交通・情報通信委員会 第9号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。 去る三日、予算委員会から、本日四月七日から八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、海上保安庁、海難審判庁及び気象庁を除く運輸省所管、郵政省所管、自動車損害賠償責任再保険特別会計、自動車検査登録特別会計、空港整備特別会計、郵政事業特別会計について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 —————————————
○委員長(川橋幸子君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日、参考人として本州四国連絡橋公団理事縣保佑さんの出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(川橋幸子君) 運輸省及び郵政省関係予算の説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 まず、運輸省関係予算について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○亀谷博昭君 おはようございます。 私は、きょうは委嘱審査ということでもありますので、予算関係の問題、それから政策評価に関すること、さらにはモーダルシフトについて、大綱三点についてお伺いをさせていただきたいと思っております。 財政構造改革法案が昨年の十一月末、参議院でも可決、成立をいたしたわけでありますが、経済は生き物であるという言葉どおり、さまざまま現象があらわれてまいりまして、いまだに財政構造改革法につきましてはさまざまな議論が行われているところでございます。しかし、この財革法が成立をして平成十年が実質的なスタートの年であるということは間違いがないわけでございまして、前年度の予算を上回らないさまざまなキャップがかけられている、公債の発行も制限をされてくる、さまざまな要素がその中に含まれている中で、各省ともに予算の削減を現実に余儀なくされているわけであります。そうした中で、国民のニーズにどうこたえていくのかという大変難しい取り組みが求められているのではないかというふうに思います。公共投資は殊に大幅な見直しが迫られております。 そういう環境の中で、運輸省として、平成十年度の予算編成に当たってどのような基本的な考え方を持っておられたのか。そしてまた、これからの事業執行に当たってどのようなスタンスで臨もうとしておられるのか。これまでのように決めた事業をそのまま執行していくとか、あるいは国民のニーズがあるからこれはどうしてもやらなければいけないということがなかなか通らない、そういう中ではありますけれども、運輸省としての基本的な考え方をまずお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 運輸省所管の平成十年度一般会計予算につきましては、財政構造改革法の実質的スタートという今お話がございましたが、そうしたことを踏まえて予算編成をいたしたところであります。全体では九千百五十九億円でございますけれども、これは九年度予算に比べましてマイナス三・九%となっておりますので、財政構造改革の趣旨を踏まえて全体としては抑制基調の予算になっておるところでございます。 こうした厳しい財政状況、また財政構造改革の趣旨にのっとって編成をいたしました予算でございますけれども、公共事業一つとりましても、私どもは、この委員会の御質疑にもありましたように、物流の効率化等、また経済構造改革に資する社会資本である大都市圏の拠点空港あるいは港湾、こういった公共事業に重点的に予算を確保したところでございます。 また、昨年大変大きな被害をもたらしましたナホトカ号の油流出事故あるいは東京湾におけるダイヤモンドグレース号の油流出事故等、海の汚濁というものに対しまして対応しなけりゃならないということで、大型しゅんせつ兼油回収船の建造あるいは油防除資機材の整備等タンカー事故による大きな災害と申しましょうか、被害に対応する防除体制の強化をしていかなきゃならないということで、こうした関係予算につきましても重点的に編成をいたしたところであります。 さらには、昨年十二月のいわゆるCOP3京都会議がございまして、これから環境問題が大変大きな世界的な、また地球的な問題としてとらえられております。そういった中で、やはり環境に優しい交通体系というものをつくっていかなけりゃならぬ、その中にはハイブリッドカーのようないわゆる自動車の技術開発、さらにはモーダルシフトの推進、そういった対策を充実することによりまして、CO2削減対策を一層強化していきたいと思っております。 さらには、国鉄長期債務の問題がございます。これはどうしても本格的な処理をしなければならない。関係法案を今国会に提出いたしておりますけれども、そうした中で、運輸省といたしましても、日本鉄道建設公団に対しまして本格的処理のための補助金として六百五十億円を確保したところであります。 こうした中で、大変厳しい状況ではありますけれども、めり張りのついた予算案にしたと、我々そのように認識をいたしているところでございます。
○亀谷博昭君 重点化をより進めていかなければいけない、優先順位をつけるということがどういう意味を持つのかさまざまな議論はあろうと思いますけれども、そういう中でも、特に運輸省として重要と考えられる部分に重点的な配分をしていかなければいけない、そういうことであろうかと思います。 その中で、さっき社会資本の整備というお話もございました。社会資本整備は我が国の発展を支える土台であると同時に、運輸省にとっても非常に大きな重要な部分を担っている事業であろうというふうに思います。そういう意味では、社会資本をどう整備していくのか。財源の問題もありますけれども、また社会資本整備のあり方という点からもさまざまな指摘が今なされてきているところであります。 昨年の六月号の「トランスポート」の中に、前の運輸政策局長の相原さんが出られた座談会の記事がありまして、この中に横島さんというNHKの解説委員の方の発言の中で非常におもしろい表現がありました。 「社会資本が概成したかどうかという基準が非常にあいまいですね。概成の基準が点検されないまま論じられて」いるのではないか、「ある意味ではサプライ側、行政側が掲げた数値目標に対してですから、それでいけば概成はいまだしという声が圧倒的に強いわけです。 しかし、行政側が何を提供すべきかということではなくて、今の日本の置かれているさまざまな厳しい状況の中で、この辺で我慢していったん手を打とうというような数値目標があれば、それに対して足りない部分を限定してサプライする」ということも考えられるのではないかと、こういう指摘がありました。 同時に、私も初めて聞いたんですが、何か鉄道局に建主改従という言葉があるんだそうです。「つくることが主で、改良することは従であるという考え方」だと、こう解説をされております。ただ、これからは逆に改主建従なのではないか、「つまり、改良することを主として、つくることは二の次でいいという思想が入ってくると、お金がなくても社会資本は活用できるという考え方になる」と。この具体的な例の一つがミニ新幹線なのではないか、こんな指摘がありました。 要するに、予算が厳しくなってきたという観点からだけではなくて、社会資本の整備というのは、国民が何を求めているのか、そしてまた何が国家国民のために必要なのかという視点で見直すことも重要であろうと私も思うわけであります。所得再配分ということも含めて、地域の活性化にどう役立っていくのか、あるいは国民のニーズがどこにあって、急激なグローバル化の進展の中で世界の中での我が国の役割を果たすには何が必要なのかというような取り組みが重要になってくるのだろうと思います。 財源が厳しくなってきている中で、また社会が大変激しく変化している中で、国民の価値観も多様化し、あるいは複眼的になってきております。そういう中で、運輸省として、運輸関係の社会資本整備についてこれからどう取り組んでいかれようとしているのか、基本的なお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(土井勝二君) お答え申し上げます。 ただいま先生から、我が国の経済社会の基盤となっている運輸関係社会資本でございますが、これについて、これから二十一世紀に向けてどうしていくべきかと、そういう大変大きな御質問をいただいたわけでございます。 私どもといたしまして、先ほど大臣が予算との関連でもお答え申し上げておりますように、これから国際化がますます進展していく、それから規制緩和を初めといたしまして経済構造改革が進展していく、そういう中で、それにかかわる国際化のためであるとか、経済構造改革を推し進めるためであるとか、そういう目的を持った社会資本の整備というのが大変重要になってくる、必要になってくるというふうにまず基本的に考えてございます。 このため、運輸省といたしましては、非常に厳しい財政状況下でございますけれども、一つは、国際的な交流の拡大に対応するための国際空港、国際港湾の整備、これをやっていかなければいけない。 それからまた、地域間の連携、交流の促進を図るための、先ほどのいわば既存施設の改良も含めまして高速鉄道を整備していく。あるいは国内空港も、空港をどんどんふやすということもさることながら、どちらかといえば現在ある空港をさらに滑走路延長等を行いまして高質化していくとか、そういう国内幹線ネットワークの整備をしていく、これが第二点であろうと思います。 それから第三点、やはり依然として大都市の交通問題というのはあるわけでございます。通勤混雑というのが私ども鉄道を担当している運輸省としては大変重要な問題でございまして、これの緩和への対応ということも非常に必要性の高い分野であるというふうに思っております。 大きく三つ申し上げましたけれども、このような必要性の高い分野、あるいは緊急性の高い分野、これらについて私ども確かに数値目標を示すということがなかなか簡単にはできないわけでございますけれども、長期計画をつくるときに、広く審議会にお諮りして御意見を伺う、あるいは国会等における質疑におきましてもその御意見、お考えを伺う、それからまた地方自治体の方からも私どもの方にしばしばこういうものをつくってくれというような要望があるわけでございまして、そういったいろんな御意見とかお考え、要望を総合的に勘案しながらこういう社会資本の整備をやっていくということが必要と考えでございます。 また、特に財政非常に厳しい折柄でございますので、建設コストを縮減する、あるいは投資を重点化するということで効率的、効果的な運輸関係社会資本の整備に全力を挙げていく必要があるというふうに考えてございます。
○亀谷博昭君 幾つか今お挙げになりましたが、厳しい財源の中ではありますけれども、国民のニーズをしっかり踏まえて、また我が国として何が必要かという視点からのお取り組みをどうかいただきたいと思っております。 今、国内空港、港湾の整備とかいろんな項目をお挙げになりました。こういう事業を進めていく中でどうしても考えなければいけないのは、その事業がどのように有効に進められ、そしてまた良好な結果を生み出しているかという点検、評価という問題があろうかと思います。 昨年十二月五日、橋本総理から公共事業関係大臣へ時のアセスの指示があった。それを踏まえて、十二月十七日に運輸関係公共事業再評価検討委員会というものを設置されて、新たな再評価システムの導入について検討を開始されたと、こう伺っております。 そこで、この再評価システムの導入について検討を開始することとされたようでありますが、まだ時間も余りたっておりませんけれども、どのような検討がなされてきているのか、そしてそれが十年度の予算や事業にどのような形であらわれてきているのかということについて御説明をいただければと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 公共事業の再評価システム、いわゆる時のアセスということに関しましては、ただいま先生御指摘のとおり、昨年の十二月五日に内閣総理大臣から公共事業の関係大臣へ指示がございまして、私どもこの指示を受けまして、直ちに省内に事務次官をヘッドといたします運輸関係公共事業再評価検討委員会を設けまして、この問題につきまして鋭意検討を進めてまいりました。三月二十七日に具体的な内容を取りまとめ、運輸大臣から総理大臣への御報告もさせていただいたところでございます。 この主な内容を申し上げますと、第一点は、国の直轄事業、それから国からの補助、出資等が行われております公共事業のうち、事業採択後五年を経過しても未着工の事業、これが一つの類型でございます。それから二つ目に、事業採択後一定の期間を経過したもの、この一定期間につきましては、予定事業実施期間が五年以内のものにつきましては五年、五年を超えるものにつきましては十年を経過した時点で継続中の事業、この二つの類型を予定しまして、これらのすべての事業を対象にしてこのアセスを実施するというものでございます。 二点目は、事業をめぐります経済社会情勢等の変化であるとかあるいは事業の進捗状況、代替案の実施可能性、それからコスト縮減の可能性の検討といった各種の観点から評価を実施いたしまして、その結果に基づいて必要な見直しを行うほか継続が適当と認められない場合は休止または中止とするということでございます。 三点目は、透明性を確保するという観点から、この見直しの実施に当たりましては学識経験者など第三者の意見を聞くとともに、結果につきまして概要の公表を実施する、このような内容がこの委員会でまとめた骨子でございます。 これらにつきまして、それじゃどのように予算に反映しているかということでございますが、このような公共事業の再評価といった精神を踏まえまして、平成十年度の予算案におきましては、御承知のとおり地方港湾の十八港につきまして休止をするというような決定をしているところでございます。
○亀谷博昭君 三点の基本的な考え方について見直しをするというお話がございました。地方港湾十八港についての事業の休止ということも行われたようでありますが、先日、黒野事務次官は、地方五空港についても計画を見直す、こういう御発言がございました。 今の三つの基準は当然のことだと思うし、またそういう見直しというものが適宜行われていくことが十分必要なことであろうと思いますが、逆に言えば、ちょっと辛口な発言になりますけれども、事業採択に当たっての事前評価とか、あるいは事業採択後の再評価というものに適正さを欠いていなかったかというような指摘もできるのではないかという感じがいたしております。今後はそうした面での充実というものも図っていかなければならないんだろうと思います。 そうした中で、先日、私の質問に対する大臣の御答弁の中で、事業採択段階における費用対効果分析というお話がありまして、これは非常に大きな前進だろうと私も思います。 一般的に評価を行う際の基本的な視点として、目的に合っているか、あるいは適法か規則に合っているか経済性あるいは効率性、有効性、公正性、妥当性、透明性といっぱいいろんなものが並べられているわけでありますが、私は、運輸省の事業というものを具体的に考えていけば、その中で特に効率性、有効性という観点からの評価がやはり必要なのではないかというふうに思っております。この効率性、有効性の観点からの評価ということになれば、当然費用対効果分析とかあるいは費用便益分析というものが出てくるわけであります。 今年度の予算をつくられるに当たってもこの費用対効果分析というものを実施しておられますが、この基準が時間短縮効果とか費用低減効果というようないわゆる社会的便益と建設費との組み合わせで数字がはじき出されておりまして、ことし計画されているものについては、この社会的便益と社会的費用の数字の兼ね合いからいけばいずれの新規採択事業も便益が事業を上回るというようなことになっております。 私は、これはこれで一つの前進だし、こういう手法も必要だろうと思いますからこのことはこれで結構なんだと思いますけれども、しかし、さっきもちょっと土井局長も御発言になられましたけれども、評価基準に組み入れることが難しいものも当然あるわけでありまして、数量化、定量化ということがこれからどうしても考えていかなければならない課題であると思うし、物によってはマイナス効果というのもあるんですね。 例えば、公共事業をやるときに、住民福祉の向上とかあるいは住民生活にゆとりと潤いをもたらすためにこういう事業をやると、こういう表現がよくありますけれども、こういうものは全くもって数値にあらわすことは難しい項目であります。ですから、つくった後どうやって国民福祉の向上に資したのかというのはなかなか数字としてあらわすことは難しい。また、飛行機とか鉄道なんかもそうでありますけれども、空港が開設される、大型の飛行機が飛ぶことによって騒音障害というものも出てくる。これはある意味でマイナス効果とも言えるのではないかという感じがいたします。 政策評価そのものが我が国に取り入れられてまだ時間もたっておりませんから、これからより精密な評価手法の開発というものが期待されるんだろうと思いますし、この費用対効果の分析についてもより多くの基準設定あるいは評価指標の数値化、定量化というものが求められていく、そしてそういうものをやっぱりやっていかなきゃいけないんだろうと思うんです。 そういう意味で、これからより充実した費用対効果分析の評価機能を高めるためにどんな取り組みをなさろうとしておられるか今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま先生御指摘の公共事業の実施あるいは社会資本の整備に当たりましての費用対効果分析、あるいはこれらを含めました全般的な評価システムの確立、これはとても重要なことであろうと私も思います。 御承知のとおり、私どもの方では平成九年度より運輸関係社会資本の費用対効果分析を実施することにいたしまして、九年度、十年度予算に係るものから私どもが行いました費用対効果分析を公表するということでやってまいりました。 この具体的な手法をどうするかというのは、ただいま先生御指摘のようないろんな問題もあり、さらに深度化をしなくちゃいけないと私どもも思っておりますが、なかなか確立された手法というものが現実にないわけでございますし、それから手法を本当に客観的にいい手法として確立していくというのは、やっぱりある程度時間がかかるのではないかと思っております。 ただいまの手法は、先生も御指摘ございましたように、時間短縮効果であるとかあるいは費用の低減効果といったものでやっておりますが、私どもといたしましてはこれに加えまして、運輸関係の社会資本でございますので、混雑の緩和効果であるとかあるいは安全性向上の効果、こういった点につきましても何らかの指標化ができないだろうか。 こういった点で、一つは深度化を一層図れないか、それから二つ目は各事業間で整合性のとれた評価手法というものをもっと策定する必要があるのではないか、こういった点に着目いたしまして今検討を行っているところでございます。
○亀谷博昭君 これは運輸省だけの問題ではありませんが、どうか運輸省としても事業がどのように効率的に遂行されているのかということを国民によりわかりやすく説明するという意味でもしっかりしたお取り組みをいただければと思っております。 同時に、これも運輸省だけの問題ではないんですけれども、政策評価というものが我が国で取り入れられてきている。しかし、どうしても事前評価とかあるいは事中評価という表現があるのかどうかわかりませんが、事業採択後の再評価というところに重点が置かれてきている。これは今スタートですからやむを得ないことだと思うんですが、ただ、やはり政策評価の締めくくりというのは事後評価をしっかりすることにあるのではないかというふうに私は思っております。 一般的に、何をやるにしても計画を立てて実行をして反省をする、こういうことになるわけですから、反省をした結果また次の計画を立てる、そういう意味ではこの反省の部分に当たる事後評価というものがやはりこれから重要になってくるのではないかと思います。 特に、運輸省では空港整備五カ年計画あるいは港湾整備五カ年計画というような長期のものもあります。長期のものあるいはまた大規模な事業というのは、その波及効果も大きいと同時に、長い期間をかけて測定しないとその効果がよくわからないという部分もあるわけでありまして、そういう意味ではこの事後評価というものへの取り組みがやっぱりこれから大切になってくるのではないか。一つの五カ年計画を進めていって、それをしっかりと事後評価をして、その結果に基づいてフィードバックさせていく、次の計画に生かしていくというようなことがなければならないのだろうと思います。 そういう意味で、重ねてでありますが、事後評価についても今後どんなふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 各種五カ年計画を策定いたします場合に、これは私どもそうでございますし他省庁もそうであろうと思いますけれども、当然のことながら、今までの五カ年計画の進捗状況あるいはその成果、こういったものを分析いたしまして新たな計画の策定を行うということをやってまいっておるところでございます。 ただ、先生御指摘ございますように、こういったものにつきまして、事前の費用対効果分析と同じようにある客観的な分析手法を用いましてそれを同じように例えば数量的に把握していくとか、こういったのは一つの課題であろうと思います。この点につきましては、確かに御指摘の点は非常に重要な点だと思いますけれども、ただ、分析手法といいますかこの手法がまだ確立されていないというような点もございますので、私どもにとりましては今後の検討課題であると考えております。
○亀谷博昭君 どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。 そこで、さっき申し上げた運輸関係公共事業再評価検討委員会というのはどんな構成になっておられるんでしょうか。
○政府委員(梅崎壽君) この委員会は、事務次官を座長といたしまして、官房長と技術総括審議官を副座長、それから省内の関係局長などが構成員になっている、こんな委員会でございます。
○亀谷博昭君 これは再評価検討委員会ということでありますが、これからこの再評価検討委員会でまた何か別な再評価のための検討をする組織というものをつくるお考えはあるんですか。
○政府委員(梅崎壽君) 再評価のためのシステムは、先ほどお答え申し上げましたとおりつくりましたので、今後は実施の問題でございますが、実施に当たりましては、それぞれの事業の実施主体がございますので、まずそこで見直しのための再評価を行いまして、それが最終的にはこの委員会に上がってくる、こういうことでございます。
○亀谷博昭君 事務次官を長としてというお話でございましたが、民意をどう酌み取るかということがやっぱり非常に重要なんだと思うんですね。 それで、一般的には、評価に当たっては内部評価よりも外部評価の必要性が指摘をされているわけでありますし、経団連等からも公共事業に対する第三者機関による評価の実施という提言もあると聞いております。行革会議の最終報告にも、「民間有識者などを加えた第三者的評価を可能とする仕組みが是非とも必要」と、こうされているところでありますが、何か第三者を加えた評価システム、評価検討委員会みたいなものをお考えになっておられないのかどうか重ねてお伺いいたします。
○政府委員(梅崎壽君) ちょっと例で申し上げますと、例えば直轄事業とか公団などの補助事業におきましては、再評価は事業を実施いたします港湾建設局であるとかあるいは公団が再評価を行うわけでございますが、その際に学識経験者あるいは関係者から意見を聞きまして再評価の案をまとめる、こういうぐあいにしております。 これが、先ほど申し上げましたように、それぞれの事業実施主体でやりました再評価がこの委員会の方に最終的に報告で上がりますが、その際に、この委員会におきましても必要と認める場合は学識経験者あるいは関係者から意見を聞いてこれを参考にして評価を固めていく、こういうようなシステムで考えております。
○亀谷博昭君 どんな事業をやるにも、最初は知事の意見とかあるいは地域の人の意見というのを聞くんですね。ですから、最初だけではなくて、それがどういう効果をもたらしたのかというような評価になれば、やっぱり第三者の意見というものが重要になってくるんだろうと思いますので、ぜひそういう意見、民意を酌み取る努力をしていただければと思っております。 この問題の最後に、先日の大臣の御答弁の中でも、評価部門の確立というようなお話がございました。行革会議にうたわれている各省ごとの評価部門をつくらなければいけない。ただ、これから省庁再編というお話がある中で、それとのにらみも必要なのかもしれませんけれども、運輸省としての評価部門の確立をどう具体的に進めていこうとしておられるのか、この問題の最後にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 今、亀谷委員と政府委員との質疑をお伺いいたしておりまして、これまでの公共事業を遂行するに当たりましても、その評価というものをどうとらえていくか、さらにこうした財政状況の厳しい折から、また財政構造改革の趣旨にのっとって、公共事業、社会資本の整備を進めるに当たっては今委員の御指摘のございました点につきまして、大変重要だと私は考えております。 ただ、先ほどから政府委員の方から御答弁申し上げておりますように、今後、事前の評価あるいは事後の評価等々、今般の中央省庁等改革基本法案の中にもその点について、「政策評価の総合性及び一層厳格な客観性を担保するため、府省の枠を超えて政策評価を行う機能を強化する」、このための措置を講ずることが規定されております。したがいまして、今御質問にありましたように、政策評価機能の充実強化等が盛り込まれておりますから、そういった点でやはり今後真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。 と同時に、委員御承知のとおり、今度の省庁再編におきましては、運輸省と建設省あるいは国土庁、そしてまた北海道開発庁が統合されるという形になりますので、そういったことをも踏まえながら、関係省庁とも十分連絡をとりまして、事前の評価あるいは事後の評価等の確立を進めるべく密接な連絡をとりながら、また国民の皆さん方、これは情報公開にも関連すると思いますけれども、その事業が本当に効率的に実施されているのか、そしてそれに値するものなのかどうかということについては、今後そういったことで十分踏まえて対処していかなきゃならない、このように考えております。
