経済・産業委員会 第9号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1998/04/16
会議録
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十日、釜本邦茂君、小山孝雄君及び谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として西田吉宏君、倉田寛之君及び鈴木和美君が選任されました。 また、昨十五日、中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として林方正君が選任されました。 —————————————
○委員長(吉村剛太郎君) 日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。久しぶりに経済・産業委員会で質問に立たせていただきまして、御配慮に感謝いたしたいと思います。 貿易振興会法と通商産業省設置法の一部を改正する法律案、いわゆる統合法案でございます。世上言われております行革に先駆けてみずから範を示していただいたということで大変に評価が高いわけでございますが、今回の日本貿易振興会、ジェトロとアジア経済研究所、アジ研の統合は、行革の一環として特殊法人の整理合理化を進めるため、平成七年二月に閣議決定されたことを受けましての措置だというふうにお伺いしております。 大臣に、今回の統合はどういうような基本的な運営方針に基づいて行おうとされておられますのかまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 今回の統合は、アジア太平洋地域等との通商経済上の協力を推進してまいりたいというために、全世界に広範なネットワークを有して貿易だとかあるいは投資促進を担っておりますところの政策実施機関でありますジェトロ、日本貿易振興会と我が国最大の地域研究機関と称されておりますところのアジア経済研究所、この二つを統合いたしまして、貿易・投資振興事業という現実の問題と地域研究を一体的に実施する中核機関を整備することを目的としたものでございます。 こういう観点から、統合後の日本貿易振興会においては、現日本貿易振興会の時事的調査、トピックスのようなものと、アジア経済研究所の基礎的な研究、非常に学術的なものが多いのでありますが、それぞれの持ち味を生かしまして、両事業間の緊密な連携を図るための組織を新設することができるということになります。そして、その成果を活用いたしまして、国、地域ごとの支援ニーズを十分に検討いたしまして、貿易・投資振興事業をより戦略的に展開することができるようになっていくということを基本的な運営方針として考えて取り組んでいるところでございます。
○林芳正君 大臣、ありがとうございました。 まさに御指摘のとおり、現場をよく知っておられますジェトロ、それから大変に深い研究の実績を積み重ねてこられましたアジ研が統合することによってシナジー効果というものが随分出てくるのではないかと私も期待をしておるところでございます。 このような統合を進めるに当たって、先ほど触れましたけれども、この閣議決定の趣旨の一つに一応行革ということがある以上、一緒になっていろんなシナジー効果が出てくることも大変期待することでございますが、同時に、業務の効率化また合理化ということも進めていただかなければならないと思っておりますけれども、この辺は御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(今野秀洋君) お答え申し上げます。 今回の統合に当たりましては、第一に、行政改革の趣旨を踏まえまして合理化できる分野は可能な限りその徹底を図る。第二に、時代のニーズに的確に対応いたしますために必要な業務の効率化、充実を図る。第三に、総合的な情報機能を強化し、かつこれに立脚した貿易・投資振興事業の効果を高めるための体制づくりを行うということを基本方針としているところでございます。 このうち、合理化につきましては、統合法人につきまして役員数を四分の一削減するという従来からの政府の方針に基づきまして、法定役員数を十八名から十三名へと約二八%削減いたします。さらに、管理部門、それから調査部門、これは機構・定員を可能な限り合理化いたしまして、全体といたしましても定員減を実現いたしますとともに、現在二十六ございます都レベルの機構を三つ削減するということで、組織のスリム化も図るということにいたしております。
○林芳正君 ありがとうございました。 今まさに行革の基本法案というものが衆議院で審議に入っておるわけでございまして、その模範といいますか率先垂範していただくような効率化というものをさらにお願いしておきたい、こういうふうに思うわけでございます。 日本貿易振興会というのは、もう私が申すまでもなく、かなり古い歴史を持っておるわけでございまして、昭和三十三年に設立された当初は、当時の我が国の国情を反映しまして輸出の振興ということを主たる目的とした事業をやってまいられたということでございます。 ジェトロのEはエクスポートであったということでございますが、その後、我が国を取り巻く状況というものは、輸出を振興すると言うともう袋たたきに遭うような、ある意味では大変にありがたい豊かな成長を遂げさせていただいたわけでございます。そういうような時代の変化、状況の変化に基づいての時代の要請に的確に対応していくことにより、今度は我が国への輸入の促進や、いわゆる直接投資を含めますけれども投資促進を目的とした事業を展開されてきておられるというふうに承知をしておるわけでございます。 新生なります統合後のジェトロの貿易振興という意味での重点はどういうところに置かれていくことになるのか、そこをお伺いしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) 先生御指摘のございましたように、昭和三十二年、ジェトロが設立されましたときには、輸出振興を目的といたしまして、そのための調査、展示、取引あっせんといった事業をやっていたわけでございます。その後、日本の経済の発展と国際的な貿易・通商関係の変化に対応いたしまして、ジェトロの業務というものは非常に柔軟に新しいニーズに対応する変化をいたしてきております。 目下、現在の状況のもとでジェトロが特に重点的に取り組まないといけない課題というものは、次の三つぐらいに集約させていただけるかと思います。 一つは、輸入促進でございます。特に我が国の国民生活の向上に資するための住宅でございますとか、あるいは高齢化社会に対応する医療福祉機器とかそういったニーズに対応する品目、セクター、そういったことに力を入れました輸入促進、それから中小企業の競争力強化に資します輸入部材等の国際調達見本市といった事業、こういったことを幅広く展開しつつあるところでございます。 第二は、地域経済との関係でございます。日本の各地方、地域の経済の活性化のためのジェトロの貢献でございまして、そのために国内と海外の産地間の交流あるいは対内投資、これを日本の各地域に誘致する、そういった事業でございます。 第三番目は、アジア地域を中心といたします発展途上国の貿易・産業そのものを振興する。結局、輸入促進といいましても、現地の産業が育ちませんと日本の主要企業に役立つ部品あるいは日本の国民生活の向上に役立つ製品といったものはなかなか足りないわけでございますので、発展途上国の貿易・産業の振興といったことも非常に重要な分野であるというふうに考えております。 統合後におきましても、このような我が国経済を取り巻きます環境の変化に応じて求められます事業の効率的な実施ということに努めてまいりたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 我が国の景気はなかなかうまくいかない状況でもあるわけでございますが、今御答弁の中でも触れていただきましたけれども、特に地域の経済というものが大変に元気がないわけでございます。今までいろんなところで培われてこられましたノウハウを活用していただきまして、地域とほかの国というところにも大いにお力を注いでいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 時間も限られておりますので、アジ研の方につきましても御質問を差し上げたいと思います。 アジ研もこの統合の後、我が国がいろんな経済協力を推進していくに当たって経済のグローバル化を促進していく、またこれが国民の利益に資していくということが大変に大事になってくる、こういうふうに思うわけでございますが、大変に今財政事情が厳しいわけでございまして、いろんな要望はあるわけでございますけれども、効果的、効率的な経済協力というものを実施していくためには経済協力に係る調査研究、これを充実していくということが大変に大きな課題になってくると思うわけでございます。 ODAを量から質へと言われるわけでございますが、アジ研におかれましては、これからそういった趣旨にのっとってどういうような調査研究を実施していかれるものと考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府委員(佐野忠克君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおりでございまして、我が国の貿易相手として東アジアの割合が増大する等、我が国とアジア地域等の途上国との経済的相互依存関係がますます深化しているところでございます。アジア経済研究所が現在実施しております基礎的な調査研究についても、我が国の当面する貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与するよう、時代のニーズに対応したものとしていくことが必要であろうかと存じております。 このような観点から、従来の調査研究活動に加えまして、平成十年度は新規事業といたしまして二点を重点的に取り上げて取り組むことにいたしております。 その第一点目が、途上国の経済・政治システムを包括的に解明いたしまして、新たな開発戦略を分析するための二十一世紀の開発戦略研究事業というものでございます。第二番目が、経済のグローバル化等を反映いたしました新たな経済協力の方向性について調査研究を行います対アジア経済協力重点分野研究事業というような事業に取り組むことといたしております。 今後とも、調査研究を進めるに当たりましては、その自主的かつ効率的な実施に配慮しつつ、時代のニーズに適合したものにしていくことが重要であろうと考えております。
○林芳正君 大変に時代に即した新しいテーマを取り上げていただいておると思います。たしか数年前に世銀のレポートで「東アジアの奇跡」ということが出ました。それ以降、アジア型の経済発展モデルということについていろんな議論がなされておるわけでございますが、そういった中でアジ研におかれましては、去年から起きました今回の通貨危機についてもいち早くその可能性を指摘をしておられたということでございまして、期待すること大であります。 ぜひそういった観点で、統合されたシナジー効果をうまく使っていただきまして、また我々の参考になるような研究を進めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 —————————————
○委員長(吉村剛太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、水野誠一君が委員を辞任され、その補欠として奥村展三君が選任されました。 —————————————
○前川忠夫君 民主党・新緑風会の前川でございます。 最初に、これは通産省だけにかかわる話ではないんですが、特殊法人というのは一体どういう性格のもので、一体どういう存在意義があるのかということについて大臣にお伺いをしておきたいと思います。 官がやる仕事とそれから民がやる仕事、ある意味ではこのはざまといいますかその中間に位置するというふうに私どもは解釈をしているんですが、いわゆる特殊法人というものの必要性なりあるいは存在意義について大臣はどのような御見解を持っておられるかまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 御質問の特殊法人というもの、いろんな角度からお答えもできると思うのでありますが、基本的には政府が行うべき公共性の高い事業ではあるけれども、その業務の性質というものが企業的経営になじむ面があるということから、それを普通の行政機関から切り離して、自主性と弾力性を兼ねた法人に能率的に経営させようということでありまして、民間企業の能率性と官でなければできない公共性というような問題とをあわせ持つ、特別の法律によって設立をされたものというふうに考えられると思います。 当省所管の特殊法人の例を申し上げますと、中小企業者への事業資金の融通を円滑にするということを目的としてつくりました中小企業金融公庫あるいは中小企業信用保険公庫、こういうものがございます。これらの法人は金融のサービスを行うわけでありますが、今回の政府の貸し渋り対策においても大いに活躍をしたわけでありまして、中小企業に対する政策金融を支えるものとして重要な役割を持っている。具体的な例を挙げますと、こういうようなものになるんではないかというふうに思います。
