行財政改革・税制等に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1998/06/02
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。 中央省庁等改革基本法案を議題といたします。
○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております本案の審査のため、来る六月四日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(遠藤要君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮澤弘君 私は、中央省庁等改革基本法案につきまして、総理並びに関係閣僚に御質問を申し上げます。 総理は、御就任以来、六大改革を掲げて取り組んで、大いにその推進を図ってこられました。昨今、景気対策ということが非常に大きな政策課題になってきておりますけれども、やはり二十一世紀に向かってこの六大改革が一歩一歩進んでいくということがぜひ必要だと思っております。そして、この六大改革の中で中心をなしますものは、何と申しましても私は行政改革ではなかろうかと思います。 一年半以上前になりますか、総理は、行政改革なくしては我が国の将来はない、火だるまになってもこれをやり抜くんだという非常な決意を表明されました。そして、一年以内の間に一応の結論を得て、平成十年の国会には関連法案を提案したい、こういうことを表明されました。 私は、実は率直に申しまして、総理一体そういうことをおっしゃっていいのかな、そういう感じがいたしました。何分にも大変大きな重要な問題の法案でございますので、短時間の間にこれをおまとめになることは容易なことではないということで、私は危惧の念を持ったのでありますけれども、総理は公約をちゃんと果たされました。本日、参議院においてもこの法案の審議が行われることになった次第でございます。 そこで、行政改革、今一年半になるわけでありますが、これまでの進行状況を一体総理はどういうふうにお感じでございますか。そう申しましても漠然とした御質問でありますので、例えば山登り、富士登山に例えまして今何合目ぐらいまで来たのか、どういうお感じでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、行政改革に取り組もうとスタートをいたしましたとき、議員からも今お触れになりましたように、確実にこの期間にどこまでできるかという自信があったわけではございません。 ただ、幸いにその土台は既に国民の世論の中にある程度築き上げられていたように思います。その一つは、何といっても事前管理型の行政の仕組みというものがそれなりの効果を発揮して今日の日本を築きましたけれども、同時にその限界に来ているんだということを国民は感じておられた。また、地方分権というものを求める声も国民の中に程度の差こそあれ定着をしていた。そうした中で、より透明でより時代に合った行政を求めるというお気持ちは既に私は存在していたように思います。 そして、今回の改革というのは、簡素で効率的な政府を目指したい、行政を目指したい。同時に、機動的で効率的な政策遂行を実現していくためにはどんな行政の仕組みが必要なのか、そしてその前段階にどのような作業が必要なのか。それは規制緩和であり、地方分権であり、官民分担の徹底であり、その結果として国の権限と仕事の減量を進めていく。そして、二十一世紀において国家が担わなければならない機能あるいは課題に的確に対応するためにはどうしたらよいのか、そのような考え方からこれに取り組んでまいりました。 幸い、本年三月三十一日をもって終了いたしました規制緩和につきましては、四月一日から新たな三カ年計画をスタートさせることができました。これによりまして、規制緩和の方向というものは既に定着したと考えております。 また、私自身が予測したよりも多少時間はかかりましたけれども、地方分権推進計画も五月二十九日に閣議決定をすることができました。これに基づく法律案は恐らく次の国会から順次御審議をいただくことになると思いますが、これは地方分権推進委員会の第一次から第四次までの勧告の中に盛り込まれた国と地方との関係を整序する、その目標に沿ったものであります。 そして、透明性を求められる国民の声にこたえるという観点からも、情報公開法も既に国会に提出をさせていただきました。 そうしたものを土台にした上で、本日から御審議をいただきますこの基本法案は、行政改革会議の最終報告をできるだけ忠実に法案化いたしました。そして、これは改革の方向と手順を示すものでありまして、今後基本法を成立させていただきました上で、新たに内閣に設置を考えております中央省庁等改革推進本部を中心にして、政府一体となりまして各省設置法を初めとする、膨大な量に上りますけれども、関連する法律の制定、改廃、あるいは行政の減量化のための計画の策定などの作業を進めていく必要がございます。これは大変な膨大な作業です。そして同時に、そのプロセスにおきましてはさまざまな課題、痛みというものも生ずると思います。しかし、その上ででき上がります将来の行政の姿というものを明るい未来ととらえながら、これに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ですから、今のお尋ねにもし率直に思ったままを答えますならば、ようやくベースキャンプに到着をし、ベースキャンプで荷ほどきをしながら、今ベースキャンプとしての体裁をつくり上げつつある、ようやくそこまで参ったかと、そのような思いでいるところでございます。
○宮澤弘君 次に、私は行革の使命と申しますか行革の基本理念、基本方針について伺おうと思ったのでありますけれども、既にただいま総理からのお話の中にそういう点は述べられております。 私は、行革のまず出発点と申しますか基本は、国の果たすべき機能、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、これを徹底的に究明することではなかろうか。そして、これによって官から民へ、中央から地方へという流れができるのであります。そしてさらに、その結果、中央省庁のスリム化と申しますか効率化も実現をされる、これが行革の道行きであり筋道である、私はかねてからそう考えておりました。総理のおっしゃったこともそれに符合をいたすと思います。 ところで、これまで何回か行政改革の試みがなされたのでありますが、必ずしも予期したような成果が上げられなかった。私は、それは二つ原因があったと思います。 一つは、実現可能なことが意図されていた。実現可能なことが意図されていたというのは当たり前じゃないか、実現不可能な行革などはあり得ないよとおっしゃるかもしれませんけれども、実現可能という言い方は、霞が関、役人の間では役所がうんと言わなければだめですよ、こういうことに通じているのであります。そういたしますと、役所がうんと言わなければだめな行政改革というのは、要するに行政改革に当たらないと私は思うのでありますが、それが一点であります。 それからもう一つは、国家機能、国が一体何をなすべきか、これが根本的な検討課題であると思いますけれども、それについての検討が十分になされなかった、私はその二つの点ではなかろうかと思います。 そこで、それに関連をいたしまして、私は、一昨年でございますが、参議院の本会議で総理に御質問を申し上げましたので、その質問と総理の御答弁の要旨を拾い読みしてここで申し上げてみたいと思います。 私はこういうことを申しました。 これまでの行革では、国家機能のあり方の検討が極めて不十分だったと私はかねてから考えておりました。行革の基本は、公の行政として何をなすべきか、また何をなすべきでないかということを検討し、官と民との間の線引きをすることから出発すべきであります。その上で、政府の任務とされることもなるべく地方政府に任せることとし、かくして富より民へ、中央より地方へが行革の二枚看板となるのであります。 こうして中央政府の行うべき行政の量と質とが定まることによって、それをどのような組織で行うかという省庁の再編成の課題が出てまいります。こういうことを申し上げました。 それに対しまして、総理は、これも拾い読みをさせていただきますが、 私は、行政改革会議におきまして、まず二十一世紀における国家機能のあり方、それはいかなるものか、そしてその国家機能のあり方というものの上に立って、それを踏まえた行政機関のあるべき姿について議論をしていく、結論を得たい、そのように考え、一年以内に成案を得たいと委員各位にお願いを申し上げている次第であります。 まさに、国家あるいは行政が何をなすべきなのか、国家機能という議論が先行しなければなりません。 そうした点から、現在の政府の業務を当然のものとするのではなく、規制緩和あるいは地方や民間への業務と権限の委譲により行政をスリム化していく、それを土台にして中央省庁の再編に取り組む、そう考えておりまして、 こういう答弁をしておいでになります。つまり、国家機能論ということがまず先行をしなければならない、その上での省庁再編を考えていく、これが筋道ではないかと、すこぶる明快な答弁をしておいでになるのであります。 そこで、総理に伺いたいのでありますが、これまで足かけ三年の行革の過程がございましたが、国家機能のあり方の検討がこれまで十二分になされたと、こういう認識をお持ちでしょうか、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この行革会議が始まります前、私はよく、まさに国家機能というのは何か、私なりに考えてみまして、国家を存続させていくための機能、そして国の富を確保、拡大していく機能、さらに国民生活、国民の暮らしの保障、向上、そしてもう一つ大事なものが教育あるいは国民文化の継承、醸成、大きく分けるとこの四つの機能ではないだろうか、個人的な考えをよく口にいたしておりました。 私は、行革会議が非常に積極的に議論をしていただき、二十一世紀の主要な行政課題として国際社会の平和と繁栄への貢献、国家主権の確保というものを第一に、我が国の平和、安全秩序の維持確保、健全な財政の確保、通貨の安定、金融秩序維持、産業競争基盤の維持向上による強靱な経済の形成、国土の整備、開発、利用、保全、食糧・エネルギーの安定供給の確保、環境の保全と自然保護、少子・高齢社会における国民生活・福祉の向上、創造的な人材の育成と先端科学技術、学術や文化の振興などという形に論議を整理していただきまして、それに基づいての将来図を描こうとしていただいた、このプロセスを振り返りますときに、随分真剣に議論をしていただいた、そして、その主要なポイントというものを論点としてきちんと踏まえていただいたと、そのような思いは実感として持っております。
○宮澤弘君 私は、私自身、行革推進論者の端くれの一人だというふうに自認をいたしておりますが、そういう立場から率直に見ますと、今回の行革では、これまで行政改革委員会や行政改革会議、これは非常に精力的な審議をされたと思います。民間の委員がいるこういうもので徹夜をして議論をしたというようなことは、恐らく今までなかったと思います。そういうような関係委員会あるいは会議の精力的な御審議がありましたけれども、国家機能のあり方についての具体的な、私はあえて具体的と申し上げたいのでありますが、具体的な検討が十二分になされたのだろうか、そういうことにつきまして、率直に申しますと不満を覚え、不安に感じ、あるいは焦燥の感を抱いてまいりました。 スリム化の問題を含めまして、国家機能のあり方の十分な検討に時間が余り割かれなかったのではなかろうか。その結果、内容つまり省庁が何をなすべきかという事務事業の点検が未熟なままに、入れ物であります省庁の機構とか組織でありますとか、そういうものの議論が先行した感があるのではないか。各省庁というのは、これから何をなすべきかという問題よりも、どこの役所とどうくっついてどういう組織をつくるかというようないわば新居づくりにどうも狂奔をしたような印象がございます。マスコミが、族議員の応援を得ての役人の陣取り合戦だというような表現をいたしたのも、こういう現象を指していたのではなかろうかと思います。 そういうことで、私は率直に申しまして、一体国家機能の具体的な検討がこの程度でいいのだろうかと懸念をし、自問自答をいたしたのであります。 しかし、総理、これは私の杞憂でございまして、幸い、今回提案をされた法案は、そのくだりについて明白な問題意識を持っていると思います。国家機能の具体的な検討の問題がこれからの重要な課題であるというように位置づけられて、この法律が構成をされております。大いに我が意を得たところであります。 格別、この法案を今ここで細かいことを申し上げる必要はないのでありますけれども、例えばこの法案の第四条によりますと、「中央省庁等改革の基本方針」とございまして、その三号に、あえて読ませていただきますが、「国の規制の撤廃又は緩和を進め、国と民間とが分担すべき役割を見直し、及び国と地方公共団体との役割分担の在り方に即した地方分権を推進し、これに伴い国の事務及び事業のうち民間又は地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りこれらにゆだねること等により、国の行政組織並びに事務及び事業を減量し、その運営を効率化するとともに、国が果たす役割を重点化すること。」、こういうふうに書かれておりまして、行政改革の基本の筋道がしっかり明示されている、私はこういうふうに認識をいたしております。 そこで、総理に伺いたいのであります。 この法律は、いわば方針と申しますか、プログラムであるというふうにも言われておりますけれども、このプログラムにのっとりまして攻めて今後、まず国の役割の見直しというものを徹底していただきたいと思います。そして、それが基本でありまして、その上で官から民へ、中央から地方へという流れを確実にしなければならないと思います。そして、その結果、中央行政のスリム化、効率化が図られていく、こういうことでなければならないのであります。 その意味では、省庁の職務権限の検討等、行革はまさにこれからだという決意のもとに、改めてそういうお考えで推進をしていただきたいと思いますけれども、その御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、法案第四条を引用されまして、この目的意識というものが希薄にならずに済んだ、杞憂であったと言っていただきましたことを私は大変幸せに存じます。 その上で、もしあえてつけ加えるとすれば、官から民という言葉と公と私という言葉とどっちがよかったかなと、その後自問自答している部分がございます。何となく官から民へと言ったときに、議員が杞憂と言われました部分、すなわち地方の部分がややもすると抜け落ちかねない。しかし、行政というものは、国の行政であれ地方の行政であれ公という点では変わりがありません。そして、私とこれを対比させた場合には、むしろ地方分権というものがきちんと位置づけられているそのイメージからいっても、もしかすると言葉を違えた方がよかったのかなと、内心そういう思いはございますが、逆に地方分権というものを明記させていただいたという点でこの点にはお答えができているのかもしれません。 この改革は、まさに基本方針、また基本理念として方向を明確に示しておりますように、ただ単に行政組織を書きかえるものではない、規制の撤廃・緩和、地方分権、そして官民の役割の分担、こういうものを徹底しながら国の権限と仕事の減量を進めていき、同時にふさわしい姿を模索するわけであります。 恐らく、関係法案の立案あるいは減量、効率化のための事務事業の見直し、計画の策定等まで含めますと、改革の具体化の作業というものは今我々が想像している以上に膨大なものになるであろうという覚悟をした上で、こうした作業に当たりましてこの基本法の内容を忠実に具体化していく。そうした方針のもとで、それぞれの従来の縦割り、あるいは既往の利害というものにとらわれずにこの改革の内容を推し進めていかなければなりません。 全力を尽くしてまいりたい、そうみずからにも言い聞かせておりますけれども、長く事前管理型の行政になれ親しんできた、これは官僚の諸君もそうでありますが、国民もそういう部分を持っておるわけでありますから、これを自己責任の原則と同時に事後チェック型の行政に切りかえるというのは、言うべくして大変な作業になると覚悟を決めた上で全力を尽くしてまいりたいと思います。 院における御支援を心からお願い申し上げたいと存じます。
○宮澤弘君 ただいま総理がおっしゃいましたように、この法律に基づいていろいろこれから検討を進めなければならない問題が山積をいたしております。内閣機能の強化の問題もございましょう、あるいは新しく独立行政法人というような制度をつくっていくというようなこともございましょう。しかし、私は、そういういろいろな問題がたくさんございますが、重要課題のポイントの一つは、今申し上げましたように、これから各省庁の権限、何を行うかというような権限を見直すこと、これが一つのポイントではなかろうかと思っております。 これは具体的に申しますと、私は各省庁の設置法を根本的に見直していくということではなかろうかと思いますが、総理、いかがお考えでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 見直しで済めば本当はよろしいのでありますが、恐らく私どもは、ただ単に見直すというのではなく、新しい仕組みの中での設置法を全く新たな官庁を設置するようなつもりでつくり上げていかなければならないと思います。 そして、その前提にありますものは従来の縦割り、あるいは既往の利害を排しながら改革の内容を着実に実現する必要性というものになると思います。 その場合には、当然ながら新たに大ぐくりをされますそれぞれの省庁、もともとを構成しておりました設置法をきちんと見直す作業は避けて通れません。同時に、新たに分権が進む結果、あるいは官民の役割分担、いわゆる規制緩和・撤廃等が進んでいく中におきまして、所掌事務、権限、あらゆるものを見直していくということになりますと、これはどこかで集中して作業をいたしませんと見落としをいたしましたり不整合を生ずる可能性がございます。 こうした新体制の移行に必要な中核的な事務、これは集中的にまた一体的に処理をしていく必要があると考えておりまして、総理大臣を本部長、全閣僚をメンバーといたしまして中央省庁等改革推進本部を内閣に設置をいたし、まさにその政治のリーダーシップのもとに内閣を挙げてこれを進めてまいりたいと考えております。 同時に、そのプロセスにおいて第三者の方々の御意見、知恵というものをいかにその作業に反映し、同時に、目的から逸脱することがないかチェックをしていただく仕組みづくりというものももう一つ大事なポイントとして今私どもとしては考えておる次第であります。
○宮澤弘君 見直しで済めばよいとおっしゃいました。私も全くそのとおりでございます。ただ、少し気が弱いものでございますから余りトラスチックな言い方は申し上げなかったのでありますけれども、全く新しい官庁をつくり上げるとおっしゃるお気持ち、それでやっていただかなければならないと思うのであります。 各省設置法というのは、もう総理に申し上げることもないと思うのでありますけれども、例えば大蔵省の設置法でございますと、国の予算及び決算を作成すること、あるいは金融機関の融資及び金利を規制することというような規定のように大変広範かつ包括的な規定がございまして、それに基づいて個別の法律の根拠なしに各省の裁量行政、あるいは通達行政と言っていいのかもしれませんけれども、これが行われている。これが今大蔵省の例を申しましたけれども、各省の設置法の実態であります。 そういうことで、各省設置法の見直しということでなくして根本的に新しいものをつくり上げるということでありましょう。それが総理がおっしゃったように必要なことでありますが、これについては恐らく各省庁の抵抗が極めて強いと私は思います。 そこで、この作業というものを各省庁に任せっきりにしていたのでは、これは率直に言ってだめだ、らちが明かないと思います。そういう意味合いでは、最終的には本部長である総理が責任を持って決断をされなければならない面が出てくると私は思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうしたことは必ず起きるでありましょうし、また起こらないことを望みますけれども、この本部でこうした作業を一括して行おうと考えておりますのは、やはりそれぞれの現在存在をする省庁にそれぞれの省庁の持つ設置法の範囲での業務を命じたのでは進まない、率直に私はそういう思いを持っております。 ですから、これは内閣に設置をいたします総理大臣を本部長とするその本部事務局、これを中心にして、当然ながらその事務局には民間にも御協力をいただく、人間の派遣までを含めてお手伝いをいただく部分があるわけでありますが、この事務局と本部長、そしてさらに今申し上げましたような応援しチェックし、場合によっては私どもの作業が方向がずれているといった御注意をいただけるような第三者の仕組みをどうつくり担保し、これによって一つ一つの作業に手落ちがなくしかも着実に進むような仕組みがつくれるか。いずれにしても、政治としての決断を示す場面というのはしばしば生ずるでありましょうし、その場合は本部長である内閣総理大臣の責任においてその問題を裁定していかなければならないであろう、それは覚悟をし、そうした仕組みをつくりたい、そのように考えております。
○宮澤弘君 総務庁長官に伺いたいのでありますが、ただいま総理もおっしゃいましたけれども、これからの行政改革の推進力は本部がいかに強力に調整力を発揮することができるかということにかかっていると思います。そして、そのためにも事務局というものがしっかり構成をされ運営されなければならないと思います。 そこで二、三伺いたいのでありますが、今回、設置法の改正の議論をしているわけでありますけれども、それも含めまして、この法律の施行に関連してどのくらいの法律の数を手直しと申しますか、おやりにならなければならないのか。現在一体我が国に法律の数がどのくらいあるのか、法制局長官、幾つぐらいあるのですか。 済みません、突然伺いまして。大体で結構です。
○政府委員(大森政輔君) 今まで正確に数える機会というのはそうございませんので、あくまで概算としてお聞きいただきたいと思いますが、現在法律は私どもの知り得るところでは千六百九十本余り、そのほかに生きている政令が千九百三十本余り、大体このような数で数えられております。
○宮澤弘君 千数百あるということでございますが、今度この法律の施行に伴ってどのくらいの数の法律を手直しするといいますか、対象にして検討されなければならないか、まずそれを伺いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま法制局長官が御答弁申し上げましたように、約千七百本前後の中で、今御相談申し上げておりまする中央省庁基本法、さらにこの国会意思を決定していただきますとその延長線上にある、先ほど議員もお話がありましたように内閣法、国家行政組織法あるいは省庁設置法等々、さまざまな法律に直接間接に関連してまいりますが、一体千七百本の中でどれぐらい関係してくるかということになりますと、相当数に及ぶということは判断いたしておりますけれども、現段階ではまだ詳細承知をしていない、そういう状況でございます。
○宮澤弘君 それは全く相当数に及ぶでございましょうし、そういうお答えをいただけばそれに対してもうそれ以上進めませんので結構でございますが、大変な作業だろうと思うのであります、しかも総理の御意図は大体二〇〇一年に仕組みの出発をさせたいとおっしゃるのでありますから。 そこで、事務局というのは大体どのくらいの規模をもって臨まれようとしておりますか。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほど総理が御答弁申し上げましたように、本部長総理大臣、そのもとに事務局の組織体制の整備をしてまいりますが、現段階におきまして予備的に検討をいたしておりまする前提で申し上げますと、大体、今回国会意思を決定いただきまして、そして公布を三、四日したらしていただけるだろう。直ちにこれを立ち上げしなければならないことは当然でございますが、その幕開き当初においてはおよそ百名前後であろうか。しかしながら、先ほど議員もお話がございましたように、まさに五十年、百年の大計を立てる今次の作業でございますから、限りなく大きないわば膨大な事務作業になる、そういうことを考えていきますと、また近々と申し上げましょうか、百五十名前後になるかなと、そういう一つの見積もりをいたしております。
○宮澤弘君 今回の推進は本部及び事務局の体制というものが非常に大きな意味を持っておりますので、強力な布陣で臨んでいただきたいと思います。 それに関連をいたしまして、先ほど総理からちょっとお話もあったのでありますけれども、今度の行政改革が官僚のための官僚の手による行政改革であってはならない、そういう意味合いにおきましては、本部なり事務局に民間の人たちの英知をどういうふうにしてかりていくかが非常に必要だと思うのであります。 総理は、昨年来、行政改革会議を御自分で主宰なさいましたが、この行政改革会議の運営というのはまさに官僚を入れないで民間の人を中心に運営をされてきた、そういう意味合いてもう既に御経験をお持ちだと思います。 それで、先ほどのお話もありましたけれども、もう一度伺いますが、まず事務局に民間の人をぜひ入れなければならないと私は思っておりますけれども、その辺は一総理としてはもう腹を決めておいでになりますかということが一点です。 それから、今度は、本部につきましては第三者的な監視機関を設けたらよろしいというような衆議院の附帯決議もございます。私は傾聴をすべき考え方だと思いますけれども、それは第三者的な機関を設ける、そういう方針で今後考えていく、こういうふうに受け取ってよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、問題の性格上、事務局長といういわば事務の総まとめに当たる人間、これはやはり行政を知り、同時にまさに新たに生まれてくる設置法というものを事務的に整備する責任者でありますから、これは行政の経験者の方が望ましいと考えております。 そして、その下にできるだけ私は民間の方々の力は、責任のある場所を含め拝借をしたい、そう願っておりまして、内々ぜひ人間をかしてください、そうお願いを申し上げている向きもございます。これは小里長官とも御相談をしながら進めておりますが、最終的に百五十名ぐらいまでと言われましたその中に、私どもはできるだけ民間から優秀な人材をかしていただきたい、そういう思いを大変強く持っております。 また、第三者的な立場から御意見をいただきたい。これは本気で私どもはそう考えておりますし、これは恐らく本部長に直結をした形でそうした組織図を描くことになろうと存じます。そして、行政改革会議はまさにつくり上げる役割をしていただく、いわばその青写真をお願いした方々でありますから、当然ながら第三者機関は、今後、その行政改革会議の御意見というものを忠実に反映をいたしました本法が成立をするという仮定で申し上げるなら、本法律案に忠実に政府が作業をしていくかどうかをきちんとチェックし、足らざるところを補っていただくわけですから、継続性とともに、また新たな役割としての人選が必要になろうかと思います。 しかし、いずれにいたしましても、そうした第三者機関を私自身欲しいと考えておりますし、将来を考えましても、きちんと組織図の上に位置づける、まさにそれは本部長に直結をした、ある場合はスタッフ機能を多少お果たしいただくような場面もあるかもしれませんし、チェック機能を働かせていただく場面もあるかもしれません。大変重い役割を担っていただくそうした組織はきちんと発足時からスタートをさせていきたい、つくらせていただきたい、そのように願っております。
○宮澤弘君 次に、この法案に即しまして多少具体的な問題について御質問をしたいと思います。 まず第一の問題は、公共事業の見直し、公共事業改革についてでございます。 この法律を見ますと、実に思い切った改革案が提示されている、私はそういう印象を持っております。私もこれまでいろいろな行政改革の案を見たことがございますけれども、これほど画期的な改革案というのは大変珍しいのではなかろうか。この改革が一つ行われることによりましても、国と地方との間の考え方とか物の流れとか行政のあり方というものは随分変わってくる、私はこのように考えております。 そこで、公共事業のあり方につきましては、私もかねてからいろいろ問題があるなと思っておりました。例えば、市町村道に対して建設省が補助金を出しております。これは、平成七年度の建設省の統計年報によりますと、事業費総額で約一兆五千億、相当な事業費でございます。それから国費が七千七百億円出ている。これは今ここで建設大臣に御質問はいたしませんけれども、私は、建設省が、国が市町村道に補助をするというようなことが一体適当な施策なんだろうかということをかねて考えておりました。今度の行政改革におきますこの公共事業の見直しでは、基本的な国家的なものは国が行うけれども、残りは大体地方団体に任せるというようなのが基本方針であると思うのであります。 そこで、総理に伺いたいのでありますが、この公共事業ということの中にはいわゆる新しい社会資本というようなものも恐らく含み得るのではないかと思っております。しかし、それについてはこれ以上伺いません。伺いたいことは、先日もこの委員会で公共事業と新しい社会資本の概念についていささか問答がございました。公共事業というのは大変古い言葉だと私は思っております。これは一方においては財政法第四条で国債、公債の対象となる事業、こういう意味で使われておりますし、他方、予算編成の際の主要経費を指すもの、こういうようにも使われておりまして、両者は必ずしも全面的にはダブっておりません。重複する面もあれば重複しないものもある。一方、社会資本というのは新しい概念だと私は思います。 そこで、総理に二点伺いたいのでありますが、この際、使い古された公共事業という呼び方や概念というものを新しい時代に適合するように検討、整理をしたらどうであろうか、こういう提案でございます。 それからもう一点は、あわせて財政法四条で国債の対象になる事業が決まっておりますけれども、これについて再検討する必要があるのではないか。この二点について伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 順番をひっくり返させていただきまして、財政法四条に規定する公債発行対象経費の範囲を考え直したらどうだと。この点につきましては、海外でもさまざまなやり方があり、また論議もございます。そして、御承知のように、我が国の場合、財政法は健全財政主義という原則のもとに、世代間の負担の公平の視点から合理的と考えられる範囲において例外的に建設公債の発行を認めるというのが今までの公式な見解として申し上げてきたところであります。 同時に、建設公債というもの一つをとりましても、その対象となる経費あるいはその償還期間、いろんな御議論がございました。本院におきましても、例えば特例公債との区分を廃止してはどうかという御意見もございましたし、また逆に、その区分には言及せず、むしろ十年あるいは五年といった時限を切った国債の発行というものについての御論議もございました。そして、こういう点についての御論議というものはそれぞれに傾聴すべき部分を持っておりますから、これからもどうぞどうぞという言い方はしかられるかもしれませんけれども、私は、この問題はより論議を深めていただきたいと考えておりますテーマの一つであります。 また、その上で、今御指摘のありました公共事業、確かに公共事業という言葉の定義は幾つか振れておりまして、殊に施設費を含む場合含まない場合、いろいろなことから先般も参議院の御審議に御迷惑をおかけいたしました。私ども、この法律におきまして、その定義について必ずしも具体的に論議をいたしておるわけではございませんけれども、一般的には国民の暮らしあるいは経済活動の基盤となる社会資本、その社会資本に対し国が費用を負担して整備を行うもの、そうしたものを念頭に置いてきたわけであります。 その意味では、今回、提出をいたしております補正予算等におきましても、必ずしもその概念が従来の公共事業あるいは施設費という区分と厳密に一致したものではございません。それが先般、主計局長と私の食い違いのような形で委員にも御迷惑をかけました。 ただ、いずれにいたしましても、公共事業というものはその時代によってニーズの違いもありますので、そしてその配分の重点化を行っていく、必要に応じて範囲を見直すということは当然必要なことだと考えております。 そして、今回の場合、特に公共事業につきましては、国と地方の適切な役割分担を確立する、あるいは地方支分部局への権限委譲を前提とする、あるいは業務の効率化、決定プロセスの透明化、こうした点の見直しを行うという趣旨の規定を本法に入れております。 こうしたことにかんがみますと、私は、本基本法案の公共事業の範囲、施設費を含まないといった従来一つのパターンとして定着をしておりました考え方に、いわば限定的な解釈にこだわる必要はない、そのように考えてまいりました。
○宮澤弘君 公共事業につきましてはまだ二、三伺いたいことがございますが、最後に公共事業に関連をして一つだけ付言をいたしたいことがございます。 あってはならない話だと私は思うのでありますけれども、この公共事業の見直し規定は大改革でございます。そういうこともありましょうか、既に官僚の間でこの条文を骨抜きにしようとする動きがあるといううわさがございます。うわさだけであろうと思いますけれども、それにしても言語道断な話だと私は思います。ここには公共事業の大どころを主管しておられる建設大臣初め運輸大臣、農水大臣おいででございます。私は答弁をいただこうとは思いませんけれども、この見直し規定、大改革でございますので、どうかひとつこれの見直しに十分腹をくくって対処していただきたいと希望を申し上げておきたいと思います。 次に、地方分権の問題について一、二伺います。 まず、総理に伺います。 先週、内閣は地方分権推進計画をお決めになりました。そこで、この際、この推進計画を実現することによって、地方の人たちの生活がどう変わっていくのか、地方自治がどう変わっていくのかということを、これはなかなか一言でおっしゃるわけにはいかぬと思いますけれども、この際でありますので、国民の皆さん、地域住民の方々に総理のメッセージを伝えていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来、国は地方分権を進めるということを国民に対しても申し上げ、その上で地方分権推進委員会に非常に積極的な作業をお願いしてまいりました。そして、一次から四次にわたる勧告をちょうだいいたしましたが、その勧告を取りまとめて、去る五月二十九日、地方分権推進計画として閣議決定を行い、国会にも御報告をいたしました。 この中には、長い間国と地方との間でその役割分担をめぐりさまざまな論議を呼んでおりました機関委任事務制度の廃止、あるいは国の地方に対する関与の見直し、さらに権限移譲を進めること、あるいは国庫補助負担金の整理合理化、地方税財源の充実確保、いろんな項目が入っています。 そして、これはこれから私どもが具体化する作業に取り組んでいかなければなりませんし、これによって着実に分権は推進されるわけですが、これによりまして、地方公共団体がみずからの意思で御決定になれること、そのかわり、逆にみずからの責任で仕事を行っていただかなければならないこと、こうした範囲は拡大をいたします。これは当然ながら、住民の方々の意思を反映しやすい行政、あるいは地域住民のさまざまなニーズに応じた地域づくり、町づくりというものが可能になるということでもあります。 その意味では、地域の自主性あるいは多様性を尊重した個性豊かな地域社会をつくることができる、そのように申し上げてもよろしいかと思います。 今国会におきまして御審議をいただきました中にも、例えば大店法の廃止に伴いまして、従来の経済的な規制としての大店法ではなく、大型店が立地いたしますことによる生活環境あるいは交通渋滞、騒音といったいわば社会的な側面からこの問題をとらえ、同時に、中心市街地活性化あるいは都市計画法におけるゾーニングの手法の活用といった、それぞれの地域が、地域社会、自治体の意思として住民の声を踏まえながら対応していかれる分野が既に拡大をいたしております。 こうした問題が他の分野にもどんどん広がっていくということでありまして、それは自主性によって行動される半径がふえていくことであると同時に、それだけ責任が多くなる。こうした点についてはぜひこの機会に皆さんの御理解を得たい、国民の御理解を得たい、私どもはそのように願っております。
