交通・情報通信委員会 第3号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/12
会議録
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査を議題といたします。 運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○亀谷博昭君 自由民主党の亀谷博昭でございます。きょうは、時間が限られておりますので幾つかの点に絞ってお伺いをさせていただきたいと思います。 初めに、先般公表された日米航空交渉についてでありますが、一年半、ロングランというかマラソン交渉というか、やっと一月末に合意を見られたようでありまして、交渉に当たられた皆様方の御苦労に心から敬意を表したいと存じます。 近く合意文書に大臣が署名をされると伺っておりますが、我が国に残された唯一の不平等条約と言われていたものが、今回かなり改善をされてほぼ対等の形ができ上がったということであります。 四十六年ぶりということでありますが、先発企業がアメリカ三社、日本一社だったものが同数になるとか、あるいは後発企業についてもそれなりの取り扱い、また以遠権等についても同じような機会が与えられたということで、総体的には評価ができるものと思うわけでありますが、この合意文書にいつごろ調印をされる御予定になっておられるのか、その辺を含めて大臣の今回の合意を受けての所信をまずお伺いをしたい、所感をお伺いしたいと思います。 同時に、今回の合意が日本にとってどんなメリットがあると考えられるのか、あわせてお伺いをいたします。
○国務大臣(藤井孝男君) 今般、四十六年ぶりに航空協定の新たな協定が結ばれることに大筋合意をいたした次第でございます。 一九五二年以来続いてきた日米の航空企業間の権益の不平等と申しましょうか、そうしたことが今回の協定により完全に解消されまして両国企業間に平等な機会が実現をしたことは、私といたしましても、また運輸省といたしましても大変意義の深いものだ、そのように考えておるところであります。 この合意によりまして、我が国の航空企業におきましては米国企業と同様に自由な路線及び便数設定が可能となります。また、需要に柔軟に対応できるようになるということと同時に、効率的な企業運営が可能になると考えております。 一月末に大筋合意がされまして、正式調印につきましては、最終的な詰めが順調に進みまして、国会のまた衆参の御理解を得まして調印式に臨みたいと考えております。 その調印式につきましては、お許しをいただけますれば、今度の土曜日にワシントンにおいて調印式に臨みたいと思っております。金曜日の晩の飛行機で日本を立ちまして、土曜日の午前中に調印式に出席をさせていただきたい。そして、終えました途端にまたトンボ帰りで日曜日の夕方には日本に帰国をしまして、月曜日以降の委員会、国会の予算委員会等々ございますので、支障のないようにいたしたいと思っております。 また、今回の協定を調印するに当たりまして、いろいろなメリットがございますけれども、一つには、消費者と申しましょうか利用者にとってこれから共同運航あるいは路線網の拡大によりまして選択肢がかなり大幅に広がるということで、あえて一つのことを絞って申し上げれば、利用者いわゆる消費者にとっては大きな旅客の利便が向上されるものと考えておるところでございます。
○亀谷博昭君 大変窮屈な国会日程の中でございますけれども、どうか順調に調印を済まされますように御祈念を申し上げたいと思います。 そこで、大変平等な機会が与えられ、自由な路線設定、便数設定等ができるようになったというようなお話がございました。ただ、これからまさに米国企業と日本企業とが対等の立場で競り合わなければならないという状況が生じたわけでございまして、そういう意味では我が日本の企業の体質改善あるいは体力強化ということが今以上に求められてくるのではないかというふうに思います。 JAL、日本航空もここ六期ぐらい連続無配というふうなことも聞いておりますし、いずれも黒字に転換できない状況にあるようであります。パイロットとか役員等の賃金カット、あるいは事務所を経費が余りかからないところに移転するとか、いろんな企業努力、リストラ等の合理化努力を各社とも進めておられるようでありますが、この日本企業の体質強化、体力増強ということについて運輸省としてこれからどんなふうな御指導をしていかれようとしているのか、あるいはどんな対策を講じようとしているのかについてお伺いをいたします。
○国務大臣(藤井孝男君) 今委員申されましたように、我が国の航空会社の企業経営というのは非常に厳しいものがあると私も認識をいたしております。 これは企業内の問題もあろうかと思いますけれども、景気の低迷等いろんな環境がその経営に大きなインパクトを与えているということも否定できないことだと思います。したがいまして、今度の航空協定が調印されますと、平等な機会が与えられますけれども、一方大変な競争の時代に入ってくるわけでありますから、国内の航空各社におかれては懸命なやはりリストラを進めていただかなければならないだろうと思っておりますし、そうした合理化を進めてさらに収益力を上げるということに取り組んでいただきたいと思います。 そのための企業内における企業独自の体質改善あるいは体力強化を進めて国際競争力をつけていただきたいと思いますし、また運輸省といたしましても、規制緩和によりまして航空会社に対し経営の自由度を与えることといたしておりますけれども、その中での競争の過程で我が国航空会社が国際的に通用するような今申し上げた体力あるいは競争力をつけていくことが肝要だと思っております。 国際航空の分野におきましては通常二国間でそれぞれの航空会社が機会均等になるような仕組みを取り決めているところでありますけれども、我が国にとって不平等であった日米の二国間の仕組みも今回の合意により機会均等になってきたわけでありますが、これからは諸外国と同様に国内航空につきましても市場原理に基づいた競争が行われるようルールを整備していく所存でございます。運輸省といたしましても、これからの協定締結後の状況をよく把握しながら、我が国の航空企業が対等に競争力がつくようにまたいろんな面で我々も指導していかなきゃならないと思っています。 ただ、委員御承知のことと思いますが、世界におけるアメリカの航空企業のシェアというものは圧倒的なものがございまして、アメリカの企業が世界の三分の一のシェアを占めているという現実を考えますと、市場原理に基づいた競争というものはこれは当然認めていかなきゃなりませんけれども、我が国といたしまして、運輸省といたしましてもどういうことが我々として協力できるのかどうか、今後その辺は十分注意をしながら進めていかなきゃならないものだと思っております。
○亀谷博昭君 今大臣最後にお話しになられましたが、市場原理、民間会社でありますからこれは当然のことでありますが、日本企業の育成、体質改善というのがこれからの非常に大きな課題だと思いますので、しかるべく御指導をお願いしたいと思います。 同時に、政府として国として、この日米航空交渉合意を受けて、何がなし得るのかという視点からの取り組みも必要なんだろうと思います。 よく言われますように、我が国の航空会社はコスト高が非常に指摘をされているわけであります。ある数字恒よりますと、例えば運航費とか旅客サービス費、空港関連費、整備費等々、いわゆる航空会社のコストを比較した場合、空港関連費というのがアメリカに比べて倍あるいは三倍ぐらいの数字になってきている。いわゆる空港使用料あるいは航空機燃料税等々、前から指摘をされているわけでありますけれども、空港整備財源の問題もありますが、こうした公的な負担をこれからどうしていくのかというのもやはりこれからの競争時代にどう日本企業が生き残るかという点で大変大きな問題であろうかと思います。 そういう意味で、競争条件を国際的な標準に近づけていくということが求められるんだと思いますが、政府として、今指摘されている公的負担等々についてこれからどんなふうな取り組みをなされるのか、その辺のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) 今先生御指摘のように、我が国の空港の使用料につきまして、あるいは航空機燃料税、そういったものにつきましてコストがかなりかかっておる、これは事実でございます。しかし、国土の制約から見まして、空港の建設コストが非常に高くなっているということによりまして、そういう面があることも否めないことも事実でございます。 私どもの方は、以前からこういった点につきましては空港整備五カ年計画の一つの財源措置として行っておるということもございますし、我が国の安定的な発展のために大都市圏における拠点空港等の整備を時期を失することなく進めていくことも不可欠であるということで、なかなか難しい問題であるというとらえ方をしておりまして、加えて、現在財政構造改革の集中改革期間ということで、平成十年度から十二年度までは一般財源、いわゆる真水の確保に制約が出てきております。そうなりますと、空港使用料が空港整備の主要な財源となっておるこの事実を考えますと、その水準を直ちに引き下げることが非常に困難な状況にあるということは何とぞ御理解をいただきたいと考えておる次第でございます。
○亀谷博昭君 関空等、空港をどうつくっていくかという空港整備の財源問題についていろんな工夫がなされているわけでありますが、他国に比べて非常に高いと言われる空港に関連する公的負担については、やはり日米の競争にどう打ちかづかという観点から非常に大きな課題だと思いますので、我々も一緒にこれから考えていきたいと思います。 それからもう一つ、今回の合意は四年間の暫定協定、こういうことで、三年後にはまた新しい協定に向けての交渉が、協議が始まることになるわけでありますが、そのときには実質的なオープンスカイが焦点になってくるのではないかというふうに思います。 今回は日本側が頑張ってオープンスカイの要求は一応抑え込んだという形になっておりますが、アメリカは既に二十七カ国とオープンスカイの協定を結んでいるということもございます。そういう中で、三年後には多分そういう問題が出てくるんだろう。今回調印はまだでありますけれども、ただ、三年というのは時間がありません。そういう中で、これからオープンスカイが焦点になってくる三年後に向けて、我が国の取り組みを既に始めなければいけない時期なんだろうというふうに思います。 さっき大臣お話しのように、世界の旅客需要は十三億人と言われていますが、その三分の一はアメリカの国内線利用者でありまして、その体力を持って国際線に乗り出してくるということになれば日本にとっても大変大きな脅威になってくるわけであります。しかも、以遠権についても、機会は平等になったけれども実質的にはアメリカはアジアに非常に多くの路線を開設できる可能性がある、我が国はヨーロッパは認められておりませんから南米、中南米路線しかない。こういうことになると、ますます非常に大変な状況になってくるのではないか。 そういう中で、まさに航空ビッグバンとも言えるようなオープンスカイに向けての交渉ということがこれから大変難しい局面を迎えてくるのかなと思いますが、さらに三年後に向けてと申しますか、これから新しい交渉に向けてどんな我が国としての立場をとっていかれるのか、その辺についてお伺いをいたします。
○国務大臣(藤井孝男君) 亀谷委員御指摘のとおりでございまして、ただいま航空ビッグバンというお言葉を使われましたけれども、正式調印は十四日になっておりますが、その後の展開を考えますと、またこれから三年後、四年後のことを考えますと、既に航空ビッグバンがいよいよもう始まっていると言っても過言ではないのではないかと思います。 そういう中で消費者、利用者の利益につなげる適正な競争というものは必要でありまして、自由化は進めるべきだと考えておりますが、今おっしゃられましたように、アメリカが圧倒的なシェア、競争力を持った航空業界でございますから、いわゆるオープンスカイという政策は今回協定を結ぶに当たりまして前提といたしませんでしたことは御承知のとおりであります。このオープンスカイ政策そのものをとらえますと、これこそ競争条件が均等ではないと私ども認識いたしておりますので、むしろこれを認めるということになりますとまさに独占、寡占をもたらすことになりまして、これを受け入れることは困難だと考えております。 しかし、いずれにいたしましても、自由化を進めていく上で、先ほど申し上げましたように、やはり日本の航空企業各社が体力をつけリストラを進める上において、そうした競争力が国際的にも通用するようなものになるよう努力していただきたいし、私どももそのために指導していくあるいは協力していくことはやぶさかでない、このように考えておるところであります。
○亀谷博昭君 世界的な流れは流れとして、我が国の国益をどうするかということが基本でありますから、しっかりとお取り組みをいただきたいと思っております。 最後に、時間がありませんが簡単に。 最近、行政の政策評価ということが大きな課題になってきております。昨年の行政改革会議におきましてもそうした方向が打ち出され、各省における評価機能の強化ということもうたわれております。去年の暮れ、橋本総理もそうした方向を指示しておられるとも聞いておるわけでありますが、運輸省としてこの政策評価について今どんなふうなお考えを持っておられるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(藤井孝男君) 委員御指摘のとおり、政策の遂行に当たっては、事前事後において厳正かつ客観的な政策評価を行うことは当然のことだと思います。これを政策の企画立案に反映させることが非常に重要な視点であるということを認識しておりまして、今般の中央省庁等改革基本法案においても政策評価機能の充実強化等が盛り込まれておるところでございます。 運輸省といたしましては、現在運輸関係公共事業について、一層効率的、効果的な投資を行うため、本年度より費用対効果分析を実施するとともに、事業の再評価に取り組むこととしたところでございます。これにより公共事業の総合的評価に強力に取り組んでまいる所存でございます。 もとより、このような政策評価手法の確立は公共事業分野以外の政策遂行においてもこれまで以上に必要であると考えておりまして、今後、国土交通省の編成に当たり、明確な位置づけを与えられた評価部門を確立するなど、さらに真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
○亀谷博昭君 この問題については、また別な機会に伺わせていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○寺崎昭久君 三月十日に運輸大臣から当面の運輸行政について方針を表明していただきましたけれども、そのうち、今後法律あるいは報告に基づいて審議する機会のあるものはその機会に譲るとして、きょうは、法律にはなっていないけれども重要な問題について幾つかお尋ねさせていただきたいと思います。 その一つは、自動車損害賠償保険に関する問題でございます。 まず大蔵省にお尋ねしますが、昨年五月から自賠責保険料率の改定が行われました。その考え方について確認しておきたいと思います。とりわけ、過去の累積黒字及び累積運用益をどの程度保険加入者に還元しようとしたのか、その点について確認したいと思います。
○説明員(藤塚明君) お答えいたします。 昨年五月に自賠責保険の保険料率が七・七%引き下げられたところでございます。これは死亡事故等の事故率の良化などから、平成九年度の損害率が前回の料率改定時、平成五年でございますが、その見込みに比べまして改善すると見込まれましたこと、また、自賠責保険に係る運用益につきましては契約者に還元することが適当であるとされておりますことから、昨年七・七%の引き下げを実施したところでございます。 なお、運用益の還元でございますが、中期的に料率の引き上げを招くことがないよう配慮すべきであるとの自動車損害賠償責任保険審議会の御答申を踏まえ、八年間で還元するとされているところでございます。
○寺崎昭久君 農水省にも同じ趣旨の質問をさせていただきます。 農協共済の場合は対象となる事故率が自賠責よりもこれまで低い実績がございますので、自賠責保険料率を農協共済にも同率で適用しますと累積黒字が出やすい性格になっていると思います。この点を踏まえて御答弁いただきたいと思います。
○説明員(高橋賢二君) 先生御指摘のとおり、農協の自賠責共済の場合は農家組合員を対象にしておりまして、農村地域が中心であるということもございまして、損害率そのものは自賠責保険と比べましてやや低い傾向にあるのは事実でございます。ただ、その収支差額につきましては、これはもう御案内のとおり全額を責任準備金として積み立てまして、使途については限定されておると。 それと料率の話でございますが、これも言うまでもないんですが、自賠責保険制度というのは非常に公共性の高い制度でございますので、これは農協の自賠責共済のみ掛金率を例えば引き下げるとか、あるいは給付水準を引き上げるとか、そういうことになりますと、非常に公共性の高い制度の中で農協の自賠責共済の契約の伸長が結果として図られるようなことになるということは余り適当ではないのではないか、そういうふうに考えてございます。
○寺崎昭久君 農協共済が保険料率を独自で設定しにくいという前提に立てば、保険料率の改定でノーロス、ノープロフィットの原則に適用させるというのは大変難しい。したがって、この原則に合わせるとすれば、結局運用益あるいは過去の累積黒字を吐き出すことによってこの原則に合わせるということになるんだと思いますけれども、しかしそれはこの保険の本来の趣旨とはちょっと違うやり方なんだと思います。 そうしたことを考えてみますと、前にも議論があったかもしれませんけれども、この際、農協共済と自賠責保険を統一するとか、そういう措置も積極的に考えてみる必要があるんではないでしょうか。あわせて、もし統一した場合の不都合があるとすればどういう点か、見解をお聞きしたいと思います。
○説明員(高橋賢二君) これも先生御案内のとおり、運用面におきまして将来的にはプールで計算するということが既に決まっております。それと、最近の掛金率の引き下げということもございまして、実は農協共済につきましても損害率そのものは最近悪化の傾向にございます。そして、これも先ほど申しましたが、確かに準備金に額があるのは事実でございますが、使途につきましては原則収支不足の補てん、それと現状使っておりますのは交通事故対策、被害者対策というふうに適正に使っているということでございますので、御理解いただければと思います。
○寺崎昭久君 自賠責保険と統合すると支障がございますか。
○説明員(高橋賢二君) 運用そのものは御案内のとおり将来統合ということでございますが、制度そのものは、民間にありましても個別各社がやっておるというレベルでは、これはちょっと統合という内容がもう一つわからないんですが、制度そのものを統合するということは少し考えられないんですけれども。
○寺崎昭久君 それでは大蔵省にもう一度お尋ねしますけれども、先ほど累積黒字及び累積運用益が八年間でゼロになるように料率改定を行うんだというお話でございましたけれども、言うまでもなく運用益というのはその一定額といいましょうか、それはこれまでも運輸行政に係る事業に支出されているわけであります。この先も支出を予定してゼロにされるというお考えなのか、これまでどおりある程度の金額は運用益は使用するんだという前提でゼロとおっしゃっているのか。その辺の考えをもう一度お聞かせください。
○説明員(藤塚明君) 自賠責保険の運用益につきましては、将来の収支改善のための財源、また交通事故防止対策、それから緊急医療体制の整備、自動車事故被害者救済対策の充実、そういった被害者保護の増進等に資する施策に効果的に活用することが適当であるということは昭和五十九年の自動車損害賠償責任保険審議会の答申に盛られているところでございます。この運用益につきましては、その答申の趣旨に沿いまして被害者保護の増進等に資する施策に効果的に活用されてきているものと承知しているところでございます。 また、平成三年、平成五年、それから平成九年、昨年の料率改定では運用益の活用を織り込んで料率の引き下げを行いまして契約者への還元というものを図ってきているところでございます。
○寺崎昭久君 もう一度大蔵省にお尋ねしますが、運用益の一部か全部かはこれまでどおり運輸行政、安全対策等に使用されるんだという前提でゼロとおっしゃっているとすれば、私は本来これちょっと趣旨がいいのかなという気はするんですけれども、そういう前提だとしても、どの程度まで使用が許される、妥当だと考えますか。
○説明員(藤塚明君) ただいま申し上げましたように、自賠責審議会の趣旨に沿いまして運用益の活用というものが図られているところでございますが、現在、大蔵省の関係では、いわゆる損害保険会社の方の運用益の一部がこういう自動車の被害者の救済対策等に使用されている。また、運輸省の自賠責特会におきましては、国会の議決に基づきましてそういう対策等に使われているというふうに承知しております。
○寺崎昭久君 事故対策等に有効に使われていると、そのはずだという趣旨に逆らっているわけではありません。 それにしても、運用益というのは本来保険加入者に還元するべきものであるということを考えると、青天井で使ってもいいということを前提にして料率を決めるというわけにはいかないんじゃないですかと申し上げているんです。限度はありますか、大蔵省。
○説明員(藤塚明君) お答えします。 大蔵省の方は、いわゆる損害保険会社の方の使途でございまして、これにつきましては運用益の使途選定委員会というものがございまして、中立的な立場の学識経験者の方々で構成されておりますけれども、そこにおきましてその使途というものが慎重に決定されているというふうに承知しております。
○寺崎昭久君 私が質問した趣旨に直接お答えいただいていないように思いますけれども。 運輸大臣に伺います。 最近の自賠責保険に係る年度ごとの運用益とその使用額の割合を見てみますと、例えば損保会社関係では平成四年度が一三・八%です。これが年々上がりまして、平成八年度は二二・一%になっております。それから自賠責特会では保険勘定が損保会社と同じような傾向にあり、保障勘定に至っては平成七年度についに五〇%を超えて、平成十年度は一六四%になっているわけであります。もちろんこれは年度ごとの発生した運用益と使用した額を比較した場合の話です。しかしながら、こんなに比率が高まっちゃって運用益を上回るような使い方をされていいんだろうかということに私は大変疑問を持っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 自賠責特会からの政策経費の支出というのは、委員御案内のとおり、交通事故の防止や悲惨な境遇にある交通遺児の方々、あるいは重度後遺障害者の方々の援護等、社会的に重要な課題に対応するために行われているものでありまして、これは十分意義のあるものだと思っております。 このうち、交通事故防止対策は、保険金支払い額の低減を通じて自賠責保険の保険料の低下につながるという側面も有しておりまして、保険契約者の利益につながるものであると思います。 しかしながら、今委員おっしゃられましたように、これらの使用については一定の節度を持つことは当然のことだと考えておりまして、御指摘の趣旨も踏まえつつ、有効に活用を図ってまいる所存でございます。
○寺崎昭久君 今大臣から運用益の使用については一定の節度を持ってというお話でございましたけれども、実際に安全対策に使うというタイトルで手当てされますと、どこまでが安全なのか、あるいはどこまでが一般会計で賄うべきものなのか、あるいは運用益で賄うべきものかというのは大変難しいんですね。 私はこの保険の性格ということを考えてみたときには、例えばこの安全対策を講じれば事故率が何%低くなる期待ができるとか、あるいは行政経費が幾ら低くなりそうだというような数字の因果関係がとらえられるものに限定して使うというのを原則にするべきではないか。そうすれば、保険加入者も理解することができると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(荒井正吾君) 寺崎委員おっしゃいましたように、保険の事業活動から生じる運用益でございますので、余剰が生じた場合は保険集団に返すということが原則だと思っております。 ただ、政策経費として従来支出が認められておりますのは、事故対策に使いますと事故が減ることによって保険収支が改善されるという面があると観念したからでございますが、今委員御指摘のように、効果を十分はかって使うべきだということはそのとおりだと考えております。その効果をどうはかるかというのはまだまだ検討を深めなければいかぬ点はあるように思っております。 なお、重度後遺障害者のような被害者の救済にも使っておるわけでございますが、これは、パラリンピックの選手もそうでございますが、交通事故で半身不随になられたり重度後遺障害者になられる方の救済の場所がなかったというようなことから療護センターが発足してきたわけでございまして、章の運行から生じる社会的な悲惨な状況を救うという面もあったわけでございます。いろんな医療施設が整備されている中で、全体の中での運用益の使い方ということは十分評価していきたいと考えております。
○寺崎昭久君 年度別に見た自賠責特会の保障勘定から発生する運用益の使用率が平成十年度において一六四%であるということは先ほど指摘いたしましたけれども、平成九年度も九五・八%なんですね。平成九年度からにわかにこの比率が高まっているように思えます。 こういう高率の使用率をする根拠あるいは理由というのはどういうところにあったんでしょうか。
○政府委員(荒井正吾君) 今委員御指摘のありました保障勘定と申しますのは、委員は十分御承知のことでございますが、保険料収入の一部を収入といたしましてひき逃げ事故あるいは無保険事故の人を救済しておる事業でございますが、その運用益がございますので、その一部を自動車事故対策費補助金として支出しておるわけでございます。十年度は四十一億円を予算で今お諮りしておるわけでございます。 その内容がふえてきておるということはどういう理由かということでございますが、基本的には事故を減らしたいということでございます。特に、最近では高齢者の事故がふえてきておりまして、日本の死者は約一万人でございますが、その三割に当たります三千人ぐらいが高齢者、六十五歳以上の方の事故でございますし、そのうちの歩行者の方が約半分以上でございます。また、町の中では接触事故が多いというような事故の現状でございます。 その効果をどうはかってというのは先ほどの議論で、それはそれといたしまして、使用の目的はやはり事故を何とかして減少したい、事故を減少させることによって、それが効果的であれば保険料の収支改善に寄与するというふうに観念したものでございます。
○寺崎昭久君 使用率が近年年々上がっている、上昇しているということは先ほど御紹介いたしましたけれども、これは恐らく資金の平均残高が減る傾向にあること、あるいは運用利回りが低くなっているということも一因だと思いますけれども、もう一方においては、全部とは申しませんけれども、使用額が余り変わっていません。ということになりますと、必然的に使用率というのは上がると思うんですけれども、使用率を一定限度におさめるとか、そういうことはお考えになりませんでしたか。
○政府委員(荒井正吾君) 今政策経費への使用率が高まってきておるということでございますが、基本的には、先ほど大臣がお答えいたしましたように、節度ある運用ということが基本であろうかと思います。 さらに、委員が御指摘になりました青天井ということは、運用益の中での支出でございますので、一定の限度あるいは節度は要求されると思います。 その節度をどのように求めるかということは、例えば使用率を一定にするとかというお考えもなかなか有益な考えであろうかと思いますが、先ほどの事故を何とか減らしたいという気持ちで政策支出がふえたのがここ十年度あるいは九年度ということでございますので、その使用の節度をどのような形で求めるかということは十分検討させていただきたいと思います。
○寺崎昭久君 後ほどもうちょっと詳しく議論させていただきたいと思いますけれども、私は、平成九年度、十年度において使用率が高まっているという背景には、できるだけ運用益は加入者に還元して限りなくゼロに近づけることが好ましいという答申に基づいた措置であるというお話が先ほど大蔵省からありました。大変これは勘ぐった言い方ですけれども、還元する前に、行政的に見て交通安全にかかる費用は、従来一般会計で負担していたものあるいは負担すべきものもこの際は運用益に負担させようというような気持ちが働いているのではないかと疑念を持っているわけでございます。これは疑念であります。 もしそうだとすると、運用益というのは行政の努力で生じたものだから、それを例えば交通安全のために使うんであれば裁量権の範囲だというようなお考えを持たれていることはありませんか。
○政府委員(荒井正吾君) 保険の運用益を使うわけでございますから、基本的には保険者の御納得感がないといけないと思っております。 今の委員の御疑念でございますが、政策支出をさせていただいております自動車交通局といたしましては、何よりも保険という目的からすれば、事故が減る、事故の事後救済ということでございますので、それに効果がどの程度あるか、効果の程度というのははかりがたい面もありますので今後検討を深めたいと思っておりますが、その目的に向かって使うということが基本的な精神だと考えております。
○寺崎昭久君 中国に指桑罵槐ということわざがございます。桑というのは畑に植えて蚕のえさにする葉っぱの桑、槐というのは街路樹のエンジュと呼ばれている木でございまして、家具の材料になる木と聞いております。この二本の木を比べると全く違うわけでありますけれども、桑を指してエンジュをののしるというのが指桑罵槐でありまして、本来の怒りの対象とは別の対象を攻撃して目的を達するというのがこの言葉のようであります。 何でこんなことを申し上げたかといいますと、今やりとりをしている間に、十年度の運輸省予算を見ると、もし新規事業を入れなければ保障勘定は一六四%にならなかったんじゃないかというようなことが思えてなりませんし、この新規事業というのは本来一般会計で賄うべきものを含んでいて、それも全部運用益の方で措置するというようなことをされたんではないかという疑念がまだ晴れないから申し上げたんですが、新規事業と言われる十年度の事業について、概要を簡単に御説明いただけますか。
○政府委員(荒井正吾君) 十年度の新規事業でございますが、保障勘定から出しております事業、四十一億円でございますが、その主なものは、旧の事業も含まれますが、例えば日弁連に対します事故相談センターへの支出でございますとか、遺児育成基金、医療機器補助というようなものがございます。今委員が新規と言われましたのは、都市交通安全・円滑化対策というものに対して十四億円の予算が計上されていることの御指摘でございます。 都市交通の安全一円滑化対策でございますが、内容といたしましては、都市の中におきましてバスを中心に都市交通を運ぶという町があればその地域において事故の軽減に資するんじゃないかという基本的な思想から出したわけでございます。
○寺崎昭久君 都市交通安全・円滑化事業の項目だけ見てみますと、パーク・アンド・バスライドとかあるいは共同配送システム事業とか、超低床ノンステップバスの導入とか、そういう項目が並んでいるわけであります。確かに安全に係るといえばそのとおりですけれども、果たしてこの運用益で措置することになじむだろうかということに疑問がありますし、加入者が聞いてぜひ補助金で出してくださいと言うだろうかという疑問があるんですが。
○政府委員(荒井正吾君) 今委員がおっしゃいましたパーク・アンド・バスライドと申しますのは、御案内のように、混雑している町に入るのに乗用車をできるだけ捨てて後はバスを利用してもらえるような町づくりができないか、あるいは低床式は、お年寄りが乗りやすいようなバスがなるべくできないかというような発想でございますが、今委員の御疑念は事故の軽減にどれくらい貸すと思っておるのかということだと思います。 例えば、町の中をバスが走るようになって事故がどのくらい減るかということの効果を十分見たいと思いますが、基本的な発想は、事故の中で先ほど申しましたように高齢者の事故がふえておるのと、町の中の接触事故というのは日本は非常に高いものでございます。冷やりとするケースが町の中である。町のつくり方によることが多いわけでございますが、この十四億の中の一部の支出をそういうことに出させていただこうとするわけでございますが、事故を軽減させるには、そのほかの町のつくり方、街路の整備あるいはバス自身の安全性の向上というようなことと総合的にしないと軽減効果がなかなか発生しないというふうには思っております。この自賠責の運用益をそのような方向で一助にしたいという気持ちが一つございます。 それを適切にどう使うのかというのは、その場所のいい選び方、支出の仕方という個別の支出の面にもかかわってきていると思いますので、実際の箇所箇所の運用については、その効果ができるだけ発揮できるように他の支出と相まって使っていきたいと思っております。 言おうとしておりますのは、この運用益の支出だけではなくて、安全な町づくりと一緒にやっていきたいという発想が中にあるということを申し上げたい点でございます。
○寺崎昭久君 保障勘定の運用益による自動章事故対策費補助事業を時系列に並べてみますと、平成九年度に急に地方公共団体路線バス事業者等を対象にした事業として四億一千六百万円の補助金が計上されております。平成十年になりますと、この項目が消えまして、今議論しましたような都市交通安全・円滑化対策とそれから地方バス安全運行対策事業という項目があらわれまして、それぞれに十四億円と四億三千六百万円が計上される。その結果、補助金がはね上がっているということになるわけであります。 この保障勘定から行われた安全対策事業に対する補助金というのは、長い間大体二十億円前後支出されてきたようでございますけれども、九年度はその二十億円の一・三倍、十年度は二倍にはね上がっているわけであります。 こういう使い方をするに当たって、例えば審議会だとかそういうところで議論されているのかどうか、もし審議されたとすれば、どういう御意見だったのか披露していただけますか。
○政府委員(荒井正吾君) 保障勘定からの政策経費の支出は従来の二十億円が約倍になったということでございますが、その支出の考え方は、自賠責審議会で利用者に還元することを基本にしつつ、事故対策等の政策経費に使ってもよいという答申に基本的な思想は基づいているわけでございますが、今委員御指摘の点は、政策支出の効果が大事だから、それを個別の吟味を審議したのかという御質問だと理解いたしますが、実は審議会自身個別の審議は諮っておりません。従来、効果があると思って予算計上をお願いした点でございます。 ただ、政策支出の内容、その効果等をはかるべきだということを先ほど御質問されて、そのように今後は詰めたいということをお答え申し上げましたが、その詰める場あるいは納得をいただく場として、何らかの審議会を今後考えていくことも考慮したいと思います。
○寺崎昭久君 この問題の最後の締めくくりで運輸大臣に御所見を伺いたいと思います。今の答弁でおおよそ概括答えられているかと思うんですけれども、改めてお尋ねしたいのは、二点ございます。 運用益の使用目的は限定的、あるいは使用額は節度を持って決めるべきである、そういう趣旨の御発言が先ほどございましたけれども、そのためには明示的な基準、ここまでは使ってもいいよ、こういう目的のためには使えるんだというのを決めていただけないか。 それからもう一点は、それを決めるに当たって、今お話がありましたように、審議会等そういう場で効果もあわせて論議し決めるというような措置をとっていただきたい。なるべく早くやっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来委員と政府委員とのやりとりをお伺いいたしまして、公共事業にいたしましても、その他の政策遂行にいたしましても、やはり国民の皆様方、そういった方々から御理解いただかなきゃならないということはこれは当然のことであると思います。 そういう意味で、先ほど私も委員にお答えいたしましたように、一定の節度を持って支出と申しましょうか、運用益を運用するというのは、節度を持たなきゃいけないということはこれは当然のことだと思います。今それを例示的に、どこまでが使えてどこからはいけないんだという、具体的にそういった限定をすべきではないかという御質疑でございますが、今後そういった点につきまして、私ども検討をしていかなければならないと考えております。 またさらに、審議会等を通じて、こうした運用益をどう取り扱うべきかあるいは自賠責そのもののあり方、これは基本的にはなるべく早く保険者の方に、加入者の方に繰り戻しするということが大事でありますから、そういったところにおいて、やはり審議会等の意見も踏まえるべきではないかなというふうに考えておるところでございます。
○寺崎昭久君 大変ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 私の持ち時間はあと五分ぐらいしかございませんので、駆け足で、自賠責特会から一般会計に繰り入れた金額について若干お尋ねいたします。 平成六年と平成七年、合わせて一兆二千億円ぐらい自賠責特会から一般会計に繰り入れをしており、八年、九年度の予算において二千三百五十二億円自賠責特会に戻されていると伺っております。この二千三百五十二億円というのは元本ですか、元利合計ですか、これをお尋ねします。
