国土・環境委員会 第17号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/06/04
会議録
○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月二日、山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君が選任されました。 また、昨三日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として馳浩君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(関根則之君) 建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川勝也君 民主党の小川勝也でございます。 いよいよ採決をする日ということになりました。大臣、住宅局長初め建設省の皆様に心から敬意を表させていただきたいと思います。 今までの質疑の中でさまざまな問題点が浮き彫りになってきたと思います。そして、建設省自身も認めているとおり完璧な法案ではありません。少しでも問題点を明らかにし、その解明の糸口をつかむべく幾つかの質問をさせていただきたいと思っております。先日の参考人の方々からは、幅広い、そして非常にためになる御意見を伺いました。そのことも踏まえながら質問させていただこうと思っております。 まず最初に、これは私が神田参考人にお伺いをしたことでございますが、地震に対するおそれも全国一律ではありません。北は北海道から南は沖縄まで日本は南北に長い国土でございます。建築基準法という根幹法があって当然でありますけれども、その建築基準法も地域によって肉づけをしたり、上乗せをしたり、あるいは少し低くしたり、さまざまな工夫がなされていくようにすることが将来的にコスト削減等に役に立つのではないか、こんな質問をさせていただいたところ、おおむね御賛同いただけたところでございます。 今回の建築基準法改正も一部にコストをどう下げていくかということも含まれていたかと思います。規制と現状というのは必要十分なほどいいわけでございますし、規制が必要なものよりも低いと安全性に問題があります。そして、規制よりも現状が高いということになりますとコスト増につながると思います。 より必要十分な法律、規制ということを求めまして、今回は無理でございましょうけれども、建築基準法の中に地方に応じた特色を出すべく上乗せをしたり基準を下げたり、さまざまな工夫がなされることに対しまして、お考えと今後の準備の方向についてお話をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) ただいまの御指摘、二つの面でお答えさせていただきたいと思います。 一つは、基準法の中にいわゆる単体規定という構造安全性の分野と、それから町づくりとの関連の集団規定というのがございます。集団規定というのは、これはまさに地域の特性、文化、風土、いろいろございます。その意味では、法律が予定している類型の中から都市計画で当てはめて運用していく。その意味では、公共団体がいろいろお考えになった上でということは必要な担保措置であろうかと思います。 恐らく、お尋ねの問題点は集団というよりは単体規定の方だろうと思います。これにつきましては、基本的には全国一律の基準をベースにしながら、基準法体系としましては四十条、四十一条という条項がございまして、条例で上乗せないしは緩和できる、気候、風土等々を念頭に置きまして。したがいまして、それをフルに活用していただければ相当程度は今先生御指摘の点はカバーできると思います。 ただ、参考までに申し上げますと、地震でございますとか積雪、これは確かに全国がなりばらつきが客観条件としてございます。したがいまして、条例に任せるまでもなく、地震あるいは積雪について言えば、客観的に結果として求める安全性の水準は一律でございますが、バックグラウンドの状況は違うというふうなことから法律では何種類かに分けて基準を設定してあるということで、要はお答えとしましては、構造単体についても地震、積雪については幾つかの類型を分けて法律そのものは準備してあるというのが一つ。 かてて加えて、それをベースにした上でも四十条あるいは四十一条の条例で地域性を加味した規制は可能ということで、結果的には余り活用されていないという印象は持っておりますが、やはり先生御指摘のような背景もあるわけですから、公共団体の活用を促したいというふうに思っております。
○小川勝也君 この問題は、時あたかも別の委員会で省庁再編法案をやっておりまして、私はこの省庁再編に当たってできるだけ中央で決める仕事は少なくした方がいいのではないかということも含めまして考えたことでございます。都道府県という単位が小さいか大きいかという議論もございます。できる限り、その地域の実情を最も把握しているところで地域の決まりを決めていけるようにしたらいいかなというふうなことを思わせていただいております。 そして次に、今回の建築コストを下げるという点でございますけれども、中間検査を導入するということがまずコストを上げることにつながるんではないかという懸念があります。そして、今回の法律のほかの分野で、こういう規制は不必要なので下げましたのでコストが低減になるんじゃないでしょうか、こんな点があったらお伺いをしたいと思います。二点、お願いします。
○政府委員(小川忠男君) 基準法とコストとの関係で言いますと、私どもの率直な気持ちとしましては、建築基準を性能規定化したこと自体が、多少時間はかかるとは思いますが、やはりコスト削減の最大のインパクトになり得ると思っております。ただ、それとは別に、今回御審議をお願いしております中で四点ばかり思い切った規制緩和を個別分野でやっております。 一つは、住宅の居室は今まで日照を確保しなきゃならない、したがって一〇〇%北向きはだめ、こういうふうなことでございますが、一律に日照を確保しなきゃならないという規制は廃止いたしたいと思います。空調設備が極めて進歩したというバックがございます。これが第一点。 それから採光、要するに外気に面しているという意味の採光規制につきましても、今までは住宅、学校、病院等々の居室すべてが採光確保ということでございますが、これを必要最小限度のものに限定することで、例えば職員室ですとか事務室等は規制対象から外すという措置を講じております。 それから、地下をどうやって利用するのかという点がございまして、今まではからぼりを設ける等々の点を別にしますと、一般的には住宅等の居室を地階に設けることを原則禁止しておりました。これについては、防湿ですとかきちっとした手当てが行われるならばからぼり等々を設けなくても地下オーケーというふうに緩和いたしたいと思います。 それからもう一つは、木造三階建ての共同住宅でございますが、いろんなシミュレーションをやった結果として、準防火地域においてもある程度手当てをすればオーケーであるということで幾つか個別分野でも措置を講じております。
○小川勝也君 またコストの関係につながると思いますが、先日の坪内参考人の話の中で、特に検査のために工事がストップするようなことがあるとこれはコスト増になる、これは当然のことだと思います。この間お話を聞いた中では、かなり大きな建築物を扱っているということでございますので、その工事が全部ストップすることになりますとそこに従事しているたくさんの方々の作業がストップして、当然日当を払われるわけですからコストが大きくなると思います。 そんなところで、坪内参考人が危惧していたところは特定工程のことだったと思います。特定工程にどんなものを指定してくるのかということに物すごい懸念というか心配をしていたと思います。わかる範囲で結構でございますが、どの分野が特定工程になりそうかというのを教えていただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 建築物によって若干違うかと思いますが、一般的に想定されます工程としましては、一つは基礎工事、それから鉄筋コンクリートづくりの場合には配筋関係の工事、さらには木造あるいは鉄骨づくりの場合には柱とはりの接合部というポイントが中間検査の特定工程として指定されるだろうという感じでおります。
○小川勝也君 次に、私が最も懸念をしておりましたいわゆる行政庁出身の人たちだけが建築主事として働く、その部分がどうも気になって仕方がありません。そして、坪内参考人からも階段の踊り場を例にとった話をいただきました。 私がこの前局長に指摘した点というのはそこであります。覚えておられるかどうかわかりませんけれども、しゃくし定規に設計をしますと踊り場が百二十センチです。九十センチの非常階段で踊り場を百二十センチとらなきゃいけないということで設計するといたします。しかしながら、例えば自治体を退職された方だったら、うちは九十センチでも前に通したことがあるよ、こんな情報を持っています。そこで、特定行政庁出身の方だったら九十センチにできる。これは非常階段の踊り場の問題でありますけれども、さまざまな分野で少しずつそういう差が出てくるのではないかという懸念であります。 したがいまして、あそこの町の設計をするならば何々さんのところに確認をとってもらった方がうまくいくよ、小幅な融通もきいてくれるよなどということが起きてくると思います。それを坪内参考人はばらつきという言葉であらわしてくれました。私がこの間申し上げたかったこともまさにそこでございます。そうしますと、まずただでさえ民間の出身の人よりも特定行政庁出身の人の方が仕事をとる面で有利になる、なおかつその人たちが先発業者として最初に業として働いている、そして民間の人はそういう経験や微妙なところの知識で劣っているにもかかわらず後発になる、ここに物すごい心配があるのであります。 もう一回確認をしたいと思います。私は少なくともそろってからやった方がいいんじゃないかと思いますが、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 二つのポイントがあろうかと思います。 ばらつきということでございますが、確かに建築基準法は非常に技術的に詳細な規定の積み重ねといいますか体系でございます。したがって、特定行政庁によって取り扱いが若干違っているケースが過去にはあったというのはそのとおりだと思います。ただ、最近では建築主事会議等々を通じまして相互の情報交換、解釈の統一ということで足並みはそろってきていると思います。 いずれにいたしましても、これから民間にも確認業務をお任せするという大前提は、技術的基準ではございますが、あるいは逆かもしれません、技術的基準だからこそ解釈というのは画一的にきちっとした形で整合性をとるように努力いたしたいと思います。そういうことを前提とした上で民間開放を進めるわけでございます。したがいまして、解釈のばらつきによって行政出身者の場合には有利であるということは、制度運用のありようとしては断じてそういうことは生じないように精いっぱい努力いたしたいと思います。 それから、実務経験二年を必要とするという制度の構成の仕方をしますので、行政出身者が民間確認検査機関の大宗を占めるというのは過渡的にはあろうかと思います。ただ、こういう制度をつくるときには、数年間の過渡的な状況と、基本的な制度として十年後二十年後を念頭に置いて体制を構築するということをベースにしたときには、ある程度行政出身者が初めはというのは許容せざるを得ないのかなという感じがいたします。 二年間という研修期間でなくてもいいじゃないかとかいろいろな議論があるのは承知しておりますが、初めて民間に開放するということに踏み切るわけでございますので、そこはやはり一時的な苦しさということよりは制度をきちっと構成するという方向に重点を置いて構成させていただきたいと思います。
○小川勝也君 これは答えは要らないんですが、ちょっと聞いてほしいと思うんです。 先ほど私は、建築基準法の分野で地方分権を進めたらいいんじゃないかという話をいたしました。今、建築主事会議をやるので大丈夫だという話であります。全国一律の部分に関してはそうかもしれませんけれども、それ以外の部分は地方の独自性が出てくる。そうしますと、私の言った懸念というのは増幅されると思うんです。これも心にとめておいていただきたいと思います。 そして、まさにその後の、業としてどのように成立していくかということが審議を通じてもなかなか理解できません。たまたま福本理事から坪内さんに質問したときに、私どもの会社では当然やりませんよという、それは当たり前のことだと思います。だったら、だれがどんなふうに業を起こしてくることを想定しているのか。 例えば、行政庁を退職した方だって、貯金はあるでしょうけれども自分で建築確認事務所を設立するということになるとこれは大変なことだと思います。スポンサーというのか資本家というのか、だれかが乗り出して行政経験のある人を集めてやる、そんなことを想定するわけでございますけれども、建築や設計に携わっている人たちはこの業に余り携わってほしくないと思っていると思うのであります。そうしますと、私がさっき言いましたようなリスクを一体だれが負ってまでも業としてやってくれるのか、私には見えません。 局長、どんなことを想定されているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 建築基準法だけではなくて、やはり日本の建築物のマーケット、監理体制、これが将来どういうふうに展開していくかということと裏腹の問題だろうと思います。 ただ、建築基準法の施行だけに限定してみますと、当面立ち上がりのときに、では一体即戦力としてどういうふうなものがあり得るのかということだと思いますが、県にも建築センターですとかいろいろな半ば公的な組織体もございます。それに類することを現にやっている組織というのはございます。その辺のところが、民間の方を受け入れて研修的な意味で実務を積ませるということも念頭に置きながら、まずは道を切り開いていくというのも頭の片隅にはございます。 ただ、それとは別に純粋な民間ということですと、やはり大宗は建築業界あるいは設計業界あたりが共同で出資をして検査会社をつくるというのが非常に現実的なアプローチではないかという感じは持っております。
○小川勝也君 私は、この民間開放に非常に興味がありまして、一年前から建設省の小川さんに来ていただいて、いろいろな話を聞かせていただいておりました。そんな中で、民間開放はいろいろな問題点はあるけれども画期的なことだなと思って楽しみに伺っておりました。その後、党の部会等でいろいろと話をしているうちに、あれは建築センターなどの指定機関に移すだけの法律だよ、こんな指摘を受けました。私は、そんなばかなことはない、小川さんからちゃんと聞いたんだから、こう思っていたんですけれども、今の局長の答弁を聞きまして、いみじくもやっぱりそうだったのかというふうな気がいたしました。 私は、建築業界と直接の関係を持ってもだめ、設計会社と直接の関係を持ってもだめ、そして行政出身者が先にマーケットに出ている、そんなところから純粋な民間会社が業として成立するまでにはハードルが非常に高いと思います。今言われたような建築センターであるとか、いわゆる半官半民といいましょうか特定機関が、せっかく大事な法律、大きな法改正をして民間開放といっても、半ば恒常的にそこの部分でとまってしまうのかという懸念を今持っています。 私の懸念というか心配というか嘆きは議事録に載りますので、十年後も二十年後も、退官されてもずっと思っていてください。民間の建築確認会社ができて、日本の建築業界の中に新風を巻き起こす日までどうぞ御努力を続けていただきたいと思います。 最後に、大臣にお伺いをいたします。 今私が申し上げた懸念だけではありません。衆参の審議を通じて、各委員からさまざまな問題点が指摘されたと思います。当然のことながら、これは先ほど申し上げましたように小川局長からも、まだ完璧な法律とは言えない、これから通していただいた後、一生懸命いろいろな方面を勉強してよりよい建築基準法の改正にしたい、こんなお言葉もいただきました。私はその言葉を信じたいと思います。この法律ができ上がって最後ではないんだ、建設省全体でいい法改正にしていくために謙虚にいろいろな人たちに耳を傾けるように大臣からも御指導していただきたいと思います。 最後に、大臣の御決意をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(瓦力君) 委員長を初め各委員におかれましては、昭和二十五年の法制定以来、言ってみますれば半世紀を経た抜本的改正でございます。熱心な御討議をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 今委員から幾つかの懸念につきましてお話がございましたし、法律を改正後も政省令の整備でありますとかあるいは運用などにつきまして格別の意を用いるようにという御忠告もございました。建築確認の民間開放でございますとか、建築基準の性能規定化等が大胆に織り込まれて、二十一世紀に対応した新たな建築規制制度の枠組みを今構築しようとしておるわけでございます。この法改正の施行に当たりましては、法律で規定されました考え方に基づきまして現行の技術基準を、相当のボリュームになるようでございますが、総点検した上で政省令及び告示を制定するとともに、運用に当たっての判断基準の明確化を図るための指針の策定等が必要である、こう考えます。 今回の改正法案の作成に当たりまして、委員御指摘のとおり関係団体の御意見でありますとかまたは関係者の御意見を聞きながら、技術基準や運用指針の作成に当たりましても幅広く意見を聴取いたしまして、対応に遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。 ありがとうございました。
○福本潤一君 公明の福本潤一でございます。 今、大臣が五十年近くの大改正だということで、運用またさまざまな、五十年のひずみとは言われませんでしたけれども、改正して今後の建築確認行政をうまくスムーズにいけるようにしたいということだと思います。 前回、私が質問させていただいた中で、不動産にはPL法が適用されないので建て売り住宅を中心に欠陥住宅がかなり起こっている。私も欠陥住宅の裁判はどんなのがあったのかなということで何点か拾い出してみましたら、一番新しい例で言いますと、熊本地裁で建て売り住宅を買ったところ、瑕疵担保とか不法行為裁判をやった結果、建てかえ費用、慰謝料、弁護士費用を認めだというような例とか、いろいろ欠陥住宅であるがゆえに裁判事態になっていったという事例があるようでございます。 ですので、大きな改正で総合的な対策を推進するという大臣答弁を前回いただきました。そうしますと、今回の改正で対策がどういうふうに前進していくのかという点を、現行法と改正後どういうふうな違いが起こるかということを含めて、建設省の対応について確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 福本委員から先般も欠陥住宅問題につきまして御質問をちょうだいいたしました。 国民の健康、生活の基盤を脅かす大変重大な問題である、かように認識をいたしておりまして、今回の建築基準法の改正におきましても、検査制度の実効性を高めるために民間検査機関の活用でございますとか中間検査制度の創設など、欠陥住宅問題解決に向けて措置を講じてまいるわけでございます。さらに、最長十年の保証を行う住宅性能保証制度等の充実など、欠陥住宅の根絶に向けた総合的な対策を推進してまいらなければならぬ、かように存じております。 戦後五十年といいますか、それなりに対応してまいりましても、いよいよ国際化でありますとかそれぞれの性能分野においてすぐれたものを開放していかなければならぬ時代でございますので、一層欠陥住宅問題につきましても意を用いてまいりたい、かように考えております。
○福本潤一君 新旧、改正前と後がどうなるかという問題、これは局長の方にもお答えいただきたい話ではございます。その前に、今回新たに柱を四本立てて改正されたということになると、さまざまな形でそういう問題が起こらないようになっていく方向だろうというふうに考えた上で、参考人の御意見とか法案を私も再度深く読んでみたところ、若干わからないところが何カ所かありますので、御質問させていただきたいと思います。 まず、建築基準適合判定資格者検定というものがあります。受験資格が二年以上の実務経験が必要というふうになっております。これは民間開放の例でございますが、民間の方が資格を取得する場合に要件が二年ということになりますと、昔お医者さんが、卒業して国家試験を通ったけれども二年間インターンというような形で無給の問題とかさまざまな問題が起こって、昭和四十三年ぐらいの大学紛争の背景にはそういう問題があったということがありました。 そうしますと、この二年間実務経験をしている間は保障がないのかなという問題も含めて、これはもう少し短い方がいいんじゃないかという気もするわけです。先ほど小川委員の答弁の中に二年間は過渡的だというようなお言葉も出ていました。ですので、この短縮方向も含めて、過渡的という意味も含めてお答えいただければと思います。
○政府委員(小川忠男君) 先ほど過渡的と申し上げましたのは、制度をつくってそれが定着するまでのしばらくの間、行政出身者が大宗を占めるというのは過渡的な現象としてある程度やむを得ないのかなという意味で実は使わせていただいたわけでございます。 実務経験が二年間というのは、長い短いいろんな議論はあろうかと思いますが、一つには現在建築主事の資格もやはり二年間の実務経験をベースにしているということとの制度の突合性の問題というのも一つございます。それからもう一つは、自分で設計するということではなくて、全く関係のない方が設計をされた、しかもいろんな種類の構造があり用途があり規模があるわけですから、そういうものに対してきちっと審査をしていくという意味では、単に設計ができるという能力とはちょっと違った能力なんだろうと思います。その意味では、先ほど若干申し上げたと思いますが、初めて行政が専管的にやっていた分野を民間に開放するということもございまして、やはりどちらかといえば制度はきちっと構成するという方向に枠組みの基本的考え方を置かせていただきたいと思います。 御指摘の点は、運用後十年とか二十年というタームで見たときの反省点としていろいろ出てきたときにいろんな俎上にのり得る議論だとは思いますが、当面はどちらかといえば厳格な方向で枠組みをつくるという方向でやらせていただければというふうに思います。
○福本潤一君 十年後二十年後を念頭に置いて今回考えておるというお返事がありました。 前回の参考人の御意見を伺っている中で思ったんですけれども、今回三段階のチェックというのが始まる。最初建てるときに建築確認をまず受ける必要がある。そして施工主が工事を始める、中間検査が行われる、最後にまた最終チェックがある。トリプルチェックという三段階があるということでございます。建て売り住宅等々を考えてみましたときに、建築段階は全然見ることはできないままでき上がったものを外側から見ただけで購入するということになりますので、その間のチェックが全然見えない。したがって、買った後住んだときにさまざまな問題を生じるということがあるだろうと思います。 今回、そういう三段階の時期にトリプルチェックすると同時に、チェックする人という立場で考えますと三人の人がおる。施工主、建築士というのがある、建築主事がいる。だから、三つの主体者が建築物をチェックするということになると、多いがゆえにいいという面と、多いがゆえに若干無責任になるという面があろうかと思います。 現行法での建築確認を各県で見てみますと、ざる法という言い方は大げさでございますが、十二都市遵法度という表があります。そうすると、大阪は検査済み証交付を受けているのが一三・七%と一番低い。広島が七五・八%と一番高い。七五・八%遵法、法を守っているところは七五・八%いるということは、何ぼ高い広島でも二五%ぐらいは法を守っていない違法状態だというのが現状の話のようでございます。 ですので、こういう形で法律を遵法していないのが普通の状態、半分ぐらいはもう無理な状態というので進んでいる中で中間検査をすると、確かにもう一回チェックがふえたなというようなこともありますが、と同時に建築確認する側が三者に分かれているという形よりも、僕らから見るとむしろ同一人物がその建物は責任を持つ。例えば、一級建築士なら一級建築士がその建物に関しては最初から完全に責任を持ってやるという方が、三者に分かれてやるよりはこれはまたいい面もあるかと。 ただ現行では、ゼネコンに頼んで、ゼネコンの会社に雇われている立場の建築士がやる場合は、これは談合と言わないです、癒着とも言いませんけれども、ゼネコンと一緒に建築をやるという形でチェックすることができないという中で考えますと、建築士の立場を強化するという方向性ももう一方あるなと、不法建築、欠陥住宅のときには。 要するに、前回は議員立法でやらせていただいた、市川さん、建設省のOBで元国土庁の事務次官の方でしたけれども、一緒にやらせていただいた中に、建築士事務所を独立させる。前回、建築の仕方に二種類あるというのを局長は答えられました。一たん建築士に頼んで、その頼んだ住宅を建築士が責任を持って見積もりして一番安い費用と。見積もりをした上で一番安いところを選ぶかどうかは施主の判断、あとは全部建築士が確認する、それで行政の側にチェックを受け谷という形が一つある。 そうでない場合は、一級建築士というのが会社の側にいて、会社の中に登録はしているけれどもその人は名目だけで、実質はほとんど機能しないまま会社として設計もして最後は印鑑だけぽっと押す資格というような形になっている面があるということを考えますと、二年以上の実務というのを十年後二十年後ひょっとしたら、これは建設省のお考えは何にねらいがあるかなということを若干考えさせてもらうと、一つは試験ができる。試験が新しくできるということになると、建設省の立場は強くなる。 私は文部省におりましたので、共通一次試験の後、文部省がかなり力量が強くなった。学者の方は試験もできない、できないというか二次試験で若干ということですから。だから試験というのは強力だなというのがありまして、それが本当のねらいかなとかいろいろ僕らも考えるんです。二年以上にすることによって建築士さんを強くする方向がもう一方ありながら、それをしないまま試験をする。それで、二年というのは過渡的だ。過渡的の意味がいろいろあるようですけれども、ひょっとしたらこの二年は本来の十年後二十年後を目指した大局のもとで建築士をそういう形でやるような方向に持っていく前のものじゃなかろうか。 そういう意見をちらっと伺ったことがあるもので、そこは十年後二十年後の体系の中のワンステップでこれをとりあえずやったというふうに考えてもよろしいのかどうかをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 若干舌足らずだったかと思いますが、十年二十年というのは、実務経験が二年をどうするということに限定されるというよりは、十年もたてば制度全体は一回洗い直してみる、点検してみるという節目だろうというほどの意味で、十年あるいは二十年というタームで見ればいろんな検討する議論があるのかもしれないというふうなことを申したわけでございまして、確たるスケジュール的なものとして申し上げたわけではないということを確認的にお答えさせていただきたいと思います。 それから、もう一つ、明快なお答えになるかどうかわかりませんが、建築物といういろんな意味での複合体、しかも長い間使うというものをきちっと監理するというときには、やはり設計の段階、施工の段階、完成した段階という時期的な意味における段階と、それからだれが責任を持つのかというときに、私自身の言葉で言いますと、内部監査みたいなものと外部検査というものと、それがうまく複合的に機能するということが必要だろうと思います。 その意味では、自己規律の問題として、設計をされた建築士の責任というものは当然今まで以上にきちっと明快な形で担っていただきたいと思います。施工者には当然施工者の義務があると、それから外部からの新しいチェック体制というふうなものも補完的に設けたいということで中間検査制度を設けると同時に、今いろいろ御指摘ございました設計者による工事監理というものも、千載一遇の時期でございますので、若干少し運用に甘かった点があろうかと思いますので、その辺のところはきちっとした形で体制の締め直しといいますか再構築をしたいと思っております。
○福本潤一君 きょうはもう採決の日ですからあれですが、私も余り裏を勘ぐるタイプではないので素直なタイプですが、文部省の共通一次のときも、共通一次にしたら受験戦争がこれで緩和されるというところに、ぽっと共通一次、新しい受験体制をやるよと言ったら、急に何か受験戦争がおさまるような錯覚にとらわれた高校の人たちがぱっと乗っちゃった。我々が見たら、どう見てもこれはもっと激化するぞ、共通一次になったら、というところが見抜けないまま変化していったということがあります。 再度お伺いしますが、民間導入、これは規制緩和だよ、非常にいいよと言われる制度ですね。ただ、民間の人に聞いたら、若干これに入る気持ちがない。この前、参考人で来られた鹿島建設の方も乗る気はない。乗る気はない理由もさまざまあるんでしょうけれども、官と競争してやれるような民間が委託業務をして経営は成り立たないというような形もあります。制度はできても現実に運用できるのかという中で今回の法案改正が進んでおるということがあります。 とすると、細かい話もいろいろ聞きたいと思っておるわけでございますが、それ以上に、これで民間が成り立つ形で、大いに入ってくださいという気持ちでおられるのか、いや、これは次のステップのワン段階だから、民間もこの二年以上の実務がありますから、二年たったらまたちょっとした方針変更をされますかという二年間というのか。 これはもちろん実務経験の二年ですけれども、建設省は案外、民間は余り入っていない段階を経て次のステップに行こうとしておられるんじゃないかという勘ぐりをちょっとしてみたいと思いますので、その点、民間は大いに入ってもらいたいのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) いろんな意味で非常に素直に制度をつくったつもりでございます。 それから、民間に対する期待でございますが、多少時間はかかることが仮にあるにしても、やはり行く先々を考えたときにはきちっとした形で民間が進出していただきたいと思いますし、進出した上できちっとしたマーケットが形成されるということを将来の行政の理念型として念頭に置いた上でいろいろ努力させていただきたいと思います。
○福本潤一君 では、民間が入るときに入りやすい体系で今後考えていかれるという流れだと思います。 そのときに、官と民という形で分かれたときに、では官はもう既にその資格がある人がおる、官の人はもう過去の経験も実務もある。民の人が乗り出したときに、建物も新しい事務所を用意しなければいけない。一方は市役所の中でやるというような形でさまざまなハンディがあると思いますが、手数料の関係も含めてどういう形でそのハンディを民の人が乗れる体制に持っていこうとされているか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 手数料については二つあると思います。 一つは、現在の行政がいただいておる手数料が未来永劫このままでいいのかという基本的な問題点が一つございます。これについては、若干時間がかかることは覚悟はしておりますが、もう少し応益的な負担関係というものは明快にすべきであるという基本的な考え方を持っております。 それから民間の料金については、これは民間でございますので、非常に理想的なことを申し上げれば、最後はそれはマーケットの需給関係によって決めればいい話である、市場によって価格とサービスの対応関係が決まるというのは一つの基本形だと思います。ただ、しばらくの間は多少行政とのバランスもございますのでいろんなチェックは必要かとは思いますが、基本は民間のマーケットが決めることだという感じを持っております。 ただ、むしろ民間でございますので、私どもが本当に懸念しておることを率直に申し上げますと、恐らくもうかるところでしか出てこない、逆説的な言い方をしますと。もうかる対象地域でもうかる物件しかやらないということの方がむしろ現実の民間のビヘービアなのかなという感じもいたします。ですから、話があっちへ行ったりこっちへ行ったりして恐縮でございますが、やはり行政はそういう場合にも備えた上での補完的な役回りは長い間せざるを得ないだろうという感じがいたします。 ただ、いずれにせよ長い目で見たときには、くどいようでございますが、建築物をきちっと評価する、監理するという仕事、ビジネスというのは、基準法の確認検査だけではなくて、やはり日本の建築物をめぐるいろんなマーケットが成熟してくればそういう専門的な能力、評価、客観性を必要とする分野というのは恐らくマーケットが自然に生み出してくるだろうというふうな感じも行政としては持っております。
○福本潤一君 民の目的は利潤追求でありますし、公、官の目的はやはりすべての国民の奉仕者としてやっておるわけですから利潤追求とは違う。そういう大きな体系は違う中で、これから行政の中で民の人が乗れるような形で、意見もよく聞いた上で対応していただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○緒方靖夫君 具体的な問題をなるべく多く質問したいと思いますので、端的に簡潔にお願いいたします。 まず、欠陥住宅問題と中間検査の問題なんですけれども、中間検査の導入、これは欠陥住宅を防止する対策として非常に期待があると思うんです。しかし、この改正案を見ますと、検査の対象は特定行政庁の指定にゆだねられて、欠陥住宅防止になるかどうか、そういう疑問も出されております。法制化を図った建設省として、特にどんなものについて中間検査を行うことを期待しているのか、戸建ての住宅が含まれるのか、お尋ねします。
○政府委員(小川忠男君) 二つあると思います。 一つは、やはり極めて特殊な大規模な建築物、これが一つ。それからもう一つは、建て売り、分譲等々を念頭に置いて、粗製乱造ということに対応するために戸建てを含んで指定するという二つの流れがあろうかと思います。
○緒方靖夫君 欠陥住宅問題では非常に相談を受けるわけですけれども、雨漏りや壁の剥離とか、あるいは床の傾斜とか建具の取りつけの問題、そういう苦情が多いわけです。住宅の中間検査でこうした問題というのは防止できるんですか。
○政府委員(小川忠男君) 原因にもよると思いますが、常識的な意味における雨漏りが中間検査で一〇〇%確認できるかと言われると、私は非常に難しいと思います。
○緒方靖夫君 そうすると、こういう問題というのは建築基準法の以前の瑕疵の問題、そういうことに当たるということで、建築基準法ではチェックしにくいという問題になりますか。
○政府委員(小川忠男君) 建築基準法の中間検査という一回限りの検査で確認するのはなかなか難しいと思います。ただ、事後的に発見された場合に、その原因が設計いかんによるのか、工事の施工不良であるのかということで事後的に責任追及をする体系というのはあり得ると思います、基準法の問題として。 ただ、一般的に言えば民事上の問題として、瑕疵担保の問題として解決される領域かなという感じがいたします。
