行財政改革・税制等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/05/27
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております四案の審査のため、明二十八日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鎌田要人君 私からは、まず最初に財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について二点お伺いをいたしたいと思います。 その第一は、世上の一部に、財政構造改革と当面の景気振興策とは相矛盾するものである、したがいまして景気対策をとるときは前者すなわち財政構造改革の問題はしばらく棚上げすべきであると主張する向きがあるようでございます。このような見解は、我が国の経済の置かれました客観的な諸情勢に故意に目をつぶり、揚げ足をとるものと許せざるを得ないのでございますが、現状を直視しますときは、財政構造改革を進めつつも、その時々の状況に応じて適切な財政・景気対策を講ずることは当たり前のことでございます。 そのように考えるのでございますが、まずこの点の大蔵大臣の確固とした御見解をお伺いいたしたいと思うのでございます。
○国務大臣(松永光君) 我が国の財政状況は、議員よく御承知のとおり、先進国中最悪と言われております。迫り来る高齢社会、そして少子という状況が続いているという状況を考えれば、もう本格的な高齢社会が目前に迫っていることは何人も認めるところであります。そういう社会になっても我が国のすべての人々が安心して暮らせる福祉社会、そして経済の活力を保持する、そういったことを実現するためには適切な財政力がなければなりません。そういう状態をつくり上げるためには、現在の最悪と言われる財政状況を着実に改革していかなければならない。すなわち、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではないというふうに思っております。 したがいまして、そのときそのときの経済・景気動向に対応するための景気対策を打ちながらも、財政構造改革ということは常に念頭に置いておかなきゃならない、できる限りの改革の歩みを続けていかなきゃならない、私はそう考えております。
○鎌田要人君 全くそのとおりでございまして、私がこの考え方を最初にあえてお伺いしましたのは、その点をもう一遍しっかり確かめた上で次の質問に入ります。 第二に、改正法案では、財政構造改革の当面の目標といたしまして、国、地方の財政赤字の対国内総生産の比率を平成十七年度に百分の三以下にするということでございますが、現在の国、地方の赤字の状況から考えますというと大変な努力を必要とすると考えます。 したがいまして、この点に関しまして、大蔵大臣及び自治大臣のしっかりした覚悟のほどをお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(松永光君) 今度のお願いをしておる改正法案で、財政構造改革の目標年次を二年延ばさせていただきまして二〇〇五年にさせていただくわけでありますが、そうであっても二〇〇五年の時点での国、地方を通ずる財政赤字をGDP比三%以下に抑えるということは、相当な努力、そして相当な苦労を要することであります。 しかし、毎年毎年の予算編成の過程において、いわゆる要調整額を、歳出の徹底した見直しあるいは重点化、効率化を進めて、大変な苦労を伴いますけれども、ぜひとも目標達成年次に目標を達成するようにしなきゃならない、そう私はかたく決意をしているところでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御承知のとおり、地方財政は百五十六兆の残高を残すほど大変厳しいものでございまして、地方債は今回の補正で百六十兆にも及ぶわけでございます。 また、毎年毎年税収が伸び悩んでおりますから、大変苦しい状況で地方財政計画を立て、地方団体は予算編成をいたしておるわけでございます。さらにまた、財源不足がここ五、六年恒常化した状態にあるわけでございまして、その財源不足も補いをつけていかなければなりません。それらはすべて公債費の累増になっておる。そして、景気がずっと悪い状態でございますから、税収も伸び悩むという極めて厳しい状況にあるわけでございます。 このような状況等を認識した上で、覚悟を決めて財政構造改革や地方団体における地方財政の健全化に取り組まなければならないものと、このように考えておるところでございます。
○鎌田要人君 いずれもこれは非常な決意を要する問題でございますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それを前提にいたしまして、税制改革に関する事項について一、二お伺いいたします。 まず、今次の税制改革の大きな問題でございます所得課税の減税と消費課税の増税の問題に関連してでございます。 所得課税の減税で、その課税最低限が夫婦子二人で所得税については四百九十一万七千円、住民税におきましては四百二十七万三千円ということでございます。この額は、考えてみますと大変な高額でございます。それに引きかえまして、所得税の最高税率、これは住民税と合わせて六五%に上っております。 したがいまして、欧米諸国並みに課税最低限を引き下げるとともに、高額所得者の税率を引き下げる。両方引き下げ引き下げですね。このことが税制改革上、理論的に正しい態度であると思うのでございますが、この点に関しまして、大蔵大臣、自治大臣の率直な御見解をお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のとおり、さきに行った特別減税、そして今回審議をお願いしておる二度目の特別減税、これによりまして標準世帯での課税最低限が四百九十一万に上がっておる、そのとおりでございますが、これは景気対策のため、すなわち減税効果をできるだけ早く国民のもとに届ける、そして中低所得者の消費意欲がわき出てくるような、そういう減税を特別にやらなきゃならぬという景気対策としての特別減税をした結果、委員御指摘のとおり、課税最低限が四百九十一万に上がったわけであります。これは、あるべき税の姿を実現するためのものではなくして、あくまでも景気対策としての特別の減税措置をした結果そうなったわけであります。 委員お話しのように、望ましい所得税課税はどうあるべきかという見地からすれば、委員御指摘のような議論があることは承知いたしております。しかしながら、税というのは国民生活に直結するものでありますから、そこで税の専門家を中心に各界各層の代表的な方によって構成されておる税制調査会、ここに政府としては、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような税制を目指して本格的な、また幅広い論議をしていただく、そのことをお願いし、現在、税制調査会の基本問題小委員会で委員御指摘の問題については論議をしていただいているところであります。 先ほど申したとおり、税というのは国民生活に直結するものでありますから、そういう観点から税制調査会に論議をお願いしている以上、政府の方であらかじめ一定の方向性を持った意見を述べたり、あるいは一方的な方向づけをするような言い方というものは適切でない、こう思いますので、あくまでも税制調査会で幅広く、腰を据えて論議をしていただいて、その結果を待ちたい、これが現在私の言えることでありますので、その程度でひとつ御了承願いたいのでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) お尋ねの件につきましては、政府税調の中に基本問題小委員会が設置をされて既に審議がスタートいたしておるところでございまして、その審議に当たりましても、地域の費用につきましては住民がその能力に応じて広く負担を分任し合うという個人住民税の性格等もその視野の中に入っておるわけでございます。 特に、委員御指摘の点でございますが、課税最低限等の問題につきましても、国民生活等の実態等もよくにらみながら、さまざまな角度から広く検討が行われるもの、またそうならなければならないと思っております。 特に、委員のただいまの御提言等につきましては、行財政、税制、また地方にあっての住民生活の実態をよく御理解の上での御提言でございますから、重く受けとめさせていただきたいと思います。
○鎌田要人君 両大臣の御意見はよくわかりましたが、若干私は不満があります。といいますのは、今度の減税措置、これは定額方式をとっておられるんです。この定額方式をどういうわけでとられたのかということをひとつお伺いしたいんです。 これは、もうある意味において既に済んだことでございますが、これが課税最低限の引き上げに非常に大きな影響を持っているわけです。それで、この課税最低限の上がることは当然でございますが、今度はそれを下げろということになりますと、これはなかなか大変だと思うんですよ、理屈は理屈としまして。上がったものを下げるというのは、これは大変な御苦労が必要だと思うんです。それと今度の減税措置の問題を絡めて考えますと、これは正直言いまして、やってはならぬことをやられたという感じが私はしてならないんです。 その点の大蔵大臣の御意見を率直にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 今回の特別減税の方式として定率ではなくして定額方式でやった、その結果として課税最低限が上がったという点でございますが、結果においてはそうなったことは事実であります。 問題は、税の実務面の問題点が一つあったようでありますが、その点については主税局長から答えさせます。 もう一つは、ある時期に集中的に減税の効果を国民に届けることによって個人消費を盛り上げる、それによって景気の回復を速やかに図りたいという考え方もあったのであります。 そして、課税最低限が上がったということは、先ほどもちょっと触れましたけれども、景気対策としての特別の措置によるものでありますから、所得税そのもののあるべき姿として上がったものではないわけでありますので、景気の動向がよくなって特別措置の必要性がなくなればその特別措置はおしまいになる。しかし、そうすることは非常に批判が出てきたりするおそれはないわけではありませんけれども、恒久的な税のあり方を考える場合には、特別措置としてやったことは別にして、望ましい税のあり方の方に戻していき、そして改革をしていくのが筋だというふうに私は思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 住民税の性格からいたしまして必ずしも望ましい性格ではないじゃないか、全くそのとおりだと思います。今回の特別減税は景気対策の一環としてやった、あくまで景気対策だと、そういう意味で、個人住民税の課税最低限のあり方等を今後検討するに当たりましては、基本に立ち戻った議論が必要であると私は考えております。 この定額方式にしたということについては、事務方からお答えをいたさせます。
○政府委員(尾原榮夫君) 今回御審議をお願いいたしております特別減税、定額方式でお願いしているわけでございます。これは御承知のように今年二月から始まっている特別減税でございますが、大臣からお話がございましたように、できる限り早い時期に、しかもまとまった額で、平成十年分の所得税を対象にと、こういう要請がございました。そういうことから、定額方式でこれはやらせていただいたわけでございます。 それで、今回の特別減税を追加するに際しどのような方式でやるか。 これは税制調査会でも御議論になったわけでございますが、景気対策である以上できる限り早い時期にまとまった額でという要請は同じでございます。と同時に、平成十年分の所得税を同じように対象にするものでございますから、いわゆる事務をなさっていただく源泉徴収義務者の方にも複雑なものになってはこの減税ができがたいということになってまいります。したがいまして、当初の定額方式に引き続きまして、今回も定額方式で景気対策の減税をお願いするということにしているわけでございます。
○政府委員(成瀬宣孝君) お答えいたします。 住民税につきまして特別減税を定額方式によることといたしましたのは、まず今回の特別減税が所得税、個人住民税一体となって行いますものでありますことから、両者が同じ方式をとることが適当であるということ、また納税者が簡単にみずからの特別減税額を算出できるなど納税者にとりましてもわかりやすいものとする必要があること、そして実務的にも簡便なものとする必要があることなどが主な理由でございます。
○鎌田要人君 政府当局とされましては、大臣以下、定額方式をおとりになったからその定額方式に固執される気持ちはわかります。また、源泉徴収される人たちの苦労をできるだけ軽くしてやろうという気持ちもわかります。 ただ、税というのは、先ほども申しておりますように、国民の側からしますと取っていかれるという気持ちがまた強いわけですね。それで、二年か三年か知りませんが、景気が回復するまでの特別措置だよ、それから後はまたもとへ戻るんだよということで、納税義務者が果たして、はいそうですかということになるかということなんです、現実の問題としまして。 そういうことで、私は大変なことをやられたなという気持ちを持っておるのでございますが、この点につきましては、けさほど読売新聞で、「あすでは遅すぎる 税制改革への提言」、私はこれを読んでおりまして、非常に我が意を得たという気持ちを持っておるわけです。こういう意見の人の方が多いんですね。 ただ、世間の中では政治家の皆さんを初めとしまして、税金は安くしてやる、サービスはよくしてやると、そういうことで当選される方が残念ながらおられることも事実なんです。また、それが国民の民度に合っている面もあるので、この点は私は非常に御苦労をされるだろうとあえて苦言を呈しまして、次に移らせていただきます。 地方税に関する事項でございますが、今度の地方税の減税を見ておりましての所感は、各地方団体いずれも財政窮乏のふちに臨んでおります。そういう中で、特に従来財政力が比較的にあると思われておりましたいわゆる富裕団体と称せられる東京あるいは大阪、兵庫、あるいは大都市にしましても大阪市、神戸市、こういったところが軒並み悲鳴を上げておられるわけです。また、県の中でも一、二の県ではもう財政再建に追い込まれておる、そういう県も少なくないわけです。 そういう状態をごらんになられまして、上杉自治大臣の率直な御見解を伺いたいんです。特に、地方単独事業は今までは、私どもが自治省におりましたころは、東京、大阪、こういった比較的財政力のある団体が手を挙げておりました。そういうところが今度は単独事業について非常に消極的だということを伺っておるんですが、この単独事業の消化の見通し、これからの問題でございますが、その点もあわせてお聞かせいただければありがたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、現在の地方財政は極めて厳しい状況にあるわけでございます。地方税や地方交付税の原資となります国税正税の伸び悩み、公債費の累増等によりまして大幅な財源不足が生じておるわけでございます。 交付税特別会計による借入金といいますか、地方債の残高が大幅に膨れ上がってきた。言うなれば、地方債の増発で財源不足を補っておるわけでございます。さらに、地方財政は地方税収等の低迷や減税によりまして、減収の補てん、景気対策等のためにさらにまた今回地方債の増発をやらなければならない。したがいまして、借入金の残高が急増いたしまして、十年度末には百六十兆円という多額になるわけでございます。 個別の地方団体の財政事情につきましても、公債費負担比率一五%以上の団体が、平成八年度の決算でございますが、全体の半分を超える五〇・三%でございますが、このような状況のほか、御指摘のような従来財政力があると言われた団体も厳しい財政状況に陥っている、財政の硬直化が大変心配をされる状況にございます。今後も、過去に発行した地方債の元利償還が、地方の場合には国と違って借入の年限が短いので、このこともしわ寄せになっておるわけでございますが、元利償還が増嵩を来しておるわけでございます。 このような状況のもとで地方分権は進めていかなければならない。地方分権を進めていきますと、地方団体に対しましては、住民に身近な政策というものは地方行政で取り組んでいかなければならない。そういう総合的に幅広に地域の行財政を担う地方団体は、大変厳しい状況がまた見通しができるわけです。加えて、高齢化社会、少子社会というものがまた大きくこれへ覆いかぶさっておる。 このように考えますと、総合的な地域福祉施策や生活関連資本の整備等の重要政策課題に係る財政需要が今後ますます増大をする、このように見通せるわけでございまして、このような判断に立てば立つほど地方財政は厳しい、このように認識をいたしておるところでございます。 それから、地方単独事業でございますが、私は今回の景気対策に際しまして、私の方から求めて地方六団体の代表の皆さんとお会いいたしました。そして、そこで大変厳しい御意見や地方の財政実態の厳しさというものを直接お聞きいたしたところでございます。そのような意見交換の場を通じ、また種々の機会を通じまして、事務的にも地方の財政状況の把握に努めてきたところでございます。 今回の一兆五千億の景気対策としての社会資本整備のための地方単独事業の問題でございますが、今回のものは、特に財政措置といたしまして四千億の地方交付税の増額を図ったところでございます。また、所要の地方債措置等も講じることといたしておるわけでございまして、できる限り自治省としてできることは対応し、また国庫当局とも、国の財政も厳しい折でございますが、このような措置を話し合ってまいりました。 おおむねこれまでの話し合いの経過の中で、若干時間をかけて申しわけありませんが、報告いたしますと、地方単独事業の追加要請に対しましては、これまで補正予算におきましては相当する額以上が計上されておるところでございまして、きのうも私申し上げたところでございましたが、例えば平成四年度は要請額一兆八千億に対しまして一兆九千二百億、平成五年度は三兆一千億、これは一次から三次にわたりましたので、三兆一千億の要請額に対しまして三兆二千四百億、平成七年度は一兆円に対しまして一兆五百億円と、この要請額を上回っておるところでございます。 地方団体におきましては、六月の補正議会、さらには九月の補正議会が定例化いたしておるわけでございますが、景気対策という趣旨にかんがみまして、臨時的な議会等も開催の用意のある地方団体もあると伺っておるところでございます。 今回の追加要請につきまして、地方団体の財政運営に支障がないようにあらゆる対応をしてまいったわけでございまして、今後も地方経済あるいは地域の財政状況、こういうものを十分見きわめながら、さりとて景気が悪ければ税収が増に転換するという期待は今のままですと持てませんので、何としても今回のこの総合経済対策を成功させていただきまして、景気をよくし税収増というものが図られますように、我々はあらん限りの努力をしていかなければならない。また、そのためには地方団体の御理解、御協力がなければなりませんので、できる限り御協力をいただきますように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○鎌田要人君 上杉自治大臣の地方自治に寄せられますお気持ちには私も心から感動いたしました。 ただ問題は、日本に都道府県が四十七ございますが、大部分の県、すなわち北は北海道から南は私どもの鹿児島県、沖縄県に至りますまで、大部分の県は交付団体でございます。また、二千あります市町村の中で、大部分の市町村は交付団体でございます。そういうところは、大臣のそういう熱烈なお気持ちにもかかわりませず、その日の糧に困っているのは我々個人と同じでございまして、財政の困窮に追いまくられまして、そういう地域開発とか、そういうことを考えておりましても、夢に似た状態のところが少なくないということをお考えおきいただきたいと思うのでございます。 特に、私の鹿児島県などというのは離島地域が多い。その離島地域は、一つの島が隣の島と一緒になりまして町村合併をしようとしましても、これはもう本当に荒海に隔てられておる島でございますから、小さい島でもそれぞれの島で一つの自治体を形成しなきゃならない、そういう実情にあるということを、これはちょっと釈迦に説法みたいですが、そういうところも頭に置かれまして、今後どのようにして地域の活性化を図っていくかということをお考えおきいただきたい。これは私の希望でございます。 そこで、次に法人事業税の外形標準課税問題につきまして、これは大臣にはしばらくお休みいただきまして、自治省の税務局長にお伺いいたしたいと思います。 一つは、政府の税制調査会のこの問題に対する取り組み、見解、これをお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 基本的なことですから、お休みくださいということでございましたが、私からお答えいたします。 事業税は現在、基本的には法人の所得に対して課税することとされておることは、これこそ釈迦に説法で、もう御理解いただいておるとおりでございます。これを事業の規模ないし活動量などをあらわす何らかの外形基準によって課税する仕組みに変更することが当面の課題とされておるわけでございまして、政府の税制調査会の中で今議論が始まっておるわけでございます。 地方法人課税の今後のあり方でございますが、昨年末の政府税制調査会の答申におきまして、「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」とされておるわけでございまして、これを受けまして、今年度の政府税制調査会において地方法人課税小委員会が設置をされ、五月十九日からその議論が始まっておるわけでございます。 事業税への外形標準の導入につきましては、具体的な外形基準として何を用いるのか、税負担の変動をどう考えるか、大変難しい課題でございますが、なお検討すべき重要な課題でございまして、制度の円滑な実施の観点から、所得による課税と外形基準による課税を併用するかどうかということ等も含めまして、これは今後政府税制調査会の小委員会の中で検討を進めていかなければならないもの、このように考えておるわけでございまして、そこでまとまりますと政府としてどうするか、こういう対応になろうかと思います。
○鎌田要人君 大臣に御答弁をいただきまして大変恐縮いたしておりますが、私は、法人だけそういう課税方式を変えられるということで、個人の事業税についてはどういう考え方をとられるのか、この点が前から私は疑問に思っておりまして、個人事業税と法人事業税と合わせまして事業税でございまして、法人だけが事業税の主体じゃないわけですね。でありますから、個人事業税をどう考えておられるのか、この点が私にはどうしてもわからない。その点も大臣、あわせてお答え願えますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 個人事業税への外形基準の導入についてでございますが、事業税への外形標準の導入につきましては、これは先ほど申し上げましたとおりでございます。今後、この個人事業税につきましても、じゃこれを外形標準にするとすればどうなるか、こういうことかと思うわけでございまして、やはり法人事業税と同じようにその外形基準をどういうものを用いるか、税負担の変動をどういうふうにとらえるのか、これに尽きると思っておるわけでございまして、これらが十分実態に即して検討されなければならない、このように考えておるわけでございます。 また、総体的な段取りがどうというところまでは行っていませんが、議論が始まったばかりでございますので、地方財政等の実態等も十分考えて、この問題の検討がまとまれば、政府として受けとめた上、判断をさせていただきたい、このように考えております。
○鎌田要人君 実は、私は昭和二十五年のシャウプ税制のときには今の自治省の前身でございます地方自治庁におりまして、その事務官でこの問題に非常に苦労したものでございます。その当時は、付加価値税という名目で事業税を付加価値税に変えるということで、これは画期的な税制改革だったわけですね。 ところが、二十五年の税制改正で付加価値税というのが設けられましたけれども、その当時、日本の実情は、付加価値という名前がまだそのころは経済学者の中でも御存じなかった。私の記憶によりますと、一橋大学の山田雄三という先生が「国民所得の計画理論」という著書で、昭和二十四年ごろに出された本ですが、注書きの中で、これを付加価値と呼ぶ人もいるけれども一般的でないという注釈がわざわざついたぐらいの時代でございました。 その時代に、付加価値税、最初は控除法でした。それから加算法になりまして、加算法の選択制を認めた。その時代の、私は当時の事務官でございまして、その考え方からしますと、今日は付加価値という名前は一般的に経済学者のみならず一般の人も使っておりますから、これは付加価値税という名前で私は立派に通用すると思うんですね。 問題は、その場合に、法人と個人と区分けをしますと、法人の場合には付加価値税、個人の場合には事業税ということになりますと、これは税制の混乱を来すと思うんですね。でありますから、当時の付加価値税というのは、繰り返して言いますが、法人も個人も適用対象だったわけです。そういうことで、私は個人の問題に非常に拘泥しますのはその気持ちがあります。 それからもう一つは、付加価値税の導入につきまして、経過措置としまして所得課税の基準と付加価値基準と、これとを併用するという意見が前に出たことがありますわ。私は、それは非常にいいと。ただ、その併用する場合にも併用の割合という問題がありますからね。一方を六入れて一方を四にするのか、五分五分にするのか、あるいは三、七にするのかというその辺の技術的な問題も含めまして、この付加価値税を実現する最後の機会だと思うんです。今度できなければ永久にできません。 そうなりますと、冒頭に申しました所得課税が依然として残りますから、その分を外国でも所得課税の分を減らしまして付加価値部分に移る、こういうことが一般的な傾向でございますから、そういう点で、日本も地方税の場合には付加価値税というものをこれから重点に置いていかなきゃと思いますので、その点を特に留意していただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。(拍手)
○田村公平君 私は、品位がないとよく言われるものですから、なるたけ品のある質問をしたいと思っております。 そもそも私、財政構造改革の推進に関する特別措置法、この法案、実は大変愚かな法案で、自民党でなければ反対をしたかったんです。ただし、その措置法の一部を改正する法律案というのが当委員会で審議されることはまことにありがたいというかうれしいことで、この改正には賛成をしたいと思っています。本当はこんな法律、廃止してもらいたいと私個人は思っております。 大体、こういう法律をだれが考えたのか、ちょっと大蔵省に教えてほしいんですけれども。普通のまじめな政治家だったら、こんな平成十五年まで一切財政出動を認めぬとか、公共事業に関しては七、五、三、対前年比マイナス七、マイナス五、マイナス三、そんなばかなことを普通の政治家なら考えないんですよ。だれかが入れ知恵したと思うんですけれども、だれが入れ知恵したんですか。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 財政構造改革法の立法の経緯ということでございますが、御承知のとおり、昨年の一月以降、半年に及びまして、政府それから与党の関係者がメンバーとなっております財政構造改革会議、ここにおきまして、基本的には、主要先進国中最悪の危機的な状況であるこの財政を放置しておくと将来的には大変なことになるという経済審議会の行ったシミュレーション等がございます、破局のシナリオと言われておりますが。 このような負担を子や孫の世代に残すことは絶対に避けなければならないということで、この会議におきまして、二十一世紀に向けて明るい展望を切り開くためには、経済構造改革を進めつつ、財政構造を改革し財政の再建を果たすことが喫緊の課題であり、かつ歳出の改革と縮減を具体的に実施する観点から法案を策定し、できるだけ早期に成立を期すべしということが財政構造改革会議において決定されたわけでございます。
○田村公平君 あなたね、東大法学部を出ておって、いろいろいかがわしいやっとつき合ったりしておる暇があるらしいけれども、全部わかっておるんだ、こっちは。もっとまじめに答えろよ。聞いたってしようがない。おまえらが入れ知恵したに決まっておるんだよ。普通の選挙で選ばれる政治家はこんなばかなことは思いつかない。財政危機も全部わかっている。 じゃ聞くけれども、これだけの国、地方を合わせての大赤字をつくって、君たち大蔵官僚は、私らは選挙区がありますよ。それは弱い部分がおる、選挙に上がらぬと、上がって何ぼの世界だから。じゃ、公僕として職を賭して時の大臣なり政務次官をいさめたことがありますか。ないじゃないか。垂れ流し垂れ流しで、糊塗し、ごまかしごまかし、気がついてみたら、銀行だって、最初は二十何兆がいつの間にか八十兆だ、やれ百兆だとごまかしてきたんじゃないか。自分らはいいところへ天下りし、遊びほうけ、おれらは毎日真剣勝負やっておるんやで。もう聞きたくないよ、君の話は。 ところで、実は昨年七月二十二日から八月一日まで十一日間、参議院の院派遣で特定事項調査議員団第六班、毎日毎日泊まる宿が変わる。ですから私、紙の下着を持って参りましたが、宮沢弘先生を団長にODAで視察に参りました。 ちょうどタイの大蔵大臣にお目にかかったときにまさにタイ・バーツの危機がありました。そのとき、大蔵省から出向しております一等書記官か二等書記官か忘れましたが、宮沢団長ともども、これは一タイ国のタイ・バーツの危機だけじゃない、ASEAN諸国に大変大きな影響が出ますよ、本省に報告してくださいと、本省というのは外務省じゃないですよ、大蔵省に、そういうことを申し上げました。 タイ、マレーシア、インドネシア、三カ国ぐらいで結構ですが、大蔵省は随分他の省庁に比べると俗に言うアタッシェというのをいっぱい出していますが、大体何人ぐらい出しているんですか。
○政府委員(溝口善兵衛君) 今年一月一日現在でございますが、タイの大使館に二名でございます。フィリピンの大使館が二名、それからシンガポールの大使館が一名、マレーシアの大使館が一名、インドネシアの大使館が一名、合計七名でございます。
○田村公平君 昨年七月にタイ・バーツがおかしくなってきた、そういうことについて、在外公館におるアタッシェを通じて、大蔵省は、このアジアの通貨危機、当然私のような金融もわからぬ、財政もわからぬ人間ですら容易に予測できることについて、あなた方は一体どういう情報収集をし、どういうシナリオ、つまりA案、B案、C案、どういう対応をしておったんですか。
