行財政機構及び行政監察に関する調査会 第1号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/02/25
会議録
○会長(井上孝君) ただいまから行財政機構及び行政監察に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一月十二日、菅野壽君、菅川健二君、山崎力君、山口哲夫君、今井澄君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として堂本暁子君、小川勝也君、萱野茂君、藁科滿治君、釘宮磐君及び大森礼子君が選任されました。 また、去る一月十三日、阿曽田清君及び都築譲君が委員を辞任され、その補欠として木暮山人君及び高橋令則君が選任されました。 また、昨日、藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。 ―――――――――――――
○会長(井上孝君) 理事の選任及び補欠選任についてお諮りいたします。 新会派の結成等により今期国会における本調査会の理事の数が二名ふえております。 つきましては、その理事の選任及び委員の異動に伴う理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(井上孝君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に佐々木満君、釘宮磐君、大森礼子君、渡辺四郎君及び木暮山人君を指名いたします。 ―――――――――――――
○会長(井上孝君) 行財政機構及び行政監察に関する調査を議題といたします。 本調査会は、第百三十三回国会において設置されて以来、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」をテーマとして、現行の行政監察制度の問題点、オンブズマン類似・関連制度、地方自治体のオンブズマン制度及び監査制度、国政調査権・請願制度等について広範な議論を進めてまいりました。 また、本調査会の活動が参議院改革とのつながりを生じてきたことから、早い時期に結論を出すことを検討した結果、昨年の六月、本院にオンブズマン的機能を備えた行政監視のための第二種常任委員会を設置し、参議院に期待される行政監視機能を向上させ、積極的に国政調査権を活用するため、その立法化について大方の委員の了承を得て議長に要請するとの調査報告を行いました。その結果、今期国会から、第二種常任委員会として行政監視委員会が本院に設置され、今後の同委員会の積極的な調査活動が期待されることとなりました。 さらに、今後の本調査会の調査について理事会等で協議を行った結果、三年間の調査テーマ「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、三年目の調査課題は政策等の評価制度とし、政府側及び参考人から説明、意見を聴取し、質疑を行い、さらに委員間の自由討議を行って調査を進めることとなりましたので、よろしくお願い申し上げます。 本日は、政府側から政策等の評価制度について説明を聴取した後、質疑を行いたいと存じます。 それでは、政府側から政策等の評価制度について説明を聴取いたします。総務庁土屋行政監察局長。
○政府委員(土屋勲君) 行政監察局長の土屋でございます。会長を初め理事、委員の先生方には日ごろから私ども行政監察局の業務につきまして深い御理解を賜り、まことにありがとうございます。この場をおかりして改めて御礼を申し上げます。 さて、本日は行政評価というテーマでございますが、私どもの行政監察について、評価という視点からお手元の資料に即して御説明をさせていただきたいと存じます。 まず、行政監察制度の概要について簡単に御説明申し上げます。 資料の一ページにありますように、総務庁の行政監察は、政府部内の自己改善機能として、行政の制度、運営等の実態を調査分析し、その結果に基づき改善方策を関係行政機関に勧告するものであります。国会や会計検査院が外部から行政を監視されるのに対しまして、私ども行政監察局は、行政みずからがまず自己反省、自己改善を行うことが必要であるという観点から仕事をしているわけでございます。そのため、行政監察は政府部内にありますが、各省庁からは独立した立場、第三者的な立場にございます。それから、行政の実態を調査分析するというアプローチをとっているわけでございます。いわゆる実証主義ということでありまして、行政の現場における実態をベースに具体的な事実、問題点を積み重ねて各省庁に改善方策を勧告いたしております。 行政監察は、その実施形態からは中央計画監察と地方監察に大別されますが、中央計画監察は、本庁が監察テーマ、調査時期、調査対象、調査方法などを決めまして、出先機関である管区行政監察局あるいは行政監察事務所を動員して実地調査を実施するものでございます。 機能といたしましては、総務庁長官から関係省庁の大臣に改善方策を勧告いたしまして、これに基づく措置の報告を求めるということによりまして行政の制度、運営等の改善を推進するということでございます。 ここで対象となります業務は、各省庁の業務、特殊法人の業務、それから地方公共団体等が国から委任、補助を受けて行う業務、いわゆる機関委任事務、それから補助金の関係であります。 対象となる事項は、行政の制度、施策、組織、運営と行政全般にわたっておりまして、重要行政課題の解決の促進、行政改革の推進という観点から仕事を実施しているところでございます。 次に、「行政監察プログラム」とありますが、これは行政監察を重点的かつ計画的に実施するため、平成八年十二月に閣議決定をされました行政改革プログラムというものに基づきまして、現在、現業、特殊法人等の事業の見直し、経営合理化並びに歳出削減、経費の効率的使用というところに重点を置きまして、向こう三年間に実施する予定の監察テーマを定めたものでございます。平成九年度から十一年度までの三年間を対象とする現行のプログラムを昨年度末策定いたしまして、公表もいたしております。 この行政監察プログラムにつきましては、行政を取り巻く情勢の変化を踏まえまして、毎年度新たな三年間について策定するローリング方式により見直しを行うこととしております。また、政府の重点施策に係る緊急の諸課題にも機動的に対応をすることといたしておりまして、次のページに現在の行政監察プログラムを入れてございます。 それでは、本題に入りまして、行政監察をいかなる視点から、いかなる調査分析、評価手法を用いて実施しているかということについて御説明を申し上げます。 資料の三ページの「行政監察の実施手順」というものをごらんいただきたいと思いますが、行政監察テーマの選定から監察実施計画の策定、調査の実施、取りまとめ、改善方策の検討、勧告、勧告に基づき各省庁が講じた措置についての報告徴収というところまで行政監察の一連の実施手順を示してございます。 少し具体的に御説明をいたしますと、まず、行政を取り巻く諸情勢、それに対する施策の動向、過去の監察の実施状況等を勘案してテーマを選定した後、当該テーマに関連する行政の制度、施策につきまして関係省庁からヒアリングを行ったり、事前調査として現地に出向いてテスト調査などを行いまして、調査の設計図に当たります監察実施計画を策定いたします。この監察実施計画は、事前準備の検討結果、あるいは監察の視点等を踏まえまして、当該行政の制度、施策、組織、運営の問題点、改善方策というものを取りまとめるために、何をどのように調査しどのような分析を行うかというものを記述するものであります。 監察の基本的な視点としましては、社会経済情勢の変化に対応して行政の役割の見直しが行われているか否かという変化への対応、行政の総合性が確保されているか否かという総合性の確保、行政の簡素化、効率化が図られているか否かという簡素化、効率化、行政に対する国民の信頼が確保されているか否かという信頼性の確保という四つの視点を主要視点として考えておりますが、さらには、調査対象となる事務事業の内容に応じまして、合目的性、合規性、経済性、効率性、有効性、公正性、透明性などの具体的な視点を取り込みながら監察実施計画を策定しているところでございます。 調査手法あるいは分析評価手法につきましては、例を掲げさせていただきましたので、後ほど実際の監察計画に即して御説明をさせていただきたいと思います。 次に、監察実施計画に基づいて調査を実施することになりますが、この調査は、本庁がみずから行うとともに、地方の管区行政監察局・事務所を動員して行っております。地方の調査結果は本庁に報告され、本庁においてこれを整理、分析評価を行い、当該行政の制度、施策、組織、運営についての具体的な問題点を実証的に把握した上で改善方策の検討を行い、相手省庁に勧告するということになるわけでございます。 勧告をした後には、その実効性を確保するため、勧告に基づき各省庁が講じました措置について報告を受けております。これは、単に報告を受けるということではなくて、改善措置が不十分な場合にはさらにその活動の中で改善を促すということを行っているわけでございます。 それでは、資料の四ページの、主な調査手法、分析評価手法の例をごらんいただきたいというふうに思います。 最近の行政監察による勧告の中から、代表的な調査手法または分析評価手法を用いた事例について御説明を申し上げます。 一つの監察の中では、さまざまな調査手法、分析評価手法の中から、問題の内容に応じまして適切な手法を組み合わせてデータを収集、分析し、問題点、改善すべき事項を実証的に把握していくことに努めているわけでございます。 まず一の、法令等の規定内容に従って事務事業が実施されているかを現地において確認し、遵守されていない場合、その原因を分析するとともに、制度、仕組みの改善をも含めた改善方策等を検討する手法を用いた事例、いわば現地における実地確認調査という手法を用いた事例でございます。 事例の一は、農業構造の改善対策に関する行政監察の例でございまして、国庫補助事業により整備された野菜集出荷施設の利用状況を現地で確認した結果、同施設が農機具や肥料の格納庫として目的外に利用されている事例が見られたものであります。 こうした事例に基づきまして、農林水産省に対しまして、施設の採択時における審査の慎重かつ厳正な実施、どうしても利活用の改善が見込めないものについての利用目的の変更、補助金の返還などを勧告いたしております、 次に、五ページの中ほどをごらんいただきたいと思います。 民間との制度の比較分析、外国の制度や仕組みとの比較分析、行政機関間の事務事業の比較分析、時系列による比較分析等を行いまして、その不均衡、優劣等を発見し、原因、改善方策等を検討する手法を用いた事例、いわゆる比較分析の手法を用いた事例でございます。 事例の五は、財務内容等に関する書類の作成、公開の制度について、特殊法人と民間を比較したものですが、特殊法人のディスクロージャーのあり方を検討するため、特殊法人と民間とのディスクロージャー制度について比較検討を行った結果、特殊法人のディスクロージャーの水準は、同等の資本金、規模等を有する民間の大規模な株式会社が行うディスクロージャーの水準に達していない、特殊法人の業務並びに資金は民間と異なり強い公共性を有しているということから、特殊法人を所管する各省庁に対しまして、特殊法人について、民間と同様にディスクロージャーを法定すること、民間の水準以上の内容のディスクロージャーをすることを勧告したものであります。 続きまして、六ページをごらんいただきたいと思います。 事例の八でございますが、我が国の民間金融機関における業務及び財産の状況に関する情報開示の状況につきまして、外国の制度、仕組みと比較したものであります。 金融に関する行政監察におきまして、民間金融機関における業務及び財産の状況に関します情報開示の実施状況を調査した結果、調査金融機関の約一八%が、業務及び財産に関する事項を記載した説明書類、いわゆるディスクロージャー誌を作成しておらず、作成していても開示事項、内容は不十分でありました。我が国と米国のディスクロージャー制度を比較したところ、米国では、ディスクロージャー誌について、作成、公表、最小限開示すべき事項等を連邦規則で明記しまして、虚偽記載に対する行政処分等も可能であるのに対しまして、我が国のディスクロージャー制度には、発行時期、記載内容及び虚偽記載に対する罰則の規定が設けられておりませんでした。 このため、大蔵省に対しまして、預金者等の理解が得られるレベル、国際的なレベルの経営の透明性が確保されるよう、ディスクロージャー制度の整備充実について勧告をいたしたところでございます。 また、七ページの事例の十一でございますが、郵便局の外務員の業務能率につきまして時系列で比較をしたものであります。 積立貯金の集金業務、定額貯金等の募集業務を行う外務員の定員は十年以上ほとんど変動のないものとなっておりましたが、郵便局の要員合理化を図る観点から、郵便局間の外務員一人当たりの取扱業務量を比較しますと約一・五倍の格差の生じている例が見られたほか、集金業務の指標である積立貯金の口座数を時系列で比較してみますと、平成六年度は昭和六十一年度に比しまして約三三%減少している。また、募集業務の指標である募集件数も減少傾向にありました。このため、郵政省に対しまして業務量に対応した要員配置の見直しを勧告いたしているところでございます。 次に、八ページをごらんいただきたいと思います。 基本計画等の目標と実績を比較しまして、その達成状況等から原因、改善方策等を検討する手法を用いた事例でございます。 事例の十二は、国有林野事業に関する行政監察におきまして、国有林野事業の経営の改善を図る観点から、現行の改善計画に基づく管理運営の状況を調査した結果、累積債務残高は三兆五千億に累増するとともに、事業の実施状況についても、例えば新たに開設された林道を利用した立木等林産物の収穫予定量と実績を比較してみますと、収穫予定量五百五十八立米に対しまして実績は二百九十立米にとどまるなど投資効果の乏しいものが見られましたことから、農林水産省に対し、林道整備については補修、修繕、森林保全の維持に係るものを除き、当分の間必要最小限のものに抑制するよう勧告をしたところでございます。 次に、四のコスト分析、ベネフィット分析、経営分析、財務分析等の結果を踏まえて改善方策等を検討する手法を用いた事例でございます。 事例の十四は、アルコール専売事業についてコスト分析、経営分析を行っているものであります。 新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOの発酵アルコール製造部門の合理化、七工場における製造経費の削減等を図る観点から、工場の稼働率、製造原価、配置職員数、製造工場の立地条件を踏まえた原料・製品輸送の効率性等の経営内容を詳細に分析した結果、七工場全体の稼働率は七七%にすぎず、大規模工場の製造余力で小規模工場の年間製造量を賄えること、一キロリットル当たりの製造原価が大規模な工場に比しまして小規模な工場は約二・七倍高いこと、工場は内陸部に所在をしているため輸入原料等や製品の輸送に経費がかかっていること、平成八年度から民間企業への製造委託を開始しているというふうな状況が見られたことから、通商産業省に対しまして、小規模で生産性の低い発酵アルコール製造工場の再編整理の推進を勧告したものでございます。 最後に、資料の九ページの中ほどにありますが、関係者の意見、要望やアンケート調査から行政ニーズの実態等を把握し、行政施策の改善方策等を検討する手法を用いた事例でございます。 事例の十六は、現在実施中の麻薬・覚せい剤等に関する調査におきまして、薬物乱用問題に関する認知度、防止対策等に関する意見、要望を把握するため、高校生、その保護者及び教員約五万六千人を対象にアンケート調査を実施し、とりあえずアンケート調査だけの結果は公表をいたしたところでございます。 事例の十七は、これも現在実施中の義務教育諸学校に関する行政監察におきまして、いじめ、登校拒否、校内暴力問題に関する実態、この問題に係る各種施策の評価及び意見、要望を把握するため、義務教育諸学校に在学する児童生徒、その保護者及び小中学校の教師約三万三千人を対象にアンケート調査を実施したものであります。 以上のようにさまざまな調査手法、分析評価手法を用いまして行政の実態と問題点を実証的かつ的確に把握をしまして、その結果に基づき改善方策を各省庁に勧告することによって、行政の制度、施策、組織、運営の全般にわたって改革改善を推進しているところでございます。 最後に、行政監察制度の今後の課題について申し上げますと、昨年十二月の行政改革会議長終報告の中で評価機能の充実強化が求められております。 資料の十ページ以下に最終報告の抜粋がございますが、その内容をかいつまんで御紹介いたしますと、 従来、わが国の行政においては、法律の制定や予算の獲得等に重点が置かれ、その効果やその後の社会経済情勢の変化に基づき政策を積極的に見直すといった評価機能は軽視されがちであった。 しかしながら、政策は実施段階で常にその効果が点検され、不断の見直しや改善が加えられていくことが重要であり、そのためには、政策の効果について、事前、事後に、厳正かつ客観的な評価を行い、それを政策立案部門の企画立案作業に反映させる仕組みを充実強化することが必要である。 また、評価機能の充実は、政策立案部門と実施部門の意思疎通と意見交換を促進するとともに、その過程において政策立案部門、実施部門の双方の政策についての評価や各種情報が開示され、行政の公正・透明化を促す効果があることも忘れてはならない。とされております。 このため、各省における評価機能の強化とともに、各省を超えた全政府レベルの評価機能の充実強化の必要性が指摘をされております。 新たに設けられる総務省に現在の総務庁の行政監察機能を引き継ぎ、さらに充実を図ることとされておりまして、客観的で公正な評価方法の確立、評価結果の政策立案部門への適切なフィードバックなど、評価・監視機能の十分な発揮のための工夫を行うことが求められております。 また、国民のニーズに即応した効率的な行政サービスの提供を実現するという行政改革の基本理念を実現するため、政策の企画立案機能と実施機能とを分離し、実施部門のうち一定の事務事業についてその垂直的減量を推進しつつ効率性の向上、質の向上及び透明性の確保を図ることを目的としまして、独立行政法人制度を導入することとされております。この制度の基本的な仕組みとして、業務の結果について評価し改善する仕組みが必要とされ、評価機関としましては、総務省には全政府レベルの評価委員会を、各省には運営評価委員会を設置することとされております。このうち総務省の評価委員会の事務局を行政評価・監察担当部局ということにされております。 先般、行政改革会議長終報告の趣旨にのっとって行われます中央省庁等改革に関する基本理念、基本方針等を定める中央省庁等改革基本法案が国会に提出をされたところでございます。この基本法案が成立をいたしますと、中央省庁等改革推進本部において新たな体制への移行に必要な法律案等の立案が行われるというふうに承知をいたしておりまして、政策評価のあり方、仕組みについても検討がなされることと思いますが、私どもといたしましても最終報告で示された課題に適切に対応できるよう必要な準備を進めていかなければならないと考えているところでございます。 以上でございます。