○緒方靖夫君 建築基準法では非常に大きな限界があるという、そういう答弁だと思います。 それで、柱とはりの結合や基礎、土台など構造上の重要な問題、これは建築基準法の問題です。しかし、戸建て住宅などの四号建築物は建築士が設計どおりの施工を確認していれば単体の相当部分の検査項目が除かれる、こういうことです。 局長は前回の御答弁の中で、マスプロ的な住宅建設が一般化する中で問題が発生してきたと、そういう答弁をされました。ハウスメーカー住宅は、社内の建築士が工事監理をしているから中間検査をしても構造強度などは検査されないのではないか、こういうことが懸念されるわけですけれども、建築士の確認が常に正しい、そういうことが言えるんですか。
○政府委員(小川忠男君) 建築士といえどもミスをすることは人間ですからあり得ると思います。ただ、御指摘の点は、きちっとした建築物になるかどうかというのを一つのシステムだけで一〇〇%鑑定するのは私は不可能だと思います。 したがって、内部検査体制、これが自己規律の問題としてきちっとするよう制度をうまく構築していく。設計士が工事監理をきちっとやる、またやらざるを得ないような体制をつくり上げるというのが一つ。それから、外部から中間検査という形で外部チェックの体制をとる。やはりアプローチの仕方は単一ではあり得なくて、二つ、三つというふうなものをうまくかみ合わせるというのが現実的だし、それでしか完璧な方法はあり得ないだろうと思っております。
○緒方靖夫君 建築士に虚偽あるいは誤りがあったとき、その対処はどういうものですか。
○政府委員(小川忠男君) 誤り、ミスの程度によると思いますが、極めて悪質な場合には免許停止、それから極めて簡単な場合には口頭注意、いろんな態様に応じてそれぞれの対応があると思います。
○緒方靖夫君 そういうミスが見つかった、あるいは虚偽が見つかった、それによって建築士が処罰される。程度によりいろいろあるかもしれませんけれども、そういうことがあっても結局欠陥住宅をつかまされて泣かされるのは庶民ということになるわけです。 建築基準法の体系というのは施主、設計者、施工者、工事監理者がそれぞれの責任を果たす、そうしたことが前提でつくられている、それが仕組みです。そうすると、そういう法律で違反があれば処罰されるということで適正な業務の執行が担保できるということになっていると思うんですけれども、違反の摘発というのはこの間の答弁でも、平成八年ですか、一万六千件というお話がありました。氷山の一角です。 関係者がすべてプロである場合ならばそういうことでいいかもしれません、お互いさまということかもしれません。しかし、一般住宅の注文者は建築についてはもう全くの素人なわけです。そうすると、建築基準法で整合性がとれていても、そしてそれが確保されていても、結局は消費者行政の立場からいうと大きな問題が起こる、そういうことが起こり得ると思うんです。 そうすると、今局長はこの審議ですから建築基準法の担当者として答弁されているけれども、私は国民に責任を持つ住宅行政の担当者、その立場からこういう問題に対してどういう対処をされるのか、それをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 消費者行政あるいは住宅の購入者は一般的には常に素人であるということは、やはり行政を組み立てるときには大前提として念頭に置かなければいけないと思います。 欠陥住宅問題、これを消費者行政的な面から光を当てた場合に、今回お願いしております中間検査制度とかあるいは中間検査の導入を契機にして設計士による工事監理のもう一回きちっとした体制の立て直しを図りたいと申し上げましたが、そういうこととあわせて、中長期的と言うと語弊がございますが、次のステップの課題としては、基準法で一歩踏み出した分野について基準法だけでは対応できない領域というのは残っていると思います。残っている分野についてはやはり政策テーマの一つであるという問題意識は持っております。
○緒方靖夫君 今言われた問題意識というのは私は非常に大事だと思うんです。この間も町づくりの問題でも建築基準法で大きな限界がある、そのことも述べましたし、やはり欠陥住宅の問題でもそういう問題がある。ですから、そこをどう埋めていくか、それが多くの国民にとって切実な願いであり要求なんだということを、このことを私は述べておきたいと思います。 それで次に、私は連檐建築物の設計制度の問題について質問したいんですけれども、この問題、実は狭い道路への過重な自動車交通の負荷がかかるおそれがあるとか、あるいは余裕容積率の金銭的な取引問題、こういうことが発生して都市計画制度が根本から脅かされるといういろんな問題を生んでいると思うんです。そういう点で私は、具体的なトラブルとがよく相談を受ける問題、そういうのを例に出しながら質問したいと思うんです。 連檐建築物の設計制度の認定は、特定行政庁の公告と事務所での関係図書の閲覧ということになっています。しかし、この閲覧というのは、その土地で実質的な容積率の制限はどうなっているのか、隣接地との容積率のやりとりの条件がどうなっているかということなどこれでわかるのかどうか、これがやっぱり大きな問題だと思うんです。こうしたことは宅建業法の重要事項説明で義務づけられるのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(小川忠男君) 連檐建築物設計制度の運用によって、結果として容積率が隣の建物に移転するという現象が生ずることは御指摘のとおりでございます。それは台帳といいますか市役所での縦覧ですとか、あるいは別途建築物について台帳をきちっと整備したいというふうに申し上げたと思いますが、そういうものを見ることによって何%の容積率が移転しているということが判明するような体制というのは準備したいと思います。 それから、当然のことでございますが、そういう事柄については宅建業法におきます重要事項説明に省令改正をして加えたいと思っております。
○緒方靖夫君 非常に重要な答弁だと思います。ぜひそういう方向で、わからないとそれがトラブルの大きな原因になっているので、やっぱりそういう方向に踏み出していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 それから、現状では今私が指摘したような問題、容積率がどうなるこうなるということは一般には知りようがないわけです。そうすると、特にこの制度で容積率を上乗せしてつくられたマンションの場合に非常に大きな危惧があるわけです。実際に大きな問題が起こっております。例えば、容積率の上乗せに関する契約の期限が建築物の存続期間中などとなっていると、建てかえのときにはそれまで上乗せされていた部分が現状の容積率よりも小さいものしかつくれないということになるわけです。そうすると、建てかえのときにびっくりされる方が大勢おられるわけです。 マンションの購入者がこの制度や容積率の上乗せについての契約内容の意味を十分理解している、これはまず期待できません。そうした問題が生じないようにする対策、これはどういうものがありますか。
○政府委員(小川忠男君) 基本的には先ほど御説明したことに尽きると思います。要は台帳がきちっと整備され、宅建業法の取引の際には重要事項説明としてその事項が指摘されるということが基本だろうと思います。恐らくそれ以上の手だてというのは、制度的には非常に考えにくいと私は思います。
○緒方靖夫君 建てかえの際に現状の延べ面積を確保できない、これは各地で起こっている問題、トラブルの一番大きな問題の一つだろうと思うんです。これまでも建築確認の敷地の一部を分譲の共有地から除外して販売するという事例もあって、重要事項説明だけではこうした問題を防げない、こういうことが実証されてきたと思うんです。 先ほど、欠陥住宅の問題の際にも指摘していましたけれども、建築基準法では公告・閲覧で完結している、こういうことになります。しかし、消費者行政的な視点でのマンション行政としては、この問題でしかるべき対応、これが必要だと思うんです。その観点、またそういう必要性、それから実際どういうふうにしていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 消費者行政としていろんな努力をしなければならないというのは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。ただ、いわゆる瑕疵担保みたいな形で、一般的にはユーザーは素人でございますから、幾ら努力をしても素人としては見抜けないというのはやむを得ないところだと思います。 そういうふうなときに、消費者行政的な観点からいろんな体系を整備するというのはやるべきだと思いますが、例えば今問題になっているような容積率が移転しているあるいはいないということについては、恐らくこれは素人であっても、台帳整備が行われ、重要事項説明に加えられということであるならば、これは個人の責任領域の問題だろうと思います。
○緒方靖夫君 確かにそういうことになるかもしれません、制度上は。しかし、現状としてはそれが広く知らされていない。そこで起こる問題、それからびっくりする問題、そういう現状がある。その辺の目線をうんと下げていただいて、そういう立場から国民が本当に住宅でトラブルが起こらない、そういうことが少なくなる、そういう行政を進めていただきたい、そのことをお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、今回の改正によって従来の仕様規定から性能規定にということになって、その点で中小建設業者の不安、これは非常に強いものがあるんです。自分たちの仕事がこれからどうなっちゃうのか。輸入住宅がどんどんふえる、あるいは大手のハウスメーカーがどんどんいろんな形で性能規定でやってくる、そうすると自分たちの仕事はどうなっていくんだろうという不安が非常に強いわけです。 局長も、町場の工務店がいい仕事をしている、信用される仕事をしているという話もされました。私はその点でこの問題は非常に大事な問題なんで、これから起こり得る問題についての必要な情報開示とかあるいは対策とか、その点は建設省としてきちっとした対応をしていただきたいと思うわけですけれども、その点での対策、お考えを伺います。
○政府委員(小川忠男君) 確かに性能規定化すれば、技術は今まで以上に目まぐるしく開発されると思います。その意味では、きちっとした形で一つには類型化すれば、仕様規定に切りかえていって大工、工務店さんでもわかりやすくするという方法もあるでしょうし、あるいは性能規定のままでも情報の伝達といいますか、周知徹底ということは業行政的な観点からもきちっとした形でやるべきだと思います。 それから、そういうものを使いこなせるような形にするために、行政としては個々の大工さん、工務店に対してというわけにはまいりませんが、いろんな意味での中小の団体もありますので、団体を通じていろんな応援をしていくというのが行政の役回りかなという感じは持っております。
○緒方靖夫君 終わります。
○泉信也君 今回の基準法の改正については、従来に増していろんな形で民間の活力を使う、あるいはこれまでの問題点を整理していこうという意味では一つの進歩だというふうに思っております。 今までの御質問の中にももう既にかなりの御議論がございましたので、若干重複はあるかもしれませんが、できるだけ避けてお尋ねをいたしたいと思います。 中間検査の導入について、先日の参考人のお話の中にも幾つかの御指摘がございました。問題住宅ができればそれはトータルな意味で国民経済的なマイナスにもなるので、それを防ぐためにもこういうシステムが重要であるということの御指摘もございました。しかし一方では、この特定工程というものがどういうふうに設定されるのか、特定工程はできるだけ少なくすべきではないか。それは先ほどの御質問にもございましたように、工事がストップするとかいろんな意味でコストアップにつながる可能性もあるということで、このような御指摘が坪内参考人からも出たところでございますが、この点はどのようなお考えでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) どの程度のテンポでどの程度の広がりで特定工程を指定するかというのは、一つには行政側の実力の問題がございます。実力という意味は先生もおっしゃられましたように、工事を中断させる効果を持つものですから、その辺のマイナス面との兼ね合いということだと思います。 ただ、基本的な大きな流れの中で申し上げますと、基準法の最大のウイークポイントというのはペーパーチェックであった、したがって実物そのものに対して監査が入らないということでございますので、大きな流れからすれば中間検査制度というのは、私どもからすれば一歩大きく前進したという印象を持っております。 ただ運用につきましては、一つには、繰り返し議論がございますように、欠陥住宅問題にある種の有効なカードとして運用するという面もございます。それから、阪神・淡路なんかを念頭に置いて、特殊な大規模建築物に対して絶対大丈夫なような体制を完備するという点もございます。そういうことをあれやこれや考えながらやらせていただきたいと思います。
○泉信也君 そこでもう一つ、大きな建設会社ではいわゆるISO9001という品質管理システムを導入して自分たちでやっておる。したがって、こういうこの中間検査の導入というものが逆に民間の自主努力を阻害すると言うとちょっと言い過ぎですけれども、自主努力の信頼性に疑問を持った結果、いたずらに行政の作業をふやすというようなことになり、結果的には合理化につながらないんじゃないか。 ですから、これは大きな企業、こういう監理システムを導入してきちんとやるところと、中小企業の場合に若干差を設けていかなきゃならないというふうに思うんですが、そうした行政上のかじ取りが今回の法改正でもできる余地があるんでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) まず、前座の方でございますが、一つの方法だけで完璧にというのは難しいと思います。その意味では、設計士による内部検査、施工監理というものをきちっとするということをやる一方で、第三者が外部から検査をするという二本立てに事柄はなるんだろうと思います。 そのときに、制度としてA社、B社、C社によってというのは現実は非常に難しいと思います。ただ、建物の属性ですとかそういうものによって指定をするしないという形でいろんな現実に目配りすることは行政運用の機微としてあり得るのかなという感じはいたします。 ただ、くどいようですが、大企業だからあるいは中小企業だから、A社だからB社だからというのは基本的には行政としてはあり得ないスタンスだと思います。
○泉信也君 確かに、局長のお答えのとおりの面は私は否定するものじゃありませんけれども、そういう自主監理のシステムを構築していっておる企業、そういうものはそれなりの評価をして、できるだけ自主努力をさらに向上させるような対応を考えていただくことが必要なんではないかということだけとりあえず申し上げておきます。 それから、今回の性能規定化に関してでございますが、今の三十八条でもこのような性能規定的な運用が行われておる。ただ、現場の方々の声を聞きますと、費用が高い、時間がかかる、こんな声がありまして、この三十八条の運用をもっと効果的にするためには、今のような短期間でやる、コストを下げるというような御努力をやっていただく必要があるかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 現在の三十八条認定の運用を、弾力化と言うと語弊がございますが、強化することによってかなりの程度の運用ができるというのは事実だと思います。 ただ、性能規定化と三十八条認定の恐らく基本的な違いというのは、三十八条というのは言うなれば基準と検証方法がないブラックボックスのところで一件審査をするということだと思います。性能規定化の場合には、目指すべき性能水準が数値基準ではっきりしている、それで検証方法もはっきりしている。したがって、企業からすれば、三十八条認定で、申請をしてみなければ結果がどう出るかわからないということに対して、これをクリアすればOKだという水準があらかじめはっきりしている。これは企業にとって研究開発投資を投入する場合に、結果がわからないものに投入するというのと水準がはっきりしている、検証方法もはっきりしているという場合では取り組み方も違うし、コストも当然に違ってくると思います。 その意味では、単に原則と例外を逆転させたというだけではなくて、企業の個々のビヘービアからすれば百八十度局面が違った世界が広がるという感じは持っております。
○泉信也君 それから、今回の検査機関が民間に開放される、このことについては先ほど来幾つか御質問がございましたけれども、特定行政庁に報告義務があるということが実質的な二重チェックにならないかという心配を私はするので、その点はいかがですか。
○政府委員(小川忠男君) 確かに行政に対する報告義務はございますが、これはあくまでみずから確認検査した概要を行政に報告する、それだけの話でございまして、それをベースにして行政が再度点検する、チェックするというだけの詳細なデータでもございませんし、行政側にそれをやるつもりはない。 本当に必要であるならば、単なる報告ではなくて、行政権の監督権の発動として一件書類をもう一回取り直すとかということをすればいいわけですから、報告そのものは極めて事務的なものだと理解しております。
○泉信也君 この民間機関が過渡的な段階で、建設省出身者というか特定行政庁出身者を中心にして動き出すということは、これはやむを得ないと私は思っております。 そこで、時間とともに本当に民間の機関に対応していただくように育てていただかなきゃならない。その際に、先ほど局長が答弁もなさいましたけれども、いわゆる検査の費用の問題がどうしても私は気になるわけでして、今の費用を比べますと、かなり官民、官民と申しますか米国、英国に比べても日本は非常に安い状態でやっていただいておる。恐らく諸外国の例に倣う程度の費用がかかるということになりますと、大分ギャップのある中でスタートをする。先ほどの御答弁で官側が応益的な負担をやっていただくことだと、そういうお話がございました。これは実態的にどうやってその格差を埋めていかれるのか。 逆に言いますと、民間側の検査費用というのを何か官側でチェックされる、あるメルクマールでこの程度でよろしいでしょうというようなことを指導されるというようなことはあるんでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) サービスといいますか、料金水準そのものは恐らく基本的には各自がそれぞれマーケットの状況を見ながら設定すればいい、行政が高い安いと言う事柄では本来的にはないと思います。ないと思いますが、制度の立ち上げしばらくはいろんな意味で御相談させていただくということもやむを得ないと思っております。 ただ、高い安いということなんですが、それは恐らくサービス水準との見合いだろうと思います。要するに、二週間三週間かかるものが一日か二日でとなったときに、仮に料金が二倍でも安いと感ずる方もいるでしょうし、あるいは膨大な資料がフロッピー一枚でということにメリットを感ずる企業もあるでしょうし、その辺のところは、民間である以上は仮に高く見えてもサービスに見合ったそれなりの価格ということですから、単純に一件当たり幾らということで比べれば、現在の行政の料金というのはかなり低い相場だと思います。 これについては、さっき申し上げましたように、長い目で見ればきちっとした応能応益体系は編成すべきだと思いますが、しばらくの間は行政はちょっと安いということでの店開きが始まるということだと思います。
○泉信也君 できるだけ早く民間の方々が本当に力を発揮できるような、いいサービスができるような仕組みに持っていっていただきたいと思います。 最後に、違うことをお尋ねしますが、建築審議会ですか、これは年とか豚とかと言っては悪いんでしょうけれども、畜舎の関係に対する建築基準法の適用みたいなものがどの程度になるのか。私が北海道でお尋ねしました話では、大変厳しく適用されて、人間が住むのか牛が住むのかわからないようなものができて、その費用負担で業の経営が難しいという、極端な例だと思いますが、そういうことを伝え聞いたわけです。こういうものに対して、運用上は当然差があると思いますが、どんな今対応をしておられるかだけ教えてください。
○政府委員(小川忠男君) 突然なので、詳しい正確なところはお答え申しかねるのでございますが、畜舎等については規制が極めて大幅に緩和されたという報告は受けております。したがいまして、ひところ言われたように、牛にも人権があるというわけではございませんけれども、いろんなあれやこれややっていたのが極めて最小限の規制しか残っていないという程度に緩和されているはずでございます。 詳しい話は、また後刻御報告させていただきたいと思います。
○泉信也君 終わります。
○山崎力君 最後の質問になりましたので、長い間でもないんですが、この問題をやってきました。私なりの結論を先に申し上げますと、方向性としてはいいのかなという気がしております。ただ、これが、大臣のお言葉ではございますが、本当の建築基準法の抜本改正なのかなというと、どこが抜本なんだという気もしております。 そういったところから見て、一、二お尋ねしたいわけですが、前の何人かの委員の先生からも出ていましたけれども、要するに不良建築物、そういったものをどう防ぐかという意味でどうしたらいいんだろう、特に建て売り住宅の場合の例がよく出ております。設計ミスなのか施工ミスなのか、あるいは悪意のある手抜きなのか単なる施工不良なのか、そういったことに対してある程度悪質なもの、それから技術の未熟なものはこういった業界から出ていってもらうということによって、品質を確保するという考え方が私はもう少しあっていいんじゃないかなという気がしております。 その点、例えばこういうことまでやるようじゃけしからぬというような基準というんですか、そういったものを統一的にある程度全国的にやる必要があるんじゃないか。あるいは会社、個人の業者でもいいんですが、そういったものに対して行政上もう少してきぱきとした排除の方策がないのかというふうに思っておりますが、その点についていかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 手抜きとか設計あるいは施工のミスといっても、事の軽重はおのずからあると思います。したがいまして、例えば中間検査制度を導入するといったときにも、どういう点が検査のポイントになるのかということは体系的に全部を網羅するというわけにはいかないと思いますが、きちっとした形である程度チェックポイントは整理して皆さんにお示しした方がいいと思います。そういう極めて重要なところに対して極めて悪質な違反があったという場合と、単なる軽微なところでミスがあったというのは、恐らく処分の体系が違うことはしかるべきだと思います。 現段階でのいろんな処分のありようについて申し上げますと、私自身率直に申し上げてかなり甘いというのが現状だと思います。その意味では、今回の建築基準法の施行、さらには設計士、建築士によります工事監理の再構築というものと軌を一にして、処分体系、行政処分のありようについてももう一度点検させていただきたいというふうに思っております。
○山崎力君 本当に悪質になればこれは刑事罰の対象にもなるわけですが、刑事罰と行政罰との関係をどうするか、それから実際に行政罰のところの運用をどうするか。その運用主体が司法と違いまして、実際にそれを運用する者が、まさか一々建設省の役人が行くわけでもないし、それじゃ県なのか市町村なのか、そのときの教育レベルが同じなのかどうなのか。これは問題が山積みだろうと思うんです、実際にやろうとすれば。 つけ加えて言えば、いろいろ台帳の整備その他もあるんですが、これも本当にきちっとして、全国的にある程度の比率で七割とか八割の建物まで全部わかるような台帳に整備するというのは、これはもう膨大な作業量が必要になってくる。そういった意味では、制度はいいんだけれども実際にどうそれを運用していくか運用するデータをどう整えるか、これは極めて私は将来的にも何年か計画できちっきちっとやっていかないと、単なる絵にかいたもちになる法案ではないかというふうに危惧しておるわけでございます。 その点はこれだけにいたしまして、次の問題でお伺いしたいのは、この問題でよく出てくるのが建ぺい率、容積率あるいは用途指定という問題ですが、ここのところがどうもはっきり見えてこない。先ほどのお言葉で言えば、単体規制ということに関しては非常にいいわけでしょう、この問題では。ところが、もう一つの集団規制のバックグラウンドにある良好な町づくりをどうするかということになりますと、これは大臣のお言葉にもありましたけれども、地方の特色を生かしてとか、地方の中心、自治の形で言う都市計画をどうするかとか、町づくりプランをどうするかとかそういった話になってきて、建築基準法という国が定めた建築基準をやることでありながら、それがなぜか、どちらかというと都市計画法というのもあるんでしょうけれども、国のレベルでない部分で大幅に影響を受けてくるということが、どうもその関係がよく私には見えてこない部分があります。 端的な例で申し上げますと、ある自治体が、我が町づくりはこうするんだということで容積率、建ぺい率を大幅に緩和して、駅前の集中市街地をつくろうということが何の理由でできるのかできないのかということが見えてこないわけですが、その辺のところを含めて、集団規制と単体規制、これが今回の改正でどういう意味を持っているのか。 あわせて、その辺にひっかかってくるのが、税制が物すごく影響してくると思うんです。簡単に言えば、私の考え方からいけば、建ぺい率の規制を税制でやってもいいんじゃないか。要するに、この地域は建ぺい率五〇%まではこの比率でかける、ところが七〇%のところには比率を上げて税金を多く払ってもらう、八〇%まで認めて、そこはもっと高くする、八〇%以上は認めない、こういうことだって将来の町づくりには関係してくるのではないだろうか。 それから、何度も繰り返しますけれども、良好な住宅地を破壊したのは、バブルのときもありましたけれども、相続税による良好な宅地の分割化というのはこれはもう目に見えているわけです。全国各地であるわけです。 そういった点での税制の問題も含めたお考えをお聞かせ願えればと思います。
○政府委員(小川忠男君) 基準法と地方公共団体とのかかわり、あるいは町づくりと基準法とのかかわりというふうなことから申し上げたいと思いますが、今回の改正は、どちらかといえば基準法の中でもいわゆる集団規定、都市計画と絡む集団規定のところについては、連檐建築物関係を別にすればほとんど改正の手を加えておりません。単体と総則的な手続等々が中心になっております。 基準法で集団規定についても幾つかの用途等々について法律で類型を決めております。ただ、その当てはめ、どれを選んでどう決めるかは公共団体が都市計画の手続でお決めになるということでございますので、これは常に都市計画をめぐっていろんな議論が実は行われるわけでございます。現行でも、中央集権的に過ぎるじゃないかという議論もございます。市町村に権限をおろせという御意見もございます。一方で、おろし過ぎたら何となく変なことをやっているじゃないかという御意見もございます。これは、どの制度をつくる場合でも国と地方との兼ね合いをどうするかというふうなことだろうと思います。 したがいまして、結果的に言えば、制度論を離れますと、やはり国はある程度いろんな御意見なり応援するような観点から注意を申し上げるとか、御指導するという立場かと思います。最終的には市町村の権限だというのが法制であるならば、市町村議会に対してないしは市町村の住民に対して市町村行政が責任をとるべき問題だと思います。 それから、税でございますが、いろんな意味で住宅あるいは建築物等を税で、私どもからも税制のお願いをしたということもございますし、いろんなかかわりがあろうかと思います。ただ、建ぺい率、容積率を税によって多少操作するということについて申し上げますと、例えば固定資産税一つとっても、やはり担税能力を外形的に把握した上で課税しているという固定資産税の基本的性格からして、建ぺい率操作のために固定資産税を使うとかあるいは住民税を使うというのは、ちょっと何かハードルが少し高いところがあるのかなと。私自身、税のプロじゃございませんので断定的なことは申し上げにくいんですが、今までの常識的な運用からすると、税ではちょっと限界があるかなというふうな感じがいたします。 ただ、いずれにせよ、住宅あるいは建築物をめぐって税制が大きな役回りを演じている、これは御指摘のとおりだと思います。その意味では、税との論理の折り合いがつく限りいろんな意味で工夫させていただければと思っております。
○山崎力君 今のお答えが端的に示しておられると思うんですが、要するに建築基準法というものがいわゆる単体規制の法律と同時に集団規制の法律でもある。今回の改正は単体規制を主にやっておられるということが基本的に押さえられたと思うんです。 そうしてまいりますと、今確かにそういった阪神大震災等の問題とかいろいろな問題で単体の問題もありますけれども、ここで私の言いたいところは、その流れでくるとわかると思うんですが、今一番我々が考えなければいけないというのは、ちゃんとしたそういう建造物をつくるという単体の問題ではなくてそれの集合体たる町づくりをどうするのか、その中に建築基準法がどう当てはまるのか、現実に町づくりの中で建ぺい率あるいは容積率等で、そこのところでどういう町になるかということが極めて大きな影響を現実に及ぼしているということだろうと思うわけです。 そこのところを、これは最後に大臣の方からの御答弁もいただければと思いますけれども、市町村にそれを任せるのか、それともどこまで国が関与するのか。現実に用途指定という都市計画というところの絡みと、都市計画法との絡みと建築基準法との絡みがどうなっているのかということがなかなか見えてこない。私のにわか勉強だということもあると思うんですけれども、その関係がどうも見えてこない。 都市計画で勝手に、勝手にと言うとおかしいんですけれども、それなりに都市計画をつくる、用途指定をする、それでそこのところにこういった用途にしたときに、こういうものがその場合に建つであろうというのが建築基準法になってくるわけです。これは鶏と卵で、都市計画があるからこういう建物を建てようというのがあるのか、こういう建物が建つものだからこういう都市計画にしようとするのか、これはぐるぐる行ったり来たりする問題です。 それが、私自身今回の議案を考えていくときに、これは本当に建築基準法の抜本改正をするとしたら都市計画法との関係をもう少しすっきりさせて、こういう町づくりを国としては考えているんだ、その具体策については市町村にこういうところは独自でやっていただきたい、国としてはガイドラインとして建築に関して町づくりに関してこういう法律をつくりました、その辺のところをはっきり示すことが、私はまさに年月を経た後での抜本改正じゃないのかなという気がしているわけですが、その辺の感想も含めまして大臣及び局長から答弁を願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 市町村との政治的なかかわり以前の問題として、若干事務的な意味で私からお答えさせていただきたいと思います。 今回の基準法は、先ほど申し上げましたように単体と総則的な手続中心でございます。ただ、集団規定のありようについては時間を少しいただきたいと思います。思いますという意味は、先ほど来何回かお答えしておりますように、基準法が成立した後、これを円滑に運用するのに恐らく組織のエネルギーが相当食われると思います。それをある程度見届けた上で、これは基本的には先生おっしゃいますように都市計画制度のあり方との検討と行ったり来たりでございますが、私どもとしては集団規定のありようについても次のステップの総点検の態勢に入るのかなというふうな感じでいます。 いずれにせよ、都市計画と集団規定のありようについて検討を加えるという時期が早晩来るだろうと思います。
○国務大臣(瓦力君) 最後に機会を与えていただきましてありがとうございました。 今局長から答弁がございましたが、いわゆる建築物の安全性の確保という問題と町づくりという問題を含めながら御質問でございまして、要するに住民に身近な地方公共団体によって具体的な執行が行われるということが基本でございます。地方公共団体におきまして的確な運用がなされることは重要であるということと、阪神・淡路で明らかにもなりましたように、建築物の安全性が全国にわたりまして確保されるようなことは国としての責務の一つでもあろうと、かように考えるわけでございまして、法の運用に当たりまして積極的に必要な助言、指導を行ってまいることは当然だと思います。 なお、局長がお答えになりましたように、町づくり等に関しての問題をあわせて考えますとなお研究される余地というものを御指摘いただいておりますので、局長の答弁にあるように検討を加えながら研究しながら、また委員会においてお世話になることに相なろうと、こういうぐあいに考えるものでございます。ありがとうございました。
