P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
142回国会参議院1998/05/25

行財政改革・税制等に関する特別委員会 第3号

発言数
287
登壇者
29
会派数
9
開催日
1998/05/25

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。  財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま議題となっております四案の審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。  当委員会の質問が大会派順でございますので、私が一番バッターで総括質疑をさせていただける、こういうことでございます。どうかよろしくお願いいたしたいと思います。  毎回こういうことを申し上げてまことに恐縮なんですが、私は、この委員会の総括質疑のテレビ中継というのは、生の生きた国会審議を国民に見せるまたとないチャンスだ、こういうように思っております。したがいまして、ごらんになっている国民の皆さんにわかっていただかなきゃいけません。そういう意味で、できるだけわかりやすい質問に心がけたいと思いますので、答弁の方もできるだけわかりやすい答弁、できれば簡潔にお願いいたしたい、こういうふうに思います。  まず、本論に入ります前に、インドネシア問題について二、三点お尋ねいたしたい。  インドネシアの状況は御承知のとおりでございまして、スハルトさんがおやめになったんですけれども、ハビビさんという副大統領が大統領になられて、組閣を完了されて、何かきょうの報道によりますと近々に、一年以内に総選挙をおやりになる。私は、いろんなあれがあると思いますけれども、なだらかな安定化の方向に向かいつつあるなと。わかりませんけれども、そういう感じを持っておるわけでありますが、総理の総括的な御所見をぜひお伺いいたしたい。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ここしばらくのインドネシア情勢、これは国会でも、また国民の中にもいろいろな御心配をかけておったと存じます。しかし、インドネシア憲法の手続にのっとり、先日、スハルト大統領が大統領を引かれ、ハビビ新大統領が就任をされた。そして、その後の状況を大変心配しておりましたけれども、二十二日にインドネシアの新内閣、閣僚が発表されました。  開発・改革内閣という名前にふさわしい、その点では私どもも新内閣にぜひ残っていただきたいと考えておりましたギナンジャール調整大臣、これは経済閣僚としてIMF合意をまとめていく上で中心的な役割を果たしてこられた方です。こうした実務に強い布陣がしかれた。同時に、社会の各層を取り込んだ内閣が生まれました。  この内閣の発足を踏まえて、インドネシアがIMFとの間で合意したプログラムをきちんと着実に実施していただくこと、また政治改革を進めていかれることによって民生の安定と国民経済の回復が一日も早く実現することを我々としては願っておりますし、そのためにも日本としては、これは御承知のようにたくさんの島で構成されている国ですから、ややもするとその輸送に困難を来すと非常に多くの苦しい生活に追い込まれる方々があります。そうした社会的な弱者を初めとして、インドネシアの国民の民生の向上、社会的な安定に資するようなそうした協力を重点にしながら、インドネシア国民の改革努力に対して引き続き日本としては協力を惜しまない、そのような姿勢で臨んでいきたいと考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、カナダのカナナスキスという難しいところでAPECの蔵相会議がございました。松永大蔵大臣、大変御苦労さまでございました。  そこで、インドネシアの経済開発について支援をやると、共同声明等をお出しになったようでありますが、ポイントだけ簡潔に御紹介いただけましょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 御指摘のとおり、カナダで行われたAPEC蔵相会議に出席してまいりました。私は、大部分の会合が終わって、そして土曜日、日本時間で言えば日曜日ですが、その会合が翌日の分がまだ残っておりましたけれども、これは共同声明を最終的に決め、記者会見をするという行事だけでありましたから、共同声明の内容については、財務官がちゃんとフォローしてくれるという約束になっておりましたので、土曜日の夕方、向こうを立って、そして日曜日、すなわちきのうの夕方日本に帰ってまいりました。  インドネシアの関係では、参加すべての国が、インドネシアがハビビ大統領のもとで民主的な政権として順調に発展することを期待したい、そしてインドネシアの政治・社会情勢の安定ぶりを見ながら必要な支援をやっていこう、こういう共通の認識ができ上がったというふうに言ってよろしいかと、こう思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 この点については別の機会に同僚から質問があるいはあろうかと思います。  そこで、今回のインドネシア政変で、スハルトさんを中心にいろいろなことが言われたわけでありますけれども、その中にODAのあり方が、現地を初め、正確かどうかわかりませんが、いろいろ取りざたされた。  インドネシアは東南アジアの大国ですから、我が国との関係もいろいろある。円借款なんかは我が国は最大の供与国にあるとかという話ですね。したがって、向こうにとっては日本が最大の援助国。ところが、そのODAがちゃんと末端まで使われているかどうか怪しいんだと。それがよくわかりませんけれども、インドネシアのこの一連の汚職や腐敗や縁故主義や、そういうことで何か幾らかつながっているのじゃなかろうか、こういう見方がされているのは私は日本にとってやや遺憾だと、こう思うんです。  そうしますと、今度米も援助する、こういうことになりますと、今までのODAのあり方をこの機会に見直すお考えは、外務大臣、ありますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 基本的には、インドネシアは我が国にとりまして、天然ガスあるいは石油等、大変大切な国でございまして、また民生の安定のためにODAは、昨年は中国でございましたが、従前第一位の地位を占めてきたわけでございまして、いやしくも今、委員御指摘のような点がないように最大の留意を払ってきたところでございますが、今後とも十分注意をしていかなきゃならぬと思っております。  特に、こういう事態になりますと貧困者にそのしわ寄せが来るということでございますので、今御指摘のありましたように、お米の問題とか医薬品とか、こういう品物を早急に援助いたしまして安定のために力を尽くしていきたい、このように考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 よろしくお願いいたします。  そこで、本論に入りますけれども、私は調べてみますと、去年の十一月十日に当委員会で、財政構造改革推進法の制定審議のこの委員会で代表質問をさせていただいているんです。今から思うとちょうど六カ月半前であります。今と六カ月半前と比べてみますと、私は大変状況も認識も変わってきたなと、六カ月半が長いのか短いのかよくわかりませんけれども。そこで、前回、十一月十日に質問させていただいた事項を少し参照しながら今後のことをお聞きしたい、こういうふうに思います。  最初に、財革法制定はいいけれども、景気との関係でどうなるんですか、大丈夫ですかと。財政構造改革は進んだけれども、日本経済が沈没するというようなことでは困りますよ、大丈夫ですかと尾身経済企画庁長官に御質問しました。尾身経済企画庁長官は、民間需要を中心に景気は回復過程にあるんだ、こういうお言葉があった。そこで、経済企画庁の話は、これはなかなかいろいろ問題があるという説があって、尾身長官なんかは党におるとき一番あなたは経企庁の物の見方に反対だったでしょう、そういうことを申し上げた。そこでまた御答弁があって、大変歯切れがよかったとは言えないんですけれども、いやいやなるほど回復過程だけれども足踏み状態だ、しかし経済のいろんな状況の数字を見るとファンダメンタルズはこういうことなんだ、大丈夫なんだ、こういうお話がございました。  六カ月半たった今の時点で、あのときの答弁は全くそのとおりとお思いになりますか。かなり苦しかったんだ、少し無理したんだと、こうお思いになりますか。いかがですか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 十一月十日前後に十一月の月例経済報告というのを出しまして、その時点では、「民間需要を中心とする景気回復の基調は失われていないものの、企業の景況感に厳しさがみられ、景気はこのところ足踏み状態にある。」というふうな表現でございました。その前の十月が「民間需要を中心とする景気回復の基調は続いている。」ということでございましたので、十一月の段階で、足踏み状態というふうに実は直しておりました。ただしかし、全体として見ると、やはり設備投資も消費も輸出もそこそこ好調でございました。  ただ、その以後の十一月のいろんな企業関係の倒産、破綻等がございまして、十一月三日が三洋証券、北海道拓殖銀行が十一月十七日、山一証券が十一月二十四日というような連続の相次ぐ金融機関の破綻、それからアジアの経済状況が非常に厳しくなってまいりまして、その二つの大きな要因で、秋口から一月、二月、三月にかけて景気が非常に厳しさを増してきた、そういうふうな状況であったと認識しているところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私はそう答弁されると思ったんです。山一や拓銀の破綻により金融不安が高じてきた。アジアの状況がずっと悪くなった。実は十一月に入ってすぐアジアの株式が暴落しているんですよね。東京株式市場も十一月七日に一万六千円を割っているんですよ、何カ月ぶりに。そこで、そういうことはなるほど予測できない事情はあったかもしれぬけれども、経企庁としてはそういうことがわからなかったんでしょうかね。深追いしませんよ、私は野党ですから。(発言する者あり)簡単に答えてください。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 野党、与党を問わず、景気の現状につきましては、経済企画庁といたしましてはできるだけ客観的に公平に現状を把握し、それを国民の皆様に伝えるということで御理解をいただきたいと思います。  ただしかし、先ほど申しました十一月の幾つかの企業の破綻等によりまして、それ以後急速に景況感が悪化をしてきている、そしてその景況感の悪化そのものが株価等に反映をしているとも見ているわけでございますが、特に十一月の相次ぐ金融機関の破綻等によりまして金融機関に対する不安感というものが出てまいりました。これに対して十二月から一月にかけまして三十兆円の金融システム安定化のための対策を決定し、これを国会に提出するということになりました。そのことによりまして一月半ばごろから株価が一万四千円台の水準から戻して、金融機関に対する不安感というものはある程度解消されてきたというふうに考えておりますが、しかし、例えば生産とか雇用、失業率等に対する、つまり実体経済の面に対する厳しさは昨今一層増しているというふうに考えているところでございまして、それがまた今回、総合経済対策を決定し、議会で審議をお願いしているゆえんでもございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 何か今、与党と野党を間違えたようでございまして、私はもう与党でございますので。ただ、参議院は衆議院より与野党の垣根がやや低うございますので、ついそういうことを言ったかもしれませんが、与党ということに議事録をしっかり訂正させていただきます。  そこで、今回の思い切った景気対策、十六兆六千五百億円、真水が十二兆、こういうお話でございまして、これが補正予算その他で形を整えると。そうしますと、政府の御発表では、名目で二・〇%ぐらい国民総生産を押し上げると、こういうことでお話しになっておりますけれども、大丈夫でしょうか。  それと、景気の回復の兆しが見え、顕著になってくるのはいつごろでございましょうか。今までは桜の咲くころという話が大分ありまして、ことしの桜は早かったんですよね。だから、何が咲くころがどういうふうになるのか、経企庁長官の御所見をお伺いします。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申しましたように、実体経済、生産、雇用等への面におきましては非常に厳しい状況が続いているわけでございますが、消費等一部やや明るい兆しが見られてきているかなというふうに現在の状況を感じております。ただしかし、厳しさが実体経済の面で続いているということは確かでございまして、総合経済対策を決定したところでございます。  総合経済対策の中身でございますが、一つは景気の状況を一日も早く抜け出すための景気刺激策をやるということでございますのと同時に、もう一つは、二十一世紀に向かって我が国の経済社会を民間活力を中心として発展させていくという意味におきまして、経済の体質を改善強化するというところにもかなり重点を置いているわけでございます。  そして、この効果でございますが、財政出動的な意味、真水十二兆円ということでございますが、二兆円は次の年回しということでございますので十兆円の真水、社会資本の整備で約八兆円、減税で二兆円ということでございますが、これを乗数効果等を入れて計算いたしますと、少なくとも向こう一カ年で二%の経済に対するプラスの効果があることは確実であるというふうに考えております。  この経済対策が国会で承認をいただきまして、予算、税制等が、あるいは公共事業の支出等が行われることになりますれば、早ければ一、二カ月、遅くとも三カ月ぐらいで実体経済の面にプラスの効果を及ぼしてくる。そして、それによって経済が、不良債権の処理あるいは経済構造改革等の対策もあわせ行っておりますので、中長期的にも順調な回復軌道に乗っていくものと私ども考えている次第でございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 秋口にと、こういうことだろうと思います。この点につきましてはまた同僚その他から質問があると思いますのでこれ以上あれしませんが、きょうは日銀総裁に参考人として御出席を賜っております。  先般、日銀が金融経済月報で景気全般に対する予測をされている中に、経済全般に対して依然厳しいんだ、下押し圧力が強い、しかし今回の経済対策でそれが緩和される、歯どめがかかると、こういうことを言っておられるんですね。しかし、そこは歯どめがかかっても後の持続効果があるのか、あるいはどうなるのか、その辺の見通しをお聞かせいただきたいと思います。  その前に、実は私は、日銀給与の水増しその他が報ぜられまして質問させていただこうかと本当に思ったんですが、総裁には大変いい部下がたくさんおられまして、ぜひやめてほしいというお話がございましたし、また日銀も正式に発表されたわけですから、きょうは質問させていただきませんが、今までの日銀というのは最もディスクロージャーに遠い機関なんですよ。何も発表しない。それから、今までは国会に対しては大蔵省というクッションがありましたから、直接国会と云々ということも余り御存じない。そういうあれなんですね。  ぜひこの機会に、日銀も独立性を強めたんですから、しかも世の中は今ディスクロージャーの時代なんですから、給与を初めとしてきちっと国民にわかるようなディスクロージャーを徹底していただくことを重ねて要望いたしたいと思います。総裁、よろしくお願いします。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) ただいま大変私どもにとってこれからなすべき最も注意を要するところを御指摘いただきましてありがとうございます。  最初の御質問で景気をどう見ているかということでございますが、我が国の景気を見ますと、やはり最終需要の弱さというのが背景にありまして、生産が減少を続けております。企業の収益や雇用・所得環境も悪化してきております。このような生産、所得、支出をめぐるマイナスの方向への循環を踏まえて、私どもは現在の景気は経済活動全般に対する下押し圧力が強い状況にあるというふうに判断をしておるわけでございます。そして、もしこうした状況に対して何も政策的な対応を打たなければ景気が悪循環に陥ってしまうリスクも皆無ではなかったように思っております。  しかし、今般政府が打ち出された総合経済対策、これは十六兆円を上回る総事業規模をもってかなり大きな有効需要をつくり出す効果があると考えております。また、対策のメニューの中には土地や債権の流動化という不良債権処理に資する重要な施策が盛り込まれておることに私どもは非常に期待を持っております。これはやはりゼネコン等の一般企業の財務の改善はもちろんのこと、金融システムの安定化という点からも欠くべからざる最も急を要することではないか、この土地の流動化ということは。私どもは、これだけの規模と内容の対策が打たれていけば経済がどんどん悪循環に陥っていくということは回避し得るのではないかというふうに考えております。これが下押し圧力に歯どめがかかると申した意味でございます。  ただ、こうした動きがさらに民間経済を主体とする一段の力強い回復につながっていくかどうか、ここのところがこれからの課題であります。企業や家計のコンフィデンスがどの程度改善されていくかということにかかっているように思います。この点につきましては、現時点ではなお確たることは言えません。  私どもとしては、今回の対策をきっかけに、こうしたことが実現することを期待しながら今後の情勢の展開を注意深く見守ってまいりたいというふうに思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 金利、公定歩合の関係につきましては、彼ほど時間があれば質問させていただきます。  そこで二点目は、十一月の質問で私は、景気対策もやる、経済構造改革もやる、こういうことなんですが、それは財政構造改革に支障のない範囲で、それをゆるがせにしない範囲で景気対策をやるということですね、そうすることが当面はつらくても中長期的には経済の活性化、構造改革につながって財政もよくなるんですねと、こういう質問を総理に申し上げました。総理はそのとおりだと。改革には痛みを伴うんだ、しかしこの痛みを耐えれば中長期的には明るい未来が築けるんだ、問題はその痛みの期間をできるだけ短くすることだと、こういうふうにお答えになりました。支障のない範囲、ゆるがせにしない範囲で景気対策をやると。  ところが、少なくとも今回の景気対策では財革法はいじらないとぐあいが悪くなったわけでありますが、その限りでは私は支障が出たと言わざるを得ない。しかし、衆議院その他の総理、大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと、これは短期の緊急避難なんだ、財政構造改革の骨格は維持したんだと、こういうふうに言っておられる。私もそう理解したいと思います。  そこの御所見と、それから今の日本経済というのはもう痛みを耐えるような体力はないんだ、瀕死じゃありませんけれども相当弱っている。重病な状況なんで、当面は痛みを耐えろといってもそれは無理なんだと、こう認識すべきでしょうか、総理。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今ちょうど手元に持っておりますのが十一月に議員とその問題についてやりとりをした部分であります。そこでも私は、財政構造改革は何としてもやり上げなきゃならない、同時に一方では経済構造を改めていく、そして新しい土地の有効利用とか新しい業が起こり得る土壌とかいろいろ申し上げてまいりました。しかし、本当に今年になりましてインドネシア、一月に一回IMFとの合意をいたしましたものが三月から四月にかけてまたやり直しというような、これはインドネシアだけではございません。アジアの金融・経済混乱というものは、我が国における金融機関の大型倒産、その前後から起こりました強烈な貸し渋り現象、こうしたものとあわせて非常に深刻な状態をつくってきました。  そして、そういう中でまさに緊急避難的に適切な処理を行える弾力的な仕組みをということで、今そのための財革法の枠組みを弾力条項を挿入する等の改正を加え、同時に総合経済対策、補正予算の御審議を願おうとしております。  私たちは間違いなしに、こうした経済対策あるいは補正予算、この中には社会資本整備と減税という柱を置いておりますけれども、こうしたものによって我が国経済が自律的な回復軌道に乗ることを期待いたしますし、いずれにしても従来から内外の経済・金融情勢の変化に対応して臨機応変の措置をとる、それは当然だけれども、二十一世紀を考えるときに財政構造改革というのも捨ててはおけないということを申し上げてまいりました。その必要性というものは今も私は変わらないと思うんです。  その上で、今私どもがここまで不良資産というものについてとってまいりました対応だけでは本質的な解決にならない、これは何としてもバランスシートから落とす。先ほど蔵相からAPECにおける議論を御紹介になりましたけれども。  今までは金融機関のバランスシートにおいて、片方に不良資産が計上されればもう片方にそれに見合う引き当てをということで対応してまいりました。しかし、ディスクロージャーのおくれ等々の中でなかなかその引き当てを計上するという方法だけでは不安が消えないのならば、この三月期決算からアメリカのSEC基準、より厳しいルールでの決算を指示し、各行これを公表しつつあります。  当然ながら、今までよりもその不良債権の中は明らかになってくるわけですから、これに見合う引当金を計上しただけでは不良債権をバランスシートから消せませんので、こうしたことを可能にするような措置も総合経済対策の柱の中に置いて臨もうとしていることを御理解いただきたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今、総理が言われました金融機関の不良債権処理、都銀八行の決算状況を見ましても六兆何千億は償却したということになっています。  今、総理のお話のように、引き当てをふやしているだけで現実に土地が処分されて動いてはいないんですね。そういう意味で、抜本的な策を講ずるというのは私たちも大賛成ですし、それがひいては金融再編につながってもあるいはやむを得ない、いいことになるかもしれない、こういう気がいたします。  そのために何か与党と政府で協議会をおつくりになったようであります。その目的、意図は今お聞きしましたが、大体どういうスケジュールでどういうふうにやられますか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私もこれからの作業スケジュールまでは細かく存じておりません。  しかし、今申し上げましたような中で日本の経済というものを早急に立て直していく、そして再び活性化する、そのためにはまさに金融機関の不良債権問題について、その実態を明らかにするだけではなくて、担保不動産の有効利用に至る総合的な対策、施策というものを必要とする。そして、その不良債権の実質的な処理を、今申し上げましたように引き当てと見合ってバランスシートに乗っているという姿じゃない、そのためには、本当に不良債権の実質的な処理を早急に進めて資金の円滑な供給という金融機関の本来の機能を回復させなきゃなりません。  そうした考え方のもとに、不動産担保つきの融資をめぐる権利関係を整理しなければなりません。そのための仕組みつくり、あるいは不動産担保つき債権を証券化していく、こうした総合経済対策で盛り込みました施策を具体的なものとして推進を図っていきますために、またその上で出てくる金融機関のシステムの再生のための実効性のある施策に取り組むために、政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会というものをスタートさせました。これは早急にこれからその具体化を図るべく、政府、与党一体となって取り組んでまいります。  ただ、これは法務省ももちろんありますし、大蔵省もありますし、建設省もありますし、経済企画庁、省庁にしましても実は関連するところは多数ございます。そして、内閣がこれを引っ張っていくことになるわけですけれども、与党側においてもそうしたための体制づくりをお願いし、既に第一回の会合は終了いたしました。  国会の開会中でありますので、私自身が出られる日を選ぶのではなく、もっと実働的に動けるような日程をつくっていただきたいということをお願いしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今、総理のお話の権利関係の調整のための委員会その他の仕組み、手続あるいは不動産の証券化、そういうことは私はいずれも法案が要ると思うんです。しかも早い方がいいんです。この間第一回の会合ですから、この国会では間に合いませんね。しかも法案は要るんです。そうすると、後はどういうふうに、それは国会のことだ、こう言われるかもしれませんが、できるだけ早くと、こう理解してよろしゅうございましょうか、法案化。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは当然法案化をし、国会で御審議をいただかなければならないものをたくさん含んでおります。ですから、私は、実はその第一回の会合ではできるだけ早くということとともに、できたものから具体化にというお願いを申し上げました。まとまりましたものからどんどんという言い方を申し上げております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総理、私が言っているのは、この国会で間に合いませんので、できたものから法案化すればいいんです。臨時国会ということを政府としては期待されるわけですね、通常国会はこれで終わるんですから。その臨時国会の時期を、おまえ、それは言いにくいぞということかもしれませんが、言える範囲で、申しわけありません。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これはむしろこれから先、今国会が終了し、参議院選が終了し、その後の状況ということですから、私が予測をしていいものかどうかもわかりません。ただ、いずれにしても、政府もまた与党もこの問題について既にスタートを切ったわけでありますから、私はその作業は半年も一年もかかるものだとは思いません。  その上で、まあ普通常識的な時間というのはおのずから頭に浮かぶんじゃないでしょうか。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 常識もいろいろあるものですからあれでございますが、何となくわかりました。  そこで、次の問題は、私は十一月に、財政構造改革推進は法律事項じゃないよ、法律にしなくても閣議決定なり何とか宣言なり何とか声明で足る、こういうことを申し上げた。むしろ、こういう法律ができることは内閣の予算編成権を制約するし、国会の予算に対する審議権、議決権を拘束すると。修正できるという法制局の御意見ですけれども、自分でつくった法律を破るなんということは自己矛盾ですから、拘束される。アメリカにもあるじゃないか、アメリカは連邦議会に予算編成権があるんですから、法律で支出を決めていくんですから、何本も何本も法律を出して、だから包括財政調整法みたいなものが要るんです。フランスの法律はふわっとした目標だけで、あるいは法律かどうか、まあ法律ですけれども、よくわからない。日本は事情が違うんだと。  しかし、当時の三塚大蔵大臣に、日本の今の非常事態という状況や政治的な効果、意味、国民に対するいろんなPR、そういうことは意味がありますよとお聞きしましたら、時々前大蔵大臣は大変哲学的なところを交えられるものですから必ずしもよくわからなかったんですが、自分の行動を国会に法律を出すことによって、御決定いただくということは大変な決意でやることにつながるのでいいんだ、国会のサポートと励ました、こういう御答弁をいただいたんです。  そこで、法律ができて、今度改正する。これは全く私個人の意見でございますけれども、財政構造改革法が大切なわけじゃなくて、財政構造改革をどうやるか、景気回復をどうやるかというのが私は大切だと思うんです、法律じゃなくて実態が。そうなると、財革法制定にかけた手間と時間とエネルギー、財革法改正にかける手間と時間とエネルギーというのが、私個人はけちですから大変もったいないような気がするんですね。むしろ、財政構造改革、景気対策は内閣がその権限と責任と自信を持ってどっとやる、それについて国会は議論を大いにしていく、そして国会の権限の中で決めていく。法律じゃありませんよ、法律じゃなくて、最終的にはその是非は私は国民の審判に仰げばいいと思う。その方が国民から見てずっとわかりやすい。  法律をどうする、法律をどう直す、法律をどうつくるということの方にあるいは行っているんじゃないかという気が大変いたしますが、三塚大蔵大臣の御後任の松永大蔵大臣の御所見を例えれば。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員のおっしゃったような考え方で財政構造改革を進めていくという手法も、実は手法の一つとしてあり得ることだとは思います。  しかし、今日の日本の財政の置かれている状況、世界最悪と言われるような財政状況を念頭に置き、かつ国権の最高機関たる国会においても財政構造改革を進めていくという意思の決定を国会の議決、法律という形で出していただく、それにその法律を守りながら予算を編成する等の仕事をしていくという仕組み、これは財政構造改革を進めていくという国の意思を国内外に明らかにするという意味で非常に意義のあることであると思います。  そしてまた、もう一つは、内閣の予算編成権を縛るという批判もありますけれども、この法律がある以上、そのときそのときの内閣が自由な意思で放漫的な予算などは組めない、こういう縛りがかかるわけであります。そういう縛りをかけながら必死の思いで努力をしていかなければ、日本の置かれているこの財政の苦しさ、厳しさ、これを乗り越えることはできない、そういう考え方のもとにこの法律はつくられたものというふうに私は思っております。  それぐらいこの財政の健全化、迫りくる二十一世紀の高齢化社会においてみんなが安心して暮らせる福祉の社会、あるいは経済の活力を保持する、こういう財政が打てるような状態を一日も早くつくり上げなきゃならぬ、そういう考え方のもとにこの法律はできたものというふうに私は理解しております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、その点は私は十一月もお認めすると言ったんですよ、非常事態だ、政治的な意味はあると。しかし、法律で全部縛らなければ内閣も国会もというのは、ややいかがかなと。  我が国は昔から特に成文法万能主義なんですね。法律が物すごく多い国ですよ。法学部もそれだから尊重されてキャリアの偉いお役人は法学部、私も法学部ですが、法学部ばかりなんです。だから私は、そろそろそういう万能主義から脱却した方がいいんじゃなかろうかなと。  それじゃ、私は財革法が再改正というのはないと思いますけれども、それは全くないという保証はないですよね、神様でなければ。私はないと思いますよ。どう状況が変わるかわからぬ。必死の努力をして経済を立て直さなきゃいかぬ。全くないということを保証できますか。大変お答えしにくいかもしれませんが。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) この財政構造改革、その中で非常に大きな部門を占めておるのは、歳出の内容についてその仕組みの源にまでさかのぼってむだを徹底してなくす、そして効率化を図る、重点化を図る、そういう非常な努力をしながら歳出の縮減を図っていく、そのためには私は国民の理解と協力が必要だと思うんです。  国民の理解と協力を求める方法としては、国会で財政構造改革を進めるという意思を明確に法律の形で出していただいておくということが大事なことだというふうに私は思っておるわけでございます。  そして、今回は景気のこの厳しい状況を踏まえて、何としてでも景気の速やかな回復を図らなきゃならぬ、そのための緊急的な措置をしていただいたわけであります。私どもは、この改正をしていただきましたならば、その改正法の中であらゆる努力をして、石にかじりついても財政構造改革法の目標として掲げられておる目標年次における赤字公債発行ゼロ、そして国、地方合わせての財政赤字を三%以内に抑える、そういう目標に向けて文字どおり全力を挙げて、全身全霊をささげて実現に向けて努力していく決心でございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 御決意はよくわかりました。目標年次に財革法の目標をぜひ御達成いただきたいと思います。  そこで、財革法で、私は前の十一月にも言ったんですが、これは補正予算をまともに対象にしていないんですよ、財投は全く触れていない。ただ、補正予算や特別会計も、結果としてはフローの財政赤字三%にするとか公債依存度を下げるとか赤字国債をゼロにするとかそこに関係ありますよ。あるけれども、まともには取り上げていない。それは結局当初予算だけなんですね。私はこれはやっぱりおかしいんじゃなかろうかと。  それでは本年も考えてみてください。平成九年度の補正予算が十年の二月に、四月に当初予算が成立しましたね。六月にこれから補正予算が出てくるわけでしょう。それから、一部には、無責任な話かもしれぬけれども、政府じゃないかもしれぬけれども、第二次補正の話まである。補正についてはおかしいじゃないのとこの前三塚大蔵大臣に質問しましたら、補正については財政法第二十九条の趣旨に沿って厳格にやりますと。財政法二十九条というのは予算成立のときに予見しなかったようなことで緊急に経費がふえるとか義務費がふえるとか、債務の状況が変わって債務の額がふえるからということなんですよ。  それで、こんなもう盛り込まれたような、当初と並ぶような補正予算というのは私は財政法二十九条は予想していないと思いますよ。厳格な適用じゃないと思う。しかし、今までずっとやってきているんです。今までもゼロシーリングは当初だけにかけて、マイナスシーリングをかけて、補正はどんどん景気対策でふやしてきたんです。それが財政の悪化につながっているんですよ。  だから、今回も、今、大蔵大臣は大丈夫だ、努力した、目標は達成できると。しかし、補正予算をこのままにしておいたらできませんよ。私はやっぱり年間総合予算主義でいくべきだと、こう思っている。しかし、いろんな事情がある。補正予算があってもよろしい。しかし、それは本当に財政法二十九条の厳格な適用に限るべきで、今のような補正予算のあり方が正しいとは思わない。いかがですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のとおり、厳しいキャップその他の措置は当初予算にかかっておるわけでありまして、補正の方にはそこまではかかっていないという御指摘はそのとおりでありますが、しかし目標年次において財政赤字の三%以内ということは、これは全体としてのことにかかるわけでありますから、その意味では後ろの方ではちゃんとかかっているという意味で、おのずから補正予算の場合にもそのことを念頭に置けば節度あることになってこざるを得ない、こういうふうに思うわけであります。  なお、今回、国会に提出してある補正予算、これは財政法二十九条の規定を踏まえて編成したつもりでありますので、いずれ具体的な審査が始まると思うのでありますけれども、そのようにひとつ御理解願いたいとお願いするわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣、それはまやかしがあるんですよ。補正予算の公債収入、特例公債も建設公債も、特に建設国債はよろしい、特例公債の方は減額対象でずっとしていってゼロにするわけです。それが国と地方で三%なんです。ところが、補正予算のものは外しているんですよ。減額対象していない。現に大蔵省が出した「財政事情の試算」なんかからそこだけ抜けているんです。当初だけを対象にしているんです、当初だけの赤字国債を。どうしているんだといったら、それは国債費にほうり込んでいるんですよ、六十年償還の国債費に。こんなことで三パーだ、赤字国債をゼロにしたなんというのは、私はこれは数字合わせのまやかしたという気がしてしようがない。どうですか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  まず法律上、特例債の縮減あるいはGDPに対する赤字につきましては、これは補正後を含めての規制になっているわけでございます。  それから、先生御指摘の点は、多分試算においては補正後の数字は入っていないんではないか、当初の数字ではないかという御指摘かと思いますが、今回、十年度補正予算における二兆円程度の特例公債の増発というのは、これは特別減税の実施等のための要するに単年度限りの特殊要因でございますから、後年度においてその部分が毎年度毎年度補正で出てくるというわけではございませんので、こうした特殊要因を除いたところの十年度当初予算をベースとすることが適当であるということであのような試算をお示ししたわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 特殊要因ならいいですよ。それが特殊要因じゃないんだから、今補正は。だから、さっきから言っているんです。常態化しているんです。あなた方は入れている入れていると言うけれども、支出の方の国債費にほうり込んでいるだけなんですよ、六十分の一を。まともに補正予算の特例公債も対象にせにゃおかしいですよ、これだけ恒久化している、特例公債が。それじゃ、補正予算を本当に限ってくださいよ。財政法二十九条の言うとおり限るのなら、私はあなたの言うことが全面的にいいとも思わぬけれども、それでも我慢できる。しかし、今のような状況でそれを外すというのはおかしい。  これだけやっても時間をとりますから、研究してくださいよ、涌井さん。松永大蔵大臣も、本当に財政構造改革をやるのなら、財政再建をやるのなら、この問題を抜きにしてはいけません。  では、おまえ、そんなことを言ったら、年度途中に経済状況が変わる、為替や株が急変する、何とかがある、中小企業がどうにかなる、どう対応するんだ、きちきちした当初予算でと。それなら、当初予算に一兆円でも五千億でもいいですけれども、一般歳出の一パーか二パーぐらい臨時経済調整費というのを組んでください。それは内閣の責任でやる、経企庁でもどこでもよろしいが。今、公共事業にはお互いの重複調整のために三百億という国土総合開発事業調整費があります。そういう種類の弾力的な支出の枠を私は内閣に与えるべきだと思う。  全部事細かに当初予算で限るからこういうことになる。だから、補正予算という抜け穴でいろいろなことをやっていこうとする、特に景気対策を。だから、そこの考え方の転換が私は要ると思いますけれども、大蔵大臣、どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、委員のおっしゃいました臨時景気調整基金というんですか調整費、そういったものを、多額の基金をつくるということは…

