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142回国会参議院1998/05/29

行財政改革・税制等に関する特別委員会 第7号

発言数
193
登壇者
30
会派数
8
開催日
1998/05/29

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。  財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま議題となっております四案の審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君及び日本銀行副総裁山口泰君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 おはようございます。自由民主党の清水嘉与子でございます。  この重要な法案も最後の日を迎えてきているようでございまして、ここで発言させていただきます機会をいただきましたことを大変光栄に存じます。  法案の審議に入ります前に、パキスタンの核実験のことにつきまして二、三お話をさせていただきたいと思います。  日本を初めとします国際社会のたび重なる自制要請にもかかわりませず、昨夜パキスタンで核実験が行われたということで、心から大変残念に思っている次第でございます。  まず、政府のこの問題に対します対処方針、もう決めていらっしゃると思いますけれども、総理の方からお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) インドの核実験が行われました直後から、日本としては全力を挙げてパキスタンに自制を求め続けてまいりました。  昨夜、パキスタンにおける核実験が実施をされました。これは、日本だけではなく、核兵器を存在させない世界を目指している国際社会全体に対するまさに挑戦でありますし、我が国として全く容認できるものではございません。  政府としては、けさ、官房長官、外務大臣等と相談の上、以下申し上げるような措置をODA大綱原則にかんがみ実施することといたしました。  その一つは、対パキスタン無償資金協力につきましては、緊急・人道的性格の援助及び草の根無償を除きまして新規の協力を停止する。パキスタンに対する新規円借款は停止する。国際開発金融機関による対パキスタン融資につきましては慎重に対応する。  これから先も、私どもは、パキスタンに対し核実験の停止と核開発の即時停止を求める努力を続けてまいりますし、インド及びパキスタンに対し、危険な軍拡競争を絶対に開始しないように、そしてNPT及びCTBTを無条件で締約するよう求め続けてまいりたい、そのように考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 この核実験を行った理由といたしまして、シャリフ首相は、インドの恐怖への対抗だと。また同時に、国際社会がインドに十分な制裁措置を加えなかったからだというようなことを言っていらっしゃるようでございます。  さきのバーミンガム・サミットにおきまして、総理が大変御努力なさったことを伺っておりますけれども、それにもかかわらず、G8が足並みをそろえて制裁に踏み切れなかったという事実もあるわけでございます。大変このことは残念だったと思いますが、今度のパキスタンの核実験に対しまして、今、総理もお話しございましたけれども、国際社会が統一行動ができるのかどうかというようなことをお伺いしたいというふうに思います。  日本は、非核保有国でもございますし唯一の被爆国でもありますので、こういう面では本当にリーダーシップをとっていただきたいというふうに思っているわけでございますので、国際社会にもっと世論を巻き起こしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一昨日、シャリフ首相御自身に私が電話を入れましたときに、EUも経済的制裁を含む措置をインドに対して決定した、また国連の安全保障理事会において、建国以来の両国の間の紛争の中核となっておりますカシミール問題を安全保障理事会として取り上げるように一生懸命今働きかけをしている、だから自制をしてほしい、こういう問題を軌道に乗せるためにも最大限の自制をと、私はそう求めたわけでありますが、残念ながらこういう結果になりました。  日本は、御承知のように、インドに対しまして新規円借款の停止など非常に強い措置をとっておりますし、アメリカも当然最初から同じような状況でありました。そして、EUも経済的制裁を含む措置を公表したわけでありまして、国際社会は決して、早かったかと言われればいろいろな御批判はありましょう。しかし、インドの核実験、そしてそれがもたらすもの、その問題というものにやはり本気で取り組み、これを解決しようという方向が出始めたときでありましただけに、この実験が私にとりましては、ただ単に日本が被爆国であるということだけではなく、極めて残念な事態であります。  しかし、今後なお国連安全保障理事会の場を、またその他の場を通じながら国際社会に対して、結束してこの核軍縮・不拡散、この危機とも言える状況に対応するよう全力を尽くしていきたいと考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 一方、インドの首相も、核実験停止ということにしているわけですけれども、これを見直すというようなことも言っているというふうに報道されております。こういったことが引き金となって両国の緊張もますますエスカレートをしてくる可能性が非常に強いんじゃないかというふうに恐れます。カシミールにおきましても既に両国軍隊が対峙しているというようなニュースも入っているようでございます。こうしたアジアの緊張緩和のためにアジアにある日本は一体どういうことができるのか、その外交姿勢、外務大臣、お願いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今回のインド並びにパキスタンのこうした核実験強行という事態がその地域の安定を大変崩すものであると同時に、この状況がさらに拡散していくというような状況が参りますと、甚だもって大変な事態が生じてくるわけでございます。そういった意味におきまして、アジアから紛争の火種が起こって大きな事態が生ずるというようなことを何としても避けなければならないと思っております。  そういった意味合いにおきまして、日本がイニシアチブをとる形によりまして、今、総理からの御答弁もございましたが、国連の機関、あるいはまた何といってもこうした問題に影響力のありますのはいわゆるP5、核兵器を保有しておられる国々でございますから、そういう国々並びにこうした地域に影響力のある国々とも十分話し合いを早期に開くことができれば、そうした会合を開くことによりましてこの事態を最小限度のものとして食いとめていく必要があるのではないか、その努力を傾注してまいりたいと思っております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ありがとうございました。  それでは法案の質疑に入りたいと思います。  まず、景気対策でございますけれども、日本の経済はバブルの後遺症からなかなか立ち直れない、そして既に景気はデフレ局面に入ったという見方もございます。このような経済状況に数次にわたる景気対策を講じてきたわけでございますが、体力の落ちたときのデフレ政策に対する批判、あるいは小出しの景気対策というようなことでなかなか効果が出てこないというふうな議論がございましたけれども、今回は四兆円の減税あるいは六兆円の社会資本整備を中心としました過去最大十六兆円を上回る思い切った経済対策ということでございまして、政府の景気回復にかける並々ならぬ決意のあらわれというふうに高く評価しているわけでございます。このように国内経済だけでなくて、アジア経済の回復にも大いに資するものと期待をしたいところでございます。  そこで、そのためには早くこの法案も上げなきゃいけないというふうに思うわけでございますけれども、まず景気対策の内容について具体的にお伺いしたいのです。  景気対策というといつも公共事業というふうに出てきたのが今までのやり方ではないか。常にそういうことで公共事業が先に出てくる。そういうことに対して国民の中からも、何だ公共事業ばかりというような空気があったことも事実でございます。確かに、六百万とも八百万とも言われます建築業の従事者の方、そして地方経済に与える影響というのは非常に大きいということは私も理解できます。  そこで、今度の社会資本整備、国費が六兆円、そして災害、地方単独合わせて七・七兆円、この経済効果、どの程度と試算されておられますのか、経企庁長官、よろしくお願いします。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 今回の経済対策は現在の景気の停滞から一日も早く抜け出すとともに、二十一世紀に向かいまして我が国経済社会を活力ある状況にしていこう、そして民間活力を中心として発展していけるように経済の体質を改善強化していこうということを目的としたものでございます。  そういう中で、先ほどのお話にありました社会資本の整備等でございますが、七兆七千億のお金を使うということであります。むしろ重点は先ほどのいわゆる狭い意味の公共事業ということではなしに一情報通信の高度化とか科学技術振興、あるいは福祉・医療・教育、環境・新エネルギー等、そういう日本経済の体質を強化し、同時にまた国民生活を直接豊かにするようなところに重点を置いて支出を行うということにしているわけでございまして、その需要創出の効果という点から見ますと、向こう一年間の乗数効果も含めました効果が一・三二ということになっておりまして、この七・七兆円に一・三二を掛けた程度の効果は十分あるというふうに私ども考えております。  その意味で、そういう効果を見込みながら、これは需要効果でありますが、同時に供給サイドの日本経済の体質を改善強化する、そういうサプライサイドの効果というものもかなりあると見込んでおりまして、そういう意味で中長期にわたってこの社会資本の整備等を中心とする補正予算の支出は、日本経済の中長期の体質を強化し、中長期の発展を実現するための非常に大きな効果を持つものというふうに考えている次第でございます。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ぜひその効果が上がりますように期待をしたいと思います。  ところで、今、長官もお話しございましたけれども、この社会資本整備には非常にいろいろなものが入っているなというふうに私も感ずるわけですね。ダイオキシン対策の環境問題でありますとかあるいは少子・高齢社会の医療の問題、福祉の問題あるいは情報通信高度化、科学技術振興等々たくさんの内容が入って、今おっしゃるように国民生活を豊かにする政策が社会資本整備という名前で入っているなというふうに拝見していたわけでございます。  先日、当委員会で、従来型の社会資本整備あるいは新型の社会資本整備というようなことで何か議論があったというふうに伺っております。そして、その新聞報道に何か主計局長と首相の意見にそごがあったというようなことが書いてございまして、これどういうふうに理解していいのか、私もちょっとわからないところでございまして、ぜひ国民の皆様に御理解いただくためにも、主計局長がまず先に答弁されたわけですので、主計局長の方から先般のその答弁の趣旨等を含めてもう少し具体的に教えてください。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  先日の本委員会におきまして、従来型の社会資本整備と新型の社会資本整備はそれぞれ幾らかという御趣旨の御質問がありまして、その際、私の答弁が舌足らずで御理解いただけなかったことはまことに申しわけなく思っております。  改めて御説明申し上げますと、今回の総合経済対策、補正予算におきましては、総理が四月九日の記者会見において示された方針に従いまして、例えばダイオキシン対策として新たに閉鎖最終処分場対策を講じるなど、新たな観点から二十一世紀を見据えた社会資本整備を進めることとし、環境・新エネルギーにつきましては一兆六千億円、それから情報通信高度化・科学技術振興につきましては一兆円、福祉・医療・教育で一兆円を初めとして、事業費六兆円規模の国を中心とした社会資本整備を行うこととしております。  なお、従来型と新型の区分につきましては、先日の委員会で総理から御答弁がございましたとおり、そのような定義づけが簡単にできるものではないということを御理解賜りたいと思います。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 主計局長のお話では、若干舌足らずだった、総理の御答弁のとおりだったということをおっしゃったわけでございまして、それで了解をしたいというふうに思います。  この社会資本整備の中では、今の公共事業というのはやはり本来、外国に比べて非常におくれているわけですね。公共下水道あるいは道路整備等も非常におくれているというふうに思います。そういうものはやはり計画的に着実に進めるということが基本でございまして、景気対策といって副次的にやるというのはちょっと本道ではないんじゃないかという気もいたしております。  そこで、今回の社会資本整備の中に福祉、教育といったものも入っているわけでございますが、厚生大臣にお伺いしたいんです。この平成十一年度当初予算要求で二%キャップが何とか外れた、大変な御努力で外れたということでございますけれども、しかし、そうはいいましても厳しいむだ遣いの排除というようなことは当然しなきゃいけないわけでございます。  そういう中で、もう十一年に向けた作業が始まっているかと思いますけれども、やっぱりこの分野でも非常に厳しいものがあるんじゃないかというふうに思うわけです。しかし、そうはいいましても、少子・高齢社会の中で特に急がなければならない介護基盤の問題あるいは子育ての環境づくりの問題、こういったものは社会生活を支える上でも本当に大事なことだと思うんです。そういうことについての基本的なお考えについてお伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の補正予算案の中にも今、委員御指摘の趣旨に沿って、今後、介護基盤整備あるいは子育て支援計画等十年度予算で手当てできないものをかなり措置したわけであります。高齢者保健福祉推進十カ年戦略がありますけれども、この面とか、あるいは子育て支援の場合にも基金を設けましてこの補正予算でかなりの部分を認めていただいた。そして、社会資本整備につきましても、緊急性の高いダイオキシン対策、ごみ焼却場等の問題についても当初予算で見られなかった分を措置することができたというふうに私は考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ぜひまた十一年、十二年、高齢社会に向けての充実を図っていただきたいというふうにお願いしておきます。  次に、きょう日銀の方から特に山口副総裁に来ていただいております。総括のときにたしか速水総裁に来ていただきましたけれども、片山先生の方から御質問いただきまして、同じ御質問よりもう少し進んだお答えを、政策通というふうに伺っておりますので、いただきたいと思いまして、きょうは山口副総裁においでいただきました。  そこで、まず金利の問題なんです。金利を上げた場合には、回り回って給与所得、収入の減になる、そして結果的には需要がマイナスになって、さらに株価への影響もあるんだから余りよくないんだというようなことで言われてきておりましたけれども、緊急避難的な措置として始まったこの低金利政策がこんなに長く続いている。やっぱり年金生活者あるいは利息で生活する高齢者に非常に打撃を与えているわけなんです。  低金利のプラスの面はよく話されますけれども、低金利政策の弊害、これをどんなふうに御理解いただいていますか、お話しいただきたいと思います。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) お答えさせていただきます。  低金利の弊害という点でございますけれども、ただいまも御質問の中でお触れになられましたとおり、やはり預金金利その他の利息収入が非常に減少しているということは事実でございますし、また、これまでのいろいろな日本の社会の中における仕組み、例えば社会保障制度とかそういうものがある程度の経済成長のもとである程度の金利水準ということを前提にして組み立てられているものでございますから、その前提が大きく狂ってしまい、かつその狂ってしまう時間が残念ながら少し長引いているものでございますから、そういう点で幾つかのひずみというものが出ているということは私どもも認識しているつもりでございます。  日銀の政策委員会というところで定期的に金利政策を議論させていただいておりますけれども、政策委員会の議論の中でも、そういった低金利政策のマイナス面といいますか、それは十分に念頭に置いた上で、しかし現下の経済情勢のもとではなかなか金利引き上げという選択はとることが難しいという結論を出しながら今日に至っているところでございます。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 景気は気と言われるんです。何かどうも企業の方にばかり対策が向いているんじゃないか。国民の中には、金利を下げることによって銀行はもうかる、そして銀行に勤めている人たちはたくさん月給をもらっている、こういうのではどうもおかしいんじゃないかという怨嗟の声がたくさん上がっているのを恐らく聞いていらっしゃると思います。  この際、金利を上げて、国民の気持ち、国民を本当に明るくするということが選択肢の一つじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) 金利引き上げの功罪について申し上げることになると思うのでございますが、金利水準が上昇いたしますと、例えば先ほど申し上げましたような幾つかのひずみというものが多少緩和されるという効果はあろうかと思っております。預金収入がふえるということになりますと、当然そこだけとりますと家計の収入がふえるというプラスがあろうかと存じます。  ただ、金利を引き上げることの影響というのはそこにとどまるわけではございませんで、例えば企業はもちろんでございますが、住宅ローンといったものをお借りになっている家計にとっては金利の支払いがふえてまいります。株価、地価といったものに対する悪影響ということも当然あろうかと存じます。  そういうことが回り回って、経済に対してはマイナスの影響が出てくるということになりますので、そういったプラス、マイナス両面を考慮いたしまして、比較考量いたしまして、現在のような政策を続けているというところでございます。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 日銀は、先ほどお触れになりましたように、四月から新しい体制でスタートを切られたわけでございます。政策委員会での審議内容も公表されるなど透明性が非常に増したということで、敬意を表しているところでございます。  私もインターネットで、政策委員会でどんなことをやっているのか拝見してみたんですけれども、たまたま四月に行われた委員会の記録を見てみますと、驚いたことに金利を引き下げるべきだという議論も中には行われているということなんですね。これは一体どの程度引き下げて、そこまでは書いていないんですけれども、一体どういう効果を期待していらっしゃるのか。引き下げるという議論が行われているということが記録に載っかっているんです。  金利をどの程度下げてどんな効果があるというふうな御議論があったのか、お答えできる範囲で教えていただきたいと思います。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) 日銀政策委員会における議論といいますものは、ただいま御指摘の議事の要旨ということで会議から一カ月少したった時点で公表をさせていただいております。そこにその議論の内容というものは集約されておりますが、私どもは毎回毎回金利の引き上げ、現状維持、引き下げ、この三つの選択肢について議論をいたしておりまして、その三つの選択肢の中で、現下の経済情勢に照らしましてどれが一番ベストな選択かということで、その都度決定を重ねてまいっております。  金利を下げるとどういうようなプラスがあるのかという御質問でございますので、その点に限って申し上げますと、既に現在金利水準は極めて低いわけでございますから、これを引き下げた場合に果たしてどの程度の効果が出てくるかというのは必ずしも予想が簡単ではございません。ただ、頭の体操をいろいろやってみますと、これは金利を引き上げる場合と逆の効果が当然考えられるわけでございまして、これは借り手にとっての何がしかの全利負担の軽減でございますとか、あるいは地価とか株価というものへのプラスの効果でありますとか、そういうことが考えられると思っております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 これだけ公開されているにいたしましても、一体どうしてそういうことになるのかというのはなかなか読み取れないんですね、こういうところからでは。  ですから、できれば、あと議論の中での問題が出たときに解説していただくとか、何らかの形で、本当にいわば今上げることはできないのか、下げたらいいのかというようなことをもうちょっと国民もわかるようにぜひしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  その日の結論としては、当面の金融政策運営については現状維持という結論になったというふうなことで終わっちゃっているわけですけれども、一体、当分今のままの金利を続けるという結論はどういう事態になったら解消していただけるんでしょうか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) お答えいたします。  現在の金利政党の最も大きな目標といいますのは、やはり日本経済の回復を促進して自律的な経済成長の軌道に何とか乗せたいということでございまして、そういうような展望が一日でも早く開けてもらいたいというふうに思いつつ現在の政策によって景気回復を促しているという、こういう状況でございます。ですから、一般的に申し上げますと、やはり日本経済が自律的な景気回復の軌道に戻っていくということが一番大事な要件であろうと思っております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 大変期待ができないわけでして、たしかきょうの新聞だと思いますけれども、経企庁が日本経済の後退を宣言するとかしないとかという記事が書いてあったと思います。そうすると、ますますこれは硬直化してしまうような気がいたしまして、大変残念な気がいたしておりますけれども、ぜひ国民の声もお聞きいただきまして御検討いただきたいというふうにお願いしておきます。  山口副総裁、本当にありがとうございました。結構でございます。  それでは次に、特別減税の問題に入らせていただきたいと存じます。  平成十年に四兆円、来年また二兆円、計六兆円特別減税でございます。この特別減税の経済効果をどの程度と試算していらっしゃいますか。経企庁長官、お願いします。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど来申し上げておりますとおり、景気の現状は停滞をし厳しさが増している状況でございまして、本日発表になりました失業率も四・一%というような状況になっているわけでございます。私ども、そういう状況のもとで、総合経済対策を一日も早く実行に移させていただくということが大変大事だというふうに考えている次第でございます。  そして、その中で特別減税の経済効果につきましてでございますが、本年、一応二兆円という数字の特別減税を考えておりまして、私どものモデルによります特別減税の効果というのは、乗数効果〇・四六、向こう一年間で見て〇・四六という数字が出ておりまして、それも含めましてこの総合経済対策の経済効果を試算しているわけでございます。  たださらに、実は特別減税といいましても、政策減税、住宅とか投資の促進のための政策減税もございますし、そういうものについてはとりあえず入れないで、所得特別減税について、及びそれに伴います弱者のための交付金等もございます、そういうものも含めて計算をしておりますが、トータルとして二%程度のGDPを上げる効果はある、向こう一年間である、こういうふうに考えている次第でございます。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 なかなか現実は厳しくて、減税の効果を本当に国民の皆様方が余り感じていないというような意見がたくさん出ておりまして、本当に経済効果が上がればいいなというふうに思っております。  ところで、前回、今回と定額方式によります減税を続けました結果、課税最低限が非常に上がってしまったということがございます。モデルで計算しますと、四百九十一万円の給与所得のある人が全く税金は払わないでいいんだというこの世界はちょっと余り常識的でないというふうに思うんですけれども、なぜ定率方式でなくて定額になってしまったのか、大蔵大臣、その理由を教えていただければと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今回の特別減税をなぜ定率方式じゃなくして定額方式にしたのかというお尋ねでございますが、結論から先に申し上げますと、減税による効果をできるだけ早くかつ集中的に発揮させたいということからでございます。  委員御承知のとおり、その人の本来納めるべき所得税額に対してその一割とか二割とかを減らしますよというのが定率方式ですね。そうするとどういうことが起こるかというと、定率方式だというと、所得のうんとある人に余計減税の効果が行きます、所得の少ない人には少なくしか行きません。その問題が一つある。  それからもう一つは、定率方式だというと、その人のその年度の所得税額が決まらぬというと定率での減税は行えませんね。そこで、早く減税の効果を届けるためには、その人の所得税額が確定する前にとにかく急いで減税の効果を届けよう、しかも一遍に届けようということで定額方式、これを二月分、三月分で行ったあの分について採用したわけでありますが、今度も減税による効果を早く納税者に届けて、それを通じて景気回復をできるだけ早く実現しよう、こういう気持ちで定額方式にしたということでございます。御理解願いたいと思います。  なお、そのことによって、今、委員御指摘のように課税最低限というのが四百九十一万に上がりました。しかし、これは、あるべき所得税負担はどういうものであるかということのいわゆる税の理論から減税をしたんじゃなくして、あくまでも臨時的に急いで減税の効果を発揮させようという景気対策としての減税の結果そうなったわけであります。  したがいまして、景気対策上これはやむを得ないものだったと思いますが、これから減税を本格的にやるという議論の場合には、本来あるべき所得税負担のあり方、そういう税理論に基づいての議論がなされるものというように私は思っております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 今回の緊急経済対策の中で、私たち党内では子育て減税をしようということで一生懸命頑張ったんです。ところが、子育て減税をいたしましても、これはもうこれだけ課税最低限が上がってしまうと余り意味がない、効果がないというようなことで、これはまた別の形で考えなきゃいけないということになったわけでございます。  勉強していますと、この課税最低限がこれだけ上がってくるというのはやっぱりいびつな形だというふうに思います。税は国の経済の根幹をなすわけでございますので、できるだけ広く、多くの人が少しでもいいから税金を納めるという姿にしないといけないんじゃないかと私は基本的に思うわけでございます、例えば生活保護基準程度に課税最低限を下げて納税者の層を広くするとか。あるいは、まだ外国に比べて法人税が非常に高いので、これはここにもありますけれども、国際水準まで引き下げるというようなことが出ているわけでございます。  その方向はいいんですけれども、実際問題、法人税にいたしましても全法人の六四・五%が赤字法人だ、そして大企業といっても四六%以上が税金を払っていない法人だということを見ますと、これはバブルの影響があるとはいえちょっと異常ではないかというふうに思うんです。じゃ、バブルのときにみんな税金を払ったかというと、やっぱり赤字法人は相当あるわけでございまして、これはなぜいつまでも赤字のまま事業が続けられるんだろうかと普通はおかしく思うんですね。  そういうこともありまして、法人事業税の外形標準課税の導入ということももちろんでございますけれども、赤字申告を続けている原因にもう少しメスを入れるというようなことも私は必要なんじゃないかな、そして広く負担を求めるということが税制上も公平をかち取ることではないかなというふうに思うわけでございます。  この税制改正の問題につきましては今までも随分お答えいただいたわけでございますけれども、税制のあり方につきまして、総理並びに大蔵大臣、自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、既に一部の論議が出ておりますけれども、私どもは今回、所得課税、法人課税につきましてそれぞれの方向性を指し示しております。  個人所得課税につきましては、諸外国に比して個人所得課税負担の水準が低い税率構造、各種の控除のあり方、資産性所得課税あるいは年金課税などさまざまな論点があります。逆に高額所得、三千万円ぐらいからの方々には非常に厳しいという部分もあります。こうしたすべての問題点を幅広くきちんとした検討を行っていただく、そして公正、透明な、そして国民の意欲の引き出せるような税というものを目指しながら、既に政府税制調査会が論議を開始いたしました。  また、法人課税につきましては、今ちょっと議員もお触れになりましたような問題点もあります。そして同時に、国際水準並みにという目標を立てまして、三年以内にその結論を得よう、そして国際水準並みに下げていこうということを考えておりますが、当然ながら外形標準課税の問題等も含めて論議をしていただき、その中でまた国税と地方税の割合の問題もございます。こうした点をきちんと整序しながら国際水準並みの税制を目指していきたい、そのように考えております。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、総理からお答えがありましたけれども、個人所得税の問題にしろ法人課税の問題にしろ、税制というのは国民生活に直結する仕組みでございますから、これはあくまでも国民の税に関する代表的な方に御参集願って、そしてそこで本格的な議論をしていただいて、その答申をいただいて政府は改正案を出すという仕組みになっております。  そこで、基本的な方向は、総理から話がありましたように、法人課税については三年以内のできるだけ早い機会に国際水準並みにというのが基本でございます。個人所得税の問題については、公正、透明、そして意欲を引き出せるような税制、そういう税制はどういう税制がということについて税制調査会で、所得税の問題については基本問題小委員会で、法人税の方につきましても地方法人事業税の問題等を中心に検討をもう始めていただいておりますが、その結果を待って、それを参考にして政府の方針を決める、こういう手はずになっております。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の事業税への外形基準の導入の議論でございますが、赤字法人にもかけるべきだと、こういうことでございますが、この議論は課税の仕組みを変更するかどうかでございまして、減税の議論と私は別問題だと、これはきっちりしたものにしなければならない。  それからもう一つは、個人課税の減税の議論は、これは国税、地方税を通じた税体系全体で議論されるべきものだと、こういう認識を持って対応いたしてまいりたいと考えております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 特別減税がこれで六年続いたわけでございます。これはことしも二兆円といわず四兆円やったら随分効果があったんではないか。さっき松永大臣のお話を伺っていますと、むしろ一遍に上げた方がずっと効果が上がるんだということでございますが、やっぱり恒久減税すべきだという意見もございます。  この六年続けた特別減税をやめたときに、心理的にも実質的にも増税という意識がどうも強くなってしまうんじゃないかというふうに心配をしております。来年も二兆円の景気対策として位置づけて特別減税があるわけでございますけれども、これは凍結してでも、恒久減税の姿ができるかどうかというようなことも含めて全体的に検討するべきじゃないかというふうに思いますが、この可能性、いかがでございましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたように、この二月、三月を中心に集中的に実行した特別減税、そして今御審議を願っておる法案による特別減税、そして来年に総理がやるということでお願いをしておる問題、いずれも特別の減税措置であります。景気対策のための措置であります。したがいまして、景気の状態が正常化したときに、その特別の措置を中止したことをもってそれは増税という表現は私は正しくないというふうに思う。特別の景気対策を景気が正常な状態になったのでやめたんだというだけのことだと思うのであります。  なお、来年の実行が予定されておる二兆円の特別減税分をやめてでも本格的な減税施策をという話でございますが、いずれにせよ、政府としては公正、透明、そして国民の意欲を引き出せるような所得税のあり方、これを税制調査会に諮問をいたしまして審議をお願いしておるところでございます。基本問題小委員会でもう審議が始まっているところであります。その審議の結果にまたなきゃならぬ、こういうふうに思っております。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ありがとうございました。  そこで、厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、その減税の効果のないいわゆる社会的弱者と言われる老齢福祉年金の受給者などを対象にいたしまして臨時福祉特別給付金、千五百二十九億円という額が計上されております。これはかつて消費税の導入のときでありますとか率がアップになったときに、増税見合いとして計上されたというふうに私は承知しているわけでございますけれども、この所得税減税に絡んで措置される、これはどういうことなのか、お教えいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) これは与党三党で決めたことでありまして、それに我々は従ったと。社会弱者対策の必要性、重要性はわかりますが、これは与党で決めたことに従ったわけであります。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 非常に高い政治判断で措置されたものというお話でございます。確かにそうなんだろうと思います。厚生省がその二%のキャップを外すことに苦しんでいるときに一%以上あるわけですよ。そういうことで、しかもこれを配るのに事務費が七十四億円もかかるという話なんですね。千四百二十一万人の人に一万円ずつ配るということは本当に福祉対策なんだろうかというふうに私は疑問に思います。  政府の方から出たんじゃないというお話ではございますけれども、最終的にはこうして法案になって出ているわけでございますので、こういったものについて、本当に痛みを感じている方々に温かい手を差し伸べるという趣旨は私も賛成でございます。本当にそれが届いているのか、本当にそういう効果があるのかということを何らかの形で評価をして、そしてこれだけのお金をもっと有効に使えるものというのはたくさんあると思いますので、その辺について私は、これはお答えいただけないだろうと思いますので、そういう意見だけ申し述べておきたいというふうに思います。  それでは次に、高齢社会の問題について一、二お伺いしたいと思います。  今、高齢者が約二千万になったわけですね。この方々が年齢が来ると働きたくても働けなくなってしまうような状況になっている。そういう中で、幾ら消費マインドを上げようと思ってもなかなか回ってこない。そして、預金を全部自分のところにしまって使わないというような状況が今続いている。これから本格的な高齢社会に向かって、高齢者を経済活動に参加させるということが必要なのではないかというふうに思うわけです。さっきの低金利の政策を変えるということももちろんでございますし、それから医療とか介護あるいは年金など、老後の不安が何か急にこの一、二年で押し寄せているような気もいたしますもので、この消費マインドの冷え込みそうな方々に何か温かいメッセージを厚生大臣に送っていただくとありがたいのですけれども。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 今、高齢者といっても必ずしも弱者ではない方が随分出てきたわけです。人生八十年時代、五十年から八十年時代になって、最近の老人クラブを見ましても、この人本当に八十かと思うくらい、六十代、七十代、元気で活躍している方がたくさんいるわけです。こういう方々に積極的に社会参加していただく。しかも、働く意欲のある、旺盛な勤労意欲のある方が随分おられる。こういう六十過ぎの高齢者に今後積極的に社会参加していただく環境を整えることは大変大事だと思います。  また、高齢者は確かに若い世代に比べれば身体的、肉体的には劣っているのは事実だと思いますけれども、経済的には最近若い世代と比べて遜色がないという統計が出ております、所得においても資産においても。そういう観点から、ただ高齢者は若い世代に支えられるということだけでなくて、お互い、若い世代も高齢者もともに支えられながら支えていこうという姿勢を持っていただくためにも、今後、積極的に高齢者がお互い若い世代とともにこの社会の担い手であるという意欲と意識を持ってもらうような環境整備を政治の面でも整えていく必要があると思います。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 最後に、総理にお伺いしたいんですけれども、今高齢社会と言いますけれども、この議会、衆議院は高齢化率二六%でございます、参議院が四二%。しかし、非常に活力に満ちて本当に頑張っている方々が多うございます。高齢社会も、本当に高齢者みんなの知恵、活力が生かされるような社会であれば問題ないのじゃないかというふうに思うわけでございます。  今、厚生大臣からもお話がございましたが、つい最近、高齢社会白書というのが出たんですけれども、これを見ましても、日本の高齢者は非常に活力に満ちた人が多い、そして就労意欲も高いですし、資産も結構あるというようなことで、今までのように六十歳になったら定年、そして若い人以上に働いていても、税金をたくさん納めていても七十になると医療保険の対象、そして六十五歳になったらみんな年金というような、年齢でどんどん切ってしまうことをもう一遍見直しもしなきゃいけないのじゃないかというような感じもしているわけでございます。  この前、高額所得者のあれが発表になりましたけれども、半分以上の方が六十五歳以上だというふうに伺いました。というようなことで、現役で頑張っている方がたくさんいるわけでございます。そういう知恵を、国内だけでなくて国外だってまだまだ活用できるだろうと思いますし、また収入がなくても資産のある方々、こういう方々には、資産を運用して将来の設計をするというようなこともこれから考えていいのじゃないか。そういうことで、何か話をしていると、高齢者が弱者というふうに位置づけられることは私は問題があるのじゃないかというふうに思っております。  この面では非常に総理は御見識もお持ちでいらっしゃいますので、日本が世界一の本当にすばらしい長寿社会のモデル国になれるぐらいのことをしなきゃいけないのじゃないかというふうに思っているものですから、活力ある長寿社会づくりに向けた総理の決意といったようなことを最後にお願いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、公式の御答弁を申し上げるとすれば、私が会長を務める高齢社会対策会議においても、こういう言い方になるんだと思うんです。そして当然ながら、高齢者の方々を、高齢社会を介護される側ではなくて支える重要な一員として位置づけていく、これは非常に大事なことだと思いますし、その意味で、就業あるいは社会参加、どちらの言葉を使ってもいいと思います。そういう施策を積極的に進めていくというのは非常に大事なことだと思います。そして、むしろ社会システムもその意味では不断に見直していかなきゃいけないんじゃないだろうか、むしろ高齢社会を支える重要な柱なんだという位置づけに高齢者を位置づけていく、そうした社会を築いていけるように全力を尽くしたいと思います。

