交通・情報通信委員会 第16号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/05/19
会議録
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十八日、渕上貞雄さんが委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行さんが選任されました。 —————————————
○委員長(川橋幸子君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○景山俊太郎君 自由民主党の景山俊太郎でございます。 道路運送車両法の一部改正に関する法律案について質問をさせていただきたいと思いますが、ちょっとその前にインドネシア情勢の対応について要望をしておきたいと思います。 運輸省ではいろいろ努力されて、一つは航空関係、本邦JAL,ANAによる臨時便を十七日から二十二日まで二十便確保されたり、海上保安庁関係も巡視船「みずほ」がインドネシア方面に向けて出航されたり、また「えちご」が準備をされている。それから外航海運関係、貨物船を活用したインドネシア各地の在留邦人の救出についても検討されている。また観光関係、約五千人ぐらいまだ観光関係の人がいるようでありますが、渡航の自粛、旅行者の早期出国等の徹底を図っておられる。いろいろと万遺漏なきを期されておりますし、また運輸省からインドネシア大使館へ実務者も派遣をされておる。 こういうことで、大臣も随分熱心に取り組んでおられますが、今後もどういう事態が起こるかわかりませんので、運輸大臣は国家の危機管理という点を十二分に把握されておりますし、それこそ国民の信頼を得るように対応していただきたいということを、質問ではありませんが、まず要請をしておきたいと思います。 それでは、質問に入ります。 自動車の検査、点検整備につきましては、平成六年に道路運送車両法が改正されております。定期点検項目の削減や定期点検整備の実施は検査の前後を問わないとするなど、かなり大幅な規制緩和が行われておりますし、本年七月でちょうど施行後三年が経過をしますけれども、この三年間どういう経過であったのか、よかった点悪かった点、そして改正に至る点をまず大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) まず、景山委員からインドネシア情勢に関しまして、運輸省に対しまして御要請がございました。 この問題につきましては、インドネシアの情勢が最初危険度二という状態から現在は危険度四という状況にあるわけでありまして、そういう中で、在留邦人あるいは観光でインドネシアに旅行されている邦人の数は一万名を超える方々がいらっしゃるわけであります。そういったことをかんがみまして、危険度四となりますとこれは速やかに出国していただきたい、とりわけ家族の方々等々につきましてもできるだけ早く出国をしていただきたいということでございますので、そういったことを前提に今全力を尽くしております。 御要請にもございましたように、十七日から二十二日までの間二十便の航空関係の臨時便を確保いたしまして、この点に関しましてはJAL,ANA両社の非常な御理解と御協力を得ているところでございます。また今後とも情勢の推移を十分見守りつつ、さらなる対応も検討しているところでございます。 海上保安庁関係は、けさ八時に巡視船「みずほ」が那覇をインドネシア方面に向けて出航いたしたところであります。加えまして、巡視船「えちご」につきましては、昨日沖縄に向けて新潟港を出航し、二十日夜沖縄に到着する予定であります。資機材等々準備をいたしまして、二十一日ないし二十二日には沖縄を出航することが可能になっております。 また、外航海運関係につきましても、邦船各社に対しまして、在留邦人の救出についても検討に入っております。 また、観光関係の旅行業者等々につきましても、常に連絡をとりながら今全体の把握をいたしておりますが、現在のところ、パックツアーのお客さんは百七十二名程度、このお客さんも本日中にはインドネシアを出国すべく各旅行会社に手配をさせておるところであります。また、これとは別に、パックではなくて航空券等の手配で旅行されている方々が千八十七名ほどいらっしゃるわけですが、この方々を含めますとまだ千名強旅行関係の方がいらっしゃるということを踏まえまして、できるだけ早く出国するようこれもお願いをいたしているところであります。 いずれにいたしましても、昨日、ハルモコ国民協議会議長の大統領退陣要求と申しましょうか、そういった発言、また逆に、ウィラント国防・治安大臣はスハルト体制を一致して支えるという姿勢を表明していると。また報道によれば、本日、スハルト大統領御自身が発言をされるということも聞いておりますが、今後とも、こうしたインドネシア政府の大統領初め主要な方々の発言等によって事態がどのように推移していくのか、非常にこれは注意深く見守っていかなきゃなりませんので、私どもは常に万全を期すべくいろいろな対応をしていかなきゃならない、このように思っているところでございます。 それでは、道路運送車両法の御質問でございますが、施行後三年が経過したが、前回の改正によってどのようなメリット、デメリットが生じたのか、こういう御趣旨だと思います。 平成六年の法律改正による制度の見直しにおきましては、自動車使用者の自己責任のもとに、一つには、自家用乗用車の六カ月点検の廃止及び定期点検項目の大幅な削減、二つ目には、点検整備実施時期を検査の役とするいわゆる前検査の容認、三つ目としまして、車齢十一年を超えた自家用乗用車等の車検の有効期間の一年から二年への延長等の規制緩和を実施したところでございます。 これによりまして、ユーザー車検の増加、あるいは整備料金の透明化が推進された、またユーザーのニーズに対応した多様な整備サービスの普及等が図られまして、ユーザーのニーズに適切にこたえてきたのではないかと評価をいたしております。 一方、制度改正後、点検整備推進運動の実施等の安全性確保に向けて努力をしてきておるところでありますし、整備不良車両による事故は特に増加をいたしておりません。 今回の制度改正では、ユーザーのニーズにこたえつつ安全の確保が図られたものと考えておりまして、適切な規制緩和措置であったと考えているところでございます。
○景山俊太郎君 それでは、今回の主な改正点について基本的なことだけに限って伺いたいと思います。 まず、自動車の装置の型式指定制度でありますけれども、装置の型式指定制度を創設された理由には、車両等の型式認定相互承認協定への我が国の加入が挙げられると思います。この協定は一九五八年に欧州経済委員会で採択されたものでありまして、締約国もヨーロッパ諸国がほとんどと聞いております。この協定への加入に関しまして、我が国にとっていかなるメリットがあるかを伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(荒井正吾君) お答えさせていただきます。 今委員御指摘の国連相互承認協定へ加入いたしますと、そのメリットを一言で言いますと、自動車の装置、部品の国際流通の円滑化ということになると思います。 自動車の装置については、協定加盟国により相互承認をされますと国内の自動車メーカーにとりましては部品の共通化を一層進めることが可能となりまして、自動車の設計、製造をより効果的に行うことができます。また、相互承認をいたします各国におきましては審査を省略するということが約束されておりますので、従来まで必要とされておりました政府が認証するという手続が簡素化されるわけでございます。自動車装置の輸出入が行いやすくなるということでございますので、自動車メーカーは簡素化によりまして自動車製造にかかる費用を低減できるということが基本的なメリットと考えられます。
○景山俊太郎君 この協定にアメリカが加入しておりませんけれども、どういう理由かおわかりであれば教えてください。 それから、今回の改正について、アメリカは日本に対して貿易の障壁になるんじゃないか、こういうことを言って一時随分反対をしているということを報道で知ったわけであります。運輸省の担当者の方がアメリカへ行かれて話されたんでしょうか、理解をしたと、こういうことをアメリカは言ったようでありますけれども、そういう点につきましてお聞かせください。
○政府委員(荒井正吾君) 委員最初に御紹介ありましたように、国連相互承認協定は欧州を中心としておりまして、欧州以外で加入するのは日本が初めてでございます。一方、米国は本協定に加入しないとしております。 その理由でございますが、この国連の協定は自動車の基準適合性について政府が判断するといういわゆる政府認証制度を採用している国や地域の間における相互承認ということでございますが、米国は安全基準への自動車の適合性はメーカーがみずから判断するという自己認証制度を採用しております。そういう制度の違いから本協定の枠組みに入ることは困難としておるわけでございます。 さらに、我が国が本協定に加入いたしまして装置の指定制度を導入することに対します米国の評価でございますが、米国はもとより大自動車メーカー国でございますので、自動車及び装置につきまして世界的な統一基準の確立については非常に熱心な国でございます。このたびの装置の型式制度の導入につきまして、米国の自動車部品を我が国へ輸出するときの障害になるのではないか、あるいは実施の細目がまだはっきりしないというような懸念が当初表明されまして、その時点で自動車交通局の職員を米国に派遣いたしまして理解を求めました。 その際、この型式指定制度は自動車の審査の合理化を図るためであるとか、その詳細を定めるに当たってはアメリカも含めた内外の関係者の意見を聞くなど透明性を確保するということを約束いたしまして、その結果、米国側の懸念が解消されました。その後、米国政府からは本制度の導入については賛成の意図が表明されておる次第でございます。
○景山俊太郎君 それから、装置の型式指定、この創設のもう一つの理由として、自動車の型式指定の合理化が挙げられると思います。型式指定を受けた装置は自動車の型式指定の際に保安基準に適するものとみなして審査が省略されるそうでありますが、これによって自動車の型式指定がどれくらい合理化されるのか、具体的に教えていただきたいと思います。
○政府委員(下平隆君) お答え申し上げます。 最近、同じ構造の自動車の装置が多くの型式の自動車に共通して使用されることが多くなっておりますし、また一方で、自動車の装置は国際的に流通をしております。こうした状況を踏まえまして、今回、装置の型式指定制度を導入いたしまして、これによりまして共通化した装置を使用する自動車の審査の合理化を図ろうというものでございます。 具体的にどのような合理化があるかということでございます。例えば自動車に反射器というものがございますが、反射器では平均して同じ構造の反射器が四つの型式の自動車に使用されている状況でございますが、反射器について一つの装置の型式指定を受けた場合には四つの型式の自動車のその部分の審査の省略が可能になるという合理化ができるわけでございます。 また、相互承認協定によりまして、外国で認可されました装置につきましては国内の自動車の審査においてその部分の省略が可能になりますし、またその逆に、我が国で装置の型式指定を受けますれば外国においてその装置が自動的に認められるということにもなります。 さらに、手数料の点でございますが、型式指定を取得した装置について、審査の省略があった場合には自動車の審査の手数料を減額するというふうな負担の軽減も図ってまいる予定でございます。
○景山俊太郎君 それから、新しい制度をつくることになるようでありますので、部品業界に規制強化につながるのではないかという心配がございます。特に中小部品メーカーは型式指定の申請に伴うコスト負担を随分心配しているそうでありますし、規制緩和に果たしてなるかどうかという点もあります。その点はいかがですか。
○政府委員(下平隆君) 装置の型式指定は、その取得を希望する者が申請によりまして取得をする任意の制度でございまして、装置メーカー、部品メーカーに新たな負担を課すものではないというふうに考えております。 しかし、装置の型式指定を取得するためには申請等の手続が必要になります。このため、装置の型式指定の申請時の負担を軽減するために申請書類を必要最小限のものに限定する、あるいは審査期間を標準化いたしまして標準処理の期間内に処理をする等、手続の簡素化について対策を講じ、簡素な制度の運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○景山俊太郎君 次に、分解整備検査の廃止について伺いたいと思います。 分解整備検査は、自動車の使用者がブレーキなど自動車の安全上重要な装置を分解した場合に保安基準に適合しているかどうか国が検査するというものでありましたけれども、今回これを廃止するということでございます。 検査廃止を打ち出した理由と、その検査にかわってどのような安全対策が確保できるか、その点を質問したいと思います。
○政府委員(荒井正吾君) 今委員が御指摘されましたように、自動車の分解整備検査は、従来使用者がみずから行った場合にはその都度国の分解整備検査を受けて、分解整備の作業が適切に行われて安全の基準に適合しているかどうかを確認してきたところでございます。 今般、分解整備実施時の検査を廃止する法律改正をお願いしておりますのは、みずから分解整備を行いまして国の検査を受ける方の検査が全体の一%程度で大変少ないということ、またこうしたユーザーは自動車の整備につきまして技術と若干の施設、自動車を持ち上げるジャッキなどを有していないとできないこと、あるいはそのような方の実施された整備の不合格率が低いということが実態でございますので、これらユーザーの方の負担軽減を図ることを目的にして分解整備の国の検査を廃止することを法改正に盛り込ませていただいたわけでございます。 したがいまして、国といたしましては、分解整備による保安基準の適合性につきましては、今後はその都度の検査はやめて、一年または二年ごとの継続検査、いわゆる車検と呼んでおります検査において確認を行うことになったわけでございます。 つまり、自分が使用する車についてみずからが重要部品を取り外して分解整備を行う使用者は、その車の安全性についてはみずから責任を持って行うということが基本的な考えになったわけでございますので、使用者がみずからの車に対しましての保守管理責任意識を持っていただくことが重要ということでございます。 そのような観点から、今回の法律改正におきましては、分解整備を実施した場合にはその車の点検整備記録簿への整備内容を記載すること、及び次の車検までその記録簿を保存することを法律上の義務としてお願いしたところでございます。さらに、車の使用者の保守管理意識が十分高揚されますように政府としてのPRを積極的に展開する、安全意識を向上する、あるいは具体的な街頭検査や継続検査の際に記録簿の確認を適宜行うという方針をとりたいと思っております。 このような対策によりまして、車両の安全性について支障がないようにしたいと考えておるところでございます。
○景山俊太郎君 今御説明があったんですけれども、分解整備検査が廃止されて、代替措置として点検整備記録簿への記載とその保存が義務づけられるということだそうでございます。これには罰則がないということもありまして、罰則がいいのか悪いのかこれはまたありますが、これで本当に安全性が確保、担保できるんだろうか、こういう心配もあります。また、分解整備検査を受検しているのは一部の自動車愛好家にとどまっているということですが、分解整備検査が廃止されますと、自動車ユーザーが安易に分解整備を行うとも考えられます。ユーザーみずからが分解整備を行う場合は自動車に対する正確な知識としっかりした技術を備えた上で行うよう注意を喚起することが必要だろうと思います。 今おっしゃったとは思いますけれども、いま一度確認のために御質問したいと思います。
○政府委員(荒井正吾君) 今後の安全の対応といたしまして、自己責任で行うあるいは行いたいという方がふえてこられるわけでございますので、政府としてはそのような方に対していろんなことを啓蒙したり情報を提供するということを通じて支援する必要があろうかと思います。 さらに、記録簿の保存ということを考えますと、整備の履歴を把握することになりますので、使用者みずからにとりましても、自分の車が故障した際の原因究明が容易になるとか、他人に売却した際に整備した事実を証明できるとか自己の車の適正な自己管理に役立つ面がございます。 自己の保守をされるときの情報提供、あるいはこのような整備記録簿のメリットを強調した啓発活動を今後積極的に行って安全の確保に努めていきたいと考えております。
○景山俊太郎君 最後になりますけれども、今回の車両法改正による経済効果について伺いたいと思います。 今回の改正事項は、昨年十一月に決定されました「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」に盛り込まれております。規制緩和による国民負担の軽減、自動車マーケットの活性化が現在非常に期待されております。自動車産業というのは我が国の基幹産業でございますし、大臣が提案理由でお述べになりましたように、国民生活に必要不可欠なものとなっております。 自動車に関する規制緩和が国民に及ぼす影響ははかり知れないものがございます。技術の発達、自動車の性能の向上に合わせて今後も適切に規制の見直しを進め、自動車産業の発展、国民の負担の軽減、自動車交通の安全確保、こういうものに努力していかなくてはなりませんが、この点につきまして大臣の所信をお伺いして、質問を終わります。
○国務大臣(藤井孝男君) 運輸行政におきまして安全確保というのが一番大事な基本にあるわけでありますけれども、しかし世の中は日進月歩のように技術革新が行われてきておるわけであります。そういう進歩等に応じまして、我々も行政サイドとして国民の、いわゆるユーザーの皆さん方の負担を軽減するということは大変大事なことでありまして、規制の見直しを含めてこれは重要視をいたしておるところであります。 したがいまして、この規制の見直しというのは今後とも進めなきゃいけませんし、今回お願いいたしております車両法改正におきましても、規制緩和推進計画に基づきまして相互承認制度の導入とか分解整備検査の廃止、あるいは完成検査終了証の有効期間の延長、この三つの措置について盛り込んだところであります。 いずれにいたしましても、自動車交通の安全の確保あるいは環境の保全等々にも配慮しなきゃなりませんし、またこれからも規制の見直しを行い、結果的にはユーザー、メーカー等の負担軽減を図っていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○寺崎昭久君 先ほど装置の型式指定について、これを申請するかしないかは部品メーカーの任意にゆだねられているという答弁がございました。それを伺っていて思ったんですけれども、果たしてそうなるだろうか、制度として確かに任意ということになっているけれども、本当にそうなるだろうかという懸念を抱いております。 と申しますのは、この関係業界の実態を念頭に置いて考えますと、たとえ法律で任意申請が決められたとしても、自動車メーカ−は恐らく部品メーカーに対して指定をとりなさいという要求をするんではなかろうか、またそれが取引の条件だということも想像にかたくないわけであります。 そこでお伺いしますが、この指定申請を任意とした理由、それから任意性が確保されるであろうと考えた根拠、またそのために特別の対策なり措置を講じられるのか、三点について伺います。
○政府委員(荒井正吾君) まず、今委員御指摘の装置指定の取得は任意でございます。その理由でございますが、装置指定制度を義務づけました場合には、部品メーカーの中には複数の自動車に共通する部品の製造を余りされていない方もおられる場合がございますので、そのような装置メーカーの方に負担が生じる可能性がある。この装置指定のメリットは、いろんな自動車に共通する部品を製造される方に主として発生するものでございますので、そのような方への負担が生じることを避けるためでございます。 二つ目は、この装置の型式指定の任意性の担保でございますが、今委員御指摘がありましたことでございますが、改正をお願いしております法律案の第七十五条の二によりまして、申請により行うということを法律上規定されておりますので、法律上明らかに任意の制度でございます。したがいまして、装置の型式指定を取得するか否かは、個々の装置メーカーの判断に委ねられておるわけでございます。 三点目は、実態といたしまして、自動車メーカーと部品メーカーの関係の商取引的な関係で、自動車メーカーが部品メーカーに強要する場合があるのではないかという御指摘でございますが、民間の関係でございますので、行政が直ちに判断できかねる場合もあろうかと思います。 制度的には、装置の型式指定を取得されていない場合でも、自動車メーカーはその装置の型式指定は従来どおり可能でございます。したがいまして、従来からあります自動車の型式指定制度はそのまま生かされるわけでございますので、この装置指定によって新たなメリットが発生するということでございます。そのような趣旨を周知徹底する必要が生じる場合があるかもしれませんので、その節はそのような対処を考えていきたいと思っております。
○寺崎昭久君 現状報道されている程度の対象品目であれば、部品メーカーに新たな負担を強いるという面は極めて少ないのかなと考えられますけれども、この対象品目が拡大するに従って負担というのは当然ふえてくるんだろうと思うんです。 今、申請を任意にしたことが部品メーカーに対して過重な負担をかけないという配慮もあるんだとおっしゃられましたけれども、結果として、特定の部品メーカーに取引の場から去れというようなことにもなりかねないという懸念がないでもありません。 今回は、車両の認証と裏腹の関係でこの制度が運用されるわけでありますから、この装置の認証が進めば、結局のところ車両の認証にかかる費用の一部を部品メーカーに移転するという面があるというのを念頭に置いておかなければいけないと思います。中小企業の多い部品メーカーにとってはなかなかの負担だということを念頭に置きながら今後のこの制度の運用を考えてほしいなと思います。 さはさりながら、せっかくこの制度をつくっても、申請する部品メーカーが少なければこの合理性というのは保たれないわけでありますし、外国との相互認証のメリットも生かされないという面で矛盾がある。先ほど景山委員からも御指摘がありましたけれども、国によって認証制度の違うところもあるわけであります。日本がどんどんこの対象品目をふやしたとすれば、例えばアメリカの部品業界から非関税障壁だというような声が出ないでもない、そういういろんな問題をはらんでいるのがこの装置の型式指定制度であろうと思います。 それだけに、今後この制度を運用するに当たっては、相当慎重に関係者間の意見の調整、すり合わせをやる必要があると思いますし、それも時間をかけてやるという配慮も必要ではないかそういうことを申し上げておきたいと思います。 そういう観点から三点ほど質問いたしますが、いわゆる自動車マーク、自マークの対象品目は、今後ECE基準のそれと無関係に進められるのかどうか、拡大するのかどうか。私は拡大するべきではないと思いますが、いかがでしょうか。 二点目は、この対象品目について拡大する場合には、先ほども申し上げましたが、関係者間の意見調整をするべきである。もしできみことであれば恒常的な協議の場、話し合いの場というのも設ける必要があるんではないか。 それから三点目は、将来的には自マークとEマークを一体化した方がよろしいんではないか。 この三点についてお尋ね申し上げます。