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 基金じゃない、予算。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 予算を、具体的な使用目的を定めないまま、そのときそのときの情勢で内閣が勝手に使えるような歳出項目をつくって予算を成立させるということは、ある意味では国会の予算の審議権を制約するような結果になりはせぬかということを私は心配するわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、そこは緊急に限る、ある程度の大枠は決める、手続はとる、国会に報告するか何かわかりませんよ。しかし、そこで国会の審議権と内閣の予算編成権のぎりぎりの接点を見つけて弾力的な対応ができる仕組みを考えていくということが必要だと思います、大蔵省、ほかのことをいろいろ考えるよりも。  ぎりぎりの接点、言われるとおりの問題点はあります。しかし、その都度法律を直し、予算を出し、国会の審議を経て承認というようなことがこれからの時代にいいのかどうか。国会は尊重してもらわなければいけません、国会の審議権はちゃんと確保してもらわにゃいかぬけれども、どこに接点があるか、そういうことの御検討をぜひお願いいたしたい、このように思います。  そこで、今度はこの委員会で減税法案もやる、こういうことになりまして、特別減税と恒久減税の話がある。特別というのは、普通の常識で考えれば一年か二年なんです。だから特別なんです。ところが、今回の特別減税は実は延べ六年であります。平成六年から始まって、六年、七年、八年とやったんです。六年は、ちょっとこれは消費税との関係があって額は五兆五千億ですけれども、あとは二兆円でやってきた。  毎年度延ばす延ばさぬと議論しながら三カ年やってきて平成九年を迎えました。景気が回復している、このくらいの特別減税をやめても景気は飲み込めるというので、平成九年の初めにはやめようということになった。ところが景気がこうなって、年末に総理の英断でまた復活したわけです。  これやるのは十年ですから、九年やら十年やらわかりませんが、結果としては三年にさらに一年になった。そして、平成十年もさらに二兆円の追加をやる、十一年もやると。十一年はやり方決まっていませんよ、決まっていない。やるということは決まっている、二兆円。だから臨時経済対策の中に四兆円ということが入っている。  六年やっている。六年、特別特別ということでやるのがいかがかなと。細切れじゃありませんけれども、毎年度意思決定してやっていくわけです。しかも、最初の三年は定率減税です。九年、十年は定額減税に決まった。十一年は決まっていない。定額でやるから、高額所得者も低所得者も同じように頭割りでいくから課税最低限はどんどん上がる。サラリーマンで払わない人がもう三割出てくる。高額所得者も低額所得者も一緒だと。一緒がいいんだという説とおかしいという説とある。私は、そういうことでは税制そのものがちょっといびつになってくるんじゃなかろうか、こういう気がするわけです。  ところが、やめられないんです、麻薬じゃありませんけれども。プラスの効果は定かでなくても、やめると増税効果が出るんです。景気が悪くなるんです。だから、やめられぬで今日まで来たんです。  そこで、平成十一年をどうやるかですけれども、やるということは決まっていますから、私はやるのなら定率にすべきだと思いますが、どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員が御指摘になりましたように、この二月に法案を通していただいて実施した特別減税、今回法案の審議をお願いしているそれによる特別減税、いずれも特別減税でございます。  その特別減税は、そのときそのときの厳しい景気動向を踏まえて特別にやる減税であることは御指摘のとおりであります。しかも、そのやり方が定率制じゃなくして定額制でありますから、したがって税のあるべき姿からすればいろいろ意見があるということは私も未熟ながらよく承知いたしております。しかし、これは現在の景気状況を踏まえて、一日も早く不況から抜け出すための特別の措置と、こういうことでございます。  しからば、十一年の実施を約束しておる分につきましてどういう形の減税になるのか。それはまさにこれから政府税制調査会等、そちらの方で十分審議をした上でやり方等についても決めさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今、大蔵大臣が言われたことは全部わかって言っているんですよ。特別がずるずるやめられない、十一年もやめられないんですから、やめられないんなら、定額だといびつな形が広がりますよ、やめられないんですから。定率の方がベターじゃないですか、恒久じゃないんだから。それじゃ十一年にやった後やめられるかどうかです。私はなかなか難しいと思います。しかし、わかりません、景気が変われば。  そこで、十一年までの特別減税は結構ですから、十二年以降、所得課税についてどうやるか。恒久的にやるのかどうするのか、私は基本的な議論が要ると思います。ただ、そうなると財革法と絡むんです。財源をどうするんだという議論に必ずなるんだから。  だから、その辺が大変苦しいところなんだけれども、そこはきちっとしていかないと、毎年細切れの意思決定をやる特別減税の延長はもうそろそろこれでいずれにせよ一区切りすべきじゃないかと私は思いますが、いかがですか。総理にお願いします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私、今の議員の御論議を全く否定するつもりはありません。ですから、この前も私は、所得課税について公正、透明、そして国民の意欲を引き出せるような制度改正をということを申し上げ、政府税制調査会は既に議論を始めていただきました。党の税制調査会も、選挙後、当然ながらこれについてやっていただけるでしょう。  そして、既に実は二回、抜本的な税制改革の中で所得税の体系を動かしてきました。そして、大半のサラリーマンの方々が生涯一〇から二〇%の税率が適用される、その意味では最高税率の問題を除きますと、いわゆるフラット化という意味では非常にもう相当な部分の仕事が済んできました。しかし同時に、累次にわたる減税の結果として、課税最低限が諸外国に比して高い。ただ、日本よりも実はまだ高い国もあります、ドイツだけ。しかし、ほとんどの国は日本よりも課税最低限は低くなりました。そして、所得課税の負担全体とすると先進国中最低なわけです。ですから、例えば各種の控除のあり方なんかも考えなきゃいけないでしょうし、資産性の所得課税をどうするのか、年金課税をどうするのか。個人所得課税にはそれだけの少なくとも既に提起されている問題点があるわけですから、こうした問題点全部をテーブルの上にのせて、税制調査会、これはもう政府税調、与党税調含めてですが、幅広いきちんとした議論をしていただき、この期間の特別減税の後に、いずれにしてもきちんとした所得課税のあり方をもって答えにかえられる、そういうふうになることを私は願っています。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それで、先般の本会議の財政演説で、大蔵大臣、総理が今言われたと同じ、公正、透明で国民の意欲の引き出せるようなそういう個人所得税制と、こういうことなんですが、そこで世上いろいろ議論されているのは、最高税率を、べたに足すと五〇プラス一五ですから六五%ですよね、最高税率、これを下げるんだ、五〇だと、わかりやすいから五〇、よその国並み。それから課税最低限も、これは上げるという議論はないと思いまして、今の四百九十一万七千か何かですから、これももう少し下げろと。この辺は私は国民の意欲を引き出せるというところになると思うんですが、その公正、透明ですね。  そこで、私は、公正の中で今言われましたように資産性所得課税だとか年金課税だとか、これは問題ありますよ、課税ベースや何かの。そういうことは入ると思うんですが、透明というのは、これは納税者番号制度ですか。公正、透明、国民の意欲を引き出せるような税制、大蔵大臣が言われた。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員もよく御承知のとおり、税というのは国民生活に直結するものであります。したがって、従来から、税に関する専門的な知識を持っている人、経験者等々の国民の代表的な人に税制調査会として集まっていただいて、そこで各方面から議論をした上でおおよその方向性を定めていただいて、それをもとにして政府の方では税制改正法案を定めて国会の御審議をお願いする、こういう仕組みになっております。  なぜそうするかというと、こういう税の問題は政府あるいは大蔵省が一方的に一定の方向性を示して、その上での案のまとめ方というのは適切じゃないと、やはり国民の中の専門的な方等々が中心になって本格的な議論をしていただいた上での答申を受けて対処するのが望ましいということでやっておるわけであります。  したがいまして、今、委員のおっしゃいました問題については既に政府税制調査会がスタートいたしまして、基本問題小委員会というところでその問題については専門的に論議がなされるものと思われますので、その論議の煮詰まりぐあいを見ながら考えていかなきゃならぬ、こう思うわけでありまして、今の段階で私からいろいろ言うことは適切でない、こう思っているわけであります。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣の言われることは私もわからないでもありません。しかし、全部政府税調任せ、全部党税調任せでは、政府の責任、内閣の責任というのはやっぱりあるので、最終的には、あれは審議会ですから、答申するわけですから、答申は尊重せにゃいけませんけれども、全くそのとおりでなきゃいかぬということは私はないと思いますし、あるいは政府としてこうだと、こういうことを言っても私は一つも構わぬと思います。ただ、政府税調も党税調も大変権威のある税制審議機関ですから、そういう意味では大いに尊重していただきたいと思いますけれども、その辺は今後のあり方です。  そこで、それでは税制というのは、あるべき国民負担を念頭に置きながら税の公平、中立、簡素ということでしなければなりませんが、税というのは財源なんですよ、言ってみれば。その税制だけが独立してあるというのは私はおかしいと思うんですね。やっぱりそれにつながる歳出なりその財源なりとの関係というのが不可分でございまして、だから私は、税だけ、収入だけ、税のあり方だけ考えるというのはもちろんあるんだけれども、やっぱり歳出や財源のあり方を含めて何か議論してもらうような場が、あるいはそれが財政構造改革会議か何か知りませんけれども、必要なんじゃなかろうか。  例えば、これから少子・高齢化社会になったら、社会保障の将来像はどうなるんだ、年金がどうなるんだ、医療がどうなるんだ、介護はこれからスタートしますけれどもどうなるんだ、その他の福祉がどうなるんだと、こういうものをきちっと中長期的なビジョンを国民に示して、だから税はここなんで我慢してくれというのか、自分でやれというのか、そこのところの何かがどうしても要るんで、それを抜きにして消費税がどう、あれがどうというのも私はいかがかなと。  公共事業も同じです。公共事業は建設国債と道路特定財源を主力でやっておりますけれども、しかし一般財源を入れるという議論もある、あるいは入れにゃいかぬことも私はあると思います。だから、特にこれは説とどうリンクしていくのか、あるいは行政の守備範囲というのをどうするのか、あるいは国と地方の関係でどう整理するのか、それが同時に国税と地方税の仕分けになってくると思うんですね。  そこで、もっと幅広い審議する場というのがあってもいいような気がするんですけれども、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど今、内閣に届いておりましたインターネットの中で議員の御指摘になっておりました問題についての部分、国民の意見はどうかなというので目を通しておりました。  私は一つのお考えとして評価をいたします。率直に評価をいたします。その上で、しかしなかなか具体的にそれをしようとしたとき難しい問題点があるなというのは感じます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 難しい点があるのは承知しておりますので、引き続いて御検討を賜れば大変結構だと思います。  そこで、法人課税なんですが、財政演説等を見ますと、所得課税の方は公正、透明で国民の意欲を引き出せると、こうなっている。ところが、法人課税の方は、今後三年間のできるだけ早い機会に国際水準並みにすると。そのためには法人事業税の外形標準課税ですか、それの検討を初めとして、何とかやると。法人税、法人関係税の方は大変具体的なんですね。それは大蔵大臣、やっぱり三年間には国際水準並みというのは幾らか知りませんが、今実効税率四六・三六です。四九・九八が下がった。三パー落としたから、事業税も落としましたから、それはそういうお考えですか。  私は、財政演説を書き分けているような気がしてしようがない。所得課税は抽象的、理念的に、公平、透明で国民の意欲を引き出せる税制、こっちの方は三年以内に早い時期に国際水準並みにします、法人事業税の外形標準課税の検討をやりますと、こういうふうに書いてあるわけです。それはそういうお気持ちでお書きになったわけでしょうね、財政演説。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 法人課税のあり方と、それから個人所得課税のあり方との間には私は基本的に違う点があると思うのは、法人課税の実効税率、今、委員御指摘のとおり、ことしの国会で基本税率を三%下げさせていただきました。しかし、それでも地方の事業税負担等と合わせてみますというと、四六・三六という諸外国よりも高い水準にあります。アメリカが四〇・七五、イギリスが三一、ドイツが五一・六、フランスが四一・二、平均すれば四〇%そこそこというところが欧米の平均でございましょう。そこで一つの目標といいますかそういったものが出てきます。  しかし、個人所得課税というのは、先ほど総理からも話がありましたけれども、個人所得課税の国民所得についての割合は日本は実は世界で最低になっております。こういう点もあるものですから、法人課税については目標が明示できました。しかし、個人所得課税につきましては、これは諸外国よりうんと低いものですから数字的には方向性を出すことは難しい。そこで公正、透明、そして意欲の引き出せるような個人所得課税のあり方というふうな形での諮問をさせていただいたということであります。  法人課税につきましては、三年以内のできるだけ早い機会に欧米先進国並みといえば、これは現在の四六・三六を下げて四〇%プラスアルファ種度を一応念頭に置いた上での諮問のお願い、こういうふうになったものと理解をいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣、所得課税の方も十一年までの特別減税が決まっているんだから、十二年に大議論になりますからこれも余りゆっくりはできないんです。法人課税の方が緊急性があるというお話、それはそれでわかります。四六・三六に下げたけれどもまだ途中だと。グローバルスタンダードで行けと。四〇%かもうちょっとぐらい、わかりませんけれども、経団連なんかは四〇%と言っていますからそうしろと、こういうことなんです。そこで、地方の法人事業税の外形標準課税というのがその切り札みたいなことで出てきている。  というのは、私は、かつて外形標準課税を主張した一人ですけれども、それはなかなか難しいです、導入は。簡単にいきません。やるんなら極めて計画的、段階的にやる。中小企業への特例というのを配慮しながらやる。ここのところのうまい仕組みをつくらぬとなかなか難しいと私は思いますけれども、仮にやった場合に、それはネット減税にするということなんですか税収中立なんですか。自治大臣にお願いします。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のとおり、外形標準課税導入は非常に問題があるというか非常に難しい、簡単にいきません。御指摘のとおりでございます。  ただ、事業の規模でありますとか活動量でありますとか、これをやるとすれば何らかの外形基準を示して課税する仕組みをつくらなければならない、これが当面の検討課題となっておるわけでございます。  地方法人課税の今後のあり方につきましては、委員御承知のとおり、昨年末の政府税制調査会の答申におきまして、「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」とされておるわけでございまして、これを受けまして、今年度の政府税制調査会において地方法人課税小委員会が設置をされまして、五月十九日から実質的な議論がスタートいたしたところでございます。  この外形基準の導入といいますか、事業税へこれをやるということになれば、外形基準とは、一体これをどうするのかということになると思うのでございますが、この段階的な導入の必要性があるかどうかは、中小企業に配慮する必要性があるかどうかということも含めて、これは今後税制調査会において、また各界各層にも幅広く御論議をいただいて検討を進めていかなければならないものと思います。ただ、赤字法人といえども行政サービスを受けておるというこの現実は否定できないわけでございまして、このことも含めて検討して、大方の納得がいかなければ導入は非常に難しい、このように考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私が言いたいのは、法人事業税に外形標準課税を入れるのは結構です。これは慎重、緻密にやっていただきたい。  ただ、それを入れることによってネットで法人課税の負担を下げるのなら、それだけ地方にしわ寄せが行くから地方に対する財源補てんをしなきゃできませんよ。法人税も下げるんですかと。そこのところは税収中立か。税収中立なら今と変わらないんだから、外形標準課税を導入することによって法人事業税を税収中立にするのなら税収は変わらないんですからね。ただ、ネットで減税するのならこれはだれが持つのか、減税した分は。それを全部地方にかぶれといってもなかなかそうはいかないので、これが一つの争点になる。  それからもう一つ、法人税の基本税率は三パー下がりまして三四・五になりましたけれども、これはどうするんですか。あるいは中小企業や組合の軽減税率がありますね。この辺を含めて検討してもらわなきゃいかぬので、何かいやに外形標準課税外形標準課税、あれを持ってくれば全部うまくいって、法人課税は確かによその国より高いですけれども、どっと下がるんですと、こういうのは錯覚で、それを経済界を初め国民に与えるべきではないというような気が私はするんですが、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、議員の御議論に、殊に地方自治の専門家であられて、異論を唱える気はありません。  ただ、法人課税を見直していきまして国際水準並みに下げていこうとしたときに、地方税財源としての法人事業税の議論は避けて通れないことになります。そして、今幾つか挙げられたような論点が存在することも間違いありませんが、一般的によく言われるのは外形標準課税の問題なんですね。そして、ある意味では、これをつけておくことによって、法人課税の簡単な引き下げ、それは地方税財源としての、地方財政への影響も考えなければできない議論なんですよということを皆さんにわかっていただくためにも、そしてその引き下げを行うについての問題性というものも理解していただくのには、あわせて申し上げるのが一番わかりやすい例だという感じで私は最初この説明の際に使いました。  そして、中立があるいは減税かと聞かれましたけれども、例えば外形標準課税を、どういうものを標準として選ぶかによってもその部分は大きく違ってくるはずです。  ですから、私は、法人課税のさらなる引き下げというものを考えるときに、地方財政へ与える影響、地方税財源としての法人事業税の持つ重みというものを踏まえた上で、なおかつ国際水準にまで下げていくとすればこの問題は避けて通れないですよという意味をもって申し上げております。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) 総理からもお答えがありましたが、外形標準課税の導入につきましては事業税の課税の仕組みを変更するかどうかの問題でございまして、基本的には税収中立を前提として検討しなければならない、私はこう考えております。  ただ、その場合、法人の税負担をどうすべきかという問題につきましては、国税の方は下げたよ、あとは地方税で勝手にやれよと、これでは問題があるわけでございまして、国税、地方税を通ずる税体系全体のあり方の中でこれは検討されなければならない、私はそう認識しております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今、自治大臣が言ったとおりで、恐らく自治省側は税収中立だと、こう思っているんでしょうが、経済界はネットなんですね。とにかく法人事業税は高いんだと、よその国に比べて。よその国は余りないんですよ、法人関係の税が、地方に。そういうことで、ややねらい撃ち的なあれがあるんですけれども、そこはトータルの税体系として法人課税をどの辺にするか、四〇か、四一か、四二か知りませんが、すると。  そのとき国と地方がどういうふうに財源を出し合うというんですか、減税分を出し合う、そのときに外形標準がどうなるか。総理が言われたことは私はよくわかります。広く薄くということでしょうね、外形標準。しかし、それは関係の方に納得いただけるかどうかというのが次の議論になると思います。  そこで、時間がだんだんなくなってまいりましたので、財革法の改正点でございますが、一つは、社会保障関係のキャップを来年度は外す、二パーまで認めるというものをできる限り抑制した額にすると。いろいろな議論がありますが、私は、今回これだけの経済対策をとって公共事業その他をふやすときに社会保障がキャップをかぶったままで、それだけその関係の国民の負担が重いということはなかなか通らないと思いますよ。一方では税をまけると言っているんでしょう。一方では医療費か保険料をふやせと言う。こっちでまけてこっちで取るというのは、そこはなかなか数が合わぬので、私は、個人はやむを得ないと思いますが、厚生大臣おられますけれども、決め方がちょっと申しわけないですがどたばたふうで、透明度がやや問題があったのかなという気がします。  そこで、来年度はそのかわりに法律を直してできるだけ抑制した額にするとか努めるとか、こうなった。できる限り抑制した額というのはどういうことでしょうか、厚生大臣。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 二%増となりますと、厚生省関係予算が約十五兆円ですから三千億円、十一年度も。となりますと、これは当然増、高齢者がどんどんふえていきます、年金にしても医療にしても給付はふえていきます。ですから、これが六千億円増になるのかあるいは五千億になるのか七千億になるのか、まだ暮れにならないとわかりませんが、いずれにしても、三千億円の増しか認めないとなるとまた相当、数千億削減しなきゃならなくなる。これが果たして、ほかの予算をふやす中で社会保障関係だけをまた大幅に削減することについて、国民の理解が得られるのかと疑問に思いましたから私は社会保障関係の上限枠を外せと主張したわけであります。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いやいや、そこで抑制した額というのはどうですかと。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 抑制した額は、今のところむちゃな、無原則な要求をするつもりはありません。それは状況を見ながら、これら医療費がどの程度削減されていくか、まだこの傾向を見なきゃわかりません。しかし、三千億円以上、だからといってこれを一兆円も増額しろとか、そういうむちゃな要求をするつもりはありません、十二年度の抜本改正に向けて、構造改革ができるような制度改革をにらみながら厳しい見直しをしなきゃならないことには変わりないわけですから。しかし、三千億円からどの程度増額するかというのは暮れにならないと率直に言ってわかりません。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 増額じゃなくて、本来なら三、四千億切り込むわけでしょう。二パーのキャップなら切り込むので、それを切り込まなくて済んだんだ、そうでしょう。だから、自然増が七千億か五千億か六千億か知らぬけれどもあると、それをカットせにゃいかぬのですよ、それは。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) それは、社会保障関係は増額を認められたといっても当然増がありますから。だから、三千億以上に、六千億円が当然増になるのか七千億円の当然増になるのかというのは暮れにならないとわからないと言うんです。だから私は、それ以上今の段階で何千億切り込めるかというのは暮れにならないとわからないということを言っているわけです。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、厚生大臣、押し問答するつもりはありませんが、当然増の六か七か何かわかりませんが、それは切り込むんでしょう。キャップがあれば三、四千億切り込まにゃいかぬと。  では、そこまでは切り込まないけれども、いずれにせよ当然増は切り込むということでしょう。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) いわゆるキャップを外したから当然増を切り込まないということではないんです。ただ、キャップはしたままですと、例えば七千億円の増があったとなると四千億円切り込まなきゃならない、これは大変だと。だから、三千億円から六千億、七千億になるかわからないけれども、その間は切り込むということは事実であります。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、厚生大臣、問題は十二年度ですね。十一年度はキャップを外した、極力抑制と。十二年度は二パーが残る、それで大丈夫か、こういうことなんですが、何か御答弁や御説明を聞くと、十二年度は介護保険が始まるから医療費が削減になる、介護に移行するんだから、保険料をいただくんですから。それから医療保険制度の抜本改革をやるんだ、それで大丈夫だと。そういうことをやれば私は何千億か浮くと思いますよ。浮いたものを全部取り込めますか。  やっぱり介護保険については、関係の市町村を中心に、介護の基盤施設を整備しろとかマンパワーをどうやって集めるんだとか、いろんな議論がある。医療保険だってかなりいろんな議論がありますよ、大問題ですから。そのときに浮いたものを全部財政構造改革というのか取り込みの方にいけるのかどうか、私は疑問に思いますけれども、どうですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) これから高齢者がどんどんふえていって若い世代が減っていく、負担が多くなる、こういう観点から社会保障の構造改革をしなきゃいけないということですが、十二年度には医療保険制度の抜本改革、これが導入されます。  となりますと、医療関係のむだな部分は排除したり効率化を図る。薬価基準も抜本的に改正します。診療報酬体系もこれまた見直さなきゃいけないということで、十二年度には制度改正が導入されますから、かなりの部分むだが排除される、適正な負担にするような改革が進む。  同時に、介護保険の方も導入されますから、この点については、私は徹底した効率化を図ることによってきちんとした必要な社会保障制度の予算は確保するという中で、いかにむだな部分を排除していくかということに精力を注ぐことによって、私はキャップ制度は維持されるのではないか。またそのようにしていかないと、それ以上の負担はどこで負担するのかという新たな問題が出てくる。しかしながら、厳しい状況には変わりありません。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 むだば結構です。効率化をぜひやっていただきたいと思いますが、介護保険は初めての大制度ですから、私はある程度ゆとりがないと保険者の市町村がついてこれるのかなという心配をしていますので、それだけは御配慮賜りたい、こういうふうに思います。  そこで、今回はさらに目標年次を二年延ばします。それによって赤字国債削減の額が大分変わってくるんです。本来こうだったのを二年延長したからこれだけ下がる。しかし、平成九年度、また平成十一年度特別減税をやるからまた上がる。  どういうことになるのか、簡潔に数字だけ教えてください。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  今回、目標年次を二年延ばすことによって、当初予算ベースでの特例債の機械的に減額していったときの毎年度の必要額は一兆四千から一兆になるということでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そうじゃなくて、現在が一兆四千億でしょう。それが今度の追加経済対策で延長しなかったら幾らふえるんだと。延長したから幾ら減るんだと。さらに十一年に二兆円の特別減税やったらまたさらに幾らふえるんだと、これを言っているんですよ。請求のない答弁じゃだめだ、ちゃんと聞いておきなさい、質問を。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  今回の対策による特例債の、要するに特例債というのは国債費がふえるということだと思うんですけれども、約一兆……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 ゼロにするためにずっと均等で落としていくんでしょう、それを聞いているんだよ。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 一問一答を許しません。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) 特例債が一兆円ふえますと、毎年度……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いや、そんなことじゃなくて、減額の額を言いなさいよ。現状じゃどうなる、追加経済対策で幾らふえる、二年延長で幾ら減る、さらに二兆円減税を十一年やったら幾らふえると、数字だけ言いなさいよ。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  まず、十一年度以降の減税分を横に置きまして、今回の経済対策による国債費の分は、今回お示ししております試算の中で国債費の増加として……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから数字を聞いているんですよ。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) その部分につきましては、当初予算においては一兆四千億毎年度特例債を減らす必要があったものが、それが一兆円になるということで、やはり毎年度四千億特例債の減額幅が小さくなると。ただ、そのほかに先生から御指摘のとおり十一年度に行う、十一年度はまだやり方決まっていませんけれども、二兆円のさらなる……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だめだ。一兆四千億は、現行が一兆四千億なんだよ。それで、今度の追加経済対策で一兆八千億になるんだ。それを二年延ばすことによってそれが一兆三千億に下がるんだ。さらに二兆円の減税があったら一兆六千億になるんだ。調べてごらんよ。何を答弁しているんだ。きちっと精査したものを出しなさい。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 質問者の趣旨をよくわきまえて答弁ください。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) 先ほど申し上げましたように、今の毎年度の特例債の減額幅は、要するに今回補正予算でお願いしております二兆円の特別減税というのはあくまでも単年度限りの措置ということでございますので、後年度の毎年度毎年度の当初の数字の中にはその分は除かれておりますので先ほど申し上げました数字になるわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、今の最初の議論に帰るんです。その二兆円を外しているんです、補正予算でやるから。そんなことできちっと財政再建の目標のあれになるのかね。ちゃんとそこ、一連のぴしっとした資料出してくださいよ。委員長頼みます。私が理事だから、出さないなら私もあれするんです。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 私語を禁じます。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) 正確に試算した資料を御提出いたします。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それでは、今回の財革法改正の三番目の、三番目というんじゃなくて特例公債の弾力化措置、ここに三つ要件を、法律じゃありませんよ、政令で書くようになって、三番目がかなりあちこちで議論になっておりますが、抽象的でよくわからない。  そこで、最も典型的なケースを大蔵大臣お答えください。二四半期が一%未満の経済成長率と、一四半期が一%未満であといろんな指標が悪い、三番目がどういうようなのが典型的なケースか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  「予見できない内外の経済ショック」ということで、これは文字どおり予見できないためどういう状況であるかということをあらかじめ具体的にすべて述べることはなかなか難しいわけですが、これをあえて過去の例で申し上げますと、石油ショックのときが当てはまるのではないかと考えております。石油ショックのときには、これは実は昭和四十八年の十から十二月にかけての石油の高騰に伴いまして、昭和四十九年の一−三月の実質GDPの成長率はマイナス一三・一%を記録したわけでございますが、その前年の四十八年の七−九月は一・一七%、それから十−十二月は五・○四%あったために、そうしますとQEベースでは六月まではその数字が出てこないという、このような状況を想定したものでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そうすると、今回の——もうあなた答弁結構です。今回の場合はこの弾力化条項の二番目のあれに当たると思うんですよね。そうすると、この三番目の、今ごちゃごちゃ彼が説明したようなことはまずない、こう理解していいんでしょうか、大蔵大臣。もう大蔵大臣答えてください、だめですよ、彼は。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 「予見できない」ということが前提になっての書き方になっておりますから、だからなかなか言葉の上で……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それじゃ落としなさいよ。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) こういう場合ということはなかなか明記しにくいので、そこでそういう事態が残念ながら万が一発生した場合に、政令で定めて内閣の意思を明確にし、それに基づいて対応策を打って国会の承認をいただく、こういう仕組みになっておるわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、大蔵大臣、万が一なんでしょう。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 万が一。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 万が一なんでしょう。これも個別に政令で書くわけでしょう。指定するので、予見できなきゃ書かなきゃいいじゃないか。その都度政令で指定してくださいよ、そんなこと言うなら。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、委員がおっしゃったように、第一のケース、これは二四半期連続してというのが第一ケースです。第二のケースは、二四半期連続じゃないけれども一四半期で非常に落ちた、しかし将来を予測すると非常に厳しい状況になりそうだという場合が第二分類です。第三分類は、予見しがたいということになっておりますので、したがってそれは政令の上でもなかなか書けないという話でございますので、それは、残念ながら万が一それが起こった場合に、政府が政令でその要件を定めて国の意思を明確にして、その上で補正予算等を編成して、そして国会の御承認を仰ぐ、こういうシステムにしてあるわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 もうやめます。わかりました。ちゃんとやってください。  そこで、今回の経済対策の大きな柱は公共事業でございまして、公共事業が六兆五千億、地方単独事業が一兆五千億、こういうことで補正予算も組まれているわけですが、そこで大変議論になったのは、公共事業か減税かということに絡んで、従来型の公共事業は余り意味がないんだと。そこで、今回の補正の分類も大変新しいレッテルによる分類になっている。  私は、従来型の公共事業は悪いとは思いませんよ、公共事業というのは本来社会資本の整備なんですから。ただ、それが副次的にと言うたらあれですけれども、景気対策として今までも使われてきたし、雇用が六百万とか七百万とか八百万とか言われるんですが、そういう雇用対策の効果もあるし、地域の、特に貧しい地方経済にとっては大変大きなウエートを占めている。そういう意味では、私は、従来型がだめで新しい仕分けによるものが善でと、こういう考え方はいかにも皮相的ではないか。  例えば、道路をやる、下水道をやる、廃棄物処理をやる、農業基盤整備をやる、空港をやる、災害関連をやる、都市計画、都市整備をやる、どこが悪いんだろうな、こう思いますけれども、建設大臣、御所見を承りたい。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。  公共事業は、委員御指摘のとおり、軟弱な国土の中にありまして土地の高度利用、こういったものに取り組んでいかなきゃなりません。また、経済社会の変化に応じまして国民のニーズもまた変化してまいるわけでございますが、それらの目的につきまして、私どもは的確に判断をしながら取り組んでいかなきゃならぬと思うわけでございます。  よって、公共事業につきましての必要性と、そしてまた一方におきましては財政の事情による効率化というもの、こういったものを勘案しながら社会資本整備に取り組んでいく。これは委員御指摘のとおり、雇用の問題につきましても、また地方におきましての需要、そういったものに関しましてもいろいろの傾向が見られるところでありますので、そういったものを十分勘案しながら追求してまいりたいと考えておるわけでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いろいろ質問の項目があるんですが、ちょっと私の持ち時間がだんだん少なくなってまいりましたので先を急ぎますが、今度の省庁再編で、二年半後でしょうか、国土交通省ができる。これは農業関係を除いて公共事業を一元化する、いわばガリバーができるんですね、圧倒的な予算と権限を持つ役所ができる。  そこで、今、総理や総務庁長官はできるだけそれをスリムにするように、例えば地方に譲れとか出先機関に譲れとか、いろいろなことをおやりになっていると思うんです。  そこで、現在、地方から見ると直轄事業、補助事業、地方単独事業なんですよ。補助事業は地方がやるんです、補助金を出すだけなんです。もう補助金をやめてしまう。直轄事業は国がやる。あるいは別に公団事業もありますよ、ただこれも国でなきゃならぬものに限る、残りは地方単独事業にする。  ところが、地方単独事業にしますと、首長さんによってはむちゃくちゃやる、むちゃくちゃやらないところもありますけれども。そこで、補助金を出すかわりに国が基準やルールをつくって、その範囲で地方単独事業をやってくれ、補助金は出さない。したがって、国がそのいわば知識的なコントロール、情報的なコントロールをやる、それによって地方単独事業をあとはそれぞれの地方の責任と財源でやっていく。  こういう仕組みをつくることによってガリバーである国土交通省のスリム化ができる、効率化ができる、私はこういうふうに思いますけれども、総務庁長官、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 公共事業のいわば効率性、簡素化を求める、そしてこの機会に国や地方団体の公共事業にかかわってきた分のいわばけじめ、負担区分についてのお話であろうかと思うのでございますが、今、議員のお話をお伺いいたしておりまして、私は原則的にその趣旨には賛成でございます。  殊に、今次の基本法案におきましても大体ただいまの趣旨に沿った話を述べてある、こう思うのでございますが、時間がないから簡潔にということでございますけれども、一点だけ申し上げますと、公共事業に関し国が直接行うものは、全国的な政策及び計画の企画立案や全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的事業の実施に限定しますよ、それ以外はできるだけひとつ整理してみようじゃないかという発想でございまして、そのほか、では地方に譲るべきもの、あるいは補助事業なるものはどういう定義をするかということも整理はしてございますけれども、もう御承知のはずの議員の御質問でございますから、以上原則を申し上げておきます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 先を急ぎます。  先般、大蔵省の金融関係部局を中心に調査と処分が行われました。松永大蔵大臣、大変御苦労さまでございましたし、今までの役所の調査、処分としては私はかなり思い切ったことをおやりになったと思います。しかし、それについて若干の意見がある。  一つは、あれは金融関係部局だけなんですよ。ほかの部局は調査しなかったわけです。したがって処分もしない。省内外でバランスを欠くではないかという意見が大変ある。  それから次に、これは個人の問題というより、私はすぐれて構造的な問題、大蔵省というものの風土や気風の問題だと思います。とにかく圧倒的な職務権限でおごり高ぶるようになっているんです。退廃をするような仕組みになっているんです、本当に。国の金を自分の金と思うような錯覚を起こさせるような雰囲気があるんですよ。本当ですよ。  二十代で税務署長になるのがいいとか悪いとか私はようわかりません。わかりませんけれども、あるいは予算折衝を見ても、課長と主査でしょう、局長と主計官です、次官と主計局次長なんですよ。まあ大臣折衝は大臣同士ですけれども、それは忙しいから、たくさん省庁があるから、手間をとるから、あります。そういうことがああいう私は構造的な風土として退廃が生まれるようなことになっている。これを突き崩さないとだめです。ノーブレスオブリージュという難しい言葉がありますよね。これは権限があり責任がある者ほど清潔である、高潔であるということでしょう。逆になっているんですよ。だから、ぜひこの問題にメスを入れていただかにゃいかぬと思います。  それともう一つは、日本はみんな寄ってたかってそれをもてはやしてきたんですよ。マックス・ウエーバーの、服従が支配をつくるという有名な言葉がありますけれども、服従が支配をつくったんです。寄ってたかって特権をもてはやし、ちょっとでも自分が得をしよう、おこぼれちょうだいとは言いませんけれども、そういうことを直さにゃいけません。本当に私はそう思う。そのためには私は大蔵省改革を、財政と金融の分離は大議論があるけれども、絶えざる大蔵省改革とチェックをやらにゃいかぬと思いますが、いかがですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 私は、委員の今の御指摘を否定する気持ちはさらさらございません。  ただ、大事なことは、一つは、委員もおっしゃったとおりノーブレスオブリージュという精神、これは非常に大事なことだと思います。同時にまた、人間だれしも本当の聖人君子じゃありませんから、したがって、しばしば監督を厳しくするとか、あるいはそれに反した場合には何らかの制裁が加えられるとか、そういったことを絶えずやりながら倫理観を高めていただく、そういったことが必要だろうと思います。  それからもう一つは、みんなで持ち上げたという点も、これは私はそうじゃないと言う自信はありません。委員御指摘のとおり、予算折衝のあれを見ましてもそういう現象があるわけであります。しかし、今度は相当きいたような気がしますよ、実際。それが一つ。  それからもう一つは、実は今回調査した対象は、最初は五百五十名のつもりだったら、千名を超す人になりました。しかも、今度は調査する人は何名で調査したかというと、十数名なんです。しかし、それでもどの程度のことをだれがしていたのか。しかし、趣旨までは、調べる能力もありますし、時間もございませんでした。したがって、言うなれば外形標準でやったようなことでございますが、過去の例、それから国家公務員法の運用に当たった人の意見等も十分参考にしながら、今までの例からすれば重目の処置をしたつもりでありますが、それはきいておると、私はそう思っております。  なお、ほかにもまだいるじゃないかという御指摘が具体的にあるような場合には、これは任命権者として、内容を調査した上で適正な措置をするのは任命権者の務めだと、こう思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私は、公務員倫理確立法ですか、公務員倫理法が今、議員立法で与党を中心に議論をされておりますが、大体倫理の世界に法律を持ち込むのはいかがかなという気がするんです。しかも、アメリカにあるではないかと。アメリカはスポイルズシステムですから、だれが役人になるかわからぬ、選挙のたびに入れかわりがしょっちゅうある。日本は、ちゃんと試験をやって育てるメリットシステムなんです。私は公務員倫理法なんか適当でないと思いましたけれども、しかしこれだけの状況を見るとやむを得ないかなという気がしております。  その点を総務庁長官にお答えいただきたいのと、それからもう一つ、今度金融監督庁が六月二十二日に発足する。二年半後には省庁再編で金融庁になるんです。だから、今は金融関係の企画立案は大蔵省ですけれども、二年半後には大蔵省が持つのは信用破綻時の極めて限られた企画立案になるんです。  ところが、どういう課の編成になるかというのをこの前財政部会か何かで聞きましたら、大蔵省に五課残る、金融監督庁が十課だと。(「四課」と呼ぶ者あり)四課に官房ができるんです、一課、同じ金融関係が。だから、局は四課で官房が一課なんです。  そういう意味からいって、私は二年半後にすぐ移行するなら、そういうことを想定しながら機構そのものをスリムにしておく方がいいじゃないか。人をできるだけ金融監督庁に入れて、金融監督庁を分けるだけなら意味ないですよ。金融監督庁になることによってきちっと監督する、きちっと検査する、不祥事を起こさない、金融機関に。そういうことが必要なんで、分けるだけなら二重行政ですよ。  だから、むしろできるだけ二年半後を想定してこっちをスリムにして、金融監督庁の方の質量の充実を図る、こういう方がベターではないかと思いますが、これもあわせて、総務庁長官、お願いします。  簡潔に、もう時間がないので。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○国務大臣(小里貞利君) 公務員倫理の問題に関しましては、御承知のとおりでございますが、公務員倫理規程で私どもは公務員の驕奢あるいは汚職などは根絶できるもの、さように確信をしてまいったのでございますけれども、御案内のとおり、昨今の不祥事の頻発はまことに遺憾でございます。  このため、政府といたしましては政府倫理検討委員会なるものを設けまして、同時にまた三党でもそのことを集中的に協議をいただきました。御承知のとおり、与党三党におきましてはこれを取りまとめをしていただきました。  しかしながら、今日の段階では政府と十分調整をいたしまして国会に相談をするにまだ事務的に整理が至っていないところでございまして、できるだけ近々にこれを上程するように励みたい、努力をいたしたいと思っております。  それから、金融監督庁の問題でございますが、私ども行革会議の経緯からいたしまして、三党がこの問題につきましては相当腰を据えて集中的に議論をいただきました。しかも、この議論の経過は、率直に申し上げまして相当な起伏もありました。しかし、その結果が出てまいりましたので、私どもはこれを根拠にいたしまして、先発をいたしました先ほどお話しの金融監督庁との関係等におきましても整理をいたしておるところでございますが、先ほど議員の方から御指摘がありました問題は十分参考にして傾聴申し上げなければならないな、そういう感じを持っておるところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 済みません、日銀総裁に残っていただきましたので、公定歩合だけ簡単に。  日本の公定歩合が超低利であるということはもう御承知のとおりで、これ三年になりますね、〇・五で。  そこで、今いろんな議論されているのは、アメリカのマネーゲーム経済に日本の物づくりをちゃんとやる経済がのみ込まれていると。何でかというと、一生懸命日本が働いたお金がドルに変わって、向こうでファイナンスされて、向こうの経済活動を助けている、おかしいじゃないか、これが円安にもつながっている、こういうことが言われている。何で流出するかの一つは、金利に大変差がある、実質五パー差がある、こういうことなんです。  それから、金利利用者が今大勢おるんですから、高齢化社会で。こういう人力は大変不安ですよ。仮に一パー上げると、個人の金融資産が千二百兆なら、これは簡単にいきませんよ、計算が、しかし十二兆になる。真水と同じですよ、今回の経済対策の。  そこで、設備投資が抑えられるからといって金利なんかで設備投資を今考えませんよ、経営者。そういう意味で、もうそろそろ私は公定歩合引き上げに踏み切るべきだと思いますが、もちろん総裁だけじゃありません、委員会でお決めになるんでしょうけれども、御議論としていかがでしょうか、最後にそれを質問します。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 御指摘のとおり、米国に流出しているんじゃないか、公定歩合を引き上げればそれがとまるんじゃないかということでございますけれども、国際収支統計を見てみますと、我が国と海外との間の資本の流れは、このところ資本の流出超過幅が少しずつ拡大はしてきております。  それと同時に、我が国の場合は海外との物、サービスの黒字、これがふえておるものですから、経常収支がふえておるものですから、輸出超過が拡大しても資本の流出と経常収支の黒字はちょうど見合う数字になって、一−三月を見ますと、経常収支の黒字は三兆八千億、それに対して資本収支は四兆一千億の流出、ほとんどとんとんなんですね。  その中で、対外証券投資、アメリカ等へ証券というのが流れていくのを見ますと、これはゼロなんです。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 状況は結構です、時間がありませんから。  公定歩合はどうされますか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) したがいまして、現状では御心配のようにアメリカに流出しているという懸念もございませんし、国内のことを金融政策の立場から見ますと、先ほど申し上げましたように、物価の安定とそれを通じて持続的な成長を達成していくという立場からいきますと、今の金融緩和基調を維持するということによって金融面から経済活動をしっかり下支えしていくということが重要だと思っております。そういう立場で、先週、金融政策決定会合で大分議論はいたしましたけれども、当面金融政策運営については現状を維持することが適当であるという決定を下したところでございます。  私どもとしては、今後とも内外の情勢を十分に慎重に見ながら政策運営を誤りなきようにしてまいりたいとは思っておりますが、そのことは御理解いただきたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 ありがとうございました。  関連を野間議員にお願いしようと思います。よろしくお願いします。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。野間赳君。

