経済・産業委員会 第11号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/05/12
会議録
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十三日、清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。 また、同二十四日、阿部正俊君が委員を辞任され、その補欠として倉田寛之君が選任されました。 また、昨十一日、加藤修一君及び斎藤文夫君が委員を辞任され、その補欠として但馬久美君及び山本一太君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(吉村剛太郎君) 大規模小売店舗立地法案及び中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。堀内通商産業大臣。
○国務大臣(堀内光雄君) 大規模小売店舗立地法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国の小売業は、需要面ではモータリゼーションの急速な進展と消費者の生活様式の変化により、また供給面では新たな業態の急速な成長等を背景に、大きな構造的変化を遂げつつあります。こうした中、単に規模の経済を追求するよりも、魅力ある商業集積の構築や情報化・システム化を進めることが小売業の競争上重要になっております。 一方で、周辺の地域住民を主要な顧客とし、地域密着性が高いという特徴を有する小売業が健全な発展を図るためには地域社会との融和が極めて重要であり、特に近年、大規模小売店舗の立地に伴う交通渋滞や騒音等の社会的問題への対応について要請が高まっております。 これらを背景に、事業活動の調整を行う現行制度の限界が指摘されており、社会的問題に対応し、新たな実効性ある措置を講ずることが必要となってきております。 以上のような観点から、大規模小売店舗の設置者がその周辺の地域の生活環境の保持のための適正な配慮を行うことを確保することにより、小売業の健全な発達を図るべく、店舗の新増設に際し、都道府県等が生活環境の保持の見地から意見を述べるための手続等を定めるとともに、その意見を反映させるための措置を講ずるため、今般、本法案を提案した次第であります。 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、通商産業大臣は、大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持を通じた小売業の健全な発達を図る観点から、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について指針を定めることといたしております。 第二に、大規模小売店舗の設置者が店舗を新増設する場合には、大規模小売店舗の施設の配置や運営方法等について都道府県等に届け出を行い、その内容を周知させる説明会を開催することとしております。 第三に、この届け出内容について、市町村、地域住民、事業者、商工会議所または商工会その他の団体等は都道府県等に意見を述べることができることといたしております。都道府県等はこれらの意見に配意するとともに、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、その周辺の地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることができることといたしております。 第四に、これに対する大規模小売店舗の設置者の対応が都道府県等の意見を適正に反映しておらず、その周辺の地域の生活環境に著しい悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難と認められるときは、都道府県等は、市町村の意見を聞き、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し必要な措置をとるよう勧告できることといたしております。さらに、正当な理由がなく設置者が勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができることといたしております。 なお、このような新たな実効性ある制度が施行されることに伴い、現行の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律は、本法で廃止することとしております。 以上が本法案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国の地域の発展の中で、中心市街地は、文化、伝統をはぐくみ、経済社会活動を展開する街の顔であり、これまでも重要な役割を果たしてまいりました。こうした中心市街地は、今後とも、快適で利便性の高い生活空間として、また、人、物、情報等の活発な交流による新たな経済活動の苗床として、豊かで活力ある地域経済社会の実現に大きく貢献することが期待されます。しかしながら、近年、車社会の進展、土地利用の効率化のおくれ、中心商店街の疲弊等を背景として中心市街地は空洞化が進行しつつあり、その再活性化は我が国が取り組むべき緊急の課題となっております。そして、この課題に取り組むに当たっては、土地区画整理事業や道路等の公共施設の整備と、中小小売商業を初めとする商業の面的な振興のための施策をあわせて実施することが不可欠となっております。 以上のような観点から、中心市街地について、地域における創意工夫を生かしつつ、市街地の整備改善と商業等の活性化を車の両輪として関連施策を一体的に推進するため、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、主務大臣は、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に向けた市町村及び事業者の取り組みに関する基本方針を定めることとしております。 第二に、市町村は、この基本方針に基づき、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化に向けた基本計画を作成することとしております。この基本計画には、本法律案に基づく措置を講じようとする中心市街地の位置及び区域、当該中心市街地において実施されるべき市街地の整備改善及び商業等の活性化のための事業の内容等を市町村が定めることとしております。 第三に、市町村の作成した基本計画に定められた中心市街地の整備改善等を促進するため、土地区画整理事業を活用した公共施設の整備促進、地域振興整備公団による施設等の整備、都市公園の地下駐車場の整備を円滑化する手続の特例、都市再開発資金貸付制度の拡充等の措置を講ずることとしております。 第四に、主務大臣の認定を受けた商業等の活性化のための特定事業計画及び中小小売商業高度化事業計画について、これらの事業を促進するため、産業基盤整備基金による債務保証等の実施、中小企業設備近代化資金貸し付けの特例、中小企業信用保険の特例、食品流通構造改善促進機構の業務の特例、道路運送法等の許認可の特例、通信・放送機構の出資、課税の特例等の措置を講ずることといたしております。 その他、国及び地方公共団体は、地域住民等の理解と協力を得るとともに、民間事業者の能力の活用を図るよう配慮し、また施策全般にわたり総合的かつ相互に連携を図ることといたしております。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 自由民主党の山本一太でございます。 本日は、商工分野のスペシャリストとして尊敬する同僚の平田耕一理事の御命令で交通・情報通信委員会から出向してまいりました。まだまだ深い勉強が足りない状況でございまして、きょうは大臣を困らせるような質問はございませんので、どうか御安心をいただきたいと思います。 時間的な制約もございますので、大店立地法とそれから中心市街地活性化法につきまして、幾つか基本的な質問をこれからさせていただきたいと思いますので、御答弁の方をどうぞよろしくお願いしたいと思います。 まず最初の質問ですけれども、御存じのとおり、大店法という法律は非常に歴史の長い法律でございます。昭和四十八年だったと思いますけれども、もともとは百貨店法を前身としてこの法律が制定をされたということでございまして、その非常に長い歴史の中で内外からいろんな批判にさらされてまいりました。御存じのとおり、そういう批判を受けて数次にわたり規制緩和を行ってきたわけでございます。特にアメリカ政府は、日米構造協議が始まって以来、この大店法は非常に悪法である、すなわち市場の自由な経済における需給調整措置ということで、もう一刻も早く撤廃をしろという要請をしてきておることは大臣もう御存じのとおりでございます。 九八年のUSTR、米国通商代表部の外国貿易障壁報告にも、「大店法は、」「輸入製品の販売経路として最も可能性の高い大規模小売店の開業、拡張、及び営業を制限しており、」と書いてありますし、あるいは「外国投資家及び輸出業者に対する障害となっている。」、さらには、「日本の消費者の利益も損なっている。大規模店舗の営業を規制することによって、小売業の生産性低下及びコスト上昇を招くとともに、国内新規投資を妨げ、結果的に製品やサービスの選択の幅を狭め、質の低下を招いている。」という、さんざんなことが書いてあるわけでございます。 この問題で、近年アメリカは、これはWTO違反だ、違法だという主張をしているわけですが、先般の通産大臣の御発言の中に、万一パネルが設置されるようなことになれば、どうも違法とされる可能性が高いというような話があったことは記憶に新しいところなんです。 最初にちょっとお聞きしたいんですが、こういう背景を受けて、今回の大店法の目的というものは先ほど大臣が趣旨説明の中でおっしゃった話だと思うんですけれども、これは見方を変えると、今の国際的な状況の中で、大店法で行ってきたような経済規制によるいわゆる大型店舗規制というものが時代の流れになかなか合わないということで、これを経済規制から社会規制とかあるいは環境面からの規制とかいうことに転換をすることによって、環境面というと多分交通渋滞とかごみの廃棄の問題とか騒音の問題とか、そういうことだと思うんですが、いわば欧米型のグローバルスタンダードの実現を図る、こういうような側面もあるように感じるんですが、その点についてまず通産大臣の御所見を例えればと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のように、今回の大型店に対する政府の政策の転換というものは、近年の小売業を取り巻く環境の変化にかんがみまして、現行大店法の限界を克服しようとするものであります。 第一に、現行大店法では立地の適否について判断する機能を有しておりません。また、都市計画体系等のゾーニング的手法の活用が不可欠になってきているというふうに思っております。 第二に、大型店の出店に伴う交通・環境問題に対して生活者としての住民の関心が大変高まってきておりますが、商業調整法たる大店法ではこういう周辺生活環境問題への関心にこれまた対応ができないわけでございます。 第三に、中小小売業の事業活動の機会の確保の観点からいいましても、経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、大店法による大型店の出店抑制を継続するには限界がございます。また、地域と地域との間の集積間競争が大変大きくなってまいりまして、大対中小というような、そういう対立の図式が崩れつつあるわけでもございます。 また第四番目には、これは先生の御指摘がありましたが、大店法を廃止すべきとの国内外からの指摘が存在いたしているということであります。 これらの点を総合的に踏まえまして、新たな実効性のある制度を構築しようとしたものでございます。 なお、大型店の規制については、多くの欧米諸国においても、生活環境や都市計画の観点から、地方自治体が策定する計画に基づいて規制を行っているというものが多くございます。今般の我が国の政策転換は、御指摘のように、国際的にも広く採用されている考え方、グローバルスタンダードに沿うものと認識いたしているところでございます。
○山本一太君 今の大臣の御答弁で、今回の政策転換というものが小売業をめぐる世界的な情勢の変化に対応した大変タイムリーなものだという認識を改めて深めたわけでございますけれども、今大臣のお言葉の中にゾーニングという話がございました。そしてまた、特に欧米においても、ゾーニング的な手法あるいは社会・環境面からの大型店の規制というものが世界の潮流であるというようなお話があったわけでございますけれども、別の点からこういう指摘をする方もおります。 それは、例えばドイツとかフランスとかイタリアとかベルギーとか、そういうところの都市計画法といいますか法律は、よく内容を見てみると、いわば経済規制みたいな形できちんと中心市街地を守り、あるいは中小の商店を守っているのではないかと。すなわち、経済的な規制と社会・環境面の規制と両輪で進めていくのが実はグローバルスタンダードではないか、こういうような指摘もあるわけですけれども、まずこの議論というものが正確なのかという点が一つ。 それから、先ほども申し上げたとおり、当然今アメリカはこの問題については日本をターゲットにしているわけで、すなわち経済規制、需給調整みたいなことは決して受け入れられないという主張をしているわけなんですけれども、これはヨーロッパに対しては特にこういう話はありません。ということはすなわち、今大臣からもお話があったとおり、例えばイギリスとかドイツとかフランスとか、そこら辺で行われているゾーニング手法というのはこれは経済規制に当たらないと。これは社会・環境面からの規制であるのかという点です。 この二点について御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(古田肇君) お答え申し上げます。 欧米諸国におきます大店関連の規制についての位置づけの御質問かと思うわけでございます。それぞれ各国いろいろな歴史的な事情でございますとか、土地利用に対する考え方でございますとか、差があるわけでございますけれども、例えば御指摘のあった米国について見ますと、地方自治体によるゾーニング制度により規制を行っておるわけでございますし、欧州におきましては、英国では都市田園計画法、ドイツでは建設法典と建設利用令によって、いずれも良好な都市環境の維持といった都市計画の観点から、地方自治体が計画を策定し、これに基づいて大型店についても規制を行っている、こういう実情にあるわけでございます。 それらの結果として大型店の出店が一定程度抑制されるということは当然あり得るわけでございますが、この場合も既存の企業あるいは業者を保護するというようなことが目的ではございませんで、あくまで都市計画の観点から一定の地域における商業の機能、活動を維持するということを目的としているというふうに承知しておるわけでございます。 したがいまして、需給調整等によるいわゆる経済的規制とは趣旨、目的を異にするのではないかというふうに考えております。
○山本一太君 わかりました。今の御説明でいうと、やはり日本の場合とは違うということです。 これはウルグアイ・ラウンド交渉のときもいろいろあったんですけれども、そこにこだわった理由は、海運であるとかあるいはオーディオビジュアルであるとか、日本とヨーロッパの立場が余り変わらないのに、ヨーロッパがきちっとした議論を立てて自分の立場を貫いたという例が幾つかあったものですから、そこの部分だけはきちっと違うということを一つ確認をしたかったということがございまして、大変明確な説明をいただいたというふうに思っております。 次の質問をさせていただきたいと思います。 今回の政策パッケージ、大店立地法と中心市街地活性化法とそれから都市計画法の改正というものなんですけれども、これは一番のポイントは、地方自治体のイニシアチブを尊重するということだと思います。 そうすると、さっき御説明の中で、結果としてその都市計画というかゾーニングが大型店の規制にもつながる、こういうようなお話がありました。自治体の判断によっては、かなりこの大型店の出店規制を強化するという方向になることも考えられるし、あるいは大幅に緩和するというケースもあると思うんです。それはこの法律の趣旨からいえば、地方自治体のきちっとした実情を反映して適用するということからはいいのかもしれませんが。 これは非常にシンプルな質問なんですけれども、この法律は基本的に規制緩和なのか、あるいは規制の強化なのか、そこら辺について改めて通産省のポイントを伺いたいと思います。
○政府委員(岩田満泰君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、今回の政策転換は、基本的に大型店の規制についてよって立つ観点を変えようということでございまして、経済的規制から社会的規制へとかいうようなことでございますので、規制の内容を強化するあるいは緩和をするということを一義的に意図して、あるいは目的を持って行っているものではございません。 しかしながら同時に、諸外国も、欧米諸国もそうでございますように、地域の街づくりと申しますか、そういうようなものは、地域の実情に応じ、それぞれの御判断、住民の総意、コンセンサスのもとでもろもろの街づくりをお進めいただくのが一番いいという考えでございますので、その場合の街づくりの中における商業集積の位置づけの仕方というものについて、地域において御判断をいただく。結果として、その地域の御判断が大型店というものの今後の立地について消極的なと申しましょうか、あるいは抑制的なことになることはあり得る。しかし、それを意図してやっておることではない。むしろ、地域の御判断によって街づくりをお進めいただくことが大事だと。また、その中に商業機能というものをどう適正に位置づけていただくかということが今後は一番大事なことではないか、こう考えておるということでございます。
○山本一太君 この点については幾つかフォローしてお聞きしたいこともあるんですが、時間の制約もありますので、次の質問に移らせていただきたいというふうに思っています。 今回の大店立地法の話については、例えば商工会議所とか商工会連合会とか商店街組合とか、いろいろな関係団体からさまざまな要望が出されているというのは御存じのとおりだと思います。 例えば、これから作成予定の指針についで、幅広い分野からいろんな関係者の意見を聞いてくれという話があったり、あとこれは法律の根幹にかかわるところだと思うんですけれども、本法の例の十三条の「地域的な需給状況を勘案することなく、」というこの規定が心配だとか、あるいは駆け込み出店についての対応も何とかしてくれないかとか、それぞれいろいろ問題点があると思うんです。 一つ一つお聞きしている時間もないので、そういう団体あるいは関係者の人たちの特に共通している懸念というのは、先ほど大臣の御説明の中にもありましたけれども、この法律がきちんと実効性を担保できるかどうかということだと思うんです。これも何回ももう議論が出てきているところだと思うんですが、改めてやはりお聞きしたいと思うんです。 これは大店立地法では、都道府県、政令指定都市が大型店の設置者に対して生活環境上の問題について意見を述べ、勧告を行い、もしこれに従わない場合はそれを外に出しちゃうぞ、つまり公表しちゃうぞと、こういうことになっているわけであります。勧告とか公表で本当に実効性が担保できるのかという話は今までずっとあったと思うんです。命令や罰則の導入が必要ではないかという話もありまして、命令、罰則ということになればかなり要件を絞らなきゃいけないとかいろんな問題はあると思うんですが、私も地元を回っていて商工会、商店街の方々から出てくるここがやはり一番ポイントなんで、改めてその点をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(岩田満泰君) 勧告、公表という措置だけで十分かという御指摘でございます。私ども、小売業というものの特性、つまり地域に密着した産業であるということを考えますと、やはりその地域の民意というものを都道府県知事なり政令指定都市の市長さんがお集めになり、その上に立って御意見を述べられ、そして出店計画の変更を求める、それに対して応じないというような場合には勧告もされる、しかしそれにも応じない、公表もされる、それでも平然としている。このような事態というのは、小売業の特性からいきまして競争力に大変影響を与えるのではないかと思います。その意味において、相当程度の実効性がこの勧告、公表制度についてあり得るのではないかと思っておるわけでございます。 今既に先生もお触れになった点でございますが、本法で対応しようとする措置の内容というのは、例えば環境問題一つとりましても、騒音や廃棄物や道路交通といったようなもろもろの既存の規制法というものが存在をしている上に、実は大型店出店に当たってはそうした既存の規制では十分でないと申しましょうか、それでは地域の住民の方々が満足されない、なおその生活環境が乱されるという問題が残るということで、一種の上乗せ的な規制をこの法律により行うことによりまして対応しようと、こういうことでございます。 そのために、出店者に対して自主的な対応を求めようということでございます。そうなりますと、一律の規制というよりはかなり、出店側の対応がどうであるか、また出店する場所がどういう状況であり、その周辺がどうなっているか、さまざまな事情が存在するであろうと思っております。その意味において、対応すべき内容というのもケースにより大変幅の広いことになりましょうし、具体的な対応策についていえば、実情に応じたかなり柔軟な対応が必要だろうということでございます。 確かに、現行の大店法には命令、罰則という規定が置かれておるわけでございます。大店立地法を御提案申し上げるに当たりまして、命令、罰則のない法案として御提案しておるわけでございますけれども、その意味では、命令をする以上、罰則という担保が要る、これはセットとして必然だろうと思います。そういう罰則が科し得るということになりますと、ある県ではその内容が罰則の対象になるけれども、隣の県ではならないというようなことになるのは不適切であろう。そうなりますと、御指摘のようにかなり構成要件を厳格なものにしないといげない。構成要件を厳格にするということは、逆に言うと結果としてもろもろの調整をすると申しましょうか、あるいは議論をする、大型店のサイドにいろいろと配慮して対応してもらわなければならない事項の範囲が限定されてくる、そういう問題があるということを私ども議論いたしました。 一つの選択の問題ではあるわけでございますが、できるだけ幅広い項目について地域の事情に応じて柔軟に対応できるシステムというものを用意した方がいいだろうということで、勧告、公表ということをもっても相当程度の実効性が期待できるということで、今回このような御提案をさせていただいているということでございます。