○政府委員(荒井正吾君) 元本でございます。
○寺崎昭久君 お金を貸したり借りたりすれば当然利息をつけるということになると思うんですけれども、利息の約束はどうなっていますか。
○政府委員(荒井正吾君) 一般会計へ繰り入れましたときは法律によって措置されたわけでございますが、法律によりますと、後日、予算の定めるところにより、運用収入に相当する額に達するまでの額を追加して――利子と考えておりますが、追加して自賠責保険に繰り戻すこととされておりますので、利子分はそのような表現になっております。
○寺崎昭久君 繰り返して申し上げるまでもなく、自賠責というのは保険加入者の掛金で賄われている勘定でありまして、国庫、いわゆる歳入とは全く違う性格だと思います。 となりますと、両勘定でやりとりするということは、きちんとした金銭貸借契約みたいなものがないとおかしいわけでありまして、私たちが例えば住宅ローンを借りたときに、利息はそのときの情勢を見てとか、そういう決め方はしないと思うんです。あらかじめどういう返済計画でお返ししますとか、利息は何%つけますとか、そういう決め方をするのが普通だと思いますが、なぜそうされなかったんですか。
○政府委員(荒井正吾君) 今法律の話で引用させていただきましたが、具体的には、国の中の会計の話でございますので、法律で措置されたと、国の一般会計、特別会計の中でございますが。 その内容の具体性ということでございますが、具体的には繰入期間に対応いたしました資金運用部預託金利を適用して算定されるものというふうに考えております。
○寺崎昭久君 国の管轄している会計であることは間違いないと思いますけれども、使用目的は全く違うわけであります。例えば、万一これが返ってこなかったら保険者にそのしわ寄せが行くわけであります。そういういいかげんなことをやっちゃいかぬのじゃないかと思いますけれども、早急に利息を詰めるべきじゃないですか。
○政府委員(荒井正吾君) 国の一般会計へお貸ししておるわけでございますので、ちょっと利息が返ってこないということは余り想念しなかった面があると思いますが、今の委員の御質疑は特別会計の方、運用をよく状況を見て利息の返済及びその具体的な額を詰めておくべきじゃないかというふうに観念いたしますが、その利息自身は、先ほど元本がまず返ってきたということでございますので、利息をどのような形で返すかというのは予算の中の決めてございますが、委員の御指摘の趣旨に沿うように利息の額ということもまた相談させていただきたいと思っております。
○寺崎昭久君 資金運用部の利率をもってというやり方は契約として正しくないと思います、やはり両会計は違うんですから。お金を授受する前に金銭貸借契約をきちんと結ぶようなことをやらないと、同じ預かっている勘定だからといってそういうあいまいなやり方は避けるべきだと思います。今後もし特会から貸すようなことがあるとすれば、ぜひ利率をあらかじめ決めていただきたいと思います。
○政府委員(荒井正吾君) いずれにいたしましても、保険者の利益を害しないようにということだと思いますので、そのような基本的な考えで措置していきたいと思います。
○寺崎昭久君 最後にお尋ねしますが、元利合計は平成十二年度までに返済するという答弁がこれまで国会で行われておりますけれども、これは、もし返せない、もう一年、二年繰り延べてくれというようなことが起こったとすると、保険事業に支障が出ますか、出ませんか。
○政府委員(荒井正吾君) 支障が出るといたします想定は、例えば事故発生率が急激に上昇いたしまして保険の収支が相当悪化するというようなことが想定されますが、その可能性はもちろん皆無ではございませんが、現時点では傾向としてはそれはないと思っておりますが、いずれにしても将来のことでございますので不明だと思います。 一般会計から繰り戻し、その約束、十二年度までということでございますが、いずれにいたしましても、保険金の支払いあるいは保険者の利益に支障が生じないように大蔵省と協議して適切な措置を講じていきたいと思っております。
○寺崎昭久君 ありがとうございました。
○中尾則幸君 民友連の中尾でございます。 私は、旧国鉄長期債務問題についてお尋ね申し上げます。 今回の具体的な処理案は、平成八年十二月の閣議決定に基づいて平成九年中にその成案を得るという形で、この一年間、政府・与党はもとより我が党でも真剣に処理財源をどうするか検討してまいりました。しかし、正直言って今回の処理案を見まして私は大変失望いたしております。 今回の処理案では、国鉄改革時、つまり昭和六十二年に将来国民負担でもやむを得ないであろうとされた十三・八兆円をはるかに上回って二十三・五兆円を一般会計に承継、繰り入れするという案でございます。しかし、この責任の重大さに対する反省が全く見られないばかりか、処理案決定に当たって、国鉄長期債務とは全く関係ない郵便貯金特会からの特別繰り入れやたばこ税の増税、さらにはJRの追加負担を求めているということに対して、私は今回の政府案は全く筋が通らないと思っております。 この件に関してマスコミもこぞって、今回の処理案は正気のさたではない、あるいは無理が通って道理が引っ込む、このような厳しい批判をされておりますけれども、この点についてまず運輸大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。 国鉄長期債務の処理につきましては、これまで資産の処分に全力を挙げてきたところでございますが、地価高騰問題に対処するための土地売却の見合わせ等から、結果として資産処分が思いどおり進まなかったことは事実でございます。 これらの結果、国鉄清算事業団は、国鉄改革により負担することとされた債務や年金等の支払いに加え、国鉄改革後に新たに年金関係の負担を負ったこともございまして、国鉄改革時に二十五兆五千億だった事業団の債務は平成十年度首には二十七兆八千億円に達する見込みでございます。 まず、同事業団の債務が結果として増加するに至ったことは、まことに遺憾なことだと考えておるところでございます。またこの間、政府といたしましても、その時々の情勢の中で最善と思われる措置を講じてきたところでございますけれども、結果的に見ましてもっと早く抜本的な処理を実施すべきであったという御指摘に対しましては、今中尾委員御指摘でございますが、これは我々も謙虚に受けとめなければならないと考えているところでございます。 そのような反省に立ちまして申し上げさせていただきますと、しかしながらこの問題はもはや放置することは許されない課題でもございまして、将来の世代に問題の先送りをしないよう、今回きちんとした処理をしておかねばならない問題であるとも考えております。 このため、今委員からの御質問にありましたように、平成九年中に具体的な処理案をまとめ、そして平成十年度に抜本的な処理を実現するため、今回の全体処理スキームを策定したところでございます。
○中尾則幸君 持ち時間がありませんので簡潔にお答え願いたいと思います。 さて、JRの追加負担でございますけれども、今大変問題になっているのはこの点でございます。 昨年四月、鉄道共済年金から厚生年金に統合した際の移換金について、国が所管する清算事業団とJRの負担割合は国会の審議等を経て明確に決められたわけです。そして、法が昨年の四月から施行されているわけです。負担割合は清算事業団が七千七百億円、それからJRの負担分が一千七百億円、四対一に割り振られたわけです。法律が施行され、一年もたたないうちに負担割合を変更する。朝令暮改も甚だしいとはこのことだろうと思うんです。 当時からそれではJRの追加負担を念頭に置いていたかどうか。簡単にお答え願います。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 先生お話しのように、平成八年の法律、具体的には厚生年金保険法等の一部を改正する法律におきまして移換金が必要になりまして、これを清算事業団とJRが分担するということが法律で決められたわけでございます。 実は、今回お願いしておりますのは、清算事業団が分担いたしました約八千億円、それと残余の二十数兆円の清算事業団が抱えております全体の債務をどうするかということをお諮りしているわけでございまして、そのときに、その意味で、事業団の債務について将来国において責任を持って処理するという考え方で整理させていただいておるわけでございまして、具体的にどなたに分担していただくかということについては決めておりません。
○中尾則幸君 私の答えにちゃんと答えてください。 昨年の四月から法律に従って負担割合が明記されたわけです。そして、今、一年もたたないうちにこの法律を変えようじゃないかと。これは筋が通らないと言っているんです。だから、私が聞いているのは、去年の四月法律を施行する前に、いや実はJRの追加負担もあるよということが頭にあったのかどうか、運輸省の中に。あったのならあったと言ってください。なかったのならなかった、どちらかにしてください。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 法律では清算事業団が負担するということが決めてありまして、その清算事業団の債務を最終的に処理させる際にどういう負担をするかということは決めておりませんでした。 それで、その中身をどうするかというときに、我々、具体的には概算要求させていただいたわけでございますけれども、できれば全部国庫負担、一般会計で持っていただきたいという考え方で予算要求させていただきましたけれども、JR負担があり得ないという考え方は我々は持ち合わせておりませんでした。
○中尾則幸君 局長、そういう詭弁を言っちゃいかぬですよ。 実は、昨年からずっとこの問題をやってきたんです。八月に出された平成十年度の概算要求のときには特別会計で、そして財源をどうするかで、例えば無利子国債の発行だとかいろいろやってきたわけです。我々も真剣に考えてきた。ところが、この十一月の末、あるいは十二月三日、加藤座長私案が出たあたり前後から、急遽、いろいろな問題が生じるから道路特定財源には手がつけられない、JRに負担させると。そういう論理が通らないからマスコミもみんな怒っているわけです。 いいですか。明確に決めていなかったと言った。そうしたら、厚生年金法改正についての衆議院の厚生委員会の質疑、これ平成八年五月と六月にやっております。このときに大蔵省の共済課長が、「民営化の前後で、旧国鉄の事業主としての地位を引き継ぐ国鉄清算事業団とJR各社に立場が分かれておりますことから、両者の間でこの民営化前後のそれぞれの期間に対応する給付確定部分の比率で按分して負担する」と言っているんです。そしてこうも言っている。「民営化前の債務を承継するのは国鉄清算事業団とされております現在の枠組みからいたしますと、八割程度のものを清算事業団で持ってもらう」、明確に答えているわけです。 いいですか。そうしたら、私は、皆さんがおっしゃる平成八年三月八日の閣議決定、「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理する」、これは六十三年一月の閣議決定です。今回の移換金債務についても、「移換金債務についても事業団の既存の債務等と同様の取扱いをする」と言っているんです。だから、清算事業団を通して将来結果的には国が面倒を見ると言っているんです。だから、JRはそれに従って粛々と支払い計画を立てて払うわけです。これについてどうですか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほど厚生委員会における質疑のお話がございましたけれども、我々、実は厚生年金移換金につきましては共済年金の問題でございます。そういう意味で、本来、当事者である共済関係事業主が処理する、そういうことで解決すべき問題でございます。 そういう意味で、平成八年の法律の段階における質疑におきましても、この考え方に基づきまして、共済関係事業主でございますJRと、それからその当時存在して、現在もしておりますが、国鉄清算事業団、これは旧国鉄そのものの移行体でございますので、これが事業主として分担するという考え方であるわけでございまして、御指摘の答弁はそのことを説明したものであると理解しております。 しかしながら、平成八年の時点においては、この共済関係事業主として清算事業団が分担した分について、将来、清算事業団が廃止された場合に最終的にだれが負担するかについては実は定められていなかったということでございます。 一方、お話にございましたこの時点における閣議決定でございますけれども、そういう意味で、平成八年の時点では、移換金を含めた事業団の全体の債務等の本格的な処理方策がまだ決定されていないという状況でございました。そのために、政府といたしましては、閣議決定におきまして、その本格的な処理のために必要な新たな財源措置については、土地の処分等の見通しのおおよそつく段階で検討、決定するということで閣議決定させていただいたわけでございまして、したがいまして、平成八年の時点において共済年金の問題であったにもかかわらず事業団分とされた移換金につきまして、共済関係の事業主でございますJRが一切負担せず、その全額を一般国民の負担とするということが決定されたものではないというふうに理解しております。
○中尾則幸君 一般国民一般国民と言うんですよ。つまり、旧国鉄長期債務の返済財源をどう払っていくかというのは、例えば行政改革だとか経費縮減だとかいろいろあるわけです。道路特会の問題もいろいろあった。それを、ここに来て一般国民に税金を負担してもらうなんて冗談じゃないですよ。これは少なくとも明確に法律で決まったわけでしょう。 そうしたら、ちょっと伺いましょう。 これ、運輸省からたびたびもらった平成九年十一月の「国鉄長期債務問題について(参考資料)」。いいですか。このときに、少なくとも国鉄清算事業団のおよそ八千億円の債務は、清算事業団、つまり国がかわって払うことになっているんです。有利子債務十六兆円と書いてある、元本。これに返済の計画も全部細かく書いてある。そしてそのときは、その下に年金等将来費用三・五兆円と書いてある。 ところが、いつの間にか変わっているんだ。これが運輸省の平成十年二月の資料、有利子債務十六兆円あったものが、いつの間にか十五・二兆円になっている。これは引いているんだ。そして年金負担金がやっぱり八千億ふえている。四・三兆円になっているんです。 あなたたち、この時点では、運輸省を中心にこれは国が払わなきゃいかぬと思っていたからこうやって懇切丁寧に法律に基づいてやってきたわけです。何の説明もないで、いろいろ考えてみたら、ここで操作しているんだ。これ一体どういうことなんだ。答えてよ。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 我々がお示ししております有利子債務の中身でございますが、これは御案内のように清算事業団が抱えておる有利子債務の中身でございまして、その中に、お話しのように資金運用部あるいは民間の銀行等からお借りしている部分と、それから年金のいわゆる八千億、これは実は清算事業団が預かっておる、負担しておる債務でございますけれども、これにつきましては実は有利子で我々は調達しておりますので、そういう意味での有利子債務ということでございますので、広い意味での全体の有利子債務としては十六兆円。その中身を分けますと、先ほど申しましたように、十五二一兆円の資金運用部等からの借り入れと八千億の有利子債務の年金の負担というものがあるということでございます。
○中尾則幸君 だから、有利子債務十年度首見込み額十六兆円、これは時間がないから改めて、この法案が回ってくるかどうかわからない。わからないけれども、回ってきたらその際詳しく質疑します自納得できない。 もう一度聞きます。 JRの追加負担の正当性を主張するならば、なぜ、法律が決定してからでも仕方ない、百歩譲ってもいいけれども、八月の概算要求時点あるいは臨時国会で、この問題は我々も一生懸命やってきたわけです、返済財源。我が党も返済財源のスキームを出しました。その際一切触れなかった。それで、あわててほかから、たばこも増税をお願いする、郵貯特会からも繰り入れをお願いする、仕方ないからJRもう一回とろうよという、こんな朝令暮改も甚だしい、国会審議を無視するような、これについてどう考えているのか。
○政府委員(小幡政人君) 今回の国鉄長期債務の本格的な処理方策が決定されるに至りました経緯について御説明申し上げますと……
○中尾則幸君 経緯はいいよ。
○政府委員(小幡政人君) まず、この問題に関して、厚生年金関係に限らず、清算事業団が抱えます二十七・八兆円の債務の全体について本格的に処理することになるわけでございますが、具体的にどのように処理することが適当かということをめぐって実はさまざまな論議が行われてきたわけでございます。 このため、政府におきましても、昨年六月の閣議決定、「財政構造改革の推進について」でございますが、この中で、「将来世代へ負担を先送りするという形での安易な処理を回避するため」、JRによる負担という方策も含めまして「あらゆる方策につき個別具体的に検討を行い「平成九年中に成案を得る」」ということにしたわけでございます。 そういう環境の中、さらにこのような状況を踏まえまして、昨年の運輸省の概算要求においては、長期債務の処理財源については今後の与党における検討等を踏まえ引き続き調整をするということで要求させていただいたところでございまして、このことは対外的にも明らかにさせていただいているところでございます。 その後、この問題につきましては、お話しのように昨年の十月に財政構造改革会議において結論が出されたわけでございますけれども、その結論といたしましては、JR社員の厚生年金関係については御案内のようにJRに負担していただくことが適当であるということでの結論をいただいたということでございます。
○中尾則幸君 もう一分しか時間がないです。 財政構造改革の企画会議、これ全部読ませていただきました。JRの追加負担、年金グループの話、ほとんどの委員がこれはまずいぞと言っているんです。民間企業であるJRに追加負担はまずい、何とかJRにお願いできないかと言っているんです。しかし、JRがこれは筋違いだとはねたものだから、急に法律をつくって練る。 最後に、時間がないから答えは要りません。朝日新聞のつい最近の報道で、国内のみならず海外の機関投資家はこれに対して日本の経営のあり方、国のあり方について物すごい批判をしていると。追加負担は妥当でない、あるいは法案が成立したら日本株式に対する認識が変わる、政府みずからが市場の効率性をゆがめていると。これは、一生懸命やっているJR、株式は合いいわけですよ、これについても株が落ちたらだれが責任を負うのか、そういった問題。さまざまな問題から考えていかなきゃならない。 時間がありません。法案が回ってきた段階で、回ってこないかもしれない、回ってくるべきでないと思っていますが、その時点で再質問させていただきます。 終わります。
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。運輸は初めてですので。 まず、この委員会は交通・情報通信委員会というのが正式の名前でございます。この名称のイメージから申しますと、一般的にはネットワーク委員会というしゃれた呼び名をする人もいますが、運輸省と郵政省のうち、この交通・情報通信委員会に所属する局とか課がネットワークという言葉で一つにくくれるというようなことがよくわかりません。また、現政権の省庁編成の先取りかと思っておりましたけれども、そうでもありません。たしか運輸省は建設省と一緒になるようであったと記憶しております。確かに、さきの臨時国会において国会法により参議院における委員会構成が決まりましたが、しかしこの委員会の構成の理念がよくわかりません。 運輸大臣、答えにくいと思いますけれども、この交通・情報通信委員会の構成についての感想をお聞かせください。
○国務大臣(藤井孝男君) 私もかつて十三年間参議院に籍を置きまして、その在籍中にも参議院改革ということで与党野党含めましていろいろ私もその立場にあったものでございます。現在は衆議院に籍を置いておりますけれども、参議院が常にやはり自主性を持って、あるいは衆議院と一味も二味も違った、よく言われる良識の府としてのいろいろな改革に向けて進んでおられることは私もよく承知をいたしているところであります。 今般の参議院改革に伴いまして、従来の運輸委員会で審議されておりました運輸省所管事項は、今委員御指摘のように交通・情報通信委員会、国土・環境委員会、地方行政・警察委員会、法務委員会の四つの常任委員会に分けて審議がされることになったところであります。 運輸省といたしましては、それぞれの委員会に対しまして、私自身を含めまして、今般の参議院の委員会の新たな設置につきましては、複数の委員会に私は出席をすることに相なるわけでありますが、日程の制約その他ございますが、私どもは誠意を持ってそれぞれの委員会に出席をいたしまして御答弁をさせていただくことといたしておりますけれども、これは院のお決めになられたことでございますし、委員の方におかれまして、委員会相互の調整により円滑な対応が図っていただけるように私といたしましてはぜひ御配慮をいただきたいと思うところでございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。 確かに、運輸省は四つの委員会に分かれると本当に大変な御苦労になると思います。さらに、今後行われる予算の委嘱審査なども大変難しいものが出てくると思いますけれども、その点はどういうふうに考えられますでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) これも私から大変お答えしにくいことでございまして、行政府の方から立法府に対しましての御意見を求められましても、なかなか私どもどう御答弁申し上げてよろしいか、非常に難しいところでございます。 いずれにいたしましても、今予算は衆議院の方で審議されておりますし、関連法案も審議がなされているところでありますが、これからいずれ参議院の方に予算審議あるいは予算関連法案、また各種法案も御審議いただくことになっておるわけでありますから、そういった点、私どもといたしましては、院の独自性、それから特性を生かしながら効率的、効果的な委員会運営が図られるよう期待いたしておりますし、私どもは先ほど申し上げましたように、そういったことに対して誠心誠意またお答えすべきものである、このように考えているところでございます。
○但馬久美君 参議院も本当に、この委員会になりまして、今出発したばかりですけれども、これからしっかりやっていきたいと思っております。 話は変わりますけれども、余裕のある休暇の実現についてお伺いいたします。 総理府の国民生活に関する世論調査によりますと、今後生活のどの面に力を入れたいと考えているかという調査で、質問に対しまして、レジャー、余暇生活と回答する人が住生活と回答する人を上回り第一位になったのが昭和五十八年と言われております。それ以来ずっと第一位を占めているということは、この十五年間、レジャー、余暇生活と回答する人が一番多いわけなんです。庶民の最大の関心事は、やはりレジャー、余暇生活をどうするかだと思います。 最近は、土曜日、日曜日の休暇が一般化いたしましたけれども、一泊旅行はかえって慌ただしくて疲れますし、旅行泊には少なくとも三連休が欲しいと思います。平成七年六月の観光政策審議会の答申では、一部の祝日の曜日指定化で三連休の促進を提言しております。この三連休化についてどういう御意見をお持ちか、所見をお伺いしたいと思います。大臣にお伺いします。
○国務大臣(藤井孝男君) 私も、先般の所信表明の中におきまして、これからやはりゆとりある生活を実現する、そういう中におきまして、祝日三連休化につきましては、運輸省といたしましても支援をしてまいりたいということを申し述べたところでございます。 この祝日三連休化につきましては、推進会議が各都道府県の意見書採択や署名運動等、これはもう既に六百万人を超えている、もう七百万人ぐらいになられましたですか、そういった署名活動あるいは運動を非常に活発に展開しているということを承知いたしております。 運輸省といたしましては、ゆとりある生活を実現するということの一環としてこの祝日三連休というのは大変前向きに評価をしているところでありまして、これに向けて祝日法の改正が今議員立法として与野党でいろいろ話し合われておられるということでありますし、その祝日法の議員立法の改正の動きにつきまして私どもは注目をして見守っているところでございます。
○但馬久美君 それでは、労働時間の短縮のための祝日の創設についてお伺いいたします。これは総理府にお伺いいたします。 現在、日本の平均労働時間は一九九五年の製造業では千九百七十五時間で、米国の千九百八十時間や英国の千九百四十時間と肩を並べておりますが、ドイツの千五百五十時間、フランスの千六百八十時間と比較して、まだまだ日本は長時間労働を強いられております。 日本は労働時間千八百時間を目標に目指しております。その短縮に努力されているところでありますけれども、この長時間労働を解消するための一つの方策として祝日の創設が考えられております。祝日の議員立法も考えられているようではありますけれども、総理府としてはこの祝日の増加、いわゆる創設についてはどのように考えていらっしゃいますか。お伺いしたいと思います。
○説明員(保倉裕君) 新たな国民の祝日を設けることについての御質問でありますが、我が国の祝日は既に十四日定められておりまして、先進国の中でも多い方に属しております。 また、祝日の数の増加は、国民生活や経済活動など各方面に与える影響が多いと考えられますし、またいろいろな日について祝日化の御意見があることなど、諸般の事情を考慮して慎重に対処する必要があると考えております。
○但馬久美君 日本人は非常に勤勉で働くという部分が今までずっと続いておりましたけれども、私はやはり休日をもっと総理府の方で価値的に考えていただきたいということを要求いたします。 次に、観光行政についてお伺いいたします。我が国を海外から正しく理解してもらうことは二十一世紀の日本にとって重要な課題だと思っております。 この観光行政の課題は訪日外国旅行者が少ないということなんです。平成八年度は訪日外国人旅行者の数が三百八十三万七千人、平成九年度の推計によりますと四百二十二万三千人で、日本人が海外へ旅行する人数は千六百六十九万五千人、平成九年度の推計では千六百八十万人。これを比較して約四分の一であり、いかにも格差があり過ぎると思います。 また、九五年の外国人旅行者の受入絶対数では日本は世界の三十六位でありまして、サンマリノ、余りなじみのない国なんですけれども、そこの国よりも少ない。さらに、自国の人口数に比較したインバウンド人口比は、日本は韓国の三分の一にすぎないのであります。 その阻害要因は何なのか。皆さんは十分御存じだと思いますけれども、断トツの理由は高物価であります。国際観光振興会のアンケートの調査では、全体の八七・九%がそういうふうに回答しております。 運輸省は、この課題に対して昨年の六月に外客誘致法を制定いたしておりますけれども、それがどういうふうに実行されているのか、またどういうふうに成果が上がっているのか、お聞かせください。
○政府委員(土井勝二君) ただいま先生御指摘の訪日外客数が、絶対の数もそれからほかの国と比較しても大変少ないということは事実でございまして、私どもといたしましても、例えば訪日外客数を倍増するということを目標としましてウェルカムプラン21というものを考えまして、そしてただいま御指摘のように、昨年の六月に外客誘致法が制定されました。そして、その後八月に基本方針を政府として公表をしております。この基本方針を受けまして、外国人観光旅客の誘致に積極的な地方公共団体が現在外客来訪促進計画の策定作業に取り組んでいるという状況でございます。 さらに、この法律では、地域を限定した通訳案内業についてもたくさんつくるべきだと。例えば中国語とか朝鮮語ができる方々をつくるべきだということでございまして、これについても研修が進んでいるということでございます。 さらに、この法律の中身として、ウェルカムカードというものも考えられておりますが、青森県とか香川県でもこのウェルカムカード、外国のお客さんがその地域を旅行するときに博物館とかその他の施設について割引がなされる、そういうカードの導入も、青森県は既に導入されていますし、ほかの県でも導入が予定されている、そういう状況でございます。
○但馬久美君 今取り組んでいらっしゃることを伺いました。青森とか秋田ですか、ウェルカムカード、これもっと国民にわかるように広めていただきたいなと今お伺いしてそう思います。 今度は国際観光振興会についてお伺いいたしますけれども、これは外客誘致の実施団体でございます。海外の旅行者をどのように少しでも多く誘致するかという目標でつくられたと思います。世界に十四カ所と伺っております。十数カ所拠点を設けて外客誘致を行っているようでありますけれども、人件費のコスト高で予算の大半が人件費に回り、外客誘致まで手が回らないという悲鳴に似た声がありますが、それではどういうふうに外客誘致を行っているのか、その実態について御報告ください。
○政府委員(土井勝二君) 先ほどの外客誘致法を受けまして、国際観光振興会が活動すべき分野が多いわけでございます。世界の十四カ所に国際観光振興会は海外宣伝事務所を持っております。また、国内におきましても外国人総合観光案内所を運営するなどいたしておりまして、海外宣伝及び国内での受け入れ体制整備に関しまして事業を行っているということでございます。 それで、ずっと前からそういう事業を行っておりますので、海外宣伝なり外国人の受け入れのノウハウというのがこの国際観光振興会に日本で唯一のセンターとして蓄積されているということでございます。 具体的な活動でございますが、なかなか、今先生もお話にありましたように、予算の制約があるわけでございますが、外客誘致のための具体的な活動といたしましては、一つは、新しい日本の観光イメージの策定、それから二つには、外客来訪促進地域への外客誘致キャンペーンの実施、それから外客向け観光案内所、i案内所と呼んでいますが、観光案内所の職員に対する研修とか助言、それから低廉宿泊施設等の情報提供、こういうことをこれからさらに強化して実施をしてまいりたいというふうに思っています。
○但馬久美君 ところが、この国際観光振興会の予算の資料を見ますと、人件費に収入の三分の一を使っておりまして、海外宣伝事業費は約一億二千万円で人件費の十分の一にすぎない。しかも減ってきております。さらにひどいのは、海外宣伝資料費の作成などは平成四年度の一億二千六百万円から半分以下の五千二百七十二万円と減らされております。さらに、国際会議誘致事業費は、平成四年また五年度は約三千万円を計上されておりましたけれども、六年度以降全くゼロで、この五年間はゼロ計上なんです。 これではどうやって海外誘致ができるのか疑問に思います。本当に海外誘致を使命とする団体とは思えませんので、その点、どう考えていらっしゃるのかお聞かせください。
○政府委員(土井勝二君) ただいまの国際観光振興会の予算でございますが、人件費と申しますか、役職員給与が確かに三分の一なり半分近く占めております。 ただ、御理解いただきたいのは、まさにこの人件費で国際観光振興会の職員が海外宣伝の活動をするということ自体が、しかも中身として外国人に海外なり日本の中で接触をして理解したり誘致したりするという、人件費そのものが海外宣伝活動であるという面もあることは御理解をいただきたいと思います。 それから、海外宣伝事務所の人件費以外に、海外宣伝事務所の費用あるいは総合観光案内所の費用といったものもまさに直接的に活動に関する費用であるという御理解もいただきたいと思います。 ただ、何分にも政府の厳しい財政状況の中で、率直に申しますと、今先生が御指摘になったような海外宣伝資料作成費等が削られているという面があるのは事実でございまして、私どもとしてこれから一生懸命そういう財源について獲得に努力をしてまいりたいと思っております。
○但馬久美君 この国際観光振興会の事業概要の本なんですけれども、一ページに、「日本を旅する外国人を増やし、日本の良さをもっと知ってもらう。それがJNTOの使命です。」、こう明確に書かれております。また、十一ページには、先ほどもお話がありましたけれども、訪日外国人旅行者の倍増計画が書かれておりますが、これは単なるうたい文句にすぎないような気がいたします。実行不可能な計画であるとしか思えません。 大臣、これでは現地の職員は完全にやる気を失いますので、私は、予算の不足もさることながら、もっと効率的な方法をぜひ考えるべきではないかと思っております。もし単に現地の職員を養うだけで置いているならば、即座に撤退すべきではないかと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 外客誘致のための国際観光振興会における職員を初めとして、その活動は決して今委員御指摘のことではない、私はそう確信をいたしているところであります。 ただ、おっしゃられんとすることは、やはり観光振興というものにもっと力を入れるべきではないかと実は思って、私自身運輸大臣に就任いたしまして以来、関係担当局に対しましても、観光部に対しましても指示をいたしているところであります。先ほどお話がありましたように、我が国から海外に出かける方は年間千七百万人、そして海外から来られる外国人の観光客の方がまだ四百万人に満たないというこの現実は直視しなければならない。 実は私も、個人的な話ではありますけれども、今から二十五年ほど前に海外に赴任をいたしておりまして、そのときに家族、親子三人で休暇をとりましてヨーロッパをレンタカーを借りて周遊したことを思い出しております。そのときに思いましたことは、全く見知らぬ国でレンタカーを借りまして各国を回ったわけでありますけれども、例えば道路標識一つにいたしましても、観光案内にいたしましても、あるいはホテル、レストラン、その他そういった我々が突然お伺いして戸惑うことが多い事柄につきましても、非常に親切にきめ細かくわかりやすく、二十五年前に既にヨーロッパ各国はそういった観光客受け入れの体制というのが整っているなということを強く印象を持った次第であります。 その点、日本におきましては、大変国際化をされまして、それぞれの地域におきましてホテル、旅館、その地域の人々、観光産業に携わる人々が熱心に外国人に対する誘致活動をしていることも承知をいたしておりますが、しかし、まだまだ今委員御指摘のとおりその活動が一般国民にもあるいは外国人に対しましても理解が深められていない。私もそういう認識に立っておりますから、今後とも、外国人が日本に来られる場合、とりわけ外国人の場合には、むしろ日本人の観光客と違いまして、個人でそしてある目的を持って来られる方が非常に多いわけであります。そういった方々に日本の文化、伝統あるいはすばらしい景観、自然というものにいそしんでいただくためには、もっと幅の広い、きめ細かい、外客誘致法をせっかく法律として定めたわけでありますから、それが十分生かされるように今後とも努力をしていかなきゃならない、そのように考えておるところでございます。
○但馬久美君 ぜひよろしくお願いいたします。 日本の国内で諸外国はどう宣伝しているのかということをもっと研究すべきではないでしょうか。また、テレビとかラジオなどマスコミを使って大きな宣伝をしております。諸外国では地下鉄とかそういうポスターぐらいでしか日本を紹介されていないわけなんです。だから、私は、もっと宣伝費を使って日本の紹介を海外のテレビやマスコミで宣伝していただきたい、そういうふうに思います。 今度は国内観光についてでございますけれども、日本人の海外旅行者に比較しまして国内旅行者は確かに十倍以上いますけれども、近年伸びがとまっております。むしろ停滞ぎみであります。それは観光資源の枯渇とか情報提供の不足、ゆとりのなさ、また不景気の影響、いろいろ考えられますけれども、これをどのように解決していこうとなさっていらっしゃいますか、お伺いいたします。
○政府委員(土井勝二君) 国内旅行につきましては、確かに近年伸び悩みの傾向はございまして、その要因として、先生も今お触れになりましたけれども、私ども考えているのは、一つは、海外旅行とマーケットが同一になっています。日本人が国内に行くか海外に行くかというのが同一のマーケットの中で、価格水準の割高感が国内については高まっているのではないか。それから観光地が、特に古い観光地について若者を中心として魅力が少し薄れているのではないか。それから、サービス体系とか内容が旅行ニーズ、先ほど大臣も申し上げましたけれども、特に個人の旅行が日本でもふえておりますが、こういった旅行ニーズの変化に対応し切れていないのではないかということが考えられます。また、当然のことながら、長引く景気の低迷も旅行に出かけるゆとりというか、インセンティブを少なくしているという面もあると思います。 このため、運輸省といたしましては、国内観光振興促進のために、一つは、国内観光促進協議会という官民の大きな協議会を設けまして、費用の低廉化とかあるいは新しい旅行形態であるエコツーリズムとか、そういった促進策を検討、実施しているということもございます。 それからさらに、魅力ある観光地づくりを実施するために、観光地づくり推進モデル事業というのも実施していこうと思っております。 それから、さらに言えば、新しい旅行商品の開発あるいは訪客プロモーションを展開するためのデスティネーション開発協議会とか、あるいは族フェア、あるいは観光立県推進会議、こういったことを総合的にやっておりまして、こういった総合施策を推進することによりまして国内観光の需要喚起を図ってまいりたいというふうに思っております。