野間赳自由民主党

○野間赳君 自由民主党の野間赳であります。片山委員の関連質問、特に中小企業対策についてお伺いをいたしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  中小企業をめぐります経営環境は現在極めて厳しい状況にあります。中小企業は、事業総数でいいますと全体で九九%、従業員の数でいきますと七八%、製造業出荷額でいきますと五二%ということであります。我が国経済の中核をなすと言われるゆえんであるところであります。この中小企業が現在の厳しい状況を乗り越えて未来に明るい展望を持って事業を行っていけるような環境を整備することは、我が国の経済にとって最重要課題の一つであると考えております。私は、このような認識のもとに立って質問させていただきたいと思います。  今回の四兆円の特別減税を含みます総事業規模十六兆六千億円という過去最大の総合経済対策は、低迷をいたします日本経済におけるまさに止血剤としての効果が期待されます。当面の策といたしましては適切な措置であると考えます。先般、橋本総理が出席をなされましたバーミンガム・サミットにおきましても一定の評価がなされたところであります。  そこで、今回の対策によります経済効果並びに今後の景気回復に向けましての展望につきまして総理にお伺いをいたします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の総合経済対策、もう既に議員よく御承知のように、当面の景気回復のための内需拡大、そして何といいましても景気の足かせとなっておりますこの金融機関の不良債権をバランスシートから消し去ること、この大きな課題に取り組まなければなりません。同時に、強く決意してここまで進めてまいりました構造改革というものを見据え、これに沿う内容として進めてきております。  ですから、社会資本整備あるいは特別減税を含む今回の対策は、例えば政策減税あるいは政策金融、土地・債権流動化といった、そうしたものの効果を含めないかた目のベースで名目GDPの二%程度というものを想定いたしております。  そして、これはここまでも進めてまいりました、また国会にも御協力をいただきました財政・金融両面からのさまざまな施策と相まって、次第に我が国経済を順調な回復軌道に乗せていく。同時に、構造改革の中から生まれてくる新たな業を起こす、その芽を生かしていくことによって、中長期的にも経済を活性化するという方向をきちんと維持できるもの、そのように考えておるところであります。  それだけに、こうした施策をできるだけ早く実行させていただきたい、従来からも国会にお願いを申し上げてまいりました。今回も同じような姿勢で御審議に臨ませていただきたい、そして国会の御了承を得次第、現実のものとしてできるだけ早期に動かせる努力をしてまいりたい、そのように考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 中小企業金融公庫がまとめました中小企業動向調査によりますと、九八年一−三月期の業況判断DIはマイナス三九・六と、第一次オイルショック後の景気後退以来二十三年ぶりの低水準に落ち込んでおると言われております。また、国民金融公庫総合研究所が発表をいたしました全国小企業動向調査では、小企業の景況はマイナス六二・五と、過去最悪を更新しているところであります。  いずれもその背景には金融機関の貸し渋りがあると言われておるのであります。今日、多くの中小企業が貸し渋り等の金融問題に直面をいたしておりまして、日銀の短観でも中小企業の資金繰りはここ数年来低迷をいたしております。  また、中小企業の倒産件数は昨年一万六千四百六十四件と、過去十年来の最高水準となっており、負債総額も前年に比べて二倍前後の高水準となっております。特に、ことし四月の全国中小企業倒産件数は千七百二十五件、負債総額は六千八十億円と増加をしてきておるのであります。  このように、今日の中小企業はまさに存続の瀬戸際に立たされておるのでありますが、通産大臣は中小企業のこのような状況をどのように認識をされておりますか、お尋ねをいたします。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。  委員の御指摘のとおり、中小企業の景況というものは非常に厳しい状態でございまして、四月に公表いたしました中小企業景況調査、中小企業庁において行ったものでございますが、これによりますと、業況の判断は全体でマイナス四八・四、売り上げにおきましてはマイナス四九・一、経常利益におきましてはマイナス四九・〇、各指数、DIにおきまして悪化の超え幅が非常に拡大をいたしておりまして、昭和五十五年の調査開始以来最低の水準になっているところでございます。  また、規模別製造工業生産指数の三月速報というもの、これまた中小企業庁で調査したものでありますが、これによりますと中小企業の生産は低下傾向になっておりまして、大企業と比べて生産水準というものに依然として大きな格差が出てまいっております。平成二年を一〇〇として中小企業は八九・五でありますが、大企業は九八・八というぐあいに格差が出てきております。  設備投資につきましては、三月に公表しました中小企業設備投資動向調査によりますと、これは商工中金でありますが、平成九年度の中小企業の設備投資の実績見込みは前年度比七・五%城となっておりまして、平成八年度実績の一・四%増からマイナスに転じておりまして、先行きこれまた不透明感を出しております。  中小企業の倒産件数は、委員の御指摘のとおり、この年の四月の実績は千七百二十五件でありまして、前年同月比二一・六%の増加でございます。これは最近五年間の中小企業の平均月間倒産件数が千二百四十件であることから見ますと、極めて高い水準でございまして、我が国の中小企業の景況というものは非常に低迷をいたしておりまして、景気が非常に停滞しているものを物語っていると思っております。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三案を議題とし、質疑を行います。

野間赳自由民主党

○野間赳君 午前中に引き続きまして、当面いたしております中小企業の問題、また貸し渋りの問題につきましてお尋ねをいたしてまいりたいと思います。  先月出されました平成九年度の中小企業白書によりますと、中小企業の資金調達状況、平成九年半ば以降急速に悪化をしておるということであります。その背景には金融機関によりますいわゆる貸し渋りが存在をしていたという指摘がなされておるのであります。  また、中小企業庁がこの五月に実施をいたしました貸し出し姿勢に関する実態調査によりますと、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったとする企業の割合が三割強、今後融資態度が厳しくなるとの懸念をする企業の割合が五割強と、引き続き高い水準で推移をいたしておるようであります。  こうした貸し渋りの実態を踏まえた中小企業の貸し渋り対策に対する対応について、通産大臣にお尋ねをいたします。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。  貸し渋りにつきましては、大手・中堅企業に対する貸し渋りは相当緩和をされてまいったという数字が出ておりますが、中小企業への貸し渋りにつきましては、通産省が五月の中旬に実施をいたしました調査においても、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったとする企業の割合がやはり三割強であり、また今後の融資態度が厳しくなるのではないかと予測をされている懸念が五割強ということでございます。これは四月の時点の調査よりはやや好転をいたしている数字でございますが、低下幅は小さい状態でございまして、依然として貸し渋りは中小企業に対しては高水準であるということになっております。したがいまして、引き続き注視をする必要があると考えております。  政府といたしましては、これまでいわゆる貸し渋りの対策といたしまして、政府系金融機関を対象といたしましては、融資枠を拡大するとか、あるいは融資の資金をさらに拡充するとか、保証の枠を拡大するとか、いろいろの面での条件の緩和をいたしたりいたしまして、各般の措置を講じてきたところでございます。  それに加えまして、先般決定をされました総合経済対策におきましては、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案というものにおきまして、金融面での中小企業の支援対象範囲の拡大というものを図ることにいたしております。  もう一つは、中小公庫あるいは商工中金におきまして融資枠をさらに拡大いたしまして、融資枠を拡大すると同時に、融資枠の拡大した額の五〇%を限度として担保の徴求を免除するというような制度も設けました。要するに、中小公庫や商工中金では八千万円新たな枠をつくりまして、その五〇%までは担保の徴求をしない、国民金融公庫におきましては四千万円さらに枠を拡大いたしまして、その半分までは担保の徴求をしないということでございます。  これらの趣旨を盛り込んだことによりまして、私どもといたしましては、貸し渋りの対策に相当の前進が見込まれるのではないかと考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 信用保証や政府系金融機関の融資など、金融面での支援対象となります中小企業を拡大する中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案が今審議をなされておるわけでありますが、依然として厳しい貸し渋り状況の中で、中小企業の対象とならないため融資が受けられない企業にとりましては何よりの救いの手となることは間違いがないのでありまして、このことによる具体的な効果について通産大臣にお願いをいたしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。  この中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案によりまして、具体的には資本金の上限額を、卸売業におきましては今まで三千万円以下でありましたものを七千万円以下に、また小売・サービス業におきましては一千万円以下という資格の条件を五千万円以下に引き上げることになっております。  この改正によりまして、新たに融資等の対象となる企業は約二万社に及んでまいります。小売業におきましては約七千七百社、サービス業においては約一万一千社、卸業においては約千五百社、これだけの各社が新たに対象となって、その従業員数は約二百八十万人になると考えております。  銀行からは貸し渋られ、しかも政府系金融機関では枠としての対象にならないために受け付けられないという方々、この方々が一番今まで苦労なさっていたというふうに考えておりますので、非常に大きな効果が見込まれるというふうに考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 日銀が発表いたしました預貸金調査結果におきましては、中小企業向けの三月末の貸出残高が三・三%の減となっておるのであります。  金融機関におきましては、経営改善命令などが出されます早期是正措置の導入に備えまして、財務内容の健全化と自己資本比率の向上を図っていくため融資に慎重となり、貸し出しを抑制していることがあるようであります。また、金融機関によります取引先の格付制度の導入による影響などもあるように思われるのであります。各行とも三月期決算で不良債権を大量処理しているようでありますが、依然として多額の不良債権が残っておるのであります。政府といたしましても、三十兆円を金融システム対策に投入いたしてきたのでありますが、貸し渋りは一向に解消されていないのであります。  中小企業向け貸出残高の九割を超えるこの民間金融機関であるのでありますが、ここが中小企業に積極的に資金供給をしなければ貸し渋り問題は根本的な解決にはなってこないと考えるのであります。大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 金融機関というのは、中小企業を初め健全な企業に対して貸し出しをする、資金の供給をするというのが本来的な役割であることは言うまでもありません。しかるところ、自己資本比率が維持できるかどうかという問題や、あるいは不良債権を相当抱えておるということ等の事情もあってでしょう、昨年暮れ以降、必要な資金の供給について非常に萎縮的な姿勢をとっている金融機関があるということは大変残念なことであると思います。  そういった事態にかんがみまして、委員御承知のとおり十二兆の資金を用意して、そして民間金融機関の自己資本充実のための措置ができる仕組みができたわけであります。それに基づきまして、三月末に申請に基づいて自己資本注入策をしたわけであります。その審査の際には、申請をした銀行すべてが貸し出しの力がついてきたならば、いわゆる貸し渋りはしないということを約束しておるわけであります。しかるに、依然として貸し渋りという非難が出ていることは残念なことでありますが、ただ自己資本比率がクリアできたということを背景にして少しは改善されているような傾向も出てきております。  ただ、日銀の四月中の統計その他によりますというと、貸出額が少し減っている形になっていますけれども、あれは金融機関が不良債権を売却したり、あるいは最終的な処分をした分を引きますというと貸出総額は少し減少するという数字になるわけでありまして、それは債権を売却したなどということによるものも含まれておると思いますので、それを引きますというと、これは都市銀行の数字でありますけれども、前年同月比で二%程度貸し出しはふえておるという数字もあります。いずれにせよ、少しは改善の兆しが見えておるという状況であります。  しかし、先ほど言ったとおり、依然として貸し出しに対する厳しい審査とか、あるいはまた今までは担保なしに貸しておったのが担保を徴求するとか、そういった面でのことは依然として残っているということでありますので、実は四月二十七日に銀行の代表者に大蔵省に来てもらいまして、健全な企業に対しては必要な資金は供給するという、銀行のそういう社会的使命をしっかり果たしてもらいたい、少なくとも世間から貸し渋りをしているなどという批判を受けないようにしっかりやってもらいたいということを強く要請したところでありますが、今後ともこの問題についてはしっかり注視してまいりたい、こう考えているところでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 それに関連をいたしまして、近ごろ、資金繰りに行き詰まった末に中小企業者の自殺者が相次いでおるというような報道もあります。また、そこまで至らないまでも、金融機関からの貸し渋りで高金利のローン、いわゆる町金融を利用した中小企業者は結局のところ自己破産に追いやられていくというようなケースが非常に多いようであります。このような実態をどのように認識なさっておられるのか。  また、中にはかなり悪質な業者もいるように伺っております。利息制限法、出資法の違反や不法な行為に対します取り締まりがどのようになっておるのか、所管であります大蔵省にお伺いいたしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 金利の高い町の金融業者、いわゆる貸金業者、これに資金を仰ぐなどというような状態になれば、これはますます中小企業者は苦境に追いやられるという結果になるわけであります。私はそう思っております。  貸金業者については、貸金業規制法という法律がございまして、その法律では過剰貸し付けの禁止や取り立て行為の規制、こういった行為規制が課せられており、また出資法によって上限金利は年四〇%、四割という大変高いことでありますけれども、そういう制限はつけられております。  登録を受けた貸金業者が貸金業規制法の規定に違反した場合や出資法等の法令違反を犯した場合には業務停止命令や登録の取り消し、こういったことができるわけでありまして、大蔵省はこうした行政処分を含め、厳正に対処をしているところであります。  なお、今後とも暴行、脅迫による取り立て、法定金利を上回る高利貸し付けなどの違法行為については、捜査当局とも連携を図りつつ厳正に対処していきたい、こう考えておるところでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 この問題で、警察庁に同様の質問で答弁を求めたいのであります。

泉幸伸警察庁生活安全局長

○政府委員(泉幸伸君) 御質問の金融関係事犯の取り締まりにつきましては、平成九年中で申しますと、高金利に係る出資法違反事件で悪質な業者を百六十八人検挙いたしております。これは対前年四十人増となっております。また、無登録営業に係る貸金業規制法違反事件で八十二人、これは十八人増でございます。それぞれ検挙し、またさらに、融資あっせんのいわゆる紹介屋などによる詐欺事件につきまして六十六人を検挙いたしております。  今後とも多重債務者や中小企業経営者などを対象とした事件、暴力団等が関与する事犯に重点を志向するとともに、組織的かつ悪質なこの種事犯の取り締まりを行ってまいる所存でございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 次に、雇用対策につきましてお伺いをいたします。  総務庁が先月発表いたしました労働力調査によりますと、三月の完全失業率は三・九%で過去最悪となっております。しかも、若年層と高年者層の失業率が初めて二けたに乗ってまいりました。雇用環境は一層悪化をしてきたのであります。  また、今月の労働力調査によりますれば、ことし二月の完全失業者二百四十六万人のうち、一年以上失業をしているという人が五十一万人ということになり、過去これも最高となったようであります。  このように深刻化いたします雇用問題につきまして、労働大臣はどのような御所見をお持ちでありますか。  また、今回の総合経済対策では、雇用対策をどのように推進されるのか、労働大臣にこのこともお伺いをいたします。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今、先生がお話しになりましたように、現在は千人のうち三十九人が失業者でございますし、百人働きたいという方がおられますと、仕事は五十八しかないという状況でございまして、これは日本の戦後の経済の中では極めて厳しい状況であると認識をいたしております。  なぜこのようなことが生じたかということになりますと、先ほど来お話がありますように、消費が非常に落ち込んでいる。小売屋さんは物が売れないと卸さんへの注文が少なくなります。卸さんは注文が少なくなるとメーカーに注文を出されるのが少なくなる。メーカーは当然設備投資を抑えて生産調整をする。それが失業につながってくる。こういうことだろうと思います。  そこで、なぜ消費が落ちているか。これはもう将来不安があるからで、失業するんじゃないか、あるいは年金がもらえるんだろうかあるいは老人医療がどうなるんだろうか、だからみんな貯蓄をなさるわけです。  そこで、こういう不安の原因であるのは、先ほど来御質問があったバブルの時代のツケがあらわれてきている。貸し渋りというか、金融機関が本来の金融機関としての機能を十分に果たし得ないので、そこで企業がみんな不安になってきている。それがまた働く人たち、消費者にも不安を与えている。こういうことでございますから、政府としては、不良債権対策あるいは金融対策、そして今回お願いをいたします十六兆円の補正というカンフルや基礎体力増強の措置を講じておりますので、できるだけ早くこの処方せんが実行できるように、ひとつ国会のお許しをいただきたい。  その上で、労働省としては、失業が生じた場合には、あるいは企業が難しくなった場合には、できるだけその失業が拡散しないように、雇用調整助成金の制度を拡充したり、あるいはまた仕事を求める人と仕事を出す人との間の調整を迅速にしたり、将来のベンチャー企業を育成したり、そういうことのために今回の景気対策の中で雇用対策という一項目を起こしまして五百億という資金を投入して備えをいたしておるところでございますので、一刻も早くこのことが実現できますように国会の御協力をお願いいたしたいと考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 ただいまの御答弁で雇用対策につきましては十分承知ができました。特に、中小企業の経営環境が厳しくなっております実情を踏まえまして、特別な配慮をして中小企業労働者の雇用の安定には万全を期していただきたいと思います。  そこで、中小企業への雇用対策につきまして、もう一度労働大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来申し上げました倒産や、経営が難しくなった場合に雇用を継続的にやっていただくために、実は労賃の助成をいたしております。あるいはまた、新しいベンチャーに出られる場合の労賃助成等もいたしておりますが、これらについてはかねてから中小企業について一般よりも高い補助率を適用しております。  今回お願いをいたします補正予算の中に含まれることになるであろう雇用調整助成金については、今、先生の御指摘がございましたように、優遇をしている上にさらにもう一段高い補助率を中小企業に適用して、中小企業の雇用の維持に万全を図りたいと考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 総合経済対策におきましては、雇用対策といたしまして、雇用調整助成金の充実や離職者の再就職促進対策などが盛り込まれておるのであります。しかし、この対策は不況という短期的失業対策には効果が期待をされるのでありますが、若年層の失業増という問題に対しましては、新たな雇用吸収力を持った新規事業の創出というのが不可欠であります。  既に中小企業創造活動促進法を初めといたしまして、ストックオプション制度やエンゼル税制などのさまざまな支援策が講じられておるところでありますが、しかし、最近ベンチャー企業の倒産が相次いでいるようであります。このような不況期こそ新たな産業の創出が求められていることを考えますときに、ベンチャー支援策の一層の充実が必要不可欠のものであると思います。  通産大臣にこのことにつきましてお尋ねをいたします。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(堀内光雄君) お答え申し上げます。  委員の御指摘のとおり、我が国の経済発展の担い手として技術開発だとか新規の事業の創業というものに果敢に取り組んでいただけるベンチャー企業に対する期待は大変大きいわけでございまして、中小企業政策におきましても中小ベンチャー企業支援策を重要な位置づけといたしております。そして、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法を初めとする諸施策を講じてまいったところでございます。  平成十年四月末現在で、同法に基づく認定件数は三千四百五十七社となっておりまして、補助金だとか債務保証だとか減税の措置だとかベンチャー財団からの直接金融の活用などによりまして、積極的な研究開発あるいは事業活動に対する支援を行っているところでございまして、一方では昨年の六月、エンゼル税制も創設をいたしまして、ベンチャー企業への資金の投入も、豊富な一般の方々からの投入がしやすくなるようなことも用意いたしてございます。  また、年金資金からのベンチャー企業への資金の供給、これを円滑化するために投資事業組合の組合員の有限責任を法的に担保するということなどを内容といたします中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案、これを本国会に提出をいたしておりまして、御審議をいただいておるところでございます。加えまして、今般の総合経済対策におきまして、資金供給の円滑化、人材支援、技術開発の促進、販路開拓支援などのベンチャー企業支援をさらに強化することといたしておりまして、今後とも資金の面あるいは技術の面、経営面、中小ベンチャー企業に対する総合的な支援施策を一層充実して成果を上げてまいりたいと考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 中小企業への対策につきましていろいろ質問をいたしてまいりましたが、最後に、中小企業団体KSD、中小規模事業所に対します調査結果によりますと、金融機関からの借り入れをしていない事業所が三三・一%ということになっております。これらの事業所の皆さんは次のように言われております。経営状態が悪いがために借りられない。バブルの崩壊による地価の下落で担保価値が下がり借りることができない。不景気のために景気回復の見通しが立たず借りられない。公的資金の借り入れの審査をクリアできる経営状態にない。これが全く実情でありまして、何よりも早く早期の景気回復が望まれるのであります。  私は、景気回復を考えますときに、心理的な要素がかなり強いものがあると思っております。近い将来の少子・高齢化によります年金負担の増、給付減、運用悪化からの企業年金の相次ぐ破綻、会社のリストラや今まで考えられなかった大型金融機関の倒産、老後に備えたわずかな預金に対します低金利、これらの要因から今国民は自分のことは自分で考えなければと生活防衛に走っている状況にあり、マインドは冷え切っていると思うのであります。このような状況をしっかり認識して確かな政策の裏打ちをした上で、不安でいっぱいの国民や中小企業者に向かってはっきりとした展望を示し、安心を与えることが何よりの景気対策ではなかろうかと思います。  最後に、総理にこれに関する御所見をお伺いいたします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から一つの例示としての金融機関における貸し渋りの状況、さらにもう一つの指標として雇用というものを取り上げて御論議になりました。  もしこれに加えるとすれば、特に有効求人倍率を見ましたとき、今までも実は高年齢者層に対しては厳しい数字が出ておりましたけれども、実際に職を求める方に対し若年層のところで一を下回ったという事態は、これは非常に厳しいものだと受けとめております。しばらく前までは、厳しいといいながらも有効求人倍率は一を超えておりましたから、御自分のつきたい仕事にというところを変えていただくなら職はございました。今、若年層に対してもこれが一を割っております。  先ほど、労働大臣からも答弁を申し上げましたけれども、この総合経済対策の中に緊急雇用開発プログラムを組み込んでおりますのも、そうした点に対する我々なりの努力の方向というものを明らかにしようとしてきた。言いかえれば、お年を召した方々の社会保障におけるセーフティーネットとしての役割がどうなるのか、あるいは金融機関が本当に自分たちの預金を守ってくれるのか、あるいは雇用というものに対するこうした不安を払拭するためにこの総合経済対策というものはまとめてまいりました。  全力を挙げてこれを実行に移させていただき、こうした不安にこたえていく、そういう努力を続けてまいりたい、そのように考えております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 以上で終わります。  金田委員にお願いをいたします。(拍手)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。金田勝年君。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 自由民主党の金田でございます。  本日は、片山議員の関連質問といたしまして、主に金融の不良債権問題を中心に質問をさせていただきたいと存じます。  限られた時間でございますので、たくさんお聞きしたいのでございますが、簡単になかなか質問できないような内容が多いものですから、ひとつ御答弁の方はよろしく御協力をお願いしたいと思います。  まず、金融の前に、今回の総合経済対策の中の社会資本の整備につきまして一言質問させていただきたい。  今回の総合経済対策の中の社会資本の整備につきましては、従来のやり方にはない新たな視点というか努力が加わっているという点が注目されるわけであります。その点を一言御指摘申し上げますと、従来は省庁別、事業別、そのシェアに基づく対策が行われていたわけでございますが、今回の経済対策では、将来を見据えて生活環境対策あるいは情報通信・科学技術対策といったような事業ごとの緊要性、あるいは波及効果、経済効果といったものを考慮した内容の盛り込み方を行っている点であります。この点は評価すべきだと思っておるわけであります。  ところで、今回の景気対策をめぐる議論の中で、公共事業に対しますさまざまな議論があったわけであります。例えば、我が国の社会資本整備水準は、下水道を例にとりますと、普及率がアメリカの場合は七割を超えているのでありますが、日本の国は公共下水道だけで全国平均で五五%にすぎません。ちなみに、政令指定都市でこの数字をとりますと、実は九七%まで行っておる。私の地元であります秋田の場合は、平成九年三月末の数字をとりますと、県全体で公共下水道は二六・一%でしかないわけであります。それを補完する形で農林水産省の農業集落排水事業は四・一%、厚生省所管の合併浄化槽は二・五%でございますが、これら合わせましても合計で三二・七%にすぎないわけでございます。  まだまだ我が国の社会資本整備につきましても従来型の立ちおくれた部分というものが残されておる現状は今申し上げたとおりでありますし、また地域間の格差というものも残っているわけでありまして、二十一世紀の高齢化社会を前に、ひとしく豊かで国民生活の基盤となる社会資本の整備を行うという考え方からまいりますと、そうした実態を踏まえて、引き続ききめ細かに着実に社会資本の整備を行っていく必要がある、このように私は思うわけであります。  今後とも重要な課題であると思いますが、建設大臣と農林水産大臣、一言ずつ所感をお伺いしたいと思います。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。  金田委員の御指摘は私どもも大変痛感をいたしておるところでございまして、今後ともきめ細かに社会資本整備に努めてまいりたい、かように考えております。  御案内のとおり、欧米諸国と比べましても一定の格差がございますし、また地域間で見ましても開きがございます。下水道の例を委員がおとりになりましたが、幅員四メートル未満の道路、こういった面で見ましても大変大きな格差が生じておるところでございまして、そのためにも、委員御指摘のとおり、住宅・社会資本整備を計画的に着実に進めてまいる必要があると存じております。  また、実施に当たりましては、類似事業間の調整、コストの縮減、入札・契約制度の改革等による効率化、これに努めておりますし、費用対効果分析の活用、整備プログラムの策定、公表による透明化、また経済構造改革関連の社会資本の真に整備がおくれている分野、地域へ思い切った重点化を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  農山漁村においては、過疎化、高齢化、嫁問題等を抱えておりまして、このような中で住みやすく活力に満ちた地域づくりを進めていくためには、ただいま御指摘がありましたように、まさに都市部に比べて大きく立ちおくれております生活環境の整備、特に汚水処理施設の整備を進めていくことは極めて重要であります。  数字につきましては、御指摘がありましたけれども、平成八年度末の汚水処理施設の整備率を地域別に見ますと、政令都市は九五%、人口十万以上の中都市が六〇%であるのに比べまして町村は一九%と、特に農山漁村における汚水処理施設の整備水準が極めて低い現状にあるわけであります。  このため、平成十年度予算におきましては、財政事情が厳しく、農業農村整備事業全体の予算が対前年比八八%という状況の中で、農業集落排水事業につきましては九二%を確保したところであります。また、平成十年度補正予算におきましても、農業農村整備事業全体の予算が当初予算と比較して二二%である中で、農業集落排水事業は三六%を確保したところであり、今後とも農業集落排水事業の積極的推進に努めてまいりたい、こう考えております。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 どうもありがとうございます。  そういう方針でしっかりやっていただきたいと思うわけでありまして、まず初めにお願いを申し上げた次第であります。  それでは、不良債権問題についての質問に入らせていただきたいと思います。  いわゆるバブル経済の崩壊に伴います資産価額の大幅な低下、これは金融機関の不良債権の増大をもたらしております。申し上げるまでもなく、我が国金融機関はかつてない厳しい状況に直面いたしております。五月二十二日までに出ております都銀八行の平成十年三月期決算で八行すべてが経常損益で赤字を計上したというのも、不良債権について貸倒引当金を積むなどの処理を進めた結果であります。また、この不良債権問題は、消費者のマインドの萎縮あるいは担保不動産の値下がりに苦しむ債務者の事業の停滞を通じまして、我が国経済全般に対し大きな足かせとなっている現状であります。この点につきましては、先般開催されましたバーミンガム・サミットや二国間の首脳会談、蔵相会談などにおきましても、各国から高い関心が寄せられたと聞いております。  金融に国境はないわけでありますし、我が国金融システムが世界の経済に及ぼす影響を考えれば当然のことでありますが、諸外国の指摘をまつまでもなく、政府、与党一体となって、国を挙げて早急にこの問題の解決に向けて取り組みを開始しなければならない、このように思うわけであります。今や不良債権問題の解決は国際公約になったとも言えますし、サミットから帰国されて後早速つくられた金融再生トータルプラン推進協議会が、五月二十二日、初会合を持ったと聞いております。  そこで、初めに、こうした不良債権問題に対します総理の御認識をお伺いしておきたいと思います。  総理は、一連の国際会議を踏まえ、不良債権問題についてどのように取り組んでいかれるつもりか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員御指摘のとおり、金融機関における不良債権の存在というものが非常に深刻な問題を投げかけておる状況は今までも存在をいたしておりました。そして私どもは、バランスシートの中で片方に不良債権がある、それに対してきちんとした引き当てを用意されていればという気持ちを当初持っておりました。それは率直に言うなら、不良債権を回収していかなければならないわけですから、消してしまって、悪質な借り手を結果として有利にしてはいけないという思いがあったわけです。  しかし、金融機関というものが、当然ながら経済活動に必要な資金を供給していくという重要な役割を持っています。そして、金融機関本来の機能が十分に発揮されるように、預金者の保護と同時に金融システムの安定性、これを確保しながら不良債権の処理をしていかなければなりません。  そして、今年の三月期から、私どもはまずアメリカのSEC基準並みの厳しい情報開示を伴う決算を各社に行わせてまいりました。当然ながら、ここから出てくるものは従来よりも明確な情報開示であり、同時に、不良債権処理の環境整備に向けてその内容を確定するということになります。そして私どもは、本当にどうやれば悪質な借り手を結果として得させてしまうようなことをしないようにするか、これは法務省なんかとも十分相談をしなきゃなりませんけれども、やはりもうバランスシートに不良債権をいつまでも残しておけるという状況ではありません。  今回の総合経済対策の中でも、この不良債権に絡んでおります債権債務関係、これは大変複雑に入り組んでいると言われておりますが、この債権債務関係自体の迅速円滑な処理を目指す臨時不動産関係権利調整委員会、こういうものをつくる。こうしたことを含め、抜本的な不良債権処理の仕組みを構築することといたしました。  そうした方策を政府、与党一体となって強力に進めていくために、政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会というものをつくらせていただいたわけで、第一回の会合は既に終了いたしておりますけれども、悪質な借り手を喜ばせないようにしながらバランスシートから不良債権を消し去る。このためには、国会の御協力をも、もちろん与党の御協力をも心からお願いを申し上げたいと思います。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 そもそもこの問題について振り返ってみますと、バブル崩壊後七年以上たつわけであります。不良債権問題は遅々として改善いたしておりませんけれども、このように長期間を要しながら事態が改善しておらないことにつきましては、厳しい反省が求められると思います。  そこで、大蔵大臣、よろしくお願いします。  大蔵省はこの間どのような対応を行ってきたのか、また、これまでの対応によって現在までにどの程度の不良債権が処理されましたのか、大蔵大臣にお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) バブル崩壊後、今日まで大蔵省がどのような対応をとってきたかという事柄については必要に応じて事務方から説明させますが、私の今の考えでいることを申し上げますと、今、総理の話にもありましたが、今までは不良債権の償却ということは、不良債権はそのまま残しておいて、バランスシート上どの程度とれるか、ほとんどゼロならば全額引当金を積みなさい、四、五割とれるならば四、五割程度の引当金を積んでおきなさい、こういう形の実は処理であったわけですね。  しかし、これでは本当の処理にならない。そこで、総理の言葉にありますようにバランスシートから消せ、こういうことなんです。そうすると、引当金がなければ実際の損害額が表面に出ますけれども、それはいとわずにもう整理するものは整理する。例えば不良債権、多少の価値があるならそれは売却してしまう。売却してしまうというと買い受け人が債権者になりますから、それが徹底して不良債務者から取り立てをする。こういう新たな仕組み、発想でこの問題には取り組んで、抜本的に不良債権をなくす、それはバランスシートからなくす、こういう仕組みにしなきゃならぬ、こういうふうに思っているわけであります。  なお、その場合に、総理の言葉にありましたけれども、簡単に債権を放棄すれば、住専のときに特別悪いのがおりましたけれども、あのたぐいの不良債務者を喜ばせるような結果になってはなりませんから、そこで、どういう場合に放棄することが認められるか等々の問題については法務省と十分意見のすり合わせをして対応していかなきゃならぬ、こう思っておるわけであります。  いずれにせよ、抜本的に根本的にこの問題を解決するのには相当研究をせなきゃならぬし、法務省の意見等も聞いて対応していかなきゃならぬが、本当に腰を据えて取り組まなきゃならぬ、そう私は思っております。