清水嘉与子自由民主党

○清水嘉与子君 ありがとうございました。(拍手)

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 まず、総理にお尋ねいたします。  参議院で平成十年度予算案の審議が始まったのは三月二十二日のことでございます。初日、私は質疑に立ちまして、冒頭、この審議を進めるに当たって、緊張しているけれども、一方では気の抜けたビールをあてがわれたような気もするということを申し上げました。というのは、このときに既に与党幹部が何兆円といった数字を挙げながら補正予算の必要性を盛んに口にされていたからでございます。それで、私は総理に補正予算を組むお考えはありますかとお尋ねしましたら、総理は、政府として補正に言及したことはないということをおっしゃられ、自民党は党内の議論を公開しているし、議論を封じるつもりもない、こういうことをおっしゃいました。  そこで、私は、そうした状況が実は国民の気の迷いを生んでいるし、そのことが景気を回復させない一因になっているんではないかということも申し上げましたら、総理は、私は暴れん坊でお人よしの方の学生時代を過ごしたということをおっしゃり、おだてに乗りそうな暴れん坊がみずからの行動を慎んでいるんだという答弁をちょうだいいたしました。  総理は、かねがね、取りこぼしがないという評価をされているようでございますけれども、私は、最後まで補正について明快なお考えを示されなかったことについて、答弁というのはかくあるのかと手本のように思いまして、今でも鮮明に覚えております。  それはそれとしまして、四月九日に無修正で予算案が成立いたしました。そして、五月十一日に補正予算を提出されたわけであります。  私は、この当初予算を審議する最初から、野党側が景気てこ入れ型の対策が必要であるから予算の組み替えをしてはどうかということを言っている経緯もあり、補正ではなくて当初予算の組み替えをするべきではないかと思っていたわけであり、その考えは今でも変わりませんけれども、そうした経過を踏まえて、二点、総理に質問したいわけでございます。  一つは、当初から補正予算での景気のてこ入れをやるという腹を固めておられたんではないか。だから、せんじ詰めて言うと、政府の要人ないしは党の幹部に承知の上で別の発言、やらせをやっていたんではないかという疑いが消えないわけですが、そういうお考えがあったのかどうかというのが第一点。  それから二点目は、予算の組み替えをやらずに補正で景気のてこ入れをやられたことについてその理由を伺いたいと思いますし、そのタイムラグが景気のマイナスを生んだのではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員の御質問をいただきながら、確かにそのやりとりを私も鮮明に記憶をいたしております。  その上で、役割分担と申しましょうか、政府と与党で役割分担をしたのではないか、そういう疑念を抱かれたようでありますけれども、それは私は真っ向から否定をさせていただきたいと思います。そして、私どもが予算を編成いたしました時点において、まさに最善の予算をつくっている、そういうつもりでこの予算の編成作業に携わりました。  そして同時に、その景気という面におきまして、今国会、御記憶のように、通常より早く召集をさせていただき、特別減税と九年度補正予算を冒頭御審議いただき、これが組み合わせられて年度初めを引っ張ってくれるという期待を我々はかけておったわけであります。  ところが、その後本年に入ってから、実体経済にまで影響の出てきているその数字というものを見ておりますと、十−十二月のQE、あるいは日銀短観、さらに失業率といった数字が非常に深刻なものになってまいりました。私どもとしては、こういう状況の中でさらなる追加措置をということを考え、総合経済対策を公表し、今御審議を願おうとしておるわけでございますが、そういう意味では、政府・与党が云々という点については疑念を晴らしていただきたい。  同時に、参議院で御審議をいただく最後のころに一番考えておりましたこと、それはむしろ暫定の期日を一日でも縮めたい、暫定予算は申し上げるまでもなく新しいものは何もできません。それだけに、本予算を一日も早く成立をさせていただくことによって新しいものに手をつけていきたい、盛り込まれている施策を動かしたい、率直にそういう思いでありました。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 総理は、役割分担を政府と与党でやっていたわけではないとか、あるいは景気のてこ入れは九年度補正で検討されたという御趣旨の御発言だったと思いますけれども、私は、最初から十年度補正予算で景気のてこ入れをやろうというお考えがあったんではないかと申し上げる根拠というのは、一つは、二月の施政方針演説でございます。  施政方針演説のときそれが予感されたわけでありますけれども、当時の状況というのが、総理も強調されておりましたように、日本発世界恐慌を出してはいけないということを言わしめるほど悪い方向に向かっていたのだろうと思いますから、財革法よりも景気対策に力点を置かれた演説をするというのは、私は理解のできるところであります。それはそれとして、そうは言っても昨年の十一月二十八日、全野党の反対を押し切って財革法を成立せしめた。その直後で九年度補正とか、あるいは当初予算を組み替えるというのは、これは政治責任に発展しかねない、それは回避したいという思いがあったんではないか、この二月の施政方針を通じてそんなことを感じたわけでございます。  そうでなければ、野党が組み替え要求までしているわけですから、そのときに応じられてもよかったんではないかと思いますが、政治責任を回避するというようなお考えはなかったのかどうか、伺います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はそういうつもりで物を申したつもりはありません。その上で、どこかで必ず問われるものであれば、それは例えばその時点だけを回避すれば済んでしまうという性格のものではないはずであります。  むしろあのとき、私にとりましては、要するに預金者の金融システムに対する不安というものは幾つかの類型に分けられたと思います。当時ありましたものは、まず預金者の方々自身が自分の預金が心配という一つの流れでありました。これはおかげさまで安定化策が功を奏し、沈静化をいたしております。  もう一つは、資金調達市場としての機能を果たしてくれるか、いわゆる貸し渋り問題というものであります。この点につきましては、政府系の金融機関が最大限のバックアップをいたしておりますし、資本注入策を講じながら、今まだ依然として効果的な数字の変化を見るに至っておりません、多少の改善はありましたけれども。そして私は、それが市場の中から他国に波及することを本当に懸念をいたしておりました。  そういう点での意識が間違いなしにございましたし、その懸念はこれからもまだ当分私どもは注視を続けなければなりませんけれども、問題意識としてはちょっと議員の御指摘とは違っておりましたように思います。そして、その政治責任ということでありましたらどこであれ問われておりましたし、これからも問われるでありましょう。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 今、政治責任の話も触れられましたけれども、総理は、平成十年度予算が成立したときの記者会見の中で、政治責任の問題についても御答弁なさっております。  記者が、きのうまで財革法に基づく九八年度予算がベストだと言っていたのに、一転してきょうは追加景気対策が必要と言うのは、これは政策の転換ではないか、その政治責任はいかにということを質問しております。これに対して総理は、責任追及を恐れて必要な政策を実施しないということの方が政治責任だという趣旨の御発言をされております。  いわゆる不作為責任というのを強調されたのだと思いますけれども、私はこれを記録で読みまして、総理ははぐらかしているなというように思いました。それは、先ほど紹介の暴れん坊自重論のときにも、逃げではないけれどもかわされたと思ったわけであります。  というのは、なさざることの責任を言うのであれば、その前に結果責任ということに一言触れなければいけないのではないかと思います。政治というのは、改めて申し上げるまでもなく、今やっていることが三年後、五年後にどういう影響になってあらわれるかということを予見する能力を必要とするんだと思いますが、同様に、過去やったことが現在にどう投影しているのかということもきちんと総括、評価しなければ、次の政策に結びつかないと考えるからでございます。  そういう意味において、二点質問いたします。  一つは、昨年春の九兆円に及ぶ国民の負担増が景気の芽を摘んだという見方がかなり一般化していると思いますが、これについて総理はどう評価されているんでしょうか。どう御自分で思っておられるのかというのが一つです。  それからもう一つ、十年度予算を緊縮型にしておいて、成立して間を置かずに補正を提出されたということについての結果責任をどう感じられているのか、お尋ねします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、昨年度の税制改正等についての御質問であります。  これはもう既に繰り返し何回も御答弁を申し上げておりましたように、先行している所得税減税等に見合う消費税率の引き上げとして予定されていたものでありました。しかも、その二%の引き上げのうち一%は地方財源ということもあり、これが実施できない場合の影響というものは、議員御指摘の方向とは違った意味でまた大きな問題であったと私は思います。  その上で、これも既に国会でお答えを申し上げておりますように、引き上げを決定どおりに行うというアナウンス効果が発生した瞬間から、すなわち一−二月における駆け込み需要というものは私どもの予測を超えるものでありました。当然のことながら四−六における落ち込み、反動減として、やはり私どもの予測を超える落ち込みをいたしました。しかし、いつもこれを申し上げますとしかられるのでありますが、七−九の消費の数字が上昇していたことは、プラスに転じていたことは事実であります。  ただ、確かにその後、七月のタイの通貨危機から発生をいたしましたアジアの金融危機というもの、同時に我が国の大型金融機関の破綻というもの、これが一遍に国民の、また企業のマインドを冷やした、そしてそれは実体経済にも大きな影響を及ぼしてきている、この事実は否定することができません。  ただ、もしということは本当は許されないことなんですけれども、そうしたものが仮になかった、あるいは軽微であった場合、その後消費性向がどう動いたかということにはいろいろな議論の立て方があると存じます。ただ、事実問題として七−九の改善は、十−十二月期には下落になりましたから全く影響がなかったというように申し上げるつもりはありません。  それから一確かに十年度予算を編成いたします時点で財革法に基づいて私どもは予算編成をいたしました。そして、本委員会において御審議をいただくそのもとになりました弾力条項のような発想が、財軍法をつくり上げていきますプロセスにおいて私どもに欠けておったことは事実であります。そして、弾力条項という御論議がアメリカのOBRAを例にしてとられましたときに、立法政策上の一つの判断という評価をしながらも、日本においてこれにかわる適切な数値目標たり得る指標があるだろうかという自問自答をしたことも事実であります。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 政治責任ということにかかわって確認しておきたいんですけれども、過去の政策ミスとか判断ミスというのは政治責任の範囲に入るんでしょうか。また、政治責任というのはどういう状況になったら生じるとお考えなのか、あるいはそれを明らかにする場というのはどういうところなのか。  実は、先ほど申し上げた十年度予算が上がったときの記者会見のやりとりがちょっとわかりにくいものですから、総理のお考えをもう少しまとめてお尋ねしておきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、自分の判断あるいは自分の行動、さまざまな場面で政治責任という言葉でお問いかけを受けております。そして、これはメディアの皆さんのせいにするつもりはありませんが、メディアとの記者会見におけるやりとりは、あくまでも質問があり、その質問に答える形のやりとりでありますから、今、議員のお尋ねのケースと必ずしも合致をしないかもしれません。  そして、一つの例として自分自身の判断を挙げさせていただきますならば、かつて大蔵大臣在職中、証券不祥事という事件が起こりました。また、一部金融機関における偽造預金証書並びにこれを担保とした不正融資の問題が起こりました。この事件自体でも、私が大蔵大臣になりましてからの局長通達が原因になったということを言われ、また、その偽造預金証書による不正融資の問題に私の当時の秘書がかかわっているという御批判を受けました。そして、多くの方々から即時辞任という責任のとり方を求められました。  私は、お許しをいただいて、その事態の解明が終了し、対策の第一弾を実行に移し、あわせて証券監視システムの新たな姿を構築するその絵図面までをかき上げた上で次の方にバトンを渡しました。私は、私なりにそれが責任のとり方だと思いました。しかし、多くの方々から、事件が起きた瞬間にやめなかったのが深くないという御批判を、あるいはしがみついているという声を浴びせられたことも事実です。  しかし、やはり事件が起きたとき、ただそこでやめてしまうというやり方よりも、私は、少なくともその事件の結果として証券取引等監視委員会をつくる、こういう形でこういう人材をと、ほぼその人材まで確定をし、同時に証取法の改正の第一弾まで完了してバトンタッチをした。私としては、あの時点、それ以外の判断はございませんでした。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 責任のとり方というのは、当然それぞれの人の哲学にかかわる問題だと思いますから、総理のお考え方を頭から私と違うといって否定するつもりはありませんけれども、スハルト大統領も、自分で改革の道筋をつけたいと願ったんでしょうけれども、かなわず退陣というようになった例もありますので、一言つけ加えておきます。  ところで、市場の反応というのは政権に対する評価になるのかならないのか、その辺についてお尋ねしておきたいと思います。  株式とか債券市場、いわゆるマーケットというのは、経済の体調をはかる、あるいは表示する仕組みであろうと思いますけれども、このところ、総合経済対策等を打ち出してもいま一つ反応が鈍い、日本の経済体質というのは拒食症体質になっているのではないかと思われるくらい鈍いわけであります。  例えば、三月十六日に与党三党が十六兆円事業規模の総合経済対策を打ち出しましたけれども、平均株価はこの日が前日に比べて百九十九円下がりました。翌十七日は百三十六円高くなりましたが、十八日にはこの対策を発表する前の水準を割っております。また、政府が総合経済対策を発表した四月二十四日を見てみますと、前田比で二百五十円高の一万六千十一円になりましたけれども、休みを挟んだ二十七日月曜日の平均株価というのは三百六十一円安、一万五千六百四十九円ということになってしまっております。どうしてこういうことになってしまったのか。これは言ってみれば、橋本内閣に対するマーケットの一つの評価ではないかと私は思うんですけれども、その点について、総理はどう判断されておりますか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) それぞれの市場、私どもはそれなりに常に関心を持ちますし、その市場がそのときの判断としてどのような数字を示すか、我々にとりましても大変関心のあることであります。  その上で申し上げるのは、今、日本の市場は日本の国内の事情だけで動いてはおりません。国際的な流れの中で他の市場の動向にも極めて敏感に反応をいたします。また、国際的な出来事に当然のことながら影響を受け、その上で、どの市場に資金を投入すべきか、あるいはどの市場から引き揚げるべきかを考えておられる方々もありましょう。そういう意味では、市場の判断というものは私どもにとりまして一つの大事な判断材料でありますし、経済というものを考えるとき重要な要素の一つでありますが、市場の反応だけがすべてではないのではないか。  私は率直に申し上げて、昨年来のアジアの通貨危機等の流れを見ておりましても、投機的な資金の動きによる影響というものを、それが市場の評価と決めた場合にアジア諸国の状況はどうなるんだろうと思います。それぞれの国の持つファンダメンタルズと市場の動きは同一であったでしょうか。我々は、市場の判断というものは極めて注視しますし、これからも注視いたします。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 マーケットが世界規模で動いているというのは否定しませんけれども、それだけに海外がどう橋本内閣を見ているかというのは大変気になるところであります。  例えば、五月十八日のビジネス・ウイークが、日本の本当の危機というのを表紙にした雑誌を発行しており、日本には膨大な隠れ借金があるという論文を数ページにわたって載せているわけであります。英国のエコノミストの四月十一日号は、これまた表紙に日本の経済状態を載せまして、もし日本が崩壊したらという見出しをつけております。こういったものは間違いなく株価だとかあるいは為替相場に影響を与えているんだろうと思います。また、先日のロンドンでのG7のときに、十六兆円の経済対策を大蔵大臣は説明されたようでありますけれども、評価が必ずしも高い評価ばかりではなかったということも伝わってきております。  そういうことを考えますと、市場の評価というのは確かに世界規模であっても、それだけに総理のなされていること、言動というのは世界じゅうから見られているという御認識で御発言いただきたいし、行動いただきたいものだと思っております。  そういうことを踏まえて、このところの為替相場を見ておりますと、この二十七日には一ドル百三十八円二銭を東京の外為市場でつけられました。これは日本経済の脆弱さに対する海外の懸念をあらわしたものだと思いますし、また円安がアジアの通貨とか経済の混迷を長引かせるんではないか、その結果がまた日本の銀行の不良債権を拡大させるのではないか、これじゃかなわぬ、円売りだというような一連の流れになっているのではないかということを心配しているわけでありますけれども、総理は昨今の円安というものをどう考えているのか、御自分の政策がこれにどのように反映されていると考えているのか、御所見を伺いたい。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 為替の水準に言及することについてはお許しをいただきたいと存じますけれども、その上で、私は日本の持つ少なくとも基本的なあらゆる条件を考えましたときに、まず第一にとにかく為替水準で一番私どもがなってほしくないことは、それは乱高下であります。いずれにしてもなだらかな動きが望ましい。そして、そのなだらかな動きというものはある程度安定したものであることが望ましい。実力を反映したものが望ましい。そういった思いを持って改めて眺めましたときに、非常に注視を必要とする状況であると思っております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 もう一つ、政治責任をはかる尺度になるのかどうかという意味でお尋ねしますが、それは世論調査でございます。もちろん、日本は民主政治が行われている国でありますから、主権在民であり、信なくば立たずというのはそのとおりだと、厳しく受けとめなければいけないと思います。  このところの内閣に対する支持率、不支持率を並べてみますと、まず支持率、朝日新聞三一%、読売新聞三一・一、日経三〇・五、産経二三・三、東京三七・一。不支持率、朝日五一%、読売五五・三、日経が四五・五、産経五六・二、東京五六・一ということで、いずれも支持率を不支持率が大幅に上回っております。  こういう事態を総理はどう受けとめられているのか、あるいはどういう状態になったら内閣は退陣しなくちゃいけないのかなというようにお考えなのか、一般論で結構です、御所見を伺いたい。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、人間ですから支持、不支持が気にならないはずはありません。その上で、一喜一憂しても仕方がない。自分としてやらなければならないと思うことを、時間を与えていただける限りきちんとやっていくのが私の責任だと、そう考えております。  