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142回国会参議院1998/05/12

外交・防衛委員会 第14号

発言数
101
登壇者
15
会派数
4
開催日
1998/05/12

会議録

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。  車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定の締結について承認を求めるの件、千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。おはようございます。  きょうの三法案、大変興味深い法案でございますけれども、その審議に先立ちまして、昨夜以来マスコミで大きく取り上げられておりますインドが地下核実験を行ったこのニュースにつきまして、外務省の現在また今後の御対応についてお伺いさせていただきたいと思います。  まさにCTBTによって核の拡散をとめようという世界的な動きのある中で、インドがこのようなことを行ったということを外務省はどのように受けとめていらっしゃるか、まず外務大臣にお伺いいたします。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 昨日、インドが地下核実験を行った旨の発表がございました。今、広中委員御指摘のように、世界的な核実験禁止の大きな流れに完全に逆行するまことに極めて遺憾なことでございまして、政府といたしましては、今回の核実験に対してその遺憾の意を強く申し述べるとともに、早急に核開発を停止することを強く求め、あわせて地域の関係国に対する自制を求める官房長官のコメントを発出いたしました。  なお、ただいま九時半からインドのシン大使を招致いたしまして、私から同様の趣旨を強く申し入れいたしました。あわせて、我が国としてもこうしたインド政府の核実験に対する対応につきましては、過ぐる三月三十一日に橋本内閣総理大臣からバジパイ首相に対しまして、そうした動きに対して強く自制を求めておったにもかかわりませずこうした処置をされたということに対して、強く抗議の意を示しておるわけでございます。  ただいま私からも、我が国としては経済協力等におきましても何らかの措置をとることを検討せざるを得ない、これは核の被害を受けた我が国として国民の強い意思でもあろうかと考えまして、この趣旨を大使を通じてインド政府に強く要請することを今申し述べて、ここに参った次第でございます。  なお、インドの首相からは、その場所におきまして、インド政府としての考え方につきまして、我が国政府に対してその趣旨を申し述べられた手紙を総理大臣あてに持参をいたしましたので、それはお受け取りいたしておきました。  以上です。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 インド政府を代表するインド大使にお会いになったわけでございますけれども、その大使のお言葉というのは、弁明というんでしょうか御説明はどういうものであったのでしょうか、今度の核実験に対して。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) インド政府としては、一九七四年から核実験を中止してこられたのを再開といいますか行ったということの背景としては、周辺を取り巻く地域に対しての自国の安全保障の立場からそうしたことを実施せざるを得なかったという趣旨の御説明はございました。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 ただいま外務大臣は、経済協力の停止を含めて検討するというような御趣旨のことをおっしゃいましたけれども、これはインド大使におっしゃったわけでございますね。  そして、日本の制裁措置そのものは、国連がこれからどういう動きになるかわかりませんけれども、他国と協調してなされるのか、それとも単独でも経済協力の一時凍結みたいな形をとられるのでしょうか、お伺いいたします。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 我が国としてとるべき対応については、対抗手段を講ぜざるを得ないということをまず申し上げました。その中で、我が国としては長きにわたってインドとの間は極めて友好的な関係にあるということを申し述べ、これを継続するためにも、やはり今回の核実験に対する我が国民の強い怒りといいますか、そうしたものをどのような形であらわしていくかということになりますれば、我が国としてはインドとの間におきまして経済協力をかなりいたしてきた関係もありまして、経済協力等においていかなる対抗措置が講ぜられるかということの具体的なことは実はきょうの段階では、きのうのきょうでございますので申し上げませんでしたが、何らかの措置という中ではそうしたことも考えられるのではないかということでございます。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 インドという国は、日本にとっては話題になることが比較的少ない国ではなかろうかと思います。しかし、南アジアそしてアジア全体におきましてインドの占める潜在的な力というんでしょうか、人口の点におきましてもまた将来の発展の可能性につきましても強力な国であろうと思います。そして、そのすぐ隣には中国というもう自他ともに許す大国があるわけでございまして、アジアが核開発あるいは核競争の舞台になってはいけませんので、それだけはぜひ阻止したいということで、日本のリーダーシップというのは非常に大切だろうと思います。外務大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。  今起こったばかりで、今後の対応についてはお述べになりにくい部分があるかと思いますけれども、ぜひ断固たる御処置を、そしてこれから先の御対応についてリーダーシップを発揮していただきたいとお願いする次第でございます。もし御所見がありましたら、よろしくお願いいたします。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) この地域のそれぞれの関係する諸国、すべて我が国にとりましてよき関係を保持しているわけでございます。  先ほど、隣国に対しての脅威というようなことを、北隣国、西隣国というようなことを言っておられましたが、恐らく西というのはパキスタンを指しておるんだろうと思いますが、先般パキスタンのアユブ・カーン外相も参られました。その折、私も会談をいたしまして、対インドとの関係におきましてぜひ平和的に両国の関係をより一層進展していただきたい旨申し上げると同時に、軍事的な措置におけるお互いの脅威を取り除く努力をしてほしい旨申し上げておったところでございます。  この地域につきましては、過去いろいろな紛争も起こってきたことにかんがみまして、我が国として今度の核実験を行ったインド政府に対して強く自制を求めるとともに、そうした周辺の諸国に対しましても、これをもってまた一層この地域の軍事的緊張が高まることのないように、なすべき手段は我が国として全力を挙げて努力をしてまいりたい、このように考えております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 それでは法案の方に移らせていただきます。  まず、車両等の型式認定相互承認協定、これは略称でございますけれども、それについてお伺いいたします。  経済がグローバル化し、例えば自動車といった商品が広く世界で国境を越えてつくられ売られている時代におきまして、この型式認定相互承認制度というのは実にすばらしいし当然されるべきであったわけでございますけれども、どうして今まで我が国はこれにもっと早く加入していなかったのかお伺いいたします。ヨーロッパの国々ではこの制度に入っていると伺っておりますが。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) お答え申し上げます。  協定はもう既に一九五八年、国連の欧州委員会で作成されたものでございまして、我が国を含めて作業に入っておったわけでございます。その後、日欧間の自動車部品等の貿易が拡大する中で関税が著しく引き下がってきて、近年、こういった形での基準の国際調和、相互承認が貿易の促進について大いに役立ってくるということが注目されてきましたので、御指摘のとおりの状況がだんだん現出しましたので、期待にこたえるということで今回御承認をいただくことをお願いすることになった次第でございます。要するに、経済の実態の方が新たな要求をもたらしたということだと思います。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 それにもかかわらず、まだ五品目だけということでございますけれども、今後これは拡大していくのでございましょうか。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) お答え申し上げます。  しかりでございます。協定上、規則の追加的な適用はいつでも行えるということになっておりまして、我が国がこの協定を締結した後には、我が国の基準とこの協定のもとでの規則に定める基準とを調和させる作業を進めながら、あるいは国内の実施体制を勘案しつつ新たに段階的にふやしていくということでございます。  今、協定のもとでは百四規則がございます。今回、確かに御指摘のとおり五つだけ入るわけでございますけれども、今申し上げたとおり、順次国内の情勢等を勘案しながらふやしていく方向で考えたいと思っております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 この協定にはアメリカが入っていないわけでございますけれども、ニュースによりますと、アメリカの自動車会社が欧州の自動車会社と合併するといったようなまさにグローバルな動きがありますが、米国が協定に加入する可能性というのはいかがでしょうか。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) このような自動車の車両あるいは部品の基準・認証の問題につきまして、大ざっぱに申して二つのアプローチがございます。  欧州及び庁本は型式認定制度というのをとっております。他方、アメリカの方は自己認定制度というのをとっております。アメリカはちょっと日本、欧州と異なったそういった制度を採用しておりますので、今お諮りしていますこの協定に入りましても、アメリカ側の製造者は自国で型式認定を得るということが行われておりませんので、メリットが特に今の段階ではございません。したがって、アメリカは当面この協定に加入するとは考えられておりません。  他方、アメリカはアメリカとして、日米欧で共通した基準ができることについては大変意義があると考えておりまして、この協定の作業そのものには当初から参画しております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 というと、その中でアメリカが再びと言っていいんでしょうか、アメリカのリーダーシップの中で世界共通の認定制度というと、今EUの中で使われている、そしてまた我が国が今回入ろうとしている認定制度とは全く別のものを考えているということなんでしょうか。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) 別のものと申しますか、型式認定の場合には当局が、製造者がつくったものが一定の基準に合致するかどうかまず認定して、その型式が認定された場合には、あとは個々の製造品についてはやらなくていいと。