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142回国会参議院1998/03/10

財政・金融委員会 第6号

発言数
4
登壇者
2
会派数
1
開催日
1998/03/10

会議録

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月十三日、山崎力君、保坂三蔵君及び角田義一君が委員を辞任され、その補欠として菅川健二君、片山虎之助君及び峰崎直樹君が選任されました。     —————————————

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本政策について、松永大蔵大臣から所信を聴取いたします。松永大蔵大臣。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 財政及び金融行政の運営の基本的な考え方と平成十年度予算の大要につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。  まず、大蔵省の不祥事について申し述べます。  三月五日、大蔵省の証券局の課長補佐及び証券取引等監視委員会の上席証券取引検査官が収賄容疑で逮捕されました。  先般の金融検査部の職員の逮捕に引き続く今回の逮捕により、金融行政全般にわたって国民の信頼を損なう結果となったことを深刻に受けとめており、心からおわび申し上げます。  捜査当局の捜査の進捗状況を踏まえて、本人及び関係監督者に対して厳正な処分を行うとともに、一連の事態の原因を究明し、国民の負託にこたえていかなければなりません。  このため、就任直後から取り組んでいる綱紀の一層の保持と透明性の高い行政への転換について、早期に実質的な成果を目に見えるような形であらわせるよう、職員一人一人の自覚を求めつつ、先頭に立って全力を尽くしていかなければならないと考えております。  次に、財政及び金融行政の運営の基本的考え方について申し述べます。  先般、ロンドンにおいて七カ国蔵相・中央銀行総裁会議が開催されました。私からは、我が国の現下の経済・金融情勢についての現状認識や財政・金融両面にわたる政府の対策について説明し、意見交換を行ってまいりました。  まず、最近の経済・金融情勢については、家計や企業の景況感の厳しさが実体経済に影響を及ぼしており、景気は引き続き停滞している状況にあります。また、アジア地域の通貨・金融市場の混乱のほか、昨年秋以来、複数の金融機関の経営問題の表面化等を契機に我が国の金融システムの安定性が大きく揺らぎかねない事態が生じました。  こうした危機的な事態に機動的に対応するため、先般、平成九年度補正予算とともに提案いたしました特別減税及び金融システム安定化に関する法律について迅速な御審議をいただき、成立を見ましたことにつき感謝申し上げるものであります。  二兆円規模の特別減税については、給与所得者等に対して、本年二月の源泉徴収時から減税を実施しております。  預金者保護と金融危機時における金融機関の自己資本充実を柱とする金融システム安定化のための措置については、厳正かつ透明性の高い運用に努めてまいります。とりわけ、当委員会において多くの御議論がありました金融機関の発行する優先株等の引き受けについては、金融危機管理審査委員会において個別の金融機関から提出された申請や経営の健全性の確保のための計画に対する審査が行われているところであります。私としても、同委員会のメンバーとして、今般の対策の趣旨を踏まえ、国民的理解が得られるよう、制度の厳正性、透明性の確保とともに、迅速な対応に努めてまいります。  政府としては、金融システムの安定化と経済の回復軌道への復帰に向けて、これらを初め幅広い施策を適切に実行してまいります。  経済・金融情勢に対して機動的な対応を行うことと並行して、中期的な目標に向けた構造改革を着実に推進することも重要な課題であります。  現在、我が国経済社会は本格的な高齢社会への移行、国際化、情報化の進展など時代の大きな潮流変化の中にあります。経済社会を支えてきた旧来の制度をこうした変化に対応した新たなものとし、豊かで活力ある経済社会を構築していくために、全力を挙げて財政構造改革、金融システム改革等の構造改革を推進していかなければなりません。  まず、現在の危機的な財政状況から脱却し、さまざまな政策要請に十分対応できる財政構造を構築していくことか必要であります。私としては、財政構造改革法に規定された最終的な目標達成に向けて全力を尽くしてまいる所存であります。  また、財政投融資については、財政政策の中で有償資金を適切な分野に活用するという基本的な役割を踏まえつつ、その抜本的改革を進めてまいります。  さらに、税制については、時代の潮流変化と各般の構造改革にあわせ、広範かつ思い切った措置を講ずることとしております。  平成十年度税制改正における主要な措置を申し述べますと、法人税制については、基本税率や中小法人に対する軽減税率等を引き下げるとともに、課税ベースを拡大・適正化いたします。  金融関係税制においては、有価証券取引税及び取引所税について、その税率を本年四月から半減する等の措置を講じます。  土地・住宅税制については、地価税を当分の間課税しないこととするほか、個人、法人の土地譲渡益課税の大幅な軽減措置等を講じます。  所得課税においては、さきに申し述べました特別減税に加え、中堅所得者層の税負担等に配慮したきめ細かい措置を講じます。  また、納税者の帳簿保存の負担軽減を図るため、国税関係帳簿書類の電子データ保存制度等を創設するとともに、関連制度の整備を行うこととしております。  