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142回国会参議院1998/04/22

行政監視委員会 第5号

発言数
95
登壇者
11
会派数
7
開催日
1998/04/22

会議録

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四月十五日、菅野久光君及び朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君及び峰崎直樹君が選任されました。  また、昨二十一日、千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として萱野茂君が選任されました。  さらに、本日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。     —————————————

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に都築譲君を指名いたします。     —————————————

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に神奈川大学短期大学部教授田島泰彦君、近畿大学法学部教授石田榮仁郎君及びマンスフィールド研修員ジョアン・リビングストン君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  行政機関の内部監察及び監査の在り方のうち、諸外国における公務員倫理の実情について参考人から意見を聴取いたします。  この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  参考人の皆様から、行政機関の内部監察及び監査の在り方のうち、諸外国における公務員倫理の実情について忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  議事の進め方でございますが、まず、参考人からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。  なお、御意見及び御答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、まず田島参考人からお願いいたします。田島参考人。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) よろしくお願いいたします。  本日は、非常に重要なテーマにかかわる委員会にお招きいただきまして、感謝いたしております。時間の方が非常に限られておりますので、お手元にメモが用意されていると思いますので、そのメモに沿いましてまず簡単にお話をさせていただけたらというふうに思います。  きょうお話をさせていただくテーマは、国家公務員を中心としましたイギリスの政治倫理制度についてであります。  ただ、本題に入る前に一、二あらかじめ述べさせていただきたいことがございます。  一つは、私自身が八〇年代のおしまいぐらいまでの状況はかつて論稿に書いたこともあるんですが、それ以後の状況は必ずしも継続的にきちんと研究テーマとの関係でフォローしていないというのが一つ。  それから、一週間前にこの委員会の参考人へということでお話を聞いたんですが、非常に限られた時間だったんですが、九〇年代の状況をできる限りで資料で見てみたんですが、九〇年代の半ばに非常に大きな変化がイギリスでもあったようであります。したがいまして、今言ったような事情で非常に不十分で、あるいは不正確な部分もあるかと存じますが、できる限りでということで御報告をさせていただきたいと思います。  まず、国家公務員の倫理の問題を議論する上では、イギリスにおける政治倫理制度全体の枠組みについてある程度見通しを立てておく必要があるんだろうということで、それを少しお話ししてから本題の方にというふうに考えております。  一のところなんですが、私が見るところ、イギリスでこの種の問題の議論の枠組みになっている基本的な概念といいますかキーワード的なもの、これは何だろうかということなんですが、恐らく利害の衝突という観念、考え方であろうというふうに思います。すなわち、大臣や公務員などの公的な職責を果たすという要請と、他方での個人的、私的な財産等にもかかわる利益、この両者の非常に両立するのが難しい問題をどうやって調整するのかあるいは回避をするのか、すなわち、私的利害を優先して公的な職責を曲げるというような事態をどうやって避けるかということが、いわゆる言われております政治倫理制度の基本にあるというふうに思われるわけです。  それで、この問題を考えるときに、ある論者によると三つぐらいの解決の仕方があるということを言われております。  一つは、一定の私的利害の関係を持つこと自体を禁止するというやり方であるということを言われております。これは、イギリスにおいては大臣における場合及び国家公務員における場合がそのアプローチであろうということになると思います。イギリスの場合、大臣の場合は一定の行為規範に服しておりまして、国家公務員の場合は後に述べるとおりということになります。  それからもう一つの考え方、アプローチの仕方は、利害関係を持っている場合に、一定事項に関してはその利害関係を持っている関係者の発言や投票を禁止する、こういうやり方というふうに言われております。これは、イギリスでは地方政府のレベルでこうしたアプローチが一つはとられているというふうに言われております。最近では、ただ地方政府のレベルでもかなり包括的な行為コード、行動コードが作成されているということも聞いております。  それから三つ目は、私的利害を持っている場合にその旨を情報開示しかつそれを公表する、こういうやり方だというふうに言われております。これは典型的にはイギリスの下院、庶民院でとられているやり方ということでありまして、一定の利害について宣言をする、それから一定の利害について登録をさせる、これを公表するという、こういう制度でもって運営をするということですね。ただ、イギリスの下院でも最近かなり包括的な行為コードが採択されたという話も聞いておりますが、基本的には利害の開示・公表というやり方で対処する、こういうことであります。  議会の場合及び大臣の場合、あるいは地方政府レベルの話はきょうは時間の関係もありますのでできませんけれども、枠組みとしては以上のような中に位置づけられるということであります。  それからもう一つ、政治倫理の問題というのは、一方で腐敗に対する刑事的な規制、刑罰による処罰、こういうシステムとも重なり合っているということです。この点では、イギリスはもう既に前世紀のおしまい以降今世紀の初めにかけて一連の腐敗防止法というもので規律をしてきたという歴史を持っておるわけです。典型的には、贈収賄等の腐敗行為を刑罰で処罰するというシステムをかなり早くから設けてきた。これは、選挙の場合にはまた特別の厳しいルールがありますけれども、選挙以外の場においても厳格な法規制に服せしむるということになるわけです。  一つは、そこに書いております一八八九年の公共団体腐敗防止法という法律であります。これは国家公務員は対象にされておりません。地方レベルの議員とか公務員が対象ということになります。それから、一九〇六年には腐敗防止法が新たにまた再度つくられまして、ここでは国家公務員がその対象に含まれるということで、かなり広範な贈収賄罪にかかわる規定を設けております。さらに、一九一六年に至りまして新しい法律が再度つくられまして、ここでは刑罰の引き上げという措置、それからさらには、一定の場合挙証責任を転換して腐敗があったということの推定の規定を導入するということであります。  一九〇六年法と一六年法につきましては、お手元に恐らく御用意されております「公務員服務関係資料集(外国編)」と言われるものの十五ページに翻訳がなされております。後で御参照いただけたらというふうに思います。  さて、ちょっと前置きが長くなりましたが、そういう枠組みの中で国家公務員の倫理システムがどうなっているのかということになるわけです。二つ恐らく、相互に関連しますけれども、主要な問題というのがあるというふうに思います。  一つは、その基本的な枠組みにかかわる利害衝突、公的な職務の要請と私的な利害の要請、この調整をどうするのかということについての行為規範ということになると思います。それからもう一つは、それの一部でもあるんですけれども、とりわけ高級公務員の日本的に言いますと天下りという問題、これも外部の私的な利害とかかわりを持つということで職務に与える影響があり得るわけで、これをどうするのかということになるわけです。  従来の取り組みは、そこに少しエポックになるようなものを書いたんですけれども、かなり古い時期からそれぞれ対処がされてきております。戦前からもう既にある種のルールがつくられております。それらがある時期整備され、特に七〇年代の半ばに大きな改正あるいは整理統合というような事態が行われたようであります。それで、今日では一九九〇年代の半ばになってさらに規範類が整理統合されるという事態に至っているようであります。  この九〇年代が実は私の勉強がなかなか不十分なところなんですが、具体的に申しますと、九三年に従来のあり方を変えて公務員管理コードというものがつくられる。これは従来非常に大部にあった公務員関係のコードをかなりスリムにしたというふうに言われています。現在は一九九六年のコードが適用されているということになっております。さらに、一九九五年の段階ではもっと一般的な公務員についての規律を加える公務員コードというのがつくられていて、現在では九六年の先ほどの管理コードと連動して定めがなされたということになっております。  この両者につきましても、先ほどの資料集の十三ページから十五ページにかけましてその概要とそれから規定の翻訳が掲げられておりますので、それも参照されながらお話をお聞きいただけたらというふうに思います。  さて、それでは制度のシステムはどうなっているのかということなんですが、発言メモの2の「制度の概要」というところにかかわるわけですけれども、細かいところに入っていますと時間がありませんので、ポイントだけ申し上げます。  一つは、公務員の倫理を規律する制度の基礎、法的な基礎、これがどうなっているのかということなんですが、これはアメリカとも違うところですけれども、それから日本で今行おうとしているところとも違うことになると思うんですが、イギリスのこの公務員の倫理規制というのは、基本的には法律ではなくて、政府の命令の形式で規定をする。要するに、公務員の問題というのは国王人権の行使だという観念に基づいているわけですね。そこで、法律事項ではなくて、枢密院令という命令の形式で定めるということになっております。この国家公務員管理コード、それから公務員コードもこの形式をとっているということになります。  さて、それでは中身はどうかということになるわけですが、公務員コードにつきましては、その第八条で公務員の倫理に主としてかかわる規制がなされております。八条をお読みいただければそのままなんですが、あえて整理しますと二つのことが言われております。一つは、特定利益、私的な私益、個人の利益がその典型ですけれども、特定の私的な利益を追求する目的で公務員としての地位やあるいは公務員として得た情報を乱用してはならないという規定であります。それから二つ目が、公務員の判断あるいは高潔さを損なうような形での第三者からの利益の享受、受け入れ、これはしてはならないということがうたわれているということになります。  そして、公務員管理コードの方では、以上の八条の趣旨をさらに踏まえまして、具体的にその倫理規範が列挙されるという形をとっております。これは主として管理コードの中の四の三、タイトルは「行為」というのが実はついているんですが、そして副題に「節度の基準」というタイトルがついております。ここに具体的な公務員倫理、国家公務員の倫理に関する規定が列記されるという形をとっております。  以下では主要なものの項目を述べるにとどめます。  注意しなければいけないことの一つは、実はこれを受けて各省庁でもっと詳細な倫理規範が省庁ごとに規定をされているということになっております。実は、本当は細かい部分というのは各省庁の規則を見なければいけないんですが、これは何しろ非常に膨大でありまして、私自身もここのレベルまで精査をしておりません。ただ、そういう形をとっているということは注意が要ると思います。  さて、それで中身なんですが、もう時間の方がほとんど来ていますので、項目だけ述べます。  大きく見るとこれは三つの柱になっているというふうに思われます。  一つは、一般的な規則を定める部分です。これは四の三の一から四の三の六というところまでかかわるということになると思います。ここでは、いろいろ細かく言うとあるんですけれども、大きく二つの規律がなされている。それは、一つは一定の関係する契約締結にかかわる規制ということであります。これは四の三の一で書かれてある事柄です。ちょっと中身は時間の関係で省略します。後で御議論の中で必要であればということにします。  それからもう一つは、公務員に対する贈り物や接待等に対する規律ということになります。これは主として四の三の五のところで書かれてある事柄ということになります。具体的に措置を定めるというよりも、贈り物等については各省庁に規則の作成を義務づけるという形の規定になっているわけです。その場合に^公務員が報告や事前の許可が必要な場合はどういう場合かということをそこに規定する、周知させる、こういうふうになっております。  以上が管理コードの公務員倫理に関する一つの柱ということになります。  それからもう一つは、以上の一般的な原則を受けて各省庁がどういう規律を加えるかということについてのルールということになります。すなわち、そこの項目では「職員ハンドブックに反映されるべき行為基準」というふうに書いたところであります。  これは主要なところというのは二つあるというふうに思われます。一つは、いわゆる天下りというのでしょうか、公務員が再就職する際にどういう規律を受けなければいけないか、その規律を守る、遵守するという事柄についてが一つ。  それからもう一つは、一定の株式保有等にかかわる行為で規律が必要な場合についての規制ということになります。ちょっと時間の関係で中身を申し上げられないのですが、これは四の三の八及び四の三の九に詳細が定められてある部分です。要約したのがそこに箇条書きをしてあります。  それで、もう一つの柱が今の四の三の七に書いてあります再就職の場合の規則ということになるわけです。この資料は、実は残念ながらお手元の資料集の中にはありませんで、訳が紹介されておりませんけれども、これはかなり詳細なルールになっております。すなわち、高級公務員が再就職する場合にどういう規律が必要かということが事細かに書かれております。  もはや中身に入りませんけれども、エッセンスは、職を離れてから二年以内に再就職、要するに外部の雇用を受け入れるという場合には政府の承認を得るということを義務づけているという点であります。さらに、事務次官相当職につきましては離職後最低三カ月の間は就職をしてはいけない、待機しなければいけないということが自動的に義務づけられるというような規定を中身に持っているものであります。  非常に駆け足で、本当に枠組みだけしかお話ができなかったんですが、若干の感想を二点述べて話を終えたいと思います。  一つは、恐らくこの問題を議論するときに、これからお二人の参考人の方にお話をお聞きすることになると思うのですが、一つのモデルになるのはアメリカのシステムということになると思います。アメリカのシステムを念頭に置いたときにイギリスのシステムが果たしてどうかということを考えたときは、規制の形式、法律という形をとっていないというようなことを含めまして、あるいは内容、さらには運用、こういう点で必ずしも十分かどうかという点が恐らくイギリスの場合には問題になり得ると思います。  しかし、最後の点なんですが、国家公務員の倫理を含むさまざまな倫理規制、特にこの中には国会議員自体も入っていますし、内閣の大臣も入っております。こういうさまざまな関係する人たちに対する倫理規制というのは、かなりシステマチックにあるいは積極的にその規律のために取り組んできたという経験、これはその中には不十分であるという点も含めてですけれども、やはり我々がこれから日本での制度を考えるときに、いろいろ学ぶに値する事柄がそこには多々含まれているであろうということであります。  やや時間が超過したのですが、以上で差し当たりのお話を終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) どうもありがとうございました。  次に、石田参考人にお願いいたします。石田参考人。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) このたび、この一月に常任委員会として設置されました行政監視委員会に参考人としてお招きいただきましてまことにありがとうございました。私のような浅薄非才な者が十分皆様方の御期待に沿えるか心配なんですが、ひとつよろしくお願いいたします。  今、田島先生からイギリスについてるる御説明してもらったわけですが、私は、イギリスから独立したアメリカについて主として説明させていただこうと、かように思っております。なお、先ほど田島先生が利害衝突という言葉を使われたんですが、利益衝突とかいろいろあるんですが、私の場合は利益抵触という言葉で出てきた場合は、田島先生のお話と軌を一にするというか、同義語として御理解いただければと、かように存じております。  そこで、まずこのたびの一連の大蔵、日銀等の不祥事、今NHKで「徳川慶喜」をやっておりますが、開国以来百年以上たつ我が国を考えた場合に、いわゆる中央集権、そして官僚制というものが日本をある意味で支えてきたということは紛れもない事実である、かように思います。その意味において、一部の官僚の不祥事によって国民の七一%あるいはそれ以上が官僚に対して不信を抱いておるというアンケートの結果、大変私は胸を痛めております。その意味で、官僚というものがいかにあるべきか、公務員がいかにあるべきかといったことについてこれから説明させていただきたいと思います。  なお、その意味におきましては利益抵触、コンフリクト・オブ・インタレスト、これとファイナンシャル・ディスクロージャー・ロー、資産公開法、資産の公開ということが問題になろうかと思います。そして資産公開というのは実は利益抵触の一部分である、つまり抵触利益を開示するということの一部分として資産公開がある、このように理解していただければ皆様方おわかりになりやすいのではなかろうか、かように思います。  それでは、私のレジュメに沿ってお話をさせていただきます。  まず、アメリカにおける腐敗防止及び政府倫理法といいましょうか、公職倫理の確立に向けての一連の改革ということでございます。  一連の連邦に限ってお話をさせていただきますと、一九六〇年代以前と以後によって一つの分け方があるのかなと。一九六〇年代以前について、仮にこれを第一期といたしましたならば、先ほどの利益抵触に関する最初の連邦法はどういうものであったかと申しますと、一七八九年、これはフランス革命の年でございます。その二年前の一七八七年にアメリカがいわゆる合衆国憲法を制定しました。その前の一七七六年にアメリカが独立しております。一七八九年、財務長官に対し、公共証券市場に関与することの禁止ということ、既に十八世紀の末葉にアメリカではこのようなことを考えていたということをまず御認識いただけると、少し考え方の転換という意味で御理解いただけるのではなかろうか、かように思います。  また、自己取引の禁止規定、これは行政行為の特定の過程が公職者の個人的な経済的利益に顕著な影響を持つ場合には、その行政行為に参加することを回避しなければならない、こういったような規定は実は一八七〇年代の初頭、すなわち十九世紀の末葉に制定されていたということでございます。  これが一九六二年にケネディ大統領によって強化され、贈収賄汚職、利益抵触に関する法律としていわゆるユナイテッドステーツコードとして連邦法典に編入された。御案内のとおりセクション二〇八という刑法典はこのような形ででき上がった、こういうことでございます。  なお、州について申し上げますと、六〇年代の終わりごろに半数の州が利益抵触法を有しまして、現在では全州にわたって利益抵触に関する法律を持っております。  資産公開に関しては、一九七〇年代の半ばには十六州にすぎなかったのが、七九年末までに連邦のほか約四十州で資産公開法を有する、このような状況であるということで、実は私、一九七六年に初めて資産公開法なるものを、連邦ではなく州の資産公開法を論文で紹介いたしました。