経済・産業委員会 第7号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/04/07
会議録
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三日、村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。 —————————————
○委員長(吉村剛太郎君) 去る三日、予算委員会から、本四月七日から明八日正午までの間、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 通商産業大臣から説明を聴取いたします。堀内通商産業大臣。
○国務大臣(堀内光雄君) 平成十年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。 我が国経済は、金融システムに対する不安等に伴い、家計や企業の景況感が厳しさを増し、個人消費や設備投資にも影響が生じるなど、依然厳しい状況にあります。 景気が停滞している現在の状況を抜け出し、我が国経済の力強い回復を図るべく、目下、財政・金融両面においてさまざまな措置が講じられているところであります。私といたしましても、貸し渋りへの対応や景気の回復といった当面の課題に加え、中長期的視点も踏まえた経済構造改革等の課題にも思い切って取り組み、自由で活力があり、豊かで安心できる経済社会の構築に努力してまいる所存であります。 このような認識のもと、通商産業省といたしましては、平成十年度におきまして、次に申し上げる四つの柱から成る基本方針に沿って、全力を挙げて政策の遂行に取り組む所存であります。 第一の柱は、経済構造改革の強力な推進であります。 停滞する景気を回復させ、民間需要中心の内需主導による経済成長を実現するためには、当面の対策に加え、経済構造改革を進め、国民や企業の経済に対する信頼感を回復しなければなりません。 当省としては、昨年五月に決定いたしました経済構造の変革と創造のための行動計画に従って、中心市街地の活性化、新規産業十五分野の創出を支える環境整備、知的創造活動を支える基盤の整備、経済社会の情報化推進、民需主導による地域経済の自立的発展を中心に、思い切った施策を推進してまいります。 第二の柱は、中小企業の基盤強化・新事業展開に向けた支援であります。 我が国経済の活力の源泉である中小企業が、現在の経営環境の激変の中で、未来に明るい希望を持って事業に取り組める環境を整備するためには、貸し渋り対策等による経営基盤の強化や、創造的な新事業展開に対する支援を推進していくことが必要であります。このため、中心市街地を中心とした中小小売商業等の活性化や、信用保証協会の基本財産を大幅に積み増す等の中小企業金融・信用補完制度の充実といった施策を強力に推進してまいります。 第三の柱は、エネルギーの制約を克服し、環境と共生する経済循環の構築であります。 昨年末の地球温暖化防止京都会議において、歴史的な合意に達したことを踏まえ、エネルギーの安定供給の確保を図りつつ、地球規模での持続的発展を実現するために、省エネルギー対策の抜本的強化や、新エネルギーの開発・導入の加速的推進、国民的合意形成と安全確保を前提とした原子力の開発・利用の推進を図ることとしております。また、代替フロン等の排出抑制対策の推進、エネルギー・環境分野での中長期的視点からの革新的技術の開発普及、途上国に対する国際協力の強化などを講じてまいります。さらに、リサイクル関連技術開発の推進や、地域主導の環境調和型経済社会形成への取り組みに対する支援等の対策を講じるとともに、エネルギーセキュリティーの確保に努めてまいります。 第四の柱は、グローバルな経済環境の戦略的構築であります。 世界の成長センターと位置づけられてきたアジア地域の通貨・金融の混乱は、この地域の経済に深刻な影響を及ぼしており、これを放置すれば世界経済の不安定性を増幅させることになります。 このため、アジア地域との強固なネットワークの構築に重点を置いて、経済協力を国民の利益を反映したものとして実施していくとともに、国際的な知的財産権保護の強化に向けた活動や、国際標準化活動等のグローバルスタンダードの形成のための施策、輸入・対内投資の促進等の施策を展開してまいります。 以上申し上げました平成十年度通商産業政策を実施していくため、一般会計では九千百三十二億円を計上しております。また、特別会計につきましては、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計七千三百十八億円、電源開発促進対策特別会計四千六百十六億円を初め、五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。 さらに、財政投融資計画につきましては、財政投融資規模ベースで、八兆九千九百五十七億円を計上いたしております。 平成十年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてございますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、経済企画庁長官から説明を聴取いたします。尾身経済企画庁長官。
○国務大臣(尾身幸次君) 平成十年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、百四十九億一千九百万円余であります。 以下、重点事項につきまして御説明申し上げます。 第一に、経済構造の改革と二十一世紀の経済社会の姿の展望に必要な経費として、一億九千六百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、真に国際競争力のある経済社会システムの構築のための調査に必要な経費、欧州通貨統合が世界経済に与える影響に関する調査など、二十一世紀の経済社会の姿をできる限り具体的に展望するに必要な経費であります。 第二に、適切かつ機動的な経済運営と経済構造変化に対応した調査研究機能の強化に必要な経費として、三億六千四百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、統計環境整備など、構造改革について適切な処方せんを描くための調査研究機能の強化等を図るに必要な経費であります。 第三に、消費者の視点に立った市場のルールづくりなどを通じた豊かで安心できる暮らしの実現に必要な経費として、五億七千百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、消費者政策の充実強化に必要な経費、ボランティア活動促進の環境整備に必要な経費、公共料金に係る情報公開に関する調査など、物価行政に必要な経費であります。 また、これらの経費のほか、海外経済協力基金に対する交付金八億三千六百万円余を計上しております。 本基金の平成十年度の事業規模は、八千百億円を予定しており、このための資金として、一般会計において、前述の交付金のほか出資金三千二百三十一億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても、資金運用部資金等からの借入金四千三百九十億円が予定されております。 以上、平成十年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長。
○政府委員(根來泰周君) 平成十年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち公正取引委員会の予算額は、五十六億二千二百万円となっております。これ債前年度予算額に比べますと、総額で六千二百万円、一二%の増額となっており、うち、人件費は六千八百万円の増、物件費は六百万円の城となっております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として五十二億二千百万円を計上しております。 これは、違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策を講ずるための経費など、独占禁止法の厳正な運用及び法運用の透明性の確保とともに、規制緩和の推進及び規制緩和後の市場の公正な競争秩序の確保を図ることにより、競争政策を積極的に展開するための経費であります。この中には、違反事件の処理を担当する部門を中心とした増員のための経費が含まれております。 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として五千八百万円を計上しております。 これは、下請法の厳正な運用と啓発普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として二億四千三百万円を計上しております。 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。 以上、平成十年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
○委員長(吉村剛太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平田健二君 おはようございます。民友連の平田です。どうぞよろしくお願いいたします。 私、特に今回、繊維の関係についてお伺いをしたいと思います。 まず最初に、輸入の問題についてお尋ねをいたします。 中国からの綿糸の集中的な輸入に対して、政府は繊維のセーフガード、いわゆるTSGを発動するかわりの措置として、中国の自主規制措置であるエクスポートライセンス制度を九七年、昨年より導入いたしました。この制度導入後、中国から綿製品、綿糸の輸入の総量とそれから迂回輸入の実態について最初にお伺いいたします。
○政府委員(水谷四郎君) お答え申し上げます。 御指摘のように、九七年一月に通関時の確認制を導入いたしましてから昨年一年間の中国からの綿織物の輸入量でございますが、五億三十二万平米でございまして、これは九六年の五億五千四百万平米に対しまして前年比九〇・二%と、約一〇%の減少をいたしております。他方、第三国・地域を経由しました輸入が輸入全体に占める比率は、約半数に上昇をしている状況でございます。
○平田健二君 今御答弁がありましたように、確かに総量は減ってきているようですけれども、問題はこの減り方だと思うんです。このエクスポートライセンス制度が機能したという面はあると思いますけれども、しかし残念ながら一番大きな要因は、やはり我が国の不況によって繊維製品の消費が減少してきている、このことが大きな要因ではないかというふうに思うんです。現状は減ったからといって決して楽観できる状況ではないと私は思っておりますし、引き続き徹底した対策が必要だと思います。 通産省として現状をどう認識しておるのか、中国からの輸入が減少した要因は何なのかどういうふうにとらえておるのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のように、輸入量の減少につきましては、中国側の自主管理措置の効果が当然のことながら一因ともなっておるとは思いますが、何と申しましても根本的な状況は、我が国における繊維の需要不振が主たる要因となっていると認識をいたしております。
○平田健二君 早く景気がよくなってもらわぬといかぬわけですけれども、好景気になればまた輸入が増大する、こういう繰り返しはずっと私はこの繊維に関する質問で指摘をしてきたわけです。 この制度を導入したときには、具体的に数字で言いますと三百七十万平方メートル、全体の輸入の八%にすぎなかったんですが、第三国を経由して日本に入ってくる迂回輸入が昨年は平均一千八十五万平方メートル、制度を導入したときよりも六倍にふえておるわけです。率にしても中国から輸入されたものの約半数が迂回なんです。この迂回輸入に対する認識というものをちょっとお尋ねいたします。
○政府委員(水谷四郎君) お答えいたします。 昨年一月に御指摘の通関時確認制を導入したことによりまして、いわゆる偽装第三国経由と申しますか、すなわち中国側では第三国・地域向けとカウントされながら実態としては直接日本に輸送されていたもの、こういったものは防止されたという実態があるわけでございます。 しかしながら、他方、実際に第三国・地域を経由して輸入される数量が増大していることにつきましては、現在の日中間の枠組みの前提を崩しかねない重要な問題と懸念をいたしておるところでございます。 これまで中国に対しましては、取引ルートの整理、中大という代理店でございますが、この中大を通してすべて取引をするという、こういった中大のサービス向上等の問題点について指摘をしまして、迂回貿易の問題に対処するよう中国側に働きかけを行ってまいりました。また、日本側の輸入商社にもヒアリングを実施しまして、実態把握に努めてきたところでございます。 具体的には、本年二月にも訪日をしました中国対外貿易経済合作部対外貿易管理司の副司長に対しまして、当局の審議官から、今申し上げましたような日本側の問題認識を申し入れまして、中国側に対し、対処の必要性を指摘しているところでございます。
○平田健二君 昨年の二月、それから十一月、当委員会で私、その迂回輸入のことについて質問して、同じような回答をいただいておるんです。これやっぱりしっかり対応をしていただかないと、正規か不正規かということは別としましても、迂回貿易が半分以上を占めるというような状態は私は異常だと思いますので、今回も言っておきますが、しっかり対策をとっていただかなきゃならぬと思います。 そこで、このスキームについてちょっと認識をお尋ねいたしたいんですが、これは迂回輸入を対象とし得ないという弱点を当初から内包した制度なんです。その弱点が半分にもなっておるわけです、五〇%。この制度を通産省としてはどう認識されておるのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(水谷四郎君) お答え申し上げます。 現在の通関時確認制スキームは、もちろん中国側から直接日本に輸出されます直接輸出分については十分機能しているわけでございます。ただ、御指摘のように、迂回輸入比率がかくまで上昇いたしますと、当該スキーム自身への信頼性が問われていると我々は認識をいたしております。 先ほど申し述べましたとおり、これは何と申しましても中国側の手当てと日本の手当てと両方相まって有効に機能するスキームでございますので、中国側に対しまして、現在生じている迂回貿易のさまざまな問題点につきまして具体的な指摘を行っているところでございます。今後とも中国側と粘り強い交渉を続けていくことで当該スキームの信頼性向上に努めていきたい、かように考えております。
○平田健二君 質問に立つたびにこの中国からの繊維の輸入についてお尋ねをして、しつこいやつだなと思うかもしれませんが、繊維産業の置かれておる実態というのはこういうことでして、これからもまた質問していきますけれども、ぜひひとつ対策をしっかりとっていただきたいと思います。 次に移ります。 先日出されました中間発表といいますか、新しい繊維ビジョンの問題についてお尋ねをいたします。 まず基本方針ですけれども、繊維産業審議会では現在新しいビジョンの答申づくりを進めていますが、分科会の報告を見る限りにおいては、繊維産業にかかわる国家の役割という点について今までと大きく方向転換をしておるように思われるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 御承知のように、我が国の繊維産業、これは繊維産業だけの問題ではございませんが、産業全般がグローバル競争の進展等によりまして戦後最大というべき変革期にあるわけであります。また、政策を遂行する上での環境も、経済構造改革、行政改革といった国内の変革の動き、さらにはWTO体制の発足に伴う国際的な環境変化が存在をいたしておるわけであります。 今回の審議会におきます繊維ビジョンの議論におきましては、こういった産業及び政策を取り巻く環境変化を踏まえまして抜本的な見直し作業を行っていただいているところであります。
○平田健二君 問題は、その議論のあり方だと思うんです。日本の繊維産業のあるべき姿を検討して、その結果として国が過度に関与しない方がいいという結論が出たのならば理解はできるわけですけれども、最初から官民の役割を検討するというのはいささか順序が逆ではないか。行政改革委員会でも、行政の関与は市場原理が有効に機能しない場合に限り必要最小限度にとどめる。こういう結論から見ますと、議論の立て方に問題があるのではないかと私は思っておるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) ただいま審議をいただいております産構審、繊産審の両審議会のもとにおきます御議論の体制でございますけれども、三つの分科会を設けまして作業を行っております。その三つの分科会のうち、第一と第二の分科会では、まず産業論を行った上で政策課題を抽出する作業を重点に実施をいたしております。一方、先生御指摘の官民の役割分担につきましては第三分科会で作業を行っておりまして、御指摘のように官民役割分担論を念頭に置いた議論を行ったことは事実でございます。 しかしながら、我々は、この第一分科会、第二分科会での産業論それから企業流通論、第三分科会におきます官民役割分担論、こういったもののどちらの側面からの検討も重要と考えているわけであります。 今後、分科会の上に位置しております審議会の基本政策小委員会の段階の議論では、今申し述べました三つの分科会の論議を総合する形で政策関与のあり方を検討していただくことを期待いたしております。
○平田健二君 次に、繊維産業の特殊性という問題についてお尋ねをいたします。 この分科会報告の中では、他の産業との共通点が多いとしておるわけです。繊維産業をめぐるどこが変わって他の産業と共通点が多くなったのか。昔から共通点はあったのか、現在になって共通点が多くなってきたのか、それとも繊維産業が他の産業に近づいていったのか。これを言いますと、裏を返せば繊維産業の特殊性は認めないということなんですよ、共通項が多くなっておるということは。 繊維産業は特殊性はないということなんですね。繊維産業の特殊性というのは認めないということでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) もちろん、御指摘のような意味での繊維産業の特殊性、固有性を念頭に置きますことは、今後の我々の政策遂行上の前提として重要であるとは考えております。ただ同時に、繊維産業を取り巻く今日的課題が多くの産業と共通するという事実にも着目することが必要であるという立場であるわけであります。 繊維産業をめぐります最近時における重要な課題でございますが、具体的に指摘させていただきますと、グローバル競争状況の進展、消費者の需要の多様化、高コスト構造の是正、人材育成、環境問題等でございまして、これらは我が国産業がひとしく直面する極めて今日的な課題である、かように考えるわけでございます。
○平田健二君 それは、もともと産業というのは今おっしゃったようなことは共通項として当たり前のことなんです。繊維産業はそうではない特殊な事情があると私は認識しておるわけです。 例えば、繊維は川上から川下まで一貫生産をします。一番の最先端はミシンを一台持って家庭の人が内職で仕事ができる、こういった産業は、それはほかにもあるかもしれませんが、例えば自動車産業にしても電機産業にしてもないんです。また、工場を立地しておるのも北海道、東北あるいは九州の方、そういった非常に特殊な産業だということが、通産省、今回のこの分科会報告ではどうも読み取れない。 繊維の特殊性が本当になくなったのかなというふうに私は思っておりまして、繊維はほかの産業と違った特殊性があるんだよということをぜひもう少し認識していただきたいというふうに私は思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、こうした分科会の報告が出される背景には、国としての繊維産業の重要性が薄らいできたという認識があるのではないかという懸念があります。このことは私は、橋本総理大臣が通産大臣をなさっているときに、平成七年十月にも同じことを質問しておるんです。当時の通産大臣に、繊維産業の重要性が薄れてきておるんじゃありませんかと。例えば、自動車の輸出入の問題でアメリカあるいはヨーロッパといろいろ問題があればあなたはすぐ飛んでいって交渉するじゃないか、そういったことを例に挙げてお話を申し上げたことを今記憶しております。 今回のこの報告を見ますと、どうもそのときよりももっと踏み込んで、繊維産業の重要性という問題について認識が薄らいできているのではないかという懸念がありますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 繊維産業の重要性についての御指摘でございますが、繊維産業は、地域雇用や地域経済の担い手として、あるいは産業、社会、国民生活全般に多様な価値を生み出す、そういった価値を提案する産業として引き続き極めて重要である、かような認識をいたしております。
○平田健二君 次に、この報告書の中で欧米との比較があるんですが、そのことについてちょっとお尋ねをいたしたいと思います。 繊維産業と国家の支援のあり方については、この分科会の報告では欧米諸国の例を引き合いに出しておるんですけれども、分科会の報告では、欧米の諸国は国家として何も支援していない、そういうふうに読めるわけです。ところが、御承知のように、アメリカではヤーン・フォワード制度というものがございますし、ヨーロッパ、EUでは関税の特別制度、こういったものがあるわけです。今なお継続してこういった支援策、保護策をやっておるわけです。この報告書には、特にヨーロッパ、アメリカでは支援のあり方がほとんどないみたいな言い方をされていますけれども、そうじゃないんですよということです。 日本は今も中央集権的な国ですから、産業政策面においてもアメリカだとかヨーロッパと比較すること自体が私は無理じゃないか。今申し上げましたように、欧米にしてもいろんな支援策がありますよ。今回の報告書の分析はやや一面的過ぎるんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 第三分科会で欧米の事例を研究いたしたわけでございますが、欧米諸国は通商政策につきましては長年MFA体制によります保護政策を採用してまいりました。また、アメリカでは繊維分野の技術開発政策を一定の分野で実施をいたしております。ただし、今日、基本的には欧米諸国におきまして繊維産業を特別視した政策を行うという姿勢ではないというのが分科会の報告になっておるわけでございます。 報告書の示した認識は事実関係の指摘としてはおおむね妥当であると考えておりますが、ただ、個別の政策関与については当然別の見方なり評価もあり得るわけでございます。 いずれにしましても、欧米諸国の動向を踏まえながら、我が国として適切な政策対応を図っていくことが重要と認識をいたしております。
○平田健二君 また、欧米と我が国との政策転換のタイミングの比較についてちょっとお尋ねいたします。 私は、繊維産業に対する国家の支援策としては、育てるということの産業支援策、いわゆる繊維産業を育てるという政策と、それから、外敵という言い方は妥当かどうかわかりませんが、輸入から産業を守るという通商上の支援策と二通りあると思うんです。 報告書にもありますように、欧米ではこの間しっかりとした通商政策上の守る支援策を講じながら繊維産業の国際競争力を確保してきた。日本では、さっきも言いましたセーフガードの話、一回もセーフガートを発動しないまま、今回の報告書を見ますと産業育成も放棄をしようとしているように見受けられます。 全面的な支援からの転換のタイミングや過去の経緯も含めてこういったことについて検討を行う必要があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 第三分科会の報告書では、繊維産業を特別視した政策からの脱却とともに、必要な分野での政策関与の重要性を指摘しておるところでございます。この必要な分野というのは、具体的には情報化でございますとか人材育成、こういった分野でございます。 我々、この報告書を念頭に置いて、現在、基本政策小委員会で御議論をいただいております政策のあり方についての検討が進むことを期待しておるわけでございます。 なお、厳しい経済環境下にございます我が国繊維産地の活性化のために、きめ細かな政策展開が今後とも必要であることは十分に認識をいたしております。
○平田健二君 次に、通産省の繊維行政についての自己評価といいますか、どういうふうに思っているのかということについてお尋ねいたします。 いわゆる臨時措置法に代表されるように、今日まで通産省は繊維行政をどのように評価されておるのか。川上から川下まで一貫するパッケージ型の総合政策が必要だったのではないか。これからはもう川上から川下まで一貫した総合的な政策はやらない、こういうことなんでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 平成五年に打ち出しました繊維ビジョン、繊産審の答申におきましては、マーケット・イン型の産業構造の構築のために情報化が極めて大事だと、こういう御提言、指摘がございまして、平成六年以降集中的に情報化関連の施策を実施してまいりました。クイックレスポンスのためのコードセンターの構築でございますとか、そういった情報化の一連の施策を講じてまいりまして、この効果は相当程度上がりつつあると考えております。 今後、情報化の推進のためには、何と申しましても産業界の自主的な取り組みが一層重要になるとは考えておりますが、政府としましても必要に応じ適時適切な政策関与を続けていくことを検討してまいりたいと考えております。
○平田健二君 大臣、この分科会の報告からは、国は手を引きましょうというのが読み取れます。どういう繊維産業を目指していくのかというビジョンが見えない。今回のこの分科会の報告、業界の皆さんが今異口同音に、国は繊維産業に対して冷たい、今回のこの分科会報告を見ますとそういう認識が強いようでありまして、多分大臣のところへもいろいろとお話が行っていると思います。 この繊維産業に元気が出るようなビジョンにすることが私は大変必要だと思いますけれども、大臣、元気が出るビジョンを最終答申で出せるようにぜひおまとめいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堀内光雄君) 今までの質疑を承っておりましたけれども、私は、繊維産業というのは国民生活にとってまことに重要な産業でありまして、今委員がお話になられますような、国が手を引くというようなものではないと思っております。 少なくとも、先ほど局長からもお話を申し上げましたが、非常に社会、国民生活に多様な価値を生み出す産業でもございますし、またマーケット・イン型の産業の構築をするというような問題もございます。産業を育てていく、あるいは情報化時代における情報の提供をするというような問題を含めて、国が関与するというよりも育てていくような面での協力というものはあってしかるべきだというふうに私は思っております。繊維企業の方々にとっても、やる気のある方、そういう方々に具体的なヒントを与えたり、あるいは繊維産業の方々にビジョンを与えていくということは重要な使命だというふうに考えております。 このために、例えば、イタリア型の差別化品ですか、糸だとか繊維だとかファッションだとかいうものをリンケージしてそういう形の中で産業を進めていくというような形のものを生み出すための産業の戦略だとか、あるいは日本の強みでありますところの技術力を生かした新製品、新合成繊維だとかいろんなものもございますが、そういうような新製品の開発のあり方なども具体的に議論をしながらそういう方向での道づけをしていくというようなこと。 当省として、本年の六月に予定をしておりますところの中間取りまとめに向けて、こういう申し上げたような議論が深まっていき、少なくとも繊維産業の進展のために熱意のあるというか温かみのある答申ができるようにしなきゃいかぬというふうに思っております。
○平田健二君 大臣、ぜひお願いします。 この分科会報告が出て余り日もたっておりませんが、業界の皆さんから、平田、ぜひ大臣に今言ったようなことを伝えてくれという要望がたくさん来ておりまして、ぜひ温かみのあるものにしていただきたいというふうに思います。 ちょっと個別のことを聞きますが、分科会報告の中に染色業界のことが触れられておるんですけれども、今繊維業界を見たときに、この染色業界の衰退が非常に目につくわけです。御承知のように、染色業というのは繊維産業の中の特にキー、中核でございまして、染色業が産地からなくなるとやっぱりそれから下の産業が全部移転しなきゃならぬ。確かにこの報告では衰退していることの事実認識はありますけれども、その対策はどうやるんだということが言及されていない。染色業対策の筋道、具体的な対応策を示す必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。今、染色業というのは大変苦戦をしております。ひとつよろしくお願いします。
○政府委員(水谷四郎君) 染色業が川上から川下に至るいろんな役割の中で極めてキーの役割を担うということは先生御指摘のとおりでございます。ただ同時に、最近のクイックレスポンス等の取引上のスピードのしわ寄せ、こういったものが染色業の方にかぶっている、こういった状況というのを十分我々も問題意識を持って認識をいたしております。 いずれにしましても、今回の審議会での議論を踏まえまして、我が国繊維産業の技術競争力の中核の一つという意味合いで、染色業の発展のための具体的な政策課題、例えば環境問題への対応、これはいろいろと水、排水等々の問題がございますし、それからいろんな色素を使うというような問題がございますので、こういった問題について業界実態を踏まえた検討を十分深めてまいりたい、かように考えております。