同時に、出処進退というのは自分で決めるものであり、お人に決めていただくものではないと思っております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 もう少し私の持ち時間がありますので、少し角度を変えて、総理にはお休みいただきたいと思っております。  大蔵省にお尋ねします。  まず、税収見積もりに関してでありますけれども、平成九年度税収は現時点で三月までの税収が明らかになっておりますけれども、九年度税収の三月までの累計額と、九年度補正後の見込み額について御報告願います。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 平成九年度税収でございますが、現在、今お話がございましたように三月末までの累計が判明しております。三月末累計の対前年同月比は一〇三・四%というふうになっておりまして、累計税収は四十一兆五百九十六億円となっているわけでございます。  なお、補正後予算額は五十六兆二千二百六十億円となっておりますが、九年度税収としては十年四月、五月の二カ月分の税収が残されているところであり、それを注視してまいりたいと考えているところでございます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 三月までの累計額と補正後の税収見通しのギャップを考えてみますと、これから四月、五月で十五兆円を上回る税収がないと補正後に達しないわけでありますけれども、その自信はおありなんですか。見通しはお持ちですか。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 今お話し申し上げましたように、累計は四十一兆五百九十六億円ということになっておりまして、予算を達成するためには十五兆円余りが入ってくる必要があるというのはそのとおりでございます。  そういう意味で申し上げますと、今度の四月分といたしましては、申告所得税のうちの確定申告による納付の大宗を占めます振替納税分が四月税収として入ってまいります。それから、法人税あるいは今回の消費税の引き上げによるものでございますが、この三月決算法人のウエートが大きゅうございます。この納付が五月税収となってまいります。そういうことで、この残された二カ月分の税収につきましてどのように出てくるのか今後十分注視していきたい、こういうふうに考えております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 状況はわかりますけれども、答弁にはなっておりません。  と申しますのは、過去の状況で申し上げますと、例えば平成八年度の四、五月分の税収というのは十二兆三千億です。平成七年度は十二兆六千億、平成六年度は十一兆二千億円というのが過去の実績でございます。  それじゃ、今景気はいいのかということを申し上げますと、きょうも三月の景気動向指数の一致指数が八カ月連続で五〇%を割ったということから、景気後退というのを言わざるを得ないなという状況の中で、なぜ昨年、一昨年を上回る十五兆円もの税収が可能だと考えるのですか。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 今の先生の御指摘は、昨年度の四、五月分が十二兆円でなかったかということからのお話……

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 違います。去年を上回る税収の根拠を言ってください。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 実は、九年度について申し上げますと、昨年度と異なる要因といたしまして、消費税率の引き上げによる増収効果が三月決算法人を中心に集中的にあらわれてくるというふうに見込んでいるところでございます。  いずれにいたしましても、今後の残された二カ月分の税収でございますが、九年度中の経済動向の影響を含めましてどのように出てくるか十分注視していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 これから見積もるのでは答えにならないんです。というのは、過去の実績、今の経済状態を勘案すればとても十五兆円などという税収は期待できないんじゃないですか。本来だったら九年度補正のときに、九年度予算で見積もった税収を減額修正しなければいけないのに大蔵省はそれをやらなかったんではないか、それが問題だと申し上げているわけであります。  九年度税制について言えば、四、五月はせいぜい十二兆円ぐらい、かた目に言えばそういうことだと思います。ということは、十五兆円の差、三兆円ぐらいサバを読んでいるということだと思います。本来で言えば、平成九年度の税収というのは三月までの累計四十一兆円、それに十二、三兆円足して五十三兆円とか四兆円というのが限度なんです。ただ、十年度予算を組むに当たって、前年度をベースにしなければならないので、高目設定してなかったら十年度予算というのは組めないわけです。というのは、財革法で縛りがあって赤字が入れられないからです。  そういうことを承知で、税収増が期待できないのに高目設定したというのは、確信犯じゃないですか、あなた。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 九年度の補正予算におきまして税収減をお願いしたわけでございまして、特別減税九千七百九十億円のほかに、それまでの課税実績を見込みまして五千九百七十億円の減少をお願いしたわけでございます。  それで、今の昨年度の実績との比較で申し上げますと、繰り返しになりますが、九年度につきましては消費税引き上げによる増収効果が集中的にあらわれてくるという要因もあるわけでございます。  いずれにいたしましても、今後の税収でございますが、確定申告さらには三月末決算、これを見守っていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 大蔵大臣は、当然そういうからくり、やりくりというのは御存じだと思うんです。  そういう前提に立って、例えばこの「財政事情の試算」というのがつくられているわけです。この表によりますと、平成九年度から平成十七年度まで出ているわけでありますけれども、もう九年度が違う、十年度が違うのに十七年度も平気で出している。この無神経ぶりというのはどういうことなんですか。これを前提にして財政健全化を図るとか財政構造改革を行うというのは実にむなしい、そういうように思いますけれども、総理は思いませんか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、主税局長が答弁いたしましたのは、消費税をアップした分の入りぐあいが三月決算法人を中心にしてプラスとして入ってくる、それに期待を寄せながら、何とかいけるだろうという答弁でありまして、その消費税分の期待を表明したわけでありまして、その主税局長の説明を私は子としているところであります。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 四月、五月の税収が幾らかというのはあと二カ月もすれば確定することですから、またそのときにやらせてもらいますので、よく覚えておいてください。  最後に、総理に御所見を伺って、私の持ち時間を終わりたいと思います。  先ほど来、私は、政策不況の責任であるとか判断ミスは政治責任の対象になるのかとか、幾つかの例を挙げながらその点について言及させてもらいましたけれども、他面では難問、課題が山積している中で総理は一生懸命働いておられるなということについて敬意を表しております、感服もしております。国会審議に対応されたり、日曜、祝日も返上されて海外での会議に出られたり外交日程を消化されたり、党務をやられるというのは超人的な働きだと思います。  総理自身も、多分目いっぱい頑張っているという自負心をお持ちだと思います。だから、財革法の改正に当たって臨機応変の措置だということがすらっと言えるんだろうと私は善意に解釈もしておりますけれども、相当お疲れだなというのも感じております。総理の周囲からは、朝は元気でも帰路につくころは心身ともにほころびが見えるようになりましたというような声も聞こえてくるわけでありまして、無理からぬことだと受けとめております。  ただ、申し上げたいのは、自負心の強い人ほど人の評価とか周囲がどう見ているかということには疎くなりがちだということであります。そういう人を私は何人も見てきております。そういう点も総理、折に触れてお考えになった方がいいんではないかと。何事にも潮どきというのがございます。  先日、スハルト大統領に対しましてアメリカのオルブライト国務長官が云々されましたけれども、オルブライト流に言うと、日本の民主政治と政治を守るという遺産を残すため、橋本総理は政治家として歴史的な行動をとる機会に道面しているということではないかと思いますが、いかがですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 極めて友情にあふれる笑顔とともにの御忠告を私も真剣に拝聴いたしました。  その上で、私は本当に政治家の出処進退は自分で決めることだと思っておりますし、その意味ではほかの方がおっしゃることに疎くならないように注意はいたします。しかし同時に、何か事あるごとに責任者が物をほうり出していたら、世の中動くでしょうか。歯を食いしばらなきゃならないときもあります。内心煮えくり返るような思いでも笑顔で物を申すこともございます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 民主党の小川勝也でございます。  寺崎委員に引き続き、若干の質問をいたしたいと思いますが、閣僚の皆さんは総理を初めとして大変お疲れのことだと思います。どうしてもお眠りになりたい方はこの部屋から出て眠っていただきたいと思います。あと十四分で午前の部が終了いたします。十四分間、皆さんにとっても意義ある質問にしたいと思いますので、ここにいらっしゃる方は目をあけて聞いていただきたいと思います。  まず、財革法の総括についてお伺いをする前に、パキスタンの核実験について二、三総理にお伺いをしたいと思っております。  私もこの報に接したとき、何とも言えない感じになりました。それは、私だけではなくてすべての日本国民、そしてとりわけ橋本内閣総理大臣におかれましては特別の感情をお持ちだと拝察申し上げます。  そして朝、新聞に目を通しまして驚いた、あるいは当然のことなんでしょうけれども、びっくりしたニュースがありました。これは新聞が報道していることなので何とも言えませんけれども、それはパキスタン国民がこのことを支持しているということであります。「インドと同じように核実験をやってハッピーだ。インドはわれわれを嫌っている。インドと同じことは何でもしなければならない」、こんな声もたくさんあります。号外も競って買われた。そしてある人は答えています、「庶民が聞けば一二〇%の喜びを表現するだろう」。これが国際政治の本当の姿だと思います。すべての政治家やあるいは新聞が非難をしたり遺憾の意を表したりするのは当然でありますけれども、これだけは何ともできないことがあると思います。  そして、今までは核保有国、いわゆる五大国あるいは核クラブと呼ばれる国々が、自分たちは核兵器の実験も済んで保有をしているけれども、これから開発する国にはそれを許さないという縛りがありました。これは、今回のインドに続くパキスタンの実験で事実上破綻したと言わざるを得ません。  そこで、日本の立場であります。  先日のこの委員会で、山本一太委員から示唆に富む発言がございました。日本は言うまでもなく唯一の被爆国であり、そして非核国であり、そして国連やさまざまな国際機関あるいは途上国に対してたくさんの援助あるいは拠出金を出しております。このことを総合いたしまして、核保有国によらない核拡散の防止体制、新しいものを創設する必要がある、あるいは日本も外交戦略を見直して世界の平和を守るために日本が特に何ができるかということを改めて考えなければいけない時期に達していると思います。  まず、橋本総理の御所見をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員はパキスタン国民の故実験に対する反応を例に引かれ、それが国際政治と言われました。私はその点には異論がございます。国際政治ではございません。  建国以来極めて厳しい対立の歴史を繰り返してまいりました。しかも、宗教的にも非常に厳しい歴史を持った、そしてカシミールという爆弾の種のような地域を抱えたままイギリスから独立をしたこの二つの国、対立の長い歴史がございました。しかし、私自身もその両国ともに訪ねたことがございますけれども、ある程度までの自制が続いていたのがここしばらくの状況でした。  それがインドの核実験によって、打ち返しのようにパキスタンの国民感情も沸き立ちました。だからこそインドを国際的に厳しく審判をし、同時にパキスタンに自制を求めるというのが国際社会でありました。  残念ながら、私どもはこれに成功いたしませんでした。しかし、インドとパキスタンの間のこのもつれた関係をほどいていこうとすれば、カシミール問題というものに否応なしに帰着をいたします。であればこそ、日本は安全保障理事会においてカシミール問題を議題にするように一生懸命に働きかけをしておりましたが、力足らずで実らないうちにパキスタンの実験という事態になりました。  我々は、我々としてとれる経済援助というものの見直しによりこれに対する姿勢は示しましたけれども、それだけを続けていれば責任が済むわけではありません。ですから、国連安保理を初めとする国連の場においてもその他の場においても、私どもは全力を挙げて、究極の目的は核廃絶であり、その以前に拡散の拡大を防ぐということであり、CTBTをきちんと締結させることである。現に、例えばカットオフ条約について日本が主催をいたしました専門家会合には残念ながらパキスタンは参加をいたしておりませんでしたが、インドを初め、さまざまなことを言われている幾つかの国も入っています。出てきています。こうした地道な努力を傾けていくことが我々がやらなきゃならない努力ではないだろうか、そしてまたそれができるのが日本の役割ではないだろうか、私はそう思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 総理は国際政治ではないということを申されました。ちょっとニュアンスが違って伝わったかなというふうに思っております。  インドが核実験を挙行してしまいました。そして、この五大国だけが核を持ちつつほかの国に開発を許さないという姿勢に異議を唱えておった国はたくさんあると思います。そしてその中で、総理から今お話のあった、隣国で実験が挙行されてしまった。そしてその歴史的ないきさつの中で、その隣で相争ってきたパキスタンが核実験を行った。私はパキスタンに同情するものでもありませんし、パキスタンの行為を正当化するものでもありませんけれども、そこにこの我々の住む地球という中においての日本の対処の仕方の難しさがあると思います。新しい平和戦略をみんなで考えていかなければならないと思っております。  そして、パキスタンでは核実験を喜ぶという報がありました。我が国内においては、インドやパキスタンが核実験を行ったことを知らなくても松田聖子が歯医者さんと結婚したことは知っているという人もいると思います。  しかしながら、それもかなわない状況も想定されると聞いております。それは、パキスタンが北朝鮮と軍事的な協力をし、いわゆる今回の南アジアにおける緊張が韓半島に移行するのではないかという懸念であります。これはどのように状況を把握されておられるのか。もし総理がお答えできない場合はほかの方で結構でございます。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、私は特定の国名を挙げて議論を行うのが適切な時期だと率直に申し上げて思いません。  しかしインドが、続いてパキスタンが核実験を行い、これが今後国際社会でどう扱われるかによってこの緊張が拡大する可能性があることは、議員の御指摘をまたずとも私どもは心配をし続けております。であればこそ、特使を送り、カシミール問題の論議を安保理に呼びかけ、自分自身で電話をし、あるいはEUに経済的な制裁を含むインドに対する対応を決めてもらうように働きかけるという努力を我々はしてきました。拡大を心配するからです。  問題意識は十分持っておりますが、特定の国名あるいは地域名を挙げて論議をすることは、私は今時期的に必ずしもふさわしくない、むしろ拡大を防ぐ努力に集中すべきときではないかと。御協力がいただけますならば、委員においてもそのような御協力を賜りたいと思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 午前の部が残り五分になりましたので、財革法の総括をさせていただきたいと思います。御答弁をいただく時間がありませんので、ざっとまとめてみたいと思っております。  先ほど寺崎委員から、九兆円の負担増が時期においてもあるいは挙行したことにおいても間違いだったのではないかというサジェストがございました。  バブル経済が終えんをして国民経済が少し上向いたときに九兆円の負担増が行われた。財政構造改革を焦る余りに、野党の反対を押し切り財革法を成立させた。そして不景気になりました。私のふるさと北海道においても、大きな会社小さな会社、たくさんの倒産がありました。そしてたくさんの失業者が出ました。国民を塗炭の苦しみに陥れるという言葉があります。それほどかどうかわかりませんけれども、大きな問題に発展いたしました。  そして、補正予算であるとか景気対策であるとか、あるいは金融支援でたび重なる支出を行いました。これは本来、いわゆる九兆円の負担増を決めたときも財政構造改革法を成立させたときも、財政状況をよくしようと思ってやったのが逆に負担を大きくしているわけであります。そして今回、閣僚の皆さんお疲れでしょうけれども、ここに財革法の改正という法律があります。そして、この後補正予算を組むでありましょう。  これは私から言わせますと、国民経済を悪くしておいて、財政出動をして、あるいは補正予算で景気対策をして、国民にほらよかっただろうと。マッチポンプと同じじゃないかと思うわけでございます。この間の景気を悪くして、よくするために財政出動をする。やらずもがなのことを二つも三つもやっているわけですね。これをどうとらえるのか。私は、完全なむだであり、そして国民経済をもてあそぶものだ、こう断言せざるを得ないと思っているのであります。  そして、一つだけ質問をさせていただきますが、今回また大規模な補正予算をして、国民経済はよくなるよと、それは政府の方も自民党の方もおっしゃるでありましょう。私はこの十六兆円の景気対策の中身が問題だと思っているのであります。当然、公共事業依存体質というのは、私のふるさとでもあるいは日本のどこの地方においても変わらないことであります。  総理が、今私が言いましたむだな施策をずっと打っている間に、本当は体力のある間にやらなきゃいけなかったことは、公共事業に依存をしなくても地域経済が成り立つ体質をつくることだったと思うのであります。政府はそれを怠り、いたずらに財政と景気を刺激をしながら、あるいは悪い方に刺激をしながら、だらだらと旧態依然たる公共事業によって地域を自民党支持に固めるということにずっと終始してきたのであります。  当然のことながら、この公共事業の依存体質という事柄だけではありません、改革をするためには体力が必要であります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 質問者にちょっと注意します。答弁の時間がありませんよ。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 それでは、お伺いをいたします。  これまで私が申し上げました負担増、財革法、倒産を招いた責任、そして今までの政治的な空白をどのようにお考えなのか。そして時間があれば、公共事業依存体質をどう変えていくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 質問時間内で御答弁願います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、御審議をお願いしておる財革法の改正案あるいは減税法案、いずれも国民のために一日も早い景気の回復を図りたい、そういったことで提案をし、御審議をお願いしているところでございます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後一時開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