アメリカの場合には当局が事前に認定するということをしなくて、製造者がみずかもの一定の基準に従ってみずからが認定する。問題が起こった場合にはいろいろ処置がとられるけれども、事前に当局が認定することは行わないということであります。  ただ、基準そのものについては、今おっしゃるとおりできるだけ世界的に共通なものが望ましいということで、ここで行われていますような、つまりヨーロッパの方で行われておりますような作業にも初めから参画しているということでございます。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 今後、私はこういうグローバルな協定の中にどんどん日本が入っていくべきだと思っておりますし、それからまた、そういうグローバルスタンダードづくりに向けてリーダーシップを発揮してほしいというふうに一市民として、日本人として心から望んでおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、一九九一年植物新品種保護条約についてお伺いいたします。  この条約によりますと、育成者権は品種の発見を含むというふうに定義されておりますけれども、条約に加盟していない途上国の原住民の権利というのはどういうふうな形で保護されるかお伺いいたします。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) この条約の趣旨をちょっと御説明させていただきたいと思いますけれども、新たな品種をつくったりあるいは一般に知られていない植物を栽培可能な品種として完成することを促すということであると思います。したがいまして、加盟されていない国の例えば原住民の方の権利というのは、これによって直ちに侵害されるということはないのだと思います。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 この協定に入っているのはもうほとんど先進国でございますね。この法案を最初に御説明いただきましたときにすぐに頭にきましたのは、この前の一九九二年のリオ・サミット、地球環境会議において生物の多様性に関する条約が締結されたことを思い出したわけでございます。  それで、それを取り寄せまして前文を見てみたわけでございますけれども、前文の半ばにこういうことが書いてあります。「伝統的な生活様式を有する多くの原住民の社会及び地域社会が生物資源に緊密にかつ伝統的に依存していること並びに生物の多様性の保全及びその構成要素の持続可能な利用に関して伝統的な知識、工夫及び慣行の利用がもたらす利益を衡平に配分することが望ましいことを認識し、」というふうに書いてございます。  それから今度は条文の中に、これは第十五条七項ですが、「締約国は、遺伝資源の研究及び開発の成果並びに商業的利用その他の利用から生ずる利益を当該遺伝資源の提供国である締約国と公正かつ衡平に配分するため、」云々と書いてあるわけでございます。  私、途上国の人間ではございませんけれども、よく言われていることは、例えば森林の中に住んでいる原住民の人たち、あるいは例えば漢方ですと、中国などで長い年月をかけて住民の共有の知識として、共有しているところのさまざまな遺伝子に関するそうした情報でございますけれども、そういうものをどういうふうに先進国が開発の中で守られるかということが今問われているというふうに理解しているわけですが、この関係について外務省の御見解をお伺いしたいと思います。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) この条約上、新しい品種を開発する、あるいは発見しそれをさらに完成させるという者に育成者権が与えられるわけでございますけれども、その要件の一つとして、権利を出願する時点でその品種の存在が一般に知られている他の品種と明確に区別されているという要件がございます。  したがいまして、今、先生が御指摘のような状況で、原住民の方がずっと伝統的に使われている品種を新たにどこかほかの国の人が見つけたという場合であっても、途上国で見つけられた品種といってもその存在が一般に知られているものであれば、その育成者権というものが新たに付与されることはないということでございます。  他方、その存在が一般に知られているとは認められないものを発見した場合であっても、さらにどこか奥地で発見しても、実際発見した人がほかのところでちゃんと品種としてできるように完成するという作業が必要なのでございます。したがって、そういう場合に知的創造行為というのが加えられていることがさらに一つの要件になっております。  したがって、また別の角度から、権利の保護は育成者権を付与した国においてのみ認められるということでございますので、途上国で原住民の方がその品種を従来どおり使用し続けるということは妨げられないのでございます。  今、先生御指摘の、生物の多様性の保全や利益の公正かつ衡平な配分ということを目的とした生物多様性条約との関係についてでございますけれども、この生物多様性条約では、遺伝資源を他国から取得する場合には提供する国の国内法令等に従って行うこととなっております。したがって、他国から植物品種を持ち帰る場合にも、その国の法令に従って行う必要があるということでございます。  したがって、生物多様性条約の精神と今回お諮りしております協定との間で、条約の方の精神が損なわれるというようなことはないというふうに考えております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 途上国においてはそうした法的な整備がされていないということが一点ございます。  それから、科学者のそれまでの知識の集積とか研究のインフラ、そういったものを評価することは十分大切だろうと思いますけれども、ヒントになるものというのは意外とそうした原住民の方々が伝統的に利用しているものであることがあるわけでございます。そうしたヒントのもとに新たな科学的な研究が続けられるというようなことで、非常にそこのところではボーダーラインを引きにくい。  ところが、この条約に関しましては、まさに今まで先進国の中での、言ってみれば権利の仕分けみたいなところがあるわけでございまして、そういう意味では途上国への十分な配慮がされていないんじゃないかなという印象を強く持っておりますので、今後御検討いただければと思う次第でございます。  では、次のテーマでございますけれども、ドイツとの社会保障協定についてです。新聞の切り抜きがここにあるわけですけれども、「協定ないから「二重払い」 海外に消える巨額保険料」ということでございます。「日本の海外駐在員が現地と国内で公的年金の保険料を二重払いしている問題に、海外進出企業の不満が高まっている。先進国で日本だけが二重払いを回避する二国間協定を結んでいないためだ。」という書き出しで読売新聞が書いております。  こういった問題に対して、問題意識は当然前からお持ちだったと思うんですが、ちょっといきさつについて御説明いただけますでしょうか。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 私どもは、まさしく先生の御指摘のような問題意識を持って日独の間で昭和四十年代から意見交換を始めております。しかし、その間日独双方において高齢化の進展等に対応した年金制度の大幅な改革が累次にわたり行われまして、この年金の期間通算に伴う両国制度の給付をどのように取り扱うか、個々の国民の権利義務にかかわる事項を専門的、技術的な見地から細部にわたって両国間で調整を行う必要がございました。そういうことで、結局、最終的な協定締結交渉は平成七年九月以降日独の政府間で始まりまして、今般政府間で最終的な合意に達したところでございます。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 ドイツだけではなくて、例えばアメリカなどとも交渉を始めていたわけですね、その点に関してはどうでしょうか。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) アメリカとの間では、昭和五十四年から当局間の協議を中心として年金通算に関すお協議を実施してまいりました。しかし、その後双方の立場の違いにより協議は事実上中断しております。  しかし、平成七年六月にアメリカ側より協議再開につき打診越しましたのを受けまして、平成八年五月、ボルティモアにおいて関係当局間の予備的協議を行いました。さらに近々政府間の協議を開催する方向で、現在日程につき両国政府間で調整中でございます。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 新聞によりますと、「米国在留の邦人は二十五万二千人もいる。」、その人たちが二重払いをしているわけでございますが、この「米国在留邦人のうち約十万人の保険料が掛け捨てられていると想定すると、総額は一千億円前後に」なるということでございます。  今まで外務委員会などで租税協定というのがたびたび審議されてきたわけですけれども、なぜ租税条約と同じような重みを持ってこの社会保障協定が結ばれてこなかったのか、あるいはそれについての努力がなされなかったのか、お伺いいたします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) この社会保障協定は、公的年金保険制度への二重加入等の問題の解決を図るという目的を持っております。その意味においては、二つの国の制度の二重適用回避という点では、先生御指摘のような租税条約とある意味では類似の性格を持っているところはございます。しかし、年金の方は保険料負担の側面、いわゆる税金のように個人個人が払うという側面だけではございませんで、今度は支払われた保険料に基づいて個人個人に年金給付を行うという側面がございまして、この点で税制とは大きく違ってくるわけでございます。  そこで、年金制度については、既存の租税条約と同一の枠組みで取り扱うことは困難と考えております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 一緒でなくてもよろしいのでございますけれども、欧州の各国は租税条約と同時にこの社会保障協定をもうほとんど同時に結んでいるというようなことを伺っているわけでございます。日本の場合も、大企業に勤め、派遣されている在外邦人だけではなくて、実際に現地の会社で働いている方なんかもいるわけでございますから、その人たちの権利というんでしょうか、日本に戻ってきたときの保険に対する権利を保障するためにも、これからこうした協定を世界各国と結んでいただきたいと思うわけでございますが、今後どういう国と社会保障協定を結んでいくおつもりなのかお伺いいたします。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) まず租税協定との関係でございますが、欧州を含めた先進国も実は租税協定とは別扱いでやっております。といいますのは、租税条約についてはOECDモデル条約というのがございまして、それに従って各国が租税協定を二国間で結んでおります。そういうことで、この年金制度については租税条約とは別の法的枠組みを設定して調整を行うのが一般的でございます。  