○平田健二君 次に、繊維製品の輸入の評価についてですけれども、私も繊維製品の輸入によって定番物が安く手に入るということはそれなりの意味があると思います。輸入の進展が消費者にとってよい面があるということも認めますけれども、報告書の印象としては、輸入が増大することにおいてのマイナス面の視点が弱いんではないかというふうに私は懸念をいたしております。輸出をすることの重要性も触れられておりますけれども、一方的な輸入という現状からすればちょっと輸入についての評価をし過ぎではないか、輸出の実績もある程度整ってから初めて評価できる、輸入と輸出が整って評価するものだと思います。輸入という面だけを何かいいことだというふうに書き過ぎていませんかという気がするんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 輸入が消費者利益に資するものであること、またこの輸入の中で我が国の繊維産業、繊維企業みずからが輸入に関与してメリットを受けている、こういうケースも多いことから、今御指摘の報告書では基本的に肯定的な評価をしているところでございます。ただし、同時に、一部の急激な輸入の増大が種々のデメリットをもたらすことも当該報告書では認識をし、指摘をしているところでございます。 また、輸入だけでなく、ずっとこれまで縮小を続けてまいりました輸出の重要性も指摘されておるところでございまして、いずれにしてもこの輸出入というところは、拡大均衡を目指す考え方のもとに今の輸出及び輸入を評価する、こういった立場をとっていると考えております。
○平田健二君 同じように、産業の空洞化という問題についてちょっとお尋ねいたします。 報告書の中には、人材等優秀な経営リソースを海外の有利な立地条件で有効活用する道として積極的に評価をすべきであると、こうありますけれども、繊維産業の空洞化、海外への流出についての危機感が足りない、私はそう思います。肯定的に評価し過ぎていると私は思っております。生産現場がどんどん海外に流出すれば、技術や高度な技術を持った人材も枯渇をしてしまうわけです。ですから、やはり高度な技術を持った人材が枯渇してしまうということは日本の繊維産業が衰退をしてしまうということだと思いますので、この辺のところの評価というのはどうなんでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 繊維産業の海外展開でございますが、やはり地球規模の企業経営、こういった環境がある中で、今後の繊維産業供給システムのあり方をめぐる方向性の一つとしては、国内での発展を目指す道とあわせて、日本の繊維産業が今後世界的に生き延びていく上での一つの道であると、かように提示されているわけでございます。 そういった海外展開によります人材や技術の流出、枯渇という御指摘でございますが、また同時に、国内のRアンドD及び高度な生産ノウハウの基盤を維持発展させる工夫が重要であるということもこの報告書では指摘をしているわけでございます。そういった意味での国内外での日本の繊維産業の展開につきましては、全体としてバランスのとれた視野に置かれていると、かように認識をいたしております。
○平田健二君 それから、今回のこの中間答申の取りまとめということですが、平成十一年度の予算の概算要求が始まる八月までに、一つとしては繊維産業構造改善臨時措置法、いわゆる措置法の取り扱い、それから改善事業協会の廃止に伴う中小企業事業団への引き継ぎがあるわけですけれども、この引き継ぎのあり方等、結論もまだ出ていませんし、これは措置法の取り扱い、協会の廃止、こういったものはすべてワンパッケージ、中小企業事業団に引き継ぐための議論をしなきゃならぬ。これ二カ月しかないんですね、六月に中間答申を取りまとめて八月にもう概算要求するわけですから。措置法を廃止して事業協会も廃止する、中小企業事業団に受け継ぎます、でもその内容が全く具体的にまだ詰まらない。六月に初めて答申がまとめて出される。八月にはすぐどうするんだということを決めなきゃならぬ。時間が余りにも短過ぎませんか。いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のとおり、中間取りまとめは六月ごろまでに行っていただく予定でございますが、当然この取りまとめにおきまして法律の取り扱いや事業協会業務の移管の内容についての基本方針を示していただくことを想定いたしております。ただ、今回の審議会プロセスは、昨年六月のフリーディスカッションから考えますと、約一年間の期間をかけて取りまとめを提出いただくものでございまして、検討期間としては十分に時間をかけていると、かように考えております。 いずれにしましても、審議会の中間取りまとめをいただきました上で、予算要求に関連します事項は早急に検討してまいりたい、同時に、事業団への業務移管に関する事項も実際の業務移管までの間に遺漏なく検討してまいりたいと、かように考えております。
○平田健二君 それから、この分科会の報告、特に雇用という面についての視点がちょっと希薄なような気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 特に産地でございますが、産地の雇用実態等につきましては、一定の調査分析がなされているところでございます。また、特に人材という視野から十分な検討が行われていると承知をいたしております。 いずれにしましても、繊維産業におきます雇用の重要性につきましては、通産省としても十分認識をしているところでございます。
○平田健二君 次に、これもいつもお伺いをするんですけれども、TSG、いわゆるセーフガードの発動主体についてお伺いします。 今回のビジョンでも触れられていないんですが、私は前々から言っていますように、発動主体を拡大してほしい。業界の皆さんもやはりTSGの発動主体をもう少し広げてほしいと。TSG発動に対するガイドライン、こういう厳しいガイドラインを持っておる国はないはずなんです。 それから、発動主体というのは、何もその業界ということじゃなくて、そこに働く人たちも大変な影響を受けるわけです。ですから、やっぱり労働組合、労働者からも発動できるというふうにぜひしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(今野秀洋君) お答えさせていただきます。 繊維セーフガード措置の調査の開始に関しましては、輸入が増加している繊維製品と同じ品目及び用途が直接競合する品目、これを生産している本邦の生産者及びその団体、そこからの要請から始まりまして、それが十分な証拠に基づくものかどうかということを判断いたしまして調査開始をするかどうかという決定をする、こういう仕組みになっているわけでございます。 このような繊維セーフガード措置のあり方につきましては、ただいま行われております繊維ビジョンの検討プロセスの中で検討されていくものでございますし、また私どもといたしましても改めて点検をしなければならないというふうに考えております。 ただ、その場合には、やはりこの繊維セーフガード措置そのものの本来の性格というものにさかのぼって議論をしないといかぬと思うのでございますけれども、特定の品目の繊維製品の輸入の増加がそれと同じ品目または用途が直接競合する品目を本邦で生産している者に重大な損害を与えているかどうかということに着目してつくられた制度でございまして、この制度は申すまでもなくWTOの繊維協定と整合性を持ってつくられているわけでございます。 そういう制度の本質的な性格論というところに立脚しまして、どの範囲の方からどのような形で意見を求めるのが一番適切かということを検討しないといかぬということであろうかと存じます。
○平田健二君 それはわかりますが、しかし働いている人たちも一番の当事者ですからね。そこで働いておる人が一番の当事者ですから、そこから発議することがなぜそんなに問題なのか。これは通産省がそれでもいいよと言えばそれで終わりのことです。法律で決まっているわけでもない。ガイドライン、指針ですから、一言書き加えるだけでいいんですよ。なぜそんなに固執しなきゃならぬのか、私はわかりません。次もまた質問させてもらいます。 最後に、今回のこの報告書をずっと読ませていただきまして、これから国は支援から全面的に手を引きますよ、臨時措置法も延長しませんよ、事業協会も廃止しますよと。先ほど大臣言いましたように、繊維の業界は本当に今回のビジョンは冷たいなということをつくづく感じておると思います。最終的な取りまとめにつきましては、いま少し時間があるわけですから、もう少し手を入れていただいて、いやそうじゃない、あるいは業界の人の意見をよく聞いていただいて取りまとめていただくように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○小島慶三君 本日は両大臣、御苦労さまでございます。 私は、現在の景気の状況について少しお伺いをしたいと思います。 日本の経済は、九五年、九六年と不況の中でも回復に若干望みがあるような、政府の経済白書ですと回復過程という言葉がありました。そういうふうに推移してきたと思うんですけれども、昨年の四−六、これはいろんな関係でダウンする、七−九に若干回復したけれども、これはまた十月に入ってアジアの金融不況という問題も重複されまして、日本の景気の先行きについて非常に深刻な見方がふえてきたというふうに私は感じております。 殊に、政府もこれに対していろいろな対策を累次お出しになっている、大変努力をしておられると思うんですけれども、その対策の幅がだんだんエスカレートしてきている。ついこの前の与党のいろんな政策論議でありますと、総額十六兆という膨大な財政出動が見込まれているというふうになってきておると思うんです。 私、非常に残念なことは、それに対する市場あるいは一般庶民の反応がだんだん希薄になってきているんじゃないかというふうに思うわけであります。この前の十六兆というあのアナウンスメントに対して、株価は五百数十円のダウンということで反応したわけでありますが、ついこの間の橋本総理のアジア・ヨーロッパ会議におきましては財政出動ということが明言され、それに対して百八十八円ですか、株価が上がっております。 どうしてこういうふうに一般の反応が冷たくなってきているのか、この辺についてのお考えをひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 経済の状況、ただいま小島委員のおっしゃったとおりでございまして、停滞をし、大変に厳しい状況であるというふうに考えております。 現在参議院において予算及び関係の法案等の審議をお願いしているところでございますが、先日、与党三党が十六兆円を超える経済対策という総合経済対策の基本方針を取りまとめられました。私どもといたしましては、この方針を重く受けとめて、景気の現状に対する厳しい認識のもとに具体的な対策を有効かつ適切に進めてまいりたいというふうに考えているところでございますし 株価等にあらわれております市場の反応でございますが、もとより株価はいろんな要因で動くわけでございまして、昨年の暮れからこの一月−三月にかけまして実体経済が大変に厳しい、そういう状況を反映しているのかなというふうに考えている次第でございます。私どもといたしましては、この与党三党の対策を受けまして政府として現在鋭意検討をし、実質的に経済が回復軌道に乗る有効な対策をぜひ進めてまいりたいと考えている次第でございます。 ただその場合に、もとより十年度は一・九%という方向で参るつもりでありますけれども、同時に我が国の資金、人材、技術等の経済資源を十分に活用して、日本経済の二十一世紀のあるべき姿をしっかりと踏まえた上で、その方向性に沿った中で経済の活性化のための対策を打ち出してまいりたいというふうに考えております。そして、そういう有効な対策を実際に実行することによりまして、経済の将来に対する信頼感が回復すれば市場の反応等も改善をし、また消費者や企業家の反応、消費とかあるいは設備投資とかいうものについても順調な回復軌道に乗り始めてくるというふうに考えているところでございます。
○小島慶三君 いろいろ検討なされているということで大変結構でありますが、やっぱり有言実行ということが伴わないと信頼感というのはなかなか回復しないと私は思います。有言不実行ではますます期待感と現実とのギャップが大きくなって、その落差が非常にまた不況感を呼ぶ、こういうことになるかと思いますので、その辺はひとつよろしくお願いしたいと思います。 それで私は、今のこの不況の段階というのは新しい局面といいますか、そういうふうなことにだんだんなってきているんではないかと思うわけでございます。 この間、ロンドン・タイムズに日本に関する特集の記事が載りまして、膨大なボリュームですが、その中で日本の今の局面は非常に難しい局面であると。そういうことになってきた要因が幾つか書かれてありまして、その第一は政策の軸といいますか、そういうものがしっかりしないということである。それから第二の軸は、これは何かといえば、関係者が非常に既得権益というか、そういうものに固執し過ぎている。それから第三番目は、金融面で非常に不安が高まっている。殊に、今の時期にビッグバンを打ち出すというのは全くこれは暴挙である、タイミングが外れているということが書かれておりました。 私もこの三つの点は全く同感であります。ですから、そういった点でやはり今の不況が新しい局面に突入してきているのではないかというふうに思うわけであります。今までマイナス成長というのは余り言われなかったですけれども、今の段階で見ますとマイナス成長もあり得るというふうに思います。 これは、そういった成長率という面からもそうでありますし、それから中小企業金融公庫の資金繰り調査におきましてもDIが最低に落ち込んでおります。要するに貸し渋りが非常に極端になってきたということだろうと思うのであります。国民金融公庫の景況指数もそうでありますし、早い話がこの前の日銀短観も非常に全面的にいろんなデータが悪化してきていることを示しているわけです。 そういう点から見ますと、今までと同じように何とかすれば回復するというふうな期待感だけでなくて、もっと深刻に事態を考える必要があると思うのでございますが、長官、いかがでございますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 私は小島委員のそういう心配も理解できる部分もございます。 しかしながら、我が国経済は、国際化の流れの中で四月一日から資金の移動が自由になるという状況でございまして、そういう中で金融システムの改革も進めていくことが必要な条件になってきているというふうに考えておりますし、また逆にこれをいい機会としてとらえて全体のシステムの効率化を図っていく。そして、ある意味でいいますと、東京マーケットをロンドンやニューヨークのマーケットと同じような力強いものにしていくいい機会でもあるというふうに考えている次第でございます。そういう意味で、この全体の金融システムの改革ということも実は経済構造改革の中の大きな必要な部分であるというふうに考えている次第でございます。 ただしかし、同時に、実体経済がこういう状況になっていることも私ども極めて重要に受けとめているところでございまして、少なくとも目先の経済が立ち上がるようなそういう対策も全力で講じてまいりたいと考えている次第でございます。 日本をほかの国と比べてみますと、金融面における経済の効率性という点において、やはりグローバル化の中でおくれているといいますか、国際化に対応できていない部分もかなりあるというふうに感じておりまして、そういう部分を改革しながらこの大事な時期を乗り切っていく、そしてそこに新しい日本経済の展望を開いていく、そのことが大変大事なのではないかというふうに考えております。
○小島慶三君 長官のお考えになっていることも、私わからぬでもありません。今、財政構造改革のあの法律について見直しをしようとか、あるいはあの法律の枠外の財政出動をやろうとかいろんな意見もございます。その意見については、財政構造改革というのは景気対策と並行して行われるべきものであり、あれはあれで立派な日本の諸改革の一つの要因だろうと私は思っておりますので、あれに反対するわけではありません。 しかし逆に、あるいは二兆といい、あるいは四兆といい、八兆、十六兆というふうな底知らずというか、とことんまでそういった数字が出てくるということについては、福田内閣がかつて外国の圧力によって公債を出してきた、恐らくこれが日本の財政悪化の非常に大きなファクターであったということを考えますと、こういった傾向が大きな傷を残すという心配もあると思うのであります。 だから、そういった点におきましては、やはり今の不況のマイナス要素というものを加速するような政策というのはまずいのではないかというふうに思うわけであります。その最たるものがビッグバンであったのではないかというふうに思うのであります。恐らくこれから非常に大きな変動が起きてくるでありましょう。 例えば、中小企業なんかにおきましても、大企業と中小企業の格差がだんだんに広がるという傾向が一つあります。それから、中小企業自体にとりましては、従来どちらかといえば一進一退を続けながら若干の改革に望みをかけてきたというところであったと思うんですけれども、この際、昨年の終わりの方の局面から見ますと、一気に中小企業の景況感というのは転落したというふうに思うわけであり、そういった点で景況感というのは従来とは違う局面になってきたというふうに私は思うのであります。確かにその一つは資産デフレでありましょう。資産デフレがこの数年間で一千兆と言われております。それだけのものがマイナスになってきているということもあります。 そういった点で、幾つかの指数その他の動向を見ていますと、どうも政府で考えておられるのは、楽観的とは申しませんが、若干希望的な面が強過ぎるのではないか、やっぱりビッグバンなどこれは今の段階でするべきことではなかったんではないかというふうに思うわけでございます。 もう一遍その辺につきましてひとつお考えをお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 中小企業が貸し渋りというような意味で大変厳しい状況にあるというお話でございますし、私もそういう状況にあるというふうに考えているわけでございます。 そこで、どうしてこういうことになったかというお話でありますが、資産デフレ千兆円というお話がございました。確かに土地等についての資産デフレがございまして、その結果として、銀行の担保金融というものが産業に対する資金供給のチャネルとして大きな壁にぶち当たっているという感じが私はするわけでございます。お金が一般国民から銀行に行き、そしてそれを銀行が担保金融中心で貸してきたメカニズムが、担保価値が下落することによってなかなかうまく働かなくなってきた。そのことがもとより全体の資金繰りの厳しい中において、中小企業に対する資金供給を厳しくしているという実態にもあろうかと思います。 しかし、翻って考えてみますと、例えばアメリカあたりでは、ここ十年間に千九百万人ほどの雇用増加がありますが、そのうちの千六百数十万人は中小企業、ベンチャーによる雇用吸収でございます。そういう意味からいいますと、規制緩和を進め、またベンチャーに対する資金供給を十分に行い、これを育てていくということによってかなり大きな拡大ができるはずでございまして、経済構造改革の中で、今までの銀行の担保金融中心の資金供給とは別のチャネルの、例えば証券市場の活性化とか直接投資による資金供給とかあるいは信用保証の強化とか、これは通産大臣にもお願いをしているわけでございますが、そういうものを通じて中小企業、ベンチャーに対する資金の供給が十分に図れるような体制をつくっていきたい、それによって新しい雇用の増大を図って経済を活性化していきたいと考えているところでございます。
○小島慶三君 時間がなくなりましたので、私、少し予算の面でも御質問したかったのでありますが、これは一問だけひとつお許しをいただきたいと思います。 今度の通産省の予算で私非常に関心を持っていましたのは、これはかってサッチャーがやって成功した手法でありますが、行政の仕事を民営化できるものはできるだけしていくということが改革の路程として非常に肝心であるということなんです。サッチャーはあれだけ大きな足跡を残しましたけれども、その非常に大きな功績の要因というのはまず民営化だったというふうに私は評価しているわけであります。 それから、今度の通産省の予算でも、全体の方針に従って大分切り込まれているようであり、かたがたベンチャーに対するいろんな対策でありますとか、あるいは新しい公共投資として通信情報化とかそういった要素を入れていくとか、大変結構な面もあると思うんですけれども、一面では切り込みの一つの要素として民営化というのは全く不足であるという感じがするわけであります。 ですから、この点はまだまだこれからいろんな曲折がありましょうが、この民営化について、通産省内部の仕事にも関係ございますし、それから特殊法人の民営化という点もございます。それから、地方分権に絡んでの民営化というのもあると思うんですが、こういう点について再考いただけないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(堀内光雄君) 先生御指摘のように、特殊法人の民営化というような問題、これは整理統合とともに、政府の行政改革の大きな柱になっているわけでございます。そういう点で、政府でも三度にわたって「特殊法人等の整理合理化について」という問題を閣議決定いたしております。したがって、通産省といたしましてもその方針に従って取り組みを行っております。 ただ、現在のところ、一つは、中小企業事業団と中小企業信用保険公庫の統合というような問題や繊維産業構造改善事業協会の廃止というような形が出ているというのにとどまっているわけであります。 もう一つは、民営化という問題について考えるならば、本来政府でなければ事業の推進ができないというようなもの、あるいは政府が関与して行うことによって事業が社会的にあるいは政策的に効果が上がるもの、あるいは採算的には成り立たないけれども政府が実行しなければならないもの、そういうようなものがやはり特殊法人として残っている、あるべきものであって、これは時代とともにどんどん変わってくるものだというふうに思います。 そういう意味で、これからの民営化という問題については、相当積極的に取り組んでいかなきゃならないものだと私は認識をいたしております。今回そういう意味では、通産省の関係では電源開発株式会社の民営化を決定いたしているわけでありまして、これは大体数年を経て行うわけでありますが、完全民営化を目指して現在その準備を行っているということでございます。 今後とも、先ほど申し上げたような一つの姿勢を進めながら、行政のスリム化あるいは民営化というような問題に努力を続けてまいりたいと思っております。
○小島慶三君 終わります。
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。 今日、企業が求められているものは数多くあるわけでございますけれども、先ほど尾身長官が答弁の中でおっしゃっていました国際化、こういったことも非常に重要な問題でありますし、またほかに重要な問題としては、法的規制あるいは経済的な手法に基づいてそういった中で環境問題に実質的にどう取り組んでいくか、これも非常に大きな問題だと思うわけでございます。いわゆる環境問題に対しての対応、これがおくれることは、たとえそれが法規制対象外のものであったとしてもやはり企業の存立を危うくする、そういった観点から私は環境ホルモンについて取り上げたいと思うわけでございます。 私は、一九九七年三月に本会議場において初めてこの問題を取り上げまして、まともな答弁という形では返ってこなかったわけでございますけれども、「奪われし未来」、それを紹介しつつやったわけでございます。 この環境ホルモンの影響、非常に微量な量、一兆分の一グラムという世界の中で起こる影響というふうに言われているわけで、例えばppt、濃度で考えていきますと一兆分の一、六百六十台のタンクローリーに一滴インクをたらしたぐらいの濃度、六百六十台のタンクローリーだと十キロぐらいの長さになるわけですけれども、そのくらい微量の環境ホルモンというのが生体に対して影響を与える。それで、日本の耐容一日摂取量、これは体重一キログラム当たり十ピコグラムというふうに言われているわけですけれども、アメリカはこの千倍厳しい法規制を行っている、あるいはカリフォルニア州については七万倍厳しい、そういうふうな厳しい対応を行っているわけでございます。これは環境ホルモンというよりはダイオキシンの関係ですけれども。 それで、私は、環境ホルモンについては次世代に対して相当の影響を与える、生殖に対する影響も太さいという点を考えていきますと、ある意味で危機管理的な対応を迫られているという感じがいたしますし、それから政府もそれなりに対応をとり始めているというふうな理解は持っています。 平成九年度においては約一億四千万の予算計上を行っている。平成十年度に計上している金額は、私が持っている資料について考えていきますと十六億四千万。それで厚生省、環境庁、通産省、農水省、さらに労働省、科技庁、文部省とかなり広範にわたって各省庁がやるような形になってきておりますけれども、見方を変えれば、何か基礎的な調査をやる段階においてはちょっと縦割り的な予算計上に近いという感じがいたしますし、ばらまき予算的な感も否めないわけです。 別の見方でいきますと、やはり統合的な、かつまた専門機関の設置を行うぐらいの取り組みをやっていく必要があるのではないか、そういうふうに思うわけですけれども、大臣、この辺について通産省の立場からどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のおっしゃるとおり、この環境ホルモンの問題は今社会的に非常に大きな問題になってきております。この問題にお取り組みをいただいて、現在まで非常に熱心に御主張いただいたという先生に心から敬意を表する次第であります。 通商産業省といたしましては、このエンドクリン問題というものについては、産学官が一体となって取り組むべき重要な問題だということは認識をいたしているところでございます。 実際問題といたしまして、このエンドクリン問題は、現在のところ専門的に深く掘り下げた研究ということが一つ重要な問題になってきておりまして、分析化学の問題あるいは医学の問題、薬学の問題、病理学の問題、動物学の問題、生態学の問題など、こういうようないろいろな幅広い分野の専門家によってそれぞれの分野で今深く研究をしていただいておりますが、それを総合的に検討するということがその次の段階として重要になってくるというふうに思っております。問題点を究明する今の段階におきましては、それぞれの専門的分野での取り組みということを行っているわけであります。 したがって、通産省としましては、産業界がこの問題に適切に対応していくことができるように必要な科学的知見の収集を行っている、あるいはスクリーニング試験法の開発に重点的に取り組んでいるというところであります。さらに、科学的な問題は科学技術庁において科学技術振興調整費などによって関係省庁との共同調査研究を計画してもらったりしておりますが、関係省庁と連携を保ちながら取り組みを行っていくというのが今のところであります。 政府部内でも、統合的な組織だとか専門機関の設置の必要性については、各省庁においてそれぞれの知見を生かした取り組みの進展だとか国際的な試験研究成果の動向等を踏まえながら検討をしてまいりたいという段階に今あるということでございます。
○加藤修一君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 いずれにしましても、製造業で化学物質をつくっているわけでございますし、それからWTOの関係では環境と貿易という視点から、ドイツなんかも相当の規制をし始めているというふうに聞いている。環境ホルモンに限定して言っているわけじゃないんですけれども。あるいはISO14000、その中のライフサイクルアセスメント、そういった観点からもやはり重大な課題が私はあると思いますので、ぜひとも環境ホルモンについて統合的かつ専門的な機関を設置するという検討をやっていただきたい、そう思います。 環境ホルモンは言うまでもなく化学物質でございますので、化学物質に関してのデータベースをつくっていくこと、あるいは情報の共有、さらにそれを公開するという観点は非常に私は重要だと思うんです。そういった観点から、通産省といたしましては、化学物質に関するデータベース、これはどのように今考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(作田頴治君) 御説明いたします。 通産省におきましては、中小企業を含む事業者による化学物質の適正管理を促進するため、平成八年度から化学物質の安全に係る知的基盤整備の一環といたしまして現在データベースの整備を行っているところでございます。平成十一年度にはインターネット等を通じまして公開する予定でおります。 また、こうした目的に従って、データベースの収載項目、拾い込む項目を選定しておりまして、具体的には約二千の物質につきまして、例えば沸点とかあるいは引火点、あるいはまた生分解性、生体濃縮性、発がん性等の約七十項目につきまして内外のデータを順次入力していく予定でございます。
○加藤修一君 今の公開という話、これは一般の市民でも自由にアクセスできる形になるんでしょうか。
○政府委員(作田頴治君) そのとおりでございまして、インターネット等を通じまして公開していく予定でございます。