○会長(井上孝君) ありがとうございました。 次に、建設省小鷲総務審議官。
○政府委員(小鷲茂君) 日ごろは所管の行政分野につきまして格段の御指導を賜っておりますることをこの機会に厚く御礼を申し上げたいと存じます。 また、本日は、私どもの政策評価に対する取り組みの状況を御説明する機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。 それでは、説明資料を準備させていただきましたので、この資料に従って御説明をさせていただきたいと思います。 最初に目次がございます。お尋ねのありましたのは一番から三番までの項目でございますが、政策評価ばかりではなくて公共事業の効率化という視点から考えますると、ほかにも幾つか私どもで取り組んでいる問題がございますので、冒頭、効率化についての全体的な取り組み姿勢を御説明させていただいた上で、お尋ねの三点について御説明をするというふうにさせていただきたいと思います。 一ページでございますが、公共事業の効率化のための切り口といたしまして幾つかあるのではないかと考えておりまして、四角の枠の中に①から④まで掲げましたが、一つは投資分野あるいは事業箇所の重点化、二つ目には事業執行の効率化、それから三つ目には計画・実施過程の透明化、四つ目に関係省庁との連携の強化といった四つの切り口があるものと考えおります。 第一の重点化の問題でございますが、最初に掲げましたのは投資分野の重点化の例でございまして、下の表に平成十年度におきます具体例を掲げましたけれども、経済構造改革に資する分野、あるいは地域間の格差を是正するための分野、あるいは安全に直結するような分野、こういった分野に重点投資をするということにいたしておるわけでございます。 御案内のとおり、平成十年度の公共事業予算は政府全体としてマイナスの七・八という厳しい状況ではございますが、こういった重点分野につきましては、右に掲げました倍率のごとく一・数倍という厚い投資をする予定にいたしてございます。例えば、下から三つ目に緊急土砂災害防止対策というのがございますが、近年大変土砂災害が多発いたしておりますので、この辺の対策を強化するという意味で、この対策につきまして一・五七倍という投資をする予定にいたしております。 次に二ページでございますが、新規事業箇所の削減と書いてございます。これは、箇所の重点化という意味でございます。なるべく継続事業に重点投資をする、そのことによりまして早く工事を完成させて事業の整備効果を早期に発現させようという発想でございます。そのために逆に新規箇所がかなり制約を受けるということになりまして、ここでも平成十年度の新規箇所の減少の様子を記載してございますが、かなり激しく新規箇所については絞り込んでおるという状況でございます。 それから三つ目には、用地補償費比率の減少ということでございます。これは、昨今、特に景気対策としての公共事業の役割が強く求められておりますので、特に平成十年度につきましては景気に対する関与度の高い工事、いわゆる上物の工事費に多く予算を回すということで、用地補償費比率が低いものを選定する。例えば街路事業につきましても、橋梁でありまするとか連立立体でありまするとかそういうものに予算を回す、こういう工夫をいたしております。 四番目に、国と地方公共団体との的確な役割分担という抽象的な考え方を述べてございますが、具体的に言いますると、補助の採択基準を切り上げるということです。細かい補助事業はもうやめるということをやっております。 それから五番目でございますが、財投対象機関の対象事業の見直し、これは、特殊法人の改革合理化の議論がございますが、例えば住都公団につきましては民間と競合するような分譲住宅につきましてはもう今後撤退しようという方針を打ち出しております。まだ法人の改組自体は済んでおりませんけれども、既に事業内容につきましては大幅に分譲住宅戸数を減らすといったようなことをいたしておる次第でございます。 三ページでございますが、二つ目の事業執行の効率化に向けて、二つここでは書いてございます。 一つは、類似事業間の調整の問題でございます。かつて、縦割り行政の弊害といたしまして幾つかの省庁で同じような事業を重複してやっているのではないかという御批判があったわけでございます。そういうことが起こらないような取り組みを現在進めておりまして、具体的に言いますると、道路と農道・林道、それから汚水処理施設、下水道と農村集落排水あるいはコミュニティープラント、こういったものの関係、それから海岸事業、これは他省庁で取り組んでおりますので、そういったものについてそごを来さないようにということで計画レベルで調整をするということを数年前から始めております。 それから、コストの縮減対策でございますが、これも御案内と思いますが、平成九年四月四日に、政府といたしまして行動指針をつくりました。この指針に基づきまして各省庁が行動計画をつくりまして平成十一年度末までに対策を実施する、その結果コスト一〇%以上縮減を実現する、こういうことで現在動いております。 それから四ページでございます。三つ目の計画・実施過程の透明化でございますが、一番目は費用効果分析を実行していくということで、これは後ほど詳しく御説明をさせていただきます。 二つ目は事業採択基準の公表ということで、この点につきましても後ほど詳しく御説明させていただきたいと思います。 三つ目が国民の意見提出機会の確保ということでございまして、河川法を改正いたしまして、例えば河川整備計画を策定いたします場合に公聴会を開催するといったような制度の改正などをいたしておりますし、さらに平成十年度からスタートさせたいと思っております道路の五カ年計画策定の過程におきましては、新しい方法でございますが、パブリックインボルブメント方式といったような、国民の意見を取り入れながら計画をつくって練り上げていくといったような方法を採用いたしておるところでございます。 さらに四でございますが、それぞれの事業ごとに事業の箇所あるいはその事業のスケジュール等を明らかにした地域ごとの整備プログラムをつくって公表するといったようなことをやっております。事業の全体像をあらかじめ公表するということでございます。 五ページでございますが、五番目といたしまして再評価システムの導入、これも後ほど詳しく申し上げたいと存じます。 四といたしまして、連携施策の推進ということでございますが、これは各省庁が協力し合って一つのプロジェクトを効率よく仕上げていくという試みでございます。詳しくは省略させていただきたいと思います。 六ページ以下がお尋ねの点でございます。 お尋ねの点の第一点でございますが、大規模公共事業に対する評価システム導入に関する経緯等でございます。 最近、時のアセスということが言われておりますが、私どもではもう既に平成七年七月の時点から、大規模公共事業につきまして見直しのシステムをスタートさせております。背景といたしましては、地域に密着したきめ細かい行政が求められているとか、開かれたわかりやすい行政が求められているとか、そういった一般的な事情もございますが、特に大規模公共事業につきましては、一たん計画ができるとなかなかとまもないといったような、いわゆる事業見直しシステムについての国民の声、あるいはまた最初計画をつくるときに一方的につくられて情報が十分開示されないといったような手続に関する批判等がございますので、こういったものにきちんとこたえていこうという動機でこの制度をスタートさせたものでございます。 内容でございますが、七ページ以下に記載してございます。 ここで取り上げる事業でございますが、これは建設省のシステムでございますので、建設省の直轄事業、あるいはまた建設省の関係公団が実施する大規模公共事業ということにいたしております。大規模ということにつきまして、特に面積とか規模とかいうことについて数量的な縛りをかけておりません。いわゆる問題のある事業であれば弾力的に取り上げることができるようにしよう、こういうことにいたしております。 内容的には、新たに計画を策定する場合、こういった大規模事業を策定する場合、あるいはまた計画策定後長期間が経過して社会情勢が変化している場合、俗っぽく申し上げて恐縮でございますが、もめているようなプロジェクト、こういう意味でございます。こういったものにつきまして再評価をしようということでございます。対象事業といたしましては下の枠の中に具体的に一番から五番まで記載してございますが、こういったものが対象でございます。 八ページでございますが、やや細かい話になりますが、内容的には先ほど言いましたようにこれからスタートするものと既にスタートしているものと二つございます。 まず最初に、これからスタートする新規事業につきましては、調査計画段階できちっと手続をとろう、こういうことでございまして、ダム、堰につきましては事業ごとに審議委員会という委員会をつくりましてそこで意見をまとめる、こういうやり方でございます。 次のページをちょっとごらんいただきたいと思います。ダムについてのシステムのフローがございます。行政部局が計画原案をつくりまして、それをここでは○○ダムと書いてございます。これは一つ一つのダムごとに設置をするということになってございまして、構成はここに記載いたしましたように学識経験者を初めごらんのとおりの各分野の関係の人、委員の選定は知事さんにお願いをする、こういうことにいたしております。この審議委員会は、右に書いてございますが、委員会の判断によりましてさらに広く意見具申を求める、公聴会を開催する、検討会議を催す、こういったことができるようにいたしております。また、調査専門委員会を組織いたしまして専門的な調査を実施した上で意見をまとめる、こういったことも予定をいたしておるわけでございます。その上でこの審議会の意見をまとめていただきます。この意見をいただきましてさらに私どもが判断をする、こういうストーリーでございます。 実は、具体的な成果をお話しした方がわかりやすいと思いますので、十ページをお開きいただきます。 これは本年二月十八日現在の実施例でございます。最初がダム、堰についてでございますが、現時点で十四事業を対象にいたしております。各ダムの成果が枠の中に記載してございますが、実はまだ審議会が一つの事業について組織されておりませんが、十三の事業につきましては既に審議会が設置されておりまして、ほとんどが結論出ております。結論が出ておりませんのは二つの審議会でございますが、残りの十一の審議会では既に結論が出ております。 この中で、現行どおりでないという意見が幾つかございますので御紹介いたしますると、まず最初の沙流川総合開発でございます。これは二つのダムを計画してございますが、そのうちの平取ダムという方につきましては工業用水需要量の見直しを行うべきではないかといったような趣旨の意見が出ております。 二つ目の小川原湖の総合開発につきましては、代替水源の検討をすべきではないか、こういった意見が出ております。 それから、四つ目の渡良瀬遊水池総合開発、Ⅱ期でございますが、もう少し時間をかけて検証した上で、各種調査とあわせて再度審議をする必要がある、こういう御意見でございます。 一番下の矢作川の河口堰でございますが、もう少し環境調査を重ねて再度審議をする必要がある、こういう意見でございます。 次のページに参りまして、上から二つ目、足羽川ダムでございますが、計画変更の可能性がないものかどうかということで、早急にその検討をするべきだ、こういう御意見でございます。 以上のように、幾つか現行計画についての御意見がございますので、これらにつきましてはそれぞれ御意見の方向で現在建設省では対応している、こういう状況でございます。 それから、同じようなこと、十三ページでございますが、高規格幹線道路についても実施をいたしておるわけでございます。 道路関係につきましては、実は都市計画の手続によって決めるようなものもございます。例えば、都市部に近い部分は都市計画の手続で決めるということでございます。都市計画の手続によりますると、公聴会その他同じような手続が担保されておりますので、そういう手続がとられていないものについて我が方の新しいシステムでチェックをする、こういうことにいたしております。 ここでは、一昨年の十二月に整備計画を出すべきであるかどうかという判断をするに先立ちまして、大分時間もたちましたので地元の知事さんの意見照会をする、十区間意見照会をいたしまして、すべて計画どおりやるべきである、こういう御意見をいただいて、そのように対応いたしておる次第でございます。 次に十四ページ以下でございますが、二つ目のおただしの費用効果分析、評価指標の概要についてということでございます。 費用効果分析につきましては、平成八年の四月に建設省挙げてやっていこうという意思統一を図りました。それまでは三々五々、それぞれの事業部局で取り組んでおったわけでございますが、省内的に一斉に取り組んでいこうということを意思決定いたしまして、平成九年度におきましては道路事業、流域下水道事業等、主要事業におきまして新規箇所について費用効果分析を試行いたしてまいりました。その他の事業につきましては、分析手法の開発等に取り組んでまいった次第でございます。取り組みの状況につきましては下の表に掲げてございますような状況でございますが、平成十年度からは基本的には全事業で費用効果分析を実行するということになろうかと存じます。 具体的には、十六ページ以下にどんなことをやっているのかということを例示的に御紹介いたしておりますが、実は費用効果分析の費用の方につきましては割合計測がしやすいのでございますが、効果、便益の方でございますが、これにつきましては大変計測の仕方が難しいわけでございます。その辺にこれからのいろいろ問題があるわけでございます。 例えば、下水道について言いますると、特に便益の方のはかり方をどういうふうにするのか。下水ができることによる便益でございますが、これをどうはかるのか。しかもそれを貨幣価値ではかるということでございます。ここでは代替的な手法をとるとどれだけコストがかかるかといったようなことで、その効果をはかろうということにいたしております。いわゆる代替法という、BバイCと言っておりますが、この費用効果分析にもいろんなやり方があるわけでございますが、そのうちの一つの代替法という方法によってはかろうということで現在検討を進めております。 中小水路にふたをかけるとどのくらいかかるか、あるいは単独でし尿浄化槽を設置するとどれだけ費用がかかるか、そういったことの対比において便益を計測する、こういうことにいたしておるわけでございます。