上げます。 新法の柱であります独立性と透明性というこの二つの柱を尊重しながら、通貨、金融の調節を行っていくということが私たちの使命であると思います。そのことによって物価の安定、経済の健全な発展、信用秩序の維持というようなことを実現させていくよう全力を挙げてまいりたいと思っております。もとより、政府の経済政策の基本方針と整合的でありますように、常に政府と連絡を密にしながら十分な意思疎通を図ってまいろうと思います。このことは当然のことであると思います。 ただ、金融のことにつきましてただいま同委員からも御指摘がございましたが、これからの変革の大きな方向としては、日本は伝統的に間接金融が主体であった、それでここまで成長してきたわけでございますけれども、これからの世界の市場の流れあるいは金融の流れの中でもう少し直接金融の道を開き直接金融のウエートを高くしていく、時あたかもビッグバン、フリー、フェア、グローバル、金融というのは最も早くグローバル化したマーケットでございますし、入っていく方、出ていく方、自由にしていくことが四月一日から始まったわけでございます。そういう流れの中で、株式発行あるいは国債の市場化あるいは社債発行、コマーシャルペーパー、CPの発行、そういった借り手が直接市場に出ていって発行していくといったような金融のウエートを高めていくのが大きな流れかと思います。 そういう市場をタイミングよく育てていくための努力をしていくというのが一つの大きな流れかと思いますし、そのことによって国際金融市場がつくられていけば雇用の面でもあるいは所得の面でも新しい産業が興ってくるというふうに確信いたしております。 それから最後に、中央銀行としまして内外の信頼をしっかり取りつけなければいけないということを特に今のこの時期に強く感じておる次第でございます。 新しい政策委員をお決めくださいまして、外からの考え方、空気を入れながら、そのときそのときにお互い討議をして政策を決めてまいりたいと思っております。風格のある、信頼される中央銀行であり、風格のある円にしていきたいというふうに願っております。このスキャンダルを契機にいたしまして、このことを行員一人一人に訴えますとともに、一人一人がその責任を感じて責任のある行動、良心に恥じない行動をとっていってほしいということを強く訴えて、みんなで力を合わせて目的を果たしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岡利定君 今、総裁がおっしゃいましたように、大変御苦労が多いと思いますけれども、独立性と透明性を二本柱として、今おっしゃいました風格ある、信頼される中央銀行づくりのために御尽力いただきたいと思います。 そこで、藤原副総裁に二点お伺いさせていただきたいと思っております。 一つは、新しい日本銀行にも幾多の課題が山積しておりますけれども、その一つとして、接待汚職ということで逮捕者が出るという事態なども発生し、中央銀行に対する信頼感というものが揺らいでおる状況にございます。そういう意味で、職員の綱紀の粛正を図り、信頼を回復することが大変大きな課題だと思っております。 一方、金融機関などに五百人以上の職員が天下っておるというようなことが報ぜられておりまして、これが癒着のもとになるんじゃないかというようなことも言われておりますが、クリーンな日銀マンとしての倫理を確立することについてマスコミの経験の豊富な副総裁から見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(藤原作弥君) 今、委員が御指摘なさった最近の一連の事件ですが、新しく日銀に参りました私としましても、改めて国民の皆様におわび申し上げたいと思います。 私は、御紹介くださいましたように、これまで経済記者として外から日銀を眺めてまいりました。日銀ウォッチャーと言われましたけれども、ある意味では日銀の批判者でもありました。それから、私人としては生活者でありました。そういったジャーナリストとしての経験を生かし、かつ生活者の目で日銀をこれから中で改革のために微力を尽くしたいと思います。 とりわけ、中央銀行は独立性と透明性を発揮するためには信頼、クレジビリティーというのが大事だと思います。その信頼を得るためにはやはり、委員御指摘のように、倫理の確立、つまりモラルが大事だと思いますし、同時に国民経済のために尽くすというモラール、やる気というのも大事だと思います。私は、そのモラールとモラルを日銀の若い人たちと話し合いながら、これから噛み、かつ語り合い、新法に基づく新しい目録づくりに邁進してまいりたいと思います。 外からそういう空気を入れるということのほかに、日本銀行がどういう仕事をしているか、こういう信用の創造、信頼性のあるマクロ金融政策をやっているんだということも国民の皆様にこれまで以上に理解していただきたい、つまり外から内へ、内から外への両面交通のかけ橋となりたいと思っています。 それにはやはり、平凡ですが、良識と常識を発揮することだと思いまして、倫理観の確立のためにもそのことを深く胸に秘めてこれから仕事に当たっていきたいと思います。
○岡利定君 今、藤原副総裁がちょっとお触れになりましたけれども、日本銀行の国民に対する理解を得る努力といいますか、まさに日本銀行のアカウンタビリティー、説明責任の実践についてであります。 もともと金融政策というのは大変専門的でありますし、素人にはわかりにくいという面がございます。しかし、国民の理解なくしては日本銀行の独立性の強化ということもあり得ないわけでありますので、その意味から金融政策についての広報のあり方というものも大変大事だろうと思います。 そういう意味で、ジャーナリストの御経験を有されます副総裁としてはこの点についていかがお考えでしょうか。
○参考人(藤原作弥君) 透明性、トランスペアレンシー、説明責任、アカウンタビリティー、英語で言いましても漢字で言いましても一般国民には非常に難しい言葉だと思います。どういうことかということをまず国民の皆様に理解していただくような易しい仕事の仕組みの解説といいますか、PRがまず私に課せられた仕事かと思います。 まず、金融政策につきましては、これから新しい政策委員会のもとで議論されたことを国民一般に広く公表するということに今度なりましたから、その議事公表ということを、既に実験は行っておりますけれども、これからもどういう議論が行われたかということをできるだけ早く、できるだけわかりやすい表現で外に向かってお示しし、かつ世の中の判断をも次なるディスカッションの参考にさせていただきたい。公表の仕方については今実験段階ですので、これから次第次第に経験を重ねて改良を続けていきたいと思います。 それから、そういった金融政策の面だけではなくて、一般的な広報も重要だと思います。例えば、この間発表になりました短観というのは、短期経済観測ですけれども、あだ名のごとく余り簡単ではありませんで、むしろ情報サービス局なんかがやっています生活短観といいますか、生活者が日本経済をどう考えているかということを私どもアンケート調査をしておりますけれども、そういった面からも、お茶の間といいますか、庶民の生活の中にまで入っていくような広報活動もこれからさらに一層努力してまいりたいと思います。
○岡利定君 ぜひ御尽力をお願い申し上げます。 幾つかの点について総裁にお伺いしたいと思いますが、まず景気の関係でございます。 今、言葉に出ました日銀短観でございますけれども、四月二日に発表された短観では、主要望造業の業況判断DIがさらに落ち込んで、企業の景況感が悪化していることが示されております。景気がよくないのは事実でありますが、一体どの程度悪いのかということになるといま一つどうもはっきり理解できない面もございます。 私自身は景気は既に下降ないし後退局面に入っているんじゃないかとも感じるんですけれども、総裁は現状をどのように認識しておいでか、また日銀としてどのような対応策を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 私どもは、これまで景気は停滞を続けている、そこへ下押しの圧力が強まりつつあるのではないか、そういう判断をしてまいりました。 先般発表されました短観でも、内需の低迷、在庫調整の動きなどを受けまして、企業マインドが一段と悪化してきておるように見受けられました。また、企業収益がかなり下方修正されておりまして、設備投資も頭打ち傾向が一段と鮮明になってきておる、このほかに個人消費が低迷を続けておりますし、そういう意味では日本経済は極めて厳しい状況にあると判断せざるを得ません。先行きにつきましても、輸出の増加持続あるいは金融システムの安定化策の具体化、こういうものが景気の下支え材料になってきていることは確かでございます。しかしながら、最近の生産や所得形成をめぐる力の弱まりと国内需要の一層の減退を起こすのではないかというおそれを感じております。 私どもとしましては、こうした経済情勢のもとではやはり金融面からもしっかりと下支えをしていく必要があろうかというふうに考えております。 そのような観点から、これまでの思い切った金融緩和基調というものを維持してまいりたいと考えております。
○岡利定君 次に、金利の関係でございますけれども、低金利が長く続いておりまして国民の金融資産の縮小につながっておるわけでありますが、年金生活者などから金利の引き上げを求める声も大変強くなっているというように感じております。 この点について総裁はいかがお考えでしょうか。
○参考人(速水優君) 金利収入に多く依存しておられる家計にとりまして現状が大変厳しい状況でありますことは私どもも十分承知いたしておるつもりでございます。しかし、金利を上げるということは、家計部門の金利収入を増加する反面、企業収益の減少、投資採算の悪化、資産価格への下押し、こういうことを通じて経済活動を抑制していく機能を持っていることも確かでございます。このことはひいては全体としての家計所得、個人消費も減少させる方向に作用すると考えます。 こうした点を踏まえますと、景気の停滞が続き、下押し圧力が強まりつつある現在の経済情勢のもとでは、やはり金融面から経済活動をしっかり下支えしていくことが重要ではないかと考えております。そうした観点から、先々週に開かれました政策委員会の金融政策決定会合におきましても、当面の金融政策について討議をいたしました結果、これまでの金融緩和基調を維持することを決定した次第でございます。 景気の自律的反転の兆しが見えてくるまでいましばらくこの低金利で頑張っていくしかないというふうに考えております。
○岡利定君 次に、金融安定化策でございますが、先ほどの日銀短観における金融機関の貸出態度判断DIによりますと、主要企業から見た金融機関の貸出態度について緩いとする企業と厳しいとする企業を比較した結果、昨年十二月の短観ではプラス三であったものがマイナス四一へ大きく振れておって、いわゆる貸し渋りの現象がふえているという声が強まっているのと一致するのじゃないかと思うわけであります。 政府としても金融機関の資本充実のため優先株、劣後債の発行に公的資金投入のスキームをつくるなどいろいろな対応策を実施してきましたが、懸念していた三月の決算期を一応越えた現時点で我が国の金融機関の経営状況、今後の貸し渋りの動向等について日本銀行としてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(速水優君) 金融機関の自己資本面からの制約は、金融システム安定化策の具体化をタイミングよくやっていただいたおかげで、ひところに比べて緩和されてきているように見ております。また、企業の資金調達状況を見ましても、資本市場などからの調達も増加してきております。CPの発行などもふえてきております。これまでのところでは、急速な量的収縮といったような事態にはならないのではないか、避けて通れるのではないかと考えております。 この間、金融機関の今三月決算の内容につきましてはまだ明らかになっているわけではありませんけれども、我が国金融機関は引き続き積極的な償却姿勢を維持しております。不良債権処理は全体として着実に進捗しているというふうに見ております。 ただ、日本版ビッグバンの本格化を迎えるに当たりまして、我が国金融機関は収益性、健全性、これを向上していく課題を目前に抱えておるわけでございまして、融資姿勢を積極化するまでにはある程度の時間がかかるかというふうに考えます。このために、企業によってはしばらくの間は厳しい資金調達環境が続く可能性があると考えます。 私どもとしては、こうした金融面の動きを引き続ききめ細かく点検しながら、金融調節面でCPオペ、コマーシャルペーパーを買い取るオペレーションなどを積極的に活用していくことによって企業金融の緩和にも貢献してまいりたいというふうに考えております。
○岡利定君 次に、金融危機の関係でございますけれども、タイ、インドネシア、韓国などアジアの金融、経済の悪化がかなり引き続いている状況にございます。このようなアジアの金融、経済の安定化のため、我が国としてその支援についても十分配慮していく必要があり、政府としても積極的にそれに取り組むべきだと思いますが、日本銀行の立場で、あるいはまた日銀総裁としてこの問題をどのように御認識でしょうか。
○参考人(速水優君) アジア地域におきます通貨・金融市場の安定化のためには、当面IMFを中心とする国際的な協調支援の体制のもとで東アジア各国が経済調整プログラムを着実に実施していくことが重要であろうと思います。ただ、一時的に金を調達する、貸すということだけでは恐らくこれらの国々の再建はできないかというふうに思います。そういうコンディショナルな条件のついた救済力性ということが、それもやはりグローバルなIMFベースでの指導のもとに行われていくことが必要だと私は考えております。 そういうことを前提にしまして、我が国といたしましても必要に応じて金融面からの支援を行い、国際通貨不安の回避に努めますとともに、アジア経済の回復に貢献するためにも、我が国の内需回復を早く実現して、貿易投資を一層自由化し、彼らの製品や輸出品をなるたけ多く買っていくということ、市場を開放していくということ、これが彼らが輸出主導で立ち直っていける道ではないかというふうに考えます。 日本銀行といたしましても、東アジア地域の市場安定化に向けて、これまで韓国向けつなぎ融資を初めとして幾つかの金融技術支援の措置を講じてまいっております。今後とも、国際金融面での不安が生じる懸念がある吉な場合には中央銀行の立場から必要な協力を考えてまいりたいと思っております。
○岡利定君 ところで、先週末の東京市場ですけれども、株式、円、債券のトリプル安という深刻な状況が生まれております。 日本銀行としてはその原因をどのように分析しているのかお伺いいたします。 また、米国の株式市場の相場が一時の我が国のバブル期を思わせるような上昇が続いておりまして、我が国から米国への資金のシフトも進んでおるとかいうふうな話も聞きますが、この点についてはいかがでしょうか。
○参考人(速水優君) 先週宋の東京市場の株安、円安、債券安、このトリプル安というのは、きっかけとなりましたのは海外格付機関による日本国債の格付見直し報道が影響したのではないかというふうに思われます。 民間の格付機関の格付のやり方、方針について私どもがとやかく言う立場にはないわけでございますが、日本経済をとってみますと、私どもの認識を申し上げれば、対外収支や対外資産に見られるように、毎月百億ドル以上の経常収支の黒があり、一兆ドル近い対外ネットアセットを持っており、しかもこの対外的な支払い債務能力は盤石であるのに加えて、足元の経済は極めて厳しい状況にありながら製造業の高い技術、あるいは労働力の質のよさ、民間の貯蓄力、そういったものを考えますと、潜在的な経済力には極めて高いものがあるというふうに考えております。したがって、長い目で見れば国債の格付が下がるといったようなことが起こるのはいささか私どもにとっては一時的な動きではないかというふうに考えております。 日本経済の潜在力を発揮させていくためには、まず景気の回復と金融システムの立て直しを早期に実現していくことが重要であると思っております。日本銀行としても中央銀行の立場から全力を尽くしてまいりたいと思っております。 なお、おっしゃった海外への資本流出につきましては、我が国が現在経常収支の黒字を抱えておるもとで、その黒字が対外証券投資の形で海外に還流していくというのは自然な動きではなかろうかと思います。アメリカの株が高い、そして株価収益率も悪くないといったような現状を考えますときに、この流れはそれほど気にする必要はなかろうかというふうに思います。為替相場が一時的にこういうもので多少の影響を受けることもあろうかと思いますけれども、市場というのはやはり時がたてば戻るところへ戻っていくべきものと私はこれまでの経験から信じております。
○岡利定君 速水総裁、藤原副総裁、どうもありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。 今、速水総裁からもお話が出ましたが、大蔵大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 四月三日の日本の市場で進んだいわゆるトリプル安はアメリカの格付機関であるムーディーズ・インベスターズ、サービスというのが日本の国債格付を変更する可能性を示したことが引き金になったというようなことも言われておりますが、仮に日本の国債の格付が引き下げられれば企業の資金調達コストにはね返ることがあるんだということで懸念もされるような報道もございます。 民間機関の格付とはいえ、その影響の大きさを考えますと無視するわけにはいかないんじゃないかなと思うわけでありますが、このムーディーズの国債格付の変更の可能性の意味、それからその影響などについて大蔵大臣としてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(溝口善兵衛君) 先ほど日本銀行の総裁の方からもお話がございましたが、格付機関はいろいろあるわけでございますし、それから市場に与える影響というのはいろんな情報が影響を与えるわけでございまして、ムーディーズのそういう発表もその一つだろうと思っております。いろんな中の一つであると。私どもはいろんな意見を聞いてまいるつもりでございますけれども、そういうことでこの格付自体にコメントするというのはいかがかというふうに考えております。 ただ、事実関係で申し上げますと、当日発表されましたムーディーズ社の発表文によりますと、今の格付は据え置く、今後の見通しについてはややネガティブに変えるとゆうことでございますけれども、その意味は、見通しの変更を今示唆するということじゃなくて、見直しの対象になる可能性があるということを示唆しているにすぎないというふうに言っておるわけでございますから、ここら辺もあわせ考える必要があろうかと考えております。
○岡利定君 マスコミだけを見ておりますと、大変なことが起こったんだなというふうなことで心配する人たちもあるわけでありますので、そういう点についても政府の見解などを示すべきことがありましたらきちんとやって、不必要な動揺のないような対応というものをまたお願いしたいなと思っております。 そこで、金融監督庁についてお伺いしたいと思っております。 金融監督庁が近く発足することになっておるわけでありますが、その準備状況をお伺いしたいと思います。 また、同庁に移行することになっております大蔵省の金融検査部職員は、ここ数カ月、幹部職員の汚職などでまさに揺れております。これが金融監督庁になったからといって、器をかえただけでは再び不祥事が発生しないという保証もないという指摘もございますが、そのような観点から日本銀行同様にここにも部外の人材を登用するなと思い切ったいろんな手を打っておくことが必要じゃないかと思いますが、職場のモラルを高めるような措置を講ずるという観点からどのようなことを検討されておるのか、支障がなかったらお話しいただきたいと思います。
○政府委員(畠中誠二郎君) お答えいたします。 まず、金融監督庁の準備状況でございます。 金融監督庁につきましては、昨年成立いたしました金融監督庁設置法に基づきまして、本年六月の発足を目指し鋭意準備を進めているところでございます。 御審議いただいている予算案におきましては、大蔵省からの定員振りかえ三百七十三人に加えまして、民間金融機関等の検査・監視機能等の強化の観点から、新規の増員及び他省庁からの振りかえを行うことによりまして総勢四百三人の体制を確保することとしております。 また、職員のモラルを高める措置についてのお尋ねでございます。 先生御指摘のとおり、金融監督庁発足に当たりまして職員のモラルを高める措置を講ずることは極めて重要な問題と考えております。同庁設立の事務的な準備を担当する当準備室といたしましても、例えば倫理規程の制定あるいは服務監察制度の整備等も含め、諸方策について事務的な検討を進めているところでございます。 いずれにせよ、当準備室といたしましては、金融監督庁が金融監督庁長官の指揮監督のもとでその機能を適切に発揮し、金融行政に対する国民の信頼を回復できるよう、発足準備に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○岡利定君 まさに初めが大事でありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、共同債権買取機構についてお伺いします。 共同債権買取機構は、平成四年度に発足して、ことしの三月末をもって買い取り業務を終了したわけです。言うまでもなく、この機構は、民間金融機関の自助努力による不良資産の段階的処理を通じて金融機関への信頼性の向上と融資対応力の強化を図ることを目的として、民間金融機関百六十二社の出資により設立されたものでございます。 この機に当たりまして、発足以来のこれまでの同機構の買い取り実績、それから回収実績を教えていただきたいと思います。また、これまでの回収実績についてどう評価しておるのかもお聞かせいただきたい。さらに、債権回収がいろいろ難しいと言われておる面もありますが、進んでいない面もあると思いますので、その理由はどういうものなのか、お話しいただきたいと思います。
○参考人(飛松集一君) それでは、共同債権買取機構の買い取り実績について御報告いたします。 当社は、平成五年一月創業以来五年間、金融機関の債権元本額十四兆九千百六十四億円を五兆七千六百三十三億円で買い取っております。この差額九兆一千五百億強は金融機関が既に売却損として処理済みでございます。 回収実績につきましては、本年三月末までに買い取り債権五兆七千六百三十三億円のうち一兆一千八百四十九億円を回収いたしております。 回収実績に対する評価でございますが、御承知のとおり、当社創業以降、地価が続落いたしまして不動産の動きが大変鈍いという厳しい環境下でございましたが、担保不動産の売却は件数、金額とも年々順調に増加しております。ちなみに、創業いたしました平成五年度の回収金額は三百十億円でございましたが、平成九年度には三千七百五億円に達しておりまして、これまでの実績は、十二分とは言えないまでも、厳しい環境下でかなりの成果を上げてきたものと考えております。 また、回収金額が買い取り債権金額全体に比して比率が少ないんじゃないかということかと思いますが、御承知のとおり、不動産市況が低迷しておったということがもちろん根底にございますが、当社は設立以降、二年あるいは三年間はむしろ買い取り業務の方に専念しておりまして、回収が本格化いたしましたのはここ二年程度、こういう理由もございます。 また、買い取りがこの五年間、つい先月まで毎期毎期買い取り金額というものが増加しておりまして、いわば分母がずっと膨らみ続けたということで、このため回収比率が一〇%強と低いかのように見えますが、今後は、買い取りは終了いたしましたので、分子に当たる回収に専念いたしますので回収比率は上がってまいると考えております。
