国民福祉委員会 第5号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月十九日、竹村泰子君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君が選任されました。 また、三月二十日、小山峰男君及び続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君及び浜四津敏子君が選任されました。 —————————————
○委員長(山本正和君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に渡辺孝男君及び清水澄子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(山本正和君) 去る三日、予算委員会から、本日から明八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○南野知惠子君 自由民主党の南野でございます。おはようございます。質問させていただきます。 二十一世紀を目前にいたしまして、少子・高齢社会への準備は医療、年金、介護など、着実に進めなければならない最大の課題だと思っております。そこで、平成十年度予算におきましては、これらの諸問題への対応状況に関し御質問させていただきたいと思います。 十年度予算におきます介護保険の準備状況についてでございますが、日銀の短期経済観測によりますと経済は停滞しているということでございます。また、自民党は十六兆円規模の経済対策を策定し、景気回復に努めております。 この経済の停滞の特徴といたしまして、個人消費の停滞が挙げられていると思います。この個人消費の萎縮の要因の一つに、少子・高齢化の問題があるのではないかと思われます。なぜならば、年金が少なくなる、また高齢化する、それにより医療費がかかるということが言われております。それならばもう自衛してしまおう、したがってとりあえず消費を抑制して貯金に回そうというような考えを持つものだと思っております。 高齢化対策問題では介護保険、年金、医療改革、こういったものが待ったなしの問題であり、少子化対策ではエンゼルプランというものも思い起こされております。介護保険は、昨年ようやくこの場で法律が成立いたしました。平成十二年度の制度実施に向けて、事務方の皆さんも努力しておられることだろうと思っております。 平成十年度予算ではこの準備をどのようになさっておられるのかお伺いしたいと思います。介護認定の問題でもモデル事業での反省を踏まえた準備をされていることかと思いますが、どのように準備を進められる予定でございますか、御説明お願いいたします。
○政府委員(羽毛田信吾君) 介護保険制度の施行準備状況についてのお尋ねでございます。 私ども平成十二年度の円滑な施行に向けまして平成十年度におきましてはもろもろの準備を進めておりますけれども、まず先生今お挙げになりました要介護認定の問題につきましては、平成八年度から試行的事業ということでやってまいっております。その平成八年度における試行的事業における要介護認定基準等の当てはめの結果に出てまいりました問題点等を解決する形で、平成九年度、それを改善した形でモデル事業をまた実施をいたしました。こういった二年にわたりますモデル事業の結果を踏まえまして、平成十年度もこれ全市町村で要介護認定の試行的事業を実施するというのが一つございます。 それから、介護保険実施後におきます介護保険の基盤整備あるいはそれに基づく事業量を把握するという意味で、介護保険事業計画等の策定作業に平成十年度からかかってまいるということを全国の市町村、都道府県において進めております。 さらに、介護支援専門員、これは介護保険を運営していく場合の大きな一つの人的な面でのかぎになるわけでありますけれども、この専門員の養成に本格的に取り組むといったような形で平成十年度に本格的な準備に取りかかることにいたしておりまして、そのための必要な予算というものを平成十年度予算案の中に上げさせていただいております。 あわせまして、介護基盤の整備のための新ゴールドプランの整備を進めるというような形での整備を進めておりますし、また法律制定後の政省令等につきましても、先月、介護支援専門員につきまして審議会での答申をいただきまして、そういった形で政省令事項につきましても、順次審議会で御審議をいただきながら具体的な内容を早急に詰めていきたいということで準備を進めておるところでございます。
○南野知惠子君 参議院の方でも大臣にお願いいたしました国の基盤整備といたしまして、人材確保さらに施設の問題については数等の検討も見誤ることなくよろしくお願いしたいと思っております。 介護保険制度に関しましては、各都道府県におきまして介護保険事業計画を作成することになると思います。この計画と現在あります老人保健福祉計画とはどのような関係になるのでしょうか。介護保険制度導入に際しまして地方自治体から事務量の増加というものが懸念されているところでございます。老人福祉計画の見直しを行い、さらに別途介護保険事業計画を作成するということでしょうか。 類似の事業でありますので、地方自治体への負担が過重にならないような合理的な連携が必要かと思います。いかがでございますか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 計画についてのお尋ねでございます。 この介護保険に当たりましての計画につきましては、市町村レベルそしてそれを総括する形での都道府県レベルということになるわけでありますが、一番ベースになるところが市町村の計画になるわけでございます。この介護保険事業計画は介護保険給付の種類あるいは対象となりますサービスごとの量の見込みを立てる、そういう量の見込みを達成するための方策を計画としてやるということでございますから、そういった介護保険事業運営のいわばもととなる計画でございます。 他方、先生今お挙げになりました老人保健福祉計画、これは今申し上げました介護保険の給付の対象になるサービスだけではなくて広い老人福祉全般についての計画という位置づけになっております。当然そういう意味では両計画は共通する事項、特に介護保険給付になる部分については共通する事項を含んでいるわけであります。したがいまして、両計画につきましては調和が保たれるように作成することが必要でございます。 具体的には、両計画の作成に共通して必要な作業としてこの実態調査等は一体的に行いたいと思っております。また、その計画をつくりますときに、それぞれのところで計画作成委員会等をつくるわけでありますけれども、これもいわば一体的な処理ができるように、そういう一体的な体制を組みたいと思っております。そういったことで、両計画を最終的には一体的な計画としてつくっていただくということでももちろん結構であるということで、むしろ先生おっしゃったように、事務量という面でも、また両者が調和をとれて有効に計画として機能を発揮するという意味でも、両者いわゆる一体的につくっていただくという方向で指導をいたしているところでございます。 そういったことで、それぞれの市町村あるいは都道府県レベルでつくっていただくような方向に持っていきたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 ぜひ双方に負担、不安がないような形でお願いしたいと思います。 介護保険制度につきましても、現在ゴールドプランに従って建設されております特養などに関してお伺いいたしますが、これらの福祉施設は建設されたら間もなく介護保険制度のもとで運用するということでございますが、また新保険制度のもとで運用が開始されるもの、そのようにも思っております。これらの施設が円滑に新制度のもとで運営されるような指導はどのようになされるのでしょうか、お示し願いたいと思います。また、現在運用されている施設も新制度への移行に関しては大きな不安があるかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今お話のございました特別養護老人ホーム等の施設につきましては、介護保険ができますれば介護保険事業下における介護保険施設として運営をしていただくことになります。 そういう形になれば、当然今までのようないわゆる措置費によって運営をされるという仕組みから介護報酬をもって運営されるという仕組みになってまいります。したがいまして、そういう運営という面では介護報酬によるある種の実績主義と申しますか、そういった運営の色彩が強くなってまいりますので、そういった意味での運営をどういうふうにやっていくかということが特別養護老人ホームの運営に当たりましても非常に大事なポイントになってまいります。 そのためには、何と申しましても、やはりどういうふうに介護報酬なりが決まっていき、またどういうふうに施設運営はなってくるか、あるいは運営基準といったものがどういうふうになってくるかということが早くに知らされることが大事だというふうに思っております。これからいろいろ手順を尽くして決めてまいらなければならないわけでございますけれども、その都度その都度の情報をできるだけ速やかに流していく形でそういった面に対処をしてまいりたいと思っております。 また、今後介護保険下におきましての施設運営ということについていえば、やはりある種の施設のサービス競争と申しますか、いかにその施設が入ってこられる方の需要に合った施設運営をするかということのいわば質の面での競争ということは今まで以上に大事になってくると思います。そういうことがむしろ介護保険下ではよいサービスを提供するという意味ではむしろ大事なポイントになってまいりますので、そういった意味でのある種の意識改革と申しますか、そういった点については私どもの方もそういう意味での必要性を関係団体に説いてまいりたいと思いますけれども、関係団体等におきましてもみずからの自主的な取り組みとしてそういう介護保険下における施設運営のあり方ということにつきまして今鋭意取り組みをいただいておりますので、そういった方向を私どもとしても支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 運営される方も、また現在それを利用しておられる方、またこれから利用される方、これもひとしく公平に、不安のないよう、よろしくお願いしたいと思っております。 介護保険制度と介護認定というものに関してお伺いいたします。 保険制度が開始されますと当然認定申請がなされるわけでございますが、平成十年度予算では、特養の定員は二十七万六千三百五十五人、また老人保健施設では二十四万九千八百十一人、ゴールドプランの整備目標でいうならば、特養が二十九万人、老健施設が二十八万人、これらの方々がほとんど一斉に認定申請をお出しになられるというふうに想定されます。これらにまた加えまして在宅の方々もおられます。 この認定の事務処理日程の計画も、既に計画あるいは計画の骨子をお考えになっておられると思いますけれども、発足当初の混乱は介護保険の信頼というものを確保する上でも避けなければならない、信頼あるものにしていかなければならないと思いますが、現在の作業状況について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生御指摘のとおり、介護保険施行当初におきましては要介護認定等の申請が集中をするということが予想されます。そのことによります混乱ということを避けなければなりません。そういった意味で、私どもといたしましては、準備としては、各市町村におきまして制度施行の約半年ぐらい前から順次要介護認定の手続きを進めるという形で、いわば前広に認定申請事務を処理していくということを始めたいというふうに考えております。 そのことを前提にしてスケジュールを組んでおりまして、そういう観点から、先ほどお話し申し上げました平成八年度から進めております要介護認定の試行的事業につきまして平成十年度には全市町村で実施をいたしまして、平成十一年度のいわば後半でスタートをするときには各市町村ともそれなりにやり方についていわば習熟をできるだけしているという状況をつくりたいというふうに思っております。 それからまた、そういった十年度の全市町村で実施をしましたことを踏まえました介護認定審査会というようなものの開く頻度、あるいは訪問調査の体制づくり、平成十年度のモデル事業はこういったものを踏まえながら早い時期に体制を組むような努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○南野知惠子君 ただいまお話しのようにぜひ円滑に進めていただきたいと思いますが、申請をしてから一応三十日ぐらいかかるだろうというのが法制定のときのお話でございます。そこら辺もなるたけ縮めるような対策をお願いしたいということと、要介護認定グループの中には、これがいっぱいつくられると思いますが、必ず看護職のメンバーというものも養成していただきたいというふうにもお願いいたしておきます。 さらに、次でございますが、介護保険制度におきましては介護報酬を設定するための医療保険福祉審議会介護給付費部会というものが一月に設置されたところであるとお伺いいたしておりますが、実際の立ち上げはいつごろになるのでしょうか。また、部会委員の具体的な人選についてはどのようにお考えの御方針でしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(羽毛田信吾君) 介護保険のいわゆる介護報酬あるいは施設の運営基準のうちでサービスの取り扱いに関します部分につきましては、関連をいたします介護サービスに関します有識者の方々、あるいは経済学の専門家等にも加わっていただく必要があるだろうというふうに考えております。 こういったことから、そういったいわゆる介護報酬あるいは運営基準のうちサービス基準に関する部分を審議いただく介護給付費部会というものを立ち上げるということにいたしたところでございます。その具体的な審議の開始につきまして、あるいは部会の発足につきましては、できるならばこの四月にもまず第一回の立ち上げをできるぐらいに進めたいということで鋭意今進めておるところでございます。 もちろん制度の骨格部分はいわゆる老人保健福祉部会で審議をいただくわけでございますけれども、それをさらに具体的に介護報酬の具体論を決していただくための審議会という意味では、そういった給付費部会を動かしていくということで今進めておるところでございます。 委員の選任に当たりましては、今の介護給付費部会がそういった具体的な介護報酬の額を決めるということでございますから、介護サービスに関する有識者の方々の参加というものは必須でございますので、そういった観点から必要な方々の御参画を得たいということで今鋭意人選を進めているところでございます。
○南野知惠子君 そこには看護職が入っているのでしょうか、お尋ねします。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今申し上げましたように目下人選中でございますので、具体的に何の職をということではございませんけれども、今申し上げました介護サービスをそれぞれ在宅の立場あるいは施設の立場で実際にやってくださる方々をも含めたところで必要な人選を進める必要があるであろう、そういう観点から進めておるところでございます。
○南野知惠子君 ぜひ介護の実際を知っておられる方をそこにお含めいただきませんと、いろいろな問題での査定ということが公平にいかないだろうというふうに思っておりますので、ぜひそのことは強く御要望申し上げます。 次に、少子化対策でございますけれども、少子化の問題は単に厚生省の問題だけではないということはこれはもう存じ上げておりますが、住宅が狭いということも大きな少子の要因の一つであると思います。二DK程度の住居では子供を三人、四人と育てることはなかなか難しい。また、就業の問題では、育児休業制度などができて今までよりも条件はよくなったというふうに思われておりますけれども、出生率は反転上昇しておりません。いまだに低迷しているというところでございます。 厚生省におきます子育て支援策、特に平成十年度におきましてどのようなことを実施されようとしておられるのか、お示し願いたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 少子化に対応いたしました子育て支援につきましては、従来からエンゼルプランあるいは緊急保育対策等五カ年事業によりまして進めているところでございますが、昨年におきましては児童福祉法を五十年ぶりに改正していただきまして、保育制度について利用者の視点肥立った利用契約制度への見直しを行ったところでございます。 十年度予算におきましては、緊急保育対策等五カ年事業の経費といたしまして二千六百二十一億円ということで、対前年度比七・八%増の予算を計上いたしております。内容的に見ましても、待機児の解消を図るために、乳児保育等につきましてすべての保育所で行えるような体制の整備、あるいは延長保育、一時保育につきまして、保育所が自主的に実施できる仕組みにいたしますとともに、対象範囲も拡大することにいたしております。 また、地域のお母さん方等に対する育児相談等に対応する地域子育て支援センター事業につきましても、補助要件等を緩和いたしまして、小規模型も新たに追加することにいたしております。それから、障害児保育につきましても、対象人員を大幅にふやしますとともに、その促進を図るための基盤整備の助成制度を創設いたしております。そのほか、夜間保育所の単価の改善でございますとか、公園方式の導入あるいは放課後児童健全育成事業の拡充等を図ることにいたしております。 私ども、今後とも利用者が利用しやすい保育所づくりを目指して努めてまいりたいと考えております。
○南野知惠子君 ただいまお示しになられたのではまだ足りない部分があるのではないかというふうに思います。そういう意味では若干不満ということも申し上げたいと思っております。 子供が学齢期に達しますと、一人の子供で手いっぱいで次の子供はつくれないというような方たちを多く耳にいたします。授業を終えた子供たちの面倒を見ると、もう一人の子供を育てる余裕がないということも聞きます。そういう意味での対策に放課後児童健全育成事業というのがございます。厚生省の施策の対象が学齢期前の子供の保育というものが中心であるということはもう十分承知しているところでございますけれども、学校へ上がったら次は文部省というのでは余りに縦割り過ぎではないだろうかというところが懸念されます。それでは厚生省が解決しなければならない年金、医療、介護の問題への解決には少しもつながらないのではないでしょうか。そういう意味では、厚生省は放課後児童育成事業をもっと積極的に活用すべきではないかと思います。 これにつきましては、きのうもテレビでやっておりましたけれども、箇所数を拡大することということももちろんですが、もっと効果的に心の通った内容での事業が実施されるような工夫が必要であろうかというふうに思っております。そういう対策がございましたらお示しいただきたいと思います。 また、エンゼルプランにおきましては、中心となるべきもの、または目標となるべきものが、みんな同じようなウエートを置いているというような感じで、目的というものの目玉がはっきり見えてこない。行政の側から積極的に子育てに支援をしていく姿勢が見えるようにしていただきたいというふうに思うのです。 少子化対策は非常に幅広い問題でございます。全体を通じまして、また特に子育て支援策につきまして、何を重点に考えていこうとしておられるのか、厚生大臣というよりもむしろ国務大臣としてのお立場で、小泉大臣にぜひお言葉をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 子育て支援といいますか、少子化対策というのは各省庁協力のもとに考えていかなければならない問題ですが、今児童家庭局長が言いましたように、いろいろ具体的な個別の対策は講じているわけであります。また、全体の予算としても他の予算に比べますと増額してそれぞれの対策を請じておりますが、今言いましたように、今までだったら乳児、幼児、学校に上がる前のことを考えるのが主眼でありましたけれども、最近では今言ったような学童保育、この問題も文部省あるいは地域の方々と協力しながら、学童保育という新しい事業も必要だと。 事実、各地域でそういう施策が進んでおりますので、そういう地域なり関連する地方団体あるいは文部省と連携をしながら、子育てしやすい環境といいますか、現在では共働きというのが特殊ではなくてむしろ普通になってきましたから、そのような状況でできるだけ社会全体また地域で支えていくというような策を講じる必要がある。それぞれの関係者の意見を聞きながら、そういう施策の拡充に努めていきたいと思っております。
○南野知惠子君 小泉大臣のお言葉を聞き、安心いたしました。乳幼児、学童、そういったものを他省庁と合わせながら御検討いただくということで、さすが人情に厚い大臣のことでございます、御期待申し上げておきますので、よろしくお願いいたします。 次は、一般財源化の問題についてでございます。 平成十年度の厚生省の予算をつくるに当たりまして、高齢化が進み、これだけ行政需要が増大する中で三千億円の増額におさめられたということは、これはいろいろな問題を含んでおりますが、厚生大臣、厚生省が大変御苦労されたということはよく承知いたしております。しかし、働く母親の環境整備の一つでもございました院内保育所の経費や、出産後の母と子のきずなづくりの大切な時期における母子訪問指導事業、さらに高齢化の進展、介護保険制度の発足を目前に、今後その重要性が増加すると思われておりました都道府県ナースセンター事業、この三点につきまして一般財源化された理由と、その自治体において事業の実施、指導をどのように行われようとしておられるのか、これらの諸制度が後退することのないように御努力をお願いしたいというふうに思っておりますが、コメントいただきたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 平成十年度の予算編成に当たりまして、今、先生お話しになりました幾つかの事業についていわゆる一般財源化をいたしております。この背景としては、地方分権の委員会の中でも、できるだけ定着をした事業については一般財源化をして、いわゆる地方公共団体の事務といいますか、経費として計上していくといったような考え方が述べられているところでございます。また、厚生省の全体の予算編成の中で、非常に厳しい状況であったというようなこともあったわけでございます。 具体的に、院内保育所につきましては自治体立の分について一般財源化をいたしました。また、ナースセンターにつきましては既に四十七都道府県におきまして事業としては定着をしているといったようなこともあり、また母子保健事業につきましては昭和三十三年から実施をしている事業というようなこともあり、一般財源化をしたわけでございますが、当然のことながらこれらの事業が非常に必要な事業であるということは先生が今お触れになったとおりでございます。 そういう意味で、私どもとしてもことしの予算編成直後、ことしの一月に開催いたしました都道府県の関係部長会議、それからそれ以降引き続いて行いました課長会議あるいは担当者の会議庭おいて、この施策についての積極的な取り組み、それから各都道府県におきます予算化ということについては強くお願いをいたしまして、またそれぞれの都道府県におきます関係団体、具体的にはこの問題については看護協会の支援もいただいて予算化をするようにということでお願いをいたしたところでございます。一般財源化をしたことによってこの事業が後退することがないように、引き続き都道府県の方を指導してまいりたいと考えております。
○南野知惠子君 心強く思わせていただきたいというふうに思っております。 それで、今学校が荒れている、また母と子が荒れている、または家庭の中が崩壊している、そういうような暗いニュースがございます。今の世の中には八千四百十五人ほどの百歳以上の高齢者の方々がおられる。その方々に対する我々の気持ちといたしましては、本当に親孝行をしたいというふうに思っているわけでございますけれども、その親孝行の心をどこでだれが育成していくのかということもございます。そういう意味では、親孝行したいときに親はなしといった今までの時代と今は違いまして、親孝行したくないのに親がいる、このような時代に我々はこの介護の問題をどのようにしていくかということと同時に、母子訪問指導というところにも大きく力を入れていただきたいと思います。これも今さっき御答弁いただきましたので、そのお心を体して我々は期待させていただいておりますので、地方自治体の方でもこれが満遍なく行き渡るようにということをお願いいたしたいと思っております。 次は、一般財源化の中の一つでございますが、特にがん検診が新聞、マスコミなどで大きく紹介されております。一部の報道ではがん検診が有効ではない、そういったことが理由であるかのように言われておりますけれども、これを一般財源化した理由と今後の取り組みについてお聞かせいただきます。
○政府委員(羽毛田信吾君) がん検診につきましては、老人保健福祉事業の中でやっておるわけでありますけれども、厳しい財政状況のもとでの措置ではございますけれども、がん検診そのものの重要性に対しまして国民の意識が向上し、また市町村の事業として実施率も九十数%ということになりまして、そういった市町村の事業として同化定着をしているということから、老人保健の保健事業という位置づけを見直しまして、今後は各市町村が地域の実情に合わせて事業を推進するという考え方に立って一般財源化を図ったわけであります。したがいまして、いわゆるがん検診が有効でないから今回一般財源化をしたという趣旨ではございません。 したがいまして、私どもとしては、このかん検診が老後におきます健康の保持にとって非常に重要だということから、今回の措置を行うに当たりましては、もちろん所要の交付税措置を行ったわけでありますけれども、その重要性につきまして改めて地方公共団体へ周知を図りまして、引き続き関係者の理解を求める努力をいたしたところでございますが、引き続きまたそういうことをしたいと思います。 あわせまして、私ども厚生省としましても、がん検診の重要性でありますとか適切な実施方法といったようなことにつきまして最新の科学的な知見というようなものをも含めまして、情報提供というような側面ではぜひこれを促進する方向で引き続きの努力をいたしたいというふうに思っております。そういう意味での地方公共団体の実施に当たっての支援ということは引き続き力を入れていきたいと考えておるところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 ぜひ受けたい人には受けやすい体制というものをお願いしたいと思っております。 次でございますが、来年は申すまでもなく年金制度の改革の年というものに当たっております。急激な少子・高齢化の進展や経済基調の変化など、我が国の年金制度をめぐる環境の厳しさというのは従来以上のものになっております。年金制度は国民一人一人に直結する問題であり、また国のマクロ経済や金融にも大きな影響を与えるものだと思います。 年金改革に当たりまして、国民各層各界で幅広い論議が行われ、合意形成が図られることが何より重要ではなかろうかなと考えております。厚生省はこの二月、年金白書を公表されました。また、折に触れて各種試算を公表するなど、情報公開に努めておられます。こうした姿勢は国民的論議を深めるのに不可欠であり、評価できるものと認識いたしております。 しかし、例えばさきの年金白書では、経済関係の記述が薄いということだとか、あるいは介護や医療保障など、社会保障制度全般を横断的に見据えた視点が希薄なことなど、批判も提起されているところでございます。こうした批判も含めまして、今後の年金改革論議に当たり、厚生省としてどのような姿勢でお臨みになるのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金問題については、昨年、いわゆる五つの選択肢を提示したわけでありますが、多くの国民が関心を持っておりますし、年金を受け取る側とそれから若い世代の保険料を負担する方々、この給付と負担の均衡をどうやってとっていくか、さらに今後いろいろな識者からも御意見を伺ったり、できるだけ国民的な議論を尽くして、大方の合意を得られるような理解というのが必要ではないかと。 そういう意味におきまして、五つではございますけれども、かなり具体的に選択肢を提示したことによって、そうではない、ああだこうだといういろんな議論が出てくるということはかえって今後の年金問題に対する関心を深め、議論の材料を提示したということにおいて私はよかったのではないかなと。 年金白書、さらには有識者調査等、これからも多くの方々にしっかりとした情報が得られるような情報開示も積極的に行いまして、十分議論を尽くしてしかるべき結論を得ていきたいなというふうに考えております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 五つの案の御提案というのは国民にとってはちょっとびっくりしたかなと思っておりますが、それらを自分のものとして検討していく、これはいい公開的なレクチャーであったのかなというふうにも思っております。 さらにまた、今、よその会では四〇一Kだとか四〇一A、これは勤労者拠出型、または経営者拠出型、そういうもののことについても年金には総体的に議論が噴出しているだろうというふうに思っております。 また、お尋ねしたい件は、いわゆるサラリーマンの妻の年金保険料負担の問題についてでございます。 先月、厚生省は、現行制度では独自に年金保険を担保していないというふうに、被用者年金加入者の妻である専業主婦から年金保険料を徴収した場合の負担状況についての試算を公表されました。まず、今回の試算を公表した意図というものをお示しいただきたいと思います。
○政府委員(矢野朝水君) この三号被保険者の制度でございますけれども、昭和六十年の改正で制度化されたわけでございます。つまり、専業主婦におきましてはみずから所得がないわけでございますので保険料を納める必要はない、そのかわり女性の年金権の確保ということで基礎年金は受給できる、こういう制度を設けたわけでございます。 これにつきましては、働く女性の方からは不公平ではないか、あるいは働いて保険料を納めなくても年金がもらえるということで、就労を抑制しているんじゃないか、こういう批判もございます。一方で、これは独自の収入がないので保険料を納めるのは無理じゃないか、あるいはこれは医療保険にも同じような仕組みがございますし、アメリカとかイギリスでも専業主婦というのは保険料を納めなくて年金がいただける、こういう制度もあるわけでございます。あるいは、保険料負担を専業主婦に求めますと、未納とか未加入が生じまして、女性の年金権を確保するという目的が失われるんじゃないか、もとのもくあみになってしまうんじゃないか、こういう御意見もあるわけでございます。 そこで、非常に賛否両論があるわけでございまして、先般は年金審議会でこの問題につきまして具体的な試算を示して御議論をお願いしたということでございます。非常に議論が賛否両論が激しく対立しているわけですので、できるだけいろいろなデータもお示しし、御議論をお願いしたいと。それからまた、有識者調査におきましても、この三号被保険者制度をどう考えるか、こういう調査も今行っているところでございます。 そういうことで、議論を尽くしてこの問題についてどう考えるかということで御検討をお願いしたい、こういう趣旨で検討を進めておるということでございます。