そのころ、日本で初めて紹介した関係上、いろいろ問い合わせがあったりしたんですが、やっと今日このような問題が日の目を見る、日の目を見てはいけないはずの内容がいろいろ世間で話題となっておるということでございます。  そこで、一九六〇年代から七〇年代を第二期といたしますと、このときに、いわゆるイギリスで言う議会の黄金時代という言葉もありますけれども、アメリカで大きな動きがあった年でございます。  その三つだけ申し上げますと、レジュメに書かせていなだきました、御案内のとおりのいわゆる情報の自由法、フリーダム・オブ・インフォメーション・アクト、FOIA、いわゆる情報公開法でございます。それとサンシャイン法、ガバメント・イン・ザ・サンシャイン・アクト、会議を日の当たる会議とする、日の当たる政府法とも言われております。それから政府倫理法、エシックス・イン・ガバメント・アクト。この三つが三位一体となっていわゆるアメリカンデモグラシー、アメリカの民主主義を構築してきたんだと、まず出発が情報公開だったということを御理解いただきたい、かように思います。  そして、一九八〇年代を第三期と仮にいたしましたならば、とりわけ一九八五年に七八年の倫理法を改正しております。それから八九年に大改正が行われました。  実は、前後して我が国にいま一つの不祥事が起こりまして、そして明治大学の先生と私とが、アメリカのコモンコーズとかカリフォルニア大学とかジョージワシントンとか、日本選挙学会からの派遣ということでいろいろ調査して資料を作成したんですが、ちょうどその一九八九年には大統領行政命令、エグゼクティブオーダーが出まして、そして倫理法改正に関する大統領委員会報告書というものが出されました。これは、皆様のお手元にあります資料にも、一九八九年度における改革の動向、委員会報告書の要旨、ここに書かれてありますので、御参考にしていただければありがたいと思います。それから、いわゆる倫理改革法などが成立したということでございます。  そして、資産公開制度及び利益抵触防止の沿革につきましては、時間の関係で省略いたしますので、資料等を参考にしていただければありがたいと思います。  なお、先ほど申し上げたように、資産公開法というのはあくまでも利益抵触の一部をなすものである。つまり、抵触する利益、もし自分の持っている土地が商業地域に指定されるならばその土地は値上がりするであろうから、その委員会での賛否には加わらないというのがいわゆる利益抵触の基本的な考え方でございます。そして、みずからの公務の公平公正というものを国民に、市民に対して明らかにするために、それをわかっていただくために資産の公開があるわけでございます。  次に、資産公開の合憲性に関する判例ということでございますが、これは州判例と連邦判例がございますが、とりわけ連邦判例について御説明させていただきます。  連邦判例についてでございますけれども、フロリダ州のサンシャイン・アメンドメントというのがあります。それはフロリダ州憲法を改正して、公衆の信頼を高めるために資産公開法を求めました。憲法改正で規定いたしました。  しかし、アメリカでは御案内のとおりネブラスカ州を除いて二院制をとっております。そして、五十州すべての議会と知事と、それから五十州すべてに連邦の最高裁、フェデラル・スプリーム・コートに対してステート・スプリーム・コート、例えばカリフォルニア・ステート・スプリーム・コートというように各州に裁判所がございます。  ですから、フェデラルガバメントというのは、連邦議会、キャピタルコンクレスと、それからプレジデンシー、連邦大統領府、それから裁判所、これを全部総称して連邦政府と呼んでおりますので、通常我々が言うところの政府というと「行政権は、内閣に属する。」という憲法六十五条の範疇の中で考えられがちですが、アメリカではそうでないということをまず御認識いただきたいと思います。  そこで、例えばフロリダ州の上院議員は、お医者さんであったり弁護士であったり、兼業している方が結構いらっしゃいます。そうすると、資産公開となると、医者の場合は患者、弁護士の場合は依頼者の例えば金額がネットで、つまり段階的でなく正味の資産を公開することとなっておりましたので、それをそのまま公開すると患者のプライバシーとか、定型料金でやっておりますので、名前を伏せていても、あっ、この人はとかいうことをいろいろ、名前がそのときは出ておりましたので何をしたかということが大体わかることになってしまうし、あるいは弁護士さんですと、例えば離婚訴訟の、離婚にまで至っていなくても訴訟になっているということになると、これは好ましくないということでプライバシーが争われました。  そのときに、いわゆるフェデラル・ディストリクト・コート、連邦地裁でどうなっていたかといいますと、バランシング・テストを採用しまして、腐敗と腐敗の疑惑、つまりコラプション・オア・アピアレンス・オブ・コラプションという言葉を使っておるんですが、腐敗と腐敗の疑惑、あるいはそれに類するものと、公衆の信頼の創設、利益抵触の防止とを考えた場合には公衆の信頼の創設、あるいは国民の、市民の知る権利といったものにはかりのおもしがかかる、つまりプライバシーというものが犠牲になってもやむを得ないという考え方でございます。これは連邦控訴裁でも確認され、また連邦最高裁でもここに書いてあるようなサーシオレライ・ディナイドということで、上告棄却されておりますので、究極的な連邦最高裁の判決が下ったということでございます。  次に、政府倫理法に対する合憲判決という意味では、ここに書いてあるようなデュプランティア・バーサス・ユナイテッドステーツですけれども、これは一九七八年にできました最初の政府倫理法の折ですが、御案内のとおり、これはアメリカの大統領、副大統領、上下両院議員、そして連邦の裁判官までをも資産公開に服するというものでございました。もちろん、上級公務員、この当時はジェネラルスケジュール、つまり連邦俸給表の一般俸給表の十六等級以上、現在十五になっておりますが、以上の高級公務員も資産公開に服するということでしたが、連邦の裁判官を資産公開に服するとは一体何事かということで連邦の裁判官が訴訟を起こしたというケースでございます。  つまり、裁判官は選挙で選ばれない、にもかかわらずそこで、イレクテッドオフィスでないにもかかわらず資産公開に服するというのはけしからぬという考えなんですが、これについても連邦控訴裁は、いわゆる裁判官も国民から選ばれたエリートなんだ、したがって資産公開に服するべきである、こういうような連邦控訴裁の判決が下っておりまして、これも同じくサーシオレライ・ディナイドされておりまして、上告棄却されておりますので、連邦最高裁の最終的な確定判決と、このようになっております。  第三に、資産の開示・公開と利益抵触防止の具体的な手続がどのようになっているかということにつきましては、詳しくは御質問の折につまびらかにさせていただきたいと思いますが、一連の説明のアウトラインだけ説明させていただきますと、お手元の資料の方に若干書かれてあると思います。  そこで、ここにオフィス・オブ・ガバメント・エシックス、一番大事なOGEという政府(公職)倫理局。そしてファーストラインで行うのが各省庁の倫理担当官、デジグネイテッド・エージェンシー・エシックス・オフィシャルズ、通常DAEOと言っております、これがまず第一義的にファーストラインで審査するということになります。それから大統領法律顧問、上院承認委員会等がございます。  そして、勤務庁の報告書の審査過程がどうなっているかということにつきましては、お手元の資料の「資産開示報告書の審査過程」ということでまずDAEOが行い、それからOGEが行うということでございます。  では、公開手続がどうなっているかということにつきましては、同じくこの資料に書かれてありますのでお読みいただきたいと思います。そして、開示対象、あるいは利益抵触防止の意義はどうなのかといったようなことについても書かれてあります。  次に、利益抵触を避けるために用いられる手段がどういうものかということで、これはちょっと参考になると思いますので、ここの部分については少し御説明させていただきます。  まず、利益抵触条項の不適用の許可書、いわゆるウェイバーということで、これはブッシュ大統領がいわゆるエグゼクティブオーダーを出したときにも言っていたんですが、教書の中でも言っていたんですが、有能な公務員を締め出すような制度であってはならない、つまり倫理法というものが有能な公務員を締め出す制度としての倫理法であってはならない。その意味で、個人的な経済的利益に影響する行為の禁止に違反した場合の処罰条項を適用しないこと、すなわち、適用の除外を認める所属庁の長官の認定書でございます。これがいわゆるウェイバーということでございます。  また回避同意書、リキューザルというものがあります。これは被任命者が利益抵触に遭遇するかもしれない特定事項に参加しないことに同意する声明書でございます。  それから、利益抵触原因となる資産を処分するという、ダイバスティチャーというものもございます。  なお、ブラインドトラストという制度がちょっと参考になるかなと思いますが、いわゆる抵触する利益、株などででもいろいろな問題が今回起こりましたが、それをブラインドにしてしまう。自分の株がどこにあるかわからないように、何か、がらがらっという年末のくじじゃないんですが、わからないようにして、そして自分の資産がどうなっているかというのは一応わからないようにして、しかし個人が余り不利益にならないようにする、こういうような仕組みがブラインドトラストでございます。  なお、各種の利益抵触の内容と規制目的はここに書かれてありますので、後ほど御説明させていただきます。  最後に、我が国の公務員不祥事の防止策について、私見として、日米の比較ということで、時間が参りましたけれども若干御説明させていただきます。  まず、公務の公平公正のあかしというものをどのように立てるかという日米の比較ですが、自分のやっている公務が公正であり公平であるということを国民にみずからが説明していく、挙証していく、これがアメリカの考え方でございます。そして、行政の透明化を図り、行政に対する信頼を回復するという、これがアメリカ的な考え方、みずからが挙証していくという考え方でございます。  それから、政策決定・政策起案従事者、いわゆるパブリックフィギュアと個人のプライバシーについては先ほどの判例の考え方のとおりでございまして、いわゆるパブリックフィギュア、公的な人物であるからプライバシーというものがある程度犠牲にされても仕方がない、余りにもということは問題がありますが、ある程度犠牲にされるということはやむを得ないという考え方がアメリカの考え方でございます。バランシング・テストでございます。  それから、いわゆる贈答文化、ギフトカルチャーということについて、その限界ということと、今回の不祥事を検証してまいりますと、いわゆる官庁の官庁あるいは銀行の中の銀行、通貨の番人と言われる大蔵省あるいは日銀の不祥事に思いをいたすと、やはりそこに限界というものがあるのではなかろうかということでございます。  いわゆる冠婚葬祭とかいろいろと我が国でもそういう贈答文化が一種の文化として定着していると思います。これについては理解できるわけですけれども、やはりそこには限界がある。つまり、公務の職権といわゆる利益誘導の関係があればそこはやはり考えなければならないというのがアメリカ的な考えで、つまり、自由で公平公正な、健全な状態を維持するためにいわゆるデモクラシーの必要経費論、維持論として、政府倫理、公職倫理のため、このたび二億から三億ぐらいかかるのではなかろうかと言われておるわけなんですが、それは必要経費論として考えていく必要があるのではなかろうか。つまりそれは、日本が市場をオープンにする、あるいは日本が市場に参入できないといったようなことを避ける意味においてもやはり公平公正であらねばならない、このように思います。  では、公務員倫理は何で、あるいはだれをどのようにどこまで、これは罰則等になるわけですが、これはいわゆる橋本総理の御発言の内容も変遷してきております。その意味で、本来内心に問うべき、法と道徳の問題になってまいりますが、個人の内心に問うべき倫理、エシックスという問題を法の分野に高めざるを得ない、ここが大きな問題ではなかろうか、このように思う次第でございます。  それから、罰則等については、これはいろいろ御議論があると思いますけれども、例えば公職選挙法の連座制の強化で、五年間の公民権停止、これを拡大する動きがあったわけですが、五年間の公民権停止ということで違反者が激減しました。そうなると、ここに今おいでの国会議員の先生方に大変失礼な言い方かもしれませんが、国会議員にとってのいわゆる死刑判決というのは何かというと公民権停止であるということになると、公務員にとってそれは何かということをお考えいただければ罰則というものもおのずと解決していくのではなかろうか、このように思う次第でございます。  次に、利益抵触の治癒方法については先ほど御説明したとおりでございます。  それから、倫理研修の徹底強化ということで、これについては後ほどジョアンさんから御説明いただけるのではなかろうかと思っております。  最後に、第三者機関としてのチェック機関の設置ということで公務員倫理審査会、違反者を司法当局に告発できるような、例えばアメリカのフェデラル・イレクション・コミッション、FECのような強力な第三者機関の設置というものがこれからの課題になるのではなかろうか、このように思います。  最終的なゴールは、その意味で行政情報の公開、すなわち情報公開が必要になる。先ほど申し上げましたように、アメリカでは一九六六年の情報の自由法から出発いたしました。ところが日本は、今この通常国会でいろいろ議論されていくわけでしょうが、情報公開法がまだ成立しておりません。そう遠くない将来といいましょうか、まず近い将来制定される運びとなるのではなかろうかと思いますが、この情報公開がやはり必要になってくる。その前に、いわゆる地方分権とか特殊法人の廃止とか規制緩和というのも必要になってくるのではなかろうか。  ただし、この規制緩和というのが、今回のいわゆる金融ビッグバン、日本版のビッグバンに向けた規制緩和の程度や時期というものが事実上大蔵省の裁量で決められてきたところに今回の不祥事の原因があったのかな、こういうような気もいたすわけでございます。そうすると、そういうような規制緩和ではなく、もう少しフェアな意味での規制緩和というものを考えて、それには情報公開というものを最終的に押さえていく必要があるのかな、かように存ずる次第でございます。  若干時間を延長してしまいまして大変失礼しましたが、以上をもって私のつたない陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) どうもありがとうございました。  次に、リビングストン参考人にお願いいたします。リビングストン参考人。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) このような機会をいただき、光栄に思います。ちょっとつたない日本語で恐縮ですが、きょうは私にとっては外国語の日本語で頑張りたいと思っていますので、どうぞよろしく。  きょうお話をすることは、全然専門家としての話ではなく個人の話ですが、一九九三年に米国教育省に入省し、その教育省の者として経験したことをお話ししたいと思っています。ことしはマンスフィールド研修員として文部省で研修しています。  もちろん市民として、アメリカ人として、どうして自分の政府がこういう倫理法とか倫理のことにすごく興味を持っているかというのは、市民としてなぜと考えると思います。そのなぜはもう先生もいろいろ話しましたけれども、もちろん公務員が公平なというのは、えこひいきのない仕事ができるように、その上に公務員は個人として政府で働いていることで得をすることがないようにということだと思います。先生もいろいろ言いましたけれども、コンフリクト・オブ・インタレスト、先生の訳は利益抵触ですか、を守るために、こういういろいろ倫理の関係の話をアメリカはしています。  私のメモに英語で「to ensure that every citizen can have confidence in the integrity of the Federal Government」と書きましたけれども、それを日本語に訳すと、「すべての市民が、連邦政府が潔白であると確信できるようにするために」というセンテンス、文章でございます。  そのために、先生もさっきお話ししましたけれども、オフィス・オブ・ガバメント・エシックス、政府(公務員)倫理庁が設置されました。すごく簡単ですけれども、メモの二番目に書いたように、大体そのオフィスの役割はこういうポイントです。レギュレタリー・オーソリティー、ファイナンシャル・ディスクロージャー、エデュケーション・アンド・トレーニング、ガイダンス・アンド・インタープリテーション、エンフォースメント、エバリュエーション。もちろん私の書いたものですから英語が正しいので、日本語はちょっと頑張りましたけれども。  私はおもしろいと思うのは、フリーダム・オブ・インフォメーション、情報の自由法の関係でいろいろオフィス・オブ・ガバメント・エシックスが頑張っていること、やっていることは、もう本当にだれでも明らかにわかるように、何をやっているとか、倫理法とは何でしょうか、どういう規則を立てているかとか、いろいろホームページがあります。  それは資料として目次の方だけを持ってきましたけれども、資料の二ページはそのテーブル・オブ・コンテンツ、目次でもう本当に詳しくだれでもこういう情報にアクセスできるように、もちろん私も文部省の中でこのホームページをプリントアウトしましたから、本当にだれでもアクセスできる情報ということです。アメリカ人としてもちろんそれもプライドの高いことです。政府がやっていることはオープンで、明らかで、だれでもアクセスできることです。  でも、このオフィス・オブ・ガバメント・エシックスを設置したけれども、メモの三番目、やはり具体的なことは各省庁の責任です。というのは、簡単に言えば各省庁の中で倫理研修、監察官課もあります。もう一つ、私にとっておもしろいのは、フリーダイヤル番号もあります。というのは、フリーダイヤルでいろいろ倫理の関係を各省庁に電話で質問をすると答えも出ます。  メモの四番目は、私の個人のお話で、米国教育省の研修。研修はもちろんいろいろあります。ビデオを見ながら研修をする。もう一つおもしろいのは、それも資料2として持ってきましたものです。具体的な話をゲームとしてみんな読んで、それをディスカッションして、いろいろな関係でどういう動きをしたらいいでしょうかというゲームです。  これは一つ例えとして簡単に日本語で説明すると、この例はハンクさんという農務省の方が、農務省の図書館でコンピューターが必要なので、彼はコンピューター会社と契約するためにパネルの一人に選ばれました。でも、このコンピューター会社は、エージャックス・コンピューターという会社で、彼はこの会社の株を持っているということになっています。それで、a、b、c、dとして、彼がこれに対してどういうふうにしたらいいでしょうか。aは、もちろんもう株を持っているからこの会社と仕事をするのはいけないとか、二番目は全部自分の株を売ってまた関係してもいいとか、三番目はだれにも何にも言わなくてそのままで仕事をするとか、いろいろ例があります。それで、その下は答えで、どういう答えが一番いいか、倫理的にはどういうふうに彼が動いたらいいかという、そういうゲームで遊びながら公務員の方はいろいろ倫理のことがわかってくるというゲームです。一番最初の紙はそのスコアを書く紙です。  教育省の中では年に一回本当は研修を受けなければならないことになっていますけれども、もちろんいろいろすごく忙しい皆さんもいますので、二、三年前から、研修に出なくてもいい規則が出ました、オフィス・オブ・ガバメント・エシックスから。そのかわりに電子掲示板にいろいろ倫理のことを書かれて、いろいろこういう具体的な例もあって、それをオフィスの中で公務員が読んで、それを読みましたよとちゃんとサインをすれば研修に出なくてもいいことになっています。だから、もう簡単に研修を受ける規則もあります。  最後に、公務員として、アメリカ人としてどうして私がこういう制度を気に入っているかというのは、もちろん政府のやっていることを何でも明らかにするのは市民として大変うれしいです。ありがたいと思っています。腐敗のない政府、だれでもどの国でもそういう政府を望んでいると思います。もう一つ、どうして私がアメリカの制度を気に入っているかというのは、規則があるけれども例外も許されます。いろんなことが起こるときに、もし例外を許してほしければ、簡単に一つの紙にいろいろ情報を書いてそれを自分の省庁の倫理のオフィスヘ持っていって、それを許されると言えばもうそういうふうに動いていくこともできます。  非常に簡単な説明ですけれども、もう時間も参りましたので。御清聴どうもありがとうございました。