○政府委員(黒田東彦君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘のとおり、タイのバーツが七月二日にフロートして以来、ASEAN、アジア地域の通貨危機が広がったわけでございます。各国に出ておりますアタッシェからの情報もございますが、IMF国際機関からの情報、それからアジア各国を含むいろいろな国際機関での情報等を総合いたしまして、当時、振り返ってみますと、タイについては、おっしゃるとおりにいろいろな問題があるということはIMFを含めて我々も相当認識をいたしておりました。 それに対して、タイの支援をしなければならないということで、IMFを中心に東京で支援国会合がございまして、IMFが四十億ドルを支援するというときに、日本も含むアジア諸国が百億ドルぐらいさらに加えて支援するということにいたしまして、何とかタイの通貨危機が広がるのを防ぎたいということで努力はいたしました。 しかし、残念ながらインドネシアあるいは韓国というふうに非常に広がってまいりまして、それに対して、それぞれの場合にIMFを中心とした支援はしてまいりまして、今、タイ、韓国は為替、金融については一定の安定は見ておりますけれども、経済は依然として深刻、インドネシアはまだまだ安定に至っていないということでございまして、御指摘のとおり、当初に最大限の努力はしたつもりでございますが、それを上回る深刻な状況で広がった。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたとおり、タイについては確かにある程度予測しておりましたが、IMFも含めて我々皆、韓国、インドネシアにこれほどの深刻さで広がるというふうに認識しておらなかった、その点はまさに反省する必要がある、これはIMFも認めておりますけれども、我々もそういうふうに考えております。
○田村公平君 実は同じ時期に、去年の七月に、インドネシアのギナンジャールさん、これは大変な実力者でありまして、日本で言うと大蔵大臣兼経済企画庁長官兼建設大臣みたいな役を当時やっておられた。東京農工大も留学されて、大変頭のいいというか、政策通であり、私も実は御尊敬を申し上げている方でありますけれども、そのギナンジャールさんがタイ・バーツの危機について大変な恐れというか、おののきのような危機感を持っておりましたよ。 じゃ、もっとはっきり言いましょうか。その当時、インドネシアには大使がおらぬで、経済担当の何とかという公使がおりましたけれども、これは私と同じように単なる飲んべえ。昼はゴルフやって、商社にたかってODAをかすめておる、上前をはねておると言うとまた問題発言になるから、上前ははねていないと思いますが、いい格好しいだ、典型的な外務官僚。大体、情報収集能力がないんですよ、おれみたいなあほうがわかるのに。ギナンジャールさんが恐れおののいておる。 だから、マスコミも悪いんだけれども、政治が悪いと。政治が悪いと言われても困る。ついでに国会議員まで悪いと言われる。あなた方行政官がきちっとしておってくれたら……。政治と行政が一緒になってしまう。ここは立法府ですから、大蔵省にそんなことを言ってもしようがないんで、しようがないとはいいながらもう一つだけちょっと教えてほしい。 日本の金融危機は政府がそれなりの住専よりも莫大な金を準備して何とか対応しておりますが、私、一番恐れておるのは日本の金融機関、邦銀含めて民間も随分出ていっております。タイ、インドネシア、マレーシア、三国に限りますが、どれだけの金をつぎ込んでおって、アバウトな数字で結構です。その金、もし日本国内であれば、例えば会社が倒産した、赤字が出たといってもお金は日本国内のどこかに残っているわけです。しかし、外国で倒産したらそのお金は本当に消えてしまうわけです。どれぐらい出しているんですか。
○政府委員(黒田東彦君) お答えいたします。 最新時点のデータが最近BISから発表されましたが、タイ、インドネシア、マレーシアに対する邦銀の与信残高、貸付残高を申し上げますと、タイにつきましては三百三十二億ドル、インドネシアにつきましては二百二十億ドル、マレーシアにつきましては八十六億ドルとなっております。 なお、これは銀行の融資でございまして、それ以外に一般の企業が中心となって直接投資をやっておりますが、これは残高ベースで一定の推計の入った統計でございますが、直接投資を申し上げますと、タイにつきましては一兆八千二百六十九億円、これはちなみに対外資産・負債残高統計という形で円建てで統計をとって公表しております。インドネシアが一兆九千九百四十億円、マレーシアが六千六百八十九億円となっております。
○田村公平君 東京三菱銀行を含め大手都市銀行の決算の報告もありました。軒並み赤字決算。それは多分海外投資の分は入っていないように僕は思うんですよ。もしその部分が、貸借表において資産勘定になりますけれども、いざ処分するとこれは赤字の部分になるわけですから、まさか急に、銀行を信用しておったんだけれども、銀行の赤字、北海道拓殖銀行もつぶれて、三塚前大蔵大臣のおひざ元の仙台の銀行が大蔵大臣在職中にパンクしたり、わけのわからぬことをやるのが大蔵省ですから、隠し事のないように臨機応変なというよりもきちっとした対応をして、余り政治家をだまさぬようにしておいてもらいたいなということを言っておきます。 そこで、実は建設省と自治省に絡む話でありますが、景気対策といいながら財政構造改革法、いわゆる対前年比マイナス七、マイナス五、マイナス三ということで公共事業は随分、縮減という言葉を政府側は使いますが、僕らに言わせたら削減でございます。ちなみに、私どもの高知県は、平成九年度十年度、似たようなものですが、当初予算は大体六千億円、借金が六千億円、県税収入が六百億円、県の役人に払う給料が七百一億円と、一割自治を切っておるようなところで、はっきり言って公共事業依存型の県であります。情けないけれどもこれが事実なんです。 私はもう百姓でなくなりましたけれども、せめて私が持っておった五反七畝の田んぼが銀座の四丁目にあればなと。もうこれは情けない。同じ日本国民でありながら生まれ育ったところが違うとこんな差がつくのかなという思いの中で、政府がダッチロールをするために、ゼロ国でやれ、前倒し八〇%超えると。これは現場の土木事務所や積算をやっておる県庁の役人も市役所も含めて市町村は大変なんですよ、徹夜徹夜で。補正はない、だからこの予算については絞りに絞って一番いいのを上げてこいと。 いっぱい要望があるんです。十日ほど前も、私の生まれ育ったところの隣の部落に奈路というところがあるんですが、そこで小学生の子供が土砂災害で二人死にました。そういうところに手当てをしてあげたいけれども絞れと、筋のいいものを上げてこいというから絞りに絞って上げてきて、もう補正はないといったら今度は大型補正、公共事業関連だけで七・七兆円ですか。それで前倒し発注しろと言われて一生懸命現場が頑張っておる、それへまた大型補正。迷惑するのは上の方じゃなくて下の方の現場の人間なんですよ。恐らくそんなことは建設省は現場主義でよくわかっていますけれども、大蔵省などは全然わかっていない。絞るときだけ偉いんや。 そういう実態が一つあるということを踏まえて、自治省の場合は地方単独事業で一・五兆円、そして交付税法、これは何回目の改正なのか、四千億円。地方に手厚くということはわかるんですが、現実問題として私ども高知県は、知事は補正は受け取れぬと、こういう声が聞こえてきております。 そういうことについて、先ほど先輩議員からもお話がありました、きのうもそういう話がありました。政府は本当に景気対策としてこんな大型補正を、それまでは絞め殺す話ばかりしておった。方針の大転換でしょう、政策の転換でしょう。ごめんなさいと言ってくれとは言わぬけれども、本当は政府はやっぱり国民に対して頭を下げて、間違っていました、だからこういうことをやりますよということを言ってもらいたい。言ってもらいたいだけじゃなくして、そういう現場の実質上の対応、これはどういうふうにやっていただけるかなというのを、建設大臣と自治大臣に。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。 従来、年度途中からの経済対策によります公共事業とか単独事業につきましては、その追加が行われます場合には、地方負担分については全額地方債を充ててきたわけでございます。これがこれまでの通例とされてまいりました。 今回は、大変厳しい地方団体の財政状況もありますし、また委員が今言われましたような地方団体にしわ寄せのいく問題等もありますから、私は何度も申し上げておりますように、地方六団体の皆さんとこちらから求めてお会いして、そして厳しい御意見を私はお伺いいたしました。 そのような対応をいたしまして、今回は、追加事業の地方負担分のすべてを地方債によって賄うようなことでは地方にとても受け入れてもらえない、私はそのような認識を持って、地方債によってすべてを賄うことは適当でないという判断に立って、一般財源措置を講ずる必要があるという判断のもとに特に四千億円の地方交付税の増額を図ることといたしたわけでございます。この増額分につきましては、各地方団体へ一般財源を追加配分することになるわけでございまして、財政の対応力がそれほど高まる、こういうふうに私は受けとめておるわけでございまして、追加公共事業のみでなく単独事業の円滑な実施に対しましても資するものだと、このように考えておるわけでございます。 特に、高知県でございますが、地方におきましては、国が補正をやろうとやるまいと六月県会、都道府県においては議会、市町村においても議会で、六月、九月は必ず補正の議会を開くわけでございます。したがいまして、これまでの実績からいたしますと、要請額よりもそれを上回っておることは先ほど鎌田委員からの質問にお答えしたとおりでございまして、六月、九月の補正を我々としては御協力いただくようにこれは全力を挙げて対応していかなければならない、また自主的なそういうことをしていただくようにいたしたいと。高知県の場合におきましても、六月の補正で公共単独、九月の補正でも公共単独の方向が決まっておるようでございまして、大変財政状況厳しい中でもこのような対応をしていただいておると大変ありがたく思っておるわけでございまして、何としても一兆五千億の今度の総合経済対策としての追加措置は実効あるものにしなければ地方財政はさらに厳しいものになる、そういう認識に立っております。
○国務大臣(瓦力君) 田村委員にお答えをいたします。 大変ある面では現場の状況につきまして御同情もいただきました。御案内のとおり、我が国の財政は厳しいわけでございますから、将来にわたる財政のあり方とすればどうするかという課題と、現下の不況に対しまして一日も早く回復軌道に乗せる、こういう面を持っておるわけでございますが、厳しい予算の中、さらに今般、景気浮揚、こういう課題もひっ提げて補正予算をお願いしておるわけでございまして、一日も早くこれを成立させて景気の浮揚に努めたい。その中で建設省の役割は極めて大きいと存じておるわけであります。 現場組織にとりましては、増大する事業の円滑な執行というのは御指摘のように大きな課題であると認識をいたしております。よって、従来以上に、例えば標準設計等の活用ということで設計業務等にかかわる課題を精力的に進めてまいるとか、設計、測量、現場技術業務等の外部委託の推進を図りますとかさらに工事の種類、現場条件等を考慮した概算数量発注の活用などによりまして、円滑かつ効率的な事業の実施に努めることといたしております。 まさに私もその責任ある立場で考えてみますと、選別をしながら精査して予算本体を組み上げ、さらに景気浮揚という一面、また雇用の問題等考えますと担う役割は大きいわけでありますから、これらが現場にとりまして極めて厳しい状況でありましても、歯を食いしばって頑張っていただきたいと督励をしながら努力をしたいと思っておるわけであります。 地方負担の問題につきましては、自治大臣から詳しく御回答がありましたから、答弁を省かせていただきます。
○田村公平君 そもそも、財政危機というよりもその昔から我が国が低成長時代に入って、補正はありません、あるいはマイナスシーリングと。ところが、必ず補正をやって、だから地方の土建屋さんは、補正がないと言っておったけれども補正はあるじゃないかと。結局、マイナス五%のシーリングをかけたけれども、対前年比から一割。皆、緊張感がないわけ。だから、自己資本を充実させて体力をつけたいと思っても、一億円の契約をとったら新車のセルシオに社長が乗っておる。本当の話ですよ。大体、鬼がわらを乗っけて、総ひのきの御殿をつくって、そういうことで厳しさと、そして地方の実情を、そして一番かわいそうなのは建設省もそうですよ、毎晩徹夜しています、急に方針が変わるものだから。そういうことのないようにお願いしておきます。 もう一つ、これは時間の関係があるので、私、外務大臣にちょっと大事なことを聞かぬといかぬものですからあれなんですが、僕は大学が済んでNHKに入りまして、最初に給料をもらった。所得税は天引き、一年後にいわゆる地方税、住民税、一年おくれて。それでNHKをやめて、うちのおやじの秘書になった。それでおやじが落選した。その時点で給料がない。一年分地方税はおくれて払わぬといかぬ。事情は全部わかっています、はっきり言って。税の仕組みは知っています。知っていますが、所得税は最初から取っていけて、地方税は一年後。これは何かうまい工夫をしてあげぬと、せっかく住民税減税をやったって、手続上、実感が余りないんですよ。 役所の人は皆定年まで、定年というか、途中から肩たたき、次官になり損ねたらどこかの外郭団体に天下りして、特殊法人というのは公務員と同じだから、余りそういう経験がないんだろうけれども、僕みたいに、おやじが二回落選して私も二回落選して職が転々とすると、本当に金がないときに、いや、人間というのは浅ましいもので、お金があるときは全部使ってしまっておるものだから、納税の義務はよくわかっていますが、後から税を取られる、そういう意識なんです。だから、今度の二兆円プラス二兆円の問題にしてもこれは自治省も大蔵省も考えてほしい。所得税と地方税セットでいけるような、それで年度末調整をやるとか、そういう工夫をひとつしていただきたい。どうせ答えはうまいこと言うことは大体わかっていますからもう要りません。 ところで、ここから先、ちょっと格調高くやります。 「二十一世紀はもうすぐ手の届くところまで来ています。我々は、新しい世紀を「平和と繁栄の世紀」として子供達に手渡すという大いなる責任を分かち合っています。国内改革という困難な作業に取り組む一方で、我々は、過去数十年間に我々が成し遂げてきたことを想い起こすべきです。東アジアは、勇気、創意、思いやり、協力、そして確信により、ここまで発展してまいりましたが、これからも現在の困難を乗り越え更にその先へと進んで行くことができるでしょう。生まれつきのオプチミスト(楽天主義者)として、」僕はオプチミストと言っておるのですが、「私は、より良い時代が正にそこまで来ていると確信しています。」。 実は、この五月四日、外務大臣はアジア三カ国をまさに経済危機の真っ最中に訪問されました。大変わかりやすい英語で、今これは日本語訳を読まさせていただいたのですが、シンガポールで五月四日に外務大臣がお話しになったところを抄訳させていただきました。 何でこんなことを言うかといいますと、景気が悪いと。本当はもうかっておる人もおるんです。もうかっておる人もおるけれども、皆が景気悪いと言うと私も景気悪いと。暗い話ばかりで、ちょっと明るい話というか、私は今冒頭ASEANの話をいたしました。確かに他の国々も大変なことになっていますけれども、我が国よりももっと資源がない、飲み水ですら輸入しておるシンガポールは、若干最近成長に陰りが出てきたといいながら、非常に元気で頑張っております。その国で、五百人を超える、シンガポールの要人だけではなくて、そこでの小渕外務大臣の演説は、大変周辺諸国を含め、もちろんシンガポールは当然のことでありますが、元気づけられた。 そういうことを考えるときに、自分も選挙区に帰って暗い話ばかりするんじゃなくして、今つらいけれども少しは我慢してくれ、だけれども再来年はよくなるよとか、そういうことを政治家の一人としてともに語りたいなと思っておったときに、私は小渕外務大臣の英語による演説をたまたま最前列で聞かせていただきまして、本当に感動を受けた者の一人であります。 私、シンガポールは実は百四十回を超えるぐらい行っておりますけれども、定点観測をしておる場所でありますが、国ができて三十数年、この八月九日が独立記念日であります。何もない国があそこまで発展してきたことは、政治の制度についていろいろ言う人もおりますが、とにもかくにもすばらしい。昔、リー・クアンユーさんは日本に学びたいと言っていましたが、今や日本に学ぶものがないという話が漏れ聞こえたりしております。我々の国はもしかしたらシンガポールにちょっと学ばぬといかぬのではないかなという気すらしております。 そういうことを踏まえまして、外務大臣、ちょっと御所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) この連休を利用させていただきまして、ASEANの地三カ国を訪問させていただきました。 インドネシア、フィリピン等も考えましたが、インドネシアは御案内のような状況でございましたし、フィリピンは大統領選挙真っただ中ということでございましたので、タイ、マレーシア、シンガポールにお邪魔いたしまして、今、委員御指摘のように、シンガポールにおきましていわゆる講演といいますか、演説をさせていただきました。 それは一つは、その後開かれましたロンドンでの外相サミット会談におきまして、その一週間後には首脳会談が行われたわけでございますが、アジアを代表してという立場の国は、ロシアをどう見るかという認識もありますけれども、我が国がその考え方をぜひサミットでも発言しなきゃならぬ、そのためにはいろいろ御意見も拝聴しておくべき必要があったのではないかと思っております。 それと同時に、御案内のように、それぞれの国は、昨年の金融・通貨不安以来アジア経済は非常に低迷をいたしておるわけでございまして、従来はもう上りもで、アジアが世界の経済繁栄の先頭を切るんだということで努力をしてまいりました。それは事実そういう経済成長をなし遂げてきたわけでございますが、ここに来まして非常に経済成長のみならず、諸外国の状況が厳しい環境にあります。もとより、我が国とてそうでないと言いがたいところでありますけれども、やっぱり日本といたしましても、ともどもにアジアの国としてそうした国々の発展にこれから力をかせるものならかしてさしあげるし、ともどもに発展していこう、こういうことでございます。 アジアの国々の金融、通貨にいろいろ不安が出ますと、率直に申し上げますと、欧米の諸国は割合撤退が早うございます。しかし、日本は従来長い歴史的な関係もこれあり、地理的にも当然であります。そういう意味で日本が踏みとどまってこうした国々と力を尽くしていきたい、そのためには、御激励というのは失礼かもしれませんが、しっかりやろうではないかという演説をさせていただいた次第でございます。 この雁行の先頭に立つべきだというのは、しばしば橋本総理も本院でもお話ししておりますが、この原点といいますか、ゴー・チョクトン・シンガポール首相は、やはり日本が先頭に立ってもらわなきゃ困るという意味も込めて、それにこたえて橋本総理もその気持ちを持って対応しているんだろうと思います。そういった意味で、それぞれの国々は極めて状況は相異なると思います。しかし、こうした国々が再び勢いを取り戻して世界経済のリードをしていただくことは非常に大切で、特にシンガポールにおいては国も小さい、国民の数も少ない、しかし金融の市場として世界が注目しておるところですから、この動きそのものは極めて世界経済にも大きく影響があるということで、シンガポールを選んでさせていただきました。 演説をいたしましたら、田村議員が前におりまして、いささか国会でお話しするような気持ちになりまして、恐縮をいたしておるところでございますが、御激励をいただきまして大変ありがとうございます。頑張ってやりたいと思います。
○委員長(遠藤要君) 時間です。
○田村公平君 これで終わります。 ただ、これは外務省も大蔵省も建設省もそうですが、ASEANの国々にいっぱいODAを、いろんな形で草の根の交流もやっております。アジアがおかしくなると本当に日本がおかしくなります。役所の壁を飛び越えて地道な努力をお願いしたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 きょうは私は、限られた時間ですので、現在提案されております総合経済対策と、とりわけ地方財政との関係について幾つかのお尋ねをしたい。 現在、緊急総合経済対策の必要があるということで、財政構造改革法の改正を含めて幾つかの法改正が提案をされております。それはそれで今日の経済状況に対してどうインパクトを与えていくかという観点からだというふうには理解しておりますが、その一方で、じゃ地方財政はどうなっていくのか、あるいは具体的に地方財政にどんな影響が出てきて、その部分について具体的にどう対応されようとしているのか、この辺は幾つか心配な点がありますのでぜひ確認をしておきたい、こんなふうに思っております。既に同僚議員からも同じような観点から幾つかの項目についてお尋ねがございましたが、私なりにやや視点を変えて、あるいは観点を変えてお尋ねをしたいと思います。 そこで、まず最初に、今回の総合経済対策が地方財政に与える影響に絞って、主要な課題あるいは施策とその影響額、そしてそれらに対する具体的な対応策の概要について、まずアウトラインを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今回の総合経済対策と地方財政の関係につきまして、主要項目につきまして概要を御説明申し上げたいと思います。 最初に減税でございますが、減税の関係で、一つは所得税の特別減税、それから法人関係の政策減税によりまして地方交付税の減収が生じます。この額四千七百億円に対しましては、一般会計から加算措置をすることによりまして全額補てんをして、交付税の減収は生じないようにいたしております。それから、住民税の特別減税それから不動産取得税の政策減税によります地方税の減収、約五千八百億ございますが、これにつきましては減税補てん債により補てんすることにいたしております。これが減税の関係でございます。 それから、公共事業と地方単独事業等の追加でございますが、まず公共事業関係、これは施設関係も含んでの数字でございますが、そのうち地方財政にかかわってくる分、これは概数で申し上げまして三兆三千五百億ぐらい地方財政関係で追加が見込まれます。それから、単独事業の追加の要請といたしまして一兆五千億の単独事業の追加を要請いたしております。 これらの事業の追加に対しまして、今回御提案申し上げております交付税法の改正によりまして四千億円の交付税の増額をいたしますとともに、その他の額につきましては、所要の地方債措置を講ずることで対応するということといたしております。 それから、そのほかに公共用地の先行取得ということで八千億、それから中小企業の貸し渋り対策ということで、単独の地方団体の融資枠の拡大ということで五千億、それぞれ追加を要請いたしておるところでございます。 以上が主要な項目でございます。
○朝日俊弘君 主要な項目についての御説明をいただいたわけですが、今御説明をいただいた内容を聞くにつけても、この間御報告をいただいておった平成十年度の地方財政計画との関係がどうなるのか、どうも私はいまだに腑に落ちない点があるわけであります。 改めて申し上げるまでもなく、ことしの一月でしたか、平成十年度の地方財政計画というのが示されました。この平成十年度地方財政計画の策定方針はもう極めて明確でありまして、「財政構造改革の推進に関する特別措置法等を踏まえ、歳出面において経費全般にわたる徹底した節減合理化により地方一般歳出を抑制」する、こういうトーンで財政計画がつくられていたわけでありますし、その地方財政計画を踏まえて来年度予算もさまざまな形で編成をされてきたというふうに理解をしているわけです。 その地方財政計画というのがそれはそれでそのままありながら、その上に今回の総合経済対策について先ほど御説明いただいたような内容で提案をされている。どうも合わないというか、基調においても具体的な施策の内容においても相当に大きく変わっている、政策転換をしている。これまでは、どちらかといえば地方財政計画でぐっとブレーキを踏んでいたのに、ブレーキを踏みっ放しのところへ急にアクセルを踏んだような感じがしてならないわけであります。 この点について、つまり従来御説明いただいている平成十年度の地方財政計画との関係はどうなるのかについて、ちょっと改めてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員御指摘のように、平成十年度の地方財政計画は、財政構造改革の推進という基本的な方向に沿いまして、全般的に歳出の抑制、借入金の縮減といいますか、そういう方向で計画がつくられていることはそのとおりでございます。 一方で、現在の経済状況にかんがみまして、臨時異例の措置として大型の経済対策を講ずる必要が出てきたということでございまして、今回のこの経済対策の関連するものにつきましては、その意味で当初の地方財政計画にいわば臨時的な要因が加わってきたということでございます。地方財政との関係で申しますと、その加わります経済対策関係分については、減税でありますとかあるいは事業の追加でありますとか、それぞれ項目がございますが、全体として一つのパッケージとして、それに対する地方財政対策を講ずるということでございます。それに対して、先ほど申しましたように、交付税の増額なりあるいは必要な地方債措置を講ずるわけでございます。 地方財政計画は、もう委員も御案内のように、交付税法第七条でこの地方財政計画というものの性格が定められておるわけでございまして、これは年度が始まります前に翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込みについて書類を作成して、国会に提出するという性格のものでございます。 したがいまして、この交付税法第七条の関係で申しますいわゆる地方財政計画につきましては、年度前に国会に提出するということでございますので、これ自体を、予算の補正と同じような意味でこれを補正するということはないわけでございます。 ただ、先ほど申しましたように、経済対策に関連いたしますものはパッケージとして地方財政対策を講じまして、これを計数とともに地方団体にはその財政措置も含めていろんな機会を通じて御連絡し、そういう経済対策をとるに至った背景なりその内容なりについて周知徹底を図り、また協力をお願いしておるというところでございます。
○朝日俊弘君 どうもそこがわからぬのですよ。 つまり、平成十年度の地方財政については、かくかくしかじかこういう需要があって、それで歳出歳入はこの程度予測されて、こういう内容で地方財政というのはこれから一年間進むであろう、そういうものを基本に据えながら来年度のさまざまな予算等については編成をされていったという、そういういきさつだと思うんです。 ところが、今回、明らかに平成十年度の地方財政計画を立てたときとは違った観点で総合経済対策がとられることになった。とすれば、従来策定されていた地方財政計画はそのまま生きているんですか、生きていないんですか。生きていないんだったら、新しい地方財政計画というのを立てる必要があるんじゃないか、あるいは補強する、改訂版地方財政計画というのをつくる必要があるんじゃないかと私は思うんですが、そこがどうもよくわからぬのです。もう一遍ちょっと説明してください。
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど申しましたように、地方財政計画は地方交付税法第七条の規定に基づきまして作成するものでございまして、当該年度の始まります前に、ことしの場合ですと二月に十年度の年間の地方財政の歳入歳出の見込み全体についての計数を国会に提出するという性格のものでございまして、この十年度の地方財政計画は、今、委員のおっしゃるような意味で言えば、当然もとのままでその計画が生きておるわけでございます。 その計画は、先ほど申しましたように、基本的に財政構造改革を進めるという観点に立って計画が策定されておりますが、その後、経済対策を要するという事情が出てまいりまして、それに伴います歳入と歳出の追加分、これにつきましてはいわばパッケージとして地方財政対策を講じて、そのことについてはそれぞれ財政措置を講じた上で地方団体の財政事情に支障が生じないようにして、その内容についてはまだ地方団体にその都度連絡をしておるということでございまして、計画そのものといたしましては、十年度の地方財政計画は当初お出しいたしましたものがそのまま生きているというふうに御理解いただきたいと思います。