○但馬久美君 いろいろ今お聞かせいただきました。 先ほど大臣の話もありましたけれども、日本の地域の伝統芸能や工芸の振興、継承は文部省の管轄のように思われますけれども、これらの観光への多大な貢献にかんがみまして、運輸省独自の振興策を何か考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府委員(土井勝二君) 日本各地の歴史とか文化の象徴とも言える地域の伝統芸能でございますが、先生御指摘のとおり、観光振興のための重要な観光資源だというふうに認識しております。 運輸省といたしましては、平成四年に制定されました地域伝統芸能等活用法に基づきまして、支援実施機関として指定された財団法人の地域伝統芸能活用センターを通じまして地域伝統芸能への支援措置を講じているという状況でございます。 また、各地の伝統芸能が一堂に会する地域伝統芸能全国フェスティバルを開催しております。また海外との関係から申しますと、主要な伝統芸能を海外に紹介する海外公演事業、これをも実施しておりまして、その意味で日本の地域伝統芸能を大いに観光資源としても活用し、あるいは外国の方々にも紹介し、交流を深めていただきたいというふうに思っております。
○但馬久美君 それから、レジャーはいろいろ考えられるんですけれども、海洋レクリエーション、プレジャーボートや、また空の方のスカイレジャーを楽しむ人がどんどんふえてきております。そういう意味で、安全性とか指導体制などが不足してくると思うんです。必要なら法的整備もきちっと対応すべきであると思います。 また、特に放置艇が全国各地で問題になっておりますけれども、そういうものに対しての対応とか、そういうものはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(土井勝二君) 今先生御指摘の海洋レジャーあるいは航空レジャーでございますが、国民の皆さんがゆとりある生活をしていく上で重要な課題といいますか、大変役に立つことだと思っております。 私の方から海洋関係で申しますと、プレジャーボートにつきましては、実は全国で既に三十四万隻あるわけでございます。ただ、レジャーを楽しんでいただくのはいいんですけれども、他方、先生も今お話しになった放置艇というのが約十四万隻もあるということでございまして、レジャーに使っている船とその他の水域の利用者との間にトラブル等、あるいは場合によっては海上交通の安全等に支障を来しているというのも事実でございます。 こういう状況でございますので、運輸省といたしましては、プレジャーボートの保管場所の確保を促進していくということで、既存マリーナの使用能力の拡大、活用であるとか、あるいはボートパーク整備事業であるとか、簡易なこういった係留施設の整備というものを進めているということでございます。 それからさらに、ソフトの面から申しますと、地方運輸局ごとにプレジャーボート利用振興対策連絡会議というものを設けまして、自治体との連絡を強化しているという状況でございます。 こういう時代でございますので、一方で遊びとして楽しんでおられる国民がいるということと、それから国民の方々が利用する機器によって場合によっては人に迷惑をかける可能性もあるということにつきまして、規制が必要なのかどうか、規制するとしたらどういう規制があり得るのかといった面について、総合的に運輸省としても検討をしている最中でございます。
○政府委員(楠木行雄君) スカイレジャーの点につきまして私の方からお答えをさせていただきます。 先生御指摘のように、余暇時間が拡大したり所得水準が向上等いたしますと、余暇活動の展開で現在スカイレジャーの愛好者が非常に増加をしてきております。 その愛好者とか関連団体、そういったこととのかかわり合いを通じて私たちも支援をしていきたいとは考えておりますけれども、やはりレジャー航空の振興に当たりましては安全の確保が重要でございます。年間何人かの事故死亡者等も出ておりますし、そういう意味から、運輸省といたしましては、愛好者に対する安全知識の普及や技能の向上訓練等を推進するように幾つかの関係航空団体、それをまとめる団体等ございますので、こういったところを指導するなど、レジャー航空の安全対策を積極的に推進してまいる、またこれからもそうしたいと考えております。
○但馬久美君 事故が少しずつ起きております。こういうレジャーの部分での事故ですので新聞等には余り大きく載りませんけれども、いつも事故が起きてから何か対策をとるというようなことではなくて、本当に安全性とそういう指導体制はしっかりしいていただきたいと思っております。 最後に、ホテル、旅館の経営は平成五年ごろから赤字が常態化しております。設備投資での赤字も一部はあるようですけれども、実態はどうであるのか。また、企業の倒産件数が九七年の一月から十一月では一万四千八百件と言われております。さらに九八年度の企業倒産が二万件など、不況型の大倒産、そういう時代が来ております。 こうしたホテル、旅館の不況の倒産の危惧はないのか。また、ホテル・旅館業界からは周辺を魅力ある観光資源につくりかえていきたいという声が上がっておりますけれども、果たしてそれでいいのか。ほかの省庁とも協力して不況対策も考えるときが来ていると思います。そういう意味で、運輸省の方はどういうふうに考えていらっしゃいますか、お聞かせください。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来答弁をいたしておりますが、要するに、国内観光振興のためにさまざまな施策を講じていかなければならないことは当然のことであります。そしてまた、ホテル、旅館におきましても、受け入れる側でございますが、お話がありましたように、いわゆる旅行者のニーズが最近非常に変化をいたしております。日本におきましても、団体旅行がまだ主体ではありますけれども団体も少人数化しておりますし、祝日がふえるということになればなるほどまた個人的な旅行をする方も多くなっております。 そうした多岐にわたる観光客のニーズにやはりこたえていかなければなりません。そういう意味でのホテル、宿泊施設のサービス、内容の充実を今後とも図っていかなければなりませんし、また政府登録のホテル、旅館につきましては、運輸省といたしましても、税制あるいは金融機関による融資措置等々、そういった支援措置はこれからも講じていかなければならないと考えております。 いずれにいたしましても、先ほど御質問がありましたように、例えば祝日三連休化というものが実現し、さらなるゆとりある生活というものが図られていく過程の中で、それぞれの地域の魅力というものをどう引き出していくか、それが単に点と点を結ぶのではなくて、面というそういう観点からも、各県にわたってお互いのよさを補完しながらさらに付加価値をつけていくということも大事だと思います。 いずれにいたしましても、大変厳しい景気の中でございますけれども、申し上げましたように、私もこれからはむしろ不況対策といいますか、景気対策として非常にすそ野の広い観光産業というものをもっともっと振興させねばならない、このように考えているところでございます。
○但馬久美君 いろいろとどうもありがとうございました。 この不況の中でも、心にゆとりの持てる国づくりのためにも運輸省の方でも頑張っていただきたいと思います。
○委員長(川橋幸子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○及川一夫君 運輸大臣、大変御苦労さまです。 できれば、運輸大臣も情報産業というお言葉をお使いになったので、郵政大臣を含めてこの辺は論議した方がいいんじゃないかなという気持ちもするわけですが、情報通信と交通が一緒になって論議することは決して私は間違いではないんじゃないだろうかというふうに率直に言って思っています。 そういう前提に立ちまして、参議院交通・情報通信委員会における運輸大臣の所信表明なんですが、私は全体として理解ができると思っております。 しかし、運輸省のお仕事というのは、何だかんだ言ってみても短期よりも長期のものが非常に多いと考えざるを得ないし、そういう意味では、今の財政構造とか財政の事態等から見ると、無理とかむだとかむらというものがあるのかないのかということについて、運輸省自体が謙虚にやっぱり考えてみる必要があるんじゃないかという思いがいたしております。そして、財政的にもむしろ大きいものが多いですよね。ですから、我が国の財政でたえられるものかどうなのかというようなことも検証する、そういう試みが必要ではないかと私は思っております。 そういう立場から見ると、運輸という全体の資産と負債という問題について、できれば貸借対照表的に整理をする、それから透明度を高くするという意味で国民の目に触れるように出すということが非常に大事ではないか。この点は私は運輸省だけじゃないと思うんです。今、どっちを向いても借金だらけだと言うけれども、数字だってその立場立場によって幾つか違った数字が出てくるんです。こういうことであってはならない。したがって、国全体の資産と負債という問題について対照して見られて、我が国の財政はこうなんだということが一目でわかるような努力を大蔵自体が私はすべきじゃないかという気持ちすらしているわけであります。 したがって、そういうことをきちっと受けとめながら、運輸行政としての安全確保と、公平、公正な、便利さとかさらには地域格差のない文化、生活が営めるような、そういう立場での総合交通行政というものを考えていくことが非常に大事だと思っていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 今の及川委員の御指摘、ごもっともだと思っております。 運輸行政というのは大変幅広い分野を所管いたしておりますが、もちろん常に政治というのは現実との対比というものを踏まえながら政策を遂行していかなければならないことはこれは当然のことであります。とりわけ運輸行政におきましては、委員おっしゃられたとおり守中長期的ないわゆる政策といいましょうか、総合交通体系一つにいたしましても、そうした長期的な観点から物を見る、そういう上に立ってのいわゆる予算と、あるいは予算を執行するに当たりまして、むだのない効率的、効果的な予算の執行をしなければなりません。 ただそれを、今おっしゃられましたように、数字の対比ということはもちろん必要でありますけれども、やはりグローバルな面から見る視点も大事だと思いますし、そういう中で今後とも安全の確保あるいはまた地域間の格差是正、そしていかに効率、効果的な運輸行政、総合交通体系をつくっていくかということが大変重要なことだと思いますので、委員のおっしゃられたとおりだと私は受けとめながら、これから運輸行政を進めていきたいと思っております。
○及川一夫君 そういう立場を踏まえて運輸行政を見つめてみますと、幾つかあるんですけれども、私は、今取り上げてみたいと思っているのは、リニアモーターカーの問題です。 これは、計画の内容を見ますと、平成元年から始まっているわけですが、総枠で三千五百億というふうな、別に予算化されたものではないがお金をかける総枠としてそういうイメージで出された。建設というのはもう開発研究のためにということでありますけれども、一千五百億から二千億ぐらいを想定して、開発にはおおむね一千億ぐらいというめどを立て、その他の諸経費、いろんなことがあるんでしょうが、五百億、締めて三千五百億、こういう形のものになっておったと思うんです。そして実用化のめどが八年後ということを当時言われておったんですが、もう平成八年が過ぎて平成十年になっているということを考えますと、これは一体どうなるんだろうどうするんだろうかという問題。 しかも、甲府から東京までは十五分を想定し、大阪-甲府間は四十五分ということが当時言われていました。なぜそんなに速くしなきゃいかぬのかなという疑問を持ちながらも、日本経済に対する貢献とか、あるいは世界の経済の中で何を売り物にしながら、あるいは技術を駆使して世界の経済のためにも役立っていこうという発想もあるんでしょうから、それ自体は否定されなかったし、また具体的に作業に入りました。 一体現状はどんなものかという点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) 超電導のリニアモーターカーの技術開発につきましては、お話しのように、平成二年度より実は山梨実験線の建設に着手いたしまして、昨年、平成九年四月から本格的な走行試験を開始させていただいております。そういう中で、去る十二月二十四日には、目標の最高速度でございます五百五十キロを達成させていただいたという状況でございます。 平成十年度以降につきましては、第二編成車両を使いまして高速のすれ違い試験、あるいは複数列車の試験等を実施し、まだ残された課題も多く楽観はできませんけれども、平成十一年度までに長期耐久性試験の一部を除きまして実用化に向けての技術上のめどを立てるということで推進しているところでございます。
○及川一夫君 新聞でも報じられていますから、今の局長のお話はわかっているつもりでありますけれども、これまで予算的にどのぐらいかけてきたのかということを私なりに調べさせてもらいますと、補助金的には大体四百十四億ぐらいお使いになっておる。それから委託調査費的には三億七千五百万ということになっておって、開発銀行の融資が一千四百四十七億二千六百万、このぐらい大体つぎ込んだということになっていますから、トータル千八百六十四億強が投入されていると私は理解をしています。 成功させるためにお金を使うこと、投入することは別に悪いことではないんですが、問題は、リニアモーターカーを成功させて、五百キロ、五百五十キロやって一体どこにどういうふうに使うんですか。新幹線の方は青森から鹿児島までそれとなく建設されるということになっている。やがて札幌の問題も出てくるでしょう。そうすれば札幌から鹿児島まで新幹線が少なくとも二百キロとかあるいは二百三十キロ、四十キロというスピードで走ることになるわけです。観光にも利用されるでしょう。ビジネス的にも大いに利用されるでしょう。しかし、それ以上スピードをかけてやるということになれば、本当に忙しい人は飛行機を利用すればいい。 それこそ、総合交通体系という面から見ても、リニアモーターカーの方は一体成功したらどこにどういうふうに使うんであろう。しかも、今の新幹線と並行してやろうなんということになったら、それだけで、当時でさえ三兆、人によっては十兆と言っていたんですからね。要するにそのぐらいお金がかかる。一面ではそれだけの経済効果があるということを強調されている方もあったんです。 だけれども、今日の財政事情とか我が国の交通事情からいったら、ほかには高速道路も整備されておりますし、有料道路の問題を含めて道路行政についてはまだまだ足りぬ点があると言われていますけれども、かなり総合というふうに言われるような状況で論ずることができるようになってきたと思うんです。そういう基盤整備みたいな意味で私はかなりの発展があると思っているんです。そこに、リニアモーターカーを日本列島でどうやって使うんだということを私は疑問に思うんですが、これは何かあるんですか。
○政府委員(小幡政人君) リニアモーターカーにつきましては、先ほど申し上げましたように、実は今営業最高速度五百キロというものを出しておるわけでございますが、そういう高速性、それからピーク時間当たりで片道約一万人程度の輸送能力というようなことを念頭に置いておるわけでございますけれども、これが実用化されますと、我々としては中長距離の都市間輸送機関として非常に有効な大きな役割を果たすことになるであろうということを念頭に置いておるわけでございます。 具体的には、よく議論されますけれども、東海道新幹線につきましても非常に量がふえてきておりまして、近い将来にこれが容量的に限度を迎えるというようなことも想定されるわけでございますが、その際における中央新幹線構想の一環としてこういう技術開発というようなものを進めていこうというような機運もございます。 そういうことの中での技術開発を進めているわけでございますけれども、我々としては、将来の中長距離の都市間交通機関の一つの大きな技術テーマとしてぜひこの開発は行いたいというふうに考えておるわけでございます。
○及川一夫君 現実に開発、研究をやっているわけですし、成功するのももう間近という思いもありますから、現場の人はもちろんのこと、行政に携わっている人たちもぜひ成功させたいと思われるのは当然だと思うんです。ただ、かかるコストが大変だということと、実際に実用化する場合にはこれ以外に大変な財政を必要とするということを考えると、やはりそういうものが必要であるのかないのかということはこれはどうしても議論になりますね。 しかも、甲府から東京と言ったって、距離的に見ると百二十キロぐらいなんです、十五分と言っているわけだから。それで、大阪と甲府をつなぐ、こう言ったって、四十五分と言っているんだから、距離にすればその三倍でしょうか。ということになると、甲府という、金丸先生がおられたから余り変なことを言うわけにはいかないんですけれども、どちらにしても山梨県の大きさとか甲府市とか、富士山という象徴的なものがあるから、観光とかいろんなことを考えると全く無意味じゃないだろうとは思うけれども、果たしてそれだけ金をかけるだけの価値があるのかないのかというのは必ず私は問題になると思いますよ。 したがって、成功されたリニアモーターカーというのは、アメリカ大陸であるとかヨーロッパ大陸、ああいったところならそれは使ったらそれだけの効果はあるんだろうと思いますが、そういったことにウエートを置いて、かけたコストを返してもらうというようなことを考えていかないといけないのじゃないか。もしそれが失敗しちゃうと、結局金をかけただけ、むだ金になってしまうということになりますので、運輸大臣、この辺はこれからの課題になるでありましょうから、ぜひお考えをいただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。 次は長期債務の問題なんですけれども、午前中民主党の中尾さんから御意見がありました。私は率直に言って、長期債務という問題については国鉄だけの責任じゃないと思っています。政治もそれ相当の責任があると私は思っています。 もちろんその時々の国の情勢がありますから、条件がありますから、いい悪いということはにわかに言えないわけですけれども、国鉄という言い方で言えば、満鉄の人が終戦後帰ってこられた、飯を食わせにゃいかぬ、したがって人が要らないのに採用するというのが原則だったと思うんです。だから仕事と要員というのは今のような結び方をしていません。したがって国が負担するということにならざるを得なかった。それから、戦争によって爆撃によってめちゃめちゃになったんですから、それをどうやって交通網をやるかということになれば、やはり理屈抜きで国の財政が許す限りということで大量に投資してきたと私は思うんです。ですから、経営として見た場合には必ずしも整合性のあるものじゃなかった。そういう条件だったんです。 だから、政治家は政治家として、おらが村に駅をというふうな発想になりますし、当時はそういうことをやれるような人でなければ国会議員ではないとか代議士ではないとか、そういうことで逆に有権者の皆さんからあおられちゃって、それをやらなきゃ当選しないということで動いた事実も率直に言うとあります。 ですから、すべてが国鉄の責任だと私は思っていない。しかし現実に長期債務というものがここにある。途中では振り分けをしたという経過があります。これもバブルということだったから大変だったんだけれども、清算事業団があのときに土地を売っていればこんなにならなかったということはありますよ。しかし、国の政策、政治として、土地の値段をあのまま上げたら大変なことになるというので、今の総理の橋本大蔵大臣がとめられた。こういうこともあるわけですから、これまた政治の面だけが責められるものではない。 そういう総合したものの中から、いずれにしても子孫に借金を残しちゃいかぬぞと。残すにしてもどうやれば返せるのかという長期のスキームをつくろうということになると、率直に言って、大変失礼かもしれませんが、どの党の皆さんがやっても私は大同小異のものしかできないと思うんであります。なぜなら、財政と言ったって税金ですから、増税で補うのか、国が負担するのは税金で負担するということになるわけでして、どっちをどう見ても及川一夫が金を出してやるような問題ではないわけです。だから、そういう悩みの中で運輸大臣も一定の提案をされたということなんですね。 したがって、国が負担する分と、それから、本来ならこれに全然関係のないところが出しているところもありますね、郵政関係の剰余金の問題、たばこの増税の問題。それからJRが負担しなさい、すべきじゃないかというのは一体どういう性格のものなのか、私は明確にして是非を論じないと、これは間違いを起こすという気がしてしようがない。 特に、JRの問題については、もともと公労協という労働組合の一員でしたから、私もその一員でしたが、この共済年金の問題では今までも私らは国鉄の皆さんに九千億も取られているんです。かつ、今回の長期債務ではまた取られるという状況なんですよ。 だから、共済年金ということになれば、これは自前のことですから、本来JRがやるべき問題なんです。そういうことを前提にして、みんなでどう負担するかということを考えませんと、私から言えば、JRが負担しないというのなら、剰余金もだめ、増税もだめ、やるなら全部国がやりなさいというふうにやらざるを得ない。つまり、国がやりなさいと言うと格好いいけれども、国民負担でやりなさいということとこれは同じでしょう。そういったことをやっぱり前提にして物を考えていかないといけない。 こういう気持ちもあるものだから、運輸大臣が大変苦労していることはわかっているんだけれども、苦労していることと、言いたいことと、やってもらいたいことは私は別だと思っているんです。はっきりしてもらわないといけない。だから、中尾さんの御質問の中に、責任性というものを明らかにせよと、この点は私は当然だと思っています。 しかし、具体的なスキームを考えるときには、関係のない人でさえ出していると私はこの際言いたいんですよ。本来は出させられているというのが正確なんだけれども、出しているんですよと。これまでの経過はあるにしろ、直接関係のある人がびた一文出さないというのは一体どういうことなのか。責任ある社会を構成している以上はそういう態度というのはないじゃないかということを私はJR総連の皆さんにも連合にも言いましたよ。反対だと言うなら、おれの意見を言って、あんたそんな態度あるかいと言っているんです、これ。それほどの私は問題だと思っています。 だから、約束があったからそれを守れ守れだけでは済まされぬ状況だということを認識して私はやっているつもりなんで、また理解しているつもりなんで、運輸大臣、ひとつ心して答弁してもらいたいと私は思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど中尾委員のときにも御答弁申し上げましたけれども、今及川委員も、御質問の中にありましたように、これだけの大きな債務を今日まで抜本的な処理方策を講じなかったことについては、政治としても、また政府としても、また、今及川先生のお言葉をおかりすれば国全体の責任の問題。 とりわけ、戦後の混乱期は私はよく知っておりますけれども、あの戦後の混乱期、満州等々から引き揚げてくる皆さん方の就職先と申しましょうか、それから、戦後のあの混乱期を復興させるために交通網の手段を講じるためにはまず鉄道が第一義的だったということでもありました。 また、個人的なことを申し上げてまことに恐縮でありますが、私は岐阜県でありますけれども、私の祖父が高山本線を施工するに当たりまして大変熱心にその運動をいたしまして、岐阜から北陸の宮山まで高山本線が現在も通行いたしておりますけれども、山間地峡を開発してあの鉄道をつくりました。戦後大変大きな効果をもたらしましたけれども、現在では厳しい経営状況になっている。時代の変遷というのを、一つの私の地元の幹線を見ましても、戦後五十数年の間に大きな変化があったんだなと思います。 そういう中で、先ほどお話がありましたように、それぞれの国民一人一人が恩恵を受けたことも事実でありますし、また一方では、その重なっていく債務を本格的に処理できなかったという責任も、我々、そういう指摘に対しましては謙虚に受けとめなきゃならないと思っております。 そうした中で、もはやこれを先送りできないという中で、どう皆さん方に御負担、御協力、御理解を得ていくかということで、真剣に検討した結果、今般本格的な処理をお願いしたところであります。とりわけ、JRに対しましての御協力をお願いし、御負担をお願いしておりますけれども、まだJR各社の御理解は得ておりませんが、今後とも粘り強く理解を得られるように努力はしなきゃならないと思っております。 ただ、時間も余りございませんので簡略に申し上げますけれども、JRに対する負担というのは、特に海外の投資家あるいは株主の方々にも誤解がある点があるんではないかと思っております。 それは、六十二年の国鉄改革時に生じている国鉄の債務、それを国鉄清算事業団が負いました。JRとの分担もいたしました。そういう中で、今回、その国鉄清算事業団が負った債務がさらに膨らみ、そしてそのことについて一部JRに負担させるんではないかというような誤解がございますが、その点は一切負担を求めているものではございません。 そして、いま一つは、六十二年の改革時、国鉄とJRはすべてもう断ち切ったではないかという説がございますけれども、確かに、当時、経営形態ですとか労働関係等につきましては国鉄とJRははっきりと断ち切ったことは事実であります。ただ、先生御指摘の共済制度の問題については、これはまだ継続すべきであるということで今日まで継続している問題でありますから、その中で、共済年金制度について、今回これを国民の負担、いわゆる国民の税金で負担するものか、それとも年金は本来事業主が負担すべきものであって、それはその事業を営む事業主あるいは社員、そしてその社員の後世の福利厚生のための負担でありますから、それを国民の負担にするということは、これはいかがなものであるかということで、この年金の分についてのお願いをしているところであります。 しかも、先生も御指摘いただきましたように、これまでも、他の関係のないと言っていいと思いますが、厚生年金制度であるとか他の年金制度からいわゆる鉄道共済、JRの共済に対しまして九千三百億円の御協力を、御支援をいただいておりますし、また、JR御自身も、昨年度まで平成二年度から毎年二百二十億円の共済年金に対しまする任意の負担をJR各社がしていただいたというわけであります。今回、この共済年金もさらにその延長線上にあるものと考えておりますし、また、御指摘にありましたように、今後四十年間、厚生年金制度、他の制度から毎年千五百億円、六兆円の支援をJRの共済のために御支援をいただくことになっておるわけであります。 ですから、経緯でいろんな御意見があります。仕切ったではないかとかいろんな御意見はありますけれども、いろんな経緯はございますけれども、そういった厚生年金の原則にのっとってまいりますと、今後、後世の社員が受けるそういった福利厚生の分につきましては、やはり事業主であるJRが負担すべきではないか、そういうことで御理解を求めているところでございます。 いずれにいたしましても、この法案の審議がまだ衆議院においても行われておりませんけれども、いずれ衆議院、そしてまた衆議院を通れば参議院の方でも御審議いただくと思いますけれども、私どもは誠心誠意丁寧に御理解を求めるように最善の努力をしていかなきゃならないと思っておるところでございます。
○及川一夫君 一番私は大事なところだと思いますから、これからも誤解を受けないように、借金というものの性格をそれぞれに従って私は発表してもらわないといけない、こういうふうに思っております。いずれ法律も回ってくるんでしょうから、その際には集中してこの議論がされることと思いますので、その際に譲りたいと思います。 では、最後に一点だけ。 特殊法人とか認可法人という問題になりますと、これは運輸省にとどまらないんですが、かなり掘り下げた議論をしなければいけない問題だと私は思っています。したがって、運輸省も特殊法人とか認可法人の数も決して少なくないというふうに思います。すべてが黒であれば何の問題もないわけですけれども、収支の状況から見ましても、あるいは累積債務、こういった問題、個別に見るとかなり大変な問題を抱えているように私は思います。 したがって、ぜひ運輸省として、傘下の特殊法人、それから認可法人の出資金とが補助金あるいは借入金、これは財投を含むということになりますが、それから利払い、収支状況、累積欠損金等々を、これはできれば貸借対照表にして出していただく、そして問題点をお互いに認識して、それをどういうふうに克服していくべきなのかという対応をすべきじゃないかという思いがあるものですから、そういった点で、事務当局で結構ですけれども、ぜひ作業してもらいたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま先生御指摘のとおり、特殊法人につきましてもディスクローズの必要性が最近大変指摘されているところでございまして、また私どもも政府全体の対応の中で今まで以上にこの問題に対しまして積極的に対応していくべきだと思っております。 それから、収支の状況、累積債務の状況あるいは出資金、補助金、これが有効に生かされているかどうか等々多数の御指摘がございます。私ども、今までも、当然のことながら特殊法人、認可法人につきましては予算の際あるいは決算の際にこういうことを運輸省側でもチェックをしてまいりました。今後とも御指摘を踏まえまして、さらに一層こういった点に心がけていきたいと考えております。
○及川一夫君 終わります。
○筆坂秀世君 大臣の所信の中で、鉄道を初めとする交通の安全確実な輸送の確保ということを強調されましたが、今首都圏において大きな問題になっておるのがJRの事故の頻発であります。特に中央線の事故、故障というのは大変なもので、私も国分寺駅を利用していますけれども、何か会議があればきょうは中央線を利用するからおくれるかもわからないと断らなきゃならないぐらい本当にひどいんです。 ことしに入って特にふえているわけですけれども、主な事故・故障件数について簡潔に報告していただきたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) いわゆる鉄道事故の場合に、列車の衝突とか脱線とか等々の鉄道運転事故と、それから列車を運休したり、また旅客列車にあっては三十分以上遅延するというようないわゆる運転阻害事故、これをあわせた輸送障害について、中央線においての最近の状況を報告させていただきますと、一月分につきましては、車両故障によるものが七件、設備故障によるものが一件、自殺など外部要因によるものが四件、雪の影響によるものが四件の計十六件でございます。二月分につきましては、人身傷害事故によるものが一件、車両故障によるものが四件、設備故障によるものが二件、鉄道係員に起因するものが一件、自殺によるものが四件、雪の影響によるものが一件、計十三件でございます。
○筆坂秀世君 一月と二月と合わせて二十九件起こっている。つまり二日に一回何らかの運転阻害が発生しているということであります。これは運輸省にJR東日本から報告された数字ですね。今局長も言われたように、これは三十分以上遅延とか、貨物だと一時間以上遅延だとか、こういう基準に基づくものです。 しかし、それ以下の例えば十分、二十分あるいは十五分、こういうものを含めるとさらにふえる、これは御存じですね。
○政府委員(小幡政人君) 今御報告申し上げましたのは、先ほどの基準以上の該当件数でございます。
○筆坂秀世君 山梨日日新聞で拾ってみたんですよ。つまり、運転阻害ということで報告された以外に、十五分おくれました、二十分おくれましたと。そうしますと、一月で三十日間起こっています。一切おくれなかったのは一月一日から三十一日の間で一月二日のただの一回こっきり、あとは全部何らかの遅延事故が起こっているということであります。 こうした事故が発生すれば、当然いろんな通勤であるとか通学であるとかに多大な影響を与えることになります。この間の事故で大体どれくらいの影響が出ているのか、これはおわかりでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほど御報告申し上げました一月、二月の中央線の輸送障害時の運休本数等につきまして、その主なところをちょっと御報告させていただきたいと思いますが、一月二十二日、これは吉祥寺駅の自殺を原因とする事故でございましたけれども、運休が百五十本、遅延が二百五十六本、影響人員が約五万八千人。また、二月四日の輸送管理システムの故障によります輸送障害時には、運休が二百九十一本、遅延が二百五十八本、影響人員が約五十三万人。二月二十四日の代々木駅の信号機故障によります輸送障害でございますが、運休が八十九本、遅延二百二本、影響人員約五万四千人というような影響を与えております。
○筆坂秀世君 運輸省からいただいた資料を見ますと、今運輸省に報告されたものが二十九件ということを言いましたけれども、そのうちの七件で影響人員が二百二十一万六千人、運休千三百三十七本、遅延が千九百十四本、合わせて三千二百五十一本という膨大な数に上っています。 私、まず運輸大臣に認識を聞きたいんですが、これは本当に異常な事態だと。これだけ安全確実な輸送が強調されているときに、一月、二月で二日に一回こういう運転阻害が起こっている。何百万という人に被害を与えている。これはやはり異常な事態だというふうに受けとめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井孝男君) 所信にも申し上げましたとおり、運輸行政の基本は安全の確保にいかに努力するかということが一つの大きな大前提であります。そういった観点から申し上げれば、安全で安定的な輸送の確保というのは基本のことでございまして、最近の中央線において運転阻害事故が多発し、利用者に大変な御迷惑をおかけしているのはまことに遺憾な事態だと認識をいたしております。 JR東日本においては当方からの指導を踏まえて社内に検討チームを設置し、対策を逐次講じつつあると聞いておりますが、首都圏における輸送障害の影響の大きさを十分認識させ、対策を的確に実施させてまいりたいと考えております。 運輸省といたしましても、先ほど申し上げましたように、安全で安定した輸送を確保するため、このような事故の防止についてJR東日本に引き続き適切な指導をしていかなければならないと考えております。
○筆坂秀世君 ところが、今の影響、七件で二百二十一万六千人ということを言いましたが、どうもJR東日本は低く見積もっているんですね、影響を。 日経新聞が昨年十月三十一日付で書いていましたけれども、昨年の十月二十二日に、午前八時から約一時間、京浜東北線で運休事故、運転阻害が起こっているんです。午前八時から一時間ですから、まさにこれはラッシュアワーの時間です。この運転阻害によって運休、遅延した利率本数が四十六本。この線では一列車当たりの定員は、十両編成ですから千五百人。つまり、もしこのラッシュアワー時に一〇〇%の乗車率だったとすれば、最低七万人に影響が出ていることになります。恐らくそうでしょう。ラッシュアワーですから、一〇〇%を超えている可能性の方が高いです。ですから、七万でも少な目の数字。 ところが、JR東日本が発表した数字はどうかというと、約二万人。五万人も少ないんです。これはどういう計算かといいますと、一列車当たり四百人しか乗っていない、乗車率二七%と計算すると、影響を受けた人の数は二万人になるんです。しかし、京浜東北線でラッシュアワー時に二七%の乗車率なんてことはあり得ないです。日曜日だってもっと乗っておりますよ。 何でこういうことをやるかというと、ほかのJR線や私鉄を利用して目的地に行けた人は影響から除くと。影響から除いているらしいですよ、JR東日本は。しかし、遠回りしたというのは、これは影響を受けたから遠回りしただけです。ところが、これは影響から除外して、そして本来なら一〇〇%で七万人と計算すべきところを、乗率率二七%で二万人。こういうこそくなことをやって、そして影響は大したことはないんだと、こういう発表をやっているわけです。これは運輸省御存じですか。
○政府委員(小幡政人君) JR東が事故障害等が生じた場合に影響人員を概数で発表していることは聞いておりますけれども、今みたいな先生おっしゃったような事実関係については承知しておりません。
○筆坂秀世君 これでは運転阻害による列車の運休、遅延がどれだけ社会に影響を及ぼしているかということがJR東日本の言い分だけじゃ正確につかめませんから、私が指摘したことが事実なのかどうなのか調査していただきたいし、そしてもし事実であれば、そんなこそくな試算はやめなさい、ちゃんとした影響を出しなさいということで改善指導していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(小幡政人君) 事実関係を調査させていただきたいと思います。
○筆坂秀世君 事実だったらどうする。
○政府委員(小幡政人君) 当然、正確な情報を世の中に公表するというのは公共輸送機関の義務だと思っております。
