交通・情報通信委員会 第10号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/08
会議録
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。 平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、海上保安庁、海難審判庁及び気象庁を除く運輸省所管、郵政省所管、自動車損害賠償責任再保険特別会計、自動車検査登録特別会計、空港整備特別会計、郵政事業特別会計を議題とし、郵政省関係予算の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○但馬久美君 おはようございます。公明の但馬久美でございます。 まずもって、信書の定義についてお伺いいたします。 郵便法で信書の輸送は国の独占ということになっておりますけれども、以前クレジットカードの配達をめぐって大手の宅急便会社と論争されたとき、郵政省はクレジットカードを信書であると定義づけられたと伺っております。一歩も譲らなかったという経緯もあると伺っております。その後、その宅急便会社は納得しているのかどうか、私たちにはもう一つわからないところがあるんですけれども、こうした定義をめぐっての論争はこれからもあると思います。ここではっきりさせておきたい点がありますので、御答弁ください。 信書は一切民間に運ばせてはならないものかどうか、その理由はどうしてか、そしてまた実態として信書は民間会社に一切運ばせていないのかどうか、この二点お伺いいたします。
○政府委員(長谷川憲正君) 御説明申し上げます。 先生御指摘のお話は、平成五年の十月に九州ヤマト運輸がクレジットカードの送達を行った事例がありまして、これについて私どもでクレジットカードの送達は信書の送達に該当するということでこれをやめるように説明し、理解を求めてきた件のことだと思います。 この件につきましては、過去の判例等に照らしまして、クレジットカードは信書に該当するということでヤマト運輸に対しまして説明等を行ってまいりまして、文書でもお尋ねがあり、私どもからも文書でも回答をいたしておりますが、平成七年当時に随分とそういう意味では両者の間に話し合いが持たれまして、その後、ヤマト運輸としてはクレジットカードの送達サービスは行わなかったというふうに承知をしているところでございまして、現在、民間事業者がクレジットカードを送達している状況はないというふうに理解をしております。 郵便法で信書が国の独占とされている理由でございますが、手紙、はがきといった信書につきましては、御承知のとおり、もう全国すべて津々浦々まで五十円、八十円という均一料金で提供させていただいているわけでございまして、基本的通信手段としてはそれが義務であるというふうに存じておりますが、そういたしますと、都市部では利益が生じますが、地方の過疎地、特に山間部においては大きな採算割れをするそういう性格のサービスでございます。 現に、地方郵政局別の収支状況を見てみますと、収入の方が支出を上回っている、要するに利益が生じる地域といいますのは、東京、関東、東海及び近畿の四管内のみでございまして、それ以外の北海道、東北、信越、北陸、中国、四国、九州、沖縄の八管内につきましては赤字でございます。 こういう中で、無条件に手紙、はがきといった信書につきまして民間も事業ができるということになりますと、民間としては当然利益の上がる地域を中心として参入をするということになりましょうから、郵便事業としては均一料金では都市部ではとても戦えない、結局利益の上がらない地域では高い料金をもってサービスを提供せざるを得ないということになるわけでございまして、したがって、これは日本だけではございませんが、世界的に郵便事業に対しては基本的には国の独占ということが長い間守られてきたという状況でございます。 現在、実態として信書を民間が送達しているかどうかというお尋ねでございますけれども、この点に関しては、民間事業者が運んでおりますものは物品、書籍、雑誌等いわゆる信書に当たらないものであるというふうに認識をしているところでございます。
○但馬久美君 外国の例では、信書において国が独占する部分については重さで定義している国があると聞いております。日本に導入するということはどういうふうに考えていらっしゃるか。 今からお話しすることをちょっと聞いていただきたいと思うんですが、我が国では郵便のユニバーサルサービスの在り方に関する調査研究会で、座長が佐々木弘神戸大学経営学部教授であられますが、諸外国の実態を調査していますけれども、信書を重さで区分けして、重い方を民間が配達担当し、軽い方を郵政省が担当するという方式をとっております。日本で導入するということは検討に入っているのかどうか、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(長谷川憲正君) 先生御指摘のように、国によりまして、例えば一キログラムでございますとか二キログラムでございますとかいった基準を設けて、その重さを超えるものについては郵便事業の一部に民間事業者が参入するという国があることは私どもも承知をしております。しかしながら、欧米主要国を初めとして世界各国とも、ユニバーサルサービスを確保するということに非常に一生懸命に取り組んでいるわけでございまして、手紙、はがきのサービスは基本的には郵便局の独占で行われているというふうに認識をしております。 そして、今申し上げましたような重さをもちまして民間事業者の参入を認めている国の例を見ましても、大分民間と国の区分けと申しましょうか、これにつきましてはいろいろ国によって考え方に違いがあるようでございます。 例えて申しますと、我が国では独占の対象は信書のみでございます。信書に当たらない小包のようなものあるいは新聞雑誌等々につきましては、これは完全に民間に開放されているわけでございますが、一部しか私どもも存じておりませんが、外国の例を見ますと、重さで区分けをしているような場合には、例えばカタログでありましても薄いもの、あるいは物品でありましても軽いものにつきましては国家の独占とするというようなことになっているようでございます。 また、アメリカなどを見ますと、日本と同じように国が事業を提供しておりますが、各家庭にございます郵便受け箱、これはもちろん各家庭個人がおつけになるものでございますが、この各家庭の郵便受け箱に配達するものは国の配達する郵便物でなければならない、すなわち郵便物以外の宅配の事業者等が配達をするようなものとか、チラシ類とかあるいは新聞ですとかというようなものは各家庭の郵便受け箱には入れてはいけないという法律がございます。このようなことによって郵便事業のユニバーサルサービスの責務というものを確保しようとしているようでございまして、どの部分にどのように民間事業者の参入を認めるかというのは随分国によって差があるというふうに承知をしております。 したがいまして、先生御指摘のように、行政改革会議の最終報告で「郵便事業への民間企業の参入について、その具体的条件の検討に入る。」と御指摘をいただいているところでもございますし、中央省庁等改革基本法の中にもその旨記載されているわけでございまして、私ども今、どのような形でこのユニバーサルサービスを確保しつつこうした要請にこたえることができるのかということで研究会を設けまして、まずは外国がどのような形でこの問題に対処しているのか、どのような考え方をしているのかということをつぶさに調査をし、これを分析するということを行っている最中でございます。これからこうした調査の結果を踏まえまして、各方面の御意見も承りながら幅広い観点から総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○但馬久美君 つまり、外国なんですけれども、例えばドイツの例を挙げますと、ドイツの郵便の独占している部分は一キロ以下の文書、そして百グラム以下のダイレクトメールでありました。九六年のときに自由化された部分で、一キロ以上の文書、また百グラム以上のダイレクトメール、これが民間でOKということになっております。これはドイツの例でございます。 昨年末にドイツ連邦の参議院、上院で郵便法改正が行われまして、九八年の一月から、すなわちことしの一月から、二百グラム以上の封書と五十グラム以上のダイレクトメールを自由化しました。しかも、五年後、二〇〇三年には完全に自由化する、民営化することが法案に盛り込まれております。しかもよく聞きますと、この一月から郵政省は廃止されてしまっているようです。 こうした自由化の波や郵政省の廃止などの海外の動きに対してどういう感想を持っていらっしゃるか、もう一度お聞かせください。