○委員長(関根則之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、建築基準法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 第一は、民間の指定確認検査機関による建築確認検査制度の導入についてであります。 建築確認検査の体制の拡充は必要であり、そのために行政の適切な監督のもとに公正中立な民間機関の力を活用することを一切否定するものではありません。しかし、改正案では公正中立の保障が十分ではなく、大手建設業者やハウスメーカーの息のかかった確認検査機関が生まれることが予想されます。こうした機関に建築物の検査を任せ検査結果について行政がチェックする仕組みもない制度では、検査に対する信頼性を確保できません。 民間確認の導入では、町づくりの上で是正が必要な建築物について自治体が知らないまま建築確認がなされることになり、着工以前に地域住民との調整や自治体の指導をする機会が奪われるおそれがあります。また、建築確認に際して法的には義務づけられていない現地調査は民間確認ではほとんど行われないことが予想され、現地を知らない民間機関によって確認がなされることになり、これまで以上に違反建築がふえるおそれもあります。 建築行為は町づくりや周辺環境に大きな影響を及ぼすものであり、純然たる技術基準への適合だけで工事が許される法体系は根本的に改める必要があります。 第二は、中間検査制度の問題です。 中間検査制度の創設には賛成ですが、改正案では検査の対象を特定行政庁に任せており、これでは一般住宅の中間検査が適切に行われるかどうか疑問です。特に、型式部材等製造業者に認定されると思われるハウスメーカーの住宅やマンションでは、社内の建築士による工事監理に任され、中間検査の対象項目が大幅に除外されます。これら重層下請構造で建設されるものこそ不良施工の可能性が大きいものであり、それに有効に働かない中間検査では欠陥住宅の問題の根絶になりません。 第三は、単体規定の性能基準化の問題です。 建築の自由度の拡大、建築の多様化につながる性能規定化の方向は是認されますが、基準の内容や適用条件、算定基礎などが一切明らかにされないまま賛成するわけにはいきません。また、性能規定化が公平に活用されるためには認定型式や大臣が認定した構造方法の内容、それらの認定根拠などの情報が公開される必要があります。改正案にはその保障がなく、大手建設業者や住宅メーカーなどが一方的に有利になり、消費者や中小建設業者が不利な条件に追い込まれるおそれがあります。 第四に、採光、日照、地下居室などの規定の廃止・緩和は、住宅などの環境を悪化させるおそれがあり、反対です。本当に必要な規制の緩和は、条件を明示した例外規定や状況に応じた特例許可で対応すべきです。 第五は、連檐建築物設計制度です。 用途地域における容積率の指定は、道路幅員による容積率制度の存在を前提としたものであり、それを骨抜きにすれば都市の過密を招きかねません。特に、幅の狭い道路に過大な自動車交通量となるおそれを否定できません。 特に重大なことは、余裕容積率の金銭的な取引が一般化することです。容積率がそれ自体として経済的価値を持つ私権の対象となれば、都市計画制度を根底から揺るがすことになりかねず、極めて重大な問題です。また、容積率の相互移転についての情報公開は保障されておらず、土地の取引にトラブルを招くおそれがあります。特に、質問で指摘したとおり、この制度を利用したマンション建設については、将来の建てかえに際して新たに深刻な問題を引き起こすことが必至です。それを防止する有効な手だてもないままこの制度を創設することは、無責任と言わざるを得ません。 以上、本改正案は、方向として肯定できる面はありますが、建築基準制度の大きな転換にもかかわらず、それに伴う問題点を解決する手だてが十分に講じられておらず、かえって国民の生命、健康及び財産の保護に支障をもたらすおそれが強いものです。 以上を指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(関根則之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 建築基準法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(関根則之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました建築基準法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、新党さきがけ及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、建築規制について、その実効性の確保が必ずしも十分ではなかった実情にかんがみ、今回の法改正を契機に、地方公共団体が十分な執行体制の整備と本法の的確な執行が図れるよう、適切な支援を行い、その実効性を一層確保するよう努めること。 二、指定確認検査機関及び確認検査員については、民間開放の趣旨に十分沿った育成を図ること。さらに、中間検査の対象の拡大について、その実施状況を勘案しつつ、できるだけ早期に、充実強化を図ること。 三、国民の健康を保護することが法律の重要な目的であることにかんがみ、いわゆるシックハウス問題に関し積極的に取り組み、関連業界の自主的対応を促進するなどの対策を講じるとともに、必要に応じ、法令上の措置についても検討すること。 四、建築基準の性能規定化により、従来の仕様規定によって建築する中小建設業者が不利にならないよう、性能規定に関する情報の速やかな開示及び周知、中小建設業者の技術力向上に対する支援など特段の措置を講じること。 五、連担建築物設計制度の適用に当たっては、特定行政庁等が、十分な説明を当事者に対して行うとともに、当該土地の購入者等が、本制度が適用されていることを容易に知ることができるよう適切な措置を講じ、当該土地の権利関係で問題が生じないよう十分配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
○委員長(関根則之君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(関根則之君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、瓦建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。瓦建設大臣。
○国務大臣(瓦力君) 建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(関根則之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関根則之君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、瀬谷英行君、泉信也君及び奥村展三君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君、田村秀昭君及び堂本暁子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(関根則之君) 国土整備及び環境保全等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馳浩君 自由民主党の馳浩です。 きょうは、環境ホルモン問題につきまして、全般にわたり質問させていただきます。 委員の皆様方には、ことしの一月一日付の環境新聞で環境ホルモン問題につきまして特集されておりますので、参考にしていただきながら、また折に触れてこの問題を国民の皆さんにお知らせいただきたいと思います。この資料を配付させていただきますことを了解いただきましてありがとうございます。 今ではもう環境ホルモンという言葉は流行語に近くなりまして、連日、新聞、テレビ等で報道されておりまして、国民の皆さんは実態がどうなのかわからないということでの不安、心配があります。国会におきましては、この参議院の国土・環境委員会が、本当に本格的に環境ホルモン問題について議論しようじゃないかということで、場を設けていただいたことに大変感謝いたします。 まず、環境庁に、この環境ホルモンをどのように定義しておられるのかということで御質問させていただきたいと思います。
○説明員(廣瀬省君) 内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンは、平成十年五月に専門家の意見を聞きつつ取りまとめた環境ホルモン戦略計画によると、「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」を意味すると理解しております。
○馳浩君 この正常なホルモン作用に影響を与えるという内分泌攪乱作用には、確認されております女性ホルモン関係以外の内分泌攪乱作用も含むのでしょうか。含むとして、どんな内分泌攪乱作用が疑われているのか教えてください。
○説明員(廣瀬省君) 環境ホルモンは、化学物質が動物の体内に取り込まれた場合に正常なホルモン作用に影響を与えるというふうに考えておりますが、環境ホルモンにより影響を受けるホルモン作用として、先生のおっしゃるように、女性ホルモン、エストロジェンが中心でありますが、それ以外にも、男性ホルモン、アンドロシェン、甲状腺ホルモン等が影響を受けることがあることが判明しております。
○馳浩君 どのくらいの量でどの程度の影響があるかということがわからないから、そしてどういう化学物質が対象になるかということもまだ十分ではないから、ここにまさしく国民の不安があると私は思っております。 そこで、報道によりますと、環境庁は六十七の化学物質を環境ホルモンと認定しておられるようでありますが、科学的知見が出ていない物質も多くあると聞きますから、六十七という数字は認定できるようなものではないと思いますが、いかがでしょうか。あわせて、六十七という数字は何を根拠に出てきたものでしょうか。
○説明員(廣瀬省君) 環境庁において、平成九年三月に専門家から成る外因性内分泌攪乱化学物質問題に関する研究班というのを設置しまして、そのときに、外国それから国内の科学的文献等のレビュー結果、今後の課題を取りまとめた中間報告というのを同年七月に公表しております。 そして、その国内、国外の文献の中で疑われる物質あるいは群として気になるものがございますが、それが約七十として挙げられているということ、その数が報道等で扱われているものというふうに理解しております。 そして、先生のおっしゃったように、今後の調査研究の過程でさらにふえていくことが予想される、また今後の調査研究の推進によって攪乱作用の強弱あるいはその有無が一層明らかになってくるものというふうに考えております。
○馳浩君 それでは、その環境ホルモンとして認識されている中でどのようなものがあるのか。化学物質の名前を言っていただいても余り私もよくわかりませんので、どういうような物質、製品、薬品等に使われているか、そして環境ホルモンとして疑われている代表的なものをちょっと、恐らく私たちの身近にあるものでしょうから、教えていただきたいと思います。
○説明員(廣瀬省君) 環境ホルモンにはどんなものがあるかということなんですが、一番最初の人への影響の例として、米国で一九六〇年代から一九七〇年代までに流産の防止等の目的で治療に用いられた合成エストロジェンであるジエチルスチルベストロールという薬について、使用した妊婦から生まれた女の子に膣がんが多いことが確認されている、つまりがんが起きないような年齢の女の子に起きてきたということで、それを調べてその薬が投与されていたということが一つございます。 それから、野生生物の例としては、もう皆さん御存じだと思いますが、米国で一九八〇年代にフロリダの湖で化学会社の事故の後にワニの数の減少、ペニスの奇形等が生じたと、これは流出したDDT等の有機塩素系農薬が影響している可能性が強いという言い方で出されております。 それから我が国の例としては、海岸にすむ巻き貝のイボニシの雌に雄の生殖器を持つものが見つかって、この現象の原因が有機すず化合物であるというふうに確認されております。 以上のように、具体的事象の中に起こったもの、原因的に調べようとしてその生体内にあるものを調べると化学物質が出てくるという言い方のところまでのことでございますが、科学的メカニズムについてはまだ十分にわかっていないというところがございます。
○馳浩君 化学物質ばかりではなくて、実は植物でも問題になっていると聞いております。植物がつくり出す天然の物質が、これがいわゆる環境ホルモン的な働きをするのではないか。いわゆる植物エストロジェンでありますが、これについて環境庁の認識をお伺いしたいと思います。 どのぐらいあって、どの程度の内分泌攪乱作用力があると言われているのでしょうか。
○説明員(廣瀬省君) 人工の化学物質以外にも植物がつくり出す天然の物質の中に、動物に摂取されるとエストロジェンの合成や代謝に影響をもたらし、エストロジェン類似作用と抗エストロジェン作用を及ぼす可能性のあるものが少なくとも二十種類あると知られております。これらを植物エストロジェンと呼んでおります。 そして、人の体内での吸収、代謝機構や健康への影響、内分泌攪乱化学物質と共存した場合の影響については急速に研究が進められているという状況です。そして、内分泌攪乱物質による影響を検討する場合に、植物エストロジェンについてもあわせて検討する必要があるというふうに考えております。
○馳浩君 具体的に質問させていただきますが、消費者が大変関心を持っている環境ホルモンと言われる化学物質にビスフェノールAがあります。ビスフェノールAはポリカーボネート、今後PCと呼ばせていただきますが、これの原料です。 PCとはドイツの会社が開発したプラスチックで、透明でかたく、対衝撃性にすぐれ、カメラのボディー、CD、自動車部品、食器、哺乳瓶などに使われております。 問題となっているのがPC製の食器、哺乳瓶です。つまり、PC製の食器、哺乳瓶からビスフェノールAが溶け出しているという問題が生じており、特にPC製食器を学校給食に使っている自治体がその対応に苦慮しているということであります。全国の公立小中学校でPC製食器を使う学校は九四年現在で全体の一六・八%の五千二百四十校にも及んでおります。 まず、厚生省に伺いますが、横浜国立大学環境科学研究センターが昨年九月に行ったPC製哺乳瓶六銘柄の実験結果を踏まえて、厚生省の行った実験結果について教えてください。そして、この結果をどう評価しているのか伺いたいと思います。 新聞報道によりますと、厚生省食品化学課は、この程度なら健康への影響はないとか、厚生省食品衛生調査会の毒性、器具・容器包装合同部会では、確かにビスフェノールAは溶出するが、その量は極めて微量、今すぐに結論を出すほどの緊急性はないと述べたと報道されておりますが、改めてこの評価の意味もお聞きしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 民間の機関紙によりますと、先生御指摘のように、横浜国大におきましてポリカーボネート製の哺乳瓶から溶出するビスフェノールAを定容いたしましたところ、二十六度Cの水を用いた場合にはビスフェノールAは検出をされなかったわけでありますが、九十五度Cの熱湯を入れまして一晩置いて室温まで冷ました場合に三二から五・五ppbのビスフェノールAを測定したとされております。 一方、国立医薬品食品衛生研究所の試験によりますと、ポリカーボネート製の哺乳瓶からのビスフェノールAの溶出につきましては、未洗浄の場合三・九PPbでございますが、これは洗浄いたしますと大幅に減少いたしますし、また五分間煮沸いたしました場合には溶出限度〇・五ppb以下であったと報告をされております。 横浜国大のデータあるいは国立衛研の試験結果も含めまして、直近までの諸外国を含めた科学的なデータにつきまして食品衛生調査会の御意見を伺ったところでございます。その伺いました結果、ビスフェノールAの作用は女性ホルモンの千分の一から一万分の一と報告をされているということ、あるいは哺乳瓶等から溶出いたします量は極めて限られたものであるといったことなどから、現段階におきます知見におきましては使用禁止等の措置を講じる必要はないものというふうに報告をされておりまして、私どももそのように認識をいたしております。 いずれにいたしましても、今後、知見の収集等には当然努めて、さまざまな角度から検討を加えてまいりたいと考えております。
○馳浩君 ことし一月に発表されましたミズーリ大学のフレデリック・ボン・サール博士の論文によりますと、ビスフェノールAを体重一グラム当たり二ppbと二十ppb妊娠中の雌のマウスに投与する、二ppbを投与すると生まれてきたマウスの副睾丸のサイズが縮小する、二十ppbでは精子の生産性を著しく低下させ、対照より約二〇%減少するという論文が出されております。 このことから、人間の胎児、胎児の段階ということで絞りたいと思いますが、どんな影響があるかわからないのではないでしょうか。同じ哺乳類として注意すべきと思うのが当然であると思います。それを考えますと、厚生省の評価も胎児に影響を与える可能性は否定できず、特に妊婦はPC製の食器の使用は控えるべきという見解が表明されてしかるべきではないかと思いますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 御指摘のビスフェノールAを妊娠中のマウスに一週間投与、いたしまして、生まれてきた雄のマウスヘの影響を見た試験結果につきましては、現在その再現性等を確認するために別途同様な試験が実施をされているというふうに聞いております。 一方、いわゆる環境ホルモンによります胎児を含む健康への影響を調査するに当たりましては、化学物質を妊娠させた動物に与えるのではなくて、投与しつつ妊娠をさせ、子供及び孫までの影響を観察するという二世代繁殖試験が現在国際的に最も適当であるというふうに言われております。 ビスフェノールAの二世代繁殖試験につきましては、米国政府がこれを実施いたしておりまして、商用量で体重減少のみが見られたというふうに報告をされております。他方、ポリカーボネート樹脂からのビスフェノールAの溶出量は、先ほど申し上げましたように極めて限られた量でございます。 以上のような状況から、現段階の知見におきましては先ほど申し上げましたように使用禁止等の措置を講じる必要はないと考えておりますが、さらに御指摘の報告あるいは最新の科学的な知見も踏まえまして、厚生省といたしましても二世代繁殖試験を実施すべく今検討いたしているところでございます。
○馳浩君 引き続き、ビスフェノールAについて質問いたします。 厚生省は、PC製の食器、哺乳瓶について、新品だけでなく何十回も使用した製品でビスフェノールA溶出実験をやっているのでしょうか。さらに重要なのは、哺乳瓶について、水ではなくて油分を含んでいる粉ミルクでの溶出実験をやっているのでしょうか。もしやっていないのならば、その実験を早急にやっていただき、その情報を公開していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) ポリカーボネート製の食器を対象にいたしまして、国立医薬品食品衛生研究所におきまして、同一の容器に繰り返して溶出試験を行った場合におきます溶出量の変化、あるいは油にかわるものといたしましてノルマルヘプタンを用いた場合の溶出量等について試験を行ったところでございます。 その結果、繰り返し試験を行った場合には、二回目以降の溶出量は大きく低下することが報告をされております。また、九十五度Cの水の場合の溶出が十九・〇から二十六・三ppbであるのに対しまして、ノルマルヘプタンを溶媒として用いた場合には二十八・八から三十九・一ppbと報告をされておりまして、溶出量は多少高くなるわけでございますが、その程度はさほど大きくないものと考えております。 これらのデータにつきましては既に公表されているところでございますが、厚生省といたしましては、種々の条件下におきますビスフェノールAの溶出量につきまして今後ともその調査研究を進めまして、調査結果を公表してまいりたいと考えております。
○馳浩君 こういう御答弁が今の現状だと思いますが、我々は化学物質のおかげで大変恩恵を受けております。化学物質なしては現在の生活は維持できない、ならば化学物質のリスクと便益を勘案しながら化学物質を使用していくしか道はありません。そのためにも、正確な情報の公開と情報の共有というリスクコミュニケーションが不可欠であると思います。 さらに、もう一歩進んで言うならば、行政のサイドは科学的知見が確立されるまでは情報を提供しないとの態度は改めて、疑わしい場合は、確実な科学的知見はないが危険性が否定できないとの情報を公表し、消費者にその化学物質を使用するか否かの選択をさせるようにすべきではないでしょうか。 これは表示の問題になってくるのでありますが、こういう消費者サイドに立った情報公開が不可欠であり、予防原則からいっても重要と思います。さらに、企業サイドから見てもマスコミの情報で自主規制を迫られることもなくなるわけで、企業サイドからも歓迎されると思いますが、この点を大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 先ほどからお話がございますように、環境ホルモンというのが大変世間の耳目を集めてはおりますけれども、明確な科学的な知見が十分には得られていないということでありまして、動物につきましてはかなりいろいろな現象が実際にあらわれておりますが、ではそれが人体に対してどういう影響を与えるかということになると、正直申し上げましてまだ非常に限られた資料しかない。 ただ、例えば母親を通じての胎児に対する影響というようなのは、これはもし仮にあるとすれば次の世代、三世代とだんだんにつながっていく話でありますから、これはよほど慎重にいろいろ予防といいますか対策を考えなきゃいけない。ただし、これについてでさえまだ十分には得られておりませんけれども、ただいまお話がございましたように、危険だよということについての情報公開ということが非常に大切だと思います。 ということでございますので、私ども環境庁におきましても環境ホルモン戦略計画というようなのを立てまして、これは日本国内ばかりでなく外国の機関とも協力しあるいは情報を集めているということで、今おっしゃいましたように疑わしきにつきましてはできるだけ情報を公開する、そういう方針でこれからもひとつ政府としての責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。
○馳浩君 個人的ではありますが、私の家には生後五カ月の子供がおりまして、この環境ホルモンの問題が出てまいりまして、実は女房が哺乳瓶等々PC製と書いてあるものを全部捨てちゃったんです。いやいやそこまでしなくてもいいのにと思いながらも、やはり我々一般国民の見方というのはそうなのかなと。それで今はガラス製のものを使っておるわけであります。恐らくこういったことは全国の家庭でも少なからず行われておるのではないかなという不安を私は覚えます。 通産省の方にお伺いしたいのですが、報道によりますと、PC製品の製造を中止したメーカーも出てきております。この点を確認しておられるでしょうか。さらには、過度の報道により売れ行きが極度に悪くなり自主規制をさせられた企業が出てきている事態をどう考えているのでしょうか。どんな対策を検討しているのでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) お答え申し上げます。 今御指摘のように、本年の四月十二日、PC製品のメーカー二社が同製品の生産中止を決めたという内容の報道があったことはよく承知をいたしております。本件につきましては、当省から当該メーカーに対しまして事実関係を確認いたしました。 それによりますと、今回問題となりましたPC製の子供用食器でございますが、いずれも食品衛生法による材質基準値を超えたビスフェノールAが検出されたため、行政当局から、具体的には府であるとか市でございますが、回収命令を受けて対応したものと。 現状でございますけれども、二社のうち一社は他のPC製品を現在も継続して製造販売しており、もう一社は取引先からの注文がなく、現在は製造を中止している。いずれにしても、二社とも学校給食用の食器は製造していない、こういった事実関係を確認いたしております。 お尋ねの影響と対応でございますけれども、地方によりましては、学校給食用食器にPC製品導入を見合わせる、または安全性について調査を開始する、こういった動きが出ていることは承知をいたしております。ただ、これらの動きはこの春から始まったという感じでございまして、PC製品全体の需給へ大きな影響を与えるというところまでは、現時点では顕著な事例はあらわれていない状況でございます。 しかしながら、通産省といたしましては、今後ともPC製品への影響に関する情報収集を引き続き行っていきますとともに、環境ホルモン問題についての国全体の対応状況を踏まえながら必要な対策を講じてまいる所存であります。 なお、業界の動きでございますけれども、PC製食器等のメーカーで構成しておりますプラスチック日用品工業組合、これは百七十六社の全国組合でございますが、ここが、問屋、小売業者、教育委員会、こういったところを対象にPC製品の安全性と環境ホルモンについての説明会を開催いたしましたり、原材料の供給者でございます樹脂メーカーとの間で会合を開きまして、原材料納入の際の品質保証体制のあり方について今話し合いを行っているところでございます。 さらに、組合内部に委員会を設置しまして、環境ホルモンに関する情報の収集及びメーカーとしての対応の検討を開始する等の体制をとった、こういった状況にございます。
○馳浩君 我々消費者は、危ないのかなと思うと買わなきゃいいわけなんです。選べばいいわけです。ところが、メーカーは死活問題でありますので、これはやっぱり早急な対応を今後とも引き続き私は通産省にはお願いしたいと思います。 次に、文部省、厚生省に伺いたいと思います。 先ほども申し上げましたが、PC製品を使う公立の小中学校の数は新聞でわかっておりますが、まず文部省さんに、幼稚園の数はどうなのか、それから厚生省管轄の保育所の数はどうなのか、それぞれ伺いたいと思います。あわせて、学校や幼稚園、保育所等から問い合わせが来た場合に、つまりPC製食器は大丈夫なのというふうに問い合わせが来た場合にどのような対応をとっているのか、これも教えていただきたいと思います。
○説明員(佐々木順司君) 公立の小中学校におきます使用状況は、先ほど委員から御指摘のあったとおりでございます。 幼稚園につきましては、私ども、食器等の詳細につきましては実は調査を実施いたしておりません。そのため、ポリカーボネート製の食器の利用状況につきましては私ども承知をしていないところでございます。 それから、後段の方のお話もあわせてここでお答えをさせていただきたいと思いますが、都道府県等から照会があった場合でございます。 御案内のとおり、学校給食法におきましてはどのような材質の食器を使うかということについては特段の規定はいたしておりませんで、各学校で基準を満たしているものについてお選びいただくということになってございます。 本件につきましては、私ども、現段階といたしましては教育委員会等に対しまして正確な情報をお伝えするということがまず必要というふうに考えております。 都道府県の学校給食の担当者につきましては、一つは、食器の安全性につきましては食品衛生法で基準が決められておりまして、厚生省は専門家の御意見もお聞きした結果、現段階における知見においては使用禁止等の措置を講ずる必要はないとの御見解であるということ。それから他方、環境ホルモンが人体に与えます影響のメカニズム等々につきましては科学的に未解明な点も多いということから、政府では環境庁、厚生省、科技庁等々が協力して研究を推進しているということをお伝えいたしまして、私どもとしましては、今後とも関係省庁と密接な連携を図りながら情報の収集に努めまして、都道府県教育委員会等に対しまして適宜必要な情報を提供していきたいというふうに考えております。 教育委員会には、こうした情報、あるいはさまざまな動向等を把握しつつ適切に対処してほしいというお願いをしているところでございます。
○政府委員(小野昭雄君) 保育所についてのお尋ねでございますが、平成十年の四月時点におきまして、七つの道府県、指定都市の二百四十二カ所の保育所につきまして使用している食器の材質を調査いたしましたところ、十二カ所、五%の保育所で食器として使用していることが判明したところでございます。 それから、ポリカーボネート等のプラスチックの安全性につきましては、先ほど来申し上げておりますように、現時点では使用禁止等の措置を講じる必要はないという専門家の慎重な御検討の結果があるわけでございますので、保育所におきますポリカーボネート製品の使用を直ちに使用禁止にする必要はないというふうに認識いたしております。 先ほど来御答弁申し上げておりますように、極めて新しい問題でもございますし、世界でも各種の知見の集積が図られておりますので、そういった成果を専門家に御検討いただきながら適宜適切な措置を講じますとともに、保育所だけではございませんが、国民の皆さんに的確な情報を提供していくということで対応してまいりたいと考えております。
○馳浩君 お母さん方にとれば、胎児の段階、乳幼児の段階で影響を受けたら大変ではないかというふうなことの心配で、学校というよりもこういう保育所、幼稚園での不安というのはとりわけ大きいと思うんです。 文部省がおっしゃるように、PC製品の食器を使う幼稚園の数がわからないというのは、結局、学校給食法の対象が義務教育諸学校だからであります。幼稚園の給食の管理運営について国はどうしているのでしょうか。 もし国として十分に管理していく制度がないのならば、給食の安全面に関して幼稚園児と児童生徒を区別する必要はなく、学校給食法の改正なども視野に入れて、幼稚園での給食の安全管理も国は責任を負うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木順司君) 委員御指摘のとおり、学校給食法によります学校給食は義務教育諸学校を対象としているところでございますが、幼稚園も含めました給食につきましては、安全面というのは園児、児童生徒、区別はないわけでございます。 私どもとしましては、これまで各種の通知等におきまして、幼稚園で給食を行う場合には義務教育諸学校におきます学校給食に準じて行うように指導をしてきているところでございまして、例えば平成八年度のO157によります食中毒事件を契機としまして平成九年度に定めました学校給食衛生管理の基準でございますが、これにつきましては、幼稚園を含めまして衛生管理について種々お願いをしているところでございます。 私ども、今後とも幼稚園を含めました適切な給食が実施されますように、情報提供なり指導等に力を入れてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○馳浩君 幼稚園、保育所での給食の管理ということに関しては、この環境ホルモン問題のみならず一昨年来はO157の問題もありまして、こういった問題でも何らかのしっかりした法的な措置あるいは管理体制が、国として責任を持てるものがあった方がいいんじゃないかという声もあるわけでありますから、この点については改めて質問させていただきたいと思いますので、ちょっと問題意識を持っておいていただきたいと私は思います。 次に、このビスフェノールAというのは、実は虫歯を削った後の溝などに埋める充てん剤からも溶出するのではないかと問題となっております。私の同僚で参議院に日本歯科医師会会長の中原典先生という方がいらっしゃいまして、実は私、きょうこの質問をするので聞いてまいりました。 伺いますと、報道で環境ホルモンが出るんじゃないかと疑われているのが充てん剤のシーラント、これは乳歯の虫歯予防に使っているそうであります。それからコンポジットレジン、これはプラスチックの詰め物などで使っている充てん剤だそうであります。要は、この充てん剤の中にビスフェノールAが成分として含まれているのかというのが一つの問題。それから、それが口の中ですから、例えばそれはだ液で溶け出しているとか、あるいは治療の最中に溶け出しているんじゃないかという不安が出ておって、テレビ報道を私も拝見いたしましたが、疑わしいという声も出ております。 そんなことを言われると私は歯医者にも行けなくなってしまうんですけれども。この辺の国民に対する情報開示がどの程度されているのか。中原先生にお伺いすると、日本ではそういったことは全くないんだと、歯医者さんたちにはちゃんと徹底しているんだというふうには言われますが、我々治療を受ける国民は、報道だけを見るとやっぱり不安が大きい。 この点に関しまして、これは厚生省にどういうふうに認識しておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(中西明典君) 御指摘の歯科充てん剤であるコンポジットレジン、それからフィッシャーシーラント、これらにつきましては成分としてビスフェノールAそのものは使用されておりません。それを原料として合成されましたビスGMAが使用されているというふうに承知しております。 フィッシャーシーラントからのビスフェノールAの溶出に関しましては、スペインの研究者の報告によりますと、一九九六年に溶出した旨の報告がなされたわけでございますが、その後に実施されましたアメリカ、それから我が国の研究者による複数の研究報告におきましては、ビスフェノールAの溶出は認められないという報告がなされていると承知しております。それからコンポジットレジンにつきましても、本年のドイツの研究者による研究において、ビスフェノールAの溶出は認められないという旨の報告がなされておると承知しております。 私どもとしましては、こうした情報をさらに集積しまして、都道府県、保健所等を通じて国民に情報提供できるよう検討してまいりたいと考えております。
○馳浩君 何度も申し上げますが、私の同僚の中原典日本歯科医師会会長は全くないと断言しておりましたので、その点はお伝えしておきたいと私も思います。 それから、五月十五日、この新聞広告は皆さんもお目にされたと思います。(資料を示す)私も大好きなのでありますが、カップめんです。私はカップめんを食うといつも女房に怒られるのでありますけれども。環境庁はこの環境ホルモン六十七種類の中にスチレンダイマー、スチレントリマーを入れておるわけでありますが、この広告では、「スチレンダイマー」「スチレントリマー」が人間の内分泌を撹乱するというエストロジェン様作用(環境ホルモン作用)の実証例はなく、」とはっきり書いてあるんです。環境庁が環境ホルモンとして認定しておられるこのスチレンダイマー、スチレントリマーとカップめん、日本即席食品工業協会が新聞で出しているんですが、全くこれは事実がぶつかっているわけです。こんな矛盾はないわけであります。 この公告について、これは厚生省さんに先にお伺いしますが、この正確性は認識しておられるんですか。そして、環境庁はこんなことを書かせておいていいんですかという疑問なんです。この二点、まず厚生省さんからお願いします。
○政府委員(小野昭雄君) 先生が今お示しになりました日本即席食品工業協会が五月の中旬に新聞各紙に出しました広告につきましては、環境ホルモンの定義が国際的にも議論されているところでありまして、まだ確たるものが定まっていないこと、またカップラーメン容器からの溶出を分析したとしても、科学的には検出できる限度があることから溶出がゼロであることは証明できないことなどから、科学的に極めて厳格に言えば言葉足らずの点があるというふうに考えております。
○説明員(廣瀬省君) 環境庁が六十七の物質のリストに掲げた理由でございますが、スチレンダイマー及びトリマーは、これらの物質の混合物の投与によるラットを用いた動物実験において性成熟の早期化が観察されるという研究報告がございます。そういうことのために、疑われみ物質の中に入れてこれからきちっと調査をしようという考え方が出されているわけでございます。 指摘の意見広告における実験の手法及び結果の詳細について気にしていることがございまして、この実験が具体的にそれがきちっと証明できる手法なのかどうか。それから、その結果のとり方とこの手法については、私の方の調べた結果では、まだ学会等でも発表していないというようなものというふうに聞いておりまして、その辺のところを大変心配しております。 それから、ホルモン攪乱作用の先ほど申しました強さ、それからありなしの問題を判定するためにOECDが三月に仕事を始めております。私たちの方ではそういうところに参加をしていくわけでございますが、それは関係省庁と合わせてその手法の確立を図ってオーソライズされる世界をつくっていくというのが緊急の事態というふうに理解しております。 そして、こういう広告が出たのに環境庁は黙っているのかという御質問かと思いますが、環境庁は今言ったようにきちっとした手法を早く確立することが一番先というふうに思っておりまして、そこに努力をしてまいりたい。それが確立した形でこの問題について問題があれば、そのとききちっと指摘をしてまいりたいというふうに思っております。そういう形で、とりあえず今のところは手法をきちっとすることの問題というふうに思っております。 それから、先ほど厚生省も申しておりましたが、いろんな意味であいまいな形の文章であるというふうに思っております。