益田洋介公明

○益田洋介君 財政構造改革から始まって教育改革まで、六つの大改革を総理は自分の政治生命を賭してされようという大変な目標を標榜されているわけでございますが、厚生省の高級官僚に始まって大蔵省そして日銀に至るまで、きょうは防衛庁の話もちょっとさせていただきますが、一連の官僚の不祥事、こういうものをまず整理しなければ、新しいきちっとした体制を組まなければ総理が標榜されている改革は一向に進まない。  週末、日本全国各地を歩かせていただいておりますが、あちこちから起こってくるのは、みんなこういうことなんです、集約しますと。国民の信頼感が薄れている、政治に対しても行政に対しても薄れている。  私は、一体何でこんなことになってしまったのか、総理の率直な御所見をまずお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 政治に対し国民が本当に怒って、その怒りをぶつけられた記憶を、私は九年前の参議院選のときに与党自由民主党の責任者として全国を遊説しましたとき肌身で感じたことがございます。このとき、本当にその遊説にたくさんの方々が集まられ、しかもその反応というものは極めて冷ややかなものでありました。結果として、我が党は大敗をいたしました。  そして、その信頼を党として取り戻すべく今日まで努力をしてまいりましたけれども、その間において、当時は与党としての私どもだけにぶつけられておりましたその怒りというものが、今むしろ無関心という形になり、低投票率という形であらわれておりますことを私は本当に懸念いたしております。そして、関心を持っていただきたい、投票所に行っていただきたい、そう願いながら今日まで参りました。  そして、これは当然ながら、与党であり最大会派であります自由民主党も大きな責任を負わなければなりませんが、政治に携わる皆が、もう一度国民が政治に対する関心を取り戻すための努力を、少なくとも投票所に足を運んでいただけるだけの関心を持っていただくための努力をしなければならないと思います。  また、官僚における不祥事というものに対して今御指摘をいただきました。  私は本当に、倫理規程というものをもってすれば官僚諸君の廉恥心に訴え、これを正すという方向に向かうものと願っておりましたが、その期待が裏切られましたことを非常に情けなく思っております。そして、倫理というものを法でつくらなければならないということの無念さをみずからの心にも持っておりますが、これはやはり従来の行政の持っておりました、いわゆる事前管理型と申しますか、国民の行動に対し官が責任を、恐らく善意であったでありましょう、持とうとした行動が、すべての面に事前管理の行政となってあらわれた。  これを、むしろ自己責任というものを一方で明らかにしながら事後チェックの行政に変えていく。その中で一つは正していく、行政の裁量の幅を縮めていくということでそうした事件の発生する余地を減らしていく。こうした努力と並行して、公務員諸君にもう一度みずからが国民に対し負うている責任というものを思い出してもらうような努力をしていく、そうした方法しかない、そのように思っております。

益田洋介公明

○益田洋介君 ありがとうございました。ぜひ与野党問わず力を合わせて、私たち政治家も国民に恥ずかしくないように、そういうふうなシステムづくりに心がけていきたいと思います。  大蔵省のキャリアがついに逮捕されました。その三月の第一週、また金融界が大変揺れるような事件が起きた。同じ第一週に、生命保険会社のトップの日本生命と第二位の第一生命に対して東京地検の大蔵省官僚に対する接待に関する資料提出と任意の事情聴取が始まりました。御存じですね。そしてさらに翌週、三月の第二週には朝日生命と明治生命などについても同様の要請があって、三月中にまとめて提出しろという話があった。これは御存じですね。  それで私は、四月二十七日に大蔵省は処分の調査結果、氏名、それから対象となった接待、頻度、職務上関係があったかないかというようなリポートを出していただきました。  その中で一つ不思議なのがあるんですよ。国家公務員法上の懲戒処分対象者ではないが辞職、佐藤誠一郎さん、これはよくわからないんですよ、どうしてこんなふうになったのか。この方はいろいろなことをなさっていただいた。一九八二年に東大経済学部を卒業して大蔵省入省、昭和六十二年七月には青梅の税務署長になっている。二十八歳。この間私言ったじゃないですか、こういうことしちゃいけないと。大学出て五年か六年した二十八の青年が床柱を背にして座らされて、地方の名士からちやほやちやほやされて、こういうことの出発点が間違いなんですよ。違いますか。  それで、私がわからないと言っているのは、この方は出向していたでしょう。第一生命から携帯電話を借りて何十万円という支払いをさせていたということがわかった。それは平成六年。この当時の職務というのは銀行局保険部保険第一課課長補佐。第一生命から携帯電話を一年間借りていた。平成八年の八月に関東信越国税局調査査察部長の職にあったときに訓告処分を受けている。それで、その後すぐに、九年の七月には自治大臣官房付になって愛知県に出向している。農水振興監。平成十年四月の二十二日に愛知県庁を退職している。そして四月の二十二日、翌日に自治大臣官房付になって十年の四月大臣官房付、四月の二十七日処分発表、この一日前に辞職している。  当時の愛知県の人事担当の大見賢治という参事の人が四月の二十一日に記者会見でこういうことを言っているんですよ。一運の大蔵省の関連と聞いた。二十日付で自治省から戻してほしいとの要請が文書であった。その後二十三日、すぐに大蔵省へ移るんだ、そのように心得ている。恐らく一連の接待事件との関係と推測しているんだ。身分が出先の愛知県職員では大蔵省として処分できないからこういうふうにするんだろうとこの担当の参事は言っている。そのとおり戻ったんです、自治省に戻って大蔵省に。処分の直前になって辞職させている。これはどういうことですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員の今の質問の中で、後半の方にあった二十八か九で税務署長などにするから、そしてそこでちやほやされるから道を誤るという委員の御主張、私は全く同感です。

益田洋介公明

○益田洋介君 やめていないじゃない。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) いやいや、そこでこれからはそういう若いのを署長などにするということはしない、もう少し年の上のをするとか、そういった方向で改善することになっています。それをまず申し上げておきたいと思います。  それから、今の佐藤誠一郎という人間のことでございますが、これは委員が今おっしゃったような流れになっておるわけでありますけれども、国家公務員法八十二条に基づく懲戒処分は実は法律の解釈としては次のようになるということであります。ということは、出向したということで大蔵省の職員としての身分が一たんなくなったわけです。それで、今度は復帰しましたから、その時点で大蔵省の職員という身分になるわけでありますが、再び大蔵省の職員になる前のことについては国家公務員法八十二条での懲戒処分はできないという法解釈だというふうに私は聞きまして、なるほどというふうにわかったわけです。  そこで、この人のしたことについて、国家公務員としてあるまじき行為である、みずから進退を明らかにした方がいいというアドバイスをした。そしてすぐ本人はわかったとみえて辞職願いを出し、かつ事の重大性にかんがみまして退職金も辞退しますということでありましたので、そのような処置にしたわけであります。

益田洋介公明

○益田洋介君 九四年の七月から一年間、保険一課課長補佐だったころ、生命保険のMOF担というんですか、大蔵省担当の社員から一回当たり数万円の接待を百七十回受けている、よく飯食ったね、一年間で。それで、そのうち特定のある生命保険会社から五十回。毎日じゃないか、これ一年間なら。百七十回接待を受けて、仮に一回二万円としても三百四十万になる。三万円ぐらいだったらハイヤー代だとかおみやげがついて五百十万になる。  逮捕された道路公団の井坂武彦さん、この人が収賄した額というのは、日本興業銀行百六十万、野村証券二百六十万など七百二十万円。大蔵省の検査部、宮川宏一さん、この人も多いんだよわ。あさひが六百十五万、三和五十五万、住友八十万、締めて八百二十六万になる。住友というのはどこにでも名前出てくるね、イトマンだとか光進もそうだし、まあそれはいいとして。それから、谷内敏美さん、三和から百六十三万、住友七十五万——また出てきた、住友、一回来てもらおうか。締めて四百五十三万。大蔵省証券局、榊原隆さん、興業銀行二百九十万、野村証券二百万など五百四十五万。佐藤誠一郎さんは、そういうふうな額の面からいうとこの人たちと遜色ないですよ。  何で調査しないで辞職させているのか。こういう人ほどきちっと調べるべきじゃないのか。何でやめさせたんですか。調査したんでしょう。したけれども、発表できないんだ。だから辞職させたんだ。違いますか。調査したと思うんですよ、僕は、間違いなく。したのか、していないのか。

溝口善兵衛大蔵大臣官房長

○政府委員(溝口善兵衛君) 御指摘の佐藤誠一郎さんにつきましては、出向先から大蔵省へ戻りまして、そこで本人から聞き取りをいたしたわけでございます。  その内容につきましては、記者会見等で口頭で説明いたしておりますが、ごく簡単に申し上げますと、八年十二月以降、新しい通達のもとでございますけれども、その期におきましては、民間金融機関との間の会食が五回程度、ゴルフは一回種皮ということになっております。  それから、これも通達との関連でございますけれども、七年五月から八年十二月の間におきましては、職務上の関連のある金融機関と届け出等の手続を経ずにした会食が三十回程度、それからゴルフが一回程度、職務上の関連のない民間金融機関五社等との間での会食が合計五十回程度、ゴルフは少なくとも五回程度。  それから、さらにその前がございますが、同じようでございますけれども、五年一月から七年五月の間に、民間金融機関との間で会食が七十回、ゴルフが五回程度でございます。  こういうことにつきましてはお話を申し上げているところでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 一つお願いがあるんですよ、大蔵大臣。  四月二十七日に発表していただいた調査結果、百人を超える職員が処分された。これは接待元が銀行と証券会社です。生命保険もずっとだよ、これ。全部生命保険だ、この佐藤誠一郎さん。  生保についても同じような調査をしていただきたい。その結果は国民の皆さんに出してくださいよ。ちまたでは、銀行なんか比較にならないと言っているんだ、生保の接待は。  調査して出してくださいよ。よろしいですね。大臣に聞いているんですよ。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 私語を禁じます。

溝口善兵衛大蔵大臣官房長

○政府委員(溝口善兵衛君) 内部調査の関係でございますので私の方からお答え申し上げますが、今回の内部調査におきましては、民間金融機関との間で行き過ぎた関係がなかったかどうかを調べたわけでございます。その民間金融機関の中には銀行、証券会社、保険会社等も含まれているわけでございまして、そういう意味では保険会社等につきましても調べたわけでございます。その上で、行き過ぎた関係があったと判断される者につきまして国家公務員法上の処分及び内規に基づく処分を行ったということでございます。  ただ、金額等につきましては、先生が最初御指摘になった何名かの方につきましては、これは地検の方で、いわば捜査のプロセスの中で強制捜査として調べてそういう数字をおまとめになったものでございます。私どもの方は、本人からの申告でありますとか、資料の突合でございますとか、あるいは問題があるものにつきまして金融機関に照会するというような方法で調べたわけでございます。したがいまして、そういう関係で正確な数字というのは、過去にもさかのぼるわけでございますから、なかなか難しいわけでございますが、個人個人で処分があった者につきましては、先ほど申し上げました佐藤の場合のように件数とかそういうことはわかりましたので、申し上げているところでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 この生保については、ちょっと今回の調査ではこういうぐあいに手抜かりがあるわけですよ。生保についてだけ抽出して調査結果を出してもらいたい。よろしいですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この佐藤という男……

益田洋介公明

○益田洋介君 佐藤だけじゃないんですよ。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) いや、佐藤についての話でございますから佐藤についてお答え申し上げるわけでありますが、自治省に出向する前、大蔵省に在職しているときに、民間金融機関との間で相当節度を欠いた接待を受けたということは調査の結果わかったわけです。でございますから、自治省を通じてさらによく本人から聞きたいというわけで帰してもらったわけであります。そうして、もしこれが国家公務員法で懲戒処分ができる法の仕組みになっておれば相当重い懲戒処分の対象になった人であると思いますが、ただ国家公務員法の八十二条の解釈上……

益田洋介公明

○益田洋介君 調査結果を出すのか出さないのか聞いているんです。八十二条の話じゃない。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 私語を注意します。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) いや、この佐藤についてのことであれば、私は内部調査をしたほかの人について委員会に出しましたが、あれに近いことは出せると思います。これは佐藤についてです。

益田洋介公明

○益田洋介君 佐藤さんだけじゃなくて、保険に関係した職員の、保険局じゃなくても、銀行局でも保険局へ行く場合があるから、満遍なく恐らく接待されていますよ。生保に関する接待の調査結果を出してもらいたい。それが私のお願いなんです。  理事会で後で協議していただけますか、委員長。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) この点は後刻協議いたしたいと思います。

