行財政改革・税制等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/06/05
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。 中央省庁等改革基本法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 おはようございます。 初めに、インド、パキスタンの相次ぐ核実験で少し影が薄くなった嫌いのありますインドネシアの問題につきまして、スハルト帝国三十二年の歴史が幕を閉じましてハビビ新大統領が誕生したんですけれども、私ども超党派の国会議員から成りますアムネスティ議員連盟、これは鯨岡兵輔議員が会長でいらっしゃいます。それと東ティモール問題を考える議員懇談会とが合同で、先日、橋本総理とそれからハビビ大統領あてに要望書をお出ししております。 これは、東ティモール問題を初めとしてインドネシアでは人権問題がまだまだ非常に厳しい状況にあるという知らせを私ども受けておりまして、今こそ最大の援助国である日本がきちんと人権を保障するように、また政治囚の釈放あるいは政治家、活動家の実際や殺害事件に関して独立した調査と説明を求めるよう、そういったことにつきましてきちんと物を言うべきときではないかと思いますので、総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本の立場から、従来から実は東ティモールにおける人権問題については関心を有し、これまでもさまざまな機会にその懸念はインドネシア側に伝達をしてまいりました。そして、インドネシアが国際社会の関心に十分考慮を払い、この経済危機の克服に努力することを期待いたしております。 例えば、二年前の第一回のASEM首脳会合、この際、フランスのシラク大統領と私が仲介をし、当時のインドネシア及びポルトガル両国の個別の話し合いの場所をASEMの会議に並行して設定をし、両国同士の話し合いを行わせる、そうした形の努力も今まで続けてまいりました。そしてまた、今新政権が誕生してから、インドネシア自身が改革への努力の中で政治犯の釈放等に既に手をつけておることも御承知のとおりであります。 我々は本当に従来からインドネシアに対して経済改革に対する支援を行ってまいりました。そして、これからも私どもはインドネシアを友邦としてできる限り彼らの改革努力の続く限りにおいて支援をしていかなければなりませんが、そのプロセスにおいて、当然ながら経済危機によって影響を受けている社会的弱者に対する支援に重点を置くとともに、議員が指摘をされましたような面からの改革努力というものに対してもできる限りの慫慂をしていきたいと思います。 内政干渉に至らない範囲内において、これはインドネシア側、ポルトガル側、両方に求める部分を持つ案件でありますので、そうした配慮も持ちながら進めてまいりたい、そのように思います。
○竹村泰子君 それでは中央省庁改革の問題に入ってまいります。 先週、私は改正財政構造改革法の審議の際に特別会計の問題について議論をいたしました。財政の構造改革とそれから行革は裏腹の関係でありますから、各省庁が特別会計を持つことはそれだけでその省庁にとって大きなメリットがあることを指摘いたしました。 前回、大蔵大臣は、国立学校特別会計は特別会計としてうまく機能しているというふうにおっしゃいました。また、建設大臣及び運輸大臣は、道路整備や港湾整備、空港整備、治山治水事業などを引き続き行っていくためには、それぞれの特別会計は必要だというふうにお答えをなさいました。運輸大臣は大分御不快のようでありましたけれども、お許しをいただきたいと思います。私は、道路整備や空港整備、治山治水の各事業そのものが不要だと言っているのではありません。そんなことを申し上げるつもりもありません。 これまで公共事業は、事業ごとにいろいろなところから事業資金を一カ所に集めて、それが特別会計であったわけですけれども、その集めた資金をそれぞれのところに配分するというふうなシステムでした。そのいろいろな資金とは特定財源であり、一般会計から繰り入れる一般財源であり、地方公共団体の裏負担であり、さらに場合によっては資金運用部資金等からの借入金でありました。 このような仕組みは、経済が一定の右肩上がりというか成長率を持っているときには問題なく回転すると思うんですけれども、経済が低成長になって、そして世界に類を見ない少子・高齢社会となるとともに、人類の生命に直接かかわる環境問題が一段と重要性を増してくるという今後は、従来のままのシステムで果たしていいのかという疑問を感じざるを得ないのであります。 総理は、現在の特定財源等を資金の中心とした公共事業の特別会計方式についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ある定められました財源をある歳出目的に特定して充てるいわゆる特定財源制度というのは、一般には特定される公共サービスの受益と負担の間にかなり密接な対応関係が認められる場合、一定の合理性を持つ、言いかえればその範囲を超えた場合には必ずしも合理性を持たないということになろうかと思うんです。これはややもすると実は財政の硬直化を招く、そして適正な資源配分をゆがめるという問題点があります。反面、緊要性の高い分野に比較的安定的な財政資金を確保する、そうした機能を有するということも言えます。 いずれにしても、これは問題が全くないと言えるものではありませんから、常にその妥当性をチェックするという必要性はあると思います。あるいはチェックという言葉がよくなければ、吟味すると言いかえてもいいのかもしれません。 公共事業というものが今後ともにやはり真に必要とされる社会資本を整備していく、そうした観点から重点化を進めていく必要があるわけでありますけれども、その一方で、コストを縮減する、あるいは費用対効果分析の活用及びその再評価システムの導入といったことをつけ加えながら、歳出構造の改革に努める必要性があることは、これは言うまでもありません。その上で、やはりかなり密接な対応関係の認められる場合、一定の合理性のある、それが特定財源というものの性格ではないかと思います。
○竹村泰子君 それはよくわかります。特別会計制度の仕組みの中心となっているのが先ほども挙げました特定財源、ただし特定財源があるのは道路整備特会と空港整備特会ですけれども、この特定財源制度が問題なのではないでしょうか。 特に、公共事業の特定財源につきましては、前回も指摘しましたけれども、もし一般会計と同様のキャップを特別会計にも設けたとすれば、特定財源があることによって特定財源の収入、例えば揮発油税などの道路財源、これなんかが歳出の上限をオーバーしてしまうという可能性もあるわけですね。そんなことも考えられるわけで、そうしたことが特別会計の上限を設けにくくしている点ではないかと思います。それがまた予算配分の硬直性を招く原因にもなっていると思います。 そもそも道路整備の特定財源など、制度創設当時と道路整備の状況や公共事業の重点など大きく変わってきておりますのに、三十年も四十年も前にできた特定財源の仕組みがほとんどそのまま残っている、このこと自体問題なのではないでしょうか。 我が国は、これから人間の生命にかかわる環境問題を抱えながら、確実に超少子・高齢社会に入っていこうとしております。限られた資源を最大限に有効活用していかなければならないと思います。それにはできるだけ予算配分が柔軟に行える制度にしなければならないと思いますし、特定財源制度の見直しは避けられないのではないかと私は思うんです。 どうか、建設大臣も運輸大臣も、現在のお立場からのみではなくて将来的な視野で、財政の構造改革を今私たち国政にかかわる者がしっかり考えていかなければならない大事な問題ではないかと思います。ということで、私もしつこく質問をさせていただいております。 そういうことで、特定財源制度は、これまでも政府部内で何回か検討課題とされながらまだ手をつけられておりませんけれども、今度こそ真剣に見直しをするべきだと考えますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど総理から、特定財源についてはその妥当性について常に吟味していくことが必要という見解が述べられました。全くそうだと思うのであります。 詳細は建設大臣にお聞き願いたいと思うのでありますけれども、日本の道路の整備、先進国の中でまだまだおくれているというふうに一般的には言われております。それからまた、この道路特定財源の使用方法については、従来はややともすれば大きな国道などにその事業が中心的に進められておりましたが、昨今では高齢化社会になったことを踏まえて、高齢者に優しい道路づくりとか、あるいはまた環境にマッチした道路づくりとか、そういった新しい分野での道路整備というのが出てきておるわけでありまして、それは一般国民の理解と支持を得ておるものというふうに思うわけであります。 いずれにせよ、現在の状況で道路特定財源である揮発油税が余っているという感じはまだ出てきておりません。したがいまして、吟味はしていきますけれども、現在の状況はそうであるというふうに認識いたしております。
○竹村泰子君 吟味をすると言っていただきましたので、ぜひ厳しいチェックもお願いをしたいと思います。 建設大臣と運輸大臣からもお答えをお聞きしたいのですけれども、たくさんおっしゃりたいことがおありになると思いますが、時間の関係で次の機会にさせていただきたいと思います、 地方負担の見直し、独自財源の確保ということなんですけれども、今後は行政改革の三つの柱、つまり市場原理、分権化そして情報公開ということに従って、さらに行政の仕組みそのものを簡素化していかなくてはならないと思います。行政改革の大原則の一つである地方分権を進めることによって、公共事業も地方の裁量にその多くを任せていく方針が中央省庁等改革基本法第四十六条にも明確に規定されているわけです。 これまでは中央省庁が何もかも決めてきた。それこそ特別会計の財源の一部になる国の直轄事業の地方負担金まで法律で決めてきたわけであります。行政のシステムを根本的に改めようとしている今こそ、地方を縛るこの負担金、裏負担といいますか、の仕組みを廃止すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 これからは国の事業と地方の事業を明確に区分、区別し、そして地方が主体となって行う事業の財源をはっきりと確定していくことが重要ではないかと思います。先日、五月二十九日に閣議決定されました地方分権推進計画でも、この地方の財源については残念ながら明確に示されておりません。 ここは総理がリーダーシップをとっていただいて地方の独自財源を確保することをはっきりと打ち出すべきではないでしょうか。そして、国の事業については地方負担などとらずに国の財源だけでやっていく仕組みにしていく、こういう方向でいくべきではないかと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 総理にお尋ねですが、私からお答えをいたします。 国の直轄事業に対する地方公共団体の負担金につきましては、その事業によりまして地方公共団体が利益を受けることに着目をいたしておるわけでございます。法律または政令の定めるところによりまして負担することといたしておるわけでございます。 国の直轄事業につきましては、地方分権推進計画において、対象となる事業の範囲を客観的な基準などによりまして明確化を図るとともに、維持管理費に係る国直轄事業負担金については、同種の地方公共団体の行う事業に対する国の負担との均衡、建設事業費と維持管理費の均衡、地域の受益と広域的効果等を総合的に勘案いたしまして、段階的縮減を含め見直しを行うことといたしておるところでございます。 また、本基本法案第四十六条第一号におきましても、公共事業に関し国が直接行うものは全国的な政策及び計画の企画立案並びに全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的事業に限定しまして、その他の事業につきましては地方公共団体にゆだねていくことを基本といたしておるところでございます。 今後、こうした国と地方の役割分担の見直しを踏まえまして、地方公共団体が実施する事業については、毎年度の地方財政計画の策定等を通じまして所要財源を明確にし、地方税、地方交付税等の必要な一般財源を確保してまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 私は、総理にリーダーシップをとってほしいという質問をいたしました。今、自治大臣丁寧にお答えくださいましたけれども、総理の哲学としていかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自治大臣がお答えしたことに結局尽きるわけですが、地方税財源の拡充といったときに、一番普遍性のある、いわば自治体ごとの税収にばらつきをなるべく起こさない性格の税は何かということになりますと、実は議論が結構分かれます。 先日の本委員会で、例えば地方消費税というものを一つの例に挙げられ、これは消費という行動に着目するものだからという御指摘がございました。ただ、その消費税率の引き上げそのものが、質問された方はそれを必ずしも今引き上げるというのではなく、国税としての消費税と地方消費税の配分比率を変えるという御趣旨だったと思いますが、これは先行する減税との見合いで簡単にできることではないとすれば、この議論を延長していきますと税率のアップというものが是か非かというところまでいってしまいます。 そうした問題点を持っておりますだけに、今、自治大臣からお答えを申し上げましたような基本線で我々としてはこの問題に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○竹村泰子君 国が何でもかんでもやるのではなくて、あるいは口を出すのではなくて、地方でやるべきものは地方に任せる、また民間でできるものは民間を活用していくことも必要だと思います。 そして、公共事業関連の特別会計の財源についてもこれまで指摘したような方向で見直しをしていくことが大切なのではないかと思います。例えば特定財源の廃止あるいは地方負担の廃止、借入金の取りやめ。今、総理のお答えにありましたように非常に難しい問題ばかりだと思いますけれども、これは今こそ検討していかなければならない問題ではないかと思うわけです。特定財源を持ち、そして特別会計をつくって公共事業をやれば、必然的に事業が巨大化していく方向に進んでいく、これはとめられないのではないでしょうか。 私がなぜ特別会計を問題にするかといいますと、まさに今述べた点にあるわけでございまして、今度の中央省庁再編によって国土交通省という巨大な公共事業官庁と言ったら言い過ぎでしょうか、巨大な官庁が出現する。定員五万人、予算十兆円ぐらいになりますか、しかし財投を加えるとこれの何倍にもなる。許認可数二千五百三十二という巨大な官庁、世界にも例を見ない大きな官庁であります。 ということで、先日からこの委員会でも取り上げられておりますけれども、しかし現状の財政の仕組みではこの国土交通省の事業のほとんどは特別会計ではないでしょうか。特定財源などでもちろん行われることになるわけですね。一般会計という表面上では予算を抑えたように見えても、特別会計としては幾らでも拡大する余地がある。特別会計と一般会計とはその性格や機能が違った会計をつくることによって財政構造改革や行政改革が極めて困難になっている事実を私は指摘したいと思います。 先日、実は二十一世紀環境委員会というNGOのグループがございまして、全国の環境保護団体、NGOを対象に行ったアンケートによりまして、百のむだな公共事業を公表いたしました。新聞にも出ておりましたのでごらんになったと思いますが、緊急に中止、廃止すべきむだな公共事業マップというのを発表しております。ワーストテンは、長良川河口堰、諌早湾土地改良事業、徳山ダム、藤前干潟埋め立て、吉野川第十堰等々でありますけれども、こういうことがコントロールできるのでありましょうか。国土交通省はコントロール不可能になるのではと私は心配します。 総理は、行革会議の中でこの巨大化による暴走を実は一番心配しておられたのではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御指摘になりましたようなことが全く変えられていないとすれば、確かに私も問題のあるものになりかねないという心配は持ちます。 その上で、今回の省庁再編、高い視点と広い視野からの政策立案機能の強化また縦割り行政の弊害排除、そうした視点から省庁を大ぐくり編成をしていくその一つの考え方として、国土の総合的、体系的な開発及び利用、そしてそのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進などを主要な任務とする国土交通省というものを考えました。 その一方で、公共事業につきましては、まず国と地方の役割分担を徹底して見直す。同時にその上で、さらにその事業の決定及び執行に関する本省の権限を地方支分部局へ移譲する。そして、事業の決定過程の透明化、評価の適正化などの見直しを図ることによって、非効率でありましたり効果に疑問がある事業が不透明、裁量的に決定されていくようなことを防止する。これには、既にその検討を指示し動かし始めておりますいわゆる時のアセス、こうした手法も組み込まれていきます。 殊に、国と地方の役割分担と申し上げました点にぜひ視点を向けていただき、御協力をいただきたいと思うのでありますが、公共事業について、国が直接行うもの、それは全国的な政策、計画の企画立案、また全国的見地から必要な基礎的、広域的事業に限定をし、その他の事業については地方公共団体にゆだねていくことを基本とする。できる限り適切な目的を付した統合的な補助金などを交付して地方公共団体に裁量的に実施をさせていく、そうした考え方をとっておるわけであります。 従来、どうも実は地方支分部局のところまでで権限がとまってしまうような議論が報道等でもなされておりました。まず前提にあるものは、実は全国的規模のもの、全国的見地から基礎的、広域的にすることが必要だという事業に国の仕事は限定してしまう、その他の事業というのは地方公共団体にゆだねていくのが基本。そして、そのためにもできる限り適切な名目を付した統合的な補助金などを交付して地方公共団体に裁量的に施行してもらう、そうしたことを考えていきたいわけであります。 当然ながら、財政構造の改革を推進する見地からも公共事業の重点的、効率的な実施を図ることは当然でありまして、御指摘のような懸念を払拭するためにも、今申し上げましたように、広域的に国がやらなきゃならない仕事、それ以外はむしろ地方にお渡ししてしまう、そして企画立案と実施を分け、実施の部分はそれぞれのブロックに任せる、そうした考え方をとっておることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○竹村泰子君 総理の今のお答えですと、私どもが心配しているような巨大な国土交通省という省庁、これが今のまま寄せ集められて、そして大きな大きな巨大な省庁になるというようなことはいたしませんと。そうではなくて、きちんと区分けをしてという努力を最大限いたしますということととらえてよろしゅうございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、逆に議員から御質問のありましたような姿の官庁になってはいけないと思うんです。であればこそ、実は国と地方の役割分担という言葉を答弁でも使わせていただきました。 その上で、その意味するものは何だと。それは、国が直接行うものは全国的な政策、計画の企画立案、また全国的な見地から必要な基礎的、広域的事業に限定をする、その他の事業については地方公共団体にゆだねていくのが基本。そして、できる限り適切な、余り項目を分けておりますと使い勝手悪いですから、できるだけ適当な目的を付した統合的な補助金などを交付して地方公共団体に裁量的に施行してもらう、こうした考え方をとりたいと繰り返し申し上げているわけでありまして、そうした方向にこれを現実のものにしますためにも、これは地方分権という視点も当然入ってくるわけであります。ぜひ御協力を賜りたいと存じます。
○竹村泰子君 時のアセスメントは、北海道の堀知事が提唱いたしまして、二十年、三十年前からずっと計画が続いているもう不要になった公共事業、そういったものについてやはり時という媒体を使ったアセスメントが必要ではないかと。非常にこれは私どもはよく言ってくれたと買っておりますし、それが実は流行語のようになって全国に広がっていけば大変いいというふうに考えております。 今、私が心配いたしましたようなことは十分に注意をして今度の省庁再編を行っていくという総理の御決意をお伺いいたしましたが、その一方で、今度環境庁が環境省となります。そういう業務を行うようになったこと、私はこれは大いに評価をしたいと思います。私も、環境に非常に深い関心を寄せている議員の一人として大変うれしいことだと思います。 しかし、先ほどまで指摘しましたように、一方では国土開発が特定財源を持ち、そして特別会計で事業を行うのと比較すると、いかにも何か環境行政を心もとなく感じざるを得ないのでございます。例えて言えば、自動車の排気ガスは環境問題を引き起こしているではありませんか。また、交通事故に巻き込まれてしまった不幸な人々をつくり出しているのも事実であります。揮発油税を道路建設のためだけに使うことが果たして合理性があるのか私は考えるべき時期に来ているのではないかと思います。 今回、国土交通省と環境省という省庁に再編をすることを総理が決意されたのなら、その財源のあり方も含めて検討し直すべきではないでしょうか。それが行政改革であり、今回、省庁の再編を行う意義はそこにあるのではないでしょうか。 環境問題に非常に深い御造詣をお持ちの総理にあえてもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御主張は道路特定財源を環境庁に一部移せという、そういう趣旨と承ってよろしいでしょうか。私は、それはやっぱりちょっと性格的に違いがあると思います。 むしろ、環境庁というものがこれから省に昇格し、その業務の範囲を拡大し、その上で地球温暖化等に対する戦略的な役割までを担わせるといたしました場合に、私どもは環境に要するコストというものについては全く別の次元で真剣な検討をしなければならないと思います。その結果として、例えば温暖化の原因に対してどうするかという費用負担を考えますときに、結論として議員の御指摘のような部分が出てこないとは私は申しません。 むしろ、私自身、環境税というものを従来いろいろな機会に考え、ああでもないこうでもないと組み立ててみた時期があります。あるいは野党の自由民主党の政調会長として当時の政権に対し、この問題で、質問というよりも私自身いろいろ考えたが、こういう問題点に逢着して答えが出なかった、政府としてどうお考えかという形でその議論をさせていただいたこともあります。 今に至りましても、実はEC指令等を参考にいたしましても、彼らの環境タックスというものも、必ずしも我々が考えるような姿にはなっておりません。むしろ、大規模発生源でありながら基幹産業であると賦課される税の率は引き下げられるといった、必ずしも排出源と負担が見合った形になっていない国が相当あるといった実例もございます。さらに、一般家庭への賦課というものをどうとらえるか。実は、環境タックスを考えますと、いろんな問題点に逢着をいたします。 私は、環境省というものが独立の省として行政の範囲を拡大いたしました場合に、それが特別会計であるのか一般会計からの歳出であるのかは別として、環境にかかるコストを相当程度我々は負担していくことを当然ながら考えていかなければなりませんが、その財源構成についてはなお十分な検討を必要とするのではないでしょうか。その結果として、議員の御指摘のようなケースはあり得ることでありますが、そこのところは短絡的に結びつけるのではなく、十分な検討を必要とするように私は思います。
○竹村泰子君 失礼ながら、一方は象のように大きな特定財源を持ち、環境省となったけれども特定財源とかそういうことはない、一般会計の非常に小さな予算ですね。私たち、環境庁応援グループとしては、いつももっとたくさんの予算をとらなければというふうに思っているわけですけれども、そういう中で余りにも違い過ぎるのではないか。 揮発油税を環境省のためにのみとは言いませんけれども、やはり揮発油税の使い方、道路特定財源の使い方ということはこれからの課題として、諸外国、ヨーロッパなどではもう実施している国もありますし、やはり今考えるべき時期ではないかと思います。 時間がなくなりましたので、あと一問だけさせていただきます。 これもしつこいようですが、財政法二十八条の問題でございます。 私は前回、政府出資法人について、国会に提出されているのは貸借対照表や損益計算書といった財務諸表だけで予算、決算が出されていないということを指摘いたしました。これに対して大蔵省の主計局長は、出資法人の状況は予算、決算より財務諸表の方がよくわかる、また予算、決算については広く公開していると答弁していらっしゃいます。しかし、予算、決算は見られるようになっているとは言っても、国会に提出していなくてどこが公開なのかと私は思います。 また、財務諸表の方が予算、決算より法人の状況がよくわかるというのもおかしいと思います。財務諸表というのを見ましても業務の内容は、確かに何をしているかというのはわかりますが、運営形態はわかりません。道路公団の貸借対照表や損益計算書のどこを見れば人件費が幾らかとかそういうことがわかるのでしょうか。わからないんです。財務諸表だけでは出資法人の実態の一面しかわかりません。 予算、決算、さらには役員給与など関連資料についても国会に提出するべきと考えますが、いかがでしょうか。この問題は早急に財政審で検討していただきたい。この点についてもあわせて総理から。 そして、独立行政法人ができるとすると、財政法二十八条は当然に改正されることになると考えますが、大蔵大臣、どうお思いか。まず、総理からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 委員、恐縮ですが、私から答弁をさせていただきたいと思います。 今、独立行政法人の話を最後になさいましたけれども、いずれにせよ、この財政法第二十八条第七号が定めておる「国が、出資している主要な法人の資産、負債、損益その他についての前前年度、前年度及び当該年度の状況に関する調書」を国会に提出して、そして予算審議とともにそれを審査していただくという仕組み、これは大切な仕組みと思うのであります。 今、御審議を願っておる法案の中でも業務の概要、財務諸表、決算報告等、これは独立行政法人の場合でありますが、公表するとされておるわけでありまして、独立行政法人はもちろん、その他、財政法二十八条の七号に定めてある公開、これは情報公開、当然のことでありますから、しっかりやっていかなきゃならぬ、こういうふうに思っておるわけであります。 なお、独立行政法人の場合には、これが具体化された場合にどういうものを出すのが親切な情報公開になるのか独立行政法人のあり方が具体的になってきたのとあわせて検討してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○竹村泰子君 二十八条のことはどうでしょうか。見直しはなさるんでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 現在、二十八条についてもこの法律の精神に基づいて、今までもここに書いてあるような「資産、負債、損益その他についての前前年度、前年度及び当該年度の状況に関する調書」はお出ししておるわけでありますが、この法律の趣旨に基づいて誠意を持ってお出ししている、こういうつもりであります。