○政府委員(荒井正吾君) まず、今、寺崎委員申されました今後のこの制度の運用に当たっての部品メーカーの負担、あるいは米国などの外国の部品メーカーの懸念等については、制度を運用する場合十分その懸念を念頭に置いて慎重に運用していきたいと考えております。 今の御質問三点のまず第一点の自マークは、今まで国内において共通化の進んだ装置に対応してその審査の合理化を図るということで、専ら国内の流通の円滑化のための制度でございましたが、自動車及び装置の国際流通の進展を考慮いたしました場合に、この自マークは今後相互承認制度に基づきますECE基準に準拠したものに移行することが望ましいと考えております。 したがいまして、自マークの対象品目の拡大につきましては、現在業界の要望もないことでもございますので、拡大することは考えておりません。 第二点目の、いろんな運用に当たって関係者の負担の公平が維持されないんじゃないかという懸念に配慮いたしました関係者との協議でございます。今回の法改正におきまして大変私ども学習させていただいたことが幾つかございますが、その中では、我が国道路運送車両法の改正がアメリカ、ヨーロッパに大変関心を持たれる非常に国際的な法律になったのかということでございます。それと、米国などでは法律の改正と実施の細目について非常に関心がある。今後の運用の中身についての明脂性を求められたということでございますので、その点は大変心に刻んだところでございます。今後、その運用に当たりましては、関係者と情報の提供、意見の聴取、意見の交換ということを十分に図っていきたいと考えております。 この実施細目の検討に当たりまして、五月の中旬に内外の関係者に公開ヒアリングを実施するとか、もう既に実行に移している面がございますが、法律の施行に当たりましても、関係者と必要に応じて定期的な協議の場を設ける、これはこちらの運用するサイドからもメリットがあると思いますので、制度の円滑な実施の配慮に努めていきたいと考えております。 三番目になりますが、今の国内流通円滑化のための自マーク、あるいは国際も国内も踏まえたEマークの対象品目を将来的に一本化したらどうかということでございますが、今委員御指摘がありましたように、将来的には国内だけの自マークを廃止して、相互承認の対象となります国際的にも通用いたしますEマークの項目に一本化していくのが望ましいというふうに考えているところでございます。
○寺崎昭久君 報道によりますと、現状のEマーク、自マークは若干対象品目が異なっております。もしそのとおりだとすると、自動車メーカーによる部品の内製化率の違い、あるいは部品メーカーの規模、あるいは車両法全体の法体系の違い、そういったものが恐らく背景になっているのかなと想像されます。 もともとこの装置認証と車両認証というのは表裏一体の関係にあると思います。したがって、そのことを考えますと、車両認証の審査等の関係あるいはその結果を活用して、装置に関するECE基準との整合性を図ってもいいのではないかという考え方も当然成り立つだろうと思います。そういう意味で、我が国が国連の協定の規則を尊重するということは当然そうするべきだと思いますが、さはさりながら、うのみにする必要もないのであろうと思います。 したがって、もし我が国が国連協定の正式なメンバーになるという状態になりましたら、ぜひ協定の規則の作成だとか改正に当たっては、我が国の部品メーカーあるいは自動車メーカーの実態、事情というものも反映するような協定づくりにしていただきたいし、運輸省としてもそういう立場からの反映をしてもらいたいものだと思います。 いかがでしょうか。
○政府委員(荒井正吾君) 我が国は世界の自動車の二割を生産いたします大自動車メーカー国でございます。一方、世界の保有車両の一割が日本でございまして、車大国の一翼を担っております。 そのような観点から、我が国の車の製造あるいは使用は国際的にも非常に関心があるところでございますが、国際基準、国際調和という観点から、従来は国連欧州経済委員会車両構造作業部会、ECE・WP二九というところで専門家の会合が持たれておりまして、国際的な調和の議論が進んでおるところでございます。その場におきまして、自動車交通局の専門家が定期的に参りまして、積極的な活動を行ってきたわけでございます。 今回、欧州以外で初めて我が国が国連相互承認協定に加入するわけでございますが、加入後は、同作業部会がやはり今後とも協議の場になることが予定されておりますので、同作業部会におきまして、今後の国際基準につきまして具体的な調和基準を提案していくなどの活動を一層積極的に行う必要があろうかと考えております。その際、国内の諸事情、部品メーカー、自動車メーカー、使用の実態等を反映した国際基準になりますよう努めていきたいと考えております。
○寺崎昭久君 装置の認証業務をどう進めるかということに関しまして、私の調べたところ、外国では実務を民間ラボなどに委託しているところが少なくないように思います。 報道によりますと、日本の場合には運輸省の交通安全公害研究所がその実務を担当するやに伝えられておりますけれども、それは事実かどうか。事実とすれば、その研究所にした理由は何か。 外国が民間ラボを多用しているということは、それなりの予算もあるのかなと想像されるわけでありますけれども、また、民間のラボを多用するということが、行政をスリム化する、簡素化するという上からも適切な措置ではないかと私は思うわけでありますが、今回、民間ラボを使わなかった理由についてお尋ねします。
○政府委員(下平隆君) 自動車の審査といいますものは、安全あるいは公害の基準であります保安基準に適合しているかどうかということを判断するものでございます。また、保険あるいは税の基礎になります自動車の諸元、自動車の重さですとかエンジン排気量といったものでございますが、こういう諸元を確定する行為でもございます。また、新しい車の最先端の技術について、基準に合っているかどうか判断が必要なものでございます。 したがいまして、的確に公正、中立な実施が必要であるというふうに考えておりまして、現在、自動車の型式指定についての審査は運輸省の交通安全公害研究所において実施をいたしております。お尋ねの装置の型式指定は、この自動車の型式指定の審査の一部に当たるものでございまして、引き続き交通安全公害研究所で装置の型式指定に係る審査を実施することが適切であるというふうに考えているところでございます。 なお、海外で一部民間の試験機関といいましょうか、公的な試験機関を活用している例があるというお話がございました。自動車の装置の審査は、先ほど申し上げましたように、一元的に審査を実施するという意味で、効率的な実施のために当面は交通安全公害研究所で引き続き行うことを考えておりますけれども、将来の課題といたしまして、安全や環境に支障が生じないことを前提といたしまして、可能な限り公正、中立な第三者による試験の導入も含めて検討してまいりたい、このように考えております。
○寺崎昭久君 民間ラボの活用については将来の課題だというお話でございますので、質問はこの問題に対してはこれ以上深追いしません。 念のために、今回の装置認証制度を入れた場合、この研究所の人員というのはふえるんでしょうか現状維持になるんでしょうか。それと、費用はどれくらい予定されているんでしょうか。
○政府委員(下平隆君) 今回の装置型式指定制度導入によりまして自動車の型式指定の審査の一部が合理化されることが可能になります。これに伴いまして、自動車の審査の実施業務についても合理化が可能となるわけでございますので、今回の新しい制度の導入に伴いまして交通安全公害研究所の実施体制を増強する必要は当面はないというふうに考えております。 しかし、今後、装置指定の対象品目が拡大するなどさらに検討する必要が生ずれば、研究所の体制の整備についても見直し、検討をしてまいりたい、そんなふうに考えております。
○寺崎昭久君 今回の装置認証制度が発足しますと、これまでの自マークの時代と違いまして、恐らく立入検査等について法的根拠を与えることになるんだろうと思います。それだけに、どういうケースでいつやるのかという検査等の範囲についてなるべく裁量が入らないような透明な状態で示しておくことも大事なことではないかと思っているわけであります。 例えば、一たん装置の指定をとったメーカーに対しては定期検査をする、年に二回やる、あるいは年に三回やるというようなことになりますと、それだけで検査を実施する側の体制として人員体制も予算も相当変わってくるわけであります。そういうようなこともありますので、立入検査等をやるとすればどういう状態のときに検査を行うのかあるいはいつやるのかどの程度やるのか、明らかにできる範囲で御説明いただきたいと思います。
○政府委員(下平隆君) 装置指定制度の導入に伴いまして、この制度を適切に運用していくため、あるいは相互承認協定の実施を図るために、装置指定を取得した者に対する立入検査あるいは報告聴取を求めることができるようになるわけでございます。 この立入検査の実施につきましては、できる限り担当者の裁量による余地を少なくするように検査の実施に係る取り扱いを明確化したいというふうに考えておりまして、その内容につきましては可能な限り通達等により公表してまいりたいというふうに考えております。 なお、立入検査、監査の実施をどういう場合にするかということでございますけれども、その装置の指定につきまして特段の問題があった場合に限り実施をするというふうな方向で運用を図ってまいりたいと考えております。
○寺崎昭久君 ぜひ検査に当たっての透明性というんでしょうかどういう項目をいつやりますよというようなことが、別に部品メーカーに対してじゃなくて国民から見ても安心できるような状態で、なおかつ行政コストがそんなにかからない、しかも効率的に行われているという状態で運用されるように希望しておきたいと思います。 それから、装置認証をした場合の手数料について若干お伺いいたします。 装置認証を申請しそれが許可される場合に手数料を取るのか取らないのかまだ伺っておりませんけれども、手数料は徴収するんでしょうか。私は、これは装置認証も安全性を向上させるという要素に着目するのであれば無料にしてもいいし、ないしは取るにしても低料金に決めるべきではなかろうかというように考えております。 少しこじつけめいて聞こえるかもしれませんけれども、例えば安全性向上ということで自動車ユーザーから自賠責保険料の運用益の一部を取り上げて、それを運輸行政費ではなかろうかと思われる業務に使っているのではないかとかねがね思っているものですから、安全性に資するということであれば、今回の手数料というのは無料にするか本当に低い水準に抑えた方がいいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(下平隆君) 装置の型式指定に当たりましては、試験の実施等の業務が必要になります。したがいまして、これを無料とすることはできないというふうに考えておりますけれども、その手数料を定めるに当たりましては、試験に要する実費などを勘案して決めてまいりたいというふうに考えております。具体的には、一装置当たりの手数料が数万円程度になるという予定でございます。 一方、型式指定を取得した装置を自動車に装着した場合に、その自動車の型式指定の審査の一部が省略される、合理化されるわけでございますが、その合理化に見合う分について自動車の型式指定の手数料から減額をするということも考えておりまして、全体として手数料が申請者に過重な負担にならないよう工夫を加え、適切な運用を図ってまいりたいと思っております。
○寺崎昭久君 今、型式指定を申請した場合の手数料をどう徴収するかということなんですが、これは仕様ごとということになるんでしょうか。例えばヘッドライトとか尾灯が今回装置認証の対象に挙げられているようでありますけれども、ヘッドライトといっても車によって大きさとか明るさとか形とかみんな違うわけであります。一個ごとに料金を取ることになるんでしょうか。
○政府委員(下平隆君) 例えば今御指摘のヘッドライトでございますと、ヘッドライトの基本的な構造が同じものを一つの型式、一つのタイプとして申請をいたします。このヘッドライトの型式について申請をし審査をし指定をする、この一連の処理に関しまして手数料を徴収することを考えておりまして、一個ごとのヘッドライトについて手数料を徴収するというものではございません。
○寺崎昭久君 手数料は安い方がよろしいと申し上げましたけれども、認証業務全体のコストを下げるというのは国民の利益にもつながる大事な問題だと思います。 そういう観点から、これは大臣にお尋ねしたいわけでありますけれども、私は、自動車や装置の認証取得実務にかかるコストをトータルとして下げるという意味で、今政府が早急に取り組まなければいけないのは情報の電子媒体化ということではなかろうかと思います。国際的に電子メールだとかインターネットだとか、電子媒体化が大変進んでいるのが実態でありまして、それによる業務の効率化を図っているのは御存じのとおりだと思います。今後、こうした分野に着目した業務をさらに進めていかなければいけないという意味では、これは民間であろうと官であろうと変わらない問題だろうと思います。 今、聞くところによりますと、例えば自動車メーカーが自動車の型式指定を受けようと申請するために書類をつくるわけですけれども、自動車メーカー全体で考えると百人はその作業にかかわっているんではないかというようなことが推定されているわけであります。分厚い資料を持ち込んで阿部もコピーする、運輸省は運輸省でこれまた書類を一枚一枚めくって検査するという大変な作業をやっているんだろうと思います。 こうした点から、電子媒体化される方がよろしいんではないかと思いますが、運輸省でもいろいろ計画を組まれているかと思いますけれども、ぜひ年限を定めていつまでにこういうことをやりたいというようなお考えがお示しいただけるのであれば大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) この問題は、運輸省関係の届け出ですとか申請ですとかの手続、これは別に運輸省に限らず行政全体にかかわる問題でありまして、また、この電子化というものがどんどん進んでいる状況から見まして、運輸省としましても情報化推進計画というものをつくっておりまして、これに従って推進をしていかなきゃならないと思っております。 そういうことで、積極的に今鋭意検討中でございますが、いつまでということでありますけれども、こういう電子化というのはいろんな面でまだ問題が残されているところもあります。そういうことも踏まえていかなきゃなりませんけれども、まずできるものから、可能なものから電子化していくということが大事なことかなと思います。 したがって、それが申請者の負担にならないように、軽減に向かうように、簡素化に向かうように、効率化に向かうように、これからも積極的にこれは努力していかなきゃならないと思っております。
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。 今回の法改正において、自動車の装置について運輸大臣が型式指定を行うこととしております。この指定を受けた装置については、自動車全体の型式指定の際の保安基準適合性に関する審査を省略することとなっております。つまり、従来の自動車全体の型式指定の方式から自動車装置の型式指定に制度を拡大してきた。この理由は何なのか、まず大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(藤井孝男君) これは先ほど他の委員の御質問にもお答えしたところでございますけれども、近年、同一の構造の装置が多くの種類の自動車に共通して使われる、こういう時代になってきたわけでございます。また、自動車そのもの、また装置の国際的な流通が非常に活発になって進展してきた、そういう状況を踏まえまして、今般、装置の型式指定制度を導入したところでございます。 また、国連の相互承認協定に基づく相互承認を可能にするということにもなりますし、同一の構造の装置が共通に使用されている自動車の審査の合理化を実施する、こういうことにもなっておりまして、やはりこれから国際化と申しましょうか、そういう中での一つの流れに沿った、ある面では積極的にそういうものに協力していこう、こういうことで今回法改正を装置にまで拡大したところでございます。
○但馬久美君 そこで、お伺いいたします。装置の基準を統一するに当たって、運輸省が各部品の企業に対して寸法や素材を示してそのとおりにつくらせて統一を図るということなのでしょうか。そしてまた、基準統一を図ろうとする運輸省がその模範基準をどこに求めているのか、これをお聞かせください。
○政府委員(荒井正吾君) 装置の基準はだれがどのようにして決めるのかという基本的な御質問であろうかと思いますが、行政がこういう自動車でないといかぬと具体的な例えば寸法とか構造を示すということではございませんで、メーカーがいろいろ技術の進展において創意工夫をされております中で、運輸省は安全と環境にとって守るべき最低限の基準をみずから持っておりますので、その適合性を判断することを基本としております。したがいまして、自動車及び装置のメーカーの方の作成されるものが世の中に流通していいものかどうかということを判断する基準を運輸大臣が持っておるものでございます。 今回の改正に当たりまして、それを国際的に統一されたもの、あるいは調和されたものにした方がいいんじゃないかという目標で行うわけでございますが、先ほど御説明いたしましたように、基準が統一されますと、メーカーにとりましては同じものがいろんな国で販売できたり使用できるというメリットがあるわけでございます。その基準の統一は今欧州を中心にされておりますわけでございまして、国際的な基準に日本が合わすのか、日本の基準に合わせてもらうのか、これは交渉あるいは意見の交換が要るところでございますので、今後専門家によって協議が重ねられていく必要があろうかと思います。その結果、統一的な基準が作成されるというふうに過程を経るものと見ております。
○但馬久美君 このたびの法改正に対しまして、日本自動車部品工業会は、これまで車両規制一本だったものを今後は車両規制と同時に装置の規制と二重の規制になることを意味していると言って反対しておりました。また、自動車産業の労働組合も、国際基準に向けた規格化の流れともとれますから、明らかに規制強化につながる内容を含んでいると、行政の肥大化につながる施策に反対しているというふうに伺っております。 こうした動きに対して、運輸省はどう対応されてこられたのか、お聞かせください。
○政府委員(下平隆君) 今回導入をいたします装置の型式指定制度は、あくまでその取得が任意でございまして、その意味で装置メーカー等に対する規制の強化というものではないというふうに考えております。 また一方、自動車の型式指定制度と装置の指定制度、この二つの制度が併存するから二重規制ではないかというお話がございましたけれども、この二つの自動車及び装置の指定制度は、相互に補完をし合う制度であるというふうに思っておりまして、一方の指定を受ければ他方の指定の審査の部分が省略できる、こういう性格のものでございますので、二重規制になるというふうな性格のものではないと考えております。 しかし、この制度導入に当たりまして、ただいま御指摘がございましたように、制度の内容が十分にわからないというふうな不安も一時あったのかと思いますけれども、一部関係者によりまして懸念の表明がございました。その後、運輸省といたしまして、この装置指定制度について部品業界を初め関係の多くの皆様に説明をした結果、現在では十分に理解をされているものというふうに考えております。 また、装置指定制度を実際に運用していくためには、法律に基づきます実施細目をこれから決める必要がございますけれども、こうした実施細目を定める場合にも関係者の皆様の御理解あるいは御意見を踏まえた運用を図りたいというふうに考えておりまして、先週でございますけれども、五月の十二、十四日に、内外の関係者から装置指定制度の実施細目を定めるに当たっての御意見等を聴取したところでございます。今後ともこうした運用を図りながら、関係者の理解を得ながら制度の円滑な実施の運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○但馬久美君 また、先ほども話がありましたけれども、部品業界では、製造する部品メーカーにとって工場への立入検査の義務が生じるとか、または型式指定を受けるための負担だけではなく検査を受け入れるための負担も発生するとも言われております。しかもこの負担増は、近年、自動車メーカーの強い値引き協力要請で部品の販売単価に反映しにくい状況にあると思われます。 こうした部品業界、つまり中小・零細企業の困窮をどのように運輸省は見ておられるのか、またそれにどう対応されていくのか、お聞かせください。
○政府委員(下平隆君) 装置の指定を取得いたしますと自動車の審査の重複試験が省略できるというふうな合理化が可能になるわけでございますが、御指摘をいただきましたように、この指定を取得するための手続等の負担が申請者には生ずるわけでございます。したがいまして、装置の指定取得にかかる負担の軽減を図るために、できる限り申請時にはその書類を少なくするように、あるいは処理の期間、審査の期間を極力短縮化し標準化するようにいたしまして、申請者の負担の軽減に配慮をしてまいりたいというふうに思っております。 また、立入検査について懸念があるという御指摘がございましたけれども、立入検査は装置指定制度を実施していくため、あるいは相互承認協定を実施していくために必要な制度でございますので、今回法律の中に規定することを提案させていただいておりますけれども、その実施に当たりましては、装置指定について問題が生じた場合に立入検査を行うというふうなことに限定をするような運用をしてまいりまして、申請者側の過度な御心配がないような運営を図ってまいりたいというふうに思っております。
○但馬久美君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。やはり型式指定の対象範囲をできるだけ絞っていただきたい、そういうふうにも念願するわけでございます。 次に、通産省にお伺いいたします。 運輸省の装置の型式指定制度に対しまして、当初、規制緩和の流れに逆行するものと反対の立場におられたという報道がありました。閣議決定でこの改正法案が国会に出されたということは、つまりオーケーされたということになるんですけれども、その転向された理由は何か。また、当初、規制緩和の流れに逆行するものと考えられていた理由は何なのか。二点お聞かせください。
○説明員(浦田益太郎君) 御説明申し上げます。 私どもとしましては、現在の法案の中に盛り込まれております内容のうち、保安等の基準の国際的な調和あるいは統合を進めていくという部分に対しては、貿易の促進という観点からも、あるいは企業活動一般の効率化という観点からも大変望ましいことであるというふうに考えております。 他面、ただいま御指摘の装置の型式制度の導入につきましては、規制緩和を進めるという一般的な要請との調和をどういうふうに図っていくのか、あるいは先ほど来御議論がございますような厳しい環境下に置かれている部品産業に過大な負担になることがないのかという点について関心があったわけでございまして、法案協議の過程の中で運輸省の皆様方と種々御相談させていただいたということでございます。 その過程の中で、運輸省の御関係の方々から、装置の型式指定はあくまでも任意のものであるという御説明がございまして、かつ運輸省さんとされても干渉するものではないということについて内外関係者に対して明らかにするという御説明がございまして、私どもとしては部品取引に際して必ず行政手続が必要になるということではないし、かつ部品企業の任意の判断というものは十分尊重されるというふうに判断いたしまして、法案には賛成を申し上げたという次第でございます。
○但馬久美君 また、アメリカ政府もこの自動車部品の相互認定制度、つまり型式指定制度は新たな規制強化で、EU製品だけの優遇につながりかねない、そういう反発をしていたんですけれども、その後その懸念を撤回しているようです。これは先ほど景山委員からも質問がありましたけれども、その撤回された理由をお聞かせください。
○政府委員(荒井正吾君) 今委員御指摘されましたように、当初米国は、今回の車両法改正の装置指定制度及び当時予定しておりました装置リコール制度について懸念を表明されました。 その理由は、当方の承知しておりますところによりますと、制度の内容がまだ明確に提示されていない、省令、通達の段階まではっきりさせてほしいというふうな実行についての懸念、さらに欧州の協定に加盟して日本が相互承認のフレームをつくるということに対して、米国製品の日本への輸出の障害になるんじゃないかということが主な理由であったと思います。 その後、運輸省の担当官を米国に派遣いたしまして、一つには、この装置指定制度は自動車の審査の合理化を図る目的であります、また、内外を問わず部品メーカー、自動車メーカーの方に負担をかけるつもりはなく、またそれを極力避けるような運用をいたします、三つには、その詳細を定めるに当たりましては内外の関係者の意見を聞く、あるいは意見を交換するというようなことを通じまして制度の運用についての透明性を確保するということを説明し、お約束してまいりました。 また、装置のリコール制度につきましては、いろんな懸念がまだ払拭されないという状況でもございましたので、今回の法案の改正には盛り込まないということにいたしましたので、そのような事情で米国は法案についても現在賛成されておるところでございます。
