P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
142回国会参議院1998/06/09

行財政改革・税制等に関する特別委員会 第14号

発言数
145
登壇者
20
会派数
8
開催日
1998/06/09

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。  中央省庁等改革基本法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 当委員会の締めくくり総括に当たりまして、主要な点について総理並びに関係閣僚に御質問申し上げたいと思います。  平成八年の総選挙におきまして各党は行革を公約いたしました。私ども自民党も行革を最大の公約にいたしまして、その後、橋本総理は六大改革を掲げ、そのかなめとして行革を位置づけられました。  新聞等では第三次臨調という声もありましたが、早期に成果を得ることを念頭に、総理主導型の行革会議を置かれまして、かつ従来からありました行革委員会や地方分権推進委員会とも連携をとりながら、行政改革会議は五月に中間整理を、そして九月には中間報告を、十一月には最終報告を経て、そのいわば結晶とも言うべき基本法をこの国会に提出されたわけでございます。  二十一世紀の初頭に新たな中央省庁体制の実現を目指す法律でございます。一年半の経緯を振り返って、まずここに至った総理の御所見を伺いたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から触れられましたような経緯を経て、昨年末行政改革会議が最終報告をおまとめいただきましてから、政府としてはこれを鋭意忠実にカバーした中央省庁等改革基本法案を作成し、国会で御審議をいただくことになりました。  この間におきまして、規制緩和及び地方分権につきましては、それぞれ行政改革委員会及び地方分権推進委員会に御審議を願いまして、これらに基づいて、本年三月末、規制緩和推進三カ年計画、そして五月二十九日に地方分権推進計画を既に決定させていただいたわけであります。  今回、この中央省庁等改革基本法をお認めいただきますならば、私どもはできるだけ早くこれに対応し本部をスタートさせ、これからの作業に取りかかりたいと考えております。各省設置法を初め、恐らく膨大な立案作業を必要とすることになると考えておりますが、これを二〇〇一年に新たな体制へのスタートが切れますようにするためには、実はこれから後の作業というものが極めて重要になるわけであります。  しかし、私どもはこれをなし遂げなければ従来の事前管理型の行政というものから決別することができない。そして、二十一世紀の我が国はそうしたシステムではもつはずがない。ルールを明らかにした上で事後チェック型の行政というものを目指す限りこの関門は何としても超えなければならない関門、そのように思い詰めております。  今後の作業におきましても、院の御協力を心からお願い申し上げる次第であります。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 橋本総理は行革のプロでいらっしゃいます。運輸大臣当時は国鉄改革をおやりになりましたし、また長く自民党の行政調査会長として幅広い識見の持ち主でいらっしゃいます。官僚のこと、官僚機構のことは、それこそ官僚以上に知っておられる。表からも裏からも、横からも斜めからも知っておられると承っております。  こういう長い総理の行革構想に照らして、この基本法の意義についてどのようにお考えになりますか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、官僚の経験があるわけではありませんので、官僚をよく知っていると言われますと、大変面映ゆい思いがいたします。むしろ、行政改革をしようとしたときの官僚の抵抗の厳しさというものは嫌というほど今日までも味わってまいりました。そして、私は、今日までの行政の仕組みというものは第二次大戦後の混乱期から今日を築く間において極めて有効に作用したシステムであるということは、率直な評価として与えられてよいものだと思っております。  しかし、今、内外の状況が大きく変化をいたします。我が国の人口構造も大きく変わってまいりました。内外のシステム全体がこれに合わせて変わっていかなければ、私は将来に向けての日本はないと考えております。そして、現実を見ますとき、例えば縦割り行政の弊害あるいは官僚組織の肥大化、そしてそれが閉塞感を生み、結果的には創造的な新たな業の立ち上げを妨害する、そのような批判さえ受けるに至りました。こうした状況は変えなければなりません。  そうした考え方を持って取り組みました場合、私は、行政改革会議、一年間本当によく真剣な検討をしていただいたと考えておりますし、これをまとめ上げました本法律案、これはこれから先の中央省庁のあり方というもの、地方分権の推進並びに規制の見直し、撤廃、緩和というものを踏まえながら、よりスリムな効率的な行政の仕組みをつくる上で欠くことのできない、そのような位置づけを持つ法律案であると考えております。  今後、例えば独立行政法人をどのような設計にしていくのか、そうした課題は当然残ります。そして、御検討をいただくべき部分はこれからの作業の中にこそ非常にたくさん含まれておると思いますが、本当に二十一世紀の我が国を形づくっていく上でそれぞれの改革に密接に関連し、かなめともなります行政改革が本法律案によりまして動き始めることを心から期待いたしております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 衆参のこの法案についての論議は百時間以上に及んでおりますし、かなり幅広い議論が行われたと承っております。ただ、一部の論議の中には今回の改革のことを単なる省庁の看板の書きかえであるとか機構いじりという批判がございますが、私は、これは全く当を得ていない不当な考え方だと思います。その点について総理のお考えを承りたいと思います。  また、この中央省庁等の改革を含めて行革というものは、当面の景気対策やあるいは経済構造改革、また財政構造改革とも全く表裏一体であり、行革というものが六大改革の推進や景気対策のための牽引的な役割と申しますか引っ張っていく役割を持つと思うわけでございますが、これについてのお考えを承りたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 行政の実質を変えるという観点から今回の改革のポイントを私なりに整理してみますと、幾つかのポイントがあるように思います。  まず、規制緩和や地方分権、あるいは官民分担の徹底による国の権限と仕事の減量、あるいは事前規制型の行政から事後チェック型の行政への転換、これは行政そのもののあり方の見直しでありますとともに、本来自由に伸びるであろう芽がありましたものが阻まれていたとするならば、ここで私は新たな芽が起きてくる、そうしたチャンスもつくり得ると考えております。  また、独立行政法人制度の創設などを含めまして、企画と実施の分離という観点から、より効率的、効果的な行政体制を樹立しようと考えております。これは、いわゆる官の仕事であるが民でもできると言われる分野をある意味では変えていく、新しい仕組みになってまいるでありましょう。そして、国民本位の行政を実現するという見地から、政策評価の充実あるいは情報公開の推進、これはもう既に法律として国会に提出をいたしておりますけれども、行政手法や行政運営のあり方にも方向づけをする、それだけの踏み込みをいたしております。  そうしたことを考え、そうした方針のもとに、現在存在をいたします各省庁を大ぐくりに再編成をしていく。その中で、当然ながらその機能及び政策のあり方についての具体的な方針というものを、指針をこの法律案の中には示していただいております。  そして、従来、局と局を統合するだけでも大変だとか、局あって省なし、本委員会においての御論議の中でも御質問の方からそういう言葉が出ました。それぐらい壁のありましたものを大きく変えていく、その意味では私は御批判は当たらないと考えております。  また、議員が御指摘になられましたように、まさにこのテーマは独立したテーマではございません。当然ながら、規制緩和や地方分権、官民役割分担の徹底といった行政改革の方向性、これは経済構造あるいは財政構造などの改革全部に密接に関連をいたします。したがって、この中央省庁再編を初めとする行政改革を進めてまいりますことは、改革全体の推進としても大きな役割を果たすものでありますし、同時に、我が国自身が民需中心の内需を中心とした経済成長への軌道に乗っていくためにも必ず大きな役割を果たす、これは議員の御指摘のとおりだと思います。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 今、総理から御答弁をいただきましたように、まさに二十一世紀の超高齢・少子化社会あるいは世界的な大競争時代に備えた国家システムの再構築を図るのが今回の行革だろうと思いますし、それは今、総理からも御答弁がございましたように、この行革への道筋がついて当面の景気対策やあるいは経済構造改革、財政構造改革にも大きなプラスになると思うわけでございます。  さてそこで、中央省庁等改革基本法、この法律と行革の本質について二、三お尋ねをいたしたいと思います。  今回の行革の本質は、私は二つあると思うわけでございまして、一つは、二十一世紀において国の行政が担うべき任務、機能、それを踏まえて、官から民、国から地方へ、それによってスリム化をするということ、もう一つは、政が官に対して指導権を持って、行政の基本は政治が決定する、この二点にあろうかと思うわけでございます。  そこで、まず第一点の官から民は、今、総理が御答弁されましたように、規制緩和によって既に相当の成果を上げておられます。また、国から地方は、分権推進委員会の四次にわたる勧告、また五月二十九日の分権推進計画によってその推進の方向を示されております。  さらに、今回の基本法の第四条というところはたびたび指摘がされておりますように、「国の規制の撤廃又は緩和を進め、国と民間とが分担すべき役割を見直し、及び国と地方公共団体との役割分担の在り方に即した地方分権を推進し、これに伴い国の事務及び事業のうち民間又は地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りこれらにゆだねること等により、国の行政組織並びに事務及び事業を減量し、その運営を効率化するとともに、国が果たす役割を重点化すること。」、このように明確に書かれておりまして、また第四章には行政の減量なり効率化を明示しておられます。  私は、この基本線に沿ってさらなる推進を期待しているわけでございますが、これについての御所見を承りたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 規制緩和の推進につきましては、既に進んでおりますものをちょっと別にいたしまして、去る三月末策定をいたしました新たな規制緩和推進三カ年計画に盛り込みました十五分野、六百余りの個別取り組み事項をまずしっかり実現していかなければなりません。  この計画の中には、例えば事業参入規制の撤廃・緩和、あるいは許認可の審査・処理期間の半減、今後さらに各行政分野を横断的に見直して進めていかなければならない共通課題も盛り込まれておりまして、これを進めていくことは極めて大事であります。  同時に、行政改革推進本部のもとに規制緩和委員会を設けさせていただいておりますが、先月末、委員や事務局を改組、強化させていただき、活動を開始していただきました。この委員会が、この活動に基づいて今後骨太な見解を出していただくことも大いに実は私どもとしては期待を申し上げております。  同時に、もう一つ大事な地方分権の推進、これは先ほども申し上げましたように、行政改革を進めていく上での基盤となるものであります。そして、地方分権推進委員会からの四次にわたる勧告を今回、五月二十九日に地方分権推進計画として閣議決定をし、国会に御報告をいたしました。この計画内容につきましては、今後各省庁が相協力しながら法案化作業をできるだけ急いでいく、そして原則として平成十一年の通常国会に所要の法案を提出させていただく。着実に実行していかなければなりません。これによって地方分権を総合的かつ計画的に進めていきたい、そのように考えております。  しかし、それで終わりではなく、この基本法の考え方も踏まえながら、さらに地方分権の一層の推進に向けて積極的に取り組んでいくことが必要であると私どもは考えておりまして、地方分権推進委員会に対しましても、市町村への権限移譲を含む国及び都道府県からの事務権限の移譲など、こうした問題についてもさらに検討していただきたいとお願いを申し上げ、それを受けとめていただいております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 ありがとうございました。  第二点目の政と官の関係、あるいは政と官のあるべき姿につきましては、私も本委員会や予算委員会で何度が御指摘を申し上げた点でございます。  橋本政権になりまして以来、政の主導が私は特に最近目立っていると思います。最近の国政の重要課題でございます金融システムの改革でございますとか、あるいは総合経済対策、対外的にはインドネシア政情不安への対応、さらに今後の政策課題としての金融不良債権の処理問題、こういう問題につきましては、政の主導による政策決定というものが大変目立っているわけでございます。  私ども自民党におきましても、政調会の部会の下に最近はいろいろな小委員会を設置いたしておりまして、新しい政策課題に取り組んでおります。また、私ども参議院自民党におきましては、かねてからでございますが、特に最近、議員立法小委員会というところで政策課題についての立法化というものをいろいろと検討しているわけでございます。  私は、こういう面で、これから政治主導のもとにいろんな政策、またもう一つは総合調整を必要とする政策につきましても、最近は政主導、それに対して官がこれに忠実に対応していただけるという例がいろいろあるんではなかろうかと思います。  例えば、今国会において成立をいたしました中心市街地の活性化法というのも、昨年の四月、五月ごろから私ども政調会で論議を深め、各省をお呼びしていろいろと両方で検討いたしましたが、私どもがかなり指導的な役割を担ってまいりました。また、公共事業の実施に伴うPFIにつきましても、まだ過程でございますけれども、一応の法案もつくりましたし、これは、こういう総合調整を必要とする面の私ども政治家のリーダーシップあるいは政主導のパターンではなかろうかと思うわけでございます。  さらに、政治の強力なリーダーシップ、これが特に今回は官邸機能の強化、内閣の強化ということで示されておりますけれども、これをさらに充実していただきたいと思います。特に、危機管理の面、総合調整の面でその意義が大きいと思うわけでございます。  その一般的な御所見も総理に伺いたいわけでございますが、なお加えまして、この基本法自身はプログラム法と言われているわけでございますが、現実には、先ほどもお話がありましたように、これで基本的な方向を示して、実際のスリム化とかあるいは各省の権限をどうするかということは各省設置法にゆだねられているわけでございます。先ほど読ませていただきました第四条には、国の行うべき権限なり所掌というものを明示いたしておりますし、第四章の方には、官から民、国から地方の原則、あるいは公共事業についてもその方針が示されているわけでございます。  ただ、いよいよ設置法ということになりますと、どうしても官僚の抵抗というものが予想されます。そのときに、総論賛成各論反対にならないよう、各省の設置法をひとつ政治主導あるいは今度の推進本部主導といいますか内閣主導、これで行っていただきたいと思うわけでございます。  その点もあわせて御所見を承りたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に幅の広い御質問をいただきましたが、当然のことながら、政治の果たす役割と行政の果たす役割、相接する部分もありますし、本来的にそれぞれが担うべき役割もございます。  そして、いずれかと申しますならば、かつて政治がその方向性をある程度まで形づくることを行政に許していたという時期があり、それが惰性となっていたという面があることを私は否定をいたしません。そして、大きな課題に対して政治が方向性を与えていく。そうした方向性といいますか、流れと申しましょうか、そうしたものは私はこれからもそうあってほしい、またそうあっていただきたいと思いますし、その限りにおきましてさまざまな御注意を私どもは受けとめていかなければなりません。  また、お触れをいただきました中で非常に大事なポイントであります危機管理というテーマ一つをとりましても、全く同じ危機というのは出てこないわけでありますから、平時からどれだけの事態を想定し、準備をし、その場合の行動に必要な方針を整理しておくか、これは私どもとして極めて大事なことであると思います。先般のインドネシアにおける事態におきましても、私どもはまだまだいろいろな意味で工夫をしておかなければならないことがある。それはいろいろな角度で今分析しつつあります。  そうした中で、行政改革というものについての政治の指導性、これはまさに御指摘のとおりでありまして、中央省庁等改革推進本部は内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚をメンバー、まさに政治のリーダーシップによってこの大事業に取り組んでいこうといたしております。そして、各省設置法の改正に係る企画立案、これは本法案通過成立という状態になりました時点で中央省庁等改革推進本部がこれを集中、一体的に行うこととしておりまして、この本部の主導のもとに各省庁が協力していくべきものだと考えております。  