○亀谷博昭君 ありがとうございました。どうかそうした方向でしっかりしたお取り組みをお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、昨年のちょうど今ごろですか、つくられました総合物流施策大綱、閣議決定をされたものがあります。この中では、平成十三年、二〇〇一年を目途に国際的に遜色ない水準のサービスの実現ということを考えながら経済構造の変革と創造を進めていく、こういうことになっているわけであります。 この総合物流施策大綱、これはもちろん全省庁にかかわりのあることでありますが、中身は運輸省マターのものもかなりあるというふうに私は認識をいたしているわけであります。 そこで、この総合物流施策大綱、昨年の四月閣議決定されたのを受けて、運輸省としてどんな取り組みをしておられるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(和田敬司君) 総合物流施策大綱におきましては、物流に係る横断的な課題としまして、社会資本等の整備、規制緩和の推進、さらに物流システムの高度化を掲げております。また、都市内物流、地域間物流及び国際物流の各分野別に物流効率化に向けた諸施策を掲げているところでございます。 これを受けまして、運輸省といたしましては、特に次の四点に重点を置きまして施策を推進しておるところでございます。 まず第一に、空港あるいは港湾といった国際物流拠点の整備とその機能の高度化でございます。第二には、モーダルシフトの推進を初めといたしまして物流における労働生産性、エネルギー効率の向上のための広域物流システムの構造改革でございます。第三点といたしましては、都市内物流拠点の計画的整備、共同集配の促進といった効率的な地域物流システムの構築でございます。さらに第四点といたしまして、物流システムの全体につきましての高度化でございます。 これらにつきましてハード及びソフトの施策を一体的に展開いたしまして、効率的かつ環境に優しい物流システムの構築を目指すこととしているところでございます。
○亀谷博昭君 今四つ主要な点をお挙げいただきましたが、その中でモーダルシフトについてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。 労働力の不足あるいは環境問題の深刻化、そしてまた道路混雑あるいはエネルギー問題もあります。また国際化への対応という問題もあります。さまざまな問題を抱えながら、このモーダルシフトの推進ということに運輸省としてもここ数年来大きな課題として取り組んでこられたと存じます。 要するに、陸上のトラック輸送を鉄道、内航海運輸送にどうシフトしていくのかということがこのモーダルシフトの基本なんだろうと思いますが、ただ大変残念など申しますか数字で見るとこの考え方と逆の傾向になってきているのではないかというふうに思います。 要するに、トン数ベースで見ても、総輸送量と同じような曲線を描いて自動車輸送量がふえていっている。その中で内航海運と鉄道はほとんどふえていない。トンキロベースにしても同じようなことでありまして、内航海運が少し頑張っているという感じはありますけれども、鉄道においてはそういう状況にはないということでございます。 内航海運、鉄道及びトラックといった多様な輸送モードが自由に選択できて、そしてまたそのモードの特性が生かされた適切な役割分担がなされる、そういう交通体系が構築されるということが理想なんだろうと思いますが、モーダルシフト、これもまたこれまでお伺いしてきた問題と同じように、一つだけ頑張っていけば解決するという問題ではなくて、それぞれに絡み合ったさまざまな問題がありますから難しいことはよくわかるのでありますが、モーダルシフトにここ数年取り組んでこられている運輸省として、現状をどう考えておられるのか、あるいは今後どんなふうに進めようとしておられるのかお伺いをさせていただきます。
○政府委員(和田敬司君) お答えします。 モーダルシフトの具体的な効果につきまして数量的に把握ということは非常に難しい面がございますが、ただいま御指摘のありましたトンキロベースのシェアを見てみますと、貨物輸送におけるトラックのシェアでございますが、昭和四十年度に約二六%でありましたが、五十年度では三六%、平成元年度では五二%と拡大基調が続いてきたわけでございますが、近年を見てみますとおおむね五〇%強にとどまっておりますので、モーダルシフトは一定の効果をもたらしているのではないかと認識している次第でございます。 他方で、昨年十二月でございますが、京都におきまして気候変動枠組条約第三回締約国会議が開催されまして、各国間でCO2を初めとする温室効果ガスの排出量削減について合意されたところでございます。我が国の持に運輸部門におきましても、CO2排出量削減のためにモーダルシフトによるさらなる物流効率化の推進が必要であると認識している次第でございます。 このために、運輸省といたしましては、まず鉄道貨物のインフラ整備の促進、さらに、運輸施設整備事業団によります内航コンテナ船、内航ローロー船等の整備、さらに複合一貫輸送に対応いたしました内貿ターミナルの拠点的整備、さらに複合一貫のための輸送施設、機器の整備に対する財政投融資による支援等の措置を計画的かつ着実に実施いたしましてモーダルシフトの推進を図っているところでございます。 あわせまして、昨年四月の総合物流施策大綱の閣議決定を受けまして、建設省とも連携いたしまして内航海運あるいは貨物鉄道の利便性を高めるために港湾等へのアクセス道路の整備につきましても鋭意推進していく所存でございます。
○亀谷博昭君 時間がありませんので、この問題についてはまだ別な機会にもう少しお伺いさせていただきたいと思います。 この大綱では年次を限って取り組むという施策が幾つか含まれております。九年度にとかあるいは十年度にというような項目があります。同時に、毎年フォローアップを行うとされておりまして、あるいはそろそろフォローアップがまとまるのかなというふうにも思いますけれども、その辺について最後にお伺いをさせていただきます。
○政府委員(和田敬司君) まず、年次を限っての施策でございます。総合物流施策大綱におきまして平成九年度中に講じるとされた施策のうちで、物流拠点整備指針の策定につきましては、総合物流施策推進会議のもとに設置されましたワーキンググループにおきまして三月二十七日に指針案を決定したところでございます。これを次回の総合物流施策推進会議を経て公表する予定としております。 また、規制緩和関係で施策大綱に盛られました事項ですが、平成九年度中に措置すべきであるとされた規制緩和事項、内航海運事業あるいは貨物運送取扱事業に関する事項でございますが、すべて措置したところでございます。 また、フォローアップでございます。現在、関係省庁さらにワーキンググループ、それから地方レベルでは地方の推進会議がございますが、これらのところが主体で去年度に講じた施策、それから今後講じる予定の施策につきまして取りまとめ作業を行っているところでございまして、作業の完了次第速やかに公表する予定にしております。
○亀谷博昭君 ありがとうございました。
○松前達郎君 民友連の松前でございます。 ここ数日、航空会社、特に乗員、パイロット等のストライキがいろいろと報道されていますね。私もちょっと困った状況にもあるんですけれども、これは恐らく日米航空交渉の結果、いわゆるリストラといいますか、そういった面も含めて交渉が行われて、それに対する不満としてストライキだというふうに理解をしているんですけれども、非常に厳しい競争時代に入ったということは、これはもう事実でございます。 そこで、日米航空交渉の合意内容及び日本の航空会社の競争力に関して質問をさせていただきたい、こう思います。 まず、運輸大臣の御見解を伺いたいんですが、戦後に残った唯一のアンフェアと言ったらいいんでしょうか、アンフェアと言うとアメリカの人は非常に嫌がるんですが、不平等条約というふうな表現になると思いますが、日米航空協定の是正、この問題がずっと残っていたわけであります。これが長年にわたる交渉が遂に合意に達し、三月十四日でしたか合意文書が調印されたということであります。先発企業への全日本空輸の格上げが実現したということ、これはそういう点で言いますと日本にとって著しい不平等があった点は確かに改善されています。全体として見ますと不平等ということに関してはそれだけを見たら言えなくなるという状況だと思うんですが、今回の合意が我が国に一体どういうふうなメリットをもたらすのか、これをまず大臣から御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 先般三月十四日、ワシントンに赴きまして、日米航空協定合意の覚書に署名をしてまいりました。 今、松前委員の御質問の中にありましたように、これは一九五二年、昭和二十七年に結ばれた協定を四十六年ぶりに改定したわけであります。私より大先輩の松前委員はその時代のことを十分承知でありますが、昭和二十七年といいますと、まだ我が国の国際定期便が飛んでいない時代のときに結ばれた協定でございますから、そのこと一つとりましても、時代の背景もございますけれども不平等である、それが四十六年間改定されないままに今日に至ったというので、今回の合意は非常に歴史的ではあります。しかし、それは、先人の皆さん方の御努力によりまして我が国が世界の中でも経済大国と言われるくらいに発展をしてきたわけでありますけれども、一方では世界が激しく変化する中での、これは航空業界に限らず船もそうでありますけれども、大変大きな競争の時代に入ってきたということでありますから、そういう中で、今回の協定におきまする合意というものは、日本にとっては機会均等の協定だということで評価をいたしているところであります。 そういうことの中で、効果といたしましては、今後自由競争ということが濶達になりますけれども、それは言ってみれば、利用者あるいは消費者から見れば運賃の面あるいはサービスの面、また今回の協定におきまして効率的な運営が図られると思って期待をいたしております。 しかし、御指摘ございましたように、競争が大変激しくなりますから、我が国の航空業界と申しましょうか企業にとりましては体力をつけなきゃいけませんし、またそのためには企業内での合理化、リストラと申しましょうか、そういったことも図っていかなきゃならない。 今般のストライキに関しましても、これは企業内での労使関係の問題でありますから、運輸省といたしましてこの点につきましてはコメントする立場にはございませんけれども、一日も早く労使関係の話し合いが合意に至り、利用者の皆さん方に不便をおかけしないように我々祈っているところでありますし、また期待をいたしておるところであります。 しかし、いずれにいたしましても、平等の機会が与えられるといいましても、世界におけるアメリカの航空業のシェアは三分の一を占めております。そういう意味では圧倒的にアメリカの航空業界が非常な力を持っていることも事実でありますから、そういう中で運輸省といたしまして、国内の航空企業がそういった厳しい競争の中で対抗し得る、競争し得るための政府としてあるいは運輸省としてどういうことが支援できるだろうか、どういうことが我々としては政策として打ち出していけるかどうか、そういったこともこれから十分踏まえて検討していかなければならないと考えておるところでございます。
○松前達郎君 オープンスカイというんでしょうか、長年の懸案だったのが合意された。これは大変結構で、御努力に対して心から敬意を表したいと思いますけれども、ある意味で言うと航空ビッグバンというんですかね、そんなようなことになるんじゃないか。 そこで、新しい日米航空協定が実質的に日本の航空会社、これはある意味でいうと、今大臣がおっしゃったのは、利用者側からは確かにこれはよくなるわけです。ところが、経営者側で見ますとこれまた大変な競争に入りますから、厳しい状況が出てくるわけであります。機会均等は確かにできておると思います。例えば、先発企業数も三、三ですから全く同数ですし、それから後発企業数も七、七です。これも数字としては同数である。それから路線権益も無制限で平等化されている。チャーター優等に関しても年間四百便ということでお互いに同じ数字です。 ですから、数字で見ますと確かに不平等が是正されたというふうに見ていいのだろう、こういうふうに思いますけれども、よく見ますと、どうもアメリカの後発企業には随分大幅な増便が認められるんじゃないか、こういう点が一つ懸念されるわけであります。両国とも後発企業の場合ですと七社とすることが決まっています。ところが、よく見ますとこれもアメリカが有利な面があるんじゃないか、こういうふうに私は見ているんです。現在日本が四社、アメリカは五社後発企業にございますが、アメリカは新たにTWAとUSエアが加わるということはほぼ確実じゃないか、こういうふうに思われるんです。日本の場合だと、全日空と日本貨物航空が先発企業に格上げされましたから、その結果新たに加わるのが可能な後発企業は五社ということになるわけです。しかし、これは五社ないわけですね。数は五社用意されても実際に五つを満たすだけの企業がない。ですから、権利を行使できない。しかも、これは年度が限られています。そういったような問題が一つ出てくるんではないかということです。 それから、以遠権も同じようなことが考えられるんです。アメリカの航空会社は、航空需要が非常に大きいアジアへ日本を経由しての路線展開ができると思うんですが、日本の場合ですと、アメリカ国内から中南米にしか路線展開はできないだろう、大きな利益が期待できないということも危惧されるわけです。 業界の試算というのを拝見しますと、新しい協定が発効した後の日米航空路線の収入規模、これは日本側が二百八十億円増の三千三百二十五億円、それに対しましてアメリカ側は七百五十億円増の六千六百五十億円。これは試算ですから果たしてそうなるかどうかわかりませんが、そういうことも言われているわけでありまして、合意によって機会は確かに均等になったわけでありますが、実質的に日米の格差は縮まっていないんじゃないか、私はそういうふうに解釈しているんですけれども、その点の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) お答えをいたします。 まず、先生オープンスカイということをおっしゃいましたけれども、私どもの方は、アメリカが主張しておりますいわゆるオープンスカイということは今回まだ受け入れていないということでございまして、今回の合意は四年間有効であって三年後に自由化の交渉を再開するということでございます。そして、再開交渉がまとまらなかったときの五年目以降の保証措置、セーフティーネットと申しておりますが、こういったものを合意したということがございまして、この間に我々の方としては競争力をつけていこうというところが基本的な方針でございます。 それで、実はさっき大臣から申し上げましたように、もともと日米だけが二国間が平等に機会があるという大原則から離れた実際の協定になっておりましたものですから、ほかの国との間ではそういう形で二国間平等でやっていけるということで今まで協定を結び、運用してきたわけでございますが、日米だけはそういうことがなかった。したがって、そういう点について今ようやく環境の整備が図られ、国際線における機会均等というものが、対等に競争できる環境ができたというふうに我々思っておりまして、これからそれをやっていかなければいけない。 後発企業の数が現実の数としてまだ足りないとか、あるいは以遠権の問題等々先生おっしゃった点、私どもも確かにそういう一面はあるなというふうに思うわけでございますけれども、やはり今申し上げましたようなことで、まず第一に日本の企業がそれについて力をつけていくことが必要である。 そして、実は国内線におきましても、先生御承知かと思いますけれども、今運輸政策審議会の航空部会というところで、国内のそういった需給調整規制を撤廃して自己責任に基づきます競争というものを図っていく措置をやっておりますので、こういったものと両々相まって、何とか企業の体力をつけることも我々の方もあわせて図っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○松前達郎君 ある程度期限を切ってのお話があったんですが、その間につぶれることはないと思うんですけれども、しかし、業績から見ると確かに物すごい差が出ているわけなんです。 今、アメリカ以外のところは別にしまして、例えばアメリカの航空会社との差を見ますと、アメリカン航空が九七年度の税引後の利益が約十億ドルあるんですね。それに対して、日本のフラッグキャリアであると言われる日本航空の場合は税引後で九十二億円の赤字なんです。片方は十億ドルの黒字、片方は九十二億円の赤字。九八年度決算になりますと、税引後で九百七十億円の赤字となる。そうなりますと、余り時間を待っていますと、どんどん累積赤字がふえていくんじゃないかという心配を私はしているわけです。私は日本航空の経営者じゃないですから別にどうなってもいいと言えばそれっきりですけれども、しかし一応これは日本を代表する航空会社である。こういうことになるわけでありまして、同じ土俵で競争するとどうも不利になるというふうな感じを私は持っているわけであります。 こういった面に対して、今まで日本の航空会社というのは比較的保護された形で運営されてきていますから、それが保護がなくなりますともう裸になってやらなきゃいけない。これは大変だと思うんですが、何らかの形で国際競争力の強化の策を講じるべきじゃないだろうか、こういうふうに思っているんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) 先生おっしゃいましたアメリカン航空でございますが、報道によりますと、九七年の通年で純利益が九億八千五百万ドルということになっております。これは先生のおっしゃる数字でございます。なぜこのように米国企業が利益を確保しているかという点を考えてみますと、その背景といたしましては、カーター政権が行いましたいわゆる規制緩和、こういうものによります競争を勝ち抜いてきたことによりまして収益を上げやすい企業経営を構築してきたこと、あるいは最近の米国の好景気、こういったものが原因であろうと推測されるわけでございます。 それから一方、日本におきましては、先ほど先生御紹介ございましたように、日本航空につきましては、これは平成八年度でございますが、当期利益が九十二億円の赤字ということになっております。これは燃油費の高騰、対前年比二六%増というようなことがございまして、そういったこと等々がございましてこのような形になり、また九年度に入りましてからは、国際線における旅客需要が、実はずっと対前年増だったんですが、十二月以降に対前年割れということで低迷をいたしました。以後も少し低迷しております。売上高が予想よりも減少いたしまして、平成九年度の経常利益の見込みにつきましては、中間決算時見込みの百八十億円から五十億円に減額修正されたものでございます。 こういったことがございまして、先ほど先生おっしゃいましたように、思い切って積立金を取り崩す等によりまして、日本航空は経理について一新をしたわけでございます。また、その他の航空会社につきましても、全日空などはたしか二十九年か三十年ぶりに無配になる、JASも今回経営の見通しを変えましたので、JALとJASにつきましては六期連続無配の見込みである、こんなようなことになってきておるわけでございます。こういったものにつきましては、景気の停滞感の影響とか、あるいは競争の進展に伴いまして旅客運賃収入単価が低下していることが原因と考えられるわけでございまして、そういう意味でのイールドと申しますか、旅客運賃収入単価がどういうふうにすればよくなるかという点があるわけでございます。 現在、このように厳しい状況にあります我が国航空事業者の経営を改善するためには、まず第一義的にはやはり各社の一層のコスト削減努力による経営体質の強化が必要であると考えておりまして、その他行政側にもできることがあれば我々はやっていきたい、こう考えておる次第でございます。
○松前達郎君 旅客が少なければ収入が少ない、これは当たり前の話ですね。同じ路線で言えば、大体同じ機材を使って同じ時間で飛んでいるわけですから、その収入としてはそんなに変わるはずがないんで、経営のやり方とかそういうものももちろんあると思いますがね。 しかし、それはそれとしまして、経営努力というものに期待しなきゃいけないと思うんですけれども、それには前から問題になった空港使用料の問題があるんです。日本企業の国内線経費に占める公租公課の割合は四分の一近くになる。ところが、それを例えばケネディ空港に比べてみると四・四倍だというふうなデータもあるわけです。こういった公租公課の負担を抱えたままで経営努力しろと言っても、公租公課だけをいじくれば経営がよくなるとは限りませんけれども、やはり抱えたままでやっていけというのも多少気の毒な感じもするわけであります。運賃を引き下げようとしても限界があるのではないか、アメリカの航空会社と互角に競争することもできなくなるんじゃないか、こういう面が一つ考えられるんです。 運賃の低減や利便の向上を目指すということであれば、コスト削減の足かせといったら大げさかもしれませんが、公租公課の引き下げも検討するべきだろう、こう思うんですけれども、その点何かお考えございますか。
○政府委員(楠木行雄君) 実は言葉の使い分けの問題で恐縮でございますが、公租公課というのは、私たちは航空機燃料税のように税のことを公租公課と考えておりまして、空港使用料につきましては、これは公租公課という言葉ではなくてむしろ空港を利用する対価として支払われるものだと考えております。 それで、航空機燃料税と空港使用料を合わせますと先生おっしゃったようなパーセンテージになるわけでございますが、航空機燃料税につきましては、空港整備五カ年計画の実施に際して空港の整備拡張や航空機の騒音対策あるいは航空保安施設等の安全対策の財源を充実させるために創設されたものでございます。ただ、これももう二十年近く、五十四年から値上げをしていないという状況でございます。 それから、使用料につきましては、公租公課ではなくて先ほど申し上げたように営造物である空港を利用する対価として支払われるものであると考えておりますが、これは御指摘のように我が国におきましては国土の制約から空港建設コストが非常に高くなるということ等ございまして、世界的に見てもかなり高い水準になることは事実でございます。ただ、これも五十五年ぐらいから値上げをしていないというふうに、かなり我々の方もそういった面の努力はしておるつもりでございます。 一方で、非常に問題なことは、やっぱり我が国の安定的な発展のためには大都市圏における拠点空港等の整備を時期を失することなく進めていくことが不可欠であるという事情がございまして、今回の予算にも関西空港の二期の現地着工準備事業費とかあるいは中部空港の新規事業着手とかというのが盛り込まれているわけでございます。そうなりますと、極めて厳しい財政事情のもとで、一般財源の確保に制約がある中で、空港使用料や航空機燃料税が空港整備の主要な財源となっておりまして、その水準を直ちに引き下げることはなかなか困難な状況にあるということについて、何とぞ御理解をいただきたいと考えておる次第でございます。
○松前達郎君 今、空港整備のお話が出たわけなんですが、最近、特に地方空港で、一県一空港といいましょうか、県によっては二つ空港を持っているところもありますけれども、この計画がずっと進められてきて、まだあと残っている県が幾つかあって、それもまたやりたい、空港をつくりたいと、こういう要望もあるようであります。 どうも見てみますと、空港が各地にできるのはこれはいいと思うんですけれども、実際問題として需要があるのかどうかですね。これも事前のアセスメントがきちっとやられていないと、できたはいいけど全然着陸する飛行機がないと。 これは実は守住先生から伺ったんですけれども、例えば熊本に熊本空港という空港がありますが、それ以外に天草に空港ができている、現にある。ところが着陸しないんです。ですから、しようがないから、地域でもって航空会社をつくろう、特にそれに対して県が金を出すとか、これがいいか悪いかというと、余りいいことじゃないと思いますね。それで、航空会社をつくって小型機をそこに飛ばそうと。恐らく乗らないと思うんですよ、自動車で行ったって飛行場まで行く時間ぐらいで天草に取りつけるんですから。余り意味がない。そういうことなんですね。 それから、長野にも空港あるでしょう、長野空港という。私は松本空港かと思ったら、長野空港というのがあるんだそうです。そこは着陸していないですね、空港はあるけれども全然使われていない。 そういうのがあちこちにまだ探せばあると思うんです。そういうことでは困るので、やはり空港整備ということも含めて、先ほどもお話しありました事前の評価というものを十分やってから取りかかりませんと、地方自治体はそれに対する分担金もありますから大変だと思うんです。今空港の維持に対する分担というお話が出たので、そのお話を申し上げたんです。 そういった面から考えまして、やはり何らかの手だてをしておかなきゃいけない、危機管理の面からもしなきゃいけないだろうと私は考えております。そういうふうな面で何か特別にお考えがあればいいんですけれども、船舶の場合だと、国際船舶制度というのがあるんだそうですね。これも今申し上げたような危機管理の面を含めての一つの制度だろうと私は思うんですが、航空関係でも、国際競争にさらされている以上、そういうものが何かあってしかるべきだろう。今それをやりませんと、どこかでつまずいてしまってから、自助努力といったってもうできないところまで入っちゃったらこれはおしまいなんですから、やはり立ち上がりのところだけは何とかしてやらないといけないだろう。何かうまい案があればぜひお考えいただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(楠木行雄君) 必要な空港をつくり、必要でない空港はもうつくらなくてもいいじゃないかと、そのことだけ考えれば私も先生のおっしゃるとおりだと思うわけでございます。 ただ、日本の特徴を考えますと、南北とか東西とか細長いということで、そういう国土の特徴から航空輸送というのは非常に重要な手段である、あるいは海越えとか山越えとかそういう輸送にも効果的であるということで、地方空港はやはり必要不可欠な基盤施設であると考えるところは多いわけでございます。 現在、確かに地方空港につきましては、ブロックの拠点空港などにつきましては大分整備が進んできたということもございますし、それから一般の地方空港についてはジェット化率がもう九二%になっているといったことでかなり整備水準は高まっておると思いますけれども、必要なものについてはまだこれから整備を進めていく、それをどういうふうに考えるかというところが論点であろうと思うわけでございます。 それで、航空需要に対応した整備というものを基本に進めるべきであると考えておりまして、例えば平成八年度の実績で申し上げますと、座席利用率、ロードファクターにつきましては、全路線で見ますと六二・三%、ローカル線などは六〇・五%くらいになっておりまして、ローカル線の実績が特段低いというわけではございませんし、問題は先ほど申し上げましたイールド、旅客輸送単価の問題になるのかなと思うわけでございます。 しかし、大体このような形でネットワークがおおむねでき上がってきたという感じもございますので、私どもの方は、第七次空港整備七カ年計画におきましては大都市圏の拠点空港の整備を最優先課題にする、地方の空港については継続事業を中心に事業を進める、そして新規事業については需要というものがあるそういうところへの対応を基本としながら、就航率の向上など既存施設の高質化を図るための滑走路延長等所要の整備を進めることにしておるわけでございます。 また、これから計画段階でどのような見直しをしていくかという点につきましては、公共事業全体の見直しの問題もありますので、それに合わせて検討していきたい、こう考えております。
○松前達郎君 今私が申し上げたのは、ちょっと今の御意見と違うんです。というのは、見る基盤が違うんですよ、切り口が違うので、今は空港を主体にして見たわけですね。ですから、今おっしゃった利用率六〇%前後というのは路線があるところの利用率。路線がないのをゼロにした場合どうなるかというと、ずっと下がってしまうでしょう。ですから、空港から見た場合、はるかにまだ利用率が少ない、ローカルで大体六〇%前後というふうに聞いております。 そういうことで、競争でとにかく地方空港をつくろうというのが、これはニーズに応じてつくっているのか政治的につくっているのかわかりませんけれども、その辺の事前評価というのは十分やりませんと、特に冷静に客観的にやらないと意味がないことになっていくんじゃないか。その辺を申し上げたわけであります。もしお答えがあれば。