○前川忠夫君 そこで、さらに重ねてお伺いをしたいんですが、官ではなかなかしにくい、あるいは民間にはなじまない、そういう意味ではそれなりの私は存在価値がある仕事なんだろうと、もちろん時代の変化によってさまざまな変化は当然ですが。ところが、最近、行政改革というと必ず出てくるのがこの特殊法人の問題なんです。中には特殊法人はもう全廃をしろなんという論議が時々出てくるんですが、一体これはどういうことなんだろう。 私は、幾つかのそのバックグラウンドといいますか背景を考えてみますと、一つは、国の財政全体が大変厳しくなってきたのでできるだけ切ってしまいたいという発想があるのかどうか。 それから、これは古くて新しい話でありますが、いわゆる天下り問題を含むさまざまな世論の批判がある、したがってできるだけ数を減らしたいという発想があるのかどうか。 あるいは、官僚が発想するわけですから、行政改革全体の中でまず官僚機構の一番遠いところからといいますか、手をつける遠いところからこの特殊法人の問題を手がけているのかと、大変皮肉塗言い方をさせていただきますが、どうもそんな感じがしてならないんです。 今大臣がおっしゃったことと最近の特殊法人をめぐる環境というのが、どうやらギャップがあるような気がしてならないんですが、その辺についての御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(及川耕造君) 先生ただいまおっしゃいましたような背景、それなりにまたいろいろなお考えがあることは私どもも認識しておりますけれども、何よりもやっぱり特殊法人につきましては、時代の流れの中で、大臣が申し上げましたようなそれまで時代のニーズに合った事業というものがだんだん変わってまいりまして、むしろ見直すべき点がいろんなところで生じてきているのではないかという点が大きなバックグラウンドではないかと思っております。 その結果、例えば事業運営の非効率性でございますとか硬直性といった問題点がさまざまなところで指摘をされているところでございまして、こうした点を踏まえまして、昨年十二月、行政改革会議の最終報告におきましても統廃合、民営化などの全般的な見直しを行うことが必要とされたわけでございます。 政府といたしましては、このような見直しの必要性にかんがみまして、昨年、三度にわたりまして閣議決定を行いました。その中でも、特殊法人の整理合理化を進めるということになっているわけでございます。 なお、今回の行政改革につきましては、決して特殊法人一つに絞っているわけでないことは先生御案内のとおりでございまして、内閣機能の強化あるいは省庁の太くくり化、それから官民の役割分担の徹底、あるいは独立行政法人制度の創設といったさまざまな分野におきまして広く行政全体の簡素化、効率化というものを追求しようということで進めているものであります。その点御理解を賜りたいと存じます。
○前川忠夫君 それでは、もちろん特殊法人、それぞれの仕事の内容は全部違うわけですから一概には言えないんですけれども、一般論として、認可をされた主管官庁がまずある。例えば人事の面やあるいは予算の面や日常的な指導監督がどの程度の範囲で行われているか、これはさまざま違いがあるんですけれども、今お話がありましたように、それぞれの特殊法人が時代の変化やさまざまなニーズに対応するような本当の自発性や独創性というものが発揮できるような条件というのが整っているというふうにお考えになっておられますか。通産省のケースで結構ですから、お答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(及川耕造君) 特殊法人の創意工夫を発揮していただきまして、そして効率性を確保していくということは非常に重要なことだと思っております。これはかつての行革審等の報告等からも指摘をされておりますので、それに合わせて私どもも各特殊注入に対し指導等を行ってきたところでございますし、そのための相談等も行ってきたわけでございます。
○前川忠夫君 通産省のそれぞれの法人についてはこれまでも、昨年でしたか、石炭鉱害事業団とNEDOの統合の話があったり、幾つかこれからも計画があるわけです。私は、それぞれの時代に応じて関連をする法人を統合すること自身はそう頭から反対をするという立場ではないんですけれども、問題は、事柄の発端が本当にその法人を統合した方がいいという理由からまずスタートしているんじゃなくて、数を減らすという発想からスタートをしているところに今の矛盾点があるんじゃないかと思うんです。 幸いといいますか、今度のジェトロとアジ研の統合については、たまたま仕事の性格が、例えば日本から海外に対する製品を含めた情報発信ということ、それからアジ研の場合にはさまざまな研究データをもとにした国際的な日本のあるべき姿あるいはアジアにおける日本の役割等々についてさまざまな基礎研究を含めてやっている。かなりいわゆる現場と研究という意味での共通性がありますから、これはうまく融合してもらえばそれなりの力が発揮できるんじゃないかという感じがありますから、一概にこの問題について私はおかしいじゃないかと言うつもりは実はないんです。 ただ気になりますのは、先ほどもちょっとお話がありましたように、今、国会で具体的な議論が始まろうとしています中央省庁の再編に係る行革基本法、この法案を見ておりまして、これはいずれ衆議院から参議院に法案が送られて、別な舞台で議論されるんだろうと私は思うんですけれども、問題はその精神といいますかなぜこういうことをするのかあるいはしなければならないのか、このことが不明確なまま、よく言われるように数合わせではないか、二つの品物を一つのふろしきにただ包んだだけではないかというような批判があります。 これはこれからの議論になるんでしょうが、たまたま労働福祉省をめぐって、この名前じゃけしからぬ、三文字でなければいかぬとか一文字でなければいかぬとか、さまざまな議論があることは御承知のとおりなんです。そういう議論が出る背景というのは、あるいはこの特殊法人も含めて、そこに本来の行政改革の哲学がないがためにそういう問題が出てきているんではないか、大変勘ぐった言い方をしますけれども、ここがやっぱり一番問題なんだろうと私は思うんです。そこに働いている人たちも理解をする、あるいは国民にもなるほどと理解をしてもらうような哲学をまず提示する努力が今の政府には欠けているんじゃないかというふうに私は思うんです。 これは、今度の問題あるいはそれ以外の全体を含めてで結構ですから、大臣の方から再びお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 非常に端的な御意見を承りました。先ほども申し上げましたように、特殊法人というのは、企業性と公共性というものを同時に組み合わせて、企業だけではできない、公共だけでは非能率的というような問題をいかに合理的に行っていくかというところに特殊法人というものが法律的に生まれる、誕生の理由があるわけです。 これは数合わせという問題ではなくて、既に企業的にも成り立ってきたようなものは官はできるだけ手を引いて民間の株式会社なり民間企業に切りかえていく、あるいは研究部門で行っていてもう現在は時代的な要請がなくなったというものはそれをおしまいにすると。単なる数合わせではなくて、そういう理念のもとにこの問題は取り組んでいかなければならない。また、そう行ってきているというふうに私は理解をいたしておるわけであります。 同時にもう一つは、複数の特殊法人において同種類の事業を実施しているような場合、あるいは共通的な基盤を持って仕事が行えるような場合、こういうものを一体として実施することによって、事業の効率的な実施が期待される、あるいはより総合的な観点に立った事業の遂行が期待できるというような場合が一つあるわけでありまして、今度のジェトロとの統合という問題はこの部門に属するんではないかと思います。当該法人の統合整理を行うということが特殊法人の統合の意義であるというふうに思います。 当省としても、以上のような特殊法人の統合の意義を十分に踏まえまして、今般の日本貿易振興会とアジア経済研究所の統合を初めとする特殊法人の整理合理化を進めてきたところでありまして、今後とも行政改革の理念に沿って特殊法人の整理合理化に努めてまいりたいというふうに思っております。
○前川忠夫君 それでは、具体的に、今度統合される新しい法人の機能や運営あるいはその中での事業等について若干お聞きします。 さきのこの委員会での大臣の所信に対する一般質疑の際に、経済企画庁の尾身長官の方から、現在の日本の経済の混乱というか停滞の背景にアジアの経済の混乱があるというお話をお聞きしたわけですが、今度統合される新しい法人は、特にアジ研の方に関して申し上げれば、さまざまな先行的な研究が進んでいるんじゃないかと私は思うんです。 確かにこういう経済の動きですから、あるいはちょっとしたきっかけでがらっと変わることがありますから、そう簡単に予見をすることは困難なのかもしれませんが、やはり新しい法人がつくられるというのは、ただ単に数を一つに減らすために統合したんじゃないんだというお話がもしそのとおりだとするならば、これからのアジアなりあるいはアジアを含めた世界全体の新しい時代における経済や社会の仕組み等々についてどんな役割が発揮できるというふうにお考えになるでしょうか。 私、アジ研にはさまざまなノウハウがたくさん詰まっていると思うんです。それをどう活用していくのか、新しい法人の中にそのようなことが活用できるような仕組みを含めてお考えになっておられるのかどうか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) 政府が政策を企画立案する、また企業が海外でさまざまな事業を展開する、そういった場合にはアジアならアジアにつきましてマクロの経済の分析のみならず現地の産業の事情、さらにはその背景となります民族、文化、歴史といったものにつきましての詳細なデータが必要でございます。 ただいまアジアの混迷というお話がございました。このアジア経済研究所におきましては、昨年七月のタイのバーツの暴落を契機といたしますアジアの通貨・金融危機につきましては、従来からいわば培ってまいりました国ごとの経済、政治、社会等の専門的な知識、それを活用いたしましてさまざまな分析をしておるところでございます。現地駐在員から詳細な報告が来ておりますとともに、本部におきましても累次報告書が出されております。 他方、ジュトロもアジアには全部で十七カ所事務所を設置いたしておりまして、まさに日々の情勢につきまして情報を送ってまいりますとともに、例えばタイならタイの政府の構造改革政策と日本の支援政策とをいわばマッチさせるための現地でのつなぎの役割といったようなことに努めておるところでございます。 それで、今回の統合を前提といたしまして、実は昨年、とりあえず両法人の専門スタッフから成りますプロジェクトチームをつくりまして、九七年アジア通貨危機につきまして緊急レポートをまとめました。これは、アジアの経済混乱が急激に伝播します中で、いわば群盲象をなてるような状況で、世の中一体何が起きているのだろうというような状況の中で、とりあえず専門家の知識、それから現地の情報、これをかき集めまして両法人の共同研究として出したものでございます。もちろんこれは去年の段階のものでございます。 その後も両法人は活動を続けております。一例を申し上げますと、ことし一月からジェトロの方に東アジア通貨・経済研究会といったものを設置いたしまして、アジア経済研究所の専門家も参加いたしましてさらに深い分析検討を行っているところでございます。 私どもといたしましては、このように両法人の基礎的な研究とそれから時事的な調査機能というものは相補完するものというふうに考えておりますので、それを効果的に発揮できますよう体制整備を図るという方針で臨んでいるわけでございます。これを通じまして、アジア地域におきます輸出の拡大、それからアジアのすそ野産業の振興、またそのために必要な人材育成等の事業をきめ細かに展開してまいりたいと考えております。