○但馬久美君 今、リコール制度の話を伺いましたけれども、このリコール制度が実施された場合はどういう影響があると考えられますでしょうか。
○政府委員(荒井正吾君) 米国からもそうでしたけれども、我が国の部品の関係者の方からはリコール制度を実施した場合に負担が増加するのではないかという懸念が表明されました。具体的には、中小零細な装置メーカーにとりまして、リコールがかかりますと非常に大きな負担が生じる可能性があるんじゃないか、先ほど寺崎委員からも御質問がありましたように自動車メーカーからの押しつけということが結果的に出てくるんじゃないか、あるいは装置指定制度の際の立入検査の対応等が過剰な負担になるのではないかというふうなことが当時は表明されたものでございます。
○但馬久美君 ぜひ、業界あるいはユーザーに対して配慮していただきたい、そういうふうに思うわけでございます。 自動車装置の相互認定制度におきまして対象品目が十一品目から十六品目に拡大するようでありますけれども、自動車の装置は全体で百四の装置からできていると伺っております。今後これらが全体に広がるということはないのでしょうか、お聞かせください。
○政府委員(下平隆君) 相互承認を実施いたします対象品目を選定するに当たりましては、日本の基準と協定でございます国連の基準が統一されている、調和されているということが必要でございますし、また国連の基準に従いまして我が国の国内で試験審査を実施する体制が整っている必要がございます。 このために、協定加入当初はこうした条件を満足いたします乗用車のブレーキとかあるいは反射器といった国連基準でいきますと正規則八品目を考えておりますけれども、協定加入後はこの品目数を拡大していく方針でございまして、日本の基準と国連の基準との整合化、調和をする作業を積極的に進めながら、国内の審査の体制も整備をいたしまして、段階的に相互認証を適用する規則を拡大していく、そんな方針を持っております。
○但馬久美君 EUにおける型式指定制度やリコール制度については現在どういう状態にあるのか、お聞かせください。
○政府委員(下平隆君) 欧州におきましては、現在日本が加入をしようとしております国連の相互承認協定に基づきます装置の指定制度がございますし、さらに欧州連合、EUの域内におきましてもEU指令に基づく相互承認を行う装置指定制度がございます。 一方、リコールの制度でございますけれども、欧州におきましては現在ECE指令によりましてリコール制度の導入を加盟国に求めておりまして、今後EU加盟各国でもリコール制度が順次導入をされていく状況であるというふうに理解をいたしております。
○但馬久美君 この制度を業界やユーザーはどういうふうに見ておられるのかお聞かせください。
○政府委員(下平隆君) 装置の指定制度につきましては、先ほど来説明がございますように自動車あるいは装置の国際的な流通が進んでおりますので、これを加速する意味で大変に有益な制度であるというふうに自動車及び装置業界は評価をしていただいていると思っております。現に、日本、アメリカ、欧州の自動車業界が日本がこの国連の相互承認協定に早期に加入することを求めます共同ステートメントを発表いたしているところでございます。 一方、今リコール制度のお話もございましたけれども、リコール制度につきましては、現在自動車についてのリコール制度がございますが、装置のリコール制度を導入いたしますと、消費者の保護という観点からは消費者に利益のある部分がございますけれども、一方、自動車の装置、部品というものの製造者は大変中小零細な企業が多いわけでございますので、こうした企業に対する新たな負担ということがございます観点から、先ほど来御説明申し上げておりますように、今回の法案にこの制度については盛り込んでございませんけれども、今後の検討すべき課題というふうに考えているところでございます。
○但馬久美君 もう時間が参りましたので、最後にもう一点お伺いいたします。 一九五八年のこの協定に我が国も今国会で加入したわけなんですけれども、今後どういう影響が出てくると予測をされているのか。また、例えば輸入車の増大に伴って国内の自動車メーカーとの競争が激化してまいりまして、場合によっては倒産メーカーも出るのではないかという危惧がありますけれども、その点どういうふうにお考えであるか、お聞かせください。
○政府委員(荒井正吾君) 自動車及び部品は今大変な国際商品になっておりますので、各国の基準及び認証がそれぞれで行っているのは、メーカー及び消費者、ユーザーにとってコストその他の負担が生じるであろうという流れの中でこのような簡素化あるいは審査の省略を実施しようとするものでございますし、それが世界の流れでございます。 一方、自動車が、最近のベンツとクライスラーの合併に見られますように、世界を統一マーケットとして見ていろんな競争が行われつつあるという実態でございますので、大きな競争の流れが自動車の中でも他のマーケットと同じように激化していくというふうには私ども思いますが、具体的にこの制度の導入で日本のメーカーへ直接どのような影響があるかということは、少々難しい問題でございますので、申し上げるほどの見解は恐縮でございますが持ち合わせておらないところでございます。
○但馬久美君 終わります。
○瀬谷英行君 社会民主党の瀬谷です。 〔委員長退席、理事寺崎昭久君着席〕 この現行法を制定した当時は昭和二十六年なんですね。約半世紀前なんです。だから、手続上の問題についていろいろと改正を加えて簡略化するという趣旨についてはもっともだというふうに思いますから、私はそれはそれなりに結構なことだと思うんです。 この中で、検査対象外の軽自動車及び小型特殊自動車を除く、こういうふうにあります。この検査対象外となっている軽自動車と小型特殊自動車とは具体的にはどんなものをいうのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(下平隆君) 自動車の種別の中に軽自動車という分類がございまして、現在はエンジン排気量六百六十cc以下の自動車でございますが、軽自動車は今検査が義務づけられておりますけれども、検査の義務のない軽自動車を検査対象外軽自動車と呼んでおります。具体的には、例えば雪国で使われておりますスノーモービルという自動車がございますが、こういったものがそれに当たります。 一方、小型特殊自動車と申しますのは、いわゆる建設用とかあるいは作業用に使う特殊な自動車、例えばフォークリフトとかいうものでございますけれども、農耕用トラクター等もそれに入るわけでございますが、そのうちの小型のものを小型特殊自動車というふうに呼んでおります。
○瀬谷英行君 煩雑な手続をなるべく省略していくということは、自動車が今日のように普及をしてきた以上はこれはやむを得ないことだと思います。 しかし、五十年前のことを考えますと、私のような大正生まれの者は、昔は明治は遠くなりにけりという話があったけれども、大正も結構遠くなっちゃった。あのころ二十代だった自分の周辺のことを考えますと、自動車を買うなんということは、おもちゃなら別だけれども、大人が乗る自動車というものは我々の買えるものじゃないと思っていた。我々の周辺にいる者でも車を持っているなんというのはいなかったですよ。職業として車を運転している人は別だけれども、自家用車を持っているのはブルジョアの部類に入ったんです。したがってあの昭和二十年代は車というのは高ねの花だったんです。ところが、今は高ねの花どころか昔の自転車並みになっちゃった。だから交通渋滞が起きて、最近でも渋滞の中でバスにトラックが追突してけが人が出たなんというのはきのうきょうのテレビでも聞きました。そういうふうになっているんです。 だから、五十年前と今と比較をしてもこれだけ変わってきたんだから、これから先、五十年後には一体どうなるんだろうか。残念ながら五十年後まではちょっと生きる自信がないので予測できませんけれども、恐らくこの五十年、百年というのは世の中えらい進歩すると思うんです。今以上に簡単に車の運転もできるようになるし、操作もできるようになるんじゃないかと思うんです。いろいろ研究されていると思うんですが、これから先、一体自動車そのものがどのような形になっていくのか。ある程度想像がつくんじゃないかと思うんですが、専門家の皆さん方にお聞きしてみたいと思うんです。
○政府委員(荒井正吾君) 今、大変歴史的な観点から自動車文明を申されまして、また今後の自動車のあり方あるいはまた使われ方をどう思うかという大変広い御質問のようにも思います。なかなか全容について申し上げる能力がございませんが、現状から見て一つ大切だと思っている点がございます。 自動車がこれほど使われますと、いろんな年代の方、性別の方が使われますので、事故が大変ふえて、そのまま減らない状況が続いております。一万人を超える方が自動車事故で毎年亡くなられるわけでございますが、その中で半分以上が実は車の中で亡くなられる。ちょっと言葉がどぎついわけでございますが、車自身が棺おけになるというような状況が日常生じておるわけでございます。これは車社会の一つの実相でもございますので、そのような交通事故を極力減らすということがないと、車社会の便利さを享受できない、危険にさらされるんじゃないかという観点は強く持っているところでございます。また、そのような事故の防止というのが運輸省の大きな使命の一つであろうとも考えております。
○瀬谷英行君 自動車事故の中で怖いのは、やはり燃料がガソリンですよ、今のところは。戦争中あるいは戦後しばらくは木炭自動車というのがあったんです。あれはガソリンに比べれば危険度が少なかったと思うんだけれども、そのかわり余り能率はよくなかった。こんなものを使わなきゃならないのかなと昔思ったことがあるんですけれども、時代の変化に伴って燃料が安全な簡単に火がつかないような燃料にかえられるという可能性があるのかどうかということ。 それから、問題は道路の渋滞なんです。現在は道路の方が自動車の発達に追いつかないんですよ。道路をつくるときにはこれだけ幅の広い道路をつくれば交通渋滞なんかないだろうというふうに思って道路をつくったんだろうと思うんですけれども、今はそうじゃなくなっちゃった。幾ら広げても広げても道路の渋滞というのはもうなかなが解消できないんですよ。 だから、道路行政と自動車行政というのは別々のものであってはいけないような気がするんです。道路の状態も自動車の発達とあわせて、自動車の数とあわせて考えていかないと渋滞という問題はいつまでたっても解消しないと思うんですね。渋滞の問題が解消しなければ交通事故の件数もこれまた減らないということになってくる。 だから、危険な交通事故を防止するためにも、それから渋滞を何とか避けるためにも、道路行政と一緒になって考えていく必要があると思うんですけれども、どうも現在のところは道路の方が立ちおくれていて、またほかのことと違って簡単に広げられないという点もあるんですが、その点、一体どのように考えていくか。車のことだけ考えていたんじゃ問題が解決しないような気がするので、その辺のことをまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(荒井正吾君) 今、瀬谷委員おっしゃいました中に、自動車交通の基本的な要素でございます燃料、それから自動車の装置、自動車そのもの、それが走る通路の道路というものがどのように今後あるべきかという御質問でございます。 答えられるところを真剣に答えたいと思いますが、一つに、まず燃料につきましては、ガソリンが今たまたま非常に安くなっておりますが、地球温暖化対策の関係でCO2排出の大きな増加要因になっているという指摘がございますので、今後の燃料といたしましては環境に優しい燃料、電気を使うとかメタノールを使うとか圧縮した天然ガスを使うとか、あるいはガソリンエンジンでもモーターと組み合わせて使いますハイブリッド自動車といったものを使うというようなことが開発され、普及を促進しようということでございます。運輸省もそういうような観点から低公害の燃料を志向した支援措置を充実させていきたいと考えております。 それから、二つ目の道路行政あるいは道路の建設の重要性はおっしゃるとおりだと思います。 事故が起こったりする要因の中で、道路運送車両法の基本的使命でございます車両自身の安全性ということは、技術が非常に進歩してまいりましたので、自動車が壊れたりふぐあいが直ちに発生するという事例が大変少なくなっておりますが、使用される道路で人をはねたり車同士が衝突したりということが頻繁に起こるという状況でございますので、道路を社会にどのようにつくっていくかということは大変大きな課題だと思います。 今後、中央省庁の再編等で今予定されております国土交通省というようなものができ上がりますと、自動車交通局の行政から道路行政と非常にマッチするような、協調して事故を減らして車社会が便利になるようなことを真剣に工夫をしていきたいと思います。
○瀬谷英行君 ジャカルタでいろいろ暴動があって、自動車をひっくり返して火をつけるといったようなことがありましたけれども、あれはやっぱりガソリンを使っているから火をつけるとすぐに燃えてしまうということになると思うんです。電気自動車だったり、あるいは昔の木炭自動車だったりすればそう簡単に火をつけられませんからそうはならないと思うんです。 燃料そのものの研究とか開発というものは今どの程度研究をされて、将来の見通しとしてはどんなものがあるのか。安全でしかも安いということになればそれが一番いいと思うんですけれども、できればやはり余り危険でなくて安くてそして簡単に使える燃料というものは研究できないものかというようなこともちょっと考えるんです。鉄道の面で考えてみましても、昔は蒸気機関車は石炭をくべて走っていたんですけれども、今はみんな電化されました。また、電気製品だって、昔は手の平に入るような小さなラジオに電池を入れて聞こえるなんということは考えもつかなかったです。それが今は、小さな電池を入れてラジオでも何でも聞けるようになっちゃったんです。 だから、こういうものを考えると、そのような研究が実ったならば二十一世紀には車社会でも一つの革命が起きるんじゃないか、起こし得るんじゃないかという感じがするんです。その点、希望の持てるような研究開発が行われる可能性があるのかどうかまた、現在そういうことを運輸省として研究しておられるのかどうか、これらの点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(下平隆君) ガソリン自動車は確かにガソリンを使用いたしますので危険性が伴うわけでございまして、この点について申し上げれば、ガソリン自動車が衝突した場合に燃料が燃えて火災にならないというふうな安全上の措置も必要でございますので、そのような対策を現在講じ、事故による火災発生防止ということにも取り組んでいるところでございます。 今お尋ねのガソリンに依存をするということがいいのかという点でございますけれども、一面では、ガソリンは石油資源でございまして、石油資源には限界がございます。省エネルギーあるいはエネルギーの安全保障という観点から検討が必要でございますし、一方で地球温暖化を初め環境問題の観点からもガソリン自動車についての検討ということが求められているというふうに理解をいたしております。 ガソリンにかわるより望ましい燃料はないのかという点でございますけれども、現在は、先ほども局長から御答弁申し上げましたように、メタノール、これはアルコールの一種でございますけれども、という燃料を使う、あるいは天然ガスを圧縮いたしましてコンパクトにした形で使う圧縮天然ガス、CNGと言っておりますけれども、これを用いることなどが研究をされておりますが、さらにこれらの燃料を複合したものが使えないかという研究も進められているところでございます。 一方で、ガソリン以外に、今ディーゼル車という車がございますけれども、軽油、これは石油資源から来るわけでございますが、軽油を用いたエンジン、ディーゼルがございますけれども、こちらについても環境との調和を図りながらディーゼルエンジンの改良というふうな取り組みをいたしているところでございます。 運輸省としましては、環境保全あるいは省エネルギーの観点から、新しい二十一世紀の原動機についての研究開発を進める必要があるというふうに考えておりまして、先端的な技術開発、あるいはそういった低公害車の普及につながるような措置を現在講じているところでございます。
○瀬谷英行君 ディーゼルの問題については、船でもディーゼルは使われるようになっているわけです。だから、車のように、船に比べればずっと大きさも違うし、簡単に行けるような気がするんです。電池でも何でも、昔のように大がかりな騒ぎをしなくたって電力というものは圧縮をされて使われるというような時代になってきたんだから、これらの点について、日本はやはりそういう発明やら何やらの方では結構すぐれていると思うのです。そういう点でもう少し研究に力を入れて、画期的な発明ということになるかと思うんですけれども、そういうところまで私は行ってほしいと思うんです。 それらの点について、積極的に取り組んでもらいたいと思うんですけれども、これは大臣の方からひとつお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど下平部長の方からも御答弁申し上げたんですが、やはりこれからの環境を考えると、今ハイブリッドカーというのが一都市場に出てまいりましたけれども、今後ともそういういろんな面から考えまして新たな技術開発に積極的に取り組んでいかなきゃならないと考えております。 例えば、電気自動車も今現在相当な技術革新技術開発が行われておると思いますけれども、走行距離も大分延びているようであります。また、電気自動車の場合には、蓄電技術、それからスピード感というのがどの程度で満足するのかいろいろございますけれども、そういった面で今後とも私どもは積極的に環境にも対応できる、そして効率的な、また先ほど答弁いたしましたように、石油にいたしましても天然ガスにいたしましても有限の資源でございますから、そういったことを考えていけば、私どもは資源を持っておりませんので、より積極的にそういった面の開発を進めていかなきゃならない、このように考えております。
○筆坂秀世君 先ほど自動車交通局長から、今の交通事故の半分が自動車が棺おけになるような事態があると。それは事実だと思うんです。事故防止が運輸省にとっても大きな使命だという答弁がありましたが、それともかかわって車検問題について二、三お伺いしたいと思うんです。 昨年の三月閣議決定の規制緩和推進計画では、トラックなどの車検有効期間については、「平成九年度に集中的に調査を実施し、その結果、安全確保、公害防止の面で支障がない場合には、延長する。」ということが確認されています。ことしの三月の閣議決定、規制緩和推進三カ年計画では、延長問題について年度内に結論を出すということが言われています。つまり、規制緩和推進計画ではトラックなど営業用自動車の車検有効期間の延長について今年度中には結論を出すと。そのために、運輸省としては九六年度に自動車の検査・点検整備に関する基礎調査検討会というのを発足させ、車検の有効期間の見直しを検討してこられました。九七年度に約四十万台の自動車を対象とした車検前後のふぐあい実態に関する調査と分析を行い、その結果をことし三月開催の「フォーラム「車検」を考える」というところで発表されています。 この調査、特に事業用自動車、トラック、バス、タクシーの法定定期点検率、それぞれについてどういうふうになっているかということをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(下平隆君) 事業用トラックにつきましては、現在定期的に点検整備を行うことが義務づけられておりまして、一カ月、三カ月、六カ月等と決まっております。それぞれの現在の実施率でございますが、これは私どもの調査の結果でございますけれども、一カ月点検につきましては二七%ぐらい、三カ月につきましては五六%ぐらいというふうな状況でございます。
○筆坂秀世君 事業用トラックは今おっしゃったようなことですね。一カ月点検が二七・三%、三カ月点検が五六・六%。タクシーは一カ月点検が九五・五%、三カ月点検が九七・九%。九割以上ですから、ほぼ一カ月点検あるいは三カ月点検というのをやっている。トラックの場合にはそれが三割を下回っているあるいは五割ちょっとという状況なんです。これはやはり業界の事情が一つはあると思うんです。運送業界というのは中小零細企業が非常に多く占めている、経営状況も非常に厳しいということの反映だというふうに思うんです。 この実態調査に基づくデータを勘案して、今後車検有効期間が延長された場合の事故やそれによる死傷者の増加状況について予測をされていますよね。事業用トラックについて、交通事故の死傷者数が定期点検を延長することによってどれぐらい増加するか、その予測値というのはどういうふうに出ていますか。
○政府委員(下平隆君) 先ほど御指摘がございました運輸省に基礎調査検討会を設けて、四十万台を上回る車についての調査を実施してまいりました。平成九年度末、三月にその結果を取りまとめたところでございます。 この基礎調査検討会の分析によりますと、自動車検査の有効期間を現在の制度のまま単純に延長した場合にどのような社会的な影響があるかという試算も行っておりまして、その試算の中に、交通事故の増加あるいは環境への影響というふうなものについてもまとめてございます。 その中から引用させていただきますと、例えば事業用トラックについて、自動車検査の有効期間を、現在一年ごとということでございますが、これを二年ごとと仮定をいたしまして、単純に延長した場合にどうなるかという試算をした結果でございますが、交通事故による死傷者が事業用トラックについては三百六十一人から千百八十九人増加をするかもしれない。あるいは環境への影響については、一酸化炭素が三百八十六トン、炭化水素が百二十一トン、窒素酸化物が百三十トンそれぞれ増加をするというふうな試算をいたしております。
○筆坂秀世君 そういうことのようですね。 「フォーラム「車検」を考える」の冊子を読みましたら、今言われたように最初二年、ずっと二年、二年でいくと、死傷者数が約八割近く増加する。今言われたように、最悪の場合だと千百八十九人死傷者が増加すると。もう一つのパターンで、最初二年、その後今と同じ一年、一年というふうにやっていった場合だと、死傷者数が六十六人。だから、二年、二年、二年でやっていくと、二年、一年、一年のパターンよりもけたが二けた違うぐらいの結果が出る。これはもちろん予測値でありますけれども。 しかし、こういう予測値が出ている以上、年度内にともかく結論を出すんだというので拙速になってはまずいと思うんです。やはり慎重に、せっかくこういうフォーラムを開いて実態調査に基づいて予測値も出されて、しかも死傷者数がふえるということがもうはっきりしているわけですから、私は拙速な結論は出さないという態度をとることが今必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) もとより、自動車の検査というのは、今御指摘のようにやはり安全の確保、それから公害、いわゆる環境に対しての対応というものを基盤とすることがやはり大事なことではないかなと思っています。 いずれにいたしましても、運輸省といたしましてはこのフォーラムの調査結果というのを貴重なものとして受けとめておりまして、しかし、さらにこれを吟味しなければなりません。今慎重にというお言葉がありましたけれども、当然やはり慎重にこの調査結果を踏まえて安全の確保というものあるいは公害の防止というものを図っていかなければならぬ。近々、運輸技術審議会に諮問をいたしまして、そして十年度中に具体的な結論を出していただきまして、その結論を得て所要の措置を講じていきたい、このように考えておるところでございます。