ただ、この中でも例えば環境がよくなるとか、そういったなかなか貨幣化しにくい便益をどう評価するのかといったような難しい問題がまだ今後ございます。 それから、次に十八ページでございますが、治水事業でございます。治水事業につきましては、これも割合便益、これもはっきりいたしておりますので、被害がどれだけ軽減されるかということによりまして貨幣価値で便益が計測しやすいわけでございます。ただ、実際にはそればかりではないほかの要素も勘案して事業を実施するということでございますので、そのことにつきましてはまた後ほどお話し申し上げたいと存じます。 それから、次に二十ページでございます。道路、街路の場合でございます。道路、街路の場合にも割合便益が計測しやすいわけでございます。ここでは、現在取り組んでおります姿を御紹介いたしますると、三十年にわたって便益が生ずるという前提のもとに、便益につきましては時間短縮便益、走行便益、交通事故減少便益という三つの要素を金銭評価する、こういうやり方をやっておるわけでございます。 以上、三つの事業の御紹介をいたしました。道路の場合にはちょっとわかりやすいためにという意味で二十二ページに具体例を掲げてございます。 ここは東京都の八王予の南バイパスの例でございます。国道二十号のバイパスでございますが、南部方向に八王子バイパスと、それから新しくできます首都圏中央連絡道がございますが、ここの間をつなぐバイパスでございます。この費用効果分析をいたしました結果、二・九倍の便益が発生する、こういう計算結果になっておる次第でございます。 以上が現在やっております費用効果分析でございますが、ちょっと資料をまたもとに戻っていただいて恐縮でございますが、十五ページでございます。下の方に2といたしまして、「統一的なルールづくりに向けた取組み」というふうに書いてございます。ただいまは平成九年度も十年度も今御紹介しましたような個別事業ごとの費用効果分析を実行すると申し上げましたが、実はもう少し統一化できないか、運用をもう少し足並みをそろえられないかといったような問題意識がございます。 一つは、現在やっておりますいろんな分析手法が異なっておりまするけれども、果たして本当にそれでいいんだろうかということを念のためにもう一度チェックしようということでございます。 それから、先ほど言いましたように貨幣価値で計測できないような問題がございます。環境改善の効果とか美観の問題でありまするとか、そういったものについてどうしたらいいのかといったような問題が残されております。 それから三つ目といたしまして、不確実性の問題がございます。例えば交通の問題ですと、このぐらい車両が通るであろうという前提のもとに評価をするわけでございますが、実際その予測が狂う可能性があるわけでございます。その狂う可能性をどういうふうに評価に織り込んでいくか、不確実性をどう織り込んでいくかといったような問題がございます。 そしてまた、このほかにデータをオープンにするわけでございますが、なるべく多い少ないといった問題がないような統一的な扱いにしたいといった問題がございます。 それから技術的な問題でございますが、将来発生する便益を現在の価値に引き戻すわけでございます。これにつきましていろんな考え方がございまして、正直言いまして、現在のところまだ統一化されておりません。そういったものについても統一化を図りたい。 こういったことを平成十年度中に検討を終えて、平成十一年度からはもう少し改善された姿で費用効果分析を進めたいというふうに考えておる次第でございます。 ちょっと長くなりましたが、二十三ページの「事業採択に係る評価指標(案)の概要」についてでございますが、これにつきましても既にすべて公表いたしておるところでございまして、ここでは三つの事業につきまして例示的にお示しをいたしております。 まず最初に下水道事業でございますが、むしろ二十四ページをごらんいただいた方がわかりやすいと思います。実際の事業採択に当たりましては、ここに書いてございますようなことを判断基準といたしまして選んでおるわけでございます。 まず、「前提項目」といたしまして採択基準に合っているか、一種の適格要件に合っているかどうかという形式的なチェックをいたします。それから一番重要なのは、ここでは「最優先項目」と左に分類してございますが、上位計画との関係、水質保全の要請との関係、これを最優先項目として考えていると。具体的には流総計画で直ちに下水道をやるべきと、そういう位置づけがされているのかどうか、あるいは放流先の水質環境基準が未達成であるかどうか、こういった要素をむしろ事業採択における最優先項目として判断をいたしております。次に、「優先項目」といたしましてここに掲げたような項目を考慮する。さらに、その下位の判断要素として「考慮項目」、ここに書いてございます細かい項目を考慮するということでございます。 それで、費用効果分析をどう活用するのかということでございますが、注の一番下に書いてございますが、全体を通ずる参考資料として活用すると、こういうことにいたしておる次第でございます。 次に二十五ページ、治水事業でございますが、治水事業につきましてはむしろ二十六ページの一覧表をごらんいただいた方がよろしいかと思います。一番左の方に判断項目がございまして、河川の場合には「経済性」、つまり先ほど申し上げました費用効果分析を最初の項目として掲げてございます。BバイCの値に応じて判定と書いてございますが、そういう意味でございます。それから、「災害発生時の影響の大きさ」、「過去の災害実績」、「災害発生の危険度」、そういった項目を総合考慮しながら事業の採択を判断していくと、こういう仕組みでございます。 それから道路でございますが、二十八ページをごらんいただきたいと思います。 具体的には真ん中の「一般国道(二次改築)」というのがわかりやすいと思います。国道のバイパスというイメージでございますが、この際には、大きく分けまして「事業採択の前提条件を確認するための指標」というのがございまして、果たして本当に投資効果があるのかないのか、これが費用効果分析でございまして、これをまず最初にチェックするということでございます。それから調査がきちっと完了しているかどうか、地元との調整が整っているかどうか、こういった条件をまず事前にチェックする。 その後に具体的な事業の機能がどの程度の問題があるか、こういうチェックをいたすわけでございます。この点につきましても評価項目といたしましては、経済構造改革にどの程度の貢献度があるのか。それから二つ目は、活力ある地域づくり都市づくり、そういった政策テーマにどの程度貢献できるのかといったようなこと。それから次のページでございますが、Ⅲとして、生活環境の改善のためにどれほど役に立つのかといったような要素、それから安全性にどれだけ貢献できるか、こういった要素を総合判断して事業の採択を決める、こういう仕組みになっておる次第でございます。 それから次に三十二ページ、三点目のおただしでございますが、これから取り組もうといたしております再評価システムについてでございますが、実は、一番最後の三十九ページをちょっとお開きいただきたいと思います。粗っぽい資料でございます。 これは昨年の十二月五日に平成十年の予算案作成の際の関係閣僚会議における総理の発言要旨でございまして、三十九ページの一番最初の行に「公共事業の「再評価システム」を導入することと致したいと思います。」と、こういう総理談話が発表されております。具体的には内容が二つございまして、第一は、「事業採択後一定期間経過後で未着工の事業や長期にわたる事業等を対象に再評価」を行う。二つ目には後ろから三行目、「さらに、」というところでございます。「事業採択段階における費用対効果分析の活用については、基本的に全事業においてこれを実施する」と、こういう方針が発表されております。したがいまして、現在建設省におきましてはこの方針に従いまして検討を進めているわけでございます。 三十三ページに戻っていただきたいと思います。現在、ここに掲げましたような検討委員会を省内に設置いたしまして、昨年の中ごろから検討を進めてまいっておりまして、三月中には結論を出したいと考えておる次第でございます。対象とする事業につきましては、すべての事業を対象にしてまず見直しを行うということを考えております。事業分野につきましては三十五ページに私どもの所管事業のほぼ全領域を対象とするということが書いてございますが、通常の日常的な維持管理につきましては、あえてこういうことをやる必要もなかろうということで除く方向で現在議論を進めております。 それから三十四ページでございます。見直し対象でございますが、全事業とは言いましたけれども、問題のある事業という意味でございますので、三つのパターンを想定いたしております。ここでは1から3まで、例えば1でございますと、事業の採択後一定期間経過しても未着工、具体的に言いますると、事業費が予算に計上されたけれども、五年間用地買収も工事も着工されていないといったもの、それ以外にも2、3というようなパターンを考えておりますが、こういったものを対象としてすべて取り上げていこうと、こういうことでございます。つまり地元で何も動いていない、順調に行われているものであっても形式的にこういう要件に該当すればチェックはしようと、こういうことでございます。 なお、三十六ページ以下に費用効果分析について、先ほど申し上げましたように総理は全事業について費用効果分析をやるんだということをおっしゃっておりますが、建設省といたしましてはもう既に平成九年度の段階から実行いたしておりますので、特に新たな取り組みをする必要はないと考えておりますので、説明は省略させていただきたいと思います。 以上でございます。
○会長(井上孝君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡利定君 総務庁、それから建設省から御説明ありがとうございました。 行政の分野での評価制度の充実強化というのは大変大事なテーマになっておるということでありまして、本調査会においてもその点についてみんなで考えようということでこの会を持たれたものと思っております。そういう観点から私は総務庁に御質問させていただきますけれども、ざっくばらんに、あるいは率直な意見を聞かせていただきたいと思っております。 何点かお聞きいたします。まず最初に、これはテクニカルかもわかりませんが、御説明いただきました中で、一ページ目で行政監察プログラムの位置づけみたいなもののお話がありました。平成八年十二月二十五日の行政改革プログラムに基づいて、こういう行政監察プログラムというのをつくって実施されておるんだということであります。従来、監察局の方で中期行政監察等予定テーマというんですか、ということで実施されておったというふうにも伺っておりますけれども、この点についての位置づけなり内容に何か違いがあるのかというような点も含めてちょっと御説明いただけたらと思います。
○政府委員(土屋勲君) 行政監察プログラム、従来から私たち監察を計画的に実施するために中期予定テーマというものをつくっていたわけでございますが、一つは閣議決定を根拠とするということで、ただ単なる総務庁内の計画と違って一歩踏み出したというところがあろうかと思います。 それから二点目としましては、閣議決定の中に行政監察の重点項目を掲げました。それが全政府的に認められそのもとに活動を行うということで、非常に重点の置き方が鮮明になったという二点の変化が大きいのではないかなというふうに考えております。
○岡利定君 わかりました。 冒頭申しましたけれども、行政の分野における評価機能の充実強化というのが大事になってきているということは、昨年末の政府の行政改革会議、この最終報告書の中でもそのことが一つの項目として取り上げられて、先ほど御説明のあったようなことが書かれておるわけでありますけれども、この点について行政分野への評価の必要性、重要性が特に取り上げられてきておる背景とかいうようなものについて、総務庁としてはどのように受けとめておられますか。
○政府委員(土屋勲君) 評価機能そのものが非常に取り上げられているということは行革会議の最終報告の中でも触れられておるわけですが、従来我が国の行政が法律の制定や予算の獲得等に重点が置かれ、その効果やその後の社会経済情勢の変化に基づき政策を積極的に見直すといった評価機能が軽視されがちであったということがやはり大きいのかなというふうに考えています。 それから、全体の流れとしまして国から地方へ、官から民へ、それから国の仕事の中でも独立行政法人の設立といったそれぞれの組織の活動範囲を広げようという動きになっていますので、一層その評価機能をどうするかということが重要になってきているのかなというふうに考えております。
○岡利定君 そこで、評価の点について幾つか御質問いたします。 まず、評価の視点ということですが、いただきました資料の三ページのこの表の中で、「監察(評価)の視点」というところで、基本的視点として変化への対応、総合性の確保、簡素化・効率化、信頼性の確保という基本的な視点を持って、具体的な視点としてはということで合目的性、適法性・合規性云々というように書かれております。この辺の、何となくわかるような気がするわけですけれども、評価ということで考えた場合に、それぞれの合目的性あるいは適法性といったときの具体的な内容についてコメントをいただけたらと思います。 また、従来、行政監察とか会計検査院の検査はどちらかというと適法性あるいは合規性というようなところにウエートが置かれておる面があったんじゃないかということが言われております。先ほどからのお話の中で行政監察の中では効率性だとか有効性の観点、あるいは民間との比較とかというような手法をもっての、そういう点にウエートを置いた監察といいますか評価の点をもってやっておられるというようなこともお伺いしたんですが、両方大事だということになるんでしょうけれども、ウエートからいきますと私どもどちらかというと行政監察の場合には効率性、有効性の観点というのが大変大事がなというようなことを思っておりますけれども、その辺についての総務庁のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(土屋勲君) 御質問の具体的視点の御説明でございますが、先ほど具体的な例をお示しをしながら御説明したつもりでございますが、合目的性そのもの一つとりましても、制度、施策の目的とその達成度合いあるいは達成手法等について社会経済情勢の変化を踏まえながらどう評価をしていくのかなということだろうと思いますし、適法性あるいは合規性というのは法令とか社会的な規範に照らしまして妥当であるかどうかというものを見ていくのかなというふうに考えております。 それから、後段の御質問の経済性、効率性あるいは有効性をむしろ重視すべきではないかという御意見、私たちも全く同感でございます。非常に事務処理能力という意味では行政のレベルというのは格段に整備をされてきているわけでございまして、やはりこれからの監察業務、適法性、合規性ということよりも経済性、効率性あるいは有効性というところに重点を置いて活動をしていくべきだろうというふうに考えております。
○岡利定君 そこで、評価の手法の関係でありますけれども、今お話がありましたように、効率性、有効性の観点からの監察というのが大事だ、ウエートも置いていきたいというお話であります。その手法としては費用効果分析だとか費用便益分析などの分析評価手法があるわけでありますけれども、これらはやはり有力な手段であってもこれですべて律せられるというようなものではないんじゃないかなと思います。特に、行政の成果というのは数値化しにくい分野というものも多くて具体的な取り扱いとなるとなかなか難しいんじゃないかという有識者の指摘もあります。今後、こういうようないわゆる数値化をするのが難しい分野に向けてもやはりそういう努力というのはしていかなきゃいかぬと思うんですけれども、どのような手法なり努力がなされておるのかというような点についてお伺いしたいと思うんです。 もう一つは、こういう評価の問題となりますと、民間企業なんかの場合にはまさに企業生命がかかったような真剣さの取り組みの中でいろんな手法というのがあると思うんですが、その辺の民間でやられているような手法の中で行政としてもこういうのは取り上げるべきものがあるなという点があったらお教えいただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 国全体の行政というのはさまざまな分野で展開をされているわけでございまして、例えば先ほど建設省の方から御説明のございましたような公共事業関係で一つの費用対効果分析をしようとすれば、それは統一的なものが一つできるんだろうと思うんです。 したがいまして、行革会議の最終報告の中でも言われているわけでございますが、評価・監視機能というのは重層的でなければいけないということも述べられているわけですが、やはりそれぞれの部門で有効な評価手法というのは何であるかと。それから、各省庁なり各特殊法人が行うそれぞれの評価機能と政府全体の立場で行う評価機能の機能役割分担というものも、これから整理をしていかなければいけないのかなというふうに考えております。 私たち今、現在時点でそういう意味で一番先行してやっておりますのは、特殊法人の財務分析をできるだけ民間の行っている手法の中で有効に使えるものを使いながらどういうふうに評価をしようかということで、専門の先生方にもお集まりをいただきながら作業を進めているところでございまして、民間等で確立したもので行政部内に活用できるものというのはできるだけ積極的に取り込んでいきたいというふうに考えております。