○前川忠夫君 今局長からお話がありましたように、かつては日本に学べと、ルックイーストなんという言葉がはやった時代がありましたけれども、日本もバブルの後遺症に今悩んでいる、完全にそれがまだ払拭できたとは言えないわけです。同じような悩みを今アジアの各国も実は味わっているわけです。韓国しかり、台湾もそうでありますし、あるいは東南アジア、皆そうであります。 そこで、これまでのようにいいところを学んでもらうと同時に、日本の失敗を繰り返してもらわないという意味でのそういう役割、情報発信をやはりすることも必要なんじゃないかというふうに私は思います。また、これまでのように、特にODAに代表されるように日本にはそれだけのまだ力があった、あるいは現在もあるのかもしれませんけれども、金とか物で援助をするという発想から、これからはある意味ではハードではなくてソフトの分野でこういったアジアの国々に対する貢献をしていくというのが私は大変大事な視点になってくるんじゃないか。そういう意味で、新しい法人の役割というのは非常に重いものがあるというふうに私は実は考えております。 そこで、今度の新しい法人の機能の問題について私なりの感想を申し上げたいと思うんですが、ジェトロというのはどちらかというと貿易を中心にした実戦部隊と言った方がいいんでしょうか、さまざまな日本の輸出企業を含めた輸出入にかかわるサポートをする部隊というふうに私は実は考えているわけです。それに対してアジ研の場合には、民間の企業的な発想で言えば研究所、基礎研究を含めた研究開発部門ということになるんでしょう。実は私もメーカーにおりましたので、工場部門と技術研究をやっている研究部門とが完全に切り離されてしまったら何の意味もない、研究開発をしたものが工場で実践に移され、あるいはそれが製品化されて初めてその研究開発の意味があるわけです。 私は、これまで別な法人であったものが一つになることによってそこに新しいノウハウがまた新たにつけ加えられるということが大変大事なんだろうというふうに思うんです。また、そこで新しく生まれたものを、先ほど申し上げたようにアジアあるいは世界に対して発信をしていく、そういう役割を私は期待しているんです。 問題は、非常に大事なことなんですけれども、その新しい法人の中で、民間企業の場合、最近でもそうなんですが、名前を挙げていいのかどうかわかりませんが、例えば新日鉄の場合ではまだ社長人事等を含めて、八幡出身だ、やれ富士出身だというふうなたすきがけ人事、一体新日鉄というのは何年前にできた会社なんでしょうかねというぐらい実は色濃く、閥とは言いませんけれども、人間の組織、そういうものは残るんです。 ですから、一つに統合したとはいうけれども、実態は、中身は別々というようなことのないようにしなければ、今申し上げた成果は私は期待ができないと思うんです。そういう部分について余り通産省でこれは介入してもらっちゃ困るんですけれども、今度の法案を起案されあるいは今度の統合を推進される通産省として、これらの問題についてどんなお考えをお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) ただいま御指摘ございましたように、ジェトロは一口で申しますれば政策実施機関でございます。アジ研は地域研究機関でございます。ジェトロは全世界に広範なネットワーク、国内にも貿易情報センターネットワークを持ちます貿易・投資促進のための政策実施機関でございます。アジ研は我が国最大の地域研究機関でございます。この二つを統合いたしまして、貿易・投資振興事業と地域研究とを一体的に実施するいわば中核機関をつくるというのが今回の提出させていただいております法案の目的でございます。 このような観点から、統合後の新しい日本貿易振興会におきましては、現在のジェトロが行っております時事的な調査、それからアジ研が行っております基礎的な研究、これはそれぞれの持ち味をまず生かすことが重要でございますけれども、同時に、両事業間の密接な連携を図るということ、その仕組みをつくらないといけないというふうに考えております。そのために、アジ研の方では研究コーディネーターという新しいポストを設けまして、アジ研の縦割りの地域研究を横割りでコーディネートする、そういう役割を担う人を任命したいと思っております。また、ジェトロの方では主任調査研究員ということで、ジェトロの時事的な調査とアジ研の研究とをいわばブリッジする、そういうコーディネートする役割を設けることにいたしております。 また、さらに重要になりますのは、こういった調査研究の協力の成果を活用いたしまして相手国の国ごとの支援ニーズ、これに対応した貿易・投資振興事業を行うことが重要でございますので、旧ジェトロ側の方に事業推進主幹といった組織を設けまして、現在ジェトロでは事業ごとの組織、いわばそういう縦割りになっておりますけれども、それを地域あるいは国ごとにまとめてコーディネートする、そういった体制をつくるということにいたしているところでございます。 もちろんこれらは組織上の工夫でございまして、これが有効に活用されるかどうかはこれからの努力、運営でございます。ただいま先生のお話にもありましたような基本的な理念、これに沿って新しい法人の活動が行われますよう当省といたしましても最大限意を用いてまいりたいと考えております。
○前川忠夫君 これは新しい話題ではもちろんないんですけれども、特に大手の企業の場合には海外に対してさまざまな経験なりあるいは情報の蓄積というのがあるんですが、なかなか中小企業というのはそれがないわけです。 最近のようにアジアの経済が混乱しているという話になると、すぐ首をすくめてしまったり、あるいは進出しようと思っていた意欲が減退してしまう、つまり内に向いてしまうということもよくあり得るんです。これは的確な情報を得ることによって、例えば混乱期であっても新しい商売の芽というのはあるんです。むしろ次の飛躍というのは当然あり得るわけです。これでもうずっと落ちっ放しということはあり得ないんです。そういう意味で、これまでのジェトロやあるいはアジ研の蓄積というものをしっかりと発揮されるような、あるいは民間のそういった企業に対してもフィードバックできるような、あるいはニーズにこたえられるような仕組みというのはこれまで以上に充実していっていただきたい、私はこのように考えています。 あるいは、今申し上げましたような民間が持っている情報とあるいはジェトロが持っている情報との融合という問題についても、積極的に活用なりあるいは統合化を図っていくべきなんではないか、私はこんな感じを持っています。さらには、先ほどの特殊法人の性格から考えて、もっともっと民間企業の経営手法みたいなものを導入して、独立採算とまでは言い切れないんでしょうけれども、そういう経営のあるべき姿というものを追求する努力をやっていただかなければいけないんじゃないかというふうに私は思っています。 あわせて、特にアジ研の場合には、これは民間の場合の研究機関でもそうなんですけれども、研究というのはやっぱり人なんです、機械は研究をしてくれませんから。やはり人の頭というものは最大の資産であり、財産と言った方が私はいいんだろうと思うんです。 そこで大事なのは、こういった合理化やあるいは整理統合、見直しなんというときに真っ先にねらわれるのは人なんです。数を減らすという発想です。これは私は必ずしも正しくはないと思います。そういう意味では、特にアジ研の国際的な評価というのは非常に高いわけですから、これを継続させ発展させていくということが私は大事だというふうに思います。 あわせて注文をつけておきたいのは、よく研究者というのはレポートを出せばそれで仕事はおしまいという発想があるんですが、これに対する第三者の評価のシステムというものも、これはかってほかの問題でも指摘をしたことがあるんですが、研究機関の場合でもこれをきちっとやっていただきたいというふうに考えていますが、それらの問題についてもしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) まず、中小企業等に対します情報提供の問題でございますけれども、現在、ジェトロは国内三十三カ所に貿易情報センターという事務所を設けております。このネットワークは、主として我が国の中小企業に対しまして種々の貿易・投資に関します情報提供をするのが大きな任務になっているわけでございます。 具体的に申し上げますと、相談業務を年間約六万件貿易情報センターでは行っております。また、貿易情報センターにおきましては、中小企業海外情報普及事業といったものをやっておりまして、地場業界の関心がございます商品やあるいは海外市場に関します情報、こういったものを提供したりあるいはセミナーをやったりといったような事業をしております。 また、投資・技術提携等促進事業といったようなこともやっておりまして、これはアジア等におきまして、日本企業との提携あるいは商売を行う関心があります企業、これを調査・発掘いたしまして、その情報を国内に提供し、現地において商談会なんかを行うといった事業を展開いたしておりまして、きめ細やかな情報提供サービス事業に努めているところでございます。 今後、統合後におきましても、この分野におきますジェトロの事業というのは極めて重要な事業分野というふうに考えているところでございます。 次に、統合後の法人の民間活力あるいは民間の経営手法の活用という御指摘でございますけれども、御指摘のとおり、統合後の法人の経営の活性化ということは極めて重要でございまして、民間活力あるいはその経営手法から学ぶものは多々あろうかと思います。 もちろん、申すまでもなく日本貿易振興会と申しますのは、通商政策、貿易政策と直結します非常に公共性の高い事業でございますので、例えば対価を得て事業をするといったようなことにはなじまないわけでございます。また、アジ研の事業は基礎的な研究でございますので、これもすぐいわば対価に結びつくものではございませんけれども、この運営に当たりましては、民間の活力、経営手法、さまざまな形での民間との交流、そういったものが極めて重要であろうと思っております。 これと関連いたしますが、御指摘にございました評価の問題につきましては、平成三年に総務庁の勧告がございまして、それ以来業績評価委員会というものを両法人とも設けております。この業績評価委員会の意見を踏まえまして、業務の不断の見直し等を行っているところでございますけれども、昨年十二月、さらに閣議決定がございまして、業績評価のための機構及びその作業結果の公開ということが決まっております。こういったことも踏まえまして、評価委員会の充実、その成果の公開といったようなことにも努めてまいりたいと考えております。 また、アジ研の研究部門充実と人材育成の重要性は御指摘のとおりでございます。今回の統合に当たりましても、ジェトロの貿易・投資振興事業とアジ研の基礎的な調査研究、これは新しい法人の車の両輪というふうに考えておりまして、今後ともアジア地域等の基礎的かつ総合的な調査研究、これは引き続き重要な柱として継承していくという方針でございます。 そのために先ほど申し上げましたような種々の機構上の工夫も行っているわけでございますけれども、これはたまたま統合等の前に決まりました基本方針でございますが、幕張にアジ研部門の庁舎を移転することになっておりまして、現在新しい研究施設を建設中でございます。センター・オブ・エクセレンスと言っておりますけれども、ここをいわば国際的な途上国研究のメッカにする、そういう方針で研究交流施設の拡充を図りたいというふうに考えております。 人材の育成、これが基本であることはおっしゃるとおりでございまして、アジ研では現地主義と言っておりますけれども、地域研究には非常に地道な長期間にわたりますノウハウの蓄積が必要でございます。通常アジ研で研究者を採用いたしますと、初め動向分析といった幅広い基礎的な資料収集部門に配置される場合が多うございますけれども、その後のキャリアの中ではできるだけ必ず一回は現地に駐在といいますか、現地に行って研究機関等で研究をする。それから、帰ってきた後も、現地の新聞等の文献には常時接するといった方針で今まで人材育成を図ってきておりまして、このような基本的な人材育成の方針、やり方というものは今後とも維持されなければならないというふうに考えております。 このために、研究者の育成等を担当する部局としまして研究企画部といったものも設けたいというふうに考えております。