○政府委員(長谷川憲正君) 御指摘のドイツの事例につきましては、私どもも勉強を今している最中でございます。 ドイツにおきましては、従来は郵便事業もあるいは電気通信事業も郵電省という役所が直接運営をしておったわけでございますが、世界の電気通信改革に合わせまして、電気通信の分野を自由化し競争化するということを基本に郵電改革が行われまして、その中で郵便事業につきましても、これは一九九五年でございますが、電気通信分野と同時に政府全株保有の株式会社に移行をしておるところでございます。 この一月一日から御指摘のように新しい郵便法が施行をされておりますが、この法律を見ますと、ユニバーサルサービス、要するに全国津々浦々に郵便を配達するという責務は、国の義務としては記載をされておりますが、株式会社化されました事業体、ドイツポストと申しておりますが、この事業体自身には全国津々浦々まで郵便を配達する義務というものを課しておりませんで、そのために、ユニバーサルサービスが免除をされたという一方で競争が導入をされるという形の仕組みになったようでございます。 これはもう世界に例のない試みというふうに私ども承知をしておりまして、ヨーロッパ全体の動きともかなり異なるものだというふうに思っております。また、監督機関たる郵電省につきましても、経済省等に再編されたというふうに承知をしているところでございます。 こうした大胆な、実験的と申し上げでもよろしいかと思うような改革を行った背景はいろいろあるようでございまして、例えば東西ドイツ統合によりまして全国的なインフラを整備するための資金が必要になったとか、従来は電気通信事業と郵便事業が一体に経営されておりまして電気通信事業の方から郵便に対してかなりの補てんがなされていた、これがテレコムの民営化によりまして受けられなくなったというようなことをどのように埋め合わせをするかというようなことが背景として、特殊事情としてあったというふうに承知をしております。 また、ストライキや郵便の遅配の多発というようなことでサービスレベルが低かったというようなことから、国民の期待にこたえられなかった部分がまたこの背景にあるというふうに聞いておるところでございます。 さらに申し上げますと、こうした改革に際しまして、郵便局の大幅な廃止といったこともございまして、国内でもかなりの議論があったように承知をしております。私ども、こうしたドイツの行いました新しい行き方につきまして、十分注目をしてこれから研究をしてまいりたいと思っております。
○但馬久美君 今のドイツの郵便法改正を郵政大臣はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今局長から答弁申し上げたように、ドイツは東西統一をしたわけでございますし、また、ドイツはテレコムと郵便事業は一緒であったけれども、一方のテレコムが民営化することによって、私の聞いたところによると、年間千五百億円ぐらいテレコムの方から郵便事業に内部の補てんがあったということでございますが、それが廃止された。そういった事情もあったようでございます。いずれにいたしましても、ドイツにおきましては、諸外国に例を見ない大胆な内容の新郵便法が先生今御指摘のように一月一日から施行されたことは承知をいたしております。また、これとともに、監督官庁といたしましても、郵電省については経済省等に再編されたというふうに聞いております。 このような改革を行った背景には、今私が申し上げましたように東西ドイツの統一、ドイツならではのいろいろな特殊な事情もあったというふうに聞いておるわけでございますが、また同時に、郵便のサービスレベルが低下して郵便事業が国民の期待にこたえられなかったというふうな事情もあったというふうにお聞きをいたしております。 一方我が国は、国土、人口の配置もドイツと異なっておりますし、今、日本国の郵便事業は御存じのように一切補助金を受けておりませんし、健全経営を達成している、こういうふうに私は思っているわけでございます。また、ありがたいことでございますが、サービスレベルも国民の方々の評価を受けているんじゃないか、こういうふうに思っているわけでございます。 いずれにいたしましても、事情がいろいろ異なるわけでございますが、そういった事情は異なりますけれども、やはりドイツは新しい試みをしたわけでございますから、しっかり注視をしていきたいというふうに思っております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 報道によりますと、東洋大学の松原教授は、行政改革会議長終報告にあります、先ほどおっしゃっておられましたが、「これらにより、民営化等の見直しを行わない」、さらに念を押すように「国営」と記述されておりますこの点について次のように反論していらっしゃいます。 全国で四千六百ある簡易郵便局は、民間人に委託しております。さらに、年末年始には配達する人、アルバイトをたくさん使っております。郵便法では信書は国が独占して送達することになっておりますけれども、別に国がやらなくてもできる時代になっているのではないかと言っていらっしゃいます。 その点、郵政省はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(長谷川憲正君) 松原先生の主張しておられること、私どもも承知をしておりますが、松原先生は大分誤解をしていらっしゃるのかなというふうに思っておりまして、ちょっと御説明をさせていただきます。 郵便事業を低コストで効率的に経営をしてまいりますためには、効率化施策でございますとか合理化が不可欠でございます。こうしたことから、郵便事業におきましては、今までにも特定局の局舎の大半は民間からの借り入れでございますし、運送部分はすべて民間に委託をする、また、郵便局内の作業等につきましても多くの非常勤を雇用するというようなことをしておりまして、明治以来一貫して民間活力を大いに活用してきたところでございます。 一方で、郵便事業の経営ということになりますと、先ほども申し上げましたように、郵便事業の場合には都市部と過疎地でコストに大きな差がありますけれども、それを均一料金で津々浦々までサービスを提供するという義務を負っているわけでございまして、こうした郵便事業に仮に民間企業の行動原理を導入するといたしますと、当然のことながら、もうかる都市部であるとか、あるいはもうかるサービスに限ってサービスを提供する、あるいはそういうものが中心となるという懸念がございまして、従来のような不採算地域を含めた全国あまねく公平にできるだけ低廉な料金でサービスを提供するという郵便事業の使命を確保することは不可能であろうというふうに思っているわけでございます。 したがいまして、国の事業である郵便事業の効率化のために民間委託を行ったり非常勤職員を活用するということと、事業そのものを民間企業の行動原理に従って経営するということは全く性格の異なる話でございまして、両者を混同して議論を進めることは適切ではない、このように考えているところでございます。
○但馬久美君 明快にありがとうございました。 日本における郵便事業への民間参入についてお伺いいたします。 昨年十二月の三日に行政改革会議の最終報告がありました。先ほども言っておりますように、「郵便事業への民間企業の参入について、その具体的条件の検討に入る。」と明記されております。また、これを受けて、昨年十二月十七日に国会提出されました中央省庁等改革基本法案、それにも最終報告と同一向客の条項がありますけれども、この民間参入についての具体的条件の検討ということは、これをどこで行うのか、いつまでに行うのかが非常に不明であります。 郵政省としては、こうした根底を揺るがすような課題に対してどう対応されるのか、御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(長谷川憲正君) 先生おっしゃいますように、行政改革会議の最終報告におきまして、「郵便事業への民間企業の参入について、その具体的条件の検討に入る。」と御指摘をいただいておるところでございまして、法案でもそのようになっております。 私ども考えておりますのは、郵便は国民の基本的通信手段でございますので、不採算地域を含めまして全国あまねく公平にサービスを提供するということが郵便の本来の使命でございますので、具体的条件の検討に当たりましても、国によるユニバーサルサービスの確保がされることがまず大前提であろうというふうに思っているところでございます。 このために、法律、経済等の専門家をお招きいたしまして、この二月から海外の事情を含めまして郵便事業のユニバーサルサービスの確保の方策等につきまして調査研究を行っていただいているところでございます。 今後、その結果を踏まえまして、もちろん各界、各方面の御意見を承るわけでございますが、通信を所管するのは郵政大臣でございますので、郵政大臣のもとで幅広い観点から総合的に検討してまいりたい、このように思っているところでございます。