さらに、今後我が国が協定を締結する方針についてでございますが、やはり我が国にとって優先度の高い国から順次対応していくという基本的な考えに立ちまして、当面、先生御指摘のように在留邦人が多く、かねてよりこの問題について意見交換を行ってきた経緯のあるアメリカ及びイギリスについて協定締結に向けた協議を鋭意進めていくことにしております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 いや、私も租税条約と同様に大切だという意味で御関心を持っていただきたいということを申し上げたわけでございます。  私も海外に住んだ体験がございますけれども、アメリカに住んでおりますときには日本の保険には当然入っていなかったわけで、帰ってきたらば、もう日本は二十五年たたないと受給資格がないというようなことで、ある戸惑いというんでしょうかを覚えたことを思い出しました。私のことはよろしゅうございますけれども、ほかの日本人でもそのような体験の方がいっぱいいらっしゃるんじゃないか。そういう視点で関心を持って御質問させていただいたわけでございます。続いて、時間が少しございますので、この前予算委員会で御質問したいと思いながら時間切れでできなかったODAの問題について御質問させていただきます。  質問のテーマというのは、社会開発分野への費目を設けてODA予算の二〇%を割り当てる予算編成をしていただきたいということでございます。  一九九五年、コペンハーゲンの社会開発サミットにおきまして人間開発問題に対する認識が深まったことは、外務省の皆様方十分御認識だろうと思います。以降、日本の政府開発援助も人間中心の開発の必要性に重点を当てているというふうに私は承知しているわけでございます。社会開発サミットで政府開発援助の平均二〇%と、それから国家予算の二〇%を基本的な人間の重要課題に対して配分するという二〇・二〇の協定が提案されておりますね。  我が国は途上国じゃないから、後の二〇%、つまり国内における社会保障の二〇%はさておくといたしましても、ODAの二〇%が果たして社会開発援助の方に向いているのかどうか、予算編成のときにそれが非常にわかりにくいような状況にあるんではないかと思いますが、御説明をいただければと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 社会開発分野に向けられます予算の配分あるいは実績についての御質問でございますけれども、近年、人間中心の開発という考え方が国際的な流れということでだんだん定着しつつあると思います。我が国の援助実績におきましては、九三年ころから二国間援助実績の二〇%以上がこの社会開発の分野に向けられております。数字で申し上げますと、例えば九三年には二二%程度でございました。九四年には二三%、九五年には二六%強、それから九六年二〇%強という実績でございますけれども、大体こういうことで二〇%以上がこの分野に占められておるわけでございます。  十年度の予算におきましても、昨年十二月の段階で総理大臣の御指示がございまして、予算の作成に当たって、環境問題への対応等とあわせまして社会開発の促進等の重要性に配慮したODA予算ということで、総合的な調整を行うということになったわけでございます。  今後とも経済開発全体を通じまして、バランスというものはあるかと思いますけれども、そういう中で社会開発の分野に対する援助については力を入れてまいりたいと思っております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 社会開発の支援といいますと、どちらかというと小規模なものが多いんではないかなと思いますが、その援助の仕組みについてどういうルートを通じて支援をしていらっしゃるか、お伺いいたします。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 社会開発分野と呼んでおりますのは、典型的には、例えば健康・保健分野、医療分野、それから水資源開発といったようなことで、どちらかといいますと今御指摘ありましたような小規模のもの、よりグラスルーツに近いものというものが多いかと思います。  具体的には無償資金協力というものが中心になりますが、円借款におきましてもできるだけ末端にその支援の手が届くようなやり方で一部実行いたしております。例えばツーステップローンというようなものもございますけれども、これなんかもまさに末端にその支援が届くということを主眼に置いたものでございます。それから、NGOを通じます支援はまさにこういう目的に多く当てはまるわけでございますので、こういうやり方もやっております。技術協力も当然そうでございます。  なお、社会開発に目を向けるという意味で、例えば現在アジアの経済危機、金融危機の問題があるわけでございますけれども、こういった危機の中でもやはりその影響が貧困者あるいは社会的弱者に重くインパクトがのしかかってくるというようなことがございます。  これは大臣の御指導を得まして、先月四月二十七日でございますけれども、国連大学の場におきましてアジアの危機が人間の健康の問題にどういうふうな影響を及ぼすかということで、人間中心の対応ということをテーマにしまして国際シンポジウムを開いて、例えば今のアジア危機の関連でこういった社会分野への影響の問題を過去の経験に学びながら、これからどうしたらいいかということについても議論を行ったわけでございますが、こういった意識の先取りも含めまして対応をやっております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 社会開発支援は二〇%を十分クリアしていらっしゃるというふうに伺ったわけですけれども、その社会開発関連の中で小規模無償支援は何%に当たりますか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 社会開発の中でいわゆる小規模と申しますのは、我々が有しているいろいろな方式の中では草の根無償というものが一番それに当たるんだろうと思いますが、これにつきましては平成九年度、五十億円がこれに向けられておりましたけれども、平成十年度におきましては五十七億円にふやしたところでございます。  こういった草の根無償を含みますいわゆるNGOに対します支援につきましては、これは国際比較で見るのがよろしいかと思います。国際比較上入手できます一番新しい数字が九五年の数字でございますけれども、日本におきましてはODA全体に占めるNGOに対します補助金、これが一・八%ということになっております。  それから、NGOが援助実績に占めております実額、これはNGOの自己資金と政府の補助金が分母になるわけでございますが、それを分母にいたしまして政府の補助金が何%ぐらいの割合を占めているかということで、政府補助金のシェアについて見た数字では、日本の場合には五五%程度ということになっております。これは、一部の国はNGOの事業は一〇〇%政府の補助金という国もごくわずかありますけれども、五五%というのは国際的な横並びで見ますとそう低い数字ではない、こういうふうに承知いたしております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 外務省がなさっているODA、総額が五千五百六十八億円でございます。そのうちの小規模無償援助、草の根が今お話ですと五十七億円でございますね。これは一%ぐらいじゃないんですか。それから、NGOを通じての援助も一・八%。そしてNGOを通じてのシェアが五五%ということは、いかに日本のNGOがそもそも資金規模においても大変小さいかということを示しているんじゃないかと思いますが、ともかく全体のODA予算に比べまして、この部分が非常に弱いんではないか。  まだこれから大きくなっていくことを期待するわけでございますが、海外におきましては、例えばアメリカの場合は、小規模でNGOと一緒にやろうというふうに、今三〇%から四〇%になろうとしています。カナダの場合は五〇%以上が小規模でNGOの人たちと一緒にやっていこうという新たな時代に入っている中で、日本の支援、小規模、そしてNGOと協力しながらという部分が非常に弱いような気がするのでございますが、大臣、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今アメリカ、カナダの例をお引きになられて、その数字をお聞きいたしましたが、比較すれば御指摘のように非常に少額なものだと思います。しかし、NGOに対する世の中の考え方も大いに変化しつつあるわけだろうと思います。先般のCOP3あるいはまた対人地雷、こういうところに対してのNGOの我が国における働きも極めて大きくなってきております。  そういった観点で考えますと、こうしたものに対する予算的な措置もできる限り増加させることによりまして、ともどもにこうした社会開発についての成果を上げるように努力をしていかなきゃならぬ、そういう御指摘はもっともだと考え、努力したいと思っております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 最後に大臣にお伺いいたしますけれども、マイクロクレジットという言葉をまず御存じかどうかということ。  マイクロクレジット・サミットというのが一九九七年二月にアメリカのワシントンで開催され、約二千五百人、プレスを含めますと三千人の大勢の人が集まって、その中にはフジモリ大統領もいらしたし、ミセスクリントンも参加なさった、我が国からは羽田元総理も参加する、そしてルービン財務長官も参加する。  そういうことなんですが、このマイクロクレジット・サミットというのは世界の一億人の家庭にマイクロクレジット、つまり小規模支援をしよう、これは百ドルから百五十ドル規模なんですけれども、ともかくお金を上げるんではなくて貸しましょうと。こういう貧しい人たちは、どちらかというと銀行の融資の対象にならなかった人たちでございますけれども、現実に百ドル、二百ドルといった小規模の支援を与え、彼らにビジネスのチャンスを与えますと、それによって自立する。そしてまたそれが与えられたお金ではなくて返済しなくちゃならないんですが、返済率も非常に高い。  その例としてバングラデシュのグラミンバンクがそれを証明しているわけでございますけれども、九八%の返済率。今の日本の不良債権を抱えている銀行よりもよっぽどいい返済率なわけでございます。  日本はこのマイクロクレジットに対してOECFを通して三十億円の、今経済協力局長がおっしゃいましたけれども、ツーステップローンをしているわけでございます。このマイクロクレジットに対して日本はもっと積極的な支援をするべきではないかと思うわけでございますが、外務大臣の御所見をお伺いさせていただいて私の質問を終わります。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) マイクロクレジットにつきましては、たしか広中委員の御主張をどこかで私拝聴したような気がいたしておりますが、ただいまも御説明ございましたように、極めて意義のあることで、途上国の貧困削減のための有効な一手段と認識をいたしております。  今、お話にありましたように、バングラデシュのグラミン銀行に対する資金供与につきましても、返済率も非常に高いというようなことでございます。ぜひこれはアフリカも含めた広域な地域に対するマイクロクレジット支援の可能性について、これから大いに検討いたしてまいりたいと思います。その精神としては、単に資金の供与というか援助することでなくて、みずからそうした資金を活用しながらみずからの努力でその返済をしていこうという、そうした姿勢を強化することは大変意義のあることだと思いますので、この制度を大いに活用できるように努力していきたいと思っております。

