国民福祉委員会 第10号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/28
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十一日、加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として浜四津敏子君が選任されました。 また、昨二十七日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。 また、本日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。 —————————————
○委員長(山本正和君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に清水澄子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(山本正和君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案及び検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水島裕君 この法案は参議院での採決が近づいてまいりましたので、本日は確認質問を中心にさせていただきます。法案とかあるいは附帯決議に盛り込みにくいようなことも質疑でもって明らかにしていただければと思います。 私どもの党でいろいろ異なった意見はあったんですけれども、この参議院では医療医学という方は少なくともきちっとやろうということで、人権などに関するものはあるいは衆議院の方に多少積み残すということがあることを御了承いただきたいと思います。 まず最初に、新感染症、指定感染症を中心とした定義について御質問したいと思います。 委員長のお許しを得て、一つペーパーが、「新感染症と指定感染症の考え方について」という資料がそちらに行っていると思いますので、それもごらんになってお答え願いたいと思います。 まず、指定感染症でございますけれども、法案では、指定感染症は一部、二群、三群を除くものから対策が必要なときに指定感染症にすることができるとなっておりますが、この未知のもの、これから起きてくるものが入るかどうかはっきりしないわけでございますので、そこの表を見ていただくとわかるんですけれども、既知の感染症に関しては一から四類、それから指定感染症にすべきものは指定感染症となっておりますが、未知の感染症に関しましては、極めて恐ろしいものを新感染症にする、それ以外のものは指定感染症には直ちにしないということの確認が必要だと思います。 今度の改正案でもその辺を明確にしてございまして、第六条の第六項で指定感染症とは既に知られているというものを入れてございます。それでございますから、未知のもので新感染症のような恐ろしいものじゃないものを直ちに指定感染症とかいろんなものにはしないということになっておりますが、まず、その認識で、この表のとおりでよろしいかどうかお伺いいたします。
○政府委員(小林秀資君) 新感染症、それから指定感染症の定義につきましては、法文上規定をするとともに、これまでも本委員会でお答えをしてきたところでございます。 先生の御提出の資料に基づいていいますと、特に、この未知の感染症と新感染症、既知の感染症と指定感染症の関係については、ただいま先生から配付されました新感染症と指定感染症の考えのとおりと認識をいたしております。
○水島裕君 それに統一していただきたいと思います。 もう一つ確認になるわけでございますが、未知の感染症の多くはこの法案で言う新感染症の定義には合わないと思います、そんな恐ろしいものが出てくるということはめったにないわけでございますので。それに合わないものの中で指定感染症にした方がいいというものも出てくるわけでございますが、それは、病原体が判明したとかあるいは感染ルートがはっきりしたとかそういうふうになったときには、既知の感染症に準じて判断し保て、必要なときは指定感染症にするという認識でよろしゅうございますね。
○政府委員(小林秀資君) お答えをいたします。 新感染症は、未知の感染症の中で感染力や罹患した場合の重篤性から判断した危険性が極めて高い感染症が該当をいたします。したがいまして、御指摘のとおり、未知の感染症が出現した場合でも、危険性が高くなく、新感染症の定義に合致しない場合が多いものと考えられます。これは、危険性が高くない感染症についてまで未知の段階から法律上の新感染症として行動制限を伴うような措置がとり得るようにすることは適当でないと判断したからでございます。 したがいまして、こうした場合には、御指摘のとおり、病原体の確定を進め、既知の感染症となった段階で公衆衛生審議会に対応の必要性を諮った上で指定感染症に指定することになると理解をいたしております。
○水島裕君 それで結構だと思います。 それでは、確認のためにこの一枚紙のこの下の表を見ていただきたいわけですけれども、右側、「未知の感染症」で、「将来、新たに対応が求められる感染症」の場合は、恐ろしいものを新感染症とする。次に、「新感染症に該当しない場合」ということで下に書いそありまして、未知の感染症であっても新感染症の定義に合致しない感染症については、病原体の確定を進めた上で、対応の必要性等に応じ審議会にも諮問し、必要ならばそれを指定感染症とする。これでもう間違いないわけでございますね。
○政府委員(小林秀資君) 先生の御発言どおり、このとおりで間違いありません。
○水島裕君 厚生大臣にお尋ねしたいんですけれども、私も一番最初に法律を読んだときに少し誤解をしておりまして、質疑あるいはいろいろ専門家の人たちとも意見交換をしてここまではっきりとわかったわけで、ここで厚生省もこの見解で間違いないというふうになったわけでございます。 このように、この法律はわかりにくいところが結構あるわけでございます。これでようやくわかったというところもありますので、ぜひこの法律の運用に関しましては、手引書、マニュアルをつくりまして、その中で、今の新感染症あるいは指定感染症の定義とはこういうものであると。私はこの表でいいんじゃないかと思いますけれども、厚生省の方でもっとわかりやすい表をおつくりになるんでしたらそういうものをつくっていただいて、特に医師初め医療関係者にはそれを配布していただいて、この法律が間違いなく運用されるように御努力願いたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 新法に基づく感染症対策の実施に当たりましては、現場の医療関係者が新法の内容について正確に理解して具体的な医療を提供することが重要と考えております。 御指摘の医療関係者向けの手引書といいますか指針といいますか、これを作成して普及することも一つの重要な手法と考えております。こうした手引書の作成に当たっては、新感染症と指定感染症の相違をわかりやすく説明するなど現場の理解を高める努力を講じていきたいと思います。
○水島裕君 先日、本会議で、基盤整備をきちっとやらないと法律ができても役に立たないと申し上げましたけれども、これは法律ができてもその意味がよくわからないのではやはり役に立たないわけでございますので、よろしくお願いいたします。 それでは、次に移ります。 次は、今度ここに出ます修正案の一つの目玉でありまして、本会議から何度も申し上げていることで多少しつこいかもしれませんけれども、「国及び地方公共団体の責務しということで、九条の「基本指針」の中に病原体などの検査に関する事項を盛り込むべきと思いまして、そういうふうに修正案ではなっているわけでございます。できましたらP4施設も含めた検査体制の必要性について、これは何度もお答えいただいておりますので、ひとつ大臣の御決意を改めてお願いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) いわゆるP4ですよね。
○水島裕君 P4も含めてです。
○国務大臣(小泉純一郎君) 感染症対策を進める上で、感染症の清原体等を的確に検査、診断できるようにすることが重要であると認識しておりまして、基本指針にも盛り込むことが適当と考えております。 実施に当たりましては、御指摘の病原体等安全管理基準レベル4を満足する施設を含め、病原体等の的確な検査を行うことができる体制の確保に努めてまいりたいと思います。
○水島裕君 このレベル4というのは、多少誤解もあって住民から安全なものじゃないということがございますけれども、これはダイオキシンの垂れ流しとかいろんなことに比べればはるかに安全な施設でございますから、その点をよく納得してもらっておつくりいただくことをお勧めいたします。 それから次は、新感染症についてでございます。法案ですと、最初の段階でまだ感染症について感染経路とか病原体についてはっきりしないときは、厚生大臣は指導、助言をする。都道府県知事がいろいろ行うわけですけれども、病原体それから感染経路などがはっきりしますと、これを政令指定するということになっております。 皆様方もそういうのがはやり出してから政令できちっとするまでの時間が余り長いと心配があるということなんですけれども、エボラ出血熱とかラッサ熱でこういう経験が日本にあると思いますので、そのとき大体どのくらいではっきりしたかということを局長からお答え願いたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 未知の感染症が発生して病原体が判明するまで要した期間についてのおただしでございます。 一九七六年のエボラ出血熱の出現を例にとりますと、これは英国のランセット誌によりますと約三カ月から四カ月かかって病原体が判明をしている。それから一九六九年のラッサ熱の出現を例にいたしますと、米国の熱帯病雑誌によりますと約二カ月であったとされているところでございます。 このように、感染症の病原体によって病原体が確定できるまでの期間はさまざまであり一律には評価できませんが、今日では当時に比べて著しい医学の進歩が見られることから、より迅速な病原体の確定が可能になるものと思っております。
○水島裕君 私どもは、最初見つかったときも専門家が行って国が責任を持たなくてはいけないということを申し上げたわけです。局長にもう一つ、これは知事がいろいろすることになっておりますけれども、五年に一つとか十年に一つ来る恐ろしい病気を専門家もそこに行って国もよく検討してということで、実質的には国あるいは一流の専門家がそれに向かって全力で取り組むということの認識でよろしゅうございますね。
○政府委員(小林秀資君) 新感染症は人類に未知の感染症で危険性が極めて高い感染症であるため、その病像の解明等に際しては最新の高度な医学的知識が必要であると思います。 法律では、このため、都道府県知事が新感染症に係る措置を実施しようとする場合には、あらかじめ厚生大臣に通報し、厚生大臣と密接な連携を図った上で講じなければならないこととされているところでございます。また、国が十分な協力を行うこととして、厚生大臣から都道府県知事に対する指導、助言等の対応を法定しているところでございます。 こうした対応を通じまして、都道府県知事が地域の実情に即して迅速かつ的確な対応を講ずることができるよう国が積極的な支援を行ってまいりたい、このように思っております。
○水島裕君 先ほどのお答えでエボラ出血熱が四から五カ月でございましたか、ラッサ熱についてもそのぐらいだと思いますけれども、日本の検査に関する基盤が弱いと申しておりましても現在はすごく進んでいるわけでございますから、そんなにかからないで現在だったらわかると思います。また、完全に病原体が固定されなくても、およそこういうものだろうということはもっと早くわかりますので、実際政令指定になるまでの期間は私の考えでは一月とか二月ぐらいじゃないかと思います。ぜひそのぐらいでできるはずですので、よろしくお願いします。 今までのHIVのときの経験なんかですと、いえ、まだ完全にはわかっておりませんとか、一〇〇%そういうふうにも言えませんといってずるずる来てしまった経過がございますので、それは我々議員も責任を持ってそういうときは見守りたいと思いますので、ぜひ御報告をお願いしたいと思います。 それで、この定義あるいは新感染症、それから基盤整備については満足いく御回答が得られたと思いますので、あとはワクチンと拡大治験ということで御質問をしていきたいと思います。 ワクチンは極めて大切でありますけれども、やや各論的ということになって、法律の中にもそれから修正案にもなかなか盛り込みにくいものなので、質問ではっきりさせていただきたいと思いますけれども、ワクチンの問題点は、ワクチンを研究するということと必要量を確保するということは全く別なことでございます。 必要量確保というところからお伺いいたしますと、例えば新型インフルエンザ、今度の香港の場合はH5N1が出た、あるいは出そうだという情報が来たら大急ぎでワクチンをつくるわけです。ですから、そのときにはつくれる状態になっていなければいけないということで、これは何度も御答弁いただきましたのでいいのでございますけれども、それはワクチン製造会社がつくるわけですけれども、それでも実際ははやらなかったというときはワクチンをつくったのがむだになるわけでございます。そういうこともあって、ワクチン製造というのはみんな二の足を踏んでいるところもあるのでございます。 ですから、最も好ましい形は、政府あるいはどこかがむだになったら買い上げるからきちっとつくれというのが、つくる方に言わせると好ましい形だと思いますけれども、その辺、お考えはありますでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 感染症対策を進めていく上で、ワクチン接種は疾患の発生防止や重症化防止のために極めて重要であると考えております。ただ、ワクチンの政府買い上げにつきましては、もともとワクチンが通常の医薬品と同様の供給形態をとってきているものでありまして、これを買い上げるということになりますと慎重な検討が必要であろうかと思っております。 しかしながら、昭和三十二年のアジア風邪と言われるインフルエンザ、H2N2の世界的流行の際には国が緊急にワクチンを買い上げた例がございます。 また、昨年十月に新型インフルエンザ対策検討会がまとめた報告書におきましても、優先集団へのワクチン接種を計画的に進めていくため、政府によるワクチンの一括購入または製造企業への協力依頼による管理と供給が重要と指摘をされたところであります。 こうした点を踏まえまして、新型インフルエンザ、H5N1のワクチンについては、現在段階、生産に関してはまだ技術的な課題が残っておりますけれども、今後の動向も踏まえながら、新型インフルエンザ対策全般の検討を行う中で供給の確保についてもさらに具体的に検討する必要があると考えております。