○筆坂秀世君 あと残された若干の時間でトラック運送業の協力金問題について二、三伺います。 私、この問題を一昨年取り上げまして、ともかくトラック運送業者に対する協力金、荷主からの協力金のいわば強要というのがひどい実態にあるから、これが運送業者にとっては無理な運行をする、無理な運送をする、そして事故ということにもつながるということで指摘をして、運輸省としても初めて調査をされました。 私もその文書をいただいておりますけれども、四十二の荷主関係団体に取引の適正化ということで依頼もされています。これは一歩前進だというふうに思うんですけれども、こういう荷主協会、荷主団体に対して、協力金の押しつけは間違っていますよ、これは法令違反になりますよ、場合によっては勧告だってやるんですよということで運輸省は指導をされたわけだけれども、その後どういう実態になっているのか、運輸省としては把握されていますでしょうか。
○政府委員(荒井正吾君) 一昨年の五月二十一日に筆坂委員が御質問をされまして、当時の自動車交通局長がお答えをしております。その答弁に従いまして協力金の実態調査を行いまして、八年の八月から十月の間調査をいたしまして、昨年の六月に結果を取りまとめたところでございます。 その結果はもう委員御承知のことでございますのでここでは詳述いたしませんが、その結果を受けまして、荷主団体四十二団体及び全日本トラック協会あてに、取引の正常化に関する協力依頼を昨年の六月十八日に行ったわけでございます。 協力金に派生いたしまして自動車貨物運送事業の健全な業務の遂行が阻害され、ひいては事故が発生するということは基本的に監視しなきゃいけない事態でございますので、今後とも、行政の立場からはトラック事業者と荷主事業者の協力関係の確立に努めたいと思いますし、個別の事案につきましては監査、適正化事業実施機関による巡回指導等の機会を通じまして適切に指導していきたいと考えておるところでございます。
○筆坂秀世君 実態調査を見ますと、協力金を払っているというのが五割です。中には、ひどい場合には取引額の二〇%以上協力金を荷主に対して支払わされておる。しかも、これを見ますと、同じ運送業者が下請であるとか小さな運送業者に対して協力金を押しつける、このケースが実は一番多いんですね。 荷主団体四十二に要請されていますけれども、一番ひどいのが、実は同じトラック業界の中で大手が中小に対して協力金を支払わせる、つまり同じ業界同士なわけですよ。ですからまずここから正す。これは運輸省が握っているわけですから、同じ業界同士で大が中小に対してそういう協力金をやらせている、これはとんでもないと。せっかく勧告制度というのが法律上あるわけですから、まず、一罰百戒じゃないけれども、やっぱりそこで一発勧告をやってみせるというふうなことも決断しないと、この協力金制度というのは長く続いてきた悪習ですから私はなくならないというふうに思います。 この点について最後に大臣に一言お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 簡略に申し上げますけれども、要するに、安定的なまた良質な輸送サービスの提供というのは大変大事なことでありまして、それは一に荷主とトラック事業者との良好な取引関係が重要であると考えておりますので、今委員のおっしゃられたことも十分踏まえまして、トラック事業の取引の正常化に向けて今後とも適切に対処していく所存であります。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。 議論も大分進んでまいりましたので、私は二つの問題についてお伺いしたいと思っております。 まず第一の問題は、日米関係の問題でありまして、今回の国連の相互承認協定によりまして部品の相互承認が進んでいくというようなことで、これにつきましては百四の規則のうち正規則八品目ということでスタートすることになっているということで、だんだんその品目も拡大されていく、そういう期待が持てると思います。 そういったことで、この制度自身についてはできるだけ円滑に各国との間も進んでいくような、そういうこれからの運びが必要になってくると思います。 アメリカとの関係を見ますと、自動車の基準・認証問題というのは、そもそも日米の貿易摩擦問題の中での筆頭格といいますか、最初に取り上げられた非常に大きな問題であったと記憶しております。そういったことから、これまで相当の努力が進められてきている。アメリカとの間に長時間のたび重なる話し合いをしてきたという前提がありますが、今回、アメリカは国連の相互承認協定に加入しない、いわゆるアメリカの自己認証制度という建前でこの協定には加入できないというようなことになっているということですが、今後のアメリカとの自動車の基準・認証問題について、運輸省としてはどういう見通しを持って話を進めていくことになっているかという点について、まず第一にお伺いしたいと思います。
○政府委員(下平隆君) ただいま御指摘をいただきましたように、自動車の基準・認証問題は大変長い歴史がございます。日本は自動車の輸出国でございますので、日本の自動車の輸入が少ないのは日本の市場が閉鎖的ではないか特に自動車の基準あるいは認証がその際の障壁になっているのではないかという指摘、非難をいただきまして、これまで改善努力をしてまいったわけでございます。 〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕 そういう経緯を踏まえますと、今回の国連の相互承認協定に加入をし、双方同じ基準をつくり、それに基づいて相互に認証し合うというこの協定加入は一つ大きな画期的な前進になるものというふうに私ども期待をいたしているところでございます。 お尋ねがございました米国についてでございますが、この相互承認協定はあくまで政府が自動車の認証をし、それを相互に承認し合うというのがその内容でございますので、米国は現在、自動車の安全については自動車メーカーみずからが基準適合性を判断するという自己認証制度を採用しておりまして、この観点から、この協定そのものへの加入は難しいという立場でございます。 しかし一方、米国は、日本、欧州と並びまして世界における三大自動車生産地域でございます。今後、自動車や装置の国際流通の円滑化を図る、あるいは自動車メーカーにおける研究開発の負担の軽減を図るためには、この三地域における基準の統一化、整合化というものが不可欠であるというふうに考えております。 したがいまして、私どもは、米国を含めましたグローバルな国際基準調和を進めるための枠組みづくりということが必要ではないかと思っておりまして、そのための活動に今後積極的に貢献いたしまして、米国も含めた国際的な基準づくりができるよう努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○戸田邦司君 ただいまの問題、我が国に対する期待が非常に大きい問題ではないかと思っております。我が国がどれぐらいそういうような枠組みの中でイニシアチブをとっていくか、これがこれから世界の自動車の相互認証制度がいかに円滑に進むかの一つのキーになってきはしないかと私は思っております。 一方、国内的に見ますと、車検問題というのはいつも規制緩和問題の筆頭に挙げられるというか必ず問題にされる、そういう問題になっております。国際的にそういうような基準をつくってそれで車検を実施していくというようなことを考えますと、各国ともきちっとした方式でやっていこうと、中でも日本の場合はそういった点がかなりしっかりと進められているという基盤があると思いますが、一方において、規制緩和という点から車検自身をどういうふうに扱っていくか、そういう要請が非常に大きい。そういう問題の余地を残している、そういう性格の問題ではないかと思っております。 先ほども議論に出ておりましたが、車の安全につきましては、そもそもは持ち主が最終的な責任を持つという仕組み、建前になっていると思いますが、それについて国がどういうような関与をして安全を確保していくかという問題になるわけですが、今後、運輸省としては、この車検問題についてどういう方向づけで物を考えていくかという点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒井正吾君) 今、戸田委員の御質問は、車両という社会生活に非常に大量に使われております道具を安全に使うために、国の検査制度というものをどう今後位置づけていく考えなのかという意味の御質問でもあったかと思います。 車検制度につきましては、ただいま御質疑ありましたように、本委員会でも過去二回大きな規制緩和の改正をお願いして実行をしております。その観点は、ユーザー負担の軽減でございますとか、整備の内容、料金についての透明性、ひいては自動車使用者の納得感の醸成、さらには自己責任へ比重を移すといったようなことが内容であったかと思います。その結果、ユーザーの方におかれまして、サービスの多様化あるいは料金の透明化、負担の軽減というものがここ数年急速に進んできたように思います。 一方、自動車の安全の確保につきましては、自動車は非常に丈夫といいますか、安全になってきておるわけでございますが、使用されますと経年劣化あるいは使用劣化が起こるのは宿命でございます。そのために、適時適切な人間でいえば診断治療、車でいえば点検整備が基本となるものでございます。そのようなものを確保するために、一定の時期を経て定期に点検する、検査をするということが適時適切な点検整備を担保するという意味合いを持ってきておると思います。 現状の交通環境におきましては、依然として整備不良によります事故や故障が発生しておりますし、環境の汚染も進行しております現状でございますので、国が検査を実施して、自動車の保安基準適合性が使用過程車におきましても確保されているかどうかをチェックするということが、基本的な国の自動車検査の役割として今後も続くもりと思います。 ただ、検査の実施に当たっては、従来から指定自動車整備制度等による民間能力の活用をしておるところでございます。 さらに、今後の自動車検査制度の内容につきましては、自動車の技術の進歩でございますとか、ユーザーの保守管理意識の進展の度合い、あるいはリスクと負担の程度、負担の軽減を合理的に図っていくというような観点がございますので、今後そのような検査の内容についての見直しを適切に行っていかなきゃならないと考えておるところでございます。
○戸田邦司君 特に自家用車の場合なんかですと、オーナーによりまして一年間ボンネットをあけたことがないというような人もいるかと思うと、何かあればすぐ修理工場に持っていくというような人もいるわけです。なかなかそういう点では今、荒井局長からお話しいただいた調和の問題といいますかバランスの問題、非常に難しい問題であろうかと思いますが、ひとつ運輸省の方でしっかりと取り組んでいただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。
○委員長(川橋幸子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 道路運送車両法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川橋幸子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後一時十分開会
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。 航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 自民党の山本一太です。 航空法の改正について質問をさせていただく前に、先ほど同僚の景山委員の方からもありましたけれども、インドネシアの現在の情勢、政治危機と言ってもいいと思いますけれども、それに対する運輸省の対応について、私も大臣に一言だけ御要望を申し上げたいと思います。 さっき大臣のお話にあったように、運輸省の方もいろいろな行動を今とっていらっしゃるということです。民間航空機の臨時便をふやしたりチャーター機を準備したりしていらっしゃいますし、あるいはまた海上保安庁の方から二隻の巡視船、「みずほ」と「えちご」ですか、「みずほ」はもう出て、「えちご」はもうすぐ出るというようなお話で、公海上で待機をするということも伺っております。また、観光関係については、先ほどもお話があったように渡航自粛勧告というのもきっちりと通達でやっている、こういうことでございます。 私が一つ気になったのは、巡視船のことでございまして、二隻の巡視船を外務省の要請によって送って、公海上で緊急事態に備えて待機をする、こういうことのようでございますが、国防問題に強い亀谷委員とも海上保安庁はこの場合どういう役割をするのかなという話をさっきしていたんです。つまり安全なところまで来た人を拾い上げるのかどうかというような話をしていたんですが、確認をしてみたら、これはどうも外務省の方は基本的には邦人の移動は民間の航空機で何とか賄うと。何かあったときのために、今度の二十日が例の国民党ぜいの日でございまして、これをきっかけに例えばインドネシア全体に暴動が広がったりして空港が万が一使えないときに巡視船が港に着けて邦人を救出する、そういう趣旨だということを伺いました。 そういえば自衛隊機もシンガポールに六機ぐらい待機しているなと思ったわけですけれども、ジャカルタの港が使えないということになれば、多分情勢に応じて近隣の港に行って邦人救出をするということなんで、それで一応納得をしたわけですが、ぜひ緊急事態に際しては関係省庁と十分連絡をとって、必要な対策を果敢に講じていただきたいと思います。 もう大臣の表情から決意はうかがいましたので、御答弁は要りません。 それでは、航空法の方の質問に移らせていただきたいと思います。 航空法の改正の仲なんですけれども、昨日ぺらぺらと内容をもう一回読んでみたんですが、今回の改正は、これまで起こってきた問題に対処するというよりは、恐らくこれから起こるであろう事態を想定して、それに対応するための基盤整備ということもありますし、基本的にほとんど問題がないというふうに私は思いました。衆議院の方でも二時間ぐらい質問をしているということが調べたらわかったんですけれども、どうも何か関連質問ばっかりで、基本的にこの法案は大きな問題はないというような結論に達したわけでございますが、質問がないというわけにもいきませんので、確認の意味も含めて基本的な点を少しきょうは伺っていきたいというふうに思います。 まず第一に、この法案に直接かかわる例の国際民間航空条約、一九四四年の十一月から十二月にかけてシカゴでやったということでシカゴ条約とも呼ばれているらしくて、きのうもう一度ちょっとシカゴ条約のことを調べてみたら、一九四四年にできたと。しかもそのシカゴ条約によってできた例の国際民間航空機関、ICAO、私も国連機関に勤めたんですが、そういえばあったなと思ったのは、あれは一九四四年にできていて、国連本部よりも早くできて、何と歴史の長い機関かなと改めて感心したわけです。 このICAOのもとになっているシカゴ条約の趣旨というのは、国際民間航空産業の健全で整然な発展を促すということだったと思うんですけれども、これについて本当に簡単で結構でございます、一分で結構ですから、この条約の概要についてまず伺いたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) まさに今先生おっしゃったとおりでございまして、シカゴ条約と申しておりますのは、一九四四年の十一月から十二月にかけて米国のシカゴで開催された国際民間航空会議において作成されたもので、これに基づきまして国際反間航空機関というものが成り立ってきておるわけでございます。 それで、このシカゴ条約というものにつきましては、今申し上げましたような国際民間航空機関の機構に関する規定、あるいは国際航空運送を円滑にするために各国がとる措置等について定めているということでございまして、これをもとにこういった航空関係の規則、手続等、あるいは国際標準及び勧告としてこういったものをまとめていく、そういう組織としてこのICAOが成り立っておる、こういうものでございます。
○山本一太君 今、簡潔に御説明いただいたシカゴ条約でございますけれども、そのシカゴ条約の現行の規定によると、この法案の内容について簡単に私なりに解釈した点は、すなわち航空機を登録している国が耐空証明、耐空証明は車の車検みたいなものだと思いますが、制度をちょっと調べてみたら、申請して検査して証明すると、当たり前のことですけれども。検査は設計検査、製造過程検査、現状検査、つまり技術上のいろんな基準、安全に対する基準とか騒音とか排ガスをいっぱい出していないかとか、そういうことを十分検査した上で証明をするという耐空証明ですけれども、今の規定では耐空証明等の書類を航空機を登録した国が出す、こういうことになっていると伺っております。 ところが近年、国際間の航空機のリースというのが盛んになってきて、それで登録国以外で航空機が運用されるような機会がふえてきた。こういう状況を受けて、ICAOの方でもこれは大変だということで、一九八〇年に、ちゃんと当事国同士の二国間の協定があれば証明等の手続については登録国じゃなくて運航国の方がやってもいいですよと、こういう改正議定書みたいなものをつくった。八十三条の二ですか、改正議定書をつくった、こういう話でございます。 これは八〇年に採択されて、批准されたのが九七年、かなり長い間かかって批准をされたと伺っております。日本はまだ批准していないということで、ちゃんと早く議定書を批准して、もし運航国で耐空証明をとった飛行機が来ても今の法律体系じゃ受けられないから、そういうものが来てもしっかりと乗り入れていただくような体制整備をまず法律的にやってそれから批准をしよう、こういう趣旨だと思いますけれども、何かつけ加えることがございますか。
○政府委員(楠木行雄君) もう先生がどんどん中身を詳細に説明していただきますので私の方から余り追加することはないわけでございますが、実は今お話がございました中で、批准といいますか発効のための手続が大変おくれたという点がございましたけれども、この点につきましては、実は九十八もの締約国の批准が必要とされておるということでございまして、特段の問題があったわけではなく、今のような先生の御説明に従って我々の方も準備を進めるべきであると考えている次第でございます。
○山本一太君 それをまず私もお聞きしようと思ったんですけれども、先に答えられてしまったんですが、八〇年に採択されて九七年に発効する条約というのは余り聞いたことがないんです。十七年近くもかかっているということで、締約国の数が非常に多いということはわかるんですけれども、いまだに日本が批准していない理由をもう一度御説明いただきたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) ICAOの場合は百八十五もの国が現実に参加をしている、それの例えば三分の二の承認が必要だということになりますと百近い国の承認が必要になることでありまして、割とこういったものも、これほど長いものが直ちにあるかどうかは別といたしまして、近いものは結構ございます。 そして、こういった締約国の中で十分にその承認を多数という形で得るというようなことで時間を要したということでございまして、我が国の方はその次のステップも考えまして、このような形で推進をしたいということで現在手続をとっておる、こういうものでございます。
○山本一太君 採択されてから十六、七年、日本も批准していないということは、簡単に言うと余り緊急のニーズがなかったということかなというふうに私も解釈をしているんですけれども、外務省も物すごくいっぱい法律案とかいろんな条約を抱えていますから、プライオリティーをつけて批准していくわけで、そういう意味では国際間のリースという状況は比較的新しくて、今まで日本政府としてもそれに対して本格的な準備をするニーズに乏しかった、こういうことでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 外務省の方の御事情というのは私どもよく存じませんが、確かに最近非常に国際的な関係が多くて、急ぐあるいは批准を要する条約の数が多いというのはあるのかもしれません。 そういったことの中で、私どもの方は、まず、この条約が予想しております他の二国間で結んだ協定によりまして乗り入れてくるものがあってはいけない、そういうものに対してはとりあえずはこの条約の批准の前かあるいはその直後にこれに加入をすれば十分であろうと。ただ、その後お互いの二国間でさらに協定を結んでそのための所定の法的要件を備えるとか、先ほど私次のステップと申し上げましたけれども、そういったことをやるためにはやはり早急に参加をしていく必要がある、こういうふうに考えた次第でございます。
○山本一太君 緊急のニーズがなかったということかなと私は今のお話を聞いて改めて思ったわけなんです。 今回の航空法の改正についての一番のポイントは、航空法の改正によって新しいシステムに移っていくということなんですけれども、この新しいシステムに移行する、すなわち今まで登録国が出していた航空機の耐空証明等を、耐空証明だけじゃなくていろいろなものがあると思うんですけれども、それを今度は運航している国が出してもいいよと、こういうふうなシステムに変わっていく中で、安全性の問題だと思うんですね。 すなわち、運航国が耐空証明を出すことによって航行の安全性、航空機の安全性、こういったことが低下しないかということがやはり法律改正の二番の問題だと思うんですけれども、この点について運輸省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 改めて申し上げますと、現在、国際民間航空条約の締約国は、自国に登録された航空機について、国際民間航空条約による規定に従って耐空証明等を行っておるわけでございます。これは私ども登録国主義というふうに簡単に言っておりますが、こういった登録国の耐空証明等を受けた航空機の乗り入れを登録国以外の国も認めることになっておりまして、私どもの航空法では、そういった外国の行った耐空証明等を我が国の関係機関が行った耐空証明等とみなすという形の法文になっておるわけでございます。 今回の改正によりまして登録国と運航国との間で協定が締結をされますと、運航国が耐空証明を行うこととなった場合にありましても、この証明自体が国際民間航空条約によります規定に従って行われることに変わりはございません。国際標準というのがあるわけでございます。そういうことから、航空機の安全性が低下することはないと考えております。
○山本一太君 今のお話だと、たとえ登録国であろうが運航国であろうが、耐空証明を出すことについては現行のシカゴ条約の規定にきちっとのっとってやるから特に心配はないと、こういうことだと思うんです。 航空行政については文字どおり素人の私の素朴な疑問なんですけれども、ICAOの加盟国というのは今何カ国でしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 先ほどちょっと答弁の中でお答えいたしましたように、百八十五カ国でございます。