我が国の金融システムに対する内外の信認を確固たるものとしていくためには、金融システム安定化のための措置を実施していくとともに、新世紀に向けて金融システム改革を進め、自由かつ公正で国際的な金融システムを形成していくことが不可欠であります。  政府としてはこのために、投資信託の整備、株式売買委託手数料の完全自由化、証券会社の原則登録制への移行等を図るとともに、公正取引ルール、金融機関のディスクロージャーに関する制度及び破綻の際の証券投資家、保険契約者の保護のための制度の整備を行います。また、不動産等の資産の流動化を促進するための制度整備等を行ってまいります。こうした措置を実施するため、今国会に金融関連の所要の法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。  目を外に転じますと、世界経済は米国を中心に拡大基調を続けておりますが、昨年夏以降、タイを発端として広がった通貨 金融市場の混乱の影響か懸念されております。アジア地域の世界経済に占める割合は近年拡大しており、同地域の通貨、金融の安定は世界経済の安定的発展にとって必要不可欠であるとの観点から、我が国としてはIMFを中心とする国際的な支援の枠組みの中で積極的に支援を実施してきたところであります。  先般の七カ国蔵相・中央銀行総裁会議においても、アジア危機について活発な意見交換か行われ、IMF等の国際金融機関でとられている対応が適切であることか強調されました。また、このような危機の再発を防止し、円滑かつ効率的で開かれた国際金融システムを維持するための方策についても議論か行われました。さらに、我が国からは、先般、東南アジア経済安定化のための緊急対策を閣議決定した旨説明いたしました。  我が国としては、今後とも関係各国及びIMF、世界銀行、アジア開発銀行等の国際機関とも密接に連携しながら適切に対処してまいる所存であります。  同時に、為替相場についても、当会議において、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきであり、過度の変動及び著しいファンダメンタルズからの乖離は望ましくないこと、大きな対外不均衡のさらなる悪化をもたらし得るような過度の下落を避けることが重要であることが再確認されました。今後とも、主要国との政策強調及び為替市場における協力を通し、その安定を図ってまいります。  また、我が国は、WTO、APEC等を通し、多角的自由貿易体制の維持強化及び貿易円滑化に積極的に取り組んでおります。平成十年度関税改正においても、特定品目の関税率の引き下げ等、所要の改正を行うこととしております。  次に、平成十年度予算の大要について御説明いたします。  平成十年度予算は、財政構造改革法に従い、歳出全般について聖域を設けることなく徹底した見直しを行いつつ、限られた財源を重点的、効率的に配分したものとなっております。また、長年の懸案である国鉄長期債務及び国有林野累積債務についても具体的な処理策をまとめたところであります。  歳出面については、一般歳出の規模は四十四兆五千三百六十二億円となり、前年度当初予算に対して五千七百五億円、一・三%の縮減を達成いたしました。これらの結果、一般会計予算規模は七十七兆六千六百九十二億円となり、前年度当初予算に対し〇・四%の増加となっております。  歳入の基幹たる税制については、さきに申し述べましたとおり、法人税制、金融関係税制、土地・住宅税制等に関して適切な措置を講ずるほか、たばこ特別税を創設し、その収入を国債整理基金特別会計の歳入に組み入れることとしております。また、平成十年分所得税について定額の特別減税を行っております。  以上の措置を受け、公債発行予定額については、前年度当初予算より一兆千五百億円減額し、十五兆五千五百七十億円としております。その減額の内訳は、建設公債について八千百億円、特例公債について三千四百億円となっております。この結果、公債依存度は二〇%となり、前年度当初予算の二一・六%より一・六ポイント低下しております。特例公債の発行等については、既に関係の法律案を提出しており、御審議をお願いすることとしております。  財政投融資計画については、財政投融資の抜本的改革を推進するとの基本方針のもとで、民業補完や償還確実性の原則を徹底するとともに、景気に配慮しながら、資金の重点的、効率的な配分を図り、その規模のスリム化を図ったところであります。この結果、一般財政投融資の規模は三十六兆六千五百九十二億円となり、前年度当初計画に対し六・八%の縮減となっております。また、資金運用事業を加えた財政投融資計画の総額は四十九兆九千五百九十二億円となり、前年度当初計画に対し二・七%の縮減となっております。  以上、財政及び金融行政の運営の基本的な考え方等に関する私の所信の一端を申し述べました。  なお、既に御賛同いただいた平成九年度補正予算に関連するもの三件のほか、今後衛審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成十年度予算に関連するもの五件、その他八件、合計十三件であります。今後、提出法律案の内容につきましては逐次御説明することとなりますか、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

石川弘自由民主党

○委員長(石川弘君) 以上で所信の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十三分散会      —————・—————

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