○朝日俊弘君 聞けば聞くほどわからなくなるんですけれども、大臣にちょっとお尋ねしたいんです。 つまり、私は、今いろいろ御説明いただいた仕組みがそうなっているということがわからぬではないんですが、ただ、そもそも平成十年度の地方財政計画というのをつくって、それに基づいて来年度の予算をどうするこうするという議論をやって、それで来年度予算をつくった。ところが、今回、緊急の総合経済対策が必要であるということになって、それと関連して地方財政がこれだけ大きく変わらざるを得ない。これは方針転換なわけですよ。だから、平成十年度の地方財政計画も改訂版地方財政計画をつくるべきだ、そしてそのことをきちんと地方の皆さんにも御理解をいただくように示すべきだ。 従来示されていた地方財政計画は、先ほども申し上げたように、ぐっとブレーキを踏んだような形の中身になっている。それはそのままで生きていて、その上に今度はぎゅっとアクセルをかけるようなやり方では戸惑うんじゃないんでしょうか。これはどういうふうに私は理解したらいいのか、今の事務方からの説明ではどうも納得いかないんですね。もう少し明確に、これからの地方財政の目指すべき方向について自治省としてもっと正確に、あるいは率直に示して、自治体の皆さん、地方公共団体の皆さんに御協力をいただく必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣に御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は、幾つか基本的な考え方があると思うんです。 ただ、委員も御指摘のように、ブレーキを踏んでアクセルを踏むというような表現がいいかどうかというのは一これは議論のあるところだと思うんですが、一つには、財政構造改革というものを踏まえた地方財政計画ができ上がっておることは事実であります。したがって、今回の補正で見ますれば、百六十兆になる地方債の残高を何としても縮小していくというのは当然のことでありまして、財政構造改革というものを視野に入れて地方財政計画ができ上がったと。 二つ目には、総理の答弁でもたびたびお答えしておりますように、今回の総合経済対策措置は緊急避難的に、今の状態では国の税収も地方の税収も伸ぶということが期待できませんから、景気をよくしてそこに大きな期待をかけ、国民生活にも安心感を与えるための施策として総合経済対策が方向づけになったと。財政構造改革の基本はこれは崩すものではない、財政構造改革はやるんですよ、やるけれども、今回は余りにも景気が悪いので、このままずっといくのではどうにもならないから総合経済対策をやったというので、地方財政としてもそれに対応して今回の総合経済対策の具体的な施策に対する取り組みをいたしておるというのが現状の姿でございます。 では、今後どうなるか。景気の問題も含めた問題があるわけでございますが、我々は、この十六兆に及ぶ総合経済対策が成功しなければ国の財政も地方の財政ももっと厳しいものになる、こう思っておるわけです。しかし、これは何としても、そうであれば成功させたものに、実効あるものにしなければならない。 また、委員が御指摘のような、当時どこういう状況で方向転換したんだから地方財政計画を見直すべきではないか、こういうことでありますが、その点については事務方からお答えしたとおりであります。 ただ、私はいつも申し上げておることでありますし、また委員にも御理解いただきたいのは、地方財政を考える場合に、私は、今後、地方分権を抜きにしては論ずるわけにはいかぬだろう、こう思っておるんです。その基本は何かというと、国、地方の歳出の抑制、見直しというものを当然図っていくことがその基本であります。 また、特例公債なり地方債も含めた赤字というものを縮小の方向に持っていくことも事実でありますが、地方財政計画八十七兆九百六十四億円のうち一般歳出が七十三兆四千億、その七十三兆四千億の七〇%はこれは縛りがかかっていると言っても過言ではありません。法律も決め、制度も決め、人の配置まで決めて補助事業等を中心にしたものが決まっておる。その中身は、社会保障であり教育であり公共事業なのであります。そこのところをどう分権していくかという問題と、国の財政、地方の財政とは無関係ではない。大いにここのところに地方分権の問題が今後ある。そこをどう分権していくかということが私は基本的なものではないか、こう思っておるわけです。そうなれば、当然、関係省庁の対応というものが出てまいります。官僚の皆さんの決断というものが出てきます。 地方財政をそのような前提を置いて考えると、されば、委員が、どうなるか、その見通しはどうだということでありますが、私は、地方交付税率はそのままでいいということにはならないのではないか。当然、地方交付税率の問題は議論の中にある。それからもう一つは、消費税率の国と地方の財源の配分という形での問題が出てくる。それから、先ほどから議論になっております法人税の外形標準基準の導入というものがどうなるかという問題も当然視野の中に入れた議論になるのではないか、そのように理解をいたしております。
○朝日俊弘君 ちょっと話が広がっちゃった感じで、私の論点に必ずしもぴたっと合っていないような気がします。 では、もう少し具体的に幾つか説明を伺いましょう。その方がいいのかもしれません。つまり、私の方の尋ね方を変えます。 もう少し具体的に、例えば平成十年度の地方財政計画は、それはそれで生きている、そこへもってきて今回は緊急的避難措置として総合経済対策を実施すると。では、それによって例えば地方単独事業がどうなるのか。先ほどの御説明では、地方の単独事業分だけで約一兆五千億円の追加をするわけですね。追加をするわけですから、当然それに伴って借金もふえるわけです。だから、当然平成十年度の地方財政計画の中で見込んだ地方債の発行額を上回るわけです。具体的なところで変わってくるわけですね。 そういうことについて、先ほどの同僚議員とのやりとりの中でもありましたけれども、自治体の側はこれ以上地方単独事業をどんどん積んでいただいても困る、ちょっとおつき合いしかねるんだということを率直に申し上げている自治体が出てきているわけですよ。例えば、こういう状況の中でさらに経済対策をどうしてもやれと言うんだったら、国の経済対策に協力する見返りに高金利の地方債の繰り上げ償還や借りかえを認めるようにしてほしいという具体的な要望まで自治体の方から出されてきているわけです。 ですから、従来の、平成十年度の地方財政計画ではかなりぎゅっと圧縮をかけ、ブレーキをかけて地方債もぐっと抑え込んだ、そういうところへ今度一兆五千億円も地方単独事業だけでふやせという形でやってきている。これに対して自治体が、それだったらこうしてくださいよという具体的な注文を出しているわけですね。 これについてどういうふうに対応されるおつもりか。これは自治大臣と大蔵大臣、お二人にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 地方団体の中に地方債の繰り上げ償還についていろいろな要望があるということは私ども十分承知をいたしております。先般の自治大臣と地方六団体の代表とのいろんな会議のやりとりの中でもそういう話題も出ていたことは確かでございます。 今、具体に要望がございましたのは、いわゆる政府資金につきましての話がございましたが、これにつきましては従来から私どもの方でも地方団体にも説明をいたしておるところでございますが、政府資金は長期の資金を地方団体に安定的に供給するという機能を果たしておりまして、一般的にこれに繰り上げ償還ということを認めていくということになりますと、この政府資金の性格からいって長期安定した資金を地方団体に供給するという機能がその分損なわれてくるということになりまして、一般的な話としてはなかなか難しい面があるというふうに私どもも承知し、また地方団体にも説明をしております。 ただ、個々の地方団体で繰り上げ償還の必要性が極めて高い事情があるような場合につきましては、その事情に応じてこれから私どもといたしましても担当の国庫当局の方と協議をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、同じく公的資金でございます公営企業金融公庫の資金につきましても同様な要望がございまして、これにつきましては、公庫は資金調達を債券発行によっていますので、公庫の経営ということも当然考える必要がございますが、資本費等が著しく高い公営企業につきまして一定の要件を設けまして借換債を出すというふうな措置を講じておるところでございまして、これにつきましては今後とも適切に対応してまいりたいというふうに思っております。 なお、地方財政計画におきましては、地方債の資金の現実の元利償還の額に応じまして公債費を算入して全体の財政運営に支障が生ずることのないようにしておるということは、これはぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今、自治省の財政局長の方からも答弁がありましたが、金利が現在非常に低い水準にあるわけで、その低下を理由といたします繰り上げ償還とか低利借りかえは、先生の御質問の場合、これは借り手である地方公共団体が負担の軽減を受けられるかわりに国の方の資金運用部がそのコストの転嫁を受けるわけでございます。もともと資金運用部は、できるだけ低利の資金を供給するために、貸付金利と預託金利を同一といたしまして、利ざやを取らずに長期固定の貸し付けを行いながら収支相償うように運営されておるわけでございます。したがって、コストの転嫁を受け入れる余地がない仕組みとなっているわけで、その点を御理解いただきたいんです。 具体的に申し上げますと、資金運用部から地方公共団体に対しましては長期、一番長いもので言いますと三十年ですから、今あるもので五十年代に貸したものもあるわけでございます。しかも、長期で固定でございます。その時々では最も有利な条件でお貸ししているわけでございます。したがって、低い金利のときに貸し付けた債券につきまして、その後市場金利が上がったからといって既往の貸し付けの金利の引き上げを求めたりするようなことはないわけでございます。逆に、高い金利のときにお貸ししました債券につきまして、その後市場金利が低下したからといって繰り上げ償還とか低利借りかえに応ずることになりますと、結局長い間の市場金利の変動の影響の不利益な面だけを受けてしまうことになります。 国の制度、信用に基づきまして国民の皆様方から集められました資金でございますので、そのような一方的な不利益を受ける、リスクを受けるということにはなかなかできないので、その点を先生御理解いただきたいと思います。
○朝日俊弘君 多分そういう弁解というか、説明をるる聞かされるんだろうなというふうに思いまして、そのことは到底理解できるものではありません。 制度としてそうなっているということはわかります。しかし、国が緊急に総合的な経済対策をやる。しかも、相当地方公共団体に御無理をお願いしている。それに対して、いや制度はこうなっていますという木で鼻をくくったような答えでは、自治体の皆さんは、そうですか、それじゃ考えさせていただきますということになってもやむを得ないわけでありまして、そこは理解をいただきたいということよりも、制度の仕組みとしてそういうことはあるけれども、そこをいわば自治省と大蔵省とで知恵を出し合って、どうやって乗り越えて御協力をいただける仕組みができるのかということが課題であるということをあえて指摘しておきたいと思います。 それじゃ、もう一つ具体的な問題についてお尋ねします。 今回の総合経済対策の中で、地方公共団体における公共用地の先行取得を推進するということでおよそ八千億円規模の事業費が計上されていると思います。しかし、最近幾つかの新聞報道を見ますと、自治体の方がこれまでに結構先行取得していたところがなかなか思うように有効活用できなくて、その分がかなり自治体にとって財政的にも負担になっているという新聞報道がございます。 ある新聞では、これは川崎市ですが、「塩漬け土地」、こんな言い方があるのは知らなかったんですが、要するに、先行取得して利用されていないまま塩漬けになっちゃっている土地があって、これをいわば損失覚悟で処分しないと金利負担だけでも自治体は大変だと、こういうようなことが新聞などで報道されておりまして、これは必ずしも川崎市だけではなくて、幾つかにこういう事例がある。したがって、ここでさらに先行取得先行取得というふうに言われても自治体としては困るんだという率直な意見があるわけであります。 この問題について、自治省として、あえてそういう事情というか状況を承知の上でさらに八千億円規模の事業費の上積みをしたりしてきているということについて、どんな考え方でどんなふうにやろうとしているのか、何を根拠に自治省としてはこういう事業の計画を立ててきたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 公共用地の先行取得は、地方団体で計画的な町づくりを進めるとか、あるいは将来の公共用地として必要な土地をあらかじめ取得しておくということから、計画的、円滑に事業を遂行するために行われておるわけでございます。 そもそも、地方団体で毎年度土地の取得というのはいわゆる普通会計でどのくらい行われているかということでございますが、先行取得というようなことも含めまして、一番近いところの決算で申しますと平成八年度が四兆九千億でございます。多いときには五兆九千億という平成五年度の数字もございまして、大体五兆円から六兆円弱ぐらいの取得が行われておるわけでございます。これは先行取得だけじゃなくて、もちろんそのまま事業化する用地も含めての話でございます。 一方で、先行取得という実績でございますが、これは平成八年度で申しますと二兆三千億、その前の平成七年度は二兆六千億というようなぐあいでございます。おおむねそのくらいのオーダーの先行取得というのが行われておるわけでございまして、そのことによって将来の事業が円滑にいきますような用地の手当てを行っているということでございます。 これまでも経済対策におきまして公共用地の先行取得ということについての要請をいたしてきておりますが、今回、地方団体の幾つかのニーズをいろいろお聞かせいただきながら八千億という枠を想定いたしたわけでございますが、平成七年の九月に経済対策を行いましたときには一兆五千億という枠を想定したところでございます。今回は、最近の取得の実績と、それからことし当初に県が先行取得として予定をいたしております計画といったようなものを問い合わせいたしまして、そういうことから考えて、もちろん地方団体がいろんな判断の上で先行取得していただくわけでございますが、そういったような実績等も踏まえて八千億という枠を想定して要請をいたすということにした次第でございます。
○朝日俊弘君 今、二つの事例、一つは地方単独事業の一・五兆円の追加の問題、それから二つ目には地方公共団体における公共用地の先行取得の問題、それぞれ御説明をいただいたんですけれども、率直に言って、国が緊急にこういう経済対策をとらざるを得ないということはある程度理解をしつつも、それがかなり自治体に負担になっていくというか、自治体の皆さんが協力というか理解というか、あるいは積極的に支援というか、そういう形になかなかなっていないんじゃないか。それでは大変まずいことになるのではないかというふうに私は思うわけであります。 そこで、幾つかまだお尋ねしたい点があったんですが、具体的な問題について今事務方の方からお答えいただいたことについて、それはそれで説明としてそれなりに理解できる部分はあるんですけれども、これで本当に今提案されている緊急経済対策について地方財政の側がきちんと対応できるのか、あるいは地方公共団体が積極的に協力できるのかどうか、甚だ私は心配である。このまま木で鼻をくくったような説明だけを繰り返しているのであれば、私は各地方公共団体に一切今度の対策については協力をするなというふうに号令をかけたいぐらいだというふうに思うわけですが、この点について大臣の御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘の点でございますが、国も財政が厳しい中でございまして、我々は地方の財政も厳しいけれども、これを共同部、一体的に取り組むと、こうしたわけです。 これは何をやっているかと言われると、今度の緊急対策ではまず地方交付税の増額を図りました。これは御理解いただきたい。年度途中の経済対策であれ何であれ追加の財源というのは全額地方債によって賄っていたものを、今回は四千億円の増額を見ました。これは国の財政としては私は大変厳しい判断があったと思うのでありますが、地方財政あるいは委員おっしゃるように地方の状況というものを、十分その実態を御理解いただいた上で、交付税の四千億円の増額を図られた。このことによって地方団体においては地方債の発行余力がふえてくる、財政運営にある意味ではプラスの面がある。それから、追加公共事業のみならず、地方単独事業の円滑な実施に必ずこれは資する、私どもはそういう対応をしたと認識をいたしております。 それから、地方単独事業への財政措置でございますが、通常でございますと、事業債の充当部分については資金の手当てのみでございました。通常の事業債部分についてはそれぞれ通常の交付税措置があったものを、今回どうしたかというと、従来の措置に加えまして、一定量以上の地方単独事業を実施する団体については充当残部分についても交付税措置つきの地方債を充当する、こういうことにいたしたわけでございます。 特に、今回前倒しという御批判もあるかもしれませんが、これは十分対応いたしまして、地方団体についてはこれは非常に喜んでもらっている。私は直接地方六団体とお話ししましたからよくわかっておるわけでございまして、この点については御理解いただき、評価をいただき、そして最終的には協力という姿勢をおとりいただいておるわけでございます。事務方を通じて実態的に調査をしました範囲内でも、六月補正、九月補正あるいは景気対策を効果あらしめるというので臨時議会等でこの対応をしていただいておる、私どもはそのように御理解いただいておるわけでございますが、なおかつ委員の御指摘のような心配もありますので、地方財政の厳しい状況でございますから、誠心誠意、全力を挙げて地方に理解を求め、協力をお願いしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(遠藤要君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後一時二分開会 〔理事高木正明君委員長席に着く〕
○理事(高木正明君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 民主党の竹村泰子でございます。 まず、我が国経済の現状認識、戦後最悪とも言われます政策不況はまさに泥沼化の様相を呈しており、ことし四月の卸売物価は前年比二・三%の下落と、実に十年九カ月ぶりの下げとなったわけであります。失業率も過去最悪の水準である。そして金融不祥事。二度にわたる証券スキャンダル、大蔵省の金融検査官が複数の大手銀行から検査に絡んで過剰接待を受けた、そして東京地検特捜部に逮捕され、まさに五十年ぶりと言われる大蔵省キャリアの逮捕に至っているわけでございます。日本銀行幹部職員の汚職事件とか、金融システムそのものに対する内外の信用を大きく失墜させた。 これらの一連の現象がここまで来てしまったことには多くの要因があると思いますけれども、今私どもが審議しております財政構造にその大きな原因もあるように思うわけでございます。 戦後の日本は戦前に比べれば平和と自由な社会がつくられてまいりました。経済成長のおかげで物質的な豊かさを相当手に入れてきたと思います。しかし一方で、国土が破壊され、財政も破綻し、行政組織を初め多くの社会システムが行き詰まり、制度疲労を起こしています。そして、多くの国民が将来の社会のあり方に非常な不安を持っている。だから、貯蓄総額は高くてもなかなか消費をしない、できない、こういった現象があるわけでございます。 これらの問題を解決していくために何が必要なのか。もちろん、官房長官、大蔵大臣その他の閣僚の皆さんも頭を痛めておられると思います。私どもにも大きな責任があるわけでございます。しかし、中央政府や地方政府は、いわば個人では処理できない、例えば出生から死亡まで、社会保障などの問題について最終的に責任を持つ組織であると。 先日、私は新聞を読んでいてこういう投書を見つけました。朝日の投書欄なんですけれども、在日のペルー人の方からの意見が載っておりました。見出しは「援助もいいが足元忘れずに」という題で、ペルーへのさまざまな援助に感謝しつつも、その前に日本政府はやるべきことがたくさんあるのではないだろうかそういう趣旨の投書でありました。阪神・淡路の大震災でいまだに多くの人が苦しんでおり、そして孤独死と言われているような現象、アジアの国々での従軍慰安婦や戦争被害者のことなどに触れて、日本政府はこんなにも苦しんでいる人々が目の前にいるのに手を差し伸べないのか、私が日本人だったらそんな自国の政府を本当に恥ずかしく思うだろうというふうに述べております。 私もそう思います。国民は政府に対して安全、安心の保障を求めていますし、求めて当然だと思います。国土も含め、環境をいかに守っていくのかということも、みずからの努力とともに政府の努力を求めているのだと思います。 総理がいつもおっしゃるいわゆるスケッチ、つまり自由かつ公正な社会とは、極論すれば、チャンスは平等に与えられるが成功するかどうかは自由競争で決められる社会、政府・行政には結果責任が厳しく問われるシステムをベースにした日本という国のあり方を総理はよくおっしゃいます。 私は、今度の被災者援護法ではありませんけれども、自然災害など自分個人だけでは到底処理不可能なことに責任を持つことこそが国家のあり方だと信じております。これからの日本という国は、その意味では安心、安全、環境、そして国家としての品位を保つことを目標とするべきだというふうに思います。 これらのことについて、きょうは私は、理想とされることと現実とのギャップ、それから総理の責任と決意をお聞きしたいと思いまして質問を用意いたしましたが、きょうは一般質問で総理がおいでになりませんので、官房長官、総理に成りかわってどうかお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) お答えを申し上げたいと思います。総理には成りかわることはできませんが、考えを述べさせていただきたいと思っております。 一般的に、自然災害により個人が被害を受けた場合には自助努力の回復を原則といたしておりますけれども、政府としては、災害救助法による救助、死亡された方などに対する災害弔慰金の支給を行うとともに、各種融資措置等の現行制度の運用により、幅広くかつきめ細かく被災者の生活再建の支援を実施しているところであります。 特に、阪神・淡路の被災者への支援策としては、公営住宅の大量供給、約三万九千戸でございますが、と家賃の大幅な引き下げ、年収百万程度以下の世帯の場合、例えば四十平米で普通約三万円でございますが、六千円とか、住宅金融公庫融資についての特別分の措置などを実施しており、これまで実は国費としては阪神・淡路で四兆三千六百億、平成六年から九年度にかけて投入をいたしております。その中で、これまで被災者対策として一兆円を超える国費を投じているところであります。 私も阪神・淡路担当でございますので、この前、神戸に行ってまいりまして、仮設住宅を見て回りました。この夏までには相当な人が公営住宅に移るし、来年までには何とか住宅もできる。 そして、部屋の中に入りまして、高齢の方々とお話をしてきました。どんどん減りましたね、あなた方の行く先は決まっているんですかと、こういうお話もしたら、いや、まだ決まっていないんだけれども、どんどん建ってきているので必ず入れるだろうと。こんな話も二、三の仮設住宅でいたしてまいりました。大分表情は明るくなっていると、おしかりを受けるかもしれませんが、実際の被災者の方々からはそんな感じを私は受けたわけでございます。 これらに加えて、地元県、市が阪神・淡路復興基金を活用してさまざまな分野で支援事業を行っており、国としてもこれに対し、地方財政措置により支援をいたしております。その事業の中で、生活再建支援金及び被災中高年自立支援金の支給を既に開始いたしております。 将来の災害による被災者に対する支援については、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して支援金を給付し、それに対し国が財政支援を行うことを基本的な枠組みとする被災者生活再建支援法案が六党、自民、社民、さきがけ、民主、公明、自由により共同提案され、五月十五日の衆議院本会議において可決、成立をいたしまして、二十二日に公布されたところであります。 その際、阪神・淡路の被災者については、既に復興基金事業として実施されている生活再建支援金などを含めて、同法の生活支援金に相当する程度の支援措置が講じられるよう附帯決議がなされておりまして、現在、地元県、市において具体的な検討がなされていると聞いておりまして、具体案が出ればそれに応じていきたい、こういうふうに思っているところであります。
○竹村泰子君 予期せぬ天災や、それからいわゆる危機管理、そういったことについてお聞きしたいことがたくさんあるのですけれども、それはまたの機会に譲りまして、今後もそういった方々に対する対策を精力的に続けていただきたいと要望しておきます。 この後、我々は中央省庁改革基本法案をこの委員会で審議するわけですけれども、私は、中央省庁の局や課の数を削減するだけではなくて、さらに削減しなければならない重要な点があることを指摘したいと思います。それは財政構造という問題の中で特別会計の問題であります。 その特別会計の数の問題。かつて四十を超えていた特別会計は現重二十八に削減されてきたということは認めるわけです。私は、昨年十月十四日の予算委員会におきまして、この特別会計のことをお聞きしております。 新聞に絵入りで解説が出ますけれども、あれは一般会計だけで、あたかも国の予算があれですべてであるかのように思われますけれども、その下に三十八の特別会計があって、その下に政府が出資して設立した公庫や公団、事業団など特殊法人が八十八ある。そして、その下に子会社、孫会社、三千社を超える関連会社がある。 こういうことで、平成九年度でいいますと、一般会計の総額は七十七・四兆円、そして一般会計から直接支出される交付金や補助金、負担金などいわゆる補助金は二十・三兆円、全体の約四分の一強を占めている。そして、残りの大部分、四十五・八兆円、約六割が特別会計に流れていくわけでございます。 それで、このときに三塚大蔵大臣がお答えくださっているんですけれども、「特別会計も予算の分厚い書類には出させていただいております。」、「会計検査院も本件について監査を一生懸命やられておるということの中であります。」というお答えをなさって、「会計検査院長にもその経過をお話しさせていただく」と。「いずれにいたしましても、今回の財政構造改革は聖域を設けず見直しをいたします。」、「特別会計またしかりであります。」と。「国民論議を国会を通じてまず盛んにしていただくことによって御理解をいただき、そして監視の目を、会計検査院だけではなく国民全部の関心と注目の中で論議が行われて、」というお答えを当時の三塚大蔵大臣からちょうだいしております。 そこでお伺いいたしますけれども、財政の構造は特別会計があることによって非常に理解しにくいんです。国民にわかりにくくなっている。大蔵大臣、独立行政法人をおつくりになる一方で、特別会計は現在のままでよろしいとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 独立行政法人の話は私の方の担当ではありませんので詳しく申し上げるわけにはまいりませんが、経費の節減合理化ということを議論する場合に、一般会計だけではなくして特別会計についても経費の節減合理化を図るべしという御主張は、私も理解できるところであります。 したがって、十年度予算について言えば、三十八ある特別会計のうち二十六特別会計において平成九年度当初予算に比べ減額をしているところであります。 それからもう一つ、特別会計のディスクロージャーが十分ではないという御指摘、大体政府の予算書というのは読みにくい面も実はないわけではありませんが、いずれにせよ、特別会計につきましても、一般の予算書に加えて各経費の積算を示す各目明細書、それから財政法二十八条に基づく参考書類を国会に提出するなど、必要に応じて参考資料も提出して御審議の参考にさせていただいているわけであります。 今後とも、こういう点はよりわかりやすく説明する努力をしていかなきゃならぬ、こういうふうに思っているところでございます。 なお、昨年十月の国会での三塚大臣の答弁に関連することでありますが、財政当局としては、会計検査院の指摘事項など決算結果を予算編成に反映させるということは極めて重要なことであるわけであります。このため、会計検査院とは年二回連絡会議を開いて相互に意見交換を行って、そして会計検査院の指摘事項等を予算編成に反映させる、こういったことの努力をいたしておるところでございます。
○竹村泰子君 きょうは会計検査院長にもおいでいただいております。行革絡みで恐縮ですが、独立行政法人は設立するわ特別会計はそのまま存続するわ、さらに特殊法人や認可法人が別途あるわでは、財政の仕組みが一段と複雑になるだけだと。特別会計見直しの基本的な方向を示さなければならないと思いますが、会計検査院としてはどのようにお考えでしょうか。また、どんな工夫をされたのでしょうか。
○会計検査院長(疋田周朗君) お答え申し上げます。 まず最初に、私ども会計検査院としての特別会計に関する検査の取り組み状況について御報告申し上げたいと存じます。 会計検査院といたしましては、特別会計につきましても、一般会計と同様、重要な検査対象と認識しているところでございまして、検査に取り組んでいるところでございます。その結果、予算の執行状況等に問題がありましたならば、当然指摘もいたしておりますし、検査報告に掲記しているところでございますが、これとあわせまして、特別会計に制度的な問題がないかどうか、こういった点についても常に念頭に置きながら検査に当たってきたところでございまして、今後とも引き続きこういった点について留意いたしまして検査してまいりたいと考えております。 それからなお、会計、経理に関する法令の改廃等がございました場合には、大蔵省当局から事前に説明を受けているところでございまして、今後、特別会計法等の改廃に関する事前説明を受けました場合には、鋭意その内容について検討してまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 私どもが会計検査院から御報告を受けておりますのは大変厚い御報告で、なかなか数字が多くて読みづらいものでありますけれども、平成七年度の御報告と八年度の御報告とを比べますと、今、検査院長にお答えいただきました「特別会計の損益等」というところで工夫をしてくださっているんですね。私もうるさく言ったからかもしれませんけれども、「一般会計からの繰入額」という項目がふえているんですね。そういう努力、工夫をしてくださったわけでしょうか、どうでしょうか。