○馳浩君 これは日本即席食品工業協会も不安が多いんだと思います。だって、もしかしたら環境ホルモンがカップめんから溶け出すかもしれないというふうな報道があって以降、物すごい買い控え、食べ控え、ちなみに私は好きですから週に一回は食べておりますけれども、あるんです。 ですから、私はこの広告がいかぬじゃないかと言っているんじゃなくて、厚生省さんも環境庁さんも、そしてこの日本即席食品工業協会の皆さんもやっぱりひざを突き合わせて、その手法がどうなのかとおっしゃいましたけれども、それについてもすり合わせというと変かもしれませんが、これはやっていただかないと、消費者が不安でありますから。 この意見広告を読んでおりますと、カップめんに熱湯を注いでも出てこないと言いますが、カップめんに熱湯を注いでめんだけを食べるんじゃなくてスープも我々は飲むわけです。スープ、油分等が入った状態でどうかということを要は知りたいわけなんです。ですから、そういう点も含めまして調査研究の仕方というのをお互いに情報交換しながらやって、大丈夫なら大丈夫で、それじゃ意見広告出してくださいよという、これが筋だと思うんです。 私は、その点についてはこの広告が悪いと言っているんではなくて、この広告が出ているという現状は、これは恐らくメーカーの皆さんの不安がある、より以上に消費者の不安があるということの事実でありますから、その点行政としての対応をお互いにひざをすり合わせてやっていただきたいというのが私の要望であります。 次に移ります。 可塑剤として広く使われているフタル酸エステルも問題になっております。フタル酸エステルは塩化ビニール樹脂を柔らかくするために添加される可塑剤ですが、特に塩化ビニール樹脂のおもちゃを乳幼児が口にすることから問題となっております。これはうちの子供もいつも口に入れております。このフタル酸エステルがおもちゃ、さらにイギリスの事例では食品から溶出していると報告されております。この点を危惧してドイツ政府は業者に販売自粛等を要請しているとの新聞報道もあります。 そこで質問ですが、厚生省はこれら乳幼児のおもちゃでのフタル酸エステルの溶出実験をやっているのでしょうか。さらに、ビスフェノールA同様どのような認識を持ち、どんな対応策を実施、検討しておられるのか、教えてください。
○政府委員(小野昭雄君) フタル酸エステルのおもちゃからの溶出量あるいは食品中の含有量につきましては、厚生省として試験を行ってはおりませんが、カナダあるいはイギリス等におきまして実施されました試験成績をもとにいたしまして食品衛生調査会において検討していただいたところでございます。また、WHOを中心といたしました国際化学物質安全性計画の報告書によりますと、フタル酸エステルにつきましては環境中に広く存在をいたしておりまして、大気等からの暴露の方が食品等からの暴露の方よりも多いというふうに報告をされております。 厚生省といたしましては、フタル酸エステルの人への暴露につきまして、御指摘のございましたおもちゃからの溶出あるいは食品中の含有量を含めまして、今後種々の観点から必要な調査あるいは研究を行い、専門家の御意見も伺ってまいりたいと考えております。
○馳浩君 この点について調査を進めておられるということなので結構なのですが、厚生省は一部避妊薬について体内で環境ホルモンに変化する可能性があるために製造元に安全性の調査をするよう行政指導をしているということであります。フタル酸エステルについても引き続き調査、そしてその調査に基づく指導等をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 有機すず化合物について質問させていただきます。 巻き貝のイボニシの雌に対して雄の性徴、これはインポセックスと言うそうでありますが、不可逆的に誘導することで知られているのがトリブチルすず、TBTであります。そして、有機すず化合物は広く船底の塗料として使用されておりますが、日本はそのTBTのうちトリブチルすずオキシド、TBTOと言うそうでありますが、これについては化学物質審査法で第一種特定化学物質に指定して、製造並びに輸入、使用に対して許可制をとっており、原則製造禁止という厳しい行政の規制監視下に置かれております。そのほかのTBTの十三種類とトリフェニルすず、TPTと言うそうであります、この七種類は第二種特定化学物質とされており、必要に応じて製造、輸入が禁止されているということであります。 そこで質問ですが、TBTO以外は省庁の使用自粛指導、企業の自主規制にゆだねられておりますが、環境ホルモンの問題を踏まえるならば、化学物質審査法の第二十六条四項、五項を適用して製造等の制限をする等の処置をすべきではないでしょうか。 さらに、自主規制により代替品を使用しているとも聞いておりますが、通産省はこの代替品に何を使っているのかという報告を受けているのでしょうか。その情報を公開すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ちなみに、これは私の友達からいただいたコメントでありますが、社団法人日本塗料工業会としてのコメントです。 有機すず類は昨年四月から使っていない。現在海水中から検出されるのは外国から入ってくる船に塗られているからではないか。代替品については各社企業秘密で公表していないと思う。詳しくは造船研究協会に聞いてほしい。 造船研究協会のコメントです。 代替品についてはどこでどういうものを使っているか明らかにされていない。亜酸化銅に何かまぜていると思う。各企業とも代替塗料と言うだけで公表していない。そういう義務がない。現在協会では委員会を持っており、各メーカーで使っていると思われるものの環境試験を行っている。生物に影響を与える濃度や毒性を調査し、基準を定めていこうというものである。四種類の化学物質を対象に調査中であるが、それが何なのかはまだ公表できない。来年三月以降に報告書を出す予定ということであります。 大きく言いまして、先ほど申し上げた二点につきまして通産省さんの御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(作田頴治君) ただいま先生の御指摘のとおり、TBTO、トリブチルすずオキシドでございますが、このTBTO以外のTBT、トリブチルすすば十三種類ございます。それから、TPT、トリフェニルすすは七種類ございます。この十三種及び七種は第二種特定化学物質として指定されまして、その製造、輸入につきましては事前に通商産業大臣に届け出ることが義務づけられております。 同項に基づく、船底塗料用向けの有機すずの化合物でございますが、この製造、輸入の事前届け出は平成九年以降行われておりません。したがいまして、通産省としては、現在我が国におきましては同年以降これらの物質の製造、輸入はないということを確認しておりますので、新たに特段の規制を講ずる必要はない、このように判断しております。 それから、有機すずの代替品は一体何なのか。現在、有機すず系の船底塗料は業界が生産、使用の自粛を行っておりまして、代替品としては今先生御指摘のありました亜酸化銅系の塗料が広く使用されております。さらに、耐久性及びコストの面でよりよい船底塗料を供給すべく各塗料メーカーが確かに鋭意現在努力しているというところでございます。 なお、その代替品に関する情報の流通につきましては、少なくとも亜酸化銅系が広く使われているということはもう業界でよく知られておりまして、十分そういった情報は流通している、このように認識しております。
○馳浩君 その代替物質の話なんですが、亜酸化銅系というふうにおっしゃいましたけれども、それがどんなものかということを把握しておられますか。その義務がないというのがこの造船研究協会のコメントでありますから、義務がないのであるならば報告しなくてもいいということになりますね。では、報告しなくてもいいんですか。そして、この亜酸化銅系というものは生態に影響はないのでしょうかという私の質問の趣旨なんです。また、人体に影響があってから規制が入っては遅いのではないかという指摘であります。
○政府委員(作田頴治君) 先生がおっしゃるようにもし新たな化学物質が開発されましたら、これは化審法の対象になりますので事前に十分なる審査をいたしまして、それで安全性を確認して初めて製造等が開始されるということでございます。そういった意味で、新たな物質の開発については十分私どもとしては法的には担保されている、このように考えておるところでございます。
○馳浩君 いや、新たな物質は調査をされると言いますが、環境ホルモンについての調査がまだ恐らく十分じゃないはずです。それを考えれば、今のうちからこれは公表しなきゃいけないんじゃないですかということなんです。 では、環境ホルモンについての事前の調査というのはされるわけですか、されないんでしょう。
○政府委員(作田頴治君) 環境ホルモンの効果があるかどうかにつきましては、実は先ほどから何回も御説明していますように、環境ホルモンの効果を測定する技術方法が必ずしも十分確定していないということでございますので、私どもといたしましてはこういった環境ホルモンの試験研究、その手法を鋭意開発することに努力している、こういった状況でございます。
○馳浩君 そうなんですね。だから、そのためにも今回補正予算で予算が組まれているところでありますし、早く補正を通していただきたいのであります。 だからこそ、事前に代替物質についての報告もやっぱり通産省としては把握しておいていただきたいというのが私の希望であります。私は、これ以上は同じような答弁なので突っ込みませんが、そういう問題意識を持っていただきたいということなんです。 関連して、日本で有機すず化合物を規制しても海外で使用が規制されなければ、外国船が日本の領海を通過しますし、寄港する以上、日本だけの規制は効果が半減いたします。 そこで、運輸省を中心として、国連の国際海事機関の海洋環境保護委員会で有機すず化合物の全面使用禁止を訴え、法的拘束力のある国際協定の実現を目指していると聞いております。大変すばらしいことで、大いに頑張っていただきたいと思いますが、現在どういう状況下にあるのか教えてください。
○説明員(北村正一君) 有機すず化合物を使用いたしました船舶の船底塗料の使用につきまして、運輸省は、国内における使用自粛を進めるとともに、今御指摘ありましたように国際海事機関において世界的な使用禁止を訴えてきたところでございます。 国際海事機関では、我が国の提案を受けまして、平成八年七月に開催されました海洋環境保護委員会におきまして有機すず系船底塗料の世界的な規制に向けた作業を開始することが決定されました。さらに、本年三月に開催されました海洋環境保護委員会におきまして、そのための本格的な議論が開始されたところでございます。 この三月の会合におきまして、我が国は改めて有機すず系船底塗料の早期全面禁止が必要である旨主張したところ、一部の国から、全面禁止のためには代替塗料の開発が必要であり、これが前提条件となるという旨の意見はございましたけれども、多数の国が基本的に有機すず系船底塗料の全面禁止を支持していることが確認され、本件の検討をさらに進めることが合意されております。 本年十一月に開催予定でございます次回の海洋環境保護委員会では、本件が集中的に議論されるということになっておりまして、全面禁止のための法的な枠組み、タイムスケジュールなどが検討される予定になっておりますが、我が国はこれらの検討に積極的に参加いたしまして、有機すず系船底塗料の世界的な全面禁止の早期実現を図りたいと考えているところでございます。
○馳浩君 運輸省のリーダー的な役割を期待したいと思います。 それから、ことしの四月一日から開かれました日本水産学会で、複数の環境ホルモンの相乗作用効果が指摘されました。一種類の化学物質だけじゃなくて複数の化学物質、これは環境ホルモンとして複数合わさると相乗効果があって人体に影響がある、生体に影響があるのではないかという指摘が日本水産学会からなされたわけでありますが、環境庁として、この指摘に対して認識をどのようにしておられますか。
○説明員(廣瀬省君) 本年四月に開催されました日本水産学会で、九州大学の研究者から、トリブチルすすとPCBをメダカに同時投与したものと単独投与群と比較した場合、産卵頻度や産卵数が低下する、つまり複数の方が低下するという報告がされております。 環境中には複数の内分泌攪乱物質が共存しているというふうに考えておりますので、人や野生生物への影響の発生の可能性を考えるに当たってはこうした複合影響にも十分留意するということで仕事をしてまいりたいというふうに思っております。
○馳浩君 続きまして、違った観点から質問いたしたいと思います。 私は自由民主党の環境ホルモン問題小委員会委員長を務めておりまして、勉強会のときに横浜市立大学の井口泰泉先生に来ていただきました。環境ホルモンと命名された方であります。 要望をお聞きしましたら、何よりも人、すなわち研究者の確保を要望されておられました。第一に環境ホルモン問題を専門に行う人材の養成、第二に医学界を初めとした関係研究者との協力体制の確立、恐らくここには環境ホルモン学会の設立も含まれていると思います。この二点を大変主張しておられました。環境ホルモンに関する研究者というのは少ないんだそうです。各省庁の研究会なんかに井口先生は何カ所も参加しているようでありまして、おっしゃるには、いや馳さん、研究しておる私がおっても助手とかが十分な手当てがなされておらなければ、一人で研究するわけじゃないんですよと。そういう点からも大変政府に御協力いただきたいというような要望でありました。 そこで、まず人材の養成についてはポスドクを十分に利用すべきと思います。文部省さんはこの点について何とか知恵を絞っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。もう一つは環境庁に、いわゆる研究情報の一元化、国際的な協力体制を構築するときに日本としての受け皿、そういう意味で環境ホルモン学会の立ち上げについて環境庁はいかに考えておられるのか、この二点をお伺いいたします。
○説明員(井上明俊君) 御説明を申し上げます。 環境ホルモンにつきましては、大学等におきまして従来からさまざまな種類の基礎的な研究が行われてきているところでございます。 先生御指摘の、大学等において環境ホルモンに関する研究を推進するためにポストドクターを活用するということにつきましては、現在、日本学術振興会の特別研究員が幾つかの大学、例えば愛媛大学等におきましてその研究に従事しているという例が見られるところでございます。ポストドクターなど若手研究者は、環境問題を初めとするさまざまな新しい課題を解決していく上で大変重要な役割を果たすものというふうに考えておりまして、今後とも、ポストドクター等一万人支援計画のもとに、若手研究者の育成確保のために施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(廣瀬省君) 先生の御指摘のとおり、学者が少ないということで大変悩んでおります。環境ホルモン研究というのは幅広い分野の人が参加するということでございまして、生物の関係からも入っていただかなきゃいけない、魚類関係の人も入っていただかなきゃいけない、それからNGOの方で生物的に観察をするような人、生態の動きを観察するような人も必要ということでかなり幅広い形になります。そういうことで、今まで関係を持った先生方に御相談をしてまいりまして、来週中にも学会が設立するという方向が見出されたようでございます。 そして、その問題を含めて、具体的にまとめ役をする場所もなければいけません。今言ったように、スタッフの少ないところではできないということもございますので、この問題では国立環境研究所で関連の研究設備の整備も含めて研究体制を充実するという形で、現在補正にもお願いしているわけでございますが、ある程度まとめ役的な形の仕事をしていただきたいということで考えております。 そして、今文部省からも話がありましたが、大学その他の学術研究機関の関連する研究活動ということで、今回科学技術庁から応援をいただいております。全体的に集まって、私たち、省庁の壁と言われていますが、省庁の壁を超えた学者の集まりをうまく醸成できればというふうに思っております。そういう意味で、今回できる学会に大変期待をしているところでございます。
○馳浩君 環境ホルモンの問題は日本だけではない、世界的な問題でありまして、環境問題に国境はないということであります。 大臣にお願いしたいのは、きのうでしたか橋本総理が核廃絶についてのフォーラムをぜひ日本が主導でやりたい。私は、むしろCOP3で議長を務められた大木環境庁長官ならば、環境ホルモンについての国際フォーラムを日本がやります、金を出しますと、研究者は確かに今おっしゃったように少ないかもしれないけれども、日本がリーダー的にやりますと。恐らく日本の産業界もこの化学物質の取り扱いについて、環境ホルモンという問題が出てくると大変なこれは頭の痛い問題だと思うんです。ならば、私は国際フォーラムを日本でやっていただきたいと思います。これについて何かコメントがありますか、大臣。
○国務大臣(大木浩君) 環境ホルモンにつきましては、部分的にはアメリカとかイギリスで研究という面では進んでいるところもあるんですが、先ほども申し上げましたけれども、人間に対する影響ということになると正直申し上げましてはっきりしたものはまだ十分に得られていないということでございますので、環境ホルモン戦略計画、こういうものを今環境庁の方でつくっておりまして、これも国内ばかりではなくて国際的にもできるだけ勉強させていただきたいということですから、また将来、いろいろな国際会議というものを含めてひとつ積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○馳浩君 先般のさきがけの党大会でも環境の党に生まれ変わると、すばらしいことだと思います。 政府としても環境問題、日本が本当に、とりわけアジア地域のリーダーシップをとる必要性があると思いますので、ぜひ国際フォーラムをするにしても早く手を挙げて、欧米の研究者を呼んでやっていただきたいと思います。そのために今般の補正予算でもたっぷりついておるわけでありますから、研究施設整備ばかりじゃなくて、そういった点での人的交流を私はお願いしたいと思います。 最後の質問に移ります。 環境庁から出ておりますPRTR、環境汚染物質排出・移動登録制度、これを数年中に法制化するということでありますけれども、このPRTRの法制化について環境庁にお伺いしたいと思います。非常にすばらしいことでありまして、OECDの勧告にもこたえるものであります。私は支持します。しかし、法制化に向けて心配な点もありますので質問します。 まず、対象化学物質に環境ホルモンは含まれる予定でしょうか。さらに、対象化学物質の量の報告は企業に義務づけるのでしょうか。義務づける場合でも、例外的に企業秘密という観点から報告義務を免除する場合があるのでしょうか、環境庁のお考えをお願いいたします。
○説明員(廣瀬省君) PRTRの制度に当たっては、潜在的に有害なものを含む多様な有害性を持つ化学物質を対象にするというふうに考えておりまして、環境ホルモン作用についても対象物質を選ぶ上で重要な観点となり得ると思っております。 報告の義務づけについては、一般にデータの一貫性や報告の公平性の確保という観点から必要なものと考えております。報苦情報に企業秘密に該当する情報が含まれる可能性、その場合の取り扱いの問題については今後さらに検討を進めてまいりたい。 なお、環境庁において全国でPRTRのセミナーを開催しました。昨年来進めてきたPRTRのパイロット事業の中間報告の説明を行ってまいりまして、国民の意見を伺っているところでございます。こうした各方面の意見を踏まえつつ、今後我が国にふさわしいPRTRの制度のあり方について、法制度も含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○馳浩君 報道によりますと、通産省も同じようにPRTRについて法制化を進めているんです。 大臣、COP3のときに日本の温暖化ガス削減について政府内で言われているのは環境庁と通産省の対立、お互いに突っ立ってなかなか削減幅が決められなかったという報道をされております。 今回、このPRTRの法制化についても通産省の方からも法制化の動きが出ているんです。今御答弁いただきましたように、環境庁としても十分やっておられる。私は、これは早く、今の段階から、お互いの担当する行政分野は違うのでお互いに法律をつくるということについては私は指摘はしたくありませんが、出てきた内容が、同じものが二つ出てくる、あるいは両方何か段階が違うようなものが出てくると、これは恐らく産業界にとってもまた不幸なことだと思います。 これ最後の質問ですが、まず通産省の方に法制化の方向をお聞きしたいと思いますし、それから最後に大臣、COP3の二の舞を起こさないためにも通産大臣ともこの点についてのすり合わせはしておいていただきたい、その方向性、強い決意を大臣にお聞きして私の質問を終わります。
○政府委員(作田頴治君) PRTRにつきましては、現在、通産省におきましても化学品審議会の広範な化学物質の総合管理のあり方の審議の中で、法制化も含めて導入のあり方を検討しております。関係する範囲が大変広うございますので、環境庁初め関係方面とも十分調整した上で今後検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○馳浩君 はい、わかりました。よろしくお願いします。
○国務大臣(大木浩君) 通産省も環境庁としても法制化ということを当然に頭に置いていろいろと勉強しておりますが、これは実際問題のところ、単に日本ばかりじゃなくて、むしろ私は国際的にそういったものをきちっとしませんとなかなか実際には目的を達せないと思っております。 それで、PRTRにつきましてはたまたまアメリカとかオランダ等ではかなり既に実施しておる。それから、特にOECDの方で非常に今包括的な研究をいたしておりますので、そういったものも例にとりながら、通産省初め関係省庁とも協力しながらきちっと日本としても対応できるような体制というものを、法制化の問題を含めて推進させていただきたいと考えております。
○馳浩君 どうもありがとうございました。
○小川勝也君 民主党の小川勝也でございます。 馳委員に引き続きまして、環境ホルモンの問題を質問させていただきたいと思っております。 前回の一般質疑のときにも質問させていただきました。そして、きょうの馳委員の質問の中にもありましたように、この問題は結論からいいますと、今の時点では、各省連絡をとりながら研究を十二分にやってほしい、そして研究の中から得られたデータをもとにさまざまな規制その他実際の行動に移ってほしい、ここに集約をされることだと思います。 私も馳委員と同じように小さな子供を持っておりまして、何かの御縁でこの問題に関心を持っているんだなというふうに思っております。先ほども御紹介がありましたように、余りにも有象無象のデータが国民あるいは小さい子供を持つお母さんに流れてきているものですから、さまざまな過度な反応も出てきております。 例えば、私の子供はもうそろそろ幼稚園に入る年齢でございますけれども、先ほど話題になりましたPC容器を給食に使っている幼稚園には入れないというお母さんが相当数出てきている。特に、これから妊娠をする、あるいはしているお母さんにとってはこれは想像を絶するナーバスな問題になり得ているものだと思っております。しかしながら、これは研究そして知見が大事なものでありますから、データがそろってからでないと対策ができないことは十二分に承知しております。 そんな中で私の考えを申し上げたいと思います。 私も本を読んだり国内の雑誌なんかにも目を通しました。そうしますと、結論として言えるのは、さまざまな環境ホルモンという物質がこの世の中に存在をしている。そして、それは我々の体内に間違いなく入っている。妊娠中の女性とか小さな子供には影響がある物質が相当数存在しているし、今の法体系や規制の中で言うと、後でつくられるでありましょう基準値を超えて摂取している例もある。今現在体の特徴などに、あるいは目に見えない問題点となって苦しんでおられる方もいるであろうし、これからまたふえてくるであろう、そんなふうに思っております。 きょうはいろんな省の方に来ていただいて大変恐縮でございますけれども、ざっと問題点をお伺いしていきたいと思っております。 まず、その前に、環境ホルモンの中にいわゆるダイオキシン類も含まれているわけでございますが、最初にコプラナーPCBの問題についてお伺いをしたいと思います。 これは我が党の竹村委員が再三にわたって環境庁にただしてきた問題でもあります。そして、先般、五月の末でございましょうか、新聞各紙がいろいろ報道をしております。このコプラナーPCBというのは、ダイオキシン類、いわゆる2・3・7・8などに比べますと毒性がかなり低い。しかしながら、この日本列島を含めまして自然界にたくさん存在をしておりますので、量的に摂取している量が物すごく多いと計算されています。 これはうがった見方ですけれども、例えばダイオキシンの基準値があります。ダイオキシン類だけで計算しますと基準値以下の摂取量というデータが出てくる。しかしながら、このコプラナーPCBの用量も換算してデータに合わせますと基準値を超えてしまう、だからこれを調査できなかったんではないかといううがった見方もできるわけでございます。 このコプラナーPCBについて、現況を大臣にお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡田康彦君) これまでの取り組みの状況でございますので、事務的に御説明させていただきます。 コプラナーPCBにつきましては、おっしゃるように環境中の残留濃度等のデータが不足しているということで、私どもも問題意識を持っておりまして、実は平成二年度から調査を開始しておるわけでございます。いかにも地点が少なかったということで、平成八年度から全国三十五地点におきまして底質と生物を対象に実態調査を実施してきております。 しかしながら、今御指摘のような問題もございますし、平成十年度は大気、土壌につきましても対象を拡大いたしまして、環境汚染や発生源についての調査を進めていく予定といたしているところでございます。その結果を踏まえて、先ほど御指摘のございましたWHOの取り組み等々とあわせて対策を検討してまいりたいと思っております。
○小川勝也君 先ほども触れましたけれども、データが確立されておらない、そして対策も講じられていないにもかかわらずたくさんの情報がはんらんをしております。私のもとにも、週刊現代、アエラ、週刊文春あるいはその他の週刊誌の記事があります。 そして、先ほども話題になりましたこの問題の第一人者でございます井口泰泉先生が環境ホルモンという名前を最初つけて、少しでも国民に関心を持ってもらおうということで、さまざまな講演や著書で、あるいは週刊誌の文章の中でこのことを訴えてまいりました。今お伺いをすると、逆の行動をとっておられるというふうに聞いております。それは何かといいますと、危険だ、猛毒だということがひとり歩きをして自分の真意が必ずしも伝わらない、そんなふうに言われております。これを解決する方法は、きちんとしたデータを出して、これ以上は危険だ、これ以下は大丈夫だ、今食べているものは大丈夫ですよということを言う以外に私はないと思います。 この週刊現代の記事を見ますと、魚介類、牛乳、野菜その他、我々が食べるものがすべて環境ホルモンに汚染されているというふうに書かれています。知らないで見た人は、もうすべて危ないんだなというふうに思ってしまうのは当然のことだと思います。ましてや小さい子供に毎日牛乳を飲ませているお母さんがいたとしたら、子供には牛乳は飲ませられないというふうに思ってしまうと思います。 順次お伺いをしたいと思います。 そんな中で、これはダイオキシンのことでありますけれども、我々が摂取する中でダイオキシンが最も多いとされているのは魚介類であります。さまざまなデータがある中で、例えば人は一日百六十二ピコグラムのダイオキシンを摂取するというデータがありますが、その中の百五ピコグラムを占めるのは魚介類だと言われております。そして、週刊誌等のデータによっても魚は危ないと、こういうふうに書かれております。 この魚を所管する官庁がこれを黙って見過ごしていることに関しまして私は大きな怒りを覚えるのであります。先日は、ダイオキシンが例えば農薬から出る、廃棄物処理場から出る、それを運ぶのは河川なので、河川局長しっかりしろという質問を私はさせていただきました。きょうはその魚をつかさどる役所の方に聞いていただきたいと思います。 魚を食べましょうというポスターが張ってあるのを見たことがあります。この安全性が証明されなければ、魚を食べると言われても食べられないわけでございますし、当然、私の地元北海道にもたくさんの漁業関係者がおります。このことにどのような対策を講じているのか、そして各省との連携はどうなのか、これからの見通しも含めまして水産庁にお伺いをしたいと思います。
○説明員(川本省自君) ダイオキシン類による魚介類の汚染に対する御質問でございます。 ダイオキシン類につきましては、廃棄物焼却場等を主な発生源とする有害物質でございますが、極めて微量で害を及ぼす物質であることから社会的関心も非常に高く、水産庁におきましては平成二年度以降、全国の主要な漁場の魚介類について調査を行っているところでございます。 また昨年、ダイオキシン類によります環境、人及び食物への影響の実態等に関します調査の方法、内容に関し、専門的、技術的な立場から情報交換を行うとともに、調査方法の整合を図る等総合的観点からの助言を行うために、環境庁及び厚生省が事務局となりまして、農林水産省及び労働省が協力してダイオキシン類総合調査検討会を設置したほか関係四省庁によりまして平成九年度の科学技術振興調整費緊急研究枠を利用いたしましたダイオキシン類汚染に関する緊急研究を実施したところでございます。 ダイオキシンにつきましては、いまだ広範囲より検出されていること等から、今後も引き続き魚介類の汚染状況を監視するとともに、魚介類への蓄積、移行の解明を行っていくこと等が必要だろうというふうに考えておりまして、今年度より新たに有害物質漁業影響評価対策調査事業を開始いたしまして、魚介類汚染実態の把握や、汚染機構の解明のための調査研究を行っているところでございます。
○小川勝也君 先ほど馳委員の質問の中で、有機すず化合物とPCB類との相乗効果によって特別な反応が出るというお話がありました。 海というのはいわば環境ホルモンのカクテルであります。我々のはかり知れないさまざまなこともありますし、特に日本人は世界各国の方々よりもおおむね三倍の魚介類を摂取しているとも言われております。そんな中で、環境ホルモン、ダイオキシン類がたまっている場所は脂肪分であるということからもかんがみまして、さまざまな対策を早急にとっていただきまして、海を汚すやつは許さない、そんな覚悟で臨んでいただきたいと思っております。 次に、農水省にお伺いをいたします。同じお話でございます。 肉、野菜、牛乳、特に牛乳に関しましては人間の環境ホルモンのリレーの中では母乳からというのが一番危険なわけであります。もし牛が汚染されているとすれば、我々が飲んでいる牛乳というのは牛の乳でありますから、これは高濃度で非常に危ないわけであります。そして、これはさまざまな因果関係が言われております。廃棄物処理場から吐き出される煙から、ダイオキシンあるいはさまざまなものが草地や畑に降ってわく。そしてその草を食べた牛が高濃度のダイオキシンを含んだ牛乳を産出する、こんな問題も言われております。そして食肉についても同じことが言えるわけでございます。 この食品の安全のことでございますけれども、農水省にお伺いをしてみたいと思いますが、担当者は来ておりますでしょうか。
○説明員(井出道雄君) 畜産物を含めまして食品の安全性を確保することにつきましては極めて重要な課題であると農林省といたしましても認識いたしておりまして、従来から厚生省、環境庁等の関係機関と連携しまして食品の安全性の確保に努めてきたところでございます。 最近、今お尋ねのように畜産物等につきましても環境ホルモンの問題について関心が高まってきておりますので、全省的な取り組みはもちろん、また畜産局内にもこのダイオキシン、環境ホルモンの問題についての連絡会議を設けまして検討を開始することといたしております。 今後とも、厚生省等との連携を一層密にして適切に対応してまいりたい、かように考えております。
○説明員(岡島敦子君) 野菜など食品の安全性を確保することは大変重要な問題というふうに考えております。ダイオキシンの問題につきましては、特に野菜につきましては最近ごみの焼却場の近くで生産された野菜からダイオキシンが検出されたといったような話もございまして、私ども重要な問題ということで取り組んでおります。 農林水産省の中に環境ホルモン・ダイオキシン問題連絡会議というものを設けまして検討を行うこととしておりますし、厚生省等の関係機関との連携を一層密にして適切な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 このお話を水産庁にいたしましたら、魚がとれた段階は水産庁だけれども、食卓に上るときは厚生省だと、こんな話でございました。これは縦割り行政の弊害がいろいろ出てくるなと思いまして、冒頭申し上げましたようにさまざまな連携を密に、そして早急にとっていただく必要があると思っております。 この週刊現代には、アジ×××、オレンジ××、カップめん×××、カニ×××などと出ている。これを見た読者は何と思うか、非常に心配なのであります。 厚生省にお伺いをいたします。食品全体の安全ということに関しまして、このダイオキシン、環境ホルモンに関してさまざまな観点からデータをつけて安全性を評価してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 確かに報道されております記事の中には私どもも科学的にいかがかなという記事も見るわけでございます。 ただ、大変残念ではございますが、私ども食品衛生調査会等の御意見を伺いましていろいろホームページ等へ掲載しているわけでございますが、なかなかお取り上げをいただけないという残念なところもございます。 いずれにいたしましても、私ども厚生省といたしましても、魚介類のダイオキシンの測定につきましては平成四年度から実施をいたしておりますし、それからダイオキシン類の摂取推計というのもいたしております。これはマーケットバスケット調査というので平成八年度に実施をいたしまして、コプラナーPCBを含めまして一日の摂取量が一・六ピコグラムというレベルになっておりますので、TDIの見直しの議論がございますけれども、現在私どもが一応の目安としております十ピコに比べますとかなり低いレベルであるというふうに考えております。
