国民福祉委員会 第4号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/03/19
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十八日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君が選任されました。 また、本日、浜四津敏子君及び釘宮磐君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君及び小山峰男君が選任されました。 —————————————
○委員長(山本正和君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、国債の最終償還を終えた戦没者の父母等に対し改めて特別給付金を支給することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。 第二は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、国債の最終償還を終えた戦没者の父母等に対し、特別給付金として、百万円、五年償還の国債を改めて支給するものであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 民主党の竹村泰子でございます。 この問題、戦傷病者戦没者遺族等援護法の問題につきまして、私は毎年のように、九四年、九五年、九六年というふうに厚生や予算で質問をさせていただいております。小泉厚生大臣に質問申し上げますのは多分初めてだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 日本は、戦時に約四十五万人の朝鮮人、台湾人を軍人軍属として服務させ、そのうち約五万人が亡くなっておられます。傷病者数は未公表であります。戦後の占領下では、非軍国主義化推進のため軍人恩給などは廃止され、一般的な社会保障制度の中に統合されました。 しかし、一九五二年四月、対日平和条約が発効して日本が主権を回復すると、まず戦傷病者戦没者遺族等援護法が制定され、翌年には軍人恩給も復活しております。これら十四本の援護諸法によりまして、現在毎年約一兆五千億円が支出されております。被爆者援護法以外にはすべてただし国籍差別が存在しているわけであります。 在日韓国人の戦傷軍属石成基さんは右腕を失いましたが、同じ戦傷を負う日本人は、五二年四月から九八年三月までに石さんと同じ条件であればおよそ七千万円の補償を受けられたと、私の調査ではそうなっております。石成基さんは、国籍を理由に皆無であります。 そこでお伺いをいたします。 援護法の国籍条項は、人権の国際的保護に反しないのでしょうか。国連との関係で考えていきたいと思います。 国連の規約人権委員会における日本政府第三回報告、報告をしなければならない決まりでありますけれども、この九三年十月に第三回の報告をしているわけでありますけれども、ここにおいて在日外国人に対する戦後補償責任の問題として三人の委員から指摘を受けております。最終コメントでも「主要な懸念事項」ということで、規約人権委員会から指摘を受けております。 その「主要な懸念事項」という項をちょっと御紹介いたしますと、 委員会は、日本において、在日韓国・朝鮮永住者、部落社会の成員、アイヌ少数民族などの社会集団に対する差別的慣行が日本に存続していることについて懸念を表明する。刑事法の下で、永住権のある外国人が証明書を常時携帯義務を負い、日本国籍者にはこれが適用されないことは、規約と合致してない。更に、旧日本軍に従軍した韓国朝鮮及び台湾出身者で、もはや日本国籍を有していない者が、年金において差別されている。 こういう国連人権委員会の「主要な懸念事項」というのが九三年十一月五日に指摘をされております。 このコメントに対して、政府はどう対処するのでしょうか。
○政府委員(上田秀明君) 御指摘の国連人権規約、いわゆるB規約のもとでつくられておりますB規約人権委員会で、委員の方々からの指摘があり、かつ懸念ないし勧告等のことで、今、先生御指摘のような指摘があったことはそのとおりでございます。 その際、我が方の政府の代表として、その委員会におきまして我が方の政府代表から以下のような趣旨の説明を行っております。 援護法による援護は、軍人軍属等の一定の戦争犠牲に対する国家補償的な性格を有しており、その支給範囲、内容等は極めて高度な政策的判断を要する立法政策上の事項である。同法の立法をめぐる諸事情の一つである我が国と朝鮮半島、及び台湾との間の財産請求権の問題については、我が国とこれら地域との間で何らかの特別取り決めを締結することにより解決していくことが念頭に置かれていたと考えられる。こうした事情のもとで援護法の国籍要件が存在している。こういうような説明を行っております。 このB規約人権委員会からの指摘等に対します我が方の最終的な対応、いろんな場面があるかと思いますけれども、それにつきましては、それぞれの事項についてのことを担当される関係の省庁からの御説明にお任せしたいと考えておりますけれども、一般論として申し上げますれば、人権B規約につきましても、不合理な差別を設けることを禁じるものでありまして、内外人の取り扱いについて合理的な差異を設けることまで排除しているわけではないというふうに理解をしております。
○竹村泰子君 なぜこれが合理的な差異なのでしょうか。そういうお答えを国連でもずっとしておられるわけですね。 この記録を見ますと、アギラーさんというコスタリカの方の質問は、 現在、彼らは、他の日本軍人であった人々に与えられている権利の享受を奪われています。彼らのある者は、過去において日本国籍を有していましたが、戦後の状況により、他国の市民となり、また、日本軍に属していたことを理由に、彼らは彼らの国において差別されています。そのほか、日本国民である退役軍人と日本国民でない退役軍人との差もあります。国籍を有する者は退役軍人恩給を受ける資格がありますが、朝鮮・韓国人、台湾人の(旧日本兵で あった)者は資格を持っていません。 このことを三人の委員から指摘をされているわけですけれども、日本政府の答弁は、一貫して「立法政策の問題であり、その政策決定は極めて高いオーダーのものです。」「廃止することは困難です。」というふうにずっと答えておられるのです。 そこでお伺いいたしますが、私、手元に九七年六月にお出しになりました第四回報告の仮訳をいただきました。この中には、この問題が第三回、この前の指摘でこういうふうに三人もの委員から指摘をされ、しかも「主要な懸念事項」というふうに言われているにもかかわらずこの中にはほとんど触れられていない。このわけを聞かせてください。
○政府委員(上田秀明君) 先ほど申し上げましたように、それぞれの委員会等の場で提示あるいは指摘を受けました事項につきましても、もちろん我が方で担当の関係省庁等にもお話をして対応をするわけでございまして、間髪を入れずに次の機会にお答えあるいは御説明できることもございましょうが、今の問題につきましては先ほど申し上げましたような我が方の見解でございますので、次の機会でありました第四回のときには深く触れておらないというのが実情でございます。