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) どうもありがとうございました。  以上で参考人の意見陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

田村公平自由民主党

○田村公平君 自由民主党の田村公平と申します。  三人の参考人の方々、きょうは本当にお忙しいところをありがとうございました。  最初にちょっとお尋ねをしたいんですが、これは、田島、石田両参考人にまとめてお尋ねをいたします。  イギリスでは一八八九年に公共団体腐敗防止法、またアメリカでは一七八九年にそういう法律をつくったと。我が国でも江戸時代、役人の子はにぎにぎを覚えという川柳か何かありましたけれども、僕はある意味で、きょうお話を聞きながら安心したんですが、結局、法律をつくるということはそういう汚職や腐敗がいっぱいあったと思うんです。そこいらの時代背景、イギリスにしてもアメリカにしても、ちょっともう少し、最初につくった法律が間尺に合わないわけですからどんどん変えていったと思うんです。  ということは、法律をつくらなければならない、つまり宗教だとか、キリスト教に裏打ちされた倫理観みたいなものははるかに、アングロサクソン系というかそっちの方が強いのかなという。我々日本人はどちらかというと、今は薄れてきましたけれども、一つの村社会、こういうことをしたらその社会に住めなくなる。あるいは僕なんかは田舎でしたから、田村のうちの息子は買い食いをしたらだめだとか、一種の農村型の規制というのがかかっておりましたのですが、そういうことを含めて、時代背景をちょっとお聞かせいただきたいなと思います。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 私自身、歴史の研究をちょっと詳しくやっていないので余り説得的な御答弁はできないと思うんですが、この一般的な公務員の腐敗の問題より、我々が非常に印象深いのは選挙の腐敗ですね。イギリスは今では非常に模範的な選挙がやられているように報道されておりますし、現にかなり厳しく選挙支出や選挙行為については規制が守られているようでありますけれども、ずっと昔からそうではなくて、前世紀はかなりひどい腐敗が蔓延をしていた、お金が飛び交ってどうしようもない状況があった。それに対処するために一連の腐敗行為防止法、選挙における腐敗行為の規律が登場して、当初は余り効果を持たなかったようですけれども、それに対応してさらに厳しい措置を積み重ねていって、やっと非常にきれいな選挙が行われるということだったと思うんですね。  ですから、公務員の関係の腐敗についても、これは恐らく同じような状況があったのではないかなと。相当な腐敗が蔓延して、やはりそれに対する対処、当初は刑事法的にどうするかという議論だったわけですけれども、それも先ほど申しましたように、地方公務員だけだったのを国家公務員にも広げたりするという形で、あるいは制裁を付加する、重くする。あるいは、私は非常におもしろいなと思ったのは挙証責任ですね、一定の場合には腐敗があったというのがもう前提にされていまして、腐敗がないということを腐敗を指摘された人が証明しなければいけないとか、そういう厳しい措置を加えていくことによって徐々に腐敗をなくしていく。  その次の課題は、したがって、そういう一般的な犯罪にはならないけれども、公務の公正さや適切さあるいは高潔さというものをどうやって確保していくのかということが刑事的な規制の次のステップとして問題になって、この世紀の三〇年代とか四〇年代ぐらいからそのための取り組みが始まったということではないかなというふうに思っております。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) お答えさせていただきます。  今、田村先生から大変貴重な御指摘をいただきました。法律をつくる場合にはその時代背景というものを考えなければならないという最も根幹にかかわる御質問をいただきましてありがとうございました。  アメリカの場合は、まず、先ほどの一七八九年のことから出発しましたけれども、そのころは、いわゆるフェデラリストとアンチフェデラリスト、連邦派と反連邦派、いわゆる現在のデモクラッツとリパブリカンの発祥の起源をなす、そのフェデラリストとアンチフェデラリストとの闘いの中から生まれておるということもあろうかと思います。そして、何よりもまずウォーターゲート事件、そのスキャンダルが大きな要因となっておりました。  それと、いま一つ考えられるのは、首長といいましょうか、憲法あるいは内閣法でも、内閣は首長たる内閣総理大臣その他の国務大臣二十名以内、こうなっておりますが、その首長のいわゆる強力なリーダーシップというものが大変重要なのかなということでは、ケネディ大統領あるいはカーター大統領等の強力なリーダーシップによって行われてきたということもあろうかと思います。  それと、いわゆる民主主義、デモクラシーに対する基本的な考え方、これは例えば日本の場合の民主主義ということを考えた場合に、我が国の民主主義は一体どうなのかというときに、ジョアンさんがいらっしゃる中でちょっと微妙な発言をさせていただくことになるかもしれませんが、我が国の民主主義というものは、いわば産みの苦しみといいましょうか、苦しい陣痛を経ていない。  フランスは、あのバスティーユ牢獄を破壊して、大きな犠牲を、血を流して民主主義をかち取ってきた。アメリカの独立、デクラレーション・オブ・インディペンデンスは、コンコードの戦い、レキシントンの戦いを経て、いわゆるノー・タクゼーション・ウィズアウト・レプリゼンテーション、代表なければ課税なしというように、自分たちが代表権がないのに課税権だけというのはどんなことかということで、ポストン・ハーバーに茶の積み荷などを投げ込んで、アメリカの独立というものが生まれたと思います。そういうような、レキシントンの戦いなどを考えても、すごい大変な苦しみと産みの苦しみというものを経て今日のアメリカンデモクラシーというものがありました。  我が国はじゃどうなのかというと、残念ながらつくられた民主主義、言うところの、ジョアンさんが、アメリカの方は怒ると思います、押しつけという言葉は。押しつけたんじゃない、つくってやった憲法だということでしょうが、悔しかったら日本でつくればよかったじゃないかとおっしゃるでしょうが、いわゆるその辺の産みの苦しみを経でつくられた民主主義と、何か、はいというように置かれてつくられた民主主義との決定的な違いが、今回の不祥事なんかにも原因があるんではなかろうか。そういう意味で、よらしむべし知らしむべからずといった、田村先生が今おっしゃったような日本の古来の考え方というものを転換していかなければならない時代になってきたのかなと、このように思う次第でございます。