○筆坂秀世君 こうした事故によって本当に大きな社会的損失が生じていると思うんです。仮に列車の遅延によって一時間遅刻するということになれば、どれぐらい大きな経済的影響があるかというのを大ざっぱに私ちょっと試算してみたんです。 総務庁の労働力調査あるいは毎月勤労統計調査、平均的な労働者の時間給は二千五百三十七円、これに影響を受けた二百六十三万人を掛けると六十六億五千万円。正規に雇われている人ならまだいいでしょうけれども、中にはパートの人や時間給で働いている方がたくさんいらっしゃるわけです。当然遅刻をすれば、労働時間が短くなればその分はカットされるということになるわけですから、ですから私は安全確実な輸送、特に確実な輸送というのがこういう面でも非常に大事だということを指摘したいし、この点でも大臣の御見解をぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 先ほども御答弁申し上げましたように、今般のJR東日本、とりわけ中央線における運転阻害事故が多発している、このことにつきましては、まことに遺憾な事態であるということを申し上げました。そうした中で、今委員がいろいろな観点からの御指摘をいただきましたけれども、そういうことも十分踏まえながら、今後とも対策を的確に実施させてまいりたいと思います。そのように指導をしていきたいと考えております。
○筆坂秀世君 もう一つ問題があるんですよ。通常こうした事故があった場合に、勤務先から遅刻証明というのを求められる。そのたびに証明が通常発行されるわけです。 ところが、JR東日本、特に中央線の場合を見てみますと、各駅の人手が少ないということもあって、車内であるいは駅で証明書を発行していますという告示がなされていない、こういうことが乗客に知らされていない。民鉄なんかでは必ず一〇〇%そういう証明書が発行されています。きちっとやられている、ところが、JR東日本の場合には、これは余りにも人減らしやっちゃったものだから、これを出す体制もとられていないというのが実態なんです。 ですから、私たち聞いてみたんですよ。乗りかえで使う、例えば中央線でいえば西武線がありますね。そうすると、西武線の駅員さんに聞いてみると、証明書を一切持たないでどっと押し寄せてくるケースがたびたびあるということなんです。これ、どうしますか、こういう状況。
○政府委員(小幡政人君) 今の遅延証明書につきましては、JRの社内規則によりますと、証明するということになっておるわけですが、実態として先生おっしゃっているようなお話ですとやはり問題があると思いますので、事実関係を調査してみたいと思います。
○筆坂秀世君 遅延証明、振りかえ輸送切符、こういうものが全然発行できないような、二日に一回事故を起こしながら、後始末は全然とる体制がないというのでは、これは話にならないと思うんです。なぜこんなに事故、故障が多発するのか、やはりその原因等を徹底的に究明する必要があると思うんです。 交通経済学者の間ではこう言われているそうです。交通の合理化が一定の基準を上回った場合は極めて安全性を阻害する要件があると。今のJRというのはまさにそういう状況にあると思います。安全第一が何といったって鉄道事業者の第一の使命なんだけれども、利益至上主義、効率最優先、これが今の私は実態になっていると思うんです。 そこで伺いますけれども、一九八七年度、昭和六十二年度ですか、それと一九九六年度、平成八年度になりますか、JR全体と東日本の運転阻害事故件数というのはどういうふうになっているでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) JR各社の運転阻害件数を昭和六十二年と平成八年を比較させていただきますと、全体で申し上げますと、昭和六十二年が千三百三件でございましたものが、平成八年度で二千百八十九件になっております。 なお、JR東日本につきましては、昭和六十二年度五百二十件でございましたが、平成八年度は千百十八件となってございます。
○筆坂秀世君 JR発足の年ですよね、一九八七年度というのは。そのときのJR六社全体では一・七倍。群を抜いて高くなっているのがJR東日本で、二・二倍に阻害件数が急増している。やはりここにはJR東日本の安全軽視の体質がこのデータによくあらわれていると思うんです。 しかし、実は実際の阻害件数というのはこんなものじゃない。今の報告、局長が言われたのはJRが運輸省に報告した件数です。ところが、国労に対してJR東日本の会社側が非公式に示したものを私はいただいたんですけれども、非公式に示したものですから余り出すべきものじゃないんでしょうけれども、これを見ますと驚くべき数字です。 ちょっと古いんですが、九四年度の運転阻害事故件数というのは一万一千五百八十五件です。今局長が言われた件数というのは、九六年度で一千百十八件でしたっけ。ですから十倍以上の差がある。内部で示されている数字は一万一千件を超えている。これが実際の運転阻害件数です。 何でこんなに開きがあるのか。私はこれもJRに対してただしていただきたい。運輸省には何で一千百十八件なんだ、何で組合に対しては一万一千五百八十五件なんだ、十一倍もの差があるじゃないかと。いかがでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) これは推測でございますけれども、先ほど先生に申し上げましたように、我々がJRから報告を受けておりますのは、例えば旅客列車ですと三十分以上の遅延を生じたものでございます。今のお話は推測するところ、三十分以下でございましても遅延があったものというようなものが含まれるんではないかというふうに理解しております。
○筆坂秀世君 それはそのとおりなんですよ。国鉄時代は、運休というのは旅客列車の場合は十分以上、そして貨物列車は三十分以上のときにはこれは報告義務があった。今は旅客列車は三十分以上、それ以外は一時間以上の遅延のみ報告になっておる。ですから、実際の報告されている件数が阻害件数じゃないんだ。だって、利用者から見れば二十九分だから阻害じゃないと言われたって困りますよ。十五分、二十分も、おくれたんでは大変ですから。つまり、JRになって安全運転になった、確実な輸送になったとよく言われるんだけれども、そうじゃない、ハードルを高くしたから、見せかけだけの件数が減っているだけ。 ですから、私は、大臣、先ほど来答弁いただきましたからもう結構ですが、大月で昨年大きな事故がありましたけれども、まだ軽微な事故だから、人命というところまでいっていないけれども年間一万一千件もこういう事故を起こして、いつ大事故が起こるかわからない。やはり本当に真剣にJRに調査もし、改善指導もしていただきたいというふうに思います。 次に、拓銀破綻とJRの問題について伺いたいんですが、JR北海道、四国、九州、いわゆるJR三島会社は、国鉄から分割するときに、いわば手切れ金といいますか、一兆三千億円ですか、経営安定基金というので資金を受け取っています。そして、その運用益で経営赤字を穴埋めしていくという運用の仕方がやられています。 ところが、今問題になっているのは、この基金が拓銀の劣後債、劣後ローン、これを購入しておったということであります。この額はそれぞれどういうふうになっていますか。
○政府委員(小幡政人君) JR北海道等の経営安定基金における北海道拓殖銀行の劣後債、それに劣後ローンでの運用状況を御報告申し上げますと、まずJR北海道は劣後債百二十億、劣後ローン二百億、計三百二十億、次にJR四国は劣後債八十億円、最後にJR九州でございますが劣後債六十億円となっております。三社合計で劣後債二百六十億、劣後ローン二百億円、計四百六十億円という内訳でございます。
○筆坂秀世君 今御報告いただいたように、三社合わせて四百六十億円の劣後債、劣後ローン、これを購入しています。中でもJR北海道は三百二十億。 拓銀が破綻したわけですけれども、これは戻ってくるでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) 現在、北海道拓殖銀行は経営困難に陥ったわけでございますが、これは実は破産とかということではございませんで、営業譲渡がされるということでございますので、我々としてはお話しの劣後債、劣後ローンについては基本的には約定上損害をこうむることはないものと考えております。 ただ、引き受けたそれぞれの新しい銀行がその処理策の中で場合によってはそれぞれの三社に対して相談の話が入る可能性があり得ますけれども、現在のところはそんな話は来ていないというふうに聞いております。
○筆坂秀世君 例えば会社更生法の適用ということだってこれはあるわけですね。その場合には、まさに劣後債ですから一般の債権よりも劣後、後回しになる、そのかわりに金利が高い、これが劣後債です。つまり、劣後債というのは、その意味ではもともと金利は有利だけれどもリスクはその分大きいというのが劣後債のいわば劣後債たるゆえんですよね。 この基金の運用をこういう劣後債だとかあるいは劣後ローン、こういうものに使うのが、もちろん超低金利が続いている、運用がなかなか大変だという事情はあったんでしょう、それはもう客観的にそうですから。しかし、果たしてそれが適当だったのかどうなのか、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほどの先生のお話にもございましたように、JR三島会社は約一兆三千億の経営安定基金を運用しながら営業段階での赤字を償っていこうということでスタートしているわけでございますが、その意味で経営安定基金について運用というのが非常に大事になってくるわけでございまして、法律上も確実かつ有利に運用しろということになっておるわけでございます。 その意味で、基本的には国債とか一般の社債とか手がたいものを中心に実は運用させていただいておるわけでございまして、各社によって若干差はございますが、約七割はそういう手がたい国債等々の手段でと。それから残ります約三割につきまして、お話しの劣後債、劣後ローンというようなことで運用しているわけでございますけれども、これが確かに会社更生法の適用、破産というような状態になりましたときには一般債権に比べまして劣後の手当てしか受けられないということではございますけれども、それぞれJR三社が購入する場合には、民間における銀行の格付等も参考にしながらやってきているわけでございます。 そういう意味で、今回実は初めてこういう事態を迎えたわけでございますけれども、やはり金融市場が従来とは違った厳しい環境の中での運営になってきておるという事態を踏まえますと、我々としても経営安定基金の運用のあり方については新しい金融市場等々を念頭に置きながら勉強してみる必要があるかなという問題意識は持っているところでございます。
○筆坂秀世君 今局長、劣後債、劣後ローンは三割だから少ないというふうにおっしゃったけれども、私はそうは言えないと思うんです。例えば、年金福祉事業団というのがあるでしょう。これ年金資金を運用しています。劣後債については年金福祉事業団の場合は運用資金の一%なんです。三割もそんなものに使っちゃいないんです、リスクが高いですから。 これをJR三社に当てはめると、一%だとすればJR北海道は六十九億、四国二十一億、九州三十九億ということになるわけです。ところが実際には、JR北海道は六十九億じゃなくて三百二十億でしょう。ですから、年金福祉事業団と比較してもリスクの高い運用をやっているということはこれはもう明瞭だ。あるいは、年金福祉事業団の場合は劣後債は一%、劣後ローンは運用できないと、大蔵省に聞きましたらそういうことになっているんです。それは厳しく手を縛っているんですよ。 三つ目に、年金福祉事業団では特金信託、特定金銭信託、これも認めていないんです。なぜなら、特定企業の株を直接買うことにより、投入するのが巨額な資金ですから、これは株価に影響を与え過ぎるというのでこれも禁止している。ところが、経営安定基金の方は全部野放しでやっている。しかし、法律上は、年金福祉事業団だって経営安定基金だって安全で確実、有利な運用をするというのが法律上の建前になっている。なのに使い道がこんなに違う。一%と三〇%では三十倍も違いがあります。ゼロと三〇%じゃ無限大の違いがある。 やはりこれは考えなきゃ、幾ら有利だといったって、拓銀の破綻でこれは絶対に返ってくるなんて保証はないんですから。これはまだこれから先の話ですけれども、いかがですか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在の金融市場、非常に厳しい環境の中で、ハイリスク、ハイリターンというような商品についても非常に厳しいものがあるというような状況の中でございますので、我々としても、先ほど申し上げましたように、経営安定基金の運用のあり方について現在の状況を踏まえて勉強し、正すべきところがあれば正していきたいという考え方でございます。
○筆坂秀世君 私は、実はこれは理由があったんじゃないか、事情が。単に低金利時代だからということだけじゃない。 拓銀が破綻するまでJR北海道の取締役会長はだれが務めてきましたか。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。 平成九年十一月二十一日辞任でございますが、鈴木茂さんでございます。鈴木さんは拓銀の御出身の方でございます。
○筆坂秀世君 昭和六十二年、一九八七年にJR北海道がつくられて以降、代表取締役会長はまだ二人ですけれども、いずれも拓銀の関係者なんです。 最初の方が東條さんとおっしゃる拓銀の頭取、会長を歴任した方。そしてJR北海道の会長になったときには拓銀の相談役兼務でした。その次の、破綻したからやめられた鈴木茂さんは、やはり拓銀の取締役会長だった。そしてJRの会長どこれは兼務されていた。 そうしますと、拓銀は破綻したのが昨年末ですが、この劣後債、劣後ローンを買ったのは平成三、四年度でしょう。平成三、四年度といえば、もう拓銀が危ないというのは世間周知のことですよ。世間周知のことなんだから、そこの頭取、相談役が知らないわけがない。拓銀が一番危険だというのを知っていた人物が鈴木JR前会長あるいは東條元会長ですよ。そんな拓銀の劣後債、劣後ローンを買ったらJR北海道がどんな目に遭うか、こんなことわからないわけがない。私は法律家じゃないけれども、これは背任行為だと思う。へたをすればこの劣後債、劣後ローンがパアになる、そういう事態だってあり得るということをわかりながらこの基金三百二十億円も買わさせた、私はこれは重大だと思います。 この関係をきちっと究明すべきだ。低金利だったからしようがない、三割程度だからしようがない、そんな説明では私はこれは到底納得できない。いかがですか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほどお話しのように、JR北海道発足以来、その会長に地元経済界の代表としての方ということで、拓銀御出身の東條さん、それから鈴木さんという方をお迎えしているのは事実でございます。 これは、実はJR発足に当たりまして設立委員会の中で決定されました役員選任の考え方に基づきまして、JR北海道のみならず全国のJR各社について行われたわけでございますが、役員の選任に当たっては地域の実情に明るく、信望のある人の参加についても配慮する必要があると、こういう考え方でお迎えしたという経緯で先ほどの任命になっているわけでございます。 それからもう一つ、我々の方の事実関係を申し上げたいと思いますけれども、平成三年ぐらいから劣後ローン、あるいは平成五年ぐらいから劣後債というものをJR三社が経営安定基金から求めたわけでございますけれども、これは拓殖銀行ということだけではございませんで、ほかの都市銀行十数行等々とあわせてそういう運用を開始したわけでございまして、その中に拓銀の部分が入っておった、こういう事実関係でございまして、我々としてはそれぞれの会社の商行為の中で適正に行われたものというふうに理解しております。
○筆坂秀世君 最後に大臣にお伺いしますけれども、やはりこの経営安定基金の運用を失敗すれば、結局それはJR北海道なら北海道が旅客運賃を値上げするということで、利用者の方へ負担がかかるかあるいはまた国の財政でその分穴埋めするか、いずれにしろ国民の負担につながるものです。ですから、やはり私は本当に確実で安全な運用というものを心がける必要があると思うんですけれども、最後に大臣の御答弁をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 経営安定基金の運用につきましては、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第十二条第五項に基づき、確実かつ有利な方法により運用しなければならない旨、規定されているところであります。JR各社においてはみずからの責任において運用の判断を行うべきものであると認識をいたしております。 したがいまして、当時の金融を取り巻く環境、拓銀の経営状況等から見て、その当時の状況から見ればこれは妥当な運用だったと考えますが、結果において、今委員御指摘のように、より安定した確実な運用をすべきだという御指摘に対しましては、当然そういうことを基本としてこれからも運用すべきものでなければならないと考えておるところでございます。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。 時間も余りありませんので、二点お伺いしたいと思います。 まず第一の問題、海難事故関係ですが、昨年は東京湾でダイヤモンドグレース、大型タンカーの座礁事故があったりしました。今ちょっと私は注意を要するなと思っておりますのは、関門海峡に中国船が沈んでいる。ちょうど航路筋の真ん中に沈んでおりまして、これはパナマ船と衝突して沈没したわけですが、その後、第二次事故が発生したりしておるようです。海上保安庁の方も相当警備、配備などしておるようですが、こういう狭い航路で、しかも夜間に衝突事故が起きたというようなことは、今後の海難事故防止という点からも非常に重要視しなければならない問題ではないかと思いますので、その事故が起こった状況、それから第二次事故発生なども見まして、事故後の航行安全対策などについてどういうような措置がとられてきたかお伺いしたいと思います。
○政府委員(田口弘明君) まず、チューハイ号の事故でございますが、平成九年十一月十一日の午後十一時四十五分ごろに、大分から中国向けの中国籍の貨物船のチューハイ号、二千三百八十七総トンと、韓国から関門港向けのパナマ船籍の貨物船エイジアンハイビスカス号、七千百七十総トンが、関門港の門司区西海岸の沖合いにおきまして衝突をいたしまして、チューハイ号が沈没をしたわけでございます。 なお、チューハイ号の船長につきましては、業務上過失致死ということで略式の手続により罰金が確定しているところでございます。 そして、二次海難の状況でございますが、先ほど先生がおっしゃいましたように、十二月十八日の午前六時四分ごろでございますが、韓国から松山向け関門航路を航行中のパナマ籍の貨物船のフェアアイリス号、三千八百十総トンが沈没をしておりますチューハイ号に接触をいたしまして、フェアアイリス号の方は機関室及び外板に破口を生じ、若干C重油とビルジが流出したということでございます。フェアアイリス号の方はその後特に沈むというふうなこともございませんで、別な場所に移しております。 この沈没したチューハイ号にかかわる航行安全対策でございますが、当現場海域におきます総トン数一万総トン以上の船舶の行き会いを調整する、通常はこのような措置はこの部分ではやっておりませんが、そのような措置をとったり、あるいは当該船舶の周囲を航行禁止にするとか、あるいは巡視艇を配備する、あるいはチューハイ号のライトアップをするというふうな施策を現在実施中でございます。
○戸田邦司君 これは地元の方々はもちろん、あそこの航路を航行するような船舶の関係者、航路が航路なだけに、日本海側から瀬戸内に入る非常に重要な航路、しかもかなり狭いというような航路ですので、一日も早くこの沈没船の撤去を希望している、そういうような状況にあるようですが、相手が中国船、中国側が誠意のない対応をしているとも思えないんですが、やはりそれなりに相当の撤去費用がかかるというようなこともあって、保険の支払いの問題その他含めてなかなか難しいというような話も聞いております。 それから、中国政府側との関係といいますか交渉、話し合い、そういったことも日中会談などの機会をとらえてかなり頻繁に申し入れをしているというようなことは聞いておりますが、そういった中国側とのやりとり、それから今後の撤去のめど、そういったことについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(田口弘明君) 沈んでおりますチューハイ号の引き揚げの問題でございますが、チューハイ号の船主はみずから同船を引き揚げるという旨を表明しておりまして、サルベージ業者との調整も終了しております。引き揚げ費用の調達ができ次第、所要の作業に着手できる状況にあるというふうに聞いております。 この引き揚げ費用につきましては、同船、チューハイ号の船体保険金を充当するのが唯一の方策というふうなことのようであります。このために、船主に対する早期引き揚げの指導を行っていることはもとよりでありますが、外務省を通じるなどして中国側に対し保険金の早期支払いなどについて再三にわたって申し入れを実施しております。 また、そのほかにも二月に北京において日中海運政府間協議というものが持たれましたけれども、その場におきましても日本側の代表を通じて中国側代表に対し申し入れをしたところでありまして、当庁としても引き続き粘り強く努力をし、早期に引き揚げを実現させたいというふうに考えております。
○戸田邦司君 中国側の交渉窓口としては運輸省海上交通局が所管しているのかと思います。また、この撤去につきましても、これは海上保安庁が直接手を下してやるということではなくて、所管しているところはほかの部門になっていると思いますが、いずれにしましても、この問題の早期決着についてさらに努力を続けていただきたいと思っております。 それでは、次の問題に移りたいと思います。 実は、昨年の秋の臨時国会におきまして財政構造改革法なるものが成立しております。私どもは最初からこの法案に反対でありました。日本の経済の状況を考えますと、この財政構造改革法にのっとってデフレ予算を組んでいくことが日本の経済をどういうような状況に追い込んでいくかというようなことを考えますと、こういうような法律をつくってみずからの手足を縛ってしまうということはまさに暴挙ではないかと思っておりました。 アメリカに同様の法律があるわけですが、アメリカの場合は大統領府が勝手な予算を組まないように議会筋がたがをはめた。ですから、我が方のように自縄自縛のそういうようなことをしようとしていたわけではないわけです。 ただ、この構造改革法なるものも、悪法といえども実際にそれに従っていかなければならないというようなことでありますから、空港整備五カ年計画あるいは港湾整備五カ年計画、そういった公共事業についても五カ年計画の見直しをしているというような状況になっていると思っております。 そういうような中で、今後の公共事業、そういうような社会資本の整備を考えますと、隣の共産党さんに怒られるかもしれませんが、我が国の公共事業、社会資本整備のための予算の額が非常に大き過ぎる、こういう指摘がありました。一方で、我が国の国土、それから住んでいる人数、地形、そういったことを考えていきますと、社会資本の整備のレベルというのは諸外国に比べると非常に劣っている、そういうことを言わざるを得ないと思います。 例えばドイツを見ましても、高速道路というのは大体第二次大戦の前に整備を大方終わっていた。フランスなども、TGVなんていうものは地形上畑の真ん中を通っているし、また道路にしましても、非常にフラットなところですから整備費用も低い、土地の取得も安い、そういうようなことではないかと思っております。 そこで、五カ年計画を見直して、これから運輸省所管の社会資本の整備を進めていくことになると思いますが、やはり国として国際ハブ空港とか国際ハブ港湾あるいは新幹線の整備、こういった点は少々無理をしてもできるだけ早く整備を終わっておくべきではないかと私は思っております。 早く進めるべきだということについては二つの理由があると思いますが、早期に進めることによってコストを大幅に下げることができる場合もありますし、また利用する面から考えますと、できるだけ早期に整備を終わって皆さんが早く利用できるようにすべきではないか、そういうような面があります。 そういったことで、私は、運輸省、来年度予算がかなりカットされておりますが、これから相当力を入れて進めていくべきではないかと思います。先般、建設コストなどについてお伺いしたときに、運輸省もかなりコスト削減に努力しているというようなことですから、来年度予算で相当カットされていても、達成率という点を考えますと相当のレベルに持っていけるんじゃないかと思いますが、そういうような運輸省関係の公共事業の推進、それから今後どういうレベルを目指していかなければならないかというような点も含めて、ひとつ大臣からお答えいただければと思います。
○国務大臣(藤井孝男君) 実は、衆議院の予算委員会、また昨日の衆議院の運輸委員会等においても、今戸田委員のおっしゃられた趣旨の御質問をお受けいたしました。 私、運輸相の任に当たりまして半年がたったわけでありますが、スケジュールの合間を縫いまして、海洋国家と言われる日本の港湾がどういう状況にあるか、あるいはこれから大競争時代の中で、国際化の中で日本の空港の状況はどうであるかということで精力的に港湾、空港等を視察してまいりました。 率直に感想を申し上げれば、欧米諸国に比べまして、ハブ港湾にいたしましてもハブ空港の整備にいたしましても、おくれているなという印象を率直に感じたところであります。確かに、一方で財政状況は大変厳しいわけでありますから、経済構造改革、財政構造改革というものを推し進めていかなければならない、そういう中にあって、じゃ、すべてを画一的に抑え込んでいくということは、これは今委員が御指摘のとおり、私は得策ではないと考えております。 これからの二十一世紀を見据えた上での運輸省の管轄する、関係するそうした公共事業に対しては重点的な施策を積極的に講じていかなければならない。そういう意味では、今委員がおっしゃられましたように、ハブ空港あるいはハブ港湾というものは、これは厳しい財政状況でありますけれども、今後とも積極的に整備を進めていかなければならないと考えております。 また、整備新幹線におきましても、現在着工いたしております三線四区間の整備を着実に進めると同時に、未着工区間の整備につきましては、本年一月の政府・与党整備新幹線検討委員会の検討結果に基づきまして、実は本日夕刻ですが、八戸-新青森間の東北新幹線、それから長野-上越間の北陸新幹線、そして船小屋-新八代間の九州新幹線、この区間につきまして、鉄建公団に対しまして新幹線工事実施計画を認可することといたしております。こういったことも含めまして整備新幹線も着実に整備をしていかなければならない、このように考えておりますし、また、今後とも国家的な課題に適切に対応できるよう、投資の重点化を図りつつ、また御指摘のコストダウン、効率、効果的な社会資本の整備に努めていくことをこれからもしっかりやっていかなければならないと考えているところでございます。
○戸田邦司君 あとは、余り時間もありませんので私の方からお願いするような形でお話だけしておきたいと思います。 今まで、一昨年の暮れの政府の予算編成作業のときに、日本全体が新聞の論調も含めて公共投資罪悪論的な、そういうようなことになっておりました。これは政府・与党が財政構造改革至上主義といいますか、そういうようなことでこれ以上赤字を出してはいけないと非常に厳しく自分自身で言っていた。その結果、公共事業罪悪論ということになりまして、中でも象徴的にとらえられたのが整備新幹線だったように思います。整備新幹線に反対する方々、私も一人一人同僚議員も含めて見ておりますと、大体新幹線はもう既に整備されているところの方々が多いと思うんです。 そういう実態もありましたが、日曜のテレビ番組を見ていましたら、山崎政調会長が十兆円の公共投資、しかも今までとは違った情報通信とかあるいは科学技術とか、そういう新しい公共事業をやっていきたい、これを建設国債でやって景気対策を進めそいきたい、こういうことを言っております。その辺は財政構造改革法に触れないところで何とかやりたいということをおっしゃっておられるかに私は受け取っておりますが、ここで財政構造改革法を凍結するなりなんなりして真っ正面から景気対策に取り組み、また公共事業をやるとしましても、情報通信と科学技術だけで多額の公共事業を吸収する、これも不可能だと思います。 そういったことで、ひとつ政府側も政策転換はするんだということをはっきりさせて、今のこういうような状況に対応していただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(川橋幸子君) 運輸行政に関する質疑はこの程度にとどめます。 次に、郵政行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○守住有信君 自民党の守住でございます。 きょうは、自民党だった二十分、午前中も二十分、他の党の皆さんは三十分、四十分ある。しようがないから皆さん方を自民党として持ち上げまして、しかし、きょうは両大臣のそれぞれの所信表明、それぞれの省の基本政策、それについてのきょうは日でございますから、レベルの高い、次元の高いといいますか、そういうことで、しかも時間もございませんので、こっちからばかり大臣以下皆さん方に御注意を喚起するような角度で絞りてちょっと申し上げます。 第一の点は、先ほど但馬先生がおっしゃいましたが、なぜ交通と情報通信かと。 ちょっと皆さん方に申し上げますけれども、これは歴史的に見ましても、戦前は逓信省だった。戦後、運輸通信省でございます。GHQの占領時代だったけれども、運輸通信省。それはなぜか。運輸は陸海空、人を運ぶ、物を運ぶ、通信の方は郵便物を運ぶ、あるいは情報を運ぶ。情報高度化、そういうことで今は情報通信と申しますけれども、そういう交通というものと、思想というかとらえ方と、情報通信というもののネットワーク、先ほどちょっとネットワークという言葉もおっしゃいましたね。そういう点で、そういう長い歴史とか伝統というものも踏まえながら新しい時代の改革、これに向かっていくべきものだ、こう思っておりますので、冒頭ちょっとだけ触れさせていただきました。 その次に、ちょっと気になりますのが、ここの委員会は、かつて、自民党でも交通部会等もあって、交通通信省、こういうのも私は夢見たことがありました。あの行革の本部で郵政省は行政は二つ、事業は三つ、五つばらばらで解体、これが中間報告でございましたので、私はもう目の色を変えて、伝統というものを踏まえた、これは明治国家以来の伝統でございますよ。今新しい改革の時代ですけれども、そのときは、やっぱり近代国家がスタートしたときの思想なり意欲なりシステムなりを念頭に置いて新しい時代に向かって政治家も挑戦していくことじゃないか、行政もしかりだ、こういう思いでございまして、こちらの方でそういう交通体系の方と一緒になった、非常に私はいいことだと思っております。 しかも、これは事務局がつくっておるんだろうけれども、議事規則の中に、情報通信以外にちゃんと最後に別項目を立てて、「郵便に関する事項」というのが入っております。よく大臣もごらんいただきたいと思います。 ところが、問題は貯金、保険だ。財政・金融委員会の議事規則には貯金、保険という言葉は一切ありません。「公的金融に関する事項」、これが財政・金融委員会でございます。 そこで申し上げたいけれども、自見郵政大臣は、財政・金融委員会での所信表明は大蔵大臣あるいは経済企画庁長官だけなのか、公的金融、貯金、保険があるわけですから、それはおやりになったのかどうか。また、そういう問題意識を持っておやりになっていなければ、財政・金融の委員長以下、理事の面々以下は役人諸君もそういう働きかけをしないと、郵便はこっちですが、貯金価保険は公的金融という言葉で――貯蓄という言葉すらないんだ、明治以来の勤倹貯蓄の。貯金、保険もない。保険だけじゃありません、保険、年金もないということをよく御承知いただいて、私はここですから、向こうの方の財政・金融の委員長以下理事の諸君、これはもう与野党一緒のテーマだと思っておるんです。そういう御関心で今後やっていただくことを冒頭お願いを申し上げる次第でございます。 さて、いろいろテーマがございますけれども、大臣所信で一番気に入ったのが、これは余談ですけれども、運輸大臣の方は十二ページ、ページ数からいきますよ、郵政大臣は十ページ、まあ量が多いからいいというわけじゃないけれども、行数も一行だけ違う、量的に言いますと。 質的には、最後のところ、十ページ、「なお、このたび、公務員に対する信頼を著しく失墜する事件が起きたことを政府全体の問題として厳粛に受け止め、」と、これが入っております。「より一層綱紀の厳正な保持に努めてまいる」。運輸大臣の方には入っておりませんでした。これは政府全体でとらえておるわけです。 私は昔から、郵政監察という存在、司法警察職員でございますな、内部監察だけれども。単なる経理の監査じゃないんだ。それで、大蔵省に向かっても、今度、銀行、証券等の監査の体制をまずは十二名あれしましたけれども、司法警察職員の身分を持っておらぬのですよ。何だと言って大蔵省の銀行局のやつを呼びつけて一発がませた。それを上司に報告しろと、郵政監察認めると。防衛庁にもありますよ、自衛隊。調査隊から始まって、内部なのに法的な権限を持ったあれなんだな。実際後は検察にお任せだじゃなくて内部の規律を厳正にやっていく。それが今こそ問われておる時期ではないか、こういうふうに思います。 公的金融ですけれども、大蔵のやろうどもと、こう思いながら、あの不祥事以来、ずっと日銀まで、こういうことでございますから、その点も多いに郵政は誇りを持って郵政監察を盛り立てて――特定局長犯罪もちょこっとだけあるんですね。きのうが決算委員会でしたから、会計検査院長の決算報告をずっと読みました。やっぱり載っておりましたな。法務省と郵政省で四十七名だ。一名は法務省職員、残り四十六名で、山のような三十何万人以上の職員、現場で現金を預かっておりますから、一般職員が四十一名で、管理者が五名、これは平成八年度でございます。 さて、九年度がどうなるだろうか。あれだけ民営化反対と言って、地域の方々と一緒に、あの去年の緊張感というものは、私はOBですけれども、現職の諸君も一致結束して県議会、市町村議会からずっと地域社会へと頑張っておった。もし、九年度中に特定局長の犯罪なんか出やがったら、これは余計加重処分をやらにゃいかぬ、局長会にも申し込まにゃいかぬ。そのことだけをつけ加えて、これは八年度でございますからね、五名おった。 しかし、ここに、そういう問題意識もおありになってか、ちゃんと最後のところで綱紀粛正について大臣の所信として触れておられるということは非常に感銘深く、ちょうど運輸大臣の所信と一緒ですから、内容はそれぞれ分野が違うけれども、共通部分を見ていくとニュアンスの違いがわかるんですようん、なる僚ど、運輸省の伝統、郵政省の伝統、それがやっぱりこういうときにちょっとしたところに出ておるなあということを感じたわけでございます。 それからもう一つは、貯金、保険の方、大臣所信には貯金、保険も出ておりますけれども、どっちかというと、行政の方と情報通信、放送、郵便の方でございますね。 そこで、じゃ、貯金、保険の方は、冒頭お聞きしましたように、財政・金融委員会で所信表明とかそういうことがあるんだろうか。そうすると、貯金、保険という存在はどっちでやるんだと。議事規則には「郵便に関する事項」と書いてありまして、ここの委員会には貯金、保険は入っておりません。向こうは貯金、保険とは入れていません。ただ、「公的金融に関する事項」というのが私調べてみたら議事規則に載っておる。 ならば、今後どういうふうな参議院としての両委員会の協調なり役割分担なりが進められていくのかということをちょっと前から疑問を感じながら、議事規則を見ながら、法律の方じゃございませんよ、議事規則。議事の内容ですから、役割分担の方ですから、それを感じておったんですけれども、官房長、その辺はどうなんだ。