○前川忠夫君 質問の時間が限られて質問をしているので、長々と答えられると後の質問をしなくていいよというふうにとられます。 時間も残り少ないので、大事な問題ですから最後に、人事、処遇の問題について確認をさせていただきたいと思うんです。 衆議院の商工委員会で天下り問題が取り上げられまして、大臣のお答えをいただいていますが、御案内のように、五十二年の閣議決定あるいは五十四年の閣議了解で天下りの比率を減らしましょう、半数にしましょう、昨年の末には各省庁所管の法人についてはこれを半数にしましょうと、いわゆる総量です。私は大変大事だと思いますのは、新しく昨年の末に決定された閣議決定後、ある意味では初めてスタートをする法人です、統合されるとはいうものの。これは総量の中であれするんだからいいんだという発想ではなくて、この精神は、やはりそれぞれの法人の持つ役割を含めて天下りの人数を減らしていきましょうというふうに考えるべきだろうと思うんです。 衆議院の委員会でも大臣は、「閣議決定の趣旨を踏まえながら、統合後の法人の適切かつ効果的な業務執行を図るという観点から」というふうにお答えをしていますけれども、私は先ほど何度も申し上げているのは、武士の商法じゃ困る、つまりお役人的な発想で特殊法人を運営していったら、またその特殊法人がねらい撃ちにされますよと。そういう意味では、やはり民間の発想あるいはプロパーの人たちの発想を大事にしてほしいという意味で申し上げているわけです。 ですから、今度の大事に当たっても、プロパーの人たちが少なくとも半数を超えるような人事をやっていただきたい、そのことについての大臣のお答えを最後にいただきたいと思うんです。 そこで、これ以外にも処遇の問題では、こういった統合に当たっては、統合される側もそうですし、あるいはこういう統合という事態を受けるそこの職員の人たちの士気という問題が非常に私は大事だと思うんです。先ほど申し上げましたように、幾らすばらしい研究あるいは業績を持っている法人であっても、やはり国全体の方針の中でばっさり切られたり、統合されたり、あるいは削減をされたりということでは安心して仕事ができないんです。 そういう意味で、例えば処遇の問題一つとりましても、もちろん当該の労働組合もあるわけですから、当然アジ研あるいはジェトロで統合される皆さん方がこれから先の問題についても不安はない、あるいはさまざまな問題については労働組合ときっちり話し合っていくということをもう一度きちっとこの場でお約束いただきたいというふうに思います。 二点について大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 先生御指摘のとおり、特殊法人の役員の構成につきましては、昨年十二月の閣議決定もございますし、経営の活性化を図る観点から累次にわたって議論が今までも行われております。主管官庁からの就任者の抑制についてはしっかりとこれを守ってまいらなければならないのは当然でありますが、委員御指摘のように、できる限り民間の活力が生かされるように、数の問題でただ半数であるからいいとか悪いとかいう話を超えて、この特殊法人が有意義な活動ができるようなそういう問題について大いに取り組んでまいりたいというふうに思っております。 統合後の具体的な役員の構成だとか役員間の業務の配分というような問題については、七月の統合に向けて今後調整されていくことになってまいりますが、ただいま申し上げたように、閣議決定の趣旨を踏まえるのと同時に、この法人の適切かつ効果的な業務執行ができるように検討してまいりたいというふうに思っております。 また、統合後の新法人の活性化に関する観点からのお話でございますが、統合後の法人における両法人の職員の融和については、できる限り効果的な人事配置を行ってまいりまして、管理部門を中心に積極的な人事交流に努めてまいりたいと思っております。 また、新規採用職員については、職員の一体感の醸成を行うというような観点からも、配属部局にかかわらず一定期間の共同研修のようなものも行ってまいりたいと思っております。 さらに、調査研究事業については、この二つの旧法人の連絡調整を担当する機構を新設するというようなことを考えまして、連絡調整機能の強化あるいは共同調査チームの機動的な編成というようなことで、両法人の持ち味を生かして事業の効果的な成果を上げられるように体制づくりをやってまいりたいというふうに思っております。 そういう方向で、融和を図りながら成果を上げてまいりたいと思っております。
○前川忠夫君 時間がありませんので、一つだけ委員長にお願いを申し上げたいと思うんです。 今、天下りの問題を質問したんですが、まだはっきりしない部分があるんです。通産省はもちろんですが、これは総務庁の方で所管をされていると思うんです。できましたら、天下りの実態についての調査をお願いしたいと思いますので、改めて理事会で御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 現状のところを申し上げますと、ジェトロで九名、アジ研で五名、十四名の役員の定数でございますが、通産省の今現在における天下りというか就職をしている者は五名でございまして、十四名に対して五名、半分以下になっていることは数字の上では出ております。
○委員長(吉村剛太郎君) 前川委員、ただいまのは、通産省以外のものも含んでおるわけですね。 この件につきましては、後刻理事会で検討することとしたいと思います。
○前川忠夫君 終わります。
○海野義孝君 公明の海野でございます。 昨日、三月の金融機関の貸し出し及び資金回収状況についてのデータが出ましたので、先ほど来、中小企業の問題についていろいろ委員の方からも御質問があり、御答弁もあったわけでありますけれども、大変大きな問題ですので、大臣に直接御感想というか御所見をお聞きしたいと思うんです。 つまり、都銀、長信銀、それから信託、第一・第二地銀、この五機関の本年三月の貸し出し、資金回収状況が前年同月比マイナス一・六%、三カ月連続して前年同月比マイナス、しかも五カ月連続して前月比マイナス、こういう状況にあるということでございます。三月末に貸し渋り対策ということで十三兆円の公的資金を金融機関に資本注入するというような措置がとられたわけで、その効果は四月の同様の機関の資金貸し出し等の状況のデータを見ないと即断できませんけれども、大変厳しい貸出状況が続いているということでありまして、銀行は融資を減らしている、こういう状況であります。つまり、差し引きしますと、貸し出しよりも回収している方が多い、こういう形だろうと思うんです。 当然のことながら、その分、中小企業の方たちに対する貸し出しについてはなおさら厳しいという状況が予想されるわけでありますけれども、ごく直近の状況及び今後のそういった貸し渋り対策についての大臣のお取り組みについての御決意をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(堀内光雄君) この貸し渋り問題、従来、民間金融機関におきまして非常に厳しい状況が続いておりまして、民間金融機関から貸し渋りを受けたという人たちが私どもの調査によっても既に三割ございますと同時に、これからさらに貸し渋りを受けるであろうという危惧の念、懸念をしているというのが五割を超えているわけであります。そういう意味合いで大変厳しい状態でありますだけに、政府系金融機関がしっかりとこれを受け持っていかなければならないというふうに考えているところであります。 先般の公的資金の投入というものを銀行に行いました際に、従来はまだ民間企業としてのスタンス、ビヘービアだけだったんでありますが、少なくとも公的資金を投入した以上は、政府としてもしっかりと民間金融機関に対して貸し渋りのないように指導をしなければいけないというふうに考えまして、大蔵省並びに総理にもお願いを申し上げ、各金融機関のトップを呼んでいただいて総理じきじきに指導をしてもらった経過がございます。 そんなことで、これから少なくともそういう成果があらわれてくるであろうというふうに一方では期待をいたしておりますが、同時に、政府系金融機関としては、そういう状態の中でさらに徹底した貸し渋り対策というものを行っていかなければならないと考えまして、先般も私が改めて政府系金融機関のトップを呼びまして、そして万全を期すようにお願いをしたところでございます。 ただ、端的に申し上げまして、十二月から三月末までの政府系金融機関三機関の貸し付けの状況というものを見ますと、対前年約二六%の増ということであります。また、保証が約六兆円、九%の増ということであります。これは多いといえば多いかもしれませんが、考えてみますと、非常に厳しい状態の中でもっとふえてもいいんではないかというような意味合いから、さらに窓口を通じての徹底した指導を行っておりますが、一つの問題として、中小企業の定義の問題にぶつかっているんではないかというふうに思います。そういう意味では、今まで小売商業が一千万円以下ということになっておりますが、これを約五千万円ぐらいまで引き上げまして、そしてカバーできるような体制を行わないといけないんではないかというふうに考えて、政府系金融機関の融資対象を中小企業の中でふやしていく、卸業においては七千万円ぐらいの資本金までふやしていくというようなことを行って、さらに万全を期してまいりたいというふうに取り組んでいるところでございます。
○海野義孝君 お話はそのように承っておきますけれども、いずれにしましても、倒産状況は引き続き拡大の一途をたどっているということで大変深刻な状況であります。片や、いろいろな経済対策等をこれから講じていかれるということでありますけれども、これについてもやや遅きに失し、しかも小出しというようなことで、そういった点から見ましても引き続き中小企業の環境は厳しい、私はこういうふうに思いますので、大臣の賢明なる指導をひとつよろしくお願いしたいと思います。 そこで、次に本論に入りたいと思いますけれども、今回のジェトロとアジア経済研究所の合併につきましては、我が国を取り巻く国際的諸情勢の変化への対応の必要性ということから今回こういった統合の法案をお出しになったと承知しておりますけれども、その点と、それから両法人を統合しなくてはならない理由といいますか、その辺のところについて、いろいろなものを読みましても十分に私は理解できないわけでございます。 先ほど来、お二人の委員に各関係の方から御答弁がありましたけれども、この点について大臣にもう一度、そういった変化に対する必要性ということと、なぜ両法人の統合をしなくちゃならないかというあたりについて、簡潔にひとつポイントをお願いしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 今回の統合というのは、我が国とアジア太平洋地域との貿易・投資関係が大変緊密化されているわけでありますので、この地域との通商経済上の協力というものに対するニーズが高まってきております。こういうものを踏まえまして、一層それを推進するという観点から、貿易・投資振興事業を行っているジェトロと地域研究を行っているアジ研、この二つを一体的に実施することによって中核機関を整備しようということであります。 こういう観点から、このジェトロとアジ研の基礎的な研究のそれぞれの持ち味を生かしていく、そして両事業の緊密な連携を図るための組織を新設することによりまして、現実的なジェトロと学術的なアジ研とのまとまりによる成果を活用して、国、地域ごとの支援ニーズの検討を行いまして、貿易・投資振興事業をより戦略的に展開してまいりたいということであります。
○海野義孝君 今の件につきましてもうちょっとお聞きしたいんですが、今大臣もお触れになりましたけれども、「アジア太平洋地域等との通商経済上の協力体制の整備等」と、こういう「等」というような言葉がよく入っています。先般の法案のときも、中小企業等というようなことがありまして、大変その辺の線引きがあいまいな部分があるんですけれども、いずれにしましても、「アジア太平洋地域等との通商経済上の協力体制の整備等を図る観点から、」両法人を統合すると。 それで、これは実は七年二月二十四日の特殊法人の整理合理化についての閣議決定を踏まえての政府方針であるということでありますけれども、この文面からはどうしてこれが統合になるのかということが必ずしも伝わってこない。 後でまた別の観点で御質問するんですけれども、一つは、昨年の夏以来のアジアにおける通貨あるいはマーケットの問題、いわゆる経済危機の問題等に対する通産関係のいろいろな一連のアジア関係の役所、そういったところの対応ということが今回の問題とも何か期せずして一致してきているような感じが私はしないでもないんですけれども、その辺もう一度ちょっと御説明いただければと思うんです。
○政府委員(今野秀洋君) ただいまの御指摘、一つは、行政改革という話とこのアジア太平洋地域等との関係強化という話と一体どういうことになっているのかという御質問から入らせていただきたいと思います。端的に申し上げますれば、行政改革の推進という目的とアジア太平洋地域等との関係強化を図るというこの二つの課題にともにこたえることを目指すものでございます。 「等」につきましては、この「アジア太平洋地域等」と申しております「等」は、アジア太平洋地域以外の発展途上地域、これを指しておりまして、現在のいわゆるアジ研もアジアだけを対象にしているわけではございませんで、途上国地域の研究所でございますので、それを含むという意味で「等」ということがここにございます。 それから、「協力体制の整備等を図る」ということの「等」でございますけれども、これは特定のこれということで「等」が入ったと申しますよりは、「整備」という言葉には必ずしも入らないかもしれない例えば合理化をする、あるいは合理化をして統合のメリットを生かして、それで今後の時代のニーズに対応して必要な分野にさらに重点的な対応、人員等の配置を行う、こういったことを合意しましてこの「等」が入っているということでございます。