○竹村泰子君 終わります。(拍手)
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 中央省庁等改革基本法案に関しまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 まず最初に、総理にお伺いしたいんですけれども、昨日の毎日新聞朝刊に、一府二十一省庁を一府十二省庁に再編する中央省庁の改革案についての世論調査の結果が発表されております。 それによりますと、本改革案に対する評価は、わからないというのが三九%で一番最も多く、次いで評価できない、余り評価できないが合わせて三一%、評価する、ある程度評価するが合わせて二七%でありまして、国民は積極的な評価をしている人は少ないのではないか、そのように思いますけれども、この点に関しまして、総理の御感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その数字は私も拝見いたしました。そして、私にとりまして、わからないとお答えになりました方が三九%おられる、これはやはり我々の御説明の努力が国民に対して足りないのかなと。 地方分権あるいは規制緩和等による官民の役割分担、そうしたものの変更をベースにして考えてまいりました今回の改正案ですが、国会の御審議におきましても、なかなか地方分権あるいは規制緩和等の進捗についての御評価がいただけない。あるいは、例えば公共事業で国がすべきもの以外は地方へお渡ししてしまうという方向性を打ち出しているといったことにつきましても御確認をいただく。こうしたことを考えてみますと、まだ内容や意義について十分に御説明が届いていない、そうした感じを私は率直に持ちました。 その上で、国会における御審議の場も拝借をしながらと言っては失礼ですけれども、拝借をしながらさらに国民の皆さんに認識を深めていただくように努力をしたいと思っておりますし、同時に、この法律案を成立させていただきましたとして、その後の改革の具体化のプロセスにおいても、その目指すところをより明らかに国民に知っていただくための努力、工夫というものには一層考えを整理しておく必要があるな、率直にそのような感じを持ちました。 より実効のある措置を考えてまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 国民にとりましては、この中央省庁の改革が本当に直接国民の益になるのかどうか、その具体的な数値とかが余り示されていないということで、余り改善されないのではないか、国民にとっては余り益がないのではないか中央省庁の改革によってむだが省かれて本当に税金が安くなるとか、そういう直接的なものが見えないものですから、そういう意味でわからない、あるいは評価できないということが多いんだと思います。 この中央省庁の再編によって国民にこれくらいのプラスになることがあるんだということを、こういう審議だけではなくて、総理からきちんと国民に直接もっとアピールすべきではないかな、そのように思うわけでありますけれども、もう一度その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 行政改革というものをこれだけ大きな形で取り組もうといたしました場合に、なかなかその効果を具体的に、特に定量的な形でお示しするというのは難しい問題があります。 しかし、例えば規制緩和あるいは地方分権、官民分担を徹底していく、そして民間あるいは地域の創造性や主体性の発揮を促す、これは私は当然国民の暮らしの上でのプラスが生じる部分だと思っております。また、行政の減量あるいは効率化を進めて事務事業あるいは組織のむだをなくしていく。これはある程度まで設置法段階の論議の辺にいきますと、ある程度の定量的なものをお示しできる可能性がある分野であります。 また、政策の企画立案機能と実施機能を分離する、そして、いわば企画立案機能を担う本省の部分、これは大ぐくり編成や内閣機能の強化、さらに縦割り行政の批判に非常に今まで問題を感じておりましただけに、再編成をされた上での省の間における調整システムといったものを考えていくことによりましても、国民の意見というものをより反映しやすい行政の仕組みができるのではなかろうか。 こうしたことを挙げていきますと、いろいろな利点というのはおわかりがいただけると思いますけれども、今、議員から御指摘を受けましたような点も含め、より定量的なお示しの仕方ができるかどうか 一層工夫をしてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 国民にとりましては、この省庁再編の改革が本当にプラスになるというふうなものが見えないと、やはり余り協力がいただけないんでないかなと思いますので、具体的な数値を示して説明いただけるようにお願いしたいと思います。 次に、総務庁長官と文部大臣の方に御質問いたします。 去る五月二十二日の参議院本会議におきます総務庁長官の趣旨説明では、「我が国の将来を見据え、活力と自信にあふれた社会を創造するためには、戦後五十年を経て、もはや今の時代に合わなくなってきたこのシステムにとらわれることなく、二十一世紀型の行政システムへの転換を果断に行い、」云々と述べられておりました。 現代の青少年層には、過度の受験戦争などの影響か自己不信感が強くなっており、また他人への信頼感も薄らいできている、そのような指摘もされております。 そこで、総務庁長官にお伺いしたいわけでありますが、これからの中央省庁再編がこれらの青少年の自信回復にどのような益になるのか、そして、それが目指す活力と自信にあふれる社会を創造するということにどのようにつながってくるのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 明治の時期に導入され、そしてまた第二次大戦等を経ていわば原型が形づくられてまいりました現行の省庁体制、我が国の近代化や戦後の復興、あるいはまた高度成長を実現するに当たりまして極めて有効に機能する体制であったことは手がたく率直に認めなけりゃならない、そう思います。 しかしながら、内外情勢が変化する、いわば激変する中におきまして、かつては社会に活力をもたらしていた同じシステムでありましても、現在はむしろ縦割りの弊害や官僚組織の肥大化、あるいはまた結果的に社会の創造性の芽を摘み、閉塞感を強める方向に作用しているという指摘もあるわけでございます。また、そう考えられます。 今般の省庁改革は、このような考え方から、戦後型の行政システムから、いわゆる簡素でそして効率的で、しかもよく言われておりまする縦割り行政の弊害を除去したいわば二十一世紀型の行政システムへ大転換を図らなけりゃならない。同時に、自律的な個人を基礎としたより自由で公正かつ創造性にあふれる社会の実現を促すものでありまして、このようなことによって、我が国社会が二十一世紀において担うべき機能あるいは役割というものをきちんと方向づけをいたしまして、ただいまお話しの活力と自信にあふれた社会であることを目指しているものでございます。
○渡辺孝男君 質問の方と答えとよく合っていないような気がしたのですけれども、省庁再編によって国のむだが省かれて、教育予算がふえるとかそういう形で今の青少年の自信を回復するようなことにつながってくるんだ、そういうお話であればなるほどということを感じるわけであります。(発言する者あり) では、文部大臣の方だというお話ですのでちょっとお伺いしたいと思います。 青少年の深層心理といいますかそういうことを精神科の先生が分析されていることがあるんですけれども、そういう青少年の内面に触れますと、彼らは自分自身を信頼できず、他人を信頼できず、寂しさに耐えられず、周囲に嫉妬し、誇大的な自己を維持しようとして失敗し、しかも周囲に明るく振る舞っている姿が見えてくるというような分析をされている精神科の先生もいらっしゃるわけです。そういう姿が出てきておりまして、非常にかわいそうであり、こういうことではいけないなと。やはり自信に満ちた活力のある社会というのを次の世代がこういう姿で担えるかどうか、本当に心配だという感じがします。 そういう意味で、文部大臣にお伺いしたいんですけれども、青少年が本当に自信を回復して、また他人への信頼感を回復することができるようになるのか。政府の方針と、この省庁再編によってそれがどのようにプラスになっていくのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 大変に難しい御質問でございまして、いかなるお答えをしたら適切なお答えになるのかなと思って先ほどから頭をひねっていだわけでございますが、確かに現代の社会、これは青少年のみならず、ある意味では大人も人生の目標とか夢を何となく持ちづらいような雰囲気が今の日本にあるという意味では、日本の社会全体の現象なのかなという感じもいたします。それと比べるとかつての日本はまだ発展途上でございましたから、そういう意味ではいろんな夢やら希望やらを持ち得たのかもしれません。 しかし、こうしたある種成熟した日本の社会の中にあってもいろいろなフロンティアがあるんだと私は思っております。総理もいつもいろいろなお話をしておられますけれども、例えば新しく日本が世界の平和に貢献する分野とか、環境の問題でありますとかあるいは諸外国の発展を助ける、あるいは科学技術、学術研究、そうした分野でのいろいろなフロンティアがあるということをやはり私ども大人が青少年に対してそうした道しるべをしっかりと示していくということが特に大切なのではないんだろうかこう思うのであります。 では、そのことと今回の中央省庁再編とどう結びつくかと言われると、率直に言ってなかなかそれは結びつきがたい部分もあるのであります。 私は、今回の法律の中で、青少年健全育成行政に関する総務庁の事務のうち、総合調整以外の事務は教育科学技術省が担うということで、今度新しくできます教育科学技術省に従来以上にその役割が求められているし、責任も大きくなると、そう思っております。今まで以上にそうした青少年に対して、本当に将来夢が持てるような教育というものを授けていけるような体制にしなければいけないと思いますし、今まで以上に、例えば家庭、地域、社会が一体になった心の教育と私どもはそう呼んでおりますが、子供たちの健全な心が育成できるようなそうした行政を展開をしていく、あるいは社会全体で薬物乱用の防止とか有害情報のはんらんの防止とか、そうしたことなどにも取り組んでいかなければいけない。 しかし、これも教育科学技術省だけでできるかといえばそうでもありませんで、それはもう間違いなくすべての省庁のすべての行政分野の中でそのことに心がけていくべきであろう、かように私は考えております。
○渡辺孝男君 今回の改革は、この委員会での質疑の中で橋本総理は、人生八十年時代、そういう時代にかかってきたのでそのための改革でもあるというようなお話であります。八十年の最初の二十年間で青少年がもう心身ともに疲労こんぱいしてしまうというようなことでは、そういう八十年時代を有意義に過ごすということはできなくなってしまうと思いますので、やはり省庁再編、そういう形で文部省も大きくなるということであれば、より以上にそういう教育に対して取り組んでいただけるようなシステムにしていただきたいと思います。 次に、環境庁長官にお伺いしたいんですが、先ほどもお話がありまして、環境庁の方は今度庁から省に格上げされるということで大きな期待がかけられているわけであります。先日も名古屋市におきまして、発がん性が疑われるトリクロロエチレンが環境基準の一万五千六百倍の高濃度で検出されたというような事件も発覚しておりまして、国民にとって、これまでの環境庁のやり方はやはり弱腰で無責任ではないかというような批判があるわけであります。 今後、庁から省へ格上げされるような方向でありますので、本当に国民の健康を守るための形になるのかどうかその点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 今までというか現在と申しますか、環境行政についての御不満というのは、一つはやはり縦割り行政、あるいは場合によりますと私は横割り問題と言っているんですが、国と都道府県、それから地方自治体、市町村といった関係が、必ずしも責任体制がはっきりしていない。法的にもあるいは現実、実際の処理においてもはっきりしていないという問題がございますから、その結果としてなかなかきちっと対策が迅速にとられないということが多いと思います。 ですから、今回の基本法案におきましては、そういったことをできるだけ明確に一元化していただけるところは一元化していただくということで、例えば廃棄物の問題につきましては、今度は環境省が一元的に取り扱うということを書いていただいているんです。あるいは、最近非常に国際的に調整を必要とする問題も出ておりますから、例えば温暖化対策、これはもちろん外交面では外務省と一緒にやっておるわけでございますけれども、環境行政が国際的にいろいろと問題を持つという場合には、環境庁が少なくとも国内的には中心になってやらせていただく。 それから三つ目に、これは第一義的には、よその省が主管をしておられる例えば森林の問題とかあるいはいろいろな資源エネルギーの使い方とか、そういう問題につきましても、環境行政、環境保全という面からは環境庁が積極的に案をつくって、例えば基本的な規制の基準とか方針とかそういったものも積極的に提案させていただきまして、関係省庁と一緒に協議をしながら実施をしていく。 大別しますと、三つのことを今例示的に申し上げましたけれども、そういったようなことを通じて、やはり環境行政が迅速かつ明確に国民にもよくわかるように行われるということが必要かと思っております。 特に、環境問題というのは総理もたびたび言っておられますように、従来は環境行政というのは、言うなれば個別の地域あるいは個別の問題につきまして、いわゆる公害対策ということで出てきておった。ところが、最近はそうではなくて、我々の通常の産業活動あるいは開発計画ないしは国民の通常の生活、これに常に注意をして計画をつくりながら、時には必要に応じて規制もかけながら行いませんと、結果として、例えば温暖化防止の問題のように社会全体あるいは地球全体が非常に困るというような状況も生ずるわけでございますから、そういった問題については、やはり内閣全体として、できるだけ早急にしかも効果的に対策ができるようにしたいということでございます。 第二十四条では環境庁の仕事というものが相当明確化されておりますし、また内閣官房の方でいろいろとたくさんの省庁にわたっている問題については、必要に応じて中核となる省庁を指定して、そして迅速に施策を行う、こういうことも規定しておりますので、全体としてはさらに内容的にも迅速かつ効果的に施策が行われるというふうに期待しております。
○渡辺孝男君 やはり環境庁に対する国民の不信感が大きい。ダイオキシン問題につきましても、また環境ホルモンに関しましても、本当に国民の立場で環境庁が働いているのかということに対して不信の念がありますので、庁から省に格上げされる前に、とにかく国民のための環境庁の実績を上げていただいて、そういう信頼を取り戻すことがまず先決ではないかそのように私は思います。 次の質問に入らせていただきます。 この中央省庁の改革案でこれまでの縦割り行政、そういうものがどのように改善されるのか、それが国民にとっては一番関心があるところだと思います。 そこで、最初に厚生大臣と文部大臣にお伺いしたいんですけれども、平成八年十二月の地方分権推進委員会の第一次勧告では、「少子化時代の到来の中で、子どもや家庭の多様なニーズに的確に応えるため、地域の実情に応じ、幼稚園・保育所の連携強化及びこれらに係る施設の総合化を図る方向で、幼稚園・保育所の施設の共用化等、弾力的な運用を確立する。」と、そういう項目が取り上げられております。 今後、文部省とそれから厚生省、また違った形で再編になるわけでありますけれども、その間の幼児教育、幼児の保健、そういうもので一元的な対策が練られるようになるのか、縦割りの弊害が起こらないようになるのか。その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) いわゆる幼保の一元化の問題でございます。 現在御提案させていただいております法律の第二十六条第十一号に、「労働福祉省と連携してこれらの施設及び運営の総合性を確保する」ということが教育科学技術省の編成方針の中に述べられております。私どもとしては、こうしたことを前提といたしまして、今、文部省と厚生省との間で昨年の四月から、保護者あるいは幼児の立場に立って多様なニーズにこたえられるような相談をしておりまして、委員御指摘のようなまず施設の面での一元化、共用化というものを決めたわけでございます。 今後、さらに引き続き、実際の機能は非常に似てきておりますものですから、教育内容あるいは保育内容の共通化でありますとか、教師、保母の養成、研修をできるだけ一緒にやれないだろうかとか、あるいは保育所は保育所で、幼稚園は幼稚園で子育て支援事業というのをやっておりますが、それらの共通化でありますとか、要するに保護者とか幼児の立場に立って利用しやすい環境をできるだけ共通化していく。 一挙に一元化というところまではなかなかいかないかと思いますが、そうした形で機能面に着目してそれをできるだけ共通に対応できるようにしていこうということで、今後、さらに引き続き努力をしていく必要があると考えております。
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま文部大臣が答弁されましたように、実際、子供たちの立場に立ってお互いどのように連携していく必要があるか。また、現在ではどちらかといいますと保育園の方は長時間預かりますから、保育園が幼稚園の機能を果たすよりも、むしろ時間的にも幼稚園で保育の機能を果たす方が多いと思います。 幼稚園が保育事業をしやすいような措置をどのようにしてとるか。また、この問題は予算もかかってきます。厚生省の予算でやるのか文部省の予算でやるのか、この辺は大変難しいところでありますが、そういう点も含めていかに連携し協力し、幼児の立場に立って、またお子さんを預かってもらう親の立場に立って、いかにあるべきかということを視点に協力をしていきたいと思います。
○渡辺孝男君 余り時間もなくなってきましたので、用意された質問ができなかったときは次に回させていただきたいと思います。 最後に、総理大臣の方にお伺いしたいんですけれども、いろんな大きな改革があるということでありまして、その改革を行うためにはやはり国民の信頼が一番大切ではないかそのように思います。 橋本総理、残念ながら国民の支持率が下がっておりますけれども、大きな改革をするためにはやはり国民の協力が必要ということで、この改革、省庁再編も含みまして、六大改革をやるためには、マラソンと違いまして一人で完走するんじゃなくて、駅伝みたいに交代しながら改革の目的を達成する、私は、そういうことになるのではないかと思います。 その点に関しまして、今後どのように六大改革を実現していくのか総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 人間でありますから、支持率が全然気にならないなんというのはうそになります。しかし同時に、何かをやろうとするとき、必ず現在の状況によって支えられている方々からは反発が起きます。 私なりに全力を尽くしてやれるだけの努力をしていきたい、そのように思います。
○渡辺孝男君 以上で質問を終わります。(拍手)
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。きょうは時間がわずかしかございませんから、単刀直入に問題点だけをお尋ねしてみたいと思います。 まず、通産大臣にお伺いをいたしますが、行政改革は、これは全体的な問題ですけれども、省庁再編だけではない。当然、国民と行政との関係をどうつくり直していくのか、そういう中で、行政の質の面の改革も忘れてはならないと思うわけです。その意味で、各省の管轄する公益法人や各省の外郭団体も、行政改革の中でそのあり方を含めて検討しなければならないというふうに私どもは思っておるわけです。 それで、きょうは通産省の管轄の日本自転車振興会及び自転車競技会についてお尋ねをしてみたいと思います。 この設置目的からいいましても、二つの団体はそれぞれレースの収益金の一部を公益事業に配分をしながらやっております。その中で補助金の交付先と金額の決定は、これは法律では団体が独自に決めることになっておるようですけれども、実際には、ここにも持っておりますが、通産省の機械情報産業局の某課で決められておる、最終的にはそこの次長が調整をして決めておるというような報道もされております。 お尋ねをしたいのは、今日まで、特に競輪事業を運営する自治体から、私は地方行政に長くおるものですから、どうしてもそういう関係の部分の要望が強いわけですけれども、長引く不況、そしてレジャー産業が非常に多様化しておるという中で、平成二年以降すっと売り上げが下降線を実はたどっておるわけです。そういう中で、施行者の方も大変な合理化をやりながら、そして再建に努力をしておるわけですが、そういう状況にありながら、自治体からも再三通産の方にも要望が出されておると思うんですけれども、自転車振興会に対する交付として、一、二号交付金の比率が昭和三十七年の制定以来全く変わっていない。全施行者が最高比率を実は納めておるというのが現在の実態であるわけです。 これは御承知だと思うんですけれども、地方競馬は平成三年に改正をしまして交付金を引き下げました。あるいは公営企業金融公庫に対する納付金についても平成七年度に改正をいたしました。しかし、今申し上げております自転車振興会に対するこの部分だけがどうしても今まで扱われていない。だから、どうしても各自治体としては、一、二号の交付金を売上金額に見合った区分ないし比率に変えてもらいたいということが第一点と、それから自転車競技会に対する交付金も合理的な算定方法にひとつ見直してほしいという要請があるわけですが、これに対して通産大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。 競輪の車券売上高というのは、御指摘のとおり、平成三年度をピークにいたしまして減少傾向をたどっておりまして、競輪施行の地方自治体の収益が悪化をいたしておりますことは承知をいたしております。 しかしながら、この主要因というのを眺めてみますと、それぞれの売り上げに対する比率というものは、交付金などについてはほとんど変化ないのでありますが、一番大きくなっておりますのは開催経費というのが多くなっておりまして、これだけが四・九三%というように五%近く、平成元年度と比べて八年度が増加しているというようなことでございまして、一つは売り上げが減少傾向をたどっているにもかかわらず競技関係、いわゆる車券の販売だとか払い戻したとか人件費の関係、この開催経費の圧縮が全く進んでいないという経営努力の面も大きいというふうに認識をいたしているところでございます。 一方では、自転車振興会に対する交付金は、これによりまして機械工業の振興だとか社会福祉等の公益増進を図られておりまして、競輪の収益を広く社会に還元するという観点からは競輪事業の根幹であって、その必要性は今後も変わらないのではないかというふうに考えております。 自転車競技会に対する交付金は、施行自治体が自転車競技会に競輪の実施に関する事務を委託することによって生ずる開催経費的なものでありまして、競輪の公正かつ安全な実施のためにも、これは審判だとか検車などを行うのが開催経費でございますが、これにとっても不可欠なものだというようなことを考えてまいりますと、いろいろの面でそれぞれ検討していかなければならない面がいっぱいございます。まずは開催経費の削減ということを一つ大きく取り上げていただきたいと同時に、交付金についての今後の検討というようなものも見守って慎重に検討いたしてまいりたいというふうに思っております。
○渡辺四郎君 あと時間がありませんから答弁は結構ですが、確かに開催経費に金がかかっておるという実態は知っております。逆に言ったらお客さんが少なくなってくる、大変なPRの費用も要るわけです。そういう関係の部分を含めて大変な実は努力をしておるわけです、経費の削減については。 今、大臣は大臣としてそういうお考えでやられておるというふうに思いますけれども、ここにありますように、通産肥やす打ち出の小づち、こういうふうにとられた部分もあるわけですね。ですから、このことだけきょうは申し上げてあと内容は省略いたしますが、そういう実態にあるということで、ぜひひとつ自治体側の、施行者側の要望についてはもう少し耳を傾けていただきたいとお願いをしておきたいと思います。 次は、労働省関係の問題について、これは総理も大変深い関係がありますが、今度の改革法案の第二十五条の四では「労働関係の変化に対応し、その調整に係る行政を見直し、縮小すること。」こういう規定があります。 私の思い過ごしであればあれですが、五月二十八日の例の東京地裁の十一部と十九部の裁判、そういうのを前もって見越してこういう調整機能を見直して縮小するというふうにやったのではないか。 これは、御承知のとおり、橋本総理が当時運輸大臣でありました。今の参議院議長は厚生大臣でありました。私はこの部屋で、伊豆の大島の噴火した翌日の朝でありましたけれども、大変長時間議論をやった経過があるわけですが、そういう中で、例えば平井労働大臣が私の質問に対して言ったのが、その当時の、国鉄の労使関係については運輸大臣と十分意見を交換しており、繰り返し不当労働行為、そういうものは絶対あってはならない、避けなければならないということで従来から指導してきた。とにかく雇用不安を起こさないように、全員速やかに再就職、ここが今後円滑な分割会社の発展に一番重要なポイントになる、そういうことで努力をしたいという当時の労働大臣のお話もあったわけです。 私がお聞きをしたいのは、今の千四十七名ですか、千四十六名とか言われておりますが、法治国家の国民として何も法律で保護されていない、救済されていないというふうな気がしてならないわけです。まずは不当労働行為があった、これは判示の中にもあるわけです。国鉄の方が名簿をつくって、その採用名簿の方に、JRに出したものに名前がなかったから採用しなかった。だから、使用者責任の問題じゃなくて、不当労働行為があったということは各労働委員会も、地方も中央も認めておるわけです。ところが、その使用者がだれかわからない。 私は、総理が運輸大臣のときにもこの問題を取り上げて、清算事業団の期間を一年延ばしたらどうですかというふうに総理にお尋ねしました。当時の運輸大臣は、いや、一年延ばすんじゃなく、実質は一年短縮をしてでも急いで解決をしたい、そういう気持ちで政府全体として再就職問題については取り組んでおりますということを総理もおっしゃったし、それから当時の中曽根総理も、一人だって路頭に迷わせるようなことはしない、そういう気持ちで努力をするというふうに言われたわけですけれども、現に千四十七名という人たちが使用者がだれかわからない。現実そうです。JRでもない。国鉄はなくなった。清算事業団はことしの十月でなくなる。そうしますと、一体だれが使用者であるのか。 ここはやっぱり国の役割も非常に大きいと思いますから、そこらについてぜひ国として、私はこの部分、これは労働基準法にもありますように、国のあっせん、援助ということもあるわけですから、そういう点でひとつ努力をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま先生御指摘のように、私も昭和六十一年の先生と当時の閣僚との間のやりとりをよく読んでみました。確かに、おっしゃっているとおり、使用者がだれであるかということが確定をしませんと、雇用を受けている者との間の不当労働行為というものは、使用者があってそして労働者があって成り立つわけでございます。 したがって、従来からの経緯を若干申し上げますと、労働関係調整法第三条によりまして、労働関係の当事者、つまり使用者側と労働者側は問題を自主的に解決するべきだ、しかし、それについては政府はいろいろな措置を講じて労働紛争をできるだけ未然に防止するように努力をしなければならない。 そこで、お尋ねのJRに不採用になった方々につきましては、残念ながらJRとの間に雇用関係は先生おっしゃったとおり、ないわけです。この労働関係調整法第三条の対象にはならないわけでございますけれども、雇用の問題でございますし、そして六十一年のいろいろなやりとりがございますので、法律によらずに、政府としては、運輸大臣、労働大臣がかねてからJRとの間に関係者間の和解をしてはどうだということを再三働きかけた経緯がございます。社民党の労働大臣もおられて大いに努力をされたわけでありますが、関係者の間に大きな意見の隔たりがございました、御承知のとおり。 そこで、中立機関でございます中労委が労組法第二十七条の救済命令を出したわけです。しかし、使用者と労働組合双方がこれを不満とされて司法の判断を求めるという手続をとられて、そして今御指摘のように五月二十八日に、JR各社は使用者ではない、したがってJR各社を相手取った訴えというのは無理があるという趣旨の判決が出ました。 したがって、和解を政府として働きかけて双方が穏やかにおやりになるというためには、私はやはり関係者双方が今後とも司法の場で争うんだという姿勢を捨てていただかなければならないと思うんです。日本国憲法の規定によれば、三権分立の建前でございますから、国民は司法の場で争うという権利は持っているわけです。その権利を行使されるときに、立法府というか、行政府の一員である運輸大臣なり労働大臣なり、内閣を構成している者がそこへ介入するということは、これはなかなか難しゅうございます。 したがって、具体的なことを言えば、北海道の旧国鉄の方も本州の方に再就職ということを拒否されないとか、そういうことを含めてお話し合いのあっせんをするということはやぶさかではございませんが、その前に、やはり司法の場でお互いに争うんだという姿勢を率直に言えば取り下げていただいた上で、我々が何をできるかを見守り、また迅速に対応していきたい、こんなふうに考えております。