○但馬久美君 これからの検討ということでございますけれども、海外のいろんな分野での郵政に対しての結果を踏まえて、ぜひ参考にしていただきたいと思います。 次に、郵便事業の減収についてお伺いいたします。 新聞報道によりますと、一九九七年度の郵便事業の収入が九六年度を下回ることが確実であります。収益が前年度より減るのは郵便制度創設以来百二十七年目にして初めてとあります。不況による事業所からの収入減と大口向けの割引の影響等がありますけれども、郵政省はこれをどのように分析していらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府委員(長谷川憲正君) 平成九年度の郵便業務収入についてのお尋ねでございますが、年度の前半、十月までは比較的堅調に推移をしておりまして、十月時点では対前年を三%上回る収入状況でございました。ところが、十一月に対前年マイナスに転じまして、以降減少傾向が続いておるわけでございます。 これは、十一月に金融機関の相次ぐ破綻等がございまして景気の不透明感が高まった、その結果、現在では郵便利用の八割が事業所の御利用ということになっておりますので、事業所が経費の節減等から郵便につきましても差し出しを控えるようになったということが大きな要因ではないかというふうに分析をしているところでございます。結果的に申しまして、二月末の段階でございますと対前年を一・三%下回る収入状況でございまして、非常に厳しい状況でございます。 なお、郵便業務収入ばかりではなくて、その他雑収入といわれているものの中で最も比重の大きい印紙取扱収入というのがございますが、これは収入印紙等の取扱収入でございますが、これも景気の影響を大きく受けておりまして、二月末現在では対前年マイナス八・一%というような大きな減少を示しているところでございます。 最終の郵便事業の収入はまだまとまっておりませんが、三月にはかなり回復の兆しを見せておりまして、トータルとして前年を下回ることはまず間違いないかとは思いますが、二月末の状況よりはかなり改善をされてきているように思っているところでございます。 私ども、一方で支出の削減等にも努めているところでございまして、これからも効率的な経営に努めてまいりたいというふうに思っております。
○但馬久美君 次に、カタログ小包のことについてお伺いいたします。 カタログ小包はことしの一月までの累計実績で前年度比三六・七%城となっております。宅配業者による投函サービスの影響が大だと、そういうふうに思われますけれども、今後、ほかの宅配業者も全国的に展開することを見込んでおりますので、郵政省はそれに対してどういう対応をとっておられるのかお聞かせください。
○政府委員(長谷川憲正君) 小包のサービスにつきましては、今御指摘のカタログ小包という分野もございますが、一般の小さな荷物を扱っております一般小包、それから書籍小包というような分野がございます。特にこの中で一般小包の分野は堅調に増加をしておるわけでございまして、これは宅配業と傾向を一にしております。 御指摘のカタログの配達でございますが、これはもともと信書ではございませんので、民間の宅配業の方々と競合している分野でございます。 平成八年度のカタログ小包の利用状況を見てみますと、非常にこれは特徴的な分野でございまして、一般の個人の方がお出しになるものではございませんで、要するに通信販売業者の方々が対象でございます。この方々が大量にカタログをお出しになるわけでございますが、トップの十社で全体の六五%、さらにはトップの二社で全体の三五%というものを超大口の通販事業者が占めておられまして、昨年度、カタログ小包が大幅に減少いたしましたのは、この超大口の二社が民間の宅配事業者に移行したことが原因でございます。 これは、通販業者のサイドから見ますと、景気の低迷ということで経費の節減に努めなければならないということがあったというふうに思っておりますし、また民間の宅配事業者の側から見ますと、一般の大型の荷物の取り扱いが減ってきておるというようなことも受けまして、大都市に限ってカタログ分野で低料金でセールスを行ってきたことの結果がなというふうに思っているところでございます。 私どもの小包の料金は法令で料金が定められておりまして、かつ全国あまねく公平に提供していくということになっておりますので、こうした民間の方々に比べましてなかなか臨機の対応が困難でございますが、一方では、郵便の配達が確実であるというようなことが評価をされまして、一時民間の宅配便を利用しておられた業者が郵便の利用に戻ってきているというようなことも多数ございまして、サービスの品質については高い信頼を得ていると思っております。 今後とも、こういった面を十分に生かしまして、また積極的な営業活動を展開し、利用の拡大を図ってまいりたいと思っております。
○但馬久美君 郵政と民間の競合関係といいますか、ぜひそれをうまく利用していっていただきたい、そういうふうに思います。 運輸省にお尋ねいたします。 数年前から徐々に取り組まれてきました大手の宅配投函サービスがここにきて急増しております。本来、投函サービスは郵政省の独占市場でありましたけれども、現在は宅配業者の草刈り場と化しているような気がいたします。また、特殊なケースでありますけれども、チルドゆうパックにおける郵政省と宅配業者との提携などがあらわれてきているんですけれども、運輸省はそのあたりの事情はよくおわかりだと思います。このような傾向に対してどういう感想をお持ちですか。
○政府委員(荒井正吾君) お答え申し上げます。 宅配便の取り扱いはここ二十年で随分伸びております。十五億個を超える扱い量、一兆円を超える産業というふうになっておりますが、基本的には個人向けの小口の輸送サービスのニーズにこたえたということだと思います、名前のとおり家庭の個人の需要を掘り起こした。最近、投函サービスというような部分にも進出しておるわけでございます。 基本的にはこういうマーケットでサービスの競争が行われるというのは大変望ましい。そのとき利用者から見れば、官業であろうと民業であろうと、いいサービスはいいという選択が行われてきていると思います。一方、官業と民業が協調するという分野も今委員御指摘のように出てまいっておるわけでございますが、マーケットで競争と協調が行われ、その結果、利用者の利便が向上するとか生活が便利になるとかというのは大変望ましい方向であろうかというふうに見ております。
○但馬久美君 時間が来てしまいましたので、あともう一問だけお伺いいたします。 郵トピア構想について郵政省にお伺いいたします。 郵政省では、郵政事業における地域振興策として、昭和六十二年から二十都市、また翌六十三年には二十四都市、合計四十四都市をモデル都市として指定されております。新しい郵便サービスや地域振興に資するサービス、これを目的としているのがこの郵トピア構想と伺っております。 これは展開していることになっているんですけれども、今現在、この郵トピア構想のモデル都市が昭和六十三年以来指定されておりません。ストップしているということはどういう理由なのか、そもそも施策として機能しているのかどうか、その点をお伺いして、この質問を最後にさせていただきます。
○政府委員(長谷川憲正君) お尋ねの郵トピア指定地域につきましては、これは新しい郵便サービスを実験的に提供するための地域でございまして、御指摘のように四十四地域を指定してございますが、これはもともとたくさんふやしていくという構想のもとに始まったものではございません。 この四十四地域での実験をいろいろやっておりまして、そこから例えば絵入りはがきのように評判の高いものは全国に拡大サービスをさせていただいておりまして、最近では政府刊行物ブックポスト、通販情報提供サービスというようなことも先行的に提供をしているものでございます。 こうしたモデル都市は新サービスを実施する上での実験地域として非常に重要でございまして、従来も目的を果たしているというふうに思っておりますし、これからもまた生かしていきたいと考えているところでございます。
○但馬久美君 今現在、電気通信関係のテレトピアが非常に指定地域が着々とふえ続けております。ぜひいい点はぜひ伸ばしていっていただきたい、そういうふうに思います。 ありがとうございました。
○及川一夫君 理事会の御了承を得まして質問時間を短縮させていただいていますので、特に次なる質問者の上田さん、大変恐縮ですがよろしくお願いします。 そういう意味合いもございまして、私は二点に絞りたいと思っておるんですが、その第一点は、指定単の問題です、信託会社を通して株式に投資をしていくという。 一九八七年から実行されているようなんですが、今現在、どのくらい簡保事業団を通して信託会社に投資をされているのか、まずそれをお聞きしたい。
○政府委員(金澤薫君) 簡保について申し上げますと、平成九年度末の当初予定で十一兆三千七百億円でございます。
○及川一夫君 十一兆ということなんですが、この前から政府・与党の立場で指定単投入の問題がさまざま論議されていますが、一体どのくらい三月三十一日に向けて指定単を投入されたんですか、増額されたんですか。
○政府委員(金澤薫君) 簡保につきましては、八千三百十一億円でございます。それから郵貯につきましては一千四百一億円でございます。合計いたしまして九千七百十二億円でございます。