○水島裕君 質問では明確に書きませんでしたけれども、ワクチンの問題というのはやはり日本は弱いんですね、研究も弱いし、製造も弱いしということで、学会なんかも外国の方がずっとレベルが高いのであります。ですから、これはワクチン全体について見直すことが必要で、厚生省も来年当たり何かそういう計画をなさっているという話を聞きましたけれども、あるいはお答えしていただければ、あるいはそうじゃなければそのときに十分こういうことも踏まえて御検討いただかないと、やっぱり危機管理のところでどうしてもうまくいかなくなるということかございます。
○政府委員(小林秀資君) ワクチンの見直しということではなくて、もう一つ御本家の予防接種法というのが実は前回改正をお願いして成立して以来五年の見直しの時期に入りますので、その中で当然もう予防接種といえばワクチンというのは一緒に議論することでございますので、その検討の中で再度ワクチン問題については議論を深めてまいりたい、このように思っております。
○水島裕君 国民に公衆衛生上の協力をしていただくというときは、やはりワクチンというのは一つ大きなテーマになると思いますので、そういうことも含めて御検討いただけるとありがたいと思います。 次は、例えば新感染症、つまり未知の感染症が発生した場合のワクチンというのは、今度はどういうふうにしてワクチンをつくったらいいかすらわからないわけでございますので、これはワクチンの研究を推進という法律案で合うわけでございますけれども、と申しましても、そのワクチンを使っていいという認可を出すまでには、とてもはやっている感染症はもう爆発的になっちゃうわけで、間に合いっこないわけでございます。そういうときは拡大治験、つまり臨床試験をやっているのはたくさんふやして、皆臨床試験でもってそれが行き渡るようにした方がいいわけでございます。 今の拡大治験、臨床試験によってそういう方々まで救うという質問の方に移らせていただきますと、これは医薬安全局の方だと思いますけれども、エイズの場合でも随分拡大治験ということで患者が救えたと思いますし、それからO157も多分合吸着剤ですか、拡大治験で対応しようということだと思いますけれども、今までどういう実例があるかをまずお答えいただけますでしょうか。
○政府委員(中西明典君) 御指摘の拡大治験につきましては、治験に参加できる患者の対象範囲を拡大いたしまして、専門的な治療を行える医療機関において患者に対して十分なインフォームド・コンセントを行った上で実施してきているところでございます。現在まで、エイズ関連の治療薬といたしましては、実施予定のものも含めて十三品目が拡大治験の対象になっております。 ベロ毒素吸着剤につきましては、正確に言えば拡大治験ではございませんが、治験終了後、これは研究班によりまして臨床試験を全国六十施設で実施してきているところでございます。
○水島裕君 感染症、特に新興感染症に対してはこの拡大治験というのが一番有用性が高いと思われますので、こういうことにいつも配慮なさることをお勧めいたします。 こういう拡大治験というのは専門家がやりますので、効果も意外と十分に発揮でき、安全性も十分見られるし、新しい医薬品あるいはワクチンというものを速やかに医療現場に提供できるということになりますので、こういう方法での使用あるいは危機管理ということをぜひいろいろ考えていただきたいと思います。 それからもう一つは、拡大治験ですと製薬会社が費用を出すことになりますので、これがやはり余り膨らむとなかなか製薬会社も素直に応援してくれないということがございますので、その場合の一つの手は限定販売だと思います、専門家だけとか。そういうこともやっていらっしゃるそうでございますけれども、今そういうときにどういう文言あるいは文章でそういう指示を出されていますでしょうか。
○政府委員(中西明典君) 新しい新感染症を初めとした感染症に対しまして効果が期待される開発中の医薬品があり、また、その開発期間中において投与を希望する患者がある場合には、安全性を考慮して患者の人権に配慮しながら拡大治験等の対応を図っていかなければならないと考えております。 そのやり方としては、ケース・バイ・ケースでございますが、有償治験というようなやり方も当然考えられるところでございますし、それから、危機管理という面に立って物を考えますならば、昨年の薬事法改正におきまして、例えば欧米で既に承認がおりている、そういった医薬品については承認前に特例的に許可をおろして市場に投入する、そういう仕組みもございますので、それぞれそのときの事態を見て危機管理という観点から遺憾なき対応を図っていかなければならない、かように考えております。
○水島裕君 ありがとうございました。 きょうは最後の確認質問ということで質問をお渡ししたせいか、随分すらすらとお答えいただきまして、まだ半分ぐらいの時間しか使っておりませんけれども、あと一分ぐらいお話をしてやめにしようかと思っています。 それで、定義もこれですっきりしたと思いますし、それから、新感染症の対応ということについても私どもと意見が一致いたしましたし、それから基盤整備は十分やる、それから危機管理としてワクチンについても十分検討するし、またそれ以外のものも含めて危機管理として拡大治験も必要に応じてやっていただくということでございます。またもう一度考えますけれども、民主党の中で参議院の受け持ち部分ということではございませんけれども、この辺については絶対漏れないようにという医学医療の関係の方はほぼ意見が一致したというふうに考えております。 最後に、本会議でも申し上げましたように、知識と経験があって、しかも人権に十分配慮し、しかも機敏に対応できる医師づくりというのが一番必要。その次が、先ほどから申し上げております基盤整備。検査も日本でどうにもできないようではこれはとてもたまりませんから、こういうものができる、そういうことがない限りはこの法律があっても本当に役に立たないということ、それから、きょう申し上げましたように、この法律がよくわかるように医療機関にマニュアル、手引書をつくっていただくという二つをしていただかないと、せっかくの法律も生かされないと思います。それを最後に強調して、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 私も、これまでの委員会質疑や参考人からの意見聴取でまだ感染症の定義や感染症の分類について多少混乱があったと思われましたので、この点に関連して質問させていただきたいと思います。 法案の「新感染症」のところには、「「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。」、このように書かれてあります。 先日も質問させていただいたんですが、プリオン病のプリオンたんぱくのように、これまでの病原体の概念と異なる原因で感染が起こる場合も将来想定されるわけでありますので、この文章にあります「既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるものでこという表現のところですけれども、そこにやはりその原因あるいはその病状または治療の結果が明らかに異なるものでというような形で、原因の項目も入れた方がいいのではないか。将来、地球上にどういう生き物がいるかわかりませんけれども、未知のそういう病原体というのが出てくる可能性もなきにしもあらずなものですから、その原因についても法案に明記した方がよろしいのではないか、そのように私は思うわけでありますけれども、この点に関しまして厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) お答えを申し上げます。 法案における新感染症の定義の一つとして、今、先生が述べられましたように、「既に知られている感染症の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもの」を想定しております。 この規定の趣旨として、症状や治療の結果において既知の感染症を想定しがたいものが新感染症であることを定義しており、そうした中に未知の病原体によるものであることも当然含まれていると思っております。実際の新感染症の対応としては、結果として判明するウイルスや細菌など、従来からの病原体はもちろんのこと、新しい病原体も想定をしているところでございます。
○渡辺孝男君 病原体という言い方もなかなか難しい、プリオンたんばくみたいなことになりますと、これが生き物かどうかという非常に難しい判断になると思うんですけれども、そういう意味でやはり原因という言葉もあった方が望ましいのではないか、そういうふうに私は考えたわけであります。 あと、これはつけ加えたいと思うんですけれども、先ほど水島委員の方から新感染症の考え方について述べられたわけでありますが、やはり私も、新感染症には感染力が強いという意味の条件が入った方が望ましいのではないかということを私の考えとして述べておきたいと思います。 それでは、次の質問に入らせていただきます。 これは確認のためにお伺いしたいんですが、新感染症の認定をたれ、がどの時点で行っていくのか、この点に関しまして簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 新感染症の出現当初においては、病原体はもちろんのこと、その感染経路や病状の変化等が不明な場合が多く、その対応に当たっては都道府県知事が厚生大臣と密接な連携を図って慎重に進めていくことが重要であると思います。 実際の対応に当たりましては、都道府県知事から報告を受けた厚生大臣が公衆衛生審議会の意見を聞いた上で都道府県知事に技術的指導、助言を行うことが規定されておりますが、そうしたやりとりを経て都道府県知事が新感染症として判断して、地域の実情に応じ具体的な対応を図っていくことになるわけでございます。 また、新感染症の固有の病状や蔓延の防止のために講ずべき措置を示すことができるようになったときは国が速やかに政令指定の手続を行い、政令に定めるところにより一類感染症とみなして都道府県知事が入院その他の必要な措置を講じていくことになるものでございます。
○渡辺孝男君 そういう意味でありますと、都道府県知事の役割というのが非常に重要といいますか、重大であるというふうに考えるわけでありますが、やはり厚生省として、そういう都道府県知事の支援をきちんとして情報交換を密にしていただきたい、そのように考える次第であります。 では、次の質問に入らせていただきます。 法案の第十二条では、「医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生省令で定める事項を、第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。」、そのように述べられておるわけであります。 医療においては、近年インフォームド・コンセントが重要視される時代でありますので、私は、この届け出を医師が行う場合にはその旨を患者本人またはその保護者に通知するよう、やはりこの法案にその規定を盛り込んだ方がよろしいのではないか、そのように考えるわけでありますけれども、この点に関しまして小泉厚生大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 第十二条においては、感染症の発生動向を把握するため、一類感染症の患者等を診断した医師が保健所長に届け出ることを規定しておりますが、医師が患者にその旨を連絡することは法律上は規定されておりません。これは、保健所長に届け出る旨の本人への告知は、法律等で一律に義務づけるのではなく、患者の心理状態等に配慮しながら主治医が適切に行うことが適当と考え、法文上の整理を行ったものでありますが、実際には行っていただくことが望ましいものと考えております。 このような点を踏まえ、御指摘の趣旨について今後検討してまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 インフォームド・コンセントが重要視される時代になりますと、医師がそういう旨行政の側に届け出をしている、患者本人がそういうことを知らないでいるというのは不都合な点も出てくる可能性もありますので、やはりその点はきちんと本人にも通知をしてあげるのがよろしいのではないか、実際行われる場合にはそのようにできるよう努めていかなければならない、そのように思いますので、よろしく御検討をお願いしたいと思います。 では、次の質問に移ります。 法案の第十五条第一項には、「都道府県知事は、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症若しくは四類感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者又は新感染症の所見がある者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。」というふうに述べられております。 この場合、「その他の関係者」という言葉が出ておるわけでありますが、これは具体的にはどのような方を指すのでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 第十五条第一項に規定する質問や調査の対象となる「その他の関係者」とは、例えば合理的な範囲で考えられる次のような方を考えております。 一つは、患者と密接な接触があった者で当該感染症に感染したおそれがあると考えられる者、例示としては患者の家族等が考えられると思います。もう一つのグループは、同一の感染源に接触したと考えられる者であります。例示を挙げれば、感染源と疑われる食物をともに食べている者というのが考えられると、このように思っております。
○渡辺孝男君 無制限に「その他の関係者」が広がってしまうというようなことがないように、やはり十分検討が必要かと思います。 次に、法案の第三十五条で示されております「質問及び調査」ですけれども、この第三項にて「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」、そのように述べられているわけでありますが、この条文はどのような事態を想定して盛り込まれたのか、その点に関しまして厚生省の方にお聞きしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 御指摘のような規定は、立入検査、報告徴収、質問等から成る、いわゆる行政調査を定める他の法律でも一般的に置かれているものでございまして、本法案以外にも結核予防法、薬事法など多数の規定例がございます。 こうした規定は、立入調査等の措置が乱用され、憲法が保障する犯罪捜査における令状主義を形骸化させることがないよう、犯罪捜査のためのものではないことを入念的に明らかにするため置かれているものでございます。
○渡辺孝男君 これまでの感染症関係で、質問や調査で大きな問題が生じたというような事例は過去にございましたでしょうか。その点に関しまして確認しておきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 先生が今御指摘されましたような心配のことは今まで聞いたことがございません。掌握いたしておりません。多分ないものと思っております。