田村公平自由民主党

○田村公平君 リビングストンさんにちょっとお尋ねしますけれども、経歴を拝見いたしましたら、イリノイの大学。たしかシカゴに、メーヤー・ブラウン・アンド・プラットという、六百人ぐらい弁護士さんがいる事務所の本部があると思うんですが、私、そこの弁護士だったのが友人におりまして、現実問題、アメリカは情報公開もよくやっておるし倫理規程もきちっとしておるというけれども、例えば日本のマスコミが報じておるように、お昼御飯をアッパーリミットが二十ドル、トゥエンティーダラーズ。アメリカで実はワシントンやニューヨークで二十ドルの昼御飯を食べるというのはもうこれ大変な立派なごちそうで、探すのが難しいぐらいでして、ニューヨークの超一流レストランあるいはワシントンDCでいえばジョッキークラブとかウォーターゲートビルディングの中にあるフランス料理店で、ロマネコンティとかそんな特殊なワインは除いてフルコース、私、酒飲みですけれどもワイン一本あけたとして百ドルかからない。  と言いながら、実は政府の役人、現実問題として関係する業界団体等とディナーパーティーとかなんとかと称して結構飲み食いやっておるのを随分見聞きしておりますし、その裏も見ておりますけれども。例えば、これは奥さんにギフトですよと、グッチだとかエルメスの中のバッグの中に恐らく百ドル札紙幣が何束入っているかということも公然と言われておる部分がありますが、リビングストンさん、そういうことはあなた御自身は向こうで経験したというか、見聞きしたことはありませんか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 大変おもしろい話とおもしろい例ですけれども、いえ、私はそういう経験はしていません。でも、さっきおっしゃったようにいろいろ例外、エクセプションが許されることもあります。  例えば私が経験したのは、二十ドル以下というあれもありますけれども、例えば私立団体がレセプションを行いました。それに私は招待されましたので、もちろんさっきおっしゃったように二十ドル以下のレセプションはなかなかできないので、でも私はその私立団体のレセプションに出ても別に影響はないから、というのは、私は彼らのためには何もできない者です。コンフリクト・オブ・インタレストとかそういうものはなかったから、簡単にペーパーに書いて自分の教育省の倫理官にそれを出して、やはり影響はないですから、楽しんでいらっしゃいとは言わなかったけれども、どうぞレプリゼンテーション、代表として出てくださいと言われました。

田村公平自由民主党

○田村公平君 石田参考人にさっきの質問と関連してもう一つの具体的な例を挙げてちょっと裏の事情というか、こういう法律論じゃなくして、ちょっとお話を聞かせていただけたらありがたいなと思います。  例えば、御案内のとおりアメリカ合衆国は連邦制度をとっておりまして、州政府の力、州法と連邦法との関係で、州間道路、日本で言うと高速道路ですけれども、これは連邦政府のバジェットでやらぬといかぬ。州がワシントンDCに、それぞれの選挙区で選ばれた人にやっぱり日本と同じように陳情もあるんですよ。  それはすさまじい分捕り合戦をやっておりまして、もちろんその関係する、日本的に言えば建設族的な議員もおります。農林族の議員もおります。議員会館に訪ね、夜は彼らはどこかのホテルに泊まっていますので、大体Mストリートのあのあたりに。そうすると後ろには、スポンサーはイリノイ州で言えばイリノイ州建設業協同組合とかCRSSだとか、そういうゼネコンさん含めてスポンサーがついていまして、だから高級レストランもあれば、二次会に行けば、大変申しわけない言い方かもしれないけれどもトップレスやボトムレスの、あのワシントンDCで人口の八〇%近くが貧民層であると言われ、自由の国ということを標榜しておりますから黒人も多い、ほとんどの人はマクレーンの方に住んでいるのに、そういうお金が落ちる場所がちゃんとあるという関連において、ちょっとお話を聞かせていただけたらと思います。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) どのようにお答えしていいか。実情については田村先生の方がはるかにお詳しくて、私は法律家で、しかもなお議会、コングレショナルアクションが行われて、その結果を見て判断するのを仕事としておりまして、現実のところ、本当はそれを見てその立法の趣旨とか背景を語らなければいけないんですが、今おっしゃった、いわばアメリカにおいても州と連邦との闘いということで利益誘導などがあるということを聞いておるという先生のお話、確かにアメリカの五十州でそれをどうしていくかということでは、頭の中で考えた場合には先生のおっしゃるようなこともあり得るかなと思いますけれども、私は具体的にこういう話があってというようなことはちょっと承知しておらないんです。  ただ、アメリカでは、やはり少なくともそういうようなことが我々にはわかってこないし、国民全体に対してそれがわかっておるのかどうかということについては、その辺はちょっとむしろジョアンさんに、逆に国民としてそれはそんなことを若干認識といいましょうか、考えているということがあるのかどうか、むしろ伺って、大変申しわけないんですけれども。

田村公平自由民主党

○田村公平君 じゃ、ジョアンさん。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 済みません。もう一度簡単な日本語でお願いできませんか。済みません、恐縮です。

田村公平自由民主党

○田村公平君 連邦政府、つまりワシントンDCとあるいはリビングストンさんのイリノイ州、州が行うべきこと、連邦政府が行うべきこと、違いますよね。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) いろいろ州の権利というのは倫理関係でもいろんな関係、例えば私は教育のことはもっと詳しく知っておりますから、教育の関係でも州の持つ権利はすごく強いですよ。だから、時々州がやっていることと連邦政府がやっていることは違うこともあります。そういう意味ですか。

田村公平自由民主党

○田村公平君 済みません。イギリスのことにちょっと話を、田島参考人、お伺いします。  確かにイギリスは長い歴史を経て今日の形の法律もできておることは承知をしておるんですが、サッチャー政権のときにボスポラス海峡に橋をかけるときにサッチャーさんの身内が絡んだということがありましたけれども、大した政権の命取りにはならずに済んでいったんですが、法律を幾らつくっても、やっぱり悪いことをするやつは、悪いことというか、法律に触れないようなうまい影響力の行使、あるいはそれがトルコの問題が絡んでおるから、国益と政府とのそういうところはどういうふうにしてコントロールしておるんでしょうか。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 具体的なケースについて、確かにそのような事件ありましたですね。それで、余り詳しい個別的な事件のことは今思い出してみてもよくわからないんですが、ただ、要するに本人の活動とそれからその身内の活動、これはやはり非常に微妙だと思いますね。株式保有なりあるいは一定のその他の経済的な利害を持っているときに、身内の場合も含めて公表するというのは一つのやり方になると思うんですが、ただ事業に直接かかわるときにどこまでが政治家の本人の活動と具体的にかかわっているのかというのは、いろんな制度をつくっていった場合も線引きはやはりかなり難しいんじゃないでしょうかね。特にある程度線引きしたとしても、具体的な事案について具体的にどうなんだという判断をするのは、一方でやっぱり経済活動の自由という原則がございますので、政治家なり公務員本人以外の者に対して過度に厳しい規制を及ぼし過ぎるというのは、別人格で活動しているという前提に立つ限り微妙な問題になると思うんですね。  だからその辺で、先ほど言われたケースも恐らく具体的にどういうかかわりをサッチャーさん自身とあったのかという点がかなりあいまいだったんじゃないかなという、記憶なんですけれども、そのように考えております。  ただ、御紹介しましたイギリスの、お手元に資料があるというふうに事前にはお聞きしていたんですが、必ずしもそうでないようなんですけれども、先ほど御報告させていただいた「職員ハンドブックに反映されるべき行為基準」というメモの二枚目の真ん中辺に書いた事柄なんですけれども、ここは一般的に、ちょっと原文を読みますと、「国家公務員は、いかなる事業上の利益(取締役職を含む)又は、国家公務員又はその近親者(配偶者、関係するパートナーを含む、子)が所有する株式又は有価証券について、彼らが知る限りにおいて、彼らの職務上の地位によって結果として得るであろう程度についても、自省又はエージェンシーに申告しなければならない。」ということが書かれています。  これは、先ほどのこの株式保有にかかわる行為に対する記述の中には、本人だけではなくてその関係者、近親者の場合も含まれておりますけれども、こういうふうに申告の対象にある程度制度として、しかもイギリスの場合は法律で強制する制度ではないシステムですね、規律対象に加えるということは一定程度可能だと思うんですけれども、それ以上に何らかの法的なあるいは刑事的な責任をどこまで追及するかというのは、先ほど言ったようなかかわりでかなり難しい問題を一面ではらむのではないかなというふうに思っております。

田村公平自由民主党

○田村公平君 私の高知県ですけれども、高知県では高知県知事が昨年、飲酒運転で捕まったら即懲戒免職ということで、現実問題懲戒免職になった四十九歳の県庁職員がおります。したがって、給料もボーナスも出ないでそのまま首になったんですが、それはどういうことかというと、一片ののホームページの通達だけで。  つまり、私が何を言いたいかといいますと、酒気帯びもしくは飲酒運転というのは警察官に捕まったときに初めて立証というか、それを県職員が職場の、倫理委員会じゃないんですが、所属長に届けた場合。届けない場合、黙っていたらわからぬこともあるんです。だけれども、その人間は、私も個人的に知っている人間ですけれども、飲酒運転で捕まりましたとまじめに言って、次の日、首で懲戒免職。つまり、高知県の地方公務員になったらそういうことになるけれども、香川県とかよその県ではそういうことにならない。これは人身事故も何にも起こしていないんです。ただ単純に、その晩大あらしだったものですから、酒を飲んでおってタクシーとか代行の車がなくてということだったんですが。  イギリスもそうでしょうしアメリカもそうですが、皆が皆すごい神様、仏様、石けんで洗ったようなきれいな人ばかりじゃない。逆に言えば、ちょろまかしもあれば、アメリカ人だって役所の封筒を持って帰ったりしているやつもいますしね。厳密に言えばこれは連邦政府の財産を私的にくすねたことになるし、そういうことを考えたときに、法と個人、個人というよりも公務員ですけれども、そこいらの関係等々で今後我が国でそういう問題を考えていくときに、学者としてまた法律家として参考になるようなことがあればお聞かせをいただきたいと思います。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 今、田村先生の御指摘の問題、大変重要なことだと思います。  実は、例えば今地方分権という、明治以来百年間続いてきた中央集権、つまり上下主従関係にあった国と地方との関係をいわば対等協力関係にしようと、これがいわゆる地方分権でございます。それは五百六十一項目の機関委任事務を地方に移譲しよう、こういう考えでございます。そうなってくると、例えばいろいろの分権の原因、つまりいろいろ制度疲労が、中央集権の制度疲労という意味でその原因は何かといいますと、例えば今先生がおっしゃった通達は、A5判で八十八巻、十三万ページに及ぶと言われる通達、あるいは八百ほどある必置規制、それから三千三百三十三あると言われる権力的、非権力的許認可の関与、そして五百六十一項目の機関委任事務、こういうものをどうするかという問題だと思います。  今、先生がおっしゃった通達など、大臣はもとより次官、そのもっともっと、いわば大臣、次官ではないもう少し下の、下のという言い方は失礼なんですが、大臣や次官が知らない通達というものがたくさんあって今のような状況が、例えば高知県では懲戒免職で妻や子が路頭に迷ってしまう。今まで御活躍で、高知県のために、四国のために、国のために働いてこられた公務員が、その日からもう職は失い、そして妻や子は路頭に迷う。もしかすると、大学へ行かせなければいけない子供があったかもしれないし、今大学で一生懸命国会議員になろうとして頑張っている御子息がいるかもしれない。それがあっという間にということにおいて、それが例えば香川県では許され愛媛県では許されるとなると、その通達行政というものが、今なぜ地方分権か、今なぜ行政改革かという問題と軌を一になすのではなかろうか、かように思います。  そして、法と個人という問題が究極な課題なんですが、やはり法というものと個人というものは、法というものはいわゆる正義の具現であるということになりますと、法と道徳と同じ領域で、例えば人の物を借りたらば返さなければいけないという道徳的な命題が、時効消滅の原則というものがあるわけで、これは道徳的にいかがなものかということになってくる。あるいはまたそのほかに、道徳的には好ましくないものが法で許されたりするということになると、この法というものは元来正義の具現ですから、個人の問題を法に、個人の問題とかそういうもので一番大事だなと思ったものを第一次規範から第二次規範での法規範に高めていくわけですから、今この行政監視委員会の焦点となっている公務員の倫理という問題が、いわば個人にあるべきものを法のレベルに高めなければならない。つまり、第一次規範であった倫理という問題を第二次規範である法で、法規範で練らなければならないというような状況に来てしまった。これが今なぜ政治倫理があるいは公職倫理がという問題ではなかろうか、このように思います。

田村公平自由民主党

○田村公平君 同じさっきの関連で田島先生お願いします。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 私は個人的には、余り過度に規制をして、自由濶達な公務員の活動あるいは活力、それを規則規則で全部型にはめて押し殺してしまうのは、やはり最終的には国民にとっていいことかどうかというのはかなり私は疑問に思うんですね。  ですから、きちんとした情報の公開なりあるいは一定のさまざまな形でのルールづくりあるいは規律なりというシステムは、これは必要なのは否定できませんけれども、その規制が強過ぎて大事な部分まで殺すことのないような適切な制度のあり方を模索するというのがどこの国であれ非常に大事な視点だろうと私は思いますね。  イギリスで、一つ大きな問題になり得るし、これまでも議論されてきた問題は、先ほどの御紹介の中の例で一つだけ挙げますと、公務員の再就職の問題をどう考えるかというのは実はかなり議論がありまして、それで、御承知のようにことしの春総選挙で労働党が勝ちましたので、もしかしたらまた新しい規律が加えられるかもしれませんけれども。  どういう議論かというと、一つは、公務員の民間への再就職というのは、公務で得た非常に貴重な経験なり知識を産業界の発展のために生かすということはこれは非常に有益な制度ではないか、有益な一つのルートではないかというのが全体的にあって、基本的にはそれが是認されているわけですね。  しかし、他方で、これに対する非常に強力な批判をされる人たちもおりまして、明らかなように、どういう弊害が懸念されるかというと、将来の自分の再就職のために、公務を遂行する中で特定の企業にどうしてもバイアスというんでしょうか優遇をしてしまうのではないかという懸念が一つあります。  それからさらには、もう一つ大きなのは、特有の知識とか人脈をリタイアされた公務員の方というのは持っていますから、再就職した場合に、その再就職をした企業に極めてアンフェアな形で有利にその知識や経験、知識や経験というのはこれは公務ですから国民全体が本来共有しなければいけないんですけれども、それが特定企業のために優遇されてしまうのではないか、あるいは逆に言うとライバルの企業に不利なように働くのではないかという懸念があって、これは単なる一定の規律ではなくて、もっと強力な措置が必要ではないか。例えば一定の場合の禁止というようなことですね。そういうことを主張する人たちもいるんですね。  ですから、その意味で現在の制度は、再就職を基本的に是とする中で一定の規律を加えているということで制度を組み立てているわけですけれども、それに対する根本的な批判もあるということですね。  そこで、両方の要素を考えたときに、今の制度でいいかどうかというのはやはり問題になり得ると思いますね。例えば現行の制度ですと、先ほど御紹介しましたように、離職後二年以内という枠になっているわけですね。すなわち、もうそれ以上たったら別に承認など必要としないということになっているんですが、果たしてこの二年というのが妥当な期間なのかどうかということで、議会でもこれを議論しまして、五年ぐらいに延ばすことが必要だというような議論も実は議会の議論の中であったんですね。  それからさらに、実際上、これは古い資料なんですが、七〇年代半ばから八〇年代の初頭なんですけれども、千八百九件の承認の申請がなされたらしいんですが、大部分は国防省の公務員のようなんですけれども、承認がされなかったというのはたった十五件だという統計が残されております。すなわち、承認という制度にはなっているんですが、事実上ほとんどとオーケーをされると。これでは規制の実がなかなか上がらないのではないかというような批判があります。  それからさらに、制裁措置というのが今のところ用意されていないわけですね。だから、これに対して、制裁措置も用意して規制の強化を図るべきだというような議論もあります。  そういうわけで、私自身は、これは文脈が違いますから、日本で天下りの問題を議論するときの状況とイギリスは同じではないですから、すぐ外国の制度を直輸入するというのは反対なんですけれども。ただ、言えることは、余り両極端の何かで割り切ってしまうのではなくて、いろんな要素を勘案しながら、かつ、その社会の特有な状況を踏まえて、それにふさわしい規律のあり方、その中では、国民の観点からの厳格な規制は必要だけれども、一番大事な、他方での失っては困る公務員の自由なり活力をゼロにしてしまうような規律は避けるという点でのバランス、これをそれぞれの国の事情に合わせて探っていくというような視点が必要ではないかなというふうに思っております。