○政府委員(天野定功君) 私の方からお答えさせていただきます。 このたびの国会におきます、参議院でございますけれども、委員会の構成が再編になりまして、より効果的な委員会審議を行うというお考えのようでございますが、それに基づきまして委員会の所掌が変わったということを私ども承知しておりますが、これは国会の方でお決めになることでございますので、私どもとしてこれにつきましてコメントする立場にございません。 今後は、郵政行政につきましては、ただいま委員御指摘のように郵便、通信、放送につきましては本交通・情報通信委員会、そして貯金、保険は、確かに参議院規則におきましては「公的金融」という表現になっておりますが、財政・金融委員会の方が所管するというふうに承っておりまして、私どもの郵政事業の所管が二つの委員会に分かれるということになるのでありますが、私どもとしましては、従来同様、両委員会におきまして私どもの所管行政につきまして御審議されるわけでありますので、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○守住有信君 我々は長い間、去年なんか特に三事業一体という理念、哲学のもとに、また実態もそうですから、やってきたわけだし、郵政事業特別会計法、その上に貯金会計、保険会計が乗っておるわけですから、予算、決算から見てもそういう体制になっております。そこのところをよく我々国会議員も心得て向こうの委員長や理事さん方ともやっていかなきゃいかぬけれども、行政府としてもよくそこのところをやっていかぬと、参議院の方で何かまた裂きになったような、せっかく分割ははねのけたけれどもという、皆さん方と私は同じような気持ちでおるんですよ。そういうことでございますから申し上げておくわけでございます。 それから、いろいろ新しい、特に郵便局のネットワークのオープン化もありますけれども、ワンストップ行政サービスが長い間言われて、言葉だけが走っておったけれども、やっと新年度から、三局ですか、県と市と、町は沖縄で実験が開始される、こう把握しております。 一方で、例えば通信政策局のあれは地域振興課かな、あちらの方でも大分前から地元の自治体と組んでまさしく高度なネットワークづくり、具体例を申し上げますと、私の足元の長洲町ですけれども、あれは炭鉱地域だったんですよ。三井三池が廃山になって、疲弊して、通産省、労働省、自治省、県、市町村がもう必死になって雇用対策から新規産業の創出から努力をしておる。そこにまさしく実験の高度化ネットワーク、長洲町の役場と図書館とか中学校、高等学校だとか、そういう教育であれ福祉であれ、情報アクセスのネットワークを郵政省の補助金でやり出しておるわけです。将来はこれを横の荒尾市、福岡県の大牟田市とも連携してやろう、こういう仕掛けがどんどん進んでおる。 ところが、よく見たら郵務局は三つで、何か省内が縦割りではないか。今、大きくは縦割り行政の各省庁の連携というものを内閣は盛んに総理以下強調されていますけれども、今度は翻って足元を脚下照顧してみると、郵務は郵務、同じ郵便局で貯金、相手は同じ自治団体です。前から貯金局長に言っておる。県庁も市町村も公金の指定金融機関、払い込み、払い出し、住民のための利便、ネットワーク、これが地方銀行だけの独占で、郵便局ははねのけておる。こういうような長い間の問題があります。 そういうのと、郵便局をいずれ発展させて、実験は三つだけれども、どんどん広げていくわけですから、それと連携しておるのか。相手は同じ公共団体ですからね。それからさらには、情報通信行政で、政策局の地域振興とかいろんなもので補助金まで出してやっておる、放送もどんどん含めていく、難視地域とかずっと広げていっておる。 そこで、やっぱり郵政省は、この前も自民党の地域政策小委員会、谷垣さんが科学技術庁長官になったから今度は川崎二郎さんが小委員長になって、この間も会合を持って、皆さん方お見えでございましたから、私はそこで申し上げたんですが、あるいは質問もしました。だから、ここでは時間がないからもうそっちの方に譲りますけれども、省内で、部局長会議であれ、省議も大臣のもとでやっておる。そのときに、どうか政務次官というものの役割を、これは党本部でも加藤幹事長以下、もう総理までやるようになっておるけれども、政務次官が有名無実ではないのか、こういう角度でいろいろ調査まで自民党本部はやっておりますからね。 そういうことがありますから、縦割りは横割りにして、絶えずそういう連絡、連携、同じプロジェクトも連携させていく。相手は一緒ですから、皆公共団体ですよ。県もしくは市町村なんです。こっちはこうか、こっちはこっちか、それではない。郵便局も一体でございます。郵便、貯金、保険、一体です、地域社会。 それで、地域振興のための郵便局の役割、新しいマルチメディア時代の郵便局へ、こういう思想、哲学で手法を組ませていくわけですから、余計、特に本省としてはあれを組んだやり方に、同じ実験をやるなら一緒にやればいいじゃないかと思いますよ。例えば、沖縄は沖縄の町で、離島の沖縄振興のために大いに沖縄マルチメディアでプランニングを立てて、これは沖縄開発庁と一緒にやっておるわけだから、そういうものとも結びつけてほしいということをあらかじめ申し上げておきます。 郵便貯金の振替サービスの問題は、あらゆる県で除外されている。公金のサービスは五十項目近くありますよ。自見大臣のところにも私はその資料を持っていったんだ。お届けして、秘書官健渡して説明した。お聞きになりましたか。貯金局長もそうだ。 それで、今度の六月の全国のあれは、担当が各県の出納長ですから、出納長会議を――私は自治省ともやっておるんですよ、行政局長を呼びつけたり、会計課長を呼びつけたりしてね。六月に全国の出納長会議、全県やるわけですから、そこに貯金局長も列席させて、そこでその関係の理由づけを明確にやれということを自治省に向かっても要求しております。まして、将来は総務省が、自治省と総理府と一緒くた、こういうことですからね。 それで、我々は絶えず地方、地域のため、地域とはまず代表は市町村なんです、県なんです。自治行政なんですよ。その中と相連携しながらの郵便局活動あるいは情報通信行政の進展、これを皆さんもそれぞれ描いておるわけだから、ということでございます。 時間もないから、もう一つだけ。 例の預託廃止で、衆議院の方でも、逓信委員会のテレビを見ておったら、だあっとやっぱり出ておりましたな、預託廃止に伴っての自主運用について。一番大事なのは人材の養成なんです。人なんです、マンパワーなんですよ。 私なんか前から、郵政省は法学部ばかりだ、私だけ例外的に経済学部だ。社会学もやっておるけれども、経済学部だ。やっと昭和五十三年から経済学部率を上級職でちょこっと採り出して、今は多くなっていますけれども、みんな若いんだよ。 この間も週刊読売が来ました。載っておるんですよ、三月号に。一番目は大蔵省、二番目は通産省、おう三番目が郵政省が、三番目にしたかと。昔は狸穴村の三流官庁が、三番目。その後が建設省と。読売の記者とやりました。載っておるんですよ、各幹部、地方の幹部までずっと。どこの地域の生まれで、どこの大学を出て、経歴はどうで、どこをたどってきたかと。三つぐらい例を出しておる。ずうっと点検してみた。経済学部は少なかったですな。理工系も大事ですよ、工学部理工系、情報通信は技術行政ですから。 それともう一つ、ワンストップ行政サービス、郵便局員のコンピューター習熟、パソコン習熟、これは何か五日間、三千人かな、やっておられるようだけれども、それは人事部任せじゃなくて、これも縦割りになるよ。コンピューターのベテランは行政の方にいっぱいおるよ。貯金、保険だっておるんだよ、センターに、コンピューター通信だから。支局その他、センターとかにね。 だから、そういう角度で絶えず縦、横、斜めを連携させながら発展して人材養成をやっていく、層の厚い人材を、郵便局員をつくっていく、内勤職員ですけれどもね。これをお願いしまして、時間が過ぎましたから終わります。
○中尾則幸君 民友連の中尾でございます。 本日は、郵政大臣の所信に対する一般質疑の機会を与えられまして、私は、高度情報化施策全般について中心にお尋ね申し上げたいと思います。 まず、大臣は所信で情報通信の高度化についてこのように述べられております。「まさに情報通信は社会経済構造改革の原動力として、二十一世紀の国の根幹となるべき最重要分野であります。」ということでございます。今回の所信表明の十ページにわたる中で、高度情報化社会への施策についてはぼ半分、四ページから五ページにわたっていろいろ決意を述べられております。この情報通信については、インフラを含めて二十一世紀の大変重要な分野であると私も認識しております。 〔委員長退席、理事寺崎昭久君着席〕 そこで、まず最初に大臣の認識を伺いたいと思います。 これまで郵政省のビジョン等を見ていますと、大体二〇一〇年ということで一応の目標を立てておるわけですけれども、二十一世紀初頭、一体日本は高度情報通信社会でどのように社会経済基盤が変わっていくんだろうか、青写真等ありましたらお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員にお答えをさせていただきます。 二十一世紀の高度情報化社会に対する郵政省の取り組みあるいは青写真等についての御質問であったと思うわけでございますが、情報通信の高度化は、もう先生御存じのように、二十一世紀に向けた社会経済システムの改革を推進する原動力でございまして、御存じのように、アメリカでは情報スーパーハイウエートゴア副大統領初めクリントン大統領が大変力こぶを入れておりますし、また欧州の方でもTEN計画、またマレーシアではスーパーゴリドー計画、またシンガポールでも大変野心的な国家的な戦略があるわけでございます。各国もまさにこういったことに対しまして国家的な戦略的なプロジェクトを組んでおります。 郵政省といたしましては、こういった世界の大きな流れがございますし、また高度情報通信社会の構築を世界に伍して強力に進めるために、もうこれは先生御存じのように、まず光ファイバー網の全国整備の促進でございます。これは二〇一〇年まで一応目標を立てさせていただきましたが、こういったときでございますから、緊急経済対策にも資するということで二〇〇五年までの前倒しに向けて努力をする、こういったことを先般発表させていただいたわけでございますが、まず光ファイバー網の全国整備の促進、それから放送のデジタル化などネットワークインフラの整備がまず私は基本的に大事だろうというふうに思っております。 引き続きまして、事業者と申しますか、NTT再編の実施などの公正有効競争を確保するための条件整備や規制緩和の推進、これも私は大変大事な柱だと思っております。 それから、移動通信用鉄塔の施設整備事業あるいは字幕放送の充実などの情報格差の是正ということが私は大変大事だというふうに思っております。 高度情報通信社会、あるいはマルチメディアの社会と申しますけれども、政策はすべてそうだと思いますが、やはり光の部分と影の部分がございますから、そういった意味で、いろいろ国際会議でも指摘をされておりますが、高度情報社会になって情報を所有する者と情報を所有しない者と格差ができては社会というものは大変混乱をする、こういった指摘もあるわけでございますから、そういった意味でこういった格差是正事業、あるいは障害者の方々あるいは高齢者の方々に対する施策というものも私は大変重要な施策だと思っております。 また、さっき守住委員の方からも御指摘がございました自治体ネットワークの施設整備事業などを通じた行政あるいは教育、医療等のアプリケーションの開発、これは遠隔教育の問題もございますし、遠隔医療の問題もございますが、そういった問題が私は重要ではないかと思っております。 また、ネットワークの高度化やサービスの向上を支える情報通信技術の研究開発などを推進していきたいというふうに思っております。これは研究開発が大変大事な分野でございますし、今日の高度情報社会あるいはマルチメディア社会というのは技術革新によって生じた部分も非常に多いわけですから、そういった研究開発の分野もしっかり力点に置いてやっていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、政府といたしましても、平成六年の八月に内閣総理大臣を本部長とする高度情報通信社会推進本部を設置いたしまして、情報通信の高度化の推進に一体となって取り組んでおり、私も郵政大臣ということで副本部長として政府全体の取り組みを牽引しているところでございますから、今さっき省を越えて、省省間はいろいろあるというふうな御指摘もあったわけでございますけれども、やはり政府一体として取り組んでいくわけでございますから、そういった意味で心してきちっと副本部長をさせていただきたいと思っております。 また、今の青写真についてでございますが、先生、未来に一体どういう青写真を描いているのかという御質問でございましたが、今先生の御質問の中にもございましたように、これは二〇一〇年を想定いたしております。 具体的には、産業経済社会で通信・放送産業の設備投資額が約七・二兆円、あるいは情報通信市場が百二十五兆円に拡大すると予測をさせていただいております。この百二十五兆円のうち、いわゆるコンテンツと申しますか、ソフトの分野が大体五五%ぐらい認められるんだろう、こういうふうに思っておりますし、情報通信が新たなるリーディング産業として日本経済を推進していく。 それから、国民生活ではITSによる渋滞の解消、これは大体三五%ぐらいの交通渋滞がITSで解消されると言われておりますし、またテレワークによる通勤困難の緩和などゆとりが拡大するとともに、遠隔教育による知的活動の広がり等を通じた真の自己実現や、遠隔医療の普及によって健康で安全な生活が実現するのではないかというふうに思っております。 少々長い答弁になりましたけれども、最初の青写真ということでございますから、私の所信でも述べさせていただきましたが、少し枝葉をつけて御説明を申し上げたような次第でございます。
○中尾則幸君 私がこれから個々に聞きたいことを大臣から先に総括してお答え願いました。若干お休みをいただきまして、個々にちょっと質問してまいりたいと思っております。 今大臣からお話しありましたように、アメリカの高度情報戦略というのは大変なもので、私も一昨年行ってまいりました。シリコンバレー、あるいはノースカロライナのNCIH、ノースカロライナ・インフォメーション・ハイウエートあるいはフロリダのビデオ・オン・ディマンドの実験等々行ってまいりました。 アメリカと日本はいろいろ経済構造も社会構造も違うから一概には言えないのですが、取り組む姿勢というのはやっぱり若干日本がおくれをとった、これは一般的な見方だろうと思います。アメリカは九三年からNII、いわゆる全米情報基盤ということで情報スーパーハイウエート今大臣が答弁されたとおりでございます。マレーシアについてはスーパーコリドー等々のあれがあって、ただ、ここに来て少し日本も元気が出てきているなというふうな私は認識を持っています。 簡単にこれから何点かお答え願いたいのですが、先ほど大臣の答弁にもございましたが、光ファイバー網と通信ネットワークインフラの整備についてでございますが、所信にも述べてございます。光ファイバー網の全国整備について、今どうなっているか。例えば幹線系についてはほぼ充足しているというふうに私は認識しているんですが、いわゆる加入者系の方についてこれまでの計画等どうなっているか、簡単にちょっとお示しください。
○政府委員(谷公士君) お答え申し上げます。 この光ファイバー網の整備につきましては、二十一世紀を支える基盤的社会資本と国際的競争力の面からもできる限り早期整備に努めなきゃならぬということで取り組んでまいりまして、目標といたしましては、二〇一〇年までの整備完了を目指してまいりました。 ただ、この目標につきましては、二〇〇五年へ前倒しを努力していきたいということで取り組んでいるわけでございますが、この計画に基づきますと、二〇〇〇年段階で二〇%ぐらいの加入者網の整備を計画しておりまして、一九九六年度末現在で、全国の地域で見ましておおむね一六%のカバー率に達しておりますので、順調に推移しているかというふうに考えております。
○中尾則幸君 二十一世紀の社会資本の整備ということで、これは光ファイバー網が根底にあるわけでございますが、 〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕 アメリカもそうですけれども、基本的には民間事業者が主体となってこうしたネットワークインフラもやるんだ、そして国の施策としてはそれを支援していくんだ、誘導策を講じていくんだというようなことであろうと思います。 今の加入者系の話でございますが、予定どおり進んでいるという御答弁でございましたが、ファイバー・ツー・ザ・ホーム、いわゆる光ファイバーを各家庭にというのは、これはとにかく各家庭に光ファイバーが引ければ大容量の高速な通信ネットワークができるわけですから、いろいろ映像のやりとりができたりすることはわかっておるんですが、なかなか現実的には非常に厳しいというふうに私は認識しております。 それで、例えば今少しずつ伸びておりますCATV網、あるいは通信衛星、それからこのところ急速にテレビ電話等で加入者がふえておりますINS、いわゆるデジタル通信ですね、INS六四等々の組み合わせで、これからその用途に応じて、使う人の目的に応じていろいろ光を使ったり、それから通信衛星を使ったりという方法を当然郵政省は考えておられると私は思うんですが、それについてのお考え、どのように進めていくか、簡単にお答え願います。
○政府委員(木村強君) 先生御指摘のように、将来のネットワークインフラ、究極の情報通信の目的は時間と距離を超越するということにあるとよく言われておりますけれども、利用者がいつでもどこでもだれとでも交流ができる、こういうことでございます。 そういう意味では、日本の国内のみならず世界においてそのようなことを実現しようという視野の中に技術革新も標準化の動きがグローバルで進んでおります。そういう視野を含めまして、今先生がおっしゃいましたような固定系、移動系ネットワークがその特性を生かしつつ、相互にシームレスに接合された総合的なネットワーク、しかもこれからはデジタルでございます、そういう面でトータル・デジタル・ネットワークというものを意識して技術革新の成果を還元しながら進めていこうということで、トータルな概念の中で進めておるというのが現状でございます。
○中尾則幸君 私もその御答弁を聞いて安心しました。いわゆる、トータル・デジタル・ネットワーク、一番それに見合った、最適な、費用対効果という面もありまして、恐らくそういった形でこれから進められていくんだろうと思うわけです。光ファイバー、これは当然大切ですけれども、光ファイバー信仰に陥るとこれはろくなことがないなと私は思ってございます。 次に、地域の情報化、これは大変大事な役割だと思いますけれども、地域の情報化について何点かお尋ねしたいと思います。 まず、平成九年、昨年十月、総務庁行政監察局が出しました行政監察の報告書がございます。地域情報化推進についての調査結果、これでございますけれども、その指摘について伺います。 この中で、地域の情報化、各省の取り組みはどうなっているかということでございますが、この中の指摘の一つに、地域情報化推進施策の代表格である郵政省のテレトピア構想と、ニューメディア・コミュニティ構想、これは通産省の仕事でございますが、の立案、実施に当たり、所管する省庁の相互の間で調整が行われていないという指摘があるんです。つまり、郵政省は郵政省、それから通産省は通産省という指摘がございます。 似たような施策が間々見受けられる。これは公共事業でもこれまでいろいろな点で指摘されておりますけれども、総合性、効率性に欠けるんじゃないかという指摘についてどのような認識を持っておられるか、大臣。
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員の御指摘のとおりに、総務庁の勧告は、各省の地域情報化推進施策に類似あるいは重複が見られ、また施策の立案、実施においても各省間の調整が不十分であるという旨を指摘されております。 各省の地域情報化推進施策は、それぞれ趣旨、目的を異にしたものでございますが、例えば郵政省が所管をいたしておりますテレトピア構想のように、地域に根をおろし、総務庁の勧告においてもその実績が高く評価されている、そういった施策もあるわけでございますが、しかしながら、総務庁の指摘については謙虚に受けとめまして、今後とも地域情報化推進施策を実施するに際しては、関係省庁と連絡を密にしながら地域情報化の総合的、計画的推進に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○中尾則幸君 私も地域情報化については五年ほど前からいろいろ取り組まさせていただいたんですが、これは膨大なメニューがあるんですね。今回は時間が若干ありますから言いますと、郵政省は、テレトピア構想、ハイビジョン・シティ構想、地域・生活情報通信基盤高度化事業。通産省は、ニューメディア・コミュニティ構想、ハイビジョン・コミュニティ構想、先進的アプリケーション基盤施設整備事業、この三つ。農水省、グリーントピア構想、農村多元情報システム関係事業。あと建設省、自治省とたくさんあるわけです。 今大臣がお答えになったように、それぞれに確かによく調べますと目的があるということは私も理解はしているんですが、しかし、総合的に地域の情報化戦略を立てるには、やはり一本化し、各省庁いわゆる縦割りをなくしていかなければ恐らくなかなか所期の目的は達成されないだろうと思っております。 大臣が決意を述べられたので、あえてお答えはいただかなくても結構ですが、この解消にまず取り組んでいただきたいという要望を申し上げたいんです。情報通信は本当に瞬時に地域や時空を越えていくというのが、それが省庁の時空も越えられないようでは、私はそっちの方のネットワーク整備が大事じゃないかというふうに申し上げたいと思います。 続いて、地域情報化に関連して伺います。 私、実は文句をつけるために今の行政監察局の話をしたわけじゃないんです。今までの縦割り行政の中で、どれだけ一気に進まないかというのを私も肌で感じております。その中で、少なくとも郵政省頑張っている佐という点が多々あります。その何点か、その事業を通していろいろ各省庁連携をとってやらなきゃいけないんだということが少しずつ実証されてきているんです。そのモデルとして何点かの事業をちょっとお尋ね申し上げたいと思います。 最初に、これは通産省との共同事業でございますけれども、先進的情報通信システムモデル都市構築事業というのが平成九年度からスタートいたしました。これは、先ほど指摘しました縦割り行政の壁を少しでも越えて地域のために情報化を進めようということなんですが、実態は、現場ではまだまだそごを来しているところもあるやに聞いていますが、しかし今までよりは一歩も二歩も前進したというふうに私はとらえています。 この事業は、まず一体何を目的としてやられているのか、簡単にお答え願えればと思います。
○政府委員(木村強君) まずモデルの地域を選定いたしまして、そこで行政、教育、医療、防災等複合的な機能を持つ先進的情報通信システムの整備を行おうということで、二十一世紀型のマルチメディア未来都市の先行実現を図って高度情報通信社会の構築を加速、推進しようということで、公共分野で複合的なものを通産省と一緒になってやろうと、こういう政策でございます。
○中尾則幸君 つまり、モデル地域を選定して、例えば行政情報サービス、医療だとか教育、防災等の複合的機能を持たせる情報通信ネットワークをつくるための支援ということで理解してよろしいですね。
○政府委員(木村強君) おっしゃるとおりでございます。
○中尾則幸君 私、先ほどもさまざま各省庁に事業があるなということで、一部御紹介したんですが、つくづく思うのは、なかなかこういう事業の名前を覚えられない。記憶力が悪くて覚えられなくて詰まってしまう。例えば、合せっかくいい事業で先進的情報通信システムモデル都市構築事業、私これ三十回ぐらい言っているんですよ。その都度、モデル何とか事業だったかなと。 私はこれから郵政省にお願いしたいのは、高度情報通信社会推進本部で副本部長をやっていらっしゃる。私は何も郵政省が中心になれとは言わないけれども、それぞれ各省もあるけれども、情報通信ネットワークをつくるのにはやっぱり郵政省が核にならなければこれどうしようもないんですよ。郵政省が威張るというのではなくて、これは当たり前のことなんです。ですから、ここは指導力を発揮していただきたい。 例えば今のモデル事業に愛称をつけたらどうか。法案のところはいいですけれども、例えば何とか都市構築事業を銀河とか北斗星とか、北海道のあれですけれども、そのくらいの時代だと思うんですよ。ああ北斗星の事業かという。これは余談になりますけれども、名前のつけ方で言うと、余り高貴な名前をつけると、例えば「もんじゅ」だとか「ふげん」だとかつけるとあれですけれども。 それは余談としまして、地域の人に、ああ銀河プランだなとかいうように私はぜひしていただきたい。先進的アプリケーション基盤何とか事業だとか、とれでは覚えられません。ですから、それをぜひやっていただきたいと思うんです。これは質問通告にはなかったんですけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員にお答えをいたします。 実は、先般も閣議である省が出してきた法律の名前が余りにも長過ぎるということで意見が出まして、実は法律の名前を短くしたという御存じのように経緯がございます。 今先進的情報通信システムモデル都市構築事業、こういうわけでございまして、私も実はこれは字を見なければなかなか宙で出てきません。ましてや、政治でございます、行政でございますから、国民のためにさせていただくわけでございますから、やはり余り長い名称というのは、確かに専門家から考えればきちっとそれで完全に定義をされるのかもしれませんけれども、長いいろんな言葉を連ねた事業というのは国民になじみません。そういった意味で、これはまさに我々の立場においてきちっと督励、監督していかなければならないのかなというふうに思っております。
○中尾則幸君 前向きな答えをいただきました。情報通信の話をして相手に伝わら広いような名称というのはいかがなものかと思っているんです。情報の原点は簡素でそして相手に確実にわかりやすく伝わる、私はそうであると思っております。ぜひとも御検討を願って、ああ変わったな、非常に親しみやすいなという愛称、法案の名称は名称で、ぜひやっていただきたいと思っております。 今の長いモデル都市事業について、一つ評価できる面があるんです。 この事業は、今までどちらかというとハード偏重、いわゆるネットワークインフラの整備が中心、これは当然そうなるんでしょうが、いわゆる箱物に対する補助だったんですが、今回の郵政省と通産省の共管の事業で初めてソフト開発、つまり設計の段階や基本的なソフトウエアの開発事業、これについて、十分の一補助の対象から使っていいですよと。 これは、現地のいろんな方に聞きましたら、本当にそのとおりなんだ、箱物だけでは新しい時代の情報通信は進まないということを言っておりまして、こうも言っておりました。十分の一が認められたのは我々に励みだと、例えば地方の情報化の担当の専門官がこのような話をしておりました。 これについて、この事業、十分の一以降どうなるのか、このソフト支援をどう進めているのか、お答え願いたいと思うんですが。
○政府委員(木村強君) 私ども、情報通信の問題に取り組むときには、やはり国としてやるお金が必要だということをこれまでにも財政当局等に訴えてまいりました。これまで郵政省は格差是正事業等、公共事業費の中のその他施設費ということで、非常に少ないウエートでございましたけれども、十数年来、鉄塔整備事業等の作業ができるようになってまいりました。 今先生御指摘のように、この先進的情報通信システムモデル都市構築事業につきましては、これまでのこういう格差是正事業など、あるいは自治体ネットワーク事業などを推進しておりましても、地元の声を聞きますと、どうも使い勝手が悪い、箱物中心だと。それと、ぎりぎり一体となった施設じゃないとだめだということで、ソフトの支援につきましての意見がなかなか通らなかったということで、地元にせっかくのお金が落ちましても、なかなか使い勝手が悪い、本当に情報通信の性格に適したものができないという難点がございました。 このシステムモデル都市構築事業につきましては、平成九年、通産と連携して認めていただいた中身でありますけれども、その中には一割ということでソフト関係の経費が入っておりますが、十年度はこれを二割にしたということで、これも今、国会で御審議をされております予算案の中に入っております。 そういう意味で、ソフト支援といいますか、使い勝手のいい、本当に情報通信の特性を考えたお金の使い方というものについての比重は私どもこれからも大いに高めてまいりたい、このように考えております。
○中尾則幸君 今のお答えで、普通こういう基本的な配分というのは三年後に見直すとかいう話なんでしょうけれども、私は次の年にやはりこれは必要だ、現場の声を聞いてこれに取り組むという姿勢は私は大変大事なことだろうと思っております。局長、また頑張っていただきたいと思っております。 それで、余り褒め過ぎてばっかりいてもあれですけれども、同じくいい取り組みをされている平成六年度からスタートしました郵政省自治体ネットワーク施設整備事業、これは今まで何カ所か見てまいりましたけれども、ほかの省庁、たくさんいろいろメニューがある中で、私はこの地域情報化の一つの原点、いろいろ問題点もございますけれども、大変頑張っているなと。今これ全国で三十五地域、市町村だろうと思います。 例えばその一つ、行政情報サービス分野、静岡県浜松市の例ですけれども、市内二十七カ所にいわゆる市役所の窓口と同じようにオンラインで結ぶシステム、ネットワークの窓口をつくったりして大変好評を得ているというふうに聞いています。この基本的な考え方が、市民を余分に歩かせない、待たせないという基本的なコンセプトで、大変浜松市民に喜ばれているということで、平成七年度の利用件数が何と二百七十万件もあったと。例えば住民票だとか印鑑登録だとか税務証明書だとか、届けがそこの窓口に行けば、わざわざ本所に行かなくていい。 それから、医療・福祉分野では、いろいろございますけれども、この自治体ネットワークの事業の中で、大分県豊の国医療診断システム、これの目的は、もう御存じのように、市内の医療機関と僻地の診療所をマルチメディアネットワークで結んで医療の地域間格差をなくそう、是正しようということだろうと思うんです。 この豊の国医療診断システム導入によってどんな効果がもたらされたのか、簡単にひとつ御説明願えればありがたいと思います。
○政府委員(木村強君) 今先生御指摘のございました大分県の自治体ネットワーク施設整備事業の中の豊の国の件であります。 これは静止画像、動画像を駆使した医療相談や多地点テレビ会議を活用した症例検討会を実施するということで、国東半島と姫島の医療機関を高速デジタル網で結ぶということでございます。基本的には、こういった高速デジタル網を通じて専門家のおられるところに患者の情報が入る、入ったところでは、さらに専門家にまた問い合わせをするといったようなことで、まさに情報通信でいながらにして診断が受けられる、あるいはアドバイスをいただけるということで、まずもって、特にお年寄りの方々がフットワーク社会では非常に不便でございましたけれども、こういったネットワークを活用して、いながらにして高度な症例等についての相談、アドバイスがいただける。それから、医者の先生方も専門家に即にまた御相談もできる体制ができたということで、非常に迅速な医療行為が行われるということを地元から承っております。
○中尾則幸君 いろいろ調べましたら、これはINS六四あるいはINS一五〇〇を使っているということで、エックス線あるいは心電図等の画像診断、これが可能だというふうに聞いているんですが、実際そうなんでしょうか。
○政府委員(木村強君) おっしゃいましたように、センターに蓄積をしたCT、エックス線、心電図等、これらの施設からINS六四を通じまして検索をする、あるいは双方向で行うということで、症例画像の蓄積、それから検索等について役立っておる。それから、先ほど申し上げましたけれども、高度な医療相談、高精細な画像、症例画像を専門医に伝送できるといったようなことで、今先生の御指摘のとおりでございます。
○中尾則幸君 大変大事なことだろうと思うんです。地域に暮らしていて、病理の専門家がなかなか全国におられない。例えば誤診も、これは医者の責任でなくて間々あるという中で、ここだけじゃないんですが、例えば医師の迅速な診断に大変役立っている。これは世界的な例でもございますけれども、私はこうしたシステムをやはり広げていっていただきたいと思っております。 そして、今のは医療診断の方なんですが、郵政省も介護の方についても取り組みを始めていらっしゃるということで、私は大変結構な、大事なことだと思っております。 厚生省は、昨年度から遠隔医療推進モデル事業を展開を始めました。私、北海道なんですけれども、北海道のオホーツクの別海町、この別海町は先進的モデル都市構築事業の指定も受けております。オホーツクという本当に辺地の中で、東西五十キロと四十キロですから、途方もない広いところで遠隔医療、厚生省の事業と通産省、郵政省の事業が今組み合わさって展開されております。 その中で、昨年の十一月からまず厚生省の遠隔医療推進モデル事業の実用実験がスタートしました。いわゆる過疎といいますか、高齢者の御家庭を中心に五カ所に機材を配置しまして、介護保健センターと町立病院を結んだ。 どういうことが今起きているかといいますと、毎朝タッチパネルで血圧だとか尿酸値だとか全部はかると、それがもう自動的に町立病院に行く、保健センターにも行く。それで、テレビ画面を通して、おばあちゃんお元気ですかとお医者さんが呼びかける。たまに、おばあちゃんからお医者さんに、あいている時間を利用して、いや、先生、かくかくしかじかでと、ちょっと熱があるとか、そういうやりとりをこの三カ月、五カ所でやっておるわけです。 それで、具体的に聞きましたら、血圧が二百をなかなか割らなかったお年寄りが、今は百六、七十になった。何か特別な薬をいただいたんですかと聞くと、違うと言うんですね。その安心感と、それからお医者さんの適切なアドバイス、それと顔色が見れるものですから、しかも一週間前の顔とか十日前の顔色、全部データで蓄積されているらしいんですね。大変介護に当たる家族の方が喜んでおります。それに、少なくとも先進的な事業が郵政省と通産省が加わる、これは大変いい形で展開になっているな、私も頑張れと言っておるんです。 ただ、一つ困ったことがありまして、実験ですから、三カ月に一回という約束で今データを集めているんですが、次の実験の御家庭があるんですが、もうぜひ我が家に置いておいてくれ、持っていくなというような願いがあって、言ってみればうれしい悲鳴を上げているという。 私は、ここに一つの、インフラ整備も大事だけれども、使う人の身になってやっていくことがいかに大事か、高度情報通信なんて言わなくても、使って便利でよかったと、お年寄りにしてみればいい時代に生きてきたなと、こんなに便利になったのかということが原点だろうと思うんです。 それで、ちょっと話が長くなりましたけれども、私はやはり郵政省の皆さん、それぞれ研究されているなど。いろいろ調べてみましたら、遠隔医療プロジェクト、これ共同プロジェクトを今度つくって今進めているようです、厚生省の遠隔医療推進モデル事業と。先ほど私は豊の国の話をいたしましたけれども、これどうして一緒にならないかと私も思っていたんですよ。片一方が例えば自治体ネットワーク施設整備事業でやって、そして厚生省が遠隔医療を始めたと。なぜこれ一緒にならないかと私は疑問に思っておりましたら、共同プロジェクトをつくって連携事業にするというような考え方、どなたが考えたか知りませんけれども、私は、当たり前のことのようですけれども大変いい着想だと思っております。 これ質問通告してないんですが、ひとつお答え願いたいと思うんです。大変私はこういう取り組みはすばらしいと思うんです。
○政府委員(木村強君) 先生今御指摘いただきましたように、大分の件につきましては私どもの単独の自治体ネットワーク事業ということでございましたが、各省庁が連携をしていこうと。 私ども郵政省の立場からいたしますと、こういったアプリケーション、最先端のものを郵政省がやはりやって、技術的に可能だということを見せて、それをもってあとは各省がそれぞれの行政の範囲の中に取り込んでいこうということで、例えば厚生省と郵政省とがダブっているわけじゃなくて、先進的なものは郵政が先端的な先導的な部分のアプリを開発して、そうしてできれば各省がそれぞれの行政の中に取り入れる、こういうことでありますが、そういう状況が医療関係も出てまいりました。 先生今お話ございましたふうに、遠隔医療プロジェクトということで、例えば北海道の別海町といったようなものにつきましては、厚生省の先ほどの遠隔医療推進モデル事業と私どもの自治体ネットワーク施設整備事業とを組み合わせてやっていこうと。私どもは研究開発が基本でありますけれども、厚生省のものとドッキングしましたら、本当にそれが医療行動に使われてうまくいくのかどうか、こういった本当の実用な検証もできるということで、大いにこういう組み合わせはこれからも進めてまいりたい、このように考えております。
○中尾則幸君 ぜひ使う側の身になって頑張って事業を展開していただきたいと思っております。 いろいろ聞きたいので、はしょって聞いてまいります。 大臣の所信にもございましたけれども、テレワークについての必要性、所信の中では女性の雇用機会の拡大に資するテレワークの普及等により新たな社会経済システム、ライフスタイルヘの変革を促進するというように述べられております。大臣には先ほどテレワークについても御所見を伺いましたので、簡単に一問だけテレワークについてお尋ね申し上げたいと思います。 これも、御存じのようにテレワークがアメリカを中心に非常に普及している。アメリカは、聞くところによりますとテレワーク人口が一千百万人、日本の場合は、サテライトオフィス協会では九十万人とも言われているけれども、実態は四十万人程度だろうというふうに理解しております。いわゆる通動地獄の解消だとか、それによって例えば自動車通勤しなくても済みますから、環境への負荷軽減だとかいろいろございます。 私、二年前に、労働委員会だったでしょうか、このテレワークについてちょっと質問したことがございます。テレワークを推進するといっても、推進する側の国家公務員の皆さんが、これは官庁に来るなとは言わないんですが、朝から晩までどうして来るんだと。特に外務省の方は、きょういらっしゃいませんけれども、時差がある中で、なぜアメリカと時差をとるために官庁に来なきゃいけないんだ、自宅でやったらいかがですかと、そういうような提案を申し上げました。 それで、その提案を受けたかどうかはわかりませんけれども、郵政省が始めたというんですね、テレワークを。本省、郵政研究所、関東郵政局に勤務する職員百七十人、ある方は在宅方式、ある方はテレワークセンター方式で週二日程度のあれを実施しているということでございます。これは実験的に始めだということですが、一言でこの評判というんですか、やっぱり自宅にいたら何か課長の顔を見ないと査定に響くんではないかとか、いや、実際あるんですね、日本みたいにプロセスを重視するあれにあっては。 これは大臣に、質問通告していなかったんですが、私は取り組みとしては大変いいと思うんですが、いかがでしょうか、今後についての取り組み、あるいはメリット。