○会計検査院長(疋田周朗君) 特別会計の決算につきましては、従来から「歳入歳出決算その他検査対象の概要」、こういう形で、検査報告に歳入歳出決算あるいは損益の状況、主な業務実績について記述してきたところでございます。 さらに平成八年度の決算検査報告におきましては、一般会計と特別会計との関係につきまして、より理解しやすいものにする、こういう観点から、一般会計と特別会計との純計額を記述いたしまして国の財政規模を示しますとともに、一般会計と特別会計との間の繰り入れなどの状況についても記述してきたところでございます。 今後、検査報告の記述方法につきましては、さらに広く国民の皆様方に御理解をいただけるように情報開示に努めてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 「一般会計からの繰入額」という項目が一つできまして、三十八特別会計のうち二十九特別会計が一般会計から繰り入れられているということで、その金額をお示しいただいております。 もう少しわかりやすく全体の特別会計の見方を、一般国民と今お使いになりましたけれども、まだなかなか見にくい資料だと思うんですね。ですから、もう一工夫頑張ってわかりやすくしていただけるといいんだけれどもなと、私はそういうふうに思います。努力をしてくださっていることは十分認めます。しかし、特別会計に一体幾ら出されていて、どんなふうに使われて、どういうふうにと、一目瞭然にわかるところまではまだなかなか行っていないということを一つ指摘しておきたいと思います。ありがとうございました。 そこで、財政の透明性という観点に立ち返って特別会計というものを議論してみたいと思います。 各省庁にしてみれば、率直に言って特別会計を持つことは大きなメリットがある。これはもう否定しようもない事実だと思います。ある事業が特別会計で行われることになれば、その事業にかかわる仕事は、人件費、旅費、あるいは細かいことを言うならば紙、鉛筆、コピー、そういったものに至るまですべて当該の特別会計の負担で賄われるわけです。 さらに、特別会計は基本的に特別会計を管理する省庁の責任で運営できるわけですから、例えば剰余金が生じた場合に、普通の一般会計ですとすべて不用額として大蔵省に返還しなければなりませんよね。ですけれども、当該特別会計の中で翌年度に繰り越して使用することができるという大変大きなメリットがあるわけです。しかも、独立採算の形態をとりながら、資金に不足が生じる場合には一般会計から資金を繰り入れてもらうことができる仕組みになっております。 加えて、国の予算といえば、政府もマスコミも通常は一般会計予算七十七兆六千六百九十二億円というふうに挙げて説明して、特別会計の予算など全くといっていいほど説明がない。その分国民の目にも届きにくく監視もしづらい、各省庁にとってこんないい制度はないのかもしれない、少し皮肉な言い方をするとそうかもしれないと思います。 大蔵大臣、財政改革は実はこの特別会計の改革抜きでは考えられないのではないでしょうか。各省庁にとってみれば、なれてしまって特別会計なしではやっていけないよ、仕事ができないよとおっしゃるかもしれないんですけれども、それでは何のための一般予算なのかということになってしまいますから、そこのところはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 特別会計の問題でございますが、私は一番わかりやすいのは国立学校特別会計じゃないかと思うんです。一般の文部省の仕事は行政に関係して経費等は予算だけで賄うわけであります。ところが、国立学校特会の場合には、大学もあれば附属の中学校、小学校、幼稚園まであります。それはちゃんと授業料その他を払います。それはそれぞれの学校で受け取ります。そしてまた、その特会の中で教職員、教授あるいは事務職員等々の給料も支弁するという形でやっておるのでありまして、国立学校等の場合には一般会計よりも特別にそれだけで会計していくのが現実的であるし、また効率的でもあろう、こういうふうに思います。 その意味で、一般的に特別会計をなくしてしまえというわけにはまいらぬと思うのでありまして、よりよい公的サービスを供給するために、国立学校特別会計に象徴されるように、特別会計の方が望ましいという分野もあるということを御指摘させていただくわけであります。 ただしかし、さはさりながら、一般会計と同じように特別会計につきましてもいろんな面での見直しをし、経費の縮減もして、そして財政の改革に努めていかなきゃならぬことはもちろんのことでございます。したがいまして、財政構造改革法第六条において、一般会計のみならず、「特別会計を含むすべての歳出分野を対象とした改革を推進する」というふうになっておるわけでありまして、その趣旨にのっとって私どもは今後ともあらゆる努力を続けていきたい、こう考えているところでございます。
○竹村泰子君 今、国立学校特別会計の例をお引きになりましたけれども、私もきょうは総務庁長官に少しそういった関係もお聞きしようと思ったんですが、お聞きしてみますと、まだこの後私どもは行革の審議をいたしますので、はっきりしたことはそこでゆっくりやらせていただこうと思うんですけれども、今度は独立行政法人に移行する特別会計と特別会計のままで維持される特別会計とあるわけですね。今の国立学校云々は、多分独立行政法人に今度の行革では入れられるものではないかと。一体どれがどうで、どちらが特別会計のままなのだということをお聞きしましたが、まだはっきりしていないということなんですけれども、私は、安易な独立行政法人というのは反対なんです。 というのは、独立行政法人になったら何年以内には民営化するというふうな目標を立てて本当の独立採算制を追求するべきだと思います。単に新たな仕組みに移行しても何の改善にもならないと思うんです。 そこで、百歩譲って、独立行政法人になる特別会計とそのままの会計があると思いますが、私は必要のない特別会計もあると思うんです。特に公共事業関連の特別会計は、特別会計として存在しなくても十分仕事ができるのではないでしょうか。例えば、道路整備特別会計、空港整備特別会計、港湾整備特別会計、治水特別会計など、あえて特別会計にして管理する必要はないのではないでしょうか。 今後、公共事業は、さっきからお話も出ておりますとおり、多くのものを地方に管理を任せることにしているわけでありますから、その辺のところはどうなのでしょうか。 建設大臣、運輸大臣、お見えいただいておりますので、お尋ねします。
○国務大臣(瓦力君) 竹村委員から道路特別会計、治水特別会計につきましてのお尋ねでございまして、特別会計につきましては大蔵大臣から今御説明がございました。 私ども建設省といたしまして、道路及び治水事業は依然として国土条件から申し上げましても必要でございまして、それぞれ五カ年計画に基づきまして、道路特定財源、地方公共団体や利水者からの負担金、一般財源等による必要な財源措置を講じつつ計画的に実施をいたしておるところでございます。事業に関する経理の明確化を図る必要があることから特別会計が設けられているものでございまして、この制度があるために効率的な整備が妨げられるというものではございません。 建設省として、従来から公共事業の効率的、効果的実施という観点、それから類似事業間の調整、また公共事業のコストの縮減、また費用対効果分析の活用、公共事業の再評価システムの導入、これらに今積極的に取り組み、また実施もいたしておるところでありまして、このような取り組みを一層推進してまいりたい、かように思っておるわけでございます。 今、委員からお尋ねでございますが、国土条件からいいまして、この特別会計のあり方というものは私どもは必要である、こう考えております。
○国務大臣(藤井孝男君) お答えを申し上げます。 港湾整備事業そして空港整備事業の特別会計の件につきましてですが、この両事業とも、地方公共団体あるいは受益者からの負担金、また空港使用料等の自己財源、さらには一般会計からの繰り入れ、こうしたものを一括計上いたしまして、その上で直轄事業と補助事業、さらにこれを一くくりにいたしまして経理することによりまして一体的な、また計画的な事業の実施を図るということが必要ではなかろうかと思います。 ただいま建設大臣から御答弁申し上げましたように、こうしたことによりまして経理の明確化を図るということ、私どももその点はしっかりやっていかなきゃならないと思いますし、また港湾事業にいたしましても空港事業にいたしましても、国内の全国的なネットワークの形成、維持の観点からも非常に必要なものと考えております。 いずれにいたしましても、今後とも特別会計によりまして空港及び港湾の整備を実施していくことが必要かと存じております。 ただ、建設大臣からもお答えいたしましたように、公共事業につきましてはコストの縮減あるいは費用対効果、時のアセス、建設省あるいは関係省庁との連携というものもしっかりしていくことによりまして、この制度が国民に理解が得られるように、またコスト縮減、むだということがないようにしていかなきゃならないことは当然のことと考えております。
○竹村泰子君 各省庁の省益という観点からいえば、特別会計が要らないなんて言っている、何てやつだとお思いになるかもしれないと思いますけれども、国民も見ていますから、こういうことで目に触れないような形で、ディスクロージャーされないような形で大きな事業が進んでいくということについては批判が随分出ているというふうに私どもは聞いております。 特別会計と独立行政法人の関係、そして特殊法人との関係などについてほとんど明らかになっていないので、また改めて総理にもお伺いをしたいと思いますけれども、大蔵大臣、今後特別会計のあり方について検討をしていく必要があるとお思いでしょうか、もってのほかだとお思いでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 私は、三十八特別会計でございますか、そのすべてについて承知しておるわけではありませんが、今までの私の経験からいってよく承知しているのは、先ほども申し上げましたあの国立学校特会でございます。これは率直に言って非常によく機能している、そう思っております。 問題があるところがあれば、それはそれなりに改善措置をしていかなきゃならぬと思いますけれども、特別会計そのものを、きつい言葉で言えば罪悪視する考え方は私にはありません。それぞれに悪い点があればそれは是正する、経費については節減合理化を図る、そしてより能率的に、より効果的に目的をなし遂げるように努力をしていくということが大事なことだというふうに思います。 先ほども申し上げましたけれども、財政構造改革法におきましても、一般会計のみならず、同じように特別会計につきましても経費の節減合理化を図って、そして財政構造改革に資するということでやっていくべし、こうなっておるわけでありますから、その規定の趣旨を尊重して、そして改革措置を進めていくことが大事であろう、こういうふうに思っております。
○国務大臣(瓦力君) 日ごろ御指導いただいております竹村委員から省益と言われますと、ちょっとまた答弁に立たなきゃならないような気持ちになります。 委員御案内のとおり、白糸トンネルの崩壊事故もございました、また蒲原沢の大きな災害もございました。やはり雨が降りますと、急峻な地形を持つ我が国にとりましては水害も生ずるわけでございまして、我が国土は欧米社会と違って極めて軟弱な国土だと。そのため安心、安全を確保するためにどうあるべきか、こういった観点からいたしましても社会資本整備、安心できる国土づくりというのは極めて重要で、これは国益と、こう申さなきゃならぬと思うわけでございます。省益と言われますと、その大宗を担う建設省でありますので、省益イコール国益、こうひとつ御理解を賜りたいとお願いする次第であります。
○竹村泰子君 もちろん、私は特別会計が全部悪であり、全く全部要らないんだ、ゼロにしろなんて言っているわけではありませんで、おっしゃるとおり、きちんと国が対処しなければならないものもあるでしょう。ただ、地方分権という観点から言えば、かなりのものが特別会計でなくてもできるようになるのではないかと言っているわけでして、この議論は時間の関係でこの辺で切りたいと思いますが、皆様が特別会計を検討する気持ちが余りおありにならないということだけはよくわかりましたので——そんなことはないですか、そういう感じを受けましたので、また続きは後日やりたいと思います。運輸大臣、建設大臣、ありがとうございました。 これもしつこいようなんですけれども、私は十月十四日の予算委員会の質問で、特殊法人に関して財政法二十八条の問題点について三塚大蔵大臣にお尋ねをいたしました。また再びこの問題を取り上げたいと思います。 財政法二十八条なんですけれども、私はこのとき、動燃事業団のような特殊法人の予算一決算がどこにもないと。財政法二十八条をあけてみますと、そこには、「国が、出資している主要な法人の資産、負債、損益その他についての前前年度、前年度及び当該年度の状況に関する調書」と、これしか必要ないんですね。予算、決算はどこにも文字がないと。私たちは、悪い例ですが、動燃事業団のように予算や決算が全く必要なく、そしてああいったでたらめなことをやられてはたまらないということで質問をしております。 このとき三塚大蔵大臣が、「国会は国民代表で審議をする場でありますから、不備な点は充足をしなければなりませんし、今後、御趣旨を踏まえて検討を申し上げます。」というふうに答えていただいているのですけれども、この財政法二十八条の改正について、検討をなさったでしょうか、していないでしょうか。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 昨年の国会においての先生と三塚大蔵大臣との間でのやりとりは十分承知しているところでございます。 ただ、実際問題として、検討いたしていきますと、政府出資法人というのはこれは民間企業と同様の企業的な活動を行っているものでございまして、こうした活動については、これはむしろ損益計算書及び貸借対照表によってその業務内容が明らかになる。これは民間企業と同様でございます。 そのために、政府出資法人につきましては、現金の受け払いの統制を目的とする予算及び現金の受け払いの結果を示す国の決算のようなものではなくて、今後一年間の活動見込みについては損益計算書、貸借対照表及び資金収支の見込み額を、それから実績につきましてはその決算額を予算の添付書類として国会に提出しているところでございます。この二十八条に基づく添付書類は国会における予算審議の参考とするために作成するものでございます。現在、最大限急いで、予算提出の後、審議が始まるまでに提出しているところでございます。 他方、政府出資法人につきましては、これはその予算につきましては認可予算というものが作成されるわけでございますが、その認可予算というのは国の予算を踏まえる必要があることから、予算の政府案作成後、認可予算の作成に着手することになるということで、実際問題として各法人の事業年度開始前に作成し認可を受ける、三月末の認可ということになっております。 〔理事高木正明君退席、委員長着席〕 したがいまして、二十八条書類は予算の審議のための添付書類として出すわけでございまして、その時期にこのような認可予算をあわせて参考書類として出すことは時間的にも物理的にも実際問題として無理であるということではないかと考えております。 なお、認可予算につきましては、これは広く閲覧可能なものとなっているところでございます。
○竹村泰子君 改正がされたのかどうか、少しずつ改正の方向に向けて進んでいるということは認めますけれども、しかし、予算がちゃんと国会で審議された後につくる書類というようなことでありますから、私どもはまだまだ矛盾を非常に感ずるわけです。 時間がなくなりましたのでやめなければなりませんが、この悪名高き財政構造改革法改正、五カ月前に改革法が出されて、我々の反対を押し切って強引に可決に走られた、そして五カ月です。さっきも同僚議員からお話があったとおり、これを受ける側は大変てんやわんやだと思います。私たちは、このような状況を国民がどう見るのかということを、きょう言っていたことがあした変わる、そして消費税の柔軟な対応とか、つまり削減までいかなくてもせめて適用除外というふうなことを考えるとか、公定歩合を〇・五%引き上げるとか、そういった具体的な是正についてはかたくなな姿勢を崩さないこの国の姿勢に対して国民が強い不満を抱いているということで、ともども責任を感じながら改めていく方向を見出したいと強く思っているところでございます。 ありがとうございました。(拍手)
○海野義孝君 公明の海野でございます。 昨年十一月の財軍法の審議のときに、私も一時間ほど時間をいただきまして、ここで前大蔵大臣にいろいろと御答弁いただきました。それからわずか半年足らずというところでございますけれども、再びまた財草問題についていろいろと審議をするということについて、そう言っては何ですけれども、国会というところは大変能率の悪いことをやっているなと。もっともっといろいろとやるべきことが山積しているけれども、この問題をまたここで時間をかけてやるということについては、これはだれも得をしているわけじゃないのでありまして、我々議員もそうですし、政府、官僚の方々もそうでありますし、それ以上に国民の方々は大変迷惑している。尾身長官の議論をおかりすれば、大変心理的に国民は参っている。これがいつ払拭できるかということが今年の我が国の大きなポイントになろうということかと思うんです。 そこで、最初に尾身長官にお聞きしたいと思います。 余りいつもいい話を御質問できなくて申しわけないんですけれども、早くにこにこしてお互いに話ができるようになればいいと思うんですが、いましばらくはどうもそうもいかないと思うんです。 実は昨年のことなんです。もう過ぎたことなんですけれども、平成九年度の日本経済の成長率というのが来月発表になろうかと思います。顧みまするに、オイルショックがありましたね、これはもう既に二十三年ぐらい前になりますけれども。これは言うなれば外的な要因によって突然我が国の経済が奈落の底に落ち込んだということで、経済成長がマイナスに転じたということであります。それから今日まで久しく、近年は高度成長が終わって成熟経済に入り、でこぼこ的なそういう時代に入っておりますけれども、前年を下回ってくるということはなかったのでありますが、今回、どうも不幸にして平成九年度の経済成長率はマイナスになるということでございます。 私が申し上げたいことは、実は一昨年の暮れに、平成九年度の予算編成に際して、その前提となる我が国の平成九年度の政府の経済見通し、たしかこれは名目で三・一%、実質で一・九%というように私記憶しておりますけれども、そういう大変高い見通しを出されたということだったわけです。 これが実質的にはほぼゼロ成長、あるいは若干のマイナスになるということでありまして、この一年間のこういった大きな情勢の変化といいますか、その中には、いろいろと政府がおっしゃっているように予見できなかったという、私に言わせれば予見できなかったことは全く何もないわけでして、すべてこれは早目早目に対応できたはずの問題だと思いますけれども、いずれにしましても、当初の見通しから大きく一年の間に急変したということであります。 その中で、いわゆる見通し等がいいということから、昨年の四月には消費税を引き上げるとか、あるいは特別減税を打ち切るとか、そういったことに踏み切ったということがあったんじゃないかと思うんです。 そうしますと、これは経済見通しが正しくてそのように実行したのか。景気の見通しというものが、昨年春そういったことに踏み切るということによってかなり影響を受けるというようなことについての見方がいささか慎重さを欠いていたのか。しかし、昨年の春には思い切ってやらざるを得なかったのか。 そういったことを踏まえて、企画庁長官、ここ一年を回顧して、経済の面を御担当するお立場でどのようなお考えというか御所見をお持ちか、その辺をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 平成九年度の経済見通しについてでございますが、年度の初めに消費税を三%から五%に上げることになりました。これはさかのぼって、その三年前に所得税の先行減税をいたしましたが、その三年前の時期も景気が相当に厳しい状況でございまして、所得税の引き下げと消費税の引き上げ、それからさらには社会福祉関係の予算の増額という問題もございまして、セットですることになっていたわけでございます。景気の状況にかんがみ、所得税の先行減税三年間ということで、二年にするか三年にするかという議論があったと思いますが、結果的には三年後に消費税を引き上げるということをその三年前に決めて実施をしたわけでございます。 そこで、昨年の四月に予定どおり消費税率引き上げということになったわけでございますが、私どもその前の一昨年の十二月に平成九年度の見通しを立てました。実質一・九%という数字でございましたが、消費税の引き上げに対応する三月までの駆け込み需要、これはいろんな消費がありましたが、主として消費とそれから住宅建築等に非常に大幅に出てまいりましたが、そのまた反動が四月から六月にかけて予想外に大きく出たということが一つございます。 それから、その後七月−九月にはやや景気も持ち直して順調な回復軌道に乗るかなというふうに見られたわけでございますが、十月、十一月、十二月にかけましてアジア経済の混乱、あるいは金融機関の相次ぐ破綻等によりまして、消費者の先行きに対するマインドが著しく低下をいたしました。その結果として、いろんな意味での最終需要の停滞が起こりまして、それが結果として生産、雇用の面にあらわれてきた、こういう状況でございます。 そこで、昨年末の十二月から一月にかけまして、特に金融システムについての不安感が高まったために、金融システム安定化対策三十兆円を打ち出しまして、これを実施いたしました。 したがいまして、金融システムに対する不安感というものはやや回復したと思っておりますが、しかし、一時相当長く続いた消費者のマインドの低下というものが実体経済に、一月、二月、三月に非常に厳しい形であらわれてきたということでございまして、生産及び雇用が停滞をし、非常に厳しい状況が続いている、こういうふうに理解をしております。その結果として、平成九年度経済見通し一・九%は実現が非常に難しいということで、十二月に〇・一%という見通しに改定をしたわけでございますが、これがどうなりますか、まだ一月−三月の数字が出ておりません。 いずれにしても、経済の状況は非常に厳しいということでございまして、私ども、総合経済対策を含めて各般の施策をしながら順調な回復軌道に乗るように対応してまいりたいと考えているところでございます。
○海野義孝君 引き続き長官にお願いしたいんですが、そういう大変厳しい御認識をお持ちの中で、昨年の暮れには、今年の、平成十年度の経済見通し、名目でたしか二・四%、実質一・九%、こういう見通しをお立てになったということが私にはよく理解できない。 それは、その先に再び補正予算を組むとか、そういうようなお考えがあったんじゃないかと思います。それでなかったならば、いわゆるデフレ財政予算を組んで、たしか当初一般予算でマイナス一・三ですか、こういうような予算を組んで、そういった中で、ことし景気が大変落ち込んできていて明るい数字はまだ何ら出ていない段階で、今年の見通しについて昨年と実質的には同じ数字をお出しになった。これは実質的に平成九年度はマイナスになりそうだと、それから見ますと、平成十年度はそういうデフレ予算、そういった中で、前の見通しは狂いましたけれども、今年また同じような見通しを出されたという背景には、やっぱり何らかの政策を講じない限りはあり得ないというように思うんですけれども、昨年の暮れにこの見通しをお立てになったときの御判断というのはどういうことであったか、それをちょっと。
○国務大臣(尾身幸次君) 昨年の十二月に実質二・九%という見通しを立てましたときには、私が経済企画庁長官として責任者でございました。 そのときの見通しでございますが、情報通信とかあるいは土地の有効利用とか、そういう部分に関します規制緩和を進めて民間活力を中心に経済を立ち上げていこう、それから土地の不良債権の処理を進めていこうということで、今回の対策のようなトータルプランはまだ一部しか出ておりませんが、地価税の凍結あるいは土地の譲渡益課税の抜本的な軽減をいたしまして、この土地税制につきましてはバブル以前の水準に全部戻したわけでございます。 そこで、特に土地の譲渡益課税等につきましては、四月までの間に法律が通るという状況でございましたが、一月一日にさかのぼった取引までやるというようなことをいたしました。さらに、三十兆円の金融システム安定化対策、二兆円の特別減税等々を行いまして、民間活力中心に経済を順調な回復軌道に乗せていきたいということで一・九%の見通しを立てたわけでございます。 ただ、その場合にも、私自身の経済演説の中にも申し述べていると思いますが、経済は生き物でありますので、その時々の状況に応じて臨機応変、適時適切な対応をしていくということを含んで考えていた次第でございます。 その後、二月、三月ころになりまして、先ほど申しましたような意味で、消費者のマインドの方はややこの春先から改善したかの兆しが見えているわけでございますが、実体経済——生産、雇用、失業率、そういう実体経済の面では非常に厳しさが増している状況にございます。 そこで、それに対応してさらに一段の抜本的な経済対策をするということで、四月二十四日に総合経済対策をまとめたわけでございまして、私どもはこの総合経済対策で経済を順調な回復軌道に乗せていきたいと考えている次第でございます。
○海野義孝君 今の長官のお話を私なりに解釈しますと、その後、戦後最大といいますか、先般の十六兆六千五百億円というような大変な事業規模の総合経済対策をお出しになったということですから、これはもっと高い経済成長率が出てもおかしくはないんじゃないかと思うんです。政府は、向こう一年で二%ぐらい経済を押し上げる効果があるということでありますけれども、どうも民間のシンクタンクなんかによりますとそれよりももうちょっと低い。 さらにそういった中で、現在の、例えば総合建設会社、ゼネコンなどが大変財務的にも実質的な不良債権を抱えている問題であるとか、いろいろな面からしましても、それからまた、一方ではかなり落ち込んできている国民の心理状態等々から見ましても、今回の対策によって丸々数字が一・五とか二%という形で出てくるということは、ちょっとこの見方もいささか甘いんじゃないか、こういうことも言われるんですけれども、長官、その辺一言お願いいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもの試算では、この総合経済対策は、景気回復を一日も早く実現するという目的とともに、二十一世紀の活力ある我が国の経済社会を民間活動中心で実現するために経済全体の体質を強化改善するという二つのねらいを持ってつくったものと考えております。 そういう中で、いわゆる財政出動的な十六兆円を超える事業規模の予算を組みまして、そのことによってもたらされる経済効果というものをいろんな社会資本の整備あるいは減税等の乗数効果を含めまして試算をいたしますと、今後一年間でGDP対比で二%程度に上る経済に対するプラス効果があるというふうに見込んでいるわけでございます。補正予算及び関連法案の成立の時期にもよるわけでございますが、二、三カ月後には現実の経済に対する効果が出始めてくるというふうに考えているわけでございます。 そして、その効果が出て経済が順調な状況になった後は、さらに経済構造改革、ベンチャーを育てるとか、あるいは金融のビッグバンとか技術開発とか、情報通信とか、そういう分野のいろんな活動を刺激することによりまして中長期にわたって順調な回復軌道に乗っていく、そのように経済を持っていきたいと考えている次第でございます。 先ほど来総理が申し上げておりますが、金融における不良債権の処理、トータルプランというものも経済を身軽にする上で大変大事な役を果たすというふうに考えておりまして、そういう政策を総合的かつ強力に進めていくことによりまして一・九%という十年度の見通しは実現できるものと考えている次第でございます。
○海野義孝君 企画庁長官にもう一つお願いしたいんですが、今回の総合経済対策による効果は二%とおっしゃったんですが、確かに事業費の中を見ますと、科学技術であるとか情報通信であるとか、あるいは環境であるとか教育・福祉であるとかいろいろありますけれども、従来型の公共事業にかわってかなり今後の民間の活力というか、誘発効果を引き出すような、そういう面にも手厚い配慮がされているということなんです。 そこで、ちょっとお聞きしたいのは、例えば消費とか民間の設備投資とか公共投資であるとか住宅投資であるとか、そういうセクター別の寄与度というのは二%効果がある中身ですね。それが具体的にどうなんだということを何かお持ちになっているかどうかということが一つ。これはコンピューターではじいたやつだから中身は余りないということになるかわかりませんけれども、それが一つ。 もう一つは、従来の公共事業については河期かにわたるいわゆる五カ年計画というのでずっとやってきて、その中で年々の予算をやり、その分の中で景気が悪いときには補正予算を組んで上積みする、こういうことをやってきているわけですね。 今回の場合、私なんかも審議に参加しましたけれども、例えば大店立地法、中心市街地の活性化等について、これが今回もうぽんと補正で八千億円上積みになっているわけですね。従来、十一省庁で一兆円強のそういった予算を当初一般予算で組んでいますから、今度はそれに加えていると。こういうものは私はいいと思いますけれども、つまり、長期的なビジョンがあって、例えば五年計画の第一期、第二期、第三期というような長期的な計画があって、そういった中で、今回の景気対策も踏まえてここで前倒しで思い切って手厚く予算をやるというような一貫したものの中でやっているのか、あるいは今回突然こういったことでこれだけやってみようと。 だから、私に言わせると、情報通信関係については向こう十年、二十年でこういうビジョンがあって、それに対してこれだけの金を使っていくんだと、そういう中で今回は景気対策としてこのぐらい追加して投じているんだというものが私どもにはわからないわけですね。その点はいかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 各部門で、消費、設備投資あるいは住宅等々が一・九%の内訳でどういう形で伸びるかということについては必ずしも厳密な計算をしているわけではございません。 ただ、いわゆる消費者のマインドの向上とか、そういう点は今度の政策である程度期待ができるのではないかというふうに考えておりますし、それから設備投資とか住宅投資につきましては、設備投資については設備投資促進税制を今度の税制改正で期限を切ってやるということでございますし、住宅に関しては住宅金融公庫の金利を三%から二・七五%に下げるという対策もやりつつ税制面でも対応しているということで、いわゆる政策減税とか政策金融の面で設備投資、住宅等のプラス効果をねらっていると。それから消費につきましては、御存じの特別減税による刺激効果というようなことで、それぞれの分野でいろんな対策をやっていることであるというふうに理解をしております。 それから公共事業につきましては、いろんな種類の計画がございますが、その計画の前倒しということではやっておりませんが、今回のこの補正予算の中身、経済企画庁の試算でずっと眺めてみますと、昨日もそういう議論がございましたが、全体の予算支出の中で、いわゆる公共事業官庁と言われております建設省とか農林水産省とか運輸省のシェアが全体としては低くなっておりまして、科学技術庁、環境庁、文部省、厚生省、通商産業省、郵政省というような役所のシェアがこの補正予算に関していいますとかなり際立って高くなっているわけでございます。 そういった点から考えましても、全体の今度の政策の重点の置きどころが、技術開発とか情報通信とか、あるいは教育施設とか福祉の施設とか、そういうものに重点的に配分をされておりまして、そういう面で、今までどちらかというといわゆる政治的な圧力が強くなかった分野であっても、日本経済の将来の強化のために大事な分野に相当程度重点的に配分をしてきているというふうに考えている次第でございまして、これがいずれかのときに必ずやサプライサイドの日本経済の体質強化になってはね返ってくるというふうに期待しているところでございます。