○及川一夫君 冒頭の質問に対して十一兆何ぼということなんですが、大体郵貯にしろそれから簡保にしろ、自主運用という前提に立って考えたときに、どの金額を前提にして一六%ということを言われているのか。例えば郵貯でいうと自主運用は四十五兆と、こう言われている。それから簡保でいえば九十八兆八千億ぐらいの要するに総額があると。一六%掛けるもとの総額というのはどれをあれして十一兆というのをはじかれているんですか。
○政府委員(金澤薫君) 簡保につきまして先ほど十一兆三千七百億円と言いましたのは、平成九年度末の当初予定の数字でございまして、先ほど先生の運用資産九十八兆というお話は平成八年度の話でございます。平成八年度で申し上げますと、九兆七千二百億ということでございまして、約九%程度ということになります。 郵貯で申し上げますと、平成九年度末の当初予定の数字は七兆五千億、平成八年度末の数字は六兆五千億というふうになります。
○及川一夫君 大体全体像がわかるんですけれども、財源の問題は、簡保にしろそれから郵貯にしろ、日ごとに出たり入ったりするという点では余裕がそういったところで出ればということになるんですが、今回の八千億を超える指定単への増額というのは財源はどこから持ってきたんですか。
○政府委員(金澤薫君) 簡保について申し上げますと、九年度の簡易生命保険積立金運用計画というのがございます。その計画のうち、未実行になることが確実と見込まれました資金、これが八千三百十一億円ございました。これを充当したわけでございます。 未実行とは何かということでございますけれども、その多くは財投機関の不用額ということで、実際に使われなかった金額がございます。計画上は計上していたわけですけれども実際は使われなかったということでございます。それから繰越額、それから契約者貸し付けというのを私どもやっておりますけれども、その不用額というふうなものがございまして、すべて未実行のものということでございます。
○及川一夫君 総額はともかくとして、恐らく毎年毎年そういった不用額というのがあるんだろうと思いますが、そういったものを財源にされて今回は出されたということはそれはそれなりに理解はします。 そこで問題は、やはりインサイダー取引は禁止されているという前提に立てば、だれがどのように発言することがインサイダーという概念にひっかかるのかという問題もあるんですが、どうも我々与党にいる立場の者が、例えば三月三十一日一万八千三円の株値にしたいという意味合いで発言をされるというのは、これはインサイダー的にならないんですかなという気持ちを持ったりなんかするわけです。 したがって、実際にもう八千百億ぐらい指定単の枠組みをふやしたということを言われているんですから、私から言えば投資をしたと、こう考えるんですけれども、郵政大臣、いかに簡保事業団というものを相手にしてやったとはいいながら、一体これからの自主運用ということを考えますと、そういうことでいいのかどうなのかという気持ちがあるんです。実際にやられてみて、株の値は上がらないという状況を踏まえて、どういうふうに感想を持っておられますか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 及川委員にお答えをさせていただきます。 今局長も話をさせていただきましたように、郵貯資金、簡保資金というのは国民一人一人から預かった大変貴重な資金だと私は思っております。これをやっぱり安全、確実、有利に運用させていただくというのはまさに大変責任のある仕事だと、こういうふうに思っております。 その中で、局長も答弁いたしましたけれども、実は、今ざっと百五十兆円の自主運用をさせていただいております。あらかたの数字でございますが、簡保資金が百四兆円ぐらい、金融自由化対策資金、これは郵貯の場合でございますが、年末ちょっとふえますけれども、私は大体四十六兆円ぐらいだと認識いたしておりますから、全体で百五十兆円のお金を現時点で運用させていただいているわけでございます。 実は、指定単契約というのは、先生御存じのように、簡保事業団を通じて、簡保事業団が多数の信託銀行と指定単契約を結ぶわけでございまして、大事な点は、この指定単という制度そのものが、契約してお金を渡したら、株式の割合はどれくらいか、債券の割合はどれくらいか、これも全部実は信託銀行が決めることでございまして、株に何%を回すかどうかということも実は信託銀行の完全な投資判断、裁量によって決めるわけでございます。ましてや、株の運用をしていただくときにどの株をどれくらいいつ買えということは、これは全部完全に信託銀行の判断でやっていただくというのが指定単の仕組みでございまして、郵政省は一切口出しをできないようになっております。 ですから、私は、今言いましたように百五十兆円のお金を自主運用させていただいております。そして、約二十兆でございますから一三%をいわゆる指定単契約させていただいているわけでございますから、その一三%の先から実は株式運用に行かしていただいているわけでございます。 資産を運用する場合、国債を中心とした債券あるいは株式といろいろな方法があるわけでございますが、やはり株式というのも今の世界においては資産運用の必須の運用方法だと、こう思っておりますが、しかし、これは当然ハイリスク・ハイリターンの部分がございますがら、そういった意味で、今資金を運用させていただいている中で一三%は指定単契約させていただいているということでございます。 ちょっと聞くところによりますと、民間生保は二〇%ぐらい株式で運用しているということでございますけれども、うちは安全、確実、有利でございますから、そこまでは数字を上げていないわけでございます。債券が上がったときには株が下がる、株が下がったときには債券が上がるというような傾向もございますから、やっぱりそういったより一番適切な資産運用、ポートフォリオと言うそうでございますが、そういったことを考えればやはり安全、確実、有利な方法として株式、それは今さっき申し上げましたように直接株を買うという話じゃございません、そういったことも私は必要だろうというふうに思っておりまして、そういったことで安全、確実、有利だということで、実は株が今一兆円弱でございますが、不用額が主でございます。これは寝かせておけば一年間基本的に運用できないわけでございますから、そういった意味で、安全、確実、有利で運用させていただくということで、そのことを御理解をしていただいて、これはもう私たちは株価対策を目的として行ったものじゃない、今後も株価対策を目的として行うことはない、そういった認識を持ってやらせていただきたいと思います。そのことは御理解をいただきたいと思います。
○及川一夫君 郵政大臣としての認識は正しいと思いますよ、それは。 私は、何もしないでじっと金を抱いて寝てろというようなことを言っているわけじゃないんでして、郵政省の郵貯にしろ簡保にしろ、この資金の運用の問題については、かなり他の会社やなんかと比較すると極めて安定的なところをねらって、元金保証というようなことを前提にしながら一定の成果を上げていることは私自身も確認しているんですよ。それはそれでよろしいと。ただ、やっぱり指定単云々というぐっと絞られた格好で今日の議論の中身を見ると、あれでいいのかなという非常に疑問を持つわけです。 なぜかというと、ここに「大不況サバイバル読本」というのがあります。これは毎日新聞の記者だった浅井という人が一九九三年に書いたんです。ここでは、当たっているところと当たっていないところもあるんだけれども、日本は九五年から九八年にかけて大不況が来るという前提で書かれているんですよ。 この中に指定単のことがえらい詳しく書いてある。プロの世界ではもうけるターゲットとしてこれを位置づけているんですよ。つまり、お役所がやることだという前提で、お役所が一たん総額を決めたらそれはなかなか変わらないという前提だから、売るか買うか、どんなときに買っていいのか悪いのかというようなことは、もちろんそれは信託会社がやるんですから、郵政省がやるんじゃない、郵政省は総額はある程度示したにしても、あれを買ってこれを売る売らぬというようなことはやっていませんよ。だけれども、実際にそういうお役所から信託会社を通して株に投資をされるということになると、どの株を買うか売るかということがやっぱり彼らなりのプロの頭で考えるといろんなことが出てくるらしいんですよ。 ですから、この中では、例えば九二年度には一兆二千億の指定単が確保されるということを彼らは知っているわけですよ。それでもって、今度は大蔵省、日銀までいわば株価をもっと上げなきゃいかぬ、九〇年から株が下がってくるわけでしょう。九二年あたりからどんどん、これはどこで歯どめをかけるかということと、どうやって株価を維持するかということから、大蔵、日銀の暗躍も書いてある。その中には指定単の問題もかなりターゲット的に書いてあるんですよ。 私は、みずから時間を削ったんですからこれ以上のことは言いませんけれども、これはぜひ研究されたらいいと思うし、指定単というのはやはり郵政省という大きなお役所がある一定の見解を持って必ず確保される一つの財源というふうに彼らは見ていますから、特に外国人機関投資家のターゲットにされていると書いてあるんです。ですから、この前の山崎政調会長が発言された一万八千三円という話とか、指定単を動員して年金やなんかの問題を含めてやれということについては、これはもうかるぞということで動いたという話なんですよ。 