○国務大臣(藤井孝男君) 空港整備に関しましては、今、松前委員の御質問を聞いておりまして非常に大事なところのポイントをついておられると思います。先ほど亀谷委員からも、時のアセスに関しまして事前評価あるいは事後評価ということもございました。これは空港に限らず今後とも公共事業、社会資本の整備というものを進めていくに当たりまして、やはりニーズという面ももちろんでありますけれども、特に空港の場合はその地域の方々の要望が非常に強いわけであります。ただ、その地域の皆さん方の要望の強さと実際の需要がどうあるべきかということは非常にここのところの関係が難しい問題があろうかと思います。 それからもう一つは、モーダルシフトという時代になってきておりますから、鉄道の効果の見直しというものも、再評価というものもされつつある。むしろ鉄道は高速性あるいは定時性、さらには大量輸送、そういった面で非常にすぐれているし、あるいは環境という問題をとらえた場合に、非常に環境に優しいものは鉄道ではないか。 そうした中で、整備新幹線の整備を進めて、先般も九州におきまして私も起工式に行ってまいりましたけれども、やはりそういった陸海空のいわゆる交通網の一体的整備の中で、まさに今おっしゃられましたように、空港の整備というもののあり方は今後そういう点も十分踏まえて整備していかないと、結果においては使用されないあるいは使用されてもコストとの関係で採算に合わないというようなことがあってはならない。 そういう意味で、我々は今後の空港整備、必要性は十分認識しておりますけれども、そういった点を十分踏まえながら整備を進めていかなきゃならない、このように考えているところでございます。
○松前達郎君 今大臣がおっしゃったことに私全く賛成なんですが、やはり考えてみますと、海の交通ですね、海運と、それから陸上では鉄道、これが最も私は効率的だと思うんです。鉄道の場合ですと、夜間は物資輸送に使えばいい、昼間は旅客輸送、そういうふうな面で考えると二十四時間使えるわけです。海の場合は大量輸送に適していますね。日本が発展したのもそういう海の輸送を利用して安い素材を外国から入れた、そういうことがあります。 ですから、その辺をもう一遍見直しながら、空の方とのバランスを考えていった方がいいんじゃないか。空港をつくってもそこにアクセスできないようじゃ困りますし、それの総合的な評価、それをひとつぜひお願いをしたい、こう思います。いろいろと要望だけは出てくると思いますけれども、その要望に勝てるように、勝てると言っちゃおかしいんですが、その要望に対して十分説明ができるような施策をひとつ考えていただければと、こう思います。 そこで、次の問題ですが、技術関発研究に係る評価制度なんですが、これは十年度の予算で五百六十四万六千円でしたか計上されているというふうに見たんですが、その目的と内容を簡単に説明していただけませんか。
○政府委員(土井勝二君) お答え申し上げます。 技術研究開発の評価につきましてですが、これは平成九年八月に取りまとめられました国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針、これは政府の方針ですが、これができまして、運輸省におきましてはこれを踏まえて、運輸省で実施している研究開発内容に適した効果的な評価制度の構築をするということで、平成十年二月に運輸省研究開発評価指針を決定し、これによりまして評価を実施しているということにしてございます。 それで、お尋ねの十年度予算に計上されている五百六十四万六千円でございますが、これは技術研究開発を効果的に推進することを目的として運輸省研究開発評価指針に基づき実施する機関評価、これは各研究所についての評価でございます。それからテーマ別の課題評価、これらのテーマ別評価、課題評価の総括、これらに要する経費としてこの予算案に五百六十四万円が計上されております。 具体的には、機関評価の実施に必要な資料の整備であるとか、あるいは外部専門家等の第三者によって構成される評価委員会の運営等を行うこととしてございます。
○松前達郎君 技術評価のことに関連するんでしょうけれども、我が国の場合ですと、科学技術基本法という法律ができて、それに基づく基本計画が策定されて今推進されつつある。そういうのはいいんですけれども、問題はその評価の問題なんですね。事前に評価して、果たしてこれだけの金をつぎ込んでいいのかどうかという評価がもちろん最初に必要である。それと、先ほどもお話出ましたその進行段階における評価、再評価も含めた評価、それと同時に、その目的がある程度達成されたときの事後の評価、この三つの組み合わせというのはぜひともこれは必要なことだろうと思うんです。 アメリカでも、OTAというのは御存じだと思いますが、最近になってどうもOTAは金がかかり過ぎるというんでやめちゃったみたいなんですが、技術評価局、オフィス・オブ・テクノロジー・アセスメントがあってこれをやっている。確かにこういう評価というのは非常に重要だと私は思うんです。ですから、ぜひこれを進めていただきたい。 そこで、一つだけ私が気にかかっていることがあるんですが、それは大月のところを通りますと、上に橋があってリニアモーターカーの実験の路線が走っている。宮崎の実験線の場合、私も実際にそこに視察に行かせていただいたんですが、宮崎は速度が目標だったと伺っているんですね、五百キロパーアワーです。この走行に対しての実験であった。ですから、結果としては平成七年に四百十一キロの有人の運転が行われたということで、ある程度の目的は達成されたというふうに見てもいいかもしれません。 これは速度の可能性を追求したのであって、ほかの条件は余り配慮されていない。例えば勾配ですとか、その他橋梁ですとかいろいろありますね。そういう路線に関する他の条件というのは余り考慮されていなかったというふうに伺っているんです。それだから、多様な条件のもとでの長期耐久性や、あるいはトンネルもありましょう、橋梁もある、勾配などもある、こういうものを盛り込んだ、実験ではなくて実際にそれを行う場合の条件というものを入れた実験が行われるべきだということで山梨実験線のプロジェクトが設定された、こういうふうに伺っているわけです。それで、平成九年の二月には五百五十キロというスピードも達成された、こういう経過だろうと私は思います。 さて、これは一体今後どうなるんでしょうか。スピードだけがすべてじゃないと私は思うんです。建設の費用もあります。これも先ほど委員からいろいろと質問もありましたけれども、やはりそれぞれ金を投入するわけですね。そういうふうなものと、それから実効としてはスピードだというけれども、スピードをそんなに速く上げていいんでしょうか。そんなに慌てることはないと思うんです。しかし、スピードが出るのはそれしかない。線路の上を走るような状況ではなかなかスピードは確保できないということであれば、そういう面ではいいかもしれません。 総事業費が三千四十億円、これはJR東海と鉄道総合技術研究所、国の三者が分担ということで始まったと思うんですが、もう既にその枠としては七〇%程度使ってしまったんじゃないでしょうか。それで、まだ未着工の路線もあります。こういった問題について、今後どういうふうにされるつもりなのかそれをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) 先生お話しのように、超電導リニアモーターカーの技術開発につきましては、平成九年より山梨実験線におきまして本格的な走行試験を開始しております。一つの目標でございます目標最高時速五百五十キロメートルにつきましては、昨年の十二月に記録させていただいておりますように、着実に成果を上げておると認識しております。 平成二年度に山梨実験線の建設に着手して以降、九年度までに要しました費用でございますが、実験線の建設費、実験車両の製作費等合わせまして概算で約二千四百億円、そのうち国費は約二百七十億円という内容でございます。 また、平成十年度以降の技術開発でございますけれども、今後は二編成の車両を使いまして高速のすれ違い試験、あるいは複数列車試験等を実施することとしておりまして、まだ残された課題も多く、楽観はできませんが、平成十一年度末までには長期耐久性試験の一部を除きまして実用化に向けた技術上のめどを立てたいということで努力しているところでございます。
○松前達郎君 実験の目的はそれでわかるんですが、実験の目的が達成されてすべて終わってしまうということだったら意味がないんですね。やはりこれは将来は営業対象に考えていくんだろうと忌んですけれども、もしかその辺で営業としてこれが適当な方法でなかった、適当な技術開発ができないということであればやめるんですか、そこで評価するんでしょうか、その辺が一つ。 それからもう一つ、私がちょっとわからないのは、大体こういうのはバブルの時代に計画を立てているんですね。それでだんだんと経済状況が変わってきますと、それに対する見直しも必要になってくるであろう。その最初の時点でこういうことが言われているんですね。質の高い交流基盤の整備という時間的要素が非常に加味された生産性に対する時間的価値という言葉が使われている。だけれども、こういった問題は、これから人間がただ往復するために必要だというだけならまた別なんですが、そういったもっとレベルの高い要求にこたえたいというのであれば、それなりのやり方は別にあると思うんです。 例えば、情報化社会になってきましたから、人間が一々行って情報を伝えなくてもいい時代になってくる。物を運ぶんだったら貨物輸送ですから、これはまた全然違う。だから、その辺でリニアモーターカーの果たす役割というのはどうも私は少し疑問に思ってきているわけです。 しかも、建設費が高い。今実験線は一番山の中をずっとやっていますけれども、これが都会に入るとき、あるいは甲府までつながるのかどうか知りませんが、そういったようなときにまた建設費というのが膨大になってくる。それで運べる人数というのはそんなに多くないはずですね。スピードが速いから、そのスピードで人数を稼ぐといえばそれっきりですけれども。 そういうふうなことなので、こういったものについて、これからすれ違い実験とか今いろいろおつしゃいました。これをやるのは構わないと思うんですが、ある程度の技術的な確信を得た段階でこれを実用化していくのかどうかというところに踏み込んでいくわけですが、これはいつごろになるんですか。二年後だと思いますけれども、そのころに再評価したいというふうな意見もあるんですけれども、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) 今後の進め方でございますけれども、当然我々、平成十一年に向けて技術開発しております目標の一つとして、御案内のように経済性の目標も念頭に入れてございます。具体的には、採算性を踏まえたシステムの経済性を確立するということで、物理的な技術の速度、安全性等々のほかに、この要素も入れながら実は研究を進めているわけでございます。 こういうものをある程度めどを立てた中で、次の、実は先行区間で現在実験を行っておりますけれども、全体の四十二キロ余りの実験についてもこういうステップを踏みながら、確認しながら進めていこうということで進めているわけでございまして、その次の段階の営業、実用化に向けて、つなぐ過程として、第一段階での採算性を踏まえたシステムの経済性を確立するというステップを着実に踏まえた上で次の実験に移り、その次の実用化に向けてのまたステップに移っていく、こういう意味で、常々節目ごとの評価を繰り返しながら着実な開発を進めていきたいという趣旨で現在進めているところでございます。
○松前達郎君 ぜひその辺を、ステップごとにきちっと評価をされて進めていかれた方がいいと思うんです。もしかその段階でこれは余り効果が上がらない、経済的にも余り意味がないとなったときには、そこで再評価してやめるということも考えられるんですね。まあメンツが立たないかもしれませんけれども、その辺どうか十分配慮された方がいいんじゃないか、こう思うんです。 リニアモーターカーというのは、実は私の大学のある教授が設計しているんです。デザインしているんですが、窓が全然ないんですね。モデルを見て、窓がないのは一体どうなんだと言ったら、トンネルばかりだから要らないと言うんです。大砲の弾に乗っているんじゃないぞと僕は言ったんです。そうしたら窓を一つぐらいつけたようですが、鉄道というのは駅から出ていくときの別れというのがあるんですよね、それもなしにただカプセルへ入ってしまったら目的地に着くまで二十分ぐらいは何も見えないというのはどうも余りおもしろくないですね。それはちょっと余談ですけれども。 高速で移動することの必要性というのが一体どの程度あるかという問題も十分配慮しなきゃいけないだろう。もしかそれが経済的によければ日本国じゅう張りめぐらすのかということになりますけれども、そうはいかないだろう、こう思っております。それよりも新幹線とかそういったものの整備をさらに進めた方がいいのではないか、こういうふうにも思うんですけれども、これは私の意見ですから、そのとおりおやりになるかどうか、それは十分御配慮いただきたい、こう思います。 以上で私は終わります。
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。 一昨日は明石海峡大橋が無事に開通いたしまして、運輸大臣、建設省、また本四連絡橋公団の皆様、大変お疲れさまでございました。私も出席させていただきまして、一つの歴史に残る大偉業を無事終えられた、そしてまた無事故で完遂されたことに対して、本当におめでとうございました。 今回、この夢のかけ橋明石海峡大橋が被災地の神戸また淡路の将来の希望を託されて供用開始されました。神戸と淡路は、ともに真珠、パールの生産で全国的に群を抜いているんですけれども、そういう意味からこの橋は通称名パールブリッジと呼ばれております。 その歴史は、構想以来ほぼ一世紀の歳月を要し、大正三年、帝国議会予算委員会において徳島県選出の中川代議士が鳴門架橋に関する建議案を出されたのが始まりと伺っております。古来、瀬戸内海及び大阪湾は海上交通の要所として重要な役割を果たしてきたのはもう御存じのとおりでありますけれども、明治以降、陸上交通の必要性が人々の中に認識されて強い願望となっておりました。こうした人々の長年の願望とは裏腹に、架橋技術の困難さに阻まれて、夢のかけ橋のネーミングは、そういう熱い思いがこの背景にあることを物語っていると思います。 その夢のかけ橋が一昨日、長い式典とイベントの後、午後五時から一般公開されました。この地方、地元の神戸、淡路にとってどのような経済波及効果があるのか、人、物、文化の交流に大きな期待がかかっております。 そんな中で、まず運輸省にお尋ねしたいと思います。 昭和三十二年、神戸市市議会に明石架橋に関する調査費が上程されて以来、今日までさまざまな変遷を経てきました。当初五ルートの誘致合戦が、土木学会への技術問題の委託を経て、建設省と運輸省は工事費用とかまた区間の調査を実施して最終的にはこの三ルートに絞られました。昭和四十四年、この三ルートを昭和六十年までに建設することを新全国総合開発計画に記述され、翌年、本四連絡橋公団が設立されて、神戸−鳴門ルートと児島−坂出ルートは道路鉄道併用橋として、また尾道−今治ルートは道路単独橋として工事の認可がおりました。 しかし、その順調な滑り出しに待ったをかけるがごとく、当時石油危機による総需要抑制策のため工事の着手の延期が伝えられて、それ以来、昭和六十一年の四月二十六日の着工まで十六年の歳月を待ち続けることになりました。しかも、鉄道は外されて道路単独橋として工事が着工されました。 そこでお聞きしたいのですけれども、なぜ道路と鉄道併用橋が単独の道路になったのかお尋ねいたします。
○政府委員(小幡政人君) 明石海峡大橋につきましては、お話のように、昭和四十八年当時、道路鉄道併用橋として計画されておったわけでございますが、その後、国鉄の財政悪化と採算性の面から明石海峡大橋を併用橋として早期に着工することは困難となってきたというのが一点。二点目に、明石海峡大橋と相まってその効果を発揮する大鳴門橋が、昭和五十一年に着工したわけですが、昭和六十年六月には開通したということから、従来からございました道路単独橋として早期着工を求める地元の声が一層強まる状況となってきたということがございます。 一方、昭和五十六年より本州四国連絡橋公団におきまして道路単独橋の可能性調査が行われていたわけでございますが、昭和六十年四月に提出されました調査結果で、技術上、採算上道路単独橋で問題はないとの結果が得られております。 このような状況を踏まえまして、調査結果を関係三省庁で検討いたしました結果、昭和六十年八月に、明石海峡大橋の取り扱いについては同橋を道路単独橋として早期着工することが適切であると判断されたものと承知しております。
○但馬久美君 今、鳴門大橋の併用橋の話も出ましたけれども、これはむだな投資があったのではないかということを心配しておりますけれども、その点はどうお考えでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) お話のように、昭和六十年六月八日より供用開始されております大鳴門橋は、新幹線規格の鉄道を併設する道路鉄道併用橋として計画されておりまして、橋梁の構造なり強度につきましては、新幹線規格の鉄道を敷設し得る構造なり強度ということで建設されております。ただ、具体的に鉄道を通すための施設工事等は行っておりません。 こういう状態の大鳴門橋の鉄道利用につきましては、御案内のように四国新幹線の取り扱い等を勘案しつつ、仮に計画が具体化した場合には本州との連絡の方法を初めといたしまして今後長期的に検討すべき問題であるというふうに認識しておるわけでございます。
○但馬久美君 じゃ、今後そういう鉄道と道路に使うということで今そのまま進行しているということなんですか。——はい。 この明石海峡大橋の完成で、道路においては淡路から神戸、大阪を経て関西国際空港まで高速で結ばれ、大阪湾U字形ネットワークができ上がったという感じがいたします。さらに、大阪湾の環状線道路が構想されていると聞いておりますけれども、それに比べて鉄道のネットワークの変化が大阪湾岸における場合余りないように思います。 陸上の人の輸送については鉄道にまさるものはないと思います。これにはちょっと理由があるんですけれども、阪神・淡路大震災の折に、阪神間の鉄道の輸送量は震災前は八十万人でありましたが、震災後、代替バスとかの輸送では最大でも二十二万人ということで鉄道の四分の一ぐらいしか輸送ができないということで、一概には言えませんけれども、物資の輸送は道路、そして人の輸送は鉄道というふうにイメージとしてはどうも定着しつつあるように思います。このことは、日本がまだ経済優先で人の生活は二の次になっているような、そのような危惧をするわけでございます。 そこで、運輸省にお尋ねいたしますけれども、大阪湾岸地域において道路整備がどんどん進んでいるのに比較して、鉄道面がもう一つという感がしております。運輸省はこのことをどう感じておられるのか、お聞かせください。
○政府委員(小幡政人君) 大阪圏の鉄道整備の進捗状況でございますけれども、我々は、平成元年五月に答申をいただいております大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画、これに従って整備を進めているわけでございますが、現在まで、その計画の四割に当たります百三十キロメートルについては既に開業に至っております。また、約三割に当たります九十キロメートルが現在工事中あるいは免許の取得済みということになっておりまして、残り約三割が未着手となってございます。そういうことで、全体的にはこの整備計画が着実に進んでいるというふうに認識しておるところでございます。 特に、大阪湾岸の周辺について見ましても、昨年末に大阪港トランスポートシステム、具体的に大阪港−中ふ頭間三・七キロメートルが開業いたしまして、着実な整備が進んでおるというふうに認識しておるところでございます。 今後とも、大阪湾岸周辺のみならず大阪圏の鉄道の計画的かつ着実な整備は不可欠であると認識してございますので、新線建設あるいは複線化等の計画路線の整備を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
○但馬久美君 鉄道整備、本当に今鉄道は乗りかえとかそういうのが多くて非常に不十分であるという思いがいたしますので、ぜひその点も考慮していただきたいと思います。 次に、建設省にお伺いいたします。 この明石海峡大橋について、今回、本四公団を初め建設省の皆様、本当に大変御苦労さまでございましたと申し上げたいと思います。 阪神・淡路大震災が建設途中に襲ったわけでありますけれども、これは軽微な被害で済んだわけですが、ただ主塔が約一メートルほど移動したと聞いております。これは工事に余り影響はなかったと伺っておりますけれども、それがどうであったのか、また地盤についてはどうであるのかお聞かせください。
○参考人(縣保佑君) 明石海峡大橋を含む神戸淡路鳴門自動車道につきましては、おかげさまで、一昨日、無事供用の運びとなりました。御協力、御理解をいただきました皆様に改めまして御礼と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 ただいまの御質問でございますが、地盤につきましては、既往の活断層とかそういうものを綿密に調べて、そういうもののない位置を選定しておりますし、それから地震につきましても、百五十年に一回近傍直近で起きるようなものに対しても安全なような設計をしておりまして、結果、地殻のずれで合計一メートル十センチ長くなりましたけれども主塔は無事であったということからも安全が立証されたと考えております。
○但馬久美君 また、この橋は地震とかまた風圧とかというのに耐えられるようになっているのかどうか、その設計ですね。難しく説明なさらないで国民にわかりやすく御説明をお願いいたします。
○参考人(縣保佑君) 特に風につきましてわかりやすく申し上げたいと存じますが、全長で四千メーターありますので、縮尺百分の一といいますと四十メートルの大型模型をつくりまして、風を吹かしまして風洞実験をしておりまして、これによりますと最大瞬間風速八十メートルでも大丈夫なように設計してございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。 この橋の歩道あるいは自転車道の敷設についてお伺いしたいと思います。 尾道−今治ルートには自転車道路が敷設されていると聞いております。この明石大橋は自動車道専用となっております。そこでお尋ねしたいんですけれども、この明石大橋は歩道あるいは自転車道は技術的に可能であるのかどうかお伺いしたいと思います。
○参考人(縣保佑君) 世界最長のつり橋であります明石海峡大橋でございます。ただいま御説明いたしましたように、大型模型実験による風洞実験など各種実験を行いました。また、新しい技術や資材を開発導入して未知の分野を克服いたしまして建設しようやく完成に至ったものでございまして、したがいまして、ここに新たに自転車・歩行車道を付加することは、空間の確保や施設の設置に伴います耐風安定上の観点から技術的に極めて厳しいものではないかと考えているところでございます。
○但馬久美君 私は遊歩道というか、そういう市民に開放できるような部分が必要じゃないかなと、おとつい行かせていただいてそういうふうに感じたわけなんですけれども、そういう自然とか、また技術的にもやはり人が歩くことは難しいということなんでしょうか。
○参考人(縣保佑君) 全長四キロメートルという長い距離と自然条件が非常に厳しいのでそういうことは無理でございますが、1Aと申しまして、アンカレージのところに県の方が一部百五十メートルほど展望施設を設置しておりまして、そこは歩くことが可能でございます。これにつきましても私ども実験をしまして、ここまでだったら大丈夫ということで県と協力して設置したわけでございまして、全長四キロメートルというのはちょっと難しいのではないかと思います。
○但馬久美君 次は、明石海峡大橋の通行料金についてお伺いしたいと思います。 二千六百円が通行料金でありますけれども、これは聞くところによりますと、瀬戸大橋の交通量が予定の半分程度しかなくて予算が合わないということを例にとりまして、建設費の償還期間を当初の三十三年から五十年に延長し、通行料金を安く設定しようというねらいがあったということですけれども、これはどれぐらいの交通量を予定していらっしゃるのかお聞かせください。
○参考人(縣保佑君) 当公団におきましては、この四月から新しい料金を適用させていただいておりますが、この認可申請に当たりまして予測交通量を改めて見直しました。これによりますと、明石海峡大橋橋上交通量は平成十年度で一日当たり平均約三万台と予測しております。
○但馬久美君 この点に関して建設省の方にもちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(奥平聖君) 今、本四公団から回答を申し上げたとおりでございます。初年度一日二万台でございます。
○但馬久美君 この神戸と淡路−徳島−鳴門間の通行料金は、本来の通行料金を二割引いていらっしゃって六千五十円に設定したようですけれども、四国の方々が神戸や関西に来られるのに道路通行料金が六千五十円、往復で一万二千百円です。その通行料金に抵抗するのは私だけではないと思います。もう少し安く設定するということで、交通量で採算を合わせるような、そういう方法もあるのではないかと思うんですけれども、この点どう考えていらっしゃるか。
○参考人(縣保佑君) 新料金につきましては、本四道路の採算性の厳しさにかんがみまして、推計される交通量からできるだけ多くの収入を確保する必要があります。一方で、割高感が指摘されております本道路の効果が生かされるように、利用しやすさにも配意して設定されたものと考えております。 また、特に今お話がございましたように、利用を促進するという意味でも当初の五年間は基本料金の二〇%を引くとする特別料金を設定させていただきました。交通量をふやす努力というものが必要でございますので、今後とも利用促進と増収に寄与する各種のサービスの充実について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○但馬久美君 来年の春、尾道−今治ルートが開通されます。それで本四の三ルートが全部供用開始がされるわけなんですけれども、この三ルート全体の建設費は公団部分だけで三兆円になるわけなんですね。交通量の需要予測を勘案して償還期間を三十三年から先ほど言いましたように五十年に延ばしましたけれども、そのための返還総額が約十一兆円に膨らんで、しかもそのうち利子が六割もあるということですが、毎年この債務は膨らんでいくのかどうか。また、果たして交通量だけで償還が可能なのか疑問に思いますので、その点どう推測されているのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(縣保佑君) お説のとおり、一昨日明石海峡大橋を供用いたしまして、神戸淡路鳴門自動車道は全線開通いたしました。これで二ルートが完成いたしました。また、来年春には残る西瀬戸自動車道の三橋を完成させまして、三ルートが概成する予定でございます。これに伴いまして、本四道路の新たな料金につきましては昨年十二月に建設大臣より認可されたところでございます。新たな料金体系下の償還計画では、平成十七年ころには単年度で収支を黒字に転じさせまして、五十年間ですべての費用を償還する見通しでございます。 今後とも、公団として経費節減とか地方公共団体等と一体となった積極的な利用促進を行いますとともに、国及び地方公共団体に対しまして一定の出資継続をお願いすることにいたしまして、確実に償還できるよう努力する所存でございます。