○山本一太君 百八十五カ国というと、国連加盟国と同じ数ということは、先進国も開発途上国も全部含んでほとんど世界の国がこのICAOに入っている、シカゴ条約に入っているということだと思うんです。 ということは、先進国であっても途上国であっても、すなわち航空行政を行っているところはすべてシカゴ条約に言う国際基準に達しているということが前提になっていると思うんです。私は援助の仕事で随分世界を飛び回りましたが、パプアニューギニアの高地のクンディアワというところにプロペラ機で行ったときに、着陸の前にトイレの壁に穴があくという事件が起こりまして、今でも大変な悪夢がよみがえってくるんですけれども、本当に開発途上国も先進国も同じレベルで常に国際標準を満たして航空機の運航を行っているかというのはかなり疑問だなという率直な感触があります。 例えば、ある国がシカゴ条約の規定で言う耐空証明の水準に達していないという場合、あるいはもしかすると国際標準と言いながらも自分の国のデファクトスタンダードでちょっと違う形の証明を出しているような場合もあるのではないかと思うんです。 改めてシカゴ条約の条文を読んでおりましたら、第三十三条に「証明書及び免状の承認」というのがありました。これを読みますと、「航空機が登録を受けた国が発給し、又は有効と認めた耐空証明書、技能証明書及び免状は、その証明書又は免状を発給し、又は有効と認めた要件がこの条約に従って随時設定される最低標準と同等又はそれ以上のものである限り、他の締約国も有効と認めなければならない。」、先ほど局長が言った趣旨なんですけれども。 「それ以上のものである限り」と書いてあるということは、それ以上のものでなければすなわち乗り入れを認めないという判断も二国間であり得るのか、そこら辺のところをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 先生今御指摘の条文でございますが、まさにそういう条文がございまして、こういう条件がそれ以上のものである限り、他の締約国も有効と認めなければならない。 また、御質問の中にございましたように、少しスタンダードが違うところがあるかもしれないと。これは実は三十八条という条文が別途ございまして、「国際の標準及び手続からの背離」、背離というのはデパーチャーという意味だと思いますが、そういう点につきましては、国際標準にその国が完全に一致させることを不可能と認める場合、あるいは特定の点において異なる規制もしくは方式を採用することを必要と認める場合、そういったときにはその相違点を直ちにICAOに対して通告するというやり方になっておりまして、これは私ども相違通告と言っておりますが、こういうケースもございます。 基本的には、国際民間航空条約の締約国がその条約の規定に従って耐空証明を行った場合に限って我が国は当該証明等を有効と認めることとしておるわけでございますので、仮にこの条約の規定に従わずに行われた証明については、これは原則認められないということになると思います。
○山本一太君 そういう耐空証明の安全性をきちっと担保するようなシステムが一応条約にあったということで、多少安心をいたしました。 もう一つ、航空法改正の中でのポイントなんですけれども、この改正が我が国の航空会社、航空産業にとってどういうインプリケーションといいますか、どういう影響を及ぼすのかという点ではないかというふうに思っております。 これは、航空産業のリース業というものがこれから非常にふえるだろう、ふえるだろうというか国際間のリースというものがこれから出てくるんじゃないかという予想のもとにこういう準備をしていくということになると思うんですけれども、世界の主な航空企業の航空機のリース状況という資料を手に入れたんですが、平成八年現在で、例えば日本航空でいいますと百三十七機飛行機を持っているんですが、そのうちリースは五十四機ということで、リース比率が約四〇%。全日空に至っては五一%、五割を超えている。日本エアシステムが四割、ユナイテッド航空が大体四五%、英国航空とそれからエアフランスが航空機のリース比率が大体四割弱、こんな感じになっております。 日航は今アメリカのリース会社からアメリカ国籍の飛行機を二機リースしているそうですけれども、契約が切れて来年もう日本国籍になってしまうということで、国際間のリースの実績は今のところないということなのであれなんですが、国際間のリースの状況というのはデータはなかなかとれない、わからないわけですか。
○政府委員(楠木行雄君) 今、国内の会社がどれだけのリースの航空機を持っているかというのは先生御指摘のとおりでございまして、昨年度も実は税制改正の関係で私どもどれぐらいのものがあるかというのを調べてみましたところ、たしか平均で四二%ぐらい、そういうふうな状況でございます。 ただ、国際間の話になりますと、同じときの状況で、ごくわずかな情報で大変恐縮でございますが、レバレッジドリースというふうなやり方でそれに投資をした方がある意味で税金につきまして減価償却をするだけのメリットを受けるという制度がございますが、これを国内、国際どれぐらいやっておるかというのを調べてみましたところ、現在日本で行われております。そういった投資の対象につきましては八割近くが実は国際の方に使われておるというようなことがございました。ただ、その実態につきましては、いろんな形態を、現法とかとったりするものですから、なかなかうまくつかめていないというのが状況でございます。
○山本一太君 この法律は、将来、国際間のリースという現象がかなり世界に広がっていくだろうということを前提にやるということなんですが、将来にわたっていわゆる航空機の国際間リースというものがふえていくのか、それが本当に世界的潮流なのかというデータはないというようなお話なんですが、こういう中で、具体的にこの改正は日本の航空会社に対してどういう影響といいますかインパクトを与えるのかという点についてもう一度ちょっとお願いしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 先ほど申し落としましたけれども、四二%という我が国航空会社のリースをしておる比率は実は年々ふえておりまして、これは国内でそういう実感を持っておりますので、ほかのところでもやはり機動的な財務面等のことを考えますとふえておるのではないかという感じがするわけでございます。 それで、実は今回の法律改正というのを少しさかのぼって考えますと、シカゴ条約八十三条の二の二国間協定に基づきまして航空機の運航国たる外国が行う耐空証明等を受けた航空機について我が国への乗り入れを認める。これは私先ほど申し上げました第一ステップと申しておりますが、こういうようなことで、そういった意味での国々の締約の中に我が国をまず入れたいというところから始まったわけでございます。 今後我が国航空会社にどういう影響があるかという点につきましては、現段階では余りないということでございますけれども、今後我が国航空会社がリースした外国籍機について我が国が耐空証明等を行う場合になりますと、これは航空機の登録国との間で二国間協定の締結及びそれに伴う所要の法的措置を講ずることになるわけでございますが、今回の航空法改正及び外務省が現在出しております改正議定書の批准、そういったものはそれらの措置を円滑、容易にするものであるというふうに考えております。
○山本一太君 今回の改正は大きな問題はないと思いますので、できるだけ早くこの法案を通して、もうほとんど欧米の主要国はこれを批准しているということですから、日本も一刻も早くきちっとこれを批准して、批准国との間の二国間協定の準備を進めていただきたいというふうに御要望申し上げたいと思います。 時間があと五分ありますので、航空法はこれぐらいにして、最近私が思っていることについて一点質問させていただきたいと思います。 大臣御存じのとおり、飛行機は非常に安全だと思います。車とかほかの交通機関に比べればとにかく事故率が非常に少ない。一たん事故が起こると大変なんですけれども、非常に非常に少ない。国内最大の顧客である国会議員が事故に遭ったということを聞いたことがないということから見てもいかに飛行機が安全かということが言えると思います。 しかしながら、やはりシステムというものに完全なものはないと思います。忘れもしない、群馬県の上野村に十数年前にJALのジャンボジェットが落ちました。ジャンボは四つエンジンがあって考えられる限り最も安全な乗り物だというふうに言われておりました。常に飛行機にはフェールセーフというシステムがあって一つがだめでも必ず次のシステムが働くという話でしたけれども、金属疲労で吹っ飛んで油圧も全部だめになってしまうというような状況の中でああいう悲惨な事故が起こったわけです。必ずしもシステムというのは完全ではないということの象徴のような出来事だったと思うんですけれども、命がかかっていることですから、それでもやはりこの可能性は限りなくゼロに近づけていくということが各航空会社の責務でありあるいは政府の責務だというふうに思っております。 きのうもちょっと調べていたんですが、日本の航空会社が欧米あるいはほかの国の航空会社に比べて大きな事故が多いということは聞いたことがありませんし、そういう実態もないということなんですけれども、最近ちょっと気になるのが、異常運航、異常運航と言うとちょっと大げさかもしれませんけれども、このケースが意外と多くなっているというようなデータがあります。 主に機材のふぐあいにより異常運航に至った最近の事例ということなんですが、これは日航と全日空と日本エアシステムの一九九八年、ことしの四月だけに限っても、例えば四月二日、日本エアシステムのダグラスDC9−81型のフライトディレクターの指示に不都合が発生して離陸後空港に引き返したという事件がありました。あるいはその前に、これは三月だったと思いますが、最新型の日本航空のボーイング767−300型が副操縦士の窓の下から煙が出て離陸後空港に引き返したという事件もありました。さらには四月四日、やはりJALで、これはダグラスDC10ですが、第三エンジンが失速して離陸後空港に帰還したということもありましたし、四月十三日には、日本エアシステムのエアバスが飛行管理システムが調子が悪いということで空港に引き返した。あるいは二十三日にも、これは全日空のエアバスですけれども、第二エンジンの排気温度が上昇したので離陸後空港に引き返した、こういうことが起こっているわけでございます。 これは原因はそれぞれのケースで運輸省の方もきちっと解明をして対策を講じているとは思いますが、ここら辺のことについて、整備上のことなのかどうなのか果たしてこういう異常運航がふえているのかどうかそれについてどういう対策をとっているのかということを最後にお聞きしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 先生おっしゃるとおり、航空における安全はすべての前提であると私ども考えておりまして、こういった異常運航、異常運航と言うと少し大げさな言い方ではございますが、要するに飛行場等を正常なオペレーションでなく現実に少し狂わせた、こういうようなものについて少しでも拾って、その事案の内容を拳々服膺して私たちの方で対策をまた講じる、こういうことでございます。実際にふえているということは余りございませんで、多少波がございます。 そういうものにつきまして、特に先生がおっしゃった機材ふぐあいの点でございますが、航空運送事業者におきましては、機材ふぐあいが発生した場合に運輸省に対してその内容について速やかに報告をするということになっておりまして、私どもの方も、その報告を受けまして、発生原因及び処置等について確認を行いますとともに、必要に応じさらなる安全対策の検討を指導しておるという状況でございます。 こういった航空運送事業者で発生するこれらの機材ふぐあいにつきましては、今後ともその分析、評価をしっかり行いまして、傾向を把握するとともに、事業者に対する指導等適切な対策を講じていくこととしております。
○山本一太君 ありがとうございました。 小さいトラブルは起こる場合もあるかもしれませんけれども、同じトラブルが二度起こらないように、ぜひともこの面はきっちりと対策をとっていっていただきたいと思います。 ちょうど三十分ですから、終わらせていただきます。
○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。 先ほどから景山委員そしてただいまの山本委員からもお話がございましたけれども、緊迫するインドネシア情勢、民間航空機初め海上保安庁の艦船が現地に向かった、用意をしているということを聞きました。言わずもがなのことでございますけれども、私の方からも、情勢が情勢でございますので、邦人の救出といいますか避難といいますか 一万余の方の安全をぜひとも遺漏なきを期していただきたいと御要望申し上げたいと思います。 航空法の一部改正案に質問を移らせていただきたいんですが、山本委員から先ほどお話ありましたように、関連質問が多いので、私も数問このシカゴ条約八十二条の二の二国間協定に基づく今回の法改正について用意しておりましたが、今のやりとりでほとんど出尽くしてございます。例えば改正議定書が全会一致で採択された一九八〇年からなぜ十六年もかかったのかとか、あるいは安全性の問題等々何点かをお伺いしたいと思ったんですが、重複を避けたいと思います。 せっかく大臣に質問通告をしておりますので、これらの改正議定書が採択された背景と、日本にとってこれを批准する意義は何か根本的なことでございますけれども、この一点だけ運輸大臣からお答え願いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほどから航空局長からお答えをさせていただいておりますけれども、国際民間航空条約におきましては、航空機の耐空証明を行う等の責務は航空機の登録国が負うものとされているわけでございます。 しかし、近年、航空機の国際間のリースにより登録国以外の国で航空機が運航されるケースが出てきているということにかんがみまして、今般、航空法の一部を改正するということに相なったわけであります。 このため、航空機の登録国と運航国との間の二国間協定によりまして耐空証明等に関する登録国の責務を運航国に移転することができることとする議定書が一九八〇年採択され、今なぜ十六年、十七年近くもかかったかということでありますが、一九九七年六月に発効したということであります。 今後、運航国の耐空証明等を受けた航空機が国際運航をすることになりますけれども、我が国が同議定書を批准し、運航国の耐空証明等を受けた航空機の我が国への乗り入れを認めることは、国際民間航空が安全に発達することに資するものであると考えております。 また、我が国が二国間協定を締結するための交渉を同議定書批准国と開始するためにも必要であることから、同議定書の批准は我が国にとりましても有意義というふうに判断をした結果、今回の航空法改正を提出した次第でございます。
○中尾則幸君 続いて、関連質問でございますが、民間航空の国際的な安全管理体制の問題について何点か伺いたいと思います。 御存じのように、世界の航空輸送量の増大に伴って航空機事故がふえている、大変問題となっております。特にこの二、三年、アジア各地で事故が相次いでございます。重立ったところを拾ってみますと、昨年の八月、大韓航空機がグアムで着陸に失敗、二百二十七人死亡。翌九月、ガルーダ・インドネシア航空がインドネシア・メダン空港近くで墜落、二百三十四人死亡。そしてことし二月、中華航空機の台北での事故、二百二人が亡くなっております。 民間航空機による死亡事故、ICAOの発表の資料を手にしましたけれども、一九九六年、非定期便を含む死亡事故、これが年間千六百十四人と過去最悪であるというようなデータも出されております。 こうした民間航空機の安全についてでありますけれども、ICAOが国際的な安全基準をつくって、加盟国がそれを遵守するということになっているそうでございますが、しかし実態は各国任せであるというふうに言われております。 ICAOの調査によれば、ICAO基準に沿って航空法を整備している国は四割にも満たないというふうに新聞報道等では指摘してございます。ICAOの安全基準を全締約国に遵守させるというのは、これは我が国にも関係することでありまして、必要ではないかと思ってございます。 そこで質問申し上げますけれども、ICAOの安全基準を満たしていない国に対して、日本としても何らかの対策をとるべきじゃないかというふうに思っておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、事故による死亡者等がなかなか簡単には減らないといいますか、むしろフライトの数に応じて二足の比率のような感じで絶対数は少し増加している、そういう状況にあるのは事実でございます。 それで、現在、国際民間航空条約の締約国につきましては、条約の附属書に定められる規定に従うことが求められているわけでございますが、この条約のもとでは、航空機の登録国が運航の安全確保に関する責任を負うこととされておりまして、また、各締約国は自国の航空会社に対する安全監督責任を有することとされているわけでございます。 しかしながら、今御指摘のような国際運航に供される航空機の一部につきまして、その安全性に懸念が指摘されている状況にかんがみまして、国際民間航空機関、ICAOみずからが主体となって、締約国における国際標準への適合状況を評価する安全監視プログラム、セーフティー・オーバーサイト・プログラムと言っておりますが、これが開始されているところでございます。 このプログラムにおきましては、締約国の要請に基づきまして、航空従事者、運航あるいは航空機の耐空性に関する国際標準への適合を確保するために必要な体制や制度を有しているか否かについて、ICAOの監視チームにより評価をされ、そのような体制や制度を有していない場合には必要な助言または支援等が行われている。我々はこの安全監視プログラムをICAOと一緒になって推進しようという立場にあるわけでございます。 このプログラムにつきましては、実は昨年十一月に開催されました国際会議におきまして、現行の任意評価、すなわちすべての国を対象に評価をするのではなく、任意に申し出た国に対して評価をする、こういう制度に今なっているわけでございますが、これを全部の締約国を対象とした義務評価、すなわち必ず評価を受ける、こういった形に強化するなどの提案がなされたところでございまして、我が国といたしましてもこの安全監視プログラムの強化策に賛同したところであります。今後ともICAOと一緒になって当該プログラムに積極的に協力を行うことにしております。
○中尾則幸君 大変わかりやすい説明をいただきました。つまり、これまでは例えば安全監視プログラムについては任意評価、希望のあった国の評価をする、今後は、昨年十一月のICAOの会議で全締約国に義務づけると、こういうふうに理解させていただきました。 それでは、日本国内の空港の駐機場で各国の不特定多数の外国機に対して日本の検査官が、立入検査というのはちょっと言葉が強過ぎるんですが、安全基準を満たしているかどうか点検、検査するような仕組みづくりが当然これから必要になってくると思うんですが、その点に関しては運輸省としてはどのような取り組みをなさろうとしているんでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 今先生が駐機場とおっしゃいましたのは、私どもは外国航空機に対するランプインスペクションと言っておりますが、駐機しておりますランプで私どもの検査官が立ち入って検査を行う、こういう意味でございます。 今申し上げましたような航空機の安全性につきましては、国際民間航空条約やこの条約の附属書に定められました国際標準に従って締約国が自国の航空会社に対する安全監督責任を有することとされているわけでございますが、これを補完する制度として、この条約におきましては、外国航空機が乗り入れている空港に駐機されている間、登録国が発行した証明書等を検閲できることになっております。 こういう問題につきまして、先ほど先生から御指摘がございましたICAOの安全監視活動というのが現在あるわけでございますので、我々の方はまずそちらの方のグローバルな制度、こういったものを充実させたいという方向で取り組んでおるわけでございます。 こういったランプインスペクションの実施をどんな形でやるかというのは、現在検討中でございますけれども、そういった我が国の空港に乗り入れました外国航空機の証明書類、例えば登録証明書とか耐空証明書あるいは技能証明書、航空日誌等ございますが、こういうもの、あるいは航空機の外観を検査し、そして不備があればその結果を登録国に通知し、必要があれば是正措置を講じることを登録国に要請する、すなわち直接その場でやるということではなくて、登録国に要請するというようなことで今検討している、こういう状況でございます。
○中尾則幸君 船の場合はポートステートコントロールというのもありますので、これから空の安全を確保するためにもぜひともそういった方向で取り組んでいただきたいと思っています。 時間もありませんので、ちょっとはしょりますけれども、航空機の検査官の人員体制、仙台、成田、羽田等々で五、六十人の人員体制だと伺っているんですが、将来そういった安全検査等の体制を強化する場合に、果たしてこれで大丈夫なのかなと私は懸念するんですが、この点についていかがでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 大変ありがたい御質問でございまして、私どもの方も、これから航空関係のいろいろ規制緩和をいたしまして実際に規制の合理化等を図っていきます場合に、どうしても欠かせないのは随時に立入検査をするということでございまして、そういった点につきまして私どもいろいろ現在の制度を活用しながら行ってまいりたいと考えておる次第でございます。 ちなみに、航空機検査官それから整備審査官の定員の推移でございますが、平成五年度に合計五十五名でございましたものが平成九年度は五十九名ということで、各空港にこういった者が散らばっておるわけでございます。先生御指摘の点も踏まえ、我々も予算、定員等いろいろ制約がございますが、いろいろ充実する方向で検討してまいりたいと思っております。
○中尾則幸君 言わずもがなでございますけれども、規制緩和、不必要な規制は緩和していく、廃止するというのはいいんですが、安全に対する規制緩和はあり得ないということで頑張っていただきたいと思います。 続いて、質問は移りますけれども、当委員会でも筆坂委員が再三質問をなさっております米軍機と民間航空機との異常接近、これをニアミスと言うかどうかというのはいろいろ解釈が分かれるんですが、異常接近について付点か御質問をいたします。 御存じのように、三月二十五日に、函館市の北東七十キロの太平洋上空で新千歳発名古屋行きのJAS機に米軍ジェット戦闘機が急接近した、これは報道でも大きくされているところでございます。JAS機の航空機衝突防止装置、TCASが作動し、同機は約千五百メートル急降下し回避をしたというような報道がなされておりました。 調べてみますと、昨年の九月から十二月の三カ月間だけでも、同様な定期航空便のいわゆるTCASが作動をして回避をしたという事例が報告されてございます。さらに、今指摘したことしの三月のニアミスというか異常接近、極めて私は異常な事態ではないかと思ってございます。 運輸省は、その都度米軍に対して、外務省を通じてでしょうか申し入れているということは私も承知してございますが、こうした事態を大臣はどう認識しているのか。私はこれは事故が起こってからではもう遅過ぎるというふうに思ってございます。大臣の認識と、それから実効ある安全対策をどう立てようとしているのか、まず運輸大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 航空機の衝突防止装置、いわゆるTCASの件ですが、先般も筆坂委員の方から御指摘がございました。 委員も御承知かと思いますが、これは一定の条件から機械的に回避指示が出されるというものでございます。ですから、これが何というのですか、私は専門家ではございませんので、その点の回避作動といいますかそういう指示が安易になされてもこれはどうかなと思いますし、また安全から見ると、少しでもそういうおそれがある場合にはそういう指示が作動するというのも必要かということで、この辺が非常に、私もたびたび御質問を受けて感じているところでございますが、TCASの指示がなされたからといって必ずしも異常接近ということにはならないケースがございます。 しかし、有視界飛行方式で飛行している米軍機が民間航空機に接近したため民間航空機のTCASが作動する事例が生じていることは今御指摘のとおりでございまして、こういうことが起きないように、その都度、在日米軍に対しまして航空機がTCASにより回避操作を行うこととならないような飛行を心がけてもらいたいということを機会をとらえて要請いたしているところであります。 今後とも、民間航空機の安全を確保するためにも、この点につきましてはしっかりと対策を講じなきゃいけないと思っておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、作動したからといって必ずしも異常接近とならないことがございますので、その点についての、何と申しましょうか、この装置自体のあり方と申しましょうか、位置づけと申しましょうかそういう点についても十分踏まえて今後とも対応を考えていかなきゃならない、このように考えているところでございます。