ですから、少なくともあの時点で信託会社は平均的にいえば一万六千五百円ぐらいの株の値で買っているが、今現在は下がっているでしょう。そういう意味では損ですよ。というようなことなどを考えると、私はこの問題に対して、やるなというんじゃなしに、やるならやっぱり郵政省なり簡保事業団の動きというようなものはオープンにするのもほどほどにしないと大変だなという認識を僕は持ったということなんで、ぜひこれは少し検討されて、これからの指定単やるにしてもどんなことを考えなきゃいけないのかということに私はなっていかなきゃいかぬのじゃないか、こんな気がいたします。 それともう一つは、木村さんにこれはお願いしておきたいんだけれども、通信政策局で情報産業の問題についていろいろ検討されているのはよくわかっています。ただ、我々サイドの問題で、情報産業というとすぐに光ファイバーみたいな話が出てきて、やはりねらいは福祉であり教育であり環境だというような項目は出てくるんだけれども、実際問題として本当の意味でこういうのがわかっているかというと、わからないわけです。光ファイバーと言われてもわからない。しかし我々にはわかる。光ファイバーを各家庭に引いたって、端末が利用できるのがなきゃ何の意味も持たないわけでしょう、投資のしっ放しになるわけですよ。 そこで、あなた方が今検討されている、国民生活とのかかわりで言うなら、クーラーの問題であるとか暖房の問題であるとかあるいはお風呂の問題であるとか電気がまの問題であるとかガスの問題であるとか、こういったこと、一たん家から出て締め忘れちゃったときにどうするか、自宅の電話を呼び出して特定された番号を押せば締めたかあけっ放しかというようなことを含めてわかるようなシステムまで恐らく検討されていると思うんですよ。 ですから、クーラーもそうですよと、暖房の器具もそうですよ、あるいは電気がまでもそうですよというようなことを、つまり国民生活の関係で情報産業というものはこういうふうに活用されるんだということをもっともっと宣伝をしないことには、情報産業という言葉自体が今度はわからなくなってしまうということなんで、ぜひそういったことに努力をされるように私はお願いをして、質問を終わりにしたいと思います。
○上田耕一郎君 三つの問題について質問をさせていただきます。 第一は、私は三月十二日の当委員会で郵便番号の七けた制導入に伴う問題を質問したんですが、七けた制でビデオコーディング作業というのがあるんです。きょうはその労働者の健康問題について要望したいんです。 これは七けたの郵便番号を住所区分機で読み取るんですけれども、読み取れないのが二、三割残る。その二、三割分はビデオコーディング作業というのでバーコードで印字するんです。それを職員がやっているわけです。 健康上二つ大きな問題がある。一つは、ディスプレー、キーボードを使うので、いわゆるVDT作業になるんです。VDT作業については労働省が労働衛生上の指針というのを決めているんです。これは、照明及び採光だとか、グレアといってほかの照明が画面に映るそれの防止の問題だとか、いろいろ決めているんですけれども、一番大事なのは作業時間です。 作業時間は、健康を考えて一連続作業時間が一時間を超えないようにする、次の連続作業までの間、十分から十五分の作業休止時間を設ける、一連続作業時間内において一、二回程度の小休止を設けるということを労働省は基準として決めている。 郵産労という労働組合がこの問題を全国で調査しました。その報告があります。報告を見ますと、大体一時間まででやっている、しかし時々一時間以上になるとか、本務者はそういうふうになっているんだけれども、問題は非常勤なんです、ゆうメイト。 例えば福岡中央局、非常勤が三十人以上配置されているけれども、深夜勤六人、二十二時から六時間以上打っている。女性も三時間以上打っているというのがあります。それから、博多局も非常勤はほとんど一時間以上打っている等々。だから、本務者についてはある程度守られているようなんだが、非常勤職員については守られていないということが労働組合の調査でわかっています。 私は、これはやっぱり健康上大きな問題なので、ひとつきちんとこの労働省の基準によって、連続作業一時間、それから十分から十五分の作業休止時間、一連続作業時間で一、二回の小休止時間、これを非常勤職員も含めて健康を守るためにはきちんとやっていただきたい、このことをまず要望したい。
○説明員(足立盛二郎君) 本年二月から七けたの郵便番号に伴います……
○上田耕一郎君 一々細かいことを言っている時間はないので、僕の質問の時間を守ると、それを言ってくださいよ。
○説明員(足立盛二郎君) ビデオコーディング作業に伴います職員及び非常勤職員の健康管理につきましては、特にこの一月に特別に通達を発しておりまして、御指摘のような事態がもしあれば厳しく基準を守るように指導を徹底したいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 ひとつこれはしっかりお願いします。 二番目は、インクが有害物質だという問題で、それの健康管理です。 これは、当初郵政省は水性インクを試みてみたけれども、ビニールの封筒になじまないというので、速乾性と粘着性のある特殊な透明インクを採用。これはアメリカのビデオジェット社製。どころが、この特殊インクには呼吸器系の炎症、頭痛、吐き気、中枢神経の機能低下を引き起こす揮発性のメチルイソブチルケトンなどの有害有機化合物が含まれている。これは労働安全衛生法施行令で有害物質に指定されているものなんですね。そういう大変危険なものが入っているんです。 ここにそのインクを提供している東芝の「インクジェットプリンタ保守マニュアル」というのがあります。ガスを吸わないように、健康に害を及ぼす、可燃性です、保管に注意してくれということが書いてある。それから、インクを扱う場合は両側に保護のついた安全眼鏡を着用してくれと。安全眼鏡ですよ。そんなのやっていないですよ。それから、インクを扱う場合はゴム手袋を着用してくれと。メーカーはこういうマニュアルを配っているんです。 ところが、郵産労の調査を見ますと、現場は極めていいかげんになっておるようです。目が充血したり結膜炎になった人もいる、異臭がして気持ちが悪くなる、区分機と区分機の間にVDTがひっきりなしに置かれている等々、始めて時間は短いけれどもちょっと危ない状況が少しずつ出始めていると思うんです。担当者は一日に朝と夜の二回、一人が区分機一台を洗っていると、二、三台になると気分が悪くなると訴える人が多いとか。保護眼鏡をつけろ、ゴム手袋をつけるなんて、これはなるほど、そういうふうなものが案外きっちりなっていないとこういう問題が起きてくる。 一番の問題は、私は換気装置が必要だと思うんです。これは揮発性の、爆発性のガスで、空気より重いので下に沈むんですよ。去年の五月三日に爆発事故がありました。僕らも調査へ行ったんだけれども、あの爆発事故もこの特殊インクのためなんですね。 だから、そうなりますとやっぱり換気装置を、多少お金はかかるけれども、労働者の健康を守るためにも、それから職場の安全のためにも、こういう有害物質の特殊インクをずっと使っているんだから、だから保護眼鏡もちゃんとつけさせなきゃいかぬし、手袋も支給しなきゃいかぬ、同時に、僕は換気装置をどうしてもつける必要があるんじゃないか。中央郵便局を初めどこにもついていないようですよ。この問題を要望したい。いかがでしょうか。
○説明員(足立盛二郎君) バーコード印字用のインクの中に一部そういう有機溶剤が含まれていることは事実ではありますが、その含有量は極めて微量でありまして、いわゆる健康上の問題として特にそのためだけに特別な措置をするものではないというふうに受けとめております。 ただ、そういった特別な措置が必要ではないといたしましても、これからのバーコード印字用のインクの開発につきまして、より健康上の不安を与えないような開発につきまして検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○上田耕一郎君 ちょっと認識が甘いと思うんですね。微量だから大丈夫なような認識をしているというんだけれども、このメーカーのマニュアルに、「ガスを吸わないように」、「ガスの発生周辺には長時間いないようにしてください。」、「機械使用時、プリンタヘッドからガスが放出されます。このガスは可燃性で、健康に害を及ぼすこともあります。」と、こう書いてあるんです。 だから、微量で大丈夫だというような認識でなく、私が言ったようにこれはきちんと化学的にも有害物質に指定されているんだから、こういうものは調べてきちんと対応していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○説明員(足立盛二郎君) 先ほど先生のお話にもありましたが、昨年の五月、郵便局でそういった発火事故などもありましたので、そういったものの経験を踏まえまして、専門家の指導等も受け、現在そういった防止装置をつけたりあるいはアルコールセンサー等の設置も行いまして改善を進めているところでありますが、なおそういった点につきましてのフォローを行っていくようにいたしたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 換気装置はどうですか。