○加藤修一君 将来的な話ですけれども、環境ホルモンの疑いのある項目ということもやはりその七十項目の中に入れていただきたいというふうに考えておりますので、お願いいたします。 それで、ユークリッドのデータベースとかさまざまなものがあるわけですけれども、省庁が持っている、こういった化学物質に関連してのデータベースですけれども、私はある意味で一元化する必要があるんではないかと思うんです。今、情報化の関係ではLANとかあるいは統合的なWANという話がございますし、それから、統合化あるいは一元化したデータベースについて市民への公開、それからGIS、地理情報システム、そういうものとどういうふうにつなげていくか、そういった観点は私は非常に大切じゃないかと思うんです。 すなわち、ある化学物質の名前を入力いたしますと、それがどこで生産されているか、あるいはさまざまな事業所の住所とか、事故が起きたときに緊急的に対応できるようなことも含めた、危機管理的なそういうアプローチを含めた統合的なデータベースというものをやはりつくる必要があるんではないかと思っていますけれども、その辺についてはどうでしょうか。
○政府委員(作田頴治君) まず最初のデータベースの一元化の問題でございますけれども、先生御承知のように、化学物質のデータベースに必要とされる内容は、その使用目的とかそれから想定されるユーザーによりまして、例えば同じ項目でございましても必要とされるデータの範囲とか、きめの細かさの程度が異なる面がございます。したがいまして、通産省といたしましては、事業者による化学物質の適正な管理を促進するとの観点からデータベースの整備を進めているところでございますけれども、今後関係省庁と連携を密にいたしまして、情報ネットワーク技術等を利用しながら他のデータベースとの相互乗り入れを図るとともに、事業者にとっても使いやすいデータベースの構築に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。 それから、今GISのお話がございました。GISにつきましても私ども大変関心は持っているわけでございます。ただ、GISとこういったデータベースを結合させるためには、かなり詳細な個別の情報が必要でございます。そういった意味で、データベースの構築にまず努めて、その後、このGISが活用できるかどうか検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
○加藤修一君 突発的な事故が起こった場合に、しかもそれが猛毒なものが含まれている、そういったことが事前に、事前というか、要するに起こったときにすぐさまその関連の情報が入手できるような、そういうシステムというのは非常に私は重要だと思うんです。危機管理的なアプローチから見ても大変必要なものであるというふうに理解できます。 さらに言いますると、GISに限らずGPS、衛星から位置を明確にする。固定発生源あるいは固定的な工場、事業所、そういったところでの生産活動についてはある程度わかるわけですけれども、創業、有毒な物質を移動、運搬していると、そういったものについての情報もやはりGPSとかそういった面とうまくつなげていくことも将来的には可能なところがあると思いますので、そういった検討についても私はやるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(作田頴治君) 今御指摘ございました移動体等の把握は大変難しい問題もございますけれども、私ども将来の構想といたしまして、そういった点も考慮に入れながらこの情報システムあるいはまたデータベースの構築に努めてまいりたい、このように考えております。
○加藤修一君 それでは、環境ホルモンの疑惑物質の一つでありますいわゆるダイオキシンの関係ですけれども、そのダイオキシンの計測量と食品調査、そういった点で考えていきたいと思うわけです。 埼玉県では、母乳に基準の七倍のダイオキシンが含まれているとか、あるいは最近の新聞によりますと牧草地がダイオキシンに汚染されている。ということは、牛乳も汚染されている可能性がある。一般的に、私の手元にあるデータを見て母乳について考えていきますと、TDIの五倍から十三倍ある。そういったことを考えていきますと、どこから入ってくるか。水、空気、食べ物あるいは土壌、そういったことが考えられるわけですけれども、その中で構成率として非常に高いのが食品である。いろんな調査があるわけですけれども、八〇%ぐらいは食品から入る、そういう可能性が指摘されているわけです。厚生省としましては、こういった面についての食品調査、これはどのように今行われているんでしょうか。
○説明員(森田邦雄君) 食品中のダイオキシンにつきましては、平成四年度から七年度にかけまして魚介類等食品の汚染実態調査を行っておりますし、また平成八年度におきましては、これら個別食品のほかに、通常の食品から人体がダイオキシンをどのぐらい摂取しているのかというようなことを把握するために、全国三地区におきましていわゆるトータルダイエット方式による調査を行ってきております。この平成八年の結果によりますと、全国三地区で集めた米、魚ですとかあるいは乳製品など十四の食品群につきましてトータルダイエット試料の分析を行いました。 その結果、通常の食事からのダイオキシン類の一日摂取量、体重一キログラム当たり2・3・7・8TCDDに換算してでございますけれども、〇・六三ピコグラムでございまして、先ほど先生からお話しありました耐容一日摂取量である十ピコから見ますと相当低い値であるということで、現在のところ直ちに食品衛生上問題になるとは考えておりません。 なお、引き続き食品中のダイオキシン類の汚染実態調査もこれからも行ってまいりますので、その結果を踏まえて食品衛生上の対策の必要性について、食品衛生法に基づきます食品衛生調査会等で御審議いただこうと思っております。
○加藤修一君 その食品調査についてなんですけれども、産地別とかあるいは輸入品の食品別とか、そういう形で調査をすることはできないんですか。
○説明員(森田邦雄君) 個別食品につきましては、その地域ごとは可能かと思っておりますし、トータルダイエットにつきましては、その地域で通常摂食する食品、通常のスーパー等で購入できる食品について実際どのくらい取り込んでおるかという調査を行っておるわけでございます。
○加藤修一君 地域別と産地別と、私違う意味で使っているんですが、生産される、そういった意味での産地別ということなんですけれども、そういった項目では調査はどうなのでしょうか。
○説明員(森田邦雄君) 現在までのところ、そういう産地別等に区分した調査というのは、特定の地域についてということは行っておりません。また、特定の地域について検査する必要があるかどうか、今後とも検討してまいりたいと思います。
○加藤修一君 食生活に非常に大きな影響があると思われますので、産地別ということについては、これはいろいろ難しい面があることは私も十分わかっております。やはり私はすべきだと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。 それで、次に母乳保育に対する厚生省の立場、その見解を示していただきたいんですけれども、いわゆる母乳保育については、厚生省も自治体もあるいはWHOも母乳を優先すべきだ、人工乳より母乳である、優先的に使うべきだというふうに聞いております。 それで、推進の科学的な根拠、要するに先ほど私が申し上げましたように、TDIでいいますと五倍から十二倍、あるいは埼玉のケースでいいますと七倍という母乳の汚染度が言われているわけですけれども、これはこのままでいいんでしょうかというのが私の質問の意図なんです。そもそも母乳を推進している具体的な根拠というのはどういうふうにお考えですか。
○説明員(小田清一君) ただいま先生の御指摘のTDI、いわゆる耐容一日摂取量、これにつきましては、一生涯にわたり摂取しても耐容される値ということで設定されたものでございまして、母乳につきましては通常乳児期一年程度を限度として摂取されるものでありまして、それをそのまま適用することは適当でないというふうに考えております。 諸外国におきましては、母乳中のダイオキシン類濃度が我が国とほぼ同程度というところであっても授乳の規制をしている国は現在ございません。また、WHOのヨーロッパ事務局におきましては、一九九四年にヨーロッパ事務局管内の十九カ国の母乳の摂取状況等を広く集めてダイオキシン濃度の汚染状況等を検討したところ、乳幼児の健康と発育に与える母乳の利点、そういったものを考えた場合に、母乳栄養を棚極的に推進していくべきだというふうな結論を出しているところでございます。 我が国におきましても、平成八年五月に母乳中のダイオキシン類に関する検討会というものを発足いたしまして、そういった内外の知見を広く検討した結果としまして、現在の知見から母乳中のダイオキシン濃度につきましては直ちに問題となる程度ではないというふうな結論、さらに母乳のいろいろメリット等を踏まえた場合には母乳栄養を続けていくというふうなことで御報告をいただいているところでございます。
○加藤修一君 今の答弁の中で直ちに問題にはならないという言い方をされましたけれども、TDIでいいますと五倍から十二倍という話です。基準値の五倍から十三倍という話ですよ。埼玉県では七倍という話。あれはデータを改ざんしたという話も聞いておりますが、要するに通常の食品ならばその安全量を超えたということで問題視されるわけですけれども、母乳についてはそういう言い方でいいという理解でよろしいですか。
○説明員(小田清一君) 先ほど申し上げましたように、TDIというのは要するに一生涯にわたって摂取しても耐容される一日当たりのダイオキシンの量ということでございまして、母乳につきましては一年あるいは一年以内の短期間の摂取ということで、その基準をそのまま適用するのは適当でないというふうに考えております。 ただ、母乳の安全性につきましては、引き続き知見等を集約しまして調査研究を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○加藤修一君 要するに、人工乳よりは母乳を飲ませる方がいいという、そういう立場をとっているわけですけれども、その推進理由になっている根拠というのは一体何ですか。要するに、疫学的な調査をやっていますか、問題ないという。
○説明員(小田清一君) 疫学調査というのは非常に難しいわけでございます。これは慢性影響でございます。 先ほど申し上げましたように、母乳中のダイオキシン類に関する検討会、これはそういった母乳あるいはダイオキシンの関係の専門家から成る検討会で、広く内外の集められる文献を収集して、その結果として先ほど申し上げましたような母乳栄養のあり方について御報告をいただいたわけでございます。
○加藤修一君 いや、私は納得できないんですけれども、別の機会にそれはやることにいたします。 一般廃棄物の焼却場あるいは産業廃棄物の焼却場に関しての総合的な調査を私はやるべきだと思うんです。現段階で調査しているのは排煙だけだというふうに私は聞いておりますが、飛灰とか焼却灰、それからダイオキシン、ジベンゾフラン、あるいはコプラナPCB、場合によっては臭素系のダイオキシン、さらに土壌調査についても私は行うべきだというふうに理解しておりますけれども、この辺について見解をお示しいただきたいと思います。
○説明員(仁井正夫君) お答え申し上げます。 焼却施設に係るダイオキシンの調査でございますが、市町村の設置するごみ焼却施設につきましては、すべての施設について排ガスの測定をお願いして、その結果につきましては公表したところでございます。 これにあわせて、焼却灰、飛灰につきましてもできるところにおいて調査を依頼しておりまして、この結果については平成九年に取りまとめましたガイドラインの中で基本的な分布なり濃度域といったようなものを示しております。そういう意味で、市町村の施設につきましてはおおむね飛灰等も含めての実態の把握ができているかと思っております。また、産業廃棄物の焼却施設につきましては、今御審議いただいております十年度予算案におきまして、ダイオキシン施設改善指針検討費という形で調査予算を計上しておりまして、この中で産業廃棄物焼却施設につきましても、排ガスだけでなしに飛灰、焼却灰についても、一部の施設にはなりますけれども、調査を行うことといたしております。 御指摘ございましたコプラナの問題あるいは臭素系ダイオキシンの問題、これにつきましては、現在までのところ健康影響に関する評価も決まっていないという状況でございますし、またその調査ということになりましても、測定法の確立からといったようなところがございます。こういった課題について知見の収集等、検討していきたいというふうに考えております。
○説明員(西尾健君) 先生今土壌の調査のお話に触れられましたので、お答え申し上げたいと思います。 環境庁では、ダイオキシン対策に関しますところの五カ年計画に基づきまして、平成十年度から発生源対策の推進でありますとか、それから総合モニタリング調査といった対策を推進するということにしておりますが、この総合モニタリングの一環といたしまして、土壌中のダイオキシンの濃度を調査するということにしております。全国四土地点での調査を計画しておりまして、先生御指摘の廃棄物の焼却場周辺を含めた調査を行うということにしております。
○加藤修一君 お配りしております配付資料の関係で「ダイオキシンの土壌基準」というふうに書いてございますけれども、この中では基準がないのは日本でございます。やはり土壌汚染防止法の制定を含めて、こういった非常に健康に重大な影響を及ぼすダイオキシンについても基準をつくるように鋭意努力していただきたいと思います。 それでは次に、製品の規制の問題と表示についてということで、実は予算委員会で通産大臣は、「ダイオキシンの発生のメカニズムや、ごみの中の塩素量とダイオキシンの発生量という因果関係は、」「必ずしもまだ解明をされているわけではない」と、こういう答弁をされているわけですけれども、これはいかなる根拠に基づいてこういう答弁をされているか、確認をいたしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 塩化ビニール類の焼却というのは、家庭用焼却炉などで不完全に焼却をさせた場合にダイオキシン類が発生しやすいというふうに考えられておりますが、また一方において、廃棄物処理法に基づく規制基準に適合した焼却炉で完全燃焼させた場合には、ダイオキシン類の発生を低く抑えることができるということがわかっているという状態であります。 例えば、くず鉄などの例をこの間も調べましたが、予熱で暖めてから電気炉に入れる、その予熱の段階で、鉄と一緒にくずが入っているものですからダイオキシンが随分発生する。電気炉に入れて非常に高い温度でやっている場合には出てこないというようなことも言われております。 塩化ビニール類以外でもまた塩素を含むごみなどは非常に広範に存在をしておりまして、塩化ビニール類を完全にごみから除去してもダイオキシン類が発生するということも言われているわけであります。こういう意味で、ダイオキシンの発生メカニズムや塩化ビニールとダイオキシンの発生との因果関係というものが必ずしも科学的には解明されているわけではないと申し上げたわけで、関係ないということではないわけであります。
○加藤修一君 厚生省で出されているレポート、廃棄物処理におけるダイオキシン等の発生メカニズム等に関する研究、その中で両者の間に相関関係はないという結論を出しているわけなんですけれども、これは私、まだ詳細に検討したわけではございませんが、やはり実験の仕方がちょっと中途半端だなと思っております。両者の関係を調べるならば、ほかの焼却条件を同じにして特定のプラスチックの投入量のみをゼロから徐々にふやしていくやり方、あるいはプラスチックの種類、焼却炉の型や焼却条件あるいは塩化水素の濃度あるいは集じん機の運転条件、そういった変動するような条件というものをきちっと定めた形でやっていくことが私は望ましいと思うんです。 先ほど、因果関係は明確でないとか正の相関関係が示されていないとか云々、ちまたで言われているところがこういうところにあるんではなかろうかと思いますので、こういった点についてもきちっとした条件に基づいた実験、調査を厚生省はしていただきたい、私はそのように思いますし、それから通産省の方にもその辺について明確な調査をきちっとやっていくことを要求しておきたいと思います。 最後に、配付しました左側に載せてございますけれども、「ダイオキシン対策にかかる製品規制」、こういったことがドイツで行われております。それも塩素系だけに限らず、臭素系ダイオキシンについてもこのような形で規制を行っているわけでございますので、この辺について、大臣、どのようにお考えか、見解をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 現在のところ、基本的には科学的知見が不足をしておりまして、今関係省庁とも連携しながら検討しているというのが実情であります。 臭素系ダイオキシンに関しましては、先ほど申し上げたように、今科学的知見の収集というものに努めているのでありまして、知見を収集することに努めることが必要だというふうに認識しておりまして、その対応のあり方については関係省庁と連携して検討してまいりたいと思います。 また、特にこの問題は事務方の方から申し上げないと、ちょっと私は専門的に弱いものですから、その辺はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○政府委員(並木徹君) 今大臣から御答弁いたしましたように、また先ほど厚生省あるいは環境庁の方から、委員の御指摘、問題意識に従った調査の状況についてお話があったわけでございます。通産省といたしましても、そういった事業を所管する立場から対応をしていく必要があるわけでございますけれども、基本的には科学的知見の収集というものに努めてまいりたいということでございまして、関係省庁と十分相談しながら詰めてまいりたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 現在やっているんですか、全くやっていないかやっているか、それだけでよろしいです。
○政府委員(並木徹君) この問題、委員から大変広範な御指摘があったわけでございますけれども、ただいま臭素系ダイオキシンにつきましては関係省庁におきます科学的知見の収集という段階かと思いますので、私ども通産省としてこの臭素系ダイオキシンに関して現段階において既にその調査をしておるという状況ではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、関係省庁とも十分連携をしながら今後検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○海野義孝君 公明の海野でございます。よろしくお願いいたします。 最初に尾身長官に御質問差し上げたいと思うんですけれども、もう御案内のとおりで、最近の新聞報道、マスコミ等におきましては経済の状況が大変厳しいということでございまして、国民各位においてもそういう面では大変不安が募っておりますし、また先行きにつきまして大変心配しているという状況にあるわけでございます。長官の御所管の業務につきましては、経済の見通しあるいは経済政策等についての総合調整的なそういった統括をされているお立場にあるということでございます。最近ですと、内外から特に景気の問題に対するいろいろな声というのは大変厳しさが募っているということでございまして、そういった中で長官のお立場というのは、その御発言は大変重みがあるということでございます。 長官、たしか昨年の九月に御就任になって以来、大変な状況の中に身を置かれて、日夜大変御苦労されているということでございますけれども、たしか去年の暮れころに、これは新聞のインタビューに応じられたときに、今大変有名な桜の花の咲くころという話がひとり歩きをして今日まで来ているわけです。あれから約三、四カ月経過しているわけですけれども、当時たしか長官がおっしゃっていたのは、こういうことをそのときにおっしゃっていたわけです。「サクラが咲くころには政策効果がしだいに浸透して、景気は順調な回復軌道に乗ってくる」と見ていると、このような御発言をされたように新聞では出ております。 この時期と、それからただいま現在においての景気に対しての長官の御認識、あるいはその当時と今とでは当然お考えというか判断にも相違が出てきているかと思いますけれども、そのよって来るポイントについて長官の御認識をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 昨年の十二月ごろでございますが、あの時期、今はあの当時の実感がちょっと一般の方はないと思うのでありますけれども、実は秋口にかけましてアジアの経済の状況、それから特に金融機関の相次ぐ破綻によりまして非常に国民全体の心理状態が不安感が募っている時期でございました。その不安感という意味は、大きい会社でもつぶれるんじゃないか、それから金融機関の幾つかが倒れるんじゃないかというようなうわさが飛んだりなんかいたしまして、そういう意味で大変に私自身、パニックという言葉は当時もちろん使いませんでしたが、そういう心理状態というものがかなりあったというふうに考えております。 そのときに、実を言うと十二月ごろ、実体経済はそんなに悪くなかったと思っておりますけれども、そういう状況の中で、この三月を過ぎて四月に入れば予算も通るし、それから三月末の状況の中で、早期是正措置四月一日でありますからクレジットクランチも一応解消に向かう、それから規制緩和の法律等も四月、五月には、例えば情報通信とかあるいは土地の有効利用等に関する規制緩和もかなり進んでくる。そういう意味で桜の咲くころからは経済が順調な回復軌道に乗り始めるというようなことを申し上げたわけでございます。 実を言うと、その後、金融システムの安定化のための対策三十兆円がかなり有効に働いてきたと私は思っております。一番厳しかったのは一月の半ばぐらいまででございまして、株価等も一万四千円台に下がるという状況で三十兆円のお金を入れました。それによって金融システムに対しての不安感というものは一月半ば以後かなり解消されてきたというふうに考えております。 しかしながら、その影響が実体経済に十二月、一月、二月と及んできているわけでございまして、そういうものでありますから、現在ただいまのところは、金融システムに対する不安という十二月の状況よりもむしろ実体経済の方が厳しい状況に後退い的になってきている、しかし、金融システムに対する不安感の方はある程度解消してきている、そのように認識しているところでございます。
○海野義孝君 確かに、桜発言がおありになったときと今日では大分状況が変わってきております。ただ、例えば最近発表になりました、四月の初めでしたか、日銀の短期経済観測調査、短観、これを見ますと、次は六月の予測が出ているわけであります。そういう意味では今、ただいま現在の経済の実績の数字としましては二月ないし三月の数字でありますけれども、予測の中では一応日銀の短観で六月あたりのところを見ておりまして、これによりますと、主要企業、製造業あるいは非製造業、また中小企業等につきましても、製造、生産活動の面、あるいは設備投資の面、あるいは金融貸し渋り等に対する先行きの判断の面等々、そろって大体厳しい見方をしているということでございます。この予測が当たらなくて景気がよくなればこれにこしたことはないのでありますけれども、過去の傾向を見ますと、大体そういった予測というのは比較的当たるという感じがしているわけです。 そういったことを踏まえて、長官としてはこれから夏ごろにかけていろいろな対策が講じられていくわけでありますけれども、昨年の暮れにおっしゃったようなことがこれからまたないことを願うんですが、果たしてこれから先行きについて、確かに金融システムの問題については、これは私はまだ絶対大丈夫とは言いませんけれども、一応小康状態に入っていると、こう思います。という理由は、まだアジアの問題等がこれから先に、また通貨の問題あるいは為替の問題等につきましては景気の実勢等によって再び揺さぶられる可能性がないではないということを思っておりますから、金融システムについては一応小康と思いますけれども、金融の先行きについては私はまだまだ厳しいと思うんです。 その点は、こういうような対策を講じていくからこのころになれば大体大丈夫だし、国民のマインド、経営者のビヘービアについても少し変わり目が出てくるだろうというようなことについて、長官、これはお立場上思い切っておっしゃるということはどうかと思いますけれども、その辺ひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(尾身幸次君) 今のお話は大変大事なポイントでございまして、確かに消費、投資、住宅投資等々大変に厳しい数字になっておりますし、生産、雇用等にもかなりの黒三角がついている。黒三角だらけと言ってもいいわけでありますが、そういう状況でありまして、実体経済が大変厳しい状況にあるというふうに認識をしております。アジアの問題につきましても、韓国、タイについてはめどが立ってきておりますが、インドネシアについてはまだ厳しい状況が続いているということで、これまた予断を許さないというふうに考えております。 私ども、先月の終わりに与党から出されました総合経済対策の基本方針を受けまして鋭意検討中でございまして、正直なところ、予算が参議院で審議中でございますので、余りいろいろなことを言うとしかられるという状況にもあるわけでございます。しかしながら、臨機応変、適時適切な対応をするというふうなことを申し上げてきておりまして、経済企画庁としては、経済の見通しをする立場と同時に経済政策の総合調整をする立場である、先ほどのお話のとおりでございまして、むしろ四月には、その後の方の経済政策について、有効で適切で本当に経済が回復軌道に乗るような対策をぜひ進めてまいりたい、そういうふうに考えております。 内容によりましてまた市場のマインド等も影響するという点もあると思いますけれども、大変大事な状況にありますので、私ども全力を尽くして景気対策をやっていきたい。ただ、そのときに、先ほども申し上げましたが、二十一世紀を踏まえた、日本経済全体の方向性をしっかりと踏まえたものにしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○海野義孝君 その点でありますけれども、長官がいつもおっしゃっているように、経済構造改革の推進と二十一世紀に向かっての中長期のビジョン、その実現に向かっていろいろ骨を折っていらっしゃるわけです。そういった関連と、当面の景気対策ということでの十六兆円、中身はまだちょっとわかりませんが、そういう総合経済対策での具体的な施策という面で、おっしゃっている経済構造改革とそういうビジョンとの兼ね合わせで具体的にどういったお考えをお持ちになっているか、あるいは具体的に政府の今後の対策としてどう取り組んでいかれるか、その辺について二、三お話しいただければと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 二つの点が大事だと考えておりまして、一つは、有効需要の拡大という意味で需要喚起をして、いわばカンフル注射的な意味もあると思いますけれども、当面の景気をしっかり立て直していく、立ち上げていく、十年度一・九%を達成していくという点があろうかと思います。 もう一つは、先ほど申しました経済構造改革の路線を進めていくということで、例えば経済の効率化をさらに進めるために規制緩和を一層進めていく、それから科学技術を振興してベンチャーを育てていく。アメリカの話を先ほど申し上げましたが、どちらかというと在来型の産業でリストラをやりベンチャーで雇用を吸収して全体としては拡大をしていく、そういう方向に向かわなければいけません。 そのために規制緩和を進めることも大事でありますし、それからまたもう一つの問題として、先ほど申しました銀行の担保金融が資産デフレで限界に突き当たった、その壁を破るような証券市場の活性化とかあるいは直接投資とかあるいはエンジェルの育成とか、そういうベンチャーを育てる攻めの政策もやっていきたいと考えております。 それから、資金の効率、資産運用の効率というのが日本は大変低くなっておりまして、アメリカあたりの実績と比べて非常に資産運用が悪いわけでありますから、そういう年金資金とかあるいはその他の資金、それから私的な個人の資金の資産も含めまして、より効率的な資産運用にし、そして資金がベンチャーの方に流れていくような、そういう体制もぜひつくっていきたいと考えております。 それから、土地の問題につきましては、ぜひ有効利用を促進していく。 いろいろなことでそういう構造改革を進めながら経済の活性化を進めていって、長期的に安定的な、後戻りしないような経済構造改革を進め、景気対策をやっていきたいと考えております。
○海野義孝君 時間になりましたけれども、もう一問だけさせてください。 これは、平成七年末に例の経済構造改革のための経済社会計画というのをお出しになって、去年の暮れに二回目の中間のフォローアップの報告があったと思いますけれども、この推進状況について一言と、もう一つは、政府の経済見通しは今年度一・九%でありますが、経済見通しというのは翌年度の予算の前提となると思うんですけれども、そういう意味で、現在審議中の平成十年度の予算、これによって一・九%の経済達成は可能というように長官はお思いになりますか、その辺について一言、その二つをお願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 経済計画のフォローアップにつきましては、現在経済審議会で鋭意検討しているところでございます。 それから、今提案されている予算で一・九ができるか、大変難しい問題でございますが、私ども、もとよりこの予算は最善のものとして出しておりますが、しかし経済は生き物でございますので、適時適切な対策をし、そういう対策も含めまして一・九%をぜひ実現していきたいと考えている次第でございます。