当然ながら、これは個々の職員にとりましてはみずからの人生の設計を変えることにもなりかねません。それだけに、そうした意味での配慮は当然必要でありますし、また工夫も必要でありますけれども、全体としての方向づけは、これは省利省益といったような議論がまかり通ることを許すことはできません。  そして、このような内閣主体のもとに具体化を責任を持って行うことを前提としながら、本部、特に本部長に対しまして必要な助言や意見をいただけるような、そして基本法の趣旨を貫徹する上で力添えをいただけるような、第三者的な立場から活動する機関をあわせてつくりたいと既に申し上げてきたところでありますが、そうした検討を今進めております。  しかし、その場合にありましても、この第三者的な機関からちょうだいをする。それは御意見であり御忠告であり注意でありますから、これを責任を持って主体的に果たしていくのは本部であり、これは閣僚を構成員とする本部自身の責任において当然ながら事態を取り進めてまいらなければなりません。  大変なことだと思いますけれども、これをやり遂げていくことがあすにつながる、私はそうかたく信じております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 それでは、次に中央省庁等改革基本法の特色について総理にお尋ねいたしたいと思います。  この基本法は中央省庁の目的別人くくり再編というものを目的とする法律でございますが、単なる組織法、組織基本法ではなくて、各省の機能や政策を見直す、さらに行政の減量、効率化、関係諸制度の改革を含む非常に多様な法律でございます。  例えば、基本法の各省の部分を見てまいりますと、法の二十一条に、経済産業省についてはまず第一号に六大改革の一つである経済構造改革の推進を明示しております。そして以下、産業政策、通商政策というふうにその政策の基本が示されております。また、二つの省を統合する労働福祉省、これは二十五条に、これまた六大改革の一つである社会保障構造改革の推進を第一号に明示し、労働政策と社会保障政策との統合、連携を強化すべきだということが以下書かれているわけでございます。  このように、非常にいろいろと多様性に富む法律でございます。いわば組織法であるとともに省庁再編成の今後の進め方を示すプログラム法でもあり、またそれぞれの省の政策の基本の方向やあるいは手順、留意事項まで含めた作用法の部門も入っているわけでございます。  私は大変欲張りな法律だと思うわけでもございますが、この基本法にかける行革の意気込みを総理から承りたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員から欲張りという御評価をいただきましたけれども、確かに今回の改革というものを考えました場合、肥大化、硬直化した戦後型の行政システム、これを真っ向から改めて、簡素で効率的な仕組みに変えていこう、しかも総合性と機動性を兼ね備えたものをつくろう、そう考えました場合には、例えば分権だけを先行させる、あるいは規制緩和だけを先行させるといった手法では私はなかなかうまくいかないと思っております。  そうした観点を持ちながら、規制の撤廃・緩和や地方分権、さらに官民分担というものを徹底しながら、国の権限と仕事の減量化を進めながら、まさにこの改革に挑もうといたしております。果たしてこういう改革がその一つ一つの順番をつけてできるものかどうか。むしろ、私は整合的にかつ集中して取り組むことの方がその実を上げる上で実効性は大きいのではないか、実現性も高いのではないか、そのように考えております。  かつて、現在の総務庁を総理府と行政管理庁を束ねましてつくります時点に、一つだけの組織を選んだというための作業の苦しさというものを私は随分味わいました。そして、なぜ自分の役所だけがという空気は消極的にほかの省庁の関係者まで応援に回るという状況になり、非常に取り進めに苦しみました。また、例えば特定省庁の地方支分部局を統合する、そうした場合におけるその地域全体の抵抗というものの強さも味わってまいっております。  そういたしますと、規制の撤廃・緩和、地方分権、官民の役割分担の徹底的な見直しといったこととあわせながら、それと整合性を持たせて中央省庁の再編まで進むことの方がより実現性は高い、苦しみは多うございますが、そのような判断をいたした次第であります。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 ただいまお尋ねをいたしましたこの基本法の特色と問題点を、国土交通省を一つの例としてお尋ねいたしたいと思います。  総務庁長官に御答弁をいただきたいと思いますが、衆参のこの委員会の議論を通じまして、この国土交通省に対して、巨大利権官庁とか、巨大公共事業省とか、さらには世にもまれなる巨大な開発官庁だとか、そういうような妙なマイナスイメージが報道されております。この建設、運輸両省の、両省だけではございません、北海道開発庁も、さらには国土庁もあるわけでございますが、特に建設、運輸両省は、社会資本整備と総合交通体系の整備というものでは象徴的な官庁でございます。  年間の公共事業予算は七兆円、財投は十四兆というふうに承っておりますし、また許認可件数は二千五百三十二と全省庁の約四分の一を占めているのが、この四省庁の統合による国土交通省になろうかと思うわけでございます。そして、建設省は今申し上げましたように、公共事業の非常に大きなものも持っておられますし、運輸省は民間に対する需給調整あるいは運賃規制等の許認可官庁ということになっております。  確かに、ともに強大な予算と権限を持っておりますし、地方支分部局も事業量や権限ともに非常に大きいものがありますけれども、今度の改正法によりますと、二十二条というところに国土交通省の編成方針が書かれておりまして、特に最初の一号、二号、三号では、総合的な国土の形成、それから社会資本の整備を整合的、効率的に推進する、さらに施設の整備及び管理、そして総合的な交通体系の整備を行うということで、ハード、ソフト両面についての方向性が明示されているわけでございます。今の建設省や運輸省の設置法にはないような非常に新しい、そして意欲的な規定になっております。  私は、ぜひともこの線に沿って、建設、運輸両省、これにつきまして立派な国土交通省というものをつくっていただきたい。確かに巨大ではあるけれども、立派な官庁だというようなことになっていただきたいと思います。  そこで、これに関連いたしまして、具体的な点を二点伺いたいと思います。  まず第一点でございますが、国土政策の面で、総合的な国土政策の必要性は大きゅうございます。先般つくられました全国総合開発計画、新・全国総合開発計画と言われ、またサブタイトルとしては「21世紀の国土のグランドデザイン」ということで示されております。  この計画を見ますと、非常に幅が広い。特に、その戦略には、多自然居住地域あるいは大都市のリノベーション、地域連携、広域国際交流、こういうような戦略が掲げられておりますし、分野別の施策の基本方向を見ますと、国土の保全や管理もありますけれども、同時に、文化の創造であったり地域の整備と暮らしの問題であったり、あるいは産業の展開、交通、情報通信体系の整備と、非常に国民生活に幅広いものでございます。  もちろん、法律案にも経済財政諮問会議にその整備計画は語るということになっておりますし、さらに大都市圏整備とか地域振興、これは地方自治や農林水産行政とも非常に関連の深い分野でございますから、私は、こういう分野の行政を国土交通省の所管とするよりも、一段高い内閣府等で所掌すべきではないかと思いますが、まず総務庁長官の御所見を承りたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 行政に御精通の議員より、先ほどからいろいろ整理をいただきまして御意見あるいは御質問いただいておるところでございます。  今のお話は、国土交通省は、現行の国土庁をその母体の一つとして設置をするものでありますということをまず前提に置きたいと思うのでございます。いわゆる国土庁そのままを、国土庁そのものを母体として設置をいたします、これが国土交通省でありますと。まず、この基本を御理解いただきたいと思うのでございます。  これを前提といたしまして、国土庁が担っている、御指摘の、例えば大都市圏整備あるいは地方振興を含む各種事務については、新たな省編成における具体的な所掌事務を検討する中でその詳細を定めさせていただきます。いわば「社会資本の総合的な整備計画については、経済財政諮問会議の議を経るもの」とされておりまして、内閣府の関与は浅からざるものがある。先生御指摘のとおり、内閣府も直接間接関与する方向であります。こういうことをまず御理解いただきたい次第でございます。  先ほど申し上げましたように、これから検討の中でただいまお聞かせいただきましたようなことも参考にしながら組み立てていかなければならぬ、さように思います。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 ありがとうございました。  今の御答弁の国土総合開発のようなものはもとより、私がお尋ねをいたしました大都市圏整備や地方振興の面におきましても、一段と高い幅広い視野から各省庁にわたる問題として御理解を賜ったわけでございます。  第二点でございますが、これは衆参を通じてかなりいろいろ論議をされております地方支分部局の問題でございます。  幾つかあるわけでございますが、一つは、この条文の立て方も非常に細かくなっておりまして、二十二条の六号というところで、まず公共事業につきましては地方建設局と港湾建設局、港湾建設局では空港の建設もやっているわけでございますが、これは「統合し、」と書かれているわけでございます。管轄区域等を見ますと、主権は各ブロックに置かれております。それに対して港湾建設局はその性格から、おのずから新潟、横浜、神戸、下関、名古屋と、こういうような観点になっておりますが、これをどういうふうに統合されるのか。なかなか難しいかと思いますが、それが一点でございます。  それから、七号というところに北海道開発局のことが示されております。北海道開発局につきましては、従来から公共事業についての予算を一括計上した上で移しかえる、建設省、運輸省、農水省の事業としてそれを行うと。公共事業については北海道開発局、北海道開発庁の例は非常にモデル的だと従来から評価され、今度の国土交通省についても非常にこれは参考になるんだろうと思いますが、しかし農政局の部分は公共事業だけではなくて行政事務をやっておられる。かつ事務事業というものを地方自治体との関係で、ある程度道との関係でこれからは改革を考えていかなければいけないんだろう、こんなことも考えるわけでございます。  今の七号では従来のままということがはっきり書かれておりますが、この点については当面これでいいと思うのでございますが、将来的にはどのようにお感じでございますか、伺いたいと思います。  以上、二点については総務庁長官にお願いをしたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) まず、第一点でございますが、先生御指摘のとおり第二十二条で明確に出ておるところでございますが、公共事業にかかわる建設省、運輸省、現在の体系で申し上げまして、これは一つの県境を超えて複数県で統合をいたします。お話のとおりでございます。そしてまた、先生もう御承知いただいておるところでございますが、例えば運輸省の港湾建設局関係、これが全国で五カ所、あるいはまた建設省の地方建設局関係が八カ所、十三カ所ございます。これは必然、統合の対象になる。  それから、ここでもう一つあわせまして、もう先生御精通でありますから申し上げる必要もないかと思うのでございますが、地方支分部局の整理及び合理化につきまして第四十五条がありますことも御承知のとおりでございます。こちらの方も県境を超えまして複数県で、これは「可能な限り、」という前置きはございますけれども、総合化しますよと。総合化の概念についてはもう先生御承知いただいておりますから省略いたしますけれども、非常にここでも弾力性のある、かつまた統廃合について前向きの姿勢をきちんと基本を整理いたしておるわけでございまして、このような一つの基準に基づきまして統廃合を進めてまいるわけでございます。  要するに、国民に最もわかりやすい、国民の目から見て理解しやすい形、そしてしかも、基本におきましては最も効率性の高い、そして簡素でしかも行革の全体的一つの条件を満たしていくことを最も基本的に考えなければならないことは当然でございます。  そのような趣旨におきまして、たまたま第二十二条関係は最小限実行しなければならないということがもうきちんと固定化されておるわけでございまして、関係大臣あるいは関係省庁とよく相談をいたしましてきちんと進めていかなきゃならぬ、さように思っております。  それから、北海道開発庁の任務及び行政機能についてのお話がございました。国土交通省が、お話にございましたようにそのままそれを引き継ぎますよ、そして北海道開発局は同省に置きますと。そして、北海道開発局は、建設省の地方建設局、お話がございましたように、農林水産省の地方農政局、運輸省の港湾建設局という三省の地方支分部局が個別に実施している公共事業を一元的に実施する。北海道の置かれた事情に対し成果を上げていかなければならぬ、そういう趣旨でございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 地方支分部局のことにつきまして国土交通省を例にとらせていただきました。今、総務庁長官はさらにこの四十五条の面についてもお触れいただきましたので、私も繰り返しになりますが、四十五条を含めて、地方支分部局は地方分権という意味におきまして、前から国庫補助金とか機関委任事務というのはしばしば議論されますが、余り地方支分部局の議論はいろんなところで議論されておりません。しかし、これは地方分権という意味においては国庫補助金や機関委任事務以上に非常に重要な要素だと私はかねてから理解をいたしております。  今回の基本法では、先ほど来たびたび申し上げましたように、この地方分権については四条と第四章において基本的な方向が示されております。  そこで、地方支分部局の関係について申しますと、第一点は、今御答弁をいただきましたこの二十二条の六号の、公共事業について国土交通省の地建と港湾建設局は統合する、これははっきりした方針でございます。また、四十五条の二号に省ごとの都道府県の区域を超えるものは総合化すると書かれております。さらに三番目に、四十五条の五号には各省の地方支分部局はブロックごとで調整をする、このようになっているわけでございます。私は非常にいいことだと思いますが、直轄事業をどこまでやるのか、あるいは公共事業というものをどの程度地方自治体に、方針としては大幅におろすということになっておりますが、そういう問題、箇所づけの問題、補助金の問題いろいろと難しい問題があると思いますが、それについては総務庁長官の御答弁をいただきたいと思います。  さらに関連をいたしまして、今申し上げました地方支分部局と地方自治との関係、これは四十五条の五号に書かれているわけでございますが、これにつきましては地方行政連絡会議というのが昭和四十年に法律で制定をされております。簡単に申しまして、各都道府県知事、指定都市の市長、各ブロックの出先機関、あるいは政令で定めてもう少しブロックでない出先機関も入っているわけでございますが、これをやってきているわけでございます。  この地方行政連絡会議というものは、まさにこの四十五条の五号というものを具体化する場合においては、既に三十数年にわたって実施をされている制度でございますので、大いにこれは取り入れていただきたい。それについて自治大臣の御所見を賜りたいと思うわけでございます。  まず、総務庁長官からお願いをいたします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 議員より、今まで余り議論が及ばなかった問題であるがというお話でございましたが、まさにそのとおりでございまして、きょうこの第四十五条関係を御指摘いただきましたこと、大変意義があったなと思っておるところでございます。  特に、予算計上にかかわる運輸省と建設省の関係はおっしゃるとおり第二十二条できちんと方向も決まっている、これは統合ですと。しかしながら、第四十五条におきまする総合化ということについては、私は、結論から申し上げますと、多事多難なことであるけれども、組織の簡素化あるいは事務事業の合理化につながる非常に肝要なことだ、さように認識をいたしております。しかも、先生も言外にこの四十五条にかかわることは大変意味があるよということをおっしゃいましたが、なるほどこの対象になる地方の支分部局をざっと概観してみても、御承知のとおりもう何百とあるわけです。  例えば、今私がここで大蔵省関係のみを拾い読みしてみますと、税務署の五百二十四は別といたしまして、これを除いてほかに二百九十二あります。税務署を除きまして、それ以外の大蔵省のいわゆる支分部局所に値するものが二百九十二あります。これは有効に働いているものもありますし、またこれからも期待できるものも相当ありますけれども、しかしながら、今次の地方支分部局の整理統合におきましては避けて通れない客体の一つだなと。  そのほかに何百というものがそれぞれ背景に、地方にあるわけでございまして、先ほど議員が御指摘のとおり、可能な限り総合化を、どういう形で総合するか、廃止するものあるいは統合するもの、あるいは連絡調整機関として一元化するもの、さまざまな方式があろうと思うのでございますが、十分濃淡を濃くして、これは本当に腰を入れて、整理に相当時間もかかる、あるいはエネルギーも必要と思いますけれども、これはもう見逃してはならない要点の一つだと、そう思います。