○中尾則幸君 これは航空法だけで解決できないということは、もう大臣の答弁も何度か伺っておりまして、つまり日米安保条約第六条に基づく地位協定に関する航空法の特例に関する法律がございまして、米軍機には航空法第六章第九十六条から九十八条を除く部分が適用されない。つまり、第八十一条の最低安全高度、あるいは第八十三条の衝突予防等の項目などが含まれてそれが適用されないという根本的な問題点があるんです。 ただ、これは一九七一年でしたか、例えば全日空の雫石事故、ああいった一たん起こると日米安保の信頼関係にも本当に重大な影響を及ぼす、それよりも何よりも人命にかかわる問題でありまして、私は大変懸念しておるわけです。 それで、日本乗員組合連絡会議、パイロットの方々等で組織している組合から運輸省にあてていろいろ要望書が出されていると思います。その中でこういった要望をしてございます。 当面の対策として、米軍機戦闘機に対して基地−訓練空域間の部分、大臣が今お答えになったように有視界飛行をやっている。片一方の民間航空機は計器飛行ですから、例えば米軍機からすれば我々はちゃんと日で確認していますよと言うけれども、これは民間機のパイロットからすれば目で確認するわけじゃないわけですから、大変危険性を感じているということでございます。この有視界飛行を計器飛行に改めてはどうかという要望が出されております。 それからもう一点、これは雫石の事故を教訓としてだろうと思いますが、今自衛隊が基地と訓練空域の行き来に使っているいわゆる専用路、コリドー、空中回廊といいますかね、そういうものを米軍機にも使用してもらってはどうかというような要望が出されてございますが、この点について運輸省から強く働きかける必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 先生今御指摘がございました二点でございますが、そのうちの一点のゴリドーにつきましては、先般、別の委員の方からも御提案がございまして、私どもの方も有効と考えられる場合には前向きに対応したいというお答えをしたわけでございます。 改めて考えてみますと、先生今御指摘のように、日乗連の方が要請しておられます項目の中に、「当面の過渡的対策として、「米軍機戦闘機による基地−訓練空域間の飛行は計器飛行方式、または自衛隊コリドーを使用する」等の措置を緊急にとること。」という全体的な対策が盛り込まれておるわけでございます。 私どもは、こういった米軍機の基地と訓練空域間の飛行に関しまして、民間機との接近事例を回避するため、計器飛行方式によることやあるいは米軍機がコリドーを使用すること等につきまして現在調査検討を行っているところでございますが、前に別の委員の方の質問がございました後、米軍にもこれらの点について問い合わせを行っております。なぜある一定の割と短期間の段階で最初はIFRであったものがIFRを解除してすぐVFRにするのかとか、あるいはコリドーを使えるんですかどうですかと、こういった点の問い合わせを現在行っているところでございます。したがいまして、そういった点についての何らかの効果がどういう形で出てくるのか現在見守っておる、こういう段階でございます。 運輸省といたしましては、安全で円滑な民間航空交通を確保する観点から有効と考えられる場合は、現在、先生御指摘の点、こういった点について前向きに対応してまいりたいと考えております。
○中尾則幸君 もう一点お聞きしたいんですが、先ほど申し上げました運輸大臣に要望を出された日本乗員組合連絡会議の議長が、ある新聞の論壇に米軍機急接近の防止策ということを書いてございます。 ちょっとそれを読んでいる暇はありませんけれども、この中で、民間パイロットは大変脅威を感じているんだということを訴えていらっしゃいます。米軍は何でもないよと、有視界で確認しているんだからというお答えがこれまで何度かあったということでございますけれども、やはりしっかりした情報公開、しっかりした協議を運輸省のリーダーシップのもとにやっていただきたい、そういうことを私も御要望申し上げたいと思います。 次に、航空ビッグバンと呼ばれている航空事業の需給調整規制の廃止と規制緩和に係る問題について何点か伺いたいと思います。 まず第一点、国際標準から見て非常に高いのが空港使用料でございます。航空会社の国際競争力の強化あるいは経営基盤の強化、また何よりも利用者への還元、運賃値下げにつながるのではないかというような観点から、今、国際標準から見て三倍ぐらい高いと言われている空港使用料を引き下げる方策に運輸省が着手したというふうに伺っていますが、これについてどう考えているのか。 特に、私は地元が北海道なものですから、ドル箱と言われている千歳−羽田間、北海道は今非常に景気が悪い、拓銀の経営破綻、それで要望も出しました。何とか景気対策の一環として、航空運賃の値下げにつながる空港使用料の値下げを行ってくれないか等々出されました。 これは一地域の問題ではございませんので、まず、空港使用料の値下げについて運輸大臣はどう取り組んでいくか、大臣から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 今の空港使用料の引き下げ等についての御質問の前に、先ほど中尾委員また山本委員、さらにはその前に景山委員から、インドネシア情勢等について、邦人の出国について万全を期すようにという御要請がございました。 ただいまニュースが入ってまいりまして、インドネシアのスハルト大統領は十九日、国民向けテレビの演説で、現在の危機をこのままにして辞任することはできないと、辞任しない旨の意向を明らかにしたということでございます。これがインドネシア国民、情勢にどう影響を与えるか。あすは国民覚せいの日ということもございますので、非常に予断を許さないという感じを持っております。 いずれにいたしましても、邦人の出国、安全確保には、運輸省といたしましても万全を期していきたいということをここで申し上げておきたいと存じます。 空港使用料の引き下げ等につきましては、これは本当に難しい問題で、当委員会でも、また衆議院の方におきましても質問をたびたび受けております。私、言語明瞭意味不明のような答弁をいたしまして、積極的に慎重に検討するというふうに答えたわけでございます。 つまり、これは一方では、今おっしゃられた航空ビッグバンという、日米航空協定も改定されまして大競争時代に入ってまいりましたので、これに負けてはならないということでございます。そういう意味では、リストラ等々合理化、近代化を我が国の航空会社が努力しなければいけませんけれども、やはり空港建設コストが高いことによってそれが使用料につながっているということ、これは私としましては少しでも安くしたい、引き下げたいという気持ちには変わりありません。しかし一方では、全国各地から拠点空港の整備というものがございまして、非常に一般財源が厳しい状況の中でこうした使用料が空港整備の主な財源の一つになっている。ここのところをどう調整するかということが大きな課題になっていると思います。 いずれにしましても、先ほどの北海道の景気対策の件で我が党の議員からも大変強い要請がございました。自民党の方におきましても、使用料等々につきましてのプロジェクトチームもできたようでございます。今後とも、一方では引き下げ、そしてその一方では整備をしなきゃいけない、そしてそのときの財源をどうするか等々については、これからも、これは慎重になりますけれども、私としましては前向きに検討していきたい、このように考えておるところでございます。
○中尾則幸君 慎重で前向きという、ブレーキとアクセルを同時に踏むような、私も財源の問題は無視はできないと思いますけれども、ぜひともこの際、若干アクセルを踏んでいただきたいなと思ってございます。 特に空港使用料ばかりじゃなくて、大臣御存じのように航空機燃料税、これは調べますと日本が一キロリットル当たり二万六千円、アメリカが一キロ当たり千五百円、約十七倍。空港整備財源等々の視点もありますでしょうけれども、これはやっぱり是正をしていく必要があるのではないかなと思っております。 それで、ちらっと耳にしましたけれども、どこまで財源の補てんになるかどうかは別として、財源の補てん策の一つとして、外国の航空会社に対して上空通過料、これは我が国は取っていないということもございまして、これを導入してはどうかという意見もあります。ただで空を通過させていいのか、航空管制はこちらでやっているじゃないかと。航空管制の費用は国内を離発着する日本の航空機あるいは外国の航空機が払っていてというような、受益と負担の点からも公平を欠くというような指摘もございますけれども、この上空通過料という考え方については運輸省はどういうふうに取り組んでおられますか。
○政府委員(楠木行雄君) 管制などのサービスと申しますと、これは各国によりまして領空とかあるいは国際的に定められましたFIRと言っております飛行情報区、これにおきまして提供されておるわけでございます。これは当該国に離着陸する航空機のみならず、各FIR等の上空を通過する航空機もそのサービスを享受しておるのが現状でございます。 御指摘の上空通過料につきましては、FIR等の通過機からサービスの対価を徴収するものでありまして、欧州諸国を初めといたしまして世界的にはかなり広く取り入れられている現状でございます。 ただ、米国でもそうだというお話がよく出るんですけれども、米国は実は平成九年五月に上空通過料徴収制度を一たん導入いたしましたものの、積算根拠等に関し問題があるとされまして、ICAOと裁判で争った結果負けるということになりまして、現在では徴収をしておりません。既に徴収した分については払い戻しを行っておるところと聞いております。 我が国におきまして、現在は我が国に離着陸する航空機からは航行援助施設利用料として管制等のサービスの対価を徴収しているところでございますけれども、上空通過機からはサービスの対価は徴収していない、これは事実でございます。 そういった上空通過料の導入の可否につきましては、既に航行援助施設利用料を負担しております我が国に離発着する航空機との公平の観点、あるいは諸外国における動向、それから提供するサービスと必要なコストとの関係などの観点から従来勉強を行っているところでございます。このような検討の結果も踏まえながら判断していく必要があると考えております。
○中尾則幸君 時間が参りましたので、終わります。
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。 法案の中身につきましては、先ほどから山本委員そして中尾委員からもありましたので、私はただ一点だけお聞きしたいと思います。 この法案の中で、るるありましたけれども、我が国がもし他国と二国間協定を結んで責任を持って運航国になり得るためにはどういう手続が必要なのか、また将来こうしたこと、つまり運航国になるというようなことが起こり得ると予測されますでしょうか。お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) 現在、我が国が他国と二国間協定を結んで耐空証明を行う運航国となるにはどのような手続が必要なのかということでございます。 今回の法改正は、今まで申し上げておりますように、国際民間航空条約第八十三条の二の二国間協定に基づき、航空機の運航国たる外国が行う耐空証明等を受けた航空機について、我が国へ乗り入れを認めるものでございます。 今後、我が国航空会社が国際運航を行うためリースをした外国籍機について我が国が耐空証明を行う場合は、まず航空機の登録国との間で二国間協定を締結する、そして、それに伴う所要の法的措置、例えば航空機の範囲がどうだとか権限の範囲はどうだとかそういったようなことにつきましての法的措置を講ずることとなるわけでございます。 また、今後の可能性につきましては、これは先ほど別の委員からも御質問ございましたように、かなりリースの実態というのもございますので、そういった制度、手続等が整備されれば、可能性というのは高まっていくのではないかと考えております。
○但馬久美君 それでは、次に、国内航空運送事業についてです。 需給調整規制の廃止に伴う環境整備についてですけれども、平成十年の三月三十一日に政府は規制緩和推進三カ年計画を発表いたしました。その基本的な考え方は、「我が国経済社会の抜本的な構造改革を図り、国際的に開かれ、自己責任原則と市場原理に立つ自由で公正な経済社会としていくとともに、行政の在り方について、いわゆる事前規制型の行政から事後チェック型の行政に転換していく」とされております。 航空分野を初め、交通運輸分野においても、経済活動の一層の効率化、活性化を図るために、需給調整規制を原則として目標年次を決めて廃止する方針を固めております。 特に、航空分野においては、国内航空路線に係る需給調整規制について、生活路線の維持方策とか、空港制約のある空港における発着枠の配分ルール等、その方策を確立した上で、平成十一年に廃止することとされたのでありますけれども、この需給調整規制は航空法の百一条に、「免許基準」として、「当該事業の開始によって当該路線における航空輸送力が航空輸送需要に対し、著しく供給過剰にならないこと。」、こういうふうに定められております。 具体的にどういう規制が従来あって、それが現在どう変わってきているのかその点お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) お答えいたします。 国内の航空運送事業を営もうとするときでございますが、路線ごとに免許を受ける必要がございます。その際の免許基準の一つとして、先生御指摘のような路線ごとの輸送需要に対して供給輸送力が著しく過剰とならないようにすることが航空法に規定されているわけでございます。 この規制によりまして、複数の事業者間による過当競争の結果としての航空輸送サービスの低下などを防止し、もって快適かつ良質な航空輸送サービスを安定的に提供して利用者利便を確保することに努めてきたところでございます。 どういうふうにだんだんと改正したかという点を少し申し上げますと、一方、昭和六十一年の運輸政策審議会答申に基づきまして、複数社化の推進を図る観点から、その年の六月より、同一路線を二社または三社が運航する場合の参入基準、いわゆるダブル・トリプルトラック化基準を設けてまいりました。その後、複数社化の推進による競争促進の観点から、平成四年十月及び平成八年四月の二度にわたりましてこの基準の緩和を行いまして、さらに競争の促進により利用者利便の向上を図るために、平成九年の四月にこの基準を廃止いたしまして、いわゆる参入障壁といいますかそういうようなものをいわば撤廃をした、そして航空会社による路線設定の弾力化を進めてきたところでございます。 〔委員長退席、寺崎昭久理事着席〕
○但馬久美君 この十一年度に廃止するという意味についてでありますけれども、航空の需給調整規制は、先ほども言いましたように航空法の百一条第一項二号に規定されておりまして、この規制を削除するのは十一年度になるんですけれども、具体的な中身は運政審議会の方針に沿って変えていきますということなんでしょうか。その辺について御説明いただきたいと思います。 つまり、法的な廃止と具体的な中身の廃止についてお聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) まず、法制度上の取り扱いでございますが、需給調整規制の廃止に係る法制度上の取り扱いにつきましては、次の通常国会に需給調整規制の廃止を含みます航空法の一部改正案を提出するべく現在作業を進めているところでございます。 次に、具体的な内容でございますが、先生御指摘のように、運輸政策審議会航空部会の答申、これが四月九日に御報告をいただいておりますので、これを踏まえまして需給調整規制の廃止に当たり必要となる環境整備方策、具体的には適正な競争が行われるような市場ルールづくり、あるいはそういう市場が働かない場合にどうするか、こういったルールづくり、こういったこと等を定めた内容となるものと認識しております。
○但馬久美君 この規制が廃止された後どういうことが起こるというふうに予測しているのか、具体的にお答えいただきたいと思うんですけれども、特にアメリカにおける規制の撤廃の変化についてはどうだったのか。例えば路線参入とか、また運賃の問題とか、そしてまた事業のリストラなどのそういう状況はどうだったのかこの点お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) 米国におきましては、実はカーター政権の一九七八年に航空規制緩和法が施行されまして、これを境に一気にいろんな自由化が進んだわけでございます。路線参入規制の廃止とか、あるいは運賃規制の廃止というものも実施されました。 先生おっしゃったような中身とかあるいは評価という点でございますが、一般論で申し上げますと、こういった自由化されました結果非常に参入機会が増大をし、競争も促進をした。その結果、運賃水準が低下をした。ただ、運賃も実は正規運賃はどうもかなり値上がりをしたけれども、実質運賃が下がった、こういう感じだと思います。 それから、リストラでございますが、合理化、効率化による競争力の向上、こういった面はプラス面として挙げられると思います。他方で、路線によりましては寡占化による普通運賃の上昇といったマイナス面もございまして、こういったプラス、マイナス両方が指摘をされておる。なかなか一般的な定まった評価というのが簡単にはいかないというものでございます。 ただ、一つ言えますことは、国内でこういった非常に激化した競争の中でリストラを実施し、競争を勝ち抜いてきた会社が現在ビッグ幾つというようなことで国際航空市場の中で優位を占めていることは事実であろうということが一つの例として挙がると思います。
○但馬久美君 競争が出てきていろんな思いをする方々が出てくるんですけれども、この件に関しましては、これから日本でもどういうことが起こるという予測というのは、まだはっきりとわからないということでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 実は、私ども一昨年の六月に福運賃制度を導入したり、それから、先ほど先生にお答えいたしましたように、去年の四月にダブル・トリプル化基準を廃止したり、そういうようなことでかなりのスピードで規制緩和を進めてきておるわけでございますので、事実上かなりのそういう競争面というのは起こってきていると思っております。 ただ、基本的なところでまだそういった廃止の制度が出ておりませんので、私ども行政側も、あるいは航空会社側も、実際にどのような世界がそこに起こるのか、まだ想像が必ずしも十分にいっていないところがあるかと思います。 それは、国際面でも日米航空交渉が妥結されまして、これからそういったインカンバント同士ですとかなり自由な競争が行われますし、国内面では今申し上げたとおりでございますので、これから航空法の改正を来年上げさせていただき、そしてその改正に基づいて新制度に移行させていただきますのが恐らく来年の秋以降になるかと思いますが、それまでの間に十分学習と申しますか、実習と申しますか、そういったことをやっていく必要があるなど感じておる次第でございます。
○但馬久美君 ぜひ努力していっていただきたいと思います。 次に、安全運航の確保についてでございます。 これは運政審議会の答申でも、「航空運送は、いったん事故が起これば甚大な被害の発生の可能性があるため、需給調整規制の廃止後の競争状況の中でも、安全な運航の確保は、引き続き最も重要な課題である。」と、そういうふうに記述されております。 アメリカでは、競争原理の導入後事故が多発したとか、また整備士がわずか一人だとか、そういう不安要因も聞こえてきております。機材とか乗員、整備等について安全運航のための施策をお伺いしたいと思います。これは先ほど山本委員もおっしゃっていたと思うんですけれども。
○国務大臣(藤井孝男君) おっしゃるとおり、安全の確保というのはもう航空運送事業にかかわらず運輸行政にとっては最も重要な課題でございます。需給調整規制を廃止することによって航空の安全が損なわれるようなごとになったらこれは大変でございますので、今後とも運航の安全あるいは整備のチェック、安全確保のための体制についてはこれからも十分厳正に行っていかなきゃならないと思っております。 具体的に申しますと、今現在、技術面での審議を、専門といいますか中心といたします航空審議会の航空安全部会におきまして、この需給調整規制廃止後の安全規制のあり方について御審議をいただいているところでございます。したがいまして、運輸省といたしましては、その答申を踏まえまして安全確保等については適切に対応する、このように考えておるところでございます。
○但馬久美君 ぜひ安全確保のためにはこの課題にしっかり取り組んでいっていただきたいと思います。 次に、事後監視システムについてお伺いいたします。 需給調整規制の廃止後においては、国内航空の運送事業制度のあり方は事前規制から事後監視に変わっていくと伺っております。その事後監視システムというのはどういうようなシステムなのか、お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) 需給調整規制の廃止は、現在の路線ごとの免許制を根幹といたします事前規制を見直しまして国内運送事業への参入を容易化するとともに、事後監視を中心とする制度にそのあり方を変えることとなると認識をしております。 この場合の事後監視システムのあり方につきまして、運輸政策審議会航空部会の答申におきましては、利用者利便の確保の観点から、情報公開の充実やあるいは運賃、サービス等についての利用者からの苦情処理システムとあわせて、明確な要件に基づいて行われる是正措置を含めたものであることが必要とされておるわけでございます。 今後は、この答申を踏まえまして、具体的なあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。
○但馬久美君 では次に、生活路線についてお伺いいたします。 競争原理の導入後、当然原理として航空会社は不採算路線から廃止していきます。しかし、離島とか地域住民の日常生活に不可欠な路線については引き続き維持していかなくてはならないと思うんですけれども、今後どういう形で不採算路線を選定して公的支援を行って地域住民の生活の利便性に役立っていくか、そういう点をお答えいただきたいと思います。 現在、公的支援は、航空機購入に補助する、また空港使用料の軽減とか固定資産税の軽減などは合されておりますけれども、政府は今後運航費の補助を新たに設けようとしているんですけれども、この運航費用の補助はどういうものなのか、その点お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) 市場原理が働かない分野というのは結局出てくるわけでございまして、こういう点につきまして、現在のように航空会社による赤字の負担のもとに路線を維持していくことは非常に難しくなる、おのずから限界があるものと認識をしております。 〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕 しかしながら、離島路線の中には地域住民の日常生活に必要不可欠なものがございますので、運政審の答申におきましても、こうした生活路線について、航空運送の必要性につきましては他の交通機関と比較してやはり差異があるということを念頭に置きながら路線の維持方策について検討すべきとされているところでございます。 具体的には、先生御指摘のように現在も空港使用料あるいは固定資産税、こういったものにつきましての優遇措置というのがあるわけですが、国の場合は現実に運航に従って発生する経常赤字についての運航費補助というのがまだないわけでございます。その運航費補助というのを補助金というような形、あるいはそういうような形で新しくつくっていこうというのが今度の答申の主体となるところでございまして、国と地方自治体が具体的な路線の選定、維持、こういったものを行っていく、特に自治体が具体的な路線の選定や維持を主体的に行う。さらにどのような路線かという点につきましては、国がナショナルミニマムの確保の観点から、住民の日常生活に必要不可欠な路線である、すなわち一定の要件に該当する離島路線、そういうことが対象になるんじゃないか。 あと制度的には、私どもはこういった答申を受けまして、具体的な地方、現実に離島が非常に多い地域がございますので、そういったところの自治体などとこれから協議をし、具体的な予算要求などにつないでいくようなそういう検討をこれから開始をしたいというふうに考えております。