○山本一太君 今のお話、自治体の実情によってかなり要件に幅があって、これは柔軟に対応しなきゃいけないというのは確かにおっしゃるとおりだと思いますし、今御説明にあったように、やはり小売業というのは信用が命ですから、これだけ文句が出ているのに全然従わなかったということを公表するということはかなり効力があるかなという感じはするんです。 例えば、法律が施行されて、場合によってはそんなこと公表されても構わないというようなアウトローがどんどん出てきて、私みたいにどっちかというと反権力みたいな大型店が出てくると、どんどん何かマイペースでこういう勧告に従わないみたいな、そういう問題が本当に出てきた場合には、やはり第二、第三の措置を講ずることは必要だと思うんです。今の段階で、そういう話があったら見直すというふうに踏み込んでおっしゃるのは難しいと思うんですけれども、もし状況の変化が出てきてこの公表のシステムが余り動かないということになれば、そこら辺のところは少し次の対策を考えるようなお考えはあるのか、それをお聞きしたいと思います。
○政府委員(岩田満泰君) 先ほど御説明申し上げましたようなプロセスを経て私どもも御提案をいたしたわけでございますが、その中でも最大限どのような法的な手当てがこの法律の中でできるかということでいろいろと検討いたしました。 その結果、この法律に基づきます勧告というのは、まさに公正で透明な手続を経て民意を反映した意見というものが出されて、それを実現するために勧告というものは行われるわけでございますので、出店者というものは都道府県等から出されます意見、こういうものを尊重して対応することが強く望まれるものと考えております。 そういう意味におきまして、本法案の九条四項におきまして、「都道府県から」「勧告を受けた者は、当該勧告を踏まえ、都道府県に、必要な変更に係る届出を行うものとする。」という規定を置いております。全く異例とは申しませんけれども、通常の勧告、公表制度のような場合、勧告ができるという規定で普通終わりますけれども、勧告を受けた者がどう対応すべきかということを「必要な変更に係る届出を行うものとする。」という規定を置かせていただきまして、ある種強い方向性を持って勧告に対しまして対応するということを規定いたしておるところでございます。その意味で、こうした勧告というものが重たい意味を持つということの趣旨を、今後私ども、この法案を成立させていただきました暁には、広く関係者に対して周知徹底をし、同時にその運用状況についてしっかりと注視していきたい、このように考えておるところでございます。
○山本一太君 今の段階では今の御答弁が多分もう精いっぱいのことだと思うんですが、一応地元の中小商店の方々からはこれについて非常に懸念といいますか、この点について大変心配しているということはぜひ胸に置いていただきたいと思いますし、これについてもしそういう状況が現出すれば必要な措置をとっていただくことを私の方からも要望申し上げたいというふうに思います。 時間の関係もありますので、中心市街地活性化について一言触れさせていただきたいというふうに思います。 もうこれは申し上げるまでもなく、中心市街地の凋落というものは全国的な現象でございまして、特にその中で商店街の衰退というのは非常に悲惨な状況になっているというのは大臣も御存じのとおりだと思います。商店街によっては、みずからソフトやハードの知恵を出しながら生き残りを模索しているところなんかもかなりあります。通産省の本かどうかわからないんですけれども、「元気のある商店街一〇〇」という、通産省が出した本としては珍しく売れているというお話を聞きました。これをきのう私、ちらちら見ておりましたら、私の地元の群馬県でも高崎の名店街とかあるいは渋川の駅前商店街とか幾つかの違う機能を持ったストリートといいますか、通りを融合する形でイベントをやったり、コミュニティー施設を利用して人を集めたりと、そういうところはあるんですけれども、全体としてはなかなか思い切った決め手がないという状況ではないかというふうに思います。 大臣、私は実は地元のFM番組で自分の番組を持っておりまして、毎週土曜日二十分、大変なんですけれども、環境問題から始まっていろんな政治問題を取り上げて、私より若い世代をスタジオに集めて、「山本一太のシンプル・メッセージ」という番組なんですけれども、自分のつくった曲まで流しているんです。そういうことをやっておりまして、その中で、よみがえれ高崎商店街キャンペーンというのを始めました。 そこで、若い世代をみんなスタジオに呼んで、君たちはみんな買い物どこに行くかと聞いたら、やっぱり七割ぐらいの人が車を飛ばして大店舗の方に行くんです。それで、商店街のよさは何だろうという特集をやったんですが、よく言われることですけれども、サービスのきめが細かいとか、あるいは対面販売でいろんな話をしながら、おたくの子供が生まれたそうだねみたいな、そういう懐かしさがあるというような話の反面で、別の意見が出たのは、品ぞろえというものをちゃんとしてほしいと。すなわち商店街の方もいろいろ工夫して、例えば靴だったらあそこに行けば全部そろうとか、政府の方でもそういう基盤をつくるための支援は進めていただいているんだと思いますけれども、そういう話があったり、あるいは勤めによっては時間が遅くなる人は、みんなシャッターが閉まっているじゃないか、そこら辺の営業時間も工夫してほしいというような話もございました。 今、私はそうした人たちの考えを聞いて、パイロットで余りお金をかけないで、いわば若い人を呼ぶためのエンターテインメント空間というのを考えています。お金をかけなくても、商店街にエンターテインメント空間という言葉が一番あれなのかなと思うんですけれども、そこに若いカップルが来たいとか、あるいは何かそこを通るといいなという、少しちょっとした工夫で人の気持ちを和ませたり楽しませることがあるんじゃないかということをやっているわけなんです。 いずれにせよ、さっきの都市計画の話もありましたけれども、大店舗と中小の商店街というのは共存できる可能性があると思うんです。ですから、やはりそこら辺のところを踏まえて、このパッケージをぜひ推進していっていただきたいというふうに思っております。 実は、ここで後継者対策なんかもお聞きしようと思ったんですけれども、もう時間がなくなってきましたので、最後に商店街の活性化についての大臣の御決意を言いただきまして、それで私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のように、商店街というのは大変昔からの伝統や歴史もあり、また地域のコミュニティーとしても大変重要にされてきたところでありまして、その地域の顔にもなるようなものになっております。そういう意味では、今商店街が大変衰退しているということは、これを救済することが大変重要なことだというふうに考えて、この中心市街地の問題にも取り組んできているわけでございます。 先ほどのお話のように、お店が全部品ぞろえができなければということで、足りなくて店を閉めたところの商品を今度はみんなで出し合ってそういう店をつくったとか、いろんな努力をされて活性化されている商店街というのがあるということも聞いておりまして、そういう意味での支援というものも我々の方で行っていけるようにというふうに考えております。 地域密着性を生かして、今申し上げたような消費者ニーズに対応したきめの細かなサービスを提供する役割だとか、あるいは地域文化の保全だとか伝承だとか、またコミュニティーの維持形成などを通じた昔からの街の顔の役割、そういう問題だとか、あるいは高齢者だとかいわゆる交通弱者の方々にとって商店街の役割というのは貴重な存在でありますし、そういう中で、また物事の相談だとか、あるいは防犯、防災まで役割を果たしている面もあるわけでございますから、そういう意味合いで地域商店街というものは地域社会にとって大変重要な役割を担っているものだというふうに認識いたしております。 今般の中心市街地活性化施策というのは、中心市街地の商店街が、文化・コミュニティー等の多様な機能を有する、文字どおり町の中心としての機能を維持し発展させるための努力への支援、それを中心に真剣に取り組みを行っているものでございますので、委員の御指摘のような点を十分に留意をしながら、成果のあるように努めてまいる覚悟でございます。
○山本一太君 ありがとうございました。次は、もう少し修行を積んで鋭い質問をさせていただきます。
○小島慶三君 おはようございます。大臣、御苦労さまでございます。 私、幾つか御質問申し上げたい点がございまして、きょうは通産省と建設省と両方の庁に御質問したいと思っております。 まず、最初の感想でございますけれども、これは通産大臣にお伺いしたいと思うんですが、なぜ今大店法の廃止なのかということが私には非常に理解しにくい面である。大臣御承知のように、中小企業は今惨たんたる苦労をしております。景気の回復も中小企業からということでないとなかなか軌道に乗らないと思うんですが、中小企業を従来ある意味では支えてきた大店法というものをなぜ今この時期に廃止をされるのか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 今回の大型店に対する政策の転換というものは、近ごろの小売業を取り巻く環境の変化というものが大変出てきておりまして、現行の大店法の限界というものを克服しようとするものになっているわけであります。 その説明といたしましては、第一に、大店法では大型店の立地に伴う交通渋滞あるいはごみ問題、こういうような周辺生活環境の問題に対応ができなくなってきているということがございます。 第二に、経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、経済的規制である大店法による大型店の出店規制を継続するには限界があり、また地域と地域との間の集積間競争が大きくなる中で、大対中小というような対立の図式も崩れてきているわけでございます。 第三には、経済的規制たる大店法は廃止すべきという国内外からの指摘があることも踏まえまして、新たな制度を構築することの必要性を考えたわけであります。 具体的には、大型店の適正な立地の実現を図るために都市計画法の改正を含むゾーニング的手法の活用を図るということでありまして、これに加えて、大型店の立地に伴って生じ得る交通とか騒音とか廃棄物問題等の周辺生活環境への影響を緩和するため大店立地法の制定を図る。 こういうようなそれぞれの理由によりまして、地域の実態に即した実効ある制度の構築を図るために大店立地法の制定を行い、これに伴って大店法の廃止をするということであります。
○小島慶三君 私は、法律技術的に見ても大店法の改正とかそういうことでやれる面がかなりあるんではないかと思います。もう一つ、大店法の持っている積極的な意義、消極的には中小企業の保護とかいろいろあると思うんですが、積極的な意義というものをもうちょっと強調してもいいんではないかというふうに思うんです。 これは、私ども狭い日本に住んでいて、社会構造的にはすみ分けということが非常に重要な意味を持っていると思うのであります。もともとすみ分けというのは生物社会学的な用語であるかもしれませんが、従来の進化論的な考え方に対して、弱肉強食的な考え方に対して、そうでなくてすみ分けという社会のバランスを維持する、そういう仕組みというものは我が日本においては殊に重要であるというふうに私は従来から思ってきたわけであります。そういうふうな意味で、すみ分けというふうに考える、したがってそこに積極的な意味を見出す、社会の安定、平衡という積極的な意味を見出すということが大変重要であるというふうに思っておるわけでございます。 これはある意味では共存ということになるのかもしれませんが、これからの日本の国づくり、日本の国の形、あり方としてそういう点をお考えになって、もっと積極的にこの面をいろいろな内外の批判に対しても強調されるという必要があるかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 私ども今回御提案を申し上げております一方における適正立地を図るためのゾーニング手法の導入と申しましょうか、ゾーニング手法は既に存在するわけでありますが、より積極的に活用する、あるいは地域の主体性においてこれが活用される制度的枠組みを提供するということでございますけれども、そのことと、大型店の個々の立地に当たりまして環境問題への対応をしていただく。 こういうような考え方と申しますのは、まさに町の中におきます商業機能というものは、そこに住んでおられる住民の方々、つまり住民がどのような形で住んでおられるかというようなことを含めて、最も利便性のある商業機能の配置というものがどういうものであるかということを主としてゾーニングの手法を用いてその中に体現といいましょうか、あらわしていただく。 その中には、大型店が果たされるべき役割あるいは中小の専門店の方が望ましい役割、そういうものは当然あり得ると思っております。合すみ分けあるいは共存共栄というふうなことを言われたわけでありますが、そうした形で町全体における商業機能の配置あるいは構造の設定というようなことを通じて最もいい街づくりというものを一方でお考えいただくというようなことが今この時代に認められ得ると申しましょうか、そういう適切な手法なのではないか、このように考えておるということでございます。
○小島慶三君 私、くどいようですが、何かそういうすみ分けというふうな面での積極的な主張というものがもっと欲しかったという感じでございます。 アメリカとの関係におきましても、平成二年六月二十八日でしたか、日米構造協議というものが始まり、そこで既に大店法については将来考えると一本とられている。それから何遍も閣議決定とかいろいろございまして現在の段階に至っているわけでありますが、その時間切れということで大店法の廃止が出てきたのではないか。だから、積極的な主張というものが少し足りなかったんではないか。自由競争、そういった面でのメリットというものは確かにあるにはあるでありましょうが、それと同時にやはり社会の安定的な仕組みとしての共存というものをもう少し主張できなかったものか。アメリカとの関係では現在の段階でどのくらいの交渉、話し合いになっているのか、その点はもう今度ですっきりしますからということになっているのかどうか。 最近の新聞にも今度のサミットの動きに対してもいろいろそういう外圧的な話が出ておりますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(古田肇君) 特にアメリカとの関係でございますが、日米間で規制緩和のあり方ということで随時対話を続けてきておるわけでございます。 そういう流れの中で、今回の大店法の廃止とそれから大店立地法の制定につきましてアメリカの基本的な考え方は、大きな流れとしてはこれに対して特に問題を投げかけるものではありませんけれども、新しい大店立地法があるいは実質的に経済調整といいますか需給調整的なことに運用されはしないかというような、あるいはかつで日米構造協議におきまして地方自治体の独自規制という問題があったわけでございますが、大規模小売店舗立地法をはみ出した独自規制というような格好で規制強化的なことは起こらないかというようなことを懸念しておる、その観点からの発言があるという実情でございます。
○小島慶三君 余り釈然としませんし、もしそういうふうな外圧が今回の措置に結びついているんだとすれば、大変私どももふんまんやる方ないわけでございます。しかし、余りこの面にばかりこだわっておられませんので、少し先に参ります。 今回の問題の焦点は、これは極端な言葉を用いれば、都市の崩壊というか、そういう性質のものだろうと思っておるわけでございます。現在の段階になってまいりますと、中小企業の仕事をやめて国に帰る、あるいはマンション住まいをする、そういう動きが非常に多いわけでございます。工場関係なんかでも、従来の工業団地の中にある人たちでも世代交代の時期がある意味では迫ってくるということになりますと、息子はおやじさんに、もうとてもこんな仕事をやっていられないよ、もうやめようじゃないのということを言い出す、後を継ぐのも嫌だよ、こういう話になるということで、それじゃ引き揚げようかというので何代も続いた職場を放棄する、こういうことが起こってくる。 工場を閉めても、これは従来の知識経験が十分にありますから、例えば非常に時間のせっぱ詰まった注文であるとかあるいは試作であるとか、こういうふうな限られた仕事については十分にその人の知恵だけで役に立つということで、これはマンション住まいをして立派に仕事をやっていく、そういうことが起こってくる。 それから、子供の方も子供の方で、従来の仕事に加えてコンピューターあるいはパソコン一つ、それからインターネットとかそういったいろんな仕組み、それから場合によっては自販機、そういったものをそろえていればどこへ行っても生活できる。したがって、そういった面から仕事をやめてもうどこへでも移転をするということが起こってくる。 だから、そういう面から見ていきますと、社会の流動性というものが非常に強くなってきている。そこで起こってくるのは、結局従来の市民感覚の希薄化ということでありまして、市民から一個の消費者へという動きが非常に活発に起こってくる。都市の空洞化と言われますが、都市の空洞化の本質はそういった社会の共同体の崩壊ということではないかと私は思うわけでございます。だから、そういう面をもっと大事に考えていかないと、共同体の崩壊、それから都市の崩壊という形で日本の社会構造が非常に不安定になる、そういう心配が私は一番最大の問題ではないかというふうに思っているわけでございます。 だから、そういうことから考えますと、単に経済面からのいろんな動きだけでなくて、社会面のそういった問題、その動きをどうとらえるかということに本来はこの法律の趣盲がなければならないというふうに思うわけでございます。私は実はその点の危機感というのを非常に持っておりますが、そういう点についてのお考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘の内容は、むしろ社会的、文化的な領域にまたがる大変広い御指摘でございますけれども、私ども今回大店法の見直しという作業をやりましたプロセスにおいて出ました関連することについて申し上げれば、やはり共同体と申しますか、一つの町というものを住民の各層の人たちがどのようにするのが望ましいかということをお考えいただく。そして、その中にまた小売業あるいは商業の機能というものもどう位置づけられるのがいいかというようなことをまさに住民が幅広く御議論いただくということが大事だということでございます。 逆に申し上げれば、競争ということによっては、むしろあるいは多少それを補整するような施策をとったとしても、これまでの私どもの経験が示すように、必ずしもそこに住む各層の住民にとって望ましい町というものができるということが保障されるわけではない。むしろそこには一種の計画的なアプローチと申しますか、そういったアプローチをどうしても日本の場合にももっともっと手法として取り入れなければならないし、住民の各層の人たちにもぜひもっと積極的にお考えをいただき参画をいただくというような仕組みづくりあるいは政策手段の提供というものが要るのではないかというようなことで、今回その結果としての内容を法案の形にして御提案をしているということでございます。