○渡辺孝男君 この感染症の場合には、想定されるものとしては、犯罪や事故による病原体の放出というような事態が発生することも考えられるわけでありますけれども、そのような場合に、この質問や調査というのが犯罪捜査と紛らわしくなるようなこともあり得るのではないかと思うわけであります。そのような点に関しまして、そういう混乱が起こるようなことはあるのかどうか、厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 私どもは、この法案でもって感染症の蔓延を予防する、蔓延を防ぐ、それからもちろん感染症の患者の発生を防ぐ、そして患者さんに良質かついい医療を提供するということが目的でありまして、犯罪捜査をすることではありませんので、あくまでも行政調査として今後とも適正にやっていただくよう指導をしてまいりたいと、このように思っております。
○渡辺孝男君 それでは次の質問に移らせていただきます。 法案の第五条の第二項には、「病院、診療所、老人福祉施設等の施設の開設者及び管理者は、当該施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」、そのように述べられているわけであります。 近年、特別養護老人ホームへの入所の際、「伝染性疾患を有し、他の被措置者に伝染させる恐れがないこと。」というような厚生省の指針があるために、これまでもMRSAの保菌者の入所などの際に申込書の段階で制限がなされているというようなお話も聞いているわけであります。今後、この法案が通った場合に、特別養護老人ホームへの入所が拒否されたりあるいは制限される傾向が強まるのではないかというような心配もあるわけであります。 例えば、感染症第三分類のO157やMRSAなどの第四分類の感染症の無症状の保菌者などが特別養護老人ホームに入所する際に制限を受けたり拒否されるというようなことが起こり得るのかどうか、厚生省としてはどのように対応するのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 特別養護老人ホームへの入所に際しましては、御案内のとおり、各市町村に置かれます入所判定委員会が総合的な判定を行いまして決定をするわけであります。その入所判定委員会の判定されますときの一つの考え方の基準という意味で入所判定基準というものを流しておるわけでありますが、その中に「伝染性疾患を有し、他の被措置者に伝染させる恐れがないこと。」という基準があるわけでございます。 これにつきましては、例えば先生今お挙げになりましたO157でありますとかあるいはMRSAの保菌者であるということだけで直ちに入所が不適当だというふうに判断をするという運用はしておりません。現に、実はこれに合わせまして、いわゆる「特別養護老人ホーム等における感染予防対策についてのポイント」というような形での手引書を各特別養護老人ホームに配布をしておりますけれども、その中でもその点をはっきり、先生今お述べになりましたようなことで、保菌者であるということで直ちに入所を拒むようなものではないということを書いております。 むしろその際には、今そこにありますような法律上の必要な措置ということで努力義務がかかっているような事柄につきましては、入所者あるいは職員等の方々が施設内で手洗いだとかあるいはうがいといったようなことを励行する、あるいは小まめな清掃等をするというようなことが大事ですよということを主体にした指導をするということで、手引書もそのことをかなり詳細に記述をいたしまして、そこのところ誤解がないように努めているところでございます。今、先生おっしゃるようなことがあるとすればやはりぐあいが悪うございますから、私どもはこれからもそういう指導はしたいと思いますし、今回のこの法律の規定ができたことによって今申し上げたような私どもの考え方が変わるということではございません。 もちろん、入院治療が必要なほど、例えばMRSAでなられたとなれば、これは特別養護老人ホームでは手に負えないということになりますから、当然入院治療等を行われることになると思いますけれども、先生が今お挙げになったような保菌者であるということだけをもって入所を拒否するというようなことについては、私どもそのような考え方に立っておりませんので、今申し上げたようなことでやらせていただいております。
○渡辺孝男君 例えば、O157の無症状の保菌者というのもやはりいらっしゃると思うんですね。そういう方が実際寝たきりに近い状態になって施設に入るということも考えられるのではないか。あるいは逆に、入っていらっしゃる方がたまたまいろんな検査でそういうO157の無症状の保菌者であるということも当然あり得ることでありますので、そういう理由でもって施設に入っているのが困るというようなことで施設を出されたりとか、余り症状もないのに病院に戻されたりとか、そういうことがないようにやはり注意深くこの規定が、悪い意味でこの法案が作用しないようにその点は指導をよろしくお願いしたいと思います。 近年、やはりMRSAばかりでなくて、最近の報道によりますとバンコマイシンの耐性腸球菌、略してVREと呼ばれているようでありますけれども、このような菌も近年日本で広がりつつあるというふうに報告されております。日本あるいは諸外国でのこのVREの発生状況というのはどのようになっておりますでしょうか、厚生省の方でお答えいただきたいと思います。
○政府委員(中西明典君) VREを含め腸球菌につきましては、人の腸管内に常在しておる病原性は弱く免疫力が低下した人にのみ発症する日和見感染菌であるということでございます。 アメリカにおきましては、重篤な基礎疾患を持つ患者の間でバンコマイシン耐性腸球菌、VREが広がりつつございまして、九三年のアメリカの疾病防疫センターの調べでは、腸球菌感染症にかかっておられる患者さんのうち七・九%に耐性が見られたというふうに聞いております。 我が国におきましては、発生状況を把握するため、平成九年四月に通知を発出して調査してきておるところでございますが、現在まで厚生省に二つの施設からVREが検出された旨の報告がなされておりまして、京都の報道例を含めますと三施設において六名の感染者があるというふうに把握しております。うち四名の患者さんについては退院されたということでございます。 これらの感染者につきましてはその感染経路というのがまだわかっておりませんで、現在、報告がなされた施設に御協力いただき詳細な調査を行っているところでございます。
○渡辺孝男君 今の、VREも日本で少しずつ広がっているようだ、米国では日本以上に広がりつつあるというふうなお話でありますけれども、またつい先日の報道では、バンコマイシンの耐性の黄色ブドウ球菌、略してVISAというふうに呼ばれるんでしょうか、これによって米国で初めて死者が出たというような報告もなされているわけであります。日本でも一九九六年に一件報告されたというようなことでありましたが、この場合にはほかの抗生剤の投与で回復したというふうに報告されておるようであります。 厚生省としましては、このVISA対策を今後どのようにされていくのか、その方針をお伺いしたいと思います。
○政府委員(中西明典君) 御指摘のバンコマイシン低感受性ブドウ球菌・VISAでございますが、バンコマイシンが効きにくい感染症として注目されているところでございます。 今まで日本では、先ほど先生の方からお話がございました一例、それからアメリカでは新聞報道を含めて三例の報告がなされておりますが、これらのブドウ球菌につきましてはバンコマイシン以外の数種類の抗生物質に対して感受性があったというふうに承知いたしております。 このVISAにつきましては、現在、国立感染症研究所の研究者を中心にして編成されておりますバンコマイシン低感受性MRSA等の実態に関する緊急調査研究班におきまして、およそ三百施設の医療機関の協力を得て調査を行っているところでございまして、その報告を待って適切に対応していかなければならないというふうに考えております。
○渡辺孝男君 こういういろんな抗生剤に耐性を持つ、あるいは感受性が低いような耐性菌がいろいろ時代によって出現してくるということでありますけれども、やはり抗生剤の適正な使用というものが一番肝心なのではないかなというふうに考えるわけであります。今後、いろいろ対策はあると思いますけれども、それとともに、抗生剤の適正な使用に関しましてやはり厚生省としてもより以上の指導ないしいろんな助言とかをしていっていただきたいな、そのように考えるわけであります。 MRSAに関して、もう一つお聞きしたいことがあるわけです。 現在、院内感染症対策で、前に常田委員も質問されていたと思うんですけれども、このMRSA患者が個室に移られる、その目的が他の入院患者への感染を防ぐ目的である、御本人の治療をするためというよりは周りの患者さんにうつさないために個室管理をする、そのような目的で移した場合に、本来差額ベッド料というのは患者に請求すべきではないというふうに私は思うわけであります。 国立の病院あるいは療養所等ではこのようなときに患者さんへの請求というようなものが行われているのかどうか、その現状に関しましてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) MRSA等の院内感染を予防するために入院患者を個室に収容した場合の差額ベッドの取り扱いでございます。 いわゆる差額ベッドの取り扱いにつきましては、「特定療養費に係る療養の基準の一部改正に伴う実施上の留意事項について」という保健医療局の医療課長通知が平成九年に出ております。これによりまして、入院患者を差額ベッドに入院させその料金を求めることができるのは、患者側の希望がある場合に限られるものであり、治療上の必要から特別療養環境室へ入院させたような場合には患者負担を求めてはならないものとされているところでございます。 国立病院、療養所におきましても、御指摘のMRSA等の院内感染を予防するため当該患者を個室に入院させたような場合には、本通知に基づき、いわゆる差額ベッド料については患者負担を求めない取り扱いをしているところでございます。
○渡辺孝男君 そういう院内感染対策の目的で個室に入ったような患者さんに対して快差額ベッド料というのはやはり請求すべきではないというふうに私自身も思いますので、その点確認させていただいたわけであります。 それから、院内感染対策でありますけれども、よい病院あるいはグレードの高い病院を目指す場合にはやはり院内感染対策というのは非常に重要な要素になってくるもの、そのように思うわけであります。そういう場合に、感染症の保菌者あるいはそういう病原菌を持っている場合に患者の個室管理をしなければならない、あるいは感染の前の予防のために施設内の消毒とか清掃あるいは感染性の廃棄物の適正な処理等を行わなくてはならないと、そのように思うわけでありますが、どうしても経費がかさむということで、診療報酬上の手当てでは十分対応できなくて、病院の持ち出しといいますか、経営的には逆にマイナスになってしまうというようなのがやはり現状であるという声を聞くわけであります。 この点に関しまして、感染症の予防的な対策の費用に関して診療報酬上の点数が少ないんではないかという印象を私も持っているわけでありますが、厚生省としましてはどのようにお考えでありますか、その点お伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 院内感染防止対策加算につきましては、平成八年度の診療報酬改定によりまして、月一回程度の院内感染対策委員会の開催や各病室入り口での消毒液の設置等、病院における院内感染防止対策の整備を評価するものとして一日につき入院環境料百六十五点を加算したものでございます。 診療報酬の改定に当たりましては、医学医療の進歩の状況等医療を取り巻く諸事情を総合的に勘案して、中医協の御議論を踏まえ必要な改定を行ってきているところでございます。 院内感染防止対策に対する診療報酬上の取り扱いにつきましては、今後とも専門家の意見等を踏まえつつ中医協で御議論をいただいた上適切に対処してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 そういう感染症の予防的な努力が結果的には感染症の治療費を節約できるということにもなると思いますので、その点十分に考慮していただきたい、そのように考えるわけであります。 次の質問に入らせていただきますが、先日視察を行いました国立感染症研究所に関連して質問させていただきます。 国立感染症研究所では、視察のときのお話や、また資料を読ませていただきますと、バイオセーフティーに関する教育と訓練、あるいは生物災害対策に必要なバイオセーフティー技術等についての研究、あるいはそれに関する情報の収集や情報の提供なども行っていくと、そのように書かれておりました。 この点で、バイオセーフティーの訓練の具体的な内容というものはどのようになされているのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中泰弘君) バイオセーフティーの訓練についてのお尋ねでございます。 国立感染症研究所におきましては、生物学的安全性に配慮を要する微生物などを業務として取り扱っておりますことから、病原体を所外に漏出することがないよう万全の対策を期しているところでございます。 このため、WHOの定めた実験室バイオセーフティー指針などに準拠いたしました安全基準に基づき、施設設備の整備あるいはその取り扱いを行います一方、病原体などを取り扱います研究者に対します教育訓練のため、所内でバイオセーフティー講習会を行っております。これを受講した後でなければ研究を実施できないというふうに定めておりまして、二、三年置きにこれを受講するというふうに定めておるところでございます。 平成九年度では計十二回、六百六十二名の職員あるいは研究者に対しましてバイオセーフティーの考え方、バイオハザード対策等の必要な研修、訓練を行ったところでございます。 以上でございます。
○渡辺孝男君 私の資料の読み方がちょっとまずかったのかもしれませんが、バイオセーフティーの訓練というのはそうしますと職員だけの訓練ということで、例えば地震や火事なんかで施設に破損が生じたような場合を想定してのそういう訓練というようなものは行われていないのかどうか、その点に関しまして確認したいと思います。
○政府委員(田中泰弘君) 今お答えいたしましたように、訓練は研究所内に効果的に封じ込めるということを主眼とした訓練でございますので、所内の職員の活動にかかわるものでございますが、一方、今御指摘のように、消防とかそれから地域住民との連携を図る、そしていざという場合の対応等も入れまして理解を深めていくことが重要というふうに考えております。そのために、そのような関係者の参加をいただきまして国立感染症研究所安全連絡協議会というものを設置いたしております。これを通じまして消防署それから地域住民、こういった方々の理解あるいは連携を図れるよう努めているということでございます。