○渡辺四郎君 時間が来ました。 私どもも努力いたします。政府の方もひとつぜひ努力をお願いしたいと思います。 終わります。(拍手)
○吉岡吉典君 まず、所得再配分機能の問題についてお伺いします。 行革会議の最終報告を読みますと、国の果たすべき役割の見直しという問題に関連して、民間でできるものは民間にゆだねるということ、同時に、市場原理と自己責任原則にのっとって民間活動の補完に徹する、こういう基本的な考え方を書かれまして、結論的に、所得再配分の事業の限定などに努めなければならない、こう書かれております。 私、これに注目しまして行革会議の審議それから行政改革委員会での審議等を見ますと、盛んにこの所得再配分機能の見直し、具体的に言えば縮減、そして後退させる、あるいは撤退させるというふうなことが論議されております。 所得再配分機能というのは、財政の教科書を読めばどの本でも重要な財政機能の一つとして強調されている問題であります。今、市場原理あるいは規制緩和が強調され、大競争時代が来るということが強調され、所得再配分機能ということの強化こそ必要な時代が訪れようとしている。そういうときに市場再配分機能の後退、縮減、縮小ということが強調されているというのは、国民に弱肉強食にさらす原始的な資本主義に返れということを言おうとしているのかなというふうにもとれます。 総理、所得再配分機能については一体どのようにお考えになっているのか、まずお伺いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もとより、所得の再分配に対する政府の責任また役割というのは今後とも重視していく必要があります。そして、行革会議あるいは行政改革委員会の基準もそうしたことを前提にしながら、その適切なあり方を実現するよう求める趣旨になっております。 その上で、今、議員からもいろいろ御提起がありましたけれども、行革会議そして行革委員会それぞれの議論の中におきまして、最終報告でまさに「民間でできるものは民間にゆだねる、市場原理と自己責任原則にのっとり、民間活動の補完に徹する、との基本的な考え方をとるべき」とした上で、官民の役割分担の見直しの一つの視点として「所得再配分事業の限定」というものが挙げられました。 行政改革委員会の「行政関与の在り方に関する基準」というのでは、「行政の関与の可否に関する基準」の一つとして「公平の確保」という観点が挙げられております。そしてその中で、「所得再分配効果の強い施策を実施する場合には、ナショナル・ミニマムの確保に原則として限定し、当該施策の対象が真の弱者であることを説明する必要がある。」そして、地域間の所得再分配、産業間の所得再分配、世代間の所得再分配に関して水平的公平の確保に留意する、こうした一定の基準を示しながら、その適正なあり方を実現するよう求めております。行革会議の最終報告の趣旨もこれを踏まえているわけであります。 冒頭申し上げましたように、もとより所得の再分配に対する政府の責任と役割は今後とも重視していくものであることを否定いたしているものではありません。
○吉岡吉典君 今、そうおっしゃいましたが、例えば行革委員会の「行政関与の在り方に関する基準」という文書を見ましても、所得と富の垂直的再分配を重視するということを言いながらも、今もおっしゃいましたが、所得再配分の機能については最小限のものにするということをうたっているわけです。 そして、例えばこういうことも打ち出しているわけです。「世代間の所得再分配」については、「世代間の負担の公平を確保する観点から、若年世代と老年世代、あるいは現在の世代と将来の世代の間の世代間の所得再分配効果の強い施策からは原則として撤退する。当該施策が止むを得ず必要な場合には、数量的評価を実施した上で、その他の手段がないことを説明する。」というように述べられているわけです。 こういう考え方に沿ったものだということになれば、この行革会議の報告を受けた今度の中央省庁再編の方向というのも、今、総理の言葉にもありましたけれども、水平的公平は重視するが垂直的公平ということは後景に退いて、所得再配分の機能を後退させる、こういうことになりかねないと思います。 重ねてお伺いします。この行政改革委員会が出した「行政関与の在り方に関する基準」ということ、今の世代間の所得再配分はここで書かれているような形で原則として撤退する、こういう考え方は政府としても採用されるんですか。
○国務大臣(小里貞利君) 一つのポイントにいわば着目して議論をいただいておるところでございます。 先ほど総理の方からきちんと申し上げましたように、今も若干触れられましたが、いわゆる行政の関与の可否について行革委員会で相当議論をされました。その結果が、今、先生がお話しのように、所得再配分効果の強い施策を実施する場合には、率直に言って最低生活水準の保障、ナショナルミニマムの確保に原則としてこれはきちんと、後退しますよなんという意味は全く含まれていない、しかも所得の再配分に関する政府の責任と役割はきちんと今後とも重視していきますよと。これは今も総理もお話がございましたが、一貫してそのことは額面どおり受けとっていただきたいと思う次第です。 なおまた、先ほどもお話がありましたように、例えば地域間の所得再配分あるいは産業間の所得再配分、世代間の所得再配分に関しては水平的公平の確保に留意をいたしました、こういう一つの原則でありますから。
○吉岡吉典君 私は正確に言っているつもりです。ナショナルミニマム、つまり最小限の確保ということを言っているわけでありまして、これは後退ですよ。 それから、今もおっしゃいました水平的公平の確保ということを強調されるわけです。水平的公平にとどまらないで、垂直的公平ということが社会的に確立されるに至るのは長い歴史があるわけです。水平的公平にとどめたのではやはり富、資産の差が残る、その富、資産の差をどう埋めていくかということでの長い議論、長いいろいろな歴史を経てやっと到達したのが垂直的公平です。その垂直的公平を重視するということはどこにもここにはないわけで、したがって、私はそこは一体どのようにお考えになるかということをあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 私は、先ほど申し上げましたように、行政改革委員会の一つの集約に対して何ら本質的に腰を引く筋合いのものではないと思います。 なおまた、先ほど総理大臣が申し上げましたように、行政改革委員会は一定のそのような評価をまとめておりまするものの、あくまで政府は政府として所得の再配分に関する政府の責任と役割は従来の方針を一貫しますよということを言っておるわけでございまして、今後とも重視していく必要がありますと、こう言っておるわけでございまして、私どもは政府を挙げてその方針でございます。
○吉岡吉典君 それでは具体的にお伺いします。 きのうの参考人の意見聴取で、紺谷参考人は私の質問にこういうふうにお答えになりました。市場原理が貫徹するようになればなるほど官の役割、政府の役割、官が行う所得再配分の役割というのはむしろ大きくなるのではないかと思っております。弱肉強食という形になっていくわけでございますから、そうして市場メカニズムの中から落ちこぼれてくる部分に関していかに手当てをしていくかということを同時に考えながら、市場メカニズムの効率性の貫徹ということを行っていかなくてはいけないと思うんですと、こう答えられました。そうすると、この考え方には全面的に賛成であるかどうか、まずはっきりしてください。
○国務大臣(小里貞利君) 昨日の参考人の一節を取り上げてのお話であると思うのでございます。若干私もそれは聞いていたところでございますが、いわゆる極めて常識的な、そしてまた先ほど先生がお話しになるようなことも背景にしながら考えますときに、当然注意するべきこと、参考になることを聞かせていただいたな、そういう感じですね。
○吉岡吉典君 では、今の言葉はここできちっと確認させていただきます。 そうしますと、現に行われている施策との関係が一体どうかということに移らざるを得ません。 政府が現に行っている政策の中に、所得配分機能を後退させているということ、さらにこれから後退させようとする問題があらわれている。例えば税制です。税制では所得再配分機能を果たすように、これはこの間もここで言いましたけれども、私が大蔵大臣に何回も確かめてきたところでありますが、戦後、直接税中心、総合累進課税、生計費非課税、こういう原則を確認されてきたわけですが、それが今崩されつつある。法人税や高額所得者の所得税を引き下げ、庶民には所得税の基礎控除の引き下げ、さらに消費税の導入、こういう流れは、戦後、大蔵省が強調し続けてきた財政の所得配分機能を果たす上での税制から明らかに大きく後退しつつあるものだと、私はそう言わざるを得ません。 税制のこういう方向というのは、やはり水平的公平のみならず垂直的公平も重視する方向に向かう税制だというふうにはおっしゃらないだろうと思いますが、これは総理でも大蔵大臣でも、どちらかでお答えください。
○国務大臣(松永光君) 税の話でございますが、委員も御承知と思いますけれども、所得税について見れば、日本の所得税の課税最低限、これは先進国の中で一番高いところにあるんです、アメリカよりもイギリスよりも。その反面、高所得者に対する税率は世界の中で一番高いというのが日本の所得税課税の特色なんです。このままでいいのかという議論が所々方々で起こっていることは委員も御承知のことと思います。 我々のこの所得税課税についての考え方というものは、実は公正で透明で、そして国民の意欲が引き出せるような税制、それを考えて、税に関する相当な知識を持っている国民代表の方々にお集まりを願って、税制調査会というところで基本問題小委員会というのをつくっていただいて、そこでそもそもの税のあり方にさかのぼって今真剣な検討をお願いしているところでございまして、その検討の結果を踏まえて適切な対応をしていきたい、こう考えているところでございます。
○吉岡吉典君 私は税制論を言ったんじゃなくて、今の方向が垂直的公平を維持する方向ではないじゃないかということを言ったんですが、その答えはありませんでした。 そして、日本の法人税などが世界で一番高いというのはこれは大蔵大臣の意見でありまして、日本の税制の国際的比較は簡単でないというのは財政審の答申でも言っていることでありまして、それはそういうふうに決めてかかっていくわけにはいかないという問題です。 いずれにせよ、所得再配分機能をどうするかという問題は歴史的に到達した時点をどうするかという根本問題にかかわる問題であります。私は、これを今後とも絶対に後退させることなく貫くという立場を求めて、質問を終わります。(拍手)
○泉信也君 自由党の泉信也でございます。 総務庁長官にお尋ねを申し上げます。 参議院の議論に先立ちます衆議院の議論とあわせまして、この基本法について修正をすべきではないか、そういうことをお考えになり、あるいは受けとめられるような点がございましたでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) あえて手続上修正という意識における一つの新しい考え方は、誤解を恐れず申し上げまして、そこに至っておりません。 しかしながら、国会審議を通じまして与野党率直に、しかも真摯にいろいろとお取り組みをいただきまして、そして多彩にわたって意見をお聞かせいただきました。あるいはまた、政府の真意なり計画もお尋ねをいただきました。それらを通じて大変貴重な、今後省庁再編等を構築していく上におきまして大きな参考になることが多々あった、そういう感想でございます。
○泉信也君 衆参合わせて既に百時間を超えるような時間を通しての今の長官のお言葉は大変重みのあることだと思っております。 そこで、もう一つお尋ねをいたしますが、二十一世紀の国づくりあるいは「この国のかたち」をつくるという議論がなされましたときに、現憲法の枠を超えた考え方、そうした議論がこの法案をつくる過程でございましたでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 概括して申し上げまして、行政改革会議の本会議だけでも五十数回に及んでおりますが、基本的にただいま先生がお話しになったようなことが一つのテーマとして議論されたということはない。しかし、そのような一つの展望もお互い一つの念頭に置きながらあるいは議論があったのかなと、そういう感じでございます。
○泉信也君 この基本法にどう織り込むかは別といたしまして、新しい世紀の国の根幹をつくるときに現憲法の中にこだわっていては私は国づくりは十分ではないのではないか、このような思いを持っております。 三点目に、今回の行革議論につきまして、先ほども新聞の評価等の紹介がございました。国民の中では、自分たちの生活はどう変わるのか具体的にわからないという意見が大変多いと私も思っております。財政改革法と同じように永田町の遊びではないか。また、霞が関界わいでは、これは大変な問題を残しておって、組織防衛の文言がこの基本法の中にちりばめてある。橋本内閣の閣僚の皆さんが本当に総理を支えなければこの改革はできない、こういうことを言っておる官僚がおるわけであります。 具体的に、国民の日常生活において利便性が増す、あるいは重荷を背負っていただかなきゃならない、こうした点、非常に抽象的なお尋ねで恐縮でございますけれども、どんなことがあるんでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 行政改革、殊に中央省庁再編というのは、言うなれば尋常一様な手段ではできないよ、おまえたちはこの永田町の周辺では大変な抵抗もあるじゃないかそういう意味のお話だろうと思うのでございますが、このようなまさに五十年百年に一回見るようなまれに見る大きな法案の審議でございますから、政府もあるいは各政党も挙げて緊張感の中で常に関心を持ちながら、いろいろ先ほど申し上げまするように真摯に取り組んでいただいた、私はその集約の一つが今次の基本法案ではなかろうか、さように思っております。 それから、もう一つお話がありましたように、末端のお茶の間ではこのことはなかなかよく通じていないよというお話でございますが、私も決してそれを否定するものではありません。毎日このような議論をお聞かせいただきながら、頭を痛めておる一つの大きな課題であることも率直に申し上げます。 この行政改革、殊に中央省庁再編というものが持つ目的、役割あるいは国民生活に他日もたらすであろうその実効、効果というようなものをどうして理解をいただくか、役所に帰りましても役所の幹部や関係の諸君とそのことを常に話をしております。わかりやすく、肝要なところをきちんと整理して、そしてお茶の間で、例えば青少年たちでも、あるいはそのほかのいろんな各界の皆さんにわかるように努めて努めて汗をかいてみようじゃないか、これは耳しげく言っておるところでございますが、力足らずなかなか実効が上がっていないなという反省もいたしております。
○泉信也君 大変ありがとうございました。 ただ、先ほども議論がございましたように、わからないというのは、それでは税金がどれだけ安くなることになるのか、行政経費がどれくらい削減されることになるのか、せいぜい公務員が一〇%、これは純減なのか往復なのかいろいろ議論があるようでございますけれども、具体的に出てきたのはそれぐらいのことなんですね。省庁の数が半分になるということはわかっておりますけれども、そういうことが具体的につまびらかになるというのはこの基本法の段階ではあるいは難しかったかもしれません。しかし、そういうことは同時に出さなければ、国民は、国会は何をやっておるか、行政は何を意図しておるかということが私はわからないということを申し上げたかったわけであります。 そこで、次に移らせていただきますが、行政改革会議ではこの基本法の制定ということを想定していたのかどうかが第一点と、閣議における多数決の採用というものを提案しておられると私は思うんですが、この基本法の中に盛り込まれなかった背景はどういうことでしょうか。
○政府委員(坂野泰治君) まず、行革会議の最終報告がこの基本法を想定していたかということについてのお尋ねでございますが、行革会議長終報告自体は、この最終報告後の処理について特段政府に注文をつける、あるいは言及をするという記述は特にございません。その実現を求めるという趣旨の記述にとどまっておるわけでございます。 ただ、行革会議の発足の際に既に内閣総理大臣から、発足後一年内に成案を得たいこと、そして成案を得て国会に関連法案を提出することという旨のあいさつがございまして、それを当然の前提としてこの行革会議は審議を進めたということでございます。そして、この最終報告が出た後直ちに政府は閣議決定をいたしまして、基本法案を提出するということを決定したという経過でございます。 また、閣議の多数決に関する記述が最終報告にあることについて基本法でどうしたかということでございますけれども、この閣議の多数決に関する問題については、かつて、別にお尋ねがございまして申し上げたこともございますけれども、憲法において議院内閣制を採用して、その際、内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うこととされておりますことから、内閣の構成員すべてが一体として統一的な行動をとることが要請されておると考えられております。このため、閣議においては全会一致による議決を行うべきものとされておるわけでございます。 行政改革会議長終報告における多数決制の提言につきましては、閣議の議論を活性化するため、必要であれば合意形成に至る運用上の工夫として多数決の採用も考慮すべきであるとしているものでございます。閣議の意思決定のプロセスにつきましては、憲法の範囲内において内閣の自律にゆだねるものであり、閣議の意思決定のあり方については憲法で規定されております内閣の連帯責任の根本にかかわる問題でございますため、基本法案においては、これに関する規定を盛り込むことは行わなかったものでございます。
○泉信也君 大変丁寧な御説明をいただきましたけれども、そういう趣旨で行革会議が報告をされたとは思えないわけです。やはり何らかの強化をすべきだという発想が行革会議にあったと思います。 もうあと一分しかありませんので、もう一つだけお尋ねをいたします。 十五条の別表第二というものの考え方、この考え方は恐らく第二条の国が本来果たすべき役割を踏まえてつくられたと思います。私は、そのプロセスをお聞きしたいわけですが、この別表第二とこれからつくられるであろう設置法との関係というのはどういう関係になっておるかだけ、お答えは簡単にお願いします。
○政府委員(坂野泰治君) 別表第二は、新たに設置いたします省の主要な任務、機能を示しておるものでございまして、これを前提として今後各省設置法の所掌事務、権限等の規定の精査が行われるということだと思います。
○泉信也君 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○西川きよし君 先日はありがとうございました。本日もよろしくお願いいたします。五分という短い時間ですが、大切に使わせていただきたいと思います。 本日、私からは、本法案における交通安全対策の位置づけをどのように行われるのかまたその点について政府の方々のお考えをお伺いいたします。 現在、運転免許証を持っていらっしゃる方々が七千二百万人というすごい数です。国民皆免許時代とも言われているわけですけれども、一方、交通事故による不幸な方々もたくさんいらっしゃるわけです。人の生活と車の生活、私も長年地方行政委員会でお世話になりまして、いろんな角度から交通安全対策について質問をさせていただきました。ごく最近ではシルバーマーク、いい思い出になっております。 総理大臣自身もみずから交通安全キャンペーンに参加されるなど、積極的なお取り組みをなさっているわけですけれども、交通安全対策について、まず総理大臣のお考えからお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、第六次の交通安全基本計画を進めているわけでありますけれども、この中では、平成九年までに年間の交通事故死者数を一万人以下とするという計画を持っております。そして、さらに十二年までに九千人以下とすることを目指しております。 幸いと申しますか平成八年、平成九年、連続して死者は一万人を下回ることができました。しかし問題は、その中を見てまいりますと、実は高齢者の事故がふえている、あるいは若い人たちが逆に反動的にふえている。あるいは事故の結果を見ますと、これだけシートベルトの着用が声高に唱えられながら、ベルトをしておられたらというケースもあります。そういう意味では、負傷者の数は依然として増加しています。事故発生件数も増加しています。 そうした中で、これは国だとか地方公共団体だとか関係の民間団体、国民一人一人にどういう格好であれ呼びかけたい。そして、この目標に向かって、死者の数だけではなくて、事故件数そのものから減らしたい、負傷者の数も減らしたい。そうした思いで政府を挙げて交通安全対策はこれからも取り組んでまいりたい、そのように思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。 一昨年は交通事故による死者が一万人を下回ったということで、今御答弁にもございましたけれども、近年の交通事故の傾向などについてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(玉造敏夫君) お答えいたします。 平成九年中の交通事故の死者数は九千六百四十人で、平成八年に続きまして一万人を下回ったわけでございますが、交通事故の発生件数は七十八万件を超えまして、五年連続して過去最悪を記録しております。また、負傷者数は九十六万人でございまして、三年連続して九十万人を超えている状況にございます。また、社会の高齢化あるいは高齢者の社会参加の進展、こうしたものを背景といたしまして高齢者の死者の割合が急増しております。現在で全死者数の三二%を超える状況にございます。我が国の交通事故情勢は依然として極めて厳しい状況にあるということが言えようかと思います。 また、本年でございますけれども、昨日現在の交通事故死者数は三千六百五十人でございます。前年比で減少しておりますけれども、発生件数、負傷者数はほぼ横ばいということになっております。 以上でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 交通安全については、子供、お年寄り、そして障害のある方、さらには地域性、道路、町づくり、救急体制などのさまざまな問題があるわけです。現状では各関係省庁によって横断的にかつ総合的な取り組みが行われていると思いますけれども、現体制における交通安全対策の各省庁間の役割について午前中、総務庁長官にお伺いいたしまして、午後に移りたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○政府委員(大坪正彦君) ただいま先生の方から、関係省庁どんな役割をしているかということでございますが、今、関係省庁、外局を含めますと二十二省庁にわたっております。 そのうち主なものといたしましては、警察庁におきましては交通安全施設の整備、交通安全教育、指導、取り締まり、運輸省におきましては車両等運送事業の安全、建設省は道路整備、文部省は学校における交通安全教育、厚生省及び消防庁は交通事故被害者の救急救助、こういうようなものを今担当している状況にございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(遠藤要君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十時五十六分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、中央省庁等改革基本法案を議題とし、沖縄開発庁外人省庁を中心として質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○海老原義彦君 中央省庁等改革基本法案の審議もこれから集中審議ということで、いよいよ後段に入ったわけでございます。 総理、毎日本当に御苦労さまでございます。もうちょっとで、今度こそは本当にもう一息で、速やかに、また確実にこの審議を滞りなく終わらせてこの法案が成立いたしますことを私も強く希望するものでございます。きょうはなるべく総理の出番は少なくと思っておりますが、果たしてどうなりますことか。ただ、あちらにお並びの政府委員の皆さんもこれまで余り出番がなくてお気の毒でございますから、なるべく政府委員にも出ていただこうかと思っておるわけでございます。 初めに、小里総務庁長官に一言申し上げます。 総務庁長官の提案理由説明を伺っておりまして、私ほとほと感心いたしました。長官は自分の言葉で述べられておる。役人が書いた言葉を随分直して、自分の言葉で述べられておる。随所にそれが見受けられました。例えば、「複雑多岐にわたる行政課題」と印刷には書いてあるんです。これを「これまでと異なるさまざまな課題」と、こういうふうにお読みになった。こういうことが非常に大事なんです。実は、こういう法案の審議を国民にわかっていただくためには、こういうような心配りというのに本当に私は感服いたしております。 さて、それで質問に入りますが、この法案の基本理念、中央省庁改革に対する基本理念、第二条でございますけれども、この第二条は、これはさすがの小里長官も法律となりますとみだりに手を入れるわけにもいきません。事務から上がってくるまでの過程というのは、私も長年役人をやっておりますからよく存じておりますけれども、いろいろな過程でこういう文章になってしまったんだろうと思いますが、まことに難解でかつ難渋な文章でございます。 ちょっと読み上げてみます。 中央省庁等改革は、内外の社会経済情勢の変化を踏まえ、国が本来果たすべき役割を重点的に担い、かつ、有効に遂行するにふさわしく、国の行政組織並びに事務及び事業の運営を簡素かつ効率的なものとするとともに、その総合性、機動性及び透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする。 さっと読んでみまして、一回読んで意味がよくわからない。二回読んでもまだわからなかった。私、不敏なものですから三回読んだらよくわかりました。非常に法律的にきっちりと書いてある文章でございますけれども、ただ、法律的にしっかりしていても、やっぱり悪文であるということはぬぐえないのかなという気がするわけでございます。 どうしてこんな法律ができてしまったか。事務当局に聞こうかとも思いましたけれども、そういう誘惑に駆られましたが、これは聞いてもせん方のないことでございますから質問はしません。ともかく、一つには、「かつ、」という言葉がポツ接ぎで入るという、法律の常套手段でございますが、これで読み手を混乱させるということがあるわけでございます。 また「簡素」、「効率的」というような、あるいは「総合性」、「機動性」、これはいずれも国の行政機能の向上を図る話でございますが、それと並行して「透明性」といういわば行政の民主的な運営を図る、それを全く混在して使っておるというようなこともありますし、さらに言えば「自由かつ公正な社会」ということ、「公正」というのは、むしろ社会のあり方の目的というよりも行政に課すべき目標だというような気もするわけでございます。 そういったいろいろなことを思って読んでみますとだんだん混乱してくるんですが、ただ、わかりにくいというだけでありまして、中身的には非常にしっかりした基本理念がうたわれておると思うわけでございます。もう少し国民にわかりやすい、いわば透明性のある文章になればよかったなと思うわけでございます。 わかりやすいということで申しますと、平成八年十二月二十五月に閣議決定になった行政改革プログラム、これは非常にわかりやすく書いてあります。プログラムの前文で四つの実現を挙げている。まず第一が「新時代に対応できる簡素で効率的な行政の実現」、第二が「国民の主体性を尊重する行政の実現」、第三が「国民に開かれた信頼される行政の実現」、第四が「国民に対する質の高い行政サービスの実現」と。これは非常に簡潔に力強く目指す目標をうたっておるわけでございまして、こういった明確な理念が法律にしてみるとこんな文言になってしまうのかなと。 ただ、こうやって難渋な悪文になるということは、行政改革理念が後退したんじゃないかという疑いも持たれるおそれがあるわけでございます。私は決してそんなことはないと思っておりますけれども、これは総務庁長官のお口から、はっきりと打ち消しの言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 今、先生お話しいただきましたように、平成八年十二月二十五日の閣議決定の行革プログラムのことでございますが、御指摘のとおり、今次の基本法案のいわば重要な参考になりました行政改革会議の取りまとめは、御指摘のこの閣議決定の行革プログラムを織り込み済みでございます。御承知のとおり、平成八年十一月に発足をいたしました行政改革会議でございまして、その過程からも御理解をいただけると思います。