香山充弘自治大臣官房総務審議官

○政府委員(香山充弘君) お答えいたします。  地方行政連絡会議につきましては、先ほど委員が御指摘ありましたようにブロック単位に設置をされまして、都道府県知事あるいは地方の出先機関の長等によりまして総合調整を行うための組織でありますが、残念ながら、これまでは十分活用されているとは言えない状況にあります。  今後、御指摘あります地方支分部局のあり方の見直しとあわせまして、この地方行政連絡会議の運営の方法、あるいはテーマの取り上げ方等につきまして見直しを図るなどいたしまして、国と地方公共団体、あるいは地方公共団体相互間の連絡協同のため、積極的に活用が図られるよう検討してまいりたいと考えております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 今、自治省から御答弁をいただきました地方行政連絡会議でございますが、確かに今の御指摘のように十分活用されていない。  それで、今から二十年近く前でございますが、後藤田自治大臣のときに、この地方行政連絡会議というものを少し改革して、もっと閣僚と知事というものがひざを詰めて話をしなければ広域的な問題の政治的な解決はできないというところから、国・地方首脳会議という構想を後藤田さんが考えられたことがございました。物にはまだなっておりませんけれども、当時首都圏サミットあるいは近畿圏サミットを知事それからかなりの閣僚が参加をしてやっていたわけでございます。そこで後藤田構想によりますと、国・地方首脳会議というものを設けて、そこで地方行政連絡会議のように場合によっては百人を超すようなメンバーに出先機関みんな入れるとなりますので、そうじゃなくて、もっと首脳同士が話をするような場でなければ本当に大問題は解決しない、そういうこともございましたので、含めて御検討を賜ればありがたいと思います。  それでは、この中央省庁等改革基本法のこれからのスケジュールでございますが、既に総理並びに総務庁長官からも御答弁いただいたわけでございますが、私は一応これからのスケジュールはこんなことになるんじゃなかろうかと思います。  この基本法が成立をいたしますと、今月中にも中央省庁等改革推進本部が発足するのではなかろうかと思います。そして、ことしの臨時国会、来年の通常国会、ここで内閣法、国家行政組織法、各省庁設置法、独立行政法人の通則法、こういうような組織法が制定をされる。また、法律にも書かれております行政減量計画あるいは各省庁の事務の見直し、これが来年の七月ごろまで行われるし、法律をつくらなければならないんじゃないかと思います。来年の八月には平成十二年度の予算要求が行われ、来年の暮れには予算編成が行われます。そして、平成十二年の一月の通常国会には今度は各作用法の見直し、それに伴う法令の制定、改廃は非常な膨大な数になると思います。そして、十三年の一月、新体制が発足するわけでございます。  そこで、総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、一つは、でき得れば二〇〇一年一月一日を目標にと書かれておりますが、これはあくまでも再編を始める時期であって、一府二十一省庁から一府十二省庁への再編が完了する時期は明確になっておりませんが、大体どのくらいとお考えでございましょうか。これが第一点でございます。  それから、今申し上げましたこの私のスケジュールが正しいかどうかは別といたしまして、これも御指摘を賜りたいと思いますが、今申しました内閣法なり国家行政組織法なり各省庁設置法、独立行政法人の通則法、こういうようなものの法令改正、あるいは行政の減量化のための基本計画の策定、あるいは各省庁の具体的な事務の見直し、個々の法令の振り分け、これらの問題は組織法であるとともに事務権限の具体的な内容を定める作用法でございます。最近、金融監督庁というのが昨年以来のあれで発足をいたしますが、これはたしか六十本ぐらいの法律が改正になったと聞いております。  また、先ほど総理もおっしゃいましたが、地方分権推進計画に伴って今度どのくらいの法令改正が行われるか。私は、前に法制局長官が千六百九十法律が今あるとおっしゃいましたけれども、その後、三分の一がもっと多い法律の改正をここで行わなければいけないんじゃなかろうかと思います。  そういう膨大な作業というものを踏まえて、総務庁長官からこの二点について御答弁賜りたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) まず、いわば膨大な作業だが、これからのその取り運びについてのお話でございますが、原則的に先生のお話しいただいたその筋書きである、こう思っております。  簡単に申し上げますと、国会の意思を決定いただきましたなれば、推進本部を直ちに発足させまして、そして二〇〇一年一月一日を目標として新たな体制への移行を目指します。そして、その中で三つ先生お話しになったと思うのでございますが、各省庁設置法等の立案、あるいは規制緩和や地方分権、官民分担の徹底等、国の権限と仕事の減量に関するこれらの計画の決定、これは非常に基本的な重要なところでございます。あるいはまた独立行政法人、そのほか公社化等に関することなど、そしてまた独立行政法人に関する通則法の立案等の作業を行っていきまして、少なくとも各省庁設置法の立案作業については、二〇〇一年一月一日に新体制に移行する、そのためには、その前年に予算措置をしなけりゃいけませんよというお話でございましたが、まさにそのとおりでございます。  それから、時期の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、本法案の第五条で言う「新たな体制への移行を開始する」とはということでございますが、本法案に基づき内閣法、国家行政組織法、あるいは省庁設置法等の法令を改正するもの、あるいは新設をするもの等々相当ございますが、新たな中央省庁の組織を設置するとともに、独立行政法人に関する通則法の策定、施行を行うことなどにより、新たな国家行政組織体制への移行を開始することを意味するものであります。  こういう一つの判断を持っております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 この点につきましては、なお衆参両院におきまして、中央省庁等改革推進本部の構成に当たっては民間の出身者というものを起用することも指摘をたびたびされましたし、また第三者機関のあり方についてもいろいろと御議論がありました。この二点、特に大事でございますので、これからの問題として総理、総務庁長官、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  さて、この地方分権の推進につきましては、総理はたびたびこの委員会におきましてもその重要性というものを指摘されているわけでございますが、私はこの中央省庁等改革基本法及びこれに基づく行政改革と地方分権との関係は非常に重要だと思います。今までも何点かを御指摘申し上げましたが、地方分権推進法が制定されましたのはもう三年前でございます。地方分権推進委員会が発足をし、中間報告が行われ、その後、第一次から第四次までの勧告が行われ、そして五月二十九日には地方分権推進計画が策定されたわけでございます。  そこで、地方分権の問題につきまして、まず総理に地方自治の基本についてのお尋ねを申し上げたいと思います。  私は、国の政治の基本というものは地方自治にあると思っております。地方自治の発展なくして国の政治の安定、発展はないと思います。  軍歌で「戦友」というのがございます。「ここはお国を何百里」というあの「戦友」。一般的には十四節が歌われておりますけれども、実際は百五十二番まである長い物語の歌でございます。ちょうど日露戦争の終わった明治三十八年六月から三十九年七月までの一年間がかりでつくられた歌でございます。京都の大臣が二人おられますけれども、京都の五車楼書房というところから出まして、作詞は真下飛泉、作曲は三善和気。  そこで、この主人公は武雄と申しますが、赤い夕日の満州で友を失って、みずからも傷を受けて内地の陸軍病院に返送されます。そして、やがて傷も治り戦争も終わってから郷里の村に帰って農耕にいそしみ、それから実業に励み、最後は村人から選ばれて村長になるわけでございます。この歌の最後の百五十一番と二番にはこのように書かれております。「国の政治は自治が本 自治の本こそ一村の 村長たるべき人にあり」、「一村まづよく治まつて 一国始めて隆々と 富みも栄えもいたすなり 村長任務は軽からず」、このように書かれております。  一村まずよく治まって初めて一国が隆々と栄えるわけでございまして、私は、市町村の存在こそ極めて大事であり地方自治の原点である、これは明治であれ大正であれ昭和であれ平成であれ、変わらざる原理であると思いますが、総理、どのようにお考えでございますか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 地方自治がいわば民主主義の原点である、そして地域の住民みずからがみずからの地域のことを考えて、みずからの手で治めていくいわば住民の自治、そしてまた地域のことは地方公共団体が自主性、自立性を持ってみずからの判断と責任のもとにその地域の実情に沿った行政を進めていく。団体自治とでも申しましょうか、こうした考え方が地方自治の本旨である、私どもはそのように考えてまいりました。  今、軍歌の特に終わりの節に、自治という言葉が使われ、その第二次世界大戦どころかはるか以前の段階における当時の作詞の中に、自治、そして村の単位をとらえて、その単位が住民みんなが満足するような形でうまく治められている、それが国のもとだと。そうしたところに自治という言葉が用いられていたというのは、私どもの世代としてはやむを得ないことかもしれませんが、初めて今、議員から伺いました。  私は、そうした思想というものが第二次世界大戦以前から存在をした、そしてそれが今もその意味では本質的に変わらないというのは、ある意味では大変すばらしいことだと思います。その上で、地方自治というものを確立する場合に地方分権を進めていく、そして国と地方公共団体の役割を明らかにする。しかし、それだけでは実はいけないわけでありまして、国、都道府県、市町村という縦系列でこれをとらえるのではなくて、国と地方公共団体というものがそれぞれに対等の協力すべき立場で物事を進めていく。そうした中において、地方公共団体もまた自己決定、自己責任の範囲を拡大していく。それが私は分権型の社会というものになっていくんだと思います。  その意味では、今の軍歌の村という単位をとらえ、自治という言葉が用いられる。しかし、その時代は果たして国と地方自治体が対等、協力の関係をというところまで議論は進んでいたのかなと、議員の御質問を拝聴しながらそのような思いを持ち、御答弁を申し上げます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 ありがとうございました。  確かに、当時から長い間国と地方自治との関係は上下、主従の関係でございました。これを今回の地方分権推進委員会におきまして、今、総理がおっしゃいましたように、対等、協力の関係にということを高らかにうたわれたわけでございまして、特に分権推進委員会の最初の中間報告に、まさに明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革ということで、この主従、上下の関係から対等、協力の関係ということを示されたことは大変意義が深いと思います。  また、この委員会のテレビ録画等を通じて、私は全国の市町村長からこのようなことを言われております。橋本総理がお答えになる答弁を聞いて、総理が地方分権というものにかける大変な情熱、これはすばらしいということを承っております。そして、全国の市町村長は総理のそのお考えがぜひ実現されるよう大変大きな期待を持っているということをここに申し上げたいと思うわけでございます。  そこで、自治大臣にお聞きいたしたいと思いますが、地方分権推進計画もいよいよでき上がったわけでございまして、これからはこれを実行に移すわけでございます。かつ国、地方を通ずる行政改革の基本法とも言うべきこの基本法が同じ時期に審議され、制定されようとしているということは、私は非常に意義が大きいと思うわけでございます。  かつて十九世紀のイギリスの有名な政治学者でございますジョン・スチュアート・ミルは、知識は集権、権力は分権ということを言っております。あらゆる行政に関する政策、企画立案、これを知識と言ったのでございましょう。その知識は集権でよい、むしろ集権が望ましい、しかし権限や権力を伴う行政の執行というものは国民に近い段階において分権で行うべきであると。  知識は集権、権力は分権ということを言っているわけでございますが、今回の基本法に、中央省庁は太くくりの企画を中心とする政策官庁、分権によって現実の行政は地方自治を充実してやる、こういうことは大変すばらしいことであり、ぜひこういう線に従って実現をしていただきたいと思いますが、自治大臣の地方自治に対する御所見を賜りたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。  地方自治は、御指摘のとおり民主主義の原点でございまして、その本質は、住民みずからがみずからの地域のことを考え、みずからの手で治めていく。そして、地域のことは、地方公共団体が自主性、自立性、あるいは先見性を持ちまして、みずからの判断と責任のもとに地域の実情に沿った行政を行っていくことであります。地方分権の推進とはこうした地方分権の実現を図っていくことと考えております。  今次の中央省庁等改革基本法、今御審議いただいておるわけでございますが、それによります改革はまさに、国は国が本来果たすべき役割を重点的に担うことになり、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割がますます重要となるわけでございます。  このため、国と地方の役割を明確にいたしまして、国から地方公共団体への思い切った権限の移譲を行うなど、地方分権の推進を図っていくことはより一層必要なことと考えております。  外国の例をお引きになりましたが、既にこの分権につきましては、福沢諭吉が明治十年の十一月に「分権論」を発表いたしております。その中にこう書いてあります。「国を立るの風に二様の別あり。細根相集りて千種万状の盤根と為り、其盤根文集り又合して、遂に一大幹たる全国を支えて文明の枝葉を繁茂せしむるものあり。或は一条の大韓其根を下だすこと深からずと雖ども、一種の力に由て土壌津液を吸収し、以て無数の枝葉を維持するものあり。」と、この二様のことを述べております。これは、まさに外形は似ておるけれども、「大風暴雨に遭うに至で始て実の強弱を見る可し。」と、こう言っておるわけでございます。そして、「一条の巨根は幾多の細根に若かず。」ときっぱりとそれを言っておるわけで、まさに分権の真髄はここにあろうかと思うわけでございます。「四足の「テーブル」は安置するに易く、傘を開て地に立るは難し。」、こうも言っておるわけでございまして、まさに我が国の繁栄というものは、国づくりというものは、地方自治をしっかりやり、そこに分権することである。総理のおっしゃるとおりだと私は考えております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 ただいまは自治大臣のすばらしい御見識を承りまして、大変感銘をいたしました。また、地方自治、地方分権に対して非常に力強いものを感じたわけでございますので、どうか、上杉大臣を中心にこの地方自治の振興、そして地方分権の確立をぜひお願い申し上げたいと思います。  時間もなくなってまいりましたので、最後に、総理にお尋ねをいたしたいと思います。  総理は登山家でもいらっしゃいます。先ほど承るところによりますと、ヒマラヤにも六、七回おいでになったということをお聞きいたしました。総理がこの委員会における答弁の中でも、登山に例えられて、そしてヒマラヤ登山で言うと今荷ほどきをしながらキャンプの体裁をつくり上げつつある、ようやくここまで来たんだという答弁をされたことがございます。また、今ベースキャンプを設営中だ、この法案が通ればベースキャンプが建設できたことになる、こういう答弁もいただきました。  いよいよエベレスト登山だと私は思います。そしてまた、御答弁に闘志を燃やされる薩摩隼人の小里長官が担当大臣としておられるわけでございます。しかし、これからはなかなか大変な道のりであろうかと思います。困難もありましょう。痛みを伴うこともあるかもしれません。これを乗り越えていかなければいけないわけでございまして、いよいよのエベレスト登山には悪天候もありましょうし、雪崩も起きるかもしれません。視界が不良になることもあるかもしれません。ひとつ橋本登山隊長のエベレスト登山をぜひ期待するものでございます。  総理の御答弁をお願い申し上げます。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) エベレスト、私自身二回挑戦をいたしましたが、エベレストの場合はベースキャンプを大体ネパール側でもチベット側でも五千三百メートルから四百メートルの間ぐらいにつくります。そこに到着するだけで大変ですが、そこからは一瞬の気を休める服もございません。幸いに、私は二度とも隊員を一人も失わずに、不完全ではありましたが、目標どおりではありませんでしたが、頂上に日の丸を立ててまいりました。  これから先を考えますとき、まさに議員御指摘のとおりだと思います。どうぞ、平地から声援を送るのではなく、一緒にこの壁を越える御協力を賜りたい、委員に対し心からお願いを申し上げます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 終わります。  ありがとうございました。(拍手)