益田洋介公明

○益田洋介君 ありがとうございます。  次に、日銀についてなんですけれども、百十六年間の日銀の輝かしい歴史に今回大変大きな汚点を残してしまった。理事二人を含む五人を譴責、給与カット、職員九十三名を譴責、戒告、厳重注意処分にした。中央銀行というのは国民に信頼されないと独立性を保持することはできませんよ。私は、新総裁がおっしゃっていたように、日銀には透明で公正な政策行政が要請されていると。透明性が今必要なんですよ。非常に閉鎖的だ。だから、四月十日に処分者を発表しているんでしょう。大蔵省の場合は、氏名も発表しているし、処分の対象となった接待行為についても回数についても職務上の関連があったかどうかということについても調査して出している。  日銀のこの処分というのは、処分をしましたと言っているだけで、氏名も発表しなければどういう内容だったかさっぱりわからないじゃないですか。こんなことで透明性が確保できるとお思いですか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) この接待過剰という人たちに対する処分でございますけれども、私どもの場合は一名が告訴されまして、それの監督責任ということで五名を減俸、譴責いたしまして、その氏名は発表いたしました。その他の者につきましては、私ども取引先から接待を受けてはいけないというルールがはっきり書かれたものはなかったわけでございます。それがこの三月になりまして、就業規則あるいはコード・オブ・コンタクトということで取引先から接待を受けてはいけないということを初めて文字で出したわけで、それ以前は、むしろここ十年、十五年、日銀の第一線に立つ人たちの視野を広めるといったような意味で大いに外でいろんな意見を聞いてくるようにというような指導もしてきたこともございます。そういうものがいつの間にかやや行き過ぎになっていったことは今になってみれば反省せざるを得ないわけでございまして、その点は総裁、副総裁が監督責任として辞任をしたわけでございます。  その他の内部での調査、それに対する処分につきましては、これはいわば遡及適用でございます、ルールのないものに対する。しかも、自己申告に基づいて何回かというようなことを、どういう接待を受けたかというようなことを取り調べたわけでございまして、その結果九十八名のそれぞれの段階での処分をいたしたわけでございます。  これは、本人たちにとっては非常に反省の材料にもなりましたし、また銀行全体としてもこれを機会に取引先とのあり方を考えていこう、その上でこれからの金融改革に備えて大いに張り切ってやっていこうという空気が出始めてきたところでございます。そういう意味で、行内の処分でございますので、この点は外に発表することは御容赦いただきたいというふうに思っております。そういうことで、これまでも国会におきましてもその点はお願いをいたしておるわけでございます。

益田洋介公明

○益田洋介君 生え抜きから今度副総裁に就任した山口元理事は、就任のときにこういうことを言っている。透明性あっての独立性だから、垣根を設けたりカーテンを引いたりすることはしないんだと就任のときに言っている。  何で名前を公表できないんですか。大蔵省だってきちっとしているじゃないですか。これはお願いしておきます、理事会で、よろしいですか。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 検討します。

益田洋介公明

○益田洋介君 大体、日銀というのは、都市銀行から信用金庫に始まって、証券、短資会社、取引のある金融界から軒並み接待攻勢をかけられていると言われている。私は名前を公表すべきだと思いますよ。それは日銀の義務だと思う、国民に対する。処分しましたと言っているだけで、何を処分して、どうして処分されなきゃいけなかったかさっぱりわからないじゃないですか。  それから次に、支店長宅、これは一万二千坪ほどあるのですよ、北は苫小牧から南は那覇まで。だから、仮に坪百万と見積もったって百二十億。それから赤坂六丁目にある氷川分館、これは氷川寮とも言われているのですけれども、これは三千六百坪ある。あの近くのホテル・ニュージャパンをある生命保険会社がこの間買ったのですけれども、坪千七百万。それで計算したって六百十億ある。私はこれを処分していただきたい。  今回、大蔵省と日銀の監督不行き届きで、二年四カ月前に出発したみどり銀行がもう債務超過になっている。この責任問題を問うのは別にして、それでこのみどり銀行の復興のためにまた国民の税金が投入されるんですよ。六千億とも八千億とも一兆円とも言われている。だからそういう不要資産は、不要じゃないと言うかもしれないけれども、私はこの際処分していただきたい。氷川分館なんて持っている必要ないですよ。それで、国庫に納付して国民に返してくださいよ。住専のとき六千八百億持っていったじゃないですか。日本人という民族は人がいいのでしょうか、のど元過ぎれば熱さを忘れる。あのとき六千八百億、今度一兆円。国民に少しでも返してくださいよ。  地方社会の中で、日銀の支店長としてやっぱりそれなりの体裁が必要であれば、売却した上で家賃を払って借りたらいいですよ。よろしいですか。売却してくださいとお願いしている。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 日本銀行の支店長が使用する社宅に関しましては、先般も益田委員から御質問を受けまして、先生から、これだけの資産価値のあるところに住まわせているんだからちゃんと給与所得は払っているだろうなというような御質問を受けました。  その点は、支店長社宅の利用に関しては使用料もちゃんと徴収しておりますし、そんなに地方において目立った存在というよりも、むしろ私どもとしてはそれほど、銀行の命令によって支店に異動しておるわけでございまして、それは銀行券を発行している日本銀行の地方の代表者として住むに適当と思われる社宅をつくってそこに住んでもらっておるわけでございまして、それほど税法上特に優遇してもらっているわけでもございませんし、必要なものは全部お支払いしておるわけでございます。  それからもう一つ、氷川荘につきましては、氷川分館というのは海外の中央銀行の幹部等を含めた外部の要人の業務上機密を要する会合等に使用するための施設でございまして、通貨問題、特に中央銀行間の話し合い等はホテルでは普通やらないのが、極めて機密のうちに話し合うことが多いわけで、これはアカウンタビリティーとかあるいは透明性とは一緒にすべき問題ではないのではないかというふうに思います。  先般も申し上げましたけれども、この七月にもBIS・中央銀行総裁会議が東京で開かれまして、十カ国の総裁方がお集まりになり、その後アジアの中央銀行総裁方も集まられてここで議論をされるわけでございますけれども、かなり使用をしておるわけで、都心の近いところにございますし、これは接待をするというよりもむしろ話し合いをする、協議をする場所として適当なものというふうに考えております。  そのほかに、土地あるいは保養施設等で余っているものにつきましては順次売却をいたしております。九年度上期で四件売却し、九年度下期ではさらに十七件、売却価格にして約五十億に上る資産を売却いたしております。  このように、私どもも効率的な経営を実現いたすために、必要なものは使うし、不要不急の資産の処分については今後とも前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

益田洋介公明

○益田洋介君 私は何も中央銀行の支店長だから借家に住んじゃいけないということじゃないと思いますよ。ぜひこの売却については再考いただきたいと思います。また日を改めてお話を伺いたいと思います。  次に国有地。大蔵大臣、目黒に雅叙園というのがあるんです、目黒雅叙園。これは戦前から都内有数の結婚式場。館内に細川家が集めた美術工芸品がたくさんあって、昭和竜宮殿と呼ばれている。  これはちょっとわからないことがあるんですよ。これは先代の細川力蔵さんが亡くなったときに遺族の方が相続税が払えなかったんですよ。それで、これは物納したんです。今では大蔵省の所有になっている、六千坪。知っていましたか。要するに、借地なんですよ、目黒雅叙園というのは。国から借りているんです。借り物に八百五十億も金をかけて建物を増築しているんです。こういうこといいんですか。  契約は大蔵省の関東財務局との間で目黒雅叙園が契約している。国有財産有償貸付契約書というのがあるんです。それで家賃を払っているわけですよ、要するに土地代、地代ね。平成八年度は一億二千八百七十七万円だった。借地に大体こんなにお金をかけて、建物を勝手に建てさせていいんですか。もし、当たり前に雅叙園の所有が続いていて、固定資産税を払うとすれば二億九千万円かかるんだ、地価税と都市計画税も入れて。そうすると、この差額というのは利益供与になっているんだ、大蔵省からの雅叙園に対する。二億九千万から一億二千万引くと一億七千万だ。毎年こういうことをやっているんです。こういうのはいいんですか、悪いんですか。おかしいと思うんですよ。  それで、大蔵大臣、もう一つこの賃貸契約の中にこういうことがあるんですよ。  契約期間は、昭和四十二年四月二十三日から昭和七十三年四月二十二日までの三十年間とすると。これは契約書の第三条なんです。昭和七十二年というのは一九九八年なんです。そうすると、ことしの四月二十二日に契約が切れている。どうしたんですか、これは。私はここでやっぱりこれも返していただいて売却すべきだと思いますよ、大蔵省は。みどり銀行でまたお金を使うんだから。国民に返してくださいよ、これ。僕はそれが筋目であると思いますよ、この資産に対する。  契約が切れているんだ、四月の二十二日に。ちょうどことしで三十年です。それがどうなっているのかということと、それからやっぱり国有地の換価処分はしなきゃいけない。これは国税庁もそう言っているんだから、税法上。去年、会計検査院とこういう話があった、物納不動産を早く処分すべきだと大蔵省に申し入れている。現実にはしかしこれは税法上大変な問題があるんだ。  会計検査院、きょう来ていますか。——こういう事実があったでしょう。  その後、大蔵大臣に聞きます。

深田烝治会計検査院事務総局第一局長

○説明員(深田烝治君) お答え申し上げます。  今の先生お申し越しの新聞の記事でございますけれども、どういう内容の記事か、ちょっと私、子細には存じ上げておりませんが……

益田洋介公明

○益田洋介君 後でコピーを送るから。そういう話し合いがあったのかだけ言ってよ、去年、大蔵省との間に。

深田烝治会計検査院事務総局第一局長

○説明員(深田烝治君) 物納財産につきましては、私ども、特に最近急激にふえているということで重点的に検査をいたしておりまして、その処分促進が図られているか、あるいは管理は適切に行われているかということで、財務局あるいは財務事務所で実地検査をしている次第でございます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 国有地の問題でございますが、委員も御承知と思いますけれども、国民の貴重な財産でありますから、したがいまして公用、公共用優先という原則のもとに、その有効活用を図るとともに、公用、公共用の利用が見込まれないものについては民間へ積極的に売却する、こういったことをやってきておるわけであります。  特に、物納等で取得した財産については公用、公共用への利用が見込まれないものが多いことから、価格を公示して売却あるいは一般競争入札、こういったことで民間へ積極的に売却をしているところであります。これからもさらに使用状況の実態調査等をして、使う当てのないものについては民間への売却、これを積極的に図っていきたい、こう思っております。  先ほど雅叙園の話を聞きました。私は委員からきょう初めて聞いたわけです。数年前に私、結婚式で雅叙園に行ったことがあるんです。ずっと前に行ったことがあるものですから、随分変わったな、えらいでかい建物になっているなと、こう思いました。そこで、今初めて聞いた話でありますので、私自身よく事務方から聞いて、そしてそもそも契約がどういうことで契約されておったのか、一応の三十年の期間が来ておるとすれば、借地法の規定に基づいて延長になることになっているのかどうか、あるいはその場合に更新料とかなんとかという問題が普通は起こるわけでありますけれども、それがどういう措置がなされたのか、よく事務方から聞いてみたい、こう思っております。

益田洋介公明

○益田洋介君 よろしくお願いします。  それと、先ほど私が申しました賃貸料と固定資産税及び都市計画税との差額、これもよく検討してみてください、調査して。  総理、どう思いますか、この件。雅叙園の土地を早目に売却してもらいたいという件は。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、事実関係を全く存じないままに議員の話を今聞き、実はあそこに国有地があるというのを聞きまして、本当に驚いています。それだけに、事実関係を把握したいと思いますし、同時に処分できるものであるならば、むしろ財源を我々は求めているわけです、そして補正予算をつくるにしてもでき得る限りの財源確保の努力をすべしということを指示しておりますので、そうした中でどういう位置づけになるのか、大蔵大臣が事務方から聞いてみますという答弁をいたしましたけれども、私も聞いてその上で判断をしてまいります。

益田洋介公明

○益田洋介君 次に、防衛庁。  これは昨今問題になっていますね、長官。この四社、東洋通信機、日本工機、藤倉航装、ニコー電子というのがあって、かなり天下りがあるわけです。今回のこの事件についても、最初に浮かび上がってきたのは東洋通信機なんですけれども、元副本部長さん、この方、お名前は何というんですか。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) この四社事案につきましては、昨年からいろいろと新聞等で出てまいりましたので、うちの方で原価差異事案対策委員会というのをつくりましていろいろ取り組んでまいりました。  そして、その過程においていろいろできるだけ調査をして、どういうことで起きたのか、処理をしたときにどうだったのか、そのときにいろいろ事件になるような問題があるかどうか、そういうことをやってまいりましたけれども、残念ながら私どもの方ではそれをつかみ切れておりません。したがいまして、特定の人の名前を出すというのは控えさせていただきたいと思います。