○海老原義彦君 この行革プログラムの精神は、いささかも変更されずにこの法案に盛り込まれておるということでございますが、私はこの中で一つ、二番目の「国民の主体性を尊重する行政の実現」ということを取り上げて伺いたいと思うわけでございます。 この精神は、読んでみますとこの法律の随所に盛り込まれておるということは私もわかるんですが、事務当局だと長くなりますから、長官、たびたび御足労ですが、もう一度長官の口から、こんなところにも盛り込まれておる、こういうこともあるということを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) まさに四つの項目の中におきまして、劣らず重要な一つでございます国民の主体性の尊重云々のお話でございますが、経済構造改革、財政構造改革あるいは社会保障構造改革、教育改革など、行政改革に限らず本内閣が進める諸改革に共通する大前提でございます。そのような十分な認識のもとに対応をいたしたものでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○海老原義彦君 この「国民の主体性を尊重する行政」ということで、私、一つ非常に心に感ずるところがございます。NPO法案というのがこの春参議院にかかりました。衆議院でぎりぎりの形で通ってきたものでございますけれども、参議院ではこれを大幅な修正をしまして、ほとんど全会一致に近い議決でもって衆議院に凱旋させたという実績があるわけでございます。その修正案の提案者の一人として、ほかの提案者がだれか聞くかと思って待っておったんですが、だれも質問しないものですから私が取り上げざるを得ないかなと思います。 このNPO活動というのは国民の主体性によって行われる社会貢献活動でありまして、アメリカなどでは政府部門と民間経営部門と並んで社会経済に大きな影響を及ぼす第三の部門と言われております。このような活動の自由な形成を促進するということも国民の主体性を尊重する行政の実現の大きな要素であると思われます。これに対する御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 国際化や高齢化が進展する中におきまして、活力ある豊かで安心できる社会を構築していく上で、ただいま海老原委員のおっしゃいましたように、政府部門、企業部門と並びまして第三の部門とも言うべき民間非営利活動部門、すなわちNPOの活動は今後ますます重要な役割を果たしていくというふうに認識しているわけでございます。したがいまして、こうしたNPOの活動を促進することは、今回の行政改革の基本理念の実現に大きく寄与するものであるとも考えている次第でございます。 経済企画庁といたしましては、本年三月に成立いたしました特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法におきまして、二カ所以上の都道府県に事務所を持つ団体に関しましては所轄庁としての役割を与えられていることもございまして、都道府県等とも密接に連絡をとりつつ、この法律の円滑な施行に努めてまいる所存でございます。 また、政府全体といたしましても、こういう取り組みを初めといたしまして、この第三の部門としてのNPOの活動を促進するための環境の整備を進めるなど、今のお話のとおり、国民の主体性を尊重する行政の実現に向けてさらに努力をしていく所存でございます。
○海老原義彦君 ありがとうございました。 行政改革によって省庁再編して、所管はいろいろと変わるかと思いますけれども、このNPO活動の推進ということは政府に課せられた大きな責務であろうかと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 当委員会のこの法案の審議の初日のときに、総理の答弁の中に、私は教育あるいは国民文化の継承、醸成というように承ったんですが、そういったものが極めて重要である旨の御答弁があったわけでございます。これは敷衍して考えれば、教育というものは国民文化の継承である、また新しい国民文化の醸成である、非常に大事な話でございまして、私も全く賛成でございます。 残念ながら、この基本法は、趣旨からしてそういったものを織り込むような話になっていないということもありまして織り込まれておりませんけれども、これは今後設置法などの段階でこの理念を盛り込むようによろしくお願いしたいと思うわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の省庁再編に当たりまして、行政改革会議で、まず二十一世紀において国の行政が担うべき任務あるいは機能は一体何だということにつきまして、私自身が提案をいたしました国家機能の四分類、そうしたものもその中の一つとして提供をしながら自由闊達な御論議をいただきました。その中で、議員が今指摘をされました教育や国民文化の継承、醸成というのは、私流に国家機能を分類いたしましたときの一つの重要な柱だと考えております。 そして、こうした観点は、創造的な人材の育成、あるいは学術や文化の振興を国の主要な機能、任務の一つとして考え、こうしたものに対する対応、あるいはこれを有効にまた効率的に担うことのできる新たな省庁体制が必要、そうした認識の中で、この法律案におきましても新たな教育科学技術省の担う主要な任務、機能としてこれを位置づけております。本法案を成立させていただきました後に、中央省庁等改革推進本部がスタートをし、新たな設置法の制定など、まさに新たな省庁編成を具体化していくそのプロセスにおきまして、こうした基本的な考え方が十分に体現されますように十分私としても意を用いてまいりたい、またそうした意味での御支援をもお願いを申し上げたいと存じます。
○海老原義彦君 教育の問題は二十一世紀の日本を考える上で極めて重要だと思います。現在、例えば公務員の汚職絡みの問題とかいろいろな問題が山積しておりますけれども、これも一つには教育あるいは伝統文化の継承に欠けるところがあるからじゃないかというふうに私は思うわけでございます。 昔、山鹿素行という人が武士道を説いておりますけれども、武士道の究極は天下国家のために尽くすことである、そういう精神は江戸時代から明治時代に引き継がれて、明治の先人たちは皆その気持ちを持っていたわけでございます。 昭和になりましてもそういった吏道というものは脈々と残っておったわけでございますが、今や吏道地に落ちてあんなことになってしまったというのはまことに情けない。私も公務員の先輩として本当に情けないことになったと思っております。 そういう日本に二十一世紀の日本をしないためにも、日本の持っておるすぐれた精神的な文化というものを教育の中で子供たち、孫たちに引き継いでいくということは非常に大事なことだと思いますので、このことについては行政改革の後になっても十分生きていくように、よろしくお願いしたいと思います。 さて、次の問題に移ります。 主として省庁間の、これからだと府省間と言うんでしょうか、府省間の調整ということについて申し上げたいと思います。 府省間の調整につきましては、二章や三章でいろんな条文の中にさまざまな表現で規定されておりますけれども、このいろいろな表現に書き分けた理由は何だろうか。 幾つも表現があるんです。私数えてみたら大体六つぐらいございました。ちょっとまとめたので読み上げてみますと、「政府全体を通ずる一元的な調整」、これは外務省の技術協力関係でございます。それから「政府全体を通ずる調整」、これは外務省の開発援助関係でございます。それから「政府全体を通ずる総合調整」、これは総務省の人事管理でございます。それから「関係府省の間における調整」、これはいろいろございます。例えば、少子・高齢化社会の対策であるとか交通安全対策であるとか統計であるとか。それで「関係府省の間の調整」、これは研究開発。それから「関係行政との間の調整」、これは環境省でございます。 そういったように、いろいろな表現にこれは微妙に書き分けているんだろうと思います。 大きな違いとして、「総合調整」という言葉と「調整」という言葉とある。まず、それはどう違うのかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 「総合調整」の用語についてだけ申し上げたいと思うのでございますが、もう御承知いただいておるかと思いますが、内閣におきまして、内閣官房及び内閣府に限って用いているところでございます。 なおまた、これは内閣官房及び内閣府が内閣及び内閣の首長たる内閣総理大臣を補佐する立場から行う政府全体としての総合的な調整をあらわすものでありまして、いわば対等な立場における調整である各省間の調整とは異なるものでございます。
○海老原義彦君 今、私が引きました例は総務省の人事管理の問題でございますが、これもよく読んでみれば内閣総理大臣を補佐する機能でございますので、全くおっしゃるとおりだと思います。 そのほか、細かく書き分けていますのは、それぞれちょっとニュアンスを違えるのはどういう意味なのか。これは事務方の方で御発言いただいた方がいいかと思います。
○政府委員(坂野泰治君) 総合調整についてはただいま小里大臣から御答弁申し上げたとおりでございますし、また総務省に関する総合調整については先生御指摘のとおりでございます。 そのほか、先生御指摘の「政府全体を通ずる調整」という用例、「一元的な調整」あるいは「調整の中核」、そういう用語をここにそれぞれ使用しておるわけでございます。 「政府全体を通ずる調整」というのは、まさにその対象になります事項が政府全体に及ぶそういう問題について、調整の対象の広がりを端的にあらわすために使用しておるわけでございます。 また、「一元的な」という文言をつけ加える技術協力等の文言については、これが相当多数の府省庁にまたがるものについて、それの一元的な調整という趣旨を明確にするために「一元的な」というものを加えて使用しておる例でございます。 また、「調整の中核」という用語を使っております場合につきましては、これは省間の調整システムの条が別にございますけれども、その調整システムにおきまして調整のイニシアチブをとってその中核となるべき省を特定することが必要な場合、そういう場合に使用しておるということでございます。 なお、この調整の中核と似たニュアンスで「横断的な調整」と表現をしておるケースがございます。これは環境省の部分について特に使っておるわけでございますが、この環境省は環境行政におけるまさに調整の主体になる役割はもう既に当然持っておるわけでございまして、この調整については政府各省にかかわるいわば横ぐし的な調整であるということを明確にあらわしたいということでそのような表現を使っておるわけでございます。 いずれにしても、これらの表現の差は、行革会議におきましてそれぞれの省の機能について御論議があり、それぞれの省について特に留意すべきであるという点で最終報告に盛り込まれましたので、その表現をできるだけ忠実に反映した形で条文化しておるものでございます。
○海老原義彦君 「二十八条に規定する政策調整のための制度を積極的に活用することにより、」という文言、あるいはちょっと表現が違って、「二十八条に規定する政策調整のための制度の活用等により、」というような文言もございますけれども、こういう文言がついておる調整と、この文言がついていない調整とあるようでございます。ついていないというのは二十八条を適用できないということになるわけですかね。二十八条を適用できるかできないかというのはまた非常に違いがあるんだろうと思いますが、そこら辺についての技術的な説明をお願いします。
○政府委員(坂野泰治君) 結論から申し上げますと、二十八条の規定の適用は、この先生御指摘の「二十八条に規定する政策調整」という文言、二十八条という引用があるなしにかかわらず適用があるわけでございますが、ただ、御指摘の部分についてわざわざ「二十八条に規定する政策調整のための制度」と書きましたのは、行革会議長終報告の実はインターエージェンシーという表現で使っておる部分を法令に置き直した書き方でございます。 このインターエージェンシーというのは、各省調整のためのいわば委員会と申しますか、そういう仕組みをきちんと使う、そういう意味で、これはアメリカなどの用例をいわば片仮名でそのまま使ったというケースでございます。こういうような仕組みを大いに活用していく必要がある、そういう趣旨で行革会議の最終報告にわざわざ注記をされておるケースでございます。 そういうインターエージェンシーの活用というものを法令にあらわすために「二十八条に規定する政策調整のための制度」、二十八条の中にはそういう各省間の会議なりそういうものを使えという条項がございますので、そこを見ていただきたいがために二十八条というものをわざわざつけたということでございます。
○海老原義彦君 そうすると、頭に二十八条が冠してなくともいつでもこの二十八条を発動できると、どの調整にも発動できるということでございますね。 もう一つ伺いたいわけでございますけれども、総合調整、そういった調整機能を行使するためには当然企画立案能力がついていなきゃできないと思うんです。ほとんどの条文に「企画立案及び総合調整」と書いてあるんですけれども、企画立案のない裸の総合調整というのも出てきておる。これはただ、総合調整というから当然企画立案も含むんだと。これはちょっと大事な問題でございますので、大臣、ひとつお願いいたします。
○政府委員(坂野泰治君) 先生の御指摘の箇所は、多分この内閣府の所掌事務で「青少年健全育成行政に関する総合調整」と、ここで裸で使っておる部分を御指摘のことだと思っております。 この内閣府の該当条文でございますが、これはまさにごらんのとおりでございますが、青少年健全育成行政に関する総合調整を内閣府の任務として位置づけるという趣旨で書いておるわけでございますが、この場合にありまして、内閣府の総合調整はもとより受け身的な調整のみを言うものではない、むしろ積極的な調整を行うものであるというように考えておりますし、またその意味でここに規定をしておるわけでございます。 したがいまして、その積極的な調整を行う以上、当然に必要な企画は行い得るし、この文言に含まれておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○海老原義彦君 企画立案は含まれておると、これはもう文言に出なくても当然のことなんだというふうに解してよろしいわけでございますね。もしそうでないとすると、企画立案しないのに調整だけするというのは本当に不思議なことでございまして、それは論理上おかしいなという気がしたのでちょっと伺ってみたんです。 ただ、この調整ということは非常に大変なことでございまして、各省庁それぞれの縄張り、それぞれの省ごとの政策目的があって政策上の論理を立てておる。これは別に省益とかそういうことじゃなくて、それぞれ信ずるところが違うわけでございまして、どうやったら日本国のためになるかというアプローチが省によって違うということを調整していくというのは大変なことでございます。 私は環境庁が非常に御苦労なさったろうと思うんですが、京都会議の日本案を策定したときに、環境庁は関係省庁ともう何度も何度も会議をやった。一体何回ぐらい会議をやったのか。また、これに要した期間はどれぐらいかかったのか。それから、何度もたたき台の案をつくったと思うんですが、それはどれぐらいつくったのか。そういった御苦労話をひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(浜中裕徳君) お答えを申し上げます。 京都会議の日本案の策定をいたしましたときの会議をどのぐらい行ったのかというお尋ねでございますが、この日本案と申しますのは先進国各国の温室効果ガス排出量の数値目標などについてのものでございまして、そもそもこれは平成七年にドイツのベルリンで開かれました気候変動枠組み条約の第一回締約国会議以来、我が国といたしましても国際的な合意の形成をいたすべく政府部内で調整を重ねてきたものでございます。とりわけ、昨年六月のデンバー・サミット及び国連環境開発特別総会の成果を受けまして、昨年七月から数値目標などに関する我が国の提案を発表いたしました十月初頭まで約三カ月にわたりまして提案内容について関係する省庁の間で随時会議を開催いたしまして調整を行ってまいりました。 こうした会議に参加いたします省庁はその時々に応じてさまざまで一定していなかったということもございまして、お尋ねの回数でございますけれども、私どもも必ずしも正確に数えがたいところもございますが、局長や部長レベルの会議だけをとりましてもたしか二、三十回ぐらいはやったというふうに記憶しております。また、課長や担当者レベルの会議は連日のように頻繁に開催をしたというふうに記憶をしているわけでございます。 また、たたき台のようなものは何回ぐらいつくったかというお尋ねでございますけれども、この具体的な数値案につきましては、各国が合意できるようなさまざまな可能性を検討して政府部内でのたび重なる調整を経て練り上げたものでございまして、何か第一次案、第二次案というようなものを順次作成して修正していったというプロセスではございませんので、何回ぐらいつくったかという点につきましては、そのままお答えはできにくい状況でございますが、そういうことで、要はさまざまな可能性を検討して、たび重なる調整を経た上で練り上げたということでございます。
○海老原義彦君 本当に御苦労なことだったと思います。 これは環境の問題しかり、また交通安全の問題しかり、関係省庁の代表する思想がそれぞれ違うわけでございます。何が国益になるかというのが違うわけでございまして、その間の調整をとっていくというのは非常に大変なことでございます。 ですから、私は、この二十八条の適用ももちろん必要でございますけれども、そのほかに内閣として統一保持上必要な総合調整へ格上げするということも機動的に行っていくのがいいんじゃない分なと思うわけでございます。あらゆる可能な手段を使って国としての政策を練り上げていく、そのためのいい例が環境であり、交通安全であると思うんですが、そこら辺の総理の御見解を賜れますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来の御論議にもありましたように、この総合調整あるいは調整というテーマを大きく三つに分けておるわけであります。 一つは、内閣官房による総合調整であります。 またもう一つは、議員が御指摘になりました内閣府、すなわち担当大臣による総合調整。そして、この総合調整の中には、強力な総合調整権として、受動的な調整だけではなく、その企画あるいは積極的な発議、調整というものを含んだものであるということ。そして、必要な調整課題について担当の大臣を置き、当該の担当大臣が強力な調整権、これは提案でありましたり、資料や報告の徴収でありましたり、拒否、指示等を付与される、当然そういう措置をしておくわけでございますから、それぞれは非常に強力な機能を有することになります。そして、必要な場合には、調整の場として関係閣僚会議あるいはその他の調整会議を設定し、計画の策定、推進等を行うわけでありまして、私は従来に比べて調整というもののルールが随分明確化したと思います。同時に、その調整という部分における要求される機能、その範囲も非常に明確になったと思います。 ですから、私は、今仮に例えば内閣府の総合調整に係らしめていない、すなわち、それぞれの担当閣僚、当該大臣に付与された調整というもので対応できない場合に、これを切りかえていくことについても弾力的であっていいと思います。同時に、今から、この問題は例えば内閣府の調整でなければならないとか、あるいは何々と決めつけることが私は必ずしもいいとは思いません。 先日来の御論議の中でも、例えば男女共同参画、これなどは本当にすべての行政に絡んでいくわけでありますから、まさに強力な総合調整を必要といたします。まさにそういう形態を想定しております。 恐らく、けさほど来の御論議の中での総合交通安全といった分野に関しましても、関係する省庁は非常に広いわけであります、現在のルールでも。再編されました場合におきましても複数府省にまたがることは当然あり得るわけでありまして、ケースによりまして、例えばその男女共同参画のように、どういう形態をとった場合であってもすべてに絡む、これは非常に強力な総合調整権限を発揮できるような位置づけを当初から必要といたしますし、個別に出てまいります調整というものはその場に応じ、既にルールを明確化しておるわけでありますから、その位置づけは非常に従来より明瞭になる、そのように考えております。
○海老原義彦君 総理の御趣旨は私も全く同じ考え方でございます。もう少し私なりに私の好きなところを強調して申し上げますと、基本的には内閣府が行う総合調整というのをみだりに規定すべきではない。男女共同参画のような極めて重要な基本的な問題に限定すべきであるけれども、しかし、本来二十八条の調整にゆだねるべきことも、機動的に内閣府で吸い上げるという体制も必要であろう、こういうふうに理解してよろしいわけでございますね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、場合によってそういうことはあり得るだろうと思います。 今たまたま男女共同参画を一つの、将来ともに各府省にまたがる、しかも非常に大きなウエートを持つ総合調整の必要性のあるテーマとして例示を挙げました。しかし、一般的な調整という対象のものでありましても、その時点において、先ほど例に挙げられました例えば昨年のCOP3に対応するための意見調整、こうした通常の調整権限のみで対応できないとなりました場合に、私は機動的な対応はできると考えておく方が将来に対しても有益であると思います。
○海老原義彦君 ありがとうございました。全くおっしゃるとおりだろうと思います。また、今度の省庁改革基本法の中でその精神が貫かれて非常に調整がやりやすくなった。それで、調整権と言っては語弊がありますけれども、ともかく調整の中核となるべき組織は何かとか調整の方法をどうするかということをかなり踏み込んで考えておられるということで、非常に前向きな姿勢の法案だと思うわけでございます。 さて、次の問題に移ります。二十九条の政策評価機能でございます。 この政策評価ということは恐らく我が国では初めて導入される新しい行政機能であると思いますが、アメリカあたりでは有効に機能して国民に裨益しているところが大きいんだということも、余り私は詳しくないんですが、これはちょっと事務的で結構でございますから、諸外国の先例などを引いて、この制度を導入すれば大変いいんだぞというお話を、ひとつこれはまた坂野さんの方からお願いしましょうか。
○政府委員(坂野泰治君) 諸外国の評価制度につきましては、例えばアメリカの例を申し上げますと、政府業績結果法とでも申しましょうかそういう法律が一九九三年に制定をされておりまして、行政サービスの具体的成果を定量的に明らかにするなど種々の試みがなされておるわけでございます。また、イギリスやカナダやニュージーランドなどでも評価の試みがさまざまな形で行われております。また、州レベル、地方公共団体レベルでも諸外国でさまざまな試みがあるというふうに聞いております。 我が国におきましても、これまで例えば行政監察機能の一環として行政評価という点についてのさまざまな努力もされてきておりますし、最近では公共事業についての評価の動きなど、いろいろ各省においてさまざまな努力がされておるわけでもございます。 この基本法の政策評価は、こういうような動向を背景にいたしまして政策評価制度の充実強化を図って、政策の効果を厳正かつ客観的に点検をし、その効果を政策の不断の見直しや新たな政策立案に反映させていきたい、そういう趣旨で設けられております。 このような制度が機能いたしますれば、例えばこれまで法案の策定とか、予算の獲得とか、新しい施策の新設とか導入には非常に重点が置かれておりましたけれども、ともすればその後の政策の効果分析や見直しの機能が軽視されがちであった点がかなり改められて、国民の立場に立った、あるいは国民本位の政策運営を実現していく上で非常に大きな効果があるものと考えております。