○竹村泰子君 ちょっとよくわからない答弁なんですが、これは五年ごとですよね。ですから、この前の審査で主要な懸念だというふうに言われたのは九三年であります、一年ほど審査をしたわけで。この九七年六月にお出しになったのはことしの秋ごろでしょうか、審査を終えて審査結果が報告されるはずですね。五年ごとの報告で、どうしてそれを触れずに済ませられるのですか。どうもよくわかりません、私。その次になると十年たつわけでしょう。何を待っているわけですか。
○政府委員(上田秀明君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、関係の御当局のさまざまな御検討もあろうかと思いまして、私どもといたしましては、今度の審査その他で御質問等にお答えする、あるいは御指摘にお答えすることもあろうかと思いますが、ただいまの報告につきましては先ほど申し上げたようなとおゆでございます。
○竹村泰子君 これは大臣には後でお聞きいたしますけれども、援護法の問題です。厚生省が主管であるわけで、厚生省がうんと言えばいいことなのかもしれませんけれども、こういう状況であるということをどうぞおわかりいただきたいと思います。 八二年六月、外務省の「負傷又は戦死した外国人に対する欧米各国の措置概要」という調査によりますと、米、英、伊、仏、独、いずれも外国人元兵士等に対して自国民とほぼ同様の補償を行っております。 この五カ国、もう大臣はお気づきだと思いますが、カナダが入れば現在のサミット参加国であります。カナダは植民地がなかったので該当者はいません。サミットの参加国で、戦後補償で差別を設けているのは日本だけなのではないでしょうか、いかがでしょうか。
○説明員(佐藤重和君) ただいま御指摘がございましたとおり、外務省において一九八二年に欧米各国の施策状況というものを調査いたしました。いわゆる外国人の元兵士の人々に対していかなる措置を行っているかということについて調査を行ったわけでございます。 その調査結果によりますと、その当時の時点でございますけれども。米、英、仏、伊及び当時の西独でございますが、こうした各国では外国人の元兵士等に対し年金ないし一時金を支給しているということでございました。 ただ、具体的な支給の内容でございますけれども、その年金の種類あるいは金額といったことにつきましては、各国において、例えばフランスやドイツにおいては金額あるいは種類において……
○竹村泰子君 済みません、時間がないので。わかっているからいいです。
○説明員(佐藤重和君) はい。自国民と若干差を設けているというケースもございます。また、米国についてもそういったケースがございます。
○竹村泰子君 途中で遮りまして申しわけありません、時間が少しなものですから。 それでは、お尋ねいたしましょう。 これは私、前にも聞いていることなんですけれども、国連の規約人権委員会は、フランスが旧植民地のセネガル人兵士の年金を途中から据え置いた、やめたんじゃないですよ、金額を据え置いたことに対して、八九年、国籍による差別だと判定しました。判定した理由は、セネガル人もフランス人も提供した軍務は同じであるということです。フランスは、この決定に従いましてその後是正措置をとりました。 厚生大臣、お伺いいたします。現在国籍条項の廃止を求めて訴訟中の在日韓国人と援護法の対象となっている日本人との間に、軍務提供における差異があったとお思いですか、どうですか。大臣、お願いいたします。
○政府委員(炭谷茂君) まず、軍務提供については日本人と在日の韓国人の方との差はなかったんじゃないかというふうに思います。
○竹村泰子君 どうお思いですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今、政府委員が答弁しましたように、同じような軍務提供がなされたのではないかと思っております。
○竹村泰子君 日本は人権規約の議定書を批准していないので、既に批准を済ませていたフランスのような規約違反の判定がなかっただけではないのかと私は思います。そういう隘路を求めてというか逃げ道を求めて、何とか逃れようという長年の何か姿勢が見えるような気がしてならないのです。 けさの毎日新聞は一面トップで、従軍慰安婦問題について「個人に補償を」と。韓国の新しい金大中政権の朴定洙外交通商相が十八日、毎日新聞など複数の報道機関と会見して、これまで私どもも戦後補償の問題、従軍慰安婦の問題、いろいろかかわってまいりましたけれども、韓国政府がこのように正式に向こうから日本は個人に補償するべきだと言ったのは恐らく日韓条約以降初めてではないかというふうに思います。これは在日の朝鮮、韓国の方たちのことは触れておりませんけれども。 日韓請求権協定では、戦後処理は完全かつ最終的な解決がされたと日本政府は主張しておりますけれども、在日韓国人の戦傷病者、戦没者の戦後補償はその枠外ではないかと韓国政府は在日の戦傷病者の補償について協定の第二条第二項(a)を根拠に日本側の対応を求めていることは、外務省はよく御存じだと思います。 毎年年末に開かれている日韓局長会議で、韓国側は在日韓国人の戦傷病者の戦後補償問題を毎年提起しているのではないでしょうか。これまでの日本政府の対応はどうなっておりますか。
○説明員(佐々江賢一郎君) ただいま先生が御指摘になりましたように、この問題については従来から日韓の当局間で話し合いが行われております。 とりわけ、平成三年一月に日韓両国の外務大臣間で在日韓国人の法的地位及び待遇に関する覚書に署名を行って以降、この問題に関する日韓局長級協議を年一回程度実施しております。その協議の場におきまして、韓国側より、援護法の国籍条項を撤廃して在日韓国人への補償の道を開いてほしいという要望が寄せられております。 これに対しましては、日本側からは、この問題については六五年の協定第二条第一項によってこのような韓国の側の主張を含めて完全かつ最終的に解決されたことになるということが日本政府の立場であるということを回答しているわけでございます。
○竹村泰子君 もうそれは言わずともおわかりのとおり、戦後五十二年たっております。旧軍人軍属であった在日の外国人に対して、高齢に達した今なお戦後処理の諸問題は残っており、人道的な見地に立って、関係省庁が一体となって必要な措置を図るべきではないかと思いますが、厚生大臣、そして外務省、両方にお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(小泉純一郎君) お話を伺っていまして、これは実にお気の毒なことだなと思いますけれども、この問題は長年言われてきて、いつも解決していない。日本だけの問題じゃない、二国間の問題がある。また、植民地等、かつての韓国、台湾等の問題、この人々の財産請求権の問題については、既に昭和二十七年のサンフランシスコ平和条約において、二国間の外交交渉により解決することとされ、韓国との間では昭和四十年の日韓協定により、韓国人についての補償問題は在日韓国人を含めて、法的には解決済みと承知しております。これはもう今の段階で、厚生省だけとか私の判断では解決できない問題だと私は心得ております。 したがって、非常にお気の毒なんですが、事情を聞けば聞くほど、本当にこれは不公平だなとか、お気の毒だなという気持ちはわかります。在日韓国人である元日本軍軍人軍属の方々にとっては、私はふんまんやる方ない気持ちも十分わかりますが、現時点で何らかの救済措置を講ずることは、もはや困難ではないかなというふうに残念ながら考えております。