○海野義孝君 終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 年前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分まで休憩いたします。 午後零時七分休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平田耕一君 自民党の平田でございます。 公取からと思っていましたけれども、せっかく政務次官がお越してございますので、二、三御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず概観でありますけれども、大変厳しい状況が続いていることは皆心配しておりますので、倒産状況をかいつまんで、特に中小零細企業に的を絞ってお答えいただければというふうに思っております。
○政府委員(中澤佐市君) 倒産状況につきまして、数字の方だけ私の方からお答え申し上げます。 中小企業の倒産件数でございますけれども、民間調査機関の調査によりますと、昨年十月以降千四百件から千六百件で推移しております。これは、最近五年間の中小企業の平均月間倒産件数が千二百四十件であることを考えますと、かなり高水準で推移していると言えると思います。
○平田耕一君 つきまして、政務次官の所感なりがございましたらお尋ね申し上げたいというふうに思います。
○政府委員(溝手顕正君) 大臣不在でございますので、かわりましてお答えをさせていただきたいと思います。 特に、中小企業倒産に関連しまして問題になりました貸し渋りの問題でございますが、通産省におきましては、十一月以来さまざまな組織をつくりましてこの対応をしてまいったところでございます。産業金融対策推進本部を設けまして、数回にわたり地方の各局を招集したりしてやってまいりました。そういった中から、中小企業に対する貸し渋り対策として政府系金融機関及び信用保証協会等における特別な相談窓口の設置あるいは新たな融資制度の設定、あるいは無担保無保証融資いわゆるマル経の拡充、保険限度額が倍額となるような対象業種の拡大など各種対策を講じたところでございます。 このような貸し渋り対策の実績につきましては、昨年の十二月、年末を控えての開始から年度末三月末までの間で政府系中小企業金融機関全体で約二兆七千億円、前年同期比で二五%の伸びとなっております。また、無担保無保証、マル経につきましては千八百億円で前年同期比約六一%の伸び、信用保証協会においては六兆円で約九%の伸びとなっております。 しかしながら、中小企業を取り巻く環境は引き続き予断を許さない状況にありますことから、当省としましては、中小企業の資金調達の円滑化に万全を期すべく、政府系金融機関及び信用保証協会に対し、窓口において親身な対応を徹底するよう常日ごろから指示を行い努力をしているところでございます。先般も大臣を含めまして幹部相そろいまして、中小企業者の立場になった対応を徹底するよう申し合わせたところでございます。 今後とも懸命に万事遺漏なきを期してまいりたいと思っております。
○平田耕一君 政務次官から力強いお言葉をいただきました。どうぞよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 それで、この問題をちょっとお尋ねしたいんですけれども、先ほどたまたま経済企画庁長官から金融機関の融資について担保金融の限界というお話を賜りまして、これはいい話を伺ったなというふうに思って、それについてお尋ねしたいというように思っておるんです。 政府の融資枠と保証の枠とで合わせて二十五兆円という資金を用意したものが、私自身が地元でいろいろやっておりまして、もちろんいろんな中小企業庁、金融機関も大変協力をしてくれて、状況も聞いて、これは全国大変だと思いますけれども努力をいただいておるわけであります。どうもその二十五兆円、今お聞きをした二兆七千億の融資を実施したということでありますけれども、二十五兆円の融資枠を実施するということについては、それぞれの中小零細の担保力等、従来の貸し付け姿勢ではとてもこなせる状況にはないというふうに思っております。 したがいまして、尾身長官の言われました担保金融の限界というものは中長期的な話でなくて、もうあすの問題じゃないか。二十五兆円用意した、それは絵にかいたもちじゃないんだ、使っていいんだよということにするためには、優良な中堅企業にまで貸すつもりならその枠はいいんでしょうけれども、これはあくまで不況対策であります。そういたしますと、なぜなのかわからないんですけれども、これはもう直ちに担保なりあるいは今通例になっています国民金融公庫等の保証人制度、こういうもののやり方というのは限界に来ておって、どうも言っていることとやっていることと違ってくるような気がしております。 そのことについて、せっかくお言葉が出ましたので、フリーなお立場で、別にああ言った、こう言ったということはここではないわけですから、尾身長官にどうぞ目いっぱいしゃべっていただきたいというふうに思うんです。
○国務大臣(尾身幸次君) 今、平田委員がおっしゃったことは大変大事だと思っておりまして、確かに中小企業関係の金融貸し渋りに対応して二十五兆円を積んでいただいているわけでございます。 しかし、中小企業金融機関、国民金融公庫のマル経はちょっと別でございますが、中小企業金融公庫とかあるいは商工中金、貸すときに担保金融が中心でございまして、担保の不足しているところについては保証協会の保証をとれというようなことでございます。保証協会が担保の不足しているところについての保証をするときにも、またその担保を出せというようなことが間々行われているのも実情でございます。現在の状況を踏まえて、先ほど申しましたような意味での資産価値が、特に土地の価格が下がったという実態を踏まえて、やはり私としては、通産大臣にもお願いをして、少なくとも政府系金融機関については担保をとるという金融をできるだけ緩和をしていただいて、担保がなくても健全な中小企業には資金がしっかりと回るようにぜひお願いをしたいと考えております。
○平田耕一君 申し上げておることを御理解いただいておるし、状況も踏まえての御発言だというふうに思っております。これは幾ら皆さんからあるいはそれぞれの金融機関の幹部のところから指示を出していただきましても、現場へ行きますと現場の立場というものがありまして、現場責任者の今の姿勢ではなかなか笛吹けど踊らずで、従来の姿勢が変わらないということになっていきますので、どうぞひとつそこまで目を光らせた御指導をお願い申し上げたい。 それで、担保金融あるいは保証人制度というものを脱却した融資をするということは直ちに可能ではないかというふうに思っています。ある程度数字で把握して、例えば売り上げの三割とか四割の借り入れなら健全だとかというんじゃなくて、ほとんど国民金融公庫とか皆さんはむしろ売り上げ以上の借り入れがあるところでも貸し込んでおられるのが実情でありましょうけれども、売り上げ以上に借金が多い会社については、例えば中部地区であれば通産局まで上げよとか、金融機関の本部まで上げよとかということを、いろんなケースを想定して具体的に指示を出していただかないと、頑張れ頑張れ、担保より枠を多くせいと言ってもなかなかいきませんので、具体的にこなしていただく必要があると思います。どなたか、中小企業庁。政務次官も後でどうぞひとつお願いいたします。
○政府委員(中澤佐市君) まず、現状について御説明をさせていただきます。 いわゆる担保や保証人徴求を弾力的にやれ、あるいは企業の将来性とか経営状況等をちゃんと評価して、できれば数値化をしてやるようにという御質問だと思います。 現在の状況でございますけれども、委員御案内のとおりと思いますが、先ほど政務次官からも申し上げました、昨年十一月の対策でつくりました新たな融資制度におきましては、通常は政府系金融機関の融資の場合には信用保証との組み合わせというのはやっていないわけでございますが、これにつきましては信用保証協会の保証の弾力的な活用といいますか併用というのを認めたり、あるいは元利返済の猶予を認める繰り延べ措置といったようなこともやらせていただいております。 また、このような措置に加えまして、信用保証の方の話でありますが、去る二月二十日なんですけれども、これも先生から先ほどありましたように、信用保証協会が保証するときに当事者の保証と同時に第三者保証というのを徴求しているわけでございますが、これにつきましても当分の間原則として徴求しない。無担保保証の場合には無担保保証枠の半分まで原則徴求しないというようなこともやらせていただいております。 そして、このような対策の窓口での徹底でございますけれども、常日ごろ政務次官あるいは大臣からも指示しているところでございますが、今後ともやっていきたいと思ってございます。 さらに、その将来性とか経営状況の数値化の件でございますが、これは正直なかなか困難な部分があると思いますけれども、これも先生はまだ不十分という御指摘ではないかと思いますが、政府系の中小企業金融機関におきましては、融資審査に当たりまして、貸付先からの情報に加えまして、当該企業の取引先あるいは取引銀行、業界関係者などからも情報を収集しまして、その企業の成長性とか発展性という長期的視点にも立って融資審査をするよう努力をしているところでございます。 また、中小公庫でございますけれども、これは民間の金融機関とやはり違うということで、通常、民間金融機関ですと担保の対象にいたしません機械などの動産とかソフトウェアなども担保の対象とするなど、担保の範囲のあり方とか何かにも弾力的に努力してきているところでございます。 さらに、これも御案内かもしれませんが、ベンチャー企業の場合は特に担保力が不足がちなわけでございまして、このようなベンチャー企業の育成を目的とした新事業育成貸付制度というのがございます。この制度におきましては、貸付額の二分の一、かつ八千万円が限度でございますけれども、担保徴求を免除するというふうなことも認めてやっているところでございます。 今後とも、委員御指摘の企業の将来性とか経営状況の評価につきまして、政府系中小企業金融機関がさらに適切かつ積極的に取り組むよう努力してまいりたいと思ってございます。
○政府委員(溝手顕正君) 私も中小企業の経営をしばらくやっておりまして感じておるんですが、現在のように景気が非常によろしくないときに貸出残高をキープするだけで大変前向きな融資であろうと思っておりますし、これをもって貸し渋りと言うかどうかは問題があるところだろうと思います。ですから、平田先生のおっしゃるのは、貸し渋りじゃなくて、もう少し中小企業を救済するために何とかしろというお話だろうと私は受けとめております。 それから、もう一つ問題点は、政府系の金融機関は一県に一つとか、多い商工中金で二つぐらいですか、田舎の第二地銀とか信用金庫に比べますとはるかに情報力不足です。幾ら言っても、答弁してもこれは情報力不足は否定できない事実であろうと思います。代理店というのは第二地銀とか信用金庫ですから、ここが貸さないものを貸しましょうという判断は非常に難しいだろうと思います。そういったこともこれから克服してまいらなくてはいけないことだろうと思います。 貸し渋りの問題というよりは、どうやって中小企業を抜本的に何とか救っていこうかという対策に方向を変えるべきではないかという御指摘ととらえて、内部で一生懸命検討をさせていただきたい、このように思っております。
○平田耕一君 言葉足らずでしたが、まさに申し上げておる範囲になりますと中小企業の救済であろうというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 長官の言われた担保金融で、限界を破るために別途の直接調達とかあるいは信用保証ということはちょっと私が申し上げたのとは違いまして、そういう零細で本当に困っておるところに向けても違う見方で、借金は多いし内容は悪いけれどもこの人はつぶさない、この人は大丈夫だというところをどうやって見抜けるか見抜けないかというのは現場の担当者の分かれ目ですので、そこのところは先ほどおっしゃられたような、他の金融機関から情報をとったのではなかなかわかりませんけれども、近所の方とか取引先の粋を広げて情報をとればわかると思うので、しぶりがいいとかそういうことも実績になるんだということで、ぜひとも全国的にそういうところヘスムーズに資金が行くように、二十五兆円の枠が絵そらごとで終わらぬように、本当に弱っているところへ行ったということになるようにひとつお願い申し上げたいというふうに思います。 公取にお尋ねをいたしたいというふうに思います。 基本的なことといいますか、私が常々疑問に思っていたことなんですが、私的独占の定義、二条で、公共の利益に反して何々をしてはいけないということがあるわけであります。それでは、公共の利益というものの定義というかいろんな判例を教えていただきますと、古い新聞の事件だとか石油の事件だとか、いろいろな形で判例がいろいろ分かれておる。どういう考え方で公共の利益というものを考えているかということがどうも定型になっていないような気がしております。現時点で公正取引委員会はどんな考え方でこれを解釈し、いろんな事象に対処されるおつもりなのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○政府委員(根來泰周君) 大変難しいお尋ねでありまして、これは法律ができてから「公共の利益に反して」という言葉があるわけでございますが、おっしゃるように甲論乙駁という点がございまして、私も自信を持ってこうと申し上げるのはなかなか難しい点がございます。 といいますのは、公共の利益というような抽象的な言葉というのは法律にたくさんあるわけでございますけれども、解釈といたしまして、広いところから狭いところまであるわけでございます。この公共の利益につきましても、広いところでは、生産者、消費者の双方を含めた国民経済全体の利益に反した場合というのが非常に広い解釈でございます。狭い解釈といたしましては、独占禁止法の直接の保護法益である自由競争経済秩序に反することを指す、こういうふうに言っているわけでございます。その中間といたしまして、この行為が一応独占禁止法違反に当たるとしましても、他の法益を勘案して、要するに比較考量いたしまして重い方が違反になる。要するに、正当な理由があれば違反にならない場合もあるという三つの解釈があるわけであります。 公正取引委員会の今までの解釈といいますか大体の空気を申し上げますと、やはり狭い解釈をとっているようでございます。しかしながら、これは狭い解釈をとりますと、「公共の利益に反して」という言葉がなぜ入っているのかということに相なりますので、それを含めて解釈しますと、昭和五十九年の石油カルテル事件の判例にあるような解釈も成り立つのではないかと思います。 私、今、公正取引委員会を代表しておりますけれども、個人といたしましては石油カルテル事件の判例が妥当なところではないか、こういうふうに思うのであります。さてそれでは、その他の公共の利益というのはどういう場合が当たるかというと、ちょっと今念頭に及ばないというようなところであります。
○平田耕一君 ありがとうございました。 大体わかるような気がしますが、私もまだまだ勉強不足でありまして。ただ、どうも自由主義経済というものの行き方というのにいろんな疑問も出てきたし、考えなきゃいけない時代になってきているというふうに思います。 それから、ましてや今度の、金融システム安定化と称して、すなわち民間金融機関の資本を国が持つという、その部分は社会主義みたいなところへ踏み切っていっておるわけですから、この解釈は私自身はできるだけ広い立場で解釈をしていただくべきではないかというふうにも考えますので、御質問させていただいた次第であります。どうぞよろしく御検討いただきたいというふうに思います。 もう一点、公取ですが、こういうふうに流通の構造自体が問われたりあるいは海外からの輸入とか、いろんな形で不当廉売に対する苦情が相次いでおるというふうに思います。 平成九年あるいは十年の三月に、そういう声にこたえて公取から調査報告書が出ておるわけです。私は、大変難しいと思わずに、不当廉売をどんな形で注意し、勧告し、今後こういうふうに商売していきなさいよという指針を、基準なり考え方なりを早く打ち出してもらいたいというふうに思っておるのですが、最近の摘発例なんかがあればあわせてお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○政府委員(根來泰周君) 不当廉売につきましては各方面から御指摘がございまして、私どもも厳正に対処しておるつもりでございますけれども、何分、不当廉売と言われる件数が非常に多い、それからそれに見合う私どもの職員の数がないということもございまして、そういう意味でおしかりを受けている点もあると思います。 ただ、建前としましてはあるいは現実の執行としましては厳正に執行するということでございまして、平成九年度におきましては二百十七件の注意を喚起しているところであります。 御承知のように、不当廉売というのは何を言うかというのは難しい要件がございますが、これをやっておりますとなかなか時間がかかりますし、件数も上がらないということでございますので、発見次第、なるべく不当廉売に落ち込まない限度で早く注意をして引き上げていただくというような観点でやっているわけでございます。これは各事業団体にも、いろいろ情報を私どもの方へお寄せいただくようにお願いしているところでございます。
○平田耕一君 それぞれの地域に限った問題とか業者が限られておるという問題は比較的対処しやすいだろうというふうに思いますけれども、不当廉売というのは、かなり大規模な業界であるとか広い地域を巻き込んだ問題になるとなかなか判断が難しくて手が出せない状況ではないかというふうに思うんです。 私の実感ですけれども、例えばカルテル行為をやった場合、要するに注意されたり勧告されたりした場合に、カルテル行為というのをやった業界というのは少なからず逆に寡占が進行していくという状況があるのではないかというふうに思っているんです。そうしますと、不当廉売もやればやるほど強いところが残っていって、寡占の進行にならざるを得ないのじゃないかという心配があるわけです。 そこに何か共通する考え方はないのかというふうに思っておりまして、五十九年に「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」というのを出されたわけですけれども、その中でまだまだ精査していただかなきゃいかぬ項目があると思うんです。一般の企業者がこれは不当廉売だということが何か文章を見てわかるとか、一般にわかりやすいようにしていただくことは大変これからの経済のあり方にとって大事じゃないかというふうに思っておるんですが、口下手なので言うことをわかっていただけるかどうかわかりません。所感があれば委員長の御所見をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(根來泰周君) 先ほどの公共の利益と同じようでございまして、不当というとまたこれは価値判断でありまして、どこまでが不当でどこまでが不当でないかという、紙一重のようなところがございます。 それで私どもの方もガイドラインをつくっているわけでございますが、端的に申しますと、仕入れ価格というのが一つのメルクマールになって、仕入れ価格を割っているか割っていないかという点が一つの大きな要素になっているんじゃないかというふうに思っております。 ですから、実務的にはそういう観点で事案を見ていくというのを慣行的にやっているんじゃないか。だから、業界、業者の方々もそういう点を一つの物差しにして考えていただいたらいいんじゃないかと思いますが、なおさらに明確な基準というのはこれまたなかなか難しい点がありまして、今直ちに御説明できる資料は持ち合わせがございません。
○平田耕一君 これはまたいずれ場を変えてお尋ね申し上げたいというふうに思います。ありがとうございました。 経企庁長官に、前もちょっとお尋ねした覚えがあるんですけれども、昨年の秋ぐらいからことしの二月までずっと設備投資は堅調であるという文言でもって発表なさっておられたことについて私は質問したことがあるんです。この設備投資というものは、その中に当然この設備投資はとまってくるぞと、設備投資の中には更新投資、合理化投資、増産投資、いろいろあると思うんです、ミックスされたものもあると思うんですけれども、これはそのうちやまるぞというものも随分あるんじゃないか、わかっているものがあるんじゃないかというふうに思うんです。 私は、前も言葉足らずだったんですけれども、申し上げたいのは、設備投資ほど先がわかっているものはない、読めるものはない。二カ月、三カ月なら読めるということなんです。それが、直近まで設備投資が堅調だから景気は堅調だという表現は非常に困る、余りいいことじゃないんじゃないか。 したがいまして、そういう場合には経企庁のあり方として、もう数カ月したらこの種類の設備投資はおさまってくるから、そうするともうほかの要素は全然だめだから、景気浮揚策をこの辺でとらなきゃいかぬのじゃないかというようなことを、桜の咲くまでという表現もありますけれども、そういうことでもって指標を出すことも、分析した上でそういうことになっておるのかどうかわかりませんので、その辺のお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(新保生二君) お答えいたします。 設備投資に関しましては、御承知のように、去年の秋から二つのファクターで相当下押し圧力が強まっておるというふうに思っております。 一つは、アジアの通貨動揺あるいは金融機関破綻ということで企業の景況感が著しく去年の秋から悪くなってきておる、これが一つです。もう一つは、御承知のように貸し渋りが非常に深刻化してきておる。このファクターで設備投資が秋以降思っていた以上のスピードで下方修正されてきておるというふうに見ております。 例えば、企画庁で法人企業動向調査というものを出しておりますが、九月時点の調査ですと、十−十二月期、一−三月期は前期比でいずれもプラスの伸びになるという予測でございました。それが十二月末の時点で見ますと、十−十二はマイナス三・九、一−三はマイナス二・一と、いずれも相当大幅に下方修正になっております。 したがって、昨年秋以降の予期せざる動き、アジアの通貨動揺それから金融機関の破綻、こういうものが予想しない形で下方修正の動きを強めておる。したがって、御指摘のように設備投資は頭打ち傾向というのが現在時点の判断でございます。 今後の動きとしては、日銀短観にありますように、設備投資は特にこれまで好調だった製造業でかなり大きな減少になる。非製造業はそれよりは若干減少幅は小さいですけれども、いずれにしろ前年度に比べて設備投資の伸びは下がっていくということが懸念されます。 ただし、一部で相当設備投資が大幅な下方修正になるんじゃないかという見方がありますけれども、これは若干行き過ぎておるというふうに判断しております。 その根拠は、御承知のように九二年から九四年度、三年間かけて設備投資が大幅に減っておるわけです。したがって、今の設備投資のレベルというのは相当低くて、更新需要をぎりぎり賄う程度の設備投資水準なんです。これ以上減らすと更新需要も貯えないというぐらいな低いレベルですから、そういう観点から大きく減らせないというのが一点。 それから二番目は、九五年当時は国内の投資を抑えて海外へ進出して海外で生産するという選択がかなりあったわけですけれども、そういう海外シフトも今は九五年当時ほど大規模には起きないという点が二点目の根拠であります。 それから三点目は、今、景況感が悪いので大分弱気にはなっていますが、しかし構造調整が片方で進んでおりますので、通信とかあるいは流通、いろんな分野、石油スタンドなんかもそうですが、投資額自体は比較的高い水準を維持して競争に打ち勝っていかなきゃいかぬ、規制緩和もどんどん進むということで、そういう面で投資意欲は根強い部分が残っておりますので、これから大幅に下方修正になるということはないのではないかというふうに見ております。
○平田耕一君 私もそう思いますので、そういったことを思い切って言っていただいて、そしてまた、先ほどの話じゃないんですけれども、中小でも設備投資ということの資金手当ては十分担保力がなくてもできるようにもしていただきたいと思うし、めり張りのきいた御報告をお願い申し上げたいというふうに思います。 通産省に戻りまして、事務局で結構なんですが、ちょっと心配しますのは、省エネ法をこれでやって、そうするとまた環境庁の温暖化防止法というのが出てきて、二重規制というのは非常に産業にとって困るわけでして、そうならないようにぜひひとつよく調整をしてやっていただきたい、こういうふうに思いますので、そのことについて何かあれば一言。
○政府委員(並木徹君) お答え申し上げます。 COP3京都会議の合意を踏まえました我が国の地球温暖化対策につきましては、総理が本部長でございます地球温暖化対策推進本部におきまして対策の具体化とフォローアップが行われることとなっております。 省エネ法につきましては、この本部の決定を受けまして関係省庁と調整が行われ、省エネ法の改正法案が今国会に提出されておるところでございます。 今委員御指摘の地球温暖化防止法案につきましては、中央環境審議会の中間答申が三月六日に出されておるわけでございますが、これを踏まえまして、環境庁として法案を提出することについて検討中であると聞いておるところでございます。 環境庁により何らかの法案が立案されるのでございますれば、先ほど申し上げました地球温暖化対策推進本部において十分検討が行われ、その過程におきまして、今委員御指摘の二重規制の問題についても必要な調整が図られることになるものと考えておる次第でございます。
○平田耕一君 大臣がお見えになりましたので、先ほどは溝手政務次官から大変力強い前向きな御返答をいろいろいただきましたので、御報告をお聞きいただいて、よろしく対処方をお願い申し上げたいというふうに思います。 産業のエネルギー使用なんですけれども、いろいろ規制をしていくというと、従来使っている燃料でどれだけ減らしなさいよということになるんだろうというふうに、そうおっしゃっていたんです。では、事業者はどう考えているかというと、ちょうど設備の更新時期だとか増産投資、合理化投資だというと燃転を考えるわけです。ところが、なかなか燃料転換を、今石油、重油を使っているのに石炭がいいんだろうか、ガスがいいんだろうか、コストはどうなんだろうかということになるわけです。 その辺で環境が大変重要な要素になってくるということであれば、燃転について何らかの方針を出して、そしてコストが高くなるけれども環境的にはいいんだという設備については、従来あるいろんな補助よりも燃転専用に低利融資だとか補助だとか減税だとかということで対処していただいたらいいんじゃないかというふうに思うんですが、そのようなことはどのようにお考えでしょうか。ちょっとお答えいただければと思います。
○政府委員(篠原徹君) 今御質問ございましたとおり、エネルギーを使用いたします事業者におきまして、廃熱の回収利用だとか、またエネルギー効率のよい設備を導入するだとか、あるいは燃料転換を図っていくだとか、そういった取り組みが今後重要でございます。 こうした観点から、私どもは中小企業事業団やあるいは財団法人省エネルギーセンターを通じましていろいろな情報を蓄積しております。その情報を一般の事業者に御提供をする、あるいは相談を受ける、あるいは講習会をやる、そういった事業をやっておるところでございます。 さらに、個別の要望がございましたら専門家を全国各地に派遣いたしまして、事業場へ直接お邪魔をいたしまして診断を行いましたり、あるいは先生御指摘のような点について、経済性の問題も含めました相談事業というものをやっておるところでございます。 一方、支援策でございますけれども、予算、税、財投、いろいろな誘導措置を通じまして、こういった取り組みの実現が図れますように産業界にも支援しているところでございます。 例えば、予算的な面で申し上げますと、先導的な省エネ、あるいはそういった取り組みに対します支援、あるいは中小企業でございますと省エネ対策の強化につきましての御支援、また新エネルギー等々代替エネルギーに転換する場合につきましてもいろいろな支援についての予算措置がございます。 また税制面では、エネ革税制で省エネ、あるいは今先生御指摘がありましたような、例えばガスに燃料転換するとか、あるいは中小企業者の方でございますと二百万円以上の投資を行う場合に、石油から非石油の燃料に転換をするというような場合にエネ革税制の対象になるというような措置も講じてございます。 また、融資面につきましても、開発銀行あるいは政府系金融機関によりまして省エネ投資だとか、今申し上げました燃料転換に必要な設備につきましては融資制度というものをつくってございます。 こういったいろいろな制度を通じまして、御相談を受けながら、どういう組み合わせがいいのかというものにつきましても、個別具体的に指導できる体制をとっておるところでございます。
○平田耕一君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 最後に、ちょっと通産から離れるかもわかりませんけれども、企業会計ということでお尋ねをしておきたいというふうに思うんです。 土地の再評価法が立法されたわけなんですが、これは要は銀行の自己資本比率を適格にさせるというだけであって、現状では大きな事業法人にも適用されるんですけれども、含みを表に表示するというだけで何の意味もないわけなんですけれども、第一段階としては非常にいいなと思って大賛成なんです。 土地をどう考えるかということで非常に枠組みは大きく考えなきゃいかぬ、なかなか一言で論じられる問題じゃないんですけれども、せっかく再評価法というのができたんだから、例えば将来は日本の土地はかくあるべきみたいな基準価格、今の公示価格か何かみたいな形で基準を示して、その土地価格になるまで何十年とかけて高い土地を持っている人は減価償却していく、安い土地を持っている人は逆に増価償却していくというと財源も出るわけですから、そんな形のことをこれをきっかけに検討してもらったらいいんじゃないか。 そうすると、高い土地を買ったって、収益率が高ければ高い土地が買えるけれども、将来は減価償却していってスムーズに売却できる価格に帳簿上なるとか、いろんな点もある。基本的にいろんなことを考えなきゃいかぬでしょうけれども、せっかく評価法が出てきて、ただ帳簿づらを変えただけですよという法律にしておくのはもったいないような気がします。そのことにつきましてお願いをしてありますので、どこかわかりませんけれども、所感なり評価なりいただければありがたいというふうに思います。