○小島慶三君 そういうふうな危険な兆候に対して積極的に街づくりを進めていくというのが今回の趣旨であろうと思うんです。 それで、都市計画といった問題の方に少し移らせていただきたいと思うんですが、今度考えられる都市計画というものは、イギリスでやりましたようなニュータウンとかああいう性質の、新しいところにそういったプランを進めていくということが中心なのか、それとも歴史とか伝統のある従来の町の中心部を再開発するというふうな点に問題のポイントを置かれておるのか、その辺のモデルづくりと申しますか、そういう点につきまして、どういうふうなお考えでどういうふうなモデルをお考えになっておられるか、建設省の方にお伺いしたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 先ほどから委員のいろいろ御発言なんかを伺っておりましても、都市形成には一つの大きな流れがあろうかと思っております。 私ども、現状におきましての認識は、おっしゃられましたように、従来、都心の整備をやりつつ郊外へ都市が発展するといいますか拡大する時期がございました。いわば同時並行的な都市づくりを行ってまいりました。それも日本の国土づくりの中では一つの方向であったと思いますが、今日的な都市政策の上での時代認識を申し上げますと、やはりそういう大きな歴史の中では今後都市がある一定の安定期に入ってくるんではなかろうかと思っております。 そういう意味からいきまして、言葉としては熟しておりませんが、私たちは都市化社会から都市型社会へということを申し上げておるわけでございまして、この都市型社会というのはいわば都市の内的充実を図っていくということでございます。もう少し申し上げると、いわば既存のストックを活用していく、あるいは今先生おっしゃられたような集積のメリットを生かしていくという姿勢ではなかろうかと思います。今回出させていただいております中心市街地活性化法につきましても、そういう方向の中での一つの手だてだと私どもは認識して提案させていただいておるわけでございます。 ただ、くどくなりますが、そうであっても、都心におきましては例えば土地利用一つとりましても大変今錯綜しておりますし、権利関係も複雑でございます。地価水準も一定の状況の中では下落傾向を示しているところも多うございますけれども、相場観的にはまだまだ高いという認識を持っているのが国民の偽らざる気持ちであろうかと思います。 そういういろいろ課題なりあるいは難問もございますが、これから新しい街づくりとしては、財政的にも大変厳しい中で、今おっしゃられましたような共同体の再形成といいますか、そういう性格を持った都市政策をやっていくべきではなかろうかと、私たちはこういう認識をしております。
○小島慶三君 それで、恐縮ですが、例えばどういう規模の計画というのをお考えになっておられるのか、人口でいえば例えば四、五千から一万といったような単位なのか、それとも十万あるいは二十万といったようなその程度の都市に対して新しいプランをお考えになっておられるか。それから、全体としては何件ぐらいのプロジェクトをお考えなのか、そういう点について少しお聞かせいただきたい。具体的に例えばこういう町、例えばこういう都市というふうにお話しいただければ大変ありがたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 今回の法案は、後ほどまたお話が出ようかと思いますが、十一省庁がそれぞれ自分の得意わざを使いながら各地方公共団体の自主性、主体性を尊重して進めていくということでございます。 今御質問がありましたように、確たる数字を申し上げるにはあれですが、とりあえず建設省の立場で都市政策を担当している責任者から申し上げますと、一つは大変大きな区分でございますが、大都市圏地域と地方部と、まず性格的に若干異なることになろうかと思っております。 それから、地方部におきましても、今先生がおっしゃられたように、中心市街地を形成していると申しましても、いろんな規模の差がございます。ただ言えることは、それぞれの町が自分で積極的にこれからしかけていくわけでございますから、規模の大小とかそういうものについては極力私たちは排除の理論を使わないようにしていこうじゃないか、やる気のある市町村を育てていこうじゃないかということでございます。 そうはいいましても、一定の集積があることが必要でありますから、法律にも明記しておりますように、過去にそういう都市集積をある程度持って、そこがいささか傷んでいる、傷ついている。 それから、今後、周辺の市町村、区域を含めまして、連檐して新しい核となるという方向の中で中心市街地をこれから決めていくわけでございます。イメージとしてはまだ数を全体的に申し上げられるわけではございませんが、例えばことしなどの各地の状況を見ますと、既に数十を超える都市がこういう計画に対して賛意を示し、あるいは積極的な取り組みをしていこうとしておりますので、私は恐らく近いうちにそれが三けたの数字にもなろうと思いますし、行く行くはその数字はさらにふえるであろうと思っております。 御質問のありましたことで言うならば、都市人口は、大都市周辺の場合はある程度都市が連檐しておりますから一部の都市圏を形成しておりますが、地方へ参りますと、やはり五万とかあるいは三万ぐらいの都市の中の中心部として数千人ぐらいの集積のあるようなエリアが一つの中心市街地を形成すると思います。私は、くどいわけでありますが、人口規模そのものは余り決定的な要素にはならないんじゃないかと思っております。
○小島慶三君 そういうお話を伺いますと、非常にバラエティーに富んだというか、そういうふうな形でお考えいただくということで大変結構だと思うんです。ともすれば画一的な都市づくりというものになりやすい。例えば、町でいろいろ仕事をしようとしても、これは中央のシンクタンクとかそういうところの人を呼んできて話を聞くというふうなことが多い。そうなりますと、非常に画一的な都市づくりというものが行われるということがあると思うのでございます。 ですから、今のお話のように、ある程度将来への推移を見て、現在までの歴史を考えて、それで具体的な都市づくりをしていくという方向で私は大変結構だと思うんですけれども、問題はやはり中心になる人がいないとできない、核になる人あるいは核になるグループといったような人がその地場にいないとぐあいが悪い。人を呼んできてやるというのでは私は大変ぐあいが悪いというふうに思っております。 ですから、そういうふうな中心体の形成といいますか、そういったことについてどういうふうにお考えか、これもひとつ伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(中村利雄君) 今回の中心市街地の活性化といいますのは、商業だけではなくて街づくり全体としてとらえるわけでございます。そういう観点から、まず市町村が基本的な計画をつくるということを担うわけでございまして、それを受けて商業全体を一体としてとらえまして総合的な計画的な整備を支援していく、こういう枠組みになっておるわけでございます。 その際に、御指摘のように、中核となる組織が必要であるというふうに考えておりまして、私どもそれをタウンマネジメント機関と、こういうふうに称しておりますが、具体的には商工会でございますとか商工会議所でございますとか第三セクター、こういうものを想定しているわけでございます。その機関が地域の主体的な取り組みを担うということで、そのときの企画力あるいはコンセンサスの形成に向けたリーダーシップがその成否を分けるというふうに考えているわけでございまして、人材というのは非常に重要だと思っているわけでございます。 このために、具体的にはハード事業あるいはソフト事業、テナント管理などの一体的な実施に向けた戦略的な指導助言を行うことのできる人材の育成を行う必要があるということで、専門家の養成研修制度を創設することといたしております。 加えまして、街づくりなどの専門家を中小企業事業団に登録いたしましてTMOに長期派遣を行うという形で、もちろんリーダーシップはその町の方がとっていただくわけでございますが、そういう専門家を、都市計画の専門家であったりテナントミックスの専門家であったり、いろんな専門家がいらっしゃると思いますが、そういう方々も組み合わせながら活用していただいて整合性のある計画をつくっていただいて一体的に推進していただく、こういうことを考えているわけでございます。
○小島慶三君 今もお話の出ましたTMOというのが今後の街づくりのかぎを握っているのではないかというふうに私は思います。ですから、そういうふうなものができるから街づくりが進むというふうにスムースにいけば大変いいわけでありますが、TMOというものにどういう人材を集めてくるかというのがやはりどうも問題のかぎを握っているというふうに私は思うのでございます。 したがって、これにつきましてかなりいろんな面からの支援とかそういったものも必要でありましょうし、最近は非常にボランティアの活動というのが活発になりました。この間もボランティア活動についての、市民活動についての法律が通りましたけれども、こういった組織もかなり使えるのではないかというふうに私は思っております。 その辺のことも十分お考えだろうと思いますが、もう一遍ひとつその辺の進め方を教えていただきたいと思います。
○政府委員(中村利雄君) 先生御指摘のとおり、いかにして人材を得るかということが今回の成否のポイントだろうと思っているわけでございます。それで、実は研修制度を始めるに当たりまして、我々自身も勉強しなければいけないということで、私どももいろいろな方々からお話を得るような機会をつくって勉強いたしておるわけでございます。 先生御指摘のような、そうしたボランティアのような方も含めまして幅広く人材を募りまして登録をいたしまして、各地のタウンマネジメント機関に派遣をして活用していただきたいと思っております。
○小島慶三君 私が伺いたいと思っておりましたことがいろいろ御説明がありまして大変結構だと思うんですけれども、やはりこれはある程度国民運動といいますか、そういう形をとらないとなかなか進まないのではないかというふうに思うのでございます。 先ほども局長から御説明がありましたように、土地問題とか、これもかなり厄介な問題が広がっておりますので、こういう点を一つ一つ具体的に詰めながら問題を解決し、かつもっと将来性を持った明るい建設計画、都市計画というものがどんどん進む。それによって今進行しつつあるような空洞化というものがストップする、明るい面に大きく転換していく、こういうことが非常に望ましいわけであります。 これからの進め方についてはさっきもちょっとお話がありましたが、できるだけPRといいますか、そういう点に御努力をいただきたいと思いますが、その辺についてひとつお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほどから御質問をいただきまして、いろいろ示唆に富んだ御意見を賜りました。我々の今の法案の方も、そういう意味合いでは大体委員の御指摘をいただいたような線に沿ったものにつくり上げて取り組んでいるというふうに私は考えるわけでございます。 まず、昔からの歴史のある市街地を持っておりまして、同時にその市街地の中の商店街が空洞化を起こしている。その空洞化を起こしているところの中で、いかにこれを活性化させようかという意欲と意思を持っていらっしゃる方々の市街地で、そういう地元の皆さんのお気持ちや考え方が盛り上がって計画が出されて、計画によってはその地域の商店街あるいは中心市街地が将来に向かって非常に大きく発展するというようなところに対しては、小さい都市であろうと大きい都市であろうと関係なしに、足切りのようなものはしないで、すべて取り上げながら、それを十一省庁のそれぞれの得意分野の中で対応していこうということになっております。 その際に、窓口といたしましては建設省や通産省等の三省が窓口を一体化いたしまして、できるだけそういうものをよく受けとめて、それをできるだけ早くそれぞれの分野における活性化に対応できるようにするというような趣旨で取り組んでいるわけでございます。これから委員の御指摘のような方向に向かって、この法案を成立させていただきましたならば、成果のあるようにしっかり取り組んでまいるという覚悟でございます。
○小島慶三君 大臣の御懇篤な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 繰り返しますけれども、今の中小企業の困難というのは、これは何と申しますか、行き着くところまで行ってしまったようなそんな感じがしているわけでございます。ですから、従来の何遍かの戦後の危機とそれに伴った浮沈というものは確かに今までも大きな苦労ではありましたが、今回のはそれとは比較にならないといったようなのが中小企業の実感ではないかと私は思っておるわけでございます。 ですから、さっき申しましたように、おやじ今度はよそうよというふうな絶望感といいますか、そういったものがかなり広がってきている。だから、そういう点から見ますと、新しい街づくりといったような気概、生きがいというか、そういったものが余り活発に見られないというのが非常に今の問題を難しくするのではないかというふうに私は思うんです。 街づくりというのはこれから五年なり十年なり二十年なり、長いスパンを持った話でございましょうが、そういった長いスパンの問題意識というものをきちっと持って、それに対する対応とかそういったものをじっくり考えてそのチャンピオンを育てていくというふうな、当面の課題と長い目の課題と両方をにらんで奮起していくようなそういう人が果たして出てくるのかどうか、私は大変その点を心配しております。 今の大臣のお話のようなことで、積極的にそういった雰囲気が盛り上がっていくということが私の最大の期待でございます。大臣にひとつその辺を今のお話のようにこれから大いに推進していかれることを期待いたしまして、最後にそのお覚悟をもう一遍伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほども申し上げましたが、商店街を中心とする中心市街地の活性化ということは非常に重要なものでありまして、今の日本の各都市の形成からまいりましても、伝統があり、あるいは地域のコミュニティーがあり、また高齢者の方々の話し合いの場所にもなっておる、そういうようなすばらしい都市というものが今崩壊しつつある、それをどうやってもう一回立て直していくか、再活性化するかということが非常に重要な時期になってきておると思っております。 一時、何となしに郊外に広がったり、多少無秩序な形の中での都市が発展をした経過がございますが、それをもう一回伝統のある都市のつくりかえというような意味合いからの法律であり、そういうものに向かって建設省や我々や十一省庁が皆一体になって一兆円の予算の中で取り組みをしようということになっております。今度御審議をいただく補正予算の中でも八千億という金額を、事業規模でございますが、この計画に投入するということを見ましても、その熱意のほどはわかっていただけるのではないかというふうに思っております。それに向かって最大限努力をいたしてまいりますことを申し上げる次第でございます。
○小島慶三君 大変ありがとうございました。ぜひそういうことで御努力をいただきたいと思います。 これで終わります。
○海野義孝君 公明の海野でございます。 今回の大店立地法または中心市街地活性化等の法律、さらには都市計画法の一部改正、こういった法案につきましては、現下の我が国における消費者あるいは生活者さらには小売業者、こういった現在抱えている総合的な問題にまさに挑戦する大変壮大なドラマであると私は思っております。これが単なるドラマに終わらないように、御当局の公正かつ慎重なる運用によりまして、一日も早くこの成果が随所にあらわれることを私は期待するものであります。 そこで最初に、実は私、昨日の本会議におきまして十六項目にわたって御質問申し上げましたので、もう既に質問することは言い尽くしておりますけれども、きょうは実は建設省都市局長もお見えでございますし、若干細部にわたっていろいろとお聞かせいただきたい、このように思うんです。 最初に、大臣に改めて御所見をお聞きしたいと思うんですが、今回の大店立地法と中心市街地活性化等の法律、この二法案、まさにこれは重要な車の両輪といいますか、二本柱であると思います。これの施行に当たりましては、中心市街地それから商店街の活性化といった共通の視点に立ちまして、やはりこの両法案の整合性ということが大変重要ではないか、私はこのように思うわけです。その点につきましては十分御配慮されていくとは思いますけれども、整合性の問題についての御配慮、この点についてまず御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 今回の大型店に対する政策の転換というものは、産構審及び中政審の合同会議の議論を踏まえて、近年において特に顕著となってまいりました消費者ニーズの多様化、あるいは大型店の出店に伴う生活環境への影響緩和への要請の高まり等の時代の変化に対応するために、地域社会と調和のとれた大型店の出店あるいは街の顔としての中心市街地の活性化を図るための実効ある新たな制度の構築を図ることにいたしたものでございます。そういう意味で、この二つの法律が組み合わさって初めて大きな成果が上がる、そこに整合性の問題が出てくるというふうに感じるわけでございます。 すなわち、合同会議の答申におきましては、第一に商業施設の計画的な立地を効果的に推進していくために都市計画体系を活用していく、都市計画体系というものの活用がまず第一に出てまいっております。 第二に、大型店が地域社会との調和を図っていくために交通とかあるいは環境とかこういう問題に適切に対応が図れる、そういう制度的枠組みをつくってまいらなければならないということでございます。 これを受けて、大店立地法におきましては、大型店の立地に伴って生じ得る交通とか騒音とか廃棄物問題などの周辺生活環境への影響を緩和するための制度をひとつしっかりと設けていこうということであります。片方において地域のゾーニングをしっかりつくりながら、都市全体の計画的な配置が行えるようにしようということであります。 そういう意味で、中心市街地活性化法に基づく支援策、改正都市計画法を初めとするゾーニングの手法、この二つの活用によりまして全体として一つの街づくりができ上がってくるというふうに考えておりまして、大店立地法だけというような個々の問題で取り組んでまいりますと全体的な形ができ上がってこないということになってまいります。街づくり問題のすべてに対応するために、都市計画も含めまして、全体のまとまりの中で一つの街の顔、街づくり、衰退しているところの今までの伝統ある市街地を再活性化させていこうというように考えているところでございます。
○海野義孝君 お話はよくわかります。 昨日もちょっと申し上げましたが、昨年暮れの産構審・中政審の中間答申にありましたように、あの中では街づくりの重要性ということが大変強調されておりましたけれども、この大店立地法の対象となっている周辺都市環境に関する事項の中におきましては、生活環境問題からの調整事項という問題のみが列挙されております。これは後でまた詳しくいろいろお聞きしたいと思います。 街づくりの観点が、これも大臣のお話ですとそれは都市計画とか中心市街地活性化あるいはその整備等の中でも十分盛り込んであると、整合性を持たせて運用するというように理解したいわけでありますけれども、どうして街づくりの観点ということがきちんと明示されていないかという点が私は論理の一貫性という面でややどうかなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでございますか。