益田洋介公明

○益田洋介君 この方は上野さんというんだ、上野憲一さん。それで、僕はこの調査結果を国会に出してもらいたい。もう答えなくていいです、片山先生から怒られちゃうから。一連の調査結果を出してください、警察にだけ任せているんじゃなくて、上野さんの。  この人はその後天下りをして、財団法人防衛生産管理協会の専務理事になっている。年間給与は約千二百万円。そのほか四社のうちの二社と、さらに別の防衛関連会社二社からコンサルタント料などを受け取っていた。この件も含めて調べて提出してください。よろしいですか。もう時間ないからいいです。理事会で協議してください。  終わります。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまの益田君の発言、防衛庁に関しても理事懇で協議させていただきたいと思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 私はまだ車いすの生活を余儀なくされておりますので、失礼ですが委員長のお許しを得て座ったままで発言させていただきます。  総理、連日御苦労さまです。私はきょうは衛視の方や同僚議員の助けをかりてこの席に着くことができました。病人の分際で出しゃばるほどのこともないのでありますが、障害を持っておられる国民の方が一人でもいい、こんな姿の国会議員を見て幾らかでも自分の励みになれば大変幸せだと思ってこれから務めてまいりますので、しばらくおつき合いください。  そこで、まず日本経済の状況と政策運営についてお伺いします。  率直に言いまして、政府の経済運営はいささか迷走を続けているように見えます。バブルの崩壊と世界同時不況の中で、日本経済は長期で深刻な不況に見舞われておりますが、私のような門外漢にもどうやらこの不況というのは今までと勝手が違うような気がいたします。つまり、今まで資本主義経済につきもので、我が国でもしばしば体験したことのある循環性のものではないという感じです。例えが適切かどうかわかりませんが、新型の感染症ではないかという感じがいたします。したがって、治療方針もまだはっきりしておらないようです。  自動車やエレクトロニクスのような経済成長をリードした産業の中枢部分が直撃されて、大量生産、輸出依存のパターンがというか、右肩上がりの成長が限界に達したような気がいたします。企業のリストラはあらゆる分野に及びまして、雇用不安はビッグビジネスのホワイトカラーから管理職まで及ぶ。まさに雇用帝国は終えんに近づいておるんじゃないでしょうか。  政策当局は、九三年の夏以来数次にわたって数十兆円の財政投入を行いましたが、目に見えた効果を上げたとは言いがたい。そしてまた、巨額に上る緊急経済対策を講じようとしているわけですが、果たして効果が期待できるんだろうか。先行事例もないし、経済理論も定まらない不確実性の時代です。政府もエコノミストたちも、有効需要対策のケインズか供給構造改革の新古典派が、二つの見解の間を揺れ動くのみであって、新しい経済発展の方向を見出せないまま、いたずらに公共財政を膨らませてGDPに匹敵する赤字をため込んだ。これじゃ国家破綻の道であります。  総理と官庁エコノミストの総本山、経済企画庁長官の所見をお伺いしましょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御答弁の前に、私の父親もつえがなければ一生行動のできない人間でありました。そして、同じように国政の中に参画をさせていただきました。御不自由を押して質問に立たれる、何となく自分の親の姿を重ねております。どうぞ御自愛を心からお祈り申し上げます。  また今、議員から日本の経済、言いかえれば需要創出型あるいは供給創出型、あるいはそれぞれを重視した形、その間を振れているんじゃないか、その間に重荷がふえているんじゃないか、そういう御指摘をいただきました。  今、私どもがとろうとしております総合経済対策、これは柱立てとして、当面の景気回復のために将来も喜んでいただけるような社会資本の整備を図ろう、そしてこれによって内需を拡大しようという柱が一つ。同時に、景気回復の足かせとなっております金融機関の不良債権問題の本質的な解決を目指そう。大きく二本の柱を持っております。同時にあわせて、議員の御指摘のように、今まで日本を引っ張ってまいりました産業の一部が、その競争の中でリードし切れないという状況が出てきておりますだけに、日本の構造改革そのものを進めていかなければなりません。  こうした考え方として、需要面と供給面の両面に配慮をしながら今回の総合経済対策を組んだわけでありますが、私どもは、これが相乗効果を持って作用することを期待いたし、またそうなると考えております。それだけに、十分これを迅速に実行に移していくことで我が国経済をきちんとした姿にしていきたい、そのように考えております。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) ただいま総理が御答弁を申し上げましたと同じところでございますが、民間活力を中心として新しい経済の体制をつくり、技術開発やベンチャーを育て、また情報通信分野に進出するなど、いろんな意味で日本経済の体制そのものを抜本的に変えていかなければならない大きな変革の時期に来ていると思っているわけでございます。  そういうわけで、今回の経済対策の中には、いわゆる需要喚起の対策もありますが、同時にそういう構造改革を抜本的に進める、そして新しい体制で二十一世紀に向かって進んでいくという考え方でございまして、いわば後戻りできない船出をしている、そういう感じでございまして、どんなことがあっても向こう岸にたどり着いて、日本経済を新しい形の発展の中で活性化していきたい、そんな気持ちで頑張っている次第でございます。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 かつて、景気対策といえば公共投資と金融緩和が常備薬として用いられておりました。だが、その効き目もいささか薄れてきたようです。  公共投資の需要誘発効果が小さくなって、史上最低の金利が膨大な個人金融資産の動きを鈍くしてしまった。総理はそのようにお考えになりませんか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員からの御指摘ではありますが、私はそうは申しましても、公共事業の持つ直接的な内需拡大への刺激の役割というものは大きいと考えております。  同時に、例えば下水道その他を考えましたとき、あるいは今の全地球的な総合交通の形態を考えますとき、ハブ空港の整備といった一つのテーマを考えましても、我が国はまだおくれている部分を持っております。それだけに、景気を刺激し内需を拡大するためにも役立ちますけれども、将来をにらんだときにも私はやはり公共事業の役割というものは否定し去ることができないと思うんです。これは下水道なんかでもそうです。  金利の部分につきましては、これは日銀の専管事項でありますから我々が余り言うべきではないのかもしれません。議員の御指摘のような結果が全くないと申し上げる自信は私にもございません。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 総理、せっかくですけれども、公共事業が効き目のあったのは素材型産業が日本の経済をリードしていた時期だと思うんです。それはもう終わって、そういうものの原材料はほとんど輸入に頼るようになって、公共投資のお金は全部外国へ行っちゃうとか、そういうことが重なってきて、公共投資をしても経済誘発効果にはならなかったんじゃないでしょうか。今は素材型産業はもう日本経済の後方に退いております。そこへ別の薬を使っているという感じがします。これはまた大いに勉強することにしたいと思います。  かわって登場してまいりましたのは、御存じ例外なき規制緩和と自由化であります。今経企庁がお答えになった民活でありますが、言いかえれば市場原理万能主義です。この原理主義は、別にイスラム原理主義じゃありませんが、この原理主義は、経済分野のみならず社会のあらゆる分野を覆い尽くしておりまして、異を唱える者は守旧派として一蹴される状況です。いつかこんな政治状況、政治改革がそっくりの雰囲気ですね。橋本内閣の看板六つの改革もその脈絡にあるものではないかなとも思います。  規制緩和の方法は、本質は言うまでもなく自由化と競争です。すべて市場メカニズムに任せておけばうまくいく。弱い者も強い者も、大も小も一切一つ、区切りは要らないと言われる競争至上主義の経済学によるもののようです。大小を仕切るゲートを取っ払って同じ土俵で戦わせる、そうすれば経済は予定調和的にうまくいくという過酷なレースです。マルクスの「共産党宣言」風に言えば、今や規制緩和という妖怪がこの日本を彷徨しているような感じがいたします。  だが、総理、この原理主義が日本の文化に果たしてなじむものなんでしょうか。欧米に比べて個人主義の観念がまだ弱い日本においては、必ずしも競争至上主義が社会になじむとは限らない。地域共同体もそうですし、私が担当してきた労働運動の場においても、労使の対立の激しいところにおいても競争と協調がうまく混在をしています。これが一種の日本の文化だと思います。それはそれでデレギュレーションを考える場合には一応念頭に置くべきテーマではないかという感じがいたしますが、いかがなものでしょう。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一概に私は議員の御論議を否定するものではございません。なぜなら、私は社会的な規制は必要だと考えているからであります。  そして、まさに今国会におきまして、従来の経済的規制としての大店法にかわって、社会的な規制を中心とし、それにゾーニングの手法を組み合わせました大店立地法外三法を御審議いただきました。これは、大きく変わってきております実態を踏まえて、大対中小とかいうとらえ方ではなく、それぞれの地域の集積度に応じた集積度対集積度の競争という中で社会環境というものを維持していく。そうした考え方をとらえて、規制は規制でありますけれども経済規制ではない、新たな視野から、騒音だとかごみだとか生活環境とか、そういうものからとらえた規制で問題を処理していこう、都市計画の手法をもって対応しよう、こうした考え方をとったわけであります。  ですから、弱肉強食がよいと我々は申しておるつもりはありません。その上で、国が何でもかんでも事前に管理をし規制をし、新しい身動きができないようにしてきた、それはもう直すべきだ。むしろ個人の創意工夫が生きるようにすべきであると。我々はそういう意味の規制は本当に外していかなきゃいけないと真剣に考えております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 私はほどほどの経済成長がなければ福祉国家も雇用の安定も確保できないということはよく承知しています。そしてまた、競争のない社会は進歩がないということもよく理解しているつもりです。ですが、人をかき分けても金もうけに走った時代は、地球環境を破壊し尽くして、資源を枯渇させて、人間の人体もずたずたにしてしまった。  それで、ようやく新しい世紀が開けようとしているときですから、競争一点張りじゃなくて、人を押しのけること一点張りじゃなくて、どうでしょう、男も女も、年寄りも子供も、障害者も健常者も、日本人も外国人も分け隔てなく生きていけるような社会を目指すことができぬものでしょうか。いかがでしょう。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) その目指す方向について、私は全く異論ございません。  その上で、私どもがやらなければならないこと、それは、やはり社会的な一定のルールというものは必要だということであります。我々が先祖から伝えてきた、親から子へ伝えてきた、お年寄りを敬うとか先輩を敬う、あるいは近所隣仲よくしていくとか、非常に素朴なよさというものが失われかけているものを本当に我々は取り戻し、次の世代にも伝えていかなきゃなりませんけれども、同時に、それぞれの時代において変わっていくべきものは自然に変わっていくでしょう。  言いかえれば、我々は少子・高齢社会における新たな社会秩序というものはどういうものなんだろう、そして数少なくしか生まれなくなってしまったものなら、その子供たちをどうやったら地域ぐるみで大事に育てていけるんだろう、そういうことを改めて今問い直さなきゃならない、そんなときにいるように思います。  ですから、議員の理想図を全く否定いたさず、その上で、そこに行く道筋を、互いによりよい道を模索したい、そのように思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 もともとデレギュレーションはシカゴ学派の一部の経済学者が中心になって展開した考え方のようでありまして、サッチャーさんやレーガンさんや日本の中曽根さんが政治プログラムにつくり上げたとも言われております。  この新古典派のチャンピオンと言われるフリードマンには結婚の経済学という本がありまして、この間ちょっと読んだんですが、紹介しましょう。  人が結婚しようとするときは、どれだけもうけがあるか、どれだけコストがかかるかということを計算して結婚しなさいと書いてあるんですね。同じ考え方で、離婚の経済学というのもあるんです。要は、どれが損で得かということを唯一の選択肢にしなさいということなんです。そこには倫理性もなければ社会性もないというふうに私は思います。そういう学説です。  この学説を後生大事に信奉する政治家あるいはエコノミストは一体どんな神経の持ち主なんだろうというふうに思わぬわけでもありませんが、この点はどうですか。  総理、そして経済企画庁長官、所見があったらどうぞ聞かせてください。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、フリードマンさんの奥さんに御主人の著書の感想を聞いてみたいと思うんです。フリードマンさんと結婚されるときに、貸借対照表の上できちんとした数字をはじき出され、心理的なものは全く無視してなさったんでしょうか。同時に、フリードマンさん自身も、恐らく御自分の学説に従った結婚をなさってはおられないんではないかと私は思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 大変難しい質問でございましたが、あえて名指しを受けましたので答えさせていただきたいと思います。  私自身は、新しい社会の中で、例えばベンチャーのように将来性はあっても担保がない、そういう機会を得られないような企業、個人、そういうものが機会を得られるようになる、そういう意味で自己責任とか競争原理を働かす機会を得られる、機会の平等という社会も大変必要だと思います。  同時に、先生がおっしゃいました意味の弱者に配慮するということ、共存共栄ということは大変大事な原理であると思っておりまして、その点についても十分考えていかなければいけないと考えております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 原理主義一本やりの社会はどうしても階層分化が進みまして、二極分化が進みます。中産階級が育ちません。中産階級がやせ細ってまいりますと、家庭が崩壊をする、それを端緒にして地域社会がだんだん崩壊をしていく、共同体の機能が薄れる、こういう悪循環をたどると思いますね。  今日、例えば景気対策に関して消費行動が鈍いと言われますけれども、それによく不安材料を経済の問題や高齢化の問題だけで持ってくるのは間違いであって、周りの社会の連帯がどんどん弱くなっていることに不安を感じているんですよ。それが消費行動に走らない大きい原因。  それと同時に、また日本人の文化もあるので、アメリカみたいに、イギリスで食いっぱぐれた人間がアメリカへ行って新天地をつくったのとはわけが違う。日本の場合は、総理を初め、そうでしょう、学校へ行ったら二宮尊徳があったじゃないの。勤倹節約で半生を送ってきた人間にむだ金を使えといったって、あんた、それは使わぬわな。そういう文化の違いを抜きにして、アメリカあたりにぐずぐず言われることはないね。大体あの国はモンロー主義の国で、厚かましくて人に余計なことを言い過ぎるんだ、あれは。やっぱり文化の違いを見た上でないと、消費行動にもそれぞれの特性があるわけですから。これは文化に関連をして申し上げておきます。  経済政策の最後にしますけれども、民間活力万能論も今横行しております。先ほど企画庁長官のお言葉がありましたが、ただ、言うまでもありませんが、社会は公的部門と民間部門、民間には共同の部門と個人の部門もございますが、それぞれ寄り集まって社会を構成していますから、それぞれに役割があり、貢献をしています。ですから、それぞれの領域をどういう基準で調整するか、その主役はどこが果たすかというのがそれぞれのセクターの相乗的効果を高めるいい方法だと思うんです。  総理は民間活力と言うんですが、民と官、民でも個人と共同の部門、それから民と官の共同の領域もあるわけですが、こういうものを仕切る何か物差しをお持ちなんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) すべてに通用する物差しというのは私はないと思うんです。その同じ、例えば官と民、あるいは公と私と言い分けても結構でありますけれども、絶対的に官あるいは公でなければできない分野の仕事というものもございます。同時に、民あるいは私の部分でしかできない仕事もございます。そのちょうど間には、実は例えば官が現在やっている、だけれども民でもできるという分野は当然あろうかと思います。そして、今まではどちらかというと、その中間にある部分というのは、第二次世界大戦後の日本においてはそれをすべて官あるいは公に位置づけてきたんではないでしょうか。  ですから、私どもは、民間活力という言葉を余り私自身は使いませんけれども、むしろ民間と協力していける分野、あるいは民間に積極的に参加していただける分野、さらに民間が実行するものを官あるいは公がバックアップする分野、それぞれの事業の中に存在していると思っております。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 社会の変容に応じまして、環境問題とか高齢化問題というものがどんどん出てきます。これらはもう個人の力ではどうにもならない。こういう問題は社会化された問題と言った方がいいでしょう。この領域は、やっぱり基本的には公共セクターが責任を持つということが基本でないと役割相乗型の社会はできないということだけは主張して、民間活力万能主義にもほどほどの節度を持って対応してもらいたいということを申し上げておきます。  次に、財政構造改革に関連して一つだけ申し上げます。  去年の秋、私はこの法案の審議にかかわりまして総理から大分いい返事はもらっているんですよ。緊縮財政はするけれども、やるべきことはちゃんとやるから心配要らぬ、こう言った。心配要らぬのにまた法律を直しますけれどもね。ただ、いろんな御議論があって法律は直すんですが、私は一つだけ懸念があるのは、気楽に赤字国債を発行できる、その制約条件を全部取っ払うという脈略が通っているとすると、これは非常に心配があります。  かつてこの国には、緊縮財政をとって大蔵大臣が凶弾に倒れて、その後に野方図な財政運営が行われて日本を破滅に導いた歴史があるんです。そのときの合い言葉は、戦費調達のためにということだったんです。  今、経済対策のためにといって、同じように赤字国債が無造作に出されるという、そういう雰囲気だけはつくっちゃいかぬ。歴史を繰り返して大事なとらの子を紙くずにしちゃいかぬということだけは申し上げておきます。やっぱり国債には新しい歯どめをちゃんと設けるべきだと思いますが、よろしゅうございますか、その点は。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど他の議員の御質問に対し、国有財産の売却に私がある程度積極的な返事を申しましたのも、少しでも財源を公債に頼らずという思いを込めてのことでありました。そして、議員から御指摘をいただきましたが、今回の財構法、この中におきまして特例公債の増発が許容される、これはあくまでも例外的な場合と位置づけておりまして、経済が停滞状況あるいは非常事態から脱却いたしました後、特例公債の縮減に向かうという仕組みを維持いたしております。  御心配をかけないように努力したいと思います。

志苫裕社会民主党・護憲連合

○志苫裕君 時間が参りましたので、最後に税制について一言、主張だけ申し上げておきます。  税制改革が論じられるようですが、税制で一番大事なのは、何のために税制をいじるのかという目的がはっきりしないと。例えば、今度は経済対策のために税制をいじるようですが、言うまでもありませんが、税の公共性、公的に考えれば、税金は同時に財政を確保するという目的を持つわけでありまして、景気対策というのは中長期的に見れば財源の確保でもあるわけです。ところが、何か税率の上の方で下げるというお話がありますが、最高税率を下げておくということは景気がよくなったときに税収が減るということなんです、これは。何のために一体減税するかわからぬでしょう。ですから、そういう税制の目的をはっきりして、それにかなうようにやってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。この点はよろしゅうございますね。  ありがとうございました。(拍手)

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 財革法の審議の締めくくりということですが、私は去年の十一月にも締めくくり総括質問に立ち、そのときにも十分なる審議を経ないまま採決に至らないようにということを主張しましたが、そのときに総理とやりとりしたことも念頭に置きながら幾つかの点をただしたいと思います。  最初に、これまでの衆議院一参議院の論議、いろいろありましたけれども、わかり切ったことのようですが、私は締めくくり的に幾つか確認しておきたいと思います。  その一つは、去年十一月、我々の反対の中で成立させられましたこの財革法の目的ですが、これはこの法律によれば、第一に国、地方を合わせた赤字公債の比率を国内総生産の三%以下にする、第二に一般会計において特例公債をゼロにする、第三に国債依存度を九七年度よりも引き下げる、この三つの目標を二〇〇三年までに達成することであったと、こういうふうに思います。  しかし、この目標というのがここで決めた期限内には達成できない見通しになった。そこで、二〇〇三年までにという目標を二年間延ばそうというのがこの法案だと思います。  初年度からこの財革法どおりに一応組まれた当初予算案、成立した予算案では赤字国債が七・一兆円になっていましたが、それが二兆円ふえて九・一兆円になったということ、初年度から予定どおりにはいかなかったという事実が残って、今この改正法案の締めくくり総括質問というところへ来ているというふうに思いますが、その事実関係だけは御確認願います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 昨年、財政構造改革法を審議していただき、成立されたときの目標達成年度は委員御指摘のとおり二〇〇三年、国、地方を通ずる財政赤字というものがGDP比三%以内、特例公債からの脱却、そしてその途中経過でありますけれども、特例公債の発行を前年度発行額よりも少なくしていく、これが去年の秋、法案を成立させていただいたときの目標であり、その仕組みであったわけであります。それは委員御指摘のとおりであります。  我が国経済が今大変な厳しい状況、不況下にありますものですから、一日も早くこの不況から脱却しなきゃならぬ、そのために新しい経済対策に基づく施策を進めていかなきゃならぬ、そういうことになったものですから、そこで改正をお願いして、そして特別に経済の情勢が厳しく、特外公債の発行を前の年よりも多くしてはならぬという状態では適切な手が打てない、そういう特殊、例外の場合には特例公債発行高を前の年よりも少なくしないでもいいという部分の改正と、それから目標年度を二〇〇三年から二〇〇五年に延ばさせていただく、これが今回の改正の主要点だというふうに思いまして、その点は委員がおっしゃったことと大体同じだと思うんです。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そこで、私は二つの問題をきょうは取り上げたいと思います。  一つは、いずれにせよ予想が狂ったということは明白な事実であります。なぜ狂ったのかという問題と、もう一つは今後また二〇〇五年までにはという目標期限を変更せざるを得ないような、あるいはこの財革法の再改定というような事態が起こる可能性はあるのかないのかという問題です。  まず、私は今後の問題の方から入りたいと思います。  というのは、新聞では、例えばきょうの新聞を見ましても、毎日新聞は「財章法改正案きょう成立へ」という記事と同時に、大きい見出しで「くすぶる再改正論」と書いております。これから成立へ向かうかどうかというときに、同時に再改正論がくすぶっているということがいろいろなことで書かれております。  このところの新聞を見ますと、例えば宮沢元首相が財革法の再改正を含めて赤字国債による恒久減税が必要だという講演を行われたということとか、赤字公債の発行につながらざるを得ないようないろいろな公的支出に関する提案が行われている記事がたくさん連続して出ております。  そこで、総理にお伺いしますが、今後、公的資金による財源確保、赤字国債の発行にもつながりかねないような要因というのは歳入歳出面であるかないか、もうそういう心配は一切ないというふうに言い切れるのかどうなのか、お伺いしておきます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) これからの見通しの話でございますが、見通しにつきましては五月十二日に「財政事情の試算」というのをお示ししておるつもりでありますけれども、それにもありますように、毎年毎年の予算編成のときに相当程度の要調整額が残ることになっているのは事実であります。  しかし、我々は歳出の中身に踏み込んで徹底した見直しをし、いわゆる構造改革を進めていくことによってこの要調整額を解消して、そして目標年次に特例公債依存体質から脱却するように最大限の努力をしていく決意でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 決意を聞いているわけじゃなくて、見通しの問題なんですよ。今読み上げた幾つかの提案はこの中にも出ている。試算には出ていない新しいもののことを僕は聞いているわけです。  例えば所得税恒久減税が今問題になっているわけですね。これをやらないというふうにはっきりおっしゃるのなら次の問題は出てこないわけですが、これをやるということになれば、その財源をどうするかという問題、宮沢元総理はそれは財革法の再改正による赤字国債に頼らざるを得ないということを示唆されたと報道されているわけです。ですから、いや、そういう所得税恒久減税というのはもう考えていない、やらないからそういう問題が出てくる心配はないということなのかどうなのか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 所得課税につきましてさまざまな議論が今までもありましたことは議員御承知のとおりであります。そして、所得税につきまして、日本の課税最低限が既に世界最高の水準にあることも御承知のとおりであります。その意味では、むしろ高額所得者の部分が他国より非常に税率が高いということが一つの問題として指摘をされております。同時に、各種の控除のあり方の問題あるいは資産性の所得課税の問題、さらに年金課税の問題等も論議の俎上に今までもしばしば上ってまいりました。そうしたものすべてを通じて、公正で透明性のある、本当に国民に活気を与えるような税制改正を行うことを目指して既に政府税制調査会は作業をいたしております。言葉の問題ではなく、より望ましい所得課税のあり方という姿での論議を行っている、これが事実であります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうしますと、今の答弁に関連してですが、税収を減らすようなことはやらない、税制は考えるけれども税収は減らない、したがって新しい財源という問題は出てこないと、こういうことですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が所得税としてお尋ねになりましたので、所得税の税制改正を考えている方向性は今申し上げたようなものであるという御説明を申し上げました。  税、これはさまざまな税制が存在し、それぞれにすぐれた特徴と、場合によっては欠点と言われる部分を持っております。それをいかに公平に組み合わせていくか、そして簡素な税体系、明朗な税体系をとっていくか、それは本来その時代その時代の国民の選択の問題でありますが、ただいま議員が所得税とお尋ねになりましたので、これは例えば地方税の部分まで含めてお尋ねかどうかがはっきりしなかったものですから、所得課税というお答えの仕方をいたしました。  これは法人課税においても同様の問題があるわけであります。地方税としての法人に対する課税がまた別の論点を持っておることは議員よく御承知のとおりであります。しかし、法人課税については、私どもは本当に三年以内のできるだけ早い時期に国際水準に近づけていこうということも方向性として出しておりますが、税制それぞれが持つよさと問題点、この組み合わせの中からその時代に一番合ったものを選択していくということは当然であろうと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私はここで税制のあり方を論議しようと思って質問に立ったわけではありませんけれども、今出ましたから、今の答弁に即して言いますと、そういう高額所得者の税率を下げる、それからまた法人税も下げる、今は話がなかったと思いますけれども、別の論議では基礎控除を引き下げる、こういう議論もこれまでありましたが、私はそういう方向での税制の検討というのには反対だということを申し上げておきます。  それは私どもの主張であるだけでなく、税制のあり方というのは、戦後の日本の民主主義的な税制の基本原則は所得税中心であり、そして総合制、累進制、生活費非課税というのが戦後を貫く原則だということを私は十二年前に大蔵委員になったとき以来、歴代の大蔵大臣から確認を得てきたところであります。  ところが、今の検討の方向は累進制を緩和する方向でありまして、消費税によって生活費非課税という原則が崩されてしまったこととともに反対であります。私どもは、基礎控除にしても引き下げるのではなく、長年据え置かれていますから引き上げるべきだという主張を持っておるということをここで申し上げておきたいと思います。  その上で、私が知りたかったことは、景気対策ということからの減税だということが先ほどから論議されておるわけですが、それが新たな財源を必要とするということが、この新聞報道にあるように赤字国債の発行をふやす、財革法の再改正にもつながる要因がある、これをどういうふうに考えるかという問題です。  そういう点で、今後、赤字公債発行、再改正の可能性が、これから二〇〇五年までの間にはまだいろいろ起こり得るだろうということも全く否定なさるのかどうなのか、それだけ確認しておきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど大蔵大臣が御答弁を申し上げましたことを繰り返すことになりますが、今回国会に提出をいたしました「財政事情の試算」、この中におきまして、目標の年次を二年延長することで要調整額の縮小が、今回の経済対策による国債費の増加などに伴う要調整額の増加を上回り、トータルとして各年度の要調整額が本年一月にお示しをいたしました中期財政試算に比較して縮小することになることは事実ですが、なお相当程度の要調整額が残ります。これは本当に歳出の中身にまで踏み込んで構造改革を進めていかなければならないという大きな課題でございます。そして、それでなければ特例公債依存体質から脱却できません。  同時に、この延長いたしました二年というのは、ちょうど戦後のベビーブーマー世代が六十歳になるという時期であり、G10の計算、報告によりますと、我が国の貯蓄が急速に目に見えて減少し出すと言われている時期でありまして、後ろにまで大きく尾を引きすることが果たして可能なことかどうか。それが難しいということは御理解のいただけることでありましょうし、ただでさえ難しい要調整額の縮減でありますけれども、全力を尽くして我々は努力をしていこうとしていると繰り返して申し上げます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 否定はできない。去年の十一月に決めた財軍法の計画が一年もたたない初年度からつまずいているわけでして、それが示すように、今後とも次々にいろいろな形でそれが起こることを既に自民党の責任ある人が相次いで発言している。それが新聞報道にもあらわれている。したがって、私は、この財革法の改正というのは今回一回で終わるものではなく、次々と繰り返さざるを得なくなると思います。  私どもは、そういう意味で、この財革法をつくったこと自体が間違いであった、全く見通しが狂った選択を政府がやったというふうに、時間がありませんからここでは申し上げておいて、どうしてそういう去年の十一月に決めたことをすぐに変更せざるを得ないようなことが起こるのか、その問題を幾つかお伺いしておきたいと思います。  私は、結論からいえば、政府が大蔵省とか経企庁の政府に都合のいい経済見通しを唯一のよりどころにして進んできたこと、そこに問題がある。本当に客観性のある経済見通しに基づかない、いいかげんな恣意的な経済見通しに基づいて政策運営をやってきた、その破綻がこの財革法の破綻という形で端的にあらわれていると思います。そのことを梶山さんは正直にこの文芸春秋でお書きになっている。大蔵省の言うことを信じて、そう思い込んで、金融危機の問題、不良債権の問題を余り考えなかった、その結果がこうなったんだ、私が知らなかったぐらいだから橋本総理も恐らくそういうことは知らなかっただろうということまで書いてあるわけです。  梶山さんはそういうふうにきちっと反省の弁を述べているわけですが、総理はどうですか。あなたはそうじゃなかったとおっしゃるんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 総理、官房長官にそれぞれの所管官庁から報告をされること、説明をされること、その内容に差異はありません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 問題はそれを総理は反省的には述べられない。述べられないと、今後ともそういう見通しを誤った根拠での政策運営が行われる可能性が残ると私は言わざるを得ません。  アメリカの議会にはCBOという連邦議会予算局、そういう権威ある客観性を持った調査機関があって、それが大きい力を発揮していると言われます。日本でもそういう機関の必要が叫ばれていますが、それが仮にできないもとでも、それを十分客観的な資料とみなすかどうかは別として、いろいろある民間機関の意見、そういう調査あるいは専門家の意見にもっとまじめに耳を傾ければ、このような破綻、次々と政策変更をやらざるを得ないで済むのではないかと私は思います。  各研究機関の経済見通しを見ましても全部違って、政府のような高い経済見通しを立てているのは、例外的にはあるかもしれませんけれども、ほとんどない。  私はこの前の十一月の議会の論議でも、そのとき出た論議に耳を傾けていればこういうことにならずに済んだと思うんです。それは野党が言っただけじゃなくて、ここにおられる与党議員の中からもそういう見通しの誤りについては多くの指摘がありました。私は今度当時の速記録を読み直してみて、民間の研究機関とか、あるいは与党であれ野党であれ国会の論議に耳を傾ける、そういう態度の足らなさがこういう初年度から変更をせざるを得ない形になっていると思います。  総理、そういうことを考える余地もありませんか。いや、総理に聞いているんだ。経済企画庁長官に聞いていない。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 政府の経済見通しにつきましては、客観的で公平であるということをモットーとしてつくっているつもりでございます。  政府に都合のいい見通しであるというようなお話が先ほど吉岡委員からございましたが、どういう見通しが政府に都合がいいのかということについても、私はできるだけ正しく客観的に見通しを立てるということが政策を決定する上に一番必要なことであるというふうに考えまして、私どもはいつもそのように心がけているつもりでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 その見通しが全く狂っている。それだけじゃなくて、当時において、その経済企画庁の見通しだけでなく、民間機関は政府と全く違った見通しを立てている、それにも耳を傾けるべきであるというのが私が言った点です。  私が去年の十一月二十一日のこの特別委員会で総理に言ったことは、大体二〇〇三年までに財政再建をやろうという計画そのものが無理があると申し上げました。日本共産党も今の日本の財政を慎重に検討した結果、これは三年や五年でできるものではないと。そこで財政再建十カ年計画というのを立てた。このようにこういう計画そのものが無理であり、こういうものを強行すべきでないということを申し上げました。  総理はそのときに、「このままこの国が衰退していくのを黙って見ているつもりはございません。」とおっしゃった。この二〇〇三年までに三つの目標を達成しなければ国が衰退するのを黙って見ていることだと。そうすると、その二〇〇三年までが終わっちゃって、早くも二〇〇五年に延ばさざるを得なくなっているわけですよ。  私がここで申し上げたいことは、こういう国会論戦に耳を傾けない、また大蔵省、経企庁の見通しを最大のよりどころにしていく政府の政治運営というのは、この財革法の破綻が示すように、国の政治そのものを破綻させるということを申し上げて、時間がなくなりましたから終わりにいたします。(拍手)