○宮澤弘君 権限がふえてくる、しかしそれは反面においては自己責任を伴うのであるということはおっしゃるとおりでありまして、国民の皆さん、地域住民の方もこの点は肝に銘じていただきたいと私も思っております。 そこで、地方分権に関連をいたしまして、市町村合併の問題について御見解を承りたいと思います。 地方分権によっていろいろ権限がふえ、やることがたくさんになってくる、したがって受け皿としてはちゃんとした市町村でなければ困る、市町村体制の整備が必要だということが言われているわけであります。同時にまた、地方分権と直接の関係はございませんけれども、例えば介護に関する仕事というようなものは近く市町村の全面積任になってまいります。どうしても、そういう広域的な事務処理ということのためにも市町村合併ということは考えていかなければならない問題だと思います。 申し上げるまでもなく、市町村合併は基本的には関係の市町村の自主性のもとにおいて考えられ、行われるべき問題でありますけれども、この問題は国なり県なりにおいても大いに関心を持っていかなければならない問題であることは申し上げるまでもございません。 そこで、市町村合併につきまして、総理、どういうふうにお考えになりますか、御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、平成十年五月二十八日現在で集計いたしました全国に広がっている市町村合併の動きをチェックしてみますと、法定の合併協議会が設置されたところが七つ、任意の合併協議会が設置されたところが六つ、平成七年四月一日以降、報道によりまして市町村合併の動きが報道されたところが六十六地域、こうしてみますと、合併の動きというのは必ずしもそれほど速いスピードのものではございません。 しかし、実行の段階に入りました地方分権というものを考えましたとき、これが成果を上げるためには、行政を取り巻く環境の変化に適切に対応するために、やはり市町村合併というものによって行政、また財政の基盤を強化することは極めて私は重要なことだと思います。 そして、地方分権推進計画の中で、先ごろ取りまとめていただきました地方制度調査会の答申などを踏まえまして市町村合併に関する今後の推進方策を盛り込ませていただきました。政府としては、その機運の一層の醸成に努めていくとともに、実効のある対策、方策を講じることによって自主的な市町村合併というものが行われますように積極的に支援をしていきたいと思います。 よくございます機械的に一定の人口というものを前提にした強制合併のような考え方は、私は賛成できません。むしろ合併することのメリット、デメリットを十分お考えいただいた上で自主的な市町村合併というものが推進されるような、そうした方向づけに対して政府としても努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○宮澤弘君 今、一定の人口を前提にして強制的にやれというようなことは考えていないと、それはもうおっしゃるとおりだと思います。 そこで、自治大臣、簡単でよろしゅうございますけれども、昭和二十八年の町村合併の際には当時の世相を背景にして人口八千人というのが適正規模だというふうに言われておりましたが、現在及びこれからの社会の発展なり地方制度のあり方を考えて、今後は大体どのくらいの人口規模が、無論それは所によって、場所によっても違いますけれども、どのくらいの規模がいいんだろうか、もしあればおっしゃっていただきたい。なかなかこれは難しい話だと思います。アイデアがおありになれば簡単で結構でございますから教えていただきたい。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、昭和の大合併の際には八千人を目指していたということをお聞きいたしておりますが、規模はどれくらいがいいのかアイデアがあるのか、考えがあるのかと、こういうことでございますが、私は非常に難しいことだと思います。 一方には、学者でありますとか評論家の皆さんに十万人にそろえたらどうかとかあるいは三十万人というような御意見もございます。また、ただいまのような八千人というような一つの考え方も過去にはあったわけでございますが、大都市地域、地方都市あるいはその周辺の地域あるいは中山間地域等、市町村が置かれておる状況はさまざまでございまして、非常に多様な状況にあるわけでございます。それぞれの地域の実情に応じまして市町村の考え方、あり方というものはなされなければならない。総理からもお答えいたしましたように、市町村の自主的な判断がそこに当然あると思っております。 したがいまして、そのような意味からいたしますと市町村の適正規模を一律に論ずることは極めて難しい、このように認識をいたしております。
○宮澤弘君 総理に、市町村合併に関連をして最後に一つ伺います。 市町村合併が進んでまいりますと、当然府県というものは今後一体どういうふうになっていくのか、なっていくべきかという議論がいよいよ出てまいると思います。府県の未来像というものについて、あるいは府県合併の議論もありますれば道州制の議論もありますが、総理、どうお考えでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来、ほかの仕事をしておりましたとき、例えば救急医療における広域体制づくり、特に都道府県境をまたがるブロックにどういう図面をかくべきかとか、随分いろいろな角度からの議論をしてきたことがございます。 今回の地方分権推進計画そのものにおきましては、都道府県と市町村との関係につきましては、現行の都道府県、市町村という二層制の地方制度を前提にして、それぞれの性格に応じたお互いの役割分担を明らかにして、対等な新しい協力関係を構築するという考え方をとりました。 これはいろいろな理由はございますけれども、何といっても市町村は住民に一番身近な行政主体、基礎的な地方公共団体として仕事をしていただく。都道府県は広域の地方公共団体として、広域にわたる事務あるいは一般の市町村を超える規模あるいは能力を必要とされる事務、本来の役割を重点的に担っていただく。そうしたやり方が現実に地方分権を進める上では、私どもは有効であり現実的だ、そう考えてまいりました。そして、都道府県の区域を越えた広域的な行政需要というものがもし大きくあるなら、広域連合などを活用していくことで都道府県の境界を越えた連携が可能になると考えてまいりました。 道州制については、さまざまな御議論があることは議員よく御承知のとおりであります。これは地方自治制度の基本に触れる、言いかえれば基本構造を変えていく、それが是か非かという性格のものでもありますだけに、私はやはり十分な議論をしていくべき課題であり、一挙にそこまで議論を展開することは現時点においてはいかがかなと。しかし、将来そうしたものを本気で議論していくべき場面というものは出てくるだろう。いわば、中期的な課題として位置づけ、意識の中にきちんととどめておくべきことではないか、そのように考えております。
○宮澤弘君 質問の御通告をしませんでしたのでお答えが得られなければしようがありませんが、今質問を申し上げていることに関連いたしまして、連邦国家論というのが一部にかなり出ております。それについてはごく概略、どういうお考えでございますか、質問の通告をしてございませんので、その限りでお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、連邦国家論というお話を時々拝聴することがございますけれども、果たして連邦国家というものになじむ歴史的な、また社会的な風土というものは我が国にあるんだろうかという思いがいたします。 ある論者の方々は、例えば封建制度のもとにおける大名と幕府の関係というものも一つの連邦国家だというとらえ方をなさる方があります。これは、ギリシャ、ローマの都市国家、その都市国家の連合体を一つの連邦国家ととらえる、そういう考え方もあり得るのかもしれないと思います。また、旧国鉄を分割いたしますときに、一定のエリアの中でそれぞれの地域における住民の移動の実態というものがある程度大くくりできるという調査結果を得た記憶もございます。 その上で、我が国の社会経済体制、歴史的な風土、すべてを加味いたしましたときに、例えば道あるいは州、あるいはもう一段現実の姿に戻って都道府県、これを一つのエリアとして、外交権あるいは安全保障にわたるような機能は除き、それぞれの地域にすべての権限をおろした上で、その上に存在する連邦国家日本というものをつくりましたときに、果たしてそれはうまく本当に機能するものなのかどうか、率直に申し上げて私には相当異論がございます。 個人的な異論のみではなく、例えば財政的に現在でも財政力指数に相当差異のあります地域というものが、どういう財源配分をベースにし、その上でそれぞれの構成員からいわば今度は上納されることになるのでしょうけれども、ドイツ型を想定いたしましても、中央政府の役割というものは大きく変質し、現在の日本とは全く違った姿のものになっていくのではないでしょうか。 それを足とされるならこれは一つの御見識であろうと思いますが、私は必ずしも現実に立脚したものとは考えておりません。
○宮澤弘君 この件に関して、総理の御見識を御披露いただきましてありがとうございました。 私の質問の最後に、政と官とのかかわり合いと申しますか、あり方につきまして、総理の御答弁というかあるいは感想を伺うことになるかもしれませんけれども、伺いたいと思います。 我が国、長い間中央集権的な官僚国家と言われておりました。そのような国家行政体制を、政治家本位の政治を回復するんだということが今回の行革の一面でもあろうかと思っております。 官僚は勝手気ままに振る舞って、権力を乱用して今日の事態を招いたではないかというようなことが言われておりますけれども、官僚に勝手を許した我々政治家の姿勢にもこれは一因があったのではないかと私は思います。政治家がその責めを十分に果たさないで官僚任せにしたことにつきましては、我々は反省をしなければならない。我々と言って僭越であれば、私は自省をいたしているところでございます。 その点から申しましても、今回の行政改革の成否というのは、我々政治家が官僚を十分に使いこなす、使い切れる見識と力量とを示すことができるかどうか、こういうものにかかっていると私は思っております。 そこで、総理に官僚のあり方について一、二伺いたいのでありますが、最近、官界では不祥事件が続出をいたしておりまして、官僚は意気消沈、寂として声なしというような状態であります。無論、正は正、邪は邪でありますから、正邪はただしていかなければならないと思うのでありますけれども、官僚なり官僚の組織というものは、我々政治家が政策を立案決定するに当たりましては、その協力者として、そのパートナーとして必要な仕組みであり、組織であると私は思います。 アメリカのように議員に何十人と秘書がついて立法をやっていくということであれば別でありますけれども、我が国の現状においては、そういう官僚をパートナーとして組織化していくことが必要である。いわば官僚というのは我が国における最大のシンクタンクではなかろうかと思っております。 そこで、総理、官僚がここまで信頼を失ってしまった原因というのは一体どこにあったか、どういうふうにお考えでございますか。それから、それの裏になるわけでありますけれども、無論、官僚自身の反省があるのは当然でありますし、また公務員制度等の改革も必要でありますけれども、この官僚の信頼回復のために今、官僚に何が求められているというふうにお考えでありましょうか。官僚組織の再建をどういうふうにお考えになりますか。その辺のことについて、御答弁なり御感想なりをいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変難しい問題を踏まえた御意見でありまして、現象的に答えますならば、これは私は一部職員の不祥事が相次いだ、それは本当にそれぞれの公務員の心がけの問題だと言ってしまうこともできるのかもしれないと思います。そして、事案ごとにさまざまな要因があった、しかしそれは綱紀の緩みだ、そう言ってしまえばそれで終わりなんだと思うんです。 ただ、やはり私どもが本気で反省をしなければならないこと、それはまさにこの長い第二次世界大戦後の日本の歴史の中で、私どもは打ちひしがれた廃墟の中から今日の日本をつくりますために、官僚機構の持つ、また官僚の持つ優秀さをフルに活用して今日を築いてまいりました。そして、その官僚が非常に大きな役割を果たし得た一つの理由、それはまさに私は事前管理型の行政、そしてその事前管理型の行政の中における裁量性というものにその大きな原動力があったと思います。その上で、今度はその裁量性というものの持つあいまいさがこうした一部不祥事を起こす温床にもなりました。同時に、日本の行政がわかりにくいという批判を呼ぶことにもなり、あるいは政官の癒着というような批判も受ける原因にもなってきたと私は思います。 そして、本来なら私どもはこの公務員倫理法の制定ということをお答えでとどめるべきなのかもしれませんし、与党とも緊密に連携をとりながら検討を進めてまいり、議員立法としての法案を取りまとめていただいたわけであります。 そして、こうした法律による倫理を保障する措置も必要でありましょうけれども、やはり私は、日本の行政というものが自己責任というものと裏腹になる事後チェック型の行政に転換し、行政の持つ裁量幅というものを最大限少なくしていく、そういう努力の過程の中で行政の透明性とともに、そうした温床になりがちの部分を取り除いていく、これが一つは大事なことであろうと存じます。 同時に、企画立案と直接の執行をできるだけ分けていく、こうした中でシンクタンク的な機能というものもより生きて活用されるでありましょうし、私どもはやはり行政改革というものの中にも今、議員が提起をされました問題に対する一面の答えを組み込んで進めてまいりたい、そのように考えております。
○宮澤弘君 ありがとうございました。 これで私の質問は終わりにいたしたいと思いますが、以上、この行革の進め方につきまして、批判めいた発言もいたしました。しかし、率直に申しまして、この法案というのは、表現がいいかどうかわかりませんが、相当なできばえである、私はそのように考えます。この法律の各条項が完全に実施されますならば、画期的な行革が成就するものというふうに考えております。 しかし、前途はなかなか楽観を許しません。どうか行革はこれからだという意気込みで総理が指導力を発揮されまして、実りある行革が実現されますように期待をいたしております。 これで私の質問を終わります。 これから私の同僚であります石渡議員が関連質問をいたします。
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。石渡清元君。
○石渡清元君 自由民主党の石渡清元でございます。 大先輩の宮澤先生、まさに得意の分野での御持論の開陳があったわけでございまして、引き続き質問をさせていただきます。 まず、私は行革の理念、目標からお伺いをしたいと思うわけでございます。 今、私どもは二十世紀の終末に立っておりまして、三年後に二十一世紀を迎えるわけでございます。現在、審議をされております中央省庁等改革基本法案、新しい秩序形成に向けて進むわけでありますけれども、総理がこの二十世紀をどう振り返り、あるいは来るべき二十一世紀がどういう時代なのか、時代認識と言うと少しオーバーかもしれませんけれども、まず、総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私には二十世紀全体を総括するほどの知識はございませんけれども、今、宮澤議員にもお答えを申し上げましたように、少なくとも第二次世界大戦後、私どもは本当に子供でありましたけれども、脳裏に刻みつけられておりますのは、疎開先から帰ってまいりまして焦土と化していた東京の姿でありました。 その中から今日の日本を築いてまいります中で、私は敗戦後の混乱期において行われました旧内務省の解体あるいは陸海軍省の廃止、例えば労働省の新設といいました骨格、これはそれなりに私は時代に合ったものであったと思います。そして、その中で自治庁が自治省に昇格をする、あるいは公務員の労働基本権に対する制約と保障措置として人事院がつくられる、さまざまな工夫が凝らされ今日まで参りました。 その中で共通したものは何かといえば、やはりよりよい国にとにかく一日でも早く戻りたいという思いの中で、国が全体をできるだけ管理し全地域に満遍のない仕事をしていく、恐らく当初の発想は私はそのような思いから事前管理型の行政というものが固定化されていったと思っております。そして、そういう必要性というのは、私どもが社会人になりました直後におきましても、産業の部分でも例えば外貨の割り当てでありますとか、さまざまな分野にその影を色濃く残しておりました。そして、それが私は今日の日本を築いたと思いますけれども、同時に、それが今我が国の進歩を妨害するものになっているとすれば、これを我々は変えていかなければなりません。 今求められるものは、国の権限と仕事をどうやってできるだけ減らすか、そして簡素で効率的な政策遂行を実現できるか、同時に国民から信頼される開かれた行政をどうすればつくれるか。そのためには国が果たすべき役割というものを根本から見直していかなければならない。その見直す角度はどこからくるのかというなら、規制の緩和・撤廃、地方分権、官民の役割分担といった見直しの視点であり、同時に、行政の透明性を確保するための情報公開法制の整備などの努力というものであろうと存じます。 そして、それぞれに私どもは、例えば情報公開法を国会に審議をお願いも申し上げ、先日地方分権推進計画をまとめ上げ、今後その法制化に取り組んでまいる、あるいは規制緩和推進三カ年計画、新たな計画がこの四月一日からスタートをする。そうした中におきまして、これらを前提に中央省庁の改革を進めてまいりたい、そのように考えております。
○石渡清元君 ただいま国の本来果たすべき役割等々についての考え方も総理から御答弁があったわけでございますけれども、そうしますと、行政による事前管理型の行政から、これからは司法による事後の規制型、そちらの方が強化されるというような考え方でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、社会的な規制については、やはり私どもお互いが安全に暮らしていく上で必要な規制というものがあると思います。例えば道交法、あるいはちょっと乱暴ですけれども銃砲刀剣の所持、こういった意味での社会的規制というのは私は今後とも我が国は必要だと思います。 しかし、経済的規制というものはやはり我々はできるだけ本当に減らしていくべきじゃないんでしょうか。その経済的な規制の時点におきましても事前管理というものが徹底しておりましたなら、新たな仕事はなかなか育ちません。ですから、まず行政はそれぞれの分野においてのルールはきちんと明らかにしなければなりません。そのルールを明らかにした上で、自己責任原則のもとにそれぞれの方々の行動というものは事後のチェックにかからしめる。 そういう意味では、私は、まずルールの明確化が、経済的規制の世界にはルールの明確化があり、それを前提として自己責任原則とともに当然のことながら事後チェック型へ変えていく、その中で新たな業が、仕事が起こってくる、産業が起こってくる、そうした方向に向けていきたいと考えておることは事実です。
○石渡清元君 それでは、角度を変えて、行革が国民生活にどういう影響を及ぼすか一あるいはどういうメリットがあるのか、行革効用論のようなものをお伺いしたいと思うわけでありますけれども、総理は戦後我が国の社会構造の転換を促す、こういうふうに表現をしておりますけれども、その将来像をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 定量的にそのメリットを示すというのはなかなか困難だと私は思いますけれども、例えばその一つの分野である情報公開というものが進めば進むほど国民は行政情報というものを得ることにより、ある場合はチェック機能という点でもこれは役立つでありましょうし、その行政に自分の意見を反映させていこうという努力の上でもこうした点にはプラスは出てくると思います。 あるいは、本日まで御論議の中でよく出てまいりました一つのケースを想定して考えますならば、行政コストが縮減されるという効果は当然想定されます。例えば定員という一つの要素をとりましても、現在も我々は総定員法のもとで毎年毎年公務員の定員の縮減に努力をしてまいっております。これからも本当にその新たな体制づくりがスタートするまでの間、その縮減の努力は当然のことながら我々は続けてまいります。 その上で、完全に新たな省庁再編の中で、例えばアウトソーシングによりどういうものが生まれてくるのか、今ではまだ想定し切れませんけれども、独立行政法人という新たな仕組みを、この法律案を国会が御承認いただくことによって認められるとすれば、当然ながらそういう部分は国家公務員の総定員から外れてまいります。あるいは改革のスタートから二年後に郵政の現業部門が公社化いたします。当然ながら国家公務員の身分を持ってではありましても総定員法の範囲からはこれは外れる世界であります。 そうした中で、残りました職員に対して十年間で一〇%以上の削減をしていこう、これは具体的に最終の数値が確定いたしましたなら予測される行政コストの減という形でお示しのできるものでありましょう。 そのほかにも、地方分権が進められることによりまして、身近な自治体で国民の求めに応じ得る余地が拡大する。さまざまな私は変革が生じていき、それは国民のメリットにつながる部分であろうと存じます。
○石渡清元君 きょうはテレビ放映しておりますので一地域の方々にも割合わかりやすい御答弁をいただきたいと思います。 また、角度を変えてお伺いをいたしますと、総理の六大改革のうちでこの行政改革の位置づけ、あるいはこの中央省庁等改革基本法が成立した場合、橋本行革は何割程度達成したと思われますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私がさせていただきたいとお願いをしております六つの改革、これは実はどれも独立した課題ではございません。相互に皆連係を持つ入り組んだものばかりです。 例えば、行政改革の中で中央省庁の再編を前提として申し上げました地方分権でありますとか、あるいは規制緩和でありますとか、あるいは官民の役割分担の見直しといった問題は、同時に経済構造改革に結びつき、また財政構造改革にも結びついていく、そうした性格のものであります。しかし、同時にそういうものが皆関連するぐらい行政改革というのはその中心を占める大きな課題であることもこれはまた間違いありません。 そして、仮にこの中央省庁再編というものが進められるとすれば、改革全体を大きく前に進める非常に大きな役割を果たすものになる、私はそう考えております。なぜなら、この中央省庁の改革基本法は行政改革のプログラム法です。そして、基本法が成立することによって各省設置法を初めとする全体が動き始め、行政改革全体が実現に向けて大きく動き始めるわけですから、今度はその反作用としてそれぞれのまた規制であるとか国と地方との間においてまだ決着のついていない分権に関連する問題であるとか、これはいや応なしに動かしていかなきゃならなくなります。 その意味ではこの法案の持つ役割というのは極めて大きなものだと思いますし、どの程度進んだんだと言われましたが、先ほど宮澤委員にもお答え申し上げましたように、それこそヒマラヤ登山で言いますならばベースキャンプを今設営中、そしてこの法律案が通過、成立をさせていただいた時点でベースキャンプの建設ができ上がった、それぐらいの重みと力を持つものだと私は考えております。
○石渡清元君 各改革が総合的にいろいろ関連をしているということはよくわかるわけでありますが、それでは、財政面からいいまして、今回の行革による政府のスリム化、これが財政構造改革にどの程度貢献したか。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 今次の中央省庁改革は、先ほどから総理も申し上げておりまするように、政府の現在の組織体系を初め、中身におきましても肥大化あるいは硬直化した戦後行政システム型をいわば簡素、効率的な、さらにまた縦割り行政を排除した二十一世紀型システムに変えていきますよと、そのところに大きな一つの目的があるわけでございます。 それが財政構造改革に関連してどの程度の貢献をなし得るかというお話でございますが、基本法におきましては、規制緩和や地方分権あるいは官民の役割分担、そしてまた特に総理が強調しておいでになりましたように、国の権限あるいは仕事などをこの際大胆に合理化をする、そういう事務事業の見直しなどを進めてまいります。その過程におきまして、順次これが財政構造改革に直接間接に相当な影響、響きを与えてくるということはもうきちんと私どもは見通しを持っておるところでございます。 率直に申し上げまして、この段階で定量的にその効き目というものはこういうものでございますということをはっきり申し上げるところにはちょっと困難な点があるわけでございますけれども、しかしながら、御指摘の趣旨は十分踏まえて、旺盛な意欲を持って並行して対処していくべきものである、さように思っております。
○石渡清元君 大体、考え方、方向性はよくわかりました。 少し各論に入りたいと思いますが、今までの衆議院の審議を通じても環境の関係が余り出ていなかったように思われますけれども、二十一世紀、これからの人類の平和、福祉を考えるときに、環境とか資源問題が非常に中長期的な課題であるということは言うまでもございません。 そこで、今回、環境省の創設の意義と環境行政がどういうふうに変わっていくか、御質問をいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在の環境庁の創設に関係をいたしました一員として私ども常に悔いておったことがございます。 ちょうど昭和四十六年、環境庁を発足させます当時、公害列島日本と言われるくらい我が国は公害問題を多発させている状況でありました。そして、その公害という問題を解決するために、いわばそのアブノーマルな状態をノーマルな状態にするための行政庁として私どもは環境庁を設計いたしました。 しかし、その当時、当時の若い厚生省の課長諸君の中に、ごみというものを取り上げ、環境庁をつくる時点でごみというものを環境行政に取り込むべきだという議論をした方が二人だけありました。実は、我々政治家も厚生省の上司も学者もメディアもその議論にはほとんど耳をかしませんでした。そして、公害という問題を解決すればするほど環境庁というもののウエートが下がるという大変皮肉な実態を現出いたしました。 しかし、今日、環境問題、これは国民の身の回りの暮らしの問題でもありますと同時に、全地球規模の我々が解決しなければならない極めて大きな戦略的課題になっております。そして、今回の省庁再編の中において環境庁という行政機関をどう見直すのか、新たな視点で環境省というものをどう考えるかというのは、特に力点を置いたものの一つであります。これが極めて大きな将来に向けての課題を持つ分野でありますだけに、環境省を創設することによりまして、この問題により戦略的、総合的な取り組みができる、そうしたスタートが切れることを心から願っております。
○石渡清元君 わかりました。 環境省が創設されましてもすべて一元化されるという意味ではございません。まだ他省庁との共管も結構あるわけでございますので、どうか他省庁との関係を含めて、地球環境問題についても大いにリーダーシップを発揮していただきたい、その御決意をお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本当に国民にもそれぞれのライフスタイルまで見直していただかなければならない、それぐらい大きな問題でありますと同時に、昨年のいわゆる京都会議、COP3の会議の議長国としての日本は、国際的にも地球温暖化の原因となりますガスの排出量を大きく減らしていかなければならない責任を負っております。 これはエネルギーの問題だけではございませんけれども、その影響というものは非常に大きなものがありますが、将来を考えるとき、我々はこれ以上地球温暖化に拍車をかけることができないとするならば、国としても法律等で必要な施策は準備をいたしますが、またリサイクル等に努力をしていく部分も自治体と協力をしながら全力を挙げてまいりますが、どうぞこの地球温暖化問題、さらには廃棄物処理の延長線上に位置いたしますダイオキシン等の問題を踏まえ、それぞれのライフスタイルまで思いをはせていただき、御協力を心からお願いをいたします。
○石渡清元君 ぜひひとつ地球社会への貢献に向けてリーダーシップをとっていただきたいと思います。 次に、首都機能移転と行革の整合性についてお伺いをいたします。 私も首都機能移転特別委員会の委員もしておりますけれども、この移転が単に東京一極集中あるいは過密化の解消ということでなくて、高度情報化時代の到来、あるいは産業も第三次産業革命に入った、まさに日本の文明の転換のチャンスという視点から首都機能移転というのは進めた方がいいんじゃないか。それと今回の行革とどのような整合性を持たせるか。国土庁長官ですか。
○国務大臣(亀井久興君) 首都機能移転についてのお尋ねでございますが、今御指摘ございましたように、首都機能移転につきまして、いわゆる東京一極集中の是正でありますとか、国土の災害対応力の強化、さらにはまた東京に潤いのある都市空間を取り戻すという、こうしたことにも大きく寄与するわけでございますが、今御指摘になりましたように、国政全般の改革にも深くかかわる大変重要な課題である、そのように受けとめておるところでございます。 国政全般の改革とのかかわりでございますけれども、物理的に首都機能を移転いたしまして、いわゆる政経分離を図るということによって、現在進めております行政改革を初めといたしますもろもろの改革をさらに一層促進し、定着をさせることになるのではないか、そのように考えております。 さらには、首都機能移転を通じて、国民の各層におきまして、東京を中心にいたしましたいわゆる序列意識、こうしたものが変わってまいりましたり、また政治や行政に対する過度の依存傾向が改善される、こういうことによりまして、より行政改革、国政全般の改革が促進をされ、意識の面での改革も促されていくようになるのではないか、そのように期待をしておるところでございます。
○石渡清元君 私は、この首都機能移転というのを、単なる列島改造論的なそういう意味の移転でなくて、一つは、文化的な歴史的なそういう哲学的な意味でもう少し詰めていただきたい。もう一つは、財政面が非常に今厳しいものがありますので財政面、この二点についてもっともっと国民的な合意、コンセンサスを得るような方向で進めていただきたいと思います。 次に、少子・高齢化対策についてお伺いをいたします。 最近の新聞、テレビでも非常に少子化問題は取り上げられるわけでありますけれども、これは予想以上に深刻な問題でございまして、特に中長期的に非常に深刻になり、また超長期的には極めて危険な状態になるんじゃないか。 例えば、一昨年の統計で、合計特殊出生率一・四二、これが変わらないでこのまま死亡率も一定としていきますと、日本の人口が半減するのが三十五年、一割になるのが百七十五年、そして約千年で日本人は地球上から絶滅してしまう、そのようにはなりませんでしょうけれども、こういう机上の計算が成り立つわけでございます。 高齢化と人口の減少というのは非常に社会のいろいろな面で影響を与えておりまして、特に生産年齢人口比率が低下するということは、将来の労働力不足、既に今も労働人口は減っております。あるいは社会保険料負担の増大、さらに貯蓄低下等々による投資マインドの抑制、経済成長がどんどん落ちていく、非常に複合的に日本経済にも大きな影響を及ぼすわけでございますけれども、この少子化現象について、総理のお考え、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私ども、本当に、高齢社会というものはある程度想定をいたしておりましたけれども、これほどの出生率の低下というのを以前想定したことはございませんでした。そして、この少子化というものが、むしろ私は比較的前から議論をしてきた一人だと思いますけれども、これほど深刻な状況にそのままどんどん進んでいくという予測を当時持っていたわけではございません。 そして、その少子化というものは、いや応なしに生産年齢人口を中心とする総人口の減少につながっていくわけでありますし、現役世代の社会保障負担の増大など、国民の生活水準そのものへの影響も考えなければならないぐらいにさまざまな社会的、経済的影響をもたらすと考えられておりまして、この少子化対策というのは重要な課題だと私どもは考えております。 殊に、昨年十月、人口問題審議会におきまして少子化への対応の柱として指摘をされましたことの一つの柱が、育児と仕事の両立支援、固定的な男女の役割分担あるいは雇用慣行を見直すといった、これは我々自身が本当に反省をさまざまな角度でしなければならない、我が国の社会全体のあり方を問い直す、そうした問いかけでありましただけに、こうした視点をより幅広く国民の皆様にも分から、議論をしていただきながら、この解決策を模索するために真剣に取り組んでいかなければならない。その意味で、この人口問題審議会の指摘というものは私どもにとって極めて本質的な問いかけを行ったもの、そのように考えております。
○石渡清元君 具体的な対策といたしまして、エンゼルプラン等々もう既に取り組んでおるわけでありますが、ここまで来ますと、少子化を食いとめる政策と少子化の影響に対する政策と分けて、なかなか分けにくいと思いますけれども分けて、もう少し人口政策的なものを全庁的に取り入れるべきではないかと思いますけれども、少子化対策について、政策についてそれぞれお願いをいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) この少子化の問題はいろいろな理由があると思いますけれども、厚生省だけでなく各省庁連携して対策を立てるべき問題だと思っていますが、厚生省としても、今まで男女の役割が固定してきた時代から今や子育てについても、あるいは育児、家事についても男も女も共同してやる。そして、かつては保育所等は保育に欠けた児童だとか片親家庭が多かったわけでありますけれども、今や共働きの家庭がふえていますから、両親が健在でも保育所にお子さんを預けるというのはもう一般的になってきた。 そういう面から考えますと、大きく男の役割、女の役割ということを固定化しないで、ともに仕事を持っていてもお子さんを育てやすいような環境を整備するのにはどうしたらいいかという視点が必要だと思うんです。 同時に、少子化というのは年金に与える影響、それから医療に与える影響、介護に与える影響全般に及んでくるわけです。その点も考えまして、各省庁と連携をとって少子化の問題に対しては総合的な検討が必要だと思っております。
○石渡清元君 これは外国、例えばスウェーデンとかフランスでも一時非常に少子化に悩みまして、いろいろな政策を講じた結果ある程度上がったという例もございます。そういう意味で、ぜひひとつ今、小泉厚生大臣のお話のとおりにさらに進めていただきたい。 御答弁の中の男女共同参画型社会、男の意識も変わる、女性の意識も変わる、これが非常に大事じゃないか。特に男性の職場滞在時間をかなり少なくしていきませんと、その意識を変えるところまで行かないんではないか。政策決定過程の中で女性の意見をどんどん入れていただきたい。それにしては、女性の国会議員さんとか大臣が随分少ないわけでございます。 調べてみますと、参議院は女性はまだいるんです、衆議院は四・八%ということでございます。イギリスでは労働党の議員四百数十名のうち百人以上が女性だと聞いております。閣僚におきましては、今残念ながら女性はどなたもおりませんが、フランスでは八人、イギリスでは五人。サミット参加国の中では女性の議員比率、登用率最下位ということでございます。そういう意味で、女性大臣の登用のあり方も含めて、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、基本的な認識は議員とそんなに違いがないと思うんですけれども、女性だから大臣に登用しろと言われると、私、それはちょっと逆に失礼な話だなと本当は思うんです。 そして、今まで私自身、例えば長尾大臣あるいは石井大臣、一緒に働かせていただきましたし、要は適材適所ということで、男性だから女性だからという起用の仕方ではないんじゃないでしょうか。 たまたま今、ピースリンクスというアメリカの御婦人たちと日本の御婦人たちの会合がございます。きのうの報告を聞きますと、プロ野球のコミッショナーが女性だということでアメリカ側の女性に大変うらやましがられて、アメリカではプロ野球のコミッショナーを女性がやるなんて考えられないというので大変うらやましがられたという話を聞きました。 むしろ、だからそういう言い方で私はちょっと議論するのはおかしいと思うんです。例えば、行政官でももっと女性の応募がふえ採用がふえれば、今まで以上に高級官僚の中にもふえていくでしょうし、そしてこれは我が党も含めまして立候補していただける方がふえれば、それだけ議員の数もふえていくということじゃないでしょうか。 これからも私は適材適所という視点を持ちながら、男女共同参画社会というものをつくっていくために、国の政策あるいは方針決定にいかにしたら女性に参画していただけるか、それを拡大していくことができるか、それは大事なことだという認識で物事は進めていきたいと思います。