○岡利定君 今おっしゃったようなとおりであって、むしろ回収についてはこれから全力を挙げてやっていくということでございますが、大変御苦労も多いと思いますけれども、ここが一番大事なところでありますのでしっかり取り組んでいただきたいと思う次第でございます。 それでは、最後でございますけれども、これは大蔵省の方でお答えいただけたらと思うんですが、不良債権の回収を進めるために銀行などから委託を受けて不良債権の回収を代行する専門会社、いわゆるサービサーの解禁が期待されておるとも言われております。新聞でもそういうことが議論されておるというようなことが報じられておりますが、政府においてはどのような機関でこれを検討されておるのかなということ、それから外国ではどうなっているのかということをわかる範囲で御説明いただきたい。さらには、今後クリアしなければならない問題、幾つかあるというように聞いておりますけれども、その点についてもお教えいただけたらと思っております。
○政府委員(山口公生君) 大蔵省の方からお答えするのが適切かどうかの問題がございますが、知り得る限りで御説明申し上げます。 不良債権処理の迅速化のため、債権回収が大変重要だということでサービサーの導入が債権回収の効率化に資するものという理解はしておりますけれども、先生御指摘のように、いろいろクリアすべき問題もなお数多く残っております。現在、自民党において検討されておるところでございまして、政府としても重要な問題として受けとめているわけでございます。 外国の状況を御紹介させていただきますと、英、米、独、仏、いずれも債権回収を業として行う民間業者がかなりの数存在しているというふうに聞いております。ただ、法制的にはばらばらでございまして、例えば米国ではサービサーについての認可・登録等の制度は存在しませんけれども、債権取り立てに関する手続法が整備されております。一方、欧州におきましては、弁護士に準ずる者として許可を受けた者が債権取り立てを行っているというドイツのような国もございます。 我が国においては、これから検討が進められるわけでございますけれども、現在自民党においては、お聞きするところによりますと、日弁連等の関係者から幅広くヒアリングを行っておられるわけでございます。 現在の法制からいいますと、債権回収をやるのは原債権者または弁護士、こういうふうになっておりますので、だれでもいいというわけじゃありません。したがって、弁護士法の第七十二条、七十三条との関係、あるいは民事暴力の介入を実質的に排除するにはどうしたらいいかというような課題が提起されておりまして、いずれも金融行政の枠内にとどまらない幅広い問題として今後検討をされていくというふうに聞いております。 私どもも注目している、また勉強をしていかなきゃいけないと思っている課題でございます。
○岡利定君 ありがとうございました。 終わります。
○河本英典君 引き続きまして、自由民主党の河本でございます。 きょうは、国民金融公庫総裁、日本開発銀行総裁、日本輸出入銀行総裁、三総裁に来ていただいております。 まず最初に、今後の政府系金融機関のあり方ということについて御質問したいと思います。 公的金融ということでございますが、国家の信用を活用して郵便貯金、公的年金等の公的資金を統合運用して、そのときそのときの政府の政策目的の高い分野に低金利融資をするというシステムであるわけでありますが、このことが我が国の経済発展に大変大きく寄与してきたことは間違いないことでございます。 しかしながら、今国におきましては公的金融をめぐります前提条件が随分変わってきたというふうに思われます。例えば、法人、企業部門の資金不足の解消、これはいうときのように法人が急激にお金が要るということじゃなしに、利益の中から自己資本を充実したいということでございますけれども、民間金融・資本市場の発展、金利の自由化の進展等いろいろな意味で公的金融をめぐる今までの前提条件が大きく変わってきたことは事実でございます。また、金融ビッグバンを進めていく上でこれからの公的金融の見直しというのは不可欠であるというふうに思うわけでございます。 そこで、公的金融の対象分野の見直しであるとかディスクロージャーの一層の推進など、政府系金融機関が抱える諸問題について今後どのように取り組んでいかれるのかということをそれぞれの総裁からお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(尾崎護君) 国民金融公庫からまず申し上げます。 御指摘のとおり、この数年間いろいろと公的金融の役割について議論がございました。私どもも忠実にそれをフォローしてまいりました。国民金融公庫は、中小企業、特に銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする小企業、零細企業に対しまして資金を提供している機関でございます。このような小さな企業というのはなかなか市場の発展からの恩典に治せない状況にあるところでございます。 現在、事業資金の貸付残高は約八兆円、そして百七十二万件という膨大な貸出件数となっております。ちなみに申し上げますと、昨年の十一月十九日から始まりました例の貸し渋り対策、これもこの三月末までに代理貸しも含めますと二十万二千件の貸し出しを既に行っておりますし、金額としても一兆三千五百億円の貸し出しを行いました。 このように、国民金融公庫は市場によっては十分に対応できないそういう分野の小・零細企業を対象としているものでございますが、さきの特殊法人改革で融資対象分野の見直しなどの観点から環境衛生金融公庫との統合、それから中小企業金融公庫との分野調整を決定していただいたところであります。そのような見直しを行いまして、今後とも私どもに与えられた使命を発揮すべく、新たな時代の要請に対応するよう努力をしてまいりたいと考えております。 それから、ディスクロージャーの問題でございますが、いわゆる情報提供のことであろうと思います。私どもかねてからこの問題には積極的に取り組んでおりまして、平成八年、九年、もう既に二回ディスクロージャー誌を発行しております。このディスクロージャー誌は、民間の全銀協の統一開示基準というのがございまして、それに従いました全く民間ベースと同じディスクローズをいたしているわけでございます。 本年度はさらに一歩進めまして、国民の皆様に国民金融公庫の事業の内容、経営のあり方等を知っていただきたいと考えているところでございます。これも積極的に推し進めてまいりたいと存じます。
○参考人(保田博君) 日本輸出入銀行は、激変する可能性のございます内外の金融情勢に機敏に対応しながら、我が国の対外経済交流を促進するという大きな役割を担う政府関係金融機関でございます。政府関係金融機関、すなわち民業の補完、つまり民間金融機関のみでは対応のできない分野への信用供与という政府機関の役割を念頭に置きながら、不断に対象分野の見直しを行いつつ、その役割を果たそうというふうに考えておるわけであります。 卑近な例で申し上げますとこのような観点から、このたびのアジアの通貨危機、あるいはまたそれに伴うこれら諸国の経済の混乱に対しまして柔軟かつ機動的に対応を行いましたことは御承知のとおりであります。しかし、一方で製品輸入金融の対象品目の見直しをいたしましたほか、投資金融につきましても、先進国向けのものに対しましては貿易摩擦の回避あるいは国際共同事業のための事業、進出先の政府あるいはまた日本国政府の要請のある事業、あるいはまた中小企業というものに限定をしてこれを行うというふうに国際金融情勢並びに政府関係金融機関の役割というものを認識しながら仕事に励んでおるつもりであります。 ディスクロージャーにつきましては、国民公庫総裁の方からお話を申し上げましたこととおおむね同様でございますが、本行といたしましては、取引先に外国もございますので、インターネットによる英文情報の提供等、ディスクロージャーの促進にも努めておるつもりでございます。
○参考人(小粥正巳君) 日本開発銀行からお答えを申し上げます。 日本開発銀行は、我が国の経済社会の発展に寄与する活動を行っております企業に対しまして設備資金、特に長期の設備資金を中心に融資ないし出資をいたしまして経済社会の発展に寄与する、こういう目的を持った政府関係の金融機関でございます。 ただいま二機関からもお話がございましたように、その時々の政策課題に対応しながら、民間の金融機関ではできない、特に私どもの場合には長期の設備資金中心と先ほど申し上げましたが、その資金の供給を主たる業務としてまいりました。ただし、昨今でございますと、昨年末以来、当面の緊急な課題になってまいりましたいわゆる貸し渋り対応につきましては、私どもも設備資金に限らず、これに関連する運転資金も含めました柔軟な対応を目下懸命に行っているところでございます。 それから、一昨年来、特殊法人の整理合理化につきまして非常に厳しい御検討をいただいてきたところでございますけれども、とりあえず融資対象の整理といたしましては、今年度、例えば電力向け融資対象の限定でございますとか、あるいは市場からの長期資金調達カの高い企業につきましては融資比率を原則として三〇%にまで下げる、このような業務分野対象の見直しを積極的に行ってきております。 さらに、より長期的には、今申し上げました特殊法人整理合理化につきまして、来年度の通常国会におきまして法律の改正が前提でございますけれども、私どもも一たん開銀を廃止いたしまして、その上で業務全般の徹底的な見直しを行う、そして、北海道東北開発公庫との統合が予定をされておりますが、その中で特に重点は地域整備の関連分野、それから環境、防災等を含めました生活基盤の関連分野、そして従来産業というものに目を向けてきたわけでございますけれども、この産業分野につきましては我が国経済が今後とも活力を維持するためにどうしても必要ないわば戦略的な分野であって、かつ先ほど来申し上げております融資期間等の点から民間金融ではどうしても対応ができかねる、そういう分野に特に重点を絞りまして融資対象についても改めて見直しを行っていく、そういう方向で鋭意現在でも作業を進めておるところでございます。 それから、ディスクロージャーにつきましては、二機関からもそれぞれ御説明がございましたが、私どもももう四十年代から例えば「日本開発銀行レポート」と題するディスクロージャー誌はかなり意識をして発行し、努めてきたつもりでございますが、最近ではインターネット上のホームページなども開設をいたしまして、民間金融機関でも大変進んでおりますこのディスクロージャー分野で私どもとしても今後ともより一層の徹底に努めていく体制をとっているところでございます。
○河本英典君 同じ質問を大蔵大臣にもお願いしたいんですけれども、特に公的金融の対象分野の見直しということ、それから今ディスクロージャーについてもお伺いしたのでございますが、大蔵大臣からも御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 今、国民金融公庫等政府系金融機関の責任ある立場の人、総裁から御説明があったとおりでございまして、政府の政策を遂行するという使命を帯びて民間金融機関では適切に対応できない分野に長期の資金の供給をする、国民金融公庫は少し立場が違うと思いますが、いずれにしても民間金融機関では対応し切れないものを中心にして融資をしておられるのが政府系金融機関だというふうに思います。 そしてまた、去年の暮れ以降のいわゆる民間金融機関の貸し渋り対策としては、国民金融公庫等、それぞれの立場でしっかりやっていただいておる、そしてまた開発銀行にしても、本来は長期資金の供給を任務としておられたわけでありますけれども、貸し渋りの厳しさを念頭に置かれて貸し渋り解消のための運転資金についても融資をしておられる、こういうことでありまして、貸し渋り対策については相当真剣に取り組入でおられるというふうに私は見ておるわけであります。 しかし、冒頭申し上げたとおり、政策の金融をするわけでございますから、その政策の必要性が薄くなったもの、あるいは民間金融で十分に対応できるようになったものについては対象から除外するといったような不断の見直しを行わなきゃなりませんし、行っておられるというふうに思っております。 なお、ディスクロージャーの問題につきましては、これまた説明がありましたように、全銀協等の仕組みと同じような仕組みでディスクローズするための資料を発行される機関誌の中で発表されてディスクロージャーの要請にはこたえておるというふうに見ているところでございます。
○河本英典君 ディスクロージャー云々はもう今で言えば当たり前のような話でございます。私は、特に公的金融の対象分野の見直しということについては大きな課題だというふうに思いますので、よろしくお願いしておきます。 三総裁、もう答弁をいただきましたので退席していただきまして結構でございます。 それでは、景気対策に絡みまして土地税制について少し質問させていただきたいと思います。 まず、登録免許税の軽減問題ということでお伺いします。 土地税制につきましては、平成十年の税制改正におきまして保有課税である地価税は当面凍結、土地譲渡益課税は法人、個人とも大幅に軽減されることになりました。しかし、取得課税であります登録免許税や不動産取得税については特段の措置がなされていないわけでありまして、土地の流動化を図るということが今大変言われておるわけでございますが、単に保有課税や譲渡益課税の軽減だけでは不十分であると思いますので、土地取得のインセンティブを与えるためにも土地課税の軽減が必要ではないかというふうに思います。 そこで、今回の景気対策においては登録免許税や不動産取得税についてさらに一段の軽減措置を講ずべきではないかということを大蔵省と自治省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(大武健一郎君) ただいま御質問のございました土地の取得に際しましての土地の登記の登録免許税につきましては、平成九年度の税制改正におきまして課税標準を固定資産税評価額から六割減しまして四割に軽減するという措置を三年間講じさせていただいておりますし、平成九年度に登録免許税の課税標準であります固定資産税評価額が評価がえに伴いまして大都市で四割も引き下げられているということによりまして相当の負担軽減を図ってきているかと思います。 重ねまして、平成十年度におきましても、市町村の判断で地価の下落に対応して固定資産税評価額の下落修正を行うことができる制度が導入されましたことからさらに登録免許税の負担が軽減されることになるというようなことで、適切な措置をそれぞれ講じてきているものと存じております。
○説明員(片山善博君) 不動産取得税についてでございますが、不動産取得税につきましても既に土地の流通を極力阻害しないような措置を講じているところでございます。 例えば、住宅用の土地の取得につきましては、実質的に二百平方メートルまで税負担が生じないようにしているところでありますけれども、今回の税制改正でこの措置をさらに使い勝手がよくなるような、そういう要件の改正も行っているところであります。 また、宅地一般につきましては、大蔵省の方から今御紹介がありましたように、平成九年から十一年までの特例でございますけれども、登録免許税と同じような趣旨で不動産取得税については固定資産税評価額の二分の一を課税標準とするという特例を設けておりますし、それから、これも先ほど御答弁がありましたが、初めてのことでありますが、固定資産税評価額は従来三年に一度しか評価がえしないということでありましたが、これを地価下落に応じて毎年見直すということにしましたので、これに伴って、登録免許税と同様、不動産取得税も実質的な軽減が図られると思っております。 それから、このほか土地の取得という面で申しますと、不動産取得税ではございませんが、地方税で特別土地保有税というのがございます。これにつきましても平成十年度の税制改正でかなり抜本的な見直しを行ったところでございます。 いろいろ申し上げましたけれども、このようなことを通じまして地方税全体としましても土地の取引を阻害することのないように既に所要の措置が講じられている、こう考えております。
○河本英典君 私はインフレ論者ではないんですけれども、土地を活発に動かすということが景気回復の一番近道ではなかろうかというふうに思っておりますので、そういった意味で土地税制についてはぜひとも機動的に対応していただきたいなというのがお願いでございます。 次に、建設国債の見直しということでお伺いしたいと思うんです。 国債の発行は財政法第四条で公共事業費、出資金及び貸付金の財源として認められているわけであります。建設国債の発行対象は、償還期間であります六十年が一つのベースになっておるわけでありますが、社会資本として形が残ることが前提となるという事業で、これまで道路や建物、それから下水道の整備といった公共事業の財源に使われてきたわけであります。しかし、国民に必要な社会資本の概念というのは、道路や建物や下水道の整備といったこと以上に、最近では情報通信や研究開発などのいわゆる新社会資本と呼ばれます分野にまで広がっているわけであります。 そうした意味で、今回の景気対策の際には、建設国債の発行対象範囲や償還年限の仕組みなど、時代に合わせた見直しが必要ではないかというふうに思うのでありますが、大蔵省の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 財政法第四条にかかわる御質問だと思うのでありますが、委員よく御承知のとおり、我が国は健全財政主義、この第四条の冒頭に定められておりますように、健全財政主義をとっておるわけであります。例外的に建設公債の発行を認めておるわけでありますが、この建設公債、いわゆる例外的な公債でございますけれども、これはその事業に見合う資産というものが残る、その資産を後世代の人も利用できるということであれば世代間の負担というものは公正に保たれるという考え方で財政法第四条は定められておるものだというふうに私は理解をいたします。 したがいまして、今この景気対策等の関係で公債発行の対象経費を見直してはどうかという意見があることは承知いたしておりますけれども、やはり世代間の負担の公平、これは確保していかなきゃならぬ大事な問題だと、こういうふうに思いますので、その点からいっていわゆる見直し論はいかがなものであろうかなと。 それから、公債発行対象経費の範囲を明確にしないというと、不明確となりますというと際限なく公債発行がなされるというおそれが出てまいります。こういった観点からよくよく慎重な検討が必要ではなかろうかというふうに考えているところでございます。 なお、公債の償還のルール、すなわち六十年のルールでございますが、今まで建設公債をもって事業を行った対象物の使用可能期間、効用発揮期間、これは平均的に言えばおおむね六十年であったということで六十年償還、こういうふうになっておると承知いたしております。 この六十年償還を変えていくということになりますというと、すなわちもっと早く償還しろということになってまいりますというと、結果においては今の財政事情のもとでは借換債がいわゆる特例公債に振りかわるという結果になるわけでありまして、そのことが果たしていいことだろうかなというふうに思われますので、これも大変難しい問題であるし、よくよく慎重に検討しなきゃならぬ課題だというふうに私は思うわけでございます。
○河本英典君 今、財政赤字が問題になっておるわけでありますけれども、赤字国債というのは発行当初は十年償還であったものを建設国債並みの六十年に変更したことに問題があるようであります。 この結果、財政赤字に歯どめがかからなくなったという指摘があるわけでありますが、そうなると建設国債と赤字国債、どちらも六十年償還であるということで区別がつかなくなったというか、区別する意味がなくなったのではないかということであります。先ほどの話にありましたように、今後は建設国債を時代に合わせて見直すということは短くするということにもつながるかもしれませんけれども、赤字国債については六十年という償還期間をやはり短くするということで中期的な財政構造のバランスを図るということが大事ではないかというふうに思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 建設公債については、先ほど申したようなわけで六十年償還となっておるわけでありますが、償還を短くするということは、償還財源が十分ございませんものですから、結局特例公債を出して償還に充てるという結果になるわけでありまして、これは財政赤字をさらに大きくするという大きな問題点があるわけです。 いわゆる特例公債については、これは見合いの資産がありませんから、したがって本来はできるだけ早く償還するというのが当たり前なことであるわけでありますが、それは本来あるべき姿だとは思いますけれども、しかし財政状況は大変厳しいものですから、結果においてはやむを得ない選択として建設国債と同様の六十年間償還というルールになっているというわけでございます。 現在の厳しい財政事情もありまして、償還期間の短縮をやれば、先ほど申したとおり、結局は特例公債で調達することになり、財政の赤字が大変膨らむということになりますのでこれまた大きな問題だと、こう思うのでありまして、この点もこれはよくよく慎重に検討しなきゃならぬ課題だと、こういうふうに思うわけであります。
○河本英典君 次に、ビッグバンでございますのでビッグバンの税制に関連しての課題について少し聞きたいと思います。 持ち株会社設立時の課税軽減についての質問であります。 持ち株会社を設立するためには税制面の優遇措置が不可欠でありますが、十年度税制改正では、銀行持ち株会社の設立を可能とするために銀行持ち株会社の設立時にかかる法人税、登録免許税、有価証券取引税を軽減、免除する措置が講じられたわけであります。その一方で、証券会社や保険会社その他の一般事業会社が持ち株会社を設立する場合に特段の措置が講じられていない。 そこで、銀行優遇だという批判を招きかねないわけでありますが、銀行以外の持ち株会社の設立に際しても特別措置を講ずるべきじゃないかという考え方があるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大武健一郎君) ただいま御指摘のありました銀行以外の持ち株会社の設立に対しましては、土地等を現物出資して子会社を設立する場合にその課税繰り延べ割合を八〇%とする縮減措置が従来講じられておりましたが、今度の改正で、分社化に対応するという観点から、この縮減措置を廃止することといたしました。 これによりまして、土地などを含む現物出資によりまして子会社を設立する場合につきましても、その譲渡益の全額の課税繰り延べが認められるということになりまして、銀行以外の法人につきましてはいわゆる抜け殻方式というやり方によります持ち株会社化にも配慮しているところでございます。