○海野義孝君 次に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今回統合予定の二つの機関といいますか法人は、昭和三十二年あるいは三十五年に発足しているということでして、四十年たっている、まさに戦後の日本の産業振興、通商拡大等の中でそれぞれ大変な貢献をされてきたという理解はできるわけであります。 この七月に統合予定というこの関係につきまして、たまたまここへ来て、昨年の夏以来、七月の終わりからだったと思いますけれども、アジアにおいて大変危機的な状態が勃発したという問題があります。これについてはもう過ぎたことではありますけれども、今もなお金融システム不安の問題等、アジアにおける経済の激変、こういったことが日本の景気後退の大きな要因になっているということを総理もお認めになっているというか、主張されていらっしゃるわけです。 そういう意味で私が腑に落ちないというか理解しがたいのは、昨年十二月にASEAN会議に総理がお出になって、そして帰ってきて突如として大変だ大変だということで二兆円の特別減税、私に言わせると復活したということですけれども、そういったことをおやりになった。昨年七月末の投資家によるタイのバーツの急激な売りに始まって、その後十月の香港の株式の暴落、こういったことが世界じゅうを駆けめぐったということでして、もう半年ぐらい前からそういったアジアの経済の大変な動揺問題については兆候があったわけです。 こういう面からすると、ジェトロあるいはアジア経済研究所、これからの業務という意味をも含めて私はお聞きしたいわけですけれども、東南アジアにも在外事務所がありまして経済の専門家も張りつけられているわけですから、そうした中でどうしてこういうような問題で十二月に総理がああいう対応をせざるを得ないところまで追い込まれたのか、それこそプライオリティーからすれば重要な問題はもっと早く手を打つこともできたのではないか、このように私は思うわけです。 そういう意味で、これまで昨年夏以降のそういったことに対応して両機関のおやりになったこと、それから反省点、時間も限られていますから、こういったことを簡潔にお願いしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) お答え申し上げます。 アジア通貨危機に伴いますアジア経済の混乱、停滞につきましては、我が国の基本方針は、IMFを中心とします国際的な枠組み、これを踏まえながら関係国中最大の資金支援をするとしてきておるわけでございます。このため、東南アジア経済安定化等のための緊急対策といったものを二月二十日に閣議決定されましたけれども、それに代表されますような支援策を積極的に実施しているところでございます。 こういった日本政府の対策の中で、アジ研及びジェトロは非常に重要な役割を果たさせていただいております。 ジェトロの方でございますけれども、アジアに十七カ所事務所がございまして、その事務所から通貨危機の発生以来、詳細に現地の産業、ビジネス、日系企業の状況等を送ってきておりますとともに、現地産業基盤強化支援事業といった事業を通じまして、現地の産業の新しい状況への対応を支援する事業を行ってきております。 また、アジア経済研究所、これは国ごとの専門家の集団でございますので、例えばインドネシアで経済が混乱しますとともに学生のデモ等があるわけでございますけれども、そういったときには単にインドネシアの政治機構がどうなっているかということだけではなくて、インドネシアの歴史、民族、そういったものについての理解が必要でございまして、その観点からさまざまな研究報告書、例えば先ほどもお話に出ておりました「九七年アジア通貨危機」、これは現ジェトロと現アジ研の共同プロジェクトチームのものでございますけれども、そういったものを出しまして政府の対策の資料に供しているというところでございます。
○海野義孝君 今のお話は事後にいろいろとレポートをお出しになったというようなことで、一応一つの大きな山場は過ぎたということで、今後の問題を考える上ではますますその点ひとつよろしくお願いしたいと思います。 私は、善意に解釈すれば、昨年半年来の問題は刻々と通産省を通じて報告があった、それにやはり政府としてもいろいろな面で対応されたというように解釈したいと思います。むしろ、これからまた新しい機構が発足するということが実現しましたならば、先ほどからいろいろ御答弁がありますけれども、その辺はより強化され、よりスピーディーな政策判断に直結するような情報の収集、分析、提供をぜひともお願いしたい、このように申し上げたいと思います。 そこで次に、時間がもうなくなってきておりますから全部を申し上げられませんので、事前に申し上げた中からかいつまんで幾つかを申し上げたいと思います。 統合後の業務ということを考えた場合、統合前の両機関のそれぞれの業務と対比しましてすぐれているというか強化されるというか、そういった点について箇条的に幾つかポイントを挙げていただきたい、ひとつ簡単な御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) まず合理化のところから申し上げますと、統合法人につきましては、役員数を四分の一削減するという政府の方針に基づきまして、役員数を現在法定役員数十八名でございますところを十二名へと二八%削減いたします。さらに、管理部門、調査部門の機構・定員を可能な限り合理化することといたしまして、全体としても定員減を実現いたしますとともに、現在二十六ございます都レベルの機構を三部削減して組織のスリム化を図るということにいたしております。 このような合理化の効果を活用いたしまして、今度は充実の方でございますけれども、地域研究を充実させたいということで、現在地域研究部というのはアジ研のいわば心臓部でございますけれども、それを二部体制に充実いたしたいと考えております。また、対日投資誘致、これは今後の重点分野と考えておりますので、このための投資交流部といった部門を設けるというような、新たなニーズに対応いたしました業務の拡充を行いたいと考えております。 また、ジェトロの時事的な調査とアジ研の基礎的な研究、これを持ち味を生かしながら連携するということのための組織といったものも工夫、整備する方針でございます。さらに、アジ研の図書館、ジェトロの資料室、これは非常に膨大な資料の集積でございまして利用客も非常に多うございます。これを一体的に運営いたしまして、官民の利便の一層の向上を図りたいというふうに考えております。
○海野義孝君 次に、統合した場合、現在の役員などの秘密保持義務違反、虚偽の報告等における罰則、これを強化するというようなことがうたわれているわけでありますけれども、この理由は何か、両法人の統合によりまして罰則を強化しなくてはならない必然性というものが何かあるのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) 現行の日本貿易振興会法におきます罰金及び過料の額、これは本法が制定されました昭和三十三年当時のまま今日に至っておりまして、現在の物価水準から非常にかけ離れたものになっております。そのため、近年統合されました特殊法人の設立根拠法のさまざまな事例を踏まえまして、法務省と協議をいたしまして相当水準の引き上げあるいは修正を行うということにいたしたわけでございます。
○海野義孝君 そうしますと、本来であれば時代の変化というか環境等の中でもっと早く見直していくべき問題を、今回統合の新しい法案をつくるに際してこれも一緒にやっておこうと、こういうようなお考えというふうにとってよろしいわけですね。 次に、大臣のまたお出ましですが、経済構造改革の一環としまして中小企業の活性化という重要な問題、それから国民生活の向上に資する貿易振興事業、こういったことを大きな柱に掲げていらっしゃるように思われますけれども、具体的にこういった点をどのように推進されるかという点、大局的な立場で大臣からちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) グローバル化が進められております大企業と比べまして、中小企業の体力というものは大変脆弱な面がございます。そういう意味で、今後、中小企業の国際化、あるいは特に競争力の強化のための戦略的な国際調達といいますか、安い品物や安い部品の調達を支援することが大変重要な課題であると考えております。 また、高齢化社会を迎えております我が国におきまして、安価ですぐれた海外の医療福祉機器、こういうものを初めとする各種の輸入品の導入というものは国民生活の向上にも直結するものだというふうに考えます。 具体的な事業として、例えば欧米を中心とした約二百社の出展による医療福祉機器の輸入品展示会でありますところのヘルスケア展の開催を行いましたり、あるいは輸入住宅の問題だとか介護関係の機器だとか、そういうような問題を含めて欧米からのアクセスをできるようにしたい。あるいは、中小企業の部品・原材料等の国際調達を支援する中小企業国際調達見本市の開催をいたしたい。さらには、住宅、医療機器等の我が国市場における規制だとか取引慣行を調査いたしまして、市場参入への影響を把握する対日市場アクセス実態調査というようなものがございます。こういうような具体的なものへの取り組みを行っていく。 今後とも、ジェトロ事業推進に当たっては、中小企業の活性化や国民生活の向上を図ることに積極的に努めてまいりたいと思っております。
○海野義孝君 ありがとうございました。 次に、ちょっとこれは細かなお話で恐縮なんですけれども、一連の資料等をいただきましてそれを拝見していた中で、バランスシートをざっと見ておりましてよく理解できない部分が一、二点ありましたので、この点について教えていただきたいと思うんです。 第一点は、平成八年度決算、つまり昨年の三月三十一日で終わった貿易振興会の決算における内容でありますけれども、その中に貿易振興等特別事業積立金というのが百六十億円近くあるわけなんです。今これは積立金になっておりますが、実は平成八年度決算から従来の固定負債の引当金から資本の部の積立金に変更されているということなんですけれども、この積立金の目的というか、具体的に引当金から積立金に振りかえられたこと等の意味、この辺についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) この貸借対照表にございます貿易振興等特別事業積立金でございますけれども、これは過去の収入を積み立てたものでございます。この運用益につきましては、ジェトロの業務運営に必要な管理費に充てられておりまして、国内管理費を賄うために国庫から毎年支出されております補助金の節減に役立っているというものでございます。 平成七年度まで引当金といたしておりましたものが、平成八年度から積立金というふうになりました。これは御指摘のとおりでございますが、会計監査法人からの技術的なアドバイスを踏まえて行ったものでございます。 具体的には、会計原則上、引当金というのは将来の特定の費用や損失を前提に積み立てるものである、そういう性格を有するものであるということに対しまして、この積立金はそうした性格を有しないということで積立金とすべきであるという指摘でございましたので、それを踏まえたものでございます。