○南野知惠子君 今後、このような問題を審議して成案をまとめていかれようとしておりますときに当たりまして、年金審議会などにおいて、実際に働いておられる人、あるいは専業主婦として家庭を守っておられる方々、個々の女性の生の声を極力酌み取っていただくよう努力をお願いしたいというふうに思っておりますけれども、今後の深め方についてお伺いします。
○政府委員(矢野朝水君) この専業主婦という方は、実は第三号被保険者一千二百万人いらっしゃるわけですけれども、サイレントマジョリティーといいますか、家庭の主婦でございますのであちこちで大きな声でみずからの主張をされるということがほとんどないわけでございます。どうしても働いている方の御意見というのが表に出てくるということでございまして、年金審議会におきましてもそういった点、専業主婦の立場をだれがどう代弁するのかということが実は一つの課題になっておるわけでございます。 私どもとしましては、この表に出てくる声というのも当然尊重しなければいけませんけれども、そういう一千二百万人の専業主婦の立場、これも十分考えながら、そしてまたいろいろなところでそういった方々の意見を聞きながらこの問題をどうするかということを検討していかなきゃいけない、こう思っておるわけでございます。
○南野知惠子君 ぜひ両方、できる限りでよろしくお願いしたいと思っております。 次は、少し話題が変わりますが、看護部長の氏名、そういったものの病院の玄関などにおける掲示の必要性というものについてお尋ねしたいと思っております。 平成四年の医療法改正におきましては、医療に関する情報を適切に提供するという観点から、広告制限を緩和するとともに一定事項についての院内掲示を義務づけられたところでございますが、新たに盛り込まれた医療法第一条の二、すなわち医療提供の理念をうたった部分の、特に「医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、」という箇所を具体化する方策の一つとして重要な意味を持っているというふうに考えております。 これに伴って出されております厚生省の通知では、掲示しなければならない事項、これを列挙する中で、医師、歯科医師についてはそのすべての氏名を掲示すべきこととされております。しかし、最も身近に患者さんに接する看護婦については何らの規定もされておりません。さきに述べました理念規定におきましても、看護婦は医療の担い手として重要な役割を果たしていることを考えますとき、看護職を統括する、いわゆる病院管理者の一人であるというふうに私は思っておりますが、そういう立場の看護部長の名前を院内にきちっと掲示するのがあるべき姿ではないかと考えます。こういう点、いかがでしょうか。国立病院において率先して十年度からでも掲示に取り組むべきと考えますが、厚生省の御見解をお伺いいたします。 病院のあり方だけでなく、今は地域に看護が広がっております。そういう広がりというものも住民の方々を取り巻き、自分の健康管理ということもしていただかなければならない、そういうような方で、病院がどのような看護のポリシーを持っているのか、看護がどのように展開されているのか、それを統括する看護部長は病院の経営にも関与する管理者としての立場であろうかと思いますので、ぜひ御意見をいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 病院におけます院内表示につきましては、先生御存じのように、医療法によりまして、病院及び診療所の管理者は管理者の氏名、医療に従事する医師または歯科医師の氏名を掲示しなければならないとされていることは御承知だと思います。 問題はお尋ねの看護部長等の氏名の院内表示についてでございますが、法律の規定はございません。しかし、今、先生の御指摘のように、看護部門等の責任者というのは大変重要な職務をされているわけでございます。また、その他の職種の方でも皆さんそれぞれの責任を担当されているわけでございます。また、患者さんへのサービスの向上を図る観点というのも大変重要だと考えております。 したがいまして、国立病院・療養所におきましてはこの問題について前向きに検討させていただきたい、このように思っております。
○南野知惠子君 ぜひよろしく十年度からお願いしたいと思っております。 次は、医療の効果を高めるための看護の役割に関する検討会の開催が予定されているようですが、この検討会ではどのような内容のものを行おうとしておられるのでしょうか。また、在院日数の短縮、療養生活への円滑な移行など、国内において既に実績を上げている病院の事例はあるのでしょうか。また、看護婦はどのような役割を担いどのような効果を上げているのでしょうか。続けて御質問いたします。
○政府委員(谷修一君) 平成十年度の予算の中で、今、先生お話しございましたように、医療の質を高めるための看護婦さんの役割という観点から、検討会といいますか研究会を設けたいというふうに思っております。具体的には、入院期間の短縮ですとかあるいは在宅医療への円滑な移行、そういうようなことに資するための看護体制というようなことを検討してまいりたいというふうに考えております。 もともとはこれは、主としてアメリカで医療費が定額制になったということから、あらかじめ決められた医療費の中でどういう形で医療を行うことが最も効率的であるか、あるいはコストが削減されるかというような観点から始められたものだというふうに承知をしております。俗にクリティカルパスといったような言い方をされておりますが、患者さんが受けるすべての治療あるいは看護、そういうようなものを計画的にやっていくというようなことによって、先ほど言いました入院医療の在院日数の短縮を図っていく、あわせて円滑な在宅医療に移行するための計画をつくっていく、そういうことだというふうに理解をしております。 私どもとしては、この予定しております検討会においてはこういったような外国の事例の勉強ということとあわせて、具体的に我が国にどういう形でこれを導入したらいいのかといったようなことできれば翌年度以降、十一年度以降モデル事業みたいなものをやっていきたいというふうに考えております。その中での看護婦さんの役割ということは、当然のことながら、チーム医療の一員という意味ではございますけれども、やはり入院患者の社会復帰に向けての不安をなくしていくとか、それから患者さんの自立支援を行うための非常に重要な役割を持っているというふうに考えております。我が国において幾つかの病院でこういったようなことの試行をやられている事例がございますが、その中でも看護婦さんが中心になってやっておられるというようなところもありますので、そういうことも参考にしながら検討していきたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 さらに、再入院を予防し医療生活への円滑な移行ができるようにするためには、在宅における患者の安全性の確保と介護サービスの質の確保が課題となるとも考えられます。 検討会におきましてはぜひ議論を深めていただきたいと思いますが、これらの件に関してはどのように議論をお深めになる御予定でしょうか。
○政府委員(谷修一君) 今、先生がおっしゃいました在宅の問題あるいは在宅医療における患者さんの安全ということは当然のことながら全体の流れの中の一つの課題だと思っておりますので、そういうことも含めて検討したいと思っております。
○南野知惠子君 ぜひ効果的なケアのあり方というものを広く見つけていただきまして、そこら辺の学習とともに、モデル事業でどのような成果が上がるかということのお試しの上に、ぜひ有効なものは実際活用していただきたいというふうに思っております。 最後の一問でございますが、これはたびたび御質問させていただいているものでございます。中医協の看護職への参加問題ということについてお伺いいたします。 言うまでもございませんが、中医協は、医療保険制度におきます適正な診療報酬の額などの決定に際しまして、厚生大臣の諮問を受けて審議し答申を行う機関であります。また、その構成委員は、支払い側、診療側、それから国会同意による公益委員の三者構成となっております。しかし、この診療側につきましては、社会保険医療協議会法などによりましていわゆる三師会代表が占める形になっております。我々はこの中医協の場にぜひ看護職の代表を参画させるよう従来よりたびたびお訴え申してきたところでございますが、いまだに何の御返事もいただいておりませんので、厚生省でも検討されておられる最中だろうというふうに承知いたしております。 医療におきます各職種の業務内容が専門化、高度化する中では、診療側の代表が三師会のみに限定されている現状ではもはや時代にそぐわないというふうに考えます。また、看護職のあり方やシステムが論議される場でもあります。この中医協でいろいろなシステムが変わっていくわけでございますが、その中で当事者不在のまま看護職の課題が審議されるということはいかがなものかと思っております。 この問題につきまして、厚生大臣、御意見をいただきたいと思います。お願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 昨年八月に厚生省案をお示ししましたけれども、その中でも中医協のあり方については今後見直しを行うこととしております。中医協の機能とかあるいは委員構成のあり方などを含めて今後検討していきたいと考えております。
○南野知惠子君 ぜひよろしくお願いします。大臣が御在任の間に、私は七月に選挙でございますので、その間にしていただけるならばなお幸せでございます。帰ってこられるように努力はいたしておりますが、それもはっきりといたしておりません。どうぞそのことを念頭に置きながらいいお返事をいただきたいと思っております。 これで質問を終わります。
○佐藤泰三君 自由民主党の佐藤泰三でございます。南野、田浦両委員の質問の間に時間をちょうだいしまして、二、三点御教示願いたいと思います。 初歩的な質問で恐縮でございますが、国会は立法府、政調、政審、各委員会で練りに練って法案をつくります。法案は骨組みで、実際、法の中身、血、肉は政令、省令あるいは通知のように思いますけれども、この辺の違いはどうなっているか、ちょっとお教え願いたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 一般論でのお尋ねでございますので十分お答えできるかあれでございますが、今おっしゃるように、法律については国会において御審議をいただいて決められると。ただ、その際、法律の中に政令に委任するあるいは省令に委任するという事項がございますので、それについては政府あるいは役所において必要な手続をもって定めるというのが一般論だろうと思います。 ただ、国会の審議の過程の中で当然のことながらその政令の内容あるいは省令の内容についても御審議がある場合には、国会での御審議を受けて政府としてはその内容を固めていくというような作業が実態としては行われるというふうに理解をしております。
○佐藤泰三君 その政省令、通知が我々所属議員もよくわからない場合が多いのでございまして、端的に申しますと、予防注射のガイドライン、あるいは平成四年度にできました生活衛生局水道環境部長さんからの通知、感染性廃棄物の適正処理、この二つのいわゆるガイドラインが非常に大きな問題を現在惹起しております、具体的に。 端的に申しますと、予防注射、一時間二十名、二人の医者が診ると、もう学校における予防注射はほとんど不可能でございます。それも発端は二十万人に一人の事故があったから予防のためというような新聞の論調で来たと思うので、結構なんでございますが、現実問題として数百名の学童に一時間二十名ではとてもやれないというのが現状でございますので、もう予防注射はやるな、希望者が医者へ行ってやれよというふうな指導をしておるのが現状だと思います。 また、いま一点は感染性廃棄物、これも最初は埼玉の所沢辺で出た問題でございますが、エイズがはやったと、医者から出る注射器にはエイズの菌があるから危ないぞと、わっと出てくる。広まりました。それはないと言っても、物すごい勢いで隅々まで伝わった。救急隊員まで手袋をつけて患者を診ると。その廃棄物は一般のごみと一緒ではまずいから、一般のごみセンターは千二百度ですからまずいと、特別の焼却炉でやれというふうなことになって、ある業者が一生懸命やるからといって半ば強圧的に各医院を回って、一医療機関最低五万ぐらいですか、針だけを収集していく。それをどこかの土地へ捨ててしまうという事件が非常に頻発しまして、紙四枚合わせて云々といったのに今まで実行されてないんじゃないかと。結局、特殊の自治体の溶解炉に入れているようでございます。確かに新聞論調で、十万分の一、二十万分の一の事故があったからこれに対応しろと、ダイオキシンも百万分の一でもわっとやってくる。 学問的なものをあれしないで余り乗ってしまうと末端で困惑しますので、世論は世論としまして、やはりそういう面は学理的に、どんな風圧がありましょうともひとつしっかり足元を固めて対応していかないと、困るのは末端でございますので、それに対する大臣のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 御指摘の感染性の廃棄物についてでございますが、今、先生からもお話がございましたように、血液あるいは体液等がついているわけでございまして、エイズあるいはC型肝炎に、取り扱っている方々がそういった感染症に罹患するおそれがあるという観点からその適正処理が求められていたところでございまして、御指摘のようなガイドラインを出したところでございます。 御案内のように、感染性廃棄物につきましては、廃棄物処理法におきまして特別管理廃棄物というふうに指定をしておりまして、その処理に当たりましては通常の廃棄物の処理よりも厳しい基準が適用されているわけでございます。 具体的には、感染性廃棄物を排出いたします医療機関等が施設の中におきましてみずからで処理する場合に菊きましては、焼却あるいは溶融、高圧蒸気滅菌装置または乾燥滅菌装置を用いた滅菌、あるいは薬剤または加熱によります消毒等により処理を行う必要がございます。それからまた、焼却等の処理によりまして生じた残渣につきましては、通常の廃棄物として処理することができるわけでございます。 一方、他人に委託いたします場合には、委託基準というのがございまして、その当該感染性廃棄物の処理を業として行うことのできる処理業者と事前に契約をいたしました上で行いますとともに、御指摘のございました特別管理産業廃棄物管理票の交付を行うというふうな制度の仕組みになっているところでございます。
○佐藤泰三君 この二例は一つのガイドラインとしてすばらしいなと思ったんですが、実際日がたってみるといろんな問題を含んでいるし、今後とも問題があると思うんです。 実は、今厚生省で医療法第四十六条の三の第一項の医療法人の理事長の要件につきまして、行革という形でだれでもやっていいんじゃないかというふうな形で法案を整備しているようでございますが、それにつきまして私は一つの意見もございますし、お伺いしたいと思うんです。 今から十八年前ですか、これも所沢です。富士見産婦人科という病院がございました。ここの理事長さんは医者じゃないんです。当時、エコーの機械が出始めのころ、我々知らなかったんです。すばらしいエコー機械で理事長は診て、あなたは子宮筋腫があるよ、すぐやった方がいいよと言ってどんどん手術をした。それが問題になって、ちょうど私は当時衛生の委員長やっておったときですが、子宮を返せという住民運動が起きて、町がえらいパニックになったんです。 当時、県警本部長、衛生部長、我々が相談しまして調べたんですが、いざやってみると、御案内のように子宮筋腫は多かれ少なかれ女性にありますから、医学的な違法性は厳密にはないので、別に法には触れなかったんですけれども、病院は閉鎖し、やはり医療知識のない者が経営者になると大きな問題が起きるというのでこの法律ができたと思うんです。 医療法人の理事長、医師または歯科医師あるいはこれに関連する身近な人という形でできたんですが、今度はそれを一般の金融業であろうとどんな仕事であろうと、あるいは遊技業というんですか、開放しようと。現に二、三年前から二、三、うちに相談に来ています。豊かになったのでステータスの高い理事長になりたいんだと。とんでもないと再三断りました。今出てきたところじゃないかと思うんです。 それで、いろいろ法律を見ますと、理事の三分の二以上が医師であればいい。理事というのは大体ペーパー理事ですから、ペーパー理事三分の二というのはすぐつくれます。だから、ペーパーの理事を医者に頼んで理事を三分の二そろえればだれでもなれる、医療法人の理事長、経営者になれるという問題を含んでいるんじゃないかと私は再三言っておるんですが、なかなか改定にならない。 もちろんこれに固執するわけじゃございませんけれども、例えば皆さんの役所にいるとか、あるいは病院勤務とか、最低でも七年以上医療に関係した方なら別ですけれども、一切門外漢で、ただペーパー理事を集めてなれる。まして老人医療が問題になっているときでございます。大きな禍根を残すんじゃないかなと思いますので、これはもうガイドラインを見まして、ある課長さんは理事の三分の二が医者だからいいんだと言うけれども、これはペーパーの理事ですから、まして今医者がデフレ時代ですから喜んでペーパー理事になります。その点が私は非常に不安があるものですから、それに対する御見解をひとつ承りたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 医療法人の理事長の要件ということについては、今確かに先生がおっしゃったように、五十五年の富士見産婦人科事件というものを契機にして、その当時までは医療法人の理事長についてはどういう職種の方でなければならないという規定はなかったわけでございますが、五十八年に国会に提案をいたしました医療法の改正の中で、原則として医師あるいは歯科医師という形にしたわけでございます。 ただその後、行政改革委員会の中の規制緩和という観点から、医療法人の理事長ということについて、確かに歴史的な経緯というものはあったにしても、現時点で考えた場合に、医師あるいは歯科医師以外にも門戸を開いて人材を求めるべきではないか、またそういうことについて検討すべきではないかという御意見があり、私どもとしては医療審議会の中に小委員会をつくって検討をいたしております。 まだ最終的な結論が出ておるわけじゃございませんが、今までの原則、医師あるいは歯科医師という考え方そのものは残すとして、現在でも、都道府県知事が認めた場合についてはといっただし書きがあるわけでございますが、そこの運用の弾力化を図ったらどうだろうかということで、じゃ具体的にどういう条件なり要件を設定するのかということで議論をしていただいております。この制度がそういう形で改正をされたという趣旨からいうと、例えば法人の運営の問題、それから非営利の原則、そういうような幾つかの原則を踏まえた上で具体的な基準といいますか、考え方を整理しております。 したがって、今おっしゃった医師が三分の二というようなことについてもいろいろまだ議論をしていただいている段階でございますので、小委員会として最終的な結論が出たわけではございません。ただ一方において、議論としては、今、先生がおっしゃるように、今までの規制を維持すべきであるという意見と、それからやはり規制緩和の委員会でも見られますように、規制を全くの、言い方はよくないんですが、野放しにするという意味じゃなくて、規制を緩和していくべきではないかという両方の御意見が小委員会の中でもございますので、具体的な基準ということについてはその中で今いろいろ議論をしていただいている段階でございます。 したがって、どういう形でこれを最終的にやっていくのか、これは今後小委員会の中で詰めていただいた上で、医療審議会の中でも関係者がいろいろ入っておられますので議論をしていただく必要があるというふうに考えております。
○佐藤泰三君 世の流れがせっかく一つになりましたから、規制緩和は大いに結構で、それを否定するものではございませんけれども、あくまでも医療は利益追求、利益が入るといかぬという特殊の形もございます。それやこれ考えますときに、かつて、昭和五十六年ですか、地元の問題が想起されるんですけれども、どうしても理事長は経営者ですから、あのときも非常に県警等、張り切りましたけれども、結局犯罪が立証されなかったんです。結局住民裁判みたいな形で病院も閉鎖することになったので、法的にはほとんど措置できませんでした。 そういう特殊性が医療にはございますので、それだけに、ただ規制緩和、緩和と、だれでもいいんだということは疑問だなと思いますので、多少医療に知識なり経験がある年数を経た人でないと非常な問題を含むんじゃないかなというふうに思います。 かつてなりたいと言った人たちも、結局は今の職業じゃどうもステータスが悪い、なりたい、これは余っているんだと。とんでもないと二、三突っぱねました。出てきたので、こっちに来たなと思っているんですけれども、そういうのを考えますと、ましてこれから医療というものは厳しゅうございますし、もちろん人材豊富ですから、いろいろな形で病院に長年勤務したとかあるいは役所で関係したとかいう方は当然なんですが、全然門外漢はどうかなというふうに思うのでございます。その点、どうぞいま一遍承りたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 富士見産婦人科事件のことはもう先生の方が先ほど来おっしゃっているように地元でもございますし、よく御存じなんですが、ただ、その当時の理事長さんというのは、結局、私が理解しておりますのでは、先ほどちょっと先生もおっしゃったように、無資格で医師がやるべぎようなことをやったということが発端で、いわゆる医師法違反という形で問題が提起をされたというのが発端じゃないかというふうに思っております。 その話はともかくとして、この理事長の要件というのは、今おっしゃるように経営者の問題でございますので、規制緩和という観点からいえば医師でなければならないかどうかという規制緩和の側からの意見があるわけでございます。ただ、私どもとしては、あるいは今議論しております小委員会では、原則、医師あるいは歯科医師という現行の考え方は維持しつつも、都道府県知事が判断をすべき運用の中で弾力化を図っていくべきではないかというのが基本のスタンスでございます。 その際に、どういう形で都道府県知事の許可を、許可というか認可を与えるのか、どういう手続でやるのかというようなことについて具体的なこととして現在議論をしていただいておりますので、その結果を待って私どもとしては判断をしていきたいと考えております。
○佐藤泰三君 あくまでも医師にこだわるわけじゃございませんので、どうぞ誤解のないように。知識のある方でしたら大歓迎でございます。 いま一つお願いでございますが、結局、こう見ますと、我々が議会で審議する法案よりむしろガイドラインが本当の法律の中身でございますので、今後ともガイドラインにつきましては、もう予防注射のガイドライン、医療法のガイドラインをこっちはうっかり知らなかったために大変困っておりますので、少なくとも所属委員会とか、あるいは所属職業の方にはガイドラインの詳細はぜひ通達する前に教えていただきたい。 皆さんはぽんと出しっ放しですが、下に来るほど増幅しますから、命令は下に行けばだんだん増幅します。上で五と思っても、下へ行ったら五十倍、百倍になりますから、その怖さがあるんです。それがやっと私も国会に六年いてわかりました。きょうあえて質問をするのでございますけれども、どうぞ皆さん方は、立派なガイドラインはいいなと思うんですが、下に行くと五倍、十倍、百倍の影響力を出してきまして全く混乱しますから、その点くれぐれもガイドラインを出す場合には所属委員会の先生に項目だけでも結構ですから教えていただきたいと。ガイドラインは国会は関係ないからいいんだと思うかもしれませんけれども、法律の基本になりますから、その点ひとつどうぞ、建前もさることながら、お決めいただいて御指導賜ればと思っておるのでございますが、大臣いかがでございますか、お願いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 基本的な方針が決まった後、具体的な実践の場合において今御指摘のような本来の趣旨から逸脱したようなものが出る場合があると思います。そういう点もよく配慮しながら、実際に具体的に実施している状況をよく見ながら、そのガイドラインの本来の趣旨が生かされるように役所としても注意をしていかなきゃならぬと思いますので、よく実情を見ながら、また実際に現場で実行している方々の意見というものもよく聞いて、その趣旨が正確に生かされるように努力していきたいと思います。
○佐藤泰三君 終わります。
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。 最近の新聞とかテレビを見ますと、四兆円の減税とか十六兆円の景気対策費、あるいは補正予算を組んで公共事業をやるというような、私から言いますと大変景気のいい話が載っておるわけでございます。また、経済評論家にしてもあるいは議員にしても大体それを認めておるといいますか、そっちの方向で発言されておられる方が多いような気がするわけでございます。 私は、そこでちょっと待てよという気持ちがあるわけでございまして、半年前に財政構造改革法というものをつくるときにいろんな論議がなされたわけでございますけれども、後世の人のために赤字を残さない、ツケを回さない、あるいは赤字国債をできるだけ減らして、なくしてしまおうというふうな方向で我々は歯を食いしばって頑張ろうじゃないかというふうな気持ちがその当時は随分あったと思うわけでございます。 社会保障費についても同じことが言えたんじゃないかと思っております。国民の負担をふやすのも、これは後世の子供たちのためだという気持ちがあって国民も今それに従ってやってきているんじゃないかなという気がするわけですけれども、今述べましたように昨今の状況を見ますと、これでいいのかなという気がしてならないわけでございます。 したがいまして、私はそういう考え方があってしかるべきだとも思いますから、じゃ、そのときには社会保障費についても当然見直すべきであるというふうに思っておるわけでございますけれども、まずその点について大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私も基本的には今のお考えに賛成であります。昨年、財革法を国会に提出したときの経緯やまたそのときの覚悟を、当時推進した方々がどう思っているのかなと改めて問い直したい気持ちです。 見通しの悪さと覚悟のなさを非難しても始まらないんですけれども、私は各省庁の予算もマイナスであるということでこの社会保障関係もすべて見直さなきゃいかぬと、厳しい財政状況のもとで構造改革をするのは必要だからということで予算編成に臨んだと。むしろこういう厳しい予算編成にしても、あるいは財政構造改革にしても必ず痛みを伴うので、こういう厳しい方針を出すということはむしろ平時の革命的なことではないか。あるいはこれを決めてびっくりするのは与党の方じゃないか、むしろ自民党が悲鳴を上げるのじゃないかといったぐらい、私は非常な決意を感じたんです。ところがいざやってみると、案の定削ったところに対して不満、批判が多い。当時のあの覚悟は何だったのかと、私もそういう点を問い直したい気持ちなんです。 まだ補正予算がどうなるのか、財革法がどうなるのかわかりませんが、そういう話が出てきたら社会保障予算全般にも及んできますし、ほかの省庁もそれではというような話も出てくると私は思います。ですから、財革法の改正問題というのはほかの予算にも影響してくるし、政策全般にかかわる問題でありますから容易なことではないし、もしやるとしたらどういう点か、私もいろいろ問題を詰めていきたい。そして、社会保障関係の予算も財政的にそんなに余裕があるんだったら当然こんな厳しい予算をつくる必要ないんじゃないかという意見もありますから、そういう点も私はただしていきたいと思います。
○田浦直君 よく社会保障費と公共事業費というのを対比して話すことがあるわけですけれども、確かに当初予算においては社会保障費も抑えた。公共事業費もマイナス七%でやる、こうおっしゃられたからそれは私どもも理解がついているわけなんです。しかし、今になってこの財革法に縛られない補正で公共事業費をどんとふやすんだと言われると、これはちょっと納得できないという気持ちにならざるを得ないと私は思うんですね。したがいまして、今この財革法の中で社会保障費については百分の百二、要するに二%しか三年間はふやさないんだというキャップがはめられておるわけですけれども、これはもう仮定の話になりますが、公共事業費を七%減らしたけれども、補正予算でそれ以上の補正をした場合に、この社会保障費の二%のキャップというものも当然外していただけると私は思うんですけれども、その点について大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) まだ現実に財革法の改正問題が議論の俎上に上っておりませんのではっきりと言う段階ではないと思いますけれども、閣僚の一員として財革法の改正問題がしかるべき場所で議論される段階で私もその点を詰めていきたい。今までの前提が違ってくる、話が違うということではっきりとした主張を展開していきたいと思っております。
○田浦直君 財革法を読みますと、赤字国債については減らすんだ、しかし建設国債はその定義の枠の中ではないということになっておりますから、建設国債を大量に発行するということになると当然公共事業費に回るということになると思うんですね。私は、社会保障費というものは、道をつくるとか橋をつくるとか箱物をつくるとか、そういうふうに一過性のものではないことが多いと思うんです。例えば老健施設をつくるにしてもそこにはまた人をふやさぬといけない、それはまた次年度の予算にかかわってくるということで、補正予算でたくさんのお金をとって、じゃ社会保障費も修正するんだということは現実になかなかできにくいんじゃないかなという気がしてならないわけです。したがいまして、社会保障費については初めから、当初予算から決めなければならない。そのときにこの二%のキャップがかぶっておりますと、これはいか信もやりにくいというふうに思うわけなんですね。そこを非常に心配をしているわけでございます。そういった意味で、ぜひ大臣にも、今御発言されましたように、極力頑張っていただきたいというふうに思うわけでございます。 しかも、今の流れをずっと見ておりますともう具体的にそういうふうな話になってきておりますから、もし大型の補正を組むというようなことになりましたら、その中でも投資効果の高い、あるいは国民が非常に期待している社会保障関係の補正をとっていただきたいというふうに思うわけでございます。その点も大臣からひとつお答えをしていただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私も、厚生省関係予算というのは数十億円、数百億円単位削減するのにみんな四苦八苦しているんだと。そういう状況であるにもかかわらず、景気のいい兆円単位の補正なり追加予算の話が出ている。実際はあきれているんですよ。そういう点も、今お話もありますので、しかるべき時期しかるべき場所を選んで、去年のあの財革法を提出したときの経緯なり決意なり覚悟はどうだったのかという点も含んで、これはあらゆる政策全般にかかわってくる問題でもあり、厚生大臣としてもはいそうですかというわけにはいかぬ。きっちりと議論させていただきたいと思います。