○河本英典君 持ち株会社のためには、設立時の特例措置だけでなくて、持ち株会社を運営していく中での特例措置も不可欠ではないかと思うわけであります。運営面の特例措置としては連結納税制度がありますが、大蔵省はこれまで連結納税制度にすると租税回避行為を招いたり巨額な税収減、一兆円ぐらいという試算だそうでございますが、が生じるとしてなかなかその導入には慎重な姿勢を示しておられるわけであります。 ところが、主要諸外国ではかなりそうしたことがされておるという、OECD加盟二十九カ国中十八カ国で連結納税制度が導入されているということでございます。一つは、グループ内の子会社すべての損益を親会社の損益と通算する方式、これはアメリカ・フランス型と言うそうでございます。もう一つは、グループ内の特定子会社の損益を親会社や他の子会社に振りかえるという方式、これはドイツ・イギリス型というふうに言われておるわけでありますが、このドイツ・イギリス型は黒字会社が資金援助をする形で赤字会社の収益に振りかえるもので、巨額な税収を招くものではなくて、租税回避行為の防止にも役立つとして、通産省の企業法制研究会の報告ではドイツ型の導入が適当ではないかというような提言を行っておられます。 こうしたドイツ型の連結納税制度の導入ということの可能性、日本でも可能じゃないかというふうに思うわけでありますが、大蔵省の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(大武健一郎君) 先生の御指摘のとおり、連結納税制度それ自体は、商法などの現行諸制度を基礎としまして法人ごとに課税する課税単位という観点で申しますと、現行の法人税制のまさに基本的な考え方を変えるというものになります。したがいまして、政府税制調査会でも企業経営の実態や商法などの関連諸制度、さらには租税回避や税収減の問題といった諸点を踏まえつつ、引き続き検討を深めていく必要がある課題であるというふうにとらえられているところでございます。 今御指摘がございましたドイツ型の連結納税制度というのは、株式法上の利益移転契約に基づきまして、株式の保有関係のほか経営上、組織上の一体性の要件に該当する子会社、機開会社、その機開会社の利益をその年度において機関主体であります親会社に移転して、逆に機開会社の欠損はその機関主体が補てんするというような工夫をしているものでございます。 したがいまして、アメリカ型の今言われた連結納税制度とは本質的に異なる制度ではあるんですけれども、企業グループ全体を一体と見て課税上の取り扱いをする、先ほど申し上げた課税単位という点で考えますと連結納税制度と同様の問題があるわけでございまして、企業経営の実態、商法等の関連諸制度、税収減の問題の諸点を踏まえる必要がございまして、やはり引き続き検討を深めていく必要がある課題だというふうに考えているところでございます。
○河本英典君 次に、証券投資の優遇税制についてお聞きしたいのですが、欧米の主要国においては経済の活性化や市場機能の強化の観点から個人の証券投資についてさまざまな税制上の優遇措置が講じられているそうであります。例えば、イギリスでは年間投資額が六千ポンド以下であるときは配当、キャピタルゲインが非課税であると。それから、フランスでも投資額が六十万フラン以下であるときは配当、キャピタルゲインが非課税であるというふうになっているそうであります。 今日の株式市場の低迷を考えますれば、日本もかつてのマル優制度のように株式投資に対する優遇措置を考えたらどうかなというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大武健一郎君) ただいま御指摘がありましたかつてのマル優制度のような措置を株式投資にも講じてはどうかという点でございますが、御存じのとおり、かつてのマル優が所得税の課税ベースを大きく浸食いたしまして、特に限度管理の問題も含めて税負担の面で著しく不公平であるということで是正をしてきた経緯があるということを考えますと、こうした制度を株式に持ち込むということについては大変困難な問題かと存じております。 なお、税制面におきましては、平成十年度の税制改正におきまして、今、先生から御指摘がありました金融システム改革を推進するというような観点から有価証券取引税の税率を引き下げる一方で、株式等譲渡益につきましてはその課税を現行水準を維持するということで株式取引に対する実質的な税負担は大幅に引き下げているところでございます。さらに、十一年末までに金融システム改革の進展状況、市場の動向などを勘案して見直して株式等譲渡益課税の適正化とあわせてこの有価証券取引税等を廃止するところとしているということでございます。
○河本英典君 難しいという話はよくわかるんですけれども、金融ビッグバンがスタートしたところでありますので、これからやってみればいろんな状況というのがあらわれてくると思いますから、その中である部分だけはグローバルスタンダード、グローバルスタンダードと言っていろんなことをそろえてきたわけですけれども、そういった面も踏み込んで考えていただいて、ぜひともそうした税制改正ということも考えていただくということは実際は経済の活性化につながっていくんじゃないかというふうに強く思いますので、これは否定的ではなしに積極的に、できるかできないかはちょっと話は別としまして、積極的にやろうという意欲で取り組んでいただきたいなというふうにお願いしておきます。 それから、最後でございますけれども、関税の問題についてお聞きしたいと思います。 最近、高校生だとか中学生などで不正薬物の乱用が非常に浸透しているという話を聞くわけでありますけれども、大変ゆゆしき社会問題となっておるわけでございます。これは犯罪につながるわけでございます。 この不正薬物のルートといいますか、すべてほとんどが海外から持ち込まれている、密輸でございますけれども、その水際において輸入を阻止するということは非常に大事だというふうに思うわけでありますが、まず我が国における不正薬物の密輸入の現状というのは一体どんなものかということをお伺いします。
○政府委員(斎藤徹郎君) ただいま先生の方から御指摘がございましたように、不正薬物の乱用につきましては、特に覚せい剤につきまして戦後の第三次乱用期とも言われるような事態になっているところでございます。 税関での最近の不正薬物の摘発実績について申し上げますと、平成九年の不正薬物の密輸入事犯の摘発実績は、件数で三百四十五件、密輸押収量で見ますと、覚せい剤、大麻などが約三百二十一キログラム、それから向精神薬が約十一万錠ということで極めて高い水準で推移しているところでございます。 それから、密輸入事犯の傾向でございますけれども、商業貨物に隠して密輸されたものが十六件、船舶乗組員を利用した大口密輸入事犯の摘発が十七件、航空旅客機による密輸入事犯が百二十四件、それから国際郵便を利用しました向精神薬の密輸入事犯の増加が百八十三件といったことが主な特徴になっているところでございます。
○河本英典君 それで、税関における不正薬物の水際の取り締まりというのはどうなっているかということと、それから、取り締まり対策で非常に重要なことは国際的な密輸情報の情報交換を積極的に進めることが大切だというふうに思うわけでありますが、その辺がどうなっているかということをまとめてお聞きして終わりたいと思います。
○政府委員(斎藤徹郎君) まず第一に、不正薬物の水際における取り締まりでございますけれども、近年取り締まり対象が増加し密輸手口が巧妙化する中で、税関におきましては取り締まり体制の整備、それから監視カメラなど機器の整備を図っておりますし、内外の関係取り締まり機関との連携を強化し、効果的、効率的な水際取り締まりを実施しているところでございます。 ちなみに、国内押収量に占める税関による押収量の割合を覚せい剤、大麻、麻薬類などについて見ますと、おおむね水際での摘発が六割から七割程度になっております。これは必要に応じて警察あるいは海上保安庁などと連携強化を図ってきた結果とも一言えるものでございます。 それから、不正薬物の取り締まり対策の中で、国際的な密輸情報の交換の必要性でございますけれども、これはもう先生今御指摘いただきましたように、極めて重要な課題でございます。税関が限られた資源で効果的な取り締まりを行うためには外国税関当局との情報交換を中心とする緊密な協力が不可欠でございます。 私どもの税関も国際機関あるいは二国間でのルートを通じまして外国税関当局と情報交換に努力しているところでございますし、最近におきましては、昨年六月、アメリカ関税庁との間で税関相互支援協定を締結いたしまして、情報交換を行う際のルールを定めたところでありますし、それから、本委員会で御審議いただきました関税法改正におきましては、外国税関当局への情報提供を行う際の要件の明確化等の規定を設けたところであります。それから、アジア・大洋州地域の税関当局間の情報連絡事務所というのが現在香港に設けられておりますけれども、来年の一月からこれを我が国に移転する予定となっております。 このような形で、今後とも国際的な密輸情報の交換を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○河本英典君 終わります。
○今泉昭君 民友連の今泉でございます。 まず最初に、大蔵大臣にひとつ率直なお考えをお伺いしたいというふうに思います。 先ほど岡議員も述べられましたけれども、先週末の四月三日、東京市場におきまして円安、株安、債券安というトリプル安が報道されました。マスコミは「日本売り」という表現で盛んに書き立てたわけでございます。一方、タイミングがいいか悪いか別といたしまして、ニューヨークにおきましては株が九千ドルを一時上回ったという報道が同時に実はマスコミの紙面を躍ったわけでございまして、日米の経済の明暗のコントラストというのが明確に打ち出されたというふうに考えるわけでございますが、この日米の経済の明暗というものが一体何に起因をしているのかということについて少し大蔵大臣にお聞きをしたいと思うわけでございます。 株だけをとって見ますと、一九八五年の例のプラザ合意のとき、アメリカのニューヨーク市場のドルは三千ドルにも達していなかったわけでございまして、この十三年間に何と六千ドル、三・三倍近く株を引き上げてきた、これがアメリカ経済が大変好調であるということを世界に訴え続けてきたわけでありまして、アメリカの経済成長は何と史上最長の八年近くも上昇を続けているということが盛んに報道されてきたわけであります。 これに対しまして、東京市場におきまして、一九八五年からこの十三年間における我が国の株の上昇というのはわずか二千数百円程度のものでございます。既に一九八五年には我が国の株式市場は一万二千円台にあったわけでございまして、この十三年間に我が国においての株の上昇はわずか二千数百円にしかならなかった、我が国の経済成長率もほとんどゼロに近いような状態を、多少の上下はあっても、続けてきたということになっているわけでございまして、まさにその面から見ますと、我が国の経済とアメリカの経済の違い、あたかも経済のファンダメンタルズがそのような差があるかのような形で世界は受け取ってきているんじゃないかと思うわけであります。 ところが、いろいろ比較をしてみますと、先ほど日銀総裁も言われていましたように、我が国は一人当たりの貯蓄率が大変高いし、貯蓄総額は今や一千三百兆にも迫るような勢いである。しかも、外貨の準備高も二千二百億ドルを上回るような世界一の外貨の準備高を持っている。月当たり百億ドル近くの経常収支を記録している。我が国の経済のファンダメンタルズが決して悪いということにはならないような証左がたくさんあるわけであります。 これに比べましてアメリカの方は逆に、財政赤字は確かに解消の方向に向かっているかもしれないけれども、国際収支に関しましては大幅な赤字が続いているわけでありまして、我が国から相当、二千億ドルに近い、あるいは三千億ドルに上るような借金をしているような状況すらあるわけでございまして、経済の実態から比較してみまして、このような東京市場とニューヨーク市場に見られるような状況の差が経済の条件から見てあるとは思えないわけなのであります。 にもかかわらず、何で「日本売り」、ということが宣伝されなきゃならないのか、こういう経済実態になっているのか。原因は一体何なんでしょうか。経済のファンダメンタルズは決して悪くないにもかかわらず、我が国はこの数年間大変な苦しい経済状況にあるわけでございまして、その原因について大蔵大臣としてどのようにお考えになっているか、まずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) アメリカがどういう状況であるか、単純に日本と比べるわけにもいかぬ点もありますけれども、しかしいずれにせよアメリカの場合は個人消費や民間設備投資が活発でもありまして、内需の堅調を主な原因として景気が拡大を続けておるというところであります。それが株価にも反映しているのだろうと、こういうふうに思います。 ただ、考えてみますと、今から約十年ぐらい前、あの当時はアメリカの経済は惨たんたるものだったですね。八〇年代の中ごろから金融機関が倒産し、非常に厳しい状況にアメリカはありました。それを乗り越えるためにアメリカでは公的資金の導入をして、そして金融システム安定化策をとったわけですね。同時にまた規制緩和、そしてまた財政収支の改善策を着実に進めて今日のアメリカになった、十年ぐらい前にさかのぼって見ればそういうことがあると思うんです。 日本の場合には、先般、金融システム安定のための緊急措置法を通していただいて、それで金融安定化策を実行させていただきましたが、それでもまだ多くの金融機関が不良債権を抱えて苦しんでおるという状況があるわけでありまして、アメリカが七、八年ないし八、九年前に苦しんだ点が、今、日本はその苦しみを完全には脱却し得ないでいるという状況ではなかろうかと、こういうふうに思うわけであります。 したがって、日本としては、各種規制緩和あるいはまた金融システム安定化対策、そういったものを着実に進め、また銀行等の不良債権処理も進めて、そして日本の経済というものを生き返らせる、そういったことを今懸命に進めているところでありますが、そういったことをより一層力強く進めていくことが日本が立ち直るきっかけになるんじゃないかと、こう私は思っております。
○今泉昭君 今、大蔵大臣のお話の中にもございましたように、現在我が国の政府がとっていらっしゃる金融政策の安定のためのいろいろな方策が今後の経済の安定と発展のために大変重要だということは私自身もわかるわけでございますが、このことは裏を返せば、これまで政府がとってきました我が国におけるところの金融政策の誤りというもの、あるいはミスリードというもの、怠慢ということをまさしく示しているのではないかと思うんです。これまでの政府のやり方の怠慢が日米の経済にこれだけの格差を生んでしまったんじゃないかと私は思うわけであります。 御存じのように、規制緩和とおっしゃいますけれども、我が国の規制緩和の歴史というのは大変古いわけでございまして、まず最初に規制緩和の波を受けたのは製造業でございます。御存じのように、昭和三十九年に我が国はIMFの八条国に移行いたしました、OECDに加盟をいたしました。それと同時に真っ先にやってきた規制緩和というのは製造業に対する規制緩和であります。 製造業はこの間、昭和四十年から三十数年にわたり、規制緩和の中で血のにじむような国際化の努力をしてきたわけであります。ですから、今、製造業におけるところの規制というものは恐らく一二、三%しか残っていないはずであります。そのときに、常に国際競争に勝つために、国際競争に耐えるために大変な生産性向上を行い、我慢をしてやってきたわけです。製造業はそれでグローバル化を実現したわけであります。ところが、この三十数年間、金融関係はそれを全くやってこなかったんじゃないですか。それを放置してきたんじゃないですか。 御存じのように、グローバリゼーション、グローバリゼーションとおっしゃいますけれども、製造業は日本の生産システムがグローバリゼーションのトップを行っているわけですよ。世界の国々は日本の製造業を学ばなきゃいけないということで、日本のシステムが世界の基準になっているわけであります。ところが、規制緩和を外れてきた日本の金融あるいはサービス産業というものが全くグローバリゼーションからおくれてきた、このツケを今一挙に払おうとしているわけですね。しかも、三十数年の間にいろいろあったから少しずつやっていけばよかったんでしょうけれども、もっと問題なのは、一九八九年に東西の冷戦構造が崩れました。その時期に盛んに言われたのは世界化ということです、国際化ということであります。少なくとも、それが始まってからもう九年も過ぎているわけですよ。 この間、金融行政は一体何をしていたのか。依然として温室の中で春の夢をむさぼっていたと言う以外にないわけであります。この違いが今のニューヨーク市場と東京市場の差をあらわしているんじゃないかと思うのでありますが、そういう意味では金融行政の失敗が中心になったとは思われませんか。
○国務大臣(松永光君) 先生、これは大蔵大臣というよりも政治家松永として感じていることでございますが、実は私の主要選挙地盤は埼玉県の川口市だった、今では違いますけれども。そこは鋳物業、機械産業の盛んなところでございました。かつては一ドル三百六十円だったわけでありますが、それが二百円台になり、今は百円台になっておるわけであります。その過程を通じて少なくとも、貿易財といいましょうか、世界各国と競争しなきゃならぬ分野の製造業、主として川口の場合は部品の製造であったわけでありますが、その分野がどれほど苦労したか、そして技術革新のために血のにじむような努力をしたか、私自身もよく承知しておるわけであります。 日本の製造業は世界のどこの国に比べても恐らく、航空機産業、宇宙産業を除けば、アメリカ等と比べた場合には日本がまだまだ強いでしょう。また、新しい仕組みをつくったのも日本だと思います。実はそのくらいの改革をし努力をして、そして今日の日本の製造業があるというふうに思っております。 貿易と関係のない分野がどうしても、技術革新とかそういったものがおくれたというふうに私は見ておるわけであります。その中で、金融関係もどちらかというと最近になって自由化が進むということになってきたわけでありますので、その面では新しい世界の流れというものを先取りしていろいろな改革をしてきておけばよかったという反省はあってしかるべきだと私は思います。 しかし、我々の先輩たちが金融行政もやってきておるわけでありますから、そのことについて私はあれこれ批評しようとか批判しようとは思いませんが、いずれにせよ大変苦しさを伴う改革の場合にはどうしても思い切ったことができにくいという面もあるんじゃなかろうかというふうに思います。 一つずつ改善は加えてきたと思うのでありますけれども、いずれにせよアメリカの金融部門での思い切った改革に比べれば日本の方が数年以上おくれたという結果は認めざるを得ないんじゃないかというふうに思います。 それも、決して我々の先輩たち、担当者がサボったとか何とかというんじゃなくして、自由競争にさらされないというと、理屈の上ではわかっておっても、なかなか改革はできるものじゃないということでありまして、昨今のどうにもならない状況になってきたということで改革が今着実に進みつつあるというふうに私は見ておるわけであります。 そのアメリカとのおくれが日本の経済の現在の苦しみとアメリカの好調さ、今から十年前は日本の方がむしろ強くてよかったわけでありますから、そういうようなことになったんじゃなかろうかなというふうに私は考えておるところでございます。
○今泉昭君 現職の大蔵大臣として大蔵の金融行政を批判したり反省を厳しくするなんということはなかなか言いづらいだろうと思うんですが、言外にそういう意味合いのことが含まれていたと私は受けとめます。 そこで、現在のこの我が国の不況というものに対しましていろいろなことが政府・与党側でも言われておりますし、政界外でも経済界でもいろいろ言われてきているわけでございますが、政府として今この不況を何とか打開しなきゃならないという気持ちであることは間違いないと思うわけでございます。 そこで、今のこの我が国の不況、金融問題は別問題といたしまして、この不況を回復させるためにどのようなところにポイントを置いていかなきゃならないと思っていらっしゃいますか。金融対策は別といたしまして、現状の我が国の需給ギャップというのはどのくらいあるというふうに認識されているんですか。これはむしろ企画庁に聞いた方がよろしいですかね。
○説明員(古川彰君) お答え申し上げます。 需給ギャップあるいはGDPギャップという概念でございますけれども、これは趨勢的なGDPの水準、過去の平均的な設備の稼働率とか労働時間によって決まるものでございますが、こういう平均的なGDPに比べて現実のGDPが今どのくらい上の方へあるいは下の方へ乖離しているかということでございます。 何分、非常にモデル的な計算でございますので、GDPギャップの大きさということについていろいろな想定が可能でして一致した見方があるわけではございません。ただ、私どもOECD、経済協力開発機構の数値というものを拝見いたしますと、現在の日本のGDPギャップは大体三%程度の需要の不足であるというふうに計算されております。
○今泉昭君 そうしますと、GDPが大体五百五十兆ぐらい、三%といったら大体十六兆円、景気対策の数字というのはそこから来ているということなんですね。
○説明員(谷内満君) 与党の御提案ということで十六兆円規模の経済対策を御提案していただいておりまして、政府としてはそれを今真剣に勉強して対応について結論を得るということでやっております。 十六兆円の根拠は与党の方でお考えになったということでありますが、一つの考えとしてはGDPギャップとの関係というものも議論されているというふうに理解しておりますけれども、GDPギャップにつきましては、古川課長の今の御説明のように、それぞれいろんなファクター、例えば資本設備の正常な稼働水準をどう見るかとか、そういった技術的な前提条件によって、その推計値は推計機関によってかなり異なりますので、政府としては経済対策の効果とか規模についてGDPと直接結びつけるという形ではこれまで議論しておりません。
○今泉昭君 今、我々は七十七兆円余の予算を審議してきているわけでございまして、この予算を立てる際に、もちろん大蔵省もこれに関与しているわけでございますが、この七十七兆円を執行することによって我が国の経済が実質的に一・九%程度の成長が可能であるということを前提にした計算なり計画なり予算を組み立ててきたと思うわけでございますが、今お話にありましたように、大体三%、十六兆円近くの大きな需給ギャップを抱えながら、この予算で一・九%の実質経済成長率が今でも実現できるというふうにお思いですか。
○説明員(奥田宗久君) 平成十年度の我が国の経済の見通しについてお尋ねでございますが、現在景気は引き続き停滞し、一層厳しさを増していると認識しているところでありまして、政府としましては、企業や消費者の経済の先行きに対する信頼感を回復させるべく、二兆円特別減税、九年度補正予算を決定し、金融システム安定化対策とともに迅速かつ的確な執行に努めることとしております。さらに、十年度予算を一日も早く通していただくことが何よりも重要であると考えておるところでございます。 経済企画庁長官からは、二十一世紀の日本の経済社会のあるべき姿を実現するための経済運営の基本的方向性を踏まえつつ、その時々の実情に応じ経済活性化に向けて適時適切な経済運営に努め、政府経済見通しの十年度実質経済成長率一・九%程度を達成したいと御答弁申し上げているところでございます。