○説明員(三國谷勝範君) 証券局の企業財務課でございます。 御指摘の基準価格ということにつきまして、実体的な話なのか、あるいは企業会計に係る話なのかという点があろうかと思います。 実体的な問題ということにつきましては、それは企業会計を超えた事柄でございまして、その面でコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、企業会計という立場から見ますと、企業会計というのは企業の財政状態及び経営成績を明らかにする観点から、企業の保有する資産、負債の状況を財務諸表に適切に反映することを目的としているものでございます。 このような観点から、諸外国も含めまして、取得した時点の取引価格であります取得価格やあるいは再評価時点の時価といった何らかの実体的な価格を前提としてこれを財務諸表に反映しているところでございます。 企業会計上どのような価格を財務諸表に反映させるべきかということにつきましては、いろいろな御意見あるいは考え方があるところでございます。先生のお考えもいろいろな考え方の中の一つかと存じますが、ただ実際の取引価格ということにつきましては、これはやはり会計上の帳簿価格とはかかわりなく、当事者間あるいは実体的な面で決められるものでございまして、帳簿価格が実体価格を形成するといったことにはならないのではなかろうかと考えているところでございます。
○平田耕一君 そういう議論になるんならなるわけですよ。私が申し上げておるのは、それは取引価格は取引価格で載せて、基準価格まで償却をしていくというわけですから、残高を載せていけばいいわけですから、それは可能になるわけです。 私が申し上げたのは、なかなかこれは今の段階で一つの省庁で答弁いただきたいといっても無理だと思いますのでこれ以上言いませんけれども、日本の土地価格のあり方というのは経済にも大変大きな影響を及ぼすし、今ここへ来て慌てて土地流動化だとか、もうちょっとインフレにせにゃいかぬよというようなことで皆いろんな意見が出ておるんです。ぜひこういう機会に、土地の価格はどうあるべきか、そして欲しい人が思い切って買っていける、高く買った人もいつかはマイナスにせずに売っていけるというようなシステムがあれば一番いいわけで、大臣、長官、どうぞひとつよろしく御検討のほどお願いをして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、電子商取引、エレクトロニックコマースについて伺いたいと思います。 エレクトロニックコマースにつきましては、四百億円という大型予算を投じて、いろいろな計算の仕方はあるかと思いますけれども、今五百社余りの企業が参加をして大変壮大な実証実験を行って、技術的にはもう世界第一級になられたというふうに伺っております。 私もインターネットのECOMのホームページを時々拝見して、非常に若さと活気にあふれた活動がなされているなというのを肌でも感じさせていただいたんです。ただ、実証実験もいよいよ終局いたしまして、これから実用になっていくわけですけれども、実際本格的に実用するとなると、より一層の規制緩和ですとか法整備、そして一番は暗号ですとか認証などのこうした環境整備が重要になってくると思われます。 産業界などからは、例えばモデル電子ショッピングセンターの設置ですとか企業間のエレクトロニックコマースの共通のプラットホームをつくってくれという、さまざまな要望が出されているんですけれども、実際通産省としてエレクトロニックコマースを実験から実用に向けてどのように飛躍させるのか、展開策を伺いたいと思います。ぜひ大臣によろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のお話のとおり、エレクトロニックコマースはこれから先の日本の産業界におきまして非常に重要な発展性を持っている対象物だというふうに思っております。 現在、電子商取引の推進というのは、企業の生産性の向上あるいは流通の効率化というようなものを促しておりまして、一方では高コスト構造の是正というものにも役立つ、また経済・産業構造の変革を実現するためにも重要なかぎであるというふうに認識をいたしております。 現在、既に特定事業者では事業化を進めておりまして、先ほどのお話のように、通産省としての取り組みが一面においてはもう既に実用化に取り組んで、実験から実用化になっているというところがございます。特に書店の販売の問題あるいは自動車の設計、あるいは鉄鋼の在庫あるいは取引というような情報の一括管理、こういうようなものを対象にもう既に大きな成果を上げているところでございます。通産省では、この電子商取引のこのような基盤構築を目的といたしまして、先ほど先生からもお話がありましたように、平成七年度から総額約四百億円を投じて約二十の業種において実証プロジェクトを実施してまいりました。その中で既に先ほど申し上げたようなところが実用化で現に実行しているというところでございます。 さらに御指摘のように、こうした成果が一層幅広く現実の企業活動というものに取り入れられるように、社会全体に電子商取引を浸透させていかなければならないというふうに思っております。 今後は、地域の産業や中小企業を含めた電子商取引の着実でかつ広範な普及に重点を置いて施策を展開してまいりたいと思っておりますので、さらにまたいろいろと御指導を賜りたいと思います。
○畑恵君 大臣から大変力強いお言葉をいただいたんですが、ただ、今までの各先生方からのお話にもありましたように、こうした景況感の中で新規に事業投資をしていくというマインドは非常に冷え切っておりますので、そういう中でなおかつ新しいエレクトロニックコマースという世界に挑んでいこうという企業の姿勢にはやはり障りというのが否めないところがございます。 そういう中で、私、仄聞しますのは、今後電子商取引を中心にまさに経済界は動いていくんだという、そういう本気の姿勢が政府の方から見えれば、自分たちも、本気なんだな、よし頑張ろうという気になれるんだけれども、そこのところがどうも読み切れない。例えば、米国ですと一九九九年から政府調達すべてをこの電子商取引で行うと。できることでしたらば、日本でも二〇〇〇年なり二千何年というような、そういう時限に政府調達はすべてエレクトロニックコマースで行うんだというような意気込みを見せていただけないかと、そういう声もあるんですけれども、こうした産業界の声にはいかがおこたえになられますでしょうか。
○政府委員(広瀬勝貞君) お答え申し上げます。 先生、電子商取引が経済構造改革を推進していく上で非常に重要だということで、そういうものを進めていくためにも政府、行政部門で政府調達等を中心に電子商取引化を進めていったらどうかという御指摘であろうと思います。おっしゃるとおりでございまして、行政分野も電子商取引で効率化をしていく、またそれが民間分野の電子商取引化をリードして進めていくということが非常に重要だと思っております。 先ほど大臣から申し上げました実証プロジェクトの中でも、実は建設省と協力をいたしまして、公共工事の調達につきまして電子化の実験をやらせていただいております。これが将来、公共工事における調達の電子化につながっていくのではないかと我々も期待をしているところでございます。 それからまた、私ども通産省といたしましても行政事務の電子化というのをかねてから進めておりますけれども、昨年度末をもちまして、原則といたしまして、通産省に対するすべての申請とか届け出手続については電子化でも結構ですよということで、電子化を実現いたしました。そのようなことで、今後とも行政分野としてもしっかり情報化を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 ちなみに、昨年の九月でございましたけれども、内閣に高度情報通信社会推進本部というのがございますが、その中に電子商取引等検討部会というのを設けていただきまして、政府挙げて電子商取引の推進に努めてまいろうというふうに考えているところでございます。
○畑恵君 先ほど建設省とジョイントというお話がございましたけれども、建設省では二〇〇四年に政府調達をエレクトロニックコマースに全面的に転換するという方針だそうですので、高度情報通信社会推進本部でも、大臣は通産大臣であられるとともに副本部長であられますので、ぜひ全省庁挙げて後押しをしていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 さて、そうしたエレクトロニックコマースも含めてでございますけれども、コンピューターネットワーク社会が進展していく中で、基盤整備の中で最も重要なのがやはりセキュリティーの問題だと思います。 このエレクトロニックコマースにしましても国際間で全くボーダーレスに取引ができるわけでございますけれども、そうした中で、いわゆるセキュリティー基準、そして評価という問題がございます。これについて、使用している機器が一定のセキュリティー基準を満たしていない場合には世界から相互接続を拒否されるといいましょうか、機械的にはつながるんでしょうけれども、人為的に拒否されるというようなことが起こりかねないという危惧をちょっと抱いておるんです。 日本はセキュリティー基準というものもございませんし、またそれに対する評価も当然ないわけでございますけれども、これに対してはどういうふうに今後対策を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(広瀬勝貞君) 先生御指摘のとおり、ネットワーク化あるいはオープン化ということが進みますと、セキュリティーというのが非常に大事なことになってまいるわけでございます。欧米では既に、今御指摘のありましたように、国防調達を中心に、政府等の重要システムの入札に当たりましては一定のセキュリティー基準を満たすことが要求されております。したがいまして、これから我が国の企業がそういう欧米のシステムに入札しようというようなことになりますと、日本ではセキュリティー基準がないからだめだということになりかねないわけでございます。 また、そういう政府の調達ばかりでなくて、民間の取引におきましてもこれから一定のセキュリティー基準というのが大事な要件になってくると思いますので、私どもこのセキュリティー基準の作成ということは非常に大事なテーマだというふうに思って、今急速取り組んでいるところでございます。
○畑恵君 ただ、確かに欧米諸国ですとかロシア、こうした国々というのは十数年前から自国のセキュリティー評価基準を持っていらっしゃいますが、背景には軍需ですとか官需、これに対する調達ということで、これは歴史的な背景が多分日本と大分違うのです。そういう意味では、こうしたコンピューターネットワーク社会になって初めて日本はキャッチアップしていこうということですから、そういう意味で非常にコストもかかるし、大変なエネルギーが必要なものだと理解はしております。 ただ、ことしの秋以降に、これまでデファクトのセキュリティー基準でありましたアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、六カ国のいわゆるコモンクライテリアがISOで国際標準になるというお話を伺っております。こうなりますと、先ほど局長の方からもお話がありましたように、恐らく一般の製品の調達に関しましてもこうしたセキュリティー基準というのがかなり幅をきかせてきて、評価されていないものというのは難しいというようなことにもなりかねないと思います。 仄聞すると、IPAの方でこうした作業を進めていらっしゃるということなんですけれども、ちょっと御説明をいただければと思います。
○政府委員(広瀬勝貞君) このコンピューター分野でのセキュリティーの問題も、実は先生今まさに御指摘のありましたように、我が国はちょっと出おくれているところでございまして、急速、評価の基準とかあるいは評価技術といったようなものの整備をしなければいかぬ段階になってきておりまして、一般の成り行きに任せておくわけにはなかなかいかないものですから、平成八年度から情報処理振興事業協会を通じまして評価技術の開発を急いでいるところでございます。 本年度からは、この評価技術の高度化とかあるいは実証実験を行わせていただきまして、欧米と相互承認に向けた体制づくりをやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 それで、今、IPAの中でそういう形で事業を進めていくということなんですけれども、IPAではセキュリティーセンターを中におつくりになって、このごろは当然そちらに対するトラブルの申し出の件数もふえております。そこにさらにセキュリティーの評価までということになりますと、大変IPAの方には失礼かもしれないんですけれども、今の事業規模で果たして大丈夫なのかなという率直な心配をしてしまうところがございます。もしIPAにどんどん今後のコンピューターネットワーク社会での先端の課題というのを担ってもらうのであれば、やはりしかるべき予算措置なり人員措置というのがなされませんと。 聞くところによると、IPAの中に各民間企業から出向していただいて実験ですとか検証のようなことをなさるということでございますけれども、最終的に認証するのは、これは民間が民間をするというわけにはいかないでしょうから、やはり政府側がすることになります。そういう意味では、もしIPAが今後セキュリティー評価を担っていくのであれば、しかるべき予算措置をとっていただきたいと思っております。これは要望でございますので、これにとどめさせていただきたいと思います。 セキュリティーにかかわらず、今、基準づくりですとか評価というのはある意味で時代のキーワードのようになっております。今後より一層ボーダーレス化していく社会の中で、グローバルスタンダードに則していく、オミットされないためには、いろいろな面で基準を設定して、そしてオープンなところで評価をしていくということが必要だと思うんです。 そういう中で、我が国の内情をかんがみますと、大変失礼かもしれないんですけれども、各省庁のそれぞれの仕切りというのがなかなか厚うございます。高いなという感じは実感としてしまして、こうなると国内の統一基準もなかなか難しいのかなと思うようなときがたまにございます。そういう中で、世界のデファクトをとっていくとなると、やはり思い切った施策をとらなければいけないんじゃないかと常々考えております。 アメリカはNISTという研究機関が非常に大きな力を発揮して基準を設定して、そして評価をしております。幸い我が国には工業技術院という政府の研究機関がございます。こちらには世界と比較してかなりハイレベルの研究者、技術者の方がいらっしゃいます。これは本当に私見なんでございますけれども、例えばクリントン大統領が自分の政権の初期段階で、RアンドDの二%近くをこのNISTに投入して、NISTに対して、長期的な経済成長を促すために産業界と協力して新しい技術を開発する戦略的な機関にするという方針を打ち出しました。日本でも工業技術院をアメリカのNISTに匹敵したような何かそういう戦略的な機関にさらに羽ばたかせるようなことはできないかと常々考えておりますので、御所見がございましたらお願い申し上げます。
○政府委員(佐藤壮郎君) 今、畑先生から御指摘いただきましたように、まさに私どもも工業技術院の国立研究所を中心として、我が国の産業技術の中核として先端的な研究をやっていきたいと思っております。特に、標準に関しましては、先生からの御指摘もございましたように、我が国の国際競争力を高めるという観点から非常に重要になってきているわけでございます。 私ども、昨年十一月に日本工業標準調査会から答申をいただきまして、今後、標準化政策と産業政策の一体化、標準化を支援する研究開発の枠組みの整備、それから国際研究協力の推進等が大変重要であるという御指摘をいただいております。 通産省といたしましてもその認識に立ちまして、平成十年度予算案におきましても国際標準創成のための研究開発を行う制度を新しくつくったり、それから組織の面におきましても、本院におきましては国際標準化を推進する国際規格課を新設いたしまして、また昨年には標準化の技術的基盤を整備するための知的基盤課というものをつくっております。また、国立研究所におきましても計量研究所を中心に定員増を初めとした推進対策の強化を図っているところでございます。 今後とも、御指摘のとおり、研究開発を含めた国際標準化のための活動や新規産業創造を目指した研究開発を工業技術院といたしましても積極的に推進していく所存でございます。
○畑恵君 予算規模に限らず、国家戦略的な研究機関というような位置づけで、今後は質の転換も図っていただけるようなことをぜひお願いいたしたいと思います。 工業技術院の中でお仕事をなさっていらっしゃる研究者の方も当然そうだと思うんですけれども、そうした国研ですとか大学で働いていらっしゃる科学者の方々からよく要望といいましょうか陳情がございますのは、せっかく国費を使わせていただいて立派な研究成果を自分たちが生み出しても、それを世界に発信するすべが自分たちは非常に限られていると。 要するに、国際会議に出る海外出張費が極めて枯渇しているということがございまして、いろいろなところにシーリングがかけられている昨今でございますから確かに難しいんだと思いますけれども、自分たちの研究成果を海外に発表できないという状況はせっかくの国費がむだになるということにもなりかねませんし、ぜひ何とか旅費の積み増しをしていただきたいということが一つございます。 もしそれがなかなかかなわないというのであれば、せめて研究費が研究室におりてきた段階でその研究費はどう使っても、どう使ってもというのはもちろん研究に関してですけれども、自由裁量にしていただくということができないか。 旅費に関しては全く対象費目が別なので極めて融通がしにくい。前の年にアメリカに行くと言っておると、実際のときになってフランスに本当は行かなきゃいけないということになっても行き先を変えることすらできないというようなこと等々がございますので、研究室におりてきた研究費はその研究者による自由裁量というようなことをぜひお認めいただきたいと思います。 要望でございますが、大蔵省の方お見えだと思いますが、御答弁いただけますでしょうか。
○説明員(中江公人君) お答えいたします。 先生最初の御質問の旅費の積み増しの件でございますが、御案内のように科学技術振興費全体といたしましては、今の財政構造改革のもとでいろんな主要な経費が厳しく制約されている中で、対前年度四・九%増という予算を確保しているところでございます。 それから、旅費でございます。いろんな旅費がございますけれども、今先生から御指摘のあった工技院の例をとりますと、工技院の中に例えば試験研究所の特別研究の旅費というものがございますけれども、これにつきましては対前年度二割増しということで配慮をしているところでございます。 それから二番目の点でございますけれども、予算書を見ていただくとわかるんですが、歳出予算は御案内のように予算の目的に従いまして項というものに区分をしております。それから、経費の性質というものに応じましてさらに目というものに区分をしております。 例えば、今お話のございました工技院の研究費について一例をとりますと、項、鉱工業技術振興費というのがございまして、その下に、目、試験研究所特別研究費という区分で予算書に計上されております。この研究費の中には電子技術ですとかあるいはバイオテクノロジーとかさまざまな研究費が盛り込まれておりまして、その研究費自体が非常に事細かく決められているというものではございません。もちろん、それぞれ積算根拠があって積み上がっているものではございますけれども。ただ、この中に旅費は入っておりませんで、別の目になっていることは事実でございます。 ただ、いずれにしましても、予算の使途というものを明確にして適正な予算の執行を確保するという観点から、その経費の目的ですとか性質に応じた一定の区分は必要だというふうに考えております。 最後に、一般的な制度といたしまして、予算編成の後に事情の変化がございました場合に、例えば一定の条件のもとで予算の移用ですとか流用とか、そういった制度はございます。
○畑恵君 ありがとうございました。 とにもかくにも、やはり現場からそういう声が上がらないぐらいのフレキシビリティーをきかせていただきたいという重ねてのお願いをいたしておきます。 ちょっと時間が押してまいりましたけれども、手短にちょっとNGI、ネクストジェネレーションインターネットについて伺いたいと思います。 もう御案内のとおりに、実際にこれから遠隔医療ですとか遠隔教育、そして先ほどのエレクトロニックコマースも世界規模で行っていこうとなりますと、大容量、超高速の次世代のインターネットが必要なわけでございます。いろいろなところで各省から聞こえてはくるんですけれども、まとまって本当に日本としてNGIに取り組むという姿勢がなかなか伝わってこないわけでございます。この機会ですので、例えばアプリケーション、ソフトウェアの研究開発ですとか、実際の現場でのニーズの掘り起こしなどに関してどのような施策をとられるおつもりであるのか。 特に米国では、九八年から三年にわたって毎年一億ドルずつ研究開発費を積んでいくということでございます。確かに高額といえば高額なのかもしれませんけれども、年一億ドルでございますので、それでいいんだったら日本でもこれは対抗してやっていけるんじゃないかという思いもありますので、そのあたりも含めまして御所見を伺います。
○政府委員(広瀬勝貞君) 次の世代のネットワークにつきましては、二つの面から考えていかなきゃいかぬと思います。一つは、高速ネットワーク通信を実現するための通信制御のソフトウエアの開発の部分と、それからもちろんハードウエアの方の開発もございます。そういう供給サイドの開発の部分と、もう一つはユーザーの喚起につながるような実証実験の分野があると思います。両面からこれを進めていく必要があると思っております。 当面でございますけれども、私ども平成十年度から国立研究所をギガビットクラスの高速でつなぐネットワークを整備しようということを考えておりまして、こういうことを通じまして次世代の高速ネットワークの整備のための研究を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○畑恵君 次世代までもアメリカからすべてのものを調達しなければならないというような状況にならないように、特にこうした人間に優しいさまざまなアプリケーションですとかソフトウェアになりますと、それだけ日本人らしさというのも大事だと思いますので、ぜひお力を入れて次世代に向けても頑張っていただきたいと思います。 では、おしまいになりますけれども、情報教育について若干伺いたいと思います。 情報教育に関しましては、新社会資本整備という面からもこのごろいろいろなところで取り上げているようでございます。言うまでもなく、非常に日本というのはもう危機も危機、大変な危機と思えるぐらいに情報教育に関しましては世界からおくれをとっているわけでございます。そうした中で、情報教育に対して投資をしていこうというそのこと自体は大変ありがたいんですが、ただ実際に学校の現場にハードウエア、ソフトウエア、そしてランニングコスト、それぞれ情報教育経費がいろいろ発生するとなると、これを賄いますのは地方交付金なわけでございます。 ところが、その地方交付金というのは最後まで必ずそれに使われるかどうかというのが確かめづらいものでございます。そうなった場合に、情報教育のつもりで予算を出しましても、行ったところで橋とか道路に化けちゃったというようなことにもなりかねない。情報教育に本当に現場でお金が使われるような、何とかそういう措置というのがとれないかということを常々小さな頭で考えているんです。 これに対して、きょうは自治省の方と文部省の方、それぞれ来ていただいていると思うんですけれども、どのようにお考えでいらっしゃるか、伺いたいと思います。
○説明員(加茂川幸夫君) 学校におきます教育用コンピューター等につきましては、各学校において共通に必要なものである、こういう性格にかんがみまして、委員御指摘のように現在地方交付税を活用して整備を進めておるところでございます。 この地方交付税は、これも委員御指摘ございましたように、地方公共団体におきます一般財源でございまして、その使途は特定されておりません。このため、実際にコンピューターまたは最近話題になっておりますインターネット等を整備するためには、各地方公共団体におきまして具体的に予算措置を講じる必要があるわけでございます。このため文部省におきましては、各学校のコンピューター等の整備が進みますよう通知等で都道府県や市町村の教育委員会に対しましてこの趣旨の徹底を図っております。また、教育委員会の担当者を対象としました会議あるいは個別の協議の場におきましても、関係者の理解を強く求めておるところでございます。 今後とも情報教育の重要性にかんがみまして、コンピューター等の整備が進みますよう、種々の機会をとらまえまして、こういった働きかけをしてまいりたいと思っておるところでございます。
○説明員(荒木慶司君) お答え申し上げます。 自治省におきましては、教育用コンピューターの整備につきまして、これまで年次的に計画的に交付税措置を講じましてその推進に努めてきたところでございます。 参考までに十年度の教育用コンピューターの整備に係る交付税措置額でございますが、約八百五十億円を措置しております。また、十年度より新たに公立学校のインターネット接続に必要な経費につきましても措置をすることにしております。 交付税の仕組みでございますが、これにつきましては御案内のとおり、交付税の算定に当たりましては地方公共団体の財政需要を踏まえまして算定を行う必要がございます。この公立学校の情報化等に係る経費につきましては、関係省庁と十分調整の上に財政需要を算定しているところであります。 それで、この交付税の交付に当たりましては、これは交付税法に明文の規定がございますが、国がその使途を制限してはならないというようになっておりまして、交付された地方公共団体は各団体が自主的にその使途を決められるということになっておりますので、この点につきましては御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員ちょっと御満足いかないんじゃないかと思いますから、つけ加えて申し上げます。 通産省としましては、二十一世紀の我が国を支える子供たちあるいは若者たちの人材を育成するということから、情報についての教育に早い段階から取り組ませなきゃいかぬということで、そういう意味での体系的な取り組みをしようということから、平成六年度から小中高と特殊教育諸学校の百校を選びまして、そこのモデル校にインターネットの環境を提供する百校プロジェクトというものを実施いたしております。 これは、先進的な情報技術を活用した教育のあり方について取り組んでいるわけでありますが、これを今までの一つの先進的な実証実験として取り組んでおりますが、さらに本格的なものにしていかなければならないというふうに思っております。これから自治省あるいは文部省ともよく協力をし合いながら情報教育についての継続的な取り組みをしていきたいというふうに思って、もっとそれを全国的といいますか全体に広げていくようなことを考えております。 今度の自民党の景気対策におきましても、各戸にインターネットのための線を全部引こうじゃないかとかいろいろ今取り組みをやって、通産省としてもそれに対する意見を出したりいたしております。御期待にこたえられるような方向でしっかり取り組んでいきたいと思います。 最初、本気になってやるようにというお話でしたが、本気になってやっているわけなんであります。特に、セキュリティーの問題についてはちょっとおくれをとっているという話がありましたが、実際のデファクトスタンダードというのは、今、日本は最先端を行くぐらいの技術を持っているというふうに私は理解をいたしております。 それで、この間もEUのプリタン副委員長が来ましたときに、EUと日本で世界の情報化の問題の中で取り組みをしながら、ひとつそのデファクトの面でリードしていこうじゃないかというような話し合いもして、向こうからも返事も来たりしているぐらいでございます。御期待にこたえられるような通産省の取り組みを行ってまいりますことを申し上げておきます。
○畑恵君 既に時間が参っておりますけれども、本当に望外の大変心強いお言葉を大臣から賜りました。 百校プロジェクトに関しましては、決して別に通産省をよいしょするわけではないんですけれども、非常に優秀な結果を残しております。地球の向こう側の子供たちと一緒に同じ植物を育て始めてどういう結果があらわれるか、本当に心を打たれるような結果がインターネットを通じていろいろと上がっております。やはり結果が出て初めて意味があると思いますので、ぜひ各省庁、あっちの話こっちの話というようなことでお互いにキャッチボールをなさらずに、一緒に自分も拾うんだという気持ちになって情報教育の推進にも努めていただきたいと思います。 長くなりましたが、どうもありがとうございました。