○海野義孝君 それ以上のことは追及いたしませんけれども、どうもそういった一つの何か利益性の感じがするわけでございまして、今後も新しい統合機関になりましても注意して見てまいりたい、このように思います。 もう一点でありますけれども、ジェトロの場合、特殊法人ですから、平成七年度に民間の資本金に相当する政府出資金、これが二百六十七億円から九百七十四億円余に急増しているわけです。過去におきましても民間企業の増資等と同様に小刻みにそうした出資金がふえてきているわけですけれども、ここで急増しているその理由でございます。一方、このバランスシートの資産の部を見ますと、固定資産の中の敷金・保証金、これが百六十八億円から八百十億円に、この出資金が急増した決算期において同様にふえているわけでございます。その辺の関係があると思うんですけれども、ちょっと私ども部外者じゃわかりませんので、これを具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) この平成七年度に交付されました政府出資金、これにつきましては、平成七年四月十四日に閣議決定がございまして緊急円高・経済対策が決められております。また、同年九月に経済対策が改めて閣議決定をされております。これらの決定に基づきまして、自動車や住宅につきまして製品の輸入促進事業を特に重視するということになりまして、これを踏まえまして平成七年度の補正予算で措置されたものでございます。 具体的には、複数の外国メーカーが共同で利用いたします輸入自動車や輸入自動車部品専用のショールームを設置する事業、それから輸入住宅や住宅部材の展示の事業、そういったもののためにこの補正予算が手当てをされたわけでございまして、この出資金はこうした事業を実施するために必要な展示場のスペースを確保するということに充てられております。したがいまして、このスペースを借りるために必要な保証金といったものを預けるわけでございますので、それがこのバランスシートにはあらわれているということでございます。
○海野義孝君 今のお話を聞いておりまして大変憤慨にたえないわけであります。日本の政府の弱腰といいますか、貿易摩擦云々ということで日本は海外へ失業をどんどん輸出するとかいろいろなことを言われているわけで、そういった中でとにかく輸入促進というようなことでいろいろな国からかなりの圧力がかかります。今のお話を承っていると、そういった輸入業務等に対して、海外の企業、産業等に対して、特殊法人に対してそういった膨大な補助をするとかということは私は大変理解に苦しむわけであります。本来であればそういったものは民間ベースにおいて、海外の企業は日本にそういった出先のものをどんどんつくって自前でやっていけばいいはずを、日本が協力しているというのはどうも私は弱腰外交みたいに思えてならないんですが、大臣、その辺一言お願いします。
○国務大臣(堀内光雄君) まことに申しわけないんですが、私も今初めて数字の問題などを承ったわけでありまして、内容的にどういう性格のものでどういうことか、ちょっと勉強させていただいた上で、また次の機会にでもお返事をさせていただきたいと思います。
○政府委員(今野秀洋君) これら申し上げました事業、これは輸入促進事業の一環でございます。日本は貿易立国でございますので、輸出も多い、それに見合う輸入も多いということで、双方向で発展していくのが一番望ましいというふうに考えております。 輸入につきましては、残念ながら最近、日本の輸入の伸びが非常に落ちておりまして、特にアジア等の経済混乱の中で日本のアブソーバー機能というのが非常に重要だということが言われております。実は、そのアジ研の報告書などにもそういうことが出ているところでございます。そういう中で輸入拡大のためにある程度の努力を政府としてもするということは、貿易全体の調和ある発展という意味で重要なことというふうに考えておる次第でございます。
○海野義孝君 その点は、今日日本は輸出大国でありますけれども、やはり戦後大変な努力をして輸出を拡大していった中で、海外にとってみれば輸入拡大になるかもわかりませんけれども、そういった面で海外では協力をしてくれたかどうかという点では、どうも日本というのは大変気前がいい国じゃないかという感じが私はしないでもありません。 もう時間がありませんからあと一問だけ。二つの点をあわせてお聞きして終わりたいと思いますが、第一点は、先ほども委員の方から御質問ありましたけれども、職員の処遇という問題であります。これは、アジア経済研究所というのは言うなればアカデミックということで広く民間から定期的に毎年採用していると思うのでありますけれども、片やジェトロの場合は、これは通産省直轄的なそういう法人でありまして、ここには理事長とか副理事長、過去、戦後何十年にわたって通産省の指定ポストみたいになっている。 時間がないからこれ以上その問題については言いませんけれども、そういうような中で統合された場合に、一方はかなり役所的な色彩が強い、いわゆる官僚的な色彩の強いそういった機関に対して、片一方では民間的なそういうあれが入ってくるということによって、その職員の処遇、例えば身分の変更に伴っての利益、不利益とか、あるいはその配置の問題であるとか、またその職員の有利か不利かというような点、これは原則上絶対生じないそういう配慮というものをもう既に考えていらっしゃるかという点が一つでございます。 それからもう一点は、あわせてお聞かせいただきたいわけでありますけれども、統合後新しい機関が発足した場合、貿易振興における最重点は何であるか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 統合後の法人における両法人の職員の処遇という問題につきましては、効果的な人事配置を行うとともに、先ほども申し上げましたが、管理部門を中心に積極的な人事交流に努めてまいりたいと考えております。 また、新規採用の職員につきましては、職員の一体感を醸成するために、配属の部局にかかわらず、一定期間共同の研修を行っていくということといたしております。 また、調査研究事業については、両法人の連絡調整を担当する機構を新設するなど連絡調整機能の強化、共同調査チームの機動的な編成、両法人の持ち味を生かして事業の効果を高めるための体制づくりに努めてまいりたいと思っております。 こういう点につきまして、平成八年十月から九回にわたりまして、通産省の所管部局の幹部並びに両法人のトップで構成されております統合問題検討委員会というものを開催いたしまして、統合後の法人における円滑な職場環境及び組織の確立、事業体制の整備、こういうものの検討を精力的に行って両法人の理解を得てきているところであります。 こういう諸般の措置を行いますとともに、統合後において良好な職場環境の醸成や組織の活性化に十分目配りしてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(今野秀洋君) 一言補足させていただきます。 統合後の課題ということでございますけれども、現在、ジェトロの当面しております課題といたしまして、特に分野を三つ挙げさせていただきますれば、一つは、我が国の国民生活の向上のための住宅や医療福祉機器の輸入促進、あるいは中小企業の競争力強化に資する物品等の国際調達、こういったもののいわば輸入促進事業が第一のカテゴリーでございます。第二は、地域経済の活性化ということでございまして、このための国内と海外の産地間の交流あるいは対内投資の促進といったことに努めてまいりたいと思います。第三に、アジア地域を中心とします途上国の貿易・産業振興への協力といったことを考えております。 もちろん、今後我が国経済を取り巻きます環境も変化いたします。このニーズに対応いたしまして、事業の効率的な実施に努めてまいりたいと考えております。
○海野義孝君 これで終わりますけれども、さっきちょっと触れました新しい機構、機関の理事長、副理事長はこの機会に民間人を採用するということをお考えいただきたい、このことを申し上げて私の質問を終わります。
○梶原敬義君 質問時間が十分でありますので、気がついた点を指摘して、何か問題があれば答弁を願いたいと思います。 この日本貿易振興会とアジア経済研究所の統合というのは、平成七年二月二十四日の閣議決定に基づいて進められてきたわけでありますが、これは行革とはいいながら、木と竹を接いたような感じがどうしてもぬぐい去れません。したがって、今後この両方が統合した後、本当に充実した仕事ができるように、発展するように、さらにまた本来の役割が果たせるように、通産省の方も高い次元で指導してもらいたいと思います。 次に、貿易振興会の役員、先ほどの大臣の数字とちょっと違いがあるような気がします。貿易振興会は通産省から理事長、副理事長、それから理事、ここは言っておりますが、さらに大蔵省から理事、文部省から一人、それから農水省から一人、したがって監事を入れまして九名のうち六名がいわば天下りという形になっております。アジ研は五名のうち二名ということになっておりまして、文部省とか大蔵省の数字がさっき出なかったから申し上げたいと思います。それは違いありますか、ないですね。
○政府委員(今野秀洋君) 御指摘のとおりでございますが、外務省でございます。
○梶原敬義君 文部省が外務省ね。わかりました。 次に、ジェトロの海外勤務者二百五十名のうちで国家公務員が百名、通産省が七十名、農水、大蔵その他で三十名、これは通告していなかったけれども、大体そういう数字で間違いないですか。
○政府委員(今野秀洋君) 御指摘のとおりでございます。
○梶原敬義君 これは、海外勤務が国家公務員の研修の場になっている面もあるのではないか。言いたいのは、国家公務員というのは二年ぐらいの短いタームで転勤転勤ですから、腰を据えた仕事がなかなかできないのじゃないかと思います。私は、そういう意味ではプロパー、専門家の育成に腰を据えてかかるべきだと思いますが、いかがですか、一言だけ。
○政府委員(今野秀洋君) 日本貿易振興会の事業は通商・貿易政策と非常に直結をいたしております。そのため、これらの分野におきます行政経験を有している者、その知見を活用するという意味での人事交流それ自身は重要なことではなかろうかというふうに考えております。 他方、組織の活性化を図り、業務の効率化を図るという観点からは、当然積極的な人材育成、内部登用、こういったことを含めました適材適所を旨とする人材配置を行っていかなければならないわけでございまして、統合後の法人におきましてもこのような観点を踏まえまして人材配置に努めてまいりたいと考えております。
○梶原敬義君 よろしくお願いします。 それで、今、私はここにジェトロが出しております「アジア通貨危機」という本を持っておる。それから、日経ビジネスの雑誌の論文の記事、エコノミストの雑誌の記事、これらを持っておりますが、ちょっと読み上げてみます。 これは日経ビジネスの九七年九月十五日号でありますが、「バブル輸出国ニッポン アジアに感染、世界金融市場が揺らぐ 日本のバブル崩壊後、国内で居場所を失ったお金が海外に流れた。「円が化けたドル」がアジアや世界のバブルを生み破裂させる。カネは巡り巡る。世界は一蓮托生の危機に怯えはじめた。」、こういう見出しであります。 少し中を読んでみますと、「アジア通貨危機は対岸の火事ではない。アジアのバブル経済化の一翼を担ったのは日本の低金利であり、その余波は日本にまで及ぼうとしている。」、少し飛びまして、中前国際経済研究所の中前さんは「日本がアジアにバブルを輸出し、破裂させた。このつめ跡で、しばらくアジアは世界のお荷物になる」云々。 それから少し飛びまして、「一九九三年、タイ政府は「インドシナ地域への資金供給基地」という触れ込みで、国際金融センターを設けた。ところが実際は、ここから大量のドル資金がタイの国内へ流れ込んだ。タイの対外債務は九三年末の四百七十億ドルから、九六年九月には一気に七百七十億ドルになった。増加した債務の多くは、邦銀などが低金利の円をドルに換えて融資したものである。」、こういうことを言っております。 さらにまた、ずっとそういう関連の記事が書かれておりますが、飛ばしていきますと、「「邦銀のアジア向け融資のかなり多くの部分が、焦げ付く」と、JPモルガン証券東京調査部長のイェスパー・コール氏は予測する。最悪の想定では、不良債権は約七兆円になる。アジアに新天地を求めた邦銀が、またアジアで不良債権をつくってしまった。」、こういう指摘をしております。 そして、さらに飛ばして、次に指摘をしておるのは、「円キャリートレードという妖怪」ということで、「日本の円の主な流出先はこうした「アジア新興国ルート」と「米国ルート」があった。前者は衰退しつつあるが、後者はその分、太ろうとしている。」というような指摘をしております。「円キャリートレードは日銀が九五年九月に公定歩合を〇・五%に下げたころに誕生した。九五年四月のG7で円ドル為替の「秩序ある反転」が合意されたころとも重なる。すなわち、低金利と円安の「二つの条件」の申し子である。これが、投機筋に巨万の富を与えた。」云々と、このように書いておるんです。 言いたいことは、先ほどから相当権威のあるお話をアジ研につきましてやりまして、やっぱりこれは大本営発表じゃ困ると思うんです。日本政府にいいことばっかりでは困る。日本の邦銀がどういう動きをしているとか、資金がどう流れるとか、将来どうなるかという心配もちゃんと早目早目に手を打たなきゃいけない。こういう意味では、やはりアジ研がさらに本当に国民のために役立つようなそういう組織になってもらいたい、そういうことを心から祈念しているわけであります。 大臣、何か答弁ありますか。