田村公平自由民主党

○田村公平君 いわゆる天下り問題の方にちょっと今、田島参考人の方からお話ございましたけれども、御案内のとおり我が国は、官僚と呼ばれる中に、その官の世界にキャリアとノンキャリアとがありまして、ノンキャリアと言われる人たちは、建設省で言えば地方局の採用。その中で何人かはピックアップされて本省にも来たりするんですが、この人たちも実は天下りをしています、それなりに、それぞれのランクに応じて。  本省レベルで言いますと、例えば昭和三十八年入省組が本省の局長になると、その前の時点で本省課長クラスの中でどんどんいすを、いす取りゲームをやっているみたいなものですから、早い場合は五十歳前後でいわゆる外へ出ぬといかぬ。皆が皆公社公団に行けるわけでもありませんし、農水省であれば農水省と非常に近い関係の民間会社に行ったりしている僕の同級生もおりますけれども。  そういうシステムの中で、天下りがイコール悪だみたいな、日本の場合そういう論調もあるんですけれども、そこいらとの整合性を含めて、外国ではどういうふうになっているのか、お二人の参考人、それから、もし意味がよくわかっていただけたらジョアンさんにも答えていただいて、最後の質問にさせていただきたいと思いますが。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) ただいまの田村先生の御質問でございますが、キャリアとノンキャリアの問題から天下りの問題ということで、例えば今回の大蔵省の問題で申し上げますと、造幣局、印刷局を含めて約八万人いらっしゃるという大蔵省の職員のうちのキャリアというのは一%しかいない。  このたびのいわゆる不祥事のかの課長補佐は二十八歳で税務署長になっておるというところで、その辺が、極めて若くして署長になり、副署長はたたき上げの方で、黒塗りの車で二十八歳の税務署長が行き帰りのときには最敬礼でお送りするあるいはお迎えするというようなところにやはり問題があるということで、先ごろ大蔵大臣も、その出向というものを、やはり三十歳からちょっと超えてある程度わかってきたころからにするというようなことを答弁でおっしゃっていましたけれども。  その辺で、キャリアというものがもう大変な選ばれた人であるということで、そこに毎日毎日の公務をしておられる中で、自分はもしかするとほかの人と違うんだと。坊やが勉強しないとお母さん困ってしまうわ、とにかく勉強すればいいのよというんで、よくテレビなんかでやっているようなことで、まことしやかにやっているわけですが。そういうような意味で、とにかく倫理とかそういういろんなことを、驥尾に付してというんではなく、ただ一生懸命勉強して本当のキャリアになってしまった場合において、それはごくほんの一部の方なんでしょうけれども、そこにおいてのなれというものが今回のような不祥事を招いたかもしれないのではなかろうかと、こう思っておる次第でございます。  そして、天下りについて、今、田村先生からの御質問で、例えば前公職者は勤務中に得たいろいろの内部情報を持っており、現職者ともつながりがあると。それを私的雇用への転職後に個人や団体の特別な利益にならないようにすることが必要であるということで、用いられる可能性があるからそれを防ぐという意味でアメリカでは考えられております。  ただ、誤解をしてはいけないことは、退職公務員が制限を受けるのは退職後の特定の活動でありまして、就職先ではないということがアメリカの考え方です。例えば、次官クラスの方々がいろいろなところへ天下りということで最近よく新聞をにぎわしておりますけれども、実はアメリカはどこへ行くかということが問題ではなく、退職後の特定の活動を問題にするということで、終生制限、一生やってはいけないことと、二年制限と一年制限、こういうことで、時間がありませんのでその内容をつまびらかに、もし許されるならば今申し上げますけれども、いかがでしょうか。もしあれでしたらこれをもう少し詳しく述べさせていただきますが。

田村公平自由民主党

○田村公平君 四十五分までですから、あと三分ぐらいです。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) よろしいですか。  そうしますと、例えば終生制限としては、公職時に個人的、実質的に参加した特定事項について、裁判所、各省庁または公職者の面前で何ぴとかの代理として行為をすることは終生制限、いわゆる顔をきかせるということは禁止されるということでございます。この場合は、特定の当事者の法律上の権利が包含され、そこに内包されて、インボルブされている事項に限られておる、一般的事項や個人的または実質的でない事項にはこれは適用されないということでございますので、若干この辺は日本ではちょっと誤解されている面があるわけなんですが。また、二年制限、一年制限とあります。  以上でございます。

田村公平自由民主党

○田村公平君 終わります。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 きょうはお三方の先生方、貴重な時間を私どものためにおとりいただきまして、本当にありがとうございます。  先ほどからいろいろとお話が出ておりますけれども、私どもも先日、役所の中のいわゆる省庁の内部監査のあり方について、通産、厚生を呼びましてこの場所で意見を聴取したわけでございます。といいますのも、もう御存じのとおり八九年にはリクルート事件が起きて、そしてさっきからお話が出ておりますが、九六年十一月には泉井石油事件、そして同じく九六年十一月、私は魔の九六年十一月と言っておりますけれども、彩福祉グループの厚生省の岡光さんの問題が出た。いわゆるキャリアの犯罪というふうを言い方をしてもいいのではないかと思いますけれども、そういうこれまでになかったような形でお役人のいろいろな汚職問題が出てきました。  また、私も北海道でございますけれども、北海道の道の中でも自治体の職員たちが裏金をつくっていろいろな形での接待をするという実態も明らかになってまいりましたし、宮城県などでも随分明らかになってまいりました。そういうことが次々と起こってきて、私どもの委員会も設置され、そして今スタートして歩み出したばかりでございますけれども、貴重な御意見をちょうだいして、本当に光栄に思います。  最初に、田島先生にお伺いをしたいのですが、今、田村先生の方から大分天下りの問題が出ておりました。私も先生のお話をお伺いして、天下りの問題についてかなり細かい規制措置があるというふうにおっしゃいました。このレジュメに書いてくださっておりますのは、「離職後二年以内の一定の公務員に対して再就職の際政府の承認を得ることを義務づける」、そして「申請が必要な者」とか「承認の条件」とかあるわけです。  日本でも天下りがなかなかなくならない。次から次へと天下りのコースというのがそれこそキャリアには特にあるわけでありまして、そしてこの天下りのコースに従って乗っていれば、何回も退職金を得てまだ次の新たな就職、また退職金を得て次なる段階というふうなことが繰り返されている。民間にはそういうことはまず、よほどラッキーな人でない限り次々とそういうコースに乗れるということはないわけでありますから、こういうことで天下りの問題というのは非常に根深く、また大きな問題であると思います。  この離職後二年以内の公務員に対して、再就職の政府の承認を得られればできるわけですね。果たしてこれがどのぐらい効率的なのかということをお伺いしたいと思いますのと、事務次官相当の場合は最低三カ月間の待機期間ということで、三カ月の待機期間を置いているということは即天下りができない、その間に時代も少し変わり、そして持っているデータとかいろんな蓄積も余り役に立たなくなってくるかもしれないのでという待機期間であろうと思いますが、この待機期間が三カ月間で果たして有効なのかどうか。そういうことをもう少し詳しくお伺いしたいと思います。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 先ほどの御質問ともかかわるんですが、最初に重ねて申し上げておきますけれども、恐らく日本とイギリスの官僚をめぐる状況は同じではないと思われます。ですから、日本での規律のあり方を考えるときは、やはりそういう特有な条件の違いをかなり踏まえて議論をする必要があるということだと思うんです。  それは今の御質問の議論をするときも非常にかかわってくるわけでありまして、例えばリタイアの年齢がどうかというようなことですね。日本の場合には、最後は事務次官一人しか残らなくて、ほかの人たちはみんな、特にキャリアの場合ですけれども、若い年齢で消えていくというわけです。そうすると、非常に若いときに公務員のままでいられないというときにどうするかということはやはり考えなくてはいけないわけで、そんなのは勝手にしろというふうには必ずしも言えないわけであって、そのシステムをどうやるのかと。これについてもいろんな御議論が恐らく国会の中でもされつつあることだと思うんです。  それから、あとはリタイア、再就職してかなり私的利害に引きずられたような形での弊害がどの程度この問題に随伴するものとして観察できるのかどうかということだと思うんですね。もし再就職を認めても、余りそういう特定の企業との際立った癒着とかあるいは公務を歪曲するとかということが普遍的に見られないとすれば、それはそれなりの対処の仕方があるだろうと。しかし、それが非常に普遍的にかなりの程度見られるということであれば、場合によったらもうちょっと厳しい措置を日本では、ほかの国はともかく、イギリスはともかく、加える必要があるんじゃないかということにもなると思うんですね。だからその辺は、最終的にはその国の状況とシステムのあり方という極めてこれは具体的な考慮、判断が恐らく求められることになるのではないかなというふうに思います。  日本の場合は、一つは年齢がかなり早い段階で上級の公務員としていられなくなるという状況の問題と、それからもう一つは、なぜ普遍的に天下りがあっていろんな弊害が指摘されるかというとやっぱり規制ということだと思うんです。官、役所がかなりいろんな問題について特有な規制をたくさん持っている。だから、その規制についてそれをうまくクリアできる知識なり経験なりを持った人がいれば、あるいは人的なつながりを持った人がいればうまく対処できるということだと思うんです。ですから、今の日本の官の規制のあり方が果たしてどうなのかということもやはり問題として問われなければいけないだろうと。  それからもう一つは、最終的には情報公開ですね。情報公開が非常に徹底して、何か密室とか裏のところで不明朗な形で処理するということがしづらい状況にあれば、官の人を採って裏でうまくやるということはうまみがなくなるわけですから、その辺の情報公開のあり方をどうするか。だから、まさにこれは今情報公開法の御議論を国会でやっているわけですが、それと非常にかかわることだろうなというふうに思います。  それで、本来のイギリスの方のことなんですが、簡潔にお話しさせていただきますけれども、基本的には、そういう影響力を持ち得る、あるいは知識と経験をより強く持ち得るというのは、やはり相当グレードの高いキャリアを経てきた人ということになると思うんですね。ですから、事務次官がその典型ですけれども、それに次ぐ人たちや局長クラスのような、要するに日本でいうとキャリアに相当するような人たちの再就職の問題を主としてどう規制するかということになると思うんです。  ただ、余り狭くそれだけに限定はできないわけであって、要するに再就職先の雇用主と公務上で具体的な接触があった場合どうするかというのは、地位のうんと高い人たちだけを問題にすればいいかというと、それはまたそれでは済まない側面がありますので、イギリスのルールでは必ずしも極めて高級な人たちだけというそういう対象にはなっていないようであります。  それから、あともう一つ、先ほどお話ししたこと以外のことで申しますと、事務次官級の人たちのパーミッションにつきましては、最終的には首相が判断するということになっています。ただ、首相は自分だけの判断ではなくて、その判断が適切に行使できるように助言委員会という、この問題に経験と知識のある人たちを委員に首相がみずから任命して、そのアドバイスを受けながら最終的な決断をする、首相が決める、そこで最高度の責任者の判断を加えて適切さを確保する、こういうことになっているようです。  それ以外の場合には、最終的には各省庁の大臣が判断をするということです。ただ、大臣が判断すべき対象であっても、問題が非常に例外的に重大な事案については、先ほどの助言委員会の議論と助言を経て決断をするということのようであります。  それで、その実効性がどうかという問題なんですが、先ほどもちょっと一部触れたんですけれども、罰則がないとかあるいは二年間という制約一さらにはもとの省庁と退職公務員とのつながりを追跡したり監視するシステムというのは実は用意されていないんですね。  そういうことで、もう少し制度の実効性を確保する改善措置が必要ではないかという議論が八〇年代の半ば以降議会の委員会などでも行われたんですが、最終的には政府はそういう主張を入れないで現行のような制度にとどまっているということですから、これはやはり批判する側からいうともう少し厳しい実効性を持ったシステムに改善すべきだという主張はあり得ると思うんですね。それを受けて、もしかすると労働党政府のもとでもう少し違った改革が行われる可能性はあるだろうというふうに思います。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 ありがとうございました。  私、大変失礼いたしました。名乗るのを忘れました。民主党の竹村でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、石田先生にお伺いしたいのですけれども、アメリカにおける公職倫理の問題でたくさんのことをお教えいただきましてありがとうございます。十八世紀の末に既にそういった兆しというか、そういったことをきちんとするべきだということが起こっていた、そして出発は情報公開であったということで、まさに今ようやく日本も二百年おくれてそういう時代になってきたのかなというふうに思いますけれども。  そういったことで、資産公開法を提示してきたということでございますが、もう少し詳しくお聞きしたかったのは、資産の開示・公開というところで、審査機関の中で、政府(公職)倫理局、OGEですか、これは単立の省といいますか局といいますか、例えば総理府の中にとかそういう形ではなくて、単独の全く自立した機関であるということなのでしょうか。  それから、各省庁の中の倫理担当官、先ほど内部監査のことを私たちが問題にしていることを申し上げましたけれども、各省庁の倫理担当官というのはどんな形で存在をしているのか、お教えいただきたいと思います。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 今の竹村先生からの御質問についてお答えいたします。  まず、OGEという公職倫理局がどのようになっているかということで、一九七八年のエシックス・イン・ガバメント・アクトが成立した当初は、いわば内部機構として日本でいうと人事院とかそういうような中にあったわけなんですが、これが改正されて独立機関として現在OGEという公職倫理局があります。  そして、そのファーストラインであるDAEOといいましょうか、勤務庁の倫理担当官についてですが、どういう仕事かということでありますが、例えばホワイトハウスから任命が公式に発表されますと、資産公開の書式が回されてきます。そうすると、そこでその被任命者が利益の抵触をしていないかどうかということで、アメリカは御案内のとおり大統領がかわると二千人から三千人がスタッフがかわったりすることでございますので、そこで日常茶飯事ということでございます。だから、どうしてもコンフリクト・オブ・インタレストが生ずることがあり得るわけなんですが、DAEOといいましょうか、各省庁の倫理担当官が審査の上、新任者の経済的利益抵触法規に違反していないかどうかということを確認する。ただし、DAEOは開示が正しいかどうかを決定するために報告書を監査することまでは要求されていないということで、あくまでもファーストラインでございます。  そして、DAEOが報告書から利益抵触の可能性があると信ずるときにはその旨新任者に通知する。その場合に、先ほど申し上げましたようにブッシュ大統領がその報告書を教書の形で伝えたのは、有能な公職者を狭めるといいましょうか、職から遠ざけてしまうことを目的にこの倫理法をつくるのではなくして、むしろ引きつけるためのものであらねばならない。つまり、こういう意味においてはいわゆるリキューザルとか先ほどのウェイバーといったようなことで回避するような方法をとったりするということでございます。これがいわゆるOGEとDAEOの関係でございます。  先ほどの魔の事件とおっしゃった、厚生省の福祉を初めとしてのいわゆる官官接待の問題の根源はどこかということで、田島先生が先ほどお答えいただいたわけなんですが、アメリカとの関連においてもこれをどう理解するかということでございます。先ほどのクーリングオフを三カ月はいかがなものかということでおっしゃっておりましたが、アメリカの場合のクーリングオフは、前上級公務員が前勤務庁で懸案となっている特定事項に関し、影響を及ぼす意図を持って伝達、いわゆる口出しすることは一年間禁止される。これがいわゆるクーリングオフ期間、クーリングオフと言われておりまして、それは一年制限でございます。  二年制限では、勤務の最終年度間に前公職者の職責内にあった事項について、官庁などで何びとかを代理したり、代表的な行為をなすことが二年間禁止される。これも先ほどの終生制限と同じように、この禁止も特定当事者の権利をインボルブする、包含する事項のみに限られ、また影響を及ぼす意図を持って行われる伝達のみに適用されるということに一応なっております。  これが終生制限、二年制限、三年制限の問題でございますけれども、いわゆる官庁の官庁とか銀行の中の銀行と言われる不祥事は大変議員の先生方も胸を痛めておられると思います。いわば経済の血液といいましょうか、明治十四年の政変の翌年の明治十五年に日銀が創設されて、初めて東京地検の特捜部が入ったということ、これは大変なことだと思います。しかし、そこに、経済の血液を、お金の流れを担う日銀の中に腐敗菌とかばい菌というものがもし混入されたとするならば、あらゆる臓器がむしばまれてしまう。つまり、そうなるとこれは黙視し得ないという意味において、我々はそこにおいて今何をなすべきかということを真剣に考えなければいけないと思います。  その意味で、腐敗の構造というものが企業側にもむしろ色濃く出ているのだというように、例えばその他の銀行も今回の不祥事では大変大きな問題がありました。そうすると、企業側にもむしろ色濃く出ているのだ、こういう考えに立った場合には、企業会計の透明化、いわゆる日本版のSEC、そういうような証券取引等監視委員会の強化というものも視野に入れていかなければならないのではなかろうか、こう思います。  そういう意味で、先ほど申し上げましたような規制緩和というものがいわば大蔵省の規制の対応いかんでなされるというような金融ビッグバンであるならば、この規制緩和というところにも先ほど田島先生がおっしゃった権限が余りにも集中している、これがいろいろの金属疲労を起こし、腐敗の根源となっている。まさに国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。しかし、それは単なるいわゆる政治的美称説であって、現実には憲法七十二条の内閣総理大臣の権限とか、あるいはまた憲法七十三条で言うところの内閣の職務、もっと究極的に言うならば憲法六十五条の行政権は内閣に属する、こっちの方に重きが置かれておるというように言われているわけですけれども、今まさに議員の先生方が、国会は国権の最高機関であって、唯一の立法機関であり、なおかつ国民の代表機関であるということをいわば国会の復権という意味においてもぜひこのたび頑張っていただきたいと、かように思っておる次第でございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 ありがとうございました。  リビングストンさんはアメリカの教育省にお勤めになっておられて、今文部省で研修中というふうにお聞きしておりますが、今、日本の教育界は本当に子供たちのさまざまな事件に悩んでおります。いろんなことをお感じになっていらっしゃるだろうと思いまして、たくさんのことをお聞きしたいよ思いましたが、私の持ち時間が終わってしまいました。また機会を改めましてぜひお聞かせいただきたいと思います。一言何かございましたら。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) さっきの問題で、オフィス・オブ・ガバメント・エシックスの役割と各省庁の役割についてちょっと答えたいと思います。  オフィス・オブ・ガバメント・エシックスはいろいろガイダンスのことをやっています。でも具体的には、先生もそれにいろいろお話しになったのですけれども、各省庁はもうちょっと具体的な研修とかそういうことをやっているので、その違いだと思います。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 ありがとうございました。終わります。