○但馬久美君 離島とかまた地域住民の日常生活に対して、こういう路線は非常に大事な部分でありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、コミューター航空について伺います。 この航空は現在定期路線のサービス提供をされていない路線を中心に運航が認められているんですけれども、コミューター航空は大半が赤字に悩まされております。需給調整規制撤廃後のあり方はどういう変化が予想されているのか、お聞かせください。
○政府委員(楠木行雄君) コミューター航空と申しますのは、六十席以下のいわば小規模の不定期の航空運送でございまして、二地点間を運航するというものでございます。 このコミューター航空の事業制度面に係る規制につきましては、今回の運政審答申におきまして、需給調整規制の廃止を踏まえ、規制の見直しを行いまして、従来ですと定期便の入っているところにはコミューターは入ってはいけないというようなすみ分けがあったわけでございますけれども、今回は「コミューター航空会社の経営判断に基づいたネットワークの形成ができるようにすることが必要である。」と、こういうふうにされておりまして、今後はこの答申を踏まえ具体的な規制の見直しを進めてまいりたい。そして関係者とも、特に自治体ということになると思いますが、連携をして取り組めるよう、いろいろ国といたしましても側面から支援をしていきたい、こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 私はまず、安全面についていろいろお伺いをしたいと思っております。 今、自動車の方も渋滞でもって東京近辺なんかは大変な様相を呈しているんですが、ただ、自動車の場合は多少ぶつかっても、正面衝突するとかあるいは追突するとかということでかなりの犠牲者を出すという例もありますけれども、ちょっとかすったぐらいじゃ、かすり傷程度で終わってしまう。ところが、飛行機の場合はかすり傷で済まないわけですね、必ず落っこってしまう。したがって犠牲も多いということになるんです。そういう点から考えると、取材のためのヘリコプターなんか何か事件があると我々が見ても大丈夫かな、あれでよくぶつからないものだな、別にぶつかることを期待して見ているわけじゃないけれども、危ないなと思って見ることが多いんですね。 だから、こういう飛行機の規制、報道用のヘリコプターだとかあるいは飛行機、それから自衛隊機の問題なんです。自衛隊機並びにアメリカの飛行機の問題です。 私は、できれば米軍の飛行機は何も狭い日本に来て演習してもらわなくたっていいんだから、広い場所はいっぱいあるんだから、なるべく遠慮してもらって、日本は日本の飛行機だけでもって飛ぶような算段をすべきではないかと思っているんです。 そこで、ごく具体的な問題としまして、インドネシアでいろいろ問題がありました。あれがもうおさまったのなら別だけれども、どうも伝え聞くところによると、またいつ始まるかわからない、こういう状況にあるように聞いております。インドネシアあたりのああいう思いもかけない暴動等で治安が混乱をした場合に、日本人の居留民を速やかに救出するために果たしてどういう方法があるのか。 こういうことは予期しないことでありますから、突然にじゃどうしたらいいかということになると大変に困惑をすることが多いと思うのでありますけれども、そんなときの役割としては、自衛隊の飛行機が飛ぶという、あるいは飛んだという話も聞きましたけれども、自衛隊の飛行機の場合は旅客輸送を専門にしているわけじゃないんですから、運ぶ数もたかが知れていると思うんです。これはやはり民間機をフルに使うほかないと思うのであります。最初は自衛隊機が飛んでいくような話だったんですが、自衛隊機の役割と民間航空機の役割とどういうふうに区分けしているのか。これは政府としてやはりけじめをつけてやらないといけないと思うのでありますが、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 一般論として、国外におきます緊急事態に際しまして、邦人を救出する場合にどのような手段をまず用いるのか自衛隊機と民航機の使用、どちらなのかこういうことにつきまして申し上げますと、例えば緊急事態の態様、今回の場合も空港が使えるのかどうかとかそういうようなこともございますし、救出を要する邦人の数やその分布状況、今回非常にあちこちに散らばっておるとかかなり多くの数の邦人の方がいらっしゃる、こういうようなことがございます。それから、我が国との地理的な関係、余り距離が遠いと、現実に定期便が飛んでいないとかそういうようなこともございます。それから、当該国と我が国との間の輸送網の状況、これは今申し上げました定期便等が現実にネットワークとしてあるのかどうか航空会社の支店等があるのかどうかこういったようなさまざまな要素を総合的に勘案の上、政府全体といたしましても個別のケースごとに検討する必要があるものと考えております。 今回のケースでは、今若干申し上げましたけれども、本邦航空会社がインドネシアと我が国との間に定期航空路線を設定しております。JALもANAもそれからJAA、日本アジア航空も設定しておる。それから、現地におきまして航空会社のそういった意味での体制が整っておりますこと、それからジャカルタ等の空港が平常どおり今まで運用されていること等から、運輸省といたしましても、邦人の救出のため本邦航空会社による臨時便の運航を行うことが適当と判断をいたし、そして航空会社に協力を要請したところでございます。
○瀬谷英行君 大型の旅客機を使う場合と自衛隊の飛行機を使う場合では、やっぱり輸送力が全然違うだろうと思うのです。だから、自衛隊の飛行機を使うということになると、これは憲法上いいとか悪いとかという問題よりも、現実の問題としてたくさんの人をなるべく早く運ぶということに主眼を置くべきではないのか、こういう気がするんです。 その意味で、民間機をフルに使い得る体制をとっておく必要があるんじゃないだろうか。めったにこんなことは起きないとは思うけれども、しかし、起きた場合にはやはり迅速に措置をしなきゃならないということになりますから、それらの場合を考えて、民間機をたくさん動員してなるべく早く帰国を待っている邦人を運ぶというところに力点を置かなきゃならぬと思うのであります。 その点はやはりどうしても運輸省として考えてもらう必要があると思うのでありますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 外国でいろんな暴動なりあるいは不幸にして戦争状態になったときの邦人の救出と申しましょうか出国についてさまざまなケースがあるということは、先ほど航空局長の方から答弁をいたしたところであります。 今、瀬谷委員の御指摘は、なるべく民間航空機を活用するようにという御趣旨だと思います。ただ、一方でこういうものはめったにあるわけではないという御趣旨の御発言もあったと思いますが、今回のインドネシアのケースでも、定期便のほかに二十便の臨時便を増使いたしまして、また外務省、政府といたしましても外国航空機のチャーターも行っているところであります。 しかしながら、こういうことは急に予期せぬ形で起きますので、民間航空機をフルに活用するという、我々今回全力をもって取り組んでおるところでございますし、また航空各社も非常に協力していただいている、大変感謝をいたしております。 ただ、そのときに、機材や乗員が確保できるか、そしてまた機材にそれほど余力があるわけじゃありませんので、他の定期便の運航に支障が起きないかとかまた、インドネシアのジャカルタ空港の方は今のところ通常の離発着ができている状態ですが、現地の空港や経路上の安全の確保ができるかどうか、また、遠隔地になりますと給油の問題等々がございます。あるいは機体の整備、旅客ハンドリングといったさまざまな問題があり、またその体制がとれるのかどうかこういうことも勘案し、その中で全力を傾注してやらなきゃならないと思っております。 いずれにいたしましても、先ほどちょっと皆様方に御報告しましたように、スハルト大統領が辞任しないということが、あす大規模なデモが行われるという国民党ぜいの日にどういう影響を与えるのかこの辺が非常に予断を許さないところでございます。 しかし、今般のことを通じて私はつくづく思いましたけれども、日米航空協定が改定され、国際競争が非常に激しくなってきている状況の中で、我が国の航空会社はリストラをすることにより、また合理化を進め、また近代化を進め、国際競争力をつけるという観点でも必死な努力を行っているところであります。それはぜひ頑張ってもらいたいし、我が国といたしましても我が国の民間航空会社がそうした競争に耐え得るよう私どもも援助、支援をしていかなければならないと思っています。 今回、そのこととこのことがどう関係するかと申しますと、今回の事態になりまして、ナショナルフラッグの飛行機が飛ぶことがやはり非常に安心感を与えるということであります。ですから、将来、万一厳しい競争の中でナショナルフラッグ、我が国の航空会社が競争に負けて廃止せざるを得ないことがもしあったとすれば、こういった事態が起きたときに、やはりどこの国も自国のフラッグの飛行機をぜひ利用したいし、またそういった自国のフラッグの飛行機が来ることによって安心感を与えるということもありますので、そういう意味で、今回、JALにいたしましてもあるいは全日空にいたしましても、またJAAにつきましても、いろんな角度から協力をいただいているということでありますから、今後とも邦人の出国に、あるいはあるときには救出ということになろうかと思いますが、こういうことに万全を期していきたい、このように思っているところでございます。
○瀬谷英行君 今までの質疑の中でもICAOがいろいろと出てまいりましたが、私も十五年前の大韓航空機の事故の問題で、真相究明の会と協力いたしましていろいろ真相究明に当たってみたんですけれども、ICAOの報告というのはどうも余り信用できないという面が出てきたんです。 つまり、当時の大韓航空機の事故は、日本の国内じゃなくて、千島列島をずっと南下してきた大韓航空機がソ連軍の飛行機によって撃墜されたと、こういう事件です。 当時の新聞論調というのは、民間機を撃墜したのはけしからぬということだけで、なぜ航路逸脱をしたのかという問題があいまいにされておりました。ところが、いろいろと調べてみますと、あれはパイロットが迷い込んだという一部の新聞報道とは事情が違って、かなり意図的に航路逸脱をやっているというふうにみなさざるを得ないんです。それは、レーダーあるいは航路をいろいろ調べてみますと、報告と違っている点もあったし、それから地図の上ではっきりしているにもかかわらず、飛行禁止区域を大韓航空機があえて飛んだ、それで撃墜されたということがはっきりしているわけです。 それらの点をICAOの報告というのは必ずしも正確に報告していないということが調べてみてわかったわけです。だから、ICAOの報告というのは何から何まで全面的にまともに受けていいのかどうか。これはわからない、率直に言うと信用できない。これらのことを考えてみますと、この航空事故の問題というのは、一体どういう理由でもって航路逸脱をしたのか、どういうわけで撃墜をされたのかということも公平な目でもって調査をして調べる必要があると思うんです。これは質問主意書の方でもどうも回答ははっきりしなかったから、再質問をするという形で私の方でまた出しましたけれども。 これらの過去の事例から考えてみて、ICAOの報告は果たしてどこまで信用できるのかあるいはその報告の中に事実と違っている点があったんじゃないかという私どもの指摘に対して、どのような見解を持っておられるのか、この機会にお伺いしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 何といいますか、二つ側面があると思うんです。航空事故の教訓というのをどのようにその後の対策に取り入れていくかという点と、それからICAOが行っております先ほど申し上げましたセーフティー・オーバーサイト・プログラムとか、そういう安全面での一つ一つの計画の信用性といいますか、そういう面と両方あるのかなと思ってお聞きしておったんです。 最初の点につきましては、やっぱり航空事故の調査につきまして、非常に厳正な調査というのをそれぞれの所管の国の航空事故調査委員会が行いますので、それの勧告なり建議なり、そういったものに合わせて私ども対策、対応をとっていきたいと考えておる次第でございます。 それから、後の問題につきましては、先ほど別の委員の方にもお答えをいたしましたように、私どもとしてはやはり国際的な協調、連携というのは必要であろう。そこにICAOのそういうプログラムに入っていって、そして私どもの方も全体的な安全が国際的に確保されるよう、担保されるよう努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 きょうの議題と一緒に考えていきますと、ICAOの問題については、一々事例を挙げると長くなりますし、昔の話になりますから、長い話をするのはやめておきたいと思います。 しかし、私どもの研究の結果は、ICAOの過去における大韓航空の報告というのはどうもおかしい。おかしいということを立証する材料の方が多い。だからその点を、昔の話であっても今後の航空事故対策という点から考えるとゆるがせにできないなと、こう思いますので、この点は続けていきたいというふうに考えております。 まず、我々とすれば航空事故の皆無を期していかなければならないと思うし、それには、例えば羽田等の飛行機の発着状況を見ても陸上の交通渋滞と似たり寄ったりですね。車のようにすぐ後にくっついて飛ぶというわけにはいかないから、間断なく発着をするというのが実情なんです。こういうことを考えますと、航空機の規制というのも大変難しいと思うんです。 それから、飛行場の規模とか、中部空港とかああいう新しい空港ができるということになれば、ある程度分散できるものは分散をするということも考える必要があるんじゃないかと思うのでありますけれども、何しろ限られた地域なんですから、飛行場なんというのは簡単にできるものじゃないし、計画をしたって実際に使えるようになるにはかなりの日時が必要だと思うんです。 しかし、大きな目で見た場合には、そういう面の計画をやはり十分に考えて、そしてこれからの航空行政ということを推進していかなきゃならぬというふうに思うのでありますけれども、そういう日本の空、あるいは空港のあり方とか、あるいはその使用度とか、こういうものを勘案をして、一体これから日本はどこにそういう場所を求めていくのか。あるいはまた、現状でもって成田なりあるいは中部空港なりというものがこれで機能を十分に発揮できるのかどうか、そういうこともあわせて計画を立てなきゃならぬと思うのであります。それらの点について、一体運輸省としてどのようにお考えになっているのかという点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 大変重要な点でございまして、私どもも空港整備七カ年計画などをつくります場合には、先生今御指摘のまず地域的にどういったところに拠点空港をつくるのか、そしてその上の空域は本当にうまく調整できるのか、こういった点に心を砕いておる点でございます。 具体的には、特に大都市圏の拠点空港をその周辺の需要に合わせて、旅客ニーズに合わせてつくっていくというのを先行してやっておりまして、首都圏における成田、羽田、あるいは関西圏における関空と伊丹、それから今御指摘がございました中部圏における中部といったものをそういうところの経済規模、人口規模に合わせてつくっていく。ただ、日本の場合は大変国土が狭うございますし、なかなか一挙に一つの空港で滑走路二本、三本というのはつくれないものですから、一本ずつとりあえずまずできておるものをうまく活用しながらやっていくということをやっております。 また、その上の空域につきましても、日本の場合、非常に大型機が多くて、イギリスとかアメリカなんかで言われますような程度のゼネラルアビエーション、つまり小型機なんかが入ってくるものと同じ程度のものはなかなかできないんですけれども、それでもかなり多くさばくような工夫をしております。 羽田の場合も、今回の展開によりまして昨年まで朝六時から二十三時までの間が一日五百八十回の回数でございましたのが、今回の追加によりまして六百六十回ということになりましたので、三本滑走路は使っておりますけれども、大体二分以下の中で一本ずつ入ってくるぐらい、そういうようなものをこなすというような状態になってきているわけでございます。そして、そういったものをやります際には、なるべくそういう既存のものを技術の合理化等によりまして高める努力もしております。 また、新しく空港を立地する場合には、中部空港の場合もそうでございますが、かなり前から空域の調整組織を立ち上げまして現実に調整をしてこなしてきた。今回の場合もまずこれで開港時には中部の場合の空域、周りに浜松とかそれから明野とかあるいは小牧とかそういう自衛隊の空域もございますが、そういうものと調整されたものができるであろうというふうに、こういった点を調整し努力をしている、そういった現状でございます。
○筆坂秀世君 今度の法改正によって、リース機の場合は登録国の耐空証明が必要であったものが、運航国の耐空証明でも結構だということになるわけですけれども、しかし、今はまだ登録国の証明が必要と。 さっきもちょっと出ていましたけれども、日本航空がアメリカからリース機二機リースしていますね。ところが、これについて登録国であるアメリカの側の耐空証明が出ていなかったと。これは極めて奇怪な話で、なぜ日本航空のリース機に対してアメリカから耐空証明が出ていなかったのか、この理由は何でしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 耐空証明が出ていなかったということは私は承知をしておりません。耐空証明は出ていると考えております。
○筆坂秀世君 私の調査では耐空証明は出ていない。だからリースを返上して自分のものにするという話です。 問題は、日本の整備基準というのがアメリカから見てどうなのかということが問われているんじゃないか。 アメリカ連邦航空局、FAAは、アメリカに乗り入れている各国がICAOの規定、条約の附属書として採択された標準、方式、手続に従って航空行政が行われているかまたこれらの国がICAOの規定を遵守する能力があるか、これについて日本も含めて各国の調査をやっていますね。 その調査がいいか悪いかは別にしまして、このアメリカ側の調査に基づく査定には三つのカテゴリーがあって、第一のカテゴリーは、ICAOの基準に適合している、FAAの調査の結果航空会社を監督できる基準に達している、こういう国はカテゴリー一。ICAOの基準に達していない部分があるため当該国からアメリカへの乗り入れが制限されている、こういう国がカテゴリー二。カテゴリー三は、ICAOの基準に達しておらずアメリカへの乗り入れは許可されない。こういう三つのカテゴリー、各国に対して調査を行ってFAAが行っているんです。 私、実はFAAがつくったその調査に基づくリストを手に入れました。ここにあります。これがそのリストです。全部で八十七カ国入っている。なぜか日本は入っていないんですよ。何で日本は入っていないのか。主要な国は全部入っていますよ。これはどういう事情ですか。
○政府委員(楠木行雄君) アメリカの連邦航空局、FAAが、各国の航空当局が国際民間航空条約及びその附属書に定められる国際標準等に適合しているか否かを調査しているというこの点でございますけれども、FAAとの間では従来私どもいろいろな交流がございます。お互いの航空安全に関する制度、法令の概要、組織の概要等を把握するため、必要に応じて情報交換も行っております。このような観点から、今回の件につきましてのFAAからの問い合わせに対してはその都度回答を行っております。 そして、先生御指摘のように、これはインターネットでしょうか、たしか八十七カ国についてアメリカが現実に自分が審査した結果を公表しておるという点も承知をしております。カテゴリー一には六十一カ国、カテゴリー二には十二カ国、カテゴリー三には十四カ国入っているというのがわかっておりますが、しからばカテゴリー二の条件つきの条件とはどんなものなのかとかそういった点は、単にぽっとインターネットに出ただけでございますのでよくわからぬわけでございます。 それで、FAAの調査というのはまだ続いておりまして、例えば昨年の十一月に私どもそういった点の回答を行ったりしておるわけでございます。 どういう理由でその調査の完了がおくれているのか。あるいは我が国以外の国に対する調査を優先したことなどもあるんじゃないか。先ほど申し上げましたカテゴリー一の六十一カ国に私どもの水準は当然入る内容だと私は思っておりますけれども、そういう意味でほかの国の調査を優先したこともあるんではないか、こういうようなところを考えておる次第でございます。
○筆坂秀世君 今、航空局長が言ったようなことなら問題はないんだけれども、日本は週に二百便アメリカに乗り入れているんですよ。このプログラムは九二年に設けられて、もう既に六年たっているんです。 ところが、このリストを見ると日本は載っていない。これは日本がICAO基準に適合していない、そういう部分があるのか、あるいは例えば耐空検査員や乗員の技量審査官、これが不足しているんじゃないか。特に、FAAの調査というのは単に航空会社がどうかというだけじゃないんです、その国の航空行政がどうかということも含めてこれはカテゴリー一、カテゴリー二、カテゴリー三というふうにやっている。そこに日本が出てこない。 これは私も関係者に聞いてみました。そうすると、例えば耐空検査員や乗員の技量審査官、乗員の技量審査官といったって日本は審査するようなベテランの人なんかいないらしいです。パイロットの方がベテラン、検査する方は全然ベテランじゃない。それが今の日本の現状なんです。だから、FAAはカテゴリー一に日本なんか入れていない。これが実情だということです。だって、これは九二年に設けられているんだから、もう六年たっているんですよ。四捨五入すれば十年です。 私が何でこれを指摘したかというと、実際それは指摘されてもしようがない、そういう実情にあるということです。よくグローバルスタンダード、国際標準ということが最近言われるわけですけれども、航空行政あるいは航空会社の運航実態、これはとてもグローバルスタンダードになんか達していない、こういう実態にあります。 そこで一つの例を挙げたいんですが、それは航空乗務員の長時間勤務です。 航空機を安全に飛ばす上でパイロットや航空機関士の果たす役割というのは非常に大きい、文字どおり乗客の生命を預かっておるわけですから。ですから、その乗務員の皆さんかどういう勤務形態にあるのかというのは決定的に重要な要素、これはもう当然のことですね。 ところが、例えば日本航空を例にとりますと、九三年十一月に機長と副操縦士の二名編成機、これはシングル編成と言うらしいんですが、この連続乗務時間を八時間から十一時間に直接の当事者であるパイロットの猛反対を押し切って一方的に強行した。実に三時間ですよ。三十分というならわかるけれども、一挙に三時間延長した。 私もジャンボ機のコックピットに一遍入ったことがあります。もちろんとまっていましたが、本当に狭いですよ。そこに十一時間座ったまま、一切の休憩も許されない、席を立ってもだめ、眠ってもいけないということになっています。これは極めて非人間的な労働条件ですよ。 同じ運輸関係で見ても、トラック、バス、タクシー、鉄道、船はどうなっているかといいますと、例えばトラック、バスは連続運転時間は四時間以内にせよ、その後必ず休憩を入れ、運転を中止しなければならない。鉄道運転は深夜二時間以上の場合連続運転は四時間三十分、昼間は六時間が限度。船員も八時間労働で、航海当直は連続四時間以内、こういうことになっているんです。 もちろん、航空乗務員の場合に労働基準法の規定の適用除外になっているということは私もよく知っております。しかし、何でタクシーにしろ鉄道にしろトラックにしろ何にしろ、連続乗務時間を区切っているのか、そして休憩を入れるようにしているのか。安全運行のためですよ、安全運行に支障があるからです。幾ら適用除外だからといって、飛行機の場合は無限定ですということにはこれは当然ならない。ところが、十一時間といえばこれは事実上無限定ですよ。 何でこんなことになったのか。航空局が連続乗務時間を八時間から十二時間とした。これを受けて、日航は連続乗務時間を十一時間。これは通常じゃ考えられない。 これについて、こういうものを導入するときに運輸省として医学上の検討というものはきちっと行ったんですか。