○政府委員(岩田満泰君) 今大臣から御答弁申し上げたところでございますが、街づくりという言葉が使われる場合、使われる方によってしばしば違うことがあるわけでございます。 私どもはこの街づくり、つまり産構審・中政審の合同会議で議論しましたときに、街づくりとかあるいは地域づくりというような言葉が答申の中にも出てくるわけでございますけれども、かなり幅広いと申しましょうか、そういう概念のものとして議論がされたというふうに認識いたしておるわけでございます。 そういたしますと、これ全体をどうするかということでございまして、特にこの作業は大店法の見直しの一環として始まったものでございまして、これまた先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、大店法というものの限界という議論が一つあったわけでございます。大型店というものが町と申しますか都市の構造というものに大変大きな影響を与え得る存在であるということとの関連において、大型店の出店対策としてどんな対応が要るかということがまず議論の出発点であったわけでございます。 そういたしますと、やはり一つは町全体をどういうふうに考えるかということがまずアプローチとしてあって、そういうものを前提として個々の大型店の出店というものをどういうふうに考えるのがいいのかということにならざるを得ない。そういう意味において、町全体のありようというものを考えるということになりますれば、まさに諸外国もそうでございますように、都市計画体系と申しましょうか、あるいはいわゆるゾーニング手法と申しましょうか、そういったようなもののアプローチをする以外にないであろうということであります。 加えて、いわば土地利用的な意味合いにおける規制体系はそういうことでございましょうけれども、大型店の土地利用上の論点と申しましょうか問題がクリアされたとしても、なお実は現実の問題として大型店の個別の出店ケースにおいて生活環境問題というものが発生している、これには直ちにゾーニング手法だけで対応ができない場合があり得る、そこで大店立地法というものによりまして生活環境という切り口からの対応を図ろうと、こういうこととさせていただいたわけであります。 もちろんこの生活環境というものの中に、ただいま先生から御指摘ありました街づくりというものはかなり広い概念でございますから、全く考えていないということではございません。まさに「住民の利便」だとか「業務の利便」というような言葉をこの法案の中で使っております。街づくりという言葉が法令用語にならないということもこれはあるわけでございますが、「住民の利便」、「業務の利便」というような言葉を使っております。そういった意味で、周辺に住んでおられる方々の生活あるいは買い物というような人の利便性に影響が生じるということが例えば交通渋滞その他を通じてあり得る、こういうものに対してその大型店の出店についてしかるべき対応をしていただくというようなものは広い意味の街づくりのうちの一つであろうと。 大臣から御答弁申し上げましたように、ひとり大店立地法だけでこの広い意味合いの街づくりに対応することは困難と申しましょうか、できないわけでございますけれども、むしろそうしたゾーニング手法あるいはこうした大店立地法というようなものをあわせまして、全体としてその地域における街づくりと申しましょうか、そういうことに対応するというのが最も望ましいし、適切ではないかと、このように考えた次第でございます。
○海野義孝君 大変ありがとうございました。 時間が限られておりますので、私の質問の仕方にも問題があろうかと思いますけれども、御答弁の方もできるだけ簡略にしていただきたい。あらましは大体わかっているつもりでございますので、その点よろしくお願いします。 そういったことになりますと、今一番いろいろと問題になっておりますのは、大店立地法の中の第四条のいわゆるガイドライン、指針の問題についてだと思います。これは昨日の大臣の御答弁では、法案の中にその点を盛り込むということは現実には難しい問題だというお話がございました。 今の御答弁に関することでありますけれども、私は、第四条の指針、これにつきましては盛り込める範囲でかなり具体的なものをやはりそこに盛り込んでいただきたい。これは大店立地法の根幹にかかわる重要な点でございます。大規模小売店が出店するに当たっての基本的な考え方とかそういったものについて大体のガイドラインを示すということでありますから、そこにはあいまいさというか、拡大解釈できるようなことでなくて、かなり具体的に盛り込んでいただきたい。 そこで、今のことに関連するわけでありますけれども、私は、地域の小売業の健全な発達ということ、それから街づくりの観点といったこと、こういったことを大型店の出店調整の中で、中心市街地活性化法等でうたわれでいる地域全体の総合的な街づくり計画、それからその関連事業に十分配慮した、整合性を持った、確保した形で行われるように指針の中で具体化していただきたいと思うんです。 例えば、さっきお触れになりましたが、これは衆議院の商工委員会でも大分議論になったようでありますけれども、今回の大店立地法というのが従来の経済的規制という面から言うならば社会的規制という方向へ大きく転換するということで、都市環境、生活環境といったことが重視される、こういうことが強調されているわけであります。 生活環境、この法案の中で書かれているような部分については、言うなれば狭い意味での生活環境的に私は理解するわけであります。もっと広義の概念という点から見ますと、経済的な面それから住みよい街づくりの観点をこの大店立地法の指針の中に、大型店舗出店者の考えの根幹にそれを据えるという意味ではっちりとガイドラインにその点を明記すべきじゃないか、このように思いますけれども、大臣あるいは関係の方はその点についてどのように取り組まれようとしているか、現在いろいろと検討されていると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 大店立地法、御指摘のとおり生活環境の保持を通じた小売業の健全な発達ということのための指針でございます。したがいまして、できる限り明確かつ具体的に規定をしたいというふうに考えておりますし、まさに指針でございますので、それが参考となり、よりどころとなるようなものにしたいということでございます。 今御指摘の経済的な要素と申しましょうかあるいは住みよい町、確かに衆議院の方でも御質疑があったわけでございます。その内容というのもまたあるわけでございますが、まさに生活しやすい、買い物機会というようなお話がたしか衆議院の方でもあったと思うのでございますけれども、もしそういうようなことであるとすれば、やはり外国の例などに照らして考えてみましても、どちらかといえばその問題というのはいわゆるゾーニング手法の中で位置づけられて、町の商業機能の位置づけの問題としてどうするかということがむしろ本来のありようなのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。 先ほど来御説明をいたしましたように、いわゆる街づくりというものの要素の一部が大店立地法の中において対応がされるということももちろんでございますけれども、そうした買い物機会の確保というような観点のお話になりますと、それは町の構造全体の中における商業機能の位置づけというような形で行われるのがまた諸外国における位置づけにもなっているというふうに考えているところでございます。
○海野義孝君 では、今の点につきましてもう一問だけ申し上げたいと思います。 都市環境との調整ということが問題ということで、その点については今の御答弁では、ゾーニング手法の問題あるいは中心市街地活性化等整備の問題といった中でこういう街づくりの問題はとらえていく問題であり、今回の大店立地法案については、これは大店法にかわるそういう小売・流通業、こういったものについての従来的な規制から現代のニーズにマッチした新しい観点からそういったものを盛り込んだ法案である、こういうことであるので、この点はよくわかります。 私は、そういう大店立地業者の出店に当たっても、そういう哲学というか理念というか倫理というか、そういった面からすればこの問題を大変重視しております。都市環境との調整ということを問題にするならば、生活環境の問題と並んで地域における社会、経済、環境問題の柱となる街づくりの観点といったことを指針なりそういう調整事項の中に盛り込むということがやはり不可欠のことではないか、私はこのように思うんです。 大分話はかみ合わないようですけれども、最後にこの点もう一度お聞かせいただいて、次に進みたいと思います。
○政府委員(岩田満泰君) 各国ともゾーニング手法を使い、あるいは環境問題への対応を図るもろもろの法体系はそれぞれに国によって異なっております。私どもが今回提議しております広い意味での街づくりというようなものについても、ほぼ中心的な部分を一つの法律で抱えるような体系になっている国と、複数の法律によってこれを達成しようとする体系をとっている国というようなものが存在していると思います。 私どもの今回御提案しておりますのは、もともと今申されました都市環境とかそういうものというのは、まさに都市計画法の中に明示されておりますように、そうした体系として我が国においてはもう古くから法制度が整備されてきておるわけでございます。この中には、既に観点、視点として日常の買い物の利便というようなものが考え得るということが幾つかの条文の中にも示されておるわけでございまして、我が国の法体系を踏襲していけば、やはりむしろそうした観点のものはもともと都市計画の体系の中で配慮されるものとして位置づけられていると考えるのが自然なのではないか。 しかしながら、それによってなおカバーし得ないような問題が大型店の出店に伴って発生している。それはすなわち先ほど来御説明いたしております生活環境問題でございまして、そうしたものについでは新たに新法をお願いして、これとあわせて全体としてのいわゆる街づくりというものを推進する、こういうことが我が国の法体系としても適切でもあるし、また望ましいのではないか、このように考えたということでございます。
○海野義孝君 次に、今回の新しい大店立地法に基づく出店等の問題でありますけれども、今回は地方自治体に自主性というか、立地を進める上での判断、そういったものについてかなり移譲されるということになったわけです。その辺については自治体が調整の主体ということですけれども、都道府県、市町村のそういう役割というか、この点についてはどのようにお考えになっているか、ちょっとお聞かせください。
○政府委員(岩田満泰君) 大店立地法は周辺の生活環境への影響に対応しようという法律でございます。まさに地域地域の問題であるという意味におきまして、この運用が地域によって行われるということが望ましいということは当然のことでありますが、その場合に私どもはこの運用主体といたしまして都道府県及び政令指定都市というものにいたしております。 市町村とすべきではないかというような議論も私どもの検討段階においてもいたしたわけでございますけれども、やはり行政事務の蓄積と申しましょうか、そういったようなもの、それから生活環境という問題に関しても、場合によりますと、複数の市町村にまたがるような対応を必要とするようなあるいは考慮を必要とするような事案というものが存在し得るというようなことを考量いたしまして、ここは基本的に都道府県ということで考え、政令指定都市についてはそれなりの行政事務の蓄積をお持ちであろうと、こういうようなことでございます。 ただし、立地市町村と申しましょうか、地元市町村の御意見は極めて重要なことであるわけでございます。その意味で、この法案の中におきましても、当該市町村の意見というものは必ず都道府県知事が聴取しなければならない、あるいはまた具体的な出店計画の変更を求めるための勧告というようなものの手続におきましても、必ずその立地市町村、当該市町村の意見を求める、こういうことによりまして当該市町村、立地市町村の御意見を必ず加味した形で都道府県知事が御対応になる、こういうことで御提案をしているわけでございます。
○海野義孝君 次に、大店立地の具体的な立地にかかるまでの所要期間、これの設定の問題であります。現行の大店法において定められている審査期間を超えないというようにたしか書いてあったように思うんです。その点について、今度新しくそういう地域の環境問題等、これもさっきも申し上げたように広義、狭義にわたって大変幅広い生活環境問題についての調整項目というのはあろうかと私は思うんです。そういたしますと、そういう面から調整するという今回の制度の特性というかそういうこと。 それから、調整が初めて全面的に地方自治体、先に都道府県、政令都市、あとは意見とかいろいろなことを十分に市町村から聞くということであります。広範にわたってというか、全面的に自治体においてそういった調整が行われるという事情から考えますと、従来の大店法における調整に要する期間と新しい大店立地法に基づく期間では、従来と同じで果たしていいのかどうかという点についてはどのような御配慮というか、お考えに立っていらっしゃるか、その点お願いします。
○政府委員(岩田満泰君) ただいまの調整期間でございますが、御指摘のように基本的には都道府県が出店の届け出に対して意見を出す。これは届け出から八カ月以内ということでございますし、意見を出して勧告ができる期間がさらに二カ月、合計十カ月、足せば十カ月ということになるわけでございます。これらの期間というのは、その期間が終了するまでは出店者は営業の開始が禁止されると申しましょうか、できないという期間でもあるわけでございます。 これらの期間の設定につきましては、一方で営業制限というものは必要な範囲に抑えるべきという観点と、市町村あるいは地元住民などからの十分な意見提出の機会の確保あるいは運用主体である都道府県などにおきます適正な審査の確保という観点とのいわば比較考量によって定めるということが必要である。また、私どももそのようなことを配慮して今回八カ月、二カ月というような設定をさせていただいておるわけでございます。 確かに、合同会議の答申においては、大店法の期間を、一年を超えないというようなことがございました。その意味で、確かに目的、趣旨を異にする法律ではございますけれども、ちなみに大店法との関係を申し上げれば、大店法というものにはいわゆる三条・五条届け出というものが存在いたしました。この間を四カ月と計算をして一年ということになっておったわけでございますけれども、今回は法律の趣旨にかんがみまして三条・五条届け出というものはございません。一つの届け出、設置者の届け出のみでございます。したがって、この四カ月という期間がそもそもないと申しましょうか、使わないと申しましょうか、そういう期間になっておるということでございます。 それから、知事と申しましょうか都道府県等から御意見が出て、これに対して大型店がどう対応するかの期間は、先ほど申し上げた八カ月、あるいは二カ月と申し上げた期間にはカウントされておりません。したがいまして、出店者が時間をかけて対応策を検討するという場合には別に十カ月というものに何ら制約を受けるものではない、出店者の事由によって時間を消化するというものはその中にカウントされないということでございます。 もちろん、趣旨が違いますのであれでございますが、私どもの経験で、大店法が、第一種大型店舗でありましても、平均値ではございますけれども、おおむね八カ月余りで終了をしている。今申し上げましたとおり、大店立地法においてはかなり大店法の場合と仕組みが違っておるというようなことを踏まえまして、先ほどのまさに比較考量ということに当たりましてこの辺も一つの参考といたしまして、審査期間と申しますか、調整手続の期間を設定いたしたということでございます。
○海野義孝君 今のことに関連しまして、これは大店立地後のことなんですけれども、これまでもそういった地域におけるいろいろな紛争といったら大げさですけれども、問題が起こっていた。特に、最近は地域間というか広域にわたってのそういう問題が起こってくるとか、情勢の変化というのが大変急であるということで、これは今後ますますそういったことが考えられるわけであります。 そういたしますと、いろいろすったもんだして一応大規模小売店が立地された、開店したと。問題は、その先において、状況の変化によって、例えば生活環境等々のそういう調整事項について、これが大きく変わっていくということが考えられるわけです。そういったことを十分に踏まえて、要するに具体的に立地のゴーサインが出るまでには十分そういったことを盛り込んでいるのかという問題ですけれども、その点については私は慎重な対応が必要じゃないか。 いよいよ店はオープンしたけれども、いろいろと議論になるところですが、出店した後、ある時期においてはそれがその地域において消費者等にも生活者にも大変いろいろな面でメリットを与えた、しかしながら状況の変化によって今度は退席を迫られた、そういう問題がやはり今後かなり起こっていきかねないというように思うんですけれども、そういったところまで十分に御配慮されていらっしゃるかという点ですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 出店後のお話でございます。 まず、もろもろの出店後の状況の変化というのはあり得ると思います。特に、まず大型店が出店前に、これは指針の内容にかかわることでございますが、もちろん店舗の面積でございますとか閉店時刻をいつにするとかというようなことは届け出の内容に入るわけであります。同時に、この生活環境の問題に対応するためにこういう対応策を講じますということを届け出の中に書き入れて提出をいただくことを予定しておるわけでございます。同時に、その対応策を講ずるに当たって、例えば交通渋滞ならば交通渋滞に関連をする周辺の状況をどういうふうに把握をしたか、あるいはまた売り上げについてはどういうふうに見ているか、お客さんの来客はどのように見ているかというようなことについてのデータの開示と申しましょうか提供というものを求めたいというふうに考えておるわけでございます。 そういたしますと、来客数の見込みとかその他につきましては、いずれにしても出店者側の考え方といいましょうか、その見通しの問題をさらに都道府県などにおきましてその内容について精査をすると申しますか、一種査定をすると申しますか、それらは恐らく全国にあります、あるいは近隣にあります類似のケースなどとの想定においても検討されることになるだろうと思いますけれども、そういったものによりまして売り上げとかあるいは来客数の見通しというようなものについて、できる限り正しい見通しができるような、お互いに合意ができるようなものにするということで考えております。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 ただ、今先生の御指摘の状況の変化というものが、仮に出店者に原因するものでないものであるということが内容であるといたしますると、しかるべき調整手続を経て出店されたものについで、これは出店後に、その出店者の責に帰し得ないような情勢変化があったときに、もう一度この法律によって対応することを求めるというのはなかなか困難なことではないかというふうに考えておるわけでございます。
○海野義孝君 その辺のところは、時間もあれですから今後の審議でまたいろいろと進めていく問題ではないかと思います。 次に、今回の大店立地法、都市環境というか生活環境、こういったことが大店立地の大きな要因になるわけです。これは別にそういう環境規制法的なものがあろうかとは思いますけれども、私ちょっと不勉強でそこまで知悉しておりません。 今回、この生活環境云々というようなことが調整のあれになっているのは大店小売業だけであるという点が私はいささか不可解なわけでして、同じような問題を都市においで、市街地において、環境問題等は何も大型小売店だけでなくて、最近は大型の遊技場であるとかいろいろなものがありまして、同様にやっぱり影響があるわけです。これは今回大店立地に係る法律ということであえてこれに限定されているかと思いますけれども、その点は例えば街づくりの問題であるとか中心市街地活性化の問題であるとかそういったことと絡んで、そういう大型小売店以外の環境規制等についてなぜこの法案には盛り込まなかったか。それから、別途これについてはもう既にあるのか。もしあるとしたら、どうして大店立地法についてだけ今回環境問題が出てきたのか。その辺のところについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(岩田満泰君) 私ども、この法案の作成に当たりまして御指摘のような点についでもいろいろと調査をし議論いたしました。大型の店舗と申しますのは、他の大型施設と異なりまして、生活の利便施設であるというために生活空間から一定の範囲内のいわば近接地に立地することが不可欠な施設であるわけであります。また不特定多数のお客様が入る、また車の利用度が高いあるいは大規模な物流がある、こういった特徴がございまして、これらの点を総合的に見まするに他の大型の建築物とは物理的に一線を画する実態があるというふうに考えておるわけでございます。 これに加えまして、程度の差という御指摘はあるかもしれませんけれども、少なくとも私どもが大店法の施行に携わっている中で、大型店舗につきましては周辺の生活環境に及ぼす問題が全国的ないわば問題として顕在化しているという実態がございます。まさにそういう実情に着目をいたしまして、今回大型店舗についで固有の制度を構築するということにいたしたわけでございます。