広中和歌子民主党・新緑風会

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。

高野博師公明

○高野博師君 三つの協定については問題ないと思います。  それでは、先ほど御質問がありましたインドの核実験について一つお伺いいたします。  インドが今回の地下核実験をやったということは、世界の平和あるいは核廃絶に向けた各国の努力、CTBT、これに対する挑戦ではないかと私はそう思います。これに対して日本側の対抗手段として経協の凍結等を考えておられるということでありますが、これによってインド、パキスタンの関係が緊張化することは恐らく間違いないだろう、そう思います。  そこで、インドに対する厳しい毅然とした態度を貫いていただきたいということと、パキスタンの大量破壊兵器の動向、これについても十分注視していただきたい、そう思います。  このCTBTについては、インド、パキスタン、両方とも加盟していないという事実もありますし、非常にこれは今後の世界の平和、国際の平和、安全にとって驚異にならないかという懸念を持っております。  そこで、もう一つパキスタンに対する日本側の動きというか見方と、臨界前核実験、これはロシアもアメリカも何度もやっているわけでありまして、コンピューターシミュレーションも含めて本質は余り変わりないと私は思います。そういう意味では、大国に対しては何も言わないということであってはならないと思います。  いずれにしても、日本は核の問題に対してきちんとした明確な立場を示していただきたい、そう思いますが、大臣の所見を伺います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) しばしば申し上げておりますように、我が国は核の被爆国として大変な被害を受けておるわけでございますので、そういった観点に立ちまして恒久的な核廃絶を目指して努力いたしていくことは当然のことであり、あらゆる機会にその主張は続けてまいりたいというふうに思っております。

高野博師公明

○高野博師君 それではもう一つ、最近の報道によりますと、エリツィン大統領が日本に来られたときの橋本総理の領土問題に関する新提案でございますが、これは各紙に出ておりますように、国境は国後・ウルップ間に引くと。それで、四島一括返還には固執しないということでロシア側から何らかの譲歩を引き出そうという日本側の配慮というか考えがある、そういう報道がされておりますが、これは事実でしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 現在行われております交渉の内容につきましては、ロシア側との申し合わせもあり、明らかにできないことは御理解を願いたいと思います。いずれにいたしましても、報道は憶測の記事であります。  ただ、我が国としては、川奈におきまして橋本総理から新しい提案をなされたことは、それを受けとめたエリツィン大統領みずからが記者会見でそのことを申し述べていることからもその事実はございます。これに対して、その内容とするところは、そういう表現がよろしいかどうかわかりませんが、ボールはまさにロシア側に投げかけておりますので、我が方の提案をしっかり受けとめていただきたいと思います。記者会見では極めて楽観的に受けとめておるという趣旨のエリツィン大統領みずからの御発言もございますので、我々としては、ぜひロシア側が真摯にこれを受けとめ、よき回答をいただきたい、こう願っておるところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 それからもう一つ、先般外務大臣が出席された先進国外相・蔵相会議の中で、対人地雷について日本側が前向きの提案をされたという報道がありますが、日本側がこういう点でイニシアチブをとるのは大変結構だと思うんです。しかし一方で、国内では指向性散弾地雷の開発をやっているということでありますので、これは国際的に主張していることと国内でやっていることの間に矛盾があるのではないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(阿部信泰君) 地雷禁止条約の主たる趣旨は、地雷というものが人の存在、接近または接触によって民間人も無差別に被害を受けるというところにあるわけでございまして、この条約の定義でもそういうものは禁止するということになっております。しかし、日本としましても我が国の防衛というものは必要でございますので、そのためにどのような代替措置が必要かということを防衛庁で検討しております。  検討の詳細はこちらでは今申し上げる段階にございませんけれども、このような条約の定義に反しないものについてこれを行うということは、条約の趣旨には反しないものと考えております。

高野博師公明

○高野博師君 条約の趣旨に反しないということだけではなくて、代替兵器を開発するということに問題があると私は言っているのであります。この問題は後で取り上げたいと思います。  それでは、きょうは文部省と厚生省と法務省に来ていただいておりますので、引き続き子供の人権条約に関してお伺いいたします。  先日の朝日新聞の報道によりますと、教育課程審議会の分科会が答申案の中で、日の丸・君が代の指導強化、徹底を図る、こういう答申案をまとめたということであります。その中で、国際社会の中で主体的に生きていく上で必要な日本人としての自覚とかあるいは国際協調の精神を培う、そのために国歌、国旗の指導の徹底を図る、こういうことになっておりますが、一体どうしてこういう答申案が出てくるのか、私にとっては本当に不思議でなりません。私は、日の丸・君が代に反対と言っているのではありませんが、なぜこういう国際性を身につけることと国歌、国旗が何の関係があるのかという疑問を持っております。  そこで、この答申案を出した教育課程審議会のメンバー構成はどうなっているんでしょうか。だれがどういう基準で選んでいるのか、メンバーになる資格は何なのか、お伺いいたします。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 教育課程審議会の委員の構成でございますけれども、現在六十八名の審議会委員をお願いしてございます。これは教育課程の審議に加わるということで、さまざまな分野の方に文部大臣がお願いをしている方でございます。  内訳を若干紹介いたしますと、学識経験者八名、PTA関係者、保護者も含めますが三名、それから文化・スポーツ関係者三名、経済界等四名、大学教授等二十三名、研究所等関係者五名、教育学者二名、学校関係者十六名、教育行政関係者四名、この六十八名でございます。

高野博師公明

○高野博師君 実は、私はこのリストを見まして唖然としたのでありますが、この中に学校長というのが圧倒的に多い、学校の先生、教授も圧倒的に多い。やっぱり選び方に一つの偏向があるのではないか。財界云々と言いますが、これは若干名にすぎない。ほとんどが教育関係者。そして、学校長が多いということは、校長の立場で物を考える。校長というのは教育者というよりもむしろ行政官、管理官でありますから、そういう立場で物を考えていくということに私は大きな問題があるのではないかと思うのであります。今いろいろな分野と言っておりますが、必ずしもいろいろな分野ではない、若干名は入っているけれども。  そこで、国家百年の大計である教育問題についてもっと客観的に意見を述べられる幅広い人材を選ぶということが重要ではないかと思いますが、その点についてもう一度簡単にお伺いいたします。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) まず、第一点でございますが、校長が多いという御指摘でございますけれども、校長はやはり教育のそれぞれの分野での経験者でございます。今、行政官という御指摘もございましたけれども、やはり教師であるわけでございます。  なぜ教師が多いかということでございますけれども、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の各教科、国語、社会、算数、理科それぞれございますけれども、今の学習指導要領のどこをどう改めるかということでございますので、やはりそういった面についての経験等がないという方につきましては、この御審議におきましてなかなか的確な御意見をいただけないという面もございます。ただ、そういう方だけではいけませんので、先ほど申し上げましたような各界の方をお願いしているということでございます。

高野博師公明

○高野博師君 初等教育では校長、学園長、これが八人、中等では六人、高等では五人、こういう数字が出ておりますが、やはり私は一つの偏向があるという見方をしております。これはぜひもう一度見直していただきたい。弁護士もいるし、民間のいろいろな分野で教育問題について携わってきた方もいらっしゃる、NGOの方もいる、いろいろな分野の人をぜひ選んでいただきたい。  そこで、学習指導要領の中身についてはこの審議会が検討するんでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) この教育課程審議会の答申を待ちまして学習指導要領は文部省が作成するというものでございます。