○海野義孝君 大変重要な御指摘をされているわけで、補正予算と当初一般会計予算とは違うということにならないように、何か木と竹を接いでいくようなそういう予算の編成では困るわけでして、今回のこの補正という問題が、さっきおっしゃったように当面の景気対策ということだけでなくて、二十一世紀を踏まえた経済構造改革等、そういったものを実現していくための一つのステップである、こういうとらえ方は大変私は結構だと思いますけれども、これが来年度、平成十一年度の当初予算のときにまた変わってしまって、シェアも前に戻っちゃった、あれは一過性のものであったというようなことでは困るので、その辺も含めて大蔵大臣、いわゆる財政構造改革と今回の総合経済対策、こういったものが来年度以降の予算、または財政構造の集中改革期間、こういった中で整合性のある形のものになっていくかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 今、これから御審議を願う平成十年度の補正予算の中に組み込まれておる社会資本整備、公共事業費の分野の問題について経企庁長官からお話がございました。 経企庁長官の話にありましたように、いわゆる在来型の公共事業という色彩は非常に薄くなっているんです。総理の言葉で言えば、後世代の人から整備してくれておいてよかったと感謝してもらえるような社会資本整備に重点を置いてやっていこうというわけで今回の補正予算の公共事業費は組み込まれておるわけであります。 この考え方は、私は将来とも持続してやっていかなきゃならぬ、公共事業のための公共事業じゃなくして、後世代の人から感謝されるような社会資本の整備という考え方を基本にして今後とも公共事業予算は組んでいかなきゃならぬというふうに思っております。
○海野義孝君 お言葉どおり、今後ひとつ、来年度以降もそういった形に、ということは、私の言いたいことは、要するに補正予算のときには当初予算とはがらっと変わる、ところがまた来年の当初予算を組むときになるとこの辺のところはぐちゃぐちゃになってしまって、せっかく今回スタートしたこういった新しいインフラ、そういうものの整備の面がまたとまってしまう。 ということは、財政構造改革という法律に縛られて、そういった中で物事を進めていくときにやはりその辺がぎくしゃくするわけですね。そうすると、ことしと同じように当初予算では絞ったけれども、それが今度は補正予算で景気対策を含めて、しかもその中で社会資本の整備については大きく変わったんだぞと、これが来年度の当初予算を組むときにはまたもとへ戻ってしまう、こういうことを繰り返していくというおそれが今の財政構造改革法に縛られている限りはあるんじゃないか、こういうふうに私は思うんです。 ですから、むしろここで、政府側がおっしゃっている平成十、十一、十二の集中改革の期間を、むしろ社会資本の整備等も踏まえて、二十一世紀にめどが立つようなそういう経済再建、また経済構造改革を思い切り推進するための集中期間にすべきじゃないか、私はそういうふうに思うんです。 そこで問題は、昨年来、財政構造改革法というものが制定されるに当たって、景気の問題あるいは金融問題等絡めていろいろな検討がなされてきたんじゃないか、そういう財政や金融などの改革の検討が。それに伴う副作用というもの、いいことずくめじゃないわけで、改革には当然痛みが伴うからいろいろな副作用が出てくる、そういうことを含めて政府内で総合的な検討というものをきちんとやったかどうかということなんです。そういう何かきちっとしたレポートがあるのかどうか、その辺、大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) このたびの総合経済対策を取りまとめるに当たりましては、先ほど来申し上げておりますような単なる財政出動的な公共事業だけをふやすというようなことではなしに、従来、公共事業をふやすという考え方は、もちろん社会資本の整備は大変必要でございますが、そういう考え方ではなしに、先ほど言いました経済構造改革を進め、それから不良債権の処理を進め、ベンチャーを育て技術開発をするというような考え方を部内でいろいろ検討してまとめまして、その考え方として総合経済対策という文書で考え方を整理した上で、それに応じた予算のつけ方を大蔵省にお願いしたわけでございます。
○海野義孝君 ちょっと何か長官、取り違えていらっしゃると思うんです。つまり、私が言うのは、財政構造改革とそれから金融制度改革、こういうようなことを進められていく改革についての検討に当たって、当然改革にはいろいろな副作用が出てくるわけです。痛みも伴う。そういったことも含めて総合的に、財政構造改革法、こういったものを昨年つくるに当たっては、その面での十分な審議が行われたのか。今日半年もたたないうちにやはり景気との問題、あるいはこの景気の中でも大変強調されているのは金融システムが大変不安定になった。これに今回三十兆円公的資金を投ずることになったと。その効果で多少国民の中にも落ちつきが出てきているんじゃないかとか、そういうことをおっしゃっているわけなんだけれども、財政構造改革、金融制度改革、こういったことの検討が副作用を含めて総合的に行われてきたのかということなんです。それは承知していてもあえて去年財政構造改革法案を強行したということなのか、私の知りたいところはその辺のところなんです。 それで大蔵大臣にお聞きしたんですが、長官、せっかくお答えいただいたけれども、私が期待していることとちょっとすれ違っているので、その辺をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今のお話は、財政構造改革を進めながら日本経済の体質を強化する、もちろんいろんなところにしわが寄るであろうということでございますが、これは金融のビッグバンを進めたり、逆に言うとベンチャーを育てることによって雇用を増大させて、その面で経済を発展させてそこで税収を上げるというようなことも含めまして、私どもとしては財政構造改革と経済構造改革を両立する方策を全力で模索し、その結果として昨年十一月の対策も出し、予算も組み、それから四月二十四日の総合経済対策もまとめたというふうに、委員が今おっしゃいましたようなことを意識的にかなり考えた上で政策を詰めているつもりでございます。出てきたものが果たして百点満点をとったかどうかということについては、これは歴史の批判を待つ以外にないと考えております。
○海野義孝君 大蔵省の方から毎月の税収の状況の報告をいただいておりますけれども、これは新聞にも最近出ておりましたが、何か平成九年度の税収、これは一方で、去年の十二月に特別減税復活ということでその分の収入減ということも当然あるんでしょうけれども、どうも私これを見ていますと、財政構造改革ということが、これは要するに歳出を切り詰めるということについてかなり力を入れて去年、ことしと予算の中で出ていますけれども、肝心かなめの景気の裏腹となっている税収の面は、私は去年もたしかこれは前の大蔵大臣にも御質問したように思うんですが、去年の四月のいわゆる特別減税打ち切り、それから消費税のアップ、こういったことによる分を除いて見ますと、景気が悪いために結果的にネットでは税収は多少減るんじゃないか。今回も当初と補正で見ますと一兆円ちょっとぐらい、税収見込みが五十六兆円何ぼにやや減っていますけれども、これは特別減税の分による税収減というものも考慮しましても、去年の春の消費税アップ、あの中で地方税の分の控除をしたりあるいは所得減税の打ち切り等の分を五十六兆何がしかから除いて見ていったときに、前の年に比べてほとんど変わりないと。 結果的には、財政構造改革によってむしろ景気に対する柔軟な対応がおくれてしまったということ、そういったことがひいては、財政構造改革の中は歳入と歳出と両面があるわけで、歳入については昨年国民の負担を強いた。ところが結果的には、歳出についてもかなり絞り込んだが、やはり景気がだめなために歳入もいい結果が出ない、こういうことになっているわけですね。 そういうことを考えますと、果たして昨年度の税収がどうなるか。それから、今年度の見通しについてはどうか。ことしは景気がよくなって自然増収がない限りは特別の増収の要因はないわけですから、去年は一時的にあったけれども、景気が悪いためにこれは表には結果的には出なかったと。私が危惧したようになったようですが、そういった中で、ことしはいわゆる景気次第ということなんですが、こうなってくると、要するに景気に対する税収のそういった弾性値というか効果、これをどのぐらいに置くかということでも違うんでしょうが、その辺についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。 まず、第一点目の平成九年度の税収見込みでございますが、現在判明しております直近の実績は、先生御承知のように十年三月末の税収実績でございます。これで見ますと一〇三・四%というふうになっているわけでございます。これは補正後予算の前年度比八%でございますから、確かに下回っていることは事実でございます。 ただ、先生のお話にもございました消費税の引き上げなどによります増収効果、これが三月決算法人を中心に集中的に出てくるのではないかというふうに見込まれるわけでございまして、そういう意味でいいますと、今の三月末での対前年同月比で全体を推しはかるということはいかがかなというふうに考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、九年度税収全体の動向でございますが、予算に対しての進捗割合、三月末で七三%の段階でまだ確たることは伸し上げられる段階にはございません。今後、申告所得税の振替納税分、これが四月の税収になってあらわれてまいります。 それからまた、これも先生御承知でございますが、法人税につきましては消費税と合わせまして三月決算法人、これが五月分の税収となって出てまいります。そういうことで、残された二カ月分の税収につきまして、九年度中の経済動向の影響がどのようにあらわれてくるかというような観点も含めまして、十分今後注視していく必要があるというふうに考えているわけでございます。 それから、十年度の税収がどうかというふうなお尋ねがございました。十年度の税収につきましては、今般、総合経済対策の特別減税、それから投資減税に係る分、合わせまして一兆四千七百三十億円の減額を行う御提案をさせていただいております。 それで、それではそもそものこの十年度の当初予算の税収がどうかということになるわけでございますが、先ほど経済企画庁長官のお話もございましたが、十年度の税収見込みは、十年度の政府経済見通しのほか、予算編成時点までの課税実績などを勘案いたしまして個別税目ごとの積み上げにより見積もりを行ったわけでございます。利用可能な資料を最大限に利用いたしまして努力した数字でございます。 いずれにいたしましても、十年度税収でございますが、まだ年度が四月ということで始まったばかりでございます。ほとんど収納されておりません。したがいまして、十年度税収につきましては今後の経済・税収動向を十分に注視してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○海野義孝君 今のお答えですと、平成九年度については五月になって決算額が出てみないとわからないということですけれども、新聞等の報道によれば大変厳しいような見方が書かれております。私は昨年も十一月にその問題を取り上げて、上半期の税収の面からいっても大変問題が起こるんじゃないかというような話をしたことがあります。したがって、補正予算を組まざるを得ないんじゃないかというようなことを申し上げた記憶がありますけれども、今回はどういうことになるか。再びまた今年度中に次の第二次補正予算なんという話もあるやに聞いておりますけれども、そういうことのないようにひとつうまく総合経済対策の効果が出ればいい、こういうふうに期待しております。 最後に、もう一問だけ申し上げますけれども、先ほど竹村先生からも御質問があって、これは私、去年、前大蔵大臣ともさんざんやりましたけれども軽くいなされてしまって、私はよくわからないんですが、こういうことです。 一般会計と特別会計、財投関係、それから地方財政、こういったものをひっくるめた総合連結的なバランスシートというものを提出してほしいということを申し上げて、それで大蔵省の方から出していただいたんですが、よく見たら極めて簡単な一枚の紙っぺらに書いてあるだけでよく理解できない。その辺の仕組みですね。 そういうことで、実は私がお聞きしたかったのは、今回、公的資金を使って三十兆円、さらには今後の不良債権の処理で自民党幹部の方からはさらに追加的な公的資金の導入というようなことを言われていますけれども、今回の十二兆円のいわゆる金融機関に対する資本注入というのが大変評判が悪くて、一兆八千億円ぐらいしか実際に使っていないという話ですけれども、こういった資金と財政構造の改革という問題、財政再建という問題とはどういうふうに絡んでいるか、この辺が私いま一つよく理解できないんです。 何かその辺のところは、いずれは国民の増税なりあるいはまた借金、つまり公債の発行というような形で回り回ってツケが回ってくるんじゃないかと。ちょうど国鉄や国有林野なんかの問題、これは今回はどうも審議は見送られるようでありますけれども、そういうような形になりそうなので、これは国債整理基金を使って云々というようなことでいつも逃げられているようですけれども、この辺はどうなんでしょうか。こういう公的資金を使う分は結果的には財政負担になるということで、財政のいわゆる中長期的な構造改革計画にこれは支障を及ぼしていくということになるんじゃないかと思うんですけれども、この辺はばんばか公的資金を導入するというような話が出てくるんですが、その辺はどうなんですか。簡単に一言お願いします。
○国務大臣(松永光君) 金融安定緊急措置法の関係での十兆円の交付公債と二十兆の政府保証という関係、合計二十兆でありますが、御存じのとおり、そのうちの十二兆が金融機関の銀行等の自己資本充実、それを通じての金融システム安定ということでやっておるわけであります。 まず、十三兆の方について言えば、委員御指摘のとおり、実際に使われたのは二兆円弱でございます。そっちの方は合計十二兆でございますけれども、三兆が交付国債、この交付国債分は最後のとりでといいますか、として残したままなんです。 自己資本充実に使った分は預金保険機構が日銀その他の機関から借り受けた金で優先株あるいは劣後ローンを買い取る、そういう形で資本注入をしたわけであります。その買い取った優先株あるいは劣後ローン等は三年以内に処分して回収するんです。それまでの間は利息も取るんです。したがって、経済が特別変な状態にならぬ限りは預金保険機構の方は損は出ないはずなんです。そうしますというと、交付国債は現金化したときに実は国債を使ったことになるわけでありまして、現金化しない限りは国債は預かっているままということでありますので、この十二兆分についてはまずは国民負担になるようなことはないはずというふうに思います。 十七兆の方は預金者の預金保護という関係で使うものでありますから、これは場合によっては預金者の預金を守るための費用として使うことあり得べしということでございます。
○海野義孝君 では、もう一問だけ。 今のお話はある程度理解できますけれども、どうもそういう公的資金の導入というふうな問題については、ここのところの尾身長官が言われるような国民の心理的状態が冷え込んでいるという一連の問題の中にも、そういうような金融システムの安定化とか金融行政等に対しても国民が不信というか、十分にそれを理解して政府の政策をバックアップしようというような面が私は欠けていると。それはこのところの、昨年来の財政構造改革法を決め、そしてそういった中で結果的に国民は大変な、一時的であるかもわかりませんけれども、負担を負い、その効果というのは何ら出ていない、そういう中で金融システムは不安がどんどん募っていく、そういったいろいろな問題。 あるいは東南アジアにおける問題、私以前にどこかで申し上げましたけれども、まだ東南アジアの日本経済に及ぼす影響も決着は何もしていないわけでありまして、為替の問題あるいは株式の面で多少小康状態に入っている国もありますけれども、経済的に言うと大変厳しい状態がことしも続いていく。そういう中で、日本の対東南アジアの投資の問題、あるいは邦銀のいわゆる融資の問題、あるいは日本とアジアとの間の貿易の問題、いろいろな面から日本の景況に対しても大変影響を及ぼしてくるという面があろうと思うんですね。 そういう意味でも、ここでせっかく財政構造改革を改正するということでありますけれども、これの運用という点については、何か宮沢元総理もこの財政構造改革法案の改正はさらにまた改正もなんというようなことをおっしゃっているというようなことで、昨年の財政構造改革法制定のときもそうですけれども、今回の改正に当たってもなお問題を先に引きずっていくような感じがしてならないわけです。 そういった面でも、この問題を解消していく問題としては、今回の総合経済対策というものについて、これは本当にその効果が一日も早く出る、そういう意味からすると、今回の補正予算の公共事業あるいは特別減税、こういったものは単年度的なものでありますから、もっと恒久的な効果、または国民、消費者がそういったことを信ずるに値するような制度を、ここにおいても議論が毎日ずっと行われていますけれども、その辺について前向きに取り組んでいただきたいということをお願いして私の質問を終わりとしますが、大蔵大臣、一言今のことについての所感をお願いします。
○国務大臣(松永光君) ASEAN地域に対して日本の企業が相当の投資をしておること、そしてまた日本の銀行が融資をしているということ、これはそのとおりでございます。したがって、ASEAN地域の経済が安定するということは日本の経済にとっても非常に影響があることであります。それだけに我々、インドネシアを中心にしたあの地域の政治の安定、社会の安定、そして経済の安定を望んでおるわけでありまして、そのための支援策もやってきているところでございます。 それから、宮沢先生の話でございますが、詳細は知りませんけれども、伝え聞くところによれば、宮沢先生は恒久的な所得税減税あるいは法人税減税についてのお話をなさったということでございます。仮定の話として、大幅な恒久減税をもしするという事態になったならば何とか考えなきゃならぬ事態も起こるのかなという程度の話だったそうでありまして、再改正云々ということではなかったそうであります。 それからなお、さっきの私の答弁の中で一つミスがありました。それは、預金保険機構が資本注入をした先から買い取った優先株とか劣後ローンなどというものの処分時期でありますが、これはもう少し期間があって、一番いいときに売ればいいという仕組みになっておるわけで、三年と言ってしまうのはちょっとまずいんです。売る時期は預金保険機構が適当と思えるときに売る。三年というのは、資本注入することのできる事業時期が三年でありまして、その後になって売っても構わないわけであります。その点、訂正させていただきます。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 終わります。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 海野委員に引き続きまして、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に関しまして、関係大臣に質問をいたします。 小泉厚生大臣は、五月二十五日の本特別委員会の質疑の中で、社会保障に関しましては日本としては北欧型でも米国型でもない中間型、いわば中福祉、中負担のあり方を目指す趣旨の発言をされました。 そこで、小泉厚生大臣にお尋ねいたします。このような目標を立て始めたのはいつごろからなのかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) いつごろかということですが、平成六年の二十一世紀福祉ビジョンにおいて、公民の適切な組み合わせによる適正給付、適正負担という独自の福祉社会の実現を目指すという、このような方向も踏まえて、現在厚生省としては、制度の効率化、合理化を進めているわけでありますので、中福祉、中負担ということに対して、特別に具体的な数字とか、そういうことではなくて、ヨーロッパ型かアメリカ型かと言われれば、その中間ぐらいではないか、中庸を得た考え方の方が国民に理解されやすいのではないかということだと私は理解しております。
○渡辺孝男君 厚生省は、平成十年度予算のキャップ制に基づきまして社会保障関係費の義務的経費の自然増、約八千億円を約三千億円に削減する目標を立てまして、今回、難病患者の医療費自己負担増、児童扶養手当の支給の所得制限の強化、小児慢性特定疾患治療研究事業の小人症、背の小さい方でありますけれども、の身長の上限設定などを行いました。福祉切っ捨てと言えると思うんですけれども、このような方針が政府の目指す先ほどおっしゃいました中間型福祉の具体的な姿と考えてよろしいんでしょうか。 小泉厚生大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) それは、予算はふやせばふやすほどいいという考えはわかりますけれども、そういう状況じゃないと思う。必要なところに手当てをしていくのであって、負担できる方は負担していただこうという姿勢がない限り、これからますます社会保障関係の費用は増大していくということから、児童扶養手当につきましても必要な見直しを行った。難病についても同じように、重度の方については今までどおり公費負担しますけれども、そうでない方、ある程度負担できる方は負担してください。 本来、無料ならいいという希望はわかりますけれども、あらゆる項目を見直して、将来の負担を考えるとそのような見直しも私は必要ではないかなと思っております。
○渡辺孝男君 負担できる人には負担をしていただくということでありますけれども、児童扶養手当の支給の所得制限に関しましては、シングルマザーの会という方、そういう母子家庭の方でありますけれども、来たときには、それほど負担できるという状況ではないというようなお話を承っておりますので、本当に負担できるのかなという疑念を抱くわけであります。 次の質問になりますけれども、松永大蔵大臣と小泉厚生大臣にお尋ねいたします。 今回、財政構造改革法を改正して、平成十一年度に関しましては当初予算の社会保障関係費のキャップ制を外しましたけれども、なぜ半年を待たずして外すことになったのか。考えれば、やはり平成十年度の社会保障関係予算が、そもそも先ほどおっしゃいました中間型福祉の名に値しない、予算の削り過ぎであったことを反省して、社会保障の予算の削減に関しては慎重を期すべきだ、そのような考え方であったのかどうか、その点に関しまして御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 財政構造改革法の改正案をお願いしておるわけでありますが、その中で、委員御承知のとおり、社会保障関係費については十一年度についておおむね二%増となっておったのを極力抑制するというふうに改正をさせていただくことにしておるわけであります。 それは、おおむね二%という非常に厳しい枠だと、実際問題として、社会保障関係費の特色、高齢化が進む、それに伴って多額の当然増が発生する、その縮減をしていくためには制度改正をしなければどうしてもできないと。制度改正しないまま行おうとすれば国民に多くの負担をお願いしなきゃならぬという事態になりかねない。そういう事態は避けなきゃならない。そしてまた、制度改正というのは十二年度にお願いする予定と聞いておりますので、そうなりますというと、十一年度については、これはおおむね二%という枠では十一年度の社会保障関係費の予算の編成というものがほとんど不可能に近い。そういう特殊事情に十分な配慮をする意味で、おおむね二%というのを極力抑制というふうに改正させていただきたいというわけでお願いをしているところでございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 十年度予算というのは公共事業費も前年度に比べてマイナス七%、そういう状況であるから社会保障関係も三千億円程度の増額で我慢してほしい、各省庁は全部前年度マイナスだけれども厚生省関係と科学技術庁関係だけはプラスなんだということで組んだ予算なんです。 当然十一年度も各省庁マイナス予算を組むことでやっているわけですけれども、その中で飛び出してきたのが補正予算で、公共事業関係というのは兆円単位で上積みするという話が出てきたんです。赤字国債はもう増発しないというところが、これまた兆円単位で増発して減税するという話が出てきたわけです。十年度予算の編成の前提が違ってきたんです。だから、私はそれは話が違うじゃないかと。幾らこういう財政状況が厳しいといっても、ほかの予算をふやして厚生省の予算はこれからふやしませんというのでは、これは今までと前提が違うから私は承知できないと。いろいろ議論がありましたけれども、最終的に私の主張が取り入れられて十一年度は社会保障だけは例外にするということになったわけです。 むしろその方が、十二年度には制度改革が始まりますから、制度改革した上で制度の重点化、効率化を図った方が、全く制度改革なしに、予算が足りないから削りますよ、補助金をカットしますよ、自己負担をふやしますよというよりは、制度改革して総合的な姿を見せて相応の負担をしていただいた方が国民に理解を得られやすいのじゃないかということから、私は上限枠撤廃を主張して、最終的には大蔵大臣も了承してくれたということであります。
○渡辺孝男君 十一年度に関しましてはできる限り抑制した額ということでありますけれども、十一年度の義務的経費の自然増がどれくらいになって、それをできる限り抑制するというのは具体的にどの程度までそれを抑制する、抑えるということなのか、その点に関しまして小泉厚生大臣よりお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 十一年度予算においても三千億円程度の増額が認められているわけです。十年度では当初八千億円程度当然増が出るから、三千億円だと五千億円削減しなきゃならない。当然高齢者がふえてきますから、その分ふえてきます。そうすると、十一年度は今の時点でどの程度自然増があるかというと、大ざっぱに言って六千億あるいは七千億程度じゃないかということなんですが、そうなりますとまた三千億か四千億円削減しなきゃならない。その三千億円の上限枠が撤廃されたものですから、あとどの程度認められるかというのは今後の医療費等の動向を見ないとわかりません。 しかしながら、当然増を全部認めるということじゃありませんから、極力抑制すると。私も当然増を全部認めるということは言っていないわけです。三千億円じゃきつい、ある程度厚生省に裁量権を持たせてもらいたいと。当然増分を削るのは事実なわけでございますけれども、どの程度かというのは、三千億円からどのぐらいプラスになるかというのは、今後、年末、十一月、十二月になってみないと私はわかりません。
○渡辺孝男君 極力抑制ということの意味なんですけれども、どうしても必要なものは確保していくということの裏返しなのかなという気もするわけであります。今年度非常に無理をして予算を削ったということでありますので、先ほど述べましたけれども、児童扶養手当の所得制限の強化、それから難病患者の医療費自己負担の導入、それから小児の小人症への身長上限の設定というようなものは来年度は見直しして撤廃する可能性があるのかどうか、その点に関しまして小泉厚生大臣よりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) これは、上限枠撤廃に関係なく見直しをしていかなきゃならない問題だと思っています。 例えて言えば、児童扶養手当にしても、今もう三千億円を超えていますね。これを現状維持するとなると、こっちの方にどんどん予算を取られていく、母子家庭はふえていきますから。となると、現在でも国が離婚手当を出しているんじゃないのかという批判もあった。同時に、年収四百万円程度まで児童扶養手当を出していたんでは、現在両親がそろっても四百万円の収入がない方がいる。そういう人たちには何もやっていないで、離婚したのと、死別もあると思います、その母子手当に対して、そういう手当を出すんだったらむしろ両親がいる方にも出せという要求が出てくるわけです、公平の観点からすれば。それは予算があればいいんですけれども、予算を削らなきゃならない状況においては、三百万円までで今の母子手当をもらっている方のほとんど、ほぼ八割からそれ以上の方々が今までどおりもらえるわけですから、四百万円程度の方は今回は我慢してほしいということでやったわけでありまして、これをそのまま認めていくとなりますと、ほかの厚生省関係予算を削らなきゃならなくなる。どっちがいいのかの優先度の問題です。 私は、今回の補正に関係なく、もっと真に必要なところに使った方がいいのじゃないかということから、キャップが外されようと補正予算が手当てされようがこれを見直しする必要はないと思っております。
○渡辺孝男君 時間が余りありませんので、早く進めたいと思います。 次に、松永大蔵大臣並びに小泉厚生大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、介護不安や健康不安の解消ということが個人消費の回復にもプラスに作用すると考えられます。 そこで、平成十二年度の介護保険制度開始時点においても介護サービス提供の基盤はまだ不十分である、そのように考えます。私は、新ゴールドプランの最終年度である平成十二年度以降においても、例えばスーパーゴールドプラン、名前はいろいろあると思うんですが、そういうポスト新ゴールドプランの計画を立てて介護サービス等の提供基盤をもっと充実させるべきである、そのように考えるわけであります。 また、医療福祉関連事業の分野は、今後市場規模で二〇〇〇年には六兆円、二〇一〇年には十二・四兆円ぐらいに成長するというふうに推測されております。この分野の発展は今後の景気回復、雇用の創出、地域おこしにも非常に有効である、そのように考えるわけであります。 したがいまして、従来の道路建設分野の公共投資重視の方から介護サービスの提供等の基盤整備も重視する方向に政策転換して、高齢社会の基盤整備の充実とそれから経済の活性化の両立を図るべきである、そのように思うわけであります。そういう意味から、平成十二年度以降もキャップ制にとらわれることなく、やはり必要かつ十分な社会保障予算は確保すべきと考えるわけであります。 この点に関しまして、できれば簡潔に大蔵大臣並びに小泉厚生大臣の御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) これは、十二年度に介護保険制度が実施されますから、上限制、キャップ制がしかれているとはいえ、保険あって介護なしというような状況がないように必要な予算は確保していく、そのつもりで今鋭意基盤整備に取り組んでおります。