○海野義孝君 この問題もちょっと時間がかかり過ぎますから、今の御答弁を一応承っておきます。 次に、この大店立地法の施行の問題であります。一応は法公布から二年以内ということになっているわけでありますけれども、先ほど来の御説明にありましたとおりいろいろな法案と絡んでいるわけでして、大店立地法に基づいての大店立地規制というか出店の可否云々という問題だけではなくて、都市計画との絡み、これも今回一部改正されるということですし、今懸案の中心市街地空洞化をいかに解消していくか、取り戻していくかという問題等々との絡みもありまして、簡単に二年以内に現在の大店法を廃止して新しい法を施行するということは私はいかがなものかという気がするわけです。 どういうことかといいますと、都市計画法の改正で示されておりますように、特別用途地区、こういったものの設定の問題につきましても、これは地方の自治体にこういった面の裁量を今後かなりオープンにしていくというようなこと等もあります。これはやはり十分にそういった面を配慮していかなくちゃならぬということからしますと、そういう面での進展状況等を十分に配慮した形で本法の施行日を決めていくということが私は大事ではないか。 これは決して今の大店法というものが現在の実情に不適応になってきたということから新しい法の施行が急がれるという観点だけでなくて、この二つの法案ないしは都市計画法を含めた三つの法案がそれぞれ相まってその機能を発揮していくということが、これまで大店法が施行されてから二十五年の間に起こってきた問題というのはなかなかそう短時日に解決できないというような大きな問題になってきているということであります。これを解決するというのはもちろん急がれるわけでありますけれども、これをまた急ぐことの余り十分機能しないと、いろいろな問題を抱えていくということであってはならないということからしましても、この大店立地法の施行についてはいろいろなことの進捗状況等をよく勘案されて決めていかれるということが大事ではないかと思うんですけれども、その点についての御見解をお願いします。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(古田肇君) 今回御提案申し上げております大規模小売店舗立地法案におきましては、附則で公布から二年以内に施行するということになっているわけでございますが、この二年以内という扱いは、さまざまな法令を考えてみますとかなり長い期間をとっておるという部類に属するわけでございます。そのあえて長い期間を用意したということは、先生御指摘のとおり、全体のシステムの大きな転換であるということや、あるいはこのシステムの転換について各地方自治体でありますとか各地の商業関係者、商工会議所、商工会、さまざまな方々がその趣旨を理解して、地元中心できっちりと円滑に対応していただくということを配慮しているわけでございます。 それから、改正都市計画法との関連のお話も出ましたが、改正都市計画法の方は公布後六カ月以内の施行ということになっておりますので、これによって特別用途地区の設定ということが柔軟になるわけでございますが、この二年それから六カ月という時差の中で対応していただけるのではないかというふうに考えているわけでございます。 いずれにしましても、具体的に二年以内の中でいつから施行するかということを決定するに当たりましては、御指摘の点を十分踏まえながら慎重にやっていきたいというふうに思っております。
○海野義孝君 街づくりの問題につきまして、アメリカでは大変有効な、かなり強力な機構が機能しているということを聞いております。我が国の場合に、今後の街づくりは地方自治体あるいはまた中心市街地の活性化及びその整備におきましては整備のための機構、こういったものが機能していくわけですけれども、従来的ないわゆるTMO、タウン・マネジメント・オーガニゼーションというような問題、これについては商工会議所あるいは商工会、それから第三セクター、こういったTMOがやはり十分に機能する、あるいは意見を十分に取り入れるということが重要ではないか、このように私は思うんです。 こういったTMOについて今後街づくり等にどのようにお考えになっているか、お伺いします。
○政府委員(中村利雄君) 私ども、中心市街地の特に商業部門の整備という観点におきましてTMOが非常に重要な役割を果たすと考えているわけでございまして、そのTMOは商工会あるいは商工会議所、第三セクターということを想定しているわけでございます。私どもはこれらのTMOが本当に意味のある役割を果たすためにいろいろな支援措置も考えているわけでございます。 具体的に申し上げますと、人材の養成の問題でございますとか人材を派遣するというような仕組みを考えてこれを支援していきたいと考えているわけでございます。
○海野義孝君 昨日もお聞きしましたけれども、この中心市街地の区域といいますか、中心市街地というものの概念といいますか、こういったことについてもうちょっとお聞きしたいと思うんです。 この中心市街地、先ほどの御質問の委員の方もお聞きになっていたように思いますけれども、中心市街地の対象には人口の規定というものを設けるかどうか、これ都市局長、いかがなんですか。
○政府委員(古田肇君) お答え申し上げます。 今般の中心市街地活性化法案でございますが、その趣旨といたしまして、いろいろ御指摘ございますように、空洞化の危機にある中心市街地を有する市町村を広く対象にするというのが基本的な考え方でございます。 法律上、第二条で中心市街地の概念があるわけでございますが、そこでは具体的には、中心市街地とは、小売商業者及び都市機能が集積している地域であること、二番目に、空洞化が生じている、または生ずるおそれがある地域であること、三番目に、施策を講ずることにより、周辺地域も含めた地域全体の発展に寄与する地域であることということを規定しておるわけでございます。 したがいまして、人口あるいは都市の規模で一律に対象外にするというようなことは考えておりませんで、今申し上げました三つの要件を満たす中心市街地がある場合には、当該市町村のイニシアチブのもとで基本計画をおつくりいただき、また活性化法に基づいてさまざまな支援を受けていただく、こういうことになるわけでございます。
○海野義孝君 引き続き中心市街地の問題についてお聞きします。 この活性化対策につきましては、十一省庁と一兆円強の本年度の予算も手当てされている、また補正予算で八千億ぐらいですか、というようなことでかなり強力に推進されていくということにつきましては、大変私は結構なことだと思います。国においては一体的な推進が図られる仕組みとなっているというふうに理解するわけでありますけれども、これに対応しまして、市町村とか都道府県、こういったところにおける窓口の一本化ということなど、活性化対策の実施体制を整備するための具体的な対策についてはどのようにお取り組みになるお考えか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(古田肇君) 御指摘ございましたように、中心市街地の活性化をするという上で、今回、さまざまな関連事業を幅広く盛り込みながら総合的、一体的、重点的、集中的にやっていこうということでございます。国のサイドでは、るる御議論ございますように、関係省庁で連絡協議会等をつくり、また統一窓口をつくっていくわけでございますが、例えば市町村において計画を策定する段階で、住民あるいは商工会議所、商工会等さまざまな立場の方の意見を聞きながら総合的なプランをおつくりになるわけでございますし、それから、そのプランをつくって具体的に事業の対象になってまいりますと、それをまたさまざまな関係者に周知をしながら着実に実行していくということになるわけでございます。具体的にどういった体制で市町村あるいは都道府県がこの中心市街地活性化法に基づいて実施をしていくかということについては、私どもとしてはあくまで市町村なり都道府県の自主的な御判断といいますか、自主的な進め方におゆだねしておるわけでございます。 ただ、考え方としましては、先ほど来申し上げておりますように、幅広い事業を取り込んでいくという性格にかんがみますと、関係部局の十分な連携を持ちながらできる限り統一された形で進められていくことが、当該市町村にとってもあるいはそれに関連する住民あるいは商業者の方々にとっても大変有効なのではないかというふうに考えております。
○海野義孝君 中心市街地の活性化の視点に立った場合、郊外出店の問題、これがいろいろ今問題になっているわけですけれども、郊外出店の抑制というようなことに関しまして国として統一的な方針をある程度明示すべきではないかというような感じもします。これは地方分権といいますか、そういった地域の広域化の問題とかいろいろなことがありますけれども、そういったものに対する指針というか、ガイドライン的なものを統一的なものをやっぱり国として設定すべきではないかと、そういうふうに私は思うんです。これは時代に逆行することになるのかどうかわかりませんけれども、交通整理をする上ではある程度やはり国がそういった指導力を持つというか、そういったことも必要じゃないかと思うんです。関係の方あるいは大臣のお立場でそれの御判断を求めるということはいかがかと思いますけれども、御私見でも結構でございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘の郊外出店の問題でございますが、もう既に御説明申し上げておりますとおり、今回いわば新しい政策転換の方向として、ゾーニング的手法の活用あるいは大店立地法の制定、中心市街地法の提案というような、こういった三つの御提案を申し上げておるわけであります。 また、ある市町村におきまして中心市街地の活性化の事業に取り組もうとされる場合において、郊外の大型店の立地についてどうお考えになるかということであります。 国としてガイドラインをという御指摘でございますが、郊外の商業集積というものをどういうふうに位置づけるかということを国として一般的にこれを決めると申しますか、方向性を示すというのは適切なことかどうかということになかなか疑問があるわけでございますが、いずれにしても、それぞれの地域において郊外における商業集積というもの、中心市街地における商業集積というものをどう位置づけられるかということは、まさにその都市計画的手法と申しますか、ゾーニングの手法によりまして、そこに色塗りと申しますか、位置づけをされるというにとが適切な方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。 さらにその上で、中心市街地については中心市街地活性化法も御活用をいただいて、これに対して私どもも積極的に支援をしていく、このようなことにさせていただくのがよろしいのではないかというふうに考えておるところでございます。
○海野義孝君 終わります。
○梶原敬義君 最初に、大臣の趣旨説明におきましていろいろと書かれておりますが、この大規模小売店舗立地法案の提案に至ります社会的あるいは経済的な背景といいますか必要性、こういうものをもう一度述べていただきたい。 その際、大臣が先ほど読み上げられました提案理由の中には外圧の問題というのは一言も触れておりません。こういう点もあわせて御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほどの提案理由でも御説明申し上げましたが、今回の大型店に対する政策の転換というものは、近年の小売業を取り巻く環境変化というものに対応して、現行の大店法の限界を克服しようとするものであります。 それの第一は、大店法では大型店の立地に伴う交通渋滞とかごみ問題あるいは周辺生活環境の問題に対応ができないということでありますが、こういう問題が各地において問題提起されてきていることがございます。 第二に、経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、経済的規制というものである大店法によっで大型店の出店規制を継続するということには限界が出てきていたということであります。特にまた、地域と地域との間の集積間競争というようなものが大きくなってまいりまして、大対中小というような対立の図式が崩れてきているわけであります。 また第三番目に、委員からも御説明がございましたが、経済的規制たる大店法は廃止すべきという国内外からの指摘があるという点を踏まえまして、新たな制度を構築することにしたものでございます。 そういう意味で、具体的には、大型店の適正な立地の実現を図るために、都市計画法の改正を含むゾーニング手法の活用に加えて、大型店の立地に伴って生じ得る交通とか騒音とか廃棄物問題などの周辺生活環境への影響を緩和するため大店立地法の制定を図ることにしたものでございます。これらによりまして、地域の実態に即した実効ある制度の構築が図られるものというふうに考えております。 今回の大型店に対する政策の転換は、こういう時代の変化に対応するため実効ある新たな制度を構築するものでありまして、同時に、先ほども申し上げましたが、経済的規制である大店法は廃止すべきという国内外からの指摘があることも事実でございまして、しかし基本的にはあくまで我が国の判断として行うものであるということでございます。
○梶原敬義君 けさ、たしかNHKのテレビだったと思うんですが、日米の事務会議か何かで両方テーブルに着いた映像が出まして、日本は大店法の改正をやるようだが、そのやった結果が新たな規制に通じないようにというまたアメリカの圧力が加わるようでございますが、そこらはちょっとテレビだから先ほどから聞いているんですがよくわからないんです。私は、日本はアメリカの一つの州ではない、独立しているので、通産省は少し弱気だと思うんです。もうそんなことを一々言われぬでいいように頑張ってもらいたい。このように一つはお願いをしたいと思うんです。 それからもう一つは、小売店と大型店舗という関係は、資本力や仕入れの関係からいろいろ見まして、ボクシングでいうとフライ級とミドル級か、重量級と軽量級の差です。これは小売店が競争をやって勝でるわけがない。それは幾ら苦労したってなかなか、僕も一生懸命考えてみるんだけれどもなかなか考えられない。だから、これは日本が国が始まって以来ずっと流れてきている歴史の集積として小売店は小売店で食っている人もおる。私は、そういう人を同じ土俵に上げてたたき合いをさせるような、それが規制緩和であるとかあるいは時代の流れであるとか、社会の正義のようなことを言っている政府の感覚というのはどこか狂っている。 そこで、じっとゆうべ考えたんです。何かヒントはないかと思って考えたら、私の地元に大分県の中津市という福沢諭吉の出たところがあるんです。人口が六万ぐらいなんです。ここは駅の北側というか海側に昔からの商店街がずっとあった。最近、郊外の三光村という小さな村に大型スーパー、それはもう大きいのが今度来た。それで今、旧市街地というのは本当に惨めなものです。私らも選挙のときには旧市街地をずっと一軒一軒回っていたんです。もう今はあっちやこっちや惨めなものですよ。 要するに、人が物を買うというときに、財布から出るお金はどこで買おうが一緒なんです。そうしますと、大型店で物を買えばそれはどこかが減るでしょう。恐らくそういう商店街のお客さんも減るでしょう。これは当たり前のことでして、もう今はちょっと車を走らせていけば駐車場もいっぱいあるからそこへ皆行きますよ。昔の商店街を一体どうしてくれるか。これは小売店はいろんなことを考えてアーケードをつくったり何やらやっているけれどもなかなか起死回生の手にならない。そこで、私は考えたんです。そういう大型店が来るなら、大型店から少し税金に類するような小売店対策用の資金を売り上げの何%か出してもらうんですよ。その金を中小の小売店あるいは廃業する人とか、あるいは小売店の近代化政策とか、そこに役立てるようなことはできないか。これをゆうべ一生懸命考えた。 そして、先ほど資料をいただきました。フランスのロワイエ法の中身を見ますと、これは質問通告していない話ですけれども、私の意見です。一九七三年十二月にロワイエ法としてフランスでは集約されております。フランスのロワイエ法の目的というのは二つあります。 「①中小小売商の社会的な地位を改善するための一般的基盤を提供すること ②大型店が中小小売商を特別に援助すること」、「①は大型店の発展を抑え、中小小売商の近代化をはかり、②は大型店に特別課税をし、その財源によって、高齢の中小小売業の経営者が廃業する際に助成しようとするものであった。一九七三年には約四万人に対し、四億七〇〇万フランの助成が行われたといわれている。」、こう書いてあるんです。 だから、私はこれをさっき見まして、ゆうべ考えたことと大体一致しているんですよ。時代の流れとか規制緩和とかいうものじゃなくて、フライ級とミドル級を戦わせれば結末というのはわかっているんだから、何らかの形でそこの弱いところに、何かおしりに手を打っ立てるようなことじゃなくて、基本的なものに迫る、もっとヒューマニティーなところに迫る、平等、公平、そういう問題に迫っていく、そういうやり方が必要ではないか、私はこのように思ったんです。通産省もいろいろと知恵を出して頑張っておられることについては多といたしますが、さらにそこを踏み込まないと、これは日本の都市が変わり文化が変わり、社会がいびつになってくると思うんです。これが一つです。 それからもう一つは、競争力をつけさせるとすれば、今の農業、私たちは米の自由化問題で大分議論をいたしました。今考えてみますと、だんなが市役所がどこか会社へ行ってサラリーマンをやっている、奥さんが家におる。奥さんも働いている、そういう場合もあります。じいちゃん、ばあちゃんが加勢をしている場合もあります。いずれにしても、働いているだんなは土曜とか日曜に帰って、自分の耕地、五反とか六反とか小さい面積でありますが、それを耕している。そして稲を育てる。そして秋には収穫する。日常はサラリーマンをやっている。規模は、それはアメリカの大農場とかあるいは海外の大農場に比べて非常に小さいわけです。小さいけれども、競争力という点になったら、永遠に恐らく米作農業をその人たちは続けられる、跡取りがあれば。 だから、中小小売店も、だんなはサラリーマンをやる、母ちゃんが商店街で頑張る、あるいは奥さんもどこかで働くならば、じいちゃん、ばあちゃんに応援してもらう、あるいはだれか信用のできる人に加勢してもらう。その場合に、お店と生活する拠点が一致している、雇っている人も非常にいい生活環境でその小売店の中に家族と一緒に生活できるようにしてやる。そういう地についた政策に助成するとか支援をするような形をとっていけば、これなら相当競争力はあると思うんですよ。そして今、商店街は近代化されて、コンピューターか何かでいろいろつながって仕入れもうまくやれるような、そういう面の助成もやっていけばこれはできる。 何かそういうものを考えて本格的にやらないと、これは今皆さんから提出された法案を読んでみまして、これだけでは行き着くところ、それはもう目に見えている。恐らく中小小売店がよかったというような画期的なことにはならない、こう思いますので、この点を申し上げておきたいと思います。 何かありますか。