○岡利定君 今のお話の中で、重層的にといった場合に、行政改革会議の最終報告書の中でも「各省の本省組織に、明確な位置付けをもった評価部門を確立すべきである。」という指摘がされておるわけであります。そうなったときに、現在各省庁の中でいろんな内部監査組織というのがあるようでありますけれども、そのそれぞれが本当に同じようなレベルかというと大変アンバラがあるんじゃないか。先ほど建設省さんのお話を聞いておりまして、なかなか一生懸命やっておられるなということを思ったんですけれども、必ずしもそうでないというようなお役所もあるんじゃないか。 だから、全体のレベルを上げていくということになりますと、それは建設省さんにはもう教える必要はないのかもわかりませんけれども、この点について、今までどちらかというと、研修はしていなくてもまだ弱いというようなところがあればレベルを上げるというような意味で、まさに行政監察局というのはそういうようなことでのプロでありいろんな経験を持っているわけでありますので、その辺の監察あるいは評価のノウハウを教えるというか、あるいは基準的なものを示してレベルアップに役立てるというようなことも考えたらどうかと思うんですけれども、その点についての総務庁のお考えはいかがですか。
○政府委員(土屋勲君) まさに先生のおっしゃる方向で我々これから努力をしていきたいと思いますが、基本的にはやはり各省のそれぞれの、今かなりアンバラがあるというお話がございましたが、非常に内部監査体制というか評価体制というのは全般的には弱いというのが現状だろうと思います。 そこにどういう組織がつくられどういう活動をするかという関連の中で考えていきたいというふうに思っておりますが、既に私たちとしては、各省の人たち、特殊法人の人たちあるいは地方公共団体の人たちを含めまして研修会等の活動もやってまいりましたし、講師の派遣要請等がある場合には積極的に応じていくということで対応をいたしているわけでございまして、私たちの役立つことがあれば積極的にやっていきたいというふうに思っております。
○岡利定君 ぜひその点を考えていただきたいなと思います。 そこで、この行政改革会議の報告書に基づいて二月十七日ですか、政府は中央省庁等改革基本法案というのをおまとめになって国会に提出されましたけれども、その十七条では、「総務省の編成方針」ということで、行政の評価及び監視の機能についての役割というのが大きく書いてあるわけであります。そういう意味で、今の総務庁の行政監察局、ひいては総務省の役割というのは大変大きいわけであります。 そういう意味から、昨年の十一月二十八日ですか、行政改革委員会官民活動分担小委員会最終報告書というのが出ておりまして、省庁横断的な評価機関、この中には総務庁の行政監察局も含まれると思うんですけれども、「省庁横断的な評価・監視機関の問題点」ということで、このようなことが書かれております。 一として、「個々の事案を地道に調査する実証的分析に基づく評価・監視が中心となっており、事業全体の廃止・民営化など組織形態の抜本的見直しを含めた大所高所からの大胆な提言が難しい状況にあること」。二として、「従来、費用便益分析を基礎とした事前評価がルール化されていないなど客観的指標に基づく評価のための環境が整備されていないこと」。三として、「当小委員会が策定した判断基準」ということで、行政の関与の必要最小限度化、それからより効率的で質の高い行政サービスの提供、そして透明性を高め行政の説明責任を果たす、こういう基準のような「評価・監視に資するための明確な基準が定められていないことから、行政にその説明責任の遂行を促すという視点に立った国民が求めている評価・監視にまでは必ずしも踏み込めていない。」、こういうふうに指摘しておるわけですが、この指摘についてまず総務庁としてどのように受けとめられておるのかなというのが一つ。 それから、ここで言う省庁横断的な評価・監視機関としての機能を発揮するということで、大変大きな役割を期待しているわけですけれども、現行の行政機関のあり方あるいは権限のあり方というようなことではなかなか難しいというような意見もあるようであります。 そういうことで、例えば武藤前総務庁長官が、各省より一段と高い立場に立ったところから行政監察を行うというふうなことだとか、あるいは勧告に強制力を持たせたらどうかとか、資料提出要求権とか立入調査権などの付与というようなもので監察権限を強化するということを考えなきゃいかぬのじゃないかというような意見もありますけれども、これらの点についてはいかがでございますか。
○政府委員(土屋勲君) 私ども、監察の仕事に対する皆様方の御批判、それは真摯に受けとめまして改善の努力をしていく責務は当然のことながらあるわけでございまして、これからも引き続き努力をしていきたいなというふうに思っております。 ただ、行政の監視そのものというのは、先ほど来申し上げておりますように、国会そのものにも一つ重要な要素としてあり、今回、行政監視委員会等の設置を見た。我々自身にももちろんやらなければいけないことがある。それから一それぞれの責任を持って仕事をやっている省庁もそれぞれの評価機能というのは持つべきである。それらが有効に機能して全体として効果を上げる姿が一番望ましいのかなというふうに考えております。 行革会議の最終報告に書かれました検討課題を今後考えていかなければいけないわけでございますが、そういう全体の整合性を持った中で一段と有効な監察活動ができるためにはどうすればいいかということをこれから真剣に検討していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○岡利定君 最後に一問お聞かせいただきたいと思います。 行政監察局では、昭和五十二年から新規行政施策の定期調査というのを行っているというように聞いておりますけれども、それはどういう内容なのか、そして五十二年からですから約二十年ぐらいやっておる中でどのような事例なり活動があったのか、お話しいただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) お尋ねの定期調査、行政施策を取り巻きます環境条件の変化等に対応しまして、効果的な行政運営を確保するという観点から、新規の法律及び予算措置に基づき新たに講ぜられた施策を、発足後原則として五年を経過した時点におきましてその実施状況を調査し、行政施策の改善に資するということを目的として、五十二年から実施をしているものでございます。 最近の実績の主なものは、昨年六月に勧告いたしましたが、介護労働者の雇用管理の改善ということで、介護労働者の雇用助成金支給事業の廃止など、介護労働安定センターの雇用福祉事業の抜本的な改善という勧告をいたしております。 それからもう一つ御紹介しますと、平成七年、精神保健対策に関する調査というものをやっておりますが、これは精神衛生法の一部改正後五年の状況を見たわけでございますが、精神障害者のニーズ等の実態把握等、施策の計画的推進、あるいは相談、訪問指導の充実、それから法改正の中での大きな観点であったと思いますが、入過所措置の関係等を勧告いたしているところでございます。
○岡利定君 ありがとうございました。
○亀谷博昭君 自由民主党の亀谷博昭でございます。 ただいま同委員から、行政監察局に対して全庁横断的な立場からの行政監察のあり方という質疑がございました。私もこの調査会は三年目になるわけでありまして、前の委員会から行政監察局のあり方についてはいろんな議論がありました。今の組織、人員で十分なのかという議論もたくさんありました。これからそういう部分も含めて大きな役割を果たしていかれるようにぜひお取り組みをいただきたいと思っております。 私は、各省庁別ごとの評価機能、評価体制のあり方という観点から、建設省にいろいろお伺いをしていきたいと思います。 この政策評価というのは、アメリカなどを初めとして長い歴史と取り組みの中でさまざまな実績を上げてきている国もありますけれども、我が国は残念ながらまだ緒についたばかりという状況なのではないかと思っております。さまざまな政策評価についての分析定義もありますけれども、まだ定まった方向が出ていない。しかし、必要性の議論は高まってきている。そういう中でさっきお話しの行政改革会議の最終報告というものが出されてきたのだろうと思います。 そこで、建設省における評価体制の現状についてまず伺いたいと思います。政策を一つ進めていくとすれば、一般的には、まず計画をして、それを実行して、反省をするというか取りまとめをする。施策を決めて事業を実行してその評価を行うという順序になっていくわけであります。評価というのは最後の反省あるいは取りまとめという段階になるわけでありますが、私はこの事業を実施した後の反省、取りまとめということにもっともっと重点が置かれていくべきなのではないかというふうに思っております。 なぜかといえば、政策には必ず目的があるわけです。その目的が実現したかどうかというのは、政策が成功するかどうかという判断につながっていくわけであります。したがって、目的が達成されたかどうかの点検というものが当然必要でありますし、その結果によってはメリット、デメリットというものが出てくるわけでありますから、場合によっては政策を遂行した人の責任が問われる、人というか、その当局の責任が問われるということもありますが、同時に、それがフィードバックされることによってその後の政策に貴重なデータになっていくという部分もあるわけであります。 しかし、現状の建設省の公共事業に対する評価のあり方というのは、先ほどもいろいろ御説明いただきましたけれども、事業採択に当たっての計画段階での事業評価、あるいは事業採択後の再評価というものが中心になっているのではないかという感じがいたします。 先ほど御説明の中でも、大規模公共事業に関する総合的な評価システム、これは新たに計画を策定する場合であり、もう一つは計画策定後長期間が経過して社会経済情勢が変化した場合であると、こう書いてあるんですね。つまり、政策を決定して実行に移る段階までのある意味で手続的な部分に焦点が当てられているのではないかという感じがいたします。評価指標等をつくって、一生懸命効率的、効果的公共事業の実施に努力を払っておられることはよくわかります。同時に、物をつくるのが主体でありますから、費用便益とか費用効果分析というものに主眼が置かれてくるのは、これもやむを得ないことかもしれません。 しかしながら、どうも現在の建設省の評価制度というのは計画段階あるいは実行の初期段階における評価が中心になっているのではないかというふうに思えるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小鷲茂君) 御指摘のような問題意識は私どもも持たないわけではございませんが、現状から見ますると、事業の計画段階あるいは事業途中の問題箇所についてのチェックを優先的に扱わざるを得ないというか、こういう現実がございまして、先ほど御説明したような次第でございます。 ただ、具体的に事後についてのチェックもやっていないわけではございませんので、具体例を御報告させていただいても結構でございますが、今後その辺につきましてできるだけ早く手を打てるように進めていく必要があろうかというふうに思っております。
○亀谷博昭君 後でまたこの問題は伺いますけれども、昨年十二月五日に橋本総理から公共事業関係六省庁の大臣に対して、公共事業における再評価システム導入の指示がありました。総理発言によれば、さっきも御説明ありましたけれども、事業採択後一定期間経過後で未着工の事業や長期にわたる事業等を対象に再評価を行うということになっているわけであります。これまで、一回事業が動き出すと、見直しするとか、ましてや休止するというようなことがほとんどなかったということを考えれば、むだをなくして効率的な行政を行っていくという意味では、これはこれで大きな前進だと私も思います。 平成十年度からの運用開始を目指して、本年三月末までとさっき御説明がありましたけれども、これは行革会議の各省別の評価部門とは別のものなわけです。いわゆる再評価をするためのシステムをつくって、三月末までに検討をまとめるというのは、これは行革会議で言う各省ごとの評価部門というものとは別なものですね。
○政府委員(小鷲茂君) 特に行革会議の報告を受けた作業ということではございませんで、先ほど御説明いたしましたように、総理の発言を受けて動き始めたと、こういう次第でございます。
○亀谷博昭君 そういうことだろうと思いますが、この委員会が、さっきのお話によれば、技監を委員長として構成がなされている、三十二ページにありますね。この公共事業の再評価システムに関する検討委員会、これはどうしてこういう構成になったんですか。
○政府委員(小鷲茂君) 時間も制約されておりますものですし、私どもといたしましては、既に大規模事業につきましては先ほど御説明いたしましたように新しいシステムを稼働させているという経験もございましたものですから、とりあえず私どもで全体システムについて検討する体制をしいた次第でございます。
○亀谷博昭君 一度つくり上げた事業を再評価するというのは大変勇気の要ることだと思うんです。しかも、言ってみれば、同じ役所の人がつくった事業を同じ役所の人がもう一回評価するわけですから、場合によっては先輩がやったことを後輩がいいとか悪いとかというようなことになっていくわけですね。当初予想しなかったこと、予期できなかったこと、そして社会状況の変化、いろんなことがあって計画自体が無理だったのかなということになる、あるいは予測が間違っていたのではないかということになることもあるんだと思うんですね。 こういう委員会をつくるというのは、どういう器をつくるかとか形をつくるかということじゃないと私は思うんです。要は、より有効で効率的な行政を展開していくためにこの再評価システムに関する検討委員会がどんな機能を発揮していくのかということが一番重要なのではないかと思うんですよ。 それで、さっき行監局長からお話がありましたけれども、評価に対する客観性あるいは国民の信頼性、そして同時にチェック・アンド・バランスというものが大切だと思うんですね。そういう意味では、部外からやっぱり積極的な登用を図っていくべきなのではないか。 それで、さっき御説明の、いろんなものをつくるときは最初に知事さんだのいろんな方が入っているんですね、地元の人だの。そうやって最初に事業を計画する、採択をする。そしてスタートしたけれども、事業が実施されていない、いろんなことでもう一回見直すと、こうなれば、見直すときにやっぱり第三者の目、国民の立場からの判断というのが必要なんじゃないでしょうか。 もう一度、再評価のあり方、それに伴う検討委員会の構成について私はやっぱりちょっと考え直していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小鷲茂君) まことに申しわけございません。私の先ほどの説明が舌足らずであったようでございまして、三十三ページに掲げております部内の検討委員会というのは、個別の事業を再評価する場ではございませんで、再評価自体をどういう手続に従ってどういうふうにやったらいいだろうかという仕組み、仕掛けを議論するところでございます。 今御指摘のありましたように、第三者の意見をお聞きする必要があるのかないのか、そういう全体の仕組みを検討しようということでございまして、まだそれについては実は結論が出ておらないわけでございまして、三月中にその仕掛けをつくろうと。その仕掛けに従って、今度は具体のプロジェクトについて見直しの作業が始まるということでございまして、今の御指摘のありました第三者の問題につきましては、まだ結論ではございませんが、何らかの形で再評価に参加していただかざるを得ないんじゃないかというふうに私どもは考えております。