○国務大臣(松永光君) 厚生大臣の答弁で尽きているような感じがするわけでありますが、いずれにせよ、社会保障関係費が重要な予算項目であることは言うまでもありません。しかし、急速な少子・高齢社会になるということは間違いないことでありますから、したがって社会保障関係費のある程度の増加は認めざるを得ないわけでありますけれども、その中で、やはり社会の活力を損なわないように給付と負担の均衡を図る、同時にまた制度の効率化、合理化を進めていく、そういう考え方のもとに十二年度以降の予算は組んでいかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
○渡辺孝男君 時間が余り残っておりませんので、用意した質問を少し簡潔にさせていただきたいと思います。 平成十二年度から医療保険制度の抜本改革を実施するということでありますけれども、今の景気の悪化を招いた一つの要因としましては医療費の自己負担増があったということでありまして、今後、抜本改革の中で自己負担がふえてくるということになれば、やはり景気に対して個人消費の抑制という形でマイナス効果を及ぼすのではないか、そのように私は考えるわけであります。 そういう意味で、医療保険制度の抜本改革のときには、まず自己負担増というような改革の前に、やはり薬価制度の改革とか、診療報酬体系の再編とか、あるいは地域間の医療費の格差を是正するとか、そういう自己負担増に直に結びつかない形での抜本改革をまず先行すべきであるというふうに考えるわけでありますけれども、この点に関しまして、小泉厚生大臣の御意見があればいただきたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 医療保険制度の抜本改革は総合的にやっているんです。自己負担も含めてなんです。薬価も基準を根本的に違う方法でやろうと今見直しているわけです。診療報酬体系も直す。ところが、新聞報道は自己負担ばかりやるんです。これが非常に国民に誤解を与えている。自己負担を適正にするという考え方、これも構造改革の一環なんです。 例えば、高齢者の負担も、一月千二十円出したら何回行ってもいいよというのを、今回、一回五百円にして二千円までやる。本来だったらこれは定率一割の方がいいんじゃないかと言う方もいたけれども、これはどうしてもだめだということで定額になった。国保は三割、健保は二割。高齢者も一割でもいいじゃないかという議論がある。今まで絶対定率はだめだと言っていた人でも、むしろ定率の方がいいんじゃないかということを最近言っている人が随分ふえてきた。 だから、自己負担をどの程度にやるかというのも総合的な改革の一環なんです。自己負担が嫌だったら、国庫負担と保険料をどうするのか、診療報酬をどうするのか、薬価をどうするのか、全部をひっくるめてやりますけれども、たまたま自己負担の問題は新聞報道、マスコミで取り上げたがる。私は、これは総合的に出していることを御理解いただきたい。自己負担もどうあるべきか、これは医療のむだとか非効率、重点化を考える問題で、避けて通れない問題なんです。総合的に見ていただきたい。
○渡辺孝男君 ちょっと時間がなくなってきておりますので、次の質問の方に入らせていただきたいと思います。 平成十二年度から施行予定の介護保険法でありますけれども、四十歳から六十五歳未満の第二号被保険者への介護サービスの提供は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾患に限られております。最近、その対象疾患、特定疾患の候補としまして十五疾患が選定されたわけであります。 そこで、この中に特定疾患治療研究事業の対象疾患が多く含まれているわけでありますけれども、これは、もしそういういわゆる難病の患者さんが要介護状態になって介護サービスを受けるということになった場合、やはり一割自己負担というのを求められるのかどうか、その点に関しまして厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 介護保険導入後におきましては、特定疾患に該当する若年で介護を必要とする難病患者に対しては介護保険が適用されることになっています。 しかし、そうなると負担がふえるじゃないか、今まで難病だったから全額公費で見てくれた、介護保険が導入されたら負担がふえちゃう、どうなるんだという問題が出てきますので、介護保険で生じる自己負担については、難病以外の疾病との均衡、難病対策全体の中で介護の位置づけ、将来の財政負担などをかんがみまして、今後私はこの問題については現行の難病対策全体を後退させないという観点から検討していかなきゃならない問題であるというふうに考えております。
○渡辺孝男君 やはり第二号被保険者に関しましては、頭部外傷性の意識障害の患者さんは十五疾患の中から外れているというふうに考えられるわけであります。 藤井運輸大臣にお聞きしたいんですけれども、現在、交通事故に基づく植物状態の患者、いわゆる医学的には遷延性意識障害と言われる患者さんがおられるわけであります。推定では千人を超えている。しかし、現在、療護センターの方ではそういう患者を治療するのは百三十ベッドしかないということでありまして、今後十カ年計画でさらに百三十床ふやすというような計画があるようです。介護保険が適用されまして若年性痴呆の患者さんはサービスが受けられるけれども、この交通事故関係の遷延性意識障害の方は受けられないということで、やはりギャップが大きくなってしまうのではないかということで、その十カ年計画はなるべく前倒しして実施するべきではないか、そのように考えるわけでありますけれども、この点に関しまして御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。 委員御指摘の遷延性の障害者対策につきましては、大変重要な施策でございます。この整備につきましては、御指摘のとおり財政負担が非常にこれはかかるということも委員御承知だと思いますが、そういったことを踏まえて検討していくことといたしております。現在三地区のセンターがございますけれども、平成十年度におきましては中部地区に一センターを四年間の事業で今着手しようといたしてございます。 いずれにいたしましても、それでも今御指摘の対象ベッド数では足りないことも十分承知いたしておりますけれども、今後この点につきましては十分、障害者の推定が平成十八年とのぐらいになるか、およそ千七百名程度というふうに見込まれておりますけれども、そういったことに対しまする施設の整備は、厳しい財政状況でありますけれども充実させていかなきゃならない、このように思っているところでございます。
○渡辺孝男君 一言だけ。 自賠責制度でそういう患者さんを介護するというのは難しいと思いますので、厚生省の方も手助けをしていただいて、障害者に対する十分な介護が提供されるようにお願いしたいと思います。 以上でございます。(拍手)
○田英夫君 国内の経済の問題を同僚委員がずっと取り上げてこられましたので、私はアジア経済とのかかわりの中で御質問をしたいと思います。 先週末にカナダで開かれたAPECの蔵相会議で共同声明が出されました。特にアジアの通貨危機の問題、インドネシアの問題、こういうところに関連してかなり思い切った声明ではなかったかと受け取っておりますけれども、まず最初に松永大蔵大臣のこのAPECでの御印象を伺いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 五月二十三、二十四日、実はその前の二十二日も私としてはカナダの蔵相、アメリカのルービンさん、韓国の大蔵大臣等とバイの会談をするなどという行事をした上で二十三日の総会に臨んだわけであります。 その会議の模様については、今度の共同声明は例年にない詳細な声明になっておりますので、これをお読みいただければその当時の様子はわかることなのでありますが、私の印象を申し上げますと、まずアジアの通貨危機の原因等についての議論が相当なされました。このアジアの通貨危機の問題をアジアだけの問題ではなくグローバルな問題として取り上げる必要がある、こういった意見が多く出されまして理解が深まった、こういうふうに私は思いました。 具体的には、このアジアの通貨危機の認識と教訓を踏まえて資本移動をモニターする必要がある、このことについても大体意見がまとまりまして、その具体的な方策の検討を事務方が行う、こういったことも合意されたと思っております。同時にまた、各国が国内の債券市場の整備といった分野においても新たな作業を開始しよう、こういったことについての合意もなされました。 したがって、非常に成果のあった蔵相会議であったというふうに私は思っております。
○田英夫君 私も報道を見てのことですが、一つの新しい動きというような印象も持ったわけであります。その一つのあらわれは、インドネシアを視野に置いてのことですが、IMFへの要請の中で社会的弱者に特に配慮するようにという内容の要請が出ております。これはどういういきさつでどういう感じで出てきたんでしょうか。
○国務大臣(松永光君) これは日にちからいえば二十三日午後の会議のアジア各国の経済情勢を議論する場で、カナダの蔵相が議長さんであったわけでありますが、私が最初に発言を許されたものですから、言うなればリードスピーカーの形になったわけであります。 その場で、かねて用意しておったわけでありますけれども、アジアの幾つかの国の通貨危機の問題、経済危機の問題を解決するためにIMFが非常に努力していただいたことについての感謝の言葉を申し上げて、そのときはもうカムドシュさんはおいでになっているわけですけれども、カムドシュさんが最初に意見を述べた後のことでございましたが、IMFの活動について謝意を述べると同時に、IMFが改革のプログラムをおつくりになる、そのプログラムを対象国は誠実に履行しなきゃならない、それを履行することによってその国の経済構造が改革される、それによって問題の改善がなされるんだと、そういったことを述べた上で、しかしながらプログラムを作成する場合にはアジアの実情をよく見ていただき、そして特に社会的弱者への配慮も十分していただいた上でのプログラムの作成、そして実行状況のフォローもやっていただきたいものだというふうな感じで私が発言をしたわけであります。 そうしたら、ASEANの国の代表はほとんどが私の発言に同意するような感じでの発言が続いたわけでありまして、これはIMFの、言うなればアメリカに次ぐ二番目の大株主でありますから、大株主国の代表たる私が述べたことが適切であったというふうに私は思っております。
○田英夫君 日本が一つの大きな役割を果たしなという意味も含めて、大変御苦労さまでしたと申し上げたいと思います。 このことは、本当にインドネシアなどの状態を見ますと、非常に重要なことであると同時に、率直なところ、従来そういう点でややもすればIMFが欧米型ではないかと言われていた、実際はかなり配慮はしていたのかもしれませんけれども、この機会にそうした共同声明が出されたということは大いに評価されていいんじゃないかと思っております。 インドネシアが現在の状況の中で一番心配をされるわけでありますけれども、今のハビビ新体制というものが生まれた状況の中で、これは外務大臣からお答えをいただいたらいいかと思いますが、インドネシアの新しい体制で、特に経済を中心に回復の方向へ向かうのかどうか、政府はどういうふうに見ておられますか。
○国務大臣(小渕恵三君) ハビビ新政権が誕生いたしまして、右腕といいますか、経済を担当しているのがギナンジャール調整相でございまして、大蔵大臣の指名もみずからの考え方に基づいて任命をしてほしいやに聞いております。それだけに、この問題について真剣に取り組もうという姿勢であると思っております。 したがいまして、私が今後を占うことは大変僭越至極でございますけれども、ハビビ政権において、国民の理解を得つつ経済的な面においての回復、特にIMFのコンディショナリティーにつきまして、スハルト前政権時代にその条件を受け入れんがために各種の公共料金の値上げ等をいたしたということが暴動の発端になったという説もございますけれども、いま少しく全体を見、国の経済のありようを十分心得、かつ国際機関に対しての約束事を果たすということが実施できれば先は明るい、このように考えております。
○田英夫君 先日、韓国の朴定洙外務兼通産大臣がおいでになったときにお会いする機会がありました。また、ちょうど時を同じくして金大中大統領の側近といいますか、与党の新政治国民会議の有力議員が一人でアメリカの帰りに寄って、この人にも会う機会がありました。どっちがどう言ったかということは控えておいた方がいいかと思いますけれども、韓国の状態についていろいろ教えてくれました。同時にその中で、韓国はインドネシアに六十億ドル程度の債権を持っているんだけれども、これが不良債権化すると立ち直りかけた韓国の経済は再び大きな打撃を受けるんじゃないか、こういう話をしておりました。 日本は恐らくけたが違うでしょうと韓国の方も言っておられましたが、これは経企庁長官でしょうか、日本の場合どのくらいの債権があるというふうにつかんでおられるのか、そしてそれについての見通しはどういうふうに持っておられますか。
○国務大臣(尾身幸次君) インドネシア向けの債権でございますが、一つは日本関係の銀行、邦銀の債権残高が二百三十二億ドルという数字でございまして、外国のインドネシア向けの債権残高全体の約四割を占めているという状況でございます。 それからまた、直接投資の額でございますが、累計で三百三十億ドルということでございまして、これも世界全体のインドネシア向けの直接投資累計の約一六%ということでございます。もとより、そういうものを背景として日本関係の企業の現地における活動もかなりあるわけでございまして、インドネシア経済の健全な発展というものが我が国経済にも非常に大きな結果を及ぼすということでございまして、私ども、一日も早くインドネシアの社会経済が安定をし、正常な発展を続けることを願っている次第でございまして、あらゆる支援策を進めながら現地の実情に合わせて対応をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○田英夫君 二百三十二億ドルという数字、これが不良債権化すると大変な打撃になることはもう言うまでもないわけでありまして、それだけにインドネシアのこれからの状況というのは目を離せないといいますか、日本経済にとっても重要な関連があると言わざるを得ないのであります。 先ほど申し上げた韓国のお二人の方から同時期に韓国の今の経済再建といいますか、対応策の話を聞きましたけれども、これはもう大臣の皆さんは御承知のことと思いますが、相当思い切ったことを金大中政権になってからやっているようであります。日本とはまた経済の構造も違うし、置かれている状況が違いますから、おのずから対策も違うと思いますけれども、あそこの国の場合は財閥支配経済であったということで、日本の終戦直後の財閥解体にも等しいようなことをやっているようです。 五大財閥があるわけですが、経営者は皆同族支配のような形になっているものが多い。今の日本の大企業はほとんど専門の経営者といいますか、昔の財閥の一族支配ではないわけですが、それと同じような方向へ持っていこうということが第一。 それから、日本と違いますのは、その財閥が経済のあらゆる部門に手を出している。銀行から自動車、電機、あらゆる製造業、そして観光事業から、本当に中小企業の分野まで全部支配している。したがって、中小企業が育たない。これを根本的に改めるために、財閥は五個以上の、この一個というのはどういうことをいうのか、なかなかこの解釈は難しいようでありますけれども、五個以上の部門に手は出さない。もう限定されてしまうわけですね。そうすると、今までの財閥の大変な巨大なものを五個に絞らなくちゃいけなくなるという思い切ったことをやっているという話をしております。それから、採算のとれない部門の企業はやめる。こういう相当思い切ったことですが、それがどこまでできるかということになるのかもしれません。 しかも、驚くべきことに、金大中大統領以下はこの変革を一年でなし遂げると言っているそうでありますが、過去の例えばイギリスの経済再建というような場合は十年近くかかっている、その構造を全部変えるのに。それが本当に一年でできるかどうか自分たちももちろん自信があるわけではないという、そんな話をしておりました。 これは大蔵大臣でも経企庁長官でもいいんですが、御承知と思いますが、今の韓国の方の状況はどういうふうに見ておられますか。
○国務大臣(尾身幸次君) むしろ委員の方がお詳しいのではないかと思いますが、私どもも、レポートを受けている限りにおきましては、タイと韓国はIMFのアドバイスも受けながら厳しい中で景気の回復路線を着実に進めているというふうに考えている次第でございます。 韓国の動向も我が国経済に及ぼす影響も極めて大きいと思いますし、また日本経済の順調な回復も韓国にとって大事なことになっているというふうに考えておりますので、こういう国々の状況をしっかりと見きわめながら我が国経済の方もしっかりと対応してまいりたいと考えている次第でございます。
○田英夫君 経済からちょっと離れるんですけれども、私は今、昨年来問題になっております新しいガイドラインの問題、日米防衛協力のための指針の新しいやり方に対して大変大きな関心を持っております。 実は最近一つ気になることは、北米局長、柳井外務次官、それから自民党の山崎政調会長が相次いで、昨年来このガイドラインについて非常に問題になっていたいわゆる周辺事態というものの範囲について、これは安保条約で言う極東並びに極東周辺ということになる、そういう意味のことを三人の方がそれぞれの場で相次いで発言をしておられる。それに対して、きょうは防衛庁長官はあえて御出席いただきませんでしたけれども、久間防衛庁長官はこれに対して、新聞の書き方で言えばいわば不快感を表明しておられると、こういうことが言われているのでありますが、この点についてはひとつ北米局長から真意をお聞かせいただくと同時に、責任者である外務大臣からこの点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) この周辺事態につきましては、いつも申し上げておりますように、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態で、ある事態が周辺事態に該当するか否かにつきましては、あくまでもその事態の規模、態様を総合的に勘案して判断をすることといたしております。そして、周辺事態が発生し得る地域をあらかじめ特定しあるいは地理的に一概に画することができないという意味におきまして、周辺事態は地理的な概念ではありませんと繰り返して実は答弁申し上げておるところでございます。 そこで、田委員がお話しのように、最近の北米局長あるいは柳井事務次官、あるいはまた自民党の政調会長の発言等がされておるわけでございますが、新聞紙上を見ますると、いずれもこれが地理的に限定をされているとか地理的範囲を持つとかという大きな見出しが躍っておりますので、いろいろ誤解を受けているのではないかと思っております。 結論は冒頭私が申し上げたことに尽きるのでございますけれども、直接、院におきましても答弁いたしました北米局長が参っておりますので、その真意をひとつお聞き届けいただければありがたいと思います。
○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。 周辺事態についての政府の見解に関しましては、ただいま外務大臣から御答弁いただいたとおり、変更はございません。周辺事態に関しては、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態をいい、ある事態が周辺事態に該当するか否かはあくまでもその事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断するということでございます。 今御指摘のうち、衆議院外務委員会で二十二日にございました質疑の中で申し上げました点に関して申し上げれば、周辺事態における米軍に対する協力、これは日米安保条約の枠の中で行われる、ものであるという大前提を踏まえまして、周辺事態が生じ得る地域である我が国周辺地域について従来の政府統一見解で明らかにされている極東ないし極東の周辺との関係でお答えしたものでございます。
○田英夫君 これは昨年六月に中間発表があって以後、夏休みを返上してこの問題について与党三党の議論がありました。私も委員でその議論に参加をしておりまして、そのときに全く耳なれない言葉としてまず周辺事態というのが出てきて、しかもそれは範囲はどうかということに対しては、これも本当に日本語として理解しにくく、今もそうで理解しにくいんですが、地理的概念ではなくそこに起こっている事態の性格に着目したものでありますという答弁を繰り返しされたのでありまして、そこにまた今の北米局長のお話は戻ると。しかし、やはり安保条約を基本にしているので、安保条約の極東ないし極東周辺ということが考え方として出てくる。そういう意味だというようなことになりますと依然としてよくわからない。 つまり、何のために明快に範囲を言われないのか。周辺と言う以上は、何か中心があってその周りという、日本語の意味はそういうことですから、その中心は言うまでもなく日本だと言わざるを得ない。そうすると、周辺というのはどこまでですかと聞きたくなるのが人情というものだと思います。ところが、これに対しては地理的概念ではない、こういうことになって、しかし安保条約がもとだということにもなる。 第一、周辺事態安全確保法案というのが今衆議院に提出されておりますけれども、この中には、日米安保条約に基づいて活動している米軍という言葉が法律の中に出てきておりますから、当然、日米安保条約が基本であるということはだれが見ても明らかである。とすると、北米局長が今言われたとおりだ。となれば、安保条約第六条で言っている「極東」ということになるじゃないかと。これが素直な論理だと思います。それをそうしないところに、むしろ勘ぐりたくなるといいますか疑問が生ずる。 これはアメリカ側からそういう要請が出てきてはっきりさせないのか、あるいはずばり言って台湾というものを特定しないためにあいまいにしているのか、この辺をひとつ明快にお答えいただいた方がいいと思います。
○政府委員(高野紀元君) 周辺事態の定義に関しまして、当然のことながら日米間でいろいろ協議してまいってきているわけでございます。 ちなみに申し上げますと、日米物品役務相互提供協定の改正のための協定、これも国会に提出申し上げているわけでございますが、その改正の協定におきましても、「「周辺事態」とは、日本国の周辺の地域における日本国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」という定義が行われているということで、日米間ではその点に関しての認識は共有しているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほどの御答弁に戻るわけでございますが、今回の周辺事態という概念は日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうかという観点から日本及び米国がそれぞれ主体的な立場からそれぞれの所要の手続に従って判断し、国内的な手続をとるという仕組みになっておるわけでございます。そういう中で、今申し上げました周辺事態であるかどうかという判断は出てくるということになろうかと思います。
○田英夫君 どうも依然としてわからないんですけれども、高野さんがこの前衆議院で答弁をされた後、たちまち中国が反応をしていることは御存じのとおりであります。昨日は中国外務省のスポークスマンが特にこの問題を取り上げて批判をする発言をしている。中国は絶対にこれを認めるわけにはいかないということを言っているわけでありまして、これも中国の立場からすれば当然ではないかと思うんです。 これも与党の協議の中で私は繰り返し申し上げてきたことですが、日本の場合は、一九七二年の日中国交正常化のときの共同声明の中で、台湾は中国の一都である、こう明快に述べている。そして、それを一九七八年の日中平和友好条約の中で、これは福田内閣のときですが確認しているわけです。したがって、日本と中国の間では台湾は中国の一部であるということが国と国との約束事になっている。 アメリカの場合は、一九七八年、ちょうど日中平和友好条約が結ばれた年に国交を正常化している。ところが、その翌年、七九年に台湾関係法というのを国内法ではありますが議会で制定をして、台湾が危機に陥った場合にはアメリカは台湾に対して武力援助をする、軍事援助をするという意味のことが書かれている。となると、アメリカはその国内法に基づいてといいますか、国内法がありますから、いわゆる台湾有事のときには軍事的に行動をすることができる。そのアメリカの軍事行動を新ガイドラインによって日本が支援をしたら、これは日本の場合は国と国との約束、つまり日中平和友好条約違反になると私は思うんですが、外務大臣はいかがですか。
○政府委員(高野紀元君) 周辺事態に当たるかどうかということに関しましては先ほど御答弁申し上げておりますので、繰り返すことは差し控えさせていただきたいと思います。 他方、我が国の台湾問題に関する基本的な立場をここで申し上げさせていただきますと、台湾をめぐる問題についての我が国の基本的立場は、日中共同声明において表明しているとおり、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認した上で、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとの中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重するというものでございます。 我が国としては、中国政府が台湾をめぐる問題は中国人同士の問題として平和的解決を目指していると承知しておりまして、このような基本的立場を堅持した上で、台湾をめぐる問題が関係当事者間の話し合いにより平和的に解決されることを強く希望しているということが我が方の基本的立場でございます。
○田英夫君 これは外務大臣にずばりお答えいただきたいんですけれども、今そうした周辺事態の範囲をめぐって、ある意味でいえばあいまいなことが続いていたのが、いかにも極東だという意味のことも入ってきた。中国はたちまち反応すると。どうですか、台湾は入らない、台湾は新ガイドラインの適用範囲には入らないということを日本政府が明快に宣言したらどうですか。そういうことはお考えになりませんか。
○国務大臣(小渕恵三君) お答えいたします。 日米安保によりましての極東の範囲というものは既に公式に政府見解が示されておりまして、それはフィリピン以北、台湾、そして韓国、こういうことに相なっております。しかし、日本が日米安保でお約束しておりますのは、あくまでもその極東の平和と安全の問題において米軍が日本の基地を使用することとして認められておるという考え方であります。 今般のこの周辺事態というものは、再三申し上げておりますように、事態に着目をしておる点で、地理的な範囲を申し上げておるわけではありませんし、あくまでもこれは我が国の平和と安全にかかわる問題であるということでございます。したがいまして、今回法案として提案させていただいております。辺事態安全確保法というものは我が国の安全にかかわる問題としてでございますので、この法律上からいいますと、地理的な範囲を特定することができない。それがゆえに、事態に着目しておるがゆえに今回のような法律をお出しして国会の御判断を求める、こういうことでございますので、極東の範囲と今回の問題は別個の問題であるというふうなことでございます。 それが、委員がおっしゃるように、国民の皆さんあるいは識者の皆さんから見ましても、ずばりと田委員はおっしゃいますが、なかなかずばり申し上げられない点が、お話として説明している過程で事務次官あるいは山崎政調会長も、それは極東の範囲を超えるものではない範囲においてということを申し上げたのが地理的範囲と、こういうことでまた紙面をにぎわしてしまった、こういうことでございます。政府の今の立場からいうと、この周辺事態法というものはあくまでも地理的な範囲を特定するものではないということで、説明することはなかなかもって私にも難しいことでありますけれども、これからも積極的にひとつ理解を求めていくよりいたし方ない、こう考えておるところでございます。