○国務大臣(堀内光雄君) 先生御指摘のように、ただいまの御紹介の文章にもございましたけれども、アジア経済研究所は非常に公正な、学者的な視点から、またその切り口から研究に取り組んでまいりました。非常に成果を上げて、評価の高いものだというふうに私は感じております。 これを現実のジェトロと一緒になったことによって、委員のおっしゃるように政府向きのことばかり言うようになったのではいけないと思いますので、独自の今までの性格を生かしながら、大学でもございませんので、さらにそれを現実に生かしながら、ジェトロが活動できるようにジョイントをするというような方向に持っていくことが非常に重要であり、かつ有効になってくるというふうに思いますので、御指摘をいただいた面を大いに注意をしながら取り組んでまいります。
○山下芳生君 最初に、ジェトロとアジ研を統合しなければならない積極的な理由についてお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
○政府委員(今野秀洋君) この統合の理由でございますけれども、一つは行政改革の大きな流れということと、もう一つはアジア太平洋地域等との通商・経済関係の協力を推進するために、地域研究機関でございますアジ研、政策実施機関でございますジェトロを統合いたしまして、地域研究と貿易・投資振興事業を一体的に実施する中核機関を整備する、これを目的としたものでございます。
○山下芳生君 何回聞いても、両者が別々に存続をしていてもその機能は十分果たせると。やはりこれは行革の数合わせの一環として出てきたのが本当の理由ではないかと思わざるを得ません。 アジア経済研究所というのは、第一に現地の言葉を学ぶ、現地で資料を集める、現地の生活から学ぶ、いわゆる三現主義ということを徹底した基礎的研究をされている。それから二つ目に、発展途上国や発展途上地域を対象にしたこれは世界最大級の研究所である。第三に、二十一世紀に向けて飢餓あるいは貧困の克服、砂漠化の防止など、本来日本の平和的な国際貢献に重要な役割を果たすべき機関であると私は思います。 その一方、ジェトロというのは、貿易と投資の促進、産業協力の推進、海外情報の収集などを目的にした機関ですから、いかに利益を上げるのかという立場から市場開発などを手がける機関であります。 つまり、この法案というのは、コマーシャルベースのジェトロにいわば学問的な研究をするアジ研を吸収するという法案でありまして、これまでアジ研が果たしてきた役割をゆがめることになるんじゃないか、そうならない手だてというのは考えておられるんでしょうか。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(今野秀洋君) ジェトロとアジ研、それぞれ御指摘のようなすぐれた実績を持っている機関でございます。まず、これを統合いたしますメリットというものを簡単に申し上げたいと存じますけれども、直接的効果は非常に大きなものがございます。アジ研にとりましては、ジェトロが有します海外八十カ所、国内三十三カ所という広範なネットワーク、これを活用いたしましていち早い情報収集と成果の普及が可能となります。他方、ジェトロにとりましては、途上国に対します産業協力事業等を行っておりますけれども、それがこのアジ研の有する豊富な地域研究の成果といったものを踏まえて戦略的に実施するということが可能になるというふうに考えております。 それで、双方の融合効果と申しますか、アジ研の基礎的研究とジェトロの時事調査を融合した総合的な情報把握というものが可能になるというふうに考えております。統合いたしますと合理化が可能になります。そういたしますと、それの力を活用いたしまして一層重要業務の充実を図ることも可能でございます。アジ研におきましては、地域研究につきまして地域研究第二部といったものを新設いたしまして地域研究を拡充することを考えております。またジェトロにおきましては、対日投資誘致の促進、投資交流の重要性ということにかんがみまして、そのための投資交流部の新設といったことを検討しているところでございます。もちろん、このアジ研の従来のような基礎的な研究を行う体制、そのための人材育成のシステム、キャリアパス、そういったことは統合後も今後維持されるのが前提でございます。
○山下芳生君 自主的な研究体制は今後とも組織的に維持されるという御答弁でした。 もう一つ具体的に聞きたいんですが、研究者の方々のテーマの選択ですが、これは自主的に行われることが大事だと思います。それが遂行される組織的あるいは経済的な保障はどうなるんでしょうか。
○政府委員(佐野忠克君) お答えを申し上げます。 従来、アジア経済研究所におきましては、研究所としての調査研究方針を作成するとともに、各研究者が提案する調査研究課題をもとに研究所全体の調査研究計画として取りまとめをいたしまして、これに従って調査研究業務を実施し成果を取りまとめるということをしているほか、研究成果の編集及び普及のための専門的な知見、機能を有する組織において情報提供を行っているところであります。 そういうことで、今回統合後の日本貿易振興会におきましてもこのプロセスを基本的に承継することといたしておりまして、このために調査研究に関する企画立案、評価等を担当いたします研究企画部という新しい部を創設するとともに、研究成果の編集及び普及を担当いたします研究支援部というのを設置することにいたしているところでございます。
○山下芳生君 結局、これまで自主的な研究テーマの選択などをフジ研としてやってきたわけですが、それがコマーシャルベースのジェトロと統合されることによってやはりゆがめられていくんじゃないかというのは、これはだれもが心配することだと思うんです。 これは私が言っているだけじゃないんです。かつて所長あるいは会長としてアジ研に在籍をされた元政府税制調査会会長の小倉武一氏も、アジ研とジェトロの統合についてこう言っております。「アジ研は発展途上国の経済や社会に関する基礎的研究を行う機関であり、他方ジェトロは貿易や投資の振興を行う機関である。二つの機関の性格は相当に異なる」、アジ研は「発展途上地域の研究・資料センターとして質量ともに日本最大であり、研究領域の広さやその水準、あるいは資料の公開性など、大学や民間研究機関にはない長所を持っている。」、「なぜに統合されるべきかは実のところよく分からない。」、「組織の機能や役割を無視した「行革」は、日本の将来にとって重要な機能の弱体化を招くだけであろう。」、こういう指摘です。 経済合理主義を優先して社会正義を抜きにした行革を批判されている。これは本当に大事な指摘です。もともとのアジ研の所長、会長、税制調査会の会長をされた小倉さんの言葉です。これは大臣にお聞きしたいんですが、こういう指摘をどう受けとめられますか。
○国務大臣(堀内光雄君) 今回の統合というものは、我が国とアジア太平洋地域との貿易とか投資関係が非常に緊密化されてきているわけでありますから、これらの地域との通商・経済上の協力に対するニーズが非常に高まってきております。そういうものを踏まえまして、これを推進するという観点からまいりますと、アジアを中心とする地域研究を行っているアジ研と貿易・投資振興事業を行っているジェトロというものが一体になって取り組む中核機関を整備するということは大いに意義のあることだと思います。 そういう意味で、調査研究事業が先ほども申し上げているようなそのジェトロの仕事に押し流されたり、それによって変質をするようなことのないように、研究を行える体制は引き続きしっかりと行っていき、同時にそれが実用の意味でも活用されるというそのつながりによって、我が国の当面する貿易の振興及び経済協力の促進に寄与することができて、国の要請にもこたえることができるんではないかというふうに私どもは考えているわけであります。
○山下芳生君 これまでの成果を踏まえるならば、性格の違う組織をひっつけない方がそれは今後も生かされると私は思います。 次に、天下りの問題について聞きます。 公務員の不正腐敗事件に対して国民の大きな批判が巻き起こっております。近年では地方自治体を含めた官官接待、厚生省汚職、ついせんだっては大蔵、日銀汚職などなど、もう挙げれば切りがない。中でも、常に問題になるのが高級官僚の天下り、高額退職金の問題であります。 この十三日にも、信号機の保守点検会社、日本交通管制技術と関連グループ五社が脱税容疑で摘発されました。このグループは六つの県警から役員や支社長に天下りを受け入れていた天下り企業であります。信号点検など警察関連の仕事を天下り先の企業に回すという典型的な癒着構造ができ上がっていたわけであります。 大蔵や日銀の汚職のように現役のときに企業から金をもらったり接待を受ける、面倒を見てもらうということをやれば、現職であればこれは汚職になるが、将来のポスト、報酬や高額退職金を約束してもらうということと引きかえに便宜を図ってもこれは汚職にならない。いわば汚職の現物取引ならぬ先物取引ということが、私は、天下りの性格、本質ではないかと思います。天下りとはそういう性格、本質を持っている。 大臣、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(堀内光雄君) 民間企業に天下りという言葉はちょっと、新しい人生の仕事を求めて出ていかれるということ、これは二つの問題があります。 一つは、優秀な方をそれぞれ民間企業あるいは特殊法人で受け入れてその才能なり能力なりというものを生かしていただくという意味で、これは必要な面があるわけでございます。 それと同時に、もう一つは、今の公務員の人事の問題もありまして、今までそういう形の中で、そういう面倒を見ないと人事管理の面から、人生五十、六十、七十というように延びてきたときに、どういう体制で公務員の将来というものを考えていくかという面もございますから、ただ単純に天下りはだめというような言い方で取り組むわけにはいかないと思いますが、しかしそういう不明朗な問題が起きるというようなことだけは絶対に避けなければならないと思っております。 そういう意味合いから、天下り問題についてはこれからしっかりとした対応をしながら、一般国民の非難を浴びたり、あるいは役所に対する信頼を失うようなことのないような体制でしっかり取り組んでいかなければならないというふうに思います。
○山下芳生君 優秀な人材だったら、何も自分が直接かかわってきた業界に行かなくてもほかの業界で能力を発揮していただいたらいいんです。 ジェトロの天下りの実態について聞きますが、ジェトロの役員は理事長、副理事長、監事、理事六人、合計九人であります。このうち理事長は一九七八年から二十年間、それから副理事長は一九五九年から四十年間、通産省のOBの指定席になっております。理事のうち四名は通産省、大蔵省、外務省、農水省のOBで、これまた設立当初の五八年から四十年間ずっと出身官庁の指定席になっております。つまり、役員九人中六人までが高級官僚の天下りの指定席となっているり過半数ですよ。 先ほど、通産省だけだったら過半数じゃないとおっしゃいましたが、政府全体から見れば所管官庁の天下りポストが過半数になっている。これはどう考えられますか。
○国務大臣(堀内光雄君) 私の承知しているところでは、閣議決定の内容というのは、その省庁のOBあるいは派遣する人の数がその半数を割るということであって、ほかの省庁を含めた総数の問題ではないというふうに理解をいたしております。
○山下芳生君 そういうことを言うこと自体が天下りについての問題意識の低さだと私は思います。 結局、そういうことだったら、閣議決定というのは天下りを規制することに何の役にも立たない。九人中六人が所管官庁からの天下りであっても閣議決定に触れないということが通用するんだったら、その閣議決定が役に立たない決定だということの証明にしかならないじゃありませんか。 今回の法案というのは行政改革の一環ということだそうですが、行政改革というんだったら、役所の数合わせ、そういう論理ではなくて、こういう天下りを本当になくす、国民の奉仕者として役割を発揮する、そういう質の面での改革こそ本当の行政改革だと私は思います。 私たち日本共産党は、特殊法人などへの高級官僚の天下りは無期限に禁止する、特殊法人を渡り歩く渡り鳥も禁止する、特殊法人役員の高額給与や退職金は国家公務員並みにするなどの内容を盛り込んだいわゆる天下り禁止法案を発表しておりますけれども、こういう方向で徹底してやることが私は国民の信頼をかち取る本当の行政改革だというふうに思います。 次に、通産省設置法改正案に関連して伺います。 まず、鉱山保安監督局を部に格下げする問題ですが、今回の改正によって保安監督業務の質的な低下は来さないのか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(並木徹君) お答え申し上げます。 鉱山におきましては、御高承のとおり、一たび事故が発生いたしますと多くの死傷者あるいは多大な物的損害が発生する可能性もございますので、鉱山におきます危害防止業務、安全対策につきましては、今後とも鉱山保安監督行政のこのような重要性は非常に高いものと認識しておるところでございます。 今回の改正につきましては、九州地域の稼行鉱山数の漸減、昨年三月の三池鉱山の閉山等を含むわけでございますけれども、こういったことによります業務量の減少に伴いまして保安監督局を部に改組するということでございます。先ほど申し上げましたように、今後とも安全第一という考え方に基づきまして、鉱山の実態に応じた行政ニーズを踏まえつつ保安の確保に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○山下芳生君 もう一つ、局から部への格下げによって、そこで働く労働者の皆さんの労働条件、例えば役職手当や退職金など、これは高級官僚じゃありません、これまでより下がることはないのか明らかにしていただきたい。