○委員長(山本正和君) 外務省、よろしいか。
○竹村泰子君 同じ答えだったら結構です、時間がない。毎年同じ答えを聞かされておりますので。 小泉大臣、今のお答え、大臣のお立場として、確かに壁が厚いのはよくわかりますけれども、これは厚生省が、年金差別があったのだと、これは国際的にも問題にされているんだということで、年金差別をなくします、在日の人たちにきちんと差し上げますと言ったら、韓国政府は別にそのことを困りますとか、いや辞退しますとか、やめてくださいとかと言うわけはないので、二国間の問題とおっしゃいましたけれども、それはぜひお考えをいただきたいと思います。 数々裁判が起こされておりますが、判決理由で、立法の不作為、東京地裁、違憲の疑い、大阪地裁、その他大津地裁も立法措置を講じるかは国会の裁量として立法府にげたを預けております。共通していることは、戦後処理に未解決の問題があり、法の谷間で、母国からも疎外され、そして日本からも外国人だと言われ、その谷間で苦しみ、悲しんで死んでいかれます。一昨年も一人、鄭商根さんという大阪の方が亡くなられました。それに立法府として、政治的な解決策を求められているのではないでしょうか。 せめて被害者の声を聞く公聴会あるいは参考人質疑のような形で、これは委員長にお願いでございますけれども、じかに声を聞いてあげてほしいと、そういうお願いをしたいと思いますが、委員長、いかがでございましょうか。
○委員長(山本正和君) 後ほど理事会において、ただいまの御意向については協議いたします。 それでは、竹村君、時間が参りました。
○竹村泰子君 ありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 今回の法案の改正のつきましては、恩給の改善に準じて引き上げられるものであり、妥当と考えております。 さて、本法案に関連いたしまして、援護事業について、二、三質問させていただきたいと思います。 最初の質問でありますけれども、先ほど竹村泰子委員が詳しく述べられましたけれども、私もこの点に関しまして質問させていただきたいと思います。援護法関係では、いつも論議の的になります朝鮮半島あるいは台湾出身の元日本軍軍属であった方々で、国籍条項、戸籍条項により戦後補償が受けられない人がおられる問題であります。 戦後五十年を過ぎ、あと三年弱で二十一世紀を迎える年代になったわけでありますので、今世紀中に起こった悲惨な戦争被害の問題は今世紀中にきれいに解決して明るい新世紀を迎えたい、そのように願う思いで申し上げるのでありますけれども、やはりこのような人々に対しまして国籍条項、戸籍条項を撤廃して補償の道を開くべきではないかと考えます。 前の竹村委員と同様の質問になってしまいますが、これに対しましての厚生省の見解をもう一度お伺いしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 援護法には国籍要件が設けられているわけでございますけれども、その理由といたしましては、繰り返しになりますけれども、一つは朝鮮半島や台湾のいわゆる分離・独立地域に属する人々の財産請求権の問題については、昭和二十七年のサンフランシスコ平和条約において二国間の外交交渉により解決されたこと、もう一つは、援護法が国籍条項を有する恩給法に準拠して制定されたものであることによるものであります。 このような考え方から、援護法の国籍要件を撤廃することは極めて困難ではないかと考えております。
○渡辺孝男君 先ほども厚生大臣のお考え、御所見をお述べいただきましたけれども、気持ちとしては非常にお気の毒というような表現でありました。しかし、救済は困難であるというようなお答えであったかと思います。やはり、人道的な立場からはどうしても何らかの対応をすべきでないかなというふうに考えるわけであります。 次善の策としまして、何かそういう方々に対しまして支援の方法がないのかどうか、もう一度厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 国籍というのはいかに重要かと、同時に人間というのは随分、運、不運というのはあるんだなということを感じます。この在日韓国人についてはもう本当にお気の毒としか言いようがない、本人の立場に立てばふんまんやる方ないというのはわかります。しかしながら、これは外交交渉にも絡んでくる問題でありますので、今、局長のした答弁の域を出ることは私も無理ではないかと思っております。
○渡辺孝男君 今、運、不運というようなお言葉がありましたけれども、やはり一人の人間として考えてみまして、運、不運でそういうふうに運命が左右されるのは非常に問題ではないかということであります。今後とも前向きに、今世紀中に、二十世紀中に何とか補償の道が開かれますようこれからも御努力いただきたい、そのように考える次第であります。 次の質問に入らせていただきます。 中国残留邦人等の援護対策について質問をさせていただきます。 平成九年度予算では、これらに関する予算は三十一億二千六百万でありましたけれども、平成十年度の予算案では二十六億三千七百万円に削減となっております。この削減の理由は、対象となる世帯、人数が減少したことに伴う比例した削減なのか、その点につきまして厚生省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 今、先生が御指摘されましたように、平成十年度の予算案額が減額になっておりますけれども、これは永住帰国の見込みの世帯数の減や一時帰国見込み世帯数の減少によるものでございます。
○渡辺孝男君 次に、中国の在留邦人の方で日本に永住帰国者として来られた方の中にも、まれではありますけれども、再び中国の方に戻られた方もあるというふうに聞いております。どの程度あるのか私自身知りませんけれども、その点に関しまして厚生省の方で把握しているのかどうかお聞きしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 中国へ再び帰国された方の全容については、すべては厚生省で把握することはできない状態でございますけれども、身元引受人からの報告を私ども受けているわけでございます。これはある程度限界があるわけでございますが、身元引受人からの報告のあった数というものを見てみますと、平成七年度以降で七人の方が中国に再びお帰りになったというふうな報告に接しております。
○渡辺孝男君 七人の方がお帰りになったということを把握しているということでありますけれども、当初来られたときには日本に永住帰国するということで来られたと思います。そういう方々がやはり再度中国に戻られるということはそれなりの大きな理由、原因があるものと思います。その理由、原因につきまして調査されておりましたらばお聞きしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) これも身元引受人からの情報でございますけれども、帰国された理由については、本人や御家族の健康上の問題や中国に残された養父母の病気などというような健康上の問題が多いように報告を受けております。