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。  中央省庁等改革基本法案の参議院の審議もいよいよ大詰めになってまいったわけでございます。  私どもは、会期がある中でぎりぎりの時点でこれだけの重要な法案が参ったわけでありますから、法案に対するそれぞれ党会派の態度は別にしましても、いかにこの審議を充実させるか、参議院の名誉にかけてどうするかということで、与党も苦心したでしょうが、私たち野党も大変な苦心をいたしました。横のものを縦にするしかない、すなわち日程上の制約があるから一日の時間帯を最大限延ばしながら議論の内容をお互いで中身の濃いものにしていくしかないということでこの委員会の審議を進めたわけでございます。  私は、自由民主党が多くの時間を野党に割きながらも、必要な時間数をきちんと確保して本委員会のこの法案に対する質疑、討論に参加したということは評価すべきことだろうというふうに思っております。さらに、集中審議を四ブロック十二時間以上にわたって二日間やりました。一日九時間という強行日程でありますが、総理が、外交日程の場合は席を外されましたけれども、一貫して参加されたということについて評価をしたいと思います。  委員長も大変な苦心があったかと思います。委員長は時々とぼけて、いや、とぼけてというんじゃなくて、何でもわかっているくせにわからないふりをしながら、私に言いたいことを片山先生に言ったりして、この委員会を進めるために多くの苦心をされたというふうに思います。中身の濃い討論ということでは、私は後にこの議事録を詳細に見れば証明できるんじゃないかというふうに思います。  さて、最初に総理に、地方自治、地方分権と財源の問題について質問いたしたいと思います。  行政改革の本筋は、行政の効率化とアカウンタビリティーの確立であります。したがって、中央省庁を統合再編する現在の中央省庁等改革基本法案だけでは不十分でありまして、中央省庁をスリムアップし、できるだけ住民に身近な自治体で行政を行うことができるように地方分権を強力に推進する必要があります。  総理が地方分権推進委員会に権限移譲に関する第五次の勧告を行うよう指示していることについては、私も承知しております。国の事務事業を都道府県や市町村に移譲していくことは、地方分権型のシステムを確立する上で中心的な課題でございます。  補助金行政の問題、地方公共団体から中央省庁に申請する際の手続の煩雑さや陳情などに象徴される二重行政の問題などを解決するためには、本来住民の近くで行われるべき行政サービスを国が行うのではなく、地域に近い自治体が行うことができるように権限を移譲していくことが重要であります。  今回の省庁再編法では、権限、補助金が集中した巨大官庁ができてしまい、かえって国の力が地方に対して強くなる可能性があります。地方分権推進計画は提出されたが、それも十分とは言えません。地方分権を真に実効あらしめるためには、関与の縮小、権限の移譲のみではなく、税財源の移譲をも含め、地方税財源の思い切った充実拡充が不可欠ではないかと考えますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、議員が冒頭要約されましたように、本院におけるこの御審議を非常に精力的にかつ熱心に進めていただきましたことに、冒頭お礼を申し上げます。  その上で、今、議員から非常に大きな基本的な点の御指摘がありましたので、多少の時間お許しをいただきまして申し上げたいと存じます。地方分権推進委員会からの四次にわたる勧告は、去る五月二十九日、地方分権推進計画という形で閣議決定をし、国会にも御報告をさせていただきました。そして、その中には議員が今指摘をされましたように、国から地方公共団体への権限の移譲についても盛り込んでおりますが、これを現実のものとしていきますためには、今後各省庁が相協力しながら法案化作業を急いで、原則として平成十一年の通常国会に所要の法律案を提出するなど、着実に実施していきたい、そして地方分権を総合的、計画的に進めてまいりたいと考えております。  当然のことながら、この法案におきましても、国と地方公共団体の役割分担のあり方に即した地方分権を推進し、地方公共団体にゆだねることが可能なものはできるだけゆだねる、こうした方針を定めておるところでありまして、御指摘のように、一層の事務権限の移譲などについて取り組んでいかなければなりません。既に、市町村への権限移譲を含むさらなる検討を分権推進委員会にはお願いを申し上げておりまして、やがてその御意見もちょうだいできることを願っております。  その上で、御指摘のように、まさに地方の自主性、自立性を高めてまいりますためには、国と地方の役割分担を踏まえながら、国庫補助負担金の整理合理化、事務権限の移譲などに応じまして、地方税財源の充実強化を図ることが重要であります。  地方公共団体に対する国庫補助負担金の整理合理化につきましては、地方分権推進計画におきまして、原則として地方公共団体の事務として同化、定着、定型化しているものなどの一般財源化、あるいは補助率の低いものなどの廃止または一般財源化を図るという方向を打ち出しております。  また、この基本法の第四十六条におきまして、公共事業に関しましても、国が直接行うものは全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的事業の実施に限定をし、その他の事業につきましては地方公共団体にゆだねていくことを基本といたしますとともに、国が個別に補助金などを交付する事業は直轄事業に関連する事業など特に必要なものに限定をし、その他の事業に対しましては、できるだけ個別の補助金などにかえまして、適切な目的を付した統合的な補助金などを交付し、地方公共団体に裁量的に施行していただくこととしております。  今後、国庫補助負担金の積極的な整理合理化と地方税、地方交付税などの必要な地方一般財源の確保に努めますとともに、基本的には地方の歳出規模と地方税収、その乖離をできるだけ縮小するという観点に立ちまして、国から地方への権限移譲も図りながら、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら地方税の充実確保を図ってまいりたいと考えております。  地方分権の推進自体は、先ほども申し上げましたように、既に国会に御報告申し上げておりますが、さらに今後、地方分権推進委員会から引き続いての検討の結果をちょうだいできるでありましょうし、今申し上げましたような諸点を踏まえて対応してまいりたい、基本的にそのように考えております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、今、総理の答弁をお伺いしていまして、大変重要な点について触れられたというふうに報謝しております。多くの地方自治体の関係者が注目すべき、そういう答弁であったかというふうに思うわけでございます。どうかよろしくお願いいたします。  続いて総理に質問いたします。  クライスラーとダイムラー・ベンツ、あるいはトラベラーズと日興証券など、国境を越えた大型の企業合併が進んでおります。物やサービスを生産し流通させる企業活動は、一国の枠を超え、地球規模で行われるようになってきました。企業活動がグローバルになるに伴い、各国のさまざまな制度や仕組みも標準化が求められるようになります。企業にとってはその方が規模の経済を追求でき、効率性の向上と競争力の強化が可能になるからであります。消費者もまた、海外の企業からよりよい品物がより安価に得られるならば、その方を好むことになります。かくして市場メカニズムは国境を越え、それぞれの国の形の変更をも求めることになるわけで、今まさにその流れが全世界的に進んでいるだろうと思います。  現在、議論の対象となっている行政改革も、グローバルに見ればこの世界的な潮流に沿ったものと位置づけられると思います。総理が答弁の中で再三おっしゃっておりますが、事前規制、裁量型の行政を脱皮し、事後評価、ルール型の行政に移行するという今回の行政改革でその理念がまさに実現するんだと。グローバルに認められなければやはり単なる中央省庁の組みかえであり、数合わせと、かえって世界の失望を買ってしまうことになりかねないと思います。  そもそも、今回の省庁再編案のどこにルール型の新たな行政のスタイルが見えるのか、総理の考えを明らかにしていただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の点は大変大事な点でありますし、特に海外から見てもわかるようにという御注意は、私は大事な御注意として拝聴をいたしました。  その上で、この四十四条におきまして、「事前の規制から民間の自由な意思に基づく活動を重視したものに転換する」、規制行政における国民に説明する責任を明確化すべき、こうした点を規定しているわけでありますが、これは省の別を問わず、行政全体について基本的な方針として要請しているものであります。  同時に、これは金融制度改革あるいは経済構造改革などにも共通した考え方でなければなりません。その上で、この原則の具体的な適用例といたしまして、例えば「金融については、基本的に市場の自主性及び自律性にゆだね、行政の関与は必要最小限のものに限る」、これは第十条であります。また、産業政策について、個別産業の振興などから撤退または縮小し、市場原理重視の施策に移行する、第二十一条。エネルギー政策について、事業者に対する需給調整規制を大幅に廃止または緩和する、第二十一条。運輸事業について、需給調整規制の撤廃などにより、行政の関与を大幅に縮小する、第二十二条。こうした規定が設けられているわけであります。  既に、金融関係につきましては明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政への転換の一環といたしまして、昨日、金融関係の通達などに対して大幅な廃止を含む抜本的な整理を行ったところでございます。もし詳細が必要でありましたら大蔵大臣からお答えいただきますけれども、事実問題として既にそういう体制が出てまいりました。  また、今回の改革の前提となります規制緩和につきまして三月三十一日に規制緩和推進三カ年計画を決定し、この中でも行政のあり方を事後チェック型に転換することを基本にする旨を明確に盛り込みまして、その徹底を図ることといたしております。  以上、こうしたものを一つずつ努力として積み上げてきたわけでありますけれども、本法案が成立をいたしました暁には中央省庁等改革推進本部を設置し、具体的な作業に入るわけでありますが、基本法案に沿いまして規制緩和計画を土台として規制の撤廃などを徹底して推進することにより新たな行政への転換を実現すると同時に、それが世間にもわかる形にという御注意を十分踏まえて進めてまいりたいと思います。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 ただいま総理の御答弁をいただきました。行政改革の真髄に触れる、そういう条文でございます。今後の設置法の審議その他の場面でこれが基本になるというふうに私も認識しております。  続いて総理にお伺いします。  ただ、問題は、そうはいっても、一見透明に見えても、裁量の余地がそこかしこに残っているのではないか、あるいは別の次元で差別されたり嫌がらせを受けるのではないかという心配がありはしないか。そのような心配が企業に残っている限り、行政は本当に改革されたとは言えないと思います。今般の中央省庁再編案を見る限り、そこまで行政のあり方が変わるんだという実感は残念ながら伝わってきません。今、まだプログラム法の段階という説明が返ってきそうでございますけれども、本当に透明な行政が実現できるのか、行革の傘といってよいことなので、今後の課題で済ませることはできない課題でございます。  通商産業省を経済産業省に名前を変えただけで、従来の産業政策が変わると海外の目が見るのだろうか。巨大な国土交通省をつくることで利権構造はなくなるのだろうか。財政と金融の分離も、金融破綻処理制度や金融危機管理といったあいまいな概念を残したままで国際的な理解が得られるのだろうか、答弁をいただいてもまだ疑問があるわけであります。  今回の中央省庁再編成は単なる形の変更だという批判もあります。行政作用の実質を改革するためにどうするつもりなのか、先ほどの条文に照らし、その方針が明確でなければ国際的な理解も得られないと考えますけれども、でき得れば具体的な問題等にも触れながら、総理の考え方を明らかにしていただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどの御答弁とできるだけ重複を避けたいと存じますけれども、私は、その具体的な一つの例として、これは行政改革と同時に、金融システム改革の中に位置づけられるであろう昨日の大蔵省の金融関係の通達の廃止、整理というものを一つの例示に挙げました。  ただ、議員が御指摘いただきましたように、例えば民間でそういうものに対して非常に敏感に反応してくださったかといいますと、実は金融システム改革を私が言い出しましたとき、ほとんど金融の関係者から反応はございませんでした。外為法の改正が成立をいたしましても余り反応がなかったというのが実は実態であります。それだけに、あるいはできっこないと思っておられるのか、それともそうはいってもどうにかなるだろうと思っておられる部分があったのか、それは私にもわかりませんけれども、もし後者であれば大変残念でありますし、前者であれば一層私どもは行政改革というものを仕上げていく、同時に、それに連動して社会、経済、それぞれのシステムを変えていかなければならないと考えております。  そして、例えば規制の緩和・撤廃、こういうものは、運輸業界の皆さんは、需給調整による規制が廃止される、それをいかに軟着陸させるかということで既にそのルールが動き始めていることは御承知であります。エネルギー業界も実際にそうしたことを受けとめておられます。こうして一つずつ挙げていきますならば、私は、それぞれの分野において当然のことながら変化が既に生じておること、また生じつつあること、御理解をいただいている部分が当然あると考えております。  そういう意味で、今回の改革のポイントを私なりに整理してみますと、規制緩和や地方分権、官民分担の徹底ということで国の権限と仕事の減量を進めていく、これは既に動き始めていることは御承知のとおりでありますし、同時に、事前規制型の行政から事後チェック型への切りかえというものも昨日の大蔵省の金融に関連する相当数の通達の廃止といった行動でも方向が既に私は証明されたと存じます。  今後、非常に大きな課題として私どもが取り組まなければならないのは、それは例えば独立行政法人制度の創設、これには恐らく通則法のような法律案を必要とするでありましょうし、今後取り組まなければならない作業の一つでありますけれども、こうした中において企画と実施というものをどうきちんと分けた形で効率的な行政体制をつくり得るかということが一つの課題であろうと存じます。あるいは政策評価の手法の充実、あるいは情報公開の推進、これは行政の手法、運営というもののあり方にも踏み込んでいくことになります。  いずれにいたしましても、情報公開のように法案の形で既にお示しをしておるものもありますし、これからまだお示しをしていくべきものもございますが、こうした方針のもとで各省の設置法というものはつくられていかなければなりません。当然ながら、その機能及び政策のあり方についての具体的な指針は本法案に示されております。  こうしたことは、実際にも単なる形の変更にとどまるどころではない非常に大きな変化をもたらすものになる。現実に既になり始めているわけですから、そうした御批判を受けることのないように、これまで御論議をいただきましたものを踏まえながら作業を進めてまいり、その進めていくプロセスにおきましても、私は、どうぞ院のチェックあるいは協力というものをいただきたい、そして、いずれにせよ二十一世紀にふさわしいこの国の行政のあり方を力を合わせて築き上げてまいりたい、そのような思いでおります。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 ルール型のシステムにチェンジするということについては、法律にそのように書いてあり、総理からの答弁もありました。なお不安があるので総理に具体的な例をお伺いしたら、金融システム問題を取り上げられました。私も恐らくそうだろうと思いました。そこに不安があります。  というのは、私も財政・金融委員会で金融システムの問題について審議に加わってきまして、この委員会に出ながら、途中抜け出して質疑に参加したりしてまいりました。我が党、我が会派は賛成をしたわけでございますが、私が財政・金融委員会で大蔵大臣に終始一貫申し上げてきたのは、政府のこの日本版ビッグバンに対する意気込みまたはその重要性に対する姿勢ということについてはわかるのでございまして、私らもそういう必要があるというふうに思っていますが、果たして日本の金融業界、金融システムがそのことをきちんととらえてみずからの改革に手をつけて進んでいるのかどうか、巨艦大砲型の運営がそのまままだ続いているんじゃないかというおそれが実はありまして、その保証を何回も何回もくどいように大蔵大臣にお聞きしました。今なおその不安がございます。  それはこれからの問題でございますけれども、そこが国の経済の基本というところにありますから、政府としても十分そのことに意を用いて、行政指導する時代ではないと言いつつもきちんとやっていただきたい。製造業、流通業が敏感に反応しているということについては、私も過去の経緯からそういうことになるだろうというふうに思っております。これは質問ではございませんで、今の答弁に関して私の考え方を申し上げました。  さて、今申し上げたとおり、これまで行政のあり方をゆがめたのはひとり行政のみに責任があるというふうには思っておりません。民間自体のあり方にも原因があったということについては忘れてはならないことだと思います。何か問題が生ずると行政の責任ばかり追及をして、安易に行政に解決策を求めそれに頼るということがなかったか。行政を改革しても企業が変わることができなければ、相変わらずの結果となりかねません。また、不透明さが問題となるのは、行政のみでなく企業においても同様でございます。  最近「大破局」という本が話題になっております。総理もお読みかと思います。かつてアメリカのモルガン・スタンレー社に勤務したフランク・パートノイ氏があらわしたものでございます。  デリバティブの仕組みを熟知している売り手と理解していない買い手が取引をした結果、売り手が巨利を得て買い手が破局に陥った経過を当事者の目でリアルに描いたものでございますが、日本人として大変気になる部分がございます。著者が東京支店に来てあきれたことに、「日本企業はデリバティブを、規制を回避するためか、虚偽の利益を作り出すために使っていた。」ということであります。米国の投資家はデリバティブに無知のために損をした、日本の企業はデリバティブが損失隠しになることを知っていて虚偽の利益を得たということだ、ここにはフェアという感覚のかけらもない、市場メカニズムの土台を企業みずからが崩してしまうようなものだということでございます。  行政改革というと政府は何もしなければよいという単純な議論に陥りがちでございますが、ルールが機能するために必要な措置をとることは政府の仕事だと思います。企業活動がフェアに行われ、市場メカニズムが適正に機能するようにすることは政府の重要な役割というふうに思いますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日、政府が取り組んでおります経済構造改革あるいは金融システム改革におきましても、事前規制型の行政からルールを明らかにした上での事後チェック型の行政に転換する、これは我々も本当に基本とするところでありますけれども、同時に、経済的な資源の効率的な利用、これを達成するためには市場メカニズムが機能する範囲を拡大していかなければなりません。そして、市場メカニズムが健全、有効に機能するためには、御指摘のように公正な市場というものが形成されなければならない、これは私は御指摘のとおりだと思います。  そうした観点から、昨年十二月に経済構造改革の行動計画のフォローアップを行いました際にも、市場機能の発揮を妨げるようなおそれのある商慣行の改善を促す、同時に、独占禁止法の厳正な運用を図る、そして、そうした商慣行によって不利益をこうむった方がみずからの責任においてその救済を図るための民事的救済制度の整備について検討を行うということを考えてまいりました。  また、企業情報の開示につきましても、その充実について具体的な方策を早急に検討してまいりたいと思います。  今回、御承知のように、三月末の決算においてSEC基準に倣った開示を求めました結果、金融機関の不良債権の実態というものがより明らかになりました。こうしたこと一つをとりましても情報開示の必要性というものは極めて大きいわけでありまして、市場メカニズムが適正に機能するようにしていくために一層の努力を払ってまいりたい、そのように考えております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 政府の役割には、市場メカニズムを有効に機能させるだけでなくて、当然のことながら、いわゆる市場の失敗への対応もあろうかと思います。市場メカニズムが有効に機能しない場合に、社会的に望ましい結果となるようなさまざまの政策的措置を講ずることは、広く考えれば市場メカニズムを支えることでもありましょう。  この点、アメリカにおいても考え方は明確であります。アメリカの財務省が議会に対して行った二十一世紀のアメリカの金融に関する報告を見ても、市場メカニズムの機能を徹底的に信じ、活用しながらも公平な金融サービスヘのアプローチを保障することに細心の心を砕いております。金融における政府の役割は、社会のすべての参加者に対し金融サービスヘのアクセスを約束することである、また市場価格でのサービス提供を拒否されることは経済的な孤立と社会からの締め出しを意味するという認識のもとに、今後の金融サービスの電子化が公平な金融サービスの利用に及ぼす影響などについても分析しております。  実際、金融自由化に早くから取り組んできたアメリカやイギリスにおいては、都市部において採算の相対的に劣る地域などから金融機関の窓口が減少してきていることが指摘されております。財政・金融委員会においても何回か私はこの問題を取り上げたところでございます。ファイナンシャルエクスクルーション、金融排除という言葉で論じられている社会的な問題でございます。イギリス、アメリカにおける金融排除の現象についての総理の認識をお伺いいたしたいと思います。  今後、ビッグバンが進展していく日本の金融においてこのようなことが生じないよう、公的金融の活用も含め政府の細心な活動が大切と考えられますが、総理はどのように認識しておられるか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の金融システム改革、これは抜本的な商品、業務の自由化などを通じて競争を促進するものでありますから、それぞれの金融機関におきまして今まで以上に経営の合理化、効率化が求められるという面がまずあります。しかし同時に、それぞれの金融機関がその特性を最大限に生かすとともに、創意工夫を凝らしてお客様のニーズに応じた多様な金融サービスを提供することが可能になる、こうしたことからビジネスチャンスの拡大にもつながっていくことになると私は思います。  議員が御指摘になりましたアメリカの例、それは恐らく地域再投資法をつくらざるを得なくなったいわゆるレッドライニング、金融機関が所得の低い方々を初め特定層の居住地域というものを地図上に赤線で囲ってしまう、そして融資等の金融サービスを行う際にお客様を差別する、こういう現象が社会的に問題となったということ自体が私はむしろ問題ではないかと思うのであります。そして、そういう問題が起きたために地域再投資法などによりまして、金融機関が信用供与あるいは預金などの金融サービスにおける地域的な差別を回避して資金を地域の発展のために活用するよう求められている。アメリカの状況というものは、そういう現象から御指摘のような法律を整備する必要まで進展をしたということではなかったでしょうか。  イギリスの場合におきまして、近年、各銀行の個別経営合理化に向けた努力がされているとは聞いておりますけれども、同時に、アメリカのような法制度はないと承知をしておりますし、またその法制度を必要とするような現象、社会的な現象が起きているとは私は存じません。  こうしたことを考えていきますと、今、議員から御心配をいただきましたような問題を生じないようにするためには、例えば地域金融機関が金融システム改革の趣旨というものを十分に踏まえて、今後とも一層リテールあるいは地域に根差した経営を行っていただく、そして地域の利用者サイドに立ったきめの細かいサービスの提供に特化する、そうしたことによりまして都市銀行などでは十分にこたえることのできない役割を果たすものだと、そう期待をいたしております。  いずれにいたしましても、各金融機関がその業務の公共性にかんがみまして適切な金融仲介機能を果たしていくことを我々は期待をいたしますし、同時に、民業補完の観点を踏まえながら、政府系金融機関の活用も含めて適切な対応をしていきたいと考えておる次第であります。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 ありがとうございました。  次に、総務庁長官にお伺いいたします。政治のリーダーシップについて、総務庁長官の考え方を少しお聞かせいただきたいなと思います。  今回の一府十二省庁、いろいろな説明をお伺いしましたが、多くの人たちが触れてきたいわゆる数合わせ、中間報告から最終報告に至る論議の経過を見ても、典型的な数合わせという批判は免れないんじゃないかと思います。何回も話題になりました国土交通省、公共事業予算の八割を握るという大ゼネコン省でございます。または、先に教育行政の見直しがないままというのはきれいごとに過ぎるかと思いますけれども、教育科学技術省がそういう手順がないまま設置されて、今後の課題かもしれませんけれども存在しようとしている。これでは一つの省庁に権限が集中し過ぎる。したがって、政策の意思決定過程は不透明となって、官僚主義がむしろ温存、強化されることになるのではないかと危惧いたします。  少し乱暴に言えば一例えば限られた一つの理念を実現するため、多数の省庁に分割して、政治がその指導権と責任のもとで各省庁間の異なる意見を調整して政策を決定していく体制にしていくべきだというふうに考えますけれども、総務庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) ただいまお話しの官僚の存在というものがいろいろな意味におきまして御忠言等あるところでございますが、それらのことを念頭に入れて、今政府が出している一府十二省庁体制という大くくりでは、なかなかじゃないかなと。簡素化、透明化等を期待できるか、効率化できるかというお話でございますが、お話の点は十分参考にしながら進めなければならないと思うところでございます。  ただ、私どもは、一府十二省庁が結果としても充実した、そして簡素なものが必ずでき上がる、またそういうふうに仕上げなければいかぬ、そういう一つの方向を目指し、かつまたそれを具体的に実現するための方針、原則等々、多彩にわたって御相談を申し上げておるところでございまして、特に縦割りやあるいは重複等の弊害を超えまして抱えているそういう現行の省庁体制というものを根本的に見直すということを、最も厳粛に注意しながら対応していかなければならぬ、さような感じと申し上げましょうか、決意を持っておるところでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 次に、内閣機能の強化についてお尋ねいたします。  政治がリーダーシップを発揮するための内閣機能の強化については、内閣としての意思決定を機動的にすることが最大の課題であるかと思います。  問題点が幾つかあるかと思いますが、一つには、基本法案は閣議における内閣総理大臣の発議権の導入を規定しております、第六条。極論すれば、閣議の案件をふやせるという話になってしまう。総理大臣の指揮監督権あるいは閣議の多数決制の導入まで至らなければ、具体的な意思決定について機動性を実現することはできないのではないかというふうに思います。  またさらに、実質的に官僚が内閣をサポートする体制を見直さないまま内閣機能を強化した場合には、逆に官僚主導が強まることになるのではないか。官僚依存から脱却し、開かれた内閣を実現するためには、各省庁からの出向者依存、ポスト固定は打破しなければならないというふうに考えますけれども、総務庁長官はどのようにお考えでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) お話ございましたように、行政全体の総合性、戦略性を留保することはもちろんでございますし、さらにまた機動的で迅速な一つの行政を展開しなければなりません。さような意味におきまして、今もお話がございましたように、例えば内閣総理大臣の基本方針についての発議権の明確化の問題等々、あとは省略申し上げますが、そういう一つの方策を御相談申し上げておるところでございます。  御指摘の内閣総理大臣の指揮監督権及び閣議における多数決制の導入等については憲法上の要請と抵触する可能性もありまして、本法案においては盛り込んでいないところでございます。  最後のところでお尋ねになりました、内閣を支えるスタッフの人事の問題であろうと思うのでございますが、最終報告におきましては、内閣官房のスタッフについていわゆる派遣元省庁の固定化を排除することを初め、行政の内外からすぐれた人材を登用することを求めているところでございまして、その趣旨をわきまえていくべきであろうと考えております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 最後に、総理に財政と金融の分離についてお尋ねいたします。  今般の行政改革の成否は、大蔵省改革をきちんとなし遂げられるかどうかにかかっているというふうに思っております。私ばかりではございません。  一昨年、九六年の十二月に自民党、社会民主党、新党さきがけ三党は、金融行政機構等の改革についての政策合意で次のように明確に方針を出しました。すなわち、「抜本的な省庁改革では、金融と財政の分離を明確にする。本件については、総理のもとの行政改革会議において検討される霞ケ関大改革の課題とすべきである。」とはっきり財政と金融の分離を打ち出していました。しかし、本年の一月、ようやっと三党の合意に至りましたが、紆余曲折の中で若干といいましょうか、後退をしてまいりました。財政と金融はなぜ分離しなければならないのか、今回の行革の原点に立ち返っていただきたいと思います。  現在の日本経済がこれまでの不況にあるのは、根底に強過ぎる大蔵省という存在があり、その結果、財政の論理がとりわけ金融をゆがめてしまいました。プラザ合意以降のバブルの発生と崩壊の過程がそのいい例であります。  今般の行革の成否は財政と金融の完全分離にあると考えますが、総理の認識はいかがでございましょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政と金融をめぐります行政のあり方につきましては、本委員会におきましてもしばしば御論議をいただきました。そして、さまざまな国民の声の中におきまして、自民党、社民党、さきがけ三党間の精力的な御論議の結果が平成八年十二月二十四日の三党間の合意となりました。この三党合意に沿いまして、日本銀行法改正、金融監督庁設置などの改革が既に進んでおります。  そして、この合意を受けまして行政改革会議でも論議をいたしましたし、また三党で引き続き協議が行われました結果として本年一月二十日に、「金融破綻処理制度ないし金融危機管理への対応に限って大蔵省に担当させるという措置は、金融システム改革の進捗状況等を勘案し、当分の間とする。」ことなどが合意として三党間で取りまとめられたわけであります。そして、政府としてはこれを今回の中央省庁等改革基本法の中に忠実に盛り込んでまいりました。  金融行政につきましては、今月二十二日に予定をいたしております金融監督庁の設置によりまして、検査・監督機能が大蔵省から分離をされる。大蔵省は金融制度などの企画立案機能のみを所掌することになりますが、現在御審議をいただいております本基本法が成立をいたしますと、これに沿って実施される中央省庁再編の段階におきましては、企画立案機能につきましても金融破綻処理制度ないし危機管理に関するものを除き金融庁に移管されることになります。そして、この論議の中におきまして、金融システムの安定というものは財政と深い関係を有し、特に危機管理の際には財政とともに迅速な対応が必要だというような御意見も出てまいりました。  こうした御意見も含めてさまざまな議論からまとめられました三党の合意、これを行政改革会議は受けられたわけでありますから、これを重く受けとめて本法案の中にまとめた次第であります。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 終わります。(拍手)