○石渡清元君 女性登用については、男性、女性、それぞれ考え方が違うようでございます。今、委員席の後ろの方でもそういう声が聞こえました。 要は、少子化のもたらす影響というのをもっと世論に喚起することが大事ではないか。急速な人口の減少の持つ意味について国民にもっと理解をしていただかなきゃいけない。そのためには、小学校から大学に入るまで、あるいは社会人、生涯教育で少子化の事実と問題点というのを認識させる必要があるんじゃないか。そういう意味で一国民の意識改革あるいは啓蒙が大事だと思うんです。 厚生大臣あるいは文部大臣、この世論喚起についてお考えがあったら御答弁を願います。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおり、少子化問題について世論の喚起をしていくというのは大変重要なことだと思っております。 先ほど委員お触れになったエンゼルプランの中でも、文部省では、そうした問題に取り組む中で、特に安心して子供を産み育てる環境を整備していこうということをそれぞれの機会につくっていく努力をしております。 また、私も幾つかの教科書、高等学校の公民科の教科書とかあるいは中学校の社会科の教科書など実物を見てまいりましたが、少子化の及ぼす問題点、あるいは子供を産むことの大切さ、育てることの大切さ、そんなこともるる指導をするということになっております。 また、平成十年度の補正予算の中でも、特に母子保健の際に、あわせて親子手帳といったようなものをつくって、それを若いお父さん、お母さんに配って、そしてそれで少しく子育ての重要性、家庭教育の重要性、しつけの重要性、そうしたことを家庭の中でも議論をして学んでもらいたい、こんなような補正予算のお願いもしているところでございます。 いずれにいたしましても、生涯を通じて、委員御指摘のように少子化の持つ大変大きな意味、あるいは子供を産み育てることの大変大きな意義というものをできる限りの機会に徹底してまいる、そういう努力をしていきたいと考えております。
○石渡清元君 次に、高齢者の雇用対策についてお伺いをいたします。 四月の失業率が四・一%、史上空前、失業者が二百九十万ということでございました。ちょうど本日の閣議前に産業構造転換・雇用対策本部の会議が開催をされたそうでございますけれども、これからの雇用対策をどのように推進していくのか、現状を含めて労働大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、現状でございますが、今、委員御指摘のとおり失業率が四・一%、百人働く人について四人失業者がいらっしゃる。それから、百人働きたいという方に対して、職が出てくるのが五十五という今数字になっておりまして、全体としては非常に厳しゅうございます。 四・一という失業者は約二百九十万人でございまして、このうち三分の一の約百万人の方々が自分の意思に反して企業の都合で、特に中小企業を中心にこのところ急激にふえてきて約百万人。それから、同じく三分の一の百万人が今御指摘になった以外の要因、つまりこの仕事は嫌だとか、あるいはどうも将来不安だとかいう自分の御都合でおやめになっている方が百万人おられます。それから、新卒で就職ができない方が約三十万人。御主人の収入が少なくなってきたのでパートに出たいと思われるが、職におつきになれない女性が大体五十万人というところで、二百九十万という数字でございます。 そこで、御指摘のように、けさ総理を本部長とします対策本部を立てまして、これからお願いする補正予算をできるだけ早く通していただいて、既に通っている本予算とあわせて、地域あるいは業種または年齢別、きめ細かな予算執行によって雇用対策を確立していきたいという御指示を総理から各省にしていただいたところでございます。
○石渡清元君 私は、自民党の労働部会長も去年まで仰せつかっておりましたし、また委員会におきましても、この失業率等々の数字が非常に厳しくなっているということは毎回指摘をしているところなんですね。したがって、何とか雇用の創造とか新たな政策を、産業政策と連携をして取り組むべきじゃないかということを何回も、労働省は非常にそういう意味でシンクタンク、人材がそろっておりますので、それを打ち出さないと、不景気感も雇用不安によるものが非常に大きいんですね。その辺の新たな踏み出し、お考えがあるかどうか、お願いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生御指摘のことは非常に大切なことでございますが、少し中長期的に分けてやはり考えなければならないと思います。 中長期的には、将来の日本経済の体力、体質、つまり雇用の受け皿をつくり上げていくために、ニュービジネスの創出であるとか、あるいは規制緩和を推進して新たな産業を起こすとか、あるいは介護のように行政が国民のニーズにこたえて仕事をつくっていくということは非常に大切なことでございます。これは橋本内閣としては既に方針を決めて今着々と進めております。 問題は、これが逆に規制緩和によって短期的に雇用をむしろ失わせるという面もあるわけでございますので、雇用対策本部ではその短期的な対策をきょう打ち合わせたわけでございます。長期的には先生がおっしゃっていることがまさに必要でありますので、これはもうその方向で全力を挙げて取り組んでまいります。
○石渡清元君 午前の質疑はこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(遠藤要君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十時五十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、中央省庁等改革基本法案を議題とし、質疑を行います。
○石渡清元君 午前中に引き続きまして、午後は、まず地方分権についてお伺いをさせていただきます。 中央省庁等改革基本法案の第十七条四項では、地方自治を維持し、及び確立することが国の重要な役割であることを踏まえるとともに、地方分権の推進に伴い国の地方に対する機能を縮小することを基本とし、地方分権の推進の状況を勘案しつつ、中期的な観点にも立って、各省の関連する行政の見直しと併せて、次に掲げるところにより、国の地方公共団体に対する関与を必要最小限のものとするよう、その見直しを行うこと。 とすることになっております。 したがって、中央省庁再編、地方分権は欠くべからざる条件でございまして、早く成立を図る必要がございますけれども、地方分権のさらなる推進についての総理の決意をまずお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に午前中も申し上げてまいりましたけれども、地方分権の問題につきましては、地方分権推進委員会が非常に精力的にお仕事をしていただきまして、第一次から第四次までの勧告を政府にちょうだいいたしました。 政府としては、この勧告を最大限に尊重し、去る五月二十九日に地方分権推進計画を閣議で決定し、国会にも御報告をさせていただきました。その上で、この計画内容につきましては、これから各省庁協力をしながら法案化作業を急ぎまして、原則として平成十一年の通常国会に、関連する法律案、作業の終わりましたものを提出するなど着実に実施をしてまいり、地方分権を進めていきたいと考えております。 なお、これだけで実は終わるわけではありませんで、さらに地方分権を進めていきますためにも積極的に取り組まなければならないということから、地方分権推進委員会に対しましても、市町村への権限移譲を含めて、国及び都道府県からの事務権限の移譲などについてさらに検討を続けていただきたい、そうお願いをいたしております、 その土台にありますものは、今日までこの四回の勧告のもとになりましたものは、いわゆる地方六団体がまとまって要望をされていた事項を中心にしての御論議でありました。しかし、例えば同じ市という単位をとらえましても、政令指定都市あるいは中核市、ここまでは自分たちでやれる、これ以上は無理だとか、いろんなケースが本来あるはずでございます。そうしたものまで目配りをしながら、さらに作業をお願いしたい。 分権推進委員会で真剣に取り組んでいただいておりますし、この地方分権推進計画に盛り込みましたものは原則明年の通常国会に法案として提出をさせていただきますが、その後にも引き続いて作業を進めていきたいと思いますので、院の御支援も心からお願いを申し上げる次第であります。
○石渡清元君 特に五十一条では、「中央省庁等改革が地方分権の推進並びに地方公共団体における行政及び財政の改革と密接に関連する」とした上で、「地方分権の推進について、地方分権推進委員会の勧告を尊重して着実にこれを実施し、及び地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進めること。」とされておりますけれども、本格的な検討というのは今後どのように進めていくのでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) この分権推進計画でございますが、流れとしては、機関委任事務を廃止いたしました後、昨年の暮れにこの大綱を取りまとめました。そして、この五月二十九日に、閣議に分権推進計画をお諮りした上、総理からも答弁がありましたように決定をいたしたわけでございます。 これらのことは、策定をいたします段階で事務ベースでは議論をし、また四次にわたります勧告を重く受けとめまして対応してまいったところでございまして、これらが本格的になりますのは、この国会で議論をしていただくと同時に、またこの計画にいたしましても第五次の勧告があるわけでございます。その第五次で、このたび出しました計画に足らざるものがあるとすれば当然補うという、整合性を持たせたものとしてなされなければならないと思うわけでございます。 このたび出しました計画書につきましては、十分足らざるものを補い、また議論の過程の中で改めなきゃならぬものがあればこういうものをきちっと改めるという、明年度の通常国会に向けてそのようなものを完全な、できるだけ国民の期待に沿うような形にしなければならない。 同時に、分権問題は、これは財政との関係もあるわけでございまして、国、地方を通じた施策の見直しも含めて、総合的にこれらのことは財政も視野に入れた上で対応する議論になろうかと思うわけでございます。
○石渡清元君 自治大臣から地方分権推進計画についてのお話も今ございましたけれども、この計画で本当に地方分権が前進するのかどうか、あるいはその推進計画自体、今回の基本法案の内容に影響を及ぼさないのかどうか、その整合性についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま自治大臣の方から分権計画についての概要の御説明がございました。 私ども行政改革推進本部、いわゆる改革という視点から、従来も十分、自治大臣を初めそれらの関連する作業機関と連絡をとりながら、周到に配慮してやってきたつもりでございます。 ただいま大臣の方からお話がございましたように、さらにまた今次の計画に加えまして、今後、行政改革という視点からも十分御配慮をいただきまして進めてまいる、そういう方針でもあられますし、またお話でもございました。 先生御注意の点を十分配慮しながら、決してこれがいろいろ阻害にならないように、従来も円滑に連絡をとってきましたが、今後も十分注意をしてまいりたい、そして行政改革の実効をより高く上げてまいりたい、さように考えております。
○石渡清元君 真の分権の推進のためには、仕事や権限の移譲だけでなくて、人材とか財源もぜひひとつ地方に分権をしてくれ、こういう地方側からの要望というのが非常に強いわけでございます。同時に、受け皿が、地方側もいろいろ分権を受け入れるに当たって、都市基盤の整備等々条件がまちまちでありまして、都道府県レベルにしてもまちまち、市町村に至ればなお差があるわけでございます。したがって、受け皿側の地方行政体制の方の整備もかなり急がれるんではないかと思いますけれども、その点についての方策、午前中、宮澤先生からも市町村合併等々の促進についての御質問もございましたけれども、地方行政体制について、自治省はどのようなお考えを持っておられるのか。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 この分権を受ける受け皿としては二つございまして、財政的あるいは人員的に地方行政団体単一では受けられないとすれば、これは広域行政で受けるという受け皿が一つあります。もう一つは、より効率的な行政で対応いたしませんと分権をしてもそれは意味のないことになるわけでございますから、そういう意味では、広域行政あるいは市町村合併という委員のお尋ねの件があるわけでございます。 地方分権がいよいよ実行の段階に入っていくわけでございますが、この成果を十分生かすために自主的な市町村の合併というものを積極的に推進しなければならないわけでございまして、行財政基盤を強化することによりまして、市町村が将来に向かって自立する、その体制づくりというものは大変重要と考えております。 地方分権推進計画におきましては、地方制度調査会の答申がございました。総理からも先ほどお答えになったわけでございますが、市町村合併に関する今後の推進方策が盛り込まれておるわけでございます。計画におきましては、自主的な市町村の合併を推進することが必要であるという基本的な認識に立ちまして、一つには住民発議制度の充実、二つ目には財政措置の拡充、それから三つ目に旧市町村単位の地域の活性化のための措置などを推進方策として拡充することとされておるわけでございます。 また、私考えまするに、分権という新たな事態を受けて、都道府県の役割というものが当然ここには出てくると思うんです。今までのように分権というものが具体化しない段階での市町村合併における都道府県の役割というものとは、分権という新たな事態を受けた都道府県の役割は違う、こういう認識に私は基本的に立っておるわけでございまして、そのような意味で、都道府県が広域的な地方公共団体といたしまして一番市町村の行政実態を熟知しておるわけでございますから、これを都道府県もみずからの問題として考えて積極的に支援してもらいたいという気持ちが非常に強くあります。そのようなことが非常に今後は重要であろう。 そのためには、合併の参考や目安となる合併のパターンを作成したり、あるいは合併協議会の設置を勧告するなどの措置を講じることといたしておるわけでございまして、今後とも国としては地方公共団体の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えておるわけでございます。 また、地方公共団体や住民の皆様が市町村合併を考える気持ちを持っていただくように一層の機運の醸成に努めますとともに、政府としても実効ある方策を講じまして、自主的な市町村の合併を総合的に推進してまいりたいと考えております。
○石渡清元君 ぜひ、財政面を初めとして、諸制度の面で分権推進の体制整備のためによろしくお願い申し上げます。特に組織のあり方、運用のあり方等々をぜひ御指導いただいて、その実が上がるようにお願いを申し上げる次第でございます。 次に、巨大官庁について御質問をいたしますが、巨大官庁ができるわけでありますけれども、それによって中央集権的な色彩が強くなるんじゃないか、あるいは縦割り意識、縦割り行政がさらに強まるんじゃないかという懸念があるのでございますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 一つは、中央集権化が強まるのではないか、これは地方支分部局の関係のお話であろうと思っております。同時にまた、縦割り行政の弊害を除去できるかというお話でございます。 具体的に申し上げますと、今度の改革基本法におきましては、まず御懸念の地方支分部局を、言うなれば整理合理化をいたします。そして、その一つといたしまして、例えば従来地方支分部局が持っておりました許認可権限、これも大臣権限を大幅に地方支分部局におろしてまいる。そのことが今次の基本法にもうたってあるわけでございまして、言葉をかえて言いますと、地方支分部局におきまして、地域の実情にふさわしい計画を立て、そして事業執行ができるように、現場完結主義という一つの合理的な手段としての考え方を持っておるわけでございます。 なおまた、公共事業等につきましても、国は政策、計画を企画立案するということに重点を置こう、そしてこれが具体的実施については、地域の実情に応じたいわば機動的、弾力的な事業の実施が可能となるようブロック別の、今言われておりまする地方支分部局が事業の実施につきまして実質的な決定権あるいは執行機能を有するような仕組みを考えていけば、ただいまお話がありまするようないわば出先におきまする中央集権的な一つの懸念されるようなことについては及ばない、きちんと御指摘の面等は留意しながら、できる限り現地完結性を高めることにより処理していかなけりゃならない、私はさように判断をいたしております。
○石渡清元君 出先機関、いわゆる第四十五条の地方支分部局の御答弁がございました。 権限を思い切って移譲する、これは非常に大事なことだと思うのでございますけれども、今までの例からいくと、地方側から見ると、そういうふうに権限を大幅に地方支分部局に移譲した場合には、地方出先機関の方が割合かたいことを言って、同じことを企画立案するところの本省に聞くと、本省の方が割合柔軟だ、そういうケースが間々今まで見られるわけでございまして、そういったような調整をどのように実際面で図っていくのか、その辺のところはいかがでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま議員の方から御指摘ありまするような、かりそめにも、そのようないたずらに地方支分部局の権限が強化されたからとて、そこに権限の乱用なり、あるいは地域の実情に逆らうような政策あるいは執行が出てきては大変なことになるわけでございますから、今次の中央省庁等改革基本法あるいは行政改革の趣旨を貫徹するよう、かつまた政策立案機能を本省が持ちますよというものの、十分それらのことについては指導、管理をいたしながら進めてまいらなけりゃならないと思います。
○石渡清元君 いずれにいたしましても、出先の方のスリム化もやっていただいて、地方行政の意見が十分反映できるような分権をお願い申し上げる次第でございます。 時間でありますので、交代いたします。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。松村龍二君。
○松村龍二君 参議院議員の自由民主党の松村龍二でございます。本日、この会期が終わる大変重要な時期に質問させていただきますことを大変光栄に存じます。 本朝来、宮澤議員また石渡議員からいろいろ質問がございました。多少バッティングする部分があろうかと思いますけれども、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 橋本龍太郎首相は龍太郎で、私は龍二でございまして、弟分としてへりくだった質問をするかと思いますが、またある一面、龍が一匹多いのでございまして、少し暴れるような質問もさせていただくかと思います。 我が国は、明治十八年に欧米に倣って内閣制度を導入いたしたわけであります。それ以前の、江戸時代の行政というのが日本人にぴったりといいますか自然発生的に出た行政でありますので、ある意味で日本人の気持ちに合うところがあるのではないかというふうにも思います。 地元に帰りますと、例のオウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしましてあれだけの、二十人の人を殺して五千人に傷害を与えたということに対して、麻原がなぜ死刑にならないのですかというようなことをよく聞かれます。それで、これは現代の司法制度がそういうふうになっているから、西洋的な近代司法制度がそういうふうになっているから今裁判に手間取っているというふうに説明するわけですが、どうしても納得いただけない。江戸時代であれば、たちまちのうちに事実を確かめて獄門さらし首、それで日本人の秩序観がおさまって世の中が治まる、こういうことがあるんじゃないかというふうに思います。 昨今の小中学校におきます児童がてんで手に負えない部分が出てきているわけですが、一罰百戒とか信賞必罰といったことがそういうことからも示されないということで、世の中が乱れているということもあるのではないかというふうにも私見を申し上げるわけです。 ともかくも、明治十八年に近代的な内閣制度が設立されまして、戦前は内務省、陸軍省、海軍省、その他農商務省とかいろいろございました。終戦後、アメリカに占領されまして、占領軍によりまして内務省の解体、陸海軍省の解体、それから県知事の民選化といったものが始まったわけでありまして、昭和二十七年に一府十一省、昭和三十五年に自治庁が自治省になりまして一府十二省庁になったわけです。 戦後、大変な経済復興を日本人はなし遂げたわけですが、何と申しましても、大蔵省による財政資金及び政策金融の実施、通産省による産業復興プログラムの推進など、中央省庁が企画し実施した政策が大きく寄与してきたというふうにも思うわけです。それから、先ほど総理大臣おっしゃいました環境庁とか、新しい省庁もできてきたわけです。 ところが、国家一丸となったこういう欧米へのキャッチアップ体制が、民間の活動に対して規制の枠をはめ、その中で画一的な行動パターンを強制してきた。我が国が経済大国となって、社会が成熟化し国民の価値観が多様化しグローバル化している時代に、これが国民の自由な発想や行動の芽を摘む、こういった状況になったのではないかというふうに思います。 それから、何と申しましても、昨年一年間、行政改革が国じゅうをにぎわしてこの原案にたどり着いたわけですけれども、その間、やはり何といいましても平成七年から八年に厚生省のエイズ事件がありまして、役所というのが国民の味方をしているのかと思ったら、ミドリ十字を初めとする製剤会社のためをおもんぱかっていて国民を平気で犠牲にする官庁のシステムというのが国民に暴露された。また平成八年には、まさかと思うような岡光厚生省事務次官の汚職ということもございました。 それから、昨年からことしにかけて、天下の大蔵省ということで戦後一貫して大変な力を誇ってきました大蔵省の汚職が暴かれまして、国民の間に行政改革がぜひ必要であるといった機運にもなったのではないかというふうに思います。 官から民へ、国から地方へというスローガンのもとに中央省庁の再編、見直すということは、今申しました江戸時代からさかのぼっての変遷を見るまでもなく、時代にかなったことではないかというふうに思いますが、再度、総理大臣からこの全般的な見直しをするねらいということについて、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御披瀝がありましたように、明治時代に内閣制度を採用いたしましてからその根幹というものは今日まで連綿として続いてまいりました。その間に第二次世界大戦の敗戦というものが加わり、そこで一部の組織に変更は加えられましたけれども、基本形態はそれを維持してきたわけであります。 そして、そのシステムがそれなりに第二次大戦後の復興時代そして高度経済成長時代に向けて、有限でありました資金、資源さらには人材等をも含めまして、一定の国による方向づけというもので日本全体が欧米社会を一つの目標とし、特に経済面を目標にして、追いつけ追い越せという時代をつくってきた。その限りにおいては、私はそれなりにうまくワークしてきた仕組みだったんだと思います。 しかし、現在、日本の状況を見ましたとき、その時代においては想像をしておりませんでした急速な少子・高齢化の進展あるいは財政赤字の深刻化、さらに国際社会自体も東西二大陣営対立という時代から大きく変化をいたしましたけれども、我が国自身が国際社会の中において求められる役割というものも大きく変化をしてきた。そうした中で、やはりシステムが時代に合わなくなった、そして縦割りの弊害あるいは行政の肥大化、さらに硬直化といった問題が目立ってきてしまったというのが、行政改革というものをこうして御論議をいただくべき時代に到達した一つの証左ではないかと私は考えております。 今回の中央省庁改革、まさに今、議員が述べてこられましたように、そうしたさまざまな状況の変化の中でいわば制度疲労を起こしております戦後型の行政のシステム、あるいはそれはもっと前までさかのぼるのかもしれません。よく言われます言葉を使いますなら、事前管理型の行政であり裁量の働く余地の大きな行政であった。これを、ルールを明らかにし、その上で自己責任とともに事後のチェックという姿勢に行政そのものを変えていかなければならなくなった。同時に、それは地方分権を進めていく中で、また規制の見直し、撤廃、緩和を含めまして官と民との役割を見直していく中で、中央省庁としてそれだけスリムであり、私はよく簡素で効率的なという言い方を使いますけれども、そうした中央政府というものを求められる時代になった。 そうした意味では、私は非常にさまざまな角度からこの問題を考えてきたとき、やはり我が国の社会システム、経済システムともにこれの転換を促しながら、自立的な個人というものを基礎にした社会、より自由かつより公正な社会というものを目指し、これを実現するための一つの突破口という位置づけもあろうかと思います。 こうした改革を進めていく上で、その基本方針あるいは政策の全貌というものを一体としてお示しをし国会の意思を確定していただいた上で、政府としてその後の作業を進めていく、今そのようなことを考えておる次第であります。
○松村龍二君 よくわかりました。 次に、この行政改革は行政をスリム化するということが大変に大きな一つの課題ではないかというふうに思います。 一昨年、総選挙がありまして、消費税アップの問題もあったわけでございますが、やはり国民に負担をお願いするときには役所の方も政府の方もしっかり節約をする、政府が節約をするから国民も負担を甘受してほしい、こういうことがあったと思うんですね。きょうも昼のニュースを見ておりましたら、熊本で補欠選挙がありまして、共産党が消費税五%を三%にしましょうと言って盛んに国民にアピールしておるわけでございますが、その問題につきましては先週いろいろ話がありましたので触れませんけれども、その消費税を二%アップするということの裏に、政府がやっぱり行政をスリム化する。 昨年来いろいろ国民の前に暴き出されましたことは、中央省庁が肥大化した、また公益法人あるいは特殊公益法人が肥大化して財投その他の予算を勝手に使っておる、あるいは天下りの問題で国民の憤慨を買ったということがあるわけであります。国所管の公益法人が七千、都道府県の公益法人が一万九千で、合計二万六千公益法人があるわけであります。昨年、特殊公益法人の見直しについてはかなり行われたようでございますが、またことし公益法人の見直しもするというお話でございます。この行政のスリム化という点について、基本法案はどのような内容が盛り込まれておりますか。 また、国の定員については十年間に一〇%削減するということが法案に書いてありますけれども、この程度の削減で真にスリム化を実現したと言えるのか、総務庁長官にお伺いします。
○国務大臣(小里貞利君) まず、議員前段でお話しのいわゆる肥大化、硬直化した、そして縦割りの弊害等も云々されておるわけでございますが、一つの行政体系と端的に申し上げますが、そういう組織あるいは事務事業のあり方というものを今回根本的に見直しますよ、そしてまた、お話がございましたように、これを簡素化、効率化しなけりゃいかぬと。しかも、今の行政におきまする権限あるいは事務事業を徹底的に合理化していきます。 そのための一つの手段あるいは手続といたしまして、今も議員からいろいろお話がございましたような一つの制度設計もいたしておりますし、また法律の中にも織り込んでおるところでございます。例えば、今現在国の行政機関で行っておりまするものの中から、言うなれば独立行政法人法を制定いたしますが、今後これらに基づきまして外に引き出して、そして一定の法人格を持つ独立行政法人化を図って、そして効率化をいたします。あるいは郵政事業のごときももう御承知のとおりでございます。あるいはまた、行政の組織そのものの体系もこの際スリム化をしなけりゃいかぬし、またそのための中身といたしましては、午前中も総理の方からいろいろお話がございましたように、例えば事前管理の行政の仕組みを事後チェックにいたします、しかもルール行政ですよと。それは、具体的に明確に、しかも可能な限り裁量の余地を少なくしたルールというものをきちんとしますよと。 そういうような根本的理念あるいは原則のもとに行政組織も組みかえていかなければならぬし、あわせまして、また事業全体を見ましても、例えば企画立案機能と実施機能というものをきちんと分けましょうと。 あるいは、後で話があるかもしれませんが一例として申し上げますと、郵政事業なども最もその典型的なものではなかろうか。企画立案という一つの機能は総務省の中に新しく郵政企画立案局的なものを置きまして、そして実施機能としては郵政事業庁を外に引き出しますよと。さらにまた国会の了解をいただければその二年後にこれは郵政公社化しますよと。そこに非常に貴重な三十万前後という大きな部隊が移動をするわけでございますが、これらも言うなれば国家行政組織法あるいは総定員法の対象外に置くということはきちんと今次の法律でも明記してございます。 その根拠に従って進めてまいりますと、先ほど後段の方でお話がございましたように、スリム化の一つの柱である定員はどうなるのか、君たちは少なくとも一〇%と言っておるようだがという御指摘でありお尋ねであったわけでございますが、必然、それらの組織定員の問題にもさまざまな、ただいま申し上げました郵政三事業の公社化のみにとどまらず、その他の独立行政法人化あるいはそのほかの組織定員の見直しを根本的に行います。 しかも、二〇〇一年一月一日の移行までにあと三年前後ありますから、この間におきましても本来の削減計画は実行いたします。そして二〇〇一年一月一日に至る前後におきまして総定員法の根本的な反省、総括、再検証をすることも今次私どもは法案の中で明示を申し上げておるところでございまして、その時点におきましても大幅な削減が進められるもの、また関係各位の同意を得ながらこれは進めなければならないもの、さように考えておるところでございます。 また、話が長くなるようでございますが、ことしの平成十年度におきましても純減三千七百の削減効果を出したというような経験からいたしましても、私どもは、この際立った大改革を前後にいたしました今日、一層緊張して手がたく進めていかなきゃならぬ、さように思っております。
○松村龍二君 わかったようなあれでございますが、昨年来新聞等に報道されておったとおりでありまして、国民の方からすれば、もう既に削減のあったような気持ちがしておるという部分と、理念だけ示されて現実に政府がスリム化したという形がありませんと、本当にスリム化するのかなといった疑問があると思いますので、今後法案が成立した後の作業におきましては、ただいまの総務庁長官のお話のように鋭意進めていただきたいと思うわけであります。 次に、内閣機能の強化についてお伺いいたしますが、内閣機能の強化の中でも危機管理機能の充実は極めて重要であります。阪神大震災、また一昨年から昨年にかけましてはペルーの大使公邸事件とか大変な事件が続いておりまして、総理が手がたくそれを全部こなしてきておられるわけであります。 阪神大震災は村山内閣のときでありましたけれども、あの日、私ちょうど昼ごろある役人OBの集まりに行っておりまして、朝、二百人ぐらい死んだと。二十人死んだ、二百人死んだ、四百人死んだと。昼の段階では四百人ぐらい死んだという情報が中央ではあったんです。これは、警察も昔から水害などで死者を数え間違って多く出しますと大変にお目玉を食らうものですから、医師の診断書がないと死者と報告しない。それで、あれだけの大地震なら本当はヘリコプターを飛ばして上から見れば何千人ぐらいの人が死んだかということがたちまちにわかるはずなのに、昼ごろになってようやく四百人死んだというふうな情報がたしか中央に届いていたと思います。 そういうことにもかんがみまして、このたびこの基本法を踏まえた前倒しする形で、四月より内閣官房に内閣危機管理監が設置されたわけでございます。しかし、危機管理監といいましても、外国におきます。そういう大使館のことから地震からありとあらゆる種類の危機があるわけでありまして、とても一人の危機管理監が対応するということはできない話かと思いますが、このたびのインドネシア情勢の対応についてこの新たな危機管理監は、この危機管理体制はどのように機能したのか、自己評価及び反省を総理にお伺いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御指摘のございました内閣における新たな危機管理体制、これは行政改革の一連の施策の中でも特に内閣に危機管理監を設置するという点では早目にお許しをいただきまして、四月一日からこの体制がスタートをいたしました。 そして、議員御指摘のように、危機管理監一人ですべてができるわけではございません。しかし、あらゆる情報の第一報を受けた段階において、これが危機に発展する可能性の多いものか、現場対応で対処することの方が望ましいものなのか、そうした情報の整理という点では、私は、大変管理監には苦労をかけておりますけれども、うまくワークしておると思います。 そして、今回のインドネシアの危機に対しましても、十四日、現地情勢の急変以降は、危機管理監を中心とする関係省庁の局長などによる対策会議等、直ちにとるべき施策について具体的な検討を行った結果として、政府としては、臨時便あるいはチャーター便の手配による民間航空機の増便、万一に備えましての自衛隊の輸送機あるいは海上保安庁巡視船の派遣などの施策の実施を決定し、邦人の安全確保に万全を期してまいったと思います。 そうした中で、やはり今振り返りまして、危機管理監を初めとする新たな内閣の危機管理体制の構築を終わっておりましたことが、政府一体となってこの問題に取り組む体制が迅速に確立をされた、また情報の集約及び共有化が図られ、各種のオペレーションが円滑に実施された、その意味で私は総合調整は効果的に機能したと考えております。 同時に、ここから学びましたこと、今回のインドネシア危機への政府の対応というものは、さまざまな状況の変化を想定しながらでき得る限りの努力をしてはまいりましたけれども、同時に、内閣の初動措置がいかに重要であるのか、政府が一体となった対策を立案、実施することの重要性というものをいわば私どもに改めて認識をさせたケースでもございました。 いずれにいたしましても、危機管理体制というのは不断に点検し、改善をしていくべきものがあれば改善をしていくべき性格のものでありますから、今回の経験は経験としてこの中からまた学びながら、さらに万全を期していきたいと今考えております。
○松村龍二君 次に、この危機管理に関しまして、また内閣機能強化に関しまして、新官邸の早急な整備が急務ではないかというふうに思います。現在の老朽化した官邸では昨今の情報化の進展等に到底対応できないのではないか。アメリカのホワイトハウスを見ても余り新しいようには見えませんけれども。 いずれにいたしましても、何か戦前にできたライトか何かの建築のような古めかしい建物で、部屋の数も十分なのかどうか知りませんけれども、ともかく内閣五室の長の部屋が、交差点を隔てて総理府の方にいる。何か用があっても一々道路を隔てた官邸まで行かんといかぬといった現状では、内閣官房を初めとした補佐・支援体制の強化もその実を上げることは困難ではないかというふうに思います。 よく、経済が詰まってきますと、まず自分から倹約するということで官邸の建築をやめる、これがずっと戦後続いてきていると思うんですが、こういうことではやはり大経済大国の日本が世界に伍してやっていくには問題があるというふうに思います。 官房長官から、この官邸の整備につきましてお伺いします。