○政府委員(楠木行雄君) 先ほどのFAAの問題でございますが、私どもは、FAAから特段の指摘がないということで、私どもの検査官にいたしましても十分な履歴、キャリアを持っておりますし、当該調査においてFAAが我が国に対して何らかの問題があると認識しているとは考えておりません。これをまず申し上げておきたいと思います。 それから、航空機乗組員の乗務時間制限の導入の経緯ということでございますけれども、我が国におきましては、各航空会社の乗員編成の基準は運航規程に定めることとなっております。 平成二年までは二人乗務機が長時間飛行を行うことはなかったということから、二人乗務機の長距離運航の乗員編成基準は運航規程に設定されておりませんでした。しかしながら、平成二年八月からボーイング747−400が我が国の航空会社に帰属いたしまして太平洋線に就航することが予定されまして、当該航空会社の運航規程に二人乗務機の乗員編成基準を新たに設定する必要が生じました。 平成二年五月に、社団法人日本航空機操縦士協会に長距離運航に係る乗員編成についての検討委員会を設置して検討を開始し、その年の六月に、米国基準を基本とする基準案が中間的結論として取りまとめられたわけでございます。 我が国では、これに基づきまして二人乗務機の乗務時間制限を八時間以下とするという内容の基準を暫定的に制定いたしましたが、このような中間的結論におきましては、米国基準は……
○筆坂秀世君 そんなものは全部説明しなくていいよ、時間ないんだから。
○政府委員(楠木行雄君) 二人乗務機が長距離国際線に就航することは全く予想されていない四十年以上も前に制定されたものでありまして、技術革新によりワークロードの軽減が図られている……
○筆坂秀世君 医学上の検討はしたのかと聞いたんだよ。
○政府委員(楠木行雄君) 医学的検討につきましては、ワークロード、疲労度等が同程度であるという結論が得られればこれは大丈夫だということで、延長することとしたものでございます。
○筆坂秀世君 だから全然だめなんだ。運航規程と言ったけれども、運航規程なんて、これは航空会社の運航規程じゃないか。ICAO基準では法規で定めると書いてあるんです。アメリカじゃ大統領令で乗務時間とか全部定めている。法律を見たけれども、日本なんか何も書いてない、施行規則を見たって。航空会社の運航規程だけだ。 医学上の検討をしたと、八時間のときと同程度だ、そういう結論が出たというのが今航空局長の言った答弁。ところがこんなインチキな調査はない。だって、実際に十一時間を飛ぶのはシングル機、交代要員なしの二人で飛ぶんです。検査をどういうふうにやったか。ダブル編成でやった、交代要員を連れてやった。二名乗員のものを四名体制で検査をやったんですよ。だから、これじゃまともな検査にならないことは当たり前な話です。もうでたらめきわまるやり方ですよ。 どういうふうにやったかというと、二人ずつダブル編成で、一組は離陸担当、あとの一組は着陸担当。実際にこんなことをやっていますか。実際の飛び方は四人乗ってダブル編成なんかやっていないじゃないか。二人しかいないんですよ。離陸も着陸も同じ人、その間飛んでいる間も全部同じ人です。 ところが、医学上の調査というのはそういうダブル編成でやった。だから、血液検査を見るとこれは象徴的で、成田出発前に離陸組をホテルで実施しているだけ。ニューヨークやワシントンに到着したらその人たちは検査しない。何でかと言えば、その人たちは休んでいるんだから。 飛行中の血圧及び心電図の調査、これもひどい。成田を出発する離陸組の交代するまでの約二時間三十分についてのみ測定している。着陸組の着陸時を含めての約二時間三十分、これを測定している。つまり二時間半から三時間しかやっていないんです。実際には十一時間も飛ぶんですよ。だからこの調査をもとにシングル編成にしても大丈夫だ、十一時間ぶっ通しでやっても大丈夫だと。こんなでたらめな調査がありますか。 長々と答弁するから余り時断がないんだが、こういう日航のように太平洋航路を二名シングル編成で、しかも十一時間連続運航させているこんな航空会社、こんな国、日本と日本航空以外にありますか。聞かれたことだけでいいよ。
○政府委員(楠木行雄君) 私どもがまず基準で調べました場合は、アメリカは別ですが、ヨーロッパにもそういった国が相当ございます。 具体的なものといたしましては、例えばフィンランド航空が成田−ヘルシンキで十時間二十分、オーストリア航空がウィーン−ニューヨークで十時間、それからスイス航空が十時間二十五分、こういったような例がございます。
○筆坂秀世君 それぐらいしかないんですよ。それだって十一時間行っていないでしょう。だから、いかに異常な勤務を乗務員に強いているかということですよ、インチキな検査をやって。 こういうことでどういうことになっているかというと、私、日航の機長組合が行った緊急アンケートとキャプテンメモ集をいただきました。もし何だったら後で差し上げますよ。 この中に、サンフランシスコ、ロサンゼルス、アメリカ西海岸の長時間運航について、百七名の機長のうち、こういう長時間操縦が適当であると答えている機長は一人もいない、ゼロです。やむを得ないというのが八名。あとの九割は認められない。 何でかというと、「成田出発時刻が日本時間の二十二時、ロサンゼルス到着時刻は日本時間で朝八時となる。長時間徹夜で休養もなく乗務する事は本来あり得ないことである。進入や着陸において航空管制とのやりとりで抜け等が起こり安全性に多大な影響がある。」、「フライトタイムが十時間を越えたあたりから頭がぼんやりしてきた。」、「頭の芯がしびれる様な感覚に襲われ、着陸を控え、多少の不安が頭をよぎる。」、「機長として安全にいささかの不安も無いなどと言える様な代物ではありません。」、「この様な商品を乗客に提供すべきでは無い。」、「集中力の低下、勘違い、物忘れによるミスの可能性が着陸時に集中して出る。」、「完全な徹夜フライトでしかも危険空港のロス空港!何か問題が生じてからでは遅い」、「ロサンゼルスで事故が起きても不思議ではない。」、「全員睡魔との戦いでフライトしている、まともな状態ではない。」、これはそれぞれ機長がみんな答えられて、これに載っています。 大臣、これが実態ですよ、十一時間長時間連続運航の。このままでいい、大丈夫だとおっしゃるんでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) まず、私どものポイントを申し上げたいと思うんですけれども、先ほどのテストにつきましては、従来から十二時間の乗務時間というのが認められております三人乗務機、これと同じ形で行うという形で行ってまいりました。したがって、そこで行われた結果については、十二時間ができるということは私ども考えておるわけでございます。 いろいろ実機飛行調査において、成田とニューヨーク、ワシントン路線で延べ四十人のパイロットが参加する調査も行いまして、先生先ほどおっしゃったようないろんな検査項目についての生理学及び心理学の両面から実測して評価を行ったわけでございます。 その結果、在来型の既に十二時間を認められておりますボーイング747三人乗務機と同じようなやり方をして、それで747−400の二人乗務機については問題がないという医学的証明を得た、こういうのが私どもの評価でございます。
○筆坂秀世君 だから、言ったでしょう、今、747−400シングル編成を問題にしている。しかもあなた方の調査は全部ダブル編成でやったんでしょう。何でダブル編成でやる必要があるのか。シングル編成で実際飛ぶんでしょう。 言ってごらんなさい、何でダブルでやるのか、何で離陸時と着陸時と違うパイロットでやるのか。おかしいじゃないかどう考えたって。簡単でいいですよ。
○政府委員(楠木行雄君) 今の747−400二人乗務機の疲労度とかそれからワークロードとか、こういう点につきまして、ボーイング747の現実の三人乗務機に比べまして問題がないということを私どもは検証したわけでございます。
○筆坂秀世君 だから、条件が違うことで検証したって検証にならない、同じ条件でやらなきゃ。あるいはやるなら多少厳しい条件でやってこそ意味があるんでしょう。ダブル編成で緩やかな検査をやって、それで大丈夫ですと。そんなもの何が大丈夫ですか。大丈夫じゃない。機長の答えをごらんなさいよ。 じゃ、あなた方は、シングル編成で十一時間連続乗務をやらせて、実際どうですかと機長から航空局長は生の声を聞いたことがありますか。私から言えばでたらめな、我々の調査ではこうだったけれども、実際やってみてどうなんだと聞かなきゃ。ロスで事故が起こったら大変じゃないか。
○政府委員(楠木行雄君) 何回も申し上げておりますけれども、747−400の二人乗務機と在来型の747の三人乗務機とを比較したわけでありますけれども、実際のそれぞれが行います役割とかそういうものについては二人乗務機であるのと同じような形で三人乗務機でやっておりますので、これでやりました場合にそのデータが同じである、あるいは若干747−400の方が低いというようなことも出ておりましたので、これで適正であると考えております。
○筆坂秀世君 全然だめだよ、そんなものは。余り交通・情報通信委員会でとまったことはないけれども、こんな答弁ばかりやったら委員会は審議を続けられないよ。 離陸時と着陸時と違う人であなた方は検査をやっているじゃないか。そんなばかな話がありますか。しかも、現に、この実態を見てごらんなさい。あなた方は日航の機長さんがみんなうそを言っていると思っているの。 やはり、こういう初めてのことをやったわけでしょう、二名十一時間で。だったら、その後実態はどうなっているのか、必要な調査を運輸省としてやるのは当たり前でしょう。機長組合から聞き取りもする、現場の機長さんからも聞き取りをやる、実際この勤務形態になってどうなのかということぐらい聞かなきゃ、どうやって空の安全にあなた方は責任を持てるんですか。
○政府委員(楠木行雄君) 今の問題につきましては、例えば航空機乗組員の乗務時間とかあるいは勤務パターンとか、そういったことも非常に関係すると思います。私どもの方は、そういう点について全体的に航空機の運航の安全に支障がないように航空会社ごとに運航規程を定めておるつもりでございます。
○筆坂秀世君 だめだ、大臣、もう一遍読み上げませんけれども、やはり運輸省として、こういう勤務形態を導入しました、これを認めました、その後どうなのかということを当然私は調査すべきだ、それが安全運航に責任を持つ運輸省の責任だと。やっぱり調査検討をすべきじゃないでしょうか。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 今航空局長から、航空機の乗組員の勤務時間、運航の安全に支障がないようにそういう勤務パターン等を考慮して航空会社ごとに運航規程を定めていると、こういうふうに答弁をいたしました。いずれにしましても、私どもは、航空に限らず、運輸行政の基本はもうたびたび申し上げておりますように安全をいかに確保するか、そういうことが大事であります。 今、747−400の二名乗務についてのパイロットの生の声をどう受けとめるかという御趣旨でございます。 私どもは今までのところ、こうした勤務パターン等について、またこれまでの運航実績について、疲労が原因と考えられるような例えばインシデント等は発生していないと聞いておりますので、安全上の問題は特にないと認識しております。 いずれにいたしましても、これは安全の確保という観点から、常に航空会社とそういった点の環境、パイロットの環境、それがひいては安全運航につながるわけですから、そしてさらにはそれが基本的な安全の確保につながるわけですから、その点は十分踏まえてこれからの安全航行、安全確保について我々は努力をしていかなきゃならない、このように考えております。
○筆坂秀世君 実態を調査してくださいよ。
○国務大臣(藤井孝男君) ですから、私どもは航空会社ごとに、そして航空の安全確保というものを常にチェックいたしておるわけですから、今おっしゃられたことももちろんその中に入るわけでありましょうし、これからも航空の安全運航そして安全確保に対しましては、十分これを確保するように私どもは適切に対処をしてまいる、そういうふうに考えております。
○筆坂秀世君 もう一つ明確じゃないんだけれども、ともかくこういうものを導入したら、その後どうなっておるか調査する、調査も踏まえてまた次のことも考えるというのは当然の筋道だと思うんです。これは確認してよろしいですね。
○国務大臣(藤井孝男君) ですから、私どもは運航の安全に支障がないよう航空会社に指導をしていく立場にあるわけですから、そのための指導を含めた、そして安全確保を充実させるために我々はこれからも最大限の努力をしていかなきゃならない、先ほどからこのように申し上げて、御理解をいただきたいと思います。
○筆坂秀世君 もう一つ聞きますけれども、十一時間と言いましたが、実際には十一時間を超える勤務というのがあるんですよ。航空局長、つかんでいますか。
○政府委員(楠木行雄君) 承知しておりません。
○筆坂秀世君 だからだめなんだ。これが実態ですよ。何が安全に責任を持つだ。 それもここにデータがあります。サンフランシスコ−成田便、毎日一便飛んでいるけれども、明らかに飛行時間が十一時間を超えているものがある。日航は表向きは十時間五十分から十時間五十五分と設定している。十時間五十五分と設定すれば、十一時間を超えることがあることはこれはもう半ば常識ですよ。必ず十時間五十五分以内なんということはそんなものはあり得ない。 九六年の実績。百五十回の飛行のうち六十二回、四割以上が十一時間を超えている。月間で言えば、十一月は六〇%、十八回、十二月は五七%、十七回。九七年はさらにふえて百五十回中七十回、四七%が十一時間を超えている。十一時間じゃないんだ、実態は。半分近くが十一時間を超える勤務になっている。ところが、それすら運輸省はつかんではいない。それもつかまずに、安全運航に責任を持ちますとどうして言えるんですか。 ともかく、十一時間を超えているというのは法令違反、運航規程違反でしょう。だから、運航規程違反なのかどうか、それからそれはちゃんと調査するのかどうか、その二点を答えてください。
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のケースというのは、恐らくシングル編成でダイバート等の事態が発生した場合に、その乗務時間の制限値を超えて乗務させている例がある、これのことではないかと思うわけでございますが、乗務時間の制限は、その乗務の計画を作成する際の基準でございまして、ダイバート等不測の事態が発生した場合における実際の乗務時間を規制しようとするものではございません。 このことは航空会社各社が定める運航規程におきましても明確でありますけれども、この規程におきましては、こうした不測の事態が極めてまれに発生するとはいうものの、実態上やむを得ず制限以上の乗務になる場合もあり得るということから、これに対応して、機長が運航乗務員の疲労等を考慮して安全上支障があると判断したときは次回のフライトで乗務を中止しなければならない旨の規程も設けられておりまして、私ども航空当局といたしましては、これらの規程に従って乗務が行われる限りは安全上問題はないと考えております。
○筆坂秀世君 何を言っているんですか。九七年十二月、四七%ですよ。そうすると、半分不測の事態が起こったというわけですか。成田−サンフランシスコ間では半分不測の事態が起こっていると言うの。そんなばかなことがあるわけないじゃないですか。第一、あなたは今実態をつかんでいないと言ったじゃないか十一時間を超えるということを。何でそれをつかもうという努力をしないんですか。 そして、私が言うのがうそだったらうそでいいよ、まず事実をつかむというのがあなたの答弁でしょう、航空局長として。それとも事実をつかむのが嫌なの。まず事実をつかみなさいよ。そしてもし不測の事態以外に事実があれば、規程違反なんだから是正させるのが当たり前でしょう。何でそれが言えないんですか。さっきから何だその答弁は。ただの一つもまともに答えていないじゃないか。
○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘ありました、十一時間を定例的に超えるというようなお話でございましたので、私の方は、先ほどお答えいたしましたようにダイバート等の事態が発生した場合そういうことがあるのではないかと。それから、もともと私どもの運航規程につきましては上限を十二時間ということにしておりますから、これにつきましては運航規程の問題はないと考えております。
○筆坂秀世君 調査はしないわけ。断固調査しないと、こういうことですか。
○政府委員(楠木行雄君) 先ほど大臣がお答えしたことと同じでございます。
○筆坂秀世君 答えていないよ、そんなのは。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来私がお答えを申し上げておりますように、安全確保というのはこれは大変重要な課題であるということはもうたびたび申し上げていることであります。そして、先ほど来の御指摘は、747−400についての長時間勤務に対するパイロットの生の声、こういったことについてどうであるか、あるいはまた十一時間を超えているものがある、これは違反ではないかということの御指摘であります。 いずれにいたしましても、私どもはいろいろな観点から安全確保というものに常に注意を払っていかなきゃなりませんので、今の御指摘のこともよく念頭に置きながら、航空行政の安全運航確保のために私どもも今後その点につきましては最善の努力をし、そして適切に対応してまいりたいと思います。(「何で調査すると言えないんだ。大臣、何でその一言が言えないの。」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(藤井孝男君) 私は質問者以外には答弁する立場にございませんので、そのことについては答弁するつもりはございませんが、たびたび申し上げておりますように、私ども安全確保についてはこれからも最大限努力をするということでございますから……(発言する者あり)
○委員長(川橋幸子君) 御静粛に願います。
○国務大臣(藤井孝男君) このことについて、十分私どもは安全運航の確保についてこれからも最善の努力をし、そして適切に対処していきたいと思います。
○委員長(川橋幸子君) 質問時間を過ぎておりますので、次に進行させていただきます。
○筆坂秀世君 終わります。
○戸田邦司君 議論も大分重ねられてきたようですので、私は二点ほどお伺いしたいと思います。 まず第一の点でありますが、今回の航空法の改正によりまして、リースを受けて運航する、そのリース国において耐空証明を出す、そういうような仕組みになるということですが、登録国あるいはリース国がいろいろ技術的にレベルが違う、あるいは国の安全確認のシステムが違う、そういうような国が出てくる可能性があるんじゃないか、こう危惧されるわけです。もちろんICAOの規定に従って、あるいは製造者の指示に従ってその整備が進められ、安全確認がされるということになるかと思いますが、そうはいっても、きちっとそういうような制度に従ってチェックされているとは限らないケースが出てくる可能性があると思います。 これは船舶の場合も同様でありまして、基本的には登録国がチェックをする、しかしそれだけでは万全を期しがたい。事実いろんな問題が起こっておりますので、ポートステートコントロールというような制度が条約上も導入されてきたという経緯がありますが、そういうような危惧に対しては運輸省はどういうふうに考えておられるでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 船舶の場合はいわば便宜置籍船というようなことで今御心配のようなことの議論があるわけでございますが、航空の分野におきましては、例えば船舶の分野におきます便宜置籍船のように、航空機の登録国になることで何か利益を得ようというような国は現段階では私ども聞き及んでおりません。何と申しますか、登録国なり運航国なりの非常にハイレベルな航空の技術の集積の問題とか、あるいは条約、協定等を行います際の二国間体制「シカゴ体制における二国間のそれぞれのナショナルキャリア、フラッグキャリア等に一定の利益を与えるようなこういった体制が前提となっておりますと、今先生御指摘のような点はなかなか出てきにくいのではないかと現段階では思っておる次第でございます。
○戸田邦司君 そういった点も考えてこれからの体制を進めていただきたいと思います。 もう一点でありますが、最近の航空機というのは非常に高度に発達してきていまして、ああいった機器類の中では複雑かつその安全確認は非常に難しい、そういうようなものになってきていると思います。製造者自身が安全確認のためのマニュアルを相当指定してきている、さらにそれを運航者が自分で整備して確認して、それをまた全体的に見て安全健を最終確認していく国の立場があるということではないかと思います。 考えてみますと、非常に高度に仕組まれたシステム技術と言うことができると思いますが、そういう点で、そういうシステムは基本的にシカゴ体制のもとで進められるということになみかと思いますが、やはり航空機製造大国、こういったところが非常に発言が大きくなる可能性があるのではないかと思うんです。 一方で、我が国のようにいろんな国からの航空機を受け入れている、それで安全を確認していかなければならない、そういうような立場に立ちますと、日本自身がそういったシステムについて相当の見識を持ち実力を持っていないと、国際的な場でその仕組みを考えていく場合になかなか発言力を持つことができない、そういうことに相なるかと思います。 そこで、この仕組みをしっかりとしたものにしていく。これは航空局で相当の人たちがかかわってそういう仕組みを考えておられるということになるかと思いますが、やはり問題は安全の問題ですから、かなり運輸省として力を入れていかなければならない部門であろうかと思いますし、またいろんな面からこの仕組みがよくできているかどうか、最善のものであるかどうかという点について確認していかなければならない、そういうことになるかと思います。 そこで、人員の問題もあるだろうと思います。予算の問題もあるだろうと思います。その点について、ひとつ今後の取り組みの姿勢、相当力を入れてやっていただかなければならない部門ではないかと思いますが、大臣のそれに対する御見識をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来他の委員からも航空機の安全確保についていろいろ御指摘がございました。 航空機の特性を踏まえ、国際民間航空条約及びその附属書に定められる国際標準等に従って、国は基準の設定、検査の実施等必要な措置を講じてきたところでございます。 今、戸田委員の御指摘のとおり、航空技術の進歩また登録航空機の機数の増大、こういったことを考えますと、今後、航空機検査制度を取り巻く内外の情勢の変化というのは大変激しくと申しましょうか、大きく変化しているということでありますから、これに対応する新しい検査制度というのは充実をさせなきゃならないこと、大変重要な御指摘でございます。 私どもといたしましては、人員の問題も含めまして、あるいは人員をふやせばいいというものではありませんし、質的にもこれは向上させなければ、検査する人間の能力のアップということも図らなきゃならない。そういう観点から、今後とも十分な安全確保が図れるよう、時代に応じた、また時代の要請にこたえるべく見直しを講じていかなきゃならない、不断の努力をしていかなきゃならない、こういうふうに考えておるところでございます。
○委員長(川橋幸子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 航空法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川橋幸子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十二分散会 —————・—————