○今泉昭君 何ともむなしい響きを持って聞かざるを得ないわけでございまして、こういう審議が結局のところ国会が形骸化をしているんじゃないかということになってしまうんじゃないかと私は思うわけですね。 新聞を見ましても、いろんな経済機関の予測を見ましても、平成九年度の経済成長率はもともと一・九%として政府は予測していたけれども、どの予測もプラス成長になるという予測をしているところはもう今ではないわけですね、九年度といってももう終わったわけですけれども。しかも今度は、今、十年度の予算を我々は検討しているんですが、十年度の経済成長でも一%を上回る経済成長率を予測している機関は一つもないわけですよ。一番高いところで〇・七%程度が精いっぱいだと。しかも、それも公共投資四兆円ぐらいの補正で経済対策を打ってその程度の経済成長しか実現できないという報道しか出ていないわけであります。 そういう意味で、大蔵大臣、確かに予算の委嘱審査を私どもここでやっているわけでございますが、実現できないものを我々審査しなきゃならないというむなしさをしみじみと感じるわけでして、こういうことは国会の活性化とか国民に近い形での国会のあり方ということを考える上では今後避けていかなきゃいけないことではないかと私は思うわけであります。 そこで、もう一つこの景気対策でお聞きしたいと思うんですが、盛んに今言われている中で、我が国の今の消費低迷の原因は先行きの見通しが大変暗いということが消費の低迷に結びついている、その消費の低迷というのが結局景気の足を引っ張っているということは、これは与野党問わず、市井の人たちも皆一致する考え方ではないかと思うんです。そういう中で、将来不安というものの最たるものは国民の半数を占める就業労働者の失業率の問題だと私は思うのであります。失業率が高まれば高まるほど国民は危ないなと思って消費したいものも消費しませんよ。だから、失業率が低く落ちつかなければ見通しは明るくならないわけでありますから、この失業対策、雇用対策、失業率をどうするかということは大変重要なことではないかと思うわけであります。 実は、いろんな研究機関の資料を見ましても、恐らく平成十年は史上最悪の三・六%という失業率をさらに上回って年度間を通じて三・七ぐらいになるんじゃないか、そして平成十一年にはこれが四%に乗る可能性が大変強い、四・二%というようなところが結構多いわけであります。今までの我が国の失業率の推移を見てみますと、実は昭和四十九年までは我が国の失業率というのは一%だったわけです。大体一・二%ぐらいでありまして、失業者の総数もせいぜい六十万人ぐらい、百万人を大きく下回っておりました。それが、第一次石油ショック後の五十年の大変な落ち込みによりましてこれが二%台に上がってまいりました。二%台がずっと続いてまいりました。そして百万人を上回る失業者が出てまいりました。したがいまして、この雇用対策というものは一%時代から大きく二%時代に変わりました。雇用保険に関しましても今までの失業保険と違ったいろんな助成策をたくさんつくってきました。雇用保険のほかに特別勘定をつくって雇用調整助成金をやったり、職業訓練におけるところの補助金を出したりするようないろんな工夫が示されてまいりました。そして、平成六年から我が国は三%時代に入ったわけであります。もちろんその前にも一年だけ三%のときがありましたけれども、三%時代に入ったのは平成六年からでありました。ずっと失業率は三%になっているわけであります。そして今度は、平成十年はたまたま三・七ぐらいで行くかもしれないけれども、十一年からは四%時代に入るんじゃないか、そういうような見込みが今出されているわけですよ。これじゃ一つも見通しが明るいはずがない、これで消費が上向くはずがないですよ。 そういう意味で、雇用対策という面で、労働省、きょう来ていただいていると思うんですが、どのような手だてをこの景気回復とともに考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(太田俊明君) ただいまお話のありました完全失業率でございますが、現在三・六%ということで過去最高の水準でございます。この数字でございますとか、有効求人倍率が〇・六一倍ということでございまして、雇用失業情勢は大変厳しい状況にあると認識しております。 中長期的に見ますと、雇用の安定を図るためにはやはり経済構造改革等を推進しまして安定的、持続的な経済成長を実現して新たな雇用創出を行っていくことが極めて重要と考えております。一方、短期的には、雇用は景気が回復することによって確保されるものでございますので、さまざまな対策の実施によりまして景気の回復を図ることが何よりも重要ではないかと考えております。 労働省といたしましても、このような雇用動向を十分注視しまして、先ほどお話のございました雇用調整助成金制度の活用により失業の予防を図るとともに、経済団体の協力を得ながら積極的に事業所を訪問し求人の発掘等に取り組むなど、全力を挙げて離職者の再就職の促進に努めてまいります。あわせて、新たな雇用創出あるいは失業なさ労働移動への支援などの雇用対策や職業能力開発対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 今後とも、雇用失業情勢の推移を見つつ必要な対策について検討してまいりたいと考えております。
○今泉昭君 三十兆円の公的資金の投入についてもちょっとお伺いしたいと思いましたけれども、時間が来てしまいましたから、ここで質問を終わります。
○委員長(石川弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。 平成十年年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち金融監督庁、大蔵省所管、郵政省所管のうち郵便貯金特別会計及び簡易生命保険特別会計、国民金融公庫、日本開発銀行並びに日本輸出入銀行を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久保亘君 去る三月十日に当委員会に対して松永大蔵大臣から所信表明がございました。 それから約一カ月を経過しようとしておりますが、この所信は今もお変わりございませんか。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。 基本的には所信は変わっていない、そういう私の気持ちでございます。
○久保亘君 それでは、お尋ねいたしますが、この所信の一番最初は大蔵省の不祥事と今後の対応ということで述べられております。そして、その中に書かれておりますことは、綱紀の保持について早期に実質的な成果を目に見えるような形であらわせるようやっていきたい、全力を尽くしたい、こういうことを述べられておりますが、日銀の元営業局証券課長は三月十一日に収賄容疑で逮捕され、三月三十一日に起訴されました。そして、四月三日に、接見の上、懲戒免職とされたのであります。 大蔵省の逮捕者についてはどのような経過になっておりますでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 大蔵省の職員の関係では、実は四名逮捕・起訴されたわけでございます。 最初に逮捕されたのは宮川、谷内、この両名でございました。この両名につきましては、起訴の前に懲戒免職処分をいたしました。 それはどうしてかというと、起訴前に大蔵省の担当者が本人に面会をして、そして逮捕状の容疑事実についての確認を求めたところ、違法行為をしたと、法律違反をしたということを本人も認めましたので、したがって大体の容疑事実が間違いないということの確認がとれましたので、そこで起訴前に懲戒免職処分にしたわけであります。起訴前というのが大事なんでございまして、起訴されてしまいますというと、国家公務員法八十五条によりまして、懲戒免職処分をするについては実は人事院の承認が要るわけでございます。そこで、起訴前に宮川、谷内に対してはそういう処分をしたわけでございます。 あとの榊原、宮野、この二人につきましては、実は接見禁止になっておるものですから本人との面会が非常に制限されておったんです。そのために実は起訴前に法律違反ということの確認がとれなかったんです。そうこうしているうちに三月二十五日に起訴になりました。起訴になりました場合には国家公務員法に起訴休職処分というのがあるんです。それで、起訴休職処分にし、実質上は免職と同じように給与は一銭も支払わないという処置をとったわけでございます。普通、休職処分の場合には本俸の何割かを支給する例になっておるようでありますけれども、事の重大性にかんがみ、また国民感情もありましょうし、万が一支給してしまった場合には後で取り戻しができませんので、異例のことではありますけれども給与は支払わない、ゼロという処置をしたわけであります。 このことは実は日銀の方の処置もそこまでは同じなんです。大蔵省の処分の後に日銀の方はされたようでありますが、当初は休職処分で給与を支払わずというふうに日銀もされたようであります。日銀の場合には実は国家公務員法八十五条のような規定がないものですから、そこで、その後詳細面会した上、違法事実がほぼ明確になったので、その後に懲戒免職処分をされたということでございます。 我々の方は、実は起訴休職処分をすると同時に人事院の方に連絡をいたしまして承認方を求めて、そして事実関係の確認を今急いでいるところでございます。人事院の承認がありさえすればいつでも先になした宮川、谷内と同じような処置をしたいと、こう考えているところでございます。
○久保亘君 身分上の扱いというのは公平でなければならないと思っておりますが、法律違反があったということを本人が認めた場合には懲戒免職の処分となる、本人が認めなければ休職処分となるという扱い、これは法律上どうにもならない、そういう規定になっているんですか。
○政府委員(武藤敏郎君) 懲戒免職処分がどういう場合に行われるのかということにつきましては、もちろん信用失墜行為があったとか非違行為があったとか、国家公務員法八十二条に懲戒処分をすることができる場合というのが書いてございまして、これに当たるかどうかという判断は当然その本人が認めるとか認めないとかということとは別途にあるわけでございます。 しかしながら、問題はそういう事実確認がきちっと行われるかどうか、懲戒免職に当たる事由があると懲戒権者が認められるかどうかというのは、これは事実の認定に係ることでございます。 先に逮捕されました宮川と谷内につきましては、まず最初の接見で、起訴前の一回だけあった接見で自分は検査日を漏洩しました、あるいはある銀行の検査報告書の写しを別の銀行に渡しましたということを認めたわけでございます。そうなると、これは守秘義務に違反するということになりますから懲戒事由が明確になったということで懲戒免職処分をいたしました。 一方、榊原と宮野のケースにつきましては、基本的に争う、そういうことはしていないということでございますので趣旨を争うと。ただ、もちろん接待を受けたという事実を根本から否定はしておりません。ただ、どの程度の接待を受け、どういうことであったかという事実確認はできない状態にありました。それは本人がこれから起訴されるということで非常にそのあたりの説明も正確にはしなかったということがございます。そういうことで起訴に至り、そうなりますと刑事休職という手段が残されると。一方、人事院の承認があれば懲戒免職も可能でございますので、直ちに人事院と相談をして、そういう事実が認められるかどうか、今、接見も重ねながら事実の確認をしているところでございます。
○久保亘君 接見によって本人に起訴容疑を認めるかどうかを確かめられるのはどういう立場の方でしょうか。
○政府委員(武藤敏郎君) これは実際に我々の服務管理を担当する者、具体的には秘書課の担当の者が既に数回会っております。ただ、接見は一日三十分以内で家族とか弁護士とかと順番にやっていくものですからそう毎日のように接見するわけにまいりませんが、今やっている最中でございます。
○久保亘君 法律違反というのは最終的には裁判によって決まってくる問題だと思いますが、認めない者については休職処分しかしようがない、それから認めた者は直ちに懲戒免職に処する、こういうことは何かちょっと矛盾はありませんか。
○政府委員(武藤敏郎君) 御趣旨は私どももよくわかるわけでございますけれども、ただ、刑事訴追を受けた場合にそれを争うという立場の被告は、その黒白は裁判手続によって明らかになる、したがってそれまでの間は無実の推定が働くということであります。 今後、例えば公判の過程におきましていろいろな議論が行われる中で、これはやはり懲戒事由があるということが、本人が認めるかどうかと関係なく、そういうことが我々として確認できれば人事院も恐らくそういう立場に立って承認をいただけるものというふうに思いますけれども、本当にその黒白がはっきりしない場合にはそれこそ裁判の結果までその判断が留保されることはあるわけでございまして、過去におきます公務員のこのような類似の案件につきまして、控訴審判決まで刑事休職で、控訴審判決で有罪になって初めて懲戒免職処分をされたという例はかなり前例としてございます。
○久保亘君 またこの問題については私の方もいろいろと調べてみたいと思っております。 次に、最近、ロンドンで二つの会議がございました。一つは二月二十一日のG7、それから次に四月の二、三日にございましたASEMの会議でございます。なお、この十五日には今度ワシントンでG7が開催されると聞いております。この三つの会議に、大蔵大臣がG7の会議に二つ、それから首相がASEMの会議に出られたわけでありますが、我が国の経済・金融情勢をどのように認識しているかということについてそれぞれ各国の首脳や蔵相の会議の中で述べられたと思うんですが、ASEMは大臣は御出席でありませんからこれは別にしましても、二月二十一日のG7における経済・金融情勢の認識と今度四月十五日にワシントンに行かれたときに御説明になります認識とはどういう変化がございますか。
○国務大臣(松永光君) 二月二十一日のG7に出席した当時におきましても、我が国の景気は低迷しておる、いろいろ厳しい面がある、そういう認識でございました。それに対する対応策を私は特に強調してまいりました。すなわち、金融システムの安定化策とか、あるいは補正予算による施策の速やかな実行とか、あるいは十年度予算と関連する減税法案のこととか、そういったことを説明して、そして相手方の理解を得るように努めてきたところでございます。 しかし、今日になってみますというと、二月二十一日当時よりも少し厳しさが増しているなどいう実感は私は持っております。そのわけはくどくど申し上げませんけれども、いろんな理由から、消費者のマインドが著しく冷えてきていることとか、あるいは企業の景況感に厳しさが出てきてそれが設備投資にマイナスとなってあらわれているとか、そういった状況で二月二十一日当時よりはむしろ厳しくなっているのかなという認識は持っておるわけでございますが、次の会議の場合に、これは国会の了承があって出席できた場合の話でございますけれども、厳しい情勢の認識と同時に我が国のとっておる施策あるいはとろうとしておる施策等についても十分説明をして、そして理解が得られるように努めてまいりたい、こう私は考えております。
○久保亘君 今、大臣がおっしゃいましたように、わずかの期間が経過する間に厳しさはより増している。ロンドンに行かれましたときも危機的な状況という説明をされたんだと思います。所信表明の中にそのように述べられております。今はそれよりもさらに厳しい状況、こういうことでありますが、これは随分長期にわたって緩やかな回復基調と言われてきたものが先般のG7に行かれたころには停滞局面になり、そして、もし現状のまま四月十五日からのG7に出席されるとすれば、我が国の経済は今や危機的な後退局面に入ってきているという御説明になるんでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 午前中、景気は低迷し、下押し圧力が強まってきているという日銀総裁の話でございました。後退局面とまでは、私はそこまではなっていないように思うのでありますけれども、いずれにせよ日銀総裁が申されたとおり、景気が低迷し、下押し圧力が強まってきているという、そういう状況だというふうに認識いたしております。 四月十五日に予定されておるG7のワシントンの会合でございますが、先ほども申したとおり、これは国会の了承がなければかなわぬ話でありますけれども、何とか了承をいただいて出席できましたならば、今の厳しい認識をもとにして、そして政府のとってきた、あるいはとろうとしている政策についての説明を十分にしてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○久保亘君 大蔵省の考え方は別にしましても、三月三十一日、年度最終日のドキュメントがある新聞に掲載されました。その中には、「景気が悪いなんてまだ言っているのはマスコミだけだ」、こういう経済企画庁首脳の発言というのが書かれております。まさか大蔵大臣がそういう御認識を持たれることはないだろうと思いますが、これは経済企画庁首脳と言えば大体わかるんですね。しかも、この発言の最初に「オフレコだが、」と、こう言っているので新聞は名前を書いていないのだろうと思います。 このような政府の経済、金融、特に景気について分析し、これを発表する政府の最も主要な機関の首脳がこのような発言をしていることはどうお思いになりますか。
○政府委員(溝口善兵衛君) 先生が御指摘になった記事は私は読んでいないわけでございますが、経済企画庁の方は毎月「月例経済報告」というのをまとめまして、政府の経済認識を公表しているわけでございます。三月の時点を見ますと、結論的な部分は、「家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼしており、景気は引き続き停滞している。」ということでございます。それから、四月の「月例経済報告」というのは近々出るのではないかと思っておりますが、またそれは出ておりませんが、三月の時点ですとやはり経済の状況は厳しいというのが政府の見解であり経企庁の見解であろうと思っております。
○久保亘君 このドキュメントは、経企庁長官の発言として、午前九時半、「この程度の水準であれば、年度は越せる。」、株価のことですね、「私は一万八千円といったことは一度もない」という発言が午前中にございました。午後は長官がどうかわかりませんよ、経企庁首脳、午後四時、「オフレコだが、一万六千五百円なら年度を越すのに十分な水準だ。景気はもう大丈夫。四月になれば貸し渋りも緩和されるだろう。景気が悪いなんてまだ言っているのはマスコミだけだ。」、こういう発言なんですね。経済、金融の現状認識というものをどのようにきちんとしておくかということはこの後私がお尋ねしたいことの基本になるわけなので今お尋ねをしたわけであります。 平成十年度の政府予算案は今大詰めの審議を行っているわけでありますけれども、財政構造改革法が十年度の予算編成の根拠法の一つとなっているということは、そのままお認めになりますでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 昨年の十一月でございましたか、財政構造改革法という法律が制定されたわけでありまして、その法律のもとで平成十年度の予算を編成したわけでありますから、したがって、根拠法と言うべきかどうかは別として、その法律のもとで編成したということは間違いない事実だと思います。
○久保亘君 大臣は先ほど三月十日の所信表明は基本的に今も変わりはない、所信に変わりはない、こういうお答えでございましたが、この所信表明の中で述べられておりますことは、第一に財政構造改革法に規定された最終的な目標達成に向けて全力を尽くす、こう述べられておりますが、このことは今も変わりませんね。
○国務大臣(松永光君) 大蔵大臣たるもの、現に生きている法律はきちっと守っていかなきゃなりません。したがって、平成十年度の予算もこの財政構造改革法の趣旨に沿って編成されたものだと、こういうふうに思います。 すなわち、財政構造改革法が目指しておる二〇〇三年度までに例えば国、地方の財政赤字をGDP比三%以内にするとかあるいは歳出面ではあの法律に書いてあるいわゆるキャップというものを尊重して編成するとか、あるいは特例公債というものは前年度よりも減らすべしとか、そういったもろもろの法律に定められたることを守りながら編成されたものだというふうに思います。そして、あの法律に書いてありますように、聖域を設けることなく歳出全般について見直しをして、そして効率的な予算をつくる、こういったことで編成されたものだというふうに思います。
○久保亘君 編成されたのは大臣が今おっしゃったとおりだと思います。法律があるのに法律に違反するような予算の編成はできません。しかし、私がお聞きしているのは、それでよかったと今思っていらっしゃるかどうか、これは間違いないんだと、だからこれからもこの十年度の予算はそのような考え方に基づいて、財革法を根拠にしてこの予算は守られていく、そのように考えていらっしゃるかと、ここから先のことを聞いておるんです。
○国務大臣(松永光君) 財革法の規定がありますけれども、同時に法人税の減税、税率を三%引き下げるとか、あるいは土地・住宅税制についても減税措置をするとか、金融関係税制あるいは所得税につきましても特定扶養者控除を増額するとか、こういったことで八千四百億という減税措置をするなどという努力をして、そして財政構造改革法のもとでの最大限の努力をした予算だというふうに思っておるわけであります。 この予算を成立させていただいたならば、この予算の速やかな執行を図って、そして厳しい状況から抜け出すことができるようにしていかにゃならぬと、こういうふうに思っておるところでございます。
○久保亘君 今はそういうお答えしかできないのかなと私も深く同情しながらお聞きしておりますが、しかし今日の日本の経済の状況というのは思い切って議論しなけりゃ、そして大蔵省が、どういうわけか首相は国内では余りおっしゃらないけれども、外国へ出られたときに私もなるほどなと思う御発言があるようです。やるべきことは大胆にやるというのが今度のロンドンからの私どもに対するメッセージみたいなものですね。やるべきことは大胆にやると。 それで、大臣に私が申し上げているのは、十年度の予算が成立すれば大丈夫なんですか、やることがあるんじゃないですか、そういう認識は持っていらっしゃいませんかということを聞いているんです。
○国務大臣(松永光君) 先ほど久保先生は私の立場について御理解をいただいたわけでございますので、大蔵大臣たる私は現在ただいまはこの予算をぜひひとつ成立させていただきますようにお願い申し上げたいところでございます。 なお、与党で新しい経済対策の基本というものを先般お決めになりました。あれを予算成立後に重要に受けとめて、そして、総理の言葉ではありませんけれども、何をすべきか、何がやれるかというのを真剣に研究をさせていただきたいと、そう思っているところでございます。
○久保亘君 あなたの所信表明を丹念に読ませていただきました。そうすると、十年度の予算では一般歳出四十四兆五千三百六十二億円は前年度当初予算に対し五千七百五億円、一・三%の縮減を達成したと、そう言われたんです。そのことはこの予算の性格を財革法に基づいて端的に私は述べられているものだと思っておりますが、これでいいですかということを聞いておるんですよ。そのことをやはり、大蔵省といわず、政府は責任を持ってやるべきじゃないですか。今、責任論を言うならば、政策を転換することによって責任を問われるのではなく、転換しなければならないにもかかわらず、この転換をちゅうちょしていることこそ責任を問われることだと私は思っております。 そのようにお考えになりませんか。