山本保公明

○山本保君 公明の山本保です。どうぞよろしくお願いいたします。  この委員会では、行政監視の方法などについて具体的にこれから詰めていくのかなと思いますが、そういうときに、本当にイギリス、アメリカの専門家の先生にわずか十五分間でこの百年、二百年のことをお話ししろということ自体がなかなか失礼なことなのかなという気もいたしますし、ただそれが私の理解力がないものでなかなか頭に入らなかったのかなという気もしまして、今、割と具体的なお話が出てまいりましたが、私はちょっとそこまでまだ理解がいきませんので、ちょっと大ざっぱなお話を伺うことになるかと思いますが、お許しください。  最初に、イギリスについて田島先生にちょっとお伺いしたいのでございます。  先生は、あらかじめこの資料に先生の「イギリスの政治倫理制度」という論文をお出しいただいたそうでございまして、私もちょっと見せていただきまして、何か日本よりもやっぱりのんびりしているのかなという感想を持ちました。最近、チャーチルの青春時代の思い出ですか、文学作品を読む機会がありまして、長いので全部読んでいませんが、少しずつ読んでおりますと、イギリスの貴族の伝統は、公務員になる場合でも軍人になる場合でも、自分の金を使って仕事をするのであって、給料なんというのは名目のようなものであって、であるがゆえに逆に名門の人しかなれないというようなことが載っていたと、今思い出しました。  そんなことから、イギリスではどうなんでしょうか、本当に感じでございますが、まず第一番にお聞きしたいのは、やはりエリートといいますか、まさにノーブレスはそれなりの責任を持って仕事をしているんだという前提があってこういう法体系、法律自体もまだ最近になってできたというようなものがあると、こういうふうに考えてよろしいのか。  それで、実は私は時間も十二分間しかありませんので、ついでにもう一つお聞きしますが、であるのに最近特に問題になってきたということはどういう背景があったのか。きょうお話にあったことだとは思いますけれども、繰り返しかもしれませんが、その辺について御説明いただきたいと思います。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 手短にお話しさせていただきますけれども、やっぱり全体的には、確かにおっしゃるとおりで、割がしゆったり構えてという部分が確かにあると思うんです。だから、そのエリートと言われる人たちは、お金はともかく、社会のために貢献する、責任を果たすという観念、それが恐らく背景にあってアメリカとはまた違った行き方をしたのかなというふうに思います。  ただ問題は、そういうのどかな状況が続けられればいいんでしょうけれども、そうでない状況が出てきた。七〇年代の半ばがやはり一つの山だったのかなという気がします。要するに、かなり重大な一連の政治スキャンダルが頻発をして、特に有名なのはポールソン事件といって建設会社と国会議員を含む多数の政治家、公務員の癒着とか腐敗が大規模な形で明らかになったんですね。ここでやはり、ある種自律的に政治家なりあるいは公務員なりが対処すれば済むという状況ではないだろうというのがかなり強く自覚されたんだと思われるわけです。そこで、現に国会議員の利害登録の制度が確立してくるのが七〇年代の半ばということになります。  それから、それ以後、先ほど簡単に御報告もされたんですけれども、要するにこの種の制度をきちんと整備をして、あるいは場合によったら強化をしてということが問題になってくるのはこの時期からなので、やはりそれが一つターニングポイントというんでしょうか、単なる自律では済まない、ある種の規律を場合によったら第三者的な目も入れながら加えていく。それは決して国会議員も例外ではないというようなことがそういうスキャンダルなどの事件を機に改めてテーマになって、それに対する一定の対処が次第に加えられてきた、こういうことではないかなというふうに思っております。

山本保公明

○山本保君 ありがとうございます。  もっとお聞きしたいんですが、また次の機会にと思います。  それでは、石田先生にお伺いいたします。  先生のきょうのお話で、また先生が前に出していただいたものなどを見まして、アメリカは一七〇〇年代からあると。しかし、それはたしか外国からの叙勲だとかその関係を禁止するものであって、国の内部の問題じゃなかったと思います。それがその後に、きょうもお話ありましたけれども、財務関係の責任者は自分で株を動かしたりするなという形の自分の行為を禁止するようなものになったのかなと。それが次に公開制という形で行われ、そして最近特に、この場合、今までアメリカの原則である自由というようなものについても公人であるがゆえに禁止されるというような流れなのかなというふうに私なりにきょうは整理させていただいたわけでございます。  一九八九年の大統領令でございますか、この辺が中心だというようなことかと、これは間違っておりましたらどうぞこれに関係なくお答えいただければ結構でございますけれども。先ほどの田島先生への質問とも同じなんでございますが、最近特にこの問題に対する対応が厳しくなってきたということの背景について簡単にお話ししていただきたい。  また、一緒に、時間があれですので。関連することでございますが、アメリカの場合は、先ほどから天下りの問題もありますけれども、大統領がかわれば全部交代になりますよね。それから官僚自体もといいますか、一般の人間自体も日本のように大学を出たらそのまま一生ある企業に勤め上げていくのが優秀な職業人であるという感覚は全くございませんよね。こういう流れの中で利益誘導を禁止するということは一体どういう意味があるのか、私はどうもはっきりしないのでございます。その辺について御説明いただけますでしょうか。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 今、山本先生から貴重な御指摘をいただいたわけですが、一九八九年に大きな動きがうねりとなってあったというわけなんですけれども、まずその内容について若干つまびらかにさせていただきますと、ブッシュ大統領がいわゆるエグゼクティブオーダーとしていろいろ倫理の確立をする必要があるということで出しました。  それでその場合に、大統領の委員会報告書、委員会が報告書を出しまして、二十七項目から成るんですが、ブッシュ大統領は、公職の信頼に足る公務員の清潔性の確保、これが第一点。第二点が公平で合目的的で常識的な基準ということ。第三点が政府三部門への平等適用。つまり、従来、御案内の一九七八年の政府倫理法は立法部、行政部、司法部とそれぞれ別個にいろいろの規則なり規定なりを持っていたわけですが、それを包括的にわかりやすく平等適用、イコールプロテクションという意味において行う、イコールオポチュニティーという意味で行うべきであるということと。第四が、先ほどから申し上げておりますように、有能者を公職から遠ざけるような不当に制限的規律であってはならない。これを特に強調しております。そして、実は二十七項目を委員会が提示したということでございます。この二十七項目は、今、先生は十二分しかないとおっしゃっていたので、つまびらかにするのはちょっと避けておきますが。  次に、日米の官僚の違い。アメリカは大統領がかわったら大きくかわるではなかろうか。ということは、四年に一度かわっていく。下院議員が二年の任期で、上院議員が六年で二年ごとに三分の一改選していくということになると、四年に一度は大きな動きがなされるということで、これは日本の終身雇用制といかがなものかということの今御指摘だったと思います。  そこで、山本先生の御指摘をよく考えてみますと、なるほど日本は終身雇用制だから、そんなにかわらないんだから、利益抵触なんかは余り起こらないんではなかろうかという一部の議論もあろうかと。先生の御趣旨はそうではないと思いますけれども、例えばそのように考えるならば、終身雇用であるから利益抵触がなされないというのは、むしろそうではなく、いろいろ積み重ねて、先ほど申し上げたような、これはごく一部の官僚の方、国家公務員のもう本当に一握りの方、例えば大蔵省でいう八万人のうちのほんのごく一部の方の不祥事によって国民の七一%が信頼しないということで、先ほど私、田村先生の御質問にお答えしたのも、ほんのごくわずかの官僚の不祥事を国民がそういうふうに見てしまうということで申し上げたんであって、おしなべて言うわけじゃないんですが。  そうすると、倫理、公務の公平公正、自分のやったことが正しいということのあかしを立てることに国の違いはないし、これについては、公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないという憲法十五条の精神はいかなる国においても変わらないと思います。憲法四十一条による国会議員の先生方が国民の代表であると同時に、やはり公務員も国民の選ばれた人である。したがって、それは国によって変わるということはないであろうということで、ただ、それをアメリカは非常に詳しく規定しているということ。  もう一つは、日本はむしろ先ほど言ったような、二十八歳で税務署長になってしまうということになると、自分はもしかするとやっぱりお母さんの言っていたとおり違う人になれるんだよ、偉い人になれるんだよ、やっぱりお母さんの言うとおりだったね、俺は偉いんだなという、二十八歳で何か違うような感覚を抱かせてしまうような、権限としてそこにあらわれるとするならば、その権限を付与しているシステムが問題である、こういう意味で申し上げているわけでございます。