○亀谷博昭君 再評価をするためのシステムを検討する委員会というお話のようでありますから、それならそれで、今のメンバーでお考えいただいて、より効率的な行政を展開するという意味で、第三者を含めた再評価の委員会みたいなものがつくられて効率的な見直しがなされるということをぜひ期待したいと思います。 先ほど来申し上げてまいりましたように、評価というのには事前評価と、それから事中という言葉があるのかどうかよくわかりませんけれども、政策を実行している途中における評価、そして終わってからの評価と、時系列的に大きく分ければこの三つに分けられるのだろうと思います。 そこで、さっきも申し上げましたように、現在の建設省の評価体制というのは、その中で事前評価に類しているのではないかという感じがいたします。 平成十年度の予算要求に際して、新聞にも大きく報道されましたが、全国十八カ所のダム事業を中止する、休止するというこれまでにない思い切った決断をされた。そのことには敬意を表しますけれども、ただこれも我が宮城県に関係のあるものもありまして、このほとんどが事前の計画段階のものだったと私は認識をしております。そういう意味では、再評価というのも事前評価あるいは事業実施中の初期段階の評価に現在は位置づけられている。 そこで、事前評価やあるいは初期段階での評価の充実強化ももちろんますます大きな課題になっておりますけれども、さっきちょっと審議官が一番最初にお話しなさいましたが、事後評価についてどんなふうに建設省としてお考えになっているのかもう一度お伺いをしたいと思います。
○説明員(渡辺和足君) 今、先生のおっしゃったとおりに、事後評価につきましてはその充実をこれから図っていくことが非常に重要じゃないかなというふうに思っております。 現在、建設省で具体的に取り組んでいる中身につきましては、例えば道路事業につきましては、事後調査といたしまして、交通量でありますとか走行速度の変化等の把握、事前・事後ではどう変わったかというような調査、それから平成五年度以降に完了した大規模事業を対象としまして、道路の整備効果に加えまして、事業費とか事業期間等の変化、こういうものにつきましても追跡調査を実施していくということで考えております。 それから、河川におきまして、ダムでございますが、その管理になったダムについて、ダム等管理フォローアップ制度ということで、平成八年度から管理になったダムにつきましても、現在の管理のあり方とかその後の効用でありますとか、そういうものにつきまして事後の評価を含めて現在見直しをしているというところでございます。 そういうことを踏まえまして、今後とも事後評価の適正・適切化に努めてまいりたいというふうに思っております。
○亀谷博昭君 ある論文によれば、アメリカの会計検査院、GAOは、「政策が効率的に実施されているか、政策が当初期待通りの効果を上げているか、といった点についての明確な問題意識が掲げられたあと、データに基づいた緻密な分析がなされ、さらに対象機関に対するメッセージが掲載されている。そのメッセージに対して、対象機関自身によるコメントを掲載したうえで、オープンなかたちでレポートが発表されている。」、「このようなGAOと対比すると、わが国の政策に対する事後的な経済的評価についての公的チェックはなされていないに等しい。」と、これはある学者の論文であります。 我が国の会計検査院でも財政的な側面から有効性、効率性というものへの移行が見られると言われておりますけれども、要するに、公的部門全体において事前的チェックから事後的チェックへとチェック体制の軸足をシフトしていく、そのことが今まさに求められているんだろうというふうに思います。 その政策を実行するということは、その政策がいかに実質的に主権者である国民のためになり得るかということでありますし、そのためには、事後評価が行われなければ、その政策が真に地域の活性化、国民福祉の向上に資することになるかどうかというような検証ができないことになるわけであります。 建設省の説明資料には、「費用対効果」とか「投資効果」というような表現が随所に出てまいります。さっきもお話しありました三重県の宮川流域下水道についても、定量化が可能な項目というのが当然あるわけであります。しかしながら、この下の方に、さっきもお話しありましたけれども、「定量化を行っていない」ものというのがありますね。「処理水の高度処理による公共用水域の水質改善とこれに伴う水産資源の増大、レクリエーション空間の創出、観光客の増大、」等々、そして「快適な生活が送れることによる地域住民の精神的満足効果等」、これは非常に計測が難しい、数量化、定量化が難しいということはよくわかります。しかし、まさにこの三重県の宮川流域に下水道工事を行う本来の目的というのはここにあるんじゃないかというふうに思うんです。 行政による活動あるいは政策の評価基準というものについてはさっきからお話しありますように、合法性とか経済性とか有効性とかさまざまなものがありますけれども、数量化、定量化しにくいものがたくさんある。しかし、こうしたものを評価できるようにしていかないと本当の意味でのその政策の目的がどう遂行されたのかというようなことにはつながっていかない。 そういう意味で、調査室からいただいたこの資料にも、「プロジェクトは計画通りに完成し、当初の意図した機能は果たしてはいるが、予期しなかったマイナスの影響をももたらしている場合」がないかどうか。「技術的には完成し、当初意図した機能は果たしてはいるものの、その建設に計画時点での見積を遥かに上回る費用を要し、更にその管理運営や維持補修にも莫大な費用を要し、国家経済上の大きな負担となって」いないかというような視点がどうしても必要になってくるということで、そこでさっきお話が出ておりました行革会議の各省別の評価部門というのが、やはりこれからより具体的に考えられていかなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。 そこで、今後評価部門をどうしていくのかということも含めて、何か具体的なお考えがあればお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小鷲茂君) 行革会議の最終報告で言われております事柄は、私どもだけの問題というよりも政府全体に共通する問題ではないかというふうに思いますので、私どもでそれに先立ってどうこうということは申し上げにくいわけでございます。 ただ、これまでのことについて言いますると、私どもでは歴史的な経緯もございまして内部監察制度を持っております。そこで、内部であるという限界はございますけれども、先ほど御議論がありました合規性の問題ばかりではなくて経済性その他の問題につきましても、出先に至るまで、人数、体制の関係上限界はございまするけれども、それなりの経験も踏まえておりますので、政府全体の中で一定の方向が合意されるならば積極的にその方向に向かって取り組んでまいりたいと考えております。
○亀谷博昭君 せっかくいろんな評価指標をつくり効率的な行政を進めるということで大変努力をしておられる、そして今回は再評価システムも導入をしてなおむだなものを省いていこうという努力をしておられる。せっかくいいものをつくろう、いい効果を創出していこう、そしてまた国民の福祉向上に役立てようという事業をなさっておられるわけでありますから、やっぱり終わった後も、それがどういう効果をもたらしたのか、あるいは同じようなものを次につくるときにどういう反省材料があるのか、そういうことの事後評価、事後チェックというものをぜひこれからは建設省として取り組んでいただきたい。そのためにも今お話しのように、これはこれから各省ともに取り組む課題でありますから、今すぐに建設省としての御意見がないというのはやむを得ないと思いますけれども、ぜひ積極的に前向きにそういう体制に向かっていっていただきたいというふうに思っております。 最後に、他省庁との連携についてお伺いをしたいと思います。 実は、私は仙台でありますが、仙台に仙台港という港があります。今度、省庁再編がもし実現されれば港湾局も今の建設省の中に取り込まれるということになるようでありますが、実はこの仙台港ができてどういうことが起こったかというと、フェリーが発着をするようになりました。ですから、大型のダンプがたくさん走るようになったんですね、その周囲を。そこで、今まで非常に静かだった部落が車によって大変な渋滞を来し、心身の危険を感じるような状況に陥った、よって環境も非常に悪くなった。 それからもう一つは、仙台市に向かう最短道路が実は堤防だったんですね。ですから、堤防を走るようになった。ところが、その堤防の途中の田んぼの中に中学校がありまして、ここの中学校の生徒は九八%が自転車通学だったんです。ですから、危なくて自転車で通学できなくなった。それで、やむを得ないので堤防に張り出し式の自転車専用道路をつくりました。遠くから見ると万里の長城みたいに見えるんですけれども、そういうものをつくらざるを得なくなった。 要するに、仙台港をつくったことによって、そこまで多分考えてなかったんだろうと思うんですね。今、省庁との連絡会議みたいなお話ありますが、いろいろ伺っていると、例えば港をつくるときにはどうしてもトラックが出入りするから道路は必要だろうというので運輸省とは協議する。でも多分そのほかに、そのトラックがどんなところを走っていって地域住民にどういう迷惑をかけて、あるいは子供たちの交通にまで危険性を及ぼしているかどうかというところまでは多分考えていない。そういうことで、例えば地域の住民からすれば、そういう港をつくってフェリーがいっぱい発着してトラックが走るようになるならバイパスをつくってくれとか、最初から自転車専用道路をつくってくれとか、いろんなお話が当然出てくるわけであります。つくった後やっぱりそういうさまざまな課題が出てくる。そういうことで、他省庁との関連というものがつくる前にも必要でありますけれども、つくった後、そういう反省を含めて事後評価というかチェックというか、そういうものがなければいけないのだろうというふうに思うんです。 例えば港のことだけ考えても、その当時は人あるいは物を運ぶフェリーだけで済んでいた時代、ところが今はグローバルな世の中になって国際化も地方と地方の国際化になってきたということで、仙台港からも外国にいっぱい船が出ていきます。果たして仙台港というのはこれでよかったのかというような問題も当然あるんだろうと。そういうことも含めて考えると、釣り堀になっている岸壁があるなんていうことも言われますけれども、つくった後、やっぱりそういうものが検証されなきゃいかぬ。 そしてそれは、他省庁とつくる前にも連携が必要だけれども、つくった後もそういうような他省庁との連携というものは、よりよい事業を展開する上でどうしても必要なのではないかというふうに思いますが、その辺についての現状とあるいは建設省としてのお考え方を伺いたいと思います。
○説明員(渡辺和足君) 今、先生御指摘の件でございますけれども、例えば港と道路の問題等につきまして、基本的には、まず港をつくるときに、つくった後どのような影響があるだろうかということで事業の影響評価でありますとか、場合によっては環境影響評価でありますとか、そういうような概念の中で、事業主体とそれから関連する施設の管理者といろいろ協議をしながら進めていくべきではないかなというふうに思っておりまして、先生の御指摘のように、事業の事前の計画段階においてもいろいろ協議して進めるべきではないかと。 また、実施後いろいろ問題の出たものにつきましては、その対応をどうするかということは、当然のことながら港湾管理者、道路管理者、また地元の自治体含めまして、その後の対応等については相談をして諮るべきではないかなというふうに思っております。
○亀谷博昭君 ぜひ多くの方の意見を聞きながらいいものをつくって、国民の福祉の向上に今後とも大きな役割を果たしていかれるように期待をいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小川勝也君 民友連の小川勝也でございます。この調査会は新入りでございますので、まず最初に、監察当局の仕事ぶりはどんなものなのかということを、興味のある点を数点質問させていただきたいと思っております。 この調査会においては、いろいろな先生から行政監察局の仕事ぶり、高い評価がありました。私も内閣委員会に所属していた当時、地方でございますけれども、行政監察局に視察に参りまして、その仕事ぶりは大変だなというふうに思わせていただいておりますし、先ほど来議論になっております我が国の行政の監察のあり方というのは当然先進諸外国に比べますとおくれている部分も見てとれますし、どんな形で応援していけるかなという形で見させていただいているところでございます。 そんな中で報告書を読ませていただきますと、いろいろな分野でその仕事の成果が出ておりました。言わせていただけると、こんな細かいところまでよく調べたなというようなところまで出ております。そしてまた、私の個人的な感想でございますけれども、国有林野の結果報告のときに、今国会に提出されております林野庁関連の法案、こういう監察の結果もその法律に結構反映されておられるのだなというふうに考えたときに、一人だけではないでしょうけれども、いろいろな感傷に浸ったところでございます。 この行政監察の分野、いろいろ多岐にわたっておると思いますが、この報告書を読ませていただきながら、こんな分野はどうなっているんだろうということを考えさせていただきました数点について質問させていただきたいと思っております。 きょうは建設省さんもお見えでございます。私は国土・環境委員会で総務審議官にも大変お世話になっております。時には嫌がらせのような質問もするところでございますけれども、近年話題の大蔵不祥事に関連をして、日本道路公団の井坂理事があのようなことになりました。この大蔵、金融、そしてそれが日本道路公団にも関係しておるというところだけ着目するのではなくて、建設省そして道路公団、そしてその一家、グループ的な体質、ここにも数々の問題があるのではないかというふうに何度も指摘をさせていただいているところではございますが、その内部まで詳しく調べることができません。行政監察局におかれてはこの辺の、今申し上げましたとおり、道路公団そして道路施設協会等一連の一家的、グループ的な体質、経営、そしてその非効率性というものがあるとするならば、監察的な立場からどのような御所見をお持ちなのか。総務審議官、隣におられますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 道路公団につきましては過去も監察を実施してきておりますし、実は平成十年度にも監察を実施したいと考えているテーマでございます。 先生が今お話しのような点について、我々としてどういうふうな調査ができるかというのはこれから検討をしていかなければいけない事項でございますが、私どもとしましては、一昨年、特殊法人の財務の公開状況の実態を明らかにするということで、道路公団に関連をいたします法人等を整理の上、世の中に提示をしたところでございまして、前回つかみました実態を踏まえまして、今後どういうふうな調査ができるのか検討をしてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 先ほどやわらかく申し上げましたけれども、例えば国有林野事業における営林署の現業事業が直接仕事に手を下すよりも民間に委託した方が効率がいいというような調査結果が発表されております。これは当然といえば当然だなと思いますけれども、私に言わせますと、どうしてそういうせつない小さいところにだけ目を向けるのかなと。 先ほど申し上げましたとおり、道路公団、道路施設協会あるいはさまざまな関連企業がサービスエリアの営業等さまざまな形で独占をしておる、これがさまざまな形で非効率性あるいはもっとたくさんの問題を含んでいる。もう一つ天下りがあるなどという問題もあります。これから検討するのではなくて、もし先ほど御報告いただきましたようなことでいるのでしたら、もっと新たな見地でしっかりと調査をしていただきたいというふうに思います。 それともう一つ、さまざまな委員会審議の中でいろいろと興味を持っている点でございますけれども、特に建設省予算の中で、調査費という項目がございます。これは何に使うんですか、どんな予算ですかと聞きましてもなかなかしっくりと理解をするに至りません。 この調査費の項目について、御所見がございましたら土屋局長の方からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 先生のおっしゃっています調査費というのが具体的に何を指すのか私今即座にあれでございますが、調査費そのものと言われているものの中にも何かいろんな形態のものがあるのではないか、実はその調査費の範囲の限定そのものがなかなか難しい分野ではないのかなという感想を持っておりまして、私どもとしては調査費というものに着目しての統一的な調査というのは過去やったことがございませんので、所見は差し控えさせていただきたいと思います。