○田英夫君 小渕外務大臣にそう言われますと、お人柄ですか、これ以上どうも攻めにくいんですけれども、しかしこの問題は国と国との問題、信義の問題でありますから、私ども社民党としてこの問題については極めて重大な問題だと考えておることを申し上げなくちゃならないと思います。 実はさっき思い切ってずばりと申し上げたのは、アメリカの方はどうもそういう意味でいくと台湾について思い切った政策転換をするのではないかという気がいたします。 三月八日付のワシントン・ポストにあのジョセフ・ナイ前国防次官補が「台湾政策」という論文を書いているのでありますが、その中で、簡単に言えば台湾政策をアメリカは転換すると。ナイという人は、国防次官補時代に今のアメリカの世界戦略、つまり世界で同時に二カ所で大きな紛争が起きた場合でもこれに同時に対処して勝てる、そういう体制をとるのがアメリカの世界の軍事的戦略の基本である、こういういわゆるナイ戦略というものをつくった人であります。台湾問題についてはナイ国防次官補もそれに従ってきたわけですが、その中で、つまりアメリカ政府は軍事的にといいますか政治的にといいますか、台湾の取り扱いについてはあいまいにしておくという政策を意識的にとってきた、そう言われているし、事実私もそうだろうと思います。今度のナイ論文はそれを根本的に変えるべきだという思い切った、自分自身もかつてはあいまいさを守るべきだと思っていたけれども今度は明快にすべきだと思うということを書いて、内容は台湾は独立をしないと宣言すべきだ、そしてそれを宣言するならばアメリカは世界の中で台湾の地位を認める、こういう政策に転換すべきだという意味のことを書いているわけです。 これは本当に思い切ったことであって、ナイ氏は今はもう大学教授になってしまっているわけで政府の人ではありませんけれども、それにしても過去にあれだけのことをやった人がこういう内容の論文を書いているということは、アメリカはもちろん民間と政府の枢要なポジションを出たり入ったりすることは何の不思議もないわけですけれども、このナイ氏の論文は非常に注目すべきではないか。 一部の日本の学者、私の議論をしている相手ですが、そういう人たちは、ナイさんがこういうことまで書いているとなると、六月にクリントン大統領が訪中される、こういうときにまさに米中首脳会談が行われて江沢民さんとの話し合いがあって、そこで台湾について何らかの思い切った政策転換をする予兆ではないかと言う人さえいるわけであります。これは私がただ思いつきで言っているのではなくて、そういう動きがあるということを言う人もいるわけでありますから、もしそうなれば、これはアメリカの大変な政策転換になってくる。 同時に、そのことは先ほどから問題になっているようなガイドラインの非常にあいまいな部分が逆に明快になってくる、そういうことにもなるかもしれません。それはぜひひとつ外務省を中心に御検討といいますか議論をしておいた方がいい問題ではないだろうかということを申し上げたいんです。 台湾は確かにこのところ民進党が進出をして、許信良という若い総裁は私も何度も会ったことがあります。このグループを中心にして、許信良氏は必ずしも独立派ではありませんけれども、独立派が非常に力を得ているこのやさきにアメリカがそういうことを提言するということは、アメリカといってもナイさんは個人ですけれども、大変な波紋を生ずるはずなんですが、今のところ台湾はまだ静かです。 李登輝さんなどはどういうふうにこれを受けとめておられるのか。台湾の命運のかかる問題ですから、ぜひ一つのポイントとして頭の中にといいますか、外務省を中心に置いておいていただいた方がいいのではないかということを申し上げます。 ガイドラインについてはもう少し明快な対応をしていただかないと、私ども社民党としては、この問題が党としての行動の一つの引き金になりかねないという問題でありますので、どうぞこの場でひとつ大臣の皆さんにお願いをしておきます。 終わります。ありがとうございました。(拍手)
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。 総理が、総合経済対策並びに補正予算を組むに当たって第一の柱に教育改革等を念頭に置いた、こういうことをおっしゃっておられるので、それを受けて質問をしたいと思います。 ナイフによる児童生徒の殺傷事件など、今教育現場が大変深刻な事態になっているということは御理解をいただいているというふうに思うんですけれども、こういうときだからこそ、財政構造改革法を見直しするに当たって、教職員の定数改善計画を二年間延長した、これをもとに戻してほしいというのが多くの国民の共通な願いであろうというふうに私は思っているんです。 そこで、文部大臣に伺いたいんですけれども、四月十日並びに十一日の新聞報道によりますと、財政構造改革法改正をめぐる閣僚懇談会で、文部大臣も、教育分野も非常に厳しい、予算の拡充を要求したというふうな趣旨のことが報道されているんですが、大臣として、定数改善計画について二年間延長をやめてもとに戻すようにという主張はなさったのでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 閣僚懇の中で一問一答、どういう発言をしたか私も正確には覚えておりませんが、いずれにしても、教育関係にも国の予算のニーズが大変高いということは申し上げましたし、また個別に関係大臣との間ではこの人の話も若干話題には上ったところでございます。結論的に言うならば、今回の補正予算は主として景気対策ということが当然のことでございますが主たる目的であろうというようなことから、定数改善という話までには立ち至らなかったというのが率直な現状でございます。
○阿部幸代君 財政構造改革法の見直しを余儀なくされたときには、当然、教職員定数改善計画を二年間延長したということも見直しの対象に入るべきであったというふうに私は思うんですね。今の答弁ですと、明確に主張したというふうには受け取れなくて大変残念であります。 教職員定数改善計画を二年間延長して減額できる国庫負担というのは実は百五十億円程度なんです。今回、政府は公共事業費三兆五千七百億円など四兆六千四百五十億円の補正予算を組んでいますが、なぜ百五十億円程度の減額をそのままにしておくのか、私としては本当に理解ができないわけです。 大蔵大臣は文部大臣の経験もおありです。子供と教育の現状は、橋本総理の言葉を引くまでもなく、二十一世紀を見据えた我が国の社会の発展に直接かかわる問題です。二年間延期をした教職員定数の改善計画をもとに戻すくらいの予算措置ができないはずはないと私は思います。それとも百五十億円の減額のために子供と教育は後回しにしてもよいとお思いでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(松永光君) 子供の教育を後回しにしていいなどという考え方はさらさらございません。国の政治、政策の中で、子供を心身ともに健やかに、そして新しい知識も子供の発達段階に応じて着実に吸収させていく、こういう教育が進めらるべきであるというふうに思っております。 そういう観点もありまして、平成十年度予算においては、改善増を要求同数の千六十七人措置するなどという予算になっておるわけでありますし、そしてまたきめ細やかな生徒指導等が行われるよう、生徒指導体制の充実や登校拒否児童に対する対応等々、さらにはまた養護教諭の配置改善、こういったことも図ったところであります。 なお、今回の補正予算でも、これは文部大臣の強い主張がございまして、何としても大事なのは心の教育だ、したがってカウンセリングルームをぜひとも整備する必要がある、その予算を補正予算でぜひ組んでほしいと非常に強い要求がありましたので、それは補正予算に入っておるわけであります。 そしてまた、学校教育における情報化の推進ということもございまして、全国百校でございましたか、パソコンを配置するなどという新しい時代に対応する教育も進めるよう補正予算で措置をしたわけであります。 一生懸命努力しているという姿は委員もひとつ認めていただきたいと思います。
○阿部幸代君 義務教育の第六次の教職員定数改善計画というのは本当にささやかな内容なんですね。チームティーチングの導入ということなんですけれども、小学校の数で言いますと三四%、中学校の数で言いますと五五%。学校に一人ですよ。チームティーチング導入のための教職員を入れるということです。養護教諭について言えば、小中学校のたった一・六%くらいの大規模校です。そこに複数配置をするということで、これを今年度で完結するのが計画だったわけですが、そのために必要な百五十億円程度、それを値切ったということが本当に情けなくてなりません。 そして、今多くの父母や教職員が望んでいるのはその先の課題です。学級規模の縮小、三十人学級の実現です。国会にも実は毎年二千万人に上る請願が寄せられています。定数改善計画を当初の予定どおりことしで終了させて、三十人学級に踏み出すことが求められているんです。 文部省はよく平均値を言います。平均すると、小学校が二十七・七人、中学校が三十二・九人で、改善されてきているというふうにおっしゃるんですけれども、これはあくまで平均値にすぎなくて、実際にはどうかといいますと、小学校で三十一人以上の学級が埼玉では六六・八%、東京五二%、神奈川六六%、千葉五九%です。中学校で三十六人以上の学級が埼玉では六〇・五%、東京四三%、神奈川六〇%、千葉五九%です。 四十人学級である限りこういう状況はなくならないのではないですか、文部大臣。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘のとおり、四十人学級を前提といたしております以上、二十人から四十人までのクラスが全国に通常の場合できるということでございまして、その分布状況も全国的に見ましてもほぼ今御指摘のような数字に近くて、小学校の場合は三十六人以上入っております学級が二〇%ほど、中学校の場合は三十六人以上入っております学級が五二%ほどという状況になってございます。
○阿部幸代君 先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、補正予算案では心の教室相談員というのが公立中学校八千校に配置されることになりました。週四日、一日四時間程度の方です。 子供たちにとって学校で一番の相談相手になってほしいのは先生です。その先生が一人一人の子供と接することができるようにするべきです。やっぱり小手先のことばかりやっているなという気がするんですね。現在は児童生徒の減少期で、それほど先生をふやさなくても三十人学級の実現は可能になります。 日本共産党が、来年度から小学校は六年間、中学校は三年間の計画で三十人学級を実現するとしてということで試算をしてみました。そうしますと、初年度二百五十億円程度の増、次年度二百九十三億円程度の増です。その気になればできないはずはないと、これも思っているんです。 三十人学級に踏み出す財政措置は絶対に不可能だと思いますか。まず、文部大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 絶対にということは世の中に私はないと思います。 ただ、昨年の十一月に通しました財政構造改革法で平成十二年度までの定数の予定をあらあら決めているわけでございますので、平成十一年度予算の要求、まだ私ども詰めて考えているわけじゃございませんが、現下の厳しい財政事情というのは来年度も変わらないんだろう、再来年度も変わらないだろうということで二年後倒しになったという状況にあることは委員よく御承知のとおりでございます。
○阿部幸代君 文部大臣も絶対にということはないだろうとおっしゃいましたけれども、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど委員もおっしゃいましたが、平均すれば二十何人になっておるわけです。しかし、大規模校等ではもっと多い一学級の生徒数になっておる、こういう話を委員がなさいました。実態はそうなんでしょう。 そこで、その実態を踏まえて、第六次改善計画の中では比較的規模の大きな学校を対象としてグループ別指導や習熟度別指導など、少人数の学習集団を編制してきめ細かな指導をすることができるような配置改善、こういったものをしてきておるわけでありまして、やはり世の中というものは知恵が大事だ、知恵を絞りながら子供の指導がしっかりできるように、こういうふうにしてやっていくことが大事なことだろう、こう私は思っております。
○阿部幸代君 知恵は財政の手腕として発揮していただきたいと私は思うんです。 大臣、大規模校の平均人数は大きくて小規模校は小さいとかそういうことじゃなくて、四十人学級制度ですと、たとえ田舎であっても四十人学級になるし、四十一人になればそれを二つに分けて二十一人と二十人というふうになるし、こういう制度のもとであると不可避なんですね。 つまり、日本共産党が試算した初年度二百五十億円、次年度二百九十三億円、こういう程度の財政措置をして三十人学級に踏み出すということは絶対に不可能だというふうに大蔵大臣もおっしゃいませんでしたね。そのことは確認してよろしいですね。
○国務大臣(松永光君) 絶対不可能とは文部大臣もおっしゃいませんでしたが、私も絶対不可能とは申しませんけれども、厳しい財政状況の中でみんながそれぞれ知恵を出し合って実際上の教育がよくなるように努めていくのが大切なことじゃないかな、こう思っております。
○阿部幸代君 一九八〇年に四十五人学級から四十人学級に改善したときのことを思い起こしていただきたいというふうに思うんですが、これは一九八〇年七月の教育委員会月報です。 この中に当時の文部次官諸沢正道氏が「学級編制及び教職員定数の改善について」というのを書いておられるんですが、ここで、文部省が四十人学級制について公式に打ち出したところ、四十五人を四十人に減らしたところでどういう教育効果が上がるのかという消極意見が主に財政当局から相次いだというんです。それに対して、当時の文部省は、これからの学校教育は一人一人の能力や適性に応じて進められなければならないんだ、欧米諸国も四十人以下なんだと、こういうことで一生懸命説得をしたというんですね。そういう熱意を今の文部省にもぜひ持っていただきたいというふうに思うんです。 今日、三十人学級実現を求める二千万人分もの国会請願署名に込められた国民の熱意にこたえるためには、今からでも次の定数改善に向けた調査をして取り組むべきだと思うんですけれども、文部大臣、どうですか。
○国務大臣(町村信孝君) どういう教室の姿がいいのか、先生と生徒との比率あるいは教え方、先ほど委員が言われたようなチームティーチングのあり方、あるいはカウンセラーというものは今は定数というものに関係なくやっているわけでありますけれども、これをどのように定数化するのかしないのかといったような検討、そうした教育効果との関係でいろいろなことを日常的に調査研究することは文部省の本来の職務であろう、私どもはこう考えているわけでございます。 したがいまして、そういう意味の研究は怠りなく、平成十二年度が終わった後どういうタイミングでどういう内容でというのは、それは常日ごろから一生懸命勉強しなければならない、こう思っております。 なお、二言つけ加えさせていただきますけれども、先ほど心の教室の整備、カウンセリングルームあるいは心の教室相談員の配置ということはいささか小手先に過ぎるのではないかという御指摘を委員からいただきましたが、小手先でも何でも、保健室登校という形で今非常に養護の教諭が忙しい。一日二十人も五十人も来るというような実態で、本来の養護教諭としての機能が果たせない人も出てきている。 もちろん、三十人以上というそこの部分に手をつければいいではないかという委員の御指摘もあるでしょうが、やっぱり私は常時そうした相談を受けられるような人を置いておいたらいいんじゃないのかなということで、定数とは関係ない姿ではありますが、教員のOBでありますとかあるいは地域の青少年団体のリーダーとか、そういう人たちにそこに常時いてもらって、そうしたカウンセラーというか臨床心理士の資格はないにしても、しかし心を開いて子供が話せるような、時として聞く話は、担任にはしゃべれないけれども、担任でない養護教諭だからしゃべれるという声も聞きます。残念なことですけれども、そういう実態もあるかもしれない。 であるならば、そうした心の教室相談員という役割も非常に有効ではないかな、私はこう思って、決して小手先とは思っておりませんで、厳しい補正予算の中ではありましたが私どもとしては相当な重みを持ってこれを要求し、この補正予算の中で皆様方に御承認をお願いしているところでございます。
○阿部幸代君 切実な現場に少しでもこたえようということで改善策をとるということは否定すべきことではないというふうに私も思っていますが、やっぱり教師なんです。 私も教師をやったことがあるんですけれども、担任に対して子供は、例えば父子家庭の子供だと教師をお母さんに見立てる、母子家庭の子供だと父親像を求める、兄弟が少ないとお兄ちゃん、お姉ちゃん像を教師に求める。やっぱり人間関係で一番密着するのは担任教師であり教科教師なんですね。ですから、抜本的な定数改善、三十人学級をというのは本当に切実な願いで、私はいつも言っていますが、日本共産党はこの問題を国民的な運動の中で議員立法で推進していきたいと思っています。 次に、文教施設の問題について質問します。 これは公共事業ともかかわると思いますが、九七年八月二十七日の読売新聞夕刊に、「小中学校の建物 耐震補強進まず 緊急五か年計画失速状態」、こういう報道がありました。また、総務庁の行政監察でも、学校など公共施設の耐震補強が進んでいない、こういう指摘がされています。 実施状況はどうなっていますか。
○政府委員(御手洗康君) 地震防災対策特別措置法に基づきまして各都道府県知事が定めました地震防災緊急事業五カ年計画に係ります公立小中学校等の耐震性能の向上のための補強事業につきましては、五カ年間に全国で六千五百校、総面積で約千六百万平米の事業が見込まれているところでございます。 地震に対します強度を判定するための耐震診断につきましては、平成九年度末までということで、計画段階でございますけれども、全体の約半数に当たる八百三十万平米について耐震診断が行われる計画となっていたところでございます。 実際の補強工事につきましては、平成八年度、九年度におきまして九百十校で実施されたところでございまして、これは当初八年度並びに九年度両年度に計画されておりました千三百三十校の約七割弱に当たるものでございます。
○阿部幸代君 地震防災緊急事業五カ年計画の中に掲上されている事業で耐震診断が五四%、それから補強工事が一四%しか進捗していないということなんですね。私の地元埼玉はもっと深刻で、耐震診断率が一四・九%、耐震補強実施率が三%にとどまっています。子供の安全にとって一刻の猶予もできない問題です。 耐震補強予算は百七十八億六千八百万円から今年度は百九十二億三千八百万円にふやしていますが、わずか八%増でしかありません。これで五カ年計画が達成できるのかどうか、抜本的な増額が必要ではありませんか、文部省。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘のように、平成十年度予算におきましては耐震補強事業は対前年度八・二%増ということでございますが、これは公立文教予算全体が対前年度比百四十七億円弱、マイナス七・八%という中で、私どもはこの事業の緊急性にかんがみまして、市町村の事業要求にできるだけこたえたいということで措置をさせていただいたところでございます。
○阿部幸代君 つまり五カ年計画が達成できるのかできないのか、どういう見通しを持っているのか、責任を持って答えていただきたいのです。
○政府委員(御手洗康君) 耐震補強事業につきましては、実際に耐震診断を行いまして要耐震建物かどうかということが決まるわけでございますけれども、これまで二カ年の計画によりますと補強不要校というのが二割近く出ているわけでございます。 全体の計画が、また実際に必要な建物がどうなるか、今後の推移もございますけれども、いずれにいたしましても各地方公共団体がそれぞれの市町村等におきます財政事情等を見きわめながら計画的に実施するということでございますので、文部省といたしましては与えられた予算の枠の中でできる限り市町村の事業に支障のないよう執行に努めますとともに、今後とも厳しい財政事情の中でございますけれども、耐震補強事業の緊急性にかんがみまして予算の確保に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 文部省の調査によりますと、九七年度は耐震補強を五百三十校実施しています。九八年度は計画では千六百十校実施することになっています。計画どおり実施するためには、九八年度は九七年度の三倍以上の予算が必要ということになるんです。わずかの増額ではとても計画どおりにできないことは明らかです。 児童生徒の安全対策上も、また学校施設は地域住民の避難場所になっていますから、防災対策上も地震防災緊急事業五カ年計画の完全実施のために抜本対策をとるべきだと思うんですけれども、大蔵大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(松永光君) 学校建物等の耐震補強、これをすることによって実は校舎の寿命が延びる、そしてまた子供の安全も確保される大事な事業だと思っておりますが、もともと小中学校の校舎の建築は市町村がその意思を持ってくれぬことにはならないわけでありまして、実情に応じて市町村の方で計画を立て、それに応じて国の方は補助を出すという仕組みであります。 現在、市町村の財政が大変厳しいということもあって、どれだけそのことに事務が進んでいるか詳細は存じませんけれども、いずれにせよ耐震補強事業をすることによって安全で使い勝手のいい学校建物、そして学校建物の使用期間も延びるということであれば、これはやるべき仕事だというふうに思っております。
○阿部幸代君 老朽化した学校の校舎等の改修の方も児童生徒の安全で快適な教育環境を整備する上で切実な問題になります。建築後二十年以上経過し老朽化した校舎等の大規模な改修をするために大規模改造事業というのが実施されていますが、実はこの予算も、ピーク時の九一年度三百八十六億六千四百万円に対して昨年度は百十六億五千五百万円と大幅に削減され、今年度はさらに削減されて六十一億三千八百万円となっています。 こうした中で実態はどうなっているかといいますと、例えば使えなくなったトイレをドアをくぎづけにして使えないようにしている学校とか、築四十四年の木造校舎の二階が抜け落ちないように鉄柱の突っかい棒をしている職員室とか、私も現場を見に行きましたが、コンクリートの外壁が上から落ちてくる危険な校舎とか、全国にいわゆるおんぼろ校舎がいっぱいあるんです。心の教室の整備に三百億円つけていますが、私が問題にしているのは二十年以上経過した老朽校舎等の大規模改修のための予算です。こうした予算こそ抜本的に拡充するべきだと思うんですけれども、まず文部省、どうですか。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘がございましたように、当面、緊急性を要します耐震補強事業に重点を置くということから、築二十年たちまして躯体を残したまま内外装等を行います大規模改造事業につきまして、御指摘のような予算を減額してきているということは事実でございます。 しかしながら、大規模改造事業につきましては、それがそのまま構造上危険であるということではございませんで、より使い勝手をよくするという観点から、二十年あるいは三十年ぐらいたった建物のところにそういった内外装を施しましてさもに使用期間を延長するというようなことでございますので、通常の補修等は市町村の財政の中で賄ってもらいながら、各市町村の財政事情の中で長期的に計画が出されてくるものと考えているわけでございます。 私どもといたしましては、厳しい状況でございますけれども、できる限り総予算の枠の中におきまして緊急性の高いものから手当てをしてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 地震防災緊急事業五カ年計画に掲上されているものというのは本当に一部であって、実は築後二十年以上の建物の五分の一、昭和五十六年、つまり新しい耐震基準が設定された以前の建物の七分の一なんですね。膨大なすそ野があるということを直視していただきたいというふうに思うんです。 大蔵大臣に伺いたいんですけれども、児童生徒の急増期、そのときに建設した校舎等が大規模改修の時期を迎えると自治体は大変なことになるんです。私は全部調査してみました。 埼玉の例ですが、築後二十年以上を経過している、ということは中には三十年、四十年たっているのもあるんですが、そういう建物が千五百二十棟あります。今後さらにふえ続け、二〇〇〇年には二千棟にもなります。ところが、改修実績は九五年二十七棟、九六年二十一棟、九七年三十一棟、こういう状況です。 自治体からは補助枠の拡大と補助率の引き上げを求める切実な声が上がっているんです。人口急増期には国は特別に用地費も補助し、校舎等の補助率も三分の二にがさ上げして自治体を支援してきました。改修の時期を迎えて予算を削減してしまうというのは本当にひどいと思うんです。特別支援も検討するべきだと思うんですけれども、大蔵大臣の見解を伺います。
○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。 大規模改造事業につきましては、昭和五十八年度の補助制度創設以来、国と地方の役割分担のあり方等の観点から補助対象の重点化を図ってきているところでございます。現下の国の厳しい財政状況を勘案しますと、補助率の引き上げを行うことは困難であると考えています。
○阿部幸代君 では、大臣。
○国務大臣(松永光君) 私が十何年か前に文部大臣をした経験があるものだから盛んに私に質問をなさるわけでありますけれども、私は政治家になって以来ずっと文教関係に携わり、かつ関心を持ってきました。今では文部大臣をやめて十数年たっておるわけでありますから詳細な点まではわからない点がありますけれども、浦和市などは人口急増地帯だった、しかし学校施設だけはどこに行ってもすばらしい施設になっているんです。 どこの市町村でもそれなりに財政的には苦しい点があると思いますが、その中でやはり教育が大事だという認識を市町村責任者は持っていただいて、そして計画を立てて実行に移していただくことが大事なことだろうというふうに思います。
○阿部幸代君 私は埼玉県全県、それから日本全国を視野に入れて悩んでおります。 浦和と並ぶような大きな都市でもこれから改修しなければならない学校の建物を九十七棟も抱えていて、補助を獲得できるかどうか本当に苦しいんだ、悩んでいる、そういう声を上げているし、町や村、小さい自治体では財政力が小さいですから耐震診断もできない、やっても補強や改修の予算がつくれるかどうか、そういう声を上げているんです。 そこでお願いなんですが、文部大臣も大蔵大臣も、おんぼろ校舎が実際あるんです、ぜひその現場に足を運んで、県ではなくて市町村の教育委員会の説明も聞いて、見ていただきたいと思います。これを強く要望して、質問を終わります。(拍手)
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 私は昨年十一月の財革法の質問で、公共投資七%削減のキャップがかかっていると言われているけれども、しかし重点化、効率化、そういう名のもとに公共投資は例外扱い、事実上野放しになっている、そういう質問追及をいたしました。 今回の法案では公共投資に直接かかわる改正はないわけですけれども、九八年度補正では国費で二兆八千四百七十五億円、当初予算の三一・七%追加、九七年度当初比で七%削減どころか二一%増、九七年度補正予算後と比べても一二・四%増となっているわけですね。 今ちょうど学校の問題がありましたけれども、国民生活の関連予算には厳しい支出抑制をやる一方で、公共投資にはやっぱり聖域化と言われるような実態があるんじゃないか、私はそういうことを痛感するわけです。 そこで、公共事業がなぜ肥大化するのか。その背景に私は予算配分をめぐる官僚と一部族議員による利益誘導の横行がある、そういうことがあるんじゃないかということを思うわけですね。 公共投資の二割を占める農水省に伺いたいんですけれども、九八年度補正に関し構造改善局に関する予算資料を欲しいと求めたところ、二ページのものが出てまいりました。この資料です。これだけだということなんですけれども、資料として配付されたのはこれだけですか。
○政府委員(山本徹君) 先生のお手元にお配りいたしましたのは構造改善局関係の平成十年度の補正予算案の概要、非公共事業二百九十九億円と公共事業二千四百五十一億円の概要でございまして、これはできるだけ簡明に、かつわかりやすく整理させていただいたものでございます。
○緒方靖夫君 これだけかと聞いているんです、資料は。
○政府委員(山本徹君) 構造改善局の補正予算はこれだけでございます。
○緒方靖夫君 私は本当におかしいと思うんですね。手元に私は別のもっと詳しい資料を持っているんですよ。こちらは二ページ、こちらは十数ページあるんですね。二つあるんですか。これはタイトルも同じ、日付も同じ、しかし中身を見るとすごく詳しいわけですよ。例えば地域振興課の資料があって、そこで詳しく書かれている。額も書かれている。こういう資料があるんですね。確認したい。
○政府委員(山本徹君) 先生のお手元に二枚紙でございますのは、各事業ごとに金額とその概要を数行でお示ししたものでございます。 それで、先生が今お手元にお持ちの資料は、多分担当課ごとにやや詳しく、これは実際に予算を執行するときには各県等の担当者によく理解していただいて事業を実施していただく必要がございますので、実務担当者用に作成したものでございます。
○緒方靖夫君 配付されている資料に要約版と詳細版がある、このことがはっきりしたわけですね。 しかも、私が重大だと思うのは、この資料というのはどういうふうに使われているかというと、通称合い議と呼ばれている自民党との会合の場で農水関係議員に配付された資料なんです、これは。 農水大臣、国会議員に対して、片や詳細版がある、片や簡単なものしかない、そういうことで配る、そういうやり方はおかしいと思いませんか。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいまの件は、先ほど局長からお話し申し上げたように、まさに簡明に話を絞り込んだものをお配りしたということであって、もし詳細なものが必要だということであれば、それは事前協議の段階で配った資料でありますから、決まる前のものではないかと私は考えます。
○緒方靖夫君 いずれにしても、これしかないと言って渡す、これはおかしいですようそをついていることになる。 それで、問題はこうした予算要求の編成の仕方に私はあると思うんですね。構造改善局は今回の補正で農業農村整備事業などの公共事業に二千四百五十一億円要求していますけれども、その編成に当たって、補助金の申請元である地方自治体に個別の事業箇所がどの議員の選挙区に該当するか、そういうことを明示する、そういうことを指示している、そういう事実はありますか、お尋ねいたします。
○政府委員(山本徹君) 二千四百五十一億円の積算の過程でそういった先生御指摘のような事実はございません。
○緒方靖夫君 事実はないと言われるけれども、私はまた再びうそをついていると思うんですよ、私の手元にあるんだから。この詳細版にくっついてこういう形で、平成十年度補正実施要望地区一覧表、これが配られて、農政局名から都道府県名、選挙区、市町村名、地区名、ずっと言わないけれども、こういう紙がちゃんとあるじゃないですか。これはあなた方がつくった紙でしょう。確認します。重大な問題だ、これは。
○政府委員(山本徹君) 私自身、ただいま先生がお示しの資料は初めて承知したようなことでございまして、そういった資料を私どもは作成いたしてはいないと思っております。
○緒方靖夫君 あなた方の配った資料にこれが添付されているんですよ。局長、知らない間にこんなことをやられているということですか。納得できないですよ。 委員長、これをちょっと見ていただけますか。 速記をとめてください。これは重大だ。