○田浦直君 それでは次に、医療保険の抜本改正についてお尋ねをしたいと思っております。 今行なわれている抜本改正というのは、やはり感じとしてはまず財政ありきという感じがするわけです。普通、医療保険の抜本改正、医療の抜本改正となれば、健康のためにはどうなのかというところからスタートしてもらいたいと思っているんですけれども、どうもそういうふうになっておらないという気がするわけです。それは、今話しました二%のキャップがかぶっている以上は、いい医療だと思ってもなかなかたくさんのお金を出すということができない状況になっているんじゃないかという気がして、何とかこの辺をもみほぐしていただかないと抜本改正が国民のためになるようなものにならないんじゃないかという気がしてならないわけです。 まず、具体的に一つお尋ねをしたいと思うんですが、例えば薬ですね、参照価格制というのが今随分検討されておるようですけれども、この参照価格制というのは本当に医療費を下げるのに大きな意味があるのかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 医療保険の抜本改革を今推進していこうという基本的な考え方でありますけれども、これはやはりこれまでの我が国の医療保険システムあるいは医療システムというものをこれからの二十一世紀の少子・高齢社会において同じように維持していくということは難しいのではないか、やはりそこにはこれからの若い世代の人たちの負担というものを適正にしていくという視点がどうしてもこれは必要だということがあります。 そういった面からしますと、医療保険制度ということでありますから、そういった意味では医療費保障ということでありますので、財政というような観点がどうしても強く出てこざるを得ない面があるわけであります。しかし一方、やはりこれからの少子・高齢社会の中でよりよい医療制度をどうつくるか、効率的な医療制度をどうつくるかという視点を当然踏まえなけりゃいけない、こういうふうに思っています。 そういった中で、今具体的に薬価基準問題の見直しの御指摘でございますけれども、私どもとしましては、現在のいわゆる公定価格を定めておる薬価基準制度、やはりこれにはいろいろとこれまで本委員会においても御議論がございましたように、問題があるというふうに考えております。そういった意味で、やはりこの制度は根本的に見直す必要があるということでございます。 そういった中で、一つの考え方としまして、昨年、与党がおまとめになりました抜本改革案、あるいは厚生省が発表いたしました抜本改革案の中でも取り上げておりますのが薬の参照価格制度ということでございます。ただ、この参照価格制度というのは既にドイツが真っ先に取り上げて実行されておりますけれども、これも単にドイツをそのまま模倣するということではなくて、我が国の実情に合った形でこれを考えていくということを基本にしているわけであります。 そういった中で、やはり一つ大きな意味合いがあると思われますのは、この参照価格制度によりまして、できるだけ効果が同じであれば安い薬というものが供給され、そしてそれが使用されていくという、そういう誘因が働くような制度であるということは間違いないと思います。そういった意味からすると、全体としての医療費のコストという面で医療保険制度に大きく貢献するというふうに思っております。 ただ、そのためにはどういう償還価格の水準を定めるのか、それからまたどういうグループを一つのグループとして考えていくのか、そういったいわゆる具体的な線引きなりグルーピングなりというものに負うところが大きいわけですから、これをいかに透明怪を持って、そしてまた的確なものにしていくかということが非常に重要であるというふうに考えております。 まだ審議会における議論も、そういった意味では、そういったものを見ないとなかなか最終的な判断を下しにくいという議論もございます。しかしながら、私どもとしては、方向としてはこういう現在の薬価基準制度というものを根本的に見直すに当たってはこの方法というのは極めて有効ではないかというふうに考えております。
○田浦直君 私は、薬のことについてこう考えているんです。薬の一生というのを考えてみると、いろんな研究がされて、薬ができて、メーカーでつくって、問屋に渡し、それを医療機関が買って、患者さんに渡す、患者さんに飲んでもらう。 これを薬の一生と考えると、問屋さんに行く、それからお医者さんに行く、患者さんに渡す、この辺はきれいに透明化されている感じがするんですね。帳簿も残さなければいけないし、伝票も残さなければならない、いつでもそれをまた提出しなければいかぬ、そういうふうな状況ですから、どうしようもないという感じですね。 しかし、その前のところがまだ私は透明ではないという感じがするんです。さっきおっしゃられた薬価基準の薬価、価格、これをどういうふうに決定しているのかというところがよくわからない。それから、メーカーから問屋さんに出すいわゆる蔵出し価格、この辺がはっきりしていない。当然ここも、薬の一生を考えれば初めから終わりまで透明にするべきだと思うんですけれども、その点についてはいかがですか。
○政府委員(高木俊明君) 私どももその点については先生のお考えと全く同じ考え方を持っております。そういった意味では、蔵出し価格についてはいろいろまだ議論があるところのようでありますが、現在の薬価基準、いわゆる価格の定め方という意味では透明化しなけりゃいけない。そういった意味では、仮に現行の薬価基準制度を前提としても、そこの点については必要であるというふうに考えております。 ただ、現在が極めて不透明かというと一一定のルールに基づいて行われているわけでありまして、そのルールというのは中医協で定めております。その一つは、類似の薬効のある薬であれば類似薬効を比較して決めていく、それからまた、そういった類似の薬のないものについては原価計算ということで決めていく、こういうことであります。 ただ、実際にこれをやってみますと、類似薬効というのは、類似の薬について同じような価格を決めるということであればそれほど難しくない、ある意味では機械的な要素があります。ただ、時代の流れの中で相当昔に決められた類似薬というものをそのまま同じでいいのかという問題もありますし、それから原価計算方式ということになりますと、これは何をもって原価とするのか、これは非常に難しいものがあります。 そういうようなこと等々を考えますと、やはり基本的にはいわゆる公定価格というようなことを決めていくというようなやり方よりも、むしろ一品一品の価格というものについて決めるわけじゃなくて、医療保険のサイドからしたら、いわゆる償還をする基準というものを決めていく方がより透明性が高まるだろうという考え方を持っております。 その際の償還基準額というものについての決め方は、これはまさに国民に広くどういうような考え方で、どういう基準を使って決めたのか、しかも決める場自体についても公平なシステムというものの中で決めていく、こういうことが必要だと思っております。まさに新しい制度を導入するといった場合にはそういったシステムというものをきちっと法律の中に明記をしていく、こういうふうに私どもは考えておりますので、方向としてはまさに先生御指摘のような考え方に基づいて私どもも考えているつもりでございます。
○田浦直君 今盛んにこの薬価差という問題が言われているわけですね。でも、それについてはもう随分今は縮小してきております。恐らく、消費税プラス管理料に近い数字になってきている。薬価差を考えるよりも、薬価をまず直すということが大事じゃないかなと思ってそういう質問をさせていただいたんです。 例えば百円の薬がある。そうすると、薬価差が一〇%であれば、それを九十円で買う買わぬというのが問題になるわけです。しかし、その百円という値段をつけるところが問題だと思うんです。これが実際に五十円でいいのなら、その十円の問題を論議するよりも、そこの百円を五十円に抑えるという方がもっと効果があるわけなんです。そこのところが不透明なものですから、薬価がもう百円です、それはメーカーと業務局で話し合って大体そういうふうになりましたということでは、これはよくないんじゃないかな。 そこを透明にしなければ、ひょっとしたら百円の薬が三十円ぐらいでできるのかもしれぬ。その話をしている中で薬価差の十円だけをもう一生懸命つついているという感じがしてならないわけですね。だから、私はそこでぜひ透明化して、なるほどそれだけ行ったのかというのがわかるようにしていただきたいと思って今質問をさせていただいたわけですが、そういうふうにできますかね。
○政府委員(高木俊明君) これは、これまでのいわゆる薬価基準の価格を決めているときのその透明性の問題がまず一点あります。これについては、先ほど申し上げましたように、現在のシステムというものに私は無理があるというふうに思っております。このシステムに無理があると申しますのは、いわゆる類似薬効比較方式なりあるいは原価計算で決めるということ自体が非常に無理があるということでございます。 やはりそういったことで考えますと、医療の世界においてもできるだけいわゆる通常の経済の原則、いわゆる市場の実勢というものがそういった価格の引き下げなり適正な価格の形成に寄与するようなシステムをつくる方が私は望ましいというふうに思っております。現在はそこを公定価格で決めているわけですから、これはどんなに透明化しても合理的な価格形成といった意味では私は無理があるというふうに思っております。 そういった意味でこの参照価格制度、いわゆる償還限度額というようなシステムを決めていくというのはやはり一つの考え方ではないかというふうに思っております。ただ、その点今非常に問題になっておりますのは、償還限度額を超えるような高い薬、こういったものは患者の自己負担になるじゃないか、この点が非常に問題になっております。この辺のところは、どういう合理的な償還限度額を決めるかということで一つ解決の方策というのは見出せるのではないかと思いますけれども、この点についてはまだ審議会でももっと御議論をいただく必要があります。 しかしながら、今御指摘のとおり、現在の仕組みそのものについて直さないと問題は私は解決しないだろう、このように考えております。
○田浦直君 それからもう一つ、この抜本案の中で診療報酬についても定額制を広く受け入れていこうという方向で今検討されていると思うんですが、実際にもう国立病院等ではそれを試行されているんじゃないかと思うんです。それについて何らかの結果なり中間報告なりありましたら、お尋ねをしたいというふうに思います。
○政府委員(高木俊明君) この問題は中医協の中でこれまでも御議論がございまして、まず、いわゆるDRGと呼ばれている、これがアメリカで行われているDRGと同じかというと、そこのところは今研究会の中で研究をしていただいている段階でありますけれども、いわゆるそういった意味で包括的な支払い方ということを試行的にやってみたらどうか、こういうことになっているわけであります。 そこで、現状を申し上げますと、まず国立病院の八病院、それから社会保険病院の二病院、この病院を選定いたしまして、実際のいわゆる診断群の分類を行う上においてのデータというものを集め、かつそれを今分析しているところであります。 それで、まだそういった意味ではこの分析なりあるいは統計処理なりということについてもうちょっと時間を要するという段階でございます。この辺のところがもうちょっと見えてきた段階で中医協の委員会の中で御議論をいただこうということにしておりまして、余り時間をかけるわけにいきませんので、そういった意味ではここ一両月の間には議論が中医協でなされるようなそういったデータを整理したいというふうに考えておりまして、現実的な施行はまだその後ということでございます。
○田浦直君 この抜本案づくりというのが少しおくれてきているんじゃないかなという気がするんですね。昨年の九月に健保法の一部改正を行って、窓口で患者さんから薬代を一部負担してもらうという制度が取り入れられたわけですけれども、これは余り評判がよくないんですね。患者さんにとってもよくないし、病院も非常に煩雑でたまらないという声が強いんです。 私は、これは抜本案ではないわけで、ある時期こそく的にやっている方法ではないかなと、抜本案ができたらこれは吸収されていくんじゃないかなというふうに思っておるわけなんですが、その抜本案がなかなかできないということになりますと、いつまでもそういう制度を残しておくということになるような気がするわけです。 抜本案づくりの時期とかそういったものが大体いつごろできるのか、その辺を一つお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) マスコミの報道等ですと、どうしてもおくれているというところに焦点が当てられるものですから、何か非常におくれているような印象を持たれやすいんですが、私はやはり審議会における審議というのはかなり煮詰まってきておると思います。それから、例えば参照価格制なり、あるいは診療報酬体系もそうですけれども、これも具体的なものとしてある程度やってみないとなかなか目に見えないというようなこともありますから、作業の順番という面での問題としてはございますけれども、審議自体は私はそんなに、抜本改革の実施ということに当たってそれをおくらせるような状況でのおくれではないというふうに考えております。 私どもとしては、いずれにしましても、この医療保険制度の抜本改革の実施時期ということにつきましては二〇〇〇年には実施をする、ここのところは決しておくらせるわけにいかないというふうに考えております。そういった意味で、二〇〇〇年の実施ということが間に合わなくなるようなそういったおくれにはなっていないというふうに考えております。
○田浦直君 ぜひ、早目に内容を示していただきたいというふうに思っております。 小泉大臣は、高額医療費というのがあってそれが医療費を圧迫しているという話をよくされますけれども、私も全くそうだと思うんです。もう国民の大多数、七五%は低医療費でやっているわけなんですね。あとの二五%が医療費でいうと八〇%ぐらい占めておるわけなんです。だから、私はやっぱり低医療でやっているところはそんなに抑える必要はないんじゃないか、高額の方を抑えた方がいいんじゃないかな、そういうふうな気持ちを持っておるんです。 何だか国民一般の方にしわ寄せした方がやりやすいというふうな感覚を持って抜本案づくりをされても困ると私は思うんです。その辺をぜひ考えていただきたいなというふうに思うんですが、その点についてはどうですか。
○政府委員(高木俊明君) 医療保険制度という観点に立ちますと、やはり給付と負担の公平という観点というのはこれは避けては通れない。そのことは結局はこれからの若い世代の人たちが過重な負担にならないような仕組みにしていかなきゃいけないということだと思います。そういった意味では、抜本改革といっても、先ほど来出ております、先般お願いしました一部負担につきましても、適正な一部負担というものをやはりお願いしていくことは避けられないと思います。 ただ、医療保険制度というのは、やはり医療の実態というものに乗っかったいわゆる所得保障制度でありますから、私は、医療の実態というものが適正化され、そして高コスト構造というものが是正されていくということが大事だというふうに思っておりまして、そういった意味では、まさにこれからの高齢化社会ということになりますと従来のような形での医療制度のままということでいいのかということだろうと思います。 この辺のところをやはり是正していかないと、いつまでたっても高い費用の制度を温存することになるだろうというふうに思っておりまして、そういった意味では、医療保険制度それから医療制度も含めた全体的な改革というものがなされないと二十一世紀における安定した制度にはならない、こういうふうに考えております。そういう視点も踏まえながら、やはり検討あるいは実際に実施に移すに当たってはそういう点を見据えた格好で改革を進めていかなきゃならない、このように考えております。
○田浦直君 先ほど薬価差のところでも言いましたように、どうも細かいところを一生懸命やっている。大まかなところを押さえた方が私はいいんじゃないかなという気がするわけですので、そういう方向でぜひ御検討をお願いしたいと思います。 もう一つ、今度医療法が改正されましたので、それについてお尋ねをしたいと思います。 この地域医療支援病院というのが今度制度化されるわけですが、この病院を満たす要件はどうなっているのか。例えば、紹介率はどうだとかベッド数は幾らとかいろんな条件があるんじゃないかと思うんですが、それについてはもう現在きちんと決まっておるのかどうか、決まっておればその内容を説明していただきたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 地域医療支援病院につきましては、昨年の法律改正を受けて医療審議会においてことしの一月から数回にわたって御議論をいただきまして、具体的な要件と申しますか、そういうものを決定いたしたところでございます。 法律にも同様の趣旨が書いてあるわけでございますが、いわゆる医療機器等の共同利用のための体制、あるいは救急医療の提供、それから地域のお医者さんあるいは歯科医師等に対する研修、そういったような機能を基本といたしております。また、病床につきましては原則として二百床以上という形で決めておりますが、地域の実情に応じて都道府県知事が判断をした場合には必ずしもこれにとらわれないという形の規定も新たに設けたところでございます。 それから、紹介率の問題につきましては、これも医療審議会の中でいろんな議論がございました。一応今後状況に応じて見直しをするということにはいたしておりますが、具体的な基準といたしましては紹介率を八〇%以上と。ただ、当初においては六〇%以上という形で年次計画を持ってスタートすることも可能というような形で決めたところでございます。
○田浦直君 今よく言われているのに、かかりつけ医というのがありますね。このかかりつけ医と地域医療支援病院というのとは何らかの関係ができできますか。かかりつけ医というのはまだ制度化はされていないんですが、何かそういう方向で動いているのかなという気がするんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(谷修一君) この地域医療支援病院についての性格として、国会の中でもいろんな御議論が当時あったと思いますが、基本的な性格としては、いわゆる地域のかかりつけ医を支援するための病院なんだという位置づけをするという形で私どもは考えております。その前提としては、患者さんができるだけ地域で身近なところで医療を受けると、そのためにはかかりつけ医なりかかりつけ歯科医をまず第一線の医療機関として位置づけるべきじゃないかと、そういう議論がスタートとしてあったわけでございます。そういうかかりつけ医の方を支援するような、できるような病院という形でその地域病院というものを位置づけていきたいというふうに考えておりますし、またそういう前提で医療審議会の中でも議論をしていただきました。 ただへおっしゃるように、かかりつけ医というのは制度化をされているものではありませんし、かかりつけ医というのはあくまでも患者さんの立場から見たお医者さんでありますから、かかりつけ医という言葉の具体的な定義というものがはっきりしているわけではありません。 そういう意味では、具体的にはやはり私どもの理解としては身近な診療所あるいは小さな病院、そういうところで地域の第一線でやっておられるお医者さんをそういうふうに考えるべきだと思っています。 そういう方から紹介をされた患者、あるいはそういう診療所でやっておられる医療というものを、診療所を支援していくということで地域病院というものを位置づけていきたいと考えております。
○田浦直君 そのかかりつけ医というのは制度化しないというお話でしたけれども、私はその方がいいんじゃないかと思うんです。患者さんはどこでもかかれるというフリーアクセスはとっておかなければならないんじゃないかというふうな気がするんですね。 かかりつけ医といいますと、昔の、あるいはイギリスでやっているような登録医みたいなものを連想する人もたくさんおるんですね。そうすると、そこにしかかかれない、そこにかかった患者さんはその地域の地域医療支援病院にしか上部医療機関としては診てもらうことができないというふうな、そういうふうなクローズされた、フリーアクセスが閉ざされたような制度になっては困るわけですので、その辺をもう一度確認しておきたいと思いますが、そういうふうな制度ではないし、これからも考えておらないというふうなことでいいですか。
○政府委員(谷修一君) 先ほど来先生の御議論されておりました、昨年夏のいわゆる医療制度あるいは医療保険制度の抜本改革の厚生省案の中でも、いわゆるフリーアクセスというものは維持をするんだということを前提にして私どもの考えを示しているわけでございまして、そういう意味で患者さんが自由に医療機関を選べる、その制度そのものを今直ちに変えるということは私どもも考えておりません。 ただ、かかりつけ医というものと地域病院との関係でいえば、やはりかかりつけ医を第一線の機関として位置づけて、その人たちが中心になってもし今後地域医療というものをやっていくとするならば、やはり地域支援病院との関係を密接なものにする、あるいはまたそういう病院が地域病院として位置づけて機能していくということが必要だと思います。それなくしてはなかなかかかりつけ医を第一線の医療機関として、お医者さんとして位置づけるということ自体が難しいわけでございますから、そういう意味でそういう流れというか、そういうものは患者さんに対する教育なりあるいは国民に対して理解を求めていくということは必要なんだと思っております。
○田浦直君 次に、今度の医療法改正で取り上げられております有床診療所の療養型病床群への転換、これは前回も私が厚生委員会でぜひ有床診療所でそういう機能を持つようにさせていただきたいという質問をいたしましたし、今回の医療法改正でそれが取り上げられておりますので大変うれしく思っておるんです。しかし、医療審議会で検討されている文章を読みますと、過剰地域ではできないような感じがするわけですね。 ちょっと読んでみますと、「当該医療圏の療養型病床群の整備目標から、既存の療養型病床群及び転換が見込まれる介護力強化病床の見込み数を減じて得た数の範囲内とする」と、こう書いてあるんですね。そうしますと、当然過剰地域ですから、病院やあるいは介護力強化病院が先に申請をする、その残りでやりなさいというふうにしか読めないんですね。そうすると、それは現実には過剰地区ではあり得ないというふうに思うんですが、その辺についてはどうなんですか。
○政府委員(谷修一君) 有床診療所を療養型病床群に転換をしていくということについては、介護保険制度の創設を前提にいたしまして、身近なところで患者さんが療養生活を送れる、あるいは要介護者の受け入れ施設として位置づける、そういうことから先般制度改正をしたわけでございます。 ただ、診療所の療養型病床群にかかわる病床というのは、病院の病床と同様に既存病床として数えられるわけでございますので、考え方としては病床過剰地域では開設できない、そういうことでございます。しかし、本来この制度、有床診療所の療養型病床群を制度化したという先ほど申しました趣旨から考えて、具体的な取り扱いとしては、それぞれの地域におきます療養型病床群の整備目標、それから現在既にある療養型病床群、それから今後転換が見込まれる、具体的には介護力強化病院、そういうものの見込み数とあわせて考えていこう。それで、その両者の関係から得られました数を基準として、具体的な話として地域の実情を反映させるために都道府県医療審議会の議論の中で必要数というものを議論をしていただこう、そういう形で地域の実情を反映させるという形でこの問題については私どもは整理をいたしました。
○田浦直君 都道府県の医療審議会でひとつお願いするということだと、私もその方がいいんじゃないか、地域の事情がよくわかるわけですからいいんじゃないかと思うんです。 ただ、全国的に十九万床ぐらいというのがありますね。そうすると、その枠の中でやるということになるのか、都道府県でやってそれをオーバーしてもそれは仕方がないというふうなことになるのか、その辺はもう都道府県の権限として認めていいのかということをお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 療養型病床群の整備目標としては、平成十二年度当初の目標として全国ベースで十九万床ということを目安にしております。 この十九万床は全国ベースでの目安でございますので、具体的にはそれぞれの地域での、先ほど申したような具体的な必要数あるいは見込み数といいますか、そういうものとそれぞれの地域での六十五歳以上の人口なりそういうものを勘案して地域ごとに決めていくということでございますが、その計算のもとになるのは、一応もととして十九万床というものを設定しております。 それが一律に割り振られるというよりは、むしろ地域の中での必要数というものを勘案して、先生がおっしゃる意味での無制限という意味では、そう言っておられないかもしれませんが、そういう意味ではございませんが、ある程度地域の中での判断という余地は、先ほど申しました医療審議会の議論という形によって残されているというふうに考えております。
○田浦直君 先ほどの文章でいえば、療養型がまずは転換し、介護力強化病院が転換し、有床診療所が転換するという順番になると思うんですが、私は今のお話だと、都道府県でその辺は弾力的に考えていいんじゃないかと思うんです。同時に受け付けてもいいとかいうふうな、その辺はもう自由に都道府県の医療審議会の裁量として考えてよろしいですか。
○政府委員(谷修一君) もともと現在ある療養型病床群というのは、これは数がはっきりしているわけですが、今後転換が見込まれるいわゆる介護力強化病院からの転換というものはこれも見込みでございますから、実際にあるものと見込みと、それから必要数というものの中には必ずしも、何といいますか、きっちりしたものだけではございませんので、先ほど来言っているような都道府県段階での議論の余地というのがあるというふうに理解をしております。
○田浦直君 以上で終わります。
○委員長(山本正和君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水島裕君 平成十年度の予算の大枠は決まりそうでございますが、まだ具体的なところはこれからだと思います。また、自民党も景気対策としまして十六兆円の経済対策、財政支出八兆円ということでございますので、これからまだまだ予算で決めていくことがたくさんおありだと思いますので、ぜひ私が申し上げることも聞いていただいて、少しでも反映していただければと思います。 大蔵省の方から、この予算の中での人件費とか事務費というのは極力抑えるということだそうでございますけれども、医学とか医療とかいうものの事業、研究というのはどうしても人あるいは事務がかかるものでございますので、その辺も何とかうまく運用するようにしていただきたいと思いますし、そういうふうにできるんではないかと思います。 最初に申し上げたいのは、ランセットという雑誌がございまして、これは臨床医学の雑誌では世界で一番目か二番目に読まれている雑誌でございますけれども、ことしの二月二十一日号がここにございまして、ぺらぺら見ていきますと、一番最初にエディトリアルがありまして、そこで、ユナイテッド ステイツ アメリカ マスト インベスト インクリニカル リサーチ、つまり臨床研究にアメリカはもっと投資しなければならないと。これはクリントン大統領の声明でございまして、ことしから二〇〇二年までの五年間に、医学研究の総元締めでありますNIHの予算を五〇%ふやすということです。 その目的はいろいろあるんですけれども、その一つは臨床研究者を育てなければ、結論にもそう書いてございますけれども、今後せっかく遺伝子の研究とか分子生物学とかマイクロテクノロジーとかそういうものが発達しても、肝心の福祉、つまり病気の診断や治療にそれを結びつけることができない。ですから、これを今しなかったらアメリカは大変なことになるというような結論を出しているのでございます。 私がこれから質問しようと思っていましたものは、アメリカほど臨床研究を中心に医学研究がうまくいっているところはないんじゃないかと、それに比べて日本はどの程度かということを申し上げたいと思っていたんですけれども、アメリカはそれを超して、今のままではアメリカはもうこれはだめになってしまうというぐらいの、クリントンが声明を出して、それがこのランセットのエディトリアルに書いてあるわけでございます。ですから、クリントン大統領じゃなくて、小泉厚生大臣の声明でも後でぜひ出していただきたいと思って、きょうお出しにならなくても、ぜひ御検討いただければということが主眼でございます。 それで、今話が出ました臨床研究ということからきょうは入らせていただきたいと思います。三間ばかり文部省及び厚生省にお尋ねして、もう一度大臣の方に質問させていただきたいと思います。 今申しましたように、アメリカはこの臨床研究を非常によくやっているんです。これはちょっと前に私どもが調べたデータで、今はきっとこの倍ぐらいになっているのかもしれませんけれども、アメリカで三十二大学に大規模な臨床研究の援助をやっているのでございます。どういう形の援助かと申しますと、一般臨床研究センターというのをその三十二の大学でつくってもらって、そこで実際の臨床研究もするし、その管理もするということなんであります。 後で予算の規模とかそういうことは申し上げますけれども、日本でもこういうことをぜひやらなくちゃいけないんじゃないかと思いますのは、日本では結構自然科学の基礎研究はやられているんです。だけれども、こういう臨床研究、臨床研究と言ってもすぐおわかりにならないと思いますので、一、二例を申し上げます。 例えば、アスピリンは痛みもとめるし熱もとるということでずっと使われているわけでございますけれども、このアスピリンのごく少量を患者さんに飲ませますと脳梗塞が防げるわけです。まず間違いないんだけれども、日本人の脳梗塞に本当にいいかどうかというのはまだわかっていないんですね。ところが、アスピリンのごく少量なものですから、製薬会社はひとつももうからないからやらない。それから、研究費もないから医者たちもやらない。ですから、何となくよさそうだということで我々はアスピリンの少量を、私の亡くなった母親も何だか怪しいんで、ずっと私は小児用のバファリンを飲ませていましたら、こんな子供に飲ませるぐらいの量で本当に効くのかしらなんて言っていましたけれども、そういうことをやっているわけなのでございます。だから、そういう試験を日本でちゃんとやらなくちゃいけない。 それから、胃がんというのは非常に恐れられておりますので、レントゲンで胃がんの検診をやるわけですね。でも、どうもあれは見つかったときはだめだし、レントゲンを当てるのもよくないということで、胃がんの検診で写真を撮るよりも、むしろ腫瘍マーカーを追いかけた方がいいんじゃないかとかあるいは遺伝子診断をやった方がいいんじゃないかということがあるんだけれども、これもきちっとした臨床研究がなされていない。こういうことがすごくたくさんあるんですね。そういうことができていないんで、そういうのが臨床研究なわけでございます。 ですから、まずこれは文部省にお尋ねしたいんですけれども、日本にはそういうGCRC、一般臨床研究センターというのがないと思いますので、何とかこれのかわりになることをやっていかなくちゃいけないんですけれども、その辺を文部省はどうお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(木谷雅人君) 我が国の大学における医学研究におきまして、疾病の原因解明や新しい診断・治療方法の開発に加えまして、診断・治療方法の科学性、有効性について検証する研究というふうなことも含めまして、臨床研究の一層の充実を図っていくことが重要であるということは議員御指摘のとおりでございまして、文部省に置かれました二十一世紀医学・医療懇談会からの昨年七月の報告におきましても、その点を指摘をいただいているところでございます。 文部省におきましては、そうした研究に対する支援ということにつきましては、従来より臨床研究を含む医学系研究について科学研究費補助金による支援を行ってきておりまして、平成九年度の交付額は約二百四十二億円となっております。 また、これに加えまして、特に国立大学附属病院につきまして、平成九年度から新たに高度先進医療開発経費というものを措置いたしまして、金額としては約十八億円ということでございますが、このような措置を通じまして大学病院における臨床研究の推進に努めているところでございます。 また、先生御指摘の臨床研究に関連する体制の整備ということでございますが、現在、特に大学病院において受託研究として行われております治験につきまして、その円滑な実施のための管理支援体制の早急な整備が求められているという観点から、治験事務局あるいは治験管理室等の形で必要な組織、職員体制、施設設備の充実に努めているところでございます。 この治験事務局等は研究組織そのものではございませんが、このような治験支援体制の整備の状況やその運用の経験を踏まえ、また、各大学における臨床研究一般の推進体制についての将来構想なども踏まえながら、国としての支援のあり方について今後とも検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○水島裕君 文部省が大変最近この臨床研究も含め基礎研究その他を一生懸命やっていらっしゃるというのはよくわかっておりますし、治験に関してもようやく前向きにやっていらっしゃるのもわかっております。ずっとこちらは注目しておりますので、気を緩めないで今のままずっとやっていっていただきたいと思います。 そういう設備、ハード、ソフトの面ができて初めてこの臨床研究というのはできます。もちろんつまらない臨床研究だったらいつでもできるんですけれども、きちっとした臨床研究というのはできません。 先ほど申し上げたランセットですけれども、論文がオリジナルのアーティクルとしてありますけれども、これの三つか四つのうち一つはすぐれた臨床研究なんですよね。ですから、本当の一流誌の三分の一か四分の一は臨床研究が載っている。 ちなみに申し上げますと、こういうランセットとかネーチャーはこのごろ十分の一ぐらいは日本人の著者のがあるんですね。ところが、臨床研究に関しては日本からのものはもうほとんどゼロである。これだけ日本の臨床研究は問題だということをひとつわかっていただきたいと思います。 それから、研究費と申しますか、経費の面について今のことで触れさせていただきますと、NIHは今申し上げた一つの大学のGCRCのスタッフの十人ぐらいの人件費を見ている。それから、そのほかのいろんな経費も見ているので、ある大学では毎年三百万ドル、日本円ですと三・六億円を一つの大学、臨床研究センターのために出しているわけですね。それが、先ほど三十二と申し上げましたけれども、恐らく今四十とかもっと多くなっていると思いますので、それを計算しますともうすごい額に、百億円以上突破しているわけでございます。 それから、今度は日本の方で考えてみますと、一応科学技術基本法によって一年に四兆円をそういう研究に出す。科学技術ですから非常に幅広いんですけれども、私はやっぱりそのうちの少なくとも一割、十分の一はライフサイエンスのお金であってほしいと思いますね。これはなかなか計算が難しいので厚生省の方でも把握なさっているかどうか、わかりましたら教えていただきたいんですが。 また、少なくともその十分の一ぐらいは臨床研究を支援していただくとしますと、四百億円ぐらいになるんですね。もしも四百億円を臨床研究に使っていただくとすると、日本でどうしても決めなくちゃいけないいろいろな臨床的なことも決まるわけでございますし、それと同時に大切なのは、臨床研究を十分できる研究者が育つ。将来日本ですぐれた基礎研究ができた場合は、それを直ちに臨床に応用できる。今、ゲノムプロジェクトで物すごくお金を使って日本はやっているわけでございますけれども、今のような臨床研究の状態、あるいは臨床研究者がいないという状態で仮に疾患遺伝子というのが次から次へとわかっても、一つも臨床に応用できないと思いますね。そういうのはみんな外国に頼んでやるということになります。 一つ厚生省の方にお聞きしたいことは、何とかその百分の一でもいいからそういう臨床研究の方に向けられないか。トータルの額をふやせと言っているんじゃなくて、臨床研究への援助の割合をふやすということを考えられないかということを御質問したいと思います。