○国務大臣(松永光君) 大変厳しい御質問でございまして、繰り返し申し上げますが、今、平成十年度の予算の審議の終盤に至りまして、大蔵大臣たるものが発言していいことと発言していかぬこととあるものですから、私としてはこの予算を財政構造改革法という法律の存在を前提にすれば最大限努力した予算でございますということを申し上げるしかないわけであります。 なお、総理が申されたことは私もしっかり承知いたしておりますので、また総理の話の中には、予算を成立させていただいた後、財政構造改革会議を招集されて、そこでいろんな議論がなされるそうでありますから、その議論等を踏まえてこれからのことは考えていきたいと、こう思う次第でございます。
○久保亘君 それでは、この問題は今後また議論の機会もあろうと思いますが、今の法律のもとで補正予算といいますか、十年度予算に支出を追加するとすれば、歳入との関係で限度はどこまでですか。金額で説明できませんか。
○国務大臣(松永光君) これは仮定の話というか、一般論としてお聞き願いたいわけでありますが、細かい点は事務方から説明をさせます。
○政府委員(細川興一君) 財政構造改革法の中には幾つかの先ほど大臣から御答弁がありましたものがかかっておりますが、その中で先生が今御指摘の補正との関係で申し上げますと、赤字国債は前年度から縮減を行うという規定が入っております。具体的に申し上げますと、九年度の補正後の赤字国債の発行額は八兆五千百八十億円、十年度発行予定額が七兆一千三百億でございますので、その差一兆三千八百八十億円、これがそういう意味では今申し上げました規定との関係である金額でございます。
○久保亘君 そうすると、財源として追加できる限度をもう一遍、金額を言ってみてください。
○政府委員(細川興一君) ただいま申し上げましたのは赤字国債でございます。建設国債については、キャップは当初だけしかかかっておりませんので建設国債は発行できますが、赤字国債につきましては、今申し上げましたように、前年度から縮減を図りつつという規定がございますので、それを今具体的な数字で申し上げますと、その間が、間というかすき間というか、それが一兆三千八百八十億円でございます。
○久保亘君 そうなりますと、所得税減税等を中心にして減税をやるべきことは思い切ってやると、こうなりました場合には今の法律のもとでは財源的には非常に困難である、こういうことになりますね。
○政府委員(細川興一君) 仮定の問題でございますけれども、それは歳入歳出見直しの全体の中での話になると思いますが、規定上、今申し上げましたような金額しかないということは事実でございます。
○久保亘君 大臣、既に与党の経済対策、そしてこれをめぐる与党側からのいろいろな発言の中には減税の額もかなり大きな金額が示されておりますが、このことは、もしこの十年度予算の成立に引き続いて経済対策としての補正が行われる場合には、同時に法律の改正が必要になるという御認識でしょうか。
○国務大臣(松永光君) 減税問題について我が党の有力者が見解を外に述べていらっしゃることは私も報道等で承知いたしておりますが、我が党の政策責任者である山崎政調会長は減税については余り大きいことをおっしゃっていないように私は思うんです。 いずれにせよ、総理の発言の中にありますように、十年度予算を成立させていただいた後、できるだけ早い機会に財政構造改革会議を招集して、そこで議論をなさるということでありますので、私もたしかその会議に参加する一員であると思うんですけれども、その会議の結果を見て研究していきたいと、こう考えているところでございます。
○久保亘君 いずれまた大臣から本当ならばやるべきことを思い切ってきょうお話しになるべきだったことを近い機会にお聞きすることになるだろうと思っております。 私の質問はこれで終わります。
○牛嶋正君 公明の牛嶋正です。 今、大蔵大臣と久保先生のやりとりを聞いておりまして、私は、新年度に入ってからの経済指標の推移をずっと見ておりますと、我が国の経済の今の情勢というのは残念ながらやっぱり景気後退の局面に入ったのではないか、こんなふうに思っております。したがって、もう一度足踏み状態へ戻すということが今考えなければならない最大の課題というふうに思っております。 その場合にどういう手を打つかということですけれども、大方の議論はやはり低迷している消費需要を何とか喚起するということだろうと思います。 それに関連いたしまして、ここ一週間ほど内外で大型の所得税減税が議論されるようになってまいりました。先ほどもお話がありましたように、ロンドンからも総理のそういう御発言もあったようでございます。急に大型の所得税減税が現実味を帯びてきたわけですけれども、私は、果たして大型減税というのは税構造のあり方等々を考えて実際にできるのかどうかということ、それからまた大型所得税減税の景気対策としての効果、そういったものをきょうは取り上げさせていただきまして御質問をしてまいりたい、こんなふうに思っております。 そこで、まずお尋ねしたいことは当委員会におきましても一月に議論いたしました二兆円の所得税特別減税、これが二月に実施されたわけであります。そのとき私は二兆円の特別減税の効果について御議論させていただきました。定額の戻し税というのは非常に効果があるというふうに思いますけれども、それはやっぱり一気に返さなければ、戻さなければ余り効果がないわけでありまして、税負担のそれほど大きくない納税者は数カ月にわたって順々に戻されていく、これですと効果は分散してしまうのではないかという懸念を申し上げたわけです。 実際に二月に減税が実施されているわけですが、その状況がもしわかれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(乾文男君) 二月から実施されました特別減税でございますけれども、ただいま先生御指摘のように、この特別減税の緊要性にかんがみまして、源泉徴収義務者につきましては二月からということで行われたわけでございます。全国四百万の源泉徴収義務者のもとにおきまして、非常に短期間の実施でございましたけれども、源泉徴収義務者の御協力を得まして大きな混乱もなく実施されてきたところでございます。 なお、源泉徴収義務者は、そこで働いている給与所得者でございますけれども、給与所得者各人ごとの給与の支給金額、それから特別減税後の源泉徴収税額を集計いたしまして所得税徴収高計算書というものをつくりまして企業の全体としての給与の支給総額や納税額というものは税務署に提出することになっておるわけでございますけれども、そこに働いている給与所得者個々人についての計数は出すことになっておりません。 したがいまして、お尋ねでございますけれども、国税庁といたしましては各人ごとの減税の実施状況、減税額、まさに二月分で引けたか何月だったかということは把握しておりませんので、御理解いただきたいと思います。
○牛嶋正君 これは減税方法と非常に絡んでくるわけですけれども、順に議論してまいります。 やはり、我々としては減税の消費喚起効果みたいなものを議論する場合にはそういったデータが欲しいわけですね。ですから、今度同じような減税をやりましても、またそこらのデータがあいまいですと最初から的確な効果の測定ができないというふうなことになりますので、できるだけ時間をかけてもそのあたりのデータをお示しいただきたい、こんなふうに思っております。 それで、こういうことですから恐らく企画庁も消費に与えた減税の効果というのはまだまだ十分にはつかんでおられないと思うんですけれども、感触でも結構ですが、どんなふうにとらえておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(古川彰君) 御指摘いただきましたように、二月の下旬ぐらいに多くの勤労者の所得の増加という形であらわれたものですので、二月下旬以降の個人の消費関連の指標というのがまだそろっておりませんので現時点では効果の程度がなかなかはっきりと確認できる状況にはないということでございます。 ちなみに、二月の家計調査、実質消費支出ですけれども、こちらは一月、前月に比べまして〇・一%のマイナス、ほぼ横ばいでございます。前年比は去年が高かったこともありまして四・五%減ということで、個人消費は依然厳しい状況にございます。
○牛嶋正君 もう一つ企画庁にお尋ねしたいんですが、これは今度の特別減税とは直接関係ございませんけれども、所得税の減税効果と公共投資の需要創出効果を比較する場合には、この前も議論させていただきましたように、公共投資の場合には全額そのまま需要増という形をとりますけれども、所得税減税の場合には、可処分所得の増加があって、そのうちどれだけ消費支出に振り向けられるかが問題になるわけですね。 ですから、その段階では公共投資の方が需要創出効果は大きいというふうに判断できますけれども、その役なんですね。すなわち、乗数効果が順々に作用していきますけれども、その場合に私は減税の場合と公共投資の場合に乗数効果のあらわれ方が若干違うのではないかというふうに思っております。 そうなりますと乗数値も異なってくるというふうに考えておりますけれども、企画庁はそのあたりどういうふうにお考えでしょうか。
○説明員(加藤裕己君) 今お尋ねの件ですけれども、第五次版の世界経済モデルの乗数を見ますと、まず減税でございますけれども、名目GDP一%相当の所得税の減税を継続的に行った場合、実質GDPを一年目で〇・四二%、二年目で〇・七二%、三年目で〇・八三%引き上げることになっております。一方、公共投資の方でございますけれども、これは実質ではかった公共投資を実質GDP一%相当増加させた場合の効果でございますけれども、一年目の乗数が一二西、二年目が一・四〇、三年目も一・四〇となっております。 以上でございます。
○牛嶋正君 私は、なぜそんなことを聞いたかといいますと、やはり公共投資の効果と減税効果を比較する場合には、最初の一、次効果のところははっきりしているわけですけれども、むしろ乗数効果のあらわれ方が重要だと思っております。公共投資の場合、場合によっては用地費に全部行ってしまった場合にはそれは消費需要というふうな形では戻ってこないわけでありますから、そういたしますと後の乗数効果というのは非常に小さなものになってしまいます。私は、もう少しそのあたりを企画庁としては分析をしていただかなければならないのではないかというふうに思っておりまして、これはお願いをしておきたいと思います。 いずれにいたしましても、減税が効果をあらわすためには、先ほどから議論しておりますように、とりあえず可処分所得がふえて、その可処分所得がかなりの部分消費に振り向けられるということが重要であります。私はこれを減税の一次効果と言っているわけですが、この一次効果をできるだけ大きくするためには、もちろん減税額も問題ですけれども、減税方法が非常に関連をしてくるわけでございますね。 所得階層別に限界消費性向を見てみますと、所得階層の低いところは限界消費性向は非常に高いわけですけれども、階層が上に移っていくに従いまして限界消費性向はどうしても落ちてまいります。こういうふうに考えますと、一定額の減税を行ってできるだけ消費需要効果を大きくしようとすれば、低所得者に厚い形で減税を行っていかなければならないということになります。ですから、減税の方法といたしましては、課税最低限をさらに引き上げるか、あるいはいま一つは基礎税率であります一〇%を下げるかということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、私はこの二つの方法というのは今の我が国の所得税の構造を考えますと非常にとりにくい方法ではないかというふうに思っております。特に、課税最低限は諸外国に比べまして非常に高いところに来ているわけです。これはこれまで所得税減税がずっとやられてきた結果なんですけれども、そういう問題を含んでおりますね。そういうふうに考えますと、課税最低限を上げることにつきましても非常に問題ではないかというふうに思います。 そこで、お尋ねしたいんですけれども、仮に所得税一兆円減税を行うという場合に、これを課税最低限の引き上げたけで行うとするならばどれくらい課税最低限が引き上げられるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(大武健一郎君) お尋ねのございました一兆円減税した場合、すべて課税最低限といいますか諸控除の引き上げで対応するといたしますと、例えば基礎控除等を一万円ずつ引き上げた場合の減収額ですが、例えば基礎控除だと七百億円ですとかあるいは配偶者控除ですと二百億円ですとか、それらを積算いたしますと、そうした一定の前提を置くと基礎控除等の引き上げは減税規模を一兆円にするには約六万円ぐらい上げるということになると存じます。 そういたしますと、これによる給与所得控除へのはね返りも当然先生御存じのとおりあるものですから、現在の課税最低限三百六十一万六千円という標準世帯で考えるとこれは四百万円まで上がってしまうということになるのかと思います。
○牛嶋正君 今、いろいろ議論されております減税額を考えますと、一兆円じゃなくて二兆円とか、場合によっては四兆円というような議論もあるわけですね。ですから、今、需要効果をねらって課税最低限を引き上げるというふうなことになりますと大変な税構造になってしまうのではないかと、二兆円ですともう四百万を超えてしまうわけですから。そうしますと、何となく大型所得税減税と言っているけれども、これからの所得税は高齢社会における税制の中で主要税目として位置づけられるわけですけれども、そういうことを考えますと技術的にもちょっと問題があるのかなというふうに思っているわけであります。 そこで、今申し上げました税率構造の面からどういうふうな所得税減税を行う場合に限界があるのかということをもうちょっと議論を進めていきたいと思います。 平成六年度の税制改正では所得税の先行減税が行われました。この前も申し上げましたように、所得水準が一千万円前後の中堅サラリーマンのところでこれまで累進度がぐっと高まっておりまして非常に税負担感を持っておりました。そのためにフラット化がそこのところで行われたわけであります。 しかし、その結果を見ましても、英米の所得税構造と比較いたしますと基本的には何ら変わっていなかったのではないか、中堅サラリーマンと言われている所得水準一千万のところで若干フラット化しましたけれども、全体の構造はほとんど変わっていないというふうに私は思っております。ですから、英米の所得税の構造と日本を比較いたしますと、日本の方がはるかに高い、きつい累進構造になっているわけです。 少し説明させていただきますと、所得水準が一千万までは英米の方が実効税率ははるかに高いわけです。そして、一千五百万を超えますと逆転いたしまして日本の方の実効税率が高くなります。私は、この構造を英米型はJという字を横に倒したような感じになっておりますのでJ形の税構造というふうに呼ばせていただきます。日本の場合はそれに対しまして、最初は実効税率は非常に低いんですけれども、今申しましたように、中堅サラリーマンのところから急に上がりまして、そして一千五百万で英米を追い越して高くなって、そして最高税率五〇%ですからやがて天井のところに来る、こういう形ですので私はSの形をしたのが日本の税構造だ、こんなふうに思っているわけであります。 この二つの対照的な税構造をつくり出しているのは、一つは先ほどから議論しております課税最低限が非常に日本は高いということです。それから、基礎税率と申しますか、最初の税率が一〇%で日本は低いんです。英米は二〇%とか二五%であります。それから、税率構造が英米の場合は二段階でありますが、日本は五段階になっている、こういうことがそういう構造をもたらしているということであります。 この構造が、先ほど申しましたように、消費需要を喚起するための減税ということになりますと一層そういうSの形を極端な形にしていくわけですね。ですから、私はそういう面からいいましてもちょっと所得税減税の一つの限界というものがあるというふうに思っております。 それからもう一つ重要なことは、今のような所得税の税構造で果たして高齢社会にふさわしい税制の中で所得税が主要税目としてふさわしい税構造であるのかどうかということも考えていかなければなりません。 その点について大蔵省にお尋ねいたします。
○政府委員(大武健一郎君) ただいま先生から言われました所得税についてのいわば基本的な考え方というのは政府の税制調査会の答申の中でも多く指摘されていることかと思います。ただ、従来に比べますと、やはり平成元年の抜本的税制改革ですとか、ただいま先生がお話しになられました平成六年秋の税制改革によりまして累進構造はそれなりに大胆にフラット化されました結果、個々人のサラリーマンでとらえてみますと、普通の方が退職までの間に適用される所得税率は一〇%か二〇%で済むということにはなっているのかと思います。 もちろん、先生が今御指摘になられましたように、諸外国に比べて課税最低限が非常に高いということから、いわば所得がありながら所得税を払わないで済む方がいらっしゃるということ、他方で最高税率が諸外国に比べて相当高い、ドイツは日本より高いですけれども、その他に比べると高いということ、その結果、今御指摘になられたように、S字といいますか、確かに累進度が相当急に行くと。ただ、多くのサラリーマンにとっては、さきの抜本改正で一〇%、二〇%というところで生涯大体おさまるぐらいの形になっているということだろうと思います。事実、給与収入ベースで標準世帯でカウントいたしますと、給与収入一千万以下の方で全納税者の九四%を占めているという実情にございますから、多くの方は大体給与収入一千万以下、今の先生ので言えば相当諸外国に比べれば低い水準のところにとどまっているということなのだろうと思います。 ただ、今後の高齢化を考えた場合には、ただいま先生が言われたことも税制調査会で指摘されておりますのでちょっと読みますと、我が国の個人所得課税の課税最低限は、累次にわたる引き上げにより主要諸外国に比して既に高い水準となっており、全体としての累進度を強めている面がある。加えて、そもそも個人所得課税は広く国民に税負担を求めるべきものであることなどを勘案すれば、これらの基礎的な人的控除を引き上げることは所得税制のあり方自体の問題としては基本的に適当でないという指摘。他方、最高税率の水準については、諸外国と比較してなお高い水準にあり、今後、個人所得課税の課税ベースの拡大や他の税目による財源確保などを検討し、これを引き下げていくことというような中長期的方向が指摘されているところでございます。
○牛嶋正君 私は、所得税を考える場合に、これまで我が国では公平の原則というのか、これをやっぱり第一に考えてきたと思うんですね。その場合に、公平の原則を満たすためには累進構造でなければならないということなんですが、恐らくその結果が今のような状態をつくり出してきたというふうに見ていいかと思います。 なるほど、今おっしゃいましたように、普通のサラリーマンというふうな表現がちょっと気になるんですけれども、横軸に所得水準、それから縦軸に実効税率をはかって曲線であらわしてみますと、やっぱり八百万から千五百万ぐらいのところはまだまだ実効税率の勾配は急なんですよね。ここのところが日本の経済を支えているところということになりますと、労働インセンティブの問題を考えた場合に、もうちょっとやっぱりフラット化をしなければならないんじゃないかと。 大蔵省はできるだけ広く税負担をしていくんだということをおっしゃいます。その議論はいつも消費税と私は関係があったと思うんですね。私は、そうじゃなくて、高齢社会を迎えた場合、高齢社会にふさわしい税制というのは全体的に見てやっぱり広くだれもが負担し合うという税制でなければならないというふうに思います。だとすると、この前は欠損法人の法人税について御議論させていただきましたけれども、私は、所得税についても法人税についても、主要税目である限りはそこでできるだけ広く負担するような形をとっていかなければならないというふうに思っております。だといたしますと、先ほど申しましたが、今のところ我が国でS字形をとっておりますけれども、できるだけ英米型に近いJ形の税構造を考える。それでもやはり実効税率は所得の上昇に伴いまして増加していくわけですから累進課税だと思います。 そういうことを考えているわけですが、問題は、そういう税構造に今のように減税減税で税制改正を行ってきた場合、果たしてできるのかということなんですね。私は、むしろ税調あたりで議論していただきたいのはそこのところなんです。よりフラット化された税構造に今の税制をどういうふうに税制改革しながら持っていったらいいのかということですね。 これは減税の方法とも絡んでまいりますので非常に重要な点だと思いますけれども、その点についての大蔵省の考え方でもいいですし、税調の議論でも結構でございますが、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(大武健一郎君) 先ほども引用させていただきました税制調査会の答申でもただいま先生が御指摘いただいた考え方は指摘されておりまして、やはり累次にわたる所得課税の減税、なかんずく課税最低限の引き上げによって既に主要諸外国と比較いたしますとかなり高い水準までなってしまっていると。そこに実は先生が今言われたように二つの問題があって、控除の水準が高いということと最初の適用税率がほかの国は二割であるのに対して一割であるということだろうというふうに思います。 しかしながら、このあたりを直そうといたしますと、課税されていない給与所得者その他国民に対して課税をする、あるいは既に課税されている方でも一割で済んでいる方を二割にできるのかどうかというような問題を秘めておりますので、税制調査会としてはまだそこまでの御指摘ではありませんで、むしろ今後の税制改正というのは基礎的な人的控除を引き上げることについては所得税制のあり方自体の問題として基本的に適当でない、むしろ税率構造をフラット化していく方に努力すべきだということをかねてから言われてきたということかと思います。
○牛嶋正君 それで、私はこれは通告していないんですけれども、そうなってきますと、減税を行う場合、税率の引き下げということになります。そして恐らくそれは、今、諸外国と比較した場合に、最高税率が高いですからこれを抑えるということになりますね。そうした場合に、やっぱり所得の高いところで減税になってしまって、それこそ消費喚起の効果というのはほとんど期待できないという矛盾があるわけですね。こういう矛盾を考えていきますと、やっぱり所得税減税というのは大型になればなるほど難しいのかななんというふうに思っております。 先ほどは一兆円というふうな数字を出させていただきましたけれども、もし税率を抑えるということでいくとするならば一兆円減税で最高税率のところはどんなふうなことになりますか。
○政府委員(大武健一郎君) お聞きしておりませんでしたので正確な数字はここでお答えしがたいのでございますが、所得税が最高税率五〇%、住民税が一五%、足すと六五%になっている税率を例えば五〇%にせよという御指摘がかねてから多方面からございます。その場合、所得税の最高税率を四〇%、住民税の最高税率を一〇%と単純に今の刻みのままで、逆に言えば課税最低限を一切いじらないでまさに高額のところだけ減税しても約一兆円の減税になるかと思います。