○小川勝也君 ここにあるデータでは十ピコグラムを超えるというふうになっていますけれども、それはいいといたしまして、先ほどの話に続きますが、特に問題点となるのは、一般の大人の人は大丈夫である、子孫を残す必要のない人は大丈夫である、しかしながら、胎児、乳児、子供そして妊婦の方、この人たちにだけは正直なことを僕は伝える必要があると思います。過度にナーバスになっている部分もあると思います。 そんな中で、廃棄物の処理場をめぐる報道もまだいろいろ出てきております。二点お伺いをしたいと思います。一点は、大阪の方でいろんな話があったやに聞いておりますが、私は別なルートからも話を聞きました。それは、廃棄物処理場のダイオキシン検査をするときに、小さな町でありますと、町長さんや村長さんあるいは市長さんが恣意的に、ビニールは外してやっておけと、それで調査結果を出せということをやったという方から直接聞いております。そして、なぜそれが証明されるかといいますと、ばらつきが物すごく激しかったというんです、調査結果の。その検査の信憑性が低いというのは、私はもう半ば明らかになっていると思います。だから、再度検査をしろとは言えませんけれども、検査の信憑性が低かった問題。 そして、あるいは産業廃棄物の処分場から流れ出る水の中に環境ホルモンが一般の河川の数十倍入っていたとか、そういう報道がなされています。そのことをあわせて厚生省にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) ダイオキシン類の濃度測定におきましては、通常の維持管理状態と異なる条件で測定が行われたという例がありまして、私どもといたしましては極めて遺憾なことと考えております。本件に関しましては、厚生省が関係者に対しまして書面で調査を依頼いたしまして、その結果については先般公表申し上げたところでございます。 私どもといたしましては、昨年八月に廃棄物処理法施行規則の改正を行いまして、施設の維持管理基準におきましてダイオキシン類の濃度の測定を義務づけましたほかに、燃焼ガスの温度等についても連続的に測定し記録することを義務づけたところでございます。 また、廃棄物処理法におきまして、都道府県知事は設置者に対しまして報告の徴収の権限を与えられておりますので、ダイオキシン類の濃度の測定時の燃焼温度等とあわせまして、測定日前後の運転記録についても報告を求めることによりまして、測定が通常の維持管理状態で行われたか否かを確認することができるわけでございます。こういったことで、測定の信頼性を高めてまいりたいと考えております。 次に、最終処分場の関係の御質問でございますが、厚生省におきましては今申し上げましたように、排ガス中のダイオキシン類の濃度につきましてこれまでも調査を行っているところでございますが、我が国の総排出量の八割から九割が廃棄物の焼却施設から出ているというふうなことも言われているわけでございます。 このようなことから、廃棄物処理施設に関します信頼性あるいは安全性の向上を図りますために、昨年の八月に廃棄物処理法施行規則等を改正いたしまして、焼却施設からのダイオキシン類の排出を削減するための諸基準を明確化したところでございますし、最終処分場につきましても、この六月中旬に構造基準及び維持管理基準を強化あるいは明確化することといたしているところでございます。それからまた、廃棄物処理施設から排出されます物質等につきましては、施設の設置者が維持管理基準に従って排ガスや排水の検査を行っておりまして、その結果は都道府県等が報告徴収により把握しているところでございます。 厚生省におきましては、廃棄物の適正な処理が行われますように、今後ともダイオキシン類等につきまして知見の集積を図りますとともに、適正な処理がなされますよう都道府県を通じて指導してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 山に不法に投棄する人はこれは悪いわけでございますけれども、例えば山に廃棄されるプラスチックから環境ホルモンが流出するという問題もございます。先ほどポリカーボネートの話が出てまいりました。しかしながら、この環境ホルモンに関係するプラスチックというのはポリカーボネートだけではありません。さまざまなものがございます。 そんな中で、これからいろいろな検査をしていただきまして、製造中止にするような物質も出てくるんであろう、そして場合によっては乾電池のように回収を義務づけるものも出てくるであろう。その辺を含めまして、あるいは先ほど馳委員も心配しておられましたが、この物質は危ないから製造中止だ、私は、そういった場合の企業への対策を含めまして、通産省にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(作田頴治君) 通産省におきましては、厚生省との共管法でございます化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法でございますが、これに基づきまして、新しい化学物質につきましては、その製造、輸入に当たって事前に自然条件下におきます分解性あるいはまた生体濃縮性及び人の慢性毒性の有無にかかわる審査を行いまして、また既存の化学物質につきましても、国が同様の観点から安全性の点検を行うことにより、それぞれの結果に基づきまして、必要に応じ回収措置を含む必要な措置を講ずることとしております。 御指摘のさまざまな環境ホルモン物質、とりわけビスフェノール等につきましては、確かに環境ホルモンの疑いは指摘されておりますけれども、本問題に関しましては国際的にも多くの科学的な不確実性が指摘されておりまして、現在、通産省といたしましても、国際的な枠組みの中で、科学的な知見の集積及び環境ホルモン効果の有無を判定するためのさまざまな試験法の開発に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(大木浩君) 今、化審法に基づいていろいろとまた調査をするというお話がございましたけれども、正直申し上げまして、私は今のいろいろ議論になっております環境ホルモンについての科学的な知見というのは、もうどこの省が一生懸命やりましても今の時点でははっきりわからないというものがいっぱいあると思うんです。 ですから、それをどうするかということでありまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば母親から胎児とか、そういう問題についてはもうよほど慎重に、きつい規制といいますか取り組みをしないといけないと思いますが、例えば一般の成人に対してどれだけの影響があるんだということになりますと、これはもう正確な値というのは当分出てこないんじゃないか、正直申し上げますが、ということでありますから、これはいろいろと今の段階ではこういうことだからある程度は気をつけてもらいたい、こういう言い方をせざるを得ないと思うんです。 それをどういう形で皆様方にお伝えするかということでございますが、私の方でもダイオキシン類総合調査検討会というところで、ダイオキシンを含めた環境ホルモンについて各省庁と今鋭意検討をしておりますので、今の科学的な知見の収集もそうでありますが、同時に、これをどうやって国民に伝えるか、その辺についてもひとつ知恵を絞りたいというふうに考えております。
○小川勝也君 私は、今の長官のお言葉は逆だと思います。例えば、言葉は悪いですけれども母体が環境ホルモンに被曝をして胎児にどのような影響があるかというのは、これは大変わかりにくいわけですし、それは孫の代までどのような影響が出るかというと数十年かかるわけです。しかしながら、プラスチックから環境ホルモンが溶け出すかどうかという方が判定が早いわけです。これは早く見つけて、一定の基準以上の危険なものは僕は製造を中止してもらいたい、このように思います。 そして、ごみを投げる人がいけないわけですけれども、現実問題として、処分場から溶け出した環境ホルモンが地中を通して川を通って海に来て、それを食べた魚から我々はたくさん摂取している、こんな事実もあるわけでございます。 そして、今長官からもお話がございました、今できることははっきり言って研究するしかないと僕は思います。そして、今回の補正予算でたくさんの予算がついたので喜んでおりましたら、先日も申し上げました、センターという箱をつくるんだそうです。箱をつくるのはそれは大事かもしれないけれども、一刻の猶予もない問題だと僕は思っております。水俣病やカネミ油症訴訟の問題、そして薬害エイズの問題など、本当に教訓としているのかな、そんなふうに思っております。 きょうはいみじくも縦割り行政の弊害の一端ものぞかせていただきました。今、時あたかも省庁再編の論議をしております。何省が何省がということじゃありません。日本の国がどういうふうになるのか、そしてそこに住む国民が幸せでいられるのか、健康でいられるのか、そんなことをやっていただきたいと思います。 環境庁が中心となって各省が連携を密にして、この問題の研究が合理的に進みますように要望して、質問を終わらせていただきます。
○岡崎トミ子君 民主党の岡崎トミ子でございます。 先週、五月三十日の新聞記事によりますと、WHOの欧州地域事務局専門家会議が開かれて、ダイオキシンの基準値が強化されたことが出ておりました。大人一人一日耐容摂取量、TDIをこれまでの体重一キログラム当たり十ピコグラムから半分以下の一ないし四ピコグラムとすることに合意したということでございました。 私たちも驚きを持ってこの記事を見たわけなんですが、従来、厚生省はTDIで十ピコ、環境庁は健康リスク評価指針値として五ピコと二つの数値があって、大変乱はわかりにくいというふうに思っておりました。これは決して専門家あるいは研究者のための数字ではなくて、国民がそのことがわかるということが大変大事だというふうに思っております。 このことも含めて、WHOの検討結果について、厚生省、環境庁ともどのように受け取られて対応されるんでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) WHOの方が新しい数値を出したという情報は私どもも持っておりますし、ただこの詳細な資料がまだ全部到着ないしは読み終えておりませんので、正直申しますが、これはただいま勉強させていただいております。 ただ、示されました例えばTDIの数値でも、一つのものについて一ないし四というような数字が出ております。かなり幅のある数字が出ておりますから、これはどういった意味でそういった幅があるのかといった点も含めて、いずれにいたしましても一段と強化しようということでございますから、その基礎となった知見というものも十分勉強させていただきまして、これから日本側としても前向きに対応しなきゃいけない、そういうふうに感じております。
○政府委員(小野昭雄君) WHOの欧州事務局とIPCSが今先生御指摘になりましたような耐容一日摂取量といたしまして、コプラナーPCBを含めまして一から四という提案をされているわけでございます。 今、環境庁長官からもお話がございましたように、通常TDIというのは一定の数値で示されるわけでございますが、幅のある数値で示されるということの意味等を含めまして、今後専門家間で最終的な確認をした上でWHOとしては正式に公表するというふうに伺っております。 私どもといたしましては、会議に専門家、行政官も参加させたところでございますが、その出席者からの報告を求めまして、今後事務局から公表されます詳細な会議内容も踏まえまして、関係いたします生活環境審議会あるいは食品衛生調査会等におきまして専門家の意見をお伺いしながら、必要に応じましてTDIの見直しというのを図ってまいりたいと思いますし、例えば関連する廃棄物処理施設等の諸基準についても検討が必要になってくると考えております。
○岡崎トミ子君 大気汚染防止法あるいは廃掃法、これも大変関係してくるだろうというふうに思っております。今のお話でも、欧米に比べて日本は、大気ということだけでも濃度が一けた高い、そして魚介類も摂取という意味では大変に高いということもありますので、関係諸法令あるいはダイオキシン規制対策についてもぜひとも見直していただきたいというふうに思っております。速やかな対応をお願いいたします。 次に、前回、五月十二日の委員会でお願いをしました結果について伺いたいと思いますが、豊能郡の美化センターについてでございます。 汚染状況の把握についてなんですが、南側だけではなくて北側も行っていない、北側の土壌調査についても的確に把握すべきであるとして幾つか問題点を指摘いたしました。この点について、検討委員会の委員の方々に意見照会をした上で必要ならば調査をやると、こういうお答えをいただきましたが、結果を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(渡辺好明君) 先日以降の動きということでございますけれども、まず私どもの方では国会での審議の模様を詳細に現場に伝えました。それから、そのとき申し上げました各委員への意見照会、これは実はまだ集約が終わっておりません。したがって、途上にあるというふうに申し上げていいと思います。 それから同時に、大阪府におきましてダイオキシン対策を強化するということで、先生から御指摘がございました北側の調査のことも視野に入れて検討をこれから行う、強化をするというふうに承知いたしております。 私どもの方でも、けさ方もそうですし、きのうも調査の重要性についてはお伝えをしたところでございます。
○岡崎トミ子君 土壌撤去も大事なんですが、全体は状況把握だというふうに思っております。また、住民の不安と要望が大変強いということを踏まえて、どうぞぜひこれをやっていただきたいというふうに思っております。 加えて伺いたいと思いますが、もしこの検討委員会で十分にやらないというようなことになった場合には、ぜひ環境庁は主体となって単独でもやっていただきたい、このように思いますので、このことについてもお願いしたいと思います。今年度の廃棄物処理施設周辺環境の調査の予算を環境庁としては大幅に増加したというふうに聞いておりますので、そのモニタリングのポイントとして位置づけてフォローしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(渡辺好明君) 基本論から立ち上げて申しわけないんですけれども、汚染状況の調査とか対策は汚染原因者がやること、やはりこれが基本でございます。 ただ、今先生がおっしゃったような事態がもし仮にということでございましたならば、私どもたまたま五カ年計画をやるということになっておりますので、これは二つ条件があるわけでございますけれども、一つは地元自治体から要望があるということ、それから、この調査自身が大阪府にお願いをすることになりますので大阪府が重点地域として取り上げるというふうな御要望があれば状況に応じていろいろなことをやっていきたいと思いますけれども、あくまでも基本はやはり地元でやっていただくということだろうと思います。
○岡崎トミ子君 それでは、その後押しはぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、大阪府が先週、土壌撤去の方法を具体的に示しました。大変よかったなと思う一方で、厚生省はやはりこれを支援していくべきだというふうに考えました。 先月の中旬に施設組合から、自力では困難だと財政的な支援を厚生省に要請しているということでございました。ガイドラインという規制の不徹底さが今回の汚染につながったというふうに思っておりますので、こういうことからいたしましても、また住民の健康被害の危険を一日も早く解消するためにも、速やかに土壌撤去について財政的な支援をすべきだと思いますが、厚生省の前向きな御検討をお願いしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) 先生よく御存じだと思いますが、一般廃棄物の処理というのは市町村の固有事務とされておりまして、ごみの処理及びそれに伴って生じた問題につきましては市町村が責任を持って対処すべきものと考えられるわけでございますけれども、豊能郡の美化センター周辺の汚染土壌の入れかえにつきましては、そういう観点から申しますと、基本的には施設組合が実施すべきものと考えております。 汚染土壌の入れかえに関します費用負担につきましては、入れかえを必要とする汚染土壌の範囲に関する科学的知見の集積あるいは土壌汚染が何によって引き起こされたものであるのか等の点を踏まえまして、引き続き関係者の間で議論していただくべき問題であるというふうに認識をいたしているところでございます。
○岡崎トミ子君 大阪府では、予算の法的な裏づけあるいは制度上の問題が残されているにもかかわらず土壌撤去を速やかに決断したということなんです。ですから、そういう意味でも厚生省はこの姿勢をぜひまねていただきたいなというふうに思いますし、速やかな決断をお願いしたいというふうに思っております。 もう一つ関連して伺っておきます、健康調査についてです。 繰り返し厚生省の方もおっしゃっておりますように、ダイオキシンの問題、化学物質の汚染については不明な点が非常に多いわけです。発生源の解明、汚染の状況、人体への影響を明らかにするためにも、能勢町を初めとして全国で大変不安に思って、しかも希望するという方々に対して健康調査を国として行う必要があるのではないかと思いますが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) ダイオキシンが人体に及ぼします健康影響につきましては、何度も御答弁申し上げておりますように、いまだはっきりしていない。したがいまして、健康診断をやるといたしましてもどういう健康指標を用いて評価をすればいいかといったこと等がまだまだ未解明な部分が非常に多うございます。 そういった意味で、私どもといたしましては健康影響の評価に関します調査研究を推進する必要があると考えております。このために、平成九年度には、母乳中のダイオキシン濃度の調査研究の対象人員をふやす等、調査内容を拡充いたしますとともに、血液等の人体汚染に関する調査研究にも着手したところでございまして、平成十年度におきましても引き続きこれらの調査研究を推進してまいりたいと考えているわけであります。 なお、これらの調査研究の推進に当たりましては、被験者等の協力が必要不可欠でございます。私どもが厚生省として行います調査研究に対しまして地方自治体等から参加の意向が示された場合には、調査対象の選定に当たって配慮してまいりたいと考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 けさの新聞でも、毛髪からダイオキシンが検出されたということが報道されておりました。これから要望が高まると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、環境庁長官に伺います。 循環型社会の構築に向けて一層の取り組みと、また有害物質の発生をできるだけ低減するというこの観点から伺いたいと思います。 「廃棄物に係る環境負荷低減対策の在り方について」の中原審の第一次答申が出されましたが、これを踏まえてどのような施策を進めていかれるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(大木浩君) この循環型社会の構築というのは、これはまさしく昨年のあの京都の地球温暖化防止のときにも、そういったような構想というものはどうしても考えていかないといろんな環境問題というのは解決できないなという議論がございました。今お話のございました、昨年十一月だったと思いますけれども、中原審の方でそういった循環型の社会形成のための対策をまたいろいろと検討しろということでございます。 正直申し上げまして、私どもの方も引き続き中央環境審議会の方でいろいろと勉強をお願いしておるんですが、循環型社会の構築ということになりますと、これは仮に一つのビジョンをつくるということになってもなかなかいろいろ議論があるし、また逆にビジョンができても、それを実際に実行するための手だてがきちっとできておりませんと空のお経に終わってしまうということでございます。 今のところは、中原審等での御検討と並行して、そういったものを実現するための方策というのは考えております。先般できました再生資源利用促進法あるいは容器包装リサイクル法、あるいは家電リサイクル法等々、これはどちらかというと通産がおつくりになっているのが多いんですけれども、こういったものも一つの手段、言うなれば一部の手段ということでございます。 全体の構想というようなことにつきましてはいろいろ議論はしておりますけれども、余りにも話が大きいものですからまだ途中の段階にあるとしか申し上げられないわけでございます。既に指摘もいただいておるわけでございますから、これからひとつそういうことも考えて、特に例えば地球温暖化の防止というようなことになりますと、あるいは最近非常に問題になっております我々の身の周りの環境問題の処理になりますと、理念としての循環型社会の構築というのはどうしてもそれが中心になるものでございますから、大きな問題でございますけれども引き続き鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 きのうの報道でも、東芝名古屋工場で環境基準の一万五千六百倍という大変信じられない高濃度のトリクロロエチレンを検出したというふうにありまして、また有害な物質について国民の不安が増大しております。日本全体で有害物質は大体二万トン排出されているということですから、ぜひとも早急な緊急な取り組みをお願いしたい、そして結果を出していただきたいというふうに思います。 次に、通産省に伺います。 製造物中の有害物質について、消費者や廃棄物処理業者に注意を促したり、あるいは適切な処理を喚起するためにも、製品の素材に含まれております有害物質の内容表示をするというシステムが必要だというふうに思いますが、通産省としてはいかがお考えでしょうか。既に内容表示を進める取り組みを始めているというふうに聞きますが、その判断基準、また循環型社会を構築するという観点から、どのような方針をおとりになりますでしょうか。
○政府委員(並木徹君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、今後循環型経済社会を構築していくということは極めて重要でございまして、そのためには、環境への負荷の少ない製品の利用でございますとか、あるいはリサイクル、エネルギーの利用の効率化などの実現を今後進めていく必要があると考えておるところでございます。 このような社会の実現を図るためには、規制的措置でございますとかあるいは助成措置、あるいは事業者、国民の積極的な取り組みの支援など、多様な政策手法を適切に組み合わせながらこれを進めていく必要があると考えてございますけれども、委員御指摘の例えば表示の問題等々につきましては、再生資源利用促進法に基づく表示の義務づけでございますとか、あるいは省エネルギー法に基づきますエネルギー消費効率の表示の義務づけなどを進めておるところでございます。 委員御指摘の有害物質に係る問題につきましても、私ども通産省といたしましては、関係省庁と連携を図りながら、こういった科学的知見の蓄積を踏まえながら今後さらに検討を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○岡崎トミ子君 次に厚生省に伺います。 廃掃法の改正で、不法投棄や違法な廃棄物の処理について、その防止、規制、罰則などが改善されたと思いますが、これですべてが有効になるとは考えられません。香川県の豊島の問題では、指導監督権を持つ県が対応を怠ったということが明らかになっております。また、公害等調整委員会での調停に時間がかかりまして汚染物質の除去がなかなか進まないという反省も踏まえて、厚生省としても苦情処理、救済機関を幾重にもシステム化することが必要だというふうに思います。 都道府県の廃棄物担当者の数が少ないという悲鳴も聞こえてきております。こういう現状から検討を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 廃棄物の処理に関しましては、先生御存じのように、各地でさまざまな紛争が起きたりトラブルが起きているわけでございます。その適正な処理を推進するということは、まさに一般国民の皆さんの生活あるいは産業界の産業活動というものを維持していくために不可欠でございます。そういった観点からさまざまな問題のリストアップをいたしまして、昨年、廃棄物処理法を改正いたしましたところでございます。 現在は、それに基づきます政令、省令を順次出しておりまして、私どもといたしましては、この改正廃掃法の施行を円滑に推進することがまず第一というふうに考えております。その過程でいろいろ問題があれば、またそれらの問題についても鋭意検討してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 次に、緊急かつ重要な問題といたしまして、吉野川の第十堰建設計画について建設省に伺いたいと思います。 この計画は、学識経験者らで組織いたします二十一世紀環境委員会が行った環境NGOのアンケート調査によりましても、むだだとして緊急に中止、廃止すべき公共事業を挙げてもらいましたら二百ありましたが、そのうち多い順から百選びまして、百のうちのワーストファイブにランクされました。大臣、御存じでしょうか。――そうですか。 おとといの六月二日、公共事業をチェックする議員の会の主催で、徳島から見えられた住民やNGOも参加しまして第十堰に係る問題について建設省と話し合いを持ちました。おとといの話し合いでは建設省側から明確な回答が得られませんでした。この問題は持ち越しになって話し合いは継続となっているんです。ところが、きのうのこと、突然にダム審議会が八日、来週の月曜日に開かれるという記者発表がされました。しかも、今回の審議会は結論を出すとも言われているんです。そのことが一言もその会議では言われませんでした。権威のある審議会の開催が五日前に突然に決まるということは考えられません。きのうまで発表を控えていたことは何か悪質な意図さえ感じられるんですけれども、住民の人たちも大変怒りを持っております。継続なんです、大臣。これは継続にしようというふうに思っているんです。 そこでまず、その審議会の進め方、公共事業についての住民の意見を十分取り入れるべきとずっと大臣はおっしゃってきておりましたけれども、建設省としての方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 岡崎委員から御質問の吉野川第十堰の問題でございますが、委員御承知のとおり、ダム、堰等の事業につきましては平成七年七月にダム等事業審議委員会を執行いたしまして地域の意見を的確に聴取するよう努めてきたところでございます。 また、平成九年には河川法が改正されました。新たに河川整備計画につきまして関係住民の意見を反映させる措置を規定したところでございます。よって、新しい河川法の手続にのっとりまして、ダムでございますとか堰等の建設につきましては関係住民の意見をよく聞き計画に反映させてまいる、こういう方針で取り組みをさせていただいております。
○岡崎トミ子君 そうしますと、おとといの話し合いの中で継続になっている、来週月曜日にダム審議会で結論は出されませんね。
○政府委員(尾田栄章君) 先生よく御承知いただいておりますとおり、このダム等事業審議委員会は全国のいろんな事業について行っておるわけでございますが、この審議委員会はすべてそれぞれの審議委員会の独自性のもとに自主的な運営を図っていただいておるところでございます。そういう意味合いで、六月八日に予定をされております第十三回の委員会でどういう御討議になるかというのは、これは委員会でお決めいただくことになる、そういうふうに理解をいたしております。 そして、先ほど二日の公共事業チェックを実現する議員の会で、第十三回の委員会が開かれるということについて説明がなかったというおしかりをいただきましたが、この審議委員会を開くということにつきましては六月三日に事務局の方で発表されたものでございます。事前にそういうことについてお話をすることができなかったという点については、ぜひ御理解をいただければと存じます。
○岡崎トミ子君 今までこのダム審は推進の立場の行政委員の人たちが過半数を占めていた、第三者機関とはとても思えないという状況で、過去十二回の審議もほとんど建設省側の説明が中心の運営で、公平な審議がなされていないというふうに住民の側もNGOも受け取っているわけなんです。 そうしますと、住民の、NGOの皆さんたちの意見がどういうふうに反映されていくのかというのが大変心配ですので、このダム審議会の冒頭にはNGOとの話し合いをぜひ報告していただきたい、そして広範で客観的な議論の場としての審議会に投げかけていただきたい。投げかけていただけますか。
○政府委員(尾田栄章君) 吉野川の第十堰建設事業審議委員会につきましては、既に平成七年十月二日に第一回の審議委員会を開きまして、五月八日まで十二回の審議会を開いております。そして、この間、この審議委員会とは別に平成八年十月六日、平成九年六月二十一日また六月二十八日と三回にわたって公聴会を開くとともに、専門学者によります評価報告会というものも二回にわたって開かれておるところでございます。そういう意味合いで、独善的に運営されたということではないというふうに考えております。 そしてまた、今先生から御指摘がございました公共事業チェックを実現する議員の会におきまして配付されました資料等につきましては、この審議委員の方々にお渡しをいたしまして、その取り扱いについては先ほど申しましたが、審議委員会がそれぞれ自主的な形で運営をされておるわけでございますので、審議委員会の方でその取り扱いについて判断がなされるものと考えております。
○岡崎トミ子君 冒頭でお伝えいただけるんですね。そのことだけでいいんです。
○政府委員(尾田栄章君) 何をですか。
○岡崎トミ子君 この間の話し合いを。そのことだけでいいんです。
○政府委員(尾田栄章君) 先ほども申しましたが、その議員の会で出されました資料等につきまして審議委員の先生方にお渡しをさせていただくということでございます。
○岡崎トミ子君 よろしくお願いをいたしたいと思います。 この第十堰というのは、江戸時代から二百四十五年間取水障害を起こしたことは一度もないんです。それから洪水という面でも、流域全体の堤防の補強というのは大変必要なわけですけれども、二百四十五年間第十堰の堤防が決壊したというのは一度もないんです。そして、今まで利根川だとか長良川だとか環境が悪くなっていくいろいろな例があって心配なことがたくさんあるわけなんですけれども、ぜひともそういうことも踏まえてよろしくお願いしたいというふうに思います。 最後に大臣に伺いたいと思いますが、これは徳島新聞、NHK、四国放送などマスコミの世論調査の結果なんです。ここで出ておりますのは、可動堰建設反対がどんどんふえている、今年一月にはついに過半数を超えた。現地にほど近い人ほど反対の比率が高い中で事業が強引に進められているということについてはどのようにお考えでしょうか、大臣。
○政府委員(尾田栄章君) まずアンケート調査についての技術的な見解を私の方から述べさせていただきまして、その後大臣の方からお答えをさせていただきます。 今先生から御指摘のアンケート結果でございますが、それぞれ対象範囲はいろいろでございますが、マスメディアが意識調査をされました結果については私どもも存じております。九五年六月のデータにつきましては四二%の方が反対、九七年一月では三五%、九八年では五二%という数字については承知をいたしておりますが、このアンケート調査そのものがどういう形でなされたか、その詳細を承知しておるわけでもございませんので、その結果そのものについてとやかく申す立場にはないわけでございます。 一方、徳島県を初め徳島市、鳴門市、あるいは関係の七町におきまして、それぞれ県議会あるいは市町村議会におきまして賛成、促進の意見書の採択をいただいておる、そういう事実もございます。そういう中でこの問題をどう考えていくかということだろうと考えております。
○岡崎トミ子君 おとといの会では愛知大学の武田先生が、住民の合意形成こそがこの事業を進める大前提であるというふうにおっしゃっておりました。話し合いは継続になっていて、審議会のあり方も課題になっていたはずなんです。八日のダム審議会で結論が出るようなことがあれば、信義にもとる行為と言わなければなりません。 吉野川の第十堰建設事業審議委員会では、自然環境への影響や洪水による堰上げなど、事業の推進派と反対派の間で意見が対立をするという極めて重要な争点について十分議論が尽くされていないんです。十三回目で、もう十分に公聴会も開いた、そして伺ったというふうに思っていらっしゃるようですけれども、自然環境の問題については環境調査委員会の報告に対して質問をするにとどまっている。可動堰が環境への影響が非常に大きいという最新の科学的知見を持った専門家の意見を聞く機会が設けられていない。こういう状況で最終判断が下されるのであれば、建設省がダム審議会を設置した当初の目的であります事業の再評価を行ったとは認めがたいんです。 どうぞこの審議委員会、結論を急がずに、重要な課題として、最新の科学的知見を有した研究者や自然保護団体の意見の聴取も含めて、徹底的に議論をした上で事業の可否を判断すべきだというふうに思っております。 大臣、こういうことを踏まえて慎重に対処することを求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) 委員から御意見を賜ったわけでありますが、冒頭私から、新しい河川法の手続にのっとりまして関係住民の意見をよく聞き計画に反映させてまいりたい、かように申し上げさせていただきました。また、河川局長から経緯等についてお話もございましたが、吉野川第十堰建設事業審議委員会が設置されまして、たび重なる議論を展開いたしておるわけでございまして、メンバーの諸先生を見ましても、偏った先生方と、こう思わないわけでございます。 建設省といたしましては、審議委員会の審議の状況を見守ってまいることが今は重要なことである、こう思っておりますので、私はこの審議の状況を見守りながら吉野川の第十堰建設事業につきまして取り組んでまいりたい、かように考えるものでございます。
○岡崎トミ子君 終わります。
○福本潤一君 公明の福本潤一でございます。 今までさまざまな形でダイオキシン、環境ホルモンについて質問させていただきましたが、地元松山、私の住んでおるところでございますが、松山の方で産廃の処理場のかなり大きいのがあるということで、私も四国の豊島の問題ありましたので行ってまいりました。今回はそちらの方の話を最初に若干させていただければと思います。 豊島の方は五十万トンの自動車の廃棄物ということで、香川の地元住民に大変大きな被害を与えていますが、五トンだけは実験的に溶鉱炉で処理するという形でダイオキシンに対応していますが、今回行ってまいりましたのは中山川流域でございまして、道前、道後という二つの地域にまたがる川でございます。 最初に建設省の方にお伺いしたいんですけれども、中山川ダムの上流域で産廃物が大量に処分されております。見上げると一つの谷が埋まる状態になっている。 〔委員長退席、理事上野公成君着席〕 それで、東京のごみが所沢あたり、埼玉に行っていると思いますが、埼玉に行くごみの大体八割が埼玉からまた次のところへと、中国地方の方からも含めて、四国にはかなり自由な農地、谷、山がいっぱいありますので、大量に処分されております。フェリーで大量に中国地方からも四国の東予港へ入って、中山川流域の一つの谷が埋まるぐらいの状態になっております。 その中山川へ上水道の用途もあるダムをつくろうとされておるということですが、建設省として、ダム完成後の水利用に問題はないかどうかを含めてどのように現在把握しておるかを最初にお伺いします。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘の中山川ダムでございますが、これは平成八年度に建設に着手をいたしまして、現在、地質調査等を行っておる、そういう段階のダムでございます。 このダムの上流に御指摘のとおり産廃の処理場がございまして、この処理場から出てくる水と申しますか、これに関連して水質調査が行われておるところでございます。 まず、愛媛県の環境局の方で処理場からの流出水の水質調査というのを平成二年度より実施をいたしておりますし、中山川そのものにつきましては、愛媛県の土木サイドで昭和六十三年度よりダムサイト予定地もひっくるめまして九地点で毎年水質の調査を実施しておるという状況にございます。 そして、これまでの調査結果によりますと、流出水の水質につきましては、砒素あるいは亜鉛というようなものにつきましてもそれぞれの排出基準あるいは環境基準というものに対しましてはおおむね満足をしておるのではないかというふうに考えております。 ただ、実際、これからダムの建設に向けての調査を進める中で、この川の水質の問題については十分対応を考えてまいりたいと考えております。