○但馬久美君 ぜひ本当に努力していただきたいと思います。国鉄の二の舞にならないようによろしくお願いしたいと思います。 次に、観光資源としての活用についてお伺いいたします。 この明石海峡大橋の開通は、周辺に多大な観光資源を提供してくれるということは間違いありません。県ではこの大橋の開通に伴って今、七百七という大変な数のイベントを企画しております。神戸、淡路の復興に最も大きな励みとなるんですけれども、集客企画、そしてまた計画であろうと思いますけれども、この明石海峡大橋を集客企画、計画に最大限活用している涙ぐましい兵庫県、神戸市の企画に対して、運輸省としてはどういう支援を考えていらっしゃるか。そしてまた、運輸省独自の観光開発はどういうふうに考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府委員(土井勝二君) お答えいたします。 明石海峡大橋の開通につきましては、今先生御指摘のように、関係地域が観光振興にも大きな役割を果たすということで大変期待をし、また努力をしようとしているというふうに認識しております。こういう認識は運輸省といたしましても同じでございまして、明石海峡大橋開通に関連しまして具体的に次のような施策を推進しているところでございます。 まず第一に、先生も御指摘になった、兵庫県それから神戸市の方で中心になってやっておりますが、運輸省もこれを支援するために、ことしの二月九日、十日に神戸市におきまして観光立県推進地方会議の全国大会を開催いたしております。運輸省からも江口政務次官が出席をさせていただいております。 この会議の場におきまして、地元の兵庫県及び神戸市から、明石海峡大橋を契機とした観光キャンペーン、いろんなPRであるとかビデオの上映であるとか、こういうことも熱心に行われました。出席者は旅行業の方、輸送業の方、それから各都道府県の方、いろいろ出席されたわけでございますが、こういう出席者への支援協力要請を強力にされ、観光客誘致の機運を盛り上げたということでございます。 それから、他方、運輸省で、これは全国的にやっている話ではございますが、魅力ある観光地づくりを推進し観光による地域の活性化を図るため、ソフト、ハード両面にわたる対応策を検討しておりまして、これは観光地づくり推進モデル事業と呼ばせていただいております。この事業におきましては、各観光地におきまして観光地づくりのプログラムを策定する、これによりまして観光関係団体の事業を集中的に実施するということを考えてございます。明石海峡大橋に関連いたしましては、この観光地づくり推進モデル事業におきまして、兵庫県津名郡の淡路町それから東浦町におきましてこのモデル事業を推進しようとしているということでございます。 それから、さらに申し上げますと、昨年六月に成立、施行されたいわゆる外客誘致法に基づきまして、兵庫県を含みます複数の府県におきまして外国人のお客さんの来訪を促進する計画の策定を行っております。兵庫県等関係府県がこの計画を策定した後には、運輸省といたしましても、関係者一体となって外国人観光客の来訪促進のための施策を積極的に推進していくというつもりでございます。 いずれにいたしましても、関係地域における観光による地域振興への高まりは運輸省としても十分承知しておりまして、今後とも地元の地方公共団体等の関係者と一体となってこのような政策を推進してまいりたいというふうに考えております。
○但馬久美君 どうも細やかにありがとうございました。私、兵庫出身なものですし、また震災のあった神戸ということで非常に思いが深いものですから、細かく伺わせていただいております。 今度、この橋ができまして、離職者の対策ということですけれども、明石海峡大橋の開通に伴って廃業あるいは縮小に追い込まれた船舶会社の従業員の方々、もちろん一年前からこの対策は講じられているようでありますけれども、現在どのように対応されているのかこれをまず運輸省にお聞きいたします。 また、本四公団側も同様に協力されているようですけれども、結果はどうであるのかお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○政府委員(土橋正義君) 架橋完成に伴い影響を受けますフェリーあるいは一般旅客船事業者で雇われておりました船員あるいは職員の離職者対策についてお尋ねでございますので、お答え申し上げます。 この離職者対策につきましては、従来より、私ども一番大切な対策の一つということで取り組んでまいったところでございまして、関係省庁それから本四公団あるいは地方公共団体、さらには組合代表、業界代表などから成る現地の連絡協議会を通じまして、離職前の職業訓練ですとかあるいは再就職先の確保について努めてまいったところでございます。 これまでに再就職先の受け皿として提供されておりますポストの数でございますが、約四千七十名のポストが提供されておりまして、離職されることとなる個々の従業者の希望に合わせまして具体的な再就職先のあっせん作業を事業主さんの協力なども得ながら進めてまいっておるところでございます。 お尋ねの現在の再就職の状況でございますが、離職見込みの数が現在で約千五百四十名あります。この中で、再就職のためのあっせんを希望したいと言われる方が約半分の七百八十名ございます。この七百八十名のあっせんを希望される方のうち、既に再就職先が内定されておる方が約五百四十名、七割程度ございます。残りの三割部分、約二百四十名の方の再就職先が内定しておらないというのが現在の状況でございます。 これらのまだ内定されていない方につきましては、先ほど申し上げました現地の連絡協議会、この下に再就職促進会議というのが設置されておりまして、こういうものを最大限活用いたしまして、約四千名強の再就職先の提供がございますので、今後ともできる限り希望に合った再就職先が確保されるように最大限努力してまいりたいというふうに思っております。
○参考人(縣保佑君) 当公団といたしましても、本州四国連絡橋の供用に伴います離職を余儀なくされる旅客船等の従業員の再就職の問題は極めて重要な問題であると認識しております。 一昨日供用されました明石海峡大橋関連の離職者対策につきましては、従前から運輸省、建設省等の関係省庁及び関係地方公共団体等の関係者の協力を得まして再就職先の確保等に努力してきたところでございます。本四公団におきましても、料金収受員等約百七十名の公団関連業務を提供するなど努力しているところでございます。 また、公団内部には明石海峡大橋旅客船問題等対策本部を設置しまして、広く民間団体等に要請活動を展開し、再就職の受け皿の開拓を行ってきたところであります。再就職の状況についてはただいま運輸省の方から答弁がありましたので省略させていただきますが、今後とも関係機関と協力しまして引き続き再就職先の確保に努めますとともに、現地の関係機関により構成されます再就職促進会議を活用して離職者に対する求人情報の提供を進め、円滑な再就職の促進を図ってまいりたいと考えております。
○但馬久美君 戦後最大と言われるこの不況の中で、失業者というのは本当に大変な思いをされると思うんです。何とぞ、しっかりと応援をしてあげていただきたいと思います。 次に、紀淡連絡道路の建設に伴う海上交通への影響についてお伺いいたします。 明石海峡大橋の開通に伴って何社かの船舶会社が廃業に追い込まれました。陸上交通の進展は一方で海上交通の縮小に拍車をかける、こうした一般的な見方があります。 そこでお聞きしたいのは、次の新全国総合開発計画で四つの国土軸が形成されるとされておりまして、そのうち太平洋新国土軸では、紀淡連絡道路の建設、さらに四国から九州へ渡海道路が考えられております。これが実現するか否かは現在のところ不明ですけれども、仮に紀淡連絡道路がつくられるとした場合、海上交通にどのような影響があると今現在考えておられるのか、お聞かせください。
○政府委員(岩村敬君) 紀淡連絡道路につきましては、現在構想段階でございまして、建設のスケジュールが明らかになっておるわけではございません。そういうこともございまして、運輸省といたしまして、海上交通に対する影響に関する具体的な調査はいまだ行ってはおりません。 しかしながら、一般論として申し上げれば、現在、大阪府の南部それから和歌山県と淡路島、徳島県、この間を結ぶフェリー、そして高速船航路がございます。フェリーで申しますと三航路ございますし、また高速船では五航路ございます。そういった航路につきましては、紀淡連絡道路ができた場合には、これらの航路を中心に、今回明石でもございましたように、例えば廃止される、さらには規模を縮小するといった海上交通への大きな影響が出ることは避けられないのではないだろうかというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、今後、紀淡連絡道路の構想が具体的になっていく段階で、海上交通に及ぶ影響についても調査を行っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○但馬久美君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますけれども、最後に、関西ブロック知事会ではこの紀淡連絡道路の実現を図って、大阪湾環状道路計画をひそかに考えております。建設省としてはこれをどのように受けとめていらっしゃるのか、最後にお聞かせください。
○説明員(奥平聖君) 大阪湾環状道路につきましては、昭和六十二年の四全総並びに次の年でございますが六十三年の近畿圏基本整備計画に、長期的な視点から大阪湾における環状交通体系の構想について検討すると、こういうふうに位置づけられておりまして、具体的には本四連絡道路、それから阪神高速の大阪湾岸道路、さらには関西国際空港線、近畿道の紀勢線、それから御指摘の紀淡連絡道路、これらによって構成される延長としましてはおおむね二百キロ程度のものになろうか、こういうふうに考えてございます。 今申し上げましたもののうち、大阪湾岸道路につきましては、六甲アイランドから関空の入り口であります臨空ジャンクションまで約五十六キロ、それから関西国際空港線につきましては約七キロ、近畿道紀勢線につきましては約二十キロが供用されてございまして、本四のAルート及び関連の大阪湾岸道路につきましてはおとつい供用になったところでございます。 御質問の紀淡道路でございますけれども、地元から強い要望があるというふうに認識いたしておりますが、地形条件等勘案いたしますと、明石海峡を超える過去に類のない大きな構造物になるというふうなことで、現在、経済的、合理的な構造物になるように新たな技術開発等の調査を進めているところでございます。 先生御指摘のとおり、先だって閣議決定されました新全国総合開発計画におきまして、長大橋等に係る技術開発、地域交流・連携に向けた取り組みを踏まえた調査を進めることとし、その進展に応じ周辺環境への影響、費用対効果、費用負担のあり方等を検討することによって構想を進める、こういうふうにされたところでございまして、今後、建設省といたしましては、国民の皆さんのコンセンサスを得ながらプロジェクトの具体化に向けた検討を進めてまいることといたしております。 今後とも、大阪湾環状道路構想につきましては引き続き調査を実施してまいりたいというふうに考えでございます。
○但馬久美君 どうもありがとうございました。
○委員長(川橋幸子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時四分開会
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、渕上貞雄さんが委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行さんが選任されました。 —————————————
○委員長(川橋幸子君) 休憩前に引き続き、平成十年度総予算中、運輸省所管及び郵政省所管を議題とし、運輸省関係予算について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 社民党の瀬谷です。 最初に、新幹線の関門トンネルにおける事故について御報告をいただきたいと思います。 今まであそこを私も何回かくぐったことがあるけれども、あそこで事故に遭ったということはもちろんないし、余り聞いたこともなかったんです。どうして水が漏れたくらいでとまってしまうのか。ほかのトンネルと比べて特殊な構造になっているのか、上が海だから塩水がやっぱり落ちてくるようになっているのかななんて思ったりしたんですけれども、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) 御案内のように、山陽新幹線の新関門トンネルにおきまして、四月四日に御案内のような事故を発生させまして御迷惑をかけたわけでありますが、このような海底トンネルにおきます同じような事故の例といいますか阻害の例というものを調べてみましたけれども、具体的には山陽新幹線の新関門トンネル、在来線の関門トンネル、それから青函トンネル、この三つの大きな海底トンネルについて過去を調べてみましたけれども、今回と同じような漏水による停電によります運転阻害というような事例はございませんでした。
○瀬谷英行君 その事故の原因並びに事後の対策といったことについてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(小幡政人君) 四月四日十六時十八分ごろ、山陽新幹線の新関門トンネル内におきまして、トンネルの壁の一部が水圧によりまして欠落したということで漏水が起こりまして、これにより停電が発生したと考えられております。このため、トンネル内に二本の列車が長時間にわたりまして停車するなど多数の利用者に多大な御迷惑をかけたということは、まことに遺憾と考えております。 山陽新幹線新関門トンネルにつきましては、当時、土木学会トンネル標準示方書などに基づいて設計されておりまして、昭和五十年の開業以来、大した変状もなく漏水の量も安定していますことから、設計上の問題はないと考えておりますけれども、我々といたしましては、御迷惑をかけた大きな事故でございましたので、海底トンネルについて、それから新幹線の全部のトンネルにつきまして同じような事故の発生を防止する意味から点検を命じ、必要な措置をとるよう昨日付で各事業者に指示を出したところでございます。
○瀬谷英行君 乗客の立場に立ってみると、トンネルの中、特に海底トンネルの中でとまってしまったということは、かなり不安を感ずると思うんです、このまま海の水がどっと押し寄せたらどこへ逃げたらいいんだろうかと。逃げ場がないわけですよ。はい出すわけにもいかないだろうし、かなりの不安を感ずるだろうと思うんです。 青函トンネルの場合は海底から百メートル下を走るようになっているということは承知しておりますけれども、関門トンネルはかなりもう古くからできているトンネルですから、青函トンネルほど海底からの距離はなかったんじゃないかという気がいたしますが、海底から一体何メートルぐらいで、それから、従来その種の水漏れということはあったのかなかったのか、あったとすればどの程度あったものか、それに対する対策はどういうふうにしておったのかその点をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 海底トンネルのいわゆる土かぶりと水深の関係をお尋ねかと思いますが、御報告いたしますと、青函トンネルの場合に最深部で水深は百四十メートルでございます。その場合の土かぶりは百メートルをとってございます。一方、新関門トンネルにつきましては、最深部が水深で六十三メートルでございまして、その場合に土かぶりは三十四メートル。ちなみに、在来の関門トンネルでございますが、水深が最深部で十八メートル、それに対しまして土かぶりは十メートルということでございます。 こういうことでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、新関門トンネルにつきましては、五十年の開業以来大きな変状もなく、漏水の量も予定された範囲内で安定しておるということでございますので、特に設計上の問題はないと考えておるわけでございますが、今回新たな漏水が発見されたわけでございますけれども、当該箇所につきまして、従来の漏水と内容的には変わらないだろうということで実は危険の判断をしなかった、そして手を加えなかったということが結果的に事故につながったわけでございますが、このような事例は初めてのことと聞いております。 その意味もございまして、今回、先ほど申し上げましたような海底トンネル、それから新幹線のトンネルにつきまして、十分な調査を加えまして必要な対策をとっていきたいということで指示したところでございます。
○瀬谷英行君 調査は今も継続をしているということなんですか。それとも、この調査の結果、特別な対策を必要とするようになるかならないかまだわからないのかどうか、その点もあわせてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、海底トンネル、具体的には全国に十五カ所ございます。それから新幹線トンネル、これも三百六十九カ所ございますが、これの全部につきまして漏水の状況等について詳細な調査をいたしまして、そこで対策の必要なものについては対策を加えていく、どのような対策を加えるかも含めまして六月いっぱいに全部の点検を終える、それで必要な対策を講じていくということでございまして、その調査をきのう付で指示をしたということでございます。
○瀬谷英行君 調査の結果、どういうことになっているのか。 ただ、我々考えてみると、トンネルの中で列車がとまるということは、恐らく車掌も何でとまったのかわからないだろうと思うんですよ。そうすると、車内のお客にしてみれば、これまたなおわからないわけですね。ほかの場所と違って、外が見える場所ならばそんなに慌てないかもしれないけれども、真っ暗なトンネルの中でとまってしまって、だんだんと換気も悪くなってくるし、心細くなってくる。一体何でこうなっているんだろうという不安が出てくると思うんです。 だから、乗客の立場になってみると、いち早く原因を明らかにして乗客に対して安心感を与えるような措置が講じられなきゃならないだろうと思うのでありますけれども、当時の状況としてはそこまで手が回らなかったのかなとも思われますが、一体、その場合の乗客に対する報告といいますか通報といいますか、それはどのようにして行われたのか、これもお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(小幡政人君) お話のように、閉じ込められた海底のトンネルにおいて長時間においてお客様に非常に多大な不安あるいは御迷惑をかけたということでございまして、その際に乗務員の方からどのような案内なりが行われたかということでございます。我々、実はまだ詳細に把握してございませんけれども、マスコミの報道等で伺いますと、さほど詳しい説明はなかったというようなこともあり、非常に不安であったというような声が乗客の方からあったということは伺っておりますので、その辺の案内の状況につきましては、今回の事例につきまして詳細に調べまして、今後改善すべき点等々がございますれば改善について指導してまいりたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 特に新幹線は安全の面でもって十分な配慮が行われなきゃいけないと思うんです。 現在、新幹線と並行して例えばリニアモーターカーの実験が行われているわけですが、このリニアモーターカーが果たしていつできるのかどことどことを結ぶのか。従来の新幹線とはこれは別線になると思うんです。リニアの場合は線路が要らないわけでしょう。それからトンネルなんかも、ちょっと見学させてもらったことがあるんですけれども、トンネルも大きくなっていますね。それでいて車両の方はそんなに大きくなっていない、在来線と同じぐらいというふうになっていますね。 もし、リニアモーターカーで新線をつくるとすれば、まさか現在実験をしている山梨県と東京の間だけでいいというわけのものじゃないと思いますね、当然。少なくとも東京−大阪間ぐらいは必要とするだろうと思う。現在の新幹線のほかに全然別のルートでもってリニアモーターカーによる新幹線をつくらなきゃならないということになると思いますが、その場合、一体どのくらいの費用を見込んでいるのかどのくらいの年月を必要とするのか。その点についてもある程度試算が行われていると思うんで、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 超電導リニアモーターカーの技術開発でございますけれども、この技術開発につきましては、実は具体的なある区間なり線区なりへの導入ということを念頭に置いて技術開発を行っているわけではございませんで、次世代の新しい鉄道輸送の一つのシステムとして二十一世紀に向けて技術開発をしておる、こういう位置づけでございます。 その意味で、我々進めておりますリニアモーターカーの技術開発は、平成十一年度までに、当面、スピードの面におきましては最高営業速度五百キロメートル、それから経済性の目標としては採算性を踏まえたシステムの経済性を確立する、こういう技術開発目標で平成十一年度に備えまして開発を行っているということでございまして、それが開発された暁においてどのような線区に当てはめていくかということは次の問題ということで、当面念頭にあるわけではございません。
○瀬谷英行君 昔、「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」というスローガンをどこかで見たような気がするんですけれども、このリニアの場合は最高時速五百キロ。今、新幹線でも三百キロで走るようになっているわけです。そうすると、三百キロで走ろうと五百キロで走ろうと、日本の国内ではさほど時間的に得をしたというような感じは持てないという気がするんです。問題は安全性と乗り心地の問題なんですね。 しかし、経済性を考えると、少なくとも東京−大阪間が出発点になるだろう。それから先どこまで延ばすつもりなのかその辺はわかりませんが、この前、これは委員会でもって参考人にお伺いしたんですけれども。経済的な点についてどう思うかと言ったら、参考人の意見はみんな反対だと。三人の方をお呼びしたんですが、三人とも反対だと言うんですよ。 第一、名古屋から大阪までの土地取得だってこれは簡単にはいかない、それから山梨県から東京都内に入るのだってこれまた大変だ。空を飛ぶわけじゃないんですから、地面を走っていくんですから、いや応なしに土地の買収をしなければならないし、買い上げをしなければならないし、そういうことになると簡単な費用じゃできないだろう。これは素人が考えたってわかることなんです。 いわんや、それがさらに西へ延びるとか北へ延びるとかいうことになりますと、新幹線とは別線でなけりゃいけないし、新幹線をそのままこのリニアに振りかえるというようなことは技術的に極めて困難じゃないか。もし振りかえようとすれば、現在の新幹線はその間ストップしなきゃならないということになるわけですね。 その点、別線にしてしかも採算が合うのかどうかまた費用はどのくらいかかるのかという試算をやらないで実験ばっかりやっているとは思われないんで、その点、試算を含め、将来の展望を含めてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(小幡政人君) 先ほど申し上げましたように、我々、具体的な実用化する区間なり路線というものを念頭に置いて開発を進めているわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、当然、物理的なスピードなり安全なりということの技術開発だけではなくて、その技術がいわゆる経済的に見てもペイするかどうかという経済性の問題、ですから具体的には当該技術のコストの問題でございますけれども、そういうものが現実の経済社会に合致する程度までのコストダウンが図られませんと実際には実用化ができない、こういう観点から、我々の技術開発目標というものはそういうことも念頭に置いた開発を行っているつもりでございまして、残念ながらまだそこまでの時点には達していない、その過程、途中であるということでございます。 そういうことでございまして、将来の実用化した場合の採算性等については、残念ながら現在のところ計算を持ち合わせていないということでございまして、もうしばし時間をいただきたいと思います。
○瀬谷英行君 学問的な実験の段階であって将来の計画というものは立っていないというふうに言われるのか、将来の計画、ある程度目標があってやっているのか。 日本列島のように限られた区域だけでは、時速五百キロなんというのは実用の問題としては考える必要ないんじゃないかという気がするんですよ。これが例えばロシアのようにモスクワまで一万キロ近くもあるというような場所だとか、あるいは中国大陸のような広い場所だったならば高速鉄道というものも機能を発揮する機会があると思うんですけれども、何しろ日本列島はそんなに急ぐというとすぐにもう終点に行ってしまうわけですから、これはやはり実用の点からいうと今の新幹線でも十分間に合うんじゃないかという感じがするんです。 それでもなおかつ実験線が少なからぬ予算を組んで行われるということは、ある程度先の見通しなりあるいは計画なりというものがあるからではないかと思われるんですけれども、その辺のところは一体、確固たる目標なり自信があってやっていることなのか。悪い言い方をすると、技術屋さんの道楽でもってやっているんだとするとこれはなかなか問題だろうと思うんです。だから、そうじゃないんだと、ある程度これは目標を立ててやっているんだというふうに言えるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(藤井孝男君) 瀬谷委員の御質問にお答えするわけですが、五百キロというスピードは、我が国のこの狭い国土の中で、そんなに急いでどこへ行くというような言葉を引用されましたけれども、そういう見方も一方ではあろうかと思います。 ただ、私どもは昭和三十九年から新幹線を導入いたしまして、現在三百キロの実用運転のスピードまで積み上げてきたわけであります。そうした中で、技術革新と申しましょうか、常に次世代の交通網のシステムはどうあるべきか、それは鉄道に限らず飛行機にもあるいは航路におきましても同じことが言えるわけでありますし、また宇宙に対するいろんな二十一世紀の展望というものの中で、さまざまな人工衛星なり宇宙ステーションに向けてのいろんな実験がそれぞれ各国で行われておることも事実であります。 そうした中で、現在の新幹線の技術というものは、ロシアですとか大陸では五百キロのスピードのそういったものが必要かもしれないけれども、我が国のような狭隘な国土ではその必要性はないのではないかという今の御指摘でございますけれども、今後、中国大陸も北京−上海間の新幹線をぜひ推進したいという意向の中で、今月中でありますけれども、その点に関しまして中国の方に竹下元総理を団長といたしましたそうした会合を持たれることも聞いております。 いずれにいたしましても、やはり我が国のさまざまな交通網の技術というものを常に革新していく、その中でリニアというものは、今、鉄道局長がお答えいたしましたように、すぐにこれを実用化、そしてどこどこの路線ということは決まっておりませんけれども、そうした将来の次世代の交通網システムの一環として技術を革新していくことは大事だと思っておりますし、また、大変恐縮でございますが、私の出身の中部地域におきましては、お話しありましたように、首都機能移転という観点からこのリニア新幹線を中央新幹線で東京−大阪間をぜひ結んでもらいたいという強い要望があることはこれもまた事実であります。 そうした中で、コストの面、採算の面、いろいろなことをこれから検討もしていかなきゃならない時期に来ているかと思います。ただ、これを地上でずっと都心部あるいは都会部を走らせることになりますと、これは膨大な用地買収費、その他騒音の問題等々いろんな課題があろうかと思います。その一つとして大深度法というものもどうであろうかという声も衆参両院の先生方の中からもそういう意見があり、今後こうしたものをもし実現するならば、大深度法のもとで、用地買収の点につきましてもやはりその辺の軽減を踏まえた、そういった面からも検討してみたらどうかという御意見もあります。 いずれにいたしましても、現在具体的に路線が決まっておるわけではありませんけれども、これからの、次世代につながる交通網のシステムの一環としてこのリニアの実験をいつでも実用化できる段階まで我々はこれからも試験走行等々を踏まえて、また環境の影響評価も踏まえてさらに研究、また試験を続けてまいりたい、このように思っておるところでございます。