益田洋介公明

○益田洋介君 まず最初に、総理は七日日曜日、静岡、浜松両市を図られて演説会を催された、大変に御苦労さまでございました。私は福岡に行っておりました。この演説会場で総理は大変聴衆に好評な恒久減税などの税制改革について演説をされまして、所得税の最高税率や課税最低限の見直しも含めて検討したいと述べられた上、法人税の実効税率をできるだけグローバライズする、国際水準並みの、具体的に四〇%という数字までお示しになられたそうですが、そうした税制改正の意思表示をされました。私はこれは選挙用のキャンペーンに終わってもらいたくない、まずこの点を真摯な国民の声としてお願いをしておきたいと思っております。  さらに総理は、日本の課税最低限について、これは私が実際に伺ったわけじゃありませんので報道等を拝見した限りにおいての推測ですが、本年末に予定しております年末調整的な追加の特別減税を行うと、その二兆円の減税の結果、夫婦子供二人の標準世帯で年収四百九十二万円となってしまい、二百四十五万円のアメリカ、百五万円にすぎないイギリスに比べてとてもグローバライズされているとは思えない状態になってしまうという危惧を話された上、法人税率については、その実効税率が現在四六・四%であり、これは高い高いと言われたドイツの四一%、荒なたを振るったイギリスのサッチャー政権以来の四〇%を目標にするとおっしゃいました。  しかし一方では、所得税の最高税率の引き下げは、今まで言われてきたのは金持ち優遇税制であると。他方、課税最低限の引き下げは弱い者いじめだと、こう言うことを多分言われるでしょう。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はそんなことを言っていない。

益田洋介公明

○益田洋介君 これは私が言っているんです。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) いやいや、その内容が。

益田洋介公明

○益田洋介君 内容は、これは前から我が党が言っている主張と一緒ですから。  それで、イギリスでは、一九七九年にサッチャー政権ができて、政権につくや否やマーガレット・サッチャー総理は一カ月もたたないうちに構造改革のために所得税の大幅引き下げ並びに付加価値税——付加価値税というのはこれはちょっと日本になじみがないんですが、バリュー・アデッド・タックス、VATと言われているものですが、の大幅引き下げ、同じものじゃないですけれども、これは消費税に相当するものです。したがって、所得税の大幅引き下げと消費税の大幅引き上げの方針を決めて、その後に劇的な改革予算を打ち出したとサッチャーは回顧録の中で言っております。  総理は、バーミンガム・サミット終了後の五月十七日の記者会見で、この税制改革の論議を党にゆだねると。税制の抜本改革の基本的方針を明示しないままに、党の税調は政府税調より力があると言われておりますが、そこにゆだねるんだと、そうおっしゃった。私はやはり、現在、経済・財政危機回復のために、総理がおっしゃる国民や企業の意欲をかき立てるような税制、私はこれは具体的に早急に国民の前に示されるべきだと思うんです。そして、国会で論議を私たちは進めたいと思いますが、御所見を伺いたい。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、私は日曜日、確かに静岡県下に遊説に参りました。その際、税制の問題に触れたことも事実でありますが、議員が私の発言としてお話しいただきましたものは相当事実と食い違っておるようであります。それは、翌日の報道も確かに各紙の伝えるところが相当まちまちでありましたから、誤解を生じたのかもしれません。  法人課税については、国会でも申し上げておりますとおり、三年以内に国際水準並みにということを私は話しております。それを目標にしていきたいということを申しております。  所得課税については、私が申しましたのは、特別減税でかさ上がった分を除いて、課税最低限という言葉を私はむしろ選ばず、所得税を負担していただいていらっしゃる方々は標準世帯で三百六十一万、特別減税の結果これは四百九十一万七千円になります、四百九十二万円になります。しかし、言いかえればそれはそこまでの所得の方は負担していただいていないんですと。アメリカでは二百四十五万円以上、イギリスでは百五万円以上の所得のある方に所得税を負担していただいているんです。私は所得課税について、一生懸命働いた方が報われるような税制にしたいということを申し上げました。  そして、政府税制調査会では既に議論を始めていただいていますし、この参議院選が終われば党の税制調査会でも本格的に議論をしていただきます。  私が税について申し上げておるポイントはそのようなことです。

益田洋介公明

○益田洋介君 ぜひ鋭意速やかに税制改正の見直しというものを進めていただきたい。重ねて要望しておきます。  先月二十九日に成立した改正財革法、財政構造改革法は達成年限を二〇〇三年から二〇〇五年度に繰り延べたわけですが、赤字国債の発行をゼロにするという目標は堅持したままなんです、私もこの審議には携わらせていただきましたが。この目標を達成するということになると、仮に九九年度以降の一般歳出の伸びをゼロにしたとして、シーリングをかぶせるとしても最大で四・七兆円程度の財源不足が生じることになってしまう。そうすると、恒久減税に政府が踏み切った場合、財源を赤字国債にだけゆだねていたのでは財政再建が今度は成り立たなくなる。二律背反が生じてくるわけです。したがって、歳出カットと並んで何らかの恒久財源が必要になってくる。こんなことは経済学の牛嶋先生に意見を求めなくても私らだってわかるような話なんです。  それで、恒久減税と赤字国債発行ゼロの目標の両立にはやはりかなり乗り越えなきゃいけないハードルが当然のことながら生じてくる、一般論としてですよ。だれが言っているとは言わない、どの政党が言っているとは言わないけれども、消費税率の見直しが当然必要になってくるのではないかというような議論がありますが、この点、総理いかがですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員が今仰せのとおり、財政構造改革の目標年次を二年間延ばす法律を可決、成立させていただきましたが、実は「財政事情の試算」というので五月十二日に示しておるわけでありますけれども、その結果として目標年次が二年延びましたから、いわゆる要調整額、毎年調整すべき額は縮小することになります。しかし、同時にまた、今回の経済対策に伴う国債費の増加がございますので、その点では要調整額が増加するということになるわけでありますが、二年延ばしたことによる要調整額の縮小額が国債費等の増加に伴う要調整額よりも大きゅうございますから、したがって、トータルとしては各年度の要調整額は本年一月にお示しした中期財政試算と比較して縮小するということになります。  縮小することになりますけれども、その額はまだ相当あるわけでございまして、これについては、歳出の中身にまで徹底して踏み込んで構造改革を進める、それによって要調整額を解消して特例公債依存度からの脱却を図るというのが我々のやろうとしていることなんでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 その論理を繰り返してきたわけですよ、今の政府。どんどんそうした理想論から離れて、毎年のこと累積赤字はふえているわけです。そういう甘い見通しを言っているだけでは、もう国民は信じません。もっと具体的に踏み込んで、何をしたらいいのかということを、赤字を減らすということを二〇〇五年度までに検討しなきゃいけないですよ。その一つが消費税率の見直しでしょうと申し上げている。もういいですよ。  先ほどちょっと御紹介しましたが、欧米型の付加価値税、VATに絡んでの御質問になりますが、我が国の消費税という税制に関しての一つの大きな問題点というのは、いわゆる逆進性ということなんです。収入の少ない人ほど消費税の負担割合が高くなっているわけです。同じものを買ったって、収入の高い人よりは少ない人の方が負担率が高い。この逆進性をやはり緩和するということも考えていかなきゃいけない。弱者救済ですよ。弱者と最近言っちゃいけないのかもしれない。一般大衆の方にもっと納得いくような税制の見直しをしなきゃいけないと私は思うんです。  例えばEU、当時はECでしたが、欧州共同体が第六次指令ということで標準税率を、これは付加価値税ですが、一五%以上として、食料品や新聞、書籍、医療品などは軽減税率を認めようではないかという方針に合意をしたわけでございます。フランスでは標準税率は二〇・六%。三%だ五%だと論議しているのが遠いかなたのことに聞こえてまいりますが、食料品や書籍には五・五%の軽減税率を導入しておりますし、新聞や医療品には二・一%。イギリスにおいても、標準税率は一七・五%ですが、家庭用の燃料や電力に五%の軽減税率、食料品や新聞、書籍にはゼロ税率を適用している。本を買ったり文房具を買ったり新聞を読むときには付加価値税は払わなくていいんです。  こういう国民それぞれの所得層に応じた思いやりのある税制体系というものを考えなきゃいけないと私は思うんです。ですから、それは日本の国情というのはまた欧米と一概に一緒だとは言えないでしょうけれども、雇用体系も違うし、しかし、その国情に応じた措置をやはりこれからは検討していかなきゃいけないのじゃないかと僕は思いますけれども、いかがですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今行われておる消費税の関係で、軽減税率を入れるべきではないかという御意見でございますが、この点については、今までもいろんな場でさまざまな議論が行われてまいりました。  もし軽減税率を何かの分野で、あるいは何かの物品について入れるとなれば、今度は消費税の納税義務者、こちらの方ではいろいろな機器の入れかえその他をしなきゃなりませんから、レジにしても何にしても、そのために新たな事務負担が生じます。その事務負担は実は最終的には価格にはね返ってくるわけであります。  したがって、もともと五%というこの税率のもとでは、軽減税率を入れたとしてどれだけの価格低下の効果があるか疑問になるところであります。のみならず、軽減税率の対象品目、それをどれにするかということを合理的に定めることも難しいということでありますので、せっかくの御意見でありますけれども我々としては採用するわけにはいかない、こう申し上げておるわけであります。

益田洋介公明

○益田洋介君 そんな、コンピューターやレジスターのソフトをいじらなきゃいけないなんて、三%を五%にしたって同じことをやっているんじゃないか。だったらできないことないじゃないですか。そんなもの理由にならないよ。  ちょっときょうは時間がないから、今度また伺います、聞くことがいっぱいあるから。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 私語を禁じます。

益田洋介公明

○益田洋介君 それで、その財源の問題で、僕は、先月の二十九日に引き続いて六月三日、わずか十分間だけだったですけれども、目黒区のある国有地の売却をお勧めしている、政府に。これはどういうことになったかというと、資料要求をしました、六月三日に。七項目の資料要求をしたんです。書類で出したのが六件。口頭で言って、これ議事録に残っていますけれども、一件。けさ理事会に回答がございました。  書類で出した六つの資料のうち、五つは出てまいりましたが、一番肝心の六番の二、「右土地に対し通常課税されると見込まれる固定資産税および都市計画税の年額」、これが出てきていないんです。出てきたものについては検討いたしましてまたどういうふうなアクションを起こすか考えますけれども、一審肝心なものが出てきていないんです。  もっと肝心なのは口頭で言ったものなんです。これは、平成元年に改築の申請が出て、そのときに八百五十億というお金をこの雅叙園という合資会社が用意した。このとき私はチャンスだったと思うんですよ、買い戻してもらう。例えば、八百五十億全部建物に使わなくたってよかった。十九階建てのオフィスビルに七階建ての結婚式場と宴会場。半分、土地の値段が四百億ぐらいと当時言われていたから、買い戻してもらうような交渉をすべきだった。四百五十億あれば相当なものが建てられるでしょう。その後建て増したっていいわけじゃないですか、自分の土地だけ買い戻してもらえば。地財局の許可なんて得る必要はない。この辺の事情の説明と報告書を出してもらいたい。この資料が全然出できていない。  私は、きょうはこの問題について質問いたしません。ただ、六千三百三十坪、現勢価格で二百五十三億円という国有財産。財源がない財源がないなんと言っているんだから、こういうものをまず処分しなさいよ。  それ以上言わない。ただ、いつまでたってもこんな少年探偵団みたいなことをやっているのは嫌なんです。やることはまだたくさんあるんだ。山積しているんですよ。大蔵省の職員の件だとかなんとかまだあるんです。だから、早く資料請求どおりの資料を出していただきたい。それだけお願いしておきます。よろしゅうございますか。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 後刻理事会で協議をいたします。

益田洋介公明

○益田洋介君 それで、このとき大蔵大臣がこういうことをおっしゃいました、質問をしていないのに。質問していないから言っちゃいけないということじゃないんですけれどもね。このたぐいの土地というのは全国に十数万件ある、そのうちの六万二千件が関東財務局管内に集中しておると。これは、私は洗い出す必要があると思うんです、国有財産というのは。それで処分するかどうかは検討した方がいいと思いますよ。  都内にあるのはこれだけじゃないんです。最近わかったことで、赤坂に千五百平方メートル、約四百五十五坪、郵政省の官舎が建っているんです。十三世帯しか住んでいない官舎。地価だけで二十一億円。職員は賃貸料として月額一万八千円しか払っていない。  きょう郵政大臣は来ていますか。こういうものはいいのか。場所は赤坂六丁目。氷川神社というのがあるじゃないですか。あのわきに日本銀行の氷川分館というのがある。これは日銀総裁、何か最近元気がなくなっちゃったから言わないんだけれども、これも売ってくださいと僕は言っているんだ。その隣にあるんだよ。すごい土地でしょう。郵政大臣、これ検討してくださいよ。十三世帯住んでいるだけだから。家賃一万八千円。  こんなことをしておっちゃだめですよ、日本という国は。苦しいときはまず自分から身を削らなきゃいけないんだよ。中小企業の社長さんはみんなそうじゃないですか。自分が持っている、住んでいる土地だとか家屋だとかをまず処分するんだ、会社のためには。国家だって一緒じゃないですか。  郵政大臣だけが悪いんじゃない。大蔵大臣も、これは竹平寮と言われている元陸軍の宿舎、知っていますか。九段の南にあります、これは。ちょうど千代田区役所の向かい側、首都高の五号線との間に囲まれているところです。北の丸公園からすぐ近く、科学技術館まで徒歩二分、武道館まで徒歩二分、こういうところにある。これは戦後、国有財産として管理していたんですけれども、外地からの引揚者の方々に賃貸していた。現在は百二十戸のうち十九戸にお住まいで、動いていただけない方がいらっしゃるそうなんですが、これは時価百五十億円と言われている土地なんですよ。こういうものが戦前の姿のまま残されている。これは点検をお願いして、これも売却した方がいいと思います。一々、毎回毎回僕が調べなくても、国家がしたらどうですか、理財局やなんかが。ほかにすることがたくさんあると言ったじゃないですか。とんでもない、こんな一々面倒を見て。  大蔵省の財政金融統計月報によると、九十一兆円になるというんです。大蔵大臣、国有財産の資産を総点検してもらえますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 前回も申し上げたことでありますが、国有地は国民共有の貴重な財産という考え方で、まず公用、公共用優先という原則のもとでその有効活用を図ってきたところでありますけれども、公用、公共用の利用が見込まれないものは民間へ積極的に売却する、こういう方針をとっておるわけであります。  ただ、土地についてはいろいろありますね。今言ったように、だれかが住んでいるということ、あるいはまた更地になっているもの、あるいは先ほど話に出た雅叙園の話、これは借地権という権利を持っているという人でありましたから更地等の場合とはおのずから異なるわけでありますが、いずれにせよ、国有財産の効率的な使用をさらに徹底しようということで、ことしの七月から行政財産等の使用状況の実態調査及び未利用国有地の総点検を実施することにして、去る五月二十五日付で各財務局長に対して通達を発したところであります。

益田洋介公明

○益田洋介君 いつまでにできるか、調査はいつ終わりますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 五月二十五日付で発しましたから、それに基づいて各財務局長から回答があるものというように思っております。

益田洋介公明

○益田洋介君 いつまでに調査を終わらせるのかというのが僕の質問なんですよ。もういい、時間がないからいい、もったいない。政党が小さくなっちゃったから時間が短いんだよ。  イギリスでも、一九八〇年代にやはりサッチャー政権がスモールガバメントという目標を掲げて、八〇年代の初めから十四年間かかって九四年の末までに少なくとも八百五十億ポンド、二十四兆円の収入を確保した。そのほか公営企業の民営化で経済の活性化に貢献しているんです。ぜひともこれは力を入れて取り組んでいただきたい課題なんです、国有財産の洗い出しと処分。  それで、次は公益法人なんです。  総理は、幾つかの点で今までお話をさせていただいた中でただ一つ合意をしていただいたのが、この公益法人についても見直しをしなきゃいけないということだったですね、統廃合を含めて。昨年の十月一日現在、公益法人というのは八十三法人、二百七十三人の職員、そのうちの実に三十四法人については代表は大蔵省のOBであるということがわかっている。  財政経済協会というのは、五人の理事と四人の顧問全員が大蔵事務次官経験者などの大蔵OBで独占されている。その事務所の中にはOBの親睦会大蔵同友会の事務局も置かれている。それから、さらに社団法人、社団法人もこれは当然公益法人ですが、金融財政事情研究会は民間企業などと共同で株式会社金融システム総合研究所を設立して、そして現在もその株式会社の一割の株を保有しているわけですが、金融財政事情研究会の理事長をしている大蔵省の元銀行局長は、その株式会社である研究所の取締役所長も兼任して両方から給料をもらっている。これをどう思いますか、総理。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) いや、それは私の方で、今御指名をいただきましたから。  公益法人の関係につきましては、委員も御承知と思いますが、平成八年九月に公益法人の設立許可及び指導監督基準というものが閣議決定をされまして、大蔵省としてもその基準にのっとって指導監督に努めております。そして、その基準に適合していない公益法人については平成十一年九月までに是正をするようにということになっておるわけであります。大蔵省としては、その期限までに是正することは当たり前のことでありますが、少しでも前倒しで是正するように今適切な指導監督に努めておるところであります。  今御指摘の財団法人財政経済協会につきましては、委員御指摘のように、理事五名のうち四名が大蔵省出身というふうになっておるわけでありますが、本年七月までに開催される評議員会で是正される予定になっております。  それから、社団法人金融財政事情研究会、これにつきましては、委員御指摘のように株式会社「きんざい」というものの株を持っているわけでありますけれども、これは本年中に処分をするということに実はなっておるわけでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 これは九六年の九月に閣議決定して公益法人の設立許可及び指導監督基準というのをつくったけれども、全然適用されていないわけです。閣議決定したからみんな言うことを聞くというんじゃないですよ、総理。  この問題の両方から給料もらっている入、この人は吉田正輝さんというんだけれども、二十八で新宮の税務署長になっているんだ、大蔵大臣。だめだと言ったじゃないですか、こういうことをしちゃ。昔のことだけれども、近畿財務局長になって、銀行局長になって、六十一年に日銀の理事。それから、平成五年に問題の兵庫銀行の頭取になっている。それで破綻してみどり銀行に設立吸収された後、今言った金融財政事情研究会の理事長になっている。非常に興味あるが、時間がないから今度に後回しするけれどもね。  これは総理、何が言いたいかというと、今回の法案の三十六条、独立行政法人というのがある。三十七、三十八、おもしろくない法文だよね、四十条の国家公務員の身分というところまで。今度また独立行政法人をたくさんつくるというんだ。今ある公益法人だけだって精査して統廃合しなけりゃいけないというのに、またつくるというんだ。おかしいんじゃないですか、これは。  僕は、行政改革会議の最終報告というのを取り寄せて読んでみた、二百八十八ページ。独立行政法人化の検討対象となり得る業務。試験研究五十四件、公益法人ができるんでしょう、つくるつもりでしょう。文教研修・医療厚生九件、検査検定十件。ここにあるだけでも七十三件。また七十三つくるんですか。  これが行政改革なんですか、総理。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、現在、議員が御指摘になりましたような公益法人のあり方、そして基準設定後において、今御指摘がありましたものは大蔵省のケースでありましたが、監督省庁がそのルールを守らせていないということに対しては私自身恥ずかしく思いますし、きちんとしたチェックをすべきものはしろということを改めて言いたいと思います。  その上で、先ほど議員が評価をしておられた、例えばイギリスの行政改革の中で採用されました手法、いわゆるエージェンシーという手法についてはよく御承知のとおりであります。そして、議員が今公益法人と並べて論評された、これから私どもが本法が成立をいたしました後、言いかえますなら、国会のお許しを得て本法の実際上の作業に入ろうとするとき検討すべきテーマの一つが、今、官が行っております仕事、それをどうすればより国民のためにも機能あるいは効率のよいものをつくっていけるか、そうした視点から独立行政法人という仕組みを他国のちょうどエージェンシーと同じような考え方をもって検討しようとするものであります。これを従来の法人と一緒に論ぜられることは、私は意見の違いがあるなと。  少なくとも、今まで官が抱えておりましたものを移していく中において、一つの形態として通則法等、これはまた御審議をいただかなければなりません、それに基づいて労使の協力も得ながら独立法人化し、運営を弾力化していけるものはしていきたいと私どもは考えております。