○小川勝也君 それでは、少し個別の案件について御所見があればお伺いをしたいと思います。 隣におります峰崎議員、私、ともに北海道でございまして、苫小牧東部開発事業というのがございます。これも地域の期待を大きく担っておりましたけれども、今になっても方向性あるいは明るい未来が見通せないというような現状でございます。御所見があれば土屋局長からお伺いをしたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 私ども、苫東の開発が北海道の拓殖銀行の破綻等を契機としまして大変な問題になっているということは一般常識としては承知をいたしておりますが、今後、北東公庫そのものも特殊法人としての統廃合等が検討されている状況のように伺っておりまして、所見そのものは、私の職務としては監察をやった結果として述べさせていただくという問題でございますので、お許しをいただきたいと思います。
○小川勝也君 十九分時間をいただいておりますが、たくさん質問しようと思っていますので、どんどん進めさせていただきたいと思います。 ことしの重点項目の中に漁港が挙げられておりました。これもいろいろ耳に、話題にするところでございます。例えば北海道を例にとりますと、多くの漁業基地、漁港がございましたが、今は漁業不振によりいわゆる船の数がどんどん減っております。その船の数がどんどん減っていく漁港が次々に整備をされていく、これはこの行政監察の結果からいくと余り効率いい事業ではないのかなというふうにも思いますし、地域の漁業関係者にとっては大事なことなのかなというふうに思うこともあります。この算出といいますか、データを整理するようなシステムが行政監察のシステムの中にあるのかどうかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 漁港漁村整備対策ということで来年度監察を予定いたしておりますが、私どもの問題意識としましては、まさに漁業並びに漁村を取り巻く状況の変化、環境の変化と漁港整備がどうなっているかというところにメーンの主軸を置きまして調査を実施したいと考えているところでございます。
○小川勝也君 ただいまの質問の件でございますけれども、当然漁業関係者にもメリットがありますが、漁港整備をする工事関係者の方に主たるメリットがあるような事業が多く見受けられているように思います。 この質問については局長に通告をしてあったと思うんですけれども、聞いていますか、聞いていませんか。
○政府委員(土屋勲君) 伺っております。
○小川勝也君 わかりました。歯切れの悪い答弁なので、だれか間違った人に通告をしたのかというふうに思わせていただきました。 そこで、次は小鷲審議官にお伺いをしたいと思います。 先ほど質問された先生の方からも御指摘があったとおり、ダム事業の見直し等、私どもは非常に高く評価をするところでございます。ここで諌早湾の話を申し上げますといろいろと意見が分かれるので割愛をさせていただきますが、例えば一度計画をした事業、あるいは昨今の衆議院予算委員会の質疑を聞いておって感じたんですけれども、いわゆる政府が提出する予算、これは民主党の鳩山幹事長あるいは平和の神崎代表が総理に対して質問していたんですけれども、一度出した予算を少しでも変えるのを物すごいプライドであるとかいろいろな面から避けて通ろうとしているんではないかなというふうな話がありました。この事業の見直しについても同じようなさまざまな要件が絡んでいるんじゃないかなというふうに思っております。 先ほど、先輩が計画をつくったのを後輩がその計画を直すということも非常に問題があるでしょうし、あるいはその予算をつけた官庁に責任が来るなどという問題もあるかもしれません。あるいは補助事業等においては補助金適正化法などというのもございます。 しかしながら、一度計画したものも、きょうの審査のテーマにもありますように、時代の変化に対応した行政、時代が変わるから、世の中が変わるからこれはもう不可抗力てしょうがない面があると思います。今以上に一度決めたことを変えやすいシステムをつくるために建設省としてのお立場からどんなシステムがあればいいか、今回ダム事業の見直しも物すごい勇気が要ることだったと思います。これがもっと堂々たる勇気が発揮されるようになるためにはどんな点をこれから整備したらいいのか、その辺御所見があったらお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小鷲茂君) せっかくのおただしでございますが、現在時点でどこをどうするという明快な今まで以上の何か取り組み課題を抱いているということではございませんで、先ほど御紹介しましたように、大規模な事業についての見直し制度もまだ約二年の実績しかないわけでございます。いろいろこれから試行錯誤しながら、反省すべき点があれば反省をしながら制度自体の改善を図っていく、そういうことなんじゃなかろうかというふうに思っております。
○小川勝也君 私見ですけれども、この見直しというか再評価によって新たな道に出発をするということがもっとどんどん行われるような世の中になるのが必要なのではないかなというふうに思っております。関係各位のさまざまな努力がこれから必要なのではないかなというふうに思っております。 次に、行政監察、先ほどこの部分も一段上の力を持った方がいいのではないかなというふうな意見もございました。しかしながら、今でもその分野においては関係者にとっては怖い存在であると思います。 昔の話でございますけれども、会計検査官がその地域の自治体に検査に来るときにはもう大名か殿様のような扱いをするんだなどという話も聞いたことがございます。最近はそんなことがないだろうとは思っておりますけれども、金融の検査をする金融検査官があのような不祥事に見舞われました。行政監察当局ではしっかりとした規律によって職務が遂行されていると思いますけれども、土屋局長からその点の御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 私ども行政監察を実施する立場として、公正中立な立場から調査を行い、結論を出すということが使命でございまして、お尋ねの件については、職務の性質柄、私としては常々職員に対し十分留意するよう指導をいたしておるところでございます。
○小川勝也君 両者にお伺いをしたいと思いますが、先ほどの建設省関係の道路あるいは農道、林道との問題、あるいは農水省関係で利用されていない施設があるなどという問題に関しまして、これは事業を計画する人、実施する人と利用者がかけ離れているから起こりやすい問題だと思います。もっと利用者や住民に近いところで企画立案が行われれば、そういう弊害がもっとなくなるんではないかなというふうに思います。その地方分権への考え方でございますが、御両者から答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 私は、地方分権そのものはやはり進められるべき課題だろうというふうに思っています。 ただ、その事業の性格とか規模によりましては、実施主体が地方公共団体でできるものとできないものとやはりあるんだろうと思うんです。そういうものについて地域との乖離をなくすということは、やはり計画段階からどれだけ地域の人をかませて物事を進めるのかなということでカバーできる問題ではないかという感想を持っております。
○政府委員(小鷲茂君) 私どもの所管事業は、これは傾向の話としてお受けとめいただきたいわけでございますが、どちらかというと地方自治体の要請があり余るほどあって、それに応じてやっているという傾向が強いわけでございますので、つくったけれども使われていないというふうなものがそうあるとは思えないのでございますが、先ほど御説明いたしましたように、間々縦割り行政と言われる分野で重複関係があるという御指摘があるわけでございます。 確かにそういうものが過去になかったわけではございませんので、将来に向かってそういうことがあってはいかぬということで先ほど御説明させていただきましたように、計画段階で、これは主として大体都道府県単位に計画調整をやっておりますが、その計画の調整を図ることによってそういう重複関係が生じないようにということを現在実行いたしております。
○小川勝也君 時間がなくなりましたのでもう質問できませんが、最後に、先ほども問題になりました政策の評価という分野で我が国は大変おくれていると思います。特に行政監察の現場に当たられた方のノウハウがこの政策、制度をつくっていくという上で最も重要だと思いますので、そういう点からもさまざまな機会の折に役立てていただきますようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○猪熊重二君 最初に、建設省に対しましては、先ほど亀谷先生からもお話がございましたように、お話をお伺いして大変参考になったんですが、どちらかというと政策実現のための事前の評価、それから実施中の評価というふうなところに主としてアクセントがあって、いわゆる事後の評価というふうなものについてのお話が余りなかったように思いますので、ぜひとも今後はできたものの効率性等についての評価を検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 あと、行政監察局に少々お伺いしたいと思います。 行政監察をする場合に、いろいろ行政の執行状況を調査したり、あるいは成果がどのように上がっているかとか、いろいろ調査分析するわけですが、調査分析するためにはある基準に基づいて調査分析しなきゃなりません。その場合の調査分析し、評価する基準は何だというふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(土屋勲君) 先ほど全般的な中で御説明を申し上げたつもりでございますが、その基準そのものというのはそれぞれの判断事項によって設定されるもので、すべての事項に一律のといいますと、公平性とか合規性とか能率よくとかいう言葉になってしまうのかなという気がいたしております。
○猪熊重二君 私は、それを判断する基準は、先ほど局長御自身でおっしゃったけれども、結局は法律なり法律に基づく行政通達的なもの、もしくは予算、こういうことになるんだろうと思うんです。そういうものを前提にして評価している限り、あくまで法律の範囲内、予算の範囲内、あるいは法律に基づく各種規範の範囲内でこれを基準にして判断しなきゃならないということが原則だろうと思うんです。それで、それがまた従前の行政監察局のありようでもあったのじゃなかろうか、こう思います。 ところが、今般、それだけしゃなくして、もう少し踏み込んで政策判断、政策評価までせよと、こういうことになってくると、今までしょっていた荷物と別個な荷物を行政監察局がしょわなきゃならぬことになる。要するに、政策評価しろということは、国会がつくった法律は適切であるとかないとか、こんなことやったんじゃだめだ、あっちをやらにゃだめだとか、予算でこんなことをつけているけれども、こんなもの、つける必要がないものをつけて、つける必要があるものをつけなかったからこんなことになったというふうなことで、行政監察局の仕事が、政策評価ということになると、ある意味においての法律批判であり、批判という言葉が悪ければ、法律評価であり予算評価でありということになるだろうと思うんです。 それで、私が伺いたいのは、現在の行政府の一省庁の中の行政監察局というところが、それだけの職分の官署がそれだけのことを果たしてやれるのだろうか、またやっていいんだろうか。それは、その後政策評価した場合に、行政改革会議の最終報告では、そういう政策評価してそれを生かせ生かせと言っているけれども、生かす手段はどこにあるのだと、この辺についてどうお考えでしょうか。
○政府委員(土屋勲君) 私、先ほど来申し上げておりますように、やはり評価そのものというのはそれぞれの部署で多重的にやられるという考えが一つございまして、私たちの求められている政策評価というものは、私たちの権限、能力からいって、あるいは政府全体の中からの位置づけからいって、どの部分が現実問題として可能なのかと、こういう見きわめというのはやはりやっていかなければいけないだろうと考えております。
○猪熊重二君 御承知でしょうけれども、会計検査院はいわゆる会計検査、収支検査をするほかに、政策の当否等についても意見を内閣に、総理大臣に進言というか、言葉は忘れちゃいましたけれども、申し出ることができると、会計検査院法にこう書いてあるんです。ところが、会計検査院はそろばん勘定しているぐらいが精いっぱいで、それで政策提言に関して、政策の当否とか是正に関して内閣に是正策を進言するなんというところまでなかなかいってないんですね。いってないのは会計検査院が悪いんじゃなくて、人数も少ないし、いろいろ仕事もあるから、そろばん勘定の検査の方だけで大変なわけです。 何を申し上げたいかというと、私は、要するに行政監察局を、計数関係における会計検査院と同じように、名前は何でもいいですけれども、行政監察院でもいいし、行政検査院でもいいけれども、主としてそろばん勘定は会計検査院に、行政執行に関する監察を含めての評価は独立したような行政機関に持っていくことが必要なんじゃなかろうか、こんなことを考えて今御質問したわけなんです。 今回の省庁再編のあれによってもそこまで全然いっていないようですけれども、そんな私の思いつきみたいなことに対する局長の御答弁をお伺いして終わります。
○政府委員(土屋勲君) 政府全体の中での再編の姿につきましては行革会議が結論を出されておりますので、私自身のコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、行革会議長終答申の中で、独立行政法人についての評価の一形態として総務省に評価委員会をつくるという新たな構想が出ております。それは独立行政法人の業務の評価をし、最終的には廃止までの結論を出すということが期待をされているようでございますが、私ども、その運営の事務局を想定されているわけでございまして、あの委員会の運営の事務をとっていく中で我々のあり方そのものも一緒に勉強していきたいなというふうに考えておるところでございます。
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。私は、きょうは特に私の意見を申し上げて、所見があればまた聞かしていただきないというように思うわけです。 まず、建設省の方についてでありますが、先ほどからお話がありました費用対効果分析の問題について私の意見をちょっと述べてみたいと思うんです。 これも先ほど審議官から説明がありましたように、この説明資料の二十一ページに費用便益分析のフロー図があり、二十二ページには八王子南バイパスの費用便益分析が示されております。バイパスが完成すれば二・九倍の便益が見込まれておる。この試算というのは、バイパスの建設あるいは維持管理費等を含めたものと、道路完成によっての時間短縮あるいは走行費用等の社会費用便益との対比。ですから、目的が道路の渋滞あるいは距離の短縮という点から見れば、費用対効果分析の問題についてはこれで結構だと私は思うわけです。 私の意見として申し上げておきたいというのは、例えば、この道路は十キロあります。道路の幅が二十メートルあると仮定しますと、これは道路敷地ですね、幅員でなくて敷地が平均二十メートルあると仮定します。十キロあれば二十万平方メートルの土地が実は道路敷地に使用されて、あとは他の目的には使われないわけです。特に八王子関係なんかを見た場合には、現在この二十万平方メートルの土地の中でもろもろのいわゆる経済活動がなされているんじゃないかと思うんです。 費用分析をする場合に、この経済活動がストップするわけですから、その部分はやっぱり損失の部分として当然費用対効果分析の中に入ってくるんじゃないかという気がするわけです。そういう点について何か所見があればお聞かせを願いたいわけです。 それともう一つ、公共事業関係全部を実施するというふうな総理の指示も出ておりますが、例えばダムの問題を考えた場合、確かに費用対効果の問題で建設費あるいは用地買収費、こういう部分についてはかなりの出費が要る。あとの効果の部分についてはいろいろ用途によって違ってくると思うんです。災害防止もありましょうし、あるいは水そのものを利用するという問題もありましょう。そういう関係で効果の部分は別にあると思うんですが、例えばここでも損失の部分として、一つは湖底に沈む集落とかあるいはその部分にかかわる面積の中での産業活動があったわけです。 特にダムなんかをつくるような地域になりますと、中山間地の過疎の地域が圧倒的です。そうすると、そこの自治体から見ればかなり自治体の運営にも大きな影響があるわけです。人口が減る、そしてその地域で行われておった産業活動がストップするわけですから。そういう点から見た場合も、ダムで消えていくといいますか湖底に沈む部分の損益部分、これも費用対効果分析の中の損失の部分としてやっぱり挙げるべきじゃないかという気がしてなりません。 