○瀬谷英行君 日本列島は細長くできているし、横断しようと思うと、時速五百キロじゃスピード上げようと思ったころには太平洋から日本海へ出てしまう、これ以上行くと海だというところへ行ってしまうんです。だからその必要はなかろうという感じがするんですね、そんなに急いでも。だから、急ぐ人は飛行機に乗ればいい、こういうことになっちゃうし、新幹線で間に合うじゃないかということにもなる。 そういうことで、技術的に一つの目標があって、必要性があって、十分に利用者に喜ばれるということがあればせっせと研究するのもいいけれども、そういう目安が立たないで予算だけを使って一生懸命実験を繰り返すということは、何ともむだと言っては悪いけれども、余計な仕事のような感じがするわけですよ。それよりも、むしろ現在の新幹線をより安全に快適に運行できる方法を考える。それにはやはり採算性も考えなきゃならない、採算性を考えて、しかも利用のしがいがあるというようなことを考えるなら、どこをどういうふうにして結ぶかということも考えるべきじゃないかと思うんです。 今、四国にたくさん橋ができました。四国は橋だらけになっちゃったような感じだけれども、橋ができたって、それを歩いて渡るにはちょっと遠過ぎるし、乗り物に乗るとすぐに行ってしまうしというような状態ですから、ある程度設備投資だってほどほどにしなきゃいけない。長期債務の問題だっていざとなってみるとなかなか後始末が大変なんですよね、長期債務の負担だってばかにならないんですから。 こういう、これから土地買収をしなきゃならない、それから測量もしなければならない、ルートも考えなきゃならないということになると、日本列島というのはそういうスピードの競争をするにはもう限界に来ているんじゃないか、そういう気がするわけです。 時代におくれないように技術開発をしたいという気持ちはわかるんですけれども、当面、財政的に金があり余って使い道に困っているという状況じゃないわけですからね、幾らJRだって。その点を考えたならば、余り急ぐ必要のないものはほどほどにして、まず安全からやっていくべきではないかということを順序としては私なんかは考えるんですけれども、そういう考え方は必要ないとおっしゃるのか。やっぱり先々のことを考えたならばリニアも大いに期待されているんだとおっしゃるのか、その辺についての考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 率直に申し上げまして、瀬谷委員の御指摘のように、今の財政状況等を考えますとこれを実用化するには非常に大きな問題があろうかと思います。 ただ、先ほども申し上げましたように、地域によってはぜひこれを実現してもらいたい、あるいはまた、現在の東海道新幹線の需要状況、高齢化・少子社会という中で需要がこれ以上どのくらい東海道新幹線で伸びるのかどうかといった問題も、例えば東海道新幹線の代替輸送手段としてリニアを導入しようとする仮定という前提でございますけれども、そうした場合、当然それとの比較、採算性の問題、需要の動向、あるいはまた、現在、東海道新幹線は品川駅を発着駅として整備するという計画を遂行いたしております。こうした新品川駅始発あるいは到着の新幹線ができたときに、これは四割弱ぐらいの輸送力のアップにつながると。そういう状況も踏まえた上で、将来的にもう一本の例えば中央新幹線というものが必要かどうかということも当然見きわめていかなきゃならない。 しかし、地域によっては、今委員おっしゃられましたようにそんな必要性があるのかどうかという御質問でありますけれども、一方ではそういうニーズがあり、また一方ではもうこれ以上そんなスピードも必要ないんじゃないか、もっとゆとりと潤いのある生活を求めるべきではないかという御意見もあります。 さまざまな御意見があることは承知いたしておりますけれども、我々といたしましては、決していつまでもやみくもにこの実験を続けていくつもりはございません。やはり実用化に向けたそうした実験を行うことによって、委員いらっしゃいませんでしたけれども、午前中の質問にもございましたように、今後行う公共事業あるいはこうしたビッグプロジェクト等々については事前の評価あるいは事後の評価というものをもっともっと充実すべきではないかという御意見もありました。 そういった評価等も十分踏まえながら、これが結果的に、実験し、そしてまた実用化されてよかったなというふうになるように我々はそういったことに向けて最善の努力をしていかなきゃならないと思っておるところでございます。
○瀬谷英行君 時間が来ました。終わります。
○筆坂秀世君 私は、民間航空機の安全運航問題、特に民間機と軍用機の異常接近問題について伺いたいと思います。 三月二十五日に日本エアシステムの航空機が函館洋上空で米軍三沢基地のF16戦闘機に異常接近され、そのときに航空機衝突防止装置ACASが作動し緊急回避操作を行う、こういう事例が発生しております。 まず、そのACASの役割について簡単に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 私たちはACASと言ったりあるいはTCASと言ったりしておりますけれども、いわゆるトラフィック・コリジョン・アボイダンス・システムということで、航空機の衝突を防止する装置という意味でございます。トラフィックアドバイザリーというものが最初点灯いたしますと、そこで注意という感じになりまして、そしてRAと申しますリゾリューションアドバイザリー、こういうものになりますと回避動作に入る、こういった意味で、民間航空機の衝突を防止する装置として装置されておるものでございます。 これはつい三年ほど前にこういったものを導入するということを決めまして、あと二年か三年、二〇〇一年だったと思いますが、そのころには一定の航空機に義務づけをする、こういうものになっております。
○筆坂秀世君 要するに、衝突予防装置ですよね。今言われたように、衝突が予測される事態になると四十秒前に警告がされる、二十秒前になると回避指示、RAということがやられる。 つまり、極めて危険な事態になったときにこれが作動する。一つは衝突の危険性がある、そしてRAが出ると緊急回避操作、これが義務づけられている。これによって急降下あるいは急上昇する。これは急降下、急上昇どちらかするわけですから、乗組員であるとか乗客が危険にさらされる。例えば、ベルト着用ランプがついていないときに急降下するというふうなことになれば、あるいはキャビンサービスをやっているときにそういう事態になれば機内で大変な事故が発生することになるわけです。 そこで伺いますけれども、このACASあるいはTCASというんですか、これが作動し、回避指示、RAが出て回避操作を行った件数、この装置が導入されて、九六年一月からですけれども、九六年、九七年それぞれ何件ありますか。
○政府委員(楠木行雄君) 私たちの方でたまたまこのTCASのいわば精度といいますかそういったものをモニターするために、機長さんに対して報告してほしいということの制度を今持っておりまして、それによりますと、平成八年におきましては三百三十件程度、平成九年におきましては三百五十件程度ということでございます。
○筆坂秀世君 今、報告制度をたまたまつくっていると、だから三百三十件程度あるいは三百五十件程度というふうに報告された。だって衝突予防装置が働くんですよ、私、その報告が三百三十件程度、三百五十件程度と、そんなあいまいなつかみ方で一体どうするんだ、実に心もとない話だ。 そこで伺いますが、三百三十、三百五十、これ一年間三百六十五日ですから、簡単に言えば毎日一日一件衝突予防装置がどこかで働いているということですよ。このうち相手が軍用機のものはどういう件数になっていますか、何件ありますか。
○政府委員(楠木行雄君) 昨年の三百五十件というものに対しましては、相手が軍用機というものは五十件程度でございます。それから、平成八年のデータにつきましては、三百三十件程度と申し上げましたが、そのうち相手が軍用機だったものは六十件程度でございます。
○筆坂秀世君 これもまた程度なんだけれども、二年間で百十件、軍用機が接近してきたためにACASが働いて、そして回避操作指示が出る。今五十件程度あるいは六十件程度というふうに言われたんだけれども、これは相手が軍用機だということが報告されたものでしょう。九六年では三百三十件あった、このうち六十件は一応軍用機だろうと。つまり、残りの二百七十件、九七年で言えば三百五十のうち五十が軍用機だと残りの三百件、この中に軍用機が一切含まれていないということは言えないですよね。
○政府委員(楠木行雄君) 実は、ジャンルの中に不明というようなジャンルがございまして、そこがどうなのかというのははっきりしておりません。
○筆坂秀世君 つまり、二年間で百十件、これは確認できたものだけだということ。これは二百件か三百件がわからないですよ、二年間で合わせて六百八十件あるんですから。日本の空は大変な事態になっている。 ところで、今言われた九六年六十件、九七年五十件、それぞれが大体どの地域、どの上空でこういう事態に陥っているか、こういうことが発生したかというのはわかりますか。
○政府委員(楠木行雄君) なかなか日本全体の空を細かく分けるということは難しゅうございますが、実は私どもはFIRという飛行情報の管制区というものを持っておりますけれども、航空交通管制部が所管しているのが北から札幌、東京、福岡、那覇と四つございます。 これについて、航空機衝突防止装置が軍用機であったものについて作動したものについて御報告をいたしますと、平成八年、九年と、先ほどの同しベースでございますが、札幌につきまして三十八件、東京につきまして三十件、福岡につきましては十五件、那覇につきましては二十二件、以上でございます。
○筆坂秀世君 つまり、北から南まで日本の空、どこでも民間航空機が軍用機に接近されて衝突予防装置が働く、緊急回避操作を行う、こういう事態が起こっていると、こういうことですね。 今、二年間で百十件、軍用機と言いましたけれども、これはほとんどが米軍機というふうに考えていいんですか。
○政府委員(楠木行雄君) もともとこの調査につきましては、たまたま私どもがこのTCASを導入するためにいわば試行的に行っておるものでございまして、そのジャンルもかなり概括的になっております。したがいまして、今の点については不明でございます。
○筆坂秀世君 常識的に考えたって、自衛隊機の場合は訓練空域から基地に戻る途中はコリドーと呼ばれる回廊、いわば空の廊下ですね、ここを通っているわけでしょう。だから、ここを通っていれば接近なんかないんだから、ということは、百十件のうち、自衛隊機が相当コリドーから外れて飛んでいたか。そうでなかったら米軍機しかないじゃない、米軍機がほとんどだと、これは容易に推測できるんじゃないですか。
○政府委員(楠木行雄君) 自衛隊機も米軍機も、IFRで飛んだりVFRで飛んだり、いわゆるそういった航法はいろいろございますので、私どもの方はそういった点については承知しておりません。
○筆坂秀世君 そんなことも承知していないようだから、大体、件数だって程度でしょう。どうやってそれで空を守るのよ、日本の空の安全を。 四月四日の各紙に、アメリカ国防総省の発表、「日本北部上空で米軍機が民間機の衝突防止警報を作動させたケースが過去二年間で三十回以上に上っていることを確認した。」と、こういう発表をしていますよ。これは確認しましたか。
○政府委員(楠木行雄君) 運輸省が把握しておりますRAのレポートの件数は、先ほど申し上げましたが、平成九年で三百五十件程度、そのうち軍用機、米軍機等が関連していると考えられるものが五十件程度でございまして、先生御指摘の米国防総省が発表した日本北部上空での発生件数三十以上というのは、我が国からの報告を受けて米軍独自の調査により得たものと考えております。
○筆坂秀世君 我が国からの情報を得てというんですか、今おっしゃったのは。運輸省の情報を国防総省がつかんで、その上で国防総省として三十件以上あると、こういうふうに確認したということですね。 それはそうだと思うんですよ。だって、国防総省がわかるわけないんですよ。F16戦闘機が飛んでいて、今あのJALの飛行機は警報装置が働いている、衝突防止装置が働いているとわかるわけないんだから。わかるわけない。つまり、運輸省の情報でしょう。運輸省の情報があるから、米軍機が日本北部上空で三十回以上と。北部だけですよ、つまり三沢の方ですよ。 中部はどうなのか、南部はどうなのか、合わせれば三十回以上じゃない、さっき軍用機との接近が百十回程度はあると。このほとんどすべてが米軍機だということは明らかじゃないですか、自衛隊はコリドーを通っているんだから。そうでしょう。論理的に考えたってそうなるじゃないですか。
○政府委員(楠木行雄君) 先ほども申し上げましたとおり、このコリドーを通っているのは、自衛隊ははっきりしているわけでありますけれども、米軍機の飛行についてはVFRで通っておるということもございまして私どもの方はその点は承知していないわけでございます。
○筆坂秀世君 僕は、承知していないというのが大問題だと思う。 今、報告をとっているんでしょう、たまたまにしろ何にしろ。じゃ、その軍用機が一体どこの軍用機だったのか。大体、どこの軍用機かもわからないでどうやって対策をとるんですか。もしそれが自衛隊機なら自衛隊に注意を促さなきゃいかぬでしょう。米軍機なら米軍に対して注意を促さなきゃいかぬでしょう。その他の国の軍用機ならちゃんとこれも注意を促さなきゃいかぬでしょう。 つまり、あなた方はせっかく、TCASかACASか知らないけれども、つけて、報告を求めているけれども、何もやっていないということなんです。そんな気楽なことでどうするんだ。 そこで、具体的に聞きますけれども、RAが出て回避操作を行う、この事態というのをあなた方は非常に安易に考えているんじゃないか。衝突予防装置が働くんですよ。つまり、四十秒後には衝突するかもしれないから警告が出て、二十秒前にはもう待ったなしで急上昇か急下降をしなさいと、こういう仕掛けになっているわけでしょう。三月二十五日に、さっきも言いましたけれども、米軍機、F16戦闘機がJAS機に接近したケース、この場合、衝突回避のために一体何フィートを飛んでいたのが何フィートまで急降下しましたか。
○政府委員(楠木行雄君) この点につきましては、日本エアシステムの機長からの報告を受けまして現在調査中でございますが、概略を申し上げますと、日本エアシステムの四〇四便の機長の報告によりますと、TCASのRAが解消されるまで約二万二千フィート、約六千七百メーターでございますが、これから四千五百フィート、約千四百メーターまで降下をしたと報告を受けております。
○筆坂秀世君 二万二千から四千五百下がったのか、四千五百まで下がったんですか。
○政府委員(楠木行雄君) 二万二千フィートから四千五百フィートだけ下がったという意味でございます。
○筆坂秀世君 つまり、あっという間に千五百メートルです、大変な急降下をしたんですよ。これは戦闘機じゃないんですよ、お客さんを乗せている旅客機ですよ、これは。 相手機と最大接近したときは、水平距離、高度差はそれぞれどうなっていますか。
○政府委員(楠木行雄君) 実は、機長が相手機を視認しておりませんので、TCASの表示器上でございますが、最接近時の距離は約三ノーチカルマイル、約四・五キロメーター、高度は約五百フィート、約百五十メーターと報告されております。
○筆坂秀世君 大体、音速で戦闘機は飛んでいるんですよ、ほぼ音速、あるいはそれに近い速度で。四・五キロなんてあっという間です。百五十メートルの高度差なんてないのと一緒ですよ、こんなものは。つまり、大変な危険な事態が起こっている。 操縦士はこのときのことについてどう報告していますか。
○政府委員(楠木行雄君) その点も含めて調査中ではございますが、機長は、視認できなかったので緊迫をしたというふうに報告を出しております。
○筆坂秀世君 緊迫をした程度のものじゃないんですよ。 私はいろいろ調べました。非常に危険な状態だったと。回避操作に当たり急激かつ大きな操作で急降下を行ったため、千五百も一気に下がるんですから、かなり強めのGを感じるとともに、一時的にオーバースピードになったと。 つまり、これは大変な事態ですよ。衝突は避け得たけれども、旅客機が安全に飛ぶという点では、あるいは乗客の安全を確保をするという点では、乗客だって大変だったんじゃないんですか。
○政府委員(楠木行雄君) このとき、乗員が六名、乗客が五十八名、合計六十四名乗っておりました。機種はMD90でございます。 これらの乗員乗客につきまして、軽微なけが等も含めてそういった点は報告されておりません。
○筆坂秀世君 これはたまたま幸運だったんですよ。非常に気流が悪いためにベルト着用ランプがついていた。だから、みんなベルト着用していたんです。これがもしベルト着用してなかったら、千五百メートルですよ、天井に頭を打ちつける人がいっぱいいますよ。そういう事故だった。三月二十五日です。まだつい最近です。 米軍に対してこれは抗議しましたか。
○政府委員(楠木行雄君) 私どもは、米軍に対して、こういった事態が再度起こらないよう周知徹底を図るよう、日本とアメリカとの日米合同委員会の民間航空分科会を通じて申し入れをしております。
○筆坂秀世君 九六年六十件、九七年五十件、合わせて百十件でしょう。 運輸省がこういうACASが作動して、そして衝突予防装置が動いて急降下、急上昇をやったというケース、報告があったうち、調査をしたのは何件ですか。
○政府委員(楠木行雄君) まず、私どもは、基本的にはこれはニアミスの報告、航空法の七十六条の二によりまして機長から報告が出る場合、それから運航者の方から、エアラインの方からこれを調べてほしいということで報告が出る場合、こういったケースについて調査をしておるわけでございますが、平成八年は七十六条の二が三件、それから運航者の報告が三件、合計六件でございます。それから、平成九年は七十六条の二に基づきますものが四件、運航者の報告が一件、合計五件でございます。
○筆坂秀世君 百十件起こっていたって、それだけしか調査してないんですよ。 だから私、冒頭にも、ACASって何だと。衝突予防装置でしょう。衝突予防装置が作動しているんですよ。作動しただけじゃない。それに基づいて民間機は急上昇あるいは急降下をやって回避操作をやっているんですよ。なのに、あなた方の定義で、七十六条に基づく異常接近、いわゆるニアミスじゃないからと。それがニアミスかニアミスじゃないかということじゃなくて、現にそれが作動している。それをあなた方が重視すれば、調査するのが五件です、四件です、六件ですと、こんな件数で済ませてどうやって日本の空の安全を守れるんだと私は言いたいと思いますよ。 時間が余りありませんから、例えばアメリカではどうやっているかといいますと、九七年二月にニュージャージー州で、州の空軍機と民間機ボーイング727が接近したためにACASが作動する、民間機側が回避操作をやる、こういう事例があった。そのときにアメリカの国家運輸安全委員会、NTSBは直ちにインシデント調査、事件調査を行っている。その際、空軍は同空域周辺での訓練を中止し、空軍パイロットも民間機パイロット同様に国家運輸安全委員会担当調査官チームの聞き取り調査を受けている。さらに、戦闘機の飛行訓練再開に当たって、国防総省と連邦航空局、FAAで再発防止の取り決めを結ぶということをやっているんですよ。 あなた方は何もやってない。たまたま報告聞くだけ。件数もだから何件程度としか報告ができない。しかも、調査をやったのも、運航者からの申し出があったとか、そのうち一年間に数件しかやってない、一割か一割に満たない程度。アメリカで安全のためにやっている対策と日本でやっている対策と余りにも違うじゃないですか。 大臣、どうですか、これだけの件数が起こっているんです。私は、たまたま報告を受けるとか何件程度というふうなことじゃなくって、やっぱり抜本的に見直すべきだ、そして米軍に対してもきちっと要請すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど航空局長からお答えいたしましたように、米軍機が民間機に異常に接近をするいわゆるニアミス、この場合には、当該機長は航空法第七十六条の二に基づき、異常接近報告書を提出するということとなっております。このほかの件につきましても、運航者からの調査依頼があったものにつきましてはやはり調査を実施しておりますし、また必要に応じて米軍に要請を行っているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど来からも申し上げておりますように、航空に関しましても鉄道に関しましてもまた航路に関しましても、やはり安全というものを第一と考えるのが我々運輸行政の基本でございますので、そういった緊迫したと申しましょうか、そういう機長の話もございますし、また乗客に万一のことがあってはならないということを十分踏まえながら、今後とも、米軍側ともまたそれぞれの機関を通じまして、安全が確保されるように努力していかなきゃならないと考えているところでございます。
○政府委員(楠木行雄君) 委員長、ちょっと訂正させてください。 さっき私の答弁で少し間違ったところがございます。三月二十五日に発生した日本エアシステムの四〇四便に関してはまだ調査中でございまして、米軍の方にそういった申し出はまだしておりませんでした。ちょっと勘違いしまして、実は、昨年の九月十二日に発生した全日空の三八三便の接近事例に関して、いつもやっていることでありますけれども、民間航空定期便に接近することのないよう周知徹底を図るように申し入れをした、こういうことでございます。
○筆坂秀世君 ところが、申し入れをやってもだめなんだよ。米軍は何と言っているかというと、戦闘機のパイロットは相手機、つまりJASならJAS、ANAならANA、相手機を視認している、安全性に問題なかったと、いつもこの回答。そうでしょう、いつもこの回答ですよ。米軍機は見ているんですよ。しかし民間機は警報が鳴るまでわからないんですよ、接近していることが。こんなばかな話ないでしょう。それで幾ら申し入れをやったって、毎回この回答ですよ。だから安全ですと。そして、わかりましたと言って引き下がっているのが今の運輸省でしょう。 だから、この前、例えば乗員組合の皆さんの日本乗員組合連絡会議が運輸大臣に申し入れをされています。その中に、せめて米軍機が訓練をやって基地に帰るときには、例えば自衛隊が使っているコリドー、回廊を使用するようにしたらどうだと。あなた方の回答は、込んでいるから。違う、込んじゃいない。十分使えるんですよ。 そういうことをちゃんと具体的に申し入れなきゃ、安全対策に万全を期してください、安全対策に万全を期しますと言いますよ、米軍は必ず。そんな中途半端な申し入れじゃだめ。もっと具体的に言わなきゃ。どうですか。
○政府委員(楠木行雄君) 先生の具体的な提案でございますので考えてみるわけでございますが、先生御指摘のコリドー、回廊と申しますのは、航空交通安全緊急対策要網に基づきまして航空路及び航空交通管制区を横切る自衛隊機専用の空域として設定したものであります。したがいまして、これを使うということになりますと、回廊を米軍機が使用する場合には自衛隊と米軍との間で使用調整が必要となると考えられますけれども、運輸省といたしましては、安全で円滑な民間航空交通を確保する観点から、有効と考えられる場合はこれは前向きに対応してまいりたいと思います。
○筆坂秀世君 これは雫石事故の教訓から出てきたことですから、ぜひ前向きに一つ一つ安全を阻害することをクリアしていくという努力をしていただきたいと思います。 時間がもうちょっとありますので、最後に精神障害者への運賃割引問題について伺います。 この問題、前の亀井運輸大臣、平沼運輸大臣、後の亀井運輸大臣、古賀運輸大臣、これまで四代の大臣に対して精神障害者の運賃割引を実施してほしいと。四人とも前向きに答弁されているんだけれども、いまだに残念ながら実現していないんです。この問題を我が党が取り上げ始めて藤井運輸大臣で五代目の大臣になりますけれども、ぜひここらあたりで結論を出していただきたい。 そして、調べてみましたら、きょう前に溝手さんがいらっしゃいますけれども、広島は随分精神障害者への割引をやっているんです。ほとんどやっているんですよ。溝手さんが市長をやっておられた三原市もやっておるんです。ちゃんと、呉市、三原市、尾道市、全部言いましょうかこれ言っていたら時間がかかるから、広島は大変やられているんです。 地下鉄を見ますと、仙台、名古屋、神戸、福岡、横浜、大阪と大半のところでやられている。やられてないのは東京の営団地下鉄。あと、やっぱりJRですよ。JR、これが何といったって一番交通手段として大きいわけですからね。 私は、自治体でもこうやって努力されている。そして現に実現しているわけですから、ですから、やはり国としても、JRに対して、あるいは営団地下鉄に対して、株主でもあるんですから、これはもう期限を切って、いいかげんに導入しなさいということをぜひ御指導いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 御承知のとおり、この割引につきましては、これはいろんな割引がございますけれども、まずもって事業者の自主的な判断というのが基本にあることはもう委員御承知のことだと思います。 そういった中で、こうした身体に障害を持っている方々、あるいは精神薄弱者に対する割引につきましては、今委員の御質問にありましたように、広島市におきましても積極的にこの割引を導入しておりますし、またその他地下鉄あるいは民鉄、さらにはバス等々においても、またタクシーでもごく一部でありますけれどもこうした精神障害者割引を導入しているところが出てまいりました。したがいまして、私どもといたしましては、事業者の自主的な判断ということが基本でありますけれども、やはりJR各社を初めといたしまして、こうした方々に対しまする割引につきましては、今後とも協力を求めていきたいと思っております。 やはり弱者に優しい交通網の整備という中で、こうした割引制度というものも、十分その辺のことを配慮していただきたい、そういう気持ちを我々は持っておりますけれども、ただ、高齢化あるいは少子社会の中で、一方では社会的に弱い立場の方々に対する配慮も必要でありますし、一方では経営環境が非常に厳しくなっていくことも事実であります。そういったバランスが大変難しい面もありますけれども、歴代の運輸大臣も非常に前向きに答弁されたということでありますが、私もその姿勢を変えるつもりはありませんけれども、今申し上げましたように、まだまだ一部でありますけれどもそれぞれの事業者が、こうした方々に対する配慮が具体的に出始めだということを一つのきっかけといたしまして、JR各社を初めとして、他のそうした交通事業者に対しまして積極的に働きかけを続けてまいりたい、このように思っておるところでございます。