○渡辺孝男君 日本では国立感染症研究所村山分室がP4レベルの研究施設に相当すると聞いておりますけれども、これまで国内外のP4施設でそういう病原体の漏れ出し事故みたいなものは実際に起こったことがあるのかどうか、その点に関しまして確認させていただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) P4施設で事故が起きているのか、国内外での事故が起きているのかというおただしでございますが、まず日本国のP4施設は、村山にあるのはまだ動いておりませんので、そこでの事故はございません。 それで、外国が問題になるわけでありますが、米国の疾病管理センター、CDCに照会をいたしましたところ、一九七七年に英国の病原体等安全管理基準レベル4に対応する施設の従事者がザイールで発生したエボラ出血熱に針刺し感染をした例があると聞いております。ですから、これは施設内の事故であります。しかし、病原体等安全管理基準レベル4に対応する施設から病原体等が外に漏出するといった事故につきましては、アメリカ疾病管理センター、CDCにおいても把握をしていないとの確認を得ているところでございます。
○渡辺孝男君 次の質問ですけれども、日本でP4施設が稼働していない理由につきまして簡単にお聞かせいただければと思います。
○政府委員(田中泰弘君) 御指摘のとおり、村山分室の高度安全実験室につきまして、地元の地方公共団体、住民の理解が得られないということから、稼働していないという状況でございます。 五十六年にこの施設を完成したわけでございますが、以後地元関係者に施設を公開し安全性などについて理解を深めますとともに、市議会や住民に対する説明など、国としまして地方公共団体や住民に対しまして不安の解消、理解を得るべく努力をしてきたところでございます。また、市の関係者の参加によります安全監視委員会の設置などを含めました研究開始に係る協定の締結などについても提案をしたところでございます。その他、その後も地方公共団体や住民の不安を解消し理解を得るべく努力をしてきているところでございますが、今の段階でまだその理解は得られていないという状況でございます。
○渡辺孝男君 これまで日本でP4レベルの施設が稼働していないというお話でありますけれども、この点に関しまして特に不都合な点があったかどうか、その点に関しましてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) ウイルス性出血熱の診断におきましては、病原体等安全管理基準レベル4に対応する施設を必要としない方法で診断可能な場合が相当あるわけでございます。PCR法とか抗原や抗体を用いての検査は可能であるわけでございます。しかし、こうした施設が稼働していないことにより、ウイルス性出血熱の病原ウイルスの分離培養ができないといった問題もあるものと認識をいたしております。 したがって、今後、米国疾病管理センターとの協力を含めた検査体制の構築、我が国においても必要な検査ができるような体制の整備等を進めてまいりたいと思います。 ただ、現在の段階ではP4対応せざるを得ないウイルスというのはまだ日本には入っていない、このように承知をいたしております。
○渡辺孝男君 時間もなくなってきましたのですが、小泉厚生大臣に最後にお尋ねしたいんですけれども、日本でのP4施設の稼働に関しまして今後どのような対応をするのか、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 国立感染症研究所村山分室の高度安全実験室、いわゆるP4施設については、昭和五十六年の施設完成以降、その稼働に向けて努力しておりますが、現在まで地元住民の理解が得られていないことから実験が開始できない状況にあります。 高度安全実験室については、その安全性に万全を期するとともに、地域住民の方の不安を解消することが重要と認識しております。新法の制定により、今後の感染症対策を進めていく上で高度安全実験室の重要性は高まっており、今後とも、施設の稼働に向けその安全性の向上を図るとともに、住民の理解を求めるべく地元への説明等にさらに努力してまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。よく住民との話し合いをしながら、適切な稼働ができるようにしていっていただきたいなというふうに思います。 以上でございます。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。 まず、大臣が財革法改正の関係で、来年度の社会保障の予算に悪い影響がないように努力をされたことについて、私はまず評価をしたいと思います。御苦労さまでございました。 そこで、次にお尋ねしたいのは、この国民福祉委員会で四月二十一日に参考人の意見陳述を受けました。その際、聖マリアンナ医科大学の清水教授が、この法律と現場には非常にギャップがある、そして、非常に難解な法律であると指摘されました。私も何遍読んでもすごくわかりにくいということを申し上げていましたけれども。そして、この法律が成立をしたならば、医師や国民に対して運用上の解説書といいますか、解釈を書いたものを作成してほしいという提起がございました。 私は、これはぜひ国民にもわかるような解説書を出すべきだと思いますが、大臣、これはよろしいですね、お願いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 御指摘のとおりだと思います。解説書等、できるだけわかりやすい指針といいますか、そういうものはつくる必要があると思います。
○清水澄子君 その際、やはりこの清水教授の御指摘だったと思いますが、我が国の感染症研究は基礎研究者に比べて臨床での業績発表というものも非常に少ない、そして大学においてもこの臨床の中心である内科の教授が感染症の専門医であるということは最低であって、内科の中の講義時間数を見ても、それは比率は一%から五%というのが全体の六五%を占めているということを指摘されました。今この委員会で審議しておりますように、新しい感染症とか再興感染症、いろいろそれが議論されておりますように、感染症の多様化が非常に進んでおるわけです。 そこで、今後の感染症対策をしっかり進めていくためには、やはり大学における医学教育、これは文部省になるのかもしれませんが、きょうは私は文部省をお呼びしていませんが、これはぜひ文部省とも厚生省は積極的に話し合いを進めていただきたいと思います。 それから、厚生省としてはこの感染症の研究者、そして臨床医など、幅広く専門家の養成を進めていくべきだと考えますけれども、それは具体的にはどういうふうになさろうとされておられるのでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 先生御指摘のとおり、感染症対策を進めていくためには感染症の研究者、臨床医などの専門家の養成を進めていくことが重要だと考えております。 このため、昨年度から新興・再異感染症研究推進事業によりまして、若手日本人研究者を外国の研究機関や大学等に派遣する事業を行っております。また、地域の専門家の育成のために保健所職員等を対象とした研修を国立感染症研究所や公衆衛生院において実施をいたしております。 今回の法案においては、人材の養成は国及び地方公共団体の責務に位置づけられ、基本指針及び都道府県の予防計画に記載されることとされています。今後は、これらに基づき引き続き計画的な人材養成を進めてまいりたいと、このように思っております。
○清水澄子君 私は、この清水教授が提案されたことで非常におもしろいなと思いましたのは、今おっしゃったことも大いに推進していただきたいんですけれども、大学とか研究所とか病院とか政府機関、それから企業の間でもっとそういう相互協力の場をつくって、そして感染症の研究者を育成するという新しいネットワークをつくったらどうかと、こういうことを提起されておりましたが、私はこれも一つの試みだなと思いました。 この質問はそちらに届けていませんけれども、今までの決まり切ったことだけじゃなくて、そういう新しい方法といいますか、潜在している人材とか活力を使っていく、そういうことはぜひひとつ考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(小林秀資君) 今回お願いをしている感染症に関する法案でも、第九条で国が基本指針をつくることになっておりまして、その項目の中に、「感染症の予防に関する人材の養成に関する事項」というのも入っております。 国としては、人材養成というのは大変重要でございまして、今やっている事業のほかに、先ほど先生から文部省との連携との御提案をいただきました、それから関係企業等との連携ということも、あらゆるところを通じて必要なところと連携をして人材養成に努めていかなくちゃいけないと、こう思っております。 もう一つ大事なことは、実はすべてのお医者さんに、やっぱり感染症というのは大変大事な疾患である、したがって、いわゆる開業の先生方、住民の身近におるいわゆるかかりつけ医の先生方に感染症についても正しい理解とそして新しい知識を持っていただくよう厚生省としても努力をしていく必要があろうかと、このように思っております。
○清水澄子君 そこで、やはり四月二十三日には国立感染症研究所を視察してきたわけですが、そこでも感じたことは、日本はやっぱり機械とか器具の性能は非常にいいんだろうと思います。そしてバイオセーフティーの管理室の機能は世界二なんだということを報告していただいたんですけれども、しかし、その機械はなかなか進んでいるんだと思いましたが、人員が余りにも少なくて、非常に私も法案とのギャップを感じたわけです。 そして、とりわけ第三条では、「国及び地方公共団体の責務」として、感染症に関する情報の収集、整理、分析及びそれを国民や自治体に提供するとあるわけです。しかし、国立感染症研究所の感染症情報室というところに入りましたら、八畳もないですね、六畳ちょっとぐらいの部屋に五名の方が物すごい狭いところで、それがいわゆる情報センターなんですね。私、この法案を議論していたときはもっと違うことをイメージしていたんですけれども、そこでたった五名の方が情報を収集している。またHIV研究のところも二人しかいない。あとはほとんど研修生といいますかアルバイトで来てもらっていると言っておりました。そういう意味で、これまでも人員の養成とかいろいろ皆さんからも御質問があったわけです。 そこで、私は帰ってすぐ予算は一体どうなっているのかと見ました。ところが、この平成十年度の感染症対策予算というのを見ましたら、昨年度よりも一億三千九百万円減っているわけです、削減されております。しかも、これは全部軒並み人材育成も減っていますし、調査研究も減っている、それから国際協力も防疫対策も全部減っているわけです。そして、一つだけふえているのが緊急時感染症対策の充実というのが三百万円でした。こういう予算を見ますとこれで本当に、やっぱり大変なんだ大変なんだという法律なんですけれども、予算との間でも非常にこれは問題があるなと思いました。 ですから、感染症対策を進めていく上では今まで議論されたこと、人材の養成とかそういう体制をどうつくっていくかという面ではやはり非常に実際の予算の確保がとても大切になると思います。しかし、こういうところは見えないところですから、今公共事業というとすぐわっといろんなところから声が上がるんですが、意外とこういう大事なところには予算が行かないという問題があると思いますけれども、これもやはり私どもも声を上げなきゃいけないと思います。 この法の施行を本当に内容のある充実したものにするのであれば、やはり感染症対策関連予算の充実というのは非常に重要だと思います。大臣、このことをひとつぜひ次の予算のときには頑張っていただきたいと思いますが、御決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 財政状況が大変厳しいことには変わりないんですが、この感染症対策のためにも必要な予算措置はできるだけ講じていきたいと鋭意努力していきまして、目立たない予算ではありますけれども、いざというときには大事な危機管理体制ということも含んでいるものですから、めり張りをつけて予算の充実に努めていきたいと思います。
○清水澄子君 次に、国と都道府県、市町村の連携強化と役割分担について、これを明確にする必要があると思うんです。今後、各都道府県がこの感染症対策を進めていく上で地域の中核的機関はやはり保健所だろうと思います。しかし、保健所の地域間の能力差といいますか、それが非常に大きいということを聞いているわけですけれども、もっと保健所における感染症対策の位置づけというのをしっかりと行って公衆衛生を後退させないような施策が私は重要だと思います。 そのためには、職員の能力を最大限引き出していくための研修の費用といいますか、それからその機会を与えるということが非常に重要になってくると思います。これもやはり予算と人員というところに関係してくると思いますが、今後、保健所の機能強化をどのように進めていかれるおつもりか、そのことをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 新法におきましては、感染症対策の公益性、専門性等の観点から保健所を感染症対策の中核的機関として位置づけておりまして、公衆衛生審議会からも指摘されているように、今後保健所職員の技術の向上を図る必要があると考えております。保健所職員の研修につきましては、国立感染症研究所及び国立公衆衛生院における研修事業等を活用し、その充実を図るとともに、今後とも保健所内の食品保健部門、感染症対策部門など関係部門相互の連携強化と保健所の機能強化にも努めてまいりたい、このように思っております。 もう一つは、この法律が百一年ぶりの改正ということで、逆に言うと動かない法律だから、皆さん方に古い法律があるということでなかなか認識をしていただけない。しかし昨今、新興感染症、それから再興感染症というのが起きてき、それもまた地方自治体でもいろんな感染症による事例が起きているということで、だんだん国民の皆さん方にも認識が深まっていることで、今後、法律を成立させていただいて、それを機によく地方自治体に対して御協力いただけるよう、また御指導できるように努力してまいりたい、このように思っております。
○清水澄子君 もう一つ私は保健所について提案があるんですけれども、海外からの感染症の侵入が非常にふえているということですから、やはり外国人に対する感染症対策は非常に重要だと思います。各都道府県に一カ所ぐらいはモデル的にも外国人の相談や対応に適応できる保健所というものを設けていくべきだと思いますが、それについてはどのようなお考えがあるでしょうか。 〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