益田洋介公明

○益田洋介君 終わります。(拍手)

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 総理並びに閣僚の皆さん、大変お疲れでございます、御苦労さまに存じます。限られた時間でございますので、早速本論に入りたいと思います。  参議院におきましては、参議院行財政機構及び行政監察に関する調査会がございまして、ここで平成七年以降、国の内外にわたりまして調査が行われ、三年に及ぶ検討を重ねてまいりました。その結論といたしまして、参議院にオンブズマン的機能を備えた行政監視委員会が設置されることに相なりました。ここには長官にもしばしばおいでいただきまして煩わせているところでございますが、既に活動を開始いたしているところであります。  一方また、行政の面におきましては、戦後型行政システムの改革をいたし、二十一世紀に対応した中央省庁等の改革が行われることになりまして、今日この基本法案の審議が熱心に取り組まれておるところでございます。  そこで、小里長官にひとつお伺いいたしたいと存じますが、現在の総務庁に設定されておりまする行政監察局は八百人の職員を擁されておりまするし、各省庁に対しまして一定の権限を持って行政上の監督、監察あるいは評価を行っているように存じます。  今日までの経過を顧みられまして、その機能についてどのように評価をしておられるか、まず最初に伺っておきたいと存じます。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 先生も御承知いただいておるところでございますが、行政監察局は行政の実態あるいは問題点を実証的に把握いたしまして、そして改善を勧告いたしてまいっておるところでございますが、特に政府部内におきまする自己改善機能としての役割は果たしている、そういう判断をいたしております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 いろいろと総務庁の監察関係から出ておりまする書類もいただいておりまするし、年間を通じまして活動しておられることについても認識をいたしてまいっているところでございますが、長官の御説明のとおりであろうと存じます。  基本法案の第四条六号を受けまして、第二十九条におきましては政策評価機能の充実強化を図るために三項目が挙げられております。そして、「政策評価の総合性及び一層厳格な客観性を担保するため、府省の枠を超えて政策評価を行う機能を強化すること。」となっておるのであります。  これは、総務庁の今日までおやりになってまいりました行政評価、監察、指導、こういったものと比較されまして、どのようになるものであるか、伺っておきたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 先ほど御答弁申し上げました行政監察局、その機関、機能と今次の第二十九条関係のお話でございますが、殊にその中におきまして「明確な位置付けを与えられた評価部門を確立する」、こういうことが明記してあるわけでございます。この趣旨は、各府省内部に政策の評価を主たる任務として、当該府省が担っておるいわゆる任務の評価を行うに足る組織、人員を備えた部門を確立することを意味しておるものが一つございます。さらに、先ほど議員もお話がございましたように、各府省の枠を超えて行う政策評価の機能については評価を全政府的レベルにおいて的確に行い得るようにする観点からその機能の充実強化を求めているところでありまして、さように御理解をいただきたいと思う次第でございます。  さらにまた、もう先生御承知いただいておるところでございますが、これに当たっては、現行の総務庁が行う先ほどの行政監察が個別の事務事業の実施状況の調査を基本として当該事務事業の効率性、適正性の向上を図ることを中心とした機能を果たしていることにかんがみまして、その活用を図ることも重要であると判断をいたしております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 二十九条の一号はそれぞれの府省におけるあり方であろうと思います。  現在、私どもは委員会における長官の御説明等も伺っておりまして、それぞれの各省庁間における不十分な点もあるので、これについては相当の強化をしてまいりたいということに相当することであろうかと伺ってよろしいですね。  それから次に、二号には「政策評価の総合性及び一層厳格な客観性を担保するため、府省の枠を超えて政策評価を行う機能を強化する」、このように出ておりますが、これはいわば府省の枠を超えるわけでありますから、次にできてくる総務省の中の行政監察を行う担当部門、局と申しましょうか、そうしたものが扱うことになるのか、こういうように理解をしてよろしいかどうか、伺いたいと思います。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 先ほど小里大臣から御答弁がございました点でございますけれども、現行の総務庁が行います行政監察が個別の事務事業の実施状況の調査を基本として当該事務事業の効率性、適正性の向上を図ることを中心とした機能を果たしておる、こういうことにかんがみまして、府省の枠を超えた全政府的な評価機能の充実については、この行政監察の機能の活用を図ることも重要であるというふうに小里大臣が御答弁を申し上げ、そのとおりに考えておるところでございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 そういたしまするというと、これは現在の総務庁の行政監察局と比較をいたしまして、次にできるものはこれはかなり違った指導性と申しますか格付といいますか、そうした位置づけがなされているものと理解をしてよろしいのですか。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 行革会議長終報告及び基本法におきましては、機能を強化することということで方向を出しておるものでございます。したがって、具体的な新しい機構を設けるというところまでこの方向づけはしていないということでございます。  この機能を強化する上で必要な措置を今後具体的に検討する中で、もし必要があれば機構的な面についてもなお検討する必要があるかとも思いますが、この行革会議長終報告及び基本方針においては、新たな機構まで直接に直ちに格付した方針として明示したものではございません。あくまで機能の強化という面に着目したものでございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 ちょっとこれは私の理解が不足なのかもしれませんが、今の総務庁における監察局がやってこられたことも相当大きな役割を果たしたと私も考えております。しかし、それよりも強化するというように理解をしていいのかどうなのか、それよりも強化されたものというのは端的に言えばどういうものになるのか、これをちょっと伺っておきたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 率直に申し上げまして、先生が今御指摘なさるところは、先ほど私も坂野政府委員の方からも若干触れましたけれども、今次の機能を新たに求めておるところをはっきり申し上げますれば、この趣旨は、いわゆる権限という視点よりも、機関をもう一つつくって権限を強化しますよというその視点よりも、むしろ機能の充実に着目をしておる。いわゆる行政監察という視点も一つの同じ基調に立つものでありますけれども、むしろ機能の充実に着目をして、そして行政の適正化、効率化、そしてまた行政監察という視点からそれに一つの任務を求めている、こういうふうに御理解をいただきたいわけでございます。  今後、政府全体の評価システムの設計の中で、先生が今ちょっと疑念としてあるいはお持ちかもしれませんが、もしあるとするなれば、その辺を検討させていただきたい、さように思っております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 だんだんとわかってまいったような気がいたしますが、過日の本院における参考人の陳述の中にも、議会以外における第三者機関による監視監督機能を設けるか、現行の会計検査院の機能を強化する措置を強調されておったわけでありますけれども、こうしたことはお聞きになっておられると思います。これは、言ってみれば会計検査院あるいは公正取引委員会というようないわゆる独立を保障された機関を参考人の意見は求められていると思うんです。  私も、実は参議院における監視委員会の運営、すなわち立法府におけるこうしたもののチェック、評価のあり方、運営と、行政府におけるところの各省間における府、省を超越した総合的なものをまとめたものとの接点は当然考えなければならないのではないかなと思ってこの参考人の意見は聞いておったわけでありますが、この辺について長官の御所見を例えればと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) まず、政策評価の有効性と申し上げましょうか、あるいは効果について、その点を御指摘いただいておると思うんでございますが、客観性を確保するためには、評価が関係者の視点に立って行われたり、ましてやその利害に絡めて行われてはならないことは言うまでもなく、あくまで客観性が強く要求されることはお話にあったとおりでございます。  かかる観点から、制度の具体化を検討するに際しましては、先ほど申し上げましたように、これから具体的に検討するに当たりましては、民間有識者あるいは第三者的評価のあり方を十分に検討していく必要があるわけでございまして、今後検討をそのような視点で進めてまいりたい。  それから、行政評価あるいは監督庁の設置といったことにつきましては、先ほども若干申し上げましたが、府、省の枠を超えて政策評価機能の強化を求めております。同時にまた、議員の問題意識にもかなりあられたと思うのでございますが、推進本部を中心として改革の具体化の作業において総合的かつ客観的な評価機能の確立に努めてまいりたい。十分検討をいたします。  それからまた、第三者機関と申し上げるんでしょうか、例えば国会が行政監視の観点から憲法の諸規定などを踏まえて活動されることは極めて大切であると同時に、これはまた国会自身のお話でもございますが、またそのほかの機関は機関として、国民から求められた本来の目的、機能をそれぞれ果たしていらっしゃるものである、さように思います。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 でき上がった府、省、これとやはり会計検査院というのは今までのような連携を持ちながらやっていくことになると思うんですね。そして、会計検査院は同時にまた、両院の決算委員会に対しましても年間の報告も行うし、問題点があればそれらについてもいろいろと明らかにしていくだろうと思うんですね。これは今までのとおりだと思うんです。  こういうような立法府と行政府の相互関連というものは、これは車の両輪でございまして、いわゆる行政の評価とか監察とか、こういったものは事件が発生してからでは意味がないんでありまして、その前にほとんど抑え込むという形が出てこなければならないと思うんですね。あるいはまた、大きく成果が上がるような指導や、そうしたものの裏づけが事前になければならないだろうと思うんです。  そういうように考えまするというと、今までこういう独立した機関が両院に接しながらやってきたと同じように、府、省と、いわば第三者機関、行政評価や監督関係の仕事をするところの庁と申しますか、そういった第三者機関をやはり媒体にしながら、行政全体の取りまとめを行いながら両院との関係をつくっていくという形で相互の成果を上げていくことが大変大事なことではないかなと思うのでございまして、長官のお話は大体了とするところでございますが、私の希望を述べまして、重ねてその辺のところをお伺いしておきたいと思うのであります。  最後に、総理の御見解も二言伺いたいと思っております。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) では、私の方からまず。  先ほど私が国会またはそのほかの機関と申し上げましたのは、実はただいま先生がお話になりました会計検査院等を念頭に入れて申し上げたわけでございます。  それから、最後の要約として先生から御指摘いただきましたことは極めて重要なことでございまして、それらの政策評価なり行政監視をするそれぞれの機関が連携をとり合いながらその実効を上げていく、でなければいけないよというお話は全くそのとおりでございます。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 行政が総合的な立場から国会のチェック機能によるチェックを受ける、これは当然のことであります。同時に、従来、事前裁量型の行政の中における行政自身の自己評価、また自己監査、これにはやはり一定の限界はあったであろうと私は思います。  行政の仕組みそのものが事後チェック側に変わろうとするとき、当然のことながら、行政内部における監査、自己評価の姿勢というものも当然変化をしていくことは考えられるわけですが、その機能は一層重要なものになっていく、その意味において、会計検査院等についてお触れになりました部分は将来ともに大事な御指摘だと考えております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 終わります。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      —————・—————    午後一時開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、中央省庁等改革基本法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 この法案の中には、中央省庁等改編の基本方針で、行政機関における政策の企画立案に関する機能とその実施に関する機能とを分離することが挙げられております。私はきょうは、行政を立案機関と実施機関とに分けるということはどういうことを考えておられるのか質問したいと思いますが、まず分離されたのを一体どこへ持っていかれるのか、どういう形になるのかということから、これは簡潔にお願いいたします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) お話しの政策の企画立案機能と実施機能は一面におきましては密接な関係を持つわけでございますが、両者混然として行われていることはかえって本来それらが発揮すべき特性を失わせ、機能不全と結果としての行政の肥大化を招いている、こういう現状でありますから、それを分離したいと。それから、両者の異なる機能、特性に応じた最適な組織編成を行いますと。同時にまた、企画立案部門と実施部門とを組織的に分離し、それぞれの部門の役割と責任の分担をきちんといたしますということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 結局、分離したのは外局、独立行政法人、地方公共団体、民間ということになる、こういうことだというふうに説明を聞いております。  そこで、これもまた簡単な問題ですが、分離された部門というのはもうこれで行政でなくなるんですか。行政なんですか。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 企画機能と実施機能の分離は、基本的には行政に属するものについてそれぞれの機能を担う組織を分離するという考え方によるものでございます。  行政から外に出す、これは例えば民営化とかそういうことになるということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 行政から外に出すということですから、行政でなくなるということのようですが、そうしますと、これまで国が指揮監督、またはその結果についての責任を負っていたこれらの機能というのは、分離された後はだれが指揮監督し、その責任はだれが負うようになるわけですか。それを独立行政法人も含めて、地方公共団体、民間、それぞれについて簡潔にお答えください。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 補足して申し上げますが、企画機能と実施機能の分離というのは、基本的には行政の中において機能的に組織を分離するという考え方のものでございます。民営化とかそういうことは、この企画機能、実施機能の分離の前に、それよりも以前の段階として本来国が果たすべき業務がどうか、そういう問題のものでございます。  また、今お尋ねの実施機能として分離した組織に対する監督については、これは基本的には当該行政を担当いたします国務大臣が最終的な責任を負うということになるわけでございますし、組織的には、企画立案部門が企画立案した政策、そういうものが的確に実施部門において実施されるように、企画部門と実施部門との間の関係が構築されるものと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 切り離された部門というのには民間、地方公共団体もありますよ。それも政府が監督するわけですか。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 民間とおっしゃるのが民営化されたものという意味でありますならば、これはまさに民間事業そのものになるわけでございますから、行政内における関係とは別の次元に属するものになります。また、国と地方公共団体の関係におきましては、既に地方分権の推進等で明らかにされておりますように、今後は対等、協力の関係に置かれることになるということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 その切り離された機能、これの経営上の問題ですが、これは全部独立採算になるんですか、あるいは国も責任を負うんですか。独立行政法人の場合も含めて、また切り離される民営部分はどうなるのか、お答えください。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) まず、独立行政法人制度の構想におきましては、この独立行政法人に対する監督は主務大臣が基本的に行うことになるという考え方に立つものでございます。また、お尋ねの民営化されたものについては、特に必要があれば別途の法制が適用されることがあるかもしれませんが、基本的にはまさに民間事業でございますから、国とは切り離された形になるものでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 指揮監督はさっき聞いたばかりですよ。僕は独立採算になるのか、国が責任を負うのかということを聞いていますよ。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 失礼いたしました。  独立行政法人の制度にあっては、独立採算を必ずしも前提にする仕組みにはなっておりません。既に御承知かと思いますが、国はこの独立行政法人の業務の必要性に応じて運営上の交付金等を交付する、そういう仕組みとすることにいたしておるわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうしますと、今度は反対に、なぜこの独立行政法人なるものに切り離していかなくちゃならないのかという疑問が出てまいります。指揮監督も主務大臣が行い、また経営上も独立採算を前提とするものでないということなら、なぜ従来どおり国がきちっと直接に責任を負うという体制をとらないのかということです。  私は前々回ここで質問したときにもお伺いしましたが、四十二条で分離する部門、この検討対象には国立大学の教育研究、国立病院及び国立療養所、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設、こういうものが挙げられております。こういう形で独立法人にするということについて、最近出版されました本で、ある大学教授がこういう分析をやっているのは私は当たっていると思います。  「エイジェンシーについていえば、これはいわば国が行政責任を日常的には負わないシステムである。そこでは公共性よりも効率性が専一的に追求され、独立採算制による受益者負担の強化や、場合によっては、利益の多少によるサービス内容の地域間格差の発生によって、公共サービスのユニバーサルサービス的性格が破壊されることさえ考えられる。さらには、病院、大学、職業紹介事業の民営化、民間委託が、これらの業務の公共的性格を喪失させる結果となる危険性もある。」、こういうふうに指摘しております。  そういう危険というのは全くないと言い切れますか、総務庁長官。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 要するに、今行政が行っておるものの中から、なぜ外に引き出して法人格を持たせて独立行政法人化をやるのか、その辺の意図あるいは意義というものをきちんとせよと、こういうことであるようでございますが、国が行う実施事務のうち一定のものを国から切り離し、今そこを申し上げました。  それは一体どういうような根拠、趣旨できちんと識別をするか、区分をするかということを申し上げますと、まず公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業であって、国がみずから主体となって直接に実施する必要はないが、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがある等のもの、こういう一つの基準を持っております。  それから、前段でお話がありましたが、ではその独立行政法人とはどういう性格のものか、業務運営はどういう形を求めているか。簡単に申し上げますと、自律的、弾力的な業務運営です、一般の行政事務等とはおよそ違いますというところ、ここがまず出発点です。  それから、お話がありましたいわゆる事前管理から事後評価への転換、これは大臣統制の問題等があります。それから、効率性や質の向上、そして透明性を求めます、目標とルールを明確に定めて業務の結果もきちんとその業務体として評価するし改善する仕組みを考えていこう、それから企業会計の導入など弾力的な財務運営、同時に情報公開も求めますと、そういうところが主なる独立行政法人の独特の基盤である、こう御理解いただきたいと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 もう一つの重要な問題がこの問題では指摘できると思います。  それは立法機能と実施機能との分離ということですが、行政というのを一体こういうふうに機械的に分離できるものなのかどうなのか、そしてまた分離しないで一体になって行われることの重要性というのがあるじゃないか。それは、企画立案された政策というものが適切なものであるかどうかということは、実施部門が現場でそれを実施する中から住民との間のいろいろな関係を含めて確かめることによって、それが政策立案機能の方にも反映され、そして政策の発展ということもあり得ると思うわけです。それを、政府の機能を立案機能中心にわざわざ分離してしまうということは、私がさっき言いましたように、結論的に言えば公共サービスの全面的な後退とあわせて重要な問題ではないかと思います。  総理、これは国の運営の基本にもかかわる問題だと思いますが、どのようにお考えですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、議員がこだわっておられるように、一面において確かに企画立案機能と実施機能、あるいは実行機能と言ってもいいですが、これが非常に密接な関係があることは否定をいたしません。  しかし、それが一体でありましたがゆえに今まで裁量行政とかさまざまな批判を浴びてきた部分があることも事実だと私は思います。そして、それはむしろ、本来それぞれが独立した機能を果たしていればよりよいものが生まれたかもしれない可能性をつぶしたということも言えるかもしれません。そして、行政の肥大化を招いたということは現実の問題です。  ですから、私は、本当に企画立案の機能と実施機能を分離する、これはそれぞれの異なる機能特性に応じた最適な組織を考えて実行できるようにしろという命題を我々に課したものと考えております。  そして、その中で最善を果たしていける、それには実施機能につきまして、議員は先ほどから幾つかのケースを挙げられましたけれども、例えば外局化もありましょう、地方支分部局にゆだねるケースもありましょう、さらに地方分権の推進によって地方公共団体にその業務をお任せする部分も出てくるでありましょう。そして、独立行政法人がなじむと思われるものについては、これは通則法をそのうちに御審議いただくときが参ると思いますけれども、そうした中でよりよい形態を求めていくということであると思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今、立法企画部門、政策企画部門と実施部門が一体であるために起こった弊害ということについて触れられましたけれども、私はそこに原因を求めるのは正確な分析ではないと思います。大蔵の汚職だって政策立案部門を担当している高いレベルの幹部が中心になって行われておりまして、その一連の起こったさまざまの官僚による事件の原因、それから肥大化ということの原因をここに求めるのは私は誤った分析だと思います。  そもそも行政というのは憲法上も内閣に所属する、その内閣に所属する政策部門というのは当然政策立案部門もあれば実施部門もある、そこから起こるさまざまの不祥事あるいは肥大化というのはそれにふさわしい処方せんで対応しなければならない、そういうふうに思います。  それで、結局この分離というものについては、私が先ほども挙げましたこの大学教授の本の中では、「この構想によれば、市民と日常的に接触する実施部門は行政責任をとることが実際上困難となり、他方、企画部門たる中央省庁は実施について責任を負わないという構造ができあがるために、市民による行政責任の追及が著しく困難となろう。」、こういうふうに指摘しているわけです。私はこの指摘も当たっていると思います。  そして今、分離の理由についていろいろ述べられましたけれども、それはこの法案を提出されている政府の中央省庁等改革基本法案を貫く基本的な立場と離れた説明だと思います。その基本的立場というのは何か。市場原理と自己責任を貫くということが繰り返し強調されている。その市場原理と自己責任を貫く行政のあり方をつくるということに沿って今のような分離も行われた、そういうことじゃないんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員が引用されました御本を書かれた大学の先生を存じ上げません。そして、大学の先生というものは学識のある方だと思っております。  その上で、例えば他の国において、我が国でこれに独立行政法人という言葉を当てましたけれども、いわゆるエージェンシー化というものが成功し国民の評価を受けておるという実態をその先生がどう評価されているのか、他国において評価はされても日本にはそうした制度はできないとお考えなのか、そうした疑問を率直に言って私は持っております。  そして、まさに実施機能というものにつきまして、明確な目的、そして責任のもとに自律的、弾力的な運営を行わせるようにする仕組みを考えること、それは私はそれぞれの実施事務の性格に応じて行政サービスの質の向上を確保するものだと思っております。同時に、そこに働く方々にとりましてはよりみずからの対応を弾力化する、そうした意味では議員の御指摘とは私は反対の考え方を持っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、この法案は全体としては、時間が来ましたので詳しく述べられませんが、二つの大きい柱から成っていると思います。一つは国家機能の強化、もう一つは公共サービス部門の切り捨て、その切り捨てをやりやすくするための論理として政策立案部門と実施部門の分離という理屈がつくられたと思います。  総理の今の答弁によりましても、この問題、学者の指摘にも疑問があるとおっしゃる。まだ多くの論議が残っているということなんです、そのことは。国家百年の計を立てる、そういう重要な論議、これをわずか三十八時間という論議で終わるわけにはいかない、共産党の質問時間も三時間ちょっとということです。  私は、国家百年の計を論議しようというのなら、少なくとも政府がこの準備に二年間を要した、そういう論議期間が国会でも国民の間でも行われ、疑問の余地、後悔の残る余地のない状況のもとでこれを結論づけるべきだということを申し上げまして、時間が来ましたから終わります。(拍手)