高野博師公明

○高野博師君 前回の委員会で、学習指導要領にいろいろ問題があるのではないか、学習指導要領が毎回だんだんレベルがアップしているという問題があって子供が相当苦しんでいるということを私は指摘したんです。まさにこの審議会がきちんとこの問題をいろいろな角度から検討できるような、そういう人選をぜひしていただきたいということで、このメンバーの見直しをぜひとも求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 教育課程審議会は一昨年の九月から審議を開始いたしておりまして、ただいま御紹介いたしました委員は、中間まとめ提出後の昨年の十一月に新規に発令された方々を加えて構成してございます。今、教育課程審議会の審議は大詰めを迎えておるところでございまして、この審議会の委員を今この時点で見直し、かえるということはできないと思います。  ただ、一言補足させていただきますと、この審議会委員とともに、小中高、幼稚園、それぞれの学校段階、そして国、社、数、理、音、美というようにそれぞれ教科ごとに協力者会議というのを設けておりまして、さらにはさまざまな分野から加わっていただいております。校長でない一般の教員も大勢加わっておりまして、そういう方々の意見も入れながら、今、審議を行っているということを申し添えさせていただきます。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、ぜひこの教育課程審議会のメンバーに子供の権利条約についてどのぐらい知っているのか、アンケート調査をやっていただきたい。ぜひこれはお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 委員の方々にそうしたいわばテストをするようなことというのはいかがかと思いますけれども、児童の権利条約につきましては、それぞれのお立場でそれぞれ御造詣のある方々でございますので、その趣旨等につきましては十分に御理解賜っておるものと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 ですから、私が言いたいのは、教育課程審議会で出てくる答申等について、子供の権利、この精神を理解していないんではないかというようなことなんであります。そういう意味では、もうこの権利条約を徹底していろんな方に理解してもらうということが重要ではないかと思います。この点を指摘しておきたいと思います。  それでは、これはNGOの強い要望がありまして、内申書の問題をぜひ取り上げてくれということでありますので、これについて触れたいと思います。  この条約との関係でいうと、内申書の問題は重要な問題を含んでいると私は思っておりますが、教師による子供の教育評価になっている内申書というのは、法令上の根拠はあるんでしょうか。文部省はこの内申書というものをどういうふうに位置づけているのか、認識しているのか、簡単に御説明願います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 内申書、法令上は調査書という言葉が使ってございますけれども、これは高等学校の入学者選抜に資料として使われるものでございまして、学校教育法施行規則五十四条の三に明定されているものでございます。  合否の決定というのは各学校の校長が行うわけでございますけれども、校長が行う際の資料として、学力テストと並びまして中学校段階での平生の努力、多面的な能力、適性というものを知るための資料でございます。学力テストはその日当日の一回限りのテストであるわけでございますけれども、その学力テストでは見出せない子供たちの多面的な能力や適性をこの調査書、いわゆる内申書で知ろうと、こういうものでございます。

高野博師公明

○高野博師君 まさにそこに最大の問題があると思います。高校入試の選抜資料になっているということでありますが、教師による評価というのは通信簿があるわけです。  通信簿と違う内申書、これも秘密にされている。これについて、内申書に不利な記載をされるのを恐れて、親や子供が学校あるいは教師に批判的な見解を控えるという傾向が非常に強い。それから教師も、自分の言うことを聞かない生徒に対しては内申書に不利な記載をするぞという恫喝をやっていると、これも相当の報告があります。  また逆に、内申書に有利に書いてもらうためにわいろをやっている、贈り物をしている、こういうレポートもあります。子供はこの内申書によって四六時中監視されている、こういうことであります。したがって、もしこの内申書に誤った記載がされた場合には、不当な不利益を受けることも十分あり得るわけです。  そういう意味で、通知表、通信簿とは別の評価をつくる意味はどこにあるのか。これは一本化したらどうか。高校の入試に参考資料として使うのは内申書ではなくて通信簿にしたらいいんじゃないか。そしてもう一つ試験と。これはどうでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 通知表は法令上の根拠があるものではございません。各学校の判断で作成されているものでございます。したがって、通知表を作成していない学校もございます。  これは、平生の子供たちの学習の状況、あるいは性格、健康等につきまして、お父さんあるいはお母さんに知らせておいた方がいいと思われること、そういうことを学校が知らせるための帳簿でございまして、学校と家庭が協力をして児童生徒の教育に当たろうという趣旨でつくられているものでございます。したがいまして、そこでの評定のあり方等はパーセントで決められるとか、その他の形でのルール化されたものがあるわけではございません。  それに対しまして内申書、いわゆる調査書は、先ほど申し上げましたように、高等学校の入学者選抜の資料として使われるものでございます。これは、公立学校の場合でありますと都道府県の教育委員会がこういう様式でという形で指示をし、それに沿ってつくられているものでございます。

高野博師公明

○高野博師君 いろんな問題が起きているという実態をつかんでいるのかどうか。それからこの内申書の中で、クラブ活動あるいは部活動の記載の欄が設けられている。したがって、内申書重視の傾向のある高校入試に向けて熱心な活動が成績の評価として要求される。これが子供に対して大変な圧力、ストレスになっているという報告があります。  九六年、二千五百人を対象にした調査によれば、部活動をすると入試に有利だと考えている子供は八六%、したがって、もうほとんどこれは義務に近い。中学生の場合ですが、運動部の過当なり活動日数は六日間が四六%、七日間二六%、すなわち日曜日も活動をやっている。そしていい成績評価を得ようと。しかも、一日の活動時間が二時間から三時間というのが五五%、もう六〇%近い。これはスポーツドクター等によれば週三、四日が適当だということも指摘されております。  したがって、今の中高校生の三、四人に一人がもう疲れがたまる、あるいは悩んでいる、休日が少な過ぎる、遊んだり勉強する時間もない、こういうことを言っております。まじめな生徒はどこの内申書が原因でいわゆる切れるというケースが多いという報告もされております。こういう実態について、文部省はきちんと把握しているんでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 内申書が子供たちの心理的抑圧の原因になっているという御指摘は承知しております。  こうした指摘を踏まえまして、前回の中央教育審議会におきましても、この点について大所高所から大変な御議論が行われたところでございます。  現在、私どもこの内申書につきまして、各県の教育委員会が絶えず見直しを行って、それをよりよいものにしていくということをお願いしておりますけれども、先ほど申し上げましたような試験日当日の一回限りの評価によって合否を決めるということ、そのこともまたいわゆる過度の受験競争の加熱化ということをもたらしかねない。そしてまた、勉強さえできればあるいは点数さえよければ他はどうあってもいいという風潮を助長しかねないわけでございまして、私どもやはり内申書の意味それ自体はあるだろうというふうに思っております。  ただ、先ほど申し上げましたように……

高野博師公明

○高野博師君 時間がないので簡単にしてください。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) はい。内申書についての御指摘も含めまして、この信頼性を得るためにさまざまなチェック機能を持つ、場合によっては、これは平成五年度からでございますけれども、内申書を用いない入試もあり得るという形でのルールをつくっているところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 まさに高校入試の問題は前回取り上げたとおりでありまして、今、公立高校で入りたいという人を全部入れても、それを受け入れるだけのキャパシティーがある、それをなぜ試験をやって落とさなくちゃいけないのか、こういう問題を指摘したわけでありますが、その点も踏まえてこの内申書問題については取り組んでいただきたい。特に、部活動とかボランティア活動とかクラブ活動とか、こういう欄を削除したらどうかと思います。  それから、スポーツ医学等の見地から、一週間当たりの活動日数、これも一つのガイドラインを決めたらどうか。一日の活動の時間数、これもきちんとしたガイドラインを決めるべきではないかと思うんですが、これはぜひ前向きに検討していただきたいと思うんですが、一言。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) 部活動の問題につきましては、これは個々の子供の内申書の成績を高めるということよりも、各学校の代表として試合に臨むということで、やはり優勝を目指して子供たちが頑張る、それを親たちも応援するし学校も熱心になるというようなことでございます。そういうことで、いわゆる勝利至上主義と言われるものがあって、そのこと自体は子供たちにプラスの面もあるわけでございますけれども、それが過度になった場合の問題というのは私どもも十分承知いたしております。この点につきましては、さまざまな機会にこうした問題につきましては関心を持って対応していきたいと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 今答弁されたように、優勝を目指してなんということがやはり最大のストレスになっているのでありまして、そういうことも十分考えていただきたい。ぜひこのガイドラインについて検討していただきたいということを申し上げます。  それでは外務省に伺いますが、九七年十月二十二日付で国連の子供の人権委員会から政府報告書に関する質問書が来ていると思うんですが、これに対する回答はできているんでしょうか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) 今お尋ねの児童の権利委員会からの質問書に対する日本政府としての回答書は、今作成の最終段階にございまして、近日中に委員会の方に提出する予定になっております。

高野博師公明

○高野博師君 各省庁の意見を取りまとめるということについては非常に時間を要するということも言われておりますが、ぜひ総合的な調整機関というものをつくったらどうかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) これまでもいろんな機会に御説明しておりますけれども、関係省庁が多岐にわたっていることは事実でございますけれども、関係省庁相互間で緊密な連携をとっておりまして、そういった各般の施策をまとめた形で報告書、回答書を最終的に今作成しているところでございまして、今後ともこういった形での緊密な連携を保つことでこの条約の効果的な実施に向けた施策を行っていきたいというふうに考えております。