○福本潤一君 鉛、砒素に関しても問題ないと言っておりますが、そこの谷の、大規模な産廃処理場と言っていいでしょうね、ほかの焼却炉で焼いたフライアッシュとボトムアッシュという底に残った灰、ドイツの方では完全保管して地下に完全処理できるまで保存しておくようなものも含めてフェリーで来て、毎日のように、やはり愛媛にも高速ができると遠距離まで行って、その谷近くへ行って高いところからばんばん捨てる。それで谷が埋まっていって、地元の人によれば七、八十メートルぐらい高くなっているという話です。かなり産廃が四国に行っている。現地が地元の愛媛にあったので、私も非常に気になっています。 川の方は、合流地点で、上流から流れている水が一方からはもう茶色い異様なにおいの水、一方からは清水、滑床渓谷というところから出たきれいな水が合流後は中山川として、ダムができる。そこで上水を使おうという形になります。 これは、環境基準で言うと、例えば鉛とか砒素、今後上水の原水になりますね、その砒素の環境基準は幾らぐらいで、今現在の値がどれぐらいなのかというのを教えてもらえますか。
○政府委員(渡辺好明君) 多少技術的な点にわたるわけですけれども、現在水を採取しておりますのは、処分場の排水そのものと排水口直下の沢水でございます。したがいまして、ここで適用されます観測の技術手法は排水基準に準拠したものでございますので、その手法で分析をしております。その手法によりますと、鉛、砒素については検出限界を超えておりますので、厳密に言いますと、そこのところが環境基準と今先生がおっしゃいました数字に比べてどうかというのは言及ができないわけでございます。 したがって、私どもが今県にお勧めをしておりますのは、環境基準としての測定を行うのであるならば、公共用水域の中で一定の水と処理水の混合状態が保たれたときに行う環境基準としての測定方法でやってほしいと。その上で鉛や砒素についても環境基準をクリアしているのかどうか、これを確認いたしたいということで指導しているところでございます。 なお、もう一言申し上げますならば、県が私どもの事務としてやっております環境基準の調査、これは中山川の下流の落合というところでございますけれども、そこではちなみに環境基準も完全にすべての項目クリアをいたしております。
○福本潤一君 水質データ絡みの話は厳密な調査等学者も含めてやる必要があるぐらい地元の人は不安がっているという指摘にとどめますけれども、この容量ですね、大きさ、どの程度の申請をして産廃業者がやっておられるのか、外からは高い塀でほとんど中が見えないという状態なわけです。 ですので、そこの産廃地から出てくる汚い水だけ見て不安がっているという状態が続いているようでございますので、産廃業として申請している埋め立ての容量とか、あと、処理する廃棄物は何を捨てておるのか。要するに、フェリーで来たのをトラックで運んでは捨てておるわけですから、今後何年かたったときに、豊島と同じように、ここへ何が埋まっていたんだ、ダイオキシンも発生しておるような気がするというような状態で、調査もできないという状態ですので、その種類。 そして、松山市内の焼却場、これは日本で初めてダイオキシンが発生した松山ですから、焼却場はかなり早い段階でいい焼却場にもう既にかえています。これはダイオキシンや何かにも対応していると思いますけれども、焼却灰も運ばれているということですので、松山市内の焼却場からの焼却灰の一日あたりの量、これをきちんと教えておいていただけますか。 〔理事上野公成君退席、委員長着席〕
○政府委員(小野昭雄君) 御指摘の最終処分場についてでございますが、産業廃棄物の安定型最終処分場及び管理型最終処分場が併設されているものでございます。それぞれ最終処分容量は、安定型最終処分場が約百七万立米、それから管理型最終処分場が六十五万立米でございます。 なお、処分されております廃棄物の種類でございますが、安定型最終処分場では廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず、陶磁器くず並びに瓦れきが処分をされておりまして、管理型最終処分場では一般廃棄物並びに産業廃棄物であります燃え殻、汚泥、鉱滓及びダスト類が処分をされているわけでございます。 そのうち、松山市内から搬入されます焼却灰の搬入量でございますが、平成九年度で見ますと六千八百トンということでございます。
○福本潤一君 一日ですか。
○政府委員(小野昭雄君) 平成九年度の実績ということで申し上げましたので、一年ということでございます。
○福本潤一君 これだけの大量な廃棄物が、大きさも百七万立米ということでございますので、トラックで何往復もしながらあそこへ捨てられていくんだなということです。 今、種類を燃え殻とか汚泥とか言われましたけれども、これは業として届けておるものですか、現実に捨てているのをきちっと調査した上での話ですか。
○政府委員(小野昭雄君) 処分場としての届けが出されている中で、こういうものを処分するという届けがなされている内容を申し上げました。
○福本潤一君 じゃ、これは実態調査という形で出てきたものじゃないんですね。例えばここヘダイオキシンのもとになるようなものが入っておるかどうか、それはこの言い方だけではわからないので、実態調査かどうかをもう一回。
○政府委員(小野昭雄君) 届け出られているものと同時に、平成八年度の埋め立て廃棄物の種類及び年間搬入量というのが届けられておりまして、それと合わせますと今申し上げたような廃棄物であるということでございます。
○福本潤一君 要するに、産廃業者として届け出にこういう形を書きますね。それで県が見たら書類はできます。ただ、現実に捨てているものがこういうものだということを確認した上で答えていただいておるのかどうかを確認したいわけです。
○政府委員(小野昭雄君) 平成八年度の埋め立て廃棄物の種類と年間搬入量が報告されておりまして、その中に、燃え殻、汚泥、鉱滓、ダスト類、ガラスくず、一般廃棄物等の届け出がなされているわけでございまして、それを今申し上げたわけであります。
○福本潤一君 じゃ、平成八年の実績の報告をしていただいたということでございますね。 高い塀があって、ただ出てくる水だけしか見えない状態で、ごみが大量に、富士山があそこへでき上がるような形になっているという状態です。今まで埼玉の所沢の話をかなりさせていただきましたけれども、豊島でも大変だったんですけれども、中坊さんの言葉で言うと、よくここまでほっといたなというのが、私も現実に行ってみて、地元とはいえちょっと離れた山奥の中にあったという驚きで、今回確認させていただきました。 地元の県会議員が立入調査をさせてくれと言ったところ、業者の方は県の方で許しを得たらいいですよと言う。県の方は、立ち入りは許可できる法律がないからそれは許可しませんということで進んでおるわけですが、全然中が見えぬブラックボックスになっておる地域住民にとっては、せめて県会議員ぐらい立入調査しないと、何が捨ててあるのか、届け出しかないまま汚い水を見ているという状況です。これは法律的に何か対応して立入検査できるような方法はありませんか。
○政府委員(小野昭雄君) 立入検査につきましては、法に基づきまして県の職員がきちんと立ち入って点検をするということでございますし、関係住民の皆さん方につきましては、改正されました廃棄物処理法に基づきまして処分場の設置者に対しまして記録の閲覧を求めることができますので、そういったもので御確認をいただくことになろうと思います。
○福本潤一君 現状では記録の閲覧にとどまるということのようでございます。記録の閲覧をしていてもわからなかったのが埼玉の所沢の現状でしたので、所沢の話に戻しますと、寝る前は平地だった五十メートル四万ぐらいの土地が、朝起きたら建設廃棄物でごみの富士山になっている。 きょうの新聞にかなり私から見ると強烈なデータが報告されています。きのうからテレビを見ていても、かなりダイオキシンのデータがさまざまな形で発表されています。先ほどの民主の方が、WHOでは一日に許容する摂取量が体重一キログラム当たり十ピコグラムから、一・一から四ピコグラムになったと。これも国際的に見て一つの大きな前進でございます。さらには、大阪で二万三千ピコとか名古屋で東芝から、これはダイオキシンじゃなくてトリクロロエチレンですけれども、一万六千倍というようなデータも出たところに、きょうは、血液から高濃度ダイオキシンという摂南大学の宮田先生が発表されたデータが出ている。 それを見ますと、埼玉の所沢の人が血液一グラムの中に、血液ですから、これは環境の大気とかいうよりも体に取り込んだ後の血液中のダイオキシンということですから、かなりこれは生々しいデータなわけですけれども、あの所沢で平均一グラム当たり八・二ピコグラムという単位で出ている。多い人で二十九ピコグラムだったと。それがきょうの茨城の新利根町にあるごみ焼却場周辺の成人の住民を対象にしたときは、何と四百六十ピコグラムの女性、男性で二百ピコグラム、女性で百四十ピコグラムというようなデータが出てきておるわけです。要するに、平均の二十倍以上の値が体内から出ているということです。 と同時に、一グラムで一万人が亡くなるというダイオキシン、自然界に本来存在しないダイオキシンがこれだけ大量なデータが出ているということになりますと、今後環境庁としてもかなりきちっとした対応をしていかなければならない。 今まで学者の学説で、ベトナムでダイオキシンが百八十キログラム投下されていて、日本もそれと同等だと言っていましたけれども、こういうデータが出てきたり、大阪の土壌の二万三千ピコグラムというのが出てきたら、いや、ベトナム戦争のダイオキシンを超えているんじゃなかろうかと不安になるようなデータなんです。 ですので、こういうデータになったときに、国際基準といいますか、ドイツはドイツで一つの基準をダイオキシンに対して設けています。日本に世界の七割の焼却炉が現在集中しておるわけです。野焼きも日本人は平気だけれども、ドイツ人は野焼きしているのを見ると、ダイオキシンを製造しておると言うとか、いや本当に極端にすごいらしいです。それだから焼却炉というのがほとんどないわけです。焼くということが日本人は当たり前の感覚ですけれども、あちらでは化学兵器を使っていた経験とか、化学・製薬工場が爆発して近所でダイオキシンの生々しい被害を受けていますから、対応がきちっとしておるわけです。そういう国際的に見た厳しい基準にそろそろ変えることを考えないと、いや日本はダイオキシン汚染先進国ですよと笑っておれない段階にだんだん来ておるのではないかというのがこのデータを見た私の実感です。 特に、日本のデータは、先ほどさまざまなデータが出てくると言っておりましたけれども、所沢で大変だ大変だと思っていたら、ぽこっと今度は大阪の方で二万三千倍とか、東芝で一万六千倍とかいうようなデータが出るということになりますと、データをかなりごまかすというか、偽造とは言いませんけれども、塩ビをのけて全部やるとか、そういう形でのつくり方をしたデータが市町村とか焼却場のところからは出てきがちなんです。 というのは、ダイオキシン一検体をはかるのに五十万円ぐらいは普通ですし、一週間ぐらいかかるんです。なおかつ、日本では三十カ所しか調査する民間機関がないんです。それなのに、あんなに大量にデータを出せと言ったら、全国各焼却場から集まって、厚生省がばっと発表する。本当にきちっとやっているのかなと。数字はそのまま書いた数字で報告できますけれども、その検査たるや、サリンのときにサティアンというのがありましたけれども、猛毒ガスをやった、あれの二・五、六倍の毒をやる実験ですから、それはそれで微量ですからなかなか大変なところ。そういうような背景があって、深刻な状態になっている。 そろそろそういう基準を本格的に国際基準に合わさないと、公明ダイオキシン対策本部の人間がさまざま質問をしてきた深刻さを踏まえて、取り組みとしてあすからというわけにはいかないでしょうけれども、国際基準に合わさないともう通用しない段階に来ているのじゃなかろうかということを踏まえて、血液とかいろいろ大変なデータが出たものを踏まえた上で、あすからすぐと言いはしませんから、環境庁長官に決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 環境問題については専門家でございます委員のお話でございますから、ずっと数字を並べますと、確かにこれは大変なことだというふうに受けとめなきゃいけないのじゃないかというふうに思います。 ただ、個々のいろんな数値の意味というのが、これについては恐らく余りにも数字の違いもありますから、これはどういう性格の数字であるかということはきちっと検証しなきゃいけないと思います。 いずれにいたしましても、現象面で見ますと、日本は確かに非常に焼却場が多いし、それからそこから出てまいりますダイオキシンもいろんな問題を起こしているということ、これはもう明らかな事実でありますから、こういうものを全体としてとらえて、今おっしゃいました国際基準に合わせるという問題も含めて、これからひとつできるだけ国民の心配が広がらないように対策を考えたいと思っております。
○福本潤一君 これは、心配が広がらないようにという話とは違うと思うんです。心配なことはやはりきちっと心配したいというのが家庭の奥さん方です。心配でないと本当に保証してくれるだけの実績がないにもかかわらず、とにかく心配するなというだけの話だと、いろいろな御意見、私もさまざまな方から聞きます。 水俣病のときには、有害物質じゃないから人体に与える影響はまだまだ安心ですよ、動物では実験でこれだけの大変なことですからということはありましたけれども、ダイオキシンに関してはもう化学式もわかっている。そして、なおかつ危険な、要するに一グラムで一万人を殺すだけの猛毒なんだと。ピコとかナノとかいう話になるからわかりにくいだけで、最も毒性のある分では一グラム当たり一万人は亡くなる猛毒なんだということは、毒性としてはわかっているわけです。自然界に本来ないものが発生している。それが、大きなプラントをつくらないといけないものじゃなくて、日常的に塩化ビニール等を不完全燃焼すればダイオキシンが発生するというのはわかっているわけです。 そうしますと、そこらから本格的にこれは対応しないと、恐らく奇形児や何かもこれだけの数値になっていると生まれているはずです。生まれているけれども厚生省は知らないという形で、認知しなければわからないままで、生まれて育っている人たちは隠しますから。ベトナムでどういうことが起こったかというと、四千人以上の奇形児が生まれたときに、親はうちの子がこんな子であるはずないという形でかなり放置しておるんです、現実に。 日本ではそういう状態にならないです、隔離して育てますね。お医者さんに聞いても、そういう奇形児になるときはほとんど流産すると言うんです。だから、流産発生率みたいなところから追っていけば、本来出産すると奇形児になるけれども流産のような形で済んだということが起こっている中で、ベトナムと同じぐらいのダイオキシン量ということになれば、しかも血液中にこれだけの量を蓄えているということになれば、水俣病のときはまだ毒性が確かにわかりにくかった、因果関係も人間ではわからないというのも言えるんですけれども、動物実験で大変危険な毒物が、国際的に見てもきちっと対応した基準を設けているにもかかわらず設けていないということになれば、きちっとした対応をしないと今度はちょっと言いわけができない段階に来ると思います。 だから、薬害エイズと同じように、もしこれを認知したら責任をとらなきゃいけぬという形で、人体実験はまだですよまだですよと言って、これが二十年続いたら、因果関係を人体で究明するには、例えば所沢の今後の死者とかそういう形でやるしかなくなるわけです。じゃ、あそこで人体実験をやっているんじゃないかという話になるのであって、人体実験ができないから、動物実験のところで原因はきちっとダイオキシンの毒性というのでこれだけ効くと。 また、最近は環境ホルモンという意味でも影響があるんだから、死ぬ量のもっともっと薄い量で環境ホルモンとして作用するわけです。そうすると、死者の量という形で考えないで、女性ホルモンとして働いたり、ほとんどが女性ホルモンで働きますけれども、二%ぐらい男性ホルモンとして働いたりするようなものもあるようです。 今生命の、死とかそういうもので話していますけれども、化学物質なんですから、そういう微量でも影響するという形で環境ホルモンのきちっとした環境基準を、きょう即座にお答えを要求いたしませんので、国際的にもWHOは十ピコグラムから、一から四に変えた、これが現実です。この十ピコグラムというのは日本から比べたらはるかに小さい量です。 今度は、空気中の煤煙の八十ナノグラムの話も、二〇〇二年まではというのがあって、その甘い基準のためにそれまで産廃をばんばん所沢で焼いてしまって、とにかく空気を汚しても自分の産業として成り立って生きていく人たちがそういう仕事に入って、二〇〇二年になったらやめる、ほかに転職するが、それまではという形で、割と無責任体制のまま焼却炉が進んでいますので、そういう意味では国際的な基準に本当に合わせていかぬと、合わす以上に、むしろ本来リーダーシップをとってやらなきゃいけぬぐらいの状況が日本では生まれているということを強く強く腹に据えていただきたい。 確かに、環境庁は、予算委員会で我々の質問に対して誠実に答えていただきましたし、かなり予算も補正予算でつけておるようでございます。厚生省もかなり予算をつけておるようでございます。ですので、ぜひとも基準というものをダイオキシンに対してはもっと厳しく、自然界にない、ゼロであっていい有害物質なんですから、対応していただきたいと思います。 もう一つ、環境庁は、コプラナーPCBも入れるというのを書いておりました。 要するに、ダイオキシンと似たような働きをしておるコプラナーPCBをのけて二百数種類のダイオキシン類という形でデータを日本は出して、最も毒性の強いものに合わせてデータを出しているから、コプラナーPCBも結構の量なのにそれが入っていない、基準値も甘い。アメリカのデータ、ドイツのデータに比べて低いデータで出しておるわけですから、それも入れたらもっと本来は高い値だという中で許容されている世界でデータが出ている。学者のデータを私は信用しますけれども、市の焼却炉から出てきたとか、そういうのはかなりずさんにやっているだろうなというのが、この前の質疑でやった後、大阪のデータとかという形で出てきておるわけですから、ぜひとも基準値を、これは厚生省も含めてよくよく見直していただきたい、答弁を求めないできょうは対応したいと思いますので、よろしくお願いします。 続きまして、厚生省の方に、先ほども出ていました環境ホルモンの方に若干質問を変えて投げたいと思います。 ポリカーボネート容器がかなりの割合で普及していますが、神奈川県にちょうど違う対応をした三都市がありますので、その関係の話をお伺いしたいと思います。 一つは、横浜市は、ポリカーボネート容器、PC容器と略しますが、非常にいいということで早めに取り入れて、横浜市の三分の二ぐらいはPC容器になっている。そういう段階のときにビフェニールA、要するに環境ホルモンが溶出して出るという、まだはっきりした状況でないときに横浜市は対応せざるを得なかった。 川崎市は、取り入れるのがおくれたと言っては失礼ですから、まだ取り入れていなかったときにそういう情報が出てきている。環境ホルモン自体日本では一年前から使われた用語ですから、まだまだこれからダイオキシンとは違って研究を進めていかれると思います。 そして相模原は、もう既にこれはいかぬということで、二、三日前に、使っていたPC容器を廃止する、かえるという決断を下した。 確かに「メス化する自然」や何かを読みますと、物すごく危険が迫っているなという形に感じます。要するに、世の中全体が女性化した自然という形で雌化している。これは人体で言うたら、アメリカのようにそれこそ男性はホモ化して中性化し、女性は早熟になって、その組み合わせから子供が生まれないわけですから、それがだんだん続いていく。 だから、出だしが、動物の世界でワニが絶滅しかかっているような話を人間に当てはめて書いています。今は子供がだんだん少なくなっている、少子化と言っていますけれども、出だしが最近子供が生まれなくなったねという話で話が始まるわけです。どうしてだろうねという話から、だんだん二十年ぐらいたったときに、いや本当に生まれる子がいなくなったね、ゼロになったね、これは大変だ、男性の精子が減っているというので対応策を必死で頑張ろうとしたら、精子が二千万以下になったときには生殖しないと言われていますから、今ですら、データによっては五十歳以上の元気な方の一cc当たり一億三千ぐらいある精子が二十歳以下の人は六千万以下になっていると。何らかの影響を受けているのは間違いないわけでしょう。瀬戸内海でもカキが減っているとかそういうような話はいっぱい聞きますから、聞いている話が何か世相と合っているし、自分でも実感されるというような話が出ているんです。かなり深刻な影響を与えておるわけです。 そういうときに、このPC容器に対して、具体的にそれが出ているとなったら、それはお母さん方は不安がります。おばあさんや何かとは、うちは子孫が絶えるんじゃなかろうかという話まで言い始めていますし、お母さん方は、うちの子供は子供が生まれぬようになるんじゃないかという話まで会話に出てきています。 ある意味では過剰な報道という感じもあるのかもしれませんけれども、ダイオキシンのときは逆に全然報道してくれなかった。立川先生がNHKと組んで三カ月に一回ぐらいぽつりとNHKでダイオキシンをやっていた。ぽつりとやっていてもかなり頻繁にやっていたなと思うんですけれども、それでも認知されなかったのが、ここに来て国会でも非常に取り上げられることも含めて、きちっとした対応をしてきてくれたということになりますと、このポリカーボネート容器に不安を感じておられるお母さん方に対して、やはり厚生省としては、文部省の話だというふうに逃げることもできるかもわかりませんが、生命、生存にかかわる話ですので、どういう形で持っていこうとされているか、ほかの委員もやりましたけれども、再度これきちっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野昭雄君) ポリカーボネート樹脂製の食器等の安全性につきましては、直近までの科学的なデータを含めまして食品衛生調査会の御意見を聞いたところでございますが、現段階におきます知見におきましては、使用禁止等の措置を講じる必要はないというふうに認識いたしております。 しかしながら、いわゆる環境ホルモンに関します問題は極めて新しい問題でもあり、また未知の分野が非常に多いことから、調査研究を推進することが重要であるというふうに考えております。また、これらの検討結果につきましては、厚生省のインターネット等に掲載をするなど、国民の皆さん方への広報に努めているところでございまして、今後ともこれらの活動を強化してまいりたいと考えております。
○福本潤一君 今のお話は、調査研究はするけれども、対策、方針一切なしということだろうと思うんです。そうしますと、報道等で不安を感じるということになってくると、今後、市町村にお任せいたしますという形で進んでいくんだろうと思います。 ただ、厚生省として一つの、こういう環境ホルモンに対してまだ疑わしい段階だと、世の中ではかなり報道がされているというときに、きょういただいた「環境新聞」、高杉さんという前横浜市立大学の学長、この人の一番弟子が環境ホルモンでかなりテレビに出ておられますけれども、その恩師のような方が、何と研究段階では一九六〇年に初めて環境ホルモンの結果を学者としてサイエンス誌に発表しておるわけです。一九六〇年といったら、ダイオキシンは一九八三年に初めて立川先生が検出されましたけれども、それよりも前なわけです。 だから、これは案外関心を持たれなかっただけで、日本ではダイオキシンより先に、言葉が環境ホルモンでなかっただけで、一年前NHKとこの人の弟子が環境ホルモンという名前をつけて使い出したから、日本で環境ホルモンという用語を使い出したのはまだ一年前です。ただ、研究は一九六〇年から進んで、一つの危険だという、要するに女性ホルモンとして働く化学物質があるということは少なくともわかっていたということになりますと、そういう先端の研究みたいのを鋭敏なセンサーでキャッチした人があれば、かなりこれは現実には深刻な問題だということで対応策を練っていたはずなんです。 ただ、これは六〇年と九八年だから、三十八年前にもう既に出ていたということで、最近の問題とは言えなくなってきているなというのが私のきょうこの貴重な資料をいただいた感覚でございます。 とするならば、危険だ、危ない、疑わしいといったときに、公害問題ではきちっと対応する、予防する、疑わしきは罰する、予防原則というのが公害問題で宇井純さんらの時代から基準としては言っていました、因果関係を全部究明した段階でははっきりともう手おくれだと。環境ホルモンでも、因果関係が究明されたときは取り返しかつかない段階になっているということですから、官庁また官僚の行政の姿勢自体を根本的に改めぬと、公害問題は、この前指摘したように四日市ぜんそくで補償費に一兆円もう払っている、認定患者に一兆円です。また、ほかの公害問題でもさまざまな形で補償金を高額に払っていっている。 そういうことになりますと、この問題もこのままほっておいたら、責任官庁はうちじゃないよあそこだよと言っている段階とは違うぞというのがありますので、この学校の容器に対して、瀬戸物もあったりいろいろ安全なものもあるのに、少しはそういうものを考えぬかという話が委員からありましたけれども、文部省としてはこれに対してそのまま厚生省と同じような立場で対応されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(磯田文雄君) お答え申し上げます。 先般の五月十二日の委員会で先生の御質問にお答えした内容とほぼ同じでございますが、私どもとしても、本件につきましては非常に強い関心を持ってはおりますが、先ほど厚生省の局長からの御答弁にございましたように、厚生省の御見解は、現時点における知見において使用禁止等の措置を講ずる必要がないということ。他方、私どもとしましても、本環境ホルモンにつきましては研究費を投入し研究の充実をしているというところでございます。 こういう状況を四月末に行われました都道府県の学校給食担当者を集めました会議の席上でお伝えし、今後とも各都道府県と連携を密にしまして関係省庁からの情報を適切にお伝えし、各都道府県が世の中の動向を把握しながら適切に対処していただきたいというお願いをしているところでございます。
○福本潤一君 使用禁止ということをやれと言ってはおらないわけです、無策だと言っているわけです、何もないのかと。いつも政令とかいろいろな形でうまく運用されている官庁が、こういう問題に関したら、何もしません、使用禁止はやりませんと言うだけじゃ余りにも行政としても無策ではなかろうかということを指摘させていただいて、今後、規制も含めてきちっとした対応をしていただきたいということを述べさせていただいて質問を終わります。
○緒方靖夫君 私は、紙と瓶のリサイクルの問題について質問いたします。 まず、紙の問題ですけれども、紙のリサイクルは、一昨年秋以来、古紙の在庫の急増、古紙仕入れ価格の暴落によって資源回収業者の経営維持が非常に大変になる、あるいは日本独特のすぐれた古紙回収システムが崩壊の危機に至らんとしている大変な状況にあると思うんです。日本再生資源事業協同組合初め関係団体は必死の努力をしている、また、政府に対して対応を強く求めているという状況です。 古紙の在庫は、ことしに入って四月に関東周辺の三十二社の報告によると七万七千トン。ピーク時の昨年四月は十二万三千トン、それと比べれば六二%に減っているわけですけれども、しかし、古紙価格は同じ時期の比較で、段ボール、新聞で一キロ四円が三円に下がる、あるいは色上が一円が〇円にさらに低下した、そして雑誌、古紙に至っては逆有償、マイナスという状況が続いているわけです。これでは資源回収業者の経営が全く成り立たない、大変な苦況にあるわけです。 そこで、古紙の慢性的な余剰、古紙価格の暴落、低下、この要因をどのように分析されているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(大木浩君) ちょっと通産省から人がおりませんのでそちらの方のお話はできないんですが、今お話のございました、確かに紙をめぐる市況と申しますか、非常に今難しい状況にあるということは私どもも承知しております。我々もできるだけ古紙を使いましょうというようなことで、環境庁では原則として使っておる紙は全部再生紙でございます。政府部内でもできるだけそういうことは申し上げておりますし、あと、地方自治体で、例えば東京都とか名古屋市あたりではできるだけ古紙を使うということは努力しておられます。 他方、今言ったような市況の問題で、ちょっとたまってしまっているというようなことが一つのネックになっているということは承知しておりますので、今通産省おりませんけれども、これはひとつその辺の状況をもう少し何か知恵を出せということは伝えておきたいと思います。
○委員長(関根則之君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(関根則之君) 速記を起こしてください。
○緒方靖夫君 大臣、答弁ありがとうございました。 古紙の慢性的な余剰、そしてまた古紙価格の暴落、なぜこういう状態が起こるのか。これについて、実は古紙余剰問題研究会の報告書、こういうのがあります。 これは昨年の十一月に出されたものなんですけれども、この団体は製紙業界とか回収業者とか新聞、印刷、雑誌の各業界、自治体の代表が参加してつくったものです。そこに古紙余剰に至った要因が五つ挙げられております。 一つは、「資源回収支援策の進展に伴う家庭系古紙の回収促進」。二番目、「事業系ごみの全面有料化等に伴う事業系古紙の回収促進」。三つ目に、「食料品、家電製品等の輸入増に伴う包装容器の増大」。四番目、「古紙利用率の伸び悩み」。そして最後、五番目、「紙・板紙の輸入増加と輸出減少」。この五つが挙げられているわけですけれども、この五つの要因というのは通産省の認識と合致したものですか。
○政府委員(水谷四郎君) 今御指摘の五つの原因、おっしゃるとおりでございまして、特に製紙原料として古紙の利用の多い段ボール、それから紙器に使う板紙の生産量が伸び悩んでいるわけでございます。 今先生御指摘のような事情に加えまして、事業系ごみの有料化に伴います事業系古紙の回収促進によりまして、従来はごみとして主として焼却処理されてきた紙類が古紙として回収される量が増大している、こういった原因が主要なものと考えております。
○緒方靖夫君 私もこの報告書は総合的だし、また実態に合った分析だと思うんです。 確かに、ここで言われているように古紙の回収が促進された、そして同時に紙、板紙の輸入の増大、輸入品の紙製品がふえている、このことが非常に大きな要因だと思うんです。 その点で、古紙の利用率の問題なんですけれども、九七年度で五四・〇%にとどまっているという現状があります。通産省が省令で九五年までに五五%とした目標、これにも達していない。九三年が五三・〇%で、四年間かかって一%アップしただけという状況なわけです。 二〇〇〇年までに五六%という目標設定があるわけですけれども、この目標達成の見通しはいかがかという問題と、古紙の利用率を上げるためにどういう取り組みを強められるのか、二点お伺いします。
○政府委員(水谷四郎君) 今御指摘のように、古紙利用のほとんどを占めます製紙原料としての利用促進、これが最重要課題でございまして、従来から古紙再生設備に関します税制等による支援、古紙利用に関します普及啓発事業、こういったものを行ってきておるわけでございます。 また、古紙余剰問題の解決に向けまして、昨年九月に集中的な古紙利用の普及啓発、それから新規用途の開発、普及促進、製紙メーカーに対する一層の古紙の利用の働きかけ、大口ユーザーに対します働きかけ、こういったものを内容とします総合的な古紙利用促進のための行動計画というものを通産省で策定いたしまして、現在鋭意これを実施中でございます。 御指摘のように、平成九年の古紙利用率はまだ五四%でございまして、平成十二年度におきます古紙利用率を五六%にするといういわゆるリサイクル56目標でございますが、この達成に向けて今のような努力を積み重ねまして、なかなかこれは一%上げるにも実は大変な努力なのでございますが、ぜひとも達成するために政府また民間ともに精いっぱい努力をしてまいる所存でございます。
○緒方靖夫君 今言われた行動計画、それをつくり、それに沿って努力しているという点は評価したいと思います。その方向でやっていただきたいと思うんです。 端的にお伺いしますけれども、一%上げるのは大変だと言われましたけれども、西暦二〇〇〇年までに五六%、それを達成するという点での自信のほどはいかがですか。
○政府委員(水谷四郎君) 一〇〇%保証するということは、これは民間の事業活動でございますのでなかなか難しい部分はあるわけでございます。しかしながら、やはりこれからの紙をめぐりますいろんな資源調達の環境でございますとか、それから国民生活におけるそういったリサイクルの意識の浸透、こういったものが相まちますれば、この五六%というものの達成は決して不可能ではない、かように確信はいたしております。
○緒方靖夫君 古紙の再利用を進める上で非常に大事な問題、業界もそれからまたさまざまな市民団体も一番力を入れている問題の一つは、小中高の教科書に再生紙を全面使用するという問題なんです。 来年度の教科書はどのくらい再生紙が利用されるのか、その結果、教科書への古紙の混入率はどのぐらいになるのか、お伺いいたします。
○説明員(月岡英人君) 教科書におきます再生紙使用の状況でございますけれども、現在、表紙、口絵などに再生紙が使われているところでございますが、今年度使用されております小中学校教科書の九割、それから高等学校教科書の七割以上で一部再生紙を使用した教科書となっているところでございます。 以上でございます。
○緒方靖夫君 私は、昨年、紙の問題、特に教科書について質問主意書を出しまして、答弁書をいただきました。その中には、「本文用紙も含めた教科書への再生紙全面使用について、関係業界に対して積極的に取り組むよう要請しているところである。」ということが書かれております。私はこの答弁は非常に大事だと思うので、その点の実践はどうかということをお伺いします。