○国務大臣(堀内光雄君) 突然の御指摘でございますが、まさに梶原委員の御指摘の問題、フライ級の商店街をいかにして活性化させるか、そしてヘビー級に打ち勝つ、対等に戦えるといいますか、そういうものを考えたのがこの中心市街地活性化法であります。 まさに商店街の場合でも、今まで駐車場がないために車で便利な人たちは郊外に行ってしまったものを駐車場を用意するとか、あるいは交通のアクセスをもうと便利にするために交通機関の体制をつくり上げるとか、あるいはいろいろのコミュニティーのための集会場を設けるとか、今までは個々の通産なり何なりがやっていたいろんな問題を総合的に十一省庁が全部集まって、その中で得意分野を発揮しながらその市町村の熱意に基づいてそれを実現させていって今までの中心市街地が衰退しているものを活性化させようと。それで、その地域の市街地全体の高齢者の方々や交通弱者の方々は、これによって大いに生活の基盤、環境の体制が整ってくることにもなります。あるいはその地域の中で足りない部分については、応援をする体制の中で商店街が活性化をしていくとか、いろんな面を含めたものがこの中心市街地活性化法であります。 まさに委員の御指摘をいただいたような対策を行い、それの成果を上げられるように、今までばらばらの縦割り行政の弊害を十一省庁がしっかりとこの際は成果の上がる体制に窓口を一本にし、同時に、意欲のあるところには必ず成果が上がるような体制を率先して各省庁がまとまってやっていこうというようなことでございますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。 と同時に、フランスのロワイエ法というのはグローバルスタンダードというようなものではないようでありまして、あそこはほかの国の例とはちょっと違ったケースであるというふうに思います。グローバルスタンダードという意味合いで日本の今の大店立地法を考えてまいりますと、一つの参考にはなるかもしれませんが、基準になるものであるというふうには考えていないわけでございます。 答弁になったかどうかわかりませんが、その点で御理解をいただきたいと思います。
○梶原敬義君 尊敬する通産大臣のお言葉でございますが、中心市街地の整備改善というのは中心市街地だけなんです。大型店の出店によって被害を受けるというのは、中心市街地から外れておっても商店で商売をやっている中小の人たち、これはもうみんな響くんです。そして、どのくらいの予算を中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化に投入するかというのは、これまた予算のことはなかなか厳しいわけですから非常に限界があるんです。だから、もっと広くすっと全体に波及するような形のものを考えていかないと、一部商店街だけ、そんな問題じゃないということを指摘させていただきたいと思います。 フランスの話は参考にしていただきたいし、それからアメリカも、これは「アメリカにおける都市と商業に関する思潮と政策」、原田英生さんという人が書いた論文でございますけれども、これの「アメリカにおける規制制度の特性」というところをちょっと読んでみますと、「つまり、ダウンタウンの小売業を保護することが就業機会の確保、税収の確保等、公共の福祉の維持・増大につながると判断されるならば、ゾーニングによって郊外のショッピング・センター開発を規制することが合憲・合法となりうる」と、こういうことを書いているんです。 私もアメリカへ行ってスーパーなんかを見てきましたが、先ほども言いましたように、地方の中小都市に商店がありますが、本当に今大変なんです。これは大型店が一キロか二キロか三キロか離れていても関係ないです。そっちに行きますよ。そうすると、買うお金は一緒ですから中小の小売店が寂れていくというのは、これはフライ級とミドル級の戦いと同じなんです。だから、これは今言われるようなことだけではなかなか解決しない、後に問題を残す、このように思いますし、また今後ともこれはこれでさらに取り組んでいただきたいと思います。 ちょっと具体的に言いますと、きょうは大規模小売店舗立地法を中心にやりますが、この次には中心市街地の問題もやりたいと思います。本法第四条の指針の中に、私も国会に来まして商工委員会を十三年ぐらいやっているんです。これは通産省だけじゃないんですけれども、指針とか省令とか姿の見えないものでやってきているのも非常に不親切で、これは判断のしようがないんです。 第四条に、「通産大臣は、」「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針を定め、」、これが本法案の中で一番重要なポイントを占めているんです、「これを公表するものとする。」、「指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。」、「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき基本的な事項」、これがわからぬ。こんなことを我々が、ああこのことかとなかなかわからぬ。「大規模小売店舗の施設の配置及び運営方法に関する事項であって、次に掲げるもの」、イ、ロと書いて、これはわかるんですが、この法案は二月二十四日に閣議決定しているんです。今日はもう五月十二日でしょう。だから、指針のアウトラインぐらいはやっぱり審議過程には出すべきだと思うんです。五条の省令のところもそうなんです。 これは国会軽視も非常に甚だしい。我々も、ここの経済・産業委員会に類するものだけじゃなくて、今もう数が少なくなりましていろんなことをやっていますよ。それは多忙をきわめている。通産省や建設省も相当な陣容を持っておりまして、今日この審議をする時点までに、指針の基本的なアウトラインはこのぐらいになりますよという、参考にするぐらいのものは出してほしかった。この点について事務局、どうなんですか。
○政府委員(岩田満泰君) 指針についてのお尋ねでございますが、私どもも確かに、法案を作成し、国会に提出した以後、この指針としてどういうような内容を盛り込むことにするのが適当かということの検討を続けてまいってきております。その意味におきまして、まだ骨格的な段階にございますけれども、それなりの考え方を整理しつつあるという状況が現状でございます。 たびたび御説明しているところでございますが、もちろん指針と申しますのはすぐれて実態に絡む話でございますので、法案を成立させていただいた暁には、私どもこれから実態に絡む調査というようなものを相当程度し、まさに指針という名にふさわしい、法の運用上のもろもろの指標、対応例、参考となるような事項を盛り込んでいかなければいけない。それにはやはり先例、実態、そういったものの中から酌み取るべき内容が多数あるであろう、そんなふうに考えておるわけでございます。 いずれにせよこれからでございますが、あらあら私どもの今までの検討結果、項目程度のものということになろうかと思いますけれども、まずこれから私どもがこんなことについて多分考えるんであろうというようなことにつきまして、御質疑の中であるいはまたこの御審議の中で私どもお答えをさせていただきたいと考えます。
○梶原敬義君 岩田審議官の言われることはわかるんです。しかしさっき言うように、二月二十四日に閣議決定して今日まで相当時間があったんです。少なくともその間は、担当者もいっぱいおるし、指針のある程度の中身あるいは省令についてはこのくらいというもう少しアウトライン、この法案そのものを審議するときに指針というものを箇条書きで書いておるだけでは本当はわからぬのです。僕は十何年ずっと商工委員会でやって、一番悪い癖はそこだと思う。だから、くだらぬ法律もいっぱいつくってきた、役に立たない法律も本当にまじめにやってきた。 だから、そこのところで一番結局問題になるのは、指針とか省令に移す、指針とか省令になったらもう我々は全然経過はわからないんです。だから、法案を審議するときにこれは今後十分配慮してほしい。それ以上言ったって出てこないだろうから申し述べておきたい。
○政府委員(岩田満泰君) これまで私どももそれなりの検討はさせていただいてきておるものはございます。ただ、まだ骨格にかかわるような事項でございますが、こういったような範囲、こういったような内容のものになるであろうという発想のようなものぐらいはお酌み取りいただけるかと存じます。御指摘でございますので、この委員会の場に御指示がございますれば提出をさせていただいて、御審議をいただければと存じます。 なお、もう一度申し上げますが、これはまだ私ども自身、通産省としても指針の策定官庁としてもろもろの実態調査が必要だと思いますし、広くいろいろな専門家の御意見も聞く必要があると思いますし、さらに関係省庁との御相談、あるいは関係省庁の逆にお知恵をおかりするというようなことも相当程度中に含まれるということでございますので、なお項目程度の話でございますが、御指示がございますればこの委員会にも提出をさせていただきたいと存じます。
○梶原敬義君 その後段のところが困るんです。なおいろいろのよき意見を聞いてというと、もしこの法律の外でやった方がいいような問題が出てきた場合、それはもうやれないんです。いろいろ聞いたらちょっとここが落ちていた、ここが落ちていた、こうしたらどうかというような問題があったら、その指針の中には入れられないようなものが出てきた場合に、一番大事なことをそっちのけにしてずっと進んでいくような形のものになりかねない。もう少し今後、大臣、特に省令や指針についてはぜひ地方自治体とかあるいは商工会議所、商工会等の意見をやっぱり十分聞くようにしてください、現地の意見を。二月二十四日に閣議決定して今日までそういう意見を担当者は大体どの辺まで聞いているのか。聞かれたという話は余り聞いていない。 次に、建設省に聞きますが、特別用途地区の指定、きのう本会議でもちょっと出ましたけれども、これをここはいいとか悪いとか市町村長に色を塗らせるというんです。これは、市町村長というのはそういう地域の利害に絡むことを地方の条例でやれるかなと思うんですよ。だから、県あたりがもっと主導するような形をちゃんとしないと、これはなかなか実際問題として難しいのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(木下博夫君) 都市計画決定は、御承知のとおり、具体的な土地に制限を行うことでございますので、一般的に言いまして住民の方とか土地の所有者からいろいろ御意見があることは当然でございます。私どもは現在、地方分権推進委員会とか都市計画審議会からいろいろ勧告なり指示をいただいておりまして、大きな流れは、街づくりは限りなくその地元でやっていただこうという方向でございます。ただ、先生おっしゃられましたように、そうは言うものの、具体的な地区指定を行うときは相当大変であろう、私もよくわかります。そこのところはむしろ実態を御存じの先生の方に申し上げるまでもないわけでございます。 ただ、そういう中におきまして、どういう手があるかといろいろ考えておりますのは、まず隣の市町村と一緒にいろいろ物を考えていただくとか、あるいは県との間でいろいろ物事を考えていただくというようなやっぱり場づくりというものを重ねていく必要があろうかと思います。 先ほど来ほかの先生からも指針のお話等もございましたけれども、都市計画サイドからいきますと、ちょっと話が長くなりますが、今市町村レベルでマスタープランというのをつくるように指導させていただいています。衆議院でも御議論ございましたが、現在全国で約三百近くの市町村がマスタープランをつくっておりますが、都市計画決定をしておりまして本来マスタープランをつくる可能性のありますのが約二千でございますから、数からいくと非常に少ないという御指摘も委員会の席でいただきました。ただ一方では、策定準備中が約八百余りありますので、私たちは、今回のいろいろ出させていただいています法案の関係も含めまして、ぜひこの都市計画の世界でのマスタープランの策定を促進したい、そのマスタープランの策定過程におきまして十分御議論いただいて、多くのコンセンサスを高める中で、先生の御懸念のありましたようなことをできるだけクリアにしていきたいと思っております。もちろん、問題はそういったやすいことでないことは十分承知しております。 以上でございます。
○梶原敬義君 次に、第十三条、「地方公共団体の施策」というところで、「地方公共団体は、小売業を行うための店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境を保持するために必要な施策を講ずる場合においては、地域的な需給状況を勘案することなく、この法律の趣旨を尊重」、この地域的な需給状況を勘案するなと、これはどういうことを言っているんですか。
○政府委員(古田肇君) 今回の政策転換の考え方は、先ほど来るる御指摘ございましたように、経済的規制から社会的規制への転換、こういうことでございます。その地域で商業の総量がどうであるかとか、購買者の数、動向がどうであるかとか、そういつた商業の需給に着目をして個々の出店に当たって物事を判断するということは、御指摘の十三条の「地域的な需給状況を勘案することなく、」ということで認められないということになっておるわけでございます。この意味は、冒頭申し上げました政策転換、経済的規制から社会的規制への転換ということを外したものであるわけでございます。
○梶原敬義君 先ほどアメリカの例を言いましたように、もう一回読みますと、「ダウンタウンの小売業を保護することが就業機会の確保、税収の確保等、公共の福祉の維持・増大につながると判断されるならば、ゾーニングによって郊外のショッピング・センター開発を規制することが合憲・合法となりうる」と、こう言っているんです。 だから、少し我が方はアメリカの圧力みたいなものに屈し過ぎておって、まじめ過ぎているんじゃないか、そんな感じがするんだけれども、どうですか。
○政府委員(古田肇君) アメリカのシステムについて御紹介がございましたけれども、基本的には、都市計画の観点から地方自治体が規制を行うゾーニングの仕組みの中でその都市・地域の構造を検討し、その一環として商業のあり方が打ち出されているというふうに理解しておるわけでございます。 十三条は、先ほど先生お読みいただきましたが、繰り返しになりますが、「周辺の地域の生活環境を保持するために必要な施策を講ずる場合においては、地域的な需給状況を勘案することなく、この法律の趣旨を尊重して行う」、こういうことでございます。他方、中心市街地の活性化の観点から郊外をどのように開発していくか、あるいは郊外のあり方いかんというようなことについて、例えば改正都市計画法等のゾーニング的な手法を活用することは私どもは可能であるというふうに考えております。
○梶原敬義君 先ほど私の地元の例を出しましたように、駅があって、駅の北側というか海側は旧商店街、南側は高架になりまして、そっちにも商店街がある。それから約三キロぐらい行ったところに、今度は違う村に非常に大きなスーパーができました。そうしますと、もう相当吸い上げられているんです。商店衛だけじゃないですよ。中小小売の売り上げの相当吸い上げられております。また遠くからも来ます。 全く需給に配慮しないといったって、そこで私は考えたんだけれども、これはだからロワイエ法みたいな形で、来たそういう大型店がある程度弱者を食うていくわけですから、目的税みたいな形で税金でも払って、そういうつぶれていくところを救済するような制度か何かとらなきゃ、国の予算でやったってもう間に合わぬですよ。国の予算、そんな金ないですね。 だから、この十三条は相当重みを持って今度日本の経済社会を変える大きな柱になってくると思うので、こういうことが問題になれば、財政構造改革法もつくってすぐ改正するようなことだから、そこは少し、余り通産省もこだわらぬで、次に修正するときはやっぱり修正を思い切ってしなきゃいかぬ。ずっと長い間見てきたら、大したことない法律も一生懸命協力してやってきましたから、だから今後そう縛られることはない、変えるところは変えていくようにやってもらいたいと思います。大臣、いかがですか。
○国務大臣(堀内光雄君) お話は承りました。
○梶原敬義君 それから、もう最後になりますけれども、勧告、公表、これはやっぱり命令とか罰則とかいうところまである程度入れておかないと。 昔、財界の人たちは一流で政治家が三流と、こう言われてきました。何を言っているんだと本当に私は思いましたけれどもね。それは、財界というのはお金もうけのためにやるんだから、この辺というのは規制を厳しくしておかないと。勧告して、言うことを聞かなきゃ公表する。これではやっぱりちょっと。 例えば、高齢者雇用とか身障者雇用率なんかをつくったときには、初めこの公表制度というのがあったんです。そして、一番問題は、身障者雇用率とか高齢者雇用率はきれいなことを言うけれども銀行が悪かった。やれと、公表せいと揺さぶっていくとだんだんよくなっていくんですよ。 だから、スーパーとか大型店というのはそういうもので揺さぶっても銀行のように効き目がないから、やっぱり法律である程度命令をかけるようなところまでやっておかないと非常に心配があると、このように思いますが、いかがですか。
○政府委員(岩田満泰君) 先ほども御答弁をさせていただいたところでございますけれども、一つには、今先生も御指摘でございますが、銀行と比較してどうかということでございますけれども、やはり小売業というのも地域立地産業でございますので、その評判というものの意味合いは大変大きなものがあると存じます。 あわせまして、若干簡潔に御説明いたしますが、法制上の制約とでも申しましょうか、罰則・命令体系をとることに伴う調整対象事項の限定が迫られざるを得ないという法制論としての制約の中で、できる限り幅広い項目について地域の実情を反映したような調整が行い得るという、その目的との比較考量におきましてこのような体系を選択させていただいたということでございます。 あわせまして、九条四項の中に、単に勧告ができるということだけではなくて、その勧告を受けた者がどのような対応をすべきかということにつきまして強い方向性を持った規定ぶりを置いておるところでございます。 私どもとしては、この九条四項の置かれている趣旨を周知徹底し、かつ、法律の成立後におきましてはその運用の状況につきまして注視をしていきたい、このように考える次第でございます。
○梶原敬義君 最後になりますが、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案、これは一つだけ聞いておきますと、通産省、建設省、自治省、ここらが中心になって十一省庁でやる、そして連絡協議会をつくっている。しかし、いろいろやるには全部相談しなきゃいけない。これは大変なことで、窓口一本化というか、何か連絡協議会の事務局あたりに連絡室みたいなものをつくってやろうとしているんでしょうが、これはなかなかややこしい話でありまして、市町村、中心市街地の方から要望が出れば実際問題としてこれで支障なくスムーズにいくようになるのかどうなのか。
○政府委員(岩田満泰君) 先生既にお触れでございますが、私どもできる限り、市町村の基本計画の内容に盛られた個々の事業に対する国の支援ということについて円滑に行うと同時に、市町村の負担をできるだけ軽減するという意味で、情報の提供ですとかもろもろの相談というような窓口を建設省あるいは自治省と御一緒に中心になりまして一元化するということを考えております。 同時に、個々の事業に対する支援ができるできないの問題につきましては、関係省庁の連絡協議会をつくりまして、そこの場で検討するということを考えております。その検討に当たりましては、実際問題として私ども通産省としては、まさにこの中心市街地法が車の両輪と言っております市街地整備と商業等の活性化という意味合いにおきまして、建設省との情報交換をあらかじめ前広かつ密接に連携を行うことによりまして、手順からいえば、私どもと建設省との協力関係というものをまず固め、それがどうできるかを決め、その上で今度はどこの省になりますか、市町村が選ばれた事業の関係省庁に対してお声をかけさせていただいて、できるだけ円滑にその関係省庁と連携協力関係がとれるような、そのようなことで建設省とは密接に協力をしていきたい、このように考えているところでございます。
○梶原敬義君 終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、大規模小売店舗立地法案及び中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下芳生君 日本共産党の山下でございます。 まず初めに、少し大臣と商店街初め中小小売商業の持っている役割について議論をしてみたいと思うんです。これはもう既にいろんな形で、中小小売業の皆さんが地域の自主的な組織、PTAでありますとか町内会でありますとか消防団でありますとか、そういう役員を担ってくださっていたり、あるいは祭りなどの文化を支えてくださっていたり、まさに地域コミュニティーの中核としての役割を果たしてこられたということは、これは共通の認識だというふうに思います。 私は、なぜそういう役割を商店街や中小小売商の皆さんが担い得るのか、たまたま世話好きの方が多いのか、そうじゃないと思うんです。やはり中小小売商の皆さんというのはその地域に住んでいらっしゃる。地域に溶け込んで営業しなければならない。ですから、周りの地域が健全に発展してこそみずからの営業や経営も発展できるという、そういういわば宿命といいますか、そういう存在だというふうに思うわけです。ですから、存在が意識を決定するといいますが、地域に対する愛着や責任感というのが非常に強い、こうなっているんじゃないかと私は思うんです。 ですから、きのうの本会議でも紹介いたしましたが、商店街の事務局と地域の住民の皆さん方の各家庭をファクスネットで結んで、単に御用聞きだけじゃなくて、御高齢の方がぐあいが悪くなったときの緊急通報にも役立ててもらおうと。これはまさに高齢化社会の中で周りの住民の皆さんが元気で健康で暮らしていてこそみずからの商売も発展できるからであります。 私も、私ごとですが、小学生の子供がおりまして、小学校に上がる前からごく近所の小さいお店屋さんにパン買うてきて、牛乳買うてきてとお使いにやることができました。やっぱり顔見知りの店主の方がいるからなんです。むだ遣いせぬように、いたずらせぬように、教育の機能まで果たしていただけている。 少年の非行の問題が大問題になりつつあるし、これからの高齢化社会は大変な問題ですが、そういう中で、二十一世紀の地域社会においてやはりこうした機能を持つ商店街、中小小売商業というのは地域社会共有の私は財産だというふうに思いますが、まずこの点、大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(堀内光雄君) 商店街に対する委員のお考えは全くそのとおりだと思いますし、商店街というものは古くから地域のコミュニティーの場所的な役割も果たしてきたものだというふうに考えております。