○渡辺孝男君 特に日本での受け入れ体制に不備があったとか、そういうものが理由となって再度中国に戻られたというようなことはございませんか。
○政府委員(炭谷茂君) 帰国される理由というのはさまざまな理由があるからだと思います。病気も一つの大きい原因になっておりますけれども、中には言葉の問題というものもあわせた理由というふうなこともありますし、また今、先生の指摘された中には該当するものといたしまして、日本での生活適応能力がないためということを掲げた人が一名いらっしゃいました。
○渡辺孝男君 山形県でも前に一人お戻りになったということでありますけれども、やはり言葉の問題というものが大きな障害にもなっていたということでありまして、高齢で日本に来られて、最初は永住できそうだなという気持ちで来られるんだと思いますけれども、やはり生活習慣、言葉、そういうものの障害というのはかなり大きいなと。日本におきましても、高齢者が別なところに転居する場合にはやはりいろんな環境の違いで困ってしまうというようなことも多々あるわけでありまして、そういうこともありますので、永住帰国者に対しましては日本の生活状況等のオリエンテーションといいますか情報提供というものをしっかりやっていただいて、また中国に戻らなければならないというような大変な事態にならないように努力していただきたいなというふうに考える次第であります。 それから、永住帰国者の抱える問題としまして就職の問題があると思います。やはり就職に図られているというような方も多いというふうに聞いております。これは要望なんでありますけれども、近年の雇用状況の悪化に伴いまして、永住帰国者の方が特にそういう職を失うとか就職が困難になるというようなことがないように、厚生省としても労働省と十分連携をとりながら、日本で自立した生活ができるように十分支援をしていただきたいなというふうに考える次第であります。 少し質問の時間が短くなりますけれども、その点を要望いたしまして私の質問を終わらせていただきます。
○清水澄子君 先ほどから質問がございますが、私も同じ問題を質問したいと思います。 第二次世界大戦時には日本政府の命令によって日本兵として召集され、そしてあるいは軍属として徴用されて、そしてその後戦死した人もいる、またはその後いわゆる傷痍軍人というんですか、そういう戦傷病者となった旧植民地出身者、その人たちの本人と遺族というのはこの援護法においては対象外にされているというのは、何といっても、やはりそれはその当時の歴史的ないろんな事情があったとしても、私は今この問題はもう一度考えてみる問題ではないだろうかと思います。 特にそれは、私は在日韓国・朝鮮人の皆さんたちの問題をきょうは重点に伺いますけれども、やはり当時二万二千百八十二人という方が召集を受けたわけですね。その後この人たちの中で日本にそのまま在住している人の問題でございます。 そこでお尋ねをしたいわけですけれども、昨年のこの委員会でも同じように今井議員が質問されておりました。そこでは、そういう在日韓国・朝鮮人で日本に永住している人の戦傷病者とか遺族の方で障害年金や遺族年金等を請求した人の数は十六人という答弁をしておられますが、その後、数は変わっているでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) この調査は大変困難をきわめる調査でございまして、膨大な原本に当たって調査いたしましたところ、現在二十四名の方が該当するということが現時点で判明いたしております。
○清水澄子君 では、最近大津の地裁に旧日本軍の軍属として徴用されて負傷した在日韓国人の姜富中さんが国籍を理由にこの援護法に基づく障害年金が支給されないのは憲法違反だという訴えをしておりました。私はその裁判の内容を今伺うのではなくて、あの姜富中さんと同じ障害を持つ日本人の戦傷病者、そういう方であったならば、この援護法の適用を受けていた場合、今日現在一体どれだけの国家補償を受けているのでしょうか。それは総額と年間の額をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 姜富中さんの提出された資料から判断いたしますと、戦争公務による障害の程度は第一款症という部類に相当するわけでございます。これに相当した場合の障害年金の額は年額で、平成九年度でございますが百八十一万三千円、昭和二十九年四月から現在までの総額を合計いたしますと三千百六十万七千五百円になります。
○清水澄子君 ですから、もしこの援護法の適用を受けていたならばそれだけの手当は受けられていたということ、ここに、同じ日本軍人として召集されたり軍属として徴用されて、そしてけがをしていてもゼロという、こういうことがこの数字でも明らかだと思うわけです。しかも、この在日韓国人、いわゆる旧植民地出身者の人たちは、先ほど大臣がサンフランシスコ条約でということをおっしゃいましたが、あの条約の締結のときに本人たちの意思を確認しないで日本政府は一方的に国籍を剥奪したわけであるわけです。それから、そういう法律上の問題をきょう話していますと時間が非常に少ないので外しますが、その後の日韓条約の問題につきましても、韓国政府は日本政府との間に見解の相違があるということを絶えず主張しております。このこともまた今の政権は何らかの措置を要求してくるのではないかと私は危惧をしております。こういう問題は、自分たちが主体的に人道の見地から問題を解決したらいいのではないかと思ってお伺いをしたいわけです。 さて、この問題はこれまでも国会で幾度か取り上げられまして、一九八七年五月十五日の衆議院の社会労働委員会でははっきりと、「かつて日本国籍を有していた旧軍人軍属等及び旧国家総動員法による被徴用者等に係る戦後処理のなお未解決な諸問題については、人道的な見地に立ち、早急に、関係各省が一体となって必要な措置を講ずるよう検討すること。」という附帯決議の動議が提出され、全会派一致で採択をされているわけでございます。 このことについて、厚生省はその後これについて附帯決議を実行するため何か努力がありましたか。簡潔にお願いいたします。
○政府委員(炭谷茂君) 先生が引かれましたこの昭和六十二年の附帯決議は、昭和五十七年から続けて出されているものでございます。 当時の状況を見ますと、国会の審議また国会議員の方々の取り組みを見ますと、これは台湾住民の方への補償問題を念頭に置いて、これを背景にして盛り込まれた附帯決議ではないかと考えているわけでございますが、これにつきましては六十二年九月に関係法律が成立しているわけでございます。