○説明員(足立盛二郎君) 換気装置につきましても、局舎の状況とか作業場の状況等によりましてでありますので一律的に措置するということは難しいかと思いますが、健康上の問題につきましても十分私ども配慮してまいりたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 大事な問題ですので、しっかりやっていただきたいと思います。 二番目の問題は、郵貯法第三条の問題です。 私は、二月二十日に代表質問でこう述べたんです。ビッグバンに関連して、「一方では、国営郵便貯金の元本保証廃止を打ち出しながら、他方では、民間の大銀行に対しては、政府が株主となって国際競争力の強化を図ろうとするものではありませんか。」という質問をしたんです。 国営郵便貯金の元本保証、これはここで郵貯法第三条で決まっているんですね。これを打ち出したと私が言ったのは、行政改革会議の会議議事録で会長代理の小里さんが述べているんです。ここに私議事録を持ってきているんですけれども、集中審議第四日、去年の十一月二十日です。 この中で、郵政三事業について、全額自主運用する場合、国庫に迷惑をかけないような文言が合意に入っていない、これは国家保証をつけるという意味かという質問があった。これに対して、会長代理小里さんは、自主運用については財政支援は行わないという考えを提案したけれども、与党側の抵抗が強くて落ちたと。しかし、今後最終報告を得て諸計画を策定するが、その際、原則として財政支援をしないとの精神を尊重し、対処すると。だから、原則として財政支援しないと、それが原則だというのですから。 関連して、じゃ、郵貯法第三条はそのまま維持されるのかと質問があったら、会長代理は、当面五年間については残る、経営形態変更の際に検討する、こういう答弁なんです。会長は総理ですから、会長代理がこう述べて、こう書いてあるんだから。だから、私は質問で、こういう方向を打ち出しているじゃないかということを指摘したんです。 だから、打ち出したと言ったんで、何も決めたと僕は言っていないんです。そうしたら、総理はこういう答弁です。「なお、郵便貯金の元本保証廃止という言葉を使われましたが、そうしたことを打ち出したことはございません。」、これはいい答弁を私はいただいたんですけれども。 そうなりますと、小里会長代理が去年十一月に述べたようなこと、郵政大臣、これはどうなりますか。総理の本会議での答弁なんだから、これは、郵貯法三条というのは、五年たっても、経営形態変わって公社になるときも、郵貯法三条、これを残して、やっぱり国家が保証するという方向を堅持するというのが政府の方針だということですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 上田委員に答えさせていただきます。 行革会議の論議において、今先生が御指摘になったように、郵便貯金の国家保証の廃止についていろいろな過程で論議があったということは承知をいたしておりますが、最終報告書においてはそのようなことは触れられておりませんし、郵政事業は国営とすることはもう御存じのように明記されておるわけでございます。 現行の郵便貯金法第三条、ちょっと読んでみますと、「国は、郵便貯金として預入された貯金の私もどし及びその貯金の利子の支払を保証する。」。これは今先生御指摘になった郵便貯金法の第三条でございますが、この国家保証は郵便貯金が国営であることの当然の結果として規定されているものと理解をいたしております。事業が今後とも国営である以上、郵便貯金に対する国家の保証も当然維持されるものというふうに理解いたします。
○上田耕一郎君 大変いい答弁をいただきましたので、ぜひ守っていただきたいと思います。 三番目は、先ほど及川委員も質問をされました指定単の問題です。 これは朝日の記事ですけれども、自見郵政大臣は、三月二十七日、この公的資金による指定単問題、これにはPKOと書いてあるけれども、週明けにも実施を正式に表明するということで、先ほども答弁がありましたけれども、九千七百十二億円、簡保事業団を通じて指定金銭信託運用をすることを発表したと。 郵政大臣、この目的は何ですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) これは、先生御存じのように、郵貯資金、簡保資金というのは国民からお預かりした大変貴重な資金でございますので、その運用に関しましては、安全、確実、有利ということが私ども原則だ、こう思うわけでございます。郵便貯金事業あるいは簡易保険事業の健全な経営の向上を図り、なおかつ加入者あるいは預金者の利益の向上を図ることが目的だ、私はこう思っておるわけでございますから、この目的は、あくまで安全、確実、有利な運用の一環だというふうに思っております。
○上田耕一郎君 ところが、郵政大臣はこの記者会見で、規模は約一兆円、それから日程まで、三十日、三十一日を明らかにされたんです。ですから、新聞は、「日どりを明言したのは今回が初めて」と。なかなか画期的なことをあなたはおやりになったんです。それで、三十日の記者会見で五十嵐郵政事務次官は、この九千七百十二億円を交付したことを明らかにし、これは年度内予算だと言ったんですよ。そうすると、三十日の記者会見で年度内といったら三十一日でしょう、三十一日に九千七百十二億円運用するということを今度は事務次官が明らかにしたわけです。 これは、幾ら郵政大臣がそう言われても、三月三十一日の銀行の決算、不良資産、これを償却しなきゃならぬ、そのために益出しが必要だ、そうすると株価を上げなきゃならぬ、銀行支援の目的のためのいわゆるPKOだとみんな当然受け取りますよ。受け取るだけじゃなくて、事務次官がそういうことを言っているんだから、三十一日に投入しますと。いかがですか。
○政府委員(金澤薫君) 御承知のように、指定単契約と申しますのは、委託者が受託者に対して指定できますのは、運用対象、例えば株式とか債券、それから運用割合、事業団と信託銀行の間では十割以内というふうになっておりますが、そのようにほんの大枠しか指定できないという仕組みになっているわけでございます。事業団と信託銀行が契約を締結して行うわけでございますが、信託銀行がどのような株式を買うのか、株式の銘柄でございますが、どの程度買うのか、数量、それからいつ買うのか、これはすべて信託銀行の投資判断により決定されるものでございます。市場メカニズムにのっとり行われ、国がそれに不当に介入するという仕組みには一切なっていないということでございます。 したがいまして、先ほど、三十、三十一日という日程を明らかにしたという話がございましたが、これは、事業団が信託銀行と契約し信託銀行に一定の資金が流れたという状況を指すものでございまして、その後、信託銀行がそのお金をいつ使うかということについては一切制約はないわけでございます。したがいまして、向こう何年かのうちに使えばいいわけでございまして、いますぐ使う必要は毛頭ないということでございます。 そういう意味で、三十一日対策のためとか、そういうことがよく言われますが、そういう仕組みにはなっていないということでございます。
○上田耕一郎君 これは、建前の話はこういうふうになるんですよ。 しかし、この朝日三月二十八日付の記事を見ますと、「二十七日の自見郵政相の発言を受けて、郵政省と信託各行幹部による調整が始まった模様だ。」と。恐らく、かなり数が多いですから、おたくはじゃ三十一日、三十日、どのくらい引き受けられるかと、金額の割り当てから何からの調整、もう始まっているんですよ。これは目標は三月末の決算であることは明白です。 これは、建前の話をそう言われても、例えば自民党の山崎政調会長が、三月一日、大分の文化パーティーで、企業の三月期の決算をにらんだ株価対策に絡んで郵貯、簡保の自主運用資金を直接株式の購入に充てる考えを示したと。直接ですよ。ところが、これは法改正しなければできないので、自民党は、三月六日、三月末企業決算期の株価対策としていわゆるPKOを行う方向で検討に入ったと。PKOですよ、ブライス・キーピング・オペレーション、自民党として。この方針に基づいて、自民党員である自見郵政大臣は、三月二十七日に、約一兆円、三月末、明らかにしたんですよ。それで信託銀行とも調整が始まって、三十日に事務次官は、年度内決算だと、九千億円は三十一日にちゃんと簡保に渡すと。簡保に渡せばすっといきますからね、もう調整済んでいるんだから。明らかにやったんですよ。しかしうまくいかなかったわけだ。 それで、私は大問題を言いたいんです。これは自民党の幹部にもなかなかしっかりした人がいらっしゃると思ったんだが、四月一日、東京新聞、「「株価操作を口にするとはけしからん。株価操作は証券取引法の中で最も罪が重いんだ」」、「山崎政調会長らのなりふり構わぬテコ入れ策に、同党幹部でさえも、九千七百億円に上る」「PKOにまゆをひそめた。」