○海老原義彦君 この政策評価ということは従来監察の一環として行われていたというお話もございましたけれども、そうはいっても余り聞いておらぬのです。我が国の行政で評価という言葉を最初に導入したのは恐らく環境影響評価、環境アセスメントだろうと思うんです。これは事前評価でございまして、今度考えている政策評価のような事後評価ではないということで、大分違うわけでございます。環境アセスというのも当初は、一体どんなことをやるのかなという内容は一部の人にしか知られていなかったわけでございますけれども、今ではこれは非常に大事なことなんだ、ある事業の実施に当たって環境への負荷を最小にするにはこういった手法がいいんだなということがわかっておるわけでございます。 政策評価の方は、これは非常にいいことだという前向きな評判は方々で聞くんですが、その割には、じゃ具体的にどんな内容、どんな手法を使って、何を目安にして政策効果を図るかどんな手法で分析評価するかそういうことがわからない人が多いと思うんです。ひとつそこら辺の御説明をいただけませんか。
○国務大臣(小里貞利君) これは先生むしろ大変豊かな見識をお持ちで、今お話をお聞かせいただいておるところでございますが、まず何といったって、先生から今お話がございますように、事前評価というのはお互いやってきたなと。しかしながら、一たび制度や政策、予算を決定して執行してから振り返ってみること、そしてそこで評価をして一定の反省、総括を加えて、そして真実にその目的、成果を果たしておるか、その辺の一つの効果分析というものが必要じゃないかとおっしゃる意味の今時の評価の取り入れ方、これはもうおっしゃるとおり、非常に私は重要な一つの要素であると。また、今次御相談を申し上げておりまする基本法におきましてもそのことに注目をいたしまして、きちんと政策の効果を厳正かつ客観的に点検しなけりゃならないように、その辺を組織の上でもチェックしていこうというところに新しい今次法案の特徴があると。 具体的には、一つは先ほどお話がございましたように、また申し上げましたように、府省における政策評価部門の確立、二つ目には府省の枠を超えた政策評価機能の強化、あるいは三つ目に政策評価に関する情報の公開と、その制度の基本的な枠組みにつきまして規定しているところでありまして、行革会議におきましても、御承知いただいておりまするように、それらの評価の客観性を得るように心得なさいと、こういうことなども整理してあるところでございます。 これから、この基本法を国会で意思決定いただいた後、省庁設置法に向かって十分注意をしながら対応していかなけりゃならない、さように思っております。
○海老原義彦君 今のお話で、この法律における評価の取り組みはよくわかるのでございますけれども、この法律の枠を超えて考えてみますと、今お話しの各府省の中での評価、それからもう一つは府省の枠を超えた評価、いずれも行政の内部の内部評価でございまして、やはり何らかの外部評価が必要なんじゃないかと。外部評価として、例えば国会にそういう評価の専門機関をつくるとか、そういうこともあるいは必要かもしれませんし、その他全く独立的な第二者機関をつくるというような中間的な案もございましょうけれども、そういうことについていかようにお考えになりますか。
○国務大臣(小里貞利君) 国会が行政の監視機能を強化されるという観点から率直に申し上げますと、憲法の諸規定を踏まえ活動されることは大切なことだと思っております。 また、そのあり方につきましては国会みずから御判断されるべきものであるとも思いますし、その意味におきまして、当院、参議院では時代の変化に対応した行政の監察のあり方等をテーマにされまして調査会を設置されまして、そして精力的に議論を積み重ねておいでになりますこと、敬意を表しておるところでございます。
○海老原義彦君 では、次の質問に移ります。 人材の一括管理のための仕組みの導入でございます。国家公務員の一括管理のための重要なポイントは、一括採用ということに尽きるのかなと私は思うのであります。尽きると言っては語弊がある、それは管理職の任用における内閣総理大臣の任命権とかそういったものも必要でございましょうけれども。ただ基本的に、おれは何省へ入りたいんだ、おれは大蔵省の行政をやりたい、農林省の行政はやりたくないんだと、こういう人は結局その省の行政の視点でしか物を見られない、国全体としての統一的な視点に立てない人でありまして、そういう人は国家公務員になってもらいたくないと私は思うんですね。こういう点で、一括採用というのは基本的に必要だと思う。 省益あって国益なしと申しますけれども、それはその省の役人の権益とかそういうせせこましい話ももちろんございますけれども、重要な問題でございますが、それを抜きにしましても、本当に国のために尽くすつもりであっても、一定の角度からの物の見方しかできないぞと。一定の分野で、例えばこの業界を育成することが国のためだというのと、それから公害を排除するためにはこの業界にこういう規制をかけるべきだというのと対立するというようなことであってはならないのでありまして、やはりそのためには一括採用ということが一番必要な措置かなと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、議員が御指摘になりましたように、縦割り行政の弊害を是正する、そうした観点から考えましたときに、各省庁のセクショナリズムにとらわれずに国益全体を重視できる公務員がどうすれば育成されるか、これは大変重要なことであります。 そして、そうしたための方策として、行政改革会議の最終報告におきましては、幹部職員の人材情報を総合的に管理する、人事交流を推進する、幹部職員の昇任などに関する総合調整など人材の一括管理のシステムというものに関し今後の検討の基本的な方向が提示をされました。また、一括採用につきましても、その一括管理システムの検討状況を踏まえた上で引き続き検討を進める必要があるという指摘を受けております。そして、政府としてはこの最終報告の内容に沿い、まさに議員が御指摘になりましたような見地を踏まえてさらにこれを具体的に検討していきたいと考えておりますが、この議論のプロセスにおきまして幾つか懸念を提示されました部分もございました。 例えば、外交という分野を考えましたときに、一括採用という仕組みの中で、非常に特殊語学といいますか、少数の国でのみ通用する語学の専門家は果たしてそういう状況の中で受けてくれるであろうか。あるいは非常に大事でありますけれども大変限られた専門分野を中心として仕事をしていってもらう、そうした職種にどれだけの応募者を確保することができるだろうか。例えば、非常に特殊なケースでありますけれども年金数理といったもの、あるいはその他、殊に理数系と申しましょうか、特定の分野の専門的知識をもって、先ほど議員が言われたような特定の業界を育成するとかいうことではありません、特定の分野を注視してもらうような役割に必要な人材がそれで確保できるだろうか、そういった問題も提起をされました。 私どもはやはり一括管理のシステムというものをきちんと行える状態にしていかなければならないと思いますし、その延長線上に一括採用という問題が必ず出てくると思っております。それまでに今出されましたような、その行革会議の論議の中ではこうすれば確実にその部分においても人材は吸収できるはずであるといった特効薬のような考え方はまとまりませんでしたが、そうした部分についての検討は一括管理システムの検討状況の中で今後一層工夫を必要とする部分だと考えております。
○海老原義彦君 実は、総理が今御説明になりました最後の部分について私一言申し上げたいことがございます。 少数民族の話学という話からふっと思いついたんですが、少数民族という言葉が官界にございます。例えば建設省では古く、このごろは言わないかもしれませんが、古くは五族共和と昔の満州国みたいなことを申しました。五族共和というのは何かというと、満州国だったら一番多い民族は何といっても漢民族です。それから女真族とか蒙古族とか朝鮮族とか、大和民族も含めて五族だと、こういうことであります。建設省の場合は一番多い民族は法律行政である、そのほか土木だ建設だ、一番小さい民族は園芸という、何かちょっと建設省にふさわしくないものがあるんですが、この園芸というのは都市公園をやるんだと。それで最後は都市公園課長で終わる、もうそれより上へは行けないから政界へ出るしかないと、そういうような流れでございますけれどもね。都市公園課長から政治家になった人は何人もいるんですよ。 それで、そういうような少数民族というものを、一人ずつに聞きますと、例えば土木を専攻して運輸省へ入っている人がいる。運輸省は港湾だけしかないけれども、建設省へ回ればもっと広い分野ができるぞと。化学を専攻している人なんというのは各省に少しずついて、それぞれの省の採用だからそこから出られない。少数民族は国境を越えて移動した方が有利なんですね。 そういうことから考えましても、そういった方々の処遇のためにも一括採用がいいのかなと私は御提案申し上げたいと思うわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 五族共和というのは私、本当に幼いころに聞いた覚えのある言葉でございますけれども、それから五十数年たって伺うとは思いませんでした。 ただ、議員が今指摘をされましたようなそれぞれの省庁における採用数の少ない専門的な職種、これは確かに省庁の枠組みを越えた人事運用が必要である、そういうことを検討しろということは既にこの行革会議の最終報告においても指摘をされております。そして、これは一括管理システムというものを進める上でメリットとして考えられているポイントの一つでございます。 ですから、そうした御意見というものは十分私ども理解できますし、その上で、逆に非常に専門性を持つ本当に数少ない、あるいは毎年必ずしも必要としないが、二年なり三年なりに二人はそうした分野の専門家を国家公務員の中に絶えず新たに補充していく必要があるといった分野、そうしたものを考えますと、なかなかこの点がこれから先の工夫を必要とするところであるという指摘もまた真実であろうと思います。 今の御指摘は、私自身も興味深く拝聴させていただきました。
○海老原義彦君 いろいろと御工夫いただきまして、いい制度を組み立てていただきたいと念願する次第でございます。 もう残り時間も少ないので、あと一、二問という感じでございましょうか。行政情報公開のあり方について詳しく聞きたかったんですが、一つだけ伺いましょう。 行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる行政情報公開法でございますね。これで、行政文書の公開制度の確立、運用を図るということになっております。情報公開法では、公開の前提として、行政文書の分類、作成、管理、保存、廃棄などに分けると。 それで、廃棄される文書の中にもなかなか大事なものがあるわけでございますね。どういうものを保存、管理し、どういうものを廃棄するか、または廃棄する中で歴史的に、あるいは国として長く保存すべき文書はどうするか、そういうことについてどのような基準で判断されることになるかということだけ伺います。
○政府委員(瀧上信光君) 情報公開法案の第三十六条におきましては、それぞれの行政機関の長が定める行政文書の管理に関する定めに規定すべき基本的な事項を定めることといたしております。その中で、ただいま御指摘の行政文書の分類、保存、廃棄の基準につきましては、この法律とその政令等を踏まえまして、それぞれの行政機関の組織における個別具体的な業務の実態を踏まえつつ、対象となる行政文書の種類や性質、重要性等に応じて政府を通ずる統一的な基準の設定、そしてその明確化といったことに留意をしてまいりたいと考えております。
○海老原義彦君 要するに、なかなか統一基準は立てにくいよ、それぞれの省庁で考えなさいなということだと思うんですけれども、やはりこれも何か統一的なものがあった方がよろしいんじゃないかと私は思うんです。 それからもう一つ、どこにどういう文書があるかということをネットワークシステムをつくって管理するということも大事なことじゃないか。また情報公開というのは、もう一つには国民の意見を入れていくということも非常に大事でございまして、この五十条の二項は大変重要な話だろうと思っております。 時間になりましたが、もう一つ意見開陳させていただきます。(発言する者あり) ではやめましょう、ちょうど時間でございますから。(拍手)
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 きょうは、私は、今提案されております中央省庁等の改革基本法案について、いろいろな側面からの検討が必要だと思いますが、専らこの法案あるいはこの法案に基づくこれからの中央省庁再編成の動きと地方分権の推進という動きが今後どのようになっていくのか、そういう観点から幾つかお尋ねをしたい、あるいは幾つか確認をしたい、こんなふうに思っております。 最初に私の問題意識を簡単に述べておきますと、せっかく分権推進委員会から勧告が出されて、それに基づいて推進計画がつくられて、これから来年にかけて具体的に法改正の準備をして、いよいよ地方分権の推進、具体的な大きなステップにこれから踏み出そうとしているときだというふうに私は理解をしているわけです。ところが、下手をすると今回の法案に基づく中央省庁再編成の動きはそういう地方分権の具体的な推進を阻害しかねないというふうに私は危惧しているわけであります。むしろ、積極的に地方分権の推進を具体的に進めながら、その中でどう中央省庁の再編成をするかというこの基本を忘れてしまうと、一体何のための改革基本法だったのかということになりかねない。こういう危惧がありますので、そういう点で、幾つか改めてお尋ねすることを含めて確認をしてまいりたいと思います。 まず第一に、幾つかのこれからのスケジュールについて、どんなスケジュールで進められようとしているのかということについてお尋ねをしておきます。 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、地方分権推進委員会から勧告が出されました。四次にわたる勧告が出されて、それに基づいて、つい先週ですか、五月二十九日に地方分権推進計画が閣議決定をされました。さて、そういうところまで来て、今後その地方分権の推進ということについては具体的にどういう課題についておおよそどんなスケジュールで進められようとしているのか、ちょっと確認をしておきたいと思います。 私が記憶するところでは、そもそも地方分権推進法は五年間の時限立法でありまして、既に三年近く時間を経過しているということもありますので、そのことも念頭に置いて、今後のスケジュールがどんなふうに動いていくのか、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 政府といたしましては、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告がなされました後、これを最大限に尊重するということで計画の作成作業に取り組んでまいりまして、去る五月二十九日、計画を閣議決定し、国会に御報告したところでございます。 今後は、計画内容につきまして各省庁と相協力いたしまして法案化作業を急ぎまして、原則として平成十一年の通常国会に所要の法律案を提出するなど着実に実施してまいります。 なお、既に計画作成前に、勧告指摘事項の前倒し措置といたしまして平成九年には自治法改正によります外部監査制度の創設、あるいは新たな行革指針の策定などの措置を講じておりますし、また、今通常国会におきましても、権限移譲のため、農地法の改正、都市計画法の一部改正が行われているところでございます。 さらに、地方分権の一層の推進に向けまして今後とも積極的に取り組んでいくことが必要であると考えておりまして、昨年末、総理から地方分権推進委員会に対しまして、市町村への権限移譲を含む国及び都道府県からの事務権限の移譲などの問題につきましてさらなる検討をお願いしているところでございます。 今後、この地方分権推進委員会において作業をいただいておりますが、それにつきましても結果を受けまして努力をしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと今の御説明で確認をしておきたいんですが、分権推進委員会から四次にわたる勧告が出されて、それを踏まえて地方分権推進計画を策定した、さらに加えて総理からの指示もあって分権推進委員会の方でいわば第五次に向けた勧告の作業をやっていただいていると、こういうお話であります。 そうすると、この第五次の勧告というのはいつごろ、どんなふうな予定で検討が進められているのかということと、それから、仮に第五次の勧告がまとめられた場合にはその推進計画を追加、補強するという形になるのかどうか。ちょっとその点、二点確認しておきます。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 現在、分権推進委員会におきまして検討している事柄につきましては先ほど申し上げたところで、市町村に対するさらなる事務移譲を中心として検討が行われておるわけでございますが、それがいつごろをめどにまとめられるかということは、現在、推進委員会において論点整理、項目整理をいたしている段階でございまして、まだ私ども承知をいたしておりません。 分権推進委員会での御検討の結果どのような形で御意見あるいは勧告が取りまとめられるかも私ども承知していませんが、いずれにしても、それを受けまして適切に措置をしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 いずれにしても、地方分権推進の具体化について言えば、推進計画を受けて、それに基づいて来年の通常国会で相当多くの関連法案の改正という作業になるのかなというふうに理解をいたします。 さてそこで、では次に、現在審議をしております中央省庁の改革基本法案、これが成立をした場合には、その後どういう作業プロセスを経てその具体化に結びついていくのか。その作業スケジュールについて、できるだけ今の時点で明確にできるところを御説明いただければと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 私の方から概要を御説明申し上げたいと思います。 もとより、今次の参議院でこの審議を終結いただきまして、幸いにして、また念願いたしておるところでございますが、国会の意思を御決定いただければ、できるだけ早い時期に、総理が間髪入れずそれを受けて推進本部を設置せよ、そういう強い指示でもございますが、私どもはその指示に従いまして、参議院で決定いただきまして四、五日もいたしますれば公布になると思います。内閣としてそれを受けて、閣議で政令をさらに決定し、そして推進本部のいよいよ設置となるわけでございます。推進本部の構成についてはもう省略申し上げますが、総理大臣が中心で各閣僚が構成メンバー、そして強力なると申し上げましょうか、まさにこれを手がたく推進するための推進本部の組織体制の整備に入る。 そして、その作業は、まず省庁設置法はもちろんでございますが、内風法あるいは国家行政組織法等々関連法の新しい法律、あるいはまた既存の法律のいろいろ加除修正等もあろうかと思いますが、それらの一連の法制定作業が明年の三、四月ごろをめどにいたしまして進んでいくものと、いかなけりゃならぬ、そういうふうにされなけりゃならぬと思っておるところでございます。したがいまして、来年のそのころには、いわば平成十一年の国会にもろもろの関連法案を提案して御審議をいただけるものと、そういう方向でございます。 さらにまた、その先のことを申し上げまして恐縮でございますが、二〇〇一年一月一日という目指しておりまする目標がございますから、それを一つの目標に確固としてさせていただきたい、そういう気持ちがあるわけでございます。明年、関係法案を御相談いただき、国会の意思を再度御決定いただきましたときには、その次の年度、すなわち平成十二年度の予算にきちんともろもろの、二〇〇一年一月一日を目標にした組織に移行するための諸経費等を中心にいたしまして予算の御相談を申し上げなけりゃならぬ。以上のような一つの作業でございます。 なおまた、先ほど議員の方からお話がございました地方分権等にかかわるいろいろな新たな施策も、先ほど自治省から説明がありましたような動きと並行いたしまして、また緊密な連携のもとに、従来も基本法の構築においてもやってまいりましたが、これからはなおさらのこと、地方分権に関することのみならず、その他のもろもろの問題もそれぞれ関係省庁と連絡をとりながら周到に総合的に対応していかなけりゃならぬ。そういう行程であろうと思っております。
○朝日俊弘君 より具体的にどうされるかということについてはまた後でお尋ねします。 少なくともここで極めて明確なのは、一方で地方分権の具体的な推進、とりわけ関連する法改正が来年の通常国会に相当多くの関連法案の提出ということで出てくるであろう。一方、今審議をされている中央省庁の改革基本法、これが仮に成立をすれば、それに基づく各省庁の設置法等関連する改正法案がこれまた来年の通常国会に相当数出てくるであろう。こういうタイムスケジュールになっているということだと思うんですが、だからこそその基本的な考え方を今きちっと押さえておかないと大変困ったことになるという冒頭に私が申し上げたような危惧が存在するということで、ちょっと具体的に法案の中身について一、二例を挙げてお尋ねをしてみたいと思います。 今回提案されております中央省庁の改革基本法案の中身の中で何カ所か地方分権の推進にかかわる記述があるわけです。これは当然あってしかるべきだと思うんですが、ただ各省庁の編成方針を条文別にずっと読んでいきますと、地方分権の推進にかかわる観点というか、あるいは地方分権の推進をどの程度念頭に置いて各省庁の編成をしていくのかという問題意識の立て方が何か必ずしも明確ではなくてばらばらになっているんじゃないかという気がしてならないわけであります。 そこで、一、二例を挙げてお尋ねをしたいと思います。 まず一つは、第二十条に財務省についての記述があります。財務省については、「国と地方を通じた徴税の一元化については、地方自治との関係及び国と地方を通ずる税制の在り方を踏まえて更に検討すること。」というふうに書かれているわけですが、これは法文に「更に検討すること。」と書くのは一体どういう意味があるのか、どういう思いでこの条文をあえて書かれたのか。「更に検討する」と、方向によっては全然違ってくるわけですので、そこのところをちょっと御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) まず、前段の方を私が簡単に申し上げまして、後ほどまた、 基本法案におきましては、ただいま先生お話しのとおり、地方分権の推進を中央省庁等改革の基本方針としておりまして、すべての省を通じた方針としてこれを設定したところでございます。これは御承知いただいておりまするように、今までの準備本部、推進準備をしてまいりましたこの本部におきましてもあるいは行革会議におきましても、閣僚を構成メンバーとし総理大臣を本部長とする一つの会議を設けまして、そこで十分な連携のもとにやってまいりましたことは御承知いただいておるところでございます。 さらにはまた、具体的にはこれを第四条で中央省庁等改革の基本方針はここですよ、あるいはまた第三十二条でその中央省庁再編の有力な、最も大事な軸の一つである例えば減量、効率化等はこういうことでありますよ、その推進方針はここですと。あるいは第五十一条におきましては、先生お触れの地方分権について地方分権委員会のいわゆる勧告を尊重して着実にこれを実施し、及び地方行財政制度の改革についてさらに本格的な推進をしてまいりますということをもう既に基本法でも規定をいたしておるところでございまして、その辺の前後のいわゆる乖離による障害がないように十分緊密な連携をとって、あるいはまた先ほども自治省からお話がありましたように、ある意味では概要として前向きでこれを取り込んでおりますと、こういう状況でございます。
○政府委員(坂野泰治君) 財務省の編成方針に係る規定につき、国税庁に関する部分についてのお尋ねでございました。 この国税庁をめぐる行革会議の論議でございますけれども、御承知のとおり、中間報告におきまして、「徴税における中立性・公正性の確保の必要性に鑑み、また、税制の簡素化、地方税徴収機構との一元化に向けて、これを大蔵省から切り離した組織とすべき」だというような考え方と同時に、他方、地方自治との関係から問題であるとする見解、両方が中間報告で示されたわけでございます。これを受けまして、その後行革会議で種々論議が交わされて、その結果最終報告として、ほぼごらんの条文に沿った指摘が最終報告で行われたというものでございます。 この基本法は、その最終報告におきます結論をほぼ忠実に条文化をしたということでございますし、この法律の持つ意味は、政府に対してこの検討を義務づける、そういう意味が生じるということになるわけでございます。
○朝日俊弘君 検討をする義務が生ずる、結論はどっちに転ぶかわからぬ、こういうことですね。よろしい、この問題は。要するに、そういう表現にとどまっているということをまず確認したかったわけです。 それでは、もう一つ例を挙げます。多分もう既に先ほど大臣の方のお答えで、基本方針全体にかかわる部分についてはちゃんと規定をしてあるんだというお答えになるのかもしれませんが、それにしても、各省庁別の編成方針でその地方分権にかかわる記載の仕方が物すごく濃淡があるんですね。 例えば、第二十二条の国土交通省については、「所管行政の全般にわたり、地方分権推進委員会の勧告を着実に実施する」、こう書かれている。あるいは第二十三条の農林水産省のところでは、「地方公共団体の役割について、その拡大及び地方分権の徹底を図る」、こういうふうに書いてある。ところが、ずっと読んでいきますと、例えば第二十四条の環境省、これは新しく設置されることになると思うんですが、あるいは第二十五条の労働福祉省、この両省については、地方分権にかかわる、あるいは地方公共団体の役割等々についての記載がないんです。 私は、環境省にしろあるいは労働福祉省にしろ、そこが所管をする行政というのはほかの省庁よりもよほど地方公共団体が行う行政との密接な関係があるというふうに思いますし、むしろそういう意味では、これからの地方分権の推進にかかわって、あるいは地方公共団体が担う業務にかかわって、この省庁が行う業務との関係をきちっと記載すべきではないかというふうに私は思うんですが、この辺についてはどうでしょうか。