○筆坂秀世君 終わります。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。二十分の時間ですので、三つないし四つの問題についてお尋ねしたいと思います。 一番最初に、四月二日の新聞を見ておりましたら、藤井運輸大臣が公共事業の見直し問題について、「様々な事業が本当に必要かどうかチェックしないといけない。地方空港のほか地方港湾なども計画を再考する」とおっしゃられたということが載っております。 けさほど来公共事業問題について幾つかの議論がありましたが、今年度予算では公共事業はかなり絞り込まれてきているという現実があり、また一方で、補正予算で大きな公共事業を起こしていくんだというような議論が起こってきている。そういうような中での大臣の発言ということで、私は非常に重く受けとめておりますが、この内容についてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 今、戸田委員の御指摘は、たしか四月三日の記者会見ということであります。これは、その前の日に私どもの黒野事務次官が地方空港等々今後の空港の整備についてのいろんな記者会見でのやりとりがありまして、それを受けての私の発言でございました。 私どもは、空港整備七カ年計画という中で、今後とも大都市圏の拠点空港を中心としてそれを重点的に整備をしていかなきゃならない。また一方、地方の拠点空港あるいは地方空港につきましても、やはり大変強い要望もございますし、そういった点につきましては今後とも着実に整備をしていかなきゃならないということを踏まえまして、ただ、午前中の御質疑にもありましたように、需要の面、あるいは採算性の面、そういった面のやはり評価というものも含めて、今後こうした空港の整備につきましてはいろんな段階でチェックをしていかなければならないんではないかな、そういうことを踏まえて記者会見でお答えを申し述べたところであります。 ですから、今後とも、公共事業の見直しという課題の中で、やはり事業採択の段階においての費用対効果の分析をこれからも導入していかなきゃなりませんし、あるいは事業採択後一定期間を過ぎた中で、全くまた例えば事業に着手もできない、環境問題その他の問題等々が解決できないという、そういったものに関してどうあるべきか、これは飛行場に限らず、港湾についてもあるいはほかの公共事業につきましても同じことが言えるだろうと思います。 そういう中で、平成十年度の予算におきましては、一つの例でありますけれども、地方港湾十八港については休止することとしたところであります。 いずれにいたしましても、今後公共事業のさらに運輸関係のプロジェクトを進めていくに当たりまして、コストの縮減も含め、あるいは効率的、効果的な公共の事業が執行できるように、そのためにいろんなチェックと申しましょうか評価というもの、これは時のアセスという言葉でもよく言われますけれども、そういったことを十分踏まえて進めていかなきゃならない、このように考えているところでございます。
○戸田邦司君 私も、公共事業に関する基本的な考え方としてはそういうような方向で考えていただきたいとかねがね思っておりました。 空港にしましても港湾にしましても、いずれにしましても、公共事業につきましては、見方を変えれば、地方自治体の首長さんが非常に熱心で、一生懸命中央に陳情をしながら、それが多分に政治的なキャンペーンの道具に使われている部分は否定できないんじゃないかと思います。そういうことから考えますと、費用対効果、これが非常に基本的な物差しになるかと思います。 もちろん採算性だけではなくて、地域経済への波及効果なども十分考えないとならないと思いますが、大臣御発言のお考えを具体的に実施する基準といいますか、その辺についてもう少し詳しくお話しいただければと思います。
○政府委員(土井勝二君) お答え申し上げます。 運輸関係社会資本の整備に当たりまして、大変厳しい財政状況下にある。しかしながら、必要性の高い分野、緊急性の高い分野というのも現実に存在しているわけでございまして、これらについて投資を重点化し、建設コストの縮減に取り組んでいくということでなければいけないと思いますが、それと同時に、ただいま御指摘の費用対効果分析というものを事業採択に十分活用していく、それによって効率的、効果的な整備をするということが必要だと考えております。 費用対効果分析については、既に平成九年度の新規採択事業から実施しておりますし、また、今年度の新規採択予定の事業につきましてもこれを実施しております。 分析手法につきましては、便益として時間短縮の効果、費用低減の効果などを挙げておりますし、また費用といたしまして、建設費それから維持管理費等を用いておる。それで、この費用と便益の比率でありますとか、あるいは費用と便益の差し引きの価値といったものを算出して具体的に評価をするというやり方をしているところでございます。 それで、この費用と便益の比率ないし差し引きの価値の計算につきましては、十年度の予定といたしましては、さらにそれに盛り込むべき便益あるいは費用につきまして、例えばアクセス時間であるとかコストの節約であるとか混雑の緩和であるとか安全性の向上であるとか、こういったことも含めて研究をしてまいりたい、よりよい手法を採用してまいりたいというふうに思っております。
○戸田邦司君 大変難しい分野ではないかと思いますが、ひとつ皆さんで知恵を出していただいて、非常にいいやり方で進めていただければと思っております。 きょうは港湾局長においでいただいておりますが、港湾関係の特別会計というのは国土・環境委員会の方で扱うということになっているそうでして、大変申しわけないことではありましたが、港湾整備、空港整備も含めての問題になると思います。 前にも一度お話しいただいておりますが、コスト低減について、今までも相当熱心に取り組んできていただいているということでありますが、一般的には公共事業のコスト低減は十分ではないという評価が多いように思います。 そこで、今年度予算を執行する段階になってきておりますが、このコスト低減の徹底について、ひとつもう一度取り組み状況なども含めてお話しいただければと思います。
○政府委員(木本英明君) 建設コストの縮減問題でございますが、これは先生御案内のとおり、昨年、平成九年四月に、関係閣僚会議で公共工事コスト縮減行動指針を策定いたしております。その中で、工事の計画だとかあるいは設計のそういった面での見直したとか、あるいは工事発注の効率化だとか、いわゆる四分野十九施策にわたる所要の措置を三年間いろいろ努力をいたしまして一〇%以上の建設コストの縮減を目指そう、こういったことを関係閣僚会議で指針として策定いたしております。 運輸省の関係、港湾局もそこに入るわけですけれども、政府のそういった指針を受けまして、ほぼ同時期に運輸関係の公共工事コスト縮減行動計画を定めておりまして、それに基づきまして港湾工事におきましても具体的な取り組みを鋭意今進めておるところでございます。 具体的な取り組みの状況ですが、平成九年度から取り組んでおりまして、港湾関係では、例えば技術基準などの見直したとかあるいは設計方法をいろいろ見直すだとか、あるいは技術開発を推進することによるコスト削減だとか、あるいはリサイクル材を活用することによる、いわゆる建設副産物の対策にも資するわけですけれども、そういったものを使用することによるコスト削減だとか、そういったことをいろいろ手広く、幅広く推進してきておりまして、一応九年度の事業が終わりましたので、現在その結果を取りまとめ中でございます。 いずれにいたしましても、今後計画期間の三年間で所要の成果が得られるように私どもも最大限努力して達成していきたい、このように考えております。
○戸田邦司君 コスト削減は非常に重要な部門であります。同じ投資額に対して達成率を上げていくということについては、今局長からお話しいただきましたような要素、またできるだけ短時間で計画を進めるというようなことも一つの重要な点であるかと思いますから、五カ年計画あるいは七カ年計画の中で個々の事業を進めるに当たっては、そういったことも配慮してぜひ目的を達成していただきたいと思っております。 このコスト削減につきましては、もう一つ大きな問題があると私は思っております。それは、地方公共団体が主体になって進めている公共事業は、国からの補助金による残り部分を一部特別交付金、また自主財源、そういったことで事業を進めることになるわけですが、そういった部門については、例えば一部地方交付金によって国からの補助金の残りの部分を賄っていく、また起債を許してもらうというようなことになりますと、考えてみると一〇〇%国が管理しているような感じの事業になってしまう。そういった場合に、もらったものは全部使った方がいい、安くして余しても仕方がないというような考えもあってと思いますが、なかなかコスト削減がうまくいかない、そういうことを考えてもらえない。ですから、予定価格で落札することが多いというのも、それも一つのあらわれかもしれません。 こういうような部門については補助金を一括交付する、これは港湾とか空港とかいう場合には特別会計を背負っておりますからなかなか実行上難しい面もあるかと思いますが、下水道とか都市公園とか土地改良とか、今そういう五カ年計画あるいは七カ年計画でやっている公共事業というのは十六本あるそうです。そういったものについて、広さとか人口とかあるいは社会資本の整備状況などに従って一括して補助金を与えてしまう、そういうようなことをすれば、あるいは地方自治体はもっとコスト削減に熱心になるんじゃないかというようなことも考えられるわけですが、そういったコスト削減のためのインセンティブのメカニズム、これをどういうふうに植え込んでいったらいいかということが一つの大きな問題になり得るかと思います。 こういった点も含めて、コスト削減をそういう方向から攻めていく方法がないかどうかという点についてはいかがお考えでしょうか。
○政府委員(梅崎壽君) 地方公共団体が行います公共事業のコスト削減、これは私どももとても重要な課題だと認識いたしております。今、一括交付金といったようなお話もございましたが、今までの御答弁でも申し上げているかと存じますが、まずは費用対効果分析をちゃんとやっていくとか、あるいは時のアセスメントをちゃんとやっていくとかあるいは建設コストの縮減につきまして運輸省も行動計画をつくり、あるいは各地方公共団体におきましても行動計画を策定いたしておりますので、このような行動計画に従いましてコスト削減に努力をしていく、これがまず第一であろうか、こう考えております。 確かに、これだけではなかなか機能しないのではないか、そういう問題があるのではないかという御指摘でございますが、この解決策の一つとして一括交付金というようなお話もございましたけれども、確かにこれは一つのお考えであろうかと存じます。 ただ、私どもの運輸・交通関係の基盤整備という点から言いますと、これはもう委員大変御造詣が深い分野でございますが、運輸省の場合は当然のことながら国際的あるいは国内的な交通ネットワークの形成という観点からやっていることが多いものでございますので、必ずしも常に二足の事業量が各地方公共団体にあるわけではございませんので、事業それぞれにつきまして、全国的なネットワークの観点から、あるいは国際的なネットワーク形成の観点から、果たしてそれが必要かどうかというのを中央的な立場で判断するということが必要になってまいりますので、必ずしも一括交付金という制度は運輸省の場合はなじみにくいのかなと、こんな感じで受けとめております。
○戸田邦司君 終わります。
○委員長(川橋幸子君) 以上で運輸省関係予算に関する質疑は終了いたしました。 この際、二時三十五分まで休憩いたします。 午後二時二十三分休憩 —————・————— 午後二時三十六分開会
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度総予算中、運輸省所管及び郵政省所管を議題とし、郵政省関係予算について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○守住有信君 自由民主党の守住でございます。 きょうは、この委員会で十年度予算の分科会ということで、先ほどは運輸省がございましたけれども、私は非常にうらやましいと思っておる。運輸省はこの委員会一本だ。この前も申し上げましたけれども、郵政の方は、一番大事な貯金、保険、これは財政・金融委員会ということで、二またになっておる。予算だけは議運の方で郵政省一本ということでございますけれども、法案は別だ。一般質疑も貯金、保険は向こうでやるのかなと。おれ自身も体が二つになる。郵政省自身も分化されておる。かつて民営化で五つのあれをやった、保険は株式会社でこうこう、行政も二つというあれがありましたけれども、今度は参議院の方が委員会審議は二つに割れておる。国対、議運で決めたんだろうけれども、これが私は非常に不満でございます。 まあ、せっかく予算の方は一緒ということになりましたので、真っ先に貯金、保険の方からちょっといろいろ私の考え、意見も入れ込んで申し上げたいと思います。 前からも御審議の中で申し上げておりますように、例の預託廃止、自主運用、これに向かってどのような備えをしていくかという準備態勢といいますかね、そのために最大なものは人材ということでございます。そういうものの中で、問題意識を持って、貯金中心に、共通部門と一緒に、官房も一緒になって、いろんな今後に向かっての準備態勢、人材養成に対する新規の考え方を織り込んで十年度からスタートせにゃいけません。 そういうときに、例えば研究マン、これは理工系だけじゃございません、社会学、経済学も一緒ですけれども、任期制公務員制度、民間人を国家公務員にする、ただし任期つきだ、三年とか五年とかね。あるいはまた、この十年度で、人事院が取り組んでおるようでございますけれども、民間人のプロを、実力のある資格のある人を途中採用する、こういう国家公務員制度の新しい動きが始まっておる。 そういう動きを横目で見ながら、主体的に郵政事業、貯金、保険の方がこれにノウハウを、いろいろ知恵を山さにゃいかぬ。そういうことについていろんな各般の手だてが要ると思います。これは、人の能力、ノウハウの問題ですから、一挙に半年やそこらで、一年ぐらいででき上がっていくものじゃない。自主運用で大丈夫なのかというのが世間の経済評論家や金融論者や学音の一部から実は出ておるわけですから、そういう問題意識は当然に持っておられると思いますが、そこらについてどういうふうな今発想をして、これから長期的に取り組んでいこうとなさっておるか時間がないから、片りんだけでも結構ですから御説明いただきたい。 そして、各委員の先生方もまたその辺のところを心配しながら、もちろん郵政事業の主体性ということでございますから、考えておられると私は思いますから、よろしくその点を御説明お願いします。
○政府委員(金澤薫君) お答え申し上げます。 簡保積立金は大正八年より、郵貯の金融自由化対策資金は昭和六十二年よりそれぞれ自主運用を行っているところでございます。資金運用に関しましては長年の経験と実績があるわけでございます。また、職員の育成につきましても、訓練、研修、それから証券アナリスト資格の取得等を通じて能力向上に努めてきたところでございます。 しかしながら、資金運用を取り巻く環境は、金融システム改革の進展、いわゆるビッグバン等の進展がございます。急激に変化しているところでございまして、これに対応するため、例えばポートフォリオ理論に基づく最適資源配分とか、ALMによるリスク管理、それから新たな金融サービス、デリバティブ的なものが非常に発生してきておりますが、それへの対応等、より専門的な知識、技能が必要となっているところでございます。 先生御指摘の任期つき研究員や中途採用制度、こういう制度も今回新たに人事院規則が制定されまして導入されたところでございまして、郵政省といたしましても、こうした新たな制度を視野に入れながら、高度な専門的知識、経験を有する民間の人材の採用について検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○守住有信君 各般にわたりますので、そういう問題意識で皆さん方も長期的視野で、しかしのんびり構えてはおられぬよ。役人というのはよく前例主義、踏襲主義、過去の前例を責任者がかわっても踏襲主義でやっていく傾向が割に強い。これは一番安定ではございますけれども、激変の時代、ビッグバンにもう入っておるわけですから、そういう激変の金融の変化の中での自主運用でございますから、よっぽどいろんな知恵を出して、官民合わせ技でやっていただきたいと思っております。 きょうは、私が事務次官のときにやった生活経済学会、貯金保険が中心でございます。その前が情報通信学会。大臣、各政府委員の皆さん、正直言うと、郵政省は学会一つ持ってなかったんだ。当時、電電公社、及川さんのところ、が電気通信学会、今は電子情報通信学会。片や通産省とコンピューターや情報の問題でやり合いましたけれども、あそこはコンピューターの情報処理でございますな、情報処理学会。 それで、郵政省は長い間学会一つも仕掛けていない。それで、第一が情報通信学会。あれは世界コミュニケーション年のときに基金をつくって、学者先生方や産業界からわあっと加わって、コミュニケーション・フォーラムから始まりまして、いろんな学者の先生方あるいは産業界の方々がこのように毎号あれして、いろんな研究会がございます。 ただ、ちょっとこれを見ておって気になりますのが、いろんなシンポジウムとか勉強会をやっておられますけれども、当然に郵政も入っておりますが、こういう学者中心に一生懸命やっておられますが、これをよく見ますと、終わりの方で、いろんなグループ、参加が三十人とか二十五人とか、これはもう一々申し上げません。これは「情報通信学会誌」の五十六号でございますが、これは行政マンの皆さん方、これをよく見ておいてくださいよ。その中に郵政省の行政マンの方、若手を十分そこに参加させるように、それで産学官一体、もともとこの学会をつくったときは産学官融合。デジタル化も融合でございますけれども、これも学会と産業界と官との融合学会ということで私がのろしを上げて、その後ずっと十何年続いておるわけでございます。 もう一つが、さて我が郵便局はどうだということで、貯金・保険学会では余りにも目先が出過ぎる。一番大事なのは生活者ですよ、生活経済。生活者の視点から我が国の経済や金融や国際金融を見ようと、こういう視点から生活経済学会は大石教授、原教授のもとでスタートして、これについても特に貯金、保険、地方の郵政も含めて、大いにこの会員になると同時に、その中に参加して、そして学者先生方と勉強をする、それから発言もする。これは産学官じゃなくて、産は郵政事業そのものですから、学官学会だな。こちらは産学官学会ということですから、そういう御関心で、皆さん方はトップだからね、大いに部下にハッパをかけ、みずからも関心を持って、こういう金融の世界とか高度な技術の世界、デジタル化の世界、これに向かっての、産業界からもどんどん、NTT等は意見をお聞きでしょうけれども、そうじゃなくて、もっと幅広い新しいベンチャーから何から、そういう角度でお取り組みをいただきたいということをお願い申し上げる次第です。 それで、一番私が気になっておるのは、実は三事業の中で郵便でございまして、これはもう昔から、(「訓辞だな」と呼ぶ者あり)おれ、今訓辞しておるんだよ、先輩として心配でならぬ。 もう情報通信でどんどん取られていく。昔から、前からですよ。単にクロネコヤマトだけではない。例えばまずパソコン通信、ましてやインターネット、もうどんどん通信ですよ。一対一でも通信だよね、コンピューターとオンラインだ、一体、多元的、双方向。 それで、その発展状況を見ながら、さて郵便は文書による、印刷物による通信ですけれども、ここが非常に気になっておる。実は、逓信委員会で大分前に私は電報の問題を申し上げた。一番オールドの電気通信の手段、電報。あれは一方向でございます、双方向じゃございません。したがって、電電公社を民営化するときに、私は電気通信事業法の附則に、電報というのは本来の電気通信じゃございません、双方向じゃございません、配達がついておる、一方向で配達がついておるんですよ。片や、私のころから電子郵便というのを始め出した。ただ、あのころはまだ東京、関東とか近畿とか東海だけでございまして、全国普及に至っていなかったときに電電公社を株式会社にした。そのときの電気通信事業法の附則に「当分の間、」と書いてあるんですよ。当分の間、国内電報についてはNTT、国際電報についてはKDDがこれを取り扱うと。もう十何年たちます。 そして、NTTは、まさしく電気通信の高度化、マルチメディア、光ファイバーから始まってデジタル通信の時代へどんどん向かっておるわけです。最も古いオールドメディアが電報です。で、配達づきです。我が郵便は全国配関連達制度がある。これに乗せればいいわけですよ。それで、電子郵便を始めて今はもう全国でございましょう。料金は電報よりはるかに安いんですよ。マンパワーつきです。これを、私は電報を廃止して電子郵便に統合すべしとやったんだ。NTTの方はもっと高度化の世界がどんどんあるから、どんどん発展していますよ、マンパワーもね、どんどん能力は。だから、それを大きな通信政策として、郵便も通信の一部ですよ、ベーシック通信ですからね。総合化調整、そういう政策を私は打ち出すべきではないか。 片や郵政審議会、片や電気通信審議会、両方の合同部会をつくって、これは一年ぐらいかけてじっくり議論し合う必要があるんじゃないか。そうでないと郵便の将来はどんどんマイナスになっていく、こういうことでございまして、意見を申し上げたら、どういう回答が政府側から、郵政省からはね返ってきたかというと、競争原理でございます、電報と電子郵便が競争しておればいいんですというふうなのが郵政当局の方から出てきた、郵務局から出てきた。片や通信政策局がある。通信と放送、電気通信局あるいは放送行政局、それをアウフヘーベンしていくのが通信政策局、その通信の中に、郵便も通信でございますよ、この総合通信行政というか政策です。 そしてまた、NTTは、電報がこうなっても、もう子会社も山ほどつくって、うんと発展してどんどん勢いあるんだよ。だから労働組合の問題もない。そんなのは全電通が、気になる情報、今情報通信か何かで。だから、もっと発展した高度な世界へNTTの職員はどんどん向かっておる。そういうマインドを持っておる。片や、配達づきの電報というもの、これが一方では郵便局で電子郵便をやりながら、そして申し上げましたように、もう世の中はパソコン通信からどんどん発展していく、そういうのに対する大きな長期的な戦略というもの、通信の全体の体系の中での役割分担というか、それをお考えになったことがないんだろうか。もう十年近く前ですけれども、かつて逓信委員会の時代に申し上げたら、競争原理でございます、電報と電子郵便と競争ですと。 通信政策の電気通信の方の通信で最もベーシックな電報、配達マンつきで、そしてあれは配達の方はみんな委託でございますよ。我が方は国家公務員として信書を扱う。電報もその一部だ。一対一のあれですから、すぐあけりゃ見られるんだからね。 郵便の将来を考えていったときに、こういう思いでございましたから、今の時代、両方から聞きたい。郵務局長と通信政策局長から、きょう来ていないかな。電気通信局長、あわせて今後どういう問題意識を持ってとらえていかれるのか。審議会としても郵政審議会と電気通信審議会ですよ、これをアウフヘーベンするのは官房長、次官、大臣ですよ。 前置きはこれくらいにして、どれぐらいのお考えを持っておられるかお聞きしたいと思います。よろしく。
○政府委員(谷公士君) お答えを申し上げます。 電報事業につきましては、現在、先ほど先生がお示しくださいましたとおり、電気通信事業法の附則によりまして、国内電報はNTT、国際電報はKDDの独占事業というふうになっております。
○守住有信君 「当分の間、」を忘れちゃいかぬよ、「当分の間、」と書いてある。おれが入れたんだから。
○政府委員(谷公士君) はい、おっしゃるとおりでございます。 このことにつきましては、まさに先生が当時の最高責任者でいらっしゃいまして一番御存じでいらっしゃいますので、大変恐縮ではございますが、当時、電報は国民生活にとって欠かすことのできない通信手段としての役割を果たしていた。しかしその一方で、利用通数が総じて減少傾向にありますとともに、大幅な赤字部門となっておりまして、当時は収支率で三〇〇%を超えるような状況でございました。 したがって、そのあり方につきましては、今後の利用状況の推移、他のメディアの発展状況、収支見通し等を総合的に勘案しつつ検討する必要があるということから、将来的なあり方につきましては、国民の皆様のコンセンサスが得られるまでの間は、当分の間は従来どおりNTT、KDDの独占とするという形になったものと承知をいたしております。 その後十数年経過いたしましたわけでございますけれども、最近の状況について見ますと、慶弔用が大半を占めておるわけではございますけれども、依然として電報は年間四千万通を超える利用、これは十年前とほぼ同じぐらいの利用でございます。それから、サービスの向上や効率化施策の推進によりまして収支状況が大幅に改善いたしまして、現在まだ黒字にはなっておりませんが、年間の赤字十四億円というふうに大幅な改善をいたしました。こういった状況で、事業法制定当時とはかなり異なった状況が出てきておるわけでございます。 私どもといたしましては、そういうことで、なおこれだけの利用通数がほぼ改善された収支状況の中で営まれておるということを考えますと、もう少しこれからの環境変化も見ながらあり方について検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(長谷川憲正君) それでは、郵便事業の立場からも御説明申し上げたいと思います。 電子郵便、いわゆるレタックスと申しておりますが、このサービスは守住先生が一番よく御存じでいらっしゃいまして、昭和五十六年に東京、名古屋、大阪でサービスを開始いたしまして、その後順次取り扱い地域を拡大して、昭和五十九年に全国にサービスを拡大展開したものでございます。その後、順調に取り扱い部数も伸びておりまして、平成八年度ではおよそ千六百万通の御利用をいただいているところでございます。 ところで、レタックスと電報は、お説のとおりに途中は電気通信で送りまして最後はお客様に人間が配達をするという意味で類似しているものであることは間違いございません。しかしながら、その中身を見ますと、レタックスの場合にはファクシミリ型でございまして、単に活字を伝送するというだけではなくて、直筆の文字でございますとか図形あるいはイラスト等の画像情報もそのまま速達として配達ができるというところに特徴がございまして、受験生のところに合格票をそのままお届けするという大学レタックスの取り扱いなどがその代表例だというふうに考えております。 一方、電報はテレタイプ型でございまして、文字を伝送して打ち出すというものでございます。したがって、その取り扱いについての、例えば電話によって簡便な申し込みができる、それから夜間等でありましても迅速な配達をしているというところが特徴であろうというふうに考えております。 現在、お客様はこうしたレタックス、電報それぞれの特徴を踏まえまして利用目的に応じて選択をしておられるというふうに私ども認識しておりまして、電報の将来については今電気通信局長から御説明申し上げたとおりでございますが、郵便事業のサイドといたしましては、電報の例も大いに参考にしながら今後とも利用者の多様なニーズに対応してまいりたいと考えているところでございます。