○説明員(月岡英人君) 先生御指摘のように、教科書の本文におきます。紙の使用の件でございますけれども、昨年六月に教科書発行者が組織いたしております社団法人教科書協会におきまして、平成十一年度から使用するすべての教科書につきまして、本文用紙も含めて全面的に再生紙を使用するということを決定したところでございます。 そういうことで、文部省といたしましては、教科書への再生紙の使用に向けた取り組みを今後とも促進いたしまして、さきの決定が着実に実施されるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○緒方靖夫君 教科書に再生紙を使うときによく言われるのは、再生紙は紙の質が悪くなる、そうすると、数学や算数のときに小数点と紙の質の悪い点が間違ってしまう、だから困るという理屈をよく言われるけれども、そういうことは外国だって似たようなことが起こるわけで、古紙を一〇〇%利用した上質紙も生まれている。これはやっぱり日本の技術水準ですね。 それからまた、全面的な教科書への再生紙の利用というのは、そのこと自身がやはり私は教育効果が非常に大きいと思うんです。ですから、そういう立場というのは非常に大事だと思うんですけれども、いかがですか。そういうことを余り言わずに、今言われたような方向できちっとやる、そのことをはっきり述べていただきたいと思うんです。
○説明員(月岡英人君) 先生今御指摘のように、私ども、毎日の学習の中で子供たちが再生紙でつくられた教科書に触れるということは、環境教育を推進していくという観点からも意義深いものであるというふうに思っているところでございます。 そのようなことから、教科書につきましては教科書用紙の独特の品質の観点もあるわけでございますけれども、そういったことを踏まえまして、教科書協会におきましてはさきに全面的に行うということを決定しておるところでございまして、私ども今後ともそのような観点からの発行者の努力を、着実にそれが実施されるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○緒方靖夫君 文部省の関係、結構でございます。 それで、私、もう一つ質問主意書の中でお伺いしたのは、新聞業界で導入が検討されていると言われている超々軽量紙の問題なんです。これは古紙の混入率をうんと低下させる、六〇%から四五%に低下させるということで、これが行われるとこれまた非常に大きな問題が起こることになるんです。新聞業界への超々軽量紙の導入をやめるように指導すべきである、そういうことを要請したわけですけれども、そういう指導、要請はどうなっているかお尋ねいたします。
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のように、新聞紙に超々軽量紙を使う動きがあるわけでございますが、具体的には、現在平米当たり四十三グラムでございます新聞紙を二十一世紀に向けてさらに軽量化して平米当たり四十グラムにすべく、製紙メーカーに働きかけを行っている新聞社があることは承知をいたしております。 当省といたしましては、軽量化それ自体には問題がないわけでございますが、古紙配合率が下がるようなことがないように新聞業界に要請を行うなどしてまいっております。今後、新聞の分野においてもさらに古紙利用率が上がるよう、引き続き働きかけを行ってまいる所存でございます。
○緒方靖夫君 新聞業界への要請は既に行っているわけですね。
○政府委員(水谷四郎君) やっております。
○緒方靖夫君 ぜひそういう指導を行っていただきたいと思います。 それからもう一つ、一〇〇%バージンパルプを使ったトイレットペーパーの問題、これは非常に大きな問題なんです。森林から切り出したパルプを一回消費してそれで終わってしまう。これは資源の有効利用、それから地球環境を守る、そういう点で大きな問題だと思うんです。今スーパーで安売りされているトイレットペーパーはほとんどそれなんですね。確かに安いわけなんです。だって大量生産するわけですからね。片や中小の業者が古紙を使ってトイレットペーパーをつくる、太刀打ちできないんです。 実は先日、経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会の地方公聴会が静岡でありまして、そこに古紙を使った家庭用の製紙業界の理事長がお見えになって、この問題をもう本当に熱烈に訴えておられました。私もお尋ねしたんですけれども、何を言っているかというと、このバージンパルプでのトイレットペーパーには太刀打ちできないと。相手は、やっているのは大手だ、我々は中小だ、我々が地球環境を守るための配慮をしているのに対して、大変な安値でやってくる、これは何とかしてほしい、我々は地球環境を守るためにもこういう仕事をやっているんだと。そういうことを盛んに言っていました。まさに悲痛な叫びだと思うんです。 こういう再生紙を一生懸命使ってやっている中小がある、片やほとんどの大手は一〇〇%バージンパルプを使う。こういう中で、バージンパルプの製品を規制する、やめさせていく、これが業者の願いですが、そういう方向で再生紙の利用を図るような指導、これをぜひやっていただきたいと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(水谷四郎君) トイレットペーパーにつきましては、従来から原料として上質の古紙一〇〇%を使用したものが相当部分を占めてまいっております。ただ、お断りと申しますか、この古紙は上質紙を原料といたしておるわけでございます。最近の傾向を見ますと、こういった再生紙トイレットペーパーの生産量は絶対量として増加してきてはおります。ただ、パルプもののトイレットペーパーの生産量が大変伸びが大きいものですから、それに比べれば低い伸び率になっているというのが現状でございます。 今御指摘のパルプもののトイレットペーパーを規制するという点でございますけれども、幾つかの困難がございまして、慎重に検討をする必要があると考えております。 具体的に指摘をさせていただきますと、第一に、今申し上げましたように、再生紙トイレットペーパーの原料は、現在余剰となっております雑誌古紙でございますとか新聞古紙ではございませんで、むしろ余剰がない上質の古紙を使っている、これが第一でございます。 それから第二の点が、規制を行いまして大幅な再生紙トイレットペーパーへの急激な参入が仮に起こりますと、原料となる上級古紙の不足であるとか上級古紙価格の高騰、中小メーカーの経営圧迫といった問題を発生させる可能性がございます。 それから、紙の利用者の自由な選択への介入ということも効果としては起こるわけでございまして、やはりこれを考えますと、慎重に検討をするべきではないかという立場でございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました古紙利用促進のための行動計画を引き続き実施しまして、消費者への普及啓発、それから公的機関における再生紙トイレットペーパーの利用促進、こういったものに力を入れてまいりたい、かように考えております。
○緒方靖夫君 困難と言われるそういう立場も、今の通産省の方向からしてもそういうことだろうなということはわかるわけですけれども、しかし、大きな立場からその点は要請されていると思います。やはりこの問題というのは地球環境を守っていく、そういう問題だと思うんです。 そこで、大臣、この紙の問題なんですが、先ほど答弁いただきましたけれども、私は、紙を燃やさずにリサイクル、その考え方というのは非常に大事なテーマになっていると思いますけれども、その点で大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) せっかくできた紙でございますから、できるだけ再生といいますかリサイクル化、リユースしたいと思っております。 ポイントは、恐らく一つは技術的にどういうふうに再生できるかということ、それからもう一つはやっぱりできるだけきちっと選別しないと、つくりかえるにしても問題があるというようなことでございますから、その辺も含めてひとつ関係省庁とも十分にまた協議しながら、できるだけそっちの方向へ向かって努力をしたいと思っております。
○緒方靖夫君 次に、瓶の問題なんですけれども、数字をまず伺いたいと思うんです。 瓶のリサイクルでは、ビール瓶とか一升瓶などは繰り返しリユースするリターナブルという形と、瓶を砕いてカレット化して再生利用するワンウエー瓶、この二つがあると思うんです。 年間の瓶の製品量と、そのうちワンウエー瓶とリターナブル瓶の量と比率、これをお伺いします。数字だけで結構です。
○政府委員(水谷四郎君) お答えします。 平成九年のガラス瓶の年間生産数量でございますが、約二百十六万トンでございます。内訳として、ワンウエー瓶はおよそこのうちの八〇%程度、リターナブル瓶はおよそ二〇%程度でございます。
○緒方靖夫君 製品の約八割がワンウエーということでした。量として大体百五十万トンのリターナブル瓶が流通している、こういうことが言われているわけです。そして、その流通している瓶の半分以上がワンウエーということになる。 最近、輸入のワインとかあるいはしょうちゅうがいろいろ入ってきておりますけれども、過去五年間の瓶による輸入酒の推移、それからこれら輸入酒の瓶のリサイクル、これがどうなっているのかお尋ねいたします。
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のように近年、外国からの酒類の製品の輸入増加とともに輸入される瓶も増加をいたしておりまして、平成九年には二十一万トン程度に達している状況でございます。 もちろんこのリサイクルにつきましては、輸入瓶、国産瓶を問わず、市町村等で分別収集されたものについてはリサイクル化が図られているわけでございます。しかし、国産の瓶は無色及び茶色の比率が大きいのに対しまして、輸入瓶は外国製のしょうちゅうでございますとかワインでございますとかいろいろございますが、緑色等その他の色の比率が大きいために、輸入瓶をガラス瓶として再利用できる量には限界がございます。 また、昨年四月施行の容器包装リサイクル法の施行に伴いまして、今後とも瓶の収集量の増加が予想されておりますが、ガラス瓶リサイクルシステムの円滑化のために、カレット、これは細かく砕いたものでございますが、これの利用量の拡大のための対策が必要と認識をいたしております。
○緒方靖夫君 輸入瓶の問題というのは一番始末に悪くて業者も困っている。そしてもちろんリターナブルということはない。 ヨーロッパでは、狭いところですから、リターナブルはもとの国に戻すことが多いわけですけれども、日本ではそういうことができない。したがって、今限界と控え目な言い方をされたけれども、ほとんどこれが手がつかない、リサイクルの方向には行っていないというのが現状だと思うんです。 そこで、輸入瓶も含めてワンウエーがふえていくという現状にありますでしょう。カレットして再生するよりもリターナブルの方が燃料の削減、CO2削減対策ということでも効果が極めて大きいことがはっきりしている。したがって、リサイクルをやっていくというのが私たちの方向だと思うんです。 今言われた容器包装リサイクル法に基づいてリターナブル瓶は今百六種類の認定をされていますけれども、現状では、リターナブル瓶でも一升瓶などは生産の中で新しい瓶がかなり使われていて、リサイクル業者もリターナブルに図らずカレットしてしまうことが非常に多くなっているということも彼らの実感として述べていることなんです。 そこで、瓶のリサイクルを促進するために、事業者が再商品化して義務量に満たない部分については負担金を課しているわけですけれども、その単価は平均して瓶一本当たり幾らになりますか、それぞれ色分けで。
○政府委員(水谷四郎君) 委託単価でございますが、委託する事業者のいかんを問わず、平成十年度におきまして、無色のガラス瓶がキログラム当たり一・七五二円、茶色のガラス瓶がキログラム当たり二・九三六円、その他の色のガラス瓶の場合はキログラム当たり五・四八五円となっている現状でございます。
○緒方靖夫君 大体そういうことかなと思います。 瓶で直すと、大体四百から五百グラムということで直すと、業者の人たちが通常言うには、透明瓶で一円弱、茶瓶で一円強、その他の瓶で二円と。大体そうですね。この程度では価格に転嫁できるわけです。そうすると、実質的には負担金を払った方が、業者がわざわざいろんな形でこれをリターナブルにするよりはそっちの方が手っ取り早いということで、これがリターナブルを促進することが困難になっている理由になっていると思うんです。 実際にリサイクルの現場では、瓶の回収がふえ、カレットは急増する、そしてこの一、二年でカレット単価が急落している。東京周辺でキロ当たり、透明瓶で一円、茶瓶で逆有償でマイナス二・五円、その他の瓶でも逆有償でマイナス三から四円、これが現実です。こういうことになると、業者は大変になるわけです。しょい込むとかえってマイナスになる、損をする。したがって、茶瓶、色瓶の負担金の単価が逆有償になっているという現状、これが非常に重大だと思うんです。私は、今の状況が続くと瓶のリサイクルも事業も崩壊していく、そういうことになってくると思うんです。 その点で、私は、現在負担金を課せられている大企業の事業者に対して、課している負担金の額を適正にしていく、瓶を使う事業者に対してリターナブルを進めるように指導する、このことが非常に大事だと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(水谷四郎君) ガラス瓶のリターナブル化の推進という点でございますが、何と申しましても、これを再利用するボトラー及びユーザーの幅広い理解があって初めて円滑に行われるものでございまして、現在、ガラスびんリサイクル促進協議会が中心にリターナブル瓶の推進普及のための広報活動等を展開しているところでございます。 一方、こういったリターナブルの方に瓶が回っていくのを加速させると申しますか促進するために、リターナブル瓶の分離、洗浄、検査設備等の設置に当たって、日本開発銀行及び中小公庫からの低利融資制度及び空き瓶洗浄処理装置に対します優遇税制措置等の支援を実施いたしまして、そちらの方に行動の流れが向くように努力をいたしているところでございます。
○緒方靖夫君 最後に、大臣にお伺いしたいと思うんです。 瓶のリサイクル、これも本当に大事で、ヨーロッパではリサイクルといえばリターナブル、リユースがもう常識です。その比率がうんと高い。例えば、ペットボトルにしても日本のものよりもかなり丈夫なもので、そしてこれがリユース、リターナブルという形で、回数は十回程度とかそういうことになりますけれども、使われている現状があります。 やはり地球温暖化を食いとめるためにCO2削減、これが今日本を含めて国際的にも大きな課題になっているそのときに、瓶リサイクルを思い切ってリターナブル、リユースに転換する、その強力なイニシアチブを環境庁、大臣がとっていただく、このことが非常に大事な課題になっていると思いますけれども、その点の御所見を伺います。
○国務大臣(大木浩君) 本日は、瓶についてのリユースないしリサイクルの御質問でございます。 リサイクルについては、結局これは、先ほどから申し上げているとおりに、分別してすぐにリサイクルがきちっとできるという形をできるだけ整えることが必要でございますから、これにつきましてはそういった分別を徹底するということが一つの考え方じゃないかと思います。 それから、リユースの方でございますが、先ほどもお話ございましたけれども、実際のメーカーさんというかボトルを使う、最終的に実際にそれをまたリユースして製品を売られる方、それから流通の部面でいろいろ問題があるわけでございますから、その辺を少し知恵を出したらどうかということでございます。今若干、そういった小売業者というか卸業者、その辺でいろいろ実験的にやっておられるところもありますので、そういったところのまた結果といいますか経験というものを生かして、できるだけリユースができるようなことも考えていただきたい。これまたひとつ通産省初め関係各省とも協力していただきまして、そういったことを精力的に進めたいと思っております。
○緒方靖夫君 ありがとうございました。終わります。
○堂本暁子君 COP3の名議長でいらした大木大臣に質問させていただきます。 日本は議長国として、地球温暖化対策推進に関する法律案、これを一刻も早く制定すべきだと思っております。COP4が十一月に開かれますが、それにぜひとも間に合わせていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 地球温暖化対策推進法につきましては、国会において鋭意御検討いただいておるわけでございますが、正直申し上げまして、そろそろ会期末に来ておりますのでどこまでやっていただけるか、私どもとしてはもちろん一歩でも前進させていただきたいと思いますが、今、堂本議員からもお話がございましたように、いずれCOP4も開かれるわけですから、ぜひともそれに間に合わせて成立いたしますように私どもとしても努力をいたしたいと思いますし、ひとつ国会の御協力もお願いしたいと思っております。
○堂本暁子君 議長国としては一つの責務だと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 きょうは外務省にもお越しいただいておりますけれども、COP4に向けて幾つかの点を確認させていただきたいと思います。 おとといから補助機関会合がボンで開かれているということで、排出権取引の交渉、それから日本でCOP4の前に再度会議を開く計画があるということなどは諸外国から評価されているというふうに聞いております。そういったプラスの評価と同時に、日本は議長国としてCOP4に向けて国際世論を本当に盛り上げるために活躍しているのか、そのダイナミズムを持っているのか、モメンタムをつけているのかという点では国際的な批判や不満も耳にいたします。 次のことを伺いたいのですが、例えば排出権取引とかシンクの問題など、いわゆる柔軟措置と言われるものがございます。 こういったものに熱心であるためなのかどうかわかりませんが、日本が条約の課題である温室効果ガス、CO2の削減、ほかのガスも入りますけれども、削減を本当に大事にしているよりも、ある種抜け穴とは当時COP3のときなんかに言われましたけれども、むしろそういったものを利用しようとしているのではないかというようなことを言う人たちがいる。これは誤解だと私は思うんです、日本人として見ますとこれは誤解だと思うんです。でも、なぜそういう誤解が出ているのかといえば、やはり議長国としてのダイナミズムが国際的に見えないんじゃないか。本当に必死になって条約を推進しようということが外国の目に見えない。 そういった問題をぜひともこれから五カ月の間に解決していただきたい。環境、外務両省にお願いするわけなんですが、一つの問題は、先進国とは交渉している、しかし途上国とどれだけの議論を展開しているのか。環境大使なんという存在もあるし、いろいろおられるんですが、果たしてどれだけのことをやっているのか。環境大使については、後で例えれば委員会で御報告いただく必要はございませんけれども、一向に私どもには見えてきません。ルールと規制を全締約国が採択するためには途上国とも大いに議論しなきゃいけない。 この点、長官それから外務省からも見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) なかなか目に見えるような努力が十分じゃないんじゃないかという御質問といいますか、御叱正でございますが、COP4に向けて今私どもがやっておりますのは、一つは、まず先進国の中で意見を調整してできるだけ先進国としての対策を進めるということ。もう一つ、これははっきり申し上げますと、アメリカあたりが一番関心が高いんですけれども、やっぱり途上国もいずれは参加していただくということでございますから、それについて一歩でも進めたい、こういう二つがあるわけでございます。 先進国間の話につきましては、例えばOECDあるいはG8の会議といったようなところで、できるだけひとつ先進国側としての積極的な義務遂行のためのアクションを進めるということでいろいろと議論をしております。 ただ、先ほどもお話がございましたけれども、例えばいわゆる柔軟措置、どうも柔軟措置というのは私は余り好きじゃないんですが、そういう名前になってしまいまして、言うなればいろいろな国際的な措置というのが、柔軟措置の大部分は国際的な措置かと思いますけれども、これもやっぱり一緒に進めていこうと。先進国間で集まりますと、どうしてもそれが今一番実は具体的な問題で、勉強するには適当と申しますか勉強を今すぐにいろいろとできる科目だと、こういうことなものですから、そちらにもかなり議論が進んでおりますけれども、全体としては、やはり先進国といたしましてもみずからのいろいろなアクションをできるだけ進めて、そしてそれをてこにして今度はまた途上国との話し合いを進めたい、こういう考えでございます。 いろいろな会合がございまして、先生十分御存じでございますが、COPの中でのいろいろな下部機関の議論、あるいはそれと別に、例えば今言いましたOECDとかG8とかそういったところの会議もございますが、そういうのを両々並べましてひとつできるだけCOP4に向けて前進をしたいというふうに考えております。
○政府委員(上田秀明君) 今、大木長官から御答弁があったところでございますけれども、大木長官が個人の資格で次のアルゼンチンで開かれますCOP4までの間、議長をお務めになるわけでございますが、日本は国として議長国ということで、京都議定書の具体化あるいは実現に向けての責任を果たしていくということかと思います。 我が国は、主要先進国の中では先頭を切りまして四月二十八日に署名もいたしました。それから、今長官から御答弁がありましたような公式、非公式、さまざまな会合が実は行われておりまして、そういうところに先ほど御言及のありました環境問題担当の大使等を派遣いたしまして、日本としてさまざまな案を出したり、あるいは他の国々と調整をしたりしているところでございます。 目下、ボンで開かれております補助機開会合におきましては、いわば京都議定書で原則は決まったけれども具体策がまだ詰まっていなかった問題、排出量取引とか共同実施とかクリーン・ディベロプメント・メカニズムとか、そういうような問題についての合意を何とかCOP4に向けて道筋をつけたいということで、日本もさまざまな提案を行う準備もしていろいろと行っているところでございます。 それから、途上国の問題につきましては、これは京都会議で積み残されたわけでございますけれども、私ども、その後いろいろな外交レベルの、大臣レベル等の会議等に際しまして、京都議定書の精神でぜひ途上国の皆さんにも自主的に参加していただきたいということを呼びかけておりまして、印象でございますけれども、途上国のそういう意識のある国からは、自分たちも何らかの役割を果たしていきたいというような声も聞かれるところでございます。 この点につきましては、先般のバーミンガム・サミットで橋本総理から御発言がございまして、途上国については初めから拘束力を持たせて義務を課すようなことでは無理であろうと、しかし、自主的に参加してもらうということで地球温暖化の問題に一緒に協力して取り組んでいくように呼びかけようじゃないかというような御発言がございまして、各国首脳もそういうことで御賛同がございまして、コミュニケにもそういうふうに書かれたところでございます。 アルゼンチンのCOP4は、実は、これは先刻御承知のとおりでございますけれども、京都のCOP3がいわばベルリン・マンデートという一つの課題がございまして、これを達成しなきゃいけないということで、いわば期限が切られていて終わったわけでございますけれども、アルゼンチンの方は締約国会合第四回目ということで、そもそも何を目指して何をそこで達成しようかということについていまだ関係国が明確なコンセンサスを持つに至っておりませんので、目下ボンで行われているような会合を通じまして、ねらうべき目標といいましょうか、そういうことを絞っていって、そこに向けて日本として建設的な貢献ができるようにやっていきたいというふうに考えております。
○堂本暁子君 今まさにCOP4に向けてのはっきりした方向が出ていないというふうにおっしゃいましたけれども、やはりどうしても前のドイツのメルケル大臣と大木大臣が比較されてしまう。今お話を伺っていても、大変着実に、また熱心に日本の課せられた責務を果たしておられると思うんですが、COP4、十一月までは、日本が環境先進国というのであれば、やっぱり活躍するチャンスだと思うんです。余りにも活動が地味過ぎるのではないか。 確かに、日本の国会は大臣を縛るところですので、その拘束があることは百も承知しておりますが、外務省も考えていただきたいし、環境庁はもっと考えていただきたいのは、以来、大木大臣の顔を一向に見ないじゃないか、こういう声がはっきりいろんなところで言われているわけです。これは、どんなに事務方が一生懸命環境大使が走り回ってみても、具体的に議長でいらっしゃる大木大臣の顔が見えないということは、日本の顔が見えないということと同義でございます。私は、十一月のCOP4まで、アメリカと途上国を全部そこに参加させるということも大木大臣の一つのお役目で、そこで日本がイニシアチブをとっていかなきゃいけないんだろうと思います。 それから、総理も言及されたということですが、日本は可能な限り、笛や太鼓で騒ぐというぐらいまでに、表に見えるぐらい大臣にぜひとも活動していただきたい。そしてCOP4のときに、日本はここまでよくやったというところまで大臣は頑張っていただきたい。これは個人的な声援と、外務省に対してはもっと環境大使をフル活用すべきだ。どこに環境大使がいるかわからないというようなことも聞いていますから、そこは頑張っていただきたい。 あと、次の飴玉のことと、農水省とはきょう前向きにいろいろ議論させていただきたいと思っていますので、このことはまた委員会の場ではないところでCOP4についてはたくさんお話を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 次に、環境庁長官にぜひとも飴玉について、散弾銃のことですが、伺いたいんです。 これは、八九年に北海道の宮島沼で三十羽以上の白鳥が、ことしは十羽以上の白鳥が散弾銃の鉛玉を飲んで中毒で死亡しました。 二年前に、当時の岩垂環境庁長官は、鉛玉禁止に向けて関係機関や団体と協議を始めるとおっしゃったんです。はっきりおっしゃった。私がもう何年も前からこのことでお願いをすると、環境庁は、もうやる、あと一年、あと一年、あと一年と言って、もう五、六年たってしまった。飴玉の禁止は一体どうなっているのか。もう鳥じゃなくても私ども待ち切れないところです。 大臣に、これはやると、もう用意はできているんです。細かいことはもう事務方とはさんざんお話ししている。あとは岩垂長官が言われたように、大臣がやっぱり何としてもやれということを、さもなければさっきのダイオキシンや環境ホルモンと同じで鉛は人間の体にとってもちっともよくないものでございます。こんなものをいつまでも禁止しないというのはもう考えられないことなんです。そのことでぜひ御答弁をお願いいたします。
○政府委員(丸山晴男君) ただいまのお話、かねてから堂本先生から御指摘を受けているところでございます。 環境庁の場合、平成六年から鉛による水鳥の汚染状況を把握するために鉛濃度の分析を行ってきておりまして、その結果、水鳥への影響が明らかになっているという認識にまず立ったところでございます。 それで、それを踏まえましてどういう対策を立てるかということでございまして、具体的には、散弾について鉛以外の材料によります代替散弾への切りかんをどう進めるかということでございます。 この代替散弾への切りかえにつきましては、日本の散弾銃の場合、大変銃身の強度が弱うございまして、鉛というのは比較的やわらかな金属でございます。その代替散弾を使用する場合の……
○堂本暁子君 そういうことはいいんです。時間だけ教えてください、時期だけ、いつやるかということ。それ以外のことはもう結構です。
○政府委員(丸山晴男君) はい。 それで、いわば安全性の問題、それから買いかえの問題ということがありますので、現在こういう問題に何とか対処してまいりたいということで関係団体とも鋭意調整を進めているところでございます。いましばらくお待ちいただければと思います。
○堂本暁子君 いましばらくお待ちくださいを五年聞いていたら、いいかげんもう嫌になりますよ。 それで、散弾銃、何人の方がお使いになるか知らないけれども、それこそ人間がそのために病気になったり、それから白鳥にしてもガンにしても鳥がどんどんみんな死んでいく。一体どっちが大事なんですか、銃の銃身がどうのこうのという話と安全な環境ができるということと。これは大臣、必ずやるということを、岩垂さんもおっしゃったんですが、大木大臣からもそれを御答弁いただきたい。
○国務大臣(大木浩君) 実は岩垂長官から直接には引き継ぎはしておりませんけれども、岩垂長官が長官の立場でそういう御判断があったとすれば、それは私も十分に尊重してそれを受け継いでできるだけ早く回答を出したいと思っております。
○堂本暁子君 もう細かい内容は伺う必要ないです。早くやることです。ですから、局長も何が何でも各団体と、これは狩猟の方たちなんです。その方たちのこれは遊びとは申しませんが、例えば北海道ではエゾシカを撃つわけです。その撃ったエゾシカの死体がそのままになっていると、オオワシとかオジロワシがそれを食べるから、去年からことしにかけて、もうオオワシは十四羽、オジロワシは三羽死んだ。鳥は言ってみれば一つの指標なんです。そのことは人間に対しての危険、循環ですから、私たちにとっても危険なことです。 それで、オオワシはもうオホーツク海沿岸にしかすんでいない、二千羽しかいない危惧種です。そういう鳥がどんどん死んでいるのに、環境庁として散弾銃の云々かんぬんということを言っている時期ではもうないというふうにはっきり思います。酸性雨によってもよく溶けるものですし、人体への影響も大変危険です。なのに、散弾銃の中で銃身がどうのこうのという話を今伺うレベルではないと思います。 先ほどから、ダイオキシンや環境ホルモンの問題でも、皆さんが一刻も早くやるべきだと。これは水俣もそうですが、もう結果が出てから、犠牲が出てから、そしてチッソだって今もうつぶれそうになるほどまで長い間企業としても苦労している。そういったことの前に手を打つのがこれからの行政だと思いますので、これは環境庁長官と自然保護局長に、必ずことし中には実現をしていただきたい。 さもなければ、私たちは議員立法ででも、出すと言ったら環境庁がやるからというので私たち議員立法を出さなかったんですから、環境庁がやらないんだったら、私たちは議員立法でこれを一刻も早く出さなきゃいけないと思っています。 次に、きょうは農水省にわざわざお越しいただいたので、ぜひとも農業と自然の問題について質問したいと思います。 農業基本法の改正に向けて調査会の中間取りまとめが出ています。そこに環境との調和を大事にするというようなことも書かれているわけですけれども、六ページのところには、「環境に対する負荷の軽減を図っていくことが求められている。」と。私は、より積極的な改正をしていただきたい。農地、特に水田は自然度を非常に高める、そういった環境であることは十分御承知のことと思いますけれども、そのためにやはりこれからもっと積極的な政策を農水省としてとっていただく必要があるというふうに思っています。 今のところは低農薬とかそれから化学肥料を減らすための農業改善といったような比較的対症的な方法がこの中間報告に書かれているわけです。しかし、農地環境をもっと本質的に自然度を高めるための具体的な政策の展開が必要ではないか。そういった視点から、農業基本法を国土を守るという視点から再度見直していただきたいというふうに思っているわけです。 具体的な政策の提案をさせていただきたいんですが、農地の自然環境を改善する作業、それ自体を農業の一部として位置づけることができないか。農地の中でも水田は生物の生息環境として大変すぐれた潜在的な機能を持っていますから、休耕田の減反補償金、これに傾斜配分を取り入れることはできないか。 現在の減反補償というのは一律ですね、御存じのとおりというかやっていらっしゃるとおり。しかし、欧米では既に傾斜をつけているわけです。休耕田が自然環境を改善したり保全したりする場合にはそういう視点を入れてもう一回補償のやり方を変える。自然の生物の生息をより好ましくしていくために、実際に減反しているけれどもその田んぼに対して湿地としての管理をする、そういうことをしたところに対しては厚く補償をする。それから、稲をつくらなくても水を張ったりそういうような管理をしなかった農家には補償をする必要がないというような形の傾斜方式を取り入れたらば、大変有効に活用できるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(石原葵君) ただいま堂本先生の方から農業基本法の改正、今農林水産省の方で新しく農業基本法をつくるべく検討を進めておりますけれども、それに当たっての視点といいますか重要な点を御指摘いただいたと思っております。 ただいまお話ありましたように、まず第一番に農業が環境保全の大きな機能を果たしているというのは間違いないと思っております。他方、農業をやることによって環境に対してマイナス、環境負荷と言っておりますけれども、そういう機能も果たしているということで、ヨーロッパではそういう点に着目しているということで、我々はそういう点も含めて農業政策を進めなきゃならぬというふうに考えております。 そういう意味で、例えば今具体例をおっしゃいましたけれども、減反の問題、これにつきましても単に一律で我々はやっているということではありませんで、どういう作目をつくるか、あるいは農業に貢献しなくてもそのまま自然環境に貢献しているということであれば、その点に配慮いたしましてまたそのお金も出すというような工夫もしているところでございます。我々はそういう点は重要な問題として今後とも受けとめていきたいと思っております。
○堂本暁子君 一、二、具体的なことを申し上げたいと思いますが、これは環境庁との共同の仕事になるかもしれませんが、今ガンやそういった渡り鳥は水田がないがゆえに羽を休めるところがなくなってきています。ですから、収穫が終わった水田に水を張ってそういう環境をつくることによって、ガンなどの水鳥がシベリアから日本へ来て、それから韓国とかもっと南まで飛んでいく場合もあるわけですけれども、日本でとまるところがなくなるのは困るわけなので、こういった生息地のネットワークをつくっていく、そういった地図を環境庁との共同作業でやっていただいたらいいんではないか。そういったところの田んぼをもし休耕地にしたらそこは補助をするというようなこと。 あともう一つは、圃場とかそれから水路、こういったものの整備の仕方。今三面張りなんかやっていらっしゃいますけれども、これは多様性を壊す。農家にとっては非常に有効だと農村の方に伺うとおっしゃっています。農業としてはいいかもしれない、しかし多様性の視点とか環境の視点からいうと問題がある。とすれば、そこでどういうバランスをとっていくのかというあたりをこれから技術開発していただく必要があるんではないか。 ということで、農業基本法を抜本的な改革をなさるようですから、環境あるいは生物多様性の保全という視点を入れてぜひとも改革をしていただきたい。そのときにこういった問題も農業と環境との共管としてぜひやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 答えていただくことができれば、簡単に。