星野朋市自由党

○星野朋市君 時間の関係で、端的に総務庁長官にお尋ねをいたします。  七条に国務大臣の数が十五人から十七人、こういうふうに書いてございますけれども、これは無任所大臣を置くのか、それとも内閣府に設けられる委員会、これの長とするのか、それから内閣府の外局に防衛庁であるとか金融庁ができますけれども、そういうところの主務大臣となるのか、ここら辺についてお答え願いたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 国務大臣の数についてのお話でございますが、省庁の太くくりによりまして各省大臣の数が当然減ってまいります。他方、特命事項担当大臣を活用する必要もございます。そのことはまた明記してございますが、そういう考え方から、省庁の数に比例して機械的には削減することとはせず、その総数、現行は二十人以内でございますが、これを十五人から十七人程度とすることとしたところでございます。したがいまして、この数は国務大臣の総数の上限を定めることを想定したものでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 そこなんですけれども、十五人から十七人というのは、最大が十七人であるということですね。そうすると、今度の内閣府というのはせんじ詰めればいろいろ問題があるんですけれども、何か緊急の問題が起きた、そういうときにここに主務大臣を一人張りつけるというような形で十五人から十七人という間隔を置いたんじゃないかと思うんですが、いかがでございますが。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) おっしゃるとおり、その範囲でございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 内閣府というものは、機能的にいうと内閣官房と内閣府というのが並んでおって、その下に各省庁が来る形になっておりますね。そうすると、内閣官房と内閣府の役割分担というのはどうなっておるのか、ここら辺が非常にわかりにくいところなんですね。  これは法文にいろいろ書いてありますけれども、条文を読んでもそこのところが判然としない。内閣府のあり方についてはいずれまたじっくり議論をしますけれども、内閣府の基本概念、それから内閣官房と内閣府、これはどういうふうに関連しているのか、これについてお答え願いたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 内閣府は、内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の一環として、各省とは異なり内閣に置かれる機関でございます。その機能の面でも、内閣の補佐機関として国政上の重要事項に関する企画立案及び総合調整を中心としております。これが内閣府です。  そのほかに何か役割はないのかということを申し上げますと、一つは内閣総理大臣が担当することがふさわしい行政事務、例えば栄典、公式制度などを処理すると、こういうものであります。このような事務を処理するとともに、内閣総理大臣を主任の大臣とする外局、これは申し上げるまでもなく外局として防衛庁、国家公安委員会、金融庁などを置くものとしたものでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 例えば、内閣府の中に従来の沖縄開発庁が入っていますね。そうすると、沖縄開発庁と北海道開発庁とは今まで一緒で一人の大臣がこれを担当していたわけですよ。そうすると、これが移行していく間、まだ設置法とかそういう問題が出てきますけれども、これはおのずから北海道開発庁とは沖縄開発庁とは性格をだんだん異にしていくと、こういうふうに私は思うんですが、いかがでございますか。

坂野泰治内閣審議官

○政府委員(坂野泰治君) 現在でも沖縄開発庁及び北海道開発庁は別の組織として置かれ、それぞれの任務が定められているところでございます。たまたま国務大臣が兼任をされる、そういうことはあるとしても、それぞれ異なった役割を持つものというふうになっておるわけでございます。  それで、今回、内閣府を設置いたしますにつきましては、この内閣府にあっては特定の問題についての総合調整についてそれを担うという部分がございまして、その一つとしてこの沖縄振興対策についてもこれを担うということにしたものでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それはちょっと言いわけがましいので、今まで沖縄開発庁、北海道開発庁、それから国土庁、これを一緒にして一つの省庁にしようじゃないかというようなことがずっと続いてきたわけですよ。沖縄の問題というのが新しくできて、これは今までのような考えてはいけないという形でもって、これは総理大臣もしくは今度新しくできる内閣府がじかに担当しようと、こういうふうに変わったんじゃないか、これが本当だと思うんですけれども。  だから、今のような説明は本質を間違えていると思います。長官、いかがですか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 今、先生がおっしゃったことを筋にして説明を申し上げたかと思うのでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 次に、これは重要なことなんですが、長官に聞くか大蔵大臣に聞くのが本当か、どっちかわからないんですが、二十条に財務省の役割がうたってありますけれども、本予算の編成ということに関してはこの条文の中のどこにも出てこないんですね。予算の編成、執行というのは内閣の最重要課題の一つだろうと思うんですけれども、この予算の編成ということが条文のどこにも出てこない。これはどういうことですか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) では、一応改革という視点から私の見解を申し上げたいと思います。  先生も御承知のとおり、今までだって概算要求の基本方針、予算編成の基本方針あるいは経済見通し等々、内閣でやってきたわけでございますが、今回これを機会にいたしまして、内閣総理大臣が内閣の首長として予算編成の基本方針を含む国政に関する基本方針について閣議にかけることができることを法制上明らかにすることによりもっと明らかにしよう、そして内閣総理大臣の国政運営における指導性をより十分に発揮できるような仕組みを整備したというところに今度の一つの趣旨があるわけでございます。  同時に、内閣に予算編成の基本方針、先ほど申し上げたとおり、経済財政政策に関する重要な事項について審議をする経済財政談間会議も今度機関として合議制で設置されることになりましたので、これらの機関を通じましてさらに予算編成、もろもろの方針等について協議をする、そしてもって総理大臣の責任におきまして予算編成というものは進んでいく、ただし具体的な編成の実務について一々総理ないし内閣でやるわけにはいきませんから財務省で担いますと、そういう仕組みでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 それは別表第二の中の財務省の主要な機能の中にぽんと入っているだけなんですね。だから、私はこれはちょっと問題だと思っているんです。きょうは時間がありませんから、追及不足だと思われるかもしれませんけれども、また別の機会にやります。  最後に、総理にお聞きしたいんですけれども、これから基本法が仮に成立して、この後どういうステップを踏んでこれが実行に移されるのか。けさもそういう御議論は随分ございました。しかし、平成十三年の一月一日に一部でもこれができ上がるというそのときの総理が描かれている一つの構想ですか、これはどんなものか。政府委員が私に、それは青図ですかと言うから、今はバーチャルリアリティーの時代だからそれはCGだと、コンピューターグラフィックで肉づけもされた、そういうものが構想の中におありになるんじゃないか、私はそう答えたんですけれども、総理の具体的な構想がおありになりましたらお聞かせ願いたい。  というのは、一つ申し上げますと、これから設置法とかいろいろな形で出てくるだろうと思われますけれども、この基本法には要するに数量的なものというのがほとんど書かれていないんですよ。そこでどういう形になるのかというものが描き切れないというのが私の疑問であります。  そういうことで、もしお答えできるのであればお願いをいたします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の言われるコンピューターグラフィックまでいくかどうかわかりません。ただ、とにかくこれを成立させていただきました場合でございますけれども、私どもは中央省庁等改革推進本部をできるだけ早く発足させ、二〇〇一年の一月一日というものを目標として作業を開始することになります。  そこで問題になりますものは、まず第一に各省設置法等の立案があります。同時に、並行して規制緩和や地方分権、官民分担の徹底など、国の権限と仕事の減量に関する計画の立案、策定がございます。そして、もう一つ大事なものとして独立行政法人の通則法を立案する作業があります。  こうした作業の中で当然ながら私どもが描きますのは、この基本法の中に方向性を示しております省の姿というものになるわけでありますが、これに例えば重複しております部分、現在の制度を見直す中から、あるいは地方に移しかえていく部分までさまざまな角度で整理いたしましたものを全体の中に、整理と言うとおかしいのですが、割り振っていく作業があります。  当然ながら、その境目をどうするかとか、それから先ほど来何回か御議論がありましたけれども、所掌事務と権限規定をどのようにすれば、必要以上に行政が権限を振るうことを、恣意的な行為を制限できるか、こうした作業をしながら、二〇〇一年にスタートということになりますと、これは二〇〇〇年度の予算には少なくとも予算を計上するということを想定しなければなりません。そうすれば、少なくともそれ以前に、国会でどうお取り扱いをいただくかということを制限するものではありませんけれども、各省設置法の姿というものは取りまとめておかなければならないと思っております。  そうした図柄の上で私どもが描いておりますものは、この一府十二省庁の体制の中に、現行の局の数よりもはるかに、できるだけ九十に近い数まで局の再編を行うこともありますし、当然ながら千三百程度ある課の数を九百程度に整理をしていく、それだけ全体をいわばスリムにしていく作業というものを並行して行っていく、その時点に並行して行われる規制緩和等による全体図はその辺ででき上がる、そのようなパッケージを考えております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 終わります。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 前回に引き続きまして、郵政公社をめぐる憲法問題を取り上げたいと思います。  時間が余りございませんので、法制局長官、大変恐縮でございますけれども、なるべく簡潔にお答えをお願いしたいと思います。  前回、私は、国営にしてかつ国家公務員が業務を担当する郵政公社、これは憲法に言う行政権に含まれるのかと、こういうふうに尋ねましたら、それはもとより含まれますと、こういうお答えでありました。当然なことだろうと思います。そこで私の第一の疑問は、しからばなぜこの予算は国会の承認、議決を要しないのか、こういうことであります。  現在、この事業は郵政省が担当しておりまして、これは予算として国会にかかって我々も十分に審査をして議決をしておる、こういうことになっております。そこで、今度は郵政公社をつくるということになりましたが、国営である、仕事も国家公務員がする、行政であるということになりますと、実態は全く変わらないわけであります。今現在は国会の議決を経ているこの予算が今度は要しない、こう言われましても、私は頭がよくないものですからなかなかわからない。なぜ議決を要しないのか、そこのところをきちっと説明していただきたい。ただし、なるべく簡潔にお願いいたします。

大森政輔内閣法制局長官

○政府委員(大森政輔君) 御理解いただくためには簡潔を旨とすることができない場合もあろうかと思いますが、この問題は要するに憲法八十六条、これは「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と、こう規定しているわけでございますが、この国会に提出して審議を受けなければならない予算と申しますのは、前の八十五条で端的に規定しておりますように、「国費を支出」、国費だということでございます。  ところが、この郵政公社に関する財務会計費用の支出、これは国費には当たらないということが簡潔なる御答弁になろうかと思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 余りに簡潔過ぎて、ちょっと理解が困難でありました。  それでは、八十五条について伺いますけれども、債務負担行為は明らかに国会の議決を要する、こういうことになっております。この場合はいかがなんでしょうか。

大森政輔内閣法制局長官

○政府委員(大森政輔君) 基本的な性格は先ほどと同じでございまして、仮に郵政公社がその業務を行うにつきまして、独立採算制のもとで債務を負うというその債務はやはり国が直接債務者になるものではないということでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 なぜ行政について予算が国会の承認を要するのかという原点に立ち戻って考えていただきたいと思うんです。その金がどこから来たとかあっちへ行ったとか、そういうことじゃないのでありまして、国の行政事務に関する予算、これについてはなぜ国会の承認を要するか。旧国鉄の場合もそうでしょうけれども、放漫経営が行われて赤字の垂れ流しになる、それについて国会が十二分に監督する必要がある、我々は国民を代表しておるわけですから、そういう立場に立ちましていわゆる行政に関する予算、経費の支出、歳入歳出をやるのが我々の仕事だ、私はこう思っておりまして、出どころが違うとかあちらだとかこちらだとかいうことじゃないんですよ。実質を見てください、そのことを私は言っておるのでありまして、いかがなんでしょうか、こういうことは。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 二〇〇一年一月一日の現在形における話ではただいまの御指摘はございません。二〇〇一年一月一日の現在時におけるこの郵政事業の形というものは郵政事業庁です。原則としてそれからおよそ二年たちまして御指摘のとおり郵政公社化いたします。  そこで、その郵政公社化する役割、意義というものをぜひひとつ評価いただきたいわけです。郵政公社化は、すなわち先ほど法制局長官もお話しのとおり独立採算制です。もっとそれを具体的に一つの例を申し上げますと、企業会計原則にのっとりまして経営情報の公開なども徹底して行います、こういうことで、もう全く基本的に公社化していきますと形態が違ってくる。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 実は全く理解できないんですよ。  そういうことをおっしゃるならば、これを国営であるとか国家公務員をしてやらせるとか、そういう必要は全くないのであって、国から切り離して営業や企業活動をやらせればよろしいわけです。その中に入り込んで頑張るのは国家公務員なんでありまして、法律の上でもこれは国営だということをはっきりおっしゃっているでしょう。国営の歳出歳入行為に我々国会が関知できない、タッチできない、こういうことは許されてよろしいんでしょうか、大変疑問に思います。  もう一つは、この前もちょっと問題にいたしましたけれども、主務大臣の監督権は全体に及ばないと、こういうことなんですね。及ばない部分でこの前の接待汚職のようなことがありましたら、我々は追及のしようがないんですよ。主務大臣を呼んできて追及しても、私は知りませんと。この前の三塚大蔵大臣のようにさっぱりと辞任するというわけにもいかぬのですよ。何しろ監督権限がないんですから、責任を追及するわけにはいかない。これは法律論としては当たり前のことなんですよ。その辺も踏まえてもう一回、法制局長官、お願いします。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 時間の関係で簡明に。

大森政輔内閣法制局長官

○政府委員(大森政輔君) まず、監督権の有無の可否の件でございますが、これは、内閣は主務大臣を通じて郵政公社に対してその郵政公社の長の任免権を持つということを予定しております。さらに、経営に関する具体的な目標の設定、中期経営計画の策定及びこれに基づく業績評価を実施した上、予算及び決算に関する最小限度の財務上の統制をも内閣が主務大臣を通じて行うということをこの法案三十三条では予定しておりまして、このようなことを総合いたしますと、やはり一定の監督権を行使し得る、また行使し得ることは確保しなければならないということでございますので、憲法六十六条第三項に抵触するものではない、逆に抵触しないように制度を立てなければならない、こういうことでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 一点だけ。  そうおっしゃるならば監督権を限定する必要はないでしょう。全体に監督権が及ぶと、こう書けばよろしいんでしょう。限定しておいてどうだと、こう言うからおかしい話になってくるのであって、何かまさしく三百代言の法理だなという気もいたします。失礼はお許しください。  終わります。