山本保公明

○山本保君 ありがとうございます。  じゃ、もう一問だけ。ジョアンさんに一つだけ、時間がもうないので簡単に。  きょう、この向こうの研修のクエスチョンとアンサー、これを見ましておもしろかったというか、私は教育学も勉強しまして、これを見ましてすぐ思い出しましたのは、コールバーグというアメリカの道徳教育の方が、もうアメリカでは普通だと思いますが、小学校の辺からこういう形でいろいろコンフリクトについてさまざまな回答を考え、その中で討論をしていくという方法は、アメリカの道徳教育では普通だと思うんですね。しかし日本の、多分ここにおられる先生方もそういう道徳教育をまず受けたことがないんですよ。それでこれを見まして、公務員がこれをやる、ああなるほどと私は思ったんですけれども、ジョアンさん、もう時間がないので感想でいいんですが、というか一つ提案ですが、日本の道徳教育というものをどう考えておられるのか。その流れの中で公務員の倫理というものを考えられたらおもしろいんじゃないかなと思うんですが、何か御感想をいただけますか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 済みません、日本の道徳教育は余り詳しく、あるというのはわかっていますけれども。済みません、それは私が悪いのでもうちょっと勉強したらいいと思っていますけれども。

山本保公明

○山本保君 ぜひ勉強していただいて、私どもとまた比較してくださればと思います。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) でも、こういうディスカッションでいろいろ考えるのはもちろんアメリカの国民の特徴の一つと思いますので、ディスカッションでいろいろできるのはとてもいいと思います。

山本保公明

○山本保君 どうもありがとうございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 私は石田先生にお伺いをいたしたいと思います。  先ほどのお話の中で御説明をいただいておりますが、レジュメの一ページに出ておりますように「資産の開示・公開と利益抵触防止の具体的手続」、この手続のところに触れられておりますが、(1)、(2)、(3)、(4)と四つ出ておりますね。その(1)の政府倫理局、(2)の各省庁の倫理担当官、(3)の大統領法律顧問、これと(4)の上院承認委員会との関係はどういうように運営されているんでしょうか。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 審査機関としてのOGE、あるいはいわゆるDAEOと言われておる各省庁の倫理担当官については既に御説明させていただきました。大統領法律顧問、これは正式には実は、オフィス・オブ・ザ・カウンセル・ツー・ザ・プレジデントと、まさにカウンセルでございまして、OGEやDAEOと協力しまして、DAEOというのは各省庁のすべてのDAEOと協力しまして、大統領による任命者が利益抵触法に反しないようにする責任を持っておる、こういうのが大統領法律顧問でございます。特に、大統領任命職に対しての責任を有するということでございます。  次に、上院の承認委員会というのは、いわばこれがまさにこの参議院の行政監視委員会とその趣旨を軌を一にすると思いますが、この上院では、それぞれの管轄の委員会がその定める手続に従ってコンフリクト・オブ・インタレスト、利益抵触の可能性を審査いたします。実はその手続が文書にされている委員会とされていない委員会があるわけなんですが、通常は質問書が、大統領によって任命されるべき人、被任命者に送られまして、回答が要求をされる。それからヒアリングを行って、最終的には投票というような形でのいわゆる上院の承認委員会ということでございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 そういたしまするというと、それぞれのところから報告ないしはいろいろと承認を求める申し立てといいますか、そういったものが出てきて初めて上院承認委員会が具体的に取り上げて審査をする、審査の内容、最終決着は投票によってやる、こういうように理解してよろしいんですか。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) そのような御理解でよろしいかと思います。  具体的に私は実際的なことは承知しておりませんが、そのように法文上は理解する、このようなことだと思います。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 私どもの参議院における行政監視委員会がこれから活動をしていくわけでありますが、各省にわたっていろいろとそれぞれ不十分な点については十分なものにしていかなきゃなりませんが、いずれにしても一応監察ないしは監査制度というものがあるわけですね。それは現業、非現業によって違いますけれども、あることは間違いないんですよ。そこからまた報告が出てくる、申し立てがある、こういうものが直接私どもの委員会に報告される。  例えば各省庁の倫理担当官というのがおりますね、アメリカの場合には。この各省庁における倫理担当官がそれぞれの省庁にわたる問題の整理を行って、そこを経て上院承認委員会に求められるんだろうと思いますけれども、ということになってくるというと、我が国におきましても、我々この参議院における委員会は、一つのチェック機関というか媒体というか、そういったものを各省の間につくって、それとの関連の中で整理をしていくという必要が出てくるのではないかな、こういうように思うんですが、この点はいかがですか。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 今の赤桐先生の御質問は、今ジョアンさんがいらっしゃいますが、いわゆるマッカーサー草案が一九四六年の二月に出されて、三月六日に憲法改正草案要綱となり、六月二十日に第九十帝国議会において我が国の憲法というものが議論されました。そして、あっという間に十一月三日に日本国憲法制定、そして翌年の一九四七年の五月三日に施行と、こういうような形で我が国の憲法はつくられました。  マッカーサー草案は、一院制で、三百人より少なからず、五百人を超えざる単一の院をもって構成するということでございました。これは日本のたっての願いで二院制にいたしました。そうなると、民意の衆議院といわば良識の府、安全保障院としての、衆議院の行き過ぎとかあるいはまた国民の監視とか良識、そういうものをあらわすのが参議院である、これが二院制の本来のあり方であったはずです。それが緑風会とかいろいろで具現されました。しかしながら、現在の我が国の二院制というものを考えるならば、憲法四十二条で言うところの二院制というものにどうしても弊害が出ておるというのが昨今言われております。  その意味では、今、赤桐先生がおっしゃったように、この参議院において、まさに日本の良識というものを、国会は国権の最高機関であり、代表機関である国会議員の良識というものをここに示すのがこの行政監視委員会ではなかろうか、かように存ずる次第でございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 あと二、三分のようでありますから簡単にお尋ねいたしますが、戦後の制度の中でいろいろできておりますが、いろいろと公務員に対する監督機関といいますか、補助機関といいますか、そうした立場に立った人事院というものができ上がっておるんですね。これは準司法権、準立法権を持った機関としてすばらしい魅力を持ってスタートを切ったと思うのであります。その後大分変質しておりますが、それが公務員全体に対する共通した問題についてのいろいろの裁きをしておるわけであります。  先生のレジュメの最後のまとめの中では、第三者機関としてのチェック機関の設置が必要であろう、こういうように述べておられますが、これは「仮称・公務員倫理審査会」と、こういうふうに出ておりますけれども、人事院のようなものがきちっとできていて、これが相当大きな役割を果たすということであったと思うんですよ、本来は。これが役割を果たすことができなくなってきているということで、各省間にわたったそういった問題についての取りまとめができない。要するに、立法府と行政府の間のきちっとした整理がつかなくなってきている、こういうようになると思うんですね。  ですから、私はこの公務員倫理審査会というものがどういう性格のものであるかわかりませんが、いずれにしても各省間にわたってそういったものを取り扱う、まとめる一つのチェック機関になるだろうと思うんですが、それでよろしいんですか。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 今、赤桐先生の第三者機関の設置という意味で、人事院がいわば変質してきたという意味において、第三者機関である、いわば仮称で申し上げますと公務員倫理審査会ということでございますが、これはやはりあくまでも、行政内部というのではなく、第三者機関として置くということが極めて肝要であろうかと、このように思います。  その意味で、日本は何かちょっと問題があったら、今まではおできにちょっとばんそうこうを張ってきた。何とかそれで済まそうかというようなところがなかったわけではない。それが、大変失礼な申し上げ方かもしれませんが、いわゆるバンドエイド日本とか言われてしまう。今まさにそういうことではもう済まされなくなって、できなかったんだということが白日にさらされたわけでございますから、そうなると、そこで第三者機関というものを注入することによって、そのバンドエイド日本からの脱却と申しましょうか、こういうことが極めて肝要ではなかろうか。いわば行政改革のための地方分権推進委員会というものも、これは国会の決議でなされました。それと同じように、やはりこのような動きが、杉作、日本の夜明けだよというのが、まさにこの平成の夜明けとして今最も語られるべきではなかろうかと、こう思っております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 ありがとうございました。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 橋本でございます。  最初に、田島先生にお話を伺った点からお聞きをしたいと思います。  一九一六年の腐敗防止法で、刑罰の引き上げと同時に挙証責任の転換ですね、腐敗の推定原則、これが入れられた。私ども法律家にとっては、大変興味のある思い切った改正だな、こう思うんですが、こういったことが行われた背景にはどういう事情があったのか、おわかりでしたらまずこの点を教えていただきたいと思います。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 具体的な歴史的な細かい事情というのはちょっと私、今用意がなくてわからないんですけれども、これは私の推測ですけれども、恐らく一つは腐敗を証明する、要するにただお金をもらったとか便宜供与されたという事実ではなくて、これを不正にもらったかどうかというところが問題になるわけですね。腐敗的にというんでしょうか、これを証明するというのは実は簡単なようでなかなか難しいということが、これはイギリスだけではなくてほかの国々でもそうだと思うんですけれども、そこが厳密に法的に立証されないと、かなり疑わしくても処罰ができないという事態は、やはり政治腐敗という特有な問題を考えたときに妥当ではないだろう。  だから、一般の罪刑法定主義なり厳格な刑事規制についてのルールのある種の例外として、政治腐敗という極めて重大な市民社会が克服しなければならない問題については、そういう特別な体制を組んでシステムを組み立てることによって所期の目的、不正の根絶なり公正な公務の保障なりが確保できるという、恐らくそういうことを考えてかなり思い切った改正を施したのではないかなというふうに推察しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 確かに、おっしゃられるように思い切った一つの踏み込んだ体制だと思います。  それから、先生のお話を伺いましていろいろと勉強もしたんですが、いわゆる公務員のコードがいろいろあると。これの実施状況について各省庁で内部点検、監査、そういったことが具体的にどう行われているのか。あるいは、省庁全体をトータルにして公務員の規律、倫理規程の内部監査を行うという、そうしたシステムなりあるいは組織なりをつくるという、そういう方向についてはイギリスでは余り議論されていないんでしょうか。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 恐らく公務員関係の監督官庁ございますので、シビルサービスの状況についての報告なり把握なりはそれなりにしておると思うんです、私、ちょっと具体的にそれを承知していないんですが。  ただ、一つの問題は、私はイギリスの状況を見ていて、特にアメリカの制度との関係ということを考えてなんですけれども、基本的にはすべて内部的なチェックのシステムなんですね。例外的に第三者的な要素が、例えば先ほど御紹介しました再就職について外部の人を入れてというのをやっていますけれども、ただ制度の枠組み全体は自律的なシステムということになるんですね。これは国会議員の利害登録のシステムもそうですし、それから大臣の行為規範の実施と運用もそうですし、それから国家公務員の場合もそうなんですね。一部例外的に地方の議員と吏員については法律上の規制、法律上の規制ということは要するに立法府が規制を加えるということなんだと思うんですけれども。  だから、その点で本来は、倫理ということを考えますと、倫理を他律的にというのは筋が違うのであって、倫理は内部的に、自律的にというのが筋なんでしょうけれども、それではしかし公正さなりあるいはきちんとした規制の目的がどれだけ達成できるかということ自体がかなり問われてきている状況にはあるだろうと思うんです。  そこで、一つの課題としては実効性をどう確保するかとか、あるいは厳格な運用をどう保障するかとか、本当にそのとおりなのかということを考えていくと、内部的な自律だけで十分かどうかということはやはり問題になる状況になってきているのかなというふうに思います。だから、そのときには、一つは立法府が法律によってというやり方も考えられるでしょうし、あるいは中間的な形としては、法律による形ではないけれども第三者が倫理の実施をある程度チェックできるような仕組みを考えられないかどうか。  これは例えば、全然関係ないんですが、放送界で昨年、私もその委員をやっているので一言言っているんですが、放送と人権等権利に関する委員会というのをつくったんです。これは民放連それからNHKが共同でつくったんですけれども、委員は全部外部の人間が入ってチェックをする。例えばそういう中間的な規律のありようというのも探求の課題としてはあるかなというふうな感想を持っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 続きまして、石田先生にお伺いしたいと思うんです。  アメリカでもかなりいろいろ歴史的な経験を経て公務員倫理の確立にはいろんなシステムをつくってきたわけですが、その点で二つの点からお聞きしたいと思うんです。  一つは、アメリカの内部監査制度として監察総監制度というのがあると。この点はきょう先生のお話で余り出てこなかった部分なんですが、資料をいただいてもございますし、先生も御検討いただいております。この監察総監制度が具体的に公務員の倫理、汚職腐敗防止にどのように機能しているかということが一つ。  それからもう一つは、内部告発者保護法がアメリカにあるということで、公務員の内部からの不正行為の告発それ自体が保護されるというのが一つの大事なことなんですけれども、この内部告発者保護法がどれくらい機能しているのかという問題が、もし実例あるいは件数その他具体的な状況としておわかりであれば教えていただきたいと思います。  以上の二点でございます。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 先ほどの内部監察としての監察総監、いわゆるインスペクタージェネラルというのがいわば監察についての総元締めで、まさにインスペクタージェネラルとして、ここにジョアンさんがいらっしゃるから現実にそれはお詳しいと思いますが、監察総監というものがインスペクトする最終的なものとしてあるということで、これを日本の場合は、行政監視委員会の中にどのようにそれを位置づけてこれから考えていこうかということが議員の先生方の一番の関心だと思います。その辺をアメリカの制度というものを詳しく現実態というものをお調べいただいて、それを参考にされるとよろしいかと思います。  それから、いま一つの御質問、内部告発ですね。内部告発をした場合にはそれを認めるというか、それを不利益にならないようにするということで、ともすると内部告発という言葉は我が国の伝統といいましょうか、日本の古来の考え方からすると、何か余りいい印象を与えないようなことだと思います。しかしながら、アメリカはまさしく政府がやっていることが正しいということがまず国是としてスタートレーゾンとしてありますから、それに対して向かっていく発言とか行動、アクションに対しては政府が、ガバメントが守っていこう。これが内部告発をいわば奨励するような形で行う。それはまさにFOIAとして、情報の自由法と一体となって行っておるということだと思います。  そういう意味で、内部告発をするというのは俗に言うところのチクりといいましょうか、これは日本的な発想にはややもするとなじまないのかもしれませんけれども、今回の大蔵不祥事、日銀不祥事あるいは厚生省のいろいろな問題、特に大蔵の問題、日銀の問題では、もしかすると内部からの告発がなかったら、これまでのいわば接待という極めて細い線で東京地検の特捜部は立件していったわけでございまして、そういう細い線をいわゆる贈収賄とかというので結びつけていくことは、ある意味では内部からの告発というものがなければなかなか立件するのが難しかったんではなかろうか。  こう察すると、今、橋本先生が御質問されたような内部告発を奨励するといいましょうか、それは単なる人のプライバシーを暴くというのではなく、政府が正しいという方向に向かって行くための内部告発だったならば、これはむしろいわゆる日本の開国のときと同じように考える必要がある。新しい第二の改革、あるいは第三の改革ではなかろうか、このように思う次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ありがとうございました。  リビングストンさん、済みません、時間がなくなりましたので失礼いたします。