○清水澄子君 なかなかこの問題が国会というレベルで解決しない。そこで、在日韓国人の皆さんたちはこの国籍差別は不当だという訴訟を起こされまして、三つの裁判で一審判決が行われているわけです。いずれも請求棄却であるわけですけれども、その三つの裁判で共通していることは、東京地裁では立法不作為の状況ということは立法でこれはやれることだ、大阪地裁は違憲の疑いがある、大津地裁は違憲とは言えないけれども立法政策に属する問題である、この三つの裁判とも政治に施策を求める点では一致をしております。つまり、これは政策で解決できるではないかということを注文していると思うわけです。 さきのここの委員会で、厚生大臣は対馬丸事件の海上慰霊祭の問題について、そこでの惨禍の実情をお話しになりました。そのときに、どんなに戦後年数を経ても肉親を失った者の悲しみの深さ、戦争の傷跡の大きさを実感したとお話しになっていて、本当にそうだろうと私もしみじみとお伺いをしておりました。しかし、同じ戦争で、戦争といっても特に日本のために戦った人たちです。在日韓国・朝鮮人の戦争犠牲者の心の傷の痛みそれから戦争犠牲の深さ、そしてそれは遺族にとりましても本人にとりましても非常にその傷は大きいと私は思うわけですけれども、そういう意味で、これは私は絶対に政策として人道上の立場から救済措置を考えるべきだと思います。 そういう意味で、援護法の対象に今からするというのが非常に困難であるとするならば、私は二つの方法を提案したいと思います。 それは、先ほども一体何人が申請していますかと申し上げたら、二十四人、非常に少ない。それは、ほとんどもうそういうことを請求できないという立場からやっておりませんし、多くの方が亡くなっておられます。ですから、非常に少ない数なんですね、どんなにふえても三千人いないだろうと言われておるわけです。ですから、これは一つは特別法をつくって救済することができるだろうと私は思います。 もう一つは、旧日本赤十字社救護看護婦の処遇というのがありましたね、旧日赤の救護看護婦の方も軍人でないために補償がありませんでした。この人たちのためには予算的な措置で慰労金を出すことをやっております。 そういう意味で、大臣ぜひ人道的な立場から、特にこれからの日韓の関係も、それから日本の歴史的な過去を本当に人道、民主的な立場から解決していくためにも、どうぞそういう意味での政策的な道を開いていただきたい。このことを強く申し上げて、大臣の前向きな御答弁を私は期待いたしまして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 一般の人から比べれば私もよく戦争の書物、歴史書は読む方だと思うんです。そういう当時の事情を考えてみても本当にお気の毒としか申しようがない。もし私がそのような立場だったらこんなふんまんやる方ないことはないと思うんです。 しかしながら、委員会で、国会で全会一致の決議がこの五十年間何で実施できなかったかというこの問題も根が深い、そういう点も考えていただきたい。これは単なる日本の問題じゃなくて、韓国、台湾、よその国との外交関係にも発展する。私は本当に同情した気持ちは、言うのはいいんですけれども、実際、政治的な問題解決になったらどういう収拾策があるのかということで、恐らく先人の大臣たち、国会議員の先輩の方々が御苦労されたと思うんです。それがいまだできないでいる。これは本当にお気の毒としか言いようがない。 私はこの問題は今の時点でどういう解決方法があるかわかりません。大変残念です。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 私も当委員会に所属して六年目を迎えるんですけれども、毎回この戦傷病者戦没者遺族等援護法のときには戦争の問題に触れて、まだまだ戦後処理は終わっていないという実感をいつもしている一人でございます。身元引受人の問題だとか、それから帰国者の国籍取得問題、あるいは満蒙開拓義勇軍の問題等々今までにも質問をさせていただきました。 きょうは中国残留孤児の問題に関連をいたしまして、自立指導員の問題を質問したいと思います。 永住帰国者の帰国が相次いで、過去五年間で二世、三世といった世帯も含めますと合計約六千人に及んでいるわけです。この永住帰国者の方々が実際なれない日本の中で定着をし、また自立した生活を営んでいくには、やはりそれは想像以上の困難があるということです。 実は私も、地元京都ですけれども、最近二十人ばかりの方に集まっていただきまして、お話を伺ってきました。確かに言葉の壁というのは想像以上に大きくて、実際日本語が話せる方は二十人の中でたったお一人です。その方はかなり年齢が高い十歳ぐらいのときに中国に渡られたということから、日本語がまだ少しあるから戻ってきても習得が遠いわけですけれども、ほとんどの方は自立指導員の通訳がなければ、これは私にも実情が通じませんでした。例えば病院に行くときに大変だとか、あるいは子供の教育も大変、就労の問題も大変、いろいろ訴えられました。養父母のお墓参りにも行きたいんだといういろんな要望があったわけですが、それは全部自立指導員の通訳を介してしか私は理解ができない。こういう中で大変もどかしさも私自身が感じたところでございます。 とりわけ、地域で生きていく上で一番問題なのは何かといえば、病気になったときにお医者さんに病状が説明できない。そのときに自立指導員の人が身近にいればいいんだけれども、身近にいない。だから、先ほど言いましたように、帰ってきた人で言葉のわかる人のところに集中してしまって。そういう人がボランティア的にいろいろお世話をしているというお話を伺ったわけでございます。 こういう実情をお伺いするにつけまして、国と自治体は大いにバックアップする、もっともっとできることがあるのじゃないかなという思いを強くしたわけです。 そこでお伺いいたしますけれども、自立指導員の制度というのがあるわけですが、これは時間の関係で私の方からどんな業務内容かというのを述べさせていただきます。 自立指導員の業務内容、厚生省の文書によりますと、永住帰国者等の日常生活の諸問題に関する相談に応じて必要な助言、指導を行う。場合によっては窓口に同行して、福祉事務所など公的機関との緊密な連絡を保って仲介役をする。また、日本語の指導、日本語教室及び日本語補講についての相談及び手続の介助を行う。職業訓練施設で受講している永住帰国者等の諸問題に関する相談に応じて必要な助言、指導を行うとともに、円滑かつ効果的な職業訓練が行われるよう援護措置を講じ、もって技能習得後の雇用安定が図られるよう配慮するものとする。自立指導員の方々のお仕事は大変重要な内容でございます。 ところで、この永住帰国者がこうした自立指導員を派遣をしてもらう期間問題なんですが、この期間が実は限定をされているわけですが、この期間について説明をしてください。
○政府委員(炭谷茂君) 期間につきましては、その自立指導員が発足いたしましたときは、五十二年でございますが、一年間という形になっておりましたけれども、帰国者の状況にかんがみ、随時拡大してまいっております今他の状況を申しますと、原則三年までという状況になっております。しかし、三年を超えてもなお継続して派遣する必要がある世帯につきましては延長することができるというふうにしております。
○西山登紀子君 その弾力条項があるんですよ、事情があれば三年以上延長していいと。弾力条項があるわけですけれども、その弾力条項を使ったケース、それは統計的に把握されていますか。
○政府委員(炭谷茂君) ただいま手元には持っておりませんけれども、必ずしも珍しくはないと、相当あるというふうに承知しております。