○国務大臣(自見庄三郎君) テレワークについて、中尾委員の大変御見識のある御質問でございます。 今も先生が質問の中で申されましたように、通勤負担の軽減あるいは生産性の向上、雇用機会の拡大あるいは地域の活性化、これは今大変大きな問題でございますが、地球温暖化の防止、テレワークにしますと通勤しなくて済みますのでCO2の排出が減るとか、そういった大変なメリットがあるわけでございます。 今先生、まず政府みずから実践することが大事だという御意見でございましたので、郵政省の特別会計職員に試行いたしまして、平成九年十月二十九日より実施をいたしました。 結果はどうなのかと、こういう話でございますが、これまた中間的な、試行を開始して四カ月余りの中での感想を申しますと、メリットとしては、仕事に集中でき能率が上がる、それから仕事が計画どおりできるので帰宅時間が早くなったため家族との時間が多く持てる、それから通勤時間、通勤混雑が激減し疲労度合いが減少したというふうなことがございます。一方、デメリットとしては、本省、郵政局等から離れているので、あらかじめテレワークセンターで行う仕事の段取りをつけてこないと仕事にならない、こういったデメリットがあるという一応の報告をいただいております。 いずれにいたしましても、政府みずから実践するということが大事でございまして、同時に民間への普及を図るということでございまして、先生御存じのように、これは平成十年度の税制改正においてテレワークを実施するための設備に対する固定資産税の特別措置を創設させていただいたところでございます。
○中尾則幸君 すべての事業がメリットばかりじゃないということも知っているつもりですが、やはりこうした流れをきちっと的確に進めていく、特に女性の雇用機会の確保、あるいは障害を持つ方が例えば大手町みたいなところになかなか通勤が大変だと、それであれば御自宅に近いところにサテライトオフィスをつくる、あるいは自宅からパソコン等のネットワークで仕事をする、私はそういう時代だろうと思っております。いわゆる障害者に対するバリアフリーというふうな考え方もこの所信には述べられておりますけれども、そういった視点に立ってぜひとも頑張っていただきたいなと思っています。 ITS、いわゆる高度道路交通システムについて一言だけ聞きたいと思っています。 これは五省庁連携でやっておられまして、郵政省も入っているわけです。郵政、運輸、建設、警察庁、あともう一カ所は忘れましたが、それで、ITSといいますと、高度道路交通システムのことですけれども、カーナビゲーションが思いつくわけでございます。いわゆるカーナビゲーション、今無料でVICSが提供しておりまして、東京圏、名古屋圏、それから大阪圏。交通情報、渋滞をなくする、これはまた環境負荷の軽減にもつながる、経済効率がよくなる、いろいろな試算というかグランドデザインが既に出されておりますが、省略させていただきます。 一つこの中で、建設省が中心になって進めているノンストップ自動料金収受システム、いわゆる高速道路の料金をノンストップで、通過したら光センサーか何かで認識して自動的に口座から引き落とされるみたいな、これは高速道路の渋滞をなくすということでも大変威力を発揮するわけですけれども、小田原-厚木間で始まったというふうに認識しております。それも含めて、郵政省としてITSの実用化に向けての取り組み、簡単に一言、どんなことをねらっているのか。この厚木の実験でなくても結構です。お答え願います。
○政府委員(谷公士君) ただいま先生御指摘ございましたとおり、このシステムはナビゲーションの高度化、あるいは将来の自動運転を目標としました安全運転の支援、有料道路での自動料金収受システム等を実現しまして、交通事故、渋滞といった道路交通問題を一挙に解決していこうという目的を持ったものでございます。御指摘のように、もう一省庁は通産省と思いますが、五省庁が協力をして強力に進めているというプロジェクトでございます。非常に将来性のあるものだと思っております。 ただいまおっしゃいました小田原の件につきましては、建設省と四つの道路関係公団が中心となって進めておられまして、一年間かけてことしの三月までに一応実験を終えられまして、その結果を踏まえて来年度以降実用化に着手していくというふうに伺っておりますが。その具体的な内容は建設省においてまだ御検討中だと承知しております。 このことを初め、幾つかのそれぞれの省庁の所管の中で検討、連絡をとりながら進めておりまして、その結果、御指摘にありましたように、移動時間の短縮、渋滞解消、交通事故の減少、緊急救急活動の迅速化、環境との調和等さまざまな効果がございますものですから、私どもといたしましても、この移動通信技術の開発、それから国際標準化という観点でできる限りこれを推進して、早期に実現をしてまいりたいというふうにして取り組んでおるところでございます。
○中尾則幸君 この推進協議会、VERTISの試算ですけれども、二十年後に市場規模は大体五、六十兆円、これはどういう計算か定かには知らないんですが、大変な市場規模になるというふうに試算もしております。この中でも郵政省の果たす役割は大変大きいと思いますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思っています。 次に、所信の中でも述べられておりますけれども、サイバービジネス、いわゆる電子商取引について若干お伺いしたいと思っています。 所信の中では、インターネット等を活用した電子商取引の環境整備を進めるとあります。これも、アメリカではもう数年前から各金融機関やいろいろな関係者がいわゆる電子マネーについてあるいはサイバービジネスについて大変研究をされております。日本でも、これ九六年度ですから平成八年度の市場規模が、前年度七億円だったのが平成八年度二百八十五億円に市場規模が一気に何十倍か伸びました。シェアでいえば、アメリカがやっぱりさすがに七七%、二千六百八十六億円であるわけですけれども、この電子商取引の将来像は一体どうなるのか。また、利用者にとって何がメリットなのかということについて、簡単に御説明願いたいといってもなかなか大変でしょうけれども、できるだけ簡潔にお答え願いたいと思います。
○政府委員(谷公士君) この電子商取引でございますけれども、御指摘のように市場規模というのは急激に拡大をしてきております。ただ、この伸びといたしましては、世界的な伸び率は七倍ぐらいの対前年比でございますが、日本は先ほど御紹介がございましたように四十倍ぐらいの伸びを示して、急激に追いつくような勢いを示してきているわけでございます。 ただ、このように市場は拡大しておりますけれども、先進国のアメリカにおきましても、これで使われます決済手段といたしましては電子クレジットや電子小切手が多いようでございまして、金銭価値そのものをネットワーク上でやりとりするという電子マネーは、一部で導入されておりますけれども、まだ余り普及しておりません。 と申しますのは、やはりこういった重要なデータをやりとりできるほど現在のインターネットは高速化や安全、信頼性が確保されていないということにあると思います。こういったことが確保されるようになりますと、これを通じまして商品の製造から検索、発注、契約、それから決済に至るまでの一連の取引行為がすべてインターネット上で、しかもグローバルな規模で実現できるようになるわけでございまして、社会経済のあらゆる面に国際的な規模で大きな影響を与えるというふうに予測をいたしております。
○中尾則幸君 これは、郵政省が電子マネーの安全性、信頼性についても今鋭意研究を進めているということは承知しております。 そのセキュリティーの問題をどうするかというのは大変重要な課題となっておると思いますが、一つは、さっき何がメリットかというふうにお伺いしたんですが、これはセキュリティーだとかいろんな解決しなきゃならない問題がたくさんあるんですが、例えば銀行、いわゆる電子マネーで決済ができると、これは銀行にとっては大変痛手でしょうけれども、決済の手数料が要らなくなる。いわゆる通信料、スタートする時点では通信料は本当に低廉になるだろうと思いますけれども、その点はどんなふうに、これは質問通告にございませんけれども。
○政府委員(谷公士君) 利用者に対するメリットという御質問でございます。 御指摘のように、この決済に当たりまして現在でありますと銀行やクレジット会社に介する場合にかかります手数料というものが、ほとんど通信費だけでいいようになるという意味で、これは非常に大きく経費が節減されるという効果がございます。 そのほか、時間と空間を克服して地域差をなくしますし、店舗の開設費用というものが非常に大きく低廉化をいたします。 それから、広告によりますマスマーケティングとともに、双方向通信によりましてきめ細かなマーケティングが可能になるということがございまして、企業におきましても需要に合った計画を立てることができる。 それから、消費者と生産者との間の直接的なコミュニケーションによりまして、流通、製造、金融全般にわたりましてコストの削減や取引機会の拡大というものがもたらされるといういろいろな意味での大きな効果があると思います。 先ほど先生御指摘の決済の面での費用削減という効果も非常に大きいと思っております。
○中尾則幸君 セキュリティーの問題、これは大変だろうと思うんです。追っかけっこだというんですね。例えばこの暗号、私もいろいろ研究所へ勉強に行きましたが、もうどんな文字がわからない暗号を使う人だけしか解読できないようにやる。追っかけっこだというんですね。 ところが、この電子マネーのアメリカの担当者に聞きましたら、全部一〇〇%盗まれないようなことをやったらこれは永遠にできないだろうと言っていました。なぜかというと、お店でもやっぱり悪いことをする人もいるんだと。例えばレジを預かっていて、その人が逃ぬとも限らぬ、そういう事件も中にはあるでしょうと。そういう点から考えないと、一〇〇%ゼロにするということは、もう費用が莫大だし、永久に恐らくセキュリティーはあり得ない。だから、それが保険の発想法だと、どこまでリスクを受け持つかという。それを保険でやる、それを考えない限り無理ですよというふうな話を聞きました。 かといって、大事な個人の情報を盗まれるというのは問題でございますから、それについては万全を期してやる。しかし、場合によってはそういう〇・〇〇一%はやむを得ないという割り切りがなけれはこれは進まないというような話を伺いまして、そうかなと思ってございます。ぜひとも頑張っていただきたいと思っています。 次の質問は、あと十分少々ありますけれども、放送とデジタルに移る前に、高度情報通信の関係、放送も関係あるんてすが、大臣にここまての質疑の締めとしまして、いろいろ解決しなければならない問題、今お話しあったようにセキュリティーの問題、プライバシーの問題、それから所信にもございますけれども、なかなか言いつらいんですが、例えばインターネットを通した違法な情報、有害情報等の問題もございます。それから法整備、これの問題もございます。 例えば医師法二十条の問題、これは厚生省も随分柔軟に考えているようです。例えば対面診療をしなかったらためたとか、保険点数の問題だとか。あるいは学校教育法の問題もございます。学校教育法で縛ると、何で遠隔授業か成り立つかとか。それから、ノースカロライナではもう既に裁判を、いわゆる拘置所と裁判所でやっているわけてす。その法整備の問題もある。等々、たくさんいろんな問題があることは承知しておりますけれども、二十一世紀は高度情報化の時代だということはこれは間違いないだろうと思ってございますので、個々には別として、まとめとしてそういった問題解決に当たって簡単に大臣から御答弁いただきたいと思っています。
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員御指摘のとおり、高度情報化社会になりましたら、まさに情報、知識の自由な創造、流通、共有を可能とする新たな社会経済システムてあり、そういった社会をつくるためには当然情報の自由な流通の確保か重要であります。しかし、今御指摘のように、情報の価値が一層高まり、これまで以上にある意味では情報の安全性、信頼性、今御指摘もございましたようにプライバシーの確保か必要となってまいります。 こういった中で、今先生が御指摘されました個人のプライバシーが侵されたり、あるいは青少年に悪影響を及ぼす、これは大変今大きな社会的問題になっておりますけれども、そういった情報がはんらんしたり、あるいはネットワーク犯罪による情報の不正利用、あるいは他人に自分か成り済ますと申しますか、そういった犯罪、そういった不正もあるやに聞いておるわけでございます。いわゆる高度情報社会の影の部分か増大しつつある。私はやはり高度情報化社会の健全な発展のためには、文字どおりこの影の部分をどうするのかということは大変大事な問題だというふうに思っております。 今先生の御指摘もございましたように、これは同時に、自由な流通でございますし、基本的には民間の方々、民間事業者にしていたたくわけでございますから、民間の自主的な対応を促進するガイドラインの作定や技術開発の支援に努めるということか私は主流だと思いますか、同時にこの影の部分、先般からわいせつ情報ですか、これをインターネット上でどうするのかというようなことも大変大きな論議を呼んだわけでございますか、そういったことを含めて今郵政省では学識経験者あるいは専門家から成る研究会を開催いたしております。 これは日本だけの問題ではございません。非常に外国でも深刻な問題になっておりますし、そういった意味を含めて、基本的にはマルチメディア社会が従来の法制となじまないところもございます。今先生の御指摘にもございましたように遠隔医療、これは実際お医者さんか患者を診ていませんから、従来の医療法、医師法となじまないところもあるわけてございます。そういったことを含めて、やはり高度情報化時代、そういった意味に法制も合わせていかねはなりません。 また同時に、今先生御指摘のありました影の部分を、やはり社会の英知と申しますか良識と申しますか、そういったことできちっと解決をしていくことが私は非常に今から大事なことになってくると思っております。
○中尾則幸君 私、五分間時間を読み間違えて、あと二分しかありません。 じゃ、放送のデジタル化について一言御答弁願いたいと思いますけれども、多チャンネル時代、最近は例えばパーフェクTVとJスカイBかいわゆる大型合併するとか、いろいろの多チャンネルデジタル時代を迎えた。視聴者に多様なサービスを提供するのは私は大変結構なことだと思うんですか、先ほど言いました光と影の部分、例えばBS、地上波のデジタル化、これを郵政省は進めようとしていますけれども、放送事業者にとって大変大きな負担でございます。 特に、経営基盤の弱い例えば地方のローカル局、これは地方のローカル情報を一生懸命やっているわけですか、死活問題であると。三月四日の民放連の調査では、やはり大変な負担になる、場合によっては赤字転落になるというようなところに立たされております。こういった国内の良質なソフト産業育成について郵政省はどうお考えになっているのか、あと残り一分しかございません、簡単にお願いします。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。 今既にデジタル技術からいかに多くの成果を取り出すかということで放送会社あるいはコンテンツをつくられる方々、いろんな工夫をされておりまして、例えば放送会社におかれましては自分の番組をいかに多くのチャンネルに提供するか、あるいはローカル局でございますと自主放送番組をいかにふやすかというようなことで、新たな努力の取り組みか見られます。 私どもといたしましては、先生今おっしゃったように、番組ソフトというのは一番大事でございますから、番組ソフトの制作、流通、保存、三つの分野についてそれぞれ基本政策を立てまして、豊かな放送番組か提供されて、また、単にチャンネルがふえるたけてはなくて、多様なチャンネルが国民からアクセスできるという状況をつくるべく努力してまいりたい、かように存しております。
○中尾則幸君 もう質問の時間がなくなりました。 先ほどから大臣、それから担当の皆さんからお話を伺いました。郵政省がこれから本当に一生懸命頑張っていく役割は大変大きいと思ってございます。高度情報通信社会は私は単なる道具だと思っているんです。その道具を生かして人に会いたくなるような時代か私は本当の高度情報通信社会じゃないか、そういう意味で、だれも言わないんですが、郵便の役目が少なくとも私は高度情報化社会の一つの大きなツールだと私は個人的に考えております。 きょうはありがとうございました。
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。 今回の郵政大臣の所信表明に対して、郵便番号の七けた化に伴う課題について質問させていただきます。 去る二月二日より、七けたの新郵便番号制度かスタートいたしました。郵政省は、この七けたの郵便番号の導入により、配達部門の効率化を進め、今後十年間の累計で二千億円程度を損益改善効果として、また八千人程度の労働力を削減しようと、そういうことを説明していらっしゃいます。ここで、七けたの郵便番号の実施に関連して何点かお伺いいたします。 郵政省の調査によりますと、ことしの年賀状の差出人の七けたの郵便番号の記載率は八七・八%でありました。また、二月二日の七けたの初日の新郵便番号の記載率は五五・四%、翌日の三日か六七・五%と報道されております。現在は七〇%を超える記載率であると聞いていますけれども、郵政省はどのようにこれを評価していらっしゃいますか。また、郵便局で実務効率化の進展状況はどうなのかお知らせください。
○政府委員(長谷川憲正君) お答え申し上げます。 七けたの新しい郵便番号につきましては、先生御指摘のとおりに、本年二月二日にスタートさせていただいたところでございます。 スタート時の新郵便番号の記載率につきましては、先生の方から御紹介がありましたとおりでございますが、その後二月六日にももう一度、これはポストから取集した郵便物でございますがサンプル調査をいたしまして、この時点で七二・六%という高い数字が出たわけでございます。 その後、もっと本格的な調査をしようということで、二月十二日に全国の六百カ所の郵便局で郵便物の記載率調査を詳細に実施いたしました。その結果がまとまりましたので御報告申し上げます。 ポストから取り集めた切手を張ってあります郵便物の郵便番号の記載率は、七けたのものが七二・八%ということでございました。二月六日の調査とほぼ同数字でございます。それから、別納、後納ということで、後から料金をお支払いいただく郵便物につきましては五五・八%という数字でございまして、通算をいたしますと六三・五%というのが二月十二日時点の六百局での調査でございます。 別納、後納の郵便物の七けた番号の記載が若干低い感じがされるかと思いますが、後でもずっと追跡調査をしておりますが、まだまだこういった別納、後納のお客様はコンピューターのシステムの切りかえの最中だそうでございまして、いずれも今取り組んでいただいているところばかりでございまして、まだ結果が出ていないということで若干低い数字になっております。 しかしながら、この数字は制度開始後間もないという時期でもございますので、私ども三十年前に郵便番号を始めました当時と比較いたしますと非常に高い数字でございまして、多くのお客様に御協力をいただいているなというふうに理解をしているところでございます。 なお、郵便局での新型区分機を配備いたしました進捗状況でございますが、現在九年度末までに約二百局に三百五十台ほどの新型区分機を配備いたしているところでございます。これによりまして約二千五百人の節減が可能になるというふうに考えておりまして、おおむね現在のところ、この新しい七けたの郵便番号の導入に伴います新処理システムは順調に推移をしていると考えているところでございます。
○但馬久美君 一応うまく進んでいるということなんですけれども、利用者からいろいろ苦情があると伺っております。 今回、武蔵野市が自治体として七けたの新郵便番号を拒否して議論を呼んだという記事もございました。また、先ほどコンピューター等々ありましたけれども、一般の利用者にもデータベースの改造など多大な負担をかけている。また、個人の利用者からもともかく面倒だということもありますし、封書などの汚れが目立つというようなこともあります。 郵政省は、利用者のこのようなクレームをどのようにこれから取り扱っていかれますか。
○政府委員(長谷川憲正君) 新郵便番号が発足をいたしまして、先生御指摘のとおりに、お客様から大変面倒であるとか、また実際に郵便物に関しましても従来の万けたのものをどうしてくれるんだというような苦情等も含めましていろいろと御意見をいただいているところでございます。 先ほど武蔵野市役所のお話がございましたが、武蔵野市役所の方では大変たくさんの郵便物を御利用いただいているわけでございますけれども、こういったたくさんの郵便物を御利用いただきます事業所に対しましては、これは市役所に限らないわけでございますが、企業も含めまして個別の七けたの郵便番号をお勧めいたしております。 武蔵野市役所につきましても、個別の郵便番号をお勧めいたしましたところ、三つほど御希望の番号をいただいたそうでございますが、たくさんの企業からこういった個別の番号のお申し込みをいただきました結果、同じ番号が幾つもの企業から御希望があったということで、抽せんをさせていただいたそうでございます、地元の郵便局でございますが。その結果、市役所の方から御希望いただいた番号が市役所に当たらなかったというような経緯がございまして、現在のところ七けたの郵便番号につきましては御協力をいただけておりません。 しかしながら、私ども今後ともこの新郵便番号によりまして郵便局の効率化を図りまして、現在の郵便料金をできるだけ長く維持をしていきたいというふうに考えているところでございますので、武蔵野市役所につきましても、今後とも御理解と御協力を得るべく努力をしていきたいというふうに思っておりますし、お客様からの苦情あるいは御意見に対しましても、一つ一つ耳を傾けまして、できるものは丁寧に改善を図ってまいりたい、このように思っているところでございます。
○但馬久美君 ぜひそういう苦情を受けていただきたいと思います。 また、ここに例がありますけれども、コスト削減という目的はよいにしても、もっと実際の住宅事情や技術力の状況を踏まえて、段階を踏んだ方策をとってお客様の迷惑や配達員の過剰な労働につながらないように注意すべきであるというようなことも載っております。また、やはり官の合理化によってもっと自己責任でやるべきだということも載っております。また、郵便というのはサービス行政であって権力行政ではない、一般企業なら会社の合理化の負担を他人に押しつけるんじゃなくてユーザーの意向に合わせてサービスの内容を変えていくとか、また先ほど武蔵野市の話も出ましたけれども、内部の合理化のために負担を押しつけるのはサービスの原点としていかがなものであるかというようなことも言われております。そういう意味で、ぜひこれをもっと細かく取り上げていただきたい、そういうふうに思います。 大臣にお伺いいたします。 郵政省としては、七けたの郵便番号の定着のために新郵便番号案内サービスや新郵便番号調査サービス、このようなさまざまな対応をしてきたわけでありますけれども、国民は好きこのんで七けたの郵便番号を使い始めたのではなくて、効率化の名のもとに多大な負担を強いられていると思います。記載率の数字のみにとらわれるのではなくて、真に広く国民の理解を得て定着させていくべきだと思いますけれども、大臣としてはどういうお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 本当に貴重な御指摘だと思っております。新郵便番号制度を円滑に定着させるためには、まさに国民利用者の方々に御理解、御協力をいただくことが極めて重要であるというふうに認識をさせていただいております。新郵便番号制への御協力をいただけるよういろいろな工夫を凝らしておるわけでございますけれども、今後ともあらゆる機会を通じて十分な周知活動を行っていく所存でございます。 また、今先生のお話にございましたように、新郵便番号の導入により十年間で約八千人ぐらいの労働力の節減あるいは二千億円ぐらいのコストダウンを見込んでおりますが、所期の効率化効果が得られるように新しい郵便処理システムの推進に努力をしてまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、国民の皆様方に新郵便番号を記載していただくというお手数をかけるわけでございますが、その結果、大きな効率化効果を上げて、なるべく現行郵便制度が維持できるよう努めることとしておりますので、本当にそういったことを御理解いただいて御協力いただいて、新郵便番号の記載をしていただきたいというお願いをさせていただきたいと思っております。
○但馬久美君 利用者への利益還元についてなんですけれども、今御説明もありましたけれども、七けた化によって利益をどのぐらいに見込んでいるのか、また、一般利用者に還元するために一九九九年の年賀状料金を引き下げる方向で郵政省が検討中であると伺っておりますけれども、事実であるかどうかお聞かせください。
○政府委員(長谷川憲正君) 御質問の件に関しましては、一部の新聞に年賀はがきの料金を郵政省で値下げをするべく検討中だというような報道がなされたことは私どもも承知をしております。結果から先に申し上げますと、私ども現在の段階で年賀はがきの値下げということを具体的に検討しているわけではございません。 この郵便番号の七けた化の導入に当たりましては、当然のことながら、私どもも国民利用者の皆様方にメリットを還元していく、そのための施策としてこれに取り組んでいるわけでございます。最終的には現在の郵便料金をできるだけ長く据え置いて値上げをしないようにするということでお客様に報いたいと考えているわけでございます。 それに加えまして、昨年の四月一日、今回の新郵便番号のメリットをいわば先取りする形になりましたけれども、消費税率が二%引き上げられました際にも、これを郵便料金に転嫁することなく従来の郵便料金を維持いたしまして、実質的には二%分の値下げを行ったわけでございます。この負担額は全体として年間約四百億円に上るわけでございます。 そのほか、昨年十二月には、定形外郵便物の料金につきまして、何とかもっと安くならないのかというような各方面の御意見等も踏まえまして、一部の料金の引き下げをさせていただいたわけでございます。 このようなことで、私どもできる限りのことをやっておるつもりでございますし、今後もできる限りのまたサービス改善等々心がけてまいりたいというふうに思っているところでございます。 以上でございます。
○但馬久美君 郵便番号の将来像として、理論的には九けたあるいは十けたぐらいにすれば住所の記載は全く不要になる、さらにもう二けたぐらい足せば受け取りの方も郵便番号だけで特定できるという。郵政省はこの郵便番号の将来展望をどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(長谷川憲正君) おっしゃいますように、郵便番号のけた数をふやしてまいりますと、技術的に申しますと一軒一軒の家まであて名を書いていただかなくても数字だけで配達ができるということはもちろん可能でございます。 ただ、今先生の方からも御指摘のございましたようなお客様方の番号を書く手間暇でございますとか、システムのことも考えますと、なかなか難しい問題がございまして、現在の段階では今回踏み切らせていただきました七けたの郵便番号の確実な定着とその実施によります効果を上げていくこと、これをまず先決に考えているところでございます。 ちなみに、外国の例を見ますと、例えばアメリカでございますが、現在九けたの郵便番号を用いておりますが、これにさらに郵便局側でハウスナンバーに当たります二けたを追加いたしまして十一けたの住所コードをバーコードに変換いたしまして、郵便物を各家の段階までに配達順に並べるということで実際に実施をしております。 そのほか他の国々でも郵便番号のけた数をふやして効率化を図るということを進めております。世界的な傾向にあるわけでございますので、私どももそうした各国の動向につきましては十分今後とも研究をしてまいりたいと考えているところでございます。
○但馬久美君 私は、この数字で住所にしていくということは、本当に何か文化が欠けていくような気がするんですね。それで七けたも私はどちらかというと賛成じゃないんです。そしてまた、番号にしていくと、今度は住所だけじゃなくて、民間の一人一人にもまた番号でという今話も持ち上がっている。そういうことを考えますと、非常に何か人間が社会で暮らしていく上において番号で物事が限られていくということに対して、私は本当に何か生きる上においてのそういう文化の欠如になっていく、そういうような心配をしております。 また、数字ばかりで、数字では結局漢字の誤字と違って解釈や想像の入り込む余地がなくて、番号が一つでも間違っていると届かないということになりますね。これはいかがなんでしょうか。
○政府委員(長谷川憲正君) 郵便番号の記載、七けたをしていただきます際に、私ども、これはもうお客様の選択でございますが、住所の一部を省略することができます、あて先の一部を省略することができますということを申し上げております。 その趣旨は、一度に大量の郵便物などをお出しになります場合に、相手との関係、信頼関係が成り立っているような場合には、例えば何々市大字何々というような部分は省略をされましても、その下の小字から何丁目何番何号というところが書いてありましたらお届けすることは技術的には私ども可能でございますので、そういう趣旨で申し上げておりまして、住所そのものを省略してお書きになること自体を勧めているわけではございません。 確かに、先生おっしゃいますように、お受け取りになります方に失礼であるとか、古来のやはり手紙のルールを失うとか、文化の破壊につながるとかいうような御意見もあるわけでございまして、私どももそのことは十分に念頭に置きながらこれからの仕事を進めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。 ところで、番号が違った場合に着かないのではないかというお尋ねでございますが、七けたの郵便番号のうち、上三けた、もしくは従来五けたの番号をお使いの郵便局につきましては、この三けたないし五けたというのは具体的には郵便局をあらわす番号でございます。したがいまして、この番号が違っておりますと、考えておりました郵便局とは別の郵便局にとりあえず運送されてしまうということになりますが、着いた郵便局であて先を見まして実際に配達先がないというような場合には、そのお書きいただいた七けたの郵便番号全体をもう一度検査いたしまして、書いてございますあて先から考えまして番号が違っていると思われる場合には番号違いということで訂正をして正当な郵便局に送付をするようにいたしております。 確かに、あて名の書き方次第によりましては、郵便番号が違っていた場合に正しいお届け先を発見できない場合もございますので、番号については正確に書いていただきたいと思っております。いずれにしましても、単に番号が違っていたからすぐお返しをするということではなくて、担当の職員とそしてその上司と二回にわたりまして点検をした上で、どうしても無理があります場合にはお返しをせざるを得ない、こういう取り扱いをしているところでございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。今までと同じような状況で進められていくということでございますね。 それでは話は変わりまして、読み取り区分機の入札をめぐる談合疑惑についてお伺いいたします。 新聞報道によりますと、郵便番号自動読み取り区分機の入札をめぐって談合の疑いが持たれていると新聞に載っておりました。公正取引委員会が両社に立入検査を行って、郵政省にも資料の提供を求めたとありますけれども、この事件の概要を御説明いただきたいと思います。
○説明員(是枝義人君) お答えいたします。 区分機の調達につきましては、私ども政府調達手続に基づきまして、透明かつ公正な一般競争入札方式ということで行ってきたところでございます。 昨年の十二月に、公正取引委員会が独占禁止法第三条、これは私的独占または不当な取引制限を禁止している規定でございますけれども、これに基づきまして、この区分機の契約について調査を開始したところでございます。私どもの方にも協力を求めてまいりましたので、契約関係の資料、そういったものを提出するなり、あるいはいろいろ状況説明を行うなどして調査に協力をしているところでございます。 現在も引き続き公正取引委員会の方では調査を継続しているようでございまして、郵政省としては今後の調査の推移を見守りたいというふうに考えておるところでございます。
○但馬久美君 いずれにしても、疑いを持たれることのないように対応していただかないといけないと思っております。そのために、従来は官報に入札結果の公表をしていた方式を変更するなどして、新聞発表に切りかえるなど、庶民の目に触れるような方法にしていただきたいと思いますけれども、それはいかがでしょうか。
○説明員(是枝義人君) 区分機の入札結果につきましては、御指摘のとおり、従来、政府調達手続に基づきまして官報公示というような形で公表をしてまいったところでございます。 先般、二月二十七日に区分機の入札を実施したところでございますけれども、この段階で新規参入があるのではないかというようなことでマスコミも非常に関心を持っておりましたので、マスコミに発表させていただいたところでございます。 基本的には、やはり政府調達手続に基づきまして、入札結果、こういうものは官報公示で公表してまいりたいと考えておりますが、先生御指摘の点もございますので、またどういった形でそういうディスクローズと申しますか、そういうものをやっていくか、いろいろ検討してまいりたいと考えております。
○但馬久美君 ぜひ、官報では国民はほとんどの方がわかりません。やはりもっと情報開示していただけるようによろしくお願いいたします。 それでは、次は郵便小包の赤字についてお伺いいたします。 郵政省の資料によりますと、郵便小包は平成八年度で三億八千六百万個の取り扱い個数で、八十九億円の赤字であると。昭和六十二年以降二けた台の伸び率で推移してきましたけれども、平成四年十一月の料金値上げ以降、平成五年、六年度とマイナスになり、また平成七年度には一たん少しプラスして上がったんですけれども、平成八年度には再びマイナス、平成九年度、平成十年度も予算段階ではマイナスを予測しております。郵政省は現状をどのように認識して、どう対応されているのか、お伺いいたします。
○説明員(是枝義人君) まず、収支の方からお答えさせていただきたいと思います。 郵便小包の収支でございますけれども、平成八年度におきましては、収入が千六百三十億円、費用が千七百十九億円ということで、差し引き御指摘のとおり八十九億円の赤字となっているところでございます。 平成五年度以降の数字を見ますと、平成五年度が十八億円の黒字でございます。それから平成六年度が五億円の黒字、平成七年度が十五億円の黒字となっております。平成八年度は大きく赤字になったわけでございますが、この主たる原因というのが、平成八年度に保冷サービスを全国実施をいたしました。そのための初期投資と申しますか、大体百億円ほどございまして、これが八十九億円の赤字を生じた主な原因ではないかというふうに考えておるところでございます。
○但馬久美君 そういう状況の中で、平成八年度の宅配便の取り扱い個数が全体で十五億三千八百万個で、郵便小包の四倍のシェアであります。昔は荷物を送るといえば鉄道手荷物でありました。郵便小包もありましたけれども、小さなものしか送れませんでした。二十数年前から宅急便が出回りまして、その後いろんな会社が出てまいりましたけれども、鉄道手荷物はあっという間に市場から追い出されてしまった。なぜかというと、これは親方日の丸の採算性の悪さというかサービスの悪さというか、利用者のニーズについていけなかった、ここのところに問題があったわけなんです。 宅配便の事業者のように利用者のニーズに対応しているのかどうか、新商品を打ち出して、設備投資もして積極的に行っているのかどうか、今郵便小包が必要なのかどうか、この点お聞かせください。
○政府委員(長谷川憲正君) お答えを申し上げます。 先生おっしゃいますように、近年、宅配業のサービスが随分と拡充をされまして、現在、小包を含めまして小型の物品の送達全体の個数の中で小包の占める割合はおよそ二〇%になっております。しかしながら、この小包郵便物の占めておりますシェアというのはここ数年基本的には余り動いておりませんで、一定のシェアを占めているものというふうに理解をしております。 私ども、民間の宅配便のいろいろなサービス等々ございますが、私どもは私どもとして長い伝統の中でお客様から御利用をいただき、そして御要望をいろいろいただいているものがございまして、そういったものを基本に据えて年々各種のサービス改善に努めているところでございます。