○牛嶋正君 そうしますと、差し当たって今かなり大型の所得税減税ということになりますと、私はやっぱり二つの方法しか残っていないのではないかなというふうに思います。 そのうちの一つは、これは私の考えなんですけれども、負の所得税を考えるということでございます。ということは、課税最低限がここまで上がってしまったわけでございますので、その課税最低限に届かない所得者に何らかの形で減税を行っていくということになりますと、負の所得税というのはこれはもう大変な税制改革になりますので今のところは私の思いつきというふうに考えていただければいいと思いますけれども、負の所得税の考え方と申しますのは課税最低限に満たない所得者につきましてはその差額について一定の税率を掛けて税を戻すという方法でございますが、この方法をとりますと、大型の減税も行って、しかも課税最低限以下の所得者に対しましても減税を行うことができるということだろうと思います。しかし、これはもう基本的に所得税の考え方を変えなければなりませんから一つの理論的な机上の減税方法だというふうに思います。 そうだといたしますと、今度二兆円減税をおやりになりましたように、やっぱり特別減税ということになるのかなというふうに思います。これですと制度減税ではございませんし、一時的な戻してございます。私は、余りしょっちゅう減税を景気対策に使うべきではないというふうに思います。ただ、今のように非常に厳しい状況のもとで、そして消費喚起をどうしても今やらなきゃいけないというふうなときに特別減税を一回限りのものとしてやっていく、こういう方法をとらざるを得ないのではないかというふうに今思っておりますけれども、これについて大蔵省のお考えがございましたら、コメントがございましたらいただきたいと思います。
○政府委員(大武健一郎君) 先ほどからお話しいただいていますように、我が国の所得税は先進諸外国に比べますと課税最低限が高く、我が国の所得税の負担水準を見ますと、中低所得者層を初めといたしまして相当負担の軽減が行われてきているわけで、例えば給与収入七百万円以下のサラリーマン世帯で見ますと、おおむねアメリカの半分という負担水準になっているわけでございます。現状がまずこういう状態にあるということでございまして、したがいまして減税というものを考えるときに、今、牛嶋先生が言われたように、負の所得税みたいな議論さえ出てくるぐらい実は課税されている額が非常に少ない層が大量にふえているという実情だと思います。 ただ、特別減税というものを考えてみますと、これ自体は、先ほど来お話があったように、あくまでも当面の景気対策として実施するという性格のものだろうと思います。 ただ、いずれにしましても、先ほど来お話がありましたように、課税最低限が相当高いものですから、例えば今回のいわゆる特別減税、年初来やらせていただきました二兆円の特別減税によりまして、国の所得税の場合、標準課税の負担水準のところで申しますと、既にことしに関しては三百六十一万が四百二十三万まで実は課税最低限が上がってしまっているという実情があります。したがいまして、言ってみれば四百二十三万以下の標準世帯の方は実は税金をお払いになっていないという実情がもう既にあると。 それでは逆に、今、先生がお話しになられたような負の所得税というものは、御存じのとおり、アメリカには納税者番号制度があるということ、それから納税者が全員申告する体制になっているということ、日本では逆に税務署で把握しているのは申告納税者だけでございますし、ましてや源泉徴収、年末調整で多くのサラリーマンは税務署が把握する仕組みになっていないということまで考えると、ましてや未納税者の方についてはいわばツールとして全く本人確認から何からできないという実情があるということは御理解いただきたいと思います。 ただ、御質問の趣旨で申すならば、景気対策で考えるなら特別減税しかないのだろう、それでことしの年初にもやらせていただくことになったということかと存じます。
○牛嶋正君 それで、特別減税の効果、ですから一番最初に取り上げさせていただいたわけなんですが、やはり戻し税でございますから税を全然負担していない人については何ら減税はないわけでございます。そうなりますと、まだ正確なデータは出ておりませんけれども、非常に大型の減税を行いましても私は消費喚起効果というのはそれほど期待できないんじゃないかと。ここのところをどういうふうにやっていくかということなんですね。 そういたしますと、公明が言っているような一つの考え方、それは税負担、納税額とは関係なしに一定の金額を給付する、これはネガティブタックスと言っていいのか、ちょっと難しいと思いますけれども、むしろ給付と言った方が、ペイメントと言った方がいいと思いますけれども、そういう方法が一つ考えられるわけですね。 ですから、所得税減税の場合に、今のような状況でやはり消費の喚起ということをどうしても考えていかなければならないとするならば、これまで経験のない方法ではありますけれども、こういった非常に思い切った一つの減税の方法も考えていかなければならないのではないか、私はこんなふうに思っておりますが、これにつきましては大蔵大臣にお願いします。
○政府委員(大武健一郎君) 最初に実務的なことを御説明します。 先ほども少し触れましたように、やはりアメリカでは確かにかつて小切手のような形で給付したというようなことがあるようでございますけれども、これはあくまでも減税というよりは歳出の給付なんだろうと存じますけれども、いずれにしましてもアメリカには納税者番号、社会保障番号をもとにした全員の納税者番号が完備されていて、大型のコンピューターですべて管理されているという実情にございます。 それに対して日本の場合には、先ほど申し上げたように、税務執行体制が全く違っておりまして、番号もございませんし、本人確認もございません。唯一本人確認するというのは、サラリーマンの場合であれば源泉徴収及び年末調整ということで事業主にお願いをしている、さらにそれを超える方には申告納税という形で補完をしているということでございまして、確定申告のときにお願いをする。したがって、このような方々についてさえ実はそれぞれ、特に奥様で働いていないというか給与所得がないような方々の確認というのは全くできないわけでございますし、さらには住所地のはっきりしない方、さらには日本にお住まいの外国人の方等々を考えますと、日本ではとても実行というのは難しいのではないかなと、これは実務面だけの事務的な御説明でございます。
○牛嶋正君 そういうことで、私はこの前は法人税について申しましたけれども、日本の税制というのは主要税目でありながらそれらしい風格を備えていないんじゃないかなというふうに思っております。ですから、法人税だけじゃなくて所得税につきましても納税者番号が前提になってくると思いますので、こういったことを十分に考慮してやっぱり風格のある所得税構造にしていただきたい、その場合に、何回も申し上げますけれども、それを考えていく場合には所得税の大型減税というのは非常に難しいのではないかということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。 本日は、本間理事、参考人としておいでくださいましてありがとうございます。 この四月から金融ビッグバンのフロントランナーと呼ばれる改正外為法と新日銀法が施行されましたが、私は、フリー、フェア、グローバルの三原則にのっとりまして、市場規律の発揮と自己責任原則の徹底を基本とした透明性の高い金融システム、金融行政を構築していくのが金融ビッグバン、と理解しております。 そこで、透明性の高い金融システム、金融行政を構築するために、大蔵省、また開かれた独立性を打ち出されました日銀にとっても欠かせない情報開示、ディスクロージャーの重要性について大蔵省並びに日銀にお尋ねしたいと思います。 まず、大蔵省の方から質問をさせていただきます。預金保険発動の透明性の向上でございます。 去る二月九日、本会議での私の質問に対しまして、大蔵大臣から預金保険発動の透明性の向上について、金融危機管理審査委員会の透明性確保のための相当期間経過後の議事録の公表と速やかな議事概要の公表について御答弁をいただいたところでございます。 議事概要については既に公表をされておりますが、議事録の公表は相当期間経過後となっております。相当期間といいますと、図書司書の問題も今回の場合は四十年もたって改正されたような状態でございまして、二十年後、三十年後では後からの検証という意味が薄らいでいくのではないかと思います。 そこで、早期の議事録の公表が望まれますので、議事録の公表時期と議事概要記載事項の充実につきまして、預金保険機構を監督なさいますお立場の大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(松永光君) 審査委員会の優先株等の引き受けの審議に係る議事録でございますが、御指摘のように、要旨についてはすぐ明らかにしたところでありますけれども、議事録自体を早期に公表すべきではないかというお話でございます。しかし、議事録の中には個別の申請金融機関の審査に係る事項の関連では経営の根幹にかかわるものが含まれておるというようなこと、したがってその具体的内容を直ちに明らかにすることについてはいろいろ問題が出てくる、そういったことから法律でも「審査委員会が適当と認めて定める相当期間経過後」となっておるわけでございます。 したがって、審査委員会において信用秩序への影響、こういった点も踏まえて公表時期についての判断が行われて、そして公表になるというふうに思うのでございます。
○三重野栄子君 直ちにというのは大変困難かとも存じますけれども、できるだけ速やかに発表していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、公的資金の使用方法の決定と公開についてお伺いをいたします。 今回の金融危機管理勘定の資金による優先株等の引き受けに当たりまして、交付国債の現金化、政府保証による日銀等からの借り入れのうち、どちらの資金をどのような理由でお使いになったのか、お尋ねしたいと思います。また、同じく公的資金を使うことが措置されている預金保険の特例業務勘定は、今後両資金をどのように使う御方針であるのか加えましてこれらの資金使用の方針についてはいつ、どこで決定されるのか、その決定は公表されたのか等につきまして、さらに今後の予定も含めてお尋ねをいたします。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 まず最初のお尋ねは、今回の危機管理勘定での優先株等の引き受けでございますが、その財源は、確かに先生おっしゃるように、国債の現金化でも可能でしたし、日銀あるいは金融機関からの借り入れに政府保証をつけたものでも可能でございました。今回、審査委員会では御議論を賜りまして後者の方を選ばれたということでございます。 それからもう一つのお尋ねは、特例業務勘定、要するに破綻したときの処理の勘定でございますが、これの使い方でございますけれども、これは法律にかなり詳しく書いてございまして、特例業務勘定に基金、これは七兆円の国債になりますが、これを置きまして、これは保険料収入を補完するものとしての位置づけにしておりますので、まず預金の全額保護のための特別資金援助等を行う場合に保険料収入で足りない部分に充てる、それから、整理回収銀行に発生した損失を補てんする場合、保険料収入で足りない部分に充てるなどなどの規定を預金保険法の附則に明定しております。これに従ってやるわけでございますが、この場合の七兆円はそういう損失の補てんに充てるというものでございまして、借り入れは主として資産を買い取る場合の資金繰りに使うというような区分けにしてございます。 それからまた先生が御指摘の、そういったことをどこで決めるのかというお尋ねでございますが、これにつきましては預金保険機構の運営委員会でお決めになる、こういう仕組みになってございます。
○三重野栄子君 細かく伺いますと時間が足りませんから次に移ります。 預金保険の贈与額の決定過程の透明性の確保についてお尋ねいたします。 金融危機管理勘定の資金で優先株を引き受ける場合には、日本銀行の政策委員会並みの審査委員会が設けられ、議事等の公表が行われることになっています。預金保険の特例業務勘定も同じく公的資金を使うことが法的にも予算的にも措置されたものですから、現在資金援助額等の決定を行っている運営委員会の委員、日本銀行の政策委員会が国会同意大事になっておりますけれども、これも同様に同意大事にし、議事録を公開すべきではないかと思いますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 預金保険法の改正の際も御議論があったかもしれませんが、現在の運営委員会は機構の理事長、理事、それから委員で構成されておりまして、理事長は大蔵大臣が任命し、理事と委員は大蔵大臣の認可を受けて機構の理事長が任命することとなっております。 今回、破綻処理に当たってその財源として交付国債というものの導入をお認めいただいたわけでございますけれども、もともと保険料でもって処理をして、それの足りないところを公的な資金でカバーするというような性格でございますし、しかもこの資金援助そのものが事後処理としての性格でございますので、必要な限度において供与される、これは法律で定められた範囲でしかできません。 そういったことで基本的な枠組みは変わっておりませんので運営委員会の委員の任命方法等については特段の変更をしておらないわけでございますが、ただ、先生がおっしゃることも大変重要な点でございますので、十年度からは国会に対する二十八条書類としての書類の提出ということをさせていただいておりまして、できるだけ明らかにするということにしておりますと同時に、議事の概要につきましては、これは運営委員会が開催された都度、理事長が記者会見を必ずやりまして、それで詳しく御説明をし、記者からの質問にも的確に答える、こういう形で透明性をできるだけ確保しようというふうに努めておる次第でございます。
○三重野栄子君 大変細かく規定をされているようでございますが、やはり書類の提出、さらに記者会見だけでは余り細かくはわからないんじゃないかと思いますけれども、こういう議事録の公開等々につきましては今後さらに御検討をいただきたいと思います。 以上で大蔵省につきましての質問を終わりまして、日銀の方にお願い申し上げます。 三月末現在の特融残高は幾らでしょうかということと、それからこの特融回収の見通しでございますが、その特融残高の中の山一証券、拓銀向けの残高が幾らで、その回収についてはどのような見通しをお持ちでしょうかというのが第二点です。さらに、一月二十四日、マスコミによりますと、昨年、会社更生法の適用を申請したヤオハンジャパンの転換社債が長期間かけて元本の一部しか返済されていないのに対しまして、山一証券の転換社債は一月二十六日から元金と期間利息が支払われております。機関投資家は山一証券の転換社債が全額返済されたのは日銀の特融を受けたからと見ておりますけれども、実際に山一証券向け特融に転換社債の償還財源が含まれているのでしょうか。 それらについての御答弁をお願いします。
○参考人(本間忠世君) お答えをさせていただきます。 最初に、三月末時点の日銀特融の残高でございますが、これは全体で約三兆二千億円となっております。そのうち山一証券向けが約五千億円ございます。それから、北海道拓殖銀行向けが約二兆四千億円でございます。 その次のお尋ねは、山一証券、それから拓銀向けのこの特融の返済の可能性というか、ちゃんと返るのかという、こういうお尋ねだと思いますが、まず山一証券の方でございます。 山一証券につきましては、先般、この四月二日、つい先日でございますが、大蔵省の大臣官房金融検査部の検査結果が発表されまして、その中で、昨年十一月の山一証券の報告に比べまして簿外債務の総額が二百六十六億円増加しているという数字が発表になりました。ただ、一方で山一証券の報告において言及されておりません全く新しい簿外債務というのは把握されなかったというふうに、これもあわせて発表になっております。 この山一証券の財務内容につきましては、これから業務の整理に伴いますいろんな費用ですとか保有財産の価格変動等によりまして資産、負債の金額がいろいろ変わってまいります。そういうことのために、最終的に債務超過といった状態が生じるかどうかここはなお確定しがたい状況にあるというふうに聞いております。 私どもは、これまでの認識といたしましては、山一証券は資産超過であり、したがって最終的には特融は返していただけるものだというふうに考えておりますが、今のようなプロセスを経まして仮に万が一その債務超過の状態に陥ったような場合につきましても、この廃業方針の発表のときの大蔵大臣の談話でも言及されておりますように、政府におきまして寄託証券補償基金の財務基盤の充実とか機能の拡充、これは現在証券取引法改正の中にそういう議論が盛り込まれておるというふうに認識しておりますが、そうした対応の中で特融の返済財源も確保されるものだというふうに考えております。 その次に、北海道拓殖銀行の方の特融、これは大丈夫かというお尋ねでございます。 拓銀に対します特融につきましては、この受け皿銀行が北洋銀行ということで今作業が進められておりますが、その北洋銀行、受け皿銀行に移管されるまでのつなぎの資金を日本銀行が特融として出す、こういう考え方で供給しておりまして、拓銀がいろいろ資産売却をしておりますのでそれによって金が返ってまいりますが、預金保険機構の資金援助とその売却資金等の回収資金によってこの処理の方策が実施される時点で特融は返していただくというふうに考えておりまして、これはそういう意味で特融の回収に懸念が生じるような事態はないというふうに考えております。 それからもう一つのお尋ねでございますが、転換社債でございます。 この山一証券の転換社債につきましては、結論的には山一証券の転換社債の償還資金にも日本銀行の山一証券向けの特融は充てられているというふうに認識しております。 今回の山一証券向けの特融は、御承知のとおり、日本の金融システムをめぐるいろんな厳しい環境の中でシステミックリスクが顕現化することを何とか回避したい、そういうふうな観点から山一証券の廃業、解散が円滑に行われるようにその顧客資産の返還とか約定済みの取引の履行等に必要な資金を供給すると、こういう考え方でこれまで出してきておるものでございます。 お尋ねの山一証券の転換社債の償還につきましては、この社債の受託会社、これは全部で受託銀行は十五行ありますが、これはいわゆる期限の利益の喪失条項というところに当たりますけれども、この受託会社がその条項の適用によって募集委託契約上の権利を行使した結果、この償還期日が到来したということを受けて行われることになったものでございまして、これを円滑に進めることは先ほど申しましたような意味での日本銀行の特融実施の趣旨に合致するものであるというふうに私どもは考えております。
○三重野栄子君 今、御説明をいただきましたが、この山一証券の問題、投資家の自己責任が問われるべき転換社債につきまして、全額保護される理由というのをもう一度改めてお伺いしたいと思います。
○参考人(本間忠世君) 山一証券の転換社債、これは十五銀行の受託銀行がいろいろ検討されました結果、山一証券の自主廃業に向けたプロセスが一月二十三日、相当程度進展したという状況認識を持たれまして、社債権者の権利保護の観点から期限の利益喪失条項に基づく権利行使を実施される、その結果この転換社債の満期が到来する、こういうふうな手続と考え方のもとに、この債権について山一証券は同日、二十三日に受託銀行に対しまして転換社債の元金及び前回利払い以降の経過利息、これを支払ったということでございます。その翌日、受託銀行から証券会社窓口において投資家への支払いが実施される、こういう手続の中で日本銀行の特融が実施されたということでございます。
○三重野栄子君 次に、日銀資金による優先株等の引き受けについてお尋ねしたいと思います。 資料によりますと、兵庫銀行及び阪和銀行の破綻処理、日債銀の経営再建に日銀資金が使われておりますが、どのような仕組みでどのような手続で決められましたのか、その点についてお伺いいたします。
○参考人(本間忠世君) 兵庫銀行、それから阪和銀行、日債銀についての資本のつけ方についてのお尋ねでございます。 まず、兵庫銀行でございますが、兵庫銀行の破綻処理に際しましては、日本銀行はこの兵庫銀行の処理のためにつくられましたみどり銀行に対しまして、時限的な信用補完措置ということで当時の日本銀行政策委員会の決定を経まして、現在は新しい日銀法三十八条、当時は古い日銀法二十五条でございますが、に基づきまして千百億円の劣後ローンの供与を行ったものでございます。 それから阪和銀行の処理に際しましてでございます。阪和銀行と日債銀は出たところが同じでございますので一緒に申し上げますと、阪和銀行、それから日債銀の経営再建に際しましては、同じく日銀法三十八条に基づきまして資金拠出一千億をいたしました新金融安定化基金、例の住専処理のときにできました基金でございますが、この基金から阪和銀行の預金を引き継ぐ紀伊預金管理銀行に対しまして資本金として百億円、それから日債銀のケースでは日債銀の資本基盤を増強するための優先株として八百億円の引き受け、それをそれぞれこの新金融安定化基金が出されるということでございまして、その出資に当たりましては日本銀行としてもその都度協議を受けまして、そして資金使途の確認を行いつつそれぞれの資本が出資された、こういう経緯でございます。
○三重野栄子君 本間理事、ありがとうございました。 最後に、大蔵大臣がおいででございませんので、かわって政務次官にお願いします。 今国会におきまして情報公開法がやっと提出されましたけれども、政策決定過程の情報は適用除外となっております。アメリカは、一九六六年に情報公開法制定後、ウォーターゲート事件の教訓を踏まえて行政機関等の意思決定過程自体の公開を求める政府を太陽のもとに置く法律、いわゆるサンシャイン法を制定して情報公開法を補強いたしました。 私は、初めからいろいろ申し上げましたけれども、どうかこの金融政策につきましても議事録の公開等々につきましてさらに御検討して実現されるように要望いたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○志苫裕君 まず、委嘱審査のテーマについて伺います。 政府出資三千三百四十四億円何がしが計上されております。この出資は年々歳々幾つかの機関になされておるわけですが、その累積額は相当な規模になる。その概要につきましては前の委員会で伺いました。 そこで、これらの出資は利益を生んでいるはずですが、その歳入額はどれぐらいになっておりますか。
○政府委員(細川興一君) 突然のお尋ねでございまして、手元に今その資料をちょっと持っておりませんので、また別途機会を得させていただきまして御説明に上がりたいと思います。
○志苫裕君 これぐらいはそらんじていると思ったら、違ったか。 次は、利子も連れてこないお金の話をしましょう。 政府関係金融機関に対しては例によって相当額の支出がなされております。これら政府金融の中には金融というよりはむしろ財政に近い補助金のようなもの、例えば金利差補給金のような補助金のようなものがありますが、これらはどれぐらいになりますか。
○政府委員(細川興一君) 手元に今ある資料でちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、財投機関に対する平成十年度の補助金等は一兆二千九百六十億円でございます。