高野博師公明

○高野博師君 それでは厚生省に児童福祉に関する問題についてお伺いいたします。  児童の虐待の問題あるいは児童福祉施設内での体罰等のいろんな問題が報告されておりますが、この原因は一体何なのか。社会的なあるいは法的な背景について厚生省の認識を伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 児童福祉施設の中での体罰事件につきましては、私ども報告を受けているものにつきまして見ますと、平成七年二件、八年一件、九年二件というふうになっております。また、家庭での虐待につきましては、平成二年一千百一件でございましたのが八年には四千百二件、こちらの方はかなり増加しているという状況にございます。  こういった体罰の発生の方から見ますと、職員と入所児童のコミュニケーションが不足していること等によりまして信頼関係が十分形成されていないとか、あるいは施設における体罰に対する認識が不十分であったりしているとか、あるいは職員の経験不足等によりまして処遇技術等について、不適切な面があったなど、こういった背景があるものと考えております。  また、家庭での虐待につきましては、家庭の中における人間関係あるいは成員の個人的資質、さまざまな要因が複合して発生すると言われておりまして、特に近年の都市化でございますとか核家族化に伴いまして、家庭や地域における子育ての機能の低下等が虐待増加の背景にあるものと考えております。

高野博師公明

○高野博師君 そういう浅い認識だからこの問題について前向きに取り組めないんだと私は思います。  子供の人権条約というのは子供の権利を主体的に規定しているわけでありますが、日本の児童福祉法第一条は、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」という規定をしているんですが、これは保護される対象として受動的に表現されている、子供の権利を主体とするとらえ方はされていない。  もう一つ、我が国一般の権利意識の低さということが指摘できると思います。また、子供を親とか社会に従属する存在としてとらえてきたという伝統的な社会意識が存在するのだと思います。  この子供を従属視するとかあるいはこれを容認するという社会意識の中から、児童福祉の分野でさまざまな子供の権利侵害というのが生じていると思います。その典型的な例が先ほど言った虐待とかあるいは体罰ではないかと思います。また、そういう社会意識に基づいて、法構造というか法律構成の上での問題があろうと思います。  先ほど、何か親子の関係云々とか職員の経験不足云々とか言っておりましたが、親子の権利義務関係というのが、親の子に対する監護、教育あるいは財産管理を中心とした親の権利義務、すなわち親権として構成されている。したがって、児童福祉法も、施設の長は親権者あるいは後見人がいないときにはこれにかわって監護、教育あるいは懲戒の措置ができるという規定をしている。これは四十七条ですが、まさにこの法構造が、子供を権利の主体ではなくて親とか施設長の権利とかあるいは権限の行使、そういう対象としてとらえる根拠を与えている。  したがって、その違法な行為については、しつけとかあるいはこれは懲戒だ、そういう名のもとに虐待、体罰が行われている、これを正当化する原因となっている、こういうことが指摘できると思います。  これについて、法務省はどういう認識をされていますか。

古田佑紀法務大臣官房審議官

○政府委員(古田佑紀君) ただいまの御指摘の件につきましては、主としていわゆる民法の親族関係の法律によって決められているところの問題だろうと考えるわけでございます。  民法で親と子の関係をどういうふうに定めるかということにつきましては、まことに申しわけございませんが私は所管外ですので、直ちに正確にお答えすることができるかどうかは心もとないところがございますけれども、やはり親が子をいわば正しく育てるといいますか健全に育てていくということの関係から種々のそういう配慮がなされているものと考えているところです。

高野博師公明

○高野博師君 よくわかりません。  乳児院とか養護施設とか教護院等の福祉施設で生活するいわゆる要保護児童というのは九五年で約三万人いると言われていますが、施設の運営というのは厚生省が定める児童福祉施設最低基準によって行われてきた。この基準というのは、一九四八年、終戦当時のまさにその生活水準をもとにしてつくられて現在に至っている、こういうことが指摘されております。施設職員の人権意識が低いということによって体罰の問題が起きている。例えば、木刀で殴るとか刃物でおどかすとか、あるいはライターで火をつけるとか、こういう報告がたくさんされております。  もう一つは、子供の居住環境が非常に劣悪だ、これによって子供の人権侵害が生じているということが指摘されます。  体罰の問題については、例えば全国養護施設協議会の施設長研修会で体罰肯定の演説が行われた、これに対してもう大拍手で迎えられた、恐ろしい体質だなと、こう思います。  それで、先ほど言いました児童福祉施設の最低基準によりますと、児童一人当たりの居住面積は現在二・四七平米、ちなみに刑務所が三・二平米、刑務所より低いのでありますが、これを刑務所よりちょっとふやして三・三平米にしよう、こういう改正の動きがあるということも言われております。しかし問題は、この最低基準が実際には最高基準になっているというケースが多いということでありまして、このような施設の居住環境では子供のプライバシーは守れない。  何よりも、こういう施設に入ってくる子供は深い傷を負って入ってきているわけですから、子供にとって施設というのはいやしの場であると同時に自立更生、再生の場でなければならないわけです。それには、子供がじっくりと自分自身に向き合う、そういう時間と空間が必要である。それが全然確保されていない。学習室あるいはレクリエーションの部屋の設置も保障されていない。こういう点については人権条約に関する政府報告書は何の言及もしておりません。ちなみに、中学卒業生は一般的に言うと九四%が高校進学をしているのですが、養護施設の子供は五〇%台であります。この事実をもってしても、条約で規定している学習権というのが侵害されているのではないかと思います。  こういう実態について厚生省は把握をされているのか、そして条約の批准後、何らかの措置をとったのかについて伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 児童福祉施設の環境整備を図っていくことは、私どもは極めて重要であると思います。  昨年、児童福祉法を五十年ぶりに改正いたしておりますけれども、種々の法律改正とともに、今御指摘のございました居室面積等につきましても従来の一人当たり二・六七平米から三・三平米に引き上げております。これは低過ぎるのではないかという御指摘でございますが、大人の施設でございます養護老人ホームあるいは身体障害者更生施設におきましても、現在の最低基準といたしましては三・三平米ということになっているとの並びでこうなっているわけでございます。  私ども、施設を現実に整備する場合の補助金を出しておりますけれども、その場合で見ますと、居室部分につきまして一人当たり七平米程度の広さが確保できる水準となっているところでございます。その他いろんな施設部面を入れますと、補助基準としては二十から三十平米ぐらいの広さになる施設整備を行っているところでございます。  こういった点につきましては、今後とも居住環境の向上について努力してまいりたいと考えております。

高野博師公明

○高野博師君 戦後間もなくできたこの最低基準の改正ではなくて、厚生省の規則ではなくて法律で定めるべきではないかと思います。また、この児童福祉法には体罰禁止を明文規定すべきではないかと思いますが、見解を伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 児童福祉法は、児童福祉に関する基本法といたしまして、児童福祉に関する基本理念あるいは各種の児童福祉施設の種類、それから事業の大綱、児童を保護する場合の手続等につきまして大綱を定めております。最低基準そのものといたしましては、施設の具体的な技術基準あるいは運用に関する細目等を定めているものでございまして、私どもといたしましては、これを定める場合には児童福祉審議会の意見を聞きまして定めているところでございます。  こういった法律と政省令の関係を見る場合に、法律の方は基本的な大綱を定めておりますのに対し、現在の最低基準というのは省令におきましてそういった技術的細目を定めているものでございまして、我が国の法体系の上から見ますと、こういったつくり方が通例ではないかというふうに考えているところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、児童虐待についてお伺いいたしますが、我が国の児童虐待に対する対策というのは十分ではない。日本の法制度上、先ほど言いました親権の行使のもとに虐待が行われた場合でも、家庭への介入が困難となっているというのが現状であります。  虐待の通告義務も実質的に機能していないということでありますが、この政府報告書によると、児童虐待ケースマネージメントモデル事業等で積極的に取り組んでいるという報告をされておりますが、厚生省はこの児童虐待の実態把握のためにいかなる体制をとっているんでしょうか。児童虐待件数はどのぐらいあるのか、伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 虐待からの児童の救済につきましては、児童福祉法におきまして、発見者は福祉事務所あるいは児童相談所に通告義務がございます。  この場合におきまして、先生御指摘のように、従来十分機能してきたかという御批判もございまして、私ども昨年から、今回の改正を受けましてその広報、啓発を図っておりまして、いかなる国民もこういった通報義務があるという点について、パンフレット等におきまして普及を図っているところでございます。また、弁護士とか医師とか地方公務員、一般に守秘義務を持っている者につきましても、こういった通報を行うことは守秘義務に違反しないものというふうなことも明確にいたしまして、その周知徹底を図っております。  こういったことによりまして、先ほど、児童相談所に虐待の通報なり相談があったものが四千百件と申しましたけれども、こういったものがありました場合には、法律に基づく立入調査等も行いまして、警察等とも連携を図りながら必要に応じて一時保護を図る。さらに、その過程で保護者等の同意が得られない場合もございますが、家庭裁判所の承認も得まして、施設入所措置あるいは親権喪失宣告請求等も行えるようなことになっております。  こういった点について、積極的に対応するように私ども指導を行っているところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 児童虐待というのが病理性というか、そういうことについてもきちんと認識をしなくてはいけないと思います。  今、答弁の中で、通告義務者が法文上特定されていないのをこれから特定すると。いかなる国民も虐待の状況を発見した場合には通告の義務がある、そういう規定をされるということであります。ただ、児童虐待の場合は大人と子供という圧倒的な力関係が違う中で行われる、したがって違法性が非常に強いということが指摘できると思います。  親権者の懲戒権の行使のもとに行われるという事実がありますので、これについてもぜひ懲戒権規定の見直し、それから体罰の禁止、これも何らかの形で明文化すべきであろうと思いますが、これについて一言伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 現在の児童福祉法に基づく懲戒権といたしましては、親権を行う者がないとき、あるいは親権を行う者がある場合におきましても児童福祉施設に入所している場合におきましては、施設の長が必要に応じまして監護、教育及び懲戒に関し、その児童の福祉のために必要な措置をとることができるというふうになっております。  ここにありますように、あくまでも懲戒を行う場合におきましても児童の福祉のために必要な措置としてというふうなことになっておりまして、体罰等はこの中に含まれておりませんし、あってはならないというふうに私どもは考えております。今回の最低基準の改正におきましても、こういった懲戒にかかわる権限の乱用につきましては行ってはならないという運用規定を設けまして、その周知徹底を図っているところでございます。  今後とも、こういった点につきましては、私どもは各都道府県を通じまして、体罰等があってはならないという趣旨を徹底してまいりたいというふうに考えております。