山口公生大蔵省銀行局長

○政府委員(山口公生君) 御説明申し上げます。  平成四年度以降、主要十九行で見ますと二十八兆円の処理をしておりましたが、この三月期にさらに約十兆円程度の処理をする見込みと聞いておりまして、不良債権の処理額としてはかなりの額になると見込んでおります。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 ただいまの答弁を伺っていますと、不良債権を処理したといっても、貸倒引当の積み上げによるバランスシート上の処理に終わっていることは問題だ、こういうお答えでございます。  不良債権が幾らあるのかということで、いろんな数字が出ている。七十七兆、二十八兆、そしてまた四割増したと、いろんな形で報道がされて、実態はどうなっておるのかということがよくわからないという現状。そしてまた、今、大蔵大臣の答弁にございましたが、法務省の力もかりて腰を据えてやるという御決意がありました。非常に大事なことだと私は思うのでございますが、やはり今日に至るまでのことを振り返りますと、大蔵縦割り行政のもとでその時々の対応に終始してきたということ、あるいは金融行政という狭い視野での護送船団の発想で問題をとらえてきたことがそもそも原因にあるのではないか。その点についてはやはり強く反省を求めたいと思うわけであります。  まず、地価も下げどまらず、不良債権が今後さらにふえる可能性もあるわけでございますから、不良債権処理につきましては政府全体の課題として、狭い視野からではなくて国民経済全体を視野に入れて本当に実効のある対策を打っていかなければいけない、このように思うわけであります。  総理は、先ほどの答弁でもございました、また先日、五月二十二日の協議会の場でもこのようにおっしゃったように聞いております。端的に金融機関のバランスシート上から不良債権を落とすことであり、そのためにはまず実態を反映した不良債権の開示、ディスクローズが必要というふうに発言されたと、このように聞いておりますが、先ほどSEC基準のお話も出ました。このことを言っておられるんだろうと、このように思うわけでございます。  実際に、先週末に発表されました都市銀行の決算におきましても、SEC基準を採用しました結果、三カ月以上の利払いが停止していたり、貸し出し条件を緩和したものをリスク管理債権として公表したために、公表不良債権は都銀八行で旧基準を約四三%上回る十一兆三千四百五十億円に上った、このように聞いておるわけであります。  これについて大蔵大臣としていかがお考えか、お伺いしておきたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 実はSEC基準によりますというと、破綻先債権、延滞債権、そして金利減免債、この三種類に分かれるわけですね。従来は延滞債権というのは六カ月延滞以上を延滞債権と言った。SEC基準によりますというと、それが三カ月以上の延滞があれば延滞債権という形でカウントすると、そういうふうに厳しい基準になったわけです。その結果としてこの不良債権が額としては大きくなっている、こういうことだろうと思うんです。  先ほども触れましたけれども、金利減免債につきましても、実はSEC基準によりますというと、もう公定歩合以下に下げたものは全部金利減免債権だと、こういうカウントをしていくというふうに公表の基準が厳しくなった。  それにあわせて、実は不良債権というのは経済情勢が悪化していくというと自動的にふえるんですね。今までは可能性のあるのが、景気が悪くなって、そしてその支払いが果たしてできるかどうかという不安が生ずるような債権になってくる、そういったことで公表不良債権はふえたと、こういうことだろうと思います。  問題はその処理を、本当の処理をすることが大事だと、こう申し上げたいわけであります。先ほど総理のおっしゃったバランスシートから消すというのはそういう意味なんですね。  一方、金を貸した銀行の方は、貸したものはできれば取り立てたい、何とかして取り立てたいと。そのうち土地が少しでも上がってくれれば取り立て量はふえるだろうという助平根性もまだ金融機関にはあるかもしれません。そういったこと等もあって本格的な処理がおくれているという問題だと思います。  そこで、総理の発想に基づいて、そんなことはもう言っておれない、したがって抵当権がついておればなかなかそれは実際上の利用ができなくなりますから、抵当権がついておるものであれば早く抵当権は実行してくれと。もちろん、抵当権の実行をする場合に、これは実務に経験のある人はおわかりでしょうけれども、日本の抵当権実行のスピードがおそいんですね。最低評価額とかなんとかという鑑定を経た上で抵当権実行、競売となるわけでありますから、そういった点もできるだけスピーディーになるようにしなきゃなりません。そして、将来上がるだろうという期待を持って最終処分をするのを怠っているようなところは急いでやらせる、こういったことも必要だろうと思います。同時にまた、土地というものはうまく格好がついてないというと利用価値がありませんから、そこでその土地の整形ということもやる必要があるだろう。  いずれにせよ、そういったことを総合的に進めて、そして総理の言うバランスシートからそれを消すという本格的な償却、あるいは不良債権の縮減というのをやる必要があるというふうに私は思っております。  先ほど助平根性と言ったことが不適切であれば、そういう期待を込めておる銀行があるかもしれぬという意味でございますので、不適切な言葉をここで訂正させていただきます。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 大蔵大臣のこの問題に取り組む熱意というか意欲というものが答弁の中に込められておったことには、非常に力強いものを感じます。  今のように、我が国には複雑な債権債務関係が存在する。そしてまた、担保にとっている土地の価格が将来上昇するのではないかというふうに期待している向きもあるわけであります。SEC基準によるディスクロージャーが金融機関に対しまして不良債権をバランスシートから落とす圧力を仮にもたらすとしても、それだけで金融機関の経営者が不良債権をバランスシートから落とす努力をすることができるかどうか、また落とせるかどうか、非常にまだ疑問が残るわけであります。  そういう中で、我が党のリーダーシップのもと、この四月の総合経済対策におきまして取りまとめた土地・債権流動化トータルプランというものは大きな意味を持つということを感ずるわけでございますが、総合的に進めるという見地がまさにここで取り入れられておるわけであります。  一つには、私が伺っている限りでは、債権債務関係の整理のためあっせん、調停等を行う臨時不動産関係権利調整委員会、これは非常に重要だと思います。そしてまた、債権の管理、回収を行う債権回収業者、サービサーの制度を創設する、そういったことに向けた法整備を盛り込もう。それから、不動産の適正な評価の手続の確立、あるいは不動産プロジェクト等に一般投資家の資金が直接流れるための仕組みである資産担保証券の市場整備といったような土地・債権流動化に必要となる方策が漏れなく取り入れられたということで承知しておりますが、ここまで掘り下げた、債務者側も考慮に入れたといいますか、その不良債権対策というのはアメリカにおいても講じられてはこなかったというふうに私は思うわけであります。そういう意味では、非常に各般にわたる内容のトータルプランということなのでございます。  そこで、官房長官にお聞きしたいのでございますが、中でも債権債務関係の整理に向けた本格的な施策であります臨時不動産関係権利調整委員会は非常に大きな意味を持つというふうに私は思うのでございますが、その設置に向けた準備というものはどのような状況になっておるのでしょうか、教えてください。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(村岡兼造君) 政府・与党の金融再生トータルプラン推進協議会、先週の金曜日に設置をいたしました。私が司会役も務めたわけでございますけれども、この主なるものは、金融機関のリストラの徹底と責任ある経営体制の整備。ただいまお話しありました不良債権の処理の促進、そして債権債務関係の迅速円滑な処理、土地の整形・集約化と都市再開発の促進と同時に都市再構築のための公的土地需要の創出。まだ数点ありますけれども、この五点の対策をしよう、こういうことで協議会を設置いたしました。  御存じのとおり、金融機関等が保有する不良債権の円滑な処理を促進するためには、不動産担保つき不良債権等にかかわる複雑に絡み合う債権債務関係を整理する必要がある。一説に聞きますと、一件これを処理するには二年も三年もかかる、裁判所へ行かなきゃいかぬ、こういうものではとてもなかなか早急にできない。このため、総合経済対策において、先ほど総理、大蔵大臣からお話もございましたが、あっせん、調停等、当事者の合意に基づく手続を通じて、不動産担保つき不良債権等にかかわる債権債務関係を明確化し整理するための体制、仮称でございますが、臨時不動産関係権利調整委員会の設置の整備に向けまして、必要となる法律案を次期国会に提出すべく総合的な検討を行うことにいたしております。  現在、その検討体制も含め所要の検討作業を鋭意進めているところでございますが、先週このトータルプラン推進協議会を政府・与党で開きました。できれば今週中にも二回目を開きたい、早急に準備を進めていきたい、検討していきたい、こう思っておるところでございます。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 この問題、この課題は各大臣にまたがるものですから内政審議室が担当しておる、このように聞いておりますので、官房長官に御質問を申し上げたわけですけれども、しっかりと対応していただきたい、こういうふうにお願いする次第であります。  申し上げるまでもなく、このように不良債権の最終処理を総合的に進めていった場合には、金融機関の中には厳しい経営状況に追い込まれるところが生ずることもあるやもしれないわけであります。その点につきましては、昨年末からことしの二月にかけて検討を決定いたしました三十兆円の公的資金の投入枠というものがあるわけでございまして、これを柱とする金融システム安定化策があるわけでございますから、預金者保護の徹底あるいは金融システム全体の危機、システミックリスクの防止に万全を期していく必要があろうかと思っております。  この三十兆円の投入枠のうち、十七兆円は申し上げるまでもなく破綻金融機関の預金者保護に充てられるわけでございますけれども、十三兆円の方につきましては、その使い方について非常に重要だと思うわけでございます。この点につきましてはいろんな説も世の中で今出ておるようでございますが、モラルハザードの観点もございますし、きょうは時間の関係もございますので、ここでの議論はいたしません。  その十三兆円につきまして、ことしの三月に二十一行でございましたか、ほぼ一千億円程度で横並びの金額を申請したという経緯がございます。一兆八千億だったと思うのでございますが、このときに行政の対応もまさに護送船団方式を踏襲しているのではないか、相も変わらず金融機関と行政のぬるま湯関係が維持されているのではないかというふうに思うわけであります。  なぜこのような横並びの結果となるのかとこの場で私がもし質問を申し上げますと、恐らく金融機関の申請を危機管理審査委員会で厳正に審査した結果である、このようにお答えになるのは見えておりますので、あえて質問はいたしませんが、自己責任のもと優勝劣敗の世界に臨まなければならないこの時期に、このような横並び意識というのは非常に大きな問題である、このように思うわけであります。  大体、我が国といたしましては、このような不良債権処理という手かせ足かせをはめられたまま、この四月から改正外為法の施行が行われ、今国会で審議中の金融システム改革関連法案などさまざまな銀行、証券、保険の各分野で抜本的な規制緩和が行われようとしているわけであります。  こういう状況の中で、今我が国を取り巻く状況がどうなっているかといいますと、シティコープとトラベラーズの合併に代表されるような世界的な金融再編の流れ、それからメリルリンチが山一証券に取ってかわる動き、こういったような外資系金融機関の最近の活発な動きを見ると、我が国金融機関の国際競争力を強化する必要性というものがますます高まっていると認識せざるを得ないわけであります。  ビッグバンの必要性というものは私も十分認識しておるつもりではありますけれども、護送船団から脱しなくてはいけないのにそれさえもなかなかできないでいる状況、先ほど申し上げたような状況というものを見ておりますと、言ってみれば一つ一つの金融検問が一隻一隻の船に例えられますと、護送船団で来たこれまでの実態、それから不良債権という大きな荷物を一つ一つの小さな船に積んだ上で荒波の押し寄せる大海にこぎ出していくという姿、これにも似た大変な事態に今ぶつかっておるのではないか、こういうふうに思うわけであります。  そこで、大蔵大臣にお尋ねしたいわけでございますが、不良債権の処理とビッグバンの推進をどのように両立させていくおつもりでしょうか。また、その場合、金融機関が個性を発揮して国際競争に伍していくためには政府としてどのように取り組んでいくおつもりでしょうか。そして、ビッグバンを完了した後、我が国の金融システムの将来像につきましてはどのように考えておられますか、簡単に大蔵大臣からお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) まず、護送船団方式という批判がありましたが、もう大蔵省は護送船団方式で民間金融機関を保護しようとか、そんな気持ちはさらさらありません。それが一つ、御理解願いたいと思います。  それからもう一つは、三月末に行った自己資本注入のときに申請銀行の申請額が大体似ていたではないかという話でございますが、御存じのとおり、それぞれの金融機関は実は、優先株で申請するか劣後ローンで申請するか、それぞれの銀行が考えて申請したはずなんです。優先株で申請した方が、これが自己資本比率を計算する場合のティア1にそのままなるわけでありますからこれが一番いいのでありますけれども、そうしますと株がふえるわけでありますから、したがって一株当たりの配当率は減るかもしれませんし、既に株主になっている人の利益を損なうこともありますので、これは株主総会の議決が必要と、既にそういったことが授権されておればいいですけれども。そういったことで、優先株の申請をした人もあれば劣後債あるいは劣後ローンを申請したところもある、こういうことであります。  そしてまた、その申請に基づいて審査委員会は相当厳格に審査をいたしました。同時にまた、劣後ローン、劣後債の場合には、これは当然のことながらその銀行の評価に基づいて実は利息があるわけですね。利息も実は審査機関が決めて、その額で引き受けをしたという経過がございます。したがって、申請をして、審査の過程においてリストラをしなさいとか、それから貸し渋りをしてはいけませんぞとか、あるいはまた役員等の整理もしなさい、給与水準はこうしなさい、こういったことを実は審査機関は厳しくチェックをしたわけですね。そうしますと、銀行によってはそんなチェックを受けるぐらいならということで足踏みしたところもあるでしょう。  いずれにせよ、これは結果で護送船団みたいなにおいがしただけのことでありまして、実際はそうではないというふうに理解をしていただきたいわけであります。なお、大蔵省の側はさらさら関係していないと、こう申し上げたわけです。  それからもう一つは、将来のことでありますが、いずれにせよ民間金融機関でありますから自分で努力する、自分で創意工夫を凝らす、そうした上で自分の得意とする分野に重点を置いてその分野で伸びていく、こういう努力をしていただくことが日本の金融機関の力をつける道だと、その方向に向けて努力をしていただきたいと思いますし、時と場合によってはほかの金融機関とも合併する方が自分たちの力がつく、世界的な競争場裏に入っておるわけでありますから、そういう新しい時代に対応できる金融機関としてみずから工夫をし、そして研究していただいて、そして強くなってもらいたい、こういうふうに考えているところでございます。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 また力強い答弁をいただきました。行政当局に対しては、決して護送船団行政に逆戻りしないように強く求めておきたい、このように思います。  そして、今、大蔵大臣のお話にもありましたが、いずれにしましても不良債権の処理、金融システムの安定性の確保、それからビッグバンにおける生き残り、いずれにおきましてもかぎとなりますのはおっしゃられたように金融機関の主体性だと、こういうふうに思います。自己責任、主体性というものをこの難しい状況を抜け出すためにも金融機関自身もしっかりと持っていただく、そういうふうに行政の側からもまた政治の側からも金融機関に指導しなければいけない、こういうふうに思うわけであります。  また、ビッグバンというものを考えた場合には、同時に変革のときである今の状況というのはまさに大きなビジネスのチャンスでもあるということも一方で言えるわけでございますから、金融機関の当事者も、そして行政も我々政治家も災いを福と転じるような施策をどんどんと打ち出して実行していかなければいけない、その結果将来が約束されたものになるのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、そういう方向での議論をこれからとも積み重ねていきたいと思う次第であります。  最後に、国際的な面から総理に一言御質問申し上げたいと思うわけであります。  私は、今二点ほど申し上げたい。世界に向けての正しい事実のアナウンス、あるいは世界に向けてのPRというものをもっと強力にしていただきたいという趣旨でございます。  例として三つお話ししたいのでございますが、まず第一点は、先週末、スハルト大統領の辞任等インドネシア情勢に大きな変化があったわけであります。不良債権問題に関連いたしまして、一部にアジアに対する邦銀の貸し付けが不良債権化することによって邦銀の不良債権問題が今後大幅に深刻化するかのような議論が出ておりました。それから、一部イギリスの格付機関、あえて名前は申し上げませんが、格付機関などはこの点を理由にいたしまして邦銀の格付の引き下げを行っておるのであります。  ただ、日本の銀行の国内、海外向けを合わせた全体の融資額というのは約一千兆円でありますけれども、このうちアジア向け融資というのは約三十兆円であります。比率にして三%程度であるということから見ますと、アジアヘの融資が不良債権化するので日本の銀行の不良債権が大幅に深刻化するという議論といいますと、これはともするとセンセーショナルに取り上げられがちでありますけれども、民間銀行の不良債権問題に関して申し上げますと、やはり冷静に見ていかなければならない面もあるのではないかこのように思うわけであります。  大蔵大臣には、こうした点について誤解が生じないように内外の市場に向けて正しい事実のアナウンスに努めていただくことが大事かと存じます。  時間がありませんので、続いて参ります。  二点目は、総理が本会議で答弁されましたように、我が国は昨年夏のタイ・バーツ危機以来、タイ、韓国、インドネシアに対しまして総額四百二十億ドルに上る支援をコミットしてきております。これは総理の御答弁にもあるわけですが、アメリカやヨーロッパの各国に比べましても、今回のアジア危機におきます我が国の支援の額というものは圧倒的に世界最大なのであります。にもかかわらず、一部に日本はアジアに対しまして十分な貢献を行っていないかのような議論が時として行われるのは甚だ遺憾ではないかと思う次第であります。  我が国のアジアに対する支援につきまして、世界各国により一層十分な説明を行っていただきたい。これは外務大臣にもお願いしておきたいことでございます。  三点目でございますが、これに関連いたしまして今回のIMFの件でございますが、IMFの増資法案をこの国会で私どもは立法手続を完了いたしました。IMFには百八十二カ国加盟しておりますが、この中で日本の出資比率は今単独二位であります。単独二位になったわけでございまして、ただお金ばかり出資いたしましても、それにふさわしい存在感というか高いプレゼンスがないことには出資の意味はないのではないか、このように思うわけであります。  我が国がIMF、世界銀行等の国際金融機関におきまして出資にふさわしい発言力を行使していくように、大蔵大臣には今後一層の努力をお願いいたしたい。  そういうことをあわせまして、以上三点につきまして総理の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思う次第であります。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今三つのポイントについての御指摘をいただきました。そして、それぞれ非常に重要な指摘として、外務大臣もまた大蔵大臣もさまざまな機会でその御期待にこたえられるような努力をすると思います。  まず一点、我が国のインドネシアにおける債権が不良化するのではないか、そういう予測のもとに格付機関が格付を移動させる。今時間さえあれば、恐らく大蔵大臣は御答弁したかった部分だと思います。  今回のAPECの蔵相レベル会合においても、国際的な格付機関というものがアジアを十分に知らない、むしろアジア自身がしっかりした国際的に通用する格付機関をつくろうという声があるはずであります。そして、そういう点の誤解を避ける努力は我々はしなきゃなりません。  また、二番目における御指摘、これもそのとおりでありまして、現時点においてもアジアからの輸入は世界第二位の日本でありますから、第一位のアメリカと比べて国民一人頭なら依然として日本は世界最大の輸入国であります。アジア経済に大きく貢献しています。  そして三番目、IMF、世銀における発言力、その行使、それはまさに、このアジア経済危機の中でIMFと各国のプログラムの中に何回か修正を加え、よりアジアに適したスキームをつくる、そうした中でも日本の発言力は行使をいたしてまいりました。これからもそういった場面、十分に活躍をしたいと考えております。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 以上で終わります。(拍手)