と。最も罪の重い証取法違反だということを、名前書いてないからどなたかわからぬけれども、自民党幹部が言っているんですよ。 私、証取法余り詳しくないけれども、調べてみました。百五十九条、相場操作の禁止。その三項、「何人も、単独で又は他人と共同して、政令で定めるところに違反して、有価証券等の相場をくぎ付けし、固定し、又は安定させる目的をもって、有価証券市場における一連の有価証券の売買取引等又はその委託若しくは受託をしてはならない。」、こうはっきり決まっているんです。 それで、いろんな方がこれは非常に問題だということを指摘しています。これは証券取引等監視委員会が直ちに出動して調べるべき問題だとさえ言っています。私は、政府がこういう株価操縦に手を出すなんというのは世界で日本だけだと思いますよ。山崎さんが一万八千三円にしたいと述べたでしょう、桜の咲くころ一万八千円。これは政治家が指し値をした意味だというんだな、政治家が指し値までする、政調会長ですよ。それに基づいて自民党が決めてやるわけですよ、郵政大臣も先頭に立って。 それで、この百五十九条の罰則はどうなっているか。罰則はこれなかなか重いです。九七年で改正されて重くなりました。 百九十七条、「次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」。そのうち五号に、百五十九条に違反した者となっている。自見郵政大臣は、この百五十九条違反だったら懲役五年または罰金五百万円。責任者なんだから。 この百五十九条違反でないと言えますか。
○政府委員(金澤薫君) 証券取引法の解釈については私どもの所管でございませんので、大蔵省その他が解釈するものというふうに理解しておりますが、先日、予算委員会で証券取引等委員会の事務局長の方が答えていらっしゃいました。その回答ぶりをここで御紹介いたしますと、まず特定銘柄についての売買という、特定銘柄という一つ要件がかかっていると、それから、具体的に売買取引が行われたことという要件がかかっているということでございまして、今回さまざまなところで議論になっておりますことについては証取法違反ではないというふうに明確におっしゃっておりました。
○上田耕一郎君 特定銘柄の売買と言ったって、簡保事業団が委託された信託銀行が今度何を買うかわかり切っていますよ、銀行対策なんだから。銀行とそれから銀行が主に持っている株ですよ。雑誌によると、三十五銘柄ぐらいあって、その中で大体五銘柄選ばれてやると。そういうPKOを今までも九二年、九三年でやっているけれども、どういう株が買われるか郵政省に報告しているんだから、かなりみんな知っていますよ、専門家も。 それで、そういうものに公的資金を投資して、それで株価を上げて銀行を助けようと。これは明らかに百五十九条違反ですよ。私は、証券取引等監視委員会がやっぱり出て、これ世界で日本しかないような、九三年のときには、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券東京支店経済調査部長のロバート・フェルドマン氏、「これで株価が上昇してもうけが出れば、いわば政府がインサイダー取引をしているのと同じことになる。」と。極めて外国人から見たら、本当に日本はどうなっているんだと思うようなことをやっていると思うんだね。 証券取引法違反を大臣が認めたり局長が認めたりはしませんでしょうから、私は問題を提起することにとどめますけれども、こういう異常なことがまかり通る日本のあり方は、これは僕は真剣に考え直さないかんと思う。それで、しかもうまくいっていないんだから。 その結果どうなったか。損しているわけですよ。三月三十一日の平均株価、二百六十四円上がって一万六千五百二十七円十七銭。きのうの日経平均株価一万五千九百七十八円七十二銭。一万六千円いっていないんですよ。そうすると、五百四十八円四十五銭下落ですよ。損しているんですよ。 この損をじゃ一体だれが負担するのかということになる。郵便貯金それから簡保のこの自主運用については、損失を一体だれが負担するのか、責任はだれがとるのかということが一番問題だということはあのときの法審議でも一番重視されたことでしょう。一番重視されたことを、今度平気でPKOをやって国民に損害を負わせかねないことを郵政省がやっているわけですよ、政府が責任を持って。一体こういう損失負担はどうなるのかということが非常に問題だと思います。 それで、もう時間もなくなってきましたので、一つお伺いしたい。 この指定単運用による収支は一体どうなっているのか。郵貯の指定単、簡保の指定単による運用額、それから決算、それから郵貯、簡保特別会計に幾ら繰り入れられているのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(安岡裕幸君) まず、郵貯の指定単の関係について申し上げます。 現在、平成八年度末の運用残高でございますけれども、六兆五千億という格好になっています。直近の決算でございます平成八年度の郵貯指定単の損益状況ですけれども、三百六十六億円の当期利益を計上しまして、累積で七十五億円の黒字を計上したということでございます。
○政府委員(金澤薫君) 簡保事業団を通じた指定単運用でございますけれども、昭和六十二年度より運用を開始しております。平成八年度末現在、九兆七千二百億円ということでございます。資産総額は九十八兆七千九百六十九億円でございますので、九%強、約一〇%というふうになっております。 平成八年度の指定単の経常収益は三千四百二十七億円でございまして、費用は三千八百五十八億円でございます。四百三十億円の経常損失を計上いたしましたが、前年度と比べまして、損失額は七百五十六億円減少しているところでございます。 これは平成六年度の運用寄託制度の導入によりまして調達コストが低減していることや信託受託者間での競争等積極的な取り組みの結果でございまして、九年度には前年度の単年度経常損失を上回る約四百四十億円の単年度経常黒字となる見通しでございます。累積欠損金でございますけれども、平成十二年度以前に解消する見通しということでございます。
○上田耕一郎君 非常に問題は大きいと思うんですね。 財投金利で運用している郵貯の方は黒字だけれども、わずかに黒字は七十五億円というんでしょう。簡保の方は新指定単運用になって、あの当時利率は下がったんです、一・三四に。それにもかかわらず、今報告がありましたように累積欠損三千六百七十九億円ですよ。両方とも特別会計への繰り入れはゼロ。一体何をやっているのかと思う。 それから、含み損もかなり出ておるんじゃないか。これは株下がっていますからね、例えばもし十一兆の一割含み損があったら、一億超しているんですよ、含み損が。それから資金の利払い、これは新指定単運用になってから五年に一回払うようになったから、九七年から払うんですよ、これまた払わなきゃならない。それで赤字がふえるわけですよ。 私はこういう実態も非常に重大な問題だと思うけれども、それ以上に、先ほど言いましたような政府、郵政省によるPKO、大体、株価というのは自己責任で動かなきゃいかぬのは当たり前でしょう。それがグローバルスタンダードですよ。それをグローバルスタンダードを採用する採用すると言いながら、政府によるインサイダー取引だというような、株価操縦の疑いがあるようなことをやるようなこと、本当にこれでは日本の世界に対する立ちおくれが一層深刻になると思うんです。 私は、簡保資金、郵貯資金の自主運用の名によるいわゆるPKO、答弁としてはそういうことはありませんと言うんだけれども、これは実際には法律違反です。簡保法等々の法律にもやっぱり私は違反していると思うので、こういうものは根本的に検討してやめるべきことを要望して、最後に大臣に一言お伺いして、質問を終わります。
○国務大臣(自見庄三郎君) 簡保資金、郵貯資金というのは、今さっきも答弁申し上げましたように、国民から預かった大変貴重な資金でございますから、これを運用において安全、確実、有利ということが原則でございますので、今後ともそういった基本的原則を踏まえてやっていきたいというふうに思っております。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。 ただいま上田委員の大変熱心な御質問で、ちょっと時間をオーバーしたようですが、私はそれぐらいをカバーして終わるように努めたいと思いますが、大きく言って二つの問題についてお伺いしたい。 先日の委員会でも私は郵政大臣に高度情報通信社会におけるこれからの投資、特に、恐らくきょう予算が通りますと、すぐ何らかの大型経済対策を組み立てるということになって、その中で新社会資本の一部として情報通信関係の予算が出てくると私は予想しておりますが、先のことはこの段階ではお話しできませんということであるかと思いますので、今年度、高度情報通信関係で国全体の予算がどれほどになっているか、また民間も含めますと大体どれくらいの額に上るものか、その辺についてお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