○守住有信君 何か非常に受け身で、世論があれで、それはもちろん基本は世論だけれども、そういう世論形成に対する仕掛けというか能動的なものが何一つ私には感じられない。そして、一つの手法論として私は「当分の間、」。じゃ永久なのか、この「当分の間、」は。電気通信事業法でございますが、「当分の間、」と入っていますよ。NTT、KDDにだけ「当分の間、」。これは永久なのか。 今ずっとお聞きしておると、それぞれの特徴がございますと。ところがレタックスの方が範囲は広いんだ、向こうは活字だけ、しかも実態は慶弔中心。もっと広いんだ、電報をできるんだ、慶弔もできますよ、範囲が広いんだよ、絵もいろいろ入れられる、幅があるんだよ。 そういうことで、このまま行っておったら私は郵便の赤字でまた値上げでまた悪循環。最近、企業利用はどんどん減っておるでしょうが。貯金、保険と比べて、保険も新規加入は最近ちょっとダウンしておるけれども、郵便の利用はがた減りだ。それで、地方なんかに行ったら、もう郵政局長以下危機意識ですよ、郵便局長も。郵便がた減り。組合も目の色を変えておる、全逓も全郵政も。私は意欲は非常に立派だと思うんです。ところが、トップの方は、それぞれのあれがございましてと。 何も一年以内でどうのこうのと私は言っておるんじゃない。しかし、そういう論議をまず起こしてみるべきなんだ。郵便は郵政審議会、電気通信は電気通信審議会、審議会がベースですから、一遍両方から人を出して共同部会みたいなものをつくって、そうしてまず論議をしてみるということ。そして今後五年先、十年先の郵便や電報やレタックスのあり方というものもあわせて、その中で社会学者その他技術の学者、いろいろ含めて十分論議をしていきながら、そしてどちらがあれだ、電報は高いんですよね、高くても使うといえばそれは選択の自由だから構わぬようなものだけれども。 私なんかの実例を言いますと、もう私は、皆さんもそうだと思うが、市町村から陳情とか御礼とか交付税のときとか、何やかやいろいろ山のように来るんですよ。みんな電報なんだ。何だと言うんだ、税金を使っているんじゃないか、おれは市町村長にレタックスを使えと言ったんです。私は、我がところへ電報で来たやつをみんな一覧表にとりまして、各市町村に分けて、それを郵政局の郵務課にリストを渡してアプローチしろと。地方税、税金で来ておるんですからね。そして、自治団体からだんだん各種団体の方へ、そういうレタックスを使うように、ただ一軒一軒言ったってだめなんだよ。もう時間がないから、これだけを指摘しておきます。私は五年先、十年先が心配だからこういう点を一つの例として申し上げておるわけでございます。 それから、もう一つ聞きたい。 近ごろニュースで郵便と西濃運輸と組むというのが出ておったから、どういう発想だろうかと思って、それはクロネコヤマトと組むはずはないけれども、そこのところの背後の考え方、戦略、これをちょっと私お聞きしたいと思っておりますから、よろしく。
○政府委員(長谷川憲正君) 郵便事業に対しまして大変御支援をちょうだいしまして、まことにありがとうございます。 先ほど御指摘のように、利用が減りましてそして赤字になり料金値上げというような悪循環に入らないように、サービスの改善を含めて一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。 今お尋ねのございました西濃運輸との提携でございますが、私ども国の事業でございますので、あらゆるところで地域の発展、あるいは民間の事業でございましても私どもがお役に立てるところでは協力をしてまいりたいということで取り組んできたわけでございますが、このたび西濃運輸株式会社から、西濃運輸がお客様からお預かりをした保冷荷物を郵便局の保冷小包、チルドゆうパックと申しておりますが、このチルドゆうパックとして差し出すのでこれを扱ってくれないか、こういうお話が持ち込まれまた、 私どもお話を伺ったところでは、最近のお客様からはやはり保冷のサービスをしてほしいという希望が大変に強いそうでございます。これは品質の安全を求めるというお考えからだと思いますが、ただ、西濃の全国の支店、営業所等に設備を設けるといたしますと膨大な費用がかかるということから、郵便局との提携ということをお考えになったようでございます。 私どももお話をお聞きしますと、チルドゆうパックとして私どもに差し出してくださるということでございますので、これは私どもの収入の増加にもつながるわけでございますし、何よりも地域のお客様が郵便局でももちろん出せる、それからもちろん民間の既存の事業者の営業所にも出せる、そしてまた西濃の営業所にも出せるということになると便利が増すであろうということを考えまして、このたび両者で協力をし合うということを決めたわけでございます。 今後、郵便局のネットワークは国民共有のインフラでございますので、ますますこのネットワークのオープン化を目指してまいりたい、このように考えております。
○守住有信君 チルドゆうパックですな。なるほどと思った。元輸送課長が申し上げるんだから、一番ぴんとくる。 それともう一つ、これからの、これは予算会計制度とも絡んできますけれども、郵便の方がワンストップ行政サービスとか、郵便のコストでいろいろ地域住民のための行政サービスをやる。これにはコストがかかる。この間電気通信政策局との連携ということを申し上げました。いろいろ補助金を出したりやっておる。片や自治団体も、例えばコンビニとかなんかに住民票とかの住民サービスを委託しておられる。それはちゃんと自治団体は委託費を払っておるんです、税金で、地方税の方で。 我が郵便は全部独立採算でございますということで、郵便のコストは設備から何から、ついでにあれもサービス、住民のためですから窓口でサービスするという。これはいいんだけれども、どんどん設備投資が要るんだな。全国あまねくだから、一カ所だけだとか数カ所というわけにいかなくなる。実験のときはどこかの地域から始まって社会的実験でどんどん広げていくけれども、これにはコストがかかる。そのコストは郵便料金なんだな。郵便会計だから、郵政事業特別会計、郵便の負担。そこのところをどういうふうに考えていったらいいのか。 片や財政会計制度を見ると、国の事業特別会計は補助金等の規制に関する法律で一切補助金を受けてはいかぬ、こういう仕組みになっておる。さて、これが公社化になったときどうなるのか。 例えば、環境問題等で電気自動車とか天然ガスの車とかあるいは太陽電池とか、通産省もそういう一件一件とか会社に補助金を出しています。郵便局舎に例えば太陽電池を引こうとすると、全部郵政事業会計の負担です。片や向こうの方は、会社であれ個人であれ補助が出るわけだ。郵政事業特別会計は補助金が受けられぬ。補助金等の規制に関する法律、ここらあたりを今後、公社化になっていく中でどのような備えをしていくのか。 各省庁が、いろいろ住民のため、国民のためということで知恵を出して、新しい時代をリードできるように助成金を最初は少額だけれどもどんどん交付していく。しかし、事業特別会計は一切これは受けられませんと。そうすると、全部郵便料金のコスト負担になっていくんですよ。 貯金や保険だって将来はわからぬ、二〇〇〇年には何十兆、二〇〇一年には何十兆、がぼっと満期で利子つけて払うわけだから、がたがたっと減るんだ。今はこうだけれども、二〇〇〇年、二〇〇一年、そういう先の見通しはわしらにもよくわからぬが、不安感がある。一番不安感があるのは郵便会計なんです、郵便の財政なんです。 そういう中で、この試みというのは住民のためということで、せっかくの郵便の窓口を住民のため、地方自治団体のために活用してもらう、これは立派なことなんです。ますます力を入れなきゃいかぬ。しかし、そのコストの負担ということをどう今後考えて知恵を出していくのか。そこのところを何かやっぱり財務会計制度からも、予算、決算、財務会計からも事業を物を見ていかぬと、両面ですから、事業の三局長だけじゃないんだ、こっちの共通問題、人事もあれば、特に決算経理、こっちの方が問題意識というものを持っておられるかなということを、かわりに財務部長さんでいいから、どういうふうな認識を持って、考え方を持っておられるかをちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(是枝義人君) 郵政事業特別会計は、先生御指摘のとおり、一般会計から補助金を受けるというような制度になっていないことは御案内のとおりでございます。ただ、環境問題とかそういう政府全体が取り組むべき施策、こういったものにつきましては、やはり国営事業としても貢献すべきものというようなことで、独立採算制のもとで効率的な経営を進めてさらに収支の均衡を図っていくそういう中で可能な範囲で貢献していくことが適当かというふうに考えておるところでございます。 具体的にお話のございましたワンストップ行政サービスでございますけれども、現在はまだ実験段階ということでこれは郵便事業の負担の中でやっておるわけでございますけれども、こういったものが今後本格化した場合にどういった負担が適当かというようなことでございますが、昨年六月に郵政審議会から御答申いただきました「郵便局ビジョン二〇一〇」の中で、「ワンストップ行政サービス等のように、コスト負担がある場合には、基本的に行政機関等から対価を徴収する受託サービスとすべきである。」というような御提言もいただいておるところでございます。 そういった提言も踏まえまして、やはり本格的に実施する際には適切な措置をとっていくことが必要かというふうに考えているところでございます。
○守住有信君 後半の方はわかりましたけれども、前段の方で、環境問題等という、理念だけにおぼれてはいかぬよ。 じゃ、クロネコヤマトは電気自動車使う、天然ガス使う、補助金もらう。同じ競争だよ、イコールフッティングだよ。郵便局の郵便車とか局舎はもらえない、もらってはいかぬ。むしろその方があれだ。ここのところだよ。郵便会計が赤字じゃなくてどんどん伸びておる右肩上がりのときならこういう論議は私は起こしませんよ。そうじゃなくてこういきよるから、片や競争相手の宅急便であれ何であれ、宅急便が電気自動車を入れました、あるいは天然ガスを入れました、太陽電池を入れました、補助が来るんだよ、微々たる額だけれども、出ることは出るんだよ。こっちは一切なし。ないことが誇りだと。誇りが持てるうちはいいけれども、赤字になって料金まで、それは全体のコストの中でこれくらいかもしれぬけれども、もっと長期的に考えた場合には大丈夫だろうかと。 そしてその次が、じゃ公社制度になったとき、新型公社というけれども、どのような財務会計から公社制度を考えていくのかということも、これは政治家じゃよくわかりませんから、やっぱり実務経験の、財務会計、会計制度、その他決算制度、あるいは他の公社制度の過去は電電、国鉄はどうであったかとか、新型公社はどういうものなのかということを今のうちにいろいろな角度から研究勉強をしていく必要があるんじゃないか。そのためにもこの片りん、ある側面を申し上げたわけでございます。 事業特別会計というものがある。例えばこの間もサンデー毎日だったかな、「需品費一兆三千億」と。官庁用語は一般会計用語を特別会計に使っている。ことし入ってから大きくわあっと需品費一兆三千億と出たでしょう。そして、もうはっきり言うぞ。秘書課長のところに取材に行ったらしいんだ、広報担当だから。実は、秘書課長は本当をいうと財務部長とか専門家の課長を連れてくればいいのに、自分が答えたから、そこのあいまいなところで最後は「……」で詰まっちゃって、それが大きく見出しに一兆三千億と出たんですよ。 またこの間も同じサンデー毎日、私はサンデー毎日の編集局長に言って呼びつけたんだよ、書いたやつの名前が二人載っているから。おれの部屋へ呼びつけた。それでがんがんやった、一時間。今度またこうこう。これおたくの読みましたけれどもと。相手を呼ばなきゃだめなんだよ。 「十六億消え五十二億円出てきた なんじゃこりゃ−郵政省」と。そして銀行との窓口の対比論。要するに日締決算、月次決算。郵政は月次決算なんかやっていませんよね。かつては電電公社もやっていなかったんだ。真藤が来て月次決算月次決算といって徹底していったんだよ、公社の終わりのころ。我が方は、時間がないからやりませんけれども、裁判所の問題も例に出ているんだよ。「郵便局では毎日、会計の出納責任者が収支のチェックをしないのですか。銀行みたいに、収支が一致するまで確認しないの?」、これは裁判長の発言ですよ。「国側「……」」。こう明確に書いてあります。 そして、窓口での毎日毎日の事務処理、これに対する銀行と対比しておるのが出ておる。私は銀行の窓口に行ったことがない、銀行なんかだれが預金するかと思っておるから行ったことがないんだけれども、こういう民間のジャーナリストが対比して書いている。何かヒントになるんですよ、これはきっかけなんだ。 そういう点につきましても、大新聞の方は郵政記者クラブがありますから、絶えず次官でも局長でも、間違い記事でも出れば直ちに訂正を記者クラブで言えますね。ところが、雑誌記者とか週刊誌なんてそんな関係がないものだから、相手も余り勉強していないから、誤解とかデフォルメがあるんですよ。そのときはすぐ呼んで間違いを正さにゃいかぬのだよ。間違いを正す。特に週刊誌、雑誌もそうですよ。新聞は大新聞以下共同通信までちゃんと記者クラブに来ているから、何か出たら、ぱっと言えるんだよ。真実の報道ですからね、ところが週刊誌なんかそれはありませんから、だから何か載ったら直ちに呼びつける。編集長に電話したら書いた記者が来ますから。 私もこれをやったんだよ。ところが官房は、秘書課長はやらなかったから、おれが何遍も電話をして呼べと言ってやったんだよ。しようがないからおれが呼んだんだ。またサンデー毎日だ。間違いの部分となるほどと思う部分とはっきり区分けしながら、このマスコミ対策、特に小型マスコミ対策。 民営化の方はもう去年で終わりだから、今後は今ばらばらっと出だしているやつ、これに対してきちっとした対応を私は要請しておきますよ。官房長の指揮のもとに、各局長も。そして、専門屋を横に置いておく。局長が全部専門屋じゃありません、必ずその事案の専門屋を横に置いて小型マスコミの記者と対応する。こういうルールをはっきり確立していただかないことには、今後も、これは彼らの怨念があるからね、民営化であふった以来の怨念があるから。残っておるんです、呼んでみてやってみたら。これを御注意を申し上げておくわけでございます。 それから、やっぱりこの需品費というのも一般会計用語なんだね。一般会計の中の需品費というのは微々たるものですよ。それを事業会計で同じ用語を使っているものだから、彼らは、一兆三千億、巨大だというふうなまず第一印象になっちゃう。だから、財務会計の方も事業会計らしく本当は月次決算までいかにゃいかぬですよ。事業会計らしい用語を、大蔵省が考えた事業特別会計なんだ、料金で飯を食っておるんだから、我々は税金で飯を食っているんじゃないんだから、そこのところを、事業特別会計、単なる特別会計ではありませんよ。行政の中で特別会計というのは三十幾つもあるんだから、事業特別会計ですよ。 私が役人時代もよく先輩から特別会計、一般会計と。なに、よく勉強したら事業特別会計なんだ。行政の中の特別会計はいっぱいありますよ、三十幾つも。運輸省なんか幾つ持っていますか。港湾特会とかいろいろ持っているんだ、空港整備も。建設だってどこだっていっぱい持っている。資金運用部も特別会計だ、貴金属特別会計とか大蔵も幾つもある。こっちは、郵政は事業特別会計です。それを他の特別会計と同じようなとらえ方、用語、体系、ここについても大いに勉強して、そして大蔵省に向かって大いに議論をふっかけて、新しい構想を描いて、公社の前段を実務的には考えていかなきゃいかぬよ。いろんな各般の面が要りますよ。それで、おれが大蔵だってどこであろうと文句つけりゃ言ってやる。呼びつけてやる。 最後に、例の中小企業対策、貸し渋り以降の郵便貯金や簡易保険が、株のあんな話があるものか、どれだけ役に立っておるかということはちっともアナウンスされていない。国民金融公庫、中小企業金融公庫、その他、この十二月から三月いっぱいまでえらい金額ですよ。それを郵貯資金や簡保資金が国民金融公庫等政府関係の中小企業対策の金融機関を通じて、北海道、東北なんか北拓がダウンした、それは物すごい金額になる。それをおれは大蔵からとってファクスで送っているんだよ。銀行局は特別金融課、資金運用部は理財局の資金一課、両方からとって、郵貯、簡保を分計させて出して送っておるけれども、マスコミは全然発表しない。事務次官も株のことだけ言うんだな、五十嵐君は。株じゃない、中小企業ですよ。これに対して我が郵便局資金がどんなに巨大な金額を年度末に提供してやっているかということを国民は知らない。マスコミも知らない。中小企業者も知らない。 これはもう具体例でお聞きになればわかるんです。今度も三月いっぱいまでの決算を持ってこいと大蔵に言ってある。四月十日にその決算ができ上がりますから、この数値をぱっとお送りすることになると思います。十二月から三月いっぱいまで郵貯資金、簡保資金が全国の中小企業者に特別に貸し渋りで緊急融資された、どれだけ貢献しておるかと、そういうことこそ誇りを持って、ところが省内だけでわかっておっちゃだめなんです。国民に、中小企業団体に、商工会議所、全国の中小企業団体中央会、全国各県ごとにあるんだよ。これに向かって具体的な数字をもって、私は、大蔵にも全国数字ばかりじゃなくて、管内別も出せと今度は言ったですよ。 そういうことをやっておるから、大いにそういう点は、一番今がタイミングなんだ、一番ひいひい言うとるときなんだ、そのために郵便局が、どんなにその資金が貢献しておるか。地方公共団体はわかっておった、これは直接だからわかっておったんだ。それをマスコミの前、県民の前、中小企業団体の前に大いに出すべきなんだ。それを「郵政」の雑誌を読んだって、ずっと毎号出ているでしょう、載っておらぬ。これはもうパンフレットかリーフレット、これちょっとでもいいと思っているが、ない。その十二月以降三月いっぱいの貢献というものをよくお話を申し上げておきます。 以上、もう時間が来ましたので終わらせていただきます。
○松前達郎君 民友連の松前です。 今いろいろとお伺いして、同じ熊本だと言われますけれども、私の方はちょっと今のような先輩としての立場でおっしゃったことは言えませんので、ちょっと順序を変えて質問させていただきたいんですが、先日、BS4の後発機に関する放送法の一部を改正する法律案、これが本院を通過したばかりであります。また、郵政省の地上デジタル放送懇談会が六月の中間報告で取りまとめが行われる、こういうふうに伺っておりますが、いよいよ正念場を迎えているところだろうと思います。デジタル技術というものについては、これは情報の蓄積ですとか圧縮ですとかあるいは多重化ですとか大容量化、こういうことができるわけですから、アナログに比べますと比較にならないほどのメリットを持っている。これはもうだれもが知っていることなのでありますが、このデジタル技術そのものはもう社会では一般的に使われるようなそういう状況に発展してきていると思います。 そこで、きょうはデジタル放送、これに関して幾つかの質問をさせていただきます。 まず最初に、地上放送のデジタル化なんですが、これはずっと以前に、逓信委員会だったと思いますが、私は地上放送もデジタル化するべきでないかというふうなことを質問したことがあります。このデジタル化は今もう既に世界の趨勢になってきております。アメリカ、ヨーロッパでも実用化されている。地上放送のデジタル化、日本はまだ行われていない、そういう状況だと思います。 これからの情報化社会の中における日本の立場というのを考えますと、当然地上放送のデジタル化というのは避けて通れない問題だ、これは非常に大きな問題だというふうに思っておりますが、この地上放送のデジタル化を早急に実現させるべきだと私はそう思っているんですけれども、これについて、総括的に郵政省として一体どういうお考えなのか、まず最初にお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘ございましたとおり、ちょっと話がさかのぼりますけれども、一九八三年にITUでこの地上放送のデジタル化、放送全体のデジタル化の話が始まりまして十五年たつわけでございます。それからまた国内におきましても、過去五年間にわたりましていろいろ紆余曲折ございましたけれども、放送は基本的にデジタル技術によりまして、先生御指摘になったようないろんなメリットを視聴者にまた放送事業者に大いに活用してもらうべきではないかという方向で今議論しているわけでございまして、私どもも先生おっしゃったとおり、早急に二〇〇〇年を目途にということで今諸準備を関係者の方々と一緒に進めておりますけれども、きちっとその方向で手順と段取りよく進めてまいりたい、また進めるべきであると、そのように感じている次第でございます。
○松前達郎君 放送がデジタル化されると、当然アナログ時代のテレビジョンあるいはラジオという呼称、これが適当でなくなるわけですね。映像、音声、データがミックスされていわゆるマルチメディアという新しい形態がその中に導入されていくだろうと思います。サービスも非常に多彩になっていくだろう。これについて郵政省はどういうふうにお考えなのか。 それと同時に、アナログ放送時代の法令上の定義というのがどうもそぐわないものになってくるだろうと思うんですね。これに対してどういうふうな手だてをこれからされるのか。その二つについて教えてください。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘ありましたとおり、確かに今の放送法制、衛星につきましてはデジタルということで幾つかの前提にした制度にもなっておりますけれども、基本的にはアナログを前提にした放送制度でございます。私ども、これからの放送をめぐるいろいろな定義にしましても制度にしましても、やはり基本的には、放送につきましても通信につきましても、先ほど触れましたようにITUというのが一番の議論の出発点になったわけでございますから、やはり国際的にどういうような議論がなされているかということを踏まえることが大事ではないかと思います。 それから、特にデジタル化になりますと、非常に技術の進歩が日進月歩と申しますかそういう形になりますので、制度はその技術の変化にあるいは進歩に柔軟に対応できるものであることが必要だろうと思っております。 それからまた、そのもとに技術の進歩が進みますと、当然放送事業者の方々もその技術を迅速に活用したまた新しいサービスということを考えられますから、そうした新しいサービス展開に柔軟に対応できる制度である必要もあるだろう。 それから、これは制度を担当する音あるいは放送事業者の方々ばかりではなくて、やはり視聴者から見て、一体どういう放送の仕組みで、制度で放送がなされているのかということが視聴者から見てもわかるということ。 そしてまた、これは有限の風波数資源を、周波数というのはこれは輸出も輸入もできないわけでございますから、有限な周波数をいかに有効に活用していくか。この五つのポイントがこうした制度を考えていくポイントではなかろうかと思っております。 具体的にどうかということになりますと、先ほども申し上げましたように、実はITUでの、今の放送につきましても通信につきましても、基盤になるベースの技術はもうデジタルをベースにして議論がなされておるわけでございますが、しからばいろんなテクニカルタームと申しますか制度の名前については、今のところはやはりテレビとかラジオとか、いろんなアナログ時代と同じような言葉が使われておりますが、今後はそうしたITUの議論あるいは各国の新しいネーミング、分類、そういったものを十分参酌しながらこれからの放送制度も考えてまいりたい、かように存じております。
○松前達郎君 そうですね、法令に使う用語の問題、それもこれから出てくると思うんで、いずれは法令を変えなきゃいけない段階に入っていくと思うんです。 デジタル化に際していろんな問題が出てくると思うんですけれども、その中の一つとして、例えばテレビジョン放送業者に六メガヘルツの周波数帯域を与えるということが論議されているように聞いております。現在のテレビジョンの三倍以上の映像、それと複数の音声、膨大なデータを放送できる周波数帯域幅を与えるということだと思いますけれども、他方においては、音声放送業者が現在ありますね。音声放送業者には一つの音声放送と若干の補完的なデータしか放送できない。これは狭い周波数帯域幅のデジタル化ということになるんじゃないかと思いますが、こういうふうに考えてみますと、公正を欠いてくる可能性があるんですね、その周波数帯域の利用について公正を欠いてくる。また、広告を収入源とするような民間の音声放送業者をとってみると、ある意味でいうと死活問題にもかかわってくるのではないか、こういうふうに私は思うんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(品川萬里君) 先生ただいま御指摘になりましたように、これからのデジタル技術を活用いたしますと、例えば高精細度テレビジョンでございますと六メガヘルツが要るかなと、従来の標準型のテレビジョンでございますと二メガヘルツで済む、そうしますと三本、三チャンネルとれるのかなといった議論もございます。それから、移動体放送に向いているというのがデジタル技術の強みの一つでございますが、そのためには四メガヘルツぐらい要るのかなと、それから音声にもどれだけ周波数帯があれば済むかと、いろんな議論がございます。 いずれにしましても、これからそうしたデジタル技術を活用いたしまして放送事業をおやりになりたいという方がどんなサービスを提供するのか、またそれをどういう組み合わせでやっていくように考えておられるのか。それからまた、そういったデジタル技術を活用したいろいろなサービスの組み合わせあるいは周波数の幅の使い方につきまして、既存の事業者の方といわゆる新規参入の方とどのように考えていったらいいのか。中には単純にいわば従来の事業と同じことをさせるべきだというシフト的な考え方をされる方もありますし、これは新しいチャンネルが生み出されるのであるから新規参入の方がやっていくべきだという考え方も多々ございます。 いずれにいたしましても、これは多分とこの国でも共通の理念でありますけれども、言うところの集中排除原則、すなわちできるだけ多くの人がこの放送メディアを使った表現の機会を確保できるような原則、世に言う集中排除原則でございますが、そういう考え方に立ちまして、どのような現実のサービスを提供されるのか、今までテレビをやっていた方はテレビをやるということではなくて、まずはどういうサービスについて考えられるのか、それにどのような参入の形があるのかそういう考え方で議論をしていくということが出発点かと存じます。 いずれにしましても、現にいろんな放送サービスをされていろんなノウハウ、蓄積を持っておられる方々でございますから、そうした過去の蓄積も十分生かされて、かつしかし新たな放送事業の参入の機会も得られる、両様確保できますように、今後、制度のあり方あるいはサービスの組み合わせのあり方等も検討してまいりたいと思います。 こうしたことは、制度論だけではなくて、現実にどのようなサービスがあるのか技術的にどうなのかということが大事でございますから、かねがね御披露申し上げておりますように、地上放送デジタル懇談会というところであらゆる点につきまして御検討いただいておりますので、今先生の御指摘の点もそうした場で十分御審議いただければと、かように存じております。