○国務大臣(村岡兼造君) 新官邸のお尋ねでございますが、その前にインドネシアの体制について、総理のお答えのとおりでございます。 実はこれだけ、在留邦人が一万三千人そして五千人の旅行者がいる。危険度四に上げましたけれども、どうやって数日間でやるのかと大変な悩みでございましたが、外務省あるいは運輸省と何回も相談をして、日本航空、全日空あるいは自衛隊、海上保安庁、いろんなことを頼みまして、万全を期したつもりでございます。 同時に、ジャカルタでございますが、二カ所のホテルに大部分が集まっておると。しかし集まっていない人もいる。この方々を空港までバスで運ぶときに、もし暴動的なものに遭ったらどうするのか。いろいろ外務省から向こうの警察に何遍も確かめて、ひとつ警護しながら空港へやっていただきたいと。二十便臨時便を出しましたが、最後の二十一日は、もちろん定期便も飛んでおりますけれども、二十機出したうち、十八機目は日本へ帰ってくる人が九人でありました、ジャンボを出して。それで、あとの二十二日の二便は、お願いしたんですが、これは中止にしました。チャーター便も頼みました。 そして、大使館員五十数人だと思いますが、これでは人数が足りない、こういうことで、外務省八人、防衛庁三人、警察庁四人、運輸省二人を現地へ派遣しました。特に、外務省関係、インドネシア語がわからぬとどうにもならぬ、なかなか容易じゃない。日本から出すインドネシア語の人、あるいは各国にある総領事館持ちで、大変苦労いたしましたが、それでも実は遅いとかなんかの批判がございます。そういう批判も気をつけながら、危機管理監もできましたし、一生懸命やっていきたい、こう思って私ども一生懸命やったと思っているところでございます。 さて、本題でございます新官邸でございますが、昭和六十二年の閣議了解に基づき整備計画を推進してまいりましたが、平成八年度より建設省営繕部において設計に着手、昨年十二月の有識者会議で意見の集約は成りました。本館の着工に必要な設計はほぼ完了をいたしております。しかし、新官邸の整備については、昨年六月の「財政構造改革の推進について」の閣議決定の趣旨を踏まえ、平成十年度の着工予定を当面一年先送りしたところであります。 引き続き財政事情には厳しいものがございますが、他方、また御指摘のとおり大分古くなっておりまして、海外危険度ではないですが、官邸も大変な危険度を増している。私どもおりますけれども、先ほど言いましたように、官邸の中には事務局を収容する場所がまことに少ない。また内閣の危機管理機能の強化については施設面からの担保も重要な課題であると認識しておりまして、現在、この行革会議の報告の趣旨も外しつつ、具体的な整備スケジュールについて真剣に検討をしているところであります。
○松村龍二君 よろしくお願いします。 次に、ただいま行政をスリム化しないといかぬというお話をいただいたわけですが、一面、現在におきまして行政を充実してほしい、そのためには増員も必要であるということも当然にあろうかと思います。 私の地元は北陸の日本海側、福井というところであります。繊維などの中小企業には大変厳しい時代でありますし、その繊維産業はこの時代に難しい仕事でありますが、近代化、高度化に励みまして必死になって生き残っておるという大変すばらしい産業であります。そのほか米を中心といたします農業が大変な産業、公共事業も当然ながら重要な雇用その他の産業でございます。 もう一つ、福井県は原子力が十五基ありまして、七百億キロワットの発電をしているわけです、この十五基で。敦賀というあのくびれたところから舞鶴までの若狭という地方、敦賀と若狭なんですが、ここで七百億キロワットの電力をつくっておりまして、これは大阪、京都の全消費量を発電している、こういうことであります。新潟、福島が関東に電力を同じように供給しているわけです。 先ほど環境省をつくるとおっしゃいましたけれども、二酸化炭素削減に向けてクリーンエネルギーということで原子力発電は大変に重要な問題かと思います。地域が皆納得して原子力産業を支える。原子力は安全かということを本当は科学技術庁長官にお聞きしたいんですが、安全だとおっしゃると思うんですけれども、本当に安全なら、それでは大阪の埋立地につくってほしい、関東の東京の近くにつくってくださいと。それだけの負担を忍んでやっているわけですね。したがいまして、振興の問題あるいは原子力防災、こういうような問題につきましてもまだ法律ができていない、防災基本法の方でお茶を濁されている、こういうわけです。 このたびの省庁再編におきましては、原子力の安全規制に関する行政が一内閣府に原子力委員会と原子力安全委員会、それから教育科学技術省に科学技術が移る。「もんじゅ」とかの核燃料リサイクルの方は教育科学技術省、原子力発電の方は経済産業省等で分担するということです。 アメリカなどでは原子力安全委員会、NRCというのは三千二百人いるわけですね。日本の方は、原子力安全委員会は二十五人、それから通産省、科学技術庁の安全体制が三百人いるわけですけれども、このたびの省庁再編によっていやしくもこの二十一世紀のクリーンエネルギーをつくる原子力につきまして体制が弱くなってはいかぬというふうに思うわけですが、科学技術庁長官と通産大臣にこの意気込みをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の原子力の研究、開発、利用に大変な役割を果たしていただいている福井県選出の先生からこの問題を取り上げていただきまして大変ありがたく思っております。 それで、先ほど冒頭に御指摘になりましたように、発電を担当している県とそれを利用している地域の方々がそれぞれ気持ちがばらばらということではやっぱりうまく運ばないんであって、それぞれが自分のこととして考えるということが基本として私も必要なのではないかと思っております。 今度の行革における体制でございますが、この法案を通していただきますと中央省庁等改革推進本部で具体的な議論の詰めに入るわけでございますので、今余り具体的にはお答えできない部分もございます。ただ、原子力というのは、先生も御指摘になりましたように、エネルギーだけではなくて医療であるとかあるいは農業であるとか広い分野に関係をしておりますし、また地球環境保全あるいはエネルギーの安定的な供給、それからさらには核不拡散というようなことにも関係ある非常に広い分野から議論をしていかなければなりません。 それで、先生が御指摘になりましたように、今、原子力委員会と原子力安全委員会という二つの体制のもとに、この勧告に対しては内閣総理大臣も尊重義務を負う、あるいは勧告権を持つ、普通の委員会よりも強い機能で運営をしているわけでありますけれども、今回は内閣府のもとにより高い位置づけを行ってこの原子力安全委員会と原子力委員会の双方をもう少し強化していこうということで運ばせていただいているわけであります。 ですから、御指摘のようにアメリカの立て方とは若干違うわけでありますけれども、より強化する方向でやっていかなければならないと思いますし、そのもとで学術それから科学技術行政を担当する教育科学技術省とそれからエネルギー政策を担当する経済産業省、うまく車の両輪となって進めていく基本が示されていると思います。 いずれにせよ、研究、開発、利用という問題を推進とそれから安全性のチェックという両面からきちっとできる体制に、今回骨組みは示されておりますので、これからさらに細部を詰めていかなければならない、こう思っております。
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。 ただいま科学技術庁長官からもお話を申し上げましたので、ダブる点もございますかもしれませんが、エネルギーの安定供給の確保という問題と地球温暖化問題への対応という観点からまいりまして、エネルギー政策における原子力発電の重要性というものはますます高まっておりまして、その点におきまして、先生にいろいろと福井県の問題で御指導や御協力を賜っていることに改めて敬意を表し、感謝を申し上げる次第でございます。 中央省庁等改革基本法案におきまして、エネルギーとしての利用に関する原子力につきましては、経済産業省がその開発及び利用の方向づけ、そして一次的安全規制及び技術開発を担うこととされております。エネルギー政策の一環としての強力な原子力行政がそういう意味で実現ができると考えているところでございます。 また、内閣府に置かれることになりました原子力委員会及び原子力安全委員会につきましては、事務局を含めまして原子力行政を実際に担当する省から独立させることによって行政庁の判断を再チェックしていただく、そういう機能を十分に発揮できる体制が整備されることになると思っております。 先ほどの人員の問題でございますが、米国は約三千名、日本は約二百名ということでございますが、それに基づく計画外停止頻度だとかいうものを眺めてまいりますと、米国が二・四に対して日本は〇・二と非常に少なくなっておりまして、内容的には人数ではないというふうに思っております。
○松村龍二君 現在、総理府に両委員会が所属しておりまして、科学技術庁の方は自分が支えている、こういう意識がありますけれども、新しい仕組みになりますとそれがばらばらになりますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、同様の問題で、金融監督庁の検査体制の問題なんですが、これはもう質問しなくてもおわかりかと思いますけれども、現在、金融監督庁が七月から発足すると。五百人体制ということですが、昨今のデリバティブその他の新しい金融商品が発売され、この金融システムがこれだけごたごたしているときに、五百人の中のまた数百人しかいない審査体制でやれるのか。これまたアメリカの例を出して恐縮ですが、アメリカでは、日本は六百人ですが、アメリカは六千四百人の金融検査官がいると。連邦準備制度理事会というのは州法銀行、銀行持ち株会社で千五百、通貨監督局と、こうありますので、金融監督庁もしっかり充実しなければならない分野ではないかというふうに思いますが、時間がありませんので、ちょっと質問を省略させていただきます。 次に、公正取引委員会の体制なんですが、現在、商店街が大変に全国で意気消沈しておるということが指摘されておりまして、政府におきましても中心地の活性化といったことでいろいろ手を打っておられる、平成十年度予算あるいは補正予算等についても配慮をされておるというふうに思いますが、この大変活気がない、元気がない一つに酒屋さんがあるわけですね。酒屋さんがどうも本当に暗い顔をしておられる。これはやはり量販店が大変な安売りをする。例えば、ビール一ケースが、缶ビールですと一缶について二十円ぐらいのもうけが普通ならある。それを量販店では一ケースで二十円しかもうからぬ。それで、設置費とか広告代だとか人件費を入れれば絶対合わないはずだと。それをリベートとか何かでやっておるということで、これはまさに独占禁止法で言う不当な取引ということではないか。 そのほか、ガソリンの不当廉売といった問題があるわけですが、公正取引委員会も二百人ぐらいしか体制がない。したがって、酒屋さんが被害を訴えても、到着して検査してくれるまでに時間がかかる。誠意を持って公正取引委員会の方はやっておられると思いますが、現在そういう問題があろうかと思います。 総理大臣は通産大臣のころにこの独占禁止法の問題について大変お力をお入れになったというふうにも聞くわけでございますが、このような公正取引委員会の審査体制についても充実いただきたいと思いますが、総理大臣、お答えいただけますでしょうか。短くお願いします。
○国務大臣(小里貞利君) では、私の方から短くお答え申し上げますが、真に重要な必要な分野には、本来の根本的削減計画もあることだけれども、やはり需要に応じて配慮するべきではないかと、金融監督庁を一つの例でお話がございました。私どもは、真にやむを得ざる分野に対しましてはそのような配慮が必要である、さような基準で対応してまいりたいと思っております。
○松村龍二君 そのほか、日本各地の行政を見ますと、私どもの、先ほど申しました原子力発電の若狭地方に中国からの密入国者が最近頻繁に横づけして人を運んだ形跡が出てきているわけです。入管の職員も、これまた外国と比較して恐縮ですが、日本は二千五百人しかおりませんが、アメリカは二万一千人、日本の人口の三分の二であります英国が六千人、フランスが四千人というようなことで、法務大臣も一生懸命、不法入国者あるいは不法滞在者の一掃についてお力を入れておられると思いますが、時間がありませんので質問を省略します。 また、警察官の数も、ここに佐藤泰三先生がさっきおられましたが、警察官一人当たりの負担する人口が五百五十人ぐらいが日本です。欧米は三百人から四百人ということで、一億二千万人で割り算しますと十万人ぐらい足りないというような感じになるわけです。特に佐藤先生のいます埼玉あたりは、警視庁は一人の警察官が二百五十人カバーしているんですが、埼玉県は八百人近くカバーしているわけですね、埼玉、千葉あたりは。これは、そういう配分をしてきたというのは警察も多少責任があった、あるいはずっと首都の治安が悪かったということかと思いますが、余りにアンバランスであるといった問題もございますので、今後の検討につきましてはひとつめり張りのあるスリム化ということでよろしくお願いしたいと思います。 最後に、一つだけ重要な質問をさせていただきます。 国防の問題で、防衛庁がそのままということで、防衛省にしたらどうかという話がありまして、社民党と連立の内閣でもありますしいろいろ難しいことはあったかと思いますけれども、何と申しましても一番重要なことは、自分の国を守る、あるいは生きていくということが大切なわけであります。 私もかつて東南アジアに三年間住んだことがあります。タイですけれども、東南アジアなどでは本当に道端をはだしで、自動車がとまるとガラス窓をふいて小銭をもらっている少年、あるいは屋台をやっているお姉ちゃんといいますか、そういう人でも国防ということ、自分の国を守るということになるとぴしっと心棒がしっかりしているなというような感じを三年間受けてきたわけですが、日本は戦後安保体制でアメリカに守られることになれて、ぼけているということかと思います。 防衛庁を省に格上げしなかった理由についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、国の安全、国民の暮らしの安全、両面の視点からそれぞれの問題提起をいただきました。 今、議員から最終は防衛庁の省昇格というところに絞られましたが、それ以前の国民の暮らしの安全という視点につきましても私どもは十分脳裏に入れながら今後の体制の整備に努めてまいりたい。そして、幸いに周囲を海に囲まれているという点が従来我々にとっては恵まれた安全の環境を一つつくっておりましたものが、むしろ最近のように密航者といった問題が出てまいりますと、それだけの海上の警備体制というものも含めて整備をしていかなければならない、そうした問題の御指摘としてこれは承らせていただきたいと思います。 最終報告にもございますように、新たな国際情勢のもとにおける我が国の防衛基本問題、これは行革という視点からではなく、別途政治の場で議論すべきものであるという提起を最終報告に記していることは議員御承知のとおりであります。 その上で、防衛庁を省に昇格させるかどうか、移行するかどうか、これはさまざまな論議がございました。その上で、今回の中央省庁の再編に当たりましては、新たな業務の追加がないことなどから防衛庁は現状どおりという判断を下したわけであります。 ただ、これは防衛の基本計画、基本問題といった論議からはおのずからさまざまな御論議はございましょう。行政改革という視点から今回はそのような判断をいたしたということでございます。
○松村龍二君 時間があと一、二分ありますので、最後に御質問といいますか、お願い申し上げます。 昨今、この前のナイフの事件じゃありませんが、非常に荒れておるということです。毎日毎日、新聞、テレビ等を見ておりますと、教室のこっちの端とこっちの端できのう見たテレビの話題を大声でやる、先生が注意したら、何、くそばばあと、こういうようなことで全総言うことを聞かない。あるいは、教室の窓の外と中で大声で話をしている、それで制止に行ったら暴力を振るったと、こういうようなことが新聞等にも報道されます。私も、高等学校の教頭をやっていた先輩あたりに聞きますと、やっぱりここ四、五年、非常に子供の質が変わってきているというような話も聞くわけであります。 東大総長がいつも三月、卒業式のときに、公のために尽くしなさいと言ったことが新聞に載りますけれども、あれは珍しいから新聞に載るので、小学校以来一回も公のために尽くしなさいということを聞かされていないからあれが珍しいということじゃないかと思うんです。 そういう教育では公務員になるそもそもの根底がおかしくなるわけでありますので、その辺につきましてもぜひ今後ともお力を入れていただきたいと思います。 以上、終わります。 どうもありがとうございました。(拍手)
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。 実は、私ももう一期六年間というその任期を今終わろうとして、恐らく事実上こうして総括質問に立てるのも最後かなと思っております。その意味で、この六年間、私が見聞きしてきた問題点といいますか、素直にというか素朴に思っていることが随分ございます。今回の行政改革に関連しても少しそういった点についてお話をさせていただこうと思っているわけです。 実は、私は今北海道の中を回っておりまして非常に痛切に感ずることがございます。 一つは、これは答弁を必要といたしませんが、国政に対する信頼感あるいは国民のある意味では日本の政治に対する不信感、大変それが強うございます。今、私どももちろん次の参議院選挙を目指して地域を回っているわけでありますが、今度の参議院選挙ではひょっとすると投票率が四〇%を割るかもしれない。これは実は新聞でもまことしやかに今言われているわけでありますが、そうなると、私どもがこうして議論をしていること自体が、過半数の投票を得ない国会の代表者で、これが本当に国民を代表した議論と言えるんだろうか。そういう意味で、民主主義といいますか、この議会制民主主義というものが非常に先細ってきているんではないか。そういった点に対する思いをぜひ私どもは考えなきゃいけないと思っています。 とりわけ、実は参議院のあり方について、私はあるとき地域を回ったときに、いや、峰崎さんには率直に言って悪いけれども、参議院って要らないんだよ、こういうふうに言われたんです。私は、もちろん反論したいことはたくさん山ほどあります。憲法の規定もあるとかいろいろあるんですが、それを聞いたとき、やはり率直に私はこのことをしっかり受けとめなきゃいけない。きょうは参議院の審議でありますから、ぜひそういう意味で参議院の特殊性あるいは参議院の持っている重要性というものを、ある意味ではこれからの行政改革あるいは政治改革、国会改革、こういったところで私どもは議会人として本当に一致団結してやっていかなきゃいけないんじゃないか。そんな思いを強くしていることだけ冒頭申し上げておきたいと思うわけであります。 さてそこで、地域を回っている内容もついでにお話をさせていただきたいと思うんですが、実は、昨年十一月十七日、拓銀が事実上の破綻をいたしました。現在、拓銀の債権を北洋銀行に移そうということで鋭意作業が進んでいるわけであります。 そこで、大蔵大臣にちょっとお伺いしますが、私も昨年、大蔵委員会でさきの三塚大蔵大臣にも質問させていただいたわけでありますが、改めて私どもは、北海道にいる方々からすると、都市銀行は一行たりともつぶさない、そういう話であったんではないか、それがなぜ拓銀がああいう形で破綻をしてしまうことになったのか。このことについて、実はまことしやかに、拓銀が破綻をしたということは、不良債権問題の処理に今回三十兆円を準備した。住専問題で、公的資金は実はこれからは信用組合以外には必要はないんだ、そういうことをある意味では言われていた。 最新号の文芸春秋に、梶山前官房長官も語っておられますね。銀行は健全であり心配ありません、残る問題は信用組合だけですという説明に大蔵省は終始した。その政府見解、これがある意味では覆ったわけですね、三十兆円の問題で。その覆るときに、これは日本の信用システムが大変だということを思わせるために事実上拓銀をいけにえにしたんではないかということすら、実は北海道の方々はみんな疑い始めているんです。もちろん、拓銀には拓銀の脆弱な点があったということは私ども認めなきゃいけない。そういうことに対して、三塚さんからかわられて、新しい大蔵大臣はどのように考えておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) お答えをさせていただきます。 委員の主張なさる点は、都市銀行などは一行もつぶさないという発言をされたじゃないかと、それが実際上は拓銀が破綻をしたという点についての御指摘だと思いますが、大蔵省としては、国際的に活動している銀行の破綻があれば内外の金融システムに大きな動揺を与える。したがって、そういったことのないように対処するという趣旨で三塚前大蔵大臣は答弁をされておると承知しておりますが、拓銀は、あの時点では既に海外業務から撤退をし、もはや国際的に活動している銀行ではありませんでしたけれども、我が国、とりわけ北海道において重要な金融機能を果たしてきておったわけであります。そういった銀行が破綻したということは、まことに残念なことでございました。 しかし、破綻したことは事実でありますから、そこで、北海道地区で大変重要な役割を果たしているということを踏まえながら、預金者保護や、特に北海道における金融機能自体の維持の観点から処理策を万全にするよう方策を取りまとめてきたところであります。 いずれにせよ、我が国金融システムの内外の信頼を維持していくために、今後とも適切に対処していかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。
○峰崎直樹君 都市銀行、通常マネーセンターバンクと呼んだりしますね。この銀行、いわゆる十九行あるいは二十一行、かつてそうでございましたが、それ以外にも国際的な業務を扱っている銀行はたくさんあります。ですから、今のお答えは、私どもにすると余り答えになっていないのかなと。 要するに、拓銀は国際業務から移ったときにもう都市銀行ではなくなったんですよ。では、これを内外に宣言されましたか、もうあなたのところの銀行は都市銀行じゃないんだよ、マネーセンターバンクとは言いませんよと。私は、そういう話は伺ったことはありません。その意味で、非常に私どもとしては残念ですが、きょうはそのことが議論の中心じゃありません。 その意味で、今おっしゃられた最後の北海道の金融機関の置かれている経済状況に対して、非常に厳しい。たしか三月の数字でございますが、今雇用指数というのがあります。失業率の指数は全国が三・九。これが今回・一%というふうに、総務庁、四・一%ショックと言いますね。その三・九のときに、四・七%の失業率が北海道。ですから、恐らくはもう五%に近い、あるいは超えているんじゃないだろうかというふうに私どもは見ているわけでありまして、ぜひこの点は今後もお願いを申し上げたいと思います。 そこで、実は回ってみると、今度の補正予算、これは参議院にまだ回ってきておりませんが、この補正予算、まさに北海道は公共事業のウエートが非常に高い、だから恐らくどの企業へ行ってもとの土木あるいは建築業へ行ってもきっと大喜びをされるだろうと。今度補正予算を組んで、北海道は重点的に厚いんだと。実は干天の慈雨というか、そういうふうに思われた方もいるんです。そのとおりです。私も必要だと思います。 ところが中には、こういうふうにおっしゃるんです。いやいや困ったと。なぜ困ったかというと、もう日本の財政を見たらこれ以上公共事業のウエートがどんどん右肩上がりに上がるということはあり得ない、いや、それどころか、昨年の財政構造改革法案のあの議論に見られるように、いわゆる公共事業のウエートはこれからずっと右肩下がりになる、従来型の公共事業ですね。と同時に、よく知っていらっしゃるんです、数字も。GDPに占める公共事業の比率は日本は非常に国際的に高い。たしか七・八か八%ぐらいいっているんじゃないですか。総額約三十八兆から四十兆。ここら辺までよく知っていらっしゃる。これは国際的に見ると倍以上だ、ヨーロッパへ行くとGDPの一%か二%だと。こんなに高い状態がいつまでも続けられるはずがないというふうに経営者は思い、どのような緩やかなカーブになるかということを注目して、それで経営計画を立てていた。ところが、今回どっとまたふえてきた。さあ、峰崎さん、これで新しく設備投資や今までやっていたリストラをもう一遍もとへ戻す必要はあるんだろうか。その点どうなんでしょうねと、こう答えられた。 総理、今のような状況を見られたときに、新社会資本であるとかあるいはこれからの公共事業のありようの問題について、決して公共事業を否定するんじゃなくて、次の二十一世紀の世代に確実に必要とされるような公共分野というものがもっと必要とされている。これは私どもは一致できると思うんです。ところが、今回の公共事業を含めて、昨年の財政構造改革法案の精神を生かすという観点であれば、そういう方向にこそ財源を多く投入していくという戦略性があってしかるべきではないかと思うんですが、その点、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員の御意見を真っ向から否定をしようとは思いません。その上で、北海道経済、これは拓銀の経営破綻という特殊事情もございます。また、炭鉱の閉山が相次いだ、そのための離職者を吸収できていないという問題点もございます。そうした雇用情勢の厳しさ等も私どもは承知しているつもりですし、早急な地域経済の活性化を図るという観点から、建設業全体に状況の厳しさがありますけれども、議員からも今お述べになりましたような雇用情勢というものを踏まえて、いろいろな考え方を持っていかなければなるまい、そう考えておりました。 そして、必要だとおっしゃる方もあるが、要らないと言う方もあると……
○峰崎直樹君 要らないじゃないです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、さっきそう聞こえました。そうすると、これは困ったな、議員が述べられたのがすべてだろうかと一瞬私は思いましたが、そうではないというお返事でありますから、その点はちょっと安心をしました。 その上で、これは先般も他の問題の論議の際に議論になりましたけれども、公共事業の世界で在来型あるいは古い、新しい、何となくその定義そのものが、先般も申し上げましたように私自身としてはよく理解がいかないところがあります。 そして先日は、廃棄物処理施設という従来からありました言葉一つを取り上げて、今まで整備をいたしてきたものが、その結果としてダイオキシンの問題を発生させた。とすれば、ダイオキシンの発生を最小限に食いとめる、そういった施設整備を急がなければならない。今回、総合経済対策に基づいて補正予算に計上してまいりました廃棄物処理施設はまさにそういうものでありますし、また最終処分場の処分場内に持ち込まれた廃棄物の外への流出を防ぐための遮へい壁を設けるものであり、しかし言葉としては同じ廃棄物処理施設であります。従来型と名前の上では変わりません。しかし内容は新しい。 例えば、共同溝といいまして、光ファイバーを、海底を伝わってまいりました国際的なケーブルを受けとめて、民間とあるいは国が共同で共同溝を設置しその光ファイバーを収納しようとする。事業の名称としては共同溝、同じ文言でありますけれども、中身は全く違ったものを考えている。 新しいとか在来型という言葉に一体どういう意味があるんだろう。要は、将来の世代の方々が、あの時代によくこういうものを整備しておいてくれたなと思っていただけるようなものを私たちは目指すべきである。そうした分野に公共事業というものを重点化していくべきではないか、私はそう考えておりまして、言葉の上の新しい、古いということに余り拘泥をいたしますと、むしろ中身の方が変わってしまうんじゃないか、そんな心配を持ちます。
○峰崎直樹君 きょうは行政改革の議論ですから、余りそこを突っ込む必要はないと思うんですが、新しいという言い方が非常に語弊があるとすると、二十一世紀に向けて必要度が高くなっている、あるいは総理が今おっしゃったように、将来の子供や孫が、ああ、いいものをつくってくれたな、そう思えるような、また必要度の高いもの。私は特に経済政策を中心にやってまいりましたから、二十一世紀に向けて何が一番心配だろうか。 これは尾身長官なんかにも時間があれば本当はお聞きしたいところなんですが、将来、経済成長というのは、恐らく労働力人口の伸び率掛けるある意味では生産性の伸び率です、いわゆる技術革新です。技術革新を進めるために科学技術だとかそういう側面も随分ここのところ努力されています。 私は、これから少子社会の労働力人口はどうなっていくだろうか。そのときに、我々は、今の女性が働き続けられない仕組みというのは何が原因になっているんだろうか。保育所をつくっているだろうか。あるいはお年寄りの両親の面倒を見なきゃいけなくなって、要介護老人になってしまったその人を見るために実は女性が、自分が犠牲になってやめてしまう。そういうことによって三十代、四十代になって女性の労働力がうんと減ってしまう。これを何とかもとへ戻せないだろうか。 そのために必要とされているものは何だろうかといったら、まさに施設、特別養護老人ホームであるとか各種の軽費老人ホーム、さまざまな施設もございます。保育所の問題もあります。そういう社会保障の仕組みをつくることが実は経済の成長に大変大きな役割を果たすんじゃないだろうか。そういうことが私が今言った新しい分野という意味なんです。これはまた、新しい分野というのは、何かバイオテクノロジーだとか新素材だとか、そういう新しい分野のことだけではなくて、従来の発想というものを我々は少し変えてみなきゃいけないんじゃないか、こういうことを実は私自身考えているわけなんです。 行政改革でございますから、これ以上この議論は差し控えさせていただきます。 早速、行革の法案で最初に、この法案ができる前の第二臨調と比較して、今度は行政改革会議という性格の組織をつくられた。しかもこれは法律に基づくものというよりも、省令を変えられた、あるいは座長を総理みずからがなさったとか、大変従来とは違った形でやられたわけでございますが、そのねらいというのは一体どういうところにあったのか、まずそこからお聞き申し上げたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の御質問にお答えいたします前に、提起をされました医療あるいは福祉、教育といった分野が、一つの新たな将来に向けての事業分野、あるいは公共事業という意味ででしょうか、私は提起された問題に異論がありませんということを申し添えたかった。そして、ただこういうものは建物を建てるだけではどうしようもないわけでありまして、これに必要なマンパワーを確保できる、その施策とこれが並行しなければならないということだけ申し添えたいと思いました。 それから行革会議、これはいろいろな御批判をいただきましたが、私自身が会長となりまして、同時に自分自身もその調査、審議に参画する、そしてまとめに努力するという仕組みをとりました。 一つは、政治がやはり責任を持っていくという姿をきちんと委員の方々にも理解をしていただき、その委員の方々に理解をしていただくことによって世の中にもわかっていただきたいという思いがありましたということが一つであります。 同時に、たまたま私が大変若い議員のとき、第一次の臨時行政調査会が作業をしておられ、そして答申が出、そして随分長い間、行政改革というとその第一次臨調の答申の中で残っているものの中から、その時点においてできるものを探しながら進めていくという時期がございました。そして、第二臨調が発足をいたしましたとき、これには大きな国民の期待が集まり、三公社の改革を初めとした幾つかの大きな成果をこれは上げられました。そしてその後、行政改革の火は、燃え盛るとは言えないまでも、それなりに燃え続けていたと私は思っております。 そして、私の前任であります村山総理からバトンを受け継ぎました時点で、例えば行政改革を進めていく上で、特に中央省庁の問題を考える場合に非常に大事な部分である規制緩和、規制の見直し、言いかえれば官と民との役割の見直しという作業は既にスタートをしておりました。地方分権推進委員会における地方分権の論議というものもスタートをしておりました。 ですから、分権と規制の見直しという作業、進行しつつあるその作業をいわば基礎にしながら、それによってスリム化されていく中央の行政というものを議論していく、そうしたことが考えられましたので、それぞれの責任者の方に行政改革会議にお入りをいただいて、それぞれの御審議が中央省庁再編の論議にも生かせる仕組みをとりました。 そうなりますと、両方の審議会の関係の皆さんにもそれだけの責任を負わなければなりません。そうした結果を工夫すれば、考えていきますと、やはり自分自身が責任をとる姿が望ましいのではないだろうか、そのように思って私は行政改革会議という仕組みをつくることに決断をいたしました。
○峰崎直樹君 総理が冒頭おっしゃいましたマンパワーの問題、私もそのとおりで、そういう分野のマンパワーをふやすためにも、非常に効果は大きいということを実は先ほどちょっと質問のときにつけ忘れていたわけですが、その点では一致したと思います。後でこれは、省庁別の公共事業の事業配分が変わらないという問題、それとの関連で私は少しまたお話しする機会を持ちたいと思いますので、その点ちょっと保留をさせていただきたいと思います。 そこで今、いわゆる第二臨調とは違ったものでこういう形でできたということなんですが、今度の法案をつくられるまでの時間ですね。これだけの極めて大きな問題を一昨年の十一月、たしか総選挙が終わってすぐだったと思いますが、この会議を発足させて、そして今こうして法案にまで至っている。物すごいテンポで行われました。 物すごいテンポで行われたということは、今おっしゃられた規制緩和であるとかあるいは地方分権であるとか、そういう長い積み重ねがあったから実はできているんだということもあるんだろうと思うんですが、私はどうもそういう中で十分な検討を踏まえておられない、拙速みたいなものがあるのではないかという実は気がしてならないわけでございます。 ちょっと外れますが、法制局長官はお見えになっていますね。 実は、今度の法案を見ますと、法律の表現の中に行政改革会議の最終報告をほぼそのまま取り込む努力をされたのだろうと思うんですが、法律用語として果たして適当かどうか、そういった表現が随所に出ているんです。例えば、第四条第三項の「できる限り」、第十七条第三項にもあります。あるいは「遅くとも」、「できれば」、これは第五条。「状況に応じて」、第十六条。「きめ細かな」、これは第十九条第八項。 こういう散文的な表現というのは、今まで法律をつくるときには大抵厳しくチェックされていたのじゃないでしょうか。どうでしょうか、こういった点について法制局長官、もし何か見解があれば。
○政府委員(大森政輔君) ただいま委員御指摘の用語、確かに法律の中に使っているわけでございます。 この点に関しましておしかりをいただいておるわけでございますけれども、御承知のとおり、第一条におきまして明記しているとおり、「行政改革会議の最終報告の趣旨にのっとって行われる内閣機能の強化、国の行政機関の再編成並びに国の行政組織並びに事務及び事業の減量、効率化等の改革について、その基本的な理念及び方針その他の基本となる事項を定める」というのがこの法律の趣旨でございます。 そこで、委員御指摘の用語でございますが、これはただいま御指摘の条文にそれぞれ使用しております。しかし、これはこのような条項において規定しようとしている内容を、第五条の「できれば」という用語を除きましては、最終報告を忠実に表現するために必要なものとして使用したものでございます。 なお、付言いたしますと、ほかの法令では使っていない用語を使っているじゃないかと。散文という言葉をお使いになったかどうかちょっと聞き漏らしましたけれども、実はこの用語は今回初めて使った、そういう意味で余り練れていない散文的な用語であるという御指摘は当たらないんじゃなかろうかと思うわけでございます。 二、三コンピューター検索をいたしますと、この「できれば」という用語につきましては、今回本邦初公開ということが言えようかと思いますけれども、それ以外の用語につきましては、コンピューター検索をいたしますと多々その用例があるということでございます。時間の関係上、紹介は省略いたします。