水野誠一新党さきがけ

○水野誠一君 最後の質問者となったようでございますが、我が党党友で元経済企画庁長官の田中秀征氏がかねてより行革には量の行革と質の行革があるということを言っております。今回の省庁再編では、まず省庁の数を減らす、それからさらに十年をかけて一〇%以上の人員削減をするということでありまして、これが十分かどうかという議論はあると思いますが、ともかく量の行革、これの意味合いが強いと思います。  今回、この法案成立後に各省設置法の改定が始まるわけでありますが、これは行政の質を変えていくという意味で質の行革の始まりということが言えると思います。この設置法の問題、考え方については、衆参の審議の中で何度も取り上げられております。きょうは時間の関係もございますので、それを踏まえて再度総理にお尋ねしたいと思います。  私たちは、行政の裁量範囲を最小限に制限するためには、設置法の広範な権限規定を廃止することが重要ではないかと思っております。この点では、総理は質疑の中で、設置法に所掌事務と権限が一体に規定されていることで逆に行政の限界を示すことになるんだというお考えを示されております。また、総理は、裁量行政を防ぐ観点をこれから行われる設置法見直しに盛り込んでおけば恣意的な裁量行政は防げるというお考えをお示しになっておりますが、設置法の権限規定自体が非常にあいまいであることを考えますと、ここから行政の裁量が生まれているということを考えますと、権限を残して裁量を残さず、権限だけ残して裁量は残さないということが現実としてはかなり難しいのではないかというふうに考えます。  さきがけは権限規定はすべて廃止すべきであるというふうに考えておりますが、総理がおっしゃるように、権限を定めておかなければ行政の柔軟性が損なわれるということであるならば、そういった緊急性あるいは柔軟性が求められる行政事務範囲というものはあらかじめ明らかにしておいて、そのうちから複数省庁にまたがる部分については総理を長とする総合調整機関であります内閣府の所掌とする、そしてそれ以外の各省固有の残りの部分のみを各省の設置法に権限規定として残し、それ以外の規定は廃止をするという方針で設置法を改定してはいかがかとも思います。  この点について、総理の御見解を伺いたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一点、私の考え方として述べられました部分で御訂正をいただきたいと思いますのは、私は権限規定を設けることによって行政の恣意的行動を防げるという言い方はしていないと思います。少なくとも、権限規定がない、所掌事務だけを決めた場合に、果たして行政指導の乱用とかあるいは裁量による恣意的行政というものに限界ができるだろうかということは確かに申し上げてまいりました。そして、そうした考え方から、私は、逆に所掌事務とともに権限規定をきちんと整備することによって行政がそれ以上踏み出してはいけない限界というものを示す必要があるということを繰り返してまいりました。  ここには両方の考え方が成り立ち得ると思います。しかし、私は、行政機関の行為の範囲の限界というものを明確にしていく、そういうこととともに、その範囲で弾力的な行動を考えるという考え方から、やはり設置法における権限規定のあり方というものは検討を必要とするものだと思っております。現行の権限規定がいいと申しておるのではございません。  同時に、現在でも実は国民の権利義務に関する行政上の権限、これは個別の作用法を必要とし、それに根拠を必要としております。そうすると、指導、助言等事実行為、これに対して法律上の根拠は要らないと言われているものに対してどうするかとか、また各省のそれぞれ所掌する事務及び権限の行使と複数省庁の調整とはおのずから次元を異にする問題ではないか、今の議員の御発言でそのような感じを持ちました。

水野誠一新党さきがけ

○水野誠一君 確かに短時間で結論が出せるものではないと思いますし、また今後ともさまざまな場面での議論をお願いしたいと思うわけであります。  そこで、一つだけこれに関連して総理のお考えを伺いたいのでありますが、この設置法の権限規定の裏づけということは何かとよく議論になるわけでありますが、そのときに内閣法制局による行政概念についての公式見解、これがあるというふうに聞いております。すなわち、国家の機能のうち、立法、司法以外の広範な部分を行政と規定するものだということでありますが、この行政の範囲を積極的に限定しない考え方が不透明かつ広範な行政の関与を招いているのではないかな、そういう感じもするわけであります。  今回のこの行革というものが質的行政改革、パラダイムの転換を図るものであるとすれば、行政とは何かということをもう一度定義し直してみることも重要だと思いますが、この点について総理の御見解を伺いたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 憲法六十五条の行政、これは学問的な一般的な解釈としては、議員が引用されましたように、国家機能の中から立法と司法を除いた残余の部分、この基本的な考え方自体を改正あるいは訂正する、言いかえるなら憲法の解釈そのものを考え直す必要というものはないと思うんです。  その機能の中で、行政として国のあるべき範囲はどこまでか、地方にお任せし、地方が都道府県レベル、市町村レベルそれぞれにおいて行われる行政とは何か、むしろそれを実体的に定めていけば、私は憲法の解釈までを否定する必要はないと考えております。

水野誠一新党さきがけ

○水野誠一君 ありがとうございました。  終わります。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これにて質疑は終局いたしました。  総務庁長官以外の大臣は退席していただいて結構です。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の中央省庁等改革基本法案に反対の立場から討論を行います。  今回の行政改革で必要なのは、二十一世紀の我が国社会を見据えて、これに適した行政体制を構築することであります。だからこそ、行政改革会議は「この国のかたち」というキーワードを用いたのです。  しかし、政府が提出した法案はこの基本理念からは全くかけ離れたものであります。二十一世紀の「この国のかたち」のどこに、予算七兆円、定員七万人、許認可数二千五百という巨大な国土交通省が存在するのでしょうか。この巨大な開発官庁を一人の大臣が監督することは全く不可能であります。国民を代表する政治によって制御不可能な開発官庁に日本の美しい国土をゆだねることを総理は望んでおられるのでしょうか。  橋本総理は、今回の行政改革を進めるに当たって、簡素化、効率化、透明化などキーワードを挙げています。しかし、このような巨大な官庁は現在の行政を一層複雑化、非効率化、不透明化させることは明らかです。  このように、国土交通省には今回の行政改革の欠点が象徴的にあらわれていますが、今回提案されているその他の省庁すべてに多くの問題が内在しています。  この根本的な原因は、現在中央政府が過度に有する権限、財源をそのままにして省庁の数を半減させることにあります。個人や地域の意見を反映させ、またそれらの能力を活用しながら多様な社会を形成するためにも、行政の透明性や効率性を高めるためにも、霞が関に集中している権限、財源をさまざまな主体に振り分けることこそが必要なのであります。極論すれば、霞が関のスリム化こそが行政改革であり、二十一世紀社会に適した行政体制の構築に不可欠なのです。  政府は、先日、地方分権推進計画を閣議決定しました。政府はこれをもって大幅に国の権限あるいは事務事業を縮小してと言っていますが、この地方分権推進計画を実行したとしても、どれほど国の権限、財源が縮小するのでしょうか。事務事業においては、従来から自治体が行っているものを自治事務と位置づけたのみであります。地方が特に要請している地方財源の拡充については全く進展がありません。機関委任事務の廃止は地方分権の推進に一定の役割を果たすことは事実ですが、この成果に隠れて霞が関のスリム化に最も必要な事務事業の移譲が行われていないことも事実です。  橋本行革は、このように霞が関のスリム化に手をつけず、単に現在ある役所を一緒にしているだけなのです。この方法で現在二十二ある省庁を十三にまとめようとしているのですから、それぞれの役所が巨大化するのは当然です。行政目的別に役所を太くくりすることに私たちは反対しているのではありません。しかし、それは役所の縦割りの弊害を超え、機動性、効率性を高め、一層国民にとって役に立つ行政組織を整備するために太くくりすることに意味があるのです。この最も重要な行政の質の転換をおざなりにし、省庁という器のみを先行させる改革だからこそ、私たちはこれは行政改革ではなく単なる看板のかけかえだと主張しているのであります。  今回の行政改革は二十一世紀の「この国のかたち」を見据え、これに適合した行政のあり方へ転換することが当初の目的でした。しかし、橋本総理は自民党族議員に振り回され、さらに官僚に依存することによって、見せかけだけの行政改革を行おうとしています。橋本行革は行政改革とは言えません。  中央省庁に集中している権限や財源を市民、市場、地方に振り分ける、また行政に対する政治のリーダーシップを確立させることによって真に国民主権の国家へ転換する、このような行政の質を転換することによって新しい日本社会に適した新しい行政をつくることができるのであり、これを行政改革と呼ぶのです。  本法案はこのような行政改革を実現するにはほど遠い内容であり、明確に反対の意思を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

釜本邦茂自由民主党

○釜本邦茂君 私は、自由民主党を代表し、社会民主党・護憲連合、新党さきがけの賛同を得て、中央省庁等改革基本法案につきまして賛成の討論を行います。  二十一世紀を目前に控え、我が国の行政システムはその縦割り行政の弊害等が指摘されるなど制度疲労の様相を呈し、複雑化する現代社会にあってその抜本的な改革が求められております。  この行政システムの変革の求めに対し、橋本内閣は、行政改革会議の論議並びに政府・与党間協議を経て本法律案を国会に提出してまいりました。この国のさらなる飛躍のかぎともなる重要な本基本法案につきまして、以下、賛成の理由を申し上げます。  賛成の第一の理由は、本法律案により内閣機能が強化され、総理大臣のリーダーシップのもと、機動的な政策実施、危機管理体制の一層の強化が可能となることであります。  既に行われている内閣危機管理監の設置に引き続き内閣官房をさらに強化すること、総理大臣の補佐・支援体制としての内閣府の設置は内閣総理大臣に強い指導力を与え、その下で的確な行政対応がなされることとなる点で極めて有意義な措置であります。省庁再編の目標年である平成十三年を待つまでもなく、必要な内閣機能強化策は速やかに実施していくことを願うものであります。  賛成の第二の理由は、行政組織の減量、効率化を図っている点であります。  官民役割分担の見直しや地方分権により、国の役割を減らした上で行政組織をスリム化、効率化することは行革の主要な柱であり、これは規制緩和のバックボーンとなるとともに、行政の透明性の向上に寄与するものであります。  賛成の第三の理由は、本法律案が、国民の立場に立ち総合的に政策を展開するため、中央省庁を一府十二省庁という大くくりの省庁に再編し、さらに企画立案部門と実施部門の分離を図っている点であります。  この改革により、縦割り行政の弊害が除去され、行政の総合性や機動性が確保されるとともに、国民のニーズに即応したより効率的な行政サービスの提供等が図られるものと理解しております。  我々は、本法律案の成立により、高い視点と広い視野から政策調整機能が発揮されるようになり、その結果、行政サービスの質も大いに向上することを強く期待いたします。  最後に、本法律案は二十一世紀に向けて「この国のかたち」を再構築するための準備の一つにすぎず、これからが行革の本当の正念場でもあります。  本法案に基づき、真に行政改革と言い得るような各省庁設置法案等が速やかに策定されることを求めるとともに、国家公務員制度の改革や地方分権の推進、さらには行政情報の公開といった行政改革の諸課題もあわせて断行されますことを強く要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)

渡辺孝男公明

○渡辺孝男君 私は、公明を代表して、政府提出の中央省庁等改革基本法案に反対の立場から討論を行います。  景気の低迷による生活不安と重税にあえぐ国民は、行政のスリム化と効率化により一日も早く国費のむだが省かれ、その分、景気対策に有効に国費が向けられること、また国費の節減が減税に直結することを望んでおります。  しかし、本委員会の質疑を通じて明らかとなったことは、今日の時代に合わなくなった日本の行政制度を改革する必要があるという大前提ではおおむね意見が一致したものの、行政改革の重要な柱の一つである中央省庁等の改革の方針や方法を示した本基本法案には多くの問題点、欠陥があるということでした。  したがって、本基本法案のもとで進められる中央省庁等の制度改革では国民が求める真の行政改革は達成できないとの結論に至り、公明としては本法案に反対を表明いたします。  では、具体的に本法案に反対する原因となった問題点、欠陥について申し上げます。  まず第一点は、中央省庁等の改革が国民にどのような益をもたらすのか明らかでないことであります。  国の行政組織等の減量、効率化の推進といっても、国の仕事量がどれくらい減ることになるのか。また、少子・高齢社会を迎えるに当たって、例えば厚生省と労働省が統合してどのような政策が生まれ、どのような効果が生じ、その結果として社会保障や福祉がどのように充実するのか、この法案には国民が期待する具体的なものは何も示されていないのであります。  第二点は、行政改革の中で中央省庁再編とともに重要である地方分権の推進の観点に欠けるということであります。一  太くくり省庁再編成により、現在の省庁よりさらに巨大化した中央官庁が誕生する一方、その権限を地方に移譲するシステムが明確になっていないことが問題なのであります。本法案では、規制緩和の推進とともに、国の事務及び事業の見直しを行い、民間への転換あるいは地方公共団体への移譲または廃止を求める方向性は打ち出しておりますが、この見直しがいつまでに行われ、どの程度の減量化を目標としているのか、いまだに具体的になっておりません。  第三点は、太くくりの省庁再編が何ゆえ総合性、機動性、透明性の確保につながるのか不明であるということであります。  行政改革会議の最終報告では、「欧米先進国へのキャッチアップを課題とした時期に形作られた現行制度は、今日にあっては、その総合性、機動性、効率性、透明性、国際性等の各側面において様々な機能不全を生じている。」と指摘されておりますが、太くくりの省庁再編でこれら指摘された点がどのように改善されるのか、明確な説明は一切されておりません。  第四点は、金融と財政の分離が完全に実現できなかったことであります。  大蔵省改革の成否が行政改革全体の成否をも決すると考えられておりましたが、残念ながら最終的には完全分離には至りませんでした。そういう意味で、本法案は絵にかいたもち、走らぬ木馬であり、財政と金融の完全分離が達成できるよう、その達成期限をも明確にすべきであります。  以上指摘した四点以外にも、独立行政法人の明確化、中央省庁等改革推進本部への第三者機関の設置及び民間人の登用による公正、透明性の確保、補助金行政の見直し、公務員制度の改革、官僚の裁量行政の全廃、即時改革すべきことの先行実施等々、重要な課題に十分こたえていない本法案はやはり欠陥法案と言うべきものであり、とても賛成できるものではありません。  このような不十分な中央省庁等改革基本法案を提出した橋本内閣の責任は重大であることをつけ加え、私の反対討論を終わります。(拍手)

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁等改革基本法案に対する反対の討論を行います。  本法案は二十一世紀における我が国の国家機能のあり方と国民生活に重大なかかわりを持つものであり、行政改革会議では一年にわたり五十有余回もの検討をしてきたのであります。ところが、本委員会では、衆議院と比べてもはるかに少ない三十八時間で、いまだ審議が十分尽くされず、多くの問題点が明らかになってきたさなかに質疑を終局し採決しようとしており、到底容認できません。  反対の第一の理由は、本法案が内閣機能の強化、トップダウン的な政策の実行、とりわけ危機管理を口実にした首相権限の強化を図り、新ガイドライン推進をも可能にしていることであります。こうした手法が財政構造改革法と規制緩和推進体制のもとで国民の生活と権利の切り捨てを一層進めるものになることは明らかであります。  第二の理由は、省庁再編などを通じて、本来国の果たすべき責務を民間などにゆだねようとしていることであります。労働福祉省の編成方針では社会保障制度の構造改革を推進するとして医療保険や年金制度などの制度改悪を連続しようとしており、他の各省庁についても、自己責任原則のもと、国民に負担増を迫り、将来に不安をもたらす施策がメジロ押しです。  第三の理由は、行政を企画立案機能と実施機能に分け、国立病院、国立試験研究機関、国立大学を初め、公務員全体の七五%にも及ぶ実施部門を対象に独立行政法人化を進め、国の責任の放棄につながるものだからであります。  反対の第四の理由は、以上のとおり、国の責務は縮小する一方で、ゼネコン本位の浪費型公共事業の構造を温存し推進する体制として、国土交通省という巨大利権官庁をつくり出すことであります。これは、六百三十兆円の公共投資の総量や道路などの長期計画の根本的見直しも行わず、いわゆる従来型の公共事業を推し進め、利権と腐敗構造を二十一世紀まで引き継ぐものです。  今、国民が求める行政改革とは、政官財の癒着構造を抜本的に打破し、清潔で真に国民に奉仕する行政を充実させることです。ところが、本法案はその声にはこたえず、行政改革に事寄せて政府・財界が長年望んできた国づくりを強行しようとするものです。国民主権、議会制民主主義とは基本的に相入れない本法案は我が国の将来に禍根を残すことを強く指摘し、反対討論を終わります。(拍手)

星野朋市自由党

○星野朋市君 私は、自由党を代表し、政府提出の中央省庁等改革基本法案について反対の立場から討論を行います。  反対する第一の理由は、本基本法案は肝心な中身の見通しを伴っていないことであります。国、地方、民間の役割分担を見直し、民間経済に活力を与え、地方の活性化を図り、もって中央省庁の仕事を減らす行政改革を断行しなければならないのに、その視点が欠落しております。この法案は単なる機構いじり、省庁半減の数合わせ法案であります。  反対する第二の理由は、現在の裁量行政の仕組みや一連の官僚による不祥事を初め、政治腐敗を生む元凶となっている仕組みを全廃するという視点が全くないことであります。  反対する第三の理由は、公務員制度、政策の立案執行体制、財政投融資、公共事業のあり方、そして統治機構のあり方など、機構改革に一切のメスが入っていないという点であります。国の直轄事業以外の公共事業の補助金制度は廃止して地方自治体に一括交付金として交付し、自治体の裁量によって自治体が本当に必要とする事業が自由に行えるようにするべきであります。  また、本基本法案には役所の数以外の数値目標がありません。行政改革においても、歳出削減目標をはっきりと定めるべきであります。  橋本総理の六つの改革は日本の抱える課題を単に羅列しているにすぎず、相互にリンクしないという欠陥があります。改革はすべて一つのパッケージとして取り組むべきであり、行政、財政一体の見直しによって歳出削減を行うことが重要であります。  以上、この法案が行政改革からはほど遠いものと断せざるを得ないことを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  中央省庁等改革基本法案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十三分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