○政府委員(田中泰弘君) お答えいたします。 先生の方の御質問でございますが、厚生省におきます科学技術研究におきましては、厚生科学研究を初めといたしまして、病態の解明、予防、診断、それから治療法の開発など、臨床研究を含めた総合的な形で研究を実施してきているということでございまして、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 御指摘の臨床研究の重要性については十分理解をしております。臨床研究の推進を含めまして、今後とも厚生科学研究の推進に努力してまいりたいというふうに思っております。 それで、ちなみに予算の関係でございますが、厚生省の科学技術振興費といたしまして、七百四十四億を十年度予算では計上しているという状況でございます。 以上でございます。
○水島裕君 厚生省からそういう研究費をたくさん出していただいているというのは、私もちょっと前までもらっていた立場ですのでよくわかっております。 先ほど申し上げたかったのは、一つの大きな臨床研究のプロジェクトをやる予算がないわけですね。それだけお金をぼんぼん、例えば七百幾ら出しているからもう少しいろんなことがわかってもいいだろうと思いますけれども、先ほどから申し上げているようなこと、これを言えば数限りなくございますけれども、そういう臨床研究は日本では全く行われていないんですね。全くと言うとちょっとオーバーですけれども。みんなあちこちに分配しちゃって、それで難病の何とかの血液中には何があるとかなんとかいっていろんな研究をやっているわけでございますけれども、そういうことを申し上げているんじゃなくて、もう日本全体としてどうしてもやらなくちゃいけない研究をするのに研究費が出ないかということを申し上げているんで、またいずれ詳しくはいろいろお話ししたいと思います。 それで、先ほど文部省の方から治験管理室も結構できているというお話でございます。この治験管理室、これがなぜ必要かというのは、治験をするために必要で、治験というのは臨床試験のうちの言うなれば最も単純な形の研究でございます。もうやり方は大体決まっているので、きちっと研究費を出してやればできるんで、治験ができないようじゃもうとてもほかの研究もできないわけでございますけれども、日本では今治験すらもできない、ほとんど全面ストップしている状態でございます。 どうしてできないかというのは、ここでももう二、三回申し上げましたけれども、一つが治験管理室あるいは治験外来というものがちゃんとしていないということ。それからもう一つは協力者、これはCRCと申しているんですけれども、そのうち非常に重要な方がリサーチナースじゃないかと思います。ナースの資格を持っていて、こういうものに協力していただく。 それで、こういうものはもうずっとこういう人たちの人件費が要るかというとそうじゃないんですね。こういうものが一度でき上がってうまく運営すれば、後はもう独立採算ですいすいいくわけでございます。ところが、一番最初の出だしのところがうまくいかないので、それを何とか研究費あるいは国の支援で治験管理室なりリサーチナース、協力者の費用を出せないかと。一度出してきちっと体制ができれば、後はもう自然に流れていきますから、必要ないのであります。 これは景気対策にも関係あると思いますけれども、看護婦さんの中では家庭の事情、いろんなことでもって普通の看護婦さんの夜勤とかそういう勤務はできないけれども、こういうふうに非常に学識も必要で、ある限られた時間だけお手伝いすればいい治験の協力者、リサーチナースなどはぜひやりたいという看護婦さんもいろいろいらっしゃるわけでございますので、これは一つ景気対策にもなるわけでございます。 ですから、これは厚生省の方からお答え願いたいのでございますが、何も定員をふやせとかそういうことを申し上げているんじゃなくて、定員をふやすとどうしても硬直化してよくないと思いますから、とにかく円滑にいくまでの研究費を出して管理室あるいはこのCRCというものがうまくいくように、ぜひ強力に指導と申し上げればいいんでしょうか、そういうことができないものかと考えておるわけでございますけれども、それについてお答え願いたいと思います。
○政府委員(中西明典君) 先生おっしゃるとおり、新しいGCPにつきましては本年四月から全面施行されたところでございまして、それに見合った大学病院あるいは国立病院を含め、しっかりとした体制がまだ十分整っていない、またそれがゆえに医薬品の臨床試験が必ずしも円滑に進んでいない面があるのは事実でございます。 したがいまして、文部省、厚生省いずれも同様でございますが、基本的には治験管理室なりあるいは治験事務局の整備を図るとともに、治験のコーディネーターをきちっとした形で配置していくという努力を行っていかなければならないというふうに考えております。 それらにつきましては、基本的には治験依頼者、製薬メーカーがあるわけでありまして、その費用につきましてはメーカーが治験費用を負担するというのが原則でございまして、そういった原則の上にのっとりつつ、治験を円滑に推進する基盤的なスタッフの確保につきましては、定員等も踏まえつつ大学なりあるいは病院なりで確保していくというのが原則ではなかろうかというふうに考えております。
○水島裕君 治験依頼者がそういうのを面倒見るというのが原則、それは本当によくわかっておりますし、いつもそう御答弁なさっているんだと思いますけれども、そう言わずに、二、三年間一回だけ援助して支援すれば後は絶対にスムーズにいきますので、それはひとつ私の方も信用していただいて、これは最初だけ支援する。そうすれば、二、三年たてば国は一銭も出さなくても、アメリカは出していますけれども、出さなくても大丈夫だと思います。ただ、今ほっておきますとこれはいつになってもこのままできなくて、日本では治験が全く進まなくて外国に皆頼む、そうすると日本では最も単純な形の臨床試験の技術までもなくなってきてしまって、これは本当にえらいことになるんじゃないかと思いますので、また直談判に伺ってもいいんですけれども、ぜひそういうことでもう一度御検討いただければと思います。 それでは、今まで聞きましたところで、大臣にひとつお伺いいたしますけれども、現段階でも英米に比べて日本は臨床試験ということではすごくおくれをとっているわけですね。先ほど申しましたように、それでもクリントンはこれを充実させなかったら将来は非常に暗くなるということを言っているわけでございます。 ですから、例えばこれから五年間でも日本において臨床研究というものの充実をここで図ろうということを大臣が率先して指導していただくというようなことでもない限りはなかなかうまくいきそうもないのでございますので、きょうは無理でございましたら、厚生科学課か何か結構よくわかっている方がいらっしゃいますので、その辺と御相談いただいて、ぜひその辺の御意見をまとめていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 科学技術研究、わけても医学、先端技術、そして人間の健康、福祉にかかわる臨床研究、お話を伺っていまして重要性というものを改めて認識させていただいたわけであります。これからもその先行投資といいますか、将来の人類のためにも役立つ科学研究費等につきましては、今の御指摘も踏まえて勉強させていただきながら、実現方を図ることができないか、検討させていただきたいと思います。
○水島裕君 先行投資、そう先じゃなくてすぐ返ってくると思いますので、ぜひ実行していただきたいと思います。 それでは次に、審査制度についてお伺いしようと思ったんですけれども、時間もありますのでちょっと飛ばして、その次の、この間も触れさせていただきましたけれども、産学協同と特許のことについて、文部省が来ていらっしゃいますので文部省の学術国際局の方にお尋ねしたいと思います。 この間も申しましたように、この産学協同、これから日本を進歩させる上で大変大切でございますし、そのときに知的所有権、特許というのもきちっとやっておかないとみんな外国のものになってしまうということまでこの間は申し上げたと思います。 文部省はこのところどういうわけか非常に前向きでございまして、そういうことも言っているうちに、今度の国会で、今きっと審議中だと思いますけれども、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律案、やたら長い以外はとてもいい法律だと思います。これで非常に産学協同がやりやすくなっているし、大学で出てきた成果というものをTLOという移転事業者を通じて民間が使えるように非常にうまくできていると思って大変評価しているのでございますけれども、私はそこに一つ抜けていると思いますのが今の知的所有権、特許権の問題のような気がいたします。 でありますから、何も建物を建てるという必要はないわけですけれども、どこかのオフィス、先ほどの臨床試験管理室でもいいですし、そういうところにセンター、オフィスを設けまして、そこで大学の教員が何か発明したらすぐ相談に乗って特許をそこで出すというシステムをおつくりになったらいいんじゃないかと思います。外国なんかではかなりそういうことはやられているわけでございますので、それが入れば非常にいいんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。 これは通産省もベンチャー支援ということでいろいろやっていますけれども、こういうのも最初だけ無担保無利子で貸してそういうものをつくれば後はそれこそ独立採算的にうまくいくと思いますので、そういうことに関して文部省はいかにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○説明員(磯田文雄君) お答えします。 今、先生御指摘の、特許等を含めました産学連携の充実のために、私どもといたしましては、まず大学の組織として研究協力部、研究協力課等の事務組織の整備を進めているところでございます。また、事務職員に対する特許等を含めました研修の充実にも意を用いているところではございますが、残念ながら私どもの部署には、特許の申請、管理等の支援を代行し、そういう先生方の特許に関する御相談に適切に応じられる人材が極めて少ないという状況にあるわけでございます。 このため、各国立大学におきましては、科学技術庁所管の特殊法人科学技術振興事業団の各種の新技術開発事業や特許支援事業等の協力を得まして、大学等の技術に係る研究成果の社会への還元を推進しているところでございます。 まず、国に帰属した特許等につきましては、この事業団の委託開発あるいは開発あっせん等によりまして企業での実施あるいは実施料徴収を依頼しているところでございますし、また個人に帰属します研究成果の特許等につきましては、この事業団の有用特許取得制度とか、あるいは平成十年度予算案で計上していただいていると伺っておりますが、各地に特許主任調査員を配置していただきまして、私どもの各国立大学を含めた機関に出向いていただきまして研究者に対しいろいろ御相談に乗っていただき、指導助言をいただくというような制度の充実に努めていただいているというぐあいに承っております。 また、このような公的な支援システムの充実と同時に、先生から御案内いただきました新しい法案によりまして、これは民間活力を導入し市場メカニズムの中で技術移転を促進していくということも検討しているところでございます。 このような状況でございますので、先生御指摘のようなセンターの設置につきましては、大学の研究成果を大学が積極的に社会に発信するという点で極めて有意義であると考えております。 そういうことで、科学技術振興事業団の御紹介させていただきました諸事業、これが今後どのように連携できるか、あるいは今回国会で御審議いただいております大学等技術移転法が今後どのように具体的に事業として展開していくかということを見きわめつつ、大学の事務組織あるいは共同研究センターというものもございますが、こういうものの整備充実等の課題とともに検討してまいるべき重要な課題であると認識しているところでございます。
○水島裕君 私は、今出てきた長い名前の法律のところで、その一つとしてこれきっとできるんじゃないかと思うんですよね。例えば医科系の大学、日本に百ぐらいあるんでしょうけれども、そういうところでみんなできるかというと、多分今の状態ではほとんどできないんですね。私がまだ所属しております大学でも、やっぱり特許をとろうといったってみんなわからないんですね。私どもの研究所でそういう部署をつくって、そこに相談に来てもらいますとすぐうまくいくので、特許なんかそんな難しいことじゃないので、やはりどこの大学でもそういうことがわかる人が必ず一人いて、相談すればすぐ対応できるというふうにしないと、科学技術庁のどこへ連絡しろとかといってもみんななかなかおっくうで、それから何となく恐ろしいようなこともあったりなんかしてなかなかうまくいかないものでございますから、この法律ができるときにぜひそれをしていただきたいと思います。 先ほどから申し上げていることはすべてそうだと思いますけれども、一番最初だけ公設でやって後はもう全部民営でやるというので、最初の公設したお金は後から取り返したっていいと思います。どうしてももうからなかったときはそれてしょうがないというようなスタイルで、公設、民営でやっていけば非常にいろんなことがうまくいくんじゃないかと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。 それから、次のことはちょっと専門的になりますけれども、非常に大切なことですので、これは厚生省の総務審議官からお答えいただくことだと思いますけれども、実はおととしO157がすごくはやりましたときに、一つのアイデアとしてベロ毒素、これさえなければいいわけですから、それを消去する抗体をつくったらどうかということを委員会でも申し上げて、現実にそれができたわけでございます。その毒素にしましてもほかの難病でもたんぱくとかいろんなものがありますので、それを攻撃するもので一番成功率が高いのがきっと抗体じゃないかと思うんですね。 ところが、人間に人の抗体を注射するわけにはなかなかいかないので、人の抗体にしたいわけです。ところが、その人の抗体にする技術というのがこれまた先ほどからくどくど申し上げているように日本はすっかりおくれをとってしまって、今アメリカとイギリスに通常は頼んでいるんですね。ですから、ベロ毒素、O157の抗体もアメリカのPDLというところに依頼して、この間できてきまして、動物でやりましたら、O157を注射してもその抗体を使っておけば全然死なないということで、来年の夏はやったときはもうそれが使えるんじゃないかと思っているわけでございます。 O157はそれでいいとしましても、それでも日本でできないのでおくれをとったことは確かでございますが、これからもそういうものがたくさん出てくるわけですね。科学技術立国の日本でもってそういうものができないのは本当に情けないというわけでございます。これは設備とノウハウと両方必要なものですから、設備をつくってそこでいろいろ訓練しないとだめなわけでございますので、そういうものをつくるのかどうかという質問なんです。 そう言ってもすぐにはきっとお答えできないと思いますので、厚生科学審議会から、これはある程度わかっている人だったら意見は大体同じだと思いますので、そのヒト抗体とヒト化抗体というもの、どっちでもいいんですけれども、そういうものを日本でびしっとつくるためにはどうすればいいかというのを、もう本当に数名の専門委員でいいですから、そういう人たちに意見を求めて、至急こういうことを日本でできる方向に検討なさったらいかがかなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(田中泰弘君) 先生御指摘のように、すぐれたヒト化抗体の作成技術でございますが、今言われましたように海外のベンチャー企業が特許を有するなどによりまして、海外に依存していることは事実でございます。 厚生省としましても、我が国の臨床研究の推進に必要な技術開発、基盤整備の確立というのが今後の厚生科学を推進していく上で極めて重要な課題でございます。このため、先ほどもお話がございましたが、厚生科学審議会におきまして二十一世紀におきます厚生科学研究のあり方について広くテーマを求め検討を開始したところでございまして、御指摘のヒト化抗体の作成技術のような技術開発あるいは基盤整備の問題も含めまして鋭意検討してまいりたいと思いますし、その結果を踏まえまして対処してまいりたいというふうに思います。
○水島裕君 専門家でしたら当然わかると思いますけれども、これはつくるだけじゃいけないので、それが人に応用できるように、国際的に通用する、GMPと申していますけれども、それに合う施設でなくちゃいけないわけでございますので、そこまで含めて御検討いただいて、至急結論を出されることを祈っております。 それでは次のテーマに移りまして、ダイオキシン関連のことをお尋ねしたいと思います。 実は、今私は参議院議員でおりますけれども、やはり国民の代表あるいは医学界から出た者の代表といたしまして、やはり議員の責任というのは随分重いんじゃないかなというふうに思うのでございます。と申しますのは、厚生省関係でいろいろ問題になっているのはエイズとそれからいろいろありますけれども、例えばらい予防法をいつまでも続けていたとかいうことがございまして、そういうときでも医学的な知識はあったわけでございますし、それからマスコミにもいろいろ出ていたわけでございます。ですから、そういうことを当時の国会でいろいろ取り上げてやるチャンスはあったんじゃないかと思います、一九八三年のころでございますので。何か問題が起きてから厚生省を責めるとかというんじゃなくて、やはり議員は別個に責任があるんじゃないかなというふうに思っているわけでございます。 そうしますと、今は何かと申しますと、一つがダイオキシン、それからもう一つが環境ホルモンであります。どっちも本当にめちゃくちゃ悪いかどうかというのは現時点でははっきりしないところがございますけれども、とにかくかなり怪しい可能性はあると思っております。 ダイオキシンが国会で取り上げられたのが大体一年前だと思いますので、そのときの議事録も持ってまいりましたけれども、外国に比べて非常に基準が緩い。基準が緩いのは別としましても、既存のものとかそういうものは八十ナノグラムでもいいけれども、新しく建てるのは〇・一ナノグラム、その差は実に千倍ですね。ですから、千倍たくさん出ても構わないというようなことでは、もう何をやっているんだかわからないというようなことを私は申し上げたのでございます。 今でもマスコミなどの報告を見ていますと、やっぱりすごく出ているところが多いし、また本当に出ているかどうかも測定の値段が高くてできないとかというニュースは結構あるわけでございますね。私も議員として、このままほったらかしにしてただ聞いていて、せっかくあれだけ言ったのにそのままになっているというのでは、もしかしたら将来済まないんじゃないかというふうにも思います。 それで、実はその当時から、まず必要なことは簡易に測定できる、多少ラフであっても簡便に測定できる、しかも安く測定できるものをつくったらどうかということを申し上げました。これは国としてどこでやっているかと申しますと、環境庁の国立環境研究所、国環研というところでそういう試験はする、あるいはどういう試験法をつくったらいいかというのを研究しているということでございますので、私も早速この国立環境研の係の方と連絡をとり合って、私どもの方も意外とこの微量物質を、抗体を使ったり、それから生物学的に測定するイムノアッセーあるいはバイオアッセーと言っておりますけれども、そういうものもなれておりますので、それでひとつやってみようということで、私の同僚に頼んで国環研の方と一緒にやってみたんです。それである程度うまくいきそうなのが、このごろ研究がとまっているんですね。 どうしたのかと聞いてみたら、国環研にかけても、ダイオキシンの元の原体が、TCDDというのが一番毒性が強いわけで、その回りがいろいろあるわけでございますけれども、それももうないと言うんですね、原末がないと。それから、抗体をつくるためにはそれをいろいろモディファイしなくちゃいけないんですけれども、そのための研究費もない。よそでそういうことをきちっとやっているんだったらいいけれどもと言ったら、よそでもそういうことはやっていない。ですから、これだけダイオキシンが騒がれているのに、それを簡易に安く測定する方法を研究開発していこうというところに全然支援がないみたいなんですね。 それでもう少し聞いてみたら、どうもダイオキシンは毒性が強いから研究者も余りつくりたがらないんだと言うんですね。それで、じゃどうするんですかと言ったら、外国で売っているから外国から買ってきているんだと。ですから、これからはもうどんどんいろいろなことを調べていかなくちゃいけないのに、いやそれは毒があるから外国でつくってもらうとかというので、この間から申し上げている治験も、人間に毒そうだ、危なそうだったら外国に頼むというように、何かこうみんな日本的なんですね。 ですから、その辺も何となく気に入らないし、大体一生懸命やろうと思っているのに一つも材料もないというのでは、どうなっているのかというようなところがありましたので、ちょうどきょう質問があるのでいい機会なものですから、まずその辺がどうなっているか、おわかりでしたら環境庁の方から御報告を願いたいと思います。
○説明員(石川明彦君) ダイオキシン問題につきましては、国民の健康及び生態系への影響を未然に防止するという観点から対策を急がなければならない重大な課題というふうに認識をしております。このため環境庁におきましては、九年度に比べて大幅に拡充いたしまして、平成十年度予算案では約三億円を計上しておるところでございます。 また、国立環境研究所におきましては、人や環境等におけるダイオキシン類の汚染の態様の研究に資するため、ダイオキシン類を含む試料の調整ですとか測定分析手法に関する研究を行うとともに、大気、土壌等の環境中におけるダイオキシン類の測定評価手法に関する研究及び環境中のダイオキシン類の種類、分布とその要因等に関する研究を行ってきたところでございます。 また、大気、水、土壌等の環境中におけるダイオキシン類の分析につきましては、直接国立環境研究所において実施していないことから、必ずしも十分なダイオキシン類の原体を研究所として用意しているところではございません。現状では、外部の方に原体を提供することができるという状況にはなっておりません。 今後とも、ダイオキシン類の先端的かつ基礎的な研究を行うとともに、国内外のダイオキシン類の中核的な研究拠点としての役割を果たすべく、ダイオキシンに関する研究費につきましては、厳しい財政事情を踏まえつつ、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○水島裕君 大体私が質問したことときっと事情はそのとおりのような感じですよね。ですから、これは本当に今もしかしたらダイオキシンで日本人の精子がどんどん減っているかもしれない。それから、ある地域ではダイオキシンの周りでがんの発生度が四倍高くなっている。もちろんこれも事実かどうか、それこそ先ほどの臨床研究みたいなものでちゃんとやってみないとだめですけれども、そんな状態で、日本人全部がもう絶滅するかもしれない。ちょっと大げさに言いますとそんな感じもないわけじゃない。それに三億円というのも、銀行一つつぶさないように一千億とか何とか言っているのに、日本がつぶれるかどうかというのに三億というのもこれは随分お粗末なものでございますから、その辺からよく検討していただきたいと思います。 何となく日本は閣僚も含めてトップの方の方々にサイエンスがわかる人が少ないような感じがいたしますね。ですから、油が流れてどうするんだどうするんだといって、ある程度そういうことがわかればすぐわかりそうなものですけれども、どうもそういうところがないので、ダイオキシンといってもみんなが騒ぐまではというような感じもいたしますので、それは、それこそ小泉大臣に国務大臣としてぜひその辺はお願いしておきたいと思います。 ニュース番組なんかでも、ある地域でダイオキシンに非常に汚染されていて、何かわあっとすごくやっていて、それもきちっとした番組でやっていて、一体どのくらいのダイオキシンの濃度になっているのかと思って最後まで聞いておりましたら、ダイオキシンの濃度は測定するのに費用がかかるのでできませんでしたという結論なんですよね。 ですから、何かどこかがおかしいんじゃないかと思っています。せっかく我々の同僚が安くてすぐできる方法を一生懸命やろうと思って一年前ぐらいからやっているのに、原末がありません、原体がありません、日本は怖くてつくれないからと。そんなに怖いほどのものでもないので、こちらに研究費でもいただければ間違いなくどこかへ行ってつくって、環境庁はできなくても我々の方ではできますから、やったっていいわけでございます。ですから、どうも環境庁も上の方の方々にその辺の知識が欠落しているのじゃないかというふうに、ちょっと厳しく言うとそんな感じでございます。 いずれにしましても、十年度で予算が倍増したのでしたら、ひとつその辺も研究していただいて、今環境庁として考えていらっしゃるのは、ダイオキシンがなぜ必要かというと、ガスマスで測定なさっているときの対象としてダイオキシンをちょっと入れて、それに比べてどうかというので必要だといろことでやっていらっしゃるんだと思いますけれども、その辺も認識されていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(石川明彦君) おっしゃるとおりでございます。