○志苫裕君 一兆なんというものじゃないと思うけれども、こういうものはなかなかあの予算書からは見にくいんですよね。私は四兆円か五兆円になっているんじゃないかと思います、あるいはことしは違うかもしれませんが。 私がこれを聞きましたのは、金融というよりは財政に近いこの補助金というのは出資金や貸付金と違って返ってこないわけです。行きっ放しなんです。だから将来減額していった方がよいですね。こういうことをしておるから政府金融機関が民業を圧迫するなどと言われるもとになるわけでありまして、これは十分に留意して予算編成をすべきだと思います。これは御注意申し上げておきます。 次に、焦眉の問題となっております景気対策と財政改革法の問題に入りたいんだけれども、先ほどの久保さんと大臣のやりとりを伺っておりますと禅問答の域を出ないかなと思いますので、きょうは余り深入りしないことにしましょう。しかし、これだけは申し上げておきたい。やるべきことは大いにやってもらいたいが、役に立つお金の使い方をしてもらいたい。 さきの委員会でも私はこの経済対策に疑問を呈しましたけれども、今日の不況というのは今まで日本経済がかかったことのない病気のような気がしてならない。すなわち、市場経済とか資本主義経済につきものの循環性の不況なら経験もありますけれども、今度はどうもそうではないようだと。果たして誤診はないか、間違った薬を処方していないか、O157とかMRSAのような感染症でどんな薬でも効かぬのではないかという思いがしてならないので、減税もいいですけれども、果たして消費性向の向上に役立ってくれるか。 大臣、過日の日刊紙の声の欄を紹介しておきましょう。国民はこう考えている人もいるという意味です。何の将来展望も示してくれない政府や政治が使え使えと言うとチョーむかつくというんですね。チョーむかつくというのは今の言葉ですね。自慢じゃないが、こちとら二宮尊徳を拝んで生きてきた人間なんだというんですね。だから、信用のない政治に唆されておいおいと使うわけにもいかないんだ。生き方は変えられないんだということなんです。こんな国民の声もあるということをやっぱり頭に入れておく必要があるということだけは申し上げておきましょう。とにかく、むだにならないお金の使い方を要望しておきましょう。 それから、財政構造改革法の話になっているんですが、これも余り深入りしてもしようがないんです、これは与党でどうぞと言われるとこっちも参っちゃうので。 ちょっとこれだけは伺っておきますが、財政構造改革法の規定で直接制約を受けた大蔵省関係の予算というものがありますか。あるいは、法律があるために実現できなかった政策というものがありますか。それはどのような内容で削減額はどのように措置されたか。中には事務事業を廃止したものもあるでしょうし、負担をほかに転嫁したものもあるでしょう。その辺について少しお話しいただけますか。ほかに負担を転嫁したようなものはこの法律がなくなれば回復できる性格のものでしょうか。
○政府委員(細川興一君) 一般論になりますけれども、財政構造改革法においては主要な経費ごとにその性質に応じてめり張りのきいた量的縮減目標を設定いたしております。その歳出の中身についても各種の制度改革の検討を義務づけているところでございます。 これによりまして、十年度予算におきましてもこれらの規定に従って予算編成を行い量的縮減目標を達成した結果、例えば公共事業関係では七・八%のマイナス、社会保障関係については二・〇%増、それから科学技術振興費についても四・九%の増額を図るなど、社会・経済情勢の変化に即応した財政需要に対して財源の重点的、効率的な配分を行うことができたものと考えております。
○志苫裕君 それから、財革法の改正の問題ですが、これも先ほどの久保さんとのお話じゃありませんが、自分がつくった法案ですから、それに手を縛られて身動きならぬと言うのもばかげた話でありますから、直す必要があったら直せばいいと私は思います。 ただ、主要な改正点がどこになるのでしょうか。目標を先送りしようというのか年々の運営にもう少し幅を持たせようというのか、とにかく赤字国債を出せるようにしようというのかわかりませんが、これにも要望だけ申し上げておきますと、歳入は租税をもって充てるという財政均衡主義をうたった財政法の原則には手をつけないでもらいたいし、それから、この間も言いましたが、赤字国債、特例国債も有用なら、私は、国は滅んでも赤字国債は出さぬと頑張ることはないのでありまして、それは出すものは出してもいいと思いますが、ただそれにはやっぱり新たな歯どめをちゃんと別に用意しておくということだけはひとつお約束をいただきたい、こう思いますね。よろしいでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 財政法の基本原則、これは守っていきたいというのは私の考え方でございます。
○志苫裕君 これに関連しますが、財源をだめだだめだと言っておる赤字国債に頼ることばかり考えないで、もうちょっとほかの工夫をしたらどうかということを私はたびたび申し上げておるんですが、きょう改めて主張します。 この問題で私はしばしば提案しておりますが、くどいようですが改めて言いましょう。 それは、一千二百兆円に及ぶ金融資産の存在に着目したらどんなもんだということです。一口に言うと、もう少し資産からの歳入、すなわち税収を図ってはどうかということに尽きます。 国民所得調査によりますと、金融資産は千二百兆という膨大な額に達しておりまして、その約半分は預貯金であります。そのまた総額の半分は所得階層で言いますと年収五分位第Ⅳ階級以上の比較的余裕のある者が保有しております。 だが、現行税制では一律二〇%分離課税、包括所得税の建前をとっておる我が国の税制のもとで分離課税が最大の不合理で最大の不公平税制です。二〇%といえば総合所得で五〇%の税率になる人が二割で済む、一割しか取られていない人でも二割は取られることになるんですから、いかに貧乏人にきつくて金持ちに有利であるかということはおわかりだと思うんですね。現行税制における利子配当課税はこのように所得の高い人が優遇されております。不公平税制の見本だというんですが、それが指摘されてなお久しいんです。 ですが、お金は有利な方へ有利な方といって動いていく癖がありますから、利子所得で税金をようけ取ると株の方へ逃げちゃう、株がだめなら債券の方へ逃げる。それでも国内を動いているうちはいつかは捕まえられますけれども、国外へ出てしまうとなかなか捕まらぬ、そういう癖もあります。さりとて、大事なお客さんだからいつまでも二〇%でいてくださいというわけにいかぬのです。 総合課税が合理的なんですが、仰せたくさんの口数がありますからコストがかかりますという難点があります。ですから、利子所得の額に応じて大まかな、例えば二段階程度の、利子所得が一千万円あったら二割五分とか、あるいは五百万以下だったら二割でいいとかというふうに緩やかな累進構造にしたって公平性は担保できるんじゃないかという感じもいたしますが、これは勉強してもらいたい、こう思いますね。私は、仮にこれを二五%か三〇%にしたとしても、総合課税にした方が得だからそっちを選ぼうという方は選んでもいいじゃないか、こういう感じもいたします。 配当は控除もしくは法人の場合には益金の不算入となっておりますが、この根拠は何でしょうね。
○政府委員(大武健一郎君) 配当控除の趣旨ということでございますと、これはまさに所得税と法人税のいわばあり方、根幹にかかわる問題でございまして、これはかねてから言われていますように、法人擬制説とかあるいは実在説、それに絡む問題でもございます。 ただ、いずれにしましても、この問題につきましては、法人税がどの程度株主に転嫁されているかについて明確な結論がなく、配当支払い法人の法人税をすべて株主が負担したものとして完全調整することとした場合、結果として配当所得者に過大な優遇措置になる。他方、主要諸外国の取り扱いを見ると、全く調整を行わない国から部分的に調整を行う国、あるいは相当程度に調整を行う国とさまざまでございます。そういうようなことから、どのような調整方式をとったらいいかというようなことについてはいろいろ意見があるわけでございますが、いずれにしましてもこの問題につきましては法人税、所得税の基本的仕組みにかかわることでございますので、今後とも税負担の公平等の観点から議論が必要な問題と認識しているところでございます。
○志苫裕君 今の審議官のお話も法人税の神学論争でして、昔から続いている話ですが、法人というのは個人の寄り集まりだから、そこで法人税を取られておれば、その寄り集まりの個人からも税金を取ったのと同じ。そこから配当が出たのをまた税金を取るというのは二重課税じゃないかという言い分はあります。その言い分が通るのなら、私らの方にも言い分がある。消費税というのは何かというと、所得税を取られた残りかすで物を買うんです。そこからまた税金を取るんですから二重課税じゃないですか。こっちの方に二重課税の調整があるのなら、消費税と所得税もしなさいよ。これは私の方が理屈が通るでしょう。よく考えてください。
○政府委員(大武健一郎君) かねてから御議論は十分伺っておるわけですが、一般に二重課税というのは同一の課税対象に対して同種の税が再度課される場合、当然のことを繰り返し申し上げて申しわけないんですが、その場合、個人所得課税は所得を課税対象として所得の大きさに応じて負担を求める、それに対して消費税は消費一般を広く課税対象として消費の大きさ、すなわち消費額に応じて負担を求めるということでございまして、課税対象が異なるとともに、性格、課税の趣旨も違いますので二重課税には当たらないというふうに考えているところでございます。
○志苫裕君 こっちの言い分に合理性があったら、もっともですと言ってください、たまには。検討しますくらい言ったっていいじゃないですか。 さきの法人税法の改正で課税ベースを広げて、そして税率を下げる措置をとりました。かねて我々も主張していたことで大変よかったんですが、少し時間配分を間違って要望することを残した部分がありますので若干申し上げます。 課税ベースに関連して申し上げますと、企業会計原則というのがございますね。企業が自分の判断で経理の仕方を定めておるものなんですが、これは利益を利益としない、損失を損失と見ない、そうやってできるだけ課税所得を圧縮していく道具になっています。そうなれば、当然企業会計原則も課税ベースを広げるときには見直してしかるべしというふうに私は思いますが、税務会計と企業会計原則との間に何か大きい乖離のあるものはございますか。
○政府委員(大武健一郎君) 税法上と企業会計原則の扱いの違うものは種々あるわけでございますが、例えば交際費あるいは退職給与引当金というようなものがそうでございます。 交際費は、御存じのとおり、企業会計原則では全額経費として計上されるわけですけれども、税法上独冗費の支出を抑制するという観点から大法人が支出する交際費などは全額を損金算入しないというような扱いをしているわけでございます。 それから、退職給与引当金につきましても、これは企業会計上は退職給与の要支給額の増加額の全額を引当金繰入損として費用計上するという方法を認めているわけでございますが、法人税法上は従来から制限しておりましたし、今回の改正ではさらにその額を退職給与の期末要支給額の二〇%に抑えているということでございます。 要は、企業会計はやはり財産・持ち分をめぐる株主、債権者などの間の利害調整機能と企業の財政状態、経営成績を開示するための情報提供機能の二つの機能を有しているのかと思います。 それに対して税法は、税負担の公平あるいは税制の経済に対する申立性の確保というようなことを基本的な考えとして、適正な課税を実現するという目的で、それぞれある意味では目的が少し違うというようなこともありまして、必要に応じ企業会計原則とは異なった税務会計上の扱いをさせていただいているという実情でございます。
○志苫裕君 企業会計原則も長年の歴史を持っていますからそれなりに意味もあると思いますが、しかし租税は法律主義をとっていますから、それはやっぱり法律が大原則ですよ。それの乖離の大きいものについては検討してしかるべしと。 大臣、法人税を課税ベースを広げて下げたんですが、また景気対策で法人税のさらなる引き下げをという意見がないわけでもない。それならば当然課税ベースのさらなる拡大について検討を続けてもらいたい、整合性のあるやり方をしてもらいたい、これはよろしいですか。
○説明員(大武健一郎君) 先に事務的にお答えさせていただきます。 今般の税制改革による法人税の改革におきましては、先生御指摘のとおり、課税ベースにつきまして適正化をそれぞれ回らせていただきました。さらになお、例えば税制調査会のいわゆる小委員会というところでは他の意見もさらに積み残している分もございます。そういうようなものにつきましては今後もさらに議論は展開されていくことになるだろうと思います。さらに法人税、ストレートではないんですが、法人課税ということでは法人事業税につきまして外形標準課税の問題というようなものが税制調査会では議論の俎上に上りつつあるという状況にございます。
○志苫裕君 委員長、時間が来ましたが、最後に一問だけします。 赤字法人の課税、すなわちミニマムタックスの検討があったようですが、その検討結果がどうだったのかということ、それが一つ。それから、割賦販売の課税方法を変えたことについて苦情が出ているようです。これについてどのような検討がされておるのか。それから、少額減価償却資産の取得基準、これを下げましたけれども、この間法案を通した電子帳簿ですか、パソコンを買いますと二十万前後するので、一方でパソコンを入れなさいといって二十万かかるといったら、減価償却は十万だと下げたんじゃ、これは整合性ないじゃないですか。これは検討してくださいよ。よろしいですか。一分で答弁してください。検討しますでいいです。
○説明員(大武健一郎君) 割賦基準の問題も少額減価償却資産もそれぞれ課税ベースの拡大という観点から税制調査会では今回改正したような方向で見直せという御指摘があって応じたものでございまして、そのような趣旨の改正であるということは御理解をいただきたいと思います。
○志苫裕君 終わります。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 本予算の審議に当たって、繰り返しその前提問題ということで一連の大蔵不祥事の問題を取り上げてまいりまして、当委員会でも問題になってまいりました。 大蔵大臣は、就任後、繰り返し答弁の中で四月をめどにということも言われながら、内部調査の結果をきちっとまとめて厳正な処分をすると。そして、それとの関連で、中間報告はなじまないということも言われたことがありました。先日の当委員会では、官房長がまだしばらく時間がかかりますという答弁がありましたけれども、国民の目は極めて厳しいと思うわけでございます。 そこで、この調査の現段階と対処方針について伺っていきたいと思います。 大蔵省は、職員から出された自己申告の裏づけをとるということで、銀行、証券会社、保険会社など接待側の企業に対する聞き取り調査を開始したと伝えられておりますけれども、それが事実かどうか。そういう裏づけ調査をやっているならば、いつごろからやっているのか。それから、対象となっている五百五十人ですか、金融関連部局の経験者のうち何人について相手側からの裏づけ調査をしているのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 今回の調査に当たりまして、関連する相手方の金融機関にいろいろな協力を現在求めております。三月末から、これは一斉にということではございませんけれども、一部始まりまして今やっている最中でございます。 現在そういうことでやっておる最中でございますので、五百五十名のうち何名か、そういった整理はしておりませんで、全体についてかなり広範にそういう問い合わせを合しつつあるということでございます。
○笠井亮君 全体についてかなり広範にということは全員が基本的に裏づけ調査の対象だということでいいですか。
○政府委員(武藤敏郎君) そういうことではございません。五百五十人の中には、もちろん一応すべての人に調査のもとになります資料としての各人のメモを提出してもらっておりますけれども、その中には該当なしでありますとか、あるいはきちっとした通達の手続に基づいて会食がなされておるというものもたくさんございますので、そういうことではございません。
○笠井亮君 予算委員会の答弁では官房長はほぼ全員、ほとんどが接待を受けているということも言われたわけでありまして、私は、裏づけと言うならばこの際全員について裏をきちっととるということこそ信憑性の確認とか処分の公平性からいっても必要なことだというふうに思うわけでございまして、その点はきちっとやっていただきたいと思います。 大蔵大臣は、三月十六日の衆議院の予算委員会で、事務次官とか財務官、官房長は私がきちっとやる、それから局長については事務次官が最終的にやるけれども私自身も調査結果には目を通したいということで答弁をされました。 あれからもう二十日たっておりますけれども、これらの幹部職員について、大臣、直接責任を持って調査に当たられたかどうか、現段階でどうでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 今、官房長の答弁で大体推測がつかれると思うんでありますけれども、金融関連部局に勤めておった五百五十名その者についての大体の本人からの申告、あるいはそれに基づく聞き取り調査みたいなものは、これは相当程度進んできておると。 問題は、接待をしたと思われる相手方からよく話を聞きませんというと正確なところが把握できない、今その段階に実は入ってきておるわけであります。 先ほど委員の言われた次官、官房長、局長といったような地位の高い人については、低い人がいろいろ聞くということは、その調査の目的からいってうまい調査ができるか、そのことがやりにくいだろうということがありますので、資料が大体整ってきたような段階のときに私自身が、顧問弁護士もいらっしゃるわけでありますから、そういう人の助けもかりながら最終的な調査は私がすると、こう申し上げたわけでありまして、これからすることでございます。
○笠井亮君 自己申告はもう二月の初めぐらいからやって大体そろっていて、三月下旬からようやく相手方に対して当たり始めたと、そしてまだそれがそろっていないからということなんですけれども、大臣、まだ時間がかかるということで相当時間がもうたっちゃっているんですね。 それで、毎日新聞が行った三月末の世論調査というのがございまして、これを見ますと銀行に対する公的資金投入が決まったことについて国民の六割弱が反対だというふうなことを表明して、この問題で一番我慢がならないことということで四九%の回答が大蔵省、日銀に対する責任追及があいまいなことだということで四月四日付で出ております。一刻も早い真相究明と厳格な対処が必要だと、こういう立場でもうずるずる延ばさないということが必要だと思うんです。 そこで、ちょっと調査をやっている段階ということとあわせてなんですけれども、じゃ処分の方はどうかということなんですが、その上に立って処分をしていくということで厳格にすると。一体基準というのはどういう形でこの問題の処分というのはやっていこうということで今検討されているのか。この調査結果が出て、それから基準をどうしようかということではもう間に合わないわけで、一刻も早く調査結果を出した上で即それに基づいて対処するということだと思うんです。 接待の金額なのか、あるいは回数、程度なのか九六年末の倫理規程がありますけれども、それ以降も無届けで接待した分だけやるのか、あるいはもっと広く、これだけ国民的批判があるわけですから、社会的な常識、その立場に立って大蔵省の自浄能力を発揮するということでさらに厳格にやるのか、その処分の基準と内容というのはどういうことを今検討されているんですか。
○政府委員(武藤敏郎君) 現時点におきましては、まず事実の掌握ということをやっておる段階でございますので、処分の基準というような今お尋ねがございましたが、そこまで検討が進んでおりません。まず、事実をきっちりと確認した上で処分は厳正に行うようにという大臣からの御指示を得ておりますので、厳正にやるべくまずは事実を確認するということであります。 今御指摘のとおり、平成八年十二月の倫理規程というお話がございましたが、やはり私どもの考え方も、その倫理規程以降につきましては、あれだけきっちりといたしました倫理規程がありますので、これは一番厳格に考えていかなければならないだろうというふうに思っております。 それ以前におきましても、平成七年五月にはいわゆる田谷・中島事件を契機といたしましていろいろな綱紀に関します措置がとられておりますので、それ以後につきましてもその趣旨を踏まえてまた判断していくということは必要であろうと思っております。 いずれにいたしましても、そういう処分の基準をどうするかにつきましてはこれからさらに詰めてまいりたいというふうに考えております。
○笠井亮君 調査も大変だと思いますけれども、調査が終わったところで、さあこれから基準を考えますということではこれまたさらに先に延びちゃうわけでありまして、そういう点では一刻も早く基準づくり、厳格な対処の基準という物差しが必要だということだと思うんです。 大臣、それはよろしいですね。
○国務大臣(松永光君) 先ほどからの御指摘のお言葉に対して別に反論する気持ちはさらさらありませんが、率直な話、ずるずる引き延ばそうなどという気持ちはこれっぽっちもないんですよ。 ただしかし、捜査機関のやる強制捜査と違うものですから、いわゆる捜査と違うものですから、したがって時間は少し見てもらわにゃいけませんし、それからまた接待をした金融機関等もそう口は軽くないんですよ、実際の話。資料は当局に持っていかれておりますし、そういう状況の中で口の軽くない人たちから話を聞いて、それをしっかりやらぬというと不公平になるんですよ。不公平にならぬように金融機関等からの話も聞く、それをやっておるわけなんです。 それからもう一つは、先ほどお話がありました平成七年の綱紀の厳正保持通達、それから平成八年の倫理規程、それが発出された後はやっぱり情状が重くなるなと。さればといって、その前は対象にしないというわけではありません。 要するに、全体として真実に近いところを調査した上で、今申したように、その中でも特に綱紀の厳正な保持などという通達が出されたり、あるいは倫理規程の定められた後の分は情状が少し重いなということも考えながら、少なくとも厳正でかつ不公平がないようにしなきゃならぬ、そういう考え方で対応していきたいというのが私の気持ちでございます。
○笠井亮君 反論云々と言われると困っちゃうんですけれども、もう二カ月以上たっているわけですよ。国民はまだかと思っているということがあるわけですから、そういうことは重く受けとめなければいけないというふうに思うわけであります。 関連して伺いたいんですけれども、幹部職員などの接待漬けのルーツということで、その一つとして問題になっていることで、1種の採用者が二十八歳程度で地方の税務署長になる、特権意識をそういう中で培われるという問題が指摘されております。 逮捕・起訴された榊原前課長補佐は多治見税務署の署長時代があったわけですけれども、その時代に同じ署にいた職員の話によりますと、榊原前課長補佐はゴルフが好きで、なぜ多治見署を希望したのかと聞いたら管内にゴルフ場がたくさんあるからと言っていたと、勤務時間内に週末のゴルフのセッティングもしていた、こういうことがありました。 衆議院でこの問題を取り上げられて、大臣は、今までよりもある程度年をとった人にそういう部署にはついてもらう、そしてそれは数年のうちにそうするということを答弁されたというのがあるんですけれども、今までより年とったというのは大体何歳ぐらいということを念頭に置いて考えていらっしゃるのか、それから数年もかからなきゃそういうことができないのか、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) その問題については自民党の中でもいろいろな提言を私にしてくれている人がおります。 役所の仕組みからいえば、税務署長さんというのがどの程度の格式か、私にはよくわからぬ点もありますけれども、いずれにせよ、その地域に行けば大変な名士といいますか、そういう立場になるわけですね、署長さんならば。そういう地位に二十代のおしまいごろという早い段階でつくのはどういうものかと。実務の見習いならば署長でなくてもっと下の地位につけて、そして実際に足を棒にして納税者のところを歩くぐらいのことの経験をさせたらどうだという意見を私に寄せてくれる人もおります。署長というのは、判を押すだけで、あるいはまたいろいろな会合に出て一番上座に座るだけで、そういったことで果たして税務行政の実際の経験をしたということになるのかどうか、私はそれはならぬような感じがいたします。 そういったこともありますので、大蔵省が生まれ変わったという実態をつくるならばそういう点まで改めていった方がいいだろう、そういう意見を言う人がたくさんおります。そういう考え方でおるということを委員も理解しておいていただきたいと、こういうふうに思います。