○政府委員(小林秀資君) 在日外国人の増加等に対応するために、実は平成八年度から在日外国人に対する保健サービス事業を実施し、相談体制の整備や情報提供を行っているところでございます。感染症対策の観点からの事業の展開も今後検討してまいりたい、こう申し上げたいわけであります。 ただ、少し残念なのは、九年度予算でこのための予算として二千三百九十七万円用意をいたしました。ところが、地方自治体でこの金額を使っていただけたのは三百八十四万九千円ということで、実際には予算の一一、三%ですか、この程度の予算しか使っていただけなかったということでございます。私ども中央で考えても、地方自治体というのも確かに地方分権ということで地方の御判断もありましょうけれども、なかなかそこまで至らなかったということで、今後とも御協力いただけるように努力をしてまいりたいと思っております。 なお、海外からの感染症の侵入防止のためには入国時の検疫に万全を期すことが重要と考えておりまして、今般、検疫法の改正もお願いをしたところでございます。その際には、外国に出かける日本人の方にも、また外国から見える外国人の方にも感染症についての御理解が深まっていただけるように、パンフレット等の配布ということも今回法案の中でそういう事業もやれるように図っているところでございます。そういうことをすることによって、外国人の方にも感染症について日本にお見えになった機会によく御理解をいただくというのも大変大切ではないかなと、こんなふうに思っております。
○清水澄子君 それでは、現行の伝染病予防法とこの法案における市町村での消毒の取り扱いというのはどのように変わっていくのか。それかも、市町村における消毒について民間委託が進んでいると聞くわけですけれども、厚生省はその委託の実情を把握しているかどうか。また、今後委託業者への指導というのはどうするつもりかということ。 それから、時間がないのでもう一つ一緒に聞きますけれども、現行の伝染病予防法では市町村に伝染病院等の設置義務が規定されていて、全国で四百五十八カ所、一万二百三十四病床が伝染病床として各地であいたままであけてあるところがあるわけですね。そこで、市町村の伝染病院とこの新しい法律における感染症指定医療機関の関係、これはどのようになるんでしょうか。また、そこから外れた伝染病床は今後どういう扱いになるのでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) まず、現行の伝染病予防法とこの法案における市町村の消毒の取り扱いについてどのように異なっているのか、また市町村における消毒について民間委託がどのようになっているのかという御質問がございました。 平常時の消毒につきましては、伝染病予防法では、市町村に消毒施行の義務づけ規定が置かれておるところでございます。一方、新法では、公衆衛生水準の向上等を踏まえ全国一律的に行われてきた平常時の対策を見直しをいたしまして、各都道府県が地域の実情を踏まえて策定する予防計画にのっとり適切に実施するものとしたわけでございます。 また、感染症の病原体に汚染された場所の緊急的な消毒につきましては、当該場所の管理者等に一義的な消毒の義務があり、補完的に市町村が行うという仕組み自体は異ならないわけであります。ただし、新法においては、管理者等に消毒を命令する場合に、命令の内容及び理由を書面により通知するなど手続的な規定を整備いたしておるところでございます。 〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕 なお、市町村が行う消毒に係る民間委託につきましては、その例もあるようでございますが、実情については把握をいたしておりません。新法において、法律上市町村が実施することとされている緊急時の消毒については、仮に民間に委託される場合であっても的確な実施がされるよう指導の徹底を図ってまいりたい、このように思っております。 次に、伝染病予防法における市町村の伝染病院と新法における感染症指定医療機関の関係いかんということ、それから、今までの伝染病院は新法ではどうなるのかという御質問でございます。 現行の伝染病予防法におきましては、法律第十七条に市町村の伝染病院等の設置義務が規定をされておりまして、現在、全国で約四百六十カ所の伝染病院等が設けられております。今回の法案においては、市町村に限ることなくさまざまな設置主体の設ける医療機関の中から感染症医療を的確に行うことができるものを都道府県知事等が感染症指定医療機関として指定していくことになるわけでございます。 感染症指定医療機関の指定基準につきましては、今後、良質かつ適切な医療の提供や人権への配慮等を念頭に置いた基準づくりを進めることといたしております。また、整備目標は、近年の感染症患者の発生状況を踏まえた上で基本指針の中に示していく予定でございます。 現行の市町村の伝染病院につきましては、既存施設の活用の観点から、整備の上、基準に該当するものについては都道府県知事により指定をされていくものと考えておりますが、指定を受けない伝染病院等の取り扱いにつきましては各市町村の判断にゆだねられるものと考えております。
○清水澄子君 もうちょっと簡潔に答えてください。 もう時間がなくなりましたので、最後に一つだけ伺います。 先日の委員会で、小林局長は、患者に対して強制入院とか強制措置をとった場合の患者、感染者の被害の救済については、国家賠償法で対応すると答弁されております。しかし、国家賠償法というのは、患者が行政の故意とか過失を立証しなければならない。新感染症のような未知の疾病について、行政の故意や過失を立証するということは患者の立場では非常に困難だと思うわけです。 ですから、国家賠償法による救済には限界があるのではないかと思いますので、行政に故意、過失がなかった場合にも、いわゆる無過失の場合でも、やはり強制措置の結果甚大な経済的被害をこうむる場合があったときには、この基本問題検討小委員会の報告書では、行動制限等の措置が講じられたことによって生ずる損失補償のあり方に関して検討を進めることが必要であると述べているわけですから、司法手続によらなくても、行政的な救済手段を設けるということをぜひ検討いただきたいと思いますが、このことへの簡潔なお答えをいただいて、終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(小林秀資君) 今度の新しい法律では、患者さんの人権を守るべく、入院等の規定については各種の人権規定を盛り込んだところでございまして、医療においても患者の人権に十分配慮していただくような仕組みをつくった次第でございます。 国家賠償法についてのおただしでございますけれども、私どもの考え方としては、患者の入院に当たっては、感染症類型に応じた要件が明確化され、また、感染症の診査に関する協議会の意見を聞くことにいたしております。このように、患者等の入院については、極めて慎重な判断がされる仕組みが法定されているところでございます。このため、公務員の故意または過失により過剰な入院を強いる可能性は極めて低く、補償しなければならないような場合は少ないと考えております。 先生の御提案は、こうした極めてまれな事態への対応であること、それから、入院により失われる利益の状況は患者によってまちまちであり、その救済にはより個別、慎重な判断が必要なこと、現行でも法定伝染病の平均入院期間が十三日強と短いことなどによりまして、国家賠償法に基づく訴訟によることが適当であり、特別な救済措置を設ける必要はないと今のところ考えております。
○委員長(山本正和君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山本正和君) 速記を起こして。
○清水澄子君 今のお答えは大変否定的な答えをされたわけですね。 やはり私は、国家賠償法でそれを裁判に訴えていくということはなかなか普通の患者はできないと思うんです。ですから、行政的に救済できるそういうものが必要じゃないかと思うんですね。 やはり患者の人権をどうしても規制しなきゃならない場合というのがあるわけですから、それは一つの行政処分としてするわけですから、やはり行政不服審査が必要だと、それができるということが必要だと思います。その場合でも、規制の対象となるのは病人なんですね、患者であるわけですから、やはりそういうことができるようなもうちょっと安易な、安易と言うといけません、簡易というんでしょうか、もう少しやりやすい、患者が自分の意見を申し立てることができるような機関を行政の中に置くべきではないかと考えます。 これは、患者の人権とか患者の権利というのは、別に感染症の方だけの問題ではなくて、これからはその辺はもっともっと議論されなきゃならないテーマになってくると思いますので、その点を完全に否定してしまわないで、考えるということが私は必要だと思いますが、もう一度お答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 私も余り時間がないので少しはしょってお答えをしました。御理解をいただけなかった部分があるかと思いますので、また答弁をさせていただきます。 まず、今回の法案におきましては、患者の人権に十分配慮して不必要な入院がなされないようにすることが重要であると考えております。そして、応急的な入院期間は七十二時間に限ること。そしてまた、入院期間の延長に際しましては専門家から成る感染症の診査に関する協議会の意見を十日ごとに聴取するなど、患者の人権に十分配慮しているところでございます。さらに、一般の行政不服審査法による審査請求が行えることをさらにつけ加えておりまして、行政不服審査法の特例規定を設けまして、人権に手厚い配慮を行っております。 具体的に申しますと、入院が三十日を超える場合、厚生大臣への請求を直接行うことができまして、これも文書でなくて電話でもって実は厚生大臣に、私は長く入れられている、助けてくださいということが言える仕組みになっておるわけであります。そして、審査請求が厚生大臣になされた場合には公衆衛生審議会の意見を聞くことといたしておりまして、五日以内に裁決をするという仕組みをつくっております。 それから、通信、面会の自由のことでございますけれども、今回につきましても通信についてはその自由を保障するということを考えております。ただ、面会につきましては、空気感染というのか、それがありますので完全な自由の面会ということは場合によってはインターホン越しの面会になるとかそういうのがあるかもしれませんけれども、通信の自由のところは保障いたしておりまして、患者さんが厚生大臣に不当に入れられているから助けてくださいという仕組みを今回特例としてつくっておるわけでございます。 また、このほかにもこの法案では、入院患者から退院請求があった場合、都道府県知事は当該患者についてその病原体の有無を確認すると。だから、病院側が長くしていた場合には入院患者が知事さんに対しても、私、病原体持っているのですかといって確認ができるというような仕組みも設けて、何重にもして患者さんがいわゆる行政不服審査を起こすようなことにならないように対応を図っているということで御理解をいただきたいと思う次第であります。
○清水澄子君 強制入院されている患者の通信とか面会の自由というのは保障するということですね。その場合に、助けてくださいといって厚生大臣に、どこへ知らせるのですか。それはどこへ、電話ですか、何ですか。
○政府委員(小林秀資君) 精神衛生法の事例でいきますと、精神病院の患者さんは実際には精神保健を所管をする県庁の各課に直接つながるようにしてありまして、その電話の番号は各精神病院の電話機のところにちゃんと書いてある仕組みになっています。ですから、直接、精神病院の場合は県の担当者に電話をかけることができますし、厚生省の場合でいきますと私どもの局の担当課の担当者の机の上の電話に直接つながるようになるものと考えております。
○清水澄子君 今、精神保健法との関係をお話しになりましたけれども、同じ小林局長でしょう、この精神保健法をつくられたときは。そうなんでしょう。
○政府委員(小林秀資君) 精神保健法の昭和六十二年の改正は、私が担当課長でございました。
○清水澄子君 そのときの保健法の今おっしゃったように非常に患者の人権を大切にするというお考えならば、なぜ今回の法律には基本理念のところにそれが明確に出ていないのか、今、私はぴんと不思議に思ったんですけれども。その精神保健及び精神障害者福祉に関する法律ですね、このときはきちんと基本理念に入院患者の処遇とか患者の個人としての尊厳を尊重しとか、非常に明確に社会復帰の促進に資するものでなければならないとか、その処遇に当たっては患者の自由の制限が必要とされる場合においては、その旨を患者にできる限り説明して制限を行うよう努めるとともにというインフォームド・コンセントとか、それからその制限は患者の症状に応じて最も制限の少ない方法により行われなければならないものとすると、患者の人権というのは基本理念にとても明確に出されているんですね。そこには通信とか面会まで書かれているんです。 どうして今度の法律には、これだけ多くの者が患者の人権というものがここからは見えないと、言葉にはあちこち少しずつあるんですが、その内容が見えないということがずっと議論もされました。しかし、どうして同じ人がつくられてもこんなに違って、今度は社会防衛論的なそういう法律になっているということで私たちは非常に心配をしていましたので、そのことはぜひこの法律の中に生かしていただくことを私は再度要請をして、質問を終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 この法律が国民の理解と協力を得て時代の要請にこたえることができるその大前提は、やはり今までの感染症対策についての反省、らい予防法及びエイズ予防法などの反省の上に立って行われるべきだと考えます。それが大前提になければならないということで、きょうで三回目になるわけですけれども、この点についてまた質問をしたいと思うんです。 代表質問のところでは、総理はこのエイズ予防法の制定について、当時としてはやむを得なかったとお答えになったわけです。そして、四月十四日の当委員会の質問に局長は適切であったとお答えになりましたね。その次の十六日に小泉厚生大臣は、当時の関係者の意思とは違っていろいろ差別を助長したということをお述べになったわけです。つまり、当時の関係者の意思は差別をつくるとか偏見をつくるとかということを意図したものではないということですけれども、明確にエイズ予防法の制定について誤っていたという御答弁ではなかったと判断をしております。 参考人招致の中でも、東京HIV訴訟弁護団の鈴木参考人の方からも、その点厳しくやはりエイズ予防法の誤りについての反省が必要だという意見が述べられましたし、私が要求をしておりますこういう墨塗り部分の資料の公開についても当然公開をすべきだという意見陳述があったわけです。 私が要求いたしましてから、十四日に要求をしたわけですから、局長は少し時間がかかるというお話であったわけですけれども、その後調査をされて、そしてこの黒塗り部分の中身、内容についてここに御報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) お答えをいたします。 いわゆる黒塗りの資料の原本は地検に押収をされておりまして、前回お答えしたとき、前の日ですか、一回目にこの委員会でお答えしたときの日に地検に入り始めた、うちの職員が地検に赴いて調査を始めたということでございました。そして、調査の確認を行っているところでございます。 その内容につきましては、私がこの前申し上げましたように、公表できないものの例示をこの前申し上げましたが、私どもとしては、エイズ予防法の制定過程に関する資料のうち、組織的に用いられた資料については公開の方向で検討を進めたいと、このように今思っているところでございます。