○梶原敬義君 経済企画庁の方にお尋ねしますが、私が今持っているのは日経ビジネスの去年の十月二十日号の一部でございます。 それによりますと、「日本の個人金融資産千二百兆円の分布を調べたら、首都圏に住む五十六万人だけで四百兆円を保有しているという試算が出てきた。」、「トップ四万四千七百人の一人当たりの金融資産は約五十四億円にもなる。」、「土地資産十億円以上の人の金融資産は平均して約五十四億円」。これはJPモルガン証券の東京調査部長であるイェスパー・コールという人が調査をしてそう言っているというわけであります。 経企庁、これは事実に近いのかどうなのか、我々もなかなか判断がしにくいので教えてください。
○政府委員(新保生二君) お答えいたします。 先生御指摘の記事は、我々も先ほど見ましていろいろ検討したんですが、この記事では具体的な調査対象者数が明らかになっておりませんし、どれくらいのサンプルを調査してこういう結論に達しているのかちょっとわかりませんので、これ自体についてコメントは今のところちょっとできかねるわけであります。 御承知のように、総理府で貯蓄動向調査というものを出しておりまして、これを見ますと貯蓄残高ごとの階級に分けた結果が出ております。例えば、一番貯蓄をたくさん持っているグループは四千万円以上の世帯ということで調査しているわけですけれども、この四千万円以上の世帯は、一万調査がある中でウエートが八百五十五ですから、八・五%ぐらいの人が四千万円以上の貯蓄を持っておるという状況でございます。その平均をとりますと、大体六千九百万円ぐらい貯蓄を持っておるという統計になっております。 したがって、こういう世帯が全体で八・五%ぐらいあるんですが、全世帯数にこれを非常に大ざっぱに掛けますと、その八・五%の四千万円以上持っている人の貯蓄残高というのが計算できるわけです。世帯数として一般世帯を使うか親族世帯を使うかで結果が違ってきますが、例えば一番広い概念で一般世帯を使いますと二百五十九兆円ということになりますし、親族世帯という概念でいきますと百九十一兆円ぐらいということであります。つまり、八・五%の人が千二百兆円のうちの二割弱を持っておるという状況でございます。
○梶原敬義君 ここで言っているのは首都圏ということです、五十六万人は。知りたいのは、これがどこまで当たっているのか当たっていないか。あなた方が経済政策を打つのに、あるいは経済をいろいろと判断する場合に、これを知っておかないでやるというのは方向違いになる可能性がある。 この前、大臣の所信表明演説に対しまして私も大分質問したんですが、やはり肝心なところをわかった上で、こういう人たちだけがたくさん金を持っている。これを全国に直したら、そういう何億も持っている人が多いんなら、金利を上げたってそこだけが助かることになる。しかし、もっとささいな金をたくさんの人が持っているというんなら、この預金金利を上げるというのは非常に大事なことになる。橋本総理自体がいろいろと経済を判断する上においても、こういうことがわからないではなかなか判断しにくいんじゃないのか。もう一度答弁してください。
○政府委員(新保生二君) 御指摘の趣旨は十分わかりますが、我々は既存の統計を使って判断せざるを得ないわけでありまして、現在、金融資産について一番詳しく調べているものが先ほど申し上げた総理府の貯蓄動向調査でございます。これで見る限り先ほど申したような結果ですから、ここへ出ているのはやや極端な結果になっているなという感じがいたします。 これが正しいか正しくないかというところまでは、こういう地域別のデータを出して発表されている統計がございませんので、そこの点については確たることは申し上げられないということでございます。
○梶原敬義君 経済企画庁がわからないものをアメリカが調査して、モルガン社が把握をしてきているということになると大変恐ろしいことでありまして、日銀やどこかに行けばもう少しわかることはないんですか。そこらは大臣どうですか。
○政府委員(新保生二君) いろいろ調べておるとは思いますが、こういう、地域を限って、しかも土地所有者がどれだけ持っているかというような統計は恐らく日銀でも把握していないんじゃないかというふうに思います。
○梶原敬義君 大事なことだと思うんですよ。バブル崩壊で今大騒動しています。バブル崩壊で片一方で損をしている人があれば、どこかにもうかる人がおるはずだと我々もそう絶えず言ってきたんですが、もしかしたらこういうところにあらわれているのかなという気がするんです、うまく土地を売り抜けたり何やらして。こういう問題はどこで調べるべきか。 経済企画庁は、設置法によりますと、これは一号から第六号までありまして、基本的な調査もやるということになっております。特に第三条の第六号というのは、「内外の経済動向及び国民所得等に関する調査及び分析」、こうなっております。 地域的というのが無理なら、もう少し全国的にモルガンの調査に匹敵するようなそういうものが、やっぱり今異常事態だと思うんですよ。バブルで相当もうかった人たちが何らかの形で金融資産にかえて持っているとすれば、そこにアメリカの証券会社が目をつけてくる。 それはそれとして、我々は日本の経済全体や景気動向や何かも判断するときに、ここらが一体どうなのかということは非常に大事なことで、わからぬじゃ済まない。経企庁は要らぬじゃないですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 経済の動向につきまして、特に私、就任以来、経済企画庁は経済動向について正しい情報を正しく国民の皆様にお知らせするという大変大事な役があると思っております。その点につきましては、統計を調査分析することはもちろんでございますが、関係者からできるだけ意見も聞かせていただきまして、正しい判断をするように努力をしているところでございます。今後ともその方向をしっかりと守りながら頑張ってまいりたいと思っております。 ただいま梶原委員のおっしゃいました個人金融資産の保有状況がどうなっているかということでございますが、実は先ほど質問の通告をいただきましたので、私自身が詳細な分析検討をしていないできょうこの会議に参りました。したがいまして、きょうの段階では、ただいま調査局長がお答えしたような内容が私どもが調べた状況でございますが、さらにこの点につきまして、どういう状況になっているかということを調べることも確かに大変大事であると考えておりますので、私どももさらに調査を進めまして、できる限り適正な実態把握に努めてまいりたいと思います。またその結果がまとまりましたら、梶原委員には御報告させていただきたいと考えております。
○梶原敬義君 なかなか局長が動きにくいかもしれないけれども、こういうのを前に見たと局長はおっしゃいましたね。しかし僕は、そのときに、経企庁がこういう重大なことを把握していないのなら、だれかを使いへ出してモルガン社のコールという人に会って、おまえのところはどういう調査をしてこういうような数字が出たのかということを確かめるというぐらいの機敏さというか、日本の経済の一番中枢を預かっているならそれはやってもらいたかったんですよ。だから、恥でも何でもないと思うんですよ。相手がそういう戦略的な調査をしているというなら、やっぱりだれか担当者をやって、おい、どうなのかというぐらいやってもいいんだと私は思うんです。 その辺、大臣、余り権威にとらわれずに行動を起こしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) この会社に調査を、また結果をお聞きするかどうかを含めまして、私自身も大変興味のある問題でもございますから、しっかりとした調査をさせていただきたいと考えております。
○梶原敬義君 次に、景気対策に少し物を言いたいと思うんです。 この前も三月十二日に、ここで通産大臣と経企庁長官に私が一方的に物を言ったわけですが、今いろいろと、十六兆がどうだとか、あるいは所得税減税がどうだとか、議論されている様子が新聞に載っておりますが、減税とか公共投資とかいろいろやることがあると私は思います。 その中で一つ、この前のおさらいになりますが、住宅投資、これは政府は余り金を投入しないで、そして非常に効果がある。今ずっといろいろなことを見渡して、国民が何か大きなものを買うとすれば、ほとんど持っている。そこで、一番弱いところというのはやっぱり住宅じゃないかと。ここに目をつけてこの際、ただ住宅で景気をよくするというんじゃなくて、人の一生が豊かで快適であるかどうかというのは、少なくとも広い、快適なところに住めるかどうかということが非常に大きいと思うんです。今のように金利の低い、そして住宅金融公庫も長期返済をさせるというとき、非常に土地も下がっておりますし、チャンスでありますから、これは絶対やってもらいたい。 この前言いましたように、例えば家を借りている人が住んでいる借家の割合の中で、日本は四十平米以下の割合が四八・五%、それからドイツは三・一%、フランスは〇・六、アメリカは〇・〇。こういうような状況ですから、日本の場合はほかのところは相当豊かになってきているわけですから、だれがどう言っても衣食住の住に目を当てて、そしてこの際住宅をもっと刺激していけば景気対策になる、恐らく株は上がると思います。それから、対外摩擦のこともいろいろ言わなくなると思います。それをやっぱり思い切ってお二人の閣僚が橋本総理を通じてやるべきだと思うんです。党だけじゃなくて内閣の方からそういう案を出していくべきじゃないか、このように思います。 私は、具体的に二つ三つあるんです。 一つは、今住宅に対する減税が、取得控除が百七十万になっているんです。百八十万、百七十万、百六十万、百五十万になるまで毎年下げているんですが、取得控除制度は今百七十万ですが、これを去年並みに百八十万を向こう三年間ぐらい返すというのが一つです。これは住団連から自民党の方にも要求は行っておると思います。それが一つです。 それからもう一つは、住宅取得に係る消費税です。これを取らない。ところが前段階にかかっておりますから、いろいろ計算してみますと、大体今二パーぐらいになる。だから、それを上げる前の時点の三%と同じになる。だから、消費税を取らないという打ち出し方をして、結果的には二%になると思うんですが、例えば二%を戻し税で返す方法もあると思う。 いずれにしても、消費税に係る部分は恐らくぎりぎり行って少なくとも二%になるんじゃないかと思いますが、その部分については取らないということを高らかに打ち上げる。これが住宅需要に火をつけることになると思います。 それからもう一つは、取得する人だけにそれをやった場合に公平さの問題がありますから、月に十五万円とか家賃を払っている人がたくさんおりますから、その人たちも一定額については所得税控除額の中に算入する。あるいはマンションを高いところで買って今払っている人の額も、一定額については控除の中に算入する。それで何億もどんどん出っ放しということはないんです。波及効果が丁八とも言われておりますし、一・九とも言われておりますし、二・三とも言われております。向こう三年間で八百業種にそれが舞いますから、大蔵省に入ってくる税金というのは、出と入りとを計算してみると、そこは皆さん専門ですから、そう出しっ放しにはならない。やるとすれば、所得税減税もいいでしょう、公共事業もいいでしょうけれども、それより八百業種、下からずっと力がつくようなそういう対策というのをぜひ打ってほしいと思う。 我が党も、それはもう私もそう言って今度の景気対策の中にはその三点は項目として入れております。入れておりますが、何も我が党がするんじゃなくて、やっぱり国を挙げて、これは考え方の問題ですから、住宅というものをヒューマンに考えるかどうか、人間らしい生活をする住宅というものをイギリスにしてもアメリカにしてもドイツにしても非常に重要に考えております。そこを一回、大蔵省主計局流の割り切り方じゃなくて、もっとヒューマンな立場から住宅を考えてこの際景気対策とあわせてやる、こういうようなことにならないのかどうなのか、通産大臣、経企庁長官の所感をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のおっしゃるとおり、今、景気対策の一環として住宅投資を促進させるということは非常に効果的なものだということはよくわかります。 最近の住宅建設の動向を見ますと非常に低水準になっておりまして、住宅着工戸数というのが百三十万ないし百三十五万というような数字になっていると思います。ですから、そういう意味で、ほかの個人消費は低迷しておりますし、設備投資も昨年と比べると大分落ち込んでいるというようなことを考えると、景気対策の一環としての住宅の投資促進、これは非常にいいことであるということまでは私も賛意を表するわけでございます。 今度の緊急経済対策におきましても、住宅金融公庫の融資の拡充というようなものの措置を初めとして、いろいろと住宅対策は行ってきております。住宅金融公庫の金利も建設省におきまして今後、今三%を二・七五に落とすということも聞いておりますし、また平成十年度の税制改革で居住用財産の買いかえ特例というのがまた緩和される、また復活するような面も出てきております。 そういう意味で、住宅取得の促進、これは環境を大分整えてきているんではないかというふうに思いますが、その上に消費税の一時凍結という問題になりますと、これはちょっとなかなか問題が複雑になってまいります。特に、すべての財、サービスに広く負担を求めるという消費税の基本的な性格からいいますと、さっきも先生がおっしゃったように、建物ができ上がってくるまで途中でずっと取ってきているわけでありますから、そういうような意味から考えると住宅取得のみを特別扱いにするというのはちょっと困難だというふうに思います。 また、住宅についてのいろいろの税制上の優遇措置、これはとられておりますが、今もいろいろお話ございましたけれども、こういう問題についてさらに取り組みを深めていきたいというふうな気持ちは持っておりますが、消費税の一時凍結については慎重に対応したいというふうに思っております。 しかし、先生の御指摘のとおり、住宅投資促進策を含めた取り組み方によって企業活動を活性化させていくということを起点に経済の好循環を始めていかなければいけない。やはり企業活動が活発になりませんと設備投資も伸びてまいりませんし、同時に雇用も拡大されませんし、またベースアップもないということになってまいりますので、企業活動を増進できるような環境づくり、今回の法律でも法人税の三%の減税がございますが、こういうものを含めて企業の活発な活動を促進させるようなものの中の一つとしてこの住宅の問題も取り上げて取り組んでまいりたいと思っております。
○国務大臣(尾身幸次君) 今、通産大臣からお答えを申し上げたのと基本的に変わりない、全く同意見でございます。住宅投資はGDP全体の四・七%ぐらいを占めておりまして、比率そのものはそう高くありませんが、各産業への波及効果とか、あるいは耐久消費財の需要にプラスの効果があるというような意味で非常に大きな効果のある対策であると考えております。 それからもう一つ、梶原委員のおっしゃいましたような意味におきまして、日本は世界的な傾向から見ますとまだまだ居住スペースが大変小さいわけでございます。お金もそこそこある状況のもとで、一体国民のニーズがどこにあるかというと、やはり住宅を中心とする居住スペースの拡大、そういうことにあるというふうに私ども考えておりまして、経済企画庁もスペースとゆとり研究会というのをつくりまして、スペースの拡大を国民的な大きな政策の方向にしていこうということで今勉強中でございます。 もとより、今後いろいろ取り組む中におきまして、金融、税制等の措置をとっていくことが必要であると考えておりますが、さらに農地の転用とかあるいは市街化調整区域における開発許可の弾力化というような土地利用についての規制を緩和いたしまして、そういう地域にも住宅建設が可能なような対応をしていくことも大変大事だと考えております。 それから、住宅金融公庫の融資等につきましても金額制限、上限がございますけれども、やはりスペースの大きい、規模の大きい住宅をつくるときには、それに対応してしっかりとした大きな規模の融資を行うということも大切であると考えておりまして、そういう制限につきましてもできるだけ制限の枠を拡大して住宅投資の促進を図っていきたいと考えている次第でございます。
○梶原敬義君 こういう場合というのは、大臣、役所とか役人の言うことを聞いておったっていつまでたってもこれは細々とやってよくならぬです。これは思い切らないと僕はだめだろうと思います。 今、経企庁長官が言われましたGDPで四・何%という数字はちょっと納得できません。例えば、百四十万戸で一戸当たり住宅三千万として四十何兆でしょう。GDPが五百兆の場合はそれの八%ぐらい行きますね。それが一つ。 もう一つ考えなきゃならないのは、住宅を一つやれば関連業種が動きますから、住宅そのものと関連産業とを入れた場合の経済に占める割合というのはもっと大きいんじゃないでしょうか。それは個人消費が一番大きいわけですけれども、もう少し大きいと思いますよ。そこはどうでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 関連の例えば家具とかそういうことを含みますと確かにおっしゃいましたように大変大きいわけでございます。また、梶原委員と私同意見でございますが、潜在的需要というのは大変大きいわけでありますから、戦略的に、融資枠等も拡大をし、規制緩和をし、これをぜひ進めていきたいと考えております。そしてまた、特に土地の値段の下げどまり感というのが実は大変大事な要素がなというふうに考えておりまして、いろんな政策を立体的に組み合わせて、おっしゃるように住宅建設の促進を景気対策の大きな目玉にしていきたいと考えております。 また、各党の協議の中でぜひ委員にもお力をおかりしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○梶原敬義君 いや、本当に橋本総理に直訴したいような、あなた方はもうそういうゆったりした話ですから、そんな気持ちです。 ぜひ経済閣僚の二人の大臣がもう少し勉強されて、この部分についてはいろいろと外国の例もありますし、何も大蔵省の主計局が言っている理論がまかり通るだけではないと思うんです、国際的に見ても。だから、そこに任じたらいつまでたっても、これは今やらないと日本の経済は大変になるんじゃないでしょうか。ぜひこれから御努力をお願い申し上げたいと思います。 次に、予算関連でエネルギーの問題でありますが、この前も三月十二日に申し上げましたように、今のようにエネルギーを使い放題では石油は必ず近未来のうちになくなると、私はそう思っています。そんな予感がしてなりません。それが一つと、なくなると同時に、一方ではCO2が地球温暖化の原因になっていくという非常に危険な環境問題が起こっております。今度省エネ法も出てきますし、この両面に対してどうするかという議論がこれから始まるわけであります。 今、石油精製工場が余っています、どんどん売ってください、あるいは小売業者が売らなきゃ食えないからどんどん売るという変な雰囲気の状況なんです。 だけれども、何としても石油の資源というものをずっと長く使えるように省エネをやってもらいたいし、また同時に環境の面からいってもそうするべきであります。あわせて、そのために新エネあるいは省エネ対策をどうするかということで、通産省は、いやよくやっているよと。この予算は前に比べるとずっと伸びていますけれども、私はやっぱりもっともっとけたを変えて大きくしていかなければならないと思いますが、通産大臣に総合的なエネルギー対策のあり方についてお伺いいたします。
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のとおり、今、エネルギー問題、一方では石油エネルギーの将来という問題がございますし、片方では地球温暖化防止の面での環境という問題が出てきておりますし、その両方に配慮しながら取り組んでいかなければいけないということになります。環境問題とエネルギーの安定供給、そして片方では国民経済の健全な発展を図るというのが我が国のエネルギー政策の基本になってまいると思います。 具体的には、需要面ではいわゆる省エネ法、これを根本的に改正いたしまして省エネルギー対策の強化を図るということが重要でありますから、この問題に真剣に今取り組んでいるところでございます。これを進めてまいりませんと、CO2のレベルを一九九〇年レベルに持ち込むこと自体がなかなか大変だというようなところまで来ておりますので、省エネ法を徹底して進めていかなきゃならぬというふうに思います。 一方では、供給面において、新エネルギーの開発、太陽電池だとか風力だとかいろいろございますけれども、そういうものの開発と促進を行っていく。さらに一面においては原子力の推進ということが欠かせないことになってまいると思っております。 こういう対策を着実に実施するとともに、我が国の一次エネルギーとしては、供給の一番の根本になっております石油をどういうふうに確保するかということ、これは輸入国の問題もありますし、あるいは備蓄の問題もありますし、あるいは自主開発の問題もございますし、そういうものをよく目配りしながら安定供給を図っていかなければならない。そういうようなものの総合的なものがエネルギー対策であるというふうに申し上げたいと思います。
○梶原敬義君 確かに、新エネルギー導入関係予算というのを見ますと、クリーンエネルギー自動車の戦略的普及対策として二十八億が八十四億というように伸びております。ハイブリッド自動車に係る自動車取得税の軽減措置の創設とかいうのもあります。太陽光発電システムにおきましては、住宅用太陽光発電の普及対策の強化ということで、一万五千戸を目指して百十一億が百四十七億。その他新エネルギー導入事業に対する支援ということで、風力・廃棄物発電、コージェネレーション等の新エネルギー導入事業者に対する助成、これも上限三分の一で四十一億が七十一億。こういうようにいろいろと目立って注目できるようなところがあります。 今言いましたように、さらにもっと大きく、日本はエネルギーのない国ですから、よそと同じようなというわけしゃなくて日本らしく。 我が党の私の同僚議員に山本正和という人がいるんですが、彼のうちに五百何万で三・九キロの能力の太陽光発電を家につけたというんです。奥さんと二人生活なものですから、いつも向こうには奥さんが三重県におる。今、差し引きしたら毎月一万円ずつ電力会社からバックがあるというんです。それで奥さんは非常に喜んでおるそうです。ただ、設備は去年五百万かかったというんです、三・九キロですから。そして国の助成が後から百七万とか返ってきたそうです。だから、大体三分の一国が助成をするようになっております。 そういうように、特にクリーンエネルギーの太陽光発電なんというのは非常に伸びておりますが、今例で申し上げましたように、今一キロワット設備をつけるのに幾らかかって原価は幾らなのか。ちょっと教えてください。
○政府委員(稲川泰弘君) 太陽光発電の家庭への設置でございますが、現在の段階では一キロワット当たり九十五万円から百十五万円のレベルでございます。昨年からことしにかけましてメーカーの供給能力がほぼ倍増いたしておりますが、こういう過程で今後も少しずつ価格は下がってこようかと思っております。 ちなみに、平成六年度の段階の設置コストはキロワット当たり二百万円でございました。そうしたことでコスト低減は進展をいたしてございますけれども、現状はかくのごとしてございます。
○梶原敬義君 きょうの毎日新聞に「企画特集わが家で太陽光発電」というのが出ています、これだけのスペースでずっと大きく。ちょうど質問するのに都合がいいんです。 きのう担当者と話をしまして、普通の家庭で三キロワットをつけるとすれば大体三百万。三百万のうちの百万が返ってくる、補助を受けも。そうすると二百万。二百万の原価というのをはじいてみまして、そして差し引きしますと、これはやっぱり電力会社に払う方が少ない。しかし、この二百万を百万から百二十万円ぐらいまでに下げ得たら、担当者と私と計算したら、大体とんとんぐらいでいけるということなんです。 だから、大事なことは、きょう新聞に、メーカーが、シャープが奈良に新工場をつくる、あるいは京セラが増産体制に入るとか三洋電機がどうだこうだ、いろいろと載っておりまして、非常に倍々でいっている感じです。だから、この一世帯当たり二百万が本人負担が百万か百二十万ぐらいでやれるように、メーカーの方にも本格的に大量生産あるいはいい新製品の開発、そういうものに対する努力もぜひともあわせて通産省としては強くやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 先生御指摘のとおりの努力を続けたいと思っております。 我々の構想では、二〇〇〇年以降、年間十万件程度の設置を実現していきたい、それを十年間続けて百万件という趣旨でございますが、年間十万戸ぐらいが設置をされますとコストは大体三十五万円ぐらい、三分の一ぐらいに減るという前提がございます。 それからいま一つは、太陽光発電に係ります発電効率あるいはコストを下げるための太陽光発電の薄さ、厚さと申しますか、それをさらに薄くしていく、そういった研究開発もあわせ行いながらコスト低減を実現していきたいというふうに考えてございます。
○梶原敬義君 COP3の問題もありますし、省エネの関係もありますから。今、家が日本じゅうに幾つありますか。十万戸ずつふえていったらこれはもういつまでたっても行き着かないです。それより前に石油ショックが来ますよ、当然来ると僕は思います。だから、もっとスピードアップするようなことをとにかく考える必要があるんじゃないかということを言いたかったわけです。 それで、もう少し言いますと、新エネルギー導入に向けた基本指針の策定というのを一九九四年十二月に閣議決定しております。これを見ますと、新エネですか、これは一九九二年に一・二%、これが二〇〇〇年に二%、二〇一〇年に三%にするという方針なんですが、今言っているような形ではこれは行かないんじゃないか。可能かどうか、この数字では私は満足しないんだけれども、どうなんですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 御指摘の計画では、二〇一〇年に千九百十万キロリットル原油換算分の数字を目標にしてございます。九二年の実績が六百七十万キロリットルでございますが、九六年現在では六百八十五万キロリットル、十五万キロリットルの増加がこの四年間にあったということで、その進行テンポというのは極めて遅々たるものでございます。 ただ、太陽光発電では九二年のころ一・五万キロワットでございましたが、現在五・七万キロワットということで、少しずつではございますが、加速度的な部分は多少ございます。 ただ、いずれにしても非常に難しい課題でございまして、今後、先ほどるる申し上げましたような研究開発その他助成措置も含めて新エネルギーの普及についての努力をしたいと考えでございます。
○梶原敬義君 こういう、CO2の問題もあります、資源もないときですから、とにかくこれはもっと急いだらいかがでしょうか。急がせるようにして、もっと全世帯、全戸に全部づくように、日本は石油がないんですから、将来そういうようにまずやるべきだと思います。 それから、学校とか公民館とか地方工業試験場とか、幾らかあると思います。どこに出しているかという資料もあります。これは通産新報の三月二十五日号に、共同で設備をしているそういう一覧表みたいなものがありますが、わずかなものです。これはもう国会にもつけるし学校にもつけるし、どこもここも全部公共施設にはつけていくような形の指導を早めたらいかがかと思うんですが、その点もちょっとお伺いしておきます。
○政府委員(稲川泰弘君) 昨年九月に閣議決定をいたしました新エネ利用等の促進に関する基本方針というのをつくってございますが、それに基づきまして、現在、一般国民、事業者に加えて政府、地方自治体などの公共的な主体に積極的な努力をお願いしているところでございます。 予算的には大きなものではございませんが、平成四年度から公共施設等における太陽光発電の導入についてフィールドテストを開始し、また平成七年度からは風力発電の導入についてのフィールドテストを行ってございます。また、平成九年度からは学校施設の整備事業というのを行ってございまして、十八校の学校を認定して太陽光発電の設置補助を行ってございます。 こういうことで、公共的な主体、学校その他で新エネルギーについての認識あるいは御努力が進むことを期待しているところでございます。
○梶原敬義君 九月なんというのはまた時点がもうずれているんです。COP3はそれ以降でしょう。また情勢が変わっている。また省エネ法のときに議論しますが、今度、来年度予算は遠慮せぬでこれをもっと大きくつけたらいかがか、今予算はもういいですから。そのことを言いたいわけです。 次に、その他のエネルギーに向けまして、水素エネルギーの開発状況それから核融合の開発状況、これを最後に伺っておきます。 核融合につきましては、トカマクは見ていないんですが、この前私どもは視察で岐阜県の土岐市に行って設備の完成間近な状況というのを見てまいりましたから、水素と核融合、これについてちょっとお尋ねします。
○政府委員(佐藤壮郎君) まず、水素エネルギーについてお答えいたします。 水素は燃焼しても水しか出ないということで究極のクリーンエネルギーというふうに言われているわけでございます。工業技術院といたしましてもニューサンシャイン計画のもと、水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術、いわゆるWEINETと称しておりますけれども、このテーマの中で研究開発に着手しております。 三つの段階があると私ども理解しておりまして、一つは水素の製造段階、それから輸送・貯蔵の段階、それから利用の段階でございます。 それぞれの段階での研究要素といたしましては、製造段階におきましては、まず高い電気分解効率で水から水素を電気分解によって得るという技術開発。それから、輸送・貯蔵技術に関しましては、液体水素というのは非常に低温でございますので、液体水素の形での輸送に耐え得る低温材料の開発、あるいは水素を吸蔵する水素吸蔵合金の開発等がございます。それから、利用技術といたしましては、高温で水素を燃やすわけでございますけれども、その高温に耐え得るタービンの材料開発、それから冷却技術等の技術要素があるわけでございます。 これまでの成果といたしましては、例えば水素の製造技術におきましては、電気分解効率が九〇%というレベルを達成しておりまして、これは世界でトップレベルではないかと思います。現在、さらにその電極の大型化を進めているところでございます。しかしながら、今の研究開発段階というのはあくまでも要素技術の研究開発でございまして、今後システムの確立等へ移行していくためにはさらに多大な研究開発努力が必要というふうに認識しております。