○笠井亮君 いつごろまでに具体化されるおつもりかという決意をお願いしたいんです。今おっしゃったのは私もそのとおりだと思うんです。
○国務大臣(松永光君) これは大蔵省というか国税庁の大事にかかわることでありますので私の独断でそうすべしとまでは言えませんけれども、今申したようなわけで、大蔵省は生まれ変わったなというふうに世間から見てもらえる、そういう評価を受けるためにはこれは大事なことではないか、こういうふうに思っておりますので、人事の担当者である官房長などともよく相談をして、そして適切に対応していきたいと、こう思っております。
○笠井亮君 税務行政を知るならばもっと第一線でやればいいというのも、さっき意見を紹介されましたが、そのとおりだと思うんです。そして、若干年齢を引き上げたところで、これはそういう人事のシステム、コースができていて、最後は天下りまでということでできていれば、これは二十八歳を若干上げたところで同じことになると私は思うんですね。 現在、東京国税局の都内署の税務署長の平均年齢というのを伺いましたら五十七歳ぐらいだそうです。ですから、署長さんとしてやるのはやっぱりそれが常識的ということになると思うんです。 四月一日に辞令交付式というのがあったということで官房長も訓示をされたということでありますけれども、そこで十七人ですか、J種の入省者がいらっしゃるということで、国民のための行政をしていきたい、軽べつされもような行為はしたくないとそれぞれこもごも決意を述べられたということも紹介されておりました。 そういうふうに希望に満ちたすぐれた人材が今度汚れた水につかって腐ってしまうということになったら、これは本当に大変なことだと。ですから、大蔵大臣が今言われたように、新しい人材を迎えた今こそきちっと決断して、改めるべきことは一刻も早く改めるということをぜひやっていただきたいと思うわけでございます。 次に伺っておきたいことなんですけれども、これは具体的な個別の問題なんですけれども、銀行の問題で、さくら銀行という銀行が不当な競売を申し立てている案件をめぐっての大蔵省の対処について大臣の決意を伺っておきたいと思うんです。既に大臣のところにも要請が届いていると思います。
○国務大臣(松永光君) いや、届いていない。
○笠井亮君 お送りしてお届けしてありますので、届いていないとしたら大蔵省はどうなっているのかということになりますね。 若干御紹介しますけれども、横浜市の兄会社社長の方の相談でございます。 この方が社長をしていた会社がかつて設備投資資金ということでさくら銀行など三つの金融機関から合計四億四千万円の融資を受けた。その際、担保として会社の土地、建物のほかにこの方の居住する土地、建物もさくらからは担保として出すように言われた。近く引退されるということもありいろんな事情もあって断ったんだけれどもどうしてもということで、あくまで一時的なもので、会社をやめるときには直ちに根抵当権を外す条件でやむを得ず担保にしたということがありました。 その後、九一年十一月にこの方は会社を退いて、所有していた株式もすべて譲渡した。そのためにさくら銀行以外の金融機関は自宅の担保を外したんだけれども、さくら銀行だけは担当者が次々変わって約束を履行しなかった。九五年三月、この会社は後任の会長が経営する系列会社の連鎖により不渡りを発生させた。元社長とは無関係にもかかわらず、さくら銀行は弁済を求めてきた。元社長は、もう会社とは一切関係がないけれども、さくら銀行とは二十年にわたって主力銀行として取引してきたこともあって、応分の弁済をすることには基本的に応じるということで調停を行っていました。ところが、さくら銀行が昨年十月、横浜地裁にこの元社長の自宅の土地、建物の競売申し立てをするということがあったわけであります。その結果、本年四月以降、いつ競売にかけられるかもわからずにこの方は大変深刻に悩んでいらっしゃいます。 こういうケース、大臣の地元の方でそういう方もいらっしゃるかもしれませんが、銀行との関係で大変に不当に対応されるということであるわけですけれども、このさくら銀行に競売申し立ての取り消しと話し合いで解決するように大蔵省としてもきちっと指導をしていただきたい、大臣にそういう要請をお届けして、まだごらんになっていないとすればこれはどうしてかということも伺いたいわけでありますけれども、大臣としての前向きの姿勢を御答弁いただきたいと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) これは、競売云々の話でございますが、その社長をしておった人が自分の財産を担保に提供した担保提供者になっていると、こういう意味ですか。
○笠井亮君 はい。
○国務大臣(松永光君) いろいろな関係があったということでございますが、これは大臣になると個別案件についていろいろ言うわけにはいかぬのです。これは私の立場を理解していただきたいと思います。あえて言うならば、やっぱりしかるべき親切な弁護士さんにでも相談して調停の申し立てをなさるとか、そういったことで解決すべき事柄だろうと思うんです。私の立場で個別案件について何か言うことは、これは御勘弁願いたいと思うんです。
○笠井亮君 本人は調停をしながら返すということをきちっと言っているにもかかわらず、銀行があえて競売だということで打ってきているということでありまして、この方の奥様も罪もない一生懸命人生を歩んできた私どもに対してなぜ銀行はこのようなひどい仕打ちをするんでしょうか、私ども老夫婦は生きる希望も投げ捨てなきゃいけない、そういうふうなところまで来ているということで本当に悩んでいらっしゃるんですね。 それで、銀行を指導監督するという大蔵省の責任があるわけですから、そして銀行は公共性と社会的責任を持っているということですから、それは弁護士さんなんかに相談するのは当たり前ですが、しかし大蔵省に、指導監督機関に対して要請しているのに対してそれはどうぞ勝手に弁護士さんと相談してくださいということでは大蔵省の指導監督責任ということは果たせないと思うんですよ。少なくとも事情をよく調べさせますと。 そして、大臣あての要請も行っているのに全然知りませんと。私は質問も通告させていただいております。にもかかわらず、見たこともございませんという形ではこれは本当に大蔵省がまともに機能しているのかということになりますので、その点やっぱりきちっと対処していただきたいし、銀行局長、その経過を説明してください。
○政府委員(山口公生君) 個別の取引でございますので具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、私どもも実際こういった私的な紛争といいますか、そういった話を時々御相談を受けることはあるわけでございますが、行政当局が私的紛争にどうやった形でどういうかかわり合いをすべきかという問題はいつも頭を悩ませる問題でございます。 非常に初期の段階でございますればお互いによく話し合ってくださいと、そういうつなぎ等はやりますけれども、だんだん話がこじれてきたときにこちらが正しいこちらが正しくないというところまでやるのは、もうそこは司法あるいは当事者間だけの問題であろうというふうに思うわけでございます。 この案件につきましても、私も承知しておりますけれども、もうかなりいろいろな経過があるようでございまして、そうした経緯を経て最終的な司法の手段がとられる、あるいはとられそうになっているとかいうような事態でありますれば、行政当局がそれをやめなさいとか、あるいはそれをやりなさいとか言うべきものではないのじゃないかと。 これは一般論として申し上げますと、これまでも行政がどこまでそういった私的なものに関与すべきかというのは非常に難問でございます。何も関係ないよというのもやはり社会的な存在としての銀行の指導としては不十分がなという気もしますけれども、かなり話が込み入って、しかも私的な手続等がとられてきたものについて、余りそこに関与するのは非常に難しいということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○笠井亮君 きちっとした対応を求めて、終わります。
○菅川健二君 先ほど来話がございますけれども、まずたびたび私が申し上げております景気対策につきまして若干大臣にお聞きいたしたいと思います。 だんだん景気が後退し、どしゃ降りの状況になりつつあるわけでございますが、その中にありまして総合経済対策絡みでいろいろな報道が現在なされておるわけでございます。十六兆円の中で少なくとも八兆円は真水でないといかぬとか、あるいは財政構造改革会議を予算成立直後に開いて財革法の改正を論議するとか、外野席ではある新聞によりますとエープリルフールの毎日が続いておるというようなことでございます。 大蔵大臣は、どうもこういった中でも蚊帳の外といいますか、恐らく意識して蚊帳の外におられる場合もあろうかと思いますけれども、予算成立を間近に控えましてそろそろ壊れ蓄音機の域を脱せられて、大蔵大臣としてこのどしゃ降りの景気に対してどう対応していくかということについて本腰を入れて考え方をまとめるべきではないかと思うわけでございます。 特に、先ほど来の議論を聞いておりますと、御自分も財政構造改革会議の一人だからそのときの会議に出席して会議の模様を聞いた上で持ち帰って検討しようという極めて消極的な、あるいは、失礼なことでございますが、大蔵省というのは自民党のエージェンシーかあるいはサーバントみたいな形になっておるんじゃないかという感じすら受けるわけでございます。 少なくとも、財政構造改革会議という重要な会議が開かれるということであれば、それに向けて大蔵省としてはどう考えるのか、大蔵大臣としてはこう考えるということをその席上で述べるぐらいの積極性がほしいと思うのでございますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど久保先生にも申し上げたんですけれども、今、平成十年度の予算の審議をお願いして、そろそろ終わりに近づいた段階ではありますけれども、私としてはこの平成十年度の予算の速やかな成立を一生懸命お願いしなきゃならぬという立場が現在ただいまの私の立場でございます。したがいまして、元気のいい話をここですることはできないんです。久保先生にも立場を理解願ったわけであります。 そこで、財政構造改革会議が予算成立後行われるそうでありますから、そういう会議の席が持たれた場合にはいろいろ申し上げることも可能だと思いますけれども、本日は絶対そういうことを言っちゃいかぬことになっております。 それからもう一つは、これは申し上げておることでございますが、与党三党で「総合経済対策の基本方針」を決めていただいておるわけでありますが、これは内容の詳しい説明はまだ受けていない、書類をもらっているだけなんです。これは与党三党でお決め願った大事な方針でありますから、これも大事な、重要なものとして受けとめて研究させていただきたいと、こう思っておるわけでございます。
○菅川健二君 きょうは元気のいい答えは出ないということでございますが、ここの席では結構でございますが、大蔵省内では十分議論を尽くしていただいて、国民に向かってこういう経済状況ではこうやるんだということを少なくとも財政構造改革会議の中では言っていただいて、その後の委員会審議では十分元気な政策をひとつ発表していただきたいと思うわけでございます。 次に、予算につきまして、特に地方公共団体の関係でいろいろな弊害、私は最も大きな弊害と思っておるわけでございますが、国庫補助金の問題があるわけでございます。この整理合理化ということがやはり我が国の健全な国政の発展にとって重要ではないかと思っておるわけでございます。いろいろな小さな身の回りのことまで皆中央に行かなければ解決がつかないという状況ではとても日本として今後の風格ある国家とは言えないわけでございまして、内政の基本的なことについてはできるだけ地方団体が自主的に判断をしていくというシステムにぜひ転換しなければならないのではないかと思うわけでございます。 そこで、ことしの予算の中で、とりわけ財政改革法の中で補助金というものを、制度的な見直し対象補助金、これについては制度そのものを変えることによって削減合理化をしていくんだと。それともう一つ、その他の補助金に分けまして、その他の補助金は一割はカットするよということで削減合理化が図られていることになっておるわけでございますが、その内容についてちょっとお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(細川興一君) 補助金等につきましては、財政改革法等に基づきまして社会経済情勢の変化、あるいは官と民及び国と地方の役割分担のあり方等を踏まえて聖域なく不断に見直しを行っていかなければならないと考えております。 その結果、ことしの場合、十年度予算におきましては、補助金等につきましては千三百四十一億円減の十九兆六千五百一億円となっております。 このうち地方公共団体に対する補助金について具体的に申し上げますと、廃止、一般財源化等の整理合理化を行いまして、地方公共団体向けの補助金等は十年度十六兆八百二億円で対前年度六百六十億円の減となっております。 このうち今ほど御指摘のございました制度等見直し対象補助金等は、金額ベースで対前年度比〇・一%減の十五兆七千七百二十八億円となっております。一方、その他の補助金等は、対前年度比一四・六%減の三千七十四億円となっております。 また、件数ベースで見ますと、見直し対象補助金は前年度比一・〇%減の千十七件、それからその他の補助金につきましては六・三%減の三百八十九件となっております。
○菅川健二君 そこで、今、地方団体向けの補助金については六百六十億円の減額になっておるということをお聞きいたしたわけでございますが、この削減合理化が不必要なといいますか、むだな補助金でございますとそれでよいわけでございますが、しかしながらこの六百六十億円を圧縮したのが地方財政の方にツケが回っていくということでございますと、国の赤字だけきれいにしてあとのごみは地方に回したということになるわけでございまして、この六百六十億円の減額の後始末はどうなっておりますか、自治省の方にお聞きしたいと思います。
○説明員(田村政志君) 補助金等の整理合理化についてでございますが、平成十年度の予算におきましては、事業そのものの廃止、補助対象の重点化を行うほか、新たに二十二件、平成十年度の影響額で申しますと四百六十二億円の補助金等の一般財源化を図るなど、その推進を図っているところでございます。 これにつきましては、地方分権推進委員会の第二次勧告におきましても、地方公共団体の自主的・自立的な行政運営の実現に資するため積極的にこれを進めることとされている一方、単に国庫補助負担金を削減するため補助負担率の実質的な引き上げを行うような手法はとるべきではないと、こういうふうにされております。 したがいまして、国庫補助金等の廃止につきましては、これにかかわります事務事業の廃止を原則とするわけでございますが、地方団体の事業として同化定着しているものについて一般財源化を行う場合には必要な地方一般財源を地方財政計画の策定を通じて確保するといったことで必要な地方財政措置を講じているところでございます。 今後とも、国庫補助金の整理合理化につきまして、このような観点から関係省庁とも十分調整を図りまして、地方団体の財政運営に支障が生じないように適切に措置を講じてまいりたいと考えております。
○菅川健二君 ちょっと確認しておきますけれども、国庫補助金の相当額を一般財源で振りかえて一般財源措置したということでございますと、それは何ら問題ないといいますか、地方財政全体の中で処理したということになるわけですが、そういう措置なしにそのまま、縮減したままとどまっておるというその割合というのは額的にはどうなっていますか。
○説明員(田村政志君) ただいま申し上げましたように、地方財政計画では四百六十二億円を一般財源化してございます。そして、地方への補助金として今回減になった、地方団体への補助金として国の予算で減になったものが六百六十億でございますから、その差につきまして、例えば事務事業を廃止したものであるとか、あるいは交付税以外で別途の形で措置したというふうなこと、そういったことが事務事業をやめる、あるいは縮減するといったようなところで差になっていると思いますが、その差の中身についてちょっと厳密に私ども分析しておりません。 ただ、この六百六十億のうちの四百六十二億は一般財源として交付税の算定上措置をしているという状況でございます。
○菅川健二君 そうしますと、二百億程度が宙に浮いておるといいますか、あるいはもう完全に不要だということになろうかと思うんですが、その辺はひとつ必要なものはきちっと国庫の財政の方で面倒を見ていただくということをよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、とりわけ補助金の中で問題になりますのは公共事業に係る事業ごとの補助金でございまして、この補助金はこの分類によりますと制度的見直し対象補助金ということに分類しておるのでございますか。
○政府委員(細川興一君) そのとおりでございます。
○菅川健二君 それでは、制度そのものを見直すということでございますが、今年度の予算におきまして公共事業の補助金について具体的に改良、改善を加えたものについて何かございましたらお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(細川興一君) 公共事業予算につきましては、全体としてまずその重点化を推進する、それから効率化、透明化の徹底ということで、いわゆる時のアセスメントということで再評価システムを導入する、あるいは費用対効果分析の積極的活用を行う、さらに実態調査を踏まえて地方の事務比率を見直すといった努力を行ってきているところでございます。 なお、補助金について引き続き整理合理化に努めてきたところでございますが、例えば具体的に申し上げますと、下水道事業費の補助について、公共下水道については五億円以上、流域下水道については十億円以上といった採択基準を新たに設ける、さらに廃棄物処理施設整備補助につきましてはごみ焼却施設の採択基準を原則一日当たり五トンから原則百トン以上に引き上げるといった補助対象の重点化を図っているところでございます。
○菅川健二君 今、国会に提案されております中央省庁等改革基本法案におきましては、公共事業は国が個別に補助金等を交付する際には、直轄事業等を除き、できる限り個別の補助金等にかえて適切な目的を付した統合的な補助金等を交付し、地方団体に裁量的に施行させると規定がわざわざしてあるわけでございますが、これにつきましてどのように具体的にされようとしておるのか、準備室の方、よろしくお願いいたしたいと思います。
○説明員(大藤俊行君) お答え申し上げます。 中央省庁等改革基本法案におきましては、公共事業につきまして、地方分権の推進あるいは中央省庁のスリム化といった行政改革の方針も踏まえまして、国が直接行うものを限定し、その他の事業はできる限り地方公共団体にゆだねていくべきとの基本的な考え方に立ちまして所要の規定を設けているところでございます。 このような考え方に立ちまして、先生が今御指摘のように、地方公共団体が実施する事業に対する個別の補助金等についても具体的に例を挙げまして、国の直轄事業に関連する事業でありますとか国家的な事業に関連する事業といったような特に必要なものに限定する旨規定しているところでございます。また、これらのほか、それぞれの公共事業の内容に応じまして国として助成を行うことが必要であると考えられる場合におきましても、地方公共団体にできる限り裁量的に施行させることが可能となりますように、できる限り個別の補助金等にかえまして適切な目的を付した統合補助金等を交付するとの考え方を規定しているところでございます。 なお、具体的にこれらの統合補助金等をどのような形にしていくかというような点につきましては、基本法案成立後設置されることとなっております推進本部等々で検討させていただきたいというふうに考えております。
○菅川健二君 この規定そのものが「できる限り」という大変へっぴり腰というか逃げ腰の規定になっておるわけでございまして、新進党時代にも新進党の政策としてもきちっと位置づけられておるわけでございますが、公共事業に係る補助金につきましては、いわゆる国が直接執行する大型な、基幹的な例えば国際空港とか港湾とかあるいは幹線道路等を除きまして、補助事業は全廃をしていく、全廃をして事業の採択なり優先順位というのはそれぞれの地方の判断と責任において仕事をやらせていくということが重要ではないかと思うわけでございます。しかも、その必要な経費は、いわゆる個別にひもつきで出すのではなくて一括交付する、一定の基準によって交付していくということが必要ではないかと思うわけでございます。 この点につきましてもう一度御答弁いただきたいということと、最後に大蔵省の方の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○説明員(大藤俊行君) 先ほど申し上げましたように、私どもの基本法案におきましては、行政改革会議の議論の結論を条文化したものでございますけれども、個別補助金の限定あるいは統合補助金の適切な活用等を図ることによりまして、先生が御指摘のように、地方公共団体が自主的・自立的に事業決定や執行をしていくことを図るということがその趣旨であるわけでございます。その方向でできる限り努力してまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(細川興一君) 公共事業におきましては、道路とか河川等の各種の事業について限られた財源を効率的、効果的に活用するため、それぞれの事業の長期計画等に基づいて各地方団体ごとの整備水準、必要度を個別に勘案して事業ごとに審査し、計画的に実施していくという必要があると考えております。 したがいまして、すべての公共事業について地方公共団体に財源を一括して交付する、その使途を地方に任せるということについてはこういった補助金制度等の趣旨から考えて問題があると考えられますが、今、内閣の方から御答弁がございましたように、基本法の趣旨を踏まえながら、基本的には国の事業を限定し、できる限り個別の補助金等にかえて適切な目的を付した統合的な補助金としていくということについて個々の検討を進めていかなければならないと考えております。
○菅川健二君 この国庫補助金の全廃につきましては、中央省庁の再編とあわせてぜひ実現していただくよう関係各省に要望いたしておきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(石川弘君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 ―――――・―――――