○政府委員(並木徹君) 行政の効率化ということについては、絶えずそういった方向について鋭意進めていく必要があるわけでございますけれども、今御指摘のような観点から、今回の改正に基づきまして職員の作業条件等々についての変化については特段の問題は生じない、このように考えておるところでございます。
○山下芳生君 関連して、今後の石炭政策、特に国内炭政策についてただしたいと思います。 現在のポスト八次審は西暦二〇〇一年度末までとなっておりますが、その後の対策はどうされるのか、通産省の現時点での考え方について確認をしておきたいと思います。
○政府委員(篠原徹君) 現在、平成四年から平成十二年度末までの十年間をポスト八次策ということで鋭意対策を進めているところでございます。 ポスト八次策以降の、十四年度以降の問題につきましては、現在、石炭鉱業審議会の企画小委員会で残されました二炭鉱の存続問題というのを御議論していただいているところでございます。
○山下芳生君 現在の国内炭の生産水準というのは過去最低、五百万トンを割っているというふうに思います。従来の国内炭対策の延長線上で考えられるとすると、これはもう我が国の石炭鉱業というのはあと数年を待たずしてなくなってしまうのではないかという心配があります。 これは、エネルギーのセキュリティーという側面からも、それからまた産業技術を保存し、それによって技術協力にも資していくという面からも、経済合理性だけからではなくて、そういう総合的な面から検討すべきではないかというふうに私は思うわけですが、最後にこの点の通産大臣の見解を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(堀内光雄君) 稼行炭鉱が二炭鉱になった現在、今後の問題として国内石炭鉱業のあり方を国民経済的役割と国民経済的負担の均衡といった観点を踏まえまして、十分これは検討していかなければならない時期に来ているというふうに思っております。 先ほどから事務方の方で申し上げましたように、現在、十四年度以降の石炭鉱業のあり方については石炭鉱業審議会において御審議をいただいているところでございまして、世界の石炭需給の見通したとか国内炭鉱の技術の現状と意義、国内炭鉱のコスト削減の見通したとか、そういうものを含めて鋭意審議が行われていると思います。 そういう点を含めて、これから先の個々の炭鉱の存続に対しての検討、議論を踏まえて取り組んでまいりたいと思いますが、基本的には各石炭会社の経営問題としてみずからの責任において判断すべき問題だというふうに思います。
○山下芳生君 そういう各石炭会社の経営の責任ということを言いますと、これはもうなくなっていかざるを得ない。ですから、セキュリティーの問題、産業技術の維持継承という面からも判断すべきではないかと再度指摘をして、終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、基礎的な調査研究機関であるアジア経済研究所を貿易・投資等に関する振興事業推進機関である日本貿易振興会に統合することは、アジ研の性格をゆがめ、自主性を損ない、機能を弱めるからであります。 反対理由の第二は、我が国は、発展途上国の自主的、自律的な成長、発展のためにもっと協力すべきであり、アジ研を拡充するのでなく、アジ研をジェトロへ統合することは、日本に求められている国際的役割に反するからであります。 反対理由の第三は、天下り指定席の廃止、ジェトロの大企業奉仕部門の縮小など、本来行うべき改革に手をつけていないからであります。 以上で反対討論を終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉村剛太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 平田健二君から発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
○平田健二君 私は、ただいま可決されました日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、新党さきがけの各派及び各派に属しない議員椎名素夫君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。 一 統合の実をあげるため、両機関の既存の業務・人員配置の全般について見直しを行い、業務の重複の排除、その政策効果の評価の徹底に万全を期するとともに、積極的な人材育成、内部登用の促進等を含めた適材適所を通じ業務の一層の活性化を図ること。 二 現アジア経済研究所の移転後においても、調査研究事業及び貿易・投資振興事業の運営について、新機関が一体となって総合力を発揮できるよう環境整備に努めるとともに、調査研究の成果を公表する等利用者の利便性の確保にも十分留意すること。 三 新機関がアジア地域等の基礎的かつ総合的な調査研究を行うに際しては、我が国の当面する貿易の振興及び経済協力の推進に寄与し、国の要請に応えうるよう措置するとともに、自主的かつ効率的な調査研究活動を促進するよう努めること。 四 新機関の職員の処遇については、身分の変更に伴う不利益が生ずることがないよう十分配慮すること。 五 経済活動のグローバリゼーション化、地域経済の相互依存関係が一層進展する中、新機関の機能をより有効に活用するため、我が国中小企業、地域産業の国際化支援、現地のニーズを踏まえた経済協力の促進等に一層力を注ぐこと。 また、民間への情報提供についてもそのニーズを常に汲み上げ、求めるものが的確に提供できるよう特段の努力を行うこと。 右決議する。以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(吉村剛太郎君) ただいま平田健二君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉村剛太郎君) 多数と認めます。よって、平田健二君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、堀内通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堀内通商産業大臣。
○国務大臣(堀内光雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(吉村剛太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律案及び特許法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。堀内通商産業大臣。
○国務大臣(堀内光雄君) 大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 大学等には、我が国の研究資源の多くが集中しており、大きな潜在能力が存在しております。このため、大学等における技術に関する研究の成果を民間事業者へ移転し、産業界において有効に活用を図ることは、新たな事業分野の開拓及び産業の技術の向上にとって極めて重要であり、喫緊の課題である経済構造改革の強力な推進に大きく寄与するものであります。また、こうした技術移転は、大学等にとっても産業界からの情報や資金の環流等を通じて研究活動の活性化が図られる点で有益であり、一層の推進が図られることが期待されております。 以上のような観点から、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転を促進するための所要の措置を講ずるため、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、大学における技術に関する研究成果を民間事業者に効率的に移転する特定大学技術移転事業を実施する者に対する政策的支援であります。具体的には、特定大学技術移転事業の実施計画の承認を受けた者に対し、産業基盤整備基金からの助成金交付、債務保証等の措置を講ずることとしております。 第二に、大学における研究成果を活用する中小企業者への支援であります。特定大学技術移転事業を通じて大学における技術に関する研究成果の移転を受け、その成果を活用する中小企業者に対し、中小企業投資育成株式会社による出資の特例を講ずることといたしております。 第三に、国の研究成果を民間事業者へ移転する事業者に対する支援であります。国立大学及び国の試験研究機関における技術に関する研究成果について、国から特許権等の譲渡を受けて民間事業者への移転を行う認定事業者に対して、国から譲渡を受けた特許権等に係る特許料等の納付義務を免除し、国の研究成果の普及を促進することとしております。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 続きまして、特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 国際的な大競争時代が到来する中で、我が国が経済の活力を維持していくためには、技術革新の進展を支え、新たな競争力の源泉を確保していくことが不可欠であります。そのためには、独創的技術開発の成果に対して十分な権利保護をできる限り早期にかつ簡便な手段で与え、成果の活用、新たな知的創造活動の促進を図ることが重要となっております。 本法律案は、かかる情勢を踏まえ、特許法その他の工業所有権関係法律について、権利保護の強化、早期保護の実現並びに出願人と権利者の利便性の向上及び負担の軽減を図るための所要の改正を行うものであります。 なお、本件につきましては、昨年十二月に工業所有権審議会より特許法等の改正に関する答申が提出されており、本法律案はこの答申を踏まえた内容となっております。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、特許権等の権利の保護の強化を図るため、損害賠償制度の見直し等を行うものであります。具体的には、侵害行為による権利者の損害について適正に補てんが行われるよう損害賠償額の算定方式を見直し、賠償額の立証の容易化を行うとともに、侵害に対する抑止力を高めるため、法人により侵害が行われた場合の罰金の引き上げ等を行うものであります。 第二は、創造的デザインの保護の強化を図るため、意匠制度の見直しを行うものであります。近年の我が国におけるデザイン開発力の向上、特徴あるデザインによる製品差別化の流れに対応し、創造性の高いデザインについて広くかつ強い権利保護を与えるべく、登録要件としての創作容易性水準の引き上げ、部分意匠の保護導入等の必要な改正を行うものであります。 第三は、いわゆるオンラインシステムによる手続を、意匠・商標制度においても導入するものであります。従来、特許・実用新案制度において可能であったオンラインシステムによる手続を、意匠・商標制度においても導入することにより、さらなる早期権利付与、出願人及び権利者の利便性の向上を図るものであります。 第四は、特許等の無効審判の審理を迅速化するため、請求理由の補正の範囲を適正化するものであります。具体的には、これまでは、審判請求の理由の補正を無制限に認めていたものを、要旨を変更しない範囲に限って認めることとするものであります。 第五は、権利者の負担の軽減を図るため、特許料の引き下げを行うものであります。現行の特許料は、国際的に比較しても後年度の負担が重いものとなっておりますが、権利保有者にとっての負担を軽減する観点から、現在の料金の累進構造を見直し、十年目以降の特許料を平準化するものであります。 第六は、その他工業所有権に係る手続の利便性の向上、工業所有権の保護の適正化等を図るために必要な事項について、所要の改正を行うものであります。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会 —————・—————