○水島裕君 その方法ではもうあちこちを測定するわけにはいかないんですよ。いかないからそんな大々的なニュース番組でもダイオキシンはどのくらい含まれているかわかりませんということになってきてしまうので、やはりそれはほかの、先ほどから申し上げていろいろんな測定法を開発してやっていかなくちゃいけないので、ひとつ心を入れかえて十年度からはやっていただきたい。 十年ぐらいたって、やっぱりあのダイオキシンとか環境ホルモンがひどかったというので、何も私も責任があるから言っているわけじゃないんですけれども、あのころ一体そういうことをわかっている国会議員がいたんでしょうかとかとニュース番組なんかでやられてもかなわないですから。ですから、一つも官僚の人が協力してくれないからということにいたしますけれども、ぜひその辺はきちっとやっていただきたいと思いますけれども、何か御意見がございましたら。——それでは、少し早くやめてもいいんですけれども、一応あと二問持ってきましたので、簡単にやらせていただきます。 この二問は厚生省から余りいいお答えをしてもらえそうもないというので最後までしなかったのでございますけれども、一つは中西局長にお尋ねいたします。日本の医薬品開発もだんだんいい方向に向いてきたんですね。これで本当に治験でもうまくいけばいいんじゃないかと思いますけれども。いまだに競争力がついていないので、それをきちっとすることが第一。それからもう一つは、従来から日本がやってきましたいわゆるソロ新、まねのものを出すというのも、これもあながち捨てたものでもないところがあるんです。 ちょっと専門のことを申し上げてあれですけれども、マクロライドという抗生物質にほんの一つメチル基をつけただけで人間の代謝がすごく変わって、物すごい有用性が高くなったんですね。多分日本から外国に売れている五つの薬の中に入っているんだと思うんですけれども。そういうことがありますので、今後は、これはアメリカやイギリスなんかでもやっていることですけれども、最初からあるいい化合物ができましたら、その類似の友達を一まとめにして、割合と早い時期から臨床で一回だけ使ってみる。それで、人にどれが合っているかどうかと。そうしますと、その反論としましては倫理的じゃないんじゃないかというのが最大の反論なわけですけれども、それでいいものを仮に見つけられれば、もうその後、悪いものを人に使って臨床試験をするとかいうことも防げるわけでございますので、考えようによっては逆にそちらの方が倫理的になるわけでございます。 そういうものを例えばアメリカのFDAはスクリーニングINDと言っているわけでございまして、多分業務局の方でもある程度把握なさっていると思いますけれども、直ちにということは必要ございませんけれども、そういうものも将来取り入れるべく検討してみられたらいかがかなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(中西明典君) 今、先生の方から御指摘のございましたスクリーニングINDというのは、必要最小限の前臨床試験が終了した段階で、極めて少量の治験薬を人に単回、一回投与してその動態、吸収が中心のようでございますが、それを検討することによって複数の候補化学物質から見込みのありそうなものを選定していく臨床試験に用いられる治験薬でございまして、そういった試験の性質から、アメリカでは単回、一回だけ動物に投与し、その直後に人に単回投与する、そういうやり方であると承知しております。 これにつきましては、現在、EUでは齧歯類、非齧歯類に二週間、日本では非齧歯類で二週間、齧歯類で四週間という試験を経た上で人に単回投与するという、試験のやり方に相違がございます。 その問題につきましては、ヒト臨床試験の実施のための非臨床安全性試験の実施時期に関するガイドラインというのが日本とアメリカとEUの医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議でまとめられたわけでございますが、その点については意見が一致せず、ハーモナイゼーションの会議におきましては、引き続きこれらの相違点を認識し、医薬品開発の過程をさらに改善するための作業を続けていこうと、こういう議論になっていると承知しております。 私どもといたしましては、被験者の安全性を確保するという大前提に立ちつつ、先生おっしゃいましたとおり、できるだけ簡易で効率的な医薬品成分のスクリーニングということが求められていることもこれまた事実でございますので、どのように国際的整合性を図っていくか、ICHの場を通じてよく議論していきたいと、かように考えております。
○水島裕君 日本が率先してやるようなこともあっていいかと思いますので、合意したらしようがないからやるというのではなくて、もう少し別な考え方でいろいろディスカッションしていただきたいと思います。 せっかく小林局長がいらしているので、最後に国立病院のことについてお尋ねいたします。 国立病院は、私も友達がたくさんいますので何とか頑張ってほしいと思いますけれども、がんセンターその他を除きますと、やはりどうしても何となくイメージが暗いとか活発じゃないということがございます。 先ほどから申し上げました臨床研究センターというところまでいかなくても、あるいは臨床試験センターでもいいし、今やることはたくさんあるわけでございます。そういうことにある程度の予算もおとりになっているわけでございましょうから、ひとつ国立病院が率先してそういうモデルをつくっていただいて、臨床研究は国立病院に頼めばいいと。それから必須の適応症拡大、もう患者さんのためにこれだけは試験しなくちゃいけないと。あるいは日本で生まれた薬で、これができれば日本が誇れると。今、日本はいろいろ景気が悪いとか何か言いますけれども、何となくこれは夢がないのが一つの大きなものじゃないかと思います。 日本でできた診断法、治療法が世界一で、ノーベル賞にも値するということになれば、これは景気もまた変わってくるという可能性がありますので、そういうことの力に国立病院がひとつ頑張ってやるというのがいい考えじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(小林秀資君) 先生の臨床研究に対する思い入れ、治験の重要性という話、大変参考に聞かせていただきました。ありがとうございました。 それで、国立病院・療養所としては、今、先生がおっしゃるような本格的な臨床研究ということができるまでの実力は、ナショナルセンターを除くとなかなか難しいかと私も思っておりますが、まず最初に、治験がきちっとできるようにしていきたいと。従来は、どうも国立病院というのは、大学と違いましていわゆる普通の公務員という形になってっていますから、大学の先生方と比べると治験も大変やりにくい環境にあるということは先生御存じだと思います。 そういう中ではございますけれども、今、私どもの方の病院部としては、政策医療ということを国立病院がやっているんだから何とかもっと治験に力を入れていこうよということで、みんな今、部全体が治験に前向きにという姿勢にはなってきておると私は思っておるところでございます。 ただ、先ほど出てまいりました治験管理室というところへいきますと、また今度は国家公務員法の定数の問題、組織の問題等々があって、なかなかそこまではまだいかないのでありますけれども、当面は、まず治験を受け入れるということをしっかりやっていくようにする。 そして、全国ネットワークを持っているわけですから、この国立病院全部の病院の中で、例えば循環器なら循環器でもたくさんの病院がやっている、脳卒中なら脳卒中でたくさんの病院がやっている、アレルギーでもやっているということですから、そのネットワークを最高に生かして何とか治験をもう少し伸ばしていくように、まずは努力していきたいと思っております。
○水島裕君 小林局長はなかなか柔軟な頭脳で物わかりがいいと思いますにしては、ちょっと答弁が少し前向きじゃないような気がするんですけれども。 国立病院にいらっしゃるとわかると思いますけれども、部屋なんて結構あいているんですよ。研究室なんてほとんど稼働していないんです。ですから、そこの部屋の一つを治験管理室にすることは容易なことなんです。 それから、今度はまた予算がないとか言いますけれども、先ほどから申しているように、きちっとできるそういうものができれば独立採算で間違いなくいきます。ですから、最初はどこかから借りてもいいし、最初ぐらいはひとつ国立病院部で援助してやって、もう途中からは定員もふやさない、それからその資金も要らない。それで絶対うまくいきます。 もちろん、全然能力のない人がただわあわあやっているんじゃしようがないですけれども、国立病院も半分ぐらいあきらめても、半分ぐらいはきちっとやるようにして、そこで、余り治験治験と言うと何となく何かやっているようでよくないですが、きちっとした臨床研究を国立病院はできるんじゃないかと思います。 先ほど局長は国立病院は公務員法とかいろんなことでやりにくいと申しましたけれども、私はむしろ逆じゃないかと思うんです。むしろ国の言うことは聞いてくれるわけですから、国民のためにやらなくちゃならない臨床研究をちゃんとやってくれたら、こんなことを言っていいかどうかわからないけれども、給料を上積みしたって日本国としては絶対プラスなわけでございますから、国から出なくても別のところから出したって幾らでもできるわけでございます。幾つかの国立病院が一丸となって、これだけは国のためにやると、それが私は本当の国立病院じゃないかと、そんなことができないんでしたら国立なんというのはもうやめていただきたいと思いますので、最後にそれだけ申し上げて、時間ですので終わりにしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 きょうは、まず、先ほど水島委員が御質問しましたけれども、やはりダイオキシン、特に母乳関連のダイオキシンに関しまして質問させていただきたいと思います。 厚生省所管の母乳中のダイオキシンに係る検討会では、平成八年に、我が国においては今後とも母乳栄養を推進していくべきであるとの検討結果を発表しております。そのように結論づけた根拠として、一、現在の母乳からのダイオキシン類の摂取が、乳児に与える影響は直ちに問題となる程度ではないと考えられること。第二番目に、母乳が乳児の身体的、精神的発育、感染症の防止及び栄養素の補給に及ぼす効果が大きいこと。第三に、諸外国においても母乳栄養を規制しておらず、今後とも母乳中のダイオキシン類の継続的なモニタリングを行いながらその安全性を確認していくべきであることとしていること。以上の三点を挙げております。 当時の厚生省のデータでは、母乳中のダイオキシン類の平均値は二十六・六ピコグラムTEQパー・グラム・ファットでありますが、これから乳児期の母乳からのダイオキシン類の摂取量を推計しますと七十二・一ピコグラムTEQパー・キログラム・ボディーウエート・パー・デーとなりますけれども、この値はいわゆる厚生省が定めておりますTDI+ピコグラムの約七倍強となるというふうに計算されております。しかし、母乳からの摂取というものは短期的なものであるので、他の母乳の保育の利点などを勘案すれば母乳保育は推進すべきである、そのように結論づけたわけであります。 そういう意味ではまだ安心できるというようなものではありませんので、今後とも母乳中のダイオキシン類の継続的なモニタリングというものをしながら安全性のさらなる把握に努めていくべきであることはもちろんであります。 それで、埼玉県の方で母乳の調査をしておりますけれども、本年三月十九日の発表では、乳児の母乳の摂取によりますダイオキシン類の摂取量は、やはりTDIの七倍強に匹敵すると、そのような結果が出ているわけであります。 そこで、まず質問させていただきたいんですけれども、欧米諸国でのWHOが調査した結果では、母乳中のダイオキシンが一応下がっているところが比較的多いというような結果が出ておるわけであります。我が国においての資料というのはなかったわけでありますが、その資料として大阪府公衆衛生研究所保存の母乳での分析結果、これが一つの参考になるんではないかというふうに思われているわけでありますけれども、その結果というものはいつ出るのでしょうか。また、結果がもしわかっておられれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 平成九年度の厚生科学研究費におきまして、母乳中のダイオキシンに関する研究を実施しておりまして、この中で先生お尋ねの大阪府の公衆衛生研究所が昭和四十八年から凍結保存しております母乳の脂肪中のダイオキシン類の濃度を測定いたしております。この結果につきましては、本日夕方の五時から検討会が開催されまして、その会議終了後、中間報告という形で公表される予定になっております。 この分析結果の詳細につきましては、本日の検討会の中で御議論いただくことになっておりますけれども、私どもが承っているところによりますと、母乳脂肪中のダイオキシン類の濃度は減少傾向を示しているというふうなことでございます。
○渡辺孝男君 もちろんこれは大阪府で採取したサンプルでの調査でありますので、各地方によってその母乳中のダイオキシン類の値というのは違ってくるのではないか。特に、今問題になっているのはいろんなごみ焼却場とか産廃施設の焼却場、そういうものの近くにダイオキシン類が多いのではないかというふうに言われておりますので、やはり大阪府の結果が出て、それは一つの参考になると思います。そしてまた、各地方独自のいろんな条件があると思いますので、その各地方のデータも続けて検査していただいて、国民に公表していただきたい、そのように思うわけであります。 本年の四月に帯広畜産大学の中野益男教授によりまして、ごみ焼却炉あるいは産廃焼却炉施設の近傍の牧場からの牛乳に含まれるダイオキシン類の含有量の調査が行われたわけであります。これも新聞で報道されましたが、やはりそういう焼却場に近いところから採取した牛乳というものの中にダイオキシン類がより多く含まれている、そのような結果が出たわけでありますけれども、厚生省としましてはその牛乳中のダイオキシン類の安全基準というものを設定されておりますのでしょうか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 平成八年度に厚生省として調査を実施いたしましたものがございまして、それによりますと、実際に市場に流通しております乳あるいは乳製品中からのダイオキシン類の摂取状況調査の結果によりますと、国民一人一日当たりの取り込み量が一・〇三八から一・九四八ピコグラムでございまして、これをもとに体重五十キログラムの人の体重一キログラム当たりの取り込み量というのを試算いたしますと、〇・〇二一から〇・〇三九ピコグラム・パー・デーとなります。 また、食品全体からのダイオキシン類の一日摂取量は、一人当たり平均三十一・四ピコグラムでございまして、これも先ほどと同じように体重五十キログラムの人につきまして一キログラム当たりの取り込み量というのを試算いたしますと、平均〇・六三ピコグラム・パー・デーとなりまして、厚生省の研究班が提案をしておりますTDIでございます十ピコグラムを下回るということが明らかになっておりますので、現在のところは乳・乳製品を含めまして食品についてのダイオキシン類の基準値は設定をしておりません。
○渡辺孝男君 日本においてはまだ大丈夫だということで安全基準というものを設けていないということでありますけれども、各国での状況はどうでしょうか。そういう安全基準を設けている国はないのでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 私どもが承知しておりますのは三つの国がございます。 オランダにおきましては、連邦法で規制をされておりまして、乳脂肪中のダイオキシン類の量が六ピコグラム・パー・グラムを超えたものにつきましては、食品衛生部局は市場から排除できるというふうになっていると承知をしております。 また、ドイツにおきましては、ワーキンググループの勧告といたしまして、乳脂肪中のダイオキシン類の量が五ピコグラム・パー・グラムを超えるものにつきましては、市場に流通することがあってはならないとされておりまして、また、三から五ピコグラム・パー・グラムのものにつきましては発生源の確認、削減対策を行いますとともに、それが直接消費者に販売されることがないよう勧告されていると承知をしております。 さらに、イギリスにおきましては、リスク評価のための目安といたしまして、乳脂肪中のダイオキシン類の量につきまして十七・五ピコグラム・パー・グラムという値を示していると承知をしております。 なお、この三国以外のEU、あるいはスウェーデン、デンマーク、スイス等では基準値は設けられていないと承知をいたしております。
○渡辺孝男君 ドイツ、オランダ、イギリスなどではそういう牛乳の安全基準的なものが決められているというようなお話でありました。牛乳と母乳ではまた少しは違うのかもしれませんけれども、母乳中のダイオキシンに係る検討会で検討されたときに、このドイツの基準というようなものも十分検討されたんでしょうか。例えば、ドイツでは牛乳中の望ましいダイオキシン類の値として、望ましい達成目標として〇・九ピコグラムTEQパー・グラムというようなものも出しているわけでありますけれども、このようなドイツでの牛乳の規制値、そういうものを参考にして母乳中のダイオキシンに係る検討会では検討していただいたのかどうか、その点を確認したいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 母乳中のダイオキシン類に関する検討会は平成八年五月に発足いたしまして、母乳中のダイオキシン類の調査結果あるいは母乳の規制等、国内外の状況について情報収集を行いまして、母乳中のダイオキシン類の安全性及び今後の母乳栄養のあり方について中間報告を八年十二月にいただいたところでございます。 この検討会の報告書におきましては、乳児が摂取いたしますのは主として母乳または粉ミルクというのが中心であるということで、牛乳の安全基準等との関連につきましては特に記載はございません。諸外国におきましても、母乳中のダイオキシン濃度につきましては我が国と同程度でございますが、授乳そのものを規制している国はないということであること、また母乳は通常一年程度でございますので、先ほど先生が引用になりましたような理由もありまして、母乳栄養を積極的に奨励し推進すべきであるとしております。
○渡辺孝男君 私は、ドイツの安全基準、望ましい達成目標、牛乳のデータではありますけれども、〇・九ピコグラムTEQパー・グラム・ファットということで決めていると、そういう決め方をしたドイツの考え方、あるいは決めるに至った理由、そういうものを十分検討されているのか、それをお聞きしたかったわけです。厚生省としてはそういうドイツの状況をどのように把握しておられますか。
○政府委員(小野昭雄君) ドイツにおきます乳・乳製品中のダイオキシン類につきましては、ワーキンググループから乳脂肪中におきます数値が勧告されておりますが、勧告に至る経緯、設定根拠等については現時点では把握をいたしておりません。このため、諸外国におきます食品中のダイオキシン類の詳細な規制状況につきましては、現在外交ルートを通じて調査をすることといたしております。
○渡辺孝男君 やはりドイツでそういう基準を決めているというのには、それなりの理由がいろいろあるんだと思います。また、数値が出てきたということは、それなりにいろんな実験データあるいは人のいろんなサンプルがあるのかもしれませんけれども、そういう十分な検討をして初めて数値が出てくると思います。やはりここは十分に検討していただいてもらわないといけない、そのように思いますので、よくドイツの方と情報交換していただきたい、そのように思うわけであります。 先日、小泉厚生大臣のところに、四月二日でありますけれども、福岡県のボランティアグループ、ダイオキシンから生命を守る母の会及びタンポポ根っこワークの代表の方が、公明もそれに一生懸命協力したわけでありますけれども、三十一万人の署名を持って母乳中のダイオキシン類の調査に関する請願書を提出したわけであります。今いろんな新聞、ニュース等で報道されておりまして、本当に母乳は大丈夫なのか、また今度は牛乳が出てきましたので牛乳は大丈夫なのか、そういう不安というものがかなり大きくなっている。 厚生省としては、母乳は本当に大丈夫なのかどうか、どの程度ならば本当に安全と言えるのか、やはり母乳の安全基準値というものを、まだ細かいデータというのはすぐには出ないと思うんですが、仮の値でもいいからこれぐらいならば安全であろうというような数値を示してもらった方が要らない不安はとれてくるのではないか、そのように思うわけでありますけれども、その点に関しまして厚生大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 母乳にまでダイオキシンが出ているということは、食生活全般にかかわる問題であり、環境全体にかかわる問題だと思います。諸外国のいろいろな研究機関ともよく調査をし、連携をして、日本でもそういう基準が必要であるか、またダイオキシン対策全体としていろいろな国の先行的な例を参考にしながら、できるだけ不安のないような基準なり対策を講じていきたい、そう思っております。
○渡辺孝男君 母親の方も母乳の効果というものは絶大なものがあるということを認識しているがゆえに、かえってそういうダイオキシンで本当に母乳をやめなければならないのか、そういう心配があるわけであります。母乳保育を続けていきたい、続けていくためにはやはりある程度の、ダイオキシンという心配なものが出てきたので、安全基準を定めていただければ、私は大丈夫だということで母乳を続けられるということになるわけでありまして、やはり早急にいろいろなデータを集めながら、母乳の中に含まれるダイオキシン類がこの程度なら安全だというような基準値を早く決めていただきたい、そのように思います。 それから、やはり乳児期というのは成長著しい時期であります。たとえ母乳に含まれているダイオキシンが七倍あっても、一生通じていけば母乳ばかり飲んでいるわけではないから大丈夫だというような論理で安全であろうというふうに推測しているわけでありますけれども、乳児とか幼児は成長過程であります。ダイオキシンは神経系統の発達に対しましても毒性がある、免疫毒性もある、発がん性もある、生殖毒性もあるというふうに言われておりますので、乳児あるいは幼児、そういう時期の安全基準値、成人におけるTDIとは異なった意味での安全基準値というものをやはり決めておくべきではないかというふうに考えるわけです。 現在、母乳中に、計算でいきますとTDIの七倍を超えているダイオキシンが含まれているというような数値が実際に出ているわけであります。幼児、乳児に関しましては大人の一般の人のTDIとは違った基準値をやはり設けるべきではないか、そのように考えますけれども、その点に関しまして、厚生大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) これは議論の始まった段階だと思うんですが、私は、仮に母乳が飲めないような基準までダイオキシンが出ているんだったらその母親も相当汚染されているのではないか。もう母乳だけの問題じゃないと思います。そういう状況が来たらもう環境全体が汚染されているのではないか、その方が深刻じゃないか。いかに危険性があったとしても母乳の重要性というのは私は変わらないと思います。その母乳まで飲めないような母乳を大人が出すということ自体、これはもう乳幼児だけの問題じゃない、人類全一体、環境全体の問題にかかわってくるんじゃないかというふうに思います。 いずれにしても、これは大事な人間、健康全体の問題、さらには世界的な環境全体の今問題になっておりますので、日本としても先進的な例というものを十分参考にしながら、重大な関心を持って対処していきたいと思います。
○渡辺孝男君 重大な関心を持って対処していきたいというお言葉であります。特に少子・高齢化の時代で子供さんというのは非常に大切でありまして、母親にとっても一人あるいは二人のお子さんでありまして、やはり健康に育ってほしいという願いは強いものが当然あるわけであります。 そういう意味で、大人の基準値しかないというのはやはり問題であって、やはり乳幼児はそういう生理的な状況も違いますので、乳幼児用の安全基準値、毎日このぐらいとってもいい、このぐらいならば許される安全基準値、そういうものを乳幼児に特別な安全基準というものを決めていただいて、それを参考にして、母乳に関してもそのほかの子供さんがとるような食品に関しても、そういう基準値を設けていただきたい、そのように思うわけであります。 次に農水省の方に質問したいんですけれども、先ほどの話の中で挙げましたけれども、ごみやあるいは産業廃棄物の焼却場付近の牧場の牛乳にダイオキシン類が多く含まれているというようなデータが出されまして、新聞でも公表されまして、非常に国民に大きなショック、衝撃を与えたわけであります。 農水省としましては、そのような牛乳と産廃施設の焼却場あるいはごみ焼却場との関係、それを今後どのように調査していくのか、またその公表されたデータが正しいのか正しくないのか、あれは特殊な例だったのかどうか、やはり国民に対してその真偽をはっきりさせていく、そういう責任があるのではないか、そのように考えるわけでありますけれども、その点に関しまして農水省のお考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(井出道雄君) 農林水産省といたしましても、牛乳、乳製品を含めまして食品の安全性を確保することにつきましては極めて重要な課題であると認識しておりまして、従来から厚生省等の関係機関とも連携をいたしまして食品の安全性の確保に努めてきております。 今般、委員御指摘のとおり生乳中のダイオキシン濃度に関しまして学会発表がございました。この件につきましては厚生省からは、仮に学会で発表されました最大濃度の生乳で牛乳、乳製品を製造いたしまして、この牛乳、乳製品を毎日摂取するようなケースがあったといたしましても、一日当たりのダイオキシン類の摂取量は安全上特段の問題はない水準であるというふうに聞いております。 しかしながら、農林水産省といたしましても、国民に対しまして安全な食品を供給する、確保するという立場から、この研究につきましてもより詳細な内容を入手いたしまして、十分検討を行った上で適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○渡辺孝男君 いたずらに不安をあおって風評被害的なものが起こらないようにきちんとしたデータを集めて、でも国民の不安というものはなかなかおさまらないわけでありまして、ある程度正確なデータを出して、一つの研究データだけでなくてある程度数をふやして、本当に大丈夫なのかどうかと。やはり牛乳レベルになりますと混合して平均値は少なくなるわけでありますが、一牧場あるいは一つの牛乳工場的なものではばらつきがあっても不思議はないわけであります。やはりある程度そういう地域的にダイオキシン濃度が高いような生乳あるいは牛乳がありましたらこれはきちんと規制というものを設けて何らかの対応をとらなければならない、そういう時期にあるのではないかなというふうに私は考えるわけです。 先ほど小泉厚生大臣から日本全国にそのように環境汚染が広がっていたらば大変なことだというようなお話がありましたけれども、やはりそういう状況に日本も来ているのではないかなと、国民もまたそういう不安を持っているわけであります。いたずらに不安をあおらない形で、きちんとしたデータはやはり把握していくべきである、そのように考えるわけであります。農林水産省としても、頑張ってきちんと国民に情報を提供していただきたい、そのように申し上げたいと思います。 それと関連しまして、お乳が少なくて母乳保育ができないお母さんにとってはやはり粉ミルクで保育するわけでありますけれども、日本では粉ミルクのダイオキシンに関しての測定、そういうものを行っているのかどうか、またそういう安全基準値的なものが定められているのかどうか、各国の状況はどうなのか、その点に関しまして厚生省よりお聞きしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 粉ミルク中のダイオキシン類の濃度のお尋ねでございますが、関係事業者から提出されました検査成績を確認いたしましたところ、粉ミルク中のダイオキシン濃度につきましては不検出から〇・〇〇八七ピコグラム・パー・グラムでございまして、そのレベルは非常に低いものであるというふうに承知をいたしております。 なお、粉ミルクにつきましては、食品衛生法に基づきまして細菌数あるいは大腸菌群等の規格基準を設定いたしまして、その安全確保を図っているところでございますが、今申し上げましたように非常に低い値でもございますので、現在のところはダイオキシン類に関します基準は設定をいたしておりません。 なお、粉ミルクは一般的に乳製品に該当するわけでございまして、先ほど御質問ございましたように、オランダ、ドイツ、英国においては乳製品の基準が適用されていると推測されるわけでございますが、詳細に関しましては先ほど御答弁申し上げましたように調査をしてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 母乳保育をしている母親、それからまたこれからお子さんをお産みになる予定で母乳保育をしようかなというふうに考えられている女性にとっては非常に重大な関心事でありますので、今後とも前向きに検討していただいて、早急に調査をしていただいて、その安全基準というものを早目に示していただきたい、そのように考えるわけであります。 次の質問に移らせていただきます。 さきの三月三十一日に、公明広島県本部の方とそれから歯科矯正の保険適用を求める会の方々が一万人を超える署名簿を厚生省に提出しまして、小泉厚生大臣に快く受け取っていただいたわけであります。 日本におきましてもそういう咬合不正というものが多い。しかも歯科矯正の治療を受ける方もどんどんふえてきているような状況でありまして、そういう学童児の不正咬合の発生頻度というものが実際どの程度あるのか、厚生省として把握しておればその頻度を教えていただきたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 学校の歯科健診の中で咬合の状態等について診査が行われているというふうに承知しておりますけれども、平成八年度に滋賀県で得られました調査によりますと、小学校一年生で要診断、さらに診断が必要だと言われた方が二・四%、それから要観察とされた方が七・四%というような数字がございます。また、その前の年、平成七年に山口県で行われました実態調査によりますと、五歳から九歳の方で不正咬合がないと言われた方が八一%ということでありますから、それ以外の方が何らかの形で不正咬合、異常があるということであれば一九%というようなことでございます。 なお、厚生省で過去に歯科の実態調査というのをやっております。大分以前でございますが、昭和五十六年のデータでございます。その際のデータでは、小学校の低学年、七歳から十二歳の方で大体二十数%というようなデータが出ております。
○渡辺孝男君 学校歯科医をされているような方からも、そういう咬合不正で要診断あるいは要治療というふうに診断され、それを連絡しますと、やはり検査するのにもこれは保険適用がないということで保護者の方から困ったというようなお話を聞いている、そういうお手紙もいただいておりまして、もしそういう治療を受けるとすれば現在のところ保険がきかない方が多いわけで、五十万から百万ぐらいかかる。 ある主婦のお話では、やはり今の家計が苦しい中で、年間五十万の貯金をするのにも大変な時代に、五十万から百万のそういう矯正歯科治療に対して費用を払うことはとてもできない。子供さん四人おられて、二人はそういう異常があって治療が必要だと言われているんですが、とても払えない。子供さんに我慢していただいて、子供さんが成長してから、大人になってから矯正歯科治療を受けるように説得しているというような切実なお話もあるわけです。 厚生省としましては、今後、矯正歯科治療に関しましてどのように保険適用が、見ていけるものと見ていけないもの、そのように診断基準をしっかりして適用の拡大を図っていく、そのような方針につきまして厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 歯科の矯正治療でありますけれども、現在、疾患として位置づけが明確になっている口蓋裂等につきましては、これは保険適用がなされているわけであります。ただ、いわゆる疾患というよりも審美的な要素というものがあるものですから、この改善のために歯科の矯正治療を行うという場合については、これはやはり保険の給付の対象とすることは現在も行っていませんし、なかなか難しいだろうというふうに考えております。 この辺の疾患と審美性との整理といいますか、その辺をどういうふうな形できちっと区分していくのかということについてはやはり検討が必要であるというふうに考えておりまして、そういった意味で、平成九年度から三カ年間ということで医療経済研究機構にお願いしまして、今基礎的な研究をお願いしております。この研究の結果というものも踏まえまして、私どもとしてこの辺のところを今後明確な形で整理をしていきたい、このように考えております。