○政府委員(木村強君) 私どもネットワークインフラの整備、あるいはアプリケーションの普及開発、研究開発といったハード、ソフト一体となった広い意味での高度な情報通信基盤を早急に整備していくことが高度情報通信社会の構築のためにはぜひ必要であるという認識を持っております。 こういった認識のもとに、私ども郵政省といたしまして種々の予算措置を講じてきているところでございますけれども、平成十年度の予算案におきましては、政府全体の一般歳出の伸びがマイナス一・三%となる中で、郵政省の一般会計予算は五・三%増の八百八十一億四千万円が計上されておるところであります。 政府全体といたしましては、高度情報通信社会推進本部という中で、内政審議室が中心となって各省庁からそれぞれの高度情報化に資する施策ということで取りまとめを行っておるところでありますけれども、平成十年度情報通信の高度化に資する施策で予算措置を伴うものということで報告されておりますのは、政府全体で約一兆六千億という状況になっております。これは、先ほど郵政省関係八百八十一億四千万ということを申し上げましたが、この数字を含む政府全体の数字でございます。 それから、民間につきましては、一九九六年度の設備投資、これは通信放送産業の設備投資ということでございますけれども、四兆九千億円程度ということでございまして、こういった官民合わせた投資が高度情報通信社会に資するものということで投じられていると認識いたしております。
○戸田邦司君 相当の額に上る投資額ということになるかと思いますが、客観的に考えまして、我が国のそういったことについてのハード、ソフト合めての基盤整備、基盤だけじゃなくて実際に産業活動も含めて考えますと、アメリカと比べますとかなり立ちおくれてしまったということが言えると思うんです。 それで、この立ちおくれの問題、特にソフト産業などでは相当のおくれもあると思います。その立ちおくれた理由、それから、これからアメリカをキャッチアップするということになりますと、その場合にどれくらいの投資が必要か、またその中での郵政省の役割はどういうものであるかという点についてお話しいただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) まず、情報通信の分野で米国と大差がついた原因は何かというお尋ねでございます。 私ども、情報通信分野におきます日米格差につきましては、さまざまなメディアがあるというふうに承知しておりまして、一概にアメリカが勝ち日本が負けというふうに決めつけるわけにはいかないというふうに存じております。 しかしながら、先生御指摘にもありましたように、インターネットを初めとして、米国の情報化が非常に進展をしているという部分がございます。これにはNII構想を初めとする、政府がやはりイニシアチブをとって情報通信の高度化を国家戦略的なプロジェクトと位置づけて取り組んでいるということが非常に大きな要因になっているというふうに認識をいたしております。 具体的にそれを手元にございます数字等を使いまして御説明を申し上げれば、情報通信分野の研究開発費におきます政府の負担割合、これは米国につきましては、一九九五年のデータでございますけれども、一三・九%を政府が負担をしておる。これに対しまして日本は六・二%であるということで、米国は政府が我が国よりは情報通信分野の研究開発を積極的に推進しているということで、そういう面での一つのデータでございます。 それから、インターネットやGPSに代表されますように、アメリカにおきましては軍事技術が積極的に民間に転用され、政府主導での技術開発成果が結果的に民間のマルチメディア発展基盤を形成してきたという部分も非常に大きいというふうに考えております。 それから、こういった技術力を背景にいたしまして米国企業によりますデファクト標準というものの動きが台頭してきておりまして、事実上の競争の中での標準をかち取っていくという形については米国が非常に活性化をしておるというふうに認識をいたしております。 こういった状況を踏まえまして、民間企業では設備投資の多くの割合を情報化に投資いたしておりまして、例えばアメリカにおきまして民間設備投資全体に占める情報化投資の割合は三一・六%である、一九九六年の数字でありますが、日本は同じ時期一六・一%であるといったことにも見られまして、民間が情報化投資を積極的に行っているというアメリカの現況がうかがえるというふうに認識をいたしております。 これが米国とそういった面で差のついておる部分だと考えられる部分でございますけれども、こういった水準に追いつくまでに官民合わせどの程度の投資が必要かという先生の御指摘でございますけれども、私ども、先ほど申し上げましたように、情報通信分野におきます日米格差はメディアにより異なりますので、米国の水準に追いつくための投資額を申し上げるということにつきましては非常に難しゅうございます。どの点をとらえてどうするのか、あるいはどのレベルでは同一になったかというのが非常に難しゅうございます。 そういう意味では大変難しい御質問だというふうに考えておりますけれども、例えば私ども、アメリカも今月を入れ始めておりますけれども、高度情報通信社会の構築のために例えば光ファイバー網の全国整備の総投資額というものが約三十三兆、二〇一〇年までに全饋線点に光ファイバー網を引く、それから饋線点から先の加入者契約を含めまして三十三兆の投資が必要であるという答申を平成六年に電気通信審議会からいただいております。 さらに、地上放送のデジタル化のための総投資額につきましては六千六百五十億円程度のお金、巨額の資金でありますけれどもこれが必要だということで、民放連の試算などが報告されております。 こういったことで、やはり相当巨額の金がこれからも高度情報通信社会構築のために必要であるという認識を持っております。 それで、そういったことを展望いたしまして、昨年の六月でございますけれども、電気通信審議会から私どもの大臣あてにいただきました答申の中におきましては、二〇一〇年には通信・放送産業の設備投資が約七・二兆円拡大するというような推計も出ておりまして、これに基づきますと一九九六年度から二〇一〇年までの間に累計約八十六兆円の投資が必要になる、こういった推計、あくまで推計でございますけれども、そういった大きな試算を頭に描きながら毎年度の個別問題に取り組もう、このように考えております。 それから、郵政省のこともよろしゅうございますか。 先生御質問がありました郵政省につきましてどのような政策が必要かということでありますけれども、やはり当面こういったインフラの整備というものを加速していく必要がある、そういったインフラがきちっと整うことによって世界各国に伍した情報通信の展開が行われるという意味で、国民の皆様方の生活あるいは産業という観点からも二十一世紀に生き残っていくためにはネットワークインフラ整備というものがやはり喫緊の課題であろうというふうに認識しております。 それから、教育とか医療分野だとか、これまでフットワーク社会ではなかなかできなかったようなことを、情報通信を活用いたしまして、このネットワーク社会で効果を発揮していくという具体的な施策についても、さらに対応して目に見える形で情報通信の効用が実感できるということに取り組むというのが私どもの使命であるというふうに考えております。
○戸田邦司君 大変懇切丁寧に御答弁いただきましたが、これからの経済社会というか、経済発展を考えますと、今までのような形での消費の伸びが期待できないというようなときに、経済発展の余剰部分といいますか発展部分をどこに求めていくか。よくサプライサイドエコノミーということが言われておりますが、やはりこの分野はサプライサイドエコノミーということを考えた場合にも非常に重要な部分ではないかと思います。 国の産業育成というか産業発展への関与についてはいろいろと問題もあって、もう国は関与しなくていいんだとよく言われておりますが、私はこの分野に関する限りは、アメリカでも相当政府が力を入れておりますように、我が国でもやはり郵政省は当分の間、相当力を入れて旗振り役を務めないとならない、そういう分野ではないかと思います。そういったことも考えて戦術的、戦略的に全体の政策の構成をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 ベンチャービジネスのことも同様な話でありまして、お伺いしたいと思っておりましたが、時間の関係もありますので次の機会に譲らせていただくことにしまして、私の質問はこれで終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(川橋幸子君) 以上をもちまして、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、海上保安庁、海難審判庁及び気象庁を除く運輸省所管、郵政省所管、自動車損害賠償責任再保険特別会計、自動車検査登録特別会計、空港整備特別会計、郵政事業特別会計についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会