高野博師公明

○高野博師君 法務省に少年法の改正問題についてお伺いしたいと思ったんですが、時間ですので、次の機会にぜひお伺いしたいと思います。  終わります。     —————————————

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、田村秀昭君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君が選任されました。     —————————————

立木洋日本共産党

○立木洋君 植物の新品種の保護の問題についてお尋ねをします。  新しい技術による植物関係の品種の開発というのが、最近大企業や多国籍企業の間で非常に活発に進んできておるという状況が見られます。アメリカの状況を見ますと、一九八〇年代のバイオテクノロジー関連の国内帰属特許を見てみますと、大体その八割近くは従業員が一万人以上の大企業が独占しているというふうな状況になっているという数字も出ているわけです。アメリカでは小麦なんかの新しい遺伝子の組みかえ作物が次々に開発されて非常に安いコストで栽培される、これが日本に入ってきたらいろんな大変な影響を与えるんじゃないかというふうなことが書かれている書物なんかもありました。  遺伝子組みかえの作物については、トマト、大豆、菜種、トウモロコシ、ジャガイモ、綿等々、アメリカでは大半除草剤耐性や害虫抵抗性の作物などにそれが適用されておるというふうなことなんですが、実際にこういうふうに大企業や多国籍企業で技術がどんどん発達してまいりますと、開発の規模それから必要な資材や資金等々もやっぱり相当なものになってくるだろうと思うし、いわゆる多国籍企業等に独占されていくというふうなことが起こり得るんじゃないか。これは一つの懸念ですが、種々の業界での支配が一層強まる懸念が起こらないかどうか、そういう問題について、これは条約上の問題ではないんですけれども、農水省としての見通しですね。  それからもう一つは、これはもう一緒に聞いてしまいますけれども、今までの場合には種苗法と特許法、二つの種類を一緒にしてやるということはできなかったわけですけれども。今度はもう一緒にできるようになる。それで、バイオテクノロジーの技術が進展していきますと、植物の新品種の特許での登録が多くなるのではないかというふうに感じられるんです。  そうした場合に、特許の量が多くなると農業生産に従事している生産者にとっては、種苗法の場合での状況より何か不自由になるというふうなことが起こり得ないだろうかという感じがちょっとあるんですけれども、その点について簡単で結構ですが御説明いただきたいと思います。

高木賢農林水産省農産園芸局長

○政府委員(高木賢君) お尋ねが広範囲にわたりますので若干長くなりますが、お許しいただきたいと思います。  我が国の事情を申し上げますと、育種は大企業や多国籍企業だけでなく個人がかなり……