○山下芳生君 その商店街を守る、守るという言葉が少し適切ではないとすれば、大型店と中小小売店とのすみ分けということを先ほど小島委員がおっしゃいました。共存共栄を図る、これはやはり大事な政治の役割だというふうに思うわけです。 総理も、これもきのう紹介しましたが、「政権奪回論」の中で、「大規模小売店と中小小売店とがそれぞれの特性を生かして、うまく機能分担させるための規制といえる。つまり、巨大な資本を持つスーパーや百貨店という強者から、魚屋さんや八百屋さんなどの弱者を守ることが、この大店法の眼目なのだ。」と、そう強調されておりました。 現行の大店法は、相次いで規制緩和されたとはいえ、大型店の店舗面積を大幅に削減させたり、あるいは営業時間や閉店時間や休業日数を制限するなど、今日でも一定の役割を果たしているというふうに思います。 そういう商店街や中小小売商業の果たす役割が大事だと大臣も総理もお認めになっている。そして、その大事な役割をすみ分けさせていく、守るために大店法の役割があるんだ、強者から弱者を守らなければならない、そう言いながら、なぜこの大店法を廃止するんでしょうか。ぜひ納得のいく説明をいただきたい。
○政府委員(岩田満泰君) 今回の政策転換につきましては、まさに現行の大店法の限界というものを克服しようとするものであります。 先ほど来も大臣が何度も御答弁申し上げでおりますように、第一に、大店法では大型店の立地に伴う交通問題あるいはごみ問題といった環境問題に対応できない法律体系になっていることは明らかであります。 第二に、規制緩和といった流れの中で、経済的規制である大店法による大型店の出店規制を継続することには限界がありますし、また、実態問題として、集積間競争が大きくなる中で、大型店と中小店という対立の図式だけで見るということ、そういった図式が崩れつつあるということであります。 第三に、経済的規制ということで、大店法につきましては長年にわたり内外から廃止すべきという強い御指摘があるということでございます。 そういった事情の中で、今回大型店の出店というものに着目をして、一方におけるゾーニング手法の活用の道をより多様なものにすること、一方において環境問題に対応する大店立地法の制定をする、あるいはそういった中で、町の中心部である中心市街地に対してはこれを一方で活性化するための支援策を新たに講ずる、こういうことにしたということでございます。
○山下芳生君 私改めて、大店法を廃止する三つの理由を今お述べになりましたが、三つ、一つ一つ考えても、どれ一つ大店法を廃止する理由としては説得力がないというふうに言わざるを得ません。 まず第一の、大型店の立地に伴う交通やごみなど生活環境の対策が大店法ではとれないという問題であります。 その生活環境を大型店が出店する際に重視をしていこう、これは結構なことであります。生活環境重視というのは賛成であります。しかし、生活環境を重視するんだったら何も大店法を廃止しなくたってできるじゃありませんか。先ほど、これも小島委員が現行の法体系の中でできることがあるんじゃないかというお考えを示されましたけれども、私もそうだと思うんです。 実際に、今の現行大店法のもとで大店審の審査要領というものが出されておりますが、その中にはちゃんと「当該地域の「街づくり」」に「配慮する。」こと、例えば「市町村において当該地域の「街づくり」に関する計画等が作成されている場合、」、これに「留意する。」ということが書かれております。つまり、生活環境も含む街づくりに対する配慮、留意というのが現行の大店法の中にもあるわけですよ。これを例えば法律の条文にするなど充実すれば、私は生活環境の面からの対応というのはできるというふうに思うわけです。そういう手法をとらないで、わざわざ別の立地法という手法をとって大店法を廃止する、これは廃止の理由にはならないんじゃないか。私たち日本共産党は現行の大店法の改正強化の案を出しておりますけれども、まさに今の現行大店法の中に生活環境、街づくりの規定を盛り込めという改正案であります。 この生活環境重視、もっともなことですが、これを理由にして現行大店法を廃止する根拠にはならないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岩田満泰君) 私ども、先ほども申し上げましたとおり、もろもろの規制緩和の流れの中で経済的規制という大店法というものに限界がある、あるいはその有効性が低下してきている、あるいは内外の批判、こういったようなものを総合的に勘案しているということでございまして、大店法にこれをくっつければそれでよろしいではないかということには直ちにならないということでございます。
○山下芳生君 これが理由になるということもなかなかお認めになれないわけです。総合的にということしか言えない。 そこで、二つ目の、規制緩和の流れの中で経済的規制という手法では限界があるということですが、この問題については、先ほど来の答弁でもありました、諸外国の大型店規制の手法についてです。私はきのうの本会議で、経済的手法と社会的手法、この両面から規制をしているのがヨーロッパ諸国の実態であり、それを強化しているのが九〇年代の流れだということを紹介しました。残念ながら、きのうの総理の答弁もそれから先ほどの通産大臣、通産省の答弁も、その質問に対する答弁はアメリカとドイツの事例しか出てこない。しかし、フランスやイタリアやベルギー、イギリスは明確に中小企業への配慮規定を盛り込んだ経済的規制の手法で大型店を規制しております。 中でも、フランスはロワイエ法を九六年に規制強化しておりますし、イギリスでも八〇年代、出店規制の法律がなかったために大型店が郊外にどんどん立地して中心市街地が空洞化していった。この反省の上に立って九〇年に都市田園計画法を制定し、その後二回にわたって規制強化をしております。その内容は、経済的影響も考慮して大型店の出店を許可するという内容になっております。 ですから、経済的規制という手法はまさにヨーロッパにおいて一つの根幹であり、この側面を九〇年代に入って強化してきたというのがヨーロッパの流れ、グローバルスタンダードなんです。日本だけですよ、九〇年代に入ってあえて三回大店法の規制緩和をしたのは。こういう事実があるにもかかわらず、経済的手法というのは限界だという結論を出すのは余りにも主観的過ぎる。私は、この経済的規制には限界があるというのは勝手な結論だというふうに思うんです。これはこんなことをやってもらったら困るんですが、どうですか。
○政府委員(岩田満泰君) 衆議院以来の御議論でございまして、あるいは経済的規制という言葉の定義の問題ということにもなろうかと存じますが、少なくとも昨日の本会議における答弁にもございましたように、イギリス、ドイツ、アメリカといったような国々が行っているいわゆる大型店の出店規制にも適用されるルールというものは、まさに俗に言ういわゆるゾーニング手法によって行われているわけでございまして、需給調整を行うような趣旨において行われているものではないわけであります。 かつ、その中において議論がされていることは、先ほど来御議論もあったところでありますが、都市の町の全体としての構造、あるいは言い方をかえれば町全体としての機能の配置、そういうものをどういうようなものにするかということを議論をし、その中で小売商業の機能というものをどういうふうに位置づけるか。なぜならば、小売商業の機能は都市機能にとって不可欠な機能だからであります。当然のことながら、そこではその町全体における住民の居住状況その他を考慮してゾーニングという形で、ここにはこういう施設、ここにはこういう施設というものが要るであろうというようなことをして規制をしているということでございまして、どこかにある特定の店、特定の商業集積を守るためにこちらに何かをつくってはいけないとかという発想ではないわけであります。そういう意味においてまさに発想が違う。 もしそれを、社会的規制ではなくて、それにも経済的要素も入っているんではないかとおっしゃる定義の議論であるとすれば、衆議院でも御議論のあったところでありますが、ゾーニングの中において経済的な要素が勘案されないということはあり得ないわけでありまして、確かに都市の機能の中には経済的要素はあり得るわけであります。そういうものこそ、実はゾーニング手法の中において経済的な要素はある。購買機会というような御議論が衆議院においてもあったわけでありますけれども、そういうことはあると思います。しかしながら、それは、おっしゃるような経済的規制と社会的規制を一緒にすることがいいのではないかという議論とは同じではないと私どもは理解をいたしております。
○山下芳生君 フランス、イタリア、ベルギー、これはまさに経済的手法を中心とした規制を行っておりますし、強化しております。これは事実であります。これは外務省も衆議院でそういう答弁をされました、事実問題として。 ですから、私は何もゾーニング規制をしてはならないと言っているんじゃない。経済的手法もちゃんと世界ではとられている。しかもそれが強化されている。これが外務省も認めた事実なんです。なのになぜ日本の大店法を廃止しなければならないのか、理由にならないじゃないか。ゾーン規制をしてはならないということを言っているんじゃない。経済的手法をしてはならないというのは、世界の流れからいってもおかしいじゃないかということを言っているわけです。 実際、大店法に基づくこの経済的規制というのが役に立たなくなったのかというと、そうじゃないと思うんです。実際、この間も大型店の出店の申請に対して店舗面積の大幅な削減などがやられております。それは、地域の中における商業の集積がもう既に一定の比率よりも超えている、店舗面積がこれ以上ふえたら大変だということで削減がされているわけでありますから、やはり経済的手法による規制が現実の日本の各都市、地域においても必要だという判断がされているから削減されているわけです。もう限界とか要らないとか、用がなくなったという理由は全く成り立たないというふうに私は思います。 それから、三つ目の大店法廃止の声ですが、これはその声が出ている中心的な発信源というのは、一つはアメリカであり、もう一つは大手流通業界、大型店の側であります。しかもこのアメリカというのは、同じ大型店出店規制をやってきたヨーロッパに対して規制緩和の要求をしていない、一切やっていない。このことも外務大臣が衆議院で答弁されました、事実であります。 大型店の側が大店法の規制緩和撤廃を要求するのは、これは当たり前であります。もう一方の声をなぜ聞かないのか。廃止してもらっては困るという声をなぜ聞かないのか。日本商工会議所やあるいはさまざまな中小小売団体の皆さんが、これ以上の大店法の緩和はやめてくれ、そういう本当に心底の叫びを上げられて、たくさんの団体が共同した大店法緩和反対の決起集会までやられたわけです。 消費者の中からも、安心して住み続けられる町をつくっていく上で、冒頭紹介したような商店街ないし中小小売商業の果たす役割というものをだんだん認識される方が広がっています。地域の住民からも、商店街がこれ以上寂れてもらったら困るという声も出ているわけです。なぜそういう緩和してくれるなという声に耳をかさずに、緩和せよという声だけに耳を傾けて、しかもその声というのも日本にだけ、ヨーロッパには来ない非常に偏った声であります。 もう一つは当事者の声であります。耳の傾け方が、声に対する聞く姿勢が偏っているんじゃありませんか。
○政府委員(岩田満泰君) まず、三つ目とおっしゃいました話でございますが、もちろん今挙げられました中小企業団体あるいはもろもろの方々の御意見を私どもは十分に承知をいたしております。同時に、これはもう大変古い、国内の議論にしても決して大型店の人たちがそう言っていたということにとどまるものではございません。もろもろの機会に、前川レポート等々、それ以来の長い歴史があって大店法というものについて疑問が呈される段階から、これをできる限り早く廃止をしろという議論があったことは御承知のとおりであります。 同時に、アメリカからのみ海外からは言われているかと言われれば、そんなことはございません。基本的に大型店問題というのがやや極端に言えば先進国の問題であるという意味においてでございますけれども、アメリカ、EUそろって従来から我が国に対してこうした経済調整を行う法律について批判的な目を向け、その廃止を主張してきたことも御案内のとおりであります。その上に、近年におきましてはWTOという国際ルールが成立をし、その中でとりわけサービス貿易一般協定というものが成立をして、需給調整に伴う店舗の数の制限あるいはサービスの総産出量の制限をやってはならないという規定が置かれたことは、我が国の大店法をめぐる議論とは別に、世界一般の潮流の中にそうしたものについての批判的な国際的な世論ができ上がりつつあることは明らかであります。 したがって、その中においで我が国がどういう対応をするのが望ましいか。あるいは国内においてどういう主張があり、どういう対応をするのが、中小小売商あるいは商店街というものの持っている重要な役割があればあるほど、それを正しく位置づけたどういうふうなやり方がいいかということであります。大店法を運用した結果として残された現在あるいろいろな町の問題というものを考えても、そこにおいては計画的なアプローチというものがやはり重要であろう。それをやることが最も適切だし、また真っ正面からこの問題に取り組む方法であろうということで私ども考えておるわけでございます。 いずれにしても、個別の出店を個別に調整し、いいの悪いのあるいは減らすのというような議論をすることによって本当に住民にとっていい街づくりができるのか。あるいはそこにおいて立派な役割を果たす、個々の御努力をされて、先生が先ほど挙げられたような本当に住民が喜ぶような広い意味のサービスも含めて提供ができるようなもし小売店がありあるいは商店街があるとすれば、そういうものを町の中にきちっと小売機能の位置づけとしてやっていく、そういうアプローチこそ欧米がとっている手法でもあるし、少なくともサービス貿易一般協定が禁止をしているようなやり方ではない。その意味において、私どもはそういう道を選んで、まさに地域の人々が、広く各層の住民の人たちが運動と申しましょうか、そういう方向に取り組みをしていただくように私どもも一緒になって努力をする、そのことこそ重要だというふうに考えております。
○山下芳生君 しかし結局は、大店法を廃止してそういうことをやらなくたっていい、あえて廃止する理由はない。私は、三つの理由は極めて説得力のない理由だというふうに、今の話を聞いてもそう理解せざるを得ません。 それで、WTO協定についての政府の公式見解は、大店法はWTO協定には違反しないという立場であります。それに対して、なぜそうなのか、先ほど御議論がありました、商店街の果たしている役割をもっと諸外国にわかってもらえるようになぜ積極的にきちっと主張しないのか、これは自国の主権にかかわる問題ですよ。それを、それこそWTO協定あるいはEU、アメリカということを持ち出して大店法を緩和していく、廃止していく、これ自身が私はまさに今の通産省の姿勢が示されているのではないかと言わざるを得ません。 だから私は、大店法廃止という説得力ある理由はないまま廃止をして、新たな実効性ある手法といううたい込みで立地法とゾーン規制ということがやられようとしているわけですが、この実効性についてやはり多くの商工業者から大変な不安の声が出ているのは御承知のとおりであります。 そこでまず、立地法の問題について聞きますけれども、立地法でうたわれているのは周辺の地域の生活環境保持ということですが、具体的には駐車場をきちんと整備してごみ処理対策あるいは騒音対策をやれば出店オーケーということであります。しかし、この程度のことでしたら、特に郊外型の大型店というのは既に全部クリアしているんじゃありませんか。これは新たな歯どめといいますか規制には全くならないというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 交通問題、騒音問題等々が特に審議会において最初に持ち出された生活環境のもろもろの議論であるわけでありますが、私どもが大店法の運用を通じてこの種のいわゆる住民問題と言われる論点を見ておりますときに、決して郊外であればいいということではないというふうに思います。 とりわけ、米国においての研究報告を見ましても、米国における住民紛争の問題は大方七割方が交通渋滞問題であると言われておりまして、アメリカのように大変広い国であっても交通渋滞問題というのはあるわけでございます。 日本の場合にはもっと狭い国であるということもございますが、やはり郊外に行けばもろもろの、むしろ迂回路が十分に張りめぐらされていない問題が現実には交通渋滞を起こすというような事態が存在をするわけでございます。もちろん、大変立派な迂回路も含めて大きな道路も走っているところもあろうかと存じますけれども、決して郊外に行けばすべてが解決できるということではないし、またそのほか交通渋滞以外の問題についてもしかるべき対応をしていただかなければならない。その意味で、出店に当たってしかるべく地域の方々の意見も踏まえたチェックと申しましょうか、そういう調整を経ることは十分に意味があるというふうに考えておるわけです。
○山下芳生君 そういうケースもそれはあるでしょうけれども、大半の郊外型店というのは土地が広いところに出ていくわけですから、駐車場の問題、騒音の問題が発生し得ないところに出ていくわけですから、そういうところにあえて駐車場、ごみ問題を持ち出しても痛くもかゆくもないということにこれはならざるを得ませんよ。 仮におっしゃるように交通問題が生じたとしましょう。しかし、今度のスキームでは、都道府県はただ意見を述べて、問題があれば勧告をすることができるだけ。しかも、その勧告の内容も、大型店の利益を不当に害するおそれがないものという、勧告の内容に対する制限までついでおります。その勧告を無視されても罰則はない、これでは全く実効性がないんじゃありませんか。
○政府委員(岩田満泰君) 勧告についてのお話でございます。午前中の御審議においても幾つがこの点について御指摘をいただいたわけでございます。 決して私ども、地域立地産業として勧告あるいは公表ということをもって実効性がないとは考えておりません。一方において、私どもがこういうぐらいの調整と申しますか規制の体系は必要であろうという現実から割り出した法律のカバレッジからいきますと、法制的な制約もあって例えば命令あるいはそれに伴う罰則というようなものは置き得ないのではないかというふうに考え、結果としてこのようになっておるわけでございます。 今、勧告は不当に害しないということにしかできないとおっしゃいました。まさに不当に害しない場合にしかできないのでありまして、合理的な内容でなければたとえ勧告といえども不当に害してはならないわけでございまして、その点を念のためと申しましょうか、そういう当然の趣旨のことを規定しているにすぎないわけでございます。
○山下芳生君 この実効性ですけれども、先ほどの議論の中で、地域に密着しているのが小売業の特徴だ、だから公表されれば周辺の住民の皆さんから、ああモラルのない大型店だなとそっぽを向かれて、これはダメージを受けるであろうから強制力になるかのような御答弁がありました。しかし、地域に密着して営業しているというのは、商店街や中小小売業者ならわかりますよ。しかし、何十万平米という大型店が地域に密着するといったって、商圏何十キロですよ。そういうところの周辺の住民から駐車場や騒音の問題が仮に出たとしても、それで何とか心を入れかえるなどという大変な強制力になるとは思えない。もっと莫大な広範な範囲を相手に商売をやっているわけですから。ですから、これは極めて甘い、実効性の弱いやり方ではないかと私は思うわけです。 この地域密着性というのはいかがですか。