○政府委員(坂野泰治君) 先ほど小里大臣から御答弁申し上げたような形で、この法案全体の方針はそれぞれの条のところで明らかにしておるわけでございます。 その上に立ちまして、先生御指摘の例えば国土交通省について、地方分権推進委員会の勧告の実施ということを強調して書いておるわけでございますが、これはこの委員会でも種々御論議がございましたように、公共事業というものについてはまず国と地方の役割を徹底的に見直すということが極めて重要であるという観点から行革会議でも論議が行われ、その結果、最終報告に盛り込まれておるということでございます。 また、御指摘の農水省につきましても、農水省の行政について、今後地域の役割を強化していくという点についてはかなり重視した論議が重ねられた結果として、またそのような指摘があるということでございます。 なお、労働福祉省につきましても、「社会福祉、保健、雇用等における地域の役割について、その強化を図ること。」という規定を置いておるということでございます。 なお、御指摘のように、環境省の編成方針については国土交通省あるいは農林水産省のような規定がないということでございますけれども、これは行革会議の論議の経過からして、現在、環境行政のかなりの部分が地方公共団体を主体に種々行われておるという状況を踏まえたことと、もう一つは、国土交通省とか農林水産省のように、従来からいろいろ問題が指摘されていた部分とはやや性質を異にするのではないかというような点から最終報告には特に記載がなかったわけでございます。 もとより、先生御指摘のとおり、各省行政を通じまして地域の役割を強化する、あるいは国と地方の役割分担を見直すということは当然重要なことでございまして、基本方針を受けてこれは見直しが進められるものと考えております。
○朝日俊弘君 非常に苦しい弁解だと思うんです。一つ一つの説明についてきょうはここであえて反論はしませんが、要するに、かように中央省庁の再編にかかわる法案の中でこれからの地方公共団体の役割とかあるいは地方分権の推進、こういうことにかかわる問題意識がかなり濃淡がある、ばらばらではないか、そういう状態のままに中央省庁の再編成を先行させることには問題ありというふうに私は思うわけです。 ぜひここは総務庁長官にお尋ねしたいわけですが、先ほどの御説明では、基本的なところは基本方針のところにちゃんと書いてあるんだという御説明なわけですが、それにしても、新しく中央省庁のあり方を考えるに当たって、私はもっと徹底的に地方分権の推進ということを突き詰めて、ぎりぎりのところでなお残された部分を中央省庁としてどうするかこういうスタンスがにじみ出てこなければいけないと思うわけですが、どうもそれが感じられない。 このまま中央省庁の再編成を先行させることには甚だ危惧を感じるというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) もとより、議員が今おっしゃることを否定する気持ちは全くございません。 私は、むしろ今御配慮いただいておりまする点こそ、十分今までも注意はしてまいったつもりでございますが、今次この基本法案を御決定いただきまして、具体的に作業に入った段階にまさに十分な配慮をしながら進めていかなければならないことだと、こう思います。 特に、ただいま御指摘がありましたように、地方分権あるいは地方団体の新しいあり方、そしてその役割なりあるいは構成なり等々、さらにまた国とのかかわりにつきましてももう既に先ほどの第四次答申までのうちにおきまして基調的なところはかなり述べていただいておりますから、さらにまた、今次の実行計画におきましては総体的にかなり要綱的なものが鮮明になってきておりますから、それらを基軸に置きながら今次の中央省庁再編も具体的に進めていかなけりゃならぬ。中でも、私どもの足元を言いますと、中央省庁再編もまさに車の両輪のごとくその辺に重点を置きまして考えていかなければならない話だと思っておる次第です。 具体的な作業は、省庁再編そして地方分権等々の実行計画は出てまいりましたけれども、これから有機的そして具体的な連携のもとにただいまお呼びかけの点等を念頭に置いて進められるべきもの、さように思います。
○朝日俊弘君 私が先ほど申し上げたような心配な点というか危惧される点というのは、実はどうやら今回の法律案のベースになった行政改革会議の最終報告の場面でも相当議論がされたように読み取れます。 〔委員長退席、理事高木正明君着席〕 今回の中央省庁等改革基本法案のベースに行政改革会議の最終報告というものがなったわけですが、ただ、法案の中には必ずしも盛り込まれていない部分で、最終報告の中で相当のスペースを割いて地方分権の推進についての考え方が述べられています。 ちょっと、改めてこの部分について概要を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(坂野泰治君) 先生の御指摘の地方分権に関する考え方というのは、言われた箇所が数カ所あるんでございますが、例えば総務省の関係で記載されておる部分のことをおっしゃっておられるのか、あるいは行政の減量化の部分のことをおっしゃっておられるのかあるいは最終報告の最後に関連諸制度ということで地方分権の推進に関する記述がございますが、その辺の部分、どのあたりを念頭に置いておられるのかを教えていただきたいと思います。
○朝日俊弘君 すべてですが、主として一番最後の部分です。
○政府委員(坂野泰治君) 最終報告は、六章「その他」の部分で「地方行財政制度の改革」という節を起こしております。この節は、それまでの部分でるる地方分権の推進に関して必要な記述を最終報告が行った部分を受けてさらに念を押す形で記述をしておる部分というふうに御理解をいただきたいと思います。 その柱は全体で三つあるわけでございます。 一つは、地方公共団体におきます行政改革の推進。それから、二つ目が地方分権推進委員会の勧告の着実な実施に関すること。三つ目が、さらに新たな地方行財政制度に向けた本格的な取り組みに関する部分。この三つによっておるわけでございます。 そして、最初の二つはもう既に御理解のとおりだと思いますが、最後の「新たな地方行財政制度に向けた本格的な取組み」というところの記述でございますけれども、地方分権推進委員会が大きな成果を上げてきたということをまず指摘して、さらにこの分権を進めていくに当たっては、地方への財源、権限の移譲をさらに進めていく必要があること、あるいは地方における受け皿の整備を行うことが不可欠であること。このような観点から、地方公共団体の規模の問題、財源の問題、人材の問題に積極的に取り組む必要がある、このために本格的な検討を政府として進める必要がある、そういうことを述べております。
○朝日俊弘君 時間の関係で、十分改めての御説明をいただけないわけですが、私が申し上げたかったことは、この行政改革会議の最終報告の中でも数カ所にわたって地方分権の具体的な推進、あるいは今後のより本格的な推進にかかわっての記載があって、そういう中で中央省庁の再編成の問題というのを位置づけられている、ここのところを強調したかったわけであります。 そこで、今度は自治大臣にぜひ御見解を賜りたいわけです。 つまり、冒頭お尋ねしたように、現時点は地方分権推進委員会からの四次にわたる勧告を受けて、それに基づいての推進計画ができて、来年、法改正を含めてどうやって具体化できるか、こういう段階に到達しているというふうに私も認識しているんです。 ただ、先ほど御紹介をいただいたこの行政改革会議の最終報告の中での認識は、例えば地方公共団体の規模の問題、あるいは財源のあり方の問題等まで触れておりまして、そういう意味では、分権推進委員会がようやく四次にわたる勧告を提出し終えたけれども、地方分権はまさにこれからが制度の根本に踏み込んだ大きな改革を必要とする段階に来ているんだというふうに述べているわけですが、この点についての大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおりでございまして、四次にわたる勧告を最大限尊重いたしまして、五月二十九日に地方分権推進計画が決定を見たところでございます。 今後でございますが、地方分権を総合的、計画的に推進していくためには、まずは地方分権推進計画を着実に実施していくことが必要であろう、このように考えます。 それを申し上げて、本計画を着実に実施するということになると、地方分権の一層の推進に向けてどういうふうにしていくんだということでございますが、まず一つは、地方への一層の権限の移譲、二つには、地方税財源の充実強化、三つ目には、市町村の自主的な合併の推進等、委員がおっしゃいました地方分権の担い手であります地方公共団体の行政体制の整備確立と。市町村合併でいくのか、広域行政でいくのかというようなことも含めた受け皿づくりというものにより積極的に取り組んでいかなければならないものと、このように考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと物足りないので、もう一度お尋ねします。 つまり、先ほど私が紹介をした行政改革会議の最終報告の中では、例えばこんな表現があるんです。これからの地方分権の受け皿となる地方公共団体の規模拡大の問題。大臣は、市町村合併の問題とか、あるいは広域行政の問題とか、比較的より現実的、具体的課題について触れられましたけれども、この中では、これからは「ひいては道州制等地方制度の在り方を抜本的に変革していくことも視野に入れなければならない。これは、国と地方の関係の根幹、まさに「この国のかたち」にかかわる問題であり、」、これは司馬遼太郎の言葉のようですけれども、そういうことについて「全政府的に取り組むべき課題である。」というふうに、私から見ると非常に格調高く踏み込んだ指摘をしているというふうに思うんですが、そういう課題も含めてまだまだ地方分権というのはやらなきゃいけない課題がこれだけあるんだよということを指摘されていると思うんです。 その点について、もう一度大臣の受けとめ方をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘の道州制の問題でございますが、さまざまな議論が行われておる中の一つでございます。道州制等につきましては種々さまざまな内容も持っておるわけでございまして、じゃこれらのものがどうだと、一概にこれを評価することは非常に私は困難ではないのか、また賛否両論あるわけでございますから。現行の都道府県制度が実態的にも意識の上でも国民の皆様に定着しておる。ある意味では定着の度を非常に高めておること等を考えれば、直ちに府県を廃止しまして道州制を導入するということは、慎重にこれは検討しなければならない問題ではないのか。 ただ、今後の分権推進というものを考えれば、膠着した考えではなくて、幅広に地方行政体制という受け皿づくりについては考えていかなければならないもの、私は効率的なこの分権を受ける受け皿づくりというものは柔軟に対応すべきものではないか、このように考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと誤解をされていると思うんですが、私は直ちにここで道州制どうですかということをお尋ねしたわけではないんでありまして、具体的にそのことが最終報告の中で記載をされている。それで、規模の問題とか財源の問題とがあって、むしろ、四次にわたる勧告が出されて、ようやく推進計画がつくられたところであるけれども、地方分権について言えばまだまだ今後本格的に検討しなければいけない課題があるので、本格的な検討体制の確立が必要であるということで最後に結んでいるわけですよ。そこの点の認識はどうですか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、分権を進めていきますと必ず行き当たることがある、それは財政問題だと思います。地方に出まして地方団体の皆さんと意見交換をし、また皆さんのお気持ちや御意見をお聞きしますと、必ず、仕事だけふえたのではたまらぬというのが本音なんです。それで、分権を効果あらしめるものにする、また分権されたものを確実に実行していくということになれば、私は幾つかの問題があると思います。 そこを委員がお尋ねであるとすれば、まず地方分権を推進していきます。その受け皿づくりの行政体制の整備というものをどうするかというのは、これはやっぱり地方自治体、行政体の皆さんが自主的に判断をされるものではないか。自主的に判断をされるけれども、広域行政でいくのか、合併でいくのかということになれば、私は市町村の合併の方が効率的ではないかという考え方に立つものでありまして、その行政体制の整備確立という点では、分権という新たな事態があるわけですから、都道府県のありようというものは、これまでとは違った形で市町村合併については対応をしていただかなければならないものという考え方を持っております。 他方、分権を進めますと、財政問題でございますが、財政は地方財政計画では八十七兆九百六十四億円でございまして、そのうち一般歳出が七十三兆四千億ございます。その一般歳出の七〇%は社会保障費、教育費、公共事業の投資であります。この七〇%を各省庁がお持ちでございますから、分権がそこまで踏み込んだものとするなれば、私は当然それは国民の求める方向でもあり、地方団体が求める方向でもあるのではないか。 財政問題との連動がありますから、そうなると当然、地方交付税率はこのままでいいのか。二つ目には、消費税の国と地方の配分の率というものはそのままでいいのか。また法人税の中に外形標準課税を地方税として導入するのかどうか。これらの問題は当然議論をされなければならないものと、私はそのように認識をいたしておるわけでございまして、分権だけ取り上げて考えるわけにはまいらない。 財政もあり、行政体制の整備という問題もこれは連動したものとして、私はセットされた形で対応していかなければならない。加えて、行政改革は怠りなく取り組んでいかなければならない問題でございまして、特に国、地方を通じた歳出の見直し等を含めて総合的に対応していかなければならないものと、このように考えております。
○朝日俊弘君 どうもすれ違っています。 確かに、大臣がおっしゃったような具体的な幾つかの課題について検討して答えを出していかない限り、地方分権の推進の具体化にはならないと思いますから、それが課題であることは十分認めますが、私が今この時点でお伺いしたかったことは、これはもう時間がなくなってきましたから最後に総理にお尋ねします。 もう一遍言います。ようやく今、地方分権推進委員会が四次にわたる勧告を出して、それに基づいて推進計画ができた。来年それに基づいていろんな法改正があるであろう。いよいよ地方分権の推進については具体的な段階、大きなステップを今迎えている。しかし、さらにこの地方分権のあり方を突き詰めて考えていけば、先ほど来何回も申し上げているように、規模の問題とか財源の問題とかさらにもう一歩踏み込んだ検討をしなければいけなくなるであろう。つまり、これから地方分権のさらなる具体的な推進に向けて本格的な検討体制の確立が必要であるということをこの最終報告は言っているわけです。 さてそこで、具体的な問題で言えば、ところが分権推進法では、地方分権推進委員会は五年間の時限措置で設置されているわけですから、もう既に三年近くたったわけで、あと残る期間が二年ちょっとしかない。こういうような状況をどう考えるのか。つまり、地方分権を推進していくための、あるいはプロモートしていくための、あるいは監視していくための機構というのが何か要るんじゃないだろうか。そういうものがもし仮に分権推進委員会でないとすれば、今度新たに設置される総務省の中にそういう新たな機能と役割を果たす機構を設置するお考えがあるのかどうか。この点を最後にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に大事な御指摘をいただいたことにお礼を申し上げます。 まさにこの行革会議長終報告をまとめますとき、さらにこれから先の地方分権というものを考えなければならない、その場合に、規模の問題と財源の問題と人材の問題というものに積極的に取り組む必要があるという指摘をいたしました。それを受けてこの基本法は、五十一条の第二号に「地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進める」という規定を置いたわけであります。そして将来これを考えましたときに、委員が御指摘になりましたような分権の推進体制をどうするかということは当然考えなければなりません。 地方分権推進委員会の設置期限が平成十二年の七月でありますから、まずその間、この地方分権推進委員会が機能を十分に発揮してくださることによって、当然のことながらそのチェックの機能、あるいは場合によってはより積極的に推進する方向性を指示していただける機能、これは当然のことながらお果たしをいただけると思っております。 その上で、実は先ほどの総務庁長官の答弁を伺っておりまして私ちょっと気になりましたので、これは訂正するとかなんとかではなくて、事実問題としてお聞きをいただきたいと思うのでありますが、私どもこの基本法関連の作業も急ぎます、分権関係の作業も急ぎます、当然ながら来年の通常の予算関連の法律案等の作業もございますと、法制局長官の意見を聞きませんと、三、四月とさっき長官が言われましたので、その点が私もちょっと心配になりまして、これは多少留保をさせていただきたい。むしろ法制局長官と総務庁長官と十分御相談をいただいて、改めて大体のめどはお示しをしたいと思っております。 いずれにせよ、私は、地方分権推進委員会の今までの活躍にも敬意を表し、同時に、残る期間十分な役割を果たしていただけると考えており、監視あるいは警告、推進、あらゆる意味で分権推進委員の任期のある限りこれを変えるつもりはございません。
○朝日俊弘君 以上で終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○牛嶋正君 公明の牛嶋でございます。よろしくお願いいたします。 私は、平成八年秋の臨時国会の代表質問をさせていただきましたが、そのとき総理に対しまして、行革は地方から始まるということを申し上げたことを記憶しております。今でも、今の中央集権体制を地方分権型に転換していくためには行革は地方から始まらなければならないと確信しております。こういう観点からきょうは御質問をさせていただきたいと思います。 それで、きょうはまた時間が非常に限られておりますので、できるだけ論点を明確にするため、非常に押しつけがましく資料を配付させていただきました。 まず、この別表の公共部門における事務及び事業の分類表を最初に説明させていただきまして、論点をはっきりさせていきたいと思っております。 国が行う事務にいたしましても地方公共団体が行う事務にいたしましても、私は二段階に分かれて事務というのは執行されているというふうに考えております。第一段階は、国民や地域住民のニーズをできるだけ正確に酌み取り、そしてそれを適正なサービス水準という形で反映させていく、サービス水準の決定のプロセスであります。第二段階は、これは第一段階で決定されましたサービス水準に基づいて実際の事務が行われているプロセスであります。 今回の基本法におきましても、今私が申しました第一段階のプロセスを企画立案機能というふうに呼んでおられます。私は前からこの考え方を持っておりまして、実は私は計画事務というふうに呼ばせていただいております。第二段階のプロセスは、この基本法では実施機能というふうに呼んでおられます。これは私もそのまま実施事務というふうに呼ばせていただいているわけです。 この表は、計画事務、実施事務を国とそれから地方公共団体がどういうふうに分担しているかということに基準を置いてつくらせていただきました。そうしますと、よく言われております機関委任事務とかあるいは団体委任事務というふうな性格がよく御理解いただけるのではないかと思っております。 国の事務というふうに呼ばせていただきましたが、これはもちろん計画事務もそれから実施事務も国が分担をしていく部分であります。問題は、地方自治法第二条で言っております地方公共団体の行う事務でございますけれども、これは今申しました第二条では四つに分類しておりまして、固有事務、団体委任事務、機関委任事務、行政事務というふうに分けております。 このうち固有事務というのは、計画事務それから実施事務ともに地方が分担している部分であります。 団体委任事務は、今ここに書きましたように、計画事務のところが国と地方が一応関係をしているというふうに説明できると思います。 機関委任事務は非常にはっきりしておりまして、計画事務は国が、そしてそれに従って地方が国の一機関としてその実施事務に当たるということでありますので、ここが地方分権のところで一番問題になってくるわけであります。 行政事務も団体委任事務と同じでありまして、計画事務のところを国と地方が分担して、そして実施は地方ということであります。団体委任事務と行政事務の違いは、事務の性質によりまして行政事務の方は規制行政が主でございます。 こういうふうに見ていきますと、今までの地方分権の議論というのは非常に限られていたのではないかと。ほとんど機関委任事務に限られていた。それから、今回の事務あるいは事業の減量、効率化の議論というのは、大体国の事務のところが中心であるというふうに思うわけであります。 ですから、問題は団体委任事務と行政事務のところなのでございますけれども、事務量からいいますとここが非常に多いわけでございまして、このあたりからちょっと明らかにしていきたい、確認していきたいと思います。 まず、国の事務とそれから地方公共団体が行う事務の割合でございますが、これは予算ベースでいきますと大体一対二というふうに承知しておりますけれども、公務員数で言った場合どういうふうな割合になっているのか。総務庁長官と自治大臣の方にまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(河野昭君) 国家公務員数と地方公務員数というお尋ねかと思います。 一応、国家公務員数の中から国会あるいは裁判所の職員、自衛官を除かしていただきますと、大体約八十四万九千人でございます。それに対していわゆる地方公務員は、これは九年四月の数字でございますが、約三百二十六万人でございます。
○牛嶋正君 こういうふうに見ていきますと、国の事務に対しまして、これは公務員数だけで事務量をはっきり比較することは難しいと思いますが、先ほど私が申しました予算ベースでの比較も含めて考えましても、相当地方公共団体の行う事務量の方が多いということは言えるわけです。しかし、計画事務に関しては国が関与しているということになるわけであります。そして、一番きちっと関与しているのが機関委任事務ということです。 そこで、ちょっと自治大臣にお尋ねしたいわけですが、地方公共団体が行っている事務の中の四分類でございますけれども、この割合はどんなふうになっておりますでしょうか。もしできましたら公務員数で知りたいんですけれども、これは非常に難しいと思います。御説明いただけますか。
○政府委員(鈴木正明君) 平成十年の地方自治法改正後の数字で申し上げます。 地方自治法の別表第一と第二、これがいわゆる団体委任事務、都道府県と市町村でございますが、その合計で項目数は四百二十六項目でございます。第一が二百二十一項目、第二が二百四項目。それから別表第三、第四これが機関委任事務というものでございまして、その項目数は合わせまして五百六十七項目でございます。別表第三が三百七十八、別表第四が百八十九項目ということでございます。 なお、現実に地方公共団体でこれらの事務は混然一体となって行われていますので、従事している職員数というのはちょっとつかんでおりません。
○牛嶋正君 今の別表第一、第二、それから別表第三、第四の事務の種類から申しますと、団体委任事務、機関委任事務、ほぼ同数ぐらいかなというふうに思います。しかし、事務量からいいますと、私は団体委任事務、それから行政事務がもつと多いというふうに思っております。そういうふうに考えますと、この団体委任事務、行政事務というのは、地方公共団体の中で行われている事務の中でも少なくとも二分の一ぐらいを占めているというふうに思っているわけであります。 ところが、先ほども申しましたように、これまでの地方分権の議論というのは主として機関委任事務に集中しておりました。そして、今回の基本法におきましても、事務の減量、効率化に関しましては国の事務の方にかなり議論がなされているわけですが、そういうふうに見ていきますと、事務量の中でかなりのウエートを占めております団体委任事務、行政事務というのが手薄になっているというふうに考えます。 そうだといたしますと、スリム化を考えていく場合にそこのところが落ちているということになりますと、余り全体のスリム化は期待できないのではないかというふうに思っておりますけれども、総務庁長官、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 議員からお話がございますように、機関委任事務などを中心にいたしました私どものお互いの議論というものは、かなり強く論議し、そしてまた論点も、先ほどから話がございますように整理されてまいりつつあるかなと思うのでございます。きょう改めまして議員から行政事務あるいは団体委任事務の御指摘をいただきながら聞かせていただいておるところでございますが、今までも関心がなかったわけではございませんけれども、まさにこの中央省庁再編の機会に、自治大臣あるいは自治省とよく相談しながら吟味し、また対応するべきことだ、そういうことを感じております。 殊に、地方公共団体に対する国の関与については、御承知のとおり、先ほどの地方分権推進計画におきましても五百六項目の個別の国の関与の廃止あるいはまた縮減を盛り込んでいるところから考えましても、非常に象徴的にこの辺にも出ているかな、そういう感じを受ける次第でございます。
○牛嶋正君 何となく地方分権の議論に物足りなさを感じるのは、私はここの点ではないかなというふうに思いますね。しかも、先ほど私が申しましたように、国と地方の役割分担というのは機関委任事務がはっきりしているわけですね、計画事務は全部国がやって、それに従って地方公共団体が実施するわけですから。ですから、非常に問題にしなければならないのは団体委任事務のところと行政事務のところなんですよ。 というのは、計画事務が国と地方で分担されていると。しかも、国と地方のここの関係が、余りみんな注意されないけれども、私は機関委任事務以上にコントロールされているというふうに思いまして、きょうはそこの点に絞って、自治大臣と少し議論をさせていただきたいと思います。 事務事業の減量、効率化という文言がこの基本法ではしょっちゅう出てまいりますけれども、その意味するところは何だろうかということです。これがきちっと減量、効率化していくためには、私は二つ条件があると思うんですね。 第一の条件というのは、先ほどもちょっと申しましたように、国民あるいは地域住民のその事務に対するニーズ、これをきちっと正確に把握をして、そしてそれに合った適正なサービス水準を決定して、そして事務を行うということだろうと思うんです。私は、これを需要側の条件というふうに呼んでいるわけであります。 ところが、先ほどの表をもう一度見ていただきたいと思うんですが、団体委任事務の場合、ほとんどは国から法律あるいはまた省庁から政令や省令が出されまして、ほぼ一方的に全国一律のサービス水準の基準が決められるわけですよ。地方公共団体がそれに対してどれだけ裁量の余地があるかというと、私はほとんどない感じだと思っております。 そうだとしますと、私は、そういう国と地方のこの計画事務のところの関係でもって、先ほど申しました第一の条件が満たされるだろうかということであります。今まではそれでよかったと思うんです。というのは、住民のニーズというのは余り多様ではなかったんですよ。生活に必要なものばかり中心に今までサービスを提供しておりましたから、大体住民のサービスに対するニーズというのは同質的だったんですよ。ですから、全国一律であってもよかったわけですけれども、このように生活の様式が多様化してきて価値観も変わってくる、ニーズも多様になってくるということになると、今のこの関係はまずいと思います。 ですから、そこのところをどうすべきかということを本当に真剣に考えなければ、本当の地方分権も行政改革もできないんではないかと私は思いますが、自治大臣のお考えをお聞きします。