○渡辺孝男君 やはり矯正歯科治療は治療時期によって効果も違うということで、特に永久歯がそろう小児期、そういう時期にきちんとし元治療を行えば、大人のときにやるよりは治療費もかからないし、それから健康にもいいということで、非常に齲歯の予防、それから下顎の変形とか、そういうのにも役に立つということで、やはり小児期からきちんとした治療をすれば効果がある疾患と考えられますので、保険適用をもう少しきちんとしていただいて、診断をきちんとしていただくということで、病的なものにはやはり保険適用を図っていく、そのように前向きな検討をしていただきたいと思います。 時間になりましたので、ほかの質問もありましたけれども、次の機会に譲らせていただきたいと思います。 以上でございます。
○委員長(山本正和君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本正和君) 速記を起こしてください。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。 時間が短いので簡潔にお答えをいただきたいと思います。 いわゆる財政構造改革法では、九七年度予算に対して九八年度の社会保障関係費を三千億円の増に抑制するということが明記されていました。そして、前回の本委員会における厚生省予算の概要説明においても、社会保障関係費は対前年度二千九百二十九億円増の十四兆八千四百三十一億円となっていることが報告されたわけです。 厚生省はそもそも今年度のままといいますか、九七年度のをそのままで社会保障関係費が支出をされれば、九八年度の社会保障関係費というのは一体どのくらい増加になると見込んでおられたのでしょうか。
○政府委員(田中泰弘君) お答えいたします。 九八年度のお話でございますが、御存じのところでございますが、前提として九年度の当然増をお話し申し上げますと八千五百億でございます。医療費は六千億、それから年金が千五百億でその他が一千億というのが九七年度の当然増でございました。 平成十年度の自然増の問題につきましては、今後の医療費の動向、それから年金の動向、その他の動向をぎりぎりまで見きわめる必要があるわけでございまして、今のところで確たることを申し上げられる段階ではございませんが、医療費の関係は医療費改定等がございましたので、この影響をどう見るかという問題がございます。それから、年金の関係では、平準化措置が十年度で切れるということで、多少増要因の問題もございます。その他の動向も見きわめる必要がございます。 いずれにしましても、厚生省のこの当然増というか、このままいった場合の伸びというのは、やはり相当なものになるのではないかなというふうに予想いたします。 以上でございます。
○清水澄子君 では、予算編成時と現在とではその見込み額は同じでしょうか。そして、予算編成期で具体的にどのような抑制策を講じたか、医療費やいろいろおっしゃいましたが、はっきり金額は幾ら抑制なさいましたか。
○政府委員(田中泰弘君) お答えいたします。 先ほど申し上げました八千五百億の中から約三千億にするべく五千五百億の削減をしたということでございます。この中で、医療費の関係につきましては四千二百億削減をいたしております。その一方、医療費の関係では、医療費の改定が加わっておりまして、医療費予算は削減の後一千億増ということになっております。 それから、年金の関係でございますが、一千五百億の自然増でございましたが、スライドの見直し、それから係数の見直しによりまして五百五十億の削減ということでございます。約九百五十億の増でございます。 それから、福祉その他の関係でございますが、三プランについては増額等の措置を講じておりますが、削減の主な項目としまして社会保険事務費の見直し、施設整備費の見直し、それから補助金の見直し、国立病院繰り入れの見直し等によりまして、前年度予算よりも七百五十億の減でございまして、自然増が一千億でございますので、千七百五十億の減でございます。 以上、合わせまして五千五百億の縮減をいたしまして、約三千億で編成をしたということでございます。
○清水澄子君 その中身はほとんど医療費の患者負担とか、それから薬代等による患者負担が非常にふえて、むしろ医療費の伸びは厚生省の当初の見込みより非常に成功したんだと、厚生省から見れば成功した、患者から見れば非常に負担が多くなったということだと思います。この八千五百億円という自然増の見込みから五千五百億円を削った中身は余りにも合理的じゃない問題が非常に多いと思います。 それは、その一方で医療機関における診療報酬は一・五%引き上げているわけですが、このように厚生省の予算編成の対応は、これからの社会保障はどうあるべきか、医療はどうあるべきかということよりも、財政対策に合わせて細切れの制度改正を重ねてきているのではないか、また現実にいると思うわけです。 このようなやり方をしていくと、非常に制度が複雑になりますし、私は社会保障に対する国民の信頼というものを非常に低下させると思うわけです。同時に、財政構造改革のそもそもの目的は、超高齢化社会に対応できる財政とするのだという名目があったと思いますけれども、この今のやり方は決して社会保障の本当の意味の、将来これが安定していく、そういう基本的な内容の構造改革ではない。決してこれはプラスじゃなくて、非常に細切れの、予算を削除するために変えてきた、こういう五千五百億円の削除の中身、これはむしろ今後私は非常にいろんな意味で制度上逆効果があらわれると思うわけです。 そういう意味で、社会保障というのは一年ごとに変えるというのは非常に難しい問題ですから、場当たり的な対処ではなくて、私は社会保障を今後の少子・高齢社会に向けて本当に抜本的に改革するというのであれば、やはり一定の何年間の期間をもって根本的な二十一世紀に備えた体系をつくり出していくという姿勢で予算を編成しない限り、私は非常にこれから後も、今回の五千五百億円削除に基づく内容というのは実に説明がつかないところが非常に多くあります。 そういう意味で、私は今後こういう点において、この予算編成のあり方についても問題があると思うんです。やむを得なかったとはおっしゃるんでしょうけれども、そうじゃなくて、やはり社会保障については二、三年間もっと基本的な政策を打ち出す間、大蔵省に対してももっと強い姿勢で大臣は臨んでいただきたいと私は思うんですけれども、その点大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) お話はわかる面もあるんですが、しかしあるべき姿といって財政を考えなかったら必ず増額になりますね。口ではみんな歳出を削除しろ、補助金を削減しろと言うんです。されたところは全部反対ですね。国会の委員会でも大体削減したところに対する不満とか批判が多いですよ。現状維持、もっと予算使いなさいという、ほとんどそれが意見。 いかに削減が難しいかというのを痛感していますけれども、私はせっぱ詰まらないと改革できないと思います。ようやく日本の財政というのはせっぱ詰まっちゃって、にっちもさっちもいかない、だからこの改革機運が出てきたんだと思います。ほっておけば、あるべき姿といったら、減額するあるべき姿が出ないですね。合理性を追求したいんです。 しかしながら、現実に高齢者の医療一割負担、ほとんど反対ですね。だから、ある程度非合理な、薬剤は幾らですよとか、私はあれは定率に比べればかなり非合理だと思いますよ。なかなか合理性を追求しても現実の利害関係が入り組んでできない面もある。そういう中で改革していかなきゃならない。 一挙にできません。診療報酬改定にしたって、三カ月や半年じゃできません。方向を示したって、現実の調整、薬価にしてもそうです。基本的な方向を出している。年金だってそうですね。数年かけてやれといったって一挙にできません。徐々にやっていかざるを得ない。財政が大変だから、これだけ改革しなきゃならないという機運ができたんだと思いますよ。 あらゆる改革というのは、結局、金との調整です。金はふんだんに使っていい、金のことは考えないでいいといったら、私はもっと楽な厚生大臣ができたんじゃないかと思いますけれども、そこがいかないところが難しい。その点をやっぱり現実考えていただきたいと、そう思います。
○清水澄子君 私が今申し上げているのは、社会保障というのは何かの土木工事と違いますから、やっぱり何年間かちゃんと研究もしなきゃいけないし整理しなきゃいけない、そういう改革ですから、予算をシーリングで一年ごとに決めるというのは非常に無理があるんじゃないか。そういう意味で、この社会保障関係について本当の意味の抜本改革をやるのであれば三年とか四年とか、そういう政府の予算の決め方の中でもう少し違ったモラトリアムの期間というものを求めるべきだ、こういうことを私は申し上げておるわけです。 そして、いろいろ削除をしようとしていた国庫補助の問題も既にもっと前から厚生省はわかっていたはずだと思うんです。予算編成のこの土壇場になって公表するというのは非常に透明度を欠く予算編成のあり方であって、これもやっぱり国民に大きな不信感を与える。私たち議員も非常に困ります。 そういうことで、この予算編成のあり方について私はもっと真剣な工夫をしていただきたい、このことを一つ申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私もそう思います。 間際にならないとどうも真剣にならない。あした試験じゃないと徹夜で勉強しないというふできの生徒に似ているんですよね。そういう面が随分あると思います。こんなことになるんだったらもっと早くやればいいじゃないかと、私も実際担当してそういうふうに思うことがよくあります。 その点、今回の問題につきましても、現実に歳出削減というのがいかに困難かというのはわかってきましたから、できるだけ情報を公開してみんなで考える。前もって資料も提供してお互い考えていこうという、せっぱ詰まって間際までやっていけば何とかなるんだろうということじゃなくて、じっくり考える期間を与えて資料も提供して、お互いの合意点を目指すという努力は私も確かに必要だと思っております。
○清水澄子君 次に、私は大蔵省にお聞きしたいわけです。 社会保障関係の厚生省予算の増加額は三千四十九億円との説明なんですが、この他省庁を含めた社会保障関係費の伸びは、対前年度二千九百二十九億円の増にとどまっているわけですね。ということは、財政構造改革法が定めた三千億円の増との間に七十一億円の差額が生まれているわけです。さっきも大臣おっしゃいましたが、社会福祉や社会保障関係は非常に細かいお金を一生懸命工夫をしているわけですが、この七十一億円というものがはっきり初めからわかっていたらもっと有効な予算の組み方ができたはずだと思うと、非常に私どもは残念です。大蔵省は成功したということになるんだと思いますが。特に予算編成の過程で、この社会保障関係費の総額は、他の省庁との関係というのは大蔵省しかわからないんですね、どれだけ総額が減っているかということは。 そういう意味で、大蔵省の主計局だけがそれを知っているという状況の中で、やはり予算編成というのは与党が政府と協力して行っている作業なんですけれども、主計局は少なくとも与党にはリアルタイムに情報を提供すべきではないか。そのことで、七十一億円そちらで社会保障費から浮かしたなんということで手柄に思っているのは全部誤りだと思うんですが、その点いかがですか。
○説明員(清水治君) お答え申し上げます。 予算編成過程におきまして、与党の先生方に情報をリアルタイムに提供すべきという御指摘がございました。その点についてお答え申し上げます。 財政当局といたしましては、予算編成過程のさまざまな時点におきまして、その時点での情報を与党の先生方にお諮りするよう申し上げてきているところでございます。例えば、十年度予算で申し上げますと、予算編成大綱につきまして十二月十六日に与党の政策調整会議にお諮り申し上げました。それから、大蔵原案につきましても、与党の合同会議で十二月二十日に御説明申し上げたところでございます。それから、復活折衝の間におきまして、復活重点事項の決定など復活折衝の過程につきましても、与党の政策調整会議ですとかあるいは与党責任者会議などに常に御報告を申し上げるよう努力してまいったところでございます。 いずれにいたしましても、社会経済情勢がいろいろと変化してまいりますのに即応いたしまして財政のニーズが出てまいります。その中で、財源を重点的、効率的に配分いたしまして財政構造改革を推進してまいることができますよう、今後とも与党の先生方に一層御指導賜りたいと考えているところでございます。
○清水澄子君 もう一度私は大蔵省に要望しておきますけれども、厚生関係だけで少子化対策とかそういうことはできないんですね。むしろ、一番財政の基本のところにおられる大蔵省は、少子社会に対応した経済社会にしていくためには、もう少し子育てという実際に需要のある子育て世帯の可処分所得を思い切って引き上げていく必要があると思うんです。これは、潜在的な子育て費用を有効需要として引き出していくということは、景気対策にとっても効果があるわけです。また、子育て福祉のインフラの整備というのは、子育てのマンパワー雇用の拡大とか、これからの少子・高齢化社会に適した財政のあり方とか、そういう意味で非常にこれは景気対策にもつながるわけなんです。 私は、そういうときに大蔵省はもっと抜本的に、やはり子供を一人育てている夫婦には所得税の四分の一を控除するとか、二人育てている場合には四分の二の控除をする、三人は四分の三を控除し、四人以上はゼロだというくらいの大胆な、社会全体で子育てを支援していくというようなことがこの税制のあり方の中でも検討されるべきである、私はこのことを強く主張したいんです。 そのことでどのくらいの規模の減税になるのかというので試算をお願いしましたが、そういうのはないということですけれども、私はここにおいてぜひそれをつくってきていただくことを要望しておきたいと思います。簡単に言ってください。
○説明員(伏見泰治君) 事前に資料の御要求をいただきまして、お答えができませんでしたのですが、実は現行の税務統計でございますけれども、例えばサラリーマンですと、給与所得者の収入階級別、それとそれぞれの階級に応じまして扶養人員が何人いるか、こういった統計はあるのでございます。 ところが、この扶養人員の中には、例えば両親を扶養されているとか、あるいは特定扶養控除などの対象となっている子供が入っているということで、統計が細分化されたものになっておりません。今の先生の御指摘でございますけれども、そういったさらに細かいところのデータまでございませんと試算ができませんものですから、残念ながら現行の今の状況では試算ができないという状況でございます。
○清水澄子君 絶対につくれないということはないと思いますから、試算をしていただくことをここで要望しておきたいと思います。 時間がありません。どうぞ大蔵省の方、もうそれで結構です。 次に、厚生大臣にもお願いしておきたいんですけれども、財政構造改革の理念は私は非常に大事にしなきゃいけないと思います。しかし、厚生省だけがひとりそれに熱心だというのも困るわけでして、やはり今後、補正予算とかいろんな問題が起きているわけですけれども、このままでいくと非常に私は社会保障関係の予算は窮屈になると思います。私は今も申し上げたように景気対策というのは何も他の建設省とかそういうところの工事とか以外は景気に波及しないんだということではないと思いますから、介護基盤制度が効果的にスタートできるような介護基盤制度の前倒しとか、それから子育ての人たちの支援とか、そういうことをぜひ大臣は積極的に努力していただくことを私はここで強く要望を申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) この十年度予算も、全省庁マイナス予算を組む、そこで科学技術庁と厚生省だけ例外で増額を認めますよという中で組んだ予算であります。 今後、仮に補正予算で、補正だからほかの省庁の予算は別だ、ふやしていいんだということだと前提が違っていますから、それだったら社会保障関係、厚生省関係だって伸ばすべきところ、しなきゃならない仕事もたくさんあるわけです。厚生省だけそのままですよということを私は承知するはずがありませんから、その点は私もきちんと前提から議論して、厚生省関係予算も必要なところは積み増ししなきゃならぬという主張はきっちりとしていきたいと思っております。
○清水澄子君 ぜひよろしくお願いいたします。 では次に、ダイオキシン対策についての質問なんですが、先ほど同僚の皆さんが御質問なさいました。そういう中で、私はさっきの大臣の答弁が一番正常だなと思ったんです。というのは、母乳が汚染されているなんということはそれは人間自身がその環境の中で全体が汚染されているんじゃないか、そういうことをどう感覚的に重要視するかというところからしか私はこういう問題の対応というのは始まらないと思うんですね。それが何ピコグラムだの何だのとその数字だけいつも並べられても、実態、現実にはやっぱり普通の人の感覚はそういうものじゃありません。 しかし、かといって私も非常に不安をあおればいいというものではありませんが、今私たち日本の置かれている状況というのはやっぱり非常に問題があると思うんです。特に外国の例も参考にすべきところはしなきゃならないんですけれども、日本の場合のダイオキシンの発生というのは九〇%はごみなり産業廃棄物の焼却場を中心にした問題が今多いです。ですから、やはりどこに問題の所在があるかはちゃんとわかっているわけです。 今度の帯広畜産大学の中野教授の御指摘も、調べた牧場というのは非常に産廃焼却場から半径四十キロも離れた地域であってまだ環境がいいところである、都市部、都市化の進んだ地区ではもっと高い数値が出るのではないかと心配をしておられるわけです。ですから、もっと早く広域的な調査の実施とダイオキシン規制を考えるべきではないか。私は、こういう問題提起をやっぱり速やかに一回受けとめてみるということをぜひやっていただきたいし、するべきだと思うわけです。 さっきもいろいろ質問がありましたが、厚生省の耐容摂取量というのは体重五十キロの大人、成人が一日に体重一キロ当たり十ピコグラムまでは安全ですという安全指針を出して、それよりも下回っていますからという説明であるわけですね。ですけれども、やはり特にさっきから子供という問題が出るんですが、五十キロの成人に合わせた基準ではかるということは、子供はやっぱり違うと思います。やはり子供の場合は、今の中野教授は、一グラム当たりダイオキシン〇・二ピコグラム合まれている牛乳五百ミリリットルを飲むと大人の耐容一日摂取量の二〇%を摂取してしまうことになる、そういうことを指摘しているわけです。 ですから、そういう意味で今WHOを初めオランダ、ドイツでもこれを、日本はそこも皆十ピコグラムだったんですけれども、今一ピコグラムに下げることがほぼ決定しているということを私どもは聞いているわけです。やはりこういう耐容摂取量の数値等も一度見直してみる、日本の置かれた環境の中でどういう数値を決めるべきか、事は緊急に急いでいただきたいと思いますが、その点についてぜひお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 一日耐容摂取量に関しましては、諸外国のデータ等も含めましていろいろ御議論いただいた上で、当面十ピコグラムという判断値を出しているわけでございます。 ただ、これにつきましてはこれでいいと言っているわけではございませんで、ダイオキシンに関します知見を、世界的にもあるいは我が国内におきましても、多少立ちおくれという御指摘がございますけれども、かなり収集をいたしまして今いろいろ分析もいただいております。ただこのTDIの数字をいじればいいというものではなくて、このTDIに基づいてどういう措置をとるかがワンセットでありませんと対策としては功を奏しないわけでございます。例えば、耐容摂取量十ピコを超える可能性のある食品がもし出てきた場合にはその流通の禁止等々といったようなことも考えなければいけないわけでございまして、そういう数値の見直しと、それからそれに対応する対応策というもののセットでいろいろ考えていかなきゃいけないと思っております。 それから、子供に着目した基準というような御指摘もございます。ただ、これはまだ、例えば赤ちゃんのときに飲んだ母乳によってずっと一生にわたってどういう影響が出るのかというふうなこと等については、私どもはそういう資料も目にいたしておりませんが、確かに八カ国の環境大臣会議でもいろいろそういう御議論がされたようでございますし、WHOあるいはOECD等でも今後御議論がなされるものと思っておりますので、我が国としましても積極的に参加をいたしまして、そういった国際的な動向も踏まえた対応というものを考えていく必要があろうと思っております。
○清水澄子君 さっきからおっしゃっているのは、母乳を飲むのは一年間だけだとか言うんですけれども、結局ダイオキシンは脂肪に溶けやすい物質で、脂肪の多い魚とか肉とか乳製品とか卵などに含まれやすいわけです。ですから、体への取り込み量の七〇%、九〇%はそういう食品から体に入ってくるわけです。お乳は一年しか飲まなくても乳製品というのはずっと子供だけじゃなくて大人もバターとかチーズとか乳製品は食べるわけですし、特に子供のときの汚染度というのは非常に影響が強いんじゃないかということは国際的にも問題になってきていると思うんです。 そこで、私の友人が実は札幌で保育園を経営しているわけですが、きのうも電話が入りまして、そして、保育園では毎日子供に百八十ccの牛乳を飲ませることになっている。これは学校給食でもそうなんですけれども、そこで彼女は非常に心配して札幌市に牛乳の安全性について問い合わせたら、今厚生省がおっしゃるように、ダイオキシンの濃いものと薄いものとをブレンドしているから問題はありません、そういうふうに答えられたと。ブレンドして薄まっているから、市販されているものは薄まっているからいい、いろいろなところから集めたものを混ぜているわけだからと。しかし、そういう答えを市がそのまま問い合わせた者に答えている状況では、やはり子供の命を預かっている保育所とか学校とか、そういう本当の意味で最も良心的に非常に食べるものに気を使っている人々は、それでは私は納得をしないと思うんですね。 それで、その方から牛乳は安全だと議員は言い切れるかと言われると、私も余りそのことだけですぐ騒ぐべきではないとは言ったんですけれども、では安全かと言われると私も答えられないです。 それは牛乳だけの問題ではないと思います。それは、一つの牛乳に汚染度が出ているということは、食物は食物連鎖で空気なり小なり土壌の中、いろいろ連鎖の中で出てくるものですから、あらゆる他の食物とも関連したら、それはどのくらいのものか私もわかりません。だから非常にこのことについては他の国が、特に乳脂肪についてはオランダやドイツは六ピコグラムとか五ピコグラムとかというものを決めて、それ以上の濃度があったときには廃棄処分とか取引禁止をしているわけです。そういうことはこのごろみんな情報で知っているわけですから、それらについて日本はなぜやらないのかと聞かれて私たちが答えられないのでは非常に困るわけです。 ですから、そういう意味でこのことについては緊急な対策をとるということ、むしろ私は強い姿勢を示されることが多くの国民に納得されるでしょうし、その点を私はぜひ強く要求したいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(小野昭雄君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、確かにオランダ等で規制があるわけでございます。ただ、数字を申し上げましたように、数値が少しばらついたりしておりまして、恐らくその数値の根拠とどういう判断基準によっているのかということが、規制数値あるいは規制の内容も大切ですが、そういう根拠のところをよく見ませんと、我が国においてどういうデータを整備し、規制を検討するかという参考にもなりませんので、ただいま諸外国に関しましては規制の実情等について調査をいたしているところでございます。
○清水澄子君 そこで要望なんですけれども、もう一度やはり今の排出の調査の仕方を考えるべきじゃないかと思いますね。そして、特に特別の廃棄物処理場とか焼却場が集中している地域とかそういうふうな地域性のあるところの環境リスクといいますか、そういうものを調査する部分と、それから現在のシステムの中で焼却施設に対するダイオキシンの規制というのは濃度規制なんですが、それだけじゃなくて灰とか水も含めて、また飛び散った灰とか焼却灰、そういうものも加えた実態調査、排出規制の総量規制をしていくべきではないかと思います。 それから、やはり総合的な疫学的調査。さっきもお話があったんですけれども、最近このダイオキシンというのが、今も新聞に出ていましたけれども、二十代の精子が四十代の半分近くに減少しているなどという統計が出ているわけですね。ですから、ダイオキシンは環境ホルモンの生態系への影響に非常に強く今あらわれているわけですから、従来の尺度でははかれない状態が起きているんだと思います。ですから、私は厚生省はもっと研究者を学際的に動員して総合的な疫学調査を行っていくべきではないか。 そのためにも、やはり国際的にも子供の環境基準、環境保健ということが、これは昨年のG7の環境大臣会議でも国際的な課題になっておりますので、ぜひ子供の環境保健に合わせた基準も一緒にここで考慮していただきたいと思います。その点を、私はあと一つ質問したいので、簡単にお答えいただけないでしょうか。
○委員長(山本正和君) これで時間が終わったので、質問もこれで終わってくださいね。
○清水澄子君 それでは一つだけ。 特にその実態調査を検討し直すということと、それから大臣に私はぜひこのダイオキシン問題について円卓会議を設置したらどうかということを提案したいと思うんです。 と申しますのは、厚生省もいろいろな研究をされているわけですけれども、健康に対する実態調査を実施していくということは、やはりその地域とか地元の住民の協力がなければできないでしょうし、それから精子とか母乳を調査するというのは、個人といいますか、そういう市民の協力なくして続けられないと思うわけです。 ですから、ある研究者は草の根の科学の展開が重要だということを申しておりますけれども、やはりそういう広い人たちがさまざまな立場で研究をした声とか、お互いが調査したデータとか、そういう知見をオープンに議論したり調査したり研究を重ねていくという、みんなで共同でそういうダイオキシン問題を討議する、円卓会議でみんな輪になって一緒に協議していく、そういう場を設置する方が、みんなで地域の問題も考える、生活の問題も考える、あとはみんなそれぞれの生き方の問題になると思いますよ、廃棄物などの問題は。 ですから、そういうことをぜひ私は厚生大臣に強く要望したいわけですが、ぜひそれを取り上げていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○委員長(山本正和君) 清水君の質問時間がもう一分半超過しておりますが、ひとつお許しをいただきまして、答弁をお願いします。
○政府委員(小野昭雄君) 食品あるいは血液等の人体汚染の実態あるいは母乳等につきまして鋭意検討を進めているところでございますが、その調査の対象地域の選定でありますとか調査の仕方につきましては、各方面の専門家の御意見も聞いた上でやっているところでございます。 また、焼却場の飛灰、灰に一番たくさん含まれていることはわかっているわけでございますが、水に関しましては、一般に水に溶けない性質を持っておりますので、その辺は今のところは問題がないのではないかと私どもとしては考えておりますが、逐次これも実態を把握したいと思います。 それから、大幅な疫学調査をということでございますが、この必要性自身を私どもは否定するわけではございませんけれども、どういう健康障害にターゲットを絞ればいいのかという点がまだ十分解明されていない点があります。そこで今いろんな人体汚染や何かの調査をやっておりますので、そういうものから得られた成果を少しずつ吐き出していきまして、それでまとめ上げて、何を調べればいいのかという、恐らくそういう方向に持っていかなきゃいけないということで、五カ年計画でとりあえず大規模な調査をするということでございます。 付言いたしまして、環境ホルモンに関しましては、これはまたこれで別の研究班で研究をいたしておりますので、つけ加えます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 実際の円卓会議というので円卓を囲んで会議するということは別にして、ダイオキシンの問題は重大な問題ですので、これは内外の関係機関ともよく情報交換をしていろいろな専門家の意見を聞き、なおかつ調査をしたら結果を公表する、情報公開を進めて真剣な対応策が必要だ、その施策の推進にできるだけの努力を払っていきたいと思います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 午前中の田浦議員と大臣の財政構造改革法についてのやりとりがございましたけれども、大変私も興味深く聞かせていただきました。もともと財政構造改革法に私たちは反対の立場をとりましたけれども、そして今廃止の立場から本年度の予算につきましても積極的な社会保障の予算についての組み替える動議を出しているところでございます。廃止の立場ですけれども、見直しが非常に強まってきている、声が大きくなってきている中で、大臣にお願いしたいことは、社会保障のカットだけが残るというようなことがないように御努力をお願いしたいと思います。 きょうは具体的に、財政構造改革法で医療費の削減などに非常に重大な影響があらわれるということが必至なわけですけれども、それは国民の生命と健康にかかわる問題ですからとりわけ私は看過できない問題だというふうに思うわけです。 きょうは私は骨髄移植の問題についてお伺いをしたいと思うんですけれども、骨髄移植が始まりまして多くの命が救われてまいりました。平成三年の十二月に骨髄移植推進財団が発足をして、骨髄バンクの事業が始まって満六年が過ぎたわけですけれども、この間の骨髄移植の実績はどうでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 財団法人骨髄移植推進財団を通じました骨髄移植は、いわゆる善意の骨髄提供者による非血縁間の骨髄移植でありまして、平成十年の二月末時点では骨髄提供希望者の登録人数は九万三千四百十九人でありまして、平成三年十二月に同法人が発足して以来合計千四百四十二件の移植が行われていると承知をいたしております。 また、その成績につきましては、疾患やその疾患の中の進行度合いによる差がございます。例を挙げますと、移植後五年間再発せずに生存している率は、重症の再生不良性貧血の患者さんでは七〇ないし九〇%であり、慢性白血病の患者さんでは四〇%ないし八〇%であると承知をいたしております。
○西山登紀子君 これは、この間の国民の皆さんの非常な協力とそれから善意、医療の進歩とボランティア、行政の関係者の皆さんの御努力によるところが非常に大きいと思うわけです。 ところで、登録患者の数は六千百六十七人であるのに対しまして、二次検索の適合患者数は四千七百五十二人でございます。私も素人ですから詳しいことはよくわかりませんけれども、つまり二三%の患者が亘LAの適合ドナーを発見できない状態だということを教えていただきました。つまり、これはドナーがまだまだ非常に少ないということの一つの指標になるんじゃないかなと思うわけです。 厚生省は、これまで十万人のドナーがいれば約九〇%の患者さんにHLAの適合したドナーが見つかるとしてこられました。そこで、五年間で十万人の登録を目標に取り組んできたんですが、もう既に五年が過ぎているわけです。そして、十万人に迫るところまで今来ているわけですけれども、十万人を達成してもなお待機者が出るというリアルな現実が今ここにあるわけです。ということは、相当な待機者が出ているという今の状況から見まして、当初のこの想定に対して、やっぱり見込みが違っていたということではないんでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 現状の適合率は、先生がおっしゃられましたように八〇%弱でございます。 それで、平成三年十二月の財団発足当時は、九〇%の適合率を前提といたしまして十万人の登録者を募集、それで九〇%適合すると。そのときでも一〇%はやっぱり適合できないということは計算されていたわけであります。この九〇%の適合率というのは、財団発足当時の知見によりまして設定をされたものでございまして、当時の推計は適切なものであったと私は考えております。 いずれにいたしましても、厚生省といたしましては、骨髄移植提供者の確保に向けて、骨髄移植の普及啓発活動の一層の充実を図るとともに、海外の骨髄バンクとの相互連携を引き続き推進することなど、骨髄移植の推進に一層努めてまいりたい。そして、登録者をふやすことが、実は十万を超えてだんだんふえていくことは、八〇%弱がだんだん率が上がっていくことになるわけですから、やっぱり登録者数をふやしていくということが大事なことだと思っております。