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 連日、総理を初め大臣の方々、お疲れさまでございます。もうしばらくでございますので、おつき合いをいただきたいと思います。  今回の財政構造改革法の改正の理由は、景気が極めて停滞しておるということから、この点の経緯につきまして、短い時間でありますが政府の姿勢をただしたいと思います。  バブル崩壊後、八年がたちました。二年前に住専国会と言われて住専処理スキームが出され、公的資金が投入されました。私は、六千八百五十億円はおろか五千三百億の農協の負担さえも出す必要はなく、あくまでも母体行が責任を持つべきだと主張をいたしました。このスキームは農協救済とまで言われたわけでありますが、私には大変不満でありました。  住専は母体行がお母さんでお父さんが大蔵省、産んで育てて不良にした、責任は大蔵省と母体行がとるべきだと橋本総理、久保大蔵大臣に申し上げましたが、このスキームは村山内閣のときでありまして、そのときの大蔵大臣は武村さんでありました。表に出せない総理のお気持ちは察するところがあるわけでありますが、そのとき、公的資金は住専のみで、今後は信組は例外としてほかには公的資金は出さないということでしたが、既に二十一行に公的資金が使われております。  我々が主張し、また総理もおっしゃっておったことは自己責任の原則でありました。いまだ役員が責任をとった話は聞きません。経営責任の明確化が必要だと考えておるところでありますが、総理としてどうお考えでありましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員のおっしゃるのは、あの二月に成立をさせていただきました金融安定緊急措置法に基づく措置のことであろうかと思うのでありますが……

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 いえ、違います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) そのことじゃないんですか。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 総理が一番詳しいと思いますので。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が御指摘になりましたように、確かに住専論議が非常に盛んでありましたときに私どもはそのように申し上げてまいりました。その後、いわばこれを突破口として不良債権問題というものに取り組んでまいりました。今たまたま大蔵大臣も触れましたけれども、これまで共同債権買取機構をつくり、金融三法を制定させていただき、さらに金融安定化二法の制定、早期是正措置の導入、その時点において必要と考えられる施策を講じてまいりました。今後SEC基準並みの、今後と申しますよりもこの三月期決算から主要行に対してSEC並みの基準によるより強化された基準でディスクロージャーあるいは不良債権処理の環境整備などを講じることにいたしております。  また、今回の総合経済対策の中にも盛り込んでおります施策の具体化を図りながら、政府、与党が一体となってつくっております協議会の中の作業を進め、この問題の抜本的な解決に取り組んでまいりたい、今そのようにお答えを申し上げます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 私は経営者責任の明確化が必要だと思うがということで御質問したわけで、総理としては、次の臨時国会等に予定されている法案等について、その後その問題も論議しようというような感じとして受けとめました。ぜひお願いをしたいと思います。  次に、金融機関の不良債権が当時、平成八年の三月期でありますが、三十四兆七千億円の不良債権があると大蔵大臣はおっしゃっておられました。今日までその不良債権の累積処理額は幾らになっておるでしょうか、教えていただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  平成四年度から平成九年度までの累計で申し上げますと、不良債権の処理、これが三十九兆二千億程度になっております。この額は、業務純益の同じ期間の累計が二十二兆でございますので、その業務純益をはるかに超える額の不良債権の処理をしたということでございます。不良債権の処理の中には直接バランスシートから落としたものもございますけれども、両建てで引き当てをしているというのももちろん含まれているわけでございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 わかりました。  そこで、四月一日に金融機関に対しまして早期是正措置が講ぜられたと思うわけでありますが、これは各銀行、早期是正措置によってその不良資産部分はすべて償却勘定に上げられて処理されておって、内部留保で消されているのはいいわけですが、赤字として繰り越しになったものはありますか、どうですか。あれば金融機関と信組もお願いしたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  三月期の決算で十九行の主要銀行は出ましたけれども、それ以外につきましても今鋭意決算の集計をし、そろそろ発表をする段階でございますが、各銀行ともに今回からは自己査定をし、公認会計士、監査法人の厳しいチェックを受けて適正な償却、引き当てというものをやって、それで決算を組むわけでございます。そういうものを私どもとしてはさらに検査等でチェックしていくということになります。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 全部の銀行から最終的に出てきていないわけですね。出てきた時点でどれくらいの銀行の数が赤字繰り越しになっているか、教えていただきたいと思います。  また、今度は農林大臣にお尋ねいたしますが、農協も三月三十一日時点でもうほとんどの農協、一部まだ総会の終わっていない、締めが終わっていないところもあろうかと思いますが、ほとんど終わっていると思います。農協での不良資産の処理は今回一括処理を通達でなされておるわけでありますが、幾つの農協が繰り欠になっておるか、教えていただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  本年四月からの早期是正措置の導入に当たりまして、各農協において本年三月期の決算における不良債権額に応じて適正な償却、引き当てを行うなど不良債権の処理を着実に実施しているところと承知しております。また、本年三月期決算の結果については、決算終了後、都道府県へ報告することとなっており、夏には農林水産省としてその取りまとめを行うこととなっております。  なお、平成八年度幾つかという御質問でございますが、百四十三でございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 平成八年度はまだ一括処理をしていないときでありますから、ことしの四月一日で一括処理ということになって一斉にやっております。  そこで、大臣は特にもうお詳しいし、いろいろと御配慮いただいておりますのであえて申し上げませんが、銀行と違いまして農協は営利を目的とする法人ではございません。本当に三十年、四十年かかって利益の出たものを組合員に、職員に、そして農協にということでためてきた内部留保、本当にわずかなもの、蓄積してきたものを今回一遍に落とすということになります。そういう営利目的の法人でないだけに懐が浅うございますので、どうかよろしくひとつ御指導と御支援をいただきたいと思います。  できますれば、四月一日時点で赤字繰り越しになった団体数が幾らになったか、わかり次第でもいいですから教えていただきたいとお願いをした次第でございます。  さて、きのうちょっと新聞を見ておりましたら、参議院選挙後の臨時国会において臨時不動産関係権利調整委員会なるものを設けて不良債権処理の検討をするというような、しかも三法案を提出するというようなことが載っておりました。預金者保護のための十三兆円の投入、そして今回の三法案を考えておられますけれども、不良資産の処理スキームというものは住専国会が済んだ後直ちに今御検討されておることをとられるべきではなかったのかなというふうに思いますが、総理大臣、いかがでございましょうか。大蔵大臣でも結構です。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、不良債権問題の早期解決のために新たな仕組みをつくろうということを政府・与党で実は検討に入ったところでございます。  その趣旨とするところは何かというと、先ほどから償却という話が出ておりましたが、今までの償却は一不良債権そのものを売却する本格的な償却をした分もありますけれども、その多くは不良債権を帳簿に残しながら、一方においてそれから発生する損に相当する分を引当金として積んでおく、そういう形での償却であるわけです。しかし、それでは終局的な償却ではありませんから、総理の言葉でありますけれども、バランスシートから不良債権そのものを消すということですね。それはすなわち売却するか、そして徹底した取り立てをして破産にかけたりなんなりすれば、それはそれでもう回収不能ということで消えるわけです。しかしながら、損害は顕在化するかもしれません。長い目で見て日本経済の活性化のためにそれを早くやった方がよろしいと、そのためのいろいろな仕組みを研究しておるわけであります。  その一つが、先ほど話に出ました権利調整委員会、これは我が国の任意競売、そういう手続にやや時間がかかるものですから、そこで話し合いで解決する場があってもいいんじゃないかと。なかんずく、銀行に借金したまま払っていない債務者というのは多重債務者が多い。一カ所にだけ借りているんじゃなくて、数カ所からも借りているという例がしばしばある。その場合の債権者同士の権利関係の調整も必要だろう。そういったことを合理的にスピーディーに解決する、そのための機関をつくろうというのが一つあるわけです。  それからもう一つは、競売法自身を改正してもっと早く民事執行手続が進むようにしていこう、そういうことも検討課題になっております。それから、委員会で今審査をしていただいている特定目的会社、この仕組みを使って……(「質問をわかっていないんじゃないか」と呼ぶ者あり)今、政府・与党で検討している債権の早期処理スキームを申し上げているところなんです。  そういったことを総合的に検討して、早く銀行等の不良債権の本格的な償却手続を進めていきたい、そのための仕組みを検討している、こういうことでございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 大臣から非常に丁寧に御説明をいただきましたので、時間がなくなってしまいました。私は、そのような取り組みを住専国会、住専の処理が終わった時点で直ちにそれをやるべきではなかったのではないでしょうかという御質問であったわけでございます。  もう時間がなくなりましたので終えなきゃなりませんが、どうぞひとつこの不良債権を一日も早くけりをつけないことにはせっかく経済政策、いいものを出していこうとしてもその波及効果が私は高まらないというふうな思いをいたしておりますから、特に詰めたところでございます。  どうもありがとうございました。(拍手)