○西山登紀子君 この弾力条項というものは今かなりあるとおっしゃったけれども、実は統計的には把握されていないんですよね、昨日お聞きしたところでございますが。 それで問題は、私の調べでは、この派遣期間を延長できるという弾力条項が十分活用されていないという問題が実はあるわけです。先ほど私がお話しした通訳をしてくれた自立指導員の方は、四年目以降は無償でボランティアで自支援助の活動をしている。つまり延長が必要なときに延長できるという制度は実は京都ではとられていない、知らないということを言われました。 そこで、私もいろいろと勉強してみたのですけれども、なぜ弾力条項があるのに活用されていないんでしょうか。 実は厚生省のこの弾力条項というものは対策室長の名前で各県の担当者あての文書には確かに書いてあるわけですけれども、その中身も延長するときには一々厚生省と協議をして、このケースはこういうことで延長したいんだけれどもという協議をしなさいということが義務づけられているわけですね。最初にこの方には自立指導員が必要ですという判断は都道府県知事の判断でいいとなっているのに、延長するときにはわざわざ一々厚生省との協議が義務づけられている、だから使いづらい、こういうことが一つの原因ではないかと私は思うわけです。 さらに、もっといろいろ調べてみると、問題だなと思いましたのは、厚生省自身がそういう弾力条項があるということを自立指導員の皆さんやあるいは対象となる方々に実は知らせる努力をなさっていないんじゃないかというふうに思うわけです。昨年秋の自立指導員の研修会で配られた資料を見せていただいたわけですけれども、どこを探しても弾力条項というものが見当たらないんですよ。どこを探しても書いていない。自立指導員の対象は三年だって書いてある。それから、さらにいえば、各県にまた厚生省が社会・援護局長の名前で実は通知を出しているわけですけれども、自立指導員の派遣等に関する実施要領という通知にも派遣は三年としか書いていないので、どこを探しても実はこの室長の通知以外にはいただいた厚生省の文書の中にこの弾力条項が見当たらないんですよね。 この見当たらないということは、結局は制度としてはないということに等しいんじゃないでしょうか。せっかく持っているんだとおっしゃるんですけれども、実はどこを探してもないし、一番使う自立指導員の方にも対象者の方にもそのことが知らされないというのは、これはちょっと改善する必要があるんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) まず、弾力条項につきましては公式文書で示しているわけでございますけれども、その周知方が足りないという御指摘だろうと思います。これについては、今後努力をさせていただきたいと思っております。 また、その手続につきましては、これは特に様式行為とかこういう形式的な協議を県に求めているわけではございませんでして、例えば、簡単に言えばファクス程度で御相談があればそれで認める。なぜそうしておるかと申しますと、予算の関係上私どもとして把握をしておかなければいけないし、またそういう面のチェックも必要だろうということでやっておりまして、あくまで形式張らないで迅速な処理に努めているところでございます。
○西山登紀子君 今改善をお約束いただいたわけで、私もこれは安心ができるなと思ったんですけれども、この自立指導員さんというのは、いわば帰ってきた人にとって親がわりであり命綱だと思うんです。言葉は全くわかりません。そういう方にしてみたら本当に大事なことなんで、余りにも周知徹底というのかそういうのが大変おくれていて非常に残念なんです。 それで、大臣にお伺いいたしますけれども、確かに弾力条項はあるんですけれども、先ほど御説明がありましたように、自立指導員の派遣の期間というのは厚生省だっていろいろ改善の手を打ってきていらっしゃる。最初は一年だったけれどもそれを二年にふやした。二年目の派遣の日数も六十日にふやすとかいろいろやってみたけれども足りないので、考えていたよりもやっぱり言葉の習得だとか自立というのは大変難しいことだということで改善を図っていらっしゃるわけです。 ところが、この三年間という期間が、弾力条項じゃなくて三年間という期間が据え置かれて既に十年になっているわけですね。そこで、この三年という期間が大変短過ぎるという実は皆さんの御意見を私は伺ってまいりました。もう少し延ばしてほしいんだけどなと、私が聞いた自立指導員の方は最低五年は必要だというようなお話があったわけです。 また、いろんなデータの中でも、厚生省からいただいた資料の中でも、本当に日本語が習得できる、うまくできるのに何年ぐらいかかるかという調査があるんですけれども、孤児本人の場合は習得できるのに三年以上かかった人は実に四人に一人、二五%は習得するのに三年以上かかっているという実態調査があります。 また、就労状況につきましても、三年では三分の一が就職できていない、自立てきていない。大変適応が難しい、定着が難しい、自立が難しいという実態はこういう調査でも明らかなんです。 ですから、厚生省もいろいろ努力をしてこられたので、ひとつ十年間も据え置かれているこの三年という期間につきましても、できれば自立指導員の方とかいろんな団体からも要望を聞いていただいて、本当にこれでいいのかということについてぜひもう一度研究し検討をしていただきたいと。十年据え置かれているという問題につきまして、また三年目は十二日というふうに回数が非常に短くなっているので、そのことも含めて大臣の御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 長年生活してきたところから全く違った社会に溶け込む苦労というのは大変なものだと思います。特に、習慣が違うし言葉も違うということが一番困難な問題の一つだと思いますけれども、これまでもそれぞれの希望もありましてできるだけ派遣をふやしたり、今では原則三年ということになっておりますけれども、いかに帰国者に日本社会に溶け込んでもらい自立を図るかということが大事なために派遣しているわけであります。それぞれ個人によっても実情は違うと思います。置かれた環境とか本人の生活習慣とか、あるいはいろいろな地域の事情もあると思いますけれども、帰国者の実態に即して適切な派遣が行われるよう考えていかなきゃいかぬと思いますので、少しでも自立を促すような対処ができないか、努力をしていきたいと思っております。
○木暮山人君 自由党の木暮山人でございます。 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案についてお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕 まず、援護法についてお伺いいたします。 今回の改定は、基本額については恩給の改善に準じて一・一九%の引き上げとされています。一方、他の公的年金諸手当は物価スライドにより一・八%の引き上げが予定されております。基本額の改定率がなぜ物価スライドよりも低くなったのか、その理由を御説明願いたいと思います。
○説明員(黒羽亮輔君) 恩給の改善につきましては、従来から厚生年金等の公的年金の改正方式と異なりまして、毎年度毎年度公務員給与の改定率や消費者物価の動向等諸般の情勢を総合的に勘案した上で決定しておりまして、平成十年度におきましてもこのような考えのもとに所要の改善を行うこととしたところでございます。 この結果、平成十年度における恩給改善率は一・一九%であり、物価上昇率を基準として改善率を決定することとしている公的年金の改善率を下回る結果となったものでございます。 〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