○松前達郎君 六メガヘルツの周波数帯域というのを何か既得権みたいにして、それは自分のものだというので、その中で今のままで三チャンネルとれますか、そういうふうなことで考えるんじゃなくて、全体として、いろんな業者がいると思いますから、それからいろんなメディアがあると思うので、そういうものを全部包括した上でひとつ新しいデジタル化への移行というものをぜひとも考えていただきたい、これを要望しておきます。 そこで次なんですが、次世代の移動体通信、これも非常にこれから発展していく分野、それから現在もう既に利用されている分野、いろいろあると思うんです。これは目をみはるものがあるわけなんですが、携帯電話とPHS、この二つが中心だろうと思いますが、これの周波数あるいは無線方式、これについても日本のシステムはアメリカ、ヨーロッパと違うんです。 ですから、そういう意味で利用者は日本の携帯端末を持っていっても日本以外では全然使えない、こういう不便が大きい。これは今まだ始まったばかりだと思います、そんなに歴史がありませんのでやむを得ないかもしれませんけれども、今後はこういったことがないような新しい、いわゆるインターナショナルな通信システムとしてこういうものが使えるような携帯をつくり出すべきだ、これはだれでも考えることだろうと思います。世界じゅうどこでも同じ端末で通信ができる、新聞等でも将来の課題として報道されているわけです。 これに対してIMT二〇〇〇というのがありますね。標準化の問題だろうと思うんですけれども、こういうものが今後どういうふうになっていくだろうか。これはITUで統一規格が決定される、最終的な段階ではそうなるんじゃないかと思いますけれども、今年の六月までに各国から提案された技術を比較した上で九九年末に一つに絞り込むというふうな段取りになっていると伺っております。主導権をどこがとるかというのでいろいろと激しい議論が行われているんじゃないかと思いますが、この標準化競争といったらいいでしょうか、これに対して我が国としてどういうふうに対応していこうとしておられるのか、これをちょっとお聞きしたい。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のIMT二〇〇〇は、まさに世界共通の標準化で、どこでも端末を持っていって使えるようにしようというシステムでございまして、現在、国際電気通信連合におきまして必要な標準規格を一九九九年末までに作成するということで取り決めが行われております。 この標準化を促進いたしますために、日米欧を初めとする各国の民商標準化機関におきまして方式の統一に向けた相互調整が行われておりまして、我が国では民間の標準化の団体でございます社団法人電波産業会と申しますところを中心に、欧米各国との間で方式の統一に向けた調整が精力的に行われております。 こういった努力もございましてか、先般、我が国で検討しております無線伝送方式でございます広帯域CDMA方式と欧州で検討されております広帯域CDMA方式の基本的部分の統一化が欧州におきましてはぼ達成されました。それからまた、米国の広帯域CDMA方式につきましても方式上の差異が次第に少なくなってきているということがございます。 私どもといたしましては、このような民間における調整活動が円滑に行われますようにその活動をできるだけ支援いたしますとともに、ITUや二国間の定期協議等の場を通じまして、世界統一標準の達成に向けて各国と必要な調整を行っていきたいと思っております。 六月という御指摘ございましたけれども、各国がITUに対して本年六月までに提案をするということになっておりますので、現在、電気通信技術審議会で審議をいただいております。その結果等も踏まえながら、この六月までに無線伝送方式についての日本の考え方を取りまとめてITUに対して提案をしていきたいというふうに思っております。 ただ、御指摘もございましたけれども、この問題は知的所有権に絡みましたりあるいは各国の産業政策にも絡みましたり、大変難しい問題であるわけでございますけれども、やはり将来的には統一をしていくということが世界各国民の利益になるわけでございますので、今申し上げたような仕組みの中でできるだけの努力をしてまいりたいと思っております。
○松前達郎君 大変な論議が続いていくんじゃないかと思いますけれども、頑張ってやらなきゃいけないことはちゃんとやらなきゃいかぬと思います。その辺ひとつ大いに精力的に取り組んでいただきたい、こう思います。 郵政省の平成十年度の予算案の中で、我が国の標準化戦略の強化といいますかそのために、国際標準実現型研究開発制度という、ちょっと難しい名前ですが、この創設を計上されているようでありますが、具体的にこれはどういうふうなものなんでしょうか。
○政府委員(濱田弘二君) ちょっと先生、突然のお話でございますので、担当の局長が参っておりませんので、早急に対応させていただきたいと思っております。後ほど、よろしくお願いいたします。
○松前達郎君 これは私も初めて聞いたので、皆さんも御存じない方ばかりかもしれません。 次に、もう一つのPHS、これは一時物すごい勢いでふえていったんですが、最近どうもPHSが少し頭打ちになっているようであります。これについて、一体今後どういうふうな対応をされるのか。携帯電話の方は海外では使えないという点で、失敗とは言えませんが非常に制約を受けた。ところが、日本のPHSというのは早い段階から海外で普及されてきておりますね。ことしの一月現在でも、東南アジアですとかあるいは中南米を中心にして、日本も含めますと十三カ国このシステムが導入されているというふうに伺っております。 ところが、国内の方が、これは携帯電話に押されたのかどうか知りませんが、非常に厳しい状況に今入りつつあると。ですから、一部ではPHSの会社を携帯電話会社が吸収合併する、そういう話まで出てきているわけです。 こういうふうな傾向にあるとなりますと、このPHSの不振というものが、せっかく海外普及をやったそれにどう影響するんだろうかとちょっと心配になるんですが、この点について御意見ございますでしょうか。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のように、このPHSは海外で大変人気がございまして、十三カ国地域とおっしゃっていただいたんですが、その後もふえまして現在十六になっております。それからまた、検討中のフィールド実験等行っておりますところがそのほかにまだ十六もございます。 しかし、国内におきましては先ほど申されたような問題もいろいろ取りざたされておるわけでございます。しかし、内容を見ますと、わずか二年で七百万人の利用者が出るという大変すばらしい発展ぶりを示したメディアでございまして、昨年十月以降若干加入者が減少いたしましてそういう傾向が見えましたけれども、しかし、二月末現在でなお六百八十六万の方が利用しておられますし、新規に加入される方も多数存在しておられます。 こういった中で、PHSの事業者の経営が思わしくないということになっておりますのは、加入者の確保に予定を大幅に上回る販売費用を費やしたということが一つ。それから加入者の急激な増加やエリアの拡大に対応いたしますために基地局等を計画以上に多数設置をいたしました。そういうことがございましたことで、当初の計画よりも大幅に費用がかさみまして赤字幅が膨らんだ、そのため各社相当の累損を抱えるという経営状態にございます。 このような状況を改善するために、各社におかれましては経営の合理化、それから主要株主の支援による経営体質の改善ということをやっておられますほか、PHSの特色を生かしたサービスの展開ということにも取り組んでおられます。 このPHSにつきましては、御案内のとおりでございますけれども、携帯に比べて料金が差がないというふうに言われておりますけれども、なおやはり相当基本料、通話料については安価なサービスでございます。また、固定電話並みのすぐれた音声品質、これは携帯よりもすぐれた音声品質を持っておりますし、それからビル内や地下街の利用も可能であるという特色を持っております。また、オフィス内のコードレス電話としての使用も可能でございます。それから、三十二キロビットの高速のデータ通信、これは六十四キロビットのものも技術的に可能になっておりますが、こういったこともできますし、位置情報提供サービスという新しいサービスもございます。 そういうことで、こういったPHSの特色を生かしたサービスの展開について各社とも積極的に取り組もうとしておられるというふうに思っておりますし、その中で、私どもといたしましても、電波の使用の方法その他、御要望を踏まえてできる限りの便宜を図るようなことを考えていきたいというふうに考えております。
○松前達郎君 PHSがかつてのような勢いがなくなったということなので、多少心配になりましてちょっとお伺いしたんです。 さて、次は最近報道されたスカイネット計画です。このスカイネット計画というのは、飛行船を使おうというわけですね。ですから、高度約二十キロメーターぐらいのところに飛行船を上げて、できれば日本全土くまなくカバーしていこうと、こういう計画だと私は伺っているわけなんです。これはコストとか通信品質の面で非常に有用である。確かに衛星を使うよりもはるかに近距離でありますし、そういう面では非常に有利なやり方だと思うんですが、これにつきまして、現在、計画も含めてどういう状況まで進んでいるのか、これをお伺いしたいんです。
○政府委員(谷公士君) 私ども科学技術庁と共同いたしまして、スカイネット計画と言っておるのでございますが、この研究開発に必要な経費につきまして経済構造改革等特別調整措置案件として要求いたしまして、政府の予算案にそれぞれ四・五億円が計上されております。 これを受けまして、両省庁の所管の研究機関等が連携して研究開発を推進する予定になっておりまして、平成十年度には飛行船本体についてフィージビリティースタディーのようなことをやるということになっております。今の方は科学技術庁の関係でございますが、私ども郵政省の方では、その通信システムについての同じような基礎的な調査をしたいと思っております。 この飛行船本体についての技術的な調査が行われますと、今後の具体的な開発手順、開発スケジュールというものが明らかになってくるのではないかというふうに考えております。
○松前達郎君 昔ですと、飛行船を上げてそれを安定的にある位置に静止させてそれをつないで通信をやるなんというのは全然もう夢みたいな話だったんですが、どうやらめどがつくという段階になってこういう計画が始まったんだろうと、こう思うんですけれども、技術的にこれは問題はほど人とないという見通しなのか。 二十キロぐらい上空ですと風もないのかどうか知りませんけれども、ジェット気流もないかもしれませんね。あと、そこに静かにとまっていてもらわないと、どこかへ行っちゃったんじゃ困るんですが、静かにとめておく静止技術とかそういうコントロールの技術、こういうものがある程度できているのかなというふうな気もするんですが、まだまだそこまで行っていないのかもしれません、可能性があるということでゴーサインが出たんだろう、こういうことも考えられるんですが、そういった技術的な問題ではどうなんでしょうか、どの辺まで行っているんでしょうか。それがもしおわかりでしたらお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 私ども郵政省所管の電波の利用関係ではそれほど深刻な問題はないと考えておるのでございますけれども、問題はこの飛行船本体の問題でございます。 二万メーター上空と申しますと、台風も来ませんし飛行機も飛んでおらないわけでございますが、しかし、やはり十数メーターの風がずっと吹いておる。そこに静止をさせるためには太陽電池で電力を調達いたしまして、それでそのための動力とそれから無線通信のための動力を確保する必要があるわけでございます。 この飛行船本体につきましては、どのような形が最適な形状になるのかという問題、それから御指摘ございましたように定点保持、姿勢制御をするための技術、太陽電池等のエネルギー源をどのように確保して蓄えていくかという技術、それからヘリウム等を充てんするわけでございますが、それが漏えいしない膜材の開発といった技術があるわけでございまして、これらの基本的な見通しを今回立てていくことによって具体的な可能性が明らかになってくるだろうと思うわけでございます。 私どもといたしましては、いずれにいたしましても、技術開発の結果これらは可能になるというふうに信じておるのでございますけれども、技術者の方々は非常に慎重でございますから、十分こういったことについて、ことし、十年度研究をしていきたいという考え方のようでございます。
○松前達郎君 二〇〇五年までに情報中継用の飛行船を二百機飛ばすんだというのが報道されているんですが、これがうまくいけば新しい通信のシステムとして大変有用だろうと思うんです。 しかし、一機当たりの打ち上げコストが五十億円ですから、二百機といったら膨大な金額になるんですね。そういうこともありますので、今後これは慎重に進めていく必要があると思います。これは昔から言われていることなんで、可能性は私も十分あると思います。一発衛星を打ち上げて衛星がどこかへ行っちゃうのと大分違いますね、費用にしても。 ですから、こういうふうな地上に比較的近いところですからコントロールもやりやすいし、打ち上げも衛星みたいにロケットを使わないで自然と上がっていくわけですからこれも割と楽だろう。あとはコントロールの技術とそれからエネルギー、電気エネルギーをどうやって得るか。プロペラを回して安定化するというけれども、二十キロぐらい上だと空気はそんなに濃くないはずなんで、プロペラ回しても動かないんじゃないかという気もするんです。しかしそれがジェットとなるとこれはもう大変ですね。その辺の技術的な問題、郵政は通信の方ですから、機械的な面は別だと思いますけれども、何とかこれが実現できれば新しいまた通信システムとしての価値を生み出すのだろうと、こういうふうに思います。ぜひ推進をしていただきたい、こう思います。しかも、これはもう産学官の共同体制でやらなきゃこれできないと思うんです。その辺も十分御配慮いただければと、こういうふうに思います。 それからもう一つ計画ですが、イリジウム計画、これはもう既にスタートする目標を置いて今進められていると思います。これについてお伺いしたいんです。
○政府委員(谷公士君) イリジウム計画は、高度七百八十キロメーターの低軌道に周回の衛星を六十六基打ち上げまして、携帯電話や無線呼び出しのサービスを提供するという計画でございまして、米国のモトローラ社などが出資いたします米国イリジウム社、それから各国それぞれで事業主体となります各国のイリジウム社、これらが本年九月二十三日のサービス開始に向けまして準備を進めておられまして、既に計画六十六基中五十六基の衛星が打ち上げられているという状況でございます。 それから、我が国におきましては、日本イリジウム株式会社に対しまして昨年十二月に第一種電気通信事業の許可、それから本年三月に約款と料金の認可を行ったところでございまして、この日本イリジウム社におかれましては日本でサービスを提供するための関門局をこの三月末にもう完成をされまして、九月のサービス開始に向けて準備中であるというふうに伺っております。
○松前達郎君 この計画は、もう既にスタートに向けて着々と準備が始まっているということだろうと思います。 宇宙関係のことはそのぐらいにしまして、今度は光ファイバーなんですが、この光ファイバーの整備、特に平成七年から行っています加入者系の光ファイバー網の整備に関する特別融資というのがございますね。平成十年度の予算では六百六十六億円を計上されているわけですが、このペースでいって二〇〇五年までに最初の目標といいますか最終的な目標といいますか、これを達成できるのであろうかどうか、この点について見解を伺いたいんですが。
○政府委員(谷公士君) 確かに、十年度予算では六百六十六億円、これは前年度に比べますと五百十一億円でございましたからかなりふえておるわけでございますけれども、こういったことで、私ども先ファイバー化につきましては当初二〇一〇年金国整備という考え方でございました。ただ、立ち上がり時期におきましてはまだ需要が顕在化いたしておりませんし、したがって事業者としても採算がとれないわけでございますので、先行整備期間のための政府支援措置をとっておりまして、その一環であるわけでございます。 ただ、この光ファイバーにつきましては、今後の経済の持続的発展とか国民生活の質の向上、それに情報格差の是正に資するものでありますことから、昨年の十一月に二〇〇五年への前倒しに向けて早期に達成できるように努力するという旨、政府の経済対策に盛り込まれまして、二〇〇五年ということになっているわけでございます。 ただ、この整備は基本的には民間主導で行われるものでございますので、できる限り早期に整備が完了するよう努力していくという趣旨でございますから、まずは主要な民間事業者の方々に協力をお願いする必要があるということでございまして、お願いをしたところでございます。 その際、伺った御意見といたしましては、現在の支援措置の拡充要望のほか光ファイバー網の需要立ち上げへの期待、それから道路、河川、下水道等の公共収容空間の円滑な活用のための環境整備等のお話がございました。 私どもはこれらを踏まえまして、今後とも官民力を合わせて具体的な推進方策を検討していきたいということでございまして、特にこれから次の段階になってまいりますと実際の需要が立ち上がってくるということが非常に重要であろうかというふうに思っております。
○松前達郎君 最初は二〇一〇年だったわけですね、それを二〇〇五年に前倒ししたわけですから、非常に難しいんじゃないかと私は思うんです。 そこで、光ファイバーを敷設するのでもそれなりの条件が整わなきゃいけないですから、ただお金を出して融資をすればできるというものでもなかろう、こう思います。これは前倒しですからなかなか大変だと思いますけれども、せっかくそういう計画が立てられている以上、全力を挙げて、これは融資制度もうまく利用しながら、ただ融資制度といっても今民間のお金が非常に金利が安いですから果たして借りてくれるかどうか、こういう問題もありますけれども、すべてその辺を総合的に考えながら推進しないと、どうも一〇年を五年に五年間前倒ししたということも絡んで非常に困難じゃないか、こういうふうに思うんです。しかし、だめだとは言えないでしょうから、ひとつ努力をしていただきたい、こういうふうに思います。今だめだと言うともう全然話にならぬという声もありますので、ひとつ頑張っていただきたい、こう思います。 次は、これは質問通告してございましたけれども、先ほど守住先生もいろいろ質問されました特に郵便事業に関する質問なんです。 さっきワンストップサービスというサービスのお話が出たわけです。これは実際に実証実験を今やっておられると思います。この実証実験の状況あるいは成果等がわかっていると思いますので、ひとつお知らせください。
○政府委員(長谷川憲正君) 側説明申し上げます。 郵便局のワンストップサービスにつきましては、郵便局が何しろ国民にとって最も身近な国の機関である、全国に郵便局が置かれているということで、この郵便局におきまして各種の行政手続が行えますと国民の利便が大きく向上する、さらにまた行政の効率化にも資するということで、昨年の六月、郵政審議会の答申、郵便局ビジョン二〇一〇の中でもこの実現に向けて努力するように提言をいただいているところでございます。 そこで、先生御質問のとおりに、昨年度予算をちょうだいいたしまして、実際に郵便局に情報端末を置きましてお客様がこれを操作して自治体の提供する公的サービス等の申し込みを行う、こういう実験をいたしました。時期は昨年の十一月からことしの一月末まででございまして、東京都の台東区、愛知県の岡崎市、沖縄県のたくさんの離島から成り立っております八重山郡の竹富町、この三地域で実験を実施させていただきました。 現在、実験が終了しているわけでございますが、実験に参加をしていただきましたモニターの方々に面談調査をいたしまして、この情報端末の使い勝手あるいはサービスに関する需要動向につきまして調査分析を行っているところでございます。 その結果を簡単に申し上げますと、まずサービスメニューにつきましては、端末から直接証明書類の発行ができたり、あるいは予約の確認ができるサービスなどを充実すべきである、こういう御意見が八〇%を超えております。さらに、情報端末につきましては、音声による操作ガイド、またトラブル時にすぐ連絡できる機能の付加につきましての改善要望がございました。そして、全体といたしまして、郵便局を行政の拠点とするということにつきましては八〇%以上のモニターの方が期待を寄せておられるということがわかりましたし、また九〇%以上の方々がこうしたワンストップ行政サービスの推進を支持しておられるということがわかっております。 この結果、私ども、郵便局におけるワンストップ行政サービスに対する国民のニーズが高いということが実証されたと考えているところでございます。 ことしは、こうした昨年度の実験を踏まえまして、機能の高度化あるいは実験地域の広域化などを含めまして実験の充実拡大を図りたいと考えておりまして、現在提出中の政府予算案にそのための予算を盛り込ませていただいているところでございます。今後とも、ワンストップ行政サービスの実現に向けまして積極的に努力してまいりたいと考えております。
○松前達郎君 今のお話の中に、実例といいますか実証実験のことについてお答えがあったんですけれども、沖縄の竹富あたりですと多分これは行政機関の出先がないと思うんです、郵便局しかない。それはもう確かにその地域の方にとっては物すごい利便になるわけです。 そういうことで、各地でそういったところを中心にこれから始められる。郵便局じゃなくたって隣に市役所の出張所があるなんというところは要らないんですから、そうじゃない地域が恐らく対象となっていくんだろうと思うんです。これは大いにやっていただいた方がいいんじゃないかと思いますが、先ほどもお話がありましたように、それに関連する経費、これをいわゆるサービスとしてやっちゃうのかこれだって金がかかるわけですから、そういう点も今後検討されないといけないのではないだろうか、こういうふうに思います。 実際、西表島に私のところの研究所がありまして、そういうところは何もないんですよ。道もないですから、白浜というところまで小舟で行かなきゃならない、そういうふうな状況ですから、非常に助かるわけです。そういうことも痛感をしておるわけであります。 さてそこで、時間が来ましたけれども、先ほどの国際標準実現型研究開発制度について、もしかできましたら御説明いただきたい。
○政府委員(木村強君) 国際標準実現型研究開発制度についての御質問でございます。 これは、現在国会で御審議をいただいております平成十年度予算案の政府案の中に、新規施策として国際標準実現型研究開発制度の創設ということで盛り込ませていただいております。 これは我が国主導の国際標準化の推進あるいは我が国の産業競争力の確保、新規産業の創出といった、これから情報通信を取り巻く環境も非常にグローバル化をしてまいります。そういう中で、言葉は非常に強うございますけれども、やはり世界に通用する技術というものを研究開発の段階から目的意識を持ってやっていくことが必要だ、こういう認識のもとに、これまで通政機構を通じまして公募研究は行っておりますけれども、こういった国際標準型を実現しようということで、ITUにも貢献できるという、目的を限って問題意識を持った公募研究制度ということで大蔵との間に話がつきまして、今国会で御審議をいただいておるということでございます。 これが実現いたしますと、私どもも、世界を意識した国際標準ということでさらに官民の体制が整うものだと、このように考えております。
○松前達郎君 今のに関連して、大臣の方から何か御感想がありましょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今の公募研究型の拡充ということで、御存じのように提案型の研究というのは今世の中のだんだん主流になりつつあると思います。 私も長いこと研究者でございましたが、研究者の場合、もう先生もよく御存じのように、やはり研究者の創意といいますかやる気、それから自由度というものが大変大事だと私は思うわけでございます。先般もアジア・太平洋電気通信標準化機関というのができまして、アジアの中でも電気通信の標準化を考えようというような機運が大変盛んになってきたわけでございますから、今、局長が答弁いたしましたように、平成十年度にこの標準化ということを目指して、これは提案型の研究をさせていただこうということでございます。委託機関としては民間企業、大学または公的研究機関等が手を挙げることができるわけでございますから、情報化の時代、そしてなおかつグローバルな世界標準化の時代でもございます、そういった中、やはり日本国の一番大事な点は科学技術、情報通信の基盤は科学技術でございますから、科学技術創造立国としてもこういった提案型の研究、標準化を目指した提案というのは私は大変時宜を得たものだと、こういうふうに思うわけでございます。今後ともいろいろ御指導いただきたいというふうに思っております。
○松前達郎君 あと二、三分ありますので、済みませんが時間をいただいて。 以前にも私お伺いしたことがあるんですが、実は郵便物のセキュリティーなんです。実例を私申し上げたと思います。例えば、オーストリーのウィーンの市長のチュルクという人がいわゆるストロー爆弾、手紙の中に入っている、自分であけて片手を吹っ飛ばしてしまったというのがございました。ですから、テロの一種ですね。それに対する対応といいますか、どういうふうにそういうものを防止するのか。郵便物は非常に多いですから、それがもしかあれば、うっかりすると郵便局の人たちにも非常に危険な状況になってくるわけで、このセキュリティーの問題、何らかの進展をしているんでしょうか。それを最後にお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川憲正君) 郵便物のセキュリティー対策につきましては、先生にも以前御指摘をちょうだいしておりまして、私どもも郵便をお使いいただくお客様、そして職員の安全を確保する上で極めて重要なものであるというふうに考えております。 そうした観点から最近の状況を見ますと、一時下火であった爆弾小包等の差し出しにつきましても、平成五年から毎年事件が発生をしておるということでございまして、これは緊急の対策が必要だということで、現在、全国の郵便物の配達を担当しております郵便局には金属探知器を配備いたしまして、すべての局に配備をしてございます。しかしながら、金属探知器だけではなかなか爆弾であるのかどうかということを見分けるのが難しゅうございまして、随分警察の手間をかけているわけでございます。 そこで、平成十年度の予算の中では、爆発の疑いのある郵便物を検査するためのエックス線検査装置、これは各国の郵便事業体でも採用されているものでございますが、我が国でもこれを採用させていただきたいというふうに思っております。あわせて、爆発をしたときにも人体に被害が及ばないような防爆シートというものがございますが、これを必要性の高い郵便局あるいは監察局等に配備をしたいと考えておりまして、今予算のお願いをしている最中でございます。 あわせて、全国の郵便担当の課長等を対象にいたしまして、爆弾対策の研修会等もさせていただきたいと考えているところでございます。
○松前達郎君 終わります。
○委員長(川橋幸子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五分散会