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。  最初に、総理大臣にお伺いいたします。  一九九七年十月の経済審議会の財政・社会保障問題ワーキング・グループが示した財政、経済の長期見通しは深刻な将来像を描き出しているわけでございます。つまり、現状の財政構造を放置した場合、二〇二五年には国民負担率に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は対国民所得比七〇%以上となり、フローの財政赤字はGDP比一四・七%、ストックの債務残高はGDP比一五三・四%にも達すると試算しているわけであります。同時に、経常収支もGDP比一四・三%の赤字となるわけです。このような予測のもとで、昨年秋、臨時国会において財革法の提案がなされ、審議、決定したわけでございます。  この予測はほぼ正しいというふうに思いますし、これに対応する措置がとられたということも私は政策的に正しいというふうに思っています。問題は、当時私も質疑の中でさまざまな問題点を挙げましたが、経済情勢分析と実施の時期判断というところにあったのではないかというふうに思うわけでございます。  九七年秋の本委員会において財革法審議を行っていた時期というのはどういう時期であったかというふうに思いますと、既に九七年の夏場以降我が国の景気は後退局面に入って、さらに金融不安勃発を受けて景気はさらに悪化への条件が重なってまいりまして、我が国の経済状況は戦後最悪の状況に突入しつつあったというのはだれしもが見ていた状況ではないだろうかと思うわけです。  一つには、将来的な社会保障負担の増大懸念が個人消費抑制に作用しているほか、財政支出の一律削減の方向が明らかになってきて、これによる影響が消費動向に影響を強く与えた。さらに、金融システムヘの不安発生と貸し渋りが発生して、また今日、ずっと問題になっております不良債権問題に依然としてめどが立っていないということもありまして、個人、企業の間に先行き閉塞感が蔓延し、先ほど労働大臣からも言われましたように、マインドの落ち込みが生産減、それが収益・所得減になり、需要減になり、これがまた生産減という景気後退メカニズムに入りつつあった時期ではないだろうかというふうに考えます。  財政構造改革法の基本的な骨格は、平成十二年度までの集中改革期間の当初予算を一般歳出ベースで前年度を下回るようにするなど、予算編成時のデフレ財政路線が法律で定められたところにあります。しかし、その結果は、金融不安が高まる中でのデフレ財政政策が個人消費や企業の投資マインドを冷え込ませ、それらの悪循環によって過去最高の企業倒産や失業率に象徴されるいわば複合不況の一層の深化を招いたと言わざるを得ません。日本発の世界恐慌の危険性が国際社会から強く警告されるような事態となってきたわけであります。  橋本内閣が経済の先行きを見誤って経済政策のかじ取りを間違えた責任は極めて重大であるというふうに考えます。  そのことについて、橋本総理の認識をまずお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から非常に率直な分析を承りました。私はそれを一々論議をいたそうとは思いません。  そして、例えば昨年の七−九、消費税の落ち込みで私どもの予測した以上に四−六月に影響が大きかった。それは一−三月に駆け込み需要が大きく出たその反動として我々は確かにこれを受けとめました。その上で、七月から九月の消費性向というものが回復していたという事実は事実として申し上げておきたいと存じます。  確かに、議員が今御指摘になりましたようなプロセスをたどり、年が明けましてから新たに発表されました各種の数字、これで裏打ちをされたということも私は否定をいたしません。そして同時に、議員が引用されました推計の中で、現在の仕組みがそのまま変更されずに将来に延びていった場合いかなる破局的な数字が出てくるか、これも否定をするつもりはありません。言いかえれば、その意味では財政構造改革の必要性というのは間違いなしに存在をする。そして、議員にはタイミングを失したのではないかという御指摘をいただいたわけであります。それに対しては、臨機の措置をとらせていただくのも当然ということを私は申し上げてまいりました。  今回、不良債権処理を含めまして総合経済対策というものを発表し、それに基づく各種の施策についての御論議をちょうだいいたしております。個々の部分についていろいろ申し上げる点はありますが、私は議員が述べられました数字、基礎的な数値、それから議員が組み立てられました御議論というのはそれなりにきちんと受けとめさせていただいた上で、例えば七月から九月の消費の数字はこういう傾向を示しておりましたという事実もつけ加えさせていただき、その上で、現在私どもがとろうとしている方策について積極的な御論議のいただけることを幸いに思います。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 大蔵大臣にお尋ねいたします。  今般、総合経済対策が打ち出されました。九八年度の公共投資は、当初予算ベースで前年度対比大幅に落ち込んでおりまして、国の一般会計ベースでマイナス七・八%でございます。追加対策を踏まえてようやく若干のプラスを確保する、そういう状況ではないだろうか。  さらに加えて、所得・雇用環境の悪化がございます。雇用不安、将来の社会保障負担増大懸念等を背景に消費マインドの好転は難しい状況が引き続き続いている。家計活動の停滞が持続するということは、恐らくそうなるだろうというふうに思います。期待成長率の低下、企業業績の悪化、アジア経済の悪化等を背景に、企業マインドの大幅な改善は期待が薄い、設備投資の抑制姿勢が持続する見込みだと。  ただ、対策の効果が本格化するには少し時間がかかって、私は、一般的に言われている本年末に景気の後退にとりあえずの歯どめはかかるというふうには感じているところでございますが、民需が順調な回復傾向に転じるかどうかは依然不透明で厳しい状況が続くと見なければならないと思います。  午前の審議からずっと続いている不良債権問題がその根本にあるわけでございます。バブルの後遺症である不良債権問題は金融システムの機能不全をもたらしているわけでありまして、これを解決しない限り我が国の経済の活性化はあり得ない。この根本的解決を講じることが最優先課題であります。今、最優先課題ですけれども、以前においても最優先課題であったというふうに私は思うわけです。アメリカが財政再建に取り組むに当たって、不良債権問題を集中的に処理してそれに取り組んだということも、政策の最優先をどのように選ぶかという有効な見本であろうというふうに思っているわけです。  私たちの党は、貸し渋りが続く我が国の金融情勢が、なおシステム不安の解消ができない中で国内資金が流出し円安基調が続いていること、アジアの経済危機が景気の先行きに悪影響を与えることを深刻に認識しております。当面の経済運営は金融不安の解消を最優先にすべきであるというふうに思っていまして、今、政府・自民党で不良債権の解決方途に向けた検討が開始されているようでございまして、これは非常に重要な検討であろうかというふうに思います。  先ほど申し上げたとおり、不良債権は最優先の課題でありますが、常に我々日本の最優先課題であり続けてきたということを認識しておかなければならないわけでございます。私は、今までもあらゆる機会といいましょうか、さまざまな委員会で、そのたびに不良債権問題を取り上げて御質問申し上げてきました。かなり以前からそのようにしてきたつもりでございます。  大蔵大臣のこの問題に対する認識をお伺いしたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) まず、銀行の不良債権の処理問題でございますが、委員の御指摘のように、不良債権処理の問題に今までも取り組んできておったつもりではありますけれども、その対応が手ぬるかったという御指摘、これは私は否定することはできないと。今までよりももっと強力に根本的な処理ということでやっていかなきゃならぬ。こういうことで、総理のリーダーシップのもとで、不良債権処理を速やかに進める、本格的な処理を進めるという新たな協議会をスタートさせたところでありまして、その中では新たな立法措置も必要になるという想定もあります。  いずれにせよ、本格的にこの問題に速やかに取り組み、かつ実行に移していきたい、こう思っておるところでございます。そのことが実は日本の経済の本当の意味の活性化に大きく貢献するという期待を持っておるわけであります。  なお、公共事業関係についてのお尋ねでございました。  委員御指摘の点はそのとおりだろうと思います。すなわち、平成十年度の当初予算、これが九年度に比べて七%強少なくなっておったことは事実でありますが、この予算の執行については上期に八一%を契約締結するということで、いまだかつてない前倒しの執行に移っておるわけであります。そして、それに加えて、真に必要な社会資本に限って整備をするという施策を今回打ち出させていただきました。  この当初予算の前倒し執行、そして今度の社会資本整備の追加、それと特別減税の実施、それぞれが相乗効果を発揮して日本の経済がこの厳しい状況から抜け出す大きな力になるものというふうに私どもは期待をしておるわけであります。  では、どの程度の力になるかと。経済企画庁の方で計算をしていただいたところでは、かたく見積もっても二%程度引き上げるというふうに言ってくれておるわけでありまして、そういったことの施策を総合的に進めることによって不況から脱出できるものというふうに考えているところでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 不良債権処理に係る政府・自民党の検討ということについては、午前中の質疑の中で十分総理の考えも伺わせていただきました。だれしもそういうふうにあるべきだということを思いながらも、いつ、どのタイミングでやるかそれと非常に政治的決断が必要でありますから、かなり厳しいと思います。  私も、きょうまた質問しようと思いましたが、実態がわかりましたので後の機会に掘り下げた討議をしたいというふうに思います。  不良債権の問題については、長い間の超低金利政策の中で不良債権を処理するに必要な資金と時間が与えられ続けてきたということを国民だれしも知っているわけでありまして、そのことが今日、銀行の力の格差によって内部留保の格差が非常に広がって、強いところは大変な内部留保があるということもありますし、間接償却の一方的な利益を得た金融機関がふえているということも一方であるわけでございます。  無税償却する場合にはさまざまな制約があるのを、これを立法措置によって押し切るわけでございますから、かなり国内世論の統一といいましょうか、どれだけ理解を求めるか。それは日本の民間金融機関がどういう姿勢で今後臨むかにかかるわけでありまして、ゆめゆめもう護送船団方式はないんだというようなことだけで済むわけではございません。そのことをぜひ御認識いただきたいと思います。質問はまた別の機会で詳しくやらせていただきたいと思います。  さて、財革法の機能の面から少し総理にお伺いしたいと思います。  橋本内閣のまさに政策の中心である六大構造改革のフロントランナーに財革法が位置づけられているわけですが、あるいはそれが機能の点で改革の障害になっているんではないか、かえって財政再建を不可能にすることになっているんじゃないかという感じがいたします。  不良債権処理策とか大型恒久減税など、経済再建に不可欠な政策の実行を妨げ、結果的には景気の低迷を長引かせている可能性がある。さらには、赤字国債、建設国債の区分を残して歳出項目の一律削減を義務づけたことが、資源配分のゆがみを是正する真の構造改革の道を閉ざしているのではないかというふうに思うわけでございます。  政府は、総合経済対策の実施に伴って経済情勢に応じた赤字国債の発行制限を停止する弾力条項の追加、目標年次の二年延長、経費別キャップ制は基本的に維持しつつも、九九年度社会保障費は例外扱いとする等、今回修正案を提案してきているわけでございますが、この規模の改正ではあるいは財革法の再修正を近くやらなきゃならないような事態も起こり得るんではないかというふうに思うわけでございます。  先ほどの金融不安の解消を最優先にすべきであるという立場から、財政構造改革法の一部凍結についても主張するところでございますが、財革法の持つ今の機能面の問題から見ても、一時凍結して、その上で凍結期間中に経済情勢の変化を踏まえつつ財政構造改革法の現実への妥当性を判断して、赤字国債と建設国債の区分の廃止を前提に財政再建の目標や達成期限を仕切り直すなど、現行法を抜本的に見直していく必要があるのではないかと考えるところでございますが、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほども御答弁を申し上げましたように、私は、内外の経済あるいは金融情勢が変化する、それに対応して臨機応変の措置をとっていく必要というのは、そのとおり認めますというか存在をするわけでありますから認めますけれども、同時に、二十一世紀に向けてきちんとさまざまな問題に対応できるような財政構造をつくり上げていく必要性というものは何ら変化はない。その意味では、私は、財政構造改革、この法律の持つ基本的な骨格というのは維持していくべきものだと考えております。  そして、本院におきましても、また衆議院におきましても、さまざまな御議論をいただきました中から、財政構造改革法の基本的な骨格である主要な経費に係る量的な縮減目標の仕組み、そして財政健全化目標というものは堅持しながら、その時々の状況に応じていわば緊急避難的に必要な措置を講じ得る仕組み、枠組みを整備するため必要最小限の改正ということにとどめて御審議をいただこうといたしました。  私は、今回の改正は、こういう考え方をとりました上で申しますなら、それなりに適切な考え方だと思っておりますし、凍結というやり方は余り適当なやり方ではない、率直にそう思います。  また、委員からの議論の中で、建設国債と赤字国債の区分の廃止という課題にお触れになりました。これは実は今までの国会の論議の中にも何回か登場し、私は建設公債と赤字公債の区分の廃止というのは必ずしも賛成をしないけれども、むしろ五年とか十年とか期間を区切った国債の発行、公債の発行というものを検討することはできないでしょうかということを私の答弁にあわせて何回か問題として提起をいたしてまいりました。  私は、二つの国債の区分を廃止するという考えも立法政策上の一つの判断だと思います。同時に、その区分は廃止しない、その上で五年なり十年なりという期間を区切った国債を発行するという考え方も一つの考え方ではないだろうか、そのようなことを御答弁申し上げてまいりました。また、今もそうした問題意識は持っておりますが、その後特に論議が深まっている状況にはございません。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、当初財革法を閣議決定したときに、二〇〇五年度までのできるだけ早い時期にということを決定されたと思います。  二〇〇五年というのは、戦後生まれのベビーブーム世代が六十歳を迎えることになる。今後、日本の社会構造の中で最も財政問題、経済活動問題に打撃を与えてくる超高齢化のピークが二〇二五年、それが二〇〇五年から厳しく現実化してくるわけでありまして、健全化目標はこの状況に合わせて当初立てられていたんだというふうに判断をしておりました。さらに、これらの目標実現への現実性を考えた場合に二〇〇五年という時期なんだろうかというふうに思いましたが、総理は、強力なリーダーシップを発揮するという立場で二年前倒ししたわけでございます。  さまざまなデータに基づいた二〇〇五年の討議経過、政策形成というものがあって、その上で総理が二〇〇三年に前倒しするということは一つの政治決断でございますけれども、どのような判断で当時そういうことを行ったか。またもとの二〇〇五年に戻るわけでございますけれども、私はその経過といいますか、当時の総理の判断の根拠についてお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに平成八年十二月十九日の閣議決定「財政健全化目標について」を決定いたしました段階では、その目標というのは平成十七年度、すなわち二〇〇五年度までのできるだけ早期という形で目標設定をいたしました。  その上で、昨年三月十八日「財政構造改革五原則」の中におきましてこれを早めました理由というのは、当時EUがユーロというものの設定を目指し、各国が大変な勢いで積極的な財政健全化努力を進められておりましたこと、そして二〇〇五年というのは一つのターニングポイントでありますので、そのターニングポイントよりも少しでも早い時期の方が望ましいという思いがありまして、「平成十七年度までのできるだけ早期」という言葉を受けた一つのめどとして平成十五年、二〇〇三年度というものを考えたわけでございます。  そうした中におきまして、今回目標年次を二年延長する決断を再びしなければなりませんでした。今回、特例公債発行枠の弾力化をお願いする、緊急避難的な措置をこの財革法の中に認めていただく、そして総合経済対策をもって景気を回復する努力をしなければならない、そういうことを考えますと、この終点をそのままにしておきました場合には、仮に予定どおりに物事が進みました段階でも非常に急激に縮減幅が拡大する可能性が出てまいります。  しかし、できるだけなだらかなカーブで国債依存度あるいは赤字公債というものをゼロにしていこうとすれば、余り急激な、どすんと落ちるような財政というのはまずいだろう。そうすれば、なだらかな形で整合性のとれた安定的な財政運営の姿を示すことの方が望ましい、そのような考え方から二年延長を考えました。バブル経済の後遺症というものから抜け切れずに変動が続いている日本の経済、そして内外の信頼を確保する上でもなだらかな下がり方というものが一番望ましいということであります。  当初二〇〇五年を考えました時点で何を考えていたのか。これは、今御指摘のありましたように、戦後生まれのベビーブーマー世代が六十歳という一つの節目を迎える年であるということばかりではなく、平成七年十月のG10レポートと言われますレポートの中において、このころには高齢化の進展に伴いまして我が国において貯蓄率が顕著に低下し始めるという予測がなされておりますことから、そのターニングポイントを超えて後まで時間を延ばしていくということは非常に問題がある。やはり、ピークのこの年度を限界として処理を終わらなければならない、そのような思いから二〇〇五年という設定をいたしました。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 政府が六つの改革を進めるときに、これからは大競争時代の到来、少子・高齢化社会の進展ということに触れて、フロントランナーとして財政構造改革を進めるという判断をしたわけです。  私は、経済企画庁長官にお伺いしたいと思うんですが、経済分析、またはその分析にかかわる政府のトップにおける議論というのはどういう状況で行われたのか。私は、財政改革の必要性は認識しておりますし、財政がこのままのシステムでいけば厳しい状況、想像を超えるものになるということについても、それはさまざまな資料等からうかがい知ることができます。しかし、時期判断ということと政策の決断ということは合っていなきゃならないというふうに思うわけでございまして、経済分析をどのように行われたのかということが大きな疑問としてずっと残ってまいりました。  この財政構造改革の実行段階に入るときにアジアの危機は既に始まっていたわけでございます。タイが一九九七年七月に事実上の通貨切り下げに踏み切ると、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど周辺東南アジア諸国連合に投機的な通貨売りが伝染しまして、十月中旬には香港経由で韓国にまで飛び火したわけでございます。  ASEAN諸国を中心とする東南アジアにおいて、それぞれの国において国際収支が悪化する中で、国際金融市場から短期資金投入をめぐって、一部の国際金融機関の中からそれぞれの国に対してその当時とっていた対米ドル固定レート制そのものが崩壊するのではないかという予測が生まれてまいりました。その危機をいち早く察知した優良国際金融機関の中から、それまで貸し込んできた短期資金をそれぞれの国から一斉に回収しようという動きが一九九七年に入るとともに本格化してまいりまして、それが全面的な経済危機の引き金となったわけでございます。既に起こっていたわけでございます。財政構造改革法を審議しているときはそういう時期だったわけでございます。  加えて、日本の金融機関の一連の破綻が同時進行しました。政府に経済分析の判断ミスがあったのではないかというふうに私は思うわけでございます。  経済企画庁長官から、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) アジアの危機の問題でございますが、確かに七月ごろから、タイ、韓国、それからインドネシアというふうに、三つの主な国を言いますとそういう順序になったかというふうに考えている次第でございます。  日本の経済の方は、消費税引き上げに伴います駆け込み需要が三月までございまして、四月から六月はその反動減、そして七月−九月期には、その反動減からやや立ち直りが見られて、順調な回復軌道に乗るかなというふうに判断をしておりまして、私が就任をした九月十一日でございますが、それ以後は大体そういう感じでいたところでございますが、その時点におきましてはまだ輸出もかなり順調な伸びをしておりました。それが十一月ぐらいに、先ほども申し上げましたけれども、三洋証券が十一月三日、北海道拓殖銀行が十一月十七日、山一証券が十一月二十四日に破綻というようなことがございまして、さらにアジアの危機もますます深刻化するという状況のもとで、消費者や企業の経済の先行きに対する信頼感というものが急速に冷え込んでまいりました。  そういう状況でございまして、それに対応して金融システム安定化法案等を出して、金融システムのいわゆるパニック的な状態は防いだというふうに考えておりますが、そういう信頼感の低下というものが生産、雇用に、つまり実体経済の状況に反映をしてきたのが、ことしに入っての二月、三月ごろが一番深刻な状況であるというふうに考えております。  全体として、現在ただいまは消費者心理の方はやや回復したかなど。例えば消費性向で見ましても七一・七%と、去年の九月の七一・九%に近い水準にまで三月は戻っているわけでございますけれども、もうちょっと四月、五月の様子を見なければならないと考えております。  しかし、いずれにいたしましても、近時における雇用、生産等の経済の実態には非常に厳しいものがございまして、そういう点を踏まえて総合経済対策を出し、この対策によって経済を順調な回復軌道に乗せていきたいと考えている次第でございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 重ねて経企庁長官にお伺いするんですが、当時、財革法を審議しているときに、私は経企庁長官に、景気の状況、先行きについて聞きまして、そのとき長官は、景気の現状は緩やかな回復基調にあるものの足踏み状態にあるというふうに答えました。その答えた後に重要なことを経企庁長官は言っているわけでございます。  すなわち、業種別に格差がある。卸、小売業についてはまだなかなか順調な回復基調にあるとは言えない。さらに不動産、建設など、バブル期の後遺症を引きずっている業種が厳しい。これは金融機関の状況が反映しているんだと。さらに金融機関は不良債権が、帳簿のつけかえでは進んでいるが、担保不動産の処理、処分が終わっていない、これが景気の上昇に対する大きなしこり、障害になっている。  すなわち、一般的にはと言いながら、回復基調にあるというふうに言ったけれども、その後、経済の状況について述べた答弁は、景気が極めて厳しい状況にあって、そこからの脱出は極めて難しいのだというふうに分析していたわけであります。  私は、当時ゼネコン問題がいろいろ報道されておりまして、建設大臣に状況をお伺いしたところ、大変厳しい認識をそのとき建設大臣が申されました。経企庁長官は、いいところも悪いところもあって、総じて回復基調というふうに言ったわけでございますが、私は、ダムの穴と同じで、一カ所決壊すれば全体が崩落するというのが景気ではないかというふうに申し上げたわけでございますけれども、実は経企庁長官はみずから答弁の中でそのようにおっしゃっていたわけでございます、極めて厳しい状況下にあって、今後の回復は極めて難しいんだと。その認識で私はその後は推移したと思うんです。今日なおその状況にあると。  ということは、財政構造改革を進める時期判断について、的確な情勢分析と、そのことを内閣に伝達していないんじゃないか、経済企画庁長官または経済企画庁が、ということを私は批判したい。そのことについて御認識をお伺いしたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 今の答弁、いつの時点かちょっとお聞きしなかったのでございますが、昨年の秋に、三つの大きな問題が経済にある、一つはいわゆる産業の空洞化でありますし、もう一つは従来からの経済システムの制度疲労という問題があるというふうに申し上げました。それと並びまして、不良債権の処理の問題がまだ済んでいなくて、それが経済回復の大きなしこりになっている。先ほども大蔵大臣から答弁がございましたが、いわゆる引当金を積んで帳簿上はある程度の整理ができていても、実態的にはその不良債権が残っていることが大きな障害であるということを申し上げました。  昨年の暮れに十年度の予算、税制を決める際に、地価税の凍結、それから土地譲渡益課税の抜本的な引き下げを行いまして、それによって土地、不動産の流通、有効利用が促進される、さらに各種の土地有効利用についての規制緩和等を行ったところでございまして、四月になる前に法律が通って、一月にさかのぼって土地譲渡益課税の抜本的な軽減が実現されているわけでございます。  そういうわけで、取引等についての活発化の基盤は整っていると思いますけれども、しかしなお、不良債権の処理の問題が現在ただいまでも経済の回復の大きな足かせになっている実態があるわけでございまして、そういう状況の中で、今度の総合経済対策の大きな柱の一つとして、先ほど来お話にありますようなトータルプランを抜本的に推進していくという対策をとってこの処理を進めているところでございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、今回の財革法審議に当たって、政府の六大改革、六つの改革について詳細に読んでみました。  その中で、総理は財政構造改革会議に対して財政構造改革五原則をお示しになられました。その五原則に基づいて実行に入ってきたわけでございますが、経済状況の分析の判断ミスというのはどうしても私は指摘せざるを得ない。そういう状況下で、六大改革のフロントランナーとしての財政構造改革を推進するという政治決断をしてきたとすれば、それは状況分析の誤りのもとに判断をしたと言わざるを得ません。  しかし、今回そのことを少し内部を変えていく、質的に少し変化させるという部分修正を行ってきたわけでございますが、これは言ってみれば理念の変更ということを伴っているわけでございます。基本的には変えないといいながらも、機能的にさらに再修正せざるを得ないという状況もあるということからすれば、かなり厳しいというか、難しい局面がまた訪れるだろうということも指摘せざるを得ないわけでございます。  総理は、六つの改革の中のフロントランナーとしての本財革法を変えるということは、政治方針の明確な転換というふうに認めざるを得ないんではないか。基本的には財政構造改革は継続すると言いながらも、方針転換したということを明らかにすることによってこそ自分の政治方向が確立していくんではないかというふうに私は思います。  今日まで、総合経済対策とか今回の法改正また補正予算、さまざまな提起を行いまして、間接的な表現で方針転換しているということを主張なさっておるわけでございますけれども、私は、国民に対して、この際、政府として財政構造改革を含め六つの改革についての方針転換をするんだ、したんだということを明確化する必要があると思いますが、いかがですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、せっかくの議員のお言葉ですけれども、私は六つの改革を全部方針を変えるなどと言うつもりはありません。行政改革も進めてまいりたい、教育改革も進めてまいりたい、経済構造、社会保障構造、それぞれに皆大事なテーマでありまして、その改革を全部やめてしまうというようなことも申し上げるつもりはございません。  先ほど来申し上げておりますように、私は今回、財政構造改革法につきましても、特例公債の発行枠の弾力化などの修正を加えることを国会にお許し願いたいと今お願いを申し上げております。また、この現在の厳しい経済情勢の中で、そうしたお許しをいただけるであろうことを期待しながら総合経済対策を講じていこう。この中には確かに、先ほど来御論議をいただいておりますように、不良債権をバランスシートから消してしまうというところまで思い詰めた上での対応策を盛り込んでおりますし、そうしたことを可能にするような補正予算も御審議を願いたいと既に国会にお願いを申し上げております。  しかし同時に、この財政構造改革法の改正は、先ほど来申し上げておりますように、その時々の状況に応じて緊急避難的な対応ができるようにさせていただきたいということでありまして、その基本的な骨格を変えておるわけではございません。  従来から、議員も先ほどお認めをいただきましたように、財政構造改革の必要性というものはいささかも減じるものではない、この必要性は十分に理解しておると議員もおっしゃっていただきました、私もまた内外の状況に応じて臨機の措置をとるということの必要性をも申し上げてまいりました。  その意味では、基本的に、私はお互いがお互いの立場を認め合った上で、議員は財政構造改革法の先ほど凍結を主張されましたし、私はその凍結というのには賛成できないということも申し上げてまいりましたが、お互いが目指しているものというのは、より健全な財政状態の中で発展し得る国家をつくっていくための道筋であり、私は、今回の財政構造改革の骨格を維持する、その上での緊急避難的な対応をお許し願いたいということを、他の行政改革等まで含めてすべての改革を変更する意思であるという御意見には残念ながら従いかねます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 当然そのように答えるだろうというふうに思いましたが、私は、経済状況の分析について果たして正確に、正確にしていたんでしょうが、それに対する厳しい認識、厳しい決断、政治的決断というところにつながらないうらみがあったんではないかというふうに思っているわけでございます。  特に、この財政構造改革について総理みずからが、歳出の改革と縮減は痛みを伴うものだ、しかし活力ある二十一世紀のためには、痛みを恐れて改革の歩みを緩めたりあるいは先延ばしするといった考え方に立つのではなく、強い決意を持って改革に取り組む必要があると。私は、これは臨機応変というものの入る余地のない不退転の決意というふうに思います。不退転の決意をされた。不退転の決意を変えたわけです。退転をするわけです。私は、退転する以上は、政策、方針を変えたんだということについて明確にすべきだ、そうでないと理解がされない。  それはなぜかといいますと、国民と政府の信頼関係によって痛みをこらえるかどうかということになるわけですから、経済分析の問題と実施時期の政治決断の時間的ずれと、タイミングが合っていなかったから修正するんだ、改めてまたやるんだということについて、少なくとも総理は国民に言うべきではないか。部分修正を続けていくと抜き差しならないことがまた起こるんじゃないかというふうに思って再修正があり得るのではないかというふうに先ほど申し上げたわけですけれども、きっぱりとそのように方向性を改めて提示する、そういう必要があるというふうに思います。  再度、総理の御認識をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の改正案をまとめます段階におきましても、弾力条項のみを挿入することで最終期限はそのままにしておいた方がいい、あるいは社会保障のキャップもそのままの方がいい、いろいろな御意見をいただきました。  その上で、私は弾力条項というもの、これはまさに緊急対応に必要な手段、そして平成十一年度という年度を考えました場合に、国民に新たな負担をお願いしないで十二年度につないでいく上で、社会保障におけるキャップは単年度ではあっても外した方がいい、しかしキャップ制という仕組みは変えない。その上で、先ほど御指摘がありましたように、なだらかにまとめ上げていくためには二年間の延長、しかしベビーブーマー世代が満六十歳になり我が国の貯蓄が減少し始めると既に予告をされておりますような状況の中で、それ以上繰り延べることはいけない。私なりの判断でこのような結論をまとめました。  私としては、こうした一つの自分の判断をいたしたということでありまして、議員に御同意がいただけない、それは議員のお考えでありますけれども、私なりに考えてまとめたものであることは御理解を賜りたいと存じます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 ただいまの答弁はしっかりとお伺いいたしました。  さて、この間、日本の経済政策、景気対策に対するアメリカのさまざまな方々からの発言が相次いで出されてきました。私は、新聞で見るしかその状況についてわからないわけでございますが、一番最初のきっかけというのは、ことしの二月十日にアメリカの大統領経済報告の中で、日本経済について回復は足踏み状態という表現を使って景気対策に不満を表明したというふうに報ぜられて以来、大体このパターンで続けられてきたわけであります。  日本国内で内政干渉ではないか、介入ではないかという懸念または批判が出て、これに対して在日アメリカ大使館は、あくまで世界経済の安定のための日本の役割について考え方を表明しているんだというふうな見解を表明したようでございますけれども、ずっとそのデータといいましょうか資料をとってきましたが、数多くの関係者からの発言が出されて、ある意味では大変不愉快でございます。  ワシントンのG7にかかわるアメリカの発言を伺うと、自分の国、アメリカの経済を守るための本音が出ているんではないかというふうに感じるところでございます。アメリカ経済と日本経済、アメリカ経済と世界経済の関係を考えてもなおこれは行き過ぎではないかというふうに感じます。  ルービン財務長官が四月十五日に述べた、日本の内需主導による景気回復がアジアと世界経済にとって極めて重要であるとの認識は共有されている。これは国際金融市場で昨年末日本の景気低迷に伴う円安がアジア通貨の一層の売りにつながる展開となった事実を受けての発言だと。アジア危機の長期化と他地域への拡散を防ぐ防波堤は日本の景気回復であると。グリーンスパン・アメリカ連邦準備制度理事会の議長が、株高、それから資産効果による消費増、景気拡大、財政収支好転、金利低下、株高というアメリカの経済の好循環を説明しながら、日本を主因にこの循環が切れたときの怖さを指摘するというふうに述べられている。  アメリカの経済の実態についてアメリカ人はよく知っているんだと思いますけれども、我々も知っているわけでございます。これら一連のアメリカの発言に対して、日本の総理大臣として総理は、どういう認識でこのアメリカの一連の発言、日本に対するプレッシャー、あるいは介入とは言い過ぎかもしれませんけれども、そういう発言の数々についてどのような認識を持たれたか、ぜひお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、私は報道を通じての発言に報道で返すということは避けるという方針をとり続けました。言葉だけがひとり歩きをし、お互いの発言のうちの一部だけが強調され、事実でないやりとりで議論がエスカレートをすることは避けたい、私は率直にそう考えておりました。  その上で、例えばG7の場あるいはそのほか国際会議の場、さらに大使館あるいは政府の関係者等がアメリカに参りました時点で日本側の考え方というものを正確に伝えるという方針をとってまいりました。私は、大変いろんな話が報じられておりましたことをもちろん記憶いたしておりますし、同時にそれは日本経済に対する強い関心のあらわれだということは理解をしておるつもりであります。  先ほど一つの、どなたかの御答弁で申し上げましたけれども、例えば日本がもっと市場を開くべきである、そしてそれによってアジアの商品を買うべきだといったことに対しては、現実に日本の市場は開かれており、金額的に見ても日本は世界第二位のアジアからの輸入の多いところであるが、国民一人頭に直せば、今日ただいまでもアメリカよりも日本の方がはるかにアジアよりたくさんのものを輸入している、十分に開かれた市場であるといったことはきちんと伝達をしてまいったつもりであります。  そして、本年になりましてからアメリカの首脳と直接に、私がクリントン大統領とお目にかかりましたのは先日のバーミンガムにおける二国会談でありますが、その間往来されたアメリカ側の要人に対し日本側として申すべきことはきちんと申してきたと考えております。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 報道に対して報道で返さないというのは国際関係において非常に重要なことだというふうに私も思いますが、ワンサイドで流されるということについてもある程度のプレッシャーをかける必要もあるんじゃないかというふうに思うわけでございます。  さて、アメリカ経済について政府はどう考えておられるかということについて、経企庁長官にお伺いします。  今、アメリカの中でニューヨーク株式市場の活況に疑問符がつけられ始めている、すなわち上がり過ぎていると。景気拡大、税収増、財政赤字大幅減、一方で経常赤字が膨らんでいる、これはファンダメンタルズに不安感があるんじゃないか、このことに市場が着目すれば、株高を支えてきたドル高の構造が崩壊しかねないと。また、不動産の高騰などでバブルの危険があるという見方もされております。  一方で、高成長、低インフレ、低失業率で株価は上昇の一途だと。これがブラックマンデー以来、ダウ平均はほぼ一本調子で上がってきて年内に一万ドルを超えるのではないかというようなことが言われているわけでございます。アメリカ経済はニューエコノミーの時代を迎えた、かつてのような景気循環はなくなって右肩上がりの上昇を続けるんだというような強気な発言、強気の見方もあるようでございます。  経済企画庁長官はアメリカ経済をどのように見ておられるか。日本で懸念されるデフレスパイラルみたいなことは起こらないのではないかという見方もありますけれども、アメリカ経済の動向いかんによってはこれが日本経済を直撃してくる。日本経済を直撃するということは世界経済を直撃するということになるわけでございまして、十分な認識といいましょうか分析は行われているというふうに思いますけれども、そのことについて政府の見解、経済企画庁はどのように見ているかについてお伺いしたいというふうに思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) アメリカ経済の状況でございますが、個人消費を中心とした内需に引っ張られる形で九一年ごろから景気拡大が続いておりまして、現在八年目というふうに言われているわけでございます。  このアメリカ経済の好調の原因は、情報通信分野を初めといたします技術革新や、抜本的な規制緩和の推進によりましてベンチャーなどが大いに発展をし、そしてその結果として雇用増があり、経済が活性化したというふうに理解をしております。  最近、インフレ懸念というようなことも一部で言われておりますが、九八年、ことしの成長率は政府ベースで二・七%、IMFなどの国際機関でも二・九%とか、あるいはOECDも二・七%というような見込みを立てておりまして、全体としてアメリカ経済は順調な発展を持続している、そのように考えている次第でございます。  株の水準も非常に高いところでございますが、つい先日も成長率が一−三月で四・二%というようなことで、失業率も四・三%と非常に低い水準になっておりまして、アメリカ経済のファンダメンタルズは相当いい状態が続いていると考えております。  私はこれに関しましていつも申し上げておりますが、アメリカにおきますベンチャーの雇用吸収というのがここ十年間で千六百万人ございました。規制緩和とか技術開発を反映したものでございますが、日本は同じような期間に十分の一の百六十万人でございました。人口は向こうが二倍でございますから、それを考えますと、アメリカにおきますベンチャーの拡大によります雇用拡大は日本の五倍であるというふうになっております。  今度の経済対策におきましても、そういうアメリカを見習うと言ってはおかしいのでありますけれども、日本におきましても規制緩和を中心とするいろんな諸対策をとりまして、ベンチャーによって雇用吸収をかなり図る、そういう攻めの政策も行って日本経済を順調な回復軌道に乗せていきたいと考えている次第でございます。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 私は、アメリカ経済に対する経企庁長官の見方というか経済企画庁の見方は大変楽観的過ぎるんじゃないかというふうに思います。  成長率についても潜在成長率に近いものが現在の状況でありまして、これが下半期には年率で一%になるという見方がアメリカ国内にあるわけでございますから、国益のためにもう少し厳しい見方というか分析、厳しいだけではない正確な見通しを立てていただきたいというふうに思うわけです。  さて、アジアの危機の出発点はアジア通貨が割高になったことから始まって、アジア通貨は基本的にドル連動でありますから九五年までは安かったわけですが、円安によって、すなわちアジア通貨はドル連動でございまして高くなったと。国内インフレの進行や九四年初めの中国人民元の切り下げ、それと今申し上げた九五年半ばからの円安局面で実質実効ベースで通貨が割高になってしまって、これが国際価格競争力の低下、輸出鈍化、バブル破裂、投機筋にねらわれるすきをつくったわけでございます。金融システムの不安のもとで外資の流出と通貨価値の下落が続いて実体経済が急速に冷え込んでいったのがアジアの経済危機でございます。  八五年、当時アメリカとの関係で同じような状況が生まれたときに、当時のベーカー財務長官はプラザ合意を成立させて人為的にドルの切り下げを行いました。アメリカは今回のアジアの危機を予測してどのように対応してきたのだろうか。今回、市場主導の通貨切り下げを行ったと言われておりますが、市場にゆだねれば急激な展開となって、アジア、ASEAN各国はこれに対応するすべもなく一気に危機的状況となったというふうに思います。  そこで、総理にお伺いしたいわけですが、ならばアジア通貨危機の初段階で日本としてアメリカに対しては何らかの、あるいは共同の政策調整、例えば人為的に通貨対策を提案することはできなかったのか、このことについてお伺いしたいと思います。  時間が切迫しているので、はしょって二問一遍に行いますが、アジア地域の通貨安定、今後のことを考えたときに、国際的なアジア地域としての調整システムが必要なのではないか。為替安定化のためのリスク管理システムや、そのシステムを支える域内協力の枠組みを設けることが必要なのではないかというふうに考えております。  お考えだと思いますけれども、情報収集・分析、相互監視協議などを常時可能にするアジア地域でのそのような機関が必要と考えますが、アメリカとの関係、アジアでのそういうシステムの確立等について総理はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、アジアにおける国際的なシステムという方にお答えを申し上げたいと思うのでありますけれども、この点は確かに非常に大事な御指摘でありまして、アジアの通貨が不安定になりました瞬間からこの問題は議論をされました。そしてそれが、IMFを中心として各国が協力支援をする仕組みとして、また域内のサーベイランスを強化するといったことを中心としてまとめ上げられましたマニラ・フレームワークであります。  私は、このマニラ・フレームワークというのは、アメリカのこの地域への関与というものと同時に、アジアが対等な協力関係を持ってつくったスキームとして今後も非常に大事なスキームだと考えておりまして、こうした枠組みの中で今後ともに協力しながら安定のために努力をしたいと思います。  ただ、例えば日本単独でもいい、あるいはアメリカと一緒にでも介入を考えてみてはどうだったのかと言われましたけれども、これは実は非常に各国の弾力性を欠きました為替制度とか、あるいは短期資本流入に過度に依存している、あるいは脆弱な金融セクターといった問題がある中で起きた事件であります。そういう場合、その問題が解決をしないままに市場介入だけで対応しようとしてもその効果は極めて限定的だと思われます。  現に、昨年十一月、シンガポールと協調してインドネシア・ルピア買い介入を行ったことがございますけれども、その効果というものは極めて短いものでありました。それは、インドネシアがIMFとの合意を守っていないのではないかという思惑が流れた瞬間についえたわけであります。  やはりこうした場合、IMF等を通じました、言いかえますなら我々としてはこのマニラ・フレームワークを行使していきたいわけでありますけれども、こうした考え方のもとで行われる構造改革努力というもの、それを土台にして支援をしていく、そういった形が必要ではないだろうか。短期の介入において急激な市場変動に対応するには限界があるのではないか。これは実際にやってみたその上での感じであります。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 最後に、その他の項で総理に質問いたします。  月刊誌「諸君!」六月号に、中国民春市のベチューン医科大学附属病院に対する無償援助にかかわって、橋本総理に関する記事が掲載されました。この記事を総理は読んでいるでしょうか。  ベチューン医科大学附属病院への無償援助計画は、日中間の政府レベルで持ち上がって以降、一貫して特定の女性が折衝の場にいたとのことでございますが、総理は国会答弁の中で、その人は通訳であると言っておりますけれども、そのとおりでございましょうか。「諸君!」六月号の記事によりますと、朱というその人は、中国衛生部外事処対外聯絡処・日本部に所属して、日中間で合意された病院建設の無償援助プロジェクトを進める責任者であったというふうにあります。このことを総理は承知していたんでしょうか。  私は、総理が通訳と認識していた人が日中政府間合意のプロジェクトの中国側の実質上の責任者であったとすれば、当時の総理の行動は不注意以上のものと言わざるを得ませんが、これは、総理自身のみでなく、総理を支えていたスタッフの対応にも問題があると言わざるを得ません。  この点について、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私の名誉にもかかわることでありますので、委員の御質疑の時間が終了しておりますことは時計を見ますればわかりますが、しかし、多少お許しをいただきたいと思います。  中国との医療協力の問題は、私が厚生大臣に就任をいたしました昭和五十二年の暮れの時点において既に一部の論議が始まっておりました。そして当時、私自身が厚生大臣として阿波丸の遺骨の引き取りに参りました昭和五十四年の夏、当時は円借款として話をいたしておりましたものが、その後、大平総理の訪中の際に無償援助に変わりましたのが現在の日中友好病院であります。  そして、この日中友好病院の建設に円借款を与えるかどうかの判断をいたします際、本院議員武見敬三議員のお父君、故武見太郎先生に私は厚生大臣としてお願いをし、武見先生もちょうど中国側からの招待を受けておられましたので、日本医学会のメンバーを率い、当時の中国の医学の水準、医療の水準というものを調べ上げていただきました。そのときの調査報告は極めてすぐれたものでありました。全体のレベルを評価した上で、日中友好病院の将来に対してもさまざまな提言をいただいておりました。  議員から御指摘いただきましたお話は、この日中友好病院が、多分、工事を行い始めたころでありますから五十六年のどの時点かから出ていたと記憶をいたします。すなわち、病院の建物だけができましても、日中友好病院自体は、中国の伝統医学と日本から移しかえようとする西洋医学との組み合わせの中で一つのきちんとした姿を模索するという考えを我々は持っておりましたから、中国側にこれを受けて支える仕組みが欲しいという考え方は当時から関係者の中にあったところであります。同時に、中国の文化大革命以降の影響がまだ色濃く残っておった時期であります。  そうした中で、本当にちょっと医学が進めば助けられる人は、あるいは乳幼児の死亡率が、少しでもこれは治したいというのは、当時関係する者皆の夢でありました。そして、日本語で医学教育を行っているということからベチューン医科大学の名前は出てまいりました。今申し上げたように、たしか五十六年のいつごろからかであったと思います。そして、私は、それは大事な仕事だと思っておりましたから、当時から、こういうプロジェクトを進めることが大事だということはあちこちに対して一生懸命に説明をして歩きました。  そして、その話が最初に出ましてから何年か後に、政府間の話題となり実現に向けて動き出しましたけれども、その途中の何年でありましたか忘れましたが、どの時点がからその方は通訳として参加をされました。その方がどのような肩書を持っておられたかは私は存じません。しかし、会議の席において日中両側の会話をそれぞれの言葉に訳す、まさに私は通訳としてこの方を見ておりました。そして当時は、私が中国に行きましたからといって日本大使館からわざわざ通訳を貸してくれるほど私は外務省に信用がなかったんでしょう、両者の会話の中で仲介するのはその方でありました。ですから、そういう意味で存じ上げております。  その上で、私はベチューン医科大学のプロジェクトを日本がバックアップするように努力をしたことを政治家として全く良心に恥じておりません。