○木暮山人君 そもそも総合勘案方式の趣旨は、物価スライドよりも高い改定率を保障しようというものであったと思います。公務員給与の改定率が物価よりも低い場合には、せめて物価上昇分の改定を行う必要があると考えます。しかし、このような問題については、総務庁といたしましてどのようなお考えでしょうか。
○説明員(黒羽亮輔君) 恩給の改定に当たりましては、従来からその時々における社会経済情勢等を勘案いたしまして、最も適当な改善指標を採用してきたところでございます。 昭和六十二年度からは公務員給与の改定率や消費者物価の動向、こういった諸般の事情を総合的に勘案するいわゆる総合勘案方式、この方式を用いるようになったところでございまして、既に定着した方式となっております。 平成十年度におきましては、恩給の改善率が前年の物価上昇率を下回ることになりましたけれども、現時点ではこの方式を変えなければいけないといったような大きな社会経済情勢の変化があったとは考えておりません。したがいまして、この方式を変更する必要はないものと考えております。
○木暮山人君 次に、特別給付金支給法についてお伺いしたいと思います。 今回の継続支給の対象となる方々の平均年齢、予定件数について、まずお尋ねします。 また、この方たちの申請手続や必要書類について御説明いただきたいと思います。これはどのような方で、申請書類が更新されていくのかということだと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(炭谷茂君) まず、対象年齢でございますが、約九十歳でございます。対象件数は八百十件でございます。 申請手続といたしましては、特別給付金請求書、請求者の戸籍謄本、遺族年金等の証書の写し等を市町村役場に提出していただく仕組みになっております。
○木暮山人君 対象者は、さきの大戦において最後に残された子供を亡くされた戦没者の父母であります。既に相当高齢化され、件数も大変少なくなってきております。この方たちにこれまでと同じ請求主義に基づき同じように煩雑な手続を求めるのは大変困難ではないでしょうか。 個別にお知らせや申請書類をお配りして申請手続を簡素化することはもちろんのこと、ほぼ自動的に継続支給ができるよう工夫を行うべきではないかと思いますが、厚生省の御所見をお願いします。
○政府委員(炭谷茂君) この特別給付金の継続に当たりましては、前回の受給者であられましても法律の要件を満たしているかどうかということを改めて確認する必要があるわけでございます。したがいまして、自動的に継続支給ということにはならないわけでございます。新たに受給者から申請手続をとっていただくことが必要になるわけでございます。 しかし、先ほど申しましたように、何分にも高齢化されている方でございますので、個別に厚生省から制度の案内をお送りして、申請を促すという努力はさせていただきたいと思っております。
○木暮山人君 最後に、原子爆弾被爆者に対する援護法に基づく特別葬祭給付金、昨年六月までに請求を行うこととされています。特別葬祭給付金の申請状況についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 今、先生がお尋ねの特別葬祭給付金のことでございますが、これは、平成六年十二月に成立いたしました原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づきまして、原爆死没者の方々と苦難をともに経験した遺族の方でありまして、御自身も被爆者である方々の二重の意味での特別の犠牲に着目して支給されたものでございます。 今、先生お話のありましたように、この給付金の請求期間は、法律によりまして平成七年七月一日から平成九年六月三十日までとなっておりまして、既に請求期間は終了いたしておるところでございます。 結果といたしまして、最終的に特別葬祭給付金の請求件数は十四万三千六百二十二件という数字になっております。そして現在のところ、認定された方が十三万八千五百四十一件、それから審査中のものが千五十五件、却下等が四千二十七件となっております。 以上でございます。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 私も、まず戦没音の父母等に対する特別給付金支給法に関連してお伺いいたします。 戦没者の父母等に対する特別給付金あるいは戦没者、戦傷病者の妻に対する特別給付金、そして遺族に対する特別弔慰金、それぞれの給付対象となる対象者と年齢層についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 現在、請求を受け付けております戦傷病者等の妻に対する特別給付金の件数は約七万八千件、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金では約百五十一万件でございます。今回の戦没者の父母等に対する特別給付金は、先ほどお話ししましたように、八百十件と見込まれております。既に請求を受け付けて終了している戦没者等の妻に対する特別給付金については、約二十六万九千件が支給済みとなっております。 次に、受給者の平均年齢でございますけれども、特別給付金等の裁定は都道府県で行われておりますので、正確な数字は把握できないわけでございますけれども、援護年金の受給者の平均年齢から推定いたしますと、戦没者の妻の方は約八十歳、戦傷病者の妻の方で約七十歳前後、今回の戦没者の父母については約九十歳と極めて御高齢でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 戦没者の妻でありますとかお父さん、お母さん、今お伺いいたしますと当然のこと毎回毎回高齢化されるわけですけれども、一昨年、戦没者の妻に対する特別給付金につきまして、対象者が高齢のため手続に気がつかず、家族がそのことを知って手続を行った時点で既に三年間の時効であったというお便りをいただきまして、そのお便りの内容とともに、一昨年の十二月に予算委員会で質問をさせていただきました。 その方のお住まいは大阪府大阪狭山市というところでございますけれども、時効までの三年間に広報に掲載した回数を私なりに調べさせていただきましたら、大阪府が二回で、地元の大阪狭山市が八回ということでございました。 その中身についてですけれども、締め切りが書かれていなかったということもございまして、広報のあり方についてとか、総理大臣、厚生大臣にももちろんですけれども、政府の広報について官房長官にもあのときにお尋ねをいたし要した。自治体の広報については自治大臣にお考えをお伺いいたしました。各大臣、前向きに検討いたしまして研究をさせていただきますと、細かいこともたくさんございますがと、当時の梶山官房長官にも御答弁をいただきました。 その後、各省におかれまして、検討していただいたのか、研究をしていただいたのか、改善策をきょうはお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) たしか一昨年ですね、覚えております。質問をいただきまして、請求漏れを防ぐような措置はどうかということで、今、西川議員の言われたように、その指摘を踏まえて、請求漏れを防止するため、いろいろな措置を講じてまいりました。 今回も自治体と連携しながら、請求期限がないということがありましたから、これからは請求期限を明記する、そして広報を推進している。なおかつ、行政側で把握できる特別給付金の対象者に対しては、新たな措置として未請求者の方々に個別に制度の内容を送付する。自動的に個別に案内が来ますから、ああ、こういうことができるのかなということがわかるはずです。 私は、こういう措置をすることによって、前回御指摘いただいたような請求漏れがほとんどなくなると言ってもいいのではないかと考えております。これからもきめ細かな広報が推進できるように努力していきたいと思います。