立木洋日本共産党

○立木洋君 それはもう知っています。その状況は要らないんです。見通しだけで結構です。

高木賢農林水産省農産園芸局長

○政府委員(高木賢君) 毎年二百件以上ということでして、これは引き続き活発に取り組まれておりますし、私どもも個人育種家の果たす役割を評価しております。それに対してジーンバンク事業とかあるいは育種技術の開発ということで支援をしておりますので、我が国では個人の育種というのはかなり底がたいものがあるというふうに思っております。これが見通してございます。  それから特許との関係でございますが、今お話がございましたけれども、確かにバイオ技術によりまして、それを作出する技術並びにその結果としての形質転換植物に特許が認められる事例は我が国においても出ております。しかし今回、その遺伝子組みかえ植物に特許権が付与される場合にありましても、現実問題としては特定の品種ということで特許請求という実態は乏しくて、したがいまして品種としての保護はこれまでと同様種苗法で行われるというふうに考えております。  それから、その場合に何か支障がないのかということでございますが、特許に係る植物を利用して新しい品種の開発を行うということは、特許権の効力の例外である試験研究に該当するというふうな解釈が一般的でございますので、適正に入手した特許植物を品種改良に利用するということであれば、これは育種の振興に支障は生じないと思います。  それからまた、農家の側について見ますと、自家増殖ということとの関係が問題になると思います。特許権の効力が自家増殖に及ぶか否かにつきましては、特許権者が種苗の販売に当たりまして、自家増殖を制限するという特段の意思表示を行わなければ、許諾があったものとみなされるというのが特許法の解釈として一般的である、こういうふうに特許庁からも伺っております。したがって、農業現場でこの点で混乱は生じないというふうに考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 育成者の権利が拡大されて保護の状況が強化されるということは、これは当然のことだろうと思います。運用上のいろいろな問題についても、今おっしゃったような点なんかに努力していただけるならば、順調に進めていくことは可能だろうと思いますけれども、そういう懸念があったものですから、ちょっとお尋ねしました。もう結構です。  今度は別の問題なんですが、大臣、いつもお考えいただいていると思うんですが、周辺事態の問題ですが、きょうも改めてお尋ねしたいと思うんです。  実は、去る六日と七日に米議会の上院歳出委員会軍事小委員会でプルアーというアメリカ太平洋軍司令官が公聴会で謹言に立っております。ここで述べられている問題は、アジアの金融危機に対する対応の問題ということを取り上げて、東アジアの深刻な金融危機はこの地域における安全保障と安定に重要なかかわりを持つということが指摘され、インドネシアなんかの問題等々が取り上げられております。  そして、日本との間で結ばれているガイドラインはこの地域の、この地域というのはインドネシアも含めてですが、平和と安全保障を維持する上で不可欠なものであると述べ、それからインドネシアの暴動等に対する米軍の役割等についての日本の支援に対して、これはアメリカ側の要求に見合ったものであったというふうに評価をしております。そういう状況が起こったのが六日、七日の公聴会でした。  ところが、昨日、自民党の山崎拓政調会長がインドネシアの調整大臣と面会した席上でこういう発言をしているんです。マラッカ海峡、この地域については、今日の情勢にかんがみ、いわゆるガイドラインの対象になるとの議論も出されているという発言が山崎拓政調会長からなされております。  このマラッカ海峡というのは極東ではもちろんないわけですけれども、こういうふうな地域にまで周辺地域が事態によっては及ぶというふうに判断していいのかどうなのか。これはアメリカ側もそういうふうに考えているようですね。日本との間で結んだガイドラインはインドネシアのそういう状態に対応する上で日本側が役割を果たしてくれたと言っているわけですから、これは双方とも一致した内容として見ることができると思うんです。  大臣、この周辺事態という問題に関しての公聴会での発言、それかも山崎さんの発言等についてどのようにお考えなのか、はっきりしていただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今、立木委員御指摘の米国議会における公聴会、そしてまた我が国与党自民党の山崎政調会長の御発言につきましては、その正確なコメントを実は承知いたしておりませんので、大変申しわけありませんが、それに関して申し上げることは遠慮させていただきます。  しばしば申し上げておりますように、周辺事態につきましては、これは地理的な概念でなくして、その性質に着目した概念で、特定の事態がこれに該当するか否か、事態の態様、規模等を総合的に勘案して我が国政府として主体的に判断をする問題でございますので、両者の御意見についてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 どうもアメリカの圧力が大分強いんじゃないかという感じがするんですが、このたび山崎さんが訪米されましたね。そして、国会の審議の中でいわゆる周辺事態についての定義の問題、これを明らかにしなければならなくなるのではないかということを山崎拓さんが述べたら、コーエン長官はそれはやめてくれと。これはその性質にかかわる問題だということで、そういうことを明確にすることはやらない方がいいというふうに述べておるというのが新聞で報道されていました。だから、アメリカ側としてはその問題を明らかにすることを避けるということが今の大臣の発言からも察せられるんです。  そこでちょっと話を変えますけれども、ことしの一月二十一日にコーエン・アメリカ国防長官が横須賀に寄港していた空母インディペンデンスに搭乗しまして、世界各国から集まった報道陣を前にして、艦上で初めて将兵を前にして中東急派を公表した。そして、イラクにアメリカの力を見せつけようと言って米軍の将兵を激励したと。その二日後に空母は横須賀を出港して、空母艦隊が公式に中東への出撃という、行き先と目的を発表して日本からの出動となった初めての件であるというふうに報道等でも指摘をされております。  中東は極東の範囲ではもちろんないということはもう大臣先刻御承知のとおりですけれども、このような事態のときに、インディペンデンスが横須賀から中東出撃に出るということに対して、アメリカ側からこの問題に関して事前に何らかの申し入れがあったのかどうか、あるいはそれに対して日本側がどういう対応をとったのか、その点について述べていただきたいと思うんです。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 政府といたしましては、従来から湾岸地域において活動している部隊のローテーションのため、世界の他の地域から湾岸への航空機、艦船、要員等の一時的な移動が行われていることにつきましては、米国との種々の連絡を通じて承知をいたしておりますが、米国が正式に空母インディペンデンスの派遣の決定を通告してきたのは本年一月二十一日でございました。  なお、空母インディペンデンスがその艦載機を含めて中東、湾岸等いわゆる極東の外の海域での巡回等を行うこと、そのために当該地域に移動することは、安保条約上排除されていないことは従来から御説明いたしておるところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 昨年の十二月からことしの一月にかけて、御承知のようにイラクが国連が査察に入るという問題について拒否をするという態度をとって、非常に緊迫した状況にあったんです。  それで、アメリカの報道官なども、これに対しては何らかの措置をとらなければならないとして何回も繰り返し発言していた状況にありましたし、空爆も事によっては必要になるということさえ明一言していた時期の中で起こったことなんです。空母をペルシャ湾に派遣するということは、これは作戦行動なんです。いわゆる威嚇をして、そしてイラクに対する威圧を与えている。だから一つの軍事的な作戦行動なんです。  ところが、御承知のように、マッカーサーと藤山の日米安保条約上の口頭了解では、我が国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用については、これは口頭了解として事前にちゃんと日本側に話さなければならないということが決められているんです。それが一月二十一日に行われたというふうなことでは、まさに数日前からその事態が明らかになっているにもかかわらず、それがそういう形になっている。これは一つの問題として私は指摘をしておきたいと思うんです。  この点から若干のこととあわせて言いますと、例えばアメリカ海軍の横須賀基地にアメリカの第五艦隊の潜水艦部隊の司令部が置かれています。第五艦隊というのは、御承知のように中東地域における部隊です。そこの潜水艦の司令部が横須賀にある。また、横浜のアメリカ海軍の上瀬谷基地にも同じようにアメリカの第五艦隊のP3C対潜哨戒機の司令部が置かれています。また、最近ですけれども、インド洋のディエゴガルシアに対して物資を輸送するための米海軍の補給センターが横浜に設置されました。グアムから移転してきて設置をされております。  つまり、こういうふうに中東で行われる作戦の司令部あるいはその補給施設等々がこういうふうに日本に集中しているという状態が一つ生まれてきております。  それから、ことしの四月には、三沢基地からF16戦闘機が米軍の司令部の命令によって湾岸地域へ十二機出動いたしました。去る五月七日には、在日空軍司令部の発表によりますと、第一八戦闘航空団、嘉手納の基地に所属しているF15戦闘機十八機を今月の下旬にペルシャ湾岸に派遣するということを発表しております。  中東へ日本の米軍基地から派遣されるのは、一九九六年四月の日米安保再協議を区切りにして、非常に顕在化した軍事行動になってきているということもこれまた事実であります。そして、これらは国連決議に基づく行動ではありません。こうした軍事行動を相次いで行うということは、私はガイドライン体制の確立を目指している状況とは無関係ではないというふうに見ているわけです。  こういうふうに、中東における作戦司令部が日本に置かれ、また中東に対するいろいろな作戦行動が空母インディペンデンスのみならず、F15からF16に至るまで出動していくということが事実上日本の基地から行われている。こういうふうな状態になっていることは、中東の地域まで含めていわゆる周辺事態というふうに米側が判断するならば、それに対する支援活動を日本側が行うということに事実上なるのではないか。日本側は、いまだに周辺事態の定義も基準もまた認定の手続についても明確に文書で発表されておりません。これは、アメリカ側がそういうことを望まないから、この問題については依然として伏せ続けているんだろうというふうに推測されると思うんです。  しかし、現実には、先ほど申し上げましたように、インドネシアのマラッカ海峡についても、事実上それは周辺事態として検討されているという山崎拓政調会長の発言のみならず、これほど多くの中東とかかわりのある作戦行動地域、その司令部や部隊が日本に駐留しているということは、まさに中東周辺事態、中東におけるいわゆる有事ということが起こった場合には、日本がそれに対して支援活動を行うということに、米側の要請があれば事実上応じるということになるのではないだろうか。  そういう要請が行われた場合に、それはこれまでの間いろいろな取り組みを行っているのであるから、それについては断るというようなことは起こらないであろうと久間長官も国会での答弁の中で述べているという状況があります。  こういうようなかかわりから見て、現実的にこの周辺事態の問題についてはさらにもう少し明らかにする必要があるんではないかということを指摘しておきたいわけですが、大臣、いかがでしょうか。これもノーコメントなんでしょうか。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 今、いろんな点を委員御指摘になったわけでございますが、我が国にございますいろいろな米軍関係の司令部あるいは施設、これに関しましては、例えば先ほどの第五四潜水艦任務部隊司令部等の例と思われますけれども、これは第七艦隊の司令部との兼任で行われているというのは事実でございますが、あくまで第七艦隊と第五艦隊との連絡調整を行うという目的のもとに設置されているという考え方でございます。あくまでこの司令部は我が国を含む極東の平和と安全に寄与する役割を果たしているという実態があるというふうに私どもは認識しております。  それから、いろんな部隊が湾岸に移動しているということは事実でございますし、米軍が必ずしも直接発表しているというふうには聞いておりませんが、先ほど御指摘の幾つかの空軍部隊についての報道も私ども承知しておりますし、詳細を承知する立場にございませんが、そのような移動が行われているということは確認しております。また、インディペンデンスについても先ほどの御案内のとおりでございます。  これはいずれにしても、安保条約との関係で申し上げますと、安保条約で言う戦闘作戦行動のための基地の使用ということとは全く異なった性格の行動でございまして、世界規模において米軍の編成、再編成、運用を行っている中で、このような部隊を各地に移動させるということは、これは必ずしも湾岸に限らず常時行われていることでございますので、私どもはこれは安保条約上排除されるというふうには考えておりません。  また、周辺事態との関係での御質問でございますが、いずれにしても周辺事態であるかどうかということは我が国が主体的に判断するわけでございますので、米軍がある事態を主体的に周辺事態であるかどうかという判断をした場合において、直ちにそれが日米間の協力の対象となる、自動的になるということでは全くございませんので、その点は確認させ保ていただきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 自主的に判断するだとか自動的になるものではないだとか盛んにおっしゃいますけれども、それだったらそのようにちゃんと文書に書いたらどうですか。どういう手続でどういうふうな段取りでやるのか、基準が何なのか定義は何なのか、一言も述べられないじゃないですか。一言も述べることができなくて、それで自主的に判断します自主的に判断しますと、高野さん、何ぼあなたが胸を張ったってだめですよ、それは。物事というのは道理があるんですよ。道理を説いて初めてなるほどと納得して、なるほどそこは自主的に判断されるのかということになるわけであって、そうならない限りそうではないということを、あなた自身が自分で言っているにすぎないということだけは言っておきたいと思う。  同時に、三沢から行った問題についてもあるいは嘉手納から出る問題についても、米軍側が全部発表していますよ。それを北米局の局長さんが知らないなんというようなことでは困るんです。安保条約の口頭了解についてだって、この問題については規定がちゃんとあるわけですからね。いわゆる出撃というような問題について先ほども私が言ったように、イラクで極めて緊張した状況にあった、空爆を行う可能性さえ、必要になってくるということさえ言われていた状況の中でインディペンデンスが行ったんです。  そのインディペンデンスの上には飛行機が大量に積載されて行っているわけです。だから、実際には空爆が行われるかもしれない。威圧を加えている。これは作戦行動なんです。そういうことをあいまいにして回答をそらすというふうなことは私はやめていただきたい。  その点について、最後にやっぱり大臣から一言何かあってしかるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。それだけお尋ねして終わりにしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 立木委員の御意見、十分拝聴いたしました。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 他に御発言もないようですから、三件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本月はこれにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会

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