○山下芳生君 繊維産業の対策についてお伺いをしたいと思います。 まず初めに、繊維産業の国民生活と日本経済における役割、位置づけについて通産大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 我が国の繊維産業、これは製造部門の雇用が約百万人であります。また、繊維の流通部門を合計しますと二百万人を超えるというような雇用を確保しているところであります。また、全国には約百六十の産地が存在をいたしておりまして、いわゆる産地という五百三十七地区の中で百六土地区というのが繊維だということを考えますと、我が国の地域経済を支える中核産業の一つだというふうに認識をいたしております。 また、繊維製品は非常に多様化する消費者のニーズというものを反映するために、デザインの面だとか技術の面だとかいろんな発展の可能性が高いものを持っております。利用する方の分野で考えましても、大きいところは自動車産業から始まりまして、建築土木だとかあるいは産業用資材というように非常に広がりが大きいわけであります。こういう意味で、我が国の繊維産業というものは国民生活を豊かにする生活文化提案型産業だというふうに考えております。 今後、市場の成長が期待される産業の一つでもありますとともに、我が国の重要産業として位置づけられるものだというふうに認識をいたしているところであります。
○山下芳生君 私も、繊維産業というのは、全国の産地の五八%を構成している、それから二百八十万人の雇用を持つ重要産業である、加えて、人間が生活する上で不可欠な衣食住の一つ、衣の分野を通じて国民の生活あるいは文化を支えてきているというふうに認識をしています。非常に重要な分野であります。 ところが、この業界の実態は不況による影響が大変深刻化しております。川上の繊維大企業では、大競争時代を言いながら生き残りヘリストラ、合理化の大なたが振るわれている。それから、川中の産地では空洞化が進行している。川下のアパレルや小売も製品在庫の急増でありますとか、規制緩和で淘汰が続いているという状態であります。 私の地元である大阪も全国で有数の繊維産地の一つでありましたけれども、例えば九六年の事業所統計で見ますと、繊維工業それから繊維製品製造業を加えたデータで見ますと、この五年間に事業所の数が二千二百三十減った、マイナス一五・一%です。従業員の数で言いますと、二万六千九百十八人減った、マイナス二〇・三%であります。わずか五年間にこれだけ減っている。大変深刻な事態が急速に進行しているということであります。 そこでまず、我が国の繊維産業及び繊維産地の現状がどうなっているのか、概括的に御報告をいただけますか。
○政府委員(水谷四郎君) 繊維産業さらには繊維産地が、今御指摘のグローバルな大競争状況の進展や景気の低迷、さらには繊維事業の従業員の高齢化等さまざまな要因から大変厳しい環境の中にあるとの御指摘はそのとおりだと存じます。 具体的に概況でございますが、事業所数について見ますと、通産省の工業統計によりますと、昭和六十年の統計で十四万カ所ございました事業所が平成七年には十万カ所に減少をいたしております。また、従業員数は、やはり工業統計によりますと、昭和六十年におきます百三十万人から平成七年は九十九万人にまで減少をしているわけであります。さらに輸入浸透率について見ますと、通関統計に基づきます通産省の試算によりますと、この浸透率が昭和六十二年の三〇・八%から平成八年には五五・二%まで上昇するというようなことで、輸入との競合が大変激しくなっているという状況でございます。 ただ、全体としては、こういった数の面でも量の面でも大変厳しい環境にはございますが、この状況下におきましても、それぞれの企業努力によりまして活躍をし利益を出している先進企業も数多く存在をいたしておるものと、かように認識をいたしております。
○山下芳生君 今御報告のとおり、大変な事態であります。これまで政府は、昭和三十年代に設備調整対策を始めた、それから四十年代からは構造改善を始めるなど、この間、三十年、四十年に及んで繊維産業政策を実施してきたわけですけれども、それが現状のような目を覆うばかりの実態になっているわけです。 今、少し簡潔に要因についてもお触れになりをしたけれども、こういう状況にある、繊維産業が衰退してきている要因として政府はどのような認識をお持ちでしょうか。
○政府委員(水谷四郎君) 端的に繊維産業の事業所数の減少という形でこの状況を分析してみますと、やはり何と申しましても繊維の産地における中小企業の減少が大きな原因であると思うわけでございます。こういった産地中小企業の減少は、需要の低迷や採算の悪化等の競争環境の激化によるものが一因でございますが、同時に、後継者難等の経営基盤の脆弱化によるもの、この二つに大別できると考えております。
○山下芳生君 私は、最大の原因の一つというのは、先ほどのお話にもありましたけれども、輸入の影響だと、これはもうだれもが一致した認識だと思うんです。その輸入の増加に対して政府がきちっとした対応をしてこなかった。はっきり言えば、輸入規制をしてこなかった政府の姿勢というものが今日の繊維産業の衰退の大きな一因だというふうに思います。 この間、繊維の大企業、大商社が東南アジアの安い労働力あるいは円高を利用して海外にどんどん進出する。製品をそういう地域から逆輸入してくる。それによって繊維関連の労働者や中小企業、産地、地域経済が大きな打撃を受けたわけです。それをきちっと規制して日本の繊維産業を守る対策を政府としてはとってこられなかった。 それから、昭和四十年代後半から和装産地におきましても輸入規制を求める運動が高まりました。しかし、アメリカやヨーロッパ諸国が輸入規制措置をとっても日本だけは自由貿易を守ると称して、規制を求める強い国内世論を無視して措置をとらなかったという経過があります。 一方で繊維産業の振興政策をとりながら、一方で繊維産業に大きな影響を与える輸入に対してそれを規制するという政策をとらなかった、これが大きな政府の政策の矛盾であり、今日の産業の衰退の最大の原因の一つだと私は思っておりますが、この輸入規制をしなかったということが産業の衰退の最大の原因だという点についての認識を伺いたいと思います。
○政府委員(水谷四郎君) 御指摘のとおり、繊維全体として輸入がこれまで増加のトレンドにあって輸入浸透率が高まってきたことは事実でございます。しかしながら、輸入の中身を見ますと、消費者に第一にメリットを与えるという点がございますが、同時に、我が国の繊維産業みずからが関与して輸入によりメリットを得ているというケースも多いと我々考えているわけでございます。したがって、輸入については我が国繊維産業のグローバリゼーションの一環と考えられる部分も大きいと言えるのではないかというふうに考えております。 今申し上げましたような実態は、前回の繊維産業ビジョンで、「労働力供給面での劣位(量及びコスト)を補完して、自らの総合的な競争力を高めることにより、我が国繊維産業のフロンティアを拡大する」と、こういった方向が示されておりまして、この意味から我が国繊維産業の発展の一つのあり方であると評価をしているわけでございます。むしろ、我が国繊維産業としましては、差別化衣料、産業資材等、アジアの国々では生産できないような品目についての競争力を一層強化していくということが発展の方向ではないかと、かように考える次第でございます。
○山下芳生君 私も輸入が一切だめだという立場ではございません。それは消費者のニーズにこたえる面もあるでしょう。しかし、行き過ぎた輸入というのは、産地を破壊し、ひいては消費者の利便にも反することになりはしないかということであります。その点で、今やはり輸入の浸透状況について危機的な認識をもっと持たなければならないんではないかというふうに思うわけです。 実は、政府自身、一九九四年五月十七日に通産省の生活産業局が発表された「我が国繊維産業の現状と今後の見通しについて」という文書を見ますと、非常に危機的な意識をお持ちだった。こうあります。「一九八七年から我が国繊維貿易は入超に転じ、昨年は輸入が輸出の倍を超え、輸入浸透率も八三年に二〇%を下回っていたのが、十年間で五〇%を超えるところまできている。 我が国繊維産業においては、関税が諸外国よりも低く、欧米諸国と異なり国際ルールに基づく輸入制限を行っていない環境の中で、」「撹乱的輸入により計画的な構造改善、事業転換等の努力を無にしかねない、従来には考えられなかった生産基盤の崩壊を招きかねない事態が生じうる状況に至っている。」。 撹乱的な輸入によりさまざまな努力を無にしかねない、生産基盤の崩壊を招きかねない事態が起こっているという認識であります。これはその点では必要な非常に危機的な認識であったと思うんです。その点で私は、そういう認識を持ちながら一方で必要な輸入規制というのをしてこなかった、これは本当におかしな話だと思うんです。 具体的に少し伺いますけれども、九五年と九六年、綿糸四十番手、それから綿製ポプリン・ブロードのセーフガード発動の要求がありました。これは二回とも見送られましたけれども、その理由について説明をいただけるでしょうか。
○政府委員(今野秀洋君) お答え申し上げます。 平成七年二月に発動要請のございました綿糸四十番手及び綿製ポプリン・ブロード織物につきましては、それまでの直近三年間の中の二年の期間輸入が急増し、また本邦産業におきます重大な損害の発生の事実が認められるということで調査の開始が行われたわけでございます。しかしながら、その後、これら二品目の輸入につきましては、比較的落ちついて推移いたしまして、あるいは減少傾向がしばらく続いたわけでございます。そういう事実を踏まえまして、平成七年十一月に繊維セーフガード措置の発動を見送ったところでございます。 その後、綿製ポプリン・ブロード織物につきましては、再度輸入の急増等がございまして、平成八年七月に二回目の発動要請がございまして、調査が再び開始されました。しかし、平成八年十一月に日中間で繊維貿易問題に関する話し合いが行われました結果、綿製ポプリン・ブロード織物を含む一部綿織物につきまして中国側が輸出自主管理措置を強化するということになりまして、日本側もこれに対応しまして輸入通関時確認制を実施するという体制がとられることになったわけでございます。これを踏まえまして、調査活動につきましては続行を見合わせるということになったところでございます。
○山下芳生君 二つあると思うんです。一つは、三年間の中で急増した年もあったけれども、しかし直近一年間は輸入量が減った。その九二年、九三年、九四年、確かに最後の九四年は減りました。しかし、その結果、セーフガードの発動を見送った直後、九六年、おっしゃるようにふえているわけです。それでまた業界からセーフガードの要請があった。ですから、高とまり状況にあるわけです。規制を見送ったらまたふえ、それで発動の要請があって調査をしたらまた若干減って、それでまた戻る。ずっと一定して、平均して見ますと、産地に大変な打撃を与える輸入量というのは減る傾向にはない、ふえていっているわけです、あるいはもう高どまりの状況になっているわけです。そういう状況をずっと続けていたのでは、産地としては、業界としてはこれは耐えられないという気持ちがあるのは当たり前だと思うんです。 それからもう一点、中国の自主規制ということですが、しかしこれも、そういうことでセーフガードの発動を見送った九六年以降、九七年で見ますとやはり高どまりの状況にあるわけです。減っていません。これは通産省からいただいた資料によりましてもそういう数字が出ております。 ですから、私は、一般的に言って、繊維製品についてはもう押しなべてセーフガードを発動する事態にあると思うんですが、いろんな通産省の判断でそれが見送られてきている。そういう事態というのは国際的に見ても異常だと思うんです。 WTO協定が結ばれて以降セーフガード措置を発動し続けている国、これはどこでしょうか。
○政府委員(今野秀洋君) 米国、それにブラジルでございます。
○山下芳生君 やっているわけです、WTO協定のもとでも。アメリカができて我が国が発動できないというのはおかしいと思うわけです。なぜできないのか。これは日本の発動基準、ガイドラインの内容に問題があるというふうに私は言わざるを得ません。 ガイドラインを見ますと、まず業界からセーフガードを発動するための発動要件というのがかなり厳しくつけられております。それに加えて、調査をした結果、発動するかどうかを決めるに当たって恣意的に運用できる通商政策上の配慮という項目まで盛り込まれております。そうなりますと、いろんなことを配慮しながら、結局この間、深刻な影響を与えてきているにもかかわらず発動されなかった。これは業界の関係者の方に言わせますと、もう国内の産業が消滅しない限りセーフガードを発動しないんじゃないかと、こんな声まで出てきているわけであります。 我々はWTO協定自体反対なんですが、少なくとも国内産業を守るためにもっと実情に合ったガイドラインに変えるべきではないか。 例えば、一つは、発動の要請の資格要件について、国内総生産の過半数を占めなくても、当該品目の全国的被害が推定できるサンプル的な生産者でもこれは可とすること。二つ目に、被害に関する説明の資料は五年前までさかのぼるというのではなくて、直近三年間として、構造改善計画及びその効果の見通しなどは求めない。全国的被害の状況は通産省が主体的に調査をする。三つ目に、欧米諸国が行っているように、あらかじめ一定の数値基準を設定し、基準を超えて輸入が急増した場合には直ちにセーフガードを発動できる仕組みとするなどであります。そういうことをやらないと、これは本当に国内産地が消滅しないと発動できないというような危惧が私は起こり続けると思うんです。 国際的にも自国の産業あるいは生活文化を守るのは、これは主権であります。主権を守るために障害になっているセーフガードの発動の余りにも厳し過ぎるガイドライン、見直すつもりはございませんか。
○政府委員(今野秀洋君) 我が国のTSGの国内ルールでございますけれども、御指摘のように、技術的判断と申しますか、輸入増加及びこれによる重大な損害等の事実に関する判断に加えまして、このTSG発動によるメリット、デメリット、これを比較考量して国民経済上の必要性を判断するというこの政策的判断、この二つの要素から成っているわけでございます。 この政策的判断につきましては、具体的に申し上げますと、構造改善のための環境整備とかあるいは消費者、ユーザーへの影響など総合的に勘案されるわけでございますけれども、このようなことは、各国の運用と比較いたしますと、やはり技術的判断だけでセーフガードの発動を決めております国は私ども調べている限りではないと申し上げてよろしいかと思います。アメリカにおきましても、繊維セーフガードの発動につきましては、幅広くいろんな利益を代表する関係省庁から成る繊維協定執行委員会という形で調整を行って判断がなされておる。EUにおきましても、最終的には理事会で決定されるという政策的な判断がなされているところでございます。 それで、この手続が非常に煩雑ではないかというところなんでございますが、この具体的な現行手続で求めております種々の資料等につきましては、基本的にはこのTSG発動の是非を判断する上での資料ということで、これは最終的にはWTOのTMB、繊維及び繊維製品監視機関、ここで審査されるものでございますので、おろそかなものであってはならないということでいろいろな資料をお願いしているわけでございます。 ただ、他方、これまで二回私どももこの調査をいたしました。そういう経験が少し蓄積されてきております。また、一般的な世の中の議論といたしまして、行政の透明性と申しますかあるいは簡素効率な行政というものが求められているのも事実でございます。そういうことを踏まえまして、今後の繊維セーフガード措置のあり方ということにつきましては、現在検討がなされております次期繊維ビジョン、このプロセスの中で議論してまいりたいと考えておるところでございます。
○山下芳生君 政府の文書の中で、我が国は国際ルールに基づく輸入制限を行っていない環境にある、欧米諸国と異なってと、これ事実なんですから、そのことが大変な輸入の影響を産業全体に与えている、産業基盤の崩壊さえ起こりかねない状況だという認識なんですから、事ここに至ってもまだ発動ができないようなガイドラインを持っていることを、これをとうとうと説明されても、私は、業界の方、産地の方は納得できないと思います。発動されてこそ主権が守られるわけですから、ぜひ見直しを要請したいと思います。 次に、和装産業について質問いたします。 まず大臣に、日本人と和装について御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 私は、やはり和装というものは我が国の世界に誇る芸術あるいは伝統文化、そういうものを持っているものだというふうに思っておりますし、現在でも一兆円程度の市場規模を有している重要な産業でございます。この市場規模というのは、比較をすると紳士の背広とワイシャツ市場だというのですから、また婦人ではスカートとブラウスの市場だという、こういう部分的なものと一体になるんでしょうが、それにしましても一兆円産業というものは大変なものだというふうに思います。 しかし、ここのところ景気の低迷というものが非常に影響を与えておりますし、生活の洋装化というようなもので需要が減少しているということは事実でございますから、このために和装品を生産する絹業産地は非常に厳しい状態に置かれているということはこれまた事実でございます。 今後については、こういう厳しい状況がさらに持続すると思われますが、やはり和装が若者を含めて日本のファッション生活に貢献できるような可能性を持たせていくようなこと、浴衣なんかも一つのブームでありますけれども、そういうものをひとつ考えて取り組んでいかなければならないだろうというふうに思っております。通産省としては、和装産業の発展を促進するように、新用途開発の助成というものを行っておりますし、和装産業の中核である絹業の発展のためのビジョン作成というものも支援をいたしておりまして、こういう支援を行って伝統のある和装産業を維持してまいりたい、盛んにしてまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 和装というのは日本人しか基本的には着用しません。ですから、産地も日本にずっとあったわけですけれども、芸術文化というように大臣おっしゃいましたけれども、そのとおりです。 この和装産業も大変深刻な事態にあります。これも輸入、逆輸入の影響を相当受けております。その点で産地から非常に要望が強いのは、和装品に関する原産国表示の義務づけてあります。この問題は、昨年の三月、衆議院の予算委員会で我が党の穀田議員も提起をさせていただきまして、当時の佐藤通産大臣も、何が可能か詰めさせていただきたいという答弁をいただきました。 その後の経過もあると思いますので、改めて和装品に関する原産国表示の義務づけについて通産省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(水谷四郎君) 原産地問題と原産地表示の問題と二つに分けられる性格ではないかと思います。 まず、今御指摘の昨年三月三日の衆議院の予算委員会におきまして、帯の原産国表示の問題に関連して、佐藤前通産大臣から、現実問題としての対応策として何が可能なのか詰めさせていただく旨の答弁がなされたと、かように承知をいたしております。 その後、本件は、帯の原産国表示に関しまして消費者の事実誤認を惹起するような表示がなされることのないよう、帯の製造工程における原産国、すなわちその商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国、これが原産国ないし原産地でございますが、これをどのように判断するかが議論になったものであるわけでございます。 我々事務局は、この点につきまして、大臣の答弁を踏まえまして、通産省と公正取引委員会において業界からのヒアリング、さらには産地の実態調査等を精力的に実施いたしました。昨年の六月でございますが、帯の製造実態に即しました不当景品類及び不当表示防止法の運用を公正取引委員会の解釈通達で明らかにしたところでございます。 少し細かくなりますが、具体的に申し上げますと、高度な製織技術を必要とする先染め帯につきましては、これは西陣等でつくられている帯でございますが、織物と同様に製織が行われた国を原産国として取り扱うことを通達で明確化したわけでございます。この結果、例えば外国で織られました帯に簡単な縫製と申しますか、折り畳んで糸でくくる、こういった加工等を日本国内で行いました帯は日本製として販売することができなくなったというふうに承知をいたしております。 以上のように、帯の原産国表示問題については現実的な形で一定の解決が図られたものと、かように認識をいたしております。
○山下芳生君 ただ、原産国表示の義務づけという法律はまだないんです。それをぜひというのがまた新たな産地の要望としてあります。 法律による義務づけが現状では無理だとしたら、例えばワイシャツや肌着などでも日本製とか韓国製とか中国製と表示されております。業界のこれは自主的な表示だとすれば、こういうことも含めて通産省の指導によってできないのか、これも含めた検討をぜひ要望させていただきたい。 本当に和装産業というのは、日本人しか着ないものですし、やはりどこでつくられたのかというのがそういう文化とか芸術という面で言いますと非常に大事な要素になりますから、ぜひそのことも検討していただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
○平井卓志君 御案内のように、大変な財政赤字を抱えておる昨今でございますから、このままいきますと国家財政が破綻しないとも必ずしも誓言できないんです。その程度の危機感を持たなきゃならぬのじゃないかと思う。まさに先進国の中でも赤字は突出しているんじゃないかと思うわけです。そういう意味では、政府の支出は最大可能な限り抑えるような緊縮財政の必要がある。したがって、若干ODAの問題について私は伺いたい。 ところが、ベースは四省庁体制ということになりますと、残念なことにきょうは外務、大蔵の出席がないかといって通産省、経企庁関連だけをつまみ出して質問するというわけにもまいりませんので、総括的なことだけを伺いますから、他省庁にわたっての質問の内容によってはお答えをいただかなくて結構であります。 まず冒頭お聞きしたいのが、平成十年度のODA予算は一〇%、たしか切り込んだんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(伊佐山建志君) お答え申し上げます。 そのとおりでございます。
○平井卓志君 私は、予算の切り込みが極めて遅いと思うんですよ。これは非常に基本的なことを申し上げますと、こういう財政危機の中で、素人が考えても、日本のGNPの〇・三%、全政府予算であればこれは二%ぐらいでしょう。国民一人当たりに割ると一万二千円という、莫大な額の資金が毎年毎年自国民の社会福祉とか防衛のためじゃない、まことにもって遠いはるかな他国の経済開発のために何で提供されなければならぬのか。これは自国民の生活費を軽く上回っているんです。そういう予算がなぜ外国の経済発展につき込まれるのか。これはいろんな理由があると思いますが、よほどの説得力がございませんとこれを今後とも変わりなく保持していくことは私は難しいと思う。 そこで、このODA関連の元祖とは言いませんが、アメリカについて若干お聞きしたい。 御承知のように、ソ連邦が完全に解体されたのが九一年末、それからもう対外援助は大幅に削減された。アメリカのODA額は一九八〇年代末までは一貫して世界最大です。恒常的に年間百億ドルを超えるのが普通だったんです。ところが、九三年には八十五億ドル、九五年には七十三億ドルにまで減ってしまったんです。 この九五年というのは非常に問題のある年でして、九五年にその国際開発局自体の廃止が議会から求められた。クリントン政権は反対したんです。反対したけれども、その理論はもっともであるということで同局の人員を一六%削減した。我が国はそのときどうかといったら、九一年にもODA額は百四十億ドル、以後もほぼ同じレベルを一貫して保っておる。九五年には百四十五億ドル、ざっと言えばアメリカの倍です。 この九五年のアメリカの議会を見ますと、こういう話になっている。ODAの大幅削減と国際開発局の廃止を盛り込んだ法案推進の先頭に立ったジェシー・ヘルムズ上院外交委員長の言葉が載っておる。そのとおり読みますと、対外援助はこれまでアメリカ納税者の金を二兆ドルも使ってきたが、そのほとんどは外国のネズミの穴に吸い込まれてしまった。それら諸外国は、国連ではアメリカに常に反対し、自由とか民主主義の理念を排除するところも極めて多い。納税者の浄財を浪費するこの愚かな慣行はやめるべきだと。これは議会で言っているんです。その結果が私が今申し上げたような結果につながったわけです、どんどん削減している。日本は遅まきながらやっと一〇%を切り込んでもアメリカの倍近い額なんですよ。 そこで私がお聞きしたいのは、日本のODAの理念、原則、運用方針、これは一九九二年六月に閣議決定されました政府開発援助大綱、俗にいうODA大綱に盛り込まれておるわけです。この大綱は日本のODA自体を律する唯一の明文化された指針なんです。あとはないんです。アメリカの対外援助法に匹敵するような法律や規則は全く存在しない。ですから、公的資金による政府の事業にはどんな場合でもその施行を規定した法令類が存在するのが普通なんです。ところが、このODAという国家の大事業には何の拘束力のあるルールも存在していない。 しかも、この大綱が閣議決定されましたのは、既に日本が世界最大のODA供与国となってからの九二年ですから、それまでは、大まかにせよ、明文化された指針がないまま莫大な金額の公的資金が諸外国に提供されてきた。これはどう見ても、この一事だけで、常識的にいえばこんな不透明な話はないんです。 では、それまでは一体どこでどういう議論をし、どういう経過、だれがどんな権限で裁量してきたのか。局長、どうでしょうか。
○政府委員(伊佐山建志君) 委員御案内のとおり、この閣議決定以前にありましては、閣議決定後もその伝統は踏襲されておりますけれども、内閣のもとで対外経済全体を総括する審議会の場をつくりまして、毎年その実績、今後の方向について議論していただいた、それをベースにいたしましてやってきたというのが実態でございます。
○平井卓志君 私は、実態のおおよその流れは今の答弁のとおりだと思うんですよ。しかし、これだけ膨大な予算の執行になりますと、審議会とか官僚の裁量でやるべきじゃない。 しかも、この大綱をちょっと読んでみますると、基本理念として、開発途上国の飢餓と貧困を人道的見地から看過できないと立派なことが書いてあるんですよ。自由、人権、民主主義の確保を前提とし、開発途上国の安定と発展は世界全体の平和と繁栄に不可欠と書いている。これはだれも反対する人はおりませんよ。次に、環境の保全は全人類的課題だとしている。最後には、平和国家としての我が国が世界平和、国際繁栄のために国力にふさわしい役割を果たすという使命をも強調しているんです。 非常にもっともな理念なんですが、これは法律じゃない。拘束力を持って具体的な規定から成る法律とは全く違うんです。しかも、この内容をつぶさに見てみますると、日本自体の国益に合致する形でどう進めるかという最大のテーマがある。ところが、個々の項目は、促進を図る、十分配慮する、充実すると、非常にあいまいな表現で終わる文章が圧倒的に多い。 私はここにも疑問を感じるわけですが、このODA大綱四原則というのがある。ODAの実施に当たっては、以下の点を総合的に判断すると述べているんです。四つしかないから申し上げましょうか。「環境と開発を両立させる。」、「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する。」、三番目には「開発途上国の軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。」、四つ目、「開発途上国における民主化の促進、市場指向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う。」。 大まかに言えばこの四つの項目が援助大国日本が世界に喧伝した一つのODAドクトリンだと、こう判断してもいいんですが、この種の指針、原則が実際のODA計画にどういうふうに反映されたのか私は全くわからない。今申し上げた四項目の中で三と四、最後の二つ、これは普通、常識で読みますと、いずれも「十分注意を払う。」、非常にあいまいなんです。この「注意を払う。」というのは局長、どういう意味なんでしょうか。
○政府委員(伊佐山建志君) 基本的な全体の政策そのものについては、私ども通商産業省の所管する観点からの問題のみならず、外交的な配慮あるいはその他の関係においてそれぞれの関係する役所が判断を加える分野がございまして、それらを総合的に判断した上でODAを使わせていただいているというのが実態でございます。 委員御指摘の部分につきましては、直接私どもが所管する分野ではございませんので、多分それなりに非常に重要な意味合いを持たせたものとしてこういった文言が使われていると思います。 ただ、私ども通産省の観点からいいますと、武器の輸出入等に十分注意を払うといいますのは、武器を積極的に他国に輸出しているような国にあって、我が国の援助が武器製造等に使われる可能性のあるようなケースについては極力慎むというふうな理解をしてこの問題に対応しているところでございます。