○西山登紀子君 私が具体的に申し上げましたよね。八七年一月二十八日の「エイズ対策の法制化について」というこの墨塗りの部分の公開。それから「後天性免疫不全症候群についての法的措置の概要(素案)」、八七年一月三十一日。「エイズ対策の法制化について(案)」、八七年一月二十七日。「エイズ法案素案と問題点」、八七年一月二十七日。ということで、私は極めてこれは政府の公式の文書ということで公開を要望した。大臣も一度見てみたいものだとこの前おっしゃったんですけれども、大臣、ごらんになりましたか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 見ておりません。
○西山登紀子君 これほど重要な法案を、しかも過去の経緯について重要な反省が国民的に求められているときに、やはり私はこういう国会の審議の中で担当の大臣がごらんになっていないというのは少しおかしいんじゃないかなと思います。局長は行って調べていると言うんですけれども、もう二週間たっているわけですね。これ、実際中身をごらんになりましたか。私が調べてほしいと言った資料。
○政府委員(小林秀資君) 地検の調査には私は出向いておりません。直接その資料も見ておりません。
○西山登紀子君 直接の答弁に立っていらっしゃる方が見ていないということは、私は話にならないと思うんですね。係員だけ行かせてそして何か調べさせるということでは、私はやっぱり誠意を疑います、その点については。やはり過去の経緯について反省をきちっとなさらないと、国民はこの法案についても信頼が持てないと、再び同じような誤りが繰り返されるんじゃないかという危惧を持たざるを得ません。 つまり、今度は第四類感染症に分類しているわけですけれども、同じような認識は当時大臣談話で既に持っていらっしゃったんですよ。既に持っていたんです。それは十四日の質問のときに私きちっと申し上げましたけれども、持っていたと。ところが、それがゆがめられて、ゆがめられてというか、そういう間違った判断のもとにエイズ予防法というものが制定された。当時、国会でもこの場所でも私たちも反対したし、ほかの政党でも反対した党はありましたから。 そういう点について、私はあわせてこのエイズ予防法の反省は非常に大前提であるということを改めて主張をさせていただきたいと思います。そして、こういう墨塗りのまま国会に出してくるというのはこれは非常におかしいことでありまして、速やかに内容を公表していただきたいというふうに再度要請をしておきたいと思います。 それから、その次ですけれども、この第四類感染症というものの定義ですけれども、法案の中にはインフルエンザ、ウイルス性肝炎、それからいろいろあって、その他という例示がされているわけですが、それ以外は省令で定めるというふうになっているわけですけれども、小委員会の最終報告では三十八の名前が挙がっているわけです。 この第四類感染症の概念、あるいはいかなる基準のもとにこういう感染症が選ばれるのか、また報告書が挙げている三十八の感染症というのは全部対象になるとお考えになっているのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 感染症類型は、公衆衛生審議会の基本問題検討小委員会における検討の中で各感染症の感染力、感染した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性の程度に基づきまして分類をされているところでございます。 四類感染症は、入院や就業制限といった行動制限を伴うものではなく一対象感染症の発生動向調査を行い、その結果を国民に公開、提供していくことにより、予防対策へ結びつけようとする疾病区分でございます。 法案には病原体別に代表的なものを十二疾患規定いたしておりますが、その他の疾病についても厚生省令で定めることができ、御指摘の報告書に例示されています感染症を中心に公衆衛生審議会の意見を伺いながら検討をしていくことにいたしております。もともとその三十八は審議会が意見を言っているわけですから、また審議会に御意見を聞くんですから、この三十八は多分そのまま四類感染症になるのではないかと私どもは思っております。そのほかにもまだ審議会の中で追加されることもあるのではないか、こんなふうに思っておるところでございます。
○西山登紀子君 小委員会の最終報告では分類が差別や偏見につながらないようにするためには国民の理解と協力が必要だということから、理解と協力を得るためにはその概念なり内容がはっきり伝わらないと理解のしようがないわけですから、第四感染症については必要な情報を一般国民や医療関係者に提供、公開していくことによって発生、拡大を防止すべき感染症だと定義がされているわけです。 それなら、そういう定義をどうして法文の中に明文化をされなかったのでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 本法案におきましては、感染症類型は公衆衛生審議会の議論を踏まえて感染症の感染力と罹患した場合の重篤性等から総合的に判断した危険性に応じて分類をされているというのは今申し上げたとおりでございます。 その具体的な規定方法としては種々の方法があると考えられますが、法律構成上は本法案のように三類感染症以上の行動制限にかかわりのある感染症は、法律に個々の疾患名、疾病名をすべて具体的に列挙することにより厳格な法の適用を担保しているところでございます。 なお、発生動向調査を主として対応を図っていくこととしている四類感染症については、多くの例示を挙げた上で国民の健康に影響を与えるものと規定をしたところでございます。
○西山登紀子君 法文の「国民の健康に影響を与えるおそれがある」ということだけでは、私はどうしてこのグループが第四感染症というふうに分類されるのかというのが全然わからない。ですから、そういう点ではやはり国民の理解と協力を得ていくという点でも法文上にきちっと明記をしてよくわかるようにしないと、やはりまた新たな差別と偏見につながるというふうな危惧がされるわけです。こういう点は非常に厳密にするべきだというふうに思います。 次に、参考人の質疑のところでも出されておりましたけれども、指定感染症という新たな概念が今度は入っているわけです。この指定感染症ということについては、小委員会の論議の中であるいは報告書の中ではありません。指定感染症という概念はありませんが、最終報告の中にも入っていないわけですけれども、それが今度の法案の中に入るようになった経緯、どこでどういうふうに検討がされて入るようになったのか説明をしてください。
○政府委員(小林秀資君) 公衆衛生審議会の基本問題検討小委員会における検討の中で、法案において指定感染症と位置づけられた疾患についても新感染症とともに繰り返しその取り扱いが検討されたところでございます。 具体的には平成九年十月二十二日の小委員会と公衆衛生審議会伝染病予防部会の合同審議において、これらの法律、法的位置づけについてさらに具体的な審議が行われたところでございます。十月二十二日の資料三と書いた番号を打った資料がありまして、そこに指定感染症に関するところが出てまいるわけであります。 最終的な報告書においては「各感染症の取り扱いについて弾力的に追加・削除・緩和等を行っていくことが重要である。」との記載の中に、指定感染症の考え方についても盛り込まれているところでございます。
○西山登紀子君 最終報告の中には指定感染症という言葉はありませんよね。
○政府委員(小林秀資君) 最終報告の中に指定感染症という言葉はありません。
○西山登紀子君 先日の参考人質疑の中で清水参考人、御専門の先生に指定感染症の範囲についてお伺いをいたしました。後天性免疫不全症候群は指定がされるのかという質問に対しまして、重篤性、感染性という点から入る可能性は大変少ないというふうにお答えになったわけです。ところが、午後の竹田参考人に同様の質問をいたしますと、これは第四感染症だからすべての感染症が対象になる、つまりエイズも対象になる、こういうふうにお答えになっているんですけれども、厚生省はどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(小林秀資君) お答えを申し上げます。 エイズにつきましては感染力が弱いことなどから、肝炎につきましては有効な予防法があることなどから、公衆衛生審議会において、入院等の措置は不要な四類感染症と整理をされており、指定感染症に指定することは想定をしておりません。 なお、四類感染症であって指定感染症に指定される場合としては、これまで想定されていない新たな感染力や重篤性を有するようなそれぞれの病原体の新型が出現する場合が考えられます。この場合においても、政令指定に当たってはあらかじめ公衆衛生審議会の意見を聞くことが法定されておりまして、専門的な裏づけを得て行うことになるわけでございます。
○西山登紀子君 今、局長は、エイズは対象にはならないということですか。それじゃ法文から除かなきゃいけませんね。
○政府委員(小林秀資君) 今申し上げましたのは、エイズにつきましては指定感染症に指定することは想定しておりませんと申し上げました。 それで、四類感染症に入っていることを今、先生は削りなさい、削ったらどうかという御質問かと思いますが、そういうことでしょうか、後段に言われたのは。——いわゆるエイズにつきましては四類感染症に入っておりまして、これは、先ほども申し上げましたように、国民に情報提供することによって国民に行動の変様をお願いしそれによって感染の予防をする、感染症の拡大を防止するということにする疾患として四類に挙げているわけであります。
○西山登紀子君 ですから、指定感染症というのは一類、二類、三類は除くと。一類、二類、三類は除く感染症ですよね。つまり。指定感染症め対象は第四類感染症とその他の感染症と、そういうことになりますね。それで、第四類感染症の中には後天性免疫不全症候群が入っているわけです。指定感染症の対象になるのかどうかということをお聞きしている。なると言う人とならないと言う人がいるから。
○政府委員(小林秀資君) 今申し上げましたように、エイズの病気の態様、いわゆる感染力が弱いということで、私ども今言ったように指定感染症に指定することは想定しておりませんと申し上げたわけです。 ただ、先生おっしゃいました四類からだけ指定感染症が出るというふうにお考えになられたとすれば、そこは私どもとしては、四類に入るものを含めて四類からしか指定感染症にならないのかということでお答えしますと、それは四類以外でも指定感染症になることもあり得る、このように思っております。
○西山登紀子君 私はそういうことを聞いているのでなくて、四類の中にエイズは入っている、四類は指定感染症の対象だ、ならばエイズも指定感染症の対象なのですかとお聞きしたら、局長は、入りませんと。入りませんと言うんだったら法文から除く方法を考えておいてくれないと国民は混乱しますよ。
○政府委員(小林秀資君) 先ほども申し上げたと思いますけれども、四類感染症であって指定感染症に指定される場合としては、これまで想定されていない新たな感染力や重篤性を有するようなそれぞれの病原体の新型が出現する場合が考えられておるわけであります。この場合においても、政令指定に当たってはあらかじめ公衆衛生審議会の意見を聞くことが法定されておりまして、専門的な裏づけを得て行うことになるわけであります。
○西山登紀子君 局長の答弁は私の次の質問のお答えじゃないかと思うんですけれども。ちょっと整理をしていただけますか、大臣。
○政府委員(小林秀資君) 四類の中に入っているのが指定感染症になるのかということでいけば、あそこに入っているものが、例えばウイルスならウイルスのタイプが変わるとか、バクテリアならバクテリアが変形をして特別強い毒素を持つとか、それからインフルエンザでいけば今度新型インフルエンザというのが出現するとか、そういうような、その病気自体が菌だとか病原体によって影響されてくるわけです。それの変化があって、そしてそれが著しく感染力が強くなるとか致命率が高くなるとか、そういう変化を見て、そしてそれは従来どおり国民の皆さんに情報提供することだけでこの病気の蔓延を防止することは難しい、こういう場合には、それは指定感染症にして二類扱いをお願いするとか、場合によっては三類扱いをお願いするとかということはあり得るわけであります。 ですから、今のエイズというのは感染力が非常に弱いものですから、今のエイズは指定感染症にはとてもならないと想定をいたしておりますと申し上げたわけであります。
○西山登紀子君 今のエイズは指定感染症の対象にはとてもならないということですね。今のエイズはとても指定感染症にならないというふうにお答えになっているわけですが、しかしこの文案でいくと一、二、三感染症を除く感染症は指定感染症の対象になるとなっているわけですから。
○政府委員(小林秀資君) 四類感染症に入っているものも、また感染症でどこの分類にも入っていないものも指定感染症にはなり得るわけであります。ですから、四類に入っているから指定になるとかならないとかということの問題とは違うんではないんでしょうか。もちろん、その四類のほかの病気についても、実際に感染力が弱い等々あって当然指定にならないものは実際には見受けられる、こう思いますが、ちょっと細かい吟味をしているわけではありませんので、今エイズについてのみお答えをしたわけであります。
○西山登紀子君 局長はそういうふうにおっしゃっているわけですが、この文章から見ると、第四感染症にはエイズも入っている、第四感染症は指定感染症の対象だ、第四感染症だけじゃなくて第四感染症とその他の感染症も指定感染症の対象になり得るということになりますと、やはり過去のエイズ予防法などなどのいろんな迫害を受けてきたそういう被害者からすれば、当然これはやっぱり危惧する内容になっているわけですよね。ですから、私はもうはっきりさせていただいて、現行のエイズについてはこういう指定感染症にはならないということをきちっとさせるべきだというふうに思います。 それからさらに、言われたように、ちょっと時間が過ぎたからあれですが、清水参考人は、指定感染症の指定に当たっては非常に感染症が重篤で感染力の強いこと、これが条件としては必要だというふうに参考人質疑のところで述べていらっしゃったわけです。だから、私は指定感染症の条件をうんと厳しくしないとやはり人権侵害に及ぶようなことになるんじゃないかというふうに思いますので、その条件を厳密に規定する、感染力が非常に強力であり重篤であるというふうに。この国民の生命、健康に重大な影響を与えるというふうな漠然としたような規定では、とてもこれは安全といいますか、人権侵害に及ばないというふうなことにはならないんじゃないか、もっと厳密にすべきじゃないかと思います。