伊藤基隆民主党・新緑風会

○伊藤基隆君 終わります。(拍手)

荒木清寛公明

○荒木清寛君 公明の荒木清寛でございます。  私ども公明の愛知、岐阜、三重の三県青年局は青年層を対象としまして怒りの声のアンケート調査を実施いたしました。二十代、三十代の青年十万人に働きかけをいたしました。それを集約しまして千六百人の分を標本として分析したんです。そうしましたら、一番多かったのがやはり政治への怒り、無関心ではなくて政治不信であると私は分析をしたわけです。その中に首相に言いたいという厳しい意見もたくさんありましたので、そのうちの一部を紹介します。  橋本さん早くやめろ、会社が仕事がなくてつぶれてしまったやないか、男性二十四歳。橋本首相は責任逃ればかりしている、大会社が倒産する世の中で自分の会社も心配だ、景気を本当によくしようとしているのか、男性二十三歳。橋本首相には本当に危機感があるのか本当に国民のことを考えているのか、男性三十三歳。橋本内閣になってから日本全体が時過ぎる、早くやめて、女性三十一歳等々でございまして、私はこういう青年の憤りの声というのを総理には謙虚に受けとめていただきたい、そう思います。  そして、この現在の景気の悪化によりまして最も深刻な影響がありますのが雇用と失業でございます。先ほどからもお話があります。本年三月には史上最悪の失業率三・九%、完全失業者数は二百七十七万人、また学校を卒業して職がなくて失業している学卒未就職者は昨年三月に比べて七万人増の二十六万人と、これも過去最高でございます。  この背景を考えますと、若干景気回復の基調が見えてきました昨年に財政構造改革という旗を掲げまして、消費税を五%引き上げ、医療費の自己負担分を倍増する等々、九兆円に及ぶ国民負担を強行した、また財政構造改革法を成立させたという橋本内閣の政策判断の間違いである、私はそのように思います。  総理は子供や孫の世代にツケを残さないと言われでこうした政策を遂行してこられたわけでありますが、その結果、現に今生活している国民の皆さんが仕事を失い、職につけないという事態になってしまったわけでありまして、まさにこれは本末転倒であります。総理はこういう大きな責任をどうおとりになるつもりですか、まずお答えください。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御党として国民の声を集められ、それを抽出し、その中から要約して御紹介いただきました御意見は真剣に聞かせていただきました。その上で、景気という一点に絞り、今それをまた雇用という問題に集約して御意見を組み立てられました。  一点、私、これは別に揚げ足をとるんじゃありません。消費税を五%引き上げたと言われましたけれども、消費税は二%引き上げたのでありまして、税率が五%になった。これはテレビを見ていらっしゃる方に誤解されては困りますので、その点だけはきちんと申し上げたいと思うのであります。  その上で、今、議員から……(発言する者あり)今真剣にお答えしようとしているのです。質問者に対してお答えをするのでお聞きをいただきたいと存じます。  先ほど申し上げましたように、私自身、特に若い方々の失業率の高まりというのが本気で気になっております。高年齢の方々に対してややもすると職をなかなか与えない、そういう癖が前からこの国にはありまして、これ自体が問題でありましたけれども、失業者数に対し有効求人倍率が若年において一・〇を下回ったということは、今まではまだ多少自分が好きでない職を選べばチャンスがあるということであった雇用情勢が、本当にそれでは済まなくなった。その意味での深刻さは極めて大きなものととっております。そして、今回の総合経済対策の中にも雇用についてのプログラムを持っておることは議員も御承知のとおりであります。  その上で、私どもは今、この財政構造改革法につきましても、特例公債発行枠の弾力化等の修正を加え、御審議をいただこうとしているわけでありますが、私どもとしては、こうした事態を回復するために全力を挙げて努力をしてまいり、その中で自分の責任は果たしていきたいと考えております。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 総理が雇用問題に真剣に取り組んでおられるということは私も理解をしました。  しかし、私がお聞きをしたいのは、こうなったことについての政策判断の誤りの責任をお認めになるんですかということなんです。  先ほど来経企庁長官は、昨年の秋から景気は厳しい状況になったということがございました。つまり、山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行、十一月に三つの金融機関の破綻が相次いだ。また、そのころにはアジアの通貨危機、経済危機がますます深刻になってきまして、経済の先行きに対する信頼感が低下したのが十一月である。そういう答弁でございました。  日本経済がそういう重大な局面にあるときになぜこの財革法を成立をさせたんですかということを私はお聞きしたいんです。その結果において、超緊縮予算を組まなければいけない、ますます景気に水をかけてしまうんではないか。  つまり、総理は当時、将来の財政再建に真剣であったということは私もわかりますが、それにこだわる余り、目先の経済や景気の動向について気配りが足らなかったんではないですか。そういう政策判断の誤りというのはお認めになるんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今現実の経済情勢の中から御論議をいただけば、私はその御批判は甘受しなければならないと思います。  経済企画庁長官も先ほどいろいろ述べておりましたように、本年に入りましてから発表されました十−十二のQE、あるいは二月の失業率、日銀短観、こうした新たな経済指標によって議員が今述べられたようなことが裏づけられたわけでありますが、私どもとしてその間、確かに財政構造改革の必要性というものを真剣に考えておりましたし、同時に、それは財政構造改革だけにこだわっていたつもりはございませんけれども、今から御批判を受ければ、その御批判は甘受しなければならない部分を多く持っているであろうということは、私もそのとおりに受けとめます。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 今、甘受しなければならないという、そういうお答えでした。十一月二十八日に財革法が成立しまして、総理はそのわずか十九日後の十二月十七日に、九年度補正予算で二兆円の所得税、住民税の特別減税を行うという記者会見をされました。つまり、ある意味では一貫性のないことをやっていらっしゃるわけです。財革法の成立によって、今後赤字国債は減らしていきますという宣言をして、わずか半月後にその赤字国債を使っての減税をやりますと。つまり、その時点においてもう既に総理がちょっとこれは政策判断に誤りがあった、そう気づかれたから私は十二月十七日にあえてそういう御決断をされたんだと思います。  先ほど、甘受されますと言われましたのでそうお聞きしておきますけれども、そうであればなぜ、私に言わせたら、その時点で総理はみずからの判断の誤りに気づいていらっしゃったんですからなぜもっと適切な対応がとれなかったんでしょうか。要するに、今財革法の改正案を提出されています。私はこの改正案は不十分だと思いますけれども、しかしそういう決断をされるのであれば、なぜこの十二月の時点でといいますか本年度の予算が成立する前にこういう思い切った改正に踏み切れなかったんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今どう申し上げたらいいのか、とっさに困りながら立ちましたが、ちょうど十一月、APECの非公式首脳会合が行われる直前、山一の破綻が表面化をいたしました。そして、ASEANの何十周年でありましたか、ちょっと今とっさに思い出せないんですが、何十周年かを記念し、ASEANのリーダーと中国、韓国、日本、それぞれの代表者の会合がございました。そうした中で私なりに判断をいたしましたのが特別減税の復活であり、またその特別減税の復活を含め昨年度補正予算の作成でありました。そして本年、通常より国会の召集を早めていただき、衆参両院に御協力をいただき、まずこれらの法案から審議にお入りをいただき成立をさせていただいたこと、御記憶のとおりであります。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 もう少し詳細にお尋ねをいたします。  十二月十七日に特別減税の復活を決意されました。私は、これは総理の心境としては財政再建一本やりではだめだ、景気対策も重視しなければいけないというお考えだったと思います。しかし、一方で財政構造改革法はそのままにしまして、公共工事は七%カットする、福祉は圧縮をするという予算編成をして提案されたわけです。  つまり、一方でそういう特別減税というアクセルをちょっと踏んだと思ったら、今度はまた十年度予算におきましては急ブレーキを踏む、そういうちぐはぐな対応をされたわけでありまして、そういうことをすればもうこの特別減税の効果も相殺されてしまって景気を一層冷え込ませてしまうんではないか、そういう御懸念は持たなかったんですかということなんです。だから、その時点でもっと思い切った、今回のようにとは言いませんけれども、今回でも不十分だと思いますが、そういう決断がなぜできなかったのか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) なぜできなかったのか。まさに特別減税を決断し、補正予算の御審議を願い、そして平成十年度予算、それなりに工夫をし、その当時として最善を尽くした予算として編成をし、政策減税等を加えてまさに国会の御審議をお願いしたわけであります。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 私は、平成十年度予算が成立する前に総理がもっと思い切った措置をとっておられたら今回のように景気の悪化という傷口が広がるということはなかったと考えているのです。  私たちは、今の経済の状況は戦後最悪なものであり、物価下落と経済停滞が同時に進行するデフレスパイラルの直前にあると認識しています。この状況を打開するためにはこれまでにない大胆な政策を打ち出さなければなりません。  そこで、私たち公明は、浜四津敏子代表が一月三十日、景気回復のために十兆円の減税を行うことを提案いたしました。内訳は六兆円の所得税、住民税、法人税の恒久減税、そのほかに消費税アップ分にほぼ見合う四兆円規模の特別戻し金を行う、消費拡大、景気浮揚のために一年間の期限つきの商品券でお一人ずつ三万円支給をするという提案をいたしました。これはもう総理もこの予算委員会等で御承知だと思います。  そこで、総理も所得税、住民税の特別減税はやらないやらないと言われながら、四月九日になりまして、ことしじゅうに二兆円の減税を上積みする、来年も二兆円の特別減税を継続するという記者会見をされまして、そしてまた今回の審議になっているわけです。もちろん減税になって困る人はいないわけですけれども、しかし一般世間ではこういう総理の対応について、後手後手で小出しである、そういうことも言う人が多いわけです。  それで、日経新聞と日経産業消費研究所が四月十七日から十九日にかけまして緊急世論調査を行いました。それによると、九八年に行う四兆円規模の特別減税の実施で買い物や消費支出をふやすかという問いに対しまして、変わらないとの答えが七六・一%だったということなんですね。ですから、そうやって同じ減税をやるというふうに決断をされたのなら、どうして我々公明が提案をしているようなもっとどんと思い切ったこういう減税方式をおとりにならないんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、所得税あるいは法人税等において六兆円規模というお話をいただきましたけれども、私どもは今、所得税と申しますより所得課税、法人課税と言いかえさせていただきましょう、それぞれについての検討を既に国民にその方向も含めて申し上げております。すなわち、所得税について、過去二度にわたる抜本的な税制改革の中で、大半のサラリーマンの方は一〇から二〇%の生涯の税率が適用される。最高税率の問題を除きますと、フラット化が随分進みました。一方で、累次にわたる減税の結果として、課税最低限が本当に他の国々に比して高い。そうしたことから、所得課税全体としては先進国の中で日本は一番低い負担で済んでおります。  同時に、こうした問題とあわせて、各種控除などのあり方でありますとか資産性の所得課税、あるいは年金課税、個人所得課税については、いろんな角度から御議論が既に出ています。ですからこうした課題について、政府税制調査会あるいは与党税制調査会におきまして、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指してきちんとした検討を進めていきますということを既に私も申し上げましたし、大蔵大臣も申し上げてまいりました。  また、法人課税につきましては、地方税としての法人事業税の問題を内蔵しておりますことは、きょう午前中、片山議員の御質問でも申し上げたとおりでありますが、三年以内、できるだけ早く国際水準並みにということで方向を出しております。  そして、商品券を国民に支給される、これはむしろ税というより私は給付金や何かと同じように歳出の方の措置だと思うのです。(「税金とは言っていないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、先ほど十兆円の減税という言葉を使われましたので。そして、商品券等を配られるということでありますなら、私はこれは本当に歳出措置だなと思います。その場合には本人確認の問題とかさまざまな課題が現実に存在することも事実だと、そのように思います。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 私も一遍に言いまして総理も一遍にお答えになりましたので、一項ずつやっていきますけれども、まず、この商品券方式という我々の提案が、それが歳出の措置なのか税の措置なのか、そういう法律論をここで議論しようという話じゃないんです。  しかし、三月二十四日の予算委員会におきまして、総理も御記憶があると思いますが、我が党自浜委員の質問に対しまして、こういうお答えなんですよ。「大きくその中を分けられまして、所得税減税ともう一つ、金券という戻し税を言われました。私は、その二つは確かに消費に与える影響には差があると思います。」、そうおっしゃっているわけですね。だけれどもできないと。  そうおっしゃった後で、しかし、その方式はとり得ない。なぜかというと、これは「財源構成の上から先ほど申し上げたような問題点がある」ということで否定をされているわけなんですよ。  要するに、確かに消費に与える影響には差がある、商品券方式の方がすぐれていると言われた上で、しかしそれは赤字国債の発行を伴う話であるからできませんということをおっしゃっているわけですよ。しかし今回、四月九日に総理御自身がもう四兆円のそういう特例公債を発行して減税に踏み切ろうというふうに決断されたんですから、そうであれば、なぜ総理御自身がこちらの方が効果がありますという、我々の言っているような商品券方式をとらないんですかということをお聞きしたいんです。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) いかにして消費をふやすかということをお考えになっての提案だと思います。そしてアメリカでかつてやったことはあるそうでありますけれども、アメリカの場合には納税者番号制があるそうでありまして、本人確認がそれによってできる。日本の場合には納税者番号制がありませんので、どういう人が所得税を納めているのか等々、本人確認が極めて難しい。そういったことから、税務執行の事務担当者の意見を聞きますと手続的に無理だという話でございました。  それからもう一つは、それをするとすれば、先ほど御指摘がありましたけれども……(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 静粛に。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 当然のことながら、その財源は特例公債に頼らざるを得ない。後世代の負担においてそれをするということはいかがなものであろうかということでありますので、消極的にならざるを得ない、こういうことでありますので、御理解を願いたいと思います。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 大蔵大臣、それはおかしいですよ。だったらどうして今度この委員会に特例公債を発行しての所得税・住民税減税を提案しているんですか。同じじゃないですか。  その点、まずお答えいただけますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) これはしばしばお答え申し上げておりますように、特例措置として特別減税を実行することでありますが、それがほかの真に必要な社会資本投資とその他の措置とあわせて景気の浮揚に資するという考え方で実行するわけであります。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 ですから、私もこのような戦後最悪の不況にかんがみて、特例措置として商品券方式でやったらどうですかということを提案しているわけです。  それは大蔵大臣、大臣も政治家なんですから、私は官僚の言うことばかり代弁する必要はないと思うんです。本当に大臣あるいは総理に生きた政治を実行しようという決意があれば、それはいろいろ技術的な問題はあるとは思いますけれども、そういうことは私は克服できる、そのように思っています。  そこで、また総理にちょっとお聞きしますが、先ほど所得税課税について、公正、透明で国民の意欲が引き出されるような税制の見直しということを再三おっしゃっています。そういうことを進められるんだと思います。  総理の描いておられる所得税の改革というのは、いわゆる税制の中立の改革なのか、それとも実質的な減税なのか、どっちを想定されて今回検討を指示されているんですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、先ほど大蔵大臣からお答えをいたしましたのを私なりにちょっと補足させていただきたい、その戻し税方式。  これ私、一番問題は、その戻し税による金券を受けた方が追加的に何か物を買うのに充てていただいたときに初めてプラスが出てくると。本来、自分の暮らしのために必要な部分にそれをお使いになった場合には追加的な需要は生じないという問題は御論議の中でどういうふうに扱われたんだろうということなんです。追加的な需要になる人だろうか。そこに一つの問題点はあるんじゃないかという気持ちはございました。  それから、所得課税についての論議、政府の税制調査会は既に論議を始めてくれていると思いますけれども、中立あるいは何々という方向は私からはつけておりません。むしろ、所得課税全体の中で各問題点を詰めていった場合、それはどういう結果になるのか予測しがたい部分を持っておりますから、例えば資産性所得課税について、あるいは年金課税についてという問題点は既に私は申し上げておりますけれども、同時にその中には恒久的な地方税財源としての住民税も入っております。  これは法人課税における法人事業税の問題と同様でありまして、トータルの減税を立てていきますときに地方税財源という問題を超えていくわけにはいきません。超えてという言い方はちょっと失礼しました。飛ばして議論をすることはできませんから、むしろ方向は論議の中からおのずから出てくる。しかし、増税になるようなことがあっては困るなと思いながら議論をお願いしております。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 前段の部分、追加的な支出に回るかどうかということは、先ほども申し上げましたように、総理御自身が予算委員会の答弁の中で、効果に差がありますとおっしゃっているから私はお聞きをしたんです。  それで、所得税の改革、増税になるようなことは考えません、それは当然だと思いますが、ただしこういう議論もあるわけです。所得税、住民税の最高税率は引き下げるべきだ、課税最低限は下げるより仕方がないという見解もあるわけです。それは言葉は悪いですけれども、いわゆる金持ち優遇というようなことになるわけでありまして、私は所得税減税の名のもとにそういうことがあるのであれば反対であります。  ですから、今申し上げましたように、減税の名のもとに低所得者に負担が重くなる、こういうことはまさかありませんね。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 所得税改正の問題につきましては、既に委員も御承知と思いますが、公正、透明、そして国民の意欲を沸き立たせるような税の仕組みを検討していただきたいということを政府税制調査会に実は諮問をいたしまして、そして論議をお願いしているところであります。  なぜそういう仕組みになっておるのかというと、税というのは国民に対してどういう負担をお願いするかという問題でありますから、税についての専門的な知識や経験を持っていらっしゃる国民の代表的な方々に委員になっていただいて、現在、加藤寛さんが会長であったかと思いますが、その審査をお願いしておるわけであります。  具体的にどういう方向に行くかということを税制調査会の論議が深まる前に政府ないし大蔵省の側から方向性を示すということは税制調査会の論議について必ずしもいい影響を与えないから、とにかく学者として、専門家として、消費者代表も入っていらっしゃいますけれども、しっかり腰を据えて論議をお願いしたいというわけでお願いしているところでございます。  なお、委員御承知のとおり、総理からもしばしば御答弁がありましたけれども、我が国の所得税の税制、三千万とかそれ以上の人は非常に高い税率になっていますが、その他の方々については世界の中でも最もフラット化が進み、所得税の負担は軽い水準にとどまっているというのが実は現実の姿であります。  したがって、どの党も所得税減税とおっしゃっていますけれども、どういう階層のことを念頭に置いての主張なのかよくわかりませんものですから答えようもありませんけれども、とにかく税制調査会で既に基本問題小委員会というのができまして、その基本問題小委員会で腰を据えての議論がなされ、そして政府に対する答申がなされるものと、こういうふうに期待しております。  その答申を受けて、それを尊重しながら政府で減税に関する改正案をまとめまして、それを国会に提出して国会の御論議を得たい、こういうことになるわけでありまして、そのことはひとつ、既に御承知と思いますけれども、申し上げておきたいと思うのでございます。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 私が申し上げたいのは、所得税減税の名のもとに低所得者層の負担が増になる、もしもそういうことが予想されれば消費者心理というのはますます冷え込んでしまうということを申し上げたいわけでございます。  そこで、残された時間、この財政構造改革に関連して、徹底して税金のむだ遣いをなくすべきだということを論じたいと思います。  今、不況によるリストラや就職難とは無縁な人々がいるわけなんです。去る五月十八日に平成九年分の高額納税者リストが公表されました。これを見ますと、元大蔵省事務次官長岡実氏を初めとしまして、各省庁の次官経験者等の高級官僚が一千万円以上の所得税を納めた高額納税者としてずらっと名を連ねております。その実態は、公務員を退官後に特殊法人や民間企業を短期間に幾つも転々として渡り歩き、そしてその都度退職金が雪だるま式に膨れ上がるという構図になっています。その一方で、この高額納税者リストを見ますといわゆるベンチャー企業の社長等は全然載っていないわけであります。  そこで、総理にお聞きしたいんですが、こういう事態は異常だと思いませんか。特に、国が補助金を出している特殊法人が多額の退職金を払っていく。例えば、建設省の高級官僚が道路公団の総裁に天下りをしますと、四年間勤めますと退職金が二千六百万円にもなる。まさに大企業のサラリーマンが一生働いた退職金を四年間で手にするわけです。私に言わせたらまさにこれは公費天国、高級官僚天国でありまして、こういう税金を使った官僚OBの特別扱いというのは即刻やめるべきだと思います。総理、いかがですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、議員からそういう御指摘があるということで新聞の切り抜きをきょう目を通してみました。こんな退職金が、すごいなと思った方も正直あります。  しかし、それは逆に、個人ではなくて特殊法人の役員の退職金というもののルールがどうであるか、あるべきかということでしょう。その場合に、特定された任期内におきましてその法人の業務の運営にどれだけ重要な責任を負うか。それは当然ながら民間企業の役員と同じような性格を有しているわけです。  また、これは答弁資料をそのまま引用しますとおしかりを受ける可能性があるんです、事実と大分違うところがあるものですから。というのは、特殊法人の役員に民間人の起用を促進する必要があることから、支給基準について民間企業役員の退職金の支給基準に均衡を持たせているとあります。ただ、もし本当にそうだとするなら、私は特殊法人の役員に民間人がもっとたくさんいていいはずだと思いますけれども、現実にそれほど多数民間の方がおられるとは私には思えません。  そして、平成九年の人事院が実施した民間企業役員の退職金実態調査というものを見ますと、特殊法人役員の退職金の現行水準は民間の水準を超えておらず、必ずしも不当とは言えない状況という報告になっております。  しかし、いずれにしても、やはり御指摘を受けるようなことは本当に余り望ましいものではないと思いますし、民間から有能な人材を起用するためにそれだけ退職金に魅力を持たせておるのなら、もっと民間から特殊法人によい人材をスカウトする努力が払われてしかるべきだと私は思います。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 それは望ましいことじゃないということはいいんですけれども、そうであればこの見直し、改革、是正に取り組んでいただけませんかということなんです。どう考えましても、閣議決定の基準によって四年間働くと十七・二八月分の退職金が出る、四年働くと一年以上の退職金が出るなんという会社は民間にはないわけです。そういうことを国から補助金が出ている特殊法人がやっているんですから。  総理、それが余り望ましくないというふうに思われるんでしたら、直ちにこれは検討といいますか見直しを指示していただけませんか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今の御意見は確かに承りました。そして、関係当局にそうした指示をいたします。その上で……(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 静粛に。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) その上で、現実に民間から人材を起用しようとした場合の苦労が非常に大きいことも事実として御理解はいただきたいと思います。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 次に、公共事業問題につきましてお尋ねいたします。  私たちは、公共投資については、やるべきところはやる、やるべきものはきちんとやっていくというスタンスであります。しかし、むだ遣いというのは徹底的に見直していかなければいけない。これが本当の財政構造改革である。単に一律に七%カットするということが公共事業の改革ではない、そう思います、大蔵大臣もうなずいていらっしゃいますが。  そこで、これは総理にお尋ねしようと思いましたが、ちょっと中座されましたので、大蔵大臣にお聞きします。  この財政構造改革法にも公共工事の重点化と効率化ということがうたってありまして、施政方針演説でも総理がそうおっしゃっています。では、実際、どのくらい総理、大蔵大臣のリーダーシップのもと、実態を伴った重点化、効率化ができているかということをお聞きしたいんです。  今、いろんな媒体あるいはいろんな方から公共事業のむだ遣いということが指摘されているわけでありまして、幾つかちょっと例をお話しいたします。  たった一軒の牧場に農道十五億円。これは四国のあるところですけれども、わずか八キロメートルの建設道路に九年がかりで総工費十五億円、利用するのはたった一軒の牧場、一メートルあたり二十万円。二つ目、環境庁特殊法人が国立公園に建てた幽霊ホテル、これは中国地方です。環境事業団が約四十億円の工費を投じてつくったホテルは、完成後四年を経過したが野ざらし状態だと。三つ目、総事業費百億円をかけた埋立工業地に風俗店。これは関西地方ですけれども、二十年前に工業用地を造成した。十分に活用されるどころか、そこには風俗店が建っている。しかし、それにもかかわらず、さらに二百五十億円を投じて残る海岸線を埋め尽くそうとしている。あるいは有名な話で、ウルグアイ・ラウンド対策費で全国二十八カ所の温泉施設をつくったとか、あるいは今年限りで事業が廃止となった農道空港の問題。私は、今五つ指摘をいたしました。  このうち、幽霊ホテルなんというのは論外ですけれども、すべて何の役にも立っていないとは私は申し上げません。しかし、これだけ財政が逼迫しているときにあえてつくらなければいけない施設だとはどうしても思えないんです。まだほかにもそれはいっぱいありますよ。  大蔵大臣は、こういう実態についてきちんと報告を受けていますか。また、今指摘した案件だけではなく、世上むだ遣いではないかというふうに指摘されている案件にどう取り組んでいかれるんですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 委員がおっしゃいました、必要な公共事業はやるべきだと、社会資本整備は、しかし必要性の低いあるいはむだと思われるようなものはやるべきじゃない、それは全く私同感でございます。そういう形で歳出というものを制度、仕組みの根本にさかのぼってむだを省く、あるいは効率化する、重点化する、そういうやり方で歳出の縮減合理化を図っていくというのが財政構造改革を進めていく上でも大事なことだと、こう思っております。  そこで、平成十年度の予算におきましても、重点化、効率化を図るという観点から、経済構造改革の進展に資する物流効率化関連事業などに優先的な配分を行うとか、あるいは十八のダムを中止または休止するとか、十八の港湾を休止するとか、あるいは二つの干拓事業を中止するとかそういった措置を十年度の本予算で実はしておるわけであります。  さらに、各省庁ごとに効率化とかあるいはむだなものをなくすとかやったのは、各省庁でやっている点があるわけでありますが、大ざっぱに言えばそういったことをやっておるわけであります。  補助事業についても、単に補助の要請があったからということでつけるんじゃなくして、それが本当に必要か、本当に現在の国民はもちろん、後世代の人もつくっておいてくれてよかったと感謝するかどうか、そういった観点から慎重に審査をした上で補助はつけるべきものだと、こういうふうに私は考えます。そういう方向で経費のむだを省く、同時にまた工事費についてもコストの縮減を図る、あるいは時の経過によって必要性のなくなったものは縮減するとか、そういったいろいろの知恵を絞ってむだを省く、効率化をする、重点化をする、コストの縮減をやる、こういったことでやっていくべきものでありますし、そういうことで私はこの公共事業予算というものは決めていきたい、こう考えているところでございます。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 私は、具体的に指摘したことについて報告を受けて、把握をしていらっしゃいますかということを聞いたんです。  では、総理にお聞きしますが、総理も施政方針演説で公共事業の重点化、効率化ということをおっしゃいましたね。私は、そもそも公共工事というのはその内容や箇所づけにつきまして国会の議を経ることなく閣議決定で決まるというシステムそのものが問題じゃないかと思います。その結果、いわゆる族議員が激しい圧力をかけて分捕り合戦が起きるという実態があったんだと思います。だから、納税者の観点からいえば、公共事業の内容がオープンの場で議論されずに決まっていくというのは異常な事態ではないかと思うんです。  そこで、私からの提案ですが、少なくとも一定規模以上の公共事業につきましては国会での審議を義務づけるというようなことをお考えになったらいかがですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、ちょっと中座をいたしまして、具体的に議員が指摘をされたという部分を聞き落としましたので、その点はおわびを冒頭申し上げます。  その上で、公共事業の再評価システムの採用を平成九年十二月五日に各省に対して指示いたしました。これは、再評価のシステムとなる事業の範囲は各省庁主管のすべての公共事業を対象とするわけでありますし、また、再評価を実施するそのルールとして、事業採択後五年間を経過した時点で未着工の事業、あるいは一定期間を経過した時点で継続中の事業、これは物によって事業特性に応じ五年から十年という時間の幅を置いておりますが、社会経済情勢の急激な変化などによって見直しの必要の生じた事業、そして、その再評価の視点として事業の進捗状況あるいは費用対効果分析の要因の変化、地元の意向の変化といったようなこと、さらにコスト縮減の可能性とか代替案の立案の可能性、幾つかのポイントを置きながら、いかにこれに第三者の意見を加えるかという視点からの検討を指示いたしております。  その上で私は、必ずしも一つ一つのプロジェクトという形に、うまくそういう御審議になじむんだろうか。今の予算の仕組みからいきまして、総額を御論議いただく中で個別事項についてお尋ねがあればお答えをしていく。その中で、例えば一つの空港を例にとっていただき、その空港へのアクセスの道路の整備あるいはその他の関連する部分もまとめて御論議をいただくといったようなことはできるわけでありまして、金額で線を引いて、それ以上を国会の御審議に全部をゆだねるという手法が必ずしも私は望ましいとは思いません。事業の効率性といったことを考えましても、むしろより大きな御論議をいただくことが可能であれば、ぜひそうお願いをしたいと思います。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 今、総理は、第三者の意見もきちんと取り入れていくというお話をされましたね。そうであれば、私はもう一歩進めまして、公共事業監視委員会といった公共事業について強力な中止勧告権限を持つ第三者機関を設置するというようなこともぜひ検討していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) ただいま委員から公共事業の再評価実施につきましてのお尋ねでございますが、格別総理並びに大蔵大臣から今それぞれお答えもございましたので必要なことだけ申し述べさせていただきますが、公共事業の再評価に当たりましては客観性、透明性の確保が重要でございます。そのことは十分認識をいたしておりますが、再評価システムでは、学識経験者等の第三者から成る事業評価監視委員会を設け、評価に当たりましてはその意見を聞き、尊重をすることといたしております。再評価の手続の透明性を図るため、評価手法でございますとか評価結果、対応方針については積極的に公表してまいる、こういうことで取り組んでおるわけでございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 荒木君、時間です。

荒木清寛公明

○荒木清寛君 私は、歳出のむだを生む構造を抜本的に見直し、本当に必要な分野に財源が回るようにすることが真の財政構造改革だと思います。今回の改正にはそのような視点は十分ではないと私は考えます。また、我々が主張している恒久減税を実施する上でも今回の改正では不十分でありまして、財革法の執行を停止しまして、その間に根本的な改正を考えるべきである、そのように申し上げまして質疑を終わります。(拍手)