○政府委員(石原葵君) 特に環境に配慮した農業政策を推進するということで、十分御指摘の点も踏まえまして検討を進めたいと思います。
○堂本暁子君 ありがとうございました。
○山崎力君 改革クラブの山崎でございます。 内輪話になるようですけれども、質問通告したことが前の先生方の質問の中に大分出てきてダブっておりますので、当初の質問そのままの形ではダブりますので、その辺のところを踏まえた形で、ちょっと違ってくる部分もあろうかと思いますがお答え願いたいと思います。 まず、非常に基本的なところからお伺いしたいんですが、きょういろいろ問題になっております環境ホルモンですけれども、これは、かって聞いたことがある外因性内分泌攪乱物質とどこが違うのか同じなのか、まずお答え願えればと思います。
○説明員(廣瀬省君) 同じものでございます。
○山崎力君 今世間的に通りがいいということもあって環境ホルモンというような名前でマスコミ等を通じて一般国民の間にも伝わっていると考えるわけですが、エイズとその場合の後天性何でしたか忘れましたけれども、その辺の言葉の問題、もともと言えば若干違ってきているんじゃないかなというのがあるわけです。 そこで、ちょっと教えていただきたいんですが、外因性内分泌攪乱物質、要するに自分の体内でない外からの影響で内分泌を乱す物質であるということであれば、例えば古来から言われてきた事業、毒だと言われているものがあるわけですけれども、それが内分泌を攪乱することによって体を害するものもあったのかなと。もしそうであれば、それはそこの中に定義上含まれるんだけれども、今問題になっているのはそういう物質じゃないんじゃないかなという気がしているんですが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(廣瀬省君) 確かに物質によっていろんな害をホルモンに作用する部分があるかと思いますが、現在、生殖毒性の議論のところで注目をされてきている。そしてそのホルモン作用、それから脳神経作用、それからもう一つ免疫作用というところを含めながら学問としては進み出している。 最初の気づいたところは雌化の話とかそういう話から出ているということですから、先生のおっしゃるとおりかなり変わっていく可能性はあるだろうというふうには思っておりますが、今のところ、そういう意味ではこれからの研究の成果の中でどうなっていくかということになるかと思っております。
○山崎力君 私の記憶からしますと、この問題に近い形でいわゆる環境ホルモンなのかなと、今から振り返ってみればあの問題だったのかなというので記憶があるのは、アメリカのハクトウワシの減少問題であります。その原因が何かということで調べた結果、非常に卵の殻が薄くなってふ化率が下がって、それで減少しているんだという記憶がありますが、詳しくは知りませんでそれ以上のことはわかりませんけれども、もう何年前になりますか、それの記憶さえ定かではございません。 そういったことで、そうすると今一番問題になっている環境ホルモンというと、いわゆる生殖作用に関連するホルモンに影響を与える物質が何かという視点での議論がなされている、そこのところで絞り込んでいるというふうに意識していいのかどうか。 もう一つ、そこのところでダイオキシンという問題があるんですが、これはそうすると今言われている環境ホルモンに相当するのか、それとも外因性内分泌攪乱物質には相当するけれども今話題になっている環境ホルモンには相当しないのか、こういうところも出てくるわけですが、その辺のことをちょっと教えていただければと思います。
○説明員(廣瀬省君) 具体的に申せば、ダイオキシンも内分泌攪乱物質の中でとらえていくように疑っているということになります。それから先ほどのハクトウワシの話も含めて、ハクトウワシもその中で疑われてきた一つの事象として本の中では出てくるということになっておりまして、確かに古い話でありますが、具体的な意味でいけば、今のダイオキシンの問題も含めて考えていけば、当然ダイオキシンの作用の中でそこの部分が疑問に思われてきているということで、入っているというふうに思っております。
○山崎力君 ちょっと確認なんですが、そうすると、ダイオキシンは生殖作用に影響する物質であるというふうに認定されていると考えてよろしいわけですか。
○説明員(廣瀬省君) 具体的に最近その報告が出てきている可能性があるということになっておりまして、今回も学者の議論の中ではその辺を含めてダイオキシンをどう見ようかということが大きなテーマになってきているというふうに聞いております。
○山崎力君 というお答えなんですが、我々の意識だと、やはりダイオキシンというと強烈な発がん性物質だというふうに意識しているわけで、その辺のところがちょっとあいまいもことして現状受けとめられているというふうに思うわけです。 なぜこのようなことを質問申し上げたかといいますと、今私どもの聞いている範囲においては、環境庁が専門家に任せての信頼しての作業でございますけれども、環境ホルモンとして疑わしい物質を六十七種類選んだ。今のお話でいくと、古来からの物質、毒も含めてですが、一種の危険物と言っていいと思うんですが、その危険物としてわかっているもの、それが今回、そういうふうに認定はしているんだけれども、砒素でも何でもいいです、それが別の作用としていわゆる環境ホルモンかどうかという検討をしているかどうかという問題がございます。 それからもう一つ、危険物か危険物でないかもわからなかったものが今度環境ホルモンだというのも出てくるでしょう。それから、危険物ではないと安全性を確認されていたような物質であっても事生殖に関するホルモンの撹乱作用があるものもあるであろう、こういうふうにいろいろ考えられるわけです。 そうすると、常識的に見て、これは膨大な数の化学物質をというか、化学物質でない自然界に存在する物質も含めて検討しなくちゃいけない。そうすると、ほかの国でもいろいろやっていると思いますけれども、私どもの聞いた話では、WHOの会場で新しいTDIが設定されたそうでございます。その辺、WHOと加盟国がどういう話し合い、議論の中で新しいこういったTDIを導いたのか、その経緯。 今私は議論を広げちゃったわけですけれども、そういったものも含めて、その中で今回のこういった問題がどのような位置づけになっているのかという環境庁なりの判断をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(廣瀬省君) 先生のおっしゃるとおり、まさしく広がってきております。 それで、アメリカの動きを考えれば具体的に御説明できるかと思うんですが、そういう広がりがあるがために標準的手法をどうしても開発しなきゃいけない。それから、アメリカが八月に取りまとめて一つの手法をOECDに提出したい、考え方を出したい、こう言っているわけですが、それができれば、約一万五千種類の化学物質をその手法で洗いたい、こう申しておるということは、先生のおっしゃっているとおりの世界に入ってきていると。 そのために日本としては早急に、補正でもお願いしておるわけですが、その手法開発に、OECDにも協力して第一線の部分に早く入りたい、そして世界的貢献に寄与してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○山崎力君 まさにもう前途遼遠な世界に我々は踏み山さにゃいかぬということで、なお悪いことに、一つの種類であったらよかったのが、いわゆる複合汚染その他言われましたけれども、そういったかけ合わせの中で我々生きているわけですから、そのことを考えるととんでもない作業をこれからせにゃいかぬだろう。 そういった点で、役所の立場からすればその体制をどうとるか、予算づけをどうするか、それを国民にどう理解してもらうかという作業があろうかと思うんですが、現状においてはまだまだその辺のところがお互い不十分だということは御認識のとおりでございます。 今までの経験もございますので、その辺のところを含めまして、アメリカ、欧米の進歩した研究とどういうふうに連絡をとりながら、あるいは専門家の交流とか定期的な会議とか、そういうふうな専門官をそろそろ日本でも考えた方がいいんじゃないかというような気がしておるんですが、その辺についての将来的な環境庁の取り組み方の方針について、大臣から御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 御質問は恐らく行政官庁としての環境庁がこれから外交を含めてどういうふうにして環境ホルモン問題ないしはダイオキシンの問題、ダイオキシンも先ほどからの話で環境ホルモンの中に入るということですから、そういった問題に対処するかということでございます。 例えば、まずは今の省庁の中の縦割り行政をできるだけひとつすっきりさせていただきまして、いずれ環境省というものもおつくりいただくということでございますから、それはその中でひとつきっちりとやりたいということ。私も昨年九月から環境庁長官をやらせていただきまして、まさしく縦割り行政というのは大変だなということを痛感しております。それからもう一つは、横割り行政というのか、国と都道府県とまた市町村とか、そこら辺のつながりというのも非常にまだすっきりしていないということですから、そういったものをきっちりさせていただく。 それから、国際的にも、よその国からもいろいろと情報ももらう、また意見も交換するという体制を強化しなきゃいかぬと思うわけです。これについてはいろいろな考え方があるわけでございまして、例えば大使館に環境アタッシェというようなものを配置するのがいいのか、これまたなかなか難しいわけでありまして、大使館の人員というのは館全体としてどういう仕事をするか、こういうことになりますから、一人環境アタッシェとして出しても、環境だけやっていればいいということにもならない。もちろん主要な場所には、いろいろな国際会議があるようなところには環境アタッシェをこれから強化して出していただくということが一つの手だと思いますし、あるいはむしろいろいろな会合があるときには東京からも専門官を派遣して会合をする、その辺いろいろと組み合わせて、全体として国際的にも環境問題についての日本としての知識、経験というものがさらに強化されるように努力をしたいと考えております。
○山崎力君 今長官からの御答弁の中にもあったんですが、きょう厚生大臣おいでになっていれば一番そのところもお聞きしたかったわけです。役所の代表の方が来られているので、その点、厚生省の方にお伺いしたいんですが、要するにこの環境ホルモン問題、ダイオキシン、今環境ホルモンだということでやりましたけれども、どこからどこまでが環境庁の職掌で、どこからが厚生省の職掌なのかということの話し合いというのはどういうふうになっているのかということを知りたいわけです。両大臣そろっていればあれですけれども、どちらからでも結構ですから、その辺、省として私どものこの問題に対する役割はここまで、こうだと思っているということをお聞かせ願いたいと思います。どちらからでも結構です。
○国務大臣(大木浩君) 厚生大臣がおいでになりませんけれども、今、省庁再編成ということで法案を出して議論していただいておるわけですが、その中で非常にはっきりしておりますのは、廃棄物の処理、これはもう基本的には環境庁の方でやらせていただくということになっておりますが、こういう例えば環境ホルモンについてどうするかということについては必ずしも明確には細かくは書いてございません。これは一つは今度の新しい省の設置法の中にどこまで書き込むかということでございます。 いずれにしても、どういうふうに書き込むにしろ、現実にはお互いに協力しなきゃならぬ部分というのは必ず残ると思いますので、その辺につきましては、環境ホルモン問題、非常にこれだけ関心を集めている事項でございますから、きちっとした体制ができるようにひとつ厚生省、あるいはまたほかの省もあります、環境問題ということにつきましてはいろいろな産業界との関連というのもあるわけでございますから、そういった面では通産省初めとして、そちらの方の関係の各省とも協力しなきゃいかぬということでございます。 いずれにいたしましても、今御審議いただいております新しい省庁再編成の法案の中にも、お互いに縦割りの弊をなくするために意見はきちっと言い合うという精神は書いてございますので、そういう方向に従ってひとつ努力を続けたいと思っております。
○政府委員(小野昭雄君) 先ほど来環境庁の方から御答弁がありますように、非常に幅広い化学物質につきましてそれを一つ一つチェックをしていくわけでございますが、それが最終的には人間の体にどういう経路で入ってくるかということが大きな問題でございます。 例えば、食べ物で入ってくる、あるいは水道水から入ってくるというふうなことになりますと、食品衛生法あるいは水道法を所管しております厚生省が対応することになると思いますし、大気を介して入ってくるということになれば、現在の関係では環境庁がお取り組みになるということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在緒についたばかりでございまして、どういう物質がどういう経路でどう入ってくるかと、そこのところの解明を一歩一歩しなければなりませんので、その解明を待ちながら、各省庁の持っている能力を最大限に発揮するような形で仕分けをしていくということになろうかと思います。
○山崎力君 その考え方はそれとしまして、というのは、ちょっと私それだけでは不満なのは、今問題となっているのは、どの物質が本当に危ないのかということを、これは人間の体のこと、医学的な部分もあることですけれども、今までの医学で対応できるわけでもないわけで、そうすると、例えばダイオキシンがこういう人体の生殖作用に影響するよと、よってもって、これはごくごく微量ならばともかくも、微量であってもこれはストップさせにゃいかぬということをそれぞれ決めていくのをどっちが本当にやるんですか。 医学的で言えば厚生省の方の分担かもしれないし、環境的に言えば環境からの物質のあれからいけば環境庁の方になるし、これは経路の問題じゃなくて、人間の体、しかも我々人類存続の基盤である生殖作用に対して大きな影響があるということに対して、国、政府としてその物質が悪いものなのか大丈夫なものなのかを決めることが先決であるはずなんです。それをどっちがイニシアチブをとってやるんですかということを私は質問しているわけでございます。
○国務大臣(大木浩君) 厚生省のお立場からのまた御説明があると思いますが、正直申し上げまして、実は環境ホルモン全般につきましては、今なかなかどういう影響があるんだということが言い切れないと思います。 ダイオキシンにつきましては、先ほど福本委員でございましたか、相当人体に対する影響があるということははっきりしておるんじゃないかというお話がございました。確かに、ほかの環境ホルモン一般に比べますと人体に対する影響があるらしいというかなり進んだいろいろな知見が得られておりますけれども、環境ホルモン全体となりますと、要するに人体に対する影響ということになればこれはやっぱり厚生省が相当大幅に権限というか責任を持って御判断いただかなきゃいかぬわけでございますし、いや環境としてちょっと問題があるんだということになると今の体制では環境庁ということになりますので、どちらがというのは、それぞれの物質についての知見に基づいて、これはとりあえず環境問題として取り扱うか、あるいは人体に対する健康の問題として取り扱うかというところでやっぱり分かれが出てくるんではないかというふうに私は感じております。
○山崎力君 行政の立場からするとそうなるのかなと思うんですが、私は、次の時点での発想だと思うんです。 例えば、ダイオキシンならダイオキシンが人体に対して影響がある、特に生殖作用について影響がある、危険性があるということの判断をした後、それじゃこのダイオキシン対策をどういうふうにしたらいいかというときにおいて、各省庁がそれぞれの役割を担う。これはそれぞれの得意な分野でやればいいわけですけれども、これが我々人類にとって危ないものだという、調査をして研究をしてそれを確定するのはどこなんだ。これが厚生省なのか環境庁なのかということをさっきから私は言っているわけで、それに対する御答弁がなかなかいただけていないんじゃないかと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 今いろいろとまた予算措置もしていただいておりますが、環境ホルモンにつきましては、調査研究については環境庁が主としてやらせていただくというふうに私は理解をしております。その結果、人体に対するどういう影響があるかということが出てくれば、そこに当然に今度は厚生省が中心になっておやりにならなければならない仕事も出てくるんではないか、そのように理解をしております。
○山崎力君 厚生大臣がいれば別のあれが出てきたかもしれませんが、きょうはその辺にいたします。 先ほどからダイオキシンの問題その他出ていますが、いろいろ細かいデータ、私はどこまで本当なのかわかりません。ただ、母乳に含まれているダイオキシンの問題がある、あるいは、母乳だけでなくて人工乳であるとかあるいは哺乳瓶自体であるとか、そういったものでダイオキシンのみならず環境ホルモン的なものが経口的に乳幼児に入るんじゃないか、あるいは、血液を通して、一番問題なのは妊娠初期の母胎を通じて胎児に影響するものがあるんじゃないかというふうなことを一連の前の委員が質問されてきたわけです。 私はそこのところの是非について、厚生省の今のスタンスについて一々申し上げることはこれはなかなか難しい点があろうと思うんです。国の政策として、こういう将来に禍根を残すようなことをあらかじめそれじゃ前倒しでやっていいかといえばなかなか難しいところもあろうと思うんです。 その場合、一つの考え方としては、予防接種によるいろいろな弊害がございました。予防接種によって脳炎になって寝たきりになったような方もいらっしゃる。そのときの大義名分として、これをやらなければ大勢の人が感染症になって被害が出るのだけれども予防接種をすることによってそれが未然に防がれた。しかし残念ながら、体質的なことやいろいろな問題があって、万人に一人か十万人に一人かでそういった人が出るかもしれない。 そのときに私が感じているのは、これは過失があったからそういった人たちに補償するんではなくて、人間社会の予防措置のための不可避的な犠牲者に対してほかの人間が補償ないし面倒を見るという制度にそろそろ切りかえてもいいんじゃないか。そういう考え方でなければ、この辺でいいと思ってやっていたんだけれども後になってみたらもうちょっと厳しくしていなきゃだめでした、ただ我々はあの当時の技術ではここまで補償する必要はないと思っていたんだけれどもという無過失の形で責任を行政が回避するという姿勢は、こういった問題からしますともうそろそろできにくくなってきているんじゃないかという気が私自身しております。 その点について厚生省と環境庁のお考えをいただければと思います。時間的にもうそろそろ最後になると思いますので、ほかの質問は割愛させていただいて、答弁の方、よろしくお願いいたします。
○政府委員(小野昭雄君) 突然の御質問でございまして、大変難しい問題であろうと思います。 ただ、確かにいわゆる不確実性の増している社会でありますし、予見できないことがなかなか多くなってきている。またそれを予防するといいましても、その手法がなかなか難しくなっている時代に入りつつあるというふうに私どもとしては認識をいたしております。 そういう時代の中において、今先生が御提起のございました問題というのは、単に健康問題だけではなくて、ほかにもいろいろ本人の過失に帰せられないで社会全体の、社会の活動の中で不可避的に発生したものをどう考えるかというのは大変大きなテーマでございます。私ども、我が省だけではございませんが、そういう大きな枠の中でいろいろ議論されるならば、その一環としてこういった問題も入る可能性はあるというふうに考えております。
○国務大臣(大木浩君) ダイオキシンと環境ホルモン全般について考えてみますと、今我々が少なくとも考え得ることについては多少差があるんじゃないか。つまり、ダイオキシンにつきましては、既に例えばWHOでもいろいろと具体的な数値というのを出してここら辺が危ないよということを言っておりますから、それに合わせて私どももそういったことを進めるというのが一つの方法だと思います。環境ホルモン一般ということになりますと、何かいろんな影響があるらしいということが動物実験では出ておりますけれども、人となりますとなかなか十分な知見が得られませんので、仮に予防といいましてもどういう予防があるのか、そこからしてまだまだなかなかはっきりした十分な知識がないということですから、とりあえずはできるだけ合理的な試験というかいろいろな方法を開発いたしまして、そしてできるだけ早くある程度の知識を得た上で次はまた予防措置、こういうことになるんではないかと考えております。
○赤桐操君 昨年の暮れに河川、湖沼、海域それぞれの水質が大分改善をされてきたという発表が環境庁の方からなされたようであります。これは一部新聞で報道されているのでありますが、この状況を新聞で見る限りにおきましては、河川の方と海域の方はかなりよろしいようであります。しかし、湖沼についてはよくないというように私は理解しているんですが、その状況等について少しく御説明願いたいと思うんです。
○政府委員(渡辺好明君) 先生が御指摘あったとおりでございまして、公共用水域、河川、湖沼、海、こうあるわけですけれども、海と河川につきましては、環境庁が定めました健康項目それから生活環境項目、そのいずれにつきましても基準をほぼ達成しております。ただ、湖沼につきましては、やはり閉鎖性水域ということもございまして、達成率は私たちの言葉でははかばかしくないという言葉を使うんですけれども、健康項目については達成をしております。生活環境項目、つまり濁りの度合いその他でございますけれども、これは大体このところ達成率が四〇%ぐらいで推移をしております。とりわけ達成率の悪い湖沼が比較的固定をしている。 後で先生から御紹介があるんだろうと思うんですけれども、手賀沼を初めといたしまして幾つかの湖沼は常に達成率が低いというのが現況でございます。
○赤桐操君 それで、達成率が悪いということが一番具体的に証明されることになると思いますが、特に千葉県では大きな沼としては印旛沼が一つあるんです。これはなかなか大きい沼でありまして、またもう一つは手賀沼がございますが、この二つが全国から見てワーストファイブの中に入っておるんです。特に、その中で手賀沼は一番悪いということになっておるわけです。 先般の環境庁の報道でたまたまこういう結果が出ているということであれば、これはまた努力の方法があると思うのでありますが、手賀沼に至ってはこのワーストワンが二十三年に及んでいるんです。二十三年間にわたってずっと続いてきているということについては、これはやはり何とかしなきゃならぬのじゃないか。周辺の九市町村も大変このことを大きな問題として取り組んでまいってきております。 特に、手賀沼は非常に風光明媚なところでありまして、かつて千古の明鏡と言われた湖だったそうでございます。私も終戦の直後ぐらいに行ってから初めてわかったのでありますが、なかなかすばらしい自然に恵まれた丘に囲まれたいい湖であったと思うんです。ここには、申し上げるまでもありませんが、戦前戦後を通じまして文人墨客がたくさん集まりまして、また、私どもの大先輩である加瀬完参議院議員はここで生涯を閉じられておるわけであります。 そういうことでありまして、加瀬先生の歌の中にもたくさんございます。そういう非常にすばらしいところであったわけでありますが、それが昭和五十年前後からと言われておりますけれども、大変汚染が激しくなってきている。それで今日に至っておるわけであります。二十三年に及んでおるというわけでございまして、私どもも何とかして方法を講ずることができないか、こういうように思っておるのでありますが、環境庁としては今後の諸対策について何かお考えがございますか。
○国務大臣(大木浩君) 後で必要がございましたら政府委員から追加をしていただきますが、今の手賀沼でございますが、先生御存じのとおりに、湖沼水質保全特別措置法ということで昭和六十年に指定湖沼に指定いたしまして、それ以来いろいろな計画が行われておるわけでございます。現在は第三期の湖沼水質保全計画ということで、結局その地域がいろんな意味でだんだん開発が進んでおりまして、特に生活排水というのが非常にポイントじゃないかと思いますので、私どもそれをポイントにして、何とかしてせっかくの手賀沼が早くきれいになるように、その他いろいろな措置を実施中でございます。しかし、先生おっしゃるとおりに二十二年もかかっているということでございますから、これはすぐにとは申し上げられないわけでございますけれども、一歩一歩前進してまいりたいと思っております。 もし必要でございましたら、現在やっておりますもう少し細かい対策についても御説明を申し上げます。
○政府委員(渡辺好明君) 今大臣からお話を申し上げたとおりなんですけれども、汚濁の原因をパーセンテージで多少申し上げますと、やはり一番大きいのは住宅開発の進行に伴っての生活排水、これが汚濁の七割を占めているという状況でございます。それに加えまして、やはり農地とか市街地あるいは多少の林地から、これが一番難しい問題なんですけれども、非特定汚染源といいますかノンポイントソースという形で表面からいろいろなものが手賀沼の中に流れ込む。しかも、手賀沼の形状が皿のような沼で、流域の人口が四十七万人というふうな状況でございますので、そこのところはやはりどうしても、地元もしっかりやっておりますし、建設省も御協力いただいておりますけれども、ありとあらゆる手段の総動員、これを継続的にしかも連係プレーでやるということしかこれからの打開策はないんだろうと思います。 そこから一つ一つ積み上げていくということで、これはもう先生御承知のことですけれども、地元の我孫子市ではここに手賀沼課という特別の課も設けられましてさらに対策を強化するということでございますから、環境庁も、身近な水の循環という形で地元で井戸や湧水を復活させる、コンクリートのところに降ったものがそのまま流れないで一たん地中にしみ込んで、それをわき水とか井戸の形で出して手賀沼に流し込むというふうなこともやっております。
○赤桐操君 千葉県では、ちょうどこの辺が臨海部の大変大きな工業地帯の造成と並行いたしまして内陸工業地帯がつくり上げられ、そこにはたくさんの工場に働く労働者が集まってきている、大団地もできてきている。特にこの辺は東京近郊地帯でございますから、松戸にいたしましても柏にいたしましてもこれはもう大都市でございまして、そういったところとの関係が非常に強い影響を持って汚染という形が出てきているように思うんです。 しかし、考えてみますると、日本はもちろんでありますが、私もいろいろ外国の状況等も見ておりますけれども、マイアミなんかはまことにすばらしいですね。あれだけの人が集まり、あれだけのホテル群があって、また奥地もかなり広いんですが、そういうところから集まってくる流水は相当なものだと思うんです。しかし、あのマイアミ周辺の海域は汚染というものはまずありません。これは私ども行ってよく体験いたしましたけれども、大変なものです。 だから、やはりそういった努力をすればこれはできることであって、最初からそういう計画的な浄水対策といいましょうか汚水対策といいますか、そういったものが計画されていなきゃならなかったと思うんですが、五十年前後の時代というとそんな状況じゃまだなかったと思いますのでやむを得なかったと思います。しかし、いずれにしても二十二年に及んでおりますので、この辺で思い切った対策を講じてもらう必要があるのではないか、こういうように考えております。 これは環境庁の方でも御努力はいただいていると思いますけれども、何といっても湖沼、河川の関係とこれは一つにくくることができるでありましょうから、建設省の方もいろいろ諸対策を講じられていると思いますので、建設省側のお考えも伺っておきたいと思います。
○政府委員(尾田栄章君) 先ほど環境庁長官の方からも御答弁がございましたが、湖沼水質保全特別措置法に基づきます水質保全計画にのっとりまして、私ども建設省といたしましても下水道事業あるいは河川事業を積極的に展開をいたしておるところでございます。 下水道事業といたしましては、手賀沼流域下水道とこれに関係をいたします市町の関連公共事業、関連公共下水道の計画的整備を進めているところでございまして、現在、流域の六市二町すべてで下水道の供用を開始しておるところでございます。流域内の普及率は約六二%ということになっております。これにつきましては、さらに一層その対策の推進を図りたいというふうに思っております。 そしてまた、河川事業といたしましては大きく二つの範疇がございまして、一つは、北千葉導水事業という事業によりまして利根川の水をこの手賀沼に浄化用水として導水をするということ。もう一点は、河川浄化事業として行っておるわけでございますが、底泥のしゅんせつ、この手賀沼への流入河川の直接浄化施設の整備、先ほど御答弁ございましたノンポイントソースから出てくるこういうものにつきましては下水道でも対応できませんので、そういうものを流入河川の対策として直接浄化を行う、そういうことの整備を推進しておるところでございます。 北千葉導水事業によります導水は、本年、平成十年度末に試験通水を行うという予定にいたしております。最大で十トン、毎秒十立方メートルの浄化用水の導入を行おうというものでございまして、これによりまして相当の効果があるものというふうに考えております。 もちろん、手賀沼に導水をしてその水がまた利根川に戻るわけでございますので、そのまま浄化せずに流しますと利根川の水質悪化を招くということもございますので、出口には、じゃりっこ浄化と呼んでおります礫間浄化を行いつつ利根川に水を戻すというような、そういう形で事業を進めておるところでございます。 また、底泥のしゅんせつということで申しますと、平成九年度までに既に約六十八万立方メートルの底泥のしゅんせつを行っております。そして、流入河川の対策といたしましては、礫間浄化施設を既に整備しまして稼働しておるという状況にございます。 ただ、残念ながら、こういう形で事業展開をいたしておりましても、先生御指摘のとおりなかなか水質改善が見られないというのが現状でございまして、そういう中で、我孫子市あるいは柏市を中心にしまして、地元の市町が連携をしながらこの水質問題を考えていこうという機運が出つつあるようにお伺いをしております。また、私どもの現地の江戸川工事事務所でも一緒になってこの問題について当たっていきたいというふうに考えておるところでございます。いずれにしても、そういう地域のいろんな対策と一体となって初めて実が上がっていくものと考えておるところでございます。 そしてまた、一番問題は浄化技術、下水のようにある程度濃度の濃いものの浄化というのに関しましては相当技術開発が進んでおるわけでございますが、河川のようにある程度薄まった、汚濁しておっても下水、汚水と比べれば非常に薄い、そういう水質の水をいかに浄化するかということに関しては技術開発がいろんな面で今民間をひっくるめて行われている、そういう段階にあるというふうに考えております。 そういう中で、千葉県の方では、手賀沼の水質浄化の新技術を民間から公募する、そしてその上で公開実験を行うというような取り組みを平成十年度から開始するというふうにお聞きをいたしております。そういうことと相まちまして、私ども、何とかこの手賀沼を先生御指摘のとおりかつて風光明媚とうたわれた湖沼に戻すべく努力をしてまいりたいと考えております。
○赤桐操君 いろいろと御努力いただいていることはよくわかるのでありますが、生活雑排水が一番の中心だというふうに理解してよろしいと思うんです。そうすると、こういうものについての浄化の方法が第一次浄化、第二次浄化、第三次といろいろあるようであります。 これはまた、同時に、浄化槽の型がいろいろあるようでありまして、私どもで聞いておるところによると、生活雑排水対策として厚生省の要請にこたえて業界が単独浄化槽の製造を中止する方針だというように聞いておるんです。こういうことについては、建設省、環境庁の皆さんは聞いておられますか。
○政府委員(渡辺好明君) 私どもも単独浄化槽ではなく合併浄化槽の設置でいくべきだというのが考えでございまして、手賀沼の三期計画、平成十二年度を目指しておるわけですが、その中でも下水道整備率をたしか六五%まで持っていく、それに加えて合併処理浄化槽の設置整備事業は六百基ほどふやすということになっております。 業界団体がそういう自主的な動きをされているということは、前々から浄化槽大会その他で事業者自身がこれからは合併処理の時代だというふうなことをおっしゃっておられまして、私どもも賛成でございます。
○赤桐操君 滋賀県では琵琶湖を守るために大変厳しい条件を付してやっておるようであります。ここでは新築家屋に対しては全部合併浄化槽を使っておるということのようであります。 そういうような形まで恐らく持っていかなくてはならないのだろうと思うんですけれども、それには浄化槽法の改正が伴う、それをやらないというと助成措置ができない、こういうことも聞いておるんですけれども、この点については何か検討されておりますか。
○政府委員(渡辺好明君) 先ほど答弁申し上げましたようなことでございますけれども、浄化槽法は厚生省が中心になって運営をされておられまして、私どもも何とか単独ではなく合併型に誘導する方策はないかというふうなことも昨年来検討しているんですけれども、強制的にやるという手法がいいかどうかというところでやや中での検討が分かれておりまして、もう少し検討の時間をいただきたいというふうに思っております。
○赤桐操君 ここまで来ていますから、何らかの具体的な方法をきちっと推進して、そして地元にも協力してもらう、県はもちろんですが、市町村は真剣に取り組んでいるんですから。したがって、あと、それぞれの住民の皆さん方にももとより協力してもらわなければなりませんので、そういう全体の空気をつくり上げながらやっていくのには、浄化槽法の改正、そしてまた助成措置、こういう問題にまで一歩前進できるように、環境庁、厚生省、建設省、それぞれの立場で、三省で手を握って御検討いただいてひとつもう一歩前進してもらいたい、このことを要請いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大木浩君) 今三省庁にわたるお話でございましたけれども、私どもとしても、もちろん手賀沼がさらにきれいになるということは地域住民ばかりでなく本当に国民共通の期待だと思いますので、私どもも環境を守る立場からこれからひとつむしろリーダーシップを発揮して、三省庁とも協力しながらできるだけのことを進めたいと思っております。
○赤桐操君 最後に、中央で本格的に乗り出していただいて問題の解決にいよいよ大きな前進を願いたい、このことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(関根則之君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十七分散会