○峰崎直樹君 文句を言ったわけではないんです。不満を言ったわけじゃなくて、私たちが議員立法をつくるとき、この種の表現というのは非常に厳しく制限されるわけです。ですからその意味で、内閣法制局を通ったものでもこういう使われ方をするのであれば、我々もこれから比較的そういうことを気にしないでつくれるなという意味を込めたわけでございまして、決しておかしいとか言っているわけじゃありません。コンピューターでわざわざ検索していただいて、本当に申しわけなかったと思うんです。 私は、基本法の中にそういう表現を使わなければいけなかったところにも、ある意味ではこの法律というのはかなり、拙速と言ったら非常にあれですが、時間が非常に短い中でやられたがゆえの若干そういうそごが出ているのかなという感じで今お聞きをしたわけでございます。 さて、もう一つ実はこの中で一番問題が大きいなと思っているのは、衆議院の議事録をずっと読みますと、省庁再編成というのは最後じゃないかと。つまり、規制緩和をやって官から民へ、地方分権をやって国から地方へ、そういうものが終わってからその上で手続をやればいい、実はこういう論議がずっと続いてきたわけです。 私も先ほどちょっと地方分権の話を聞いて、第四次答申までは私も見ているんですが、これから五次が入ってくる。そうすると、地方分権がまだ完全に終わっていないのに今度のこういう中央省庁の改革法案ができてきているんじゃないか、そういう意味でのそごというのは、どうもやはり十分でないような気がする。 それと、いわゆる規制緩和の問題で、この規制緩和はいつ、どのような状態になったらほぼ終わっていくのかなという、そこら辺のめどみたいなものも十分示されないと、確かに並行的に進んではいるんですが、先に省庁の統廃合ありきと、これも一つの作戦なのかもしれませんが、そこらが非常にわかりにくかったというのが率直な実感でございます。 この点、そういうことにした意味あるいは地方分権推進委員会の五次答申が出た場合には、将来的にそれとの関連をどうするのか、あるいは将来の税財源の関係はどうなるのか。これは総務庁長官ですか、それとも総理でしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私で足りない分は総務庁長官から補足をしていただきます。 その上で、拙速じゃないかという御指摘をいただきましたが、先ほど申し上げましたように、第二次臨時行政調査会以来、私は行政改革への論議の火は消えていなかったと、燃え盛ってはいないかもしれないが燃え続けていた、そういう言葉を使ったと思います。地方分権推進あるいは規制緩和につきましても、それぞれの委員会が動いていた。平成八年十一月に発足してから昨年十二月の最終報告決定までに五十回を超える会議を開催しております。その中には集中討議を行いました時期も二回ございます。それ以外にも、全国の五つの都市で一日行政改革会議を開き、それぞれの地域における皆さんの声を聞くという努力もしてまいりました。 私は大変密度の濃い議論をしてこられた委員の方々を思いますときに、拙速というお言葉をいただくことは大変不本意であります。恐らくあれだけ忙しいメンバーが五十回を超える会議にほとんど参加していただいた。数時間にわたる、場合によっては夜中にわたる、そうした会議に出ていただけた。それだけでも大変なことでありました。 そして、第二臨調との比較もございましたが、与えられた課題、置かれた状況、スタートまでの論議の積み重ね、全く異質の状況であったと私は思います。たまたま第二臨調のときは私は自民党の行革の責任者でありましたから、準備状況等を振り返りましても大変な差がありまして、私は行革会議の論議が拙速という御意見には少々承服をしかねる部分があります。 また、例えば規制緩和なり地方分権推進計画が完了してから中央省庁に手をつければいいではないかと。確かに理屈というのはそういうふうにできるかもしれませんが、私は、こうしたものはむしろどこか一カ所に集中し、全体に目配りをしながら一斉に進めていかなかったら途中でだめになってしまうという性格ではないかと思います。 確かに、今地方分権推進委員会が第四次勧告を出されて一応作業を終わろうとしておられたのに、私は、まだ国あるいは都道府県から市町村に対してもっとやれることがあるはずだ、あるいは政令市、中核市、その規模その他によって国からの仕事でも都道府県からの仕事でも受けられる能力には差があるはずだという問題提起をいたしました。そうしたものが出てくれば、当然ながらそれは論議に反映されますし、推進本部でつくり上げます中央省庁の最終的な姿にも場合によっては影響のあるものもあるかもしれません。 しかし、規制緩和につきましては、本年三月三十一日に四月一日以降の三カ年計画を既に決定し、公表いたしております。これを着実に進めていくことが私どもの責任であります。地方分権につきましても、四次にわたる御意見を本年の五月二十九日に地方分権推進計画としてまとめ、これは来年の通常国会にできるだけの法律案を提出したいと思っておりますけれども、その方向は出ておるわけでありまして、こうしたものを土台に、中央省庁のあり方、御論議をいただいたものを法案化していく、そのお許しをこの法律案の成立によって得たいと考えております。
○峰崎直樹君 私どもちょっとそこら辺の誤解というのがあるのかもしれませんが、地方分権というものが五次にわたって出ますと。そうすると、そこの事務事業はどのものはどっちに移るとか、そういうものが一応完了する。そして規制緩和においても、今第三次計画、これは恐らく第三次で終わりじゃないんだろうと思うんですね。そうすると、そういう事務事業というものあるいは権限というものがどのようになっていくのかという最終的な姿というのが、どうも国会議員である私たちもあるいは国民もよく見えなかったのかもしれないなと。いや、もう既にそういう方向は出ているのだから、あとはこの枠をつくって、省庁枠をつくって進めれば大丈夫なんだというふうに言われても、どうもそこがはっきりしなかったというのは私はそこが原因じゃないかと思います。 この問題はまた時間を費やしますとこれだけで終わってしまう可能性がありますので、先へちょっと進ませていただきたいと思います。 それではまず、ある意味ではこの行政改革の理念というところに入っていきたいと思っております。きょうはたくさん質問したいなと思っておりましたけれども、先ほど来、午前中、宮澤委員を含めた審議を聞いておりまして、私の質問したいことももうかなりされました。 そこで総理、今までの裁量型の行政と言われているものの欠陥、追いつき追い越せ型のときにはそれはかなりうまく機能していたと。それが今日あのような不祥事を起こすところまである意味では腐敗現象を起こしてきているというのは、なぜそういうものが起きてきているのかという原因についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それぞれの事件にかかわりました職員の綱紀のたるみと言ってしまえば、それは一言になります。 しかし、そういう問題を起こすもとになったものは何かというならば、私はやはり事前型の管理体制、事前管理型の行政システムに伴って必然的に起こる裁量権の幅、その裁量というものが行政の恣意的な判断にゆだねられ、いつの間にかそこに問題の温床が生じていた、我々はその点を十分に認識し切れていなかったのではなかろうか、これは私自身の反省でありますが。要するに、裁量権の幅というものが事務的な判断、しかも往々にしてそれは組織図の上の一つのセクションのだれかに与えられ、その判断ですべてが動く。その裁量幅というものの中に問題の温床があったのではないか、私はそのような反省をいたしておりますし、であればこそ、ルールを明確にした上で、透明性のあるルールのもとで事後チェック型の行政を目指しております。 ただ、先ほどの議員の議論の中で、例えば規制というもの、あるいは地方分権というもの、一つの終点に達しなければ中央省庁の問題を考えるのは無理ではないかという点については、私はそうは思いません。 社会は動いておりますから、我々は経済的な規制というものはできるだけ本当に原則なくしていきたいと思っておりますけれども、社会的な規制、国民の暮らし、安全というものを確保するために考えるなら将来ともに規制はふえる可能性は常にあるわけであります。社会的安全のための規制というものはふえる可能性を持っております。あるいは今後新たな事業が出てきたときに、事後チェックのルールをどういう仕方でするのかといったものも出てくるかもしれません。現在は国がやろうとしている仕事、なおかつ分類されていても地方に帰属すべきものというのはこれから先も出てくるかもしれません。一〇〇%そういう問題が決着するまで私は中央省庁の再編を含む中央の基本的な行政の見直しができないとは考えておりません。
○峰崎直樹君 裁量型の行政というのは、かつては裁量型の行政がずっと続いたわけですね。これはもしかしたら明治から続いていたかもしれない。それが戦後の五十年の間、あるときまではうまくいっていた。そのうまくいっていた原因というのは何だろうか。私はやはり、日本の政治家も国民も行政も経済界も、みんな追いつき追い越せの近代化を目指して、その点において一致していたと思う。だから、少々セクショナリズムがあっても裁量的なことがあっても、ある意味ではそこが余り出てこなかった。まさに国が先進国に到達してみて初めて、あれ、我々は一体次に何を目指すのかな、それがわからなくなってきた。 つまり、この行革の基本理念と言われているところは、まさに一番大切なのは、官僚の皆さん方が、そうか、今度は自分たちはこういうことをやればいいんだなという目標がきちんと定まってくると、案外また裁量型の行政でもうまくいくのではないかと。そういうことすら予想されるのかなと思ったりするんです、そこのところはちょっと外しますが。 そこで、私、実は拙速というさっきの表現は余り適切でなかったかもしれません。ただ、この問題は人事の問題、公務員制度の問題と絡めて、総理は今裁量型の行政というものから脱却するというふうにおっしゃる、ルール型にされるとおっしゃいましたが、実際問題、日本の官庁の仕組みというのは、私よく各省に行きますから見たときに、みんな大部屋ですよね。秘書課長とか会計課長ぐらいになると自分の部屋を持っているけれども、あとはみんな大部屋でやっています。仕事の仕方、事務の仕方というのは、ある意味では、厳密に課長が何を決め、係長が何を決め、そして係員が何を決めているかという、その職階がはっきりした上でやっているのではなくて、大部屋でみんなでやって、いいアイデアが出たらそれを進めるというのが従来の仕事の仕方であり、その上に人事が成り立っていたんでしょう。 私、なぜこれを問題にするかというと、情報公開法というものが国会で今審議されております。これも重要な法案です。地方自治体で情報公開が進み始めたら、物すごい勢いでその情報をつかみ、何が行われ、だれが責任をとったか、だれに責任があるかということを極めて厳しく今地方自治体は追及されている。 そうすると、今問題になっている行政の内容についても、責任と権限というものを明確にするという、これは従来の公務員の仕事の仕方、公務員制度というものとは大きく変えないとそういうものに対応できないんじゃないかと思うんです。採用、配置それから権限、任用、こういう問題、これらの点について、公務員の人事制度についてどのぐらいの時間議論されて、そして今のような問題についてどのように対応したらいいんだろうかというような議論はあったんでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 議員の御指摘に沿う形になるかどうかちょっとわかりませんが、要するに行政改革会議において公務員制度の議論をやったのかと。その頻度について申し上げた方がお答えになるんじゃないかと思うんでございますが、いわゆる数次にわたりまして議論は行っております。 最終報告におきましても、御承知のとおり「組織を支えるものは「人」である」、その認識に立ちまして主要な改革の視点と方向を示しているところでございます。 具体的には、今申し上げましたように最終報告で、「省庁の機能再編に対応した人事管理制度の構築」あるいは「新たな人材の一括管理システムの導入」あるいはまた「内閣府の人材確保システムの確立」、「多様な人材の確保と能力」、そういうような面等から「退職管理の適正化」等につきましても、それぞれ基本的な課題としてこれから検討を要しますよと、その方向を明示いたしておるところでございます。
○峰崎直樹君 私も、本当に情報公開というのは大変なインパンクトを官庁の中に与えると思うんです。ですから、そういうものに即して一体どうあるべきかということについての検討が本当に十分やられていないと、大変な人数の人がパソコンのネットで結ばれてさまざまな情報を取り上げて、それが国からも地方からもあって、そして一体何が問題か、だれがこれをやったのかと。 私は、今回の大蔵省の不祥事の問題について、上に行けば行くほど責任が非常にあいまいになっちゃって、今回、もちろん証券局長等がやめられたというようなことがあるんですが、本当に責任というもの、権限というものが日本の場合にはどこにあるんだろうかということ一つとってみても、検察庁は上に行けば行くほど権限が分散してはっきりしませんと言う。これは国民から見るとおかしいんじゃないかと思いますね。なぜそんな仕組みになっているのかということについて、人事の仕組み、こういったことについての検討が不可欠だと思っているんです。 さて、もう余り時間がありませんから、内閣のリーダーシップの問題について、同じような問題についてちょっと触れてみたいのであります。 いよいよ今度は総理のリーダーシップのところを中心にしながら、言ってみれば今までのボトムアップからトップダウン方式へと、こういうふうに進められてきているわけであります。実はその中で、内閣官房に総理がスタッフを任命しようと。そのスタッフの任命はどのような方々を想定されているんでしょうか。 例えば、私はこう思うんです。もちろん総理の任命ですから、中には政治家から任用してそこに入れよう、これもあり得るだろう。行政マンから入れてくることもあり得るだろう。ただ、行政マンから入れるということについては、あの内閣五室をつくったときに、外政審議室長、内政審議室長はそれぞれ内閣に帰属しているんじゃなくて出先のその省庁に帰属している。こういうものをどう断ち切るのか。ファイアウォール、これがまず第一点です。 それから、ポリティカルアポインティーを入れたい、政治任命職として。私も大賛成です。もう総理は補佐官をたしか三名置かれましたですね。そのときに、文部大臣もおられますが、国立大学の先生を、優秀だからとにかくあの人を入れたい。そうすると、ポリティカルアポインティーのスタッフで入っていただいた、終わったらさあどうするか。もとの国立大学へ帰れるような仕組みになっているんですか。これはもしわかれば、ちょっと通告していませんでしたから。 そういうことの対応について、一体人事管理あるいは公務員の人事制度について十分な議論をされましたか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、九月八日、総務庁長官から公務員制度調査会に対して、九月三日の行革会議の中間報告で提起をされました公務員制度の改革問題についての調査、審議をお願いいたしました。 その中で、特に内閣機能強化、省庁再編と密接な関係を有します中央人事行政機関の機能分担の見直し、新たな人材の一括管理システム、内閣官房及び内閣府の人材確保システム、この三課題について最終報告に間に合うように公務員制度調査会で一定の結論を得るということで作業をしていただきましたものが、十一月十一日、公務員制度調査会に小委員会から報告されたものが正式な報告書になり、それを受けました十二月三日の行政改革会議で、具体的な機能分担について公務員制度調査会の意見に従って政府で具体的に検討せよ、そういう方向をこの問題に対してはつけました。その意味で論議もいたしましたし、相当な深みを持った議論もしてまいりました。その上で、議員から今御指摘のありました例えば内閣補佐官制度、私自身これを活用し、判断で任命をし、今も仕事をしていただいております。 そして、議員はたまたま国立大学を例にとられましたけれども、これは国立大学だけのことではございません。民間の企業におきましても、公立、私立の大学におきましても、仮に政治的な任用によって何らかの内閣の、あるいは一般省庁でもいいんです、ポストについていただきました場合、その任務が終了した時点でもとに戻る保証は、現在、私自身がいろいろな団体に対し、あるいは関係する一つの枠組みの当事者の方々に御相談をかけ続けておりますけれども、すっきりとした形の返事は残念ながら参りません。 アメリカのように、政府の中と外をむしろ学者が出たり入ったりする、そういうものが定例化し、アメリカの場合は実は公務員の給料の方が民間より低いケースが往々にしてありますけれども、ある意味では一つの奉仕のような形で民間の優秀な方々が政府の中に入る、そして役目を終わるとまたそれなりの高い処遇を民間で得られるという世界と、終身雇用制が、今いろいろな批判を浴び問題を生じている部分がありますけれども、なお定着をしております日本の場合と、雇用慣行、労働慣行においても大きな違いのある中で、ポリティカルアポインティー、いわゆる政治的任用というものには一定の限界があるのではないだろうか。 それは、御本人が犠牲的な精神を持ってその後の人生をある程度リスクにさらす覚悟がない限り、その職を終わった後の新たな仕事の保証を持って政治的任用を受けるチャンスのある方々はこの国には残念ながら非常に少ない、それが実態であるということだけは私は申し上げておきたい。そして、慎重にこの制度は運用すべきものだと思っております。
○峰崎直樹君 今おっしゃられたのが実態だと思うんです。そこに風穴をあけて、つまり従来のシステムを変えようとおっしゃっておられるわけですから、まさにそこの公務員制度の仕組みやあるいは大学の、国立大学でも私立大学でもこれは往々にして、ああそうか、橋本さんの秘書官だったね、特別補佐官だったねと。しかし、それがある意味では、いつでも民間であれ何であれ移せるような、やはり大事なりあるいは給与や労働条件も全部絡んでくると思うんですが、そういうことを検討して初めて実はあのポリティカルアポインティーの問題が私は出てくると思うんです。 ですから、ここで出ていますね、いわゆる任用の問題、政治的アポインティー。ということは、それは十分もう審議をされた上で、公務員制度に関する専門家の意見がどの程度反映されたんだろうかというのが先ほど言った心配だったわけです。拙速とは言いませんよ、もう。 それで、ここで参議院の役割のことです。今アメリカの大統領型になってきたというふうに、つまり政治的任用職をトップダウンの形でやられてくる。そういう改革、私ども民主党はどちらかというと、政治家を副大臣として、これは政務補佐官を入れるときには同じ問題が起きるんです。起きるんですが、そういう形で入れた方がいいと私ども思っている方です、各省庁に。 しかし、それは別にいたしまして、総理、今現実におられる三人の補佐官、さらにこれから政治的任用をされる補佐官について、私は、やはり立法府の、とりわけこの参議院の承認事項という形に展開をする必要があるのではないか。これはアメリカの三権分立と日本は違いますが、ある意味では私どもが、私は国会議員になってよく思うことなんですが、よく国会に同意人事を求めできます。同意人事を求めてくるときに、よくわからない。履歴書一枚だけ張って、この人がどういう経綸を持っておられて、今例えば証券取引等監視委員会の委員を一つの例にとりますが、この人は今の証券行政にどんな考えを持っておられて、そして任命されたかよくわからない。 こういうものは当時の大蔵委員会、今でいえば財政・金融委員会でお呼びをして、そして我々がいろんな形で、同意を求めている以上は、どんな考え方を持っているかわからないで、はい私は賛成です、反対ですという形は、これはもちろんそれぞれの党派で議論しているということは知っておりますけれども、私は参議院の役割というのは、アメリカの上院ではありませんが、そういう人事の問題に関して国会に同意を求める際には、そういうものをある意味では国民の前で議論する。必ず議事録が残ります。議事録が残れば、こういう問題についてあの人はあのときああいうことを言っていたという記録も残ります。 そういう形で、実は私どもは透明度が高いというのは、今行政改革の議論をしていますが、まさにこれは国会改革あるいは政治改革と連動して議論をしなければいけない課題ではないんだろうかというふうに私個人は思っているんです。これについて、総理は今どんな御見解を持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、内閣補佐官制度は国会の御承認を得てスタートした新たな制度であります。これには国会の同意を必要といたしておりません。そして、私は内閣補佐官制度は、現在のように必要と思える課題に本当に必要と思える人材を任意に就任をお願いし、努力をしていただき、それなりの時期に御自分の仕事として次のステップへという自由のきく姿の方がいいと思っております。 ですから、これはむしろ同意大事にというようなお話はちょっと、国会でお認めをいただいた仕組みに対して、私としては現在の仕組みがいいと考えておりますという以上に申し上げることを持ちません。 また、同意大事について、個々の法律の規定に基づいて両議院の同意を得て任命権者が任命していく、そしてそれは政府案につきまして与党内の審査を得ますけれども、衆参それぞれの議院運営委員会の理事会において候補者を提示して御審議をいただく、その議院運営委員会の決定がありました後に、参議院であれ衆議院であれ、それぞれの本会議において議決をいただくということでございます。 議員は参議院のみを主張されましたが、私は両院の同意という意味でお話しなんだと思いますけれども、私は人事案件というものの性格上、取り扱いは慎重な取り扱いが必要だと思っておりますし、ある場合、その方の名誉にもかかわる場合もあり得るわけでありますから、それだけの配慮は必要だと存じます。現在、これまでの書面による審議過程を改めて、さらに充実した審査を行うべきだという野党からの御提案がありましたものを踏まえて、衆議院の議会制度協議会の中にワーキングチームが設けられて、そしてそのあり方について各党間で議論をされているという報告を受けておりまして、私としてはそれを見守りたいということを申し上げるにとめたいと思います。
○峰崎直樹君 私の個人的というよりも、この六年間を振り返って、この人事案件だけは、いつもよくわからないのに実は党で決めてこられるという、あるいは党自身もよくわからないというのが実態じゃないかと思うんです。そういう意味で、これから透明度を高めていくという意味において、この点は国会改革の課題だろうと思いますので、またぜひそういうことを議論していきたいと思います。 省庁再編の問題その他を含めて、特に大事に関連して今回ちょっと集中的にお話をさせていただきたいと思うんです。 実は、私当選した直後に、農水省、ちょっと事前にお話をしておいたんですが、一九九三年八月十三日の朝日新聞に「負の構造 公共事業」と書いて、「農業土木技官」と書いてある。決して私は農業土木だとか公共事業を否定して物を言っているわけじゃない。ところが、ここの中で、省内に「独立国」を築いていると書かれている。すなわち、技官の世界というのができ上がっている。そうしたら、きょう、朝日新聞の「ポリティカにっぽん」に早野透編集委員が、実は今度は建設省の中の人事も、「私が建設省に入った昭和三十年代には、二個師団一個大隊二個中隊というのがありましてね、」と、こうおもしろく書いてあります。 要するに、こういう今の人事が、技官それから文官、しかも技官でも建設省のようにいわゆる事務次官に文官と交代でなったりするところもある、全くそうじゃないところもある。さあ、これ一緒になりますよと。総務庁長官、行政管理庁と総理府の一部と合体しましたね。依然として交互に事務次官を出すとか交互に官房長を出すとか、そういう何かしきたりみたいなものがあるんですね。 同じことが起きて、こんな大規模な省庁が合併したら量的にも大変だと言うけれども、一番大変なのはこういう人事問題なんじゃないですか。民間企業だってそうでしょう、銀行と銀行が合併したけれども、依然として頭取、作風が合わないからというので全然効率が上がらないというふうにも言われている。 総務庁長官、どうですか。それから農水大臣もこの点について事前に言っておきました。私は、こういうことはあってほしくない、もっと本当に皆さん方がお互いに力を合わせて頑張ってもらいたいと思うがゆえに、こういった点があるがゆえに、大省庁の合併というのは、省庁再編というのは本当に十分人事問題を含めて練られたんだろうかなというのが、私のさっきからの人事の問題における、拙速というふうな表現は使いませんが、問題があったんではないかな、もっと議論されてしかるべきだったんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 私の短い経験から申し上げまして、巷間ただいま議員がお話しになるようなことを聞かないでもございませんけれども、実際その機関の責任者として対処いたしました経験から申し上げまして、今若干憂えておいでになるような一つの欠点と申し上げましょうか、支障は感じておりません。 むしろ技官は技官、あるいは事務官は事務官としてそれなりの貴重な貢献をいただいておるわけでございまして、そのときの人材の全体の視点から有効に作用してきておるものと、さように私は判断をいたしております。
○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘の農業土木技官の大事につきまして、私も実はこの記事に興味を持って調べました。そこでお答えいたしますが、農林水産省の組織機構全体の中で技官のいわば専門知識あるいは経験に配慮いたしまして適材適所の配置を行っているところで、記事としてはおもしろかったんですけれども、その事実は全くございません。
○峰崎直樹君 そこで、冒頭の問題に入ってくるんです。公共事業の予算と言われるものがなぜ省庁別の配分比がこんなにずっと変わらないんだろうか。ここに書かれていますね。農水大臣はさっきおっしゃいませんでした。要するに、技官は自分で構造改善局の設計課に全部集めて、もうわかっているところだけしか査定させない、こうここに書いてある。建設省も技官の世界があるでしょう。運輸省もあるんでしょう。 そうすると、農水省の事例がもし変わらないとすれば、こういうものが続いているとすれば、そういう技官の世界が、文官が事務次官になっていく、我々は次官になれないけれどもこの分野については我々に任されている。そういう構造が温存されていたら、実はこの省庁別配分比というのは、いやもう絶対これは縄張りだといってそこが独立王国になって、それが今日の問題を起こしているんじゃないかというふうに思えてならないんですが、この点は総務庁長官に聞いてみましょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 率直にただいまの質問を受けました私の概念を申し上げますと、そのような公共事業の具体的執行におきましては歴年指摘があり、あるいはまた一部それらの全体的な調整の話を聞かなかったわけではございません。仮にそのような一つの形におきまして弊害があったとすれば、あるいは国の財政の効率的な大局に立った一つの有効な用途、使途、予算編成というものに障害があったといたしますれば、今次の中央省庁改革こそ是正をする絶好の機会でもある、さような信条だけはきちんとお互いに整えておかなければならないな、私はそういう感じを持ちます。
○峰崎直樹君 ぜひ絶好の機会としてそういうものをやっていただきたいと思うんですが、決意だけでなくて、これは現実に示されますし、先ほど言った省庁別の配分が変わっていかないということは、もうかねてから公共事業の硬直性ということを言われているんです。 そこで、公務員の採用問題について、どうも従来文官の採用に当たっては法律系が非常に多いとおっしゃっています。今後の人事の採用に当たって、例えばデリバティブだとか、あるいはエイズ薬害問題があったように業務行政の専門家だとか、非常に専門家が求められてきているというふうに思うのであります。そういう意味で採用におけるあり方。 それと、これは厚生大臣にぜひちょっとお聞きしたいんですが、実は大蔵省の不祥事に関連して、例の地方の出先の税務署に二十八、九歳で行く、帝王学を学んでくる、こういう話をよく聞くわけでありますが、私はそのありようよりも、そういうことを改革していくために――ドイツにおいては徴兵令があります、あそこは。徴兵を拒否したときに福祉施設に義務づけられますね。公務員、とりわけ国家の重要な問題を扱う、今日大変不祥事を起こしている、そういう人たちは受験をする際には必ずそういうものを既に経験をしている、半年間なら半年間もうこれは実習済み、そういうものがなければ受験資格を与えないというような改革。これは、今本当に国民の皆さん方から、官僚のシステムというのは問題があるんじゃないのか、もちろん政治も問題があるんじゃないかと言われているわけですが、そういう提案。福祉の関係が非常に多いわけですから、障害者の方あるいは特別養護老人ホーム、さまざまな施設がございますが、そういうところで働かなければある意味ではだめだよ。あるいは、キャリア組で採用した人も必ずそこにもう一回、例えば中間段階で行くとか、そういうことについてはいかがお考えになっているか。 採用管理はどちらでしょうか。そして小泉大臣にもお聞かせいただいて、それで終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 基本的に今の委員の考え方に私も賛成です。 そこで、既に人事院においては、平成九年度から原則として国家公務員採用Ⅰ種試験合格者を対象に五日間の福祉施設研修を行っておりまして、平成九年度の対象者は三百六十七名に上っております。 それで、教員免許取得希望者については、今年度から福祉施設等における一週間の介護等の体験が義務づけられることになった。一歩一歩そのような主張を取り入れているということは私はいいことだと思っております。
○峰崎直樹君 一歩一歩なんですが、ちょっと何かその数、五日間とか一週間とか、余りにも短過ぎるのではないかなというふうに思います。もっと大きく改革してもらいたいと思います。 総理、何かありますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど議員はずっと御主張の中で公共事業のシェアが固定しているということを言い続けられました。今たまたま、他の省庁のものが手元にありませんけれども、恐らく先ほどの御質問のために農水省の一般公共のシェアが手元にあったのだと思います。 昭和六十年度が農業農村整備事業のピークの年だったということが資料で読み取れるわけでありますけれども、その年度における農水省の一般公共のシェアは二二%でありました。その中に占める農業農村整備は一四・二%であります。平成十年、農水省の一般公共は一九・三%。明らかにシェアは変わっております。そして、その中における農業農村整備のシェアは一二・二%。明らかに事実変わっておりますということを一点。 それから私は、本来ボランティアは、強制するというのは本当にボランティアなのかと。今、議員からもっと長くと言われましたが、私は逆に、公務員の研修の中にあるべきものとしてそれぐらいの日数の研修があることは当然あってよいことだと思っております。ボランティアを強制する。それはボランティアになるんでしょうか。
○峰崎直樹君 ボランティアと言っているわけじゃないんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、むしろもっと幅広くそうした問題には当たりたいなと私は考えます。
○峰崎直樹君 終わります。(拍手) 〔委員長退席、理事高木正明君着席〕
○猪熊重二君 公明の猪熊重二でございます。 中央省庁等改革基本法に関して若干質問させていただきます。 御承知のとおり、戦後五十年間、我が国の政治経済の仕組みは我が国の発展に大いに寄与してきました。しかし、世界が国際化、技術化、情報化した現在において、この五十年間の我が国の政治の仕組みが大変現状に合わなくなってきた、改革しなければならない、こういう状況になって、橋本内閣が六つの改革を政治課題の中心に据えたのも当然のことであり、また大いに努力していただかなければならないことだと思います。 この六つの改革の中でも、特に行政改革が私は大変に重要だと考えております。それは、改革の必要性と改革の困難性と、この行政改革がうまくいくかいかぬかということが国民の生活に直接に関係するということで、六つの改革の中でも特に行政改革に真剣に取り組んで早急に成果を上げていかなければならない。そういう意味で、橋本内閣が現在行政改革に取り組んでいる姿勢、努力そのものについては私は大いに敬意を表したいと思います。 この法案の質問に先立って、行政改革に対する国会と内閣の役割分担というか、それぞれの責任、守備範囲というか、こういうことに関して総理に一応お伺いしておきたい。 なぜかといいますと、行政というものは、その大半は国会によって制定された法律によって執行されている。それからまた、今回の行政府の組織に関する問題に関しても、憲法六十六条一項によれば、内閣の組織、権限は法律の定めるところによる、こういうことになっておりまして、行政改革に占める国会の役割というのは非常に重要だと私は考えます。 例えば、行政改革の中心課題である規制緩和・廃止の問題を考えてみた場合でも、平成九年三月三十一日現在において許認可事項数、要するに規制の数は一万一千三十二件ある。この件数のうち法律の規定によって規制が定められている事項が七千九百八十五件、全体の許認可件数の七二・四%は法律の規定によって規制されているんです。とすれば、この規制をどういうふうにいじるかということになれば、当然国会が立法府としてこの法律の改廃等を検討しなければならぬはずです。 そこで、総理に、行政改革を遂行する上において国会と内閣のそれぞれが果たすべき役割、責任分担についての御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは改めて議員に申し上げるのもちょっと失礼な言い方になるかもしれません。 しかし、行政機構あるいは行政事務、これらは本来法律に基づくものでありますから、行政改革を推進しようとする場合、それが議員提出法案でありましょうとも内閣の提出法案でありましょうとも、提出されました法律案の審査を通じて立法府の判断はどんなことがあっても私どもはいただかなければなりません。 これはあえて議員提出法案であれと申し上げるその気持ちはおわかりをいただけると思うのでありますが、内閣は内閣自身みずから行政改革を進める責務を有していると私どもは思います。そして、改革案を企画立案し、立法化を要する場合にはそれを法律案として国会に提出し御審議をいただくこと自体、内閣の責務の一部だと私は思います。同時に、そうした改革のための法律案が国会で通過、成立をいたしました場合、それを施行し実現していくことが内閣自身の重要な責務になる。 議員に対する的確な答えかどうか自信がありませんが、私は、立法府として、議員提案であれ内閣提出法案であれ、提出されました法案の審査を通じて立法府の判断が示される、そして内閣はみずから行政改革を進める責務を持ち、企画立案、立法化を要するものを法律案として国会に提出する、これが責務であり、同時に国会において通過、成立をいたしましたその改革のための法律案、その施行実現を内閣の重要な責務としている、そのように考えております。
○猪熊重二君 私が今申し上げたのは、行政改革は内閣も真剣に取り組まなければならない課題である、同じように国会も真剣に取り組まなければならない課題である。要するに、国民のための行政改革ということを考える限り、内閣がなそうとしている行政改革に対して国会がただ傍観者的に見ているべき立場にはないはずだ、こういうことで内閣の、総理の行政改革を応援しようと思って今申し上げたわけなんです。 これは、内閣だとか国会だとか言っていたのでは官僚組織に対抗できない、全部の政治勢力が一緒になってやっていかなければ行政改革なんというのは本当に難しい、こういう意味で、総理の方から、内閣は一生懸命やっているんだから国会も一生懸命やってくれと、こういう返事が出てくるかと思ったんだけれども、ちょっと違いました。ともかく、みんなで力を合わせてやらなきゃならぬ仕事であるということを私は本当に痛切に感じているので申し上げたわけです。 それから次の問題は、ちょっと総理には申しわけないんですが、どうも今回の法律案は順番が逆じゃなかろうかと私は思うんです。 先ほど峰崎議員の方からも若干話がありましたが、行政改革の中心課題は何かといえば、地方分権の推進と規制緩和の推進ということが中核だろうと思うんです。この地方分権と規制緩和を本当に徹底的に行って行政の事務をスリム化して、その上で初めてこのスリム化された事務をだれがどのように、だれがというのは、どのような組織、どれだけの人間が担当していくかということだとすれば、まず今回の法律案の名称として、中央省庁等改編の問題がテーマじゃなくて、もう少し行政の軽量化、効率化を図ることがまず先なんだ、それが済まないで何で省庁再編ができるんだろうかと。 先ほども総理から御答弁があったんですが、どうもこの辺が私は順序が逆じゃなかろうかと思うんです。ただこれは、衆議院でも大分押し問答みたいな形になっておりますので明確な結論が出るわけじゃありませんけれども、簡単にひとつお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどの御質問に対しては大変失礼をいたしました。法律的な側面を聞かれたと思いまして一生懸命に答えてしまいました。 その上で、衆議院の段階では実は私どもはまだ地方分権推進計画を閣議で決定できておりませんでした。そのために、地方分権推進計画を作成中でありますという以上のことを申し上げられなかったわけであります。 そして、地方分権につきまして、去る五月二十九日、地方分権推進計画を閣議決定するとともに国会に御報告をいたしましたが、この内容につきましては、各省庁相協力して法案化作業を急ぎまして、原則、平成十一年の通常国会に所要の法律案を提出する、そうした準備を既に整えております。 また、規制緩和の推進、これは非常に大事なテーマでありますけれども、去る三月末、新たな規制緩和推進三カ年計画を策定いたしたわけでありますが、この中には十五の分野、六百余の個別取り組み事項をまとめ上げておりまして、まずこれをしっかりと実現していくことを私どもは心がけてまいります。同時に、この中には事業参入規制の撤廃、緩和、あるいは許認可の審査・処理期間の半減化など、むしろ横並び的に各行政分野を見直して推進していく、そういう共通課題もこの中には盛り込んでまいりました。 こうしたものを基盤として中央省庁の再編にも取り組んでおるところでありまして、議員御指摘のとおり、衆議院以来いろいろな角度からこの問題は御論議がございましたけれども、分権推進計画はおかげさまでまとめ上げることができまして、今後逐次実行に移してまいります。ぜひとも全体が同じように進められますような御協力を、それこそ本当にお願い申し上げます。