○政府委員(岩田満泰君) 店によりましては大きくなれば商圏が広がるというのは当然でございますが、現実問題として何十万平米という店が存在するということではないと思います。 やや郊外に属するような店舗であれば大体においでスーパー系統の店でございましょうからそれなりの規模のものであると思いますが、それにもかかわらずまさに地域に密着をしているわけでございまして、その周辺の地域、商圏の範囲がある程度広いにしろ狭いにしろ、いずれにしても周辺から来られる、少なくとも到着し得るお客さんを相手にするのが小売業でございますから、そこが製造業とは徹底的に違う。どこにあっても物を運べばいいという世界とは全く違う。お客様に来てもらえなければ商売にならないというのが小売業の特性でございますから、そういう意味において、まさにそこにおける評判と申しますか、そういうものはそれなりの重みがあるものであるということを御説明申し上げたわけであります。
○山下芳生君 時間が参りましたので、建設省に来ていただいたんですが、残念ながらゾーン規制の問題を聞くことができません。これはぜひ連合審査を要求させていただいて、また機会をつくっていただければと思います。 一言だけ言いますと、ゾーン規制がかけられるのは現在の用途地域の上であります。これは全国土の四・七%ですから、ゾーン規制による規制というのもこれはごくごく限られた部分しかかけられない。用途地域の変更というのは数年単位の時間が必要ですから、その間に大型店はどんどん出店するということも考えられますから、これも規制という点で実効性は極めて乏しいものにならざるを得ないと思います。 その程度の実効性しかないにもかかわらず、大店法を廃止すれば、本来二十一世紀の地域社会で果たすべきポテンシャルを持っている商店街や中小業者が今以上に大変な事態に陥る。私はこの法案はやめるべきだということを主張して、終わります。
○平井卓志君 時間が三十分でございますから、部分的にごく限られた質問になります。わかりやすくお答えいただきたい。 つまり、今回の両法案の目的、中にもいろいろ書いてございますけれども、地域の発想、独自性の発揮、要は地域振興なんです。 通産省には私も昭和五十一年にお世話になりまして、多少は地域振興をかじっておりますけれども、ではその結果はどうかということになりますと、個々の政策、法律案ごとにどんないい結果が出たかということはなかなか判断が難しい。すべて決定するのは、やはりそのときの経済情勢なんです。 先に結論を申し上げますと、基本的にこの法律案は自由党としては賛成せざるを得ないという判断に立っております。 現在、失業率が三・九、これは最近において新記録です。アメリカが四・五と言われておる。しかしその実態は、企業内で抱えておる失業予備軍ということまで計算しますと非常にアメリカに近づいてきているのじゃないかと私は思います。それは失業率からとらえた数字でありますが、この不況感というのは非常に強い。 そういう中でこの法律案が出てきた。通産省の一つ二つの法律だけで地域の活性化ができるとはよもお考えになっていないと思うんです。これは関連省庁がどこまで腰を入れて連携してやっていくか。それにしても、今の取り巻く経済状態は非常によろしくない。 その中で、通産省としての地域振興策に関する基本的な物の考え方、その重点についてわかりやすく教えてください。
○国務大臣(堀内光雄君) ただいま委員のお話がございましたが、確かに通産省はこれまで、時代時代の経済環境の変化に対応しながら、テクノポリス法に基づくハイテク製造業の立地促進を行ってまいりました。また、地域産業集積活性化法に基づく物づくり基盤集積の活性化などを行ってまいりました。地域の産業振興の積極的な取り組みを進める各般の政策を今までも行ってまいったわけでございます。 この際の基本的な考え方というのは、すべて地方の自主性を尊重して、地方公共団体が作成する計画に沿って、各地域の実態に応じた対応が可能な施策の展開を図ってきたということにあります。そういう意味で、個性のある地域の発展に結実したものが各地においてでき上がってきておるというふうに感じております。 したがいまして、今般提出いたしております中心市街地活性化法案につきましても、商業、サービス業、都市型新事業の活性化など、基本的に市町村のそれこそイニシアチブのもとに、地域の特性を生かした意欲のあるすぐれた計画をそれぞれ地域から出していただいて、そういうものに対して関係各省庁十一省庁が全体でしっかりと取り組み、今までの縦割り行政による弊害と申しますか、いまだかつて十一省庁が約一兆円の予算をもとにして地域の活性化対策といいますか、中心市街化対策というようなものを行ったことはないわけでございまして、そういう意味での多様な施策を重点的に投入することができるようにしたというところに特徴があるというふうに思っております。
○平井卓志君 結局、それぞれの地域の考え方を独自に実行していく。そうしますと、地方自治体の権限強化の問題、これは不可欠なんです。大店立地法案及び中心市街地活性化法案、これについて地方自治体の権限を強化するどういう措置をとっているんでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 今回の制度見直しにおきまして幾つかの転換点がございます。 まず、地方分権といえばそのとおりでございますが、権限の側面において、あるいは法律の運用主体という点において、国から地方にこれを移譲すると申しましょうか、転換するというのが特徴でございます。 具体的には、現在の大店法におきましては基本的に通商産業大臣が運用主体となっておるわけでございますが、大店立地法案におきましては、市町村の意見というものを聴取しつつ、あるいは加味しつつ、都道府県及び政令指定都市がこれを運用するということになっております。中心市街地活性化法案におきましては、まず地元市町村が活性化のための基本計画を作成する、これを最大限尊重するということでございます。 従来の立法例の中によく見られました、これに対して国が承認するとかあるいは都道府県が承認するというようなプロセスが一切省かれまして、市町村が策定された計画は計画としてそのまま成立する。これに支援を行う国やあるいは都道府県というものに対してはその計画が単に送付されてくるということで、あくまで市町村の計画を尊重してそれに対して特に国はメニューを用意して、それを見て市町村が基本計画をつくられ、その中に事業を盛り込まれる。このようなイニシアチブと申しますか、主体性というものを尊重する仕組みをとって、こうしたいわゆる広い意味での街づくりというものが地元の主体性において進め得るような仕組みというものを御提案申し上げているということでございます。
○平井卓志君 この中でどうしても看過できない問題として、先ほど山下委員の方からもお話がありましたように、大型店の問題なんです。現状をいかに非難しても既に相当程度全国展開されておる。大型店大型店といいますが、同じ会社が今度はコンビニ・フランチャイズ制、二十四時間、どんどん出店しています。私の存じよりでは、年間三千店開店する、千八百店以上が廃業する、もう飽和状態になっている。聞くところによれば、アメリカの場合はそういう店は大体住民三千人に対して一店、日本は現在対象二千五百人切れるんじゃないか。立ち行くはずがない。 しかし、そのことを議論しましても話はもとへ返りませんので、大型店と中小店や商店街、これが終始そういう目で対立しておったのでは際限がございませんので、これは距離感の問題、店舗規模の問題はあるけれども、何か両者の共生を追求するすべはないのか。今度の中心市街地活性化対策において、もっとこれが強調されなきゃならぬのじゃないか。この点いかがでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 商業集積あるいは商業機能というものが地域の住民の利便と申しますか、そういうものに合うという意味においては、多様な規模あるいは業種、業態の店舗というようなものがそろっていることが一つの重要な点であろうかと思います。そのことによりまして、もろもろの需要に対応できる、あるいは中小店は中小店としての持ち味、大型店は大型店としての持ち味というものが生かし得るということもあるわけでございます。御指摘のように、専門性の高い中小小売店、大型店にはまねのできないような店舗経営あるいは品ぞろえあるいはサービスの提供というようなことをやることによって成功をおさめておられる個店がこれは全国にも多数あるわけでございます。その中に、また大型店は大型店としてのメリットを生かし得るもの、こういうものが共生する集積を形成するということはかなり重要なことでございまして、これまた既に全国各地にそれによって成功をおさめられている例を見ることができると思います。 そのために今回、中心市街地活性化法の施策を検討するに当たりましては、地元においてコンセンサスのもとに作成する基本計画のもとで中核店舗を例えば誘致するというようなことを含めまして、大型店を含む商店街あるいはその周辺の面的な整備をやるというような計画がつくられることが必ずやあるだろうということを想定いたしまして、今回、中小企業者同士によることを主として想定をする事業もございますけれども、一方において大型店と中小店が一緒になってやるような事業というものもあり得ることを想定して、これに対しまして補助金あるいは無利子融資、税制措置といったような支援策を講ずることとして、現在計上いたしておるわけでございます。さらに、こうした措置について周知を図り、御活用がいただけるように努力をしていきたいと考えております。
○平井卓志君 私は、その点は行政指導も含めて、すべてがうまくいくとは申せませんけれども、やはり共生の面で考えないとほかに方法はないと思うんです。 御承知のように、では大型店はみんなうまくいっているかということになりますと、最近の出店状況を見てみますと、地元商店街用にある面積をあけてある、どうぞと。入らなくなった。これは権利金の問題もある、売り上げの歩合の問題もある、商圏の範囲の問題もある、品物の競合もある、商品選別もある。結論は、もう行って出してももうからぬ。では、大型店そのものの中身はどうか。私は熟知しているわけじゃございませんけれども、これもそろそろある意味ではもう淘汰の時代に入っているんじゃないか。その今一番難しい過渡期だと私は思うんです。その過渡期にさらに悪いことに消費景気がかつてないほど沈滞してしまったということですから、結論を申し上げれば、法律の一本二本通したってなかなか活性化は容易でない。 後でそのことについて別のことも一つ申し上げますが、もう一つこの立地法についてお尋ねしましょう。 立地法に基づいて出店者から届け出がございますね。それで、出店者に対し意見を述べ勧告を行う主体というのは都道府県及び政令指定都市。ところが、先ほどの議論にも出ましたように、大型店の周辺の生活環境の保持、こういう目的に照らすと市町村でいいじゃないかという意見もないことはない。しかし、一面、行政能力の面から見ると、どの程度の差が都道府県と市町村の間にあるのか。私は明らかに差はあると思う。差はあると思うんですが、都道府県を基本的な運用の主体とした理由、これは何でしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 既に先生御推察のとおりでございまして、私ども大店立地法案を検討いたしますときに、この運用主体をどうするかということにつきましては、基本的にこの問題が地域の問題であるということの意味において自治体とすることは当然のことであったわけですが、そこで市町村がいいのかあるいは都道府県とすべきなのかということも私どもなりに検討いたしたわけであります。 既にお触れのとおりでございまして、基本的には行政事務の蓄積というものを考えなければいけない、あるいは生活環境といつでもケースによっては複数市町村にまたがるような問題を処理しなければならないかもしれない、そういうことを考慮いたしますと都道府県がこれに当たることの方がよろしいのではないか、このように考えた次第でございます。 ただ、地元と申しましょうか立地市町村というものは、ある意味で隣の町よりは重要なお立場にあるわけでございますので、この新法の中におきましては、都道府県が意見をおまとめになるとき、あるいは都道府県が出店者側の対応が十分でないということで勧告をされるとき、そういう重要な機会におきましては必ず当該市町村の意見を聴取し、そしてこれを加味して都道府県が対応されるようにという仕組みにいたしまして御提案をいたしておるところでございます。
○平井卓志君 では、もう一つお聞きしましょう。 都道府県や市町村が立地法上の意見を確定させる場合に、一般的に都道府県や市町村が審議会のようなものを設けるということ、そういう考えはございますけれども、この立地法には審議会の規定が置かれていないんです。置かれていないということは、審議会を置くことについては都道府県等の自由勝手でよいのか。この辺、どうでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のように、大店立地法におきまして、地域住民が都道府県に対して意見を述べることが期待されるわけでございまして、その聴取のための手続を規定しておるところでございますが、この手続とは別に都道府県が審議会などを設置するということができるのか、自由かというお問い合わせでございます。 実は、地方分権の議論以来、この法律は私どもいわゆる自治体における自治事務に相当するものだと考えております。その意味におきましては、特に自治体の意思決定プロセスとでも申しますか、そういう手続について法律の中に規定するということは、そういう自治事務の性格との関係で規定いたしておりません。しかしながら、御指摘のように、そうしたおのおのの自治体の判断によりまして必要な意思決定の機関が設置されることはあり得ると存じますし、それは自治体のまさに自主性にゆだねられている、このように考えておるところでございます。
○平井卓志君 最後にもう一つお聞きしますが、この立地法の運用について、地域にどこでもある商工会議所、商工会、これは考え方によっては非常に重要な役割を担うということになるわけなんですが、立地法の法文においても両団体は意見の提出を行い得るものと明示されています。そうしますと、わかりやすく言って、これらの団体の本法における位置づけといいましょうか、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(岩田満泰君) 御指摘の商工会議所及び商工会は、地域の商工業の総合的な発展を図るための中核的な存在であると同時に、法律上も地域社会一般の福祉の増進を図るという重要な役割を担う団体と規定をされておるわけでございます。そういう観点から、この大店立地法におきましても、大型店の新増設に関して都道府県などに意見を提出することが期待される団体の代表格として具体的に明示をする規定を置かせていただいたということでございます。この大店立地法の成立の暁におきまして、これから具体的な個別の出店案件に関しましては、こうした商工会、商工会議所が積極的な役割を果たされることを期待しておるわけでございます。 なお、若干敷衍して申し上げれば、中心市街地の施策についても、商工会議所、商工会については重要な役割を期待するという旨の規定が置かれているところでございます。さらに加えまして、先ほど来御説明いたしておるゾーニングという、ある意味でこれまで余り日本では積極的な取り組みの活用がなされていなかった分野につきましても、まさに地域を代表する経済団体でございますので、こうした都市計画づくりあるいはゾーニングの作業、そういうものについてもぜひ今後積極的な役割を果たして地域のコンセンサスの形成の一方を担っていただきたいと、このように考えておるところでございます。
○平井卓志君 これは質問通告しておりませんけれども、冒頭、大臣に申し上げたように、どんな法律案も、一省庁が起案したものが成立してそれですべてがうまくいくなんというのはこれは奇跡に近いんです。この問題も、突き詰めていけば、やはり基本的に都道府県というものが相当な理解を示さないとだめなんです。きょうは自治省の方は来ておられませんから余りこの問題については言いませんが、突き詰めていきますと、現行の地方交付税の配分方法、そこまで問題は来るんです。 ですから、基本的には各省庁は当然立案する場合にそれなりの連係プレーはとっておると思うけれども、先ほどの雇用問題一つとってみても、労働省だけではもういかんともしがたい問題でございまして、この商店街活性化、地域活性化振興策もそうなんです。それが従来、縦割りといいましょうか、役所の権限ごとに線引きをしてしまうというふうな事態ではもう今ないという理解に皆さんが立っていただいて、総合的に協調して力を入れるような、垣根をなくするような行政でないと生きた効果は生まれないと思うんですが、大臣、最後に一言。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のとおり、まず第一に中心市街地の問題について申し上げるならば、本当にこれは地元の市町村のイニシアチブといいますか、盛り上がる形のものが出てまいりませんと、まずこれは成功しないことになってまいります。 したがいまして、この地元からの盛り上がる力というものを対象にするために、人口の大小とかそういう問題は一切問題にしないで、少なくとも今の空洞化を起こしそうな地域だとか空洞化を起こしている地域だとか、その中で再び活性化をしていわゆる昔からの伝統のある市街地をつくり直していこうというような盛り上がりがまず第一に重要で、そういう盛り上がりの中で出てまいりましたものを、今度は中央省庁としては少なくとも一本の形の中でそれを受け取らなきゃいかぬ。そのために連絡協議会を設けるというのが一つございます。 同時に、自治省、通産省、建設省の三省が一体になって窓口を一つにしまして、地方から上がってくるものを、あっちへ行けこっちへ行けじゃなくて、一本で受け取ってそれぞれの十一省庁の中での得意分野というか、メニューに従って対応していくというような組織づくり、同時に、一本化して受けとめる体制づくりというものをしっかりやっていかないとこれは成果を上げることができないというふうに思っております。この面についても積極的に通産省としましても自治省、建設省とよく連携をとりながら、意欲のある地域の方々のお役に立つようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○平井卓志君 今から申し上げることは、大臣、答弁要りませんけれども、つい先般NHKで零細企業に対する悪徳金融業者、これはシステム金融と呼ばれておりますが、相当の方が見られておって私どもいろいろ電話で問い合わせを受けましても答えるすべがない。 わかりやすく言いますと、あしたの小切手、手形が落ちない。週末に五十万、百万が要るというお店の財務の調査表が裏で売買されて、いよいよ困ったところにパンフレットが舞い込んでくる。限度額は百万、貸し主は姿をあらわさない、契約条項はファクスで来る、送る先は郵便局どめ。問題は、その利息は一週間で五割。五十万借りると一週間後には七十五万。その当座の小切手は落ちた。次は七十五万を落とさなきゃいかぬ。別の業者からまたパンフレットが来る。これがシステム金融と言われまして、十人から十五人ぐらいが一連のこれは下世話に言えばぐるです。金主は一人なんです。貸す名前は全部違う。積んできますと、一週間単位ですから、毎日毎日手形決済に走り回る。弁護士を雇って相手先を捜すと、不思議なことにもう弁護士の名前を聞いただけで相手はいなくなる。金利状況をざっと見てみますと、大体三回回せば金主に損はないんです。踏み込んでも跡も形もない。違法だということを知りながら、簡便で、百万で、利息は高いが担保なしと。こういうことで、NHKの報道によると一番ひどい人は百件を超えてシステム金融をしたと。五十万から始まって十カ月足らずで最後は七千五百万を超えてとうとう自己破産をかけたと。 恐らく零細業者というのは商店街の中にもおられるんで、これは通産省の職分ではございませんけれども、ますますこういう悪徳業者が間隙を縫ってそういう暴利に走るということが、既にこれはもうNHKで報道されておりますので、その点をひとつまたお考えの中にも入れておいていただいたらと思うわけであります。 終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 大規模小売店舗立地法案及び中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十九分散会 ―――――・―――――