これは私の所見として申し上げておきたいが、冒頭申し上げましたように、何か所見があればお聞かせ願いたい。 それからいま一点は、これは行監局長の方に私の意見を申し上げておきたいと思うんですけれども、これは質問ということじゃなくて意見ですが、この行政監察のプログラムの中で、歳出削減あるいは経費の効率的使用等の視点に立っての監査は確かに当然だと思うんです。監査実施に当たって、先ほどもちょっと小川さんからお話がありましたが、数点、国有林関係について提示がされておりますが、このことについて私はとやかく申し上げるつもりはありません。 私は、国有林関係の現在の三兆五千億あるいは三兆八千億と言われております累積赤字の現在の実態、総務庁としてはその赤字をどう解消するかという立場からの勧告なりあるいは指導、助言が中心であるというふうに思うわけです。 そういう中でちょっと考えてみますと、現在の国有林関係の赤字を一体どういう状態でつくってきたのか。これは経済効率中心主義に走った段階で乱伐に乱伐を続けてきたわけです。ですから、現在、切るような立木がない。一つの森林というのは、六十年から八十年という非常に長いスパンになるわけです。そうしますと、立木がなければ収入が入らない。今、国有林だけでなく民有林も含めてそうですが、林業という業ではもう成立しないというのが今の日本の山の実態なんです。 そういう中で、局長御承知のとおり六万数千人、一時は七万人近くおった国有林関係の職員が現在は一万五千人、これをまた半分以下に数年後には減らしていけという法律案が今度出ておりますが、そういう努力をしてもなおかつ三兆数千億の赤字が今まで積み重なってきたという中での問題として、私は、今日まで長い間この問題についてタッチして一緒に各議員、各党ともいろいろ議論してきたわけです。 私が申し上げたいのは、山というのは何なのか。赤字は解消しなきゃいけないというのは確かに役割上わかります。しかし、森林の果たす役割、国土保全を含めて、これは赤字だから放置するわけにはいかない。御承知のとおり山というのは、私自身山が専門だったものですから、植林する前には山づくりをするわけです。そして苗木を植えて、それから二十年か三十年というのはずっと投資ばかりです。収益はないわけです。それから何十年か待ってやっと伐期に達する。 こういう回りでいくものですから、冒頭申し上げましたように、国有林関係が余りに乱伐を重ねたために今余り切る木がないということでありますけれども、国土全般あるいは経済面だけでなくて国土保全という立場から見た場合に、国有林はこうあるべきだ、あるいは国有林の維持管理はこうあるべきだということまで一歩踏み込んで監察の中で提言をしていただけないのか。 今度の場合、そういうのを私自身見ていないものですから、勧告が三つぐらい出ておりますけれども、山を大事にしない殿様というのはだめだというふうに昔から言われておりますけれども、やはり山自身というのは、この間の京都会議でもありましたけれども、CO2問題でもかなり大きな役割を果たしていくわけですから、そういう点では投資をしてでも日本の森林を守る、こういう立場での勧告があってしかるべきではないか。そのための財源は、これは今の独立採算でやってきた林野会計とは別の問題ですけれども、そういう部分については投資をしながら、これは民有林、国有林も含めてそうですけれども、日本の山を守るべきと、そういう勧告が出せなかったかどうかということについて私自身実は意見を持っておるわけですけれども、これは私の意見としてきょうは申し上げておきたい。御所見があればお聞かせ願いたいと思うんです。 以上で終わります。
○政府委員(小鷲茂君) 最初の、公共事業を実施する場合に一定の広がりを持った土地がつぶされる、もしつぶされていなければ別の経済活動が行われていてそこで利益が発生するではないか、それが犠牲になっているんじゃないか、そこの点の評価をどうするのかというお話でございます。 私も費用効果分析の専門家ではございませんけれども、そういった土地に付随する将来の経済価値というのは、用地補償費という形で支払われるということになっているのではないかというふうに思えるわけでございまして、もしそうであるとすれば、用地補償費は費用効果分析の費用ということでカウントすることになっているのではないかというふうに思います。 しかしながら、先ほど言いましたように、さらに学者を含めた専門的な検討は必要かもしれませんので、持ち帰りましてよくそこについては吟味をさせていただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 国有林野事業に関する監察の件で御意見がございましたが、私どもといたしましては、この監察を実施するに当たりまして、現在の国有林事業そのものが独立採算による事業経営という面と国土保全あるいは森林管理という二つの性格を基本的に持っているんだという前提に立ちまして、ただ現状はその事業経営の採算性と公益上の調整、あるいは費用負担のあり方等に関する考え方が必ずしも明確になってないんではないかという問題意識のもと、「国有林野の管理・整備、事業経営の目的・方針等国有林野事業の役割及び基本的在り方並びに費用負担の在り方等について、法的措置を含め明確化すること」という勧告事項も入れておりまして、不十分かもしれませんが、先生のおっしゃった点も十分踏まえて検討させていただいたところでございます。
○山下芳生君 行政評価、政策評価の制度や手法についてはさまざまな議論が存在します。こういうやり方が一番いいんだということが研究者の間でもまだ固まっているわけではないというふうに思うんです。どういう評価のあり方がいいのかということをこの調査会では大いに探求しようということで今回政府の方においでいただいているわけなので、実際行政の現場で評価について探求され、御苦労されているお二方に、まず私は評価というのは一体どういうものなのかという基本的な問題について少し御意見を伺いたいと思うんです。 中央大学の今村教授の論文を読みますと、こうあるんですね。「特定の施策についての施策評価は複数成り立ち得るということ、単一の答えではなくて、幾つもの答えがあり得ることをわきまえておかなければなりません。」と。それから、「学問の世界でも、数字や数式を用いると、それだけ科学的であるかのような見方がはびこっておりまして、そうした見方に支えられて、施策評価の科学性を主張する人びとが少なくありません。」と。 こういう評価そのものについての見方ですけれども、お二方にそれぞれ今の今村先生のこういう見解について御感想をまず伺いたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) おっしゃっていることは私自身もある意味で同感できるところがございます。確かに、評価項目の中でどの事項をより重視するかによって同じデータの評価もあるいは変わってくるのかもしれませんし、それから物事の判断の中で数値化できない要素というのはたくさんあるわけでございまして、たまたま数値化されたものだけですべての結論が出せるかというと、そうでもないというところも同感できるところでございます。
○政府委員(小鷲茂君) 建設省は公共事業の主たる実施機関でございますので、評価ということになりますると公共事業の評価ということになるのではないかというふうに思いますが、そういう立場で言いますると、それぞれの時点で公共投資という形で投資をするに値するかどうかということを判断することが評価の意味ではないかというふうに思います。 また、ただいま評価の仕方あるいは結果にはいろんなものがあるんだという学者さんのお話が御紹介されましたけれども、確かに物事の判断の基準がそれぞれ各人違うわけでございますので、幾つかどころか人によってかなりばらつきがあるというのが現実ではないかというふうに思いますが、私どもはそういう状況の中で、国民のコンセンサス、多数意見はどこかということを求めて投資をすべきかどうかということを判断していくべきではないかというふうに思っておりますし、今後もそういう努力を続けていきたいと考えております。
○山下芳生君 建設省さんに具体的に少し伺いたいんですが、先ほどの質問にもありましたけれども、道路の費用便益分析というものを試行的に実施されて事業の評価を行われていると。その説明を聞きますと、費用というのは建設費プラス維持管理費。便益というのは時間短縮便益、走行便益、交通事故減少便益だと。この便益の方の三つの項目を選択したその理由というのはどこにあるんでしょうか。
○説明員(渡辺和足君) 道路の便益はこのほかいろいろあると思います。しかし、経済的に評価しやすいということで、この三つにつきましては、例えば時間の減少でありますと、渋滞が短くなりましてその分運転している時間が短くなって、その人的経費が削減できるとか、それからある程度一定速度で走れますとガソリンが節約できるとか、非常に経済的に評価しやすいものを費用便益分析で採用しているわけでございます。 このほかいろいろな効果というのは確かにあるわけでございますが、なかなか経済的に評価しにくいということで、そういう部分につきましては新規の採択基準等の中で、こういう部分についてどうかというようなところで、定量的ではなくてまた現在評価をしているということでございます。
○山下芳生君 私、便益と言うときにマイナスの便益もあると思うんですね。 例えば、新しく道路ができる、これがモータリゼーションをさらに促進することにつながって車両が増加する、その結果総合的に見れば渋滞がよりひどくなると。それを緩和するためにまた新しく道路をつくらなければならない。イタチごっこというのがよく道路問題では言われますが、そういうこともあるんじゃないか。あるいは、同じくモータリゼーションが促進され車両が増加することによって、NOx、SOxの排出量がふえる、大気が汚染される、それによってぜんそく患者などがふえるということも実際都心部では起きていますね。 ですから、そういうマイナスの便益というものも、これはやはり国民的コンセンサスということからいえば織り込むべきではないのかというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。もしそれを織り込むならば、私はおのずと費用便益分析の結果が変わってくるはずだと思うんですが、いかがですか。
○説明員(渡辺和足君) 道路をつくることによりまして、基本的にはキャパシティーとしては大きくなるかもしれませんけれども、走行性は非常に高まるということです。 一つは、やはり道路の場合につきましては、同じように走っていましても渋滞が多いと排気の環境に対する影響も非常に大きくなるということで、走行性を高めることが逆にまた環境にも好影響につながるというふうに考えておりまして、道路をつくることによります便益としては、基本的に個別の道路でとらえてみますとやはりプラス方向の便益が中心になるんではないかというふうに思っております。
○山下芳生君 なかなかわかりにくいんですよ。個別の道路を考えたら確かにプラスの効果というのははっきり出てくるけれども、トータルで見れば、私は、道路ができることによって燃費が向上し、公害が少なくなるかのような訴えというのは、都心に住んでおる者の一人としましてはなかなかこれは説得力がない議論ではないかなといつも感じておったんです。 それで、先ほど御答弁の中に、この三つの便益の項目を挙げたのは経済的に評価がしやすいからですとおっしゃいました。ですから、確かに私が申し上げたマイナスの便益というのはなかなか経済的に評価しにくい、非常にあらわれにくいものだと思います。しかし、経済的に評価しやすいものだけを取り上げて、それでこういう形で結果を建設省さんとしてお出しになるということになりますと、これはだれのための評価なのかということが問われてくるんじゃないかなというふうに私は思っております。 やはり今のやりとりを通じても、私は、この道路の費用便益分析というのは、これはこれとしてやる意義がないとは申しません。しかし、感想を申し上げますと、特定の施策について効果が上がっていないと悪い評価をされたら、それに対して建設省さんなりはやはりそうじゃないと対抗しなければならない。例えば、大蔵省からこれは効果ないじゃないかと言われたら、そんなことありませんよと反論しなきゃならない。そのための評価であって、これは政策をおつくりになった、政策を決定した方のための評価というふうに受けとめられかねない内容になっているんじゃないかなと私は思うわけです。そういうものがあたかも客観的な評価として非常に効果があるんだ、国民の役に立つんだということでひとり歩きすると、私はこれは逆に評価というものが国民にとってはプラスにならない結果を招く危険性もあるというふうに感じます。 やはり行政の最終目的というのは国民福祉の向上ですから、そういう意味では評価の基準というのは国民がどう行政を評価するかということに置かれるべきでありますので、そういう点では今後のこの調査会の議論を進めるに当たってそういう視点をぜひ据えていかなければならないんじゃないかなということ。そのためには行政内部の評価あるいは監察というのも否定はいたしませんが、やはり国民に情報を公開する、外部のオンブズマン制度などによる監視、監察というのも大事でしょうし、そういうことについても改めて研究していかなければならないんだという感想を述べまして、時間ですので終わります。
○木暮山人君 自由党の木暮山人でございます。 まず、総務庁の方にお伺いします。 現代の世相は、日本が今まで築き上げてきた法律的な部分が大きく欠落していろんな問題を提起してきているんではないかと思います。これを一々申し上げますとなかなか大変なことになります。 今、行政改革に求められているものは、二十一世紀における政府、行政システムのグランドデザインであり、政府ビジョンを明確化した上で、ビジョンから政策形成、政策実施、さらに実施から評価への展開を民主的かつ効率的に行うシステムの確立こそが求められているところであります。これによって何とか今までのマイナスを取り返し是正し、二十一世紀に向かっていこうというところではないかと思います。 昨年十二月三日に出されました行政改革会議の最終報告においても、「政策の評価体制を確立し、合理的で的確な評価を進め、その結果を迅速かつ適切に反映させていく仕組みと体制が重要である。」と指摘されております。事前、期中、事後とそれぞれの段階で厳正かつ客観的な評価を行い、それを政策立案部門に反映させて、政策の不断の見直しや改善を図っていくことが今後ますます重要になってきます。 特に総務庁は、行政監察機能のさらなる充実のために評価・監視機能の十分な発揮のための工夫を求められていますが、この報告の指摘をどう受けとめ、全体的にどのように取り組んでいくお考えなのかお伺いさせていただきたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 行政改革会議の最終報告に先生から御紹介いただきましたような事項が書かれているわけでございます。それを受けまして、今国会には、行政改革会議長終報告に基づきまして中央省庁等改革基本法案が提出をされたところであります。 この基本法案が成立をすれば、設置が予定をされております中央省庁等改革推進本部、この中では新たな体制への移行に必要な法律案等の立案が行われることが想定されているわけでございまして、その中で行政評価あるいは監視機能の充実についても検討がなされることと考えておりまして、私どもとしましては、それらの検討の動向とあわせながら、最終報告に書かれました趣旨をどうすれば実現できるのかなということへの対応を考えてまいりたいというふうに考えております。
○木暮山人君 しかし、全庁を挙げまして、まあ日本の国を挙げましてでもいいんですけれども、今までのいろいろな汚点、これをいい方向に持っていく何かいい知恵は現在のところおありになるのか、まずそれをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋勲君) 行政の評価、監視という分野に限定をさせていただきますと、行革会議長終報告で示された骨格というのは非常に的確な骨格を示していただいたというふうに考えておりまして、その指針の方向に沿って今後我々の検討作業を進めてまいりたいと考えております。
○木暮山人君 報告書では「客観的で公正な評価方法の確立」ということが挙げられております。総務庁の行政監察の視点としましても公正性ということが言われておりますが、今日のように国民の価値観やニーズが多様化している中で、何をもって公正な評価方法とするのかは非常に難しいのではないかと考えるわけでありますが、この点についてはどのような方法の確立が望ましいと考えられていますか、再度総務庁にお伺いさせていただきます。 評価の眼目は、政策に必要な修正を加えるとともに、行政活動の過程全体の透明化を図りながら幅広く政策選択のあり方について国民的議論を喚起していくことにあります。そのため、今、情報の公開を積極的に進めていくべきことと言われておりますが、今国会に情報公開法の提出も予定されておるようでありますが、一日も早い情報公開法制を確立することが行政の国民に対する責務ではないかと考えております。法案の提出の見通しについてはどんな感触でおいでになるものでしょうか。