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 冒頭まず、既に他の議員からも質問が出ておりますが、順序としてひとまずお伺いをいたしたいと思います。  財政構造改革というのは大変重大な課題でございまして、これを見送るならばまさに国鉄債務の二の舞になるだろう、こういうように考えられる問題でございます。二十一世紀初頭においては少子・高齢化社会を我が国も迎えようといたしておりまするし、こうした中で余裕のある今のうちに財政を健全化させようということにつきましては、まことに理にかなった政策であると考えます。  ただ、今振り返りまして感じますることは、国会で財政構造改革法を審議していた昨年十月から十二月の経済成長率は年率換算でマイナスの〇・七という極めて厳しい状況でございました。そうした状況の中で、金融破綻等の予期しないことも重なってまいりました。財革法自体も、また同時にこれは緊縮予算のいわば宣言とも言うべきものでございますので、景気マインドにはマイナスに働いたのではないかという懸念が事実ございます。  法案の提出自体につきましては、もちろんこれは冒頭申し上げたような性格のものでございまするので、この提出については当然でありまするけれども、その時期については景況感が回復してからではどうだったんだろうか、あるいはまた財政構造改革の実は上げられなかったんだろうか、こういうことが今考えられると思うのであります。  振り返りまして総理のお考えがございましたら、重ねて伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政構造改革法につきまして今さら詳しく申し上げる必要もないかと存じますけれども、政府・与党でつくりました財政構造改革会議は、昨年一月以来半年にわたる議論の末、現下の我が国の財政状況を踏まえたとき、二十一世紀に向けて明るい展望を切り開くためには、経済構造改革を進めながら財政構造を改革し財政の再建を果たすことが喫緊の課題であり、歳出の改革と縮減を具体的に実施する観点から法案を策定し、できるだけ早期に成立を期すとされたものでございます。  昨年の秋、法律が成立をいたし、財政構造改革に一歩を踏み出したわけでありますが、こうした必要性についてはどなたも御異論のないところだと思いますけれども、その後の経済情勢の推移の中でさまざまな御批判を浴びてまいりました。  今回、その財政構造改革法というものの持つ根本と申しましょうか、この法律の持つ意義は堅持しながら、内外の経済・金融情勢に対し臨機に対応できるような枠組みを整備させていただこうといたしておりますが、これはこの考え方そのものが否定されたものだとは私は考えておりません。ぜひ御理解を賜りたいと考えております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 冷え込みの大変厳しい経済状態に対しまして速やかに措置をすることは政府の当然の責務でございます。そのためには、政府は十六兆円を超える総合経済対策を行うことといたしまして、あわせて財革法の改正案や減税法案等を提出するに至っておるわけでありまして、このことは私は当面の当然の政策として高く評価すべきだと思います。ただ、財政出動が必要ということと財政の放漫化とは全く異なるものでありまして、財政構造改革は依然きちっと継続されていかなければならないであろうと思うのでございます。  総理に総合経済対策の効果についてお伺い申し上げまするとともに、当面は景気対策に重点を置くとしても、財政構造改革の方向性は変わらないと確認してよろしいのかどうなのか、お伺いをいたしておきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点に御指摘をいただきました総合経済対策、これは当面の景気の回復のための内需拡大、同時に景気回復の足かせとなっております不良債権問題の本質的な処理を目指すものでございます。同時に、何としてもやり遂げたいと決意をいたしております構造改革を見据えて、これに沿う方向、内容といたしております。  この中に盛り込まれております例えば社会資本整備や特別減税を含みます今回の対策、向こう一年間の効果は、政策減税とか政策金融、土地・債権流動化あるいは土地の有効利用といった施策による効果を見込まないかた目のベースで名目GDPの二%程度の効果があると考えております。  その上で、当面景気対策に重点は置くが財政構造改革の方向は変わらないねという御指摘をいただきましたが、まさに政府としては従来から、内外の経済・金融情勢に対応し臨機応変の措置をとることが必要であるということと同時に、将来を考えましたとき、私どもは何としても財政構造を健全なものにしていくその努力、必要性は全く変わらないということを申し上げてまいりました。  今回、財政構造改革法について加えようとしております、国会で御了承を得ようとしておりますポイントも、その意味においては緊急避難的に個々の状況に適切に対応し得る枠組みを整備させていただきたい、そういうお願いのもとに総合経済対策と補正予算を策定いたしております。私どもはこれによりまして我が国経済が自律的な回復軌道にきちんと乗っていってくれることを心から願っております。  その意味におきましては、財政構造改革の方向性は変わらず、当面景気に重点を置くという議員の御指摘は私どもの方向をきちんと把握していただけているもの、そのように感じております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 財革法の改正案におきましては、特例公債の発行を弾力化する一方、公共事業等の歳出予算のいわゆるキャップ制については弾力化せずに堅持をいたしておるわけであります。今後、仮に経済活動の著しい停滞があった場合におきましても、公共事業の財政出動によるものということではなく、むしろ減税等の歳入側の操作によって景気刺激策をとっていくのが政府の基本姿勢ではないかと思われます。  また、租税のあり方を見直し、民間活力を高めることは景気回復のためには極めて有効であると思うのであります。そうした点から、政府税調におきまして小委員会が設置され、幅広く税のあり方について議論をしておられると聞いておりますが、総理御自身は今後の税制のあり方についてどのようなお考えをお持ちになっておられるか伺っておきたいと思います。大蔵大臣、あわせてお願いいたします。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 細部にわたりましては大蔵大臣から御答弁を申し上げますけれども、二つのポイントについて主として申し上げたいと存じます。  一つは所得課税の問題であります。所得税につきまして既に二度にわたる抜本的な税制改革が行われ、これにより大半のサラリーマンの方が生涯一〇から二〇%の税率が適用されるなど、最高税率などの問題を除きますとフラット化が進んでおります。  一方、累次にわたる減税の結果として課税最低限が諸外国に比べて非常に高くなりました。言いかえますと、所得課税全体の負担としては主要先進国の中で日本は一番低い国であります。こうした問題、同時に各種控除のあり方、あるいは資産性の所得課税や年金課税のあり方など、既にいろいろな角度から個人所得課税については問題が提起をされております。こうしたさまざまな問題について、今回、税制調査会に思い切ってオープンに議論をしていただく、その中で将来に向けて国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指したいというのがまず第一であります。  第二に、法人課税につきまして、御承知のように、平成十年度改正で課税ベースを適正化しながら税率の引き下げを行いました。そして、今後三年の間にできるだけ早く総合的な税率を国際的な水準にしていきたいと考えているわけであります。これも地方の法人事業税には外形標準課税の問題等があるわけでありますし、地方の独自財源としての重要性もおのずから住民税とともに存在するわけでありますが、これらを総合して法人課税のあり方について真剣な検討をしてまいりたい、その作業を政府税制調査会で始めていただけた直後の状況でございます。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、総理がお答えになったことに尽きるわけでありますが、いずれにせよ税の問題は国民の直接の負担とかかわる問題でありますから、そこで税の専門的な学者、経験者あるいは一般国民代表、そういう方々にお集まり願って、そして税制調査会というところで腰を据えて論議をしていただいて、そこで一つの方向性、具体的な案を出していただいたならば、それを尊重して政府が案をつくって国会の御審議をいただく、こういう仕組みになっていることは委員御承知のとおりでございます。  政府としてお願いしたことは、個人所得税につきましては公正、透明、そして国民の意欲が引き出せるような、そういう税制のあり方について御審議の上答申を願いたい、法人課税につきましては三年以内のなるたけ早い時期に、先進諸外国の実質課税に近づいたような形で、あるいはその水準で法人税課税ができるような方法はどうあるべきか、こういったことについての御議論をお願いしているところでございます。そして、現にその議論が始まっているところでございます。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 完全失業率はことしの三月で三・九%という状況でございまして、いわば過去最悪の状態に陥っております。有効求人倍率も〇・五八というわけで、これまたまことに極めて悪い数字でございます。  総合経済対策では緊急雇用開発プログラムといった対策を打ち出しておるわけでありますが、これに今回の公共事業の積み増しが加わるわけでございまして、両々相まって失業率をどの程度改善する効果があるのか、また見込んでおるのか、これをひとつ伺っておきたいと思っております。  また、最近、先ほども触れておられたように思いますが、高校卒業生等の若年者の失業問題が大変深刻になっております。いろいろ状況を見まするというと、この現状及び対策等については極めて深刻な状況にあるのでありまして、この辺のところをひとつ伺っておきたいと思います。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今、先生がおっしゃいましたとおり、雇用は大変厳しい状況にございます。そして、先ほど総理がお答えを申し上げましたように、今般、特別減税や社会資本の整備等で十六兆円を超える総合経済対策を行い、またそのための所要の措置を国会へ提出し、御審議をいただく予定でございます。それによりまして、先ほど申し上げましたように、約二%のGDPを押し上げる効果がある。そして、一%のGDPがふえますれば、それがどの程度雇用に影響するかという過去の数字は〇・三から〇・七の間でございます。この数字で計算いたしますと、二%のGDPが押し上げられることにより、新規に三十万人から七十万人の雇用創出効果がございます。  一方、現在景気が悪うございますので、これ以上雇用が悪くならないために、緊急雇用対策というものを今回の補正予算の中に措置をいたしたわけでございますので、これ以上失業が新たに出ないという前提で、今申し上げました三十万ないし七十万がネットで雇用創出効果という上乗せをされると考えますと、失業率は大体〇・四から一・〇改善するということになります。今三・九でございますから、三・五から約三%の間、効果が出てまいりますればそのようなことかと試算はいたしております。  いずれにしろ、これはあくまで試算でございまして、一番大切なことは、国民の将来不安を取り除きましてもう少し消費をしてもらう、将来不安のために貯蓄、貯蓄、貯蓄という感じにならないような状況をつくり出していくということが大切かと思っております。  それからもう一つ、新卒の方々のことについて御心配をちょうだいいたしておりますが、高卒の今年三月の就職率は九六・二%でございます。それから、大卒で九三・三%でございまして、これは前年同期に比べますと、高卒で約〇・五%、それから大卒で一・二%就職率が低くなっている。ここにも先生御指摘のような悪い影響が出てきております。  総理が先ほど申しましたように、特に二十四歳以下の方は、従来働きたい人が百人おりますと百以上の職があったのでございます。しかし、この一カ月ばかり、百人働きたいという方に対して職は八十七という数字になっております。一方、今日の日本をおつくりいただいた六十歳以上の諸先輩は、百人働きたいという方がいらしても職は実は七しかないという、これは過去からそういう状況でございます。そこで、二十四歳以下の方は、今平均三・九の失業率であるのに九・二という失業率になっております。  この数字は非常に厳しゅうございますが、同時に百に対して八十七仕事があるということは、働く気概と汗を流すことのとうとさを若い人たちが感じていただいて、仕事のミスマッチといえばそれまででございますが、進んで仕事についていただければここのところの失業率はもうちょっと実は下がってくる数字でございますので、私はかつて日本をつくられた方の気概を若い方々にもぜひ持っていただきたいという気持ちは持っております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 総合経済対策におきましては、臨時福祉特別給付金等の支給はありまするけれども、社会保障の分野についての財政出動が大変乏しいのではないか、こういうふうに見受けられます。  今回の改正案で平成十一年度予算編成の社会保障費につきましてはキャップを外すこととしてはおりますが、社会保障分野においてもっと思い切った財政出動があってもよいのではなかったか、このように考えられます。また、老後の不安が消費マインド悪化の一因となっていることも考え合わせまするというと、福祉分野での財政出動というものは景気刺激策として今後大変効果があるのではなかろうか、このように感ずるものでございます。この点、試算がございましたら伺っておきたいと思います。  また、介護等の福祉分野の拡充につきましては若年者雇用の解消にも役立つと考えられるのでありまして、雇用対策としても社会保障関係費の積み増しは大変有効であると思われます。こうした観点から、今回は平成十一年度予算についてだけ社会保障費のキャップを外しましたけれども、これはなお今後継続するということも考えられてよいのではないか。  厚生大臣並びに総理の御見解を承りたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 総合経済対策で福祉対策にもっと思い切った財政出動をすべきじゃないかということなんですが、福祉関係、社会保障関係というものを景気対策でやるかどうか、これはまた論議の必要なところだと思います。  本来、社会保障関係予算というのは年度で見るべきであります。緊急避難的にやるという問題じゃないということから考えれば、今回の経済対策という面におきましては、社会保障関係の日ごろの手当てについて、公共事業部門でできることはないかということから、ダイオキシン対策とかあるいは今後の介護基盤整備等の問題について、本来一般会計で見なきゃならない社会保障に関しても公共事業的なものがあるという点については、私はできる限りの措置を今までにない形でできたと思っております。  また、社会保障関係の十一年度の上限枠は外したけれども将来も外す必要があるのではないかということでありますが、これからの財政構造改革ということを見ますと、このまま社会保障関係費というのをほっておきますと高齢者がふえます。どんどん財政の出動をしなければならない。ということは、結局税金を手当てしなきゃならないということなんです。  ところが、財政状況を考えると、もうどこから財源を探してくるのかということで今苦しんでいる状況、だからこそ制度的な改正をして給付と負担の均衡を図ろうと。給付が多ければ多いほどいいというのは年金にしても医療についてもみんな同じであります。その給付が多いというのをだれが負担するのか。余りにも若い世代に負担させてはいけないということから、この給付と負担の均衡を図るということで制度改革をしようと。  今まで医療においても負担できる人には負担してもらおう、年金についてもこれからも高齢者の世代と若い世代が給付と負担を両方考えてもらうという制度改革をしなきゃならない。十二年度には当然医療改革も導入しますし、介護保険も導入されます。あわせて制度改革をしながら、あくまでも社会保障関係だから財政出動をしてもいいという状況にはない。  特に財政構造を考えますと、これから一番ふえていくのが社会保障関係の費用であります。この手当てをどうするかということで、現状ではいけないと。やはり改革して、負担できる方には負担してもらって、どうしても負担できない必要な方には国が税金を使ってしっかりとした手当てをしていこうという点を進めていかなきゃならないということをぜひとも御理解いただきたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、厚生大臣から基本的な考え方を申し上げたわけでありますが、議員から提起をされた問題はもう一つございました。言いかえれば、その社会保障とか福祉の分野に財政を投入すること、それは経済効果があるんじゃないか、経済成長に大きく貢献するんじゃないかという問いかけであります。  私は、確かに所得保障あるいは各種のサービスを提供する社会保障制度というものは安定した購買力を国民に付与する、あるいは新たな産業や雇用を創出する、そうした意味で経済の発展に寄与するという面、積極的な役割を果たす面があることを否定するものではありません。  しかし同時に、ただいま厚生大臣から答弁をいたしましたように、本格的な少子・高齢社会というものの進行に伴いまして、その社会保障に係る給付と負担、これはどちらも増大するわけであります。そうすると、一体本当に現役世代がどこまで背負い切れるのかということを私たちは考えなきゃなりません。すなわち、必要な給付は確保しながらも、制度の効率化、合理化というものを進めていく、社会保障構造改革に引き続き取り組んでいく必要は必ず存在する、そしてその道も決して容易な道ではないということはぜひ御理解を賜りたいと思います。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 二十一世紀に入りまして社会保障関係の分野に相当いろいろと財政出動が迫られることは事実であろうと思いまするし、またその方面で新しい分野の創出がなされることも考えられるわけでありまして、これは従来の惰性で考えることができない新しい課題だと考えておりますが、このことは時間の関係がありますので次回に譲りたいと思います。  次に、現下の経済不況との関係で、将来の給与収入や年金給付への不安などから、現在の消費を手控えている側面が大変大きいと考えられます。そこで、そういうような状況であるならば、将来の福祉社会の具体像を明らかにすべきではないか、国民の不安を取り除くことが政府に課せられた大きな責任ではないのかと思います。  しかし、政府自体としては、平成六年三月に厚生大臣の私的懇談会が二十一世紀福祉ビジョンを発表いたしまして以来、福祉社会のあり方について具体的提言は今日までなされておりません。現下の経済不況下におきまして、福祉社会の具体的ビジョンを早急に明らかにすることが何よりも求められているのではないだろうか。  その場合に、ヨーロッパのような高福祉高負担、公的保障中心の社会を将来に展望するか、アメリカのような低福祉低負担、自助努力を中心にした社会の将来展望を描くのか、いずれを目指すのか、これは大きな問題であろうと思うのでございます。この辺について政府答弁を伺いたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) これは結論からいいますと、日本はスウェーデン、デンマークみたいな高福祉高負担ということは避けていこう、かといってアメリカみたいに自助努力を促進して低福祉低負担、これもやめよう、その中間型をとろうと。どこまでが高福祉でどこまでが高負担かというのはこれからの定義で、現在、橋本内閣においては、国民負担率は五〇%を超えない、デンマークやスウェーデンみたいに七〇%を超えるというのは高負担だろうということで、五〇%を超えない程度でいかに福祉、年金、医療、介護等を充実させていくか。ここに主力を置くということから考えますと、私はちょうどヨーロッパとアメリカの中間型ではないかなというふうに考えております。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 時間がありませんので簡単にいたしたいと思いますが、所得課税のあり方について今大変フラット化の問題が出ております。  それで、我が国の場合におきましては国と地方で合計六五%、最高税率の引き下げや所得税で一〇%から五〇%という五段階となっておりまする税率構造の再検討が行われようとしておるわけでありますが、こうした税率の引き下げとかフラット化というものに対しまして、我が国におきましては所得税制の基本理念としてシャウプ税制の考え方があると思うのであります。要するに、所得の再配分機能が十分に果たせなくなっては困る、私はこういう懸念を一つ持っておるのであります。  アメリカにおきましても、レーガン政権、さらにまたブッシュ政権、クリントン政権といろいろやってまいりましたが、大変その点は今日の段階までにいろいろと出ております。そういう意味合いからいたしまして、この問題についてはかなり検討を要すると思うのでありますが、最後に総理のお考えを伺って、終わりたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 所得課税につきましては、先ほど来再々御答弁を申し上げてまいりましたように、ようやく政府税制調査会において論議が始められたばかりでございます。議員の御指摘も胸に置きながら今後注視してまいりたい、そのように思います。

赤桐操社会民主党・護憲連合

○赤桐操君 終わります。(拍手)

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  政府は先月、総合経済対策を発表し、十六兆円、実効ある実行ですなどと宣伝をしております。しかし、その後行われた時事通信社の世論調査では、景気対策に何を望むのかとの質問に、消費税の引き下げが五九・三%と断然トップでした。所得税の減税とか制度減税とか、あるいは公共事業の上積みとか、いろいろ選択肢のある中で、六割もの国民の皆さんが消費税減税を求めた。  総理はなぜこれほど多くの国民が消費税減税を景気対策として求めているとお考えでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 恐らく一つは、多くの国民の皆様は先行して行われておりました所得減税あるいは住民税を含みました所得課税減税というものが定着したために忘れてしまっておられるんじゃないだろうか、そういう思いは率直にいたします。そして、これに見合う形で二%の税引き上げが行われたという因果関係もあるいはお忘れなのかもしれません。  同時にもう一つは、その二%引き上げられました消費税の税率の一%がそれぞれの自治体における地方財源になっておるということも予想外に御存じでない方が多いということを私は時々感じております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 説得力がないと思うんですね。今、国民の皆さんの圧倒的多数が消費税減税を求めているのは、やはり暮らしに重くのしかかっているからであります。  先行減税ということをおっしゃいましたが、これはもうずっと議論されてきました。サラリーマンの九割の方は先行減税よりも消費税増税分の増税額の方が多い、差し引き増税に九割の方がなっているわけであります。その後二%の増税が重くのしかかっている、これを何とかしてくれというのが今の国民の叫びであります。  日本共産党は消費税は廃止すべきだという立場でありますが、今消費税の引き下げを求めているのは消費税廃止の立場からの声だけではありません。  実は一週間前、参議院経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会は栃木県で地方公聴会を行いました。私も参加をいたしました。公述人は県の中小企業団体中央会の会長さん、それから中小製造業の社長さん、商店街振興組合連合会の理事長さん、そして連合副会長の四人の方々であります。  この方々から共通して出された意見は、消費税の中長期的引き上げについては税制の抜本的改正の一環として検討していく必要性を認める、しかし昨年の五%への引き上げ措置は景気に悪影響を与えた、早急に撤回すべきであるというものでありました。私も矛盾しているんじゃないのかと思わず聞いたんですが、そんなことはない、それほど景気は深刻なんだという御回答でした。  ですから、直間比率の見直し論者、高齢化のために将来は税率一〇%も仕方がないと思っているそういう増税論者の皆さんからも、垣根を越えて消費税引き下げを求める声が今噴き出しているわけであります。私は、景気対策に消費税減税を望む声がこれほど強い背景に、消費税減税の持つ性格、特徴があると思うんです。  総理はこれは否定されないと思うんですが、今景気の一番の問題は消費が落ち込んでいることであります。この落ち込んだ消費をどうやって回復するのか、これが景気回復のポイントであります。対策のかぎであります。その点で、消費税の減税というのは物を買うこと、すなわち消費があって初めて減税が生まれる。同じ減税でも所得税の減税と違って貯蓄に回る心配はない。まさに消費と一〇〇%結びついた減税であります。それが消費税の減税であります。  この点は四月十三日の衆議院予算委員会での私どもの志位書記局長との質疑の中でも、総理は、消費税が消費に直結した税であること、消費税の減税が消費に直結していることはそのとおりとお認めになりました。この点、確認してよろしいですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますけれども、議事録を引用されます場合には御質問とともに答えの全部を御披露いただきたいのであります。都合のいい場所だけをピックアップされますと大変誤解を生じます。  消費税は消費額に応じて課税されるという消費税の性格を私はきちんとお答えをいたしました。  どうぞこの次は全文、御質問と答弁全部を御披露いただきたいということをお願いいたします。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 いや、そのこともお答えになっているのは承知しておりますが、しかしその答弁の中で、消費税は消費に直結した税である、したがって消費減税は消費に直結しているということはお述べになっておられます。これは間違いないと思うんですね。ですから、消費税の減税が消費に直結している、これはもう否定できないわけですよ。しかし、実はこれが非常に大事な点なんです。  そこで、きょうはこの消費に直結した消費税が消費に直結しているがゆえに持っている幾つかの特徴について、さらに突っ込んで私は総理と議論をしてみたいと思うんです。  第一は、消費税の減税は確実に消費を増大させるという特徴であります。総理は消費税減税が消費に直結することは否定されませんでした。しかし、消費を拡大するというところまではお認めにならなかったんです。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) そうです。正確にそう言ってください。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 それが正確です。私は何も否定するつもりはない、消費が拡大するということは認めませんとはっきりおっしゃった。しかし、消費に直結し、消費した者だけが減税の恩恵を受けるんですから、消費税の減税というのは私は確実に消費を増大させると思います。  もう一つぜひ考えていただきたいのは、仮に消費税率を二%下げたとすると、国民の皆さんが名目で現在と同じ額の消費を続けるとしたら、これは実質二%の消費と生産の増大が見込めるということになります。  わかりやすく例えをいたしますと、本体価格百円の商品を買うのに、消費税率五%の現在、消費者は百五円必要であります。しかし、税率が三%に下がれば百三円で済む。したがって、現在と同じ百五円の額を消費しようとすると実質二円分新たに消費がふえることになるわけであります。これは否定できないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 経済の状況と消費税の関係につきましてはいろいろ御議論があると思いますが、やはりこれは外国の例も参考になるのではないかというふうに考えております。  日本の消費税は五%でございますが、日本以外の先進地域で一番低いところがアメリカの八・二五%でございますし、いわゆるヨーロッパの国々、付加価値税という名前になっておりますが、イギリスが一七%、ドイツが一六%、フランスが二一%でございます。そういう国々の経済はそこそこ順調にいっておりまして、あれだけ高い消費税、付加価値税の中で順調にいっている経済が大部分であるということは、消費税だけで経済を論ずるのは適当でない、むしろその国の実情に応じて適切なる税制体系をとるということではないかと考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私は今の経企庁長官の話を聞いて、一体どこの長官なのかと思わざるを得ません。今議論しているのは日本の景気問題なんですよ。アメリカ、ヨーロッパの税率、それと景気の関係を云々しているんじゃない。日本の景気がこれほど冷え込んでいる、したがって消費税減税を決め手としてやってくれという声が日本の経済の最前線で活動されている経営者の皆さんから噴き出ているんですよ。  私はもう一遍聞きたい。消費税を二%下げたら、同じ額を消費者が消費するとしたら、その分実質、消費と生産がふえるんじゃありませんか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 消費税が経済に与える影響というものは全体の経済体系の中で考えていかなければならないと考えております。  消費税が十数%あるいは二〇%の国々の経済が順調にいっているわけでございますから、五%の水準の日本の経済が順調にいかないのは消費税のことが原因であるというのは当を得ない考え方であると考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 本当に国民の感覚からずれたお答えだと私は言わざるを得ません。  結局、否定はされないんでしょう。私も仮定の議論をしていますよ。消費税が二%下がったときに、下がる前の同じ額だけ消費をするなら、これは事実上二%分消費と生産が拡大するんです。つまり主婦の皆さんが例えばこれまで買い物をされていた、しかし消費税が減税されて浮いた分新しく何か買おうかな、きょうはおかずに冷ややっこでもつけようかなと、そういう気持ちがわいてくるということなんですよ。それが消費を拡大するということなんです。  これは百円とか千円とかの話であったらわずかかもしれませんけれども、そういう活動が国民の経済全体の規模で行われると大変大きな消費と生産の拡大になるんです。九五年の民間最終消費支出は約三百兆円ですから、消費税二%減税で同じ額皆さんが物をお買いになったとしたら、二%分で約六兆円新たに消費はふえるんですよ。これは否定されなかったわけですけれども、大変大事な点だと私は思います。  第二に議論してみたいのは、消費税の減税は所得の低い層ほど負担軽減率が大きくなるということであります。  御承知のとおり、消費税は所得の低い層ほど負担率が高くなるという逆進性を持っております。したがって、その税率の引き上げは所得の低い層により重くのしかかることになる。実際、日本生活協同組合連合会の消費税額調べによりますと、消費税率が三%だった九五年と五%に引き上げられた九七年を比較しますと、実収入に占める消費税負担率は年収一千二百万円以上一千四百万円未満の高所得層では一・三五%から一・九八%へ〇・六三%増となりました。対して、年収四百万円未満の低所得層では一・九二%から二・九二%へ一・〇〇%増となったわけであります。これは推計値ではありません。毎日の売り買いを生協の組合員さんたちが家計簿につけていた、それをもとにした数字であります。  つまり、税率引き上げが低所得層の負担率をますます重くした、逆進性が拡大された、これは事実であります。逆に三%にこれを戻せば、低所得層の負担の軽減率は高所得層のそれよりも大きくなる、これは間違いないんじゃありませんか。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。  今のお答えをする前に、一〇五を二%下げたらどうなるかというお話がございました。一〇五が二%下がって一〇三になりますと、それは実質的に可処分所得を増加させるということになるわけでございまして、その分が消費を拡大させる、丸々生産を拡大させるということではないように思います。  それからもう一つ、逆進性のお尋ねがございました。確かにこの消費税といいますのは消費に対して課税される税でございますから、高額所得者の方は貯蓄率が高い、それを計算に入れてまいりますと、逆進性があるのはそのとおりでございます。しかし、消費税といいますのは、まさに所得だけを課税ベースにするのでは今後の少子・高齢化社会がもたない、我が国の構造変化についていけないということで新たに消費をベースに税金の負担をお願いしようじゃないか、あるいは税というのは会費であるからそれでもってサービスを賄っていこうではないかということで設けられた税だというふうに私は認識しているわけでございます。  そういうことで、その逆進性の問題ということを申すのでございまするならば、まさに所得税負担全体を考えてどういう構造になっているか、さらには福祉の面での歳出を加えてどういうふうになっているか、そういう面から考えますと、全体として我が国の財政はまさに低所得者の方にも十分配慮した姿になっているのではないかと思います。したがいまして、消費税の話を短期的な景気浮揚効果の視点からのみ論ずるのはいかがであろうかというふうに考える次第でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 消費税の減税が低所得層にいくほど厚くなるということは、これはもうだれも否定できないんです。この点は所得税の減税と比べると一層浮き彫りになります。  例えば、政府の総合経済対策にある二年で四兆円の特別減税も、その対象は所得税などの納税世帯に限られます。多くの低所得層は対象外になるわけです。対して、消費税の減税は消費するすべての人々が減税の対象になる。これは間違いありませんね、大蔵大臣。どうですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 今、消費、消費とおっしゃいますが、物ないしサービスを購入するという意味で消費というふうに使っていらっしゃるんだと思いますけれども、そういう意味ならば物またはサービスを購入する人すべてに関係があることは事実であります。  ただ、普通、消費といえば飲んだり食べたりすることを意味する場合がありますから、それではなくして物やサービスを購入することを消費と、こういうふうな意味でおっしゃっていると考えまして、ならば物やサービスを購入する人すべてに及ぶ、購入しない人には及ばない、こういう理屈になると思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 世の中に購入しない人はおりませんから、すべての人が対象になるということであります。それで、これは低所得層にもきちっと減税が及ぶ、いわば公平な減税になるということであります。  これは非常に大事で、今消費税五%になってからお年寄りなど低所得層の皆さんは毎日の買い物の品数を減らして生活防衛をされている。それしか方法がないからであります。これが逆進性のむごさなんですよ。税率を引き下げることによって逆進性が緩和される。これは非常に大事な観点であります。  第三に議論してみたいのは、消費税の減税は高額な商品やサービスほど減税額が大きくなるという特徴であります。これはもう当たり前のことで、異論はないと思うんです。実はこれが今非常に大事なんです。個人消費が全体的に落ち込んでいる。中でも住宅と自動車の落ち込みが際立っているわけです。  数字を紹介しますと、九七年度の実質消費支出は前年比二・一%減。しかし、新設住宅着工戸数を見ますと、九六年度百六十三万戸から九七年度は百三十四万戸と前年比一七・七%の大幅減であります。新車登録台数も一三・四%の減。  政府の公共住宅建設抑制策により、中堅勤労者の多くの方は住宅を自力で建設、購入せざるを得ません。しかし、今そこにブレーキがかかっていることは大変深刻であります。住宅というのは一戸当たりの値段が数千万円と非常に高い。それだけに消費税の増減税の影響も非常に大きい。ですから、業界からも、例えば三井ホームの社長さんからも、魅力ある減税政策を、住宅取得の消費税を非課税にするという方法もあるという声さえ出ているわけであります。  消費税の減税は落ち込んだ住宅建設を促進する効果が私は大きいと思いますが、これはいかがでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほど私が物やサービスを購入しない人には消費税の影響はないよと、こう申し上げた。そうしたら、委員は購入しない人はいないんだとおっしゃった。  今、自動車の話が出ました。自動車が何で今売れ行きが落ちているかといえば、実は昨年の春、四月から消費税が上がるまで一、二、三月、駆け込みでみんな自動車を買ったんです。自動車というのは三年、四年もちますから、三年、四年の間は自動車は買わないんです。その意味で買わない人がいる、その買わない人には消費税のことは関係ない、こう申し上げたわけです。  住宅もまたしかりなんです。住宅も消費税が上がる前に実は駆け込み需要でたくさん建って、そしてそれが売れた。しかし、住宅というのは二、三十年あるいは四、五十年もちますから、それまでの間は実は住宅の売れ行きはしばらく落ちるわけであります。そこで、今審議をお願いしておる税制の中で住宅取得減税を実は手厚くすることにして、住宅を取得した人、取得する人の軽減措置を図っておることは委員御存じですね、それは承知の上で議論をしていただきたいと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 住宅の駆け込み需要は確かにありました。しかし、反動減がずっと減になりっ放しなんですよ、今。これが大変な問題になっている。  それから、総合経済対策で住宅取得促進税制の控除限度額を引き上げるなどということもおっしゃいました。しかし、これは引き上がってもわずか十万円ですよ。消費税率を二%引き下げるなら、例えば五千万円の住宅を購入すると減税額は百万円なんです。はるかに大きな効果が期待できる。それはまた、実需を伴う土地取引を活性化させることにもつながります。土地流動化策としても、銀行やゼネコンの不良債権化した不動産を公的資金で引き取ってやるよりもはるかに健全で効果的な土地流動化策になることは間違いありません。ですから、住宅建設の促進に大きな効果があるということは、これはもう否定できないはずなんです。  第四に私が議論したいのは、消費税の減税は冷え込んだ消費者心理を温めるという特徴を持っているという点であります。  日本リサーチ総合研究所がまとめた四月の消費者心理調査によりますと、生活不安度指数は前回二月比四ポイント上昇、これは上がるほど不安が高まるわけです。過去四番目の高い水準であります。二兆円の特別減税が実施されたものの、家計の今後一年間の消費態度には依然として節約、縮小傾向がかなり強い、こう分析をしております。  私は、可処分所得をふやすこととあわせて、この冷え込んだ消費者心理を温めることが消費拡大のかぎだと思うわけです。  そこで、今度は総理にぜひお聞きしたいんですが、総理は、消費税増税前の駆け込み需要と四月からの反動減がともに予想以上に大きかった、こう繰り返しお述べになってきました。これは消費税率を二%上下させることが消費者心理、消費動向に与える影響は予想以上に大きいという認識であると思いますが、総理、この点はいかがでしょうか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに一−三と四−六を対比させて議員が引用されたような言い回しを私はいたしました。ただし、その後ろに七−九は消費が回復に向かっておりましたという言葉もついております。あなたの好きな部分だけ引用されると本当は困るのでして、一−三は確かに予想以上に駆け込み需要がありました、その分四−六で予想以上に影響が出ました、七−九に回復に向かいましたということまで引用してくだされば、私はそれは全然否定をいたしません。四−六のところでとめられてしまうと、ちょっと私の申し上げているのと違います。  それと、さっきから御議論を聞いておりまして、あなたの御主張は一貫しております、その意味で、それは認めます。その上で、七−九を、影響が回復に向かっていたことを除いておられるなということと、同時に消費税を増でも減でも動かしました場合には社会経済的コストが発生しますね。これは増額であろうと減額であろうと同様に発生をします。コンピューターのソフトその他が全部入れかわるわけですから、それは当然影響が出ます。とすれば、仮にあなたの仮定を全部採用したとしても、二%引き下げたそれがそのまま価格に反映するわけではないということになりませんか。その社会経済的なコストはどこに行ってしまうんだろう。先ほどから御議論を伺いながら計算をしておりますけれども、それは全くどこかに消えてしまっております。これは増の場合でも減の場合でも当然ながらそれだけの事務的な変更を伴うコストというものはどこかに発生するはずでありまして、それがまるっきり度外視される計算というものはいかがなものかと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 去年の七−九が消費が伸びたというのはもう議論していることですが……