○但馬久美君 大臣にお伺いいたします。 今月、新たな業者が参入する予定であります。今後ますます競争が激化するものと思われます。民間に十分に任せられる事業を赤字を出しながら民間の後追いをしている、そういうサービスの提供というのは国の行うユニバーサルサービスとして本当に必要であるのかどうか、真剣に検討すべきであると私は思うんですけれども、大臣はどう考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 小型物品の輸送は、御存じのように明治以来民間事業者によるサービス提供が可能でありまして、官民それぞれ特色を生かしてサービスを提供し、全体として国民利用者の利便の向上に貢献しているというふうに私は思っております。 郵便小包は、御存じのように明治二十五年に国民の手軽な小型物品送達の手段としてサービスを開始したわけでございまして、今委員御指摘のように、全国あまねく公平なサービスを提供する使命を担っておりまして、山間僻地あるいは有人離島においてもあまねく日本全国サービスを提供させていただいておるわけでございます。 先般の阪神・淡路大震災におきましても、民間事業者が約一カ月間にわたってサービスを休止する中で、郵便小包は一日も休まずサービスを提供するとともに――これは無料でございます。これは法律に規定がございますので、無料で災害救助用の小包約六十一万個を運ぶなど、非常災害時でもサービスを提供させていただきました。これは国営でございますし、法律の規定があるから我々も当然の、大変大きな災害でございますから、そういったことをさせていただいたわけでございます。また、身体障害者用の小包やら盲人用の点字小包等の政策料金、これは半額でございますが、そういったサービスも提供させていただいております。 いずれにいたしましても、地域に密着した郵便局の全国ネットワークを活用してふるさと小包を提供し、地域の振興に貢献をさせていただきましたり、また、さきの十二月には、沖縄振興の観点から沖縄発着の小包料金を割安のものとさせていただきました。これは、従来の小包料金は沖縄から鹿児島まで海があるということで料金を計算しておりましたが、海がないというような仮定のもとで実は小包料金を改定をさせていただきました。約四億円の値下げをさせていただきました。 私、先般沖縄の方に行ってまいりましたが、沖縄振興というのは大変に大事な今政治の課題でございますが、この郵便小包の四億円の値下げが特にパイナップルとかパパイヤの農産物を生産しておられる沖縄の農業者の方々に大変好評であったということも私実感したわけでございますけれども、そういったことをさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、今局長が答弁しましたように、ここ数年は安定的にシェアが二〇%程度で推移をいたしておりまして、国民生活に定着し、親しまれている。今後ともそういったことを含めて、国営事業としての郵便小包が果たす役割は大きいものと考えておりますので、一層利用者の皆様方あるいは国民の皆様方のサービスの改善に努めてまいりたいというふうに私は思っております。
○但馬久美君 今の大臣のお話を伺いまして、大変公共的なサービスとしては本当にいろいろ活躍なさっていらっしゃるということを伺いまして、この点はぜひまた力をつけてやっていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 それでは、電気通信に移ります。 NTT番号案内の料金改定の話なんですけれども、郵政省は二月二十七日に電気通信審議会の答申によりましてNTT番号案内の値上げを許可いたしました。 これは、値上げは五月から二段階で行われて、月一回現行三十円から五十円に、また一年経過後には六十円。月二回目以降が現行六十円から八十円、そしてまた一年経過後九十円。深夜、早朝については現行六十円が百二十円、一年経過後百五十円。さらに、公衆電話からは現行三十円が一挙に百円という大幅なものであります。 電気通信審議会の審議の経過の中で、報道によれば電気通信審議会では答申をまとめる際に複数の委員が値上げに反対し、審議会としては異例の採決が行われたと。結果、委員の六人中賛成が四人、反対が二人で惜しくも値上げの許可は適当との答申を出したとありますけれども、六人中二人が反対ということは、あと一人で賛否同数ということになります。どのような議論があったのか、国民も重大な関心を持っておると思うんですけれども、この審議の経過の御説明をいただきたい。また、結論を急ぐ特段の事情があったのかどうか、このところお話しください。
○政府委員(谷公士君) NTTの番号案内の改定につきましては、昨年の十二月十六日にNTTから認可の申請がございまして、同月の十九日に電気通信審議会に諮問をいたしたところでございます。その後、審議会から本年二月二十七日に答申が出されますまで、公聴会を含めまして延べ五回にわたり審議が行われました。 この審議の過程におきましては、このサービスの収支相償に関する考え方や料金の改定率の問題、それから料金体系のあり方の問題、緊急時、災害時の対応の問題、改定内容の周知についての問題等について議論が行われまして、二月二十七日の審議会で、それまでの議論を踏まえられまして、料金改定までに十分な周知期間を設けることなどの要望を付されまして認可をすることが適当であるという答申をいただいたわけでございます。 この答申に当たりましては、御指摘のように採決による議決が行われたわけでございますけれども、これはこの審議会におきまして十分な議論が尽くされ、各委員の意見も固まっているという御判断に基づいて行われたものと承知をいたしております。
○但馬久美君 今具体的にいろいろお話しありましたけれども、もう時間がありませんので一つだけお伺いいたします。非常災害時の罹災者安否情報等の無料案内などをどのようにこれから具体化されていくんでしょうか。
○政府委員(谷公士君) この答申でいただきました要望につきましては、この件を認可いたします際に、NTTに対しまして必要な措置を講ずるよう指導いたしました。 それを受けまして、去る三月三日、NTTから具体的な措置について報告がございました。この報告の中に具体的に書いてあるわけでございますけれども、御指摘の災害時の問題につきましては、先般の阪神・淡路大震災の際に、安否情報等の提供機関の電話番号を無料で案内したわけでございますけれども、それと同様な施策を今後の非常災害時におきましてさらに充実した形で行いたいということが述べられております。
○但馬久美君 この件に関してまだ質問があるんですけれども、きょうは時間が参りましたので、またこの続きは今度の委員会でさせていただきたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○及川一夫君 最近、経済が大変よくないものですから、景気対策の話が出ても、あるいはまた経済をどう不況を好況に変えていくかという論議をしても、必ず出てくるのは情報通信産業、これをおいてないという意味も含めて問題の指摘が出てきます。そういう意味では、政策とは言いながら郵政省がこれを担当しているということについては、大変重い責任もあるし、単なる構想的なものじゃなしに実体経済にプラスの面で影響をさせるという意味合いで、何を考え何を提供するかというのはもう大変大きな課題だし、重みのある問題だというふうに思うわけです。 今、平成十年度の予算の中にも情報通信産業にかかわる問題も提起されているわけですが、一面これでは不十分、したがって景気対策のためにはもっと大きな、公共事業から始まってさまざまな面で対応せにゃいかぬという議論があるんだが、この中で情報通信産業をとらえるといった場合には、今度の予算が成立した後、補正なのか組み替えなのか、さまざまな議論がある中で、やはり情報通信産業を考えるということになっておるわけですよ。 今年度の問題としては、情報通信産業というものを意識して郵政省の予算の中でも、各省そういう意味合いでのものがたくさんあるわけなんだがそれでも足りない。したがって、新しい予算が成立してもなおかつ追加するよということが雰囲気としてあるわけです。郵政省的に考えた場合に、情報通信産業としての追加というものを事業的に考え出せ、またそういうものをあるなら出せ、見せろというようなことが出た場合に、郵政大臣、具体的に何かお考えになっていますか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 及川先生にお答えをさせていただきますが、政府としてはもう現段階におきまして平成十年度の予算の成立が最重要課題であると、こう思って国会の方に今審議をお願いしておるところでございまして、次の景気対策についてどういったものがあるかという御質問でございますが、そのことについてはコメントする立場にはないことを御理解をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 しかしながら、一般論として申し上げれば、あるいは私見を挟んで申し上げれば、まさにこういった情報通信というのは、二十一世紀に向けた我が国の社会経済システムの改革を推進する原動力として大変重要な分野であると認識をいたしておりますし、情報通信インフラの整備など必要な施策については平素から検討を行っているところでございます。 一体どんなものがあるのか言ってみるという話でございますから、これはもう私見ではございますが、経済、さらに社会、国民生活の範囲で考えてみますと、まず一点は、大容量ネットワークを全国各地で安価に使えるようにすれば、地場産業のビジネスが全国展開しやすくなったり、地域間のビジネス交流、創造が生まれる。 また、個々に孤立したネットワークを自由自在に接続することになれば、例えばタクシー無線から一一〇番通報が可能になったり、防災行政無線網、これはもうこれだけで今完結しているわけでございますけれども、こういったネットワークを自由自在に接続することになれば、携帯電話から防災情報を入手できる。 また、子供たちに対しまして学校で自由にインターネットにアクセスできるようにすれば、世界じゅうの人々との交流などを通じてその見聞を広げ、二十一世紀の日本を担う見識を養うことができる。 また、さっきも質問がございましたが、お年をとられた方とか身体障害者の方々、あるいは子育て中の女性に対しては、テレワークネットワークの普及により社会参加や雇用の機会を増大することができる。 あるいはLEO、これは低軌道周回衛星でございますが、その端末と携帯医療機器を組み合わせれば、常時ホームドクターのチェックが受けられるため、持病を持っていても高齢者でも世界じゅうに旅行ができる、旅行中でも安心して旅行ができる、こういったこともございます。 また、過疎地におきましては、その村内の全戸にテレビ電話を配備すれば、福祉や子育て支援に活用するなど住民の福祉を向上させることが可能になると思っています。これは、例えば福島県の葛尾村の自治体ネットワーク、さっきも自治体ネットワークの話が出ておりましたが、新聞紙上でも取り上げておりますが大変評判の施策でございまして、村内の公共機関及び全戸に実はテレビ電話を配備いたしまして、保健・福祉情報の提供、専門家による相談アドバイスの実現をいたしておりますが、いろいろなアイデアは浮かんでくるところでございます。 今後とも、情報通信に寄せられた熱い期待にこたえて、その持てる可能性を早期に現実のものとして国民に還元できるよう、関係省庁との協議会あるいは各種団体との話し合いを通じて広く各界各層から御意見を聞き、日本の経済社会の活性化に有効な施策の展開に努めさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○及川一夫君 在庫はたくさんございます、御要望によって幾らでも出せますということまではお答えになったと思うんです。 問題は、前倒しという言葉で、いわば新しく組まれた予算の中で、計画はあるんだがこれをどんどん前倒しをしましょうというような政府側の答弁あるいは与党側の答弁というのは現実に存在しませんよね。その上でさらに第五次の追加策というものを考えなければいけないということで、各省に対して指示されているのかどうかは別にして、次なるやはり情報通信産業に係る追加というものが景気対策として出されなきゃいかぬと、ここまでは意思表示が何となく出ているんです、これは。ですから、それに対応するような体制というのは、これはないならないということを言わにゃいかぬし、あるならあるということで、今郵政大臣が言われたように、在庫はたくさんありますということがあれば、我々も安心して、それこそ方策はともかくとして、どういう手だてでいくかはともかくとして、ああこれはできるんだなと、こういうふうに理解をすることができるわけですよ。ですから、そういうことは、政府ですから与党の動きも考えながらやられていると思うので、私としては十分それに応せられるような体制はあるんだ、内容はあるんだというふうに理解をしておきたい。 そこで、これは政策局長にちょっと聞きたいんだけれども、これ質問項目にはなかったけれども、これまで電気通信政策上の立場から情報通信産業にかけてきた、財投にしろ一般会計からにしろ、一体どのくらい総額投入をこれまでしてきたのかということを聞きたいんだが、今答えられるか。
○政府委員(木村強君) 具体的に数字をここで先生にお話をするということは大変難しゅうございます。 情報通信の分野、今大臣も御説明いたしましたように、非常に夢のある期待のかかった分野でありますから、我々として大いにその推進をしてまいりたいという気概は十分に持っておりますけれども、やはり国の役割というのがございます。 しかし、官民一緒になってこれからの二十一世紀に向けた情報通信インフラをつくっていくということは我が国が世界に生き残っていく一つの大きな方法論であろうということで、そういった位置づけでこの情報通信を考えますと、現在二〇一〇年までに光ファイバー網の整備といったような計画は政府としても持っておりますけれども、これをやはり加速していく。 あるいは放送のデジタル化ということで、技術の進展でデジタル化はもう技術的には可能でありますけれども、これを本当に事業者の皆さんに還元して、事業者の皆さんがそれを使って国民の皆様の家庭のマルチメディア化というものを促進するための放送のデジタル化などが加速されていくということにつきましては、やはり基盤という意味で、私ども情報通信の行政を預かる者といたしましては、あらゆる生活、社会、経済、文化の基盤である、特に二十一世紀の基盤である、これまでの道路とか橋とかと同じような意味で二十一世紀には非常に必要なものになってくるという認識でございますので、私どもは特にこの基盤につきまして政府としての支援策というものは大いにとってまいりたい、このように考えております。
○及川一夫君 これから非常に大事だと思うので、担当する局長さんならやっぱりこういう数字については、何兆円投入してきましたよ、何千億投入してきましたよというようなことをおしゃべりができるようにしておいてもらいたい。私らがちまたに行ってお話しするときには、数字があるかないかによって全然理解が違うんですよ。だから、私は数字というものを正確に自分で持っているということを旨としているわけですよ。ですから、そういった点はぜひ担当省として心がけてもらいたいということを申し上げておきます。 それで問題は、情報通信と言うとどなたも否定されないわけですよ。すとんとのみ込んじゃうんです。だけれども、実際問題としては、情報通信と言われたって、一体何が何だか、説明できるのかといったらなかなかこれは説明できないのが実態なんです。 だから、その辺のことを考えると、例えば、電気通信審議会の方で出したのかな、「マルチメディアと国民生活について」というのがあるんです。この中で、「ニュービジネスの展開」、これからのこととそれからこれまでやったことと、こう大体区別されておりまして、例えば情報メディアというと映画とか映像ソフト、音楽ソフト、これがあります、これによって大体六兆円行きまっせと、こう書いてあるわけです。あるいは印刷業とあって、これの情報通信産業化ということを考えると二・二兆ありまっせと、これも書いてあるわけです。あるいは広告というものでは六・四兆ぐらいもう既にやっていますよ、あるいは電気通信のサービスでは十兆円だとか、こういう数字がずっと並んでいます。 これは、もう既存のビジネスということだから、投資をしたか投入をしたか、あるいはそこから経済的効果として広がった数字なのかどうなのかという一つの問題はありますけれども、いずれにしても情報通信産業によるとこういう効果というものが上がるんだということを示していることは間違いないわけです。 したがって、先ほど郵政大臣が在庫はたくさんありますと言う中で、仮に十兆の景気対策をやる中で情報通信産業は五兆だと、こういった場合に、何々をやるのか、それをやることによってどのぐらい経済的な効果を発揮するのかという答えを持ってやらないと、単に言っただけで、皆さんの努力が実った形で波及しないということに私はなるんだと思うんですよ。 言葉をきわめて言えば、即効性のあるもの、特に今不況だと言われているわけですから、それに景気対策をやると言うからには、投入すれば即効的にあらわれるものが一番望ましいわけです。そういうものは、先ほど郵政大臣が述べられた中で、これとこれは即効性のあるものだし、できればこういうものをやっていきたいというようなことがあるかないかということです。大臣でなくてもよろしいですから、木村さん、あなたどうですか。
○政府委員(木村強君) 冒頭に大臣が御説明いたしましたように、景気対策ということで即効性を持って、しかも数字を挙げてというお話になりますと、やはり政府の立場といたしましてはここで私どものお話をなかなかするわけにはいかないということで、大変申しわけございませんが、先生に御理解を賜りたいと存じます。 ただ、私ども、一般論としてということでございますが、やはり情報通信の今後ということを考えますと、まず基盤整備をきちっと行って、その上でいろんな諸活動が行われて企業の生産性の向上あるいは付加価値の実現、それから国民生活の余裕というものが情報通信の活用によって生まれますので、それに伴った変化といったようなイメージを置きながら具体的に施策を展開するということになろうかと思います。そういう具体的な話ということになれば、当然これまでの公共事業の乗数効果あるいは情報通信の乗数効果等につきましても勉強して対応していくというのが務めであろう、このように考えております。
○及川一夫君 私は郵政大臣にお願いしたいんですけれども、何だかんだ言っても、やはり医療の問題であるとか教育の問題であるとか福祉分野の問題であるとか、これがかなり現実の問題として今でもやらなきゃならぬ問題が転がっているわけです。介護制度の問題も、法律が成立をしたということになればなおのこと、現実に存在する国民の生活一つ一つをとらえてみると、もうできるだけ早く急がないとよくない、そういう希望にこたえることはできないということが私はあると思うんですよ。そういった点では、医療とか教育とか福祉問題ということはもう直ちに取り組むべき問題だということに視点を合わせて即効性を求めていく、そして経済にもプラスをする、あるいは労働の創生にも役立てる、こういうふうにぜひ省としては考えてほしいものだということを私は強く希望しておきます。 それから二つ目の問題で、これは守住先生もこれからどうするんだということを含めてお話があったようだが、私としては交通・情報通信委員会とこう言ってみても、郵政大臣がおられれば、最高責任者ですから、気がついた問題あるいは問題、指摘、提起をしたいことなどについては、従来は各省の関係局長出てほしいとか、できなかったら課長出てきなさいとか、そういうやり方がありますから、きょうは郵政大臣がおられるので、ちょっと私は中身というよりも扱いの問題として。 実は、郵貯で株を直接購入しなさい、すべきではないかと。これは山崎政調会長も御発言なされている。それからある新聞によれば、もともとその発想は橋本総理から加藤幹事長に御相談があって、それは今の法律、法制下では無理ではないのかということを言うた。だから検討しろということで検討し、始まって、それで山崎政調会長の発言が出てきたのかどうか知りませんけれども、いずれにしても郵貯にしろ簡保にしろ、自主運用という意味なんでしょうが、この中で株を直接買いなさい、買うべきではないかと。確かに株価の問題もあります。しかし、余りやり過ぎると市場介入ということになっちゃう。今の法制ではそんなことができるのかどうかということも考えたりなんかしますと、特にこの景気対策とか株とかいうふうな話の中で出てくる話ですから、よほどこれは郵政省としても、法の立場もあるのでかなり慎重に考える立場なんだろうと私は思うんです。 したがって、こういう問題に対して郵政大臣、どういうふうに受けとめられておるんですか。もう郵政省に対して指示をしたというふうなことも書いてありますな、報道では。
○国務大臣(自見庄三郎君) 及川先生御指摘のように、自民党内で論議されていることは承知をいたしておりますが、党として正式に決定をされたというふうには聞いておりません。 一般論として申し上げれば、先生御存じのように、郵貯、簡保資金の運用は、確実で有利な方法で行うことにより郵便貯金事業及び簡易生命保険事業の経営を健全ならしめ、預金者及び加入者の利益の向上を図ることを官的として行うものであるというふうに思っております。 株式の購入のことについて御質問があったわけでございますが、今の法律の仕組みの中では、株式の購入については簡保事業団を通じまして指定単契約を信託銀行と締結して行うことになりますが、こういったことをやらせていただいているのは、これは郵貯、簡保ともに国民からお預かりした貴重な資金でございますから、それを安全確実に運用せねばなりませんから、そういった分散投資の観点から必要な資産というふうに考えてこういった運用をさせていただいております。 いずれにいたしましても、今の法律では直接指定単契約を結ぶというわけにはいきませんで、簡易保険事業団を通じて指定単を通じて株式に運用していただくということになるわけでございます。これは仕組みといたしまして指定単でございますから、いつどういった株をどれぐらい買うかということは一切郵政省としては指示ができない仕組みになっておりまして、信託銀行はあくまで自分たちの投資判断として株の運用をすると、こういうふうな現在仕組みになっているわけでございます。 いずれにいたしましても、与党内での決定を踏まえて政府全体としてどのような取り組みを行うか、また郵政省としていかなることが可能か慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
○及川一夫君 そうすると、これは貯金局長おられるのかな、簡保局長でもいいんですが、保有有価証券の残存期間別残高内訳というやつがあるんですよ。その中で、十年越しということになっているんですが、これは八年度末ということになりますか、三億五千四百万が株式という項目で郵政省にあることになっているんだけれども、これは何なんですか。
○政府委員(金澤薫君) 郵政省は、先ほど大臣からもお話がございましたように、現在株式は指定単という形でしか保有できないことになっておりますが、ここに書いてございますのは、戦前、簡保は株を保有することができたということになっておりまして、それをそのまま保有しているということでございます。
○及川一夫君 どういう性格の株式、ここで言うやつは。
○政府委員(金澤薫君) 正確な今記憶がございませんけれども、鉄鋼株とか電力株を保有しているということでございます。
○及川一夫君 大臣がおっしゃられたように、今の郵政省における自主運用というのは、内容を見れば、有価証券と言っても五三・一%、これは元本はきれいに確実という意味でのものの運用になっているようだし、貸付金でも三〇・五%ですから、実際の指定単的なものは四・三%、あるいは預金としては五・六%、資金運用部預託として六・三%、それで国庫に〇・二%ということで、どれをとってみても安全確実ということでやっておられることは私もそのとおりだと思うんです。 ですから、我々が議論する場合に、自主運用というものを本格的にやろうとする、またやらなきゃいかぬようになりますよね、その場合に、今の運用枠でもって果たして自主運用ということを言っていくのかどうか、それで満足してやれると言うのか言わないのか、そういう問題に必ずこれはぶつかると思うんです。したがって、五年後とは言いながら、どちらにしても相当本気になってこれは考えなきゃならぬ問題ではないかと思うんですけれども、そういう議論あるいはそういう体制づくりというものに取り組んでおられますか。
○政府委員(金澤薫君) 事実関係だけまず簡保について御説明させていただきたいと思いますけれども、簡保の積立金は大正八年の創業当初から自主運用いたしております。戦中、戦後一時中断しておりましたが、昭和二十八年より郵政大臣が直接管理運用しているという状況にございます。平成八年度末の資金総額は約九十八兆七千九百六十九億円ということでございます。 今回の中央省庁改革基本法案の中でも、郵貯の資金運用部に対する預託義務の廃止ということがうたわれておりますけれども、簡保につきましては資金運用部に対する預託義務を課せられておりませんので、法律上は触れられていないということでございます。 ただ、今後どのような形で自主運用がなされていくかということでございますけれども、例えば現在は毎年簡易生命保険積立金運用計画というものを策定いたしまして、資金運用審議会に諮問して、五年以上の長期運用につきましては特別会計の予算総則に計上いたしまして国会の議決を経た上で運用しているわけでございますけれども、このような仕組みが一体どうなっていくのかというようなことがございます。 それから、運用対象につきましても、例えば貸し付け、不動産、それから株といったようなものに対して果たして運用すべきかどうかというふうな問題もございますし、さまざまな問題がございまして、今後の課題として検討していかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○政府委員(安岡裕幸君) 貯金の関係でございますけれども、郵貯の自主運用は昭和六十二年に創設をされておりまして、郵便貯金資金の一部を自主運用という格好にしているところでございます。その方式は、一たん大蔵省の資金運用部に預託してそれを借り受けるという格好で実施をいたしているところでございます。 その資産の中身でございますけれども、国債が半分ということで、各種の地方債等の債券を中心にしまして、安全、確実、有利な運用に努めているということでございます。 いよいよ全額自主運用ということになりまして、いろいろと検討しているところでございますけれども、そういった意味でいいますと、今まで四十兆という実績がございますけれども、いずれ郵便貯金資金の全額を自主運用ということで、大変責任の重大さを感じておるところでございます。 いずれにいたしましても、私どもの方も長年やってきました自主運用の実績というか、十年以上たっておりますし、簡保の実績もございますので、その辺のことを踏まえながら考えていきたいと思っておりますけれども、基本的な方向といたしましては、引き続き社会資本の整備の方向への長期資金に資金を供給するということを考えております。 それからもう一方は、いろいろ金融ビッグバン等が進展するということになりますので、証券市場が非常に拡大するんじゃないか、こういうふうに見ておりまして、そこに対する国債、社債等の長期債を中心に有利運用するということを考えておりまして、そういう面では現在やっておることと同様に、運用スタンスをしっかり固めまして長期安定的な資金運用を行うことによって安全確実にしまして、事業の健全性をやって預金者の利益を確保していく、こんな格好でいきたいなと思っております。 ちょっと抽象論でございますけれども、その辺について今一生懸命検討しておりまして、そういった中でもいろいろと資金のリスク管理の問題だとか、それから体制の整備だとか職員の育成だとか、その辺のところについても十分念頭に置いて検討してまいりたいと考えております。
○及川一夫君 終わりますけれども、私は国営でもって、また公務員という資格を持つ新たな公社という意味はおわかりでしょう。ですから、それ自体をとらえると、郵政省にとっては大革命みたいなもの、そういう時代が来るよということを省全体で受けとめないと大変だという思いで私はいます。 しかも、特にこの貯金、簡保の関係については、何だかんだ言ったって、ビッグバンと一口に言うけれども、自由市場というものを前提にして国際関係の金融も入ってくるわけですから、だから今やっている形のものが原型になってそれで事が済むというふうには私は考えられない。しからばどうあるべきかということは考えなきゃいかぬですよね。 そういった問題というものがあるものですから、今現在自主運用では四十兆が郵貯で、百兆を超えるものが簡保と、こうなっているが、今度は、全体をよく見てみたら、下手したら四百兆ぐらいになっちゃうんじゃないんですか、規模的には。そういうものを今までやった郵政の簡保、貯金という立場で本当にこれは自主運用というのができるのかできないのか。幅の問題もあるし、国際的なつき合いの問題、それから俗に今までで言うと民業圧迫などという話が出てきたりなんかしたら、もう本当にてんやわんやになるなというような気持ちがありますので、ぜひ郵政大臣を筆頭にしてそういった体制づくりを心がけてもらいたいということをお願いして、終わります。
○上田耕一郎君 私は、郵便番号の七けた化の問題とNTTの一〇四の値上げ問題、二つ質問したいと思います。 まず、新郵便番号制ですが、どうもかなり評判が悪いようなんですね。郵政省の資料を見ますと、メリット、こう書いてある。「郵便物処理の効率化を一層推進することにより、現行郵便料金をできるだけ長く維持すること」が基本的なメリットだと。これは二〇〇五年まで値上げしないということで、評価したいと思うんです。次のメリット、一般のお客さんには、あて名の記載省略、「住所の市区町村名の記載を省略することができます。」と。 これは、朝日新聞の二月二十日の夕刊でこう書いてある。「地名は、歴史を伝える文化遺産でもある。一九六〇年代の住居表示法で、由緒ある地名の数々が消された。郵便番号の七けた化は、この発想と同根である。七けたを記入すれば、市区町村名は省略できるというのがうたい文句だ。だが、家族や友人の住む故郷の名を書かない人は、まれだろう。まして、旅先や赴任先で世話になった人々への礼状に、思い出の地の名を省くことはあるまい。」、最後に、「問題は、利用者に負担と手間を押し付けながら、値下げや速達並みのような見返りがないことだ。」と。あれだけ負担を押しつけるなら、値上げしないんじゃなくて値下げしろという要求ですよ。「競争相手がいないため、サービス精神を欠くお役所仕事の典型である。一方的な七けた化は、行政改革の必要性を改めて喚起する。」というのだから、あなた方が一番メリットだと言っていることをこれだけ朝日新聞で記者が批判しているんですね。やっぱりこういう世論を聞いていただきたいと思います。 取り上げたいのは、審議会の答申で負担の問題を書いてあるんですね。「反面、利用者に、これまで以上のけた数の郵便番号の記載を求め、また、新郵便番号への移行に伴う各種の負担を求めることになる。」と。 実は私、年賀状を書くのでゴム印を僕と家内と家族で三つつくり直しました。一つ三千円で九千円かかっちゃった。あっ、九千円おれは負担させられたと。そこでこれは質問しておけばよかったなと思ったんですが、これは私だけじゃないんですよ、この移行に伴って各企業、各世帯、かなりの社会的費用がかかるんですね。この試算はされましたか。
○政府委員(長谷川憲正君) 先生御指摘のとおりに、個人のお客様につきましては従来三けたまたは万けたの郵便番号をお書きいただいていたわけでございますから、今回七けたの郵便番号を記載していただくということは、四けたまたは二けたの追加の記載をお願いするということでございまして、大変にお手数をおかけしておるというふうに認識をしております。 先生御指摘のシステムの移行に伴います追加費用、コンピューターシステム等を利用して郵便物をおつくりになっておられますお客様については、コンピューターシステムの変更経費がかかりますし、今御指摘のようなゴム国等についても個人のお客様等御負担をおかけしていることは私どもも認識をしております。 ただ、この負担そのものが幾らになるのかということにつきましては、正直申しまして、私どももなかなか試算ができないわけでございまして、申しわけございませんが、そういった数字を手元に持っているわけではございません。 しかしながら、私どもも、こうしたお手数をおかけするということで、郵便番号制度につきましてお客様にとにかく御理解をいただき御協力を得られますようにさまざまな周知活動を展開もし、またお客様の負担の軽減のための施策をとってきたわけでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 私ども、これからもそういう意味でお客様に新たな御負担をおかけするということにつきまして、これから七けたの郵便番号制の導入によってできるだけ大きな効率化効果を上げまして、先ほど来御指摘をいただいておりますが、なるべく将来にわたって現行料金を維持してまいる所存でございます。
○上田耕一郎君 私はゴム印をつくり直したんだけれども、五千万世帯あるんですね。もし一割がゴム印を持っていてつくり直すとすると、五百万世帯になる。事業所が六百万あります。各企業、事業所は、幾ら小さくてもやっぱりゴム印をつくり直さにゃいかぬと思うんです。そうすると、世帯と事業所で大体一千万、もし一番安い三千円のを使うとすると、これだけで三百億円になります。 一番大変なのは、新聞報道によると自治体ですよ。読売新聞の二月一日付、「各地方自治体が今年度予算に改修費用を数千万円計上している中で」、「武蔵野市は昨年「七けた番号を使わない」と宣言した。」というんですね。日刊ゲンダイ二月二十四日、「各自治体では役所内のコンピューターのプログラムをかえる作業を進めている。例えば東京・葛飾区では六千万円で外部委託した」と。六千万円ですよ。だから、数千万というのは間違っていないんですね。「江東区では二十人の職員が半年がかりで千本のプログラムをかえたという。いったい全国でどれだけの税金が浪費されているのか。」、「国民に多大な不利益を押し付けて後は知らないというのだからあきれる。七ケタ化は百害あって一利なしだ。」という厳しい批判です。 自治体数は三千三百ぐらいあります。もし五千万、小規模の村はそうお金をかけないとしても、そうすると、すっと計算して一千億というけたのお金、社会的コストに恐らくなるんじゃないかと思うんです。あと、封筒だとかなんか、そういうものの印刷代は今の封筒のまま使って切れたときに印刷し直せばいいんだからあれだけれども、プレートは金がかかりますね。しかし、一番大きいのはやっぱりコンピュータープログラムの入れかえですよ。各自治体が数千万でしょう。 それから、企業についても読売新聞が書いています。「民間事業所も頭を抱える。」、「顧客名簿のシステム改修作業に億単位の費用がかかり、完了は来年という企業もある。四億円以上の費用を見積もる大手の通信教育会社もあるほどだ。」と。通信教育会社、四億円ですよ。 ですから、これだけの社会的費用、負担をかけて、ところがそれは試算していませんと言うんだから。新聞社はすぐこうやって調べるんですよ、試算する気はないんですね。それで自分のことだけ計算している、八千人減らすと二千億円ラスト減になると。自分のことは計算して二千億円と言うんだけれども、私が今ちょっと列挙しただけでも、私も何も試算にそう自信があるわけじゃないけれども、やっぱり一千億とか、億という単位がずっと企業やなんか出てくるんですよ。 それだけの社会的コストをかけることについて、一切考慮を払わない、試算もしない、自分のところだけはやる。市区町村を書かないでいいですということについても、朝日でこういう批判がある。一体何のためにやるのかという疑問が出てくるんですね。 これはもうやっちゃったんだから、お答えにならないと思いますが、じゃだれがもうかるか。これは大企業ですよ。郵政省の資料でも、「区分機配備の追加投資額約二千二百億円」と。先ほど質問がありました。公取が談合の立入調査をやっている、東芝とNEC。ちょうど半分ずつ今まで受けていたというのをね。談合は明らかですよ。ようやく日立が今度入った。二千二百億円ですよ、大企業は。 もう一つは、大口利用者です。先ほどの郵政省の資料では、メリットのトップにカスタマバーコードの料金割引制度、あらかじめバーコードで印字してくれれば、一定数以上差し出される第一種定形郵便物等に対する料金割引を実施すると。五%引くというんです。 これはどうなんですか、今までのダイレクトメールとか市内割引などの上に五%の割引が上積みされることになるんでしょう。
○政府委員(長谷川憲正君) まず、今の御指摘のカスタマバーコードをつけていただきました際の割引でございますが、先ほど来申し上げておりますお客様へのメリットの還元ということで、私どもが局内で作業する分をお客様がやってくださった分についてはこれを割り引きしようということを考えているわけでございまして、御指摘のとおりに、従来の広告郵便物等の割引に加えまして、このカスタマバーコードつき郵便物の五%割引が適用されるものでございます。
○上田耕一郎君 私、この割引制度問題では、昨年の三月十八日に、もとの逓信委員会で郵便法の改正で取り上げたんです。広告郵便物料金の特例措置の拡大、これは余りにひどいということで取り上げたんですよ。 あのときのあれは、今までは同一差出人、同一形状、同一の重さの郵便物に対して割引があった。今度はばらばらでもいいということになって、それじゃ大変なことになるんじゃないかということを言っておいた。この中で、最高四三%の割引四三%となるとコスト割れじゃないかと。そのとき郵政省側は、原価構成について、内務事務に係るものは二七・四%、外務事務が二九・三%という答弁をした。 外務事務はそう変わりませんよ。そうすると、差し出しで一緒に持ってきてくれるからというので多少コストが安くなるのは内務事務です、二七・四%の。これが全部もしなかったとしてもそのぐらいしかコストは削れない。四三%でしょう。今度それに五%上乗せするというと、四八%になるんですよ。半値になるわけです。半値の大口割引をバーコードさえ打ってくれればいいと言う。 局長、バーコードを打つ機械というのは一台どのぐらいするんですか。