○猪熊重二君 それでは、法案の個別的な内容についてお伺いします。 これは総務庁長官でもあるいは内閣法制局長官でも構いませんが、この法律案は、読んでみるとよくわからないんです。どういうことかというと、要するに内閣機能の強化の問題から伺いますけれども、内閣機能の強化、私はこれは賛成なんです。賛成なんですが、第六条は「内閣総理大臣が、内閣の首長として、国政に関する基本方針について、閣議にかけることができることを法制上明らかにするものとする。」という条文になっているんです。一体この条文は何なんだろうと思います。 総務庁長官でも法制局長官でもいいですけれども、この規定によって、現行の内閣法は変わっていないけれども、もしこの法案が成立して今の六条が成立したとした場合に、内閣総理大臣の閣議への発議権は認められるのか認められないのか。まあ多分認められないということになるんでしょう、この条項だけじゃ。この条項で内閣総理大臣の閣議への発議権が認められないということになったときに、じゃこの条文は内閣にいかなる法的な義務なり効果を与えるのか、あるいは国会に対してどんな法的義務があるのか。この条文は一体何なんだということを伺いたいんです。
○政府委員(大森政輔君) 第六条は、この末尾をごらんいただきますと、「閣議にかけることができることを法制上明らかにするものとする。」と書いております。したがいまして、この法律案が成立いたしますと、内閣としては法制上明らかにするための措置をとるべき義務を課されることになります。多分、具体的なその履行といたしまして、内閣法の一部改正案を国会に提案するということになろうかと思います。 六条はこのような意味を持っておりますが、なお現行内閣法に基づいて内閣総理大臣の国政に関する基本方針について発議権がないのかということになりますと、現行内閣法の第四条によって可能であると私どもも解しているわけでございますが、この点を内閣法上明確にするという意味があるわけでございます。
○猪熊重二君 だから、私が言っているのは、もしそういうふうな内閣総理大臣の発議権を認めて内閣機能を強化したいというのなら、この法律をつくって、この法律案の五条によれば、この法律案はできれば平成十三年一月一日を目標とし、もしそれができない場合も、遅くとも本法施行後五年以内に実施するなんて悠長なことを言っていないで、やりたいならば、やることが必要ならば、こんな内閣の発議権の問題だけじゃないんです、内閣機能の強化に書いてあることは全部そうなんです。国務大臣の数を、これは省庁再編との関係もありますけれども、現行の二十人から十五人ないし十七人に減らすとか、内閣官房の機能強化とか、内閣府の新設と機能強化とかいうことが、内閣の機能強化が必要ならばこの問題は直ちに内閣法を改正してできるのに、何でやらないでこんなゆっくりやるんですかということを聞いているんです。 どうしてこういうことをやらないでこんなことをやっているんですか。これは法制局長官じゃなくて総務庁長官、やる必要があるのなら早くやったらいいじゃないかと思うんだが、どうですか。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 先ほど法制局長官も若干触れておりましたが、内閣総理大臣は現行法においても国政に関する基本方針について閣議に対して発議権がある、これはもう可能でありますよという説明を申しておられましたが、今回の改革は、内閣の機能強化及び内閣総理大臣の権限の明確化、同時にまた内閣及び内閣総理大臣の補佐、支援体制の整備も一体的に行いますよ、こういう組織上のいわば厚みのある一つの背景も持っておるわけでございます。それらによりまして、内閣総理大臣が内閣の首長として国政運営におけるリーダーシップをより十分に発揮するようにいたしますと、こういう背景があることも、先生も先ほどちょっとこのことを御発言で触れられたようでございますが、それらの事由によることが非常に大きいわけでございます。 なおまた、今回の改革は、実現は可能な限りこれを早期に行うべく、基本法案成立後に設置される推進本部におきまして最大限の努力を払います、そして内閣機能の強化もその例外ではございませんと、そういう方針でございますので、御了承いただきたいと思います。
○猪熊重二君 法案が出てきているから、これ以上違うことを言いにくいんでしょうけれども、しかし、大切で早くやりたいというんだったら、内閣法を改正すれば一カ月でできるものを、二年も三年も待つ必要はないんじゃないかということを申し上げたわけなんです。 次に、今回の法案で、行政における政策企画立案機能と政策の実施機能の分離ということが非常に大きな眼目になっております。 私は、このこと自体は非常にすばらしいことだと思うんです。行政の機能のうち、政策の企画立案機能というものが、新しいあるいは現在の行政においてこのような能力が非常に飛躍的に増大すること、そしてまた、行政や法の執行機関として実際のいろんな執行をする部門もある、こういう形で、今回の改正案が政策企画立案機能を強化しようという方向は正しい方向だし進められるべきだと思います。 ただ、今までの古典的な考え方によれば、行政は国会が定立した法を執行するのが本番の仕事であって、そういう政策決定し立法するのは国会の機能だということを言われているのが一般的だろうと思うんです。 そこで、内閣の政策企画立案機能の強化というものをどのような観点から今回の改正は根拠づけたのか。法制局長官の方がいいかもしれませんな。
○政府委員(大森政輔君) お尋ねの趣旨を十分に理解したかどうか自信がないわけでございますが、要するに、国の基本的政策の企画立案事務というのが内閣に属する根拠いかんという御質問であったかと思います。 この点に関しまして、委員御承知のとおり、日本国憲法は、第六十五条におきまして、行政権は、国会が指名した内閣総理大臣及び内閣総理大臣が任命した国務大臣によって構成される内閣自体に行政権が属するんだということ、そして七十二条におきまして、内閣総理大臣は、内閣を代表して行政権の行使に関して必要な議案を提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告する等の権限を有する、そしてまた第七十三条におきまして、内閣は法律を誠実に執行し、国務を総理する、その他条約を締結したり外交関係を処理したりと、いろいろな権限を規定しているわけでございます。 このような点からいたしまして、委員も御指摘になりました国民の権利を制限し、そして国民に義務を課すること、あるいは刑罰を科するというようなことはもちろん国会による法律を要することではございますが、それ以外のことに関しましては、行政府がそのゆだねられた職権の行使をするに際して、行政府としての政策の企画立案を行う機能を有するということは憲法が当然予定していることであると解されるわけでございます。 もとより、今回の改革と申しますのは、国会と内閣との憲法体制下における基本的な関係に何ら影響を与えるものではございませんで、余分なことかもしれませんが、憲法四十一条が規定する、国会が国権の最高機関であって、唯一の立法機関であるという国会の機能にいささかの変化も来さないということが大前提になっている改革でございます。
○猪熊重二君 今、法制局長官がお答えになられたように、私も、内閣の行政権の政策企画立案機能というのは、憲法七十三条一項の内閣の事務として、「一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。」という、この「国務を総理すること。」ということの中身だろうと思うんです。 ただ、そこで問題は、今までは余りこういう行政府の政策企画立案機能ということを言っていなかったわけです。今回こういうふうな形になったときに私が心配するのは、そのように行政府が政策を企画立案をすることは大いに結構なんですが、それをどういう形で実行に移すかという点についての見解を明確にしておかないとならない。要するに、政策を企画立案をしたものの結果を行政府が直ちに自分で執行するようなことになったらこれはもう大変なことになる。 結局、そういうふうに検討した結果はすべて法律案の形にして国会の議を経た上でなければ当然執行するべきではないけれども、その辺についての仕組みについてきちんとした内閣の見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 今次国会におきまして、中央省庁再編基本法、これを参議院で国会の意思として御決定いただきます。その後直ちに、先ほどから御説明申し上げておりまするように推進本部を設置いたしまして、直ちに具体的な作業に入ります。 その作業の中の根幹の一つでございます。ただいま先生が御指摘になった問題等も大きな要素にして作業を進めてまいりますが、そのときに、内閣法、国家行政組織法あるいは各省庁設置法等を十分議論、検討を加えてまいります。そしてその結果を、ただいま御発言の趣旨にあったと思うのでございますが、国会に再度具体的な省庁設置法等を中心にいたしまして御意思を問うことになりまするので、決して政府・内閣の独善によってこれが進められる、そういうことは寸分だに許容されないものでございまして、きちんと国会の意思を尊重して手続を進めてまいりたい、さように思っております。
○猪熊重二君 今、総務庁長官がお話しになりましたが、引き続いて各省設置法に関連してお伺いします。 平成八年十二月現在において、一府十二省につき私は全部計算したんです。計算したら、一府十二省の合計の所掌事務の数は千二百八十五件あります。この一府十二省の設置法に所轄権限数として書かれている項目が八百九件あります。これは一府十二省だけの問題であって、府または省に設置されている庁や委員会の所掌事務や所轄権限については規定していませんからもっと大きな数になります。 そこで、現行法における所掌事務の規定と所轄権限の規定の現在における意味を簡潔にお述べいただきたいと思います。
○政府委員(河野昭君) 国家行政組織法の二条でございますが、「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、」構成されるとあるわけでございます。この規定を受けまして、各省設置法に所掌事務規定と権限規定が置かれておるわけでございます。 その中で、所掌事務規定といいますのは、いわば各行政機関の機能の幅を示したものでございます。一方、権限規定と申しますのは、その事務を執行する上での各省庁の行為と作用というものの深さを示したものでございます。したがいまして、この所掌事務規定と権限規定をあわせまして各行政機関の行為の限界と申しますか、そういうものが明らかになるわけでございます。 なお、先生、所掌事務規定の数と権限規定の数が違うじゃないかという御指摘でございますが、例えば各省庁の所掌事務の中で啓発することあるいは内部管理、そういうものにつきまして、国民と直接権利義務に関係ないものについてはそれに対応する権限規定がない場合もございますし、あるいは各省の所掌事務には何々法の施行に関することと書いてございますが、これらにつきまして、例えば具体的な許認可権限というような権限はそれの作用法にあるということで、設置法には該当する条項がない場合もあります。そういうことで両者の数は異なっているわけでございます。
○猪熊重二君 ありがとうございました。 私が申し上げたいのは、現行の設置法の所掌事務あるいは所轄権限、こういう規定の中で、今回もし省庁再編するといった場合には、所掌事務はもう一から十まで落ちこぼれがないように数だけどんどん拾ってくるなんということじゃなくして、抽象的に決めておけばいいでしょうという点が一点。 それから、所轄権限の規定は要らないと思うんです。なぜ要らないかといえば、実際の行政執行が、仮に法に基づいて、あるいはその法に基づく政令、それに基づく省令、そのように基本において法に基づいて執行するだけであって、それ以上の執行がないとすれば、所轄権限なんというものを一々書く必要はない。各省に対する事務分配としての所掌事務の規定さえあれば所轄権限規定はなくてよろしいんじゃなかろうかと。 なぜこんなことについて申し上げるかというと、結局、所掌事務の枠を広げて所轄権限をやって、それでもまだ行政は法に基づかない裁量行政を非常にやっているわけです。通達なんてまだ紙に書いてあるからいいけれども、電話だとかあるいは出向いていって言葉でいろいろやっているわけです。そういうふうな行政執行は一切許さるべきでないと。法及びそれに基づく政令、省令、通達までを文書化しているから、認めるか認めないか、しかし指導なんというものは全然そんなもの認めるわけにはいかぬということになってくれば、法に基づかない行政執行がないとしたらばそんな権限規定は要らないじゃないかというのが権限規定は要らないということに関する私の意見なんです。 所掌事務も、万一落ちこぼれがないようにともかく幾つも幾つも、五十も百も、もっと多いのは二百もある。こんなものを大体覚えている役人はいやしない、自分のところでも。そんなんじゃなくて、もう少し大まかにやっておいて、それで先ほど申し上げた政策の企画立案で立派な業績のものができれば、それを国会に持っていって法律として通して執行すればいいだけであって、簡素な行政と言うためには、所掌事務の範囲もできる限り少なくというか要領よくまとめて、所轄権限規定なんというのは要らないというような改革をしたらどうなんだろうと、こう思うんですが、今回のこの法案によると「主要な任務」と「主要な行政機能」と書いてありますけれども、これと現行法の所掌事務、所轄権限規定との関係はどんなふうになっているんでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 今、議員が最後の方で御指摘いただきましたように、今次諮っておりまする基本法に主なる任務、主なる行政機能を概括明示いたしております。これを一つの基調にいたしまして、いよいよ省庁設置法の作業にかかるわけでございます。 その場合、議員が今御指摘になった、そして一番憂慮しておられる点、あるいはまた望むべき点等を三つ四つ整理してお聞かせをいただきましたが、私もその御発言の趣旨には全く同感であるし、また特に裁量行政のごときはきちんとこの際厳粛に整理をするべきものであると。 そして、全体として先ほど説明を申し上げました新しい役所の所掌事務、これはいわばこの役所はこういうことをするんですなという一つの庭の範囲を示すものであろうと思っております。その中におきまして、権限とは、先ほど先生云々お聞かせいただきましたように、それぞれの深さを意味するものである、その範囲というものを示すものではなかろうかと思うのでございます。 そこで、先ほどお尋ねの、所掌事務はきちんとしても、権限規定というものは、これからいろいろ政策の言うなれば企画立案機能、そして実施機能等を分別していくんだから、その辺の深さのところはどんなものだろうかというお話に聞こえたわけでございますが、私どもは、要するに議員が御指摘になりました、最も効率的で、そして簡素で、しかも今日の社会経済情勢下におきまして政府として果たすべき役割というものをきちんと基本に置きながら整理をするべきものであろう、さように思っております。 したがいまして、今ここで多少即答いたしかねるなと思っております点は、庭はきちんと決める、その深さというものはどのような手続あるいは制度によって、仕組みによって整理をきちんと厳粛にでき得るかな、この辺は非常に検討を要するところでございまして、要するに先ほどお話がございました簡素化、そして裁量行政をきちんとこの際整理する、これを大きく念頭に置いて検討に当たるべきものであろう、さように思います。
○猪熊重二君 次に、新たな省を設置した場合と補助金行政の関係についてお伺いします。 平成十年度の一般会計における補助金の件数、二千四百六十三件、金額、十九兆六千五百一億円となっている。膨大な補助金が出ているんです。ところが、この法案においては、補助金について、三十二条の四号において国の補助金等の削減または合理化を進めると書いてあるし、四十四条の二項においては国の補助金等の見直しを行うということを規定しています。それ以上具体的にこの法案には補助金行政に関する規定がないように思います。 しかし、せっかく新しい省庁をつくって、新しい行政組織のもとに出発しようということだったら、この補助金行政に対するもう少し踏み込んだいろんな見解があってもいいんじゃなかろうか。一般会計の補助金十九兆六千五百一億円の金額のうち、法律補助が十六兆七千三十一億円、予算補助が二兆九千四百七十億円あると、こうなっております。この中で、法律補助については、法律が制定され、国会で審議され、その後も一応法律に基づく補助金として支出されているという限度において、国会と国民の目の届くところに一応の射程があるわけです。ところが、約三兆円の予算補助というのは、極論すれば行政府というよりも担当する役人の思いのままに近い支出になってしまう。 なぜか。確かに予算書の中では予算補助と書いてあるから、国会の審議を得て、予算委員会でいろいろみんな知っているはずなんですが、あんな厚い予算書の中の項目を全部実質的には読むわけにはいかない、実際を言えば。そうすると、予算補助というのは、予算書の中に何か一行か二行書いてあるだけで、実際には国会の審議も何もなしに三兆円の金が役人のさじかげんで出ていく、極論すればそういうふうなことにもなる。 だから、私は予算補助は一切なくすべきだと。要するに、行政府の方で予算を編成するときに、法律に基づく補助以外の予算だけの補助というようなものはもうやめようと。書かなきゃいいことなんです。それは国会で、書いてあるんだから、よく読んで、全部検討して、あなた予算を議決したじゃないかと、こう言われても、先ほど言ったように、こんなに厚いやつ、あんなちっちゃい字で一行ばかり書いてあるのを見たってわかりゃせぬというのが実情じゃありませんか。そうしたら、極言すれば、この三兆円という予算補助は役人のさじかげん一つで国の予算を適当に支出しているというふうに言うこともまあ間違いじゃないんじゃないかな、こんなような気がします。 要するに、予算補助について今後どういうふうに考えているか、せっかくここで新しい行政の仕組みを考えるんだったら。どうですか、総務庁長官の意見は。
○国務大臣(小里貞利君) 非常に大事な御指摘であると思っております。 今お話がありましたように、国の補助金等については、この基本法第三十二条におきまして、その削減または合理化その他の見直しを進めますよということをきちんとまず記しておるところでございます。その上で、四十四条におきまして、補助金等の見直しの観点として三つ考えておるんでございますが、その一つは、地方公共団体に対するものについては地方分権推進委員会の勧告に沿って削減または合理化を進めます。もう一つは、事業等の振興または助成を図るためのもので、長期間の継続によりましてその効率性が乏しい、効果が乏しいなと思われるようなものについては原則として廃止をしなければならぬのじゃないか。もう一つは、補助の効果をできる限り客観的に評価をいたす必要がありますよ、そういう仕組みを考えましょうということをきちんと整理をいたしておるところでございます。 なおまた、この基本法案におきまして、補助金等についてそれぞれその削減のみを規定しているということではございませんでして、その合理化を含めたあらゆる見直しを、先ほど申し上げましたようなことなども基準にいたしまして、法律補助と予算補助の区分に関する御指摘も踏まえながら今後その見直しを具体的に進めていきたい、さように考えております。
○猪熊重二君 今、総務庁長官が補助金の性格について分類されましたが、予算補助と法律補助という分類の基準も考えられた上でいろいろ検討していただきたいと思います。 私が地方公共団体に対する補助金について総理に質問しようと思ったら、総務庁長官の今お答えがありましたけれども、私も地方公共団体に対する補助金というのは、原則的に地方公共団体の独自の財源化を図ることによって補助金は縮減あるいは廃止する方向を検討するべきだ。 どうしても直ちにそういかないとすれば、総理、地方公共団体に対する補助金を残存する場合も、地方公共団体の協議会的なものに対して交付し、その配分を地方公共団体の協議、決定にゆだねることを検討するべきだというふうな意見、高知県知事の御意見もそんなようなことがあったそうですが、その辺についての総理の御意見、いかがでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 私からお答えいたします。 地方公共団体に対する補助金の整理合理化についてでございますが、地方分権推進計画において、地方分権推進委員会の勧告を踏まえたものとして、地方公共団体の事務として同化しているもの、定着しているもの、定型化しているものや人件費補助に係る補助金、交付金等については一般財源化を図ることとしておるわけでございます。 また、本基本法の第四十六条第一号におきまして、「公共事業に関し、国が直接行うものは、全国的な政策及び計画の企画立案並びに全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業の実施に限定し、」、先ほど議論もございましたが、このほかのものについては、「その他の事業については、地方公共団体にゆだねていく」、こういうふうに基本がなっているわけでございます。 同条の第二号におきましては、国が個別に補助金等を交付する事業は、できる限り、適切な目的を付した統合的な補助金等を交付することとしているわけでございます。 なお、存続をいたします補助金につきましては、地方公共団体の連絡協議会的なものに交付すべきであるという御提言でございますが、この点につきましては、国が一定の行政水準を維持するためや、国の特定の施策を推進するための政策手段である補助金等の重要な機能にかかわる問題でございまして、補助金制度を大きく変革することにもなるのでございますが、この点については慎重な検討を要するものと、このように考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、自治大臣からお答えをいたしましたように、やはり国が個別に補助金等を交付する事業、これはできるだけ適切な目的を付した統合的なものにしていくべきだ、これは私は本当にそう思います。 ただ、やはり私も、その協議会的なものに一括交付と。これは、もともと一定の行政水準を維持するため、あるいは国が特定の政策目的を持ってその施策を推進するために採用する一つの手段、そうした機能を考えますと、これは相当慎重な検討を要するのではないだろうか、私どもはそのように考えております。自治大臣と同旨であります。
○猪熊重二君 公務員問題についても伺いたかったんですが、ここに御出席の全国務大臣に、私は所掌の所属している公務員に伝えていただきたい。現在のようないろんな不祥事や犯罪行為を犯しているけれども、国家公務員法を初めとする法律はきちんと整備されていて、この公務員法なり守ってもらっていればこんな不祥事は起きてこない。 国家公務員法の九十六条一項、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と書いてあるんです。 服務宣誓令を読みます。私は、公務員になるときにこの宣誓書を出して公務員になったんじゃないかと言いたいんです。「私は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。」という誓約書を出して公務員になって、何でこんな悪いことをするんだということを言いたいわけです。 ぜひとも各国務大臣が各省に帰ったら言ってもらいたい、もう一回、採用になるときに出した宣誓書を思い出せと。(「再提出だ」と呼ぶ者あり)そうですね、再提出してもらったらどうでしょうか。公務員がこのような状況では余りに国民がかわいそうだ。そのことをぜひとも全国務大臣に省庁へ帰ったら言っていただきたい。 最後に、中央省庁等改革推進本部に関して希望だけ申し上げさせていただきたいと思います。 ここにおられる大臣が全部構成員になって改革推進本部を構成されます。各大臣が一生懸命おやりいただくことは当然私も確信していますけれども、しかし忙しい。忙しいから、今の仕事でも忙しいのに、この改革推進本部で集まれなんていって集まったって、そんな一日も三日も話している時間はない。ないとすればだれがやるか。事務局がやる。事務局に、先ほど総理もお話しありましたけれども、せめて事務局員の半分ぐらいは外部の人間を期限を決めて来てもらって事務局としてやってもらうぐらいにしないと、官僚の事務局長が官僚を集めてほいのほいのやっていたってどうしようもないということ。 それから、第三者機関をぜひつくって、ともかく国会と内閣と一緒になって行政改革を進めなきゃならぬということだけを申し上げて、終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○山本正和君 社会民主党が閣外協力を解消いたしまして初めての質問でございます。 きょうは、テレビを通じて国民の皆さんも一体何を言うんだろうかと、こういう御関心がおありになるかと思いますから、まずちょっとそのことだけ触れて申し上げておきたいと思います。 総理や加藤幹事長は既に我が党からの申し入れをお聞きになっておると思いますが、私どもはこう思うんです。 村山内閣並びに第一次橋本内閣に閣僚を送って、与党として国民の皆さんのために懸命に取り組もうと。第二次橋本内閣では政策合意をもって国民のために働こうと。橋本総理を支持して、そして首班指名をみんなでやって内閣を成立させてきた、こういう重要な責任があります。したがいまして、第二次橋本内閣において与党として取り組んできたこと、これについては国民の皆様に対する重大な責任がある。当然、本日のこの法案につきましても私どもは賛成の立場で質問をしていくと、こういうことになるわけでございます。 ただ、今別れた理由というのは、例えば日米安保条約があります。これは憲法に基づいて条約は守らなきゃいけない義務がある、我が国に。したがって、我々は日米安保条約も容認いたしております。さらには、さまざまな今の経済上の混乱があります。これに対しても何とかしなきゃいけないという問題がある。しかし、それについては与党間の意見の食い違いも若干ございました。また、政治資金規正法の問題についても、これはどうしても両党間の意見の食い違いがあった。 参議院選挙を控えて国民の審判を受けるに当たって、こういう問題で違いがあるという中では閣外協力解消という道を選んで、改めて国民の審判を仰ごうと、こういうことで閣外協力を解消したということでございまして、今の第二次橋本内閣が提案しておりますさまざまな法案、重要施策については重要な責任が私どもにありますから、これを国民の皆様の御理解を得て一日も早く成立し、国民の生活の安定を期したい、こういう思いでございます。これだけ申し上げておきます。 そこで、まず本法案の問題でございますが、戦後五十年間、我が国はいろんな状況がありました。そして、やっぱりこれは今の行政機構を変えざるを得ないというところに直面している。しかし、省庁を再編するというのは大変困難な仕事であります。それぞれの省庁はそれぞれの目的意識を持って懸命に取り組んできた歴史と実績を持っておる。また、それぞれの省庁で働いている公務員の諸君もそれなりのプライドを持って懸命に取り組んでいるわけであります。それを変更するというのは大変なことであります。 私の三重県でいいますと、これは農水大臣が聞かれたらびっくりするかもしれませんが、農林部という名前がなくなりました。今、関係団体も含めて、知事は何をしていたんだというふうな議論もある。それぐらい省庁を再編成するというのは大事業であります。 ただ、今私は同僚委員の質問を聞いておりまして、なるほど、野党というのはああいう質問をしなきゃいけないものだなと。極めて国民にわかりやすい形で質問がございました。 しかし、今度の省庁再編の法案の基本理念を私どもも含めまして国民の皆様に対してもう少しわかりやすく説明すべきだったと、こういう反省に今立っております。これはあくまで戦後五十年間の日本の国を振り返って再出発しようという私どもの決意の表明、これがこの改革基本法案であると。したがって、出発宣言でありますから、その中にはこれからどうするのという疑問がたくさんあるのは当然であります。また、これに伴ってさまざまな法律をつくらなきゃいけないという課題がたくさん控えているわけです。そこのところの問題をもう少し説明すべきだったろうというふうに私は思うのであります。 その前に、この省庁再編法案を出してきた、それについて、これは総理が国民の皆様に率直に、これを出さざるを得なかったということをなるべく簡単に、本当にお茶の間で聞いている皆さんにもわかりやすい形で、そして今度はその人たちが、いや、これはこうなんだよと説明できるようにひとつ御説明いただけないか。 私はこう思うんです。今から本当にみんなでやりますよ、それには役所も含めて頭の切りかえをしなきゃいけないので思い切ってこういうことをやりますよという言い方ていいだろうと私は思うんですけれども、その辺を含めていかがでございますか、総理。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 村山政権以来、協力の中で数々の成果を上げながら、安全保障と申しますかガイドライン関係と申しましょうか、日米ガイドライン関係、さらに沖縄県をめぐる幾つかの問題、そして政治資金規正法の方向づけにおいて残念ながら意見の合わない点がありました。そうした中で、議員が今おまとめをいただきました総括に私は心から敬意を表するとともに、お礼を申し上げたいと思います。 その上で、この省庁再編というものをもう一度わかりやすくというお話でありましたけれども、これは結局、簡単に言えば人生五十年時代に今の行政の仕組みというのはつくられた。だから、当然人生五十年時代に合わせた設計をしてきた。そして、敗戦後の混乱期を乗り切る中で今日を築く上ではこれは本当に役に立った。しかし、だんだん長生きの時代になり、一方で少子化という現象が出る中で、継ぎはぎ細工だけではなかなかうまく動かなくなった。そして、そこに財政が大変深刻な状況になり、しかも国際社会で日本に期待される役割も、また東西二大陣営対立という図式も変わってしまった。 そういう中で、経済社会システムが全部変わっていく。行政もそれと一緒に、あるいは少しでも先んじて人生八十年時代に合った設計にしなければならない。そういう方向に私たちは向けていく、もし許されますならそのような申し方を申し上げてみたいと思っております。
○山本正和君 私は、今の総理のお話で、確かに当面するさまざまな問題に触れておられると思うんですが、そこで今大変だから省庁再編もしますよと、それから金融問題の思い切った改革をやらなきゃいけない、そういうふうな課題の中で、実は国民の皆さんは一体日本の国はどうなるんだろうかというさまざまな不安といいましょうか、お先真っ暗とは言いませんけれども、不透明感をお持ちになっている。 私は政治というのは国民の皆様の前にきちんと希望を示すこと、夢を与えることだろうというふうに思うんです。そのために、思い切って省庁再編をやって、国は変わりますよということを言える、それだろうと思うんですけれども、実は夢と言われたらどうにもならない。 この前も、ある九十を過ぎている私の大先輩で、かつて我が党の経済政策で一生懸命やっておられた方ですけれども、この方がこういうことを言われた。山本君、君、金融ビッグバン、ビッグバンと言っているけれども、今度ビッグバンをやったらまた日本の国はむちゃくちゃになるのと違うのかと。我が国は、銀行は絶対大丈夫と思って国民は一生懸命働いて、お金を銀行に預けて、その資本を元に世界でまれに見る経済大国に発展していった。ところが、その銀行は場合によってはばたばたとつぶすんですよという中で、さあ今度は、しかも何か難しいデリバティブとか何とかいう新しい商品まで含めて外国からどんどんやってくる。そうすると、日本の銀行を信用せぬようになって、国民がみんなもうほかに預けるとなったらどうなるんだろうかというようなことを言われるんです。これはまあ別です。 しかし、ビッグバンに対して、我が国は我が国流の対応がなくてはいけない。要するに、かつてはヨーロッパ、特に北欧から始まったバブルの崩壊、アメリカが十数年前にバブルの崩壊です。その中でいろんな問題が起こったんだけれども、日本は当時はまさに謳歌しておった。二千五百兆の資産があるとか、やれアメリカ一国と日本の東京都の地価が一緒だとかというばかな時代があった。その中で、日本の国は今どこに行こうとしているのかですね。 私が思うのは、今こそまさに政治は、国民の皆さんに、我が国はこういうふうに進みますから御安心くださいと言わなきゃいけない。そのための準備として、政府は行政改革をいたします、六つの改革を提案しますというのが総理が言われた出発点であると私は思っているんです。 その中で私が申し上げたいのは、先ほど峰崎さんから任期が終わるというお話がありましたが、私はもう今期は終わりますけれども、七十過ぎましたけれども、まだ頑張ろうと思うんです、日本の国のために。七十過ぎた政治家が頑張らぬことには日本の国は沈没すると私は思っているんです、正直言って。 それはなぜかというと、戦争に負けたときに我々は何もなかった。だけれども、これで絶対に戦争をしない国になりましたよ、一生懸命みんなで働きましょう、平和ですから一生懸命働き続けましょうということで頑張ったんです。そして、その中で光明を見出して、池田さんの所得倍増から始まって高度経済成長に入っていった。目標があったわけですよ、国民全体の中に。元気が出たんです。 しかし、今は元気がないんですよ。元気を出さなきゃいけないとしたら、日本の国の皆さん、安心してくださいよ、一億二千万の人間が住んでいる日本の国、この国に住んでいる限り大丈夫ですよという展望を示す必要があると私は思うんです。ところが、経済学者に言わせたら、日本の国は資源がない、貿易によってしか生きていけません、アメリカからお金でぎゅっと締められたら干上がりますよ、こんな話ばかりやっているんです。日本の国はそんなけちな国じゃないですよ。日本の国は世界でもまれに見る本当に自然に恵まれだ国なんです。太平洋を背負って、日本海があって、中国大陸とは近い。地勢的には非常にいいんですよ。 何が足りないかと言ったら、エネルギーと食糧です。この前もちょっと言いましたけれども、エネルギーと食糧に向かって、我が国は消費国として、国家予算の一割とは言いませんが、毎年二兆をエネルギーと食糧問題に全部投入してごらんなさい。原子力発電に毎年ずっと一兆投入して三十五年間たった。今、日本の原子力の安全性は世界一です。それでもまだ危ない。もっと金を使わぬとだめですよ、安全上からは。だけれども、エネルギー問題は実は原子力ばかりじゃないんですよ。石油をもっと効率的に使う方法はないか。もっと言えば自然エネルギーはどうなんだ。そういうところに日本が毎年二兆円ずつ金をほうり込みますと。 まさに二十一世紀は宇宙の時代と言われている。そこを我々は展望しなければいけない。本当に日本はもう一遍出発しましょう、日本人はこれだけの知恵と労働力を持っている、必ずやりますよということを宣言して、新しい産業転換ですよ。こんな小さな国でも別に外国にお世話にならぬでもやっていけますよ。そればかりじゃなしに、外国にいろいろ知恵も授けましょう、サハラの砂漠を緑の森にしてみせましょう、お隣の蒙古も緑の森にしましょうというぐらいの技術の革新に全力を挙げる。こういうことはやればできると思う。 それを夢物語と私は言わないですよ。国家予算の一割といったら大変なお金です。そこまで行かぬでいいです。二兆あったら相当なものです。それを例えば少なくとも地球環境を守って人類が生きていけるように、エネルギーをどうするかというようなことをやりましょう、こういう提案をされたら、今ちょっと正直に言いますけれども、本年度予算はそういう方向の芽が出ました、総理のいろいろな決断の中で。補正予算もそれはすぐ出てきている。そこをなぜ強調しないんだ。 しかし、それをするためには産業構造の転換ですから出血が伴います。ちょうど石炭労働者が全部首を切られちゃった、かつての繊維労働者が全部首を切られちゃった。苦しみが伴います。しかし、これでいこうじゃありませんか、世界じゅうで我が国は先頭を切ってやろうじゃありませんかということを言うのが日本の国の今の責任だろう、日本の政治の責任だろうというふうに私は思うんです。 そういう意味で、今までのいろんな話、経済の問題でも、経済雑誌は出せば売れるそうです。日本はつぶれるという本が一番売れるんです。そんなばかげた話ないんですよ、これだけの日本の国が。国民はまだお金を持っている、資産も持っている。足りないのは知恵と勇気です。それを示すのが私は政治だろうと思うんです。 そういう意味で、総理は二十一世紀を控えて、私どもが支持した、私どもが指名した総理としてこの段階でぜひひとつ決意を述べていただきたいと私は思うんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に大きな将来にかける情熱を恐らく私だけではなく受けとめる御意見である、そう思います。私には議員が今述べられたように全体をうまく束ねて申し上げられませんが、私どもは私どもなりにこの国の未来というものに夢をかけてまいりました。先日もある場所で申し上げたことですが、何も私を信じてくれなんてうぬぼれたことを言っているんじゃありません。この日本という国を信じて、そして日本人というものを信じてください、これだけ優秀な、そして学問的にも教育水準の高いこれだけの民族、これを信じていただきたいと申しました。 今、議員が提起をされました問題はいずれも大変大きな問題でありますが、もともとこのアジアが非常に繁栄を続けておりましたときに、アジアに対する警鐘、成長の制約要因、それは人口の急増であり食糧であり、そしてエネルギーであり環境であると、これをAPECの非公式首脳会合の席で主張し、これを警告として位置づけたのは村山総理のときでありました。そして、今私どもが同様に将来を考えましたときに、他の問題を解決していきましても食糧あるいはエネルギーの問題を模索し続けなければなりません。 大きな一つの我々の希望は、議員も仰せられたように、安全の上に安全を期さなければなりませんが、原子力エネルギーというものに、我々はインドやパキスタンとは違い、平和のためにこれを利用していかなきゃならぬ。同時に、まだ我が国ではそれほど十分に成功していると言えませんけれども、自然の力を利用したエネルギーというものも活用しなければならない。食糧においても、今の自給率のままで本当にいいのかと考えるとき、一層の工夫を要する。そうした努力に向けた国全体の取り組みをと言われる御意見は真剣に拝聴させていただき、同じような気持ちを持った、その点だけを申し上げたいと存じます。