○政府委員(小林秀資君) 病原体の変化、インフルエンザについては今回新型インフルエンザというのはもう二十年か三十年ぶりに大きなタイプが変わるわけですけれども、インフルエンザはよく変わる方でありますけれども、そんなに病原体の毒性が変わるとかということが絶えず起こるわけではないわけでありまして、私どもとしては、現在四類に入っている感染症というのがそんなに指定になるわけではない。 ただ、先生が今おっしゃるように、厳密にどうかということでございますけれども、実際にはこれらの適用に当たりましては、御指摘のように感染力や重篤性の観点が重要であるということでありまして、この点を踏まえて法案でも「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるもの」を規定したところでございまして、個別の事例については公衆衛生審議会の意見を聞いて指定がされる、このように思っております。
○西山登紀子君 時間があれですのでちょっと質問を飛ばしますが、総務庁の勧告が出ているわけです。これは、感染症対策などについて、昨年の八月から十一月の間に十四都道府県、六指定都市などで行った感染症対策の調査に基づいた勧告が出されているわけです。 その勧告を少し御紹介したいと思うんですけれども、エイズの対策などについてですが、例えば保健所のこうした事業の実施状況はどうかというと、三十八の保健所の中で来所相談所の秘密保持のための専用個室相談室を整備しているのは十四の保健所のみであるということだとか、百十八の拠点病院が選定されているんですけれども、その状態を三都道府県が把握をしていない、あるいは九十の拠点病院のうち五十一の拠点病院のカウンセリング体制の整備が不十分だとか、国の医療機関ではカウンセリング体制や総合的診療の実施体制の整備が十分でない、こういう調査に基づいて三点勧告をしているわけです。 ちょっと時間がないので勧告を簡単に言いますけれども、要するに、厚生省は都道府県にガイドラインを作成してきちっと指導するということとか、拠点病院のカウンセリング体制、診療体制の整備を推進することだとか、住民に対する啓発普及活動、患者の福祉の充実を図るためにうんと役割を強めなさいというふうな勧告がされている。 これをどのように受けとめていらっしゃいますか。
○政府委員(小林秀資君) エイズ対策の事業運営体制につきましては、現在、都道府県の進捗状況を調査しているところでございます。この調査結果に基づき現状の評価を行い、地域の実情に応じたエイズ対策のあり方、事業運営体制の整備の方策等を検討の上、都道府県に対するガイドラインを策定することといたしております。 また、エイズの診療体制の整備につきましては、平成九年度から全国八地域のエイズフロック拠点病院の整備を進めており、今後とも、このブロック拠点病院を中心に、相談体制の充実を含め、地域におけるエイズ医療の向上を図ってまいりたい、このように思っております。
○西山登紀子君 では、最後に大臣にお伺いしたいと思うんです。 今度の良質かつ適切な医療というようなこととか感染症の予防を先行的に行っていくという意味でも、やはり予算措置で実効性が伴うというふうに思うわけです。例えば、平成十年度のエイズの関連予算を見ましても総額として四十二億円減っている、二二・八%の減少です。確かに、医療機関が建ったということで大きく減ったんだというふうな御説明もレクのときにあったわけですけれども、私はそれで十分ではないというふうに思っているわけです。医療の体制で三十二億減ったとか、相談指導体制で五千八百万円、それから国際研究協力で六億一千四百万減っていますし、正しい知識の啓発普及でも二億四千三百万円減っている、都道府県に対する事業費も一億二千万減っているということで、全体として減っているわけです。 ですから、六十二条に「予算の範囲内でこというふうに書かれているんですが、私はこの「予算の範囲内でこというふうなことは削除するべきだというふうに思うわけです。先ほど大臣いみじくも目立たない部分だとおっしゃったけれども、こういうところにこそ予算をしっかり注ぎ込む必要があるんじゃないか。 国立感染症研究所を視察させていただきましたけれども、私も本当に大変だなと。情報センター事務局、わずか五人と。十倍は欲しいというふうに所長さんがおっしゃっておりましたけれども、やはり大事な国民の健康、命にかかわる問題ですから、この点の感染症予算も含めて、エイズの対策予算も含めて、予算をきちっととっていただきたい。 この点について大臣の御意見をお聞きして、質問を終わります。
○国務大臣(小泉純一郎君) 九年度に比べて減っているじゃないかと言うんですけれども、八年度に比べて九年度がかなり施設整備等でふやしたということで、十年度については御指摘のとおり減額となっているのは事実であります。 しかし、これから、エイズ関連事業については効率化を図りまして、必要な予算を確保するよう努力をしていきたいと考えております。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 まず、私の方からは、質疑に入ります前に、大阪府の豊能郡美化センターの周辺におけるダイオキシン問題について少し質問をさせていただきたいと思います。 既に、厚生省におかれましては大阪府などの関係自治体、また施設を建設した三井造船に事情聴取を行っているという報道もされておりますが、これまでの経緯とその内容について、また各自治体に対してどういった指導が行われているのか御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) お尋ねの豊能郡環境美化センターの関係でございますが、本施設は昭和六十三年に供用を開始したごみ焼却施設でございます。 厚生省の指示に基づきまして、平成九年一月と五月に排ガス中のダイオキシン濃度測定を行いましたところ、それぞれ一立方メートル当たり百八十ナノグラム及び百五十ナノグラムを検出しているわけでございます。その後、平成九年八月に住民の要望に対応いたしまして土壌等の周辺環境調査を行いまして、十一月に結果が判明したわけでございますが、土壌中に高濃度のダイオキシンが検出されたわけでございます。 その原因究明と対策の検討のために、十二月に組合が専門家によります委員会を設置いたしますとともに、周辺環境の再調査を行いました。再調査の結果、焼却施設の直近の土壌からさらに高濃度のダイオキシンが検出されまして、その原因は焼却施設の排ガスの影響の可能性が考えられるという旨の委員会報告書が本年の四月十七日に取りまとめられたものでございます。 その後、報道でも御存じのとおり、その施設において灰を野積みしていたとか、あるいは測定の際に特別な操作を行った等々、さまざまな報道がなされましたために、事実関係を正確に確認いたしますために、四月二十二日に豊能郡環境施設組合と大阪府から、また二十三日に施設の建設業者であります三井造船から説明を受けたところでございます。 その結果、焼却炉から排出されます灰ではなくて砂でございます、これは砂を熱してごみを燃やす焼却炉でございますが、その砂が一時的に施設の敷地内に保管されていたということ、あるいはその測定の際に集じん機入り口の排ガスの温度を通常よりも下げるなどの通常と異なる操作が行われていたということが確認できたわけでございますが、その詳細につきましてはまだ疑問点が非常に多うございまして、さらに確認を要する事項が多く残されているというのが現在までの実情でございます。 このため、組合と大阪府に対しまして、その施設におきます維持管理状況等の事実関係につきまして五月中旬を目途に報告を求めることといたしております。また、ダイオキシン類の濃度の測定の際におきます通常運転と異なる操作を行うことがないよう指導いたしますとともに、周辺土壌がなぜこれほど高濃度になったのかという原因について再度検討をするように指導したところでございます。 さらに厚生省といたしましては、今回の事例の点検を踏まえた上で、規制内容の基礎となります科学的知見を再度検証いたしまして、必要に応じまして維持管理基準等の規制の見直しを行ってまいりたいと考えております。
○西川きよし君 きのうは地元のタレントの島田紳助さんが厚生大臣の方にも陳情にという報道も見せていただきました。これは、地元はもとより全国的にも大変不安なことでございますし、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、文部省にもお伺いしたいのですけれども、このセンターの近くにございます府立能勢高校の農場からも異常に高い濃度のダイオキシンが検出されているわけですけれども、生徒あるいは教員等の健康の不安に対するお気持ち、今後どのように対策を講じていかれるのか。報道によりますと、健康の調査はしなくてもいいというような報道も目にいたしましたものですから、ぜひ御説明をお伺いしたいと思います。
○説明員(佐々木順司君) 御指摘のように、美化センターの隣に府立能勢高等学校がございまして、そこの農園等からダイオキシンが検出されたということを私どもも承知しているところでございます。 大阪府では昨年十一月に同校の農場への立ち入りを禁止する等の措置を講じておるというふうにお聞きしてございますが、今般、大阪府では、能勢高校の設置者でございます府の教育委員会を含みます関係機関から構成されます大阪府ダイオキシン対策会議というのを設置されまして、本日午前中、第一回目の会合を開催したというふうに聞いておるところでございます。この会議では、能勢町に対しまして助言、支援を行うほか、健康対策などについても早急に検討がされることと承知しております。 また、学校におきましては、御案内のとおり、生徒あるいは教職員に対しまして毎年定期健康診断を行ったり、また必要に応じまして健康相談を行っておるところでございまして、こうした機会を活用するなどいたしまして、生徒や教職員の不安に対応していくということも考えられるところであろうかと思っております。 いずれにいたしましても、今後とも大阪府の教育委員会等と密接な連携をとりまして、私ども適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 大阪府では四月二十一日にダイオキシンの対策会議を設置したようでございますけれども、今後この検討過程において厚生省に対する要望等々も具体的にあるとは思います。お金の問題とか調査の問題とかいろいろあると思いますけれども、厚生省といたしましては今後この問題に対してどういった方針で取り組んでいただけるのか、厚生大臣に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 豊能郡のダイオキシン問題については、地元の皆さんも、また全国の皆さんも非常に関心を持っていると思うんです。厚生省としても既に現地に担当官を派遣しまして調査を進めております。 今後、大阪府そしてまた美化センターの組合、事業者、能勢町等の関係者から要望が出てくると思います。この具体的な要望を受けて対応をしっかりと検討していきたいと思います。
○西川きよし君 全国的に不安を通り越してもう恐怖だというようなことでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、エイズ対策についてお伺いをいたします。 医療体制等の現状と今後の方針についてでございますけれども、せんだっても一回目の質疑のときに総務庁の行政監察局の調査結果に基づきまして私はお伺いを申し上げました。医療体制の整備、これまでの事業実施の経過について、まず厚生省よりお願いいたします。
○政府委員(小林秀資君) お答えを申し上げます。 エイズ対策における医療体制の整備につきましては、平成五年七月二十八日付厚生省保健医療局長通知により、各都道府県に対しましてエイズ治療の拠点病院の整備をお願いいたしまして、平成十年四月一日現在、三百六十一医療機関が選定をされたところでございます。 また、平成九年度においては、HIV訴訟和解を踏まえまして国立国際医療センター内にエイズ治療・研究開発センターを設置いたしますとともに、全国八ブロックにブロック拠点病院を設置いたしまして、エイズ対策における医療体制の整備を進めてきたところでございます。
○西川きよし君 御説明ありがとうございました。拠点病院の整備についてということですけれども、平成五年七月二十八日付で「エイズ治療の拠点病院の整備について」という保健医療局長通知が出ておるわけですけれども、その中で示されている拠点病院の整備要件について、厚生省にもう一度お願いいたします。
○政府委員(小林秀資君) 平成五年の通知におきましては、エイズ診療の基本的な考え方として、どこの医療機関でもそれぞれの機能に応じてエイズ患者等を受け入れることができるような体制づくりを進めることといたし、身近な医療機関では一般的な診療を行い、地域の拠点病院では重症患者に対する総合的、専門的医療を提供することといたしております。 さらに、この通知では、地域の拠点病院のあり方として、一つ、さまざまな診療科が協力した総合的なエイズ診療の実施、二つ目に必要な医療機器及び個室の整備、三つ目にカウンセリング体制の整備、四つ目に地域の他の医療機関との連携、五つ月に院内感染防止体制の整備、穴として職員の教育、健康管理を挙げているところでございます。 こうした拠点病院が平成九年に示したエイズ診療のネットワークの中でその機能を発揮できるよう、今後とも支援をしてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 拠点病院の体制整備について、総務庁の調査結果についてお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(小河俊夫君) 先生御質問の調査結果につきましては、昨年十一月二十七日の難病対策等に関する調査結果報告書の中で次のように報告いたしておるわけでございます。 エイズ拠点病院につきましては、全国で三百数十カ所選定されているわけでございますが、今回私どもが調査した十四都道府県におきます拠点病院の選定状況を見ますと、計百十八病院が選定されておるわけでございますが、中には拠点病院の選定に係ります都道府県の要請について協力を得ることのできなかった医療機関の例も報告されております。 また、厚生省が都道府県に通知しまして指導いたしております選定病院の整備要件、この充足状況を把握しているものは十四都道府県中十一都道府県でございまして、拠点病院のベースで言いますと九十カ所のみでございました。うち、これらの整備目標を充足していないというふうに都道府県が考えておるものが半数以上の五十一カ所でございました。この中では、カウンセリング体制、総合的な診療体制の整備の点や地域の他の医療機関との連携、役割分担、これらが進んでいない状況が見られました。 なお、整備要件が充足しているかどうかについて把握していない三都道府県につきましては、この整備要件については努力目標にすぎないなどとしているものでございまして、また調査した拠点病院の中には体制整備が不十分な例がございました。 以上でございます。
○西川きよし君 そこで、厚生省の対応について具体的にお伺いしたいわけです。 まず、この拠点病院の選定の問題ですけれども、都道府県が拠点病院の選定を受け入れるように病院に対して要請をする中で、同意が得られないことがあるとの事例が報告されているわけです。その背景には、拠点病院になると患者が減少するおそれがあること、使い捨て器具の購入や個室整備に経費を要することを理由に挙げて受け入れに消極的な回答をしているものの、本当は医師の皆さん、職員の皆さんからエイズ患者受け入れの同意が得られなかったことが理由ではないかという推測もされておるわけです。 こういう事例の報告があるわけですけれども、こうした点について現状の認識とその対応について、厚生省にお伺いいたします。