○政府委員(長谷川憲正君) ちょっと今手元に機械ごとの詳細なデータを持っておりませんが、一般の区分機が二億円ないし三億円いたしますが、バーコード専用の機械になりますと、それよりもかなり安い機械になると承知をしております。
○上田耕一郎君 かなり安いと。新聞によりますと、バーコード機を買っても大体一年で元が取れちゃうだろうというんです。 五%の割引で一千億円減収になるんですよ。一千億円もうかるわけだ、大口は。あなた方の文書にそう書いてある。区分機を製造するメーカーが二千二百億円の仕事を今後十年間でいただける、それから大口取り扱いのお客が一千億円もうかる。しかし一般の人々、一般の事業所、自治体は負担を受けるばかりです。とにかくこれはちょっとどうかしていると思うんだな。 私も、しまったしまった、もっと早く質問したかったと思っているんですけれども、ちょっとそういう点では、もう過ぎた、始まっちゃったことで大変だけれども、こういう問題を含み、批判の声も上がり始めていることだということを認識して、少してもいい方向に是正していくことが課題になっているというふうに思うんです。 それで、その大口に対するサービスで、これも去年の質問でも取り上げたんだけれども、中央郵便局は集荷サービスというのをやっているわけですね。本来、郵便物は原則としてポスト投函か窓口差し出しなのに、大口の業者に対しては集めて回っているわけです。東京中央郵便局集荷センターでは本務者職員十名、非常勤職員十名、二十名使っている。一トン車二台、二トン車六台でメーリングサービス、発送代行業約五十社、カード会社一社、印刷、出版会社五社などに大口郵便の集荷に出向している。そうですよね。大どころで年間二百四十四回、六百万通の郵便物を引き取りに出向している。さっき言ったように四八%割引になるんですから、コスト割れですよ。コスト割れの大サービスをして、一千億円減収になるようなことを集荷にまで出向いてやっているんだ。 何で集荷費用を取らないんですか。競争業者は小包はできているけれども、郵便物にはないですよ。今度、業者参入する方向が民営化問題の中から生まれてきているけれども。何でこういうサービスをやっているんですか。
○政府委員(長谷川憲正君) 最初に誤解があるといけませんので一言追加させていただきますが、バーコードをお客様がおつけになったときの割引というのは、特に企業だけに適用するものではございませんで、地方自治体あるいは個人でも千通以上お出しになるような郵便物につきましてはすべて適用になるものでございます。 ところで、今御質問の集荷でございますが、最近はお客様の方からも大量に郵便物を差し出す場合に集荷をしてほしいというような要望が強くございまして、私ども御指摘のとおりに集荷をするように努めております。これは、私ども国の郵便事業でございますから、全国津々浦々、あまねく公平にサービスを提供するというのが私どもの使命でございますが、全国のネットワークを維持してまいりますためにはある程度の収入を上げませんと全体の経費を貯えないわけでございます。 現在、私どもが扱っております年間二百二十五億通の郵便物のうち、八割は企業から差し出されるものでございます。したがいまして、企業から差し出される郵便物というものをもっともっとふやしていくということを考えませんと、全体としてのお客様一人一人の料金も低く維持することが難しいわけでございまして、そういった意味から、広告郵便物の増大を図るために割引をつくりましたり、あるいは今御指摘のような郵便物の取り集めに私どもの方から出向くということをやっているわけでございます。
○上田耕一郎君 私は、こういうやり方が実際上郵便事業の民営化を客観的に促進してしまう結果になると、そう思います。 さて、次は現場の問題です。 この審議会の答申は、何でこういうことをやるかということで、「機械化があまり進んでいない配達分野の機械化を図ること」、「特に、郵便物を配達順に並べるところまで機械処理することにより、大きな効率の向上が期待できる。」と。だから、今度の区分機というのは、いわゆる順路組み立てあるいは道順組み立てと言われる今まで人手でやっていたのを機械化しよう、そのことで時間が短縮されるので八千人人を減らすことができるという発想なんです。 二月二日から始めて、現場はどうですか、この道順組み立て、順路組み立て、ねらいどおりいっていますか。
○政府委員(長谷川憲正君) 二月二日に新郵便番号制度を始めまして、現在、現実に先生御指摘のとおりに新しい形の仕事の仕方で業務を進めているわけでございます。 私どもの取り入れました今回の新しい制度によりまして、今まで外務員が朝出勤してから一軒一軒に配達する郵便物を並べておりましたものを、ある程度のところまでは機械がやっておいてくれますので、それを点検してから配達に出かけているということで、従来よりも早く出発ができる。そして、一定の勤務時間の中で勤務を終了するわけでありますから、労働時間そのものは延びないわけでございますが、配達にたくさんの時間を割くことができるということで、トータルとして八千人の職員の減員ができるということでございますが、二月二日を挟んでのしばらくの間は多くの局でやはり混乱があったように私も承知をしております。今まで持っていた配達区とは違って、もっと広くなった新しい配達区を職員が担当いたしますので、時間をかけて訓練はいたしておりますけれども、実施に当たりまして今までよりも一時間ないし二時間の超過勤務をするというようなことが現実にあったということは承知をしております。 ただし、二月二日以降既に一カ月を経過いたしまして、おおむね混乱と言えるような状態はなくなっておるというふうに承知をしております。
○上田耕一郎君 今言われたように三十年ぶりの新しいシステム導入で、私たちも関西、それから東京の幾つかの郵便局で聞き取り調査をしました。 現場はとにかく大混乱だったというんですね。区分機は一時間に三万六千通処理するというんだけれども、二枚はがきがくっついて出てきちゃうのがある、バーコードの読み取り不正確、横書きしたはがきが逆さまに出てくる、誤区分がある、それから出すところから受けるところまで大体三回から五回読み取り機にかけるので、破損が甚だしい。特に料金受け取り払いの郵便物はもう完全にお手上げになっちゃって、もうこれは一日おくれでいいということを決めた局さえ出ているというんですね。ですからこれは、今言われたように、どこでも一時間、二時間、今まで以上に超過勤務になっちゃったんだから。配達はおくれるし、大変な混乱が生まれているというんですね。 それで特に問題なのは、約二割配達区域を拡大した。一人で配達する区域を一・二倍に広げた。定員を減らし始めたんです。だから、定員は減るわ、東京のある局は二十七名集配課が減り、ある局は三十名減る。それで区域は一・二倍になっちゃったんだから、もう一時間、二時間の超過勤務という状況で、大変な混乱が起きたというんですね。一カ月たって少し改善されたと局長は言われたけれども。 そこで、一カ月たって改善されたと言うけれども、少し改善されつつあるのは、この減員が三月三十一日付発令なので、まだ現場にはいらっしゃるわけです。だから何とかなっている。三月三十一日にこの大幅減員を一挙にやりますと、私はまた労働者にも国民にも非常に大きな被害がもたらされる危険が強いと思うんです。 郵政産業労働組合中央本部は申し入れ書をそういう状況の中で行われています。「一、システムが定着するまでの間は、減員や配置転換を行わないこと。」、三月三十一日付で非常勤職員を全部解雇するんです。「非常勤職員の一斉解雇を中止し、システム安定までは充分な要員措置を行うこと。」、「七ケタ番号記載率の向上、区分機の性能の向上、システムヘの職員の習熟度の向上、区分、道順組立の統一のやりかたの見直し等々諸条件の進展に見合った無理のない移行計画とすること。」。まだまだありますけれども、私は、この三項目は三十年ぶりの移行の中で生まれている混乱を広げないためにどうしても必要なことだと思うんです。 これは大臣にお聞きしなきゃいかぬな。大臣、どうですか。局長はなかなか言わないだろうけれども、やっぱり減員問題については現状を把握して適切な措置をとる決断が要るんじゃないでしょうか。大臣お願いします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 新郵便番号制実施後の現在の郵便局の業務運行は、上田委員からも一カ月たってという話もございましたが、おおむね順調であるというふうに認識をいたしております。 郵便局における減員につきましては、新型区分機の導入後十分な準備期間を設けて計画どおり三月三十一日に実施する予定でございます。新郵便番号制の導入は長期にわたって郵便料金を据え置くために不可欠な効率化施策であるというふうに思っておりますので、確実に計画を実施していくことが必要であると認識をいたしております。
○上田耕一郎君 どうも計画は認識しているけれども、現場の認識は極めて足りないですよ。机の上でお仕事するんじゃなくて、本当に現場の労働者の声、職員の声、また局長、課長の声もよく聞いて、大臣として混乱が広がらないようにしていただくことを要望したいと思います。 次は、一〇四の問題です。これも先ほど質問がありました。公共料金の値上げとしては実に異常な値上げ率です。現行三十円、一年経過後は六十円だから二倍です。二案内目は六十円が九十円になる。使えば使うほど安くなるのが普通なんだけれども、この一〇四の場合には使えば使うほど高くなるというんだから、これもどういう頭の構造になっているのか不思議に思います。深夜、早朝は六十円が一年経過後は百五十円になる。二・五倍ですよ。公衆電話三十円は百円になる。これ三倍以上です。公共料金の値上げで二倍とか二倍半とか三倍以上なんというのはどこにもないです。極めて異常な値上げです。 しかも、NTTは九七年三月末の経常利益三千六百六十億円、内部留保五兆八千億円、最も経営状態のいい企業体ですよ。そこが公共料金の極めて異常な値上げをやって、それを審議会が答申し、郵政省はそのまま認める。これは本当にどうかしていると思うんですね。 何でこういうことをやるのか。私は電話案内の料金の性格の認識がここで一番問題になってくると思う、審議会の答申見ても。皆さん知っているように、九〇年十二月まではこれは百年間無料だったんです。無料だということは、基本料金に含まれているので当然のサービスだと認められたということだ、ユニバーサルサービスのために必要不可欠なんだと。 私は障害者問題の責任者をやっておりますけれども、視力障害者は免除の措置もとられてはいるんだけれども、視力障害者にとっては一〇四というのはもう食堂のメニューと同じだと、番号帳読めないんだから。電話をかけるのは全部一〇四を使わざるを得ないんだということを言っておりましたけれども、一般の人にとってもそうなんですよ。 大体、電話案内帳というのは自分の局の周辺しか来ていないんだから、全国の電話番号を知ろうと思ったら一〇四へかけるしかないでしょう、あるいは手紙を出して向こうに教えてもらうとか。そういうことをやらなかったら、使っている人はパーセンテージが少ないなんて言っているけれども、一般の国民も、これは電話番号帳を見ようと思ったって電話番号帳は近くのしかないんだから、全国の電話番号を知ろうと思ったら一〇四しか使えないんですよ。だから、九〇年までは無料だったということは、ユニバーサルサービスの一環だ、そういう認識だったと思うんです。今ではどうなんですか。 これも大臣だな。大臣、この電話案内業務というのは法律で決まっているユニバーサルサービスの一環だとお考えになっていらっしゃらないんですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 番号案内サービスは、非常に公共性の高いサービスである電話サービスを受けるために必要なサービスであるので、基本的には電話と同様公共性の高いサービスであるというふうに認識をいたしております。 ただし、その料金につきまして、今いろいろ御指摘があったわけでございますけれども、現在約九百五十億円に上るこの分野で赤字を抱えておりまして、また今御指摘もございましたように、全体の八〇%以上の人が月に一回しかこのサービスを利用しないなど、利用に著しい偏りがございますので、利用者間の負担の公平を図るという観点から、いわゆる独立採算制という原則のもとに収支相償するよう設定することが適当であると考えているところであります。
○上田耕一郎君 大臣は、電話と同じようにやっぱりユニバーサルサービスの性格が強いと言われる。 ところが、この問題を審議した電気通信審議会の電気通信事業部会長の園山会長が、これは東京新聞二月二十八日付ですけれども、「番号案内はユニバーサルサービスではない」、こう断言しているんですよ。なぜこうかというと、これも郵政省はちゃんと文書で、「番号案内サービス自体で収支相償を図ることと考えている。」、つまり独立採算にしちゃったわけですよ、番号案内は。今も九百五十億の赤字だという。だから、ユニバーサルサービスの一環で基本料金に含まれていて昔はただだったものを取り出して、そこだけ計算して独立採算だと。だから、園山さんは「番号案内はユニバーサルサービスではない」とこう言わざるを得ないんですよ、独立採算にしちゃったんだから。 それで、しかもこの独立採算も非常にいいかげんで、郵政省の文書には、「番号情報の便利な知得手段として年間約八・四億回利用がなされている。」と。一〇四かけたら電話をかけるわけですよ。最低十円は使うでしょう。そうすると、八・四億回に十円掛けたら八十四億円収入があるでしょう。そういうものは一切計算しないんだから。かかったものだけこういうふうにしている。私は、やっぱりユニバーサルサービスを崩壊させようとするものだと。大臣はユニバーサルサービスの性格が強いと言われたのに、実際は、審議会は独立採算制というものをNTTの中に持ち込んでユニバーサルサービスを否定した、こういう問題。それを郵政省はそのまま追認したんだから、郵政省自身が方針の転換をしたと言わざるを得ないと思います。 もう時間が参りましたので、最後に、この収支状況について質問をしたいと思います。 収支見通しをいただきました。先ほどの平成八年度九百五十七億円の赤字の問題もいただきましたが、番号案内を全部業務委託に回しちゃっているわけですね。私、現場に行って聞いたときに大体人件費は三分の一になりますと、そういう返事を局長から聞いたことがあります。人件費を三分の一にするということですね。 それで、どうなんですか、料金改定後の番号案内収支見通しで、営業費用六百十億円、そう書いてあります。物件費と減価償却費、これがもし前年度と同額だとすると五百四十六億円になりますが、六百十億円から五百四十六億円を引くとわずか六十四億円しか残らないんだけれども、業務委託をずっとやって、それまで人件費というのは平成八年度八百七十億円となっているんだけれども、業務委託すると、どうなっているんですか、どこからこの人件費が出ているんですか、物件費の中に入っているんですか。これをお答えいただきたい。
○政府委員(谷公士君) 委託をいたしますと、委託費ということで、人件費ではない支払いになっておると思います。 今指摘されました数字は、全面的な業務委託の前におきましても部分的な事務の業務委託を遂行してきておりますので、そういう意味で若干ここ一年ぐらいこの数字が動いてきております。 それから、来年度の見通しにつきましては、今六百十億円とおっしゃったわけでございますけれども、さらに委託が進みますので、人件費の関係の部分については、九百五十億円の赤字の分の八百億円に相当という部分でございますけれども、この部分は解消するわけでございますが、料金の改定が年度をまたがって行われますものですから、一遍にはこの年は赤字を解消することにはなりません。十一年度になりまして収支相償になるということになるわけでございます。
○上田耕一郎君 これもやっぱり世論の批判は強いです。 例えば東京新聞、「仁義なきNTT商法」、「競争分野は値下げ、」。そうでしょう、競争分野はどんどん値下げしているでしょう。「独占は値上げ」というんですよ。番号案内は独占だから二倍、三倍の値上げを平気でやる。「公共性より収益性優先」だというんです。 本当にNTTはもうけ本位になっていると思うんですね。携帯電話への通話も、つながらないときでも二十円取るんですよ。表示サービスを拒否している方に電話が通じなくても、電話料を二十円取るんですよ。そういうふうに本当にNTTは今やもうけ本位。 私は、以前に指摘したんだけれども、国際的な事業展開のお金を取るために国内の国民に負担をかけていろんな形で金を集めているんです。この一〇四の値上げ問題もその典型だと思うんです。 そういう意味では、郵政省がNTTのもうけ本位のやり方をそのまま承認するという情けない態度をとらないで、国民のためのユニバーサルサービスを非常に大事にする基本姿勢をあくまで堅持して今後やっていただくよう、局長にも大臣にもお願いしたいと思いますが、局長、大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(谷公士君) NTTにつきましては、経営形態といたしまして、営利企業であります株式会社の形態をとっておりますけれども、もともと設置につきましては法律で目的と責務を与えられている公共的な法人でございます。しかも、NTTにつきましては、電話サービスの基本になります市内のネットワークを事実上ほぼ独占している事業体でございます。そういった公共的な立場をもちろん十分わきまえて事業を遂行していただくということは当然だろうと思います。 ただ、経営形態といたしましては株式会社形態をとっておりますので、それは適正な利益というものは当然必要になるだろうと思っております。
○上田耕一郎君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今答弁がありましたように、やはり公共的な面と同時に株式会社という側面があるわけでございますから、そこら辺を、諸般の事情、情勢、また国際情勢、国内情勢、いろいろ変わるわけでございますけれども、適切に判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 終わります。
○戸田邦司君 私は、主として電気通信関係についてお伺いしてまいりたいと思います。 最終質問者ということで、余り得な立場ではありませんで、早く終わらないかと皆さん思っておられると思いますし、それから繰り返しの質問をすると非常に嫌われる。私も繰り返しの質問というのは随分受けたことがありますので、そういうことはできるだけ避けていきたい。国がひっくり返るとか、人倫に著しくもとるとか、そういうようなことを除いては繰り返し質問はしないように努めてまいりたいと思っております。 まず、最初の問題でありますが、先ほどの社会民主党の及川委員、前政審会長でもありますが、御質問を非常に興味を持って、また重大な関心を持って聞かせていただきました。本予算通過後速やかに補正予算を組むというような話が巷間正々堂々と議論されているというようなことでありまして、先ほど及川政審会長も、天真らんまんといいますか、非常に率直に、本予算組み替えをやるのかあるいは補正をやるのか、そういうことがあるだろうと思うけれども郵政省としてはどういうような分野にそういうような可能性があるかというような御質問だったように受けとめておりまして、私も同じような質問をしようかと思っていたものですから、おやおやという感じで聞いておりました。 公共事業の大型補正というのは、実は村山内閣で十四兆円の補正をやったことがあります。この場合、十四兆全額が公共事業だったわけではありません。ただ、その相当部分が公共事業であったと記憶をしておりますが、公共事業を単年度で大きく突出させますといろんな弊害がある。これは公共事業でありますから、それなりに景気刺激効果を求めてやっていることになるだろうと思いますが、あのときを契機に建設業界は業者が非常にふえた。それから従業員ももちろんふえている。しかし、それが毎年同じようなレベルであれば余り問題ないのかもしれませんが、その後、予算の削減を図ってきているというようなことになりますと、現在の建設業界の不況感といいますか、倒産数がふえている、特に中小においてそういうような現象が見られるということは、こういうようななだらかじゃない予算を組んだことも非常に大きな影響を与えているかと思っております。 山崎政調会長のお話によりますと、減税は効果がない、さらに従来型の公共投資は効果が疑問である、これから新しい社会資本の整備、なかんずく情報通信とかあるいは科学技術とかそういうところで十兆円ぐらいの予算を組んでいきたいような意向を表明しておられたように私はお伺いしましたが、もしこういうような補正を組むとなれば、郵政省関係でどれくらいの額が対応の適切な値だと考えておられるでしょうかということをまず最初にお伺いしておきたいと思います。 大臣、大ざっぱな感じでよろしいです。
○国務大臣(自見庄三郎君) 戸田委員にお答えをいたします。 政府といたしましては、現段階においては平成十年度予算の成立が最重要課題でございまして、景気回復のためにも現在の平成十年度の予算を一日も早く成立をしていただきたいということを国会の方にお願いしておるわけでございまして、そういった立場でございますから、補正予算については具体的にコメントする立場にないということを御理解をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 ただし、一般論として申し上げれば、私は情報通信は一粒で三度おいしいということを就任のときも申し上げたわけでございまして、それは、戸田委員御存じのように、まさに景気の回復に大変有効でもございますし、また、今高度情報通信社会ということでございまして、大変雇用の拡大にも効果がございます。また、この情報通信あるいはマルチメディアというのは人の生活様式あるいは個人のいわゆる人生観、また企業の経営のあり方、また行政のあり方あるいは社会のあり方そのものを変えてくるような大変大きな原動力になる、こう思うわけでございますから、一般論として申し上げれば、情報通信はまさにそういった分野の大変大事な国の最重要分野の一つであるというふうに私は認識いたしておりますので、今の先生の御意見を踏まえて情報通信の発展のために努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○戸田邦司君 補正予算関係について、先ほど及川委員からお話がありました点、自民党政調会長の公表なさっている点を考えますと、政府・与党内で相当そういう向きで動いているのかなという感じを受けざるを得ないと思います。その問題で特別揚げ足を取るとかいうような気持ちはありませんで、郵政大臣の前向きに高度情報化社会に取り組んでいきたいという御意思を確認させていただいたと感謝しております。 次に、高度情報化社会の中身といいますか、高度情報化社会というとこれは一般の人には非常に難しい感じで受けとめられる。そういうことで、郵政省も、高度情報化社会というのはこういうことなんです、それに対して国はこういうことをやっていかないとならないんですというようなことを易しく説明していく義務があるのではないかと思っております。 先ほどの議論の中でも、波及効果がどれぐらいあるかというような議論もありました。波及効果、乗数効果といいますか、そういった点はなかなか難しいのかもしれません。すべてが右肩上がりのときにはそういうような数値も出しやすいのかもしれませんが、現状のような経済情勢の中でそういう数値を出していく、産業連関なんという大変な作業をしないと出てこないような部門ですが、日々大ざっぱにこれぐらいのところではないかということを把握しておいていただいて、そういうこともにらみながらこれからそういうような社会資本の整備を進めていくということになるかと思いますが、具体的に、どういうような高度情報化社会を考えればどれぐらいの資金量が要るんだろうか、これは具体的にと言っても数値がすぐぱっと出てくるような話ではないと思いますが、大ざっぱに考えてこれぐらいの資金量が要るんじゃないかということがわかりましたら、ひとつ教えていただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) ただいまの御質問で、私ども、高度情報通信社会といいますのは、情報知識の自由な創造、流通、あるいは共有化を実現する新たな社会経済システムであるというふうに認識をいたしております。 先生ただいま数字を挙げてということでございましたが、私どもといたしましては、こういった通信・放送の基盤を支えます通信・放送産業界の設備投資というのがこれから将来のマーケットを占う一つの大きな要素であろうかと思いますが、一九六〇年度の段階では約四兆九千億円の設備投資が通信・放送産業界で行われております。これを見ますと、少し性格を異にしておりますのでリース業を除きますと、業界別には第一位になったというようなこともございます。 それから、昨年の六月、大臣に電気通信審議会からいただきました答申は、二十一世紀の冒頭といいますか二〇一〇年ごろを意識していろんな試算をしていただいておりますが、二〇一〇年度には約七兆二千億の設備投資が行われるであろうといったような予測等もございます。そういう面では、この推計の根拠となりました一九九六年度から二〇一〇年までを設備投資の推計を累計いたしますと、約八十六兆円がずっとこの設備投資として行われていくだろう。トータル八十六の累計ということで、二〇一〇年の段階には七兆二千億の設備投資が行われる。その際には、マーケットの関連は百二十五兆の市場になるであろうということやございます。これには電気通信事業者あるいは放送事業者の売り上げに加えまして、コンテンツ産業、これは情報の自由な流通ということですから、二〇一〇年ごろにはその売り上げの内容は五五%程度がコンテンツ産業というところではなかろうかという推計もございます。 こういった状況で、百二十五兆というマーケットを意識した全体の動きというものがこの情報通信の世界で進んでいくであろうというふうに認識をいたしております。
○戸田邦司君 これからの社会で経済の成長をどう考えていくかということについては、現在非常に見通しがしにくい分野ではないかと思いますが、そういった中でそれだけの市場を見ているということは、我が国の将来の経済活動にとって非常に大きな分野になり得る可能性があるということではないかと思っております。 この社会資本整備につきましては、今まで一番大きく欠落していた部分は、どれくらいの投資をして、それで社会資本としてどれぐらい残ったか、そういう社会資本の評価、これが余りはっきりと行われていないというか、ほとんど行われていないところに一番大きな問題があったのではないかと思っております。 ですから、新社会資本の整備にしましても、それだけ予算を投入して、それで場合によっては建設国債、赤字国債で補っていくというようなことがあるかもしれませんが、そこを国民になかなか説得できないのは、これだけの資産が残ります、これだけ有効に活用されますというようなことを政府側がはっきりと言えなかったところが一番苦しいところだったのかなという思いがしておりますので、そういう点をひとつ御検討いただいて、今後のそういうような予算を組んでいく場合にしても国民にわかりやすく説明できるようにすべきではないか、こう思います。これは郵政省だけの話ではありませんぞ、先ほど運輸省との質疑もありましたが、そういう問題があります。 そこで、郵政関係といいますと、今高度情報通信社会一つを考えてみましても、非常に活発に新たな産業が起きてくる可能性がある。消費が伸びない中で、そういう新産業分野で新しい活動が出てきている、出てくる可能性がある、そういうことではないかと思います。わかりやすく言えば宝の山ではないかと思います。 そこで、ベンチャービジネスなども含めて最近かなりの動きにはなっておりますが、大型ベンチャーなどは割合大資本がバックアップして進めやすいところがあるかと思いますが、アメリカなんかと比べてみましても、小型のベンチャーといいますか、非常に将来性はあるけれども余り大きな市場を形成するとは思えないような分野、あるいは小さな会社がこれからベンチャーに乗り出そうとしている場合、そういった場合になかなかベンチャービジネスといっても振興が難しい点があるように私は受けとめておりますが、郵政省としてこういう新分野、新産業分野の育成ということについてどのようにこれから対応していかれるか、お答えいただければと思います。
○政府委員(木村強君) お答え申し上げます。 先生の先ほどの御質問に対しまして、私、設備投資の額を申し上げましたが、約四・九兆、四兆九千億円と申し上げましたのは一九九六年度でございまして、これが最新の統計でございます。リースを除き業界実質第一位になった年度というのは一九九六年ということで、もし間違った年度を申しておりましたら失礼でございますので訂正をさせていただきます。 それから、今先生から御指摘ございました新産業が起こる場合にというお話でございますけれども、この分野は技術革新が非常に激しい。アメリカ等の状況を見ておりましても、NASDAQで二十社のうち十数社がもうこの情報通信のベンチャー関係が占めております。情報化投資もアメリカは非常によろしゅうございまして、そういう面では、今のアメリカの非常に長い景気持続の原動力は情報通信であると言っても過言でないような状況であるというふうにも承っております。そういう面で、この情報通信というのは非常に期待をされる分野だという認識で私どもも取り組まなければいけないと思っております。 しかし、ニューベンチャーというのはここの情報通信分野が非常に起こり得る分野ということではありますけれども、日本の場合に、なかなかアメリカと違って国情の相違がございまして、新しい情報通信技術は大企業がこれをとって先手を打ってやっていくというような体質等がございまして、なかなかこれから事業を自分で起こしてやっていこうというものが育ちにくい環境にあるということでございます。 しかし、大変宝の山の部分もあるということでございまして、私ども行政としましても、このベンチャーの環境を整えていこうということで、資金面であるとか人材面であるとか、それから経費の面であるとか技術の面であるとか、いろいろと環境を整えてまいりました。さきの通常国会におきましても、ストックオプション制度というものをこの場でも御審議いただきまして導入をしていただくようなことになりました。その後、一般の商法改正ということで全体に及んだわけでありますけれども、そういう面でも先導的な分野でもあるという認識で取り組んでおるわけであります。 私ども、特にこの新しいベンチャーを育成していくというのは、それぞれいろんな施策を講じてまいりましたけれども、まだ実感としてはもう一つという感じもいたしておりまして、実は産学官の連携、これに一つ焦点を合わせてやっていったらどうかなという今実感をいたしております。もちろん資金面、それから技術面、人材面、大切でございますけれども、全体を見る中にもどれか一つ特に特徴を見てやっていこうということで、平成十年度におきましては地域提案型研究開発制度というものを創設いただくようにしてございます。現在、御審議いただいております平成十年度の予算案の中にもこれを入れておりまして、企業、大学等が研究開発の段階から一緒になって地域からわき起こってくる、こういう研究制度をひとつつくってみたらどうかといったようなこと。 それから、平成十年度の税制改正にいたしましても、ネットワークを対象といたしました産学共同研究に関しまして税額控除を認めていただこうということで、ネットワーク産学共同研究促進税制といったようなものも新たに創設をいただきました。 そういったことで、今後はベンチャー企業と大学の連携といったようなもの、大企業ではなかなか実現しないような創意工夫に富んだ魅力あるサービスが実現するように引き続きポイントを合わせて頑張ってまいりたい、このような問題意識を持っております。
○戸田邦司君 この面は大変重要でありながら、なかなか難しい問題でありまして、銀行が融資するにしても中身を正しく評価できないようなこともあるようですし、また場合によるとそのベンチャーの本質的な部分がほかに漏れていく、そういうような危険もある、そういう点からいうと非常に難しい分野だと私も思っております。 また、立ち上げは国がいろいろバックアップしてやるとか、あるいは地方公共団体がバックアップしてやるようなことがあるにしても、できるだけ早く自立させて育てていかなければならないんですが、一方で、できるだけ規制はないようにしておかなければならないというような点があって、非常に課題が多い問題ではないかと思います。ひとついろいろ御研究をいただいて、今後のベンチャーの育成に努めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 次に、実は三月八日付の日経新聞を見ておりましたら、通信市場の新規参入問題で、新規参入者がNTTの通信網利用料として払ういわゆる接続料金をめぐって、米国政府が日本に新たな要求を突きつけていると。日本の接続料金が非常に高いということもあって、これを大幅に引き下げるか、あるいはアメリカ市場への参入について自粛してもらいたいということだと、こう書いてあります。 事実とすれば大変けしからぬ話でありまして、しかしアメリカならやりかねないという問題ではないかと思います。これは、次のサミットまでに日本側が結論を出すように求められているということだそうですが、私もUSTRと長い長い交渉をしたことがありまして、時に非常に理不尽なことを言ってくる。非常に忍耐の要る交渉であるかと思います。筋をきちっと守ってやっていかないと、連中はまた日本は押せば引っ込むなんというようなことを考えるようであると非常に困ると思いますが、この交渉の話し合いの実態と、今後これはどんなふうに進展していく見通しをお持ちになっておられるか、お話しいただければと思います。
○説明員(田村正衛君) 御指摘のとおり、三月四日、先週でございますけれども、日米の規制緩和の上級会合がとり行われました。 電気通信分野につきましては、アメリカ側から、御指摘のとおり接続料の算定方式について長期増分費用方式を導入することを五月までに決定してほしい、また実施についても年内にやってほしい、こういう要求がございました。 アメリカの指摘を待つまでもなく、接続料の問題というのは我が国の電気通信分野の競争状況の進展に密接に関連する非常に重要な問題でございまして、昨年既に国会で御審議いただきまして電気通信事業法を改正して、接続に関するルールを整備したところでございます。この中で、接続に着目をした特別な会計を設け、これに基づいて適正な接続料を算定するという仕組みを設置したところでございます。 アメリカが言っております長期増分費用方式というものは、諸外国におきましてもまだ確立した方式はないというふうに承知しておりまして、私どもとしてはこの問題については非常に多角的な検討が必要なのではないかというふうに考えております。 したがいまして、既に研究会を設けまして現在検討中でございます。特に、長期増分費用方式を計算するモデルを作成しようということで、今作業を行っております。そのモデルを作成するには多少の時日を要しますし、今申し上げましたとおり、特別な会計の結果が出るのがこの平成十年度からの会計でございまして、これが出てくるのは十一年度に入って出てくるということでございます。両方を考え合わせますると、非常に順調に進みましても、やはり平成十一年度末までに行えればというのが我々の考えでいるスケジュールでございます。 アメリカは、長期増分費用を入れているというふうに言うわけでありますし、安いというふうに言っておるわけでありますが、私どもが見ておる限りでは、アメリカも、国の大きさが違いますので日本と一概に比較することは難しいと思いますが、対応によってはアメリカの方が接続料が高くなるという部分もあるというふうに承知しております。 また、アメリカではもう既に長期増分費用方式を入れたというふうに言っておりますけれども、それは州のレベルで幾つか入れたところがあるということと、それから州をまたがります通信につきましては二〇〇一年を目途に入れるというようなことで、我々の感覚からすると一体のものとして取り扱わなければいけないものをある部分については先延ばしをしておる。それから、連邦レベルといいますか、この考え方はFCCが出したわけでありますけれども、このことについて裁判所に訴えた会社もございまして、差しとめになっております。 そういったことも先般の上級会合ではアメリカの実態やいかにというふうに私どもの方で問いかけて情報を求めておるところでございます。 NTTの海外進出とこの接続料の問題は何ら関係づけるものではございませんでして、WTOで既に合意が出ております基本電気通信合意、この精神にももとるものではないかというふうにも考えております。 今後の成り行きといたしましては、我々が投げかけたものに対するアメリカの返答もございますし、出方を見ながら、先生御指摘のとおり筋を通しつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○戸田邦司君 国際間の交渉といいますと、省によって若干色彩が違うのかもしれませんが、今は知りませんが、数年前ですと、どうも郵政省は弱いんじゃないか、郵政省なら押せば引っ込むんじゃないかというような感じを彼らが持っていたようなことがありまして、そういう意味でもひとつ筋を通して交渉していただければと思います。 きょうは、あと技術開発関係などにもひとつお話しいただこうかと思いましたが、時間も参りましたので、その課題は機会を改めましてまたお願いしたいと思います。 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(川橋幸子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時一分散会