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 私は銀行業界から自民党に対する政治献金の問題を取り上げたいと思います。  実はこの問題は何回も何回も国会で取り上げられているわけでありまして、私も予算委員会で一度質問した記憶がございます。しかし、こういう情勢下において改めて取り上げる価値がある、こう考えて取り上げさせていただきたいと思っておるわけであります。  銀行につきましては、住専問題があって、ただいまもお話に出ておりましたけれども、六千八百億という公的資金が投入された。それから、金融システムの安定化、預金者の保護あるいは銀行の破綻防止ということで膨大な公的資金が投入され、あるいはされようとしている、こういう状況下にございます。  最初に結論を申し上げれば、こういう状況下において、もはや銀行からの公的資金は与党である自民党さんはお断りになるべきではないのかと、これがまず結論であります。  今度は不良債権の問題処理が浮上してきたわけでありまして、これは今銀行にとりまして大変な負担になっておる。サミットでも指摘を受けまして、政府、与党が一体となってこの問題の解決に当たる、新しい法案をつくって銀行の不良債権の回収に全力を挙げていこうと、こういう時世になりましたらば、そもそも銀行サイドが、もうそこまで国民に面倒をかけておる、政府に面倒をかけておると、もうありとあらゆるリストラをしよう、むだな金と言っては恐縮ですけれども、今は政治献金などをしている余裕はない、これはもう打ちどめにして、それは預金者の保護とかシステムの安定化に回そう、よってもって辞退させてほしい、打ち切りにしてほしいと銀行業界が申し出るかと思ったら、全然そういうことがない。ちょっとあの連中はどうかしているのかなという気もするわけであります。  一方、自民党の方も自民党でありまして、これだけ政府、与党一体となって銀行の面倒を見ていくと、しかしこれは痛くもない腹を探られるのもどうだろうかと。政治献金をもらっているからあんなに銀行問題の処理について熱心なのかな、そういう痛くもない腹を探られる、これは思い切ってやめようというぐらいの御決断をしていただければと、こう思うわけであります。  現にきのうもおとといも申し上げましたけれども、山崎政調会長などは公的資金を使って不良債権を買い上げよう、こういう提案すらなされておるわけですから、国民サイドから見ましても、政治献金があるからその見返りとしてこういうことをやっているのかなと言う人がいたっておかしくないわけであります。  そこで、この問題が取り上げられるたびに総理の答弁は大体一貫しておる、見事なくらい一貫しておるわけであります。正当な政治活動資金としての受領はしないことにした、それは自粛したと。しかし、借入金の返済とこれは別でありますから、経理を別にして受け取っておりますと、こういうことであります。  これは筋道が通ったとみずからお考えなんでしょうか。明敏な総理のことでございますから、ちょっと無理だな、しかし一応言ってみるかというようなことではないかと、私はそれ以外に思い当たるところがないのであります。金に色はついておりませんから、例えば借入金の返済にその金を使えば、浮いた金はどうするか。それが政治活動資金に使われるわけでありますから、結局その分自民党の金が浮いたんだろうと。簡単な問題であります。  さらにわかりやすい例を挙げたいと思いますけれども、暴力団、山口組が適当かどうか知りませんけれども、山口組が我々も日本人だ、政治をよくしてもらうために自民党に献金しようと、こういうことを申し出てくれば、さすがに受け入れることはないんだろうと思います。これは国民感情に反する、政治的、道義的に考えても受け入れるべきではないということでお断りになるんだろうと思います。うちの総裁は借金の返済のためならいいと、こう言っているから、そういう名目で受け入れようかと考える事務職員もいないと思います。受け入れるべきでないものはどこまで行っても受け入れるべきでないわけでありますからお断りする、それだけのことだろうと思います。  それから、わいろの例を引き合いに出したいと思いますけれども、わいろの授受は法律で禁止されております。お金をもらって飲み食いに当たればこれはわいろと。しかし、自分は銀行から金を借りてローンを組んでおると。その銀行から、お役人さんいつもお世話さまでございますと言ってお金を持ってくる、ローンの返済に充てる、これならいいだろうと。自民党の総裁にして一国の総理大臣がそういうことを言っているから、自分も自民党も同じことであろうと言ってそれを受け取れば、それは無罪になるかといえば、そんなことはないわけでありまして、もちろん立派なわいろであります。  わいろと自民党の政治献金の受領、これがどう違うのかということになりますけれども、全然違いはしない。わいろは法律で禁止している。自民党の場合には、政治的、道義的に考えて銀行の政治献金は受け取るべきではない、こう考えられた。法律と道義というのは同じレベル、むしろ道義の方が上だと言ってもいいわけでありまして、道義上許されないことの中の本当に必要な幾つかのことだけを法律が取り上げて禁止している。道義的に許されないことはもう法律以上だと、こう考えてもいいわけであります。  いろいろな考えがあって受け入れるべきではないと言ったものを、借金返済、借入金返済のために受け入れるというこの発想が私は全然理解できないのでありまして、どうかひとつわかりやすく、これは国民の多くの人たちも全然わかっていないと思いますから、説明していただければと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 不敏な私には議員に御納得をいただけるほど議員のように多彩な比喩を用いて説明する能力を持ちません。そして、今までも申し上げてまいりましたように、住専等により、都銀、地銀からの献金を自粛してまいりましたが、改めて金融システムの安定のための公的資金投入ということにかんがみまして、過去における借入金の返済に充当するものを除いて、銀行業界からの政治献金を自粛することにいたしました。そして、これが政治資金規正法上の寄附に当たることを私は認めております。  ただし、ただいま議員は、政治資金とわいろは同じ性格だと言われましたが、私はそうではないと。わいろはわいろです。政治資金は政治資金規正法において許されている寄附行為です。これは司法にお詳しい議員とは思えない比喩を用いられたと私は思います。政治資金規正法という法律は現に存在をし、その中における寄附というのは法的に認められたものであります。  そして、借入金の返済に充てますために、平成七年からの計画として各方面から御協力をいただく政治資金、これは我が党の経費に充てるための通常の献金に関する一般会計には入れておらず、両者は性格の異なるものとして全く区別して扱っておりますので、そのように御理解をいただきたい。  従来から申し上げておることを変更できるほど私は明敏ではございません。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 何か大変な誤解があるようでして、私は政治資金とわいろとの比較なんか一切しておりません。山口組が政治献金を持ってきたらどうするかと、こう聞いたわけであります。それだけのことであります。これを受け入れるかどうかということであります。何か誤解があったのではないかと。恐らく受け入れないでしょうと、そういうことを私は言ったのであります。それはなぜ受け入れないのか。やっぱり受け入れるもの、受けられないものの一線があるからだろうということで言ったわけであります。  しかし、裏口といいますか、借入金ならばいいという発想が一体どこかも来るのか、私は全然わからないんですよ。金の性質には変わりがない。受け入れない、自粛すると、こう決めたら、借入金の返済がいいだろうという発想が一体どこから来るのか全く理解に苦しむ。理屈にならないと思いますよ。その浮いた金は政治活動資金に回すんですから、政治活動資金をもらったことと全く変わりないわけでございましょう。おかしいんじゃないでしょうか。これは理屈の問題というより、むしろ常識の問題であります。いかがでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党においてはそれぞれがつかさつかさにおいて、例えばこのような問題は経理局が詳細をやっております。  その上で、議員は先ほど大蔵官僚、銀行、住宅ローン、そしてわいろという一連の比喩をお使い。になりましたので、私は政治資金とわいろとは違うと申し上げております。それは議員がお使いになった比喩の中にあったことでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 また何か基本的に誤解をしておるようでありまして、お金を銀行からもらったといたしまして、それを飲み食いに使えばわいろと。ところが、自民党の言っておられるように、自分は銀行から金を借りてローンを組んでおる、そのローンの支払いに充てたんだからこれはいいんでしょうと役人が言っているようなものだと。政治資金の話なんか全然しておりませんよ。何か誤解があるようですけれども、これは時間の関係もありますから、(発言する者あり)ちょっとうるさいですよ。また改めて議論したいと思います。  やっぱり自民党がやめたということを宣言していただくまで私はこの問題を追及したいと思います。これは倫理の問題だと言ってもいい、政治の道義の問題だと言ってもいい。片方でやめたと言っておいて、借金払いのためならいいと。こんな理屈が一体まともな議論でしょうかね。よく考えていただきたいと思います。  終わります。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 たまたま期せずして先ほどの吉岡議員と実は同じ質問通告をしておりましたので、若干観点を変えてお尋ねをいたしたいと思います。  これまでの答弁をずっとお聞きしておりますと、総理は確かに高額所得者に対する減税をやるというお答えはしておりません。しかし、もし税制調査会がそういう答申をされたときに総理はそれを行うでしょうか、それとも総理の今までの考え方からいってそれをはねのけるんでしょうか。いかがでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ、ちょっと私は御質問の裏に隠れる議員の御意見を伺いたい感じがいたすのですけれども。  確かに、所得課税についての問題の幾つかの部分、一つは標準世帯で対比いたしましたときに各国に比べて課税最低限の高いこと、同時に高額、三千万円ぐらいから上の方々の負担が各国に比べて重いこと、そして平均的に所得課税の水準は低いこと、同時に議論をするとするならば、各種の控除のあり方、資産性所得課税のあり方、年金課税のあり方、さまざまな論点がありますということを申し上げてまいりました。  税制調査会が議論をされる時点においてどのような結論を出してくださるかわかりません。恐らくそれほど一つの税目の単純なお考えではないだろうと思います。しかし、そういうお答えが出てき、財源的にバランスのとれるもの、それだけの工夫のできるものであれば、税制調査会の答申というのは最大限尊重されるべき性格のものであることは申し上げるまでもないと思います。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 所得税の問題についてはいろんなことがありますね。総理がおっしゃったように、年金の課税、控除の問題、最低限度の問題、いろいろあります。ですから、当然、税制調査会で出してくる場合にはいろんな問題に触れてくると思いますけれども、その中で高額所得者の減税はやはり必要であるというような答申があった場合にはそれに従いますかどうですかということを聞いているんです。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、全体のバランスの中でそうした御意見が出てき、財源的にもそれなりに納得のできるものであれば、その答申というのは最大限尊重されるべきものだと思います。  その上で、所得課税の中には当然のことながら国税だけではない部分もありますので、所得税、住民税と並べて議論をしていきます。地方税の方についても何らかのお触れがあるだろうとか、いろんなことが考えられるわけでありまして、高額所得者の分だけをぽんとつまんで税調が答申されるというようなことは私は余り考えられないと思うんですが。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 私は高額所得者の減税だけをつまんで答申するなんということは言っておりません。いろいろな観点から総合的な判断として所得税のいろんな問題について答申されるでしょう。その中の一つとして高額所得者の減税という問題が含まれたときに、それをやりますかやらないんですかということを聞いたんですけれども、今の答弁を聞いてわかりました。要するに、出たときにはいろんなことを総合してやらざるを得ないでしょうということだというふうに認識いたします。そうでしょう。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が申し上げているのは、繰り返し同じことを申し上げるようですが、先ほど来、委員も提起をされ、私も自分の口にのせた既に幾つかの問題点が提起をされております。税制調査会は当然ながらそうした論点について議論されるでありましょう。そして、その答申というものを今から予測することはできませんけれども、答申が出てまいりました場合、財源構成その他は当然我々は考えなければなりませんけれども、最大限尊重すべきものと申し上げております。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 今のお答えを聞いていると、当然そういう尊重しなければならない立場にあるでしょうから、やらざるを得ないということになってくると思います。  さてそこで、次の質問ですけれども、九八、九九年度で四兆円の減税ということが出されております。それからもう一つは、総合経済対策の中で、法人税を三年以内に国際水準まで下げざるを得ないというような方針も出されております。これをやるということになると約三兆円くらいの金額かなというふうに推定をいたしております。そのほかに、今申し上げたような所得税のいろいろな減税が出てまいります。当然、恒久減税ということになるでしょう。その場合に、財源を一体どこに求めようとしているのかということです。  先ほどの大蔵大臣の答弁ではまことに抽象的であります。歳出に踏み込んで見直しをする、これは当たり前のことです。構造改革についても検討しなければならない、そういう中で赤字財政から脱却をする、これはもう当たり前のことですけれども、具体的に赤字国債の発行ということにどうしてもつながらざるを得ないんでしょうか、それともそうではなくして別な増税を考えているんでしょうか、具体的にお聞きしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 個人の所得課税、それから法人の所得課税、いわゆる法人税の関係ですね、国、地方両方でございますが、そのあり方につきましては、委員御承知のとおり、個人の所得課税の場合には、公正、透明、それで国民の意欲が引き出せるような税制のあり方というものを税制調査会にお願いして、そして検討していただいているわけであります。  そこで、当然、減税ということが税制調査会で打ち出されてくる場合には、過去の例からいってもそうでありますが、財源についての議論も一緒に出てきて、税制改正というその結論を出す場合には、財源のことも含めて議論が深められて、その結果、答申されてくるわけであります。  その場合に、委員の今の発言は赤字公債をやる気持ちがあるかどうかという話でございますが、私はどういう答申になるか予測できませんけれども、仮に恒久減税のために恒久的に赤字公債を出せというようなことであると仮定すれば、それは結局後世代へのツケ回しでございますから、そこで財政を預かる大蔵大臣としては、そのようなことにつきましてはこれは極めて慎重に対処しなきゃならぬと、こう思っているんです。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 税調がプラス・マイナス・ゼロまでのことを全部考えて答申されるのなら結構ですよ。しかし、必ずしもそうではない。今言ったように、結局は税制の改革をやろうとすればこれはもう大変な赤字につながっていくんだから、また国債を発行せざるを得ないということにも私はつながると思うんです。  それだけではないんですね。さっきもお話があったように、もう既に当初の計画そのものが狂ったわけでしょう。そして、経済成長率一・九%というのをもう既に変えてしまって〇・一%になっている。しかも、〇・一%もふえないでしょう、マイナス成長になるでしょう。こういうものはまだ少し続くはずですよ。ですから、初めからもうこの構造改革の二〇〇三年ですか、今度は二〇〇五年赤字国債ゼロということにはなかなかなってこないだろうと思うんです。  そうすると、もう初めから狂っているんですから、これからそれじゃどういうふうにその狂ったものを改革していこうとするのか。これはどうしたって二〇〇五年にはゼロにしなきゃならないわけでしょう。そして、その二〇〇五年には赤字財政そのもののGDPに対する三%も実現しなきゃならない。財源がないじゃないですか。そのままずっと赤字国債で行くなんということになったら大変なことになると思うんです。そうなると、やっぱりこれはどこかで増税ということも考えざるを得ないのかと私たちは思うんですが、どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) もう時間が来たそうでありますから簡単にお答えしますが、増税を国民にお願いするような情勢ではない、こう思っております。赤字公債を大量に増発していくなどということはやるべきじゃない、こう考えています。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 そんなにうまくいくのなら何にも心配ありません。  終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これにて質疑は終局いたしました。  法案の所管大臣以外の大臣は御退席いただいて結構です。  これより四案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、政府提案の財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三法案に反対する立場から討論を行います。  まず、財政構造改革法改正案に反対する理由を申し述べます。  総理大臣は言うまでもなく国家のためにその身をささげる覚悟がなければなりません。しかしながら、橋本総理は、御自分のメンツを守るためには我が国が破局に向かって突き進むこともお構いなしの姿勢とさえ思えるのであります。その象徴が今般改正案が提案された財政構造改革法であります。  政府案の最大の欠陥は、私どもを初め野党各党が主張し、経済界など民間も支持する大型の所得税恒久減税が事実上不可能なことであります。財政構造改革法自体が、資源配分をゆがめる現在の国債区分を前提とした財政赤字削減目標、硬直的なキャップ制、しかも特別会計や補正予算が抜け道となっているなどの問題点を多く抱えており、構造改革とは名ばかりの財政構造温存・一律歳出削減法と批判されてきましたが、これらの点は全く手つかずとなっています。  私どもは、政府案のような小手先の手直してはなく、思い切って二年間程度財政構造改革法の施行を停止し、その間景気対策に全力を挙げることができるとともに、現行の財政構造改革法そのものを抜本的に見直すことこそが必要と考えます。  次に、所得税及び個人住民税の特別減税の積み増しに関する三法案に反対する理由を申し述べます。  政府案のような場当たり的な特別減税の繰り返しては消費刺激効果も極めて限定的であり、また所得税の課税最低限が四百九十一万円に上昇するなど、税制のあり方として極めていびつな姿をもたらしていると言わざるを得ません。また、個人住民税減税はただでさえ厳しい地方財政を一層悪化させるものであり、地方分権の観点から見ても問題が多いと考えます。国民の怒りは日に日に増大しております。  私どもは、このような特別減税ではなく、税率構造の見直しなどを含めた三兆円規模の所得税恒久減税こそが消費を刺激し、自律的な経済成長軌道への回復を確実にするものと考えます。また、国民によくわかる具体的な方策として、例えば消費税率の削減や公定歩合の引き上げなどを実行するべきですが、政府の姿勢は全くかたくなです。  以上申し上げました理由から、民主党・新緑風会としては政府提出の四法案のいずれにつきましても反対であることを重ねて表明し、私の討論といたします。(拍手)

釜本邦茂自由民主党

○釜本邦茂君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三法律案につきまして賛成の討論を行います。  昨年末の金融機関の破綻やアジア経済の混乱、それに伴う個人消費や設備投資の低迷等々、我が国の経済は停滞状態にあります。この停滞を打開するため、過去最大の総合経済対策を発表いたしました。この総合経済対策により、我が国の経済は速やかに立ち直り、活力を取り戻すものと思われます。  以下、四法律案の賛成理由を述べます。  まず、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、現下の厳しい経済状況のもと、財政構造改革の根幹は維持しつつ、特例公債の発行による思い切った財政出動という緊急避難的な措置を講じ得る枠組みを設けることは、不況からの脱却を図り、国民生活を守る上で必要やむを得ざるものであります。私どもは本改正案を時宜を得た措置として高く評価するものであります。  次に、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案及び地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案につきましては、所得税、個人住民税の減税により、冷え込んでいる消費者のマインドを好転させ、景気回復を図るという点で有効かつ適切な措置であります。また、中小企業投資促進や住宅取得促進のための税制改正もあわせて行われており、我々はこれらの措置により景気回復が早まるものと期待するものであります。  地方交付税法等の一部を改正する法律案につきましては、所得税、個人住民税の減税等による地方自治体の減収を補うための財政的裏づけが確実に行われたものとなっており、我々は地方から景気が着実に回復してくるものと期待しているものであります。  最後に、貸し渋りの解消を図る中小企業信用保険法等の一部改正案や補正予算の成立によりまして総合経済対策が実施され、景気が一日も早く回復することを期待して、私の賛成討論を終わります。(拍手)

海野義孝公明

○海野義孝君 私は、公明を代表して、政府提出の財政構造改革法一部改正案及び平成十年分特別減税関連三法案に反対する立場から討論を行います。  政府は桜の咲くころには景気回復の兆候があらわれるであろうとの発言を続けてきましたが、皮肉にも経済企画庁は来月早々にも景気後退宣言を行うと報道されております。  この景況感に対する判断と実態との対照的な相違は、平成九年度の景気判断の誤りと、それに基づく財政、金融など諸施策の強行により国民を不安と混乱に陥れているのであります。  そして、象徴的なことは、景気後退のさなか、昨年十一月末に財政構造改革法の成立を強行したことであり、平成十年度当初予算の審議が進められた二月ごろからこの財革法の改正やむなしの機運が高まってきたことであります。  バブル崩壊後の経済再建と財政再建の施策推進に当たり、政府はその基底部における対応を誤ったのであり、橋本内閣の責任は極めて重大なのであります。  財政構造改革法の一部改正案に反対する理由を申し上げます。  第一は、構造改革を伴わない一律的キャップ方式の踏襲ゆえに緊縮型当初予算となり、景気対策への機動性ある対応ができないことであります。  第二は、構造改革を伴わない建設国債依存型の従来型の追加予算が組まれるという構造的欠陥が常態化するおそれがあることであります。  第三は、財軍法で制約を受けない補正予算がキャップ方式による当初予算の縮減をしり抜けにすることが懸念されることであります。すなわち、補正予算の常態化は財政法二十九条の骨抜きとなるおそれがあり、財政再建に逆行することが十分懸念されます。  第四は、財革法改正の審議中に同法の再改正が言われるように、政府案では恒久減税は不可能であることであります。財革法の改正を余儀なくされているのは、総合経済対策により景気浮揚が喫緊の課題であり、そのために巨額の財政措置が必要であるからであります。しかるに、本改正案では効果の大きい恒久減税に踏み込めないことであり、特別減税方式の継続により税体系に大きなひずみが生じることは避けなくてはなりません。  第五は、財政構造改革の目標年次を二〇〇二年から二〇〇五年に延長することの根拠が不明確なことであります。今後の経済成長に絡む税収などにより、弾力条項の発動次第ではこの改正目標年次の再延長も考えられます。制度的構造に切り込み、合理的に改革、むだを排除することによる構造的歳出削減に取り組まないことによる欠陥であり、単なる目標年次の変更は数合わせにすぎないと思います。  特別減税関連三法案に反対する理由を述べます。  特別減税は戻し税方式のばらまき減税であり、政策理念の片りんをもうかがうことはできません。増税予告つき減税であり、消費に図らず財政の悪化を招くのみで、かえって先行き不安をあおるものであります。  政府提出の減税案は効果が薄く、デフレスパイラルの厳しい状態にある日本経済の打開策には到底なり得ないと思います。  今こそ我が党の提唱する六兆円の所得・法人税等の恒久減税と景気回復への即効性の視点から、従来の発想を百八十度転換し、すべての国民に商品券方式で給付する四兆円の戻し金方式を積極的に検討することを要求いたします。  以上申し上げたことから、財政構造改革法は抜本的な見直しを行うことが重要であり、二十一世紀までの三年間は経済再建集中期間とし、財革法はそのめどがつくまでの二、三年間は停止すべきであることを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三案に対して、反対の討論を行います。  今、不況と経済情勢の悪化はいよいよ深刻です。橋本内閣の責任は極めて重大だと言わなければなりません。  国民に対する九兆円の負担増が消費を急激に冷え込ませているさなか、野党の強い反対を押し切って財革法が成立したのはちょうど六カ月前でありました。そのとき我が党は、この法律が不況に追い打ちをかけ、財政もさらに悪化させるという悪循環に陥ることを厳しく指摘しました。事態はまさにその警告どおりになったわけであります。  こうした中、国民の暮らしを守る当面緊急の不況対策と国民本意の財政再建という日本の経済と進路にかかわる重大な問題での審議が十分尽くされないまま、今まさに今回の四法律案が採決に付されようとしていることは到底容認できないものであります。  財革法改定案に反対する第一の理由は、一切の聖域なき歳出削減という財革法の名目が崩れたにもかかわらず、国民生活に犠牲を強いる最悪の仕掛けだけはそのまま残しているからであります。すなわち、今度の総合経済対策で三兆五千億円の公共事業費を積み増し、巨大な聖域を生み出そうとする一方で、今後の医療、年金など社会保障の制度改悪を行う方向は何ら変えていません。  第二の理由は、財政健全化目標を二年間先延ばししたとしても、その達成の保証はどこにもないことです。審議の中で、国家財政の大前提である歳入、とりわけ税収でさえ政府の見込みどおりにいかないことが明らかになりました。二〇〇五年までに目標を達成する見通しは全くなく、早晩、財軍法の再改定が迫られることは明らかであります。  第三の理由は、新たに弾力条項を設け、現行財革法の根本を変え、経済活動の著しい停滞などと政府が一方的に判断した場合、赤字国債の発行を増発する予算を作成できるようにしているからであります。もはや財章法には道理もなく、その骨格はすべて崩れており、今とるべき道はその改正ではなく、きっぱり廃止する以外にないのであります。  また、今回提案されている二兆円の特別減税の継続も、二年限りの時限措置では景気対策の最大の決め手である個人消費拡大への効果は極めて限定的で、到底国民の期待にこたえるものではありません。所得減税については、基礎控除、扶養控除など人的控除の引き上げによる庶民に手厚い恒久減税を実施すべきであります。  とりわけ、今日の深刻な不況を緊急に打開するには、消費の現場で直接消費を拡大する抜本的な景気対策として、消費税減税が急務中の急務です。このことを強く求め、反対討論を終わります。(拍手)

星野朋市自由党

○星野朋市君 私は、自由党を代表し、政府提出の財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三法案に反対する立場から討論をいたします。  財政構造改革法は、既に我が国経済が深刻な危機に陥りかけた半年前に我々の反対を押し切って橋本総理が強引に成立させた法案であります。現状に照らして、橋本総理には財革法改正を言う資格はありません。  さて、政府提出の財政構造改革法改正案に反対する理由を申し上げます。  政府の財政構造改革法は目先の財政の帳じり合わせのみに主眼を置き、キャップ制によって歳出の一律削減を定めただけのものであります。社会保障にせよ公共事業にせよ、その制度的構造に切り込んで合理的に改革し、むだを排除したとき、初めて構造的支出削減となります。また、そのような支出削減のデフレ効果をどのような手段によって帳消しし、税収を確保するかを同時に組み込んだとき、初めて財政再建となるのであります。  政府の財政構造改革法は、今述べたように、根本の発想が間違っています。改正案によって目標年次を繰り延べてみても、特例公債発行枠を弾力化してみても、財政再建も財政構造改革も達成できません。まずは財政構造改革法の執行を停止した上で、真の財政構造改革、財政再建を断行するべきであります。  次に、特別減税関係法案に反対する理由を申し述べます。  政府・与党はいまだに特別減税でこの日本の危機的状況が救えると考えており、危機感の欠如は目に余るものがあります。特別減税は戻し税方式のばらまき減税で、政策理念のかけらもない上、期間経過後には増税が待ち構えている増税予告つき減税であります。将来の増税につながるという懸念から、減税資金は消費に回らず、財政の悪化を招くのみであり、かえって先行き不安をあおることになりましょう。  また、特別減税の方式を定額控除方式としたため、課税最低限度額が引き上げられ、非常に不公平な課税体系となっております。これはすべての税率の緩和を中心とする抜本的税制改革の阻害要因となることは明らかであります。  以上、各法案に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  次に、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  次に、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十分散会

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