○西山登紀子君 ドナーの登録をふやしていくことが大事だということはお認めになったわけですけれども、現実にまだまだ二三%と比率が低いということは現実の問題としてあります。 それで、厚生省が骨髄移植調査研究事業で、平成八年度にHLA型適合に関する研究というのをやっていらっしゃるんですけれども、その中で、適合率とドナーの規模について一歩踏み込んだ見解が述べられているわけです。私は、これは非常に注目しているわけです。 九六年八月から遺伝子レベルの適合検査が行われているんですけれども、この研究では、従来型のHLA適合ではドナーサイズが十万人の場合だと適合率は八〇%でしかないと言っている。そして、遺伝子型の適合で見ると、その適合率を八〇%まで高めるためには約二十万人のドナーが必要だと結論を出しているわけです。適合率を九六%まで高めるとなれば五十万人ぐらいのドナーが必要だというようなことも述べていらっしゃいます。さらに、実際に骨髄提供がされるためには数人のHLA型適合の候補者が必要であるというところから、さらに数倍のドナーサイズが必要だということも忘れてはならないというような御報告があるわけです。つまり、今の五年間十万人程度というようなことでは非常に不十分でして、遺伝子型のレベルでいえば二十万人、実際にはその数倍のドナーが必要だという結論を厚生省の研究で既に出していらっしゃる。私は、これは非常に注目したいと思うんです。 私の知人の中にも、昨年、十九歳で娘さんを亡くされた方がいらっしゃるんですが、発病は十四歳のときです。そして、結局ドナーが国内で見つからないということで海外にドナーを探しに行った。一件三万円もかかるそうです。それで、三十件探したけれども結局いないということから、結局は去年亡くなっているんです。 患者さんの中からも、ドナーをもっとふやしてほしいという要望が切実ですが、厚生省はこれからどれぐらいの年度でどれくらいの目標でお取り組みをなさるのか、この点を明確にしてください。
○政府委員(小林秀資君) 今、先生がお話しされましたように、よりよい移植成績を上げるためには、これまでのやり方から遺伝子段階までの白血球の型を合わせるということが大切になるわけであります。 そういたしますと、今の十万人体制ではなかなか適合率が合わないということになってくるわけでございます。財団におきましては、さらなる骨髄移植の推進に向けて遺伝子段階の適合率を九〇%確保するためには、というのは、もう適合のやり方が違うということ、もう少し進んでいるということで、その遺伝子段階の適合率を九〇%確保するためには、長期目標として骨髄提供者数三十万人、当面は二十万人を目標として普及啓発活動を推進することとしているというふうに承知をいたしておるところでございます。
○西山登紀子君 当面は二十万人、将来三十万ということで、当面というと何年先かとか年度、その目標をちゃんと言ってください。
○政府委員(小林秀資君) 我々の方としては、できるだけ早く目標が達成されるようにという言い方しか現在の段階ではできないのでありますが、一生懸命やって、早ければ早いほどベターなわけですから、努力してまいりたい、このように思っています。
○西山登紀子君 目標が二十万でも、例えば極端に言えばそれを一年でやるのか十年でやるのかによっては予算の規模も全然違うと思うんです。ですから、これはぜひ、二十万を目標にしてできるだけ早期と言われたのは大変結構なんですけれども、やはり年度目標をきちっと立てて、やっぱり命の問題ですからやっていただきたいと思うんです。 ところが、大臣、その点で問題は、来年度予算を見ますと、この財政構造改革法絡みで、骨髄移植に対する対策費というのは、平成九年度は六億六千万円あったんだけれども、来年度は五億八千万円、約八千万円、一二%が削減をされております。平成九年度の財団の一般会計予算を見ますと、収入全体の患者負担は四六%にも達していて、国庫補助金というのはわずか二七%でございます。あとは寄附金です。財団自身の経営というのが非常にこれは揺らいでいるということなんです。 そこに向けて、今度財団の補助金が大幅にカットされているということを私は調べてみて、これは、本当にこんなことがあっていいのかというふうに思いました。八千万いきなりばんと減っているんです。中身を調べてみますと、先ほど言いましたドナーを確保していく事業、これが二千九百十一万円、これが一気に減らされている、相手は骨髄移植推進財団です、補助先は。 もっと細かく言いますと、普及啓発費なんというのはポスターを減らすというふうになっているんです。二百三十六万減らしてポスターを減らすというんです。さらには、例えば骨髄移植情報管理事業としてのコンピューターに対する補助率も五百六十二万円減らすだとか、それから千百三十六万円、骨髄バンク推進対策事業費として減らしてしまうとか、あるいはデータバンクの登録、これは日本赤十字社に対するデータバンクの登録を四千百七十六万円一気に減らしたとか、こういうことをおやりになろうとしているというのは、私はもう本当にこれは今おっしゃったドナーが足らないからドナーをもっとたくさんというふうなことと全く逆行していると。財団の運営は火の車でございます。これは非常に待っていらっしゃる家族や患者の願いからいたしますと、これはやはり逆行すると思うんですね。 大臣、先ほど言われましたように、非常な思いで自分は削ってきた。ところが、他省庁はぼんぼんたがを外していくということで、大臣は随分怒っていらっしゃるんですけれども、こういうことをやらなくてもいいようにひとつ御努力をお願いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) まず、私からお答えをさせていただきます。 財団法人骨髄移植推進財団に対します補助金に関しましては、現下の厳しい財政事情を勘案いたしまして、各種委員会の効率的な運営や調査研究の見直しを図るなど、全体として財団に対しては約二千九百万円の削減を行うことにしたところでございます。先生の御質問の数字と若干違ってまいりますのは、日赤本社に対する補助金の分が今の二千九百万には入っていないものですから、そういう数字になります。 このような厳しい財政事情ではありますが、同法人においては、寄附金収入、登録料等、さまざまな財源確保に努めることによりまして骨髄バンク事業の活動は従来に増して展開できるものと考えておるところでございます。 この場でも私から要請させていただきたいのは、ここにいらっしゃる先生方にもぜひとも登録については御協力いただく、そういうふうな口伝えをしていく、そういうことも我々としては、ある意味では少しスタートから広がってくれば、だんだん情報伝達というのも安いコストで私はできるものもあるのではないかと思っておりまして、この予算で従来にも増して事業が展開できるものではないか、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) この補助金の問題は、一昨年の補助金にまつわる不祥事で補助金を廃止しろという議論が出たんですよ、いろんな方から。しかし、補助金を廃止しろと簡単に言うけれども、すべての補助金が悪じゃありませんよ、ずさんではありませんよと。 しかしながら、補助金を廃止しろという大合唱の前で、あらゆる補助金見直します、公益法人は前年度より必ず削減しますということで、一々すべての補助金削減、見直しをやってきたわけです。それが、一億円じゃないですよ、二千九百万円削減してこれだけの批判とか問題点が出てくるんですよ。いかに補助金の削減が難しいかおわかりいただけたと思います。簡単に補助金を廃止しろと言うけれども、そんなものじゃない。 今回、この財団に対する補助金は約二千九百万円削減いたしましたけれども、必要な事業活動については寄附金収入とかいろんなことを考えて財源確保も今までの事業展開に支障がないように努めていかなきゃならないと思います。 これ一例とってみてもいかに、数十億じゃないんですよ、何千万円、何百万円単位で努力をしているかということも御理解いただきたいと思います。
○西山登紀子君 大臣、はぐらかさないでほしいと思うんですね。やっぱり骨髄移植というのは、もともと厚生省が本来もっとお金を出して主体的にやらなきゃいけない問題ですよ。それをわずか国庫補助金二七%しか渡していません。非常に難しい事業ですから、これは。そんな簡単な事業じゃないんですよ。しかも、命が助かるという、これはドナーさんがたくさんいれば見つかるという方法だってわかっている事業ですよね。それを削減するという問題ですから、私は今の大臣の御答弁には納得がいかない。 この患者の三分の一は子供なんですよ。三人に一人は子供さんですよ。だから、そういう問題として、今「金色の鯨」という上映運動もずっと行われているんですけれども、これは幼いお子さんのそういう骨髄移植の問題で、私も見せていただきましたけれども、非常にいい映画です。そういうのが子供たちの間でもずっと広がって、この骨髄移植についての国民の理解が広がろうとしているやさきに、こういうドナーをきちっと求めていくという事業をこんなにばっさり削ってしまうというのは、余りにもこれは非情過ぎるということを申し上げたいと思うんです。 このテーマの最後に、国の補助金の打ち切りの中で患者の自己負担金というのが改めて大きな問題になっているんですね。この自己負担金というのは、骨髄移植をするため必要な骨髄バンクの登録料、これが高いんですよ、初回三万円、コーディネート料が十万円、三次検査料というのが六万円から十三万円、ドナーの障害保険料は約十四万円、ドナーの健康管理等調査料が十一万六千円など、総額五十万円程度かかるわけです。腎臓移植の場合にはこの患者登録料が一万円だけであるということから比べても過重だという声が出ております。 患者の経済的負担を軽減するためにこの自己負担金分を保険の適用にしてほしい、検討してほしいという要望が上がっているわけですけれども、いかがですか。
○政府委員(高木俊明君) この骨髄移植にかかる費用なんですけれども、これは移植にかかる費用、これは入院三カ月程度で標準的に見ますと約一千三百万ぐらいかかる。これは当然保険適用になります。金額的に見ますと高額療養費の対象になりますから、患者さんは月に六万三千六百円の負担で済むわけであります。それから、いわゆるドナーの方からの骨髄採取にかかる費用、これが六十万円ぐらいかかるわけでありますが、これも保険適用になっておるわけです。 問題は、今、先生御指摘の、これ以外にいわゆるドナーの方の障害保険料とかあるいは健康管理調査料、あるいはコーディネート料というのは、これは結構高くて、全体を合計しますと約五十万円ぐらいになる。 これは現行の医療保険制度でどこまでカバーすべきなのか。現行制度は医療保険ということで治療なりそういういわゆる疾病に関連したところについて保険でカバーしておりますが、この辺の周辺、ある意味では周辺であり、ある意味では必要経費でもある、そこら辺はなかなか難しい問題がありまして、やはりもうちょっと私どもとしても、現行法でいけるのか、あるいはきちっとした改正が要るのかも含めて研究させていただきたいと思っております。
○西山登紀子君 ありがとうございました。ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。 それでは、次のテーマなんですけれども、少し時間が短くなりましたので質問を先に進めます。 やはりこの財政構造改革法のもとで、社会保障の大幅カットの中に、実は児童扶養手当のカットというのが入っているわけですね。これは私も十二歳のときから母子家庭で育ちましたから特別の関心を持って見ておりましたけれども、やはり断行されているわけですよね。これはもう非常にマスコミなんかからも強い批判が出ているとおりなんですけれども、二重、三重に差別を受けている今の社会の中で母子家庭の子供たちを何とか救いたいということで児童扶養手当というのは設定がされているわけでございます。 そもそもこの児童扶養手当制度の目的と趣旨をお話しください。
○政府委員(横田吉男君) 児童扶養手当制度につきましては、離婚や死別等によりまして生活困窮に陥った母子世帯の生活の安定と自立の促進を図ることによりまして、児童の健全育成を図ることを目的としたものでございます。 この制度は昭和三十六年に創設されておりますが、これは国民年金におきます死別母子世帯を対象といたしました母子年金あるいは母子福祉年金の補完的な制度としてスタートしたものでございます。その後、昭和六十年になりまして、年金制度の改正により母子福祉年金が遺族基礎年金制度に吸収されまして廃止されたことに伴いまして、現在のような制度に衣がえして現在に至っているものでございます。
○西山登紀子君 児童扶養手当といいますのは、児童の福祉の増進、それから児童の心身の健やかな成長に寄与するというところで設けられているわけですよね、母子家庭の。ところが、今回の措置で一部支給の所得制限が四百七万八千円が三百万円に引き下げられるということによって、七万世帯からその手当が奪われるという結果になります。 私が問題にいたしますのは、地元のお母さん方にもお聞きしましたけれども、まさかこういう手当が奪われるというふうには思ってもいなかったとおっしゃるわけですよ。こういう手当がいきなり削減されるということは、母子家庭にとって毎日の日常の生活設計が狂うだけではなくて、子育ての将来の設計にも重大な影響を及ぼすし、子供たちの夢を奪うというふうに私は思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(横田吉男君) 今回の児童扶養手当制度の所得制限の見直しにつきましては、この制度そのものにつきましてしばらく前から見直しが提言されていたことを受けまして、昨年の児童扶養手当部会の報告書を踏まえて行ったものでございます。 御指摘のとおり、この所得制限の見直しによりまして、受給者本人につきましては年収三百万円から四百七万円の方々が、また実家に戻っておられるという方につきましては年収六百万円から九百四十六万円に該当する方々が本年八月から支給ができなくなるということでございます。こうした方々にとりましては、それだけ家計もきつくなるということで、私どもも陳情も受けております。 確かに、母子家庭の収入そのものを見ますと、一般世帯の平均収入が六百五十九万円、中央値で見ましても五百五十九万円ということでございますので、低い水準にあるわけでありますが、母子家庭の実態を見ますと、現実には約八割の方が二百万円以下の収入で頑張っておられる方々であります。 この制度、最近、離婚の増加によりまして毎年二万人程度ずつ受給者が増加しております。給付費の方も百億円ずつ毎年増加しているというふうな状況でございまして、厳しい財政状況の中で私どもこの手当を真に必要とされている母子世帯の方に給付を重点化させていただく。それからまた、母子家庭以外にも低所得の方が二百万世帯ほどおられます。そういった方とのバランス等も勘案いたしまして今回の見直しを行わせていただいたということでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○西山登紀子君 私も、母は一人で三人の子供を育ててくれましたけれども、高等学校のときから奨学金をもらっておりました。私が母子家庭で育ててもらっているときには児童扶養手当というのはありませんでしたから。何もなかったんです。だから高校から奨学金をもらい、大学も奨学金をもらって教育をつけてもらったということでございます。 一人で子育てをするということと二人で子育てをする、家庭を支えるということの、この違いというのは私は本当に歴然としていると思うんですね。単に収入の額が同じだとかそういう比較のものではなくて、だからこそ母子家庭には児童扶養手当というものをきちっとつけて、母子家庭の子供の福祉の増進のためにということでこの手当が創設をされたという経緯があるだろうと思います。 そこで、ちょっと時間が切迫しましたので先に移りますけれども、この問題について関係団体はもちろん納得しておりません。全国母子寡婦福祉団体協議会というところもことしの三月十二日に児童扶養手当の所得支給制限の緩和を図ることという要望書を既に出していらっしゃいますし、運動も続けていらっしゃるわけです。 もう一つ重要な問題は、この児童扶養手当に連動して自治体が母子世帯に対して行っているさまざまな援護策が下に連動して切り下げられていく、こういう影響が出るということが懸念されているんですが、その影響をどれぐらい把握していらっしゃいますか。
○政府委員(横田吉男君) 各地方自治体におきまして母子家庭を対象として独自の施策を行っているところはございます。例えば、医療費の自己負担分について母子家庭を対象といたしまして無料化している府県がございます。その基準としてこの所得制限の基準を準用しているところがございます。医療費助成制度で見ますと、四十七都道府県すべてで実施されておりますけれども、この所得制限の基準を準用しているところが二十九県ございます。今回の所得制限の見直しに連動いたしまして、見直しを行ったものは現時点で二十一県あるというふうに承知いたしております。
○西山登紀子君 今、把握しているということを言われたわけですけれども、やっぱりわかってやったんですね。そういうふうに地方自治体が連動して下に下げるということがわかってこういうことをおやりになったというのは、私は余計許せないというふうに思います。 むしろ、厚生省がいいことをやって、地方自治体も連動してもっといいことをやりなさいというふうなよい施策の引き船の役割じゃなくて、むしろ引き下げる引き船の役割をされているということは非常に問題だと思うわけです。 それで、私の地元は京都ですが、京都の市議会からも政府に対する意見書が上がっております。これはやはり母子福祉会からの陳情に対して京都市議会が決議をしたものでございます。ほかの県からも幾つか上がっているようですけれども、こういう地方の意見というのは非常に重要だと思います。 少し紹介をしたいと思うんです。この児童扶養手当制度という問題は、受給者数及び給付費も大きく最近は増加して、母子家庭の生活の安定と児童の健全な育成に大きな役割を果たしてきたと。現在、本市においても九千人余りが受給しており、まさに母子家庭の命綱とも言える制度となっていると。よって、政府においては児童福祉の一層の向上が引き続き図られるよう児童扶養手当を現行どおり支給することを強く要望するというふうな意見書の内容になっているわけでございます。 大臣に最後にお伺いいたしますけれども、児童扶養手当というのはもともと児童の福祉の増進のため、児童の心身の健やかな成長に寄与するということで創設がされたものでございます。ましてや、今消費税の増税や医療費の増大などによって母子家庭の生活そのものが非常に苦しくなっております。この制度の充実こそが求められているというふうに思いますので、いろいろな財革法の見直し、補正の問題等、いろいろ出ておりますけれども、私たちは今回の予算の中で組み替えて、このことをもとに戻すということをぜひやるべきだというふうに考えておりますが、大臣の御所見を伺って終わります。
○国務大臣(小泉純一郎君) これも予算をふやしてという状況で予算編成するのならば削減しないで済んだ方法もあるかと思いますが、これは全部見直さなきゃならないということから出てきた措置であります。 御主張の点を考えますと、全部ふやさなきゃならないんですよ。削減したところ全部いかぬというわけでしょう。こうなったら財政構造改革も予算も組めなかったんです。その点もお考えいただきまして、なおかつこの児童扶養手当については、もともと別れた夫から養育費を受け取っている者が一五%しかいない、これは国が離婚手当を支給しているものじゃないかという批判もあった。 なおかつ、収入は四百万円だったのを今度は三百万円にしたんだけれども、同じ収入でもその程度しかいなくて何にも手当を受けていない人が二百万世帯いるじゃないか、不公平じゃないのか、できればそういう二百万世帯にも手当をやればいいじゃないかという議論になる、予算があるのならば。それもできない。そういうことで、できるだけ本当に必要なところを重点化していかなきゃならないということでやった措置でありますので、その辺を御理解いただかないと、削減したところを全部いかぬというと、じゃどれだけ予算を使わなきゃならないのか。今、御議論をいろんな場合について聞きました。厚生省が削減した予算を全部いかぬと言うんですから。そうなると、予算が組めないんですよ。 それだけに、いかに削減するのは難しいか。そういう中でより必要なところを重点化していかなきゃならないという、この厚生省関係予算の編成の苦しさもぜひとも御理解いただきまして、御協力いただけないかと思います。
○西山登紀子君 大臣、最後に。 離婚手当じゃないかという批判があると言うんですけれども、やはり経済的な理由で女性が自立をしていく、子育でも自分で引き取ってでも生きていこうということでございまして、そういう誹謗というか中傷というか、そういう言葉は私はいただけないというふうに思います。 終わります。
○委員長(山本正和君) 今のは要望にとどめてください。
○木暮山人君 自由党の木暮山人であります。 本日は、まず医療費の問題についてお伺いいたします。 平成十年度予算における医療にかかわる国庫負担について、厚生省は夏の概算要求の時点で四千二百億の縮減額が必要と算出していました。この委縮減額は、最終的にはどのような要因でどうなったのか、お伺いしたいと思います。 さらに、委縮減額の捻国策の内訳について、説明をお願いいたします。
○政府委員(高木俊明君) 平成十年度の予算編成に当たりまして、医療費の国庫負担の四千二百億円の縮減ということが必要になったわけであります。これは、医療費が十年度どの程度伸びるかという、この辺の伸びをどういうふうに考えるかということがベースにあるわけでありますが、この四千二百億円の縮減のベースになっておりますのは、これはいわゆる夏の段階、概算要求段階における見込みでございます。 暮れの本予算の段階においては、例年そうでありますけれども、直近の実績というものを織り込んで、そして翌年度の医療費の伸びというのを見込んできておるわけであります。そういった意味で、暮れの予算編成においては、直近における状況というものを勘案して、まず医療費の見込み、積算の見直しをさせていただいたということであります。 昨年の九月から新たに医療費の一部負担の改定が行われたというようなことがございましたので、この実績は、ちょうど九月分が予算編成時点には明らかになっておりました。これが概算要求時点で見込んだ伸びよりもかなりそういう意味では医療費の抑制になっておりました。そういうことで、この九月の医療費の実績までも踏まえまして、そして十年度の医療費の伸びというのを見直させていただきました。その結果、当初よりも九百四十億円減額をさせていただいたわけでありまして、残りの三千二百六十億、これを諸施策で縮減をする、こういう形を講じたわけであります。 一番大きいのが四月からの薬価基準の引き下げ、あるいは医療材料の引き下げ、これで約千九百五十億円ということでございます。それからまた、老人医療費の適正化を徹底的に進めていくということで約六百十億円、それから支払基金等におけるレセプトの審査の充実強化というようなことで約九十億円、それから今回国会に御審議を今衆議院段階でお願いしております老人医療費拠出金の見直し、この関係で約五百六十億円ということでございまして、これらを合わせますと三千二百十億円ということになります。先ほど申し上げた三千二百六十億より五十億足りませんが、これは厚生省全体の予算の中で捻出をさせていただいたということでございます。 それから、なお、平成十年度は診療報酬の改定をお願いしたわけでありますが、この改定に必要とする財源、これは約一千億というふうに見込んでおりまして、この一千億につきましても厚生省予算全体の中から捻出をさせていただいたと、こういうような状況でございます。
○木暮山人君 平成十年度の予算編成は、医療費の自然増を圧縮することがいかに困難かを端的に示しています。しかし、現行の財政構造改革法のもとでは、平成十一年、十二年においてもさらに圧縮することが必至であります。一方、診療報酬及び薬価基準等の抜本改革は、平成十二年実施さえ危ぶまれております。このような情勢にあります。 このような中で、厚生大臣は平成十一年度の予算編成が可能とお考えでしょうか。それとも、財政構造改革法そのものに無理があったのではないでしょうか。お考えをひとつお伺いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 平成十二年の診療報酬、薬価基準の改革の実施、これが危ぶまれているというお話ですが、私はそうとっていません。これは予定どおり実施します。 ただ、現在審議会での議論がいろいろあるんで、その議論の取りまとめがおくれているというだけであって、この議論のおくれが実施のおくれと混同されている面があると思うんです。そうじゃないんです。議論のおくれは実施のおくれにつながらない。むしろ実施を速やかに、スムーズに円滑にするために時間をかけて議論をしようということで、今、審議会で診療報酬、薬価基準等を議論していただいている。この点を御理解いただきたい。でありますから、十二年度の実施はおくらせません。予定どおり実施を目指して今準備を進めている段階であるということを御理解いただきたい。 そして、平成十一年度の社会保障関係費ですけれども、これは高齢者教の伸び率増に伴う影響分として、大体二%の伸びに抑制されております。二%程度の伸びは認めようと、それ以上はだめですよという形でこの十一年度予算編成はしなきゃならない。三千億円ぐらいの伸びでしょう、そうすると。厳しいことは厳しいです。しかし、これは財政構造改革法を成立させたわけですから、その方針に沿ってやらなきゃいかぬ、非常に苦しいことはわかっています。しかし、構造改革、これからの社会保障制度を、年金にしても医療にしてもあるいは介護にしても、安定した制度として運営しなきゃいけない。 その点を踏まえて、その厳しい予算、財政状況の枠の中で永続的に安定的に運営されるような制度の改革に取り組んでいかなきゃならないというふうに考えております。
○木暮山人君 平成十年度の予算においては、聖域なき歳出見直しの名目の下に、児童扶養手当の所得制限の見直し、難病等対策、小児慢性等特定疾患の見直し等、最も福祉を必要とする生活弱者にしわ寄せが行われてきております。 その一方で、与党は、三月二十六日に十六兆円を上回る経済対策を決定し、さらに大型減税や財政構造改革法の見直しがされている状況であります。社会保障予算における当然増の大幅圧縮、なかんずく生活弱者への予算の縮減をそのままにして公共事業等をなし崩しに拡大していくことには大きな問題があると思います。 厚生大臣は、財政構造改革見直しの検討に当たり、どのようなスタンスで臨まれているかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、まだ半年もたっていない、昨年、財政構造改革法が国会に提出されて、そのときの経緯も承知しているつもりであります。また、そのときの覚悟というのは非常なものだなということを確認して、我々も協力して、この財政構造改革法を国会で御審議いただき、成立を見たところであります。 その枠の中で予算編成をしてきたというので、これを仮に同じ橋本内閣で変えますよと言うのは容易なことではないと。これは政策全般に影響してくる、同時に政治の信頼にかかわってくる問題だと言っておりますので、橋本内閣ではこの財政構造改革法を改正すべきじゃないと言っているわけです。 しかし、事態が変化したと。仮にこの財革法を変えるんだという話が出てくれば、去年のあの提案したときの経緯はどうだったのか、そのときの覚悟は何だったのかということをやっぱり私は問わなきゃいかぬ。同時に、財革法との整合性、各省庁マイナスだからということで、この社会保障関係、厚生省関係予算も五千億円程度削減するのにみんな努力してきたんです。 それが、変わったから、財革法を変えますよという形でほかの省庁の予算というものを何らかの理由でふやすということになると、これは厚生省関係予算も当然ふやさなきゃならない。ふやしていいならふやしたい部分はたくさんあるわけですから、それは私も今までの話とは前提が違ってきますから、新たな視点で厚生大臣としての主張を展開していかなきゃならない。 しかし、これは仮にの問題ですから、まだ全然そういう財革法の改正が閣議でも議論になっておりません。ほかの分野ではちらほら話に上っておりますけれども、私としては、これは橋本内閣ではしないんだろうと思っている前提で今構えておりますから、さっき言ったような答弁をしているわけです。 しかし、本当に現実に変えたい、変えるというのが政治の場で議論されるような段階になれば、私はしっかりと去年の前提とそのときの経緯、私も呼ばれて厚生省予算はどうなのかと聞かれた大臣ですから、そのときの経緯も踏まえてはっきりと主張して、政策全般に影響が出てくるけれどもそれでもいいのかと、整合性をとりながら厚生大臣としてきちんとした主張を展開していきたいと思っております。
○木暮山人君 先日に引き続きまして、昨年九月の医療保険改革以降の医療費の動向についてお伺いいたします。 昨年九月以降の医科・歯科医療費の動向について改めて御説明願いたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 昨年九月以降、九、十、十一月まで出ておりますので、対前年同期比の伸び率を申し上げたいと思います。これは、いわゆる一人当たりの医療費ということで申し上げさせていただきますが、医療費ということでありますから、一部負担も全部入った数字の伸びということで御理解を賜りたいと思います。 まず、医科の数字を申し上げますと、九月が対前年同月比で一・八%の伸びであります。それから十月が〇・九%の伸び、十一月がマイナス二・五%と、こういうことであります。 歯科について申し上げますと、九月が一・七%の伸び、それから十月がマイナス三・〇%、それから十一月がマイナス七・三%、このようになっております。
○木暮山人君 九月の保険法の改正の影響は極めて深刻であります。特に、歯科医においては月を追うごとに受診減の影響が拡大する傾向にあります。今後もさらに受診抑制が進むことが懸念されております。この点について厚生省の御意向はいかがなものでしょうか。
○政府委員(高木俊明君) 歯科の受診率を見てみますと、昨年九月の改正の影響等によりましてやはり低い状況で推移しておるというふうに見ております。この傾向がそれ以降どういうふうになっていくかということは、実際の数字を見ていかないと何とも申し上げられませんけれども、昨今の傾向からしますと大幅にこれがはね上がるということにはならないだろうというふうに考えておりますが、いずれにしましてもこの動向というものについてもう少し見定めていく必要があるだろうというふうに考えております。