○山本正和君 実は私はこういうことを申し上げる前に、各省庁の若手も含めたいろんな研究あるいは作業部会の活動等を見せてもらいました。これは通産省、厚生省あるいは建設省、それぞれいろいろあるんですね。すばらしいんですよ。私は日本の官僚は優秀だと思うんです。それを政治が使いこなすかこなさぬかの問題だと思う。悪く使うと収賄罪に問われることになってしまう。よく使えば本当に公務員として胸を張って国民の中で生きていける、そういう状況だと私は思うんです。 今のものに、食糧問題も、これはもう農林水産大臣も御存じでしょうけれども、我が国の食糧自給はできるんです。エネルギーの問題でも、科学技術庁の問題も含めて、いろいろ論文を見ていきますとやれるんですよ。だから、政府部内にある力をフルに発揮するようなことをやるのが私たちは政治じゃないかというふうに思うんです。 そういう意味で、先ほども質問がありましたから今度はひとつ子供の教育の問題を言いますが、実は何で日本の子供の教育がこうなっているかという話がよく出ます。私はちょうど今の六十二、三歳から五十五、六歳までの世代に対し高校で化学の教師をしておった。生徒会顧問もして、そして剣道部の監督兼題間もやって、随分いろいろやってきました。その時分の子供の教育と今の子供の教育といろいろ違いがあります。 しかし、日本の教育は、いろんなことを言いますけれども、新聞はもう何かあるとべらぼうに書くんですよ。その中ですばらしい子供たちの健やかに育っている姿はほとんど書かないんです。だけれども、そういうことは別に置いても、今文部省が新しく取り組もうとしている個性尊重の教育、そしてさまざまな子供たちの自由を保障する教育、随分すばらしいものを文部省はつくっているんです、一生懸命に。また、かつては日教組といったらもう自民党の敵で大げんかしたが、その日教組の大会へ加藤幹事長はいつも行ってただくし、新年の宴会には来てエールの交換をする、そんな時代なんですよ。現場の教師も、恐らく文部省も、あるいはお父さん、お母さんたちも、今の日本の教育をどうしたらいいか、日本の国を本当にちゃんとするかせぬかは教育だと一致しているんです。 そこへ総理が六つの改革の中に教育の改革をどんと打ち上げられたんですね。そこのところをどうやっていくかということも私は重要な問題だと思うんです。ところが、悲しいことに、正直言ってこんなことをちょっとテレビの前で言うのはぐあい悪いですけれども、色男金と力はなかりけりで、文部省は色男なんです、今の大臣も色男ですけれども。 それで、私はよその国とずっと教育の問題で計数的にも比較をしてみました。それから、子供の教育に携わっている人たちの数も調べてみました。アメリカは公立学校の数が少ないけれども、そうじゃなしに、たくさんの状況があるんです。そして、文化が発展していって価値観が多様化する国になればなるほど子供の教育には人の手がかかるんです、正直言って。しかも、今文部省が新しく、第六次までのものは別にして、もっと違う教職員の増員あるいは学校における教育のあり方についての検討を始めているんですね。 余り時間がないですから一言だけでいいですけれども、大臣、教育こそ二十一世紀の我が国だということをここでちょっとひとつ説明してみてください。
○国務大臣(町村信孝君) 大変なお言葉をいただきまして恐縮をいたしております。 教育の重要性は長年教職に携わっておられた山本先生の御指摘のとおりだと私ども思っております。確かに財政事情厳しい中ではございますが、その中でさまざまな工夫をしながら少しでもよりよい教育をつくっていきたい、こういう思いで今教育改革推進をしているさなかでございます。今後また御協力、御指導をいただきながらしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○山本正和君 ちょっと総理と大蔵大臣の前で遠慮されているのかしれませんが、もっと予算をとるという話をしてほしいんですけれどもね。 それは別にしまして、本文の省庁再編のところで少し触れておきたいんですけれども、私はこの中央省庁等改革基本法の中で、どうしてもこれは小里長官から確認をしておいていただきたいと思うのは、省庁をいろいろな形で再編いたします。そうすると、再編をするときにそれをいかに効率的に、例えば環境の問題といえば、これは環境庁ばかりでなしに農水省から各省に全部わたって環境問題が出てくる。これは随分いろんな問題が出てくると思うんですけれども、それをやるのは実は人なんですね。そうすると、例えば環境庁の中でこれに取り組んでおった人、農水省で取り組んでいた人、こういう人との連絡、提携の問題がどうなるかということですね。あるいは、もっと言いますと、厚生省が今までは子供の問題を一生懸命やっておった。ところが、文部省では学童保育という問題をやっている。そういう保育の関係がどうなるかという、さまざまな問題があります。 その省庁間の任務分担はこの法律でもって出されました。そうすると、その省庁間の異動についてその人たちをどう動かすか、その辺についてのお考えはどういうふうにお持ちになっているのか。要するに、本人たちがいろいろやりたいという希望をたくさん持っているわけですね。そういう人たちの、自分たちの省庁再編に当たっての職員の気持ちにどういうふうに取り組むかということについてお考えをお聞きいたします。
○国務大臣(小里貞利君) 御案内のとおり、環境行政の重要性にかんがみまして、今次改めて環境省をつくることにいたしました。そしてまた、専ら環境保全を目的とする事業、事務あるいは制度を持つところはこの環境省に一元化をいたしました。ここに大変重みのある一つの基本姿勢が出ておると思います。 それから、今お話しの環境行政に経験のある職員の皆様方の対応なりあるいはこれからの連携、そして環境行政に効果的にこれを活用するべきではないかというお話であろうと思うのでございます。 したがいまして、そのような視点からも、環境省に一元化するものの、そのほかに事業あるいは事務等が若干でも環境に関係する項目、行政科目を持つ省庁はいわば共管省としてこの環境行政に対して参与する、あるいは関係する、そういうような組織体系を考えたわけでございまして、今の先生の御指摘はこれらの対応で何とかできるんじゃないか、さように思っております。
○山本正和君 ぜひ職員が希望する形でしっかりやれるような体制を要請しておきます。 これは質問通告していなかったんですけれども、特に農林水産行政、これが何となく暗い感じを省庁再編の中で持たせたら大変なことになると私は思うんです。 農は国の基、こういう我が国の古い言葉の中にはいろんな意味があると思うんです。哲学的にも、我々の心の中にもたくさんあるんですね。ところが、山が荒れるという状況がどんどんあるにもかかわらず、林野庁の職員は減を一方だと。それから、食糧の問題をどうするかということについての部分がどうなるのか。私は正直言って、環境や農林水産はもっとどんどん要求して、日本の国を守るためにこれだけ人が要るよということをやっていくべきだろうと思うんですけれども、農林水産大臣、その辺についてどうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 我が国農林水産関係の定員は現在四万五千であります。アメリカ農務省は約十万人で、半分以下でございます。国土面積が違うといえばそれまででありますが、公務員一人当たりの農業就業者数、これを比較いたしますと、アメリカは六十人、カナダは四十人にそれぞれ一人でありますが、日本の場合は百二十人に一人であります。 そういう意味で、確かに数が多ければよりよいわけではありますし、また同時に我が国は七割が急峻な山に覆われ、その山合いを縫って中山間地域が四割ございます。非常に環境的には恵まれない農業、それをそれぞれの地域に分布する農業の従事者がこの国を守っている。そして同時に、単に農産物、林産物あるいは水産物を供給するだけでなくて、まさに国土の保全、自然環境の保護等々この国をあらゆる角度から守ってくれているということを、私は都会の人間でありますが今全国にこれを呼びかけているわけでありまして、先般のOECDでも共同コミュニケに盛り込んだところでございます。 これからも自信と誇りを持って、農は国の基であるということを訴え続けたいと思います。
○山本正和君 時間が参りましたので、私は最後に一言だけ私どもの決意を申し上げておきたいんです。 私どもは安保条約は容認いたします。しかし、安保条約がこのままでいいとは思わないんです。もっと日本の主張がきちんと通るように条約は変えていくべきだと私は思っているんです。 それから、もっと言いますと、日本とアメリカは日米安保条約で緊密な関係がある。経済的にも絶対に大事な国です。しかし、日本と中国は日中平和条約を結んでいるんですね。そういう中で、例えば台湾条項というものをなぜ日本ははっきり入れないか。アメリカは堂々と、台湾に何かあったときにはやりますと、こう言うんですよ。あれは当たり前、台湾条項があるから。日本は日中平和条約を結んでいるんですから、これに触れたら困ります、アメリカさんかどう言おうと我が国はできませんよと言うのが私は自主外交だと、こう思うんです。 その辺の問題がなかなか国民にはわかりにくいんですよ。日中平和条約がある、日米安保条約がある、我が国は両方ともくるんでいるんです。その辺の問題を何か遠慮しているような気がしてなりません。私どもはそういうことは遠慮せぬでいい日米安保条約にするべきだ、日米安保条約の解釈にすべきだ、このことを私は思っているんです。 そして、もう一つ大切なことは、ガイドラインという問題はいろいろ言われておりますが、私は日本の自衛隊にもっと力をつけてほしい、本当の意味で、本当に国を守る力をつけてほしい。何か知らないけれども、自衛隊の若者が外国の戦争のために血を流すことだけは絶対にさせてはならない、これが私どもの気持ちなんです。 そういうことで、選挙戦ではひとつ厳しく戦いながらということになるかもしれませんけれども、これだけ申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございます。 橋本総理大臣並びに各大臣の皆さんに質問をさせていただきます。 中央省庁再編基本法について質問いたしますが、本法案では労働省と厚生省を一つにして労働福祉省にすることとしております。 私、実は昨日、東京飯田橋の職安に行ってまいりました。もう夕方近かったんですけれども、職を求める人たちがフロアにいっぱいあふれておりました。こんなに雇用失業情勢が厳しいときに労働省の機能を低めていいものだろうか、こういう不安が高まっているのは当然のことだと思います。 五月二十九日に政府から発表されました労働力調査速報によりますと、四月の失業率がついに四・一%になったと。これは昭和二十八年に統計をとり始めてから最悪の数値でございます。男性の失業率が四・二%、特に三十代の中堅あるいは世帯主の失業者がふえているということが非常に深刻です。このほかにも、政府の統計によりますと潜在的な失業者がいます。 そこで、総務庁にお伺いいたしますが、今働いていない人で、働きたいと思っているけれども職安には行っていない、しかし仕事があればすぐつける、こういう方の人数は幾らですか。
○政府委員(伊藤彰彦君) 我が国の十五歳以上の人口は労働市場に関係のあります労働力人口とそれ以外の非労働力人口に分類されるわけでございます。そして、労働力人口が就業者と完全失業者に分類されます。 御質問に該当する人々は、平成十年二月の労働力特別調査の結果によりますと百二十六万人となっておりまして、これらは非労働力人口に含まれております。
○吉川春子君 今回の完全失業者の二百九十万人と合わせますと、政府統計でも四百十六万の事実上の失業者がいる。この失業者を減らすために具体的な手を打つ必要があるのではないでしょうか。 それでお伺いしたいわけですけれども、今回の調査で、企業倒産に加えてリストラ解雇による者など非自発的離職者が九十一万人に増加しております。これには、内部留保を多額に持ちながら便乗的に人減らし、合理化を行っている大企業も含まれています。失業は人生最大のピンチです。その労働者と家族だけではなく、地域の経済にも大きな影響を与えます。社会問題です。労働者を簡単に解雇してはならないことは当然です。裁判所もそういう立場で判例を出しております。 最高裁の判例では、使用者が経営上の理由による解雇を行う場合、四つの要件をすべて満たさなくてはならず、この要件を満たさずに行われた解雇は無効であると、このようにされています。 四つの要件とは、第一にその解雇を行わなければ企業の維持存続ができないほど差し迫った必要性があるということ、二、解雇を回避するあらゆる努力が尽くされたこと、三、解雇の対象とする労働者の人選の仕方が合理的かつ公平であること、以上について、労働者個人そして労働組合に対して事前に十分な説明をして、かつ了解を得ていること、こういう要件を示してあります。 私は労働省の出しておりますパンフレットも持ってきたんですけれども、そこにも労働省はこの最高裁などの判例を引きまして、そしてたとえ労働基準法に違反していなくても事業主が解雇を自由に行い得るというわけではありませんというふうに、労働省もそういうお立場をとっていらっしゃいます。 そこで、政府は今こそ解雇を規制する法律を提案すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいまの御質問でございますが、基本的には使用者と労働者の期限の定めのない労働契約というのは御承知のように民法六百二十七条第一項が本則になっておりまして、双方からいっても解約の申し入れができ、二週間後に終了するというふうに定められている、これが本則であります。 そして、労働基準法にはその例外規定を幾つか定めていることも御承知のとおりでありますが、一般論として、その労働基準法の例外規定ではなくても、六百二十七条についていわゆる司法の判断を求めるということはあるわけでして、それについて司法の判断が委員が今おっしゃった四つ判例を示している、こういうことだと思います。 したがって、この四つが会社の経営や労働者の実態から見て法律に一つ一つそれを書いていくということが実際できるのかどうかということになると、これは立法論からいって、法制局長官がお答えするのが適当かと思いますが、極めて私は難しいと思います。 したがって、そうであるがゆえに、日本には裁判、司法というものがあって、法律の適用の適否あるいはその裏にある日本の国民あるいは法人としてのお互いの契約の適否が司法の場で裁かれていく、あるいは判断を下されていく、そういう形で国家の仕組みというのは成り立っていると理解いたしております。
○吉川春子君 解雇された労働者が裁判に訴えれば救済されるんだけれども、裁判に訴えられる労働者というのはごくわずかなんですね。だから、やっぱり泣き寝入りせざるを得ないわけですけれども、こういう権利の侵害をなくしていくためにも法律はどうしても必要なんです。 それで、労働大臣、立法できるかどうかという御発言がありましたけれども、私たち日本共産党は一九九六年に解雇規制法を国会へ出しております。これは法制局を通らないと国会へ出せない法律ですから、出しております。 そこで、総理にお伺いいたしますが、ドイツ、フランス、イギリス、イタリーなどヨーロッパ諸国には解雇を規制する立法があるんですね。それで、日本だけできないんだと、裁判所があるからいいんだと、こういう議論は成り立たないというふうに思うんです。私たちは、その最高裁の判例を基準に法律にいたしまして、解雇の正当理由がなければ解雇ができない、仮に退職の意思表示を労働者がしてしまってもクーリングオフの制度を応用いたしまして二週間はその意思を撤回できる、こういうものを含めて国会に御提案申し上げているわけですけれども、これはお金のかからない失業防止対策なんですよ。政府がその決断さえすればできるわけなんです。総理、ぜひリーダーシップを発揮していただいて、この解雇規制法をつくっていただきたいと思います。いかがでしょうか。 私は総理大臣にお伺いをしたいのです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に労働大臣がお答えをしておりますように、司法の場で解雇が合理的な理由を欠いて無効とされた例あるいは整理解雇の要件が示された例、判例が積み上げられております。そして、解雇について合理的な理由を必要とする、整理解雇についても一定の要件が必要とされております。 我が国の今の状況の中において、実際の解雇に当たって、具体的な事例に応じて判例の考え方を踏まえて労使間で十分話し合っていただくべきもの、私どもはそう考えておりますし、一律に解雇を規制するような立法措置が必ずしも適切ではない、そのように考えております。
○吉川春子君 総理の御答弁、私は大変残念です。政府の決断でもってできる、それで失業者を減らすこともできる、こういう法律をぜひ日本政府でもつくっていただきたい、日本政府がその気になっていただきたいということを重ねて要求しておきます。 同時に、失業対策として私がもう一つ申し上げたいのは労働時間の短縮なんです。雇用を増大させるためにも、労働時間の短縮というのは焦眉の課題だと思います。 今、日本の労働者は働き過ぎで、八時間労働はおろか一人で二人分も働いて、そして年間一万人もの過労死まで生み出している。一万人という数は推定ですけれども、そういうふうにも過労死弁護団が推定をしております。最近の報道によりますと、フランス、イタリーでは三十五時間労働に移行する法律が成立したそうですけれども、日本の年間の労働時間は現在これらの国より三百時間、それ以上多く働いております。年間総実労働時間は千九百時間を超えているわけなんです。 サービス残業も非常に横行しております。実は私たちは、サービス残業の計算を基礎にいたしまして、これがきちんと雇用という形で反映されたらどれぐらいの労働者が新しい職場を得られるだろうか、こういう計算をしてみましたが、政府の数字を基礎にして非常に小さ目の推定でも四百万人程度の雇用効果があるんですね。 だから、サービス残業というのは残業料が払われていない、ただ働きされているという意味ですから、そういう意味で労働時間の短縮ということも非常に有効な雇用対策である、私はそのように思います。どうですか。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいまフランスの例等をお挙げになりました。フランス等では非常に失業率が高くて、要するに雇用の吸収力がありません。したがって、多くの人たちで限られた雇用吸収力を分け与えていこうよということになりますと、例えば四十時間を三十五時間、三十五時間をさらに下げてということになります。 しかし、一般的な市場経済の原理原則からいえば、時間を下げるということは当然労働に対する対価、つまり賃金を下げるということによって成り立つわけです。そこのところを全く別にしておいて、時間を下げるけれども賃金はもとのままだということでは、統制経済の中ではともかくとして、市場経済では動かないと私は思います。 そして、もし法律でそのことを強制すれば、そのことが結果的に企業の経営を難しくして、長い目で見て額に汚する人の働く場を失わせるということで、これは決してしてはならないことだと思っております。
○吉川春子君 まず、労働時間の短縮というのは政府の大方針でして、法律で定めて進められているわけですね。それが十年たっても実現できない、国際公約が実現できないということなんですよ。 それからもう一つ、賃金は減らないんですよ。私たちは全般的に計算したのではなくて、サービス残業、大臣御存じですね、残業をしているんだけれども残業料が払われないということを称してサービス残業と言うんですよ、それを雇用に変えたら幾らになるかと。だから、さっきささやかな計算だと申し上げたのはそういう意味なんです。 今現実にそういう残業料が払われていない。それをきちっと払わせる必要があるわけですね。これは労働省の仕事ですけれども、十分されていない。そして同時に、それを残業せずに雇用に振り向けることができればという計算をしたのがさっきの四百万なんです。本格的に時短の計算をすればもっと雇用を吸収できるわけですけれども、私は本当にやる気がないとしか言いようがないと思います。 もう一つ、私は失業対策について伺いたいと思いますけれども、今失業中で求職活動をしている人々に対する施策が非常に求められています。 総務庁にお伺いいたしますけれども、さきの調査で失業期間が長期化する傾向にありますけれども、一年を超えた労働者というのはどれぐらいいるでしょうか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(伊藤彰彦君) 平成十年二月の時点でございますが、そのときの完全失業者数は二百四十六万人でございます。そのうち、求職している期間が一年以上にわたる者は五十一万人となっております。
○吉川春子君 これは要するに就職先がないものですから失業期間が長くなる傾向がありまして、六年間連続してこの数はふえているわけなんですね。 私はさっき飯田橋職安の話をしましたけれども、二階のフロアが求職者のフロア、一階のフロアが求人者のフロアなんです。一階はもうがらがらでした。だから、有効求人倍率〇・五五という数字を、まさに東京の一番中心的な職安でもそういう実態が目に見えるようにわかりました。 それで、今失業給付が最高でも三百日ですね。だから、やっぱり失業期間が長引いているということに合わせて、この失業給付を行える期間をぜひ延長してもらいたい、そのことを強く要求します。大臣、これぐらいはおできになりますか。
○国務大臣(伊吹文明君) いつも余りいいお答えをせずに申しわけないんですが、政府委員が今お答えをした人数のうち、多分私はかなりの数の方が六十歳、六十五歳以上の方だと思います。 例えば年金を受給しながら働かずに年金だけで暮らしておられる方と、年金の受給権がありながら仕事につきたいけれども仕事についておられない方、あるいは若い方々で、この期間が余り長期化すると、結果的にミスマッチという言葉で表現すればそれはそれまでということになるのかもわかりませんが、結局、失業保険というのは国民の税金とそれから働いている人たちあるいは企業が納めている保険料であるだけに、先生がおっしゃっておられるように働きたいけれどもどうしても仕事が見つからない、しかも年金とのバランスとを考えてやむを得ないという方についての今の御議論は私は傾聴に値すると思いますが、それ以外の部分については負担の公平から非常に難しい御提案ではないかと思っております。
○吉川春子君 私は、今こういう人たちが、どうして失業が長引いているかという分析をいろいろおっしゃいましたけれども、やっぱりその人たちをどうやって救うかと、その手を打つことが非常に必要だと思うんですよ。失業給付の期間を延ばすぐらいのことは大した金額じゃないと思うんですよ。 それで、例えば今年度の予算で雇用保険の国庫負担を千四百億円も減らしているんですよ。これは財政構造改革の関係で減らされたわけですけれども、とんでもないことを行った。今、雇用失業情勢が最悪のときに国庫負担を最大限に減らす、これは一体どういうことですか。 失業に苦しむ国民の気持ちというのが大臣におわかりにならないのか、総理大臣におわかりにならないのか。私は予算を減らすなんというのはとんでもないと思うんです。これはもとへ戻してもらいたい。それこそ補正でも何でもいいですから、こういう補正こそやるべきだと私は思うわけです。景気対策の上からいっても、こんなに雇用失業状況が下向いておりますと景気もよくならない。これはもういろいろと言われていることです。だから、失業者の問題もそれ自体手を打っていかなきゃならない。これはもう何はさておいても一番最初にやらなくてはならない問題だと思います。 最初にも指摘いたしましたけれども、労働省の役割がこんなに大きくなっているときに労働省の仕事を減少していく、これはとんでもないことだと思うんです。 現行の労働省設置法は、「労働省の任務」として、「労働条件の向上及び労働者の保護」、それから「職業の紹介、指導その他労務需給の調整」、「失業対策」、こういうことを明記しています。 ところが、今度の今審議しております省庁改編の法律で労働福祉省になると、これが「職業紹介事業等に対する規制を緩和することにより、労働市場を通じた需給調整の機能の発揮を促進すること。」、こういうふうになっておりまして、職業紹介事業は民間に移して、国は徐々に撤退していく、こういう表現になっておりますし、失業対策という項目はなくなっているんです。 昭和二十二年に厚生省から労働省が分かれて独立いたしましたけれども、当時の議事録を私は今回見てみました。その議事録によりますと、「労働省設置の眼目は、従来各省に分属していた労働行政を一元的に統合し、もって総合的かつ強力なる労働政策を実現することにある」、こういうふうに昭和二十二年の議事録には残っているわけです。 それで、今本当に労働行政が強力に行われなければならないときに、失業対策の仕事を項目から外したり、あるいは職安機能も民間に徐々に移していくということはとんでもないことだ、私はそのことを厳しく指摘しておきたいと思います。 労働大臣、うなずいていますけれども、いいんです、もう答弁いいです。時間がだんだんたってきましたので、また労働委員会でやりたいと思います。 もう一つ私が伺いたいのは、行政改革の最終報告書に「行政改革の理念と目標」という項目がありまして、戦後の日本は経済的繁栄という資産も残したけれども、四百兆円あるいは五百兆円とも言われる膨大な財政赤字に象徴される巨大な負の遺産も残したとして、行政の効率性、簡素性の追求が課題である、このように書かれています。 国民の税負担をふやさないというようないろんなことを理由に雇用保険の給付の延長も拒否されているわけなんですけれども、ゼネコン中心の公共事業はそのままということは私は絶対に納得できません。 そして、四全総に続いて新しい全総が発表されました。この計画では、海峡を横断する六つの橋、巨大プロジェクトの構想を進める、こういうふうに書かれております。これは九八年、ことしの三月三十一日に閣議決定されましたが、この計画を実行すると費用はどれぐらいかかるんでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) ちょっとその前に、委員長のお許しをいただきましたので、きょうはテレビ中継になっておりますから、誤解を生むといけませんので申し上げておきますが、まず労働福祉省の設置というのは、十五条を受けまして別表第二というのがございます。
○吉川春子君 簡単に答弁してください。
○国務大臣(伊吹文明君) 別表第二の中には、雇用の確保、労働基準、失業、職業安定、すべてここに入っております。そして、それを受けて編成する場合の注意事項として二十五条があるわけです。ですから、失業の対策が抜けておるなどということはございません。
○国務大臣(亀井久興君) ただいま新しい全国総合開発計画の中に盛り込まれました海峡プロジェクトについてのお尋ねでございますが、海峡プロジェクトについては、御承知のとおり、今回の全総では全体の財政投資規模については明示をしていないわけでございまして、個々の海峡プロジェクトにつきましてもそれぞれの地域の実情もかなり異なっているわけでございます。その熟度に応じても今後の進め方は違ってくるわけでございますし、また費用対効果の分析とかあるいは環境影響評価、こうしたことも十分に考えながら、これから整ったものから順次その歩を進めていく、そういう考えでございますので、まだ個々一のプロジェクトの費用についての試算はいたしておりません。
○吉川春子君 労働大臣、そうしたら失業対策ということを文字から落とさなきゃいいんですよ。実際はやりますと言っても文字から落ちるということは大きなことなのであって、雇用情勢とかなんとかということじゃなくて、それでは法律が出てきたときに失業対策ということをちゃんと載せていただきたい、そのことを私は要求しておきます。 それで、(「答弁、答弁」と呼ぶ者あり)いや、今試算をしていないというお話でした。話があちこち行くともう時間がなくなります。マスコミ報道では、十兆円はかかるとか、いろいろな試算が行われているわけですけれども、幾らかかるのかもわからずに計画に上げるということはもうとんでもないと思います。私だって大きな買い物をするときに、欲しいなと思っても幾らかかるかぐらいはまず確かめて計画を立てますよ。国民とはそういうものなんです。 東京湾横断道路についてお伺いいたします。 これと同じような道路が本州と四国に二本とか、東京湾の川崎と木更津に既につくられているわけですけれども、昨年から供用開始された東京湾横断道路の車の予想通行量と実績の量、収入見通し、これだけを時間がないので簡単におっしゃってください。
○国務大臣(瓦力君) 吉川委員にお答えしますが、簡単にといいましても、いろいろ私も答えておきたいことがあるのです。 海峡横断道路プロジェクトについては、国土庁長官からお話がありましたから重ねて申し上げませんが、現在はそういう状況でございます。 なお、東京湾横断道路の予想交通量等についてのお尋ねでございますが、東京アクアラインの計画交通量は一日当たり二万五千台でございますが、これまでの平均は約一万二千台でございます。これはいろいろ先行した社会資本整備もございますから、道路で言いますと圏央道でございますとか、これからそういう道路につながることによりましてその道路の効果が発揮されていくわけでございまして、首都圏にとりましては重要な道路である、かように認識をいたしておるところであります。
○吉川春子君 ちょっと事務当局でもいいんですけれども、端的にその試算、予想通行量と収益見通しを言ってください。アクアライン。
○政府委員(佐藤信彦君) 料金収入見通してございますが、これは平成九年十二月に供用しておりまして、それからこの平成十年三月末までについてでございますが、約百十八億円を計画しているところでございます。
○吉川春子君 もう本当に時間がなくなってきてしまいました。 私たち日本共産党は公共事業一般を敵視したり否定しているということは絶対にありません。そういう意味じゃなくて、私たちはむだな公共事業について厳しくメスを入れて、そして逆立ち政治を直すように、そういう立場で申し上げているわけです。 今の東京湾横断道路のことなんですけれども、きのうちょっと試算で伺いましたが、当初の予想通行量の半分以下になっているんだ、こういうお話でした。そして、収入も四百五十億円のところが半分以下になっている、こういうお話もありました。今ある東京湾横断道路もこういう形であるのにもかかわらず、外側にもう一つ橋をかける、こう新しい全総が言っているわけでして、これは本当に大変むだな計画ではないか、そういうことを申し上げておきたいと思います。 そして、本当に国民の望んでいる行政改革というのは、むだを省いて本当に必要なところにお金をつぎ込む、こういうことだと思いますので、そういう形での行政改革をするように強く要求いたしまして、中途半端になって残念ですけれども、もう時間が参りましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。(拍手) 〔理事高木正明君退席、委員長着席〕