○国務大臣(上杉光弘君) 大変重要な点を御指摘になったと思います。 ただ、行政というものだけを純粋に考えれば委員御指摘のとおりだと思いますが、地方団体には地域住民のニーズを酌み取る議会制度があるわけでございまして、当然議会制度の機能というものは行政運営の中には反映されなければならないものと、私はそう思っておるわけでございます。したがって、行政だけをとらえると委員御指摘のとおりでございますが、議会制度のもとで行われる執行というものについてはそういうものがあるのじゃないかと。 ただ私、前にも議論申し上げましたが、この行政体制全体のもとで一般歳出の面で事業を進めるということになると、この七十二兆四千億の約七〇%は福祉、教育、公共事業です。これは国が法律も制度も予算も人の配置まで決めて地方ではどうすることもできない、そういう形で取り扱っているものがあるわけでございます。 したがって、地方の分権というものはそこまで含めたものになるのかそこまでずっと切り込んだものに私はなるべきだと思いますが、そういう点がこれから大きな議論をし、また分権推進委員会等で方向づけをされ、またそれを受けた政府の決断というものがあろうと思います。
○牛嶋正君 非常に重要な点に差しかかってまいりましたので、また私の意見をちょっと述べさせていただきたいと思います。 先ほどの別表で、行政事務、それから団体委任事務のところを見ていただきたいと思うんですが、計画主体のところを国と地方を私並べて書きました。これでいきますと、いかにも計画事務を進めていく場合に対等の形をとっているように見えるわけですが、今も上杉自治大臣がおっしゃいましたように、補助事業なんかになってまいりますと全部上から決まってくるわけです。そうしますと、地方の裁量というのはほとんどないわけであります。ですから、私はこの図はちょっとまずいと思っております。国を上に書いて、それも太い字で書いて、地方は小さい字で書かなければならないのではないかと思っております。 しかし、そういう形で続けていくならば、私はいつまでたっても第一条件、すなわち地域住民のニーズを、幾ら議会政治、議会制度があったとしましても行政には反映できないのではないか。ですから、私はこれからの地方分権のあり方というのは、上下ではなくて、もう一度この表にありますように国と地方を横並びに書かなければならないということであります。 議会のお話が出ましたけれども、議会で予算を審議する場合に、単独事業とそれから補助事業というふうなものが上がってきた場合に、議会の先生方は多くの場合、単独事業は非常に地域住民の要求があるにしても、まず補助事業からやろうというふうなところが見受けられるわけです、実際の議会。 ですから、制度としては非常にきちっとできておりますけれども、よく自治大臣がおっしゃいますように、やっぱり財源的な裏づけがなければ議会も必ずしも地域住民のニーズを酌み取るようなシステムにはなっていないと思いますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 当然なことでございまして、財政、財源を基本にして政策を打ち出すわけでございますから、幾ら議会サイドからこれが地域住民のニーズだといって政策を要求しても、財源に限りがある以上は思ったようにニーズが酌み取れるという結果にはならないことの方がむしろ多い場合もあろうかと思います。 しかし、そこには必ず執行権と議決権の間の予算編成時における調整があり、議会に対する我々のささやかな経験で申し上げますと、予算編成時にはそれぞれの政党がそれぞれの予算を伴う政策についてきちっと執行部に申し上げる機会というものはあるわけでございます。そういうものを踏まえて、極めて民主的、合理的、効率的に予算編成というものはなされ、政策というものはなされるものだ、私はこう思っておるわけでございまして、今後ますます地方分権が進められていけば財源が伴わなければならないことはもう御指摘のとおりです。 だから、私はこの議論の中でも申し上げておりますように、当然安定的に地方財政を確立して地方分権を確実に進めていくためには、交付税率はこれでいいのか午前中総理からもその点は触れられましたが、消費税の国と地方の配分のあり方はこれでいいのかあるいは外形標準課税の導入等はどうするか、こういう安定的に、平均的に税収を求められるというものについても、これは同時に分権とあわせて議論をされるべきものではないかこのように考えております。
○牛嶋正君 これまでも地方自治の議論では、主に自主財源の確保というふうな財源問題が中心であったかと思います。しかし、私は、これからの地方自治を確立していくに当たりまして重要なのは、財源問題も重要ですけれども、むしろ個々の地方公共団体の行政能力ではないかというふうに思います。 ですから、先ほど計画事務のところで地方公共団体が力をつけて国と同列にというふうに申しましたけれども、私は、個々の地方公共団体が行政能力を十分に身につけるということが大前提だと思っております。 ただ、私もこの行政能力についていろいろな分析をさせていただきましたけれども、財政力とは違って測定が非常に難しいんですね。財政力ですと、財政力指数もありますし、一人当たりの税収額もありますし、いろんな比較の基準があるんですけれども、行政能力というのは、これは非常に目に見えないものでございまして比較の基準がないということ、これが一つ。しかし、実際にいろいろな地方公共団体の行政を分析いたしますと、はっきりと格差はあるということなんです。ところが、財政力の場合は格差は財政調整制度、交付税制度は今おっしゃいましたけれども、そういうもので調整できるんですが、行政能力は調整できない。 私は、そこがこれからの地方分権の非常に重要な点であり、本当に難しい点だと思うんですけれども、自治省はこの行政能力の地域間格差というものをどういうふうに認識されていて、その是正にどういうふうな手を打とうとされているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 地方分権を進めるに当たり、御指摘の点は極めて重要なポイントでございます。 御指摘の地方公共団体の税財源の充実確保のみならず、それを効果的にというか効率的に運用していく、あるいは取り組んでいく地方公共団体そのものの行政能力は、その向上というものが私は強く求められておる、地方分権を進めるときですからなおさらのことでございます。 行政能力は、その性格上、外から、他から付与させるものではございません。これは、やはり個々の団体がみずからの自覚とそういうものに対する認識によって努力をし、向上させていくという筋合いのものではないか、またその課題は極めて地方団体に求められた重要な行政課題である、私はこのように認識をいたしております。地方公共団体におきましても、長期的かつ総合的な観点からこれに取り組んでいただかなければならないものと、このように思っております。 それから、行政能力の基本と言えるものは職員一人一人の資質に係ることが非常に大きいわけでございまして、職員十人一人の資質の向上に対する努力というものはこれは当然のことでございます。加えて、その一人一人を生かす職場環境の整備もまた重要でございまして、自治省といたしましても、学習的風土づくりは職場研修の充実、また多様化を盛り込んだ人材の育成、基本方針の策定や地方公共団体間における人事交流の推進なども強く要請をしていきたいと考えておるわけでございます。 また、行政能力の向上には規模の拡大も重要であると考えておりますが、市町村の自主的合併も推進をした上で行政基盤の拡充を図り、分権というものがしっかり受けとめられるような対応というものを地方においてはひとつ十分していただきたい、このように考えておるところでございます。
○牛嶋正君 今までの議論をお聞きいただきまして、この問題について一言総理にお尋ねしたいわけです。 と申しますのは、私は、行政能力の向上の問題、これは時間をかけてそれこそ個々の地方公共団体が地道に努力をしていかなければ高まらない、向上していかないものだというふうに思っておりますけれども、その前に大事なことは、今まで国が地方公共団体の行政能力に対して余り信頼を置いていなかったのではないかというふうに私は思います。ですから、この団体委任事務等につきましてもいろいろな関与をし、そして縛りをかけてきたというふうに思います。 私は、大事なことは、ここで国の方が大きな気持ちで、地方公共団体も相当力がついてきたんだと、ですから少しは任せてもいいだろうというふうな、地方公共団体の行政能力に対する若干の信頼を置いていただくのがやっぱり地方公共団体の行政能力の向上の大前提ではないかなというふうに思っております。 この点について、ちょっと総理のお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) きょうは大変いい勉強をさせていただいたと思いますのは、こういう分類の仕方でこの問題を考えたことが実はありませんでした。それだけに改めてさまざまなことを感じさせられております。 そして、今までやはり機関委任事務に偏った議論であったと言われるのは、六団体の共通意見という形で分権の問題の地方側からの意見というものを吸い上げてきた。そのために、ある意味ではそれぞれの特殊な見解とかいうものは自然に内部で整理をされ、共通項として機関委任事務というものが抽出された形になり、それが今まで分権論の中心を占めてきた。そして、地方分権推進委員会が非常に積極的に議論に取り組んでいただきますにも、その土台はやはり六団体からの共通した意見というものをベースにしたために機関委任事務に集中するという、議員の御批判を受ける結果が生じたと思います。 それだけに、私はこの分類を非常に興味深く拝見し、殊に議員自身が作成された資料でありながら、国、地方を同じ大きさで並べたのは失敗であった、むしろ大小あるいは上下といった形をつけるべきであったと言われましたことを非常に意味の深い言葉として拝聴いたしました。 そして、従来中央省庁からさまざまなことを考えました場合に、地方の行政能力に対し不信感を持っていたとは私は思いません。ただ、自分たちで日常接しておりますうちに、いつしか、議員の言葉を拝借するなら計画主体、私どもは企画立案と申してまいりましたけれども、伝統的なノウハウの積み重ねの差が出た、私はこれは否定のできないことだと思います。そして、現時点においてもノウハウの蓄積、それをベースにした企画立案の能力は私はやはり差はあると思います。 その上で、むしろ今の御指摘を生かしていくとすれば、中央省庁が蓄えた企画立案のノウハウをいかに地方に分けていくか、ノウハウを公開していくという言葉が適切なのか、どういう言葉が一番いいのかわからないんですが、そのノウハウを地方に付与していくためにどうすればいいのか、これが一つのこれからの分権のかぎになる、今そのような思いで拝聴しておりました。
○牛嶋正君 もう一つの条件は、低廉なコストで事務を行っていくということでしたが……
○理事(高木正明君) 時間が来ました。
○牛嶋正君 時間になりましたので、次回にやらせていただきます。(拍手)
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。 今、朝日委員なり牛嶋委員の方から特に地方関係について大所高所に立った御意見がいろいろありました。私も午前中にも申し上げましたが、幸いにして五、六年間ぐらい各党の皆さんと、時期は違いますが、地方分権問題についてプロジェクトをつくりまして、いろいろと実は議論をしてまいりました。そういう経過から見て、きょうは少しおさらいをしながら振り返ってみて、そして今出されております法案について、幾つか問題点を抱えておりますから提起をしてみたいと思います。 まず、法案の「総務省の編成方針」の第十七条の四号では、国の地方自治に関する行政機能のあり方についで、地方自治が国の基本的な制度であること、地方自治の維持、確立は国の重要な役割であることを踏まえ、地方分権の推進に伴い国の地方に対する機能を縮小することが基本である、この前提を踏まえて、地方分権の推進を図り、国の地方自治体に対する関与は最小限度にすることが規定をされておる。また、地方税制についても課税自主権の尊重、あるいは地方団体の財政調整制度についても算定事務の一層の簡素化、透明化なども規定をされており、このこと自体は私どもも長年主張し続けてまいりましたので、大変結構なことだというふうに思っております。 さらに、五十一条では「地方分権等」の条文を設けて、中央省庁等改革が地方分権の推進並びに地方団体における行政及び財政の改革と密接に関連するものということも規定をされておりますが、以下何点か地方分権関係の問題についてお伺いしてみたいと思うんです。 まずは、先ほどから総理もおっしゃっておりましたように、地方分権推進法に基づいて設置をされました地方分権推進委員会の督さんが発足以来本当に大変ハードなスケジュールの中で四次にわたる勧告を行ってまいりました。このことについては大変敬意を表するわけですが、これはやはり明治以来百三十年間続いてまいりました中央集権型の行政システムの変革でありますから、大変な大事業であるということはお互いに理解ができるわけです。 この中でも、地方分権の推進について、総論についてはいろいろ立派な提言も今日までなされてまいりましたけれども、現実の広範な行政分野において分権の理念をどのように具体化するかあるいはどのような新しい分権型行政システムとして構築をしていくか、こういう各論の部分については今回初めて本格的な審議が行われたのではないかというふうに私自身思うわけです。 その意味で、国と自治体の関係を上下、主従から対等、協力に変えるという基本理念、機関委任事務の廃止など国と地方自治体の関係について新たなルールを創設したことなど、歴史的にも大変意義のある勧告と私自身評価をしておるところです。このたび分権推進計画が閣議決定され、国会に提出をされましたが、これまた極めて短期間の間に大変な努力によってこの勧告が計画化されたことに対しても評価をいたす次第であります。 しかしながら、十七条の四号の編成方針から見ても、冒頭申し上げましたが、幾つかの問題点があるようです。その部分を述べて、それぞれ御見解をお伺いしたいと思うんです。 まず第一点は、政府の関与の縮小、廃止が促進された。しかし、まだまだその手法というのは従前の形態が残っておるのではないか。 それから二つ目に、法定受託事務の数が私が当初から考えておりましたよりも非常にふえてきた。これについては総理の方からもう一回見直せという指示があったというふうなお話も聞いておりますが、現実の問題として当初より相当ふえておるというのが実態のようです。 それから三つ目に、住民投票制度に対する消極的な態度が見えるようです。 それから四つ目に、安保条約に伴う土地等に関する特別措置法による県の収用委員会が非常に空洞化してきている。 それから五つ目が、地方の税財源の充実強化の具体性が非常に不十分です。 それから六つ目が、中央政府の主導的色彩の濃い地方行革と市町村合併が非常に強調されておる。 それから七番目が、地方分権の最大の眼目であります多様な住民自治制の創設に対する消極性といいますか、こういう点から見て看過し得ない問題点があるようですから、非常にせっかくの努力でやってまいりまして当初からお互いに期待をしておりましたけれども、この点は残念に思えてなりません。 こういうふうに、私自身、党自身もそういう総括をしたわけですが、総務庁長官なり自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 今回の計画は地方分権推進委員会の四次にわたります勧告を最大限尊重して作成したものでございまして、たびたび申し上げておるとおりです。特に機関委任事務制度を廃止いたしまして国の関与について新たなルールを定めることとしたことは、権限移譲の推進などの方策と相まって、明治以来形成されてきた、総理のよく言われる国、都道府県、市町村という縦、主従の関係、そして中央集権というものを転換いたしまして、これを横に置いた対等、協力の関係にするという大改革だと、私はそういう認識を持っておるわけでございます。 御指摘の点につきましては多岐にわたっておりますが、こうした大改革をさらに進めるに当たっていずれも十分に留意すべき問題を含んでおるわけでございまして、今後多面的にこれは議論してまいらなければならない論点ではないかと、このように考えております。今回の計画の実施に当たりましても、これらの点を十分念頭に置きまして適切に対処してまいりたいと考えております。 なお、地方分権を推進するに当たりましては、先ほどから重ねて申し上げておりますが、地方一般歳出の七割を占める福祉、教育、公共事業といった分野のあり方をどのように考えるかが重要な課題でございます。このような観点から、国と地方の役割分担の見直しや地方交付税率あるいは消費税の国と地方の配分のあり方、事業税の中に外形標準課税を導入するのかしないのか、こういうことも視野に入れて議論をすべき地方行財政の根幹にかかわる問題でございます。総合的に検討してまいりたいと考えております。 なお、機関委任事務を廃止いたしますに伴いまして、自治事務と法定受託事務にこれが分かれておるわけでございまして、御指摘が一項目ございましたが、自治事務が五五%、三百三件、法定受託事務が四五%、自治事務より少なくございまして二百五十二件、このように莫大な事務量を含めて総合的に検討されてこういうふうに精選されておるということであります。
○渡辺四郎君 確かにいろいろ精選されてやったということですけれども、やはり当初から見て余りにも法定受託事務が私らの予想を上回って多過ぎる、もう少し絞ってやるべきではないかということを実は感じておるということだけ申し上げておきたいと思います。 次に、税財源問題についてもいろいろお話がありました。今回の中央省庁等改革基本法案の五十一条では、「地方分権の推進について、地方分権推進委員会の勧告を尊重して着実にこれを実施し、及び地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進めること。」、こういうふうになっておりますが、前段部分の尊重して実施をするということは当然と思いますけれども、後段は「地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進める」というふうになっております。これは勧告自体では何ら具体的な問題が提示をされていない。 そういう中で、一体今後どういうスケジュールでだれが、あるいはどういう機関が責任を持って地方の行財政制度の改革の本格的な検討を進めるのか。朝日委員の質問に対しての、これは全体の流れの問題ですが、税財政問題についてそういう機関なりを設置してやる予定があるかどうか、事務局でも結構ですからお願いをしたいと思います。
○政府委員(坂野泰治君) さらに本格的な検討を進めることについて今後どういう考え方でやるかということとしてお答えをさせていただくわけでございますが、既に委員御指摘のとおり、地方分権推進計画が策定をされ、これを着実に進めていくということがまず大前提になるわけでございます。 その上で、既に自治大臣からもるる御答弁があったかと思いますけれども、規模の問題、財源の問題、人材の問題についてはなお今後さらに取り組むべき課題が多々あるという認識を行革会議は持っておるわけでございまして、それについては既に一部については自治省初め関係省で検討も始められ、あるいは着手もされているという状況でございまして、政府としてはこれをさらに引き続き積極的に取り組んで進めていくということが当面の私どもの考えでおることでございます。 なお、税財源のみに関して新たな検討体制をつくるかどうかという御指摘については、これも先ほど総理からも御答弁ございましたように、現在、地方分権推進委員会がなおその期間を残しておるわけでございまして、まずはその機能の十分の発揮を図っていくという考え方で政府としては取り組むものと考えております。
○渡辺四郎君 かいつまんで言えば、例えば推進委員会の方から第五次勧告、そういう税財政問題で勧告が出ればそこを一緒に組んで進めていくというふうに考えていいわけですね。 これは前からもありましたように、分権問題については、特に六団体を含めて非常に財政問題あるいは税制問題が一番大きな心配の種になっておるものですから、そこらは地方分権を進めていくという立場から、ぜひひとつ早い時期にそういう機関をつくっていただいて、そして六団体が安心されるような制度をぜひお願いしておきたいと思うんです。 次に、個別の問題に入りますが、地方事務官問題について少し自治大臣にお尋ねしたいと思うんです。 もうこれは私がいろいろ今ここで述べる必要もないとは思うわけですけれども、計画案でも厚生及び労働事務官ということになっておりますから、これは勧告がそういう格好になっておるものですから当然のことだというふうに思うわけですけれども、私は保健、医療、福祉、そして高齢者、障害者等の雇用など住民に身近な行政はやはり地方自治体が担うべきものであって、計画案の内容は地方分権の趣旨に反するんじゃないかということすら実は思うわけです。 これは各省庁の主張が非常に強く、私らもヒアリングをしました。しかし、出てくるのは国の経営責任論ばかりです。この問題というのはもう五十年近くにわたってやりとりをしてきた経過もあるわけです。 一つは、途中の経過ですけれども、七十二回国会、昭和四十九年五月二十八日ですが、地方行政委員会でも地方自治法改正案の附帯決議で地方移管への努力ということを全会一致で政府に対して要請した経過もあるわけです。 その中で、いわゆる地方事務官については、私は、こういう事務というのは法定受託事務として、そしてこれにかかわる地方事務官については地方公務員とした方がいいということをずっと今までも主張してまいりました。今後法制化に向けての段階ではいま少し実態を掌握していただいて、その上でぜひひとつ法案の整理をしてもらいたいというふうに思うわけです。 少し内容を申し上げますと、現在、全国の市町村で一万二千名の職員が窓口で年金、保険会計の仕事に従事をしておるわけです。それ以外に二千名の徴税専門の職員を配置しておるわけです。それでもなおかつ六百万人の未納者がおるわけです。全国に三百九しかない社会保険事務所で果たしてその仕事ができるかどうか。ですから、円満に年金なり福祉問題というのはやっていかなきゃいけないという観点から見れば、少し無理があるのではないか。 だから、言うように、せっかく分権推進委員会の方も国の事務でも法定受託事務という一つの制度を出したわけですから、そういう法定受託事務にして、そして身分は地方公務員にしたらどうだろうか、こういう考えを持っておりますが、これはこれから後、法案をつくる段階まで当事者間の協議もありますし、ぜひひとつそこらをお認めいただいて努力していただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私のところにもこの地方事務官の問題については労働組合等からの陳情もいただいておるところでございますが、現在の地方事務官制度につきましては機関委任事務制度の存在をその前提として成り立ってきたものでございます。したがいまして、地方分権推進委員会の勧告におきましては、機関委任事務制度の廃止に伴い地方事務官制度も廃止し、地方事務官が処理していた事務を国が直接執行することとされたわけでございます。 これを踏まえて、政府といたしましては、勧告を最大限尊重するという立場から、地方分権推進計画には勧告どおりこれを織り込むこととしたものでございまして、この点については御理解をいただきたいと思います。 地方分権推進計画の実施に当たりましては、事務処理の効率化に留意するとともに、職員の処遇等についても十分配慮することなどがその勧告で指摘をされた事項となっておるわけでございます。適切に対応を図ることが必要であり、これらのことは所管省庁において真剣に受けとめられ、対応が図られるものと考えております。
○渡辺四郎君 確かに機関委任事務がなくなって国の事務ということになりましたから、地方分権推進委員会の勧告に基づいてこういう事業計画が出たというのはそのとおりだと思うんです。しかし、先ほど申し上げましたように、実態そのものはそういう実態がありますから、ぜひ大臣が最後におっしゃったようなつもりでひとつ頑張っていただきたい。 それから、もう時間が迫ってまいりましたので、二点だけ簡単にお聞きをします。 一つは、公共事業の長期にわたる部分でいろいろ問題が出まして再評価をする、評価をした部分で、今まではどうも各自治体ともそこでやめたり修正をすれば補助金を返さなきゃいけない、こういうふうに思っておったのが、近々それは返さなくていいというふうになったというお話を聞いておりますから、そのことについてはひとつ各自治体に周知徹底をしていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。 その中で、やはり評価の問題については、自治体の主体性を反映した再評価の仕組みを法制化すべきではないかと思いますので、その見解を一つ。あとはもう時間がありませんから、その一点だけにしておきましょう。
○政府委員(香山充弘君) お答えいたします。 御指摘の点につきましては、先般閣議決定をいたしました地方分権推進計画におきまして、いわゆる公共事業等につきまして再評価の仕組みをとることといたしまして、再評価の結果、事業を中断する場合において補助金適化法の第十条の適用があるときには既に執行された部分について補助金等の返還を求められることはない、こういうふうにされているところでありまして、この点につきまして自治省としても地方団体に対しまして十分周知してまいりたいと考えております。 これに関連いたしまして、この再評価システムの導入につきましては、所管の各省庁におきましていわゆる実施要領といったようなものを定めまして地方団体に対して既に示されておりますけれども、これらの要領におきましては、補助事業についての再評価は事業主体である地方団体が地域の実情に応じて自主的に行うものとされております。すなわち、地方団体は主体的に再評価を行い事業の中止等の対応方針を決定することになっておるわけでございまして、その場合、国は地方団体が決定いたしましたその方針を基本的に尊重するものとされておりますので、関係省庁におきましてそのように処理がなされるものと承知いたしております。 以上でございます。
○渡辺四郎君 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○吉川春子君 内閣機能の強化と憲法、法律上の制約について伺います。 行革会議の最終報告には、「合議体としての「内閣」が、実質的な政策論議を行い、トップダウン的な政策の形成・遂行の担い手となり、新たな省間調整システムの要として機能できるよう、「内閣」の機能強化が必要である。」としています。そしてまた、「内閣機能の強化・活性化のため必要であれば、閣議の議決方法について多数決の採用も考慮すべきである。」としています。 しかし、内閣法の改正は行わないんだということを事務当局の説明で私は聞きました。閣議の多数決制を導入するということは、憲法の「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」、この規定に抵触するのではありませんか。だから改正しないということですか。
○政府委員(坂野泰治君) 憲法におきましては議院内閣制を採用しておりまして、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」とされておりますことから、内閣の構成員すべてが一体として統一的な行動をとることが要請されておるわけでございます。このため、閣議においては全会一致による議決を行うべきものと考えております。 閣議の意思決定のプロセスにつきましては憲法の範囲内において内閣の自律にゆだねられるものでございまして、閣議の意思決定のあり方については憲法で規定されている内閣の連帯責任の根幹にかかわる問題でありますため、基本法案においてはこれに関する規定を盛り込まなかったものでございます。