○説明員(笹島誉行君) 政府広報の立場から御説明をさせていただきます。 政府広報におきましては、政府の各般の施策につきまして国民の御理解と御協力を得るために、その背景やあるいは具体的内容につきまして広く国民の皆様にお知らせをしているところでございます。 また、具体的な広報の実施に当たりましては、国民各層の方々にわかりやすく情報を提供するということは非常に重要なことであるというふうに考えておりまして、広報対象の年齢層等も考慮いたしまして、適切に広報媒体を選定するとともに、広報内容につきましては極力わかりやすいものになるよう心がけておるところでございます。 なお、最近の事例で申し上げますと、請求期間中でございます戦没者等の遺族に対する特別弔慰金でございますが、これにつきましては、平成七年に新聞や有線放送を活用した広報を実施しましたが、請求期限まで半年となる昨年の十月以降にも新聞やテレビを活用した政府広報を実施したところでございます。 それから、最近において、さきの特別減税に関連して実施されました臨時福祉特別給付金でございますが、これにつきましても、その趣旨あるいは必要な手続、請求期限につきまして、政府広報を新聞やテレビを活用して実施したところでございます。 今後とも、御指摘の点も踏まえながら、国民生活に密接にかかわる各種の情報につきまして、きめ細かくわかりやすい広報に努めてまいりたいと考えております。
○説明員(井上源三君) 地方公共団体の広報についてのお尋ねでございますけれども、その広報誌が高齢者の方々に対しましてもわかりやすくそして読みやすいものとなるように努めることは必要なことであるというふうに考えております。 例えば、関係部分の活字を大きくいたしますとか、二色刷りにいたしますとか、レイアウトにも心がけるとか、平易な文章にするとか、さまざまな方法はあろうかと思っております。こうしたためには、地方公共団体の創意工夫と担当者の方々の御努力にまつところが大ではございますけれども、自治省といたしましても、地方公共団体の広報担当者に対します広報広聴事務連絡講習会等におきまして、そうした旨のお話をさせていただいておるところでございます。今後とも努力をさせていただきたいと考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 この三月と申しますと、戦没者の遺族に対する弔慰金の時効期限に当たるわけですけれども、昨年の十月に担当の方にお伺いいたしますと、まだ三十万人程度の方々が手続を済まされていないというふうにお伺いしたんですけれども、微力ですけれども、私どももみんなマスメディアを通じて呼びかけさせていただいたんですけれども、現状ではいかがでございましょうか。
○政府委員(炭谷茂君) 特別弔慰金の対象者件数は、先ほどもお話しいたしましたけれども、百五十一万件でございます。既に請求済みの方は約百三十三万件、これは二月現在でございます。したがいまして、その未請求者は約十八万件というふうに見込まれるわけでございます。
○西川きよし君 そこで一つ申請をされた方から、いつも私はお便りをもとに質問をさせていただくんですが、いただいております。この方は徳島県の方ですが、匿名ということでございますのでお許しいただきたいと思うんです。 早速ですが、先週お話の戦没者弔慰金の件ですが、主人の父が戦死で今回も手続をしたのですがいまだに何の連絡も有りません。何度も役場へ問い合せをしましたが「そのうち」「そのうち」と言われ、再三の問い合せに「役場は厚生省の手伝いをしているだけだ」といじわるく言われ今日に至って居ります。近所は順次国債を受け取っているらしいです。戦死した父の遺族は主人だけです。主人はもちろん元気で今回の手続もしました。厚生省への問い合せはどうすれば出来るのでしょうか。是非教えて下さいます様に。 こういうお便りをいただいたんです。この申請をしてから給付されるまで一年なり二年近くかかるということでございまして、何とか生きている間にというふうなお便りもいただくんですけれども、年寄りというのは、我が家もそうですが、一体あれはどうなっているんやと、おれのことは、 私のことはもう忘れられたのと違うかというふうに心配をなさる方がたくさんいらっしゃるわけです。 そしてまた、この三月十一日の産経新聞もちょっと目にとまったんですけれども、聞いていただきたいと思います。ちょっと途中からでございますけれども、 病弱な身で現在六十八歳。昨年十二月から今年一月末まで反復性肺炎で入院治療。現在も通院加療中です。 遺族の方々の中には高齢者や病身の人々も多いと思います。一年半も二年も待機しているうちに寿命の尽きる方々も多いと予測されます。 業務多忙と拝察されますが、もう少し早い支給を願うのは無理な注文でしょうか。 ということで、これは兵庫県明石市の六十八歳の方なんです。 市町村のやむを得ないという事情もいろいろ聞きます。窓口の方々も大変たくさん多岐にわたってお仕事していらっしゃいますので、こういうことを余り無理を言ったらと気を使うときもあるんですけれども、こういうお便りをいただいて、本当に庶民の代弁者としてここでお仕事をさせていただいている以上は、申しわけないんですけれどもいろいろお聞きいただきたいと思います。市町村にお願いをする必要があると思うんです、この窓口で申請者の理解を求めるという意味で、 ですから、今回この特別弔慰金制度を継続するに際して、この点についてまとめて御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) この特別弔慰金の支給が一年二年というふうに非常に長く、一年以上かかるということはあってはならない、できるだけ早くやらなくちゃいけないということは当然のことでございます。 現在、特別弔慰金の請求を受けている状況を見てみますと、約百三十二万件のうち既に九割の方には発行を終えております。残り九万件が未処理になっていると。ですから、先ほど引用されました兵庫県明石市の人もこれに該当しているのじゃないのかなというふうに思われますけれども、これにつきましては現在さらに急いでやっております。九万件のうち一万件は却下裁定で支給できないという方でございまして、九万件のうちあと三万件の人は、実は先月、最近請求をいただいたというものでございます。 厚生省として、できるだけ事務処理の迅速化に努めていきたい。また、都道府県、実際国債の発行手続をしていただく大蔵省、日銀等にも迅速化についてお願いをしているところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(山本正和君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二分散会 —————・—————