○説明員(戸塚誠君) お答えいたします。 情報公開法につきましては、平成八年十二月の行政改革プログラムという閣議決定におきまして平成九年度内に所要の法律案の国会提出を図るということが決められております。現在、この方針に沿いまして、三月末までに法案を国会に提出するよう全力を挙げて実際の作業に当たっているところでございます。 以上でございます。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
○山田俊昭君 二院クラブの山田です。総務庁にお尋ねをいたします。 私の尋ねることは、先ほど小川先生もちょっと触れられた点なんでありますが、最近というか目下大蔵と金融機関との癒着、いわゆる贈収賄事件についてであります。 銀行業界から大蔵への過剰な接待、それに伴ういろんな、MOF担なんという担当者がいることもこの事件を通じて私などは知ったわけでありますけれども、総務庁にこの行政監察制度というのがあれば、あらかじめ総務庁の行政監察担当の人たちにこういうことの事実関係なり情報などが当然入っていって、それを取り上げて監察の対象にしてしかるべきだと思われるわけですね。例えば、調査に行く調査日程までが事前にもう漏れちゃっている。それに対応して帳簿を改ざんするというようなことが常識化されてきたという現実ですね。そして、検査官相互のチェック機能が全然働かないとか、お互いにそういう悪いことを仲間同士で知り合ったら何らかの形でチェックする機能があってしかるべきではなかろうか。 あれやこれやを考えまして、行政監察という制度が総務庁に存在して、きょう御説明を受けましたように、政府部内の自己改善機能として行政の制度、運営等の実態を調査分析して、その結果に基づいて改善方策を関係行政機関に勧告するという極めて立派な制度が存在するのであれば、私はこんな不祥事は事前に防げたのではなかろうかと思うのですが、行政監察局長の率直な御意見をお伺いいたします。
○政府委員(土屋勲君) 私ども、金融に関しましては、本年の四月から早期是正措置が導入される、あるいは金融監督庁の設立が予定されていることなど、金融行政が大きく変化しつつあることを踏まえまして、昨年の四月から五月にかけて実地調査を行い、十二月末を目標に早期に取りまとめ、勧告を行っているところでございます。 我々、この実地調査におきましては、本庁でいえば四名の担当職員が大蔵省、農林水産省、労働省の各本省や民間の大手金融機関、協同組織の全国機関など約四十機関に赴きまして、金融検査の実施状況あるいは金融機関のディスクロージャーの状況、許認可等各種規制にかかわる問題点など、多様な事項について所要の調査を行ったところでございます。このほか、管区行政監察局など十九局所におきまして、約二百三十の国の行政機関、都道府県、民間の金融機関などにおいて同様の調査を行ってまいりました。 今回の監察の結果としましては、金融検査の手順や周期の見直し、あるいは金融機関のディスクロージャー制度の整備充実などの重要事項を含めた勧告を行っているつもりでございまして、それを受けまして現在関係省庁において改善に向けた検討が前向きに行われているものと承知をいたしておりまして、私どもの監察が行政運営の改善に十分寄与しているものと考えております。
○山田俊昭君 まあ一生懸命やっていらっしゃる。この大蔵と金融の癒着が行政監察局の活動の不十分さ、すべて責任がそこにあるとは、ほかにもいろんな要因、原因があるわけであって、ひとり総務庁を責めるわけではないんですが、一生懸命やっておるということです。きょうも先ほどからいろいろ、行政監察局なるものの権限だとか、こういう他の省庁に対して総務庁が全部持って、一局が他の省庁を批判したり、よその省庁がする政策評価を総務庁がすべて全能的にやることがいいかどうか、これは会計検査院に匹敵する別個な行政監視委員会なるものを設けるべきだとか、いろんなことはあると思うんです。 今それほど一生懸命やっていらっしゃるわけだけれども、取り上げるテーマも多々あってすべてに手が回らないということもよくわかるんですが、それだけやっていた効果が国民にいま一つ伝わってこないという感じがするんです。いわゆる行政監察の限界と申しますか、私どもじゃこれでは不十分だ、もっと権限くれよとか、局長みずから行政監察の長にあられて、こういう点が問題があるんだ、こういう点は私どもは不十分なんだ、こういう権限が与えられたら、こういう方法が与えられたらとか、いろんな問題点がもしおありであれば、率直にお聞かせいただければ幸いかと思います。
○政府委員(土屋勲君) 行政監察につきまして法律的な権限強化の御意見、各方面からいただく機会がございます。ただ、しかしながら、お話しの法律上の権限というのは、現在の内閣制度の中において総務庁の行政監察局という位置づけの中において法律的に整合性を持って可能なのかどうかということを検討いたしますと、なかなか整合性のある権限付与にならないというふうな問題があると思います。 私は、法律上の権限というものは、それをいかにうまく使いこなすかということが非常に大切なことであって、我々は与えられた権限の中でもっともっと勉強をしながら、職員の資質を向上しながら、専門的な知識を磨きながら努力し活躍しなければならないというふうに考えているところでございます。
○山田俊昭君 いろいろと問題があると思うのであれですが、さらなる御健闘、効果あることを期待するものであります。 それと、大蔵省の今回の不祥事が、ノンキャリアを犠牲にして、いけにえにして大蔵がキャリアを救ったと言われている論評があるんですが、総務庁としては、今大蔵に対する行政監察権限がある限り、こういうマスコミの論評をどうお考えになりますか。率直な御所見をちょっとお伺いしたいんですが。
○政府委員(土屋勲君) 私がこの席でしゃべれるのは業務の結果に基づく所見でございまして、私的な所見は差し控えさせていただきます。
○山田俊昭君 時間がないのであれなんですが、大蔵省を初めとする官僚の汚職事件というのは、ほとんどキャリア組でなくてノンキャリアの人たちが多い。これは何に起因するか。やっぱり我が国官僚制度の不備というのか、いわゆるキャリア組を優遇してノンキャリアを極めて冷遇している。これは、そうじゃないとおっしゃっても客観的事実として私たちから見るとそうとしか思えないわけです。それで、ノンキャリアは職場にいて現実に職務にいわゆるたけていく。そういう状況から国民との密着度もふえてきていろんな問題が発生していく。そうした形で大蔵不祥事が発生している一要因にもなっているような気がするわけですけれども、この点に対する局長の率直な御意見をお伺いして、私の質問を終わります。
○説明員(平山眞君) お答え申し上げます。 職員の登用に当たりましては、国家公務員法に定める成績主義の原則にのっとりまして、適切な評価とそれに基づく人材の登用が行われるべきであると考えておりまして、また変化の激しい時代に的確に対応した行政運営を行っていく観点からも、採用試験の区分にかかわらず能力のある人材を登用していくことが重要であると考えております。 こういう観点からも、平成八年七月三十日のⅠ種採用者の縮減に係る閣議決定を受けまして、Ⅱ種試験の採用者からの人材活用を決定したところでございまして、この閣議決定の趣旨に沿って人材の登用を図ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、国家公務員法が制定されてからもう五十年経過しております。またこの間、社会経済情勢の変化も激しいものがございまして、この点を踏まえて、現在、内閣総理大臣の諮問機関である公務員制度調査会におきまして、平成十年度内の基本答申に向けまして総合的視点に立って、公務員に関する制度またその運用のあり方につきまして全般的な見直しを進めていただいているところでございます。
○山田俊昭君 ぜひぜひ見直しをして、しかるべき人材登用を希望いたしまして、私の質問を終わります。
○堂本暁子君 新党さきがけの堂本です。よろしくお願いいたします。 お願いしてある質問に入ります前に、建設省の方から総務審議官が御説明くださった資料でちょっと追加して説明をしていただきたいところがございます。 事業見直しについて、これは十ページからダムその他について書いてありますけれども、ずっと十ページを説明してこられて、十一ページの途中であとは省略なさったんですが、この最後の方にございます徳島県の細川内ダム、「委員会設立準備中」というようなことが書いてありますけれども、このあたりのところ、それからその下の熊本県、この辺については今現状どうなっているかを御説明いただけますでしょうか。
○説明員(横塚尚志君) ただいまの細川内ダム、川辺川ダムの件につきまして御答弁申し上げます。 細川内ダムにつきましては、ダム等事業審議委員会の対象になってございますが、現在におきましてまだ事業審議委員会が発足をしていない状況でございます。ただ、徳島県知事と地元でございます木頭村長さんの間で基本的にダム等事業審議委員会を発足させようという合意ができておると報道されておるところでございまして、現在発足に向けて準備をしている段階であると聞いております。 それから川辺川ダムにつきましては、ダム等事業審議委員会が発足をしてございまして、既に事業を継続することが妥当であるとの御審議をいただいてございます。 以上でございます。
○堂本暁子君 細川内ダムの方のことをもう少し伺いたいと思いますが、今、委員会が発足準備中ということですけれども、委員会が実際にスタートして、そこでの結論ということについては、これからどういう方向に行くかということはあくまでも委員会にゆだねられるということですか。
○説明員(横塚尚志君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○堂本暁子君 続いて伺いたいと思いますが、私も現地を見まして、ここは三十年ぐらい前の計画で、それから実際その木頭村の民意としてはダムの建設反対というのをずっと二十年以上続けてきたところですけれども、建設省がまさにこの評価、きょう話題になっております、問題になっております行政評価、行政監察というような視点からお考えになって、中央の立場としてはどのような見解をこのダムについてはお持ちでしょうか。
○説明員(横塚尚志君) 先ほども申し上げましたとおり、現地の方で事業審議委員会の準備が進んでおると聞いておるところでございますので、私どもといたしましては、この事業審議委員会の答申を待ちまして、この答申を最大限に尊重しながら考えてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 私は、きょう総務庁の方に伺いたいと思っているのは、建設省の所管ではございませんが、干拓事業に関してです。 確かに、戦後の日本は大変に農地が足りなくて、そのために国営の干拓事業というのが昭和の初期に始まったと。今もう減反政策がとられる、こういった時代に、それから、大変環境的な視点で申しますと、汽水湖あるいは湿地やそれから湖というものの重要性というのが大変再認識されている。 そういう中で、具体的に私が例として挙げたいと思ったのは島根県の中海の工事でございますけれども、会計検査院ももう営農の必要がないというようなことを昭和五十五年に言っています。それから実際に総務庁の勧告としても、いろいろ検討すべきだということを出しておられるのは、「漁業資源及び自然環境への影響に関する評価について従来以上に厳しい情勢にあるため、」というようなことをおっしゃって、「今後における干拓事業の在り方、進め方等を長期的、総合的に検討すること。」というふうにおっしゃっておられるのが昭和五十七年です。 そして、中海の場合は一時中断もされていましたが、つい最近になりましてまた勧告が出された。その勧告は、こういった歴史の中で、非常にもう必要性が常識的に考えても考えられないような中で弱い勧告にとどまっているということが問題ではないかと思うんです。最初はもっと強い勧告が出るであろうというふうに言われていたのが大変文言としては弱い勧告で、「実施中及び休止中の事業について」というところも、「慎重に検討し取扱いを決めること。」というふうな文言で干拓事業については勧告しておられるわけですが、どうしてもっと明快にきちっと書けないのか、まずその点を伺わせてくださいますか。
○政府委員(土屋勲君) 昨年二月に勧告をいたしました大規模農業開発事業に関する監察におきましては、干拓事業のうち「休止中の事業については、社会経済情勢の変化を踏まえ、環境に十分配慮しつつ、農地利用の見込み、営農の確実性等について、慎重に検討し取扱いを決めること。」というふうに勧告をいたしたところでございますが、この勧告を受けまして、農林水産省におきましては勧告の趣旨に沿った検討が進められておりまして、休止中の国営干拓事業二地区についてはその後廃止することを決められたというふうに伺っております。 なお、お話しの中海地区につきましては、現在、与党三党合意に基づきまして事業の総合評価を行うための二年間の調査が行われておりまして、その調査結果を踏まえて結論が出されるものと伺っております。
○堂本暁子君 大変にむだが多いというふうに思うんですね。今までに使われたのが三百六十八億円、そして残っている、今後費やすであろう、計画がそのまま実行されれば二百七十億円、合計六百三十八億になります。 しかし、もう今は減反の時期で、そこを農業に使う必要がない。ここも行ってみましたけれども、大変美しい日本の歴史的なところでございまして、あの海に土を入れることによって、干拓することによって、一体日本海の魚はどこで卵を産むのかというような生態系の破壊、そして漁業というのは私たち日本人の大変重要なたんぱく質源だと思いますけれども、そういった視点なんかも大変重要なことだと思っています。 そういった中で、ことしまた三億八千六百万円の調査費がついているわけなんですけれども、そういったことに対して、三党での合意は確かにございますけれども、私たちの税金の直接的なむだ遣いというふうに私には思えるわけです。この残っている事業に使うということであればさらにお金を使わなければならない。使わなければ今までの問題がむだになるというような考え方を県ではるるおっしゃいますけれども、そうではなくて、新しい形での事業に切りかえるということをどうして勧告できないのか。 そういったあたりに、勧告の仕方について大変甘いと申しますか、これで本当に行政の中できちっと切りかえていけるのか、そういうダイナミズムをむしろ持っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(土屋勲君) 私、先ほどから申し上げておりますように、行政の監視、評価の機能はそれぞれのレベルのそれぞれの箇所に役割と分担をもって付与されるべきであって、たまたま私たちはそういう専門的な仕事をしているわけでございますが、これだけの権限と位置づけとスタッフの中で、すべてのものをおまえのところでやれというお話にはなかなかならないんではないか。我々はできることについては精いっぱいのことをやっていますということを申し上げたいと思います。
○堂本暁子君 多分本音でいらっしゃるだろうと。かねがねいろんな勧告について読ませていただいて、大変いい仕事をしておられるわけですね。私がやっている生物多様性に関しての勧告なんかもあって、非常に細かいところを丁寧に調べておられて、一つ一つの仕事については私も敬意を表したいと思ったことは何度もございます。 問題は、それがシステマチックに、今この国の財政の問題、行政の問題がこれだけ大きく変化、改革を求めているときに、やはり機能しにくいような体制でありシステムでありそして予算であり人員なんだろうというふうに思いますので、会長にぜひお願いしたいのは、この調査会で、ぜひとも国として機能するような監査の方向性をこれから出していただくような、そういった充実した、しかも時代に合った議論を私たちは深められたらと思っております。 どうもありがとうございました。
○会長(井上孝君) 本日の調査はこの程度といたします。
○会長(井上孝君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行財政機構及び行政監察に関する調査のため、今期国会中必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(井上孝君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十五分散会