○都築譲君 自由党の都築譲でございます。久しぶりにこの総括質疑の場に出てまいりました。 きょうは行政改革基本法案の質疑ということでございますが、まず初めに私自身の考え方を申し上げたいと思いますのは、今なぜ行政改革法案なのかということでございます。 補正予算案が五月の半ば過ぎに出されております。思い起こしてみますと、二月、三月の本予算を審議しているときには、とにかく景気の現状が大変厳しい中で、平成十年度の本予算案ではとてもこれからの一年間、経済運営として不十分である、欠陥予算であるということで、野党の私どもが予算の組み替えを要求しておりました。それに対して、これが万全の予算であるというふうなことを総理は言われたと思いますし、また一部からは四月早々には補正を組むからと、こういうふうなお話もあったわけですが、結局、四月が過ぎて本予算が上がって、そして一月半たったところでようやく補正予算が出てきた。しかし、この間に経済の現状は大変厳しいものになってきておるわけでございます。 そういったことを考えたら、例えばこの一年間の状況を振り返ってみましても、去年秋の金融機関の相次ぐ破綻、そしてまた金融機関の貸し渋りで中小企業の経営が大変厳しくなって、一年間に一万七千件も一千万円以上の負債を抱える企業倒産が起こった。最近の統計でも、一カ月に一千七百件も企業が倒産をしているという、これは戦後最悪でございます。そしてまた、雇用失業情勢、つい四月の状況が発表になりましたけれども、これも実に全国で二百九十万人の失業者の方があふれ、とうとう戦後最悪の四・一%を記録したわけでございます。 こんな中で、行政改革法案も大変重要な法案でございますけれども、これほど経済が停滞をし疲弊をしている、それぞれの商店でもあるいはまた製造業でも大変活力が失われつつある現状なのに、補正予算の中身自体が大変問題が多い、私どもはこういうふうに思っておりますけれども、それでもまず国民経済のことを考えたら、国民の生活のことを考えたら、まずとりあえずの応急措置として補正予算を打つべきではないか、議論をすべきではないかと思うのに、今なぜ行政改革法案を審議するのか。これも結局は、補正予算をてこにして行政改革法案を短期間で、しかも先に通過をさせてしまえよという党利党略に基づくものではないかというふうに思うわけでございます。 ここに本当に国民不在の政治が今行われていることが明らかになるのではないか、こんなふうに憤りを感じながら、そしてまたこのことは実は総理にお答えいただくような話ではなくて、党の国会運営の話でございますから、私なりの考え方を申し上げておきたいと思います。 きょう実は私ども自由党は第一回の定期全国大会を朝から開催いたしまして、そして党綱領と基本政策、これは従来の新進党時代に議員がみんなで集まって議論をした「日本再構築宣言」とか、そういったものを踏まえてさらに強化をした内容の、政策プロの集団としての自由党として党綱領そして基本政策――基本政策は「日本再興へのシナリオ 「国民が主役の社会」を目指して」ということで満場一致で採択をいたしました。その後また三千名の代議員なりあるいは支援者の皆さん方と懇親を深めたわけでございますけれども、この自由党の綱領、実はこれはまた行政改革とも関係がありますので、これからの国づくりをどうするのかという観点からちょっと簡単に御紹介をしたいと思います。 私たち自由党ですが、「自由主義を基調とし、互いの尊厳を大切にして、自らの能力や個性を発揮できる国や社会を実現する。私たちの自由主義は「自律した個人が多様な選択肢と公正なルールのもとで、自らの生き方を創造的かつ自由に追求できる創造的自由主義」である。」ということで、ちょっと中略でございますが、そしてまた六つの基本的事項の第一に来るのが、実は今のこの国の社会を展望したときに私たちとして、「国や社会に安易に依存するのではなく、自立を重んじ、自己を律し、家族の絆を大切にし、国を愛する国民が自ら目標を定め、行動する「国民が主役の社会」をつくる。また、国民主権を形骸化している中央集権を地方分権体制にあらため、真の地方自治を確立し、「住民が主役の地域社会」をつくる。」と、こういうふうに綱領の第一号でうたっておるわけでございまして、ここに実は私たちが本当にこの国の仕組みを根底から変えなければいけないという考え方があらわれておるわけです。 そして具体的な中身として、今申し上げたことのほかに、基本政策の中で、自由で公正な市場ルールによる消費者主権の社会、あるいはまた高齢者や障害者が堂々と活躍できる社会、さらに人間と自然が共生する社会へ、さらに民力中心の元気な社会へ、残業なしでも暮らせる人間らしい社会へ、そして政官業の癒着のない社会へ、最後に国際社会で信頼される日本へと。これは簡略版でございますけれども、こんなことで、これからも日本の政治、そしてまた行政、経済、さまざまな分野の改革をなし遂げていかなければいけない、私どもはこんなふうに考えております。 翻って、きょう提出され審議が行われておりますこの中央省庁再編基本法案でございますけれども、まず私は総理に行革の理念とこの具体案の相違について実は幾つか御見解を伺いたいと思います。 と申しますのも、けさからちょっと総理の御答弁などを聞いておりまして、今回の中央省庁改革基本法案というのは改革の方向と手順を示したものである、こういうふうに御答弁がございました。ただ、何のためにこの行革を今の時点でやらなければいけないのか、美辞麗句と言いますと言葉が過ぎるのかもしれませんけれども、そこのところに本当に改革が必要な理由といったものが十分議論がなされていない、あるいはまた認識が少し違うのではないか、私はそういうふうな印象を持ちました。 私どもは三年前、新進党時代に既に中央省庁を十五省庁に再編するという案を提出させていただきました。十五省庁です。今、政府は一府十二省庁ということで取り組みをされておられます。しかし、今回のこの手順ということで考えてみますと、この法案が成立してから五年内に、あるいはまた平成十三年度、二〇〇一年までにそれなりの成案を得て実行に移していきたいということでございますが、私なりの考え方を申し上げますと、戦後五十年、あるいはまた一橋大学の野口先生が以前言っておられました四〇年体制、一九四〇年体制と言われる中で、戦後のあの廃墟の中から高度成長を経て、そしてさまざまな経済的な発展あるいはまた社会基盤の整備などが行われてまいりましたけれども、しかし今の仕組みが実は大変制度疲労を起こして、そしてまた実際にむだや非効率、そして最近よく報道されております汚職、腐敗、不正の問題がございます。 こういった問題の解決のために、ぜひ効率的でそしてまた本当に国民の立場に立った行政が実施できるようにということで改革していく、これも大変重要でございますが、もう一つ重要なのは、やはり財政再建をどう支えていくのか。国と地方自治体合わせて五百四十兆円も積もりに積もった借金があるわけでございまして、この借金の返済のために、すなわち国の財政、地方の財政を再建していくためには実は行政自身がもっと効率的でスリムにならなければいけない、そういう緊要性といったものを持っている。だからこそ、私たちは既に三年前に十五省庁に再編をするという案を出させていただいたわけでございます。きょう提出されておりますこの改革法案では、これから三年以内に改革、あるいはまた遅くとも五年以内に改革ということで本当に財政再建が可能な基盤を行政改革でつくっていくことができるのかということを疑わざるを得ないわけであります。 と申しますのも、一昨年の衆議院選挙のときに私どもは五つの契約ということを訴えました。自民党の皆さん方もそれなりの公約を掲げて、そして総理が再選をされてから結局六つの改革ということで行われてまいりましたけれども、考えてみますと、公共事業関係あるいはまた行政改革、みんな検討先送りというふうな形になって、そして財政再建はやらなければいけないと公約したから消費税引き上げ、特別減税の廃止ですという形で結局経済を大きく落ち込ませてしまって、また財政ギャップを広げてしまったというのがこの一年間ではなかったか、こういうふうに思うわけでございます。 そういった意味で、本当にこんなタイムスケジュールで行革の必要性というものを総理御自身が真剣に考えておられるのか。先ほど申し上げたように、今の景気の現状を考えたらまず補正予算を先に審議すべきではないかというふうな認識の欠落、そして今回の行政改革法案のこのタイムスケジュールといったものについても私は大変な疑問を持っているわけでございます。この点について、冒頭、総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 十分間にわたる大質問でありまして、(発言する者あり)もし答弁漏れがあっては失礼と思いますと申し上げようとしたのがいけなかったでしょうか。 まず、一昨年の衆議院選当時の議員の所属された政党がどういう訴えをされたかから繰り返しお話がございました。 私どもは確かにあの時点で、消費税率を二%引き上げさせていただきたい、そのうちの一%は地方の財源になるんですと。同時に、私どもは、この高齢・少子社会というものを考えるときに、地方分権、規制緩和というものを進めていき、当然それによってスリム化する中央の省庁を今の半分程度に減らしたい、そう国民に訴えてまいりました。そして、今この中央省庁について再編、改革の方向づけを行いました法案の御審議をいただいているわけであります。 その間には、行政改革会議において一年間各界の有識者の真剣な御論議を五十回にわたる会合とともに重ねてまいりました。そして、行政改革に対するそのお答えというものをできる限り忠実に法案化をし今日に至っております。また、さまざまな角度から御論議をいただきましたけれども、政府といたしましては、財政構造改革法に弾力条項を認めていただきたいということを根本に、財革法の改正案、特別減税等の税制改正案とともに補正予算の審議を国会にお願い申し上げております。 国会における審議の順番というものは両院の中で、またそれぞれの院において決せられてまいりますことで、政府としてこれをとやかく申し上げる失礼は我々としては避けなければなりません。 その上で、行政改革について、私どもとしてはこれを実行していくことで国民の負担を少しでも軽減していきたい、将来に向かってより簡素で効率的な行政の仕組みというものを担保してまいりたい。もちろん、地方分権推進計画を先日閣議で決定し、国会にも御報告を申し上げましたが、十一年の通常国会にこれに関連する法律案の御審議を基本的に願いたいと考えておりますこと、また規制緩和推進については三カ年計画、四月一日より新たな計画が始まっており、これを着実に実行することがまず重要であり、その上に中央省庁の再編がある、こうしたことも先ほど来繰り返し御答弁を申し上げてまいりました。
○都築譲君 今の御答弁を聞いておりまして、これは私ども自由党、そして以前の新進党時代から、実は議員が集まって、政党としてどういうことを国民に訴え、そしてまた本当にこの国の政治、行政をどう運営していくのか、党としての議論をやってきたわけであります。今の総理の御答弁を聞いておりまして、確かに中央の行政改革会議といったところで有識者の皆さん方の御議論を踏まえてということでおっしゃっておられますが、それはどうも政党として筋が違うのではないのか。 政党として具体的な国家のありよう、あるいはまた国家運営の仕組みといったものを国民の皆さんに提示して、その中で具体的に実現していくものを有識者の意見を聞いて、あるいはまた官庁の役人の皆さんの力をいただいて実現していく、そのための法律を取りまとめていく、あるいはまた規則、政令を制定していくということであればわかるのですが、基本的な考え方を結局はその一部の、ごくごく一部の有識者の皆さんに聞くだけ。 ところが、自民党が今政権を握っているということは衆議院では過半数を制している。少なくとも二百五十人以上の国会議員の方たちがかんかんがくがくの議論をやっててもこの国のありようを自民党としてはどうするんだということを訴えて、そしてそれを具体的に実行していくための法律なりあるいはそういったものを提示しないのか、そういうことを私は大変疑問に思うわけでございます。 ただ、総理、この点はちょっと私なりの考え方で、御答弁をいただくとまた時間が……。答弁されますか。では、どうぞ答弁を。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう御意見が出てくることを大変残念に思いますのは、報道を思い起こしていただきたいと思います。 この行政改革会議はそうした論議を起こしますために中間報告をいたしました。そして、自由民主党だけではなく、その時点において連立与党を形成しておりました各党がまさにそれぞれの党内で、また与党三党のその時点における体制の中でかんかんがくがくの論議をなしてきたこと、ややもするとマスコミの報道でそれが族議員のばっこのような書かれ方をし、関係者が烈火のごとく怒りましたことも報道されておりましたことを思い出していただきたいと思います。 党内の論議は非常に真剣なものでありましたし、しばしば私自身もその論議の対象として厳しい批判を浴びてまいりました。少なくとも政党の中において議論がなかったと、省略をしたように言われることだけは心外であります。
○都築譲君 私は、選挙の争点として、あるいはまた恒常的に政党としてどう取り組んでいくのかということをお問いかけしたわけでありまして、確かに一つの案が出てきて、それに対して国会議員の方々が議論をされたということは承知をしております。そしてまた、マスコミがそれが本当に族議員のそれぞれの利権確保のための醜い争いをやっているという印象を与えるような報道をしたことも、私も報道でしかおたくの党内のことはわかりませんから承知をしておりませんが、そういったことは認識をしておったつもりでございます。 ちょっと話がずれてきて大変恐縮でございますが、したがって今回のそういう成案のつくり方の問題にいたしましても、実際には議院内閣制におけるわけですから、当然各官庁の人的資源と申しますか役人の皆さんの知識、経験、そういったものを使って一つの政策を取りまとめていくというのは大変重要なことだと思います。 ただ、問題は幾つかございますけれども、結局のところは全部役人の皆さんにやってもらって、そして政治としてはA案、B案、C案と出てきたらAがいいかBがいいかCがいいか、もしCをとるんだったらここのところだけはこの業界にちょっと配慮してくれと、こんな形での行革ではないのかというふうな印象を持つわけでありまして、それでは何のための行革法案なのかと。 今回、たくさんの条文のもとで行われております。しかし、実際には例えばこの第三十二条で、「国の行政組織等の減量、効率化等」という条文がございます。この第一号で、「国の事務及び事業の見直しを行い、国の事務及び事業とする必要性が失われ、又は減少しているものについては、民間事業への転換、民間若しくは地方公共団体への移譲又は廃止を進めること。」と、こういうふうになっております。しかし、国の事務事業というのは一体だれが決めるんですか。それもまた役所の皆さんに御判断をお願いするんですか。そこのところを政党としてどういうふうにするのか。 例えば、私どもが今回、先ほど御紹介した基本政策で取りまとめておりますのは、「国と地方公共団体との役割の明確化」ということで、「国は、外交・防衛や自然災害対策などの危機管理、基礎的教育、および治安維持に務めるほか、市場ルール、国民の健康保持、環境保全などの基準をつくり、監視とチェックを行う。また、国民の最低限度の生活保障のための社会保障システムや預金者保護のための金融システムなどの社会的安全ネットを構築する。」、こういう形でしっかりと国と地方の役割を政治の責任において明確にして、そしてむだなものは、あるいは今、中央官庁に来ているむだと思われるものは全部地方に、あるいはまた民間企業に対するむだな規制は撤廃、廃止という形で進めていく、こういうことが必要ではないか、こう思うわけでございます。 ちょっと時間が来てしまいまして、あともう一つ、本当に行政の責任、例えば一つ訴えたいのは……
○委員長(遠藤要君) 発言者、時間でございます。
○都築譲君 はい、わかりました。 年金原資一兆四千億円がこの間の株価操作などで失われてしまった。だれが責任とるのか。責任をとることさえこの法案の中にはどこにも出ていない。こんな法案で本当にいいのかということを訴えたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御堂の意見はただいま議員から承りました範囲内でしか我々は存じておりませんので、これに対してのお答えはいたしかねます。 その上で、これは政府として内閣が決定をし、与党と協力をしながらきちんと仕上げていきますので、どうぞ御心配のないようにお願いを申し上げます。
○都築譲君 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 発言者に申し上げておきますが、質問と答弁の時間は余裕をとっておいてほしいと思います。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 今国会もいよいよ大詰めを迎えたわけですけれども、私も任期満了まで休まずまじめに頑張りたいと思います。 峰崎先生の方から、山本先生の方からのお話もございましたけれども、参議院が無用であるというようなお話をたびたび私もお伺いをします。最近、本会議を見ておりましたら、二百五十二人の議員のうちで二百人も来ていらっしゃらない、五十人か六十人はいつも休んでいる、どこが良識の府だとよく言われるんですけれども、これは本当に気をつけたいものだと思います。 今国会中に総理大臣にもいろいろな角度から質問をさせていただきました。その中で、自分自身が最も強く印象に残っておりますのは下垂体性小人症の問題でございまして、病気の子供さんを育てていらっしゃる母子家庭のお母様からお便りをいただきまして、こちらの方で総理に質問をさせていただきました。身長が伸びない子供さんのお母様からでございますけれども、大変お気の毒な御家庭でございました。 改革によって痛みを伴う方々に対して、その痛みを和らげる配慮、その努力を忘れないでいただきたいという質問を総理にさせていただきました。そのときの総理のお答えは、 ハンディキャップを背負った方々、あるいは所得の低い方々、社会的弱者と言われる方々に対して過重な負担にならないようなきめ細かさ、これはこれから先もお互いが何かをしようとするときに考えていかなければならない。 同時に、必要な給付とサービス、これを確実に保障すると同時に、どうやったら逆に、よかれと思って進める制度であっても、そのすき間に生じる声、これを生かしていくことができるか、そうしたことも考えながら国民に理解される仕組みをつくっていく。今は、たまたまきょうは下垂体性小人症を取り上げられましたが、他のそれぞれの問題についても同じような心で対応していくことが必要だと、そう感じました。 と御答弁をいただきました。 そのすき間に生じる声、これをどうやって生かしていくことができるか、このことは行政の上で決して忘れてはならない大切な基本精神であると思います。再度、総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員がたしか引用されましたのは母子家庭のお母様から、そして下垂体性小人症のお子さんをお持ちであり、高額医療費制度があっても一たん払わなければならない、後で返還があるといってもその一たん払うということ自体がつらいという趣旨のお手紙だったと思います。 そして、私どもは本当にその高額医療費制度、貸付制度といういい制度をつくったと思ったんです、間違いなく。それだけに、そのよかれと思って進めた制度であっても、実際に使ってみると今言われたようなケースが生じる。あのとき非常に素直に私はこれを生かしていけるかどうか、そうしたことも考えながら理解される仕組みをということをお答えいたしました。 そして、行政として本当に国民の皆さんの声にこたえてサービスの向上を図ったつもりで何かをやろうとする。その制度を実際に運用してみますと、まさに今のようなよりきめの細かい対応を求められるということがあることは、これは本当に事実なんです。それだけに、ある意味ではそうした声がどうすれば行政に届くようにできるのか、小さな声でありましてもそれが届けば、我々は本当にその既成の制度に安住するのではなくて、努力をしていくことができます。 私は、そういった意味で、議員が今までそうした役割を負ってこられたことに敬意を表しますし、同時に改善すべき点は我々も改善に努めていきたい、これからもそのように思います。
○西川きよし君 よろしくお願いを申し上げます。時間が十分間ということでございますので、よろしくお願いいたします。 総理にいただいた御本にもお父様のことを書いておられます。慶応大学に入学され、その直後は慶応には三日か四日しか行かなかったと。その後は毎日、家を行ってきますと出た後、半年余りは文部省に行っておられたと。 この話をぜひ僕は全国の方々に、時間がないんですけれども、短い時間で御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 余り話したい話ではありませんが、私の父親は肢体不自由でありました。そして、結局つえを、また特殊な靴を履くことによって行動をしておりました。私が物心ついたときは松葉づえでした。そして、第二次世界大戦の前のことでありますから、軍事教練ができないということだけで国立のいわゆる高等学校、当然ながら大学の受験資格が与えられない時代でありました。彼はそれが本当に欲しかった。そして、唯一受験のチャンスを与えてくれた慶応という学校に生涯感謝をしながら、やはり国立の高等学校の受験資格が欲しい、その一心で文部省に通ったと、そのような思い出を書いたものでございます。
○西川きよし君 余りおしゃべりをしたくないという御質問をいたしまして、まことに申しわけございません。 つい先日、子供さんが病気で治療されているお父さん、お母さんが、僕の部屋にお越しいただいたわけですけれども、小児慢性特定疾患、この治療の助成制度への患者一部負担の導入に反対する請願を持っていらっしゃったんです。子供さんをふるさとに置いて、大阪に出てこられたわけです。 厚生省の方にお伺いしますが、この一部負担の導入はただいまどの程度の検討になっておりますでしょうか。
○政府委員(横田吉男君) 平成十一年度予算編成につきましては、私どもこれから検討を開始するところでございますが、現在の財政構造改革法におきましては、小児慢性特定疾患治療研究事業のようなこうした奨励補助金につきましては、財政構造改革期間中一割ずつ削減する対象とされております。大変頭の痛い問題でございまして、私ども先日も患者団体の方からの陳情も受けたところでございます。 いろいろな方の御意見も聞きながら、財政状況が厳しい中でどのようにすべきか、これから慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 お伺いいたしますと、大変いい対応をしていただいた。担当の方から、我々も事業の削減はやりたくないけれども、我々ではどうすることもできないので国会の方に働きかけてほしいと言われて国会にお越しになりました。要するに、国民からすれば、見直しが具体化すればなかなか当事者の意見は聞き入れられないわけですから、その政策が決まる段階での過程がなかなか見えてこない、それが不安で心配でという思いでお越しになりましたが、このお話を聞いて、総理、また手短に言いただけないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょっとごめんなさい、厚生大臣に。
○国務大臣(小泉純一郎君) 補助金は全部なくせという議論がありますが、一〇%、一割削減するだけでもいかに抵抗が強いかおわかりだと思います。 十一年度予算については、個々の事業はこれから検討を開始して、厳しい予算の中で必要な予算をどのように手当てするか、今後検討したいと思います。
○西川きよし君 小泉大臣にはいつもその御答弁を何度も聞かせていただきましたし、本当に頑張っていらっしゃると思うんです。ですから、実は僕は小泉大臣にはきょうは余り聞きたくなかったんです。総理に聞いたら、ひょっとすれば大臣よりいい答えが出るのかなというように、そういう務めが僕の国会へ来ている仕事だと思うんですけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。それは本当によろしくお願い申し上げたいと思います。 最後の質問です。 本格的な少子・高齢化を迎える中で、情報公開、今回の法律の五十条でありますけれども、情報の公開によって広く国民の意見を求め、その決定を行う仕組みの整備、この条項を本当に実効性あるものにしていただきたいと僕は思います。 最後に、この問題に対する総理の御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 恐らく議員が言われるのは、今国会に情報公開法を提出していますなんという答えじゃないんだと思います。そして、政策の形成過程で、当然ながらこの基本法はその政策形成に民意を反映すること、そしてそのプロセスの公正性及び透明性を確保する、そうしたために必要な情報を公開しろということが趣旨です。そういう趣旨で私どもは一生懸命に努力をしてまいります。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○奥村展三君 新党さきがけの奥村でございます。 三十八年間の単独政権そしてまた五五年体制の崩壊とも言われましたが、五年前に連立政権が誕生いたしました。特にこの四年間、自民、社民、さきがけという、この水と油と言われた仲間が連立政権を組みながら、国民にしっかりと目を向けて政策合意をしながら歩んだ一年七カ月でもありました。私は、議論をすればするほど国民の皆さんの痛み、そしてまたニーズというものがどのようであるかということを体験させていただいたとうとい一年七カ月でもあったと今思っております。 きのうで連立は一応解消されたわけでありますが、しかし我が新党さきがけはこの会期末まで責任を持って合意した事柄について賛成をし、そして連立の中での意義をかみしめながら歩んでいきたいというように思っておるところであります。 特に我が党は行財政改革を基本に置いて進めてもまいりましたし、特に橋本総理のお考えのもとに合意ができる問題がたくさんありました。そんなことでこの連立の中に入れていただいて、ともに歩んできた日々でもあったわけであります。 そうした中におきまして、この四年間、そして特に閣外協力でありましたが一年七カ月を振り返って、総理のお考えといいますか流れの中での所見をお伺いしたいと同時に、この連立の功罪といいますか、私は今後も単独政権じゃなくて連立政権をもって幅広く国民の皆さん方の要望、ニーズをしっかり受けとめて推し進めていくべきだというような思いをしたわけでありますが、こういう点につきまして総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、何と申しましても、私自身、首班指名において社民、さきがけ両党の協力を得て指名を受けた、そして今日まで参りましたことに、支えていただきました期間、重み、すべてに対してお礼を申し上げたいと思います。 そして、さまざまなことがございましたが、特に閣外協力に転じられました時点において、ガイドラインに関連する部分、殊にSACO関連事項、沖縄県の特措法絡み、そして政治資金規正法につきましては、三党の意見は率直に申してスタート時からうまくかみ合いませんでした。もちろん、そうした意見の違う点があることをお互いに認めた上で、私は、村山内閣以来今日まで三党が協力して解決してきた事柄というのは極めて多くの、しかも幅広い問題であったと思っております。 そして、党派が異なり考え方の異なる三党でありましたがゆえに、その議論を取りまとめていくプロセスというものが世間にはっきりと見えていた。これは政策決定の透明性という観点からも、いろいろなメディアを通じての批判はいただきました。しかし、逆に私はそれはひとつ将来を振り返ったときにプラスの評価をいただけることになるのではないかと思っております。 自分なりに無我夢中でやってまいりましたが、改めて私は両党にお礼を申し上げ、プラスの評価が必ずあった、お互いにそう信じておることをもう一度繰り返したいと思います。
○奥村展三君 ありがとうございました。 この四年間、あるいは五年前のときからでございますが、必ず歴史的にも語られるときがあると思いますし、それだけの意義があったと思っております。 そして、我が党が一月二十日にいろいろと議論をさせていただいて、与党三党の中で議論を徹してやっていただきました財政と金融の分離についてお伺いをいたしたいと思います。 三党合意では、国内金融につきましては明確に完全分離を合意できたというように私どもは思っておるんですが、総理はどのようにお考えになっておりますか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この財政と金融の分離問題、ある意味ではこの三党連立という姿を一番国民の前に、どういう形で議論がされているか、合意が形成されているかをはっきりと見せた問題の一つではないかと私は思います。 そして、行政改革会議でもこの点は大変な議論がありました。そして、与党三党の中におきましても、議論をし尽くされたあげくに「金融破綻処理制度ないし金融危機管理への対応に限って大蔵省に担当させるという措置は、金融システム改革の進捗状況等を勘案し、当分の間とする。」などとする合意がまとめられたわけであります。 私ども政府の立場として、与党合意の内容を財政と金融に関する国家行政組織のあり方についてさまざまな観点から議論をし尽くされた結果としてこれを重く受けとめました。そして、中央省庁等改革基本法の中に忠実に盛り込んで国会において御審議をいただいているところであります。 その上で、これは「当分の間」という言葉がどこまで続くのかという議論が従来からよくあります。あるいは、護送船団方式と言われた従来の行政手法が金融破綻処理制度あるいは金融危機管理への対応に限ってであっても大蔵省に担当させるということで残ってしまうのではないかという声があります。私どもは、まず第一に護送船団方式というようなものをとり続けることはできない、既に破綻させても仕方がないようなどうしようもないものを救おうということはしまいとお互いに申し合わせてまいりました。そして、そうした中で金融システム安定化についてさまざまな御議論をいただいてきたところでありまして、今後とも今日までの御議論が生かされていくことを私どもは願っております。
○奥村展三君 ぜひ二元化にならないようにひとつお願いをしておきたいと思います。 総理、今金融の危機状態が続いているわけですが、一体いつごろになればこれは終局するか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 我が国の金融システムについての内外の信頼度の問題でございますが、二月に金融安定化緊急措置法を成立させていただいて、それに基づく措置をするようになりましたので、我が国の金融システムに対する信頼度は相当程度高まってきておるというふうに思っております。一時のような不安はなくなったと思っております。 ただ、残されているのは、我が国の金融機関の中での銀行の不良債権の本格的な処理がまだ十分でない点があります。この点については総理のリーダーシップのもとに新たな仕組みをつくって、そして不良債権の処理を徹底して行うという方針を立てて実行に移そうとしているところでございます。
○奥村展三君 ありがとうございました。 ビッグバンがスタートしたわけでありますが、ただいま大蔵大臣から状況も変化をしておると。これが完了した場合に、危機的な状況が漂っているわけでありますが、そこそこ見通しがついたと。そうしたときになりますと、国内金融すべてを金融庁に移管されていくというように認識してよろしゅうございますか。
○国務大臣(松永光君) この点は委員もよく御承知と思いますが、今月の二十二日に金融監督庁が総理府のもとに新たに設立されます。そういたしますと、金融に関する業務、仕事の中で企画立案部門だけが大蔵省に残りまして、そのほかはほとんどが金融監督庁に移転します。現在金融監督庁におる人数の中で、七七%が大蔵省を離れて金融監督庁に行くわけであります。わずかに残るのが金融企画局になるわけでありますが、それも先ほど総理から答弁がありましたように、今御審議を願っておる中央省庁等改革基本法に基づいて危機管理ないし破綻処理に関する企画立案部門だけが限られた範囲で残るというふうにこの法律に書いてあるのでございまして、そのとおりになるものと私は思っております。
○委員長(遠藤要君) 時間です。
○奥村展三君 ぜひ政治のリーダーシップをおとりになって、財政、金融の完全分離をしていただくことを要望して終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫です。 我が国は明治維新から百三十年間、中央集権がずっと続いてまいりました。特に戦後は、せっかく憲法で地方自治を定めていたにもかかわらず、残念ながら補助金行政ということで実質的には国に地方自治体が支配されてきた、こういう実態であろうと思います。例えば地方自治体が道路を一本つくるにも、児童公園一つつくるにも、国の基準に合わなければ補助金をもらえない、こういうことで支配をされてきたわけです。 これじゃいけないということで、三年前に地方分権推進法がつくられました。その中で一番大事なことは、国と地方自治体との役割分担をはっきり決めたことであります。国は国家存立に関する仕事をまず第一にやるべきだ、それは外交であり、防衛であり、金融等々でありました。そして二つ目には、全国的に統一してやった方がいい仕事、例えば生活保護基準とか労働基準等々でございました。そして三つ目には、これは全国的な規模で行った方がいいという仕事、例えば公的年金であるとかあるいは交通の基幹的な問題、例えば高速道路であるとか新幹線等々でありました。 こういうことで、あと地方自治体はそれぞれの地域の問題、国民の生活に密着した問題はもうすべて地方自治体に任せよう、こういう基本を決めたわけであります。ところが、今回出されたこの省庁の再編成を見ますと、どうもこの地方分権の精神に全く逆行しているものではないだろうか、そう思われてなりません。 その一つの例が国土交通省という省庁です。これは建設省と国土庁と運輸省と北海道開発庁と四人の大臣が所管をしているこの省庁を一つにするというわけですから、もう大変な大きな省庁になりました。定員は五万人、予算は十兆円、そして補助金は三・三兆円、許認可件数は何と二千五百件、まさに巨大な官庁がつくられたわけであります。これは中央集権そのものでございまして、地方分権の精神に全く反していると言わざるを得ません。 総理、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一方に規制緩和新三カ年計画が四月一日から動いておりますこと、並びに地方分権推進委員会の第一次から第四次の勧告というものが地方分権推進計画として閣議決定され、国会にも御報告を申し上げ、今後法律化の作業が進む、原則的に来年の通常国会にこれを提出しようとしている状況をまず申し上げたいと思います。 そういうことを抜きにされ、現在各省庁が持っておりますものを単純に足し算をされれば議員の仰せのとおりかもしれません、私は数の勘定をそこまで細かくいたしておりませんから。その上で、中央の各省庁が現在とは全く違った姿になろうとしていること、そして企画立案の部門と実施部門を分かとうとしておりますこと、並びに公共事業関係というものがまずブロックに、国の立場で申しますならば、国が広域的に行わなければならないものを除いて国の出先でありますブロックにある程度集約され、結局それは地方分権につながっていくこと、そうした点を全く除外して単純な足し算をされた数字では、私はむしろそういう御論議は国民に誤った予見を与えるのではないかということを心配いたします。
○山口哲夫君 おっしゃっていることがよくわかりません。 総理は衆議院の四月十日の本会議でこういう答弁をしております。「政府としては、地方分権の推進が中央省庁再編の前提であることを十分踏まえながら、」云々と言っております。地方分権の推進が前提になって、その後で省庁の再編ということを考えなければならないとおっしゃっているわけです。 しかし、今申し上げましたように、地方分権というのはっい先日出てきたばかりであります。そして、二〇〇〇年の四月一日から二〇〇二年の三月三十一日まで二年間かけて地方分権を行っていくわけです。それをやらなければ省庁との関係というのはわからないわけです。その後でこの省庁再編をやればいいんですけれども、地方分権の前に国土交通省というものが発足をしていくということは、総理が衆議院の本会議で答弁していることと全然違うんじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に地方分権推進委員会から第四次までの勧告をいただいております。そして、行革会議には地方分権推進委員会を代表される方が委員として入っておられ、絶えず分権推進委員会の進捗状況というものはこの中央省庁の論議の前提としてきちんと置かれておりましたが、事実問題としてそういうことがありましたので、当然ながらその分権推進委の御意見というものを踏まえて行革会議は作業をいたしております。
○山口哲夫君 行革会議の中に地方分権推進委員の方が入って議論をしているというのは当然のことです。しかし、その議論をすることと、それを踏まえて政府が今度出されたこの推進計画、これはこれから一年間かけて法律をつくるわけですね。そして、二年間かけて実際に具体化していくわけです。それをやってみなければ行革会議の出された省庁再編というものはどういうふうに変わっていくかわからないでしょう。 例えば補助金制度というのがあります。政府が出したこの推進計画というのは余りにも抽象的過ぎますよ。例えば制度的な減税というものは今後は整理合理化を推進するんだと。そんなことでは、二年後には省庁との関係でどこの省庁のどういう補助金が一体どのくらい減っていくのか、制度がどういうふうに変わっていくのか、国のやっている仕事がどの程度自治体に移管されていくのか、そういうものは具体的にやっていかなきゃわからないじゃないですか。 そういうことがわからないのに、先に省庁を四つも集めて国土交通省なんという巨大なものをつくっていくというのは、これはやっぱりやり方が逆だというんです。総理が言っているように、前提は地方分権だと言っているんですから、これはやり方が全然逆ですよ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員はそうお思いかもしれませんが、地方分権推進計画はまさに議員のお手元にそうして存在をしておるわけでありますし、そのベース、それは一次から四次までの勧告を私どもとして最大限忠実にまとめ上げました。そして、それは行革会議の論議の前提として存在をしておりました。規制緩和三カ年、これも推進の方向というものは当然のことながら進んでいるわけであります。 仮に議員の御論議をもし私どもがそのままに承るとするなら、その分権なら分権、あるいは規制緩和の場合でも結構でありますが、それがすべて片づかなければ中央省庁には手がつけられないということでございましょうか。 私は国と地方との関係というものはこれからもまだまだ努力をすべきものが存在すると考えております。それは国と都道府県、国と市町村だけではございません。行政改革という視点でありますなら、都道府県と市町村の間にも課題はあるはずでございます。そうしたものを考えますとき、私どもは今考えております方向が間違っている、手順が間違っているとは思いません。
○委員長(遠藤要君) 時間です。
○山口哲夫君 この分権計画が三年後に省庁の再編との関係でこういうふうになるということが一目瞭然ならそんなことは言いません。こんな抽象的なものではやってみなければ全然わからないので、私はそのことを訴えているわけでございます。 終わります。
○委員長(遠藤要君) 次回は明三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会