○政府委員(小林秀資君) エイズの感染拡大が問題になり始めたころは関係者の理解、協力を得ることが困難を伴う事例があったことは事実でございます。 その理由としては、エイズ診療の経験のない医療機関が多かったこと、二番目にはHIVに対する治療法が確立していなかったこと、それから医療現場での感染に対して不安感を持つ医療従事者がいたことなどが考えられるため、医療関係者を対象とした研修会の実施、それから海外先進病院への視察の機会の提供などを行ってきたところでございます。その結果、平成十年四月一日現在、全国で三百六十一医療機関が拠点病院に選定されるなど事態は改善されてきつつあり、最近では御指摘のような事例は少ないのではないかと承知をいたしております。 さらに、HIV訴訟の和解を踏まえまして、平成九年度にブロック拠点病院を整備いたしまして医療体制の充実を図ることといたしておりまして、エイズ診療についてなお一層の理解と協力を求めていくこととしております。 ただ、医療機関は選定をいたしますが、患者さん側の立場からしますと、ある程度遠くてもいい医療機関に行きたい、信頼できる先生のところに行きたい、そういう御希望が大変強いということで、例えば国や中央にあります国際のエイズのセンターのところにはたくさんの患者さんがお見えになられる。交通の便も発達しているので、どうしてもいいところいいところへと患者が集まっていくわけですね。 したがって、地方で整備をしてもなかなか患者さんに会えないとか会わないとかということもあって、我々としてはあらゆるところでできるだけ患者さんの住んでいる地域社会の中で医療が受けられるようにということを願って整備を進めておりますけれども、患者さんも自由度があるわけですから、なかなかそれについては完全にいつも計画どおりに進むというわけにはいかない。しかし、現実問題としてエイズ患者さん方の医療としては相当改善をされてきた、私はこのように思っておるところであります。
○西川きよし君 ぜひよろしくお願いいたします。 先ほど西山先生の方からも御質問が出たんですけれども、私なりに理解と納得をしたいものですから、次に、この選定病院における整備状況です。 総務庁が調査をいたしましたその十四の都道府県において百十八カ所の病院が選定されておりますけれども、その選定病院における整備要件の充足状況を把握しているのが十一都道府県、また充足状況が把握されている拠点病院の九十カ所のうち整備目標を充足しているものが三十九カ所、充足していないものが五十一カ所となっていたということですけれども、この調査結果に対して厚生省はどのように認識をしておられるのか、お伺いします。
○政府委員(小林秀資君) エイズ治療の拠点病院につきましては、都道府県が地域の実情を勘案しつつ関係機関と協議の上、選定、確保することとなっておりまして、その選定については先ほど申し上げました平成五年七月の保健医療局長通知を参考にして行われているものと認識をいたしております。 しかしながら、今回の総務庁の調査結果によると、御指摘のとおり診療体制の整備状況については三都道府県が把握をしていないこと、それからこれを把握している十一都府県では九十拠点病院のうち五十一拠点病院について体制整備が十分でないとの結果でございました。このような指摘については厳粛に受けとめ、今後の指導等に生かしてまいりたいと思います。 特に、体制整備については相談体制の推進の必要性が指摘されておりますので、ブロック拠点病院による研修会、講習会の開催や相談員の派遣等を通じて体制整備が進展するようにより一層努めてまいりたい、このように思っております。
○西川きよし君 それぞれの整備要件の中でも特にカウンセリング、せんだつて視察にお伺いさせていただいて本当に大切なことだなというのを再認識いたしました。特に、この体制の整備がおくれているということでございますけれども、総務庁の調査の中でこのカウンセリング体制の整備についてどういった傾向が見られたのか、総務庁の方にお伺いしたいと思います。
○説明員(小河俊夫君) 先ほどの調査報告書の中で、カウンセリング体制の整備につきましては次のように報告をいたしております。 整備要件の充足状況を把握しております十一都道府県の九十の拠点病院のうち、カウンセリングの講習を受けた医師、看護婦等によりますカウンセリング体制の整備が不十分としているものは二十二病院ございまして、その中でも国立病院については二十九病院中十病院、国公立大学附属病院につきましては十六病院中四病院につきましてカウンセリング体制が不十分であるとされているなど、国の医療機関等の体制の整備が十分でないとの結果が出ております。
○西川きよし君 今の御説明をお伺いいたしまして、今後、このカウンセリング体制について厚生省の御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 拠点病院におきましてはカウンセリング体制がとれることが望ましいと、先ほどの局長通知で指示をいたしておるところでございます。 また、平成九年度から全国八ブロックごとに地方ブロック拠点病院を整備いたしまして、地方ブロックエイズ対策促進事業を開始したところでございます。ブロック内の拠点病院に対する研修会、講習会の開催、相談体制の未整備な拠点病院への相談員の派遣を実施いたしております。さらに、エイズ予防財団におきましてカウンセリング研修を実施いたしておりまして、今後ともこうした研修を通じて拠点病院における相談体制のより一層の推進を図ることといたしております。
○西川きよし君 先日、大阪HIV訴訟原告団代表の花井参考人のお話をこちらでお伺いいたしました。和解の成立後、国が拠点病院等治療体制を強力に推進したことで大分改善をしたという話をお伺いいたしました。それは国が強力に治療体制の強化を図ったからであって、今回の法律案においても患者の医療体制について努力義務とするのではなく、国が責任を持って推進できるような法律にしていただきたいということでございました。 このエイズ対策における医療体制の整備について、また感染症の患者さんに対する良質かつ適切な医療の確保という点について厚生省の御説明をお伺いしたいのと、さらに、HIV感染症については患者と並んで感染者の方に対する医療の提供が大切だと思うわけですけれども、厚生省にお伺いします。
○政府委員(小林秀資君) 今回の法案第三条の「国及び地方公共団体の責務」の中に、良質かつ適切な医療の提供について必要な措置を講ずるよう努めることを規定しているところでございます。従来ですと、これは法律に基づかなくて行政指導でやっていたわけですけれども、今回は法律にきちっと義務づけをしておるということでございます。 新感染症から第一類及び第二類の感染症の医療に携わる感染症指定医療機関の指定基準の作成や実際の指定に当たって適切な指導を行うなど、良質かつ適切な医療の確保に努めてまいりたいと思っております。 また、エイズにつきましては、拠点病院やブロック拠点病院の活用などにより感染者の早期発見を確実な治療に結びつけるべく努めるとともに、新法により新たに策定されるエイズに関する特定感染症予防指針においても感染者を含めたエイズ治療体制の整備について検討してまいりたいと思っております。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 次に、エイズの研究についてお伺いをしたいと思います。 昭和六十二年に厚生省が開始をし、続いて平成四年度からは文部省、平成五年度からは科学技術庁、それぞれ研究を行っておられるわけですけれども、それぞれの研究の目的、実施状況を厚生省、文部省、科学技術庁にお伺いをいたします。
○政府委員(小林秀資君) 厚生省におけるエイズ研究につきましては、エイズ対策の確立及びその科学的な推進に資することを目的といたしまして昭和六十年度から実施をいたしており、平成九年度からは特に厚生行政の重点課題について重点的に取り組むために創設した先端的厚生科学研究の一つとして位置づけております。 具体的には、エイズの診断、治療、予防、医療体制などの研究を実施いたしておりまして、平成十年度予算におきましては、HIV感染症に関する基礎研究、疫学研究、臨床研究、医療体制に関する研究、それから我が国におけるHIV診療指針、ガイドラインの開発に関する研究、それから新しいエイズ知識の啓発普及手法の開発と評価に関する研究、HIVの病原性決定因子に関する研究について総額約十一億円の補助を行う予定にいたしております。
○説明員(磯田文雄君) 文部省では、大学等における基礎研究を通じて、予防、治療法の開発に対する社会的要請にこたえていくことが重要であるという基本認識に立っております。 このような認識のもとに、エイズ問題総合対策大綱を踏まえまして、厚生省、科学技術庁と連携をしつつ、これまで個々の研究者が個別に研究していました状況というのを改めまして、科学研究費補助金によりまして全国の大学の研究者による組織的、重点的な研究推進に努めてきたところでございます。 具体的には、それぞれの時点におきますエイズに関する重要な研究課題を特定しまして、ウイルス学はもとより、免疫学、分子生物学、生化学などの医療学、生命科学の広い分野から、また全国各地の研究者の参加を求めまして、いわばオールジャパンで当該課題の解決に努めるとともに、全国のエイズ研究の基盤の底上げというものを図ってきたところでございます。 また、そのような組織的な研究推進を通じまして、若手の研究者を含むエイズ研究者の養成ということにも意を用いております。また、その基盤となります研究体制の整備につきましては、例えば平成十年度予算におきまして、平成九年度に新設しました熊本大学エイズ学研究センターの整備、さらに京都大学にウイルス研究所を設置する等、整備に努めているところでございます。 今後とも研究の充実に努力していく所存でございます。
○説明員(藤木完治君) お答え申し上げます。 科学技術庁におきましても、エイズ問題総合対策大綱に基づきまして、従来より厚生省、文部省と連携いたしまして精力的にエイズ研究の推進を図ってきたところでございます。 具体的には、関係諸研究機関のエイズに関します研究能力、これを全国的に結集いたしまして、連携して取り組むことが必要な総合的研究、あるいはエイズ研究全般に共通して必要となる基盤技術の開発などを目的とした研究を推進してきております。平成十年度には、科学技術振興調整費といった費用を活用いたしまして、各省庁研究機関、大学等が連携いたしまして、平成五年度より実施してまいりましたエイズウイルスの感染、発症の研究全般に共通して必要となりますモデル動物実験系の開発などを引き続き進めるほかに、新たに科学技術振興事業団を通じまして、産学官の研究機関の研究者を結集いたしまして、タイの国立研究所との協力によりましてエイズワクチンの開発のための研究を実施するなど、エイズ研究関連予算として総額約三・二億円の予算を計上しているところでございます。 今後とも厚生省、文部省と緊密に連携しながらエイズ研究に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 以上でございます。
○西川きよし君 四十八分まででございますので、よろしくお願いを申し上げます。 そこで総務庁にお伺いしたいのですけれども、この三省庁の研究推進上の役割分担、連絡調整等を中心に調査を行われたということでございますけれども、その調査結果をお伺いしたいと思います。
○説明員(小河俊夫君) 先生御質問のエイズ研究につきましては、エイズ対策関係閣僚会議が決定いたしましたエイズ大綱等を受けまして、厚生省、文部省、科学技術庁の三省庁において実施されておるわけでございますけれども、三省庁間の研究上の役割分担はございませんで、三省庁の連絡調整体制といったものが整備されていない状況がございました。 また、研究評価のあり方の点につきましても、平成九年八月の内閣総理大臣決定によります「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」、これに伴いまして必要とされます各研究評価基準の見直しはそれぞれ行うとされておりますが、その際、疾病研究に共通する評価の基本事項について三省庁で合同して検討する、そういった方策については講じられていない状況にございました。 以上でございます。
○西川きよし君 最後に、国立国際医療センター研究所の竹田所長さんは先日の参考人質疑の際に、エイズ研究の統合について、研究者の中には統合すべきという意見があるのは事実であるが、研究者の間のコミュニケーションが非常によく行き渡っているという御発言がございました。 今後のエイズの研究について、今御説明を総務庁からいただいたわけですけれども、この勧告を踏んまえて、文部省、科学技術庁、そして最後に厚生大臣の御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
○説明員(磯田文雄君) お答え申し上げます。 私どもとしましては、これまで先生方同士の日常的な交流、あるいは私どもが厚生省あるいは科学技術庁さんと日常的に交流しているというようなことを通じての連携ということでやってきたわけでございますが、今回の勧告を真摯に受けとめまして、それを組織化するべく、連絡体制の整備並びに私どもの科学研究費補助金におきましては、エイズ対策を含めた特定領域の研究を他省庁とより積極的に密接に連携協力して行うため、省庁間の情報交換の推進、他省庁の研究者の審査員への登用、審査における連携の配慮、他省庁の研究者の研究への参加などを促進して、今後とも連携を密にしていく努力をしてまいりたいと考えております。
○説明員(藤木完治君) お答え申し上げます。 科学技術庁といたしましても、従来から関係省庁との研究開発の連携体制の構築あるいは適切な研究評価の推進といったところに努力をしてまいっているところではございますけれども、今回の勧告をいただきましたことを真摯に受けとめまして、指摘されております各省庁の連携体制の強化、研究課題の採択方法の改善あるいは研究評価の充実などの事項につきまして検討いたしまして、エイズ研究が総合的かつ効果的に進みますように努めてまいる所存でございます。 その際、本年三月に文部省、厚生省、科学技術庁の三省庁におきまして本件関係情報の連絡会議等を設置いたしてございますので、それらを通じまして関係各省庁の講じる措置が整合性あり、有効なものとなるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 文部省、科学技術庁、そして厚生省、この三省庁の連携を深めてエイズ研究の総合的な推進に今後とも努めていきたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(山本正和君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会 —————・—————