○木暮山人君 昨年九月の医療経済実態調査の結果によれば、歯科診療所においては医業収入及び収支差とも二年前よりも八%減少しております。厚生省はこの点どのように認識し、今回の医療報酬改定にどのように反映させたのでしょうか、御意見を賜りたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 歯科診療所の医業収入を見てみますと、御指摘のとおり、去年九月に実施しました医療経済実態調査の中間取りまとめの結果を見てみますと、前回の調査に比べまして医業収支差額が減少しておるという実態にあります。 今回の診療報酬の改定でありますが、今回の診療報酬の改定は非常に財政的には厳しい中であります。そういった意味では、中医協においてもかなりこの辺の改定をすべきかどうかという点について意見が分かれたほどでありますし、また昨年の十二月二十日未明まで中医協自体でも議論が行われたという、非常に厳しい状況の中での医療費改定でありました。 私どもとしましては、医療費改定というのはこれまで二年に一回行われてきたわけでありますけれども、今回こういう厳しい財政状況の中とはいえ、その間における職員の人件費あるいは物価の上昇というものについてはやはり必要最小限のものとして手当てをすべきではないかというふうに考えまして、その間の人件費、人件費と申しましても人事院勧告ベースでありますけれども、それから消費者物価の上昇、これに対応する分として一・五%の引き上げをさせていただいたわけでございます。 関係の方々からすれば決して十分な引き上げということにはならないかと思いますけれども、こういうような非常に厳しい国家財政の中でもありますので御理解を賜りたいということで、このような改定をさせていただいたわけでございます。
○木暮山人君 今回の診療報酬改定では、医科については診療報酬合理化に伴う〇・七%の上積みがなされました。歯科においてこのような上積みがなされなかった理由をお示し願いたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 医科につきましては、診療科もたくさんありますし、慢性的な疾患あるいは急性疾患等々もいろいろ広範にわたるわけでありますが、そういった中でむしろ充実しなきゃならない、急がれるところについてはやはり引き上げが必要だと。しかし、財源については、これは他の部分を合理化して、そしてそれを緊急性のある方に上乗せしたということでありまして、そういった意味では医科全体の引き上げの率というのは一・五%であります。そういった意味で、今回の改正は、合理化したものをほかの緊急なものにつけるということで〇・七%合理化をし、それを緊急な方に回したということでありまして、トータルとしては一・五%の引き上げであります。 歯科につきましては、いわゆる歯科単科ということでありますので、そういった意味で先ほど御説明しました人件費、物件費の上昇に見合う一・五%の改定ということを行った、こういうことでございます。
○木暮山人君 次に、今回の診療報酬改定の内容を見ますと、小児の齲蝕多発傾向者に対する継続管理について成功報酬的な要素が導入されております。この趣旨及び内容についてひとつ御説明していただきたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 小児のいわゆる齲蝕多発傾向者に対する長期的な維持管理、こういったものについて診療報酬上も評価をしていくということでありまして、この充実のために指導料の点数を引き上げたということ、そしてその際、再発抑制に努力をしていただくということで、そういった抑制が十分なされた結果一年経過後に新たな齲蝕が発見されないという場合には、指導料に百分の百五十の加算をさせていただくということにさせていただいたわけであります。逆に齲蝕があった場合、この場合にはこういった指導料の算定ができない、こういうふうなことで小児の齲蝕多発傾向者についての診療といいますか治療の充実というものを図っていきたいということであります。 ただ、この内容というのはいわゆる予防的な治療というような考え方に近いということも言われておりまして、そういった意味では、こういったような予防的な治療を含む診療行為についての医療保険上の取り扱い、これについては中医協においても今後さらに検討し、これからの方向性というものを出していきたいということになっておりますので、今回の改定の実施状況等も踏まえて、このような検討を私どもとしては期待をいたしておるわけであります。
○木暮山人君 我々が見ておりますと、この成功報酬的な要素、それといわゆる出来高払い、こんなぐあいにいろんな歯科に対するところの支払いの関係があります。私は、別に今それを云々するわけではありませんが、やっぱりそれはどこかちょっとおかしなことも起きるんじゃないか。苦情を言うならば、非常に苦情の言いたいところだと思いますけれども、これは厚生省のおやりになることですから。 もう一つは、長年の間、今はいわゆる成功報酬よりも定額の支払い、これが四〇%ぐらいになっているといいますと、もう既に歯科というものは定額でいっているんじゃないか。いろんな意味で考えれば考えられますので、そこら辺は明確になるようにひとつお考えくださるようにお願いします。
○政府委員(高木俊明君) 出来高払いということで日本の医療費の支払いが基調になっているわけでありますけれども、そういった中で、それぞれ疾患の治療に一番ふさわしい形の支払い方というものが組み合わされた格好でいくのが一番いいのではないかという方向で今抜本改革の診療報酬の議論の中でも出ております。そういった意味で、やはりこれからも歯科治療に一番ふさわしいような支払い方といいますか、こういったものを検討していく必要があるというふうに考えております。
○木暮山人君 次に、救急医療の問題についてお伺いさせていただきます。 平成十年度予算において、休日夜間急患センター運営費が一般財源化されました。一般財源化に伴う財政影響額及び一般財源化の理由についてひとつお願いします。
○委員長(山本正和君) これで質問時間が過ぎましたので、答弁やってください。
○政府委員(谷修一君) 平成十年度の予算案の中におきまして、休日夜間急患センターの運営費補助金につきましては一般財源化を行っております。この理由といたしましては、この事業が昭和四十九年度から実施をされ既に長年経過をしている中で、市町村が事業の実施主体として十分定着をした事業であるということ、また昨年の夏に出されました地方分権推進委員会の第二次勧告を踏まえて一般財源化を行うこととしたものでございます。 なお、予算額でございますが、国庫ペースで約二十四億五千八百万という額でございまして、このすべてを一般財源化したものでございます。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
○西川きよし君 よろしくお願いをいたします。 私の方からは、ホームヘルプサービス事業の補助方式についてお伺いしたいと思います。 実は、先日ホームヘルパーさんから補助方式の見直しについてのお便りをいただきまして、いつもおはがきやお手紙を御紹介させていただくんですが、まず冒頭お聞きいただきたいと思います。 私は、ある市でホームヘルパーをしています。介護保険の導入が決まり高齢者の方だけでなく私たちヘルパーまで締め付けられるようになりました。というのは、今まで決まっていた月給制の賃金が出来高払いになるそうで、今までの一・五倍から二倍の訪問をしないと今の給与分が出ないと言われ転職していく友人も出て、私もこれからの保障が心配になってきました。 というお便りをこの人は私の方にお送りいただいたんです。 厚生省はホームヘルプサービス事業について平成九年度からサービスの提供量に応じた事業費補助方式を導入しておりますが、九年度中に事業費補助方式を導入した市町村数の割合についてお伺いしたい。また、十年度からは全市町村で新しい補助方式が導入されることになっておるわけですけれども、その内容について御説明をお伺いしたいのと、今回の見直しが行われるようになった背景、あるいはこの見直しによって現場で働くホームヘルパーの方々に対して、また利用者の方々に対してどのような影響が出るかということを、まず厚生省からお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) ホームヘルパー、訪問介護員の事業につきましての事業費の補助方式についてのお尋ねでございます。 訪問介護事業につきましては、先生今お挙げになりましたように平成九年度から事業費補助方式というものを導入したわけであります。これは介護保険制度を展望いたしまして、これへの移行ということを踏まえまして、いかにサービスを効率的、効果的に提供する体制をつくるかという観点から実施をいたしました。 中身といたしましては、ホームヘルプ事業でございましたら、ヘルパーさんが提供される量、いわば提供量に応じて補助金を出すという格好にしたわけであります。一人頭幾らではなくて、実際にやられている事業量に応じて。その際に、もちろんそれぞれに提供されるサービスを標準化して内容を区分けしまして、身体介護中心か介助援助が、こういうようなことを皆区分けしてやってきました。 平成九年度にこの方式を導入いたしまして、九年度はいわば選択方式でやりました。したがいまして、全国で三百二十六市町村、割合でいけば一〇%の市町村がこの方式を導入されまして、平成十年度には全面的に移行しようということでございます。 今申し上げましたように、このねらいでございますけれども、やはり基本的には今後の介護保険事業というものを展望いたしまして、利用者の要望に合ったきめ細かなサービスをいかに提供していくか、効率的に提供していくかという観点から実施をする、そういうことを期待するものでございます。 そのために、サービス内容を標準化いたしますとともに、事業費補助方式に移行しました自治体では、利用者の方々の心身の状況だとかあるいは世帯の状況等を今まで以上に十分把握していただいて、それを考慮した個別の援助計画をつくっていただく。そして、その個別援助計画に即しまして的確な派遣サービスをしていただく。そのことによって訪問介護員による専門的なサービスの提供が受けられるようにすると同時に、利用者一人一人にとってその方が必要とする適切なサービスが行われるようにしていくということを願っておるわけであります。 なお、このことによりまして従来の補助との関係について、先ほど投書の内容等についても御披露いただきましたけれども、私ども現行の人件費補助方式におきます補助基準というものをもとにいたしまして今度の事業費補助も算定いたしております。したがいまして、標準的な事業形態として想定されるサービス量というものを提供されるということになれば、その効率的な運営が行われている限りにおきましては、従来の補助額と遜色のないような水準の補助が行くものというふうに期待をいたしております。そういう意味で、一人一人のホームヘルパーさんの給与水準のダウンに直接それが結びつくというようなことは、効率的に運営がなされている限りにおいてはないであろうということでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 この見直しの背景の一つには会計検査院の検査結果と厚生省に対する勧告もあったということでございますけれども、その概要について本日検査院の方からもお越しいただいておりますので、まず御説明をお伺いしたいと思います。
○説明員(諸澤治郎君) 検査の概要につきまして御説明を申し上げます。 本件につきましては、平成六年度の決算検査報告において掲記いたしているところでございます。その内容でございますが、市町村におきましては、このホームヘルプサービス事業を直接または社会福祉協議会等に委託して実施しておりまして、私どもは平成四年度及び五年度に交付された補助金を対象といたしまして、その補助金の精算がホームヘルパーが実際に行った活動の実績によって適正に行われているか調査いたしたところでございます。 当時はホームヘルプサービスの利用を要望する方が多い、しかしながら全国の市町村に設置されているホームヘルパーの増加数に対しまして実際の利用者の方の数というのがそれほど増加してないというような状況がございました。 検査の結果についてでございますが、私どもが調査の対象といたしましたその一部でございますけれども、三百七十九の市町村におきまして、活動の実績が全くないかまたは著しく低い常勤のホームヘルパーにつきまして、その活動の実績を考慮することなく一律に給料等の月額によって補助対象事業費を計上しておりましたために、補助金が平成四年度で三億八千八百万円ほど、五年度で五億七百万円ほど、合わせますと八億九千六百万円ほどが過大に交付されたと認められたところでございます。 このような事態が生じておりました原因についてでございますが、一つは、都道府県や市町村におきましてこの補助金は活動の実績に応じて交付されるものであるとの理解が不足していたということ、また都道府県における実績報告の内容の審査が十分でなかったということ。二つ目でございますが、厚生省におきましても、都道府県や市町村に対しまして常勤のホームヘルパーの活動実績がない月や著しく低い月の具体的な取り扱いについて明確な基準を示していなかった、またその指導も十分でないために周知徹底していなかったなどによると認められたところでございます。 したがいまして、厚生省に対しまして、この事業の効率的な運営などを図るためにも補助金の適正な精算が行われるよう改善の処置を要求したものでございます。 これに対しまして厚生省では、会計検査院の指摘の趣旨に沿いまして八年度以降に交付する補助金について改善の処置がとられましたので、その処置状況につきましては、指摘をいたしました次年度の平成七年度決算検査報告において掲記しているところでございます。 以上でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 次に、会計検査院が調査に乗り出す理由の一つに、今もお伺いいたしましたが、ホームヘルパーの増加数に対して実際の利用者数はそれほど増加していないということがあったとされておるわけですけれども、厚生省ではこの点についてはどのように認識をされておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 検査院の方からお話のございましたように、会計検査の対象となりました平成四年度、五年度を比較いたしてみますというと、訪問介護員、ホームヘルパーの数の整備の面では、実はその間に二二・六%増加をしたのでございますけれども、利用世帯数は一六・八%しか増加をしなかったということで、数がふえた割には利用者数が伸びなかったという実態がございました。 そういった意味で、いわば利用効率と申しますか、そういった面が悪くなっているという点については御指摘をいただいたとおりでございます。これはやはり公費を入れて効果的にやっていかなければ、利用者の方々にとってそれは非常にもったいないといいますか、大変よくないことでございますから、そういう意味ではこのようなホームヘルパーの増加の伸びに対しまして利用率の向上を図ることが必要だということでございます。 なぜこういうふうになったかということについての認識でございますけれども、やはり基本的には私ども、ホームヘルパー数の増加ということは新ゴールドプランの一つの大きな目標にして整備を進めてまいっておりますので、市町村につきましてもそれぞれの老人保健福祉計画に基づきましてホームヘルプ事業の供給体制の整備をお急ぎになって、ですから一生懸命やった結果、少し利用よりも先に打っちゃったという状況がそこに出たんだろうと思います。 しかし、やはり在宅サービスを重視する観点からも、ヘルパーの数の増加とともに、やはり利用の向上ということは大変大事だと思っておりますので、こういった点についての配慮というものは私どもも大事なことだというように考えて、いろいろ改善を図っていかなければならないということで、先ほど検査院の方からの御指摘もありましたようなことを考えてやってきたわけであります。
○西川きよし君 検査結果によりますと、二年間に八億九千幾らですか、約九億円近い補助金が過大に交付されたということでございますけれども、その原因が都道府県、市町村の理解の不足、都道府県における実績の報告の審査体制、あるいは厚生省が、今もおっしゃっておられました明確な基準を示していなかった等々の指摘があったわけです。このあたりの指摘を受けるまではどのような認識をお持ちになっていたのか、そしてまた、これから事業費補助方式への転換以外にどういうことをお考えになっておられるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 検査院の方から御指摘をいただきました具体的なまずい事例としての訪問介護事業について、派遣活動が全くない月について派遣活動を延べ月数に含めるという形で補助金が出ていたり、あるいは派遣活動の実績が著しく低い月についても常勤の単価で適用しているというようなことによる額につきましては、これは不適当な補助金の精算というふうに考えざるを得ませんので、これはまことに遺憾だったと思いますし、それまでについての私どもの方の認識あるいは実態把握というものが十分でなかったということについては、もうこれは率直に反省を申し上げなければならないというふうに思っております。やはり効果が上がるように事業展開を図るということが極めて重要でございます。 したがいまして、会計検査院の御指摘を踏まえまして事業の適正化を図りますために、平成八年度におきましては、活動実績が低い常勤の訪問介護事業につきましては常勤単価の適用はしないということを、先ほどそれまでは不明確だったという話がございましたので、明確にいたしましてそういう方向にしましたと同時に、実績報告につきましても実態がきちっと把握をできるように様式改正等をしてそれに備えたわけでございます。 さらに今回、先ほど冒頭にございましたように、事業費補助方式ということに転換をすることによりまして、さらに適切なサービス提供ができるような体制に持ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○西川きよし君 完璧というのは難しいでしょうけれども、本当にこれからはいつでもどこでもだれでも、朝でも昼でも夜中でもという大変なお仕事でございますけれども、そのあたりを明確にしていただくと我々も安心でございますし、サービスを必要とするお年寄りなどによりよいサービスが行き渡る。国民の税金をやっぱり効率的にお使いいただく。しかし、この補助方式が変わるということは、あくまでも補助金のあり方が見直されたわけで、これがストレートに現場のヘルパーの方々の処遇だとか給料形態に結びつくのは少し趣旨にそぐわないのではないかなと。 仮に自治体の対応として、広報が不十分であったりニーズの掘り起こしに積極的な取り組みを行っていなかったとか、何でもかんでも委託をして委託先に任せきりにしたことで結果として常勤ヘルパーさんの直接の活動時間が短かったといったことであるとすればヘルパーさんに直接的な責任はない、こういうふうに思うわけです。国の補助金方式が変わったから現場で働くヘルパーさんの給料が減るというようなことがあったのでは、それは今回の見直しの趣旨にも反することだと思うわけです。 この点について、厚生省と自治体間で十分な確認をとっていただきたい、こう思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 訪問介護事業におきます事業費補助方式の補助単価と申しますのは、先ほど申し上げましたように、現在の人件費補助方式の補助基準をもとにして計算をいたしております。したがいまして、従来から必要なサービスを実施し、事業量を確保されておるということになりますならば、補助方式の変更によりまして即ヘルパーさんの給与が減給になるというような形の結びつきをするものではないというふうに思っております。 しかし、いずれにしましても、今回、補助方式を入れた趣旨というのは、その真のねらいというのはあくまでも利用者への効果的、効率的なサービス提供、的確なサービス提供体制をいかにつくるかということが一番大もとでございますから、そういった趣旨につきましては、自治体あるいは関係者に対しまして私どもも十分な周知を図るように今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございます。 十分な人材が集まるのか心配というような部分もございますのですが。 次に、七番目の日帰りのデイサービスの事業費方式についてお伺いしたいと思います。この事業費補助方式について平成十年度より導入されるということですけれども、こちらの方のお話をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 日帰り介護、いわゆるデイサービス事業についてでございますけれども、これにつきましても、やはり介護保険法の制度下になりますれば、いわゆるデイサービスをやっている事業一カ所について幾らという支払い方法ではなくて、そこでデイサービスをやっていただいて、それを利用していただく利用者の方、つまり要介護の老人の方々について、その介護度なり手のかかりぐあいに応じて支払われるという形で報酬が払われる形になります。そういったことをにらみまして、やはり事業の適正化を図っていくという観点が大事だということから、これは平成十年度から利用されます方の要介護度だとかあるいは利用実績に応じた補助を行う事業費補助方式の導入をしていきたいというふうに思っております。 その際には、要介護度をどういうふうに判定するか、まだ介護保険がスタートしておりませんから、それは障害老人のいわゆる日常生活自立度判定基準、ADLと申しております、これが多くの市町村で今判定として用いられておりますから、ここらを活用しまして、簡便な方式でそれぞれの要介護度あるいは利用実績に応じた補助というものを導入していきたい。 ただし、これは十年度初めて導入をいたしますので、これにつきましても十年度は人件費補助方式とこの事業費補助方式いずれをとるかということについては、市町村の単位での選択ということでやっていきたいというふうに思っております。
○西川きよし君 そこで、今お伺いしたわけですけれども、最前線で働く職員の皆さんが、この方式が導入されますと、例えば今まで利用されていた方のうち軽度の方が利用しにくくなるのではないか、虚弱の方が寝たきりを予防するためにこのデイサービスを利用するということなんですけれども、かえって寝たきりをふやしてしまうのではないか、こういう不安もあるということでございます。 そういった方の受け皿といいますか、厚生省の方ではサテライト事業などをお考えだということですけれども、現在デイサービスを利用している方の中で、比較的軽度の状態にある方々に対してはどのようなお考えでこの事業を進めていかれようとされておりますのか、お伺いします。
○政府委員(羽毛田信吾君) デイサービス事業におきます事業費補助方式の導入に伴いまして、この事業の利用者の範囲を基本的に変えるということは考えておりません。したがって、従来も適正な対象としてこのサービスを利用していただいていた方には、基本的には適切にこのデイサービスを利用していただくということを基本にしてまいりたいというふうに思っております。 ただ、やはり必要度と申しますか、そういったことの濃淡というようなものは当然ございますから、そういう意味でそのデイサービスにおきましてもより介護の必要度の高い方を優先的にできるだけやっていくということは、これは極めて合理的と申しますか、そういう必要があると思います。そういう意味での介護度の必要の高い方と軽い方とのいわば利用のめり張りといったようなことはやはり必要になってまいるのであろうというふうに思います。これは、ある意味からいえば、現在でもそういうことは本来必要でございますし、事業費補助方式になりますと、そういった点についての配慮というものはより明確になってくるという側面はあると思います。 そして、一方におきまして、今、先生お挙げになりました、平成九年度に既存施設を利用して、公民館だとか空き教室だとかを利用しまして、いわゆる出前型でデイサービスをやろうという、サテライト型デイサービスなどと言っておりますが、この事業を始めております。これにつきましては、できるだけその地域に応じてきめ細かに、大がかりではなくて、少しフットワークよくと申しますか、そういう形でのデイサービス事業の展開ということを考えておりまして、こうした施策の積極的な活用ということが、比較的要介護度の軽い方々をも含めた利用しやすいサービス体制ということを普及していくことにつながっていくのではないかということで、ぜひこの普及を引き続き図ってまいりたいと考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 限られた財源の中で、いかに効率的に効果的にお金を使っていただくかということでございます。例えば、過疎の地域などで、効率性を求めることによりまして、利用する例あるいは現場で働く職員の方々にとりましてこのことが過大な負担になることは最低限防がなくてはいけないと思うわけです。また、介護につきまして、例えばお食事のお世話など、本人が努力をすれば何とか自分で食べられる方でも全面的に介助して食べさせた方が効率的だということになるわけですけれども、しかし本人のペースで、本人のできることは本人の自立を促して食べていただくにはやっぱり時間がかかる。これは非効率的ということになるわけですけれども、単なる効率とか非効率とかいうことだけではなく、こうした介護の特性について、今後とも各施策を進めていく上で、より一層の私としては御配慮をいただきたいんですけれども、ここで厚生大臣に一言例答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今お話を伺っていましても、介護の問題というのは人それぞれによって違ってくると思います。要望も違う、また介護する方の態度とか人柄とか教養とか、いろいろな面によって差が出てくると思います。 それだけに、人的な養成とかあるいは財源の手当て、さらには物的、既存のいろんな施設を活用していくといういろんな組み合わせを考えなきゃいけません。効率ということを考えるのは当然でありますが、この効率が、ただ決まった方法を機械的にやればいいという問題じゃない。この点は非常に難しいと思いますけれども、今、試行的な事業を試みておりますので、地域の実情、またはその人それぞれの熟練度にもよってきますから、その点を十分勘案しながら、より適切な介護サービスを提供するために、いろんな啓発活動なり研修活動なり周知徹底を図っていく。そしていろんな方、団体から協力を仰ぐ、また要望を出していただくというような多面的な対策が必要だと思っております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、行刑施設における受刑者の年金問題についてお伺いをしたいと思います。 話題がころっと変わるわけですけれども、ことしの二月三日の日経新聞に、島田事件の元死刑囚で一九八九年に再審無罪となった方が、拘置中に年金加入の制度の説明を受けられず、釈放後も年金を受け取れないとして、名古屋弁護士会に、年金の受給資格者であることと、法務大臣らに責任があることの確認を求める人権救済を申し立てたという新聞報道がございましたが、この報道内容の詳細について、厚生省で把握されている内容で結構でございますので、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(真野章君) 報道によりますと、申し立てをされた方は、昭和三十五年十二月に死刑が確定し、平成元年一月に再審で無罪が確定された方でございますけれども、拘置中に年金加入の制度の説明が受けられず、釈放後も年金を受け取れないということでございます。 国民年金法は、昭和三十四年四月に公布されまして昭和三十六年四月一日から施行されておりますけれども、施行当時の被保険者は、被用者年金各法の被保険者や年金受給権者などを除く、日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の日本国民とされておりまして、刑務所等の矯正施設収容者も強制適用の被保険者とされたところでございます。これらの矯正施設収容者の適用につきましては、制度施行に際しまして、法務省において加入対象者の調査を行うとともに、制度の趣旨、資格取得の手続などについて周知する取り扱いがなされたと承知いたしております。 また、申し立てられた方につきましては、在監中に国民年金の資格取得届が行われておらず、釈放後の平成元年に管轄の市役所に加入に関する相談がございましたが、その時点では、受給要件である加入期間を満たすことができないということで、加入しても年金は受給できない旨、市役所の方から説明したというふうに聞いております。
○西川きよし君 ありがとうございます。 これが最後の質問になるわけですけれども、私は、四年ほど前には決算委員会にお世話になっておりまして、そちらの方でこの受刑者の年金加入の問題を取り上げさせていただいたわけです。と申しますのは、当時の犯罪白書によりますと、高齢の受刑者にとって出所後の生活費の確保策として公的年金に関する期待が強くある一方で、公的年金をもらえるという人が、高年群の初入者で約半数、再入者では二割強にすぎないとの指摘がございました。 高年齢受刑者が出所後に社会復帰をするために公的年金は大きな役割を持つという観点から、入所者に対して、負担能力がない場合には免除制度の申請方法など、公的年金に対する指導あるいは相談に応じていただくように当時の法務大臣に御要望させていただいた、こういうわけでございますけれども、今回の報道を目にいたしまして、改めて法務省に再度の要望をさせていただきたいと思います。 当時から今日までどういった指導そして相談が行われたのか。今後の方針につきましても法務省に御説明をいただきたい。そして、この問題についての厚生省のお考えについても最後にお答えをいただいて、終わりたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○説明員(九重信行君) お答えいたします。 受刑者の年金問題につきましては、平成五年に委員から御質問をちょうだいいたしました。その後平成六年に、御趣旨に沿うべく法務大臣訓令及び矯正局長通達を発出いたしました。これは、刑が確定いたしましてその執行に着手いたしますとさまざまな指導をいたしますが、その際に必ず公的年金についての指導をすること、また釈放の時期になりますと出所後の生活に備えましてさまざまなまた指導をいたしますが、その際にも公的年金について十分な説明をするということになっておりまして、現在そういう方法で指導しております。 また、そうした一般的な情報提供であるとか指導にとどまらず、受刑者個々の年金問題、そういうものに対してもきめ細かく指導するということにつきましても、今後も一層、受刑者の啓蒙に努めてまいりたいと思っております。
○政府委員(真野章君) 先生御指摘のとおり、高齢受刑者が出所後に社会復帰をするためにも公的年金は大きな役割を持つというふうに私ども考えております。 今、法務省の方から御答弁がございましたように、矯正施設収容者につきましては、国民年金の加入手続や保険料納付につきまして、法務省におきまして周知する等の取り扱いがされているところでございますが、今後とも、加入手続や保険料納付が徹底されますよう、法務省と十分相談しながら対処してまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(山本正和君) 以上をもちまして、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 —————・—————