○吉川春子君 内閣法の改正はこの次出てくるときもしないということですね。
○政府委員(坂野泰治君) 基本法は今後政府が取り組むべき改革に関して政府にその義務を課すものでございます。その基本法の規定に盛り込んでいないということを申し上げておるわけでございます。
○吉川春子君 閣議の全員一致制というのはもう学説では通説ですし、判例も苫米地判決が二回ありますし、政府も従来そういう立場をとってまいりました。 結局、多数決制にするということは憲法に抵触するわけです。こういう憲法に抵触するような内容を盛り込んだ最終報告が出てくるということは私は余りよくないというふうに思うわけです。 それで、続けてこの問題について伺いますけれども、内閣総理大臣の指揮監督権についてです。 大森法制局長官も衆議院で答弁されていますけれども、内閣総理大臣は行政各部に対する指揮監督権を有するが、その指揮監督権は閣議決定に基づいて行われる、つまり閣議決定事項に関してのみ指揮監督ができるものという御答弁だったと思いますけれども、確認いたします。
○政府委員(大森政輔君) 時間の関係上、要点だけ申し上げますが、要するに内閣法第六条、これは「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」。この内閣法第六条の規定は憲法六十五条、六十六条三項あるいは七十二条を総合した憲法の趣旨、要請を受けた規定であるということでございますので、この規定の趣旨または要請に反するような形での内閣法第六条の改正というのは困難ではなかろうかというふうに私は考えております。
○吉川春子君 要するに、閣議決定事項に関してのみ指揮監督ができると、端的に言うとこういうことになりますか。
○政府委員(大森政輔君) 第六条はあらかじめ閣議にかけて決定した方針に基づき行政各部を指揮監督すると規定しているわけでございます。 ただ、一言申し上げておきますと、その都度、方針を決定しなければならないものではないということだけは御留意いただきたいと思います。
○吉川春子君 後段についてはもちろんそういうことがあると思います。今の問題も、歴代内閣の法制局長官あるいは法制局の答弁でもありますし、政府の態度でもあるし、政府というのは閣僚の態度でもあるし、判例もあるし、学説も通説である、こういうことなわけです。 ところで、今度の最終報告には指揮監督の弾力的運用というところが出てまいりますね。それで、「内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督に関する内閣法の規定は、弾力的に運用する。」としています。そして、危機管理関係については、「突発的な事態の態様に応じた対処の基本方針についてあらかじめ所要の閣議決定をしておき、総理大臣が迅速に行政各部を指揮監督できるようにすること」などとしています。 今国会でも危機管理に関する法改正を行っているわけですけれども、その上さらに行う弾力的運用とは一体何でしょうかお伺いいたします。
○政府委員(坂野泰治君) 行革会議の論議とすれば、先生ただいま御指摘の危機管理関係について中間的な意見集約があり、表明されたわけでございますが、その中間集約に表明した危機管理関係の弾力的な運用などを念頭に置いて、最終報告でも改めて弾力的な運用を求めたものというふうに考えております。
○吉川春子君 答弁がちょっとわからなかったんですけれども、つまり今、危機管理については具体的な法律の規定がいろいろあるわけですね。例えば自衛隊に対する最高指揮権、これは自衛隊法七条、内閣総理大臣は内閣を代表して自衛隊の最高指揮監督権を有し、特定の場合、その防衛出動や治安出動を命ずることができるとか、あるいは緊急事態の布告、警察法の七十一条、内閣総理大臣は大規模な災害または騒乱、緊急事態に際して治安維持の必要があるときは国家公安委員会の勧告に基づき緊急事態の布告を行うことができる、内閣総理大臣は一時的に警察を統制する、必要な範囲において警察庁長官を直接に指揮監督する、あるいは災害、緊急事態の布告などでも同じような規定があるわけでございまして、弾力的運用などはする必要がない、余地もないというふうに私は理解しているんです。 それとも、中央省庁改革法が成立すれば、こういう弾力的な運用をするために内閣法の六条も改正すると、こういう意味なんですか。
○政府委員(大森政輔君) 先ほどの答弁におきまして、最後に、その都度、閣議決定を要すると解するわけではございませんと申し上げたのはまさにお尋ねに関する点でございまして、従前からしばしば御答弁申し上げていますように、現行内閣法第六条のもとでも、あらかじめ想定される事態に備えて内閣として基本的な方針を定めておくことにより、個別の事態についてその都度閣議決定により方針を決めなくとも適切な対応がなされる場合もあり得ると考える、この趣旨をしばしば答えているわけでございます。 ただいま御指摘の行革会議の最終報告書の当該部分はまさにこの趣旨を記したものであると私どもは理解しておりまして、それを超えた、すなわち本来の内閣法第六条の趣旨を超えた弾力的運用を求めているものではない、まして内閣法第六条を改正して要件その他を緩めるべしということを提言されているものでもない、その点は御心配に当たらないのではないかということでございます。
○吉川春子君 結局、今までどおりのやり方でやるという前提であるとすれば、弾力的運用ということをあえておっしゃらなくてもいいのではないかというふうに私は考えるわけです。 それで、続けて伺いたいんですけれども、議事概要によれば、危機管理の前提となる危機の範囲をどうとらえるべきか、名前は明らかではありませんけれども、平成九年三月五日にそういう質問があったと。それに対して内閣官房から、大きくは国の安全に関する緊急事態である旨の答弁があったと記されています。 最終報告の言う危機管理、これには日本有事はもちろん、周辺事態というものも入ることは間違いありませんか。
○政府委員(坂野泰治君) 行革会議での論議は、この危機というものについてさまざまな態様があり得るという前提で御論議がなされておるわけでございます。 どのような事態が危機に当たるかということは、その当該事態それぞれの性質に応じておのずから定まってくるものと考えられるわけでございます。具体的にこのようなケース、どのようなケースということについて逐一ケースを想定し、当てはめ、詳細な分析を行うということは、また行革会議の任務からしても実際上は困難なわけでございまして、先ほど先生が御指摘のとおり、内閣官房などから、どのような事態が今まであったか、あるいは今後想定されるのか、そういうものを一つの判断材料にして危機管理という概念で議論をいたしたものでございます。
○吉川春子君 そうしますと、周辺有事などということは頭の中には片隅にもない、このように理解してよろしいですか。
○政府委員(坂野泰治君) 先ほど申し上げましたとおり、さまざまな態様の事態があり得る、そういう前提で議論をいたしておるということでございます。
○吉川春子君 さまざまなということで、入るということを念頭に置いているというふうに御答弁されたわけですね。事務当局もそのように説明しておりますので、そういうことであろうと思います。——違いますか。いいですかそれで。ではもう一度。
○政府委員(坂野泰治君) 繰り返しますが、先ほど申し上げたとおり、さまざまな態様の事態を想定しておるということでございます。
○吉川春子君 入らないというふうに否定はされなかった、私が具体的事例を示したのに対して否定はされなかった、こういうことで次の質問に移ります。 先月、総理はインドネシアに自衛隊機を派遣した。これは途中で待機ということだったわけですけれども、昨年の七月にもカンボジアの軍事クーデター発生時に邦人救出を理由に自衛隊機を派遣しました。 私は外務省からそのときの、平成九年七月十二日に外務大臣官房領事移住部長より防衛庁運用局長あてに発した公信の主文というものをいただいたわけですけれども、「自衛隊法第百条の八に基づく在外邦人等の輸送に係わる措置について」、「ガンボディア王国のプノンペン市及びその近郊の情勢の見通しは不透明であり、」云々と、こう書かれておりまして、「貴庁との協議を踏まえタイ王国との調整を進めた結果、同国より自衛隊輸送機のウタパオ空港への移動について同意が得られたので、対処方お取りはからい願います。」と、このように防衛庁運用局長あてということで出されたわけです。 それで、私はここでお伺いしたいのは、外務大臣ではもちろんなく、官房領事移住部長という名前でこういう対処を求めたわけです。そして、今回のインドネシアの件に関してもそうですけれども、閣議決定も経ていない。これは総理の全くお一人のお考えで派遣をした、こういうことになるんでしょうか、最終的な決断は。防衛庁長官、総理に私は伺いたいのです。
○国務大臣(久間章生君) 今回は前回の後にマニュアルをつくっておりましたので、外務大臣名で防衛庁長官あてに……
○吉川春子君 カンボジアのことを聞いているんです。
○国務大臣(久間章生君) いや、今回のことを言われましたから、今回はそういうことで公文でもらいました。そして、今回の件について総理は事実上の指導はされておりますけれども、その準備行為については外務大臣から依頼を受けております。したがいまして、今度は閣議決定等をしておりませんのは、まだ百条の八、実際そこまで行っていないからでございます。
○吉川春子君 防衛庁長官、ではカンボジアの事態のときはどうだったんですか。今回のことを強調されましたけれども、私はカンボジアのことを、今回も派遣されましたので一緒に伺ってはいるんですけれども、カンボジアはどうだったんですか。その反省を踏まえて今回そういうあれをとったんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、在外邦人に危険が予測されるときに、国として救出できるあらゆる手法を講じることは当然だと思っております。そして今回は、ただいま防衛庁長官からも申し上げましたけれども、前回カンボジアで体験をいたしました結果、民間機のチャーターその他の手配も非常に速やかに進み、その上で万が一の事態のために自衛隊機並びに海上保安庁の巡視船を現地に急行させそうした対応をとり、航空機についてはシンガポールに待機をさせました。これが実際にその目的どおりの使用をしないで済んだことを私は大変幸せに思っておりますし、カンボジアのときもそうでした。
○吉川春子君 今度の自衛隊機の派遣が必要であったのか、あるいは現地の状況はどうだったのか、民間機の状況とかあるいはチャーター機の状況とかいろいろありまして、マスコミからも必要なかったという批判が出ているわけです。 そこも問題にしたいんですが、私が問題にしたいのは、そういうことを行うときに、やっぱり閣議決定なり、閣議決定というか私たちは閣議決定さえ行えば出していいという立場ではないんですけれども、要するに今までの政府の見解、そしてとってこられた総理の指揮監督権、こういうものの行使の形というものが今度は違っていたんじゃないか。今までのことを違えた形で、独断というふうにマスコミが書いたところもありましたけれども、そういう形で、言ってみれば最終報告にあるトップダウンの方式とはこういうことなのかというふうに私は思ったわけです。トップダウンとはこういうことではないんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自国の国民の生命が危険と思われるときに、どこの国でもできる手段をもって自国民を助け出そう、余力があれば他の国の人々も安全な地域に運ぼう、これは当然のこととして行われることであります。 確かにカンボジアのとき、そうしたことを今まで日本が体験しておりませんでしたためにマニュアル等がありませんでした。ですから、もし議員のように理論的に物事を組み立て、それが優先すると申し上げては言が過ぎるかもしれませんが、当時カンボジアの状況からして、私は直近の場所まで自衛隊の輸送機を派遣しておきたいと考えましたし、そういう指示は確かに私がいたしました。その上で、マニュアルができておりませんでしたためにロスタイムを生じたことをむしろ私は悔いております。 今回そうした教訓が生き、民間機のチャーターをも含め邦人の安全に十分な対応ができたと思えることを幸せに思っております。
○吉川春子君 時間ですからもう終わりたいと思うんですけれども、その救出のためにあらゆることをやるという議論を抽象化しますと、きょうのテーマである指揮監督権の行使のあり方ということにはならないわけで、私はこの二回の自衛隊機派遣にまさにこの報告書が言っているようなトップダウンの手法を見るような思いがして、内閣が強大化する、暴走する、その歯どめを抜きにした強化論であってはならないということを思った次第です。 時間が参りましたので、私の質問は終わります。
○泉信也君 午前に続きまして総務庁長官にお尋ねをいたします。 お尋ねする考え方というか私の思いは、この基本法が一つございまして、各省の設置法というものが次の段階に出てくると思います。その設置法とこの基本法がどのようにかかわり合いを持ってくるのか、その観点からお尋ねをいたしたいと思う次第であります。 簡潔にお尋ねをいたしますと、国が本来果たすべき役割というものがある。これは行政改革会議では、総理が提示された例えば四つの機能というものがあるといたしますと、その四つの機能が地方分権でありますとか規制の見直したとかというようなことで整理をされた上で、本来国がやるべき仕事、行政としてやるべき仕事という形で整理をされる。それを幾つの省庁で分担すべきか、どのような組織で分担すべきかというように整理をされた結果が別表第二という形になったと。このように理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(小里貞利君) お話がございましたように、国として果たすべき役割、まず私はこれが基本だと思います。その辺の点検、分析をいたしまして、そしてただいまお話がありましたように、いわゆる硬直化した、そして肥大化した、しかも縦割り行政の弊害が大変顕著に出ている等々、いろんな今までの一府二十一省庁体制に対する反省、長短を明確にいたしました。 そして、今お話がありましたように、それぞれの新しい簡素化、効率化、そしてまたそういう言うなれば二十一世紀型の行政システムというものを念頭に置きながら、その具体的手段としては、さまざまな制度の根幹にかかわるものをさらに念頭に置いて最終報告も整理をされてまいりましたし、いわんや私どもの今次御相談申し上げております令基本法案の一つの骨格として出てまいりました、そういういきさつでございます。
○泉信也君 そういたしますと、別表第二というものが整理された形で私どもの前に提示をされておるわけですが、例えば総務省の「主要な任務」というところがあります。備考に、「総務省は、内閣及び内閣総理大臣を補佐し、」云々という表現がございます。この総務省は云々という備考に書かれた部分はなぜ備考に書かれたのか。この別表第二の「主要な任務」の中に書き込むことができなかった理由は何でしょうか。
○政府委員(坂野泰治君) 御指摘の備考の位置づけでございますけれども、ごらんのように、この表は名称、主要な任務、主要な行政機能を表に掲げているわけでございますが、御指摘の備考の一号は、任務あるいは機能ではなく、まさに総務省の位置づけ、そういう意味として置かれておるものでございます。したがって、この表の外に備考として置くにふさわしいと考えたものでございます。
○泉信也君 総務省の位置づけだけを別にしなきゃならないというのは私には理解できないんですが、時間が余りありませんので、次のお尋ねをいたします。 「主要な行政機能」という欄がございます。例えば国土交通省は建設、運輸、国土庁、そして北海道開発庁というものが一緒になったわけですが、国土交通省の主要な行政機能としてここに新しく書かれております中で、従来の省庁が持っておったものから外された部分あるいは追加された部分というものはどういう機能なんでしょうか。
○政府委員(坂野泰治君) 国土交通省は、これも同表の備考に掲げてございますが、「建設省、運輸省、国土庁及び北海道開発庁を母体に設置するものとする。」という位置づけになっておるわけでございます。したがって、この掲げました四つの省庁の持っております機能のうち主要なものをここに掲げておるということになるわけでございます。
○国務大臣(小里貞利君) 今、坂野政府委員の方からあったお話が大筋でございますが、ただ先生も御承知いただいておると思うのでございますけれども、行政改革会議におきまして、いわゆる新しい省庁が担うべき役割、その中で主なる任務、主なる行政機能というものの整理をひとまずいたしました。 それは先ほど先生の方から御指摘がありましたように、昨今の行政等々を取り囲む内外の諸情勢も勘案しながらいろいろ議論をされておりますことも御承知のとおりでありまして、その延長線上の要約がそこに出てきておる。 そして、先ほどお話がありました省庁再編という具体的作業におきましては、これらの国会の審議なども織り込んで参考にしながら具体化されていくもの、それが所掌事務等に出てくるものと、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○泉信也君 先ほど政府委員がお答えになりましたように、四省庁が持っておる機能を書いたということになりますと、第四条の「国の行政が本来果たすべき機能」云々という第二号で、イ、ロ、さらにはハ、この考え方を入れれば、当然新しい省庁では減らすべきもの、あるいは追加すべき機能というのがあってしかるべきですけれども、ただ四つの省庁の従来の機能を書いただけということですか。
○政府委員(坂野泰治君) 新たな省を編成いたします際に、先生御指摘の条はどういう基準で新たな省の編成を行うかを示したものでございまして、その基準に従って、行革会議の結論、まさにこの別表の姿が新しい省の編成として示されたというものでございます。 その結論として、「国土交通省は、建設省、運輸省、国土庁及び北海道開発庁を母体に設置する」ということでございますから、個々にこの四省庁が持っております機能の主なものをまさに母体ということでこの機能に整理をしておるということでございます。 先生がおっしゃるように、いろいろな国の権限あるいは仕事の減量を行う、そういう観点ではそれぞれの機能のうちでさまざまな検討がなされるということは十分あり得ることですし、またなされなきゃならぬと思いますけれども、ここに掲げております機能それ自体は国土交通省が持つにふさわしいものとして位置づけ掲げておる、そういうものでございます。
○泉信也君 機能がある、こういう機能を持つべきだということは、国土交通省はこうして新しくつくり直すけれども、従来の四省庁が持っておった機能をそのまま引き継ぐということですね、今の御説明は。
○政府委員(坂野泰治君) 具体的に詳細な所掌事務について全く同じになるかどうかということについては、それぞれの設置法を検討しなければ、今ここで一〇〇%申し上げることはできないわけでございますけれども、少なくともここで申し上げられるのは、ここに書いておりますとおり、国土交通省はこの四省庁を母体に設置するというその趣旨としてこの機能をあらわすということが今申し上げられるぎりぎりだと思います。
○泉信也君 そういたしますと、その次のステップとして各省の編成方針というのが出てくるわけですけれども、この編成方針と別表第二に書かれた関係、そしてその次のステップで設置法にいくときにこの編成方針というのはどういう役割を果たすのか、御説明いただけますか。簡単にやってください。
○政府委員(坂野泰治君) 御指摘の編成方針の各条文は、この別表第二に掲げました主要な任務、主要な行政機能を前提といたしまして、各省の所掌事務及び権限を、あるいは各省が担います機能あるいは事務事業の見直しを行う上で、あるいは他の各省との関係を定める上で必要な事項を留意すべき事項として掲げたものでございます。
○泉信也君 先ほど朝日委員からもお尋ねがありましたが、例えば十八条、法務省の三号、「検討の支援を行うこと。」ということがどういうふうに新しい法務省の組織をつくり上げるときに機能してくるのか作用してくるのかまことに理解しづらい表現が各所にあります。それから、各省にまたがるような、お互いの省の権力争いを暗示するような表現がこの中にたくさんあるわけです。これで本当に設置法をつくっていくことができるのか。 もう一つ、例えば国土交通省で、「船員労働行政を担うこと。」というのがあります。確かに今運輸省にございます。しかし、これは労働省の生まれ変わった新しい組織、労働福祉省の中で扱うことの是非、これは今回の法律をつくるときにどの程度議論されたわけですか。何かお尋ねしますと、行政改革会議の報告に基づきと、するっといつも逃げられますけれども、法律をつくるときにどの程度議論してこの船員行政を国土交通省に持ち込まれたんですか。
○国務大臣(小里貞利君) 率直に実態を申し上げた方が一番わかりやすいと思うのでございますが、私も先ほど若干申し上げましたように、行政改革会議で行政事務のけじめ、行政区分についての議論は相当活発にありました。そういう議論を経て、一府二十一省庁体制を一府十二省庁体制にどういうふうに整理をしていくか。 そこで、まず主なる任務あるいは主なる行政機能というものを整理してみようじゃないか、そういう一つの作業がありました。その作業の過程において、ただいま話が若干あったように、既存の行政のあり方というものについて横の関係におきましても相当議論があったわけであります。しかも、行政改革会議の最終報告を整理するについても、現在の一府二十一省庁体制下における事務事業の関係も、横のにらみにおきましてその辺の調整の実務作業も相当行ったことは事実であります。 しかしながら、これは限界がありまして、しかも基本法を決めていただいて、それからその次の具体的張りつけ、省庁設置作業のときにこそ腰を入れてやれるものだな、またそれが合理的手続でもなかろうか、さように思った次第でございます。
○泉信也君 時間が参りましたので終わらせていただきますが、例えば十九条の外務省のところに「教育科学技術省の主導性を確保すること。」というようなことが書いてあるんですね、外務省の中に。これはどういう意味だと。長官が今お答えになりましたように、私はこういう土台によって省庁の設置法がうまくいくことを願いますけれども、とてもこんなことではいきません。そのことだけ申し上げまして、終わりにします。 ありがとうございました。(拍手)
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 午前中は交通安全対策について私の視点から各省庁の役割などについてお伺いいたしました。大坪審議官の方からお答えをいただいたんですけれども、いろいろ基本法等々、京大の先生とか東北大学の先生方の資料もいろいろ読ませていただきました。今回の法律案では交通安全対策については国土交通省の編成方針、第二十二条第十二号に「交通安全行政について、関係府省の間における調整の中核としての機能を担うこと。」、こう規定されているわけですけれども、その趣旨について総務庁長官にお伺いいたします。
○政府委員(坂野泰治君) 御指摘の規定は交通安全行政に関しまして第二十八条に規定をしております府省間の政策調整の仕組みにおける中核としての役割を果たすとの趣旨でございます。 もとより、交通安全行政に関する個別具体的な所掌事務につきましては、今後各府省の設置法を検討する段階で整理をされるわけでございますけれども、現在の総務庁交通安全対策室の業務が担っている機能、事務の帰属につきましては、基本法第二十七条におきまして、総理府及び総務庁の所掌事務は「その必要性について見直した上、内閣官房、内閣府又は総務省の事務とするにふさわしいものを除き、その事務の内容に最も関連の深い総務省以外の新たな省に担わせる」との趣旨が規定されているところでございまして、これに基づき今後の設置法検討の段階においてそのあり方が検討されることになると思っております。
○西川きよし君 そこで、衆議院での政府側の御答弁では、今回の中央省庁等改革基本法案で、十条の二項一号におきまして、内閣府が企画立案及び総合調整を行う事項として挙げられている経済財政政策、総合科学技術政策、防災、男女共同参画以外にも内閣府が企画立案や総合調整を行うべき課題がある、こういうふうにお答えになっておるわけですけれども、この交通安全対策につきましてはまさしくこの課題に当てはまるものと、こう思うわけですけれども、今度は長官にお答えいただければと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 交通安全行政が重要なことはもう議員御指摘のとおりでございます。今回の太くくりのこの省庁の中で、それぞれの行政の中核をなす省ができることから、まずその中核をなすいわゆる行政目的の範囲内でいわば横断的な調整の中心的役割を果たしてもらいたい、これが先ほどの話と関連して申し上げますと国土交通省と、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。 時間の関係でもう最後の質問になろうかと思いますけれども、この交通安全対策については、経済財政政策、防災、そしてこれからの少子化、交通事故が起こる、そういうことではもう少子化に追い打ちというようなことにもなりかねませんので、少子・高齢化社会対策等々と並んで政府全体としてこれは取り組むべきだと思います。 そういう意味では、ぜひ内閣府に位置づけをして、総理大臣を先頭といたしまして、政府を挙げて取り組んでいただけたらと思うんですけれども、最後に橋本内閣総理大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員のお考えになる考え方がわからないわけじゃありません。言いかえれば、この基本法の十条二項の一号に掲げる総合調整あるいは企画立案、そういう対応を考えるべきじゃないかということだと思うんです。 私は、実態の業務を持っていますだけに、むしろ国土交通省を中核にして、これを政策調整の責任者とし、横に連携をとらせることを考えた方が実効が上がると思うんです。例えば男女共同参画とかは総合的な施策を必要とするけれども、日常業務として実態業務をするというのではない。むしろ企画立案を政策の軌道に乗せていかなきゃならないものと、実際の交通安全という、道路をどうするか、信号をどうするか、踏切とどう重なるか、こういう具体的な業務を持っている、しかもそれが十分にできているかどうかで役割が違ってしまう。そういうものはその実施官庁が責任を持って、これを万全にするためにはほかにこういう協力をしてほしいと、横の連携をきちんととる方が私は大事なのではないかと思うんです。 例えば経済財政政策あるいは総合科学技術政策、そして男女共同参画、防災というものは、まさにどこが重点だということなしに全部の省が重なります。どの役所も実はそこで大きな役割を果たさなきゃなりません。しかし、国土交通省の持つ道路、そして今私は踏切という例をちょっと出しましたけれども、陸上交通、現場をつくりその上で車を走らせる、そういうことを考えたときには、むしろ逆にそれを責任者として、しかも横の連携がきちんととれる仕組みをつくる方が有効だと私は思い、こういう判断をいたしました。 ですから、交通政策が大事であり、その上で交通安全が大事なことは議員が午前中から御指摘のとおりです。
○西川きよし君 ありがとうございました。(拍手)
○理事(高木正明君) 次回は六月八日午前九時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十二分散会