○平井卓志君 素直に読んでみますると、今あなたの答弁したとおりなんですよ。 援助を与える相手国は、どれほど軍事費を使い、核兵器とか弾道ミサイルの開発、拡散にどれほど関与したのか、また民主主義、人権、市場経済という自由主義国家の基本をどれほど熱心に推進しているのか、ないしは抑圧しているのか、それらの諸点の認定が日本のODA供与を大きく敏感に左右するんだという方針をうたった原則のように聞こえるんですよ。ところが、実際は原則がなきに等しいような形で援助は行われておる。 私は、援助するのが全部悪いとは言っていないんですよ。やはり、審議会があろうと何があろうと、きちっとした法律に基づかずしてこれだけの多額の公金が消費される、出ていく。しかも、その援助の後の効果いかんと問われたら、どうせお手盛りの調査団が行って適当に百点満点ということになったのではないかなと、こういう話が圧倒的に多い。私が逐一行ったわけではありませんからわかりませんけれども、どうもこの文章は極めて虚構の面が強いと言わざるを得ないんです。 ですから、軸足になっている外務省、また円借款等の大蔵省がおりませんから余り細かいことは聞きませんけれども、私は、大体の皆さんが若干中国問題は遠慮いたしまして何か少し避けて通るような傾向がないかと。これは一例を挙げて前の委員会で通産大臣にも私なりの個人的な判断、意見を申し上げたけれども、そういう話になってきてきちっとしているんだという話になりますと、やはりまた中国のODA問題を持ち出したくないのに持ち出さなきゃいかぬようになる。 中国のODA問題は、私は全部悪いとは言いませんが、あの四原則を忠実にきちっとルールとして読めば、国際世論を完全に無視して核兵器の実験をやったのと違いますか。旧ソ連からの新鋭兵器の大規模輸入をやっていませんか。さらには、大量破壊兵器や弾道ミサイルの関連技術の拡散、輸出。まあ他国のこととはいいながら、台湾海峡や南沙諸島でドンパチ鳴らしたり、これは言っていたら切りがないんです。 ですから、そういう実態は全く変わっていないんですから、私はここでいつも申し上げるんだが、中国を非難しろとは言っていないんですよ。あらゆる要求がある。いろいろな交渉が出てきた場合に、相手は一つの外交戦略でやっておるんですから、非難する前に、我が国のそれに対処する姿勢が対中国問題には、もろもろの例を挙げれば際限ないんですが、いささか腰が引けてはいないか、このことを私は特に申し上げておきたい。 ですから、私も私なりに調べてみますると、一九九五年までに中国には累積で百七億ドル、約一兆九千億円のODAを与えてきた。それで、日本の場合、九五年には、余りにたび重なる中国の核爆発実験に、内外の世論に抗し切れなかったんだ、そしてやむなく無償資金協力の一時凍結という措置をとった。めり張りを少しつけたのかと思ったら、この凍結部分なんというのは対中ODAのたった六%ですよ。本当にもうジェスチャーだけにすぎないんです。 中国の問題ばかりもなんですけれども、ずらっと見てみると、軍事増強の志向が顕著なインド、パキスタン、イラン、これも当然、書いてあるとおりいえば、注意を払う対象なんです。特に核兵器の拡散には断固たる反発を日本は示さなきゃいかぬ。インドやパキスタンが血道を上げる核開発、内外の懸念を伝えただけでは、これはもうODAはやめた方がいいんです。大幅な削減、抑制で断固として抗議を明示した、抗議を唱えた、そんな実績はどこを探してもないんです。それを順次並べ上げれば、ベトナムもそうだし、シリア、キューバ、これも余りそういう意味では評判がよくない。 ですから、私は特にお願いというか申し上げておきたいことは、極めて財政的に難しい折ですから、まずこのODA大綱四原則を何とかして拘束力を持たせてほしい、そしてその方向で徹底して履行すべきじゃないかと思う。同原則にうたっておる今申し上げたような基準に違反している国への援助は断固として削るべきだと、こう思うんですが、この点、大臣何か御意見ありますか。
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほどからの委員のODA、政府開発援助の大綱、この四つの項目というものをしっかりと踏まえた取り組みをするようにという御意見でございまして、まことにこの大綱を踏まえてこれからしっかりやっていかなきゃいけないというふうに、これは基本原則でございますから、そのとおりだというふうに考えております。 ただ、この中で、対中国あるいはその他の国の問題でいろいろお話がございましたが、ODA大綱の原則で示されております環境と開発の両立の問題、あるいは国際社会の平和と安定の問題、そして民主主義の問題、市場経済化の問題、基本的人権の保障、こういう諸点は、御意見のとおり、我が国が国際社会において実現されるべきと考える価値を反映したものだというふうに思っておりまして、この基本原則については立派な姿勢だというふうに考えていいと思います。 当省としては、これらの諸点を十分考慮しながら、経済社会状況だとかそれぞれの相手の国の二国間の関係等を総合的に判断した上でODAに取り組んでいるわけでありまして、それぞれの国に対する援助についても世界の安定と繁栄につながる友好関係を維持すると。 先ほど中国の問題をお話をいただきました。この前の弾薬の処理の問題もお話をいただきましたが、そういう中国の存在というものを考えたときに、世界の安定と繁栄というものにつながる中国との安定した関係を持つ、友好関係を維持する、発展させるということ、これはやはりODA大綱を踏まえて適切に行われているものだというふうに考えているわけでございます。 また、援助基本法については、相手国の動向や我が国との二国間関係等の総合的判断を踏まえて、機動的かつ柔軟な対応を必要とするODAの性格から、慎重な検討が必要ではないかと考えているところでございます。
○平井卓志君 まあ、大臣の御答弁としてはそういうことでないかと思います。 一つ申し上げますと、あなたもちょっとお触れになったが、ODAが相手国の日本に対する友好とか善意を増すという主張もある。ODAを減らせば現在の友好関係が崩れるから何とか現状を保持してくれと、これは必要だという外交官の議論もある。前にも申し上げたように、この種の議論は順序が道なんですよ。そもそも国際社会の国と国との関係で、一国が相手国に恒常的に何かを与えていなければ正常な友好が保てない、これは本来の外交ベースに問題があるんです。 何もかもだめだとは私は言っていないんですよ。それは常に外交というのは友好、信頼といいますが、その裏にあるのは戦略であり、一つの相手国に対する疑念ですよ。 毎年毎年中国から二十を超す大型プロジェクトが上がってくる。もう既に百件を超しているでしょう。そういう宮国の部分、富国強兵という言葉を使いますが、私はあえて今ここで中国が富国強兵とは言っていない。富国の部分は強兵につながってくるんです。その富国の部分にせっせとなけなしの国民の税金をつぎ込むには、それだけの理屈と国益擁護と国民の納得が要るんじゃありませんかということを聞いているわけなんですよ。ところが、残念ながら予算委員会等でこれをやりますと、時間はないわ、どうしても一通りやるとなかなかお答えが難しくなってくる。 ですから、私は、基本法だとか、これは前からそれを言う人はおりまするし、またODAの施行法と。 日本ほどの大国で一国のこれだけ膨大な公金がつぎ込まれるのに、審議会だ。極端に言ったら、これは官僚の完全な裁量でしょう。そういうふうになってくるんですよ。そのことは裏を返せば、こんな不透明な姿で公金が使用されていいのか。それが省益になったんじゃ困るんですよ。私がいつも申し上げるように、国益につながらなきゃいかぬ。省益イコール国益の場合もありますよ。ところが、物がこういうことになってきますと、相手国が大きければ潜在的な脅威にならないのか、これが本当に外交ベースで信頼関係を築けるのか、相手国の大衆の利益につながるのかと疑念を持たないで、言われたとおり出して、注意をしていますと。 ですから、私は冒頭に、援助大国と言われたアメリカが九五年に全面的な見直し案を出してきた。理由なくしてやっていないんです。私は何もアメリカに追随せよとは言ってませんよ。言ってないけれども、そこのところを明確にしないと、まさに危機的財政状態の中で遅まきながらもやっと一〇%切り込んだ。私は、切り込むだけじゃなくて、有効に使われたかどうか、完全な第三者機関でもっともっと徹底追跡調査をすべきだと思う。そして、予算の執行に関してはやはり法的拘束力のあるルールで施行すべきだと。 あとはまたの機会で申し上げます。
○水野誠一君 先ほど来、いろいろ各委員から日本の経済が非常に厳しい状況にあるということを御指摘されているわけでありますが、現代というのは大変矛盾性に満ちた時代だ、私はこういうふうにも思っております。 今我々は、日本の財政破綻、これに対してその再建の道筋である財政構造改革、これを何が何でも進めていかなければいけない、こういうテーマもあるわけですが、しかし現在の経済を見ていくと、その財政再建の前提である一・七五%の経済成長、これもなかなか実現し得ないという大変難しい状況の中で景気に対する経済対策が要求される、こういう矛盾もあるわけであります。 それから、経済成長、これを促進すれば今話題になっている環境負荷が大きくなる、こういう二律背反問題、これも同時解決していかなければいけないという、政治あるいは行政のかじ取りが大変難しい、また知恵が要求される、こういう時代だというふうに思います。 このために、私たちは財政構造改革というものをもう一度見直す必要があるのではないか。それは決して所得税減税をするために見直すというのではなくて、財政構造改革というもの自体が本当の構造改革になっているのかどうか。私は、この改革を見たときに、往々にしてリストラであるけれどもリエンジニアリングになっていないんじゃないか。つまり構造改革になっていないんじゃないか。あるいは、社会保障、公共事業、ODAなどにキャップははめているけれども、それぞれの中身のやり方、今、平井委員からODAについてのお話がありましたけれども、そういう質的な見直しというのが本当にできていないんじゃないだろうかということを痛感するわけであります。 これは、今打ち出されております経済対策として十六兆円の財政出動、このアナウンスメントが出たわけでありますが、それに対して市場がなかなか好感しないという状況からも、従来型のばらまき対策ではだめなんだ、十六兆のお金がさらにその数倍の派生的な経済効果を生むような、そういう知恵のある政策をとっていかなければいけない、そしてまた、産業構造あるいは金融システムというものを健全化し不安解消をしなければ所得税減税をしても効果がない、こういうふうに感じるわけであります。 その意味で、今回の経済対策というものが、新エネルギーであるとかあるいはベンチャー事業であるとか、二十一世紀の日本産業経済に資するものへのり張りのある投入がなされるということをぜひ期待したいというふうに感じております。 一方、経済活性化と環境負荷の増大という二律背反の問題もあるわけでありますが、これも知恵をもって解決できないことはないというふうに私は信じております。 一つの事例として代替フロンの問題、これをきょうは取り上げてみたいと思うんです。 特定フロンが御存じのようにモントリオール議定書において禁止をされて、代替フロンが登場した。しかし、この代替フロンというのはCO2、炭酸ガスに比べまして数百倍から一万倍の温室効果を持っているという、これはオゾン層は破壊しないけれども温室効果があるという大変な問題を抱えているわけでありまして、今回の京都会議で規制されることになった。 それに対して、先日の「論壇」で通産省の化学品審議会地球温暖化防止対策部会の部会長である早川豊彦さんが、代替フロンを規制しろという意見もあるけれども、実際問題、代替フロンにかわる新物質を実用化するめどが立たないから自主規制に任せるよりほかないというような趣旨のことを書かれているんです。 では、本当に代替物質がないのかということで見てまいりますと、実はそうでもないようであります。例えば、炭化水素であるとか二酸化炭素あるいはアンモニアというような物質。さらに言えば、我が国でも福島工業とか松下冷機、これはスーパーマーケットなんかで使います冷蔵ショーケースのメーカーでありますが、こういうところが、例えば松下冷機なんかは冷媒を使わない冷蔵ケースを開発する、あるいは福島工業はアンモニアを利用した冷蔵ケースをつくるというようなこと。しかも、そういうものを開発することによって彼らのマーケットにおけるシェア拡大のチャンスにしたいというようなことを言っているわけでありまして、環境に対する問題意識というのはビジネスと相反するものではなくて、むしろ新たなビジネスチャンスにもなっていく。 そういうことから考えたときに、今、規制緩和というのが大きな世の中の流れではありますが、新たな環境に対する規制というものを逆に強化することによって新たな事業チャンスを生む、こういうメリットも出てくるのではないかというふうに考えるわけであります。 この点について通産省のお考えを例えればと思います。
○政府委員(作田頴治君) 代替フロンは、ハイドロフルオロカーボン、バーブルオロカーボン、六弗化硫黄等を申しますけれども、代替フロンはオゾン層を破壊する特定フロン、クロロフルオロカーボン等からの転換物質でございまして、一九九〇年代に入ってから実用化されたものでございます。 大変広範に使われておりまして、例えばカーエアコンの冷媒、また半導体製造のためのエッチングあるいは洗浄剤、あるいはまた変圧器、遮断器等の絶縁材等々、大変幅広く使われているものでございます。したがいまして、代替フロンの選択に際しましては、オゾン層を破壊しないということばかりでなくて、安全性とかエネルギーの効率性等幅広い観点から技術的に最も望ましいものとして判断して選択したものでございます。 先生今御指摘のように、例えばドイツ等では家庭用冷蔵庫におきまして炭化水素冷媒の使用が普及しているというような事情もございますけれども、我が国の場合、気候が高温多湿でございまして、単に冷やすばかりでなくて霜取り装置等が必要になる、こういったことがございます。さらに加えまして、今世界でもトップの省エネルギー基準等の事情があるということでは、欧米におきます脱フロンの技術をそのまま我が国に適用することが極めて困難だと、こういった事情がございます。 このように、代替フロンにつきましては、現在のところまだ代替技術のめどが立っていない段階でございますので、その使用を規制することについてはいろいろ問題があるのではないか、このように考えておるわけであります。 したがいまして、代替フロン対策につきましては、使いながら、しかしその使い方を非常に合理化する、とりわけ産業界の自主的な取り組みによりまして回収、再利用あるいはまた破壊等を推進する、こういった多面的な方策で進めてまいりたいと思っているところでございます。 他方、先生今御指摘のございましたように、代替技術の開発につきましても長期的な課題として産業界が取り組んでおりますし、また政府といたしましても代替フロンの新規代替物質の技術開発を積極的に推進してまいりたい、このように考えているところでございます。
○水野誠一君 今のお答えで大体の形はわかったわけでありますが、しかしこういった新たな規制というものも時と場合によって新たな技術開発に非常に大きな刺激を与えるという面もあるわけでありまして、まして代替フロンにかわる新たな物質開発ということにぜひ力を入れていっていただきたいというふうに考えております。 次に、環境ということで関連してお尋ねしたいんですが、平成七年の六月に閣議決定をされました「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画について」、いわゆる率先実行計画というような、国が環境保全に対するリーダーシップをとる、みずから身をもって示す、こういう閣議決定がなされたわけでありまして、ここでは平成十二年までに達成すべき数値目標を盛り込んでいるわけであります。 しかし、平成八年度の実施状況を見ると、リーダーシップをとっていかなければいけない通産省の数値というのが必ずしも芳しくない。用紙使用量というものはむしろ増大している、それから十二年に一〇%の導入を目標としております低公害車の導入はまだ一台しかない、あるいは単位当たり電気使用量も大きく目標から乖離しているということで、これはリーダーシップをとらなければいけない通産省としてはちょっと情けない結果ではないかなというふうに思うのでありますが、今後の取り組み姿勢について大臣のお考えを例えればと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) ただいま御指摘いただいたように、社会におけるすべての構成員が環境保全にかかわって行動に参加する社会を実現するという観点から、国みずからがその経済活動に際して環境保全に関する行動を率先して行っていく、そういう意味で先ほどの国における率先実行計画というものが行われることになったわけでありまして、その意義は非常に高いと思っておりまして、我々もそれに向かって取り組みをいたしてまいっております。 こういう認識に立って、平成七年六月の閣議決定に基づいて、当省としては、適正な空調温度の設定だとかあるいはエレベーターの一時停止などの省エネルギー、こういうものに努めておりますと同時に、廃棄物の大幅な減量だとか再生紙の利用だとか再生品の利用だとか低公害車の導入といった環境保全に配慮をした取り組みを行っていると報告を受けているのでありますが、今のお話のように、低公害車についてはもっと台数が多いように聞いてはおりますが、毎日毎日の業務の中で今後さらに一層職員一人一人が率先して環境保全に配慮した行動をとるようにしてまいる覚悟でございます。 あと、事務方からその数字についてちょっと御説明を申し上げたいと思います。
○政府委員(並木徹君) 今大臣から御答弁申し上げましたとおり、当省としても環境あるいは省エネルギー対策ということについて率先的に取り組もうということでさまざまな対策を進めておるところでございます。今委員が御指摘になりましたような項目、用紙類の問題でございますとか、あるいは電気の使用量、それからいわゆる低・無公害車につきましても今鋭意そういった努力をしつつあるところではございますけれども、必ずしも政府全体の位置づけの中で、高い目標に向かってという意味では数字的には問題なところもございます。そのほかを含めて鋭意努力をしておるところではございますけれども、御指摘を踏まえまして、あるいはまた今後の環境型社会への参加ということを踏まえまして、通産省としてもさらに努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○水野誠一君 とりわけハイブリッドカーのような、日本が世界に先駆けられる技術というのもあると思いますし、やはりこの手の技術というものは消費が起きて大量生産がされて初めてコストも下がっていくということからいけば、通産省あたりが率先してこういう低公害車の導入というようなことにぜひ力を入れていただきたいというふうに思います。 用紙使用量というのはなかなか減らないわけでありまして、先日もビッグバン関連法案の何と四キロという書類が恐らく皆先生方のところへも配られていると思うんですが、ああいう書類というのもなるべく減らしていく、合理化をしていくということをやはり率先してやっていただきたいというふうに思います。 次に、エネルギー問題、これは先ほど梶原委員からエネルギー政策全般についての御質問があったわけでありますが、これも私はなかなか矛盾に満ちたというか、二律背反的な問題を抱えているテーマだと思っております。 二〇〇一年までに通産省は電力コストを欧米諸国並みにするというふうに言っておられまして、一層のコストダウンのための規制緩和を推進中であります。電力の小売自由化が規制緩和推進計画に盛り込まれたことでその一定の方針は見えてまいりましたが、その一方でCO2削減を決めたCOP3に基づいた対応も迫られている。コストの安い化石燃料を使った新規参入によるコストダウンと、化石燃料によって発生する環境負荷に対する環境規制をどう両立させるかという、これは大変難しい問題があるわけであります。 また、これから立地がますます困難になると思われる原子力発電等による安全性を担保した安定供給、こういう問題をどう解決していくかという通産省としても大変頭の痛い問題ではないかと思うんでありますが、この問題について大臣の所見を一言お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 電力コストの低減、効率化という問題、これは電気事業が常に追求していかなければならない最も重要な課題であり、その方向に向かって事業者も大いに取り組みを行ってくれているというふうに考えます。したがいまして、今回の電気料金の値下げなどというものもそういうものに向かっての取り組みの一端を示してもらったものだというふうに考えます。 IPPのような、卸電力の購入というようなものもその一つの方向だろうというふうに考えますが、一方では、委員の御指摘のように電気事業は、COP3の関係から環境問題などで非常に、化石燃料をたくIPPのようなものがふえてきた場合にはこれまたジレンマに陥ることになりかねない、そういうこともございます。環境問題だとかエネルギーセキュリティーの問題など、そういうことを含めた要請にもこたえていかなければならないということで、両面をにらんだ非常に難しいところに置かれていることも確かでございます。 当省としては、これまでも原子力の立地の促進、支援というものも含めて、事業者が行う努力というものに対して政策的にも対応してきたと思っておりまして、やはりこれからの原子力発電の拡充というものについては、政府としても協力体制をしながらこれを実現できるようにしていかなければならないというふうに思っております。 同時に、電気事業への競争導入というものが環境の保全やエネルギーセキュリティーの確保という要請に反するものになってはいけないわけであります。今、電気事業審議会の中においてもいろいろと御審議をいただいて、自由化に向かってどういう対応をしていくかという際にも、今のこういう環境問題あるいは消費者を対象としてどういうぐあいに消費者利便を考えるかというような問題を含めて検討してもらっております。 IPPにしましても、ただ化石燃料を使って安い石炭で電気を起こしたものを供給すればいいというようなものではなくなってまいらないといけないと思っております。やはりこれから先の電力というものについては、こういういろんなセキュリティーからあるいは環境問題からすべてを含めてIPP問題も取り組みをしていかなければいけない。極端に言えば、水力発電などというものも電気事業者でない者がつくってそれを供給するということもできるようにしなきゃいかぬだろうというふうに思います。それは一つの例でございますけれども、それがそのまま環境保全につながらないようなことにならないように、取り組みを少し進めてまいりたいというふうに思っております。
○水野誠一君 次に、ダイオキシン関連でお尋ねをしたいと思います。 先ほど加藤修一委員が既に詳しくダイオキシン問題について触れられておりますが、実は私も昨年の五月十二日の決算委員会でこの件について質問をしております。そこでは、昨年の六月にダイオキシンの発生源調査ということで、環境問題連絡会ダイオキシン対策検討会の中間報告が出されたわけであります。 それからもう既に九カ月が経過しているわけでありますが、そのときのお答えでは、夏までに取りまとめると。これはことしの夏ではなくて去年の夏までということですが、去年の夏までに結論を取りまとめるという御答弁をいただいていたのであります。既に九カ月が経過しているんですが、最終報告はいつ出るのでありましょうか。 現在の製品製造過程における発生源実態把握状況はいかになっているのか。特に、中間報告では含まれていなかった、しかし発生源としての指摘の多い塩化ビニール製造産業についてどのような状況なのか、これらの点についてお答えをいただければと思います。
○政府委員(並木徹君) 今委員の御指摘にございましたダイオキシンの検討会につきましては、この問題の重要性にかんがみまして、通産省といたしまして専門的立場から発生源の状況について検討をいただいておるということでございます。 そういった観点から、御案内のとおり、昨年八月でございますが、関係省庁と整合性をとりながら、大気汚染防止法あるいは廃掃法等の改正を行ったわけでございますけれども、その中におきまして製鋼用の電気炉ということにつきまして、先ほどの検討会におきます検討状況を踏まえまして、大気汚染防止法のいわゆる特定施設として指定して対策を講ずるということになったわけでございます。 それで、その後のこの委員会の検討につきましては、引き続き各プロセスにおきますダイオキシンの排出状況について逐次全面的に検討を進めていこうということでございまして、目下そういった観点から引き続き作業を行っておるところでございます。 概要、以上のとおりでございます。
○水野誠一君 しかし、そこでも、私は答弁の中にあったところで非常に腑に落ちないというか納得できなかったことというのが幾つかありまして、一つは検討内容は非公開だということ、それから、その当時塩化ビニール製造産業についてはこの対象産業として入れないというようなお答えがあったわけであります。それについてはいかがなんでしょうか。その後、改善されているあるいは塩化ビニール製造業界というのが含まれてきているのでしょうか。
○政府委員(作田頴治君) 有害大気汚染物質として優先的に取り組むべき物質のうち、健康影響に関する有害性が強く、環境中に相当程度排出され、対策の緊急性の高い物質につきましては、化学品審議会におきまして自主管理計画の対象物質として選定し、対応を促進しているところでございます。ダイオキシンにつきましても、昨年この自主管理の対象物質に追加しております。 したがいまして、塩化ビニール製造工程におきますダイオキシンの排出の実態に関しましては、製造事業者によります予備的な調査を行っておりますが、これによりますと、大気汚染防止法におきます既設廃棄物焼却炉に係る最も厳しい指定物質抑制基準の基準値以下になっているというふうに聞いております。 いずれにしましても、通産省といたしましても引き続きダイオキシンの排出実態の把握に努め、適切に対応してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○水野誠一君 ダイオキシン問題というのは、先ほど加藤先生からの御指摘もあったように、非常に我々の日常生活に大きな危機感をもたらすものでありますし、通産省が積極的に調査をされていくあるいはこういう審議会を行っていく検討内容というものが逐一公開されていく、あるいはわかりやすく説明されていくということ、これは私は非常に重要だと思っています。 この問題は掘り下げればまだまだあるんですが、ともかく時間の関係もございますので、また次の機会に譲らせていただきたいと思っております。 次に、先日、三月三十一日、USTRが発表いたしました外国貿易障壁報告についてお尋ねをしたいと思います。 この報告というのは、我が国の規制緩和についての取り組みに非常に多くの批判をしているわけであります。そしてまた、公正取引委員会のトップ人事の問題にまで踏み込んでいるところもあるわけであります。 それに対して通産省がコメントを発表されている。非常に誤解もあるんではないか、あるいは事実誤認もあるのではないかというようなことでコメントを発表されているということは存じておるわけでありますが、今後この問題についてはどう対応されるおつもりなのか、具体的にどういう行動を今お考えになっているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(堀内光雄君) 適当な回答者が事務方におらないようでございますから、私から申し上げます。 今回の報告といいますか発表というものは、相当誤解があると今先生に御指摘いただきましたが、私ども、今回の総務庁の三月に出しました行動計画に基づいたものというふうに考えますと、相当我々としては進んだ取り組みが出てきているものというふうに判断いたしているのでありますが、その表現の方法その他で先方のバシェフスキーさんの方で受け取りますと、まだこんなことかというような面があるのではないかというふうに思っております。 実際問題としては、今回の総務庁の発表したものにつきまして申し上げると、期限なども相当切っておりますし、少なくとも従来の日本政府の対応から見ますと、積極的な取り組みが表現に出てきているというふうに私の方は思っております。 個々にどれがどうかということが全然出ておりませんものですから、我々としてもこれをもっと確かめなきゃならないというふうに思っておりますが、基本的には誤解に基づくものが多いのではないかというふうに考えております。
○水野誠一君 やはり私も内容的には幾つか問題があるというふうに思いますので、そういった日本の考え方、立場というのをそれなりの方法とそれなりのタイミングできちんと表明されるということ、あるいは向こうどの話し合いをされるということをぜひお願いしたいと思います。 ほかにも幾つかベンチャー育成等々についてお尋ねしたいと思っておりましたが、時間になりましたので、また次回に譲らせていただきたいと思います。 終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 以上をもちまして、平成十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会