都築譲自由党

○都築譲君 参考人の先生方、きょうはありがとうございました。途中で中座をいたしまして大変失礼いたしました。自由党の都築譲といいます。  接待の話を初め、倫理の問題が大変にぎやかになっておりますが、公務員の経験がありますので、はっきり申し上げてそういう接待というのは昔からあったし、昔はもっと派手だったということを実際にはもう御存じだろうと思います。ただ、こういったことがなぜ問題になってくるのかということがわからないままやり続けているということは、今の公務員の皆さんが時代の変化に追いつけなくなってきているのではないかということを私自身は感じております。  それで、やはり公務員を経験された堺屋太一さんが、倫理の腐敗と退廃というふうなことをよく言っておられまして、その観点から腐敗、退廃の形態というものを考えると、私は大体四つぐらいあるのかなと。  一つは、命令不服従とか怠慢とか、これは度外視できる問題だろうと。二つ目が、不品行による信用失墜、公務全体の信頼を損なうようなそういった行為で、暴力とか窃盗とか麻薬とかそういう破廉恥罪のようなもので信用失墜を起こす。それから、少しこれが今回のテーマに絡んでくると思いますけれども、行政運営上の各種規制を持っているということでのえこひいきとか公務の歪曲といったパターンも相当あるのではないか。それからもう一つが、今度は予算を官庁が持っておるわけでして、官公需の発注についての口ききとかあるいはまたえこひいきというふうな形態。道路、橋からコンピューター、果ては鉛筆、ノートの納入業者まで実はいるわけでありまして、そういったところでも、熱心に贈答品を持ってくるとか、飲ましてくれるとか、食事に接待してくれるところをやはり優先しようなんという話になるんではないかなと、こんなふうに思う。  その背景は、どうもやはり官庁自身が今利権の共同体になってしまっているんではないか。その利権の共同体の構成要素は、一つは膨大な権限を持っている、しかも裁量権が非常に広くて胸先三寸でいろんなことをやり得る。それから二つ目は、やはりまた膨大な予算。民需がこれだけ低迷している中で、今ほど官公需がおいしいビジネスであるということはないだろう、こんなふうに思います。  そして、公務員制度として、何といっても一家意識、終身雇用のもとで忠誠を官庁に対して尽くすことで、六十歳までの定年ではなくて将来七十歳になるまでどこか天下り等で面倒を見てもらえる、そういうものがもう利権の共同体として成立をしてしまっているのではないか、こんなふうに思うわけでございます。日本の公務員制度のよいところ、これはしっかり残さなきやいかぬけれども、悪いところを本当にどう直していくのか。そのためには、政治改革と行政改革がやはり一番根本になるんだろうな、こんなふうに思いながら実は聞いておりました。  それで、具体的に幾つかちょっとお伺いをしたいんですが、まず第一点は、田島先生と石田先生にお伺いしたいんですが、利益衝突という言葉がいろいろ出ておりました。ただ、例えば田島先生が言われた利害登録制度が一九七〇年代イギリスでスタートしたということですが、これこそ本当の意味での利益衝突であって、あるものからさらに利益をふやすというんじゃなくて、今の日本の問題は、ないところにわいろをもらうとか過剰な接待を受ける、こういう話でありまして、アメリカとかイギリスではそういったものはもう存在しない、だからこんな精緻な利害登録制度のようなところまでいっているのかということを端的にお教えいただきたいと思うんです。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 理想的な状況があれば、でも逆に言うと制度を整備するどういう必要があるのかということだと思うんですね。だから、比較の問題ではありますけれども、いろいろ不都合や、イギリスでも不祥事というのは先ほどちょっと紹介しましたけれども起こっておるわけでして、だからそのためには制度をもうちょっと工夫をして、その種の支障がないようにしようと。ただ、国会議員の場合は利害を持つこと自体は禁止しておりませんで、持っていることを公表する、登録する、それで衆人の監視のもとに置く。もしそこで何か問題があれば、それは国民がチェックできるじゃないかと。もちろん院の中に特別委員会があってその運用を精査しておりますけれども。だからその意味では、理想的に問題が解決されているからというよりも、やはり問題があり得るから制度を工夫してやっていこうという、そういうことではないかなと思います。

都築譲自由党

○都築譲君 それでは次に、リビングストン参考人にお伺いしたいんですが、先ほど監察官制度、インスペクタージェネラルズオフィスのお話が出ていたと思います。  日本の官庁で倫理規程を制定して、この間は通産省、厚生省の倫理規程の説明をいただきましたが、服務管理官というものが設置され、そしてさらにその上に総括服務管理官といったものが置かれるようになりましたから、このことは監察官制度に似たようなものだと思います。ただ、日本の場合は、各省の各局の課長あるいはまた官房長というラインの人たちが任命されて兼任をしておる、こういうことでありまして、アメリカの監察官の実態はどういう方たちがどういう形で任命をされていくのか、その独立性がどう保たれているのか、そこのところを教えていただけますか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) というのは、公務員としてどういうふうに監察官が……

都築譲自由党

○都築譲君 監察官が任命されるか、採用されるか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 直接そのオフィスに行っていろいろできます。ラインはないです。それはとてもいいことと思います。だから、具体的な何でも質問があれば、インスペクタージェネラルズオフィスに行ってそこに雇っている弁護士さんと直接話をできる制度です。

都築譲自由党

○都築譲君 要は、例えば国務省とか、あるいはまた教育省とか労働省とかいろいろありますが、そこで勤務をしていた人が少し職責が上がったから監察官になる、採用されるということではないわけですね。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) どういうふうにインスペクタージェネラルになるという質問ですか。

都築譲自由党

○都築譲君 はい。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 多分、時々その省庁の者が昇進してインスペクタージェネラルになることもあるし、それか、ほかの省庁からもそのポジションがあいているということでちゃんとアプリケーションして、もちろんその仕事ができるならばインスペクタージェネラルになれます。

都築譲自由党

○都築譲君 ありがとうございました。  それで、先ほどからまた天下りの問題も出ております。確かに公務員経験を民間企業で活用するというのも大変有用な発想だと思いますが、日本の天下りの問題は、結局、利権共同体の権益を維持するために官公庁の契約の発注を特定の業界あるいは特定の業者に、そしてその引きかえに退職する人たちを何年間雇ってくれと、こういうふうな形になっておるわけでして、欧米というかアメリカとイギリスでは、そういうふうに官庁の秘書課長とか官房長、人事担当者がそういう就職あっせんをするのかしないのか、その点についてそれぞれ教えていただきたいと思います。田島先生と石田先生にお願いします。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 私はアメリカを担当しておりますので、アメリカが利権誘導といいましょうか、今、都築先生がおっしゃった言葉を使用させていただくならば、利権の共同体をめぐって群がるかどうかということだと思います。  これについて私は、いろいろアメリカにも何回も行っておりますが、利権の共同体として群がっている姿を残念ながら見る機会がなくして今日に及んでおりまして、その実態についてはちょっとわからないんですけれども。先ほど田島先生に対して都築先生が御質問したことについて若干関連して申し上げますと、いわゆる利権の共同体ということであるならば、もしそうならばまさにそれが規制緩和ということで、それは特殊法人の廃止あるいは地方分権と相まって最終的なファイナルゴールは何かといったらば、まさに情報公開でそういうことはないんだということを国民につまびらかにしていくということが開かれた行政、信頼回復のための要請ではなかろうかと、かように存じます。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) これはまさに実証的な研究をしなくちゃいけないんでしょうが、一番実証的な研究がしにくい領域ですので、私もその種の本に出会ったことないんですが、恐らくイギリスで指摘されているのは、省庁丸ごとあるいは省益の永久的な確保というよりも、やっぱり個人的なレベルでの指摘が多いですね。だから、その辺で日本的な省庁を背景にした利権の確保というのとは、そういう集団主義的というんでしょうか、日本的なそれとはやや違うかな、やっぱりある種の個人的なレベルあるいは個人主義的なあらわれ方をしているという方が強いのかなという、印象だけなんですけれども持っております。

都築譲自由党

○都築譲君 終わります。ありがとうございました。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 改革クラブの菅川健二です。  ただいま三人の先生方、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。  今までの質問に若干重複する点もあるわけでございますけれども、私も長年役人をやっておりまして、日本の役人というのは他の諸国に比べれば比較的に清潔ではないかと思っておったわけでございます。若干の不心得者はどこの社会でもおるわけでございまして、そういった状況から最近いろいろ不祥事がふえてきたということについては、社会的にやはり一般的な緩みが出てきて、みんなで渡れば怖くないといいますか、その中にも一般的な接待から過剰な接待に落ち込むというような状況が出てきたんではないかと思っておるわけです。これまではそういった自律的なチェックでいけたわけですが、これからけじめをつけるためには法制化せざるを得ないということはまことに残念でございますけれども、そういった方向に移るのもやむを得ないと思うわけでございます。  ただ、一昨年の例の彩福祉グループの事件以来、各省庁で倫理規程を設けて、先ほど都築先生から言われましたように服務管理官を設けたと。服務管理官が、さらに今度は総務庁の方でその結果の状況について報告を受けるという幾つかのチェックの機構を設けたわけですけれども、結局同質の人間がやっておるから、手続的にはある程度瑕疵がなくそういったものがチェックされても、実態はほとんどチェックされていないという状態があったんではないかと思うわけでございます。  そこで、先ほど話がございましたけれども、石田先生にちょっとお聞きしたいんですが、アメリカの政府の倫理局それから各省の倫理担当官、こういったのは、一般的な任用なりキャリアなり資格なり、そういったものがほかの各省庁の役人とは違ったようなそういった形態になっておるんでしょうか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

石田榮仁郎近畿大学法学部教授

○参考人(石田榮仁郎君) 実際のあれはよく存じ上げておりませんが、私の読んだのでは、人格が高潔で第三者としてふさわしい人ということでなっておりまして、ある意見に偏向するとかそういうのではなく、人格高潔というような形で任命されているということを書いてあったのを読んでおります。  しかし、実際にじゃどういう人が選ばれて、こんな人が選ばれたということは、もし御存じだったらリビングストンさんに、こういう方が実は選ばれているんですよというのがわかったら、むしろ僕はちょっと教えていただければありがたいなと思っております。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) さっきの質問とちょっと似ているので、アメリカの制度は、別にラインとか、課長になってからほかの仕事ができるとか、そういうのはないので、だれでもそのポジションがあいているということをわかっている場合は、ちゃんとアプリケーションを出してコンペティションで、競争でいろいろ履歴とかを見て、もちろんこういうインスペクタージェネラルだから、法律の専門家とか弁護士とか、法律をわかっている方が多分選ばれると思います。でも、例えばそういうポジションがあいていれば私もアプリケーションを出せますよ、多分じゃなくて絶対にだめになると思いますけれども、そういう仕事は全然やっていないけれども。非常にそういうオープンなシステムです。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 アメリカは、例えば地方の教育長なんかも一般に公募しまして、そういう資格要件を設けてその中で適任者を選んでいくという、恐らくそういうオープンな形で公開してよりいい適格者を選定していくということなんでしょうね。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) 済みません。ちょっと日本語が難しくなったので、先生もう一度。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 いわゆる服務官について、一般的にそういった適任者について公募する、公に募集していく、その中で適任者を選定していくということですね。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) はい、そうです。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 それから、これも先ほど話がございましたけれども、田島先生にお聞きしたいんですが、イギリスの場合は依然として自律的な内部においてチェックしていくということのようですが、そうした場合は、違反した場合には行政処分という形での服務違反ということであって、刑事罰的なものは一切がからないというふうに見ていいわけですか。

田島泰彦神奈川大学短期大学部教授

○参考人(田島泰彦君) 収賄罪規定以外の倫理的な行為については、刑罰ではなくて懲戒という処分ですね。それで基本的には対処をするということです。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 リビングストンさんは教育行政をやっておられるようで、私も実は八年間ぐらい教育行政をやっておったんですが、日本の教育現場、それは地域によって違いますけれども、かなり学校現場あたりでは先生と父兄との間で例えば贈り物のやりとりとかいろいろあるわけですね。そういった面でアメリカの場合は、そういうことはあるかどうかよくわかりませんけれども、一般の公務員とそれから教育者、いわゆる先生ですね、そうした者との規律、服務関係について全く同じような基準になっておるのか、それともやはりより高い倫理性といいますか規律が求められておるのか、その辺いかがでございますか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) その倫理関係では、多分教師はちょっと違いますね。国立学校に勤めても、その制度は違うと思います。そんなに厳しくないと思います。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 一般の公務員よりもやや緩やかだということですか。

ジョアン・リビングストンマンスフィールド研修員

○参考人(ジョアン・リビングストン君) はい、そうです。

菅川健二改革クラブ

○菅川健二君 以上です。

竹山裕自由民主党

○委員長(竹山裕君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、また質疑に対して御懇切にお答えをいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。  本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会

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