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 伸びじゃない、回復した。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 回復したということは。しかし、一昨年の七−九がO157の影響で大幅に落ちた、その落ちた一昨年と比べて回復したということですから、そういうことになっているわけです。これは見かけ上の数字であります。  それから、コストのこともお言いになりましたけれども、今議論を聞いていた国民の皆さんは、その程度のコストならぜひ消費税を引き下げていただいた方が大変大きな経済波及効果があるとお感じになっているんではないでしょうか。  いずれにしても、消費税二%を上下させることが消費者心理に予想を超える影響を与えたということは総理も否定はされなかった。でしたら、これは消費者心理に与える影響は大きい。しかも、これもまた引用になりますが、四月十三日の議論の中で総理は、消費税の増税が心理的に消費の冷えをもたらす原因になったということも御答弁になりました。消費税の税率の上下が大きな影響を与える、増が消費の冷え込みの影響になったと。とすれば、これは減にすれば消費の心理を温める方向に働くのは間違いないと思うんです。  私はこれまで、消費に直結した消費税減税が消費を確実に増大させる性格を持つこと、特徴を持つこと、低所得層ほど負担軽減率が大きいこと、住宅や自動車など高額商品の減税額もこれまた大きいこと、そして冷え込んだ消費マインドを温める特徴を持つなどの点を紹介し、また議論をしてきました。一部なかなかお認めにならないけれども、全部否定されるわけにはいかなかった。こうした特徴を持つ消費税の減税を今実行すれば景気回復にとって大変大きなインパクトになることは間違いない。総理、あれこれの理由を挙げて拒否し続ける態度を改めて、緊急の景気対策としてぜひ消費税の減税を実行すべきじゃありませんか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど、議員が地方に行かれて、将来一〇%に引き上げろと言っていらっしゃる方も今引き下げを言われると言われました。僕はもしかするとその方は大変なことを言われたのかなと思いますけれども、まず第一に、想定でありますが、仮にそのような御要望に従うと申したといたします。これは当然ながら引き下げ実施までの間に買い控え現象が起きます。そして、その方が述べられましたように、今度は再引き上げを伴うわけです。これ先ほどあなたが御紹介された意見です。再引き上げを伴うわけです。その引き上げ直前にまた駆け込み需要が発生しても、再引き上げ後にこれは当然ながら相当な反動減が起きるでしょう。そして、経理システムあるいは自動販売機、プライスカード、商品カタログ、全部社会経済的なコストを発生いたします。それだけではなく、その急激な需要の発生と減、これは当然ながら生産調整や在庫調整といったことにもつながると思います。  残念ながら、議員の御意見に同調するとは申しかねます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 検討もしないで拒否すると。  私たちは消費税減税実現のために国会内外の共闘を進める努力をすることを表明して、質問を終わります。(拍手) 

星野朋市自由党

○星野朋市君 自由党の星野でございます。  本日は減税の問題から入りたいと思います。  私は先般の財政・金融委員会で、先般の二兆円減税について、これは財政構造改革法に抵触しないかと質問をいたしました。前主税局長は待ってましたとばかりこういうふうに答えたんです。税と会計年度は違うんだ、税は暦年、一月一日から十二月三十一日、会計年度は四月一日から三月三十一日、それで今度の二兆円の減税はほぼ一兆円を三月末までに、ほぼ一兆円を四月以降に実施する、したがって財構法には触れませんと、こういうお答えだったんです。こんなことは一般の人にはわからないんですよ。  総理が十二月にASEANにおいでになって急に減税の話を持ち出されたから、大蔵省は知恵を絞ったんでしょう。定額減税、徴税者の利便を考えて定額、それで今言った暦年と会計年度のこの差を利用して減税がなされたんです。しかし、こういう複雑な難しい問題というのは一般の人に余り影響を与えない。したがって、二月二十五日に主としてサラリーマンを対象にして振り込まれたこの減税というものはほとんどの人が、ほとんどと言っては語弊がありますけれども、余り影響を受けていない。実感を感じていない。  それで、普通ならば手取り額が多くなったわけですから、次のお休み、日曜日には家族ともども飯でも食いに行こうか、子供に何か買ってやろうかというのが普通なんです。ところが、思い出してください、三月一日は全国的に大雪だったんです。だれも外へ出られなかった。これがそのときの減税をあたかも象徴しているようだと私は大蔵大臣に申し上げましたが、そういう状態だと思うんです。  これで何を言いたいかというと、かねてから減税問題の論議になりますと、総理は日本は課税最低限が三百六十二万、世界一高い国だと、こうおっしゃっていた。正確にはドイツが一番ですけれども、先進国の中で平均的な課税額は日本が一番高い。それで、今度二兆円減税をやって、この二兆円減税が余り効果がなかったから追加でさらに二兆円減税をやると、課税最低限というのは四百九十一万円になるはずなんです。そうすると、総理が今まで言っていたこととかなり矛盾が出てくるんじゃないかと私は思います。  それで、大蔵省にお聞きしますけれども、課税最低限が四百九十一万円になると、いわゆる税金を納めないという人が納税している人の何割になりますか。今度の四百九十一万円で非課税になる人が何人出てきますか。お答え願いたい。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。  当初の分と今回の追加分の特別減税の実施によりまして納税人員は七百万人程度減少するというふうに見込んでおります。  なお、その内訳を申しますと、当初分としましては四百万人強、今回の追加分につきましては三百万人弱というふうに考えているわけでございます。  それから、いわゆる非課税になる割合はどうかというお尋ねがございました。これは分母に何をとるかで大変難しい問題があるものでございますから、特別減税実施前の納税人員は五千三百万人から五千四百万人というふうに考えておりまして、これに占める今の減少分の割合は約一三%というふうに見込んでおります。

星野朋市自由党

○星野朋市君 けさも片山議員と主計局長の間に多少論争がございましたけれども、財構法の改正について、政府はいわゆる二〇〇五年までと二年延長しましたね。これによって当初七兆円という赤字国債を一兆円ずつ減らすということが決まっているんだけれども、今度の減税のための二兆円、それからさらに二兆円、それからほぼ決まっている来年度の二兆円、これについてはどういうふうに償却していくのか改めてお答え願いたいと思います。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  既に決まっている減税につきましては、九年度の補正予算及び十年度の補正予算においてその財源として公債発行をお願いしているところでございます。予算書上お認めいただいた公債発行費、その公債の償還は国債費という中で行われる。つまり特例債ですから、毎年度六十分の一ずつ償還していくということになるわけですから、六十年間で償還していくということになるわけでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 これは片山議員も要求しておりましたように、改めてその償還の枠組みというものをこの委員会に出していただきたいと思います。  それから、財構法の問題に関しまして、そのうちの運用の部分、これは大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、「著しく異常かつ激甚な非常災害」、これはよくわかるわけです。ただ、「「経済活動の著しい停滞」について」とありまして、三項目ありますね。一、直近の二四半期連続で実質GDP成長率が一%未満の場合、二、直近の一四半期の実質GDP成長率が一%未満であって、かつ当該四半期後の消費、設備投資、雇用の指標が著しく低調な場合、三、直近の実質GDP成長率は一、二のような状態にはないが、予見できない内外の経済ショックによって急速に経済活動が停滞状態に陥る場合等一、二に匹敵する状態、こう運用上の三つの問題があるんですけれども、これはまさしく今の状態でありまして、私はこれは若干弁明にすぎないのではないかと思います。  もしこういう状態であって、じゃ成長率が回復したら財構法というのを改正していきながらまた締めるのか、そして落ちたらまた緩めるのか、こういうふうにとられがちなんですよ。そこのところをよく説明してください。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 現在の財政構造改革法の改正についてでございますが、このたびの総合経済対策は二%成長率にプラス効果があるようないわゆる財政出動的なものも入れてございますが、同時に経済構造改革、規制緩和とかあるいは技術開発とか情報通信の発展とか、中長期にわたってそういう民間活力中心に経済の体質を強化するという内容をかなり入れておりまして、それが一つであります。  それからもう一つは、きょうもかなり御答弁がありましたが、景気回復の大きなしこりになっております不良債権の処理をトータルプランとして解決するという二点がございます。  これによりまして、民間活力を中心として経済を順調な回復軌道に乗せる。つまり、お金がなくなったらすぐ経済がそのままスローダウンするということではなしに、民間の力を中心として順調な回復軌道に乗せていくという考え方でできているわけでございまして、それをしっかりと実現してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 尾身長官から今お答えいただきましたのでついでにお聞きしますけれども、今度の経済対策十六兆円というものがとられると、大体これが実質二%の成長を押し上げる、そして当初目標の一・九%成長がほぼ達成できるというお答えをしばしばなされておりますけれども、そうすると当初の予算では一・九%は無理だった、そういうことですか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 平成十年度の経済見通しは実質一・九%ということでいるわけでございます。そして、今回の経済対策の効果は向こう一年間で約二%に上るというふうに考えております。  したがいまして、私どもといたしましては、現在の状況、非常に厳しい状況でございまして、その状況を踏まえて総合経済対策を決定したわけでございますが、当初見通し十年度一・九%は十分に達成できるというふうに考えております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 政府の答弁がそのときそのときによって随分異なる。やむを得ない面もあるんですけれども、二年前にできないわゆる構造改革を伴う経済政策というのがまだこの内閣の経済的な基盤になっていると私は思うんです、変わっていないんですから。それがいい証拠には、大蔵省の中期財政試算には二つの税収が例示されているわけです、一・七五と。そうでしょう。それで、このごろはなぜか構造改革ができた場合のパーセンテージというのはほとんど除去されてしまって、一・七五の場合はということでほとんど通されている。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 成長率ですよ。

星野朋市自由党

○星野朋市君 いやいや、だから成長率ですよ。  そうすると、今の現実というのは全く構造改革がなされていない場合のパーセンテージがそのまま使われる。例えば失業率なんというのは、一・七五の場合は三・七五だという例示がちゃんと出ている、しかもそれが三・九であるというような。そうすると、何だこの何年間構造改革というのはほとんどなされていないのか、そうとられてもしようがないんじゃないですか。いかがですか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。  国会に提出しております中期財政試算におきましては、あくまでもこれは名目成長率につきましては一・七五%から三・五%、要するに構造改革が進んだ場合とそうでない場合と、その幅の中の両方の試算をお示ししているところでございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 今のは全く答えになっていないので、それは私が説明したことですよ。だから、三・五の方は今ほとんど使われていないじゃないか、一・七五に基づく数字でしか政府の運営というのはされていないんじゃないか、だからおかしいんじゃないかとお聞きしているんです。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(尾身幸次君) 十年度の見通しは一・九%ということになっているわけでございます。中長期にわたる経済の成長率をどう見るかということにつきましては、先ほどの実質一・七五、高いときには三%ということでございまして、正直なところを申しまして、十年度の一・九%が中長期における視点から見て高い数字であるとは考えておりません。私どもとしては、もっと民間活力を生かして、潜在成長率を実現するようなものにしていきたいと考えている次第でございます。

星野朋市自由党

○星野朋市君 総理、突然の質問で失礼なんですけれども、先ほどデータは多分ごらんになったと思うんですが、きょうの為替が百三十七円なんです。今現在で百三十六円九十銭ぐらいで移行をしているんですよ。非常な円安ですね。  それで、私は三月の末に財政・金融委員会で、望ましくはないけれども、ひょっとすると四月以降に投機筋が円売りに向かう可能性があるということを指摘しておきました。そして、事実、四月九日、十日にわたって日銀は百億ドル単位の為替介入を行って、一時百二十七円ぐらいに戻って、すぐまた百三十一円ぐらいになりましたけれども、その後、残念ながら円売りがずっと続いておるんです。  一九九五年、円が八十円になったときに橋本総理は通産大臣であられて、多少意見の一致を見たことがありました。それで、今の円安について私は非常に危惧を持っているんですけれども、総理、どうお考えですか。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今ここにおりまして市場の状況は存じておりませんでした。ですから、大変恐縮でありますけれども、本日の市場においてどういうデータが売りの、また買いの材料として影響したのか、例えばヨーロッパ通貨とドルの、あるいは他のアジア諸国の通貨と円あるいはドルの、その辺が全く関係を存じておりませんので私もとっさに原因は判断ができません。しかし、大変うれしくない思いの数字であることは事実でございます。  同時に、私は、本当に日本の経済というものに対して余りに皆が自信を失い過ぎている、必要以上に失い過ぎており、市況の変動に鋭敏に過ぎるのではないかという思いを率直に持ちます。少なくともこの日本という国の持つ、あるいは国民の持つ能力、勤勉性、あるいはその他の資産、技術的な資産もあります、歴史的な資産もあります。そうしたものにもっと自信を持っていただきたいという思いはございます。  その上で、例えばどういうものが本日の市場における材料になったのかはわかりませんが、円売りの危険性を予告されたという議員の御発言に敬意を表しながらも、注意深く見守ってまいりますが、それ以上のコメントは控えるべきだと思います。

星野朋市自由党

○星野朋市君 最後に、私は参議院の本会議の代表質問でもって、この財構法は十年前の法律じゃありませんよと。わずか半年前の法律じゃありませんか。この半年の間にどんな変化が起こったのか。きょうテレビで国民の皆さんは見ておられるわけですから、こういう委員会の中だけではなくて、国民の皆様がわかりやすいように簡単に御説明いただきたい。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来の論議の中でも率直に申し上げてまいりましたこと、それは昨年来の経済情勢の中で、しかし私どもとして財政構造改革の必要性というものは今も変わらないと信じておりますと申し上げました。その上で、私どもとして臨機の措置をとることもまた当然ということを申し上げてまいりました。  市場というものを国会の場で引用することがよいかどうかわかりません。しかし、市場のさまざまな反応というものが国会の御論議にこれほど鋭敏に影響を与え、答弁を求められるということも今まで少なかったように思います。そして、昨年十−十二月のQEとかあるいは本年二月の失業率、日銀の短観等、さまざまなものが昨年度の第三・四半期というものがどういう状況であったのかを数字の上で示していた。私どもとしては、総合経済対策をもってこれに対する回答とし、何とか国会のお許しを得て、一日も早くこうした施策に取り組ませていただきたいと願っております。

星野朋市自由党

○星野朋市君 終わります。(拍手)

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 総理にお尋ねいたしたいと思います。  その前にちょっとお断りをしておきたいと思いますけれども、実は私は昨年の国会でこの財革法に賛成票を投じた一人であります。賛成したのは与党の方々のほか、私を含めて若干名であったろうか、こういうふうな気がいたします。なぜ賛成したのか 一言で申し上げれば、この財政改革に寄せる総理の並々ならぬ御決意と御決断を高く評価した、こういうことであります。  我が国の財政は先進国の中で最悪である、財政状況はもう危機的状態にある、破綻もこのままでは必至と。そこで歯を食いしばってでも子孫にツケを残さないために頑張らねばならない、こういうことであったろうかと思います。私もまさにそのとおりであろうと思いまして、総理の決意を高く評価させていただいた、こういうわけであります。  最近の日本の国語からどうも我慢とか辛抱とかいう言葉が消えてしまったのではないかという気もしてならないわけであります。かって子供が何かをねだると、親は我慢しなさい、辛抱しなさいと、それが学用品として重要なものであっても、とにかくないものはないんです、自分で工夫しなさいと、こういうことを言いまして、子供はそれで鉛筆が小さくなるまで我慢して使った、そういうことでもありました。  ところが、最近はそうではない。何か不満があると、すぐこれは政府がやってくれるであろうと。政府に対して、やれ道路をつくれ、橋をつくれ、堤防をつくれ、新幹線を引けと。それから、社会保障を充実しろ、何をしろと。そうはいいましても増税は絶対反対だと、こう言うものですから、財源はどうなるかといえば、赤字国債を発行すればいいではないかと。その借金はどうなるか。まあそのうち何とかなるだろうと、植木等みたいなことを言ってきたのがずっと政治の流れではなかったのか、こういう気がしてしようがないわけであります。  そういう流れに一石を投ずるというか、防波堤にならんとしたその総理の決意を私は高く考え、評価させていただいたわけであります。そして、昨年、賛成の一票を投じさせていただいたと思いまして、法律が成立したら、今も星野議員が言っておりましたが、二、三カ月で改正論議が出てくる、これは一体何だろうかと。朝令暮改と言ってもいいかもしれませんし、場当たりだと言ってもいいのかもしれません。  そもそも政治というのは最悪の事態を想定して処方せんを書く、これが本当の政治であろうと思います。お天気の日ばかりが続くわけではない、曇りが来たらどうする、雨が降ったらどうする、それを考えるのが政治であろうと思います。この法案をつくるときも全く同じで、昨年の秋、日本の景気はかなり低迷していたと思いますけれども、それがさらに低迷したら一体どうなるのかということを念頭に置いて法案づくりをする、これは当たり前のことだろうと思います。  そこで、ストレートに総理にお伺いしたいと思いますが、なぜこの弾力条項なるものを当時挿入しなかったのか。多分、政府部内で真剣な議論があったんだろうと思います、入れろ、入れる必要はないと。最後に決断されたのは総理であろうと思います。  ここから先は私の想像ですけれども、こういう規定を置いたらば、景気が悪化したときにすぐこの規定を手がかりとして赤字国債を発行しろと、こういう要求が出てくるからこれは置かない方がよろしい、こうお考えになったのではないかと思いますが、当たっておるか外れておるか、ちょっと教えていただければと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日、同じようになぜという厳しい御質問を同様に賛成票を投じていただいた西川議員からもちょうだいをいたしました。内心大変恥ずかしい思いをしながら答弁をいたしましたが、議員にも同じことを申し上げざるを得ません。  確かに非常に真剣な議論をいたしたわけでありますけれども、それは御承知のように経済審議会のシミュレーション等、非常に厳しい現在の構造をそのまま放置した場合の数値が出されており、いかにすれば財政構造を変化させ得るだろうか、そしてそのための手法としてどういうものがあるかという点での議論が非常に厳しい議論としてございましたが、今回御提案を申し上げておりますような弾力条項といった発想の論議は率直に申し上げるならございませんでした。  それだけに、たまたま他日、国会の御論議でこうした問題意識を持たれた御質問が出ましたときに、私は立法政策上一つの見識という御答弁をし、多少しかられましたが、そういった思いでこの論議を拝聴した次第であります。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 総理は緊急避難的措置という言葉が殊のほかお好きなようで、しばしばお使いになります。緊急避難というのは、これは法律用語であることは当然御承知と思います。要するに、予期できない突発事故が起きた場合にどう対応するか、その関係を規定したのが緊急避難であります。  さすれば、法律ができてからどういう緊急避難事態、全く予期できない突発事故が起きたのか、そういうふうに考えますと、今この法案の趣旨説明を読み上げてみますけれども、「しかしながら、昨年末に大型金融機関の破綻が相次ぎ、また、アジアの幾つかの国で金融、経済の混乱が生じたことに」、こうなっております。こんなことは予測できなかったことなのかと、私はいぶかしい、大変不思議だと思います。我が国の財政当局は世界でも一番優秀だと、こう考えてもいい。そういう財政当局がこんな程度のことを予測できなかったのかと。  それから、ちょっと財政当局にお伺いしますけれども、昨年末に大型金融機関の破綻が相次いだ。三洋証券、山一、拓銀、それから徳陽シティ、これは全部十一月の破綻でありまするから、昨年末というのは年末十二月でありまして、十一月は日本語として年末とは言わないわけですから、昨年末に一体どういうふうな大型金融機関が破綻したのか、ちょっと教えてください。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  昨年十一月に三洋証券、北海道拓殖銀行、それから山一証券の破綻がございました。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 それは日本語ではないということを私は申し上げたわけであります。では、これは間違っておるのかということにもなりかねない。  しかし、いずれにいたしましてもこの法律をつくっている段階で起きたことですから、さらに一つ、二つの金融機関が破綻するだろうということは当然予測できたことであります。それから、東南アジアの通貨不安につきましても、日本の財政当局の能力をもってすれば、これは非常に危機が迫っているということは当然予測できるわけであります。それを予測しなかった、できなかった、こう言えばもう無能そのものである。税金泥棒だ、大変汚い言葉ですけれども、と言われても仕方がない。  そんなことはないわけです。ちゃんと予想しまして、その手をしかるべき考慮をし議論したのだろうと思います、一体そうなったらどうしようかと。しかし、それは仕方がない、この線で、要するに今の法案の線で行くしかない、こういうことで昨年十月、十一月の議論をして、あの法案を成立させて、そうして今度は、舌の根も乾かぬうちという言葉は大変恐縮でありますけれども、大変な事態が起きた、全然予期できなかった、えらいことだということで、弾力条項とか目標達成年次を三年から五年に繰り下げるとか、こういうことを言い出している。  これは本当に場当たりとしか言いようがないわけでありまして、それならばなぜその当時しっかり議論をして、何が起きてもこれで万全だという法律をつくろうとしなかったのか。こういうために我々は朝からここに縛りつけられ、私らだけではなしに閣僚の方々も大変御迷惑だと私は思う。最初から弾力条項を入れる、それから二〇〇三年を二〇〇五年にしておけばこうしたむだな集まりはなくて済んだのではないかというふうに私は思うわけであります。  いかがでございましょうか。私の考えが少し間違っておるなら間違っておるで結構でございますけれども、ちょっと総理に、大蔵大臣は当時いなかったものですから、私は総理にお尋ねしておるわけです。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の仰せに対して特段の反論はいたしません。しかし、少なくとも政府・与党一体で論議をし、国会に提案をし、いろいろな御議論がありましたが、成立をさせていただきました。先見性がなかったというおしかりは甘受をいたします。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 別にしかっているつもりはないのでありまして、もう少しきちっとした見通しを立てて、かつ政府部内で真剣に議論して法律をつくっていただきたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わります。(拍手)

奥村展三新党さきがけ

○奥村展三君 財政再建は避けられない課題であると思っております。  いろいろけさほどから議論をなされております。財政再建、そして景気対策、あるいは一方で恒久減税等もその是非が問われているわけでありますが、財政再建と景気対策、この整合性をいかに推し進めていくか。今お話がありましたように、確かに一度、四月二十四日に改正をいたしたわけであります。与党三党でいろいろ議論をしたわけでありますが、そうした中で政治的決断、即決あるいは臨機応変の決断をしなければならない、そういう状態に今日置かれているのではないかなというようなことで、総理はそういう決断をなされて提案なされたものだと思って、与党の一員として子とさせていただきたいと思っております。  しかしながら、先日新聞等で報道されておりましたが、今、国、地方を合わせて五百四十兆円の借金があるというように言われております。国だけを考えてみますと、一人頭約二百二十五万円だと思います。一家四人合わせますと九百二万円になる。これだけの借金がある。しかし、総理もおっしゃっていましたように、子や孫たちにこれを申し送りできないんだ、今措置をしなければならないんだという思いでこの財革法ができたと思っておりますし、そういう流れの中でいろんな審議をしていただいておると思っております。  そうしたことを考えますと、私はきょうの借金はあすの増税であると思います。今、補正予算、そして四兆円という減税を入れますと約六兆円になるわけでありますが、これが六十年償還、五%と考えてみましても、六十年先には約十九兆円ぐらいの負担になるんではないかなというように思います。それだけの負担を子供や孫たちに本当にさせていいのかなというような思いで私は考えておる一人であります。  大変厳しい状況の中でありますが、こうした中で国は国なりのいろんな手当てをしていただいております。私は、今地方分権が叫ばれておる中で、四次勧告が出ていよいよこれからいろいろ具体化をされていこうとしておりますが、そうしたときに地方ももっと体力を、足腰を強くしなければならないというように思っております。  そうしたときに、特に地方、国あわせても、中小企業の対策というのは一番大事ではないかなというように思います。けさほどもお話がありましたように、この日本の経済を支えておるのは中小企業だ、これが九九%のシェアを占めておるというお話もありました。そのとおりだと思います。  そうしたときに、私は、今全国で五十二ある信用保証協会、これの体力をしっかりとつけるべきだと。基本補助金を国の方から出していただいて、地方からいろいろ、今回も総合経済対策で約五千億の要求があったわけでありますが、こうした流れを考えますと、このシステム、やはり地方の公共団体や金融機関と協調しながら頑張って、信用保証協会はその組織防衛、そして経営改善、基盤確立に向かって努力をいたしております。  そうした流れを考えますと、私はぜひこの信用保証協会の体力を強めていくというような思いでいるわけでありますが、総理の中小企業対策に対する、特に信用保証協会に対してのお考えをお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) しばらく前に民間金融機関、続いて政府系の金融機関に対して、貸し渋りの問題について、一方に対しては貸し渋り解消の努力を、そして一方に対しては現在行われている努力のさらなる親切と努力をという要請をいたしましたとき、全国の信用保証協会を代表してその場におられた方から、自分たちとして最善を尽くしますがそれだけの財源をという非常に率直な意見を出されました。そして同時に、その信用保証の果たす役割というものを大変強くその場でも述べられました。  今月中旬、中小企業に対する貸し渋りを調査してくれたその報告を聞きますと、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったとする企業の割合は少し低下をしたとはいいながら依然として高水準であります。そして、こうした状況を踏まえまして、政府として総合経済対策を決定いたしました際に、金融面でのその中小企業の支援対象範囲を拡大すること、新たな融資制度の創設を盛り込みますとともに、信用保証についてもそれだけの手当てをしてまいりました。  今後ともに信用保証の果たす役割というものは極めて大きなものだと考えておりまして、注意深く見守りながら必要な対応をしていきたいと考えております。

奥村展三新党さきがけ

○奥村展三君 ぜひ保証料の軽減あるいはまた保証の拡大等にも力を入れていただくように要望しておきたいと思います。  もう一点でありますが、公共用地の先行取得についてお伺いをいたしたいと思います。  いろいろ公共事業云々、ぜひと言われておりますが、地方へ行きますと、長年かかっていろんな工事を進めていただいておりますが、遅々として進んでいないところがたくさんございます。やはり土地開発公社だとかあるいは土地開発基金等を利用して大いに先行取得をして、経済の活性化のために推し進めていく時期ではないかなというように思っております。  そういうような意味におきまして、公共用地あるいは代替用地の確保に積極的に対処されたいという思いでいるわけでありますが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(上杉光弘君) これまでも取り組んでまいっておることは委員御承知のとおりだと思いますが、今回の経済対策における公共用地の先行取得につきましては、土地の流動化等の要請も踏まえまして八千億円の用地取得費を計上しておるところでございます。また、公共用地先行取得等事業債の発行の弾力的な運用、それから都市部における、三大都市圏の一定の地域内における基幹的な公共施設用地の先行取得に係ります利子負担軽減の対象面積要件の緩和等を行うこととしておりまして、厳しい地方財政の状況ではございますけれども、これらの制度を活用することによりまして公共用地の先行取得が図られますように努力をいたしておるところでございまして、さらに努力をしてまいりたいと考えております。

瓦力自由民主党建設大臣

○国務大臣(瓦力君) ただいま自治大臣から答弁がございましたが、国におきましても、都市計画道路等の公共用地の取得といたしまして三千二百億円の事業を実施するほか、地方の公共用地の先行取得といたしまして、自治大臣からの答弁どおり、八千億円の規模で追加の要請をいたしておるところでございます。

奥村展三新党さきがけ

○奥村展三君 経済活性化のためにも、総合経済対策の中で公共用地の先行取得がされますと同時に地方単独事業もぜひ推進なされるようお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫です。  総理にお尋ねをいたします。質問時間が短いので、一括して最初に三問質問させていただきます。  まず、昨年度から今年度にかけまして二兆円の所得税、住民税減税を行いましたが、せっかく減税されましてもほとんどが消費ではなくして貯蓄に回ってしまったというふうに言われております。そこで、どうして貯蓄に回ったのかと私なりに考えてみました。  実はこういう世論調査の結果があります。貯蓄広報中央委員会が行った「貯蓄と消費に関する世論調査」、あなたは何のために貯蓄しますかというお尋ねなんですが、まず第一は病気、災害への備えのため、六九・一%、二番目が老後の生活資金のため、五三・二%、三番目が子供の教育資金として、三一・八%でございました。これはここ数年間ほとんど変わっていないようです。  よく考えてみますと、これは本来政府が社会保障政策としてやらなければならない問題ばかりであります。  そこで、もっと消費を拡大しようとするならば、社会保障の予算というものをもっと大幅に組むべきだと私は思うんです。ところが、現在どうかといえば、昨年の九月一日から医療費が上がりました。それだけでは終わらないようで、これから考えているのは、医療費の本人負担を三割にしよう、大学病院など総合病院にかかると本人負担を五割にしよう、さらに高齢者専門の健康保険制度をつくろうと。そうすると、当然掛金も高くなるわけであります。年金に至っては、今度は若い人たちが六十五歳で年金をもらうようになったときには年金額が相当低くなる、それが嫌だったら掛金を倍くらいにしなければならない。こういう社会保障のマイナスの面ばかりをこれからやろうとするわけですからとても消費が拡大するはずがない、そう思うわけでありまして、もっと本当に消費を拡大しようと考えるならば、まず第一に社会保障費を大幅に上げていくべきであるということをまず第一にお尋ねいたします。  第二は、内需の拡大、これは六五%が家計消費と言われております。要するに、家計の消費をふやすことが消費、いわゆる景気の拡大につながっていく、こういうふうに考えられるわけであります。そうなりますと、減税が即消費につながる、そういう減税でなければならない。それは何かといえば、消費税をおいてほかにはないだろう、こういうふうに思うわけです。  かつてアメリカのルービン財務長官がこのことについてこういうふうに言っておりました。アメリカのルービン財務長官が訪米した宮澤喜一元首相に対して消費税率の引き下げを求める、そういうことがあったというふうに言われております。財界の中でも、所得税の減税では貯蓄に回るだけだ、下手に小出しの減税をするよりは消費税率を下げる方がよっぽど効果が高い、こう言っております。ダイエーの社長なんかも、消費税の三%への復元など身近にわかる施策を勇気を持って断行してほしい、財界の中からもこういうような声が随分出ているわけであります。  私は、そういう意味で、今日の消費の拡大、景気回復をやろうとするならば、まず消費税の五%を三%に下げる、そして飲食料品だけは非課税にする、そういうことを重点とした大幅な減税を行うことが一番大事ではないだろうか。これに対する考え方をお聞きいたします。  三つ目は、今まで総理の答弁を聞いておりますと、なかなか消費税を下げるということが考えられていないようであります。どうしてなんだろうか、これには何か特別の意味があるのではないかなというふうに私なりに考えてみました。そうすると、どうもこれはいずれ消費税を逆に上げざるを得ないという事態が数年後に起きる、そのためにかたくなに消費税を下げることについて拒否してきたんじゃないだろうか、こう思いました。  なるほど、総理の発表された経済対策を見ておりましたら、三年以内に法人税を国際水準並みに下げるというふうに言っておりました。しかし、法人税は今三%下げたばかりでしょう。それをまた三年以内に今度は大幅に法人税を下げようという方針が出ております。  もう一つは、高額所得者に対する所得税をこれまた大幅に下げるという方針が出ているようであります。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) そんなことは言っていませんよ。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 いや、方針の中を読めばそういうことになるじゃないですか。高額所得者がもっと勤労意欲を高めるための税制制度を考えなければならないと言っていますでしょう。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は一度もそういう言い方はしていません。そういうことは言っていません。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 それはとりもなおさず、内容を見ますと、高額所得者の税率を下げるということにつながってくるんですよ。  高額所得者といったら年間収入は三千五百六十万円以上です。そういうような減税をこれからやるならば、その財源を一体どこに求めるんだろうか。赤字国債に求めるのか。それだけじゃ大変でしょう。財政再建をやらなければならないのにまた赤字国債をふやしていくことは大変だから、結局はどこに求めざるを得ないかとすれば、消費税を上げることと、そしてもう一つは低額所得者に対する所得税を課すというようなことにつながっていくのではないかと私は思うんです。  そういうことを考えたときに、もし仮にそういうことが行われるとするならば、今の不況どころではありません。大変な不況がやってくることは間違いないと私は思うんです。そういうふうに考えたら、まず今のこの景気対策を真剣にやろうとするならば、やっぱり消費税の大幅な減税を行うべきであるし、その減税の財源というものは単に赤字国債だけに求めるのではなくして、一番大切なことは歳出をもう一度見直すべきですよ。  公共事業だってそうでしょう。談合をやめるだけで一兆円浮くと言われているでしょう。政府の発注する単価というのはアメリカに比べて三割も高いというのが建設省の調査でも明らかになっている。諌早湾に象徴されるように、不要不急の大型工事をやめる、そういうことだけでも数兆円浮くとさえ言われているわけです。そして、防衛費も削減をする。そういうことをまずやるべきであって、そしてもう一つは大いに利益を上げている企業あるいは高額所得者に対しては、しばらくの間、財政再建ができる間はそれなりに納税をしていただくような方針を考えるべきだと思うんです。私はそういうふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 社会保障関係の財源手当てをもっとすれば消費が拡大するではないかということでありますけれども、必ずしもそうでないと思います。アメリカは年金にしても医療にしても日本より社会保障の水準は低いんです。にもかかわらず消費は活発だという一事をもってしても、必ずしも社会保障をふやせば消費は拡大するかどうかわからない。社会保障をふやすためにはどこから財源を手当てするのか。増税の問題が出てきます。消費を減らす傾向もある。これはもっと総合的に見る必要があると思います。

橋本龍太郎内閣総理大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、厚生大臣から社会保障関係についてお答えをいたしましたけれども、議員のお話を伺っておりますと、本当にバラ色の夢の中でふと見ると足元が見えないような思いをいたします。なぜなら、社会保障のバラ色の夢を描きつつ、その費用をどこから得るのか。それは軍事費あるいは公共事業の談合と言われましたが、そのようなものだけで果たしてそれだけの将来にわたる社会保障費が出てくるでしょうか。しかも、けさ以来、御答弁の中で繰り返しておりますように、公共事業の単価を抑えていくこと、再評価制度を取り入れること、そうした努力をするということが全くお耳に入っていないようであります。  また、消費税を減税しろと。これが難しいと考えておりますということは私は何回か御答弁を申し上げてまいりました。ところが、今度は議員から、それは高額所得者の所得税を減税するための財源として消費税を引き上げるためにとっているのではないかという御意見をいただきました。私はそのような大変複雑な物の見方をなさるというのは大変心外であります。  そして、私は繰り返し最高税率の問題を除けばフラットになっていますという、過去二回の抜本的税制改革の中における所得税の段階の引き下げ、すなわちフラット化についての御説明を申し上げているわけであります。それ以外の問題としては、控除のあり方、資産性所得課税や年金課税といった問題を個人所得課税について列記をした形で申し上げております。

山口哲夫新社会党・平和連合

○山口哲夫君 終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次回は明二十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