○政府委員(山本徹君) 補正予算案の概要と実務担当者用にこれをやや詳細に紹介した資料は私どもが作成したものでございますけれども、この横長の実施地区一覧表、これは私初めて拝見するもので、ちょっと事実関係はわかりません。今、担当者もおりますけれども、私どもは承知いたしておりません。
○緒方靖夫君 局長が知らないというのは非常に重大ですよ。これはちゃんと農水省から出た資料に添付されている資料なんだから。 しかも、私がさらに問題にしたいのは公共事業の個別配分、これは予算成立後に各省庁が決める定めになっているんだけれども、官僚と一部族議員が密室でこれをやっている、その証拠になるんですよ。公共事業をゆがめる温床だと指摘されてきた、長い間。補正予算の国会審議に先立ってこういう調査が行われている、そして公共事業の予算配分にこれまで以上に政治の都合とか選挙区の事情を加味させる、そういうことを農水省が主導してやっているということの証拠になるんですよ。 あなた方は局長が今言われたように認めないかもしれないけれども、大臣、これは重大な問題ですよ。はっきり調べていただきたい。しかも、それをもとにして資料がつくられているんだから、小選挙区ごとの、箇所づけの。大臣、御存じですか、こういうこと。この選挙区のことも含めて。
○国務大臣(島村宜伸君) それぞれを担当している局長が知らないわけですから、私が知るわけはないわけであります。 ただ、やはり政権政党ですから、政策立案の過程で、役所がどう言おうと、総合的にこれを判断してよくないとかいろいろ修正を迫ることは間々あることでございます。私もかつて建設部会長等をやりましていろいろ注文をつけたことがございますが、その間のペーパーかどうかわかりませんけれども、局長が知らないと再度言う以上はこれは公のものではないんだろう、こう思います。
○緒方靖夫君 私の手元にこういう資料があるんです。平成九年度補正に係る新規認定地区の概要、平成十年一月と書かれている。補正予算が成立したのはいつですか。二月じゃないですか。二月の前に、一カ月も前にこういうものが出ている。そしてここに、小選挙区ごとに、地域単位にどこに新規の事業が係るかとか、そういうことが全部書かれているわけです。私はこういうやり方は本当におかしいと思うんです。中身も、例えば熊本県の阿蘇町など全国四土地区に上る新規事業、そこでどういうものが行われるかということが詳しく書かれている。こういうものがあるわけです。これは認めるでしょう、局長。どうですか。
○政府委員(山本徹君) その資料も私は承知いたしておりません。 ただ、予算の編成あるいは積算の作業の過程でいろいろな現地での要望等をくみ上げる、事情を調査することはございますけれども、ただいま御指摘のような資料は私は承知いたしておりません。
○緒方靖夫君 構造改善局というのは農水の公共事業を相当部分受け持っているところだけれども、ここで自治体から出されてくる資料をもとに補助金を配分する、そういう個別事業を事前に特定している、そういうことをしているわけですね。これは仕事でしょう。しかし、内部資料を自民党農水関係の議員に配付している。こういうことがあるわけです。こういうものですよ、例えば。 ですから、こういう形で箇所づけをするとか、そういう形でこれが自民党議員に流れる。この資料が一部の自民党議員からさらに土地改良団体を経由してゼネコン業者に流れる、こういう実態があるわけです。こういうものならば建設業者はもうのどから手が出るほど欲しがる、そういうものだと思うんです。これがやっぱり談合の温床になる。そういう重大な、国会で審議し、そしてまた決まる前にこういうものが流れているわけです。こういう実態があるわけです。公共事業がとまらない非常に大きな原因、それがまさにこういうやり方にある、私はそう思うんです。 大臣、私がこの貴重な時間を割いてこういうことを述べたのは、やはり公共事業をきちっと正確にむだなく国民本位にやっていただきたい、そういう願いからなんです。私がきょう提起した問題、これは大臣も御存じなかった。そして局長も、これはうそだと私は確信しているけれども、知らないとこの場では言った。重大だと思いますが、これ自身。 それで、私が提起したこういう問題、大臣、やっぱり調査していただきたいと思うんです。それはいかがですか。これだけ国会で問題にしたわけだから。
○国務大臣(島村宜伸君) 私の性格でもありますが、私は物事をごまかしたりその場しのぎに何かを言ったりやったことはないつもりであります。当然に御指摘の点は調査をしたいと思います。 ただ、公共事業に関しましては、私たちは皆さんの前で胸を張ってこういう事情でこういうものにいわば意を注ぎ工事を進めているということは申し上げる用意がございます。
○緒方靖夫君 農水大臣が調査されると言われたので、それをぜひお願いしたいと思うんです。 次の問題に移りたいんですけれども、公共投資がふえると公共事業官庁の現場がどうなるのか。予算の消化に追われる、大変な事態が起こっているということがあるわけです。 一つは、一般会計での公共投資の増額のほかに、九二年度以来景気対策として補正が組まれ、額は言いませんけれどもずっとふえてきた。この間、公共事業の繰越額が相当あるわけです。九二年度以来、額だけでいいですから言ってください、大蔵省。
○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。 一般会計計上分と産業投資特別会計社会資本整備勘定計上分と合わせた公共事業関係費の繰越額でございますが、平成四年度は六千四百九十億、平成五年度は二兆二百八十七億円、平成六年度は一兆六千百四十九億円、平成七年度は二兆九千八百五十八億円、平成八年度は一兆七千九百十億円となっております。
○緒方靖夫君 今の額を聞いても、九二年から九三年というのはうんとふえているわけです、繰越額が。六千億円のオーダーから二兆のオーダーになっている。急に公共投資がふえた、そのことに伴って繰越金がふえているということを示しているわけですよ。 その事情はいろいろあると思います。気象の問題、補償処理の問題等々、これはいろいろ説明があると思います。しかし、単年度主義なわけですから、年内にその予算を消化する、予算を予定どおり執行する、これが役所のモットーだと思うんですよ。それが行えない、しかも一兆、二兆の単位でお金が残って繰り越しされる、そういう問題があるわけですよ。 ここに私は建設事務次官の各発注機関の長にあてた通達を持っております。ここには概算数量発注の活用等をやってどんどん仕事をやれと書いてある。概算発注ですよ。概算発注というのはどういう発注かというと、私は現場の職員の手記も持っておりますけれども、こう書いてある。予算消化のために詳細設計のないままの概算発注が行われる、まともな発注ができないことに心が痛む。大切な税金で慌てて工事をやるから詳細な積算ができないために概算発注をやる、それで大変な思いをしている、心が痛むと言っているわけですよ。まじめな職員ならそう思うんです。それに対して建設事務次官は概算発注をやれと言う。 さらに、別の日付の通達では、上半期に八一%の契約をやれ、過去最高の八一%やれ、とにかく急げ急げ、急いで予算を消化せよという通達をこういう形で出しているわけですよ。一体これは何ですか。 新しい世紀に必要な社会資本の本格的なスタート、こういううたい文句ならば、やはり税金を大切に使う。現場の職員がこれでいいのかという、そういう実態を私は許しちゃいけないと思うんですよ。ですから、その点で公共事業をきちっとやっていく。額の多いのも問題だけれども、その使い方、いかに予算を消化するかということで職員が悩んでいる、そういう実態が各地にたくさんあるわけですよ。 私は、そういう実態に照らして、やはり公共事業の予算をきちっと正確に執行していく、そういうことに立っていくならば、この問題は見過ごしにできないことだと思うんです。 その点で、こういう点でこういう現状があるということは否定されないと思いますけれども、私はそれぞれ建設大臣と農水大臣にこういう問題について見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 緒方委員にお答えいたしますが、公共事業予算につきましては、例えば堤防工事に当たって地層の状態を詳細に把握する必要が生ずる場合とか、あるいは道路工事等に当たりましても予想外の位置に地下埋蔵物が存在いたしましたり、あるいは災害に見舞われる、こういったような事情等がそれぞれございますから、やむを得ず繰り越しが行われる場合もあるわけでございます。このような事態が想定される経費について、あらかじめ予算書上で繰越明許費として掲げまして国会の承認をいただいておると。 今、委員から、殊に景気対策に及んで、確かに建設省の職員、末端におきましても大変苦労をいただいておるわけでございますが、率先して私もこの苦労の中に景気浮揚を図って、ひとしく国土の整備を進めたいと思っておるわけでございます。 そのような事態でありますことも御理解をいただかなきゃならぬと思うわけでございますが、今お話しの概算数量発注の活用でありますとか、あるいは測量業務等の外部委託の推進でありますとか、あるいは設計業務等に係る標準設計等の活用、これらの活用によりまして適切かつ円滑な実施に努めて事業の推進を図りたい。大変厳しい中でありますが、職員にも督励をいたしておるところでございまして、苦労の多いことは承知しながら努力してまいりたいと思っておるところであります。
○委員長(遠藤要君) 時間が超過しておりますので簡明に願います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 建設大臣のご答弁と重複する部分は遠慮いたしますが、本来的に今回のこの思い切った前倒しというのはあくまで景気対策としてやることであります。ただ、景気対策のために貴重な予算をむだ遣いするという考えは毛頭ございませんで、配分はしたものの何かの事情があって少しくその工期がおくれるような場合には、これはこちらの本来の目的と反するわけですから、そういう場合にはもし私が担当であればその期間の猶予は当然にする、こういう考えであります。 いずれにせよ、今回のいわば補正に関する前倒しは経済対策としての効果が十分期待できる、このことを前提に行うものでありますから、御理解をいただきたいと思います。
○緒方靖夫君 時間ですので終わります。(拍手)
○星野朋市君 私は、きのうこの席できょうの予告質問をしておいたわけですけれども、ここずっと金融機関の不良債権の問題を取り上げておるのは、実は現在の日本の景気の状況、それから財革法の改正もそれにかかわってくる、それから景気対策、こういうものの根底にあるものがいわゆる金融機関の不良資産であるという認識からであります。 国内の問題につきましてはきのう大体大筋において質問を終わっておるわけですけれども、日本の金融機関の海外における問題債権というのはどうなっておるか。私は、一月二十九日の予算委員会で、当時公表されておる七十六兆七千億の問題債権の中に東南アジアにかかわる問題債権はどのくらいあるのかという質問をいたしました。当然のことでありますけれども、そのときはわかってはおらなかった。 九七年九月、昨年の九月時点でNIESとASEANに対する日本の金融機関の与信額はたしか二千五百三十億ドルだと記憶しておりますけれども、間違いございませんか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 邦銀のアジア向け与信残高、BISの与信統計でお答えさせていただきますと、九七年六月で二千七百六十一億ドルでございまして、九七年十二月におきますと二千四百九十五億ドルでございます。日本円の換算でいいますと、これはアジア全体でございますが、三十二兆四千億ぐらいという数字になっております。
○星野朋市君 新しいデータがそこで出たわけでございますけれども、実はこの推移を見てみますと、タイのバーツは昨年の比較的早い時期に下落をしておる。しかし、大多数の東南アジアの通貨は秋口から急激に下がったわけですね。 それで、私はそのときに、そういう背景をもとにして、日本の金融機関の東南アジアに対する与信額の中に問題債権は大きくなっていないかという質問をいたしました。銀行局長のお答えは、ドル建てでありますから、それからデリバティブもやっておりますから、それから為替の予約もやっておるから余り問題はないんじゃないかというお答えでした。実はドル建てであるがゆえにインドネシアの通貨みたいに六分の一に下がってしまったという大変な問題が起こっているわけですけれども、御認識はいかがでございますか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 先般の御質問のときには為替レートとの関係で御質問がございましたので、私どもが主要行にヒアリングした結果を申し上げ、為替レートについてはこういったヘッジングをやっているところは多いと聞いておりますというふうに申し上げましたが、先生がおっしゃいますように、その本国の経済が急激な為替レートが下がるような状況ということは、返済能力という面で今度は問題が生じるということはあると思うわけでございます。だから、為替の問題というよりは、今度は信用リスクという問題が表面化してくるというふうに考える次第でございます。
○星野朋市君 ところが、この三月になりますと、いわゆる都市銀行を中心にして各行が東南アジアの与信額に対してそれぞれ数百億単位の引当金を計上するようになりました。これは明らかに問題債権がもっと深刻な状況になるということを見越してそういう措置をとったんだと、今までの例からいえばそういうことになるんだろうと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。 私もアジア向け債権について注視していかなければならないということは申し上げてきたわけでございますが、現実にアジア向けの貸し出しを主要行で見ますと、約一割が政府等の公的部門への貸し出し、二割強が金融機関向け貸し出し、約三割が日系企業向けの貸し出し、これを合わせますと六割ぐらいになるわけです。その他は地場の企業向けの貸し出してございますが、そのかなりの部分は現地の財閥や欧米企業というふうなことになっております。 しかし、ただいま先生いみじくも御指摘になりましたように、アジア向けの債権の中で、特に今問題になっておりますインドネシア向け債権につきましては、各行ともに引当率というものを今度の三月期でもかなりふやしております。ちなみに数字を申し上げますと、七・七%インドネシア向けの債権に対する引当率を計上してございます。これは先ほど御指摘のように、経済自体の状況というものを信用リスクとして勘案しているというふうに見ざるを得ないわけでございまして、事態の推移を見てまいる必要があるわけでございますが、今後、必要に応じて九月期あるいは来年の三月期という時点での新たなる対応ということも考えられるわけでございます。 ただ、余り一国の経済について私どもが推測するのも控えるべき事柄であろうと思いますが、今の状況を申し上げますと、全体の引当率が大体貸倒引当金で言うと三・八ぐらいになっておりますから、七・七というのはそういう意味ではかなり各行とも十分にウォッチをしているということが言えるのではないかと思います。
○星野朋市君 かつて各行がまだ初期の段階でアメリカあたりへ進出したときに、貸出先が日本から進出した企業ぐらいしかなくて、中米、南米に融資先を相当求めて、大多数が焦げついちゃったことがあるんですね。大蔵省はそれをほとんど償却させて、そして大蔵省の肝いりで残債の回収会社をタックスヘブンで有名なケイマン島につくったことがあるはずなんです。 今回はこういうような措置でもって終われるような問題ではないんですね。数千億の単位になる問題債権というものを抱えてしまった。そうすると、今おっしゃったように、これから為替の問題というのが重大な問題になると思うんです。 けさも田村議員が取り上げたいわゆる韓国とタイの二つの通貨について見ると、タイは一時一ドル五十五バーツぐらいまで行ったのが今ほぼ四十バーツぐらいにおさまっている。それから、ウォンは一ドル千九百ウォンまで行ったのが今千三百ウォンぐらいになっている。こういうように確かに改善は示されてはいますけれども、これは要するに多少戻ったというにすぎないですね。基本的な問題よりはるかに、要するに対ドルレートというのは下がっている。 問題は、いわゆる東南アジアの通貨がそういう形で下がったために、この後それに対して割高になった感じのある中国の元の問題がこれから東南アジアに大きく影響すると思っている。朱鎔基初め中国の首脳はほとんどが元は切り下げない、元は切り下げないと再三言っておりますけれども、だんだん元切り下げの圧力というのは高まっていると思うんですよ。そして、やがてそう遠くない時期に、対米輸出の関係で競合に敗れた中国の国営企業というのは大量の失業者を出さざるを得ないという事態に陥ると思うんです。 これは非常に難しい問題でお答えにくいと思うんですが、そういう関係を含めたいわゆる東南アジアの通貨の問題の行く末、これについて大蔵省の見解があったらお聞かせ願いたい。
○政府委員(黒田東彦君) ただいま委員御自身がおっしゃいましたように、他国の、特に為替レートについてその先行きを申し上げるのは非常に難しいわけでございまして、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、二つだけ申し上げたいと思います。 一つは、これも委員御指摘のとおり、中国の当局者が繰り返し元の切り下げはないということをさまざまな場所で言っておりまして、この点はAPECの蔵相会議の場所においても、多くの国がこういう中国の対応というものを評価していたというふうに聞いております。 二番目には、それでは元が今のままでいた場合に経済がどうだろうかという輸出競争力等の問題であろうと思います。中国の経済指標については必ずしも十分わかっているわけではございませんが、確かに成長率はこのところ少しずつ下がってきております。一番新しい数字、ことしの第一・四半期で七・二%の成長になっておりますが、昨年の同時期は九・四の成長率でございましたので、かなり下がってきている。 他方、物価の上昇率は、小売物価でいいますと今やマイナスでございまして、インフレは急速に大幅に鎮静化しているということでございます。経常収支等はまだわかりませんが、貿易収支の動きをこの一月、二月、三月の数字で見てみますと、昨年の一月、二月、三月と比べますとまだ依然として貿易収支の黒字は伸びております。ただ、黒字の拡大の率が減ってきている。アジア向けの輸出がどうも非常に鈍化して、欧米向けは引き続き高水準であるけれども、やはり貿易収支の黒字の伸びのテンポが低下してきているということは事実でございます。 ただ、貿易収支の黒字が縮小し始めているということではまだないようでございますので、私どもとしても中国経済の動きは十分注視していく必要があると思いますが、為替の動向については、まことに申しわけございませんがコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○星野朋市君 残念ながら、本日香港ドルに多少変調が見られまして、香港ドルがきょうはかなり急落をいたしております。 話題を変えまして、大蔵大臣、突然ですけれども、結局日本の金融機関というのは今までに三十八兆から四十兆の償却を大体やってきたんです。体力がなくなっている。それで、この間発表されたように有価証券の含み益はもうかなり減っている。マイナスになったところもある。土地の問題というのは、これはいずれ多少問題にするんですけれども、優良な不動産は別会社にもう移しちゃったということもありますから、これはまた問題なんです。 それで、金融機関の足元がかなりふらふらしていると私は思うんです。それで、三月三十一日に例の十八行が公的資金の導入を図った。そのとき、七人委員会は各行に対して相当なリストラ計画というものを聞いたはずなんです。かつて、要するにバブル期に不良債権の源をこんなにつくってしまった経営者が、一線は退いたけれども相談役みたいな形で残ってのうのうとしているじゃないか、これをどうするんだと。かなり相談役制度というのをやめるところが出てきたけれども、またここへ来て銀行は性懲りもなく一たんやめると言った相談役制度を復活しようとするところが出てきた。例えば東海銀行です。それから、きょう報じられたのはさくら銀行です。これは相談役じゃなくて名誉顧問とか、そういう形で温存しようとしている。だから、銀行の体質というのはこういうものかと、私はもう本当にあきれているわけです。 それで、かつて大蔵大臣は、それは株主総会の問題だからと言ったんだけれども、相談役の問題は株主総会の問題じゃないんですね。その経営陣がどうするかということを決めればいいと思うんですけれども、御感想がありましたらお聞かせいただきたい。
○国務大臣(松永光君) まず第一は、私の立場でありますから、日本の銀行が足元がふらふらしているということは私は認めるわけにはまいりませんし、相当しっかりしてきて、そして一時のような金融システムについての不安というものは相当程度解消してきておるというふうに言わざるを得ません。私がふらふらと言ったらえらいことでございますから、ふらふらということについては同意するわけにはまいりません。 二番目の、三月の時点での申請行に対する自己資本充実のための資本注入、その関連での審査委員会の審査の状況でありますが、委員御指摘のとおり、それぞれの銀行に対して厳しいリストラを要請したことはそのとおりでございます。その中で、いわゆる重役の数についてまで発言をし、そして申請行の方は重役を減らすということを約束しておるわけであります。相談役云々の点は必ずしも正確には記憶しておりませんけれども、とにかく経営陣、それから従業員、支店の数その他徹底したリストラをするように要請をし、そして申請行がそれを受け入れたことは事実であります。 今、ある銀行の名前を出されて、そして名誉顧問という形で何か復活させたという話を聞きましたけれども、いいことではないというふうに思います。特に不良債権の処理が必ずしも十分にはなされていない。そのことのためにみずからの貸し出し力が弱くなってきて、そして結果においては必要な分野に必要な資金の供給をしていない、そういう批判を受けている銀行があるわけでありますから、そういう銀行であればあるほどきちっとした経営姿勢をとってもらいたいというふうに私は思います。
○星野朋市君 私が言いたいのは、不祥事でやめた金融機関の経営者というのはいるんですよ。だけれども、不良債権をつくったがゆえにやめた、責任をとって退いたという経営者はだれ一人いないんです。これが大きな問題だと私は主張しておきます。 次に、労働大臣おいででございますのでお聞きをいたします。 私は、前回の予算委員会で労働大臣に対して、労働事情がかなり悪化している、そしていわゆる製造業から相当の人が流出しているんだけれども、今まではその一部を建設業とサービス業が受け皿としてかなり吸収できた、しかし財構法に示されるように公共事業が年々七%も減るというような形をとったならば大きな問題が起こって、今まで受け皿だった建設業から今度は人が流出するんじゃないか、そういう懸念を申し上げました。 そして、残念ながら三・九%という高い失業率が出てしまったわけですけれども、四月になってどうなったか。この報告は恐らくあさってぐらいに出ると思うんですけれども、この中に今まで失業者と分類されなかった新卒者が入る可能性があります。四月一日に私が得ているデータでは、大卒、短大卒両方合わせて就職未定者が四万七千人おります。それは完全にオンされてしまうわけですよ。そういうことも含めて今の一般的な労働情勢をどう認識されているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生御指摘のように、現在の失業率あるいは有効求人倍率を考えますと、我々は日本の国に住んでいるわけですから、日本の国の感覚としては非常に厳しくなっている。どう判断しているかとおっしゃれば、私はそのように判断しているということでございます。
○星野朋市君 残念ながら、銀行のいわゆる貸し渋りの最大の対象業種は建設業なんですね。それからもう一つ、日本の倒産業種の最大も建設業なんですね。 先ほど私が申し上げたような要因と絡み合わせると、これはこれからよほどの対策がとられ、よほどうまくやらないと大変なことが起こる。今、アメリカの失業率が四・三まで下がってきました。巷間うわさされるところだと、間もなくクロスしちゃうんじゃないか、こんなことまで言われておるんですが、労働大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、先ほど来先生が御指摘になっているように、かつて雇用の吸収力があった建設業、サービス業、特に建設業で雇用吸収力が落ちているという数字上の事実は私も全く同意見であります。ただ、財政構造改革で公共事業を落としたからではないと私は思います。 それは、この前やっと予算が成立いたしまして、それによって組まれている、財政構造改革法に基づいて組まれている公共事業の配分は実はこれから始まります。むしろ大きな問題は、先ほど来先生がずっと御指摘になっているバブルの時期の銀行の渋りとその裏にあるゼネコンの渋り、それが彼らの財務諸表の中での大変なしこりになって、それが今非常に苦しい状況になっている。そこへ今後の問題として公共事業の削減がどういう影響を出してくるのか、それに対して補正予算で措置しているものがどういうふうになってくるのかという流れだろうと思います。 そこで、アメリカの失業率と日本の失業率を今お出しになりました。例えば今の失業の最大の要因は私はやはり消費の落ち込みだと思います。消費の落ち込みが小売、卸、メーカーへ波及して、メーカーで雇用調整、設備投資の調整が行われるにはある程度タイムラグが雇用にはございます。そういうことから見ると、三・九という数字が既に出ておりますが、今後どうなるかということについては、そのタイムラグを考えると、先生の御判断は大体私どもが心配しているところとそう遠くない御判断をしておられるというふうに思っております。
○星野朋市君 私は財構法はそれに輪をかけた、そういうふうな認識なんですね。あれが原因だというんじゃなくて輪をかけたと。 それで、今回時に並行審議している財政・金融委員会におけるいわゆる金融ビッグバン、私は前に総理にも、あなたは大きな血を流す覚悟がおありかと聞いたことがあります、できるだけ少なくしたいというお考えでしたけれども。 きのうもちょっと申し上げたように、今の日本にとっては、為替安、景気がこんな状態という形でビッグバンが行われたときに果たしてどうなるか。私は賛成なんですよ、ビッグバンそのものは賛成なんですけれども、要するに企業の合併、買収、破綻、こういうものがまず先に起こってしまうと思うんですね。それで新たな雇用の機会が起こるかもしれないけれども、その間にさらに相当な問題の人たちが生ずる可能性が私はあると思っています、残念ながら。そういうところを乗り切るためにどうしたらいいかという問題が一つあると思うんですね。 私はこれは前から、労働省はワークシェアリングの問題を考えておいたらどうかと。いろいろ疑問はあります。でも、もう実例が一つ出てきていますね。有名な鐘紡が既に労組が苦渋の決断といってこの提案というのを受け入れた。私は新しい雇用の機会が起こる間、そのタイムラグの間にどうしたらいいかというのは、これは今までのような対策で済まないと思っておりますけれども、いかがお考えですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生の御指摘はよくわかります。今後いろいろな規制緩和あるいは科学技術の振興、また介護のようなニーズに政策的にこたえていく、そういうことで働き口がどの程度出てくるか。それと、一方で規制緩和、自由化の流れの中で、かつて規制があったがゆえに雇用が維持されていた部分がなくなっていくわけですから、そこの間のバランスをどう考えるかということで、ワークシェアリングというのは一つの御提案だと思いますが、これは政府としてはなかなかすぐ、はい、そうですかということは申し上げにくいことでございます。 ワークシェアリングと言えば言葉はよろしゅうございますが、食べる御飯がだんだん少なくなるから、多くの人でそれを少しずつ分け与えて食べていこうということですね。日本は週四十時間ですが、フランスなどではこの勤務時間をどんどん下げていく、そして失業者をその分少なくしようということをやっています。 しかし、市場経済の中でこのことが現実として通るのは、失礼だけれども、やはり実質手取り賃金を引き下げるという覚悟がなければこのことはできません。今の労働組合あるいはその労働組合の支援を受けておられる各政党の皆さんが、はい、そうですか、日本のためにというお答えは私はすぐにはお出しにならないと思います。 もちろん、例えば派遣法を整備していくとか、裁量労働制だとか、あるいは変形時間制をやっていくということも私はワークシェアリングの一つの、何というかナイフとフォークの持ち方の問題だと思います。そういうことをやりながら、例えば子供さんを保育所に届けてから、おじいちゃん、おばあちゃんの介護をした合間を、あるいは自分は子育てが終わったから、自分が昔一生懸命歓いていたその能力を使いながらこれからも働いていきたいという方が出てこられて、その方々に対して法律的に道を閉ざしておくということは私はやっちゃいけない。だから、派遣法や労基法の改正をお願いしているわけです。 これができて、市場経済の中で自由な選択の結果、先生が今おっしゃったような方向が出てきて、言うならばミスマッチというものが解消されてくるという努力は私は最大限やらせていただきたいと思っています。 我々としては、カンフル剤的に、少し苦しくなったときには総合経済対策のようなものをやって、これは二%の実質GDPを引き上げると言われておりますから、これの一%のGDPの変動に対する雇用弾性値は大体〇・三から〇・七です。したがって、他の条件が同じなら、約三十万人から七十万人の失業者が解消される。これは失業率でいって一%前後。こういう努力を重ねながら規制緩和を進めて時間を稼いで、一方で失業者を抑えていくという方法をとっていくのが現実の政治であって、今申し上げたような実質手取り賃金が下がってもいいということを野党の皆さんがオーケーされるということであれば、その御提案は御提案として私は受けとめさせていただきますが、政治家としてはなかなか結構でございますという御返事はしにくいお答えでございます。
○星野朋市君 この問題はやり始めたら一時間でも二時間でもやらざるを得ません。私はきょうは最後なので、少し時間が残っておりますけれども、これで終わらせていただきます。
○委員長(遠藤要君) 次回は明二十八日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会